ツンデレのエロパロ4

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1 ◆Z.OmhTbrSo
ここはツンデレのSSを書くスレです
SS職人さんによるSSの、二次創作なんかも随時募集中です
GJなSSには素直にGJと言いましょう。職人さんたちのやる気の糧になります
そしてみなさん、和の心を大切に
2 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:23:59 ID:r6vYIRwU
初代スレ
ツンデレにこれって足コキだよなって言ったら
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123282035/
ツンデレのエロパロ
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1148839761/

前前スレ
ツンデレのエロパロ2
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156287579/

前スレ
ツンデレのエロパロ3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162741169/l50
3グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:25:00 ID:r6vYIRwU
ごめんなさい。前スレの容量を見誤りました。

投下します。最終話です。
4グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:25:50 ID:r6vYIRwU
・ ・ ・ ・ ・ ・

『はじめくん。私のおっぱいを触ってください』
『な?! そんなことできるわけがないじゃないですか!』
『嫌なんですか? ・・・・・・嫌だというのならば、無理矢理にでもやらせていただきます』
『うわ! そんな抱きしめられたら、息ができなく……』
『はじめくん。私の胸の中で眠ってください』
『そ、そんなのは――――』

「御免です!!!」
「きゃあ?!」
 夢から覚めたはじめは上体を勢い良く起き上がらせて叫んだ。
 彼が目を覚ましたときに見たものは見慣れた自分の部屋と、目を丸くしているメイドの顔だった。
「……大丈夫? ちゃんと起きてる?」
「……うん」
「なんだかうなされてたけど、何の夢を見てたの?」
「えっと、やよいさんが僕に――」
 ここまで言って、はじめは言葉を止めた。マナの顔があからさまに不機嫌になり、半眼で見つめていたからだ。
 そのまま両者ともじっと見つめ合ったまま動かなくなる。その場の空気がとげとげしいものに変わっていく。
 居づらさを感じ始めたところでマナが口を開いた。
「……続きは? やよいが、何?」
「その、せ、折檻をする夢を見たんだ」
「ふうん……夢の中でも仲がよろしいことで。現実でも気絶するまで抱きしめられてるんだもの。当然よね」
 腕を組み、はじめから顔を逸らして右を向いた。
「私はいいのよ、別に。二人がどれだけ仲良くしようと。どうぞご自由に。
 でも人前でいちゃつくのはやめてよね。さっきみたいな場所でもご法度」
「さっきの場所、ってそうだ! あの人たちは?」
「聞きたい? ――聞かないほうがいいわよ。あまりに馬鹿馬鹿しいから知っても意味が無いわ」
 マナが冷めた反応を見せた。てっきり誘拐犯の男たちに激怒しているものだとばかり
思っていたはじめは、彼女の様子に対して疑問符しか浮かばない。
 それに馬鹿馬鹿しいとはどういう意味なのだろう。
 さらわれた当事者でありながら何も状況を掴めていないはじめはその言葉の意味が分からなかった。
「教えてくれないか、マナ」
「それじゃあ、教えてあげる。あの男たちはおじさまに雇われたやつらよ」
「な、なに?」
「だから、誘拐事件を起こすようにあの三人に頼んだのはあんたの父親。――ね、馬鹿馬鹿しいでしょ」
「…………」
 彼女達が誘拐犯に尋問をしてみたところ、黒幕がはじめの父親だと白状した。
 男たちは金で雇われただけの無職の青年達で、本物の犯罪者ではない。
 父親がなぜそんな依頼をしたのかは彼らにも知らされていなかったらしい。
「なんでこんなことをしたのかはやよいがおじさまに直接尋ねるそうよ」
「……聞かなければ良かったよ。ほんと」
 誘拐事件の黒幕が父親だと分かると、あの三人に対して申し訳ない気持ちになる。
 はじめはあまりのくだらなさに呆れ果てて嘆息するしかなかった。
「真剣になった僕の方が馬鹿みたいだ。一時は命の心配もしたのに……」
「こっちは慌てて損したわよ。まったく、何で私があんたの心配なんかしなきゃいけないのよ」
「ごめん。心配させて。」
「別に……謝らなくてもいいわよ。本気で怒ってるわけじゃないから」
 マナははじめのことを心配してくれていたようだ。
 今朝のことについて、はじめは言っておきたいことがあった。
「それに、昨日もひどいこと言っちゃって、ごめん」
「昨日? って何のこと…………あ!」
 そのことに今触れられるとは思っていなかったのだろう。もしくは彼女自身もそのことを忘れていたか。
「……もういいのよ。そのことは。こうやってまた話せているんだから、蒸し返す必要も無いわ」
「うん。ありがとう」
 笑顔を浮かべるマナにつられてはじめも微笑んだ。もう、二人の間に険悪な空気は流れていない。
 いつも通りの二人の関係。近所に――いや、同じ家に住む幼馴染の関係である。
5グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:26:37 ID:r6vYIRwU
 はじめはふと、思い出した。いつも通りと言えば今日のことを忘れてはいけない。
「そういえば、さ。朝僕が言ったこと聞こえてた?」
「ああ、渡したいものがあるって……え。本当にあるの?」
「当たり前だろ。僕がマナの誕生日を忘れてた日なんかあったか?」
「……無い」
 はじめがベッドから下りて机の上に置いてあったものを持ってきた。
 この日のために長い時間をかけて作ってきたプラスチック製のバイクである。
 それを手渡されたマナは、最初のうちこそ怪訝な顔つきをしていたが、すぐにあることに気がついた。
「これ……私のバイクと同じの? もしかしてはじめが昨日言ってた
 『言えない理由』って、これのことだったの……?」
「うん。今日まで内緒にしておきたくてさ。でもむきになって隠す必要もなかったかな……って!
 なんで泣いてるんだよ!」
 はじめの前で、マナが泣いていた。
「……ぅえっ……ごめ……昨日、何も考えずにあんなこと言っちゃって。
 私のためにって、考えて用意してくれてたのに、それなのにあんな、ひどいこと……」
 膝の上で手を握り、俯いている。彼女の小さな握り拳の上に涙の雫が落ちてきた。
 嗚咽をあげるたびにマナの肩が上下に揺れる。
「ひっ、く……う、ぇぇぇぇ……」
「あ、その……」
 はじめが泣いているマナを見るのは初めてだ――この家に住み込むようになってからは。
 二人で遊ぶことの多かった小学生のころには彼女はよく泣いていた。
 それを泣き止ませるのが昔のはじめにとっては日常に組み込まれたパターンであった。
 もっとも、マナが一足先に中学、高校と進学していってそれも無くなっていったのだが。
「なんで・・・私……っく、あんたにひどいことばっかり……言っちゃうのかなぁ……」
 昔は彼女が泣いているとき、それを泣き止ませる役目を負ったのははじめだった。
 それは何年も経った今でも変わらない。そう彼は思っていた。
 腰を落としてマナと目線の高さを同じにする。
 彼女の髪に右手を乗せて、髪形を乱さないように左右にゆっくりと動かす。
「ん……? は、じ、め……?」
「大丈夫。マナは何も悪いことなんかしてないよ」
「本当に……そう思ってる?」
「うん」
「…………あり、がと」
 マナの嗚咽がおさまってきた。撫でられたまま、頬を紅く染めはじめの目をまっすぐ見つめてくる。
 さっきまで泣いていた彼女の瞳は潤んでいて目尻が垂れ下がっている。
 守りたいと、そう思わせてしまう瞳をしている。
 そのまま抱き寄せてしまいたくなる衝動を抑えるために、はじめは彼女を撫でる手を止めた。
「もう、大丈夫か? マナ」
 はじめがマナの頭から手をどける。
「……待って」
 彼女の手がはじめの手首を掴んだ。
 握る力は弱いが、決して離さないという強い意志がその手には込められていた。
「もう少しだけ、このままでいさせて……」

 マナに手を握られながら、はじめは彼女について色々と考えていた。
 古畑マナ。年は19才。家は藤森家の近所とは目と鼻の先ほどの位置にある。
 家が近い上に同年代ということもあって二人はすぐに仲良くなった。
 どれほど仲がいいのかという例をあげると、一緒に成長してきた、ということが挙げられる。
 幼稚園から小学校へ。小学校から中学校へ。中学校から高校へ。
 物心付く頃から一緒に成長してきたのだ。そんな二人の仲が悪いはずがない。
 現在では、同じ屋根の下で暮らしているのだから。
「はじめ……」
 しかし、男女の関係に発展することはなかった。それはもう一人同棲している家政婦の存在の
せいかもしれないし、ただ二人がその気にならなかっただけなのかもしれない。
「はじめぇ……」
 それはつまり、二人がその気になれば男女の関係になることも可能だということでもある。
 とはいえその気になる、というのが難しいのが幼馴染という関係だ。
 長く一緒に居ると、お互いのことを知りすぎてしまう。
 知っている、知りすぎている、というのは恋愛関係に踏み込むための道の『入り口』に水溜りが
広がっているようなもので、あえてその先に進む気分にさせないのだ。
6グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:27:20 ID:r6vYIRwU
 しかし、その気になれば進むことはできる。きっかけと、覚悟さえあれば。
「なあ、マナ。そろそろ離してくれないか――」
「はじめぇっ!!」
 はじめの手を握っていたマナが、その手を離すと同時に抱きついてきた。
 突然のことに驚いた少年は、幼馴染の行動の真意を理解することができなかった。
 しかし、すぐに理解することになる。
「あの……マナ?」
「……もう、我慢するのはやめる」
「え? それって一体……」
「はじめ。私――――」

・ ・ ・

 一方、その頃――

「やよいさん。はじめは?」
「お部屋で寝ています。今はマナがついているところです」
 学校帰りの卓也が藤森家に訪ねてきていた。
 やよいが彼に「はじめが無事だった」ということを連絡したのだ。
 今回、はじめがさらわれたと連絡をしてくれたのは卓也だ。
 彼のおかげでマナとやよいは慌てることなく事態に対処することができた。
 普段卓也に対しては冷たいやよいも今回ばかりは彼に感謝しきりだった。
「いやー、ほんとによかった。やよいさんとマナちゃんが無事で」
「あら。はじめくんの心配はされないのですか?」
「どうせこんなことだろうと思ってましたから。
 はじめみたいな高校生よりももっと小さな子供をさらうもんですよ。誘拐犯は」
 うなずきながら卓也は玄関をあがり、廊下を歩く。
 彼と並んで歩きながらやよいはからかうように喋りだした。
「あら? その割には電話をかけてくださった時に慌てている様子でしたけど」
「え? あ、あーーー……」
「本当は、はじめさんのことが心配だったのでしょう?」
 ふふ。と嬉しそうにやよいが笑う。その顔を見た卓也は目を大きく開いて、同じく口を大きく開けた。
「や、やよいさんが、笑った?! 初めてだ、こんなことは……これが、デレというやつか……」
「今まで私の笑顔をご覧になったことが無かったのですか?」
「無いです。ただの一度も。
 ――おお、神よ。ようやく私のもとにやよいさんを遣わせてくださる気になられたのですね……」
 恍惚とした表情で天を仰ぎながら祈るようなポーズをする。歩きながら。
 涙を流しそうなほど――実際に心の中で泣いている――感動しているようだ。
 そんな卓也の様子を気にもせず、やよいは廊下を進む。鍵が壊れているドアの前で立ち止まった。
「――あら? はじめくんの声がしますね」
「あのーー、なんでドアの鍵が壊れてるんでしょうか?」
「お気になさらず。勝手に壊れたのです」
「は、はあ……」
 有無を言わせないその口調に卓也は口をつぐんだ。
「はじめくん。マナ。入りますよ」
 やよいがノックをせずにドアを開けた。
 すると。

「私、好きなの! はじめのことが! ずっと昔から!」
 マナの大声がやよいと卓也の耳に届いた。
 やよいはドアノブを握ったまま固まっている。
 卓也は部屋の中を覗きながらやよいの右で固まっている。
 部屋の中にいる二人は抱き合ったまま目を逸らさない。明らかに、普段とは様子が違っている。
 誰も動かない。藤森家の中は一種の膠着状態に陥った。
「な……」
 それを破ったのは客人である卓也の叫び声だった。
「なんじゃそりゃああああああああ!!」
7グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:28:29 ID:r6vYIRwU
 卓也の上げた大声を聞いて、三人はそれぞれに違う動きを見せる。
 はじめは肩を揺らした後に部屋の入り口を振り向いた。
 マナはドアの向こうにやよいが立っているのを見ると、はじめから離れた。
 やよいは右にいる男の顔面に裏拳を叩き込んだ。
「ぶげぇっ?!」
 ごす! という音がしてやよいの拳が埋め込まれる。卓也は鼻血を吹いて仰向けに倒れた。
 倒れた男を廊下に放置したまま、やよいは部屋のドアを閉めた。
 音も立てずにまっすぐ歩き、部屋にいる二人の前で停止した。
 彼女の様子は普段と少し違った。マナを責めるような目で見つめると、そのまま問いかけた。
「マナ。どういうことですか?」
「あの、これは、つい…………」
「つい、じゃありません。約束を破るだなんて、最低ですよ」
「ああぁぁぁ……」
 無表情なのに怒りを感じさせる彼女の迫力に、マナは呻き声を洩らした。
「あ、あの……」
 この声ははじめである。どうやらいろいろなことが一度に起こって混乱しているようだ。
 マナが突然告白してきたこと、それについてやよいが何故か怒っていること。
 どちらも彼にとっては予想外だった。
「はじめくん」
「は、はいっ?!」
「さっきのマナの告白についてですが。もう返事は決まっていますか?」
「…………いいえ。その、なんと答えたらいいのかと思って」
「それはつまり、決めてはいない。ということですね」
 その問いに対して、はじめは無言でうなづく。
 うなづくはじめを見てマナが俯いた。悲しそうな顔をして。 
「……やっぱり、迷惑だったよね。私なんかが告白してもさ。ごめんね、はじめ――」
 そう言ってマナははじめの前から立ち去ろうとする。が、その進路をやよいが塞いだ。
「? やよい……?」
 やよいに進路を塞がれたマナが疑問の声をあげる。
「マナが告白したのならば、私もしないわけにはいきませんね……」
「や、やよいさん?」
 はじめも疑問の声を上げる。その顔に向けて、やよいが声をかける。
 頬を紅く染め、真摯な眼差しで見つめながら。
「――はじめくん。その、実は……私もあなたのことが好きなんです」
「え」
「聞こえませんでしたか? ではもう一度。――私は、はじめくんが好きです。以前からずっと」
「え、えぇえええええええ?!」
 その言葉は、今度こそはじめの思考を混乱へと導いた。
 やよいさんが僕のことを好きだって、今言ったのか?いやいや。おかしいぞこれは。
 いや、おかしいと言えばそれだけじゃない。さっきマナも同じことを言った。
 二人ともが、僕のことを、ずっと昔から好きだったなんて冗談だとしか思えない。
 そう考えたはじめは、告白の真偽についてやよいに聞き返すことした。
「あの、それって本気、なんですか……?」
「私は本気です!」
 はっきりとしたやよいの口調。その言葉に冗談が入り込んでいるようには思えない。
「はじめくん。返事を聞かせてください」 
「あ、の……やよいさん……」
 はじめは答えを出せなかった。
 もちろんやよいのことは好きだ。しかし、やよいは親戚であり、従姉なのだ。
 従姉でも婚姻関係を結ぶことはできるということは知っていた。
 恋愛関係になることが「社会的」には許容されているということも理解していた。
 そうは言っても簡単に受け入れられるものでもない。だがやよいの告白は嬉しい。
 好きではあるが、受け入れがたい。この感覚をどう言葉にして伝えればいいのかと考えていると。
「はじめっ!! もちろん私も本気だから!」
 マナがやよいと同じく、冗談が入り込んでいない真剣な表情ではじめの前に割り込んできた。
 そして、またはじめの腰に手を回した。今度は、先ほどよりも強い力を込めて。
8グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:29:10 ID:r6vYIRwU
「もう、約束なんて守ってられない……。私ははじめが好き! 絶対に離れない。
 ずっと、ずっと昔から好きだったんだから。やよい、はじめは渡さないからね!」
「ちょっと、マナ……」
 マナから熱烈な愛の告白を聞かされて、はじめが困ったような声を漏らす。
 その姿を見たやよいがマナに向かって声をかけた。
「ふむ――ではどちらがはじめくんを手に入れるか勝負しましょうか。この場で」
「勝負?」
 抱きついたままのマナが聞き返す。
「はい。この場で――はじめくんからより多く寵愛を受けたものが勝ち。このルールでどうです?」
「ふうん…………悪くないかも。そのルールなら、私たち二人の約束も破られないしね」
「……約束?」
 さっきから出てくる「約束」という言葉についてはじめは疑問を持った。
 首をかしげるはじめに向かってやよいが声をかける。
「約束というのは、はじめくんに対して抜け駆けを行わないという内容のものです。
 はじめくんから、私たち二人のどちらかを選んでもらうために作りました」
「でも、はじめがいつまで経ってもなんにもしてこないから」
 マナがはじめの体から離れた。
「このままずるずると家人とメイドのままの関係でいるのかと思ってた。
 だけど、考えてみればそんな回りくどいことをせずにこうしていればよかったわ」
 そう言って、マナがはじめのシャツのボタンを外し始めた。
「え」
「はじめ、じっとしてて。大丈夫。すぐに私のことを好きだって言わせてあげる」
「ちょっと、待って! 何をする気なんだ!」
「とぼけなくてもいいじゃない。わかるでしょ?」
 怪しい笑顔でマナが笑う。その顔を見て、はじめにはある予感がした。
「まさか、僕を……」
「おそらく、はじめくんが考えている通りです」
 とやよいが言った。白いエプロンを脱ぎながら。
「私たちで、はじめくんの体を満足させてあげます。初めてですけど……出来る限り、何でもしてあげますよ。
 だから、はじめくん――私のこと、好きになってくださいね?」
 そう言い終わる頃には、やよいは既に白い下着だけの姿になっていた。肌の色と、見分けがつかない。
 はじめは彼女の肢体の美しさに体を熱くしたものの、それを振り払って声を出す。
「待って! 僕は二人とも好きなんです! だから、そんなことしてもらっても選ぶことなんか――」
「できない、って?」
 はじめのシャツのボタンを外し終えて、ベルトに手をかけながらマナが言った。
「そう言うと思ったわ。はじめは私たちには優しいから。
 ――でもね、いい加減に私もそれに我慢できなくなってるの。
 そしたらもう無理やり……じゃなくて、こっちから積極的にいかないとね」
「今、『無理やりにでも』って言おうとしただろ?!」
「もう、観念したら? この部分みたいにさ」
 そう言いながらマナがはじめの股間を下着の上から撫でてくる。
 股間のその部分だけが、下着を着たままでもわかるほどに大きく膨らんでいる。
 はじめから突き出しているモノの先端を、マナが親指の腹を使って撫でる。
「うあっ、マナ、やめろよ……っ?!」
 はじめがその快感から逃れようと後ろに下がる。しかし、後ろにはやよいが立っていた。
「駄目です。どちらが好きか、はっきり答えるまでは逃がしません。
 ――でも、私のことが好きだと言ってくれたら逃がしてあげます。
 そのあと、私の部屋でゆっくりと二人きりで、語り合いましょうね? ふふふ」
「そうそう。素直に『マナのことが好きだ』って言ってくれたら、ココから手を離したげる。
 その後で今度はじっくりと、たぁっぷりと楽しませて、それから、はじめの欲望を受け止めてあ・げ・る。
 何回でも、何十回でも――して、いいからね?」
 二人がそれぞれにはじめを誘う。しかし、はじめは諦めなかった。
「ええぇっと……そうだ! やよいさん、父さんに事情を聞きましたか?!」
「ええ。私がはじめくんを守れるかどうか、それを試したかったらしいです。
 そんなことをしなくても、私ははじめくんを守り抜きますし、離しはしないんですけど」
 耳元で囁きながらやよいがはじめを抱きしめた。
「そんなどうでもいいことではごまかされませんよ。はじめくん。――――大人しく、私の」
「私のものになって! はじめ!」

 はじめは、やよいとマナ、その二人に押し倒された。
9グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:29:58 ID:r6vYIRwU
・ ・ ・  
 
 ドアの向こう側では卓也が目を覚ましているところだった。
「う……あれ、やよいさん?」
 目の前にいたやよいが消えたことに卓也は驚いた。
「うん? なんで俺倒れてるんだ? たしかあの時、最後に見たのは――――あぁぁっ?!」
 卓也ははじめの部屋の中を覗いた時の光景を思い出した。
「はじめ! 貴様俺のマナちゃんによくも!」
 卓也は勢い良く立ち上がる。
 マナちゃんを、俺のメイドさんを穢すのは許さん!
 頭の中でそう叫んで、目の前にあるドアのノブに手を当てようと、したら。

「いっちゃ、ああ! いあああはぁぅぅぅぅぅんんっ!!」
 女の声が聞こえた。
「……へぇ?」
 この声は卓也である。口を半分開けて固まった。
(なんだ今の声は? 聞いたことが無い。じゃない。聞いたことはある。
 けど、この類の声は聞いたことが無いぞ。今までの人生で一度も。喘ぎ声なんて。
 なんで、マナちゃんと、同じ声で喘いでいるんだ?)
 不審に思ってドアに聞き耳を立てる。
「はじめくん。 次は私ですよ」
「はあ、はあ、はぁ……待ってやよいさ、ん。今、だしたばかりだから……」
「それなら、こうします」
「え、何で手を……って! そんなところに当てちゃ」
「うあっ! ん、んぅ……はじめくん。指を、動かして……」
 今度ははじめと、やよいの声が卓也の耳に届いた。
(ま、さ、か。こ、れ、は……)
 卓也は自分の耳を疑いたかった。もしくはこれが夢である。と思いたかった。
「うん……すっかり大きくなりましたね……。では、いただきます。んっ――」
(うそだろ……?)
 そう、卓也は祈った。
 だが、――次の瞬間に聞こえてきた喘ぎ声というより、叫び声に近い声は嘘ではなかった。
 さらに続いて聞こえてきた断続的な声は、普段のやよいの静かな声ではなく、喜びに打ち震えている声だった。
 もう、疑いようがない。ドアの向こうで、はじめとマナとやよいが、三人でまぐわっている。
「んっ、んっ、んっあ! はぁっはっ、はっ、あ、あああ!」
「はじめ! やよいばっかりにしてないで私にもしなさい!」
 卓也の耳に、マナの怒声が聞こえてきた。
「いや、どうやって、ってええ! 待ってくれ、それは……んむっ」
「はあ、あぁんん。いいよ……。もっと、舌動かしてぇ……」
(ぅぁぁぁぁぁぁぁぁ……)
 卓也は心の中で呻いた。友人と、友人と同居しているメイドさんとの情事の邪魔はしなかった。
 というより、ショックで打ちひしがれてしまい、それどころではなかった。
「はあっ、はぁっ、あぁっ! はじめくぅん! もう、だめぇ!」
「ひぅ……う、ひぃぃぃん……ら、め……くるぅ……」
 女性二人の、甘い声が卓也にも聞こえてきた。

「もう、やめてくれぇ……」
 卓也は、再び仰向けに倒れる。目から涙のしずくがあふれ出し、目じりから零れ落ちる。
 彼はそのまま、目を閉じた。
 
 卓也がやよいとマナに抱く淡い恋心は、失恋と言う形で幕を下ろした。
10グレーゾーンのメイドと家政婦 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:30:40 ID:r6vYIRwU
・ ・ ・
 
 その日の夜。

 藤森家ではマナの20歳の誕生日パーティが開かれた。
 テーブルの上にはご馳走が並んでいる。やよいが腕によりをかけて作った料理だ。
 居間には、四人が同席している。
「20歳の誕生日おめでとう。マナ」
 部屋の入り口に近い位置に座っているやよいが、マナにお祝いの言葉を言った。
「ありがと。やよい」
 その言葉を聞いて、やよいの向かいに座っているマナが笑顔を浮かべた。
「おめでとー、まなー」
 はじめがマナのほうを見ずにお祝いの言葉を言った。彼は机に突っ伏している。
 彼はやよいの右、マナの左に座っている。ちょうど二人に挟まれている形だ。
「ありがと、はじめ。それにしてもだらしないわね。もっとしゃきっとしなさい」
「あー、うん。そうするよ」
 マナの注意に対して突っ伏したまま、はじめは投げやりな返事をする。
「おめでとー! マナちゃん! いやーめでたい! 本当にめでたい! あははははははははははは!」
 はじめと向き合って座っている卓也が、マナの目を見ずにお祝いの言葉を大声で言った。
「一応、ありがとうって言っておくわ。……一番おめでたいのはあんたの頭だけど」
「いやー、マナちゃんは相変わらずのツンっぷりですなあ。いや、まったく素晴らしい!」
 卓也はうんうん、と二度頷いた。
「あら? このから揚げ美味しい。どうやって作ったの?」
「知りたいですか? では、明日にでも教えてあげますよ」
「無視かい? 二人とも俺のことは無視してるのかい? じゃあ俺はピエロだ!
 俺はピエロなんだ! 皆、俺のことを笑え! あっはははははははははははは!」
 卓也は笑っていた。天井を見上げながら、声高らかに、笑っていた。

 やよいが大皿の上に並ぶ白身魚のフライを取り分ける。
 白身魚のフライは四つの皿に乗せられ、四人の前に置かれた。
 いつも通りのマナの誕生日だ。
 ただ、(ピエロが居ることを除いて)いつもと大きく違うところがある。

「はい。はじめ。あーん」
「はじめくん。あーんしてください。あーん」
「いや、待って。二人とも」
「私が先よね? は・じ・め」
「はじめくん。お口を、開・け・て」

 藤森家に住む家政婦とメイドが、二人とも幸せな顔をしているということである。

 
 おしまい
11 ◆Z.OmhTbrSo :2007/02/28(水) 21:32:38 ID:r6vYIRwU
投下終了です。

勝手にスレを立ててしまいましてごめんなさい。
12名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 00:20:40 ID:ezqoFpYS
誰GJ!!

やよいさん良いよやよいさん
マナ良いよマナ
年上キャラ大好き!!!!

俺も投下しますよ
13『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:21:44 ID:ezqoFpYS
 書類に目を通しながら、項目に一つずつ丸を付けてゆく。普段の行動に何の問題も無い、
これは間違いなく丸。常に正しく動くことを心掛けている、丸。どんなときも冷静な行動
が出来る者である、丸。今まで問題を起こしたことが無い、言うまでもなく丸。
 最後、何か大切なものがあり、またそれに対して一生懸命である。
 僕はツルのことを思い浮かべ、花丸を付けた。
 数百に及ぶ項目にチェックを入れ終わり、軽く伸びをする。生徒会選挙に出ると決意し
アズサ先生に話したところ、渡されたのが今のプリントだった。生徒が数千人のここでは
立候補者も多く、それ故に生徒会長になる人間は厳しい目で審査される。それの第一選考
であるのがこの書類審査で、職員会議で全ての教師に目を通された後に正式な立候補者と
なることが出来るシステムだ。まどろっこしいが、生徒の頂点に立つ者を選ぶ為には仕方
がないことだ。僕もそれを覚悟で頼んだのだから、不満は無い。
 学校の中では久し振りにツルと二人だけの状態、言葉は無いが居心地が良いという状態
では寧ろテンションが上がってプリントの煩わしさなとは時空の彼方へと消し飛び永遠に
続けば良いとさえ思ってしまう。自分でも何を言っているのか良く分からなくなってくる
が、これもツルの可愛さ故だろう。愛は人の思考を壊してしまう。
「はい、カメ。お疲れ」
 渡されたのは織濱食品の新商品、暗黒飲料シリーズの『バイオ苺』だった。苺ジュース
なのに何故か緑色をしていて、更に粘度が高く、少し傾けると僅かに遅れて中身の液体が
流れ込んでくる。苺ジュース独特の風味が口の中に広がるが爽やかさとは無縁の代物で、
ジュースが口の中全体に絡み付いてくる。後味はいつまでも消えず、焼かれた喉が痛い。
ツルはこれが良いと言っているが、僕はどうにも好きになれない。
14『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:23:46 ID:ezqoFpYS
「そういえば、これって間接キスだな」
 いつぞやも言った言葉だが、ツルは構わないといった表情で僕からペットボトルを受け
取り、中の粘緑ドリンクを口に含む。二人きりである状況はツルの態度をそれとなく軟化
させる、この無人の教室は正に桃色パラダイスだ。
 は、と苺の甘い匂いのする息を吐き、こちらを見つめると、
「間接キスって、普段はもっと凄いのやってるでしょ?」
 微妙にテンポの悪い返答をしてきた。それもまた可愛い。
「後は申請の書類と、抱負を書いた報告書だっけ? 今日中に終わりそう?」
 どうだろう、窓の外を見れば日は落ちている。冬が近付いてきたからというのもあるが、
プリントにチェックを入れるのでも時間をかなり食ってしまった。時計を見れば下校時間
は近くなっていて、グラウンドから聞こえてくる声も少なく寂しいものになっている。
 僕はこんな雰囲気は少し好きなのでもう少し残っていたいが、ツルをいつまでも残して
おくのは悪い気がする。それにプリントも提出期限は来週の月曜までで、明日と明後日は
土日で休みだ。家に帰ってからでも書くことは出来る。
「そろそろ帰るか」
「そうね。あ、ちょっと待ってて」
 いや、待つ必要は無い。
「ねぇカメ、何でしゃがんで口を開けてるの?」
「トイレだろ?」
 側頭部に膝を叩き込まれた。
「何でトイレから変態プレイに繋がるのよ!?」
「変態プレイって、普段はもっと凄いのやってるだろ?」
「やってないわよ!!」
 それもそうかと思い直して立ち上がる。よく思い出してみれば、普段は打撃表現が多い
ツルだが妙なプレイをしたことが無い。突っ込み役だが、エロのときは専ら突っ込まれて
いるし、感度が高い体のせいか半マグロだった。つまりツルは基本行動が静と動を表して
おり、それは世界の基準を内包していることにもなる。結論すれば、ツルの無限の魅力の
源は世界そのものということだったのだ。また一つ真理に近付いた、このままツルの体の
秘密を研究していけば僕は神になることが出来るんじゃないだろうか。そして世界を超越しているツルと対等に……
「カメ? あ、良いや。とにかく待ってて」
15『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:24:37 ID:ezqoFpYS
 何かを諦めたような顔をして、ツルは教室を出ていった。
「あら、カメ君。まだ残ってましたの?」
「あ、変態会長」
 いかん、つい本音を溢してしまった。今更撤回や聞き間違えとなる筈もなく、ホウ先輩
は眉根を寄せて大股で歩いてきた。珍しくオウ先輩の姿は無いが、何か雑用でもしている
のだろう。大丈夫、二人揃っていなければエロい展開にはならない筈だ。
「カメ君?」
 エロくは無いが、怖かった。流石、伊達に生徒会長を一年間勤めだだけのことはある。
生まれ持った風格もあり、僕より慎重は低いものの大きく見える。
「すみません」
「まぁ、良いですわ」
 このまま張り倒されることくらいは覚悟していたが、ホウ先輩は僕の前で立ち止まると
吐息を溢した。しかし考えてみれば、それ程意外では無いかもしれない。今までホウ先輩
は何度も僕を呼び出し注意をしていたものの、暴力を使ってくることは無かった。流石に
エロいことをしたときは引いてしまったが、それ意外では真面目に生徒会長の仕事をこな
している、優秀な模範生徒なのだ。
「生徒会長になるつもりですの?」
 目が向けられた先は先程まで僕とツルが向き合っていたプリントの山、ホウ先輩も去年
は当然見たものだ。懐かしいのか、それを手にとって眺めている。軽やかにページを捲り
三十秒足らずで全てを読みあげると、怪訝そうな視線を向けてきた。何か記入ミスや問題
でもあったのだろうか、と思うが、全く心辺りが無い。
「どうしたんですか?」
「カメ君、嘘は良くなくてよ」
 嘘を書いたつもりは無い。
「貴方、自分が変人四天王の一人だという自覚がお有りですの?」
「あ、そう言えば」
 今、ホウ先輩に言われるまですっかり忘れていたが、そんな不名誉ランキングのトップ
ランカーに登録されていたような気がする。不本意な話だが、そこを突かれてはぐうの音
も出てこない。僕が黙り込むと、ホウ先輩は目を細めて溜息を吐く。
「やっぱり忘れてましたのね」
 面目ない。
「それなのに生徒会長を目指すのは、少し厳しいのではなくて?」
16『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:26:25 ID:ezqoFpYS
 でも、と前置きをし、
「その気骨は認めますわ。本当に注目される項目は、全て丸ですし」
 不覚にも感動してしまった。普段は何やら間やら文句を言ってくるが、見るべき部分は
しっかりと見ているということに。改めてホウ先輩は凄い人物だと思う。見た目や成績が
どうこうじゃなくて、人間としての器が違う。
 あまりの感動に乳を揉もうとすると、
「カメ?」
 声に振り向けば、ツルが居た。
「あ、変態会長」
「さっきから何ですのそれは!?」
「ツル、それはさっき僕がやったネタだ」
 毎回の如く、ツルとホウ先輩は睨み合いを始めた。せっかくシリアスな空気だったのに、
それが音をたてて崩れてゆく。これでチーちゃんが居たなら完全な地獄だが、幸いなこと
に一真と帰っている。それだけでも今の僕にとっては救いだった。
「大体、何で変態扱いするんですの!? 変態はカメ君でしょう!!」
「カメは確かに変態だけど、あんたも負けないくらい変態よ!!」
 僕の意思をよそに、口論が始まった。しかし何と言うか、口喧嘩のついでに僕を変態と
呼ぶのは止めてほしい。喧嘩よりも寧ろこっちの方が辛かったりする。
「いや待て!!」
 僕は先程の変態プレイという言葉を思い出した。世の中を楽しく生きていく為に必要と
されるのは、ポジティブな心構えだ。辛いことでも思考の矛先を違うものに変換すれば、
それは楽しいものになる。例えば、普段のツルの打撃や今の罵りをプレイの一貫と考えて
みたらどうだろうか。僕を責めるのがツルの愛情表現や気安さの現れであるのは分かって
いることだし、それを流用すれば途端に快いものになってくる。
「変態会長、あんた体が下品なのよ!!」
「幼児体型よりはマシですわ!!」
 運命というものは残酷だ、前を向いた瞬間に僕を道から外してくる。
17『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:28:40 ID:ezqoFpYS
「まぁ二人とも、落ち着きなさい」
 再び思考を切り替え、間に割って入った。
「変態はどきなさいよ、ちんこもぐわよ?」
「ツルにだったら望むところだ!!」
 叫ぶと、途端に二人は静まり返った。
「馬鹿馬鹿しい。興が削がれましたわ、帰ります」
「帰れ帰れ!!」
 上級生を相手にその言い方はどうかと思ったが、ホウ先輩は振り向くこともなく教室を
出ていった。揺れる金髪が、どことなく寂しそうに見える。今も尚、歯を剥き出しにして
威嚇しているツルには悪いと思ったが、僕は慌てて追い掛けた。そうしないと今にも砕け
散り、壊れそうで、それなのに支えてやる人が居なかったからだ。苦手な人物だしツルと
喧嘩もする厄介な性格だが、それでも尊敬する先輩だ。例え普段からあまり関わらない人
だとしても、少しでも関わったなら手助けをしてあげたい。
「あら、良いんですの? あちらで小さな彼女さんが待っていますわよ?」
 振り向き、向けられたのは普段のクールな表情。格好良く髪を掻き上げて、シニカルに
口の端を曲げてみせる。その姿は恐ろしい程に似合っていたが、同時に辛さを感じさせる
ものだった。誇り高く、孤高の存在であるということは、孤独であるということでもある。
誰にも媚びず、自分を貫き通す。だが芯が折れたり倒れたりしそうになったときに、補強
する存在は果たして居るのだろうか。オウ先輩はそれに近い気もするが、何だか少し違う
気がした。だから気付かせてあげないと、いざというときに戻れなくなってしまう。
「ホウ先輩、明日は暇ですか?」
「生徒会の仕事がありますわ」
 それならば都合が良い。
「明日、生徒会の話を聞かせて下さい」
「構いませんけど、何故ですの?」
「明日、話します」
 怪訝そうな目をするホウ先輩に背を向け、僕はツルの元へと向かった。
18『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:29:33 ID:ezqoFpYS
「失礼します」
 見ると、ホウ先輩は相変わらずの高速で書類を片付けていた。机に押し付けられた乳が
潰れ、楽しい感じに変形している。見ているだけでも楽しいが、もし机になることが可能
だったら更に楽しいだろう。いや僕は生徒会長を目指しているのだから、乳ばかりに目を
向けるのではなく全てを平等に見るべきだ。例えば机だけでなく椅子にもなりたいなど、
そんな視点を持ってみるのも良いかもしれない。尻の感触も捨てがたいものだ。少数派の
意見にも目を向けて、靴下や上履きなんていうのも有りだ。ストッキングも良い、下半身
全てを楽しむことが出来る魔法の衣類は、単品でも幅広い活躍を見せることが出来る。
「ホウ先輩はどう思いますか?」
「何がですの?」
 いつぞやに見た眼鏡のレンズの奥、不機嫌そうに細められた目が僕を貫いてくる。だが
毎回のものより柔らかいもので、何かが足りない気がした。昨日も感じた小さな違和感、
迫力や勢いというものが欠けているような気がするのだ。
「そういえば、オウ先輩は?」
「今日は休みですわ。と言っても、土曜ですから部活以外の生徒は殆んど休みですけどね」
 僕が言いたいのはそんな行事的な言葉ではなく、普段は常に控えている存在が居ないと
いうことの意味だ。ホウオウコンビとして二人でワンセットのように皆が認識をしている
から、どこか妙に思える。一人で居るのは別におかしなことでもないのに、逆におかしい
と思えてくるのだ。一人でも完璧でも、それに付随するものがある。
 数秒。
 目を合わせて見ると、ホウ先輩は頭を掻いた。他の生徒の前では見せないような粗暴な
仕草、それが今のホウ先輩の心情を分かりやすく物語っていた。
 眼鏡を外すと僕を睨んで吐息を一つ、
「わざと、ですわ」
 僕に背を向けると窓枠に手を掛け、高い位置を見上げるように顔を傾けた。表情を見る
ことは出来ないが、それで良いと思う。本当に大切なものなら、人が見せたくないと思い
隠そうとしたときは、無理に見たいと思う必要はない。それも含めての個人だからだ。
19『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:31:35 ID:ezqoFpYS
「もうすぐ生徒会の役職も後輩が引き継いで、わたし達はそれぞれの進路に向かいますわ。
それはオウも例外にはなりませんの。本人はずっとわたしの世話役でいると言ってくれる
けれど、オウも人間ですもの。それだけでは終われないでしょう?」
 表情は見えず、声も抑揚を欠いたもの。それによって、隠そうとしている感情が、逆に
浮き彫りになっている。昨日心配した通り、ホウ先輩は今にも芯が折れそうになっていた。
そんな状態なのに、わざわざ自分からオウ先輩を突き放すのは、
「駄目ですよ」
 近寄り、抱き締めると、大した抵抗もせずに体重を預けてくる。オウ先輩も含めて他に
生徒が居ないからなのか、僕を信頼してくれているのか。判断が難しいけれど、倒れそう
になっているホウ先輩の心を倒してしまう訳にはいかない。だから、腕に力を込めた。
「オウ先輩には、確かにオウ先輩の人生があります」
 けれど、
「ホウ先輩にも、ホウ先輩の人生があるじゃないですか。オウ先輩が大切なのは、僕にも
分かります。けど大切だからって突き放すのは、間違ってます。壁を作っても、何も良い
ことなんかありません。今、こうして僕がホウ先輩の体を支えているように、オウ先輩も
ホウ先輩を支えたいと思っている筈です。コンビがどうとかじゃなくて、今までずっと隣
に居た存在として、親友として共に在りたいと思っている筈ですよ」
 数秒。
「カメ君、いつまで胸を揉んでいるつもりですの?」
 いかん、真面目にシリアス進行していたつもりだったのに普段の癖が出てしまった。
 乳を揉んだり太股を撫でていた手を外すと、ホウ先輩は軽いステップで離れてこちらを
向いた。体を回した慣性で緩いウェーブの金髪が翻り、陽光を反射して輝く。それとミス
マッチな物鬱げな表情で溜息を吐き、髪を掻き上げてこちらを見上げてきた。
「まさか後輩に、それもカメ君に説教されるなんて思いませんでしたわ」
 随分な言い草だ。
「けど、一里ありますわね。取り敢えず、考えておきますわ」
20『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:33:31 ID:ezqoFpYS
 僕の言いたいことは伝わったらしい、それが嬉しかった。開いた目に浮かんでいるのは
強い意思の色、いつもの強気な意思の色だ。全ての生徒の意見を聞き、取り入れ、全員で
等しく前に進もうと頑張っている、歴代最高と言われている生徒会長の姿がそこにある。
誇り高く、誰よりも孤高な姿は正しくホウ先輩のそれだった。
「ところで、さっきは随分と立派な言葉でしたわね。不覚にも、一瞬やられそうになって
しまいましたわ。馬鹿で変態ですけど、たまには真面目なんですのね」
 どうやら罵倒も完全復活したようだ。
 ホウ先輩は一歩こちらに踏み込むと、いきなりしゃがみ込んでベルトに手指をかけた。
抵抗する暇もなくベルトを外すとジッパーを降ろし、僕のものを取り出してくる。
「何ですか!?」
「格好良かったから、ご褒美ですわ」
 悪どい笑みを浮かべると、竿を扱いてくる。柔らかく絶妙な握りの強さと、女性特有の
柔らかく肌に吸い付いてくるような皮膚の質感。細く長い指が絡み付き、柔らかかった竿
がすぐに固くなった。それを満足そうに見つめると何回か手を往復させ、舐め上げてくる。
そしてホウ先輩は小さく笑い声を漏らすと、いきなり口に含んできた。
 不味い、結局はこの展開か。
 金髪巨乳淫乱弩S変態お嬢様生徒会長となったホウ先輩には、多分僕の言葉は通じない。
それ以前に快感の強さが勝り、口から言葉が出てこない。音をたてて吸われる度に、ぬめる口の中の粘膜が全体を包み、
敏感な部分を震わせ刺激してくる。潤沢な唾液をまぶされ、それを潤滑油にして頭を上下
に振られたら、腰が抜けそうになる程の強い快楽が背筋を走り抜けた。
「うふふ、これからがメインディッシュですわ」
21『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:34:21 ID:ezqoFpYS
 腹を軽く叩かれ、崩れ落ちる。力はそれ程強いものではなかったが、脚腰に力が入らず
無様にも仰向けの状態になった。ホウ先輩は竿を掴むと、自分の股間に当てがった。既に
大分濡れており、入れる準備は出来ているらしい。先端に濡れた感触があるが、しかし穴
の位置が普通のものではなかった。女の子の割れ目より少し後ろ、豊かな肉山に挟まれた
部分に触れている。普段は排泄の為にある小さな器官、それの入口に力を込め、
「前の穴は未来の旦那様に残しておきたいので、こっちですわ」
 腰を降ろされると、強い締め付けが襲ってきた。
 だが、
「あっさり、入りましたね」
「オウとするときは、こっちでしてますもの」
 もしかして、とは思っていたが、やっぱりオウ先輩としていたらしい。エニシ先生から
アズサ先生の初めてを貰ったと聞いたときは驚いたが、二度目となるとそれも大したものと感じなくなる。慣れというか、
麻痺というか、順応というか、人の心というのは恐ろしいものだ。驚愕するよりも先に、
脳裏には二人が絡む姿が思い浮かんでくる。股間がそれに反応して固さを増し、ホウ先輩
は口の端から唾液を垂らしてのけぞった。それなりに使っているらしく、今の反応だけで
感じているようだ。腰を動かせば、締め付けは更に強いものになる。
 何と言うか、
「凄いですね、後ろの穴で」
「いや、言わないで下さい」
 ホウ先輩が頬を染めた瞬間、穴の中が動いた。
 まさか、と思いながら腰を動かし、胸を揉む。
「体もエロいし、尻でこんなに感じるなんて変態ですよ」
「お願い、止めて下さい」
 予感が当たった。
 過去の経験からホウ先輩はSだと思っていたが、実は逆だった。その証拠に僕が発言を
始めてから積極的に腰を動かし始めているし、穴の中も貪欲に絡み付いてきている。頬は
赤く染まり、顔にはとろけた表情が浮かんでいた。僕にはそういった趣味は無い筈だし、
そもそも女性をいじめるのは苦手なのに、それでも何だか言いたくなってくる。
22『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:35:50 ID:ezqoFpYS
 騎乗位の位置から体を起こして、少し乱暴に体を組み伏せた。理性の部分では駄目だと
分かっているのに、胸の奥から沸き上がる嗜虐衝動が勝手に体を動かしてゆく。ホウ先輩
の両手を頭上で押さえ付け、胸を吸い、腰を強く打ち付ける。ツルにもしない行動だが、
自分で自分を抑えることが出来ない。突く度に喘ぐホウ先輩を見ていると鼓動が早まり、
もっと乱暴にしたくなる。今のホウ先輩には、以前に僕を責めたときの姿は全く見えない。
立場が逆転しただけで、これ程までに興奮するとは思わなかった。
「普通は使わない穴なのに、どんどん腰が動いてますよ」
「そんなこと、無い、ですわ」 言葉とは裏腹に、腰の動きは止まらない。
 腰を掴んで体を反転させ、バックの体制にすると腰の動きを激しいものにした。だらし
なく舌を出して、ホウ先輩は動物のように喘いで腰を振る。尻を大きく突き出して、腕で
体を支えることも叶わずに寝ている姿は、伸びをしている猫の姿を連想させた。
 しかし印象としては、
「犬、みたいですよ?」
「や、何を」
「発情している、犬です」
「そんなこと、有り得ませんわ!!」
 少し腰の動きを止めると、切なそうに潤んだ瞳で僕を見つめ、自ら快感を得るべく腰を
くねらせた。それに応えるように出し入れを再開すると、生徒会室の外にまで聞こえそう
なくらいに大きく声を出す。限界が近いらしく、体を震わせて、尻の穴は痛い程に僕の竿
を締め付けてくる。垂れた唾液を指先で拭うと、必死に舌を伸ばしてしゃぶりついてきた。
その行為に酔いしれ、感じているのか、恍惚の表情を浮かべている。
「ホウ先輩は、Mですね」
 それが決め手になった。
 本当に犬のような声を出して背を震わせ、大きく体を痙攣させる。潮を吹くどころか、
股間からは愛液とは別の液体が勢い良くほとばしった。細い音をたてながら、アンモニア
の匂いと共に絨毯に染みが広がってゆく。僕もホウ先輩から引き抜くと、その白い背中に
精液を放出した。一部が髪にまで絡まり、より悲惨に見せている。
 しかし本当に不味いことになった。一度射精して冷静になると、絨毯の上に広がる失禁
が非常に危うく思えてくる。これは一体どうすれば良いのだろうか。
「どうします、これ?」
「わたしの不始末ですし、舐めて綺麗にさせて頂きます」
 いかん、ホウ先輩が戻ってない。
 僕は絨毯を舐めようとするホウ先輩の頭を必死で押さえ付けた。
23『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:37:44 ID:ezqoFpYS
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は八個のレスと、三通の葉書を御紹介!!」
亀「ゲストは今回僕の中で株が急上昇、ホウ先輩!!」
鳳「よろしくですわ、因みにオウは?」
亀「鳳と凰で読み辛くなるので、残念ながら」
水「作者の痛いミスだね」

>>477
鳳「まさか、水樹君も」
水「言わないで下さい」
亀「大丈夫、本格的なホモになるので一真は無しです。それに全員じゃなく、円さんが」
鳳「誰ですの?」
水「お隣のお姉さんだね、最近彼氏に振られたらしいよ?」
鳳「そんな方にまで手を出すなんて!!」
亀「まだ出してねぇ!!」
水「まだ?」

>>478
水「楽しいよね、ハヤテのごとく!!」
亀「ハーマイオニーになっても女装扱いだったから、違うんじゃないか?」
鳳「何の話ですの?」
亀「三次元に存在する二次元の漫画の話です」
水「またややこしい言い方を」
>>480
亀「テンション高いな」
水「切札……作者はもっと濃いのをやりたいらしいけど」
亀「椿ナイトクラブみたいな?」
水「菊之助くらいのを」
鳳「何の話ですの?」
水「…………」
亀「スイマセン」

>>493
亀「これも皆が応援してくれたお陰です!!」
水「>>493さん、ありがとう!!」

つ[]今回の件で〜
亀「ないない」
水「あたしは一瞬ヒヤッとしたけどね」
鳳「だからカメ君は変態扱いされるのですわ」
亀「でも、ホウ先輩はフタナリ似合いそうですね」
鳳「何か言いまして?」
亀「スイマセン」

24『ツルとカメ』×27:2007/03/01(木) 00:38:48 ID:ezqoFpYS
つ[]同時に、センスが〜
亀「ミチルに確認したところ、マジカルなザー汁は生殖能力が無いらしい」
水「マジカルな女の子パーツは?」
亀「…………」
水「何で黙んのさ!!」
鳳「何だか水樹君、キャラが変わってきてますわね」
水「自分のことだから必死なんです!!」

つ[]センスって実は〜
水「どうなの?」
鳳「書類の上では女子ですわ」
亀「股間も女子だったし、乳も女子だった。確認したから間違いない」
鳳「間違いはなくても、問題アリですわ」

>>497
水「はいはい愛してる」
亀「やさぐれたな」
鳳「真性の変態相手は流すのが一番ですわ」
亀「読者様に何てことを」
水「これからもあたしの応援よろしくね?」
亀「うわ、お前」

>>514
水「AAって凄いよね」
鳳「ツルさんの乳もAAくらいですの?」
亀「そんなに大きくないですよ、下手したら水樹の方が」
鳳「まぁ!!」
水「無いよ!! 無いからね!?」

>>515
亀「どんと来い!!」
水「これも最初は読み切りだったしね」
鳳「スレが賑わうのは良いことですわ」
水「それに作者も短編の予定が一つあるしね」
鳳「そうなんですの?」

>>518
亀「いや、そうなると少し困る」
水「でも作者のプロット表では、何個か予定が書いてあるよ」
鳳「ケダモノ!!」
亀「僕は悪くない!!」
水「でも、流れ的には毎回ケダモノになるよね?」
亀「ノーコメント」
鳳「逃げるのは良くありませんわよ?」
亀「あ、もうこんな時間だ!! ではまた次回、来週水曜日の前に短編投下らしいよ!?」
水「カメ? 手汗が酷いよ?」
亀「黙れ体質だ!! それではまた、ごきげんよう!!」
25ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/01(木) 00:40:42 ID:ezqoFpYS
今回はこれで終わりです

本当なら『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』の予定でしたが、
完成が間に合いませんでした
出来次第投下します
26名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 01:12:58 ID:aP+cAq1T
ちょっと死んでいいかな?
なんか余りにも水曜が幸せ過ぎて。



神なお二人に鮮烈なる誰GJ!
27名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 01:43:40 ID:pix9svp2
なんという作者達……
一目見ただけでわかってしまった
間違いなくこれらは神作品
GJだ



つ[]      ∩
  ( ゜∀゜ )彡おっぱい!
     ⊂彡おっぱい!
28名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 03:05:52 ID:yrH+WqoF
>>11
甘々ラブラブな三人がGood!!GJでした!

>>25
変態四天王の他の三人も登場させてください。
そして大乱交ホールブラザーズに(ry
29名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 13:04:39 ID:a9wRQC2e
前スレが500kbイッてたのに気付かず焦った、そんな携帯ROM。
そして既にこっちも47kb…

あああああ神が2人とはかくもAWESOMEな世界になるのか!
あまりにGJすぎて錯乱しちまいますよ、いやマジ。


取り敢えずコイは織濱食品に入社すべきだと思った まる
30名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 15:32:37 ID:8K9m8zbI
>>28
知らないだろうが四天王の中にはマジでヤバイのが一組いるんだ・・・
出さない方が賢明だ
31名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 18:16:46 ID:BTp1GEns
>>23
GJ!!椿ナイトクラブwwwww


つ[]一真は空気としか思えません。
本当にありがとうございま(ry
32名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 20:02:32 ID:NYYqZdsS
つ[]四天王を全員教えて下さい。あとチーちゃんラブ。
33名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 11:44:05 ID:iS6g+h8p
>>11氏GJ!
卓也哀れだなぁとか思いながら読んでました
もう一度GJ!


ロボ氏GJ!
ハヤテも椿も菊之助も全て瞬間で分かった俺ガイル

つ[]カメを成分表で表すとロボ氏的にはどうなるんですか?
   (例)カメの○%は××でできている。みたいな
34名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 16:25:51 ID:zzTb7PwR
ツン! ツン! デレ! ツン! デレ! ツン! ツン!
35名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 23:17:47 ID:UrdOH4wN
投下しますよ
36『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:19:00 ID:UrdOH4wN
 降り頻る雨の中、走る者が居た。
「た、助け……」
 雷が一瞬周囲を照らし、その姿を明らかにする。走っていたのは女性、その首輪の色で
Dランクの罪人だということが分かる。仕事帰りなのか、濃紺のスーツ姿にヒールの高い
革靴を穿いている。それ故に走り辛く、逃げているというのに速度はあまり出ていない。
長い距離を走っていたのだろう、全身は濡れており肩が上下に揺れていた。
「ここまで来れば、もう」
 轟音。
 女性の脇を何かが高速でかすめ、髪が僅かに千切れ飛んだ。だが女性には、それを気に
する余裕など無かった。恐怖が限界に達したのかその場に座り込み、音が響いてきた方向
に視線を向けた。腰を擦るようにして後方に下がり、涙をながして薄く浮かぶ小柄な影を
見る。それが、先程から女性を追い詰めていた者だ。
「もう、鬼ごっこは終わりです」
 雷が鳴り、周囲を再び照らす。
 声の主は、まだ小さな少女だった。但し普通の少女ではない、機械人形と呼ばれている
アンドロイドだ。一般の家庭にも普及している存在であり珍しいものではないし、女性も
それだけならば逃げなかっただろう。
 ならば、何故逃げているのか。
「お願い、撃たないで」
 そう、少女の背中には大量の砲門が展開していた。数にして約三十を越える程の、動く
要塞と言っても過言ではない程の量だ。鈍く金属の反射をした黒い砲身が向けられたこと
により、女性は更に後ろへと這ってゆく。
 だがそれも、無限に続く訳ではない。
「ひっ」
 まず女性の手指が壁に当たり、続いて背に冷たいコンクリートの感触が当たる。
「さようなら」
 少女の背後、金属が噛み合う鈍く低い音が連続で鳴った。
 ビルの影で表情をはっきりとは確認出来ないが、僅かに見えるものでも意思を理解する
ことが出来た。女性は、その光景に身を震わせる。
 口の端が歪み、吊り上がるものを人は嘲笑と呼ぶ。
「い、嫌あぁァ――――ッ!!」
 直後、天を揺るがす程の大轟音が響いた。
37『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:21:00 ID:UrdOH4wN



 報告書に目を通し、虎蔵は吐息した。
「これで五人目か、犯人は何を考えてやがるんだオイ」
 短く刈り込んだ髪を掻きながら、背もたれに体重を預けて天井を仰ぐ。中年になる体は
鍛え抜かれているが、年齢相応の重量を持つ。使い込まれた椅子は体重に負け音をたてて
軋み、悲鳴をあげていた。虎蔵とは長年の付き合いであるそれは今にも壊れそうになって
いるが、虎蔵自身が限度を心得ているので壊れてしまうことはない。
「ヘドロさん、真面目に仕事して下さいよ」
「その呼び方ァ止めろ」
 ヘドロ、と呼ばれて虎蔵は部下を軽く睨んだ。
 虎蔵は第5監獄都市管理局捜査課のベテランであるが、ヘドロという呼び名が付いたの
は最近のことである。全部で百まである監獄都市管理局の人員数はかなりのものになるが、
その中で特に優秀な成績を稼いだ者は上位局員と呼ばれるようになる。その上位局員の中
には更に分類があり、仕事上は問題が無いものの、精神的に問題があると判断された者は
暗黒局員と呼ばれるようになる。更には、課によって更に細かく分類される。例を上げる
ならば、この虎蔵だ。暗黒局員であり、捜査課に所属している虎蔵は暗黒刑事という称号
を与えられたことになる。また暗黒局員には個性を表す二つ名が付いていて、虎蔵の場合
は先程後輩が呼び掛けた『ヘドロ』というものになる。
 虎蔵はヘドロのように汚くもなければ、粘着質な捜査をするタイプという訳でもない。
ヘドロと呼ばれる理由は、日頃行われる彼独特の行動にあった。
「さて、少し一服するか。卓也、お前も少し休め」
 虎蔵は報告書をデスクの上に投げ出すと、その代わりにポケットから煙草を取り出した。
一本くわえて火を点け、美味そうに煙を吸い、吐き出してゆく。続いてパソコンの開いて
いるウインドゥを全て閉じると、一つのフォルダを開いて中の画像を展開した。
「可愛いなぁ、こん畜生!!」
38『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:21:47 ID:UrdOH4wN
 映っているのは娘であるサユリと、今は亡き妻のセリスだった。第四惑星の血を引いた
セリスは当然小柄な体だが、強い存在感を放っている。ずば抜けた美人という訳ではない、
体のラインも平均程度だが、浮かべている笑みは見た者の多くを惹き付けるものだ。
 それを眺め、虎蔵は大きく煙を吸う。
「セリス、サユリ、俺は今日も頑張っているよウヒヒヒヒ」
「あぁ!! また虎蔵さんがヤバい目になってる!!」
 そう、問題は虎蔵の瞳だった。先程報告書を読んでいたときは活力に満ちたものだった
のだが、今はまるでヘドロのように濁りきっている。仕事は優秀で人格にも優れ、周囲の
評判も良い。だが家族の写真を見ると、愛情が深すぎるあまり別の世界にトリップをして
しまうのだった。これが虎蔵が暗黒局員に指定された理由であり、ヘドロと名付けられた
所以である。他は完璧とも言えるだが、これが虎蔵唯一の欠点だった。
 普段ならば軽く小一時間はトリップしているのだが、今回は違った。画面が小さく歪み、
画像がぼやけて消えてゆく。虎蔵のパソコンだけではない、全ての端末が同じ状態異常を
起こしているし、窓の外を見れば広告用の巨大なテレビなどもブラックアウトをしていた。
虎蔵は慌てて再起動をさせようとしたが、操作を何も受け付けない状態だ。
「くそ、どうなってやがる!!」
『元気かね、諸君?』
 声が飛んできたのは、パソコンからだ。長髪の老人の口の動きに合わせ、監獄都市全て
のスピーカーからしわがれた声が響いてくる。虎蔵はその声を聞き、舌打ちをした。娘の
画像を消されたからではない。いや、それも半分を占めているが、もう半分はこの老人に
対して持っている強い感情だ。虎蔵は、この老人の名前を知っている。
39『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:24:30 ID:UrdOH4wN
「Dr.ペドめ」
 老人の名前はDr.ペド、名前だけならこの第5監獄都市に住んでいる者で知らない者は
居ない程の有名人だ。ランクはBと大したことはないが、その罪状は差別殺人という惨い
ものだ。無差別ではなく差別、過去にDr.ペドは弟であるDr.ロリと共に年齢が12歳以上
の女性を連続で殺していた。筋金入りの幼女愛好者である二人は、幼くない女性の存在を
許すことが出来なかったのだ。事件はDr.ロリを殺したことで一先ず落ち着いたものの、
Dr.ペドを逃がしてしまっていた。しかもその際にDr.ペドは団欒していた家族を襲い、
幼い娘は無事だったが母親の方は殺されてしまったのだ。
 それが、虎蔵の妻のセリスだった。
 間に合わなかった後悔が、今でも虎蔵の胸に強く残っている。Dr.ロリを殺したのは、
虎蔵自身だ。しかしそれ故に恨みを買い、更には時間を取られてしまったせいで妻の死に
立ち会うことが出来なかった。最後に見た妻の姿は、棺の中のドレス姿だ。
「ブッ殺してやる!!」
「ヘドロさん、随分荒れていますね。これだから変態中年は嫌いなんです。少しは栄養を
取って頭を働かせたらどうなんですか? それとも、それを考えられない程馬鹿ですか?」
 ドアを開き、一人の少女が入ってきた。長く伸ばした金髪に、青い瞳。厚手のセーター
にジーンズというラフな組み合わせの上に、白衣を着ている。飛び級をして大学に入り、
幼くして卒業した天才児。開発部に先日入ったばかりの、リリィ・ムーンブレアだ。
 その姿を見て、虎蔵は先程とは別の意味で眉根を寄せた。常日頃から悪い意味で絡んで
くるリリィの姿は、今は見るのも嫌だった。Dr.ペドと白衣姿が被っているし、彼女が口
を開くと碌な言葉が出てこない。普段ならば軽く流せる筈の中年への聞き慣れた罵倒は、
今回は流せそうにない。
40『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:26:24 ID:UrdOH4wN
 なので無視をしようとしたが、
「何だコリャ?」
 突然目の前に腕輪を突き出され、つい尋ねてしまった。
「ヘドロさん、Dr.ペドが憎いですか?」
「当然だ!!」
 同族嫌悪、と言われたが、怒りを無理矢理に理性で抑え付ける。
「俺は娘と、その友達が好きなだけだ。あんな変態とは違う」
 妻が生きていたのならば、それも加えていた。と虎蔵は付け足した。
「ヘドロさん、これは開発途中のものです。ですが、使いこなせれば必ずDr.ペドを倒す
ことが出来るでしょう。それに、これは多分ヘドロさんにしか使いこなせません」
「上等じゃねェか、使いこなして変態を倒してやる」
『虎蔵君、やる気になったようだね? さぁ、妻を殺された怒りがどこまで通用するかな?』
「首を洗って待ってろ変態爺!!」
 ふんだくるようにリリィから腕輪を取り、虎蔵は駆け出した。



41『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:28:16 ID:UrdOH4wN
「この辺りの筈だが、くそ」
 虎蔵は小さく舌打ちをする。
「どこに居やがる変態!!」
 見回すと、人影が見えた。しかし老人のものではなく幼い少女のもの、悪い偶然に苦い
表情を浮かべて虎蔵は少女の側へ歩み寄っていく。幾らも経たない内に、周囲は激戦地に
なるだろう。そうなれば子供の体力では逃げ切ることは難しいし、守りながら戦うことは
更に難しい。Dr.ペドは変態だが、その圧倒的な戦闘力は一度戦った虎蔵の身に染み付い
ている。勝てるかどうかも怪しい相手だ、周囲をフォロー出来る余裕などある訳がない。
 怯えさせないように身を屈めて視線を合わせ、笑みを浮かべる。
「お嬢ちゃん、ここは危ないから」
『Enemy:Lock;(外敵確認)』
 突然の言葉に黙る虎蔵を横に、少女の言葉は続く。
『DragneelSystem:Enter;(戦闘システム起動)』
『MetalBarrel:FullOpen;(竜砲全門展開)』
 言葉と共に、少女に変化が起きた。
「畜生、変態ロボか!!」
 背中のリュックを突き破りながら金属の筒が無数に伸び、鈍い音をたてながら展開し、
一瞬で大量の砲門が完成する。それだけではない、袖口やスカートの裾などの、存在する
ありとあらゆる空間の入口から砲身が伸びてゆく。数えて四十超過、金属の針山にも似た
姿は十秒前の面影など殆んど存在しなかった。視覚を取る為か唯一変型していない頭部や
胴体を除けば、全てが黒い金属の色に染まっていた。竜の声に似た駆動音を全身から発し、
黒の機械人形は全ての銃口を虎蔵に向けた。
『GetSet;(砲撃準備完了)』
「マズ」
『FIRE;(発射!!!!)』
42『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:30:07 ID:UrdOH4wN
 轟音。
 空間を赤く染める程のマズルフラッシュが起こり、着弾点に黒煙が噴き上がる。普通は
蜂の巣になるどころか、骨の欠片の一つすら残らない程の大破壊。それをしても尚、少女
は砲撃を連続した。休むことのない連射を繰り返し、ついには空間ごと崩壊させる。
 そこで漸く射撃を止めると、少女は口を開いた。
『Dr.ペド、任務完了しました』
『そうか、ご苦労。意外とあっけなかったが、ローリーちゃんの力を持ってすれば』
「持ってすれば、何だって?」
 ローリーが驚きに振り向くと同時、黒煙が晴れて中から人影が現れる。
 それは、幼女だった。
 年齢にして六歳程だろうか、慎重は低く、手足は短く、起伏の存在しない体型だ。だが
それに似合わないシニカルな表情を浮かべていて、それが虎蔵だと物語っている。
 体を包むのは簡素な白いワンピースだが、それの上には桃色の装甲が展開してドレスの
ようになっていた。胸から両肩、肘から先、腰回りから膝下、膝から爪先までを覆う装甲
は正しく魔法少女の姿、手にはしっかりとマジカルなステッキが握られている。
「って、何じゃこりゃァ!!」
『これが新装備の力です』
 可愛いデザインの鳥が飛来し、背部装甲と連結。吹き出した白い光が翼を作り上げた。
「何のつもりだ? この瞬間すら嫌がらせか?」
『勘違いしないで下さい、魔法中年。これはDr.ペドの攻撃を防ぐ為に選ばれた、合理的
な姿なのです。装甲の形も、戦闘向けに極限まで絞り込まれている超設計です。ピンク色
というのは、特に意図はありませんが』
「嫌がらせかよ。それに、何で俺にしか使えないんだ?」
『良い年をした大人が魔法幼女になるのは精神的にキツいので、ヤバい精神構造のヘドロ
さんにしか使えないと私の独断で決定したんです。気分はどうですか?』
「最悪だ!!」
43『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:30:50 ID:UrdOH4wN
『お喋りは終わりだよ?』
 更に連続して射撃してくるローリーに対し、虎蔵は回避行動を見せた。
 後方への跳躍。
 ローリーは回避してみせた虎蔵に驚いていたが、それ以上に驚いていたのは虎蔵だった。
普通に後方に移動したつもりなのに、弾けるような動きと速度で回避出来たからだ。思考
をトレースしたような無駄のない動き、肉体稼働限界によるラグが全く無かった。下手を
すれば全盛期よりもスムーズに体が動き、思考と同じ速度で体が反応する。
「凄ェな、オイ」
『肉体は、かの『暴君』と同じ構成です。更には手元のステッキでベクトルの操作をして
いるので、本来以上の運動を可能にしています。無駄など、全く存在しません』
 虎蔵は素直に感心した。
「やっぱお前、天才なんだな」
『な、何を急に!! 馬鹿なことを言ってないで、仕事に集中して下さい!!』
 突然荒くなった声に疑問を抱きつつ、太い柱の陰に身を移す。開発途中だと言っていた
から当然のように稼動時間にも限度はあると思うが、虎蔵自身にもスタミナの問題がある。
どちらも限度があるし、それがどれ程あるのかも分からない状態で戦うのは無謀だからだ。
「おい、何か武器は無いのか?」
『ボタンが三つ縦に並んでいると思いますが、それの一番上を押して下さい』
 細音。
 一瞬変化が無いと思ったが、ステッキを軽く回して理解する。ステッキの先端からは、
両刃のブレードが伸びていた。最初に気付かなかったのは刃が薄すぎたせいで、その事実
が斬った場合の威力を、虎蔵に視覚的に伝えていた。
『特殊なセラミックの単分子ブレードです。切味は凄いですが、横からの衝撃に弱いので
注意して使って下さい。残りの二つのボタンの説明は、追ってします。それと不味い状況
になりました、変身のタイムリミットが計算よりも早く、残り三分になっています』
44『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:32:39 ID:UrdOH4wN
「上等だ、そんなにかからねェよ」
『どうしたどうした!? これで終わりかね? 見える、見えるぞ!! ぴっちり閉じている
ロリマンコが、小さくてプニプニな可愛い手でいやらしくクパァと開く姿が!!』
「変態め」
 さて、どうしたものかと考える。
 虎蔵の使う守崎流古武術は、防御という概念は存在しない。作られたきっかけは、初代
『殺虎』が三匹の虎を相手にしたときのものだからだ。当たることが死に直結する状況で
作られたものの為、相手の攻撃は全て回避するという考えが基礎となっている。しかし、
その状況は現在当てはまらない。当たることが死に直結、という部分は同じだが、攻撃の
種類がまるで違う。相手が生物ならば間接の限界による空間が出来たりするし、殆んどの
重火器に共通する弾切れによる隙も、大量の砲門という形で補っているせいで期待をする
ことは出来ないだろう。何より、弾幕がそのまま壁となっているので空白がない。
「せめて飛び道具、いや煙があれば」
『ありますよ』
「マジか!?」
『ステッキの下半分がパンツァーファウストになっています。これが二番目のボタンです』
 魔法少女のステッキにしては長いと思っていた虎蔵だったが、理解する。
「見てろ、聞いてろ。これから守崎流古武術の奥技を見せてやる」
『こっちに面倒はかけないで下さいね、ウザいので』
 と、インカムから陽気な手拍子が聞こえてきた。
『ヘドロさんの素敵な所、ちょっと俺達見てみたい!!』
「何だその音頭は!?」
 続く一気コールの中で、呟くように、
『期待、してます』
「ん?」
『な、何でもありません!! あと三十秒ですよ!?』
 分かってるさ、と言って虎蔵は前に出た。身を低く縮めた跳躍をし、背部スラスターを
全力で起動させて疾走する。翼をはばたかせて体を安定させながら身を回転、ステッキの
柄尻をローリーに向けた。狙うのは一点、防御の薄い胴体部だ。
45『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:34:24 ID:UrdOH4wN
 撃つ。
 ローリーは中心部に近い砲門で飛来したパンツァーファウストを撃つが、虎蔵はそれに
対して笑みを見せる。狙い通りの動きに、強引に体を起こして飛び込んだ。目標地は爆発
の中心部、丁度人が一人くぐれる分の広さで弾幕に空白が存在している。
『何だと!?』
 装甲から黒い煙の糸を引きながら、虎蔵は飛び出した。
「俺の勝ちだ!!」
『それはどうかな?』
 砲門の先端が開き、マニュピレーターとなって掴んできたが、
『三番目です!!』
 押すと、装甲が弾け飛んだ。身に付けているのはワンピース一枚となっているが、もう
こちらに向いた砲門は存在しない。そう思い、ブレードの射程距離に踏み込んでゆく。
『甘いわ!!』
「ふたなりだと!?」
 ローリーは突然スカートを捲り上げる。股間部には黒く光る巨大な砲門、30口径もある
巨大なキャノンが存在した。全長40cmのそれは、明確に虎蔵の体を狙っている。通常の体
ならば逃げられない距離、しかし思考通りの動きを可能にしている現在の体は不可能だと
思われた回避を可能にした。
「それは……」
 亞音速で跳ね上げた足でキャノンを踏みつけ高く跳躍、
「邪道だろうがァ!!」
 一刀両断、ブレードを振り下ろす。
 果たして、刃は己の使命を全うさせた。
 ローリーの体を唐竹割りに、左右に等しく分解させる。
「死ね、変態ロボ」
 着地して後方に回避した直後、天に響く程の大轟音が鳴り響いた。
46『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/02(金) 23:35:39 ID:UrdOH4wN



「お疲れ様です」
 管理局の入口で出迎えたリリィに、虎蔵は腕輪を投げ渡した。先程の自分の格好を思い
出したのか、顔には苦い表情が浮かんでいる。ローリーを倒したまでは良かったのだが、
その後に爆風で飛来したローリーの破片がワンピースを切り裂いたせいで、虎蔵は変身が
解けるまでの残りの二十秒を全裸幼女の姿で過ごすことになってしまったのだった。
 そんな虎蔵の表情に気付きもせず、リリィは頬を赤く染め、
「あの、守崎さん。良かったらこの後で一緒に食事でも」
「パパ、おつかれさまー!!」
「おぉう、サユリ!!」
 虎蔵はリリィの言葉が聞こえなかったのか、目も向けずに娘を抱き上げた。数秒前まで
浮かべていた暗い表情は跡形もなく消え失せ、満面の笑みが浮かんでいる。勿論娘の前で
瞳を濁らせるなんて馬鹿な真似はしない、虎蔵は家族を誰よりも愛しているからだ。
「そういやリリィ、さっき何か」
「知りません!! それより、まだ仕事が残ってるんですよ!? 娘さんに構うのは良いです、
ですがさっさと残りの分を片付けて下さい!! 分かってるんですか、ヘドロさん!!」
 分かってる分かってる、と言いながら虎蔵はサユリの頭を撫でた。
 暗黒刑事ヘドロの戦いは、まだまだ終わらない!!!!
47ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/02(金) 23:38:02 ID:UrdOH4wN
今回はこれで終わりです



すいません、やらかしました
馬鹿な内容で、趣味全開で、おまけにツンデレ成分薄いです
次からは真面目に『ツルとカメ』を書きます
返レスは、そのときにまとめて
48名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 00:13:35 ID:/hQA6VGD
(゚Д゚)……



おらぁすげぇもん見ちまっただ!
少し斜め上にNiceJob!
49名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 00:49:29 ID:UIi2jigQ
>>47
あ、あなたは……何というモノを書いてしまったんですか!


「ツルとカメ」とコレを交互に連載して下さいお願いしますぅ。あとリリィ萌え。
50名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 01:50:45 ID:TLFyhqD/
こちらからも置いていきますね。

ヤンデレの小説を書こう!Part4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172332198/l50
51名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 07:43:44 ID:LfcTKp1o
新参だけど保管庫ないの?
52名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 08:06:15 ID:/hQA6VGD
>>47
目覚めてすっきりした頭で再読



>「ふたなりか!?」
ちがうわぁぁぁぁあああ!

この辺の思考回路はカメに通じる気がした。
53名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 08:15:36 ID:TLFyhqD/
>>51
テンプレに載ってないということは保管庫が無いということだろう。
誰か保管してくれんかのう。
メイドさんも続けて見たいし、ツルとカメも最初から見てみたい。
54名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 21:00:05 ID:5BLgRGBl
天賦の才能って言葉はこういう時に使うんだろうな…

中年親父が魔法幼女に変身とかどんだけピンポイントで
人のツボ突いてきますかアナタは!!
もうGJの2文字じゃ表しきれないっす…












じゃあ壊されたローリーは俺が持ち帰って修復して
ついでに思考プログラム強制書き換えして使わせて頂きますね。
55名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 01:21:14 ID:cU/bvOhV
>>51>>53
随分長いこと更新されないけど。
http://tundereeroparo.web.fc2.com/index.html

早く更新再開してくれ。または誰か新しく作ってくれ。
56名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 01:23:43 ID:cU/bvOhV
ごめん直リンさせちまった。

>>47
予想の遙か斜め上なCrazy Worldだがそこが逆に気に入ったぜ!!
GJ!
57名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 07:24:12 ID:+DeXYCrh
さ、さすがロボさん……あなたはGJすぎる……
58名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 00:30:37 ID:DBnlVQkb
楽天の野村監督が一場に対して

『点数をつけるレベルじゃない』

と言っておきながらも、最後に

『楽天の命運はあいつが握ってるんだから』

これ、ツンデレキャラのセリフ回しにかなり参考になった。
59名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 04:00:36 ID:8daaAgwz
野村監督はかなりのツンデレだぞ
特に新庄絡みは
60名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:20:10 ID:88agTtE2
ロボさん、Gjです!
私も下手の横好きで投下してみようと思います。
学園モノで、女×男みたいな感じ。
ツンデレ度数はあまり高くないかもしれませんが…。
61名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 04:04:23 ID:t4CMN1xG
あなたが考えるツンツレ娘にしていただきたく候。
62名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 07:28:41 ID:hTm/V+5s
>>61
……ツンツレ?
63名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 09:44:29 ID:cPCIa5aN
まとめというか保管庫はどうしちゃったの?
64名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 09:49:50 ID:zKcpA4qW
「おっ?俺の分まで昼飯作ってくれんのか?サンキュー」
「か、勘違いしないでよね!?アンタの分なんかあたしのついでなんだから!」
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今週の日曜日、上と似たようなセリフを本当に言ってしまった俺
65名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 10:14:39 ID:/E8BXJ71
「おっ?俺の分まで昼飯作ってくれんのか?サンキュー」
「か、勘違いするなよ!?テメエの分なんか俺ののついでなんだからな!」

ウホッ
66名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 10:24:01 ID:GGWiI8a4
投下します。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
放課後の生徒会室。
夕陽の射す室内、当然のように彼女はいた。
「あれー?坂田君だ」
椅子にもたれて笑うその人こそ、我が校の生徒会長、津島先輩だ。
普段と変わらない表面だけの微笑みに、来なきゃ良かった、と後悔する。
「…ノート、取りにきました」
「あぁ、これ?」
なるべく関わるまいとする俺に、津島先輩はニヤリと一冊のノートを見せた。
…って、それだ!!なんであんたが…!
「ほんと、真っ白ね。しかも`English´の綴り違うし」
勝手にパラパラと中を見ている。遠慮とか知らないのか、この人。
そこらへんの芸能人の数倍は美しい顔は、俺に接する時のみ、からかいと意地悪に満ち溢れている。 他の生徒が抱く『凛々しくクールな完璧超人』の面影はない。
反論できない俺に飽きたのか、先輩はやっとノートをかえしてくれた。
よし、さっさと帰って明日の試験に向けた悪あがきを…
「坂田君、帰るの?」
誰もが惹かれる、美しいハスキーボイスが背を向けた俺に放たれた。…やばい。「会長がさぁ、試験前の貴重な時間を割いて仕事してるのにさぁ?部下がさっさと帰っちゃうわけ?」
そんなのあんたが勝手に…なんて死んでも言えない。「はい、これ」
頬杖をついて、雑誌の表紙でも飾れそうなスマイル。手には、書類の束。
「…」
終わった。

春、ただ普通の高校生活を送ろうとしていた俺の前に津島先輩は現れた。
君、私の下で働かない?
そう言った彼女は本当に、咲き誇る桜に見劣りしないほど綺麗だった。
のに。
俺と他の人間で態度がまるで違うし、毒舌できついし遠慮しないし。騙された!「くそっ、…会長!書類の整理終わりましたよ…っていねえええ!!」
もう最悪だ。


つづく

67名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 10:27:37 ID:GGWiI8a4
うーん、やっぱりツンデレよりもツンツン…?
一応、まだ続きます。

今パソコンからの書き込みが何故か出来なくて携帯でやってます。
ズレてたり、見にくかったらすみません。
68名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 21:26:36 ID:jxORnHFv
なぜまとめサイトが無いの?なぜまとめサイトが無いの?
69名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 21:33:57 ID:kayrjvzR
>>67
GJ!!!!
最近は殆んどツンのみでも萌えるから、今の割合は期待が大きいです

さて、投下しますよ
70『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:35:00 ID:kayrjvzR
 書類選考を通過してから一週間、とうとう本選挙の日がやってきた。出来る限りのこと
はやってきたつもりだし、今まで文句を言いながらも協力してくれたツル達に応える為に
今日は気が抜けない。対抗馬は意外なことに僕を除けば二人しか居ない、だからと言って
油断出来る訳がない。気を引き締めて、ツルと共に教室を出てゆく。
 因みに僕以外の立候補者は、隣のクラスの守崎・虎徹君と鎚宮・誠君。どちらも四天王
絡みの人間なので、僕が生徒会長に立候補することへのハンデにはならない。僕自身が四
天王の一人なので敬遠されるかもしれないと思っていたが、それを聞いたときには心配が
一つ減って安堵したものだ。と言うか自分で言うのもおかしな話だが、何故揃いも揃って
妙な人ばかりが立候補したのだろうかと思う。
「緊張してんの?」
「しまくりだ」
 愉快そうに顔を覗き込んできたツルの尻を撫でつつ、吐息をする。普段ならばここで膝
でも打ち込まれるところだが、ツルは神妙な表情を浮かべているだけだった。少しでも僕
を楽にさせたいと思っているのだろう、その気遣いがとてもありがたい。握り込んだ拳が
無ければもっと嬉しいのだが、それは贅沢というものだろうか。
 だが、いつまでも気遣わせている訳にもいかない。思わずストッキングの中にまで伸び
かけた手を引っ込めると、意外そうな顔をして見上げてきた。
「もう良いの?」
 いや、もう少し触ろうか。
 僕はしゃがみ込むと、正面からスカートの中に頭を突っ込んだ。匂いを嗅ぎながら尻や
脚を撫でまわし、時折ストッキングを舐めてみる。繊維越しなのでツルの味は薄く、独特
の舌触りはあまり良くないものだが、それでも大分落ち着いてきた。いや、まだ不充分だ。
数千名の前で演説するからには強い平常心が必要になるし、生徒のトップに存在する者を
決める選挙ならば、絶対に揺らぎを見せてはいけない。皆が『この人ならば大丈夫』だと
安心して投票出来るような、そんな大人物を演出しなければいけないのだ。そんな意味で
言うと去年の選挙、ホウ先輩は誰よりも僕達に安心感を持たせていたのだと思い出した。
僕も『この人ならば大丈夫』と思って、投票したものだった。
71『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:42:14 ID:kayrjvzR
 考えながら股間にむしゃぶり付いていると、下から掬い上げるような衝撃が来た。
「調子に乗らないで!!」
「あ、すまん」
 だが、もう大丈夫だ。心の準備も出来てきたし、いつもの調子も出てきている。今すぐ
壇上に上って演説を開始しろと言われても、胸を張って頷くことが出来る。
 まだ人気の少ない体育館に入り、ステージ脇の小部屋の扉を開くと独特の空気があった。
中に居る人間は、リラックスしていると言うよりも、自然体と言った方がしっくりくる。
虎徹君は彼女である織濱さんとイチャ付いていて、それを彼の姉と妹である『虎姉妹』が
物凄い目で見つめていた。『虎姉妹』はこの学校でも有名なブラコンだ、噂では近親相姦
まで経験しているらしいが噂だろう。いや噂だと思いたい。様々な女の子とエロいことを
している僕が言えた義理でもないが、さすがに近親相姦には引くものがある。幾ら何でも、
兄弟はアウトだろう。そしてその妙な噂が広がる程のブラコンだ、『虎姉妹』にとって、
今の織濱さんには我慢がならないものがあるらしい。今に殴りかかりそうな程に肩を荒く
動かして、爪が掌に食い込み血が流れる程に強く拳を固めている。織濱さんとは一先ずの
和解をしているらしいので手を出すことはしていないものの、それも時間の問題だろう。
過去に何件も虎徹君に近付く女子生徒に対して暴行を加えた過去があり、それが原因で、
この二人は四天王認定をされたのだから。
72『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:43:55 ID:kayrjvzR
 殴り合いはしないものの、案の定口論を始めて小さな修羅場となった織濱さん達から目
を背け、今度は誠君を見た。彼は身内が四天王なのではなく、僕と同じで自身が四天王と
してカウントされている。彼自身は比較的普通の人間だが、四天王にカウントされそうな
ヤバい人物が寄ってきやすいのが特徴だ。『毒電波』という酷すぎるあだ名が似合うのは、
この学校でも彼くらいのものだろう。そんな誠君は、部屋の隅で彼女である『殺戮姫』の
お腹を撫でていた。これは別に彼が部屋の隅愛好者という訳ではなく、周囲に被害を出さ
ないようにする為だ。現在誠君に幼児体型特有のぽっこりお腹を撫でられてご機嫌に恍惚
の表情を浮かべているが、男子ならば半径1.5m、女子ならば半径2m以内に近付くと
強い嫉妬心と独占欲を発揮してヒステリーを起こし殴りかかってくるからだ。かくいう僕
も過去に一度、偶然擦れ違っただけで酷い目にあったことがある。誠君も誠君で『殺戮姫』
のしたことに軽く注意をしただけで特に気にしている様子もなく、それが誠君の四天王と
しての理由を如実に物語っていた。
 本当に皆が個性が強く、僕などは彼らに比べたら個性が薄いと言うか平凡だと思うが、
それの一員として普通にカウントされている自分が少し心配になってくる。
「これで『暴君』が居たら、トップ5が揃い踏みね」
「そうだな」
 誰からでも喧嘩を買う乳の小さな女子の姿を思い浮かべ、溜息を吐いた。あの人がこの
場所に居たら、正に地獄になっていただろう。普段は温厚なくせにキレやすく、運動能力
が半端じゃなく高い。彼女が好きだったという伸人君が死んでからというもの喧嘩をして
いる姿を見ることは無くなったものの、その恐ろしさは健在だ。最近では原チャリを片手
でぶん投げたという目撃もあったし、他にも恐ろしい武勇伝が山程ある。さすが四天王の
上をゆく、変人将軍の地位を維持しているだけのことはある。
 考え、ますます落ち込んだ。
「元気出してよ、こっちまで気が滅入るじゃない」
「じゃあ、また脚を」
 強烈なローキックを打ち込まれた。
73『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:45:47 ID:kayrjvzR


「誠は最高だ!! 誠は世界の頂点に立つべきで、これはその第一歩目になるんだけど……」
 時間が来て一組目、誠君のペアがステージの上に立って演説をしている。『殺戮姫』の
過剰とも言える言葉の数々を聞いて、生徒達は唖然としていた。内容は、生徒会長にして
くれというのは大義名分としか思えない程ののろけだった。今や私生活での二人の暮らし
にまでシフトチェンジしており、もはや生徒会長のことはどうでも良くなってきていると
しか思えない。白熱しているのは悪いこととは思えないが、明らかに間違っている。
「ちょっと、華。その辺で」
 流石に夜の生活の方は不味いと思ったのか誠君が慌てた様子で近寄るが、『殺戮姫』は
突然ベロチューを開始した。誠君も諦めたのか変なスイッチが入ったのか、それに応えて
腹を撫で始めるし、スカートの中にまで手を入れ始めた。何だろう、この魔空間は。頭が
どうとか、それ以前の問題だ。しかし羨ましいという思いもある。ツルとは公然でイチャ
付くことが無いので、このアホカップルのようになってみたいと少しだけ思ってしまった。
こっちも同棲していて相手がロリだが、その違いはどこにあるのだろうか。
「なぁ、ツル」
「しないわよ、私はカメと違って変態じゃないし」
 畜生、読まれていたか。
 暫く行為は続いていたが、挿入直前というところで、我に帰った教師が投げ縄で二人を
壇上から強制的に引きずり下ろした。『殺戮姫』が騒いでいるが、誰の目から見ても今の
光景はアウトだろう。幾ら何でも、全校生徒の前でハメるのは駄目すぎる。
 続いて虎徹君達がステージに上がった。
「虎徹ちゃんは最高なの、とにかく凄いの!! 何が凄いかって、えぇと、サクラちゃん!!」
「はい、馬鹿な姉さんと違って常識をしっかりとわきまえています。それに誰にでも公平
に接する人格者で、それを勘違いした馬鹿な青海さんが横から近付いてくるのであぁもう
腹立たしい!! 今すぐ決着をつけましょう!!」
 いきなり織濱さんに殴りかかろうとした『妹虎』を教師が壇上から引きずり下ろした。
74『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:46:47 ID:kayrjvzR
「それに虎徹ちゃんはエッチも上手くて、それを独り占めする青海ちゃんがね……この、
泥棒猫!! 今すぐ決着をつけてやる!! 虎徹ちゃんはあたしのだもん!!」
 いきなり織濱さんに殴りかかろうとした『姉虎』を教師が壇上から引きずり下ろした。
 何だ、この馬鹿な展開は。それに近親相姦は事実だったのか。
「あの馬鹿な姉妹は無視して構わないが、虎徹君は会長にふさわしいと思う。どんなこと
にも前向きで様々な障害があっても乗り越えようとする精神の持ち主だ。またチャレンジ
精神も旺盛で、わたしと共に夜もアクロバティックなことを試しており……駄目だ、興奮
してきた!! もう我慢ならん、いざハッスルだ虎徹君!!」
 いきなり虎徹君の服を脱がそうと襲いかかっていった織濱さんを、教師が壇上から引き
ずり下ろした。虎徹君も、苦笑を浮かべてステージから降りてゆく。一言も喋っていない
のに結果がこれだ、内心はさぞかし複雑だろう。しかし全員下品なオチだなんて、教師達
は何を見て彼等を通過させたのだろうか。
 ともあれ、次は僕の番だ。
「行くか」
「あ、カメ」
 振り向くと、突然ネクタイを引っ張られた。勢いに負けて体のバランスを崩した先に、
赤く染まったツルの顔がある。ぶつかると思って目を閉じた、
 直後、
 唇に柔らかい感触が来た。
「ツル、お前」
「良いから早く行きなさい!!」
 尻を蹴られたが、痛みは全く感じない。そんなことよりも、ツルが自発的に元気付けの
チューをしてくれた幸せの方が遥かに強かった。わざとこっちを見ないようにしているが、
耳まで赤くなっているのが可愛くて仕方がない。
 僕は黙ってステージの上に上った。
 こちらに注目する生徒達を眺め、吐息を一つ。
「乳が……」
 いかん、間違った。
「父が子を守るように、母が子を慈しむように、互いが互いを支えあい……」
 背後にツルの存在を感じながら、僕は言葉を続けた。
75『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:48:39 ID:kayrjvzR



 風呂から上がると、丁度夕飯が出来たところだった。今日は1日気が張っていたので、
こうして体がほぐれると大分楽になってくる。髪を拭きながらテーブルを見ると、ツルの
好物であるカルボナーラが山のような量で詰まれている。出来合いのソースだが、下手に
素人が作るよりは余程良いものだ。その他にはシンプルなトマトとレタスのサラダ、具が
多いコンソメスープが良い匂いを発している。
「あ、出来てるわよ」
「ありがとう」
 空いている椅子にタオルを架けて、ツルの向かいに座った。
「いただきます。ね、行けそう?」
「いただきます。どうだろうな?」
 レタスを取り分けながら、考えた。僕以外の立候補者は散々な演説だったとは思うが、
あれでもそれなりに票は入ると思っている。虎徹君は人望が厚いので投票する人は決して
少なくない筈だし、誠君もヤバいタイプの人には圧倒的な支持を持っている。組織票など
考えたら、どちらも結構な数になると思う。それに対して僕はどうなのかと考えてみたら、
溜息が出てきた。いつもつるんでいる身内の他にも友達はそれなりに居るが、決定的な数
を考えると程遠いものがある。他の生徒に千票近い差を着けて勝ったホウ先輩は、やはり
凄いと再認識させられた。
「ちょっと、暗くなんないでよ。ご飯が不味くなるじゃない」
「でもな」
 再び溜息を吐いたところで、口にパスタを突っ込まれた。不機嫌そうに苛々とした表情
を浮かべながら、ツルがフォークを捻って奥へと進めてくる。むせてしまったが、これも
ツルの気遣いだと考えると吐き出す訳にはいかなかった。それにツルがわざわざフォーク
で僕の口に入れたものだ、普通に食うよりも遥かに美味い。
 パスタを飲み込んだ僕を軽く睨むとツルは露骨な舌打ちを一つ、性格が捻曲がっている
のが一目で分かる凶悪な笑みを浮かべると鼻で笑った。呆気に取られている僕を眺めつつ
フォークをトマトに突き刺して、こちらに突き出してくる。
76『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:50:24 ID:kayrjvzR
「どうせ落ちて元々よ、変態だし馬鹿だし。それに考えても今更結果は変わらないんだし、
いつもみたいに奇妙な発言でもしてなさい。どっちの態度もウザいけど、暗くない分馬鹿
な行動している方がよっぽどマシだわ」
 言ってトマトを口に入れ、美味そうな表情をする。
 酷い言い方だったが、ツルなりに僕を元気付けようとしてくれているのだ。楽しそうに
パスタをフォークに絡めようとして、結局失敗している姿が可愛い。何度か挑戦していた
ツルだったが上手くいかず、僕が小さく声を漏らすと睨みつけてきた。
「何よ?」
「気にするな」
 そう言いながら、僕はパスタを絡めてツルの方へと突き出した。最初は嫌そうな表情を
していたが、フォークを動かさないのを見ると躊躇いがちに食べてくる。例えるのならば
鳥の雛と言うよりも、警戒心の強い小動物のような仕草だ。それがやけに似合っていて、
感心しながら眺めてしまう。だが照れ臭かったのか、小さく唸り声をあげると目を背けて
しまった。その仕草も筆舌に尽くしがたい程の愛らしさだ。
 愛らしいといえば、
「演説のときはありがとうな」
「何がよ?」
「元気付ける為に、チューを」
「あれは!!」
 叫びながらテーブルを叩いて立ち上がり、
「あれは、頭突きしようと思ってやったのに失敗しただけよ」
 普通にしていたなら説得力があったのだろう、何しろ僕は普段から打撃の応酬を受けて
いるのだから。しかし今の顔を耳まで赤く染め俯いている様子を見れば、説得力の欠片も
見当たらない。朝からこんな調子で、一日中このように柔らかく純情な態度を取っている
のは本当に珍しい。夏休みに行った温泉旅行以来の快挙ではないだろうか。
 たまにはこんなツルも良い、僕はツルの言ったことを信じることにした。
77『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:51:32 ID:kayrjvzR



 適当にDVDを見ている背後で、漫画のページを捲る音が聞こえてくる。普段ならば自分
の部屋に戻っている時間だが、こちらに居るということは僕と一緒に寝るつもりらしい。
元気付けると言うよりは心配をしてくれているのだろう、どこまでも世話焼きな癖に性格
がひねくれているので、こうして部屋でだらけているのは珍しいことではない。付き合う
以前、ツルが只の性格が悪い従姉妹だと認識していたときは何とも思わなかった行為だが、
今となっては嬉しいことだ。ツルと付き合い始めてから、何度救われたことだろう。
 特に、寝そべっていると良く分かる尻や脚のラインなどは抜群だ。
「撫でないでね」
「舐めるのは?」
「余計アウトよ!!」
 ならば、どうすれば良いのだろうか。
「明日で、決まるんだね」
「そうだな」
 考えても無駄、と言っていたのはツルの筈なのに、やはり気になるらしい。
「やっぱり心配?」
「そりゃな」
「だったら」
 ツルは漫画を本棚に戻し、
「少しくらいは、甘えても良いわよ」
 ツルめ、幼児体型の癖にお姉さんキャラなんて恐ろしい。
 だが好意を無下にするのも良くないので、僕はツルを遠慮なく押し倒した。あと少しで
寝るだけの状態なのでパジャマの下は当然ノーブラで、裾とTシャツを捲り上げるとすぐ
に胸が見える。もう何回この表現をしただろうか、完全に起伏が0な胸は何度見ても興奮
してこない。だがツルのもの、と思うだけで一気に心が踊ってくる。
 まずは指先でほぐすようにしながら、ゆっくりと力を込めて押して埋め、そして全体に
馴染ませるように円を描いてゆく。すべすべとした肌触りが快く、形状的にはまな板だが
まるでプリンでも触っているような錯覚を覚える。白い肌は牛乳プリン、ならば固くなり
自己主張している先端の突起は色も鮮やかなサクランボだろうか。まだ周囲を撫でている
だけで触ってもいないのに勃起したそれを口に含み、転がすとツルの体が大きくくねる。
78『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:52:54 ID:kayrjvzR
 ツルは舌の動きに合わせて歌うように喘ぎ、くねる腰を押さえつつ指先で擽ると乱暴に
背中を叩いてくる。だが痛くはない、甘えるような強さだ。
「いきなり、すぎ、よ」
 胸から唇を離すと、既にとろけた表情になっていた。今日も感度は絶好調らしく、普段
の半マグロの状態になっている。いきなり服を脱がせても何の抵抗もしてこないし、寧ろ
脱がせるときに服の布地が肌に擦れる度に色っぽい声を出していた。
「今日はまた、一段とエロいな」
「エロいのはカメでしょ馬鹿」
 そうだろうか、と思いながらパンツを降ろしてゆく。染みが出来ているので布越しにも
濡れているのは分かっていたが、脱がせると更に凄い。クロッチと割れ目の間には透明な
糸が何本も引き、割れ目は物欲しそうに動いている。指で大きく広げてみると、溢れ出た
愛液がシーツに広い染みを作った。舌を這わせて拭ってみても、後から後から沸いてくる。
蓋をするように唇を当て、舌を潜り込ませると量は加速度的に増していった。溺れそうに
なる程の蜜の量、それを飲んでいて一つ思い付いた。
「なぁ、もし僕が生徒会長になったら、ツルはどうする?」
「どう、って?」
 僕は手元にあるメモ用紙に『ツル』と書くと、股間に押し当てた。水に弱い材質のそれ
はすぐに字が滲み、ふやけて張り付く状態になる。以前からやりたいと思っていたプレイ、
言わゆるマエバリの状態だ。正しい素材は和紙なのだろうが、残念なことに僕の部屋には
半紙も墨も筆もない。特に筆があれば他にも様々なことが出来たと思うので、心の底から
残念だ。和服じゃないのも少し痛い。だが今は、マエバリが出来たことを喜ぶべきだろう。
 ツルは怪訝そうな目をこちらに向け、
「それとマエバリと、何の関係があるのよ?」
「これは、僕の意思だ」
79『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:53:55 ID:kayrjvzR
 このマエバリには意味がある、これは投票用紙の代わりだ。ツルと書いたのはその為で、
後は股間の投票箱に入れれば気持ちが伝わることだろう。
「僕が生徒会長になったら、副会長になってほしい」
 言いながらツとルの間に亀頭の先端を当て、一気に押し込んだ。大量の蜜によりかなり
ふやけていたせいで破れ、僕のものだけが入る状態となった。これは少し期待外れだった
けれど、これはこれで悪くないかもしれない。
 マエバリプレイには二種類の方法がある。今のように貫いて楽しむものと、破けずに紙
や布ごと突っ込む方法だ。後者は専用のもの以外を使うと、ごく希にではあるが膣内部の
粘膜を傷付ける場合があるという。そのことを考えれば、今回は良かった筈だ。
 結論し、腰を動かし始める。
「ちょっと、カメ、はげしい、わよ?」
「すまん」
 だがマエバリ効果というものは恐ろしくて、股間に紙切れが一枚張り付いているだけだ
というのに、不思議なことに普段の数倍興奮してくるのだ。更にはマエバリの効果は関係
ないと思うが、ツルは連続で達しているようで、僕のものをキツく絞り上げてくる。
「や、もう、だめ」
「すまん、僕も」
 射精た。
 引き抜くと割れ目から精液が溢れ出て、ぼろぼろになっているマエバリへと染み込んで
ゆくのが見える。粘度の高いそれは千切れた欠片に絡み付き、シーツの上に落ちた。
 マエバリを見て、思い出す。
「で、副会長になってくれるか?」
 まだ答えを聞いていなかった。
「今更訊かないでよ」
 一息。
「他の人には、カメの世話なんか出来ないわよ」
 そう言って、ツルはマエバリを剥がした。
80『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:55:18 ID:kayrjvzR
亀「さぁ今回もやってきました、『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は四枚の葉書と五つのレスを御紹介!!」
亀「ゲストはツル、二度目の登場!!」
鶴「よろしく」

>>26
水「生きて!!」
亀「水樹、元気だな」
鶴「今回は出番が無かったからじゃない?」
亀「仕方ないだろ、内容が内容だし」
鶴「地の文ばっかりの作風にも困ったものね」

つ[]AA(ry
水「逃げてー!!」
鶴「へぇ? おっぱい、ねぇ。カメ、おっぱいって何か知ってる?」
亀「夢と希望と……」
水「カメも逃げてー!!」
亀「ツルが一番だ!!」

>>28
亀「名前を出すのは良いけど、直の絡みはなぁ」
鶴「大乱交?」
水「それに過去の作品のキャラだしね」
鶴「大乱交?」
亀「忘れろ!! でもエロ単語を口にするツルもまた……」

>>29
水「どうだろうね?」
亀「織濱食品は色物が多いが、味は悪くないし真面目にやってるぞ?」
鶴「コイも真面目よ? 色々変な食べ物になるけど」
亀「アウトだろ、あれは。少なくとも食い物じゃないし」
水「酷いね」
亀「死にかけた僕だから言えるんだ」

>>30
水「一組って言うか」
鶴「全員ヤバいわよね」
亀「全員?」
鶴「カメは言わなくても分かると思うけど、『虎姉妹』は」
亀「今回書かれたことの他にも、愛液入り弁と……ゲフンゲフン!! 虎徹君の服での着衣
オナ……ゲホッ!! 逆レイプでの近親相か……エフエフ!! 更には殺じ……ウォッホン!!」
水「濁してるけど、バレバレだね」
鶴「『毒電波』も、ね」
亀「まず『殺戮姫』が深夜に連続殺じ……ゲフ!! 作中でも、メインヒロイン二人を殺し
……マゴフ!! 『殺戮姫』が好きだから、それを全く気にせず受け入れてカップルになる
『毒電波』……改めてヤバいな。皆狂ってる」
鶴「でもカメも四天王よ?」
亀「黙れ!!」
81『ツルとカメ』×28:2007/03/07(水) 21:56:21 ID:kayrjvzR

つ[]一真は空気〜
亀「今回は頑張ったぞ。名前は出てないが、選管で」
水「あたしは?」
亀「ん? 最初の、皆の協力ナンタラカンタラ」
鶴「私は?」
亀「全てがラヴ!!」

つ[]四天王を全員〜
亀「まず僕」
水「『毒電波』と」
鶴「『虎姉妹』の計四人ね。本当は『虎姉妹』をカウント1にして新キャラも考えたって
話だけど、それは別の作品に使いたいから今は出さないんだって」
亀「次の『織濱第二高校』シリーズのメインヒロインらしいな」
水「この話題もそろそろ終わらないと」
亀「そうだな」

つ[]亀を成分表で〜
亀「マジで?」
鶴「ちょっと気になるわね」
水「作者から表を預ってるよ」
カメの50%は「作者の高校時代の思い出」で出来ています
カメの10%は「エロさ」で出来ています
カメの20%は「本気」で出来ています
カメの20%は「ツルへの愛」で出来ています

亀「作者の割合高ェ!!」
鶴「だから馬鹿なのね」

>>34
水「夜桜四重奏、面白いよね」
亀「あのセンスは凄いと思った。それに姫子の長マフラーは可愛いよな、ツルも着るか?」
鶴「嫌よ、うっとおしい。それにどうせカメは、結果的に変なことするでしょ?」
亀「……」
鶴「否定しなさいよ馬鹿!!」
水「落ち着いて」
亀「ツルに長マフラー、色々使えるな」
鶴「え!? うわ、墓穴掘った!?」
水「もう良いや、皆、また来週」
亀「次のヒロインは……マジで?」
鶴「誰よ?」
亀「気にするな、絶対見てな!!」
82ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/07(水) 21:57:18 ID:kayrjvzR
今回はこれで終わりです

次はヘドロさん、出来次第投下します
83名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 23:22:26 ID:I9R2Bmru
四天王は他のロボ氏作品で出てきてるの?
kwsk!!!

あと織濱青海て何者?
84名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 01:34:23 ID:zUwbJ5XN
みんなGJだよ!つか続きwktk
最近作品が多すぎてGJが追い付かないや


つ[]21歳でMHP2ndをやってるいい大人を水樹キュンはどう思いますか?
85名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 11:32:31 ID:2u7UHCR2
なあ……『誰GJ』ってどういう意味なんだ?
このスレ以外で見たことが無いんだが……
86名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 12:50:00 ID:tbf33KVJ
>>ロボさん
GJ!!

つ[]これからどんどん変なプレイになるんですよね?

>>85
誰よりも先にGJ!!
の略だったような気がする
87名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 14:38:06 ID:3HAncMqy
正確には79氏がまだ連載してた頃に『誰よりも早くGJ!!』ってやったバカがいて
少し流布した後に、それを縮めて
『誰GJ!!』
したバカが…


そのバカはcolorをとうとう書き始めて戦闘シーンでつま付いてるわけで
88名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 22:55:59 ID:5YOb5p/d
ちなみに79氏とはこのツンデレスレで最初に連載した漢で、登場人物のモチーフにVIPの属性スレキャラやAAキャラなどを使ってた。
ブーンや毒男、渋沢さんといった面子が盛り上げ、ツンデレ以外にも義理の妹、素直クール、その姉の巨乳お姉さん、天然巫女、メガネボクっ娘、ちっさくて古風な先生、強気お嬢など、多種多様なヒロインがいた。
質問コーナーも79氏が始めた物。

>>82
氏の他の作品が読みたいDEATH。
虎姉妹と毒電波と殺戮姫の活躍と括約筋の活躍が見たい。

>>87
戦闘シーンってのは「CrimsonLeaves」の事ですか?焦らんで良かですよ。
89名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 23:01:36 ID:wjPB/UdX
その「color」っていうSSはどれぐらいの間投稿されないの?
90名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 00:12:36 ID:F09U5fbq
>>89
強いて言うなら、かなり
前に書き上げたのを消して以来アホほど忙しくて中々…

前投下したのをもいちど投下した方がよいのか?


というかうっかり保存し損ねた79氏の作品が読みたい…
しかも連載してない覚醒編とかその他に至っては読み損ねたし…
保管庫ないのがもったいないよね…
91名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 04:12:29 ID:pQsGKS+z
>>82GJ!!

[]<水樹がDr.ホモとDr.ゲイに
姦される夢を見ました。頑張れ。
9291:2007/03/09(金) 04:15:51 ID:pQsGKS+z
ゴメン、7回死んでくる
93名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 10:09:39 ID:ILdr5t2v
虎姉妹は「嫉妬」で同じ板内を検索してその保管庫を見れば幸せになれるかもしれない

別にあんたのために調べたんじゃなくて自分のために調べたのをせっかくだから教えただけなんだから勘違いしないでよね
94名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 11:32:52 ID:PjqPm/Tm
GJ!
投げ縄使う先生に大爆笑ktkr!!

つ[]投げ縄が荒縄ならSMだと思います!
95名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 12:22:23 ID:346tozKB
今スパイダーマン2を見てたんだが、新聞社の編集長が
スパイダーマンが居なくなったときに「彼はヒーローだった」とか言ってるのに、
スパイダーマンが復活した途端、「こいつは街の敵だ」って言うのを見て吹いたw

編集長はツンデレだ!
96名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 00:43:58 ID:lWMTgHUi
投下しますよ
97『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:45:49 ID:lWMTgHUi
第2話『新魔法幼女登場』

「あぁっ、キャロルちゃん!!」
 薄暗い部屋の中央部、老人が叫んだ。
 長く伸ばした白髪に、白いYシャツ、白衣を着ているせいか全体的に白い印象が強い。
しかし白のイメージを払拭してしまう程、老人の姿は異様だった。下半身は存在せずに、
代わりに下腹部から伸びたコードやチューブが大型の装置に繋がっている。左腕の肘から
先も肉体は存在せずに、無骨なデザインのマニュピレーターが生えていた。四肢の中でも
唯一破壊を逃れた右腕だが、それすらも大量の点滴チューブが繋がっていて痛ましい状態
になっていた。通常なら死んでもおかしくない状態、それでも生きているのは老人の強い
意思があるからだ。瞳が発する強い光が、それを物語っていた。
 重音。
 老人の眼前にあるモニターには、両断された機械人形の姿が映っていた。
「くそ、虎蔵め!! キャロルちゃんまで!!」
『『御安心下さい、Dr.ペド。次は、私達が行きます』』
 コンマ一秒のタイムラグもなく、完全に重なった声が響く。その声に老人、Dr.ペドが
視線を向けると、フラフープを持った幼女が立っていた。一人分だった幼女の姿は瞬きを
した瞬間に二人分の影になり、再び瞬きをした直後には一人分に戻っている。
「そうだな、お前『達』なら安心だな。ローリーちゃんの、そして先程殺されてしまった
キャロルちゃんの仇を取ってくれ。あの憎き虎蔵を、血祭りにあげてやるのだ!!」
『『御任せ下さい、必ず御期待に沿ってみせます』』
 幼女の姿が二人に増え、そしてゼロになった。
「見ておれ、虎蔵!! 貴様を年増の所へ送ってやるわ!!」
 Dr.ペドの高笑いが、部屋の中に大きく響いた。
98『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:47:48 ID:lWMTgHUi



「これで良し、と」
 変身を解除すると、虎蔵は吐息をした。幼女だった体が白色光に包まれ、もとの中年の
姿に戻る。黒いスーツに包まれた大柄な体には先程の面影は全く存在せず、顔に浮かんだ
苦い表情だけが僅かな名残を残している。正確に言うならば、幼女のときに虎蔵の表情を
浮かべているのだが。
 短く刈り込んだ髪を掻き、虎蔵は足元に転がっている機械人形の残骸を見た。
「また随分とコアな奴が来たもんだな」
『そうですね』
 つい十秒前まで戦っていたのは、おませ幼女型機械人形であるキャロルだった。数日前
に戦った多砲頭ふたなり型幼女機械人形であるローリーも厄介だったが、これは別の意味
で恐ろしい相手だった。過剰とも思える程に露出の多い衣服を身に付け、ことあるごとに
色気で油断をさせようとしてきたのだった。起伏の存在しない体型では無理があるのだが、
とても幼女とは思えない姿は鬼々迫るものがあったのだ。
「しかし、常識的に考えて効く筈無いだろうに」
『はい、実際悶えていたのはDr.ペドだけでしたしね』
 戦闘中に聞こえてきた荒い吐息や奇声のせいで、非常に戦い辛いものがあった。それが
虎蔵が苦戦してしまった理由である。非処女を思わせる発言が端々に感じられたのも虎蔵
にとって厄介だった。娘のことを思い浮かべ、将来は処女を失うことを憂いて剣先がつい
鈍ってしまったのだった。虎蔵は誰よりも家族を愛し、目が濁る程の親馬鹿なのである。
「で、これを回収して帰れば良いんだな?」
『はい、お願いします』
 数秒。
「どうした?」
『中年親父が真っ二つになった幼女を運ぶ、何て恐ろしい光景なのでしょう!!』
「やかましいわ!!」
 リリィの叫びに苦い表情だったものを更に強くして、虎蔵はジャケットで残骸を包んで
持ち上げる。今が上着が必要な時期で良かったと、虎蔵は心の底から思った。言われたの
が原因ではないが、流石に自分でも犯罪に近い光景だと自覚はしていた。自分が厳つい顔
だというのは、長年鏡を見てきた虎蔵自身が一番分かっている。
 早く帰りたいと思っていた虎蔵は、だから気付くことが出来なかった。少し離れたビル
の屋上、そこに彼を見下ろしている小さな影が存在することに。
「魔法、幼女」
 人影は小さく呟くと、一瞬で姿を消した。
99『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:48:48 ID:lWMTgHUi



「解析は終わったのか?」
「はい」
 携帯用の通信機で娘の画像を見ていた虎蔵は、扉が開く音に振り返った。ヘドロのよう
に濁りきっていた瞳には一瞬で光が宿り、鋭い表情をして手渡された資料に目を向ける。
「『DragneelSystem』、やっぱり『N.E.E.T.』の遺物か」
「はい、『D3.』で間違いありません」
 思っていたよりも面倒だな、と呟き煙草の火を乱暴に揉み消した。
 虎蔵は所属こそ捜査課の人間となっているのだが、その戦闘力の高さから特例として、
度々殲滅課の仕事を手伝うことがあった。先程発言した『N.E.E.T.』というのは、管理局
史上でも三本の指に入る程の大戦闘を行った相手だ。正式名称は『Nobady.Emy.Endless.
Town.(姿無き友の終わり無き街)』、独自の兵器を開発していた機械人形の研究所である。
そこで作られていた『D3』、『Dragneel.Danceing.Doll.(竜舞人形)』は未完成ながらも
単体で一個中隊に相当する戦闘能力を持っていた、その上今はもうシステムを完成させて
いる筈である。そのようなものを出されて、余裕など持てる筈が無かった。彼女達の手で
大勢の仲間が殺された記憶は、妻の死と同等の重さで虎蔵の
心に焼き付いている。
「反則だろうが」
「それは、こっちも同じですけどね。『暴君』の体ですし」
「それだがな」
 新しい煙草を引き抜きながら、それでリリィの顔を差した。リリィはうっとおしそうに
払い除けるが、虎蔵は構わずに口にくわえて火を点ける。娘の前では絶対に吸わないが、
虎蔵は基本的にはヘビースモーカーだった。
「変身した姿がよ、幼女ってのは何なんだ? 『暴君』ったって、今はもう三十過ぎだろ。
不老化をされちゃいるが、記憶が正しけりゃ姿は二十四で固定の筈だろ?」
「無茶言ったら駄目よ」
100『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:51:12 ID:lWMTgHUi
 先程リリィが出てきた研究室から、長身の人影が出てきた。スーツの上に白衣姿という
ミスマッチな姿が特徴的な研究課の課長、速見・薫だ。外見こそ女性だが、性別は男性と
いう面倒な性格の三十五歳である。少し困った表情をしながら腕を組み、しなを作ると薫
は虎蔵を見て溜息を吐いた。憂いを帯びた瞳は、変身用の腕輪に向けられている。
「『暴君』ちゃんの資料は、3000人虐殺事件のときから極秘扱いなのよ。今の姿のだって
無理矢理な交渉の末にに軍部のデータベースから分けて貰ったものなんだからね」
 それより、と前置きをして、
「虎蔵ちゃん、変身の台詞は決めてあるの?」
「要らねぇだろ」
 一言で切り捨てられ、薫は身悶えをした。性同一障害だけでなく被虐趣味もあるという
性格を思い出し、虎蔵は一歩引いて距離を取った。悪い人間だとは思わないが、個人的に
苦手だった。最近は少なくなってきているが、以前は殆んど毎日のように夕食に誘われて
いたことを思い出し、体が拒絶反応を示している。
「大変だな、お前も。こんなのが上司で」
「ヘドロさんの正確に比べたら、まだマシです」
 同情しているのに、返ってくる反応がこれなのだ。
「変身で思い出したが、これの調整は完璧なのか?」
「はい、時間の制限は消えました。後はヘドロさんの領分です」
 それを聞いて、少し安堵する。魔法幼女になるに辺り、一番の心配はその部分だった。
ローリーとの戦闘もキャロルとの戦闘も、全てが時間制限との戦いだった。性能に問題は
無かったのだが、いかんせん3分というのは短く思えた。キャロルがローリーより戦闘力
が高かったことで分かる通り、確実に敵の強さや完成度が上がってきている。それに対抗
する為には虎蔵の努力は勿論のこと、魔法幼女の変身システム自体にも大分頼らなければ
いけない状態だったのだが、いかんせん3分というのは短く思えた。キャロルがローリーより戦闘力
が高かったことで分かる通り、確実に敵の強さや完成度が上がってきている。それに対抗
する為には虎蔵の努力は勿論のこと、魔法幼女の変身システム自体にも大分頼らなければ
いけない状態だ。腹は立つが、その部分では協力しなければいけない。
101『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:53:06 ID:lWMTgHUi
「なのに、こいつときたら。せめて、もう少し素直ならな」
「私は素直ですよ、自分の気持ちに」
 虎蔵は随分と嫌な素直もあったものだ、と思いながらリリィを見た。薫も素直と言える
のだが、それは敢えて視界の中に入れないでおく。変態を相手に出来る程、虎蔵の許容量
は多くない。今とてリリィとDr.ペドの板挟みで精一杯な状況なのだ。これ以上の問題事
は、正直持ち込んでほしくなかった。
「憎まれ口も程々にな。せっかく顔が良いんだ、性格悪いと台無しだぞ?」
 だからせめて駄目元で言ってみたが、虎蔵の予想外の反応が返ってきた。リリィは頬を
赤く染めると、視線を下に向けた。何やら小さく呟きながらふらふらと体を揺らし始める。
普段の強気な態度は消え去っており、もし虎蔵が顔を覗き込んだならば嬉しそうに緩んで
いる表情を見ることが出来ただろう。
 だが、虎蔵は誰よりも家族を愛する男だ。
「リリィちゃん、大変ね」
 誰にも聞こえないように呟いた薫の言葉が示す通り、虎蔵はリリィの突然の変化にも気
を留めることもなく、資料に目を通すのを再会していた。既に虎蔵の思考の中はDr.ペド
を倒すことに満たされており、鈍感、と呟いた薫の声も聞き流してしまう。
「何で、毎回毎回!!」
「どうした?」
「何でもありません!!」
 突然の叫びに少し驚いたが、いつものことだと思い、虎蔵は腕時計に目を向けた。
「そうか。さて、真面目な話は終わりだ。残業頑張るぞ、と」「あの!!」
 リリィは伸びをする虎蔵のジャケットを軽く摘み、
「その、虎蔵さん。今晩一緒に食事でも」
 直後。
 警報が鳴り響く。
 虎蔵が音の方向に視線を向けると、電光掲示板には『D3.』の出現を示す文字が流れて
いた。キャロルの出現から僅か数時間程しか経っていないにも関わらず現れたことに驚き
ながらも、すぐに思考を切り替えて戦闘用のものにする。
「すまんリリィ、話は後にしてくれ!!」
 呆然としている少女に背を向けて、虎蔵は駆け出した。
102『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:53:59 ID:lWMTgHUi
 交差点、人々が逃げ惑う中心に人形は居た。外見にして齢は五つ程の、今までの二体と
比べても更に幼いものだ。手に持っているのは直径が1.5m程のフラフープ、それを縦横
無尽に投げ飛ばし周囲のビルを破壊していた。
『そぉれ!!』
 身の捻りを使った高速の激輪は、一際高いビルを破壊し、
「ひっ」
 逃げ遅れた主婦の上に、瓦礫が落下する。
 誰もが見ても助けることは不可能だと思う状況、しかし諦めない物が居た。
 彼は、腕輪を起動させる。
『FullmetalTiger:Enter;(魔法幼女起動)』
 中年だった姿は幼女へと変わり、身に纏っていたものもグレイのスーツから、シンプル
な白いノースリーブのワンピースへと変化する。続いてピンク色の装甲が空中に展開し、
空間に響く音を鳴らして合致する。
 まぎれもない、魔法幼女の姿がそこにあった。
 先程よりも姿は小さくなったが、速度は飛躍的に増している。長い金髪を追い抜く風に
翻らせて、虎蔵は主婦に降る瓦礫に向かって跳躍した。空から飛来する鳥型サポートメカ
は一瞬で背部装甲にジョイントし、吹き出した白光が純白の翼を作り出す。
「喰らえ、ガラクタめ!!」
 腰部に取り付けられたステッキを握ると、虎蔵はブレードを伸ばした。
 斬る。
 単分子ブレード、切断部の厚さが分子数個分という極限まで薄い刃は、コンクリートの
巨大な破片を容易く切り裂いた。反す刀から連続の斬撃に繋げ、破片は小石程の大きさに
まで分解される。止めとばかりに撃ち込まれたパンツァーファウストが、主婦に降り掛る
筈だった瓦礫を完全に吹き飛ばした。
103『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:55:44 ID:lWMTgHUi
「ありがとう、ございます」
 突然出現した魔法幼女の姿に面食らいながらも主婦は礼を言うが、虎蔵が軽く手を降る
仕草に合わせて逃げ出した。少し離れた場所で再びお辞儀をする主婦に虎蔵はシニカルな
笑みを向け、そしてフラフープを持った機械人形に睨みの視線を送る。
 と、突然ポップな音楽が鳴りだした。
『幼女を守り、ペドを討つ。貴方のハートを一刀両断、『マジカル☆ヘドロ』只今見参!!』
 名乗りを挙げたが、勿論虎蔵が言ったのではない。左右肩部の装甲に付けられた特殊な
スピーカーによる音声だ。声質は虎蔵も聞き慣れたもの、最近は毎日のように聞いている
リリィのものだった。背後から悶えるカマ野郎の声が聞こえてくるが、恐らく彼の支持で
言ったものだろう。スパナでシメることが出来るものがビスだけではないと教えてやろう、
と虎蔵は決意した。スパナは気に入らない奴をシメる、手頃な武器だ。
「楽しみにしてろ」
『うふふ』
 虎蔵の呟きに、不気味な声が返ってきた。
『あの、そろそろ良いですか?』
「来い」
『Enemy:Lock;』
『DragneelSystem:Enter;』
『ミリア・タリア行きます!!』
 叫び、ミリア・タリアと名乗った機械人形は身を捻り、フラフープを投げてきた。虎蔵
は笑みを見せ、低空の姿勢で疾走する。スラスターの推進力によって亞音速に一瞬で達し、
コンマ数秒で斬撃の間合いに入った。
 後は、ブレードを振り上げるだけだ。
「あっけねぇな」
『『それは、どうでしょう?』』
 ステッキを振った直後、声が二つにぶれて、
「な!?」
 刃は空を切る。
 理由は単純で、標的がずれたからだ。
 右にでも左にでもなく、左右に同時に。
104『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:57:49 ID:lWMTgHUi
 虎蔵の視点では消えたように見えたが、離れた場所で見ることが出来たならば、変化を
確認することが出来た。しかし虎蔵には、出来なかった。寧ろ虎蔵だったからこそ起きた
ような現象だ。正しくは、魔法幼女の姿だったからだ。
 視界というものは、速度が上がるにつれて狭まってゆく。元々小さな体である故に広く
ないものだったが、それは亞音速に達していることにより、まるで針の穴のようなものに
なっていた。その視界の中では、僅かに動いただけでも死角になってしまうのだ。
 だから、虎蔵は気付けなかった。
『『いきますよ』』
 ミリア・タリアが分身して、左右に位置取ったことに。
 衝撃。
 左右から同時に拳を降り下ろされ、勢い良くアスファルトに叩き付けられた。幼女の体
は移動の速度を殺しきれずに、火花と土煙を放ちながら路面を滑ってゆく。
『『あっけないのは、どちらでしょう?』』
 数秒遅れてブーメランのように戻ってきたフラフープをキャッチし、ミリア・タリアは
ステレオで言い放つ。そして二人で持ったフラフープを中心に左右対照な姿勢で、奇妙な
ポーズを取った。どうやら彼女達独特の決めポーズらしい。
『どうだね、虎蔵君!? この電磁双娘型幼女ロボ、ミリア・タリアちゃんの手に掛れば、
君などはまるで幼女だ。いや、今は元々幼女の姿だがね? 本当、双娘は素晴らしい!! 
二つのロリマンコの他にも、ロリマンコによるサンドイッチ素股ということも出来るのだ
からね!! これなら、どんな巨大マグナムでもバッチコーイだよ!?』
 狂ってやがる、と呟き虎蔵は立ち上がった。しかし体には力が無く、足腰はふらついて
いた。瞳には唯一、強い戦いの意思が輝いているものの、口から溢れてくる吐息は荒く、
思うように動けないことを物語っていた。当然だ、音速に近い速度で身を削ってしまった
のだ、現在立っていることだけでも奇跡のようなものだろう。
『ほう、まだ生きていたのかね? ミリア・タリアちゃん、止めを差してあげなさい!!』
『『了解です、Dr.ペド』』
 フラフープの周囲に電気の火花が散り、輪に囲まれた面が歪曲する。
105『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 00:59:01 ID:lWMTgHUi
『『E.Down:Fire;(電竜砲発射!!)』』
 面を虎蔵に向けると、赤く染まったレーザーが放たれた。
 地面を燃やし、大気を焦がし、空間を焼いて進む超熱量の閃光が襲いかかる。
『TigerWall:Open;(虎壁展開)』
 間一髪というところでリリィの声と共に防御光壁が表れたが、状況が良くなった訳では
なかった。このシールドも耐久性が無限ではないし、ミリア・タリアを倒す決定的な手段
が思い付いていないのだ。このまま進めばジリ貧で、いつかは破られてしまう。
『『しつこいですね、これならどうですか?』』
『『T.E.Down:Enter;(双頭電竜砲発射!!)』』
 分身したフラフープを持った片方が、虎蔵を挟む位置に立つ。放たれるのは、左右同時
からの熱線砲撃だ。単純に倍になった攻撃力で責められ、シールドが少しずつ削られる。
僅かだが、漏れてきたレーザーが装甲を確実に焼いていた。
 どうすれば良い。
 虎蔵は考える。
『ヘドロさん、大丈夫ですか?』
「馬鹿にすんな、俺のご先祖様は三匹の虎を相手に勝ったんだ。その血を受け継いでいる
俺が、たかが幼女のナリした変態人形に負けるかよ」
 口からの強がりだ、実際には勝算が見えてこない。
 虎蔵は、考える。
 せめて、左右に攻撃出来れば。
「見ていられないな」
 不意に聞こえてきた声に、虎蔵は耳を疑った。声は魔法幼女の姿をしたものと同じだが、
自分は何も言っていない。それに、この声は空から聞こえてきた。
「こんなのに手間取るなんて」
 直後、左右の機械人形に白銀杭が突き立った。
 何が起こったのか、誰が何をしたのか、虎蔵は視覚で理解する。
「魔法幼女だと!?」
 声の聞こえてきた方向、ビルを背にして小柄な少女が、いや魔法幼女が飛んでいた。
106『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 01:00:06 ID:lWMTgHUi
 薄い青色にも見える程の白銀、虎蔵が最初に浮かんだ印象はそれだった。長くたなびく
白銀の髪に、白銀の装甲。肌も白く、装甲内部の黒いワンピースとアルビノらしい赤い瞳
が異彩を放っている。幼女と言うよりも、魔物のようなイメージだ。
 そして何よりも目を引くのが、左右の肘から先を包むものだ。幅は50cm、長さが1m程
の巨大なガントレット。その両手の先端に展開した巨大な砲門の周囲は、砲撃の余剰熱量
で大気が揺らめいていた。それがミリア・タリアを穿った白銀杭の威力を物語る。
『何てことだ!! ミリア・タリアちゃんまでも!! 儂の幼女ハーレムの夢がぁ!!』
 Dr.ペドの叫びを無視し、虎蔵は白銀の魔法幼女を見た。
「お前は」
「貴方には、関係の無いことだ」
 つまらなそうに虎蔵を一蔑すると、彼女は背を向けて飛び去った。魔法幼女の機動力で
進む彼女は、瞬きをするよりも早く消えてゆく。跡には、体を貫かれたミリア・タリアと
虎蔵の姿があるだけだ。
『畜生!! ミリア・タリアちゃんは、幻のロリパイズリも可能だったのに!!』
 空気を全く読まないDr.ペドの叫びに隠れるように、
『まさか、そんな筈は。私は昔、確かに』
 リリィの呟く声が、風に流れていった。
107『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 01:02:34 ID:lWMTgHUi
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナーです。MCは天国より、今は亡き
虎蔵さんの妻、私セリスがお送り致します。ゲストは被害者第1号のローリーちゃんです」
ロ『こんにちは』

>>48
ロ『こっちを見ないで下さい』
セ「とんでもない……そうね、まさか旦那が変身なんて」

>>49
ロ『だそうですよ?』
セ「大丈夫よ、虎蔵さんは浮気をしないから」
ロ『根拠は?』
セ「私の方が胸が大きいもの」

>>52
ロ『確かに、作者が今のペースで進めれば』
セ「馬鹿言っちゃ駄目よ。それに、あなたのお父さんの方がヤバいじゃない」
ロ『くっ……否定したいのに出来ないです』

>>53
ロ『嬉しいことを言ってくれますね、私は死にましたが』
セ「因みに、短期連載の予定らしいわよ」
ロ『確かに、他スレの連載もありますからね』

>>54
セ「良いわね、大きなお友達が出来て」
ロ『と言うか、それはもう私ではないのでは?』
セ「細かいことは気にしない」
108『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/11(日) 01:03:27 ID:lWMTgHUi
>>56
ロ『クレイジィ、まぁ、酒を飲んでいるときに思い付いたネタですからね』
セ「でも文章はまともよ?」
ロ『馬鹿な内容を小綺麗に書こうとするから余計に駄目なんです』

>>57
ロ『さすが?』
セ「さすが馬鹿、ってことね? しかも更に馬鹿なことに、1クール分のプロットまでも
書いちゃってるし。救いようがないとは正にこれね」
ロ『プロット?』
セ「下の表を御覧下さい」

第1話『魔法幼女誕生』
第2話『新魔法幼女登場』
第3話『新しき力』
第4話『白銀の真実』
第5話『空の騎士』
第6話『剣』
第7話『揺るぎなきもの』
第9話『前夜祭』
第10話『交わらぬ色』
第11話『砕かれし刃』
第12話『金色の幼女』
最終話『争いの果てに』

ロ『うわ』
セ「センス無いわよね?」
ロ『しかも、少なくとも後10人以上がこっちに来るんですか。最悪ですね』
セ「良いじゃない、賑やかになって」
ロ『ともあれレスして下さった方、ありがとうございます』
セ「次も見てね。貴方のハートを一刀両断、『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』でした」
109ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/11(日) 01:05:26 ID:lWMTgHUi
今回はこれで終わりです

何て言うか、馬鹿をしました
でも何故か反応が良いので続けたいと思います
110名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 01:12:11 ID:zsZowsP8
誰GJ!!
『暴君』……そして『虎』

なんていうか織濱は本当に駄目なんじゃないかとふと思う

幼女タイガーがDrにメカ触手プレイされる図が脳に描かれた俺は本当に死んだ方がいいんじゃないかとふと思う
111名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 01:18:13 ID:lWMTgHUi
>>100
すいません、ダブりがありました
正しくは↓

 先程リリィが出てきた研究室から、長身の人影が出てきた。スーツの上に白衣姿という
ミスマッチな姿が特徴的な研究課の課長、速見・薫だ。外見こそ女性だが、性別は男性と
いう面倒な性格の三十五歳である。少し困った表情をしながら腕を組み、しなを作ると薫
は虎蔵を見て溜息を吐いた。憂いを帯びた瞳は、変身用の腕輪に向けられている。
「『暴君』ちゃんの資料は、3000人虐殺事件のときから極秘扱いなのよ。今の姿のだって
無理矢理な交渉の末にに軍部のデータベースから分けて貰ったものなんだからね」
 それより、と前置きをして、
「虎蔵ちゃん、変身の台詞は決めてあるの?」
「要らねぇだろ」
 一言で切り捨てられ、薫は身悶えをした。性同一障害だけでなく被虐趣味もあるという
性格を思い出し、虎蔵は一歩引いて距離を取った。悪い人間だとは思わないが、個人的に
苦手だった。最近は少なくなってきているが、以前は殆んど毎日のように夕食に誘われて
いたことを思い出し、体が拒絶反応を示している。
「大変だな、お前も。こんなのが上司で」
「ヘドロさんの正確に比べたら、まだマシです」
 同情しているのに、返ってくる反応がこれなのだ。
「変身で思い出したが、これの調整は完璧なのか?」
「はい、時間の制限は消えました。後はヘドロさんの領分です」
 それを聞いて、少し安堵する。魔法幼女になるに辺り、一番の心配はその部分だった。
ローリーとの戦闘もキャロルとの戦闘も、全てが時間制限との戦いだった。性能に問題は
無かったのだが、いかんせん3分というのは短く思えた。キャロルがローリーより戦闘力
が高かったことで分かる通り、確実に敵の強さや完成度が上がってきている。それに対抗
する為には虎蔵の努力は勿論のこと、魔法幼女の変身システム自体にも大分頼らなければ
いけない状態だ。腹は立つが、その部分では協力しなければいけない。
112名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 03:26:44 ID:KkuWk2Sf
>>109
クレイジー…おぉクレイジー!

まさかクレイジーという単語を褒めるときに使うことになるとは、夢にも思いませんでした。
これからもたくさん日本語を勉強していきたいと思います。
CJ!
113名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 06:04:34 ID:End75Yvc
保管庫はどうなったんだ?
テンプレにない…
114名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 13:16:58 ID:uHehVmxv
>>113
>>55

>>109
相も変わらずCrazyだ!!イカすぜ!!

Dr.ペドはカメに通じる所があるな。
115名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 23:22:50 ID:5lluIOd6
>>114
何ィ!? まさかドクターペドの先祖は……カメ、なのか!?

つ[]ソコんとこ、どうなんすか?
116名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 14:07:20 ID:SEvvx8uO
いや、あのね、まさかこんな形で萌えツボを突いてくるなんて
思わなかったからさ…

質問コーナーの生真面目なローリーにマジで惚れてしまった件。
セリスも予想外にいい性格してるし…
そして死者に質問コーナーをやらせるロボ氏の
外道っぷり(注:褒めてるつもり)に嫉妬w
117名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 17:52:32 ID:ffOpIEyM
今ごろ新スレに気付いた
容量オーバーだったなんて・・・
118名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 15:09:36 ID:bnDPG8N0
>>117
ふん、馬鹿ね……
119名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 17:16:49 ID:xPfbKOIT
エロパロはレス数と容量を比較してみないとどこが繁盛してるか分からんな。
こことかは明らかに繁盛してるほうだな。
120名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 21:35:08 ID:Gf5rcapc
今、書いているのがあるんですけど、投下しても良いですか?
久しぶりに書い物で、はっきり言って下手なんだけど。
ついでに、ここに来るのも久しぶりなんだけど。
それでも良ければ教えてください。
121名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 21:40:35 ID:Gf5rcapc
えっと、スレを見直して質問を。
79氏は居なくなったのですか?
もしも居なくなったのでしたら、原因と日にちなどを教えてください。
俺はあの人の書いていたのが好きで、見始めたのですが…
122名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 21:56:10 ID:3Ksvq9J9
>>120
どうぞどうぞ。
123名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 21:57:25 ID:Gf5rcapc
>>122
少々舞ってくださいな。
今も書き続けていますから。
124名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 22:32:46 ID:4i4yRZ/G
ワクテカ舞踊をしながら待つことにします。
125名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 22:36:55 ID:SXJqHvzZ
>>121
連載が終わったのは大分前
79氏は一年間という区切りをつけて、綺麗に終えられました
他に理由って言ったら、長期で書ける人か来たから譲る、とかそんな感じです

そして今は貴方のSSにwktk
126121:2007/03/14(水) 21:18:35 ID:6cVmOMCj
投下しますよ。
127121:2007/03/14(水) 21:19:50 ID:6cVmOMCj
 突然弁当を渡された伊藤 幸也(いとう こうや 通称 糸コンニャク)は困っていた。
 それもこれも、弁当の渡され方が渡されだったからじゃないのか。と、思う。
 その渡され方とは、面倒なので箇条書きで書くと。

・いきなり目の前に現れる
・頬を朱に染められる
・つられて伊藤も頬を染める
・「っつつつっ…作りすぎちゃったから、どっどうせ食べないともったいないしっ、あげるっ」と言われて渡される
・さらに顔を朱に染める
・伊藤もさらに朱に染まる
・彼女は逃げるように走り去っていく

 と、それが今の現状だ。
 俺がどんな状況下考えてみよう。今の状況は、一緒に食べようとしていた友人二人がにたにたしている。ただそれ
だけだ。はっきり言って気持ち悪いからやめろ、こっち見るな。
 気を取り直して伊藤はもう一度考え直す。
 考え直すと、ただ単に俺は昼休み、弁当を食べようとしただけだった。ただ、それだけだ。
 それを、いきなり彼女が来て、弁当を渡した。そういうことだ。
 伊藤は、それでまずは一つ納得。
 彼女とは別に彼氏彼女の関係でもなんでもなく、席が隣同士の人ってだけである。強いて言うと、彼女がそれなり
にかわいいと言うだけ。
 彼女の名前は…たしか、ワタナベ トキ(漢字は知らない)だったと思う。
 ここで伊藤はひと段落つける。しかし、これでは弁当を渡した理由が分からない。
 俺にこの弁当を渡して何がしたかったんだ?俺に、この弁当を渡して何がしたかったんだ?
 そんな事はいくら考えても分からないわけで、その考えも「飯食おうぜ」と、友人の一言で片付けられることとな
った。
128121:2007/03/14(水) 21:20:58 ID:6cVmOMCj
 弁当をあけると、実は空で、中身に紙切れが入っていた。
 その紙切れには“ドキドキした?したとしたら、してんじゃネーヨバーカwww”と書かれていた。
 俺、これ結構ショックなんだけど…
 そんな事は無く、弁当の中には500円が入っていた。遠足かここは。
 そんな事は無く、チックタックと聞こえるから、気になってあけるとバーンと、爆発した。
 そんな事は無く、と続けるといつまでも続きそうだから自粛します。すみません。
 とりあえず弁当をあけると普通に弁当だった。紙切れでもなく、遠足でもなく、爆弾でもなく、作者の自粛の言葉
でもなく、普通に普通の弁当だった。
 もう少し詳しく言えば、少し少なめのご飯に、玉子焼き。から揚げと野菜。あとは漬物とかコロッケとか、普通の
弁当の中に入っているものだった。

「それ貰ったときどんな気分だった?」

 伊藤が貰った弁当を美味しそうだなと思って眺めていると、不意に声がかかった。
 友人二人のうちの一人、武田 修平だ。

「いや、あっけにとられたよ。普通、いきなり渡されたらあっけにとられるだろ?」

 そういうと、とりあえず眺めていた弁当を机に置いた。
 事実、伊藤は弁当を貰ってから、数秒ほどあっけにとられていた。それから、顔が赤くなったのだ。
 その赤さは、真っ赤と言う表現が似合うほどに真っ赤になっていた。まるで、林檎や苺のように。

「実はコンニャク、嬉しかったんじゃね?いや、嬉しいだろ」

 もう一人の、木村 光がすでに席に座り、弁当を食べながら言った。
 こいつは妙に人の心が分かり、考えていることを当てられてしまう。だから、俺はあまり考えていることを顔には
出さないようにしている。しかし、やっぱり分かってしまう。これは結構俺にとっては悔しい。

「あぁ、嬉しいさ。嬉しくない訳が無かろう。なんたってあんな美人に弁当を貰えたんだ」

 と、伊藤は否定することなく答えた。否定しても、木村にかかればすぐにばれてしまうからだ。そして、ばれたら
それを武田がさらにからかう。
 そんな循環にならないように、伊藤は素直に言った。

「コンニャク、口元緩んでるよ」

 うるさいぞ、武田。それくらい俺にもわかってる。嬉しいときは口元が緩むもんなんだよ。
 お前らもそんな感じで渡されてみろ。俺と同じようになるだろうから。
 と、伊藤は口には出さずに思ってみる。口に出すとそれをまたからかわれそうだ。

「でもさ、俺はそうならない自身はあるぜ。もしも、告白だったとしても」

 でも、やっぱり木村には分かってしまうみたいだ。
 俺の考えていたこと、顔に出ていたのか?
129121:2007/03/14(水) 21:21:32 ID:6cVmOMCj
 弁当を食べてみると、それはかなり美味かった。
 語彙の少なさのせいで月並みな表現になるが、ご飯はふっくらとしていて、から揚げはジューシーだ。コロッケも
さくっとしていて、付け合せの漬物が程よい塩気だった。
 とりあえず、伊藤を満足させるには、とても十分な美味しさだった。

「ごちそうさま」

 弁当を片付けて、弁当包みに直して伊藤は言った。礼儀は大事だ。
 逆に言えば、礼儀のない人は嫌いだ。

「食べ終わるの遅いのな」

 木村が言った。
 他の二人はもう食べ終わって、すでに弁当を片付け終わっていた。
 そして、伊藤が食べ終わるのを見ていた。
 やめろ。こっちを見るな。気持ち悪い。

「あたりまえだろ。二人分の弁当を食べたんだからな」

 結局、伊藤は自分の作った弁当と、ワタナベの作った弁当の両方を食べた。一人で二つの弁当は多い気がするが、
育ち盛りの高校生なので良いということにしよう。

「腹、壊れないの?そんなに食べて」

 武田が訊いてきた。一瞬、伊藤は心配してくれているのか?と思ったが、別にそうではなかった。ただ、気になっ
ただけのようだ。
 それに、伊藤からしても別に男から心配されても特に嬉しいとは思わないだろう。

「弁当、美味かったのか?」

 木村が俺も食べたかったぜと言わんばかりに訊いてきた。
 だから、こう返してあげた。

「ああ、とっても美味かったよ。しかし、残念だな。光るに渡す弁当はあいにくもう無くてな。本当に残念だな」

 皮肉たっぷり、憎たらし気に言ってあげた。ざまみろ。

「ああ、俺も食べてみたかったぜ。恨めしいぜ。末代まで呪うぞ」

 それはやめて欲しいな
 まぁ、弁当が美味かったし腹いっぱい食べれたから良しとしよう。
 ワタナベさんは俺に弁当を作って何がしたかったんだろうな。それだけは謎だ。
 その後の話はまた別の話しと言うことで。
130121:2007/03/14(水) 21:25:16 ID:6cVmOMCj
と、言うことで終わりです。
グダグダな上に、短かったですけど、どうでしょうか。
昔書いたとき、あまり良い評価がもらえませんでしたから、今度は少し頑張りました。
でも、余り成長していないような気がするんですけどね。

さて、明日にでもウィッシュに賽銭してきます。
確か、今までで17,000円ほど賽銭をしていますので、区切りの良いように5,000円を。
131名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 21:26:31 ID:qAFQ6EH3
エロがないならVIPの本スレに投下した方が良いのでは
132名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 21:28:37 ID:6cVmOMCj
>>131
うん、俺もそう思いましたんですけど、こっちにしました。
これを投下して、様子を見てからエロを入れたのを投下しようと思ってましたから。
133名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 23:19:04 ID:MmDpYje+
ワタナベ「あれれ〜?私のお弁当がないよ〜?」
134名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 00:05:24 ID:GpjGrjkG
山なし、オチなし
ツマンネ
135名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 00:18:44 ID:z75dQFET
ワタナベさんwwwwww
GJ!!

さて、投下しますよ
136『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:19:58 ID:z75dQFET
『カメよ、ちっと聞いてくれんかの』
「何だ?」
『やらかした☆』
 またか、と思う。
 ミチルが何か問題を起こしたのは今回が初めてではない、数は多くないものの魔法暴走
の常習犯と言っても過言ではない程だ。最近の大きなものだとフタナリ暴走が思い浮かび、
家庭の中では細かな暴走がたまに起きる。特に印象に強く残っているのはミチルを拾って
きた次の日の朝のもので、若さの象徴である僕バベルがぐったりしていた事件だ。ツルは
丁度良いなんてことを言っていたが、僕は心から肝を冷やしてしまった。若い男ならば、
誰でもこの恐慌に陥ることだろう。毎朝の恒例行事が突然消失してしまうのだ、機能不全
だと思ってしまい、更には男としての人生観も変わってくる。しかも傷はいつまでも心に
残ってしまうのだ。誇張表現でも何でもない、現に僕は何ヵ月も前の事件のことなのに、
未だに毎朝怯えながら自分の股間チェックをしているのだ。
 しかし、今度は何をしたんだろうか。またフタナリかと思ったがクラスの皆にも異常は
見られないし、二度ネタというものは絶対に起こらないと考えれば更にその線は消える。
「どうしたの?」
「いや、ミチルがまたやらかしたらしい」
 僕以外で唯一ミチルが魔法を使えることを知っているツルは、複雑そうな表情を浮かべ
窓の外を見た。センスにされたことを思い出しているのかもしれない。僕から見たら楽園
のような気がしたが、それは当事者ではなかったからだろうか。水樹とプレイした後で我
に帰った僕が苦悩したように、ツルはツルで地獄を味わったのだろう。僕はフタナリ状態
のセンスを見てみたかったが、逆にツルは暫くセンスと目を合わせられなかった程だ。
 これ以上の追求は酷だと思い、改めて教室の中を見る。
137『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:21:54 ID:z75dQFET
「皆無事だな」
『この教室の中はな』
 中は、という言葉で気が付いたが、一真がまだ登校してきていない。つい先週の金曜日
までは選管の仕事で忙しかったらしく教室に居ることが少なかったので慣れていたけれど、
もう生徒会の選挙は終わったのだ。土日の間に集計も済ませている筈だし、後は結果報告
を待つだけの状態になっている。だから遅れてきたりするのはおかしいし、ヤンキー野郎
なのは外見だけなのでサボりをするのは無いと思う。病気かもしれないとも思ったが特に
そんな連絡は貰ってないし、最初の停学以外は無遅刻無欠席を貫いている程の男だ。それ
はサボり以上に無いだろうと結論して、他の可能性を考える。
 上手く考えがまとまらないのでツルのストッキング着用済み脚でも眺めようかと思って
いると、教室の扉がいきなり開いた。アズサ先生がもう来たのかと視線を向けてみれば、
見慣れない少女が立っていた。
 腰まで届く程の長い茶髪、目付きは苛々としているときのツルと同じくらい悪い。制服
を着崩していて、胸元では十字架が輝いている。誰の目から見てもヤンキーそのものだが、
何故か僕はそう思えなかった。それに初対面の筈なのに、どこかで会ったことがある気が
する。だが思い出せない、この綺麗な乳のラインは覚えていても良さそうなものなのに。
どこで会ったのだろうか、乳でも揉めば思い出せるか。いや、それは流石に失礼か。もし
本当に初対面だったら、それこそ僕は変態決定だ。
「うっす」
 そんなことを考えている間に苛々とした表情で教室に入ると、彼女は堂々と一真の席に
座り込んだ。腕を組んで黙り込み、真っ直ぐ黒板を睨んでいる。
「あの、そこは違う人の席デスよ?」
 クラスメイトと話をしていたセンスが近寄るが、彼女が軽く睨んだだけで会話が終了。
良い乳ヤンキーガールは再び黙り込むが、なんとなく彼女が誰か誰か予想がついてきた。
確証は無いが、長年見てきた人物にそっくりだ。
「おはよう、一真」
「おう」
138『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:23:17 ID:z75dQFET
 やっぱり一真だった。ミチルが何かやらかした、というのは一真のことだったか。だが
水樹といい一真といい、何故こうも僕の周囲の野郎が女体化をしてしまうのだろうか。
「え!? 本当に一真!? どっから見ても女の子……」
「お前にだきゃ言われたかねぇよ、水樹」
「あたしは良いの、家業関係だから!!」
 水樹の場合はそれだけではない気がするが、今はそれどころではないだろう。
「一真、僕の話を聞いてくれ」
「あ? 乳は揉ませねぇぞ?」
 残念だが、それは後でしっかりと話し合おう。
「これはミチルの仕業なんだ、って言っても事故だけど」
 今まで言うきっかけが掴めなかったが、もしかしたら今が一番のチャンスかもしれない。
人間状態のミチルを周囲に馴染ませるのは難しいと思っていたが、良い機会だろう。流石
に会話の相手が僕とツルだけ、しかも周囲に他人が居るときには話せないのは可哀想だと
思っていたので、一真には悪いが、これはこれで丁度良い。
 僕は胸ポケットからミチルを取り出すと、床にそっと置く。
「ミチル、頼む」
『うむ』
 一拍。
『トータス☆ロータス☆ピタゴラス!! ザ・人間モード!!』
 直後、ミチルの体が光に包まれて人間サイズにまで巨大化。光が弾けると、エロい体型
の美女が現れる。艶めく髪は足首まで続き、それに包まれた見事な曲線の体はえも言えぬ
色気をかもし出している。細められた目が印象的な顔立ちは、並の男が相手ならば一瞬で
陥落させてしまうだろう。何度も見ている僕ですら、見慣れることが出来ない。
「え!? 何やったのよ腐れちんこ」
「ついにカメさんの変態パワーがペットにも」
「なに、なんなの!?」
「凄ぇ乳だなオイ!!」
 皆が騒ぐ中、ミチルは軽く吐息する。
「ま、こういうことじゃ。すまんの、一真とやら。儂がそれの原因じゃ」
「じゃあわたしがフタナったのもミチルさんが原因デスか?」
 頷くミチルに、水樹とセンスは頭を垂れた。被害者であるコイやツルも忘れたいような
感じだったが、一番気にしていたのは本人達だったらしい。辛さのあまり膝から崩れ落ち
てしまう人間など、生まれて初めて見た。それ程に落胆していたということだろう。
139『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:25:04 ID:z75dQFET
 それに対し一真はどうしているのかと視線を向けると、黙って腕を組んだままだった。
変身した直後こそ驚いていたものの、もう順応してしまったらしい。昔からこいつは臨機
応変に対処出来るタイプだったのだが、それは科学的に有り得ない存在のミチルに対して
も有効らしい。それともう一つ気が付いたことは、ノーブラだということだ。腕を組んで
いるせいで乳を寄せる状態になっており、男だった頃と変わらずボタンを三番目まで外し
ているので谷間が見えて、結果的に幸せな光景となっている。中身が一真だと頭の中では
分かっているのに、特殊な吸引力が僕の目を引き付けて離さない。
「何見てんのよ」
 ツルに尻を蹴られて、僕は漸く我に帰った。
「そう言えば、いつ戻るんだ?」
 ミチルは首を少し傾げ、おもむろに一真に唇を重ねた。一真の顔が一瞬で赤く染まるが
構わずに続け、やがて荒い吐息と舌が絡む生々しい音が聞こえてくる。とろけた一真の瞳
といい互いに押し合って潰れている乳といい、自分の正気を疑いたくなる程にインパクト
が強い光景だ。こいつらは教室のど真ん中で何をしているのだろうか。
 一真が腰砕けになりそうになったとき、やっとミチルは唇を離した。名残惜しそうに糸
を引く唾液を真紅の舌で舐めとると、こちらに視線を向けた。
「多分、一日で戻る」
 それが分かったのは良いが、わざわざディープキスまでする必要があったのだろうか。
一真は先程の余韻が抜けていないのか、荒く息を吐きながら椅子の背もたれに体を預け、
虚ろな目をして天井を見上げていた。悲惨と言うか無惨と言うか、これで体が精液にでも
まみれていたならばレイプをされた後にでも見えるだろう。実際には絶対しない性格だが、
男だったときはレイプでも強盗でも何でもやりそうな外見だったのに、今は真逆だ。
140『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:25:59 ID:z75dQFET
「おい、大丈夫か?」
「死にそうだ、ヤバい、お前のペットはエロすぎる」
 僕もそう思う、何せ精液で不思議パワーを補充する変態亀だ。力の源がエロいものなの
だから、行動や外見もそれはそれはエロいものになるだろう。全く、エロいことで生きて
エロいまま死ぬなんて羨ましい生物だ、全くけしからん。
「カメ、俺はもう駄目だ」
 駄目人間なのは僕も分かっている。
「失礼なこと考えるんじゃねぇよ。……後は、頼んだ」
 そのまま一真は気絶したが、もうすぐHRだ。放っておく訳にもいかない。
「僕は乳を揉……心臓マッサージをするから、水樹はベロチ……人口呼吸を頼む」
「カメ、本音が見えすぎよ」
 流石はツルだ、こんなときにも冷静だなんて僕には真似出来ない。可愛い奴だ。
「でも、カメ」
「早くしろ!! 緊急事態だぞ!?」
 ぐずる水樹に怒鳴り、僕は一真の乳を揉む。これは素晴らしい、今まで数々の乳を揉み
続けてきたつもりだったが、形といい張りといい柔らかさといい、全てが完璧だ。間違い
なく人生でもベスト3に入る。生で揉んでいる訳ではないので断言は出来ないが、究極の
乳かもしれない。黄金比なんて次元ではない、完全な美の一端がここには存在した。
 早く、生き返ってくれ。
「やはり、生で行くべきか」
「カメさん、本音と建前が逆デスよ?」
 いかん、間違えた。
「ん?」
 僕の処置が適切だったのもあったのだろうが、残念なことに一真が目を覚まし、続いて
顔面に重いストレートを打ち込まれた。ボクシングを中学までしていただけあって、脳に
強く響いてくる。ボクサーの拳は凶器というのは、嘘ではなかった。
「な、何揉んでやがる!!」
「乳」
「そんな問題じゃねぇ!!」
「何をしてるんだ? そして、その女子は誰だ? また犯罪か?」
 鋭い目を向けながら教室に入ってきたアズサ先生を、僕は必死に説得した。
141『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:30:13 ID:z75dQFET


「今日は帰りたくねぇなぁ」
 色々と厄介なことがありながらもやっと放課後になり、一息吐いたところで一真が突然
妙なことを言い出した。いや、妙なことではないかもしれないが、今のガールスタイルで
言われると不思議な感じがする。何だか、こう、胸に込み上げてくるものがある。
「どうした? そんなに視姦すんな馬鹿」
「すまん、つい良い乳があったから。それよりも、何で帰りたくないんだ?」
「気不味い」
 机に突っ伏すと、こちらも気が滅入ってしまいそうな程に大きな溜息を吐いた。一真の
家族が気不味いなんて珍しいこともあるものだ。母さんはキリスト教徒らしい優しそうな
イメージだったし、親父さんも穏やかそうな人だったように記憶している。チーちゃんも
一真に似て口は悪いものの、基本的には素直な良い娘だ。悪い部分など無いだろう。それ
に机に乳を押し付けて潰している光景の方がよほど気不味いと思うんだが。
「朝さ、俺が女になってたら誰も目を合わせてくれなかった。会話どころか、挨拶すらも
無かったんだよ。チーも何だか汚れたものを見る目で見てきてよ」
 確かにそれは気不味いだろう。
「ツル、泊めてやろう。どうせ1日だけだし」
 同意を求めると少し考えたように黙り、続いてコイの方を見た。コイは一真の方を見て
何度か頷き、続いてツルを見て頷いた。これで大体何を考えているのか分かるからツルと
コイは恐ろしい、そしてそれが分かる自分も少し嫌だ。
「良いわよ。ただ、私はコイの家に泊まるけど」
「何でだよ?」
「いや、そんなウッフンアハハな野郎は見たくないし」
 僕だって、ウッフンアハハボインボインな野郎と二人きりは嫌だ。
「良いから早く帰ろうぜ、肩が凝ったから休みたい」
 言葉にツルが反応した。
142『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:31:31 ID:z75dQFET
「センスもコイも、よくこんな重いモン付けて生活出来るな」
 視線を下に向けて、拳を震わせ、
「私だって」
 一拍。
「私だって、好きで貧乳やってる訳じゃないのよ馬鹿!!」
 叫び、殴りかかる。
 思えばツルの視線は一日中一真の乳に向かっていたような気がする。移動の度に揺れて、
走れば凄いことになって、昼休みに弁当を食っているときも机の上に乗っていた。一真は
気が緩むと前傾姿勢になるので谷間がはっきりと見えて、それはそれは幸せだったものだ。
特に谷間で光る十字架が微妙なエロスを作り出し、張り付けになっているキリストの笑み
も何故か変態親父のそれに見えた。半裸で刑を受けているマッチョがこれ程に羨ましいと
思ったことはない。聖人と言われているが、寧ろ性人といった風情だった。
「危ねぇじゃねぇか馬鹿!!」
 拳を避けた際にまた揺れた乳を見て、悔しそうにツルは歯噛みする。これ以上続ければ
残酷ショウになると思い、僕は一真の背を押して教室から逃げ出した。
143『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:33:50 ID:z75dQFET
 もう夜も遅くなり、そろそろ寝るかといった時間。漫画を置いた一真がこちらを向いた。
代えの服が無いのでまだ制服姿なのだが、寝巻きの相談か何かだろうか。
「そうだ、ちょっと試したいんだがよ」
「何だ? オナニーなら僕の居ない場所でやれ」
「それは朝に試した、凄かったぞ?」
 凄かったのか、是非見てみたかった。ヤンキーな外見とはいえ、中々美形の女の子だ。
普段とのギャップもあるだろうし、激しく乱れたとなれば見事な光景になったに違いない。
野郎な中身は一先ず置いておくとしても、強気な少女がシーツの海で淫らに舞い泳ぐ姿は
半端じゃなく胸が震えてくる。想像だけで白飯が丼3杯はいけるだろう。
「お、分かったか。お前の考えてる通りだ」
 視線が向けられた先は盛り上がった股間部分、一真を相手に興奮してしまったことで、
自己嫌悪で首を吊りたくなった。仮にも水樹が相手なら社会視点的ルールでセーフ判定を
貰えたのだろうが、一真が相手では一発アウトではないだろうか。いや、体は完全に女性
だからセーフなのだろうか。いかん、この問題は難しすぎる。
「そしてお前は何をしてやがる」
「あ? ちょっと一発やらせろ」
 随分とストレートな誘い方もあったものだ。そりゃ一真は僕の体を見慣れているのかも
しれないが、こちらは未だに女一真の体に慣れてはいないのだ。
「良いじゃねぇか、あと幾らもしない内に戻るんだからよ。ま、生徒会長当選のご褒美の
ようなもんだ。考えるのが嫌なら、今はそう思っとけ」
 言いながら手慣れた様子で僕のものを取り出すと、胸のボタンを外して挟み込んできた。
生で見て、直に触れば他のものとの違いははっきりと分かる。他の部分はどうなのかまだ
分からないが、胸だけで見たら今までで最高の評価だった。朝に判断したことはどうやら
間違っていなかったらしい。しかも元が男というだけあり、ツボをしっかりと心得ている。
比べるのは少し申し訳ないが、ツル達とは段違いの上手さだ。これに勝てるのテクを持つ
のははエニシ先生くらいだろう。しかし聖職者なのにこれよりも上手いなんて、つくづく
恐ろしい人だ。あの人はどこで学んだのだろうか。
144『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:35:24 ID:z75dQFET
「どうだ?」
「何て言うか、上手いな」
 ふと思い付いた。
「口でしてみてくれ」
「馬鹿野郎、俺の中身は男だぞ?」
 なるほど、うっかり忘れそうになっていたが当然かもしれない。体が男の状態のときも
口は付いているのだし、変なトラウマを抱えてしまうかもしれない。それに後悔もある。
失言してしまったせいで元の一真の姿がうっかり脳裏に浮かんで、ちんこが萎えてしまい
そうになった。言わなければ良かったと思ったことは滅多に無いが、これは不味い。
 こいつは野郎ではない、かなり男っぽい女だと自分に言い聞かせて、一真を見る。違う、
こいつは一真ではない。真子ちゃん、そう、マコちゃんなのだ。ヤンキーっぽい外見だが
根は真面目で、言動は荒っぽいが意外と面倒見の良い、男勝りだが優しい、そしてエロい
女の子なのだ。そう脳内補正をかけると、股間のものは再び元気になってきた。
「萎えたり元気になったり、忙しいちんこだな」
 言って一真は吐息する、竿に当たる息が何とも擽ったい。
「しょうがねぇな、一回きりだぞ?」
 直後、先程よりも強い快感が背中を走り抜けた。
 一真が竿を、苦しそうな表情でくわえている。髪がうっとおしかったのだろうか、多分
無意識の内での行動なのだろうが、髪を掻き上げる仕草が女性の色気を出していた。
 気持ち良かったのだが、それは僅か数秒で終わってしまった。一真は竿を口から抜くと
口の周りを乱暴に拭い、唾液が着いたドラ息子を睨み付ける。
「こりゃ無理だ、顎が疲れる。無駄にでかいし、女はよくこんなもん出来んなオイ」
 だから、女は、とか言わないでほしい。再び萎えかけてきたので、心の中で何度もマコ
ちゃんという言葉を叫ぶ。一体、僕は何をしているのだろうか。辛い現実が嫌になる。
145『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:36:12 ID:z75dQFET
「さて、入れるか。結構濡れてるし大丈夫だろ」
 一真はスカートを捲り上げて何度か股間を指でいじり、パンツを脱ぎ捨てた。僕も軽く
指でなぞって確認したが、それなりに濡れている。個人差もあるのだろうが太股の付け根
まで愛液で光っているし、多分大丈夫だろう。
 仰向けで寝そべった一真の割れ目に先端を当て、そこで少し気になった。
「処女か?」
 水樹は後ろの穴を貫通していたからかフタナリになったときは前も処女ではなかったが、
一真がそうなっているとは思えない。それに幾ら何でも、幼馴染みの男二人が尻穴を自己
開発しているというのは勘弁してほしかった。
 果たして、一真は首を縦に振る。
「ま、大丈夫だろ。痛みにゃ強いし」
 元気に笑う一真を信じて、僕は腰を押し進める。処女ならではの強い抵抗感があったが、
一気に奥まで貫いた。痛い時間はなるべく短い方が良いだろう。
「ば、馬鹿野郎。いてぇじゃねぇか!!」
 かなり辛かったらしく、目尻には涙が浮かんでいた。何度も僕を殴ってくるが、それで
僕の体が揺れる度に眉を寄せて苦しんでいる。自業自得なのだが、潤んだ瞳で恨めしそう
にこちらを睨みつけてきた。野郎状態のときとは違い、何だか可愛いらしい。
「動くぞ」
「ま、待ちやがれ」
 苦しいのは早めに終わらせた方が良いだろうと思い、腰を前後に動かし始める。痛みが
少ないようにゆっくりと引き抜き、長い時間をかけて奥まで進む。まるで喘息患者のよう
に不規則なリズムで吐息しながら、一真は必死にしがみついてきた。たまに眉根を寄せて
胸の中で暴れ、その揺れの痛みで苦しんでは僕を弱い力で殴ってくる。
 そうして動かしていると、変化のある部分に気が付いた。
 一ヶ所だけ擦ると声が変わる部分があり、試しにそこを連続で責めると甘い声が漏れて
くる。どうやら奥の少し手前が弱いらしく、深く差し込んだまま腰を揺すると抱きついて
くる力が強くなる。表情や声で判断する限り、それなりに気持ち良くなっているらしい。
痛みはまだ引いていないようだが、仕方のないことだ。
146『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:38:02 ID:z75dQFET
「凄ぇな、女って。こんなこと平気でやるんだろ?」
 平気かどうかは分からないが、どうだろうか。残念なことに、僕の周囲には判断基準と
なるような普通の女の子はツルくらいしか居ない。コイは逆レイパーだし、センスは普通
と言って良いか微妙な状況だったし、アズサ先生はエニシ先生が初めてだったらしいし、
チーちゃんは初体験は後ろの穴だったし、ミチルのことはよく分からない。そもそも膜が
あったのだろうか。それにホウ先輩に至っては初めてが尻の穴だっただけではなく、特殊
な性癖のせいで僕の言葉責めに対して喜んでいた。水樹は、これはカウントしても良いの
だろうか。つくづく普通ではない人ばかりだ。唯一普通だった気がするツルを思い浮かべ
てみるが、体型が少々普通から外れていることに気が付いた。つまり、僕の場合は全員が
アウト状態。それは一真も含めてだ。
「嫌になるな」
「やっぱ女は、大変なんだな」
 勘違いしているのだろうが正すのは止めた、正確に言えば訂正したくなかった。
 それに、もう軽口が叩ける状態ではなくなってきている。処女の締まりと素晴らしい乳
に見合う名器は、すぐにでも出してしまいそうな程に気持ち良かった。一般では、これを
数の子天井と言うのだったか。中の粒がカリ首を擦る度に、いつまでも動かしていたいと
思う程に強い快楽を与えてくる。だが、それは精液を出させる凶器でもあった。
「すまん、出すぞ」
「中って、大丈夫なのか?」
「多分大丈夫だ」
 それに、中で出したい。
「もう、無理だ」
 出して、引き抜く。初めての証である血と精液が混ざり、桃色の液体となって溢れ出す。
完璧な体型と相混じって、それは一種の芸術作品のように見えた。中身は一真だが。
 一段落を終え、ふと思い出した。セックスを始める前に何か、一真が聞き捨てならない
ことを言っていたような気がする。かなり重要なことだ。
「生徒会長が、何だって?」
「おう、当選おめでとさん」
 生徒会長。
 嬉しい知らせだが、こんな肝心なことはもっと早めに言ってほしかった。
147『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:39:27 ID:z75dQFET
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は四つのハガキと四つのレスを紹介します!!」
亀「ゲストは一真!!」
一「お前ら毎週こんなノリでやってんのか? それにしても、野郎が三人か」
亀「水樹は見た目は美少女だし、お前はまだマコちゃんだから問題ない」
一「うわ、マジかオイ!?」

>>83
亀「どうする?」
水「四天王は皆、今31スレ目に入った某スレだね。嫉妬で検索」
一「織濱は、理事長の孫娘だな。理事長は幾つも系列会社のある織濱コーポレーションの
会長もやってる。つまり織濱・青海はお嬢だ。分かったか?」
つ[]21歳で〜
水「ごめん、さっぱり分かんないや」
亀「作者はゲーム全然やんないしな」
一「そもそも、ゲームで合ってんのか?」
水「分かんないけど、熱心ならそれで良いと思うよ」

つ[]これから〜
亀「変なプレイって言うか」
水「今回は」
一「黙れ」
亀「例え外見が女でも」
水「最初はガッツみたいな予定だったらしいよ」
亀「なら、まだセーフか」
一「黙れ」

148『ツルとカメ』×29:2007/03/15(木) 00:40:24 ID:z75dQFET
>>88
亀「上でも言ったが、詳しい話はそっちのスレのまとめサイトで」
水「でも『ツルとカメ』みたいなノリを期待したら駄目だよ? 四天王の話だけど変人度
は低めだし、カメと違って結構まともな人ばかりだから」
一「しかも『虎姉妹』以外の話はクセが強すぎるしな」
亀「それでも興味が沸いたら見て下さい」

つ[]水樹が〜
一「だってよ」
亀「作者はそんな同人は好きだけど、ヘタレだから書くのを躊躇うんだよな」
水「それで良いんだよ!!」
一「でも和姦が」
水「それ以上は言ったらダメぇ!!」

>>92
水「死なないで!! 馬鹿でも変態でも、読者さんは大好きだよ!!」
亀「一部本音が混じってるぞ?」
一「大変だな」
亀「でもマコちゃんもそうなるかもよ?」
一「黙れ」

>>93
亀「分かりやすいツンデレだな」
一「ツンデレか、よく分からん」
亀「例えば水樹が何だか照れながら酷いことを言ったとするだろ?」
一「おぅ」
亀「そして後悔や照れをしつつ謝ったり仲直りしたり、それが作者の好きなツンデレだ」
一「よく分かった」
水「何で例えがあたしなの!?」

つ[]投げ縄が〜
亀「どうですか先生」
一「まだまだ甘い、それじゃ只のギャグだ」
水「へぇ」
一「せめて捕まえた後で引きずり下ろさずに、吊す。そして足を広げさせて匂いを(ry 
分かったか? これでもまだ序の口一歩手前の方だ」
水「何だか、ねぇ」
亀「ヤンキーガールが熱心に己のSM理論を語るなんて、恐ろしい光景だな」
一「黙れ」
亀「来週は……ミチルか、辛うじて普通の話だな」
一「そうか?」
水「貴方のハートを一刀両断、『ツルとカメ』でした。来週も見てね!!」
亀「それ別の話のアオリだ!!」
149ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/15(木) 00:43:56 ID:z75dQFET
今回はこれで終わりです

少し裏話
これは『ツルとカメ』読み切りの使えなかったエロシーンを使いました
喧嘩しながらのエロ、っていうカップルではなく友達のようなのが好きなんです
ツルもカメも今の状態で気に入ってますが、今回のようなものが書きたかったです

それではまた
150名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 00:53:08 ID:s2hlRoBp
どこまで倒錯するんだ…
151名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 01:19:04 ID:/XwFm39b
かつて79氏も主人公を女体化するというネタを使っていたから
いずれカメもその洗礼を浴びるだろうと思っていたのだが…
まさか一真が先にだなんて…

どこまで読み手の期待を(いい方向に)裏切れば
気が済むんだこの作者はこん畜生今回もGJですよ間違い無く!!!!


…ここまで来ると、あとは乱交ぐらいしか予想出来ないな…(爆
152名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 01:30:04 ID:11PL6Xds
ついに本物の男と交わったか……カメ……一体どこまで堕ちるんだ……

んなことよりGJ!
アズサ先生のまた犯罪かになんか知らんがワロタ
犯罪慣れしてたんですねwww

つ[]これからは友達突き合いが大変そうですね、友達突き合いが
153名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 02:23:45 ID:KP2eNWGl
ついに貫かれていないのはカメだけになったのか。
ミチルがまた突然「やらかした☆」と言った時が……
154名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 02:31:27 ID:KP2eNWGl
ちょwww>>133www
155名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 18:41:32 ID:IlLEofmO
79氏のSSを36話までまとめてました。
重要ありますか?
ちなみに、他のお方のも多々ありますし、絵もありました。
156名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 22:34:28 ID:Wqs0VwRA
あります。
157名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 22:36:31 ID:s2hlRoBp
過去ログ全部あるからなぁ…
本スレと違ってコテ鳥で検索すればすぐわかるしそもそもスレ数少ないし…
158名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 22:38:43 ID:k31tthhM
>>155さん

重要×
需要○でOKですか?

ぜひ79氏と他の方のもおれは読みたいです。
159名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:39:21 ID:KP2eNWGl
79氏が連載終了直後にうp炉だにageた番外編は、過去ログだけじゃ無理なのです。
もしそれまで補完してあるのであれば全力で応援してあげないこともありません。
160名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 00:10:28 ID:vsK3oLmW
遅ればせながらGJ!

つ[]<次は当然一真×水樹ですよね?
161名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 02:03:09 ID:CApBlFZN
つ[]<水樹&一真×カメですよね?
162名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 00:22:45 ID:odvmEVsa
投下しますよ
163『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:24:09 ID:odvmEVsa
第3話『新なる力』


「まだ篭ってんのか?」
「そうなのよ」
 虎蔵がミリア・タリアに敗れ白銀の魔法幼女に助けられた事件から三日、リリィは虎蔵
に小さく謝ってから研究室に篭り、一歩も出ようとしなかった。食事はドアの前に置けば
きちんと取っているし、シャワーは研究室の中にある。そのような利便制があり、研究室
から出る必要がない。だからという訳ではないだろうが最低限のコミュニケーションすら
取ろうとすることはなく、リリィはひたすら引き込もっていたのだ。
 ショックだった、というのは鈍感野郎だと自負している虎蔵にも分かった。自分が作り
自信を持って送り出したものが変態博士が作った変態人形に負けてしまったのだ。それは
想像を絶するものだろう。責任感が強く、また天才と周囲に言われていたのだから、挫折
なんてものを味あわないできたに違いない。だが虎蔵からしてみれば、それは随分と気に
入らないものだった。挫折というものは誰にでもあると思っているし、自身も何度も辛い
思いをして生きてきたのだ。簡潔にまとめれば、逃げていると思っていた。
 舌打ちを一つ、
「出てこい!!」
 叫んだが、中から声は返ってこない。これまで何度も繰り返したのだが、結果はいつも
同じだった。防音ではないので聞こえている筈だが、常に無反応だ。
「虎蔵ちゃん、そっとしておいてあげて。まだリリィちゃんは14歳なのよ」
「それがどうした、俺も嫁も10歳で大人になった」
 苦笑を引き吊った笑みに変え、薫は固まった。
「冗談だ、俺はDr.ペドとは違う」
 慌てて何度も頷き、そして真面目な顔をして薫は虎蔵のジャケットを掴む。普段ならば
反射的に殴り倒すのだが、今まで数度しか見たことのない薫の表情がそれを阻止させた。
虎蔵は軽く扉を睨み、渋々離れてゆく。今は離れるべきではないと思ったが、いつになく
真剣な薫の態度は、反抗できるようなものではなかった。
164『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:25:42 ID:odvmEVsa


 珈琲を一口飲み、二人同時に煙草の火を点ける。
「ミリア・タリアちゃんとの戦いのとき、リリィちゃんが最後に言った言葉を覚えてる?」
 思い出し、虎蔵は頷いた。意味としては複雑なものを持つ言葉だった。白銀の魔法幼女
の存在を知っている様子だったが、同時に存在の不可解さを表すものでもあった。存在に
驚いていたのではなく、居る筈のない存在が居ることに驚いていたということは、リリィ
の心の中では認められないものであるということだ。それの意味が分からずに虎蔵は混乱
したが、今は敢えて口を出さずに話の先を促した。
「あのね、ここから先は極秘なんだけど、リリィちゃんは『首吊り』事件の生き残りなの」
 は、という部分にアクセントを置いた喋り方に、虎蔵は眉根を寄せた。これはつまり、
リリィに関係のある人物は死んだという意味を持っている。例えば親や姉妹だ、友人なら
どんなに親しくともカウントには入らないと判断した。
「弟ちゃんから聞いてない? ムーンブレアの姉妹の話」
「いや、あいつは何も話さなかったからな」
 そうなの、と呟いて薫は乱暴に煙草の火を揉み消した。
「あたしの話は、これでおしまい。詳しい部分は分からないしね」
 笑みを見せて席を発つと、妙に腰をくねらせながら歩いていった。
 どうしたものか、と考えて虎蔵は立ち上がり、歩き出す。
 気分が悪く、家族の写真を見る気も起きない。情けない表情は出来れば見せたくないと
思っていたし、セリスも暗い表情を浮かべているときはフライパンで殴ってくるタイプの
女性だった。様々な意味で家族に顔向けが出来ない。結局目的地は決まらずに、無意味に
歩くことになる。辛いときには体を動かすのが、虎蔵の癖だった。
165『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:27:08 ID:odvmEVsa


「でも、来ちまったな」
 歩いた末、虎蔵は再び研究室の前に立っていた。
「ん?」
 食事のトレイを出すときに鍵を閉め忘れたのか、駄目元で扉に手をかけるとあっけなく
開いてしまった。中を覗いてみるとリリィの姿はなく、作業の途中だったらしい魔法幼女
変身腕輪が放置してあった。引き込もっていても、するべきことをしていたリリィに感心
しながら虎蔵は中へと進んでゆく。
 直後。
「おい、何で全裸なんだ?」
 シャワー室から出てきたリリィと目が合った。
「へ、変態!! スケベ!! 中年!! 何してんですか!!」
「馬鹿野郎!! 俺はスケベ中年だが変態じゃねぇ!!」
 リリィは慌ててシャワー室に戻るが、虎蔵は慌ててそれを追い掛けた。傍目から見れば
中年の親父が全裸の少女を追い掛けるという状態だが、虎蔵にはそんな心の余裕など存在
しなかった。今はただ、やっと出てきたリリィを引き留めることだけを考えて走る。
 一足先にリリィはシャワー室に飛び込んだが、戸を閉めるまでには至らなかった。あと
僅かで閉めきる直前に虎蔵は指を差し込み、無理矢理に開こうと力を込める。
「指、離して下さいよ!!」
「誰が離すか!!」
 直後。
 一瞬だけリリィの抵抗が消えて、
「痛ぇ!!」
 全力で扉を閉められ、虎蔵は叫んだ。
 だがリリィは構わずに指ギロチンを連続させ、その度に虎蔵の悲鳴が部屋に響き渡る。
指先は圧力と強い衝撃で痣が出来、変色してしまっていた。額からも汗が垂れ、その表情
は悪鬼羅刹の如く恐ろしいものになっていた。
 しかし、どれだけ罵られようと、どんなに痛めつけられようと、虎蔵は指を離すことを
しなかった。それがリリィの為になるのだと信じ、その考えを貫く為に。
 果たして、扉は開かれた。
「どうして?」
 浴槽に体を沈め、首だけを出した状態で虎蔵を睨み付け、リリィは呟いた。
「どうして、そこまでするんですか? 平和の為に? 奥さんの仇を取る為に?」
「全裸を見るた……馬鹿野郎、冗談だ。熱いだろうが!!」
166『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:28:47 ID:odvmEVsa
 設定温度を最大にまで上げて降りかかってきたシャワーを避け、叫ぶ。どいつもこいつ
も俺の冗談は通じねぇな、と、ぼやきながら虎蔵は風呂椅子に座ってリリィを見た。何故
か凹の形になっている椅子に座り辛さを覚えながら、頭を掻く。煙草を取り出そうとして
こがシャワー室であることを思い出し、ポケットに入れた手を引っ込めた。
「確かに平和の為にとか嫁の仇を取るとか、そんなもんはある。だがよ、それ以上にだ。
一人で落ち込んで泣きわめいている小娘を放っておくのは、どうにも我慢できねぇんだ」
 数秒。
「私は、泣いてなんか。それにヘドロさんに心配される程に、落ちぶれちゃいません」
 ですが、と間を置いて背を向けると、顔の半分まで身をお湯の中にまで沈めてゆく。
「ブクブク」
 だから虎蔵は気付かない。湯だけが原因ではなく、リリィの顔が赤くなっていたことに。
『ありがとうございます』と、本当に嬉しそうに言ったことに。いつも強がりをする少女
が見せた素直な一面は、喋りによって生まれた泡と一緒に弾けて消えた。
 そして散々な状態だが、虎蔵は満足していた。未だ背を向けた状態のリリィの頭を乱暴
に撫でると、軽く伸びをして立ち上がる。言うことは言った、まだ本調子ではないようだ
が、リリィにも普段の強気が戻ってきている。だからもう、ここから先は本人の問題だ。
そう考えて歩き出そうとして、
「うをぅ!?」
 誰が使っているのか一目で分かる、ボディビルダー人形型の石鹸に足を滑らせ、虎蔵は
転倒した。高く舞い上がった悪趣味石鹸と一瞬だけ瞳を交錯させ、何故ボディビルダーは
あんなに厭らしい笑みを浮かべるのかと考えた直後、視界が泡に包まれる。湯船に体ごと
突っ込んだのだと理解をしたが、妙なブリッヂ体制になっているせいで動けない。
167『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:30:28 ID:odvmEVsa
「早く出て下さい!!」
 リリィの叫びが響く中に、虎蔵は見てしまった。
 一本筋。
 未使用どころか自分ですることも少ないのだろう、割れ目は綺麗に閉じていて、しかも
無毛だった。単品で見たらDr.ペドが黙っていないであろう一品だが、虎蔵は別のことを
考えていた。サユリもいつかは俺と風呂に入るのを嫌がるんだろうな、と感慨に耽り、
「この変態!! どこ見てるんですか!!」
 涙声を聞いて今の状況を理解し、身を起こす。
「大変よ、虎蔵ちゃ……きゃあ、こっちも大変!! 何で虎蔵ちゃんがずぶ濡れで、リリィ
ちゃんが全裸状態なの!? 先を越された、悔しい!! いえ、今からでも遅くは」
 突然服を脱ぎ出そうとした薫に拳を撃ち込むと、正気に戻ったのかモニターを点けた。
映されているのは破壊の光景。中心街でキャミソールにデニムのミニスカートという姿の、
胸の大きな少女が暴れまわっていた。少し設定年齢が高い気がしたが間違いなくDr.ペド
が作り出したものだろう。虎蔵とリリィは幼女人形を睨み付ける。
「おい」
「分かっています」
 リリィが机の上にあった腕輪を投げると、虎蔵は普段のシニカルな笑みを浮かべ、
「今からでも遅くはねぇ、寧ろ今から仕切り直しだ。整備は完璧だな?」
「勿論です、不備はありません」
 リリィの言葉に頷いた。
「教えてやろうぜ、変態は常識人に勝てないってな」
「当然です」
 快音を響かせて腕輪を填めると、虎蔵は駆け出した。
「頑張って下さい」
「ところでリリィちゃん、いつまで全裸なの?」
 思い出したように赤面すると、リリィは慌ててシャワー室に戻った。
168『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:31:40 ID:odvmEVsa


『おやおや、また懲りずに来たのかい』
「黙れ!!」
 虎蔵はDr.ペドが映っている大型のモニターを睨み付けて、腕輪を起動させた。腕輪は
機能を果たそうと、虎の叫びに似た重低音を響かせながら強く光を発して震え、輝いた。
『FullMetalTiger:Enter;』
 変化は一瞬、眩い光に包まれた直後には魔法幼女の姿があった。上がる土煙を羽ばたき
一つで消し飛ばし、長い金髪を翻し、歯を向く強気の笑みを見せる。
「貴方のハートを一刀両断、魔法幼女マジカル☆ヘドロ、只今参上!!」
『ノリノリですね』
「あぁ、魔法幼女の映像がスッパ抜かれててな、お前が引き込もっている間にニュースで
流れやがった。悲しいのか嬉しいのか、娘がファンになったらしくてな。喜んで真似する
んだよ、いっつも。だからサユリの期待を裏切る訳にゃいかねぇんだよ」
 勿論、娘のことを話す虎蔵の瞳はヘドロのように濁っていた。愛らしい姿が台無しな上、
こんな姿をサユリが見たらがっかりするのは考えなくても分かることなのだが、家族方面
に思考をトリップさせた虎蔵は、そこまで考えが及んでいない。
『あのー、ヤバい目をしてないで、こっち向いて下さい』
 その声で我に帰り、虎蔵は機械人形を見た。
『初めまして、ユキです』
 お辞儀をしたことで見えたものに、虎蔵は息を飲んだ。
「馬鹿な!?」
 驚いたのは胸に谷間があったことではなく、ランドセルを背負っていたことだ。外見は
小学生とは思えないのに、それを背負っているということに驚かされる。中学生くらいに
見えていたのに、どうやら設定年齢は小学生らしかった。
『ふはは、どうだね虎蔵君!! このユキちゃんは!! 発育の良さに少しコンプレックスを
持った内気な小学生なのだよ!! ツボに来るだろう!!』
169『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:33:41 ID:odvmEVsa
 『!!』を連発して叫ぶDr.ペドに少し眉根を寄せて、ユキは虎蔵を見た。
『えぇと、取り敢えず行きます』
『DragneelSystem:Enter;』
 言った直後、急加速をしてユキが迫ってくる。スラスターによる加速ではなく、長い脚
を利用しての疾走だ。一歩一歩の幅が広く、脚の振りも早い。前傾姿勢での突進、空気を
裂いて進むそれは瞬間的なものではないが、それ故に制御が利きやすい。左右に身を振り
フェイントかけながらの移動に身構え、虎蔵はブレードを伸ばした。
 来る。
 右に抜けると思った直後、真正面から砲撃のような重い打撃が来た。脚部と同様に長く
作られた腕部、その一番の利点はリーチの長さだ。ブレードを持った虎蔵に比べたら短い
ものだが、腕には間接があり、その分応用が利く。長物では不可能な曲線の打撃は、走り
の速度と腰の捻りを利用して巨大な運動エネルギーを生み出した。
 単分子ブレードは横からの打撃に弱いことを思い出し、柄で受けた。そのまま上半身を
捻り、衝撃を受け流す。虎蔵の使う守崎流古武術には基本的に防御の概念は無いが、長い
戦闘経験と現在の『暴君』の体がそれを可能にさせた。
 行ける、と心で呟き、虎蔵は刃を振った。
『あ、危ないじゃないですか!! 死んだらどうすんですか!?』
 先程の交錯で分かったことだが、ユキは格闘に特化しているようだ。ならばそれは自分
の領分だ、体が強化されている今では更に可能性が高い。
 その思考を自信に変えて、剣撃を連続する。
『ど、どうしますかドクター? 負けそうですよぅ』
『ユキちゃん、あれを使うんだ!!』
 嫌そうな表情を浮かべて、ユキは頷いた。
『SugerDream:Open;(大人の時間展開!!)』
 ランドセルが外れ、分解し、空中に展開して即席の舞台装置を作り出す。スローテンポ
の音楽はどこまでも甘く、ブラックライトが妖しげに周囲を照らし出した。とても小学生
とは思えないユキの外見も手伝い、一瞬で空間の雰囲気が別物になる。
170『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:35:23 ID:odvmEVsa
 ユキの体が一瞬揺らぎ、消えたと思った瞬間。
 衝撃。
 背後から打撃が加えられ、虎蔵は吹き飛んだ。
『どうだね? 君の弱点は分かっているんだよ』
 追い打ちをかけるように、打撃が来た。一撃目は左側からの衝撃、続いて上下から挟む
ように二撃三撃と来て、ついにはガトリングガンのように全方向からのラッシュが来た。
毎秒30を越える打撃の群れは、どこまでも加速する。
『TigerWall:Open;』
 先日と同じ状況になり、虎蔵は舌打ちをした。このままでは前回と同じになる、そんな
悪い考えが沸き上がってくる。この防壁もどこまで耐えられるのだろうか、焦りにも似た
感情がより苦いイメージを強くしてゆく。既にユキの打撃は、毎秒90を越える程だ。
『君の弱点は視界の狭さと防御力の低さ、そして対応範囲の狭さなのだよ!!』
『黙りなさい、変態爺』
 Dr.ペドの言葉を打ち消すような、凜としたリリィの声が響いた。
『ヘドロさん、新装備です』
『ModeF:Enter;(重装備形態展開!!)』
 リリィの叫びと共に、変化が起きた。
 まずは装甲が弾け、続いてワンピースが光に包まれる。
 現れたのは厚手のセーターにフレアスカートだ。その周囲に深い緑の重装甲が出現し、
全身を包むように合致、要塞のような姿となる。腕部パーツに握られたのはブレード仕様
のステッキではなく、無骨なデザインの装甲に覆われた長い杖。その先端には鈍光を放つ
ドリルが存在していた。
 例えるならば突撃兵。
 敵の攻撃を頑強な鎧で防ぎ、手に持つ槍で相手を打ち崩す、戦車のような兵士だ。
「これは……」
『はい、ヘドロさんはシンプルな攻撃ならば大抵は避けられますが、逆に言えば範囲攻撃
には弱いです。それはあの変態爺の言う通りでしょう。しかし、これは』
 連打が飛来するが、
「効いてねぇな」
 言葉よりも体験で理解して、頷く。自分を吹き飛ばしたものよりも更に強くなっている
筈の連撃だが、全く衝撃を感じない。体が鈍重になったことの補助作用だろう、認識速度
が上がった視覚でユキの姿を捉えて、そこで攻撃されている事実を知った。
171『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:38:17 ID:odvmEVsa
「どうした? そんな拳じゃ蚊も殺せないぞ?」
『調子に乗りすぎです』
 分かっている、と笑って虎蔵は長杖を構えた。ユキの次に取る行動の予測はついている、
後はそれに合わせてカウンターを決めてやるだけだ。大きく息を吸って駆動機関を鳴らし、
いつでも動けるようにする。
『これなら、どうですか!?』
 放たれるのは正面からの打撃、充分に加速した一撃。
 予想通りだ。
 これまでのものも充分に強かったが、速さを重視したものだった。それが効かないなら
次に放つのは、威力に重点を置いた一撃必殺の攻撃になる。それには長い滑走路が必要に
なるので、来る方向も分かっていた。後はその方向を向き、タイミングを合わせるだけで
倒すことが出来る。守崎流古武術の基本中の基本、それを頭の中で正確に描く。
 一拍。
 脚部のキャタピラを唸らせ、一瞬の超加速の末に虎蔵は長杖を突き出した。音速超過の
先端は空気の壁をぶち抜き、音を背後になびかせ、螺旋状に長く伸びた水蒸気の尾を引き
ながら前進する。それそのものが意思でもあるかのような歯車の叫びは、飛び散る火花に
よって揺るぎない存在として彩りと姿を得た。
 例えるのなら、それは灼熱の牙。
「何が設定年齢だ。ランドセルを外せば」
 牙はユキの胸へと飛び込み、
「こいつは中学生だろうがぁ!!」
 破砕する。
『ぬあぁ、ユキちゅわぁん!!』
「思い知ったか、変態」
「見事です、私が手助けする必要はありませんでしたね」
 突然降ってきた声は、三日前に聞いたものと変わらない。退屈そうなそれは紛れもない、
白銀の魔法幼女のものだ。視線を向ければ、それが正解だと分かった。
 月の光のような、薄青の色を含む白銀の塊。
「もう私の出番はありませんね」
「おい、待てよ」
 ちらりと虎蔵を見て、すぐに視線を反らす。
「貴方には用はありません」
「リリィにも、か?」
 沈黙。
『リィタ、リィタでしょう!?』
 沈黙。
 だが、その沈黙こそ、彼女がリィタという少女であると肯定するものとなる。リリィの
声に眉根を寄せて、リィタは虎蔵を睨み付けた。否、正しくはスピーカーの向こうに居る
リリィに向けられているのだろう。
『リィタ……』
「リリィ、貴方とはもう他人です」
『リィタ!!』
 辛そうな表情を浮かべると、リィタは空の彼方へと飛び去った。
172『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/18(日) 00:39:24 ID:odvmEVsa
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナー。今回のゲストはユキちゃん」
ユ「よろしくですぅ」

>>110
ユ「どうなんですか?」
セ「詳しい話は下でするけど、こっちの『暴君』は『織濱第二高』シリーズとは別の人よ」
ユ「そうじゃなくて、触手が」
セ「うふふ、そんな、ねぇ? 殴るわよ?」

>>112
セ「作者も思ってなかったらしいわよ」
ユ「そりゃエロパロ板の中でもこんな褒め言葉が出るなんて、普通はないでしょうしね」
セ「そして日本語のお勉強頑張ってね」
ユ「貴方の書いたSSが読みたいです」

>>114
セ「イカす……当然よ、私の旦那が主人公だもの」
ユ「でも変態世界の話ですよ?」
セ「一番の変態は貴方のお父さんよ?」
ユ「い、言わないで下さい」
セ「変態主人公に通じるなんて言われてるし」
ユ「ごめんなさい、もう許して下さい」

つ[]ソコんとこ〜
セ「作者からの説明よ」

敢えて性格や名前を似せたりしているキャラは居ます
虎の字とか『暴君』とか、その辺りは子孫とかです
全部書いている訳ではないですが、そんな裏設定は山程あります

ユ「そうなんですか」
セ「そうなのよ」

>>116
セ「褒めてるのよね?」
ユ「ローリーちゃんの方は、多分褒めてます」
セ「ローリーちゃん『は』?」
ユ「ごめんなさい」
セ「あらあら、そんな立派な体なのに小心者なのね」
ユ「言わないで下さい」
セ「どうしたの、お姉さん?」
ユ「ごめんなさい、許して下さい」

>>119
セ「ありがたい話ね」
ユ「それもこれも、読者様のお陰ですね」
セ「そうね、ここまで続けられたのも皆のお陰よね」
ユ「これからも応援よろしくお願いします!!」
セ「来週も見てね。貴方のハートを一刀両断『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』でした」
173ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/18(日) 00:40:55 ID:odvmEVsa
今回はこれで終わりです

幼女のネタが尽きそうなので、敵キャラ募集
174名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 02:11:20 ID:0v94zw1G

・念力を使う盲目サイコ幼女
・水中専用スク水幼女
・機動性特化ブルマ体操服幼女
・ビームが飛び出るメガネ幼女
175名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 22:41:24 ID:mFfRmK7s
>>173
GJ!
今回そんなにCrazyじゃなかったな。
つ・スク水ランドセルで軽機関銃乱射幼女。弾はランドセルからベルト給弾で。
ホーリーブラウニーだかにいたな。
176名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 01:28:23 ID:gP9HN3Tp
ええい幼女しかおらんのか!
177名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 17:54:20 ID:IWI76tu/
>>173
つ チェーンソーを持った不老(不死ではない)の女
178名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 19:07:01 ID:SB4Jg24+
眼鏡をかけたミツアミの委員長的な幼女
179名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 22:56:44 ID:QJWweF63
てめぇら思いっきり趣味出しやがって、少しはロボさんのことも考えろ




ポニテ看護婦幼女
武器は巨大注射
180名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 12:36:06 ID:QpLwHliG
みんな気をつけろ!
このスレを見ているとロリインフルエンザに患かるぞ!
181名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 02:11:01 ID:3LK6u4nh
         (<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: 、
      〜〈/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
       〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<、    ど ロ こ
     ~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,)   も リ の
  、_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ===く:::::::,:::::ヽ  め コ
    `V::::::::::::::::::::、_γ      `ヾ,_ < ! ン
     l::::::::::::::::::::::く(   r,J三;ヾ   )> く,
 〜v,ん:::::::::::::::´:::::::=; {三●;= }  ,=ニ `/l/!/⌒Y
     l:::::::::::::::::::::::::::::ゝ≡三=イ ´::::゙:::::::::::::::::::::::::::::::
 、m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 ´ " ~ ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


つリコーダー音波攻撃幼女
182名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 03:30:21 ID:IimEn6hD
183名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 03:32:41 ID:OBj5RVO0
>>180大丈夫だ。こんな事もあろうかとある薬を用意しておいた。








つ熟女萌えタミフル
184名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 23:09:39 ID:duQsb+7N
投下しますよ
185『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:11:07 ID:duQsb+7N
「会長、また部室が」
「はいはい」
「変態の大群が」
「いつものことだろ」
「エニシ先生の」
「言っておきます」
 生徒会長の職についてからというもの、ひっきりなしに注文が来る。予想はしていたが
これ程とは思わなかった。中にはどうでも良いと思えるものも混じっているが、千差万別
意見を引き受ける以上は全てを等しく扱わなければならない。こうしているとホウ先輩が
どれだけ偉大なことをしていたのか分かる、会長に立候補してから何度も思ったことだ。
苦情の処理や悪い部分の管理、それだけではない。その他にも予算の編成や各活動に対し
チェックを入れて、許可を出したり何やらしたり、息つく暇もないとはこのことだ。以前
はゆったりと時が流れていた放課後も、今では一瞬の内に過ぎ去ってしまう。一通り意見
を紙に書いて提出してもらうようにしているが、それでも中々の量だ。
 全ての書類に目を通してみると、あることに気が付いた。
「なぁ、ミチル」
「ん?」
 部費の使用目的の検査を頼んでいたミチルに声をかけると、間の抜けた声で答えられた。
どうやら既に終わって暇を持て余していたらしい。普段やることは馬鹿なものが多い癖に
頭は良いらしく、こちらは助かっている。
 助かっているが、
「お前に対しての苦情が何だか多い気がするんだがよ」
 そう、ミチルの数々の暴走は生徒会長として無視をするには不可能な数になっていた。
勿論全体に比べたら一割にも満たない数だが、こうして忙しい状況では少しでも問題点を
減らしたいと思うのだ。ミチルを取り敢えず人間の姿であることを条件に生徒として編入
させたのだが、いかんせん元は野生の動物。人間の生活を長年見てきたと言っても、基本
が出来ていなかった。ここの生徒も野性的な部分が多いが、それも一定のルールに従って
行動をしている。ミチルの場合は、それが出来ていない。
186『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:13:04 ID:duQsb+7N
 例えば昼休みの学食での事件だ。非常に混むので競争率が高く、他の生徒を退ける為に
殴るのまでは暗黙の了解となっているのだが、ミチルは過剰になっている。亀なので気が
長いと思うことなかれ、あまりの混雑ぶりに、他の生徒を片っ端から殴り倒してしまった。
退けるのではなく、文字通り一人ずつ殴って、ダウンさせてしまうのだ。こんなことは、
あの『暴君』でもやらない。生徒会長になって知ったことだが、『暴君』は寧ろ人よりも
ルールを守って生活していた。意外な事実だ。
 それだけではない。
 それだけならば注意をするだけで済む話だが、問題の大部分は魔法の暴走にあった。
「何とかならんのか?」
「そう言われてものぅ、こればかりは」
 やはり駄目なのか、と思い溜息が溢れてくる。これは悪意がある訳ではない、というの
は分かっている。何しろ勝手に起こってしまうから暴走なのだ、だから注意をしても何の
意味もない、というのは頭では理解しているつもりだ。だが事態は洒落にならない方向に
展開するかもしれない、そんな不安からつい尋ねてしまう。
 僕個人の話をするのなら、もう引き返せない場所まで来ているからだ。
「うぁ、思い出しちまった」
 思えばあれは一週間前、一真とヤってしまったことだ。男の幼馴染み二人と関係を持つ
なぞ、社会の倫理が許してくれないだろう。穴兄弟、竿姉妹なぞという言葉が世の中には
あるが、竿兄弟などという反社会的にも程がある単語を作ってしまっては、いくら何でも
堂々とお天道様の下を歩けない。それにかなり気不味かった。一真は特に気にした様子は
無かったようだが、あの後僕は暫く一真と目を合わせることが出来なかった。同じような
体験をした水樹は何が起こったのか気付いていたようで、そちらにも避けられていた。
187『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:14:07 ID:duQsb+7N
「もう、あれは勘弁だ」
「んー、儂も何とかしたいのは山々なんじゃが」
 腕を組んで頭を捻る。
「魔法で何とか出来ない?」
 書類のファイル綴じを終えたらしいツルが、お茶を置きながら尋ねてきた。その言葉に
ミチルは渋い顔をして、湯飲みから一口飲んだ。今の話とは関係無いが、その姿はやけに
板に付いている。日本人離れした体型なのにお茶が似合っているのは、純和風エロス的な
独特の雰囲気があるからだろうか。
「どうした、乳ばかり見て? 揉みたいのか?」
 頷こうとしたが、ツルの湯呑みが今にも割れそうな程に悲鳴をあげているので首を振る。
「じゃが、揉むのが正解かもしれんぞ? 魔法の話じゃが、暴走の原因は魔力が切れかけ
なのが原因かもしれん。だから、補給をすればあるいは」
 何の話か分からない、といった表情でツルが視線を向けてきた。そのあどけない表情と
いったら、まるで汚れを知らない天使のようだ。毎晩無垢とは掛け離れた行為をしている
ものの、未だに純な存在であることを僕に教えてくれる。
 そんな天使ガールに、こいつの魔力の補給方法を教えても良いのだろうか。
 そんな疑問が頭に浮かび、考える。
「早い話が、一発キメるということじゃ。いや念のため、もう二発くらいは」
 このエロス亀め、僕が悩んでいたのにバッサリ行きやがって。
 心が綺麗なツルはどんな意味なのか一瞬首を傾げたが、意味を理解したらしく物凄い目
を僕に向けてきた。例えるのならば永久凍土の僻地、何者も存在を許さない氷の目だった。
「ねぇ、何回したの?」
「一回だけじゃぞ? キメたのは口で一発、股で一発の計二発じゃ」
 今度はミチルが睨まれる。
188『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:15:50 ID:duQsb+7N
 そして一瞬後、ツルは久し振りに見る酷薄な笑みを浮かべた。どこまでも冷たい視線は
そのままに形の良い眉を意地悪く吊り上げ、頬は皮肉気に歪んでいる。三日月型に変形を
した口から発せられる声は、軽蔑と憎悪を多分に含んだ、人を際限なく突き放すもの。僕
がツルと付き合う以前、幼い頃から見てきたものだが、今回は意味が違う。昔のものは、
照れなどが理由で敢えてやっていたことだ。だが今回のものは、まさに取り付く島がない、
自分から遠ざかろうとするもの。僕にとっては、死刑宣告にも等しいものだ。
「良いわよ、別に。ミチルはカメのペットだし、亀同士仲良くやれば良いじゃない」
 鼻を鳴らし、僕から視線を外すとツルは適当なプリントに手を伸ばして仕事を再会する。
まるで気にしていないとでも言うように、ごく自然な様子で。
「なぁ、ツル」
「何? 私は今、とっても忙しいの」
 わざとらしく『忙しい忙しい、あら大変だわ』などと言いながら、ツルはプリントに筆
を滑らせてゆく。淡々と作業を進め、一山を終えたところで漸くこちらに視線を向けたか
と思えば露骨に溜息を吐き出して、
「あら、まだ居たの? 帰ってても良かったのに。会長様は、もっと大切な用事があるん
じゃない? 問題を減らす為に、ミチルと何発もキメなきゃいけないんでしょ?」
 吐き捨てるように言って、次の書類の山に視線を落とした。
 これは、どうすれば良いのだろうか。
 今までに無かったパターンだ、どう対応すれば良いのかが分からない。会話をしようと
しても先程のように突っ撥ねられるし、挙げ句の果てには邪魔者扱いだ。近寄ろうと立ち
上がれば鋭い目を向けられ、一歩進めばバリケードのように書類の山を壁にされる。
 ふと、突然思い出したようにツルは顔を上げた。
「カメ、味噌と醤油どっちが良い?」
189『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:16:43 ID:duQsb+7N
「え?」
「やぁねぇ、晩御飯の話よ。カップ麺で良いでしょ? それとも」
 意地の悪い笑みを強いものにして、
「ペットフードの方が良い?」
 何て、えげつない。
 あまりの惨さに一瞬思考が停止してしまう。
 だから、気付かなかった。
「ちょっとアンタ、何してんのよ!?」
「ん? 乳を揉ませてるだけじゃ、気にせんでも良い。どうでも良いと言ったのはツルの
方じゃろう? 儂らは儂らで楽しむから、そこの仕事を片付けておれ」
 この手に当たる感触は、間違いなくミチルの乳だ。揉んだのは実に久し振りだが、言葉
にするのも畏れ多い。乳はそれぞれが素晴らしい個性を持つものだと思っているが、この
弾力は何に例えたら良いのだろうか。違う、例えるのなど愚の骨頂だ。乳は乳であるし、
ミチルの乳はミチルの乳でしかない。
「それが、真理というものか」
 理解して、次は生で触れようとした直後、
「いい加減にしなさいよ!!」
 衝撃。
 肋骨が折れ、肝臓が潰れるかと思う程の勢いで脇腹にドロップキックが叩き込まれた。
あまりの痛さに真理の先にある楽園にまで辿り着きそうになったが、慌てて意識を戻して
蹴りの主を見る。可愛い水色のパンツを丸出しながら着地したのは、頬を赤く染めたツル。
「アンタねぇ」
 ツルは仰向けになった僕に大股で近寄り、
「仮にもね」
 腹に乗ってマウントを取り、
「私の彼氏なんだから」
 頭を掴み、
「寂しい思い、させないでよ!!」
 唇を重ねてきた。
 強引に引き寄せるようにしてのものなので、前歯が当たって軽い音をたてる。だがツル
は構わず何度も口付けを続け、やがては目尻に大粒の涙を浮かべて、
「ちょっと待て、痛い痛い」
 甘い筈の口付けは、何故か頭突きの応酬へと変化していた。
「ミチル、別にカメと何発キメても良いわよ」
 ツルはミチルに例の笑みを向け、
「条件があるけどね」
 言いながら、何故か僕のネクタイを掴んで揺すってきた。
190『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:18:45 ID:duQsb+7N


 吹っ切れた人間というのは、限界などを軽く突破してしまうらしい。今のツルの様子を
見て、そんなことをしみじみと考えてしまう。それだけ今の姿は強烈だ。
 漢字一文字で表せば『裸』、要は何も身に纏っていないマッパ状態のツルが僕とミチル
の前で仁王立ちをしていた。普段の羞恥心はどこに消えてしまったのか、胸や無毛の股間
を隠そうともせずに、超完全露出状態でこちらを見下ろしている。
 ツルが僕とミチルに出した条件は、直接補給をしないというものだった。
 分かりやすく言えば、僕がミチルを相手に射精することを禁ずるというもの。但しツル
を相手に出した後で、それを飲むのは許可するというものだ。魔力の補給には僕の精液が
必要となるのは仕方がないという理由で、3Pをするという誰も予想しない結果となった。
 ツルは考えが決まれば即行動を開始するタイプで、キリの良いところで書類整理を終え
たと思った瞬間には首根っこを掴まれていた。そのまま夕食の買い出しをすることもなく
真っ直ぐに帰宅し、リビングに放り込まれた僕が目を向けるとツルは既に全裸状態だった。
 今の状況までの経緯を掻い摘んで言うと、このようなものになる。
「脱ぎなさい、カメ」
 そう僕に言いながら、ツルは強引にシャツを掴んで脱がしにかかってくる。今の言葉は
自主的に行動しろという意味があった気がするのだが、これではまるで追剥だ。いつの間
に日本語の意味が変わったのだろうか。
「愛されてるのう」
 呑気に言いながらミチルがシャツを脱ぐと、豊かな胸が揺れながら姿を現した。親の仇
を見るような目でそれを見て、今度はミチルの服を脱がしにかかった。ツルが服を強引に
脱がせてくる、という夢のようなシチュエーションが消えたのは残念だが、ツルがミチル
の服を脱がすという状況もまた捨てがたいものがある。特に、もう何も着けていないにも
関わらず執拗に胸を責めているときなどは、世界平和という言葉の意味の片鱗を感じた。
全世界でこのようなファンタスティックな光景が繰り広げられるようになる瞬間、それは
間違いなく真の世界平和が実現するときだろう。
191『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:20:25 ID:duQsb+7N
 まずは、小さな一歩から。
 頷き、ミチルのパンツに手をかける。
「いや、待てよ」
 安易に脱がしても良いものだろうか。ツルはもう脱いでしまっているので仕方ないが、
ミチルにはまだ無限の可能性がある。脱がさずに行為を続行して最後の最後で脱がすのか、
それとも最後まで脱がさずに終わるのか。どちらもそれぞれ趣や良さがある、択一するの
はかなり難しい問題だ。こんなときは心を落ち着かせて、自らの無意識に従うのが良い。
「清く、正しく、いやらしく!!」
「矛盾してる上に清くないわよ!!」
 ツルが何か言ってくるが、僕の心は決まった。
 ミチルのパンツを脱がすと、割れ目に舌を這わせる。ツルの愛撫で既に少し湿っており、
僅かに塩味が口の中に広がった。体を強張らせて太股で顔を挟まれるが、抵抗と言うより
興奮剤としての力の方が強い。弾力のある肉感的な感触、冷たくすべすべとした肌、その
どれもが気持ち良い。尻をしっかりとホールドして舌を奥まで潜らせ、味わうようにして
内部を責めると甘い声が漏れてくる。普段のどこかとぼけたような、クールでハスキーな
声が色を帯びていることが、より気持ちを昂らせる。
 普段はあまりしないが、わざと大き目の音をたてて割れ目を吸い、乱暴に舌を跳ね回す。
尻の穴の周囲、皺の一本一本をなぞるように舐め、ほぐすように穴の入口を舌先で叩き、
物欲しそうに動き始めた穴の中へと滑り込ませてゆく。
「カメ、そっちは、違う」
 一旦口を離すと手指で尻穴を掻き混ぜながら、拭うように割れ目に舌を滑らせる。愛液
で濡れた太股を丹念に吸い、舐め、再び尻穴から上へと舌を伸ばす。充血して固くなった
クリトリスを歯を軽くたてて噛み、次は逆に優しく舌で包んで愛撫する。
192『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:21:21 ID:duQsb+7N
 ツルが相手ならば、この時点で既に三回は達しているところだ。ミチルもそこまででは
無いようだが、大分感じているらしい。まぁ本気でやっているので、無反応だと逆に僕が
酷く落ち込んでしまうのだが。ミチルが不感症な亀ではなくて良かったと、我ながら何か
妙な感想が沸いてくる。
 そんなことを考えながら尻の肉を揉んでいると、胸をいじるのに飽きたらしいツルが体
を起こすのが見えた。何をするつもりなのかと思っていると、
「ほら、自分ばっかり気持ち良くなってないで」
「あ、ツルは止めた方が」
 僕が言い終わる前にツルはミチルの顔を跨ぐと股間を口に近付けた。僕と向き合う姿勢
なので強気の笑みが見えるが、それも短い間だろうと思う。
「や、そこは、駄目」
 案の定、最初は余裕のある顔をしていたのだが、幾らもしない内に脱力して倒れ伏して
しまった。ミチルの股間に顔を埋めていた僕と、至近距離で目が合う。
「言わんこっちゃない」
 そもそもツルは、すぐに半マグロになるくらいに感度が高いのだ。そんな体質のツルが
テクニシャンのミチルの舌にかかったら、駄目になってしまうのは自明の理だ。僕の愛撫
で少しは体の動きも鈍っているようだが、それでも尚技術は凄いものだろう。組み合わせ
が悪かったとしか言いようがない、ツルからしてみれば殆んど皆が天敵だろうが。
 それなりに濡れてきたことを確認し、既に固く勃起していたものの先端をミチルの股間
の割れ目に当てた。馴染ませるように上下に擦っているだけなのに、とても気持ちが良い。
今にも飲み込もうと入口が軽く開閉し、気を抜けば一気に突っ込んでしまいそうになる。
 だが、入れて良いのだろうか。
 いつもの癖でこのような体制を取ってしまったが、判断に困った。ミチルを相手に出す
のはルール違反、それは行為の前に聞いていたので分かっている。だが過程の部分は特に
決めることなく速攻で開始してしまった為に、詳しい部分が分からない。ミチルはすぐに
でも入れて欲しそうな切ない瞳で見つめてくるが、この場でのジャッジはツルの役目だ。
193『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:22:42 ID:duQsb+7N
 焦点の合っていない目で喘いでいたツルは、こちらをぼんやりと見上げると力のない、
いやらしい笑みを見せた。どうやら相当出来上がっているらしい。ツルは口の端から唾液
を垂れ流しながら僕のものに小さくキスをすると、生々しい音をたてながら手指でミチル
の割れ目を開いた。溢れ出した密が指先に絡み付き、ツルはそれを美味そうに舐める。
 これはつまり、大丈夫ということか。
 遠慮無しに一気に奥まで打ち込むと、その衝撃で達してしまったらしく、ミチルの体が
大きくのけぞった。途切れ途切れの呼吸に合わせて、連続で僕のものを締め付けてくる。
連続で腰を動かすとそれは更に強いものになり、飛び散る愛液がシーツや太股だけでなく
ツルの顔をも濡らしてゆく。その光景に、腰の動きが止まらなくなってくる。
 それだけではなく、ツルは顔に付着した体液を拭おうともせずに僕のものに舌を這わせ、
唇で甘く噛んでくる。ミチルがひたすら喘いで動けない状態なので、少し余裕が出てきた
のだろう。僕のものを口で弄びながら、ミチルの尻やクリトリスを責めている。数ヵ所に
与えられる刺激に体をくねらせながら、ミチルは精液を吸い取ろうとひだを絡ませる。
 まだ若干の余裕はあるが、ミチルから竿を引き抜くとツルの体を反転させ、とろとろに
なっている割れ目に挿入した。体の相性が良い、と言うのだろうか。ミチルの中もかなり
気持ちが良かったのだが、やはりツルに入れているのが一番しっくり来る。このフィット
感といい適度な締め付けといい、僕にはツルが一番だ。
 だからだろう。早漏だとは思いたくないが、瞬く間に射精感が込み上げてきた。どこに
出そうかと迷ったが、ツルは毎回の如くひたすら半マグロ状態で喘いでいるのでジャッジ
を受けることが出来ないし、ミチルの方も同じような状態だ。
194『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:23:44 ID:duQsb+7N
 考え、結論し、僕はいつものようにツルの膣内に放出する。だが滅多に出来ない経験を
したからだろうか、それだけでは収まらずに抜いた後も幾らか出してしまった。ツルは目
を細めると竿にしゃぶり付き、唇でしごいて最後の一滴まで絞り出してくる。
 そして次の瞬間、驚く光景があった。
「や、ミチル、そんなに吸ったら」
 ミチルはツルの股間に吸い付くと、溢れ出してきた精液をすすり始めた。仰向けで脱力
したツルの割れ目を、愛液の名残りすら残さないというようにに吸い、音をたてて飲んで
こちらに笑みを向けてくる。僕に何かを伝えるように妖しい笑みを浮かべたまま紅い舌で
唇の周囲に着いた精液を舐め取り、やがてそれはツルの唇へと向かっていった。
 舌を絡める濃厚なキス、それでツルの口の中にあるものを絡め取って飲み込んで、幸せ
そうな吐息を溢した。その姿は、恐怖を感じる程に綺麗だった。
「のう、カメよ」
 幻想に作られた芸術も一瞬で終わり、ミチルはこちらに視線を向けて首を傾げた。
「今気付いたんじゃが、特定の相手に意思を向けずにマスをカクという手段も」
「無理だ」
 僕も最初に思い付いたことだったが、それには無理がある。
「エログッズは、ツルに禁止されてるんだ」
 脳内の相手を追求されて藪蛇になる訳にもいかず、だから諦めたのだった。
「難儀じゃのう」
「そう思うなら、少しは人間のルールを守ってくれ」
 言って、僕は溜息を吐いた。
195『ツルとカメ』×30:2007/03/21(水) 23:26:24 ID:duQsb+7N
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は4つのレスと、三枚の葉書です!!」
亀「ゲストはミチル、二度目の登場!!」
満「何故ツルではないのかのう?」
>>150
水「どこまで?」
亀「真面目に答えると、作者の気の済むまでだろ」
満「本音はどうかの?」
亀「それは訊いたら駄目だ、主人公失格になる」
水「うわ」

>>151
水「これからはどうなんだろ?」
満「今回はガッツリ補給したからのう、もう暴走は」
亀「と言うか、僕は嫌だ。何が悲しくて女体化をせないかんのだ」
水「極悪だね」
亀「これが主人公補正だ」
満「だがプロットでは、何やら危い気配が」
亀「嘘だろ!?」

つ[]これから友達突き合いが〜
亀「そうだよ、気不味かったよ!!」
満「すまんのう」
亀「まぁ、今更だけど」
水「でも一番気不味かったのはあたしだよ?」
亀「すまんかった」

>>153
亀「まだオウ先輩や円谷さんが居る」
水「その答えって二度ネタじゃない?」
満「と言うかコンプリートする気かの?」
亀「まさか」
水「何で汗が凄いの?」
亀「熱いからだよ!!」

>>155
亀「あるある、かなりある!!」
水「作者は79氏の大ファンだしね」

つ[]次は当然一真×水樹ですよね?
満「どうかの?」
亀「どうなんだ?」
水「無いよ!!」
亀「実際なったら引くどころじゃないだろうな」
水「でしょ!?」
亀「でも作者はリクエストに弱いからな」
満「少しずらして書くだろうけどの」
水「無いよ、絶対に無いからね!?」

つ[]水樹&一真×カメですよね?
水「何でアレな質問ばっかり」
満「どうかの?」
亀「性別にもよるな。僕が男だったらまだ良いけど、女なら二穴責めか……嫌だ!!」
水「あたしも嫌だよ!!」
亀「つまり、無いな。無いよな!?」
水「そうだよね!!」
満「随分と必死だのう」
亀「うるさい、この話は終わりだ!! 来週は久し振りにセンスの話、ビバ金髪巨乳外人!!」
水「次も見てね、それではまた!!」
196ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/21(水) 23:28:06 ID:duQsb+7N
今回はこれで終わりです

ギャグが少なめでした
次のヘドロさんでは、もっとはっちゃけます
197名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 23:29:49 ID:mC7A3Hi1
>>196
RT誰GJ!
Crazy worldはどこまでも加速して逝く……。
198名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 03:57:03 ID:AXBzyLTr
>>196すげえエロいぜGJGJGJィ!
そして次は女体化亀が鶴とレズプレイ中に男体化センスと一馬に亀が両方を貫かれて、さらにみちるも男体化し亀がそれをしゃぶらされてる所にふたなりコイがきて鶴に挿れてさらに男体化ホウオウズがきてコイの前後に挿入するという混沌カオスストーリー
199名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 16:54:00 ID:7a85wy4G
最近の質問コーナーにおける水樹の必死さに涙が出てくるw
そこでカメ&水樹、君達が悩まずに済む方法が一つある…

作者に一真×チーちゃんをリクエ(ry
200名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 17:28:23 ID:4Ru0CuDS
GJ!なんか生々しいな(笑)

つ[]一真のショタ化マダー?
201名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 23:53:45 ID:6vPPbvsa
GJ!!
ツルが可愛い過ぎる!!

つ[]天然金髪でも下の毛は黒い人が居るらしいけど、センスの下の毛は何色なの?
202名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 21:49:40 ID:eawUr8Wc
投下しますよ
203『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 21:51:13 ID:eawUr8Wc
第4話『白銀の真実』


 突き抜けるような青空の下、幼女が砂浜を走り回っていた。と言っても監獄都市という
場所の性質上、脱獄の可能性も無いという訳ではないので、本物の海と接しているという
ことは無い。幼女が元気にはしゃぎ回っている場所は人工の砂浜であり、更に詳しく言う
ならばアミューズメントパークの一角であった。
 水芸エリア『エン・ドルフィン』、幼女の最近のお気に入りの場所である。
「ぱぱ、早く早く」
「こら、そんなに走ったら危ないぞ」
「大丈夫だよ」
 言った側から幼女、サユリは転びそうになった。だが地面に体を打ち付けることはなく、
背後から伸びてきた太い腕によって支えられる。サユリは腕の主を見ると、口元を緩ませ
笑い声をあげた。それを見て腕の主、虎蔵も笑みで応える。
 今日、虎蔵は久々の休みを取って娘と一緒に遊びに来ていた。管理局員も公務員である
のだが、仕事の性質上、土日が休みという概念は無い。なので、平日に来るという結果に
なったのだが、虎蔵は幸運だと思っていた。下手に休日に来て混雑の中でサユリに苦労を
させるよりも、こちらの空いている日に自由に遊ばせる方が良いという考えだ。視線を回
してみても若いカップルや家族連れがそこそこ見えるだけの状況に、虎蔵は安心をする。
「サユリ、次はどこに行きたい?」
「あそこの流れるプールが良い!!」
 指差した先にあるのは、大型の回転プールだ。頷くと、サユリを抱えて歩く。
「あ、良いなぁ」
「どうした?」
「あの水着、欲しい」
 不意に固定されたサユリの視線を辿って見ると、若い家族連れが見えた。セリスが死に
母が居なくなったので、両親が揃っている家族が羨ましくなったのだろう。そう判断した
が、どうやら違ったらしい。羨ましがっている理由は、その家族連れの娘が着ている水着
だったようだ。デザインは普通のプリント付きワンピースだが、そのプリントがサユリの
心を捕えたらしかった。だが逆に、虎蔵は落ち込んでしまう。
204『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 21:53:03 ID:eawUr8Wc
「いつの間に売ってんだよ」
 プリントされていたのはマジカル☆ヘドロ、虎蔵の変身した後の姿だ。虎蔵が変身する
事実を知らないが、サユリはマジカル☆ヘドロの大ファンだった。父がそんな格好をして
変態機械人形と戦っていることを知られたくないので、虎蔵は黙っていたが、それ故に今
はどう対処して良いのか分からずに苦笑を浮かべてサユリを見る。
「今のやつの方が可愛いぞ?」
「ぱぱは、こっちの方が良いの?」
「そうだな」
 言って頭を撫でると、サユリは擽ったそうに首を縮こまらせた。その可愛いらしい仕草
に虎蔵の瞳が一瞬だけヘドロのように濁るが、見られてはいかんとすぐに戻る。家族を誰
よりも愛する虎蔵は、決して身内には暗黒面を出したり見せたりはしないのだ。逆に身内
以外に対しては何の遠慮も無く見せているので暗黒刑事という不名誉な称号が付けられて
いるのだが、そこはそれ、家族でも何でもない相手からの言葉なので多少は気にしながら
も、華麗に無視をしている。
 流れるプールに着くと、サユリは浮き輪を抱えて飛び込んだ。歓声と水しぶきをあげて
遊ぶサユリを、虎蔵は持参した最新式の超高性能防水カメラで激写する。ムービーと同時
に写真も撮れるという機能も付いているカメラは、僅かな時間で容量を最大にする。
「畜生、まだ足りねぇ!!」
 バミューダパンツのポケットに記憶装置をしまい込み、一瞬で付け変える。
「ぱぱ、ちゃんと撮れてるぅ?」
「勿論だ!! 宇宙で一番可愛いぞ!!」
 二個目の記憶装置も満タンにして三個目に付け替えようとしたが、演出の一つである風
によって虎蔵の掌から溢れ落ちた。防水加工をしてあるので水に落ちても平気だが、娘の
姿を見る時間が減るのは不味いと判断し、慌ててしゃがみ込んだ。
 衝撃。
「おぅ、すまん」
 虎蔵は身近に立っていた少女の股間にうっかり顔面が正面衝突。柔らかな感触と塩素の
匂いで、昔セリスと遊びに来たついでに激しくプレイしたことを思い出したが、すぐに我
に帰ると白のビキニの主に謝ろうと顔を上げた。こんな場面で時間をロスするのは、虎蔵
の望むところではなかった。
205『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 21:53:59 ID:eawUr8Wc
 直後。
 虎蔵は硬直した。
 ビキニが似合わない小柄でスレンダーな体に、金色の長い髪。青く大きな瞳が魅力的な
顔には、冷静な笑みが浮かんでいる。開きかけた口からは間も無く酷い言葉が出ることを、
虎蔵は今までの経験で知っていた。それが彼女の、一番の特徴である。
 リリィ・ムーンブレア、魔法幼女変態のシステムを作った少女だ。
「楽しそうですね、そんなに濁った目をして……気持ち悪い」
「リリィちゃん、おまたせ……きゃあ虎蔵ちゃん来てたの!! 愛の力ね!!」
 僅かに遅れて、薫がやってきた。その姿を見て、虎蔵は露骨に眉根を寄せる。リリィが
白いビキニを着ていたのは、似合わないが許容範囲だった。だが薫のものは完全に範囲外、
娘にも見せてはならないと思い力任せに脇腹を殴りつける。
 薫が着ていたのは、属にブーメランビキニというもの。しかも幅が以上に狭く際どい、
少しでも波に揉まれれば大事な部分が見えてしまいそうなものだった。色も気合い充分な
ものでゴールドの地にシルバーのラメ入り、どんなアピールなのか中心部には派手な真紅
の薔薇の刺繍が施してあった。魔法幼女プリント水着を見たときとは、また別の驚きだ。
「で、お前らは何でここに来てんだ?」
「新しい機械の導入をするから、立ち会いを頼まれたのよ。詳しい人が居ないらしくって」
 妙なポーズを取り薫が答えると、虎蔵は吐息をした。
 が、すぐに娘のことを思い出し、記憶装置を探し始める。今の会話で大分時間を食って
しまった、結構離れた場所で流れている娘の姿を見て虎蔵は焦る。
「はい、ヘドロさん」
「おぅ、悪いな」
206『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 21:55:57 ID:eawUr8Wc
 珍しく素直に記憶装置を渡してきたと思ったが、リリィは虎蔵が手を伸ばしてきた瞬間
に眉根を寄せ、その腕を掴んで持ち上げた。何かを決意したような表情を見せて、
「この人、痴漢です!!」
 叫んだ。
「馬鹿野郎、俺が何をした!!」
「私の股間に顔面ダイブしたじゃないですか」
「ありゃ事故だろ!! それに毛も生えてねぇガキに欲情するか馬鹿!!」
 振りほどこうとするが、何かの特殊なプログラムを使っているのかリリィの腕は外れず、
その間にもサユリはどんどん離れていっている。機械人形と戦ったときよりも大きな焦り
を感じ、虎蔵は苦い表情を浮かべた。あれだけ可愛い娘だ、もしかしたら妙な男にナンパ
されたり、悪戯されたりするかもしれない。そんな考えが思い浮かび、動けない体とは逆
に、気持ちだけが加速してゆく。瞳の濁りは、もはやヘドロを超越した暗黒物質の色だ。
 我慢の限界が訪れ、魔法幼女に変身しようかと考えたときに急に腕のロックが外された。
「リリィちゃん、レディはそんなことするもんじゃないわよ?」
 薫が外してくれたようだった。例え変態だとしても、リリィの上司を勤めているだけの
ことはある。技術開発に関しても飛び級で入ってきたリリィばかりが注目されているが、
薫は実力主義の管理局でリリィの上に立つ男であるのだ。伊達で開発課の課長をしている
のではないのだな、と虎蔵は改めて感心する。
「ほら、虎蔵ちゃん。サユリちゃんが来たわよ?」
「ぱぱ、お腹すいたぁ」
「よしよし、何が食いたいんだ?」
 サユリを抱き上げ、虎蔵は一つ思い出した。

「おい、魔法幼女の版権はどうなってるんだ?」
 虎蔵が指差した先に、先程の親子連れの姿があった。
「あれはウチから出したものなので、何の問題もありません。因みに売り上げは新装備の
開発費に回されているので、魔法幼女公開状態にも安心して下さい」
「出来んわ!!」
 我儘な中年ですね、と呟いてリリィは歩き出した。三歩進んで振り返り、
「早くして下さい、これから食事でしょう? 勿論ヘドロさんが奢ってくれますよね?」
207『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 21:56:52 ID:eawUr8Wc
 あまりにも当然のようにタカろうとするリリィを見て、虎蔵は溜息を吐く。
「お前俺より給料貰ってるだろうが」
「レディはいつでも金欠なんです」
「そんなレディ聞いたことねぇよ。それに満足に毛も生えてねぇのに、何がレディだ」
 冤罪痴漢のときは気にならなかったようだが、先日のシャワー室でのことを思い出した
らしくリリィの顔が一瞬で赤に染まる。見られてしまっていたのだ、無毛の一本筋なロリ
マンコを。それはもう、ガッツリと、余すところなく。
「そ、そんなのは関係無いじゃないですか!! 体質なんです!! この変態中年!!」
「馬鹿、娘の前で何てこと言いやがる!!」
 売り言葉に買い言葉、そのまま醜い口喧嘩が始まったが、
「ぱぱ、喧嘩はメッ!!」
 サユリに言われて、虎蔵は口を閉じた。娘に言われては手も足も出ない、虎蔵はそんな
男だ。苦笑を浮かべてサユリの頭を撫でると、黙ってレストランへと向かった。
208『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 21:58:58 ID:eawUr8Wc



「御注文はお決まりデスか?」
「俺はカツサンドのセット、この可愛い娘にはチーズバーガーのオレンジセット」
 虎蔵はリリィと薫を見て、
「この二人には新鮮な生ゴミを特盛りで」
「い、良いんデスか!?」
「心配するな、喜んでガツガツ食う。こいつらはエコロジストなんだ」
 かしこまりました、と言おうとしたのだろうか、ウエイターが頭を下げた。だが言葉は
発せられることはなく、突然の物音に遮られる。重器が落ちたような大轟音の方向に振り
向くと、そこには水柱に包まれた巨大なステージがあった。
 舞台の上に立っているのは二人組の幼女、新しいユニットの宣伝用ライブかと思ったが、
ウェイターの様子がおかしいことに気が付いた。何も知らされていなかったらしく、目を
丸くしてステージを凝視している。言葉を出さず、金魚のように口を開閉させているのは
驚きからだろうか。虎蔵は一瞬そう思ったが、視界の端で捉えたもので違うと判断する。
「あんにゃろう、人の休暇の邪魔しやがって」
 ウォータースライダーの一部がステージに押し潰され、壊れていた。いくら許可無しに
ステージを出現させるとしても、ものを壊すような真似をしてはならない。寧ろゲリラで
ライブをするのなら、その辺りには尚更気を付けて行う筈だ。つまり相手は新人ユニット
などではない、更にステージ上に立っているのが幼女だということは、
「Dr.ペドめ!!」
 視線で合図を送ると、薫は頷いてサユリを抱き上げた。
「サユリ、ちょっと仕事が出来た」
「そうなの? お仕事頑張ってね!!」
 純粋に首を傾げるサユリの頭を撫でると、虎蔵とリリィはステージに向かった。
「おい、設備は足りないが……制御は出来るな?」
「ナメないで下さい。月の魔女を表す姓の意味、見せましょう」
 それで良い、と頷いて虎蔵はバミューダパンツのポケットから腕輪を取り出した。勢い
のままに腕に填め、虎の叫びを思わせる音を鳴らし、腕輪を起動させる。既に周囲の者は
全員避難をしているので見られる恐れも無く、ステージが広いので間違って施設を壊して
しまう可能性も少ない。遠慮などというものは、消えていた。
209『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 22:00:52 ID:eawUr8Wc
『FullmetalTiger:Enter;』
 跳躍しながら変身、虎蔵はステージに降り立った。
 二人の機械人形はミリア・タリアのときとは違い、外見は異なっていた。しかし服装は
共通したもの、どちらもセパレートの水着に大きなパレオを巻き、僅かに見える足元には
サンダルを履いているのが確認出来る。色はポニーテールの方が橙、ツインテールの方が
青い色をしていた。二人は虎蔵を見ると、笑みを浮かべた。
『初めまして、ノイラです☆』
『初めまして、オリーブです♪』
『『二人合わせて『ノーブラ』です、応援宜しく☆(♪)』』
「したくねぇ!! 何だその珍妙な名前は!?」
 すると突然、ステージに設置されているスピーカーからしわがれた笑い声が響いてきた。
巨大なモニターに白髪の老人の姿が映る、Dr.ペドだ。彼は歯を剥いた笑みを見せると、
『幼女にはブラなど必要無いのだよ!!』
 叫ぶ。
 虎蔵はそれを無視して、『ノーブラ』を睨んだ。変態に構っている余裕など存在しない、
ミリア・タリアとの戦闘のときは慢心が敗因だった。だから気を引き締め、今度は負ける
ことの無いよう、真剣に挑む。『ノーブラ』というふざけた名前にも、油断をしない。
 二人が動きを見せた。
 橙の幼女、オリーブが背負っているリュックから棒状のものを取り出し、
『『最初から全力でイくよ☆(♪)』』
『『DragneelSystem:Enter;』』
『BigWave:Open;(大演奏展開♪)』
『CatRider:Open;(波乗り展開☆)』
『『AirQeen:FullOpen;(女帝の空、大展開☆(♪))』』
 空から巨大スピーカーが、ステージの四方を囲むように降ってくる。それはオリーブが
吹く棒、リコーダーの音に合わせ、音を響かせた。ウーハーの利いた音は衝撃波となり、
ステージ上には嵐のような突風が吹き荒れる。
 それだけでは終わらない。
 ノイラは抱えていたボードに乗ると、風の中を滑走し始めた。荒れ狂う大気に身を翻し、
体を捻りながら高速での移動を開始する。トリックをキめ、上下に回転し、自由に空中を
泳ぐ姿は正にサーファーだ。両手に大型の水鉄砲を構え、ノイラは高い声を響かせる。
210『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 22:01:51 ID:eawUr8Wc
『イくよ☆ 一曲目、『ボインをデストロイ』☆』
 リコーダーとは思えない高速テンポの音を鳴らし、風が加速する。立体的な動きで旋回
しながら虎蔵の背後に移動、ノイラは水鉄砲のトリガーを引き絞る。撃ち出されたものは
超高圧のウォーターカッター、虎蔵はとっさに避けたが、立っていた場所は無惨にも切り
裂かれていた。それを見て虎蔵は舌打ちを一つ、苦い表情を浮かべた。
「リリィ、別タイプだ!!」
『了解です、こんなときの為に新しい装備を開発しました……勿論、魔法幼女の印税で』
『Type-W:Enter;(高速機動モード展開!!)』
 装甲が弾け、服が変わる。
 ワンピースだった服はスク水に変化し、体は薄くシャープなデザインの鎧に包まれる。
必要最低限にまで抑えられた重量と、空気力学を応用した二対の翼。脚部と背部には大型
の連重ブースターが取り付けられており、それが機動性を極限まで高めていると視覚的に
伝えていた。例えるのならば人の形をした戦闘機、音の世界の住人だ。
『WitchFire:Open;(虎箒展開)』
 コマンド入力と共に、装備が組み上がる。
 腕部パーツから射出されたロッドが連結、ブースターが外れ連結ロッドの柄尻へと結合
して生まれるのは鋼の箒だ。サーフボードのように乗ると爆音を鳴らして超加速、瞬間的
加速で一気に上空まで飛び上がった。
『ベクトルの調整はこちらで行います、ヘドロさんは好きに動いて下さい』
 返事をする前に、ノイラが打ち上げられてきた。水鉄砲は速度によるブレがないように
脇でしっかりと固定され、正確にこちらを狙っている。
 避ける。
『あ、惜しい☆ もう一発、もう一発、今度は当たって素敵な貴方☆』
211『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 22:04:04 ID:eawUr8Wc
 音頭を取りながらの超連射に苦い顔をして、僅かな差で避けてゆく。だが、徐々にでは
あるが差が縮まってきていた。機械人形であることをフル活用したノイラのボード捌きも
当然厄介ではあるが、もっと恐ろしいのはオリーブの攻撃だ。巧みに風を吹かせてノイラ
の位置を調整しつつ、リコーダー単体の衝撃波で遠距離狙撃を仕掛けてくる。元々コンビ
で戦うことを前提に作られたのではないだろうが、その連係は抜群だった。
『どうだね、虎蔵君。オリーブちゃんの笛遣いは?』
「テメェが言うとエロいんだよ変態爺!!」
 フリップをキめながら、虎蔵は眼下のモニターを睨み付けた。だがDr.ペドは楽しげな
表情を浮かべたまま指鳴らしを一つ、大きく前髪を掻き上げて笑い声を出し、
『勿論、そのつもりで言ったのだよ!! だがね、真にエロいのはオリーブちゃんではなく
ノイラちゃんだよ。さぁ、真の姿を見せてやるんだ!!』
『はーい☆』
 直後、虎蔵は自分の目を疑った。
「絆創膏だと!?」
 水着を脱ぎ捨てた下、ノイラの体は全裸ではなかった。左右の乳首とロリマンコを隠す
ように、計三枚の絆創膏が張ってある。しかも胸部分の絆創膏はガーゼの色が桃色、股間
に張ってあるものは全体が桃色なので、遠目から見れば全裸と変わりない状態だ。あまり
の驚きに虎蔵は落下しそうになったが、気合いで体勢を立て直す。
『しかも』
 Dr.ペドは一息吸い、
『防水カットバンでは無いのだよ!!』
 登場の瞬間は水に濡れていたからだろう、よく見れば端がふやけて剥がれかけていた。
それなのにノイラは強い風に身を踊らせ、寧ろ風の抵抗が少なくなったことで加速して、
勢いを増して攻撃を仕掛けてくる。
「畜生、どうすれば……せめてタイミングを」
 思い付く。
「おい、リリィ。俺が合図したら箒を戻せ」
『え!? そんなの的になるだけじゃないですか?』
「俺を信じろ」
 数秒。
『分かりました、任せます。失敗しないで下さいよ、まだ御飯を奢ってもらってないので』
「まだタカる気だったのか!?」
 叫び、だが次の連射が来たことで虎蔵は真剣な状態に戻る。
212『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 22:05:27 ID:eawUr8Wc
 狙いは、一瞬だけ。
 それまでは縦横無尽に飛び回り、相手の攻撃を回避することに専念する。焦らなくても
機会はきっと巡ってくる、その確信はあった。相手が機械人形だからこそ、起きるだろう
と思い、いつでも作戦を実行出来るように飛び回る。
『ほら、背中がガラ空きですよ☆』
「今だ」
 戻る。
 ブースターは分離をして元の場所に戻り、ロッドは連結が解かれて掌の中に収まった。
その変化の瞬間ブースターが切れたことにより大幅に減速し、ウォーターカッターは虎蔵
の隣を空しく通過していった。時間にしても瞬きすら出来ない程の短い間、それが虎蔵の
狙いだったのだ。超高速での空中戦では、一瞬という時間でも長い距離を移動する。その
基本が思考の中にあり、相手の移動の先を読んで行動する者が勝利を得る。
 虎蔵は、そのルールを逆手に取った。
 相手が高い演算能力を持っている機械人形なら、行く先も見えていただろう。ならば、
その場所から少しでもずれれば良いという話だ。わざと背後を取らせたことによる慢心も
手伝い、『ノーブラ』は見事に罠に引っ掛かった。
 虎蔵はすぐさま振り向くとロッドの先端からブレードを展開、背部と脚部のブースター
を全開で駆動させ、予想外の結果に固まっているノイラへと向かってゆく。
 すれ違うのは限りなくゼロに近い時間、虎蔵は一直線にノイラを両断した。
「残るは貴様だ、縦笛幼女!!」
 下から全力での衝撃波が襲ってくるが、唐突に一部が止んだ。
「勘違いしないで下さい、私は楽しみを潰されて縦笛幼女に腹が立ってるだけですから」
 スピーカーに突き立っていたのは白銀の長杭、そして背後からの声で助けてくれた者が
誰かを知る。理由はどうあれ、助けてくれたリィタに礼を言いながらダイブを加速させ、
虎蔵は左右の刃を袈裟掛けに構えた。
213『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 22:06:11 ID:eawUr8Wc
 振る。
 ステージを半壊させる程の衝撃を与えながら、オリーブを打ち砕いた。
「それでは、私はこれで」
『待って、リィタ』
「何ですか、姉さん?」
 もう隠す気も無くなったのだろうか、リィタは面倒臭そうに眼下のリリィを見る。
「どうして、生きているの? 貴方は確かに、あの時」
『死んだ筈なのに、ですか? 簡単です、その直前に魔法幼女プログラムを使いました。
私の意識はそちらに入り、姉さんが来たときには本物の体は死んでいたんです』
 自分の体のことの筈なのに、あまりにも冷たい声。感情をどこかに置き忘れてしまった
かのような声に、虎蔵は小さく身震いをする。リリィは戦いの前『月の魔女』という言葉
を発していたが、それは寧ろ今のような状態を表すもののように思えた。
「今の私は亡霊です、もう忘れて下さい。それと、そこの貴方」
 リィタは虎蔵を見て、
「あまり使わない方が良いですよ、戻れなくなるかもしれませんから。永遠に幼女の姿は
嫌でしょう? これは脅しではなく、忠告です。忘れないで下さいね。あ、それと」
「まだ何かあるのか」
「ヤキソバ、取って下さい」
 言われた通りに出店のヤキソバを取って投げると、リィタは小銭を投げ返してくる。
「これこれ、これが良いんですよ」
 初めて笑みを見せると、リィタは嬉しそうにヤキソバのパックを抱えて飛び去った。
『リィタ、どうして』
 リリィはリィタが去った方向を見て、ひたすら立ち尽くしていた。
214『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 22:07:38 ID:eawUr8Wc
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナー、今回は十個のレスを御紹介よ。
ゲストはノイラちゃん、ヤバい格好のままの登場なんて悲惨ね」
ノ『ヨロシク☆』

>>174
セ「随分とアイディアがある人なのね」
ノ『物は言いようだね☆ 因みに今回は話の都合で登場しなかったけど、作者が一番気に
入ったのは念力を使う娘みたい☆ 工場に居たから、後々出るみたいだよ?』
セ「そうなの?」
ノ『スクラップにはならないと思うけど……どうなんだろ?』
セ「楽しみね、破壊されるのが」
ノ『あはは』

>>175
ノ『アタシのモデルになった娘だね☆』
セ「でも絆創膏に変化しちゃって、残念ね?」
ノ『そうかな?』
セ「貴方は子供だからまだ分かんないと思うけどね。本当に残念、作者の頭が」
ノ『せめてドクターの頭が、って言わないと』
セ「あら、貴方のお父さんよ?」
ノ『やっぱり言わないで☆』

>>176
セ「リリィちゃんが居るじゃない」
ノ『メインヒロインなのにね☆』
セ「そうね、ツンデレスレだし。なのにリリィちゃんは皆スルーで」
ノ『リリィちゃん、かわいそう☆』
セ「哀れなのはノイラちゃんの格好よ?」

>>177
セ「チェーンソーは作者も好きみたいだし、不老もある世界だけどね」
ノ『アタシ達も年をとらないけど、工場には居なかったよ?』
セ「なら第三フォームの武器かしらね?」
ノ『うわぁ、やられる娘が可哀想』
セ「可哀想なのはノイラちゃんよ?」

215『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/03/25(日) 22:10:09 ID:eawUr8Wc
>>178
ノ『あ、この娘は良い娘だよ☆ 困ったときに、いっつも助けてくれるの☆』
セ「そうなの、なら毎日服装で困るノイラちゃんは大助かりね」
ノ『お洋服はいつも同じだから、違うよ? あ、でも可愛いカットバンくれるんだ☆』
セ「それを張り付けて生活してるの?」
ノ『うん。でも今回はドクターから渡されたやつを使ったけど☆』
セ「黙って捨てれば良かったのに」

>>179
セ「ポニーテール、作者は大好きみたいね。特に前髪パッツンだと喜ぶらしいわよ?」
ノ『だからオリーブちゃんはポニテだったんだ☆ でも何でアタシはツインテールなの?』
セ「被りは悲惨だからよ」
ノ『ふぅーん☆』

>>180
ノ『どんな病気なの?』
セ「貴方のお父さんが患っている病気よ?」
ノ『さっきの看護婦ロボでも治せないの?』
セ「無理よ。ウィルスじゃなく頭の病気だし、幼女が近付いたら悪化するわよ」
ノ『アタシも?』
セ「絆創膏なんて、もう末期よ? 作者の脳が原因だわ」

>>181
ノ『これがイブちゃんのモデルだね☆ リコーダー、アタシは下手だから羨ましい』
セ「今度教えてあげましょうか?」
ノ『ありがとう☆ セリスさんもイブちゃんくらい上手なの?』
セ「そうよ、虎蔵さんが喜ぶ顔を見たくて頑張ったわ」
ノ『上手だと、毎日が楽しいね☆』
セ「そうね。楽しいってよりは、嬉しいと言うか気持ち良いって感じだけど」
ノ『?』

>>182
ノ『病気?』
セ「病気」
ノ『脳の、病気?』
セ「そう、脳の病気」
ノ『治らないの?』
セ「本人の意思が大切ね」
ノ『分かった☆』

>>183
ノ『熟女萌えタミフル☆』
セ「何でこっちを見るのかしら?」
ノ『ただ訊こうとしただけだよ☆』
セ「そうなの? でも許さない」
ノ『痛い痛い痛い、カットバン剥がさないで!! 痛いよ!!』
セ「こら、『☆』が抜けてるわよ?」
ノ『やめて、痛いってば☆』
セ「あら、『☆』を付けてると何だか楽しそうね」
ノ『お願い、剥がさないで!!』
セ「問答無用☆ 次回は第5話『空の騎士』、楽しみに待ってて下さいね。貴方のハート
を一刀両断、『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』でした☆」
216ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/25(日) 22:11:24 ID:eawUr8Wc
今回はこれで終わりです

まだまだ敵キャラ募集中
これは皆さんの意見をどんどん取り入れたいと思います
217名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 10:49:57 ID:v7Vzn+Xk
>>216
12時間後の誰GJ!
Dr.ペドのダメ人間っぷりもここまでくると感心する。

つ「日本刀、薙刀、和弓を使う三つ子和服幼女」
つ「コルトSAA使いのウエスタン幼女。『私のリロードはレボリューション☆』」
つ「猛獣使いのクマ耳ふたなり幼女」
つ「自然と一体化し、銃声すら聞こえない遠距離からジワジワ追い詰める狙撃幼女」
つ「仕込み杖の抜刀術で一閃する座頭市幼女」
つ「実はギターが本体で電撃で攻撃するギタリスト幼女」
つ「千手幼女。必殺技は千手パンチ」
つ「アルゴスの幼女 ハチャメチャ大進撃!!武器はヨーヨー。マ」




ネタ切れ。
218名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 21:13:57 ID:cQWYPerl
GJ
219名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 13:29:17 ID:qSjv/Mvy
リクエストをかなり真剣に考えてみたのだがどうにも思いつかない。
普段幼女は某アニメ以外でチェックしてないせいかインスピレーションが湧かん…
ただ、俺の趣味として

一人称が「ワシ」な幼女

だけきぼん。ペド並の駄目人間でサーセンwwwww
220名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 13:55:45 ID:NupgJfy0
合気の達人でどんな攻撃もそのまま相手に返す幼女というのはどうだろう
マシンガンやビームなどでも「合気は最強だから」当たらないとか
攻撃方法?合気は護身用だからそんなものありませんがなにか?
221名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 17:10:20 ID:08zJCQZ4
ロリ嫌いな俺には辛い流れだぜ
222名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 02:33:34 ID:v/UztMhi
「おばかさぁん」と罵る触手幼女をお一つ

どこの誰かと聞かれたらスルーしよう、大きなお兄さんと約束だ!
223名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 02:40:07 ID:c/L+3D8o
ふたなり………
224ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/28(水) 20:59:59 ID:TtEnB6mf
すみません、風邪でエラいことです

作者急病により、今週の『ツルとカメ』は休載させて頂きます
でも、もしかしたら明日の夜に投下するかもです
本当にすみません
225名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 21:37:15 ID:puG3iBUk
>>224
ちょ、ロボ氏w 大丈夫ですか?
昨日まであんなに元気に投下してたのに・・・。
惜しい人を・・・。
226名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 22:39:52 ID:6ehbCbnc
>>225
殺すな。

>>224
ゆっくり幼女、間違った養生してください。
227名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 01:40:18 ID:/GAaj7Lx
>>224
べ、別にあんたに早く良くなってもらいたい
訳じゃないんだからね!勘違いしないでよ!

つ●<バファリン
228名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 08:54:07 ID:Sdl79wHW
つまり体調を崩したカメにナース姿のツルが楽しくやらしく介抱するというネタフリ?
229名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 17:28:47 ID:/GAaj7Lx
保守
230名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 01:25:59 ID:lV3HdwyT
投下しますよ
231『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:26:54 ID:lV3HdwyT
 冬休みに入り、生徒会の仕事も一息ついた。なので特にすることもなく、コタツの中で
ツルとイチャ付こうと思っていたのだが突然の来訪者が居た。正直出迎えるのは嫌だった
けれど、寒がりのツルを出して辛い目に合わせる訳にもいかない。美味そうに大量の蜜柑
を消費してゆくマイスイートハニーの幸せは、僕の幸せでもある。幸せカーストの頂点に
立っている僕の幸せは、ひいては世界中の幸せを作り出すことになる訳であり、
「早く行きなさいよ」
 思考を中断され、立ち上がる。
「あぁ、すまん。可愛い奴め」
「前と後ろが繋がってないわよ?」
 それは二度ネタだと思いながら、世界の幸福妨害テロリストに対面する為に玄関に行く。
「はいはい、今出ますよ」
 ドアを開けると、センスが居た。
「帰れ」
「何でいきなり拒否るんデスか!?」
「うっさいわ!! せっかく久し振りにツルとのんびり出来ると思ってたのによ!! 文句が
あるならコートを脱いで乳の形状を確認出来るようにしてから出直してこい!!」
 全くアメリカ人は、これだから駄目なんだ。米を食わずにパンばかり食って、そんなん
だから乳ばかり大きくなる。いや、それは関係無いか。だが関係あるならば、つまりは肉
とパンを大量に食わせてやればツルの乳も大きくなり、ついでに下の毛も生えてくるかも
しれないということか。後はハンバーガーとフレンチフライ、フライドチキンも必要か。
それさえ満たせばツルは今のバージョンから更にステージアップ、もっと素晴らしい究極
人間へと進化するのだろうか。
 衝撃。
 突然顔面に拳を叩き込まれた。
「あの、何で乳を揉んでるんデスか?」
「アメリカの巨乳文化の探求に必要なことだ」
 もう一発叩き込まれた。
 だが最近は挨拶のようなものになっているので、特に気にならない。痛みを堪えながら
中に入るように促すと、センスはコートを脱いでお辞儀をする。丁度胸の形がよく分かる
状態だし、こんな素直な部分はセンスの美徳だと思う。
232『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:28:39 ID:lV3HdwyT
 リビングに入ると、蜜柑の皮の量が倍になっていた。どれだけのペースで食ったのか、
肌が黄色に染まってしまうことを心配に思いながらコタツに入り、僕も蜜柑の皮を向く。
素晴らしきかなコタツの世界、これに入ると心が落ち着いて仕方がない。
「で、何をしに来た?」
「えへへ、ついに買ったんデスよ」
 笑みと共に見せられたのは、つい最近発売されたばかりのゲームだった。僕はゲームを
あまりしないので興味が沸かなかったが、ツルは少しだけ興味深そうにパッケージを見る。
タイトルは『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦:2nd Stage』、金髪幼女が剣を振り回し
ながら横スクロールの画面を勇ましく進んでいたCMを思い出す。同じタイトルのアニメ
のゲーム化をしたもので、原作通りならばどう考えても色物だと思うのだが、一部のコア
なゲーマーの間では流行っているらしい。センスもツルもそうだが、レトロゲーム以外は
シューティング専門だと思っていた。これの何処に心の琴線に触れるものがかったのかは
分からないが、多分女子と男子の心の差異のようなものなのだろう。因みにコイは音ゲー
ばかりで、一真と水樹は格ゲー専門、ミチルと僕は、せいぜいロシア産のパズルゲームを
気が向いたときにだけする程度だ。
 ディスクをセットすると、オープニング。ポップな音楽が流れるが、青空の下の荒野に
立っているのはスーツを渋く着こなした中年の親父だ。彼は煙を吐きながら非エコロジー
根性丸出しで煙草を投げ捨てると腕を構え、腕輪が光ると同時に幼女へと変身する。様々
な角度からカメラが入り、装甲が噛み合ってパッケージ通りのマジカルな姿へと変わる。
正直、ゲームを始める前に、この映像だけで腹が一杯になった。
233『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:30:36 ID:lV3HdwyT
 それなのに映像は続く。
 白衣を着た金髪の少女や姉ちゃんが出てきたり、銀色の魔法幼女が出てきたり、色々な
形態に変化した金髪幼女が出てきたりと画面は大忙しだ。ツルが教えてくれたことだが、
俺が白衣の姉ちゃんだと思っていた人はゲイでマゾヒストなカマ野郎らしい。これを見る
度に水樹や、アズサ先生の処女を奪ったというエニシ先生を思い出す。色んな意味で辛い
オープニングだ。しかも原作は全年齢対象の夕方アニメだというのだから恐ろしい。
 曲調はクライマックスへと入り、金髪幼女が様々な幼女と戦ったり、いやらしい笑みを
浮かべたペドフェリア老人がアップで映ったりと、それはもう地獄絵図になっていた。
 変態老人との一騎打ち、斬りかかるところで空に画面がパンアップし、漸く終わる。
「良い出来ね」
「さすがジャパニメーションは凄いデスね」
 凄いのは今のものを平然と流すテレビ局とゲーム化したプロデューサーだ、とてもじゃ
ないが正気の娑太とは思えなかった。スタッフは何を考えて倫理的にアウト確実なこれを
作ったのだろうか。もしかして、と思って見てみると、やはり織濱系列の会社だった。
 センスはツルとの二人プレイを選択し、暗黒風味の背景音と共にステージが開始した。
「なぁ」
「うっさいわね」
「気が散るので黙ってて下サイ!!」
 よほど楽しみにしていたのか、珍しくセンスが怒鳴ってくる。普段は温厚なタイプの人
が怒ると恐ろしいと言うが、今のセンスが正にそれだ。ピストルの国で育った影響なのか
真剣に眉根を寄せ、物凄い速度でコントローラーを鳴らしている。最初にゲームをやらせ
たのは僕だが、こんなに熱中するようになるなんて誰が予想しただろうか。
 それに加え、設計自体も熱くさせている原因だろう。まるで弾幕シューティングのよう
に画面に所狭しと並んでいる幼女が、鉈や鉄砲で襲いかかってくる。それをセンスの操る
金髪幼女が片っ端から切り捨てて、ツルの操る銀髪幼女が殴り倒してゆく。バイオレンス
万歳な光景で、しかも個体ごとに死にボイスがあるらしく、モニターの中は目を覆いたく
なる程に悲惨な状態となっている。この僅か数分間だけで、一生分の幼女の悲鳴を聞いた
ような気がする。いや幼女の悲鳴を聞くことなど滅多に無いから、それ以上か。
234『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:31:50 ID:lV3HdwyT
 もう見ているのが辛くなり、リビングを出た。
「ん? ミチルどっか行くのか?」
「あぁ、小腹が空いたんでの。そこのコンビニまで」
 ついでに酒も買うつもりなのだろう、外見年齢を少し高めに変身していた。アズサ先生
を基準にしたのか、かっちりとしたパンツスーツを着ているので普段のオープンなエロさ
とはまた違った趣きがある。色気を全く出さないことにより逆説的に裏の部分を感じとる
上級テクニックが必要なものだ。だが僕からしてみれば容易いもの、一瞬で半脱ぎ映像を
脳内展開。乳首や割れ目が半端に隠れているが、見えないのがまた堪らないと思う。最高
の状態はやはり半脱ぎよりも三割脱ぎだろうか。いや、それではまだ露出が多い。
「二割、否、一割か!!」
「何の話をしとるのかのう? それより、一緒に来るか?」
 特にすることもないので、首を傾げながら玄関を出るミチルに着いてゆくことにした。
それにしても革靴まで用意をしているなんて、ミチルはよく分かっている。これが有ると
無いのとでは大違いだ。ラーメンの汁&麺&具材抜きと変わらない。
「ところで、居間から何度も絶叫が聞こえてきたが何ぞあったのか?」
「新しいゲームをセンスが買ってきたんだ」
「飽きないのう。だが、羨ましくもある。儂はお主らよりも何倍も生きておるが、今まで
何の趣味も無く寝てばかりじゃった。だから打ち込めるものがあるのが、羨ましい」
 白い息を吐きながら、苦笑を浮かべて空を見る。僕も釣られて見上げるが、普段と何も
変わらない空があるだけだ。今まで生きて見てきた空、ミチルはもっと長い時間を持って
見てきたのだろう。何の気持ちも持たずに、飽きても暇を潰すものがなく。たった一人で
ずっと、無意味に空の色だけを受け入れて。寂しそうな目を見て、なんとなくそう思った。
「ミチル、お前は」
「つまらん話はしまいじゃ、しょげていてはあの娘のようになるぞ?」
 笑みが向けられたのは、円さんだった。夜勤バイトの同僚相手に告白したものの、また
振られてしまったらしく、気不味いとのことで今は昼勤になっている。毎度のことながら
不敏な人も居るものだと思う、ツルが居る僕は幸せ者だ。
235『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:32:52 ID:lV3HdwyT
 疲れた笑いを浮かべて挨拶してくる円さんに笑みを返し、店に入るとミチルは迷うこと
なく酒のコーナーへと向かう。金銭的に余裕が無い訳では無いのだが、その酒を買う金を
出しているのは僕とツルの親なので少しは遠慮というものをしてほしい。
「ミチル、バイトとかはしないのか?」
 金をせびるのではないが、訊いてみた。
「そうだのう、それもアリかもしれん。今の儂はただ飯食らいだからのう。魔法を使えば
金を増やしたり酒を作ったり出来るが、それはお縄になるんじゃろ?」
 それもそうだが、僕が言いたいのはそんな意味ではなかった。
 バイトをすれば自由な金が出来るので気を使わなくても良いだろうし、働いている内に
やりたいことが見付かったりするかもしれないと思ったのだ。邪険にする訳ではなく純粋
に思っただけなののだが、僕の言い方も悪かった。取り方によっては、結構残酷な話だ。
本気にしてしまったら、無意味に傷付けたことになる。
 だがミチルは落ち込む僕に笑みを向けると、顔の前で軽く手を降る。
「冗談じゃ、冗談。カメの言いたいことは分かっておる」
「すまんな」
 気にするな、と言いながら似たようなチューハイを見比べては首を捻る姿がなんとなく
可愛く見える。亀のくせに、本当にどこまでも人間臭い。今こそ普段のように軽い調子で
笑っているが、いつもは決して人に見せたりしない心の奥の部分を覗いてしまったような
気がして、つい頭を撫でていた。実年齢は言わずもがな、外見も十歳近くも年上だという
のに撫でたのは、それだけ近付けた気がしたからだろう。
 僕も幾つか物色し、レジに行くと円さんは笑みを浮かべ、
「優しいのね、カメ君は……ハッ、偽善者が!!」
 毒を吐かれ、舌打ちまでされてしまった。
「悲惨だのう」
 言うな、円さんも大変なんだ。
236『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:34:36 ID:lV3HdwyT
 家に帰ると、センスが一人でゲームを続けていた。どうやらボス戦らしく、今まで出て
きた雑魚幼女とは一線を画したデザインの敵と戦っている。どこかツルに似た外見の幼女
の服装はYシャツにニーソックスというもの、これを作ったスタッフの趣味が露骨に出た
デザインに目眩を覚えた。その偽ツル(仮名)が放つ枕弾を、センスは壁キックとホバーを
連続利用して巧みに回避。更にボムを乱射して、確実に体力を削ってゆく。当たり判定も
完全に把握しているらしく、どう考えても回避不可能に見える攻撃をドット避けしていた。
これは今日が初プレイの筈なのに、何故ここまで出来るのだろうか。やはりアメリカ人は
弩硬派な難易度のゲームを作るだけあって、その血が流れているセンスにも有り余る程の
才能が詰め込まれているのだろうか。
 暫く眺めている内に、ボスが撃破された。
 そこで漸く一息吐き、こちらを見て、慌てて後ずさった。
「い、いつから見てたんデスか!?」
「ボムを三連発した辺りからだな。それより落ち着いてセーブしろ」
 それより、ツルは何処に行ったのだろうか。軽く視線を回すと、夕食の買い出しに行く
というメモがコタツの上にあった。そう言えば今朝、ツルに晩御飯の内容を訊かれたとき
鶏カラと言ったような気がする。冷蔵庫に手羽先が入っていたと思ったが、缶チューハイ
をしまうついでに見るとタラコだったのに気付いた。うっかり見間違えてしまったようだ。
「悪いこと言っちまったな」
「何がデスか?」
 セーブを終えたセンスが寄ってきて、冷蔵庫の中を覗き込んだ。スカートの丈が短く、
更にずっとゲームをやっていたらしいので折り目が付いていて、屈んだ瞬間にシンプルな
緑色のパンツが丸見えになる。目に優しい色なのに目の毒光景とは、パンツの奥は深い。
237『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:36:08 ID:lV3HdwyT
「オレンジのジュースは飲んで良いってツルさんが言ってマシたけど」
 上体だけでセンスが振り向いた直後。
「何を見てるんデスか!?」
 パンツを見られるのが嫌な癖に、パンツ丸出しで顔面狙いのハイキックを打ってきた。
何とも矛盾を感じてしまうが、これがアメリカ人と日本人の差というものか。そのような
部分も無修正なモロ見えエロスワールドに直結しているのだろうか。
「国際化の為にも調べなければ!!」
 大切なことを調べる為だというのに、スカートに頭を突っ込もうとしただけで、無言で
顎に膝を叩き込まれた。脳が揺れたらしく、体から力が抜けてゆく。今までは空想の世界
の話だと思っていたが、どうやらマジモンな話だったらしい。うつ伏せなので床しか視界
に入らない状態で、溜息を吐きながらプルタブを引く音が聞こえてくる。爽やかな炭酸の
音が続けて聞こえてきて、そこで僕は疑問を持った。
「オレンジの炭酸は」
 記憶が正しければ無かったような気がする。ミチルが帰ってくるなり、残っていたもの
をラッパで全て飲んでいた筈だ。だとしたら、何があるのだろうか。冷蔵庫に入っている
ものはツルの豊胸用の特濃牛乳に、僕の好物である日本茶と麦茶。ミチルの好物グレープ
フルーツの果汁100%ジュースに、さっき買ってきたばかりの缶チューハイが数本。つまり
その中から、センスが飲んだものを推理しなければいけないということだ。
「チューハイしかねぇだろ!!」
 認めたくなかったが、認めなければならないようだ。
「おい、センス。未成年はアルコール禁止だぞ?」
「大丈夫デスよ、ジュースみたいなものデス」
 それもそうか、結構強いタイプだったし簡単には酔わないだろう。
 安堵して顔を上げると、
「えへへ、カメさん大好きデスよぅ」
 キスをされた。
 大丈夫、平常心を保て僕。アメリカではキスなど挨拶のようなものだ、だから大丈夫。
きっとセンスは酔ってなどいない、酔っていたら舌なども入れてくる筈だ。何しろセンス
は酔うと淫乱逆レイパーへと変貌するのだから。まだセーフ、まだセーフだ。
238『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:36:49 ID:lV3HdwyT
 舌を、入れられた。
 ちょっと!! この金髪巨乳アメリカ人、酔っていらっしゃる!?
 絶句し、思考が停止している間に仰向けにされてしまった。
「待て!!」
「待った無しデス」
 ジッパーを降ろされ、股間のブツが引き出され、
「おい、それ以上は」
 くわえられた。
 毎回思うが、体が動かせないのは何と不自由なことなのだろう。そうすれば少しは抵抗
出来るかもしれないのに、口の感触に思わず竿が反応してしまう。センスは高い笑い声を
あげると、それを手指で弄び始めた。ゲームで鍛えたらしい動きは、手での技術なら過去
誰がしたものよりも気持ちが良い。柔らかいタッチなのに高速で上下に扱き、たまに先端
を包むようにして変化を与えてくる。
「カメさんのスティック、ちょっと使い辛いデスよ」
 こんなときまでゲーム表現か、この娘は。
「そんなときは少しグリスを塗って、削れば良いんデスよ?」
 何の表現なのか全体に舌を絡ませて唾液を塗りたくり、胸で挟んできた。削ると表現を
するよりも、寧ろ包まれているようなものだ。ゲームで例えるなら、回数バリアを張った
状態に近いのだろうか。左右の乳で計二回、などと馬鹿な考えが思い浮かぶ。
 センスは自分の左右のボタンを擦り押しで連打しながら、僕のものを胸で扱く。手では
何度も揉んだりしているが、今のようにされるとやはり違う。温い温度で柔らかく包まれ
圧迫されるのは、さっきのようなダメージが無くても力が抜けていきそうになる。
「えへへ、気持ち良いデスか? でも、まだまだデス」
 一旦動きを止めると、少し位置をずらした。乳首が擦れるように僅かに場所を調整して、
改めて動きを再開する。さっきのも気持ち良かったが、今のものは更に良い。固くなった
乳首が敏感な部分を擦り、柔らかさだけではない刺激を与えてくる。それにセンス自身も
気持ち良いらしく、胸の先端が押し返され潰れる度に熱い吐息を溢してきた。それが舌の
動きに変化を加え、また違った快感が思考を埋めてくる。
239『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:38:08 ID:lV3HdwyT
 何度も唾液を垂れ流し、ぬるぬるとした感触が包み込む。
「うぁ、もう」
 出してしまいそうになったとき、不意に刺激が止んだ。
 センスは胸から僕のものを引き抜くと体を起こして騎乗位の姿勢になり、
「カメさんはロシアのパズルゲームが好きデシたね?」
 竿を手で固定すると、ゆっくりと腰を乗せ、
「これで高得点デスよ」
 一気に下ろしてきた。
 相変わらず愛液の量が少ないので、中のざらついた感触が強く伝わってくる。寸止めを
されていたことも手伝って、以前にセンスに入れたときよりも気持ちが良い。空手などで
鍛えたしなやかな腰か跳ねるように動く度、豊かな胸が上下に揺れる。触りたいのに触る
ことが出来ないのが、酷く悔やまれた。激しい腰の動きも悪くないけれど、こんな場面で
一番のポイントを逃すのは大問題だろう。これは揉まなければいけない、そう思うが只で
さえ満足に動かせない状況なのに、膣内から送られてくる快楽はそれを許さない。
 漸く指先が動かせた、と思った瞬間、込み上げてくるものがあった。それのせいで再び
腕を動かせなくなり、段々強くなる締め付けに声が漏れる。こちらの胸に手を付いて体を
支えてきたセンスの胸を、強く吸い出すようにしゃぶる。何箇所もマークを付けて、だが
まだ足りずに先端の突起を舌で擦るようにして転がした。
 暫く続けていたが、それも辛くなってきた。
「おいセンス、抜かないと腹にセーブデータが」
「子宮のメモリーカードは、今日は無いから大丈夫デスよ」
240『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:39:22 ID:lV3HdwyT
 そう言いながら奥まで深く飲み込んで、短いストロークに切り替えた。早いテンポで竿
の先端を連打し、子宮の入口を押し付けながら大きく腰を回す。カリ首を一周、中のひだ
が撫でてきて、ぞくりと背筋が震える。もう限界に近い、いつ出してもおかしくないよう
な状況だ。我慢したくても、センスは容赦なく僕を責めたててくる。
 出た。
「えへへ、溜め撃ちの威力は凄いデス」
 センスにとっても今のがとどめになったのか、センスはぐったりと胸の上に崩れ落ちた。
僕の胸板に押し潰された巨乳の感触が、何とも気持ち良い。起き上がってこないのを見て
みると、取り敢えずゲームクリアなのだろうか。寧ろやられたのは僕の方である気もする。
「ところで、何でそんなにゲームが好きなんだ?」
「大切に、したいからデス」
 どんな意味か、と思ったところでチャイムが鳴った。
「今日は、ここまでデスね」
 続きはハードモードをクリアしてから、ということか。
 玄関の扉が開く音がしたので、慌ててセンスからちんこを引き抜いた。
241『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:41:26 ID:lV3HdwyT
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は七つのレスと二枚の葉書、それとバファリン!!」
亀「半分がいやらしさで出来てるアレか」
水「違うよ?」
亀「ゲストは弩硬派ゲーマーのセンス!!」
セ「よろしくデスよ」
亀「何か中国人ぽく見えるな」

>>197
水「確かにブレーキは無いよね。右からアクセル、ブースト、超加速だもんね」
亀「ヘドロの方よりはマシだと思うがな。あっちにはエンジンブレーキすら無い」
セ「え? 面白いデスよ?」
亀「ゲームの話じゃないんだよ」
セ「?」

>>198
亀「ないない、これはない」
セ「って言うか男の人になるのは嫌デスよ」
水「書くときは作者が大変そうだけど、もしなったら頑張ってね」
亀「何か元気だな」
水「よく見て?」
セ「あ!!」
亀「水樹が居ねぇ!! この手の話には毎回有るのに」
水「そうなんだよ、やったね☆」

>>199
亀「いや、これは」
水「こっちで近親はちょっとね」
セ「さすがHENTAIの国デスね」
亀「いや、こっちの国でもリアルでは滅多に居ない」
水「でも虎姉妹は」
亀「スレ違いだ」

242『ツルとカメ』×31:2007/03/30(金) 01:42:35 ID:lV3HdwyT
つ[]一真の〜
亀「懐かしいな、子供時代が」
水「そうだね、色々遊んで」
亀「水樹も女装してなくてな」
セ「天然物じゃなかったんデスね」
亀「そう言えば、チーちゃんが口悪くなったのも小さい頃の悪戯が原因だな」
水「忘れようよ」
セ「それで、一真さんのナンタラは無いんデスか?」
亀「無いよ、次」

つ[]天然金髪〜
水「分かりやすいセクハラだね」
セ「その、これは、その」
亀「金色だよ、金色。下も天然金髪だった」
セ「何で言うんデスか!?」
亀「ここは質問に答えるコーナーだ」
水「妙なところで正論を」
>>225,226,227,229
亀「以下、作者のコメント」

心配ありがとうございます
>>225でもある通り某二次スレに投下した後なので、こちらをないがしろにしてしまった
ような気がして、本当に申し訳ない気持ちで一杯でした
でも心配をしてくれた人が居て、マジで嬉しかったです
これ以上はウザレスになるので元に戻します
重ねてありがとうございました

>>228
亀「そのネタ貰った!!」
水「基本なのに今まで無かったね」
セ「基本なんデスか?」
亀「大抵はな。でも僕が風邪を引かなかったから」
水「あぁ、何とかは風邪を」
セ「日本にはそんな文化もあるんデスか」
亀「ねぇよ、それに僕はノーマルだ」
水「ほら、アレな人は」
セ「自分のことに気付かない、デスね」
亀「黙れ。さて次のヒロインは、アズサ先生か。ヒロインって年かな?」
セ「それは言い過ぎデスよ」
水「次回も見てね。『ツルとカメ』、ロボPresentsがお送りしました」
243ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/03/30(金) 01:44:18 ID:lV3HdwyT
今回はこれで終わりです

皆さんも湯冷めと刺身のコンボには気を付けましょう
マジでヤバいです
244名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 01:46:16 ID:s+Q2iv4k
おおっと丁度投下があったみたいだ
GJ!
245名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 04:55:47 ID:innvQIP8
テトリスwwwww
根がゲーマーなんで今回は2倍楽しめましたGJ。

ふと思った。
カメは立場上エロゲとか出来ないんだろうが、
反面ツルはBLゲーとか知ったらのめり込みそうな気がする…
エロゲも物によってはやりこみ要素濃いしなw
246名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 13:52:11 ID:7kPh9tvO
音ゲーマーな俺はコイに親近感を覚えました。
どうしてくれるwwwwww
247名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 16:51:25 ID:oy8iYv+q
GJ!!
次はアズサ先生が主役だぜヒャッホイ!!
つ[]風邪ひいたカメをツルが介抱しようとしたら先に水樹が来ててアッー!な展開キボン
248名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 19:16:59 ID:Z3HYO3Vm
耳がギターでお尻がドラム、胸はターンテーブルっていう音ゲ的妄想。
女体は立派な楽器だぜうひょー。



つ[]<こんな俺を叱って下さい、胸で。
249名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 02:26:21 ID:XyZ3UtPj
3DACTとボク魔とドラクエしかやらない俺は誰とも話が合わないぜ!!
250名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 13:03:54 ID:PUNvzIjo

つ[]コイが好きな音ゲーのタイトルを教えてください。俺もやります。
251名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 19:33:15 ID:wSmO60e1
待て、なんでこのスレ音ゲーマーこんなに多いんだ!w
…主要な音ゲー全部たしなんでる奴、俺の他にも居そうだな…

どっちにしても指テクは大事だな、うむ。
252名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 19:45:50 ID:jfRGNpnH
コンマイどころかセガやナムコのエセ音ゲーすら網羅する俺古参。
布袋寅泰?Vピック?なんのことです?


つ[]<やってない音ゲがあったら水樹に処女捧げます、アナルの。
253名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 01:07:21 ID:rvP7WTCt
投下しますよ
254『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:08:56 ID:rvP7WTCt
第5話『空の騎士』

 第5監獄都市の外れにある、広大な敷地を持つ山。樹々が繁る豊かな自然が人気の土地
であり、その麓にある開けた河原は暑い今の時期はキャンプに来る人々で賑わっている。
家族で自然を堪能しに来ている者や、一人静かに本などを読んで過ごしている者、様々な
タイプの人が思い思いに楽しんでいた。そんな心安らぐ風景は、人間は確かに人間である
と実感させてくれる。だから、人気の場所となっているのだ。
 その一角に、中年の男と金髪の少女という二人組が居た。
「おい、本当に来るんだろうな?」
「大丈夫です。リィタの大好物がヤキソバなのは変わってないでしょう、だったら匂いに
誘われてフラフラと寄ってくるでしょう。それは私が保証します」
 鉄板の上でヤキソバを炒めながら尋ねる虎蔵に頷きを返しつつ、リリィはおたまで掻き
混ぜてカレーの煮込み具合いをチェックする。虎蔵の得意料理のヤキソバも、キャンプの
定番であるカレーも、どちらも良い匂いを放っていた。確かに食べてみたくなる匂いだが、
「本当かねぇ」
 リィタがやってくるのか、と思い首を傾げた。リィタの双子の姉妹であるリリィの言葉
を疑う訳ではないが、いまいち現実的な話とは思えなかったのだ。
 虎蔵とリリィがキャンプに来たのには、理由があった。
 ヤキソバを嬉しそうに抱えていったリィタを見て好物なのかとリリィに尋ねたところ、
昔からの大好物だと答えたのだ。サユリに野菜を食わせつつ、本来の色や味に慣れさせる
ために何度も作った結果、虎蔵の得意料理はヤキソバとなっていた。そのことを思い出し
リリィに話してみると、試す価値があると言い出した。そして今の作戦が決定した。この
場所を選らんだ理由はサユリを楽しませたいという虎蔵の強い意見と、万が一Dr.ペドの
襲撃が来たときに被害を少ないようにしようという意見からだ。
 皿にヤキソバを移す頃、川で遊んでいたサユリと相手をしていた薫が戻ってきた。前回
保護をされていたときにサユリは薫に懐いてしまったらく、今ではべったりな二人を見て
虎蔵は複雑な笑みを浮かべた。良い人間だとは思っているが、悪影響が少し心配だ。
255『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:11:02 ID:rvP7WTCt
「あら、美味しそうね」
「あたし、ぱぱのヤキソバ大好き!!」
 抱きついてくるサユリにキャベツを一切れ渡すと、嬉しそうな笑みで食べる。
「こっちも出来ました」
 強化コンロの火を止めると、レトルトのパックから白飯を出して皿に盛る。人数分の皿
に一つ追加してレジャーシートの上に並べ、虎蔵は空を見た。後はリィタが寄ってくるの
を待つだけだ。運転担当なのでアルコールは飲めないが、リリィの作ったカレーを食う。
「お、美味いな。この年でやるじゃねぇか」
「べ、別にヘドロさんに誉められても嬉しくありません。それに説明書通りに作っただけ
ですし、カレーなんて誰が作っても同じようなもんです」
 素直な感想だったが、リリィは頬を染めてそっぽを向いた。薮の中へと入ってゆく若い
男女が見えるが、それを見た訳ではないだろう。誉められるのが苦手なタイプだ、と思う。
セリスもそうだったな、と虎蔵は妻のことを思い出す。誉めすぎずに良い評価をするのが
難しく、よく照れ隠しのフライパン殴打などを食らっていたな、と瞳を濁らせた。
「あら、野菜もよく食べるわね。あたしは沢山食べる子は好きよ」
「ぱぱのだったら、お野菜も美味しいもん。それにリリィお姉ちゃんのカレーも好き!! 
リリィお姉ちゃんがままになってくれたら良いのに、そしたら美味しいの沢山だもん!!」
 ストレートに言われて、リリィの顔が限界まで赤くなる。何故か姿勢を正座に変えると
強く握った拳を膝に乗せ、俯いて小さく何かを呟き出した。血痕がどうとか未経験だから
血を見ることになるとか、物騒な単語が聞こえてきて慌てて虎蔵は身を乗り出した。自分
だけならまだ良いが、娘を危険に晒す訳にはいかない。Dr.ペドのことについて分かった
ことがあり話し出したのだとしたら、言葉の意味はもっと重要なものになる。
「あの、ヤキソバ一皿貰って良いですか?」
「構わん、まだまだあるから好きなだけ食え」
 横から聞こえてきた声に答え、ヤキソバを盛ってある大皿の方向を指差して、
「ん?」
 虎蔵は疑問を持った。
 聞き覚えのある今の声は、一体誰のものだっただろうか。
256『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:13:00 ID:rvP7WTCt
 振り向けば、リィタがサユリに割り箸を手渡されているところだった。口の端から大量
の唾液を垂れ流し、超山盛りになっているヤキソバ皿に向いた瞳は、星や銀河と言うより
飢えた獣のような鈍くギラついた輝きを放っている。どれだけヤキソバが好きなのだろう、
外見は涼しげな銀髪美幼女だというのに今や全てが台無しになる程の有り様だ。
「リィタ!!」
「何ですか? 今は忙しいので後にして下さい」
 言いながらまずは麺を一束、箸で摘んで小さな口へと運ぶ。
「こ、これは!?」
 目を大きく見開くと、ガツガツと一気に掻き込んでゆく。その姿はまるで野生の飢えた
獣のようだ、否、それすらも生温いだろう。大量のヤキソバを一気食いするなんて、この
ままでは喉が乾いてしまうというのに。心配そうな目で麦茶を差し出した薫に目も暮れず、
一心不乱に小麦色の炒め麺を貪ってゆく。こんなに炭水化物を摂取するなど有り得るのか、
カロリーは大丈夫なのだろうか。外見は幼女と言えどリリィの双子というからには思春期
真っ盛り、年頃の少女である筈なのに。
 重量にして3sものヤキソバを数分も掛けずに食い終えると、虎蔵が渡した紙ナプキン
で優雅に口元を拭い、そこで漸く麦茶を口に含んだ。
「ありがとうございました、こんなに美味しいヤキソバを食べたのは初めてです」
 丁寧に礼をすると、リィタは背を向けた。
「では、私はこれで」
「待てよ」
 ヤキソバ効果か、いつもなら無視をして去ってゆく筈の足が止まった。
「これだけ食ったんだ、礼に話でも聞いてけや」
 面倒臭そうに戻ってくると、リィタは虎蔵の隣に腰を下ろす。薫は虎蔵に目配せをし、
サユリの手を引いて立ち上がった。これからの邪魔にならないように、との配慮だろう。
変態の癖にそんな部分があるから、こいつは開発課の課長をやっていられるのだ、と素直
に感心した。だが娘をやるつもりはない、と虎蔵は固く決意する。
 そしてリリィといえば、
「何おっかない顔してんだよ」
 睨んでいた、虎蔵ではなくリィタを。
257『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:14:02 ID:rvP7WTCt
 別に、と言うと立ち上がって虎蔵の隣、リィタと反対側の場所に腰を下ろす。両手に花
の状態だが、妻一筋の虎蔵は気にならない。近くに居たいが素直に妹と話が出来ないのだ
ろうな、と苦笑を溢してリィタを見た。彼女は、夢の跡であるヤキソバ皿をじっと見つめ
ている。あれだけ食ってもまだ食い足りないらしい。もしかしたら単純な容量だけでなく、
魔法幼女と何か関係あるかもしれないと思う。
「まだ材料はあるから、後で作ってやるぞ?」
 言うと、嬉しそうに笑みを浮かべた。
「その代わり、と言っちゃあ何だがよ。もっとリリィと仲良くしてやってくれねぇか」
 望みはある、と思う。口では忘れた方が良いなどと言っているが、こんな場所まで来て
会うということは偶然では済まされない話だろう。最近の戦闘のこともそうだが、自分の
前に現れるのも、狙っているのではないかと思う。証拠が何も無いので真実は分からない
けれど、きっといつもリリィを陰から見ているのではないかと考える。もし、そうだった
ならば、後は軽く背中を押してやるだけだ。
「俺にもよ、弟が居る。馬鹿で、いつも無茶をして、どうしようもない奴だ。それでもよ、
やっぱ家族ってもんは不思議なもんで、離れて暮らすと寂しいもんだ。お前らは双子だろ、
ずっと隣あって生きてきたんだろ? 離れて別れて突っぱねて、寂しくねぇ筈はねぇだろ」
 無言。
 沈黙が空気を重く沈め、川の流れる音や他の家族連れがはしゃぐ声が遠く聞こえる。
「本当に」
 ぽつりと、リィタが口を開いた。
「またヤキソバ作ってくれますか?」
「何回でも作ってやるさ、お前がリリィと仲良くしてたらな」
258『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:16:03 ID:rvP7WTCt
 素直じゃない、と小さく笑い声を漏らして虎蔵は立ち上がった。あんなに大量に食うの
だから、作るにも時間が必要だ。ヤキソバが出来るまでは親交を深めるという意味もあり、
リィタの分のカレーを皿によそって手渡してやる。
 だが、
「カレーは嫌いです」
 あっけなく突き返された。
「お前、少しは努力しろよ」
「カレー、美味しかったでしょう? 当然です、リリィはカレーしか作れないんですよ。
だからスクール時代はリリィが料理当番のとき、殆んど毎回カレーでした。夏休みで食堂
が連続で休みになると、毎日カレー地獄だったんです。それは嫌いにもなりますよ」
「ヤキソバしか作れなかったリィタよりはマシです!!」
『ヌワッハッハッハ!!』
 突然、下品な笑い声が響いた。
 声の出処に目を向ければ、飛行船がある。そこに取り付けられた巨大モニターに映って
いるのはDr.ペドだ。今回は山登り気分を演出しているのか、山高帽を被っていた。
『カモン今日のプリティベビィ!!』
 Dr.ペドの叫びと共に、飛行船の真下にある森が割れた。地面に巨大な穴が空き、そこ
から木造の大きな建築物が競り上がってくる。虎蔵にとっては見慣れたもの、道場だった。
森の中にひっそりと建つ道場、そんな風情のある景色を見て素直に感心する。
 扉が開き、中から数人の幼女が現れた。全員共通して白の胴着に黒の袴姿、長い黒髪を
侍のように後頭部で結っている。先頭の者は拳にバンテージを巻き、二人目は刀を、最後
に出てきた者は槍を持っていた。どれも道場と同じ、虎蔵には見慣れたもの、戦い慣れた
ものだ。しかし侮るつもりはない、寧ろ危険な部分を知っているので強く心を構える。
『代表して儂が名乗ろう。竜鳴館師範、ランコじゃ。刀の者がセイコ、槍の者がミツコ。
照れ屋なので表には出てきておらんが、弓を使うチンコも居る』
259『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:17:55 ID:rvP7WTCt
「待て」
 正々堂々とした名乗りにうっかり流してしまいそうになったが、虎蔵はDr.ペドを見た。
もしかして、という疑問を含んだ視線にDr.ペドは満足そうに満面の笑みを浮かべて頷き、
『そうさ、漢字で書けば卵子、精子、満子、珍子、夢のコラボレイトなんじゃよ!!』
「下品な名前を付けるんじゃねぇ!!」
『何が下品じゃ? 命の誕生は、その下品の集大成じゃぞ!!』
 虎蔵は無視をした。
『行くぞ、虎蔵殿』
『『『『DragneelSystem:Enter;』』』』
『『『『TetoraglamSoul:Open;(四仙共鳴展開!!)』』』』
 それぞれが構えを取り、陣形を組んだ。
「ヘドロさん、こちらも」
「分かってる」
『FullmetalTiger:Enter;』
『MoonBrea:Enter;(魔法幼女展開!!)』
 虎蔵とリィタも変身をして、構える。
 先に仕掛けたのは、虎蔵だった。
 ブレードを展開して、ランコに斬り掛る。相手が武道家であることは、それだけ苦戦を
する可能性がある。武道に精通をしていればしている程に、自分の行動に対策を立てられ
やすいからだ。相手に刀を使う者が居るのなら、それは尚更だろう。リィタがどの程度のレベルで武道に対する戦い方を
知っているのかは分からないが、虎蔵は守崎流の免許皆伝の腕前だ。だから、一気に畳み
掛けようと迫ってゆく。
 刃を振り上げ、
「くたばれ!!」
『良い太刀筋だ。だか、まだ足りん』
 振り下ろされたブレードに拳を当てると体の回転を使っていなし、その流れを利用して
カウンターの肘を腹へと叩き込む。相手の攻撃の勢いを利用した一撃は装甲を砕き、更に
樹々を巻き込みながら虎蔵の体を吹き飛ばした。
 強い、と虎蔵は舌打ちを一つ。
260『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:18:49 ID:rvP7WTCt
 リィタは大丈夫かと視線を向けると、セイコとミツコの連携攻撃を一身に受けているの
が見えた。至近距離で刀の連撃が来て、それを受け止めた瞬間にセイコの背後から伸びる
ように槍での突きが来る。一子乱れぬコンビネーションが、彼女達が使う能力なのだろう。
それぞれが持つ高い技術を完全に生かす超連係、四仙共鳴の名に恥じないものだ。
『よそ見をしている暇があるのかのう?』
 直後、空間が消失した。
 道場の方向から放たれた矢は、軌道上にある障害物をことごとく貫通しながら飛来し、
虎蔵が立っていた場所を通過する。その矢を避けれたのは偶然、奇跡に近い。長年培った
経験から来る勘が上手く働いた結果だった。だが、音速超過で来る矢を次も避けることが
出来るとは限らない。当たればそこで終わり、次の瞬間には自分は存在していないだろう
と小さく身震いをする。
「リリィ、Type-Wだ!!」
『Type-W:Enter;』
 一瞬で換装を完了、ランコの背後に回り込む。
 しかし、
『甘いわ!!』
 胴着を突き破って、ランコの背から大量の線が伸びた。多重間接機構によって生まれた
長大な機械の触手は全方向から襲いかかり、やがて虎蔵の体を絞めつける。動きを重点的
に設計されたのか力は強いものではない、薄い装甲でも負担がかかるものではなかった。
しかし、動けない。それは恐らく、次の攻撃の為の準備なのだろう。道場の方向に視線を
向ければ、チンコが既に弓を引き絞っていた。
 もう駄目か、と目を閉じた。
 衝撃。
 ぶちぶちと何かを引き千切る音がして、拘束が緩んだ。間一髪で脱出した僅か後には、
空間を矢が付き抜けていった。助かった、と安堵の吐息をしてリィタを見ると、
「勘違いしないで下さい。あなたが死ねば、美味しいヤキソバが食べれなくなりますから」
 そっぽを向いたリィタは、すぐにセイコ達との戦闘に戻る。しかし先程と同じように、
やはり苦戦を強いられていた。このままではジリ貧だ、と苦い表情を浮かべ虎蔵はランコ
から距離を取る。このままでは、いつまで経っても勝てない。
261『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:22:03 ID:rvP7WTCt
「おい、不味いぞ。バラバラに戦っても、負ける」
「リィタ、新しい装備がありますから、それを使って下さい。基本設計は同じ筈ですから、
きっと適応出来る筈です。と言うより、そうしないと勝てません」
 沈黙。
「リィタ!!」
「おい、言えよ。一緒に頑張ろうって。姉妹だろ、家族なんだろ!? お前は何だ!?」
 掴みかかってきたランコの拳を避け、虎蔵は叫ぶ。
 このまま終わって良い筈が無いのだ、死んだら全てが終わりなのだ。このままでは全て
が駄目になってしまうのだ、そう想いを込めて、息を荒げながらも全力で言葉を発する。
虎蔵は家族を何よりも大事にする男だ、セリスが死んでからその想いは余計に強くなった。
大切にしている者が消えるとどうなのか、それを誰よりも知っているから。偽善だと言う
者が居るかもしれない、押し付けだと非難する者が居るかもしれない。しかし虎蔵は迷う
ことなく言葉を口にする。自分の信条が間違っていないと、正しいと思い、それを他人に
伝える為に。空に響く程の大音量で、虎のように叫ぶ。
「私は」
 リィタはリリィに視線を向け、呟いた。
「私はリィタ・ムーンブレア。月の魔女、誇り高い空の騎士の血族です!!」
「よく言った!!」
『Type-D:Enter;(高速演算モード展開!!)』
 リィタの装甲が弾け、服装が変わる。
 簡素なワンピースは、胸当てと長い腰布へ。
 漂うように現れた金属製のタロットがリィタの周囲を囲うように展開し、胸の前に出現
した球状の大型クリスタルが青白い光を放つ。ジプシーとダンサーの中間点のような姿は、
神秘的な印象を与えるものだ。
 リィタがクリスタルの中の正四面体フラクタル回路を起動させると、タロットが意思を
持つかのように飛んだ。素早く展開し、ミツコとセイコの斬撃を受け止める。
262『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:23:35 ID:rvP7WTCt
 そして、
「虎蔵さん、1m右です」
 言われた通りの動きをすると、全方向攻撃だと思っていた触手を抜けた。
『HotShot:Open;(夢幻砲撃展開!!)』
 タロットは一直線に道場へと向かうと、チンコを撃ち抜いた。それだけに止まらずに、
ミツコとセイコも次々と撃ち抜いてゆく。残るは只一人、ランコだけになった。
 リィタはクリスタルを起動、ランコの動きを高速で予測する。
「虎蔵さん、私が合図をしたら右下から30度の角度でブレードを振り上げて下さい」
 タロットがランコの触手を防ぎ、虎蔵が一歩踏み出し、
「今です」
 ブレードを振り上げる。
 切断。
 あんなに苦戦をしていたというのに、ランコの体は一瞬で両断された。

 ◇ ◇ ◇

 青空の下、リィタはカレーを食っていた。表情は苦いもので、何度も吐きそうになって
いるのだが、全て食べるまでヤキソバはお預けという虎蔵の言葉によるものだ。目の前に
置かれたヤキソバを眺めながらの作業は、さぞや辛いものだろう。
「ほら、食べました。だから、ヤキソバを」
「美味かったか?」
 一瞬言葉に詰まり、そっぽを向き、
「カレーは嫌いです」
 ぽつり、と言う。
「でも、食べれないこともありません」
 その言葉に笑みを浮かべ、虎蔵はリィタの頭を撫でた。
「これからも、よろしくな?」
 ヤキソバの皿に手を伸ばしながら、リィタは小さく頷いた。
263『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/02(月) 01:24:57 ID:rvP7WTCt
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナー、今回は七つのレスをご紹介よ。
ゲストは触手がアレな感じのランシちゃん、よろしくね?」
ラ「ランコじゃ、ランコ。それよりも、レスが7とは?」
セ「作者の都合よ。本当は、つ「○○〜ってやりたいけど、ほら、風邪がアレで」
ラ「悲惨だのう」

>>217
セ「最初の三つ子が元ネタなのね。あと、千手幼女も」
ラ「うむ。本当は儂が先頭で超至近距離、それから刀で至近距離、薙刀で中距離、和弓で
遠距離の四連コンボが使いたかったらしいがの。書いている内に変わったらしいの」
セ「計画性がゼロね」
ラ「全くじゃ」

>>218
セ「読んでくれてるだけでも有難いわね、こんな馬鹿SS」
ラ「旦那が主人公の馬鹿SSな」
セ「殴るわよ?」
ラ「タイマンなら負けんぞ?」

>>219,220
ラ「これが儂のモデルじゃな、負けてしもうたが。サシなら負けなかったんじゃが、悲しい話じゃ」
セ「『ワシ』っていう設定は、作者の大好物なのよね」
ラ「ポニテも趣味丸出しだったのう」
セ「でも、無難にまとまって良かったじゃない。本気で趣味丸出しなら、今頃もっと酷い
キャラになってるわよ? 疲れで精神が暗黒期に入ってるし」

>>221
セ「言ってみて」
ラ「おばかさぁん」
セ「似合わないわね」
ラ「キャラが全然違うからのう。共通点なぞ、長女だけだしのう」

>>223
セ「あらあら、こっちにも向こうの変態ワールドの影響かしら?」
ラ「これは実は考えたらしいのう。儂がフタナリで、姉妹乱交をしていると。……ボツに
なって本当に良かったわい、こんなの」
セ「危ないところだったのよ? 作者のツボの一つだから」
ラ「くわばらくわばら。で、これで終わりかの?」
セ「そうね。随分と押せ押せだったけど、少し早めに終了。『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女
大作戦』でした。来週もまた見てね、貴方のハートを一刀両断!!」
264ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/02(月) 01:26:03 ID:rvP7WTCt
今回はこれで終わり

と見せかけて、おまけが有ります
下に2レス
265おまけ:2007/04/02(月) 01:27:47 ID:rvP7WTCt
『ウソハキムスメ』

「なぁ、ウチな、あんさんのこと好きやねん」
 突然の言葉に、俺は困惑した。
 何だこいつは、一体何を言っているんだ。
 目の前に居るこの鷺原・コトは、俺を騙して楽しむ性悪女ではなかったのか。なのに、
今のこいつときたら頬を初に染めたりなぞして、これは何の冗談なんだ。服装もよく見て
みるといつになく可愛い感じだし、どこからどう見ても純情乙女ではないか。いや、俺は
騙されん。どうせいつもの如く、うっかり信じかけたところで極悪な笑みを浮かべて鼻で
笑うに違いない。そうやって俺のピュアな心を弄び、それで悦楽にふける変態女なのだ、
こいつは。皆はこいつの被った猫に騙されているが、この世に生を受けてから十六年間、
幼馴染みとしてと言うより腐れ縁として妙な性癖に付き合ってきた俺がそう思うのだから
間違いない。はっきり断言しよう、これは嘘だ。まごうことなく、正真正銘の嘘っぱちだ。
 なのに、何だろう。
 この、不思議な胸の高鳴りは。
 本能が叫ぶ、Just Do It!!
 心の赴くままに、俺はもじもじと俯いているコトの肩へと手を伸ばし、
「なぁ、あんさん。今日の日付分かる?」
「ん?」
 その肩が、小刻みに震えていた。
 まさか、まさかまさか。
「あんさん、もしかして本気に受け取ったん? 今日は四月一日やで? 四月馬鹿よ?」
266おまけ:2007/04/02(月) 01:28:58 ID:rvP7WTCt
 アホやなあ、の言葉と共に向けられたのは見慣れた極悪な笑み。そのまま楽しそうに腹
を抱えて笑い、一旦止めて俺の顔を指差すとまた笑う。今まで何十何百何千と見た姿だ。
 やられた、また引っ掛かってしまった。
「もしかしてウチのこと好きで、それで喜んだんねやろか?」
 はっ、と鼻で笑い。
「身の程知らず」
「うるせぇ、分かってたよ!! またお得意の嘘だってな!! それにいつも嘘吐きだろが!!
 大体てめぇ、妙な言葉使いやがって!! だから彼氏の一人も出来ねぇんだ!!」
「いらんわ、そんなもん!! それにこれは両親が育った京都の言葉、つまりはウチの心の
故郷の言葉や!! 文句を言われる筋合いなんてあれへんわ!!」
「嘘吐くな、親父さんもお袋さんも訛りが全開な生粋のドサンコじゃねぇか!!」
 全く、こいつは。
 何でこんな馬鹿に騙されなきゃいけないんだ。四月馬鹿だから逆に嘘は吐かないなんて
期待してしまったのに、こいつにはそのようなものは全く関係ないらしい。頭の中は年中
エイプリルフール、しかも何故か対象は俺限定、酷い娘も居たものだと思う。
「あはは、ご飯奢られたるさかい、堪忍な」
 何が奢られてやるだ、ここは普通なら奢ると言うところだろうが。つくずく我儘姫だと
思う、可愛げも何もあったもんじゃない。やっぱりこいつは俺を玩具にして小馬鹿にして、
それで喜ぶ生まれながらの最低性悪女だ。
 行くで、と言って伸ばされた掌を見て溜息を吐く。
「この、ウソハキムスメが」
 あの告白が本当だったら、どれだけ良かったことか。
267ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/02(月) 01:30:21 ID:rvP7WTCt
今度こそ終わりです

爽やかツンデレを目指しましたが、何だか微妙に違う気がしますね


まだまだ敵幼女募集中
268名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 04:56:34 ID:I9hvU7UF
誰GJ!
本家の人間からするとウソハキムスメみたいなのも大好きwww

つ[]<ロボ氏は本家には行かれないんですか?
269217:2007/04/02(月) 23:46:31 ID:5lOliXJe
>>267
GJ!
俺の案が採用されてて嬉しかった。
三つ子以外はだいたい元ネタがあるけど、みんなはいくつわかったかな!?


つ「ライダース姿のゴーストライダー幼女。武器は鎖。」
270名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 00:56:58 ID:wW+2RF5K
スライム系。
271名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 02:04:03 ID:xPUVxMST
>>267あんたの作品はどこまでスゲェんだGJGJGJGJッ!
つ銃使いのアサシンよ う じ ょ で
272名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 18:51:55 ID:DzEtzg8d
幼女もいいけどツルカメのが好きです、ロボ氏GJ!

つ[]センスの乳が大きくなり始めたのはいつ頃からですか?

これはセクハラではなく、未来の進歩の…うわなにするやめろくぁwせdrftgyふじこlp
273名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:36:55 ID:E5NwTrJc
本スレのウソハキムスメのやつはロボっちだったのか
274名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 18:38:33 ID:yYYK/q4A
GJ!
虎蔵のアツいところがロボさんの作品らしいと思った
ロボさんの書く主人公は皆こうだから好きだww

つ[]そろそろ合体技とか出ても良いんじゃないすか?
275名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:37:38 ID:xX/RtfsI
>>274
性的な意味で連想した。
276名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:06:09 ID:Wq71m8xq
投下しますよ
277『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:07:09 ID:Wq71m8xq
 電子音。
 目覚ましにしている携帯のアラームを切って画面を見ると、朝の六時。今日の食事当番
はツルだが、どうしようかと考える。昨日はツルの半マグロっぷりも絶好調だったので、
ついテンションが上がりすぎて久し振りに尻の穴でしてしまった。そのせいか僕もツルも
疲れまくって、服を着ることすらせずに寝てしまったのだ。その疲れかまだ残っているの
だろうか、全裸のツルが僕の隣で天使のように安らかな表情を浮かべて眠っている。鼻に
抜けるような寝息も可愛いらしくて、起こす気もなくなってきた。しかし、実に可愛い。
寝癖で少し跳ねた髪を手櫛で直してやりながら、剥き出しになっている乳を見る。
「大きくならねぇなぁ」
 僕はあまり気にしないが、ツル本人が気にしているし協力しよう。
 掌で擦って、固くなってきた乳首を指先で転がしてやる。
「寝ている者に悪戯するのは感心せんのう」
「いつから見てた? それに悪戯しゃなくてパワーアップ手続きだ」
 目を向けると、久し振りに幼女モードのミチルが居た。幼女だが辛うじて視認可能な程
の乳があり、ツルよりは若干スタイルが良く見える。逆に言えば高校生にもなって幼女に
負けているとかスタイルという言葉とは無縁の存在だとか、酷く悲惨なことになるのだが
それは言わない方が良いだろう。人を傷付けるのは、真の愛ではない。
 それにしても普段から寝てばかりの癖に早起きだったり、本当に年寄りだ。ロリババァ
と言えばロマンがあって素敵な感じがするが、僕としては少々気不味い感じのものがある。
それと何故か全裸なので、早く服を着てほしい。幼児体型なので目に毒ということはない
けれど、全裸の幼女が家の中をウロウロするのは精神的に良ろしくない。ツルはこれでも
高校二年生、フレッシュバディの十七歳なのでセーフだ。
 それで思い出したが、ツルをどうしようか。
 数秒。
 僕はストーブのスイッチを入れると、服を着た。朝食くらいなら大した手間ではないし、
少しくらい当番がずれても問題ないだろう。確か昨日の鍋の残りがあった筈だから、その
汁でも使って適当に炒め物でも作ろうか。
278『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:09:45 ID:Wq71m8xq
 不意に、気が付いた。
 昨日の鍋を美味い美味いと食っていたが、スッポン鍋だった。あれのお陰で超ハッスル
出来たのは良いが、気になることがある。親戚が切り分けて送ってきたものだったので何
の肉かは言ってなかったが、ミチルは大丈夫なのだろうか。
「なぁ、ミチル。昨日の鍋、何の肉だか知ってるか?」
「ん? そういえば。やけに美味かったが、何の肉じゃ?」
「スッポンだ」
 途端に、ミチルの顔が青ざめた。僕もツルもそうだが、自分の好みに合う料理を作って
いるので普段の食卓は魚と野菜が中心だ。うちの高校に入る前は亀の姿が基本だったので、
食事がいつもペットフードだったことも関係しているだろう。ミチルは珍しく食卓に出た
肉ばかりを食っていたが、それが亀の肉だと聞いたら驚きも大きいだろう。中腰の不思議
な姿勢をしてアワワアワワと言いながら挙動を不審に、こちらを泣きそうな目で見て、
「と、共食いをさせたのか!!」
 嫌な表現を聞いてしまった。これから同胞のエキスがたっぷり溶け出したスープを使い
朝食を作ると言ったら、こいつはどうなってしまうのだろうか。
「安心しろ」
 僕は笑みを浮かべ、
「今頃はきっと、モツの中でしっかりと吸収されて身の一部になっているだろうよ」
「モツとか食材的な言い方をするな馬鹿者ぉ!!」
 殴られた。
279『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:11:03 ID:Wq71m8xq




 飯を食って部屋に戻ると、着信があった。履歴を見てみればエニシ先生からだが、何か
あったのだろうかと首を捻る。たまに掛けてくるが、エロいことが例外として少しあり、殆んどはアズサ先生絡みだ。
『もしもし、カメ君?』
「お断りです」
 困った様子だったが、僕は遠慮なく通話を切った。
 電子音、再びエニシ先生からだ。
「何ですか? またアズサ先生が振られたんですか?」
 乾いた笑い声が聞こえてくる。その背後では酔っているらしいアズサ先生のうめく声、
今回もまた荒れているらしい。円さんといいアズサ先生といい、何故僕の周囲に居る大人
の女性はこんなにも荒れるのだろうか。エニシ先生は違うが、この人はこの人で色々問題
があるし、何だか悲しくなってしまう。それに限ったことではなく、考えてみれば周囲の
人間は全員問題アリだ。ツルのことは悪く言いたくないが、暴力と幼児体型もコレはコレ
で世間的にはアレだろう。唯一まともなのは僕だけということか。
「悲しい話ですね」
『? そうね、もう何度もだし。そろそろ本格的に』
「心のケア、ですね。良い病院はありますか?」
『そこまでじゃないわよ?』
 本人は気付かないものだ、と思いながら何度も頷く。
 今はまだ風呂に入っていないから、後一時間くらいで向かいますと話したとき、階段を
上る音が聞こえてきた。湯船に入らずシャワーだけ浴びるとツルが言っていたが、思って
いたよりも早かった。これは表面積が小さいからだろうか、主に乳や尻の。
「カメ、上がったから入っても……あ、ごめん。電話中か」
 ツルの声が聞こえてきた途端、アズサ先生の泣き声が大きくなった。フラれ奉行、いや
フラれ将軍のアズサ先生からしてみれば、ラブ度が高いカップルの声は猛毒のようだった
のかもしれない。受話器から漏れてくる奇声にツルは苦笑いを浮かべ、足音を忍ばせつつ
そっと僕の部屋から離れてゆく。パタリと自分の部屋のドアを閉めると後は静か、アズサ
そんなに一気したらまたゲロ吐くわよ、とあまり聞きたくなかったエニシ先生の心配の声
が向こうの惨状を伝えてきた。数秒後には部屋を駆ける音が聞こえてきて、あぁ、この人
はまた吐いてしまったのか、と何だか物悲しい気分になってくる。
280『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:14:21 ID:Wq71m8xq
「エニシ先生、大丈夫ですか?」
 聞こえてくるのは、喉から何かが溢れ出すグロい音。続いて水に液体状の何かが落ちる
音で、アズサ先生が大丈夫ではないことが分かる。アパートの一室に妙齢の女性が二人と
いう状態なのに、色気も何も有ったもんじゃない。
「カメか……うぉぇ」
 今のうぉぇは聞かなかったことにしよう、皆も忘れよう。これは僕との約束だ。
「アズサ先生、パンツは何色ですか?」
 いかん、間違った。ついいつものノリで訊いてしまったが、丁寧にも水色という答えが
返ってきた。毎回の蔑み発言も無しに答えてくるなんて、かなり参っているらしい。酒の
力とは恐ろしいものだ、と改めて思う。何せセンスを逆レイパーにしてしまうし、水樹と
マグナムプレイをさせてしまうくらいだからな。
「あんまり飲んじゃ駄目ですよ」
「これが飲まずにいられるか、馬鹿。あんな、あんな、もう、男なんて」
 そこで泣き出してしまったので、再びエニシ先生代わった。アズサ先生は泣きとゲロを
繰り返しているらしく、もう会話が不可能な状態だ。いつものクールな様子は欠片もなく、
ひたすら童女のようにわめいている。恐らく僕とエニシ先生しか知らないであろう、その
姿は、離れている場所であるのに手を差し延べたくなってしまう。
「ちょっと、洒落になってないですね」
「そうなのよ、出来れば早く来て頂戴」
「あ、じゃあシャワー浴びたらすく行きます」
 一晩経っているので流石にが少しくらいは落ちているものの、それでもまだセックスした
後の匂いが残っている。そんなものをプンプンさせて行ったら、どんな状態になるのかは
大体予想がつく。それはもう、酷いことになるだろう。
 電話を切ると、急いで風呂場に向かった。
281『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:17:04 ID:Wq71m8xq
 うろ覚えな住所を辿ってアズサ先生のアパートまで到着した頃には、電話を終えてから
30分近く経過していた。これでも早めに頑張ったつもりだったが、このドアの向こうでは
地獄が更にパワーアップしていることだろう。人は一定のラインを越えてしまうと歯止め
が効かなくなり、エントロピーの増大が飛躍的に増すものだ。流石に人死には出ていない
だろうが、何だか嫌な雰囲気がぷんぷんとこちらにまで漂ってきている。
 意を決してチャイムを押すと、どこかやつれた顔のエニシ先生がドアを開いた。いつも
向けてくるエロい雰囲気は無く、甘い香水の匂いの代わりに酒と煙草の匂いがする。確か
エニシ先生は煙草を吸わない筈だから、こんなに染み付くまでアズサ先生が吸っていたの
だろう。実際肩越しに部屋の中を覗いてみると、昔映画で見たロンドンの街のように煙が
立ち込めていた。推理もののドラマに出てくるような大型の灰皿には吸い殻が山のように
盛られていて、以前来たときよりも遥かに暗黒指数が高いのが分かる。
 アズサ先生はと言えばトイレのドアも開きっぱなし、独身女感が丸出しの黒ジャージ姿
で便器にもたれかかりながら、虚ろな瞳で恨み言のようなものをブツブツと呟いていた。
視線が向いた方向には誰も居ない筈だが何故か何度も頷きを返していて、傍目から見れば
恐ろしいものがある。ビールまで勧めて、一体どこの誰と会話をしているのだろうか。
「ごめんね、急に呼び出して」
「気にせんで下さい」
 申し訳なさそうに頭を下げるエニシ先生に笑みを返して部屋に上がり、吐きそうなのか
便器に顔を埋めたアズサ先生の背中を擦ってやる。手指にはブラ紐の感触は感じられず、
ノーブラだということが胸をときめかせるが、いかんせん今のアズサ先生は人としてやや
脱線状態である。戻すまでは楽しむも何も無いだろう。学校ではきちんと櫛を通してある
髪も何箇所か跳ねているので、今朝ツルにしてやったように整える。
「はい、アズサ先生。まずは水を飲んで下さい」
「うぁ、カメ、居たのか」
282『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:18:12 ID:Wq71m8xq
 漸く僕の存在に気付いたらしく、こちらに顔を向けてくる。言葉では表現し辛い表情を
浮かべて、眼鏡のレンズの向こうにある瞳は涙で潤み、鼻をグスグスとすする姿はまるで
迷子の幼女のようだった。年が年なだけに、物凄い違和感がある。
 エニシ先生に渡された水を一気して、僕にすがり付き、
「男なんて、男なんて皆馬鹿ばっかりだぁ!!」
 何てことだろう、ツルが選んでくれた新品のシャツで思いきり鼻をかまれてしまった。
男が憎いのは分かったが、こんな仕打ちは酷すぎる。エニシ先生が慌てて引き剥がしたが
これは手遅れだ。ツルの愛が込められたシャツには、新大陸を示す汚い地図が出来ていた。
「ごめんね、後でクリーニング代をちゃんと出すから……アズサが」
「意外と冷静ですね」
 そうでもないわよ、と言う笑みは引き攣ったもの。部屋の一角を指差し、僕もそちらに
目を向けると同じ被害にあったセーターが見えた。Tシャツ姿は珍しいと思ったが、単に
セーターを着ていられなくて脱いだだけだったらしい。そのお陰で黒いブラが透けて見え、
幸せな気分になる。赤ブラも良いが、やはりエロい人には黒ブラが一番だ。
「カメ、私を見ろ」
 そちらに気を取られていたのが悪かったのか、不満気な表情のアズサ先生に押し倒され
てしまった。マウントポジションを取ると、また泣き出しながら瓶で焼酎を煽る。これは
二重の意味で不味い、センスにやられたようなエロプレイや顔面殴打、滝リバースまで、
どんなことをされても逃げられない。それ程重くないが、退けるのも難しい。尻の柔らか
弾力が腹に当たるのが、せめてもの救いだろうか。
「ンな訳ねぇ!!」
「うぅ、カメ、カメ」
 泣きながら、アズサ先生は経緯を話してきた。
 いつまでも僕に頼るのは悪いし、そもそも僕にはツルが居るので迷惑にならないように
昨日お見合いをしてきたものの、散々な結果だったらしい。相手の男は余程のヘタレ野郎
だったらしく、いつもの黒スーツ姿のアズサ先生を見るなり土下座して勘弁して下さいと
謝ってきたそうだ。確かにアズサ先生は目付きも鋭く冷たい感じがするが、本当は温かい
人だと僕は知っている。
283『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:19:58 ID:Wq71m8xq
 だが第一印象というものは強いものだし、たかだか数時間で人の根っこを知ることなど
到底無理な話である。その誤解が原因で二人はギクシャクし、またぶっきらぼうなアズサ
先生の言動もあって碌に会話すらままならず、気不味いままお見合いは終わってしまった
らしい。聞けば聞く程に不憫な話だと思う。
「忘れましょうよ、そんなこと。エニシ先生もそう思うで……何で外に出る準備してるん
ですか!? まさかこの酔っ払いを僕一人に任せるつもりですか!?」
「違うわよ。二人きりの方が良いと思って」
 それと、と舌なめずりを一つ。
「エロいことをしても良いけど、あたしの分のザー汁残しておいてね?」
「出てけ!!」
 頷くと、ひらひらと手を振りながら部屋を出ていってしまった。勢いに任せて出てけと
言ってしまったが、まさか本当に出ていくなんて思わなかったのだ。何だかんだ言っても
残ってくれると思っていたのに、何て人だガッデム。
 エニシ先生の消えた方向を見ていると、頬が冷たい両手で挟まれた。強制的に向かされ
たのはアズサ先生の顔、こちらを睨む切れ長の目がある。瞳の奥に満ちているのは怒りと、
それから寂しさの感情。月夜の下で凍えている、一本の枯れ木のような色だ。
「やっぱり、カメしか居ないんだ。こんな年増は嫌だろうが、良かったら側に」
「年増じゃ、ないですよ。アズサ先生は充分に魅力的です」
 口説いているみたいだな、と思いながら、でも、と前置きして、
「最後まで一緒は無理です、僕にはツルが居ますから。ですが応援してます。後になって、
フラなきゃ良かったって後悔するくらいに、アズサ先生が幸せになるまで応援します」
 ツルには悪いと思ったが、僕の方からアズサ先生に口付ける。酸味のある妙な味がした
けれど、気にしない。ただアズサ先生に喜んでほしいと、それだけを考えて何度も唇に唇
を重ね、舌と舌とを絡ませてゆく。ジャージのジッパーを下ろすとゆっくりと脱がせて、
なるべく丁寧に下のTシャツを捲り上げる。
284『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:21:54 ID:Wq71m8xq
「綺麗ですね」
 決して胸は大きくはないが、まるで芸術品のような美しさがある。アルコールの影響で
うっすらと桃色に染まった肌もスレンダーながらも女性のラインを描いた体も、そこから
下に続くしなやかな脚も、どれもこれもが綺麗だと思う。どちらかと言えば触るよりも、
寧ろずっと眺めていたいような光景だ。つい先程までゲロを吐いたり泣いたりしていたと
思えないような、一種の完成美とでも言うようなものに感じる。
 アズサ先生の体を抱えるとベッドまで運び、そっと横たえた。そっちの方が楽だろうし、
言ったらアレだが床は空き缶や空き瓶などで酷い状態になっているので、ぶつかったりと
色々マズいのだ。僕のそんな考えとは関係無しに、アズサ先生は安らかな表情を浮かべて
いた。布団の冷たさが、酔って火照った体に気持ち良いらしい。
 甘えるように伸びてきた手を掴みながら、もう片方の手を股間に滑り込ませた。耳たぶ
を甘噛みしながら、ゆっくりとほぐすようにして割れ目をなぞる。小刻みに手を揺らして
入口を擦り、時間をかけて穴の中へと指を侵入させる。ざらついた内部の壁を指先で軽く
ひっかきながら胸を吸い、あまり体に刺激を与えないようにして濡らす。こんな酔いどれ
状態で激しく体を動かせば、また吐いてしまうだろう。センスとの初体験のときに、行為
の後で吐かれたことからの教訓だ。嘔吐リミッターが解除されている今のアズサ先生なら
尚のこと吐きやすくなっているだろう。それ自体は問題無いが、この雰囲気で吐かれると
非常に困るものがある。
 ある程度指が入ったことを感触で確認すると、広げるようにして指先を回す。蜜が絡み
付いてきたところで引き抜いて、汗ばんだ体を舌でなぞる。唇を耳たぶに戻して軽く噛み、
首筋、鎖骨の辺りを繰り返し舐めあげてゆく。アズサ先生とは回数をこなしている訳では
ないので弱点は分からないが、この辺りの反応が良かったような気がした。
285『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:22:57 ID:Wq71m8xq
「や、そこは、駄目だ」
 乳首を掌で転がしながら揉みほぐし、舐めていると反応が良くなった。酒が入っている
状態でも反応するということは、結構弱いらしい。何度も舐めて、擦っていると、細い体
が痙攣を始めた。下を碌に触っていないのに小さく達してしまったようで、一瞬だけ軽く
ブリッジ姿勢になると、僕の背を抱き締めながら崩れ落ちた。
 何だか、可愛い。
 十歳近くも年上の女性に使うのは間違っているかもしれないが、そう思った。潤んだ瞳
は無垢にこちらだけを見つめていて、今にも壊れてしまいそうな儚い表情は心を擽られる。
だが普段の強気で冷静な部分も見えて、その矛盾がアズサ先生を神秘的な雰囲気で彩って
いた。自分でも随分とおかしな表現だとは思うが、そうとしか言いようがないのだ。
 簡潔に言えば、アズサ先生らしい。
 他の皆が思っているようなアズサ先生らしさではないけれど、僕の中でのアズサ先生は
間違いなく今の姿だ。強くて弱くて、クールだけど暖かくて、しっかりしているけれど、
芯も通っているけれど、とても脆弱で壊れてしまいそうな年上の女性。
 愛液が溢れ出る割れ目に唇を重ね、その隙間を埋めるように舌を入れる。感じるのは他
の誰でもないアズサ先生の味と、体に染み込んでいる煙草の匂いだ。贅肉の少ない細目の
太股や膝の裏まで舐めて、何度も舌を往復させてゆく。時折漏れる切なく押し殺した声が
性格を物語っていて、僕に向けられたストレートな感情に嬉しくなる。
「カメ、頼む。そろそろ入れてくれ」
286『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:24:09 ID:Wq71m8xq
 頷き、肉棒の先端を熱くなっている割れ目に当てた。少し腰を進めるだけでとろけた蜜
が先端に絡み、垂れた愛液はシーツの上に染みを作る。その感覚に酔いしれながら、一気
に奥へと突っ込んだ。高い声を漏らしながらアズサ先生は身をのけぞらせて、小振りの胸
が静かに揺れる。シーツを掴む細い指が、とても色っぽい。
「アツいな、お前のは」
「そりゃ、偽物のちんこに比べたら温度あるでしょう」
 言ってから少し失敗したかなと思ったが、それなりにウケたようだった。アズサ先生は
目を閉じて静かに笑い、軽く頭を掻いている。本人にとってはややブラックなネタだった
ので心配したが、懸念する程のことでもなかったようだ。シニカル過ぎる嫌いはあるが、
ツボにハマってしまったらしい。
「ほら、カメ。黙ってないで、そのアツいので掻き回してくれ」
 あまり負担をかけないように、じっくりと、味わうように腰を動かす。いつから行為を
断っているのかは分からないが、あまりにもアブノーマルなのでエニシ先生とのセックス
はしてないらしい。したのも多分、僕との3Pのときくらいだろう。そのせいか全然使い
込まれた様子は無くて、まだ開通してから幾らも経っていないかのようにキツい。相性と
いうものもあるのだろうが、ツルとのときの方がしっくりくるくらいだった。だがこれも
これで悪くない、これも含めての個性だと思う。
「カメ、キスを、してくれ」
 言われた通りに唇を乗せて、そのまま首筋などにもキスの雨を降らせてゆく。白い肌に
ピンク色のキスマークが幾つも付き、これが興奮を引き立たせる。
「うぁ、もう、出ます」
 引き抜き、引き締まった腹の上に精液をぶちまけた。そのまま脱力をしてアズサ先生の
隣でうつ伏せになると、無造作に唇を重ねられる。セックスのときとは違いぶっきらぼう
な感じのものだが、アズサ先生らしく、どこか温かい。
「ありがとう、大分楽になった」
「どう致しまして」
 向けられた笑顔を見て、
 普段は人に見せない笑顔を見て、
 いつまでも今のままでいれば良いのに、と思った。
287『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:26:28 ID:Wq71m8xq
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!! MCは平成の良い男カメと」
水「最近ここでしか出番がない水樹でお送りします!! 今回は6つのレスと七枚の葉書!!」
亀「ゲストはフラれクイーン、アズサ先生でございます!!」
梓「おい」
亀「すみません」

>>244
水「ありがとう!! でもね」
梓「平日のこんな時間に、何故見てるんだろうな?」
亀「うわ、言っちゃった」
水「でも、そんなこと言ったら作者も」
亀「次の日は仕事休みだったから良いんだよ」
梓「だが、真夜中に馬鹿話を書いて投下するのは感心せんぞ?」
水「まぁまぁ」

>>245
亀「いや、ゲーム自体しないからなぁ」
水「それに実写派だしね」
梓「そもそも、高校生がエロゲなどしたら駄目だろう」
亀「ツルがBLやるのも、個人的には」
梓「だが、なんとなくハマりそうな雰囲気はあるな」
亀「いや、でもガチでホモはな……なぁ、水樹」
水「そうだね、有り得ないよね」
梓「だが、カメがツルと付き合うまではお前らはデキてると思ってたぞ?」
亀・水「!?」

>>246
亀「AnotherSeven冥をAAA取るまで頑張れ。そしたらコイと付き合える」
水「それは、物理的に無理じゃない?」
亀「だな」
水「でも、穴冥クリアは目標だね」
亀「ダブルのな」

つ[]風邪ひいたカメを〜
梓「あるのか? と言うか、お前ら」
亀「無いですよ!! 一緒に住んでるんで、絶対ツルのが先です!!」
水「普通に入れないですよ!! そんな、ネギなんか!!」
梓「お前今普通に自爆してるぞ?」
水「うわあぁァ!!」

つ[]こんな俺を〜
亀「胸、ねぇ」
梓「何故私を見る?」
亀「人を叱れる程無いですよね、Bだし」
梓「黙れ」
亀「水樹はもっと無いしな」
水「て言うかあたし男だよ!?」
亀「久々に聞いたな、それ」
水「うるさい!!」

>>249
亀「3DACT?」
水「ごめん、分かんないや。昔のゲームかな?」
亀「知ってますか?」
梓「何故私に振るんだ!! それは知らんが、ファミコンならたまにやる」
水「そんなに無理して合わせようとしなくても」
亀「レトロゲーか」
梓「黙れ!! ジャーバスの楽しさを知らん餓鬼共め!!」

288『ツルとカメ』×32:2007/04/05(木) 00:29:10 ID:Wq71m8xq
つ[]コイが好きな音ゲー〜
水「ニデラばっかりやってるね。ポップンとか嫌いみたいだし、他のも軟派だからって」
亀「あれで結構コアなんだよな、コイも」
梓「ニデラ?」
亀「あ、最近のゲームなんで知らなくても無理ないですよ」
水「うわ、ひど……」
亀「バージョンはハピスカが好きみたいだな、家庭版のは判定がおかしい奴だったが」
水「曲単品だったら、NorthとかLoveAgainTonightとか好きみたい」
亀「作者の趣味丸出しだな」
水「言ったら駄目だよ」
梓「さっぱり分からん」

>>251
水「指テクかぁ、コイの指テクはどうだったの?」
亀「凄いぞ」
梓「私のはどうだった?」
亀「亀の甲より……」
梓「それ以上言ったら殴るぞ? それに、エニシとカメ以外とは経験が……」
水「何こんな場所で言ってんですか!?」
梓「しまった、続きは私の部屋でだな」

つ[]やってない音ゲー〜
水「いらないよ!!」
亀「メジャーなのだと、パラッパとかスペチャンか」
水「そんなのはやってるでしょ」
亀「ときメモ版のDDRとか、ビーマニの石ノ森や松本プロのマイナーチェンジ版とか」
水「まだまだ」
亀「ドンキーコンガとか、ジョジョポケのおぉブラボーとか」水「後半微妙じゃない?」
亀「必死だな。でも言うぞ? 音ゲーかどうかは微妙だが、たけしの挑戦状のカラオケ。
ネオファミとかでマイクをコマンドにして、曲に合わせてボタンを押すやつだ」
水「あれは音ゲーじゃないよ!! 無効、ノーカンだよ!!」
梓「最後のしか分からんかった」

つ[]センスの乳が〜
亀「小四かららしい。その頃から陥没乳首かは分からんが」
水「何素直に言ってんのさ」
梓「少しはデリカシーを身に付けろ。普段からお前は(ry」
亀「でも、発展やら何やらって書いてるぞ?」
水「それは無いよ」

>>273
亀「そうだな、バレたな」
梓「あれだけ露骨に書いたらな」
水「あの人も数人居る四天王候補の一人だったらしいね」
亀「そうなのか?」
水「でも個性が薄いからって」梓「そうだな」
亀「取り敢えず全部の紹介は終りだな。次回のヒロインはチーちゃんか、楽しみだな」
水「明かされる過去、もう一人の幼馴染みのストーリー!!って煽りだね」
梓「いかにして変態になったのか、という話だな」
亀「僕はノーマルですよ!?」
水「来週も見てね、『ツルとカメ』でした。またね!!」
289ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/05(木) 00:30:42 ID:Wq71m8xq
今回はこれで終わりです

蠍火って、慣れると爽快ですね
290名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:47:17 ID:gSR6eRMM
リアルタイムでイヤッホー!

まずはロボ氏に
つ[]<GJ!


そして鍋になった鼈に
つ[]<GJ!
291名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:23:44 ID:M6Aqk6Ga
>>289
GJなんだぜ?
蠍火はあまり得意じゃない俺ヨガファイア

つ[]その後アズサ家の掃除は誰がやったの?

もう一枚

つ[]あれ?エニシ先生との交わりは?
292名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 03:33:33 ID:35fzgoNG
GJ!相変わらずエロスwwww

つ[]<16にしてニートと化した弟を助けてください。
293名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 05:38:47 ID:ABFakb7X
>>289
GJ!
3DACTってのは三次元アクションの事ですよ。
Devil May Cryとか大神とかアルゴスの戦士(02年のPS2版)とか。あとGUNGRAVE。
294名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 18:41:16 ID:acOF4o3Z
要するにあれか。コイを口説こうと思ったら
「DP穴クエも余裕です」
くらい言えないとアカンっつー事かw

…まあ、これ以上は音ゲー分からん住人も居るだろうから割愛するとして、

つ[]そう言えば、男性陣が童貞捨てたのって何歳の時だ?
295名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:02:42 ID:Z56viVSc
たった今

コイがセンスと
DDRでたゆんたゆんという
怪電波を受信しますた
296名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 01:31:33 ID:4W8rYXXf
>>295
ごめん、それ発信したの俺。
ロボ氏に向けて発信したはずなのに。
297名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 18:36:13 ID:oekf1IxM
相も変わらずGJ!

つ[]エニシ先生が戻ってきたら参加は当然として、結局何回戦ヤッた?
298名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:22:17 ID:ttyfhdro
投下しますよ
299『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:23:47 ID:ttyfhdro
第6話『剣』

 リィタが仲間になったが、一つ問題が発生した。と言っても不満を抱いているのは虎蔵
だけなのだが。それは元々世話焼きな性根を持つ彼が、今のリィタの生活を知ってからの
ことだ。幼い外見が娘と被ることも原因だったのだろう。
 リィタは魔法幼女の姿になってからも独自に様々な技術を開発し、それを売ることで、
生活費を稼いでいた。年齢を見なければ珍しいことではないが、いかんせん今のリィタの
体は年端もいかない子供である。そんな彼女が一人寂しくホテル暮らしをしているという
現状が、気になって仕方が無かったのだ。昔からの付き合いであるリリィは妹のそのよう
な部分を理解しているのか、安否さえ確認出来れば良かったらしく反応は以外とクールな
もので、特に気にしている様子は無かった。薫も似たようなもので、無理に引き留めよう
とはせず、あくまでも当事者の問題として扱っているようだった。
「元の年齢だってまだ14だろ? それなのに、独り暮らしはどうよ? あ、それチー」
「んー、でもいきなり元のように二人暮らしをしろってのも難しい話じゃない?」
「ヘドロさん、随分とリィタの肩を持つんですね……いやらしい」
「私は一人でも生きていけます。それとチーは無理です、ポン」
 と、これがそれぞれの言い分だ。
 開発課の研究室の中心、四人は麻雀をしながら話し合っている。他の局員は真面目に仕事をしながら、そんな四人を興味深そうに眺めていた。リィタ
の基本は自由業、悪く言えば無職で、他の三人も最近は忙しかったので有給を使い、こう
して休んでいるのである。何故わざわざ研究室の中で麻雀をしているかと言えば、親交を
深めるという新商品のテストも兼ねてのことだ。するだけで体の各所のコリが取れたり、
健康になったりするというコンセプトを生かした一品だ。もう3徹をしているというのに
四人の顔色が健康そうなのは、その為である。
「何とかならねぇか。もう今日の夕方には娘が林間学校から帰ってくるんだ、その前には
結論したいんだがなぁ。お、上がった、メンタンピンドラ2で親満だ」
300『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:26:21 ID:ttyfhdro
 ぞれぞれから5000点棒を受け取り、千点ずつ返しながら虎蔵は首を傾げる。どうすれば
良いのか、考えた。ラス親だから続行するか、というようなものではない。どうすれば誰
もが納得出来るか、というものだ。
「例えばよ、リィタ。俺んとこ来るのはどうだ?」
「だ、駄目です!! そんな羨ま……ヘドロさんの家になんて!! 何が起こるか!!」
 そんなに信用が無いのだろうか、と溜息を吐く。最近は態度も軟化をしてきたと思って
いたのだが、勘違いだったようだと落胆した。それどころか酷くなっているな、と苦笑を
虎蔵は浮かべ、リリィからの睨むような視線を受け止める。
「私は、構いませんけど。でも、多分苦しむのは虎蔵さんだと思いますよ」
 リィタは牌を積んでいた手を止めると、真剣な表情を浮かべて虎蔵を見た。こめかみを
撃ち抜くように自分の白銀色の髪を指差して、
「どうして私の髪がこんな色なんだと思います?」
「そりゃあ」
 少し考え、
「俺が変身したとき、被ったらマズいからだろ」
 その答えに白い目を向け、リィタは舌打ちを一つ。
「真面目に答えて下さい」
「月の魔女の血族、ってのは違うな。マジに答えると、テロメアの問題か?」
 言ってから、後悔する。出来れば考えたくなかった問題だ、これに肯定の答えが返って
くれば残酷な答えが出されることになる。普通に考えて、受け入れるべきではない答えが。
 果たして、リィタは頷いた。
 これで証明された、もうリィタの先が決して長くはないことが。
「魔法幼女になったばかりの頃は、虎蔵さんの変身時のように金髪でした。ですが今は、
このように全て白髪へと変わっています。意味は分かりますね?」
 リィタがそれぞれに視線を回すと、誰もが苦い顔をした。
301『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:28:40 ID:ttyfhdro
 こう言っているのだ。
 外見こそは不老だが、組織全体の劣化が激しいものであると。
 『首吊り』事件の際に魔法幼女になったのであれば、まだ二年しか経っていない。その
間に白髪になったということは、その二年間が通常の人間でいうところの60年程も経過を
したことになる。残る寿命は一年と少し程しか無いということだ。もしかしたら、もっと
少ないかもしれない。それはとても、残酷な答えだ。
「一時的にとはいえ、こんな重荷を背負って生きることになるんですよ?」
 数分。
 虎蔵は悩み、結論した。
「構わねぇよ」
「ちゃんと考えましたか!? 格好付けるだけじゃ済まない話なんですよ!?」
「そうよ、虎蔵ちゃん。後で苦しむのは」
 虎蔵は二人を睨み、煙草を取り出して火を点けようとし、
「うわ、何だ!?」
 局員の一人がテスト走行していた防火用のセキュリティロボ『マッチ』の全力水噴射を
受けて吹き飛ばされる。立ち上がろうとする虎蔵に追い討ちをかけるように『マッチ』は
股間のホースから水を連射、慌てて局員が止めようとしたがうっかり転んだ表紙に背中の
スイッチを『ノーマル』から『キャノン砲』に変えてしまい、水の勢いに負けた虎蔵の瞳
から光が少しずつ失せてゆく。手足はとっくに脱力してしまっていた。
「と、虎蔵さん!?」
「俺は大丈夫だ。それよりも、何が重荷だ? ふざけんなよ!!」
 叫びながら立ち上がったが、今度は水流が股間を強打。目を大きく見開き悶絶しながら
倒れる虎蔵を見て、薫や男の局員が股間を押さえた。自分が撃たれた訳でも無いが、各所
から悲鳴に似た声が漏れてくる。
「虎蔵さん、生きてますか?」
「平気だ。えぇと、どこまで言ったっけな? そうだ、重荷だ。それは違うぞ、リィタよ。
お前も何だよ、そんなに自分を卑下しやがってよ。生きてるんだろ? 人間なんだろ? 
だったら胸を張って、自分をしっかりと見つめてやれ。それはお前にしか出来ないことだ」
 涙目になっているリィタの髪を撫で、笑みを向ける。
「それだけ守ってりゃ、それ以外のことなんざ大したこたぁねぇよ」
「何だか、アツいですね。でも、そんなのも嫌いじゃ……ひゃあ!!」
 不満そうなリリィの手によって『キャノン砲』から『超新星爆発』まで切り替えされた
極悪な威力の超水流が、再び虎蔵の股間を撃ち抜いた。
302『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:31:01 ID:ttyfhdro
 ◇ ◇ ◇

 大事そうにヤキソバの材料を抱えて歩くリィタが、こっそり手を伸ばしてきた。虎蔵が
それを握ってやると、リィタはどこか擽ったそうな、嬉しそうな顔をする。
「まるで、お父さんみたいですね」
「構わんさ、娘になっ……あんにゃろう」
 言葉を途切らせて睨んだのは、すぐ隣にあった公園の広場だ。サユリもよく連れてくる
場所だが、今は昼を少し回った時間帯。居るのは談笑をしている奥様達だけだが、様子が
普通ではなかった。どこにでもある風景のようだが、決定的に違う部分がある。
 動いていないのだ。
 笑みを浮かべてベンチに座っているので最初は呑気なもんだと思って見ていたのだが、
声が聞こえてこないのが違和感の始まりだった。おかしそうに振り上げられた腕は空中で
固定され、口も動いていなければ瞬きすらしていない。決定的だったのは体から立ち上る
煙だった。遠目だったので視認はし辛いが、目を凝らして見ると白い煙が彼女達やベンチ
から発せられている。まるで、炎天下の下で放置された氷のように。
 快音。
 銃声が空から響き、一人の体が粉々に砕け散った。それは連続して響いて、次々と奥様
の体が砕けてゆく。繊細な硝子細工が割られるように。
「おい、行くぞ」
「はい。ヤキソバタイムを邪魔した罪を、償わせてやりましょう」
 虎蔵は腕輪を、リィタは指輪を構えて同時に叫ぶ。
『FullmetalTiger:Enter;』
『MoonBrea:Enter;』
「「我ら悪を切り裂く正義の剣、魔法幼女只今参上!!」」
 変身は一瞬、魔法幼女となった二人は公園の中心へ飛び込んだ。
『来たか、魔法幼女!! 幼女が二人とは、これはこれで中々な眺めじゃのう!! 幼くない
女どもを見たストレスが一気に解消されるわい、どれパンティもついでに見せてみい!!』
 突然現れた飛行船の巨大モニターから、Dr.ペドはセクハラ根性全開の発言。リィタは
頬を染めてスカートを押さえたが、虎蔵は鼻で笑った。外見は幼女でも中身は中年の男だ、
パンツを見せろと言われても痛くも何ともない。憐れな年寄りだ、と思うだけだ。魔法の
ステッキからブレードを伸ばして、虎蔵は身構えた。
303『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:35:16 ID:ttyfhdro
 空から、コタツが降りてくる。
 中から出てきたのはパジャマの上にドテラを着た、眠そうなに目を半開きにした幼女。
先程の銃声は手に持ったライフルによるものだろう。どのような仕組みかは分からないが、
これで砕いたことは間違いない。リィタもスカートを押さえていた手を離し、彼女を睨み
身構えた。ここから先は、照れなどしていたら殺される。
『まんず宜しく、あだすは花子。さ、行くべさ』
『DragneelSystem:Enter;』
 言いながら花子はコタツに再び潜り、
『WorldOfWhite:Open;(銀世界展開!!)』
 言うのと同時に、周囲を巨大な陰が包んだ。
 雪が降る。
 コタツが飛び上がった先を見れば、その発生源が見える。広場を埋める程に巨大な装置
から、大粒の雪が降りてきていた。しんしんと周囲の音を消しながら、それは静かに降る。
「リリィ、聞こえているな!?」
『何ですか、人がせっかく煮込みうどんを食べようと』
「敵だ!!」
 その一言で伝わったらしく、息を飲む音が通信機越しに聞こえてくる。早く壁を出せ、
の声に返事が来て、瞬時に虎蔵とリィタの周囲に光の壁が展開した。間一髪といった所で
雪を防いだが、銀世界の文字通り周囲に雪が積もってゆく。
『敵の能力は?』
「雪が降っ……凍りやがった!!」
 周囲を見て、雪の効果を知った。
 雪が有り得ない速度で蒸発しているのは立ち上る水蒸気で分かったが、それ以上に驚く
ものがあった。どんな液体にも気化熱というものが存在する、蒸発する瞬間に大きな熱量
を持っていくという現象だ。この雪はその熱量が半端ではないのだろう、瞬く間に周囲の
樹々や遊具が凍り付いていた。何もかもが氷で覆われた正真正銘の銀世界、言葉の本当の
意味はこちらだったのだ。
『どうだね、虎蔵君。許容熱量が少なく、沸点も低い。そして気化時は莫大な熱量を奪う、
最高の液体だ。これでバナナも瞬間冷凍、形も崩れずにロリマンコに突っ込むことが可能
なのだよ!! 崩れて周囲に付いたのを舐めるのも良いが、やはり丸ごとバナナだよなぁ!!』
304『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:36:52 ID:ttyfhdro
 Dr.ペドがふざけた発言をしている間にも、雪は止まらない。空を見上げれば花子が顔
とライフルの先端だけをコタツから出して、こちらを狙っているのが見えた。動けない今
の自分達は、格好の標的だろう。ライフルの威力は分からないが、押し切られる可能性が
ある。虎蔵はリィタを抱えて大きく跳躍した。
 銃声。
 頬を霞める銃弾の熱さを感じ、理解する。
 高い温度を持った弾丸により熱量を与えられ雪の気化は一気に加速し、更にその銃弾が
撃ち込まれたことによる衝撃で相手は砕け散るのだろう。回避をしようにも雪は満偏なく
降っているし、避けられるものではない。言うなれば、この大天蓋の下全てが絶対領域。
しかも今の理屈で言えば、Type-Fの重装甲でも防げるようなものではない。
「面倒な敵だ」
「いつものことですがね」
 吐息をして、リィタは両腕を空に向けた。左右の腕に備え付けられたパイルバンカーの
射出機構が唸りを上げて起動し、ギアの摩擦によって巨大なガントレットが赤熱化する。
白銀の杭の砲台となったリィタを見て虎蔵は目的を理解し、ステッキの第三ボタンに手指
を沿えた。チャンスは一瞬、杭を撃つ瞬間に光の壁を消さなければいけない。その瞬間に
雪に体が触れないように、装甲を解除して壁にする為だ。
「リリィ、俺の合図でTigerWallを切れ」
『了解です』
 パイルバンカーの唸りはまだ止まらない。天蓋に届く為の力を蓄える為にギアは何度も
組み変わり、各部に回転を蓄えてゆく。刺さるだけでは駄目だ、突き破り、破壊するべく
エネルギーを増幅させてゆく。ガントレットはもはや赤熱を通り越して白く輝き、焼ける
腕の痛みにリィタは表情を苦痛のものに歪めている。それでも止めずに、ただひたすらに
続けているのは月の魔女としての誇りのようなものがあるからだろうと思う。空の騎士の
血族と先日リィタは言っていたが、虎蔵にはそれがどのようなものか分からない。しかし
意味と誇りは理解出来る。空に浮かぶ月のように、人を優しく照らし守るものなのだ、と。
305『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:38:28 ID:ttyfhdro
 鈍い音をたてて、唸りが止んだ。
 陽炎に揺らめく大気の中で、リィタは虎蔵に視線を向けて、
「準備、完了です」
「よし、今だ」
 壁が消え、
『MoonStriker:Open;(月帝砲展開!!)』
 二本一対の杭が撃ち出される。
 一瞬後には音速の数倍の速度で飛んだ杭が、天蓋の中心を撃ち抜いていた。穴から晴天
の空が見え、差し込まれた日の光が周囲を照らし出す。溶けた氷が加速度的に公園を凍り
つかせているものの、雪はこれ以上降ることはなくなった。
「うわ、寒ぃ!! だが、このままキメるぞ」
『そうはいかんべぇ!!』
 花子はコタツ板の上に立つと、半開きになっていた目を見開いた。
『WhiteAxel:Open;(雪風展開!!)』
 コタツ布団が開き、中から出てくるのは先程と同じ雪だ。速度と指向性を持つそれは、
先程のように広い範囲ではないものの的確にこちらを狙ってくる。狭い吹雪は猛烈な勢い
で大気ごと凍らせ、日光によって溶けた空気が竜の鳴き声に似た音を響かせる。
 問題はそれだけではない、壊した天蓋が降下を始めていた。このままでは周囲の建物が
押し潰されたり、溢れた溶液が飛散してしまうだろう。もしそうなってしまったら被害は
決して少なくはない、これでは花子を倒したとしても本末転倒だ。Dr.ペドの本来の目的
は幼女以外の女性を全てこの世から消すこと、それが実行される。
『私に考えがあります。ヘドロさん、新装備です』
『Type-P:Enter;(矛盾装備展開!!)』
 虎蔵とリィタの装甲が弾け、服装が変わる。
 二人のワンピースは、虎蔵が赤、リィタが白のチャイナドレスに。パワーアシスト用の
太いアーム装甲が背部から腕部にかけて合致し、脚部には移動用の大型バーニアが着く。
それぞれの腕に収まるのは、巨大な剣と盾だ。
306『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:39:46 ID:ttyfhdro
 虎蔵のものは柄の長さだけで1.5m、全長は6mにもなる剣、刃の部分がチェーンソー型の
ものだった。リィタのものは全長4m程もある縦長の肉厚な盾で、強度は推して知るべし。
二人の体駆には到底合わない、いや、誰も使えないような力の塊だ。
「こりゃあ」
『理論上、その剣で切れないものは存在しません。また、その盾で防げないものもこの世
には存在しません。それを元に作られました』
「確かに矛盾ですね」
 言いながらリィタは吹雪に向けて盾を構えた。
「ですが、あの雪くらいなら防げるようです」
 雪を受けても、銃弾を受けても、全く揺るがない。
 二人はバーニアをふかして飛び上がり、花子へと向かってゆく。一方向からの雪などは
恐れる必要などはない、全て盾が防いでくれる。その性能にリィタは驚きの表情を浮かべ、
そして虎蔵と目を合わせて笑みを作る。虎蔵も頷いてトリガーを引き絞ると、エンジン音
を響かせて無数の小刃が移動を開始した。虎の爪牙のようなそれは僅か数秒でトップギア
に入り、今にも敵を喰らおうと腕の中で暴れ始める。
「餓鬼は餓鬼らしく」
 パワーシリンダーをフル稼働させて暴走する刃を安定させ、腰溜めに構え、
「コタツに込もってないで遊べ!!」
 振り上げる。
『ぬあぁ、コタツの中でのスリリングなエロ悪戯がぁァッ!!』
 Dr.ペドの叫びも虚しく、花子はコタツごと両断された。飛散する溶液をリィタが盾で
防ぎつつ、二人は降下中の天蓋を睨みつける。花子は倒したが、これを何とかしなければ
今回の戦闘は終わったことにならない。寧ろこっちがメインと言っても良いくらいだ。
「どうすんだ、考えがあるってよ?」
『その剣でリィタの盾を攻撃して下さい、それも全力で。絶体的な運動速度と切味を持つ
これと、最高の防御力を持つ盾を噛み合わせれば、摩擦で』
307『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:41:41 ID:ttyfhdro
「莫大な熱が発生、ですか」
 最後の部分を持っていかれてリリィは不満そうな声を漏らしたが、構うものではない。
「だがよ、蒸発すんのは分かるがな。物凄い寒いんじゃねぇか、俺らが」
『大丈夫です』
 何か秘策があるのかと思ったのは一瞬、通信機の向こうのリリィは冷静な声で、
『もし風邪を引いても、全力で看病します……課長が。それに馬鹿は何とかを引かないと
昔から言うじゃないですか、だからヘドロさんなら平気だと思います』
「ふざけんな!!」
 苦い表情をして通信を切って虎蔵は天蓋の真上まで上昇、装甲を切り裂いて溶液タンク
の近くまで移動する。それに続くリィタの顔も緊張に満ちていた。
 虎蔵とリィタはお互いに頷いてタイミングを確認、大きく息を吸い込み、
「「せーの!!」」
 轟音。
 盾と剣を噛み合わせながら、タンクに打ち付けた。溢れる溶液は瞬時に気化して視界を
閉ざし、パワーアームを凍り付かせるが、武器が発する熱量も負けてはいない。それで暖
を取りながら、勢いに負けないようにより強く武器を噛み合わせる。ここから先は忍耐が
勝つか体が負けるかの勝負だ、歯を食い縛って二人は耐える。
 たっぷり数十秒かけて、勝敗が決した。
 溶液が底を着いたのだ。
「よっしゃあ!! トドメだ、気合いを入れろ!!」
「『了解です!!』」
『Type-D:Enter;』
『Type-G:Enter;』
 虎蔵は高速で移動しながら天蓋を切り裂いてゆき、リィタは鋼鉄のタロットで破片を更
に細かく砕いてゆく。その結果生まれるのは無数の金属の破片達、金属で出来る粉雪だ。
雪を降らせる装置を砕き、それが雪のようになるのは皮肉なものだ、と虎蔵は思う。
「何だか、綺麗ですね」
『体にはかなり有害ですけどね』
 この光景をサユリに見せてやったら喜ぶだろうか、そして「ぱぱ超大好き!!」と言って
くれるだろうか。そんなことを考えて、虎蔵は目をヘドロのように濁らせた。
308『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/07(土) 23:43:13 ID:ttyfhdro
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナー、今回は四枚の葉書と2つのレス
をご紹介よ。ゲストは花子ちゃん、よろしくね?」
花『よろしくだす』

つ[]ロボ氏は〜
セ「最近は少し行くようになったみたいね。しかも自己主張丸出しな内容で」
花『あれはアウトじゃねぇべか』
セ「全く、困ったものね」
花『デレも分かりずれぇしな』
つ[]ライダース姿の〜
セ「気に入ったみたいだけど、出なかったのよね?」
花『作者の後先考えない部分があったからな』
セ「虎蔵さんにはもうType-Dの箒があるし、リィタちゃんには地上用の乗り物は禁止だし」
花『何で空の騎士とかやっちゃったんだべな?』
セ「残念ね」

>>270
セ「何を期待したのか丸分かりね」
花『でも、オラの研究所には居たんよ。その内出てくると思うずら』
セ「本格的に虎蔵さんがピンチね」
花『今物凄い表情してるな』

つ[]銃使いの〜
花『これがオラの原形だな』
セ「暗殺とは違うけどね」
花『んでも冬だば暗殺になるぞ?』
セ「あの大きな天蓋はどう誤魔化すの?」
花『しまっだ!!』

つ[]そろそろ合体技〜
セ「協力はしたけど、あれは合体技って言えるのかしら」
花『あれは違うんべ』
セ「前々回の水着幼女の方が合体技っぽいわね」
花『あの二人は仲が良がったからなぁ。レズだし』
セ「そうなの!?」
花『んだ』

>>275
セ「この住人の業の深さを見た気がするわ」
花『全員がそうじゃねぇべ。んだども、こいつはカルマが凄ぇな』
セ「びっくりよね。それに虎蔵さんが幼女に手出しなんかする筈無いしね」
花『んだべが?』
セ「虎蔵さんは巨乳派だもの」
花『成程な。お、もう時間だべ』
セ「あら本当、これで最後ね。それじゃあ花子ちゃん、神様によろしく言っておいてね。
貴方のハートを一刀両断、『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』でした」
309ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/07(土) 23:44:06 ID:ttyfhdro
今回はこれで終わりです

これも折り返しですね
310名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 02:38:48 ID:RD6GHe7t
よっしゃあ一番槍!神!GJ!今更だがロボ氏消えたらここ確実に破滅だな。
次は見た目は熟女頭脳はよ う じ ょで。
武器は・・・・





なんとなく磁力操作で
311名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 03:37:18 ID:sLpujB7F
獣っ娘だろ
爪、牙、羽サイコー。
312名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 13:15:53 ID://9GgOUk
股間のキャノン砲って、先行者じゃないんだから…www
でも矛盾のアイデアには感動しますた。GJ

そう言えば…忍者とドリルをリクエストするのを忘れてたな…
313名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 15:55:54 ID:ze9AADPW
>>309
毎度乙に候。
Stylish Crazy Action「暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦」はいつ発売ですか?

つ「ヨージョ・ジョースター。スタンド名『メタルウルフカオス』」
314名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 00:34:39 ID:W7/m2ZRj
GJ!
矛盾装備の使い方は本当に凄いと思った


明日はもうツルとカメになるから、今の内に

つ[]褐色肌の幼女
315名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:28:09 ID:jXDAoZta
つ[]<ならばやはりオッドアイ
316名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 00:05:46 ID:VHJN1yv4
投下しますよ
317『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:07:09 ID:W7/m2ZRj
 休日、生徒会の仕事も一段落、良い天気と三つ揃えば心が晴れやかになり自然と足取り
も軽くなる。今日は僕と水樹、一真とチーちゃんという幼馴染み四人組だけの久し振りの
外出だ。普段はツルやコイ、センスやミチルが居るのでクラスメイト連中という意識の方
が強いけれど、この組み合わせだと昔からの仲間という考えの方が出てくる。
「何か今日は風が強いですね。他の皆さんが居ない分カメさんへの風当たりは弱いですが」
「そうだな」
 頷いたが、しかし心配は要らない。昨日の夜から雪が降り始めてきて気温はかなり低め
になっているが、ツルが編んでくれたマフラーを着ていれば、例え遠きソ連のツンドラの
平原だろうが極寒の大陸北極だろうが寒くも何ともない。愛が持つ熱量は無限大、心も体
もホットミラクルが起きてたちまちの内に全身が燃え盛る。
「分かるか!?」
「はい、カメさんが風邪を引かない理由がはっきりと。原因はマフラーではなく、頭の方
だったんですね。少しは改善されてると思っていたのに、がっかりです」
 チーちゃんも随分厳しいことを言ってくれる。だが昔からのことなので気にならないし、
寧ろチーちゃんらしくもあって悪くはないと思う。率直と無礼は違うが、僕など昔からの
馴染みの人以外には礼儀正しいので問題はない。
 ただ、心配すべきは乳の小ささだ。昔からよく喋る子だったから、もしかしたら言葉と
一緒に乳を大きくする特殊な成分が逃げてしまっているのではないだろうか。そうだった
としたら、早急に問題を解決する必要がある。例えば、口に栓をするなどはどうだろうか。
バナナやフランクフルトなど口に含んでいても自然で、なるべく体積の大きいものの方が
好ましいだろう。密閉する訳にはいかないが、それで隙間を減らすことが出来れば良い。
僕は水樹から渡されたハンバーガー屋の包みからフランクフルトを取り出した、これなら
暖かいし前に言った条件も満たしているし正にパーフェクトだ。
「さぁ、チーちゃん!! 巨乳目指してこれを口に含むんだ!! おっと、歯を立てちゃ駄目
だからな? 噛み千切ったら意味がない。そう、そうやって舐めるのはオーケーだ」
318『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:09:51 ID:VHJN1yv4
「お前の頭がオーケーじゃねぇよ」
「あー、あたしのフランクフルトぉ!!」
 ホモではないが、二人でトイレに行っていた水樹と一真が帰ってきた。
「全く、何で少し目を離しただけでナチュラルにセクハラかましてんだ。しかも人の妹に」
 セクハラをしたつもりは無かったのだが、確かに少し配慮が足りなかったかもしれない。
公衆の面前で乳を大きくしようなどと、マナーが欠けていた。只でさえ乳が小さいのに、
それを公言するようなものはコンプレックスを刺激する駄目行為だ。せめて無言で加えて
もらうようにするべきだった、次からは努力しよう。
「で、どこで食う?」
「適当にカラオケにでも行こうよ、外は寒いし」
 だったらミニスカートなぞ穿かなければ良いと思うのだが、ジーンズを穿くとかいった
選択肢は無いのだろうか。冷え症とファッションは別問題だと分かっているが、それなり
に着込んでいてもバチは当たるまい。それに幾ら良い太股をしていると言っても、水樹は
男であり幼馴染みであり親友だ。それを考えれば、欲情などする筈が無い。
 つまり今見るべきは、チーちゃんの太股だ。
「何ですか、そんな下品な視線で」
「消去法だ、チーちゃんには少し難しかったか?」
 だが、いずれ大人になれば分かるだろう。
 頭を撫でてやると不満そうな顔をされた。昔は喜んでくれたのに、こんな反応をされる
ようになったのはいつ頃からだっただろうか。チーちゃんの股間に毛が生えてくるまでは
嬉しそうに擦り寄ってきていたのは覚えているが、そこから先の記憶が何とも曖昧だ。
 水樹から焼きサンマのライスバーガーを受け取りつつ思い出してみれば、中学に入った
ばかりの頃はまだ僕にべったりだった気がする。言動のキツさはその辺りから増してきて
一真によく相談されたものだが結局一真が原因だと分かり、放置の決定で話は終わった。
 だとしたら、
「チーちゃんの中で一番の事件は?」
「六歳のとき、カメさんにされた浣腸です」
 やっぱりそれか、そうなれば原因は僕か。チーちゃんが捻くれるきっかけとなったもの
も、最初のセックスが尻だったのも、全て僕に原因があるというのか。
 自分の業の深さを思い知り、吐息をする。
「何を溜息吐いてんだ、着いたぞ?」
「あ、すまん。良い乳があって、ついそっちばかり」
319『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:12:43 ID:VHJN1yv4
 三人に半目で見られた。冗談が通じないタイプではないと思っていたが、そんなに嘘に
リアリティが有ったのだろうか。これは良いことを知った。それだけの演技力があれば、
ツルに自身が背の高いバインバインの巨乳ナイスバディであると錯覚させることが出来る。
「いや、流石に無理か」
 カラオケ屋に入ろうとしたところで、なんとなく細い路地が目に着いた。置かれている
ものは空き瓶の入ったプラスチックのケースや、ゴミが入った袋。そのようなありふれた
ものの奥の部分に少し目を引かれた、雑誌が束ねてあったからだ。
 思い出すのはまだ小学校低学年の頃、チーちゃん浣腸事件が起こる前の話だ。昔は四人
でよくエロ本墓場に行って未知の世界を楽しんでいた。僕が金髪巨乳外人を好きなのは、
そのときに見た本による擦り込みによるものだろう。無垢で無邪気な好奇心は知識を吸収
させることに貪欲で、ページの向こうにある夢の世界を歩く為の原動力とさせ、一人でも
エロ本墓場へと進ませるくらいだった。大人にバレても責任をなすり付ける存在が居ない
状態で、しかも茂みの奥にあるので怖かった筈なのに。
「何してんだ? 早く来いよ」
「うあ、すまん。今行く」
 それにしても、何か大切なものがあった気がする。

320『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:14:33 ID:VHJN1yv4
 ◇ ◇ ◇

「さっき何してたんですか?」
「思い出に浸ってた」
 演歌をデュエットしている二人に視線を全く向けず、曲を選びながらチーちゃんが尋ね
てきた。その横顔は綺麗な顎のラインや薄い唇の形がよく分かる、どこか作り物のような
無表情。見慣れたものの筈なのに、これが少し気にかかった。
「チーちゃんさ、何か」
「あ、ごめん。家から連絡が来て帰らなくちゃいけなくなったみたい」
 言葉を遮るように、水樹が言ってきた。フリータイムで入ったのにまだ一曲しか歌って
いない、タイミングが悪いにも程がある。名残り惜しそうにマイクを置きながら、水樹は
肩を落として部屋を出ていった。この中で一番のカラオケ好きだから、さぞや残念だろう。
細い太股も頼り無さ気に動き、足取りはとても重いものになっている。
 一人二曲目に入った一真はハードロックの良いシャウトを響かせていたが、何故か突然
叫びを止めた。そしてこちらを見ると口の端を歪めた笑みを作り、
「悪いな、俺も急に用事が出来た。突然エロ本の神が脳内に降りてきたから、ちょっくら
近くの本屋巡りの旅をしてくる。金は置いとくからな。カメ、チーを頼んだぞ?」
 唐突に何を言い出すのかと思えば、そんなもの後でも良かろうに。財布から四人分の金
を出してテーブルに置くと、弾むような足取りで部屋を出ていった。本当にホモ野郎では
ないだろうが、水樹の後を嬉しそうに追い掛ける姿が何とも不気味だ。一真が何かを語り
かけると水樹はちらりとこちらを向いて、複雑そうな笑みを浮かべた。
「一気に人数が減りましたね」
「そうだな、何かチーちゃんと二人なのも久し振りで」
 まるで昔のようだ、と思ったところで思い出した。
「初めて僕に馬鹿って言ったのも、二人きりのときだったな」
「そうですね」
321『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:17:09 ID:VHJN1yv4
 ページを捲る手を止めて体の向きを変更、こちらに向き合うように座り直した。昔から
真っ直ぐだった、今も変わらず真っ直ぐな視線が僕と目を合わせてくる。距離が近いので
少し顔を傾げただけでも唇が触れてしまいそうで、それが圧迫感を出していた。
「最初の馬鹿は、思い出すのも恥ずかしいですね。随分と失礼で」
 思い出す。
 一人でもエロ本墓場に行っていた僕だったが、一番多かったのはチーちゃんと二人での
行動だった。家の中での話は別として、一真よりも寧ろ僕と一緒に居た時間の方が多いの
ではないかと思うくらいよく懐いていた。どこに行くでも何をするでも一緒、当然エロ本
を見るのも二人仲良くだった。浣腸事件の後は少し溝のようなものが出来ていたが、それ
でもやはりいつも一緒で、手を繋いで藪の中へと入っていったものだ。実の兄を差し置き、
僕とチーちゃんは兄妹よりも兄妹らしかったと思う。
 そしてある、日問題が起きた。
 エロ本を持って帰っていたチーちゃんだが、その秘密コレクションが親にバレてしまい
大目玉を食らってしまったのだ。原因の一端は僕にもあるし、何より目の前で涙目になり
怒られているチーちゃんを見ていられず、お袋さんに僕が持ってきたのだと訴えた。今に
して思えば随分と稚拙な嘘だ、段ボール数箱にも及ぶ量だったのだから。だがエロいこと
以外では良い子として通っている僕に免じてくれたのか、チーちゃんは解放されたのだ。
その後は何事もなく済んだのだが、今度は僕が怒られると思っていたらしい。チーちゃん
は泣きながら僕に何度も馬鹿と言っていた。
 ついでに、と言いながらチーちゃんはそっけなくなった理由を話してくれた。それは、
中一の夏の出来事。アイスの食べ過ぎで夜に腹痛を覚えたチーちゃんは薬の場所を訊きに
両親の寝室の扉を開けてしまったところ、うっかり生セックスを目撃してしまったという。
今まで本の世界、紙の向こうの出来事だと思っていたものを目の当たりにして、自分の中
で現実身を帯びてきて、何だか僕に会うのがキツくなってきたという話だった。思春期と
重なって段々と距離が離れ、気付けばもう今のような状態になっていた、と。
322『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:18:19 ID:VHJN1yv4
「何か、勿体無い話ですね。せめて離れていた時期に口が悪いのを直してたら、そんなに
印象悪くなかったと思うんですけど。何かつい、本音とかが出ちゃって」
「今最後も本音丸出しだったぞ?」
 言ってから気付いてしまったらしい、チーちゃんは悶絶してテーブルに顔を伏せた。
「でもカメさんはそんな私にも、ずっと同じように接してくれて」
 嬉しかったです、と言いながら袖口を小さく摘んできた。
「情けないですけど、二人きりだから言えます。好きです、大好きです!! ラヴユー!!」
 マイクを掴みながらの叫び、部屋に何度も響かせて危うくハウリング現象を起こしそう
になったところでマイクのスイッチを切った。だが、耳にはまだ残っている。
「でも、僕にはツルがだな」
 睨まれた。
「あぁ、あの頃に戻れたら」
「……そうだな」
「幼女状態ならカメさんの心をガッツリ手に入れれたのに」
 何だか酷い誤解があるようだ。僕はいつもツルとエロい
ことをしているが、体型に欲情しているのではなくツルに欲情しているのだ。うぁいかん、
思い出したら急速にツルに会いたくなってきた。今目の前に居るチーちゃんには失礼な話
だが、やはり一番大切なのはツルなのだ。
「くぁ、クァムェすゎん!!」
 再びマイクを入れたせいで妙な呼び方に聞こえる声で叫び、
「せめて昔の、あのときのように!!」
 タックルを仕掛けてきた。
 正しくはバランスを崩しただけのようだったが、体重の乗った重い組み付きはタックル
としか言いようがない。気付けば押し倒されたような状態で、モロに口がぶつかったせい
なのか口の中に血の味が広がった。
「はぁ、格好悪いですね」
「それは良いから、どいてくれ」
「嫌です、こんなチャンス逃せません」
 今度はゆっくりと、丁寧に唇を押し付けられる。舌が滑り混んできて、口内の傷を癒す
ように何度も往復してゆく。チーちゃんの方も口が切れているのか、僕のものとは僅かに
違う血の味が広がった。チーちゃんが僕の側に居ると、そう自覚させられる味だ。
323『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:21:37 ID:VHJN1yv4
「カメさん、私のこと嫌いだったら今すぐ突き離して下さい。でも、そうじゃなかったら
もう少しこのまま、いえもっと、もっと愛して下さい」
 突き放すことなど、出来る訳がない。
 僕はチーちゃんを抱き締め、髪を撫でる。
「あぁもうじれったい、そんなじゃなくて、もっとガバッと!!」
「ま、待て!!」
 ガバッと服を脱ぐと、チーちゃんは顔に胸を押し付けてきた。まさかさっきまでの流れ
から唐突にエロに変わるなんて、誰が予想しただろうか。いかん、これが一緒にエロ本を
読み続けてきた弊害か。誰もが僕のように綺麗な心のまま居られる訳ではないというのは
分かっていたが、こんな身近に被害者が居るとは思わなかった。なるほど、このような娘
が発生するならエロ本が18禁なのも頷ける。日本中がこのような状態になったら、スケベ
業界ばかりが発展して財政的に傾いてしまうだろう。常任理事国として、それは駄目だ。
第三次産業だけの国なんて、それこそ大惨事。笑えないにも程がある。
「お願いします、今だけは私の恋人で」
「いや、でもソファー汚したら店に迷惑だし」
 チーちゃんはテーブルの上にあった強粘性ドリンク『マグナムヨーグルトS』を周囲に
ぶちまける。僕の顔にも少しかかるが、何だろうこの気分は。水樹や一真と違って一度も
女の体になったことなど無いのに、何故だか汚された気分が分かった。白くどろりとした
液体がかけられるのは男としてどうかと思う、水樹達もきっと同じ気分だったのだろう。
「ほら、これで大丈夫です。もう少し汚しても変わりません」
 チーちゃんは向こうの学校で一体何を習ってきたのだろうか。それともやはり織濱関係
の呪いか何かだろうか、この辺りの人間は全体的に過激な傾向があるし。
「お願い、します」
 言いながら、『マグナムヨーグルトS』が付いた顔を舐めてきた。拭うものならば備え
付けの紙ナプキンがあるのに、子犬のように丹念に頬や鼻筋に舌を這わせてくる。いつも
僕がツルなどにしていることだが、されるのは久し振りだ。エニシ先生もセックスをする
ときはよく舐めてくるが、それは下半身にばかり集中している。アズサ先生は下半身だけ
でなく胸も舐められていたから、エニシ先生は単にエロい部位が好きな性癖なのだろう。
324『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:24:07 ID:VHJN1yv4
「今他の人のこと考えてます?」
 鋭い。
「目の前に女のが居るのに、他の人のこと考えて、おまけにこんな固くして」
 睨みながら、先日のことを思い出したせいで固くなっている部分を握ってくる。あまり
強い力ではないが、それのせいで気持ちが良い。顔に当たる胸の感触もあり、更に大きく
なっていくのが分かる。ジッパーを下げられ冷たい手指で触れられたら、増々気持ち良い。
「揉んで、下さい」
 竿をしごかれながら、胸に吸い付いた。もう片方の胸に掌を伸ばし、少し力を込める。
発育の途中らしく少し芯の固さが残っている状態だが、これはチーちゃんがパスタ好きな
ことが関係しているのだろうか。アルデンテな乳だが肌のキメが細かく、張りもあって、
中々の感触だ。これはこれで、また良いと思う。
 下着の上から割れ目を撫で、ゆっくりと脱がしてゆき、
「待てよ」
 一真と竿兄妹ってのは、どうだろうか。
 それはいかんと考え、太股の間にブツを差し込んだ。いわゆる素股だが、初体験のとき
に行ったアナルよりは幾らか健全だろうと思う。それに入れなくても僕は充分に気持ちが
良いし、無理にチーちゃんの前を貫通する必要も無い。不満そうな目で見てくるが、理由
を話せない以上は黙って視線を受け止めるだけだ。ある程度怒られるくらいで済むのなら
安いものだろう、変に傷付けるよりもずっと良い。
 体重をかけながら割れ目に竿を押し当てて、腰を動かし始める。よく擦れるように脚を
肩にかけ、両腕で抱くような体制だ。すべすべとしていて程良い弾力も有って僕も気持ち
が良いし、表情を見ればチーちゃんも結構感じているらしい。濡れが少ないのは、センス
やアズサ先生のように体質的な問題だろう。問題無く動かせる程には濡れているが、念の
為にグラスに僅かに残っていた『マグナムヨーグルトS』を股間に垂らした。これくらい
粘るものなら良い潤滑油になるだろう。これなら間違っても擦り切れて妙な病気が入って
くることも無い筈だ、我ながら良いフォローっぷりに感動する。
「何か、変な感じです。それに、眺めが」
「多少の犠牲は付き物だ」
325『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 00:25:28 ID:VHJN1yv4
 チーちゃんは脚に力を込めて首を固定すると腰をスイング、壁に頭が打ち付けられた。
こんなアクロバティックな攻撃を仕掛けてくるなんて、ツルには出来ない芸当だ。ツルの
場合は半マグロだし、仮に動けたとしても今の擦れで達してしまう。すぐに駄目になって
しまう敏感な体は伊達ではない、ツルの感度の良さは並のものではないのだ。
「また他の人のこと、考えてますね?」
 だから、何で一々分かるのだろうか。
「どれだけ一緒に居たと思ってるんですか? そのくらいはお見通しです」
 お見通しなのは分かったから、先端に爪を立てるのは止めてほしい。物理的な痛みには
結構強い方だが、これは我慢ならないものがある。
 吐息して僕は腰の動きを再開、股間から響く生々しい音の中、チーちゃんの押し殺した
声が聞こえてくる。二人きりのとき、チーちゃんがトラウマを抱えるまではビデオの中で
一緒に聞いていた声。二人きりの秘密として見続け、聞き続けてきた声がチーちゃん自身
の口から漏れている。それが堪らなく興奮する。どこか現実感が足りないような、そんな
不安定な気分は相手がチーちゃんだからだろう。今という時間を遠くに置いて、いつもの
ように肩を並べて拾ってきたエロいビデオを眺めているような、そんな過去に心が戻って
いるのだと思う。なのに体はしっかりと感覚を受け止めているから、ちぐはぐになる。
「カメさん、もう、イキそうです」
 チーちゃんの声で我に帰り、頷き、腰の動きを激しくする。
「も、もう、限界で」
 強張った太股が強く竿を締め付けてきて、僕も達した。腹の上に放出すると縦長で形の
良い臍に精液が僅かに溜り、溢れ出た分や入らなかった文が脇腹を伝って滑り落ちてゆく。
中に出したものが出てくるのもエロいが、これも良い。
「カメさん、今度また行ってみませんか?」
 僕とチーちゃんの思い出の場所、今はどうなっているだろうか。今は僕がエログッズの
禁止令を受けているから、今度は僕が怒られるのをチーちゃんが見る番だ。そんなことを
考えながら差し出された手を握り、隣り合って座り、
「あー、大した用事じゃなかったみたい。あたしが行く前に、もう済ん……うわエロい!?」
 超不意打ちな水樹の乱入で思考が停止した。
326『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 01:13:13 ID:VHJN1yv4
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!! 何だか色々気不味いカメと」
水「更に気不味い水樹がお送りします!! 今回は七枚の葉書と三個のレス!!」
亀「ゲストはチーちゃん!!」
千「千歳という名前の頭文字で『千』表示ですが、『チ』にも見えるのが驚きですね」
水「そうだね」

つ[]GJ!(作者に向けて)
亀「有難い話だな」
水「そうだね、GJも嬉しいけどリアルタイムってのがね」
千「でも水樹さんの出番が」
亀「まぁ、後半はヒロインとの少人数ってのは作者の癖だから」
水「あたしも元は只のサブキャラだしね」
千「元は?」
水「それ以上言ったら駄目だよ?」

つ[]GJ!(鼈に向けて)
水「残酷係数が高い話だね」
千「鬼ですね」
亀「でも、そのお陰で僕とツルは楽しめたぞ? ちんこいつもよりもおっきぃ!! なんて
素敵な台詞、聞けた僕は最高に幸せ者だ。公開は絶対にしないがな」
千「そんなにのろけて楽しいですか?」
亀「すまん」

つ[]その後アズサ家の〜
亀「大変だった」
水「そんなに酷いの?」
千「何でも出来る人に見えますが」
亀「汚いなんて次元じゃなかったし、沢山出した後だったから疲れてたし、アズサ先生達
も酒の効果プラス犯り疲れで動けなくて役に立たなかったし。あの一人でフローリングに
付いた精子を拭う滑稽さと言ったらもう、大変だったさ」
水「うわぁ」
千「生々しいですね」
亀「おまけにアズサ先生がまた連ゲロを」
水「ストップ!!」

つ[]あれ?エニシ先生〜
水「どうなの?」
亀「書かれてないだけで、ガッツリ絞り取られました。それはもう」
千「エロい」
亀「だって抵抗出来ないじゃんよ!! 男は皆エロいんだよ!! なぁ水樹さんよぉ!?」
水「あたしに振らないでよ!!」

つ[]16にして〜
亀「真面目に答えると、外に連れ出して好きな店を見付けさせる。それで外出の楽しさを
覚えさせて、次はそこの店でバイトさせる。それから金を貰う楽しみから仕事の楽しみへ
気持ちを少しずつシフトさせ、最後は仕事上必要になる仲間との繋がりを実感させる」
千「随分具体的ですね」
亀「作者が後輩の娘にやった措置だ。大事なのは面倒がらずにステップを踏ませることと、
話を合わせてやること。バイトに限らず学校に行かせるのも良いし、時間を気にせず相手
に合わせるのも忘れずにするのも大切だ」
水「頑張ってね」
327『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 01:15:13 ID:VHJN1yv4

>>293
水「あ、そうだったんだ」
亀「3ダクトとか妙な読み方してた作者は馬鹿だな。アクションと言えばチーちゃん」
千「ガングレイブは楽しかったですね、特にODは。しかし最高傑作といえば何と言っても
God Of Warでしょう。洋ゲーの楽しさが超濃縮された、アクションの最高傑作です」
亀「マリオとかは?」
千「あんなカルいのは要りません」

つ[]そう言えば〜
亀「水樹は十歳のときだっけ? 物凄い誕生日プレゼントもあったものだよな」
水「そうだね」
千「クールな反応ですね。因みに兄さんは童貞です」
亀「でも……いや、何でもない」
千「?」
亀「因みに僕は今年の春、16のときだな。相手は勿論ツルですよ」

>>295
亀「たゆんたゆん、良い言葉だ。そのネタは良いな、普通に面白いし使える」
水「でも実際、センスは音ゲーやんないしコイもニデラばっかりだけどね」
亀「見てみたいのに残念だ」
千「どうせ私は貧乳ですよ」
亀「すねるなよ」

>>296
亀「他にも電波をプリーズ!!」
水「テンション高いね」
千「股間がバリ3ですか、下らない」
亀「下品なのはチーちゃんだ!!」
千「カメさんに言われたらおしまいですよ」

つ[]エニシ先生が〜
亀「あの後のも合わせて計5発、最後は水しか出なかった」
千「何でそんな堂々と言うんですか!?」
亀「で、その後は掃除を」
水「大変だったんだね」
亀「大変だったんだよ。5発なんて無理だろ、疲れまくった」
千「突いたのはカメさんですけどね」
亀「う、うるせぇ!!」
水「まぁまぁ、落ち着いて。さて今回はこれで終わりです、『ツルとカメ』でした。来週
もまた見て下さいね? グンナイ!!」
328『ツルとカメ』×33:2007/04/12(木) 01:17:15 ID:VHJN1yv4
恋愛ADV『ツルとカメ』
発売日:未定
価格: 通常版 \7.800
   初回限定版\10.800
   ○オリジナル曲を含むサントラCD
   ○特別書き下ろしドラマCD『ツルは小学五年生』
   ○1/8ツルフィギュア


 織濱第二高校に通うカメのエロス青春ストーリー、ここに開幕!! 変わらない日常と、
変わってゆくヒロインの心。いつもの触れ合いの中で交されるものは、いつしか淡い恋心
へと変化してゆく。笑い、涙し、確かめ合って、最後に見付けた大事なものは――


 EP(エロスポイント)を溜めてのナチュラルセクハラや、ランダムに発生する魔法暴走
など独自のシステム。ヒロイン総勢10人以上、全600枚にも及ぶCGを集めれば何か素敵
なことが起こるかも!? 更には何と、あの水樹や真子ちゃんまでが攻略対象に!? 純愛を
貫くも良し、セクハラを追求するも良しの大ボリューム!! 何だかテンションがアッパー
になってきて気分は何とも最高ですよ!?


 ――『カメ、大好きよ』
 その笑顔を見て、僕は愛しいと思った。

 恋愛ADVゲーム『ツルとカメ』(18禁)
 近日発売!!、出来たら良いですね
329ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/12(木) 01:18:18 ID:VHJN1yv4
今回はこれで終わりです

初めて連投規制に引っ掛かりました
330名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 02:17:04 ID:UNs3rG2F
ロボ氏やっぱGJ!!そして亀に一言。
どこまで女を毒牙にかければ気がすむんだ!?この節操なし!
こうなったら男含めて全員の前後ろ奪っちまえ!がんばれ!

>>328もし買ったら速攻水樹endを目指す俺はもはや男失格だ
331名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 03:08:07 ID:Tg4+g6wh
>>330
大丈夫だ、俺は真子エンド最優先にするから。

>>329
毎週乙です。
大神とGoWはガチ。ガチで神ゲー。MGS3もなかなか良作。
3DACTに慣れると2DACTがかったるくて仕方ない。
GUNGRAVEは内藤泰弘先生(祝トライガン完結)の埃っぽい絵が良く再現されてて好き。
332名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 11:42:16 ID:JtKmvRp3
とある伏線に気付いてしまった俺は負け組かな…

さておき今週もGJ、チーちゃんもひんぬー組だったな…
あれ? 普通サイズは?

つ[]最近織濱食品が気になって仕方ないんですが、これって恋でしょうか
333名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 16:18:20 ID:2CRxY4fo
あれ、取り敢えずセンスEND目指そうとした俺枠外?

つ[]ロボ氏は最初に誰を攻略するんですか?
334名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 22:09:01 ID:Vr0IlY6+
つ[]ロボ氏に問います。穴冥攻略とコイ攻略、どっちが難しいのですか?
335名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 22:32:32 ID:5gOZXjF2
ロボ氏GJです!

しかし、折角チーちゃんとのプレイなのに素股どまりとは……!

つ[]次回こそはちゃんとチーちゃんの処女をカメに捧げさせてあげて下さい!!
336名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 22:55:12 ID:iqo9VaUh
ロボ氏GJ
隣に住んでた幼なじみのあだ名がチーちゃんなもんで、なんだが変な気分
337名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 00:40:56 ID:FsnoSsJf
ロボ氏GJ

俺も言おう、ハゲでマッチョが頑張るゲームはガチ、全難易度やって飽きなかった
俺と>>331とチーちゃんはいい友達になれそうだ
次は是非水樹(ry

つ[]水樹さん好きです
338名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 03:28:25 ID:ZosWP1RY
かなり遅れたがロボ氏GJ!!

おまいら大丈夫だ。男なのに一真end狙うおれにかなう奴はいない
339名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 09:17:02 ID:miZyaOB0
ハーレムエンドを狙っていたのにフラグ立てミスると一真ENDなんだぜ?
340名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:13:07 ID:3a2oYits
やっと仕事\(^o^)/オワタ

テンション変ですが、投下しますよ
341名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:14:12 ID:uLBA7Bdo
http://www.asa.tv/movie_detail.php?userid=&movie_id=1576 ←埼玉県久喜北陽高校2年3組新井友花AV出演!?←この娘H上手いょ〜絶対レイプする価値あり!!!
342『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:14:33 ID:3a2oYits
第7話『揺るぎなきもの』

「虎蔵さん、買ってきました。レバーとニラとニンニクと、これで何作るんですか?」
「いや、分かるだろ。でも、お疲れさん」
 頭を撫でると頬を染め、リィタは嬉しそうに微笑んだ。会ったばかりの頃に見せていた
無愛想さは完全に消え去ったが、こちらの方が地なのろうな、と虎蔵は思う。買い物袋を
小さな手から受け取ると一緒に台所に向かい、用意しておいた冷えた牛乳を渡してやる。
テレビを見ていたサユリも寄ってきて、三人で戯れる。
 今やリィタは、家族として完全に馴染んでいた。
「平和だな」
 最近は『D3』の襲撃も少なく、人々の不安も消えてきている。これまでの反動なのか
スーパーに行っても活力のある奥様達の姿がよく見えるし、公園に行けば子供達が元気に
走り回っている姿を見ることが出来る。どこを取っても、平和そのものだ。
 ソファーに座ると、左右に寄り添うようにリィタとサユリが座ってきた。子供故の少し
高い体温が気持ち良く、晴天の空から注がれる太陽の光も暖かで、つい眠りそうになる。
このまま寝てしまおうか、と二人の頭を撫でていると、
「幸せそうですね」
 背後からかけられた声に、振り返る。
「いつから見てやがった?」
「はい、目が濁る直前辺りから」
 突然の来襲だったが、この程度では驚かない。リリィはリィタの双子の姉、何だかんだ
言いながら姉のプチストーカーをしていた少女の姉なのだ。後から聞いた話だと一卵性と
言っていたから、その素質はリリィに備わっていてもおかしくはない。寧ろいつも絡んで
くるリリィの方が、純正かもしれないのだ。こいつに惚れられた男は苦労するだろうな、
と思いながら再びサユリとリィタの頭を撫でる。
「虎蔵さん、そんなにリィタに触らないで下さい。妊娠したらどうすんですか」
「しませんよ、まだ生理来てないですし」
「俺は生物兵器か何かかよ」
 肩を落とし、ふと気付きリリィを見た。
「珍しいな、俺を名前で呼ぶのは」
 普段は皆と同じくヘドロと呼んでくるか、主に中年という単語をキィワードにした悪口
を交えて呼んでくるのだ。それも残酷な無表情で、酷いときには言葉にし難い冷めた視線
も交えてのものもある。とにかく、名前で呼んでこないのだ。
343『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:16:03 ID:3a2oYits
 指摘されたリリィはそっぽを向くと、はしたなく髪を指先でいじりながら、
「勘違いしないで下さい、サユリちゃんの成長に悪影響を出したくないだけです。彼女に
罪は無いですから、その人権を尊重しただけです」
 何と酷い言い草か。しかもそう言うと勝手に冷蔵庫を開けて、飲みかけのウーロン茶を
ごくごくと飲み始める。だがリィタが虎蔵さんの飲みかけと言うと、顔を瞬間的に真っ赤
に染めて咳込んだ。決してペットボトルを落とさず、しっかりと手に握り締めて。
「やっぱり」
 小さく笑い、リィタは虎蔵に抱きついた。
「どうした?」
「分からないんですか? リリィは虎蔵さんのことが好……」
 鈍音。
 完璧な投球フォームでぶん投げられたペットボトルが虎蔵の頭に直撃、良い音をたてる。
「何しやがる!! それとサユリが起きるから、物騒な真似は止めろ!!」
「と、虎蔵さん。大声出したらサユリちゃん起きちゃいますよ」
 慌ててサユリを見たが、細い寝息をたてたままだった。それに安堵して目を濁らせつつ、
頭を撫でる。腹が冷えないようにリビングにも常備してあるサユリお昼寝用タオルケット
をかけてやりながら虎蔵は吐息、半目でリリィを見た。
「さっきのは、さっきのは何でもないですから!! 私が虎蔵さんを好きだとか、お嫁さん
になりたいとか、甘い新婚生活を夢見てるとかないですからね!! あぁ、そこは舐めたら
駄目です!! 汚いですよ、それに私おかしくなってしまいます!!」
 おかしくなっているリリィを無視して、リィタを見た。複雑そうな表情で立ち上がると
悶えている姉の脳天にチョッピングを連続して元に戻し、再び元の場所に座った。どこか
慣れた様子なのは、昔からの行動で慣れているからなのだろうか。
「で、お前は何しに来たんだよ」
「大事な妹が変態中年にお手付きされてないか心配で見に来ましたが、大丈夫ですね」
 Dr.ペドのような扱いをされて、露骨に嫌そうな顔をした。虎蔵は家族を何よりも大切
にする男だ、家族を悲しませるようなことは絶対にしない。それに、リィタが虎蔵をどう
思っているかは別としても、虎蔵はもうリィタを娘のように思っていた。目を濁らせる程
には到達していないがサユリと等しく愛情を注いでいるし、一人で孤独に生きてきた時間
を埋めてやれるように大切に扱っている。
344『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:18:00 ID:3a2oYits
 しかしリリィに悪いかもしれないと思い、彼女の頭を撫でた。
 外見こそ少女と幼女だが二人は双子で、片割れが居ない時間は同じだったのだ。リリィ
の場合は専門学校に通っていたし、卒業した後もすぐに管理局に入ったらしいので周囲に
友人などが居が存在したことになる。だが片割れが居ない状況には変わり無かったのだ。
「お前もここに住むか?」
 数秒。
 目を大きく見開いてリリィは絶句し、何を思ったのか再び顔を茹で蛸にして、最終的に
悶えた。さっきもそうだったが昔からのことだろうし、最近はDr.ペドの来襲が消えつつ
あるものの今まで忙しかったので、その反動だろうと結論する。
「おい、少し休んでろ。俺の部屋はそこの突き当たりだ」
「べ、ベッド!?」
「布団は無いからな」
 寝ているサユリを動かして起こすのも可哀想だし、体のサイズ的にはリィタのベッドは
使えない。そう思って虎蔵は言ったのだが、リリィは何を勘違いしたのか一人床を転がり
回っている。壁に頭をぶつけても尚止まらず、灰皿をひっくり返して灰塗れになった。
「あぁ、せっかく今朝掃除したのに」
「リリィ、シャワーは俺の部屋の隣だ。後でシャツも貸してやるから、まず体を洗え」
「シャワーも!?」
 普段は決して見せることのないハイテンションに虎蔵は心配になったが、リリィは構う
隙すら無く虎蔵の方をちらりと見ただけで廊下を駆けてゆく。
「おい、お前の姉ちゃん大丈夫か?」
「そうですね、虎蔵さんの同僚が心配です」
 互いに醜く存在のなすり付け合いをしながら、二人は肩を落とした。

 ◇ ◇ ◇

 電子音。
「あ、私が出ます」
 サユリを濁った目で愛しそうに見つめている虎蔵を気遣ってか、リィタは立ち上がった。
風呂場から聞こえてくるリリィの奇声を気にしつつ、虎蔵は頷いた。
 因みに長風呂派なのか一時間経過しているのにリリィは出てきていない。しかし個人の
趣味に口出しするつもりはないし、疲れも溜っていると判断しているので、存分に疲れを
取って貰おうと今は放置している状態だ。未だに風呂場から出てくる様子も無いが、逆に
来客のある今では出てきたら困ってしまうので、これで良いと判断する。しかし大事な話
だった場合に妙な声が聞こえてきたり、近所に変な噂が広まると困るので注意をしようと
リビングから出ていき、ついでに来客の姿を見て、
「おい、何の冗談だ?」
345『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:19:43 ID:3a2oYits
 硬直した。
 玄関に居たのは、見慣れた女性の姿。
 今まで愛してきた、死んだ後もずっと愛してきた女性。緩く波打つセミロングの金髪に、
穏やかな光を湛えた青い瞳。美人ではないが愛嬌のある顔立ちをしていて、浮かべている
表情は聖母のような安らかなもの。そこが虎蔵の一番好きだった部分だから、見間違える
筈もない。見ているだけで落ち着くそれは、紛れもなく本人のものだ。
 だが、
「何で、セリスがここに居る?」
 息を引き取る瞬間は見れなかったが、葬儀にはきちんと立ち会っていた。虎蔵の生まれ
である第三惑星の極東地区での方式で火葬もしたし、遺骨の欠片は今でも財布の中に入れ
肌身離さず持ち歩いている。ここにセリスが居るのは、どこまでも理不尽だ。
「会いたくて、戻ってきたの。また一緒に暮らしましょう?」
 訳が分からないといった表情で立っていたリィタが、不安そうに視線を上げてシャツの
裾を握ってきた。虎蔵は伸ばされた小さな手を握ると、黙ってセリスの顔を睨み付ける。
 セリスは首を傾げ、
「どうしたの、そんなに怖い顔をして。それに、その娘は誰?」
「……少し、娘に会ってみるか?」
 頷いたセリスをリビングにまで連れてゆき、サユリを抱いて近付ける。セリスはそっと
手を伸ばしてサユリの前髪を整え、虎蔵に目を細めた微笑みを向けた。セリスの目付きは
元々垂れ目がちなので、このような表情をすると一層優しく見える。
「ん、まま?」
「そうよ、サユリ」
「わぁい」
 一瞬目を覚ましかけたようだったが、久し振りに生でセリスの顔を見て安堵したからか、
すぐに目を閉じて寝息をたて始めた。
「ありがとよ、娘に良い夢見させてくれて。だがよ、俺も仕事がある」
 虎蔵は腕輪を構え、
「ついでと言ったら失礼だが、さっきこいつは誰だと訊いたな? 紹介するぜ、新しい俺
の娘のリィタ・ムーンブレアだ。可愛いだろう」
 リィタも指輪を構え、
「もう会うことは無いでしょう、今だけよろしくお願いします」
『FullmetalTiger:Enter;』
『MoonBrea:Enter;』
 二人同時に、変身した。
「リィタはリリィを連れて来てくれ。場所は花子と戦った公園だ」
346『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:21:19 ID:3a2oYits
 虎蔵はそう言うとセリスの肩を掴んで窓を開き、背部スラスターをふかして飛び上がる。
セリスも驚くことはなく、落ちないようにしがみ付いていた。今回はやけに大人しいな、
と思いつつ顔を覗き込むと、浮かんでいたのは辛そうな表情だった。何かを堪えている、
そんな印象を抱かせる。それは今から行う戦闘に対してのものではないだろうと思う。
「なぁ、あんた。どうしてセリスの格好をした? Dr.ペドに怒られるんじゃねぇのか?」
「あたしは、『オリジナル』の一人ですから」
 その一言で、虎蔵は納得した。
 今まで戦ってきた『D3』は『N.E.E.T.』の技術を使ってDr.ペドが作ったもの、彼が
『N.E.E.T.』に居た頃に培った知識と技術で作ったものだった。だが、始まりはDr.ペド
ではない。『オリジナル』というのはDr.ペドの『N.E.E.T.』時代に他の研究員も協力し
作られていたものである。その頃は兵器としての性能を高める為に、意思を完全独立型に
していた。普通の機械人形ならば当然のことだが、軍用のものでは珍しいことだ。僅かに
擦り込みのプログラムを入れておいたせいか大半の『D3』は従順になったようだったが、
それでも自由を得ようとする機械人形も少数ではあるが存在した。
 今の、彼女のように。
「おい、降りるぞ」
『はい、ありがとうございます』
 着地してから距離を取って対面すると、セリスは頭を下げる深い礼をした。
『名乗らせて頂きます。あたしはリフル、Dr.ペドの命により命を頂戴しに来ました』
『DragneelSystem:Enter;』
『MetalWulfeChaose:Open;(罪銀狼展開)』
 セリスの姿だったものが光に包まれ、元の姿に戻る。
 褐色の肌とは対照的な銀の髪は長く、更には白い着物を着ているので、どこか変身後の
リィタを思わせる外見だ。だが一番印象的なのは色の異なる左右の瞳、右目は血のように
赤く、左目は空のような青色だった。機械人形なので成長する筈は無いが、仮に成長した
としたら、かなりの美人になるだろうと思うくらいに美しい。
『ハーッハッハ!! どうだね、虎蔵君? この能力があれば、どんなプレイも』
『黙って下さい。それより、倒したら本当に皆には手を出さないんですよね?』
『約束しよう。幼女ハーレムは夢じゃが、儂も命が惜しいでな』
347『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:23:08 ID:3a2oYits
 短く言葉を交しあったDr.ペドとリフルを見て、虎蔵は納得した。要は人質を取られて
いるせいで、嫌々ながら命令に従っているだけなのだ。皆、と言っていたからには『D3』
のコミュニティか何かがあり、そこに居るものが狙われているということか。
 戦い辛い、と舌打ちを一つ。
『構いません、全力で来て下さい。それと、済みませんでした。好意を利用するような』
「言わんで良い。サユリがセリスに会えた、それだけのことだ」
 言いながらブレードを伸ばして、構えを取る。今回はリリィが居ないので、他の装備や
『TigerWall』などのサポートは期待出来ない。しかしリフルに負けられない事情がある
ように、虎蔵にも負けられない理由はあるのだ。可愛い娘を、最近は二人になった娘を、
これからずっと守っていかなければならないのだから。
 先に仕掛けたのはリフルだった。
 袖口から左右四本ずつ、計八本のクナイを取り出すと虎蔵に向かって投擲。直後、両手
と両足を獣のような形に変化させ、四這いでの高速移動を開始した。白い着物が土で汚れ
無惨な姿になってゆくが、構うことなく移動を加速させる。
 虎蔵は飛来したクナイを回避、地面を低い高さで移動するリフルを斬ろうとブレードを
腰溜めに構えながら視線を落として、
「居ねぇ!?」
『こっちです』
 視線を上げれば、身を丸めて大きく飛び上がったリフルの姿が視界に入る。彼女は身を
伸ばし、脚部をドリルに変化させ、重力加速を味方に付けて打ち降ろすような状態の蹴り
を放ってくる。腰の捻りも加えた強烈なものだ。
 それをバックステップで避けようとして、
「な!?」
 移動出来ない。
 舞い上がったまま空中に固定された土煙が、虎蔵の足を捕えていた。上体を反らし回避
出来たが、リフルはこれも空中に固定されていたクナイを掴むと返す刀でドロップキック
を背中に叩き込んでくる。その衝撃で吹き飛ばされ、漸く砂の戒めから解放された。
 辛うじて体勢を立て直して着地、そして黒い砂の矢を作るリフルを見て能力を理解する。
「磁力操作か」
 獣の手足を作ったりセリスに化けたりしたものは、磁力で砂鉄を操作してのものだろう。
先程地面を駆けて砂埃をたてていたのは、不自然に見えないように砂鉄を周囲に散布する
のが目的だった。そして今はもう大気に砂が満ちており、リフルの戦闘空間となっている。
348『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:25:08 ID:3a2oYits
 そして百を越える砂鉄の矢の周囲には、強力な磁場で陽炎のように揺らめく砂が有った。
 快音。
 風を切る音と共に矢が打ち出され、弧を描いて飛来する。それを避けながら虎蔵は突進、
穿つと言うよりも、えぐるような軌道で突きを出すが砂の壁に阻まれ、
『甘いです』
 壁を突き破って獣の拳が来た。
 衝撃。
 鉄の爪は装甲を削りながら、虎蔵を吹き飛ばす。
『IronStreem:Open;(澱鋼展開)』
 追尾してきた矢が崩壊して虎蔵を包み、それは鋼の嵐になった。全方向から無数の槍や
杭、刀や剣や鎌が襲い、装甲を確実に削ってゆく。狭まる嵐は回避を許さず、毎秒ごとに
勢いを増して、武器の群れは不揃いな牙を持つ巨大な顎へと変わってゆく。
『もう、降参して下さい。あたしも血を見たくないですし、痛みを感じないまま殺します』
「やなこった」
 吐息が聞こえてきて、僅かに覗く視界の中でリフルが構えを取ったのを見た。背からは
巨大な八枚翼が生えて小さな体駆を空中に舞わせ、下半身は一つのドリルと化していた。
恐らく一気に方を付けるつもりなのだろう、嵐にも負けない轟音が虎蔵の鼓膜を震わせる。
「来いよ、全力で。そうして俺が勝つ」
 リィタやサユリには悪いが、勝つ見込み殆んど無い。しかしシニカルな笑みを浮かべ、
剣を構えた。殆んど無いと完全な0は違うと信じ、自分の腕を信じてブレードを水平にし、
「来いよ!!」
 景気付けに、もう一度叫んだ。
 来る。
 砂鉄の嵐をぶち抜いて、ドリルを先端とした槍が来た。
 虎蔵は柄に付いたボタンを押し装甲を強制解除、破裂するように弾けた各パーツは嵐の
中に飲まれてゆき、流れに乗って高速で旋回を始める。これで良い、と思いながらリフル
の一撃を避けて嵐の中にブレードを突き出した。極薄の単分子ブレードは容易く砕け散り
ステッキの形状だけが残るが、構わない。寧ろ下手に倒してしまわない分、狙いに近い。
 大きく土煙を巻き上げながら地に下半身を埋めたリフルは振り向き、
『何で避けるんですか?』
 左の腕を獣からドリルにして、
『黙って殺されて下さい、お願いします!!』
349『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:26:23 ID:3a2oYits
 自らの腕をもぎ取り、長いリーチで突いてくる。
 だが、それは防がれた。
 ステッキの先端は移動を続けて加速を得た装甲と衝突、ハンマーのように遠心力を持ち
ドリルを破壊しながらリフルの胴体に着弾して嵐の外まで弾き飛ばした。リフルの体を盾
にして、虎蔵も嵐から脱出する。
「俺の勝ちだな」
 リフルの体は、既に半壊している状態だ。
『あたしは、負ける訳にはいかないんです!! 機械人形の分際で生意気な話だと思うかも
しれませんが、皆が、仲間が平和に暮らせるようになる為に!!』
「それなんだがな」
 虎蔵は頬を掻き、
「信じられねぇかもしれねぇが、俺が保護をしてやるよ。例え無理だと言われても、上に
掛け合ってでも何とかしてやる。お前の体も同僚に頼んで直してもらう、頭がおかしいが
技術は確かな奴が管理局には腐る程居るから安心しろ。信じられねぇなら、ここで俺の命
を断てよ。何の抵抗もしねぇ」
 一息に言ってステッキを放り投げ、リフルの前にあぐらをかいた。薄桃色の下着が露出
したが気にする程のことでもないし、今は覚悟を見せるのが大切だ。
 果たして、何も起きなかった。
 砂を霧散させると、リフルはぐったりと地に寝そべった。
『どうして、ここまでしてくれるんですか?』
「お前はサユリにセリスの姿を見せてやったし、しかも後悔もしてた。だから悪い奴じゃ
ねぇと思っただけ、それだけだ。俺は『娘』が一番大切だからな」
 歯を剥く笑みを見せた直後、
「ヘドロさん、無事ですか!?」
 ズボンも用意してやった筈なのに、何故かYシャツ一枚のリリィがリィタに抱えられて
やって来た。突然に風が吹き、ノーパンであることまで確認をする。どんな経過が有って
このような状態になったのか、何故リィタは気不味そうな表情をしているのか。色々と気
になる部分は有ったが、虎蔵は思考の中で全てを統括して、
「リリィ、結局お前は何をしに来たんだよ」
 溜息を吐いた。
350『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 00:29:53 ID:3a2oYits
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナー、今回は三つのレスと三枚の葉書
を紹介します。そしてゲストはリフルちゃん、よろしくね」
リ『はい、すみません』

>>310
セ「それって、只の頭がパーな人じゃないかしら」
リ『でも、あたしはセリスさんの姿になりましたよ? すみません、勝手に変身した上に
人の気持ちを使うような卑怯な真似までしてしまって』
セ「良いのよ、サユリに良い思いをさせてくれたから。それに裸絆創膏とかの例外キャラ
も居るけど、貴方達は基本的に外見が幼女なだけで中身はまともだから」
リ『すみません、ありがとうございます』

>>311
セ「これも貴方のモデルね?」
リ『そうですね。今回は全てのレスから特徴を取り入れるという目的があったらしくて』
セ「だから、色々やったのね。大変だったわね」
リ『いえ、出来るだけリクエストに応えたいだけですから』

>>312
リ『作中では出てきませんでしたが、あたしは形状可変式忍者幼女ロボというのか正式な
呼び方です。クナイを持っていたりとか、変身したりとかも忍術です』
セ「忍者とドリルなんて、物凄い組み合わせね」
リ『でもドリルは基本らしいですから』
セ「作者はパイルバンカーの方が好きらしいけどね」
リ『だからあたしは負けたんでしょうか? それに虎蔵さんもドリル装備有りますし』
セ「元気出して、今までで一番待遇良かったんだから」

351名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 01:20:34 ID:3RU1ZnsA
終了ならリアルタイム。
連投規制なら支援。


なんでもかんでも取り入れられる才能に嫉妬マスク。
裸Yシャツまで到達する暴走っぷりに体の一部が起立礼着席。



つ[]<すじはピンクでしたか?
352『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/15(日) 01:22:50 ID:3a2oYits
つ[]ヨージョ・ジョースター〜
セ「この名前の予定は有ったのよね?」
リ『はい、でも作者さんがパロネタ苦手だからって』
セ「我儘ね。でも『メタルウルフカオス』は良かったわね、能力と名前が結構合ってたし」
リ『作者さん自身が一番驚いたらしいです』

つ[]褐色肌の幼女
セ「趣味丸出しね。作者も好物だし、だから優遇されたのかしら」
リ『そうなんですか。確かにあたし達は日焼けしないので、モロにそうかもしれないですね』

つ[]ならばやはりオッドアイ
セ「これも好物よね、単にストライクゾーンが広いだけみたい」
リ『良いことですよ、多分』
セ「でも広いのも考え物よ? その内に変な組み合わせをして妊婦幼女とか出るかも」
リ『流石にそれは引きますよ』
セ「あら、お仲間に居なかったの?」
リ『少なくともあたしが作られたとこには居なかったです』
セ「今回はこれで終わりね。リフルちゃんお疲れ様、ゆっくり休んでね」
リ『はい、そうします』
セ「次回は定番の温泉旅行編、随分安っぽい話ね? それではまた来週、貴方のハートを
一刀両断『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』でした」
353おまけ:2007/04/15(日) 01:25:27 ID:3a2oYits
Crazy Stilish Action『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』

発売日:未定
価格 : 通常版 \6.800
   :初回限定版\9.800
    ○ダイキャストモデル『マジカル☆ヘドロ&リィタ・ムーンブレア』
    ○特別書き下ろし小説付き設定資料集
    ○オリジナルサウンドトラックCD


◎コンボを決めろ!
ステージクリアまでの最大チェイン数によりボーナスポイントをゲット、上手く繋げると
大量にポイントが手に入る!! ステージの始めからクリアまでフルコンボが可能なので、
玄人好みのやり込み要素も抜群!!

◎ポイントで強化!!
原作通りの強化装甲を手に入れるも良し、ひたすらに虎蔵を強化するも良しの幅広さ!! 
クリアしたステージは何度もプレイ出来るので、安心するまで強化した後で進めます!!

◎爽快アクション!!
複雑な操作は要らず、簡単に派手な必殺技を繰り出してのプレイが出来ます。設定変更で
コマンド入力式にも出来るので、ストイックなプレイをしたいコアなプレイヤーも安心!!
二人プレイでは原作にはない合体技もあるので、プレイの幅が広がります!!

◎重厚なストーリー!!
原作から大幅に加筆修正をされた大ボリュームのストーリー。リィタの過去などの外伝を
含むオリジナルエピソードも満載、今まで語られなかった謎のワードもしっかり習得!!

俺の脳内で企画が着々と進行中!!
あくまで脳内で!!
354ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/15(日) 01:26:45 ID:3a2oYits
今回はこれで終わりです


さるさん規制が解けるのを待ってたら
寝オチしそうになるという恐怖
355名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 02:24:57 ID:t6Iv3T6y
GJ!!
>>353
これって……もしやセンスがやっt


ん?誰だろう、こんな時間に……
356名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 03:11:44 ID:ysC7Q+6E
二番槍GJ!
>>350ちなみに年齢もようじょだといい忘れた
>>353戦闘を無視してリリィとリィタとヤってる俺は勝ち組

そうだなぁ次は・・・・野生児よ  う  じ  ょで

武器は野生らしくnature(自然)でお願いいたす
357名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:53:21 ID:7EzwMTRo
>>354
三番ショート、GJ!背番号45。

MWCを本当に使うとは思わなんだ。
能力の詳細書いときゃ良かった。
「磁力操作で銃身と弾丸を造り、レールガンの原理で射出。土中の成分を操作し、炸裂弾の製造も可能。」
ちなみにMWCの元ネタは旧箱の3DACT。
こんなの。
ttp://www.geocities.jp/cedar0079/mwc-cm.html
358名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 01:07:21 ID:LHavTM8R
投下しますよ
359『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:08:27 ID:LHavTM8R
 衝撃。
 いつも通りに真面目に考えごとをしていて、結果的にセンスやコイの乳を鷲掴みにした
ところまでは良かった。そこまでは普段と変わらず、ツルが椅子で殴打してくるのも今や
日常のことと化しているので問題は無い。クラスメイトも音に驚いたのか一瞬だけこちら
を向いたものの、すぐに談笑を再開し始める。いつも通りのこと、違いといったら今日が
出校日であることくらいだ。だが、何だか様子がおかしい。
「カメ、鼻血出てるよ!! うわ、これ、ちょっと!!」
 あぁ、そうかと納得する。どこか違和感があると思ったら、鼻血のせいだったらしい。
ハンカチを取り出して当ててみると、それはものの見事に赤く染まった。青ざめるセンス
の顔を見ると、かなりの勢いで出てることが分かる。コイも珍しく心配そうに眉を潜めて
いるし、ツルはハンカチを取り出そうとしているもののテンパっているらしく、ハンカチ
が中々出てこないポケットを何故か拳で連打していた。
「心配なし、このくらい保健室に行かなくても」
 ミチルに治して貰おうと思ったが、最近始めたバイトで疲れているのか机に突っ伏して
眠っていた。亀だということが関係しているのか元からよく眠るタイプだったが、最近は
睡眠係数がやたらと高い。今朝だって幾ら起こしても起きなかったので、運良く亀状態の
こいつをポケットに入れてきたのだ。人間状態だったなら、確実アウトだった。
 それにしても困った。口の中は血の味で一杯だし、もうハンカチが出ているというのに
ツルはテンパったままポケット連打を続けているし、水樹は相変わらず外見がクラス一番
だし、ミチルの乳が机に押し付けられて歪み柔らかさ満点の素敵風景になっているし、
「ここは、やっぱり揉むか!?」
「いや、黙って保健室に行けよ」
 半目をして忠告してくる一真の意見に従い、ツルの尻を撫でてから教室を出た。
「あら、いらっしゃい。凄い鼻血ね、どれだけエロいものを見たのかしら?」
 のっけから思考がエロに向くなんて素晴らしい、しかもこれで保健教員が出来ているの
だから世の中捨てたものじゃない。人は戦争とエロによって発展してきたが、戦争は良く
ないことだ。だからエロに特化すれば人は更に発展する。それを地で行くエニシ先生は、
つまり最先端の未来型人間なのだろう。
360『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:10:38 ID:LHavTM8R
 そんな部分が最初は少し苦手だったのだが、これまでアズサ先生を交えての3Pを何度
か行ったことにより平気になってきた。人間の順応性というものは凄いのもだと実感する。
 そして今は、
「ほら、こんな風に!!」
 エニシ先生の乳を鷲掴むことも可能なのだ。
「あら、わざわざ揉みに来たの? 嬉しいわね」
「あ、間違えました。鼻血が止まらなくて。エロいことじゃないですよ? ほら、股間を
見れば分かると思いますけど、ちんこ立ってないですよね?」
「あら本当、今手当てするわね」
 鼻に栓をしてガーゼを張り、そこでエニシ先生はしゃがみ込んだ。楽しそうにジッパー
を降ろしながら、こちらを上目遣いで見上げてきて、
「エロいことを考えてたかは、直で見ないと分からないわよね?」
 ブツを取り出すと、おもむろに口に含んできた。今までも何度もされてきたというのに
慣れることはなく、とろけるような絶妙の舌使いに反応し、すぐに大きくなってしまった。
 エニシ先生は全体を舐めながら口から一旦引き抜くと、唇に付いた唾液を手指で拭って
笑みを見せ、着ていたセーターを脱いだ。脱ぎきる際に裾が胸に僅かに引っ掛かり、首を
抜いた拍子にそれが外れて大きく揺れる。個人的に、この光景は大好きだ。
「カメ君と二人だけでするのは初めてよね」
「四月の始めに一回逆レイプされかけました」
「あれはノーカンよ、カメ君逃げちゃったし」
 青いブラを外しながら、エニシ先生は軽く笑った。だが碌にセックスを体験していない
どころか当時童貞だった僕からしてみれば、それも当然のことだ。訳も分からずちんこを
露出させられたら、それはもう怖いのだ。それを考えてみれば、今の僕は随分と、
「汚れたなぁ」
「そうね、平気で3Pするし」
 言わないでほしかった。
361『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:12:16 ID:LHavTM8R
 くすくすと小さな笑い声を出しながら、エニシ先生はドアに鍵をかけた後でベッドの上
に横になる。寝そべったままスカートや下着を脱ぐ手付きは、何とも淫らで劣情を誘って
くる。最終的にエニシ先生はニーソックスだけを残して裸になったが、これはやはり最後
までしなければ解放して貰えないのだろうか。
「いやぁ、でも、僕にはツルが」
「今更何を言ってるのよ、良いじゃない」
 豊かな胸を揺らして立ち上がると僕の腰を掴んで、綺麗な弧を描いてバックドロップ。
視界が反転したと思った直後には上手い具合いに組み伏せられていた。腹の辺りに双丘の
感触があり、目の前には何度も見てきたエニシ先生の割れ目がある。ツルと違い完成した
性器の形は最初こそグロいと思っていたものの、今は見ているとつい舐めたくなるものだ。
これが慣れというものだろうか。
 エニシ先生が頭を動かした途端、股間がぬめりに包まれる。次に来るのは胸の柔らかい
感触で、視界がエニシ先生の下腹部で塞がっている今の状態でも、股間の竿に押し付けて
自在に姿を変えていると容易に想像出来る。パイズって貰うのは、もう何度目になるのか。
エニシ先生とセックスをするときには毎回して貰っているが、魅力的な体をしているだけ
でなくテクニックも凄いので、何度されても飽きないものだ。
 尻の肉に掌を当てると、大した力を込めていないのに簡単に指の形に歪む。その弾力を
楽しみつつ最初は太股の内側をしゃぶり、吸ってキスマークを付けた。鮮やかに浮かぶ、
薄い赤の斑点は脚をいやらしく飾り、そこを舐めると黄色い声が漏れてくる。舌を離さず
移動させて蕾の周囲を唾液で濡らし、顔を上げて尻の肉にかぶりつくように吸い付いた。
軽く歯を立てながら小刻みに移動させて、再び割れ目へと戻る。
362『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:14:18 ID:LHavTM8R
 唾液をたっぷりと溜めてしゃぶるエニシ先生に応えるように、僕も何度も割れ目の周囲
を舐め続ける。固く充血したクリトリスを皮越しに撫で、優しく向いて摘むと、一瞬だけ
舌の動きが止まった。エニシ先生が相手のときは今まで受け身が殆んどだった。勝った、
と奇妙な征服感のようなものが沸き上がってくる。
「お願い、中に、中も」
 深くくわえ込んだまま悶えるエニシ先生の太股を撫で、左右の人差し指で割り開いて舌
を侵入させる。震える太股が顔を挟み込んできたが、構わずに奥まで舌を伸ばして味わい、
更に両手の親指でクリトリスを挟んでこねる。すると竿を口から引き抜いて上体を起こし、
大きな声を漏らしながらのけぞった。胸が見えないのが難点だが、体重をかけて割れ目を
顔に押し付けてくるのを感じると嬉しくなってくる。
 少しして果て、うつ伏せに倒れたエニシ先生の下から体を引き抜く。そして腰を掴んで
引き上げ尻を突き出させる格好にすると、僕は先端を痙攣している入口に当てた。
「やぁっ、待って。さっきイッたばっかりだから」
 シーツに押し当てられて、くぐもった声が色っぽい。震える手指で枕を掴んでいるのも
見ていて興奮してくる。だからそう言われても止めることなど出来はしない。それに早く
教室に戻らないといけないのであまり時間は無いし、何よりまだ出していないので我慢が
利かないのだ。今のエニシ先生を見ていると、尚更そうだ。
 一気に奥までぶち込んで、子宮の入口にまで打ち付ける。男を飲み込んで浅ましく動く
膣内のひだは、抜こうとすると貪欲に絡み付いてくる。逃げないで、と言っているような、
まだ欲しい、もっと欲しいと叫んでいるような、どこまでも渇望しているような動きだ。
 僕もうつ伏せになって耳を甘噛みし裏に舌を這わせ、内部までもを犯す。二人分の重み
で潰れた胸の舌に手を滑り込ませて揉みしだき、もう片方の手では股間を丹念に責める。
363『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:16:01 ID:LHavTM8R
「あのね、今日は危険な日だから外に」
 言われて、ふと思い付いた。
「エニシ先生って、まだ僕と後ろでしてませんよね?」
 待って、という言葉を無視して体を起こすと尻を掴んで広げ、親指で尻の入口をこじる。
一本は簡単に入り、左手の親指も思いの他すんなりと入れることが出来た。経験があるか
分からないが、これなら大丈夫だろう。愛液を掬って塗り付け、一旦割れ目から引き抜き、
尻たぶを掴んで穴を広げた。そして入口に当て、一気に押し進める。
 本来はものを出す為の器官だ、異物の侵入を防ごうと強い抵抗が来るが、これが余計に
強い刺激を与えてくる。内部がうごめいて内部の粘膜が全体を擦り、入口部分の強い締め
付けもあってすぐに出してしまいそうになる。元から限界に近かったのに、これ程の快楽
を与えられて幾らも持つ筈が無い。
 腰の勢いを増すと、泣くような喘ぎ声が部屋に響く。一際大きくエニシ先生の体が痙攣
して、割れ目からは勢い良く潮が吹き出してきた。同時に、僕も一番奥で射精する。
 は、と吐息をしながら引き抜き、蜜や精液で汁塗れになっている下腹部を見ながら着衣
を整える。時計で時間を確認すれば、もう45分が経っていた。
「それじゃ、僕はこれで」
 言って去ろうとすると、腕を掴まれた。さっきまで肩で息をしていた筈なのに、どこに
これ程の力が残っていたのかと思う程だ。振り払おうとしても、びくともしない。
「あの、さっきのグッタリは?」
「さ・そ・い・う・けモード、興奮した?」
 はい、それはもう。
「本物っぽかったでしょ?」
 本物だと思ってました。
 背中から冷たい汗が吹き出て、恐怖が頭をもたげてくる。つまり僕はエニシ先生こは掌
で踊らされていて、今度はベッドの上で踊らされるということか。
 逃がさないわよ、と舌なめずりをする淫媚な表情を見て、抵抗は無駄だと悟った。
364『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:17:55 ID:LHavTM8R

 ◇ ◇ ◇

 色々と酷い目にあった。結局あの後エニシ先生が満足するまで三発も絞り取られ、最後
にはもう足腰がまともに動かなくなった。それでまた時間をロスしてしまい、気が付けば
もう昼を回っている。恐らく教室には誰も残っていないだろう。
 何と言い訳しようかとドアを開くと、がらがらの教室の中に一人、愛しい影があった。
「ツル、愛してる!!」
「うっさい!! 何をしてたのよ!! 心配したんだから!!」
 正直に言おうか迷い、
「すまん、寝てた。鼻は大丈夫だ」
 睨まれ、殴られた。
「心配して損した!! いえ、寧ろ心配なんかしてなかったわよ!! 誰が心配なんかするか、
馬鹿馬鹿!! もう帰る!! 今日の書類整理は一人でやってよね? 分かった!?」
 一気に言って、ツルは教室を出ていった。それを追おうとしたが既に姿は見えず、更に
運の悪いことにアズサ先生に見付かり、最終的には、
「むなしい」
 一人寂しく生徒会室で、月一で提出される部活の活動報告書をチェックしているのだ。
自業自得、という言葉が身に染みる。何と悲しいことだろうか、咳をしても一人、という
型破りにも程がある俳句があったが、今の状況は正にそれだ。
 ここに入ってから五度目の溜息を吐いたとき、ノックの音が響いた。
「……入るよ」
 独特の間を開けて入ってきたのは、オウ先輩だった。最近は受験で忙しいらしく、姿を
見ることはあっても会話をする機会は無かったので珍しく思う。隣に、と言うか彼女の前
にホウ先輩が居ないのも珍しい。いつもの無表情で部屋に入ると、一年間生徒会の副会長
として慣れ親しんだ椅子に座ってこちらを見た。
「……あと、どのくらい残ってる? ……やるから、貸して」
 残り少なくなっていた報告書を渡すと、素早く目を通してペンを走らせてゆく。しかし
何故こっちに来たのか分からない。わざわざ来る用事は無いと思うし、本来は僕を助ける
義理も理由も無い筈だ。それなのに、こうしてこの場に居るのが分からない。
「……ツルちゃんに頼まれたの、カメ君が大変だろうからって」
365『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:19:35 ID:LHavTM8R
 自分で手伝えば良いのにね、と言いながら銀色の髪を掻き上げながら、もうチェックが
終わったらしい紙の束を整える。相変わらずの仕事の早さに、素直に感心した。
「……ツルちゃんも分かってないね。……大好きなら、本人がやれば良いよ。……ボクは
大好きなホウ様と一緒に仕事が出来て嬉しかった、きっとこれからも一緒だよ」
 でもね、と吐息。
「……最近は、違うんだ。……ボクはホウ様のメイドだけど、それだけで終わってほしく
ないんだって。……ボクはこのままでも良いんだけど、それじゃぁ駄目なんだってさ」
 愚痴、とも違う感じがする。ホウ先輩を誇っているようにも見えるし、どことなく寂し
そうにも見える。神秘的な褐色の肌を持つ彼女は憂いを帯びて睫を伏せ、僕に語りかける
のではなく、ただ心に浮かんだ気持ちを吐露するように言葉を紡ぐ。
 立ち上がって僕の前に立ち、
「……ごめんね、つまんない話で」
 唇を重ねてきた。
「……ボクはまだ分からないけど、君なら分かるかもしれないから。……教えて、ホウ様
が認めて誉めた、ボク意外でも色々できた君が。……ボクの進む道を、いきたい方向を」
 目尻に薄く涙を浮かべ、抱きついてくる姿は迷子と同じだ。親を見失って、進む方向も
分からずに、自分の立っている場所も分からずに迷い歩くいたいけな子供。強い存在感も
感じられず、寄る辺ない道を歩き続ける子供。
 僕はオウ先輩を抱き寄せ、髪を撫でた。
「オウ先輩は、どうしたいんですか?」
 数秒。
「……ボクは、ずっとホウ様の隣に居たい。……叶わないかもしれないけど、でも」
「だったら、そう言えば良いじゃないですか。分かってくれるまで、何度でも」
 簡単な話だ。少しでも可能性があるのなら、届くまで何度でも手を伸ばせば良い。仮に
届かなくても、諦めずに伸ばし続ければ、いつかは届く。迷子もいつかは親が見付かるし、
大きく成長すれば誰かの隣に立つことが出来るようになるのだから。
366『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:21:12 ID:LHavTM8R
「……ありがとう、少し勇気出た。……でも、まだ足りないかも」
 頬を染めて求められた口付けは、今度はそれだけではなかった。僕の唇を割って、歯を
開きながら舌が侵入してくる。僕の体を椅子に固定するように体重を預けた体から、甘い
匂いが漂ってきた。思考を染める香水の香りは、オリエンタルな雰囲気のオウ先輩によく
似合う。これでジプシー風の衣装でも着ていたら完璧だな、と下らない考えが浮かんだ。
 ネクタイを緩めてボタンを外してゆくと、オウ先輩も僕のベルトを外しジッパーを下げ
股間をまさぐってくる。ホウ先輩とエロいことをする為だろうか、意外と短く切り揃えて
ある爪で竿の先端を弄びながら、何度も唇を重ねてきた。
 一旦唇を離してオウ先輩のYシャツの前を開き、肌の色によく映える純白のブラを引き
上げる。敢えて外さないのは、色の対比が綺麗だったからだ。
 大きくはないが形が綺麗な胸の先端、既に固くなっている乳首を口に含む。今は残りの
発射可能な数が少ないので簡単に出す訳にはいかない、その代わりに丹念に愛撫を重ねる。
片手なので少し強めに抱き締めながら、もう片方の腕を脇腹に滑らせる。なぞりながら胸
の下にまで指先を滑らせて、揉むことはなく掌を背中に移動させる。子供を慰めるように
軽く背中を叩き、先程通ったラインで手を戻してスカートまで降ろした。
「……カメ君、慣れてるね」
 不本意ながら。
 そのままスカートを捲って下着を足首の辺りまで降ろして毛の薄い割れ目に指を往復、
ゆっくりと埋没させてゆく。まずは人差し指、中指までも入った。締まりはキツく、中で
曲げて奥を引っ掻くと溢れた熱い吐息が首筋に吹き掛けられる。処女ではないようだが、
あまり使っていないらしい。感度は良いみたいなので、問題は無いだろう。
「入れますよ」
「……うん、大丈夫」
 腰を抱えて僕のものを当てがい、抱き寄せて埋めてゆく。指が二本でもキツかったので
一回目で上手く入るか心配だったが、割合すんなりと入っていった。膣内は狭く、奥行き
も浅いので根元を残したまま奥に当たる。
 溢れ出した蜜が股間を温く濡らすのを感じながら竿の抽送を開始すると、オウ先輩は眉
を僅かに寄せた。だが首に腕を絡め、僕の肩を支えにしながら積極的に腰を動かしてくる。
大変なら姿勢を変えようかと思ったが、強くこちらにしがみ付いてくる姿勢なので腰しか
動かすことが出来なかった。
367『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 01:22:30 ID:LHavTM8R
「……気持ち良い?」
 僕があまり動かないのを気にしてか、不安そうな目をして顔を覗き混んでくる。合意の
上とはいえ半分は強引に進めたようなものだ、そのことに罪悪感のようなものがあるのか
ついには動きが止まってしまう。ホウ先輩とのこともそうだが、気後れすると言うのか、
失礼な話だが気遣いが下手だと思った。本当に嫌いならホウ先輩だって何も言ったりせず
突き放すと思うし、僕だってこんなことをしたりなどしない。
 その意思を込めて僕の方から唇を重ね、髪を鋤きながら腰の動きを開始する。オウ先輩
は口の端を歪めて、途端に喘ぎだした。僕に合わせて腰をリズミカルにくねらせて、僕が
引けばオウ先輩も腰を引き、突けば奥まで飲み込もうと強く腰を突き出してくる。
 舌を絡ませあい、お互いに口の中を貪ってゆく。胸に溢れた唾液を指で掬って目の前に
掲げてみせると、舌を伸ばして指を舐めてくる。張り付いた無表情の下に薄く滲んでいる
ものは、紛れもなく自分から相手を求める強い意思だ。こうやってホウ先輩にも臨めれば
良いだろう、そう思いながら何度も深くオウ先輩の奥をえぐる。固い入口を越えて子宮の
中にまで行くような、それだけの勢いを持たせてこじる。褐色の肌を味わうように肩から
胸へと舌を滑らせて、鎖骨を噛んだ。折れそうな細い骨をしゃぶると、血に似たオウ先輩
の味が口の中に広がった。甘い匂いがしているのに、そこだけがやけに生々しい。
「……ありがとう、気持ち良いよ」
 深く腰を落として僕にもたれかかり、頭を掻き抱いてきて、胸が顔に押し付けられる。
直後膣内の締め付けが更に強くなって震え、オウ先輩が達したのだと理解した。それから
幾らか遅れる形で僕も達して、子宮口に押し付けたまま精液を放出する。
 引き抜くと、垂れた白濁液が黒い革張りの椅子を汚した。
「……ありがとう、ボクのヤケっぱちに付き合ってくれて」
「良いですよ、このくらい」
 三度目のありがとうを言いながら椅子から降りるとハンカチで自分の股間を拭い、下着
を穿き直す。今まで意識していなかったが、こんな姿もまた良い。今度ツルに頼もうか。
「……本当は君のこと、ちょっと好きだったんだ」
 オウ先輩は言いながらぎこちない笑みを浮かべ、部屋から出ていった。
368名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 01:36:06 ID:6+Gel2r3
支援になるかな?
369名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 01:58:38 ID:IrAJ6uXd
まさか、寝落ちか!?
370『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 02:03:43 ID:LHavTM8R
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は五つのレスと五枚の葉書をご紹介!!」
亀「ゲストは作者!! 何で?」
ロ「今回はサブストーリーだったから。あと俺に対する質問もあるし」
水「なるほど」

>>330
水「外道だってさ」
亀「作者が悪い」
ロ「そんなもんだから仕方ない。穴は出来るだけ開通させるつもり」
亀「で、水樹エンドを目指すことについては?」
水「無いよね?」
ロ「良いだろ、今はしっかり人気あるんだし」
水「酷い!!」

>>331
亀「真子ちゃんは無いだろ」
ロ「あるよ」
水「あるの!?」
亀「そもそも一真の女体化を出すことが間違いだろ」
ロ「酒を飲むと出したくなるんだよ。荒っぽくて強気な娘は俺の好みだ。だが該当する娘
が居なかったから、ついつい空気キャラに個性を出そうと」
亀「何て理不尽な!?」

つ[]最近織濱食品が〜
亀「恋じゃないだろ」
ロ「寧ろ恋よりも変」
水「出たよ、糞駄洒落。スベるの分かってんのに」
ロ「黙れ芸風だ。織濱食品が気になるなら、作れば良いと思います。基本は真面目にかつ
色物ドリンクや食品を作る、とても楽しい会社です」

つ[]ロボ氏は最初に〜
亀「誰?」
ロ「水樹、次はツル、次はミチルで(ry」
水「何であたしなの!?」
ロ「歴代SSにことごとくカマキャラが出てくる理由を知ってるか? 好きなんだよ」
亀「まさかホが頭に付く」
ロ「違う。外見が美少女だけど、男の子だってところが良いんだ。素人には分かるまい」
水「分かりたくねぇよ!!」

>>ロボ氏に問います。〜
ロ「種類が違います。穴冥は物理的に難しいけど、コイルートはツルルートからの派生に
なっているから精神的にキツいです。チーちゃんも同様に」
亀「何でそんな仕様にしたんだ?」
ロ「ストーリーの構成上、仕方がないことだった。話のメインは、親友と同じ人を好きに
なるとか幼馴染みの対極とか、その辺りだから」
水「微妙に納得」
371『ツルとカメ』×34:2007/04/19(木) 02:04:55 ID:LHavTM8R

つ[]次回こそは〜
ロ「うん、そのつもり。『ツルとカメ』もシメに近いし」
水「そうなの?」
ロ「最後は×52でシメるから、それぞれのキャラはあと2、3回しか無いし」
水「あ、本当だ」
亀「水樹も?」
ロ「もちろん」

>>336
亀「凄いな、何か心情的に」
水「甘酸っぱさが倍増だね」
ロ「俺の幼馴染みにもチーちゃんてのが居てな」
水「嫌な偶然が倍増だね」
ロ「しかも口も悪くてな」
水「苦いね」

つ[]水樹さん好きです
ロ「ほら、フォローしっかり」
水「いきなり憐れに扱うのは駄目だよ!!」
亀「つまり、満更でも無いと」
水「違うよ!! でも少しサービス。あたしも、好きだよ///」
亀「憐れだなぁ、水樹」
水「これは作者の意思だよ!!」
ロ「ノーコメント」

>>338
亀「アウトぉ!!」
水「これは無いよね?」
ロ「あるよ」
水「あるの!?」
亀「ないない、これは無い」
ロ「夕陽が照らす河原でガチの殴り合い。理由は、まぁ、適当に」
水「何て投げやりな」
ロ「バッドエンドだからな」

>>339
亀「ハーレムエンドか、素敵な響きだな」
水「ツルに言うよ?」
亀「すまんでしたァ!!」
ロ「予定はあるけどな、大好きだし。でも惜しむらくは、全員が褐色肌じゃないことか」
亀「確かに、ハーレムと褐色肌は抜群の効果だな」
水「ツルに言うよ?」
亀「二度ネタ禁止だろ」
ロ「これは天丼だから良い」

水「今回はこれでおしまい、作者まで出て嫌な感じだったね。でも、次も作者来るってさ」
ロ「今週と来週はサブキャラ強化週間だから、質問コーナーでもサブキャラを。SSスレで
一番のサブキャラと言えば、やっぱり作者という考えでございます」
亀「で、来週のヒロインは?」
ロ「水樹と真子ちゃん」
亀「は?」
ロ「だから、水樹と真子ちゃんだよ。これが本当のさぶキャラ祭、女体化だから安心しろ」
水「糞駄洒落はもう良いよ!! それより、本当に?」
ロ「マジ。しかもフタナリ」
水「あぁもう最低!! 本当は嫌だけど、また来週!! 出来れば見ないでね!!」
ロ「3Pもあるよ」
水「黙れ!! もう泣きたい……『ツルとカメ』でしたぁ!!」
372名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 02:06:45 ID:/GIlNq8a
慣れてるね
373ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/19(木) 02:07:35 ID:LHavTM8R
今回はこれで終わりです

実は支援とか関係なくて、俺が引っ掛かった『さるさん規制』とか言うのは
あくまでも個人的な投下によるものらしいです
詳しくは書き手スレや、運営の方で


なので毎回最後は間が開きます
リアルタイムの人はすみません
374名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 05:06:41 ID:vgFtEOCw
一番槍(?)GJ!

なんか今日、ミチルの魔法の暴走で全キャラがふたなり化して全員が挿れて挿れられるという怪電波を受信した。

まあつまり、
アズサ→カメ→ツル
↑ ↓
エニシ ミチル
↑ ↓
一真 センス
↑ ↓
チーちゃん コイ  ↑ ↓
←水樹←←←←

とまあ、一部のキャラだけだが、こんな事を想像しちまった。

いや、なあいくらなんでもこれはないよ・・・な?
いくらカメが変態願望もっててもない・・・よな?
375名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 05:10:13 ID:vgFtEOCw
なんか>>374がものすごいカオスになったスマソ。空白を打ち込まないとだめだったorz
376名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 10:55:21 ID:OGUG7lzb
まあ水樹たん落ち着け、エロ主体の空間である以上は
君がカメに犯されようがカメを犯そうが正しいのだよ、真理とはそういうものさ。
つーか、水樹だって挿れたいと思った事が1回や2回あってもおかしくなかろうて…

どうでもいいが、サブストーリーをサブストリームと読んだのは俺だけでいいorz



つ[]ゲーム版ではむしろツルを自キャラにして
 カメを篭絡する展開がプレイしたいです…先生…
377名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 20:44:07 ID:BRol21Yg
GJ!!来週の期待度は異常wwwww


っ[]水樹のことが高校時代の同級生にしか思えません。
378名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 22:12:42 ID:iLmGhbVz
GJ!!
うむ、なぜ二度もヤったのかわからんがまあいいさ
そんなことより>>377が羨ましいです

つ[]らきすた
379名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 23:28:16 ID:kgANZ+Wm
ロボ氏GJぇぇぇ!!!
エニシ先生と言い、オウ先輩と言い、カメは美味しいな
と言うか、オウ先輩はホウ先輩一筋じゃなかったのか…

つ[]カメのエロスキルを一通り命名して教えて下さい。


朝の目覚ましにミチル、午前中は先生×2、お昼休みにホウオウコンビ、午後に水樹と真子、放課後にコイとセンス、そして夜にツル…
と言う電波が飛んできた。事実なら…やるな、カメ!(何
380名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 23:29:57 ID:kgANZ+Wm
>>379だ。
大事なチーちゃんを書き忘れていた!
「授業中に抜け出してチーちゃんと」を付け足してほしい
381名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 23:33:03 ID:1LsqyHiQ
つ[]ゲームネタ第二弾キボンヌ
382名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 12:35:44 ID:MJp0yQFs
カメと一真の殴り合い…
ああ、水樹を巡って男としての決闘か。それも素敵なストーリーだな。
無論水樹にはお約束として
「あたしの為に争うのはやめて!!」と涙を浮かべながら叫んでもらうんだよね?


…あれ?
水樹と真子ちゃんでカメを巡って殴り合いルート発覚?
383ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/20(金) 15:58:10 ID:Obgi84TF
すみません、急な出張が決まって今週のヘドロさんは休みです
来週の水曜日にはまた来れそうなので、『ツルとカメ』は大丈夫です


追記
sigSigって名曲だよね?
384名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 02:52:35 ID:FPmQRE8e
>>383
今更ながら出張頑張ってくださいな。

P.S.sigSigは知りませんがsakusakuでジゴロウが歌ってた武田信玄公のうたは名曲です。
385名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 00:00:04 ID:oXiw1NZu
守る
386名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 05:46:34 ID:6qnAAe2m
つ[]ロボ氏は弐寺er。これ概出?
387名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 22:19:31 ID:r0+iC18p
投下しますが、さるさん規制があるので途中で途切れます
388『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 22:20:44 ID:r0+iC18p
「今日も大変だったわね」
「まぁ仕方ないだろ、ミチルはやっと好きなことが出来るようになってきたんだし」
 今年の分の生徒会の仕事も一段落して、ある程度はのんびりと過ごすことが出来そうな
余裕も出てきた。来週にはクリスマスも控えていて、今年はどうしようかと予定を話して
ツルと帰っていると、校門のところで待っている一真と水樹の姿が見えた。私服姿なのを
見ると、どうやら学校ではなく僕の方に用事があるらしい。何か約束をしていただろうか、
と思ったが記憶に無い。もしかしたらツルに用事があるかもしれないと思ったが、白い息
を吐く顔が向いているのは僕の方だ。
「思ってたより早かったな。ほら、まずはこれを受け取れ」
 一真が二つ投げてきたホッカイロを受け取って、一つをツルに渡す。頬に当てて微笑む
ツルの姿が宇宙で一番可愛くて尻を撫でると、書類の束が入った鞄で頭を殴打された。
「相変わらず頭がおかしいイチャ付き方だな」
「ひがむなよ、男の嫉妬は見苦しいぞ?」
 何故か三人が白い目でこちらを見た。
「で、何の用事だ? 僕はこれから忙しい」
「具体的には?」
「ツルにクリスマスプレゼントとして裸リボンをしてもらう方法を考える」
 訊いてきたのは水樹のくせに、答えたら目を背けられた。随分と失礼な反応だが、水樹
は冷え症なので寒さの弊害でこうなったのかもしれない。暖かくなってきたら元の状態に
戻るだろうと結論して、肝心のツルを見た。今の言葉で秘密にしていた計画がバレたが、
どのみち言うつもりだった。どんな反応が来るかと思えば、
「何を見てんのよ?」
 服を着ているというのに、頬を赤くして、乳と股間を腕で隠している。だがそれは杞憂
というものだ。そのようにしなくても僕に透視の能力は存在しないし、殆んど毎晩全裸を
見ているので3サイズは完璧にチェックしている。半年前に比べて乳が1mm成長している
ことも覚えているし、どこにも問題は無い。
「だから、安心して全裸リボンを!!」
「しないわよ!! 寒いし、それに変態のすることでしょ!?」
 残念だが、しかしまだミニスカサンタプレイという方法もある。ロングスカートも捨て
がたいが、ここはやはり基本に忠実に行くべきだろう。
389『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 22:22:32 ID:r0+iC18p
「なぁ、話を戻しても良いか? これから少し頼みたいんだが」
「前に頼まれたエロ本同好会は承認出来んぞ? 幼馴染みとしては応援してやりたいのは
山々なんだが、法に触れるからと教師達がダメを出した。えこひいきも出来んし」
 何だか隣から物凄く怖い空気が出ているし。
「ツル、ちょっとカメを借りて良いか? 夜には返す」
「良いわよ、私もコイにCD返したりアズサ先生のところに書類届けるから忙しいし」
 頷いた一真は僕の襟首を掴むと、とても嬉しそうに歩き出した。ヤンキーな外見な上に
思いきり文化系なタイプの筈なのに、こいつは意外とパワータイプの人間なのだ。今年に
入っての瞬間停学の理由が喧嘩している生徒を両成敗したものだったことを思い出して、
もうこんなに時間が経ったのだなと感慨深くなる。それだけではなく、一年間の記憶が。
「か、一真!! カメがチアノーゼなってるよ!! 酸素酸素!!」
 水樹の言葉で我に帰り、先程まで見ていたものが走馬灯だったことを理解する。危ない
ところだった、こんなアホな理由なんかでは死にたくはない。
 命の大切さを感じつつ着いた先は、
「『SHOPオリハマ』?」
 わざわざ引っ張ってこられた先が何故コンビニなのだろうかと思いつつ店内に入ると、
ミチルが笑みを向けてきた。まだバイトを始めてから幾らも経っていないのだが、これが
結構サマになっていた。エロい体をしているので、制服姿もエロく見えてくる。
「おぉ、カメ。そんなに見てどうした? 欲情したかの?」
 しまくった。
「それよりも、何か買っていかんか? 織濱食品の新商品『超実用派カップ麺Fxxk Me』が
若い男に好評じゃぞ。よく分からんが、儂が売り子のときは大量に売れる」
390『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 22:24:03 ID:r0+iC18p
 何に使うのかはタイトルで大体想像出来た、そりゃあミチルから渡されたら楽しむしか
無いだろう。しかし、コンビニで売っても良いのだろうか。表向きはカップ麺だろうが、
どう見ても別の用途にしか使わないものだろう。それだけでなく開発スタッフは勿論全員
が男だろうし、それを真剣に制作している現場を想像してしまうと、
「もう駄目だ!! 乳をくれ!!」
 衝撃。
 せっかくミチルの乳を揉んで落ち着いたというのに、一真に殴られた。
「馬鹿野郎、機嫌を損ねたらどうする!?」
「構わんぞ、カメが相手なら」
 言葉に甘えて更に乳を揉んだ。
「ところで、ここに何の用事で来たんだ?」
 水樹も聞かされていないのか、首を傾げて一真を見る。
「カメ、3Pって興味あるだろ?」
 言われて、少し答えに迷った。有るも何も、過去に何度か体験している。ツルとミチル、
アズサ先生とエニシ先生、本番抜きでならホウ先輩とオウ先輩もだ。意外に多かった回数
を指折り数えていると、こちらを見てくる一真と目が合った。
「いや、興味ない」
「うそこけ、つうか経験あんのか?」
「あるぞ? 儂とツルでやったし、妙に慣れてたから多分前にもあるんじゃろうな」
 こらミチルめ、なんてことを言うんだ。
 なら遠慮は要らねえな、と呟いて、一真は土下座した。普通なら視線を上げてミチルの
スカートの中でも覗くのに、それもせず拝むように、ひたすら床に頭を擦り付けるように
しての姿勢だ。一体何事かと思ったが、一真は開口一番、
「頼む、俺達を女にしてくれ!!」
 とんでもないことを言い出した。
391『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 22:25:05 ID:r0+iC18p
 その後に説明されたことによれば、昨日の夜に落とした動画を見て、どうしても3Pを
したくなったらしい。だがツルは元よりセンスやコイに頼む訳にもいかず、エニシ先生や
アズサ先生は多分無理。ホウ先輩やオウ先輩とは仲があまり良くないし、実妹であるチー
ちゃんなど論外。ミチルと直でするのも申し訳ないということで、気心の知れた僕と水樹
に白羽の矢が立ったという訳だ。利に叶っているかと言えなくもないが、仮にも元野郎を
相手にして満足なのだろうかと思う。
「お前だって女になった俺とやっただろ?」
 それを言ったらおしまいだ。
 水樹を見ると、露骨に嫌そうな顔をしていた。過去に僕と何回か関係を持った水樹でも、
こうも露骨に迫られると本能よりも理性の方が勝るようだ。元より常識を大切にしている
ので、冷静な今の状況では尚更だろう。
「頼む、今回だけだから俺の願いを聞いてくれ」
 困ったように僕を見る水樹だが、僕だって困っているのだ。
「こら、頭を上げんか。カメも散々他の女とやっておるし、今更になって好色でないなど
とは言えんじゃろ。水樹も協力してやらんか、男が頭を下げとるんじゃ」
 他人事だと思えば、それは気が楽だろう。だが実際に体験する方の身としては、簡単に
頷くことが出来ないのだ。何しろ僕が二本挿しされるかもしれない、という可能性も、
「良いかもしれないな」
 言うと、途端に一真は笑みを浮かべた。
「ちょっと、カメ正気!? 頭がおかしいのは知ってたけど、これは冗談だよね?」
 正気も何も、僕の頭がおかしかったことなど一度も無い。
「水樹、日本は民主主義国家だ」
 素晴らしきかな多数決の世界、それに常識も時代も何もかも作るのは人の数だ。つまり
この場所ではフタナリ3Pこそが正義であり、嫌がる水樹がおかしいことになる。常識に
こだわるならば、それこそ喜んでフタナって服を脱ぎだすべきだろう。
 僕の決意が固いのを悟ったのか、肩を落とした水樹の頭を撫でてやる。ミチルも頷くと
相変わらず珍妙な魔法の呪文を唱え始め、次の瞬間には僕達の体が白い光に包まれた。
392ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/25(水) 22:26:14 ID:r0+iC18p
一旦中止、あと一時間で再投下します
393名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 23:22:45 ID:8u+wYMB7
 
394『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 23:27:35 ID:r0+iC18p
 ◇ ◇ ◇

「よっし、準備オッケイ」
 シャワーを浴びて、少し火照った体を鏡で見る。我ながら良い体だ。乳は普通だが身長
が結構あるので、スタイルが良く見える。さっき試しにオナってみたところ、感度も悪く
なかった。非処女だったのは少し意外だったが、これならばある程度は楽にこなせる。
 全裸で部屋に戻ると、二人が顔を赤く染めた。水樹達はフタナリ女子の体になっている
ので、なかなか楽しい光景だ。僕は二本挿しの邪魔になるといけないのでちんこを外して
貰っていたが、残しておいても良かったかもしれないと思う。
「カメ、少しは隠そうよ」
「どうせヤるときは全裸なんだ、意味無いだろ」
 言いながら無意味に谷間を作ってみせる、女の体というのは実に面白い。
「ほら、お前らも脱げ脱げ」
 がっかりしたような表情をする二人の服を剥きつつ思うのは、これからの展開だ。確か
二人とも仮性人だったから、基本に従えば僕が皮を剥くことになるだろう。今までに見た
ビデオや本から最高のシチュエーションを選び出し、出てきた結論は、
「お口で剥いてあげるね♪」
 これしか無いだろう。
 まずは一真のちんこの先に口を付けて唇で軽く挟み、亀頭と皮の間に舌を割り込ませる。
エロマンガだったらここで男の臭いがどうたらとか、ちゃんと洗ってるかとか口で綺麗に
してあげるとか言うのだろうが、先にシャワーを浴びてきたので石鹸の匂いしかしない。
だが今は、それで良かったと思う。初体験なので当然と言えば当然なのだが、思っていた
よりもちんこというものはくわえ辛い。固いし熱いし太いし長いし、ちんこを美味しいと
言ってくる人は正直どうかと思ってしまう。美味い訳がない、今までフェラをしてくれた
ツル達は本当に凄いと思った。
 悪戦苦闘をしつつ一真のものを剥き終えると唾を全体にまぶして滑りを良くし、片手で
扱きながら視線を上げてみる。見上げた表情は俯いて目を閉じ、頬を染めて歯を食い縛る
もの、必死に快楽を堪えているような色っぽいものだ。女の子を苛める趣味は無い筈だが、
普段の強気な態度とは裏腹な姿はどことなく加虐心を刺激してくる。もっと困らせたいと
思いながらカリ首の辺りを爪でなぞってやると、高い喘ぎ声を漏らしながら仰向けに倒れ
てしまった。豊かな胸と竿が震え、上気した声が心に火を点ける。
395『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 23:29:27 ID:r0+iC18p
 それと、ひとつ忘れていたことがあった。
「おい、今から僕はミッちゃんだ。一真は真子ちゃん、間違えるなよ?」
 以前一真とヤったときに元の姿を思い出し、ブツが危うく萎みそうになった。せっかく
三人とも体が女なのだから、男のときのことなど思い出す必要なぞ無い。僕も今からは男
の言葉遣いを止めるつもりだし、一真……真子ちゃんは、
「これはこれで」
 結構好みだ。
 指先で真子ちゃんのちんこを軽く弾くと、今度は水樹に向き合った。触る前から耳まで
薔薇色に染めて、こちらから視線を背け続けている。可愛い奴だ、と思いながら顎を摘み
顔をこちらに向けると、唇を重ねた。舌を伸ばして絡めて、わざと音を大きくして口内を、
舌を、唾液を、全てを隅々まで味わい、貪ってゆく。それだけで脱力した水樹はベッドに
もたれかかり、荒い吐息を漏らした。一真もそうだが、二人ともだらしない。
 でも、それを見るのが楽しくもある。
 今ならエニシ先生の気持ちも少しだけ分かる、これは癖になりそうだ。女は男と違って
回数制限が無いので幾らでも楽しめるし、男は言わずもがな、自分と同性の相手をオとす
のはとても楽しい。妙にハイな気分になって、それだけで達してしまいそうだ。子宮が熱
を帯びてうずき、濡れてきているのが自分でも分かる。
 水樹の皮も剥く為に四ん這いになり、髪を掻き上げながら口に含む。先程と同じように
舌を滑り込ませて剥いていると、真子ちゃんが起き上がったのに気が付いた。笑みを浮か
べ、手招きをして水樹の隣に座らせ、そちらの竿に舌を這わせる。勿論、水樹の竿を手で
扱くことも忘れずに、左右同時に責めると喘ぎ声がステレオで聞こえてきた。もうエニシ
先生のことを痴女とは呼べないなと思いつつ出来る限り丁寧に、しかし激しく刺激を与え
てゆく。限界が近いのか真子ちゃんのものが脈打っているが、まだ終わらせたくない。
「カ……ミッちゃん、その、胸で頼む」
 一旦水樹から手を離すと、挟んでみる。他の巨乳メンバーなら楽なのだろうが、これが
結構難しい。もう少し巨乳にして貰えば良かったかもしれない。真子ちゃん、僕、水樹と
乳の大中小にするべく僕は普通乳にしてもらったのだが、失敗だった。それでも頑張って
胸で扱き上げていると、真子ちゃんの喘ぎが一際大きいものになり、
「うわ、急に出すな!!」
 いかん、つい男言葉に戻ってしまった。
396『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 23:31:13 ID:r0+iC18p
「はぁ、ベタベタだよ」
 髪に、顔に、胸に精液が降りかかり、周囲に独特の匂いが充満する。僕は頬を手指の先
でそれを拭うと、試しに舐めてみた。男のときには最悪な味だったが、女の子バディなら
違ったように感じられるかもしれないと思ったからだ。
 だが、変わらなかった。
 最初に来るのは薄い塩の味で、飲み込むと口の中に生臭さが広がり、喉の奥の方に強い
苦味がやってくる。こんなものは飲むものではない、いや元々は子宮に出すものだけれど。
フェラもそうだが、これを平気で飲めるツル達は本当に凄いと思った。
「さて、次は僕を気持ち良くしてくれ」
 二人は頷くと、仰向けに倒れた僕に覆い被さってきた。左右の乳首を唇で挟まれるが、
これは気持ち良い。ついばまれ、噛まれ、舌で撫でられると自分でも驚く程に可愛い声が
出てきた。胸の先端から放射状に波が広がるような感覚、それが連続すると足の指に力が
込もってゆくのが分かる。腰が抜けそうになり脚が震えるのに筋肉に力だけが蓄積され、
息が肺からひたすらに溢れ出てゆく奇妙な感覚。これがおっぱい気持ち良い、おっぱいで
イっちゃうというものだろうか。ツルが半マグロになるのも分かった、頭がおかしくなる
くらいに気持ちが良い。次のセックスのときは今の感覚を生かしていこう、と思ったが、
それも一瞬でかき消されてしまう。頭をとろかすような舌の動き、ざらつく表側とぬめる
裏側の異なる刺激が単調になりかけていた快感に波を与えてきて悶えてしまう。
「お、濡れてるな」
「うわ、本当だ」
 確かめるように伸ばされた水樹の細い手指が股間に触れてきたと思った直後、頭が一気
に白く染め上げられた。意識もしていないのにブリッヂ姿勢になり、突き出した腰に深く
指がめり込んでくる。それも気持ち良くて、連続で達してしまった。
 は、と息を吐いて、涙で滲む視界の中に二人の驚いた顔を見た。こんなに派手にイくと
思っていなかったのだろう、僕だってそうだ。風呂場でオナったときも最後まではイかな
かったし、ぶっつけ本番での衝撃に一番驚いているのは僕自信だ。
「ヤバいな、ミッちゃん。お前エロすぎるぞ、発禁指定ものだ」
397『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 23:32:42 ID:r0+iC18p
 休む暇も与えられずに、粘着質な音をたてながら、ゆっくりと真子ちゃんの指が割れ目
へと侵入してくる。自分の指とはまた違った異物感に最初は抵抗を覚えたが、一本だった
指が二本に増えるとそれも消し飛んだ。ゆるく内部を掻き混ぜられ、胸を揉むように撫で
擦られると理性が消えていってしまう。浅ましく腰が動くのを自覚し、自分の心が男だと
いうことも忘れて赤面してしまった。乙女野郎だなんて、本当に笑えない。
「ほら、水樹も」
「タンマ、ば、ばりやー」
 バリアを突き破って伸びてきた水樹の指先が割れ目の上部に触れた。痛みにも似ている
強い波に呑まれそうになり、慌てて水樹と真子ちゃんを引き剥がした。なるほど、これが
クリトリスの威力か、恐ろしい。神経の数が亀頭と同じだと言われているが、この超凝縮
された感覚のことを考えると俗説ではなかったらしい。
「危ねぇ、またイくところだった」
「大丈夫?」
 大丈夫なものか、この痴女コンビめ。イくときは体力がごっそり削られるというのに、
僕を過労死をさせるつもりだろうか。死姦など洒落になっていない、グロにも程がある。
 だが、これで一通りの準備は整っただろう。汗で額に張り付いた髪を手櫛で退け、床に
うつ伏せになった。胸が床に押し付けられて潰れ、冷たい部分から熱量が奪われる感覚が
火照った体に心地好い。更に腕と顎を付けて尻を突き出す格好になると、前進の熱が床に
溶け込んでゆく。それが堪らない、ツルもそうなのだろうか。
「カメ、凄い姿勢だね」
「おうよ、ほら Fuck my ass!!」
 言葉の通り、尻の穴に熱くて固いものが押し当てられた。押し広げる感覚の後に感じる
ものは人の熱、血液が運ぶ熱量の塊だ。奥まで入り込んできたそれは、臍の辺りまで届く。
「カメ、入ったよ」
「よし、真子ちゃんカモン!!」
 上体を起こして水樹の首に腕を絡め、姿勢を固定すると脚を広げた。体を動かしたせい
で尻から背筋にざわつきが走り、悲鳴のような声が漏れるのを我慢出来なくなる。その声
を心配したのか真子ちゃんが眉根を寄せて見てくるが、僕は構わずに細い腰を抱き寄せた。
ここからが今日の本番だ、そう思い息を飲む。
「ほら、早く入れてくれ」
 頷きの後で、真子ちゃんのものが入り込んできた。
398『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 23:33:59 ID:r0+iC18p
 これは、かなりクるものがある。膣内でごりごりと擦れるなんて言葉は定形文のような
ものだと思っていたが、これも本当だった。女の体になってから、驚くことばかりだ。
 そのまま二人が動き始め、大きく声が漏れてしまう。どんなに悶えても鳴き足りない程、
それは深く思考をえぐってくる。火を注がれたように下半身が熱くなり、溢れた蜜が太股
を伝う感触すらも快いものへとなって僕の体を高めてゆく。
「カメ、何だか可愛い」
「ば、ばか。みっちゃん、て、よべって」
 言っただろうが、とは言えなかった。背後から伸びた水樹の舌が耳を噛み、首筋を舐め、
鎖骨を撫でてくる。前に居る真子ちゃんは胸にしゃぶり付いて、まるで母乳を求める赤子
のように強く求めてくる。出ない、と呟くと吸う力が強くなった気がした。
 前後のピストン運動がタイミングを図ったように交互に行われ、じんじんと下の方から
何かが競り上がってくる。一度目のものと似ているが、それよりも遥かに大きいものだと
いうのを予感して強く真子ちゃんを抱き締めた。
「もう、ダメ」
 言ったのは誰だろうか。
 背中を伝う寒気が頂点に達したと同時に、二人に一番深いところまで突き上げられて、
中に熱い液体が注がれた。数秒に及ぶ射精と絶頂で何も考えられなくなり、引き抜かれて
床に倒れて、その衝撃で終わったのだと理解する。
「すご、かった」
 息を吐いて起き上がり、二人のものを舐めて綺麗にしていると、再び大きくなってきた。
これから二回目を行うのだろうと思っていると、不意に階段を駆け上がる音がして、
「こらカメまた浮気してんのクリスマスに期待してたのにどんな了見よアンタちんこもぎ
取るわよ大体いっつも私を愛してるとか言ってる癖に他の女の子にちょっかい出すの止め
なさいよ私だって我慢の限界っつうモンがあるのよ馬鹿変態エロ魔人!!!!!!!!」
 一息で言ったツルは肩で息をして、こちらを眺め、
「は?」
 目を点にした後で、絶叫した。
399『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 23:39:19 ID:r0+iC18p
亀「『ツルとカメ』質問コァナァ!! 全部片仮名だと読み辛い!!」
水「今回は5つのレスと6枚の葉書!!」
亀「ゲストは引き続き作者!! うぜぇ」
ロ「これで最後だ、多分」
>>374
亀「まぁ、あれだ」
水「ツルがゲストじゃなくて良かったね」
亀「で、肝心のこれだが、こればっかりは作者のテンションで決まる」
水「いや、無いでしょ。無いよね?」
ロ「×51」
亀「は?」
ロ「やるかも」
水「嘘でしょ?」
ロ「ラストはツルとカメの二人だけど、その一つ前はオールスター」
亀「最後がツルだったら良いや」
水「良いの!?」

>>375
ロ「焦らないのが大切」
亀「でも、作者は」
ロ「黙れ」
水「殆んど毎回」
ロ「黙れ」
亀「改行ミスや誤字脱字を」
ロ「うるせぇ!! 投下した後に毎回気付くんだよ!!」

つ[]ゲーム版では〜
亀「バッチコーイ!!」
水「テンション高いね」
亀「ありますか!?」
ロ「ファンディスクなら、ありそう」
亀「マジで!?」
ロ「でも、開発途中」
亀「Damit!!」
水「何で英語なのさ」

つ[]水樹のことが〜
亀「だってさ」
ロ「うん、居る居る。俺の同級生にも女装コンテストでえらく化けた奴が居た」
水「その人がモデル?」
ロ「いや、趣味だ」
亀「寧ろ>>377の方にも興味がある?」
ロ「それは無い、リアルの基本は金髪巨乳外人」
水「うわぁ」

つ[]らきすた
ロ「見たいんだけどなぁ、アニメ」
水「?」
ロ「仕事は忙しいし、そもそも青森には流れないし」
亀「ドンマイ」
水「因みにこっちでは流れるね」
ロ「舞台は関東の外れ、という裏設定。そっちは修学旅行で行ったっきりだから分からん」
亀「超適当だな」
400『ツルとカメ』×35:2007/04/25(水) 23:47:28 ID:r0+iC18p
つ[]カメのエロスキル〜
『SiseMaster』見ただけで着衣状態でも身長体重3サイズが分かる
『HandMaster』無駄に器用なのでイかせるのが上手い
『NuttsMaster』頭がおかしいので、超理論でエロい答えが出る
『LoveMaster』誰に対しても良い性格で一直線なので、やたらとモテる
『Hentai』変態

>>380
亀「いや、これはない」
水「授業は真面目に受けるからね、サボりもしないし。奇行は多いけど」
亀「失礼な。僕は真面目だ」
水「あぁ、これが『NuttsMaster』と『Hentai』なんだ」
ロ「そうだな」

つ[]ゲームネタ〜
ロ「そんなに何回も出すもんじゃないけど」
亀「でもポンジャン作ってるよな」
水「キャラが多いから、牌が物凄く多くなってるね」
ロ「これも開発途中、一年以内には出したいかも」
水「でも、誰がやるのやら」

>>382
ロ「下のおまけで内容が分かるよ」
亀「でも、これで良いのか?」
ロ「良いんだよ、BadEndだから」
水「でも、これは酷いよ」
よりは脈あるな」
水「でも、誰がやるのやら」

よりは脈あるな」
水「でも、誰がやるのやら」

>>382
ロ「下のおまけで内容が分かるよ」
亀「でも、これで良いのか?」
ロ「良いんだよ、BadEndよりは脈あるな」
水「でも、誰がやるのやら」

>>382
ロ「下のおまけで内容が分かるよ」
亀「でも、これで良いのか?」
ロ「良いんだよ、BadEndだから
>>384
ロ「ごめん、最近の曲は全く分からないんだ」
亀「ダサいな」
ロ「うっせ、社会人ナメんな。鬱展出すぞ」

つ[]ロボ氏は〜
ロ「最初はな、パッケージの茶倉とかシアに騙されたんだ」
亀「重度のヲタだからな」
ロ「やってみたら弩硬派な内容でな。だがハマって、本当に何年かぶりに熱中した」
亀「殆んどゲームやんないのにな」
ロ「あぁ、ゲーセン行くのは本当に十年ぶりくらいで自分でも驚いた」
水「財布の中身が面白いね」

亀「次は待ちに待ったクリスマス!! ヒロインは当然ツル、僕の元に訪れるツルサンタ!!」
水「季節感まるで無視だね」
亀「聖なる夜が性なる夜に変わるとき、Happy White X'masへ!!」
水「言うと思った、糞駄洒落。それじゃ来週も見てね、『ツルとカメ』でした!!」
401GJ!:2007/04/25(水) 23:48:33 ID:8u+wYMB7
 
402おまけ:2007/04/25(水) 23:51:01 ID:r0+iC18p
 早めの桜が咲き誇り河原に花弁を撒き散らす、そんな風景の中に僕は立ち尽くしていた。
「仕方ねぇよな、彼女が出来なかったんだからよ。だから俺は……俺は!!」
 何故か僕の前では一真と水樹が向かい合っていて、いつの間に付いたのやら顔には無数
の拳の痣があった。先程の一真の台詞も合わせて考えるてみると、どうやら僕の取り合い
合戦をやっているらしい。どちらかと言えば寧ろ水樹の取り合いになる場面だろうとか、
オール野郎で何をしているのかとか思うが、一番気になるのはここまでの経緯だ。
「訳分からん」
 鈍音。
 僕が少し目を離した隙に二人は更にガチっていたらしく、見るも無惨な姿になっている。
口の端から垂れた血を拳で拭い、互いに殴り合う。見ているこっちのちんこが萎みそうに
なる程に、その光景は痛々しい。ここはやはり、例の台詞を言った方が良いのだろうか。
 僕は息を大きく吸って、
「やめて!! アタイの為に争わないで!!」
 我ながら、何とキモいのだろうか。これはちんこを股間に挟んで女子とかの振りをして
済む問題ではない、もっと根本的な問題だ。それに『アタイ』なんて可愛くもない一人称、
よくも出てきたものだと思う。今時アタイなんて、どこぞの芋娘でも言いはしないだろう。
 しかも、何だか飽きてきた。
「へへへ、中々やるじゃねぇか」
「そっちもね」
 二人の頬は笑みに歪んで唇が重なるが、もう知らん。ホモでも何でもやっていれば良い、
二人が服を脱ぎだした辺りで見るのが嫌になり背を向けた。きっと水樹の肛門が超面白い
ことになっているのだろうが、見たくも何ともない。ひがみとかではなく、純粋に。
「おぅ、凄ぇ、締まる」
「やあぁっ、激しいよぅ!! 裂けちゃう、おしり裂けちゃうよぉっ!!」
 黙れ、勝手に裂けていれば良い。
「やぁ、やだぁっ!! あたし男の子なのに、男の子なのにいっ!! おしりで、おしりで、
イっちゃうよおぉっッ!! ダメぇ、イっちゃうぅぅっッ―!!!!!!」
 どこにでもイけば良い、好きなだけイけば良いだろ畜生。本編では殆んど出さなかった
喘ぎ声なんかを、こんな部分で出すなんて何を考えてやがる。メタ? そんなのは知らん、
ここはおまけの世界だどうでも良い。何がホモエンドだ糞食らえ、ホモなだけに。
 背後の吐息を聞きながら、僕は生まれて初めて煙草を吸った。

『The Crane And Tortoise』is Bad.
403ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/25(水) 23:51:52 ID:r0+iC18p
今回はこれで終わりです

文句は聞きません
404名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 00:08:24 ID:yJP0D5Z6
化け物に犯されて孕まされるより壮絶なBadEndを見た
好奇心はカメを殺す

つ[]<ツルを幸せにしてやってください

泣いてた頃が懐かしい
405名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 01:58:14 ID:Q5f/FcVA
>>403
GJ!
世界は狂気で満ちているwww
406名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 02:56:25 ID:KJzbcHoK
>>403
へ、変態だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!1
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
やべえこれはやべえマジで千代大海GJ!!
36回ぐらい保存した!


っ[]<ロボ氏は遠足の時どんなお菓子持って行ったんでしか?
407名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 09:47:35 ID:9s/KJohh
GJ my master
ちょっと言ってみただけ
綴り?知らんがな


つ[]ミチルさんが働いてるコンビニ行こうぜ!!つかイきたい!!
408名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 10:33:10 ID:EiyAYojn
ちょwwwww俺の馬鹿な脳内妄想を本当にネタにしやがったこの作者wwwww

…どーして貴方はROMの勝手な暴走を逆転サヨナラホームランにしてくれますか毎回…
ホンマにGJすぎてかなわんですよ。

しかし、茶倉とシアにだまされたってアータ…w;
409名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 23:09:16 ID:yJP0D5Z6
まぁ確かに無意識に乳に手がのびることはあるけどさ
410名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 00:16:09 ID:KMc4dX4D
投下しますよ
411『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:17:34 ID:KMc4dX4D
第8話『温泉旅館』

『『DragneelSystem:Enter;』』
『Samurai:Open;(断罪展開)』
『PapetMster:Open;(人形町展開)』
 突如として響いた声に応えるように空から無数の刀が降り注ぎ、林の中から巨大な人形
が姿を現した。デッサン人形をそのまま人間大にしたそれらは数にして十体、それぞれの
拳に刃を構え虎蔵達へと襲いかかった。虎蔵とリィタも魔法幼女へと身を変えると武器を
構えて応戦する。特に戦うことの出来ないリリィを背後に守りつつ刃と拳を振るい、確実
に敵の数を減らしてゆく。檜で出来た破片が周囲に独特の薫りを撒く中で、流れるような
二人の動きは止まらない。まるで舞踊のように回り、動いてゆく。
『ふむ、ならばこれはどうか?』
 林の中から、ハカマを穿いた幼女が飛び出した。合革のブーツで地面を強くグリップし、
高く結ったポニーテールを振りながら振り降ろすのは二尺八寸の大業物、彼女の身長程も
ある長さの肉厚の太刀が、風を斬る音を引きながら一直線に虎蔵へと向かってゆく。
 快音。
 リィタの白銀杭を引き抜いた虎蔵はそれを振るい、真っ向から刀を弾き飛ばした。
「俺の勝ちだな、ムツエ」
『くっ、無念』
 ムツエと呼ばれた幼女は懐から短刀を取り出すと惜し気もなく上半身をはだけ、切っ先
を己の腹に当てた。その途端、林から飛び出してきた幼女がムツエを羽交い締めにする。
『えぇい、離せミク!! 某はもう駄目だぁ!!』
『いけません!! 大丈夫、今は幼女でしたけど元は超オッサンでしたからDr.ペドの刺客
ではありません!! あの筋金入りの変態が中年を作ると思いますか!?』
 あまりにも酷い言われようだったが、虎蔵はミクと呼ばれた幼女の言葉を証明するべく
変身を解除した。現れるのは普段と同じスーツを着た中年男性の姿で、虎蔵は刈り込んだ
黒い髪を面倒臭そうに掻いた。背後を見やってリィタにも変身を解くことを促し、続いて
二人の幼女の前にしゃがみ込むと二人の頭を撫でた。
「十年ぶりだが、変わってねぇな」
 ムツエとミクは一瞬首を傾げたが、すぐに笑みを浮かべると、
『虎蔵殿!!』
『虎蔵さん!!』
 叫び、抱きつく。
 その背後ではリリィが鬼のような形相で三人を見つめていたが、振り向きもせずに再会
を喜ぶ虎蔵達は気付きもせず、リィタだけが急変した姉の表情に怯えていた。
412『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:19:27 ID:KMc4dX4D

 ◇ ◇ ◇

 虎蔵が一番愛しているものは家族で、二番目が煙草、その次に当たるのが風呂である。
特に景色の良い露天風呂は格別に好きで、今は案内されたその場所をしっかりと堪能して
いるところだった。天然の掛け湯は体の芯まで温めてきて、長い旅の疲れを癒してくれる。
 虎蔵達がここまで来たのには理由があった。
 先日の戦闘で交わした約束を守る為、『D3』の『オリジナル』達が経営している旅館
へとやってきたのだ。弟夫婦のところに預けているサユリのことが気掛かりであるものの、
仕方なかったと自分に言い聞かせる。戦闘に巻き込む訳にはいかない、苦心の決断だ、と。
帰りには是非温泉の元と温泉卵を買って帰ろうと思いつつ、空を見る。
「虎蔵さん、背中流しますよ」
『いかん、某が流す』
 扉を開いて聞こえてきた声に振り向けば、バスタオルすら巻かずに入ってくるムツエと
リィタの姿が見えた。リィタはたまにサユリと三人で風呂に入っているので見慣れている
ので何とも思わないし、そもそも二人とも幼児体型以前に幼女の体だ。だから遠慮をする
ことはないと思い、湯船から上がってプラスチックの椅子に腰掛ける。
「おい、良いのかリィタ。お前の姉ちゃん寂しがるぞ? せっかくだから一緒に入ったら
どうだ? こっちは気にしねぇから、家族で楽しめよ」
『心配ご無用』
 ムツエの声に振り向けば、何故か目を点にしたリリィの裸が見えた。湯煙のせいで姿が
少々ぼやけているが、今日は休業日とのことで他に客は居ない筈なので間違いない。過去
に見た全裸と同じだし、二度に渡って見てしまった股間の割れ目も紛うことなくリリィの
ものだ。よくよく股間を見られる娘だと思いながら視線を入口にずらせば、並んで見える
二組の暖簾。そうか、混浴なのかと納得した頃に、
「な、何してんですか!?」
 リリィが絶叫して湯船に飛び込んだ。
「何って、背中を流して貰ってるだけだ。それと飛び込むな、マナー違反だ」
「そうじゃなくて、もう……だから変態中年は嫌いなんです!!」
413『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:20:36 ID:KMc4dX4D
 心外な、と思う。自分は変態ではないし、幼女になるのもシステム上は仕方のないこと。
それも、リリィが組んだプログラムによるものだ。それに中年などは生きていれば誰しも
必ず通る道だし、文句を言われる筋合いは無い。自分に非は無い筈だと結論してリリィを
見ると、何故か顔を赤くして睨むような目で見られた。
『どうしたのでござるか?』
「あぁ、リリィは虎蔵さんのことが」
 鈍音。
 湯の詰まった桶が投げられ、虎蔵の頭に直撃する。
『だ、大丈夫でござるか?』
「いつものことだ、あいつの理不尽な部分は」
 言いながら溜息を一つ、落ち込む虎蔵の頭をリィタが心配そうに撫でた。
『ところで気になっておったが、娘よ。お主が虎蔵殿の娘か? 以前の大戦の折、虎蔵殿
がまるでヘドロのように濁った目で写真を見せてきたが』
 以前の大戦というのは、虎蔵も参加した『N.E.E.T.』との殲滅戦のことだ。戦闘に重点
を置いた為に、『オリジナル』は限りない自由意思を持たされた。その結果悪行を嫌い、
管理局の側に付いた者も幾らかは居る。そのときにチームを組んでいたのが、虎蔵と弟、
そしてムツエとミクだった。約束の結果頼まれて来ただけにこの二人が居るものとは予想
もしておらず、妙な偶然もあったものだと虎蔵は思う。
 そして、こいつまでヘドロ呼ばわりか、とも思う。
 嫌な思考を振り払うようにリィタの頭を撫でると、
「最近出来た娘だ」
 とだけ言った。
 それだけで理解したのか、ムツエも黙ってリィタを見つめ、頷いた。
「それにしても、戦の為に作られたお前らが旅館経営とはなぁ。正直、何て言えば良いか」
『娑場の物は、戦人形だと知らぬ。一般の目から見たら棄てられた機械人形が集まり旅館
を経営している、只それだけでござるよ。余計な気遣いは不用』
 それもそうだな、と相槌を打って背に付いた泡を流され、欠伸を漏らす。穏やかな時間
が流れている、という自覚に、知らず笑みを浮かべた。こんなことならばサユリも弟夫婦
の所に預けることなく、連れて来ても良かったかもしれない。
414『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:21:46 ID:KMc4dX4D
 湯船に戻ると、左右にリィタとムツエが座ってきた。
「ロリコンハーレムですね」
 頬を赤らめたままだが、しかし目を背けることもなく半目で見てくるリリィに、舌打ち
をする。単語から思い出したのはDr.ペドで、続いて忘れそうになっていた今回の目的を
思い出した。舌打ちは罵倒に対するものではなく、この良い場所が狙われているという、
卑劣で残酷な事実に対するものだ。
 最初にこの旅館の敷地に入ったときに向けられたものは武器という形を持った敵意で、
それが襲ってくる過程はスムーズなものだった。元から戦闘用に作られてはいるものの、
それを抜きにしても行為に移るまでの時間は短く、手慣れていた。それはつまり、頻繁に
敵襲があるということだ。それも含めて考え直してみれば、今日が休業日だということも
単に日付の問題だけではなく、何か他に裏があるように思えてくる。
「なぁ、あの変態爺はしょっちゅう仕掛けてくんのか?」
『それは……そうでござるな、否定出来ぬ。今は某とミクで鎬いでおる』
「他の方は?」
 ムツエはリィタの質問に目を鋭くし、
『それはならぬ。某に出来るのは刃を振ることだけでござるし、誰かが犠牲にならぬなら
それを一番行える某が適任でござろ? 少々自虐的かもしれぬが、これが某の選ぶ最良の
道でござる。誰にも文句は言わせぬし、聞く気もござらんよ』
 変わっていない、と虎蔵は思う。昔からムツエは今のように、人が傷付く場所の最前線
に出たがった。誰よりも優しく誰よりも誇り高い彼女は、誰よりも争いを嫌い平和を好み
求める故に、誰よりも戦いの中心に立っていた。
 リリィやリィタにも似ている、とも思う。
 月の魔女の姓の元に、自ら戦いに赴く姿がそっくりだ、と。
「ヘドロさんに、そっくりですね」
「いや、そこはちゃんと名前で呼べよ」
 リリィは顔を背けて湯に潜り下品にぶくぶくと泡を吹き出した。そのまま虎蔵から離れ、
小さな声でぼそりと「虎蔵さん」と呼んで再び戻ってくる。意地でも呼びたくないらしい
態度に虎蔵は頭を掻いて、雲一つ無い空を仰いだ。
415『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:23:59 ID:KMc4dX4D
「で、だ。冗談はここまでで、これから真面目な話だけどよ。お前ら、管理局に保護して
貰うつもりはねぇか? 勿論そっちの意思は尊重するし、保護した後も変わらねぇ」
 どうだ、と尋ねたときだ。
『それは無理ニャン』
 湯船の端から、新しい声が響いた。
『ふぅ、素敵なお湯だから残念ニャが』
 全員の視線を受けたのは、金色の髪を持つ幼女。登頂部からは猫耳が生えていて、鼻唄
に合わせて水面から出ている尻尾はゆらゆらと揺れていた。猫科の動物を思わせる鋭い目
が特徴的な彼女は湯を波立たせながら立ち上がると、虎の毛皮を纏って虎蔵に向かい指を
突き付ける。牙のような長い犬歯を剥き出しにした笑みを浮かべ、高笑いを一つ。
『DragneelSystem:Enter;』
『Nature:Open;(大自然展開!!)』
 叫びと共に周囲の林から熊や猿、狼や狐などの獣が寄ってくる。様々な形状ではあるが
全てに共通して牙を剥き、また瞳には敵意と呼ぶよりも殺意と呼ぶべきものが宿っていた。
今にも襲いかからんとする牙と爪の群れは、それだけで一つの驚異になる。
『アッチはミイコ、Dr.ペドの命令でここを潰しに来たニャ。覚悟ニャン!!』
『させません!!』
 いつの間にか来ていたミクがムツエ達にバスタオルを投げ渡し、各自でそれを身に付け
たところで、虎蔵とリィタは腕輪と指輪を構えた。二人で声を揃え、
『FullmetalTiger:Enter;』
『MoonBrea:Enter;』
 変身する。
「貴方のハートを一刀両断」
「あまねく敵を一気通貫」
「「変態共は完全殲滅、マジカル☆ツイン只今参上!!」」
 ノリノリで決め台詞を吐く虎蔵とリィタに他の四人は半目をして溜息を一つ、特に妹の
そんな姿を見ていられないのかリリィは決めポーズまでしている二人から露骨に目を背け、
「何でそんなキモいことを」
「いや、リィタがどうしても必要だって言ってな」
 目が、僅かだが濁っていた。
 虎蔵特有の超絶溺愛現象はリィタにまで及んでいるらしい。
「この駄目中年!! どうせなら私のことも!!」
『えっと、進めて良いかニャ?』
416『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:25:38 ID:KMc4dX4D
 困惑した表情をしながらもミイコは指を鳴らし、それに合わせて林にも変化が訪れる。
急速に伸びてきた樹木が柵を破壊しながら、四方から襲いかかってくる。意思を持つかの
ように蟲くそれは周囲を囲みながら旅館に打撃を繰り返し、その隙間から飛び出した獣達
が己の武器を持って破壊を繰り広げた。
『くははっ。この攻撃、防ぎきれるかニャン? 三人じゃカバーは無理ニャン、今朝警備
に使ってた人形が壊されたのは知ってるニャよ?』
 全て壊したのは失敗だったか、と虎蔵は苦い表情を浮かべた。
 だが、ムツエとミクは平然としていた。顔には笑みさえ浮かべて、ムツエは得物である
刀を、ミクは両の手指を構えた。まるでこれから、何かを行うかのように。
『人形なら、ここに居る。戦の為に作られた人形が』
『私達の実力、見せて差し上げましょう』
『『DragneelSystem:Enter;』』
『Samurai:Open;』
『PapetMaster:Open;』
『『OperaMania:FullOpen;(絶劇大展開)』』
 ミクの指先から伸びた銀糸がムツエの肢体へと繋がり、その直後にはまるで弾けるよう
に体が動いていた。剣先が水蒸気の尾を引く程の高速移動により、一瞬にして樹木や獣を
切断する。これで当面の肉と薪は困らぬでござるな、という呟きには余裕があり、全力を
出しきっていないことが分かる。湯煙を羽衣に楽しく舞い踊る姿は、天女そのものだ。
『まだ終わらぬぞ?』
『私達は人ならぬ身であり、人に尽くす人形です。そして、ここは疲れを消す憩いの場で
ございます。なれば私達精一杯のおもてなしをさせて頂きましょう』
『我等が絶劇、とくと、ごゆるりと御覧有れ。御期待召され虎蔵殿、今夜は熊鍋でござる』
 再び、ムツエの体が跳ねた。
 今までは二人で外敵から旅館を守ってきたと言っていたが、成程、と思う。これ程実力
が有るならば、確かに出来るだろう。次々と無尽蔵に獣や木が出てきているものの、それ
をものともせずに斬り倒している。このままならば余裕だろうと、安堵の吐息を漏らした。
 だが、この場所には今までとは違うものがあった。
「い、痛ッ」
 リリィの肩口を狼の爪が擦った。
417『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:27:41 ID:KMc4dX4D
『リリィさん、大丈夫ですか!?』
 悲鳴を聞きミクが慌てて振り向いたせいで絶劇が途切れ、結果、鞭のように打ち付けて
きた太い幹によってムツエとミクの体が吹き飛ばされる。虎蔵が二人の体を受け止めたが、
枝の影に隠れていた熊の爪による打撃で、装甲が大きく削られた。
 今までは無かったもの。
 それは、戦えない者だ。
 今までは他の従業員は戦わないながらも、襲われてもある程度は心配の必要が無かった。
元より戦う為に作られた『D3』である、その戦闘能力は推して知るべしだ。いざという
場合でも、戦える。各自で軍の一個中隊を遥かに凌駕する力を持っているのだ。
 だが、リリィは違う。
 『D3』に匹敵する能力を持っている虎蔵やリィタと違い、リリィは単なる技術者だ。
魔法幼女システムを作る頭脳を持ってはいるが、戦闘能力はそこらの小娘と同じ、ゼロに
等しいものしかない。それ故に弱点となり、今の結果になった。
「すみません、私のせいで……こんな」
『ニャフッフー。どうかニャ? リグナムバイダの味は?』
「うるせぇ!! リリィ、Type-Pだ」
 叫ぶが、しかし反応が来ない。
「リリィ、どうした!?」
「私が転送します」
『Type-P:Enter;』
 二人の装備が一瞬で変わり、リィタはリリィの保護に、虎蔵は敵の殲滅に向かう。ミク
達も調子を取り戻して獣を斬り伏せ、虎蔵も高速で回転する刃を幹に当てる。樹木であり
ながら容易く水に沈む程の重量の塊だが、切断するのではなく削るという行為によって、
確実にその量を減らしていった。
418『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:29:13 ID:KMc4dX4D
 やがて、大自然の要塞が崩壊する。
『なら、アッチが相手ニャ!!』
 獣の手足と体のしなりを利用した四息での高速移動は先日のリフルのそれに似ているが、
それを遥かに越えるものだ。迷路のように入り組んだ木材や獣の残骸を回くぐり、尻尾を
立ててバランスを取りながら弧を描いて襲来する。
 虎蔵はそれに対して大剣を振ろうとしたが、
「マズった!?」
 理論上はあらゆるものを抵抗無く切断する単分子ブレードだったなら、上手くいったの
だろう。だが通常タイプのときとは違う、大型のものを切断することを念頭に置いた今の
武器では、確かに進むことは出来るが障害を削り切っての結果だ。ましてパワーアシスト
されているものの基本的には大振りの一撃だし、刃部分だけでなく柄も長い武器だ。
 僅かコンマ数秒の遅れで刃は届かず、その代わりにミイコの爪が剥き出し状態の腹部を
えぐった。吹き出す赤い色を頬に受け、獣の幼女は猫のように目を細めた。
「嫌あぁァッ!!」
 リリィが、絶叫する。
 そちらに目を奪われた瞬間の第二激。背をえぐる激痛に歯を噛む虎蔵の小さな体が宙に
吹き飛ばされ、ピンボールのように木材の中を跳ね回る。血が弓の形で軌跡を描き、濃い
色の林の中に、更に淀んだ色彩を重ねた。
 立ち上がると同時にステップを踏んで次の攻撃を回避しようとするが、
『遅いニャ』
 痛みによる反応の遅れが、次の隙を作る。
 三撃。
 四撃、五撃、六撃。
 七度目で漸く爪を回避して、間合いを取った。
「おい、ムツエ。肉を切らせるから覚悟しとけ!!」
『それは……了解した。虎蔵殿、これを!!』
 投げ渡された刀を受け取ったが、痛みに体が強く軋む。
『まずは一人』
 八撃目、突き出された凶爪が脇腹を貫いた。
「そうだな、一人だ」
 笑みを見せた虎蔵にミイコは腕を引こうとするが、
『抜けないニャ!?』
 虎蔵の背後、貫通した爪の先をムツエが握っていた。絶劇による強制力で固定された掌
は中に握られた爪を固定し、ミイコの動きすらも封じ込めている。
 脱出しようとやたらに突き、刻んでくるミイコを睨むと、虎蔵は刀を握った腕を上げ、
「痛ぇんだよ、この糞幼女!!」
 叫びと共に振り降ろす。
 剛力を蓄えた刀が、ミイコを切断した。
419『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:30:10 ID:KMc4dX4D

 ◇ ◇ ◇

『保護の申し出、受けるでござる。皆も良いな』
 ムツエの背後に居た『D3』も頷き、契約書に判が押された。これで今回の目的は一応
成されたことになる。喜ぶべきことだが、その場の空気はどこか重いものがあった。
 リリィが酷く落ち込んでいるからだ。
 いつもならば虎蔵に向かい何かしら言うところなのだが、戦闘のときのことがまだ尾を
引きずっているのか、未だに何も言葉を発していない。ここに来るまでも、リィタが手を
引いてきたのだ。完全な無気力状態、鬱の状態にすら見えるその姿に虎蔵は不安になる。
過去にも今のようになったことがあったが、そのときはまだ仕事を行う気力は有ったのだ。
しかし今は自分で動くことすらせず、外からの刺激にも殆んど反応せず、まるで植物人間
のように存在するだけの状態になっている。
「おい、しっかりしろ」
 やはり、言葉は返ってこない。
 肩を掴んだところで、小さな手に動きを遮られた。リィタの掌が強い力を込め、意思の
発露を制止している。無言で見つめてくる大きな瞳が、今は駄目だと言っていた。舌打ち
に対して目を伏せると、軽く頭を下げる。幼い顔に浮かんでいるのは、後悔の一言だ。
 普段ならばストレスの解消の為に吸う煙草も何故か吸う気になれず、火を点けずに唇に
挟んでいたそれを乱暴に折るとポケットにしまい込んだ。
 苛々とした感情が、虎蔵の思考を蝕む。
「取り敢えず今日は帰る。詳細は追って連絡する」
『うむ、息災でな』
「まぁ、頑張るさ」
 リリィを一蔑して、吐息を一つ。
 そのリリィは結局最後まで俯いているだけで、何も言わなかった。
420『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/04/29(日) 00:31:16 ID:KMc4dX4D
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナー、今更だけど長いわねタイトル。
今回は一枚の葉書と三つのレスを御紹介。ゲストはミイコちゃん、よろしくね?」
ミ『よろしくニャ』

つ[]すじはピンクでしたか?
セ「嫌な質問ね。何色だった?」
ミ『どピンクだったニャ。セリスは何色ニャ?』
セ「ピンクよ」
ミ『嘘は良くないニャ』
セ「ピンクよ?」
ミ『…………分かったニャ』

>>355
セ「実は一番じゃないわね」
ミ『難しい判断ニャ』
セ「因みにセンスちゃんがやってたのはバージョン2ね、バージョン1も持ってるみたい」
ミ『しかもフルコンプ済みニャ』
セ「まぁ、実際は作成途中だけどね」
ミ『無駄にシナリオ書いてるらしいニャ。だから睡眠時間が減るんだニャ』
セ「内輪ネタは程々にね」

>>356
セ「思いっ切り飼い猫風味ね」
ミ『アッチは飼われてないニャ、孤高の虎だニャ』
セ「虎って……虎蔵さんと被るわよ?」
ミ『どうせ棄てキャラだから構わないのニャ』
セ「それはそれで問題ね」
ミ『ところでNatureはこれで良かったのかニャ?』
セ「さぁ?」

>>357
セ「磁力までは合ってたけど、最後が違ってたわね」
ミ『調査不足ニャ』
セ「書けばその分楽になるわね、細かい設定も使えるし」
ミ『でも』
セ「パクりよね?」
ミ『そんな素直に残酷発言したら駄目ニャ』
セ「良いのよ、事実だから」

セ「さて、今回はこれでおしまい。残りの話もあと僅か、来週もまた見て下さいね。貴方
のハートを一刀両断、『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』でした」
421ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/04/29(日) 00:32:45 ID:KMc4dX4D
今回はこれで終わりです

念の為に、鬱展は無いと言っておきます
422名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 05:08:07 ID:Wg/OSgBR
先週GJといえなかったので今日は2週間分のGJ!!アンド一番槍!

Next ヘドロ’s 幼女 (コナン風味)は、そうだなぁ・・・・
チャイナ服着た格闘技使いで、空手・柔術・合気道・ボクシング・ムエタイ・カポエラとか武術ならなんでもござれな
よ   う  じ  ょで。後はいてなくて、攻撃の時に見えるのもいい
423名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 07:25:09 ID:ion/JG/+
>>422
貴様がDr.ペドか?
424名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 14:24:28 ID:gMvK/AMW
つ「ケータイ幼女」
425名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 23:08:18 ID:mCPvELNY
>>421
Crazy job!

つ「幼女探偵安川マリー。得物はハリセン。」
426名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 00:45:28 ID:rFYfCDBn
CJ!!

リリィは青海タンみたいに死なないよな?
ロボさん意外とプッツンしやすいから心配だ

つ[]なんとなく気付いたんだけど、ムツエとミクって双子?

6E ― 逆転 → 39
427名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 01:38:09 ID:93WM97tl
投下しますよ
428『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:39:42 ID:93WM97tl
「メリークリスマス!!」
 などと明るくクリスマスパーティーが始まったは過去の話。あのままの雰囲気なら何も
問題は無かったのだが、予想通りと言うか、もう少し面子のことを考えておくべきだった
と言うか、現在は物凄いことになっている。
 具体的には、
「カメ、私は、私はぁ」
 と左腕にアズサ先生がすがりつき、
「えへへぇ、カメさんカメさん」
 と右腕に巨乳の楽しいセンスがすがりつき、
「あら、酔ったみたい」
 と股間にエニシ先生がすがりついている。残念なことにアズサ先生の乳が物足りない気
もするが、ホットドッグ状態だ。普段は人一倍常識的なのに、アルコールが入ると途端に
駄目になる人が二人も居ることを注意しなかった僕のミスである、この場合は仕方が無い
などとと無責任な発言は出来ないだろう。それとエニシ先生は絶対に酔っていない筈だ。
 ツルに視線で助けを求めると、久々の悪どい笑顔で無視をされた。苛々しているのか、
店員割引で安く買ってきた大量のフライドチキンを馬鹿食いしている。そんなに揚げ物を
食ったらニキビは出来るわ太るわで大変な筈なのに、そんなことはお構い無しだ。勇気と
無謀は違うもの、ツルのしていることは蛮勇でしかない。
 コイはコイで悪魔の叫びのような歓声をあげながら織濱食品の新商品、『惨劇ビール』
をガンガン飲みまくっているし、ミチルはパンツ丸出しでスカートを頭に被り、見ていて
何故か不安になってくる奇妙な踊りを踊っていた。両手にぶら下げてゆらゆらと揺らして
いる空き瓶は一体どのような意味があるのだろうか。水樹と一真はコイが注いだウーロン
茶を飲んで馬鹿になり、ケーキと会話をしていた。今回は見た目が普通だっただけに油断
していたらしいが、流石はコイの暗黒料理技術だ。グラスに注いだだけでも超非論理的な
化学変化を起こすなど、普通の人間が出来ることではない。ある意味ではミチルと同格と
言えるくらいの化け物っぷりだ。このまま行けば、ABC兵器にD(でかいおっぱいの娘が
関係した食い物)が追加されるのではないだろうか。
429『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:43:09 ID:93WM97tl
 惜しむらくは、ホウ先輩とオウ先輩を呼べなかったこと。上流階級のお嬢様と、付き人
であるあの二人は今頃大型クルーザーの上で世界三大珍味のミックス料理でも食っている
のだろうか。ワインを片手にレズシーン、なんて光景が思い浮かんできたが、それは無い
だろうと頭を振る。どうやら僕も相当酔いが回ってきたらしい。
「だから、これはセーフだ!!」
「「「アウトぉ!!」」」
 手当たり次第に近くの娘の服を剥こうとしただけだというのに、センスとコイとツルに
瓶で頭を殴られた。全くけしからん、後遺症で頭がおかしくなったらどうするつもりだ。
きっとエロい方向にしか物事を考えられなくなり、所構わず痴漢行為の限りをするだろう。
考えただけでも恐ろしい、そんな人間は存在するのだろうか。
「思考が漏れまくっている上に、それはあんたのことよ!!」
 いかん、酒のせいでツルは冷静な判断が出来なくなっているらしい。アルコールを抜く
為には大量の水を飲むのが良いが、酔っている状態では上手く飲むことが出来ないだろう。
だから僕は水割り用のミネラルウォーターを口に含むと、ツルを見た。口移しならば普段
から唾液交換ベロチューをしているので慣れているし、安全な筈だ。それに僕も嬉しいし、
二人とも得をする。どこにも問題点は無い、完璧なアイディアだ。
「飲まないわよ?」
 水のせいで口を開けないのに言いたいことが分かるなんて、やはり僕とツルは意思疎通
が完璧だ。愛のテレパスは無限大、直通ハートを受け止めようと両腕を開き、
「カモン愛の天使!!」
「うっさい!!」
 愛の天使は、鶏の骨の形をしていた。
430『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:44:10 ID:93WM97tl

 ◇ ◇ ◇

「すまんのう、手伝えなくて」
 あれから更に宴会はエスカレートして最終的には殆んどの面子が全裸になるまで至った
のだが、夜勤バイトの入っているミチルが強制的に全員のアルコールを魔法で飛ばした所
でお開きとなった。しらふに戻ったときの皆の反応は、それはもう面白かった。特にツル
が自分の体を隠しながら服を探す姿など筆舌に尽し難く、思わずデジカメのメモリ一杯に
記録してしまった。これは後でポスターにしようと決意する。
 そのようなハプニングが有ったものの宴会自体は楽しかったので文句もあまり出ずに、
時間も丁度良い頃合いだったので全員納得満足しての終了である。皆はそれぞれの家へと
帰り、ツルはシャワー。ミチルはこれからバイトである。高校生が夜勤をして良いのかと
疑問に思うのだが、年齢はクリアをしているし、動物なので人間の法律は適用出来ないと
いう無茶苦茶な論理での結果らしい。それに何だかんだ言ってもミチル本人が働くことが
楽しいらしいので、僕も細かく言うつもりは無い。
 ミチルを玄関まで送って伸びを軽くすると、僕は片付けを開始した。
 数分。
 飲み食いした残骸を一通り片付けると、僕はテーブルに新しいクロスを敷いた。皆には
少し悪いかもしれないが、今日は寧ろこれからがメインなのだ。先週買っておいた指輪が
ポケットにあるのを確認して、こっそりと戸棚に隠しておいた秘蔵のブランデーを出せば
準備は完了だ。両親に頼んで送って貰ったものだ、きっと旨いものだろう。
 調度グラスを置いたところでツルが風呂から上がってきた。
「ん? どうしたの、それ?」
「二人きりで飲もうと思って。ほら、せっかくのクリスマスだし」
 言うと、突然ツルが泣き出した。
「ば、ばかぁ!!」
 暫く見ていなかった泣き顔に一瞬戸惑ったが、僕は黙って小さな体を抱き寄せると低い
位置にある頭を撫でてソファへと座らせる。寄り添うように隣に座るツルの、風呂上がり
の良い匂いと高い体温が快い。ツルの存在そのものを感じることが出来る。
431『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:46:46 ID:93WM97tl
 十年物だという飴色の酒をグラスに注ぐと、独特の甘い薫りが広がった。差し出すと、
ぐずる中に僅かに喜びの声が聞こえてくる。その嬉しさを肴にして一口含み、キレの良い
甘味とコクにまた嬉しくなる。出世払いだと電話で言ってきた両親に、物凄い感謝だ。
「何か、しょっぱいね」
 涙の味だ、とは言わない。
「ごめん、いきなり泣き出して。引いた?」
 それは無い、絶対に有り得ないと断言出来る。こんなに可愛いツルの行動だ、例え世界
人類全てがドン引くような奇行をしたとしても僕はツルの味方をするだろう。否それだけ
ではない、その行動を僕もして世界的唯一カップルとなって最終的には銀河や宇宙の中で
ベストだと呼ばれる究極の愛を見せ付けてみせる。
 内心の決意に頷いてツルを見ると、気持ち悪そうな表情をされた。宴会の酒が残る状態
で風呂に入ったのが悪かったのだろうか。次からは僕自らが一緒に入って、手洗いまでの
完全フォローをしてやる必要がありそうだ。
「何かニヤニヤしてるところ悪いけど、話を戻して良い?」
 頷くと、ツルは目を伏せた。
「ごめんね、泣いたりして。その、凄く嬉しかったから。あぁ、カメはちゃんと私のこと
考えてくれてるんだなぁ、って。変態だし常にエロいし馬鹿だし他の娘にも手を出すし、
腹立ってきた。殴って良い? あ、調度良い瓶もある!!」
 真面目な話じゃなかったのだろうか。
「それに、ちゃんとカメとクリスマス過ごすのも初めてで嬉しくて」
 確かに一昨年まではお互いの両親が同席だったし、去年まではツルの僕に対する態度が
余りにも酷かったのでずっと嫌われていると思っていた。今でこそ照れ隠しだと分かって
いるので罵倒も打撃も愛しいだけだが、結構キツいものがあったので、二人きりでどこか
良い雰囲気などというものは存在しなかったのだ。去年などは大事な日には一緒に過ごす
なんてことも無かったし、予想もしていなかった。だからこそ今年は今までの埋め合わせ
をしようと頑張ったのだが、それが上手くいったのが何よりも嬉しい。
432『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:48:54 ID:93WM97tl
「それと、プレゼントがある」
「まさか精液でホワイトクリスマスとか言うんじゃないでしょうね?」
 鋭い意見だが、それは後だ。後で絶体にするつもりだが、今は違う。ポケットから小型
の箱を取り出すと、ツルに渡した。給料三ヶ月分などと洒落た言い回しではないが、禁止
されていたエログッズ八ヶ月分の金額に相当するものだ。プロポーズなんて大人のような
ことは出来ない、今だって結局は大人の真似事をしているだけなのだから。
 しかし、ツルが欲しがっていたものを贈りたいと思う気持ちは本物だ。
「わ、ぁ。ありがとう!!」
 まるで幼児のように喜ぶツルに腕を広げたが、残念なことに抱き付いてこなかった。
「ね、今填めて良……何でちんこ出してんのよ!?」
 いかん、ハメるという言葉に反応してしまった。しかしこれも全てツルの尋常ではない
可愛いさや、途方もなきエロい外見がいけないのだろう。全く、清らかな夜に僕を獣野郎
にするなんて何て悪い娘だろうか。これはお仕置きするしか無いだろう。
 押し倒したところで、顔面殴打された。
「その、せめてベッドで、ね?」
433『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:49:35 ID:93WM97tl

 ◇ ◇ ◇

「私は別にしたくなかったけど!! カメがどうしてもって目をしてたから、それだけなん
だからね!! 分かった!? 別に私はそんなエロ女じゃないからね!?」
 準備があると言って一旦部屋に戻ったツルは、何と全裸リボンという非常にエロい格好
で戻ってきた。あまりのエロさに頬が緩むのを自覚しながら、その姿をじっくりと眺める。
何て嬉しいプレゼントなのだろうか、流石はツルサンタだ。それもこれも、一年間良い子
として過ごしてきたお陰だろう。このペースで良い子ライフを続けていたら、来年は更に
エロいことになるのではないだろうか。恐ろしい、そのとき僕は正気を保てるのだろうか。
「やだ、食い込むから引っ張らないで」
 そう言われても、こんなに肌にフィットしてるのを見せられたら食い込ませない訳には
いかない。そしてこの食い込み様の何とエロティシズムに満ちていることが、それはもう
いやらしい。脳内ではエロス単語が乱舞しまくり、今にもゲシュタルト崩壊を起こしそう
になっている。このままでは駄目になってしまいそうなので、力の限り抱き締めた。
「カメ、ほどいて?」
 コノヤロ、結構乗り気じゃねぇか。
 言われるままに真紅のラッピングをほどいてゆく。まずは乳ラッピングをほどき、だが
そこで考えてみた。おっぱいリボンは絶体に外すとして、手首や足首に付いているものは
何だか可愛いので外したくないし、股間リボンも何だか惜しい。この白ニーソとの色合い
も素晴らしいものがあるし、この芸術を果たして崩しても良いものだろうか。難しい。
 考え、悩み、手首のものと足首のものだけ残すことにした。
「可愛いな、凄く」
「どこ見て言ってるの?」
 僕にエロ単語を言わせようという魂胆か、乗ってやろう。
「この小さくてぴったり閉じた超淫らなエロマン……痛ぇ!?」
 何故か殴られた。
「ねぇ、真面目にやりましょうよ」
「そうだな」
434『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:51:13 ID:93WM97tl
 今のままイチャ付いていても楽しいが、このままだと先に進めないのでツルをベッドに
押し倒した。そのときに指に冷たい感触が当たり、そこを見れば細い指に填められた指輪
が輝いていた。早速着けてくれたことを喜びながら唇を重ね、舌を滑り込ませた。ツルも
小さく短い舌を伸ばして応え、水音が部屋に微かに響く。
 照明をグローランプに変え、固くなっているツルの乳首に吸い付いた。指で転がして、
摘み、潰す。先日のことを思い出して、敢えて焦らしてみた。強い刺激を与えられて喘ぐ
ツルも可愛いのだが、いつも同じだと申し訳ない。そしてその代わりに、指の腹を舐めた。
僕とツルの性感帯が同じだとは限らないが、女の体になったとき、竿を扱いたときに掌が
気持ち良かった。もしかしたら、と思っての行動だが、意外にもツルは反応した。
 一度引っ込めた手首を掴み、遅い速度で舌を這わせる。フェラをするように全体に唾液
をまぶして、時折吸ってみた。指輪のある薬指の付け根の部分が特に良いらしく、金属の
感触を確かめるように弱く歯を立てて噛んでやると、細く長い吐息が首筋を擽った。
「また上手くなってるわね」
 普段と違う行動に若干不安そうな目をしているものの、頬は紅潮していて充分に感じて
いることが分かる。それだけ分かれば、後はもっと責めて、更に気持ち良くなってもらう
だけだ。手指だけでなく掌、手首まで唇を動かし、二の腕まで移動して肩を噛む。両手も
いつものように胸へと伸ばさずに腰や腹、臍や太股を撫でてゆくと、少し物足りないのか
潤んだ瞳でこちらを見ながら腰を動かしてきた。僕の太股を自分の脚で強く挟み、淫らに
腰をくねらせる。溢れる蜜を潤滑油にしてのグラインドは次第に加速していったが、不意
に振動を与えてやると動きが止んだ。
「や、そんな」
 連続で脚を動かしてやると、ツルは毎回の如く半マグロとなって抱き付いてきた。背中
に爪が食い込んで淡い痛みが走るが、それでも行為を続けていると、被さっている僕の体
を跳ね退けるように幼い体を弓なりに反らせた。どうやら達してしまったらしい。
435『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:53:33 ID:93WM97tl
 熱く荒い息を吐いて脱力した体を抱いて、移動させる。そのときに擦れたシーツがまた
良かったのか、猫の鳴き声のような悲鳴を小さく漏らした。今日も感度は良好、と言うか
いつもよりも高いらしい。試しに鎖骨を撫でてやると、身を縮こまらせた。
 その様子を見て、大丈夫だろうか、と思いながら股間へと顔を近付けた。涎を垂らした
割れ目は物欲しそうに細かく震え、尻の穴までもが小刻みに動いている。身じろぎすらも
辛そうな体とは対照的なそれは、最早ツルという人格すらも超越した一つの生物のように
思えた。貪欲に餌をねだる飢えた雛鳥、そんな光景を連想する。
 右手の親指で割れ目を広げ、濃いピンクの肉へと舌を伸ばす。成熟という言葉を忘れた
ような鮮やかな色の膣だが、舌を僅かに奥に潜らせただけで顔を濡らす程の愛液が流れた。
性の流れを促す蜜は、そこが完全に準備が出来ていると教えてくれる。
 だが、まだ入れる気は無い。せっかくツルの体が絶好調なのに、簡単に終わらせるのは
勿体無い気がしたからだ。それに年に一度だけのクリスマスイヴだ、もっと楽しみたい。
「や、何で、そんな」
 深いところまで舌を伸ばさずに、浅い部分を往復する。表面の部分を舐めて、指を差し
入れ掻き混ぜながら充血したクリトリスの周辺を舐めた。
 それだけでも何度も達しているらしいが、与える快感としては普段と比べると弱い方だ。
舌でクリトリスの皮を剥き、自己主張する肉の目を舐めてやると、勢い良く吹き出した潮
が顎や喉を濡らした。隣の家に聞こえるのではないかと思う程の大音量での声は、喜びの
意思に満ちている。そのまま続けていると、喘ぎが本格的な泣き声に変わり始めた。
436『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:54:22 ID:93WM97tl
「大丈夫か?」
「馬鹿、やりすぎよ……まぁ、気持ち良かったけど。馬鹿になるところだった」
 は、と息を吐きながらこちらを涙目で睨んでくる。この後は尻も含めた四点責めもする
つもりだったのだが、それはどうやら無理そうだ。少し残念な気もするが、胸板を叩いて
くる腕に全く力が込もっていないこともあり、愛撫は止めることにする。
「入れるけど、耐えれるか?」
「ちょっと待って」
 深呼吸を数度繰り返し、
「うん、大丈夫。今日は私が動いてあげようか? いつも動いて貰ってばっかりだし」
 それは嬉しいが、論理的に無理だろう。そんなことが出来るのなら最初から半マグロに
なったりしないし、一昨日も「出来る気がする」などと言って騎乗位に挑戦したがまるで
駄目だった。三回突いた辺りで僕の上に倒れてきて、そこからはいつも通りだったのだ。
それはそれでツルらしく愛しいので文句は無いが。
 そのような考えが顔に出ていたのだろうか。ツルは負けず嫌い根性を発揮して、頭突き
で僕を押し倒すと腹の上に乗ってきた。肉棒の先端と自分の入口を擦り合わせ、軽い体重
を頼りにゆっくりと埋めてゆく。幼い体駆の浅い腟は一番奥までを埋めても竿が尚余り、
濡れた肉棒が橙色の明かりを反射して鈍い光を放っていた。
 だが、それきり動きが無い。
「動けるか?」
「急に、動かないで」
 体を少し起こしたが、それによる動きだけで達してしまったらしい。膣内が痙攣して、
ツルの額が胸板に当たった。もたれかかるように僕の上で脱力しながら熱の込もった息を
吐き、緩く体を上下させている。ツルの体質を知らない者が見たなら、まるで熱病にでも
侵されているように思ってしまうだろう。
437『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:57:50 ID:93WM97tl
「それじゃ、動くね」
「無理すんな」
「平気よ、ばか」
 今の発音は可愛かった。
 ゆっくりと腰をスライドさせるツルに、感動した。今までなら物理的な理由で積極的に
動くことが出来なかったのに、随分と成長したものだと思う。僕が動くときに比べて幾分
拙い動きではあるものの、それでもツルが動いてくれているという事実が今までのものと
比較にならない程の快楽を与えてきた。たどたどしく動く内部のひだが絡み付き、粘膜が
舐めるように先端を擦ってゆく。それが堪らない。
 ふと思い付き、尻の穴に指を差し入れた。
「や、何、すんのよ」
 途端にのけぞり、不満そうな顔をして胸板に頭突きを打ち込んでくる。
「いや、気持ち良いかと思ってな」
 二本挿しをされたとき、それはもう凄かった。脳が掻き乱され、液体になり、沸騰する
かと思う程の波の本流だ。失神するかと思うくらいの刺激は、男には無い絶対的な絶頂を
もたらした。それを味わって貰おうと思ったのだが、ツルは気に入らなかったらしい。
「もしかして、気持ち良くなかった?」
 不安そうな目で見てくるツルに首を振り、髪を撫でる。ツルは安堵の表情を浮かべると、
腰の動きを再開した。慣れてきたのか動きが段々とスムーズなものになり、ただ縦に抜き
挿しを繰り返すだけでなく回転などの横の動きも付いてくる。ある場所で一番感じる部分
に当たったらしく、眉根を寄せながらそこを重点的に繰り返した。
「そろそろ出すぞ?」
「うん、今日は確か大丈夫だよね?」
 それは大丈夫だ、危険日はきちんと把握している。一番ヤバかったのは一週間前なので、
今日は完全に安心だ。心置き無く中出しをすることが出来る。
「や、もう、だめ。ばかに、なっちゃ、う」
 エロ過ぎる言葉を吐く唇にキスをして強く抱き締め、中に放出した。
438『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 01:58:50 ID:93WM97tl
 股間から竿を抜くと、ツルはくしゃみを一つ。冷え込んできた空気に気付いてカーテン
を開き、窓の外を見てみると雪が降り始めていた。今年の初雪は随分と良い時間に降って
きてくれた、風情が有って心が和む。
「ん?」
「さ、寒いだけだから」
 今更になって妙な意地を張るのが、何ともツルらしい。寒いだけ、と言いながらも僕の
体に抱きつく力は強く、付き合い始めの頃のように高鳴っている鼓動が胴に伝わってくる。
僕は布団を被って明かりを消すと、ツルの体を抱き返した。
「カメ、大好きよ」
 ほつりと流れた、ともすれば聞き逃してしまいそうな一言。
「え? すまん頼む、もう一回言ってくれ!! 特に後半の部分、大好きよを聞き逃した」
「聞いてるじゃん!! もう終わり!!」
 ツルの方から愛してるとか大好きとか言われるのは滅多に無いのでもっと聞きたかった
のだが、どうやら無理らしい。だが、その間にも背中に回されたままだった腕が、言葉の
意味を伝えている。この小さい娘の無器用な表現としては、最上級だ。
「カメ」
「ん?」
 乱暴に一瞬だけ唇を重ね、ツルは腕を離して背中を向けた。
「ほら、早く寝よ。おやすみなさい」
「おやすみ」
 寒い筈なのに火照っているツルの体を抱き締めて、僕は目を閉じた。
439『ツルとカメ』×36:2007/05/03(木) 02:00:08 ID:93WM97tl
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は三枚の葉書と三つのレスを御紹介!!」
亀「ゲストはツル、可愛いよ」
鶴「これに出るのも久々ね」

つ[]ツルを幸せに〜
亀「頑張ってます」
鶴「そうね、今回は嬉しかった」
亀「イェイ☆」
水「でも他の娘を剥こうと」
亀「馬鹿、それを言うな」
鶴「思い出したら腹立ってきた」
亀「まて、酒のせいだ!!」

>>405
亀「その中でも必死にツルを守っています」
鶴「馬鹿の代表が何を言ってんのよ?」
水「容赦無いね、事実だけど」
亀「失礼な、僕は狂ってない」
鶴「頭のおかしい人は皆、そう主張するのよ」
水「そうだね」

つ[]ロボ氏は遠足の時〜
亀「どうなんだろうな?」
水「作者からのメモ『ポテトチップとキャラメルばっかり』だって」
亀「バナナは?」
鶴「一回ネタで持っていったことがあるらしいわね、皮だけ」
亀「スベったんだろうなぁ、バナナの皮だけに」
鶴「糞駄洒落は良いから」

つ[]ミチルさんが働いて〜
水「あたしの家から徒歩五分、良い場所だよ」
鶴「でも織濱関係だから何かおかしいのよね、色物とかエロいのとか」
亀「たまに当たりがあるけどな。あと置いてるエロ本の数が多い」
鶴「買ってないわよね?」
水「そう言えばツルと付き合ってからは買ってないね」
鶴「……良かった」

>>408
亀「作者はこんな馬鹿ネタ大好きだからな」
鶴「それにストレスも溜ってたみたいだしね、はっちゃけ過ぎよ」
亀「プッツンとか鬱展よりはマシだろ」
鶴「水樹、何も言わないわね」
水「……あたしは鬱展だよ!! もうヤダ!!」

>>409
鶴「何か言うことあるんじゃないの?」
亀「ごめんなさい、この手が悪いんです」
水「スカートに頭を突っ込むのは?」
鶴「全体的にアグレッシブなのよね、この馬鹿!!」
亀「返す言葉もございません。でも、それでも地球は回っている!! そして野郎はエロに
引かれる生き物だ!! 自分の父より人の乳、ひょんなことからお尻合い、花よりまんこ!!」
水「うわ、それはアウト」
鶴「言うことは?」
亀「ごめんなさい」
水「土下座をしてるのにスカート覗くんだね」

亀「さて来週のヒロインは、今回出番の無かったホウオウコンビ!!」
水「また3Pの話かな? 来週も見てね、『ツルとカメ』でした!!」
440ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/05/03(木) 02:02:01 ID:93WM97tl
今回はこれで終わりです

今日中に書けて良かった
441名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 02:05:40 ID:5SGlQQJr
gj
442名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 02:06:40 ID:FKlMdVU9
さすがにこれは誰GJ!!!!!!!

俺は正当派王道的正ヒロインが大好きだ!!!!
ツンやツルが大好きだ!!!もちろんそれは欲しいとかじゃなくて幸せになって欲しいってことだ!!!


つ[]<手が無意識に胸にいった後殴られるのはなんでなんでしょうね?
443名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 02:09:05 ID:yALGRG/5
どうやら失敗したようだな、同志>>442

>>440
GJ!
なんだかんだ言ってツルは本当に愛されてるな。
444名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 02:10:59 ID:FKlMdVU9
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww






死のう
445名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 07:08:18 ID:BDJ9zzhN
オメガGJ!

ロボ氏のツルに対する愛情がゆんゆん伝わってきますぞ!
446名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 07:31:59 ID:ffppQtMA
GODGODGODGODGODGJ!!これは最早神を超越した作品だ!亀も普段は
ド  へ  ん  た いだけど今回はかっこよかったよ。

これを見たとき亀がよった奴らに襲われてツル・コイ・センス・アズサ・エニシ・水樹・一真と8Pをする思った俺は誰にも負けない変態だ。
ついでにage
447名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 12:58:02 ID:fiKJ014M
GODJOB!!
やっと正統派ktkr
次は結婚だな、うん

つ[]カメ、ツルを幸せにしろよ
448名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 03:55:10 ID:q1XIrnjJ
あれ?今週はヘドロ無し?
449ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/05/06(日) 09:50:37 ID:JpIDiV7T
>>448
すいません
某スレにSS投下した分際で偉そうなことは言えませんが、今週は休みです
そろそろ他のスレの連載も書きたいのでヘドロは隔週になります
重ねて御詫び申し上げます
『ツルとカメ』はいつも通りです
450名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 11:14:17 ID:jgRjX1wS
某スレで満喫させて頂いたので問題ないw

職人様は書きたいものを自由に書くのが一番ですよ、
マターリROMってますんで。




…つーか、あのキャラもツンデレ属性持っ(ry
451名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 14:04:49 ID:nFBWOzRz
職人という言葉は嫌いな俺は本スレ住人
452名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 20:20:35 ID:9ETeZnre
じゃあ「キャスト」で。
453名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 23:57:06 ID:0K+WsrlQ
ツンデレ名無し娘がキャストオフするスレはここですか?
454『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:47:17 ID:NaLW8fqm
 今年も残すところ後少し、もう三日もすれば来年になる。全校生徒呼び出しでの大清掃
も滞り無く終わり、僕は生徒会室で一人感慨に耽っていた。短い期間ではあるが、世話に
なった場所だ。今年分の感謝を込めて、来年も宜しくという気持ちも込めて、ちまちまと
微妙に掃除の行き届いていない棚の隙間などの埃を取る。
「よし、次は」
 少し殺風景なので何かを飾ろう。
 何が良いかと考える。
 植物は正月前後に学校に入れないので、枯れてしまう。備品の造花は先日から茶道部と
演劇部が使用しているので使えないし、そうなると彩りのあるものは何があるだろうか。
なるべく見ていて楽しく、心が落ち着くものが良い。それだけでなく、部屋に有るだけで
仕事時のテンションも上がるものといえば、と考え、僕は結論した。
「ツルしか無いな」
 頷き、御守り代わりにポケットに入れておいた1/10スケールツルフィギュアを机の上に
置いた。ビキニ姿、制服姿、先日の隠し撮り写真を元に作った全裸リボン姿の計3体だ。
特に制服姿は視線を上げたときにスカートの中身が見えるように位置を微調整して、目を
癒す作用を持たせるようにする。ツルと真面目に付き合うにしても勉強や生徒会の仕事を
するにしても、視力は大切だ。これで完璧だろう。
 いや、もう少し飾っても良いだろうか。
 部屋の隅に未使用だった額縁が幾つか有ったことを思い出し、丁度良いサイズのものを
数個選ぶ。先程フィギュアを取り出したものとは逆のポケットからツルの使用済みパンツ
を出すと額縁に填め込んだ。素晴らしい、と納得する。そこいらの豪華な賞状よりも余程
豪華に見える。これだけのものを入れられたら、額縁冥利に尽きるだろう。これを入って
すぐに見えるところに掛ければ、準備は完了だ。ほぼ理想の生徒会室が出来上がる。
 軽音。
 ノックは有ったが、しかし返事を待たずにドアが開いた。
「失礼しま……何で下着が飾ってあるんですの!?」
「大丈夫ですよ。使用済みでもちゃんと洗ったものなので衛生的です……残念だ!!」
455『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:48:57 ID:NaLW8fqm
 何故かホウ先輩とオウ先輩が白い目で見てきた。白いのはツルの肌とツルの靴下とツル
の下着だけて充分だというのに、色のゲシュタルト崩壊でも起こそうとでもいうのか。
「カメ君、生徒会室は私物の持ち込み禁止ですわよ」
「……年越しのとき、先生に捨てられるよ」
 僕は慌ててフィギュアとツルのパンツをポケットに入れた。しかし、年を越したら再び
飾ろうと決意する。その頃には振袖バージョンも出来ているだろう、もっと豪華になって
いる筈だ。新作ポスターや、来年だからこそ使えるツル仕様カレンダーもある。最高だ。
 計画が完成したところで他のことを考える余裕も出来て、今更ながらに気が付いた。
「先輩達は何でこっちに?」
「反応が遅いですわね。まぁ、強いて言うなら部屋に会いにきた、というところですわ」
「……今までお世話になったし……もう何度も来れないから」
 そう言えばそうだ、今も忙しいに違いない。大学の入試も目前だし、それに加えてホウ
先輩達は金持ち同士の家の付き合いもある。二人とも成績がトップクラスだと言っても、
こんな場所で油を売っていても良いのだろうか。逆に言えば、それだけ想いの深い場所と
いうことでもあるけれど。
 妊婦のように穏やかな顔で部屋の中を見渡す二人は、やがて一年間座り続けたそれぞれ
の椅子へと座った。そして同時に溜息を吐き、こちらを見た。
「頑張ってるみたいですわね」
「そりゃ、先輩達の後釜ですから。頑張らない訳にはいきませんよ。それに聞きましたよ。
ホウ先輩は推薦を他の人に譲ったり、オウ先輩はホウ先輩と同じ大学選んだり。頑張る、
って言えばそっちの方がずっと凄いじゃないですか」
 普通のことですわ、とホウ先輩は照れたようにそっぽを向くが簡単に出来るようなこと
ではない。自分から受かるチャンスを少なくすることも、ずっと好きな人と一緒に居よう
とすることも、結構大変なことなのだ。それを当然のようにする二人は、素直に凄い人達
だと思う。それに比べたら、僕などは頑張っていると言われてもまだまだ未熟だ。
456『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:49:52 ID:NaLW8fqm
「……随分、迷惑をかけましたわね」
 ぽつり、とホウ先輩が呟いた。
「今まで何度も呼び出して、怒鳴って、面白くなかったでしょう」
「まぁ、正直。ツルなんかも毎回キレてましたね」
 だが今はと言えば、そんなことは無い。ホウ先輩と同じ立場になった今は、あんなこと
を飽きもせずに毎回していた理由がよく分かる。僕だって新しい『四天王』のメンバーの
『逆姫』には手を焼いているし、幾ら注意をしても直してくれないのを見ていると柄にも
無く怒鳴りたくなってくる。きっとホウ先輩も僕と同じ気持ちだった筈だ。
「申し訳ありませんでしたわ。その、ヘコむ顔があまりにも好みだったもので」
 全然違うじゃねぇか、この淫乱サドめ。
「あ、今の苛っときた顔もそそりますわ」
「……ボクはいつもの緩んだ顔が好き」
 駄目だ、この人達。
「冗談はこの辺りで……寂しくなりますわね。後カメ君に会えるのも数回、クリスマスの
パーティにも行けば良かったですわ。あのチビちゃんは嫌がったでしょうけど」
 本当に残念な話だ。ついでに言うのなら、出来ればツルと仲良くなった状態で卒業して
ほしいと思う。その機会がクリスマスだったと思うと、後悔の念が沸いてくる。
 そのままお互いに黙り込み、沈黙が流れた。気不味いものではなく、心地好いと感じる
ものだ。今までは尊敬していても、それは生徒会長として張り積めたものだった。穏やか
な空気は初めてのものだが、これはこれで悪くない。
「あ、一つ言い忘れていましたわ。カメ君、オウとセックスしたのでしょう?」
 このタイミングでその話が来るのか。
「どうでした?」
457『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:51:41 ID:NaLW8fqm
 そう言われても、反応に困る。あれは勇気が足りないというオウ先輩を後押しするもの
だったので、他の部分にはあまり気が回っていなかった。敢えて言うならば、褐色の肌は
やっぱり素晴らしいとか、たまには巨乳や貧乳ではなく普通のサイズの乳も悪くないとか、
やけに良い匂いをしていたなとか、どんな家庭でホウ先輩がオウ先輩の処女を奪ったのか、
とかその程度しか思い浮かばない。意外と慣れていないのも実は結構ポイント高かった、
とかの意見もある。思い出してみても、実に少ない。
「皆さんから散々ツッ込まれていると思いますけど、敢えて言いますわ。本音がダダ漏れ
な上に具体的で、しかも空中で乳の形を揉むのは止めてくれませんこと!?」
 随分とテンションが高い、先程の落ち着きが嘘のようだ。オウ先輩を見ると、褐色の肌
の色を赤に変え、身を縮ませてテーブルを見つめていた。普段は表情が出ないので、この
姿は恐ろしく可愛い。ギャップの良さはツルで毎日体感しているのだがオウ先輩のような
パターンもまた捨てがたい。こんなものを見せられたらホウ先輩のことだ、処女を奪って
しまうのも止む無しだろう。淫乱とサドっ気が混じった無敵会長なのだから。
「失礼なことを考えてません?」
「真実の探究をしているだけです」
 そうですか、と猜疑を多分に含んだ目で見られた。成程、人を信じることと疑うことの
使い分けが上手いから生徒会長として立派になったのか。僕もこれからそうしていくこと
にしよう。すぐに成れるとは思わないが、小さな一歩が肝心だ。
「まずは身近なところから!!」
 ホウ先輩の、このけしからん乳は本物か。
 衝撃。
「な、何でいきなり乳を揉むんですの!?」
「すみません、疑わしくて」
 衝撃。
 二度も殴られた。
458『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:53:24 ID:NaLW8fqm
 しかも、今の連続殴打で妙なスイッチが入ってしまったらしい。顔には何度も見てきた
淫乱弩S金髪巨乳お嬢様生徒会長の表情が浮かんでいる。今はもう退職したから元会長か。
「全く、どうしようもない変態ですわね」
 口元に手を当てて上品に笑い、一歩、また一歩と距離を詰めてくる。
「そんなに淫らなことが好きなら、今からしません?」
 嫌な予感がしてきた。
 扉を開いて逃げようと思うが、
「開かねぇ!? ンな馬鹿な!!」「昔偶然発見したんですの。決まった角度とタイミングで中から鍵をかけると、開け方が
少々面倒なものになるのですわ。それを知っているのは、私とオウだけですけど」
「……ごめんね」
 追い討ちをかけるように腕を背後で掴まれ、金属の噛み合う鈍い音がする。懐かしい、
これは初めてホウ先輩達とエロいことをしたときに使われた手錠か。冬の空気に晒された
鋼鉄の冷たい温度に、一瞬背中がぞくりとする。
「……オウ先輩は僕のことが嫌いですか?」
「……カメ君は好き、ホウ様はもっと大好き。……三人一緒なら、一番嬉しい」
 何と酷い、僕の人権は無視か。
 振り替えれば、見慣れた形状の鍵が人差し指の所で小気味の良い音をたてながら回って
いた。それは胸元を通って股間まで辿り着くと、黒いレースの下着の中へと潜り込む。
「ほら、鍵はどこかしら?」
 襟のボタンを外しながら、とろけるような甘い声で言葉は続く。
「オウにもっと積極的になれと言ってくれたらしいですわね。私、とても感謝してますの」
 だったら今すぐ僕を解放してほしい。これから家に帰ってツルの作った昼飯を食ったり、
風呂で洗いっこをしたり、イチャついたり、日も沈んでいないけれどエロいことをしたり
しなければいけないというのに。一緒にお節料理を作ろう、と脳内で約束をしているのに。
餅搗きと言ってツルの体をこねくり回す夢の企画まであるというのに。
「感謝の意味も込めて、精一杯お礼させて頂きますわ。ご主人様」
 耳元で囁きながら、ホウ先輩は股間のジッパーに触れてきた。
459『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:55:19 ID:NaLW8fqm

 ◇ ◇ ◇

「もう、限界です」
 恐るべきはホウ先輩とオウ先輩のコンビネーションだ。、テニスで全国制覇をしたこと
は今の状況に関係有るかは分からないが、互いの隙を埋めるような動きは僕に休むことを
許さずに絶え間のない刺激を与えてきて、気が付けばもう四発も絞り出されていた。オウ
先輩の動きも練習したのか以前よりも格段に慣れており、只でさえ上手いホウ先輩の動き
を絶妙にアシストしている。お陰で今の僕は息も切れ、ちんこもすっかり元気喪失だ。
「ふふ、ドロドロですわね」
 言いながらオウ先輩の顔にかかったものを舐め取り味わうように口でよく噛んで、白い
喉を鳴らして飲み込んでゆく。感謝の気持ちなどと言っていたが、それはもしかして顔射
と掛けているのだろうか。それにしても、オウ先輩の顔射はエロい。
「さて、次は私の処女を」
「ちょっと待った」
 言葉を制して、オウ先輩を見た。今更処女だったということくらいでは驚かないのだが、
オウ先輩の意見が聞きたかった。僕が奪っても良いのだろうか。
「……お願い」
「幾ら家柄が良い相手でも完璧でも他所の男は他所の男。そんな男を相手にするよりも、
馬鹿で変態でも自分が見込んだ相手の方が良いのですわ、女という生き物は」
 そうらしいですよ、アズサ先生。
 大学時代にエニシ先生に処女を捧げ、今は婚期が遅れそうになって焦っている、普段は
クールだが実は結構精神状態ヤバめな担任女教師の姿を思い浮かべた。僕は後ろの処女を
頂いてしまった訳だが、これはこれで良かったのだろうか。一度今のホウ先輩の格好良い
発言を、アズサ先生に聞かせてやりたい。
「ねぇ?」
「? 何がですの? それよりも、早く」
 言いながら、僕のものを舐めて綺麗にしてくる。もう何度も出しているというのに再び
元気を取り戻すエロちんこが恨めしい。それだけ上手いということだと自分に言い聞かせ、
ホウ先輩と唇を重ねた。こうなったら、覚悟を受け止めるしか無い。
「浮気性だなぁ」
「それだけ他人に対して真剣だということですわ」
 良い女だ、と思う。僕には勿体無い。
460『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:56:37 ID:NaLW8fqm
 手錠を解いて貰うと、ブレザーを敷いて横たわらせた。薄い生地なので大した緩衝材に
ならないだろうが、何も無いよりはマシだろう。元々絨毯も厚いので、背中は痛くない筈。
「それじゃ、脱がしますよ」
 既に濡れていた下着を脱がすと、太股を舌で拭う。何度も丹念に、なるべく痛みを与え
ないように。僕は男だし、体が変わっても非処女だったので、どれだけの痛みが有るのか
分からない。なので準備は万端にしなければいけない。
「入れますんで、力、抜いて下さい」
 先端を当てて、ゆっくりと押し込んでゆく。随分と狭い、もしかしたらツル以上に狭い
のではないだろうかと思う程だ。こんなに締め付けてくるのでは、どれだけ痛いのだろう
とホウ先輩の顔を見てみると、
「あれ?」
 うっとりとしていた。
 思い出すのは、ホウ先輩の後ろの穴でセックスをしたときのこと。あのときのホウ先輩
はマゾっ気を全開にして、少し言葉でいじめるだけで感じていた。まさか今、その状態に
なっているのだろうか。試しに乱暴に動いてみると、痛い筈なのに歓喜の声がした。
「痛いですか?」
「もっと、もっといじめて下さいご主人様ァ!!」
 前は初めての癖に、どんなプレイだよ。
 だが何故だか僕の腕は勝手に動き、張りの良い尻を強く打っていた。快音が響く度に、
黄色い声が部屋に満ちてゆく。尻の穴を指先でこねると淫らに腰を動かし、歯を立てて胸
の先端をかじると背を弓なりに反らせて悶えた。
「ホウ先輩、僕のが入っているの見えますか?」
「嫌ぁ、言わないで下さいませ!!」
461『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 00:59:47 ID:NaLW8fqm
 そう言いながらも、腰のグラインドは止まらない。寧ろより激しく、より淫らに動いて
僕の情欲を煽ってくる。処女だった証が白い太股に鮮やかな赤を描いているのに、それが
嘘だと思う程の淫媚なダンスだ。豊かな胸を大きく揺らし、金色の髪を振りながら、男を
誘いどこまでも落とし込む。僕も例外では無いのだろう、家に帰ればツルが居るのに腰の
動きを止めることが出来ない。全てを注ぎ込みたくなってくる。
「ホウ様、いやらしい。こっちも、こんなに動いて」
 自分の割れ目を掻き混ぜていた手を引き抜くと、オウ先輩はそれを菊座へと伸ばした。
二つの穴を責められて首を振り乱すが、オウ先輩の唇が重ねられたことで動きが止まる。
舌を絡め、貪欲に互いの口内を求める姿は、この世のものとは思えない程の色香に満ちて
いて、僕の方こそが部外者だと錯覚させられる程だ。
 限界が近く、僕は腰の動きを加速させた。ホウ先輩の胸を何度もかじって歯形を付け、
その度にオウ先輩が歪な傷跡を舐める。されるがままのホウ先輩は涙を流して喜び、ただ
快楽に身を震わせていた。既に何度も達している膣は痙攣を続けており、中の粘膜が亀頭
を包み、乱暴とも言える動きで擦ってきている。
「膣内に、膣内に出して下さいませ!!」
 脚が腰に絡み付いてきて、一気に奥まで突き入れた。
「はぁ、出てますわ。熱いのが、たくさん」
 エロ漫画を見ているとよく出てくる台詞だが、実際に言われると更に凄い。
 引き抜くと、ホウ先輩は己の血が着いた肉棒を愛しそうに舐めた。オウ先輩も加わって、
やがては何の痕跡も無い状態になる。だが精液が溢れ出るホウ先輩の割れ目と部屋に充満
する生々しい匂いが、淫猥な交わりがあったことを強く主張していた。
「ありがとうございました。これで何の後悔も無く卒業出来ますわ」
「……ありがとう、嬉しかった」
 そう言われると、こちらも嬉しい。
「ところで、どうすればドアは開くんですか?」
「あと三回程中に入れて貰えば言いますわ」
 コノヤロ、全然満足してねぇじゃねぇか。
「……ボクにもお願い」
 迫ってくる二人を見て、僕は溜息を吐いた。家に帰るまで体力は保つのだろうか。
462『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 01:01:11 ID:NaLW8fqm
亀「『ツルとカメ』質問コーナー!!」
水「今回は二枚の葉書と八個のレス!!」
亀「ゲストはホウ先輩の予定でしたが、素に戻った後は痛みが酷いらしく」
凰「……よろしく。何だか漢字だと見辛いね」

>>441
亀「早い、僅か3分」
水「作者が投下を見直すよりも早いね」
凰「……正直、見直す前に、きちんと見てから投下すれば良いのに」
亀「それは言ったら駄目なお約束です」

つ[]手が無意識に〜
水「嫉妬、かな?」
凰「……ボクも、カメ君以外がホウ様に手を出したら怒る」
亀「ほら、作者の出身がゲフンゲフン」
凰「……納得」
水「それで良いの!?」

>>443
亀「そうだよ、宇宙で一番愛してる」
水「凄いよね、はっきり言えるのは」
亀「宇宙一可愛いよな!?」
凰「……違う、一番はホウ様」
亀「それは違います」
水「喧嘩は駄目!!」

>>444
亀「ほら、水樹の出番だ」
水「生きて!! あたしも頑張るから!!」
亀「もう一押し」
水「ほら、投げチューだよ」
凰「……毎回やってるの?」

>>445
亀「まぁ、ツルに始まりツルに終わるSSだからな」
水「個人的最萌ヒロインの一人らしいしね」
凰「……ホウ様は?」
亀「四番目らしい、三番目はオウ先輩」

>>446
亀「それは×51らしいので無いだろ」
水「いや、人としてそれは」
凰「……ホウ様が居れば、どうでも」
亀「ツルが居れば、どうでも」
水「極論だなぁ」
463『ツルとカメ』×37:2007/05/10(木) 01:04:06 ID:NaLW8fqm

つ[]カメ、ツルを〜
亀「もろちん」
水「止めなよ、下品なボケは」
凰「……しかも二度ネタ」
亀「でも真面目に愛してるぞ。プロポーズもその内するし、目標は学生結婚だ」

>>450
亀「見てる人が居たのか」
水「ヘドロを無視して書くなんてね」
凰「……無責任」
亀「作者曰く、武者修行らしい」
水「あぁ、只でさえ他のスレのも止まってるのに」
亀「内輪ネタは終了」
凰「……やりすぎだしね」

>>451
亀「作者も自分をそう言われるのが苦手みたいだしな」
水「様付けなんて、もっとだよね」
凰「……下のにアイディアがあるよ」

>>452
亀「キャスト?」
水「何のスラングだろ?」
凰「……寧ろ、ボク達がキャストだよね?」
亀「そうですね。まぁ、作者の呼び方は正直どうでも」
水「コテハンあるしね」

>>453
水「懐かしいね」
亀「ある意味キャストオフだな」
凰「……でも、ツンデレ?」
水「判断が難しいね」
亀「作者は夏の間、基本的に全裸らしいがな」
水「うわ」

亀「次のヒロインは、チーちゃん」
水「実はクリスマスで出番無かったね」
亀「ホウ先輩達と違って、描写すら無かったな。作者のミスだ」
水「で、何してたの?」
亀「それは多分次回で書かれる。思い付いたら」
水「うわ、酷い。ではまた来週、『ツルとカメ』でした!!」
464ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/05/10(木) 01:04:46 ID:NaLW8fqm
今回はこれで終わりです
465名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 01:13:55 ID:5Adzxo6s
お・ま・け!お・ま・け!
466名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 18:54:12 ID:9ixlFIJE
1番槍GJ!
本音がダダ漏れな上に具体的で、しかも空中で乳の形を揉むカメが最高過ぎました
ホウオウコンビは好きな組み合わせなのでいつも気分よく読めました、もう一度GJ!

つ[]ホウオウコンビの乳繰り合いは週何回ですか?
467名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 22:53:19 ID:CduMnysj
>>464
GJ!
マゾの究極はロストバージンすらも悦しむのか。
勉強になりました。
468名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 01:05:30 ID:GoGW8744
神クオリティにGJ!!

4日前ツルカメキャラが全員と大乱交繰り広げ全員(一真含)が妊娠して最終回という悪夢を見た。
夢精した上に汗びっしょりかいた。

つ[]カメはツルとずっと二人きりと乱交ハーレムエンドどっちがいいですか?
469名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 01:17:04 ID:AHyM+TKU
カメに殺気沸いた
470名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 00:02:38 ID:oZGqI2TE
>>469
いつから?
471ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/05/13(日) 00:05:22 ID:pESZrB1B
すみません
諸事情により、投下は明日の夜に
只でさえ隔週にしたのに何をやってんだ俺orz
472名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 00:55:45 ID:1P4+iP0t
>>470
さっき。

>>471
了解しました。
お仕事頑張ってくださいね。
473ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/05/14(月) 01:15:41 ID:AKRonvC2
仕事\(^o^)/オワタ

投下しますよ
474『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:17:23 ID:AKRonvC2
第9話『前夜祭』

 その部屋は、音が無かった。
 管理局内にある治療室、白で統一されたその部屋には二人分の人影がある。黒髪を短く
刈り込んだ中年の男性、虎蔵は言葉を発せず、簡素な椅子に腰掛けていた。視線の向かう
先は、ベッドに横になっているリリィだ。今は眠っているが寝顔は安らかという言葉とは
程遠いもので、眉根を寄せてはうめくように長い息を吐く。
 不意に、その目が開き、
「あ」
 目が合った瞬間、
「あああぁぁぁァァァ!!」
 リリィは狂乱した。
 シーツを乱し、布団を跳ね飛ばし、大粒の涙を流して一心不乱に手足を振り回す。声が
枯れているのは、この叫びを何度も繰り返しているからだ。虎蔵からの言葉で拘束服など
は付けられていないものの、せめて爪が割れないようにと手に巻かれた包帯が痛々しい。
「落ち着け、俺は平気だ!!」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
 抱くように体を押さえ、何度も落ち着けと言い聞かせ、そこで漸くリリィが静まった。
このような状態でリリィの体に傷が付いていないのは今のように虎蔵が常に側でリリィを
押さえてていたからだが、代わりに虎蔵の顔には幾つか痣があった。
 数分。
 何度も顔を殴られ、しかし抱き続けた結果、やっとリリィは目を閉じた。シーツを軽く
整え、脱力した小柄な体を寝かせると、部屋の隅にまで飛んでいた毛布を被せてやる。
 ずっとこれの繰り返しだった。
 本格的に寝入った様子を見て、安堵の吐息をしながら椅子に座る。安物のビニール性の
クッションが擦れ、高い音をたてた。それを最後に、再び部屋の中に静寂が訪れる。
「とら、ぞ、うさん」
「安心しろ、今は休め。辛いなら、側に居てやるさ」
 髪を撫でてやると、少しだけ安らいだ顔になった気がした。しかし、ここで安心しては
いけないとも虎蔵は思う。旅館から帰ってきてから三日、ずっと今の状態なのだから。
475『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:19:17 ID:AKRonvC2

 ◇ ◇ ◇

「代わりますよ、虎蔵さんは少し休んで下さい」
 無言で首を振る虎蔵に眉根を寄せ、リィタは手首を掴み強制的に立ち上がらせた。体格
の差は倍近くあるが、装甲を纏っていないもののリィタの体は『暴君』フランチェスカと
同じものだ。大して抵抗も出来ずに、成すが儘になってしまう。
 だが相手が他の者だったとしても、それは変わらなかっただろう。三日間も不眠不休で
ろくに食事も取らず、ひたすらリリィを見守っていたのだ。その顔にあるのは殴打による
痣だけではなかった。強い意思が宿る二つの瞳の下、そこには濃いクマがあった。その姿
を見れば、例え子供が見たとしても弱っていると一瞬で判断出来るだろう。
 部屋を連れ出されると、代わりに薫が入ってゆく。一瞬こちらを向いて、目が合った。
浮かんでいたのは強い疲労と、悲しみの色。そんな者に心配されるとは、自分は余程酷い
状態だったのだな、と苦笑する。鏡を見たらどんな顔があるのか、と自嘲するように。
「お前は休まなくて良いのかよ?」
「私は常に回復状態なので心配要りません」
 その分老化が強まっているでしょうけどね、と呟いたが虎蔵には聞こえなかった。
「ほら、早くご飯食べて下さい」
 辿り着いた先は食堂で、そには既にヤキバソとコンソメスープが置いてあった。リィタ
の手作りなのだろう、独特の切り方をされた不揃いな野菜を見て胸の奥に熱が満ちてゆく
のを虎蔵は感じた。その心遣いを無駄にしないよう、大人しく席に着く。
「これだけしか作れませんけど、栄養は考えてあります。野菜でビタミン、麺で炭水化物、
コンソメスープでミネラルも補給出来ます。大変でしょうが、残さずに食べて下さい」
「凄いな」
「一応、頭は悪くないので」
476『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:20:27 ID:AKRonvC2
 照れたようにそっぽを向くリィタの頭を撫でながら一口、それだけで力が体に蓄えられ
るのが分かった。まだ大丈夫だと思っていたのだが、体力は限界に近くなっていたらしい。
それを埋めるべく、一気に胃袋へと掻き込んでゆく。
 数分。
 結構なボリュームのあった食事は、全て虎蔵の腹の中へと消えていた。
「落ち着きましたか?」
「あぁ、美味かった」
 リィタは嬉しそうな顔をしたがすぐに表情を真剣なものに変え、本題です、と言った。
「どうして、リリィはあんなに落ち込んでいるんだと思いますか?」
「あまり言いたくねぇが、そりゃ、自分が原因で皆が怪我したからだろ」
「違います」
 今まで見せたことの無い、険の表情を浮かべて溜息を一つ。
「近いですけど、違うんです。リリィは、虎蔵さんがやられたから傷付いているんですよ」
「今までも何度も怪我しただろ」
 分かってませんね、と呆れたような顔をしてそっぽを向いた。視線はリリィが寝ている
治療室へ、何かを迷っているように黙り込んだ。その真意が分からず、虎蔵も無言で茶を
すする。温く、嫌いな状態だが、それも気にならない。
「リリィが寝ている状態では言いにくいのですが。虎蔵さん、リリィは虎蔵さんのことが
好きなんですよ。だから、あんなに酷い有り様になってるんです」
「俺だって結構好きだぞ、だから看病してやった。それは勿論、お前が相手でもだ。好き
だから俺は頑張れる、この正直しんど過ぎる仕事をやっていけてるんだ」
 あの減らず口さえ無ければ、もっと良いのにな、と付け加えた虎蔵に恨むような視線を
向け、リィタは頭を抱えた。分かってない、この朴念人は分かってない、と呟きながら、
盛大に肩を落とす。何か悪いことでも言っただろうか、と虎蔵は首を捻って先程の自分の
発言を思い返したが、特に疑問は浮かんでこない。自分は管理局の者だけでなく監獄都市
の中に居る者も好きだ、そこは間違っていない。リリィも悪態を着いてくるものの、自分
との信頼関係はそれなりに強いという自覚もある。そこも間違っていない筈だ。そこまで
理解し、納得して、改めて疑問に取り組むが、おかしい部分は一つもない。
477『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:22:00 ID:AKRonvC2
「あのですね、リリィは虎蔵さんを異性として好きなんですよ」
 言われたことの意味を理解出来ず虎蔵は思考を止め、次に体の動きを止めた。茶を口の
端から垂れ流し、傾けたままの湯飲みからも茶が溢れた。まるで漏らしてしまったように
股間に染みが出来るが、それにも虎蔵は反応を返さない。先程とは違う意味で、何も言葉
を発することが出来なかった。リィタが慌てておしぼりを持ち股間を拭ってくるが、虎蔵
はその犯罪的な行動にもされるが儘だ。
「お、おま、な、にょ」
 漸く頭の中が再起動を始め、お前何言ってんだ、そう言おうと思ったのに舌が回らない。
代わりにリィタの発した言葉の意味が超高速で駆け巡り、思考のメモリを再度パンクさせ
ようとしていた。リリィが自分のことを男として愛している、それは無いだろう。年齢も
二十歳以上離れているし、どちらかと言えば娘のような存在だ。
「ふぅ、俺もついに罪人の仲間入りか。ミイラ取りがミイラ、管理局の人間がロリコン罪
で捕まることになるなんて悲しい話だ。しかもDr.ペドのお仲間か、最悪だ!!」
「落ち着いて下さい。まだ未遂ですし、合意の上なら捕まりません。それにDr.ペドから
見たらリリィは多分アウトですよ、14歳なので。だからセーフです」
「リリィは毛も生えてねぇんだぞ!?」
「体質、遺伝です。私達の母もパイパンでした」
 月の魔女の血族の思わぬ秘密をバラされて呆然とするが、今度は立ち直りが早い。股間
に毛が生えていないと理由などはどうでも良いのだ、肝心なのは虎蔵とリリィの位置関係
である。恋愛事など全く考えていなかった虎蔵と、その虎蔵に恋焦がれていたリリィとの。
「それで、虎蔵さんはどうなんですか? さっきの話ぶりではリリィの気持ちに気付いて
いないどころか、意識すらもしてなかったみたいですが」
478『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:23:34 ID:AKRonvC2
 虎蔵は、答えられない。
 沈黙。
 黙り、沈むという言葉が空気の流れを止めた。沼の底に存在する泥のように周囲の喧騒
をことごとく無視して、動くという概念すらも否定して、流動物であるにも関わらず固体
のように静寂の存在として溜っていった。
 虎蔵の心は、今もセリスの所にある。娘も飛び抜けて愛しているが、それの遥か上空、
頂点には妻という者が居るのだ。それは殺されて数年経つ今現在でも変わらない。慈しむ
という言葉をも超越した、まるでヘドロのような目をして写真を眺める毎日である。暗黒
刑事ヘドロという不名誉極まりない称号を嫌がっているにも関わらず、毎日その暗黒行為
を繰り返しているのはその為だ。
 ある者は、それを妻に対する未練だと非難する。
 ある者は、それを死に対する否定だと非難する。
 ある者は、それを今に対する逃避だと非難する。
 リィタは、それに対して何も言わない。
 薫は、それに対して何も言わない。
 リリィは、いつもヘドロのようだと言った。
 しかしそれは、表情を言葉で表現しただけだ。その行為に対しては、やはり薫やリィタ
のように何も言わなかった。今までは、それだけの意味しか持たなかった。だがリリィの
本心が露呈した今では、全く別の意味を持つものへと変わってくる。
 今まで、どのように思って言っていたのか。
 妬いていたのか、悔しかったのか、それとも悲しかったのか。自分で思い浮かべたこと
ではあるが、どれも自惚れの強い考えだと思う。本当のところは、さっぱりと分からない。
何しろ虎蔵はリリィ本人ではない、考えが分かる筈も無い。考え方も違えば、性格も違う。
言葉から推測するにしても、本心を見せないように並べられていたものばかり。不愉快な
パズルの説明のようだ、と虎蔵は思う。完成図の抽象的なイメージだけを伝えられたが、
ピースを一つも渡されていない状態。イメージだけは沸いてくるが結果は見えず、それを
確認しようにも組み立てることが出来ないので、どうにも出来ない状態だ。
479『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:24:20 ID:AKRonvC2
 ならば次はどうするのか、それは人によって変わる。イメージを頼りに店を訪ね歩き、
例え説明した者の答えとは違っていたとしても、自分で納得したものを購入する者も居る。
これでは情報が足りないと更なる説明を求め、完全な答えを手に入れた上で店に赴き購入
する者も居る。これでは話にならないと諦め、別のものに関心を向ける者も居る。
 虎蔵は考えるよりも動くタイプの人間、一つ目だ。言わない部分があるのなら、それは
説明する者の判断に成されたものだと受け止め、追求しない。諦めることもしない。足で
踏み出し、自分で真実に近付こうとするタイプの人間である。
「どうなるかは分からんが」
 まずはリリィと話をするべきだ、と決意した。
「最後に一つ訊きたいが、リィタ、お前はどうなんだ?」
「私は虎蔵さんの娘であり、リリィの妹でもある。それだけ言っておきます。問題は提示
されました、後は答えを出すだけなんです。この先、どうするのかは、リリィと虎蔵さん
が決めることです。これだけは私が口を挟めることではありませんから」
 では私は腕輪の修理をしなければいけませんので、と顔を普段の無表情に戻し、リィタ
は食堂を出ていった。普段ならば困ったときに必ず一度は目を向ける、携帯の待受画像に
してあるセリスの顔を見ることも出来ず、虎蔵は苦い顔で頭を掻いた。
480『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:25:57 ID:AKRonvC2

 ◇ ◇ ◇

 リリィの寝ているベッドの隣、椅子に腰掛けた虎蔵は幼い顔を見つめた。起きて荒れる
ことも無ければ、悪口を言ってくることもない。数分程前に行ったリィタとの会話で妙な
気負いが出来たものの、無理に看病をしようという潰されそうな責任感が消えたのも事実。
そのような状態でリリィを客観的に見てみると、今までは見えていたようで意外と見えて
いなかった部分が幾つか見えてくる。
 例えば顔だ。整っているとは思っていたが、それは太陽のように強いものではなく月の
ように繊細なもの。触れただけでも傷付いてしまいそうだと思うくらいに、儚げな印象を
与えてくるものだ。死んでいるようにすら見える、と虎蔵は思った。
 それよりも驚いたのは、細く白い掌だった。いつものように頭を撫でてやるのではなく
手を握ったのだが、そこで虎蔵は気付いた。女の柔らかなものではなく、男のように固く
ざらついたものだった。開いてみれば理由も分かる、無数の傷があったのだ。何度も傷を
重ねたことにより、肌は樹皮のようになっていた。リリィは幼い娘でありながら、管理局
トップクラスの技術者でもある。そう生きていると、虎蔵は改めて気付かされた。
「大変だったろ?」
 弾力の減った掌を軋ませるように強く握り、虎蔵は言う。
「すまん、俺は本当に何も知らなかった」
 反応は来ないが、構わない、と思う。
「悪かったな、辛いことに気付いてやれなくて。聞こえてないだろうがな、聞いてくれ。
無理に戻らなくても良い、その分苦労をしてきたんだからよ。だから」
 一息吸い、
「今は、休め」
481『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:29:10 ID:AKRonvC2
 暴れるリィタをなだめる為に言っていたときとは違う意味を持たせ、静かに語りかけた。
 以前リリィは、管理局員という今の世界を自分の選んだ道だと言った。月の魔女の血族
の選ぶ、誇りのある道だと。リィタも同じことを言っていた。だが背負いすぎだ、と思う。
道というものは歩いて進む以外に出来ることはない、その為のものだからだ。だが他の者
に無理に合わせる必要も無い。個人にはそれぞれののペースというものがあるし、疲れた
ならば休めば良い。道は逃げたりしないし、道に居る限り、諦めることさえしなければ、
目的地には必ず辿り着くことが出来るのだから。
「休め」
 もう一度言った言葉に、虎蔵は言葉を続ける。
 俺が守っててやるからよ、と。
「……ありがとうございます」 突然の言葉に、体が跳ねた。繋いでいた手を離し、一歩引いてリリィを見る。
「正気に戻ったか」
「人をキチガイみたいに言わないで下さい、ヘドロさんの方がよっぽど頭がおかしいです」
 いつもの言動に安堵し、余裕が出るとすぐに重大なことに気が付いた。
「いつから起きてた?」
「手を握られ始めた辺りからです」
 殆んど全てが筒抜け状態だった、そのことに虎蔵は悶えた。リリィは上体を起こしながら横目で虎蔵を見て、今の状態
に更に追い討ちをかけるように白い目をして、
「寝ているレディの手を握るなんて、このエロ中年!!」
 わざわざ手でメガホンを作り、叫んだ。
「ば、馬鹿野郎。妙な誤解を広めるな!! 大体エロはお前だ、このパイパン露出狂が!! 
何度も女房以外の股間を見せやがって、俺の身にも……いかん、落ち着け俺」
 このままでは肝心の話が出来ない、と虎蔵は顔を真剣なものに変えた。
「心が治ってテンション高ぇのは分かるが、今から真面目な話をすんぞ?」
482『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:30:00 ID:AKRonvC2
 リリィの目を見つめ、
「リィタから話は聞いた、お前の本心ってやつをよ。結論だけ言うぞ、俺はお前を嫁にゃ
出来ねぇよ。俺は今でもセリス一筋、もう暫く他の女を見る気は無ぇんだ」
 だがよ、と一拍空け、
「それでも俺のことを好きだってんなら、努力はする。お前には悪い話だが、セリスにも
悪い話だが、俺の中できちんとケジメ付けれるまで待っててくれ。それからリリィ、お前
に対して絶対に向き合ってみせる。長い時間になるだろうがよ、約束は守る」
 数秒。
 果たして、リリィは頷いた。
 無表情でもなく、罵倒をするときのように白い目をするでもなく、微笑、という虎蔵に
初めて見せる表情を浮かべて。虎蔵が寝ているリリィにしたように手を握って、情の熱を
持った瞳で寸分もずれることなく、真っ直ぐな視線で虎蔵の両の瞳を射抜く。自分はここ
に居るのだと、存在にも言葉にも嘘は無いと伝えるように。セリスもよく浮かべていた、
良い顔だと虎蔵は心の中で小さく呟いた。
「分かりました。なら私は待ちます、虎蔵さんが自分の中でセリスさんを諦めても良いと
思えるようになるまで。そして待ってて下さい、私がセリスさん以上になるまで。いつか、
いつかきっと振り向かせてみせますから」
 やっと言えた、とリリィは呟き、大袈裟に腕を広げてベッドへと倒れ込む。マットレス
に体が沈む低い音が響き、続いて毛布を被る音が生まれる。虎蔵の視界からリリィの姿は
消えた、今は毛布の膨らみが少女の存在を示している。その中で少女がどのような表情を
浮かべているのかは、分からない。無理に見ようとも思わず、虎蔵はそのまま目を閉じた。
「楽しみにしてるぞ」
 はい、という微かな声を聞き、実に虎蔵は三日振りに意識を闇に落とした。
483『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:31:26 ID:AKRonvC2
セ「『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』質問コーナー、今回は3つのレスと3つの葉書
を紹介よ。今回は誰も死ななかったけど、ゲストは居ます。Dr.ロリさんです」
ロ「小学生以上の女は死ね」
セ「いきなりトバしてるわね?」

>>422
ロ「俺も昔作ったんだがな」
セ「けど?」
ロ「はいてないのを見る前にボコられた」
セ「当然ね」
ロ「更にピンチで服がボロボロなのもやりたかったんだが、半端じゃなく強く作ったのが
仇になっちまってな。全くやられねぇんだよ、ソイツ。だから仕方なく自爆させた」
セ「凄い馬鹿ね」
ロ「また作ろうと思うんだが、こっちには機材が無いから困る」

>>423
セ「素質は充分ね」
ロ「いや、兄貴はそんなヌルいモンじゃねぇ。72時間連続で幼女ポスターを見ていたり、
一晩でお買得ティッシュ箱セットを使いきったり、普通じゃねぇんだ」
セ「あなたも同類よね? それに女の前でそんな話は……引くわ」
ロ「うるせぇ、ババァは女にカウントしねぇ。具体的には12歳以上だ」
セ「もう一回言うわね。あなたも同類よ!!」

つ[]ケータイ幼女
ロ「オナホールみたいなもんか」
セ「その発想が出るのは変態だけよ!?」
ロ「他に何があるんだよ?」
セ「魔法少女特有のマスコットとか」
ロ「その年でアニメの話すんなよ。それとアレか、マスコットには綿棒プレイか」
セ「もう嫌、こんなエロキチ○イ」
ロ「馬ッ鹿、お前、男はエロい生物なんだぞ? 旦那もだ」
セ「虎蔵さんは変態じゃないわよ!!」
484『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』:2007/05/14(月) 01:32:51 ID:AKRonvC2

つ[]幼女探偵〜
セ「あら、可愛いらしい」
ロ「寧ろ俺が探偵になる、隅々まで体をチェック。おや怪しい穴が、これは奥まで調査を
しないといけないね、服を脱いでくれ。という素晴らしい流れが」
セ「どこまで変態なのよ?」
ロ「エロ小説やエロ漫画での由緒ある流れだ、馬鹿にするな。医者プレイからの派生だな」
セ「そう言えば虎蔵さんも昔、そんなビデオを」
ロ「だろ? あいつも男だ、ここは仕方ないだろう」

つ[]なんとなく〜
セ「らしいわね」
ロ「無駄な凝り方だな。それよりかは幼女描写にもっと熱を」
セ「何でいきなりズボン脱ぐのよ!?」
ロ「俺は慎ましい紳士だからな、レディの前では脱がん」
セ「意味分からない上にあたしは淑女よ!?」
ロ「馬鹿野郎、さっきババァはカウントしねぇっつっただろうが!!」
セ「もう帰って良いかしら?」
ロ「好きにしろ、オナニーの邪魔だ」

>>498
ロ「勝手な都合で休んで、最低だな」
セ「オナりながら言う貴方よりはマシよ」
ロ「仕方ないだろ、あっちで幼女達が遊んでるんだから」
セ「でも皆半壊状態よ?」
ロ「マジで?」
セ「活字マジックなのよ。天国とは名ばかり、実はこっち結構血みどろよ?」
ロ「うわ、そんな風に見えてきた」
セ「でも何で更に勃起するのかしら?」
ロ「鬱勃起、身体損傷系のものも範囲内だからな」
セ「最悪ね」
ロ「黙れ、これはロマンだ。別に作者の趣味とかは関係無いぞ?」
セ「あぁ、言っちゃった」

セ「さて、苦しかった時間もやっと終わり。次からはクライマックス、最終戦へと突入よ。
貴方のハートを一刀両断、『暗黒刑事ヘドロの魔法幼女大作戦』でした。次回も見てね!!」
ロ「幼女たまんねぇ!!」
セ「もううるさい、大体何で胴体えぐられてんのに下半身に血が集まって(ry」
485ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/05/14(月) 01:34:44 ID:AKRonvC2
今回はこれで終わりです

皆さんの幼女アイディアを一つも採用出来なくてすいません
上でも書きましたが、次からラストスパートです
486名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 23:07:10 ID:1P4+iP0t
>>485
GJ〜。
たまにはこんな回があっても良いですね。
487名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 05:57:56 ID:6zA1Yq0B
GJ!
いつものロボさんSS過ぎて吹いたww
某スレでファンになった身としては、こんな真面目な内容も嬉しい
488名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 03:17:04 ID:rx4sIUJ8
GJ!ようやく告白した(させられた)な。
来週からどんなENDに向かってくのか楽しみにしてるわ。


つぎのよ う じ ょは〜・・・宇宙から様々な攻撃(人工衛星落下とか流星群)を仕掛けてくる、よ う じ ょで。
格好は土星みたいに小さな星をまとってて、時々やばい場所が見えるチラリズム風で。
あとage
489名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 00:31:51 ID:r3yl0EQo
投下しますよ
490『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:33:40 ID:r3yl0EQo
「おはようございます、カメさん」
「あ、おはよう」
 これからツルとお節料理の材料を買いに出ようとした矢先のこと、玄関のドアを開くと
一週間ぶりに見る顔があった。ツルとは違う幼馴染み、チーちゃんはこちらを睨むように
見つめ、いきなり腹を殴ってくる。誰に教わったのか、腕だけの打撃だというのに物凄い
威力だ。思わず咳込んでしまったが、構うことなくチーちゃんは打撃を重ねてくる。
「何か私に言うことは無いですか?」
 言うこと、とは何だろうか。3サイズは変わっていないし、パンツの色は分からない。
服装はいつもより若干気合いが入っているような気がするものの、それに気付かないから
という理由でいきなり殴ってくることは無いだろう。だとすれば、他には何があるのか。
「あ、今日はニーソックスじゃなくて黒スト……痛ぇ!!」
 脛を蹴られた。
「分かりませんか? クリスマスのパーティに私を呼んでくれなかったカメさん」
 言われたことの意味を考え、数日前に集まった面子を思い出し、今頃になりチーちゃん
を呼んでいなかったことに気が付いた。うっかり、本当にうっかりだった。一真は呼んだ
というのに、何故チーちゃんを誘い忘れたのだろうか。今になって考えてみると、あまり
にも馬鹿だとしか思えない。チーちゃんも大切な仲間だというのに。
「私がどんな思いでいたか、分かりますか?」
 分かる、痛い程に分かる。
「仕方なく独身女子友達ばかりが集まったパーティに出て、処女を奪われそうになって」
 それは大変だっただろう。と言うか、後少しでオウ先輩やアズサ先生の仲間入りをする
ところだったのか、何の仲間かは敢えて言わないが。それにしても、一年の女子は随分と
危うい。ホモ部と化している男子バスケ部も含め、今度何か対策でも考えようと決意する。
「埋め合わせに、これから買い物に付き合って貰いますからね」
 その要求に頷き、しかし、
「カメ、さっさと行くわよ。って、何でここに小娘が居てカメが土下座してんのよ?」
 ツルの存在を思い出した。
491『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:35:22 ID:r3yl0EQo

 ◇ ◇ ◇

「良い天気、風が気持ち良いですね」
 そうだな。
「カメ、あの服可愛くない?」
 いや、ツルには似合わない。
 いつもなら、それぞれに答えることも出来ただろう。だが空気が重く、何も喋ることが
出来ない。表面上は二人とも明るく、言葉もありふれたものだ。だが互いが互いを無視し、
僕にばかり語りかけてくるので違和感しか感じなくなっている。それだけでなく二人とも
僕の手を握っているのだが、それぞれが爪を立ててくるので自分の意見が言い辛くなって
いるのだ。例えばツルに何かを言おうとするとチーちゃんが手の甲をえぐってくるし、逆
にチーちゃんの言葉に答えようとするとツルが万力のような力で掌を締め付けてくるのだ。
こんな状態で一体、僕に何をしろと言うのだろうか。
「カメさん、クレープ食べましょう」
「あ、この喫茶店バナナタルトが美味しいんだって」
 チーちゃんとツルがそれぞれ左右に分かれようとして、両腕が引っ張られる。そんなに
明るい顔で腕を引かないでほしい、このままでは肩が外れるどころか体が真っ二つになる。
いかん、尻や脳が二つに分かれてきた。このままでは本格的に二等分されてしまう。
「ちょっと離してくれ」
 何故か二人とも強く爪を食い込ませてきた。釣り針が引っ掛かった状態のイカの気分が
なんとなく分かった。鋭いものがあれだけ食い込むのだ、辛いだろう。
「早く放しなさいよ、小娘。大岡裁きって言葉知らないの?」
 そのような理屈だったら、出来ればツルに放してほしい。それに言った側から僕の腕を
強く握ってきたのは、これはどのような意味なのだろうか。ツルに手を強く握られたり、
求められたりすることは嬉しい。この痛みが無ければ、もっと嬉しい。
「貴方こそ、カメさん痛がっているじゃありませんか!!」
492『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:36:33 ID:r3yl0EQo
 いや、チーちゃんの方も負けず劣らず痛い。
 だが神は僕を見捨てなかったようだ。ますます腕の力が強くなり、苦悶しているところ
へ頼りになる人影が視界に入ってきた。黒のショートカットに細いフレームの眼鏡、学校
帰りだろうか、いつもの黒いスーツに身を包んだアズサ先生だ。アズサ先生は冷たい美貌
の中でも一際印象的な切れ長の目をこちらに向けると不思議そうに首を傾げ、
「ん、カメ何をしてるんだ?」 堂々と寄ってくる。
「助けて下さい」
「自分で何とかしろ、私だって忙しいんだ。誰かさんが毎回振るせいでな」
 畜生、後半で本音が丸見えですよ。
「あ、パーティだったらまた誘ってくれ」
 このタイミングで何ということを言うんですか。左右からの視線が痛いし、しかも腕を
引く力が強くなってきたような気がする。特にチーちゃんは僕を半目で睨み、
「先生は誘ったのに、わたしは誘えないんですか?」
 随分と痛いところを突いてくる。違う、違うんだと言えたらどれだけ良かったのだろう。
今年もきっと男も居ないで寂しかろう、というエニシ先生の言葉を聞いて、アズサ先生に
手を差し述べただけなのだ。そこには特別な意味などない、お人好しだと言われる僕の癖
が出てしまっただけなのだ。幼馴染みよりも独身女教師の優先度の方が高かったなんて、
そんなことは無いのだ。あとツルも無理矢理腕を曲げさせるのを止めてほしい、そっちの
方向には曲がらないのだ人間は。ほら間接が何やらヤバい音をたてている。
「何だか大変そうだな」
 悪化させたのは間違いなく貴方です。
「それじゃあ、死なない程度に頑張れよ。私は忙しい」
「……帰っても一人で煙草と酒ばっかりのくせに」
 聞こえないように言ったつもりだったのだが、物凄い形相で殴られた。
「今のはカメさんが悪いですよ」
「そうね、正直者は損をするわ」
 ツルよ、それは残酷発言だ。
「わ、私だって男の一人や二人くらい」
「嘘はいけません、閻魔様にベロ抜かれますよ」
493『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:38:11 ID:r3yl0EQo
 再び殴られた。だが行動はアクティブでも流石に辛くなってきたのだろう。アズサ先生
は半泣きになりながらビールの自販機に連コイン、大量の缶ビールとカップ酒を購入する。
紙幣ではなく貨幣で買ったのが何ともわびしい感じだ。そしてバッグ一杯にアルコール群
を詰めると逃げ出していった。これからヤケ酒でも煽るのだろうか、不憫な人だ。
 まぁ、それよりも不憫なのは僕の腕だが。
「あ、ごめん。忘れてた」
「すいません」
 漸く放されて、自由という言葉の意味を味わった。拘束から解き放たれるというのは、
何と気持ちの良いものだろうか。これなら乳も尻も二の腕も揉み放題、スカートも捲って
捲って捲り放題だ。当然、ブラのホックを外すことも可能。
「こんな風に!!」
 二人の背中を軽く叩き、ホックを外す。コツは最初軽く寄せるようにして、次いで捻る
ことだ。今でこそ簡単に出来るが、昔は苦労したものだと思い出す。水樹にブラを着せて
一真と三人で練習しているところをチーちゃんに見られて、暫く気不味くなったのだった。
特に一真などは家の中で二週間程居場所が無かったらしく、頻繁に僕の家に泊まりに来て
いたものだ。懐かしい話だが、チーちゃんは覚えているだろうか。
「か、カメさんの」
 目を向けると、睨まれ、
「「馬鹿ぁ!!」」
 ツルと二人で前後同時に股間を蹴ってくる。
 激痛。
 あまりの衝撃に意識が一瞬暗転して、僅かな暗闇の後に来たのは冷えたアスファルトの
固い感触だった。股間の痛みは引かず、スカートの中も覗けない状態だ。尻を蹴られたの
はまだ許せるが、ツルの蹴りが何とも惨い。玉が逃げないように高い位置から打ち下ろす
タイプの蹴り、それが余すところなく伝えてくる運動エネルギーは恐ろしいものだ。過去
に何度も味わった筈なのに未だに慣れることが出来ない、何故神は玉を外側にして人類を
進化させたのだろうか。悪魔崇拝を少しだけしたくなった。主にミス小悪魔のツルだ。
「うわ、ごめん」
「大丈夫ですか?」
494『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:39:28 ID:r3yl0EQo
 チーちゃんとツルがしゃがみ込んできたので、パンツ眺め放題だ。パンチラ如きで許す
つもりは無いが、わざわざ見せに来た誠意は買おうと思う。チーちゃんは黒ストッキング
越しなので分かり辛いが、記憶しているレースの模様から考えると青か。この模様では他
の勝負下着は持っていなかったような気がするし、ここ一ヶ月はパンツを買ってない筈だ。
ツルは色気の無い無地の緑だが、それはそれで趣きがある。パンツというものは誰が穿く
かによって変わるものだ、ツルが穿けば例え南瓜パンツだろうがオムツだろうが全て良い
ものになる。それに心が癒されるだけではない、緑色は目にも優しい。良いことずくめだ。
人体綱引き、いや靭帯綱引きで痛む腕を伸ばして触れる。
「何すんの変態!!」
 衝撃。
 しゃがんだ姿勢のままでコサックダンス宜しく伸ばされた蹴りが顔にジャストミート、
ツルに踏まれるのも悪くないが次はもう少し弱く頼みたい。
「もう知らない、カメは勝手にエロ世界に入ってろ!!」
 そう言い、ツルは立ち去っていった。
「馬鹿ですね、せめてわたしだけ触ってたら良かったのに」
 そんな訳にもいかんだろう、僕にとって最優先にすべきはツルなのだ。例え今のように
冷たくされても、それは変わらない。それにポジティブに考えれば良いだけのこと、今は
放置プレイの最中だと考えれば良いだけのことだ。
「馬鹿ですね」
 そう言いながらも立ち上がるのに手を貸してくれるチーちゃんは優しい娘だ。あのとき
ツルに告白されていなかったら、もしかしてチーちゃんと付き合っていたかもしれない。
そうしていたなら、今はどうなっていたのだろうか。
495『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:40:33 ID:r3yl0EQo
「で、追うんですか?」
「当ぜ……」
 頷き、一歩目を踏み出そうとして、
「追わないで、下さい」
 裾を、摘まれた。
「追わないで下さい」
「え?」
 自分で追わないのか、と訊いてきたのに、それを拒否された。振り向けば視界に入って
くるのは、俯いたチーちゃんの姿。垂れた前髪で表情は見えないが、それの代わりに再び
裾を掴んできた。今度は強く、握り締めるように。
「せっかく、二人になれたのに。それを、崩すんですか?」
「それは」
「寂しかったんです、ずっと」
 重く沈んだ声で、言葉は続く。
「カメさんからしてみれば、ツルさん以外は大したことじゃないのかもしれませんけど。
でもわたしは、寂しかったんです。兄さんや他の人と同じ扱いでも良かった、クリスマス
は一緒に居たかった。今日だってクリスマスデートじゃないですけど楽しみにしてました」
 押し掛けですけどね、と苦笑を一つ。
「『選ばれなかった幼馴染み』は、とても辛くて、痛くて、寒くて」
 でも、と叫び。
「長かった分、諦めることなんて出来なくて」
 どれだけの年月、この重荷を抱えて生きてきたのだろうか。十数年見知ったチーちゃん
の背中は、過去と重荷を支えるには小さすぎたのだろう。今にも押し潰されそうになり、
圧力に耐えきれずに震えていた。気安いと思っていた間柄に、こんなにも耐えていた。
 ごめん、と呟き、抱き寄せる。
「誤魔化されません」
「ごめん、嘘を吐くのは下手だけど、誤魔化されてくれ。今だけはチーちゃんを見るから、
そう言うからさ。だから馬鹿な僕を信じて、嘘でもデートの続きをしよう」
 『選ばれなかった幼馴染み』から『選んだ幼馴染み』へ。
 陳腐で、卑怯。
 でも今の僕に出来る、最大の嘘だ。
 答えを言うことはなく泣き声を強くして、シャツの裾ではなく背中を掴んで、胸に顔を
思いきり埋めて、滅多に表情を見せない幼馴染みは号泣した。
496『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:42:26 ID:r3yl0EQo

 ◇ ◇ ◇

 あれから数時間、街中を連れ回された。服屋、飯屋、映画館、ありきたりのコースでは
あるがチーちゃんは楽しそうで、僕も一時とはいえツルのことを忘れはしゃいでしまった。
これで良かったんだろう、チーちゃんが楽しかったなら構わない。
 でも、流石に疲れた。
 ベッドに仰向けに倒れ込むと、天井を眺める。
「最後はラブホ、本物のカップルみたいだな」
 いや、今だけは本物のカップルか。
「カメさん、お疲れ様ですね。ありがとうございました、これで最後です」
 どことなく寂しそうな顔で隣にチーちゃんが寄ってくる。いつの間にか服を脱いでおり、
身に付けているのは下着だけとなっていた。出来るならストッキングは穿いたままの方が
良かったが、それは後でツルにでも頼むとしようか。
「何か、いきなりエロか。ペース早くないか?」
「カメさん、早く帰らないと駄目でしょう?」
 事実ではあるが言われると痛い。嫌いな筈のツルにまで気遣っていることを考えると、
良い娘だと思うよりも先に申し訳なくなってくる。今だけは、ツルではなくチーちゃんを
恋人にしているつもりだった。なのに出来ていないらしい、本来の相手のことを気にさせ
てしまうなんて、僕は嘘彼氏としては下の下のようだ。ならばせめて気遣いに応えようと、
僕はチーちゃんに覆い被さり、唇を重ねた。
「わたしは、これが嬉しいです。カメさんとキスが出来るなんて」
 これだけで、という言い方は語弊があるが、唇を重ねることで喜んでくれるのだったら
幾らでもしてやりたい。舌を絡めることのない子供のような口付けの連続だが、こちらの
方が嬉しいらしい。背中に手を回してきて、何度も繰り返す。僕はある程度は慣れている
のだが、不慣れなチーちゃんがすると歯がぶつかって小さな音をたてた。そのぎこちなさ
がチーちゃんの無器用な面を表しているようで、いつもより可愛く見えた。
497『ツルとカメ』×38:2007/05/17(木) 00:44:20 ID:r3yl0EQo
「キス、気持ち良いです」
「そうだな。ほら、こっちも」
 ジーンズ越しの太股に当たるのは、蜜に濡れた感触。確かめるようにそっと指を伸ばし
一撫ですると、チーちゃんの体が一瞬強張った。しかし指を第一関節まで差し込んで浅い
部分を掻き混ぜると、次第に脱力してゆく。感度も悪くないし、他の穴とはいえ経験済み
なので知らない内に体がある程度は開発されていたのだろう。前の穴だけでなく後ろの穴
も小突いて刺激すると、太股が腕を挟んできた。かなり感じているらしい。
 胸はどうだろうか。
 固くとがった色素の薄い胸の先端に吸い付いて、味わうように舌で転がす。肉は薄く、
仰向けの状態なので更に平地になっているが、構わない。エニシ先生には及ばないものの、
センスと同じくらいの柔らかさだ。顔を埋めるだけでも、かなり気持ちが良い。
「やっぱり、胸は大きい方が良いですか?」
 ツルと同じようなことを聞いてくるが、それは違う。僕は胸自体が好きなのだ、大切に
思っている相手だと更に嬉しい。巨乳だとか貧乳だとかは二の次の話だ。感度も良ければ
尚のこと良い、そんな意味ではチーちゃんも高ランクだ。
「そろそろ良いか」
 手首まで愛液で濡れているので、量は充分だ。もう入れても良い頃だろう、そう思って
ジッパーを下げ、竿を取り出したところで考えた。
 今回は、どうするか。
「カップルは、普通に前の穴でするものですよ」
「……そうだな」
 もう今回は、そっちでしても良いかもしれない。今まではチーちゃんに対して躊躇いの
ようなものがあったけれど、今は基本通りにするのがマナーというものだ。ここまで来て
前回や前々回のように素股や尻で誤魔化す程、僕は常識知らずではない。相手がはっきり
言ってくるならば、それに応えるのが筋というものだろう。
「以前は前の方でしてくれなかったことを恨みましたけど、こんな結果になるのなら悪く
なかったかもしれないですね。このシチュエーションだから、嬉しいです」
498『ツルとカメ』×38
 健気な娘だ。
 ふと、思い付いた。
「メリークリスマス」
「遅いですよ」
 でも嬉しいです、と言って腕の中で小さく笑う。
「ある意味、最高のプレゼントですよ。ありがたく受け取らせて頂きます」
「じゃあ入れるぞ、力を抜いて」
 は、という言葉から長い吐息に変わり、背中に回されていた腕の力が緩んだ。まだまだ
緊張はしているようだが、これ以上は無理かもしれない。何より長引かせると再び緊張を
するかもしれないので、割れ目と僕のものを馴染ませるように何度か往復させると一気に
奥まで貫いてゆく。痛みは少ないようで、チーちゃんは眉根を軽く寄せただけだった。
「思ってたよりも楽ですね、もっと大変だと思ってました」
「これは個人差らしいからなぁ」
 負担が少ないのは良いことだ、苦しむよりは。
「でも、これで繋がれたんですね」
「そうだな」
 もう何度目かになるか分からないキス、決して舌を交わらせないものをしながら、腰を
ゆっくりとグラインドしてゆく。痛みは少なくとも、だからと言ってすぐに快感に繋がる
訳ではない。ホウ先輩はアブノーマルなので問題外だが、敏感なツルのときや逆レイプを
してきたコイのとき、酔っ払っていたセンスのときは例外だろう。ひたすら痛がった一真
のときのような反応が正しい、だから気を付けて動く。
 時間をかけて入口付近まで引き抜き、同じくらいの時間をかけて深くまで押し入れる。
ペースは一定に保ちつつ、たまに捻りを加えてみた。やはりいきなり感じるということは
無いが、それなりに楽なポイントもあるらしい。その角度を集中的に責めてゆく。突く度
に小さな体が揺れて苦しそうな声が漏れてくるが、それを安じて腰を止めると今度は抗議
する視線が向けられてくる。力なく胸を叩く拳のおまけ付きだ。逆に少しペースを上げて
みると、背中に爪を立てながらも嬉しそうな顔をした。