2 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 04:33:39 ID:JQUvTaAr
うは。>>1乙
超期待しておこう
粗野だ、これはいけない…許してくれたまえ
スレタイのことは、「猫じみた欲情」だと訂正しておきます
ってことでやっぱ基本はリレ×アマレットだよな
>>1超乙!!
>>4 アボカド先生キターw このスレでも存分に活躍して欲スィ
8 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 09:46:00 ID:QJfMqyrN
アマレット…そこは、触っちゃ…ゃっん!
アドヴォカート先生が某テレカのようにアマレットとオパールネラ先生にあんなことやそんなことまで!?
イカンイカン!許さん!
10 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 12:03:06 ID:nBScicP5
立てっぱなしもなんだし、攻略スレ52で書いたSSの導入部分を書いてみましたよ。
いきなり露骨な展開は粗野かも知れないので、スレの方向を探りつつ軽くジャブ。
FIFTH 2DAY PRACTICE
『夜の出来事』
今夜のベッドは少し狭い。アマレットと一緒だから。
ぴったりと寄り添う無垢な温もりに、今度こそ絶対に守りぬこうと心から思う。
【アマレット・ヴェルジネ】
リレの身体、とても柔らそう
指で、触っても…?
溢れるばかりのこの愛を、他にどうすれば伝えられると言うのだろう。
かつてアマレットが私にしてくれたように、今日は私からしてあげなければ。
差し出されたしなやかな五指に指をからめて、
優しく撫であげながら私はアマレットに身を寄せた。
【リレ・ブラウ】
パジャマ越しだと分からない、よね…?
私、ぬ、脱ぐから、ア、ア、アマレットも、その…
言い馴れない誘い言葉に声が上擦り、自分の顔が赤くなっていくのが分かる。
アマレットは少し不思議そうに私を見つめたけれど、
柔らかく微笑んでこくりと頷いてくれた。
私はベッドの中で下着を降ろしながら、
あの夜アマレットと交わした甘い睦言(むつごと)を、
彼女の指がどういう動きで私を責めたかを、
余すことなく思い起こしては反復していた。
今から私がするのはもちろん恥ずかしいことだけれど、
別に嫌とは思わないし、本当は少し期待してドキドキしているのだ。
私たちはベッドに横になったまま上掛けを腰までまくり、
お互い上半身を晒して向かい合う。
月光に照らされたアマレットの素肌は無垢だけれど淫靡で
ふたつの膨らみに桃色の蕾まではっきりと見えてしまっていた。
【アマレット・ヴェルジネ】
優しい曲線…もう、触ってもいい?
アマレットの口調はいつも通りだったけれど、まとわりつく視線が
なんだか湿っぽく感じられて、自分の胸の膨らみを隠したくなる。
このまま触れられてしまったら、彼女の指遣いに抗える気がしない。
この前と同じように、私はされるがままになってしまうかも知れない。
上掛けから覗くアマレットのお臍がゆっくりと息づいている。
私の視線も、彼女と同じような湿り気を帯びているのだろうか。
私はアマレットの問いには答えずに、その腰のくびれをそっと指でなぞった。
【アマレット・ヴェルジネ】
ん…
華奢な肢体がぴくりと身じろぎする。
彼女はまだ知らなくても、私は既に知っている。
アマレットは、わき腹に近いところがとても敏感なのだ。
このまま指を這わせたら、私が責められるより先に
彼女の魂をとろけさせてあげられるだろうか。
【リレ・ブラウ】
アマレット…。愛してるわ…
もっともっと望むだけ深く愛してあげる…
一緒に触りっこ、しよう…?
−TO BE CONTINUE−
∧_∧
( ;´∀`) ちんこ勃ってきた。
人 Y /
( ヽ し
(_)_)
>>11 なにこれ。素晴らしすぎる。続き!続き!
プレイ前はイメージ的にアマ×リレだったけど
今じゃどう考えてもリレ攻めだよね。間違いなくテクニシャンだな
いやギコチナイけど攻め、ってのもいいんじゃないか。
ハ…ハァハァ
ちょ立ってきた
二人とも初々しくていいなぁ(;´Д`)
リレアマとかハイラムとオッパイとか書いてみたいけど、難しいよね。
服の構造どうなってんのかとか、世界観なんかも微妙によく分からん。
リレとアマレットの同棲生活、ラブラブなんだろうなぁ
18 :
10:2007/04/23(月) 07:32:23 ID:LQlzf2GJ
>17
設定、謎なところが多いよねー。
セリフのあちこちに小出しになってるのを拾ってくしかないかも。
本棚からすぐ各話が見れるようになってるのはちょっと助かるね。
まー、あんま気張って書こうとしてもスレが止まりそうだし
自分の萌え所を軽く書き出すくらいの感じでいいんじゃないだろーか?
19 :
10:2007/04/23(月) 07:43:25 ID:LQlzf2GJ
他のシチュエーションも考えてみた。シチュだけです。
ルジェ×リレ。こんな感じでリレがりょうじょくされる話が読みたい。
FIFTH
THE NIGHT BEFORE
【リレ・ブラウ】
偉大な魔女ルジェ…
私のお願いは聞いていただけ――ひっ!
【ルジェ・ペシェ】
……猫さんと駆け引きしようだなんて
いけない子ネズミちゃんねぇ
【杖】
せ、先生…そんな怖い顔をしては
まるでオバケみたいで僕は恐ろしい…
【ルジェ・ペシェ】
ふふ…みたいもなにも、私たちオバケじゃないの…
そんなに怯えないで…愛するかわいい人
【リレ・ブラウ】
(わ、私…相手は幽霊なのに見通しが甘すぎたかも…!)
【リレ・ブラウ】
やっぱり今日はこれで失礼しま――きゃあっ!
あ、青い薔薇が絡みついて…!?
【ルジェ・ペシェ】
くすくす…その薔薇にトゲはないから安心してね…
毒のトゲはぜ〜んぶ私の胸に突き刺さされちゃったの
初めてだったのに、この人ったら何度も激しく奥まで突き立てたのよ?
【杖】
ああ、先生…
酷いことはもう、やめてあげてください…
【ルジェ・ペシェ】
私じゃなくオマエがやんのよ! そのみじめな棒っきれの先で!
可愛い小娘が相手で、どうせ内心喜んでいるクセに…!
20 :
10:2007/04/23(月) 07:44:28 ID:LQlzf2GJ
【杖】
ゆ、揺さぶらないで。誤解だよ、ルジェ…
僕はいつだってあなただけを…
【ルジェ・ペシェ】
喋るな! その口で…、私を裏切ったその口で…ッ!
【リレ・ブラウ】
あ、あのぉ…盛り上がってるみたいですし
なんだか私、お邪魔かなぁ、なんて…
【ルジェ・ペシェ】
あン、せっかちな娘ねえ
ガンメルにどれだけ脅かされたのか知らないけど、
聞いてないかしら。今までもちゃんとみんな帰してあげてるのよ?
私のお部屋で楽しく遊んだら…そうねぇ。来週くらいには、ね?
【杖】
ああ…先生に寝ないで何日もいたぶられて
正気を取り戻したオモチャはいないと言うのに…
【リレ・ブラウ】
(何日もずっとオモチャって…そ、そんなの死んじゃうよ…!
鐘が鳴る日は…、うぅ、5日後だよね…
そんな…鐘が鳴るまで私ずっと弄ばれ続けるの…!?)
TRIAL STAGE 31
『リレ・ブラウと秘密の部屋』
ルジェの責め苦に正気のまま耐え抜いて、
無事に過去へと戻ることができるか!
難易度:★★★★★
↑クリアできない方が素敵なイベント見れそう
エロパロスレって絵とかでもOKなのか?
あんまり来ないもんで勝手がわからん
何か投下できたらと思うのだけれど
この際エロければなんでもいいぜ
>>24 いかにも描けますみたいな書き込みしといてなんだけど
結構きつい、がんばるわ
一応、半角二次の日本一総合スレが絵のメイン投下ポイントだとは思うが・・・グリグリ単品のスレはここしかないからな
意味は分からんが、何か琴線に触れたので某スレからコピペ
133 :助けて!名無しさん!:2007/04/23(月) 05:57:11 ID:ZAoaxOYD
1ループ目 リレ:魔法初心者かわいいな
2ループ目 リレちゃん:戸惑う姿が可愛いな
3ループ目 リレさん:なかなかしっかり者で立派だね
4ループ目 リレ様:この賢さ、力、精神力、まさにリレ様
5ループ目 文字列「リレ」を見るだけで無条件で平身低頭
134 :助けて!名無しさん!:2007/04/23(月) 17:33:07 ID:oQnk/k8M
6ループ目 半径1メートル以内に近づいたアマレットが突然潮を噴出す
7ループ目 目があったアマレットは頬を真っ赤にしよだれをたらしながら腰を振り出しガクガクと痙攣したようにその場にうずくまる
8ループ目 話しかけたアマレットの呂律が一切回らなくなり母乳を噴出しながら後ろに倒れブリッジ姿勢で耐える
9ループ目 歩くと隣を通過したアマレットがオーガズムに達し奇声を発しながら転げまわる
いいね。盛り上がってきたな!
>>29 ワロスwwリレ様最強ww
6ループ目からクソワロタ
リレタソ攻が多いが俺はリレタソ受派(´д`*)ハァハァ
悪魔先生×リレ
バティド×リレ
のどちらかが読みたい…
グリグリのサイト全然無いから一人萌えで困る
クレクレですまないが職人さん余裕があれば頼んます(´・ω・`)
タレアもシャルトリューズから強奪してお持ち帰りするリレ
本スレで誰かが言ってた魔王リレ
>>32 つーか受けっつってもラブラブか強奪かでだいぶ違わね?
いや俺が書くわけじゃないんだけど
悪魔先生に強奪されるリレはそろそろ同人でそうだ
強奪じゃなくて強姦だろ?
>>33 それでアマレットが嫉妬に狂うわけだな
39 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 14:40:36 ID:OsOl6I6F
はぁはぁ
アマレットは教育済みに違いない
ライオン先生に
純潔は守られました、って言ってたからそれはなくね?
…と思ったが、色々やりようはあるなと思ったらハァハァしてきたw
自分で純潔を守っておいて
自分で奪うリレたんはマジで外道
アマレットの純潔はリレのものという事だ。
バティドにそこそこ気のあるフリをしておいて、卒業後は恋文総スルーなリレたんマジどS
一生愛を与える約束をしちゃったからね。
アマレットはリレのもの。
リレはアマレットのもの。
それでもバティド×リレでご飯3杯いける俺は邪道なのか
ツンツンしたリレが可愛いんだよう
しかし女たらしのスパイって…
お前はジェームズ・ボンドかバティド
なんだかんだ言って、バディドもアボカドに魂を売ってまでリレを守った男なんだよな・・・
なのにアマレットばかり優遇するリレに萌え
4週目、アマレットのことばっかり気にしてて、
バティドに関しては全く言及されなかったからなぁ。
個人的には良くやったと思うが。
目の前で2回も死なれちゃそりゃあ頭がアマレットの方にいくわ
二人で圧迫祭りよッ!とかやってんのかなぁ
あれは使い魔がアマレット犯そうとしたのか?
アボガド先生?なんかよくわからんかったが純潔云々でチソコ起ったからいいや
50 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 08:09:36 ID:PPp8hha6
アマレットのグリマルキンが羨ましい。
正直、バティドの扱いに関してはバニラウェアGJ!としか言いようがない。
今来たんだが………
このゲームは百合妄想出来るのか?ちょっくら買ってくるわ。
どう見ても百合厨です。本当にあ(ry
妄想どころか、どっからどう見ても関係もってます。本当に(ry
>>46 つまり、リレ×アマレットがオフィシャルということか
あと、アボカド×バディドも
>>54 ちょw アボカド×バディドはいつからオフィシャルになったんだよw
つーか言われるまで想像もつかねーw
だが、アリだな
絵本みたいな絵柄で子供を騙し
中身は百合ホモのオンパレードっすかww
愛を与え続ける百合と魂の契約のホモ…
おまけにロリ婚と獣姦(未遂)まで…グリグリまじ変態ゲー
>>58 GJ
蛙がマルガリタの尻を(意図的に)触ってるように見えたんだぜ
なんか蛙ってマルガリタより偉そうな口調だし、きっと毎晩セクハ(ry
アボカド×バディド。
バディドとアドヴォカート先生は、いつも喧嘩している。
表面的にはいがみ合っているように見えるけど、
でも本当に嫌いならわざわざ話し掛けなければいいのにって思う。
口では悪く言うけれど気になって無視できない、
もしかしたら、彼らはお互いにそんな存在なのかも知れない。
ああ、どうしたらいいのだろう。
あの二人のことを考えるだけで、なんだか胸が張り裂けそう。
【バディド・バランタイン】
なんだよリレ、こんな所に呼び出して。
ふっ、告白でもしようってのか?
…は? おおおお俺が、アアアドヴォカートと!?
仲が良さそうだって…い、一体お前は何を見てんだよ!
まったく、馬鹿も休み休み言えってんだ…
あ、あんな、悪魔の、ことなんて…
(顔を赤くしてそっぽを向いて)大っ嫌いに決まってらあ!
【アドヴォカート】
バディド・バランタイン…! その名を聞くだけでも忌々しい!
私にそんなことを聞いてどうするつもりです、リレ・ブラウ?
私があの男のことをどう思っているかなど、聞くまでもないことでしょう…
契約!? 馬鹿な! ありえません!
じゅ、授業はこれで終わりにします…
生意気で…口を開けば悪態ばかりで…突っかかるしか能の無い男の魂など…
い、言うことを聞かせたところで、嬉しくもない…!(しきりに呟きながら出ていく)
あえて地雷原を突き進むリレこそ真の勇者…ドSとも言うがw
>>62 2人してツンデレww
なんか萌えちまっちゃじゃまいかww
やべぇwww
>>62面白えwwwwwどうしたアボカドwwwwwww
そして天然ドSリレは邪魔者が居なくなったとアマレットと乳くりあう訳だな
やおいwww
リレが腐女子化して
アマレットと協力して801本出しそうだ
>>62 細かいこと言ってスマソが、バディド× バティド○ だな
たまに間違ってる人いるよね。声で聴くとそう聴こえたりするけど
2人してツンデレワロスww
そしてすったもんだしてる間にアマレットかっさらう腹黒リレが見たいww
おまいらそれ以上やおい談義を続けるからには
シャルトリューズ先生のライオン丸が火を吹くぜ!
もちろんアッー
では普通のエロ話に戻そうか。
ライオン先生といえばアマレットの肉体を作った奴だ。
つまり
【シャルトリューズ】ここの角度が資料と違いますね…。
この膨らみも予定より少な過ぎる…ふむ。
そういえば、以前オパールネラ先生から揉めば大きくなるという話を聞いた事がありますが…試してみますか
なんて事があったっておかしくないんだぜ
予定ワラタwww
リレは攻めなのか?まだ4THあたりだけど、受けな感じがする………
最後までやってみなはれ。
ある意味漢前だぞw
リレたんは悪魔すら手玉にとる魔性の女だぜ当然ドSさ
攻められると逆転もいいけどな
受けから攻めになるリレたん萌える
なんか最初の初々しいおどおどしたリレたんがいつの間にかたくましく…。
そしていつの日か婦女子化
マルガリータ「あ、リレ?あの…新作のグリモアができたんですのよ
もちろん、真っ先に読んでいただけますわよね?」
リレ「待ってたのよマルガリータ。グリモアと見せかけてわざわざ持ってきてくれてありがとう。
ちょっと、しばらく借りるわね?あとでアマレットも読みたいって言ってt」
アボガド「グリモアですって?」
リレ「せ、先生いつの間に!」
アボガド「一体なにの話をしているのでしょうかね〜?」
リレ「キャッ!あ、それは・・」バサッ
アボガド「ちょっと拝見させてもらいますよ ・・・こ、これは!!
バティド×アドヴォカート本だと!?
ず・・ずいぶんな物を読んでいらっしゃいますね?このような汚らわしい物は感心できませんよまったく・・
これは、私が預かっておきますからね!
・・このような汚らわしい物な、なd」
と言いつつしっかり大事そうに抱いて一目散に去るアックマン先生
アボカド先生はネタキャラかwww
そういや
ソウルクレイドルにもルジェ出てきたけど、本編と性格違うよね?
違うと言ってくれ…ッ………
>>76 ソウルクレイドルやってないからはっきりとはいえないけど
設定段階から性格が違う
78 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 00:32:58 ID:2+ml2yrQ
>>77 そうなのか。
ソウルクレイドルのルジェは…………まぁ……お…面白い……からな………
アマレットってなんであんなに可愛いんだ
変態先生に感謝するんだな
でもライオン先生ってEDっぽいよな。
数式を見たらおっきしそうだけど。
きっと毎日メジャーでアマレットのあれやこれやを計測して
特に興奮することもなくノートに付けてるんだぜ。
しつこく触られてアマレットが濡れてきちゃっても
「ふむ…。膣分泌系の機能は良好なようですね。今日はやや量が多いようだ」
とか言って透明度や匂いを調べてるんだぜ。
>>81 ほんとにやってそうだからやm
いいや、もっとやってくれ
なんだか触られてもヌゲー淡白なアマレットが思い浮かんだ。
オレの脳内では攻め設定なアマレットかわいいよアマレット
>触られてもヌゲー淡白なアマレット
大丈夫、そのうちリレたんが開発していくよ
このゲーム、百合に目覚めさせてくれた作品として忘れられない作品になりました
面白いんだけど、RTSだったりとかで人に奨めにくいのが欠点だよな。
絵を書きたくなるけど、フリルとか多すぎて大変そう
プレイ前はリレがと思ってったが、悪魔先生萌える。
なじられたい・・・
私はリレかと思ってたけどアマレット
あの純粋培養なところが好き
あれ以来、可愛いあんよから頭の先まで
身体の奥はどんな気分なんでしょうねえ
リレ「しゃぶれよ」
フェアリー「しかたないわね!!」
ちょw
フェアリーにはちょうどいいサイズなのか‥(なにが?)
正直、フェアリーに豆、前、後ろ、両胸、口、その他
寄って集って責められた日にゃあ、アマレットだって地獄に堕ちるわ。
でもフェアリー愛してるぜ。
>>81 【ハイラム】
おはようございます、先せ……あ、あれ?
なんか服の露出度が高くないですか?
【オパー】
夏服です。
ちょっと出かけるので留守を頼みますよ
〜研究室〜
【オパー】
ごきげんよう、シャルトリューズ
【ライオン先生】
ぶつぶつ…ユニコーンの角の粉末濃度が高過ぎたか…?
【オパー】
…ごきげんよう!シャルトリューズ
【ライオン先生】
ぶつぶつ…いや違う…計算が合わない。
沸騰させ過ぎだったのか?
【オパー】
ご き げ ん よぉぉおおおおおおおおおお!!!
シャルトリュゥウウウウウウゥウウウウウウウウウウズ!!!?
【ライオン先生】
なんですか貴女は。
また研究の邪魔を…………ウホッ!これは良い数式!
おっきしてきたWWWWWW
【オパー】
……………‥
(私の服より数式か…数式か!!!)
>>81 ライオン先生がそもそも呪われた原因も
弟子の異常性癖を嘆かわしく思うルジェの親心なのかも知れん
あ、上のアンカー
>>93 のミスね
どうでもいいけどオパーって略すよりオッパイって略した方が分かりやすいと思うんだ
正直オッパイとかオパーイとか迷ったんだ(´・ω・`)
どうでもいいけど、あの揺れる乳は反則だよね
続編はたくさん召喚したフェアリーで
リレの身体を攻略していくRTSにしてほしい
>>98貧乳いいなぁ・・
フリフリのブラマジガールだよな、リレたん。
バティド「しゃぶれよ」
リレ「だが断る」
この続きが
>>89
「我が主君」
「創造主様」
リレ「リレ様よ」
「我が主君」
「創造主様」
バキッ・・・・・パリーン
カシャン・・・・
リレ「リ・レ・さ・ま・よ?」
「魂の剣に懸けて!!!」
「必要とあれば!!!」
ワロタ
リレさまカコイイ
3ループ目の時(だっけ?)、邪神が降りた。
マルガリタ「もう少しで魔女に見つかる所でし……」
ガッ
ガフ「お前!なんてことを……」
リレ「はぁ……はぁ…ッ…マルガリタが魔王を呼んだのね……!?」
リレ「これで……これで良かったんだ………」
先生方「新入生!お前……マルガリタを………!!」先生方「…なっ……なんだ!?この魔力…………!」
ガッ
「はぁはぁはぁ………待っててねアマレット…
はぁ……助けるから…アマレット………」
バティドとか「ぬるぽ」
ガッ
最終日
ギムレット「ククク……蘇ったぞ……」
ガッ
「ふふ……ねぇ…聞こえる??アマレット……弔いの鐘よ………ふふふ………」
みたいな考えが頭をよぎった。今では反省してる。
ごめん改行が死んでる……
魔王リレ
>>105がよく分からん
リレがマルガリタやギムレットを殺して魔王になるってこと?
悲劇を食い止めるためにマルガリタたちを殺したけど
結局やってることは魔王と変わりなかった=魔王リレってことじゃね。
>>105 なんという日本一ソフトウェア裏ルート………
アマレット「リレ、今晩一緒に寝てもいい……?」
リレ「奥まで咥えろ。歯は立てるなよ。まずはそれからだ」
こんなリレしか思いつかなくなった
もうスレ自体が裏ルート
笑顔の立ち絵で言うんだよな
リレ「卑猥な格好しやがって、この淫乱メス豚が。さっさと股開けよ」
鬼畜リレの漢気に惚れた
アボカド「しゃぶれよ」
デーモン「古の契約に従おう」
(攻)→(受)
リレ→アマレット
アボガド→バディド
カエル→マルガリタ
ライオン先生→数式
幼女オパール→ハイネル
後は?
グリマルキン→ドラゴン
>>116 グリマルキン「なに物欲しそうな顔してんだニャー?淫乱ドラゴンさんよニャー。
そんなに欲しいなら…ほら、この杖を下に入れてで一人でイけよニャー」
ドラゴン「ウガァアアアアアアアアアア!!!!!!
(んっ…、駄目、足りないぃっ!
はやくぅっ!グリマルキンさんの尻尾を下さひぃぃん!)」
ドラゴン「悔しい…ッ! でも…! Zzzzzzz…」
俺的にアボガド×バディドはリバーシブルかな
>>116-
>>117 萌えた。オレはどうかしてしまったんだろうかorz
>>119 正常です。
大量のフェアリー軍団に乳攻めされる一匹のエルフ…
を思いついた俺より
あ、勿論フェアリー達が自分達の乳でエルフのあちこちを挟むんだぞ
耳とか鼻とか髪の毛とか手とか足とかティン(ry
>>120 マルガリタが計画から逸れないように、
夜な夜な毒霧で動けなくしたマルガリタをカエルが調教……
なんて考えたオレと気が合いそうだ。
【第*夜】
その夜リレ・ブラウは召喚術を一人で練習していた。全ては運命をねじ曲げる為の努力である。
これから又、運命が望まぬ形で現れるとも知らずに・・・・・。
リレは杖を振ると、その場にいるエルフ達を一斉に呼んだ。
「はーい!」「御用ですか?」
反応するエルフ達にリレはそのまま、クリスタルを杖で指した。簡単なマナ回収作業だ。間違えるはずもなかった。
「「「「お安い御用さっ!」」」案の定、元気よくエルフ達は行進していく。そしてクリスタルにー……クリスタルを通り越し…
……………あれ?
リレは首を傾げ、次いで慌てた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!どこ行くの?クリスタル通り過ぎないでよ!後ろにあるってば!?」
…そんなリレの叫びを無視してエルフ達はスタスタと歩いていき、クリスタルを警護していた1人のフェアリーを空中から引きずり降ろした。
「ちょっ‥と何するのよぅ!」
怒ったフェアリーをエルフ達は気にせず、
「わーい☆」と口々に言いながらフェアリーを取り囲んでいく。まさか?
…………しまった!
リレは今更ながら自分のミスに気がついた。マナ回収の命令をする際にクリスタルではなく、隣のフェアリーを杖で選択してしまったのだ。フェアリーはカンカンに怒った。
「話しなさいよアンタ達っ!!」
と怒鳴り散らしている。ところがエルフはそれも気にしない。
そしてー…ああ、なんという事だろう。
エルフ達は同郷の仲間が着た木の葉色の服をあちこちから引っ張り引き裂いていく。
…なんて妄想してるんだ俺は
しかも漢字間違(ry
逝ってくるorz
( ;∀;)イイハナシダナー
数ヶ月前・とある村
マルガリタ「はぁはぁ・・・お隣の長男君×次男君・・・ハァハァ(;´Д`)-3」
マルガリタ「ああン・・・・村長さんと酒場のマスタァァァ・・・・ハァハァ(;´Д`)-3」
マルガリタ「あっあーっ!!叔父さんとお父さんんんー!!・・・ハァハァ(;´Д`)-3」
村人「魔女め!!磔にしろおおおおおおおおおおおお!!」
いや、なんでもない
明らかにゲーム中では語られなかった真実。
でもこのゲーム、味方に攻撃できるんだよな。
ついうっかり自軍のクリスタルを攻撃してしまった事がなんどか…
そういや、ルジェは魔方陣の事を、オパーイ先生に毎晩自信たっぷりに教えていたらしいね。
>毎晩
>毎晩
>毎晩
>毎晩
そりゃあ胸も大きくなるわ・・・
リレはアマレットと愛をささげ合ってるのに、あんまり(ry
小ネタ : ハイラム君と小オッパイネラ先生
「だーれだ!」
「え、君は……? もしかして、オパールネラ先生ですか!?
その姿は一体……!」
「魔法で若返ってみたの。相談もなしにごめんなさい。
でも、いつまでも先生って呼ばれるのは辛かったから……。
ハイラム君には、同じ目線で私を見て欲しい」
「僕なんかのために、そんな……」
「やっぱり……大きな方が良かったのかしら(自分の胸を見ながら)」
「いえ! 小ぶりな胸の先生も素敵です! あ、いや、僕は何を……。
し、失礼をお許しください」
「ううん、嬉しい……。こんな私だけど、あなただけのモノにしてくれる?」
「モノだなんて。この身は先生のためだけにあります。
先生の言いつけなら、例えどんな困難でも成し遂げてみせます」
「私、嫉妬深い女よ? いつも私だけを見てくれないと我慢できない……。
きっとハイラム君を困らせてしまうわ」
「僕は今までの人生の半分を、先生だけを見つめて生きてきました。
この気持ちだけは、誰にも負けない……」
「先生って呼んじゃイヤ……」
「す、すいません、先生」
「むー」
「あ……、き、気をつけます。その、オパールネラ……」
「はい、ハイラム……。ちゅ」
〜 Fin 〜
「オッパイネラ先生」で噴いたからwww
若返ったら上下関係もリセットされるのかあああ!!
小娘のくせによくも今まで偉そうに振舞ってくれたな!とか言葉責めのし甲斐が
ありそうだぜ〜。
>>136 夜の調教は普通にありそうだな…
「僕の名前を呼べ、年齢詐称女!」
「ハ、ハイラムぅ…?」
「 ハ イ ラ ム 様 だ っ ! !
様を付けろって教えただろ!?」
バシッ!
「うぅ…ヒドい……なんで叩くのハイラム…?
ほっぺ痛いよう…」
「うるさい!!
言う通りにしないと…またお尻にアレを入れるぞ!?」
「いやぁぁぁああ!
アレは嫌ぁ!アレだけは許してぇっ」
こうですか?
分かりません><!
>>137 リレ「ホム公の先っちょブチ込まれたいの?」
リレ「中でサイキックストリームよ?」
ホム「理解しますた」
肛門で孵化マジオススメ。
>>139 ど、ドラゴンを、でしょうか?
「退屈していたとこrアッー!」
メメタァ
【アボガド】
僕はっ!君が泣くまで殴るのを止めない!
>>137 アレ=数式
ごめん言ってみたかっただけ。
ずいぶんとコクのあるプレイだな>>数式
ホム公の先っちょ
メイジ
グリマルキンの尻尾
エルフの帽子の先に付いた鈴
他に何が入るかな?
リレ様のとんがり帽子
追加
リレ様の細くて小さい白い指
【リレ】
ここがいいの?アマレット
【アマレット】
焦らさないで…リレ……
【アボガド】
(ごくり…)
【リレ】
あーダメダメ!
おあずけよ、アドヴォカード
ちんちんして待ってなさい
ソロモンの鍵持ってる時だとしてもヒデェwwwwwwwwwwww
大リレ「今回は遅かったわね……」
小リレ「アマレットをRTSしてたら1ループ遅れますた」
大リレ「( ゜д゜)」
大リレ「今回は遅かったわね…って、
その足の間にぶらさがってるモノはなに!?」
小リレ「アマレットがあんまり可愛いから魔法で付けてみた。
あなたも後ろからガン責めするから覚悟してね」
大リレ「(((( ;゚Д゚))))」
いつまで経っても賢者の石が砕けないwww
遊ぶなwww
ふたなり小リレ×大リレ
小リレ「ここ、柔らかく円を描くように撫でられるの、好きでしょ?
このまま周りをなぞりながら、ゆっくり開いてあげる」
大リレ「やっ、あっ、んっぅ……! 待って……ちょっと待って!
自分が何してるのか分かってる!? あなたは私で、私はあなたなのよ!?」
小リレ「あっ、処女膜発見。怯えちゃって、小動物みたく震えているわ。
あなたの初めて、貰ってあ・げ・る」
大リレ「い、いやッ! それだけは本当に許して……!
初めてが自分に犯されるなんて、ヤだヤだぁ!」
小リレ「ほら、当たってるの分かる?
すこし、さきっぽ入れちゃうね……んっ!」
大リレ「ひ……ぅんっ!
やぁ……にゅるって……入れちゃヤぁ……」
小リレ「ふふ、凄くぬるぬるしてる。自分に犯されて感じてるの?
ほら、分かる? あたしのを美味しそうにくわえこんで、離そうとしない」
大リレ「も……それ以上は……お願い、抜い……あぐっ!
だめ、だめ、だめ! あっ! んっくぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
(続きません)
ワッフルワッフル
最高です
ワッフルゥウゥゥゥー!!!!
ふたなりリレが次々と先生生徒問わず毒牙にかける!!
アッー
アボガド「これは粗野だ。いけません。許してください」
リレ「おとなしくすれば悪いようにはしないわよ?」
>>158 アボガド「ま、まさか冗談でしょう?リレ・ブラウ?
人を呼びますよ!」
リレ「大人しく従わないなら…
お前の大事なソロモンの鍵、ドラゴンに噛み砕かせるわよ!」
アボガド「……!
そ、それだけはッ…
それだけは許してぇぇえええええ!!!」
リレ「チッ、騒ぐんじゃねぇ!!」
ガッ!
アボガド「うぅ…すみません、すみません…すみません……」
リレ「これからたっぷり孕ませてやるから楽しめよ、悪魔野郎!」
ルジェ「大きな鼠さんみぃ〜つk…ちょっ」
馬乗り
リレ「無防備な猫さんこんばんは 遊んであげるわよ」
ルジェ「何を、つまらない冗談は…んッ」
リレ「あなたはみんなを困らせてるそうじゃない
悪い猫にはしつけも必要そうね」
骨「ああぁああ!!悪夢だ!!これは夢だぁぁ」
リレ様最強伝説の始まりか……
杖「ああ…またリレ様の犠牲者が…」
ここで敢えて「弱リレ」を推奨してみる。
確かに普通のバティドリレやアボガドリレも読みたい
クリアしたらバティドリレ書こうと思ったがEDでの存在の薄さに困ったw
わざわざ同じ街(王都?)に越してきたのはリレが本命だからか?
つうかあいつだけループを感じてる描写あったけど結局意味無しなのかよ
俺も普通のリレアマレットが読みたい。
見える、見えるぞ、
リレが「良い子ねアマレット」といいつつ
アマレットの頭をなでなでしている姿が…。
そして恍惚の表情を浮かべるアマレット。
あとリレアマは事ある毎にキスしてる気がする。
寝る前とか、お風呂の中でとか、出かけるときとか、それはもう頻繁に。
>>167 すんなり脳内変換されたオレ、末期orz
マタタビ嗅いだライオン先生がキメラと一緒にオッパイネラの巨大な乳を襲うとか
しゃっきりぽんと脳内変換出来るぜ
>>165 アマレットもあなたのこと知っている気がするとか
いってなかったっけ?
バティドはリレとアマレットの情事を覗き見するために同じ町にいます
ただし乱入する勇気のないヘタレです
もし覗きが見つかったら・・・
バティド「ごめんなさい!もう2度としませんから許してください!」
リレ「ダーメ。覗き魔の言うことをハイハイと聞いているようじゃおしまいだもの。
きっちりお仕置きは受けてもらうんだから。」
バティド「アッー!」
リレ「とりあえず、ホムンクルスのモノぐらいは普通に入るみたいね…。
次はデーモンのモノが入るかどうか試してみようかしら。
それとも一気にドラゴンみたいな大物に挑戦してみる?」
さすがリレ様
ソコにしびれる憧れる
フェアリー突っ込んでみようぜ。
ユニコーンも突っ込んでやろうぜ
ゴーレムの砲弾も
バティド「ちょ、嘘、やめ、」
パカン!
(ドラゴン挿入)
リレアマ分が足りない………! 干からびそうだ。
夏にリレアマ本でないかなー
あの二人ってやっぱりエンディングの頃でも
毎日くっついて寝てるんだろうな
エンディングでリレに付いて行きたがってたアマレット萌え
連れて行ってあげてくださいよリレ様
アマレットの躯をRTSしたいです
乳首を撫でてるとアマレットの○ん汁が溢れてきて
そっちをいじっていたら、乳首がお留守だと催促され
○ん汁とか書くな、天使の涙と書け。
ごめん嘘。
実はハードを全ステージ最高ランクでクリアすると
ベリーハードが出る
ベリーハードをクリアするとアマレットの身体をRTS出来る
…だったらどうだ?
やるか?
ベリーハードよりアマレットにベリーダンスして欲しい
アマレットハード
リレの罠にかかってアマレットが…くやしいっびくっびくっ
>>185 リレの罠ならアマレット大喜びじゃないのか
うれしいっびくっびくっ
バティドがリレの身体をRTSしたら暴動になるんだろうな
おまいらは
逆なら許すけど…
シャーリーはマルガリタの体のコントロールを奪えるのか。
使ってるのは自分の手なのに、犯されてる感覚……
これはおいしい。
>>189 しかしバティド×リレ少ないよな
アボガドが鼠に化けてたんだ、シャーリーも悪魔がカエルに化けてておかしくない。
何が言いたいのかというと、
ヌルッとした爬虫類型プレイと人間型レイープと2種類楽しめる訳でうわ何をするやめ(ry
バティドは空気の読める空気。
>>191 ここまで一人で盛り上がって薄ら寒さ全開なレスも珍しい
リレアマが足りない…………ガクッ
アマレットたかた
グウェンドリンのご主人様ラヴっぷりに萌えてる場合じゃない
正直アマレットあんまり好きになれなかったんだよな
いまいち魅力を感じないんだがアマレットの為に頑張るリレ様は良い
グリグリの登場人物はみんな暴君リレの引き立て役
キャラ立ちで対抗できるのは悪魔先生くらいだ
マルガリタかわいいよマルガリタ
ごめん、俺セガダイレクトで予約してテレカの絵柄がマルガリタで後悔したんだ。
アマレットが良かったな。
マルガリタだけは何か苦手だな
仲良くなった人を不幸にするタイプ
リレ様攻略の鍵になると思ったんだけどなぁ >マルガリタ
良かれと思った行動がことごとく裏目に出るタイプだな
「一体どうしちゃったの!? お願い、放して! マルガリタ…!」
「じっとしててくださいな。私、リレさんだけは助けてくださいって魔王様にお願いしてみたのです。
そしたらですね、驚かないでくださいよ?
こうやって縛り付けて、ちょっと我慢すれば見逃してくれるって!」
「マルガリタ…あなた、騙されてるのよ!
魔王なんかの言うことを聞いてちゃ…きゃっ、やめて! そんなとこ触らないで!」
「あらら、綺麗で可愛いお尻の穴ですわ。
今からここに、魔王様に従順になる気持ちいいお薬をたーっぷり奥まで塗りつけてあげますからね」
ほら、ぬるぬる〜〜〜っ。痛くありませんですよね?」
「やっ、やぁ…っ! ぬるぬるした指で触っちゃ…あっ、その引っ掻くみたいなのイヤ…!
はっあぁぁぁぁ…っ、ゆっくり皺を伸ばすようにするのもイヤぁ…っ!
んっくぅ…広げないで…あっあっあっあっあっ! 指、入ってくるぅ…!」
マルガリタはホント苦手だわ
>>204 書けてるじゃないかww
みんなマルガリタ嫌いなんだね(;д;)
保守
>>205 嫌いじゃない。でもリレ&アマには敵わないだけさ。
一瞬、マルガリタが邪気眼使いになった夢を見た
sugoieroiyumemita
リレがバティドやシャルトリューズを奴隷としてこきつかってたんだが
ガフ「あれ、ねーちゃん こんなところにお豆がついてるぞ?」
リレ「ひゃうんっ」
ふと思ったが、この世界、異種族で混血児は生まれるんだろうか。
人間とエルフとか人間と悪魔とか人間とホムンクルスとかで・・・
序盤の、魔王や悪魔に怯えるリレかわいいよな。
ということで悪魔先生と契約してしまい翻弄されるリレが見たい。
寒いんで却下
リレアマ………
リレ……アッー…
リ……
かゆ うま
>>213 >風邪を引いたリレにアマレットが口移しでおかゆを
まで読んだ。
>>213 >風邪を引いたアボガドにライオン丸が口移しでおかゆを
まで読んだ
ED妄想。
置いてきぼりをくらってスネてるアマレット。
必死に謝るリレに・・・
アマ「じゃあ、・・・○○、してくれる?」
リレ「えっ!?」
まあ、結局はアマレットが折れた形になったみたいだし
そういう場面は実際起きていただろうな
ようやくクリアしたんで何か書きたいんだが、エロ系ネタがさっぱり思いつかなくて苦しい。
中盤以降の、強くなってきたリレとリレを面白がる悪魔先生がセットで萌えなんだが・・・
219 :
↑:2007/06/04(月) 21:22:17 ID:HvTTNq+V
:∋oノノノハヽヽヽo∈:
.-" \.
:/ _ノ ヽ、_ ヽ.:
:/ _ _ ヽ:
:| /::忌」 __ i::忌ヘ |:
:l o゚  ̄ Y::::::Y  ̄ ̄ ゚o l:
:` 、 〃// V^V //〃 /: <ノイローゼれすか?www
:, -‐ ○.  ̄ /
:l_j_j_j と)丶──┬.''´
:| :i |:
:| :⊂ノ:.
>>218 アドヴォカート×リレなら、契約絡みじゃね?
手違いで時間戻らなかったらリレは魂の奴隷だったわけで
強かろうがなんだろうがリレ君をじっくり奴隷として躾てあげないと
221 :
\ /:2007/06/06(水) 00:22:33 ID:TJ4QXilt
∨
___ _
/ ____ヽ /  ̄  ̄ \
| | /, −、, -、l /、 ヽ これはもう手遅れだな
| _| -|◎ | ◎|| |・ |―-、 |
, ―-、 (6 _ー っ-´、} q -´ 二 ヽ |
| -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ ノ_ ー | |
| ̄ ̄|/ (_ ∪ ̄ / 、 \ \. ̄` | /
ヽ ` ,.|  ̄ | | O===== |
`− ´ | 北朝鮮 | _| / |
マンセー
なんか沸いちゃったな
だからひぐらしネタは禁物だってあれほど
ニャーン
ニャァーン フゥーゥゥゥl ンハッハッンッハッフゥァ ウッ
>>223-224 「アマレット……何してるの?」
「…………」
「グリマルキン……フフッ」
226 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 19:28:42 ID:cnJd8kfF
下がりすぎてるのでage
>>201 自分も苦手だな・・・。マルガリタには悪いが・・・。
いや俺も読みたいが。
>>228 はなんで此処にいるんだ?
ノシ 俺も待ってる
なんか微妙に悪魔先生叩くヤシいね?なんでだ
百合好きが多いんだろう
鬼畜なリレも良いけど普通に色々されるリレが見たい
かの悪魔くんが十二使徒達に色々されてると聞いてすっ飛んで参りますた
このスレ・・・というか板全体的に純愛物歓迎?
どんとこい
ボーボーの大人リレとアマレットで描きたいと思ったが、大人リレの絵的な資料が無かった。
電撃の攻略本になら載ってるかね・・・
純愛系が板的に好まれるのは、陵辱系だと苦手な人がいるからかも。
バティド×リレなら純愛話も良さそう。
>>235 「描く」ってことは絵師さんですか?大人リレ、攻略本に載ってはいるよ。
全身絵一枚だけだけど。
|||||/
|||||
( ・∀・) エロッイームエッサイム エロッイームエッサイム
| |
|⊃⊂| ∧ ∧
\/\⊃Σ)Д゚。)
___
/ \ ________
/ ∧ ∧ \ /
| ・ ・ | < フン!滅殺!
| )●( | \________
\ ー ノ
\____/
/ ) _ /
/ ,イ 、 ノ/ ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
/ / | ( 〈 ∵. ・( 〈__ > ゛ 、_ ←Dベガ厨
| ! ヽ ー=- ̄ ̄=_、 (/ , ´ノ \
| | `iー__=―_ ;, / / /
!、リ =_二__ ̄_=;, / / ,'
/ / / /| |
/ / !、_/ / 〉
/ _/ |_/
ヽ、_ヽ
リレアマ……
リレアマ……
リ……マ……
り……
あまままままま
交霊系(死んでる)や錬金系(人造生命)はともかく、精霊系と悪魔系は繁殖する・・・よね?
人外の魔物の精液は冷たいと聞いたことがあるんだが、
エルフとかユニコーン、グリマルキンやデーモンのはどうなんだろう。
>>238 ここは一つ238氏自らリレアマで何かお書きになってはどうか
>>239 何とも答えがたいな〜
ファンタジーだし、何でもありだと思うんだけれど、作者任せではどうか。
冷たいってのは新鮮だな。みんな温いのかと思ってた。
悪魔の辞典か何かを読んだときに
サキュバスの胎内は冷たいとの記述があったのを思い出した
あとドラゴンの局部に牙があるのは有名?
人間の男から精気吸い取るのに、冷たかったら役に立たん気がせんでもないけどなぁ
術か何かにかかってるような状態なら、温かいか冷たいかなんて些細なことに思えるんでない?
>>241 有名ではないと思う。>ドラゴンの局部に牙
ドラゴンの交尾は大変なんだな。
カマキリの交尾よりはマシだぜ。
カマキリも必ず食われるわけじゃないけどな。
野外じゃ大抵のオスが逃げ切る。
おう 暑いぜ
俺は 元気だぜ
247 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 17:07:50 ID:BfnTxLkw
>>246 ?
ここの住人ほとんど見てると思うけど、
角煮のおでんスレでオッパイネラ先生のおぱーい発見
ガーディアンのアドヴェントしてると尻のよさがしみじみ分かるな
関係ないけどインプに尻尾があったことに最近気がついた
恋文出しても無視され続けることにキレたバディドがリレを待ち伏せして
レイープする展開もありかと思ったが、リレが相手じゃ無理だな
リレが仕事帰りで疲れてたとかならレイープもいけそう。
あとは恋文の中に何か薬でも入れといて、封開けたらぐったり、とか。
しかし恋文開いたのはアマレットだった
リレ「あら?いけない子…お仕置きが必要ね…フフフ」
これは何かしら?と恋文開いたら変な気分になってくるアマレット。
何が何だかわからないまま、自然と、リレにしてもらったように手が下腹部へ伸びていく。
そこへリレが帰宅、
「いけない子ね……」
と、おしおきタイムが始まる。
しかしそれはバティドの巧妙な罠だった。
よかったじゃないですか。薬のせいにできて。
しかし作戦失敗、外からの覗き行為に変な快感を覚えてきたバティド。
最後は警察に通報された。
朝からこんなギャグ妄想した。
>>250 狭くて魔法陣が描けない所に呼び出すっつー手もあるべ。
流石のリレも腕力じゃ男に勝てんだろう。
大人リレの全身図ってなんかの攻略本に載ってたりする?
資料がゲーム画面しかないから足先まで描けなくて…
知ってる人いたら教えて〜
257 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 00:27:47 ID:zlmK572W
SS投下なさる職人さんはおられませぬか。多忙なのかな。
>>250とか読みたいんだが。
たった今クリアした。なんという百合END・・・
二人の生活を想像すると幸せになれる
その想像をここに書いてみろ、幸せを分けてくれ。 さあさあ
まだスレ続いてたのか
久々にBGMだけ聴き返してるけどやっぱりいいね
独特の雰囲気あるよな、このゲーム
誰かいる?
点呼いちノシ
にノシ
さん
よん
五日間
点呼とな
ノシ
ノ
黒猫 黒猫
黒猫 黒猫 黒猫
黒猫 ドラゴン 黒猫
黒猫 黒猫 黒猫
黒猫 黒猫
>>268 ………! 眠らせて何をするつもりだ!?
保守る?
>>270 >261-268からするに、需要は十分あるんだろうなあ、このスレ
もっと人いないかと思ってた
272 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 17:24:38 ID:yox8NHt9
ぬこ先生のドラゴン陵辱萌え
ほ
今夜圧縮だっけ?
攻略本買って初めてテレカ用イラスト見たんだが、デビルだけエロいのは何故ですか先生。
御大が描いたのにデビルのアマレットが似てない件
攻略本て、リレアマレットの百合百合なイラストとか、
オパールネラ先生のおっぱいがいっぱいなイラストはのってないのかな?
ちゃんと描かれたカラーイラストは既出ものばっかりだが、ラフスケッチ集にはシャルトリューズの素顔とか載ってる。
髪降ろしたオッパイネラとかも。
>>275 そこまで似てないっけ?
誰だか分かれば別にいいじゃんとか思ってしまうんだが・・・
ノシ
グリグリ同人の入手報告とかないんでしゅか
オーディンスフィアとグリグリ半々の一冊見つけて買った。
絵は好みだったが
台詞だけで空白が何ページかあって微妙だった。
本は実家に忘れてきたのでサークルとかわかんね
282 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 03:38:44 ID:13cEpyaO
台詞だけで空白ってのは漫画になってないって事?
まあ何にせよグリグリ同人描く人が少ないと言うことは分かった
フェアリー「来たわよ!」
デーモン 「退屈していたところだ…」
リレ 「来たわね。私が召還したリレよ、よろしくね。あなた達にはこの地点に
留まってここを防衛して欲しいの」
フェアリー「ちょっと!私は天使よ!何で悪魔と共同戦線張るのよ?」
デーモン 「天使に助けを求めるなどあり得ん、こんな依頼は初めてだ…」
リレ 「まぁまぁ…こんなのもいいじゃない、じゃあ私は最前線の方で
手一杯だから頼んだわ!」
フェアリー「………」
デーモン 「………」
フェアリー「いい!?この悪魔!私に近寄らないで!絶対よ!」
デーモン 「言われるまでもない…小便臭い天使のお守りはやらん」
フェアリー「な、何ですって〜!今度言ったら許さないんだから!」
デーモン 「うるさい天使だ…むん!」
フェアリー「ちょっと!私を攻撃しようなんて…召還者の言うことを聞いてた?
ここを私達で守るように言われたでしょ!」
デーモン 「愚かな天使が……後ろを見ろ」
フェアリー「あ…ホルンクルス…?」
デーモン 「別にお前もろとも始末しても良かったがな」
フェアリー「……………」
デーモン 「む?」
フェアリー「………ま、まぁ、助かったわ……ありがとう」
デーモン 「そうか」
フェアリー「結構敵が通りかかるわね、ここ」
デーモン 「うむ…しかし今は我々の召還者が勝勢だ、これでここは安心だろう」
フェアリー「ねえ、思ったんだけど私達って結構いいコンビじゃない?」
デーモン 「何?」
フェアリー「相性のいい相手と悪い相手がちょうど逆でしょ、補完し合えるよね」
デーモン 「まあそうだな…でもこの戦いが終わればそれもなくなる」
フェアリー「……そうなんだよね」
デーモン 「次会う時は敵かもしれんな」
フェアリー「…それはちょっとヤダな……どうせ甘いとか思ってるんでしょ」
デーモン 「それ以前に正気で言ってるとは思えん」
フェアリー「はいはい、悪魔は相手の言うことなんか信用しないもんねー」
デーモン 「そういうことだ」
フェアリー「でも天使って…素直なんだよ、思ったことを正直に言うんだよ」
デーモン 「…………」
フェアリー「分かるよね、私の言いたいこと…」
デーモン 「…ダメだな、口説きたくなるような女じゃないと傍には置かん」
フェアリー「うわ、私は違うって間接的に言ってる?失礼しちゃうわね」
デーモン 「いい線はいってる、もっと女を磨いてくるんだな」
フェアリー「そう、じゃあ可能性はあるんだ…次はアンタを振り向かせてやるからね」
デーモン 「そうか…ではこれを持っていろ」
フェアリー「鬣?どうするの?」
デーモン 「お前達は束になってることが多いから区別がつかん
それを持ってれば間違えて攻撃することもない」
フェアリー「そう…少しは大事にしてくれるんだ…」
デーモン 「お前はどうする?お前達から見れば悪魔は全部同じに見えるんだろう?」
フェアリー「ううん、大丈夫!私がいいと決めた悪魔よ、もう覚えたよ」
デーモン 「そうか…」
フェアリー「それよりさ、もう時間も少ないでしょ?お願いがあるんだけど」
デーモン 「何だ?」
フェアリー「もっと傍に寄ってもいい?」
デーモン 「いいだろう…」
フェアリー「えへへ…………」
>>283-284 乙。
贅沢を言えば会話文だけじゃなくて地の文も書いて欲しい。
ツンデレフェアリーもシチュエーションも悪くないんで、もう一頑張り頼む。
あと、フェアリーは精霊であって天使とは違うと思うが・・・これは粗野な突っ込みか。
それを言うなら粗野じゃなくて野暮‥ってこれもか。
>>285-286 レスthanks
天使で失敗したみたいだしorzまだまだ拙い文章ですね、
精進しますです
>>288 ここは「エロ」パロ板なんで、えっちいなシーンのあるSSだとなお良い
期待してるぞ
俺はカロン、冥府の船頭と呼ばれる死神だ。
"死神"で"船"とくれば死んだ肉体の魂を冥界に運ぶ役はよく知られてるかも、
もちろんそういう仲間もいるが、俺はマナというご馳走が欲しくて
召還師の手助けをするのが性に合ってる、脚の速さも自信があるから。
それにしても今回の仕事はすごかった…俺の腕も見込まれるようになったんだな
ドラゴンの卵を乗せて敵の本拠地を叩くなんて、すごくダイナミックな作戦だ…
仲間もいない敵だらけの場所に行く恐怖感と、複数のドラゴンの業火…
どんな赤よりも鮮やかで、どんな残酷絵巻よりも戦慄なものだった…
今日は眠れそうにない…褒美でもらったマナで一杯やるか
「カロン様、すみません…」
凛とした声がした。振り返るとゆらゆらと黄金に輝く美しい星を持つ女性…
まずい!モーニングスターだ!慌てて踵を返す。
「いえ、もう終わったじゃないですか、それに私は味方でしたよ」
と言われて我に返った、確かに戦いは終わったんだ。びっくりした…
……って、何でモーニングスターがこんな所に…
「何か用で?」
と尋ねるとそのモーニングスターは何やら照れくさそうに
「その…ちょっと乗せてもらえませんか?」
……何を言ってるのか分からなかった……えっ…と
「乗るって…この船?」
「はい………ダメでしょうか?」
…?…やっぱり分からない、乗る必要が無いんじゃ…?
「ちょっと帰り道を迷ってしまって…」
「ああ、そういうこと…」
"おっちょこちょいだな"と言い掛けたが初対面の相手には失礼か。
いくらアストラルでも精霊がこんな冥界まで来るのはあまり聞いたことがない。
「すまない、飛行タイプの貴女がこれに乗る意味がないと思ったら
戸惑っただけ。乗るのは構わないけど」
「そう……良かった、私はてっきり……」
「てっきり?」
「もしかしたら重量オーバーなのかと」
「アストラルなのに体重は関係ないんじゃあ…」
「そうですね、フフフ……」
あれ?もしかして冗談が通じるタイプ?笑顔が愛らしい…
…ちょっとドキドキしてきた。
端整な顔立ち、優しげな目、艶めいた唇、美しいボディライン、
格調美を感じさせる立ち振る舞い、シルクのドレスのような華麗な聖衣…
そしてサファイアのように青光る全身…間近で見ると何とも美しい……
もちろんアストラルなので実体があるわけではないが、それゆえ
ここまで美を体現していることに驚き目を奪われる…
さすが女神、冥界に住まう死神とは文字通り住む世界が違うと思わざるを得ない。
そんな女神が俺のボロ船に乗っている…モーニングスターは体躯が大きく
5人乗りの船なのにもう手狭だ。それでもゆっくりと膝を曲げて優雅に座る。
その様子は豪華客船でダンスでも踊ってる方がはるかにしっくりくる。
「…やっぱり楽ですね、もっと揺れるかと思ってました」
動き始めた船に乗りながらモーニングスターは嬉しいことを言ってくれる。
「ありがとう、サブスタンスの連中はこれが分からないんですよ」
「乗せる時にアストラルに変化させるんですよね、その違和感でしょうか…
でも…私には分かりますよ、カロン様が今一生懸命漕いでるのが」
「……いえ、恥ずかしいなぁ……」
「今日は御活躍されたみたいですし…大丈夫ですか、この辺りに
オベリスクがあればいいんですけど…」
御活躍ってのはさっきのドラゴンの話だな、見ててくれたのか…
「それなら向こうにあるから…ちょっと寄りますか、俺オベリスク好きなんで」
「クスクス…私もですよ。出来ればお持ち帰りしたいぐらいです」
「…そりゃ違いない」
「この前、頼まれて死者を運んでたんですけどその時召還の魔方陣が
見えたんです、何も考えずにいつもと同じように入ってしまいまして…」
「あらあら…死者も一緒に?」
「召還師にも"随分用意がいいのね"って言われましたよ」
「クスクス…で、どうなさったんですか?」
「引き返そうとしたら、召還師が"どうせ地獄行きの悪人でしょ、
アニマドレインの弾として使っちゃいなさい"って言うもんだから
そのまま残って使ってしまいました」
「まぁ…フフフ……」
会話をしながら俺はあることが頭をよぎっていた、楽しい…
この女神とこのまま別れるのでは勿体ない、でなければ…アレを…
「……カロン様?」
「え?」
「どうかされましたか?考え事のようでしたけど…」
「あ、あの……」
「はい」
「……禁断の果実を獲ってみませんか?」
禁断の果実…
実体のないアストラルには生殖器がないため交配といったものがない。
ただお互いの幽体を重ね合わせて交わらせるという"禁断の果実"と
呼ばれるものがある。精神が剥き出した者同士が心と心を直に接触させるので
「崇高な快楽」と呼ぶ者もいるもいるが、逆に精神が崩壊する可能性もあり、
幽体そのものが消滅したり奇形になることもあると言われる。つまり諸刃の行為…
自分自身や相手を滅する危険のある提案したカロン、しかし驚くほど
頭の中は冷静だった。雰囲気がそう言わしめた、そんな感じである。
一方のモーニングスター、少し考えた末
「……いい…ですよ……ただ無茶はしないで下さいね」
と顔を少しうつむき加減に答えた。どうやら二体の想うところは同じらしい。
二体は向き合った。青光り具合がいつもより明るい…高揚してる証左だ。
「実は…初めてやるんだけど」
「そうなんですか……私もです」
「不安?」
「いえ…カロン様となら…」
「そう」
緊張している、幽体の温度が上がっているのが分かる。でもここは不安を
払うためにもリードしないと…!
「では、まず手だけでやってみようか…」
モーニングスターはコクリとうなずいて手を差し出した。
二体は両手を重ね合わせた。そして手の部分を崩していき、お互いの幽体が交わり始める…
「………ん…ぁぁ……ん………」
全身に刺激が走った、何という気持ち良さ…!こんな快感は味わったことがない…
モーニングスターも少し身をよじらせているが手を離す様子はない。
「次は肘まで…」
「………カロン……様………だい……じょうぶ…ですか…………」
こんな状況でも俺の身を案じてくれる、なんて優しいんだ。
そう思うとなお愛おしくなる。
「…俺は大丈夫……どう?もっといくよ……」
二体はちょうど抱きしめ合う距離まで近づく
「…あああ…はぁ………うっ…………んっ……ん…………」
間近で見るモーニングスターの顔は均整がとれている。麗しい…
「……キ…ス……して……下さ…い………カ…ロン…………さ…ま………」
「ええ……」
「………ん……ああああ!………うっ……あ……ぁあ…………」
モーニングスターの発する光はますます妖しく輝いている、青ってこんなに綺麗な色なのか…
…って俺の体もおかしい、こんなに熱い、こんなに熱い…大丈夫なのか…俺の体…
そして全身を重ね合わせようとした時
「…も……もう……ダメ……です……」
モーニングスターの声で我に返った、中途半端かもしれないがこれ以上は危ないかもしれない
終わりにしよう…
我々は高揚した気分が余韻で残っている中、次に会う約束をして別れることにした。
「では……カロン様、私はこれで………」
「ここで分かる?ここは霊界だし…」
「全然問題ありませんよ」
え、随分慣れてないか…?
「……もしかして」
「何ですか?」
「最初に道に迷ったと言っていたのは嘘……?」
するとモーニングスターは小さく微笑むと
「さぁ……どうですか、ね」
と言ってゆらゆらと優雅に去っていった。
GJ!
なにげにここで初めてSSらしいSSがカロン×星の子の純愛w
リレ様ドS乙w
おお、今週の日曜も投下があった。
>>290-292 アストラル同士とはこれまたなんつーか新境地な。
カロンをたぶらかすモーニングスターも悪女じゃのう。
次回作にも期待。
あと名前のところにSSのタイトルや数字コテハンを入れてくれると助かる。
>>293-294 レス、アドバイスthanks
次はもっといいものができるよう頑張ります
清楚なお姉さんでも書いてみようと思ったら主要キャラに該当する人が
全くカスりもしないぐらいいなかった…すごいよ、このゲームw
女キャラがみんな男前な性格してるんだよね。
制作者側の趣味なんだろうかw
それはさておき職人さんGJです!次も楽しみにしてます。
リレが魔法院に勤めるようになってからまだ間もない頃、
リレ・アマレット・ガフは魔法院から離れたボロアパートで住んでいた。
決して生活は豊かではなかったが笑い声がよく出る明るい暮らし。
そんなある日…
「おっ、この足音は…」
「リレ……帰ってきた……♪」
「今日はオイラの料理担当だからなー、リレ、あまりのうまさに卒倒するぜ」
ギィィィィー、ガタン
「リレ、お帰りなさい…リレ、あのね……」
「なんだよー、"ただいま"はどうした、あいさつは基本だぜ……」
しかし2人が見たのは真っ赤な顔をしたリレだった。
リレは出迎えた2人の間を通り抜けて布団に顔をうずくませると
「何が"マナを大目に貯蓄している私の作戦"よ!
単に使いこなせなかっただけのくせに〜!バカぁ!!!」
2人は目を合わせた。
…………10時間前…………
リレは事務官に渡されたメモを手にエミナ召還師の部屋の前に来ていた。
魔法院に入って間もないリレは見習いということで、いろんな部署を回り
体験を積んでいるところだった。魔法院は古代魔法の解析、新魔法の開発、
魔法の基礎分析、悪魔の生態調査、全国への魔法教育普及など研究機関だけに
とどまらず幅広い分野で貢献している。その中でも最も現実的ともいえるのが
召還師犯罪の対処である。カルヴァドスの例にあるように高いレベルの
召還師が悪魔と契約して世界征服を目論むということが起きると国家存亡も
危ういものとなりもはや警察には手に負えなくなって魔法院に話が回ってくる。
そういう重度な犯罪への対応をとるということで危険な仕事と言える。
(さぁ…腕の見せ所ね!)
大きく深呼吸して部屋のドアをノックした。
「入りなさい」
部屋に入った途端に香水の匂いが鼻をついた。奥のイスには見た感じ30代後半の女性が
座っている。きつい目付きはオパールネラ先生を彷彿させる…
「失礼します、見習いを言われましたリレ・ブラウです!」
「あ、そう」
エミナは一言そう言うだけだった。面倒臭そうに返事をするエミナに一瞬気後れしたが
「現場に出るのは初めてなのでご指導お願いします」
とお辞儀をした。
「あなた、今グリモアは持ってきてるの?」
「え?は、はい…精霊系のものなら少し……」
「…………………」
妙な沈黙…リレは何が何だかよく分からない。
「あの…何かまずかったでしょうか…?」
「別に。1つだけ言っておくわ、あなたは見習いなんだからそれ相応に
振る舞いなさい、さもないと私は上官へ報告書をその日ごとにつけてるけど
それがどうなるかは保証しないわ」
「は、はい……」
何やら脅迫めいたエミナの発言だったが、リレには指導者というイメージから
かけ離れている言葉があまりにも意表をついたので曖昧な返事をするだけだった…
今日エミナ隊が向かったのはある平原、見渡す限りの草の緑は
風景としては上質だがここでは魔法院と犯罪召還師グループの
小競り合いが頻発しており危険度もそこそこの場所らしい。
「敵発見!」
「ではこの辺りで本陣を敷く、それが終わったら魔法陣を張るスペースを確保!」
クリスタルが多い場所は危ないと思ってたら早速きた。いきなりの実戦に
リレも緊張が走る、昼間の屋外でお互いの戦力が一望できる平原の戦いは
経験が無いのでついつい慎重になる自分を感じていた。
エミナと敵の召還師の陣との距離は約300m、
お互い魔法陣を作り上げ近くのクリスタルからマナを集めて使い魔を召還してる…
「エミナ隊長、手伝いましょうか?」
「見習いがむやみにやらなくてもいい!見るのも勉強!」
「はい」
(見習い…まぁいいか……でも、呪文詠唱も遅いし大丈夫かなぁ)
心配してた敵の強襲もなく使い魔が召還される。
エミナの初期戦力はマナ召集にエルフ6体、それを基にキメラ3体、ホムンクルス2体が
召還された、本陣の守備にはタリスマン8体で陣形を組み立てる…
魔法陣はフェアリーリング(Lv.3)、ウィッカ(Lv.1)、
キメラスボウン(Lv.2)、ラボラトリ(Lv.2)
(んーと…キメラの体力をエルフのヒールで保持しようってコトかな?)
「敵の状況はどうか?」
「敵はモーニングスター4体、シンボルはカーディアン4体、
デーモン1体、あとインプが数体、以上です!」
「魔法陣は?」
「ティタニア、ヘルゲート、カオスネスト、ゲヘナです!」
「分かった」
それを聞いてリレは驚いた。
「え、それだけでいいんですか?」
「何か不満でも?」
「いえ、別にそういう意味ではありませんが…」
「ならばいちいち口を挟まない、言動に問題有りと報告してもいいのよ」
またその話…?さすがにリレも今回は反応した、皆の前で偉そうにしないと
上官としてダメとでも思ってるの…?リレは不満が顔に出そうになって我慢した。
エミナはそんなことを気にする様子もなく立ち上がった。
「あなた、このまま現状維持のまま待機よ、何かあれば呼びなさい」
「?…はい……あの、どちらへ?」
聞こえているのかいないのか、エミナは個室に入ってしまった。
エミナがいなくなり本陣の空気が緩む。リレはエミナの部下に話しかけた。
「あの…隊長は何をされてるのですか?」
「多分、化粧をしてるか寝ているか友達に手紙を書いてるかのどれかです」
「は?」
「あの人はいつもそうですよ、1時間は出てこないと思います」
「そんなことしてもいいのですか?」
「さぁ…上官のすることですからねぇ…」
リレは膨らんだ夢が現実とのギャップで潰れそうなのを感じずにはいられなかった。
何と言うか…
「他にやることないのかな…エミナ隊長のグリモアはこれで全部?」
「あとアケロンのグリモアがあります」
「これね……でもアニマドレイン使えないなぁ…」
「あの人は最高レベルまで上げたグリモアは持ってないですね」
「じゃあラボラトリLv.3のグリモアは無いのでしょうか?
レベルアップしてサイキックストームを使えるようにできればかなり違うけど」
「持っておられないと思います、やってるのを見た記憶がありませんから」
リレは呆れた。(ダメだわ…この人…)
とはいえ、文句言って帰るワケにもいかない、退屈だから何かないかな…
と何かを始めた、実はこれがあとから効いてくることになるとは
本人すら考えもしなかったが…
「敵陣に動きがありますね」
エミナの部下が言った、見ると敵は少し遠いところに本陣を移そうとしている。
「マナが足りないということですかね?」
「……そうねぇ………」
「じゃあ……」
部下はリレにしゃべりかけようとしたが、あわてて止めた。
リレが敵陣を一点に見据え何かを考えている。それはものすごい集中力で
話しかけるのを躊躇させた、今までエミナについた見習いとは何か違う……
「罠……?……いや、チャンスね!」
リレの声のトーンが上がった、自信に満ちた清清しいまでの笑顔があった。
「エミナ隊長を呼んでもらえませんか、チャンスだと」
「………………」
エミナの部下から返事がない、リレはエミナが普段どう部下に接するかを
何となく見えた気がして苦笑した。
「そう……じゃあ、私が行くから」
何かあれば呼べ、と言ったのはエミナの方だが実際呼ばれると
エミナは不機嫌そのものである。
「敵陣が動いただけ?敵が来たわけじゃないじゃない、そんなもので
私を呼ぶなんてあなたも大した身分になったものね」
皮肉を込めた言いっぷりにリレは心がかき乱されそうになったが
それでも感情を抑えて
「すみません、でもこれはチャンスだと思いまして…」
「どこが?」
「見てください、今敵陣が動いたおかげで敵の作った魔法陣はカーディアンのみで
守られています。ここをキメラ3体を動かしてカオスネストを叩いてしまうのです」
「キメラ全部を出す?」
「敵の主戦力はモーニングスター、対して私達はキメラ+ホムンクルスで
極めて相性がいいのでまともにぶつかれば楽勝です。しかしカオスネストの
存在が気になってました。ドラゴンはもちろんのことですが
グリマルキン1体いるだけで逆に私達が不利です。だから敵にマナが
集められる前がチャンスなのです、カオスネストを叩いて
その勢いで敵陣に迫れば容易く勝利できると思います」
リレは力説した。説得力を込めて説明すれば当然採用される案と思った。
「陽動作戦かもしれないわ、キメラを向こうに行かせてその隙に私の本陣に
モーニングスターが来る可能性がある」
「それなら更に好都合です。もしモーニングスターが攻めてきたら
キメラに引き返してもらえばいいのです。モーンングスターが
タリスマンと攻防を繰り広げている間にキメラが戻ってきて
挟み撃ちにできます」
「……………フッ…」
自信を込めたリレの意見に対しエミナから漏れたのは嘲笑まじりの笑みだった。
「そういうのを机上の空論と言うのね…そんなのは無理よ」
「え………」
「挟み撃ち?冗談じゃないわ、もしキメラが戻ってくる前にタリスマンが
全滅したらどうするの?そんな危険なことはやらないわ」
「ちょっと待ってください、キメラの機動力をもってすれば
ここからカオスネストを往復する時間とモーニングスターが
ここまで来る時間は同じぐらいと思われます、タリスマンが
全滅することはないでしょう」
「ダメ、その案は認めないわ」
「しかし今を逃せば不利になることはあっても有利になることは…」
「あなた、私にたてつく気?隊長命令よ、ダメなものはダメ!」
「……………はい………」
リレは愕然として天を仰いだ。
(ああ…もうこれが最後のチャンスかもしれないのに…なんて臆病な……)
実際その後の展開はリレの予想した通りになった。敵は新しい本陣でマナを
集めると戦力を増加、ティタニアをもう1つ作りあっと言う間に
モーンングスター7体、デーモン3体、グリマルキン2体の部隊を編成して
エミナの本陣に迫ってきた。慌てたのはエミナである。
「そんな……普通の召還師1人の最大召還数を越えてるわ…こんなクラスの
召還師がいるなんて聞いてないわよ………」
声が震えている、もしかしたら召還師が複数いるかもしれないが
しかしそんなことはこの場面ではどうでもよくあとの祭り。
「あなた!」
「はい?」
「いい?今から私は裏でアケロンの魔法陣でカロンを呼び出して脱出の準備を
するわ、あなたはここで時間稼ぎをしなさい!」
「え?キメラやホムンクルスは創造主の命令しか聞かないんですよ、
私がカロンを呼び出してエミナ隊長がここに留まった方が時間が稼げます」
「見習いのあなたじゃ失敗する可能性もあるわ、カロンが最後の砦なの!私が呼びます」
「(あ〜あ、なんて臆病な…)」
言ってることに一理あるが、今までの行動原理からして自分が一番安全な場所に
いたいとしか解釈できない。リレはため息をつきながら殿(しんがり)を引き受けることに。
「……文句ばかり言ってられないわ、マナは十分あるし、さっきの続きをしないと…」
エミナがアケロンの魔法陣を呼び出してLv.2(スピードUP)にレベルを上げ
更にカロンを呼び出すのに5分はかかるはず。人形と化したキメラでは
とても5分はもちそうにない。リレ自身はもちろんエミナ隊全滅の恐れがある。
リレは呪文詠唱を始めた……
敵の攻撃が始まりタリスマンが次々に餌食になっていく。
「うわわわ、隊長!来ましたよ、来ました!」
エミナの部下の1人は半狂乱状態である。
「うるさいわね、分かってるわよ!」
エミナもヒステリー気質丸出しで応戦する、阿鼻叫喚の修羅場とはこのことか。
タリスマンが全滅し何も動かないキメラにモーニングスターが襲い掛かる
この時エミナはアケロンの魔法陣を出したばかり…
「もう間に合いません!走って逃げましょう!」
「くっ……」
エミナは屈辱に満ちた表情になる。その時、
「その必要はないわ!」
……リレである、エミナ隊の中にはこの時リレの金髪が太陽光と交じり合い
眩い光を映し出しリレが救いの神に見えた、と後に語っている者もいる。
「何をしてるの?時間稼ぎをしろと言ったでしょう!?」
「はい、今やっています。エミナ隊長は是非続きを」
見るとモーニングスター達は近寄ってこない、リレはウィッカの魔法陣を
Lv.4まで上げてユニコーンにアストラルホールドをかけさせていたのだ、
さらにバリアをしたユニコーンがデーモンと戦っている。
「………」
………エミナは悠々カロンを呼び出しこうしてエミナ隊は退却に成功した。
帰り道、リレとエミナは会話をかわすことは無かった。
リレとすれば最後に自分の活躍で最悪の事態を免れたことの満足感があり
一方のエミナは終わってみれば負け戦で見下していた見習いに助けられたと
あっては立つ瀬がないというものだろう。リレは半分得意だったろう、
ところが…
魔法院に戻って、エミナのグリモアの整理や本陣に使った耐魔シートを
片付け終了した。エミナの部屋をノックする
「失礼しまーす、片付け終わりましたんで帰ります…」
しかし中には誰もいない…しょうがないので片付け終了の置手紙を
書いてエミナの机の上に置いた。そこには1冊のファイルがあった。
それを見たリレ、ふと悪戯心が思いついた…
(そういえば…上官への報告書を作成するって言ってたわね…
負けた場合ってどう書くんだろ……盗み見しようかな〜)
リレはあたりを見回してこっそりファイルを開いてみる。一番上に
本日の日付の報告書…これだ!……見るとまずは最初に勝てなかったことに
対する釈明とお詫びの決まり文句が並んでいた。
しかしその次の文章を読んでリレの表情は一変する。
「本日から担当した見習いリレ・ブラウは功を焦って無茶な策に走る
傾向がある印象、経験を積むことと同時に精神面の鍛錬も必要」
(無茶…?あれが無茶に見えるの?ちょっと何よこれは…)
「私のカロン脱出の策に反対し時間の猶予もない作戦の出だしを挫いた」
(何………?)
「いざという時のために『マナを大目に貯蓄している私の作戦』が有効だと
今回の退却で理解してくれたと思う」
ユニコーンの件はまったく出てこない。むしろこの文章だけ見れば
いい所はエミナで悪い所はリレが原因にとれてしまう。
リレは顔が真っ赤になった。
………これが冒頭のリレの絶叫に繋がる。
「リレ…どうしたの…リレ……」
アマレットは普段見ないリレの激情に触れ驚いている。
「大体、キメラが召還できること以外は全然大したことないじゃない!」
「呪文詠唱は遅いし、魔法陣は中途半端だし……!」
「仕事中に関係ないことを1時間って…バカにしてるわ!」
「部下からも慕われてない…あんなので指導者になれるんなら私だって!」
リレはまだ布団に潜ったままだ。
「ちょっとそっとしといてやろうぜ」
「リレ……」
ガフに言われてアマレットは席をはずした。
「そもそも状況判断がダメなのよ、臆病風に吹かれて!」
「タリフマン8体も使ったら攻撃に手が回らないじゃない!考えてるつもり!?」
「私がいなかったら捕虜か戦死してたかもしれないのに!」
リレの絶叫はなかなか納まらなかった……
しばらくして絶叫が止み、リレが食卓に出て来た。
「すっきりしたか?」
「うん…少しは………」
「飯食えば気分もよくなるって、食おうぜ」
「そうね……ありがと」
「じゃあ…いただきます!」
「「いただきます」」
「あれ……今日はガフの担当だっけ?」
「そうだぜ…うまいだろ?」
「おかしいなぁ……うまいわ」
「……何だよそれ」
ガフの得意顔から残念がる様子がおかしくて皆で笑う
「良かった…リレ……いつもと同じ…………」
「ごめんね、アマレット…もう大丈夫だから」
「うん…」
就寝前、リレとアマレットは同じ布団に入る
「リレ……」
「何?」
二人は顔を向かわせず背合わせで横になっている。顔を合わせると
寝辛いとリレが言うのでそうなっている。
「さっきは何があったの…?」
「うん…まぁ今回の見習いに行った部署の指導者がヤな人だったんだ…」
会話も反対向きなのでリレの表情は窺い知れないが、リレの機嫌は完全とは
いかない口調だった。さっきのは空元気だったのかもしれない。
「ねぇ、リレ……明日は私も行っていい?」
「………え?ダメよ、危ないわ」
「じゃあ…迎えに行くのは………?」
「それなら……まぁいいけど……」
「じゃあ…行くね……」
「でも帰りがいつになるか分からないよ?」
「うん……それでもいい………」
「じゃあ早めに終わらせるよう頑張……そうか!」
急にリレは思いついたのか大きな声を出した
「…?…どうしたの、リレ…?」
「ちょっといいコト思いついたの、あなたのおかげよアマレット、ありがとう」
何だかよく分からないがリレの機嫌は完全に直ったような感じだ。
アマレットは布団の中で全身の力が抜けた感じがした。
「ねぇ…リレ………あのね………」
「……………………」
アマレットは話しかけたがリレは眠っていた。今度はアマレットが微妙な顔をした…
次の日もリレはエミナと実戦に来ていた。
「敵発見!」
「よし、本陣はあのクリスタルの傍にする、進軍!」
「隊長、提案があるんですけど…」
リレは相手を機嫌を損なわなように臣下の礼をとりながら話しかけた。
「何?」
「この後本陣を作りますよね、その後の準備は私が代わりにやってもいいですが…」
「………」
「どうでしょうか?」
「そうね、昨日ので大体分かったでしょうから、やってみてもいいわ」
「では先に個室の方の準備を……」
「それでいいわ、何かあったら呼びなさい」
…かかった!リレはそう思った。戦いの中で私用で1時間平気で潰す人だから
のってくるとは思ってたけど、召還するのが私だから使い魔は隊長の言うことは
聞かないって気付かなかったみたいね、まぁ明日はそうはいかないかもしれないけど
少なくとも今日の使い魔の指揮は私が取れる…!さて…リレ・ブラウ、私は
隊長の持つグリモアだけでどこまでやれるかしら…?
個室の準備が終わり隊長が中に入った。エルフ6体を呼びマナを集め始めた頃、
リレはエミナの部下に対してミーティングを行った。
「今日は私が隊長から委任され指揮を任されました。よろしくお願いします」
周りは驚きの声を上げた。しかし不安を吹き飛ばすようにリレは話しかける。
「ではいろいろやってもらうことがあります、あなた方2人で敵陣の観察を
お願いします。1人が召還される使い魔の種類と人数、もう1人は魔法陣です。
魔法陣のレベルも知りたいので頼みます」
「あの…どうやってレベルが分かるんでしょうか?」
「魔法陣を見てると30秒ぐらい魔法陣そのものが光ることがあります、
それがレベルUPの合図です、これを見逃さないで下さい」
「はい…分かりました」
「ちなみに今の敵はどう?」
「……………」
「ゴースト5体、ハデスゲートLv.1ですから覚えておいてね、えっと……
そちらの2人は敵のスタッフの観察ですね、召還師は誰で何人いるか?
分かれば召還師の最大召還数も欲しいです」
「召還師が知ってるなら可能でしょうけど…」
「まぁそうですよね、無理ならいいです。その他に敵が伏兵を忍ばせる
場所がありそうか周りのチェックをお願いします」
矢継ぎ早に指示が来るので部下の顔も締まってきた。
「残りは魔法陣を作る準備をします、あまり傾いた場所に作って
使い魔が気を悪くしないようにお願いしますね」
「はい」
「では始めます…よろしくお願いします」
「隊長代理、準備終わりました」
リレは一番敵に見やすい場所に魔法陣を作る準備をさせた。
「ありがとう、次はあそこね」
リレが呪文詠唱を始める…エミナの部下はその速さに驚いた。今まで
実力を半信半疑で見たスタッフもこれで何かを感じたようだ。
そんな中、リレが作り出した魔法陣は…アケロンだった。
「(アケロン?)」
いつもウッィカを作って守備を固めるやり方に慣れてるスタッフは驚いた。
そうでなくても退却用のアケロンを一番目に付く所に作るのは発想にない、
アニマドレインも使えないのに……?
「隊長代理、アケロンでいいのですか…?」
「問題ないわ、それより敵の本陣をよく見て。大騒ぎになってる?」
「……何やら動きが激しいですね」
「それでいいわ、次に作る魔法陣が分かったらすぐ報告お願いね
ハーガトリだったらいいけどな〜」
「隊長代理、魔法陣が発動しています!」
次なる報告はリレがフェアリーリングをレベルUPしてる時にきた。
「待ってたわ、敵はどうきてる?」
「フェアリーリングとハーガトリができています!」
「…ってコトは……いい感じね!」
リレは魔法の指揮棒を左手でくるっと回すと
「さぁ…貴方達の出番よ……!」
と呪文詠唱を始めた。出てくるのはキメラスボウン…
ここにきてスタッフはようやくリレの作戦に気付き始めた。
(なるほど…キメラにとって相性のいい相手を出させるために
アケロンで牽制したんだ……!)
しかし相手も負けてない。
「隊長代理、ハデスゲートがレベルUPしてます!」
「ふぅん…ファントムでキメラに対処しようっての……主導権はこちらが
握ってるのに食らいついてくるわね。さて…どうしようかしら…
ホムンクルスを呼ぶには魔法陣を作るところから始めないといけないし…」
しばしの沈黙の後…
「いける……」
そうつぶやいたと思ったらリレは精力的に動き始めた。
「キメラが2体になったら呼んで!その時敵の戦力を答えられるようにしておいてね!」
もうスタッフはただ見守るしかない、ただ不思議と負ける気がしなかった…
「キメラ召還されました!」
「敵は?」
「フェアリー5体、ファントム10体です!」
「了解!じゃ…キメラ達…行きなさい!」
奇声を上げてキメラが動き始めた。
「しかし…隊長代理はファントムにどう対処を…?」
「あれを見ろ」
キメラの後をフェアリー4体が飛んでいる。どうやらあれで対処するつもりらしい。
「でもファントム10体だから…フェアリーって攻撃力は弱い方だし
それまでにキメラが倒されたら逆にピンチだよな…」
と話しているスタッフの上をすごいスピードで動く使い魔が…
「カロンだ!エルフを乗せてる!あれでキメラの体力を持たせるのか!」
てっきり牽制用で使用済みと思っていたアケロンをしっかりリレは使ってきた。
「すごいな隊長代理…適材適所とはこのことを言うんじゃないのか…
全ての使い魔をものすごく有効に使ってるな…」
スタッフの1人が感嘆の言葉を吐いた…
敵の方はフェアリー隊は全滅、いくつか魔法陣も潰されかけている。
ファントムで攻撃するもエルフがヒールをかけるのでなかなか倒せない、
リレ隊のフェアリーが除々にファントムを減らしている…
しばらく敵陣で戦いは続いていたが…
「隊長代理、敵陣に動きが…!あっ!」
「どうしたの?」
「………白旗です!敵の本陣から白旗が上がっています!…我々の勝利です!!」
「……よしっ!」
「勝ったのか!よっしゃー!」
エミナの部下達も一斉に雄叫びを上げて勝利に酔いしれた…
リレ、わずか30分の電撃勝利である…
雄叫びを聞いて眠りから覚めたエミナは驚いた。いつもなら陣形を
整えて小康状態になる時間のはずがもう終わっている…
「よ、よくやったわね……」
「いえ、たまたま作戦がはまっただけです。私達の戦力に
ちょうど相性のいい相手ばかりでした、運が良かったです」
「そ、そう……」
エミナは二の句が継げない、それだけでリレは大満足だった。
「…明日はどうしましょう?出来ればお手伝いさせてもらいたいのですが…」
「そう…ね、任せるわ…」
多分この人はこの勝利も自分の手柄にしてしまうだろう、ただリレは
それでもいいような気がしていた。魔法院の中でも私の力が認めてもらえる場所が
1つはあるのだから自信に繋がる、何か一皮剥けたような気分だった。
「リレ!…お帰り」
「アマレット!?もう来てたの?今日はたまたま早かっただけなのに…
普通はこんなに早くないからね」
「ううん……今日のリレは早く帰ってくるような気がしてた」
「そう…………」
リレは何故か満足な笑みを浮かべた。
「隊長さんは…いないの…?」
「いないけど……どうかした?」
「ちょっと…あいさつを…」
「え?何で…?」
「言いたいことがあるから……」
「何を……?」
「『リレは将来あなたの上の立場になるんだから言葉には気をつけなさい』って」
「……………ガフね?」
「そう…会ったらそう言っとけって…」
「あの悪戯者……!後でみてなさい……!
アマレット、言わなくていいからね!って言うか、あなたも断ってよ!」
「で…でもリレだってそう言いたそうだったし……」
「そんなことありません!」
「で…リレ…あのね………」
「ええ、分かってる……」
と言うとリレはアマレットを抱きしめた。リレの方が身長が低いので道行く人には
妹が姉に抱きかかっているように見える。
「ごめんね…甘えたかったんでしょう……昨日は気付かずにごめんね…
ううん、気付いていたのかもしれないけどそこまで余裕が無くてごめんね…」
「リレ………」
「今日はどんな話でも聞けるわ…だってあなたのおかげで魔法院でも
やっていける気になったんだもの……」
「………嬉しい………」
「何か言いたいことはある?」
「ある………でも、ちょっとこのままでいたいな………」
「うん、いいよ……」
>>297 力作投下キタ━(゚∀゚)━!!!!!
エロなしなら投下前にちらっと予告して欲しい。カップリングの表記もあるとなおいい。
リレ様も激戦乙。上司との確執さらに乙。アマレットとゆっくり休んでほしい。
オリジナルキャラ出すのも一興だが、このゲームのキャラ名の由来と言うか法則
(酒の名前)にこだわって名づけると良かったかも。
自分が知らないだけでエミナというカクテル等が実在するならスマソ
なんかスレ進んでると思ったら投下キター!
GJGJ!
ほのかなリレアマだけでも潤った…
自分どんだけ飢えてたんだ
力の限りGJ
>>306-308 レス、アドバイスthanks
もう今回は読んでくれただけで感謝感激です
>酒の名前
Σ(゚д゚|||)マジデスカ!…知りませんでしたorz
面白い話です、今後も指摘あればどんどんお願いします
明後日から出かけるのでしばらくSS投下はありません。ではありがとうノシ
310 :
218:2007/09/15(土) 02:34:26 ID:cKWTeda8
>>227 >>229-230 レスがついてて嬉しかったんで、つらつらとアドリレで書いてみた。
遅ればせながらこっそり投下。推敲繰り返してたらわりと普通の話になってしまい、
220氏の発言とあんまり縁がないものに・・・orz
期待に応えられなかったら申し訳ない。ゲーム中盤ぐらいを想定してます。
311 :
218:2007/09/15(土) 02:37:43 ID:cKWTeda8
床板の不自然に軋む音が聞こえたのが原因か、それともランプの明かりのせいか。
リレ・ブラウは目を覚ました。彼女にしてみれば「解放された」と言った方が正解かもしれないが。
自分の部屋の天井が目に入る。窮屈に感じたのは、寝台の上に普段着のまま寝かせられていたためらしい。
長い髪が冷や汗で首筋にへばりついている。
(え……ええと、夜? いつの夜? 私は確か廊下で……廊下?)
「……?」
上半身を起こして、どうして自分は寝巻きではないのだろうと考える。
びっくりして話しかけてくるはずの世話役の声も何故か聞かれない。どこへ行ったのかときょろきょろ見回し、
「あれ……アドヴォカート先生、ですか?」
リレは人影に気がついた。
「……他人の手を煩わせておいて第一声がそれですか。あなたは実に厚かましい魂をお持ちだ」
ランプの明かりの向こう側に、黒魔術の教鞭を執る悪魔の姿がある。
通りがかったアドヴォカートに自室まで運ばれ、そのまま寝ているうちに夜になってしまった……要するに
そういうことらしい。手足の生えた慇懃無礼がぺらぺら喋っているようなこの教師の言うとおりなら、嫌味は
適当に聞き流して素直に礼を言う方が後腐れがなさそうだ。
「わ、わざわざ運んでいただいて、ありがとうございます。心配をおかけしました。もう大丈夫ですわ」
苦笑いを浮かべて、リレは寝台を降りた。服を整え、帽子を被る。
昨日よく眠れなかったのが災いしたようで、廊下で倒れこんでしまったのだ。
健康には自信があるほうだが、不安定な睡眠は流石に体に響く。
しかし、昨日と同じ夢を見ようとは。これでは五日目が来るより先に精神が参ってしまうのではないだろうか。
「時折うなされていたようですが」
「は、はい。ちょっと怖い夢を見まして、それで」
リレは正直に答えた。夢の内容までは話す気になれなかったが。
喋ったところで彼は皆を助けてはくれない。つくづく孤独な戦いをしているものだと思う。
それでも目覚めて一番に見たのがこの教師で良かったと、少女は内心安堵していた。
もし掃除好きなエルフであったら、気が動転していたかもしれない。――また”戻った”のかと。
312 :
218:2007/09/15(土) 02:40:16 ID:cKWTeda8
「と、ところでガフは? 私の身の回りの世話をしてくれているのですが」
「あのエルフですか? ……やはりいないようです」
アドヴォカートはドアを開けて廊下を見回すが、周囲にそれらしき姿はない。夜の冷たい空気が部屋の中に
入るだけだ。
「私があなたを抱えてきた時、怯えて部屋から出て行ったんですよ。御挨拶な使い魔だ」
「実は先生がガフをいじめた、とか」
疑惑の眼差しを向けてくる生徒に、アドヴォカートはかぶりを振った。
「しませんよ。そんなことをして何になると言うのです」
嘘ではないだろうとリレは判断した。確かに彼にしてみれば、自分をガフに引き渡して早々に去った方が
面倒がなくて良い。
「じゃあどこに行っちゃったんだろう」
「放っておきなさい。そのうち戻ってくるでしょう。夜に生徒が部屋から出るのは禁じられています」
「う……」
その通りだった。教師の前で堂々と規律違反をやらかす度胸はない。夜の廊下に飛び出したところで、どこに
行ったか行方の知れぬ彼を見つける前に自分が倒れそうだ。
不本意でも大人しく帰ってくるのを待つべき、と頭の中では結論が出たが、少女はぼそりと独りごちた。
……それまで誰もいなくなっちゃうんだ。
「さて、そろそろお暇したいのですが。大分顔色も良くなったようですし。生徒リレ・ブラウ。健康を過信して
いたのか知りませんが、以後気をつけるように」
「本当にすみませんでした……」
気を落としてうつむくリレに一瞥を投げて、アドヴォカートは暇の了承を待たずに出て行こうとする。
変に時間を食ったが、これでお役御免だ。うわごとで魔王が悪魔がと繰り返していたのも、新入生にしては
卓越した魔法の手腕も興味深いが、今問いただしてもはぐらかされそうな気がする。
まあそれでもこの生徒は面白そうだから覚えておくか。それだけ思うと、ドアに手をかけた。
313 :
218:2007/09/15(土) 02:44:08 ID:cKWTeda8
「アドヴォカート先生」
呼ばれて、アドヴォカートがリレのほうに向き直ると、少女はおずおずと申し出た。
「ガフが帰ってくるまでで良いんです。……ここに、いてください。ええと、お話でも聞かせていただければと。
黒魔術の講義でも歓迎です。実践は無理ですけど」
「小鳥は早く休みなさい。羽繕いもせずに飛ぼうとしても地に落ちるだけです」
「寝付けないんです。さっきまで眠っていましたから」
リレは食い下がった。黒猫の使い魔を召喚して眠りの魔法をかけてもらうことも考えたが、この部屋は
魔法陣を描くには狭い。廊下で描くとしても、今は夜。魔女の霊の餌食になる危険が付きまとう。
何より今独りになるのは耐えられない。誰もいなくなった……皆死んでしまった五日目の夜を思い出してしまう。
魔王と名乗る怨霊に胸を裂かれ、血を流したあの感触。老先生の体を乗っ取って、魔王の魂を喰らった悪魔の
凍りつくような威圧感。つい今しがたまで自身を苛んでいた悪夢の内容は、あの災厄の夜だった。
「私に子守唄を歌えと? 悪魔の歌声より夜の静寂のほうが、人間には心地よいでしょう」
「だからその……私、怖くて。あ、ええと、夜に一人なのが」
子供じみたことを言い出すものだとアドヴォカートは思った。
その歳ならば恐怖を湧き立たせる夢など何度も見たことがあるだろうに、幼いことだ。
いや、そもそも縋る相手を間違えてはいないか? 助けを求めるなら、天に祈れば良いものを。
リレはというと、ああ違うんです先生が怖いと言おうとしてごまかした訳じゃありませんわ本当に夜が苦手で、
と弁解に必死になっている。アドヴォカートが訝しげな顔をしたので、機嫌を損ねたのではと焦ったようだ。
そのうち言い開きは諦めたのか、寝台に力なく腰掛けてしょんぼりと下を向いてしまった。
(……遊んでやろうか)
ふと、悪ふざけをしたい気持ちに駆られた。
彼女の目が覚めたら嫌味の二つ三つ並べ立ててさっさと帰るつもりだったが、小娘に夜まで付き合わされた
挙句、素直に引き下がるのも癪に障るではないか。
望み通り、退屈を紛らわしてやろう。まだ誰も味わったことのない果実にかぶりつくのも悪くない。
314 :
218:2007/09/15(土) 02:51:06 ID:cKWTeda8
「そうですよね、こんな時間になっても引き止めるなんて、良くないです。講義はまた次の機会にし……」
「いいでしょう」
「は、はい?」
リレは目を丸くして顔を上げたが、当の教師は正面にはいない。髪を僅かに引っ張られた感触がして左肩の
ほうを見やれば、アドヴォカートが隣に座って、リレの長い金髪を弄っている。
「独りぼっちでお留守番は嫌だと駄々をこねられてはたまりません。使い魔はなかなか戻ってきませんし。
塔のどこをほっつき歩いているのやら。戻ってきたら罰を与えねばなりませんね」
先程まで嫌がっていたのに何故承諾するのかと尋ねようとして、すぐさま本人に遮られた。
「もちろん、無償ではありませんが」
「……魂を差し出せと?」
一瞬考えて、リレは聞き返した。契約を迫るならまあ納得ではある。
「若い娘の魂は十二分に魅力的ですが……今はそれよりも」
弄っていた少女の髪を掻き上げて、アドヴォカートは耳元で続きを囁いてやる。
途端、リレは真っ赤になって寝台からずり落ちた。
羞恥と尻餅をついた痛みとで表情の崩れたリレを、アドヴォカートは笑いを噛み殺しながら見下ろしていた。
「つまり、その……する、ってことですか? 私と先生で?」
「他に誰が」
「……」
完全にリレの想定外の要求だった。交渉の材料に身体を求められるとは。
そういうのはもっと大人の女性に持ちかけるものではないのか?
返事に窮して、加えて恥ずかしさでまともに相手の顔を見られないので、視線を彷徨わせる。
ガフは帰って来ないのだろうか。まさかとは思うが、塔のどこかでさぼっている? あるいは魔女に襲われた?
間抜けな格好のままなのもみっともないからと立ち上がると、アドヴォカートが面白がるように声をかけてきた。
「私を追い出すという選択もありますよ」
「悪魔の言うことを素直に信用しろと言うほうが無理ですわ。狩に出た鷹は獲物を逃がしたりはしないでしょう?
……獲物が手負いなら、なおさらです」
315 :
218:2007/09/15(土) 02:55:28 ID:cKWTeda8
少女の表情に自嘲めいたものが浮かぶ。彼の言う選択を取るにはもう、時間切れだ。それくらいは分かる。
「聞き分けの良いことですね。何か企みが?」
「まさか。勘繰りすぎですわ……きゃ」
ぐいと腕を引っ張られて、リレはバランスを崩しそうになる。掴んでくる力の強さに身がすくんだ。いつもと違う
目線の高さで顔を覗き込まれてどきりとする。
「あ、頭では分かります!気持ちは……納得してませんけど」
リレは口を尖らせて答えた。掴まれた腕が痛い。
「失礼」
掴んでいたリレの腕を解放したかわりに、アドヴォカートは楽しそうに彼女の頬を撫でる。
「苦痛と快楽を以って人間を誘惑するのは、あの人に天から追放されて以来の我らの生業です。あなたも
ご存知の通り、悪魔ですから」
頬に触れる手に、リレはぞっとした。警鐘だろうか、さっきからずっと心臓の鼓動がはげしいまま静まらない。
危険な相手だと、恐ろしい悪魔だと、承知していたはずではないのか。それなのに私は彼を留めようとした。
紛れもなく自分の意思で。
「お望み通り、使い魔が戻るまであなたの孤独を慰めることにいたしますよ。
……人間の男には興味の持てない体になるかもしれませんがね」
――この身は破滅、か。今更悔やんでも詮無いことではあるけれど。
自分の頬を撫でるアドヴォカートの手に、リレは己の震える手を添えた。
「あの……」
「命まで奪いはしませんよ。何も言わず、心配もせず、一切をお任せなさい。……ああ、悪魔の言うことなど
信用ならないのでしたな。それなら契約を交わしても構いませんが」
リレは首を横に振った。その必要はないと判断して。
◇ ◇ ◇
316 :
218:2007/09/15(土) 03:18:37 ID:cKWTeda8
リレは落ち着かない顔でベルトを外した。彼女の服を脱がそうとしたアドヴォカートの手を、自分でやりますと
突っぱねたためだ。それにしても、先程整えたばかりの衣服をすぐに脱ぐ羽目になろうとは。
恥じらいのせいで、裸になっていく手つきがどうにもぎこちないリレを、アドヴォカートがくつくつと喉を鳴らして
笑いながら見ている。目のやり場に困るので、既に服を脱いでしまっている彼のほうを向くことはできないが。
「これまでに男に抱かれたことはありますか?」
「……ありません」
「淫らな想像をして、自分の体でいけない遊びにふけったことは?」
「あ、ありません!」
一度目は小声、二度目は恥ずかしさに震える声でリレは返事をした。どんな答えが返ってくるかは分かって
いるのだろう。反応を見たいがために聞いているのだ。どこまでも人が悪い。
しばし躊躇った末、最後に残された下着に手をかけた。
胸や尻、脚の付け根に直に視線が注がれる。値積もりでもしているような、絡みつく視線。
大した値はつかないのだろうけれど、それでも自分の体だ。異性の目に晒すのはやはり抵抗がある。
「どうかしたのですか」
「……意地悪ですわ、先生」
少々むくれて、リレは言った。
「意地悪と言われましても。……ほら、こちらへ」
呼ばれて、寝台に上る。その拍子に、枕元にあったぬいぐるみが床に転げ落ちた。
床に脱ぎ捨てられた衣服と、そのそばに転がっているぬいぐるみ。
大人の真似事を始めようとする自分と、そのくせ子供の自分を皮肉っているようだと、リレは思った。
「何を見ているのです」
「ぬいぐるみを」
「やれやれ、ぬいぐるみの方が大事ですか。夜中にこの私を誘惑しておいて失礼ですね」
「言い出したのは先生です!私は、そんな……」
自分から求めたような言い方をされるのは心外だと、つい声を荒らげると
「やっ……」
急に背後から抱きしめられ、服を介さず直接肌と肌が触れる感覚にどきりとした。
317 :
218:2007/09/15(土) 03:22:25 ID:cKWTeda8
アドヴォカートの手はまだ成長途中のリレの胸部を撫で回し、薄い桃色の頂を指で転がす。
「あ、あの、やめてくださ……」
羞恥と恐怖で上擦る少女の声に、かすかに甘いものが混じる。
「嫌なら最初から私を追い出せばよかったのです。今になって手離すなんてできませんよ」
リレの胸の中心で、アドヴォカートは心臓を鷲づかみにするように指に少し力を入れた。
突然走った痛みにリレの体がびくりと反応し、くぐもった悲鳴が上がった。爪を立てられて、皮膚に血が滲む。
抱える彼の腕から反射的に逃げ出そうとして――リレは、ふと我に返る。
大きな獣に捕らえられ、己が身の肉を引き裂かれるのを待つ小動物は、こんな気持ちになるのだろうか。
背後のアドヴォカートは、リレを抱きかかえたまま彼女のうなじに吸い付いて時折歯を立てる。今味わった
恐怖が思い出されて拒絶できず、少女はそのまま抵抗する気力を奪われていった。
リレを仰向けに横たえさせて、アドヴォカートは先程つけた爪の跡に唇を寄せた。
傷の上を舌がなぞる感触に少女はぞくぞくした。外気にさらすことさえほとんどない白い肌に、彼の髪や髭が
触れてどうにもくすぐったく、思わず体を振るわせる。
肌に触れるアドヴォカートの前髪を払おうと、無意識にリレの手が動く。と、顔を上げた彼と目が合った。
「あ……」
彼女の視線をどう読み取ったのか、アドヴォカートは親指に唾液をつけて、リレの硬くなりつつある乳首の上を
何度も滑らせた。体が慣れない刺激に敏感に反応して仰け反る。
「はしたないですね。男の相手など、したことがなかったのでしょう? それなのにどうです」
「だ、誰のせいですか……ん」
彼の手が、リレの胸から腹部へ、臍のまわりへと移動していく。
細いながらも健康的な体の上をなぞられるたび、触れられた部分が疼く。肌は熱でほのかに染まっていく。
アドヴォカートは脚を割らせて太ももの内側に口づけ、女の部分へ手を滑り込ませる。肉芽を指先で弄られ、
少女は応じて喘いだ。甘えるような声が引き出せるのが面白いらしく、指はそこで動きを続ける。
下腹部から伝わってくる甘美な痺れ。初めての感覚にリレの体は弛緩していく。
318 :
218:2007/09/15(土) 03:25:50 ID:cKWTeda8
「……んっ……あ、やだ、何……?」
違和感を覚えた。リレの内部に指が入り込んできたらしい。指は窮屈なそこを解すように動いた。
爪や指の関節のせいで痛むが、快楽が勝る。アドヴォカートの指が内部を行き来するたび、リレの幼さの残る
唇が嬌声を紡ぐ。膣をかき混ぜられる卑猥な音が自分の耳にも聞こえて、少女は恥ずかしさを余計に煽られた。
自分の体を他人に自由にさせたことなんてこれが初めてなのに、与えられる快感に酔ってしまっている。
朦朧とする頭の中とは反対に、体は適応していく。
体の自然な反応ですっかり濡れたリレの秘部に、アドヴォカートは挿れる指を増やした。そこは飢えたように
吸い付いてくる。
「や、やめて……ください、これ以上されたら、んっ……私……」
「やめろですって? 何てことを仰るのでしょうねえ。体は欲しがっているのに」
指が動かされ、少女のまだあどけない顔には分不相応な艶かしさが浮かんだ。
リレは絶え間なく甘い声を上げた。上げさせられた。無意識に腰が動く。息が荒くなる。肌に汗が浮かぶ。
頭の片隅で見知らぬ誰かが囁いているようだ。
思考など止めてしまえ。意思など失くしてしまえ。ただこの愉悦に身を任せていればそれでよい、と。
それでもまだ理性の一欠片が残っていたのは、壁に映った二人の影が目に入ったからだろうか。
影は、昔どこかで見た、悪魔と悪魔に襲われる女の描かれたおどろおどろしい絵を連想させる。
あの絵の女性と置き換えるには、自分の体はまだまだ幼いけれど。
「かすかに理性が邪魔をしているようですね。怖がらずに、素直に体の感覚に従いなさい」
「……そんな、こと、言わ……れても」
リレは答えた。愉快だと言わんばかりのアドヴォカートが自分の火照った体を眺めるので、ああ私はおもちゃに
されているのかと、整わぬ呼吸をしながら思った。前髪を払われ、額に軽くキスをされる。
あれだけ辱められてなお、脚の間は続けて欲しいと疼いている。自分の意思と体が切り離されていくようだ。
こんなことしちゃ駄目だと、これは大人のすることなんだと、頭では分かっているのに。
怖がるなというのも無理な話だろう。腕を掴んだり胸の真ん中で爪を立てたり、散々苛めたのは誰なのかと
言ってやりたいのを、リレはぐっとこらえた。
319 :
218:2007/09/15(土) 03:29:32 ID:cKWTeda8
「私が楽しむだけなら容易いが、あなたに無茶をさせると後々面白くない事になりかねませんからな。
行為そのものを嫌いになられてはかなわない」
と、唇で唇を塞がれた。アドヴォカートはリレの口に舌を捻じ込ませてその先を舐め、口腔内を無理やり
犯してくる。体よりも心が遊ばれたような気がして、リレはより息苦しくなる。ようやく離された彼との唇の間に
つうと唾液が糸を引いた。
「こんなに面白い相手を見逃すなんて出来ませんから。魔法の扱いに慣れた新入生が現れたかと思えば」
「それは……その」
「夜に悪魔の私を引き止めて」
「……ほっといてください」
「そして今は私に組み敷かれている」
「……」
返事に詰まった。繰り返される時間の中で、それでも記憶と経験の残る自分だけが勝手に信頼したところで、
時間が戻っているのを知るはずがない彼には関係のないことだ。軽率な小娘だと、きっと心の底で嘲笑って……。
「あなた、本当は私のことをよく存じているのでしょう? そう考えないと腑に落ちないことが多すぎる。
喋る気はなさそうですが、いやはや、どうやったら口を割るんでしょうねえ」
アドヴォカートの顔に浮かぶのは嗜虐的な笑み。捕まえてきた鳥や鼠をいたぶって遊ぶ、猫の残酷さ。
「……魔法勝負だったらな」
少女は嘆息した。一方的にやられるばかりの立場に置かれたことがもどかしい。
流石に勝てるかどうかまでは分からないが、そこそこ応戦はできるだろう。こんな時でなければ、だが。
「私に勝つつもりですか? 少しばかり歌う事を覚えただけで、もう生意気な口を利く」
ひやりとした。魔法勝負だったら、は確かに不遜だったかもしれない。
「そこまでは……。ただ学ぶものが多いと思っただけです」
「これは勤勉だ。そうですとも、生徒は知識に貪欲でなくては。何事にも」
こんな状況で学生の本分を語られてもどう答えれば良いのかと、リレは何とも複雑な思案をした。話がそれた
ことで、もしかしたらこのまま終えてくれるかもしれないと、都合の良い考えがちらりと頭を掠める。
今ならまだ、度は過ぎているが、からかわれただけだという事に出来る。
320 :
218:2007/09/15(土) 03:34:07 ID:cKWTeda8
だが、淡い期待はすぐに打ち砕かれた。再び甘い感覚が下半身を襲い、リレの太ももが震える。
肉芽と膣口の間を滑るものが何か気がついて怖くなった。指じゃない。
「そりゃあ教えられることはいくらでもあります。ですが慣れない生徒に多くの課題を与えては、無能な教師だと
謗られても反論できませんし」
つい下半身に目を向けると、そそり立った男の証がリレの視界に入った。生々しい欲望を目にするなど
初めての彼女は身が怯む。あれを自分の体が受け入れる? まさか……。
「む、無理です! 私みたいな子供に……そこまで相手が務まるはずが……」
「こうも淫らな姿を見せられて、おあずけを食うのもご免です。いい子にしていなさい。あまり暴れないように」
「い、痛い……、やぁん、先生、やめ……いた……」
侵入を始めたそれが下腹部を無理やり押し広げていく痛みに耐え切れず、リレは悲鳴に近い声を出した。
内臓が圧迫され、どうしても体が後ずさろうとするが、アドヴォカートが彼女の細い腰を掴んで逃がさない。
「い……やだ、いた……い、もう許して、抜いてくださ……お願い、やめてぇ」
「その願いは聞けませんね」
淡々とした声が残酷な通知としてリレの耳に入る。苦しんでいる自分の様が、彼の加虐心をそそるのだろうか。
少女の懇願を聞き入れず、アドヴォカートはきつい内部を最奥まで貫いた。結合部から滴る愛液に赤いものが
混じる。
「……くうっ…ん、……い、いたい、……ああああぁ」
リレの喉の奥から搾り出すような声が漏れ、目にはうっすらと涙が浮かぶ。
「悪魔に純潔を汚された気分はいかがです」
酷薄な言葉をかけられた。しかし、ろくでもない物言いだと怒ってやりたい気持ちも、痛みのせいで霧散する。
「気分、なんて……ん、痛いし、ベッドに押し付けられてるし、息苦しい……」
「上になりたいということですか? 夫も楽園も捨てて我らの同胞となった、アダムの最初の妻のように。
……いきなり大胆ですね」
「か、からかわないで、くだ、さい……! そういう、意味じゃ……ありま、せ……きゃぁ」
乳房の頂点を軽く引っかかれ、摘まれて、少女は反応する。
321 :
218:2007/09/15(土) 03:39:54 ID:cKWTeda8
男の腰が打ち付けられ、淫猥な粘液の音が部屋に響く。少女の声と、それから時折男の声も。
アドヴォカートが愉しんでいるのがリレにもよく分かる。自分は身を裂かれるように痛いだけだが、彼の方は
さぞ気持ちいいのだろう。漏れる息が緩い。
おまけに何だか機嫌が良さそうなのは、悪魔の仕事をして小娘を陥落させたからだろうか。
「少しは可愛げのあるところを見せてもらいたいものです。お手手を留守にしていないで」
「……?」
リレは彼の言わんとすることが何かほんのわずか逡巡して、シーツの上の手を両方とも男の背に回した。
何故情を乞うような振る舞いまでさせるのか、今ひとつぴんと来ない。おもちゃを得て喜んでいるのだろうと
思っていたが、体だけでなく心まで弄らないと気が済まないのだとしたら、本当に残酷なことだ。
耳を噛まれ、下腹部の痛みからわずかに気がそれた。不平を鳴らそうとリレが唇をほんの少し動かした時、
黙らせるかのようにキスをされる。唇を塞がれているうちに何を言いたかったか忘れてしまった。
「く……ん、ぁあ……ひゃあん」
不意に異なる感覚がリレに訪れた。痛みに含まれた、わずかな、それでいて本人にも自覚できる甘い痺れ。
深いところを小突かれると、いやらしい感覚が体中に響く。
気づかれたくはなかったが、悪魔は少女の変化を見逃さない。
「良くなってきましたか? 女は初めての交渉では感じないのが常ですが」
「ち、違います!……ん、そんなんじゃ、ありませ……ぁん」
咄嗟に口をついて出て来たのは否定の言葉だ。だがどれほど違うのだと訴えても、彼は取り合わないだろう。
遠まわしに淫乱な女だと言われたのが悔しいが、それでも押し寄せる苦痛と快楽に体は応じてしまう。
「せ、んせえ……くうん、ああぁあ、ぁ……やぁ、ああぁん」
少女の華奢な体が揺さぶられ、突き立てられるたびに愛液と破瓜の血が溢れてシーツの染みが広がる。
頭がぼうっとしてきたのは、痛いのもあるが、何より体が悦んでいるせいだとリレは嫌でも自覚させられた。
半泣きだった。痛みのせいで。快楽に抗えない情けなさで。
「や、……先生、私の体……っ、どこか、おかしい……ぁん、ふあぁ、や……だぁ」
体の中心を出入りされ、かき回され、時に肉芽も弄られて、快感が引きずり出されていく。
「気持ちいいのでしょう? これほど締め付けてくるんですから。体の反応を嫌悪する必要などありませんよ。
ああそれから、私の背中に爪を立てるのはやめてください」
322 :
218:2007/09/15(土) 03:43:56 ID:cKWTeda8
捕らえられたのは果たしてどちらなのだろう。
しがみついて来る少女の匂いと肌の感触を堪能しながら、アドヴォカートは快楽の狭間にそんなことを思った。
ここまで来ても本人の態度が素直でないのはご愛嬌か。爪を立てるのはやめろと言ったのに聞かないのは、
ひょっとしたら彼女なりのささやかな仕返しなのかもしれない。
魔法の腕前同様、何も知らぬ初心な小娘というのは見せかけで、実際は娼婦のように振舞うというのを
少し期待していないでもなかったのだが……まあこれもいい。幼いが熱い陰部が溢れる愛蜜とともに陰茎に
絡み付いて、根元から先端まで絞り擦りあげてくる感覚に、アドヴォカートも呻き声を漏らした。
少女の青い双眸が訴えていたのは孤独だった。同時に、損得勘定のようなものも見えたが。
これで最悪は回避されるという打算。
悪夢とやらに煽られたとしても、悪魔の慰みになることよりも孤独のほうを忌避するとは。
恐怖による動悸を恋情のそれと錯覚しているのだろうか。
本人がどう思っているかは定かではないが、若い娘の未成熟な体は決して悪いものではない。初めて男を
受け入れた部分の締め付けに、意識まで飲み込まれそうになる。自分から動かずに膣の収縮を味わっている
だけでも気持ちがいい。
笑い話だ。小娘に酔わされているなど。
「ん……、ああぁ、くぅ、はぁ、ん、ああ……やぁ……」
リレの悩ましい喘ぎ声が下から聞こえてくる。もっと欲しいと、催促するように。
少女の愛くるしい顔が歳に似合わぬ不健康な色気を醸している様に、支配欲を煽られる。
「それにしてもよく乱れるものです。驚きました、あなた本当に先程まで純潔だったのですか? ……それとも、
私はそんなに合いますかな」
「あぁっ……! ……ぅん、ゃぁあ……ぁああ、くぅっ…ん……」
からかってやるが、リレの唇には既に意味のある言葉を紡ぐだけの力がこもらない。ただ官能に狂う声が
漏れ、アドヴォカートの耳朶を打つ。
快楽を覚えて耐え難いほど熱くなった少女の内部が、女の体の宿命で自身を求めてくる。
323 :
218:2007/09/15(土) 03:45:55 ID:cKWTeda8
どこで見聞きしていたのか見当もつかないが、私を自室に引き止めたのは私をよく知った上でのことだろう。
落ち着いたときにでも訊いてやろうか。私のことが嫌いか、と。いや、黙っていたほうが面白いだろうか。
いずれにせよこの小娘に関わっていれば、しばらく退屈はしないで済む。
ほら、私を楽しませろ。理性のたがを外して存分に乱れろ。どんな女なのかもっと私に教えるんだ、リレ・ブラウ。
突き上げられるたび、リレのあられもない喘ぎが部屋中に響く。これまで誰も知らなかった内部は何度も
何度も蹂躙され、接合部から愛液が溢れる。
限界が近かった。先程よりも激しさを増した抽迭に、少女の体は追い上げられていく。
「ふぁあ、やぁ、はぁ……あ、あぁぁああああっ……!」
ひときわ高い声で鳴いて、男のものを咥え込んだ部分がきゅうっと締まった。
絶頂を迎えた少女の体ががくがく震えるのを味わってから、アドヴォカートは彼女の胎内に白い血を放つ。
それまでの行為で出来た膣壁の小さな傷に、今注がれた体液がしみる感覚がリレの全身をめぐり、身体の
奥深くから力が抜けていくような気だるさに襲われる。
引き抜かれると、膣口から白濁がどろりと溢れて寝床を汚した。
◇ ◇ ◇
324 :
218:2007/09/15(土) 03:48:38 ID:cKWTeda8
「……いい加減寝ませんか?」
半眼でこちらを見てくる教師の呆れたような声に、リレははたと文字を追う手を止めた。
ただでさえ二人寝そべって狭い寝台にグリモアを何冊も広げ、ここぞとばかりに黒魔術の質問を繰り返して
いたのだが、確かに睦言にしては色気のない応酬ではある。よくよく眺めれば、アドヴォカートの顔には
そんなもの昼間に聞きに来いと書いてあるようにも見えた。
「でも、授業は生徒が望んだ時に行われるってガンメル先生が」
「ガンメルもこの状況を想定して言ったわけではないと思いますが」
それはそうだ。あの老先生が知ったら一体どんな顔をするだろう。入学早々教師と床を共にする生徒……
客観視してみたら当事者の自分でさえ頭がくらくらする問題児ぶりだ。リレの顔に疲れた笑いが浮かんだ。
そういえば何だか疲労感が。いやいや、魔法の知識はいくらあっても損はしない。質問の続きを……。
「先生、それからここの呪文ですけど……詠唱、が……」
リレは寝転んだままグリモアの一ページを指差し、
「……おや」
そのまま瞼を閉じて穏やかに寝息を立て始めた。
部屋の外からぱたぱたと足音が聞こえたのが原因か、それとも窓から僅かに差し込む日の光のせいか。
リレ・ブラウは目を覚ました。悪い夢には苛まれずに済んだようだ。「解放」などと大げさな目覚めではない。
自分の部屋を見回すがリレ以外の人影はない。体中が痛むのは、つまり夜中のあれこれの証左であるらしい。
胸元を見下ろすと爪跡がくっきり残っている。
(先生? ガフ? 誰もいないの? ええと……とりあえず)
手早く着替えると寝台のシーツを引っぺがす。とにもかくにもまずは洗濯に行こう。
ついでに床に転がっていたぬいぐるみを拾い上げて、本棚にちょこんと置いた。
325 :
218:2007/09/15(土) 03:51:16 ID:cKWTeda8
部屋を出たところでガフが駆け寄ってきたので、昨夜は一体どこに行っていたのか聞いてみる。
「おいら? ガンメル様のとこだよ。喋ってたらいつの間にか日が暮れちまってさ。ごめんよリレ、夜の廊下は
魔女の霊が……」
「う、ううん、いいのいいの」
少し考えてみた。ガフは昨日リレの自室に来たアドヴォカートに会っている。ガンメルにそのことを喋って
いてもおかしくはない。つまるところ、ガンメルは昨夜何があったか勘付いているか、もしくはアドヴォカートに
直接尋ねて返答を得ているかもしれないわけで。……貞操を守れだの、せめてもう少し相手を選べだのと
延々説教される覚悟はしておこう。最悪、退学処分になっても文句は言えない。
「どうかしたのか? あ、そのシーツ洗うんならおいらが」
リレはぎくりとして断った。彼の仕事熱心は嬉しいが、これはちょっと他人に頼むのは気が引ける。
「自分で洗うんなら別にいいけど。そうだ、明け方部屋に戻ってきたら、寝てるリレの枕元に鼠が一匹いてさ。
ちゅーちゅー煩かったから箒で追い出してやったぜ。ったく、毎日掃除してるのにどこから来たんだか」
「鼠……」
――使い魔が戻るまであなたの孤独を慰めることにいたしますよ。
夜、アドヴォカートに言われた言葉を反芻する。彼が鼠に化けていたのを見たことがあるのだ。
契約も交わしていないのに律儀な振る舞いだと思った。彼なりの義務感か? いや……。
鼠を追い払ったのを武勇伝のように語るガフに礼を言って、リレは今度こそ洗濯に向かった。
一仕事終えた後、リレは廊下を歩いていた。
途中出くわしたマルガリタに、「あら? リレ、何だか昨日までと雰囲気が違いません?」などと言われて、
引きつった笑顔で適当に誤魔化したりもしたが。さぞ怪しまれたことだろう。
廊下には日が差している。太陽は今日も昇った。夜は明けた。昨夜と比べれば、気分はずっといい。
明けない夜も、止まない雨もない。……だとしたら、悪い夢も?
(仕事してくれた、ってこと? だとしても、私が寝た後は帰っちゃっても良かったわけだし……)
ふと見れば、探していた黒魔術の教師が廊下の向かいからこちらにやってくる。
顔を合わせれば、おそらくいつものように尊大に、あなたは世話役の躾がなっていないと詰ってくるのだろう。
リレはその様子を想像して――アドヴォカートのそばへ歩いていった。
<了>
326 :
218:2007/09/15(土) 03:53:38 ID:cKWTeda8
以上です。読んでくださった方、長々とお付き合いくださりありがとうございました。
何だかやりとりが子供っぽい話になってしまった。
無理やりいろいろ詰め込んだせいで不恰好な文章になってますな。反省。
GJ!
違和感ないねアボガド先生、夜も紳士だw
ふぉおおおおおおーーー!!神降臨ーーーー!!!
力の限りGJです!
アボカド先生カッコヨス
リレたんカワイス
ええもん見た…
218さんお疲れ様でした、ぬいぐるみの比喩表現とか感心です
自分もリレ×アマSS投下させてもらいます
冒頭の情景が微妙に218さんとかぶっちゃいましたが・・・
目覚めで始まるのって書きやすいですよねw
なお、えっちシーンに入るまでちょっと長いので、うざかったら飛ばしてください
頬をなでる夜風の感触に、リレはふと目を覚ました。瞳の奥に差し込む月光の
まばゆさにまぶたを瞬かせてから、彼女は自らの腕の中に愛しい相手の重みが
感じられないことに気づいた。
「あら? アマレット? 」
起き上がってきょろきょろと周囲を見回したリレの瞳に、長い影を引いて窓際に
たたずむアマレットの仙姿が映る。蒼い月光の中に朧に浮かび上がるその儚げな玉貌は、
この世のものとも思えない神秘的で荘厳なまでの美しさに満ち、リレはしばし声を
かけることも忘れて、一幅の絵画ともみえるその情景に見惚れていた。
「……リレ」
呆けていた彼女に気づき、振り向いて声をかけてきたのはアマレットのほうだった。
リレは照れ隠しの微笑を浮かべながら、手早くガウンをまとって自分もベッドを降りる。
「何してたの、アマレット? 眠れないの? 」
「……少し、考え事を」
白鳥のように優美な首を微かにかしげ、アマレットは玲瓏の美声でつぶやくように答えた。
「何? 悩み事とかだったら相談に乗るわよ」
「悩みというわけではないの。ただ、……」
アマレットは言葉を切り、少し考え込むように、細くしなやかな指を白い頬に当てる。
「……今日、ね。劇場のお客さんから、聞かれたの」
夜風に揺れる艶やかな髪の一房をそっと撫で付けながら、彼女は静かに続けた。
「私とリレが恋人同士だという噂は本当か? ……と」
「あぁ、またその話題ね」
リレは微苦笑して眼前の少女を見つめた。
史上最年少で王国魔法官となったリレと、王都の宝石とも称えられる稀代の歌姫・
アマレットは、二人ながらに、好むと好まざるとにかかわらず著名人である。その二人が
非常に、というより過剰に親密であり、あまつさえ同居までしている事実は、世間の
耳目を集めずにはおかなかった。リレ自身、二人の『関係』がいわゆるノーマルな
ものではないということは自覚していたし、田舎生まれであるだけに保守的な環境で
育ってきたリレが、そのことで悩んだ一時がなかったとは決していえないが、すでに
もうその時期は通り過ぎていた。今の二人は誰はばかることなく屋外でも腕を絡め、
手をつないで歩きもするし、肩を抱き、抱擁しあうこともある。
無論、積極的に喧伝するというわけではないものの、だからといって無理に隠しだても
しない、ごく自然な状態で、リレとアマレットの『関係』は、いわば公然の秘密といった
ところに落ち着いていた。とはいえ、やはり人々の好奇の対象にしばしばなりはするが、
それはそれで仕方のないことだと、リレはもう割り切っている。アマレットのほうも、
もとより世間が何を思おうが、どう噂をしようが、まったく関心を持たない性質
だったから、これまではその話が二人の間で取り立てて問題になることはなかったのである。
「でも、それがどうしたの? 何か嫌なことでも言われた? 」
「いいえ。ただ、……」
アマレットは不思議そうな顔つきのリレをまじまじと見つめて、困惑したように
細い吐息をついてから、長い睫毛を伏せて、言葉をつむいだ。
「わからなかったの。……私とあなたは、恋人なのかどうか」
「え!? 」
仰天してリレはぱちくりと目を瞬かせた。今更そんなことをいわれようとは、彼女には
思いもよらないまさに青天の霹靂。あの『塔』で巡り合い、愛を誓って時を乗り越えてから
もうどのくらいになることか。つい先ほどまでも熱く肌を重ねあっていたばかりなのに、
いったい彼女が何を言いたいのかまったく理解できずに、リレは絶句した。
「あ、あの、どういうこと? 」
どもりながらたずねるリレに、アマレットは問い返した。
「リレは、私のことをどう思っているの? 」
「もちろん愛してるわ。世界の誰より。あのときの約束のままよ、ずっとずっと」
急き込んで答えたリレの様子を、アマレットは柔らかな微笑で迎えてうなずく。
「私もよ、リレ。あなたを愛しているわ、あなただけを」
「だ、だったら……」
問いを重ねようとしたリレの言葉を、銀鈴を振るようなアマレットの声がふさぐ。
「でも、それは『愛』でしょう? 『恋』とはどう違うの? 」
「こ、こい? 」
目を丸くするリレに、アマレットのもの問いたげなまなざしが注がれる。
「『恋人』、というのは、『恋』をしている人のことをいうのでしょう? 私はリレを愛して
いるし、リレも私を愛してくれているけれど、それは恋なの? 恋じゃなければ恋人とは
呼べないのではないのかしら? ……『恋』とは何? 」
思いも寄らない方向に転がり始めた会話に、リレの頭は著しく混乱した。そもそも、
田舎で暮らしていたころにも、同性異性を問わず誰かと付き合った経験などリレにはない。
単なる友人以上の仲として深い関係にまでなったのはアマレットが最初なのであって、
そんな奥手な彼女に色恋の問題を問われても、所詮答えを持ち合わせるはずもなかった。
「そ、それは……多分、同じなんじゃないかしら、愛と。ほら、魔法陣のレベルが上がる
みたいなもので、愛は恋の上位互換なのよ、きっと」
しどろもどろになりながら、リレはへたくそな比喩を持ち出してもみたが、シャルトリューズ
仕込みの理論屋であるアマレットはそんな不完全な回答に納得を示しはしなかった。
「でも、家族を愛する、とは言うけれど、家族を恋する、とは言わないわ。それなら、
愛と恋とはやはり別のものではないのかしら? 」
「う……それは」
あっさり切り返され、リレは冷や汗を浮かべて口ごもる。そんな困惑しきった彼女の様子を、
アマレットはやや打ち眺めていたが、すぐににこりと微笑んで、リレの肩に手をかけた。
「ごめんなさい、あなたを困らせるつもりはなかったの。難しい問題なのね。無理に答えを
求めるつもりはないわ、もう休みましょう」
休みましょう、といわれても、難問を投げかけられた自分が今度は眠れない。穏やかに
ベッドに横たわるアマレットの姿を横目で見ながら、リレは情けない表情で、答えの出ない
質問を、夜通し必死で自分に繰り返し問いかけ続ける羽目になったのだった。
かくて、翌日のリレは寝不足に目を赤くしたままの出勤を余儀なくされた。グリマルキンに
スリープをかけられたかのような眠気と戦いつつ、寝ぼけ眼をこすりながらも、事務室で
当日の魔法院での予定を確認していたリレだったが、その睡魔を追い払ったのは、書類の
中に見出した、一人の見知った名前だった。
「オパールネラ先生! 」
案内も請わずに客室に飛び込んできたかつての教え子に、その名で呼ばれた美しき
魔法使いは形のいい眉をしかめた。
「リレ・ブラウ。私は今日は王都の魔法院に用事があっただけで、あなたに会う予定は
なかったはずです。しかもいきなり大声を上げ、ノックもせずにいきなり現れて……」
「ああすみません先生。ついその、勢いあまって」
かつて師事したときと比べて外見年齢は10歳以上も若返ってはいるが、オパールネラの
冷ややかで厳しい物言いは健在だった。ほうっておくとそのままお説教になだれ込みそうな
恩師の言葉を、急いでリレはさえぎる。
「あの、実は、ご教示いただきたいことがありまして」
「教示? 私が、あなたに? 」
オパールネラは不審そうに、というより不機嫌そうに唇を歪めてリレを見やる。
「何を教えろと? 今となっては私よりあなたのほうが魔法の知識も能力もはるかに上の
はずですが」
「ええ、それはわかってるんですけど……あ、いえ、その」
思わず口を滑らせたリレは、師の眼鏡の奥の瞳が鋭く光るのを見てあわてて口を覆う。
「魔法のことではなくてですね、プライベートなことで、ちょっと」
「ますますわかりませんね。私とあなたはプライベートで相談しあうような親しい仲
だった記憶はありませんが……まぁいいでしょう、話だけは聞きましょうか。それに私が
答えるかどうかは別の問題ですが」
つれなく言うオパールネラのこの同じ口が、ハイラムと二人きりのときには甘ったるい
言葉をつむいだりしてるんだろうなぁ、などと不思議に思いつつも、リレは軽く唇を湿して、
意を決し、切り出した。
「あのですね。……恋とは、何でしょうか? 」
オパールネラが目を白黒させるという珍しい光景があるとするならそれはこの一瞬
だったろう。棒を飲み込んだような顔つきになっていた彼女は、ややあってようやく
こう答えた。
「脳でも煮えているのですか、リレ・ブラウ? 」
「う……まじめにお聞きしてるんですけど、先生」
まるでアドヴォカートのようないわれ方をされて唇を尖らせるリレに、オパールネラは
頭痛を抑えるようにこめかみを叩いて頭を振る。
「大体あなたは、あのホムンクルスの小娘といい仲のはずですが。そのあなたが
今更何を」
「はあ。私自身も、とても今更な話だと自覚はしているのですけど」
情けない顔つきでため息をつき、リレは、昨夜の一件をオパールネラに語り始めた。
「私の知ったことではありません」
聞き終えてまず一声、オパールネラの冷徹な言が響いた。慌ててすがりつくように、
リレの焦りを含んだ声が続く。
「そ、そんなぁ。何かせめて、アドバイスだけでもいただけませんか。私の知っている
中で、恋の話題といえばまずオパールネラ先生なので」
「……嫌味かしらリレ・ブラウ。私の恋が成就したことなどなかったのは知っている
はずですが」
「ええ、それもよく存じ上げてますが……あ、いや、その」
またも口を滑らせたリレは、師のこめかみに青筋が浮くのを見つけて急いで言葉を取り繕う。
「でも今ではお幸せなわけですし。やはり、片思い続きでも私なんかよりはずっと、
恋に関してはベテランでいらっしゃるんじゃないかなぁと」
「……一言一句、もれなく馬鹿にされているように感じるのは私の気のせいですか? 」
唇の端がヒクヒクと痙攣し始めたオパールネラの容貌がまるで魔王にもまがう鬼気を
もって迫り、リレは思わずたじたじと後ずさる。
「い、いえ、決してそのような意図は」
「大体ですね。恋などというものはそれこそ百人百様、その事象も対応もそれぞれ
個別具体的であって、誰にでも通用する汎用的な解などあるはずがないのです。それを
他人の助言を当てにすることからして、そもそも大いなる過ち以外の何者でもありません。
私に言えることがないというのはそういう意味です」
毅然と言い放ったオパールネラの声に、リレはがっくりと肩を落とした。いわれてみれば
確かにそうで、誰かに教えてもらうといった筋の問題ではなかったのかもしれない。
「う……そういうものですか……」
しょんぼりとしたまま、リレは力なく一礼した。が、客間を後にしようと踵を返した
そのとき、リレの背中に、オパールネラの独り言のような呟きが届いた。
「まぁ、あえて言うなら。あなたがあの娘と離れているときに何を思うか、そして
あの娘と接しているときに何を感じるかを、考えてみると良いかもしれませんけれどね」
はっとして振り返るリレの前には、しかしもう黙して茶を飲んでいるオパールネラの、
先刻までと同じような取り付くしまもない表情があるだけだった。
「……何をしているの、リレ」
その日の夜、帰宅したアマレットは、窓辺にたたずんで無言のまま沈思しているリレに
不思議そうに声をかけた。まるでそれは、昨夜の二人の立場が入れ替わったように。
「あ、お帰りなさい、アマレット」
我に返ったリレが振り返り、アマレットを迎える。月光に照らされたその表情は、
どこまでもやさしく穏やかだった。
オパールネラに示唆されたこと。抽象的な事象の思索ではなく、あくまで自分自身が、
相手との関係の中で、どう考えているのか、何を感じているのかを見つめること。
その気づきがあったとき、他愛もないほどに、彼女の疑義は氷解していた。リレは、
夜気のように透き通った感覚の中で、眼前のアマレットを見つめる。
「あのね、アマレットのことを考えていたの。……というより、あなたのことを考えると
自分がどうなるかを考えてた、って言うべきかしら」
「……どういう意味? 」
小首をかしげるアマレットに、リレは落ち着いた微かな笑みを投げかける。澄んだ瞳に
相手を深く映して、彼女はそっといとおしむように唇を開いた。
「アマレットのことを考えると、胸の中が暖かくなる。なんだかふわふわして柔らかい
もので静かに静かに体中が包まれたような気になる。それでいながら、あなたのために、
あなたの幸せのために、どんなことでもするんだって強い気持ちにもなるの。
……多分、この『気持ち』が、愛」
「……リレ」
小さく息を呑んだアマレットの瞳が見開かれた。胸を衝かれたように睫毛を揺らす
アマレットの元に、リレは静かに歩み寄り、その頬に触れる。
「そしてね。あなたの声を聞いたとき、あなたの笑顔を見たときに、……あなたに
こうして触れたときに、体中がどきどきする。ドラゴンの炎に激しく焼かれるみたいに
頭の中が熱くなる。
私のすべてを溶かして焦がす、……多分この『感情』が、恋」
ささやくように言ったリレの唇が、ふわりとアマレットの耳元に近づく。
「どっちも、あるの。私の中に。あなたのことを考えて、穏やかになる『気持ち』と、
激しくなる『感情』が。……矛盾してるけど、多分それが、『恋愛』」
リレの吐息がアマレットの耳朶を暖める。しびれたように動かないアマレットの、まなざし
だけが揺らめいて震えた。
「答えになってるかしら、アマレット。夕べのあなたの問いかけの」
「ええ……わかるわ、リレ。私も同じ。あなたを思うと安らげる。そして、……あなたを
感じると、心が、震える」
アマレットはゆっくりと頭を回して、リレと向き合った。つやめく唇に、穏やかな笑みを
浮かべて。
「恋愛、なのね。これが、私の……いえ」
「私たちの」
語尾をかぶせるように二人で同時に言い直して、リレとアマレットはくすりと笑いあった。
どこまでもひそやかにひめやかに、けれど暖かく和らいで。そのしのびあう笑い声が、
やがてひとつに重なり行き、二人の少女の、二つの唇の中に、溶けて消えた。
最初は軽くついばむように、けれどそれがいつともなく深く、濃く。
リレ、と。アマレット、と。呼び合うことすらもどかしく、二人の唇がお互いの形を
確かめ合う。声にならない呼びかけを動きにして、二人ながらにいつしか腕を相手の背に
回し、求め、探る。ぴちゃりぴちゃりと濡れた音が朱唇の間から漏れて、少女たちの
高まりをさらに煽っていく。
ぬめる舌が彼女たち自身を代理するかのように激しく絡み、離さないと主張していた。
どちらがどちらの口腔を蹂躙し、陵辱したのか。それすらわからないほどに、リレと
アマレットは忘我の中に蕩けていた。
いつしか唇から滑り降りたリレの舌が、アマレットの白磁のような肌の上を自然になぞる。
顎の裏を、首筋を伝って、くすぐるように。
痺れてしまう、とリレは思う。唇を這わせている自分のほうが、その美味に、甘味に、
堕ちてしまうと。
「ん……リレ……」
アマレットの熱い吐息が甘く漏れて、リレの意識をいや増しに酔わせる。足元がふらついて、
二人はもつれ込むようにベッドに倒れこんだ。
「きゃ」
「わ」
重なる小さな悲鳴の中、こつんと軽く額をぶつけた二人が一瞬我に返って丸い瞳で
見つめあう。やがてくすくすと笑い声が漏れ、リレはアマレットの額をそっとなでた。
「ごめんね、痛かった? 」
微笑んで首を振るアマレットの柔らかな髪をなでながら、リレは彼女の額に口をつけた。
指先を滑ってさらさらと流れる、アマレットの絹糸のようにしなやかな髪の感触。その
心地よさに酔いながら、リレの唇は愛する少女のまぶたに、頬に、耳朶に触れ、吸い、噛む。
印をつけていく。この少女のすべてが自分のものだと、自分のすべてが彼女のものだと、
誰に対しても。
「可愛い……アマレット……大好き」
「は……ああ……リレ……私も」
アマレットの白い肌に次第に朱みが差して艶やかに染まっていくのを愛でながら、リレは
柔らかな彼女の胸元に舌を這わせた。一つ一つ、服のボタンを外しながら、横になっても
形の崩れないアマレットの豊かで美しい乳房に軽い嫉妬と、そして強い欲情を覚える。
自らを誘うように上下に揺れる白い美肉に、リレは貪るように飛び込んだ。たわわな双丘が
リレの手のひらの中で残酷なまでに弄ばれ、形を変えて歪み、たわむ。柔らかな肉に指先を
食い込ませ、逆らう弾力を征服するように揉みしだく。
「はあ、ああ……ん、んんっ、あっ、あっ」
アマレットは白い咽喉をのけぞらせ、燃える息遣いをさらに激しく昂ぶらせた。普段は
無表情で物静かな彼女が切なげに柳眉をひそめ、震える官能に表情を染めていく。
歌姫の唇からは艶やかな調べが漏れ出して、誰にも聞かせてはならない愉悦と歓喜の旋律を
奏でる。
アマレットのこんないやらしい顔も声も、知っているのは私だけ。その優越感と征服感が
リレを高みに誘い出す。
アマレットの瑞雪のような肌の頂にたたずむ薔薇色の乳首が、恥ずかしげに顔をもたげ、
可憐に膨らみ始めていた。たまらずにリレはその愛らしい果実に唇をつけ、甘噛みする。
「んんんんっ! は、あ、噛んじゃ、や……ぁ」
ひときわ高い声とともに、びくりと電流が走ったようにアマレットの華奢な体が跳ねた。
しかしリレの唇が舌が指が、アマレットの切々とした訴えを聞くはずもなく、ねぶり、
転がし、弄んで、可愛らしい乳首を苛め抜く。そのたびにアマレットの美しい肢体は跳ね、
弾んで、淫らにうごめいた。
「もう、アマレットったら……こんなに私を惑わせて、ひどいんだから」
くすくすと笑みを含みながら、アマレットを翻弄し続けつつ、リレは手早く自らも衣服を
脱ぎ捨てた。恋人に比べれば小さなその乳房は、けれど精一杯に膨らんで波打ち、ときめく
リレの心臓の鼓動を顕している。アマレットに負けず劣らず痛いほどにそそり立った
自らの少し色の濃い乳首を、リレはアマレットの乳首に重ねてこすりつけた。
「くぅうん、あ、ああんっ! 」
「……ぁ、ああ……はぁあん」
可憐な二重奏が夜闇の中に響く。胸の先端から走り抜けた甘い刺激に痺れ蕩けながら、
リレはひたすらに胸を押し付け、嫋嫋とすすり泣くアマレットの唇を吸い、舌を絡めた。
潰れ、ひしゃげてもつれ合う四つの美丘と、四つの突起。戦慄にも似た感覚が体の奥を
暴れ狂い、アマレットも、そしてリレ自身も耐え切れない悲鳴を上げて悶え、喘いだ。
「アマレット……ッ」
「リレ……リレ……! 」
うわごとのようにお互いの名前を呼び合いながら、夜目にも白い二つの肉体が律動する。
ぼうっと霞んだ意識の中で、リレはひたすらに愛しい相手のすべてを求め、アマレットも
また愛する少女にすべてを奪われたいと希う。リレは自らの頬をアマレットの美しい
裸身に撫で付け、擦り付けて、その肌触りに酔いしれながら、そのなだらかな曲線を
滑り降りて、彼女の中心にまでたどり着いた。
「ああ……リレ……お願い」
「すぐあげるわ、アマレット。すぐよ」
熱に浮かされたように懇願するアマレットに答え、リレはアマレットの細い太股をぐいと
押し広げた。その場所に隠されていた見惚れるばかりの芸術が、淫らな色に染まって
ひそやかに脈打つ。滾々と溢れる泉に潤った秘唇は、自らに触れるものを待ちわびて
いるかのようにふっくらと膨らみ、もの言いたげに小さく震えていた。
リレはそのまま、太股の内側から、つと舌を滑らせる。自らの舌の微妙な動きに伴って、
白い太股の内側のしなやかな筋肉がきゅっと収縮し、あるいはふわりと弛緩する、その
小さな変化を楽しみながら。
そしてたどり着く、舌。充血した肉扉をそっと撫で上げると、アマレットはそれだけで
くぐもった悲鳴を放ち、長い髪を振り乱す。
「はあ、あああっ! んんっ! 」
その声も顔も肢体も、なにもかもが可愛くて、愛しい。リレは執拗にぴちゃぴちゃと舌を
うごめかせ、とくとくとあふれ出る白い蜜を味わいながら、恋人をもっともっと乱れさせ
ようと夢中になった。
肉体の神秘に至る関門を指で押し広げると、桃色の花弁と潤う肉の宝石が顔をのぞかせる。
その宝石はもう尖り聳えて、愛する人に可愛がられる瞬間を今か今かと心待ちにしていた。
耐えられずに、リレはその芽に激しく口付ける。途端、アマレットの悲鳴とともに、
彼女の細腰が宙高く飛んだ。
「ふああああんんっ! 」
暴れて跳ね回るアマレットの腰を嗜虐的に押さえつけながら、リレはひたすらに、震える
可憐な屹立に執着した。肉を覆う衣を脱がせると、ぷるんとまろび出たそこは外気に触れて
ぴくぴくと痙攣する。
朱く紅く染まったその芯を唇で挟み、根元から吸い、舌で転がし、軽く歯を立てると、
そのたびにアマレットの腰が踊り、悦楽に充ちた泣き声が響いて、リレの意識を甘く
破壊していく。
「やぁ、いやぁ、リレッ……そ、こ、……いじめないで……!! 」
無理な注文だとリレは思う。こんなに無防備な、こんなに愛らしい、こんなに淫らな
器官を眼前に見せ付けられて、責め立てずにいられるものだろうかと。
「駄目よアマレット。ここも、乳首も、こんなに尖らせているくせに」
「だって、だって」
甘くすすり泣きながら、アマレットは潤んだ瞳で訴える。
「リレの近くに行きたいの。少しでもそばに近づきたいの。だから、だから尖っちゃうの」
……爆発した。意識が。リレの理性がまるごと吹き飛んだ。
そんな可愛らしいことを言われたら。そんないじらしいことを言われたら。
もう駄目だ、壊れた。なにもかも。
「……ア、アマレットの……ばかぁ!」
顔が真っ赤になっているのが自分でもわかる。照れと幸福感と、なによりも溢れるばかりの
愛情とを全身で沸騰するほどに感じながら、リレはその照れを隠すように激しく荒々しく
アマレットにむしゃぶりついた。
「滅茶苦茶にしちゃうんだから! いっぱい、いっぱい滅茶苦茶にしちゃうんだからっ! 」
リレの歯と舌が肉の真珠を責めさいなみ、その指がぬるりとアマレットの最深部に
差し込まれた。一本、二本、三本と侵入した指先が、可憐な少女の秘密の内側をえぐり、
暴れ、陵辱していく。
襞の一枚一枚を深く暴きたて、肉を体の外に引きずり出すように突き、めくる。きゅんと
リレの指をきつく締め付けるアマレットの奥。そこから吐き出された蜜がかき回されて、
にちゃにちゃとひっきりなしに粘着質の水音を立て続ける。
「ひ、あ、あああっ! く、うう、や、ああああんっ!! 」
甲高い叫びが淫らに響き、がくがくといやらしく揺れるアマレットの腰。彼女の艶やかな
唇から突き出された舌が空に泳ぎ、激しく頭を振る彼女の口角から唾液が糸を引いて
流れこぼれた。
そのすらりとした脚がぴんと伸びて、つま先まで反り返る。焦点を失った瞳から大粒の
涙を歓喜に溢れさせて、アマレットは清楚な肢体を官能と悦楽の嵐の中に翻弄され尽くす。
「だ、め、……も、う……だ、め……」
息も絶え絶えに、アマレットは震えていた。その終わりが近いことを示すように、呼吸が
浅く激しく荒れていく。
「まだ、よ……アマレット、私を……一人にしない、で……っ」
リレもまた息を荒げながら、手早く枕を引き寄せるとアマレットの腰の下に押し込んだ。
片足を上げさせ、食い込むように自らの体を滑り込ませて、アマレットの腰に、リレは
彼女自身の疼く下腹部を押し付ける。
すでに滴るほどに濡れそぼっていたリレの肉華は、吸い付くように自らの求める場所を
探し当てた。灼熱の炎が、二人の触れ合った場所から迸ってすべてを焼き尽くす。
「ふあ、ああああああんっ!! あ、熱い、熱いの、アマレット……ッ!! 」
充たされた欲望と、それのもたらした快感に、リレは背筋を弓なりにそらせてのけぞり、
悲鳴を上げた。眼前に閃光が飛び散り、体の奥からひっくり返されるほどの愉悦の嵐が
吹き荒れる。
アマレットの秘唇が口づけを求めるようにリレの秘唇を迎え入れ、二人の花弁が絡みつき、
膨れ上がったその肉芽同士がこすれあう。あまりにも淫らにうごめく少女たちの腰は、
少しでも強く結びつき、少しでも深く触れ合いたいと相手を求めてくねり、のたうつ。
激しく腰を振り、犯し、犯されながら泣き叫ぶ恋人たち。その体の奥から脳髄へと
走り抜ける暴虐なまでの快感がリレの意識を粉々に砕いていく。アマレットと同じように
滂沱と涙を流し、だらりと垂らした舌から涎をあふれさせて、リレはただあえぐ。
ひとつになっている。誰よりも強く近く深く結びついている。その切ないまでに甘い、
痺れるほどの幸福感と陶酔感が、リレとアマレットの心と体を充たしていた。
「……ぁ、ぁ、……ぁ」
「……ひ、ぁ、ぁぁぁぅ……」
すでにアマレットは声も出せずに痙攣を始め、リレもひゅうひゅうとのど笛を鳴らしながら
今すぐにでも訪れるはずの仮死の瞬間を待つ。
二人ながらに高まって、昇り詰めて、砕け散る、最期。
「ひ、やぁあああんんんっ!!!」
「ふあ、あああああああああっ!!!」
絡み合った部分から激しくしぶきを迸らせあって、二人の少女の意識は同時に消えうせた。
共に滅び行くことのできる幸福感に包まれながら。
「ふふっ」
ベッドの中で、抱きしめたアマレットの柔らかい髪を撫でながら、リレは微笑んだ。
「どうしたの? リレ」
不思議そうにたずねるアマレットに、リレは弾んだ声で答える。
「私、考えてみたら、多分アマレットが初恋なんだなあって思って。初恋は実らない、
なんてよく言うけれど、私たちにはそれは当てはまらなかったわね」
「さあ、……どうかしら」
静かに言うアマレットに、リレは昨夜のようにまた驚かされる。
「え、どういうこと? 」
「前にあなたに聞かせてもらったけれど……リレは、あの五日間を何十年……何百年も
繰り返していたのでしょう? 」
「ええ……それが? 」
「……だから」
と、アマレットは澄んだ瞳をリレに向けて見上げる。
「私たちはきっと、何十回も何百回も、『初恋』を繰り返してきたんだわ。そのたびに、
別れ続けてきたのだとしたら、やはり実らなかったといえるのかもしれないわね」
「……そう、か」
リレは遠い瞳になってしばし沈黙した。脳裏に浮かぶ、めくるめく永遠の五日間。
あの無限に連環した五日間の、そのすべてを思い出すことはもはやできないけれど、
自分たちはどれほどに、出会い続け、恋し続け、別れ続けてきたのだろう。
……けれど。
「でも、今度は違うわ。もう離さない、アマレット。私の天使さま」
静かな愛のまなざしで、燃える恋のささやきで、リレはアマレットを抱きしめる。
「私も、離れないわ、リレ。私の世界一の魔法使いさん」
幸福そうに微笑むアマレットに、リレは優しく口付けた。
永遠の果ての初恋に、もう五日目の鐘が鳴りはしない。
なんだなんだ、今日は…!
盆と正月がいっぺんに来たぞー
ありがとう神!!
なんだかちゃんと言葉で言い表せません。
あれ、なんか目からしょっぱい水が…
神過ぎる…文章うめー!!!!アマレットかわえええええええええええ
巧すぎだろ……常考!!
GJ!!!
345 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 00:25:28 ID:E685lYpN
良作投下が続いてるし保守っとく。
ところで、雑談する住人はいないのか?みんな職人待ち??
来たわよ。しかたないわね
正直神作品の余韻に浸りきってた
たァいくつしていた所だ
和菓子食う?
文字列「フェアリー」を見る度に
>>89が浮かぶんだけど病気かな。
帰ってきまして久々に投下します。
今回はオパールネラとシャルトリューズで書いてみました。
よろしくです。
>>311-325>>330-341 GJです!面白かったです。言葉回しが勉強になりますねー
353 :
夢と幻(1):2007/09/30(日) 07:40:23 ID:BOuIAjrG
塔の中をコツコツとハイヒールで叩く音が響く……
背筋をまっすぐに伸ばした姿勢が毅然とした印象を与えるオパールネラが歩く…
「……?……」
ふと気付いた、ここは何…?
塔の通路、それは間違いない。柱の位置、天井の高さ、植木の大きさ……
空間的なものは同じ。………ただ、色が違う。全てがセピア色なのだ。
(……ああ、分かった、これは夢の中……私の見る夢は…いつ……も…この…色)
オパールネラは夢であることを認識してるかしていないか……
近寄ったり遠のいたりする振り子の上で意識が揺らめいていた。
夢は待ってはくれない、夢の中のオパールネラはどこへ向かうのか
通路を歩いている。するとあるドアが開いた……出てきたのはアマレット。
オパールネラはこの女が大嫌いだった、この女がいつの間にか塔に来たと
思ったら愛しいシャルトリューズの寵愛を一身に受けていた。彼は否定してるが
オパールネラにすれば恋人の関係にしか見えない。この女が来てからは自分でも
分かるぐらい心が荒れ精神的に不安定になっていた。事故に見せかけて
殺してしまおうと思うのもしばしばである。
よく見るとアマレットは負傷している、何かに切られたような痕があり
そこから禍々しい気配が漂っている、アマレットはかなり体力を消耗しており
やっと歩いている状態だった、オパールネラにすればチャンスだ。
……ところで、夢というのは不思議なもので自分のものでありながら
そのくせ自分の思い通りにはいかないもの、例えばこの2つ。
1つは自分が望んでいることの真逆の行動をとることがあること、
崖があればわざわざ向かって足をすべらせ転落したり、火があれば手を
入れてしまう…自身の「やめて!」という声も届かない恐怖…
もう1つはいい夢を見ていてもいい所で起きてしまうこと。
いずれも学問で解明されていない、とにかく夢とは不思議なもの…
憎い恋敵が負傷して目の前に現れた…普段のオパールネラなら
逃せないこのチャンス。しかしここは夢の中……
「どうしたの?大丈夫?」
オパールネラはアマレットを助けようとした。夢の外にいる本人の意識は
さぞ地団駄を踏んでいるに違いない。
354 :
夢と幻(2):2007/09/30(日) 07:42:29 ID:BOuIAjrG
「あ……悪魔が………」
アマレットは息も絶え絶えだ。見ると切り傷は浅いものだがそこから
黒い呪気が出ている、デーモンの爪から受けた傷なのは間違いない。
そう言えば誰かがアマレットは悪魔から狙われやすい、とか言っていたような…
「寄るな!悪魔め!」
交霊術の達人が一喝すると追ってきたデーモンは一目散に逃げ出した。
「よし…では霊気を送り込んで傷口に入ってる呪気を追い出すわ
少し痛いけど我慢なさい」
「……………」
アマレットは黙ってうなずいた。オパールネラは患部に手をかざすと
少しずつ顔色が良くなってきた、どうやら応急処置はうまくいったようだ。
「大丈夫のようね…でも体力の消耗が激しいわね、歩ける?」
「アマレット!」
そこへ現れたのはシャルトリューズ、どうやらアマレットを捜していたようだ。
オパールネラは少し心が痛んだ。
「!……どうしたというのです!?これは……息をするのもやっとのよう…
オパールネラ先生!アマレットに何をしたのです?いくら貴女でも
アマレットに何かあったら許しませんよ!」
「何ですって?」
研究の邪魔ばかりする普段の行いが災いしてる上に、このシチュエーション…
シャルトリューズからすれば自然な考えだがオパールネラにとっては
とんだ濡れ衣だ。思わずカッとなる。
「いえ…先生違います。オパールネラ先生は私を助けてくれたんです」
「え?どういうことですか…?」
アマレットが制止した、恋敵がライバルの名誉を守っている…
この2人の本当の関係を知らないオパールネラは意外だった。
逆の立場ならチャンスとばかりに負傷したのは私のせいにしてライバルを
蹴落とすような発想ぐらいしか思い浮かばない。
オパールネラはアマレットに対して贖罪の念を抱いた。
「経緯は分かりました。アマレット、もう部屋に戻りなさい、歩けますか?」
「はい……1人でも大丈夫です。…先生方、失礼します。
オパールネラ先生ありがとうございました」
事態を飲み込んだシャルトリューズを後にしてアマレットは去っていった。
シャルトリューズは振り返って
「オパールネラ先生、申し訳ありません。アマレットの命を助けてくれたのに
失礼なことを言って…お詫びします」
「まぁいいわよ、彼女早く治ればいいわね」
アマレットへの嫌悪感が薄れている瞬間とはいえ自分でも意外なセリフを
口にしていた。今までの自分の行為を大人気ないと省みているような
いつになく静かな口調で。
「いえ、それでは気がすみません。そうだ、私の部屋に来てください。
お茶でもご馳走しますよ」
思わぬ展開になった。一番やりたくないはずのアマレットを助けることが
こういうことに繋がるなんて…
「そうね、じゃ、そうさせて頂こうかしら」
もちろん断る理由もない、オパールネラは久々に2人で普通の会話が
できることを喜んだ。いや、部屋に呼ばれるのだからそれ以上のことも
期待しないと言えばウソになる……
355 :
夢と幻(3):2007/09/30(日) 07:44:34 ID:BOuIAjrG
シャルトリューズの部屋の前。オパールネラは息を呑む…
「どうぞ入ってください、少し散らかってますが」
「貴方の部屋に入るのは初めてね……おじゃまするわ」
と、入った途端オパールネラは目を疑った。見渡す限り本だらけである。
整理する前の図書室のような…少しというレベルではない散らかり様だ。
獣道のように細い道が机に向かっているような、という感じで足の踏み場もない。
奥の方にある本の山は最近手をつけていないらしくホコリが溜まっている。
これではムードもへったくれもない。いや、そもそもどうやって2人も座るのか……
オパールネラは少し顔を引きつらせながら
「あ、あの……私の部屋にしませんか?」
「いや大丈夫ですよ、今片付けますから。本の片付け方は熟知してますよ」
「いえ……お茶でもこぼしたらせっかくの本が大変ですわ、そうしましょう」
「そう言われれば……でもそれではまたお世話になってしまいますが……」
「いえ、私は貴方と話せるだけで十分ですから」
「……分かりました、ではそうしましょう、すみませんね」
「いえ…」
オパールネラは心の中で安堵の息を吐いた。
改めて仕切り直し……今度はオパールネラの部屋の前。
「どうぞ、お入りになって」
「ではおじゃまします…ふむ、整然としてますね、女性の部屋という感じです」
貴方の部屋と比べればどんな部屋でもそうでしょう…と言いたくなるのを我慢して
オパールネラはお礼を言った。
「調度品も変わってますね…おや?これは何ですか?」
さすが学者だけあって珍しいものだらけの部屋で目を爛々と輝かせている。
「それは魔除けですわ、小さいけど効果は大きいのよ」
「ふむ…悪魔が嫌がる霊素が入っているのでしょうか、今度調べさせてもらって
よろしいでしょうか?」
「どうぞ、それよりアマレットにそれを持たせたらどう?」
「…………!失礼、これは気付きませんでした。よろしいのですか?」
「ええ、どうぞ」
「ありがとうございます。いや参りました、お礼をするつもりが
どんどんお世話になってこれじゃ逆になってますよ」
それはオパールネラも同じことで、普段やらないことをやればやるほど
事態は好転している…オパールネラは苦笑した。
シャルトリューズの信頼を得て今宵は話も弾む2人。時間も自然と過ぎていく。
「シャルトリューズ先生、こんなお酒がありますの、どうですか?」
「ほぅ……遠方のお酒ですね」
「テキーラと呼ばれるものです、刺激は強いですがおいしいですわ」
「む…頂きましょうか、よろしいのですか?」
「もちろんですわ……では、きついので量は少なめに……」
シャルトリューズの目はグラスに釘付けだ。何にでも熱中する子供のようで
オパールネラは目を細める…
「では……乾杯」
「乾杯」
2人でグラスを重ねる音が響く。それはさながら恋人の所為であり
オパールネラはいつになくいい雰囲気に酔ってしまいそうな錯覚に陥る。
356 :
夢と幻(4):2007/09/30(日) 07:47:32 ID:BOuIAjrG
2人はテキーラを飲み干す。シャルトリューズは感心したように開口する。
「おお…!これはすごい、舌が燃えそうな感覚だ……これは面白い…」
「気に入ってもらえて何よりですわ」
「キツイけどこれはこれでいいですよ」
「ではチョコレートを持ってきましょう、これがまたいいんですのよ」
「チョコ?……お酒にチョコレートの組み合わせですか?」
「普通はそうでしょうけどテキーラには相性がよくておいしいですのよ、
先ほどキツイと言われてましたので、これでどうかと」
「へぇ……」
シャルトリューズは感心しきりだ。ボトルを見たりグラスを底から
覗いてみたり…激しく上半身が揺れている。
「どうぞ、チョコレートよ…まぁ御賞味されてはいかが?」
「ええ、ありがとう…」
今度は2人、チョコを頬張りテキーラを飲んでみる。
「……なるほど…!こんな組み合わせが結構いけますね…」
「ふぅ…おいしい…1人で飲むよりずっと………」
シャルトリューズはチョコレートの匂いを嗅いでいる、オパールネラは
愛しい人の純粋な目に惹かれていた…次の言葉を聞くまでは。
「これをキメラの生成に応用したらいいかもしれないな、
パワーは間違いなく上がりそうだ、あとはその制御をどうすれば…」
オパールネラはピクッと反応した、この人は研究のことばかり考えて
私のことを見ていないのでは……?もしそうなら今までのこの雰囲気は何?
このときめきは何……?オパールネラは思い切って聞いてみた。
「シャルトリューズ先生はどんな時でも研究から頭が離れないのね…」
「もちろんです」
はっきり言い切るシャルトリューズに胸がグッと締まる。
「私の気持ち、知ってるでしょう?私の愛を受け入れる隙間は無いのですか?」
とうとう聞いてしまった…返答次第ではテーブルのグラスを弾き飛ばし
部屋からシャルトリューズを追い出してしまうだろう…
内なる感情は抑えきれないところまできていた。
「……オパールネラ先生、私は思い出したことがあるのです」
「え?」
YesでもNoでもない言葉にオパールネラの気持ちは鎮まった、
この人は何を言うのだろう…
突如、視界からシャルトリューズが消えた…と思ったら景色がセピア色から
いつもの部屋の色になった……オパールネラは目が覚めた。
「…………夢?」
いい夢を見ていてもいいところ覚めてしまう、夢の不思議……
もちろんシャルトリューズはいない。あるのはいつもの部屋。
酒棚に目を向けるが飲んだ形跡はない、魔除けも壁に掛かったままだ。
窓からはいつもと同じ朝の景色が見えるだけ……オパールネラはがっかりした。
「せめて夢でもその先の返事を聞きたかったわ……」
けだるそうにそうつぶやく。しかしそこはリアリストのオパールネラ、
すぐに気分を現実モードへ。支度を済ませるといつものように部屋を出た。
(まぁまぁいい夢だったわね……)
(それにしてもしょせんは夢、あんな甘いことをしてちゃダメね……)
とか考えながら塔の通路を歩く。夢に出てきた通路に近づく。
(ああ、ここだわ……確かもうすぐあの泥棒女があの部屋から出てくるのよね…)
と、そこでその部屋のドアが開いた。………出てきたのはアマレット。
びっくりするオパールネラに更に追い討ちをかけたのがその様子。
アマレットは負傷している、しかも夢と同じ箇所を。
(こ、これは…どういうこと………?)
357 :
夢と幻(5):2007/09/30(日) 07:50:05 ID:BOuIAjrG
正夢、という言葉は知っている。こんな言葉が存在するぐらいだから
世の中には夢が現実になることを体感してる人間がいるのかもしれない…
ただ、オパールネラには全く無縁なものなはずだった…
それがどうしたことか、傷の場所まで同じなんてここまで詳細な部分まで
夢と同じなんてことがあるのだろうか、もしかしたらまだ夢を見てるのかと
思ってしまうぐらい非現実的だ、ありえない……しかし紛れもなくこれは現実。
とにかく目の前でアマレットが負傷している。さぁどうする………?
オパールネラは決めた。夢と同じようにやってみようと。さすがにここまで
同じだとやってみたくもなる。さっき甘いと思ったはずなのに…
オパールネラは心の中で笑った。
「どうしたの?大丈夫?」
(うわ……なんて言い辛いの、この言葉!)
自分で自分に文句を言いながら夢のようにやってみる。もちろんここで
助けた挙句アマレットがシャルトリューズにべったり寄り添う形になれば
オパールネラとすれば悔やんでも悔やみきれない。
応急処置を済ませたオパールネラ、頭の中で夢を再現している。
(ここでシャルトリューズが現れるはず……)
「アマレット!」
……シャルトリューズが出て来た。現れる場所、走り方、服装は同じ……!
「!……どうしたというのです!?これは……息をするのもやっとのよう…
オパールネラ先生!アマレットに何をしたのです?いくら貴女でも
アマレットに何かあったら許しませんよ!」
……セリフも同じ!これは……!
その後アマレットが事情を説明してシャルトリューズが謝罪、
部屋に誘われる…オパールネラはあの部屋は正直見たくなかったが
ここで断ると夢と違ってしまうのでとにかく承諾してみる。
「どうぞ入ってください、少し散らかってますが」
「貴方の部屋に入るのは初めてね……おじゃまするわ」
……部屋の中も同じ、ここまで一緒じゃなくてもいいのだが……
とにかく間違いなく正夢なのはこれで確信した。夢の通りやれば
あの返事の先が聞ける……!オパールネラは何に感謝すればいいのか
分からなかったので運命に感謝することにした。
それからはとにかく夢の通りにやってみた。
そして夢の途切れたシーンへ……
「……オパールネラ先生、私は思い出したことがあるのです」
「え?」
YesでもNoでもない言葉にオパールネラの気持ちは鎮まった、
この人は何を言うのだろう…
358 :
夢と幻(6):2007/09/30(日) 07:53:19 ID:BOuIAjrG
「偉大なる発見や発明というのは日常の些細な事がヒントになることがある、
ということです」
「?……ええ、よく言われることね…」
「今日の貴女と話をしてみて分かりました。貴女の知識への探究心は
研究に没頭している私にも劣るものではないということです。
先程も貴女のお酒の知識が私の研究のヒントになるかもしれないと思った」
「……………」
「私は今まで研究のためなら他人と話す時間さえもったいないと思っていました。
でも私だけで習得できる知識なんて微々たるもの。貴女にも協力してくれるなら
これはすごくありがたいことなのですが…」
「それは…私の愛を受け入れる、ということなの…?」
「私も悩んでいるのです…厳密に言えば貴女は必要だと思ったんですが
研究のパートナーとしてなのかもしれません…私は研究に命を捧げることに
変わりはありません、愛と言われると正直戸惑ってしまいます。
こんな身勝手な考え方をしてる私に他人とお付き合いをする資格があるのか?
と自問してみたのですが分からない……」
こうして話をしてみて初めて分かる…シャルトリューズにも孤独に対する
怯えみたいなものがある、ということだ。彼の場合は1人で覚える知識量に
限界があるのを自覚しての研究への道のりの辛さを指すようなので
やはり普通の人間の感覚ではないが。しかしこれでオパールネラの腹は決まった。
「でもそれは私には関係ないわ、私が必要と言ってくれたわね、
それが唯一の指標…」
「愛と研究を天秤にすらかけない思考を持つ私ですよ…?」
「歌手やスポーツ選手のカップルを想像したのよ。人並み外れた才能を持つ人は
似たようなものと思うわ。私は言い切れるわ、こうしてお酒を飲みながら
語り合うシャルトリューズが好き、そして研究室で研究に没頭してる
シャルトリューズも好きということを」
「不思議だ…今日の貴女は昨日までの貴女とは別人に見えます。
何か……私を魅了するものを感じます」
「それは少しでも私を理解しようとしてるのね、私の愛が少し届いたわね」
「なるほど……この顔でなければキスしてるかもしれません」
そう言われてオパールネラは納得した、口より先に鼻に当たってしまうんじゃね…
「じゃあ……ベッドなら出来ることはあるわね?」
359 :
夢と幻(7):2007/09/30(日) 07:56:11 ID:BOuIAjrG
ちょっと大胆だったかもしれない、しかしこうでもしないとシャルトリューズは
私のシグナルに気付かないかもしれないからしょうがない、と自分を納得させる。
「……それは挑発ですか?いいでしょう…」
シャルトリューズの眼光が鋭く輝いたような気がした、オパールネラは
ゾクッとしたものを感じた、と思ったその時
「グウゥゥゥ……オオオオオー!!!」
突然シャルトリューズが吠えた。
(野獣……?)
「オパールネラ先生、服を脱いで下さい」
「何…?」
「私はこの顔です、下がよく見えないので服のボタンはうまく外せないでしょう
今はこうやって無理して本能を抑えてますが、半人半獣の私が本能むき出しにしたら
服なんて全部破り捨てて襲い掛かりますよ」
私の声が届いた!これだけでオパールネラは小躍りする気分になる。
研究一筋のシャルトリューズでも今日のこの展開ならなるべくしてなったのよ、
彼の前では少しずつ失いかかっていた余裕が取り戻されていく。
「フフフ…普段は知的な学者なのにベッドでは野獣なんていいじゃない……」
オパールネラは髪留めを外す、ばさっと落ちた長髪はしなやかで若々しい。とても
魔女として人間の倍は生きてるとは思えないものだ。そして悠然と脱ぎ始めた。
襲い掛かると言われてるのにいつも通り。あえて獣におあずけ状態にして弄んでいる。
「この学校では初めて見せる裸……貴方にだけなのよ……」
シャツのボタンを外し脱ぎ始める…だんだんオパールネラの肌があらわになっていく。
脱ぎ終えてハラリと舞い落とす仕草はまるでモデルを意識したような艶やかさだ。
肉体の方も美しく鮮やかな肌色のボディに重量感を感じさせつつしっかりと
張っている乳房、理想的な曲線美が形成されている。計算されて作られたとしか
思えないその体は妖艶という言葉では物足らない威風を放っている。
続いてスカートに手をかける。チャックを外しロングスカートが床に落ちると
オパールネラの美脚が現れた。膝から下はスラリと細く上は肉付きがいい。
一教師にすぎないこの女性がモデルのような肉体を持っている…
シャルトリューズはしばらくヨダレを垂らしながら見ていたが思い出したかのように
ズボンを脱ぎ始めた。
「もう…我慢できなくなったのね、せわしないわね。ちょっと待って、あと少しよ……」
「グォオオオオ!!!」
と、ショーツを脱いだ途端にシャルトリューズは慟哭と共に襲い掛かった。
シャルトリューズが脱いだのは下だけで上着はつけたままだ。
「ちょ、ちょっと、ブラがまだ……」
オパールネラが言うのも聞かずシャルトリューズの舌がオパールネラの裸体を
腰から舐め始めた。獣特有のザラザラした感触が性感を刺激する。
「ん……」
胴を舐め回すとシャルトリューズはライオン顔なためその鬣がオパールネラの
乳首をこするような感じになる、それがまたいい塩梅でオパールネラを狂わせる。
「んはっ………」
普段はシャルトリューズの外見を毛嫌いしているオパールネラだが
この人間にはない感触はクセになりそうな感覚を感じた。
360 :
夢と幻(8):2007/09/30(日) 07:58:30 ID:BOuIAjrG
続いてシャルトリューズは股の間を舐め始める。ザラザラな舌が局部に触れる。
「ひぁぁっ!……ひっん……っ…」
オパールネラは自分でも訳の分からない言葉が口からはみ出した。
何なの?これは…気持ちいい………いやそんなものじゃない………
「シャルトリューズ……お願い、もっとやって………」
あまりの快感にせがむオパールネラ。そのセリフに興奮したのか
シャルトリューズはさらに力を込めてリズミカルに舐める。
「あっ!あっ!………はぁっ!……んん!………はぁ……んに………」
オパールネラは理性が飛びそうだ。局部はじっとり濡れている。
もうどうなってもいい……
シャルトリューズはむっくりと上半身を起こし舐めるのを止めた。
いよいよ………オパールネラは彼の一物が視界に入る。
(まぁ…………)
半人半獣の一物は…いや、ここは読者の想像にお任せします。
これを見たのはオパールネラ1人だけなのだから……
シャルトリューズの肉幹がオパールネラの秘穴にゆっくりと挿入する。
お互いの緊張と興奮が高まる。
「ゴォォォォォオ!!」
急発進した車のようにシャルトリューズが吠えると猛獣の体が前後に
猛然と動き出した。激しく、荒く、逞しく………あまりの力強さに
オパールネラは命綱を忘れて快楽の谷に落ちる恐怖と快感を味わう。
「いい………いいわ……シャルトリューズ………もっと…もっと……」
「グル、グルル…」
シャルトリューズは人間なのか?そんなおかしなことを頭によぎるほど
エネルギッシュだ。その肉幹が体を突き立てるたびにオパールネラは
脳天を何かが抜き出るような気分になる。
「ああああああ…んんんん!!」
「グォオオオオ!!!」
「ああ!ああ!!イク、イクわ、シャルトリューズ!!」
「オオオオオオオオオオ!!」
2匹の獣は同時に果てた、オパールネラの腹の上にシャルトリューズの
白い愛液がこぼれた…………
「激しかった……シャルトリューズ……良かったわ……」
「オパールネラ先生、私は………」
「もう、こんな所で先生なんて………不義というものでしょう?」
シャルトリューズは黙ったままだ。研究第一がポリシーのはず男が女性と
こんな関係になっている現実に戸惑っているようだ。
「後悔してる、なんて言わないで頂戴。お願い」
「そんなことは思っていません、そんな失礼なことは……」
「じゃあ…何?」
「私は先にも言いましたが研究を優先させる男です、こんな私に
関わると不幸になるかもしれないですよ」
「ねぇ、シャルトリューズ…いいじゃない、私は貴方のためなら
何だってできるわよ、研究の手助けも、夜の話し相手だって…
好きな男を束縛してカゴの鳥になれだなんて私は全然思ってない
貴方は好きなようにやってくれても私は受け止められる、
こうやって共になるだけでそう思えるの…」
「ふぅ………そうですか……」
「分かってくれたかしら…」
「…貴女がパートナーならもっと前に進めそうです、あと
生徒の前では先生と呼んでください、いいですね?オパールネラ」
「………ええ!」
叶わない望みと考えたこともある。それを乗り越えて今オパールネラは
片思いの相手が恋人となった………
「そうだわ、このことはハイラムに告げてあげないと……
あの子には悪いけどあの子にはもっと相応しい相手がいるはず。
早く切り替えさせてあげるのも教師の務めですから」
そう独り言をいいながらも機嫌の良さは顔や行動にでるもの。
「先生、おはようございます」
「おはようマルガリタ、いい朝ね………あら、そっちの子は…」
「こちらは入って間もないですけど新入生です、名前はリレですわ」
「そう言えば……」
「ええと……リレ・ブラウです。よろしくお願いします」
「リレ・ブラウ…入学おめでとう、交霊術を習いたいならいつでもいいわよ」
…………
「あれ…?今日のオパールネラ先生どうしたのかしら?リレは初対面ですから
分からないでしょうけど、あの先生もっとキツイんですわ…
何かいいことあったのかな、機嫌良さそうですわね?」
「え、ええ、そうね…確かに」
「これは多分あれですわ!恋に関係あるわね、女の勘がそう思わせるのですわ!」
「…オパールネラ先生の魔法陣は完璧じゃない…これをどうするか……」
「え?何か言いました?」
「へ?い、いや……」
「あ、もしかしたら私の話聞いてなかったのではないのです?」
「……ごめん」
「何それ、も〜!もう一回言いますわ!オパールネラ先生がね………」
……………
………そう、オパールネラは知らないのだ、このリレ・ブラウという生徒が
数日後に鐘の音を聞くことによって強制的に5日前に戻され、今までの出来事
そのものがなくなってしまう、ということを…………
362 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 17:55:06 ID:89SeT1HP
>>361 すげー!文章が上手い!
読んでて気分が良くなる絶妙さがあるな。
作者さん乙&GJ!
そして余韻をブチ壊しにする業者死ね。
>>361 難しそうな間柄の2人に挑戦した作者さん乙。そしてGJ。
時間が戻ることを考えると切ないな・・・。
>>363-364 レスthanks
確かに難しかったです。けどマイナーな組み合わせは結構好きなんで…
まあこんなのもあるか、と思える程度の文章は書けるよう頑張ります
マイナーカプというとあとは何があるかな
ルジェ様×ルジェ様を殺した弟子とか面白いかも?
マイナーカプ云々以前にどれがメジャーカプなのかもよく分からん・・・
ルジェと杖弟子はそもそも原作ゲームでの情報量が少なすぎでなあ。
元々テキストの量が少ないグリグリで、登場が2回だけだから書くのが物凄く難しそう。
杖弟子の生前の容姿とかさっぱり分からんしな。
相変わらずエロが少ないですが投下してみます。
(Skipする場合は最後の3レス分だけになりますのでorz)
今回はマルガリタとバティドです。よろしくです。
369 :
束縛(1):2007/10/07(日) 18:57:30 ID:zT6vX/Oq
「あ!マルガリタ、お昼一緒にしないー?」
「ええ、喜んでお供しますわ」
マルガリタが銀の星体の塔に来てから5ヶ月ぐらい…つまりリレが入学する数週間前。
この頃のマルガリタは村で体験した迫害の恐怖からも立ち直り生活も余裕が出来てきた所だ。
村で受けた迫害はここにはない。ここの友達はみんな私と同じ魔法使い…
「難しいよ、フェアリーで5体組の3チーム指揮するともう頭がパニックになっちゃうよ」
「フェアリーってわりと単独行動とるしねー」
「ガンメル先生なんか6チーム召還しながら全然隊列を崩さずにその上でフェアリーと
おしゃべりしてるんだ、びっくりしちゃった」
「すご……」
「ま、そういうのを見てると自信無くすワケですよ、私は」
「だったら交霊術受ければ?たまにはいいでしょ?」
「いやー、それはちょっと…死後の住民なんて見たくないし」
「そう言えば思い出した、この子交霊術習ったことあるのよ、でしょ?」
「あ、それ言わないでよ」
「いいじゃん、この子ハデスゲートでファントム召還しようとしたんだけど
出て来たのがゾンビでさー、もう大騒ぎだったんだ」
「あはははは!何それー」
「後が大変なの、もう腐臭がすごくてすごくて…生ゴミを100倍臭くしたよう感じで。
なかなかとれないのよね、ああいう匂いって」
「あとから先生に怒られて…散々だったよ……」
「そういう話は隠しちゃダメよ、皆の前で晒して笑いのタネにしないと」
「そんなのイヤ…」
他愛のない話もおかずにして昼の食事はどんどん進む。
「でも交霊術は怖がる人もいるし、錬金術は力仕事多いし数字強くないといけないし、
黒魔術は使い魔も先生も危ないし…女だと精霊魔法を選ぶ人が多くなるのは自然よね」
「で、精霊魔法組は男っけが無い。と…」
男の話になった。これも自然の流れか。
「う………」
「だから交霊術受ければ…」
「それは別に置いときましょう…ははは」
「でも私、さっきハイラムさんとたまたま授業同じになっちゃったんだ」
「え?そうなの?」
その話を聞いて前屈みになる女生徒もいる。
「もう素敵な時間だったよ…ぎこちない手つきの私をいろいろ教えてくれてさー」
「えー、ずるーい」
「私はバティド君の方がいいからいいけどね」
「バティド君かっこいいよね」
「あの運動神経に加えて悪魔の先生にも全くひるまない勇敢さ、いいなー」
食べるのが遅いマルガリタは基本的には食事中は聞き役だが…
(あ、この展開は…)
「マルガリタ、この2人の最新情報教えてよ」
やっぱりきた。女子の中で人気があるこの男子2人両方と知り合うマルガリタは
当然この話に呼び込まれるのだ、箸を休めて口を開く。
370 :
束縛(2):2007/10/07(日) 18:58:28 ID:zT6vX/Oq
「ここ数日は会ってないですわ、まあ私も基本的には黒魔術習うことが多いですから…」
「マルガリタ、よくあの先生の下やってられるわね…」
「アドヴォカート先生は嫌いですわ、ただ私の場合残念ながら
消去法でそうなってしまったんですけど、ハハハ…」
マルガリタも最初の頃は精霊魔法を習ったりしたものだがどうにも肌に合わない、
やむなく受けた黒魔術が意外と合っているのでそれ以後は黒魔術を受けている。
デーモンを召還できるレベルになった時は嬉しくて友達に自慢し回ったのもつい最近。
「でもいいじゃない、それでバティド君と知り合えたんだし」
「悪魔の先生に怒られてる時に助けてくれたんだっけ?」
「それ違うよー、それは2回目。最初はオパールネラ先生に怒られてる時に
助けてもらった方だよ、ねぇ?」
「え、ええ、そうですわ」
他人の話をよく覚えているものですわ、とマルガリタは感心する。
彼女らの言う通り、オパールネラ先生に怒られてる時にバティドが気を利かせて
助けてくれたのがはじまり。それ以降はアドヴォカート先生に怒られてるところを
助けてもらったりといろいろ気を遣ってもらっている。
「マルガリタはバティド派なんだよね」
「ええ、どちらかと言われればそうでしょうけど…でもそんな好きとかそういうのじゃ
ありませんわよ」
「そんなの分かんないよねー、たとえ今はそうでも人間何がきっかけで
人を好きになるかなんて分からないじゃない」
「そうそう、ある日突然胸がキュン!となってねー」
「マルガリタ、あなたならバティド君とどうなっても応援するわよ」
「はははは……」
どんどん妄想が進む友達に苦笑いしながら仲間っていいなぁ、と実感する。
(神様、こんな日々がずっと続きますように…)
「お嬢様、そろそろ………」
と、感傷にふけっている時に頭の上から声がする。シャーリーだ。
「ええ?今日はいいじゃありませんか…」
「お嬢様………」
それ以上は言わないが無言の圧力を感じる。このままだとシャーリーは機嫌が悪くなる。
「ごめんなさい、用事があるので私はちょっと………」
「あ、そうなの?じゃあね、マルガリタ」
「では皆様、ごきげんよう……」
「うん、じゃあねー」
マルガリタはそそくさと出て行った。残った女生徒はフルーツに手をつけながら話を続ける。
「さっきの話でちょっと不思議に思ったんだけど、何で交霊術を習ってないマルガリタが
オパールネラ先生に怒られてたの?」
「ほら、あの封印部屋あるじゃない、マルガリタがあそこに入ろうとしたんだって」
「あー、なんだっけ……魂の器がある部屋だったよね?」
「そうそう」
「何でまたマルガリタもそんな辛気臭そうな部屋に……」
「まぁでも封印部屋とか言われると見たくなるのは人情でしょ」
「そうかもねー……あっ、このフルーツおいしい〜」
371 :
束縛(3):2007/10/07(日) 19:00:47 ID:zT6vX/Oq
目的地に向かうマルガリタ達、今日は少々早足になっている。
「もう、あと少し待ってくれてもいいんじゃありません?」
「そんなことをするといつかなるか分かりませんぞ」
まぁそうかも…と思いつつ楽しい時間を削られていい気はしなかった。
「お嬢様…このままでは目的が達成できませんぞ」
「うう………で、でも、何とかなりますわ……私の勘って結構当たるんですのよ」
「…根拠を教えて欲しいものですな」
「……………」
答えようのない質問だ、マルガリタは気分が急速に滅入ってくるのを感じた……
マルガリタは封印部屋の前にいる。周囲にオパールネラがいないか確認する。
「いつまでむくれているのです。終わればまた話でもすればいいではありませんか」
「わわ分かってますわ、だからこうしてここまで来たじゃない」
「と言いながら入らないではありませんか」
「ううううるさいですわ、わ私だって、やややればできるんですのよ」
「足が震えておるのですな、たかが部屋の調査ではありませんか、
この先にはもっと困難な作業が待ってるというのに……」
そこへ突然後ろから声がした。
「マルガリタ、お前こんなとこで何やってんだ?」
「きゃああ!」
不意をつかれ、マルガリタは素っ頓狂な悲鳴を上げる。…後ろにいたのはバティド。
「何だよ、そんなに驚くことないだろ、またあのイカレ教師がやってくるぜ」
この前はオパールネラに見つかり今日はバティド……今日の決行は中止ね、と
シャーリーに気配を送る。シャーリーもゲコッと承諾の泣き声を鳴らした。
「い、いえ…なんでもありませんの、ちょっと通りかかっただけですわ」
「ウソつけ、この前怒られたばかりだろ、懲りないヤツだなお前も」
「だって…気になるじゃありませんか、入っていけないとか言われると…」
(どう?この前の失敗を踏まえてもっともらしい理由を考えておいたのですわ)
マルガリタは心の中で胸を張った。
「……………まぁそうかもな」
バティドは納得してくれたような返事をしたのでマルガリタはホッとした。
「でもまあ…いいですわ、怒られるのもイヤですし…じゃあまたね、バティド」
とあくまで自然にその場を立ち去ろうとした。その時、
「待てよ」
バティドが引き止めた。……私、何かまずいことした……?
「な、何……?」
「いいぜ、中に入れよ、オレが外で見張っててやるからさ」
「え?」
「聞こえなかったのか、入って見てみろよ」
「…それは嬉しいですけど……バティドはよろしいのですか?」
「ああ、オレはいいぜ」
思いもしない提案が出た。あまりに上手くいきすぎると逆に警戒してしまうのは
人間の性というものなんだろうか、マルガリタは返事に困っていた。
「なあに、オレはあのイカレ教師には実験を邪魔されて腹立ってるんだ、
このぐらいのことならどうってことないぜ」
そんな気持ちを察したのか、バティドはそう言った。
「そ、そうですか!ではお願いしてもよろしいですか?」
「ああ……そうだ、でも入るのは2層目ぐらいにしとけよ」
「……もしかして…バティド、もう見てる…?」
と聞くとバティドはもちろん、とでも言いたげに笑ってみせた。
マルガリタはつられて笑った。
「もう、バティドったら……」
封印部屋の内部に入ったマルガリタ達。
少しひんやりした部屋は納涼にはいい。しかし入ってみてその広さに気付く。
一体どこまで下に伸びているのか…これは調査といっても大変だ。
とりあえずこの階には敵はいない……マルガリタは階段を1つ降りる。
ここも敵はいない。バティドの言う通り2層目まで安全そうだ。となると下は…
マルガリタはゴクリと息を呑む。
372 :
束縛(4):2007/10/07(日) 19:02:59 ID:zT6vX/Oq
「はぁ…やっぱり行くしかないですわね…」
「最下層まで行けというわけではありません。魂の器の封印場所、そこまでのルート、
敵の魔法陣の位置、敵の現勢力ぐらいはおおよそ把握しておかないと
魂の器を奪う際の作戦が立てれません」
「でもそれってかなり下まで行かなくちゃいけないですわ…」
マルガリタは自分で立っているのが不思議なぐらい怯えた。
「敵の警戒が強ければ諦めましょう、私とて死ぬのは御免ですから。
でも今はそれすら分からないのです、だから先に進みますぞ」
「はぁい…」
マルガリタは涙目だがシャーリーは気にする様子もない。
「悪魔って案外身近にいるのですわ……」
3層目に入る、顔をゆっくり通路に出すと通路の先にファントムが見えた。
「しゃ、しゃ、しゃ、シャーリー、いい居ましたわ」
シャーリーはその怯えぶりに呆れながら
「…………お嬢様、あれは大丈夫ですな」
「どうしてですの?」
「あのファントム達はパトロールしているだけですな、同じ所をグルグル回っているので
ファントムの視界に入らなければ害は無いと思われます」
「そう言われれば近寄ってきませんわ……そうですわね」
「今の彼らには召還師がいないので命令があって動く状態ではありません、だから
囮や挟み撃ちのような高度な戦術は無いですからよく考えれば道は開けるはずですぞ」
「なるほど…………納得ですわ」
マルガリタは少し自信を取り戻した。
「ではお嬢様、なるべく近くまで気配を消して近寄り、
ファントムが後ろを向いた瞬間にあの階段から下に降りますぞ」
「(えー!!??)」
マルガリタは泣きそうになった。
あれからどのぐらい降りたのだろう、6層目?かな…今だに底が知れない構造だ。
魔法陣も見つかっていない…さすがに疲れてきた。シャーリーも予想外のようだ。
「あれ、行き止まり…?……!……シャーリー、見て見て!」
「これは………」
思わぬところに幸運というのは転がっているもので
行き止まりの先から下が吹き抜けになっていて下が一望できた。
「ハデスゲートが7層目にありますわ、10層目にクリスタル…それに…
12層目のあそこが異常に青光ってますわ、まだ下にも層がありそうですが
魂の器はあの近辺にありそうですわね」
「……そうでしょうな……やりましたな、お嬢様」
「そうでしょう?やればできるんですのよ、私だって……あれ?」
「どうかされましたか、お嬢様?」
「何でしょう?何か下から青いものがだんだん大きくなってるような……」
「………!…お嬢様!まずいですぞ、敵に見つかりました、逃げますぞ!」
「ええ!?」
「あれはカロンと呼ばれる使い魔です、なんてことだ…カロンまでいるとは…!」
「ひぇぇぇぇ〜」
マルガリタは無我夢中で走り出した。しかしカロンは逃げ道を先回りして
マルガリタを塞ぐ、真っ青になったマルガリタの前にインプ4体を置いた。
ゲヘゲヘ、とインプの薄気味悪い笑い声が部屋の中に響いた。
「どどどどどうしましょうー?シャーリぃ〜」
「カロンには攻撃能力は無くなりましたがインプか……こうなったら逃げ切るしか」
「そんなの無理ですわ、インプは足が速いのよ、それに私もう走れません…」
「ぬぅ……」
絶体絶命か、インプが近付いてくる…
373 :
束縛(5):2007/10/07(日) 19:05:07 ID:zT6vX/Oq
マルガリタが諦めかけたその瞬間、
「おっらあぁぁ!」
と叫び声とともに飛び蹴りがインプ1体に命中した。…………何?……誰?
「……バティド!?…どうして……?」
「帰りが遅いと思ったら……何やってんだ、逃げるぞ!」
「バティド!インプが!」
インプの攻撃がバティドの左腕に直撃した。バティドは苦悶の表情を浮かべるが
「インプの攻撃はそんなに強くないから大丈夫だ、早く行け!」
帰る道を指差して逃がそうとする。
「お嬢様、我々がいても足手まといです。先に行くのです!」
「う……うん、ごめんなさい」
マルガリタはもう動かないと思っていた足でひたすら走った。
(バティド、バティド…!)
彼女が部屋を出たのは数分後…息をきらしながら通路にへたりこんだ。
「…これで大丈夫…うまくやりましたな、お嬢様」
「そんな言い方しないで!」
冷徹に言い放つシャーリーにマルガリタは猛然と怒った。シャーリーは何か
言いたそうだったが火に油を注ぐと思ったのか大人しくなった。
「バティド………」
祈るような気持ちで待っていると、バティドが出て来た。
「バティド!」
「よぉ、無事に逃げ切ったか…」
「バティドこそ……大丈夫です?」
「まあな、もともと腕っぷしには自信あんだよ、そんなに心配することねーよ」
「左腕が特にひどい…張れてますわ」
「ひっかき傷がちょっとひどくなったようなもんだ、大したことはないって」
…………………
そこから先は何を話したか覚えていない…ただバティドが去った後に
顔を触ったら手が熱かったのだけは確かな感触だった……
次の日からマルガリタはバティドの見る目が変わった。
バティドを見つけると赤面し会話もたどたどしくなったような気がする。
でも気になってしょうがない、そんな感じだった。
封印部屋の調査が思った以上の成果を上げて喜んだシャーリーも
以降の進捗が封印部屋の地図しか書いてない状況ではどうしようもない。
「お嬢様、昨日作戦を考えるように申し上げましたがどうですか?」
「………思いつかなかったですわ……」
「そんな感じでもう3日間ですぞ、本気で考えておられませんな」
「そんなこと……ただ私のデーモン達では厳しいですわね………」
「相性が悪いですからな、仮に5体を無事に召還しても7層目のハデスゲートを
叩けるかどうかも怪しいでしょう、時間もかかります。この作戦は
かかっても2時間以内に終わらせないと誰かに気付かれて失敗します
短時間でかつこの1回きりで終わらせませんと……」
「…………………」
マルガリタは黙ってしまった。これでは昨日と変わらない。
シャーリーはため息とともに話しかけた。
「お嬢様、私に1つ案がありますが……」
「えっ、何ですの?」
マルガリタの表情が明るくなる、その様子だと任務をこなそうという意思はあるようだ。
「この前のバティドとかいう少年、あの男を使うのです。
あの男は交霊術の教師と仲が悪い。一泡吹かせてやりましょう、という感じで
この計画を持ち込めば誘いに乗るでしょう。もちろん魂の器の話はせずにです。
キメラとホムンクルスを召還してもらえばアストラル相手でも楽に戦えます
魂の器を奪ってしまえさえすれば、あとは私の毒でなんとかなるでしょう」
「そんな…仲間でもないバティドを危険な作戦に巻き込むのです?」
「あの男は……いや、何でもないですが…気にすることないでしょう」
何やらシャーリーが口ごもったようだったがマルガリタは
「そんなことはできませんわ……そんなことは……」
と繰り返すだけだった。
374 :
束縛(6):2007/10/07(日) 19:06:17 ID:zT6vX/Oq
あれから数日、マルガリタはいろいろ挑戦した。ドラゴンを使役してみようとしたが
アドヴォカートはまだ早いということでカオスネストのグリモアを与えてくれなかった。
精霊魔法をやってみようとしたがフェアリーは数が増えるとうまく扱えない。
交霊術もまったく同じでファントムの数が増えるとやはりうまく扱えない。
錬金術は顔を出していない。…本当は行きたかったが、バティドに会うと
頭が真っ白になるので任務をする上では最善の策ではなかった。
結局、マルガリタにはデーモンをうまく扱うことしか残っていないようで
自分の幅の狭さを認識させられる結果に終わった。
そんな落ち込んだ気持ちをほぐしてくれるのが友達でありバティドだった。
マルガリタにはあの日以来バティドの存在が大きなものになっていた…
ある日…シャーリーが何やらつぶやいている。
「ここまでですな…短期間でグリモアを習得するには無理があります……」
思うように進まないマルガリタに業を煮やしたシャーリーがぶつぶつ文句を言うのは
日常的なことで、とばっちりを食わないようマルガリタは相手にしないように
しているのだがこの日は違った。……あれ?…マルガリタは自分の体の変調を感じた。
「おかしいですわ?…どういうこと?自分の意思と無関係に体が動きますわ……?」
自分の体でない。足が勝手に動いている…パニックに陥ったマルガリタは大声を出す。
「だ、誰か…止めて、私を止めてですわ!」
しかし、しばらくすると今度は声も出なくなった。その直前にシャーリーが呪文の
ようなものを唱えていたのだが大声を出していたマルガリタは気付くはずもない。
何が何だかよく分からないがマルガリタはどうにもならないので成り行きに任せた。
途中、シャーリーが話しかける。
「お嬢様、バティドという男に特別な気持ちを抱いてますな」
(……………ッッッ!!)
マルガリタは顔を真っ赤にして何かを訴えようとするが声が出ない。
「そんな甘いことでは失敗しますぞ。とにかく今回は私に任せて見てもらいましょう」
(何…?どういうこと……?)
マルガリタは混乱した。
自由の効かないマルガリタが辿り着いたのはバティドの前。マルガリタは大混乱だ。
(そんな!!どうするつもりですの……?)
「バティド殿」
「…マルガリタ?いや、頭の上のカエルか…」
「お嬢様に変わって私の方から言いたいことがあります」
(何…?まさか…私とバティドの仲を引き裂こうとしてますの……?
とにかく止めてったら!止めてー!!)
しかしシャーリーの口から出たのは全然違うものだった。
「お前は何者だ?」
……意表を突かれた、シャーリーは何を言ってますの…?
「何だそりゃ、いきなり何の話だよ」
「私の勘違いで単なる学生ならそれでいい、ただそうでなければ取り引きがしたい」
………?マルガリタは目の前の話についていけない。すると、突然バティドは笑い出した。
「ハハハハ!そういうことか!自信は無かったが、それならマルガリタがこの前
本気で封印部屋に入ったことの説明になる!」
(え…………?)
「ふむ……やはり違ったか、話を聞く気になったようですな」
「お互いの身の上のこれ以上の詮索はなしだぜ、利害が一致すれば取り引きに応じる」
もうマルガリタには何が何だか分からなかった。
375 :
束縛(7):2007/10/07(日) 19:10:15 ID:zT6vX/Oq
マルガリタの立会いの下、シャーリーとバティドの密談が進む。
「いいでしょう、こちらの要求はお嬢様と一緒に封印部屋に入って欲しい。
お嬢様1人では厳しい、お嬢様を守って欲しい」
「……魂の器が狙いか?」
「違いますな、あの部屋には別のアイテムがある。それ以上は言う必要はないはずですが」
素直に相手の口上に乗らない、シャーリーの老獪さが出ている。
「そうもいかないな、その別のアイテムとやらが俺の目的の可能性がある」
「なるほど…この塔の宝物狙いですな…さしずめ賢者の石、あたりですか…」
「…まあいいか、お前達はその場所を知ってるのか?こちらの要求はそれだ」
「入り口なら知ってますな。それ以上は知らないから答えようがないですが…
つまり、入り口というのはある場所を破壊しないと出てこないのです」
「……いいぜ、契約書を作成したら取り引き成立だ。普通の契約書じゃないぜ、
悪魔用のヤツだ、ガセだったりしたら契約不履行で地獄に落ちてもらうからな」
「構いません、では私達の要求が先でいいですかな?バティド殿が封印部屋の
一件を成功させたら私達が賢者の石のある入り口を教える、ということで…」
「質問だが、封印部屋では俺とマルガリタ2人で使い魔を召還するんだよな?」
「もちろんそうですが。2人で協力すればあの部屋の制圧は可能でしょう」
「なるほど…………いいぜ」
「では、取り引きは成立ですな、決行日は後日伝えますぞ」
「ああ」
「どうです、お嬢様?始めからこうすれば良かったですな」
バティドと別れてすぐ、シャーリーは話しかけた。マルガリタは黙ったままだ。
「おお、そうでした」
と言うとシャーリーは何かぶつぶつ言い始める。マルガリタの五感が戻ってきた…
「お嬢様はまだ子供なのでこういう方法がある、というのは知らないでしょう
世の中どんな困難があっても諦めないのが肝心ですな」
「………うるさいですわ……」
得意顔で言うシャーリーをマルガリタは両手で掴んで振るい落とした。
びっくりしたシャーリーをそのままにマルガリタは引き返す。バティドが見えた。
「バティド!」
マルガリタが呼び止めた。振り返ったバティドに対してマルガリタは近付くと
パーン!
しっかりした音がする。マルガリタはバティドに平手打ちをしていた。
「…………マルガリタ…?」
「2人して私を利用して…!シャーリーもバティドも大嫌いですわ!!」
「ちょっと待て、お前何言って……
「知りませんわ!」
バティドの話も聞かずマルガリタは走り出した。目に涙を浮かべながら…
マルガリタはひとしきりベッドで泣いた。その後は何かボーッとして
何も力が入らなくなった。そしてそのまま目を閉じた…
………………
目が覚めた時には太陽も沈みかけ窓から赤い夕焼けの光が入っていた。
「あー!すっきりしましたわ!」
いつもは寝るとイヤな事も忘れて気楽な気分になるマルガリタ。
しかし、今回はあまり気分が晴れない。マルガリタは今日起きた事を振り返ってみる…
シャーリーのやったことは腹が立つ。確かに魂の器について事は進んでいない。
このまま遅れて私が火あぶりになるのを気にしていろいろ考えてくれるのはありがたいが
今回のはやり過ぎだ。当分許せそうにない。
…バティドはどう?どうやら普通の学生ではないようだ。何か裏がある…
それはそうだが、仮に私を利用しようとしてもインプに襲われた私を命の危険を
犯してまで助けるものだろうか?
…それはない、と思う。そもそもバティドは私が魂の器を本気で狙ってるという
確信も無かったし、私達が賢者の石の在り処を知ってるなんて分かっていない…
「ビンタしたのはまずかったかも…ですわ…」
マルガリタは窓から外を見やりながら呟いた。
376 :
束縛(8):2007/10/07(日) 19:13:51 ID:zT6vX/Oq
次の日、マルガリタは普通に生活した。シャーリーを頭に乗せていないのが違うが。
バティドとは会わないようにルートも気をつけた。結局あれから考えたがバティドに
関してはまだ心の中がまとまっていないので今は会いたくなかったのだ。
そしてお昼…
「あれ?マルガリタ、今日はカエルちゃんいないのね」
「え、ええ…ちょっと喧嘩してしまいましたわ」
「ふーん、まぁ早く仲直りした方がいいよー、こじれてからじゃ遅いからね」
「ま、まあ、そうかもしれませんわね…」
それはバティドについても言われてるような気がして心に刺さった。
「そういえば今日ガンメル先生にお客さんが来るんだって。ここの卒業生で…」
楽しい食事も過ぎいつまでも話し合うマルガリタ達、いつもはシャーリーに
促されて途中で退席することが多いマルガリタもちょっと自由を感じていた。
突然友達が急に黙ってしまった。見るとマルガリタの後ろに視線が集まっている。
マルガリタも後ろを見ると……そこにはバティドがいた。
「マルガリタ、ちょっといいか?」
マルガリタは不意をつかれた。バティドの性格からしてこんなことをしてくるとは
思わなかった。こんな状況では断れないのを見越して来たのだろうか。
「ええ、よろしいですわ……」
バティドとマルガリタは退席する。しばらくしてからテーブルで友達の
歓声が上がるのが聞こえた…
何を話せばいいのか分からない。話したいことは一杯あるはずなのに
まとまってない話ばかりな感じがして話せない。何かもどかしい…
「お互い普通の生徒じゃなかったんだな」
歩きながらバティドは話しかけた。静かな口調だ。
「……そのようですわね……」
人に知られてはまずい、人気にない場所に来るとバティドは
「昨日は…悪かった」
と一言謝った。
「何で謝るのです?謝らなくてはいけないのは私なのに…」
「いいんだ、ただ1つだけ。俺がマルガリタを利用してどうの…ってのは誤解だ。
それだけは理解して欲しかった」
「ええ、私も…昨日はいろんなことがありすぎて動転してたのですわ。
まともな思考が出来ませんで…」
「やっぱり…取り引きしようと言い出したのはあのカエルの独断か?」
「そうですわ!あんなこと言い出すなんて…私はてっきり…」
「てっきり……何だ?」
「…いえ……何でもありませんわ………」
「……取り引きしようと言われた時はびっくりした。むしろ俺の方が利用されると
思ってショックだったぜ、マルガリタはそんなヤツには見えなかったからさ」
そうか、見方を変えればそうなるんだ。マルガリタは複雑な話だと思った。
「私のような性格の人間にはシャーリーの話は難しくていけませんわね…」
「お前らがどんな関係かは知らないがマルガリタとあのカエルとじゃ合わないぜ、
…まぁとりあえず座るか」
2人はベンチの上に腰掛ける。
377 :
束縛(9):2007/10/07(日) 19:15:09 ID:zT6vX/Oq
「俺から見るとさー」
「…何ですの?」
「お前、無理してんじゃねーの」
「もともとお気楽な性格してますから…ちょっとシャーリーからぶちぶち言われても
聞き流したり、寝れば復活したもんですけど…ただ今回のようなことが起きると
グッと締め付けられるような感じで辛かったような気もしますわ……」
「俺は…マルガリタは違う世界の人間だと思ってた。それぐらい天真爛漫で
こんな裏のことをするようには見えなかった、だからカモフラージュするには
いいのかもしれないが、逆に裏表が少ない分こういう時辛いんだと思うぜ」
「確かに向いてませんわ、シャーリーを見てるとそう思いますもの…
でもやらないと火あぶりになるの、だからしょうがない……」
「そうか……」
「バティドは……どうしますの?」
「別に。マルガリタがあの契約書を『バティドが無理矢理書かせた』と言って
ガンメルに見せれば、当然俺の身辺調査をするだろう。そうすれば俺の素状は
分かり良くて退学、悪けりゃ刑務所送りだろう。そのぐらい昨日の俺は
致命的なミスを犯したのさ、でも別にそうなってもいいと思ってる」
「あの契約書ならとっくに破ってますわ」
「何?」
「だって契約者に私の名前がありますが、私全然承諾してませんもの。
あんな契約は無効ですわ」
「フフッ…お前やっぱりこの任務に向いてねーよ」
「バティドもそうですわ…」
「……そうか?」
「だって私を助けたり、先生に反抗したりと目立ち過ぎですもの」
「まぁな…でもそうでもしないとやってられないってのはあるかもな…」
「………私、他の普通に生活してる人が羨ましいと思うことがありますわ…
だってあんなに楽しそうですもの、何で私だけこんなコソコソしたり
しないといけないのかなって……」
「俺もそうさ、ハイラムとか見てると応援したくなる。俺に出来ないことを
代わりにやってくれてると思ってるのかもな…」
「性格は全然違いますのに…私達、似てますわね……」
「そうだな……」
「そうですわ………」
「マルガリタ……こっち見ろよ」
「え……?」
「イヤなら跳ね除けてもいいぜ……」
と、バティドは唇を合わせてきた。優しく合わせてきたキス……
マルガリタは抵抗しなかった。確認したバティドは舌を入れてきた。
何かを求めるように舌をマルガリタの中で激しく動かす。マルガリタも応えるように
舌を絡ませる。二人はお互いをきつく抱きしめた。
二人がキスを終えて見つめ合う。魂の抜けたような無機質な表情があった。
これが今の二人の精一杯なのだろう。二人はもう一度キスをする、激しく………
キスを終えたバティドはマルガリタを押し倒す。ここでもマルガリタは
なすがままだ。胴を締めるリボンははずしにくい…バティドは上着のボタンだけ
外すと乱暴に服の下に手を入れてきた。バティドの手の冷たさとマルガリタの
身体の温度差に最初はピクッと反応するが、人差し指と中指がマルガリタの乳首を
クリクリと挟み弄び始めると身体のどこからかが快楽への道標を示してくれたように
何もかもが心地良くなる。たまに絞めすぎたその痛さもすぐ忘れてしまうほど…
ピアノを演奏しているかのように怪しく動く指先に乳首は見事に撥ね上がる。
そこに服の上からバティドの舌が乳房の稜線に沿わせて舐めてくる。乳首が
舌に刈られた時、マルガリタの身体は抑えようのない快楽に負け全身が
電気を受けたように仰け反った。
378 :
束縛(10):2007/10/07(日) 19:16:40 ID:zT6vX/Oq
手を胸から下腹部に移す。スカートを脱がせると薄い桃色のショーツは
もう濡れている。バティドは秘穴全体をショーツの上から思い切り
バイブレーションをかけながら指先で擦り上げた。マルガリタは
思いっきり感じてしまったらしく息遣いがはっきりと荒くなった。
顔もすっかり紅潮して恍惚の表情を浮かべる。
それを見たバティドは舌で舐め回そうと思ったのだろう、顔を
股に埋めようとしたが、マルガリタは先手を打ってバティドにキスをした。
どうしても見られたくないようだ。激しく舌を入れて求めてくる。
バティドは舐めるのを諦めキスをする。激しく…ただ、キスをしながらも
指はぐちょぐちょになったショーツの上から擦り上げている。
口の中の舌の動きが感じるたびにスピードが鈍る。全身で締め付けられる
快感を受けきれずに放出されている。文章にならない激しさと言えるだろう。
バティドはズボンを脱いで膨張し抑えきれなくなっている己の大筒を
開放した。その間もマルガリタは腕をバティドの首に絡ませキスをしている。
夢中になっているのか何かを忘れたくて夢中になろうとしているのか…
辺りは汗か愛液か、何かよく分からないが水分でじっとりと湿っている……
マルガリタのショーツに手をかける、すると不意にキスが終わった。
お互いの顔を見合わせる…2人の顔は真っ赤に染まっている。
しかし顔面の紅潮ぶりの中に見せる獲物を狙うかのような鋭い目が印象的だ。
このままでは食い足りない、もっと食わせろと訴えかける………
マルガリタは視線を逸らした。どうやら合図のようだ、無言で頷くバティドが
肉茎を秘穴の元に挿入され、マルガリタの身体を突き刺した。
腰の動きが激しくなり、マルガリタの横顔の目元に汗か涙かしたたり落ちた。
口元は激しく波打って息も荒々しい。マルガリタの手はバディドの腕を
グッと握り締めている。もともと寝転んでいるのに掴んでいないと
倒れそうに思えているのかしっかりと握っている。
ハッ…ハッ…ハッ……ハッ……
息遣いだけが支配する、奇妙で激しい空間……
やがて息遣いは激しく細かくなり………2人は果てた……………
お互いが無言で通した性交……終わりも2人は無言のままである。
この中に愛はあったのだろうか?ただ激しく追い求めた結果に残る背徳感…
言えば一般的な愛は無かったのだろう、2匹の弱い獣が慰めあっただけの……
でも、そうしなければいけなかった衝動もあった、それがあの激しさ。
結局、人というのは独りで物事に立ち向かうには脆い存在なのだろう、
これも1つの愛の形なのかもしれない……
「何かすっきりしましたわ……まるで今までのことが幻のようですわ…」
「じゃあ、お互い頑張ろうぜ」
これ以降、女生徒が騒いだりもしたが2人きりで会うことは目撃させず
次第に2人の仲についての噂は無くなっていった…
379 :
束縛(11):2007/10/07(日) 19:18:18 ID:zT6vX/Oq
その後、リレという生徒が入学することになり魔王は消滅し
マルガリタは彼女を縛っていた全ての鎖がほどけ名実自由な身になった。
バティドは賢者の石が消滅した後もしばらく学校にいたが、
そのうち退学することになった。理由は一般生徒には明かされなかったので
それを聞いた女生徒が疑問に思ってマルガリタに聞いてみるも
マルガリタは笑ってはぐらかすだけだった………
バティドが退学になる日、マルガリタが部屋に訪れた。
「今日で終わりですわね、バティドは見送りのファンが多そうだから
早めに来ましたわよ」
「何言ってんだよ…まったく」
「とりあえず……良かったですわね……」
「良かった?退学だぜ、退学……そりゃどこだって錬金術の勉強はできるけどさ」
「ええ…良かったと思いますわ……本当に…」
「……………ああ、そうかもな………」
にっこり笑うマルガリタにバティドは笑って応えた。
「じゃあ、最後に耳を貸してくださいな」
「何だ?」
「いいからいいから…」
怪訝な顔をするバティドにマルガリタは顔を近づけるとバティドに
ぼそぼそと耳打ちした。
「…………………………」
それを聞いたバティドは黙ったままだったが、しばらくすると口を開いた。
「…………そうか……」
「じゃあ私はこれで…バティド、向こうでも元気でいらしてくださいな」
「マルガリタもな」
「ええ」
マルガリタは手を振ってバティドの部屋を出て行った。
これで終わりです。
>>366 ルジェとルジェ弟子は難しいでしょうねー
ほとんどオリジナルストーリーになりそう…
>>380 投下キタ━(゚∀゚)━!!!!!
書き手さんGJ!書くことを継続できるってのはそれだけでも凄い。
マルガリタとバティドは密かに見てみたかった組み合わせだ。マルガリタ可愛いな。
最初の女生徒同士の会話が微笑ましいし、シャーリーもさすがに賢いね。
個人的には挿入後の描写がもう少し多めだと嬉しかったり。
>>380 GJでした。筆が早いですねー。
381さんもおっしゃってますが、モブの女の子たちが和みます。
原作でもこうした一般生徒たちとの絡みがもっとあると、
世界がより広がっただろうなと。
>>381-382 レスthanks
ラジオの実況中継みたいなエロですみません…どんな早漏なんだorz
上手くなりたいっす
アマレットはリレの嫁
2ch家ゲー板のスレが落ちたまんまだ
>>382 確かにメインキャラ以外の一般生徒の描写は欲しかった
ていうかそういう学園描写やシナリオ分岐があったら神ゲーなのに
アドヴォカートとアマレットで書いてみました
ストーリーの都合エロは大したことないですが勘弁をorz
388 :
代償(1):2007/10/14(日) 10:14:27 ID:I6FdVLm1
「いやはや、生徒が失踪したぐらいで私のせいにされるとは……」
いかり肩を揺らしながら廊下を歩くのは黒魔術教師のアドヴォカート。
顎鬚に手をやるいつもの癖も今日はさする、というよりは
ゆすっているような感じだ、荒々しい。
抗えぬ力を前にすれば畏怖というシグナルを発するもの。
顔は強張り、体はすくみ、声は小さくなり、足元は震える……
今まで見た人間はそういう反応を示すのが多かった。
それは悪魔が悪魔たる所以であり、その優越感も悪魔の特権と思っていた。
別に今に始まったことではないが、ここの生徒はそれが無い。
それはアドヴォカートが先生という立場だから。
それはいい、では何故先生と思っているのなら師に対する礼が
伴わないのがよく分からない、先ほどもその敬意を感じない生徒から
友達が失踪した責任がどうのと思いきり罵倒されて苦々しい思いをした。
ガンメルが止めなかったらどうなっていたか分からない。
「どうせどこかの開かずの部屋に入ったのでしょう…呆れた言いがかりです。
まったく、無知というのは恐ろしいものです。私が大人しくしてるのも
ガンメルとの契約のおかげ。偉いのはガンメルであってあの青臭いガキ共では
ないというのに……一度威嚇しないと分からないものですかね……」
アドヴォカートは怒りを滲ませたため息を吐いた………
「悪魔のおじ様」
突然呼び止められた、この呼び方をするのは……
「失礼…貴女のような淑女に気付かずに通り過ぎようとは…これはいけない、
紳士としてあるまじき行為ですね。ご機嫌いかがですかです?アマレット」
そこにはアマレットがいた、悪魔にとって垂涎モノな身体を持つホムンクルスだ。
「…この子が……今日は寝てばかりで……黒魔術の先生なら分かりますか?」
アマレットが心配そうになでているのは飼い猫のグリマルキン。
「私は獣医ではありませんが…まぁ大丈夫じゃないでしょうか?」
「そうですか………」
「よく言うではないですか、寝る子は育つと」
「………そうでしょうか、でもそれが全てに当てはまるというわけ……」
と言ってる矢先、グリマルキンは目覚めた。最初は納得していない態度が
ありありだったアマレットもホッとして、
「ああ……ホントだ、良かった……」
実際のところ、アドヴォカートにとって駒の1つにすぎない使い魔の
健康状態なんて知ったことではない。グリマルキンが目覚めたのも外野が
騒がしかったのでそうなっただけだ。アマレットは聞く相手を間違えていた。
389 :
代償(2):2007/10/14(日) 10:20:57 ID:I6FdVLm1
「そう言えば、おじ様は急いでいたように見えましたが……」
「ああ、そうだ……新入生のリレ・ブラウを見ませんでしたか?」
「あの背の低い子ですか……それなら……」
「ほぅ、アマレットは御存知でしたか、どこです?」
アドヴォカートは怒りを発散できそうな話し相手を捜していたのだった。
ガンメルは先ほどの件で会っている、そうなると標的はあの新入生だ、
悪魔に対して対等に近い気持ちで話しかけてきて、しかもこれを
楽しんでやってるかのような余裕みたいなものを感じる。これは気になる。
「あの子なら…シャルトリューズ先生の講義を受けています…」
「なんてことだ…どうも歯車が噛み合ってませんね………」
失望するアドヴォカート。しかしここで彼はあることに気付く。
(いや…リレ・ブラウが錬金術の講義を受けているということは…アマレットは
保護者のような存在のシャルトリューズの目が届かないということだ…)
アドヴォカートはアマレットを見る。
(しかし…アマレットは魅力的な存在なのですが…食らうわけにもいきません。
かと言って生まれて間もないホムンクルスでは話し相手としては物足りませんし……)
アマレットはアドヴォカートの視線は気付かないのかグリマルキンに夢中だ。
(そうです!何も食らう必要はない、私の欲求を満たすだけでも
この際問題ないのですから。私が我慢するなんて笑い話にもなりませんし)
アドヴォカートは静かに笑った……………
「しょうがないですね……ところで、アマレットは講義は受けないのですか」
「あ、はい……私はおじ様も知っての通り……」
「いや、全ては言わなくてもいいです。貴女は魔法を受けるために
ここに来たのではないのですから。ただ、それ以外の講義もあるのですよ。
ちょうどグリマルキンが目覚めたところです、猫とネズミの関係で講義を
して差し上げましょう、いかがですか?」
突然言われた講義の話…いかにも迷惑な話だがグリマルキンでお世話に
なっているので無碍に断るわけにもいかない。
「なあに、すぐ終わりますよ、他の講義が終わって人が通る前に片付きます」
「…それなら……分かりました、お願いします」
「いいでしょう、承りました」
「アマレットは寝付けない時、グリマルキンに寝かしてもらったことは?」
「…はい、あります…」
「気持ちよく寝られたでしょう?」
「ええ、そうですね…とっても………」
アマレットは嬉しそうに答える。少し警戒心が溶けてきたような表情だ。
「あれはグリマルキンの呪文が脳にある催眠を司る器官に直接訴えかけているのです。
だから効果は抜群なんです、しかも副作用もない、女性には特にいいでしょう」
「へぇ……そうなんですか」
「その先には催眠術というのがあります。聞いたことがありすか?」
「いえ………知りませんが……」
「これは先ほどのをやや高度に応用したもので先の呪文と別の呪文を混ぜて
脳は半睡眠状態にして身体のみ動かせるようにしたものです。これを使うと
被呪体の意思は無くなり催眠術師の言うように体を動かします」
「ちょっと怖いような……グリマルキンはそんなことをするのですか」
「いえ、グリマルキンのレベルでは無理です。もっと高等な存在の悪魔なら可能ですね」
「…そうですか……」
「ところでアマレット、こちらを見てもらえませんか」
「はい?」
アマレットはアドヴォカートを見ると、彼は人差し指を立てた状態で構えていた。
次はその手で使って何を言おうとしているのか、その指に注視する。
「はい…もういいでしょう…」
と、アドヴォカートは言った。しかしもうアマレットの意思は薄れている。
アマレットは催眠術にかかったのだ、もう目がすわって視点の先も動かない……
390 :
代償(3):2007/10/14(日) 10:24:02 ID:I6FdVLm1
聞く意思も無くなったアマレットを前にアドヴォカートは話しかける。
「では本題の猫とネズミの話に移りましょう。こちらの関係は単純なもので
支配するものとされるもの、それに尽きます。ネズミは教えられるワケでもなく
猫を見れば恐れ逃げます。ネズミが猫に逆らうとか、その怖さを知らないなんて
ありえません、これが自然の摂理というものです。本来なら悪魔と人間も
潜在能力の差を考えればそうなるはずのですが……」
アドヴォカートはアマレットをじろりと見る。
「召還師でないアマレットは世間を知らなくてはいけません、
力の差で主従の関係は決まるのです、今で言えば私が猫、貴女がネズミです。
よろしいですか?」
「チュウ」
アマレットはネズミの鳴き声で返事をした。
「よろしい」
と、アドヴォカートが呟くとズボンのチャックを外し始めた。
「これは何か分かりますか?」
アドヴォカートは自身の一物を指差して尋ねる。アマレットは訝しげな顔をする。
「やれやれ、身体は立派な大人だというのに知識は皆無ですか……
それでは悪い男性に騙されますよ、気をつけないといけません……」
アドヴォカートの講義は続行される。
「さて、主従関係がしっかりしている場合、主人の命令は絶対です。
…おかしいと思われますか?でも封建制度や奴隷制度という言葉があるように
社会全体が個人であることを否定する考え方もあります、要は自分の立場を
よく理解することでしょう、そうすればすべき事も見えてきます」
アマレットはアドヴォカートを黙って見ている。命令を待っている犬のようだ。
「いい受講態度です、では本題に入りますか……」
アドヴォカートは傍にあったベンチに腰掛けるとアマレットに命令する。
「では寂寥の狭間にいる私を救い出してもらいましょう。……アマレット、
口で私の性器をくわえなさい」
アマレットはアドヴォカートの股に顔をうずめ…彼の一物を頬張った。
「ほぅ、思ったより暖かい…
と言いかけた途端アマレットは口の中の違和感を気味悪がったのか離してしまった。
「おや、ダメですよ…主人の命令は絶対です。私のモノをくわえたままで
離してはいけません。息をしたい時だけ隙間を作るのです、あと手で根元を
つかむようにすると慣れない体勢でも安定しますよ、分かりましたか?」
「……………」
アマレットはコクリと頷く。
「いいでしょう、ではもう1回始めから……」
アマレットは再び頬張る。口の内側にある柔らかい肉と硬い歯が一物を包むこむ。
「ぬぉっ……」
ちょっとこれは普通には無い感触だ、あそこの感覚神経全体が喜んでいやがる…
アドヴォカートはニヤリと笑う。驚いたことにアマレットは舌を動かしてきた。
クチュクチュといやらしい音が出る。
「慣れない自分の肉体を触っていた経験からですか?アマレット……
舌を動かした方が主人を喜ばせることが出来る、と判断したのですね。
素晴らしいですがまだ気持ち良くないですねぇ………もっと舌を奥まで
入れるといいでしょう、あと性器をキャンディと思ってもっと激しくしゃぶるのです」
アマレットはうなずき言われた通りにする。アドヴォカートの顔が火照ってきた。
「筋がいいじゃないですか……おっと私も協力しないといけないですね」
と言うとアドヴォカートの長い手がアマレットの尻に辿り着く。
コートのような上着の上から優しくもんでみる。アマレットは驚き
後ろを見ようとするが、アドヴォカートは頭を押さえた。
「ダメじゃないですか、口を離してはいけません。いいですね?
…何度も主人の言うことを聞かないようではお仕置きが必要ですね…」
と言うとコートに下に手をすべらせ太ももを下から股にかけてすべらせた。
アマレットの身体がビクッと反応した。いい感度にアドヴォカートも満足する。
391 :
代償(4終):2007/10/14(日) 10:25:58 ID:I6FdVLm1
「まったくあの錬金術師にも驚かされますね…こんな気持ちのいい肉体が
創造物だとは……私も何かお願いした方がいいかもしれません……
おっ、アマレット、そこをもっとしゃぶりなさい……いいですね………
おお、いいです………だんだん気持ち良くなってきましたよ…ハァ………」
アドヴォカートの一物が大きくなり熱くなる。それにつられアマレットは
何かに憑かれたようにしゃぶりつく、可愛らしい尽くしぶりではないか。
「どうやら……ハァ…近いようです…………どれ…」
アドヴォカートはアマレットの尻をなでるとその溝に指を走らせる。
ショーツの上からでも秘穴の場所が分かるぐらいに強く押す。アマレットは
上半身を弓なりに曲げる。同時に死んでいたはずの目が少し潤み顔は赤みを増す…
「フフフ…可愛いじゃないですか……それ!」
アドヴォカートが指先に力を入れる、アマレットは顔を紅潮させたが
負けじと一物を擦り上げる。
「おおおお……おおおっっっ!!!」
アドヴォカートは満足そうにイッた……アマレットの口内で盛大に発射する。
アマレットはいきなりの異変にむせて咳き込んだ。
「おっと性液が出るのを言い忘れてましたね、ダメですよ。
掃除が大変ですからそのまま飲んでくださ……!!!!????
異変は起こった。
「!!!!??????」
突如アドヴォカートの一物が燃えるような激しい痛みを感じた。
「うががあああああああ!!!!?何だこの熱さは!?アマレット、離しなさい!」
しかし、散々離さないよう言われているアマレットは咳き込みながらも
手と口を離さない。これがまた痛みを加速させた。
「この!!!離せ!!!何してる!!!!バカ!!!」
普段の物腰はどこへやら、乱暴にアマレットを弾き飛ばした。
股間のあまりの痛さに悶絶してのたうち回る。
どうやら体内に入ろうとした悪魔の分泌物を天使の霊素が拒んだようだ、
そして身体が拒絶する勢いに乗せてその霊素が放出されて悪魔の一物を
焼き焦がしたようである。ギムレットを灰にする力のある霊素だ。
一部とはいえ、これを食らってはアドヴォカートといえども耐えられない……
「あら……どうしたのかしら、私……?…!……おじ様…?どうしたのですか?
大丈夫ですか?」
アドヴォカートの催眠術がとけたアマレットが我に返る。アドヴォカートの急所に
ダメージを与えた当人が無邪気に心配してくる。
「いいから私に構わずどこかに行け!早く!!」
「はい…………?…口の中がネバネバしてる……?うがいしないと……」
「うぐぐぐあああああ!!!!」
アドヴォカートは股間に手をあて痛みに表情を歪めている……。
この惨状の中、グリマルキンに連れられてリレ・ブラウがやってくるのは数分後。
…アドヴォカートに幸あれ。
392 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:16:00 ID:VPXEtglg
GJ!!
いつも美味しく読ませてもらってます
このスレでグリグリを扱ってる同人誌把握できてる香具師っているか?
以前、オーディンスフィアと一緒に表紙に載ってるやつを通販で見かけたことがある
それ以外は分からない
自分もグリグリ同人の情報は知りたい。
ていうかそれぐらい一般向け・成人向け問わず見たこと無い。
投下してみます。
以前書いたカロンとモーニングスターの続編ということで…
紅茶に例えれば砂糖多めのストレートティーかな、よろしくです
396 :
奇跡(1):2007/10/22(月) 02:02:44 ID:M3eiiSe3
「カロン様、お待たせしました……」
「いや、大丈夫。………あれ、今日は何か……いいなあ」
「うふふ、気付かれましたか、ちょっとサブスタンスの可愛らしい女性と
お会いしたことがあったんですけど、その時の髪型を真似してみたんです。
"アップ"って言うらしいですよ」
「雰囲気が変わるなあ…うん、似合ってる」
「……フフフ、ありがとうございます。良かった……」
以前、アストラルにとっての性行為にあたる"禁断の果実"を成功させ
お互いの相性の良さを確認したカロンとモーニングスター。あれ以来
定期的に会って愛情を育んでいる。今日はカロンの船に乗って冥界と自然界の
境界線にあるという幻想的な風景を見に行く予定だ。
「器用に外形を変化させるなあ、俺なら元の姿に戻す自信がないから出来ないな」
「いえ、私も今まではこんなことできなかったんですよ、怖くて……
でも…………その……………」
モーニングスターは何やらモジモジしている。
「…どうかしたの?」
「………もう………何でもありません………………」
どういうわけかモーニングスターはしょげてしまった。カロンは必要以上に慌てる。
…それもそのはず、アストラルにとって会話というのは極めて重要だ。
物理的法則から外れた存在だけに会話ぐらいしかお互いの愛情を確かめるものが
ないからだ。レストランに行っておいしい食事を楽しんだり、お店に並んで
お気に入りの品物をプレゼント…なんて発想はアストラルにはないし出来ない。
言葉は心の扉。一語一句に耳をたて、その言葉の持つ力に一喜一憂させられる……
動揺しているカロンを見てモーニングスターは表情を曇らせる。
「カロン様………」
「…え?」
ハッと我に返ったカロンにモーニングスターは唇を合わせてくる。モーニングスターの
唇を形付ける霊体を崩してカロンの唇と同化させる、これがアストラル流のキス。
「…………」
「……ん………ん…」
人間でも相性の合わない者が触れ合うと心の中で拒否反応を示すが、
その心が剥き出しになっている状態のアストラルには相性が合わない霊体同士の同化は
苦痛以上でそれどころか霊体そのものが崩壊する危険がある。でも逆に相性が合えば
こんな気持ちいいものはない、2体は甘美な一瞬を楽しんだ。
「カロン様……どうですか?」
「キスを通じて貴女の心が伝わったような気がする……元気が出た」
「まあ!……嬉しい………」
モーニングスターは満面の笑みを浮かべる。言葉の力は偉大だ、
カロンは心からそう思う。
「……落ち込むって程じゃないけど。ただちょっと考え事をしてたから…」
「…ええ、そうだと思ってました……分かりますもの……」
「ま、参ったな……お見通しなのか…」
「いえ、私の方がいけないんですよ……カロン様なら何でも分かってくれると
勝手にすがっちゃって………」
「でもキスで分かった、さっき貴女が言いたかったのは、俺と禁断の果実を
獲るようになってから霊体を崩すコツを掴んだ、ということだよね?」
「カロン様、その…"禁断の果実"って直接的に言うのは止めてもらえませんか……
恥ずかしいです、もう…」
「え…?…ご、ごめん………」
………"禁断の果実=スケベなこと"というニュアンスらしい。とにかく失言のようだ。
育った環境の違うアストラルが織り成す活劇はかくも言葉に支配される……
397 :
奇跡(2):2007/10/22(月) 02:03:59 ID:M3eiiSe3
「仲間が死者を運んでた時にマナを持ち込んだ人間がいたそうです、
で、"これでなんとか地獄行きを免れたい"と……」
「まぁ…存命中はお金で全てを解決してきた方なんでしょうか…」
「恐らくそんな感じなんでしょうね……」
「………地獄の沙汰もマナ次第、と言うワケですね」
「ところがその人間が持っていたのが黒魔術のマナで……」
「あら…」
「"地獄でこれを使えば苦痛が1割引きぐらいになるんじゃないか"
と仲間が答えたらその人間泡食っちゃって泣きながら何とかしてくれ、
ってせがんで来て困ったそうです」
「クスクス…業の深さというのは恐ろしいものですね…」
目的地に向かう道中、世間話をする…もうすっかりリラックスモードだ。
膝を曲げて腰掛けるモーニングスターの手は口と膝の上を行ったり来たり…
船が揺れるなんて全く考えていない、カロンの操縦に全幅の信頼を置いている。
「そう言えば…この前の話の続き、聞いてないな」
「…え?何の話でした?」
「初恋の話。俺の方は話したけど、貴女の話を聞こうとしたら時間で…」
「あ、そうでしたね……聞きたいですか?フフフ」
モーニングスターは悪戯っぽく笑う。もうちょっとこの会話を
楽しみたいというモーションに感じた。カロンはすまし顔で答える。
「ええ、勿論」
「女性の過去を聞こうとするのはマナー違反とは思いませんか?」
「誰の過去だって大切な思い出だよ、俺のだけ聞いときながら
自分は話さないのは男女差別じゃないかなあ」
「あら……フフフ、私の負けですね…」
モーニングスターは折れた。負け、とか言いながらも物腰は柔らかい。
もともとどう会話が進もうが話すつもりだったのだろう、
醸し出す大人の包容力がカロンを魅了する。
「私のは恋とは違うかもしれませんが…相手はガンメル様でしたね」
「がんめる?………どこかで聞いたような……」
「何年か前ですけど魔王退治で勇名を馳せた召還師です、そう言えば分かりますよね?」
「ああ!思い出した」
「精霊魔法に精通しているだけではなくお優しい方でした…私が召還された時は
ほとんどオベリスクが置いてありましたから…」
「……ああ………なるほど…」
船を漕ぐカロンの後ろからモーニングスターの話は続く。
「会話も楽しくて…召還された時は嬉しくて何とか話をする機会がないかと
チャンスを窺ってたり…フフフフ」
「で、その恋は…」
「…恋なのでしょうか……だってガンメル様はサブスタンスですから……」
「まあ…確かに……」
「恋というよりは憧れに近いものかもしれませんね……」
「そう………また会いたいと思う?」
「ええ、今考えたら気持ちぐらいは伝えても良かったかもしれないですね…」
突然後ろが静かになった。モーニングスターはカロンの傍に寄ってきていた。
「何?どうかした?」
「カロン様………ヤキモチ、妬いてくれますか?クスクス」
モーニングスターは冗談めかして聞いてくる。
「え…どうかな?もうちょっと広い心持ってるつもりだけど」
「……あら…………」
何?何だ…?また失敗したのか……?カロンは動揺する。
「フフフ…期待してた返事とは違いましたがこれはいいですね………」
「え…………?」
「カロン様、素敵です………」
モーニングスターはカロンの背中に手を当て霊体を崩す。背中がくすぐったい。
「……あ、あそこに見えてきた、ほら」
カロンはテレているのを誤魔化すように目的地を指差した。
398 :
奇跡(3):2007/10/22(月) 02:05:10 ID:M3eiiSe3
カロンが指差した先を見ると霊界の淡青と自然界の濃緑と鮮やかな黄色が
カラフルにちりばめられた風景が目に入ってきた。
「………綺麗……ですね………」
「…ええ…………」
2体は想像以上の景色にうっとりとする……明鏡止水とはこういう時に
使われるのだろう、明媚な空間というのは心を清らかにしてくれる。
「カロン様………」
「ん?」
「私、この景色をカロン様と見れて幸せです…」
「それは…俺もさ」
2つの霊体は重なるぐらい近くに寄り添っている。
「だって……私達、使い魔ですから………いつどうなるか…」
確かにその通りだ、とカロンも思う。いつ消滅するかもしれない日々、
こういう日を大切にしたいと思うのは当然のことだと思う。
「この前会ってから今日までの間、何回召還に応じましたか?」
「……2回、かな」
「そうですか……私もです、お互い無事で何よりです…」
モーニングスターは安堵の表情を浮かべる。頼られている実感が衝動に変わる。
「こっち向いてくれる?」
「…はい………」
カロンの唇がモーニングスターの唇と重なる。双方の霊体が崩れる、すると
化学反応が起きたかのように熱が出て2体の興奮が高まる。
「んんっ…………んっ……………」
全身の交感神経が刺激されるような感覚…たまらない……
カロンが今日は露になっているモーニングスターのうなじに手をかける。
崩した指先が首筋をなぞり始めるとモーニングスターの霊体がビクッと反応する。
「…あん………あん……………」
頭部の前後で刺激を与え合い満足げなあえぎ声を上げる。キスを終え
お互いの顔を見合わせると火照った顔で若干赤みを帯びている。
「………カ…ロン…様……好き…です……好き……………です……」
「……ええ………俺…も…」
カロンの唇はモーニングスターの首を探る。全身どこでも感じるアストラルだが
場所が変わると反応も変わる。
「……やぁぁっ………はあ………カロン…………様………」
表情は見えないが崩した霊体の感覚で興奮しているモーニングスターを
感じることができる。カロンもそれを感じ更に求めたくなる。
「今日の…貴女は…………エロいね………」
「……そ……そんな………こと………は………ありま…………」
カロンは首を攻めながら太ももに指先をあてる、ツツーと腿の霊体のラインに
這わせると更に感じてるのが手に取るように分かる。
「やっ……ん………そんな所……か……ら…………」
「……やっぱり…………エロい…………」
「…カ……んんっ……カロン……様……が………わ…悪い………ん…です…」
「……俺が?」
そう言いながら首筋の霊体を崩しにかかる。
「あっん!……だ…だって………カロン…様……が……甘え…させて…くれる……から…」
言ってることが微妙に飛躍して論理的じゃない。らしくない所が何か面白い。
「……うん……はぁ……俺が…悪かっ…た……」
諭すようにカロンが言うと
「…そう………です………もう……困った……方……」
モーニングスターはあえぎながら答えた。
2体は手をお互いの背に回し抱きしめ合う。気分の高まりも最高潮に近い。
「カ……ロン……………さ………ま………」
「………綺麗……ですよ……俺は幸せ…だ……」
抱き合って接している前部から双方の霊体が溶け合い台風の渦のように変化する。
「あん!あっ…あっ……ああん!…あう…あん……!ん!」
やがて全身が混ざり合い、原形もない空間で2体のエクスタシーは続くのだった…
399 :
奇跡(4):2007/10/22(月) 02:05:51 ID:M3eiiSe3
禁断の果実を終え、原形に戻る2体。顔は紅潮したままだ。
しばらく呆然とする。やや話せる状態になった所でモーニングスターが言う。
「カロン様、御存知ですか?サブスタンスの方もこれに似た行為をするそうですよ」
「へぇ、そうなの?」
普段は恥ずかしがるモーニングスターがこんな話を振るのは珍しい。
興奮気味な今こそ言えるんだろう。
「子供を産む時にやるそうです」
「…子供…かあ………正直産めない我々にはピンとこないな」
「確かにそうですね…イメージできないですね…」
「そもそも子供がどうやって出てくるんだろ?」
「んー……どうなんでしょう…卵から孵化させるんですから卵が出る通り道が
身体のどこかにあるんじゃないでしょうか」
サブスタンスの知識がまるで無い2体。大きな誤解を含んだ会話になっている。
「ドラゴンの卵があの大きさ…で、母体があの大きさ……」
「……どこにそんな通り道があるんでしょう……」
「口から出るのかな?一番大きいし」
「多分そうでしょうね……」
とんでもない方向にいきそうな話が続くかと思われたその時、2体は
シグナルを感じた。そして同じ方向を向く。召還の魔法陣が発動されたのだ。
……見るとアケロンとティタニア両方だ。
「ああ、そうか。ここは霊界と自然界の境だから…両方がすぐ傍に見えるんだ」
「カロン様……こんなに同時に、しかもこの近くということは…」
「うん……同じ召還師による魔法陣かな」
「まあ!同じフィールドで味方なんて…私達が初めて会った時を思い出します…」
そうだ、確かに懐かしい…あれ以来、何度か召還されているが同じフィールドで
2体は出会ったことは無かった。確率的に低いものらしい。
今回は久しぶりに一緒に戦えそうなのだ、迷うことは無い。
「行こうか」
「…はい、カロン様」
召還された2体、予想通り同じフィールドで魔法陣も隣にあった。
「うふふ、お久しぶりです、カロン様」
「何言ってるんですか、ハハ……」
しかしふざける余裕もここまでだった。周りを見て2体は驚く。
どうやら大乱戦のようだ、あちこちで煙が上がっている。
じっと見ると3方向からデーモン主体の敵部隊が絶え間なく攻め込んでいる。
本陣のすぐ傍でもデーモン数体が味方と思われる使い魔と交戦中だ。
「これは………」
今まで生き残ってきた2体で経験もそれなりに積んでいるが
ここまでの混戦は経験に無い。経験で分かるのはここは危険だということ……
カロンはゴクリと息を呑む。
「召還師はどこにいるんだ?」
辺りを見渡すが近くにはいない、最前線で指示を出しているのだろうか…
「カロン様……」
モーニングスターがやや沈痛な面持ちで語りかける。
「これはどちらがそうなってもですが…」
「……………?」
「仮にです、あくまで仮にですが……もし、どちらかが消滅したとします。
そうなっても生き残った方は後追いをしない。これを約束してもらえますか?
私は『死ぬ時は一緒』という考え方は大嫌いですから……」
頭では分かっている話だ、しかし実際に話として聞くと辛い話だ。
「ああ、分かった…でもそんな仮の話はいいよ。必ず生きて任務を全うしよう
できるさ、必ず道はある」
「はい……カロン様となら」
2体は手を重ね合わせる。
400 :
奇跡(5):2007/10/22(月) 02:06:42 ID:M3eiiSe3
「お待たせ!よく来てくれたわ!」
最前線から忙しい合間をぬって召還師が現れた。
「はい」
「召還師様、苦戦のようにお見受けしますが……」
「……ええ、見ての通りね。あなた達にはこの局面を打開する遊撃隊としての
役割をお願いしたいの」
「で、具体的にはどうするのですか?」
「ちょっとあそこを見て」
と召還師が指を差した先には本陣から100mぐらいの所にドラゴンが1体いる。
「あのドラゴンのそばに敵のヘルゲートがあるのよ」
「そんな近くに……」
「例えるなら喉に刺さったトゲよ、あそこからどんどんデーモンが召還されるから
こちらの防御陣が休み無く攻められて半分以上崩壊してる。残りも時間の問題なの。
だからあなた達にはあの魔法陣を叩いて欲しい。あそこさえ無くなれば
敵は足掛かりを失うからこちらも体勢を立て直す猶予ができるの」
「なるほど。分かりました」
「あと魔法陣だけじゃなく守ってるドラゴンも倒して。敵は気付いてないから
助かってるけど実は今のこちらにはドラゴンに攻められた時に有効な
対応ができる使い魔がいないの。魔法陣を叩いたらドラゴンが攻めてくる
可能性があるからそちらもお願い」
「はい……」
「アニマドレインの弾と星の子がチャージできたら出撃よ、状況を左右する重要な
魔法陣だから敵も必死に守ってくるでしょうから大変だと思う。
余裕が無いから戦力は送れそうもないけど…星の子のチャージとか
なるべくこっちもフォローするからお願いね!」
と言うと召還師は忙しそうに最前線に戻っていった……
「どう思います?カロン様………」
モーニングスターが尋ねてくる。
「…ドラゴン1体と魔法陣だけなら我々がいけばそんなに難しくはないけど…
ただ魔法陣からデーモンは出てくるだろうし、他から魔法陣を守るために
救援が来るかもしれない。それにどこまで対処できるか…」
「そうですね……他を無視して魔法陣を攻撃するだけでは
もたないでしょうね、ある程度は戦って受けるダメージを減らさないと…」
「俺が先に行ってダメージを与えてくるのは…キツイかな」
「オベリスクも無いようですし同時に行った方がいいと思います…
私は足が遅いので合わせてもらえると…」
「うん、分かった。うまくいけばやれる作戦だと思う」
「…そうですね………あ、カロン様…準備できました」
「そう、じゃあ行こう」
「輝ける星よ……我らに御加護を…!」
401 :
奇跡(6):2007/10/22(月) 02:07:39 ID:M3eiiSe3
カロンとモーニングスターは出撃した。敵の動きは少ない。
「んん……もうとっくに我々が出たことに気付いてると思うんだけど…」
「魔法陣は光ってますからデーモンは出てきそうですが……」
「2体ぐらいは相手しないとダメだろうけどそれなら怖くない」
「案外、敵は反撃されると思ってなかったんじゃないでしょうか……」
「あ、なるほど。ドラゴンも守ってるし」
「でも油断禁物ですね…戦場では何が起きるか分かりませんし」
「デーモンは最高レベルの魔法陣から出てる。あのスピードだし…救援はあると思う」
間もなく2体はヘルゲート傍に到着する。その間にデーモン1体が召還されたが
魔法陣を守るのはドラゴン1体とデーモン1体。
「とにかくチャンスだ、俺がドラゴンをやるから貴女はデーモンを」
「はい…今のうちにやればいけますね…」
この時敵陣ではある使い魔を召還している所だった。しかしそれが
この段階で間に合わなかった幸運に2体は分かるはずもない…
攻撃の間合いに入り戦いが始まった。ドラゴンの業火がカロンを襲う。
「うぐっ……」
ものすごい蒸気圧だ、アストラルの身体にもビリビリとダメージが加わる。
しかしもともと相性もいい…このままアニマドレインで押し切る!
アニマドレイン2発目が命中する。ドラゴンはまだ余裕があるように感じる。
「……どうやらドラゴンもパワーアップしてるか……」
「カロン様!助太刀します!」
モーニングスターの方は決着がついたようだ。
「終わったんだ…でも大丈夫?ダメージが大きいなら魔法陣をやってもいいから」
「全然余裕ですよ、それよりデーモンが2体向かっています」
「そう…分かった、ドラゴンを先に仕留めよう」
「はい!」
迫力のある大型使い魔同士の戦いも、3度目のアニマドレインと
モーニングスターの攻撃によりさすがのドラゴンも倒れた。2体は一息入れる。
「よし……!うまくいってる」
「お疲れ様です、カロン様……あのデーモン2体は私が」
「うん、お願い」
戦力の勝る相手を上回るには各個撃破で同時に攻撃を受けないという
勝利の法則を経験により理解していた2体、上手い戦術で局面をリードする。
しかしまだ状況は落ち着かない。
「あれは………?」
モーニングスターがデーモンと戦っている時、カロンは何かが迫ってくるのを見つけた。
……よく見るとカロンだ。敵のカロンは離れた所に不時着してデーモンを降ろしている。
「カロン様、終わりました!」
「あれを見て。敵のカロンが降ろしたデーモンを片付ければ先が見えそうだ」
「はい、これが正念場ですね……魔法陣はそれが終わってからでも十分です」
迫ってくるデーモンは4体、これに魔法陣から出てくる1体と合わせて5体。
「カロンを使って無理に送り込んできたんだ、これ以上の戦力はすぐには
投入れないだろう。ここさえ乗り切れば…頑張ろう」
「はい…アニマドレインはあと2回ですか……私を守ってくださいね」
「勿論。ただ撃ち終えたら俺を守って欲しいな」
「フフフ………では行きましょう、カロン様」
再び乱戦になる。2体はここが最後の踏ん張りどころと集中する。
敵が密集してる所はモーニングスターのアタック、体力の多い相手には
アニマドレインとあくまで2体は戦上手だ、冷静に戦いを進める。
最後のアニマドレインを撃ち終えた時、デーモンは残り1体。
「カロン様、任せて下さい!」
モーニングスターが一撃を放つとデーモンは崩れ落ちた。疲労困憊だが凌いだ、
と思ったが……デーモンの倒れた後ろから動くものが。
アストラルの天敵ホムンクルス………
経験上間に合わない…瞬時に分かる。モーニングスターは攻撃したばかりで動けない。
対してホムンクルスはあと数歩でサイキックストームの間合いに入る……
402 :
奇跡(7):2007/10/22(月) 02:08:23 ID:M3eiiSe3
ホムンクルスは厄介な相手だ。今までの経験でモーニングスターを
サイキックストームかける時は相討ち覚悟でつっこんで来ていた。
その勇猛さでどれだけのモーニングスターを葬ってきたことか。
狙いも正確で定められたら外すことは100%あり得ない…
思い返せば先ほど敵のカロンが降ろしたデーモンが4体ということに
もっと気を配る必要があったのだろう、大きいデーモンの影に小さい
ホムンクルスがいることに気付かなかった…油断したか、失態だ。
カロンはうなだれる。
予想通りホムンクルスは弾切れのカロンは無視してモーニングスターに
視点を定めた。………やばい。
カロンの動悸が早くなる。どうする?どうする?
このまま黙って見ているだけか?俺は……?
カロンはモーニングスターを見る。モーニングスターも状況を
よく理解していた。切ない目をしている……
このまま黙って見ているだけか?俺は……?
「うおおおおおおお!!」
カロンは衝動的にホムンクルス向かって突っ込んでいった。別に勝算もない。
そもそもどうしてこんな行動に出たのかもよく分からない。
あえて理由を考えれば突っ込むことで相手の注意をモーニングスターから
逸らしたり、視界を少し悪くできるぐらいものだがそれは無意味な行動である。
その程度のことでホムンクルスが失敗するはずもないのは冷静に考えれば
分かること。後ろからモーニングスターが
「カロン様!約束忘れないで!お願い!私はもういいの!!!」
と泣き叫んでいたような気がするがもう聞こえてはいなかった……
ガツン!
何かが起きた。衝動的に動いたカロンにはさっぱり分からない。
………気がつけば百発百中のサイキックストームは撃たれていなかった、
そしてホムンクルスが仰向けに倒れている。
……何故?何が起きた?
「カロン様、どいて下さい!」
「え?」
放心状態のカロンの後ろから声がする。振り向くとモーニングスターは
動けるようになっている。どういうことだ……?モーニングスターは
ホムンクルスに攻撃を与え倒した。
敵がいなくなった状態で悠々魔法陣を破壊する。後ろの方で味方の本陣から
喝采の声が聞こえる。カロンも結果だけ理解した。全てうまくいったんだ、と。
「カロン様!」
「ああ……」
「無事で良かったです、本当に…本当に………」
「心配させた、ごめん」
「…そんな………とにかく嬉しいです、こんなことって…」
2体はお互いの無事を確認して喜び合う。モーニングスターは涙声だ。
「…どうして助かったのか分かる?あの状況で……」
「いえ、私もさっぱり分かりません。正直ダメだと思ってました
カロン様がホムンクルスに向かって行ったのは覚えてますが……
無我夢中で……そうしたらホムンクルスが倒れていて……」
「ホムンクルスがつまづいて転んだ…?」
「いえ……そんなことはありえないと思いますが……分かりません」
「奇跡が起きたんだ…」
「そう……かも…しれませんね、とにかく良かった……」
「うん…………」
2体はぴったり寄り添いながら本陣に凱旋した。
403 :
奇跡(8):2007/10/22(月) 02:09:15 ID:M3eiiSe3
何とか敵の猛攻を凌いで今回の戦いは一段落した。
召還師は生き残った使い魔を集め労をねぎらう。
皆ヘトヘトになっている、すざましい戦いだった……
「みんな、ありがとう!あなた達の活躍でなんとかなったわ!……」
召還師も難局を乗り切った高揚感か、幾分興奮気味だ。熱がこもっている。
「この集めすぎて余ったマナはみんなに配るわ、帰る前に並んでね!」
最後に召還師がそう言うと歓声が上がった。
使い魔がマナを貰おうと行列を作っている。カロンとモーニングスターは
最後に並んでいる。召還師に名指しでそう言われた。話したいことがあると言う。
よく分からないまま並んでいると我々の番になった、召還師はニコニコしている。
「今日は大活躍ね、ありがとう!あれは間一髪だったわね!」
と言った、どうやら先ほど助かった件を指しているようだ。キョトンとする2体。
「…召還師様、その様子だと何が起きたのか御存知なのですね?」
「あ、何が起きたのか分からなかったのね、無理もないわ」
「正直何で助かったのか分からないです。奇跡だと言い合ってましたけど」
「奇跡ね……」
召還師はうなずきながら聞いている。
「召還師様、何が起きたのか教えてもらえませんか?」
「ええ、そのために残ってもらったのよ。…ところであなた達はホムンクルスは好き?」
ブンブンと2体は首を振る。愚問である。
「アハハ、まぁそうよね…じゃあ今回の立役者を紹介するわ、こっちに来て」
「ハイ、創造主様」
と言って出て来たのはホムンクルス。2体は驚いた。
召還師はタネ明かしを始める。カロンに尋ねる。
「あの時何があったか覚えてる?」
「いや……ただ夢中で…とりあえず敵のホムンクルスめがけて突進したら
気がついたら敵がひっくり返っていて……」
「うん、その瞬間ね!私がホムンクルスに頼んでクレヤボヤンスを
あの一帯にかけてもらったの」
「「…?…」」
カロンとモーニングスターは分からない顔をしている。
「つまり、クレヤボヤンスでアストラルにサブスタンスの攻撃が
当たるようになるでしょ?あれは逆でもそうなのよ」
「つまり…俺がホムンクルスに向かっていった時にクレヤバヤンスをかけたから
俺の船の先端がホムンクルスにぶつかって相手が吹っ飛んだ…と」
「そういうこと!」
「なるほど…」
2体はようやく納得した。
「夢中で全然気付かなかった…クレヤボヤンスがかかっていたなんて…」
「ええ…私もです……」
「何だ、奇跡じゃなかったんだ、ハハハ……」
乾いた笑いをするカロンに対し、モーニングスターは声のトーンを下げて言う
「いいえ………これは奇跡ですよ」
「そうね……あの状況で突っ込むのが奇跡なのよ、クレヤボヤンスは別の話ね」
「ところで、あなた達付き合ってるの?」
召還師が聞いてきた。モーニングスターは迷わず答える
「はい…!」
「……やっぱりね、……ん〜あそこでそう動くか…恋ってすごいよね…」
召還師は感心している。
「そうだ、と言うことは小さな魔術師に感謝しないといけないな」
「…そうでした、助けてくれてありがとうございます。ホムンクルス様」
「ドウイタシマシテ」
ホムンクルスは少し顔が赤くなった。
404 :
奇跡(9終):2007/10/22(月) 02:10:55 ID:M3eiiSe3
「…召還師様」
モーニングスターが思い出したように尋ねる。
「何?」
「つまり…クリヤボヤンスをかけると私達の身体がサブスタンスの方々と
同じになる、ということですか?」
「そう。フェアリーのアストラライズってあるでしょ、あれは
フェアリー自身にしかかけられないけど、あれがあなた達にもかかった感じね」
「では…ちょっとホムンクルス様にお願いしていいですか?
私ちょっとサブスタンスになるのがどういうものか経験してみたいんです…」
「……いいわよ、……じゃあホムンクルスにお願い。かの者達に
物理法則の崩壊と新しい物性不文律の形成の赤い輝きを与えよ」
「ハイ、創造主様」
ホムンクルスが了解すると共に赤い光があたる。モーニングスターは確認すると
恐る恐る手をカロンの胸板に当ててみる……
「触ってる……こんな感じなのか…うん、良く分かる…!」
「あら……素敵です…こんな感触……!一緒なんだって気がしますね…!」
2体は驚いている。モーニングスターはカロンに抱きついてみる。
「まあ…!まあ…!」
モーニングスターは感激している。さらにモーニングスターは自分の頬と
カロンの頬を合わせすり合わせる。スリ…スリ…
「ふふっ、人間はそんなふれ合い方はしないけどね。まぁ初めてだからね…
あの子も肉体を与えられた時はあんな感じで感触を確かめたのかな?」
召還師は宙に浮いてる2体の初体験の様子を見上げて、微笑みながら呟いた。
「そろそろ魔法が切れる時間じゃないかな…」
「そう……ですね、よろしいですか?カロン様」
「俺は恥ずかしいけど、見せつけてやりますか」
「うふふ……そうですね……」
カロンとモーニングスターは向き合う。
「カロン様………」
「ええ…………」
2体はゆっくりと手を背に回して抱きしめ合う。そして…キス。
ちょうどスポットライトが当たり映画のワンシーンのような綺麗なキスに
召還師とホムンクルスは顔を赤くする。
召還師はつぶやいた……
「恋の魔法が召還魔法を上回った日かな……」
〜〜おまけ〜〜
「……どうですか?カロン様……面白い感触ですね……」
「確かに……何だろ、さっき抱きしめながらすり合わせた時に
ちょっと気持ちいいものを感じたなあ」
「あ、それは私も感じました…何でしょうね……」
「胸の辺りじゃないかな?」
「そうですね……ああ、そう言えばカロン様、私の胸って膨らんでますよ」
「あれ?俺のは平坦なのに。ちょっと違うな」
「これが原因ですね……どうなってるんでしょう…?」
と言うとモーニングスターは胸元を開いて確認してみる。
下から様子を見ていた召還師は大慌て。
「$☆*▲#○&!!!」
大騒ぎになってる下をよそに二人はおっぱいをまじまじと見つめている。
「あら…見てくださいカロン様、これ、押したら引っ込むんですけど
手を離すと元通りになるんですね」
「あ、本当だ……変形できるんだ、変なものが付いてるなあ」
「これがこすれて独特な気持ちいい感触になるんですね……」
「ピンク色の豆みたいなものが先端についてるな…」
「ええ、ちょうど盛り上がってる中心部分についてます。
……汚れかと思ったら引っ張っても取れないです。それにちょっと硬い……」
「身体の一部なんだ、これ押したらどうなるんだろ?それっ」
「あ……少し気持ちいいようなくすぐったいような……」
「ふうん…もう1回」
「あん…なんか………変な気分です………」
クリヤボヤンスの効果が消えた。元通りのアストラルの身体になる。
「ちょっと!!そんなことしないで!!」
下から召還師の怒りの声が届く。隣のホムンクルスは顔を真っ赤にしている。
「あら……まずかったようですよ」
「当たり前です!!」
おお、渡し守と明けの明星の話の続きが来ましたか。
そういえばこのスレで続編は初だ。
お熱いアストラルカップルですなあ。魔法使いの前でもいちゃつく2人に乾杯。
>「口から出るのかな?
ナメック星人を思い出してしまいましたw
カップル成立後のアツアツぶりを書いたSSは結構珍しいと思うけど
生き生きして面白かった
グリグリのアツアツカップルと言えば・・・
思いつかないw
どう考えてもリレアマ
>>408 女キャラがみんな男前で、他の漫画やゲームにありがちなタイプの女性が
いないからなあ、このゲーム。
何か独り身でも強くたくましく生きてそうな人たちばっかりだ。
いや、そこが萌えるんだけどねw
でもさ、あんまりキャラの傾向が似てるとシチュが偏ってきそうだな
フェアリーにあれこれ悪戯するネタ考えようと思ったけど
そういうことやりそうなキャラいねぇ!と思って挫折したっけ
いや、俺の着眼点の幅が狭いだけなんだけどさ
つオナニー
リレがフェアリーの集団に悪戯されて、お返しに…
というのはどうだ。受責両方見れて一挙両得w
みんなフェアリー好きだな
ブロッブに囲まれたフェアリーが
あのスライム状の何かにイタズラされるってのは?
「い、いやあ!だから錬金術は嫌いなのよ!」と悲鳴を上げるも、徐々に・・・とか。
>>415 だなw
流れにのって小ネタ。意気投合したフェアリーがリレの部屋に
遊びに来るようになってx回目ぐらいという脳内設定。
キャラが違ったらスマソ
「ねぇリレ、私お風呂入りたい」
「うん、分かったわ」
かわいく小さな来訪者にせがまれてリレは洗面器にお湯を入れ
簡易のお風呂を用意する。一度試しに入れたら今や大のお気に入り。
それはリレにとっても。
「フェアリーの肌、綺麗だよ…透き通るような肌色してる…」
「そ、そうかな……」
「太陽に当たりながら肌が痛んでないんだよ…
ニキビだって1つとして無いし…嫉妬しそう」
と言って石鹸で体を洗うリレ、全身のラインを反芻するかのように
念入りにこすっている。全身が泡だってきた。
「見て。水面に映るあなたを…健康美そのものね……」
「ねぇ……どの辺りが?」
「鎖骨なんかいいわね…ちょうどいい浮き具合。
出過ぎると痩せ過ぎだしね…sexyね」
「……」
上気したフェアリーは口を開く。
「ねぇ、リレ……」
「何?」
「私、この前彼氏に振られちゃったんだ…」
「……………そう………まあ何となく話を聞いてたら
相性が悪そうだったけど………」
「だからリレ…私を慰めてくれない?」
おまえら、フェアリーってだけで結構シチュ考えられるもんだ
大したもんだぜ(純粋に誉めてる)
グリグリは想像力が鍛えられるゲームですから
保守ってみる。
アボカドに魂を売ったバティドが女キャラ全員手篭めにする話とか
シャルトリューズがアマレットに悪戯しまくる話とか
毛色の違う話も見てみたい・・・と空気を読まずに付け加えてみる。
アボカドに魂を売ったバティドが女になる
まで読んだ。
そのボケはないわw
………無いよな?
女体化して何を始めるのか、それが問題だ。
単なる覗きじゃ魂が勿体無さすぎだし・・・
それよりアマレットが攻めに覚醒して
魔性の女になって女キャラを堕としまくる話がいいな
リレ「バティド、その胸……」
バティド「ぐ……隠しておくつもりだったんだけど、俺……」
バティド「契約事故で、女の身体になっ
リレ「ふぅん……女の子だったんだ?」
バティド「え? いや、これはアドボカートとの契約の事故でだな……」
リレ「じりっ……じりっ……」
バティド「や、やめろ! 来るなぁぁ! なんだ、その、獲物を見つけた様な目は!!」
リレ「なんだか……今日のバティド、かわいい……」
バティド「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
その発想はなかった
>>425 リレ様はやはり最強じゃのう。
柱の陰でアボカドがほくそ笑んでそうだ。
>>425 隠してるつもりってことは、あの声で女キャラなのかw
429 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 00:19:10 ID:2FEQqJhJ
性転換でも、マルガリタあたりが作った怪しげな薬の所為なら
お約束展開で途中で薬が切れて元に戻るだろうな。
アボカドが絡むともう一生元には戻らない希ガス。
アボガド子
「ハッ……!? ここは、教室?
私としたことが無防備に睡眠をとるなどと、ここ百年はなかったことですが……。
昨日は確か、物知らずのリレ・ブラウに世の道理というものを教授して差し上げた後、
感激に目を腫らしたあの小娘から手作りのお粗末なクッキーとやらを受け取って……、
おや、なにやら胸が重たいような?
いつも華やかにして重量感溢れる腰元のレーヴァテインも、
今日はこころなしか存在感がない……。
ふむ……? (がさがさ)
なんと……? (ごそごそ)
あっくぅん……っ! (ビクビクッ)
お、おのれリレ・ブラウ!
一服盛りやがりましたわね、あの田舎娘がぁ〜〜〜ッ!
あら、はしたない。これはいけない……」
>>433 突然元に戻ったらどうすr・・・いやそれはそれで結構・・・なのか?
圧縮近いみたいなんで念のため保守
( ゚∀゚ )
(=====) リレタン、僕をぶって!
__ (⌒(⌒ )
/\ ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
| |
/ \
↑何故かバティドに見えたw
3周目までのどこか頼りなげなリレなら
バティドも入り込む余地があったんだろうなー
どんどんリレが強くなっていくに従って存在意義が…・゚・(つД`)・゚・
そしてエピローグがあれだしなあ。
リレも断るなら断るで、恋文の返事くらい出せばいいのに・・・
そういやバティド×リレのSSって出てないな。
書き手的には魅力がないのか、はたまた書きにくい組み合わせなのか。
保守
441 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 17:44:18 ID:MJoPTAGu
だれもいない??
>>439 俺は読みたいけどなあ
ゲーム自体マイナー気味だから難しいんだろな
男女ものなら王道っぽい組み合わせだけど
4周目以降バティドの存在がどうでも良くなるのがネックかな・・・自分も見たいんだが
それに、確かに原作ゲーム自体がマイナーだ
冬のお祭りが近づいて来たけど、夏に同人誌なかったなら冬はなおさらかねえ
バディドは話の中の扱いも軽いし、声もイマイチだし、設定もいまいちだから、
人気出る方がおかしいと思う。
まあ…単品で人気取るのは難しそうだ罠。
キャラ描写が薄いのはバティドに限った話でもないが、
でも描写薄の登場人物が多い中、アボカドはやたら出番があるんだよなあ。
制作者側の趣味なのかな……。
最初は色々分岐させる予定だったのが縮小された感じがしたな。
それで悪魔先生にキーパーソンが割り振られたイマゲ
ああいう癖のあるキャラが製作側の趣味ってのは否定しないがw
元々どういう完成形を想定してたのかは気になるよね。
先生が目立つのはゲーテのファウストを意識した結果かなあ。
保守
449 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 12:32:21 ID:qQRe5SIX
クリスマスも近いし暖かいエロが恋しいな。
ガンメル×リレとか、大人リレ×ガフとか、
微笑ましくも犯罪な組み合わせも面白そう。と保守がてら口走ってみた。
じゃあPINK板らしく、生クリームを使った濃厚なプ
リレとガンメル
リレ 私、家で弟の世話ばかりしてたから、逆に年上の男性に興味があって……。
ですからガンメル先生、その、おつきあいを……。(頬を赤らめる)
ガンメル 本気かね? いや君の気持ちは嬉しい、嬉しいが私は……ううむ。
君はまだ若い。私などよりもずっといい相手が……。
アドヴォカート (ガンメルの肩に手を置いて) 彼女の熱い想いを拒むこともありますまい。
いいじゃありませんか、老いらくの恋に身を委ねても。
ガンメル 何を言いだすのじゃお前まで!
……リレくん、その、何だね。まずは離れてはくれんか。
リレ (ガンメルに抱きついたまま) えへへ……お髭、くすぐったい……。
アドヴォカート それで今夜の段取りは。
ガンメル 馬鹿もん!!
実年齢ならアボカドのほうが上だろうけど、外見の問題ということで。
しかし爺さんはあの歳だし、ものの役に立つのか・・・?
仲を取り持つアボカドにワロタww
アドヴォカートがまたガンメルを堕落させようとしてるw
454 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:09:42 ID:BnyM86Co
緊急らしいので保守
455 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 23:56:19 ID:BnyM86Co
もっかい保守
ありゃりゃ、南無
ここで誰かが「しかたないわね!」と言いながらスレを建て直す。
>>450 生クリームか。何となくグリマルキンが使えそうだなと思ってしまったが
でも猫の舌じゃ拷問だな・・・。
それからあけおめ。
保守
461 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 17:42:20 ID:ivAzAngq
人稲
リレブラウッ
そこはッ
そこはいけないッ
あなたは悪魔を堕とそうというのですかッ
464 :
218:2008/01/15(火) 00:09:34 ID:LAegNm9L
もっかい悪魔先生×リレで投下します。リレは大人。エピローグ後の話。
前置きが長くなってしまいました。エロ分は3節から。
465 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:11:27 ID:LAegNm9L
「もう一つ賭けをせんか? 戻ってくるかどうか」
「いいでしょう。では、私は戻ってくるほうに賭けます」
「……。私もそちらに賭けるつもりだったのじゃが。ううむ」
「賭けになりませんな」
1
戻ってきた。
頬を撫でる風にさえ、リレは遠い記憶を呼び覚まされる。
今歩いている廊下も、柱の傷も、ここから見える空の青さも、何もかもこの学校の生徒だった
頃と変わっていない。
昔と同じ匂いの空気に混じって、魔法使い見習いの少年少女の声がリレの元に届く。
学び舎はやはり、活気があってこそだ。お喋りしながら廊下をすれ違う女子生徒たちの姿に、
かつての自分もあんな風だったなと、顔が綻んでしまう。
「……あ、先生!」
ガンメルに貸してもらった部屋に帰る途中、リレは中庭前の廊下で師の姿を見つけた。
「おや、どちらにお出かけでしたか?」
教え子の声に、アドヴォカートは足を止めた。彼女の在校中と変わらぬ姿、変わらぬ態度で
振舞う黒魔術の教師に、リレは懐かしさでついつい目を細める。そのまま傍に近寄った。
思えばここにいた頃も、こんな風に呼び止めたものだ。
「シャルトリューズ先生の研究室に。新しいキメラの生成方法を見せてもらいました」
「学生どもにあなたの勤勉さを見習わせたいものです。向学心のない生徒の相手など
時間の浪費でしかありませんから」
アドヴォカートは呆れ顔で不満をこぼした。先程の出来事だったのだろうかと思ったリレが
尋ねると、彼は否定した。
「幸運にも無知な質問で煩わされずに済みましたよ」
会話を続ける二人を、通りがかった男子生徒がもの珍しそうに眺めている。視線に気づいた
アドヴォカートがちらりと見やると、生徒は青くなって足早に去っていった。
「今の男の子、私が珍しいのね。確かに、悪魔に魂を奪われなかったのは私くらいかも」
「あの時はまんまとしてやられたわけですな。ひどい話だ、せっかく上等の魂が私の抵当に
入っていたのに」
466 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:13:42 ID:LAegNm9L
逃がした魚は大きいとばかりに、アドヴォカートは大げさにため息をついた。
賢者の石が作り出した時の牢獄を脱した後、小さな鍵のグリモアを入手したいきさつを
話したところ、彼がやたらと悔しがっていたのをリレは思い出した。
「……リレ・ブラウ」
名前を呼ばれて、リレは反射的に顔を上げる。
「日が沈んだら、この階で一番北の階段に来なさい」
「夜に……ですか? ご用向きは――」
「おお、リレくん。アドヴォカートも」
リレの問いは、しかし、途中で遮られた。廊下の向かいからこちらのほうに、白髪白髭の
老人がゆっくりと近づいてくる。老人――校長であるガンメルは、ずいぶんと出世した卒業生に
孫でも見るかのように微笑んだ。
「ガンメル先生まで」
「なに、通りがけに姿が見えたのでな。……どうしたアドヴォカート、不服そうな顔をしおって」
「……私としたことが、先程授業を行った教室に忘れ物をして来たようです。失礼」
「え? さっきは何もなかったって……ちょっと、先生!?」
アドヴォカートはリレが止めるより早く身を翻していた。遠ざかっていくアドヴォカートの背を
見やるガンメルの顔に、罪悪感らしきものが混じった苦笑いが浮かんでいる。
「少し恨みを買ってしまったようじゃな」
二人の教師の間で半ば板挟みのような心地だったリレは、老先生の声でようやく我に返った。
アドヴォカートの後を追うべきだったと、彼の姿がとうに見えなくなってから今更のように
思い至る。ガンメルを置いて今から探しに行くのはちょっと気まずい。
……結局、何の用だったのか聞かずじまいになってしまった。
「今しがたまで妙に上機嫌に見えたからのう。アドヴォカートも、リレくんが学校におった頃が
懐かしいのじゃろうな。ところで、仕事はどうかね」
話を振られて、リレは内心を気取られぬように返事をする。
「順調ですわ。でも仕事そのものより、人間関係のほうがずっと難しいです」
出世も金も絡む場所だ。当然、嫉妬や敵意だって生まれる。“大賢者ガンメル・ドラスクの
紹介で現れた若き天才”に皆が好意的かというと、必ずしもそうではない。
つい職場の愚痴を口走りそうになった時、近くの階段の上から在校生の少年が、分厚い
グリモアを抱えてぱたぱたと駆け寄って来た。
「ガンメル先生、質問があるんですが……あれ、そちらの女の人、新任の先生?」
「はじめまして。私はリレ・ブラウ。この学校の卒業生です」
467 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:16:20 ID:LAegNm9L
にこにこしながら、リレは金髪の少年に話しかけた。在校期間が短かったせいで、後輩と話す
機会に乏しかった彼女の眼には新鮮に映る。彼はどことなく、昔の弟に似ていた。
「ふむ、せっかくじゃから、教えてやってはもらえんかな」
少年が開いて差し出したページを指差して、老先生はリレに言う。リレは快諾し、精霊魔法の
魔法陣についての質問に答えた。
「ありがとうございました、リレ先生!」
大きな声で礼を言うと、少年は来た時と同じようにぱたぱたと走り去っていった。途中で
転ばないかと、見ている自分がはらはらさせられるような勢いだ。
「騒々しい小僧ですまなんだな。しかしどうじゃろう、この学校に戻ってきてはくれんかの。
ここで教壇に立つのも、悪くはあるまいて」
今のやり取りが微笑ましかったのか、ガンメルは自らの白い髭を撫でながら言う。
「でも魔法院の仕事がありますから。紹介してくださったのは、先生ご自身ですよ」
「いや、何もすぐにとは言わんよ。じゃが、年寄りの戯言を覚えておいてはもらえんかな。
私がこの学校を設立したのは、後継者たる魔法使いを育てるため。こうして子供たちの相手を
するのも、先達の大事な務めだと思わんかね」
「……」
「それにリレくんなら、他の先生方も大歓迎じゃろう」
「先生、まさか、どこかお体が……」
「これこれ、まだ若いもんには負けんわい」
呵々と笑い出したガンメルの様子に、リレはほっと胸をなでおろした。
苦笑いを浮かべて、改めて老先生の顔を見る。病気には見えなかった。健勝で何よりだ。
「急にそんなお話をなさるんですもの、驚かされましたわ」
……それでも“後継者”という言葉には、引っかかるものを感じる。
単に自分が「人間関係が難しい」などと言ったから、教職を勧めたに過ぎないのだろうか。
それならば良いのだが……
ふと、日が傾いてきたことに気がついた。研究室に行ってくるだけのはずが、いつの間にか
長々と時間を費やしてしまっている。
「すみません先生、そろそろ失礼します。ガフが、退屈だって怒ってるかもしれません」
「ふふ、そうじゃな。明日もあるのに、今日すべて喋ってしまうのは惜しい。せっかくこんな
辺境まで来たんじゃ、息抜きだと思ってゆっくりしていきなされ」
老先生に別れの挨拶を述べて、リレは来客用の部屋へ向かった。
部屋で留守番のガフがさぞ待ちくたびれているだろう。
468 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:19:19 ID:LAegNm9L
「……何の用だったのかな、アドヴォカート先生」
独り言ちて、リレは足を止めた。こつこつと響いていた彼女のブーツの音さえなくなり、
辺りは静寂に包まれる。時は既に夕刻。生徒は部屋に戻ってしまっていて廊下には人気がない。
自分がいるから上機嫌……ガンメルはそう言っていた。
気の遠くなるような永い時間を過ごしてきただろうから、人間に嫌われるのなんて
もう慣れっこだと思うけれど、それでも自分を嫌っている人間より、好意的な人間の近くに
いるほうがずっと気分が良いに違いない。
そういえば、現在この塔の中で彼に好意的なのは、契約をしている老先生だけだ。
リレの在学中も、大抵の生徒はその恐ろしい素性ゆえ、用がない限り彼には近づかなかった。
面白がって話相手になっていた自分は例外なのだろう。そしてそれはきっと、今でも同じだ。
先程ガンメルは、この学校で教壇に立つのはどうかと勧めてきた。あまり考えたくはないが、
もし老先生が倒れたら、教師が一度に二人いなくなる。
ガンメル亡き後、アドヴォカートが学校に残る理由がない。
口から溜息が一つ漏れた。
(……だからあんな話を。ずるいですわ、ガンメル先生)
確かに後任を誰にするかは揉め事になるだろうから、さっさと決めておくのが無難ではあるし、
同時に教師が一人いなくなるのも防ぐことは出来るだろうけれど……。
「これじゃ引き受けるしかありません!」
リレは思わず声に出していた。
……己の責任感やら義務感やらに、多かれ少なかれうんざりしながら。
2
夜の帳がすっぽりと地上を包み、部屋から明かりがちらちらと漏れ始めた。
壁や床が冷え冷えとして、塔は昼間の喧騒とはまた違う一面を見せる。魔王の居城だった
かつての名残か、塔内をうろつく霊や悪魔たちのささやきと息づかいが聞こえてくるようだ。
少し肌寒い夜の廊下を抜けて、リレは中庭北の階段の前に来た。流石に教師の呼び出しを
すっぽかすのはきまりが悪い。
「……早いですね」
リレの到着より少し遅れて、アドヴォカートは現れた。
「師を待たせないのは当然の配慮です。あなたは礼儀というものを弁えている」
「え、ええ……。ところで、どんなご用ですか?」
「ついて来なさい」
言い終わる前に階段を上り始めた教師の後を、リレは慌てて追った。
469 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:26:08 ID:LAegNm9L
「――いい月ですね。こんな場所、初めて来ました」
案内されたのは、ここの生徒だった頃はほとんど来なかった一角の、それもずいぶん階段を
上った先だった。塔の内部、というには天井がない。最初から造っていなかったのか、それとも
何らかの理由で崩れたのか。位置は塔の外周にあたるようだ。見上げれば天には満月、
視線を下ろせば階下の部屋から無数の明かり。夜の静けさと澄んだ空気が、この幻想的な
舞台を引き立たせるようだった。
つまりこれを見せたかったのか。
「あなたがいた頃は、このあたりにはまだカルヴァドスの魔法が残っていましたからな。最近
教室を増やす必要が出てきたので、ガンメルが“掃除”したんですよ」
アドヴォカートは諸手を広げて、げんなりした口ぶりで続けた。
「私も駆り出されました」
「そのとき見つけた場所、ですか。いいところですね。月に手を伸ばしても届かないけど」
「今のうちだけですよ。そのうちここも生徒に占拠されるでしょう。魔女ルジェの霊がいた頃は、
夜中に出歩く生徒も少なかったのですが」
確かに、学生カップルのデートスポットに転じる可能性は高そうだ。
この塔は変わらないと思っていたけど、やっぱり少しずつ変わっている。
「……先生はお変わりありませんのね」
目の前の相手は、塔以上に永い間変わっていないのだろう。
そしておそらくこれからもずっと変わらない。
「あなたは変わりましたな。周囲の男どもが放っておかないでしょう」
「そこまででもないですよ。みんな大魔法官の肩書きに気後れするらしくて。このままじゃ
弟の方が先に結婚――」
才女が陥りがちな苦境を吐露するリレがそこで口をつぐんだのは、傍らの教師がくつくつと
笑い出したのに気づいたからだった。
彼の同情を買う気など端からないが、しかし笑われるのは女として複雑だ。
「もう……ひどいですわ先生、他人事だと思って」
少しむくれた彼女に、アドヴォカートは失礼、と一言詫びて、普段どおりの口調で告げた。
「それならこの学校に戻って来てはいかがです? 上手くやればオパールネラとハイラムのように
なれますよ」
「……」
……つまり、教師になって男子生徒と恋愛をしろ、ということだろうか。転職の動機としては
ちょっと不純な気がする。
470 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:29:49 ID:LAegNm9L
それにしても、この教師にまで塔に戻ってくるよう勧められるとは。
リレは改めてアドヴォカートの顔色を窺った。例によってこちらの反応を楽しんでいるようだ。
要は自分が色恋沙汰でおろおろする様が見たくて仕方がないのだろう。
彼はそういう為人だ。
見世物にされているようで、リレは何だか腹立たしかった。
当事者でないものの余裕が、鼻についた。
「きゃ……っ」
急に風が吹いた。リレの高帽子が飛び、後頭部で髪を結わえていた紐が解け、長い髪が
ばさりと広がる。
「あ、いけない、帽子……ありがとうございます」
拾ってくれたアドヴォカートに礼を言って、帽子を受け取る。
(……?)
被り直しながら、何を見ているのかと彼の視線を追った。どうやら見比べているらしかった。
月と、月と同じく金色のリレの髪を。
「……そろそろ帰りますか。長いこと夜風に当たっていては風邪を召します」
「でも今来たばかりです」
「部屋まで送りましょう。……どうかしたのですか」
表情を曇らせた教え子に、アドヴォカートは何食わぬ顔で聞く。
「……先生」
リレは思った。彼の態度は、見物者であるがゆえだと。
夜に自分から誘っておきながら、他人事のように言うのが腹立たしかった。
ならばいっそのこと。
我関せずと傍観に徹する嫌味な見物人を、舞台の上に引っ張り上げてみようか。
――きっかけは、ちっぽけな反感に灯った、小指の先程の小さな火。
アドヴォカートの服の裾をくいと掴んで、リレは唇を動かし、静かに告げた。
「お得意のつまみ食いはなさらないのですか?」
471 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:33:54 ID:LAegNm9L
口をついて出てきた言葉に、自分の事ながら驚いた。よくもまあ大胆なことを。
言ってしまった後で急激に恥ずかしくなったが、最早後には引けない。確実に彼に聞こえている。
「……本気で言っているのですか?」
アドヴォカートは少々面食らったようだったが、口調は咎めても嘲笑ってもいなかった。状況を
楽しんでいるらしい。
次は何を言い出すのかと、嬉々としてこちらを眺めてくる。退屈させるなという、言外の脅し。
「先生でも手折れぬ花がおありですか? ……それとも、手折る価値もありませんか」
あの長い五日間の一節で、彼がどんな貞女でも口説き落とすと豪語していたことを思い出す。
とはいえ、悪魔といえど好みはあるとも語っていたが。
リレを見下ろす彼は、どこか嗜虐的な雰囲気をたたえていた。
学生時代より幾分か背は伸びたが、それでも自分が見下ろされる構図なのは変わらない。
と、リレの顔にアドヴォカートの手が触れた。人にあらざる者に対する本能的な危機感が
背筋を撫でたのか、リレは服を掴んでいた手を即座に引っ込める。
「とんでもない卒業生だ。教師を挑発しますか」
面白いおもちゃでも見つけたように、悪魔は教え子の双眸を覗き込んだ。
「結構な申し出ですが、また何か企んでいるのではありませんか」
「そ、そんなこと……」
疑われたのにむっとしたが、小さな鍵がらみの契約の事がある。自分は賢者の石のお陰で
命拾いしたが、彼にしてみれば魂を貰い受ける話が苦々しくも反故になったわけだ。
……警戒されるのも、仕方ないことかもしれない。
悪魔の手はそのままリレの頬をゆっくり撫でて下に降り、首に触れる。
尖った爪が喉元に当たって、ぞくりと総毛立つ感覚がした。
喉を捌く、胸を引き裂く……そんなところか。夜風で冷えたリレの唇が、震えた。
それでも、肌に食い入る爪の痛さも、我が身を案じるゆえの恐怖もできうる限り押さえ込んで、
努めて平静に、対峙した相手に告げる。
「アドヴォカート先生ほどの上位の悪魔なら、魔法使いの女一人、恐れることはないでしょう。
それに、ギムレットのように、あなたと敵対する理由はありません」
アドヴォカートは動かなかった。ただ聞いていた。
リレは続けた。悪魔に臆した声ではなく、己の意思の通う声で。
「先生の爪の鋭さは心得ていますが、死人がお好きだとは初耳です。墓場のように冷たい
ベッドで、血まみれの女に何を語るおつもりですの」
そして怯えて逃げたりはしないとばかりに口の端を吊り上げた。
472 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:39:31 ID:LAegNm9L
女が男に情を乞うにしてはいささか挑発的過ぎるリレの笑顔に、アドヴォカートは考え深げに
しばし沈黙し――
「自ら悪魔に身を委ねますか。……まったくあなたという人は」
……黙考の後、リレの首元からするりと手を離した。
やれやれ、と苦笑しつつ。
「あなた方が笛を吹くなら、男は踊るしかない。アダム以来、女には振り回されっぱなしだ。
ここにいた頃も、私の姿を見るなり用もないのに走り寄ってきましたな」
「ええ。先生も、私が来ると待ちかねたように自慢話をしてくださいました。延々と」
リレも穏やかに嫌味を言い返す。
「まあいいでしょう。確かに死骸はつまらない。猫が死んだ鼠を喜ばないのと同じ理屈です」
アドヴォカートはリレの頬にかかった長い金髪を払ってやると、
「……瑞々しく血の通う頬が一番いい」
彼女の耳元でそう囁いて、赤みのさした女の頬に軽く口づけた。
3
「……羽の付け根を触るのはやめてください。くすぐったい」
「でも人間に羽はありませんから、何だか気になって」
呼吸が少し落ち着いたと見るや、リレは再び擦り寄った。
月を見ていた廊下から程近い、誰も使っていない一室に、二人はいた。小振りな寝台の上で、
裸身を晒す若い女が、同じく裸の悪魔の背から生えた一枚羽をぺたぺた触って遊んでいる。
空き部屋ではあるが、近々入室予定の新入生がいるのだろう。室内は掃除済みで、学生用に
一通り揃えられた調度品は丁寧に埃を払ってある。
この部屋を割り当てられるはずの顔も知らぬ生徒に、リレは心の中でこっそり詫びた。
教師と卒業生で寝台を上下動させるなど、部屋本来の使用目的から外れること甚だしい。
「今度は耳ですか」
「人間の耳は尖ってはいませんから」
ため息などついて、アドヴォカートは彼女の手が鬱陶しいとばかりに頭を振った。
473 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:46:09 ID:LAegNm9L
彼を不愉快にするつもりはない。リレは寝台を降りて、裸のまま窓に近寄る。
かつて自分が使っていた部屋の窓よりも大きなそれは、外が真っ暗なせいで、鏡のように
自分の上半身を映していた。
少女の頃と変わらず長いまんまの金髪に、白い肌の女の裸身。膨らんで自己主張するように
なった胸とくびれた腰は、最も分かりやすい肉体の成熟の表れか。体の内側がどうなのかは、
さすがに外からは判断がつかない。
「……?」
ふと気になって振り返ると、アドヴォカートがこちらを見ていた。
何やら下半身にじろじろ視線が注がれると思ったら、自らの放った白濁を眺めているらしい。
彼女の太腿や尻、脚の間の薄い茂みにからまる迸りが独占欲や支配欲を満たすのか、
彼は機嫌よさそうに唇に弧を描かせている。
獲物、あるいは戦利品を確認するようだ。リレはそんなことを思った。
「……よかったのですか? 悪魔と睦んだ肉体では、もう人間の男と結婚など出来ませんよ」
からかうように、アドヴォカートはリレに尋ねてくる。
事が終わった後で楽しそうに言ってのけるあたりが意地悪だと感じたが、
「それはきっと、先生に何もされなくても同じことです」
リレは平然といらえをした。
仕事上、恋愛は難しい立場になってしまったらしいから、多分嘘はついていない。
「あなたの日常はどうも味気ないですな。今どきは修道院の尼僧でさえ、赤子の泣き声に
手を焼いているのに」
途端に呆れた表情をして下世話な口上を述べると、悪魔は寝台を降りて女の傍らに来た。
リレの顔を上げさせて、唇で唇を塞ぐ。押し込まれてきた舌に、彼女は抵抗しなかった。自分の
舌と絡ませ、少しだけ離しては再び口付ける、を繰り返す。
ようやく互いの顔が離れたところで、リレは大きく息を吸った。
「……弟たちの学費も欲しかったし、紹介してくださったガンメル先生のお顔も立てないと……
そう思って働いたら、こうなってました」
「そういうところは相変わらずですねえ。いつもいつも他人のことで追われていて、自らを優先
させることがない」
アドヴォカートの唇が、今度はリレの首筋を這った。先程の行為の最中につけられた牙の跡は
鬱血していて、そこを舌先でつつかれると体が疼く。
474 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:52:31 ID:LAegNm9L
「ぁ……っ」
男の右手がの胸に伸び、手の動きに合わせて柔らかい乳房が形を変える。先端を弄ばれ、
リレは甘いため息を漏らした。
身体の底から、飢える声が聞こえてくるようだった。男を欲して体の内部を撫で上げている
ような気がして、ぞわぞわする。
「……先生?」
自分の胸で遊ぶ手がふと止まって、体を離れる。
窓の隣に、簡素な木製の机が置かれていた。学生用に用意されたものなので、質はさほど
良くはないが、自習に使う分には何の問題もなさそうな――そんな机。この部屋に生徒はまだ
入室していないから、机上には勉強道具やその他の物は何もない。
アドヴォカートは机の上をとんとん、と指で軽く叩いている。リレが訝しげに見ていることに
気がつくと、彼女の体を抱き寄せた。
「あの、もしかして、また……ですか?」
「いけませんか。そもそも最初に誘ってきたのはあなたですが」
彼は楽しそうにの太腿を撫でている。確かに、口説いたのは自分……ということになるのだろう。
けれど。
「ええと……その、そう何度もは体が持たな……」
「膨らんだ胸も、細い腰も、尻の曲線も全て、男の劣情を煽るために備わったのに」
こちらの言い分などお構いなしで、アドヴォカートはリレの胸に顔をうずめた。正直なところ、
さほど体力は残っていなかったから、断るのが最善だと頭では思う。しかし、疲れているにも
関わらず、リレの体は物欲しげにざわめいて、強い拒絶が出来ない。
「……そしてここも」
「! やぁ……っ」
今度は女の部分に触れられて、たまらず声を上げる。脚を広げさせられ肉芽を弄られ、
彼女の奥からどろっと粘液が垂れていく。
「あ……やだ、せんせぇ、あ、……はぁあ」
体液の絡まった指が肉芽を擦り上げてくる。その甘美な感覚に、女の腿が震えた。
頭の中がぼうっとして、何も考えられなくなっていく。指に翻弄されて、呼応するように悩ましげな
息を吐き出し、愉悦に喘ぐ。
敏感な場所に直接触れられるせいで、またも気持ちよさを引き出されていく。
リレは肢体全体を紅潮させ、瞳をうるませた。体がふらつく。
相手の体にすがろうとする女の手が、悪魔の尖った耳をわずかに掠めたとき。
475 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 00:56:13 ID:LAegNm9L
「……。変えますか」
「かえ……る? ……やっ」
急に止めたかと思うと、アドヴォカートは彼女の肩に手を伸ばして体の向きを無理やり変える。
ふらついたところに背中を軽く押され、リレは自然と机に手をついてしまった。後ろに尻を
突き出す姿勢に、さっと羞恥が湧く。背中に口付けられたとき、ようやく彼の意図を理解した。
「あ、あの、せめてその、ベッドで……」
女の入り口に指ではなく違うものがあてがわれ、リレはつい身をよじった。寝台の上で、散々
自分の中を出入りしては楽しんでいたものが、もう一度侵入しようとしている。
けれど行為そのものを拒んで抵抗するにはならなかった。……なれなかった。昂りかけた
体の奥が、止めないでと、続きをと訴えている。
己の内側が切望する。屈するしかないほど。リレは、首を後ろに向けた。
「先生、あの、……するなら、はやく……」
「急かしますか。それなら言いなさい。たった一言、私が欲しいと」
「……先生が、欲し、い……」
催促されて応じたものの、アドヴォカートは焦らすように秘部をなぞるだけで入っては来ない。
「もっと大きな声でお願いします」
「アドヴォカート先生が、欲しいです……!」
「それを三度言っていただきたい」
どこまで意地が悪いのだろう。だが、それでも怒る気にならなかったのは、その意地悪さに
軽い反感と同時に彼らしさをも感じるからか。
「アドヴォカート先生が、欲しい、です……」
「机につかまっていなさい」
「え、あ、ぅん……あっ」
腰を掴まれると反り返った屹立が挿入され、リレの体がびくりと硬直する。
在校時代と比べてずいぶんと形良く、大きく膨らんだ胸が机に押し付けられ、形を変える。
机は冷たくひんやりしていて、既に体温の上がりかけていたリレには心地よかった。
先程絶頂を味わっているにも関わらず、膣内は再び侵入した男のそれを締め付けて、
逃がすまいと、奥へ奥へと誘い込もうとする。
「……あなたの中は本当に具合がいい」
背後からアドヴォカートがゆっくりと出入りする。そのたびごとに、リレの唇から甘い声が漏れた。
膣襞を擦られ、下半身がさらなる刺激を欲してうずうずする。
476 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 01:01:02 ID:LAegNm9L
「ああ……ん、ぁ、はぁあ、あ……っ、せんせぇ……」
腰の奥から湧き出てくる愉悦に応じて嬌声をあげ、首を振る。寝台の上で注ぎ込まれた白濁と
彼女の奥から新たに溢れ出る愛蜜が混じり泡だって、女の腿を伝う。指で白い背中をなぞられて、
リレは身体の奥底からまたもせりあがって来る快感を否定できずに喘いだ。
「女の体は感じやすく出来ていますからな。好きなだけ快楽に溺れなさい」
リレの背にかぶさるようにして、耳元でアドヴォカートが囁く。
「でも、こん……な、後ろ、ぁあ、うしろから……あ」
耳に息を吹きかけられ、体が反応する。
女の肌は火照り、だらしなく開かれた唇からは唾液が垂れ、机に染みを作っている。
はしたないと分かっていても、体中が疼いていた。もっと欲しい。もう一度、絶頂を迎えたい。
「……先生」
「どうかしたのですか」
己の記憶と寸分違わぬ、つまりは例の嫌味な口調で、アドヴォカートは聞いてきた。
「……と」
「と?」
口に出すのを少しばかり躊躇った後、愉悦でもつれる唇をリレはどうにか動かす。
「もっと……さっきみたいに、くださ……ひゃあん!」
硬いものが一気に胎内に押し入って来て、我慢できなかった女の甲高い声があがった。
勢い良く貫かれたかと思えば、内臓まで引っ張り出していくように後退する。激しくなった動きに、
リレの息は荒くなり、体全体が汗ばんだ。
しかし女の体は明らかに悦んでいた。欲しかったのはこれだ、と。
肉の歓喜に酔う声と、淫靡な響きの水音、二つの体がぶつかる音が生まれては消える。
「……ほら、あなたのおねだり通りにしましたよ。これが良いのでしょう?」
女の体の奥深くまで占拠するそれは、リレの唇から先生、と鼻にかかったような声が零れると
さらに質量を増した。
「あぁ……はぁ、あん、くぅ……ん、あああぁ、はい……ぃ」
肉槍に膣壁を擦られ、先端で最奥を突かれ、下腹部から生じた快感が体全体に響き渡る。
リレはたまらず腰をくねらせた。
「いやらしい姿を見せるものです。……知りませんでしたよ、ここまで好きとは」
普段なら聡明な彼女が、快楽に呑まれた今は何も考えられなかった。
首を振り、長い金髪が揺れる。混合した体液が結合部から零れ、床を卑猥に汚していた。
477 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 01:03:15 ID:LAegNm9L
何度腰が打ち付けられただろう。時間の感覚などとうに失いながら、それでも貪るように
互いの体を堪能する。どこまでが自分で、どこからが相手の体なのか、分からなくなるほど。
絶頂が迫り、リレの背後で男が苦しげに息を吐く。
ぐいと腰が奥につき込まれ、女の部分が咥え込んでいた陰茎が脈打った。白い迸りが
どくどくと注ぎこまれる感触に、リレの胎は再び浸される。
「や……ぁ、いゃ、あっ、あ! ……ああああぁ!」
そして昇りつめた女の膣肉がぎゅっと収縮し、男のそれを締め付ける。
彼女の全身が震え、頭の中が真っ白になり、逆らえぬ悦楽の痺れに身を任せていった。
「時々……思うんです。今の私は、昔の私が望んだ姿になれたのかな、って」
寝台の上で寄り添いながら、リレは未だ解けないわだかまりを語り始めた。
賢者の石の置かれていた部屋で出会い、消えていったもう一人の自分……加えて、彼女が
会ったという、自分でも彼女でもないリレ・ブラウ。彼女たちがどんな将来を欲していたか、
今となっては知る由もない。――“立派な魔法使い”になることの他には。
リレが話し終えると、聞くだけ聞いてやったと言わんばかりの顔で、アドヴォカートは告げた。
「少なくとも、今のあなたにはなりたくないでしょうな。喪服を召したような魂だ」
「! ……それは、その……」
素っ気ない感想を寄越されて、リレは少しかちんと来た。抱いた女を慰めるくらいはしても
いいだろうに。……しかし、確かに悩み多い未来など誰も望まない。そう思うと何だか恥ずかしく
なって、顔を隠すように俯いた。
私は今、あからさまに陰鬱な顔をしていたのだろうか。
一つ、昏い渇望がリレの頭をもたげた。
彼に頼めば、救ってくれるだろう。もう一人の自分の影につきまとわれることから。
――悪魔に魂を差し出せば、どんな願いでも。
478 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 01:05:31 ID:LAegNm9L
心臓の動悸が早くなるのを自覚した。ごくりと唾を飲み込んで、恐る恐る顔を上げ、
「先せ――」
「まあ、せっかく日常から離れたのです。この機会によく考えなさい。自らのことを」
「え? ええと……はい」
しかしあっけなく遮られたのに拍子抜けして、リレはつい安易な肯定をしてしまった。
今の自分は余程の間抜け面になっているらしい。アドヴォカートに声に出して笑われた。
「その若さで地位も名誉も得たあなたが、満たされていないとは皮肉ですね。力を持て余して
いるなら、王侯どもに戦でも吹っ掛けてやるのはいかがです?」
「そういうことには興味がありません」
「あなたが望めば世界中が手に入ります。何なら、私もお側に仕えますよ。全て仰せの如くに
立ち働きましょう」
「ですから興味が……」
自分の手を取って口付けなどしてくれるので、リレは困惑した。自分のさらなる堕落を願う
誘惑なのか、単に興味本位なのか、それとも反応を見て楽しんでいるだけなのか、さっぱり
判断がつかない。
「では一切を捨てて僻地に隠遁しますか。あなたの名声を妬む輩の顔を見なくて済むように
なりますな」
「誰とも会わないのは寂しいですわ」
人里離れて暮らすというのは、確かに偉大な魔法使いの趣がある。だが孤独は少し辛い。
「ふむ。それならこんなのは――」
「……」
次々出てくる提案に返事をしながら、リレはこの問答をどう終わらせようか思案し始めた。
(でも、結局助かった……のかな)
あのまま契約を切り出したら、隣にいる悪魔はさぞ喜んだことだろう。彼も惜しいことをする。
「考える……よく考える……」
何度も口に出し、頭の中でも反芻した。そういえば前にも、同じようなことを言われたっけ。
違うのは、今度は自分のために考えるということ。時間は、十分ある。
アドヴォカートに助言をくれたことへの礼を言うと、彼は辟易した様子で手を振った。
「いいですか、陰気な女が近くにいてもまったく面白くありません。この私を差し置いて憂いの
相手をするのはやめてください」
479 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 01:10:32 ID:LAegNm9L
4
「あー……」
来客用の部屋で机に向かっている最中、リレは舌打ちをした。
羽ペンで魔女ルジェについての調査内容を綴っていたところ、紙にインクの染みが出来て
しまったのだ。ペン先がしけっていたのだろうか。苦い顔をして、紙を取り替える。
「どうしたんだよ、さっきから紙くず作ってばっかりだぞ」
ガフに指摘されて足元を見ると、ゴミ箱が丸めた紙くずで埋まっていた。
一旦ペンを走らせるのをやめて、リレはソファでくつろいでいたエルフに尋ねてみる。
「……ねえ、ガフはこの塔と街での生活、どっちが好き?」
「おいら? そうだな……リレがいるならどっちでもいいぜ。でもここならガンメル様にお菓子
もらえるし、掃除のし甲斐もあるな」
「そう?」
あとはアマレットか。帰宅したら持ちかけてみよう。どんな顔をするだろう。
…………。
(ええと……大丈夫、よね……?)
満面の笑顔で即行退職してくるアマレットを想像してしまい、リレは少々困惑した。すぐに決行
する話ではないから、いきなり歌の仕事を辞められてもちょっと困る。
……そしてもし、彼女が街に残ると言ったときには、素直に彼女の選択を受け入れよう。
アマレットには、彼女自身の選んだ生き方をさせてあげたい。自分がそうするように。
魔法使いとして生きられる場所で、人と関わりあって、そして今よりは気が楽なところ。
結論は比較的簡単に出た。もっとも、あの辛辣な黒魔術の教師は「結局はガンメルの要望に
応えるのですか」などと嫌味を言ってくれるだろうけれど。
「リレ、塔に戻ってきてから楽しそうだな」
「んー? そうねえ、やっぱり馴染みのある場所だからかな。何百年もここで過ごしたんだし」
机の上にペン先の替えを出し、付け替えながらリレは答える。
「……それとさ、一つ聞いていいか?」
「なあに?」
「夜になると部屋を抜け出してくけど、毎晩毎晩どこに行ってるんだ?」
「それは内緒」
人差し指を立てて唇に当てると、リレは再びインク壷にペン先をつけて、書類を作り始めた。
480 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 01:14:52 ID:LAegNm9L
5
出立にはおあつらえ向きの朝だった。
着替えや書類、その他の荷物をドラゴンの背に積み終えて、リレは空を見上げる。
澄み切った青空。これなら、空の旅もそれなりに快適だろう。
見送りに来てくれると言っていた教師陣はまだ来ない。挨拶なしに帰るわけにもいかず、
どうやって時間を潰そうかと考えていたところ、近くの木の根元にいた二羽の小鳥に気がついた。
パンくずでもあれば良かったのだが、生憎とそんなものはない。
「あ、ガフがお菓子いっぱい持ってたわ。分けてもら……あーあ、一匹飛んでっちゃった。
……置いてきぼり?」
二羽のうち片方だけがどこかに行ってしまった。その場に残された一羽を眺めていたとき、
二人分の足音が近づいてきた。
「遅れてすまなんだ、リレくん。しかし……もう行ってしまうのか。寂しくなるのう」
「ガンメル先生……」
「今日は泣かないのですか、リレ・ブラウ」
「アドヴォカート先生も。……泣く?」
「卒業の日、泣き腫らした真っ赤な目で、ドラゴンに乗るのを散々ぐずった困り者の生徒が
いましたな、大賢者先生?」
アドヴォカートは意地悪い笑顔で隣のガンメルに話を振る。当時を思い出したらしいが、本人の
前で笑うのは失礼だと思ったのか、老先生はわざとらしく咳払いをした。
「そんなこと忘れてください! もう、ガンメル先生まで!」
涙ではなく恥じらいで真っ赤になって、リレは声を荒らげた。
「名残惜しいが、今日のところはお別れじゃな。シャルトリューズくんにも声をかけたが、実験で
昨夜から徹夜らしい。手が離せんようでな、アマレットくんによろしくと言付かってきた」
「早く帰っておやりなさい。あなたのいないうちに、人間の男と会っているかもしれませんよ」
二人の教師の言葉に、別れのときを実感した。滞在したこの数日が、途端に遠い過去の
出来事のように思えて切なくなる。
最後まで当てこすりを言わずにおれないアドヴォカートに苦笑しながら、リレは口を開いた。
「それはそれで、彼女の生き方ですから。あの子、仕事柄すごくもてるし。……でも、好きな人が
出来たんなら、教えてほしいです。私に気を遣わなくていいから」
言い終えたちょうどそのとき、ガフがドラゴンのほうから走って来た。
481 :
戻ってきた話:2008/01/15(火) 01:19:57 ID:LAegNm9L
「おーいリレ、そろそろ行くぞ。ガンメル様ぁ、どうかお元気で!」
「それでは私もこれで。先生方、お見送りありがとうございました」
リレは礼を述べて、再び走ってドラゴンに向かうガフの後を、歩いてついて行く。
「リレ・ブラウ」
件の尊大な声に呼び止められて、くるりとアドヴォカートのほうに向き直った。
「悪魔の前で不幸な顔をされては、私も意地悪してやろうという気が失せます。
少しは我侭勝手をしてみなさい」
「ええ、先生。あなたの言うように、よく考えました。……私のことを」
にこりと笑って答えると、踵を返す。リレはもう振り返らなかった。
ばさり、と大きく羽ばたき、リレとガフを乗せたドラゴンが徐々に地上を離れる。
生まれながらに王者たるものの風格をもって空を悠然と旋回し、両の翼を動かす毎に銀の
星体の塔からどんどん遠ざかっていく。
漆黒の森の上を飛行し、ついには小さな点のようになったドラゴンを、教師二人は完全に
見えなくなるまで眺めていた。
「アドヴォカート、もう一つ賭けをせんか? リレくんが戻ってくるかどうか」
思いついたように、ガンメルは契約相手に切り出した。
「いいでしょう。では、私は彼女が戻ってくるほうに賭けます」
「……。私もそちらに賭けるつもりだったのじゃが。ううむ」
「賭けになりませんな」
老人と悪魔は、顔を見合わせると揃って破顔した。
塔の中に戻る前、アドヴォカートは二羽の小鳥に気がついた。
先刻リレが戯れていた鳥。
飛んでいってしまった片方が、たった今戻ってきたのだ。
最初はつがいなのかと思ったが、よく見るとどうも種類が違う。
やがて小さくさえずると、二羽は共に羽ばたいて、塔の中の他の鳥に紛れていった。
<了>
482 :
218:2008/01/15(火) 01:22:54 ID:LAegNm9L
以上です。エロ分は
>>473-477 お付き合いくださった方、ありがとうございました。
あの学校で先生になるエンディングが欲しかった・・・
この雰囲気は、まさにグリムグリモアのエロパロだなぁ
GJ。存分に楽しませてもらいました
前回といい、エロ上手いなあ
アボガド先生はホントいいキャラだな。
悪魔先生キテターーーーー!!
GJ!!面白かったよ!
GJGJ!!
久々の投下に潤いました。
ゲームの雰囲気そのままで感動したー!
悪魔先生もリレも大好きだー
おお、GJ。
アボガド先生かっこいいなあ。
これは良いアナザーエンド
久々にグリグリ分が補充できた
百合だと聞いて一通りやってみました
私はソファで寝るからねって凄い脅し文句…たまらん(´Д`*)
「愛ならいくらでもあげるから!」
も忘れないで。
>>456 日本一総合スレ、ディスガイア3が出るまでは立たなさそうだね
即死基準厳しくなったらしいし、ネタが増えてからのほうが安全か
悪魔先生たまらんなあ。GJ
493 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:09:28 ID:DMfX3MHr
保守age
496 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:00:45 ID:QEPTs6v+
業者め
退屈していたところだ
499 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 13:37:55 ID:X6DuJpxK
書き手さん側が保管を希望しないのに保管庫管理人に頼むのもあれなので
もう少し待ってみて、特に反対がなければ行ってくる
リレ×アマではなく
アマ×リレに出来ないものかと悩んでる。
ソファに寝る、なんて脅し文句が生まれてしまった以上、なかなか難しいものがあるかもしれないな。
だが頑張れ。期待してる
>>501
アマレットとリレさまの同棲生活をねっとりと描写して欲しい。
アマ「私、リレの子供が欲しい……」
リレ「えぇ!? ちょっ……待っ
以下、怒涛のネチョ
↑これならアマレットでも攻められるはずだ!
>>504 つまりあのライオン先生はアマを両性具有として作って研究していたというのか…なんちゅう探究心だ
ホムンクルスはそもそも半陰陽
ふたなりは(ry!
「……リレの子供が欲しい」
アマレットが言い出した事は、あまりに突飛で、私は何と返せば良いのやら、そのまま
動けなくなってしまった。私は何故かその時、映画で観た男女の睦言を思い浮かべていた。
俳優がベッドで言うのだ。丁度、今のように。
「……アマレット?」
長い長い沈黙の後で、私の口からはその言葉だけが飛び出してきた。名前の確認。ただ
それだけ。私の時間は、あの五日間のように止まってしまっているかのようだ、と一瞬、
錯覚した。沈黙のせいか、キンキン耳鳴りがしてきたのを感じて、私は下らない考えを、
ぶんぶん首を振って追い払った。
本当に、突飛だった。「男の子だったらね」とか、「シャルトリューズ先生に頼んでみ
る?」とか、いろんな言葉が頭を過ったけれど、どれもが、浮かんでは消え去っていくだ
けだった。アマレットの顔つきは真剣そのもので……迂濶な答えは出せない、と私の頭が
感知していたのかもしれない。
「……嫌?」
嘘のように整ったアマレットの顔が、僅かに不安の色に染まった気がした。私が何も言
わなかった事で、不安を覚えてしまったのかもしれない。アマレットは掛け布団を払うと、
手をついて私の上に覆い被さった。
「……何か言って。お願い、リレ」
窓からは丁度、月光が差し込んでいて、アマレットは青白く照っていた。「ああ、輝く
金の髪は薄く透けて、降り注ぐ星空のように美しい」というのも、映画の受け売りだった
りするのだけれど。
>>504 こんな感じか。
おい、何してる、今すぐ続きを書け
頼む、お願いします、後生ですから
>>508 改行が狂ってるのは、空白が携帯からの投下のせいで(ry
さっきパソコンで見て驚いたわ。
>>508 つ、、続きを…!続きをたのむ…!!
気になって眠れNeeeeeeeeeeeee!!
1レスから派生するとは……
続き書いてみるよ。待ってて。
できればフタナリとかなしの方向で頼む
総合保管庫に収録されたので報告まで。
515 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:32:49 ID:aHup75dq
退屈していたところだ
リレが風邪を引けばアマレットも……とか妄想してたはずなのに、普通にアマレットがお
粥を作って手拭い絞って看病して、時には手をリレの額に当て
てみたりなんかして、
「アマレット、何だか、お母さんみたい……」
とか何とかあらあらうふふ、新婚さんもびっくりの二人のラヴで風邪も完治、という全く
エロの無い妄想で終わってしまった。
春だからだろう。
フタナリ封印
じゃあ道具で
フィストファックとかで良いじゃないか
嫌ぁぁぁぁぁぁ
もう賢者の石の暴走で全員TSでいいよ
525 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 01:37:30 ID:rwWNTHAI
age
526 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:24:23 ID:VrHE0E82
悪魔先生神また来ないかな保守
エロイムエッサイム、エロイムエッサイム
我は求め訴えたり
・・・は黒い雌鳥だったか
百合萌えだったのに、ここの神のおかげで
悪魔先生リレに目覚めました。
むしろ悪魔先生に萌えるわ・・・
悪魔先生は原作ゲームからして相当な萌えキャラだよね。
ゲーム中の登場回数もリレの次に多いし、スタッフに気に入られてたのかな。
531 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 16:04:45 ID:xijYjuO+
あげ
保守る
ほしゅ
保守
って言うかもう誰もいないのかな・・・
発売から一年以上経ってるし、シリーズものでもないし・・・
それにテキストの少ない原作だからねえ
語るネタが少ないのはある程度は仕方ない
落ちて消える前に、もう一作くらい
悪魔先生のやつ読みたいなあ
マジで金払っても惜しくないほどのクォリティだった
>>537 ドウーイ
悪魔先生いいよ悪魔先生
しかしそれ以外も待ってるんだぜ
職人さん降臨しないかなぁ…サミシス
グリグリの同人書きたいけど服とか難しいな…
寝間着でいいか
寝間着というからにはアマレットと一緒に寝てあげるリレ様の同人という認識で構いませんね?
買いに行きます。
おはようからおやすみまで全裸を提案
買いに行くので是非がんがってくれー
543 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 03:30:28 ID:3tE84s7u
>330 初恋
神です。いいもの読めた、ありがとう!
リレアマがもっとみたいよー
全裸でおk
「いい?アマレット、100数えたらお風呂からあがるわよ。
数えられたら……ね(・∀・)」
マリガリタが黒いキャラだったら
けっこう人気出た気がするね
ほ
何も書けるものがないけど、
手持ちのファウストからメフィストの良さげな箇所をちょっとだけピックアップしとく。
打つの大変だったけど創作の手助けにでもなれば。
-------------------------------------------------
ファウスト
「………(略)……
だが、これはどうしたことだ!こんなことが自然に起こりえるだろうか。
まぼろしか、うつつか。ムク犬のやつ、縦よこに大きくなるぞ!
勢いよく起き上がる。これは犬の姿ではない!
わしはなんという化け物を家に連れ込んだのだろう!
もう河馬のような格好になって、火のような目、恐ろしい歯並みをしている。
おお、きさまはもうわしのものだぞ!こんな地獄の生まれそこないにはソロモンのまじないがきくはずだ。」
-------(中略)-------
メフィストーフェレスが、霧の散るとともに、遍歴学生のような装いで、ストーヴの後ろから現れる。
メフィスト「なぜそんなにお騒ぎになるんですか。何の御用です?」
ファウスト「それじゃ、これがムク犬の正体だったのか。遍歴学生か。こいつは笑わせる」
メフィスト「博学な先生、ごあいさつ申し上げます。たっぷり汗をかかせましたね」
ファウスト「名はなんというかね?」
メフィスト「けちな問いですね、ことばをあれほどけいべつし、
いっさいのあらわれを遠ざけ、
ひたすら本質の奥を目ざされる方にしては。」
ファウスト「だが、きみたちの場合は、名をきけば、たいてい本質が読める。
ハイの神とか、毒する者とか、うそつきとか言えば、
はっきりしすぎるくらい、わかるじゃないか。
まあ、よい。いったい、きみは何ものだ?」
メフィスト「常に悪を欲し、かえって常に善を為すあの力の一部です。」
ファウスト「そのなぞめいたことばの意味は?」
メフィスト「私は常に否定する精神です!
それも至当です。なにゆえなら、生起するいっさいのものは
ほろびるにあたいするのですから。
してみれば、なにも生起せねば一だんとよかったでしょうに。
そこで、あなたがたが罪悪だ破壊だと呼ぶもの、
つづめて言えば、悪とお呼びになるいっさいのものが、
私の本来の成分です。」
ファウスト「きみは部分だと名乗りながら、全体としてわしの前に立っているではないか。」
メフィスト「かけ値のない真実を申し上げたまでです。
人間はばかげた小宇宙のくせに、全体だと思いがちです。
私は、初めはいっさいであった部分の部分です。
光を生んだやみの一部分です。
高慢な光は、母なる夜を開いてに、古い位と空間を争っていますが、
うまく行きっこありません。いくら努めたところで、
光は捕らえられて、物体にくっついてるんですから。
光は物体から流れて、物体を美しくしますが、
物体がその進路をさえぎります。
それで、私の見込みでは、遠からず、物体とともに光は滅びるでしょう。」
ファウスト「そこできみの貴い任務はわかった!
きみは大規模には何も破滅さすことができないので、小刻みに始めるのだな。」
メフィスト「むろん、それじゃたいしたことはできません。
無に対して対抗しているある物、
つまりこの不細工な世界ですが、これまで私がいろいろやってみたところでは、
こいつには手のつけようがありません。
つなみ、あらし、地震、火事、なんでぶつかっても―
結句、海も陸も平然としています!
それに、あののろわれたやつ、動物や人間の類には、まったく手のくだしようがありません。
もうすでに、どのくらい葬ったことでしょう!
それでも依然、新鮮な血が循環してます。
この調子でいくんですから、こっちも気が狂いそうです!
空気からも、水からも、土地からも、無数の芽がへこたれずに出て来ます。
乾いた所でも湿った所でも暖かい所でも寒い所でも!
もし私が炎というやつを保留しておかなかったら、私は何ひとつ特別な武器を持たないでしょう」
念のため↑の出典元
(河出書房新社 世界文学全集6 『ファウスト』ゲーテ著 高橋健二訳)
ゲーテのファウスト読むと
「ここからネタ持ってきたのかな」ってところが見つかって面白いよね。
ホムンクルスがメフィストに「いたずら好きの小父さん〜」と話しかける台詞があったりとか。
頭の中の猫じみた欲情が文章にならん……
つ 『官能小説の奥義』 永田守弘 集英社新書
保守
廉価版発売が8月7日だっけか
一応保守
しかしもう人はいないのかな
廉価版が出たら少しは住人も増え・・・やっぱり難しいか
アボガド神カムバーック!
諦めきれなくて保守
561 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:07:55 ID:XzdVl6ni
いや、ここはageてしまいましょう
562 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 02:42:03 ID:lQ4AoR4J
くそ・・・
俺にも文才があれば・・
age
独特の雰囲気がある良いゲームだったが
さすがに細部は忘れ気味だわw
もう書けないよなあこれは
プレイしなおせばいいんじゃ
あるいは動画サイ・・・いやなんでもない
女好きのスパイ・・・まさかバディドはry
母国の女王陛下に忠誠を誓ってるのかもね
ああ見えても色仕掛けに引っかからないよう特殊訓練を受けた身なのかもしれない
しかしアボカドに引っ掛かった
メフィストフェレスって基本形は男だけどなろうと思えば女にもなれるらしいからな
h
570 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 17:43:00 ID:/KHP5Fez
神さまー悪魔さまー!
百合ENDと聞いて購入し、リレアマの会話を見たいがために一気にクリアしますた。
・・・なんでエピローグに同棲生活の描写がないんですか?;;
ヒント:ソニーチェック
制作側の趣味なんじゃ?
学生キャラについては主役が近況報告するだけ、
その主役はお供と2人で学校帰って、男性教師と喋ってエンディング終了っつーのも
なんかいろいろ謎の結末ではある罠
単にスタッフが男性教師が気に入ってて出番増やしたかっただけかもしれんが
おいおい同棲生活の描写があったらceroが幾つあっても足りんぜ。
俺は買うけど。
でも肉体関係以外で愛を教えるのも良いと思うんだ。
こう……目に見えない物を徐々に教えていくリレ様……
>>574 どこかの文庫でそういうシーンというか本編の続編という可エピローグまでに何があったかかいてくれる人がいればいいんだけどな
アマレットの「触ってもいい?」っていう許可を求める仕草が可愛い。
書籍化して欲しいなー。キャラも世界観もストーリーもあの短さで終わるのはもったいない。
保守!
保守
保守
悪魔先生を召還したいぜ
ソロモン王の小さな鍵がいるな。
そういやあのグリモア、リレは悪魔先生に返したんだろうか。
個人的には卒業前までには返したと思ってるけど。
ちゃんとした約束ではないけど、返すって言って石の部屋の前で待たせてた。
先生はおとなしく待ってたわけだし、エピローグでの関係も良好だったからリレも約束守ったんだろう。
鍵なしでも対抗できる実力を身に付けてたあとで返す計算高いリレ萌え
保守します!
h
o
s
589 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 14:09:12 ID:0TZl6zeS
初回版買えたら妄想
初回はどこでも売ってる。
近所のブックオフでおでん(6〜7本あった)の隣に初回版が3〜4本並んでたし。
むしろ通常版のほうが珍しい気がする。
作家さんこないかな
「俺、この仕事が終わったらSS書くんだ……」
俺も俺も
死亡フラグとかは無視して期待しておくぜ?
そこはいやいや俺が!
って言って欲しかった>594
賢者の石で何度も恋に落ちる二人……ロマンチックだ。
>>595 そしたらあなたはどうぞどうぞって返すんですね
百合系のスレでは毎回訊くけど、住民的には道具ってアリなんだろうか
投下前の注意書きさえあれば
男女ものだろうと道具を使っていようと大抵のものは投下可ではないかと
と言っても、リレアマは道具使わなさそうだ。
あぶねぇ
そろそろ落ちるじゃねぇかほしゅ
いっそageようか
仕事が終わらない('A`)暇が無い
記憶が薄れていくから、整合性アップの為にもう一度プレイしなきゃ
期待して待ってるぞ!
今の時期、全裸は身体に悪いからこれを
つ靴下
じゃあ俺は紳士らしく、裸ネクタイで待つぞ。
>>606 ギンギンにしてチンコに被せておくんですね、わかります
違います
お尻が冷えるといけないから埋め込むんです
>>609を見たら急に尻プレイするリレアマ妄想が……
蜜壺を掻き回す指を一層激しく繰り、アマレットを一気に絶頂へと導いてゆく。身体は弓
形に反り返り、可愛らしげに自己主張する双丘の果実を弄ばれ、陥落寸前だったアマレッ
トを襲ったのは、今までに感じたこともない異物感。リレは妖しい顔つきで指を舐め上げ、
てらてらと光る人差し指をアマレットのもう一つの秘壺へと当てがった。
「リレ、そこは……!」
裸に靴下は頭寒足熱を地で行くスタイル
うむ。しかし実践してる人間を見たことがないな。
鏡の中を別にすれば。
タイツでおk!
ホムンクルスだからふたなり
神召還!
マダ男「呼んだか」
>>616 いいからグウェンドリンとベルベットを出すんだ
リレ様がRTSするから
神よりも悪魔をだな
h
上げてみよう。
622 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 22:36:29 ID:po6h/vW8
了解した
うああ
さて……
USBの中のSSが丸々吹き飛んだ訳だが……
・゚・(つД`)・゚・
レポートを上書きしてしまった俺涙目
こうもあからさまな釣りも珍しいな
学生が暇になったのかね
百合嫌いががんばってるみたいねw
>>627 こんな過疎二次スレに来るなよ
アホさを晒したいなら他所でやれ
最近うちの犬が盛っちゃって大変なんだけど
猫はどうだろう
猫か
うちのはおなべだからなあ…
グリマルキンは発情期あるのかね
発情期のグリマルキンをつついて遊ぶアマレット
634 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 00:33:47 ID:bbD1XzId
アマレットはホムンクルスだから錬金術グループだから
黒魔術グループのグルマルキンには弱いはず
つまり夜の主導権はグルマルキン
635 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 02:56:10 ID:0dDE9+VZ
グリマルキン「おいアマ公だっこせいや」
グリマルキン「喉なでなでせいや」
アマレット「分かったわ…」
グリマルキン「なんや嫌そうやな」
アマレット「いえ…」
グリマルキン「ちょけとったらマナバーンやど!」
グリマルキン「あ、ファントムさん……ちぃーっす!!」
ファントム「グリちゃん最近儲っとるらしいやん」
グリマルキン「いや、ファントムはんのお陰ですわー」
ファントム「そうか、ほな500マナ程かりてくわ」
グリマルキン「え…それはちょっと堪忍してくんなはれや…」
ファントム「なんや文句でもあるんかいな」
グリマルキン「いや…その…」
ファントム「ほなかりてくでー」
アマレット「……」
グリマルキン「…なんみとんやコラァ!」
636 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 02:59:04 ID:vaayLApE
クソゲースレあげるなよ馬鹿w
さて保守
ふぅ
書き上がったと同時に白紙に戻るのか
それでもリレならっ
リレなら何とかしてくれる…!
ああ、どうしよう。五日目の鐘が鳴るまで、もう、あまり時間が無いわ。鐘が鳴ってし
まえば、また、この悪夢を繰り返してしまう。なんとしても止めなくちゃ。
「……リレ、眠れない……?」
「ああ、ううん。違うわ、アマレット」
もぞもぞと、ランプの光にむずがるアマレットの頭を撫でて、寝かしつけるように促す。
おやすみのキスもそこそこに、私はランプの気管を一捻りして消すと、また逡巡の海に戻
っていった。いや、戻りたく無くても戻ってきてしまうから質が悪い。
「ああ……どうしよう」
そうだ。またあの日に戻ってしまえば、私の極秘ノートである<実録アマレットの全て>
が台無しになってしまう。アマレットの身長、体重、3サイズ、好きな食べ物、嫌いな食
べ物、好きな歌とその傾向、おはようからおやすみまでを徹底して調べ上げた至高<嗜好>
の一冊がまた白紙に戻ってしまう。それだけは避けたい。幸い記憶は残っているみたいだ
けれど、白紙になるなんて耐えられない。ああ、アマレット可愛いわアマレット。もう学
校なんて不良債権! きゅんいきゅんい!
ゴーン ゴーン ゴーン
3行試し書きしたら、頭の中がギャグで一杯になってしまった
もう駄目だな俺
きゅんいきゅんい!
なんの擬音ww新しいwww
コピペの一部のつもりだったけど
正しくは「きゅんきゅんきゅい!」だった
悪魔降臨マダー?
★
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