メダロットのエロ小説3

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1前々スレ731
とりあえず建てました
以前に投下した分を保守がてら
再投下していきます
2前々スレ731:2007/03/21(水) 05:12:10 ID:LnucLb0U
メダロット本社、66階のある研究室。

機械油のにおいが立ち込めるその部屋の一角に、彼はいた。

薄暗い部屋の中で、ひたすら机の上のコンピュータに向かい、何かを打ち込んでいる。目の前のモニターに映し出されるのは、まるで見たこともないような英単語が並ぶ表と、小数点以下の数が両手では数え切れないほどに並ぶ数列の数々。

彼は手元に置かれた、研究資料のような分厚い書類の束を見やりながら、ただ打ち込む作業を繰り返していた。

部屋の中にはモニター以外に一切の採光はなく、彼が触っているコンピュータ以外は、何があるのかさえまるで分からない。そんな暗闇の中で、ひたすらにキーボードを叩き続ける彼の様子は、少し狂気じみているようにも見受けられた。

「ヒカルくん!終わったかのー?」

陽気な声と共に、その部屋のドアが勢いよく開かれる。

部屋の光で、その人物の影が長く落ちる。しかし逆光のせいで、その顔を伺うことは出来ない。

声の主は初めその暗さに戸惑ったが、すぐに入り口脇の蛍光灯のスイッチを見つけ、それを適当にバチバチと点けていく。

天井に設置された蛍光灯が、パチパチとまばらに点いていく。

「……博士。これ、まだやるんですか…」

部屋の中がようやく明るくなって、開口一番に彼はそういった。
その目には生気が宿っておらず、目の下はクマで青ざめていた。

「バッカモン!このくらいで音を上げてどうする!男だったら根性じゃあ!!」

拳をぎゅっと握り締めて、その老紳士はそう力説した。

白衣にサングラスという風体がただでさえ浮世離れした雰囲気をかもし出していて、更に見た目の年齢と釣り合わぬ覇気が、いっそうその雰囲気を強める。…この手の技術職にありがちな、典型的な研究員という感じだ。

「今日で3日連続カンヅメですよ…博士〜、勘弁してくださいよ〜…」

対して、パソコンに向かう男は、いかにも優柔不断という感じの顔立ちの、青年。その顔立ちは優男と表現しても申し分ない整い具合だが、むしろそう呼ぶには疲労感が漂いすぎている。

「まあったく。最近の若いモンは気合がないのお。」
「って、博士の時代と一緒にしないで下さいよ!」
「なぁにをいっちょるか。…いいか、男とはすべからく“魂”じゃあ!」
「……はぁ…」

どこか、腐れ縁のような雰囲気をにおわせる彼らの会話は、聞くものがあったならきっと、思わず笑い出してしまうに違いない。

「…とは言っても、さすがにその様子じゃあのお…まったく、情けない。」
「…もう何でもいいですから、とにかく外の空気を吸わせてくださいよ……」

そう言い残して、その青年はふらふらとその部屋を出て行った。

バタン、と閉められたドアを前に、いかにも博士という風体のその老紳士はやれやれとため息をつき、はなはだ呆れた様子だった。

「…まったく、おしなべて人は見かけによらんもんじゃの。」
3前々スレ731:2007/03/21(水) 05:13:07 ID:LnucLb0U
(場面変化)

メダロット社の広大な敷地の中に設けられた社内カフェ。純喫茶という雰囲気の店内の一角にある、向かう一面がガラス張りになったカウンター席に、女性がひとり、座っていた。

カウンターに置かれた書類を手に取ってその端を揃えると、かけていた眼鏡を外して、コーヒーを飲む。

「(……ふう。…これでOKね。)」

彼女がかちゃりとコーヒーカップを置くと、チリンチリンと入り口のドアが開く音がした。

今は勤務時間。一般の人はパスがなければ入れないところだけど、それでも時折抜け出してコーヒーの一杯、タバコの一本でも吸いに来る人はいる。
だから、この昼下がりの時間帯に、カフェに人が入ってくるのは別に珍しいことじゃない。

彼女はそちらを向くそぶりもなく、デスクワーク漬けだった書類の下に置かれた雑誌を手に取る。

「あら、キララさん!」

自分の名前を呼ばれて、彼女は反射的にその方向を振り返る。
そこには、開襟シャツの上に白衣を羽織った女性。

「……あー!ナエちゃん!」
立ち上がり、手を振るキララ。ナエもそれに答え、ささやかに手を振る。
「久しぶりですね。今日もアルバイトですか?」
「そうそう。夏休みだからねー、ほとんど毎日よ。」
「あはは。ヒカルさんも一緒に?」
「んー、まあね。ま、たぶん博士にこき使われてるんだろうけど。」
ナエはくすくすと笑った。
「おじいさん、あれでかなりヒカルさんのこと気に入ってるんですよ。」
「あはは。そうかもね。」

小一時間ほどだろうか、二人はしばらくの間立ち話にふけり、積もる話を消化していった。

「…何か飲まない?私がおごるよ?」
「あ、ごちそうになります。」
頷いたナエに、キララは自分の隣の席を進め、カウンターに置いてあった雑誌をどけようと
キララがその雑誌を手にとった時に、ナエがその雑誌の表紙を見て言った。

「あれ? その雑誌、週間メダロットですか?」
ナエは不思議そうな表情をした。

「うん。あはは、ほら、メダロット社のアルバイトっていっても幅広いでしょ?子供とかにも対応できるようにしておかないとさ。」
「あいかわらず、キララさんは真面目ですね。」
ナエは関心したような笑顔を浮かべ、キララは少し照れたように笑った。

「あ、そういえば」
ナエが両手をぽんと叩いた。

「今日、イッキくんとアリカちゃんが本社に見学に来るそうですよ」
「へー! あの二人が来るんだあ!」
キララは本当に楽しみに感じているのか、満面の笑みだった。
ナエは相変わらず落ち着いた表情だったが、それでもやはり楽しみであるらしく、とても明るい表情だった。
4前々スレ731:2007/03/21(水) 05:13:51 ID:LnucLb0U
(また場面変化)

「…しかしながら、メダロットの市場は相変わらず本社の独占だね。」


革張りの高級そうなソファーに深く座り込んだ青年は、
机に据付けられたのディスプレイを眺めて、そう呟いた。

そこには円グラフや某グラフ、株のチャートのようなものなど、
一見しただけでもそれなりの量の情報がまとめられているらしかった。

「……一寸先は闇ですよ、ユウキちゃん。」

ソファーの横に置かれた丸椅子に座った、どこかおっとりとした雰囲気の女性が、たしなめるような口調で言った。

「はっはっは。ハニー……パティはやっぱり賢明だね。」

ユウキと呼ばれたその青年は、決して安物でない光沢を放つ机の上に置かれた、派手な装飾の施されたカップの取っ手を持ち、まだ湯気の立ち上るコーヒーを優雅な仕草で飲んだ。

黒いスラックスに赤いワイシャツという出で立ちからか、全体的にどこか気障な雰囲気のその青年。しかしその表情は凛々しく、目鼻立ちはかなり整っている。

「…パティ、そういえば。例のレトルトくんは元気にやってるのかな。」
「……博士にいじめられていないか心配だわ。」
「はっはっは。それについては僕も同感だ。」

そう言いながら、ユウキはまた一口、コーヒーを飲んだ。

そして丁度その頃合で、机の上に置かれた古風な電話のベルが鳴り響いた。

「もしもし?」
「ニモウサク副社長。天領イッキ様と甘酒アリカ様が中央ロビーにお見えです。」
「あぁ、来たのかい。わかった。すぐ行くから、そこで待たせておいてくれたまえ。」
「かしこまりましたi
電話の相手は恭しい返事を返し、ユウキは受話器を置いた。

「お客さん?」
「とびっきりのゲストさ。今日は楽しい一日になりそうだ。」

そう言い残すと、ユウキは軽やかな足取りでその部屋を後にした。
5前々スレ731:2007/03/21(水) 05:15:09 ID:LnucLb0U
メダロット本社、正面ロビー。

全面ガラス張りの構造は、、優美な雰囲気を醸し出すオブジェ、
そしていかにも高級そうな誂えのソファーなどは、世界を股にかける大企業の羽振りを表しているかのようだ。

「…ちょっとイッキ。あんまりキョロキョロしないでよ?」
たしなめるような口調で、アリカが言った。

「そんなこと言われても、あぁ!凄いよアリカ、あれ見て見てー!」
イッキは、アリカの的確な忠言などまるで無視するかの如く、あちらこちらを指差しては大げさに騒ぐ。
そんな様子を見て、アリカは呆れたように深く溜息をついた。

「……もう。勝手にやってなさい、バカ。」

アリカは呆れ顔のまま、頬杖をつく。
そして意味もなく辺りを見回した時に、見知った顔の男を視界に見つけた。

「…あ。」
アリカは思わず、そう声を出す。

男もイッキたちの姿を見つけたらしく、小走りでそちらに駆けていった。

「イッキ!ちょっと!」
アリカは、いまだ興奮冷めやらぬ様子で騒ぐイッキの耳を引っ張り、少々乱暴に自分の方に向かせる。

「いたた、いたいってアリカ!」
「ほら、イッキ!」

アリカに促されてイッキが見上げた先に立っていたのは、
メダロット社副社長、ニモウサクユウキその人だった。


「やあ、イッキくんにアリカちゃん。相変わらずだね。」
そう言って、彼は前髪を手でサっと流した。

「ユ、ユウキさん!?」
あまりに唐突なその登場に、イッキは驚いた様子で声を上げた。
アリカも、イッキほど極端ではないにしろ、十分に驚いている様だった。

「まさか、わざわざユウキさんが迎えに来てくれるなんて…。」
アリカはすっと立ち上がって、ユウキと目線を合わせた。

「元々君たちとは、多少なり縁があったからね。このくらいは当然さ。」
そう言って、ユウキは涼やかに微笑んでみせた。

「なんだか、わざわざすみません」
アリカは大人っぽく、丁寧な口調で礼を言った。
ユウキはそれに、ニコっと笑って応える。
6前々スレ731:2007/03/21(水) 05:17:28 ID:LnucLb0U
「…ってあんたはいつまで座ってんのよ!」
アリカはイッキの耳を引っ張って、無理矢理立ち上がらせる。

「いたた、いた、いたいって!アリカ!」
「あんたねー、もうちょっと礼儀ってものを覚えなさいよねー!」
「ア、アリカだってそーゆーとこあるじゃんか!」
「なによー、言ってみなさいよー。ほらほら、どうしたのー?」
「う、うう…」

いつもの調子で始まった二人の会話を前に、ユウキは自然と微笑を浮かべていた。


(…僕が子供の頃、ちょうどヒカルくんとキララくんがこんな感じだったなあ……。)


「だいたいあんたは昔っからねー!」
「ううう…」
イッキはすっかりアリカに言いくるめられ、完全に押されていた。

(…これは将来、尻に敷かれるタイプだなあ)

そんなことを考えると、ユウキの顔からまた笑みがこぼれた。

「まあまあ。これだけ広いんだ、多少はしゃいでてもしょうがないさ。」
ユウキが、いかにもな大人の意見で場をなだめにかかる。

「イッキの場合はそれが多少じゃないから問題なんです。」
アリカは眉をしかめた。
「う、うるさいなあ…アリカだって昔はさあ。」
イッキも一応反論はするが、それはもはや効果などない、形式的なものだった。


(言われれば言い返す。言い返されればまた言い返す。
…とるにたらないケンカだけど、見ていて飽きない。
……だからこの二人は面白い。)


「あっはっは。…君たちの将来が楽しみだよ。」


この二人はきっと将来、お互いがかけがえのないパートナーとなる。
そしてきっと、今よりももっと愉快なやり取りを見せてくれるに違いない。


そんな思いを胸に、ユウキは、本当素直にそう言った。


「「……はい?」」

二人は、ユウキの言葉の真意をはかりかねたのか、
ぽかんとした表情で顔を見合わせた。
7前々スレ731:2007/03/21(水) 05:18:55 ID:LnucLb0U
「ま、それはさておき。」
ユウキはそこで言葉を区切り、腕時計を見た。

「見学の前に、昼食でも食べるかい?そろそろそんな頃合だよ。」
「どうする、イッキ?」
「うーん……確かに、おなかは空いたかも。」
イッキが腹部をさするような仕草をする。
「それじゃあ、先にレストラン街にいこう。」
「…メダロット社にレストラン街があるんですか?」
「なあーんだ、知らないのー?イッキー。」
アリカが茶化すような笑みを浮かべる。
「…し、しらない。」
「まあ、無理もないさ。…ここは確かにメダロット社の本社だけど、君たちみたいに見学に来る人も多くてね。」
「やっぱり、たくさんいるんだなあ…」
「それで、そんな人たちを社員食堂になんか案内したら、社員たちも困るだろう? 今日なんかは殆ど人数がいないけど、週末ともなると結構な数になるからね。」
「それで、レストラン街を作ったってわけ。わかったー?」
小馬鹿にするように、アリカはイッキの額をつっつく。
「む、むう……なるほど。」
「まあ、そんな堅苦しい話はさておいて。早速、行こうじゃないか。」
「「は〜い!!」」

イッキとアリカは、仲良く手を上げて、元気に返事をした。


(…君たちは、本当に面白いよ。)


ユウキは、心のなかでそう呟き、微笑んだ。
8前々スレ731:2007/03/21(水) 05:20:11 ID:LnucLb0U
(場面変化)

廊下を歩いているだけで、二人には彼がどれほど凄い人物かということが理解できた。

新入社員なのか、若い社員たちは畏敬たっぷりのまなざしを彼に向け、
どう考えてもユウキよりも一回りは年上であろう壮年の社員たちは、すれ違うたびに笑顔で深々とお辞儀をする。

年功序列という、二人の頭の片隅にある社会の常識で考えるならば、それは全く持って度し難いものだった。

「……ユウキさんって、本当に凄いのね。」
アリカが、イッキだけに聞こえるような小声でそう囁く。

「…本っ当だよね。副社長、っていうから、まあ、当たり前なんだけどさ……」
イッキは感嘆の溜息まじりに言った。
「……なんだか、とんでもない人にとんでもないことさせてるみたいね…」
アリカは珍しく狼狽した様子だった。

そこそこに身近な人物の、余りある威光。
それをこうまで見せ付けられてしまっては、それは無理のないことだった。

「…二人とも?どうしたんだい。」

そんな二人の心中を知ってか知らずか、ユウキがふっと後ろを振り向いて歩みを止めた。

「あぁ、いやあ………ユウキさんって、すごいなあ、なんて…」

イッキにそう言われたのが意外だったのか、ユウキは目を丸くした。

「…そうかな。…僕は、僕よりももっと凄い人を知っているよ?」

「え?」
ユウキはそこで、意味深げな笑顔を浮かべた。

「君たちのよく知る人、さ。」
それだけを言うと、ユウキは再びすたすたと歩き出した。

二人は暫くの間、ぽかんとしたまま、その後姿を眺めていた。

「ほら、早く行こう。あんまり遅くなると、せっかくのランチメニューが終ってしまうよ?」

ユウキに促され、二人は心の中のささいな引っ掛かりをそのままに、駆けていった。
9前々スレ731:2007/03/21(水) 05:21:47 ID:LnucLb0U
(場面変化。さっきのカフェの中。)

「…ごちそうさまでした。」

しとやかさを感じさせる仕草で、ナエはフォークを皿の上に置いた。

「どういたしまして。」
「なんだかごめんなさい、飲み物だけじゃなくお昼ご飯まで…」
「いーのいーの!昔っからの付き合いじゃない!」
言いかけたナエを遮るように、キララは元気な口調で言った。

「それにしても」
キララは、ちょうどコンパスを刺すときのようにスプーンを皿に立てながら続けた。
「相変わらずキレイよねー。ナエちゃん。」
「そ、そうですか?」
ナエは少し視線を下げて、やや俯き加減になる。
もともとの長い黒髪とあいまって、その仕草はいっそうしとやかさを感じさせるものだった。

「なんてゆーか。ヒカルの惚れそうなタイプみたいな感じ。…なぁんて。」
キララはからかうような笑顔を浮かべながら言った。
だが、ナエはその言葉を聞いた瞬間に視線をあげ、じっとキララの目を見つめた。
「それを言うなら、キララさんじゃないですか?」
いきなりそう返されて、キララは一瞬狼狽したような表情を見せた。

それはその言葉についても無論だったが、それ以上にナエの表情だった。それは怒っているものとは少し違う。
咎めるでもなければ、叱るわけでもない。
でも、そこに余分な緩みはなく、ただ真剣に何かを伝えようとするような、そういう表情に。

「え? 私が? ヒカルの? …あはは、それはないよー。」
キララは、どこか他人事のような口調で空々しく言った。

「そうでしょうか。…私も、割と昔からヒカルさんのことは知ってますけど。案外、ぞっこんだったりするかも知れませんよ?」
「!! ぞ、ぞっこんって! べべ、別に私とヒカルはただの幼馴染で、えっとその、別にそういうような仲じゃ…!」
慌てふためいた様子で、キララが懸命にフォローを入れようとする。
だがナエは、そんなキララの心中などまるでお構い無しに話を続けた。
10前々スレ731:2007/03/21(水) 05:22:33 ID:LnucLb0U
「…キララさん。私、その内に伝えなくちゃいけない、って思ってたんです。」
ナエはこれまで以上に真剣味のある表情を浮かべ、動揺の色を隠せないキララをじっと見据えた。

「確かに、キララさんとヒカルさんはただの幼馴染かも知れません。」
「……」
キララは、軽く唇を食んで、ナエの話を聞いた。

「…私も女性ですから。正直なところ、ヒカルさんに異性としての魅力を感じたことはあります。」
「…。」
「本気で告白をしようと考えたこともあります。…でも。私は、打ち明けませんでした。」
そう言って、ナエは少し視線を落とした。

「…どうして?」
当たり前だが、最大の疑問がキララの口をついて出た。

「あなたが、いたからですよ。」
突然強められた語調に、ナエから視線を外していたキララははっとしてその顔を見た。

キララは、自分の存在を理由に告白を諦めたのだというナエの言葉に、
少なからず異性としての対抗心に似たようなものがあるのだと思っていた。

だが、ナエは優しく、そんな感情を微塵も感じさせず、包容力を感じさせる笑顔を浮かべていた。

「…こんなことを言うと、ロマンチシズムに浸るみたいですけど。」
そう前置きして、ナエはすっと目を閉じた。

「…ヒカルさんの中には、いつもあなたがいるんです。」
「………わたし、が……?」
「…はい。」
ナエは膝の上に手を合わせ、続けた。

「ヒカルさんと話している時に、キララさんのお話が出なかったことはありませんよ。」
「…私の?」
キララは少し驚き、目を瞬かせた。

「……ええ。」
ナエはゆっくりと頷いた。

「あんなに素敵な笑顔であなたのことを話されたら……なんだか、妬ましいだなんてことも思えませんでした。」
「……。」
キララの表情が曇る。
11前々スレ731:2007/03/21(水) 05:23:40 ID:LnucLb0U
「…ごめんなさい。言葉を選びませんでした。……でも、本当に幸せそうな笑顔なんです。」
「……そう、なんだ…。」
「私は、…。…いえ。」
ナエは何かを言いかけたが、そこで言葉を区切り、言い直す。

「…キララさん。私は、あなたのことを、本当にいいお友達だと思ってます。」
「………ありがとう。」
「でも、…だからこそ。キララさんには、もっとしっかりして欲しいんです。」
「…」
俯き気味なキララと対照的に、背筋をぴんと伸ばしたままナエは言った。

「私は、本当にヒカルさんの幸せを望みたいから。……だから、キララさんには、もっとしっかりして…欲しいんです。」
ナエは寂しげな笑いを浮かべながら、そう言った。

「……ごめんね。」
ぽつりと、呟くようにキララは言った。

「…わたし……、……、……でも、こわくて……っ……、…………、だから……っ、…」
キララは肩を震わせて、両の目尻に涙をたたえていた。

「……キララさん、……。」
「っ……、……。」

キララはしばらくの間、静かに咽びいていた。

それは、ナエに対する悔恨と感謝の涙なのか。
あるいは、自分自身に対する、不甲斐なさを嘆く涙なのか。

「……ナエちゃん、…ありがとう。」

しばらくそうした後に、キララは少し赤くなった目でそう言った。

「………ごめんなさい、なんだか本当に…………、本当に、ごめんなさい。」
「…謝らなきゃいけないのは私のほう。……私、結構ズルいよね。」
そう言って、キララは少し自嘲気味に笑った。
だが、その表情に曇りはなかった。

「…ありがとう。それと、ごめん、ナエちゃん。……」
「そんな……とんでもない、です…」

そう礼を交し合い、二人は暫くの間じっと見詰めあった。
12前々スレ731:2007/03/21(水) 05:33:25 ID:LnucLb0U
とりあえず今日はここで終了します
また明日投下する…過疎ってるけど。
13前々スレ731:2007/03/21(水) 15:39:28 ID:LnucLb0U
その途中、ナエの携帯電話だろうか、聞きなれた流行歌のメロディーが流れた。

「あ、すみません…………もしもし、私です。……はい、わかりました。すぐにそちらへ行きます。…はい、それでは失礼します。」
ナエはパタンと携帯電話を閉じて、キララの方へ向き直った。

「ごめんなさい、ちょっと商談の席に呼ばれちゃって…」
「ううん、いいのいいの。私のことは気にしないで!」
キララはまた気丈さを感じさせるいつもの表情に戻って、そう言った。

「……ありがとう。……今度は、私が何かおごりますね。」
「…うん。…楽しみにしてるね。」

そう言って、二人して屈託のない笑顔を交わした。

「じゃあ、また今度だね。」
「今日の夜にでも、私のほうから電話します。いいお店、知ってますから。……じゃあ、さようなら!」
そう言い残して、ナエはぱたぱたと慌しく店の外へと駆けていった。



(……おじいさん、あれで良かったのかな………だいぶひどいことしちゃったような気が…)



時刻は午後一時。
食堂のランチタイムが終る頃だった。
14前々スレ731:2007/03/21(水) 15:40:18 ID:LnucLb0U
「…げふう。」
イッキは、深く椅子に腰掛けながら、
傍目から見ても満腹であることが分かるほどに張った腹をさすり、臆面もなくげっぷをしてみせた。
「…下品ねー。ちょっとは場を考えなさいよ。」
アリカは訝しげな表情をしてイッキをたしなめた。

「ふふ。満足してもらえたようで何よりだよ。」
ユウキは手を組んだまま微笑を浮かべた。

「満腹ですー…」
「…はぁー。もう、少しはこっちの身にもなりなさいって…」
そうぼやきながら、アリカはイッキの頭を小突いた。

「アリカ、もっと食べたらよかったのに…あ、まさかダイエット中とか?」
アリカは、思いっきりイッキの頭をはたいた。

「いたっ!なにすんだよ!」
「普通そーゆーこと女の子に向かって言う?!」

二人は周囲の目など気にせず、席を立ち上がり、いつものようにじゃれ合い始めた。
それを見て、ユウキが軽快に笑い出す。

「あっはっは! いやいや、君たちは本当に見ていて飽きないね。」
必死に笑いを堪えようとしていたが、その表情は完全に緩みきっていた。

「ユウキさんも一発言ってやってくださいよー、この鈍感バカに!」
「ど、鈍感バカってなんだよ!」
「あーら、鈍感ともだちバカの方が良かったー?」
まるで山の手の貴婦人のような口調で、いやらしくアリカは言う。
「くううう…!」
イッキは悔しそうに拳を握り締めてアリカをにらむが、
涼しそうな顔で受け流されているだけだった。

一方のユウキは、そんなやり取りについに堪えきれなくなったのか、隠すそぶりもなく笑っていた。

「ははは……パディにも見せてやりたいよ、本当に。」
そう言って、ユウキは腕時計を一瞥する。

「…しまった!今日は総会か……!」
「時間?」
イッキがすっとんきょうな声で訊いた。
「そう。株主総会に……と言ってもわからないか。」
「か、カブ?」
「そう、株さ。それを所有してる人たちとの……まあ、意見交換会みたいなものかな?」
ユウキは珍しく曖昧な笑顔を浮かべた。
「へえ……八百屋さんとかですか?」
「…うん?」
15前々スレ731:2007/03/21(水) 15:40:51 ID:LnucLb0U
「…バカ。」
全く話の腰を掴んでいないイッキに、アリカは深いため息混じりに言った。
「…………?」

いまだ表情からクエスチョンの抜けきらないイッキを見て、
ユウキはまた口元を緩めた。

「…もう。ほら、とっとと行くわよ、イッキ。ユウキさんだって忙しいんだから。」
「すまないね、見学のほうも案内できればよかったんだけど。」
ユウキはバツが悪そうに微笑んだ。
「いやぁ…そんな。」
「いえ、いいんです。昼食をごちそうしてもらえただけで、もう充分過ぎるくらいでしたから。」
お茶を濁すような礼を言うイッキに代わり、アリカが凛とした感じで謝辞を述べる。
ユウキは思いのほかにしっかりと礼を言われてしまったので、その様子に感心したような表情を浮かべた。
「そうかい? 」



「じゃあ、僕はここで。メダロット社の中には他にも色々と見れるものもあるから、楽しんでいくといいよ。」
そう言い残して、ユウキはエレベーターへ乗り込んでいった。ドアが閉まるまで、手を振りながら。

「行っちゃったねー」
イッキは少し残念そうに言った。

「副社長だからねー。…いくらヒマだっていっても、やっぱり色々あるんでしょ。」
「うーん……」
渋面を浮かべるイッキを見てアリカは、しょうがないヤツ、という風に苦笑した。

「どーするイッキ? 他にも見ていく?」
「あー…、なんか疲れちゃったよ。」
イッキはけだるそうな表情を浮かべ、肩を落とす。
「体力ないわねえ、男のくせに。……って言いたいところだけど、私もちょっと疲れたかな…」
「…じゃ、帰る?」
「そうしよっか。あ、そうそう。帰ったらアリカ新聞書くからそのつもりでね。」
「うぇー」
あからさまに嫌そうな表情を浮かべるイッキを無視し、アリカはすたすたと歩いていった。
16名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 13:59:58 ID:v9TcyfSM
>>1
乙枯山、定期的に保守しなきゃな。

一応これを置いてく
ttp://sslibrary.arings2.com/
17前々スレ731:2007/03/24(土) 06:23:31 ID:c3tO6l1S
>>16
乙です
保管庫にも保存してある分まで投下してるけど
保守がてらってことでよろしくです



駅から家まで続く川べりの道を、小さい影が二つ、仲良く並びながら帰る。

「…」
「……」

いつもなら、性差など微塵も感じさせないような雰囲気で会話に華が咲く彼らだったが、
さすがに人ごみにもまれて何十分も電車の中で立ちっ放し、というのは少々きつかったらしく、
互いに無表情で黙りこくったまま、ただ淡々と歩き続けていた。

そんな様子のまま歩き続けているうちに、二人はようやくそれぞれの家の前まで到着した。
元々家が隣同士なので、基本的に帰りはギリギリまで一緒だ。

じゃあまたね、と言ってそそくさと家の中に入ろうとするイッキの肩を掴み、アリカは低めの声で言った。

「アリカ新聞書くから、座布団とお茶とお菓子を用意しておいてね。」
「…………はい。」
「じゃ、よろしくー!」

それだけ伝えると、アリカは脱兎のごとき勢いで家の中へ入っていった。
凄まじい勢いで閉められた隣家のドアを前に、イッキはがっくりとうな垂れた。


(……元気だなあ…。)

相変わらずの強引さに呆れるイッキ。

だが、何ゆえか。
彼の表情は嬉々としていた。
18前々スレ731:2007/03/24(土) 06:26:38 ID:c3tO6l1S
(場面変化・キララ)

思えばそれらは、彼女にとって分水嶺というところだったのかもしれない。

昼、メダロット本社のカフェでナエに言われた言葉の数々は、
冷静になって考えてみると、実に的を得てばかりで、深々と納得してしまうものばかりだった。

ナエの浮かべた、緩みのない、凛とした大人の表情。

自虐でもなければ自嘲でもなかった。

しかし余計な気遣いなど一切なかった。

過大でもなければ過小でもない。
ひとりの、一個の等身大の人間として話した。そういう感じを彼女は受けていた。

自分がアルバイトをしている部署に戻っても、彼女はぼうっとした気持ちのままだった。

友人の前で涙を流してしまったことと、自分の本当の気持ちを看破されてしまったこと、
そして彼女の想いを知ってしまったことなど、あの短時間の間に起きた出来事を、まだ整理できていないのだ。

彼女が考えあぐね、思いつめた結果、それはある一つに回帰した。


…ヒカル。
ヒカルに会おう。


そこには理論的な思考なんて、一切存在しなかった。
ただ、会わなければならないという、どこから来るのかもわからない
漠然とした使命感に駆られたのだった。
19前々スレ731:2007/03/24(土) 06:35:56 ID:c3tO6l1S
そう発起してからのキララの行動力は、実に見上げたものだった。

口からすらすらと適当な言い訳を並べ立て、
それに大げさに相槌を打って感嘆を示す上司をやり過ごし、
ロッカールームで私服に着替えたのち、足早に職場を後にする。

社員の行きかう廊下を急ぎ足で駆けてゆき、正面ロビーの休憩席に座り込む。


当のヒカルの場所はわからなかったが、それはたいした問題ではなかった。
高校生ともなればもう携帯電話は必携、更に番号もアドレスも知っていれば、
相手が今何処に居るかなどまるで関係がないからだ。


…しかし、それほどまでに素晴らしい行動力を発揮してはみたものの、
いざ携帯の液晶画面に表示された「アガタ ヒカル」の名前をみると、どうしても煮え切らない彼女がいた。

通話ボタンを何度も何度も押しかけたが、どうしてもその踏ん切りをつけられない。

バイトを途中で抜け出すいいわけは、あれほどすらすらと考え付いたというのに、
幼馴染のヒカルと会うためのいいわけは、これほど考え込んでも出てこないのか。

キララは、心底自分自身が腹立たしかった。


(ナエちゃんに言われて、涙を流して、やらなきゃと思って。
…結局直前になって、私は臆病風に吹かれている。
こんなところで足踏みをしていいわけない。大丈夫。やれる、私はやれるよ…)

逸る自分をなだめるように、キララは大きく息を吸って深呼吸をする。
そして、「通話」と書かれたボタンを押そうというその時、あまりにも聞きなれた声が彼女の耳に入った。

「…キララ? こんなとこでなにやってんの?」
20前々スレ731:2007/03/24(土) 06:40:07 ID:c3tO6l1S
キララは思わず肩をびくりとさせた。
聞き慣れた声に呼ばれ、上目で見上げたその先には、ヒカルが立っていた。


「まだバイト中なの?」

ヒカルは、何食わぬ顔でキララの隣に座る。

「………え、あ、う、ううん。も、もう終ったよ。」
「ふうん。そっか。」
そう言って軽く頷き、腕時計をみやる。

「もう三時過ぎかあ」
視線を中に上げ、ヒカルは独り言のように言った。

「参ったよ…博士にこき使われっぱなしで。」
「…博士って…ひょっとして、朝から…ずっと?」
「まあね。お陰で昼飯も食べてないし…。」
苦笑いを浮かべながら、ヒカルは腹をさすった。

つい先程までこの上なく張り詰めていた彼女の緊張の糸は、
幼馴染のいつもと変わらない仕草や表情を見て、随分と緩んだようだった。
自然と、キララの表情も穏やかになる。

螺子を締めすぎれば螺子山が潰れて使い物にならなくなってしまうように、
人の気もまた、ただ引き締めればいいということではない。

彼女は心の底で、そんなことをうっすらと実感していた。


そして、だからこそ、彼女から言い出せたのかも知れない。

「…ね。」
キララは、ヒカルの顔を覗き込むように向き直る。
「…今度は何?」
先ほどと同じように、ヒカルは軽く眉をしかめた。
「今日さ、ヒカルの部屋行ってもいいかな」
「…えぇ?」
「今なら夕飯もセット。更に特別にキララおねーさんが勉強もみてあげます。」
「ううん……………まあ、いいけど。」
渋々ながら、ヒカルは納得した様子。

というよりも、自炊がいまだにうまく出来ないヒカルにとっては、
誰かが料理を作ってくれるということはこの上ない魅力だった。
加えて、博士からの呼び出しが多いせいで最近はろくろく勉強も出来ていない。

それらを考えれば、ヒカルがそれを承諾するのは至極当然のことだった。
21名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 01:35:14 ID:hENWo0nQ
sage
22名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 03:26:46 ID:feaCpUU5
しばらく見ないうちにイイのが投下されてんな
頑張ってください
23名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 12:43:51 ID:gOhw6Ff7
保守
24前々スレ731:2007/03/31(土) 04:36:23 ID:qASFQ211
全く手を加えてないのでかなりゆとり入ってる文面もあるかも知れませんが
神光臨までの暇つぶしと思って見てやってください。
25前々スレ731:2007/03/31(土) 04:39:55 ID:qASFQ211
「じゃ、早速。」
そう言って、キララは立ち上がった。
「え、今から?!」
「夜遅く行けるわけないでしょ?ほら、はやくはやく!」
そう言って、キララは半ば無理矢理にヒカルの背を押す。
ヒカルは困ったように顔をしかめたが、その表情はどこか嬉しそうだった。



久々に入った部屋のなかは、かなり雑然としていた。

さすがに異臭はしなかったが、衣服などはかなり散らばっている。
それでもある程度の規則性を持って置いているつもりらしく、
片付けようとするとヒカルが制することもあった。

「これ、どう見ても洗ってないわよね?」
ベッドの上に置かれたTシャツを拾い上げる。

「いや、洗ったよ。畳んでないだけで。」

いたって真面目な顔で主張するヒカルだったが、
キララが持つそれには洗濯後の清潔感が全くなかった。

ぐちゃぐちゃに丸めた紙のように折り目がびっしりとつき、
いたるところに毛玉が付着していて、更によく見ると色移りまでしている。
26前々スレ731:2007/03/31(土) 04:40:59 ID:qASFQ211
「…これ、他の何かと一緒に洗ったでしょ?」
「…うん。」

はあ、とため息をつき、キララは洗濯機のある脱衣場へ向かった。

「いい? こーいう白いのはね、色ものと一緒に洗っちゃいけないの。」
よれよれのTシャツをネットに詰め込みながら言った。

「はぁー…なるほどー…。」
「こんなに色移りしてよく大丈夫だったわねー?」
「だって、制服着てるからわかんないし。」

そうだった、とキララは思い出した。

ヒカルは、同年代のそれと比べても、服に関しては圧倒的に無頓着だ。
高校生といえば、一般的にはもっともお洒落に対する感性が磨きこまれる時期だと思うが、
ヒカルに限っていうならそれはまったくの例外。
ニ、三日同じものを洗って着回すことはザラだ。

そもそも彼が持っている服の数自体も決して豊富ではないから、
必然的にそうなってしまうわけだが。

「…これでよし、と。」
バタン、と洗濯機の蓋を閉めた。

「あとは、そのままほっとけば大丈夫。」
「はー…凄いねえ。」
「少しは覚えなさいよねー。…よくもまあ、これまで生活できたわね。」
「だって」
ヒカルはそこで間を置いた。
「だって…何?」
「キララがほとんどやってくれたからさ。」


キララは、頬が少し紅潮したような気がした。
27前々スレ731:2007/03/31(土) 04:41:31 ID:qASFQ211
洗濯機の稼動する無機質な音が、微かながら居間に響いている。


ヒカルの住むマンションに限らず、日本の集合住宅というのは須らく手狭だ。

最低限の生活空間を、限られた敷地の中で間取りしなければいけないわけだから、
そうなるのは全く持って無理がないことだ。

ダイニングキッチンのすぐ横に、リビングがある。
部屋の広さそのものは目見当で六畳ほどに見えるが、
そこに三人がけのソファーと食事用の卓、テレビやMDコンポなどが置かれてしまえば、
自由に出来るスペースなどその半分もない事は明らかだった。

おまけに、所狭しに置かれたパーツや工具などの
メダロット関係の備品のせいで、その広さはいっそう縮まっている。

だからどうしても、彼らは隣り合って座るしかなかった。


「……」
「…」

テレビでは、かつて人気だったドラマの再放送をやっていた。

映画を元にリメイクされた純愛もので、丁度彼らが小学生だった頃にブレイクし、
シナリオの秀逸さと豪華な俳優陣が話題を呼んだものだった。

その頃は猫も杓子もそれを見ているほどの流行り具合だったので、
特にドラマに興味のない年代だった彼らの記憶の中にも、うっすらと断片的なシーンは残っていた。

「……」
「…」

テレビの中では、顔立ちの整った男女が二人、夕暮れの海岸を歩いていた。

悲恋を題材にしたような筋書きの中では、ありがちな光景だな、と彼らは思っていた。

「…………」
「……」

特別興味をひかれるようなシーンではないが、
彼らは何となくそれに見入っていた。
28前々スレ731:2007/03/31(土) 04:44:14 ID:qASFQ211
だが、やがてドラマは、
主役らしき男性が真剣な顔をして女性の両肩を掴み、
自らの想いの丈を打ち明けるというシーンに差し掛かっていた。

当時、色々と過激なシーンの描写で問題になったことをうっすらと覚えていたキララは、
その先の展開を思い出すとどことなくぎこちない気分になってきていた。

ちらりと横目でヒカルをみやるが、
眠そうな顔をしてテーブルに頬杖をついたままで、特に意識はしていないようだった。

画面の中では、懸命に訴えかける男性、しかし何ゆえかの事情によりそれを拒む女性…と、
既に物語がクライマックスに近い様相を呈していた。

やがて訪れるであろうシーンを考えると、
キララは今すぐにでもテレビを消したい衝動に駆られた。

加えていうなら、まるでそのドラマに急かされているような気がしていたからだ。
カメラワークのせいか時おり、テレビの中の主人公と目が合う。
その度に、早くしろと促されているような気分になって、ひどく落ち着かなかった。

彼女はぶんぶんと首を横に振って、その非現実的な考えを心から追い出そうとする。

「…どうしたの?」
「え?」

彼女は、隣に幼馴染がいるという事実を失念していた。
突然首を横に振ったキララを前に、ヒカルは不思議そうな顔をしていた。

「…あ、その、肩こったなあ、って。」

急場の言い訳にしては悪くない出来だ、と彼女は思った。

それに、別に肩がこっているというのは嘘じゃない。
折からの休みで毎日アルバイトの日程を入れていたため、
デスクワークによる慢性的な肩こりになっていたのは事実だった。
29前々スレ731:2007/03/31(土) 04:45:52 ID:qASFQ211
「アルバイトで疲れてるんじゃない?」
「たぶんね。そうだと思う。」
とんとんと肩を叩きながら相槌を打つ。

「僕も最近目が疲れてるよ。」
「…目? 博士からの頼まれごと?」
「そう。データの打ち込みなんだけどね。経費削減、とか言って電気つけさせてくれないんだ。おまけに毎日来いって言うし…」
「博士らしいわねー」
渋面を浮かべるヒカルに、キララは苦笑した。

「おかげで、最近は殆どキララと会えなかったよ。」
「あはははー…………… へ?」

突然の言葉にヒカルの顔を見ると、
まるで先ほどのドラマの男優のような真剣さをたたえた表情をしていた。

「えっ、…っと……………」
キララは、どう返していいか分からず、困惑していた。

だが正確にいえば、それは困惑ではなく、期待。

ここから至る事の顛末を彼女の想像力が一瞬で思い浮かべ、
しかし理性がそんなことになるわけがないとそれを抑制する。
ゆえに、彼女はどう返すべきなのか、解らない。

「………」
ヒカルは、キララの出方をうかがうように、じっと顔を見つめていた。

「…さ、最近は確かに会ってなかったかな……うん。」

まずは、ヒカルの発言に他意があるのかどうかを確認したかった。


言葉以上の意味がそこにあるなら、…それを受け入れる。
もしもそうでないなら。……自分から踏み出そう。


キララがそう決意を固めた時、それは突然に訪れる。

彼女のすぐ隣から伸びた腕が、華奢な体に回された。





ドラマは、ちょうど男が相手役の女性を抱き寄せたところだった。
30前々スレ731:2007/03/31(土) 04:48:03 ID:qASFQ211
「や…」

ヒカルが背後からそっと抱きしめると、キララは小さく声を上げた。
そしてキララの首元まで顔を近づけ、くん、と鼻を鳴らした。


「…」
時折聞こえる溜息のような呼吸に、ヒカルの心臓はますますに高鳴っていく。
かすかに触れ合う頬から感じる体温は、彼が昔母親の腕の中で感じたものと少し似ているようだった。

「……ダメ、かな。」

少しの間続いた沈黙を破り、ヒカルが呟くように言った。


それを受けて、キララはほんの少しだが、確かに首を横に振った。
だがそれが精一杯だったらしく、頬をこれ以上にないくらい紅潮させたまま、押し黙ってしまう。


ヒカルはキララに拒絶の意思がないことを知って、抱きしめる腕に少し力を込めた。
その加減に気付いたのか、キララの体が、ぴくんと一瞬震えた。


「…僕は、……キララのことが好きだ。…キララは、…。」
ヒカルはそこで言葉を区切り、口を閉じた。
肯定の言葉をキララの口から言わせたいという、ほんの少しの意地悪に駆られていたのだ。

「……」
「………」


「……す、……好…き、だよ……。」
キララが呼吸と共に言葉を吐き出すような、小さな声で呟いた。
そして、自分を抱きしめるその腕にそっと手を触れる。
31前々スレ731:2007/03/31(土) 04:49:00 ID:qASFQ211
これまで、両親以外の誰にも抱かれたことのない幼馴染の体を
自分が抱いているという事実に、ヒカルは意識のどこかで、男性としての心理を刺激されていた。

そしてキララもまた、幼少より慕っていた異性が自分を抱きしめているという現実に、
女性としての満足感と、それ以上を求める本能的な欲求を刺激されていた。


だからそれは、どちらともなく、必然的に訪れることだった。

「……キララ。」
ヒカルは顔を前に出して、キララのすぐ横に寄せた。

いつの間にかキララは、ちょうどリクライニングのソファーのような形で、ヒカルに体を預けていた。


「…な、なに……ぃ、ひっ………」

ヒカルが、赤くなったキララの耳を一度はむと、
キララは声を押し殺すように、小さく声を上げた。


「ひ、…ひかる……」


まるで幼子が呼ぶような、たどたどしい口調。

吐息混じりに自分の名前を呼ばれ、
ヒカルは込みあがる劣情を抑えきれずにいた。


(いいかな……………いいよな………)


心の中で自分に言い聞かせると、
ヒカルは服の上からキララの乳房に軽く触れる。

丁度手のひらに収まるほどの大きさのそれを、
ゆっくりと包み込むように握る。
32前々スレ731:2007/03/31(土) 04:51:27 ID:qASFQ211
「っ!」
生まれて初めて体感するその感触に、キララは満足に声も上がらず喘いだ。

一度大きく息を吐くと全身がじわっと熱くなってゆき、
徐々に呼吸が早まっていく。


「…ひかる、……っか…る……」

キララは目をつぶったまま、荒く息をしながらヒカルの肩に顔をよせた。

自分の肩によりかかり、荒く呼吸を繰り返す幼馴染を前にして、最早ヒカルの理性は限界だった。

額に汗を浮かべ、目をつぶったまま自分によりかかるキララを、ヒカルは一旦自分の体から引き離す。
それに気付いて、キララがゆっくりと目を開ける。
焦点のぼやけたような視線で、キララはヒカルの顔を見つめた。

「……キララっ。」
そう一言、幼馴染の名前を呼ぶと、彼は唇を重ねた。
唇が触れ合う瞬間、ちゅぷっと唾液が混ざり合う音がした。

「ん……ふっ………」
ヒカルは赴くままに、舌を口内へと滑り込ませる。
にゅるにゅるとした内頬の感触を、舌でゆっくりと確かめる。
その淫猥な愛撫にキララは頬を更に紅く染め、眩しそうに目を細める。

まさに目と鼻の先にある幼馴染の顔。
お互いにとってこれまで経験したことのない、あまりにも近いその距離。
それがいっそう二人の気持ちを昂らせた。

呼吸が満足に出来ないことも、二人にとっては未知の快感となっていた。

時折接吻を止めて、荒く息継ぎをする。
しかしまたすぐに唇を重ね、お互いの唾液を流し込むように、深く唇を合わせる。

「くふっ……んぅ、……ぢゅる……」

ヒカルがねっとりと舌を絡ませると、
キララは背中を突っ張らせてびくんと反応した。


「ちゅく…ぢゅる、ぴちゃ……ふっ、ぅう……ぢゅ……」

二人の口内は、お互いの唾液でいっぱいだった。

ヒカルが少し唇を離した時に、
ヒカルに組み伏せられる形で横になったキララの口元から、すーっと唾液がこぼれた。

更にそのままゆっくりと唇を離していくと、ぬるっとした唾液が糸を引いて、キララの口元に垂れる。

消え入るような小さい声で、キララはその名を呼んだ。
「……ヒカル…」
33前々スレ731:2007/03/31(土) 04:53:44 ID:qASFQ211
まどろむような表情。
焦点の合わない瞳。
紅く染まった、柔らかそうな頬。

「キララ……、…か、」
「……か………?」
「かわいいよっ……!」

そう言って、ヒカルはキララをぎゅっと、胸に押し付けるように抱きしめる。

「…あ、………っ」

腕の中で漏らされた吐息に、ヒカルはいっそうの愛おしさを覚えた。


まるで自分のにおいを染み付けるかのように、
ヒカルは念入りにキララの口内を愛撫する。

唇の触れ合いから、舌の絡み合いへと。
歯の、つるりとした無機質な感触すら愛しい。

もどかしそうに開かれた彼女の手に、自分の手を重ねるようにして置く。

キララの口内を一通り味わい、唇を離すと、
形のいい唇が小刻みに震えていた。

その端から顎へと、唾液がつーっと伝わっていく。
相変わらず眩しそうに目を細めたままのキララの吐息が、鼻をくすぐる。

ヒカルは、そっとキララの頬を撫でる。
キララは潤んだ瞳でヒカルを見つめた。

それは、情交の前戯の最中にあって、
子供同士のじゃれ合いを思わせるような、純潔さを感じさせる光景だった。

「…ヒカル、……しよ?」
薄紅色の唇が小さく動いて、そう言った。
34前々スレ731:2007/03/31(土) 04:55:40 ID:qASFQ211
お互い、いざという時にやってくる気恥ずかしさからか、
背中を向け合って服を脱いでいた。

静かな部屋の中に、衣擦れの音だけが響く。

「…ヒカル? …終ったよ。」
既に服を脱ぎ終えていたヒカルは、ゆっくりと首を後ろに向けようとする。
が、その直後にキララに制止された。

「ま、待って!」
「…な、何?」
急に叫ばれて、ヒカルは何事かと焦りの色を浮かべた。

「その……カーテン、閉めよ?」
「…わ、わかった。」

ヒカルは、自分の前方にある窓へ近づき、カーテンを閉めていく。
陽は既に傾き始めていて、部屋の中の採光が徐々に奪われていく。

やがて、カーテンを閉めていく途中に、ヒカルは気付いた。
窓ガラスに、幼馴染の一糸まとわぬ後姿が映りこんでいることに。

既に事を目前に控えた今、そんなものに見惚れる意味がないことは彼もよく分かっていた。
だが、そんな理屈では説明できない感情が彼を支配し、
カーテンを閉める手を止め、ヒカルはしばしそれに見入ってしまった。

「…ヒカル?」
いつまでもカーテンを閉め終えないことを不審に思い、キララは声をかけた。

「…え! あ、ああ、ごめん。」
ヒカルは慌ててカーテンを閉める。
そして、ふーっと息を吐き、精神の落ち着きを取り戻そうとした。

「…閉めた?」
僅かな間の後、キララは確認の意味を込めて訊いた。
「…うん。」
「じゃあ、…いいよ。」

キララが言い終わるか言い終わらないかのうちに、ヒカルは後ろを振り向く。
35前々スレ731:2007/03/31(土) 05:05:08 ID:qASFQ211
「……あれ?」
ヒカルは、その光景に戸惑った。

キララは、ベッドに入り、薄いショーツにくるまっていた。
てっきり、直立のまま待っているのかと思っていたヒカルは、一瞬困惑した。

「…なに?どうしたの?」
「どうしたの、って…あれ?」

つい先ほど、窓ガラスにその肢体が映りこんでいた筈。
なのに、当の本人はベッドの上にいる。

不思議に思って辺りを見回すと、
壁にかけられたカレンダーが目に入った。
そしてそこには、スタイルのいい女性の水着姿が映った写真。

「……まさか。」
ヒカルの中で、自分の猜疑を打ち消すひとつの結論が出された。

「……どうしたの?なんか、さっきから変だよ。窓のほう向いたまま、立ち尽くしたり…」
「……ううん、なんでもない。」
ヒカルは、自分の度量の小ささに少し落胆した。

「…それより、その……とりあえず、入ったら…?」
キララは頬を染めて、呟くように言った。

「え?」
そういわれて、ヒカルは自分の体を見おろす。
すっかり、自分が全裸であるということを失念していた。

俯くキララを察し、足早にベッドへ駆けていく。

「…えっと、……お待たせ。」
少しでも気の利いた言葉を言おうとしてひねり出されたのが、それだった。

「…うん。」
キララは、おかしそうに笑いながら頷いた。
その笑顔と仕草に、ヒカルはくすぐったい気持ちを覚えた。

ゆっくりと、キララの肩に手を回す。
思ったよりもずっと熱く、そして柔らかいその感触に、ヒカルは感嘆の吐息を漏らす。

「その……」
「…何?」
「…痛く、しないでね?」

上目遣いに、キララは言った。
36前々スレ731:2007/03/31(土) 05:05:42 ID:qASFQ211
寝て起きたらまた再開しますん。
では。
37名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 10:49:35 ID:GZ3JH9CX
乙!!
38前々スレ731:2007/04/01(日) 04:03:00 ID:40QT7PUW
期待と不安が入り混じった気持ちの中、
ヒカルは三度キララと唇を重ねた。

既に舌を入れる事に対する羞恥は薄れ、更に奥を求める欲求が湧き出ていた。
自然と大胆になり、先程のそれ以上に舌を動かす。

情事の際に口内に湧く、
独特の粘性を持った唾液をお互いの舌から舐めとるように、ねっとりとした愛撫を繰り返す。
頬の裏側の軟い皮膚を舐め、お互いの舌をはむようにして貪り合う。

唇を重ねたまま、ヒカルは丁度手に収まるくらいの大きさの、キララの乳房に手を触れる。

包み隠すように触れると、丁度手のひらの真ん中あたりに、やや固い突起が触れた。
ヒカルは、それを中に押し込むように掌で押さえ込む。

「ひっ、………ぅん、…………ちゅ……」

キララの口から漏れた嬌声を、ヒカルは更に深く唇を重ね合わせて塞ぐ。

押さえ込むように触れていた乳房から手を離し、今度は突起の部分をつまむようにいじる。
先端に触れる度に、びくんと体が震えた。

唇を離すと、唾液が糸を引いた。

ヒカルが、キララの乳房に顔を近づけると彼女もそれを察し、
母親が赤ん坊に授乳をさせる時のように自らの乳房を持ち上げた。

はぷっとヒカルが吸い付くと、キララはまた抑え気味に嬌声を上げた。

乳輪から渦巻きを描くように、その先を舌でいじりまわす。
一方で、片方の手では、もう一方の乳房を掴み、手の中で少し乱暴に揉みしだく。

「やっ、はあっ、ん、あっ、…ひゃうっ……だ、だめ…ぇっ」

絶え間なく押し寄せる生まれて初めてのその快感に、
キララは抗うことも出来ず声を上げる。

「っあぅ、…ら、…いう……っふ、あ、…んんう……」

いつの間にか、キララはヒカルの頭を抱き寄せるように抱えていた。
快感のためか時折その黒髪に顔をうずめ、小さく押し殺すように声を上げる。
たとえヒカルがその相手であっても、まだ臆面もなく喘ぐことに対する羞恥心は残っていた。
39前々スレ731:2007/04/01(日) 04:05:40 ID:40QT7PUW
ヒカルの愛撫は続いた。

舌で転がすように舐めていたそれを、
舌先で先端をくりくりと押したり、歯を当ててみたり、
甘噛みをしたまま、その先を舌で舐め回してみたり。

「あうっ!」
ヒカルが思いっきり乳房を吸い上げると、キララは反り返るように体を突っ張らせた。

口をそれから離した時、形のいいキララの胸が揺れ、戻った。

キララはまだヒカルの頭を抱いたまま、放心しているように呆けた表情を浮かべていた。
快感のあまり、まだ現実に戻れてきていないのだ。

ヒカルが顔を近づけると、瞳の焦点がようやく戻った。

「……どう?」
「…おかしくなりそう……」
キララは頬を染めたまま、伏目がちに言った。
その仕草が、快感の壮絶さを何よりも雄弁に物語っていた。

「……次は、………ヒカルの番。」

キララは髪を耳にかけ、ヒカルの膨張した性器に顔を近づけた。

「……マ、…マジで?」
その問いに答えることなく、キララはそれを口に含んだ。
口の奥、喉の手前まで咥え、先がすっぽりと覆われる。

「……は、……ぅ…」

ヒカルは、体のほんの一部から広がる未知の快楽に、心ならずも声を上げてしまう。

キララは先程のお返しとでもいわんばかりに、舌を激しく動かす。
つるりとした感触を楽しんでいるのか、まるで飴玉でも舐めているかのように。

ヒカルは腰を落とし、両手を後ろについて体を支えるのが精一杯だった。
40前々スレ731:2007/04/01(日) 04:07:38 ID:40QT7PUW
「…ぅあ、………やば…………すごっ、気持ちいっ………ぅ…」
「ん…んふっ、ちゅぽ、っふ…………きもち、いひ?」
そう上目遣いに聞かれたが、
性器を包むまったく未曾有の快感と、その幼馴染の愛しさが相まって、ヒカルはもう何も考えられなくなっていた。

応えないヒカルを察し、キララは首を上下に動かし、愛撫を激しくする。
口の中で、先っぽがほんの少し膨れたような気がした。
それと同時に、舌に当たっている筋のような部分がぷっくりとふくらみ、
温かい粘液質のものがキララの口内へ放出される。
喉にはりついた分もあれば、舌の上に出された分もあった。

「――ん、こふっ、……っふ、……」

ヒカルの体が小刻みに震え、口の中でそれが暴れ回るように脈打つ。
やがて大きく肩で息をするヒカルを見て、キララはひとまず終ったのだろうと解釈し、口を離した。

「……ろう? ヒカル?」
口の中に溜まった精液をそのまま、キララは訊いた。

「……おかしくなりそうだよ。」
苦笑いを浮かべならも、ヒカルは素直にそう言った。
それを聞いてキララは満足そうに笑い、
口の中に残っていた精液を唾液と共にごくりと飲み下した。

「………の、飲んで平気?」
「…平気だよ。………ヒカルのだもん。」
「………」

面と向かって言われ、
ヒカルはまたも愛おしさのあまり、無言でキララを抱き寄せた。

しかしそのまま抱擁を交わすわけではなく、
ゆっくりとキララをベッドに寝かせた。

「…じゃあ、次は僕の番、だね。」
「………うん。」
そう頷き、体の両脇に置かれたヒカルの手をぎゅっと握った。

「……その前に。」
「…なに?」
ヒカルは傾けていた上体を一旦戻す。

「…キララがしてくれたんだから、僕も。」
そう言うと、キララの足をばっと開かせた。

「や…っ、ちょっ…」
「……まだ、これからだから。」

そう言って、ヒカルはじゅんと濡れたキララの恥部に、そっと、あてがうように指を触れた。
41前々スレ731:2007/04/01(日) 04:11:13 ID:40QT7PUW
一方で彼女は、今更のように背徳感に駆られていた。

これで、いいんだろうか。
そう自問したが、答えは出てこない。


ナエの、ひとりの女としての告白を思い出した。
彼女は言った。自分もヒカルのことが好きだった、と。
そして、真剣にその想いを伝えることをも考えた、と。

彼女はこうも言った。
想いを伝えなかったのは、「あなたがいたから」だと。

それは、ある意味で負けを悟ったような境地に似た物があるのだろう。
完全な差を見せ付けられ、抗う気概も無くなり、勝負すらしない。
キララから見れば、それは好ましい言い方ではないが、自分の「圧勝」に他ならなかった。
有り体にいうなら、力勝ちとでもいえるのだろうか。

無論、色恋沙汰は必ずしも勝負ではない。
人それぞれ、個々人で千差万別。
それを勝負ととるか、単なるコミュニケーションととるかは、概して言えることではない。

でも。
究極的に客観視をしてしまえ、結局、ナエは負けたことに他ならなかった。
そしてキララは、勝負にこそ出てはいないが、結果として勝ったというのは事実だ。

それは図らずも、キララが幼少より築いてきたヒカルとの信頼関係によるものだ。
決して、誰にも埋める事の出来ない時間の差が、その分水嶺だったに違いない。

もちろん、キララはそれを勝ち負けに区別することを良しとしない。
そんな淡白な二元で分けてしまうことが、何だか悪いように感じられるから。

ナエは単に諦めたというわけではなかった。
自ら身を引き、この上ない覚悟で退いた上に、キララ自身に対して叱咤すらくれた。

それはきっと、ナエだからこそ出来たこと。
同じ相手を愛した、同じ性を持つ人間だからこそ、出来うることだった。

キララは、そんなナエに尊敬の念すら抱いた。
凛とした大人の表情で、自分を叱ってくれた、そんなナエの器量に。

だが、今の自分はどうだろうか。

自分から言い出すつもりが、ヒカルに先んじられ。
純粋に伝えたいとだけ想っていたはずの気持ちは、いまや情欲に溺れかけ。
快感の波に呑まれ、ナエの悲壮な決意すら忘れかけていた。
42前々スレ731:2007/04/01(日) 04:12:30 ID:40QT7PUW
キララは今の自分に、ひとりの女性としてひどく引け目を感じていた。

それは、ヒカルとそういうことをしているという事実に対して、
彼女がほんの少し感じていた罪悪感に因るものでもあった。

当然、法律で決められてなどいない。
時と場所を考えれば、基本的に誰と契りを交わそうとも自由だ。

でも、今の自分はそういう次元ではない筈だ。
ナエの決意から来た告白を、まるで踏み台かなにかのようにし、挙句快楽に溺れている。


今の自分は―――


気がつくと、キララはヒカルの手を止めていた。


「……痛かった?」

最初にヒカルの口から発せられたのは、キララを気遣う言葉だった。

キララを気遣う言葉には変わりなかった。
だが、それは今しがたまで続いていた行為のことであり、
キララが考えている事とはまるで違う、むしろ正反対のこと。

「…違うの。」
「……じゃあ、…やっぱり、怖い?」
「………」

彼女は、うまく言い出すことが出来なかった。

「……どうしたの?…」
「……」

うまく言い表すことの出来ない自分に、少なからず彼女は苛立った。
43前々スレ731:2007/04/01(日) 04:13:21 ID:40QT7PUW
早い話が、それは自己嫌悪だった。

人としての尊厳をかけたナエの叱咤の後に、
こうして男と肉欲に溺れている自分に対する、邪険な感情。
その行為の先を知ることに楽しみを感じていたこともどこか腹立たしかった。

ただ、それを、何の事情も分からないヒカルに対して説明しようとすると、
どうしても言葉が出てこなかった。
どこから説明すればわからない上に、
自分へ感じる蔑視的な感情のせいで頭の中は混乱し始めている。

彼女はただ、ヒカルの手首を握ったまま、
睨むとも見つめるともつかぬ視線を送ることしか出来なかった。

その一方で、ヒカルは何か自分に落ち度があったのかと考えあぐねているようだった。
時折浮かべる訝しげな表情は、何か思い当たる節でも見つけたのだろうか。
ただ、それもやはり正解とは考えにくいらしく、またすぐに困惑の表情に戻ってしまう。
原因はキララ自身にあるのだから、それは当たり前のことだった。

「……何か、僕にまずい所があったなら、謝るよ。…ごめん、キララ。」

そう言って、ヒカルはそっとキララを抱き寄せた。

行為の続きをしたい為に嫌々謝っているような感はどこにもなく、
本当に真摯に、自分の過ちを認め、贖おうとする口調だった。
そしてその表情は、少しも渋面ではなかった。

そんなヒカルの態度だったからこそ、
彼女の思考はそこで半ば無理矢理に止まった。
でも、それは彼女が理性を以って考えることを止めただけの話で、
彼女の心の中では今だ、自分を責める、罪悪感に満ちた思考があふれ出ていた。

もう何も考えられず、優しく抱き寄せられた胸の中で、彼女は涙を流した。

「……っく、……ひっ………ぅわぁあん……」

突然泣き出したキララに、ヒカルは初め、心底動揺したような表情を見せた。
だがそれでも、今の自分に出来ることはそれしかないと思ったのか、
震える肩をそっと包み、ぎゅっと抱きしめた。

キララは、まるで赤子がそうするかのように、ひたすらヒカルに抱きついた。
背中まで手を回し、ぎゅっと両手を握り。


もう、何がいけないのかも分からなかった。
だが、何も分からないこそ、彼女は泣くことしか出来なかった。
44前々スレ731:2007/04/01(日) 04:14:33 ID:40QT7PUW
小一時間ほど経ち、彼女はようやく精神の冷静さを取り戻した。
体は相変わらず火照ったままだったが、涙で濡れた頬は少し冷えていた。

ヒカルはその間中、ずっとキララを抱きしめていた。

昔両親にしてもらったように、腕枕をしながら。
優しく優しくキララの髪を撫で、少しも急かす様な真似はせず、ずっと。

「……ごめんね、……」

ヒカルの名前を言うべきかどうか、彼女は一瞬躊躇した。
勿論、突然泣き出してヒカルを困惑させてしまったことは申し訳ないと感じている。
だが、元は誰に謝るべきなのかといえば、それはヒカルにではない。ナエにこそなのだ。
だから、彼女は一瞬の躊躇の後、…自分にしか聞こえないような小さい声で、その名前を呟いた。
「ナエちゃん」と。

「……いいよ、キララ。キララは、何も悪くないんだ。」

事情は何一つ知らないヒカルの言葉だったが、
その何も悪くない、という言葉は、今の彼女にとっては随分と救われるものだった。

そんな、少し見当違いの優しさでさえ、今の彼女の涙腺を緩めるには充分だった。
彼女は、目の端がじんわりと潤み、また視界がぼやけるのを感じた。

「………私、私ね。今日、ナエちゃんに言われたの。」

キララの話はいきなりだったが、
それでもようやく核心を話してくれると感じたのか、
ヒカルは優しい笑顔を崩さずに耳を傾けた。

「ナエちゃんもね、…ヒカルのこと、好きだったんだって。
でも、諦めたんだって。…なんでだと思う?……私が、いたからなの……!」

そこまで言い終えた時、再び彼女の目から涙がこぼれた。

「私がいたから、ヒカルのこと、諦めたんだって…!
ナエちゃん、そう言ったの。…そんなこと、普通言えないよ……!
でも、それだけじゃないの。その後、私を叱ってくれたんだよ?
もっとしっかりしなきゃいけない、って…!私にそう言ってくれたの!」

もう、彼女は随分と声を震わせていた。
ヒカルはただ、その華奢な体を抱きしめることしか出来ない様だった。

「なのに、なのに!私、こんなことしてるんだよ?
気持ちいいことして、それでナエちゃんのことなんか忘れてたの…!
最低だよ、私、最低だよ、最低…………さいて…………ぅ…!」

キララはもう、抑えが利かなかった。
声を押し殺すことさえも出来ず、声を上げて泣いた。
許されないとは分かっていても、それしかもう出来ることはなかった。

シーツに、溢れる涙がぽたぽたと零れ落ち、跡をつくっていく。



外は、もう陽がだいぶ傾いていた。
45前々スレ731:2007/04/01(日) 04:17:18 ID:40QT7PUW
「……ねえ、キララ。」

ヒカルの声は、それまでとどこか違う調子だった。
先程までの、気遣いに溢れた優しさのあるものではなく、
何か普通に会話をするような響きがあった。

「……」

キララは、その口調を自分への咎めがあるものだと解釈し、じっと黙る。

「…その、言いにくいんだけどさ。………それ、ウソだよ。」
「へ?」

思わず、キララは間の抜けた声を出してしまった。

「いや、あの。ナエちゃんさあ、僕のことが好きだった……って言ったんだよね?」
「…そ、そうだけど。」
「ナエちゃん、かなり前からもう縁談がまとまってるんだよね。」
「……?」

キララは目を見開いたまま、
ヒカルが何を言っているのかを必死に整理している様だった。

「ナエちゃん、あれで結構いいとこのお嬢様なんだよ。
メダロット博士見てもわかると思うけど、職業研究者ってかなりあっちの方には疎遠になるだろ?
だからってわけじゃないけど、だいぶ早い時期からもうそういう話は考えてあったらしくてさ。
まあ、許婚ってわけじゃないけど……そういう人はいるんだよ。」
「で、でも、だからって…」
「もっと言うとさ……その、えっと…僕、一度……その、言ってるんだよね。好きだ、って。」
「…えぇ?」

キララはそこで急に表情を歪め、さも不機嫌そうな顔をしてみせた。

「い、いや!あれはまだ僕が小学生の頃だったからさ、その、全然他意はないというかっ!」
「…ふうん。それで?」
「そ、それでさあ。その時に、キッパリ言われちゃったんだよねえ…」
ヒカルは、照れ隠しのように笑って見せた。

「……何て?」
キララは、泣き腫らした目を吊り上げていた。
まるで、亭主の浮気を問い詰める妻のように。

「………『ヒカルさんみたいな人は、私のタイプじゃないんです。』…って。」
「…………」

暫くの間、キララは無言でヒカルを睨んでいた。
先程のような弱気な目線ではなく、小さい子供ならそれだけで泣き出してしまいそうなほどの鋭い視線。
ヒカルは、それをはぐらかすような笑いを浮かべながら、あいまいに受け流す。
46前々スレ731:2007/04/01(日) 04:18:20 ID:40QT7PUW
「………でも、それじゃあ、なんでナエちゃんはあんなこと言ったのよ。」
「うーん……もしかしたら、博士から言われたのかもなあ…」
「……博士? なんで、そこで博士が出てくるの?」
「あ、あぁいや!なんでもない、気にしないで!」

質問に答えないヒカルの背中を、キララは回した手でぎゅっとつねる。

「言いなさいよ」
「わ、わかった!ゆう、ゆうから!」

ヒカルは、渋々と言った感じで話し始めた。

「……いや、実はさ………その、ちょっと前に博士に相談したんだよね…」
「……相談?…なにを?」
「えぇっと…その……キララとの関係、について……」
キララは眉をしかめ、その先を促した。

「えっとさ…その、僕、中学校あたりからキララのこと、好き、でさ…」
「……」
「でも、ずっと幼馴染だっただろ? だから、告白してもそういう関係になれるもんかなあ、って思ってさ。」
「……それで、博士に相談したってわけ?」
「…ぴ、ぴんぽーん……」

おどけてみせたヒカルの背中を、キララは再びぎゅっとつねる。
その様は、子供を叱る母親のようだった。

この頃になると、キララの表情からはもう一切の毒気が抜けていた。
泣き腫らした目はまだ少し赤かったが、もう表情に暗い色はない。
むしろ、目の前のヒカルに対してふつふつと怒りを湧き上がらせているようだった。

「それで、私は気にして、泣いて、落ち込んで……なるほど。」
「…あ、あはははは……いや、うん、…泣いてるキララも、可愛かったよ?」

ヒカルがそう言うと、ふっとキララの腕が彼を抱き寄せた。

「……今日は許したげる。…その代わり、今度、メダロット社のレストランでフルコースね。」
「………い、いえっさー…」

ヒカルの返事を聞くと、キララはぽふっとヒカルの胸に顔を寄せた。
そして、呟くよりも小さい声で、ささやいた。

「………続き、……しよ。」
47前々スレ731:2007/04/01(日) 04:20:29 ID:40QT7PUW
割れ目にそって、つっと舌を這わせる。

ふたつの膨らみを舌先で掻き分け、舌を中へ入れ込むと、きゅっと締め付けられた。
その戒めを半ば無理矢理解くように、ヒカルは更に奥へと舌を入れていく。

「あ…ぅ…、は、ん…」
キララはシーツを手でぎゅっと握り、もう片方の手でヒカルの髪を触る。

「…キララ、…気持ちいい?」
「………き…、ぅあ、んっ、ふっ、あっ」
キララが答えようとしたところで、ヒカルは舌を更に奥へと滑り込ませる。
にゅるにゅるとした媚肉をかきわけてゆく感触は、ほんの少し先程のキスに似ていた。

ヒカルは、舌を奥へ入れたり、出したりと単調な動きを繰り返す。
その度にキララは荒く呼吸をし、眩しそうに目を細める。

「………ひかるぅ……」
蚊の鳴くような声で、彼女は幼馴染の名前を呼んだ。


彼女の内股はすっかり汗ばんでいて、
秘所に控え目に生えたそれはぐっちょりと濡れそぼっていた。

ヒカルが中で舌を動かす度に、少し粘性のあるぬるぬるとした液体が出てくる。
喉を鳴らしてそれを飲み込むと、キララは恥ずかしそうに口元に手を当てた。

「…き、……汚いよ?」
「……」

ヒカルは答えず、黙ったまま、指を勢いよくキララの中へ入れた。
ちゅぷっと音がして、中でプール状態になっていた愛液が飛び散る。

「ひゃっ!?」
「……汚くなんかないよ。」
そう言って、ヒカルは指で糸を引くそれを、キララの顔の前に持っていく。

「…で、でも、は、恥ずかしいって……」
「……そう?」

普段は、どこかキララがリードし、一歩先んじているが、
いざこういう場合になると、それはどうも逆転するらしかった。
48前々スレ731:2007/04/01(日) 04:21:33 ID:40QT7PUW
「……ねえ、キララ。」
「…うん?」
「その……そろそろ、いいかなあ、なんて…。」
「……えっと、…ってことは……」
「んーっと、だから、その……」
ヒカルは肝心な部分を伝えることが出来ず、視線を逸らし目を泳がせている。

「……したいの?」
キララは少し意地悪そうな目つきで言った。

「…えっと………うん。」
単刀直入に訊かれて、一瞬即答することを躊躇ったが、
ヒカルは確かに首を立てに振った。

「…いいけど。…その前に、いっこだけ。」
「…何?」

キララは急に面持ちを変え、少しばかり真剣さを帯びた表情になる。

「……もちろん、するんだから、最後まで責任とってくれるのよね?」
「……最後、っていうと………終るまでってこと?」
「違うわよ!バカ!」

キララははぁ、とため息をつき、呆れた。
ヒカルは何を咎められたかがいまいち理解できていない様子で、
表情からはクエスチョンが抜けていない。

「…最後ってのは……その、…アレよ、アレ。」
たった一言、漢字に直せばたかだか二文字のその言葉を
彼女の口から言う事は、大いに躊躇われることだった。

気恥ずかしさよりも、もしものことを考えるとやはり聞くのが怖かったからだ。
もちろん、この後におよんで今更ということはないだろう。
ただそれでも、ヒカルのように気弱なタイプには、
その言葉はかなりのインパクトがあるには違いなかった。

「……け、…」
頭文字だけが、ぽろりと口からこぼれた。

「…あ。」
そこまで来て、ヒカルはようやく理解できたようだった。
49前々スレ731:2007/04/01(日) 04:23:39 ID:40QT7PUW
「………、…結婚?」
「そ、そうよ。」

古い貞操観念かも知れない。

ただそれでも、自分が体を許すのは、生涯の伴侶となる相手だけでありたい。

そういう思いが、彼女にそれを言う事を促したのだった。

「……」
「…」

ヒカルは急に真面目な顔になり、じっとキララの目を見つめる。
キララも、わざと逸らすことも出来ず、ただ見つめられていた。

「……当たり前、だろ。」

それは、キララがこれまでに聞いて来たヒカルの言葉のどれよりも力強く、
そして最も男らしい口調だった。





メダロット社の、数ある研究室の一角。

通路の奥まった場所に、隠れるように薄汚れたドア。
そこには「アキハバラ」と名札がかけてあった。

「おじいさん、いますか?」
コン、と一回だけ短く区切られたノックの音を響かせた。

「ナエか? すまんの、今手がはなせんのじゃ。勝手に入ってきてくれい。」
「失礼します」

そう言って、ナエはゆっくりとドアを開ける。

部屋の中は随分と薄暗く、
作業台のようなものが据え付けてある所だけ蛍光灯が灯されていた。

ナエはうわ、暗いなどとぼやきながら、
手探りで壁際のスイッチを探してバチバチとつけていく。
すっかり採光の奪われていた部屋は、改めて明るくなると、随分と雑然としているのが分かった。

「…っふー。これで一段落じゃの。」
博士は額をぬぐいながら息をついた。
50前々スレ731:2007/04/01(日) 04:24:23 ID:40QT7PUW
「お疲れ様です。…あんまり根を詰めないでくださいね?」
ナエは少し咎めるような響きで言った。
「なぁに、このくらい。」
自身ありげに、博士はぐっと腕を上げてポーズをとってみせた。

本人にすれば純粋に身体の壮健ぶりを示したいだけなのだろうが、
ナエにとってその様子は随分と可笑しく感じられるものだったらしく、思わずくすりと笑ってしまう。

「…ふふ。おじいさんは、いつでも元気ですものね。」
「そうじゃそうじゃ。ワシはいつまでも元気じゃぞい!」
いつもと変わらない様子で、博士は豪快に笑った。

「あ、そういえば。えっと…ヒカルさんとキララさんのことなんですけど……」
「おぉ! どうじゃった、うまくいったか?ん?」
「その…一応は。」
ナエは曖昧に笑う。

「そうかそうか! すまんのぉ、わざわざそんなことをやらせて。」
「いえ、気にしないでください。…それよりも、……本当に研究目的だけ、なんですか?」
「ん? まあ、多少知的好奇心が伴ったことは否めないのお!」
博士はにやりと意味深に笑い、机の上に置かれた書類に目をやった。

「……環境とロボトルの戦績が関係することなんて、よくあることだと思うんですけど…。」
「なぁにをいっちょるか。天領イッキとアガタヒカル!この二人は共に現在、そして将来伝説的なメダロッターになることは確実じゃ。
その二人に仲のいい幼馴染がいるという共通点を見過ごして、ワシはメダロット博士などと名乗れん!」
「…まさかイッキくんのほうも?」
ナエが眉をしかめて訊くと、博士はどこか誇らしげに口元を緩めた。

「もちろんじゃ!」
「……そうですか。」
「まぁ、そう怪訝そうなカオをするな。ほれ、ひとつどうじゃ?」
そう言って、博士は机の上においてある皿にてんこ盛りに盛られた梅干をひとつ奨めた。

「…いえ、結構です。」
「そうか? 梅干はいいぞぉ……ん〜!」

一つ口に含むと、博士は幸せそうな表情で酸味を堪能した。
51前々スレ731:2007/04/01(日) 04:25:14 ID:40QT7PUW



「…い、いくよ?」

キララは消え入りそうな声で返事をして、こくんと頷いた。

先端が割れ目の入り口と触れると、二人はそろってごくっと唾を飲んだ。
そして、ヒカルはゆっくりと腰を動かし、自身をキララの割れ目の中へと挿れてゆく。

「…っふぁ、…ぁん………」
亀頭の先端が飲まれるように中へ入っていくと、キララは切なげに声を上げた。

「ちょ…、ぅ、うわ……………」
ヒカルは感嘆のため息を漏らし、その初めて味わう感覚に言葉に仕切れない感慨を覚えた。

風呂場で、自分のそれを洗う時に似たような感覚を味わったことを思い出していた。
それがもっと柔らかくなって、もっと生物的になって、更にほのかに熱く感じるような、そういう感触。
しかも裏も表もなく四方八方から責めてくるものだから、ヒカルはその快感に思わず大げさに呼吸をしてしまう。

「……き、気持ちいい?」
まったく自信のない口調だった。

ヒカルが気持ちいいかどうかは、いくら初体験の彼女とて見ればわかる。
時折深呼吸をして、表情をしかめているその様子から、それは容易に察しがつく。

ただ、それ故にヒカルが一言も喋らず、
たとえ一時でもヒカルとの意志の疎通が図れないことが不安に感じたからだ。

「…すごい、………としか言えないよ…」
「…そ、そっか……………、…よかった。」
そう言って、キララは微笑んだ。

「じゃあ、…このまま……」
ヒカルは更に腰を動かし、ゆっくりとキララの中を押し開いてゆく。
時折膣内がびくんと脈打つように動き、その度にヒカルは何とも耐え難い快感に襲われた。

「…ぃ、いいよ………ひかる…ぅ、……んぅ……………、…ひゃうっ!?」
亀頭がずっぷりと中へ入り、ヒカルが更に奥を求めて腰を動かした時、
キララは突然悲鳴に近いような声を上げた。
膣の入り口、ヒカルの陽根の隙からはツっと一筋の血が流れた。

「ご、ごめん!」
何が悪いのかは分からなかったが、取り敢えずヒカルは謝った。
少なからず、彼は取り乱していた。

「……ご、ごめんね…驚いたよね。」
「…い、いや…。……ど、どうしたの?」
ヒカルは恐る恐るといった口調でそう尋ねた。

「えっと………たぶん、…………初めてだから、…その……」
「………!」
52前々スレ731:2007/04/01(日) 04:28:33 ID:40QT7PUW
ヒカルは、情けないことに「そのこと」をすっかり失念していた。


「…あ、……そっか。」

そう、考えてみれば当然のことだが、キララは「初めて」なのだ。
となれば当然、そこにはあるべきものがあって然り。

自分に落ち度がないことが分かり、彼は内心胸を撫で下ろした。

「えっと……こういう時は、お赤飯だっけ?」
「……………バカ…。…それは違う時よ。」
「あ、あれ? えーっと、…それじゃあ、」

そう言い掛けて、ヒカルは腰をぐっと前へ動かした。
じゅぷと液体音がして、ペニスが膣内へ更に入っていく。

「ぁっ!」
突然に、しかも一気に挿れられたものだから、キララは思わず大きく声を上げてしまった。


対するヒカルは、ぐっと屈み込んでキララの両脇に手をつき、ちょうど腕立て伏せをするような格好になる。
そして、すっと顔をキララに近づける。
「……これで。」
そう一言言って、ヒカルはそっと唇を重ねた。

「……」
「…」

唇が触れあっていたのは、ほんの5秒かその程度だった。
先程の如く舌を入れる様なこともしない、触れ合うだけのキス。

キララは突然のヒカルの行動の意図が読めず、少し困惑した表情を浮かべた。

「………ど、どーゆーこと…?」
「いや…その、初めてのお祝い……みたいなさ。」
「…………それがキスなの?」
「だって、お赤飯じゃないっていうからさぁ……」
「…あんたねぇ……、…ふふっ。」

いつもと変わらない、どこか抜けたような幼馴染に、キララは苦笑した。

今していることはこれまでにない初めての体験でも、
その相手はキララがよく知っている、これまでずっと一緒にいた相手なのだ。

そんなことを思い、彼女は緊張していた気持ちが徐々に緩んでくるのを感じていた。
53前々スレ731:2007/04/01(日) 04:29:11 ID:40QT7PUW
もうこんな時間かい。続きはまた明日にでも。
54名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 04:39:31 ID:oIOXwMfi
乙です。

…しかしまあ、人がいないなあ。
いきなりだから落ちたままと思ってる人もいそうだし
がんばっていきましょう。
55前々スレ731:2007/04/03(火) 02:20:46 ID:aLZp0wgt
すんません、ちょっと投下延期。

にしても凄い過疎具合。
56名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 12:19:34 ID:LRLPOYbM
>>55
乙!
57名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 00:11:58 ID:15Vfrmui
しばらく来てない内に落ちてたのか…

とりあえず>>55氏乙!!
続き期待して待ってます。
58前々スレ731:2007/04/07(土) 02:34:29 ID:xtuYI777
ちょっとリアルがたてこんでるので、、しばらく止まるかもしれないです。
落ちないように頑張らせていただきます。
59名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:08:55 ID:P5oVKJfu
保守
60名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 23:42:11 ID:b8avtSzY
ほsy
61名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 14:05:04 ID:vaIknN5p
ほしゆ
62名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 15:06:02 ID:zCOciW6Z
ほす
63名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:13:48 ID:6RkVePPd
保守
64名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 19:01:10 ID:wRz0VD/a
65前々スレ731:2007/04/21(土) 05:51:11 ID:DX5cit/l
「やだ、ちょ……んぁうっ!!」

お互いが向かい合う様に抱き合い、キララはヒカルの上に跨る格好になっている。
自重によって更に奥深くまで媚肉が押し分けられ、膣内から分泌された液体がお互いの陰部で糸を引いていた。

「…っふ、……こんな、しかた……ぁっ、あったんだ……んぅっ…」
恍惚とした表情を浮かべながら、ぎゅっとヒカルに抱きつく。
「…僕はこれが一番いい、…かなぁ……」
ヒカルがキララの細い腰を抱いて、まるで大樽を振るかのようにキララの体を激しく上下に揺さぶる。
その度にヒカルの陽根とキララの淫靡な色をした秘肉が擦れ、彼女は大きく嬌声を上げた。

「…っ、気持ち、…良い?…キララ」
「そ、そんぁっうっ、んうっ、んっ、ぁっ、ふっ」
言葉にならない喘ぎが、その快感の度合いを如実に物語っていた。

ヒカルは更に激しくキララの体を上下させ自らの快感の度合いも高めようとする。
既にキララの膣内は溢れ出す愛液のせいで抵抗を生まない程に潤っていたため、
必然的にヒカルが体を動かすペースも早いものになっていく。
本能的に絶頂を求めてどんどんと加速する動きに、キララが敏感に反応した。

「ひ、ひかぅ、ひかるっ、…は、はやす、ぎぃ…んぁ、あっ、ぅんっ、あんっ!」
キララの呻きも最早ヒカルの耳には届かず、ヒカルは乱暴なまでに激しくキララの体を上下に揺らす。
しかし突き上げる快感によってキララの膣から止まることなく分泌される愛液のせいで、彼女が痛みを訴えることはない。

「…キララ、………すご…っ、…ぅ……」
「ひ、かる………す、…き………ぃあっ、んふっ、ぁんっ」
二人は、ひたすらに欲求の赴くまま目合いにふける。

幼き日より片時も心から消えることの無かった想いを、
十数年越しに情交を以って二人は消化していた。
66前々スレ731:2007/04/21(土) 05:51:48 ID:DX5cit/l
「らぅっ、ら、らめ……ぇっ、ぁっ、んぅうっ!!」
噛み殺すように嬌声に突然抑揚がなくなった刹那、
彼女の体が電撃的に反応し、びくっとのけぞる様に背筋を伸ばした。
膣壁が急激に動き出し、中で膨らみ切っていたヒカルの陽根を刺激し、
その亀頭はまるで半ば押しつぶされるように乱暴に揉まれた。

「っ! や、やば……………ぅあ…」


一瞬の我慢も空しく、彼は放精感に身を震わせた。
67前々スレ731:2007/04/21(土) 05:52:56 ID:DX5cit/l
「ちょっと、ここも忘れてるわけー?」
「えぇっと……そんなのやったっけ?」
「……はぁ、もういいわ。次。」

西日が差し込む部屋の中で、二人は卓を挟んで向かい合いながら座っていた。
元々が大して広くもない室内は、テーブルを出してさらに人が二人ともなると、割と手狭に感じられる空間だった。

「…ねえ、アリカ。」
ぽつりと、呟くようにイッキが呼んだ。
「なに?またわかんないところがあったわけ?」
アリカは少し不機嫌そうに眉をしかめる。
「違うよ! ていうかさ、新聞書くんじゃなかったの?」
「さっき書いたじゃない」
アリカは事も無げに、告げるような口調で言った。
「…見出しだけじゃんか」
にわかに怒気を含んだような物言い。
「…アンタが新聞書かないなんて聞くなんて、珍しいわねー?」
アリカが意地悪そうな笑みを浮かべながら、まるで問い詰めるようにそう訊いた。
イッキは急に顔色を悪くして、目を泳がせる。
「そそ、そんなことないって………うん」
「…サボろうとしても、ムダだからね。」
目を三角にして、アリカはそうイッキをたしなめた。
「い、いや、サボろうだなんて…」
「ホラ、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと次の問題やる!」
イッキは渋面を浮かべつつも、大人しく問題集に向かった。

暫くして、イッキは困ったようなびくつく様な、そういう表情でアリカを見た。
その視線に気付き、アリカもふっと顔を上げる。

「……また、わかんないの?」
「…ごめん。」
アリカは、深々と溜息をついた。

「いーい? ここは、この公式を使うのよ。」
教科書を逆向きにしてイッキに示し、ペンで問題を指しながら言った。
イッキはそれを覗き込むように見て、納得したような装いの面持ちを浮かべたが、
理解しているかどうかは甚だ怪しいものだった。
「…あぁ〜、なるほどー…。」
「……アンタ、人の言ってることちゃんと理解してる?」
アリカは眉をしかめ、かねてから疑問だったことを訊いた。
68前々スレ731:2007/04/21(土) 05:53:39 ID:DX5cit/l
イッキは昔から、理解はしていないがとりあえず曖昧に返事を返すクセがある。
そのせいで苦労したことも、少なくない。

「えーっと……つまり、これをここに入れればいいんだよね?」
「………的外れもいいとこね。全っ然理解してないじゃない!」
アリカは少し声を荒げて叱る。
「ご、ごめん……」
思いのほか神妙なイッキの態度に、少し言い過ぎたかとアリカはふっと表情を緩ませる。
「…まったく。しょーがない、こーなったら理解するまで徹底的に説明してあげるわ!」
そうアリカが意気込むように言ったところで、コンとドアがノックされる音が響いた。

「イッキ、入るわよ?」
そう言ってドアの向こうから現れたのは、イッキの母親、チドリだった。
見ればその手には盆を持っていて、そこにはガラスコップに注がれたジュースやスナック菓子類がある。
それを見て嬉しそうにはしゃぐイッキを、アリカが呆れたように横目で見た。

「アリカちゃん、ごめんなさいね。うちのイッキのお勉強なんて見てもらっちゃって」
いつもの如く、眠くなるような優しい口調。
「いえ、私も復習になりますから!」
アリカがそう言うと、チドリは薄く微笑んだ。
「イッキ? ちゃんとアリカちゃんにお勉強教えてもらわないと、ダメよ?」
口調は優しかったが、そこには相手に有無を言わせぬ迫力にも似たものがあった。
イッキも、無意識のうちにそれを察しているのか、少し肩をすくめている。
「……わ、わかってるって。」
イッキの返事を訊いて、チドリは満足そうな笑顔を浮かべた。

「そうそう。これ、ちょっとしかないけど、息抜きに食べてね」
チドリは手に持っていたそれを卓に置き、二人に奨めた。

「ありがとうございます!」
アリカがはきはきとした口調で礼を言うと、チドリは嬉しそうに笑い、
頑張ってね、と励ましの言葉を残して部屋を後にした。

「…相変わらずキレイねえ、イッキのお母さん。」
部屋を出て行くチドリの後姿を見て、アリカは感嘆のため息を混じえながら言った。
「えぇー…?そうかなぁ。」
イッキはそれに応じつつも、懐疑的な返事を返した。
アリカはその反応が少し不服なものらしく、眉を吊り上げ気味にする。
「イッキはそうは思わないの?」
「いや、思わないってわけじゃないんだけどさ…てゆうか、考えたことないし。」
「………それもそうね。」
納得したような面持ちで視線を卓に移し、先程チドリが運んできたばかりの菓子をひとつ取ってそれを口に含ん
だ。
69前々スレ731:2007/04/21(土) 05:55:19 ID:DX5cit/l
「やっぱ、キレイなほうになるのかなぁ」
「キレイなほうなんてレベルじゃないわよ。私の調査によると、ギンジョウ町内では屈指の美人人妻よ!」
びっとイッキの眉間のあたりを指差し、アリカは得意げに言った。
「へ、へぇー……そうなんだー…」
「……何かあんまり嬉しくなさそうね?」
アリカは不満そうに眉をしかめる。
「え? …うーん……、だってさ、自分の母親だし、さ。キレイとかキレイじゃないとか…なんか、よく分かんないんだよね。」
予想していた以上に淡白なイッキのその返答に、アリカは詰まらなさそうにため息を漏らした。
「…なにそれー。つまんないのー。」
「そんなこと言われても…」
イッキは困ったように表情を歪め、頬を掻いた。
「っていうか、イッキって、誰それがかわいいとかきれいとか、そういう話題にはいまいち反応が薄いわよねー。」
「え? そ、そう?」
「そうよ。…あ、やっぱりカリンちゃん以外には興味がないとか?」
アリカが、にやりといやらしく笑いながら、上目遣いでイッキに訊いた。
「そ、そんなことじゃないって!」
「…ふーん?違うの?」
顔は笑みを浮かべながらも、アリカはどこか複雑そうな面持ちだった。
「違うよ! …それはさ、カリンちゃんは可愛いと思うし、確かに、その…一時、いいかなあ、とか思ったけどさ」
「思ったけど…、何よ?」
「その…よく考えたらさ、カリンちゃんのことは全然知らないし。それに、なんかさ、やっぱりコウジと…お似合い、っていうか。」
イッキは、視線をあちらこちらに逸らしながら、躊躇いがちに続けた。
「なんか…うまく言えないけど、今は…好きとか、そんなんじゃないよ。」
「………ふーん、……そうなんだ」
「それに、…………って、な、何言わせるのさ!」
「なによー!アンタが勝手に喋ったんでしょー?! てゆーか、“それに”なんなのよー?」
「いや、その、だからっ、っと…………あ、そ、そんなことより勉強!勉強しないとね!」
イッキはわざとらしく問題集に向かい、ぶつぶつと呟きながら鉛筆を動かし始めた。
70名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 21:47:01 ID:pnKaowMv
保守
71名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 15:57:30 ID:teTcctCB
ナエさんって初代メダロットの頃の性格のままだったら
シラタマさんに着替えシーンの一つや二つを盗撮されコレを渡して欲しければ私の言う事を聞きなさいって脅されたら、何でも言う事を聞きます・・・だからってシラタマさんの言いなりになって犯されてた可能性もあるけれど

メダロット2のナエさんの性格だと相当、恥ずかしい写真では無い限りはお好きにどうぞって言いそうだよね
72名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 23:35:11 ID:/1XrDqIa
土壇場保守

決めた。俺、もし息子が出来たら「イッキ」って名前を付ける。
73名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 00:23:30 ID:CTIeFu9t
やめておけ
74名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:04:54 ID:VjhBiA+Q
>>73
なんでだ?結構良い名前だと思うんだが。
75名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 02:53:36 ID:Bmcvf0tO
保守
76名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 03:35:00 ID:d0th4+9r
77名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 22:50:46 ID:WNvF8kqT
保守

あぶなっ。
78名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 18:22:32 ID:xBkPCBbJ
ほしゅ
79前々スレ731:2007/05/30(水) 02:49:45 ID:ntM909KL
ごめ、貯まったらまた投下再開します
現在ストック中…。
80名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 19:51:58 ID:FEeAiNFr
wktk
81名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 04:00:38 ID:QK3JD3aE
期待上げ
82名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 08:27:41 ID:hEboniCC
保守
83名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 19:02:15 ID:6AHAwkTo
あげ
84名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 23:55:14 ID:VorckBnm
あげほ
85名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 06:00:05 ID:BKjea74l
86名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 00:16:06 ID:R+i7Lsse
ゲーム版イッキとアニメ版イッキの夢の協演はまだですか?
87名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 02:59:43 ID:RERHfMHn
名無しさん の 守る行動 ほしゅ
882ラストパロ:2007/06/21(木) 23:58:10 ID:YKXYdGio
ゲームイッキ「逃げないよ ぼく達は、」
アニメイッキ「俺達には信じて待ってくれている人たちがいるんだ。」

アニメイッキ「行くぞ!!メタビー!!」
ゲームイッキ「行くよ!!ロクショウ!!」

イッキ(両方)「さあ来い!!ゴッドエンペラー!!僕(俺)達と真剣ロボトルだ!!」
89前々スレ731:2007/06/22(金) 15:44:50 ID:/oahra7e
ちょ、ごめんなさい、マジで近いうちに投下再開するから許してくださいorz
90名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 19:39:52 ID:1/6X22C1
>>89
なに、なにをおっしゃる。
我々は勝手にwktkさせて貰っている身、そんな風に謝らないで下さい。



まあ、何はともあれ…wktkだぜ!

91名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 20:25:27 ID:NHl21SuR
でっかくwktk男なら〜
92名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 22:43:39 ID:i8K1eKhd
ほす
93夢のダブルイッキ:2007/06/29(金) 23:00:52 ID:qFtF8u3S
チドリ「なんだか、兄弟ができたみたいで嬉しいわ。」
ジョウゾウ「そうだな。母さん」

ゲームイッキ「自分の家とはわかっててもちょっと・・・。」
アニメイッキ「そんなこと気にすんなって、世界が違っても俺の家なんだからよ。」
94名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 22:04:49 ID:yF/Ex2vc
wktkがとまらない
95名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:38:02 ID:s1rSWhUt
あげほ
96名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 00:04:36 ID:eMjx7EII
保守
97名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 21:48:18 ID:VkyZyFKB
あげほ
98名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 20:57:38 ID:/93nCDeJ
ほし
99名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 02:51:44 ID:4gPMxPHz BE:597640166-2BP(263)
保守
100前々スレ731:2007/07/15(日) 04:14:20 ID:Zrx8g3+z
(………なによ…。言いたいことがあるなら、ハッキリ最後まで言いなさいよ。)


アリカは、不満げな表情をそのままに、少し乱暴にその場から立ち上がった。
「…ど、どうしたの?」
イッキはおそるおそるといった口調で尋ねる。
「……トイレ。」
不機嫌さを何ら隠さない口調だった。

イッキは、アリカが少なからず腹を立てていることを確信した。
日頃から、イッキはアリカには常に頭が上がらない。
でも、それは普段からの関係とアリカ生来の勝気な性格によるもので、
それ自身が別段アリカとの間柄の良し悪しに関係しているものではない。

だけど、長年一緒にいれば、何度かはお互いに気まずい空気になる時はある。
そういう時は、いつもは捲くし立てるアリカが決まって無口になるのだ。

イッキは何か言い繕おうと必死に言葉を探したが、何も言えぬまま
アリカはズカズカと歩いてドアも閉めずに部屋を出てしまった。


(…まずい。どうしよう………)


長年の付き合いの中でも、ニ、三度あったかないかの、
彼にとってみれば世紀末的な事態が、今目の前に生じている。

心当たりは、あった。
ただ、今回の場合はそうおいそれと出来るような事ではなかった。

言いかけた言葉の先を続けるには、今の彼にはあまりにも勇気が足りなかったから。
101名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 04:39:13 ID:Zrx8g3+z
今や眼前の問題集などには目もくれず、
イッキの頭の中では禅問答よろしくひたすら同じ言葉が反芻されていた。

「(どうしようどうしようどうしよう…)」

そもそも何をどうすればいいのかさえ彼には不鮮明だった。
いや、考えてみれば彼に何をどうするべくもない。そもそも落ち度などないのだから。

全ては、アリカの子供じみた、しかし年齢相応の「わがまま」によるものなのだが、
今のイッキがそれを悟るにはあまりにも光明が足りない。

「(やっぱり言った方がいい…のかな……ていうか、そんな勇気ないし…
 それにもし言ったとして、アリカがOKしてくれる保証なんてないし……)」

彼が心中でそう吐いたセリフは、ともすれば滑稽なものだった。

可能性などとうの昔にかなぐり捨て、パーセンテージなど不要の戦法によって
いくつもの激戦をくぐって来た、仮にも日本代表だったメダロッターが。
「保証がない」という理由で、ある種本能的な感情を押さえ込もうとしているのだから。

しかし、それもまた、逆にいえば。
「失敗したくない」とそれほどに強く思わせる、彼の好意の賜物なのかも知れない。

「(……アリカは………どうなんだろ…)」

イッキがそうして思案を巡らせている頃、同じように、アリカもまた葛藤の最中にあった。

「………はぁ。」

足す用もなく、アリカはぺたりと便器に座り込んだ。

「どーしてこう……なんだろ、アタシは…。」

内罰的な言葉とは裏腹に、アリカの心中は後悔と同時に期待にも沸いていた。


あの時、あの場面で。
もう少し、もう少しだけ。
「女の子らしく」振舞えていれば。
そうすれば、そうすればきっと―。



「「……なに考えてんだろ。」」



ただ一言が言えぬ二人は、未だ踏み出す勇気を持たなかった。
102名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 12:05:19 ID:hzooXjzM
き、き、き、キター!!!

く〜、もどかしい内容GJGJGJGJ!
103名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 14:23:29 ID:5FqREgtl
104名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 02:13:18 ID:aXKSCRg5
ほしゅ!
105名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 00:17:23 ID:SXAeJTKN
保守
106名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 02:58:28 ID:1DS7/a+7
保守
107名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 03:23:30 ID:rYN0LIF0
頑固に保守
108前々スレ731:2007/07/30(月) 05:35:35 ID:K/OMdqO6
なんか保守させてしまったり待たせてしまったりほんとサーセン。
もうすぐドカンと暇な時期がやってくるので、
それが到来し次第すぐさま書きます。
あと色々ストックもあるのでそれを手直ししつつ投下します。

ということで、本当に申し訳ないorz
109名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:40:55 ID:CFD5OEdT
夢のダブルイッキSSはまだですか?
110名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 01:36:10 ID:UhvmaOpz
>>108
マジがんばってください!
ボンボンも休刊かぁ…
111名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 20:51:17 ID:2jA57hb+
>>108
期待してますおお
112名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 11:19:29 ID:yi5kxMfJ
保守
113名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 12:32:25 ID:Gkb06/w5
保守
114名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 01:18:00 ID:daekm8lS
ふしゅー
115名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 13:19:00 ID:r5AMVLTy
ほっしゅしゅ
116名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 01:16:52 ID:EZAL0wSd
学校からの帰り道。イッキ達と一緒に並んで歩いていたアリカが、
「ねえ、イッキ。昨日、ナエさんとこ行ってたでしょ」
と、唐突に言ってきたので、
「いいっ?!」イッキは思わず大仰に驚いてしまった。「な、何で知ってんだよ?!」
「昨日、偶然見かけちゃったのよね、イッキたちがナエさんトコに入っていくの。な〜に慌てて
んのよ。----ははーん、さてはアンタ、ナエさんが目当てなの?」
「イッキさん、どうしたの?」と、ブラスもきょとんとした様子で訊いてくる。
「な、なわけねーだろ。もっと強くするために、メタビーに改良を加えて貰ってるんだよ」
「ええっ?! それ、ホントっ?!」
アリカはびっくりしたようにメタビーの方を向いた。
「ああ、そうだぜ」メタビーは自慢げに答えた。「この間は、なんか同調を良くするとか何とか
で、イッキも脳波測定したらしいしな」
「それ、結構凄いじゃない! 私たちも見に行っていーい?」
「ええ?! そ、それは----」返答に窮するイッキ。メタビーを強化しているのは確かだ。
今はティンペットのフレーム構造にいじくれる余地がないかどうかを調べている。だが、そうす
るためにメタビーのメダルを取り外しているとき、それ以外にやっている事と言えば----
「ん?」アリカが気付き、怪訝そうに言った。「なに赤くなってんの? 変なイッキ。まあ、
それはともかく----。今日も行くの?」
「いや、次の予定は明日だ」と男らしく直答してしまうメタビー。
「じゃ、見に行ってもいい?」アリカは目を輝かせてイッキに尋ねた。「ほらほらブラスも!」
とアリカが言うと、ブラスも腕を胸の前で組み目をウルウルさせてイッキを見つめる。
「あ・・・いや・・・じゃ、じゃ、まあ、ナ、ナエさんにも訊いてみとくよ」
そう言うことで、その場を取り繕うイッキであった。

「----と、いうわけでさ。アリカのやつ、言い出したら聞かない奴だしなあ・・・はあ・・・」
ここはナエのガレージ。夜、こっそりと独りで家を抜け出たイッキは、明日のアリカがついて
来るかも知れない事を、溜め息まじりにナエに話していた。
「そうだったんだ」ナエは可笑しそうにそれを聞いている。
「連れてきてもいい?」と、イッキは乗り気でない調子で尋ねた。
「あら、私は別に構わないわよ」ナエはいたずらっ子のように目を細めて、ちょっとだけ意地の
悪そうな微笑みを浮かべた。綺麗な白い歯が口の隙間から覗く。「困ってるのは、イッキくんの
方じゃないの?」
「そ、それは・・・」イッキは真っ赤になって俯いた。
「アリカちゃん、かあ。あの子でしょ? オーバーオール姿でカメラ持った、気が強そうだけど
可愛い----」その時、ナエの瞳が妖しくゆらめいた。「----そうだ。・・・それじゃあねえ、
イッキくん」
「え?」イッキが顔を上げた。
「耳を貸して・・・」
ナエはその紅い唇をイッキの耳もとまで寄せると、ひそひそと何かを囁いた。

「えっ、OK?! やったね、らっきぃ! 記事の見出しは『世界大会準優勝メダロッター天領
イッキ、秘密の特別改造?!』で決まりね!」
「新聞に載せるつもりかよ・・・」溜め息をつくイッキ。
昨日と同じ、学校からの帰り道。アリカは愛用のカメラを握ってうきうきとし、ブラスはそれを
嬉しそうに見上げている。イッキとメタビーはやれやれといった調子でお互いに肩をすくめた。
「アリカ、ナエさんトコ行っても邪魔なことするなよ」とメタビーが突っ込みを入れると、
「大丈夫よ、任せて!」と、アリカは親指を立てつつウィンクというきめポーズ。
「本当かよ・・・」メタビーはげんなりした表情で呆れた。
が、その横にいるイッキが、翳のある奇妙な顔つきでアリカのはしゃぎようを見つめていたこと
には、誰も気付かなかった。
117名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 01:17:26 ID:EZAL0wSd
ナエのガレージに到着したアリカは、駐車場を改造した自営のメダロット工場といった感のある
空間を、「へえ〜なかなか凄い設備ね」の一言で片づけた。イッキもそうだが、なんでこんなに
淡泊なくせに突っ込みが鋭いのか----その割りには世界大会では大げさなセリフを連発していた
が----はどうでもいいことなので遙か彼方にうっちゃって。
ガレージの奥から、ナエが女神のように輝く微笑みを浮かべながら出てきた。「いらっしゃい」
「あっ、ナエさん。お邪魔します。今日は、メタビーを強化改造してるって聞いたんで、それを
スクープしに来ました」
「そうなんだ。あら、その子も連れてきたのね。確か、ブラスちゃんだったっけ?」
「こんにちは」ブラスはちょこんとお行儀良くお辞儀した。
「あっ、そうだ! ついでに貴方の調子も診てあげるわ」
「えっ、ホントですか?」と、ブラスが驚いたように、でも嬉しさを帯びた声音で言う。
アリカもびっくりする。「そ、そんな、悪いですよ」
「いいのいいの、せっかくだから。遠慮することないのよ」
「じゃあ・・・お言葉に甘えて」そう言って、アリカとブラスは嬉しそうに目を交わし合った。
その後ろで。メタビーはふと、隣のイッキが沈んだような表情をしているのに気付いた。
「どうした、イッキ?」
「えっ? あっ・・・何でもない」
「ふーん? 変な奴」
「じゃあ、作業準備を始めるわね。準備が終わったら呼ぶから、イッキくんとアリカちゃんはそ
れまで奥でお茶でも飲んで待ってて」
「はぁーい」アリカは何の疑いもなく返事をした。
「こ、こっち」
イッキがぎこちなく奥の方を指をさし、アリカを案内して消えた。
118名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 01:19:12 ID:EZAL0wSd
・・・・・・・・・
(・・・あれ・・・わたし・・・)
アリカは眠りの淵から目覚めの時を得た。何とか希薄になりがちな意識をかき集め、うっすらと
目を開く。まずそこに飛び込んできたのは、ベットの上で仰向けになった自分の裸体だった。
わずかに膨らんだ小さな胸、まだまだ未発達だが確かに女性を感じさせるほっそりとした輪郭を
描くからだ、そしてまだつるつるのあそこ。
「はっ、はだかっ?!」
アリカは今こそ意識をはっきりさせ、起き上がろうとした----が。腕が動かない。見やると、ア
リカの両腕はそれぞれの側のベットの柱に紐でくくりつけられていた。
「なっなっなっ?!」あまりの出来事に混乱するアリカ。
そんなアリカの頭上にぬっと現れたのは、同じく裸になったナエだった。アリカの両脇のスペー
スに手と膝をつき、のしかかるような姿勢である。いやでもナエの胸を彩る二つの乳房がアリカ
の目に入った。
「な、ナエさんっ?!」唖然としたようにアリカが瞳孔を開く。
「おはよう」優しい声でナエは言った。「お目覚めの気持ちはどう?」
「どうって----!」アリカは絶句した。「これ----な、ナエさんのし、仕業----」信じられない
ように、アリカはたどたどしく呟いた。
「アリカちゃんがあんまり可愛いから、つい悪戯したくなっちゃったの・・・。安心して。別に
酷い事をするわけじゃないから」
「ブ、ブラスは・・・」
「あの子なら、作業場でメタビーと一緒にメダルを抜かれて大人しくしてるわ。大丈夫、さっき
の言葉は嘘じゃないから。検査もちゃんとやるわ」
「し、信じられない・・・こ、こんな事は止めて下さい!」
アリカは彼女らしく、きっとナエを睨んだ。が、ナエにはその瞳の奥で恐怖心が揺れ動いている
のがわかった。ナエは笑みを崩さず、吐息をつくように、ゆっくりと唇を動かした。「い・や」
ナエの手がアリカの下の部分に伸びる。「ひっ」とアリカは脚を閉じようとしたが、ナエに胸の
突起や首すじ、太股などを撫でられると、「あっ、やっ、くすぐったい・・・」と思わず力を抜
いてしまい、太股が持ち上がり開いてしまった。ナエの手が蛇のようにアリカの股の中に入り込
む。ナエはまるで淡雪に触れるかのように、力をまったく入れず繊細な手つきでアリカのからだ
を愛撫していった。「やっあっああっ、く、くすぐったいよぅ・・・」。だが、アリカは笑い出
すようなことはしない。その代わりに変な気持ちが、アリカの中で僅かずつ芽生えていく。(あ
あ・・・なんか・・・ぼうっとしてくる・・・)アリカは徐々に頭が霞みがかっていくのを感じ
た。ぼうっとしながら、(気持ちいい)そう考えて、アリカはハッとした。なんで、そんな事考
えちゃうの?! わたし、今----
「や、やめてぇ・・・」アリカは拒絶の気持ちを声に出したつもりだったが、口から出てきたの
は甘い喘ぎ声だった。
「ふふ、そんなにいい・・・? 良かったわ、悦んでもらえて」
「そんな・・・そんな、違う・・・」頬を羞恥に染めながら、アリカはイヤイヤと首を振った。
「遠慮しないで・・・もっと愉しませてあげるわ----」
ナエはアリカにおおいかぶさった。

その光景を、イッキは部屋の隅っこにある椅子に座りながら見ていた。ここはナエの寝室。アリ
カに振る舞ったお茶には、即効性の睡眠薬が入っていたのだ。イッキはもう、ナエには逆らえな
かった。イッキは上気した面持ちで、二人が淫らに絡み合うのを眺めた。アリカ・・・アリカ・
・・小さい頃からの幼なじみ。それが今、目の前でナエさんに犯されている。ナエさんの熟れた
手管に性をはっきりと意識していなかった無垢な少女が身悶え喘ぎ、からだを紅潮させて、段々
と快楽のぬかるみにはまろうとしている。
アリカがナエの容赦ない淫らな責めを受けるさなか、イッキはズボンの中からペニスを抜き出し
て、自慰行為に耽るのだった・・・・・・
119名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 01:20:29 ID:EZAL0wSd
何十分経っただろうか。アリカのじっとりと汗ばんだからだは桃色に染まり、密壷から流れ出る
愛液は内股をぬらぬらと濡らしていた。顔は快楽にゆがみ、幾度揉まれたかわからない胸は淫蕩
に上下している。「ああ・・・」切なげに漏れる吐息は、聞く者の脳髄に甘美な刺激を与えた。
そんなアリカに、ナエは満足そうに頷いた。「そろそろね・・・イッキくん」
呼ばれて、それまで己の逸物をしごいていたイッキは、はっと我に返ったように立ち上がった。
「な、なに・・・?」
「貴方の番よ。アリカちゃんに女の悦びを教えてあげなさい」
おれが・・・おれが。イッキはまるで暗示がかった人間のようにふらふらとベットに近寄った。
「イッキ・・・」懼れと情欲がないまぜになって潤む瞳が、これまで無邪気に遊んだり、喧嘩し
たり、いがみ合ったり、仲良くしたりしていた少年を見やる。そして、その少年の股間にそそり
立つモノも。「な・・・なにするの・・・」
イッキは答えなかった。黙ってベットに乗り、アリカの足元まで来る。「アリカ・・・」
イッキは仰向けのアリカの股を割って入り、両脚を持ち上げた。アリカは逃れしようとしたが、
力の入らないからだでは抗いようもない。アソコが丸見えになる。熟成していないはずの女性器
の周りでは大量の淫液がねとついていた。「いやあ・・・やめてぇ・・・」
「アリカ・・・アリカ・・・いくよ・・・」イッキの瞳には生気がなかった。まるで夢遊病者の
ように。だが、その奥底では薄黒い欲望の火が焚きつき、下の己はますます猛り膨らんでいた。
「イッキ・・・イッ----ひぐぅっ!!」
その瞬間、イッキはアリカの媚肉に熱いおのれを埋没させた。何かを裂くような音。「はぐうぅ
・・・!」アリカの背中が弓なりに突っ張る。「痛ぁい・・・!」アリカは激痛に涙を流した。
「頑張って、アリカちゃん・・・」すぐ隣りで様子を見ていたナエがアリカを励ます。
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」
徐々にアリカの奥に入っていくイッキ。「凄く・・・きつい・・・アリカのなか・・・」。愛液
に赤いものが混じる。そして、ついにイッキのペニスは根元まで没入した。
「アリカ・・・おれのが全部、アリカの中に入ったよ・・・」
120名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 01:21:05 ID:EZAL0wSd
「イッキ・・・痛いの・・・もうちょっとゆっくり・・・」アリカは涙を流して呟く。
だが、もうすでに歯止めの利かないイッキは、熱病に冒されたかのように腰を振り始めた。
「ひっ、あぐぅっ、いやぁ、やだぁ・・・!!」
ナエは一旦止めようとしたが、先程までの念入りな愛撫が功を奏したのか、痛がるアリカの様子
の中に変化の兆しが顕れたのに気付き、途中まで伸ばした手を止めた。
「ひぐぅ、はっ、あふぅ、あ、あ、あはぁ・・・」イッキにからだを揺すぶられるアリカの悶え
声に、徐々に甘い喘ぎが混じり出した。(ああ・・・やあ・・・なに、これ・・・)イッキのモ
ノがアリカの密壷の肉襞に擦れるたびに、からだ中に甘い疼きが駆け巡り、それが狂おしい吐息
となってアリカの口から漏れる。
「あふぅ、ああっ、ひっあっあっ、い、いやぁ、あぁ、んんっ! っはっ、ぃぃ、はあ・・・」
嬌声を上げるアリカに、無心に腰を打ち続けるイッキ。知らず知らずのうちに、その出し入れは
スムーズになっていた。密壺からはとめどなく愛液が溢れ出て、グチュッグチュッと淫猥な音が
部屋を満たしていく。(あうぅ・・・あ、あ、あ、頭が・・・とろける・・・)快感が絶え間な
い漣のようにアリカのからだ中を乱れ狂い、いつもの勝ち気な表情はもうどこにもなかった。淫
欲に耽る獣。女の味を知った肉壁がうねり、さらにイッキのモノを締め上げる。「アリカ・・・
気持ちいい、アリカ・・・」イッキはうわごとのようにそう何度も呟いた。
いつの間にか、アリカの縛めが解かれていた。アリカはイッキの頭に腕を、腰に脚を絡ませ、彼
を受け入れていた。イッキはアリカの尻を持ち上げ、さらに深いところまで穿ち貪ろうとする。
「きゃうっ! ああぅっ、いぃ! いい、いいぃ〜」もはや情欲一色に染まったアリカ。よがり
声を上げる口からは涎が垂れ落ちる。二つの若い性は、ただただ互いの命と肉を求め、貪欲にそ
れに喰らいつき合った。徐々にイッキの動きが速さを増してくる。
「アリカッ、アリカッ、アリカッ、おれもう!」
「イッキ、イッキ、イッキ〜!」
二人の言葉はもう意味を成してなかった。次の瞬間、イッキが一際大きくグラインドして、アリ
カの腰に強く打ち付けた。
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」絶頂にビクンビクンと跳ねるアリカ。
そして、小刻みに震えるばかりで息を荒げたまま動かなくなった二人だったが、しばらくすると
イッキがペニスを引き抜いた。栓が開いたように、アリカの中から白く濃い液がどろどろと流れ
出てくる。
「アリカ・・・」イッキは囁くようにそっと言った。
が、アリカからの返事がない。よく見てみると、アリカは失神していた。
「ふふ、頑張ったじゃないの、イッキくん」
「な、ナエさん・・・。・・・これで良かったのかな」イッキはまだ夢から醒めていないかのよう
な暗い表情で、失神したアリカを見つめる。
「大丈夫、彼女はきっとわかってくれるわ・・・」
ナエは穏やかにそう言うと、イッキのからだを後ろから掻き抱き、優しげにその頭を撫でた----
アリカの安らかな寝息が聞こえてきた。

終了
121名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 01:28:49 ID:kXjCwUlS
そういえばそんな同人誌があったな
122名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 01:55:44 ID:udpAjxe0
>>121
なんて同人誌?kwsk
123名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 16:40:48 ID:+rBYit9X
124名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 02:20:16 ID:81Lj3rGl
保守
125名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 14:02:22 ID:zab4bN6n
>>121
詳しく
126名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 21:07:56 ID:GjTZ1ksi
>>120
転載乙
あそこってもう無くなったんだっけ?
127前々スレ731:2007/08/18(土) 01:52:08 ID:K3OLAosO
アリカがトイレから戻って来てから既に一時間近くが立ったが、
どちらからともなくお互いを避けているような雰囲気が部屋の中に立ち込めていた。

イッキはアリカに対する思いと、そして彼女の機嫌を伺うように
横目で時たま彼女を見やるだけで、決して話し掛けようとはしない。
とっくに終わっている筈の問題集をまた最初からやり直し、ひたすら時間を潰していた。

アリカはアリカで、そんなイッキの様子にどことなく気づいており、
未だにハッキリとした態度を見せない彼に苛つく節もあったが、
それはもちろん彼女も同じ話である。

恋愛において、「果報は寝て待て」の戦術ほど無意味なものはない。
この2人は、たとえ心中はそうでなくとも、結果的にはその戦術を地で行っている外にないのだ。


時計の針が、文字通り刻々と時間を刻む。

外も緩くではあるが、段々と西日が弱くなり始めており、
既に西の空に夜の帳が近づいていることを示していた。

イッキは、二周目の問題を解きながらも、決してその心中は穏やかではなく、
むしろ若干の焦りさえ感じ始めていた。
今、ここを逃したら、きっと、二度と言う事が出来ないような、そんな根拠のない焦りに駆られていた。
128前々スレ731:2007/08/18(土) 01:53:10 ID:K3OLAosO
思えば、物心ついた頃からアリカとは一緒にいたが、果たしてその生活の中で、
自分がどれだけ彼女に「男の子」らしさを見せられただろうか。

確かに、メタビーがイッキの元に来てから、多少なりとも「らしさ」はあったかも知れない。
でもそれは、メタビーがそばにいて、一緒に戦えたから見せられた強さであって、
決してイッキ本来の強さと呼べるものではない。

メタビーが来る前の、更に長い時間の中で、イッキ自身は、
アリカの前でどれほど恥ずかしくない自分でいることが出来ただろうか。
アリカに対して、「男の子」で居られたのだろうか。

そう考えてみると、イッキは、自分がまるでロクでもない男子のように覚えてしまった。

ケンカも出来ない、度胸も人並みに届かない、運動が得意なわけでもない、
かといって勉強が出来るわけでもない……改めて頭の中で反芻してみると、
それは本当にロクでもないものだった。

しかし、人の気持ちが昂ぶるのは、何も順境だけの話ではない。
むしろ、逆境だからこそ、という話もある。


(だったら――)

(だったら、今しかない)


「アリカ」


先に沈黙を破ったのは、イッキだった。
129前々スレ731:2007/08/18(土) 01:53:42 ID:K3OLAosO
「…なに?」

アリカは、できる限り平静を装って応えた。

「えっとさ……ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」
「なによ。…もうそろそろ帰る時間だから、早めに済ませてよ?」
こんな時まで毒を吐いてしまう自分の素直ではないところを若干疎ましく思いつつも、
アリカは期待とも言える気持ちの昂ぶりを胸に秘め、言葉とは裏腹な心中でいた。
「そのさ…何かさ、考えてみたら、ずっと僕たちって一緒にいたじゃん」
「……そうかもね。まあ、家も近いから。幼なじみだしね。」
「うん…なんだけどさ。その…僕はずっとこのままっていうのはイヤなんだ。」
「…なにそれ。どういう意味?」
「だから、その………ず、ずっとアリカと気持ちの…その…」
「……」
「えっと……」
イッキのどもる様子に怒るわけでもなく、アリカはただ、じっとイッキの話に聞き入っていた。
「………ずっとアリカと一緒がいいっていうか……だからつまり…」
「だから、つまり?」
「あ、アリカのことが好きなんだ!!」
最後は、せきを切ったように、一番言いたかったことが口をついて出ていた。

イッキは、半ば肩で息を切るように、やや荒げな呼吸だった。
緊張と、またそれから開放された安堵感とで、額にも薄く汗を浮かべながら。

アリカは、イッキの一世一代とも言える告白を聞いて、薄く眉を動かした。
そして、すっと立ち上がる。
そのまま、イッキの元まで歩き、目線を合わせるようしてしゃがむ。

そして、一言。


「ありがと」


それを言い終わるか言い終わらないかの内に、
アリカの細い腕がイッキの首筋に回された。
そしてそのまま、自分の体を密着させるように、イッキに抱き着く。

イッキは、何をどうしていいかわからず、ただ顔を上気させるだけだった。
130前々スレ731:2007/08/18(土) 02:00:41 ID:K3OLAosO
ちょっと小休止

ぽんぽん間が空いてるから感覚が鈍りまくりorz
書いてて無理やりだと自負するくらいの展開だけど
まだ投下します。ほんとごめんなさいorz
131名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 03:27:54 ID:K3OLAosO
「…………!!」
「……ありがと…イッキ。」
「……あ、いや………ど、どういたしまし、て……」
「……それと…ごめんね」
「え?」
「………たぶん、さっきからずっと言おうとしてたでしょ?」
「あ……うん…」
「だよね……ほんとはね、ずっと分かってたんだけど…」
「……」
「でもなんか…勇気出なくて、ずっとイッキが言ってくれるのを待ってた」
「…そう…なんだ……」
「…………」
イッキは、いつもとはまるで違うアリカの様子に戸惑いを覚えながらも、
段々と自分の体と密着している彼女の体温にも気が回るようになり、
少しずつではあるが興奮に似た感情が込み上げて来ていた。
「……えっと…それでさ……」
「…ん?…なに?」
「その………返事は……」
「…言うまでもないでしょ」
「あ…、だ、だよね」
「…ま……よく出来ました、ってカンジ?」
アリカは少しいつもの調子に戻り、強気な口調でそう言った。
「なんだよ、それ」
イッキもそれに苦笑ぎみに答え、一瞬ではあるが、「いつもの2人」に戻ったようだった。

しかし、それもつかの間で、イッキはまたすぐに現実に引き戻される。

自分の首のあたり、特に肩に感じる心地よい重み。

シャツ一枚越しには幼なじみの体がくっついていて、
しかも両手は自分の首筋に回されている、という現実。

アリカの、眠くなるような暖かさの体温を感じながら、
イッキは恐る恐る、ゆっくりと自分の手をアリカの背に回してみた。

触れることもなんとなく億劫になる幼なじみの体。
イッキがそっと手を回すと、心なしかアリカが、甘えるように少し体をずらした。

片方の手は肩に触れ、もう片方の手は背中に。
改めてそうしてみると、自分が今抱きしめている温もり、感触、
全てを自分の物にしてしまいたいような、そんな気持ちになった。
132名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 03:42:40 ID:K3OLAosO

「…ねえ、ずっとこうしてるの?」
「ぇ、え? あ、いや、ごめん、苦しいよね」
「苦しいとかじゃないけどさ…ずっと同じ体勢だと疲れるでしょ」
「……確かに、そうかも」
「ちょっと、腕放してみてくれる?」
言われるがまま、イッキはアリカを抱きしめていた腕を解く。
すると、アリカはくるりと体を回し、イッキに対して、丁度椅子にもたれかかるような姿勢になった。

「こっちのほうが、イッキも楽なんじゃない?」
「あ………う、うん。」
確かに、体勢としてはその方が遥かに楽であることは確かだ。
しかし、手を回す方向が体の前面になったせいで、イッキは腕のやり所に困るようになった。

実際こうして体を預けられている状況とはいえ、
下手なところを触ればそれはあまりにも露骨な話になってしまう。
特に性モラルというものを教え込まれていない年齢ではあったが、
なんとなくそういうものが「いけないこと」であることは知っていた。

結局、イッキはアリカの胸の下、丁度お腹の真ん中あたりで手を組むようにした。

一方でアリカは、そんなイッキの苦労など知る由もなく、無邪気に頭をもたげてくる。
ここ暫くの懸念だった、イッキとカリンとの間柄についての悩みも晴れたせいか、
普段学校でイッキを引っ張り、姉御肌を見せている時とは少し雰囲気も違う。

「イッキってさ、結構間近で見るとかわいい顔してるよね」
「か、かわいい?」
「そ。なんかさ、やることやれば女の子でも通じるんじゃないの?」
「僕にそういう趣味はないって」
「分かってるわよ。たとえ話よ、たとえ話」
「アリカの場合、本気でやりかねないよ…」
「あはは、冗談だって。心配しなくても大丈夫よ」
そう言って、アリカは満足げに笑った。

時折、首を横に向けて、イッキの胸に頬を寄せる。

そんな仕草が、イッキにとってはたまらなく扇情的だった。
いや、今の状況では、例えどんなに些細な仕草であっても、
それ自体がアリカという「女の子」を表象するものに摩り替わってしまうだろう。
133名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 01:46:01 ID:hJ1Ce6TO
>>127-132
GJ!!!!!
めっさ萌えますた・・
続き期待してます、がんばってください!
134名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 02:08:48 ID:8V9uGTQB
ショタ心も擽られますなぁ。禿萌えた。
135名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 22:40:22 ID:kvBCRTw3
ここってエロ無しって駄目なの?
136名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 15:52:42 ID:cQ8ntIec
>>132
続き期待
137名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 01:32:13 ID:1s1H0+nf
>>132
GJ!
続き待ってますよ
138名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 03:08:52 ID:Ea4omhvQ
>>135
何でもおk
期待してます
139名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 04:29:09 ID:eP+Aka6Q
「なんかさっきから静かね?」
「え?」
「アンタよ。なんか、ずーっと黙ってない?」
「い、いや、そんなことないよ」
「…?何もぞもぞしてんのよ?」
「いや、えっと、その、ちょっと足がかゆくって…」
「はぁ?…あ、そう。」

長いこと間近で女子を抱いていれば、下半身もそれなりの様相を呈してくる。
そもそも、イッキの年齢では女体に触れる経験さえ無くて当たり前なのだ。
いきなり異性を、しかも短くない月日思いを募らせてきた幼馴染を抱いたとなれば、
海綿体が充血してしまうのも無理はない話だった。

「やっぱなんか変じゃない?」
「え!あ、えっと、な、なにが?」
「なんかさ……さっきから体離そうとしてない?」
「っ?! いや、そんなこと、ない、と思うけど…たぶん…」
「“たぶん”って何よ。なに、疲れてきたの?」
「そ、そういうわけじゃないけど…」
「そういうわけじゃないってことは何か理由があるんでしょ?」
「う…」
「何よ。今更隠すこともないでしょ?」
「いや……その…」
「黙ってちゃわかんないって…言わないと、」

そこでアリカはにやっと意地悪い笑みを浮かべ、背を預けていたイッキへ思い切り体重をかけた。
体勢が体勢だった為、イッキは抗うこともできず、そのまま背中かから倒れこむ。
140名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 04:30:34 ID:eP+Aka6Q
「う、うわ!」
「ほらー!薄情しなさい、って…」

仰向けに倒れこんだせいで、
イッキは下半身に雄雄しく張ったテントを隠す事が出来ず、
その状態を無抵抗にもアリカに見られてしまった。

「……………うわあ………」
「…………ご、ごめん……」
バツが悪く、イッキはそっぽを向いたまま、呟くように謝った。
「……………い、痛くない?大丈夫なの?」
「……痛くはないけど…」
会話もほどほどに、2人の間には険悪さとは違う微妙な空気が漂い始めていた。
「………」
アリカは無言のまま、イッキの下半身へ視線を注いでいる。
イッキは怒張したそれを、例えズボン越しにでも見られる羞恥のあまり、
まともにアリカの顔を見ることも出来ず、ただ頬を紅潮させて顔を背けていることしか出来なかった。

「………ねえ、それさ……どうやったら元に戻るの?」
「え、えっと……たぶん、じっとしてれば戻ると思うけど…」
「ふーん…………あのさあ…」
アリカの目に、一瞬だが好奇の色が宿る。
「……触っても平気?」
「えぇ!?」
「…やっぱり触ると痛かったりするの?」
イッキの反応を見てか、アリカの表情に若干の陰りが宿る。
「……い、痛くはないよ…」
「そっか………」
アリカの、下半身を見る目にいっそう熱が宿る。
「…その……触ってみていい?」
「え、さ、触るって………こ、これ…?」
「…他にないでしょ」
イッキの視線が、テントを貼る自らの屹立へ、
そしてそれを興味深げに見つめるアリカへと流れていく。
「…い、…いいよ……」
震えるような声で、イッキは呟いた。
141前々スレ731:2007/08/23(木) 05:31:11 ID:eP+Aka6Q

「……どんな感じなら触っても平気なの?」
「…あんまり強くは……」
「ふーん……、…………………」
肯きながら、アリカの手がゆっくりとテントの上を覆う。
布越しに感じる幼馴染の手の感触に、イッキは思わず深い感嘆の息を漏らす。
「……っ……」
震える吐息を漏らすイッキを気遣う意味で、アリカは彼の表情を見る。
相変わらず横を向いたまま、整った横顔をこちらに向けている。
すっかり紅潮した頬のせいで、いくらか幼く見える顔立ち。
「……ひょっとして、気持ちよかったり………するの?」
「…………わ、割と……」
「…まだ、手、乗せただけなのにね」
なるべく普通の口ぶりを装いながらも、アリカも内心は相当に興奮し、緊張していた。

男性器とて、テレビではモザイクがかかるし、
父親のとてそう頻繁に見るわけではない。
つまり、男性器というのは殆ど記憶にも薄い、極めて希薄な存在であった。
少なくとも、今こうして、イッキのものに触れてみるまでは。

「……………すごい…こんなになるんだ……」
指先をわずかにあてがう様にすると、確かすぎるほどの感触が帰ってくる。
「…………」
「これさ………その、…どうして……こう、なるの?」
「………それは………その…なんというか…」
「……なんか………いけないこととか想像するとなるの?」
「…そ、そんな感じかな……」
自己の恥部に文字通り直接触れられながら、
更に心の中の羞恥さえも覗かれるような質問に、イッキは耳まで真っ赤にしていた。

「………なんか、想像したんだ…」
「……ご…ごめん……」
イッキの羞恥はますます最高潮に達し、心なしか目の端も潤み始めていた。
濡れ眼で、顔を高潮させ、謝る幼馴染。
アリカは女子であるが、イッキのその様子には、流石に若干の感慨を覚えた。
と言うより、女子であるからこそ、母性本能をくすぐられるような心地になると言うのだろうか。
「ねえ、イッキ………どうすればいいの?これ…」
そう問いかけ、わずかに指の腹でテントを押さえつける。
イッキの顔が、苦悶とも恍惚ともつかぬ表情にゆがむ。
「ど、…どうって………」
「…たぶんだけど……触られたりすると、その…気持ちいいんじゃないの?」
「………う、うん、…まあ……」
素直に肯定してもいいものかわからず、一瞬躊躇して頷く。
「………だからさ…………いいよ?……」
「………え、…?」
アリカの言わんとするところがいまいち理解できず、
イッキはアリカの方へ紅潮した顔を向ける。
「……私でいいなら……………シて、あげるから…」
アリカの言葉に、イッキは思わず生唾を飲み込んだ。
142前々スレ731:2007/08/23(木) 05:32:38 ID:eP+Aka6Q
「…それとも、やっぱり……私じゃヤだ?」
「い、いや……僕は…………ア、アリカがいい……」
予想以上にストレートなイッキの物言いに、アリカも思わず頬を染める。
「……うん…わかった。あ、でも……」
「……?」
「その……こういうことする前にさ………ちゃんと、しない?」
「………ちゃんと、って……何を?」
「……ほんっと、鈍いんだから…。…もう、そのままジっとしてて」
そう言うと、アリカは身を乗り出して、
後ろ手に座り込むイッキへ、覆いかぶさる様に迫っていく。
「…え、ちょっと、アリカ…?」
イッキの鼻先、ちょうど一寸くらいのところでアリカはぴたりと顔を止める。
「いいから……ジっとしてて…」
アリカが吐息を吹きかけるように言うと、
そのまま吸い寄せられるようにして二人の鼻先が触れ合う。
「…っ………」
驚く間もなく、アリカの唇が触れる。
イッキの、小学生特有の柔らかい唇と、またアリカの柔らかい唇が、押し合うようにして触れあう。
アリカの頬もイッキと同じくらいにまで紅潮し、イッキはさらに下半身のテントをハッキリとした物にする。


一分程度なのか、四、五分なのか。
時間の感覚さえ麻痺するほどの体験、感覚。
濃密とはいえない接吻だったが、
性に関しては全てにおいて未体験ともいえる二人にとっては、十分すぎるほどに刺激的だった。

どちらからともなく、二人は唇を離す。
わずかに糸を引いた唾液のせいなのか、その瞬間に微かに生唾の香りがした。

「………ファースト、だからね」
「…………ぇ、あ、…う、うん……」
「…………ふふ」
イッキの両脇に両手をついたまま、アリカは嬉しそうに笑った。
143前々スレ731:2007/08/23(木) 05:35:21 ID:eP+Aka6Q
>>133
こんなもんでよければいくらでも萌えてやってください

>>136
頑張って期待に応えてみます。

>>137
ってことでがんがります!



やっと安定した投下ペースに切り替えられそう。
とりあえず今日はここまでなわけですが。
さー今から寝るぞーorz
144前々スレ731:2007/08/23(木) 05:36:42 ID:eP+Aka6Q
>>134をスルーしてしまったorz

個人的にイッキは一番のショタキャラです。
アリカがSで彼がMなのが理想なんです。
どうみても社会不適合者です、本当に(ry orz
145名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 21:06:03 ID:Da7n1JZp
>>139-144
待ってました!
期待以上の内容でたまりませんっ!
深夜遅くまでご苦労様です!
続き期待してます!
146名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 03:21:46 ID:gTpTkob9
イキアリ最高ですわ、感謝します
147名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:21:15 ID:ZAelQxMe
wktk
148前々スレ731:2007/08/27(月) 04:38:41 ID:tnazJdae
「……チャック、降ろしてよ」
「う、うん」
促されるまま、イッキは自分のズボンのチャックを下ろし、
その間隙から怒張した逸物を出す。

「うわ……」
さしものアリカも覚悟はしていたが、
いざ実際の男性器を目の前にすると、流石に身動ぎしてしまった。
充血して膨れ上がった亀頭と、張り詰めた包皮。
うっすらとピンク色の血管が浮き上がる陰茎は、きれいな肌色をしていた。
「さ、触るわよ」
半ば自らに言い聞かせるように、アリカは言う。
イッキは声も出さず、小さく頷いただけだった。

ゆっくり、おそるおそるイッキのペニスへ手を伸ばした。

かすかな指の感触に、律動を起こすようにペニスが動く。
アリカが、触れた指でぷっくりと膨れた亀頭のあたりを、
包皮の上から押すように刺激すると、イッキははぁあ、と大きくため息を漏らした。

「……どうなの?これで…気持ちいいワケ?」
「か、……かなり…」
「ちょっと触っただけなのにね…………」
親指と人差し指で、ペニスを挟むように触ったまま、まじまじとアリカはそれを見つめる。
「…ねえ、これさあ……」
「……え?」
「舐めたら気持ちよくないの?」
「えぇっ!!?」
アリカの口から出た想像だにしない言葉に、イッキは思わず大声を出して驚いてしまった。
149前々スレ731:2007/08/27(月) 04:39:39 ID:tnazJdae
「ちょっと!!声大きいわよ!」
「あ、ご、ごめん……!だ、だけどアリカ、何言ってんのさ…!舐めるって、それじゃ、まるで変態みたいじゃ…」
「う、うるさいわねー!ちょっと思っただけよ。それに、だいたいさあ…」
一呼吸置いて、アリカは指先に少し強く力を入れる。
「ぅ、あ!」
「変態はアンタほうなんじゃないの?」
「そ、そんなこ、っうぅ」
「こんなとこ触られて、気持ちよさそうな顔してさぁ」
「だ、だって、これは…」
「自分でもしてたんじゃないの?変なこと想像したりして」
「そ、そんなこと」
「ウソ。アタシ、知ってるんだからね〜?」
意地悪な口調で、アリカはわざと上目遣いで言った。
「最近さあ……体育のときとか、アタシのことよく見てたでしょ?」
「!!!」
「ナエさんと会ってるときだって、胸ばっかり見てるし……」
「………いや……その……」
「どう考えてもイッキのほうが変態でしょ」
そう言うと、アリカはおもむろにペニスから手を放し、
ぐいっとイッキに顔を近づけた。
「…ね?」
「………い、いや、……だから…」
「……言い訳しないの」
吐息混じりにそう言ったかと思うと、アリカは乱暴にイッキの唇を奪う。
イッキが言葉にならない声を出したが、そんなものはまるで聞こえないかのように、アリカはそのまま後ろへと押し倒した。
「(……な、なんかアリカ………さっきから変……)」
内心は密かに、幼馴染の変貌振りに驚きながらも、
体はキスの興奮にしっかり反応していて、さっきから勃起した一物がアリカのオーバーオールにグイグイと当たっていた。
下腹部の違和感を感じたのか、アリカはふと唇を離す。
「………もっと固くなってない?」
「だって……い、いきなりアリカがキスするから…」
「それで興奮したんだ」
「い、いや、だから」
「正直に言いなさいって」
そう言うと、アリカは異常なほどに艶かしい表情を浮かべ、
色のある仕草でイッキの頬を撫で、ゆっくりと顎のあたりへ指を滑らせる。
150前々スレ731:2007/08/27(月) 04:41:08 ID:tnazJdae
中途半端だけど今日はここで勘弁orz

ところで、アリカって個人的にかなりのSだと思うんですが、
そのへんどうでしょう。というより、Sであって欲しいのかもしれないけど。
151名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 09:09:11 ID:R/RrAvHp
サンクス。お疲れ様です!
アリカはSで良いと思いますw
こういう雰囲気の小説は良いですね!

152名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 09:25:23 ID:ogKpTRk2
わっふるわっふる!
153名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 02:08:09 ID:Skn/BeE+
いつのまに!ktkrGJGJGJ!
深夜遅お疲れ様です。
154前々スレ731:2007/08/30(木) 00:14:51 ID:/UhIvkJi
「黙ったまま?」
棘のある口調のまま、アリカは再びイッキの股間に手を触れる。
今度は手のひらでぐりぐりと、押し込むようにしてペニスを刺激する。
「ぅ、あ」
「何も言わないんなら、ここで止めちゃおっか?」
詰問された上にペニスを弄くり回され、イッキは既に耳まで真っ赤にしていた。
額にはじっとりと汗が滲み始め、彼が肉体的にも十分興奮し切っていることを如実に表していた。
「ちゃんと言えたら、…もっとしてあげてもいいよ?」
「…う………」
これ以上の快楽か、これ以上の羞恥か。
そのどちらかを選ばなければいけないのは事実だったが、
アリカに散々な言葉責めを受け、羞恥心が高まると同時に、
徐々に体の芯から湧き出すような快感が溢れてくることも事実だった。
「いつまでも、手だけでいいの?」
「い、いや………えっと……」
「…アタシのさあ……口でしてほしくないの?」
そう言うと、アリカはわざと舌先で唇を舐め、薄く口を開く。
「………いや……その…」
「正直にさ……言いなさいよ」
「な、…何て……?」
「…そうね………いいわ。…じゃあ、オーソドックスに“僕は変態です”、って」
「え、ええ!!?」
単刀直入な言葉に、さすがのイッキも驚愕の声を上げる。
155前々スレ731:2007/08/30(木) 00:44:47 ID:/UhIvkJi
「……言えないんなら、ここでお預け」
そう言って、アリカはイッキの股間に押し付けていた掌を離す。すると、
ズボンの、丁度張ったテントの天頂のあたりが、うっすらと湿り気を帯びていた。
「……どうする?」
アリカは、狼狽するイッキに対しても一向に譲歩する様子を見せず、
愛しさの中にわずかな蔑みを含んだ視線をイッキに向ける。
「…………ぼ、…」
「ん?」
「…………僕は……」
アリカは少しだけ唇を緩ませ、間誤付くイッキの様子をただ見ていた。
言葉の先が紡げないイッキを見て、若干の娯楽さえ感じているかのように。
「………ボクは、何?」
「…………僕は、へ、…変態……で、すっ」
語尾だけを強く言い切り、イッキは羞恥のあまりうつむき加減に頬を落とす。
その様子を見て、イッキに視線を落としたまま、アリカは口元だけを緩ませた。
「………っ、………」
肩で息を切るほど呼吸の乱れているイッキは、
それ以上何をいうべくもなく、ただ無言のまま、最高の羞恥と、
これからの未曾有の快楽への微かな期待を膨らませていた。

アリカは、表情を崩さないまま、そっとイッキに顔を近づける。


「……本っ当に、ヘンタイなんだから…?」


一言だけを言い捨てると、そのまま顔をイッキの下腹部まで降ろし、
ゆっくりと唇をペニスに近づけた。

「………ん…」
僅かに喉を鳴らし、アリカは自らの口内にイッキのペニスを迎え入れた。
舌が感じる明らかに異質な感触、密着した状態で香るわずかな臭い。
いずれもこれまで経験のした事のないものだったが、アリカは構わずに舌でイッキのペニスを味わうようにして執拗に刺激する。
「…ぁう、……あ………」
まさに文字通り未知の快楽に、イッキは時折荒い息を漏らしながら打ち震えた。
まだ剥けきっていない包皮の先からわずかに露出した亀頭を、
時折アリカの舌が撫でるように刺激する。舌が亀頭を撫でるたびに無意識にペニスが反応してしまい、
結果、さらに性器全体が充血していく。
156前々スレ731:2007/08/30(木) 00:45:18 ID:/UhIvkJi
アリカは、イッキのペニスの変化を如実に舌で捉えており、
びくっと顫動を起こすたび、舌で亀頭を嬲るように愛撫する。

「……アリカ………アリカぁ………」
うわごとのように、イッキはアリカの名を呼ぶ。
それに呼応するように、アリカも舌の動きを激しくしていく。

不定期に激しくなっていたイッキの呼吸が、やがて一定のリズムを帯びるようになる。
亀頭は既に最高潮に充血し、パンパンに膨れ上がっていた。

アリカもそれを舌で感知し、ここらでもう一度焦らしてやろうと思っていた。
だが、アリカが一気に視線をやり、一度ペニスから口を離す為顎を引こうとしたその時、
後頭部からのあらぬ力と共に、一気に喉の奥までペニスを押し込まれた。

「おぶ、えぅ?!」
突然のことにアリカは何が起きたかが理解出来ず、目を見開く。
「アリカ、や、やば、アリカ」
イッキの声が聞こえ、ようやく状況を理解する。
イッキが、両手でアリカの頭をがっちりと掴み、乱暴に上下させていた。
そう、まるで性玩具でも扱うかのように。
「ぅ……ぅおぇ…………」
アリカは、喉の奥にペニスが入り込むことによって反射的に起きる嘔吐感を必死にこらえる。
イッキはまるでアリカのことなど意に介さないように、
ただアリカの「口」に、必死に自分のペニスを出し入れしていた。

「…アリカ、…アリカ、アリカ…!」
既に理性は消えかけ、快感を高めるためにイッキは本能的にアリカの名前を呼ぶ。
勿論、アリカの返事など必要なかった。

度重なる嘔吐感を我慢し続けているせいで、アリカの目尻にはうっすらと光るものが浮かんでくる。
が、既にイッキは絶頂まであと僅かの所まで来ていたため、ますます動きは激しさを増していく。
出し入れというよりは、イッキが腰をアリカの顔面に打ちつけているという状態に近かった。

「…………も、…ダメ……、だ、出すよ、アリカ、アリカっ、アリカ」
アリカの口内に、生暖かい液体が広がった。
突然の異物感に、アリカは目を瞬かせる。

一度の放精では収まらず、二度、三度とペニスは顫動を起こし、精液をアリカの口内へと放出していく。
イッキは、アリカの頭をしっかり押さえつけたまま、最後の一滴までアリカの口内に射精した。
157名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 00:48:59 ID:Hg/m9FOr
乙です
158名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 01:49:58 ID:46Neuqup
GJ!
お疲れ様です。
がんばってください!
159名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 09:38:23 ID:1ZsFUk2q
gjです
160名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 04:08:30 ID:kOWAQ05A
gj〜
161名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 00:23:39 ID:fxhJDGL4
良い。
アリカ萌えーー
162名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 02:23:13 ID:lRR1GCS2
口内に出された精液を片手に吐き出し、
アリカは恨めしげにイッキを睨めつけた。

「ちょっとアンタ……」
「…ご、ごめん……」
謝るイッキの声には詫びる様な気色は薄く、
むしろ射精の後に残る余韻に惚けているような声色だった。

「…ていうか、何よコレ……?オシッコには見えないし…」
「……ぼ、僕にもわからない…」
アリカは、渋い顔をして、イッキの出した精液を見つめる。
時折鼻を鳴らして匂いを嗅いでは、また顔をしかめる。
「わかんない、ってアンタ、自分が出したもん―って、あれ?」
ふと見れば、イッキの股間の様子が先程までとは打って変わっている。
「………さっきみたいになってなくない?」
「…なんか……元に戻っちゃった…」
しおれるペニスを前に、アリカは不思議そうな顔をする。
必死に口内で愛撫を繰り返していたと思えば、不定にも謎の液体を吐き出し、
そうかと思うと、今度は空気を抜いたかのようにしんなりとしおれるペニス。
まさに正体不明の様相を呈するそれに、アリカはこころなしか好奇心を刺激された。

「ね、それ、また大きくなるんでしょ?」
「え?……どうかなあ………今すぐにはわかんないけど…たぶん…」
「…いいわ。じゃあ、アンタはそのままでいて」
そう言うと、四つんばいでイッキの元へ近づいてぐっと顔を近づける。
そして、いつもと同じ、少し意地悪そうな笑顔を浮かべた。
「…同じことすれば、また大きくなるでしょ?」
アリカは、不可思議そうな顔をするイッキを諭すように言った。
163名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 02:24:36 ID:lRR1GCS2
何か文章書けなくなってきたorz

原作をやってエナジー補給してきます
あと、保守してくれたりとかGJとか言ってる人のせいで涙g(ry
164名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 03:35:15 ID:lRR1GCS2
少しだけ頬を染めて、アリカはそっとイッキへ抱きついた。
優しく手を背中に回し、しかし心の底から彼を信頼し、身を預けるように。

「……」
イッキは声も出さず、目を丸くしたまま。
そしてやはり、アリカと同じようにうすく頬を染める。
「………ちょっと、疲れたし、ね。」
「………うん。」
優しく頷いて、イッキもそっと背中に手を回す。
お互いに抱きしめあう格好となった2人だったが、その光景は「男女」の絡みなどという艶かしいものよりは、
お互いをよく知った「幼馴染」の触れ合い、スキンシップと言った方が的確だった。

多少の情欲はあったとしても、彼らが今求め合っているのはお互いの体ではなく、
その内から沁み出して来る体温、そこに宿る確かな温もりだった。

「……なんか、すごく気持ちいい。」
アリカを腕の中に収めながら、イッキは耳元でそう呟いた。
「…アタシも。なんか、眠くなってくる気分ね。」
「うん………人間って、抱いたらこんなにあったかいものなんだね。」
「誰でもそう感じるとは限らないでしょ?」
「え?」
「お互いに、信頼できて、頼れる人じゃないとそうは思わないわよ。
―いっちゃ悪いけど、アタシだって、カガミヤマとかイワノイとかとこんなことしたくないし。」
そう言って、アリカはくすくすと無垢な笑みを零した。
イッキは少しだけ眉をしかめながらも、口元から毀れる自然な笑みを抑え切れなかった。

決して嘲っているわけではない。
ただ、それでも、アリカの言葉の指し示すところを理解すればするほどに、
イッキは自然と、その笑顔を隠す事が出来なくなる。

「………イッキ」
「…うん?…なに?」
「呼んでみただけ、って一度使ってみたかったのよね」
ご機嫌な口調でそう返すアリカに、イッキは苦笑交じりの溜息をつく。
片方の手が自然と、彼女の髪を撫でていた。
すると、唐突にアリカが声を上げた。
「あ」
「?」
「今、撫でたでしょ?」
「…え、あ、うん」
「もっかい」
「もっかい?」
「もう一回撫でるの!」
「うわ!…わ、わかったって」
急に荒げられた語気に若干怯みつつも、イッキはもう一度、ゆっくりとアリカの髪を撫でた。
首元のあたりで揃えられた髪から、柔らかく甘い香りが漂った。

「…これ、…凄いよ……イッキ…」
「……凄い?」
「………ん……」
イッキの問い掛けに、返事はなかった。
返ってきたのは、言葉にもならないほどの、おぼろげな声。
「アリカ?」
「……………」
もしかして、と思い、少し耳を澄ましてみる。
すると、イッキの予感はすぐに的中した。


「…なんで寝てるのさ」
165名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 03:36:50 ID:lRR1GCS2
「なんでアリカそんなすぐ寝てしまうん?」
「イッキがチンコ出しっぱなしな件について」

などは脳内補完をお願いしまんた。


行き当たりばったりってよくないねorz
166名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 06:57:06 ID:11/6VB7s
>>165
おk補完しますたwww
萌えましたよ、お疲れ様でした!
167名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 10:20:35 ID:xqSZ+Up7
メダ2カリンendのメダ4後日談のイッキ×カリンのを読みたいっす
168名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 19:54:00 ID:atqfkY+v
メダナビのキリカ分足りなくて困ってる
神様、助けて下さいorz
169名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 03:42:02 ID:w6dm0GWu
規則正しい寝息に、温かい体、ふんわりと香る髪の匂い。そして、窓から差し込む夕日。
それが、今のイッキが五感で感じている全てだった。
最も、その殆どは幼馴染からのものだったが。

「……アーリーカー…」
小声でそっと呼びかけてみても、反応はない。
それどころか、ますます眠りは深くなっているような感じさえする。

試しに、ぽん、と本当に軽く頭を叩いてみた。が、無反応。
体を擦り合せるように少し体位を変えてみたが、やはり反応がない。

既にアリカが眠りに落ちてから、10分ほどが経過していた。
普通ならまだしおれたままの筈のペニスも、
間近に幼馴染を抱いていることもあって既に勃起状態を取り戻していた。

こうなると、やはり性欲を持て余して悶々としてしまうのが男子というものだ。
まして、腕の中には好きにしていい筈の幼馴染がいるのだ。
イッキは、興奮のせいでこころなしか粘着度の増した唾液を口内に蓄えつつ、
アリカの耳たぶに舌を当てた。
ぴちゃりといやらしい音を立て、唾液がアリカの耳たぶを濡らす。
しかし、アリカはやはり何の反応もない。

イッキは、それに気をよくして、今度は唇で耳たぶを食み、
チロチロと舌先で嘗め回した。
舌で直接感じる耳たぶは想像していたよりも柔らかく、また、その行為はひどく官能的だった。
唇を放すと、てらてらと濡れた耳たぶから唾液が細い糸を引く。

「アリカ………まだ起きないの……?」
そう聞きながらも、本心では言葉とは裏腹に、まだ起きないで欲しいと願ってもいた。

イッキは、続けてアリカの耳全体へと舌を伸ばした。
耳の窪みの中を、文字通り舌で嘗め回す。
耳ゆえに若干冷えた感触は、ひどく気持ちのいいものだった。

「……アリカ………」
耳元で名前を囁き、夢中でアリカの耳を貪る。
汚いとか、そういうことは一切考えられなかった。
イッキはまるで、母親の乳房を必死で子供が吸うように、
何かに憑かれたかの如くひたすらに耳を嘗め回し続けた。

耳たぶを食んでは舌でくちゅくちゅと味わい、
窪みの中に舌を入れてはれろりと味わう。
舌で、つまりは味蕾で、アリカを味わっているのだ。
170名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 03:44:41 ID:w6dm0GWu
さっきからイッキ×ナエのSSに浮気し始めた俺ガイル
イキアリ終わったら投下します


ところでSS神マダー?チンチン(AAry
171名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 06:53:48 ID:GRW8cjqV
gj!乙ですー
172名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 17:10:55 ID:GX8LC1ih
>169->170
173名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 09:20:02 ID:eestk78M
保守
174名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 19:53:40 ID:Czg6as6I
保守
175名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 18:26:58 ID:99sRGq5z
やっと追いついた!

ヒカルキララに禿萌えました。ハァハァ
176前々スレ731:2007/09/11(火) 03:15:24 ID:Q/oOEut8
間隔空きまくりで申し訳ないorz

書き溜めてから一気に投下したくて…
といいつつネタg(ry

とにかく近いうちに必ず投下再開しますんで。。サーセン。
177名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 17:44:34 ID:d2+4q7TY
暇な時で良いので無理をなさらぬように投下して下さいまし
178名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:40:44 ID:5mw6uvpp
気長に待ちますので、がんばってください!
179名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 02:06:34 ID:Pt3EBVqo
あげなきゃいけないみたいな変な重圧を感じず自分のペースであげて下さい。
気長に待ってます。
180名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 09:12:30 ID:vP7GCkhU
やっと追い付いたぜ…。あまりにもGJ
投下はするもしないも自由ですから、ごゆるりと。無理はなさいませんよう
181名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 19:48:08 ID:7cV84unm
イキアリさいこー
182名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 06:53:33 ID:pYC0Xrq5
保守
183名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 04:01:03 ID:nyrJ8aq2
イッキは出来る限りアリカを起こしたくはなかった。
漠然と理解しているフェティシズムに対する背徳感と、
また「寝ている」彼女を弄る、ということにも更なる興奮を感じていた。

初めは耳のあたりだけを弄っていたイッキも、
アリカの睡眠が予想以上に深まっていることに気をよくして
更に違う部分も感じてみたいと考えるようになる。

そうすると、当然といえば当然なのか、イッキはアリカの耳から口を離し、
うっすらと汗ばみ始めていたアリカの首筋へと口元を寄せた。
衣服に包まれていない分、立ち上る体温を直に感じることが出来る。
首筋ともあれば、尚更体温ははっきりとしたものになる。

イッキは、ちろっと舌先を出して、また一つ未知の行動への感慨を胸に膨らませつつ、
そっと先をあてがった。

味は、ない。あるとしても、本当に少しだけのものだ。
舌を動かし、下から上の方へと、アリカの首筋を舐め上げる。
すると、一瞬だが強くアリカはふっと息を吐き出して反応をした。

起こしてしまったのではないかとアリカの顔色を伺うも、
先ほどまでより少しだけ頬に赤みが差してはいるが、
相変わらずたおやかな寝顔を浮かべていた。

安堵の心地を覚えつつ、イッキは再び首筋へ戻る。

そういえば、テレビドラマの濡れ場で、
男性が女性の首筋に貪り付くような場面を見かけた覚えがある。
ということはつまり、それも性行為の一環なのだろう。

自分の中にある知識、そして記憶を総動員して、
そのときテレビの中の役者がどうやって「味わっていたか」を思い出す。

―確か、こうだ。
唇を、キスするみたいにあてがって――。

ちゅっという音を立ててアリカの首筋を吸い立てると、
口腔内にどうとも度し難い汗の味が広がった。
舌で触れてみた肌は想像以上に柔らかく、皮膚の起伏も殆ど感じられない。
184名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 04:03:15 ID:nyrJ8aq2
話を広げすぎて収拾がつかなくなってきた…
なんとかしてうまくまとめあげて次へ行きたい。


わざわざ保守して下さったり待ってくださったり、
色々と住人の方々には助けられていますorz
本当にありがとうございます、そしてすいませんorz
185名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 06:51:56 ID:Mj4zbVsa
GJ!
乙です!
がんばってください!
186名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 11:25:38 ID:+GjBn4NN
エロイのう
187名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 23:06:08 ID:gfREbjEy
GJ!素晴らしいです
188名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 22:55:24 ID:Lo+SSYza
wktk
189名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 11:04:51 ID:ULnh5NQB
gjgj
190名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 00:14:37 ID:jtUIbTl9
保守
毎日wktkしてます
191名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 01:33:43 ID:lZabNiqo
保守
192名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 17:36:40 ID:dktERW7U
イキアリいいね
193名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 11:59:34 ID:79fWYVEn
保守
194名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 10:32:51 ID:GSJsDOSw
保守
195名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 12:19:04 ID:wz03/Ikr
保守
196名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 09:45:10 ID:oE3UAy/z
保守!.
197名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 21:07:30 ID:6d7y6z+1
うp主ガンガレ!
198名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 21:44:33 ID:CEONCKGV
保守るぜベイベェ
199名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 10:33:01 ID:2tNDSSfl
保守新党
200名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 15:28:49 ID:rRni6j4Y
保守
201名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 19:50:35 ID:rRni6j4Y
202名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 19:51:57 ID:rRni6j4Y
203名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:15:42 ID:ui2IlHQK
期待してます

ちなみに>>201って開くとまずい系?
204名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:19:28 ID:JbRl5J7+
>>201はまぁ普通に同人誌だった
でも角煮でやろうぜ
205名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 05:04:07 ID:7YA7RKY7
>>201->>202 GJ!
アドレスは両方一緒だったけど、ガチ萌えしますた!
206名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 21:42:12 ID:ui2IlHQK
マジで?
ウィルスとかないよな。。
207名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:26:28 ID:dUELxoEn
>>206
アドレスの
doujinshi→同人誌
MEDABOT→メダロットの英語版ではMEDABOT
メダロット関係なのは確実だろーが
それにアドレスにSAKEDOKOROとかいてあるが、
実際さけどころって同人誌があるから期待しておk!
208名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 10:34:21 ID:xhgHZ8W3
保守
209名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 01:23:35 ID:lQgroJ0n
投下中断してすまんこです

ちょっとトラブルに巻き込まれてなかなか続きが書けない状況なのでありますorz
スレ違いになってしまうので詳しくは書けないけど
浮気するような男の世話をしなければならない俺アボガドバナナ


ほんっっと申し訳ないですorz
210名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 17:09:06 ID:gkSbD9YE
>>209
大変そうですね。
また時間が空いたら是非投下お願いします。
忙しい中ご苦労様です。
211名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 16:55:37 ID:Sfczz2ZZ
>>209
いやいや、こっちのは無理してやるもんじゃありませんで
お疲れ様です
212前々スレ731:2007/10/27(土) 04:56:53 ID:Cbw/90rI
唇をあてた痕がうっすらと赤みを帯びていた。

アリカは相変わらず規則正しい寝息を立てたまま、何の反応もない。
寝ている無防備な相手を弄るという行為はやはり背徳感があり、
それが却って更なる欲望をかきたてる。

アリカの顔に股間を多いかぶせるように、イッキは体勢を変える。
そして勃起した逸物を握り締めると、そのまま上下に扱き始めた。

時折、軽くアリカの肌に触れさせる。
肌の温もりに触れる度に、イッキの逸物がびくんと反応する。

「アリカ、………リカ、……ぅ…」
まるで動物のように繰り返す行為の快楽に溺れながら、イッキは何度もその名前を呼ぶ。
いつの間にか出ていた先走ったものが、アリカの頬に垂れ始めていた。

パンパンに膨張した亀頭を、ゆっくりとアリカの頬に押し付ける。
ペニスから垂れた液体が潤滑剤となり、その感触はすぐにでも絶頂を迎えてしまいそうなほどだった。
イッキは射精に達しそうになる度に一時的に行為をストップさせる。
息も荒げにペニスを持ち上げ、そしてまたアリカの頬へとあてがう。
そんな動作の繰り返しだった。
213前々スレ731:2007/10/27(土) 05:08:47 ID:Cbw/90rI
しばらくは押し付けるだけで我慢できたものの、
絶頂が近づくたびに、イッキは確実に更なる快感を求めるようになっていた。

ペニスを押し当てていたすぐ横には、艶やかな唇。
そしてその中には、粘膜がある。

イッキはつい先程、アリカの口内で一度果てたばかり。
ゆえに、その快楽がどれほどのものかというのも、鮮明に覚えていた。

その感触を確かめる意味で、自分の口内を嘗め回す。

イッキは、膨張したペニスに突っ張るようにして被っている皮を根本まで下ろし、
アリカの唇へそっと先端を触れさせた。
反射的にアリカの唇が動き、ほんの少しだが擦れた感触が伴った――その刹那、
一気に込み上げてくる射精感は、イッキの腰を突き動かした。

「…えぅっ?!」
いきなり口内に現れた異物に、さしものアリカも目を覚ます。
が、イッキはそんな事には構いもせず、更に奥までペニスを差し込んだ。

ぬるっとした感触と、熱い位の体温がペニスを包み込む。
そうなると、もうイッキには射精を耐えることは出来なかった。

「あ、アリカ、アリカ……」
うわ言のように名前を繰り返しながら、イッキはアリカの口内へ射精をする。
アリカは、どうすることも出来ず、うつろげな目線で、舌でそれを受け止めていた。
214前々スレ731:2007/10/27(土) 05:21:50 ID:Cbw/90rI
「……アンタねえ」
アリカは、口内に溜まった精液を吐き出しながら、じろりとイッキをにらみつける。

「ご……ごめん」
「謝るくらいなら、しないでよ」
不機嫌そうにアリカは言い捨てた。
「その………つい…」
「普通に考えて、寝てるところにいきなりこんなことする?」
「い、いや、……しない…」
「まったく……あーもう、口の中が変な感じする!」
そう言って、アリカはティッシュペーパーで何度も口周りをぬぐった。

「だいたいね、アンタはどう思ってるか知らないけど、そんなに美味しいもんじゃないのよ、コレ」
精液を包んだティッシュを、イッキの膝元へぽいと投げ捨てる。
「あ、あはは……そ、そうだよね」
「あんた、たまには自分で飲んでみる?そうすれば分かるわよ」
「い、いや!いいよ、え、遠慮しとく…」
「……別にさ、してって言えばするわよ。……だから、もうちょっとさ、やり方変えて」
「………う、うん……ごめん。」
イッキの返事を訊いて、アリカははーっと大きくため息を漏らした。

「もう、ほんっといつまでも頼りないんだから」
「は、はは…」
「笑ってないで、ちょっとこっち来なさい」
「え?」
「いいから来る!」
アリカの剣幕に押され、イッキはおずおずと近づいていく。
「もうちょっとこっち」
「な、何すんの?」
そう訊いたところで、イッキはぐいっと抱き寄せられた。
頭を胸元に押し付け、アリカは抱きかかえる体勢になる。

「罰として、一時間抱き枕ね」
「あ………わ、わかった」



                              FIN.
215前々スレ731:2007/10/27(土) 05:24:27 ID:Cbw/90rI
怒号が聞こえて来そうな終わり方にしてしまいまいたorz

某姉スレの影響で、イッキ=弟 アリカ=姉 みたいな感覚になってしまった。
何だろう、ツンデレって難しいorz

とりあえず、次はイキナエ投下します
必ずイキアリもいつかリベンジしますからご容赦をorz
216前々スレ731:2007/10/27(土) 05:25:35 ID:Cbw/90rI
「ナーエーさん!」
乱雑に物が置かれたガレージに、元気な声が響き渡った。

「あら、イッキくん。いらっしゃい。」
整備道具がぎっしりと詰まった車両の中からひょっこりと顔を出し、
ナエはいつもの挨拶をイッキへ向けた。
「あれ?今日はメタビーは一緒じゃないの?」
「アイツ、今日はかーさんと買い物。」
「そっか。待ってね、今飲み物持って来るから」
そう言うと、ナエはぱたぱたとガレージの奥へと消えていった。
手持ち無沙汰になった、何をするでもなく傍の椅子へ腰をかける。

見回したガレージは、確かに建物自体は決して新しくはなかったが、
中に置いてある工具類は一目で最新式だと分かった。
日頃何気なくメタビーの整備を任せてはいるが、実際問題、
ここのメンテナンスはかなり上等なものなのではないだろうか?

そんなことをぼんやりと考えていると、ナエが2つグラスの乗ったトレイを持って戻ってきた。

「ありがとう、ナエさん」
礼を言いながら、イッキはテーブルの上に置かれたグラスに手を伸ばす。
うっすらと結露しはじめたグラスの、冷たい感触が心地よい。

「………っぷはー!いや〜、ナエさんの淹れてくれる麦茶は最高だなあ!」
「また、相変わらずね。それ、10パック100円の水出し麦茶よ?」
イッキの変わらない軽口に軽く苦笑しながら、ナエは自分の分のグラスにも手をつけた。
「…………ふう。でも、ホント、これだけ暑いと冷たいものも恋しくなるわね」

ガレージの前の、駐車場に使えそうなほどの敷地は目に痛いくらいに太陽光を反射し、
道路の向かい側の風景は僅かだが陽炎に揺れている。

「ホントだよ。こう暑いと、ロボトルする気力もなくなっちゃうよ。」
「そうね。それに、あんまり暑い中でメダロットを動かすと、ラジエーターが故障しちゃうかも知れないわ。」
「ナエさん、そのラジエーターって何?」
「分かりやすくいえば、メダロットの中にあるクーラーみたいなものね。
機械は動いてると熱を出すから、それを冷やさないといけないの。そのための機械よ。」
「ふ〜ん、さっすがナエさん」
感心するような相槌を打ちながら、イッキはグラスに残っていた麦茶を一気に飲み干した。

その様子を見て、ナエはぽんと手を叩いた。
「そうだ。イッキくん、かき氷食べる?」
「かき氷!?食べる食べる!!」
「じゃあ、こっちに来て。ここじゃすぐ溶けちゃうから。」
「あ!でもナエさん、お店はいいの?」
ナエは、苦笑いを浮かべた。
「たぶん平気だと思うわ。元々、あんまり人も来ないから。」
217前々スレ731:2007/10/27(土) 05:27:56 ID:Cbw/90rI




「ここがナエさんの部屋かあ……」

ガレージから繋がる通路を抜けるとすぐ、ナエが普段生活をしている部屋があった。
表のガレージとは打って変わって、白を基調に統一された部屋の内装は、
イッキが心の奥でナエに対して持っているイメージとうまく調和するものだった。

「そこ、座っててね。すぐ持ってくるから。」

ナエはつなぎの上だけを脱いで、台所へと消える。
暫くすると、氷削機の回る独特の音が聞こえてきた。

またもや手持ち無沙汰になってしまったイッキは、ナエが戻ってくるまでの間、
部屋の中をじっくりと観察してみることにした。
仮にも、ここは自分が思慕する女性の私室なのだ。

押し開くタイプの四つ窓は大きく開け放たれていて、
すぐ横にかけられているカレンダーが時折ページを揺らしていた。

台所へ入る間口の隣にはスモークガラスの張られたドア。
おそらくはそこが風呂場なのだろう。
一瞬だけよこしまな想像がイッキの脳裏を掠める。

どこを見渡しても、やはり清潔感が溢れている部屋だった。
外のガレージが雑多な分、自分の生活するスペースはまめに片付けているのだろうか。

台所からは、時折冷蔵庫を開け閉めする音が聞こえる。
そろそろ、かき氷の出来上がりだろうか?

気になって、イッキが台所の様子を伺おうとしたその時、
突然悲鳴にも似た叫びが部屋に響いた。

何事かと、イッキは急いで台所へと駆けつける。
218前々スレ731:2007/10/27(土) 05:28:40 ID:Cbw/90rI
「ナエさん!!」
台所に入ると、そこには器の上に見事に山盛りになったかき氷が1皿。
そして床には、よく製氷の為に使われる白い容器が転がっていた。

「ごめんね、驚かせちゃった?」
「な、何かあったの?」
「別に、大したことじゃないの。もう凍ってると思って、冷蔵庫から容器を出したら、まだ凍ってなくて。
それで、この通り、濡れちゃったってわけ。」
「なんだ、そうだったのか…。急に大きな声がしたら、オレ、何かと思ったよ。」
「びっくりさせてごめんね。…あーあ、シャツもびしょびしょ。」
言われて、イッキも初めて気がついた。

ナエの着ている浅緑のTシャツは、水を吸ったせいでだいぶ色を暗く落としていた。
しかも、元々サイズ的にピッタリだったせいなのか、ナエの体に吸い付くように張り付いて、
特に胸のあたりの輪郭をしっかりと映し出していた。
イッキも、思わずそれに見入ってしまう。

「私、ちょっと着替えてくるね。ごめんね、待たせてばっかりで。」
「え、あ、いや!!べ、別にぜんぜん大丈夫!!」
「そう、ありがとう。じゃあ、ちょっと待っててね。すぐ戻るから。」
そう言って、ナエは慌しく駆けていった。


イッキは、大きく、ごくりと唾を飲み込んだ。
219前々スレ731:2007/10/27(土) 05:33:34 ID:Cbw/90rI
今回はいったんここで切ります

保守して下さってる皆さん、本当に感謝です。
お礼にもならないですが初代メダの戦闘BGM+アレンジつきの自作midiおいときます
クオリティについては何も言わないでやってくださいorz

ttp://tonosiki.mbnsk.net/uploader/upload.cgi?mode=dl&file=4730
220前々スレ731:2007/10/27(土) 05:34:07 ID:Cbw/90rI
DLパスはmedarot

書き忘れたorz
221名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 12:16:52 ID:KX0PLDB6
>>220
GJ!GJであります!
やーイキアリ素晴らしかった。もう部屋ん中転がりまくり。
イキナエも楽しみにしつつ。
222名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 02:55:21 ID:dPD6crFI
>>220
GJ!
イキアリ小説最初から最後まで読ませて頂きました、ありがとうございました。
イキアリ小説が終わってちょっと寂しくなっちゃいました↓↓↓

midiもGJ!mp3などの音源よりもmidi特有の音調は個人的に好きです。
懐かしすぎて目から汗がでましたよ^^

ありがとうございました。
223名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 20:04:33 ID:E2iQU6/T
ヒカルキララもの読みたい
224名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 16:17:58 ID:fVY65xdP
保守
225名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 09:06:22 ID:UR+Ii5AS
保守
226sage:2007/11/22(木) 19:31:43 ID:e4SFjKY2
やっぱイッキ×キクヒメとかヒカル×キクヒメって興味ある人少ないのかなぁ
227名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 20:28:19 ID:PUY181DT
ヒカル×イセキなら
228名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 07:59:58 ID:xup1ICWU
>>223
ヒカル×キララいいよな

メダ魂のエンディングのプリクラか何かにちゃっかりキララが映ってて萌えた
あの時のキララはどう見てもピンクメイドです本当に(ry
229名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 06:34:52 ID:MCZTV353
保守
230名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 02:09:59 ID:/4tBKESx
保守
231名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 19:56:58 ID:eIwcnyNQ
保守
232名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 21:53:50 ID:eRoLFcM0
保守
233名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 02:06:52 ID:c9DtKRwe
クワガタバージョンも忘れないで下さい。
234名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 20:05:02 ID:VD4A2LIX
http://www22.big.or.jp/~gajigaji/contents/view.php?g=1463f92084f76f81eb7e0333702bd160
アリカたん(*´д`*)ハァハァ 次へボタンを押して脱がしちゃおう☆

他に良いのあったら教えてくれ。
235名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:42:52 ID:eevNKFE/
カリンかと思ったらポエットだった
236名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 12:35:32 ID:piteKZOG
あるあ…流石にそれはないわ
237名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 22:52:09 ID:xW9QSlH4
>>202
アリカの世界(スクイズ)っぷりにフイタ
238名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 12:46:36 ID:1F3+wET+
今さらだが

>>202 GJ!!
239名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 17:10:35 ID:ypEtU5oa
保守
240前々スレ731:2007/12/17(月) 01:22:13 ID:BbYmx9yd
いや、なんとも間が空きすぎて申し訳ない…

近々投下再開しますのでどうかorz
241名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 23:21:27 ID:RHp3F48n
>>240
超期待してます!

スレの過疎っぷりが激しいので俺も
久しぶりに何か投下してみたくなった
242前々スレ731:2007/12/18(火) 03:08:32 ID:X06/3pFt
>>241
適度にww

ぜひ投下してくだしあ。
顔見せてなくても一応スレ主としてお願いしますw
243名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 22:01:15 ID:Xn23ey6V

幼なじみ関係萌え保守
244名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 10:37:10 ID:CXheksUS
イッキママのちゅう萌え保守
245名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 13:07:35 ID:paDGFWuJ
怪盗レトルト萌え保守
246名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 23:34:09 ID:M+useQKk BE:865620779-2BP(1000)
hssh
247名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 11:19:40 ID:xZ6pmL93
>>244に激しく賛同
248名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 21:44:25 ID:wkH8Lja0
あけおめ保守
249名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 15:55:11 ID:DEourFeS
小説の続きが気になる
250名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 16:04:09 ID:DEourFeS
小説続きお願いします><
251名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 00:16:04 ID:7UxtBKT8
メダロット島・・・普段は子供達に大人気の遊園地だが、今入り口の前に佇んでいる少年は決して遊びに来たわけではない。
「ロボロボ団を止めなくちゃ・・・。」
「他の皆が心配だ。早く行こう。イッキ」
彼の側に居たクワガタを模したメダロットがイッキに顔を向けた。
彼の目からも少年と同じオーラを発していた。
「うん、そうだねロクショウ。」
イッキと呼ばれたその少年がいざメダロット島に入ろうと足を出した瞬間である。
イッキとロクショウの頭の中に突然以前に知り合った少女の声が響いてきたのだ。
「ゆーしゃさま、行っちゃ駄目!!」
「マルガリータ!?」
「どうして彼女の声が?」
「今、じいやからゆうしゃさまが危ないって知らせを聞いたからじいやに頼んでゆうしゃさまに私の声を伝えてもらってるの。」
「大丈夫だよ、マルガリータ。心配しないで。」
「じいやの占いは良く当たるの・・・もしゆうしゃさまになにかあったらマルガリータ悲しいから・・・。」
「大丈夫だマルガリータ。何があってもイッキは私が守る。」
「約束するよマルガリータ。僕達は絶対戻ってまたコーダインに行くって。」
「うん、分かった。ゆうしゃさま。マルガリータ待ってるから絶対また来てね。」
「ありがとう。やっぱりいい子だね、マルガリータは。」
「でもどうしても心配だから今からゆうしゃさまにとびっきりの味方をつけてあげる。」
「すごい味方?」
「うん!じいやに頼んだら今回だけってことで。あ、じいやが!!それじゃゆうしゃさま待ってるから!!」
その言葉を最後にマルガリータの声は二人の脳裏から消えた。
「どう思う?イッキ。」
「マルガリータの言うことだから大丈夫だと思うんだけど・・・。」
イッキが苦笑いを浮かべるとポケットに入っていたぎんのロケットが突然白い光に包まれた。
「ぎんのロケットが!!」
「イッキ、ロケットを外に!!」
ロクショウの言葉を受けてイッキが慌ててぎんのロケットを外に投げるとたちまちロケットは3メートル台の大きさになった。
「こんなに大きくなるなんて・・・。」
「ああ・・・。」
あまりの変化に二人は立ち尽くしていたが、ロクショウがチャンバラソードを突然構えたのでイッキも釣られてメダロッチを構えた。
「どうしたの?ロクショウ。」
「中に誰か居るぞ。」
「え、本当に?もしかしたらマルガリータの言っていた味方って。」
イッキ達が緊張した様子でロケットを見つめているとロケットからタラップが降り、一人の少年とメダロットが姿を現した。
『いきなり光に包まれたかと思えば今度はロケットの中かよ・・・。』
「おい、イッキ!どこだよここは!!」
『そんなこと俺が知るか!!俺だって知りたいよ!!』
口喧嘩しながらもロケットから降りてきたは少年はイッキを見て目を丸くした。
そこには自分と同じ姿をした少年がメダロットを連れていたからである。
「僕がいるよ・・・。」
イッキは信じられないといった感じに首を左右に振った。
「ああ、確かにお前だ。」
ロクショウも目の前の二人に驚きを隠せなかったものの、チャンバラソードをまだ下ろしては居なかった。
252名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 00:30:17 ID:hOjz05XL
わっふるわっふる
253前々スレ731:2008/01/07(月) 03:06:06 ID:h2DYmYt2
台所に散らかったかき氷の片づけを終え、
イッキはリビングに置かれたあつらえのいいソファーに身をうずめるように座り込みながら、
ふつふつと沸き上がる悶々とした気持ちに葛藤していた。

視線は空ろに室内をさまよい、時折脳裏に浮かぶのは先ほどのナエの姿。上着越しに浮かんだ乳房の形。
乳頭こそ浮かび上がりはしなかったが、張り付いたTシャツ越しに見えたそれは、
イッキくらいの年齢の男子ににとっては十分刺激的なものだった。
やがて、イッキははっと我に返る。
いつの間にか視界の端にナエが立っていたからだ。

「おまたせ、イッキくん。」
現れたナエが着ていたのはノースリーブのシャツだった。

真白い生地と胸のあたりにワンポイントだけがつけられたものだ。
決してしゃれ込んでいるような服装ではなかったが、
ナエの私服といえばいつも機械油のついた作業服姿と、
その下に来ていた浅緑のシャツしか知らないイッキにとっては、
それすらも十分魅力的に見えていた。
254前々スレ731:2008/01/07(月) 03:06:37 ID:h2DYmYt2
「ごめんね、ごたごたしちゃって」
言いながらナエはイッキの横へ歩み寄る。
「いいって別に。ナエさんのせいじゃないよ」
「ありがと。でも、もうかき氷は無理かもしれないわね…」
ナエは至極残念そうな表情で、
少し離れたダイニングにぽつんと置かれている主導の砕氷機に目をやった。。

「しょうがないって、ナエさん。よくあることだよ」
「そう?うーん、でも、何も出さないのはちょっとなあ」
やはり心苦しく思っているのか、
ナエはぼやきながらかなり大型の冷蔵庫へ寄っていった。
ドアを開け、中を見回す。
「うーん。あ、普通の棒アイスならあるんだけど…」
ドアの影から顔を出してイッキに問いかける。
「ぜんっぜんオッケー!」
「じゃあ、これにしよっか。なんだかグレードダウンしちゃって、ごめんね」
「いいって、いいって」
苦笑するナエに、イッキは調子よく返事をした。

ナエはソファーに座り込むイッキに、冷凍庫から出してきた棒アイスを1本差し渡す。
「ほんとに、こんなのでもいいの?」
「平気だって。俺は、ナエさんとおやつが食べられれば、それでいいから」
イッキは、いつもの浮ついた調子の声で言ってみせた。
「あら、嬉しい」
ナエもそれに応え、曇りのない笑顔を浮かべた。
255前々スレ731:2008/01/07(月) 03:07:13 ID:h2DYmYt2
ナエはソファーに並んで座り、かき氷の代替である棒アイスを食べながら
しばらくイッキとの会話に花を咲かせていた。

「でも、なんだかんだいっても、メタビーくんはイッキくんの親友よね。」
「そりゃーもちろん。俺とメタビーは、メダロッチがなくったって闘えるくらいだから」
ついばむようにアイスを食べながら、イッキは応えた。

ロボロボ団との戦い、全国の強豪たちとの戦い、そして世界大会での大激闘。
思い返せばどの戦いの中でも常にイッキとメタビーは、
決して他人には理解できないような境地の中にある絆で結ばれていたように思える。
いや、そうでなければ決して、これまでの彼の戦歴は彼のような若年では達成できない偉業でもあった。

「昔ね、イッキくんとそっくりな人がいたの」
「へえ、俺と?」
「そう。イッキくんみたいにいつも自信に満ち溢れてた人じゃなかったけれど。
でも、イッキくんと同じように、とっても強かった。」
感慨深げな口調で言い、ナエは優しくイッキを見つめた。

「イッキくんと同じように、どんなに苦しい戦いでも、ぜったいに諦めない人だった。」
「ふーん………。その人って、今もメダロッターなの?」
棒にこびりついたアイスを舐め取りながら聞いた。

「たぶん、そうだと思う。この町にも、ちょっと前まで住んでたって聞いたけど」
「そうなの?!でも、全然聞いたことはないなあ…。
あれ、そういえば、ナエさんって引っ越して来た、って言ってたよね?」
「うん、そう。前に住んでたところは、大きくて、とっても華やかな街だったかな。」
「なんでさ、そんないいとこに住んでたのに、わざわざギンジョウ町に来たの?」
イッキは、手元に残った薄い木の棒を振りながら聞いた。
256前々スレ731:2008/01/07(月) 03:07:39 ID:h2DYmYt2
「なんでかなあ。別に、前の街が嫌いだったわけじゃないのよ。
でもね、今みたいに毎日が充実してるわけじゃなかった。
時間に振り回されて、ときどき回りに振り回されて。
くたくたに疲れて帰ったら、また明日も同じことを繰り返さなきゃいけない。
なんか、そんな風に考えたら、ばかばかしくなっちゃって」
ナエの口からそんな言葉が出たことに、少なからずイッキは驚いた。
イッキはナエのことw、いつでも笑顔を浮かべていて、
明るくて、絶対に後ろ向きな言葉は口に出さない人だと思っていたからだ。

「うーん……」
ナエの告白にイッキは戸惑いを隠し切れず、
ただ唸るような言葉を返すことしか出来なかった。

「あ、ごめんね、なんだか暗い話になっちゃって」
「いや、俺はぜんぜん平気なんだけどさ」
「私ね、あんまり、自分のことを話すのって好きじゃないの。
でも、なんだかこの町に来て、少しずつ変わってるような気がする」
「いいことだと思うよ、俺は。たまにはそういうのも悪くないって!」
軽妙な笑顔を浮かべながら、イッキは毎度の調子で言い切ってみせた。
「そうかもね。…ふふ、なんか、イッキくんに助けられちゃった感じ」
「こんなことでよければ、いつでも俺に話してよ。ナエさんの頼みとあらばなんでも聞くよ、俺は」
「相変わらずね、イッキくんは。」
あえて調子に乗ったような振る舞いをするイッキを見て、ナエはいつもの笑顔を取り戻した。
257前々スレ731:2008/01/07(月) 03:12:39 ID:h2DYmYt2
お待たせしました。

>>251さんの投稿に触発されて、ようやくまともに書き出すことが出来ましたorz
これからはなるべく時間の許す限り先を書いていきたいと思います。

エロシーンにはまだちょっと遠いですが、ひとまずこんな感じで。
また、両立できるかどうかは怪しいところですが、
一応書き溜めておいたイキアリの小説がありますので、
それを次レスから投下させてもらいます。
258前々スレ731:2008/01/07(月) 03:15:21 ID:h2DYmYt2
You and me.

―It is every day when it was able to actually feel that it is about the
multiplication substitution of memories at only one and time.
The beauty for everyone to understand only day when subtle colors were seen
usually of be repeated.
The certainty seen when valuing it.

Not thinking, because the positive of summer that the body certainly
felt makes memories the most certain.





「…あっち〜。アリカー、少し休憩しようぜ〜…」
イッキが、気だるさを微塵も隠さない声を上げて、その場にぺたりと座り込んだ。

「ちょっとイッキ、道の真ん中に座るの止めなさいよ」
「いいじゃんか、どうせ車も人も通ってないんだし……はぁ。」
前後をかったるそうに見回してから、イッキはため息をついた。

陽炎で揺れる風景は、緑一色。
舗装されていない分だけ道路から立ち上る熱気もいくらかはマシらしいが、
目の届く範囲には人影も建物も一切見当たらない。

ゆっくりと曲がる道の遥かむこうに、バス停のような陰が陽炎に揺れて見えるが、
それを目印にして進むにはあまりにも遠い距離だった。

「なーアリカー、なんでこんな田舎に来なくちゃなんないんだよ」
「しょうがないでしょ。もう誰も片付ける人がいないんだから。」
「だからって、こんなこと小学生にやらすかなあ、普通。」
ぼやきの止まらないイッキに、アリカはやれやれと言った面持ち。
「…まあ、こんな田舎だからね。」
そう言ってから、アリカは改めて周りの風景を見渡す。

うっそうと生い茂る木々に、道端の延び放題の雑草。
風が吹いたかと思えば、むせ返るようなみどりのにおい。

「……やっぱ、少し休憩しよっか。」
「だからさっきから俺が言ってんだろー?」
「あんたは休み過ぎなのよ。男のクセに体力ないんだから。」
そう言いながら、アリカは鈍重な動作で道端に丁度いい格好で突き出た岩に腰掛けた。
「あんたもこっち来なさいよ。いくら人がいないからって、そんなとこで休んでたら日射病になるわよ。」
アリカに促されると、イッキはまるで老人のように声を上げながら、その方へと向かった。
259前々スレ731:2008/01/07(月) 03:15:53 ID:h2DYmYt2
「…よっこらしょ。」
イッキがそう声を出しながら座るのを、アリカは訝しげな視線で見ていた。
「まるでおじいさんね…」
「疲れたんだよ。こんの暑い中、かれこれ2時間は歩きっぱなしだしぃ〜…」
そう言うと、へばるようにイッキは岩に背中を預けた。
「………ううーん、いい気持ち…。」
背中のひんやりとした感触を楽しみ、イッキの口から思わず感嘆の言葉が漏れ出た。

「何日間だっけ」
イッキが岩にもたれたまま、思い出したように言った。
「10日よ。」
「うぇー…、10日もこんな田舎で過ごすのか……」
そうぼやいて、イッキは上体を岩から起こすと、改めて周囲を見渡した。

視界の中には、近代的な建築物はいっさい存在しない。
コンビニはもちろん、ゲームセンターなどの娯楽施設も見当たらない。

代わりに目に入るのは、そのむき出しの土をぎらぎらと太陽に照らされている道に、
周囲を囲う山野、そして田園といったような、日本の原風景。

こう暑くてはどこかへ入って涼をとりたいと思うものだが、そもそも涼をとるといえば木陰程度しかない。
しかも、蒸すような外気の中では、木陰もせいぜい気休めにしかならないのだ。
260前々スレ731:2008/01/07(月) 03:16:43 ID:h2DYmYt2
「ま、ガマンするのねー。あんたみたいな都会っ子は、たまにはこのくらいやらなきゃダメよ。」
「アリカだって都会っ子じゃんか」
「あたしはいーの。あんたと違って貧弱じゃないし。」
そう言いながら、アリカは意地悪そうに笑う。
「ちぇ、なんだよそれー。納得できねー」
イッキは口を尖らせながらも、どこか楽しそうにそう言った。
「そんなことより、ほら!さっさと行くわよ、どうせこのままじゃ動く気もないんだから」
「へ〜い……あっち〜」
「…もう、こっちまでだれちゃうからあついとか言わないでよ」
「へ〜い…」
イッキは、気の無い返事を返して、だるそうに岩から立ち上がる。
先へ歩くアリカの背中を追い、ゆっくりと歩を進めていった。



「ねえ、イッキ」

日差しの照りつける中で、アリカは突然歩を止めた。

「なんだよ、急に止まって」
「アンタさ、なんでメタビー連れてこなかったの?」
「へぇ?」

何の脈絡もなくそう聞かれて、イッキは呆気にとられたような表情を浮かべる。

「なんでっ……アイツ、暑いのダメだし。それに、元々メンテナンスもしてもらわないといけなかったし。」
「ふーん。それだけ?」
「そんなに理由なんかねーって。アリカこそ、なんでブラス連れて来なかったんだよ?」
「なんでって………ほ、ほら、やっぱり私もメンテナンスとかがさ」
「なんだよ、同じ理由じゃねえか…」
261前々スレ731:2008/01/07(月) 03:17:26 ID:h2DYmYt2
小一時間ほど野道を歩いて二人が到着したのは、
いかにもという感じのする、有り体な木造の純日本風家屋。
茅葺屋根でこそないが、今はその数も少なくなりつつある瓦の屋根に
最近ではほとんど見なくなったポンプ式の井戸、そして閂の付いた門。

「……うわあ、ボロっちぃ…」
「ちょっと、いきなりそういうこと言わないでくれる?」
惜しげもなく素直に感想を漏らすイッキを、アリカがたしなめる様にじろりと見る。
「だって、…俺、こーいう家って教科書以外じゃ見たことないからさあ…」
「…………それは………そうね…」
イッキをたしなめたアリカも、あらためて家の概観を見直すと、少し度し難い気分になった。

……築100年、と言われてもなんら疑うところなく頷けるだろう。

その家の概観は、いかにしても彼らの常識と知識の範疇を逸していた。
ともすれば、本当に此処で寝泊りをすることが出来るのかさえ疑わしくなってくるほどに。

「…とりあえず、…入るわよ。」
まるで魑魅魍魎の住み着く伏魔殿にでも入るかのように、アリカはそう恐る恐る言った。

預かった鍵をリュックサックから出し、それを大分錆付いている鍵穴へと差し込む。

「…あれ、…ちょっと固いかな?」
「えぇ?サビついてんじゃねえの…?」
「んー……しょっと………、あ、開いた」

がちゃり、というよりはぎりっと、明らかに異質な抵抗のある音を立てて、鍵は回った。

「……あー!」
「なんだよ……って、うわ」

鍵穴から取り出した鍵は、ぽっきりと折れてしまっていた。
見れば、先端の鍵穴に入る部分が、鍵穴のなかにすっぽりと飲まれるようにして残っていた。

「どうしよう……これじゃ、鍵閉められない…」
「………こんな田舎で、鍵閉める必要もないと思うけど。」
「………………、…それもそうね。」

半ば無理矢理に自分を納得させるように、アリカはしきりに首を縦に振った。
262前々スレ731:2008/01/07(月) 03:17:59 ID:h2DYmYt2
「じゃ、入るわよ」
「へーい」

がらがらと若干やかましい音を立てて、玄関の戸が開けられた。


「「うわあ…」」

思わず、二人して感嘆の声を漏らしてしまった。

玄関を開けてまず目に入ってきたのは、廊下に積まれた古新聞の山という山。
少し奥に階段も見えたが、そこも古新聞の束で埋め尽くされ、到底上れるような状態ではない。

「足の踏み場もないってやつね」
「…なあアリカ、ホントにここ掃除すんのかよ?」
「あんたねー、仕事もしないで小遣いもらおうって魂胆なワケ?」
「そうじゃないけど……ふつう、小学生にこんなことやらせるかあ?」
「…………」

問い詰めたつもりが逆に聞き返されてしまい、アリカは問答に窮した。


…普通は、こんなこと小学生にやらせないだろう。
だけど、どうしてもお小遣いが欲しいというイッキをみかねて、
メダロット博士が実家の整理のアルバイトをくれたのだ。
アルバイトといっても、実際交通費やお小遣いなんかはすべてメダロット博士のポケットマネーだから、
単なるお使いのようなものなんだけど。

ただ、その単なるお使いが、まさかこんなに先が思いやられるようなものだとはさすがに思わなかったけど。

「……と、とりあえず………なんとかして奥の部屋にいこ。」
「……。」

イッキは黙ったまま首肯した。
263前々スレ731:2008/01/07(月) 03:18:31 ID:h2DYmYt2
いざ古新聞の上を進もうとすると、それは存外なまでに至難なものだった。

いくら積み重なっていようとも、紙は紙。
踏めば潰れるし、束とはいえどぐらつくこともある。

「きゃ…」

その時、アリカが小さく悲鳴を上げてバランス崩し、転んだ。
後ろを歩いていたイッキは、とっさにアリカを支えようと手を出す。

「アリカっ」

手を差し出すというよりは、半ば体で支えこもうとするようなイッキの体勢。
古新聞が敷き詰めてあっても、狭い廊下で転べばどこを打つかわからない。
そういうことを心配してのイッキの行動だった。

どすっ、とイッキがしりもちをつく音。

鈍い痛みと急激な体勢の変化に、イッキは思わず目をつぶっていた。
舞い上がったほこりで咳払いをする二人の声が廊下に響く。

「………あ。」

思わずそう声を出してしまったのは、まずその違和感からだった。

新聞の上に転んだと思っていたアリカは、手をついて立ち上がろうと両手を突っ張らせていた。
だが、手を突っ張った場所は生物的な柔らかさがあり、また温もりもあった。

「…………」

アリカが、イッキを組み伏せるような形で上に覆いかぶさっていた。
264前々スレ731:2008/01/07(月) 03:19:26 ID:h2DYmYt2
「…………なにしてんの?アンタ」
「………アリカこそ、それ、どういう体勢だよ…」
イッキが微妙に顔を引きつらせつつ訊く。

イッキの上に、丁度またがる様な姿勢で鎮座するアリカ。
幼馴染ゆえか、その至近距離に対する羞恥心はさほど無かったが、やはり違和感は拭えないらしく、訝しげな表情。
「あたしは……単純にアンタが引っ張るから」
「引っ張るからって…アリカが転ぶからだろ」
「なんでアタシのせいなのよっ」
ぐいっと顔を近づけて、詰め寄るアリカ。
いよいよもってそれらしい様相を呈してきたその状況は、
事情を知らぬ他人が見れば如何わしい想像のひとつやふたつ、有り体に浮かぶかも分からない。

「とりあえず、アリカ離れてよ」
迷惑そうな表情でそう言うイッキに、
アリカは上に座ったまま、むっと顔をしかめた。

「言われなくったって離れるわよ」
そう言い捨てて、アリカは壁に手を突っ張らせて立ち上がる。
そしてそのまま、イッキが起き上がるのを待たずに足早に居間へと歩いていった。

「俺が悪いわけじゃないだろ…まったく」



随分と散らかっていた玄関先からの廊下と違い、
居間は打って変わって整然としていた。

端々に荒く木目を残した漆塗りの卓、白磁らしき高価そうな壷。
その後ろに隠れるようにして掛けられているのは、由緒の正しさを見るからに感じさせる水墨画の掛け軸。

数多くの古流な調度品が並ぶ様は、そう言ったものに造詣のない凡夫が見ても、
明らかに雰囲気を感じさせるものだろう。

「…ここ、ほんとにメダロット博士の実家?」
整然と並ぶそれらの調度品を見て、アリカは感嘆に浸っている様子だった。
あちらこちらに視線を向けて、ひとつひとつ物珍しそうにため息を漏らす。

そして、そんなアリカを横目で眺めているイッキ。
アリカとは対照的に、並ぶ調度品のどれにも興味がないらしく、
頭の後ろで手を組んだままかったるそうな視線で部屋の中を見回していた。

せわしなく部屋の中を歩き回るアリカの瞳が、いつになく輝いているようだった。
265前々スレ731:2008/01/07(月) 03:20:10 ID:h2DYmYt2
「アリカって、こーゆーのに興味あったんだ…」
「こーゆーのとは失礼ね。日本人のクセに良さがわからないワケ?」
「小学生でそんなの分かる奴いないって。ていうかさ、メシ食おうぜメシ!腹減ったよ、俺。」
イッキは自分の腹をさすり、自分の空腹状態を今一度確かめた。
「メシって……まさか私が作るわけ?」
「いやぁ、だってオレ作れないし」
「はぁ……そんなんだとカリンちゃんに嫌われちゃうわよ」


アリカは、あくまでも軽口で言った。
幼馴染との、とりとめのない駄弁りの中での、ほんの軽口として。

だが、イッキはその言葉を聞いた途端に、表情を少し強張らせた。

「オレ、別にカリンちゃんのこと好きじゃないけど」

予想に反して真面目なイッキの口調に、アリカは思わずその方へ振り向く。

「…そ、そうなの?」
「ああ。」

間が持たないイッキの答え方に、アリカはどう返して良いか困惑した。
266前々スレ731:2008/01/07(月) 03:20:52 ID:h2DYmYt2
「オレは……アリカのこと、好きなんだよ」
「は、えっ!?ちょっと、一体何?!!」
何の脈絡もなく藪から棒にイッキの口から出てきた言葉に、アリカは心底動揺した。

「(ほ、本気なの、アンタ?)」

「オレは…アリカのことが好きだ。愛してる。だから―――」
「だから、メシ作って」

「………」


…ノせられた。


「…あのね、アンタ……」
アリカは拳をぎゅっと握り、ぎろりとイッキを睨む。
「そーゆー冗談を言うなーっ!!」
そう叫んで、アリカはイッキの頭に拳骨を一発、思い切り振りかぶり、入れた。

「っ痛〜〜〜〜っ!」
頭を押さえながら、イッキは畳の上でのた打ち回る。
「頼むから止めてよホント!一瞬頭の中ぐっちゃぐちゃになったじゃないの!」
「ってことはぁ、オレと付き合おうと思っ」
「思ってない!!」
あらん限りの声でイッキの言葉を遮り、もう一発いいものをイッキの頭に打ち込む。
「痛っ!おいアリカ、少しは手加減」
「あーもーうるさい!!もうしーらない!」
いーっと歯をむき出してイッキに悪態をつき、アリカは乱暴な足取りで居間を出て行った。
267前々スレ731:2008/01/07(月) 03:22:14 ID:h2DYmYt2
地元の人間にすればひどく失礼な話かもしれないが、
こんな僻地においてもスーパーというのはしっかりと存在していた。
アリカとイッキは、人間の開拓精神というか、そういうものにはなんとも敬服する心地だった。

典型的な作りの店内は、野菜を冷蔵している棚から吐き出される冷気と室内の冷房があいまって、
涼しいを通り越して肌寒いほどに冷やされていた。

「……コレと、…あと、コレね。」
陳列された食材をひとつひとつ確かめながら、イッキの持つかごにそれらを放り込んでいる。

「アリカー、重いんだけど」
「男の子でしょ?文句言わない!」
「へーい…」
「あ、あとコレもね」
「へーい……って、なんかさっきから、俺の嫌いなもんばっかりじゃない?」
「好き嫌いしないの」
「へーい……」

いつものようなやり取りをしながら、二人してスーパーの中を連れたって歩く。
親しげなその様子は、年齢こそ足りないが、ある意味ではまるで夫婦のようだった。
268前々スレ731:2008/01/07(月) 03:24:33 ID:h2DYmYt2
「2000円になります」
人のよさそうなレジのおばさんが、何やら二人を微笑みながら見ていた。
「すいません、5000円でもいいですか?」
アリカが訊く。
「いいですよ。」
差し出された5000円札を手際よくレジに挟み、順序良く千円札を3枚、取り出す。

「こちら3000円のお返しになります」
お釣りを受け取り、アリカは財布の中にそれを入れる。
袋に入れられた荷物は当然、イッキが持っていくのだ。
「あんたたち、見かけない顔だね。引越しでもしてきたのかい?」
レジのおばさんが、優しそうな笑顔のまま聞いた。
「あ、いえ。ちょっと親類の家のお掃除に来てるんです。」
「ふうん、そうかいそうかい。そっちの男の子は彼氏かい?」
面白いものでも見るような表情で、少しだけ意地悪そうに微笑んでそう聞いた。

「か、彼氏?! 違いますよー、ね、イッキ!」
「んー、あー」
「ちょっと、しっかり否定してよ!」
そう言いながら、アリカがイッキの頭を小突く。
「いってーなー!」
「あんたね、人の話はしっかり聞きなさいよね!」
「だからって、いきなり叩かなくてもいいだろ!」
「なによー!」
言い争いを始める二人を見て、おばさんはまた楽しそうに微笑んだ。

「あっはっは。ケンカするほど仲がいいってね。あんたち、お似合いだよ。」
「お似合い?! あ、あたしとイッキはそんな仲じゃないですってば!」
この上なく分かりやすいほどに混乱するアリカ。
その横で、仏頂面のイッキ。
「そーそー。俺がいっつもいじめられてるだけですよ」
「あんたがしっかりしてないから、あたしが言ってあげてるんでしょー?」
「なんだよそれ、なーんか押し付けがましいな」
「人の親切にそういう言い方するわけー?!…って、もうこんな時間。そろそろ帰らなきゃ…。」
ふと視界に入った時計は、既に12時を回っていた。

「あはははは! あんた達、見てて飽きないよ。また機会があったらいらっしゃいな。」
「「はーい」」
二人して元気な返事を返し、ぱたぱたとその場を後にする。
パート店員のおばさんは、その後姿を嬉しそうな笑顔で見送った。
269前々スレ731:2008/01/07(月) 03:25:41 ID:h2DYmYt2
「あっつー!」
アリカが、ピンクのオーバーオールの下に着たシャツの襟首をぱたぱたと広げる。
そのせいで時折覗く薄い胸板は、遠目からでも分かるほどにじっとりと汗ばんでいた。

メダロット博士の旧家の中。
時計は正午過ぎを指している。
外は地面が白く照り返し、屋内から見るその様相はまるで別世界のよう。
唯一の涼はといえば、時折吹き込む風が汗の浮いた額を撫でる程度。焼け石に水とはまさにこの事だろう。

スーパーで食材を揃えたイッキ達は、アリカ主導でようやく昼食にありつけようかというところだったのだが、
肝心なところで肝心なものが欠けていたのだった。

「…でもさぁ」
「…」
「ガスが着てないなんて、さすがに私も想定しなかったわ」
「………はぁ」
イッキがしゅんとした様子でうなだれる。
今アリカが言ったとおり、この家にはガスが来ていないのだ。

家の周りをみると、元々プロパンガスのボンベか何かが置かれていたような場所があった。
そのあたりから察するには、恐らくガスそのものは使えたのだろう。少なくとも、ここが人家であった時は。
ただ、プロパンともなれば都市ガスのようにそのままにして出て行くことも出来ない。
ゆえに、ここが人家でなくなっていた現在、ガスという、この上なく利便性に長けた長物は使えないのだ。

「……メダロット博士に聞いておくんだったな…」
「………ホントね…」

買ってきた食材も今のテーブルに投げ出し、
畳の上に二人して背を向かい合わせ、足を投げ出したまま座り込んでいる。
270前々スレ731:2008/01/07(月) 03:26:47 ID:h2DYmYt2
「…あついわね」
「……あついな」
「……何度くらいかしら…」
「……30度は超えてると思う」
「…妥当な数字ね……」

まさに無気力と形容できる弛緩しきった表情で、ただ畳の上に座り込んだまま。

「…プールとかないかなあ」
「…あるわけないでしょ。そもそもアンタ、水着どうする気よ」
「え?俺は男だからそのままでも別に」
「……そういうこと、あたしの前で平気で言わないでくれる?」

そう言いながらも、嗜めるアリカの表情にはいつもの覇気がない。
この暑さがいかに殺人的なものかを、それが雄弁に物語っていた。

「…ガスが着てないってことは、さあ…」
「ああ…」
「…お風呂も入れないわよね」
「ああ…」
「…シャワーだって水よ」
「ああ…」
「…聞いてないでしょ?人の話」
「ああ……       ?!」

アリカの鉄拳が、イッキの後頭部に制裁された。

「いってーな!」
「適当な返事をしたバツよ」
「…ったく、…あついんだからさぁ、あんまり動かすなよ…」
かったるそうにそうぼやき、イッキは畳の上にごろっと横になった。

「あーっちー……ハラへったー…」
「エアコンもない、ガスもない…おまけにコンビニ、ファミレスの類は一切なし…」
「クーラーが効いてるところといえば、ふもとのスーパーと村役場だけ…」
「…もう一度あのスーパーまでいく?あのおばさんなら、休ませてくれるかもよ」
「……行くまで持たない。ムリ。」
「………私も、…右に同じ、…かも。」

力なくつぶやき、アリカはイッキの横に勢いよく横たわった。
271前々スレ731:2008/01/07(月) 03:28:54 ID:h2DYmYt2
あまり一気に投下してしまうと何なので、ひとまずこのあたりで区切らせてもらいます。
なんというか、やっぱりイキアリは書いてて楽しいなあ。

しかし、なんだかイッキにキャラがちょっと変わってしまってるなあ。
なんとか軌道修正していかねば。
272前々スレ731:2008/01/07(月) 03:30:04 ID:h2DYmYt2
あ、あと冒頭の英語はただの中2秒なので気にしないでください。
消そうかどうしようか迷ったんですけどねorz

では、連投ごめんなさいでした。
273名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 19:25:04 ID:6AXmXaZ2
神よ今日もありがとう
274名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:38:21 ID:GAsfFtJi
小説がんばってくださいね そして ありがとう
275名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 12:07:55 ID:o7OC3mpL
保守
276名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 19:16:42 ID:nxpAbijh
>>258-272
GJ!
二人の性格がそのままに表現されてて感動しました!
これからの展開(ぁ)に期待してます!
277名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 21:03:04 ID:UWoImpB/
カリンちゃんを待ち続ける(・ω・´)
278名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 19:24:53 ID:GLHt7AVM
>>271
書いてて楽しいですか!こちらも読んでて楽しいですよ。
うーん個人的にはイッキもアリカもこんな感じの性格でも通用すると思います。
がんばってください!
279名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 12:37:05 ID:CQutFM/J
>>271
久々にきたら良いもの見れた!GJ
280名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 16:45:46 ID:S7JkQk53
まだかなー・・・
281名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 21:22:13 ID:1mmwex2x
>>280
貼り主は忙しいようで投稿の期間が空いてますが、
少しずつ貼ってくれるので気長に待ちましょう!
282名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:28:37 ID:1OcDMkWR
wktk
283名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 11:33:37 ID:eXrk+Zcf
メダロットの同人誌もってる人いる?
284名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 17:18:47 ID:l/xDak/H
>>283
イキアリばかりだが・・・

コミックボンボンボン
えっちのじかん
さけどころ
めだろも〜ど2
ANIMAL SHIP UNDER 10 SPECIAL
FOR EVERY EVIL
285名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 17:26:41 ID:CfVYR+ME
保管庫の作品読んでたらヒカキラが好きになった
286名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 18:06:48 ID:UuJSZVvU
age
287名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 18:10:12 ID:/YlnLsi+
保守
288名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 20:40:34 ID:Xu2hfuqA
保守
289名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 06:15:20 ID:QiLeWBq5
ナビのカスミ×サチとかないかね?
290名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 01:29:48 ID:jVrbVKDC
ひさびさに書いてみようと思います。

稚拙な文章でよければ期待せずにお待ちください。
291名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 01:31:26 ID:QlaTVEjM
待ってるよ!
292名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 11:29:53 ID:TTnSSggU
>>284
zipで持ってる?
293名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 22:43:35 ID:jVrbVKDC
naviのキャラの名字がわからない…!
またはじめたからにするしかないのか……
294刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/20(水) 12:13:58 ID:KciIgwUg
空気を読んだかのようにNAVIの小説を書いた俺がこのスレに介入する。

メダロットnavi フブキSS

被験体1号フブキ

ナビコの奮戦虚しく、宇宙人にサンプルとして連れて行かれたカスミたち。
そして今、カスミたちはメダロットがなぜタマシイを持ち出したかの実験の被検体となっていた。
実験といっても千差万別だ。中には取り調べのようなのもあるが、薬物を使った危険な実験もある。
被検体となったフブキを待ち受ける運命とは・・・。

ここは1号室。フブキの実験がここで行われていた。
「やめろっ!!、はなせっ!!」
フブキはメダロッチを取り上げられ、
両手両足をベットに括り付けられ、身動きのとれないようにされていた。
必死に手足を動かそうとするが無駄な抵抗に終わっていた。
その光景をよそにふたりの宇宙人は議論をしていた。
どうやら二人とも学者のようだった。

「コイツは地球人でイウ、オトコと言う種族で間違いアリマセン。
その証拠にムネはフクランデイナイシ、フユウメダロットの脚部のようなヌノを
纏っていません、」
「イーヤ、コイツは地球人でいうオンナと言う種族で間違いアリマセン。
コエのシュウハスウ、コカンのフクラミグアイから間違いなくオンナです。」
295刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/20(水) 12:14:52 ID:KciIgwUg

「くそっ、好き勝手いいやがって!!」
フブキは叫んだ。叫んだってどうにもならない。仮にここから出られても遥か離れた地球には帰れないのだ。
それよりも腹の立ったことは自分が男か女かという議論を宇宙人がしていたと言うことである。
以前、カスミを女を偽って騙したことはある。たしかに男と偽ることや、男に間違えられることはよくある。
学校でも男よりもモテたこともある。
だからと言って宇宙人に一番気にしている貧乳なことを言われて平気なわけではなかった。
今のこの状況はあまりにも皮肉と言える。


「きゃあぁ!!!!!やめっ、やめてっ、やぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

隣の部屋からヒヨリの叫び声が聞こえてくる。その叫び声はだんだんと姿を変えおとなしくなっていった。

「やっ、はあっ、ん、あっ、…ひゃうっ……だ、だめ…ぇっ」

もし、自分が女だと分かったら、宇宙人は何をしてくるだろうか。
隣のヒヨリの声から察するに破廉恥な行為を実験の名の下に
仕掛けてくるのは間違いなかった。絶対に女だとばれるわけには行かない。
296刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/20(水) 12:15:34 ID:KciIgwUg

「イーヤ、オトコだ!!」「イーヤ、オンナだ!!」

その心配を気にかける由もなく、宇宙人はくだらない論争を繰り広げていた。
この世界の学会は大丈夫なのだろうか?という疑問をよそに、宇宙人が結論をくりだしたようである。

「ソウダ、ヌノをハガシテ、ミテミヨウ!!ジッケンこそがシンリをツイキュウデキルノデス!!」
「ソウダ、イイコトイウナ、オレタチはタイセツなコトをワスレテイタ、カガクはジッケンナノダ!!」

宇宙人の至った結論はフブキにとっては最悪の結論だった。
布を剥がすという事はつまり服を剥ぎ取られ全裸にされるということである。
実験室には一挙一動も逃さないようにカメラが設置されている。自分のことを知らない宇宙人はまだマシである。
宇宙人にとっては、まだ自分は実験体のモルモットなのだし、実験体はこんな姿をしているのか程度に思うだけだ。
最悪のケースはそれをカスミたちに見られることだ。ほかの男に見られるのも嫌だが、カスミに見られるのは
もっと嫌だった。なぜなら、カスミに見られるのが一番恥ずかしいからだ。
カスミはほかの誰よりも自分の心を知っている。もしかしたら自分はカスミのことが好きなのかもしれない。
他の男に見られたとしてもこんな形でカスミに裸体を晒すことはなんとしてでも避けたかった。
それは恋だった。ほんの小さな、それでもとても大きな。
なんとしてでもそれは避けなければいけない事態だった。
297刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/20(水) 12:17:12 ID:KciIgwUg

「ミタコトモナイヌノダ・・・。」
「トナリのヘヤにイタ、オンナのムネをカクスものとはチガウヨウダ。」
部屋のモニターにはヒヨリのブラが映し出されていた。
けっこうこの年にしてはサイズがある。なんかくやしい。
と少し思って思考を平常に保つ。
となりの部屋からはもう悲鳴は聞こえない。ただ、想像を絶する陵辱があったには違いなかった。
「わ、分かっただろ。俺は男なんだって。」
「ホラ、ヤハリオレがタダシカッタ!!」
「イーヤ、オトコとイウシュゾクは、ジョウハンシンがサラサレテモ、シンパクスウはアガラナイ。
マダマダシラベルヨチがアリソウダ」
「ソレモソーダ、ドーシよ。ヨシ、ジッケンダ!!」

続きは好評だったら投下します。読んでくれてどうもありがとうございます。
298刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/20(水) 12:18:54 ID:KciIgwUg
「宇宙人、聞け!!オレは男だ。だから布をはがす必要はない!!」
かなり苦しい。しかしこの状況ではこれを思いつくのが精一杯である。
「エルゴ・コギト・ズーム!!シンリとはウタガッテ、タシカメテ、ハジメテワカルモノなのデス!!」
「ウチュウのシンリをツキトメルタメ、ロボットアームスイッチオ〜ン」
さっきまで喧嘩をしていた宇宙人がすっかり意気投合していた。
こいつらは頭が軽いから喧嘩をしても何年間も一緒に研究ができるのだろう。

「やめっ・・・・。やぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ベッドからサソリの尻尾のようなアームが出てくる。きっと手術用の何かだろう。
それは狂ったようにハサミをチョキチョキと鳴らし、フブキに襲い掛かった。
逃げようにも手足は柱に拘束されている。もう逃げ場はなかった。
くぃっ、くぃっと手足を動かすが当然縄は外れない。
そうこうしてる間に、ハサミが近づいてきた。
フブキは恐怖のあまりに目を閉じる。

ヂョキヂョキ ヂョキヂョキヂョキ 

体の中央にそってハサミは進んでいった。徐々に露わになっていく白い景色。
宇宙人は切られた上着を左右に開いた。
上着のしたに付けている白いランジェリーが露わになった。
まだつけるほどの大きさには達していないのでまだブラはつけていなかった。
つまりこれを切られたら、その下には・・・。
299刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/20(水) 12:20:03 ID:KciIgwUg
「ミタコトモナイヌノダ・・・。」
「トナリのヘヤにイタ、オンナのムネをカクスものとはチガウヨウダ。」
部屋のモニターにはヒヨリのブラが映し出されていた。
けっこうこの年にしてはサイズがある。なんかくやしい。
と少し思って思考を平常に保つ。
となりの部屋からはもう悲鳴は聞こえない。ただ、想像を絶する陵辱があったには違いなかった。
「わ、分かっただろ。俺は男なんだって。」
「ホラ、ヤハリオレがタダシカッタ!!」
「イーヤ、オトコとイウシュゾクは、ジョウハンシンがサラサレテモ、シンパクスウはアガラナイ。
マダマダシラベルヨチがアリソウダ」
「ソレモソーダ、ドーシよ。ヨシ、ジッケンダ!!」

続きは好評だったら投下します。読んでくれてどうもありがとうございます。

>>297は、場所を間違えましたので飛ばして読んでください。本当にすみません。
300名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 13:18:38 ID:X2KxdSvb
GJ!!続き楽しみにしてる!
301名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 13:18:49 ID:+8f3EDQ0
乙。宇宙人のキャラにワロタw
302名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 00:39:41 ID:49blckdb
GJ!
303名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:04:04 ID:49blckdb
2月14日はどこでもいわゆるバレンタインデー、というもので盛り上がっている。
某所のとある中学校でも例外ではなかった。


「アァ?そんな甘いもの食ったら口の中が虫歯だらけになるだろうがコラァ!」
「別にもらえんことが悔しいんじゃないんだぞオラァ!」
「所詮は菓子屋の戦略じゃねぇか!オゥ!」
「アァ?不○家が始めたんかコラァ!」
「上等だな○二家オラァ!」
とまぁ、もらえない男どもの負け惜しみも聞こえてくる日である。

反対に…
「キコウくーん!このチョコ食べてー!」とか
「ハロウくーん!今日のために作ったのよー」とか
いわゆる保て男にとっても『ある意味』厄介な日でもある。
304名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:13:09 ID:49blckdb
とある事件の後、クラスのヒーローにすらなってしまった男は…
例年通りであった。

「カスミさん…」

−アサノカスミ、メダロッター。
クラスター事故からクラスメートを救った英雄である−

そんな彼の元に小柄な黒髪の少女が少しうつむいて立っていた。
「カスミさん」
カスミからの反応が無かったので少女−お嬢グループのサチである−は静かに呼びかけた。
「あれ?サチさん?どうしたの?」
「あの…こ、これ、クラスターでのお礼を…」
「クラスターでのお礼?」
カスミは小首を傾げた。
いったい僕が何を助けたのだというのだろう。
サチの得になることはきっとしていないはずである。
「僕…何かした?」
とりあえず聞いてみないと始まらない。
305名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:22:22 ID:49blckdb
「クラスターで悪い人たちに絡まれたときに助けてくれたから…」
クラスターの悪い人…?
「スペロボ団のこと?」
「いえ、それじゃなくて…
あの人たちです…」
カスミはようやく理解した。
そういえば急に「落ち着いて寝られる場所が欲しいからこのフロアをよこせ」と不良たちがお嬢グループの山の手屋敷を占領しようとしたことがあったのだ。
「あぁ、そんなことならいいのに」
「カスミさんがよくても私がよくありませんわ、うけとってください」
サチは無理やりチョコの入った箱を渡して早々と自席に戻っていった。
『うーん…チョコ…ヒヨリ以外からもらうのは初めてだな…』
自然と顔がほころんでしまうのは男の性であろう。



昼休みになり食事を終えたカスミはチョコを食べてみることにした。
丁寧な包みを開け、蓋を取ると中には小さなハート型のチョコレートが入っていた。
306名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:30:11 ID:49blckdb
一口で食べてしまえるほどのチョコレートだった。
カスミはその粒をつまんで口の中にほおりこんだ。
とても甘い香りがした。

午後一限、体育。
カスミは体に違和感を感じた。
今日の体育の種目はソフトボール。
カスミは苦手なりに器用にこなしていたが今日は体が思うように動かなかった。

−眠い…眠い…−

少しでも気を抜いたら倒れてしまいそうな眠気が体を襲う。


「オラカスミ、とっとと打席にたたんかいコラァ!」
−背に腹は代えられない、保健室へ行こう−
カスミは迷わずデッドボールを食らい、大げさに倒れ、保健室行きの切符を手に入れた。
307名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:43:57 ID:49blckdb
カスミの寝ているベッド脇にサチが立っていた。
カスミの寝顔をじっと見つめ、たまに顔を赤らめながらカスミの頬を手のひらで包むようにふれたりしていた。

「カスミさん……
あなたにはなぜ…コハルビさんがいるの…
きっと私がどれだけあなたを見つめても…
気づかない…でしょうね…」

サチは悔しかった。
ヒヨリが羨ましかった。
クラスターでの事件後生まれたよくわからない感情がカスミへの恋心であることを理解したのはヒヨリの存在を疎ましく思い始めた頃であった。

「…気づかれないのならば…永遠に胸にしまっておくのが…一番…」
涙目になりながらつぶやいた。

そして彼女はカスミの手を握り、顔を近づけて頬にキスをした。

目元から零れた涙が頬を伝って流れ落ちた。

切ない、悲しい。
遠くからしか見ることができない。
好きなのに、好きなのに…

カスミへの恋心は自分の胸に押し込められる、そう思うと余計にカスミが遠い存在のように感じられてしまった。

流れ出る涙とともにサチも足早に保健室を去っていった。

Fin
308名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:57:13 ID:49blckdb
文才無いな…
309名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 02:35:20 ID:DQePgzjM
いやいや、実にGJ!
悶えさせてもらった。ナビの女性キャラはみんなこう、思わせぶりでたまらんよね
310刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/21(木) 14:38:49 ID:8AtZa5Ei
「あっ、馬鹿!!やめろっ!!おいっ!!」 ヂョキ ヂョキ ヂョキ

いまだ切り足りないという欲求を持ったかのようなハサミがフブキのズボンに襲い掛かる。
フブキは必死にじたばたと抵抗するが無駄な足掻きだった。
たちまちにズボンはただの布切れと化し、その意味を成さなくなっていた。

「ウーン、ヤハリトナリのヘヤノとショウゴウシナイ。」

モニターにはおそらくヒヨリのものと思われる下着が映っていた。
隣の部屋でも似たような実験が行われているのだろう。
たぶん、ヒヨリはもう丸裸にされている。自分の未来でもあった。
それに付着したナプキンを見るともう生理が始まっているようだった。
ついでにフブキはまだである。
この光景を見てまた少し、女としての尊厳が傷つけられたような気がする。
実はフブキにはまだ余裕があった。万が一、ズボンが何らかの理由でずり下ろされた場合のために
男のトランクスを上に穿いているのである。まさかこんな形で晒されるとは思っていなかった。
しかし、どっちを切り取られてもつぎに余裕はなかった。
フブキは恐怖でちぢこまっていた。

「ヤハリ、オトコでキマリでアリマスナ、キョウはオマエ、オゴレヨ!!」
「マダマダ、ゼンブハギトルマデ、シンリはワカラナイ!!」

冗談じゃない。全部剥ぎ取られたら何をされるか、もうだいたい予想はついていた。
そしてそれは絶対に避けるべきことであった。

「ジョウハンシンをゼンブ、ハギトロウ!!シンパクスウのナゾもトケルカモシレナイ。」
「ヨシ、ドウシヨ、ソウシヨウ」

「っ!!」
チョキチョキとハサミを鳴らしながら襲い掛かってくるアームを前に、フブキは神に祈った。
すると祈りが通じたのか、マシーンアームがガクン、ガクンと動きを止めたのである。
いまだにチョキチョキとハサミは動いているが一向に向かってくる気配がない。
「助かった・・・?」
当分は実験は後回しになるのでは?フブキは安堵した。少なくともいま胸を晒さずにすんだ。
ちっちゃいけど、乙女の胸を晒さずにすんだ。本人の安堵をよそに、宇宙人は
「アーア、コワレタ。オマエのアツカイがワルイ。イイトコロなのに!!」
宇宙人は余計な間が入ったためか怒りを露にしている。
「マーマー、ドウシよ、トリアゲタパーツのナカにダイヨウヒンがアル、ツカオウ!!」
フブキの期待も虚しく、素早くアームが取り付けられる。
まぁ、もともとあまり期待もしてなかったのだが。
しかしながら取り付けたアームを見てフブキは愕然とした。
そのアームはミゾレのシックルカッターの右腕パーツだった。
「チキュウのパーツをツケテダイジョウブナノカ?」
「ツケカエジユウがメダロットのサイダイのリテンデハナイか!!」
「ダカラ、サッキのもコワレタノデハナイカ?」
「マーマードウシよ、ウチュウのシンリのタンサクシャにグチはゴハットだ。」
「ソレモソウダ、ドウシよ。サッソクサイカイダ!!」
フブキの顔が一層、蒼ざめた。
まさかメダロットの、しかもミゾレのメダロットの腕に最後の砦を剥がされるとは
思っていなかった。腕が徐々に近づいてくる。腕が下着の中に入り込む。
ひんやりとした金属の感触。まるでミゾレに服を脱がされているような感触がする。
ミゾレだけではない。ゴウセツも横にいる。仲間に裏切られる気分。
自分は何回も仲間を裏切った。だから裏切られることが怖かった。
宇宙人の及び知らぬところで、パーツの付け替えはフブキに恐怖を与えていた。
「もう、やめてくれぇぇぇ!!」
311刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/21(木) 14:39:31 ID:8AtZa5Ei
ピーーーーーーー
はらり
シックルカッターの鎌はランジェリーの中央を切り裂いた。
「あっ、あぁぁ!いやぁぁぁぁぁ!!」
フブキが暴れたせいで、中央を切り裂かれたランジェリーは左右にはだけている。
そこにはほんのりと小さく膨らんだふくらみがあった。そして二つの小さな突起物。
恐怖と興奮で、その二つはピンと立っていた。
下手をすれば男と間違ってしまうくらいのふくらみ。でも少女の胸。
宇宙人は言った。
「ホライッタ、ヤハリオトコだった。」
「タシカにトナリのホウコクでは、モットオンナのはオオキイとアリマス。」
ぶん殴ってやりたかった。人の胸を恐怖するような回りくどい方法で晒し者にして、
しかもそれをよりによってヒヨリの物と比較して男の物だって。
絶対に許せなかった。
興奮と羞恥でフブキの顔はトレミックのように赤くなっていた。
「ダガ、オトコはジョウハンシンをサラしたくらいでコウフンしないでアリマス!!」
「オマエもオウジョウギワガワルイ。イイデアリマス、サイゴマデタシカメルでアリマス。」
いつからかフブキの性別は賭け事の対象になっていた。
それはフブキを腹立たせるのに十分な要素だった。しかしフブキは大人しかった。
ランジェリーをとられた後、普通の寒さと違う、普段あるものがない寒さを感じていたのである。
火照る体と本来あるべきものがない寒さ。
そのひんやりとした温度差はフブキの怒りを沈め、羞恥に貶めるだけの威力があった。
「もう、やめて・・・。」
フブキは途切れ途切れに言った。しかしあの宇宙人がやめるわけがなかった。
「サァ、シンリのタンキュウダ!!」
シックルカッターの右手に加え左手もでてきた。
そして、トランクスの中心から右足、左足の方へそれぞれ切れ込みを入れた。
もう、フブキは暴れなかった。
暴れるとそれだけ素っ裸がそれでだけ早くなるのに気づいたからだ。
「くぅぅぅぅ。」
シックルカッターは両手で邪魔なものを払うようにフブキのトランクスの残骸を払いのけた。
男の下着のしたに隠れている少女の下着が露になった。
男になることで隠していた本当の自分。
それを無理やり晒されるようだった。
「コレハ、トナリにアッタモノト、コクジスルでアリマス!!」
「ホレミロ、ウチュウノシンリはジッケンスルまでワカラナイ!!」
どう考えても状況は絶望的だった。宇宙人はただ一枚残ったものをずりおろす。
もう、フブキを守るものは、薄いショーツ一枚だった。
しかもそれすらもこれから剥ぎ取られる。
もうなすすべは残されていない。
「サァ、ウチュウのシンリのタンサクのタメ、ハガシトルでアリマス」
ザリザリザリ
軽い尖った金属音が鳴る。それは獲物を前に舌なめずるカマキリの音だった。
「誰か、カスミ、助けて・・・。」
思った瞬間であった。
もう一人の宇宙人がそれを静止する。
312刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/21(木) 14:41:27 ID:8AtZa5Ei
「マツでアリマス。」
「ジャマをスルナデアリマス。ソレトモ、マチガイをミトメルノにオソレヲ」
「チガウでアリマス、コノ、タマシイメーターをミルでアリマス。」
どうやら自分の悪夢はほんの少しだけ先延ばしになったようだ。
「コレをミルとウデをカエタトキにタマシイメーターがアガルでアリマス。」
「ナルホド、コレがメダロットがタマシイをモッタコトにカカワルカモでアリマスナ。」
「コレをツカウでアリマスカ?」
宇宙人が持っていたのはフブキのメダロッチだった。
「それを返せ!!」
フブキが暴れだした。自分の写し身、唯一無二のパートナー。
自分が女性であることの証。トレミックがその中に入っていた。
「タマシイメーターがジョウショウシタでアリマス。」
「モノはタメシ、センリのミチもイッポカラ、サァドウシヨ!!」
「シンリのタンキュウであります!!」
シックルカッターの腕のあったところに、赤い二本の腕が転送される。
自分の相棒、決して裏切ることのないトレミックの腕がいま自分に襲い掛かる。
トレミックの手はワキワキと卑猥な動作を繰り返している。
「それだけはっ!!やめっ、やめろっ!!!!」
メダロットが決して裏切らない部分はメダルだけである。
パーツは敵の手に渡れば簡単に寝返る。
だからといってトレミックの腕を前にフブキが平常心を保てるわけがなかった。
「オォ、ドウシヨ、タマシイゲージがサラにアガッタでアリマス。」
「オォ、ドウシヨ、ソレデハタマシイのケンキュウのタメに、」
『ジッケンデアリマス!!』
宇宙人は声を重ねていった。
それと同時にトレミックの腕は迫ってくる。ワキワキと卑猥な動作をしながら。
絶対に裏切らない親友の腕。
自分が何人裏切ったときもトレミックは自分を裏切らなかった。
そのトレミックに裏切られる。フブキは正気を保てなくなっていた。
トレミックの両手がフブキの下着の両端をつかむ。
それは一刹那の事だった。しかしフブキには、それがとても長く感じた。
下着が徐々に足を通過する。
そして足を完全に通り抜ける。
「カスミッ!!カスミッッッ!!!!!」
そして、フブキの少女の部分が露出した・・・。

まだ続きます。
この作品書いたら、隣の実験室のことも書こうと思っています。
ヒヨリファンはお楽しみに。
313名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 15:41:43 ID:xGRiZHEp
GJ!続きも期待してます!
314刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/23(土) 12:38:19 ID:uPe8Ivy4
その期待を裏切ってカリンのSSを書いてみる。
なぜカリンはSSが少ないのだろうか?
まぁ、アリカ、ナエ、キララ以外のSSを見たことのない俺が言うのもなんだが。

カリン SS

世間を騒がせたスカートめくりメダロット。
その騒ぎが沈静化して数週間後。
ロボロボ団は新しい作戦を思いついていた。
前の作戦の反省点を生かし会議に会議を重ねたその作戦の名前は、
「スカートずりおろし大作戦」だった。
つまりこいつら、まったく反省していない。
しかも前回の経験がちっとも生きてない。
所詮はロボロボ団の浅知恵である。
ここまで気楽に生きられるとかえってうらやましい。
公園、午前十時前。カリンはイッキとデパートに行くため、待ち合わせをしていた。
まちあわせの場所は名犬ボナパルトの像。
カリンは約束の10分前にはもう着いていた。
315刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/02/23(土) 12:38:44 ID:uPe8Ivy4
10分後、イッキが走ってやってくる。
前方、遠く離れた先にカリンちゃんが見える。
「イッキさ〜ん!!」
カリンちゃんが手を振っている。
急ごうと思い、走るペースをあげるイッキ。あと横断歩道が一本の距離である。信号は赤だ。
その後ろにロボロボ団のメダロットが素早く近づいた。
カリンもイッキも全く気がついていない。
ロボロボ団のメダロットが両手でスカートを掴む。
その時、イッキは気がついた。
「あっ!!カリンちゃん、危な・・・」
しかしもうその時は手遅れだった。
「あら?イッキさん、そんなに慌てて何かし・・・」
カリンが言い終わらないうちにロボロボ団のメダロットは行動を開始した。
するっっ
ロボロボ団のメダロットはスカートと同時にパンツもずり下ろした
一瞬のうちに周囲に晒されるカリンの秘所。
当然、毛なんて生えてるわけがないつるつるの蕾。カリンの時間はそこで停止する。
思考はすべて羞恥で凍結した。周囲の男の目線は釘づけであった。
「あっ」
イッキは顔を手で隠す。小学生にはあまりにも刺激の強すぎるものであった。
しかしなんだかんだいって指の隙間から見ている。
「あっ、あっ、キャァァァァァッァァl!!」
カリンは出る限りの声で叫んだ。
そしてカリンは手で秘所を隠しながら座り込んで、赤面して泣き出した。
なんて声をかけたらいいか分からないがカリンに近づくイッキ。
「ごめん、間に合わなくて。僕がもう少し早かったら・・・。」
カリンから目をそむけながらイッキは言った。
「気になさらないで下さい。イッキさんのせいではありませんから。」
少し落ち着いたカリンは言った。しかし、まだ顔が赤い。
カリンは恥ずかしそうに言った。
「あのイッキさん、スカート上げていただけませんか?私、隠してますので・・・。」
「あっ、ゴメン!!」
イッキは慌ててスカートとパンツを一緒に上げる。
「えっと、その、このことはなかったことにして下さい。その恥ずかしいから・・・。」
「分かった。絶対にコウジやアリカには言わないし、僕もなるべく早く忘れる。」
「はい、お願いします・・・。」
カリンはいまだに頬を赤面させていた。
言いたくってもイッキはコウジやアリカには言えないだろうし、
たぶん忘れようとしてもイッキは一生忘れることはできないだろう。
「あの、デパート行きませんか?新作アイス、すぐ売切れてしまうんですよ?」
「うん。」
さっきのことがなかったかのように取り繕う二人。
「待つでアリマス!!」 「逃げるが勝ちロボ!!」
その先でロボロボ団のメダロットがセレクト隊に追いかけられていた。
たぶん捕まるのは時間の問題だ。

つーびーこんてにゅー
316名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 14:00:24 ID:hHcBniE2
wktk
317名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 21:40:25 ID:g7XCc0u9
こんなタイミングで言うのもなんですが…







中学校、高校へと上がったイッキ達の小説にもひそかに期待してます。
318:2008/02/24(日) 00:12:17 ID:Cyf67Tbv
naviバレンタイン話書いたものです。

>>317
前期受験終わったら構想し始めます!

そのネタいただき!
319名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 06:46:20 ID:M+TfYAl0
ありがとうございます!
期待しております!
320名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 16:08:20 ID:4bdNXPWK
俺は前々スレ731を待ち続ける。
321wktk:2008/02/25(月) 17:51:17 ID:hRqEyTiu
wktkがとまらない
早く続きが見たいぜ
322名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 22:00:16 ID:YkQQtN7S
リクエストばっかりで申し訳ない…





アリカ×コウジなんかもいいかもしれませんね
イッキとカリンがくっついた場合などで
323名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:49:29 ID:A/v2ec66
「イッキ、帰ろ?」
「あ、アリカ!悪いっ、今日少し寄る所が有るんだよ」

既に腐れ縁と化している幼馴染の甘酒アリカに苦笑してそう告げる。こいつと一緒に帰るようになって、早10年。
アリカが部活で遅くなるか、オレが用事で早く帰る以外は大抵二人で帰ってきた。
だからと言って、アリカはオレに対して友人以上の感情なんて抱いていないだろうけども。

「ったく…まぁ、たまにはいいけどね。遅くならないようにするのよ?」

するとアリカは、小さく苦笑をしてオレの頭を軽く小突いた。幼馴染の特権だよな、こう言うのって。
少し離れた所では、オレの事を睨みつけている男子が何人か居たりしてオレは気付かれないように
ちょっとした優越感に浸りながら小さく笑った。
高校生になって、ほんの少しばかり色気づいて可愛らしくなったアリカは、実は密かにオレの自慢だったりするのだ。

「解ってるって!じゃ、またな!」

そう言って手を振るとアリカも振り返してきて、オレはもう一度小さく笑うと、教室から飛び出した。

Chocolate.



「さて…どうするかぁ〜…」

誰にも見られないうちに、と自転車を飛ばして来たのはいいのだけれど、一体どの店に入ればいいのか見当がつかなかった。
実は、今日はアリカの誕生日。流石に本人と買いに来る訳にも行かないので、一人で街まで来たのだが…あんなに一緒に居たのに、
アリカの欲しい物の検討が全くつかないのだ。

「やっぱ、何か女らしいものとか…かなぁ」

綺麗に彩られたショーウィンドウに飾り付けられている、いかにもお嬢様が着そうなフリルだらけの服が目に映る。
ピンクで、ふわふわのー…そう。カリンちゃんが着たら、物凄く似合いそうな服。
もしも、こんなに可愛い服を着せた愛らしいカリンちゃんとデートの一つでも出来れば、
それは一生モノの思い出になるんじゃないだろうか。

「って、今はアリカの買い物だろ、オレッ…!」

頭を抱えて、息を吐く。彼女のことを諦めてもう3年も経つのに、どうして彼女のことを考えてしまうんだろう。
今は、カリンちゃんよりも何よりもアリカの方が、愛しいと思えるのに。

アリカへの気持ちに気付いたのは、何時だったか。
324名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:50:20 ID:A/v2ec66
カリンちゃんに告白して、振られて泣いていたオレを黙って抱きしめてくれたアリカに、オレは何時の間にか惹かれていた。
その事を自覚したのは、高校入学した、あの日。
櫻吹雪が降り注ぐ中、何時ものようにオレの隣を無言で歩くアリカが妙に艶っぽく見えてどうしようもなくて、
ドクドクと胸が高鳴ってしまっていたのだった。どうして、もっと早く気付かなかったのだろう。

ずっと一緒に居たのに。
どうして、隣の少女がこんなにも美しくなっていたことに、オレは気付かなかったのだろう。
そう思ってしまう位に、アイツは綺麗になっていて。この少女を独り占めできたら、どんなに幸せだろう…などと考えてしまった。

「…ま、所詮片想いだけどなー…」
「片想いが、どうかしたのか?」
「!?」

ボソリ、と呟いた言葉に問いかけが掛かってきてオレが驚いて振り返ると、そこに居たのは。

「…ヒカル兄ちゃん」

そう、あのヒカル兄ちゃんだったのだった。





「いやー、久々にこの街に帰ってきたけど…まさか最初に会ったのがイッキ君だなんてな」

公園のブランコに二人並んで腰掛る。オレの手には、買ったばかりの温かいレモンティーが握られていた。
勿論それは、ヒカル兄ちゃんの奢りだったりする。

「ったく…帰ってきたなら、連絡くらいくれたっていいじゃんか」

そしたら、歓迎会だってやったのに…とぶつぶつ言っていると、ヒカル兄ちゃんは小さく苦笑を浮かべた。

「そうしようかとも思ったけど、時間が無かったんだよ」
「…時間?」
「そう、時間」

オレの問いかけに小さく頷くと、ヒカル兄ちゃんは手の中の珈琲をふー、と息を吹きかけてから一口飲んだ。
つい、釣られてオレもレモンティーを飲んでしまう。そんなオレを見て、ヒカル兄ちゃんは小さく笑った。

「明日、レアメダルの展示会が隣町で行われるんだよ。だから、下見とかしてて…連絡をする時間が無くてさ」

あぁ、そういえば…アリカがそんなような事を言っていたような気がする。
メダロット自体は好きだし、今でも新型メダロットについて詳しく調べたりはしているが、
レアメダルの存在自体に強い興味が沸かなくなってきていたから、聞き流していたのかもしれない。
ふーん、と適当な相槌を打ってレモンティーを飲む。冬の寒さのせいか、少しずつ中身が冷えて行く。
325名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:51:00 ID:A/v2ec66
「ま、そんなことよりさ。俺は、イッキ君の独り言が気になったんだけど…?」

ニヤッ、とまるでレトルトを思い出させるかのような笑みを浮かべるヒカル兄ちゃんに、
オレは思わずレモンティーを噴出しそうになってしまった。

「〜〜な、な、なんでその話題に持っていくんだよっ!」

顔が熱い。きっと、耳まで真っ赤なのだろう。
ヒカル兄ちゃんは、楽しそうにケラケラと笑っていた。
相変わらずの意地の悪さに、ほんの少しむっとしているオレに構わず言葉を続ける。

「…で?相手は、アリカか?」
「なッ……!!」

ヒカル兄ちゃんの一言に、オレは何も言えなくなってしまう。
”絶句”とは、この状態のことを言うのか…と、身をもって体験してしまった。…別に、したくも無かったけれど。
まるで金魚のように、真っ赤になりながらそれ以上の言葉が出てこずに口をパクパクさせていると、
ヒカル兄ちゃんは、さっきとは比べ物にならない位の大声を出してゲラゲラと腹を抱えて笑っていた。

「〜〜〜そ、そんなに笑うことないだろっ…!」

とにかく何とか、言わなければ。そう思い、どうにか搾り出した言葉は肯定の言葉で、
我ながら、どうしてロボトル以外は頭が回らないのか、と泣きたくなってくる。
そんなオレの様子に気付いたのか、ヒカル兄ちゃんは目尻に溜まった涙を拭いながら、ゴメンゴメン、と
説得力のカケラも無い謝罪を口にした。

「…いや、でもまさか冗談で言ったことが本当なんて…」
「ッ…じょ、冗談って…!!」

謀られた。
そう気がついた時には、既に遅く、ヒカル兄ちゃんはまたニヤニヤと笑みを浮かべていた。

「まさか、イッキ君があのアリカにねぇ…。てっきり、まだカリンちゃんが好きなのかと思ったんだけどな。」

あの、って何だよ。あの、って…。そう思いながら、ヒカル兄ちゃんから顔を背けてオレはポツリ、と呟く。

「…カリンちゃんには、ずっと前にフラれたよ。」

すると、ヒカル兄ちゃんは一瞬驚いたような顔をして、それから苦く笑い、オレの頭を撫でた。

「そっか…悪いな」
「別に…いいよ」

オレがそう答えると、ヒカル兄ちゃんは一瞬だけ優しそうな笑みを浮かべた。
それから残った珈琲を飲み干して、ゆっくりと立ち上がり、小さく笑って言う。

「じゃ、お詫びに付き合ってやるよ」
「…ヒカル兄ちゃんがオレと?」

そう言ったヒカル兄ちゃんの言葉に、少しだけ考えるフリをしてそう聞き返すと
一瞬固まって、驚きと困惑交じりの顔でオレの顔を凝視する。
そんなヒカル兄ちゃんに思わず噴出すと、からかわれたと解ったのか、ほんの少しだけむっとした表情でオレを見下ろした。

「何だよ…そんな風に言うなら付き合ってやらないぞ」
「冗談だって」

笑いながらそう言うと、ヒカル兄ちゃんは”当たり前だ”とオレの頭を小突いた。

「ほら、早く行くぞ」
「はーい」
326名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:51:38 ID:A/v2ec66
まだほんの少しむっとした兄ちゃんを横目で見つつ、冷め切ったレモンティーを飲み干して、ゴミ箱に投げ込む。
缶は、綺麗に放物線を描きながらゴミ箱に吸い込まれていった。

買い物を終え、ヒカル兄ちゃんのバイクの後ろに乗せて貰い近所の公園に着くと、時刻は何時の間にか9時を回ろうとしている所だった。
バイクから降りて、ポケットに突っ込んだプレゼントを取り出す。

「で、結局それにした訳か……」
「う、うるさいな!別にいいだろ、何だって……」

オレの手の中にある小さな箱を見ながら、ヒカル兄ちゃんがニヤニヤと笑いながら肘でオレを小突いてきた。
それは女の子が好きそうな、可愛らしい柄の包装紙で綺麗にラッピングされたもので、
高校生の男が持つには、少々不釣合いなものだった。
まぁ、アリカへのプレゼントなのだからオレに似合っても困るのだけれど。

「それにしても、本当にアリカの家じゃなくていいのか?」
「あぁ……うん」

そう言って頷くと、ヒカル兄ちゃんは一言「そうか」と言っただけだった。

「ほら、早く行って来いよ。あんまり遅くなる訳にもいかないだろ?」

そうヒカル兄ちゃんに促され、公園の中に入っていくと中は思いの外暗く、静かだった。
確かに、アリカが家に居る可能性がないわけじゃない。けれど、アイツはきっとここに居る。
そう、何故かオレは確信していた。
しかし、幾ら辺りを見回しても、残念ながら公園の中には誰も居ないようだった。

「……もしかして、オレの勘外れてたり」

ははは、と笑ってみるものの、そうだったら余りにも阿呆らしい。
このまま”勘を信じてみましたがアリカは公園には居ませんでした”なんてヒカル兄ちゃんに言ったら絶対笑われる。
この先ずっとネタにされる。それだけはどうしても避けたい。
どうしようか、このまま一人でアリカの家まで行ってみようか……などと考えていた時、ふと思い出した。
きっと、アリカは”あそこ”に居る。そう思ったとき、体は既に走り出していた。





この公園は広く、そして少し複雑な造りで出来ている。
元はただの小さな公園だったのだが、広くしたり遊具を増やしたりしている内にそうなってしまったらしい。
その為、一部の遊具が入り口から死角の位置になってしまった。

そう、初めてこの公園の前の道を通った時に教えてくれたのはアリカだった。
だから、よくここに居るのだと。そう言ったのも、彼女だった。
どうしてこの場所だと思ったときに、そこまで思い出さなかったのか。少しだけ自分に呆れた。
327名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:52:56 ID:A/v2ec66
「ッ……」

走るリズムをゆっくりと落としていく。額にうっすら浮かぶ汗を、手の甲で乱暴に拭い辺りを見回す。
と、ブランコの方に数かに人影が見えた。

「……アリカ?」

キィキィとブランコを揺らしているその人影に、そう呼びかける。と、向こうはこちらを振り向いた。

「……イッキ」

やっぱり、それはアリカだった。
自分の勘が外れていなかったことに安堵しつつ、少しだけ乱れた息を整える。

「こんなとこで、何してんだよ」

そう問いかけながら、アリカの座っているブランコの隣の空いたブランコに腰掛けた。
キィ、と小さな金属の擦れる音が静かな夜空に響く。
本当は、”わざわざ誕生日に”と問おうかと思ったけど、それは止めた。

「さぁ、何でだと思う?」

オレの問いかけに、アリカはほんの少し意地の悪い笑みを浮かべてこう切り返してきた。
そんなことを聞かれたって、オレはアリカじゃないから解らないに決まってるだろ、とは思いながらも懸命に考えてみる。
夜風に当たりたかった、とか。いや、ならベランダでもいい筈だし。パーティーに飽きた、とか。
流石に高校生にもなって盛大に祝う家族なんて少ないだろ。
そんな風に一つずつ可能性を出しては消していく。けれど、やっぱり理由は見えてこない。

「あーもうっ、何なんだよッ!」

そう半ば叫ぶように言うと、アリカはくすくすと笑った。

「ここに居たら、アンタが来るかなって」
「……」

それは、一体、どういうことになるんだろうか。
言葉の意図が測れずに、ただぽかんとアリカを見つめていると彼女は更に楽しそうにくすくすと笑って言った。
328名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:53:25 ID:A/v2ec66
「特に意味はなかったんだけどね。なんとなく、アンタに会えそうな気がしたから居ただけよ」

そう、サラリと。オレはなんて返せばいいのか解らなくなり、ただ黙って目線を外した。今が夜で、よかった。そう、思う。
そうでなければ、きっとアリカにもオレが真っ赤な顔をしていることがバレてしまっていただろうから。

「で、アンタは?何かあたしに用でもあるんでしょ?」
「あ、あぁ……。……コレ」

アリカにそう促され、半分忘れかけていた目的を思い出しごそごそとポケットから小さな箱を取り出すとオレはアリカに、
それを半ば突きつけるように差し出した。アリカはそれを不思議そうに受け取ると、それと交互にオレの顔を見る。

「アリカ、今日誕生日だろ。……その、プレゼント」
「……あたしに?」

そうぶっきらぼうにいい、アリカから視線を外す。と、アリカは心底驚いたようにそう言った。
……確かに、今までまともにプレゼントなんてやった覚えはないけど、それでもここまで驚かなくてもいいんじゃないだろうか。
正直、少し傷つく。

「そうだよ。他に誰かいるってんだ」
「それもそうね。…ね、開けてもいい?」

ムッとしながらそう返すと、アリカは小さく笑って、渡した箱を指差す。

「あぁ――……うん、別にいいけど」

そう返すと、そう、と嬉しそうに返事を返しアリカは丁寧に包みを開けていく。
きっとコレが俺なら、装丁など気にせずビリビリと破くんだろうな、などと思いながら、丁寧に丁寧にセロテープを剥がしながら
小さな包みを開けていくアリカの指先を見つめていた。

「……!イッキ、これ……」

ようやく箱に辿り着き、それを開けたアリカはまるでその続きになんて言えばいいのか解らないようでただ、絶句していた。
それもその筈だ。だって、アリカの開けた箱の中に入っていたのは――

「あたしの一番好きな、チョコじゃない……」

そう。箱の中には、アリカが”これ以外のチョコなんてチョコじゃない!”と豪語するほど美味しいと評判のチョコレートだった。
別にチョコレートの一つや二つ、とも思うだろうがたったトリュフ4粒で2千円と言うかなり学生として痛い金額な上、
店内がいかにも”乙女!”と言う内装の為、一般家庭の、しかも健全な男子がコレを買うには何重にも痛い思いをしなければいけない、と言うモノなのだ。
かくいう俺も例外ではなく女性客の視線から逃れるように買ってきたのだった。

「わざわざ、買って来てくれたの?」
「……悪いかよ」

一応これ以外にも色々と、アクセサリーとかそういった類のものも考えてはみたのだが、
これ以外にアリカが喜んでくれそうな物なんて無かったのだから仕方がない。
……いや、確かにカメラ関係の物でも良かったのだけれどそんな物をポンと誕生日プレゼントに買えるほど
学生の自由に使えるお金なんてある訳ないので、こっちにした訳だが。

「……馬鹿ね、本当」
329名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:53:49 ID:A/v2ec66
溜息を一度ついて、アリカは呆れたようにそう言った。自分でも確かに馬鹿だとは思う。
カメラ何かよりは数倍安いにしても、たかが誕生日に3千円もかけるだなんて。
それでも。それでも、どうしてもこれをプレゼントしたかったんだ。
今まで何もしなかったお詫びと、今まで俺を支えてくれていた御礼に。

「いいだろ、別に。俺の勝手なんだから」

もういっそ開き直ってしまえ、と思いそう返す。するとアリカは、もう一度溜息をついて
「それもそうね……」と、どこか諦めたような口調で言うと、
ぴょんっと軽く飛びブランコから降りた。
一体何をするつもりなんだろう、とアリカを見ていると、アリカは俺に向かって手を差し出してきて言った。

「ほら、もう随分と暗くなってきたし帰るわよ。」

そう、何時もの口調で俺に言った――のはいいのだが。あの、アリカさん。この手は、何でしょうか。
どうしていいものか解らず、アリカと手を交互に見比べる。
これは、その。繋げ、って事なのか?いやでも、違ってたら恥ずかしいし。
それから約30秒。ただ、困ったようにアリカを見上げると、アリカはもう一度ため息をつく。

「あーもうっ、さっさと行くわよ!」

そしてそう、怒鳴りながら俺の手をとった。

「ッ―――ちょっ、ア、アリカ!?」

体中の血液が、一気に沸騰したかのように体中が熱くなる。
それとは正反対に、握った掌はとても冷たくて随分長居時間そこにいたのだと、沸騰した頭のどこかで冷静に思っている自分がいた。

「………」

アリカはただ何も言わずに、俺の手を引いてずんずんと歩いていく。
俺の方も、何を言えばいいか解らず気付けば、互いに言葉を交わすことなく、公園を後にしていた。
一体今、アリカはどんな顔をしているのだろう。俺のように真っ赤になっているのか。
それとも、何時ものように平然とした顔をしているのか。
空が暗いことと、アリカが俺より前を歩いていることでそれを確認するのは不可能だった。

ただ2人、黙って歩く。そっと時計を盗み見れば、時刻は8時を回った直後だった。
通りで星が良く見える、なんてことを思う。アリカは、といえば同じように星の明るさに気付いたのか、同じように空を見上げていた。
声をかけようとするが、上手く言葉にならない。
星が綺麗だな、とか。前にもこんな風に星を見たことあったよな、とか。
考えれば、色々な言葉が出てくるのにそのどれも場違いな言葉に思えてきて、俺はただ、アリカに腕を引かれながら歩くことしか出来なかった。
330名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:54:09 ID:A/v2ec66
結局何も言えずに、そのまま歩くこと10分。気付けば何時の間にか、アリカと俺の家の分かれ道の所に来ていた。
最初は気恥ずかしいと思っていた手も、離すとなると何故か名残惜しくて、それはアリカの方も同じなのか、何となく手を繋いだまま2人で立ち止まってしまった。

「――あ」
「イッキ」

のさ、と続けようとした言葉は、アリカの声で遮られてしまう。
一体、何を言うつもりなのか。続けようとした言葉を飲み込み、アリカの後姿を見つめる。
すると、彼女はくるりと振り返って

「………ありがとう」

そう言って、にっこりと、そう、擬音にすれば本当にそんな感じで、俺を見て、笑った。
ドクリ、と心臓が大きな音を立てて跳ねる。
続けてドク ドクと、まるで自分のものじゃないかのように物凄い速さで心臓が動いている。
畜生、これは。

(――不意打ち、だ)

自分の顔が真っ赤になっていくのが良く解る。きっと、先刻の比にならない程に自分の顔は赤い。
そう、断言できる。……いや、しても格好悪いだけなのだが。

「あ……あぁ……」

何か喋らなくては、と思い声を絞り出すもそう返すのが精一杯だった。
そんな俺を他所に、アリカは微笑んだまま

「それじゃ、また明日ね」

と言うと、さっさと歩き出してしまった。
何も言えずに、その姿を見送る。後に残されたのは、未だ赤いままの自分一人。

「ちっくしょ……アリカのバカヤロー」

結局アリカのペースのまま、今日が終わってしまったことが何だか酷く悔しい。
けれど。それでも、これでいいのかもしれないと、そう思ってしまっている自分が居るのを知っていた。

「覚えてろよ……!」

絶対いつか、俺のペースに巻き込んでやるから。口には出さず、そう、心に誓って俺は、逆方向へと歩き出した。
331名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:19:45 ID:fSQg3hE2
>>330
GJせざるをえない。
イッキが能動的なSSって久々に読んだ気がするけど、いいなあ。
332名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:21:52 ID:pBMfmbTP
気のせいかな、以前に読んだことがある気がする
333名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 06:09:00 ID:63Wq9Oay
どっかのサイトで読んだ気が…
334せっちゃん ◆XHWJwz5k8k :2008/02/26(火) 13:03:03 ID:dIvV9QzN
それは俺にまかせろ。(イッキ×カリン)

で受験で滞っていたフブキSSを投下っと

「あっ、あぁぁぁぁぁ・・・・・・!!!!」
フブキの脱げ落ちた下着は糸を引いていた。
それはフブキの興奮したことよりくる愛液だった。
未熟な蕾を晒されるこれ以上ない屈辱。
フブキはただ身を悶えさせることしかできなかった。
宇宙人はというと
「オオ。コレはイガイなテンカイダ!!」
「ヤハリ、ワタシにクルイはナカッタ!!、コレはオンナとイウ、シュゾクダ!!」
「ヤハリ、ジッケンをシテミルマデ、シンリはワカラナイ!!」
「マサにソノトオリだ!!」
と、フブキの性別が分かったことに歓喜している。
「サッソクホウコクダ!!」
「ガッテンダ、ドウシヨ!!」
宇宙人はパネルを操作する。
すると、ジーーージーーーと音を立てて部屋のカメラが動き出す。
フブキの視線は音のほうへ行く。それはカメラを意識すると言うこと・・・。
もしかしたら、クラスターの男たちに、そしてカスミに・・・。
たぶんそれはない。でももしかしたら・・・。
脳裏をよぎる不安、秘所を晒され撮影される屈辱。
「やっ、やめろっ、撮るなっ!!」
頬を真っ赤にそめたフブキは、なんとしてでも足を閉じようと必死に抵抗する。
しかしロープで括り付けられた足は閉じられない。
そのじたばたは、ただいたずらにフブキの性感帯を刺激するだけだった。
暴れたことで留めなくでる愛液。
普段クールなフブキも、もう半ベソをかいていた。
「トナリのホウコクにヨレバ、オンナはムネをシゲキスルとタマシイがタカブルラシイ!!」
「シカシ、コイツのムネはオトコダゾ?」
「マダセイジュクシテナイのデハ?キットコイツはセイジュクがオソイのダ!!」
宇宙人に気にしていることを言われたが、もうそんなことを気にしている余裕はなかった。
フブキはカメラとの一方的な攻防に集中していた。
「モシカシタラ、コレがタマシイのシンリにカカワルもシレナイ!!」
「ヨシ、コケツにハイランバ、コジをエズ、カガクのシンリはジッケンダ!!」
停止していたトレミックの手がまた卑猥な動作を開始するが、いまだにフブキは気がつかない。
いきなり胸のちかくに現れたトレミックの手。その事実にフブキは驚いた。
まだ誰にも触らせたことのない胸。
それが今、実験の名の下にもみしだかれる。
フブキは恐怖した。
335名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 16:32:20 ID:9iugZKJJ
保守
336せっちゃん ◆XHWJwz5k8k :2008/03/02(日) 15:23:40 ID:alr32jXY
「!!!!!!!!」
トレミックの両腕は、いきなりフブキのピンクの突起物を摘まんだ。
てっきり揉まれるとばかり思っていたフブキはいきなりの行動に平常心を失った。
フブキと乳首をいじくり遊ぶトレミック。
その様子をジージーと興奮したかのように観察するカメラ。
「ふ、ふぁぁぁぁ、やめっ、やめてぇぇぇぇ!!」
フブキの悪夢はまだ始まったばかりである。
そのうちトレミックは、フブキの乳首を摘まむのに飽き、
すりすりすりっと、優しく擦るようにフブキの胸を揉んだ。
「あ、あぁぁぁぁぁ・・・・・・・。」
どんどんと押し寄せてくる快楽の波。そして羞恥。
フブキの視線は自分を見つめているカメラから離れることはなかった。
もし、カスミにこの光景を見られていたら・・・。
気が気じゃなかった。愛液はとどめなく出る。
しかし、もう胸からはほとんどなにも感じなくなった。
つまり感覚が麻痺したということである。
しっかりと股間に注目するカメラ。縄で隠すことのできない秘所。
それだけがフブキの目には映っていた。
もし。カスミに見られたら・・・あぁどうしよう・・・。
そう思った刹那、フブキの前にもう一本の腕が現れた。
カメラに目をとられていたフブキは一瞬、何が起こったのかよくわからなかった。
しかし、その腕を見て愕然とする。
それはカスミの愛機、ルミナススタッグの左腕パーツだった。
それに重なるカスミの姿。そして彼もまた宇宙人の実験に加担するのである。
秘所に徐々に近づく卑猥な動作を繰り返すカスミの手。
「いやだっ!!いやだぁぁぁっぁぁ!!」
ルミナススタッグは、フブキの秘所を優しく撫で回す。
フブキの秘所には当然、毛なんて生えてない。
二つの乳首に加えて、秘所まで撫で回されるフブキ。
「あっあぁぁぁっぁっぁ!!!!」
日ごろは絶対に出すことのない色っぽい声であえぐ
しかも秘所を撫で回すのはカスミのメダロット。
きっとこの悪夢は、宇宙人が飽きるまで終わらないだろう・・・。
自慰すらしたことのないフブキはこれに耐えうる術を持たなかった。
押し寄せる絶頂の波、やむことのない陵辱。
「あっあっ、うぁぁぁぁぁ!!」
「オォォォォォ!!」
「アァァァァッァァ!!」
337せっちゃん ◆XHWJwz5k8k :2008/03/02(日) 15:24:19 ID:alr32jXY
宇宙人は上昇を続けるタマシイメーターに夢中だった。
カメラの音がよく聞こえる。
撮られてる、耐えなくちゃ・・・。フブキは薄れていく意識の中で、まだ自分を保てていた。
しかしもう限界だった、ルミナススタッグがお尻の周りをいきなり撫で回したのである。
予想もしてない攻め方だった。そしてフブキの意識はそこで途切れてしまった。
堪えることのできなかったフブキはすぐに絶頂を迎えた。一気に股からでる愛液。
しかしながらまだフブキの上で蠢く手は止まらない。
「ひっひゃぁぁっぁあぁ!!!あっあっあぁあぁぁぁ!!!!!!!!」
宇宙人の実験はこの後、2時間ぐらいは続いた。
フブキは自分がどんどん自分が清純な乙女から離れていく絶望に打ちひしがれていった・・・。
陵辱の手が止んだあと、フブキは呟いた。
「ごめん、カスミ・・・」
フブキは泣きたかった。汚された自分。淫乱な自分。嘘をついた自分。
あのまま男ならよかったのに・・・。フブキは悔やんだ。
しかし宇宙人はそれを許さない。
「ナニカ、モットシンリニチカヅクジッケンハ・・・。」
宇宙人は無意識のうちにボタンを押していた。
再びフブキの上で蠢くロボットアーム。
「あっあぁっぁぁぁ!!!もうやめてっ・・・・・。」

フブキの悪夢はまだ続きそうだ。

メダロットNAVU SS 実験体001 フブキ 完

感想 フブキの陵辱は終わりましたがまだほかの娘の陵辱ははじまったばかりです。
フブキちゃんはこの後も出てくるのでご期待あれ。
次は予告どおりヒヨリで(が)いきます。お楽しみに。
あと、だいぶ間が空いてすみませんでした。それでは。
338名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:28:03 ID:yhRy/STQ
>>336-337
339名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 19:11:14 ID:KjaoPIq6
誰かメダロットの同人誌くれ
頼む
340名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 03:41:02 ID:UjK0WZ9i
341名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 22:16:23 ID:VrDnIyuj
他にzipで無いかな
342名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:06:05 ID:9mDkiXNb
>>330
GJすぎる
343名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:45:02 ID:Ttq426Sb
>>339
4〜5作持っているが、一気にうpするのもあれなんでとりあえずひとつ。
http://www.uploda.org/uporg1287245.zip.html

要望があればまたうpします。
344名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 09:16:56 ID:0PVxZ4he
>>343
ありがとう、でもpassがわかんない
345名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 09:55:33 ID:0PVxZ4he
だめだ、やっぱりわからない
帰ってくるまで残っててくれ
346名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 09:57:51 ID:gkK3H59u
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
347名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 17:32:59 ID:0PVxZ4he
>>343
消えてるわ・・・
ゴメン
348名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 02:09:03 ID:IyF7MAxo
申し訳ない。
再うpしますた。
http://www.uploda.org/uporg1289281.zip.html
パスワードは medarot です。。。
349名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 11:43:44 ID:Q4JDjd1T
>>348
あ、落とせました、ありがとう

またお願いしますね
350名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 13:06:32 ID:55wcQ91W
>>348
もう消えてる・・・w
まぁ無理にほしいわけじゃないから別に良いけど
351名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 13:11:24 ID:5TNzlHR7
>>348
ありがとう

他のもお願いw
352名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 13:28:21 ID:IyF7MAxo
>>350
なんかすぐ消えちゃいますね@@;

次のは他のうpろだにしたいと思うのですが、
どなたか良い所紹介してもらえれば助かるんですが・・・
353名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 13:29:44 ID:5TNzlHR7
>>352
いや、そこも結構長持ちする方だと思うよ
354名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 16:56:45 ID:9x3b3aq8
>>352
次もお願いします。
355名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 17:27:45 ID:HoPgpYr1
半角でやってくれ
356名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 19:21:03 ID:ZorNgoS4
保守がてらにこういうのもいいな
>>352またお願い
357名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 20:24:53 ID:55wcQ91W
>>352
斧うpろだがいいと思うよ
URL↓
http://www.axfc.net/uploader/
358名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:01:28 ID:NDCcbuZG
>>356
そうですね、あまりスレの趣旨から外れてはならないので
保守がてらということで。

>>357に紹介して頂いたうpろだに、
前回うpした作品+もう一作うpしました。
http://www12.axfc.net/uploader/18/so/Ne_13839.zip.html
パスは前回と一緒です。
359名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:10:35 ID:4CJxM5oa
>>358
ありがとう
さっそくもらったw
360名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 08:56:39 ID:klk03133
こんどはGetできた!!
うp主ありがとう!!

やっぱ斧うpろだ紹介してよかった^^;
361名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 21:12:48 ID:lcAOjVf6
>>358
GJ!!

またお願いね

ついでに保守
362名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23:13:42 ID:xbZLhH3S
363名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 01:21:55 ID:CYyq1dW7
メダロット5のカオルってかわいいよな

まだエロSSってないよな?
364名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 15:53:45 ID:zaE4DgAw
保守

>>358
またお願い
365名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 03:22:58 ID:HjrdnG0D
自分が持っているのはこれで最後です。
http://www8.axfc.net/uploader/17/so/H_43258.zip.html

パスワードは前回と一緒です。
366名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 05:45:21 ID:jcXJpFGO
またもらいました^^;

ありがとうございます。m(_ _)m

それにしても↓のメダロットMAD神すぎる
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1826099
367名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 16:52:06 ID:6JxmZlHl
保守
368名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 12:02:14 ID:3Q8gRxQO
保守
369名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 16:44:11 ID:JIx5oPcq
おやびんのSSを探しているんだが2つしか見つからない
ヤンデレモードのイワノイに犯されるとか
そういうシチュのやつないかなぁ?
370名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 09:26:46 ID:bPIFyG20
保守
371名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 10:21:04 ID:APJIMK1P
372セルゲイ:2008/03/18(火) 20:49:46 ID:TwL9lWvm
マイマシン大破。
よって介入不可。
ネタはあるのにorz
373名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 01:09:22 ID:ru1nemT1
374名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:25:49 ID:piFxDCWX
しゅ
375名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 10:36:44 ID:lJP8q8N7
376名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 16:44:06 ID:gacvzGud
>>270の続き期待age
377前々スレ731:2008/03/23(日) 17:45:34 ID:557lFPDu
「あーつーいー…」
「もうあついって言うな……また気温が上がったみたいに感じるだろ…」
イッキがそう呟いた瞬間、何かがパリンと破裂する音がした。

「…なに?」
「……?」
イッキはやっとの動作で立ち上がり、その音の正体を確かめようとぐるりと居間を見渡す。
すると、ある柱のすぐ手前に、ガラスの破片が散らばっていた。

「……げ!アリカ、温度計が割れたみたいだ!」
「えー!?うそでしょ?!」
がばっとアリカも立ち上がり、イッキと視線が交差する。

すると、…確かにそこにはあった。
無残な姿で佇む、さっきまでは確かに温度計だったその残骸が。

「まずいわね、中に入ってる水銀は体に良くないって聞いたことあるわ」
「うぇ!じゃあ、どうするんだよ?!」
「放っておいて気化されると面倒だし……イッキ、あんた片付けてよ」
「お、俺?!」
「女の子にそんな危ないことやらせる気ー!?ホウキか何かで外に出すだけで良いんだから

、そのくらいやりなさいって!」
「うう…わかったよ。」
先ほどまでとは打って変わり、いつもの口調でイッキを言いこめるアリカ。

渋々ながらも、アリカに言われたとおり、イッキは長めの箒で破片ごと外の庭へと掃き出し

た。
それと庭の隅の方へ柄の長さで押しやり、ひとまずは事なきを得る二人。
378前々スレ731:2008/03/23(日) 17:46:26 ID:557lFPDu
「よく出来ました」
満足そうに微笑みながら言うアリカ。
「あれで大丈夫なのかよ、ホントに」
「近づかなきゃ平気よ」
「それ、平気って言うのかよ…」

彼らがそんなやり取りをしている中にも、気温はどんどんと上がっているらしかった。
こめかみや額に噴出していた汗が、時折露となってつーっと頬を伝う。

「あー、それにしてもあっつい……」
「あついって言わないでくれる?なんか余計暑くなったみたいじゃない…」
「……へーい…」
「まったく…はー、それにしてもあついわねぇ……」
「…………………」



「ね、イッキ」
障子の横から、ひょっこりと顔を出すアリカ。
イッキはその呼びかけに答える造作もなく、
もうすっかり暑さにへばった様子で、少しでも涼感を味わおうと木の卓に突っ伏していた。
「…なにー…」
やはり生気のない返事。
「森とかならさあ、少しは涼しいんじゃない?」
「森ぃー…?」
「そ、森よ森。じゃーん」
そう言って、アリカは自慢げに、短冊のような形で折りたたまれた冊子のようなものを取り

出した。
「…なにこれ?」
いかにも興味の無い反応をしつつ、イッキは
さもどうでも良さそうに卓に顎を乗せたままそれに目をやる。
「地図よ。これがタコヤキに見える?」
少し憮然とした表情で、アリカはその地図を広げてみせた。

「なんだこれ?ずいぶん適当な地図だな」
冊子に載っていたのは、市販の地図と比べればかなり簡略化されていたが、
点在するいくつかの地名を見るに、どうやら村一帯の地図だった。
「ほら、ここ」
アリカが指した冊子のすみっこには、「地域振興課 編纂」と古めかしい書体で印字されて

いた。
「ちいきしんこうか、へん……なんて読むんだ、コレ?」
「へんさん。要するに、地域振興科ってところが作りました、ってコト」
「アリカ、よくこんなの読めるな…」
「ふふん、ジャーナリストとして当然よ」
得意げに顔を上げるアリカを、イッキは心底感心した面持ちで見た。
379前々スレ731:2008/03/23(日) 17:47:34 ID:557lFPDu
「で、ほら、ここ見て。」
アリカが地図のほぼ中心にある一点を指差す。
「…なんだこれ、遺跡の森?」
「たぶん、遺跡って、メダル発掘現場の遺跡のことじゃない?」
「ほんとだ。確かに、メダルのマークになってるな」
「でしょ?たぶん、メダロット博士はここの遺跡も研究してたのよ」
「なーるほどねえ…確かに、そうでもなかったらこんなとこ、わざわざ住まないよなあ」
「で、さ、村のパンフレットに載せるくらいだから、それなりの名所なんだと思わない?」
イッキは思わず固まった。
話がここまで進み、ようやくアリカの言わんとしていることを把握出来たからだ。

「…まさか…、……行くの?」
顔をひきつらせながら、おそるおそる訊く。

「ぴんぽーん!!」
人差し指をびっと出し、アリカは強気な笑顔を浮かべた。

「…えぇー……」
「だって、どうせここにいても暇だし、暑いだけでしょ」
「う…、…そりゃあそうかもしれないけど…」
「決まり!」
「………はぁ。」
がくんと肩を落とし、俯くイッキ。
毎度のことながら、反論しようという気概さえないようだった。





地図に描かれていた縮尺を頼りにすれば、
その「森」は、イッキたちがいる家から約5キロほどの距離にあるらしい。
5キロ、と口に出しただけではさほど難のない距離に思えるが、実際問題、
真夏の炎天下を歩くというのは、たとえ数百メートルの距離であったとしても避けたいもの

だ。

ましてイッキとくれば、
来る日も来る日もエアコンの効いた自室でゲームをする日々が続いていたもので、
ご多分に漏れず、既に満身創痍の様子だった。

「………」
亡者のように両腕をだらしなく垂れ、首の座らない赤子のようにふらふらとしながら歩くイ

ッキ。
既に汗は噴出すのを通り越し、だらだらと全身を流れていた。
380前々スレ731:2008/03/23(日) 17:49:23 ID:557lFPDu
「あぢい……」
「…はあ。あんた、ほんっとにだらしないわねー…」
アリカも、イッキがまさか元気満々でついてくるとは思ってはいなかった。
思ってはいなかったが、よもやここまで疲労困憊するとも思っていなかった。


両脇に広葉樹の森が広がる林道を連れたってあるく二人。
林道は緩い坂になっていて、さすがに村のパンフレットに載せるだけのことはあり、両脇の

林には人の手が入れられているようだった。

気温はますます上昇しているようだったが、木陰のせいで幾分か日差しが遮られ、
風は無かったが涼をとるにはそこでも充分なくらいだ。

「なあアリカ、もうこの廻りがその「森」なんじゃねーのー…?」
「地図によるともっと先。この先におっきい川があるみたいだから、それを越えてからよ」
冊子を広げつつ、淡々とした口調で言った。

「うぇ、まだ歩くのかよ…」
「…アンタ、本当に体力ないわね……」
呆れた表情を作りながら、すたすたと先を歩くアリカ。
頭の後ろで手を組みながら、イッキもけだるそうにその背中についていく。
「あ」
唐突にそう言って、アリカが立ち止まった。
「なんだよ、急に止まって」
「あれ」
そう言って、アリカはすっと道のむこうを指差した。
先ほどアリカが言っていた川が見えてきたのだ。

「川だ!ほら、イッキ、行くよ!」
うなだれるイッキの手をとり、足取りも軽くアリカが走り出した。
「ちょ、っと、アリカ、ひっぱんなって!」




「わー、すっごーい」
川の流れは比較的ゆるやかだったが、深さは膝の少し下くらいまであるようだった。
橋の上からでもしっかりと水底が見えるあたり、かなり水質は良いらしい。

「降りてみようよ!ねっ!」
イッキの返事も聞かず、アリカは一目散に川原へ下っていった。
そのはしゃぎように、イッキは怒る気もなくなり、苦笑いした。

アリカの後に続いて、イッキも川原へ降りる。
まるで玉砂利のように丸い石がいくつもある河原は、真昼の太陽の照り返しで白んで見えた。
381前々スレ731:2008/03/23(日) 17:53:49 ID:557lFPDu
「イッキ、こっちこっち!」
ひとり元気にはしゃぎまわり、イッキを先導しようとするするアリカ。
イッキも、そんな様子を見て、呆れながらもどこか楽しそうに笑う。

「おいアリカ、あんまりはしゃいで、川に落ちてもしんねーぞ」
少し離れたところにいるアリカに呼びかける。
「イッキじゃあるまいし、そんなことしないって!」
「…」
人が心配してやってるのに、とイッキは心の中でつぶやいた。


ふと川の向こう側を見ると、木々の立ち並ぶ森の間から、泉のようなものが見えていた。
どうやらそれが地図にあった遺跡らしいが、どうも以前見たことのあるミヤマ遺跡とは雰囲気が違うようだった。
遺跡にもいろいろがあるんだろうか。そんなことをイッキが考えていると、アリカが大声で呼んだ。

「イッキ!!はやく!」
アリカはいつの間にか靴を脱ぎ、オーバーオールもめくりあげて水遊びを楽しんでいた。

「おいアリカ…」
アリカは一人、ばしゃばしゃと水しぶきを上げて楽しんでいた。

イッキは、とっとと用事を済ませて戻りたかったのだが、
アリカのそのはしゃぎようを見てそれを諦めたのか、深いため息をついた。

普段イッキのことをしばしば子ども扱いすることのあるアリカだが、
好奇心旺盛な本来の気質もあって、実際にはアリカがやや暴走気味になることもままあった。



「きゃっ!」

唐突に響いた悲鳴とともに、派手な音を立てて、水しぶきが中天高く舞い上がった。
イッキは飛び跳ねるしぶきに思わず顔を手でかばう。
382前々スレ731:2008/03/23(日) 18:05:27 ID:557lFPDu
この先は構成を見直してる所なので、いったんここまでということで。
何というか間が開くのが当たり前みたいな感じになってて
本当に申し訳ないです。おわびの言葉もないです。

とにかく思いついたら次から次へと手をつけてしまうタチなもので、
いつの間にかフォルダの中に書きかけのやつが何十も…orz
遅筆ですがいっこいっこ完成してここに書き込んでいければと思います。

保守してくださったりしてくれてる方々、本当にありがとうございます。
383名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:10:29 ID:hH0gMiTl
>>382
おお、乙です! 今回も続きが楽しみだなぁ。アリカ可愛いよアリカ。
いえいえ、やはり「読む楽しみ」もそうですが、「待つ楽しみ」もありますから。
僕も何か書こうかな……
384名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:27:28 ID:aW2YgJv3
731さん乙!続き待ってます!
385名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:49:05 ID:OGJhwHcg
731氏GJすぐる
こういう小説は好きだなぁ。
続き気長に待ってまーす!
386前々スレ731:2008/03/27(木) 03:37:27 ID:8/tO8M1r
「…もー、やだぁー…」
ピンクのオーバーホールは完璧に水に濡れ、水を吸ったせいで、色も暗く淀んでしまっていた。
下に着込んだシャツも当然水に濡れてしまっており、袖口はぴったりと肌に密着して、薄く透けていた。

「…はぁ。ったく、アリカははしゃぎすぎなんだよ。ほら」
イッキは、水面に顔を出していた手ごろ石に足をかけ、手を差し出す。
アリカはしっかりとその手を掴んで、足場の悪さに多少手間取りつつも、どうにか立ち上がる。

「…よいしょ、っと………あーあ、すっかり濡れちゃった…」
アリカはオーバーオールの肩口をつまみ、水浸しになった服を眺める。
「着替え、持ってきたんだろ?戻って着替えたほうが、いいと思うぜ」
少しの揶揄を込めた口調でイッキが言う。
「やーよ、今更めんどくさいし。あ、そうだ、あんたの服貸しなさいよ」
「…な、何言ってんだよ!俺はどうすんだよ、俺は!」
よもやその様な提案をされるとは思ってもみず、イッキは慌てて反駁する。
行動力ゆえに飛び出るアリカのはちゃめちゃな理屈は、時折イッキを慄かせる。
「いいじゃない、あんた男なんだから。」
「そういう問題じゃねーだろ!」
アリカはイッキの狼狽ぶりなどどこ吹く風で、平然と言い放つ。

「もう、冗談だって。そんなに怒らなくてもいいじゃん」
「…」
イッキは、「アリカの場合、冗談にならないことが十分に有り得る」とは口に出さないで置いた。

「ていうかさ、本当にそのままじゃカゼひいちまうぞ、アリカ。」
「それは分かってるけど…。」
アリカは眉を寄せて答えに給する。真夏の炎天下とはいえ、
すっかり水を吸ってしまった服を着たまま歩き回るわけにもいかない。
しかし、そうは分かっていても、今更来た道を戻るのも気が引ける。

「ねえ、上だけでも貸してよ」
「っ、だから、ダメだって!」
「なんでよ、別に減るもんじゃないしいいじゃない。」
「……お、お前な、これ、男の服だぞ?!」
「別にいいわよ、着るものないんだし、仕方ないじゃない。」
イッキが言いたかったのはそういうことではなかった。
つまりは性差とか、気恥ずかしさとか、そういったものを意識して言ったのだったが。
387前々スレ731:2008/03/27(木) 03:37:52 ID:8/tO8M1r
「だって、戻るにしたってこのままじゃ風邪ひいちゃうでしょ!」
「…いや、まあ……」
"戻る"という単語に押され、イッキは若干引き気味になった。
帰れるものならすぐにでも帰りたいと、道すがら思い続けていたからだ。
そもそもここに来ることになったのだって、まったくイッキの本意ではなかったのだから。
「それにあんた、この間だって誰が宿題見せてあげたと思ってるわけ?」
「…そ、それとこれとは」
「"関係ない"って言うの?信じられない、それでも男なの?」
「……うぅ…」
「その前だってそう!だいたいあんた、自力で宿題やったことあった?!ないでしょ?」
「………ぐ…」
アリカによって飛躍する話を止める気力は既にイッキにはなく、
アリカはアリカで日ごろイッキに対して抱いていた不満をぶちまけていた。
ぶちまけたといっても、こうすればイッキが折れるだろう、
という計略の元でのことで、特段感情的になっているわけではないが。





「これ、変わった服ね…」
イッキのトレードマークともいえる真っ赤なフリースを着込んだアリカ。
まだ少し水気が気になるのか、襟元のボタンは外していた。

「もう、なんでもいいから早く戻ろうぜ……」
がっくりとうなだれて、イッキはアリカの後ろをとぼとぼと歩いていった。
その背中には哀愁と形容できるような、独特の寂れた雰囲気が漂っていただろう。





メダロット博士の実家に着いて、イッキはすぐ縁側に足を投げ出したまま寝転んだ。
アリカは気持ち悪いからシャワーを浴びるといって、イッキの上着を着たまま風呂場へ行ってしまった。

「……疲れた…」

じっとりと汗のにじんだシャツごしに感じる、ひんやりとした廊下の感触。
撫でるように吹く風はひどく心地よく、揺らされる風鈴の音もひときわ優しく感じられた。

目を覆うように片腕を顔に置く。まぶた裏には、先ほどまで晒されていた真夏の鮮烈な陽がちらついた。
何を回想するでもなく、しばらくの間、イッキはただ呼吸をするだけだった。
388前々スレ731:2008/03/27(木) 03:39:24 ID:8/tO8M1r
どのくらいの時間が経ったのかは分からないが、
目を閉じまま感じる感覚は、いつの間にか肌寒さだけになっていた。

さっきまで気持ちよく感じていたはずの背中の感触も冷たさを伴うようになり、
イッキはどうにも寝入ってしまっていたようだった。

ゆっくりと顔から手をどけ、まぶたを薄く開いていくと、最初に見えたのはゆれる風鈴の姿だった。
その後ろには既に薄暗くなった空。見渡すと、所々には星が光って見えた。

イッキは少しの間、寝惚けに思考を奪われていたが、
ふと、台所のほうが何だか騒がしいことに気づいた。
靴を脱いで確かめにいこうとした時、イッキの服がテーブルの下に、きれいに畳まれて置いてあるのに気づいた。

イッキは、そういえばアリカに貸したんだっけ、などと人事のように思いつつ、
じっと縁側で寝ていたせいで体は冷えていたので、それを着込んだ。





「…わ!おいしい!これ、どうやって作ったんですか?」
「簡単だよ、そんなの。そうだ、あとでレシピをメモ帳に書いておこうか!」
「え!ぜひお願いします!」

台所に入ると、何やら甘いようなしょっぱいような、
とにかく日本の家庭的な部分を象徴したようなにおいが立ち込めていた。
この家のどこにそれだけの食器があったのかは不明だが、テーブルの上には
既に何品かが並べられていて、どれも食欲を誘うような品ばかりだった。
389前々スレ731:2008/03/27(木) 03:40:38 ID:8/tO8M1r
「あ、イッキ」
「えーっと……そのひと、誰?」
アリカはイッキの元へと駆けて、頭を一発小突いた。
「いてっ!」
「ちょっと、いきなりおばさんなんて失礼でしょ!
 ほら、ふもとのスーパーにいた店員さん!覚えてないの?」
「…あ!そうか…」
そのやりとりを見てか、アリカに料理を教えていた女性はくすくすと笑った。

「あっはっは。いつ見ても面白いね、あんたたちは」
「あ、えーっと、俺は」
「天領イッキくん、でしょ?アリカちゃんから聞いてるよ、なかなか頼りになるみたいじゃないかい」
そう言うと、女性は含みのある笑いを浮かべ、アリカのほうを見る。

「お、おばさん!」
「あっはっは!さて、最後の仕上げをぱっぱっとやっちゃおうかい、アリカちゃん」
「は、はい!」
そう返事をするアリカの目は、嬉々としたものを宿していた。
イッキは、何だか楽しそうな二人の雰囲気に気後れしつつ、何か手伝うべきだろうか、と逡巡した。

「あ、あのー…」
「ん?なんだい?」
鍋をかき混ぜながら振り向く。

「いや、えっと、お、俺もなんか手伝います」
「なーにいってんだい、男子厨房に入るべからずっていうだろ」
「え?」
「いいから、あんたはそのへんでも適当にぶらぶらしてなって。」
「……は、はい………」

深い意味は分からなかったが、とにかく自分は手伝うべきではないことを察し、
イッキは若干戸惑いながらも台所を出る。
振り向きざまに見たアリカは、じっとまな板を見つめて、必死な様子だった。
390前々スレ731:2008/03/27(木) 03:41:54 ID:8/tO8M1r
とりあえず一旦ここまでということで。

我ながら相変わらずエロまでの道のりが長いorz
申し訳ない限りです。
391名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 20:36:09 ID:vAQMH0IZ
>>390
GJです。
エロまでの道のりが長いからこそ、いざたどりついたときに
かなり印象深くなるのではないかと思います。
かなり楽しみな内容になってきましたなあ・・・
392名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 03:36:33 ID:ytxy69J7
保守
アリカ可愛いすぎる(*´д`*)
393名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:13:30 ID:RuysdVZc
>>731 GJ
アリカは俺の嫁。
394名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 05:08:17 ID:jG0hdtUn
保守
395せっちゃん:2008/04/02(水) 21:47:24 ID:qy7gYBha
メダロットNAVIクリア。
実は小説書く前は未クリアだったりする。
ナビコちゃん可愛いね。
ところで攻略本から宇宙人を勝手に推測して書いたために、
宇宙人がまったく違うやつになってしまいました。
(原作だとなんでも機械任せな冷淡な人)
ということで開き直って私の宇宙人はあれですますことにしました。
早く私専用のマシンが直って、ヒヨリ編を書けますように。
ついでにその次はスポーツ女子編ね。
脳内では執筆済みだからPCさえあればすぐかけるのに・・・。
はぁ、なんで逝っちまったんだよ・・・。
396名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 22:22:38 ID:373iWxvx
>>395
誤爆?
397せっちゃん ◆IaT2h5vOPM :2008/04/03(木) 13:38:10 ID:Xouy6AzA
誤爆じゃないです。
フブキのを書いた刹那=F=セルゲイです。
トリップ忘れてました。
いまPSPからアクセス中。
はぁマイマシンがあれば・・・
398名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 18:06:23 ID:E/j5cZK4
>>397
自分語りとコテハンウザス
つチラ裏
399名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 18:06:47 ID:uhkrW6Zk
>>390
原作感覚で楽しませてもらっております。
イッキとアリカらしさが出てて良いかと思います。
深夜までお疲れ様です。
400名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 05:04:18 ID:g4hNyX8I
           ,, -''"´`ヽ._
            ,,.‐´      ``丶--.、.._
       ,.‐′              `i
     ,.‐´   ,,、   ,、         l
    /    / `'、 / `、        l
   |    /_,..-ー''"´゛`''‐ヽ       l
   |   /‐´         `i       l
   |   │       _,.-ー'' .i       l
   |   l --、       J丶i       l
   |   .l / J丶     |::::::: i       l
   |   .l  l::::::.i      `ー´i     _.  l
   |    `、.`ー´        .|   ,ィ´/  l
   `、    l   丶       l_.ィ´r ´ ,'ヽl
    `、 l´ l`、.   ー‐'      l   ,'
     `、| |  ` '‐、,,  ._,,-‐'   .| ,ィ´
        .|     ``` l    /` 、
        .|,.-´`:、_,,-─r´  / /  / `ー-、
           / / / ヽ/  /  /     `、
401名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 10:19:24 ID:0bjKKO8U
女装イッキの話、今まで誰か書いたっけ?
402名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 04:14:23 ID:2Q/UXSJb
403名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 16:59:04 ID:4zbadx5B
ho
404名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 00:15:53 ID:+Mg+Y4J7
>>390 期待してます
>>400 アリカがこっち見てる・・・アリカ可愛いよアリカ
405名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 03:42:37 ID:AYrNQBfC
保守
406名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 06:49:26 ID:gi5t6Otp
アシュ
407名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 06:55:01 ID:G0LDDeqe
好き〜(嫌い!) 嫌い〜(好き!)
やっぱり君が好きさ♪
ウキウキ(ワクワク) ドキドキ(ユラユラ)
イッキにトキメい て る♪

408名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 16:36:24 ID:uMReUzcF
>>407
アリカがイッキにときめいてるってことでいいんだよな?
萌え
409名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 17:27:25 ID:uQwncw/M
>>408
違うね
俺がイッキにときめいてる歌だね
410名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 03:08:03 ID:cMIMgDdA
性具型メダロット出たら売れそう
411名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 21:36:34 ID:zsWxHqGo
731氏を気長に待つ。
412名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:09:29 ID:rFr7N4GF
メダロット4の海辺のイベント時の
イッキと女型メダルの会話に萌えたのは俺だけか?
てかあのシーンを誰か書いてくれ
413名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:10:05 ID:DppLCCdN
保守
414名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:01:20 ID:JL5kz7ui
保守
415名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 21:43:45 ID:prht6hv4
保守
416名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 14:58:20 ID:C2GKiFMS
保守
417名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:35:55 ID:+k9IIUCG
保守。
418刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/04/25(金) 01:24:28 ID:FIKqgXNW
うぃっす、マイマシン復活ってことで投下。

カリンSS 番外編 逃げてったメダロットの行った先の話です。

「彩りましょう、食卓を!!」
「咲かせましょう米の花!!」
二人の仮面をつけた男女が声を合わせて決めポーズをとる。
正義の怪盗、レトルトとレトルトレディーである。
博士の命令でアジトを突き止めた彼らはセレクト隊より
先回りをしていたのだ。
「君たち!!、メダロットを使った馬鹿な真似はやめるんだ!!」
「そうよ!!乙女に恥をかかすなんて絶対に許さないんだからね!!」
二人とも久々の登場なので気合が入っている。
「ロボロボ!!どうするロボ?」
「ロボロボ!!強そうロボ?」
「でも逃げ場は塞がれてるロボ!!」
「一斉にかかれば大丈夫ロボ!!」
「えぇいいちかばちかロボ!!」
これからの方針を決めたロボロボ団員は一気にメダロットを転送した。
総勢30体
「仕方ない、おとなしくセレクト隊に自首したほうが罪は軽いのに。」
「ロボロボの頭じゃ言っても無駄よ。」
「転送!!」
二人は声を合わせて叫ぶ。
転送されたのはわずか2機のメダロットだった。
「ロボロボ、大したことないロボ。かかれ〜!!」
419刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/04/25(金) 01:29:05 ID:FIKqgXNW
30対2、勝負は一瞬で付いた。
アークビートルとゴッドエンペラーのタッグがロボロボ団
のメダロットに負けるはずがなかったのである。
「どうやら」「かたずいたようね。」
勝利の余韻に浸るのもつかの間。
さきほど逃げたスカートずりおろしメダロットが
レディーの後ろに回り込み、彼女のボディコンを
つかみとろうとしていた。
それに気がついたレトルト。
「まずいっ!!アークビートル、撃てっ!!」
アークビートルは変態メダロットに向けてレーザーを
発射した。少しでも狙いがずれたら間違いなくレディこと
キララに当たる。でもレトルトはアークビートルとの間に絶対の
信頼を持っていた。
ドガーン
見事に変態メダロットの頭に命中する。
しかし変態メダロットはただではやられなかった。
もうすでにキララのボディコンをつかんでいたのである。
メダロットは頭がすべてを統率している。
頭を失ったメダロットはどうなるか?
とうぜんバランスを崩して倒れる。
メダロットは人間に2倍くらいの重さがある。
「えっ、ちょっと、レトルトどうゆう・・・」
言いかけた最中だった。
倒れたメダロットに引きずられ、キララのボディコンが
ずり落ちたのである。ボディコンの下には
ブラはなかった。まずはキララの二つのふくらみが露わになった。
しかしさすがにボディコンの下にショーツはつけていたようである。
しかしながら変態メダロットの執念は機能停止してまですさまじい
ものがあった。なんとショーツに指を引っかけ、
ショーツごと倒れこんだのである。
薄い森林につつまれたキララの秘所が露わになる。
「いっ、いやっっ〜〜〜!!!!!!」
レトルトの見てる前でフルヌードを披露するレディ。
当然、そうなるとは思ってないレトルトは唖然として見とれていた。
「ばかっ!!、ヒカルの変態っ!!」
手で隠すキララ、しかしヒカルの視線はキララの方を向いていた。
「ゴッドエンペラー!!」
キララはゴッドエンペラーに命令をする。
間一髪のところにレーザーが飛んでくる。
「待てっ、キララ、話せばわかる、ちょっとした事故なんだ!!」
ゴッドエンペラーは容赦なくビームを浴びせる。
ただ、メダロット3原則は守っているらしく、
本人の回避行動を含めれば絶対に当たらない位置には
撃っていた。しかし回避しなければ保障はできない。
乙女の秘密を見たレトルトことヒカルはその後
半日はゴッドエンペラーに追い回されたそうな。
「ヒカルの馬鹿っ!!大嫌いっ!!」
420名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 02:43:30 ID:vNVE2st6
コテハンうざい…
421名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 16:21:55 ID:HQmsNRRy
>>419
乙。
表現力が甘い。
また無理やりな箇所が多い。
まあ今までこのスレで読んできたものと比べての話だがな。
422名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 11:42:16 ID:r/q5ZXw2
保守
423名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 20:02:50 ID:FbgFPW2T
アスカ以上にアリカが可愛い件
424名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 20:51:00 ID:aZZuhXEm
キノコ×イッキが読みたい。
425名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 21:53:45 ID:rPsn48ni
「かたずいた」「どうゆう」とか見るとイラッときてしまう…日本語は正しく使ってくれ。
ま、乙です
426名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:12:49 ID:CSOA+CCQ
>>419
乙〜。
なんだろう、なんか副音声のナレーションみたいな感じで
イマイチ臨場感に欠けるような気がするが
これに懲りずにいろんな人の小説読んで、勉強するといい
頑張ってくれ
427名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:30:45 ID:zE4j58sP
>>419

そんな感じでキララをもっと書いてくれ
428名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 04:00:06 ID:cQYVx81o
ナエさん凌辱みたいなのってどこにあるっけ?
429名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 09:07:09 ID:0q5AmNBX
保守
430名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 00:06:42 ID:xq0OXtak
ho
431名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 11:36:53 ID:l0T7owHT
保守
432名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 17:49:08 ID:ytI8yhWW
ほー
433名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 09:16:40 ID:zGkrsnUi
保守〜
434名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:34:28 ID:hNAZHy1b
>>390
続き期待!
435刹那=F=セルゲイ:2008/05/13(火) 02:26:18 ID:Vye/pXU2
過疎だから書く。下手だけどがんばる。
続きはいつの日になるやら。

実験体002 ヒヨリ

フブキSSの続きです。基本設定にさほど変更はありません。

「ん、んんっ?あれっ・・・、ここはどこ・・・。ってなんで私、鎖に繋がれてんのよ!!」
ヒヨリが目を覚ますと、そこは実験室だった。
衣類をいじられた形跡はない。しかし両腕に鎖を通した腕輪を着けられ、
足がギリギリで着くくらいに宙吊りにされていた。
「そっか、確か私たち宇宙人に捕まって・・・。」
ヒヨリは今までのことを思い出した。
自分たちを守るために、ナビ子は自爆した。
しかし宇宙人はいとも簡単にナビ子を復元してしまった。
そしてあっさりと母星に連れ去られたのだ・・・。
「って、このスケベ!!変態宇宙人!!さっさとこの鎖を外しなさいっ!!」
今の状況を把握した、ヒヨリは叫んだ。女性としては、当然の反応だろう。
しかし宇宙人に通じているかは別だ。
「スケベ?ヘンタイ?ナンダソレハ?」
「チキュウゴのヨウダ、シラベテミヨウ。」
と、コンピューターに向かう宇宙人。
「そんなことはいいから、さっさと放しなさいっ!!
このドグサレ外道がっ!!」
ジタバタと暴れるヒヨリ。しかし、頑丈な金属製の腕輪は外れることはない。
ヒヨリの抵抗はガチャガチャと金属音を立てるだけに終わった。
「スケベ、コトナルモノにキョウミをイダクモノ。」
「ヘンタイ、オノレのミチをツキススム、イダイナルモノ。」
「ドウヤラ、ワレワレのタンキュウシンは・・・」
「ホメラレテルコトニナル!!」
彼らは日本語をよく知らない。宇宙人だから当然だ。
「ちっちがうわよ!!誉めてるわけじゃなっ、ていうか、早く放しなさいっつ!!」
得意の罵詈雑言も効かない宇宙人相手に戸惑うヒヨリ。
ジタバタを続けるがいまだに腕輪が外れる気配はない。
しかし、彼女の悲劇はまだ、始まってすらいなかった。
「サラにミタトコロ、チキュウのヘンタイとはオンナのフクのシタに
ロマンをミイダスモノラシイ。」
「ロマン?タマシイとカンケイはアルノカ?」
「シラベタトコロ、ロマンとタマシイのカンケイは60%タダ。」
「ヨシ、オンナのフクのシタにはロマンがアルラシイ。
タシカ、コノイキモノはオンナダッタナ?」
「ムネとコカンのフクラミグアイカラ、マチガイナクオンナダ!!」
宇宙人には人間とは違う独特の感性があるようだ。
「サァジッケンダ!!」
宇宙人は声高々に、叫んだ。
436名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 22:45:04 ID:n7IycK4h
宇宙人の感性ワロタww
437名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 23:56:28 ID:fc4xBCwq
保守へはどういけばいいの
438名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 08:42:15 ID:YDevpHaF
ho
439名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 15:00:59 ID:DL5aaidd
保守!
440名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 10:34:04 ID:6dI7GwVe
保守
441名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 09:02:43 ID:SCGF4xH7
保守★
442名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:01:50 ID:uj1ujBFk
保守
443名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 08:02:32 ID:mZbaNK+s
スレ主続き期待してますぞ
保守
444名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 08:56:46 ID:MPiW8Kid
永久保存
445名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:40:13 ID:Xd9OaQKx
保守
446名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:50:48 ID:PRa7+6Wg
保守
447名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 22:42:44 ID:QxMqKxvW
ほしゅ
448名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 00:31:40 ID:VilBdKMT
過疎だな。ほるまりんさんも頑張ってるみたいだから、俺も頑張る。
早く、俺よりうまいSS書きはこないものか。

「ちょっと・・・、なにすんのよ!!やっ!!」
宇宙人が何を考えてるかは理解できない。
でも、分かることは研究とやらのために服を脱がされることである。
それだけは避けなければならない。
だが両手を宙吊りにされているヒヨリには避けることはできない。
ピョン
それは突然に現れた。天井から吊り下げられたロボットアーム。
その先にはレーザーポインターのようなものが取り付けられていた。
メダロットによくついているレーザー。破壊力があり、たいていのパーツなら
一撃で破壊できる。
「やっ、やだ・・・ちょっと・・・それはやめて・・・お願い・・・。」
命の危機を感じ、相手を刺激しないようにていねいになるヒヨリ。
もしそれが本当にレーザーなら撃ち抜かれた瞬間に即死だ。
彼女の命は宇宙人様の手の中にある。
さて、その宇宙人とやらは、
「サァ、チキュウのヘンタイのロマンを」
「ワレワレニモ!!」
と、言っている。呑気な連中だ。
だが、その宇宙人がパネルのスイッチを押した。
「きゃっ、きゃぁぁぁぁぁ!!」
449刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/06/02(月) 00:32:53 ID:VilBdKMT
レーザーポインターから光が放たれる。
ヒヨリの命もこれまでか、と思ったら
ヒヨリの制服のリボンを照らしただけで終わる。
どうやらレーザーではなく、ただのレーザーポインターだったようだ。
「ふぅ・・・、てかあんたたち、いいかげんにしなさい。
そんな子供だましのイタズラで・・・。」
命に別状がないと知ると途端に強気に出るヒヨリ。
まぁあれだけ怯えていたものが、ただのレーザーポインターだったのだ。
怒りたくなるものわかる。
だが宇宙人の実験がそんなイタズラで終わるはずがない。
「えっ・・・!!」
直接肌を伝う点の感触。それは熱いというよりは、ほんのり暖かかった。
しかし、確かなのは何かが服を貫いているということである。
ヒヨリが気づいたときは、もうレーザーが服に穴をあけていた。
それはレーザーの光の直径と同じ。たいした大きさの穴ではない。
だが、そのレーザーは確実にヒヨリに悪意をもっている。
傷つけたり、殺したりするのとは全く異なった悪意を。
「トクシュなハチョウのレーザーダカラ、フクイガイにカンショウシナイカラ
ダイジョーブ。」
「アンシン、アンシンダネ?」
「冗、冗談じゃないわよ。今すぐにその変態レーザーを止めなさいっ!!」
「チキュウのヘンタイは、」
「ヤメロとイワレタことをヤル。」
「サァ、レッツラゴー!!」
「アイアイサー!!」
「ちょっと、聞いてんの!?いっいやっ〜!!!!!」
ジージージリジリジリ
そのまま真下に移動するロボットアーム。
それに従い、レーザーも移動する。
ブラのホックも通過するが神の慈悲か、それは溶けなかった。
しかし、中央線にそって切り裂かれるヒヨリのブラウス。
そこからはヒヨリの発育途上の、しかし決して小さくはない
胸が薄布をとおして見え隠れしていた。
「いやぁぁぁぁ!!」
頬を赤らめるヒヨリ。
服の中に入る隙間風がやたら肌寒い。
そしてなにかが熱くなるのを感じる。
「このままじゃ、宇宙人に素っ裸にされちゃう・・・」
450刹那=F=セルゲイ ◆XHWJwz5k8k :2008/06/02(月) 00:34:18 ID:VilBdKMT
また、その一方で
「オォォォォォォ!!」
と、歓声を上げる宇宙人。
「ワレワレのワスレテイタモノガ・・・」
「タマシイのタカブリが・・・」
この宇宙人は文明が発達しすぎて、生殖器まで退化したようである。
だが、本能の中になにかは眠っていたようである。
「ロマンのタンキュウのタメに!!」
「サァ、ツギはカズをフヤソウ!!」
宇宙人がボタンを押すと、レーザーが3機に増えた。
「ひっ・・・。」
怯えるヒヨリ。これから何が起こるかは容易に予想がついた。
なんとか逃れようと暴れるがそれはカチャン、カチャンと鎖が音を
立てるだけで終わる。足で宇宙人を蹴ろうともするが、残念、範囲外だ。
「お願いだから・・・その・・・ねっ?」
これ以上は、これ以上は、ヒヨリは必死だった。
しかし宇宙人にそんな思いは届かない。
「サァ・・・」
「スタートだ!!」
宇宙人の辞書に慈悲という言葉はない。
「だっだめぇぇぇ!!」
3本のレーザーは中央線とは別の線でヒヨリのブラウスに
切れ込みを入れる。合計4本の切れ込みを入れられたブラウスは
開花した花のように、ハラリと、開いていく。
宇宙人の視線のもとに晒されるヒヨリのブラ。
まだ、ヒヨリの悲劇は続く。
451名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 15:41:46 ID:guCxKG0m
★保守★
452名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 18:22:31 ID:KpI7nIz/
>>448-450
乙。
453名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 19:01:27 ID:dpT+Zzsn
ほしゅ
454名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 17:42:14 ID:aUpEFnY+
455名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:54:12 ID:IvLckSAO
保守〜
456名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 20:19:32 ID:TcMq2GBF
保守
457名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 14:26:25 ID:kbe4L9mZ
ほしゅ
458名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 22:38:12 ID:PGT17OIr
保守
459名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 13:39:38 ID:tw8IqVex
保守
460名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 14:58:37 ID:bawG9NoW
ほしゅ
461名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 19:07:55 ID:XtpKpygx
保守
462名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:09:31 ID:WqkjmfGd
保守ー
463名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 08:41:27 ID:IoSLkQ5m
レトルトレディ絶対絶命ネタで

スパイの白衣の男の罠で目覚めるプリミティベビー

圧倒的な力で追い込まれレイプされ赤ん坊ゆえに力加減も全くしない激しい陵辱と辱め絶頂と共に屈するレトルトレディ
目の前の惨状は駆け付けたイッキすらプリミティベビーがラスボスと勘違いするほどに悲惨な状況で
暫くして待ちくたびれてキレたゴッドエンペラーが乱入するまでイッキとプリミティベビーの死闘は続いた
464名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 16:20:59 ID:tYla1fo9
でっていう
465名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 09:58:58 ID:e3UfwwS1
>>463
是非文にしてくれ
466名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 06:27:00 ID:/Vw9Ay1t
保守
467名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 19:20:16 ID:VKYb8LIR
保守
468名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 20:14:25 ID:mok7Zfg8
>>463
見てぇ…是非書いてくれ
469名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 17:31:08 ID:hzDzcJGG
保守〜
470名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 07:02:09 ID:A7wr3aBB
保守♪
471名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 06:30:15 ID:EciieYTI
保守
731氏は帰らぬか・・
472名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 09:59:02 ID:TdP6Yg6F
同人再うpしてくれ
473名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 06:35:43 ID:1Z1Gqd5j
保守
474名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 10:24:43 ID:lWzCwt4z
保守
475名無しさん@ピンキー
保守