【涼宮ハルヒ】谷川流 the 42章【学校を出よう!】
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。
Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?
Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。 嫌なときは言って欲しいのね。
Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。
ややあってミルクティーとコーヒーを持って戻る。どちらも『微糖』のはずだ。どうでもいい
ことだが微糖ってのも変な言い方だなと思う。
えーと、どこまで話してたっけ。
「こうしておまえに俺が質問してる事自体がすでに答えだ、とか言ってたな。どういう意味かわ
かりやすく教えてくれ」
何かと技巧に走るからな、この古泉の説明は。
当人は苦笑した顔で両手を広げ、
「ああ、まさにそうですね。気をつけてはいるんですが。ミルクティー、ありがたく頂きます」
紅茶の入った容器の腹を慎重に掴む。
こぼすなよ。
「先ほどは『未来人』というカテゴライズに限定したかのようにお話しましたが、あなたのよう
な現代人にも同じようなことが言えたのではありませんか? 一週間程度の未来から来た朝比奈
みくる……」 呼び捨ては俺の前ではやめとけって。「そうでした。朝比奈さんが誘拐されたと
きには、あなたはそれを目の前で見たはずです。涼宮さんと一緒にいた朝比奈さんが仮に誘拐さ
れていたら、おそらく問題は拡散しもっと大きくなっていただろう事を」
らしいね。なにか引っ掛かったままだが。
「その点、同じ出来事であったとしてもあなたと歩いていた朝比奈さんが誘拐されたとすれば意
味が違ってきます。現実に起きたのはそちらなのですが、さしあたって深刻な問題には発展して
いません。言い換えればその事件はまるでなかったかのように未来に……つまり現時点に続いて
いるわけです」
それが俺の質問の答えか。
エスパーでもあるまいし、そんな脈絡のない話を聞いて真実の糸を見つけたり解いたりはでき
んのだがな。
「いえ、簡単なことです。“未来が変わる”というそれだけの話ですから。ただ、何がどう変わ
るのかを理解しているかそうでないか。それがあなたの質問の発端であり、僕の返事の意味で
す」
「あなたには三つの『今』があり得たのですよ」 本題らしい。
どうぞ続けてくれ。
「一つは、超自然的な出来事――つまり涼宮さんが別の涼宮さんとなること――を何も記憶せず
今に至ったあなた。それを経験したかどうかは問題になりません。記憶にないのですから。彼女
との見学は本当に見学そのものとして完結し、あなたにとっては疑念をいだくとっかかりもな
かったでしょう。つまりこうして僕に質問することもなかったと」
それが答えか。
「二つ目は、あの髪を伸ばした美しい人がそのまま涼宮さんである今。重要なことではありませ
んが、長髪のほうが魅力的だと思う人もいるかもしれませんね。すくなくとも僕はそう思いまし
た」
いまさらそれはねえだろ。関わった身としてそんな言い方は気に食わん。
「すいません。あまり軽々しく語ることではありませんね。三つ目はもうお解かりでしょう?
……そう、この出来事を知っていて、しかも彼女を元に戻したあなたがいる、つまりたった今で
す」
なんか生暖かい風が耳の裏をくすぐる。……雨、降るかもな。
「これら三つの『今』のうち、一つ目と三つ目は――そして三つ目が選択されたわけですが――
同一のものと考えてほとんど不都合はありません。あなたが僕に問いただしているという“たっ
た今”があるかないか、その程度の違いしかないでしょう。あくまで現時点ではそうです。同じ
ように、あなたの目の前で朝比奈さんが誘拐された過去の存在する今と、何も起こらなかった
『今』に、現時点においてはほとんど何の違いもありません。……将来にわたってそうとは限り
ませんが」
記憶が残ってるんだしな。
ん? 待てよ。
さっきのこいつの言葉からすると、この男はあのハルヒを覚えてるのか……?
「そうかもしれんが、変に思い出したりしたらつじつまが合わなかったり、あとでいろいろおか
しなことになるんじゃないか?」
「そのとおりです。極端な話、一つ目の『今』に至る経緯が三つ目の“たった今”と変わらなく
てもよいのです。不必要あるいは不都合な記憶を消去し、場合によっては別の記憶を潤色するこ
とによって同じ結果を得られれば良いのですから。それに、そうしなかったという保証はありま
せん。もっとも、」
かわいい下級生がチラ見……エレガントきわまりないとか言いたくねえがそんな手振りの奴を。
腹が立ってくる自分も情けないな。しかし。
これはどうでもいいか。けど似たようなことを言ってたっけ。
あのときの長門も。
「……続けていいですか」
おっと。ついよそ見してたな。
「もっとも、記憶に多少の誤差があってもたいした問題にはならないでしょう。フフ、人間もま
た己の中にある記憶の整合性を滅多やたらとは疑わない生き物ですから」
これは解かる気もするね。その辺しっかりしてたら弁当忘れてこないし。
「しかし、二つ目の『今』だった場合には決定的な違いが生じるでしょうね。たとえ同じような
会話をあなたと僕が今日この時間このテーブルでしていたとしても――つまり一見ほとんど何も
変わらないとしても――……あのとき涼宮さんの目の前で朝比奈さんが誘拐されていた場合と似
ています」
「つまり、ハルヒの力を無くしたままで放っておいたら、未来が変わってたって訳だ。そりゃ助
かる人も多いだろうな。『機関』は万々歳じゃないのか?」
「いいえ。『機関』が総意としてそのような事態を望むことは本来ならばありません……」
考えてみりゃ、あの部屋でもそれらしいこと言ってたっけ。歯切れが悪いのはつい最近の事件
のことも念頭にあったからだろう。
「涼宮さんは『機関』にとって計り知れない爆弾であると同時に切り札でもあります。自分たち
だけが切り札を失ったナポレオンゲームを考えてみてください。王侯派だろうが革命派だろうが、
スペードのエースや表ジャックを失った時点でゲームそのものまで失いかねません」
こいつなりに熱心な口調ってのもあるんだな。
「それに、いわゆる未来人についてそれなりに分析し蓄積してきたデータが“拡散”し、不明瞭
にあるいは『無』になることは、現時点の『機関』にとってはデメリットのほうが多いでしょ
う」
と、いうことはだ。俺は考える。
あの髪の長いハルヒと俺が現実に机を並べていたとしたら、おいしいお茶やときにはどくだみ
茶のようなけったいな飲み物を朝比奈さんがてづから用意してくれる現実が、霧にかすんだよう
に消えていってたかもしれないってことか? それとも未来人の自覚を記憶喪失のように失った
可憐な少女があの部屋で呆然と立ち尽くしている……とか?
待てよ。
実際途方もないことだったらしいエンドレスオーガストでは、未来がそもそも存在しなかった
んだっけ……
存在しなかったはずの未来から来た人間がそのまま居たんだし、『無』といっても朝比奈さん
が消えるとかそういう意味ではないのかもしれない。
たとえそうだとしてもどこぞの誰かが獅子のごとく奮迅してそうならないように頑張ってくれ
てたから……てなことも考えられる。任務半ばで刺されちまった俺の尻拭いを俺自身が正月に
やったように。
肝心なところは朝比奈さんと長門任せだったけどさ。
ミルクティーをだいぶ減らしてから古泉は次に進んだ。
「彼女を封じることで利益を享受するのは、“『機関』の総意”とは別の存在だといえます。あ
まり詳しいことはお話できません、ですが……」 さっきみせたような語尾の心残り。
詳しい話ならあの部屋で聞いたように思うんだが、こいつは覚えていないのかもしれん。
「もっと個人的な動機かもしれませんね」 遠くを見つめるような表情で顔を上げている。
――それはお前のことなのか?
普段は如才ないスマイルを崩さないこいつの顔に浮かぶニュアンスの意味をとらえようと、俺
は無言のまま試みる。
あの先生の言葉も、今思えばこいつの内心を代弁していたのかもしれない。
立場上の敵の中に理解者がいる話というのをどこかで読んだ記憶がある。深い哀調に満ちた話
だった気がするが何で読んだか思い出せない。
長門の面影がよぎる。あえて何も言わないことにしたらしいと喜緑さんは言ってたっけ。あい
つがこのことに無関係だとはどうしても思えない。だが同時に関係があるとも思えないんだ。
この矛盾。
「長門は……」
これ以上は言葉にできなかった。たぶん、したくなかった。
「……彼女にとっては……あの世界に触れることは禁忌かもしれません」
朝比奈さんの憂鬱が乗り移ったのか古泉よ。
「彼女が望んだことと、この出来事は似ている部分があります。もっと言えば――似たような願
いを感じます。長門有希についてはこれで十分でしょう? 以前にも言ったように、彼女はおそ
らく特別なのです。涼宮さんに非常に近い場所にいることもそうですが……ほかのどのTFEI
端末ともおそらく違う」
古泉らしくない弱い声だ。いいから、言いたくないなら飛ばしてくれ。
「いえ。個人的な意見を言えば、彼女には……」
続かないらしい。つもりがあるんだったらとりあえず最後まで言ってくれ。
「――そうですね。語弊があるかもしれませんが。彼女には、いわば“宿す力”がある。……僕
はそうみています」
「…………」
「……といっても、情報操作……同期能力の制限も含めて、このまま、いわば普通の女子高生に
なる、いつか話したとおりの過程を、彼女はたどっている途上なのかもしれません」
わずかな溜息のあと、いかにも思わず漏れ出たような古泉の一言に、俺は静かに驚いていた。
どういう意味だったんだ、「うらやましい」って……。
さっきのハルヒの姿を思い出す。嬉しいような、寂しいような気分で見送ったっけか。いずれ
は俺たち全員に訪れるはずの巣立ち――
の、ようなもん。
朝比奈さんには帰るべき未来がある(はずだ)し、いろいろアレだがハルヒも古泉も前途はま
ずまず洋々といってよい気がする。
少なくとも俺から見て。
心がけが(かなり)問題なだけでハルヒは本来的にIQ・EQ・容貌・身体能力のどれをとっ
ても堂々たるトップクラスという不公平極まりない恵まれぶりであり、見てくれもさることなが
ら特進クラスの古泉は現になんか育んでやがるしな。
その一方で自分自身を省みるとだ……。
まあ、なんだ、皆まで言ってくれるな。
とりあえず、国語辞典の“平凡”って字の定義に俺のことって書いてあっても受け入れる用意
はある。いやないけどさ。
やつらとは違うのだよ、分はわきまえてるつもりだ。
が、しかし。
敢えて最後に考察する女子生徒は?
そうだ、近似的万能超人であることを俺は疑わない、長門有希は……?
明らかに“平凡”からかけ離れた、だが同時に寡黙が少女の姿で現れたらきっとこんな感じだ
ろうな、なんて思いたくなるようなあいつは?
たとえば、あくまでたとえばの話だ。もうハルヒを見続けなくていいという未来があるとして。
そう、あいつにとって無関係ではありえない、“あの時の”ハルヒのように。
長門は知っていてなにも告げなかったのだ。
なぜ?
結構重要な疑問なんだろうな、これは。
ああだめだ、問題を俯瞰したフリはよそう。だってこれは俺のせいなんだろ……?
でも、直接聞けない。
白すぎるくらいに白い顔がこちらを向き、深奥まで透き通ったその眼が俺を見つめる。
やたらと鮮明な、そんな想像が脳裏をよぎる。
“ここにいてくれと言ったら、おまえは……”
ハルヒのいない、しかし長門と俺の交わるような、そんな未来が……?
長門の沈黙は長くは続かない。口元がわずかに動く。
そして――――
コーヒーの入れ物をかざしてみる。
液体は三分の一くらい残っていた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
沈思黙考する俺の耳に、ふっ切れたようにさわやかな口ぶりの、いつもの古泉の声が届いた。
「実のところ、もしあのままだったら……元に戻っていたかもしれないんですよ」
なにがだ。
「……僕の命のローソクが」
俺を見て「フフ」と笑い、表向きなんともないように付け足した。
「今のは、ほんのジョークです」
おいおい。
俺たちゃ高校生だぜ。エンディングの前にメインキャラが――脇役でもいぶし銀でもこの際関
係ないね――命を張ってぶっ倒れるなんざ困るんだ。守られる側でもな。そんなあつらえた感動
シーンでお涙頂戴なんつうのは、ハルヒも言ってたがおかしいじゃねーか。お前だろうが誰だろ
うが、そんな役どころもそんなオチも御免こうむるさ。もちろん俺だってな。
そんなふうに思ったが、結局言葉にはならなかった。
咄嗟にそんなことを考え、つぎに戦隊アクションものの白とか黒というのがなぜ数奇な運命に
翻弄されるのかについての考察に進みかけたとき、古泉の電話がブルブルと己をアッピールしだ
した。スムーズな手つきで確認する。
どことなくいわくありげな目で俺を見て
「ではのちほど。失礼」
いいよ、カップは俺が捨てとくから。
空いてるほうの手を軽く挙げ、若き陰謀家の男は上品な歩様で立ち去った。
学習したとみえる。
途中までしか聞けなかった。まあいい、いずれじっくりとご教示願おう。
それにしても、だ。あいつ……
こっちも気づかなかった、いや気づいてたんだが放っておいたというのが正しいか。いつも呑
気そうな顔して、いつのまにか裏方の仕事も策謀も片付けてしまうあの“古泉如水”に、俺たち
もついつい甘えてたってこと。
そう。あいつも疲れてたんだな――
寂寥そのものだったあの表情を、俺はそれ以来見ていない。
何時まですんの?
***
こうしてテーブルには俺だけが残っている。
一気にコーヒーの残りを飲み干してここを立ち去ろうかと考えなかったわけではないが、ベル
が鳴るまでの間くらい邪魔の入らない時間もいいかもなとたぶん思ったのだろう、そのまま俺は
座っていた。
物思いにふけりたかったって言うと思った?
ま、そうなんだけどさ。
古泉のカップもそのままにしてな。転がったらそれまでよ、などと考えてた。
見えない何かに足止めされ、そのまま数分ほどたっただろうか。
写実的な絵の中に実によくはまった花瓶のような存在感を漂わせるきれいな顔立ちの同級生が、
めずらしくも俺に興味があるのかテーブルに近づいてきた。
ああ、顔は知ってる……。ええと、何て言ったっけ。
名前を思い出せないが、ふわふわした天然パーマ(と思う)の同級生。
透き通った深い碧色の瞳が見つめている。
多分に当方の事情ではあったものの朝比奈さんの手作りチョコレート――長門作と言ったほう
が正解に近いが――を見事に獲得したのはこの女子生徒だった。
焦ってたなあ、あんときは。
あと……最近見たような気もするんだけど。
微量のデジャブを解決できないものかといささか頼りない己の記憶のバッファとインデックス
にあたりをつけていた俺に、女子生徒が声をかける。
「すいません、あの」 引っ込み思案なのだろう。どこか儚げな声だ。
そのわりには……まあいいか。
えーと、俺に用?
「はい……ここにいるって聞いたから」 誰にだろう。
すうっと同級生の手が伸びた。
「……これ」
差し出したのは栞だ。
「預かってました」と言い残して、女子生徒はすぐに立ち去った。託された手描きの花。
クロッカス――――
結局、自分が食った分の空き弁当箱をハルヒは食器洗い用洗剤で徹底的に洗ったうえに乾かし
てから返してきた。
たぶん使用前よりもきれいになってたはずだ。
洗った本人はそう言ってた。
近くに住んでるのに電話じゃ失礼だとかなんとかで、口頭での弁当の御礼はそれはもうねんご
ろだった。たいそう気を良くした母親は秘伝の味付けを伝授してやろうといま意気込んでいる。
やはりあいつ、古泉以上の聞き上手ぶりだ。
その情熱が我が家にも還元されるんなら、まずは歓迎すべきなんだろうな。
加えて、妹への家庭教師の件も実現に向けて双方が具体案を検討中だ。そろそろ詰めの段階に
入ってるのだろう、「キョ〜ンく〜ん、ハッルにゃんセンッセのお料理よ〜」とか聞こえるし。
まずは家庭科からか。
この分だと「サービスであんたの勉強もみてやるから感謝しなさい」とか言ってまたぞろダテ
眼鏡やら『教官』の腕章やら装着しつつ嬉々として鬼教師ぶりを発揮されそうな予感がする。
というよりもはや未来人の『既定事項』を上回る意志の力で現実のものとなりそうである。
この手練手管、まったく恐ろしい。孔明あたりの罠にちがいない。
ふとそんなことを思った。
わが妹とその家庭教師(すでに決定事項だろうな)の出頭要請に応じて階段を降りている、
たった今の俺が。
お袋のハルヒ評価ポイントは、そんなわけで鰻の滝登り中である――あれ、なんかいやなこと
思い出した――まあ要するにすっげー喜んでるってことだ。
ああ、折り畳み傘を使ったかって?
ご想像にお任せしますよ。
『古泉官兵衛のある種の罠』 おわり。
>>1 乙
>>10 お疲れさんです。
あとでゆっくり読ませて貰います。
以上です。メイエルホリドとブロークの『見世物小屋』から発想した話でした。
お目汚しや中身以前に長すぎ。まったくもってその通りだと思います。まことに申し訳ありませんでした。
>>1乙
とりあえず(ry
……いいや、寝ることにするよ。
終わりか?
前半ぐらいまでしか読んでいないが、なかなかだと思う
しかし、こういう所で読むにしたら、長すぎ
あと、キャラが変わりすぎ、特に長門と古泉
これはアレだね、TXTかPDFかなんかでうpったほうがよかったかも。
話しは面白そうだしこのスレじゃ珍しい三人称のSSなんでものすごく興味が沸くんだけど長すぎだろw
そしてなにより地の文が……。
途中までしか読めませんでした。
変に夜更かしすると眠れませんな。
たまにはこういうのもアリだと思う。
たまにでいい。
毎日のように非日常が追いかけてくるんじゃ身が持たない。
お疲れさん。
まだ全部読んでないので内容についての批評は割愛。他の人に任せます。
長編投下するときは、事前におおよその予想レス数を提示しておいて貰えると助かる。
今回のようにスレを丸ごと埋めてしまうような大長編の場合は特にね。
後、まとめページに載せたり、後々整形する場合の事も考えると、
ブツ切り改行よりも、なるべく自然な改行で投下した方が良いと個人的には思う。
一つのスレッドの容量制限は500KBに設定してあるのだが、
仮に500KBが全て文章であったと仮定した場合、
単純計算では実に250,000字という膨大な文字の羅列ということになる。
400字詰め原稿用紙で換算すれば600枚強。
(掲示板上では改行の処理なども入っているので多少の誤差が生じる)
まったくとんでもない爆弾だよ。
>13
どっかにTXTでうpしてくれー
自分も今日投下しようと思ってたんですけど、これは明日にした方がいい雰囲気かな?
24 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 03:05:02 ID:EWACIxW3
お疲れさん。書くのも勿論だけど、張る作業だけで苦労が想像を絶しそうだ・・・
三人称SSというよりも、一人称でしか書けない人が無理をして失敗してる文体か、
透明な上に登場してない謎のキモい人物の視点で描かれた一人称に見えて、
序盤かなりモヤモヤしながら読んでた。
文体の好みに寄るかもしれないが、なかなかストレスの溜まる文体。
まだ中盤だけど、終盤キョン語りに回帰するっぽいから、ガマンして読んで見るか・・・。
>>23 カモンです!
>23
よっしゃ!来やがれ!
では投下します。
「少女オンザグラウンドゼロ」の完全版に当たる物です。
覚えている方がいればですが、ダイジェスト版とは多少の変更点がありますのでご了承ください。
23レスの予定。
なんの因果でこういう事になったのか、またしても俺は三年前という時空に身を投じる事態に見舞われた。
こういった事象は俺にしてみれば全て唐突であり、また今回のそれも例外ではなく、訳も解らぬまま敵国の捕虜さながらの連行によって、今この時空に放り込まれている。
短絡的かもしれんが、要するに俺の意見などお構いなしということだ。
まあ、かといって駄々っ子を試みたとか、別にそういうわけではない。むしろ朝比奈さんのお願いダーリン的なお誘いに、つい一言返事でホイホイ付いてきただけなんだが、そこは言葉の綾というやつだ。
そして予想はしていたが、訳が解っていないのは俺をここに連れてきたご本人様ですら同様らしく、俺は事情を知っているであろうフェロモンが幾分か上乗せされた別の出で立ちをしたご本人様の姿を探してキョロキョロしているのだった。
そうして二人して不審者ごっこにいそしむこと約数分。
やにわに取り出されたここら一帯の地図をかの3Dアートみたく凝視しているのは、そのご本人様。
俺はその真意を探るべく、傍らでそれを取り出した、もとい俺をここへ同行させたそのご本人様こと部室の大天使朝比奈さんに問い掛けてみる。
「どうしたんですか、その地図?」
そう言って俺も朝比奈さんに習い、地図を覗き込む。
「あ、はい。今朝ポストにこの地図が入ってて、この印の付いてある場所に行けっていう未来からの指令なんです」
竹ひごみたいに細く小さな御指が、うっすら滲んだ朱色印上に触れる。
そこに朝比奈さん大人バージョンが待ち構えているって寸法か。どうにも回りくどいやり方だな。
いや、待てよ。だとすればだな、今俺の傍らで地図と格闘中の方の朝比奈さんはどうするつもりだ?
前回はこちらが待つ側だった。だからこそ、よもやの不意打ちで眠らせることができたものの、今回はこちらが立ち後れなわけだ。
大小の両朝比奈さんが満を持してご対面なんてことになれば、それはかなりマズいんではないだろうか。
例えそんな、孔明のような軍師様をも唸らせる事態が発生したところで、こちとら事態の収拾はいざりの京参りである。
こんなすこぶる危険な賭けを任されたところで、俺じゃ間違いなく役不足ですよ朝比奈さん(大)。ハルウララを勝ち馬券に絡ませるのは、どんな名ジョッキーでも、ちと無理があるってもんだ。
まあ、杞憂だと信じよう。あのあらゆる箇所がビッグな方の朝比奈さんなら、そんな初歩的なミスに足を取られるとは考えにくい。隠れておくなり何なりで、どうとでもなりそうな感じもするしな。
ともかく、どうあれ今は行き先を地図上の印に委ねる以外なさそうだ。何かあったらあったで、またそん時考えりゃいい。
「あ、あれ? うーん、こっちなのかなぁ……。キョンくん、これこっちの方向で合ってます?」
頑張り過ぎが逆に仇となったのか、このお方は地図を南北逆にご覧になっていらっしゃる。その神々しいまでの取り違えっぷりが、これまた逆にこのお方の可憐で可愛らしい部分を存分に引き立てている。
「ふえっ……。ごごごめんなさいっ。やっぱり、キョンくんが地図持ってください……」
このまま放っておくと目的地に着く前に三年経って、自然と元の時間軸に戻ってしまいかねないので、俺は朝比奈さんから地図を受け取ることにした。
「さっき曲がったところが逆ですね。まあ、印のところにならこのままでも行けますから大丈夫ですよ」
「ふえぇ。ごめんなさい……」
しょんぼりと肩を落とした朝比奈さんという、いじましいまでに庇護欲を湧き立てる光景を視神経に伝わせながら、俺は地図を片手にいざ目的地へと足を進めていた。
どうしてまたグラマラス朝比奈さんは、目的地とは最寄のスーパーほど離れた遡行地点を指定したのかさっぱり解らんが、そんな軽い散歩も折り返し地点を過ぎた頃だった。
「なんだ?」
後ろの方からブオンブオンという、エンジン音にしては只ならぬリズムを刻んでいるのが俺の鼓膜に届いた。
どうやら峠じゃなく住宅街を攻めるのが昨今の走り屋事情らしい。いや昨今というか三年前なんだが。
「え……ど、どうしてあんなスピードで走ってるんですか?」
「単なる目立ちたがり屋なんですよ。気にしない方がいいです」
どうやら朝比奈さんの時代の走り屋や暴走族的なものは、多少こちらとは勝手が違うらしい。違うというかむしろ存在しない可能性もありうるが。
確かに「夜露死苦」に代表される、趣の欠片もどこぞといった当て字がでかでかと刺繍された特攻服とか、現代視点でも恐ろしく時代遅れな感は否めないからな。今の時点ですでに絶滅危惧種に認定だろう。
それに今俺が見ているのはそういうのではなく、単なる過度のスピード違反野郎だ。
「あ、こここっちの道に入って来ました」
「大丈夫ですよ。騒音以外は、一般人には人畜無害な奴ですから」
とは言ったものの、なんせクラスメイトにムカついたからという理由だけで刺されたりするのが昨今の社会風潮だ。一概に安心できるとは言えんかもしれん。
そんな俺の意中が当たらずとも遠からず、遺憾ながらここで人畜有害な問題が発生した。
後ろの暴走車からふと前に視線を戻すと、何か灰色の物体がアスファルトを横切ろうとしているのが見える。
「キョンくん、あそこに何か……」
視線をそちらに向け僅か一秒ほど目を凝らすと、容易に小動物の類なのが見て取れた。
「ひえっ!」
小犬だ。
どこを見てんだか暴走車は、まだその小さな躯体に気付いていない。
大きな金属の塊と小さな命一つが隔てる距離は、無情にもはばかりなしに詰まっていく。
「危ねえ!」
――轢かれる。
と思ったその刹那、運転手は突然の障害物の出現にようやく気付いたのか、急激な軌道修正に打って出た。
つうか、
「なんでこっちに曲がってくんだよ!」
こともあろうに俺たちのいる側へとハンドルを切りやがった。
「ひえぇぇー!」
天国から国産中古車ハイヤーでのお迎え。そんな安っぽいもん、例え寿命を全うしたとして誰も死ぬ気になんざなれやしねえ。
とにかくこのままではマジに天国行きだ。
俺はとっさに避けようとするが、
「朝比奈さん!」
隣の大天使様は足を震わせて固まっていらっしゃる。
まずい。朝比奈さんを本当に輪っかのついた天使にさせた日にゃ、俺はマジで切腹もんだ。
「くそっ!」
ドンッ、と割かし強めの力で朝比奈さんの肩を突き飛ばす。「あふっ」とか言いながら簡単に飛ばされてくれるのが、この期に及んで罪悪感をそそる。
だが、これで朝比奈さんの安全は確保。
続いて俺もすぐさまフライングアウェイだ。
「痛えっ」
間一髪、車は俺のすぐ横数センチほどの距離ですり抜けていった。
何とか危機は脱したものの、考えなしに飛び退いたもんだから着地がままならない。腰が痛え。
てかあのスピード違反野郎、謝罪も何もなしに行っちまいやがった。ああいう連中を育てた親ってのは、いったい我が子の素行をどれだけ把握してんだろうな。くそ、ボディに十円傷でも付けてやりゃよかったぜ。
だが今は難癖つけるのは後回しだ。
まずは朝比奈さんの無事を確認せんと、俺は突き飛ばした自分とは反対側の道路脇を見やる。
だが、
「朝比奈さん?」
いない。消えた?
……まさか。
おいおい、冗談じゃねえぞ。またか。またなのか?
またしても俺がすぐ傍に居たってのに。くそっ、なんて節穴だ俺は。
「ちくしょう!」
いや、待て。冷静に考えろ。さっきの状況で朝比奈さんを連れ去るのは、何かと無理がある。
まず車は一度も停車していないし、それどころかスピードだって急激に落としちゃいない。
車を走らせたまま人を連れ去るなんて芸当ができるのは、それはルパンかジブリの世界くらいのもんだろう。つまり現実では不可能だと思っていい。
だったら何だ? 朝比奈さんの消失に、どういうあらましを立てれば筋が通る?
「ったく!」
なんだってこんな手数の掛かりそうな事態が俺に舞い込んできやがる。こんな余計な散歩させるからですよ朝比奈さん(大)。
朝比奈さん(大)?
いや、これはもしや。
朝比奈さん(大)、これはあなたの仕業なのか? この為にわざわざ地図の印地点とは離れた場所に時間遡行させたとか言うのか?
なら今から俺が向かうべきはただ一つであり、それは印地点以外には無いはずだ。
どっちにしろ、この時間軸で状況を説明してくれそうな人物は限られてくるからな。その一番の候補があのグラマラス朝比奈さんなわけだ。
やれやれ、俺が地図を持っておいて正解だったな。
今や慣れ親しみつつある三年前という時空で一人、俺は目当ての人物が待っていることを半ば確信しながら目的地へと早歩きを始めた。
「ここだな」
行き着いた先は、どこの団地や住宅街にも一つはありそうな、これまた何の変哲もない小規模な公園だった。
しかしブランコや滑り台などは手入れが行き届いていないのかすっかり錆び付いており、目に入る人影はこの住宅街の住民だと推測される少女一人だけである。
あのOL風コスチュームに身を包んだ、フェロモン満載の栗毛美人は見当たらない。
どういうことだ。
今や経験過多とも思えるさしもの俺も、目当ての人物がいないことに焦燥感の発生を余儀なくされるが、ここはしばらく待ってみることにする。俺の後からやってくる可能性もありえるからな。
「……ふう」
滑り台の支柱部分に背をもたれ掛け、一息つく。どちらかといえばマズい状況にも拘らず、自販機などを探そうとしている自分に大物の器を感じないこともない。
だが一本の缶コーヒーと引き換えに朝比奈さん(大)と入れ違いになるのは、どう考えてもたかが缶コーヒーには高すぎる代償であり、俺はおとなしく大物への成り上がりを放棄した。
一時間ほど待ち呆けただろうか。
「……来ねえ」
なぜだか解らんが、待ち人は一向に姿を現さない。
いや、そもそも俺の記憶には、本人から待っているといった内容の通信ログは残っていない。何しろ単なる俺の推測に過ぎん。
だとすればだ。じゃあ俺と朝比奈さんをこの公園に向かわせた理由ってのは一体何なんだ?
あそこの少女にこの地図でも見せれば、スタンプを押して次の目的地でも教えてくれるのだろうか。えらく懐かしいオリエンテーリングだなおい。適当に小銭でも掴ませてあの少女を仕込んだんじゃなかろうな。
ていうかあの子、さっきからずっとブランコに腰を落ち着かせっぱなしじゃないか。俺が朝比奈さん(大)を待ち続けた一時間ほどの間、ずっとだ。
これはちょっと気になる。いや、あの少女が仕込みかどうかという意味ではなく。
だが今の俺は朝比奈さん消失という難題で手一杯であり、このダウナーオーラ全開の少女に関わっている余裕などは無い。
俺は難題の解決に向けて、次はどういう手を打つかに思いを馳せていたつもりだったのだが、
「どうしたんだ? 母さんに閉め出されたりしたのか?」
気付いた時には、すでに話し掛けていた。
いいのか悪いのか俺のこの世話焼き性分は、確実に妹を通じて得た代物だろう。代物っつっても質屋に押し掛けたところで門前払いは免れない代物だ。逆に金は出すから家電リサイクル法の範疇として処分してもらえないだろうか。
「寒いだろ? いくら秋口とはいえ、もう日も落ちる時間だ。そんな薄着じゃ風邪引くぞ」
見れば少女はけっこうな薄着である。ていうか真夏の格好だなこりゃ。
「……ぐすっ」
ずっと顔を俯けていたので気付かなかったが、どうやら少女は泣いていたようだ。やっぱり閉め出されたのか?
「……ううん、違うの」
「じゃあ、もう家に帰った方がいいと思うぞ」
「帰りたくない……」
まるで帰れと言われることを事前に知っていたかのような即答ぶりである。
とにかくこの少女は閉め出されたのではなく、自らの意志でこの公園に留まっているらしい。
「どうしてだ? ここにいても、その格好じゃ寒いだろうし、服を着るためにも家に帰った方がいいだろう?」
理由が親子喧嘩だとするなら、なおさら帰って仲直りするべきだろうと思うしな。
「家は、寒いから……」
家が寒い? おいおい、まさかただ単に物理的に服を買えないとか、そういう経済的な理由でその格好なんだとしたら、何かやたらと気分が滅入ってしまうじゃないか。
台所のゴミの四十パーセントが食べ残しというこの飽食大国日本で、不憫すぎるだろそれは。
「……違うの。服ならたくさん持ってる。お洋服専用の部屋もあるくらい。暖かくなれるけど、温かくはなれないの……」
一転して今度は金持ち宣言ときたもんだ。いや、それはいい。注目すべきはその次の言葉である。
アタタカクなれるがアタタカクはなれない?
はて、この少女は一体何を言わんとしているのか。これが正しい日本語なんだとすれば、俺はきっと日本人じゃなかったのかもしれない。それくらい意図を掴みかねる言葉だ。
「とにかくだ。家はここからすぐなんだろ? 俺も一緒に行ってやるからさ、もう帰ろう」
「すぐじゃないよ……」
遠いのか。ならプチ家出じゃないか。余計に帰った方がいい。
「……嫌」
風邪引くぞ。
「もう、一人でいいの……」
少女はそう言って一時間ほど保温状態だったブランコから立ち上がり、そのまま走り去っていく。
「おい、待……」
行ってしまった。家に帰ってくれたのならいいが……。
しかし、ゆとり教育が生み出した産物をむざむざ見せ付けられたというか、そんな絵に描いたような反抗期を体現した娘さんだな。あの子の親御さんもさぞかし世話が焼けることだろうよ。
いや、ていうかだな。
……俺は一体何をやってんだか。
危うく自分が直面している、ヒルベルトの23の問題の内の一つにも数えられそうな程の難題をさっぱり忘却してしまうところだった。
さて、気を取り直してこれからどうすべきか。
何としてでも俺の朝比奈さんを探し出さないことには、元の時間軸に戻れん。
ここで大きい朝比奈さんが駄目だとなると、やはりこの時代で頼れるのはどう考えてもあと一人しかいない。
今回ばかりは頼るまいと心に決めていたのだが、どうやらそうも言ってられないところまで来てしまった。
俺の知りうる限りでは、オフサイドラインを担う最後方ディフェンダーにして最強の守護神。
すまんな、長門。またお前に頼ることになりそうだ。
それにもしかすると、すでに長門の部屋に朝比奈さんがいる可能性だって否定はできないからな。
俺は地図を取り出して現在地からの最寄り駅を確認し、三年後より心持ち絡みづらい眼鏡付き有機アンドロイドの顔を思い出しながら、一路駅へと直行した。
先程まで停留していた地域は、俺の生活圏とさほど離れてはいなかったようで、長門のマンションには割かしあっけなく到着することができた。
すっかり手馴れた仕草で、俺は長門の部屋をコールする。
『…………』
「あー、俺だ。解るか?」
『…………』
「えー、そこの和室で寝かせてもらっている者だ。そいつより、もうちょい未来から来た」
『入って』
こうして俺は三年前の長門と何ヶ月ぶりかの再会を果たした。俺の時間でもここの時間でも何ヶ月ぶりという言い方で合ってるってのが手っ取り早くていい。
「どうだ、最近。元気にやってるか」
俺の長門と比べてますます無反応なこちらの長門が、急須と湯呑みを乗せたお盆をカチャカチャいわせながらコタツテーブルへとやってくる。
長門は俺の質問を受けて一瞥をくれるが、すぐまた視線を戻し俺の対面側で正座を始めた。
「すまないな、長門。またお前に頼っちまって」
「いい」
眼鏡に反射する蛍光灯の光が、よりこいつの機械的というか何というか、そういう部分を引き立てている。
そういやさっき自分でも言ったが、このふすまを隔てた向こうには、もう一人の俺と朝比奈さんが揃って爆睡してるんだっけ。マジックで顔にいたずら書きとかしたら怒られるだろうか。
「それは推奨できない」
いやいや、冗談に決まってるだろ。そもそもこのふすま、今は開かないんじゃなかったか?
まあいい。ともかく今は冗談で時間を潰している場合ではない。まずはあの可愛らしい上級生を探し当てることに全神経を注ぐのみだ。
「なあ、俺は今回も朝比奈さんと一緒にここへ時間遡行したんだ。朝比奈さんってのは解るか? そこで俺の隣で眠ってる人だ」
俺がそう言ってふすまの方を指差すと、長門は僅かにうなずく。
「そうか。その朝比奈さんなんだが、消えたのか失踪したのか、どうにも途中で居なくなっちまったんだ。何とか探し出せないか?」
長門は四、五秒ほど瞬きもせずジッとこちらを見つめ、
「消失時の状況を説明してほしい」
「わかった」
俺はできうる限り詳しく、あの暴走車突撃シーンの筋書きを懇々と語った。
とはいえあれは一瞬の出来事であり、細部まで余すところ無く説明したところで、さほど時間は掛からなかった。
「どうだ。何か解らないか?」
俺は説明を終え、期待の視線を長門に送る。
「…………」
解らないのか。
「わたしの推測でよければ」
ああ、十分だ。お前の推測は、俺の絶対的な確信の数百倍も信用するに足りる。
「彼女、隣の部屋で凍結中の彼女の異時間同位体は、まだこの時空に居る。ただし場所の特定は不可能」
よかった。とりあえず無事ってことでいいんだな?
「存在が確認できるだけ。ここからはわたしの推測になる。彼女が姿を眩ましたのは、恐らく自身の意志ではない」
「どうしてそう思うんだ?」
「簡単。彼女の運動能力で、その一瞬での移動は不可能」
久々に解りやすい説明だ長門。確かに言われてみりゃ、俊敏に動く朝比奈さんなんて出鱈目に想像外だ。
となると、やはり誰かの仕業というわけか。どいつだまったく、俺の朝比奈さんに不埒を働きやがるA級戦犯野郎は。
今すぐにでもここを飛び出して朝比奈さん探索に没頭したいところだが、いかんせんもう外は暗闇真っ只中だ。
ならば今日は早めの就寝を心掛けて、明日に早起きして活動した方が効率は良さそうだ。
「すまんが長門、今日ここに泊めてもらってもいいか?」
「構わない」
即答してくれる長門にひたすら感謝である。
「恩に着るよ。ほんとお前には世話になりっぱなしだな」
「いい」
グーとパーの中間くらいの拳を作って指の背で眼鏡の位置を直しつつ、長門は小さく呟いた。
GJ!
長いがおもしろかった
気になった点をあげるとすれば呼称が変わりすぎて多少わかりづらかったコトと、朝日奈さんの出番の少なさぐらいだな
気付けば晩飯時な時刻を短針が指していたので、俺と長門は毎度お馴染みのレトルトカレーで簡単な晩飯を済ませる。相変わらずの山盛り具合だったので、もう腹十二分目くらいだ。
そしていよいよ就寝かと思われた夜もたけなわ、ここで俺的にはちょっとした問題が浮き彫りになった。
殺風景なリビングでくつろいでいる俺に、長門が布団を抱えて持ってきてくれた。それはいい。
だが俺がそのままリビングに布団を敷き、ちょうど横になった時、
「……長門」
「なに」
なにってお前。
「なんでお前までここに布団敷いてんだ」
「いつも寝ているのはここ」
いやいやちょっと待て。
いくら相手が長門といえども、年頃の男女が一つ屋根の下はおろか一つ部屋の中で寝んごろなんてのは、特定の意味でまずい。
「問題ない。気にしないで」
いやいや、俺が大いに気にするんだが。
「大丈夫。何もしない」
何もしないってお前、意味わかって言ってんのかそれ。ていうか、ふつう俺が言う台詞だろ。
「そう?」
長門がそう言って首をほんの僅か傾けたのもつかの間、そのまま流れるように布団に入ってしまった。
俺が移動しようかとも思ったが、やっぱり何だかちょっと惜しい気もする。いや別に長門をどうこうしようというわけでは断じてないぞ。
俺は誰にしているともつかない言い訳を頭の中で反芻させつつも、結局長門の傍で寝ることを決めた。
ちらっと横に視線をやってみるが、野比家の末裔かもしれない長門の寝つきっぷりは見事なもので、すでに寝息を立てて夢心地のようである。
こうして寝顔だけを眺めている分には、こいつがナイフを素手で捌くような奴だとは思えないよな。
アナログシンセサイザーのたゆたうような響きにも似たその神秘的な寝息を子守唄にし、俺は瞼を閉じて間もなく、いつの間にか眠りについていた。
そして翌日。
いつもならこれからが寝本番だといわんばかりに熟睡中も真っ盛りな時間帯。
なんと俺は起きていたと言ってやりたいところだが、そこはやっぱり俺であり、俺であるからこその必然なわけで、早い話がつまりは寝坊である。
何の為に昨日、誘惑にしては楷書体の印影並に淡白な長門の思い掛けない添い寝にも動じずに、わざわざ就寝時間を前にずらしたのか解ったもんじゃない。
俺は自分の決行力の弱さに失望の意を隠しきれずも、フラフラと布団から這い出るのだった。
「おはよう、長門。早いな」
俺が遅いだけだろとセルフでつっこみを入れつつ、俺は長門が持ってきてくれたお茶に手を掛ける。
朝はコーヒー派なんだが、今は仮にも居候の身であり、それは贅沢が過ぎるってもんだろう。そもそも長門がコーヒーを好むようには思えんしな。
朝比奈さんが淹れた琥珀色の液体より僅かばかり味の劣る、それでも十分美味いんだがとにかく俺はそれを飲み干し、早くも未来人探索に向かわんと玄関へと足を運んだ。
無言で長門に見送られて家を出るという、同棲生活初日にしては端から倦怠期を予感させる刹那を堪能した俺は、まず昨日朝比奈さんとはぐれた辺りの場所へ向かう事にした。
電車にして二駅、そう遠くもなく、かといって自転車ではちと面倒な距離である。
そして最初に向かうべきスポットはあそこ以外にはないだろう。そう、朱色で地図に印されてあったポイント、あの錆び付いた公園だ。
何らかのヒントが転がっているとすればまずあそこだろうし、うまくいけば大きい朝比奈さんに遭遇する可能性だって無いとは言えない。
そんなわけで早速到着である。
話が早いような気がしないでもないが、移動中の状況をこと細かく実況したところで、そんなもんは単なる俺の自己満足で、それ以上でも以下でもない。
そういうのが好きだってんなら、ラジオでプロ野球でも聴けばいい。いいぞあれは。あんな一瞬の出来事を早口でリアルタイムに実況するんだから、ありゃ只者じゃないぜマジで。
齢十六にして早くもおっさん化しつつある俺は本当に一般人なのかと自分に問い詰めつつ、公園に足を踏み入れる。
「ん? あれは」
最初に視界に入ってきたのは、これまた思い掛けないものだった。
ブランコを僅かに揺らし、俯き加減で鬱オーラを放っているという感情はブルーだが服の色はイエローな少女。
間違いない。昨日のプチ家出少女だ。
俺はゆっくりと少女に近づき、
「よ、また会ったな」
少女は一度俺の方を見上げてまた視線を下げるという、長門ばりの仕草で返してきた。
「どうしたんだ。もしかして昨日、家に帰らず仕舞いか?」
「……ううん。帰った」
そりゃ一安心だ。流石にこの歳で野宿を経験するにはいささか早過ぎる。いや、早くなくともそんなもん経験したくもないが。
「で、今日は朝から家出か」
続けて俺は理由を訊き出そうと試みるが、
「…………」
少女は押し黙ったまま俯き続けている。
何やら訳ありっぽい雰囲気だな。立ち入り過ぎない程度に話を聞いてやるとするか。
「ふう」
俺はゆっくりと少女に横付けする形で、隣のブランコに腰を落ち着かせた。
まったく、昨日に引き続き俺は一体何をやってんだか。見ず知らずの少女を更正させる為にわざわざ三年もの時間を遡ったわけではないのだが、どうにも放っておけない。
いや、そもそも何をする為にここへ来たのかも全く解らんのだが。
これなら魔王を倒すという明確な目的がある分、おつかいロールプレイングゲームの方が幾分マシだ。
「なあ、何があったんだ? よかったら訳を話してみようじゃないか」
少女は言うか言うまいか迷っているような感じで、ちらちらと俺の顔を窺いながら、
「……無くしたの」
無くした?
「うん」
うんって、述語だけじゃ解らんぞ。
ここで少女はまたもや言うか言うまいかを迷っている仕草を見せ、やがてゆっくりと口を開き始めた。
「最近ね、お父さんとお母さんが仲良くないの。それはもう、うん、とっても……」
親子仲ではなく、夫婦仲が原因か。
「わたしには、どっちに付いて行くか決めときなさい、とか、お母さんの方がいいわよね、とか最近そんなことばっかり……」
ちょっとばかし俺には難しい問題だ。あまりたいしたことを言ってやれそうにないな。
俺の家庭はそういう事態に陥ったことはないし、きっとこれからもないだろうと思う。仮に陥りかけたところで、なんとなくだが、あの無邪気な妹がうまい具合に中和剤になってくれそうな気がしなくもない。
「それでね、こないだテーブルに離婚届けが置いてあるのを見ちゃったの。そしたらわたし、もうどうすればいいのか解らなくなって……」
俺には縁遠いものだとしても、昨今の日本の家庭事情としてはさほど珍しいものでもないのだろう。
だが実際にこういった事情に直面しているのを目の当たりにすると、やっぱりそれは遺憾の意を表さずにはいられないし、嘆かわしい。
こういう親は子供のことを何だと考えているのか、まったくもって理解不能である。くそ、何だか俺まで腹が立ってきた。
「離婚させないように、一緒にテーブルにあったお母さんのハンコを……持って外に出ちゃったの。そのあと……」
無くしたのか。
「……うん」
離婚届けの捺印に使うような印鑑。実印か。そりゃ結構な事態だな。何といっても日本は判子社会であり、実印の効果といえばそりゃもう絶大だ。
まあ、テーブルに実印を出しっぱなしにしてしまう少女母もどうかと思うが。
「どうしよう、わたしが無くしたこと知られたら……」
少女は今にも泣きそうな雰囲気で続ける。
「ただでさえ家の雰囲気悪いのに、これ以上……」
確かに実印を紛失したことに関しては大いなる問題だが、それはこの少女の両親の不仲という原因あってのものだからな。
俺にしてみれば子供の気持ちも考えない親の方も十二分に悪い。
「どの辺で無くしたのかは解らないのか?」
「たぶん、この公園だと思うの。でも、探したけど見つからない」
丸腰での談合中に討ち入られた幕末志士のような、半分諦めが感じられる言い方である。
「よし、ちょっくら俺も探してやる」
と、俺は重い腰を上げ掛けたのだが、
「ありがとう。でも、たぶん無いからもういい……」
「いや、良くないだろ。ちゃんと探……」
「お兄ちゃんも何か用事があってここを通り掛かったんでしょ。じゃあ駄目だよ、ちゃんと用事済ませないと」
言われてみれば俺は朝比奈さんの手掛かりになるようなものを探しに来たんだっけ。またしてもトコロテン状態に頭から押し出されるところだった。
「でも、いいのか? キミはこれからどうするんだ?」
「あとで別の場所を探してみるから」
俺の脳の原材料が寒天だったことが判明してからまもなく、俺は自分の仕事に戻ろうとブランコから腰を上げることした。
やおら立ち上がろうと、視線を前に戻したそのすぐだ。
「ん?」
一瞬だが、何かとてつもなく見覚えがあるような人影が視界に写った。と同時に、
「ほげっ」
捕鯨? そんなもん三年前どころかもっと昔にすでに禁止されているはずだが。誰だまったく、こんな公衆の面前で堂々と犯罪宣言をする輩は。
その犯罪予告者は俺に見つかったのがまずかったのか、奇声を上げてからすでに姿を隠していた。
しかし見慣れた人影であることは、俺の右脳が確実だと告げている。いや、見慣れているというか、昨日まで見ていたというか……。
恐らく間違いない。
……何をやってんですか、朝比奈さん。
予想もつかなかったお尋ね者の登場ぶりに頭を抱えつつも、俺はそのお尋ね者が現れたポイントへ駆け寄る。
「くそ、居ないか」
すでに逃げたようで、朝比奈さんの姿は見当たらない。
だがそこで、朝比奈さんの代替とするには役不足もいいところだが、また別のものが目に留まった。
くるぶしの辺りが何かモゾモゾすると思い視線を下げてみると、
「…………」
グレー掛かった小犬が、俺の足周りをちょこちょこと動いていた。
待て、何かこいつも見た覚えがあるような気がする。このムラのある灰色具合といい小さな躯体といい。
お前、確か昨日の暴走車事件を引き起こした犬っころじゃないか。いいよなお前は無邪気で。半分お前のせいで俺がこんな死活問題を抱えていることなんざ、脳細胞一つ分も解っちゃいないんだろうな。
「ていうかだな」
あまりにも偶然にしては出来過ぎてないか?
今の俺の立ち位置に朝比奈さんが姿を現したと思ったのもつかの間、今度はこの犬っころにすり代わっていた。何のマジックショーだ。朝比奈さんがこいつを連れてきたのか?
解らん。
これは一体なんだってんだ。とにかく朝比奈さんを発見できた。そこまではいい。だがその朝比奈さんの行動の意図も含めて俺にはさっぱり解らん。
割と早めに定期考査の問題用紙の下端まで辿り着いたと思ったら、裏面もびっしりと問題で埋め尽くされていたっていう結局そういうオチかよ。何だか俺の学園ライフを体現したような展開だな。
こうして甘露煮よりは甘い考えを見事に焦げ付かされた俺は、毎度のことなんだから潔くこの難題に取り組めよと自分に喝を入れていると、
「なんだ?」
グレー犬が纏わり付いている俺の足元に注目である。この犬自体に気を取られて気付かなかったのか、便箋の切れ端のようなものが地面上で目に入った。
俺は腰を曲げてそれを手に取り、
「確かこれは……」
いい加減、今日はもう言い飽きたがこれも見覚えがある。もうとにかく今日は見覚えがあることづくめだ。
えーとこれは確か朝比奈さんいわく、最優先の命令コードってやつだったか。
これまた何でこんなところに。逃げる時に破れ落ちたのか、それともわざとなのか? にしてもギリギリ本文が見えないのが残念だ。
だが確信した。
朝比奈さんは一人で未来からの指令を遂行している。
しかし、どうしてまた一人でなんだ。これも指令なのか? 一人でやれっていう。
だが、ただ朝比奈さん一人でやれば済むことなら、俺がここに連れて来られた理由が解らない。
ならば、俺をフリーにすることに意味があるのか?
あるいはその両方か、だ。
「……やれやれだ」
てか、こんな短時間にどれだけ強引に詰め込んでんだ色々と。グラム売りの服屋とかでたまにやる一袋詰め放題五千円とか、そういう感じの外注の切り方してんのか朝比奈さん(大)は。
流石にちょっと考え疲れてきた。年寄り臭いと時折言われることがあるが、脳年齢はそう老け込んでいないはずだ。いうほど頭を使わずとも今んとこ脳の老化などは心配あるまい。いったん引き返すか。返すか。
俺はこの犬っころに別れのハンカチ代わりに頭を撫でつけてやろうと、腰を下ろして手を出そうとしたのだが、
「またお前が原因だったか……」
立っていると気付かなかったが、目線をこいつに近い高さまで落として、ようやくそれが目に入った。
親指ほどの太さの円筒状の物体。見た目から察すると、材質はオランダ水牛っぽい。それがこいつの小さな顎に咥えられている。
印鑑だ。たぶんあの少女の母親のものだとみて間違いない。
俺はこいつの口元目掛けて手を伸ばす。が、
「あ、待て」
自分の目前に俺の手が迫るのを見て自分に危害が加えられると思ったのか、犬っころは素早く走り去る。
「くそっ」
そもそも人間が犬に走行スピードで敵うはずはない上に、さらに俺の鈍足さも相まってか、一瞬にして俺の視界から犬っころは消えてしまった。
朝比奈さんといい犬といい、今日は皆が俺を避ける。俺ってそんなに嫌われてたのか。
俺は社会問題の筆頭に挙げられる陰険ないじめを受けている気分に陥りつつも、疲れた頭を上げて今日辿った道を引き返していた。
決定、今日も長門との甘さ成分ゼロの同棲生活だ。
ひとしきり思考の限りを尽くして疲れきった俺は、長門の部屋に戻るや否や活動中という姿を今だ見たことがない動物園のコアラのように寝そべって、適当な妄想で脳をほぐしていた。
なんか一気に力が抜けた。
朝比奈さんは無事な上、一人で何やらこなしているようだし、一体俺は何をしてこの時間旅行を満喫すべきなのか皆目見当もつかない。長門に茶々を入れつつ適当に遊んでいればいいのだろうか。
まあ、何か俺に仕事があるとすれば朝比奈(大)印の斡旋業者が俺に手紙か何かを寄越すだろうから、それがなけりゃ文字通り何もないってことで捉えておこう。
朝比奈さんという次世紀のヴィーナスに一人で仕事をさせるというのは、俺としては非常に芳しくない心持ちだが、本当にやることがないのだからしょうがない。
こうして時間旅行中の日程表を白紙のまま進行させることを決めた俺の傍に、長門が無音で近寄ってきた。
「晩ご飯、どうする?」
いいね、なんか、こういうの。たとえその相手が長門だとしてもさ。
そしてまた翌日。
取り入ってすることがないとはいえ、一つ気掛かりな問題が俺の脳内ちゃぶ台に置きっぱにされていたことを思い出した。
それを蔑ろにしておくのもどうかという俺の良心めいたどこまでも安い責任感により、再び電車で二駅先のあの地域に出張中である。
「全く見当たらないな。どうだった、そっちは?」
「うん、駄目。全然……」
俺のすぐ目の前で首を横に振っているのは、お察しの通りあの少女である。
印鑑を昨日犬が咥えていたことを伝え、俺と少女はこの地域に拠点を置いているであろうあのワン公を見つけ出してやろうと、無駄に全力疾走シーンの多い熱血刑事ドラマのような捜索を行うことになった。
そして二人で手分けしてあちらこちらと探し回ったのだが、生憎お尋ね者は姿を見せなかったのである。
で、今はあの公園で報告会議中というわけだ。
「でもね。見つけたとしても、さすがにもう口に咥えてはいないと思うよ」
いい指摘だが、むろん俺もそこまでは計算済みだ。
「ああ、解ってる。もし見つけたら、静かに跡をつけるんだ。あの犬だってどこか家的な、拠点としている場所があるかもしれない。ハンコもそこにあるかもしれないだろ?」
「……うーん、どうなんだろ」
正直、自分でも結構な絵空事だと解っているが、他に手段が思いつかないのだから何もしないよりはマシだろう。
そういう俺の最大公約数的な意見によって、もう一度探してみることになった。今度は二人一緒にである。
悠々とスローモーに探してやるかと、散策気分七割捜索気分三割くらいの軽い具合の意気込みで公園を出ようとしたところ、
「あ」
と五十音中トップバッターである発音を少女は声にした。
「もしかして、あれ?」
続いて少女はそう言って、公園の出入り口の方向を指差す。
俺もそちらに視線を向け、
「……ああ、あの小犬だ」
どうやらお気に入りの場所らしく、またしてもこの公園に出没である。だが目を凝らすと、やはり印鑑はもうその口には咥えていない。
「よし、跡をつけよう」
秘密の尾行にしてはえらく対象が安っぽいが、それでも俺と少女は息を潜めてその対象の動向を見守る。
しばらく公園内をうろついていたが、やがて公園を後にし、チョロチョロと蛇行しながら公道を歩み始めた。俺と少女もそれに続く。
「このまま住処なり何なりに真っ直ぐ帰ってくれればいいんだけどな」
なんせ犬の尾行なんざ、こちとらちっとも楽しくない。美少女の尾行ならアドレナリンが分泌されまくりなんだろうが、それ以外ならせいぜいドーパミン程度が関の山だ。
「うん、ほんと、ありがとう。こんな楽しくもないことに付き合ってくれて」
少女は申し訳なさそうに頭を下げる
「いや、これは俺が勝手に首を突っ込んだことだ。どうせ暇だしな。お礼なんて言わなくていいぞ」
少女が俺に気を使うところを見て、気さくな兄やんを演じてやろうと俺は少女の頭にポンと手を置いてやる。
「暇? 高校には行ってないの?」
いつか訊かれるだろうと思っていた質問なんだが、俺は特に解答を用意していたわけではなく、
「いや、ちょっと、なんと言うかだな。あれだ、旅行でここに来ているだけなんだ」
我ながら捻りの欠片もない受け答えだ。秋の涼しさでは、まだ俺の脳は活性化の兆しを見せてくれない。要するに冬以外は俺の脳は使えないということか。冬眠の逆バージョンだな。今度正式な言い方とかあるか調べておこう。
「旅行……そうなんだ」
信じたのかそうでないのか掴みかねるニュアンスだが、少女はそれ以上追求しようとはしなかった。
数十分ほど尾行し続けただろうか。そろそろ飽きが俺と少女の歩みを阻害しようと企み始めた頃合である。
俺と少女の拠点である公園よりも大きい、垣根で囲まれた憩いの場的な公園だ。そこに小犬が入っていった。
俺たちもそれに続き公園内に足を踏み入れると、そこには、
「よぅーしよし、いい子ですねぇ。やっぱり可愛いなぁ」
しゃがんで膝を左手で抱え、空いた右手で小犬の頭を撫で回している国際A級優しさライセンス所持者、朝比奈さんの可憐なお姿が目に留まった。
またしても意外な登場っぷりに臆する事なく、俺はなんとか平常心で、美少女と小犬のツーショットという絵にならずして何になるであろうといった、そのお一人と一匹のモデルに近づいていく。
「……あの、何をやってるんですか、朝比奈さん」
その美少女モデルは顔を上げ、俺の存在を認識すると、
「ふえっ。もももう来ちゃったんですか! いえ、これは、あの……」
凄まじいまでの慌てぶりで、手がなんだかよく解らないジェスチャーになっていらっしゃる。
「ひ、ひひ人違いですっ!」
どう考えても信じ難い嘘を叫んで、走り去ってしまった。
いやいや、あなたが朝比奈さんじゃないってんなら、これほどの美少女が割と近くに二人も居ることになる。もしそうなら、俺は退学してでも第二朝比奈さん探索三千里行脚に出ることになんら躊躇いを持たないことだろう。
「今の人、誰?」
少女は尋ねてくるが、もちろん真実など話すわけにもいかず、
「いや、知り合いかと思ったんだが、どうやら人違いだったらしい」
俺は適当に答えておいた。
こうして置いてけぼりを食らったこの小さな犬っころは、さして悲しそうな様子も見せず、俺の足に擦り寄って尻尾を振っている。
「あはは。これあげてみて」
そう言って少女は懐からちょっと高級そうなクッキーを取り出し、俺に渡してきた。
「うまそうだな。どっちかというと俺が食べたいくらいだ」
いやマジで。これ一枚150円くらいするやつだろ。オシャレなカフェとかに置いてそうだ。
「まだあるから後で一緒に食べようよ」
なら、と俺は犬っころの手前にホレと置いてやる。
すると、まるで一枚150円の価値など我存ぜずとばかりに、いや実際わかっちゃいないんだろうが、とにかく一緒に地面も食べそうな勢いであっという間に平らげた。
「可愛いなあ」
少女は目を細めて、この犬っころに見とれている。
高級クッキーを瞬時に片付けた犬っころは、まだ物足りないのか二足で立って俺の足に寄り掛かってきた。手を出すと舐めてくる。
まあ、確かに可愛い。俺は特に犬好きというわけでもないのだが、この飴玉のようなつぶらな瞳でキャンキャン懐いてこられると、正直たまらないものがある。すまん、愚かな浮気者を許せシャミセン。
「ねえ、この子に何か覚えさせてみたいな。『待て』とか『おすわり』とか」
「それは構わんが、飼い慣らされていない野良犬には、ちと厳しいんじゃないか?」
少女はしゃがんで犬っころの頭を優しく撫でながら、
「多分この子、前は誰かに飼われてたんだと思う」
どうして解るんだ?
「色がこんなだし、ちょっと汚れてるから最初解らなかったけど、雑種じゃないような気がするの」
捨て犬か。
「だと思う。可哀想に……」
確かに、人間に慣れている感じだしな。
しかし、ほとほと人間ってのは身勝手な生き物だ。全国の保健所では一日に平均約千匹の犬が殺処分されているというのをテレビのニュースか何かで見たことがある。
「よし、何か仕込んでみるか」
「うん」
「じゃあ、ちょうど食いもんもあるし『待て』でも教え込んでやろう」
俺は少女から再びクッキーを受け取り、適当に四等分してからその一つを地面に置き、
「よし、『待て』」
パク。
速攻食われた。
「まあ、いきなり出来るわけないしな。もう一回だ」
再び、一欠片を地面に置き、
「待て」
パク。
またもや速攻。
「人間、根気が大事だ。『待て』」
パク。
刹那の出来事。
「待て」
パク。
それこそ残像拳。
「待て」
パク。
「待」
パク。
すまんが、どうやらお前も処分決定のようだ。
「駄目だよ! そんなこと言ったら」
少女は小犬を庇うように抱き、俺に抗議の声を上げる。
「冗談だよ。嘘に決まってるだろう」
こうして俺と少女は当初の目的をすっかり忘れて、日が西に傾くまで犬っころと遊び呆けていた。
完全に俺たちに懐いてしまった小犬は、帰る時も後ろからちょこちょこと俺に付いて来てたのだが、流石に電車に乗せるわけにはいかず、可哀想だが市街地に出てからダッシュで撒いた。
ちなみに印鑑については、帰る直前に思い出し、なんとか見つかった。あの小犬が掘ったであろう小さく浅い穴に無造作に入れられていたのである。
とにかく楽しかったし目的も達成したしで何よりだ。初めて、あの少女も元気な姿を見せてくれたしな。印鑑も見つかったし、家でうまくやってくれるといいのだが。
その翌日。時間旅行内でもう四日目になる。
空恐ろしいことに、ふと気付けば二駅分の切符を買っている自分に寒気を感じる。毎日気付けば文芸部室に向かっているように、習慣というもの自体が習慣づいているのかもしれない。つまり俺にとってあの公園がこの時空での文芸部室ということらしい。
だが、あの少女は今日からちゃんと学校へ行くと指切りしてくれたし、公園には居ないはずだ。なら犬っころでも可愛がってやるとするか。もしかすればまた朝比奈さんに遭遇するかもしれんしな。
それはそうと、朝比奈さんの仕事は一体いつ終業なんだ。やっぱ未来でもサービス残業とかがちょっとした社会問題になってたりするんだろうか。デスクに向かい残業に勤しむ朝比奈さん。何だか想像の範疇を超えた光景だ。
未来のサラリーマンたちが給料を上げんと奮起する春闘の行く末を案じつつ、俺はお馴染みとなった公園に足を踏み入れる。
だがそこで俺が見たものは、いかんとも許すまじき光景だった。
「お願い、やめてあげて!」
少女だ。学校の制服を身に纏っているので、通学途中だったんだろう。
だがそれは置いといてだ。彼女が悲痛な面持ちで願いを請う先に、彼女と同学年くらいだろうか、数人の男子生徒が何かを囲んでいる。嫌な予感がする。
「うるせえ! こいつがあんなことするからだ!」
男子生徒のうちの一人が少女にそう言い捨て、輪の中心にある何かを蹴っている。少女はその男子の袖を引っ張るが、所詮は女の子の力。引っ張られている男子が強く振り払うと、彼女は簡単によろめき尻もちをついた。
「きゃっ」
あのガキ、なんてことしやがる!
俺は即座に走り寄り、
「おい、お前ら! 何やってんだ!」
少女に手を貸して起こしたあと、輪の中心にあるものが何かを確かめるべく、俺は自分の前を遮る男子生徒たちを横に薙ぎ払う。
そして、いよいよ輪の中心に存在するものが俺の目に入る。
「くそっ、酷え!」
紛れもない、今や俺にすっかり懐いてなかなか離れようとしない、あの小犬だった。だがその姿は見るも痛々しく、フラフラと片足を引きずってバランスを気にしながらようやく立っている。見るとその片足からは血が流れている。
情報統合思念体に対しての時以来だろうか。俺は怒りをあらわにせずにはいられなかった。
「お前ら……なんてことしてんだ!!」
思いっきり怒鳴りつける。周囲の目なんぞ今はもちろん無視だ。
「……こ、こいつが、せっかくのこれを食っちまったから……」
男子生徒たちは俺の勢いに一歩ほど後退りし、それを俺に見せるべく目の前に出す。
これは昨日、少女が持っていたクッキーじゃないか。
「キミがあげたのか?」
少女は強く首を横に振り、
「ううん、わたしじゃない。でも、昨日わたしが持っていたものと同じ……」
どういうことだ。なぜこいつらがそれを持っている。
いや、まあいくら高級でも市販の物だろうから、偶然こいつらが持っていたということもありえるだろうが。
「さっき、すげー可愛い姉ちゃんに貰ったんだよ。せっかくうまそうだったのに、いきなりあの犬が食いついてきたんだ」
おい、まさか。
「その可愛い姉ちゃんってのはひょっとして、背が低くて、栗色の長い髪で、童顔の割に胸がめちゃくちゃ大きかったりする姉ちゃんか?」
「うん、そんな感じだった。兄ちゃんの知り合いか?」
おい、何なんだよ一体。何をやってんだ朝比奈さんは。もとい、何をやらせてんだ朝比奈さん(大)は!
なんで俺の犬っころをこんな目に遭わせなきゃならねえんだ!
これが規定事項だってのか? どんな規定事項だ。
何の為かしらんが、そんな規定事項なんぞくそ食らえだ!
「大丈夫? 大丈夫?」
少女は今にも泣きそうな表情で小犬を労わっている。
「大丈夫だ、俺がなんとかする。キミは早く学校へ行け。お前らもだ」
俺は少女と男子生徒たちを学校へ向かうよう促し、小犬を抱える。
男子生徒たちはしょぼしょぼと公園を後にし、少女もそれに続いて足を進め始める。
少女は最後に俺の方を振り返り、
「お願い、その子をなんとかしてあげて」
ああ、任せろ。こうやって誰かに背中を押された時の俺は、けっこう行動力あるんだぜ。
とにかく死にはしないだろうダメージでよかった。重傷なのは左後ろ足くらいだ。今はヘタってはいるが、きっと大丈夫だろう。
俺は、早くこいつをなんとかしてやりたい一心で駆け足を始めた。左後ろ足からの流血がまだ止まらないのが痛々しい。
動物病院しかないか。あそこなら走って行けそうだ。
俺は何度か傍を通り掛かったことのある動物病院を思い出し、目的地を定めて駆け足を続けた。服がこいつの血で汚れるが、そんなこと今は関係ない。
ああこの辺って東中の近くだなとか、どうでもいいことを一瞬頭によぎらせつつも十数分ほど走っただろうか。息を切らして、ようやく目的地の辺りに辿り着いた。
だが、一向に頭に描いている見覚えのある建造物が見当たらない。
どういうことだ。場所はここで間違いないはずだ。
ここで俺の理解が及ばなかったのも一瞬、重要にして当然の事に気付いた。
しまった、今は三年前だ。ここが開業したのは俺が中三の頃、つまり三年前ではまだ開業していない。
くそっ、どうする? 今から新たな動物病院の在り処を調べるのは、ちときつい。
そういえばよくよく考えると、病院とかって俺の身分を証明させられたりするんじゃないのか? 動物病院も恐らくその可能性が高そうだ。そうなるとマズイな。
なら仕方ねえ、残された選択肢はあれしかない。
長門に治してもらおう。
事あるごとに頼ってばっかりでほんとすまないが、お前ならどんな世界的名医よりも信頼できる。頼むぜ長門。
俺は急遽方向転換、長門の部屋を目指すことにした。
そして、また東中の近くだなとか二度も忌々しい感慨にふけっていると、俺とは反対車線側の道沿いのマンションのベランダだ。えーとあそこは四階だな。そこに見慣れた人影が植木鉢を持って立っているのが見えた。
またもや朝比奈さんである。なんなんだ一体。今度は何をしでかす気だ。
あの状態で植木鉢を抱えているってことは、まさか盆栽の手入れをしているわけではあるまい。
落とすつもりだ、下の道に。
おいおい、まさか誰かの頭にでも落とすつもりじゃなかろうな。まさか朝比奈さんがそんな大それたことをやらかすとは考えられん。
俺は植木鉢の目標になるであろう人物、あるいは物体をいち早く突き止めるべく、そのマンションの傍を通り掛かる全てのものに神経を尖らせる。
そして一人の少女にふと視線が奪われた。
東中らしき制服、長い黒髪、そして何より我が道顔で威風堂々と歩道をズカズカと進んでいく姿、間違いない。あんな奴日本中探したって、せいぜいこいつ以外にあと一人居るかどうかも怪しい。
中一ハルヒだ。
まさかハルヒの頭目掛けて落とすってのか? いやいや、いくらなんでもそれはマズイだろ。いくらハルヒでも肉体は一応人間だ。直撃したらたぶん死ぬぞ。流石の俺もハルヒが死んじまうってのはちょっと遺憾だ。
そうやって俺が曲りなりにもハルヒの生死を案じている間に、朝比奈さんの手から植木鉢ミサイルが放たれた。
一瞬焦ったが、俺はすぐさま安心を取り戻した。脳天直撃コースではない。これならハルヒの手前コースだ。
ガシャン。
予想通りハルヒの手前に不時着。
「……な」
ハルヒは目を見開いてあっけに取られている。だが瞬時に気を取り直し、あの凄まじいまでの眼光で上を睨みつけ、
「誰! 大人しく出てきなさい!」
周囲の視線など全く気にする様子もなく、ハルヒは大声で叫ぶ。
「ひえっ」
朝比奈さんはとっさに身を隠すが、
「見えたわよ! 今隠れた奴ね! ははーん、さてはあたしを狙う悪の組織か何かでしょ。間違いないわ!」
何だかどこかで聞いたことのある台詞だなおい。
「今からそっち行くから逃げるんじゃないわよ! いいわね!」
そう言ってハルヒは何の迷いもなくマンション内へと入り込んでいく。
だがベランダにはすでに朝比奈さんの姿はなかった。
部屋に入ったのか、それとも未来的手段で逃げたのか。
俺は朝比奈さんを絞めるハルヒという物騒な場面を思い描いていると、俺に抱えられている小犬が、くぅーん、とすがるような鳴き声を出してきた。
おっと、俺は悠長に観衆化している場合ではなかった。こいつを長門のところまで連れて行かなけりゃならん。
すまん、余計な時間を食っちまったな。
俺は再び急ぎ足で、いざ長門宅へと激走を開始する。
支援
重ねて言うが、こいつを電車に乗せるのは流石に無理がある。だがこの距離を走るにしては我が足腰は情けなくも弱すぎるため、俺は最終手段を取ることにした。
懐は傷むが仕方ない。俺はタクシーを拾って長門の部屋を目指した。
流血している犬を抱えているゆえに乗車拒否される可能性も考えたが、運良く運転手さんがいい人で、状況を説明すると急いで車を走らせてくれた。ただ行き先がマンションだったことに疑問を感じていたようだが。
とにかく、ようやく長門のマンションに到着した俺は、小犬をエントランスの手前にゆっくりと降ろし、「すぐ戻ってくるから待ってろ」と呟いて長門の部屋へとダッシュする。
ガチャ、と長門が扉を開けてくれるや否や俺は長門の手を取り、とんぼ返りで再びエントランスへ向かう。
長門は問いたげな視線でじっと俺を見つめながらも、俺に手を取られたまま小走りだ。
「長門、急ですまないが、怪我を治してやって欲しい奴がいるんだ。いいか?」
エレベーターに入り、俺が簡単な事情を話すと長門は、
「わかった」
そう言ってくれるお前がひたすら頼もしいぜ。
一階到着を告げる合図音が鳴り、扉が開くと同時に出た俺は、
「あそこに……あれ?」
と指を差して長門に場所を告げたそこには、小犬の姿は見当たらなかった。
「まさか、逃げたのか?」
なんてこった。この期に及んで無駄に元気っぷりを見せ付けてくれるぜ、まったく。
しかしあの足の怪我だ。まだそう遠くには行っていないはずだ。
俺は小犬を探そうとエントランスを出ようとする。が、長門の口からとんでもない真実が語られた。
「あなたが連れて来た小さな有機生命体は、現在この時空での存在を感知できない」
俺は立ち止まり、長門の方へ振り返る。
「……どういうことだ。ついさっきまでここに居たんだぞ」
「そう。消えたのもつい先程」
消えたってもな、俺には状況がさっぱりだ。
「あなたがここからわたしの部屋へ向かっている時、ここの座標も含めた半径六キロメートルにおいて、この時空とは別次元に新たな空間が構築された」
長門は一度眼鏡の位置を直し、続ける。
「その発生源は、涼宮ハルヒ」
そういうことか。ならば答えはこれ以外にない。
「閉鎖空間か」
「そう呼ぶ者たちも居る」
となると原因は、あれしかねえ。
マンションのベランダを鋭い眼光で見上げるハルヒが俺の脳裏に浮かぶ。
ちくしょう、朝比奈さん(大)は何を考えてんだ一体! こんなに小犬を虐めて楽しいのか?
とにかくあの足の状態であの灰色空間はまずい。犬っころも灰色だが、保護色になったところで特に身を守る手段にはなりえない。それこそ青い巨人が犬っころの近くで暴れ始めた日には、それは大いに危惧すべき事態だ。
「長門! お前の力で俺をあの空間に入れてもらえないか?」
あんな訳の解らん世界には二度と入るまいと誓っていたが、ここは仕方ねえ。
「それはできない。しない、という意味ではなく、わたしの能力では不可能」
くそっ。俺はここでじっと待っていることしかできないってのかよ。
「わたしが直接、空間内に侵入させることはできない。でも、他者を介入しての侵入は可能」
「どんな手段でもいい。とにかく入れるんだな?」
俺がそう確認すると、長門は小さく頷き、
「涼宮ハルヒ自身が能力を与えた、その空間内の為の能力者。その内の誰かに接触すること」
あれか。あの赤い玉になる奴らのことだな。
「でもだな、どうやったらそいつが能力者だって解るんだよ。もしかしたらお前には解るのかもしれんが、お前も付いて来てくれるのか?」
「わたしが、おおよその時間と場所を指定する。あなたはそこへ向かえばいい」
「ちょっと待て。その場所に能力者だけが通るってんなら俺でも解るだろうが、一般人に紛れてるとかなら俺に探し出せるわけないだろうが」
「あなたが思う人でいい。でも、よく観察して」
長門にしちゃ適当だなおい。本当にそんなんで大丈夫なのかよ。
「大丈夫」
マジかよ長門。
「マジ」
珍しい長門の俗語に驚嘆している俺を尻目に、長門はすっと俺に近寄り、
カプ。
噛まれた。
「不可視遮音フィールドをあなたのみに展開した。今、あなたの存在は有機生命体には認識できない」
そうか。能力者も一般人にいきなり触れられて、そのまま灰色空間に入るなんてことはしないだろうからな。普通に頼んでも無理だろうし。
てことはだな。今俺は透明人間というわけか。
「そういうことになる」
……いや、何というかだな、別にやましいことを妄想したわけでは断じてないぞ。
「フィールドは時間制限で解除されるように設定した。おそらく、あなたが空間内に侵入してしばらくした後」
「解った。じゃあ時間と場所を教えてくれ」
長門はまたしても小さく頷き、淡々と俺に伝えた。
そして俺はすぐさま長門指定の地点へ向かい始める。
待ってろよワン公。
無事に戻ってこれた暁には、うちのシャミセンと一戦交わらせてやる。いや、逆に迷惑かもしれんが。
だから、とにかく無事でいてくれ。
長門が指定した場所までは、およそニキロメートルほどの距離だった。
何だか突っ走ってばかりの一日だったので、正直、俺の下半身中の筋肉が悲鳴を上げまくっている状態だ。
だが透明人間のままタクシーに手を上げたところで気付かれるはずはなく、気付いたら気付いたでそっちの方が反って問題である。
よって俺は自分の足で目的地へ赴くことを余儀なくされ、鎮痛な思いでようやく到着したというわけだ。
長門指定の時間までもうあまり余裕はない。
俺は長門の指示通り、どいつが赤玉なのか街行く人々の顔色をこれでもかと凝視しまくり、すれ違う人々に、お前か、お前なんだろ、とテレパシーを散弾させていた。これで俺の姿が見えていたとすれば、今頃しかるべき職務質問の真っ最中だったことだろう。
やがて、この街の人口の十分の一くらいはテレパシーを送ったかと思われた頃、一人の少年が俺の視線を釘付けにした。
俺はそいつを見て苦笑せずにはいられなかった。
「そういうことか長門」
なるほど。確かにこりゃ、ぱっと見じゃ気付かなかったかもしれん。よく観察しろとはこういうことだったのか。
顔は今よりずいぶん幼いが、このハンサム顔といい幼くもキザったらしい雰囲気といい、間違いない。
中学一年の古泉一樹だ。
俺は自分の知る古泉より二十パーセントほど可愛げがプラスされた少年に遠慮なく近づいていく。もちろん少年は俺の存在には気付かない。もし気付いたところで、今のあいつは俺のことなど知らんだろうが。
長門いわく、確かこれを目印としたラインが空間の境目。俺はそのラインより三歩ほど少年側に進み、俺に近づいてくる少年を待つ。
三メートル、二メートル、一メートル、タッチ。
と、触れたその瞬間。
空と雲の織り成すグラデーションが消え、一面が灰色に塗り変わる。それと同時に人々の喧騒が消え、薄暗さと静寂が一気に辺りを支配する。
約一年ぶりの光景。閉鎖空間。
久し振りだ。だが、今はそんな感傷に浸っている場合ではない。
俺と小犬の五体満足での大脱出劇を成功の狼煙で終わらせるべく、疲れきった足腰に動けと念じる。
さて、まずは犬っころがどの辺りで俺を待ち呆けているのか。
簡単だ。消えたのが長門のマンションの辺りなら、ここに侵入した時もそこで間違いないだろう。
だとすれば、小犬までの距離は約二キロメートル。遠い。筋肉内の乳酸が作る距離の壁。
巨人は二体。ちょうど左側の方のでかぶつの辺りが俺の向かうべきところだろう。
だとすれば、これは一刻の猶予もならない。あの辺りが長門のマンションだとすれば、巨人との距離はいかほどのものでもない。
無宗教な日本人特有の都合のいい時だけの神頼み。そんなもんこれっぽっちも効果がないことが解っていながらも、俺は祈らずにはいられなかった。
だが俺は激走のまっさなかであり、手を合わせて祈るのもままならない。心の中で十字を切りつつ、がむしゃらに走り続ける。
そうしている間にも、巨人によって破壊の限りが尽くされていく。
「くそっ。ちっとはおとなしくしやがれってんだ!」
しかしとにかく走りにくい。ラバーソールに伝わるモルタルなどの瓦礫の感触が、その足場の悪さを物語っている。馬場で言うと稍重くらいだろうか。
そろそろ巨人の手刀が生み出す衝撃を、波紋状に広がっていくのが体感できるくらいの距離にまで来た。
それに伴い、破壊されて飛び散る建築材料もちらほらと降り注ぐようになる。それが空の灰色と相まって無駄に黒光りするのが気味が悪く、俺の不安感をいたずらに煽る。
そろそろだ。爆心地は近い。
だが、もともと体力は病み上がりのレッサーパンダくらいの俺が、これほどの爆走を繰り広げたからにはその代償は大きい。
一瞬聴覚がハウリングを起こし、足が電気アンマの如く震えている。距離にすればあとほんの僅かだが、耐え切れずに瓦礫で荒れた地面に膝をつく。
「はあ、はあ、ちょっとばかし厳しいぜ」
休憩を余儀なくされ、俺は不本意にも座り込む。
五、六分ほど経っただろうか。俺が息を整えている時だ。
「うおっ」
大きな衝撃が俺の鼓膜を揺さぶった。
近い。
見れば長門のマンションから百五十メートルほどのところに巨人が迫っていた。相変わらず規格外にでかい。
ちっとは体力も回復したところで、俺は再び駆け出す。
そこからはすぐだった。
俺はマンションの敷地内への出入り口辺りに目をやる。
――いた。
降り注ぐ凶器めいた建造物の破片にも逃げ出さず、俺の言いつけ通りに待ち続けていた。
なんて奴だ。
お前こそが忠犬ハチ公の生まれ変わりなんじゃないだろうか。きっと未来の渋谷にはお前の銅像が建っているに違いない。今度朝比奈さんに訊いてみよう。
俺が未来の渋谷駅前の妄想に思考を奪われていると、犬っころはこちらの存在に気付いたようで、左後ろ足を引きずって近づいてくる。
「無理するな! 待ってろ!」
俺も駆け寄ろうとするが、すぐさま停止を余儀なくされる。
俺と小犬が作る距離のちょうど中間辺りに、カノン砲なんざメじゃなさそうな手刀が降り注ぐ。
「のわっ」
マンションを囲うコンクリートの壁が砕かれ、水道管が破裂し、凄まじい水圧の即席噴水が作られる。
いよいよ本気でやばい。
続けざまに拳が振り下ろされる。小犬に近い。血の気が引き、大量の冷や汗が噴き出す。
ドゴッという感じの擬音と共に、再び小犬が見えなくなる。
……おい、まさか。
最悪の事態が頭をよぎる。
俺は杞憂であることを祈りながら前に視線を固定する。すると拳が取り払われ、小犬との間の障害物が消える。俺はすぐさま安否を確認。
いた。無事だ。
どうやら杞憂だったようで、俺は胸を撫で下ろす。
だが、おそらく小犬の真下だったんだろう。そこに埋められてある水道管が破裂し、その水圧がまともに小犬を直撃した。
キャンッという痛々しい声と同時に小犬は横倒しにされる。
そこで俺は決定的なものを目にした。
こいつが纏っていたムラのある灰色。これはおそらく長期の野良生活で毛に染み付いた汚れだったんだろう。
雨程度では流されることなく、むしろ雨だと余計に汚れる場合もあるかもしれんが。
とにかく俺は見逃さなかった。
凄まじい水圧でそれが流された一部分。
そこに見えたこいつ本来の姿。
白馬にも勝らん純白に輝く毛並みが、俺に姿を見せた。
そして瞬時に。
俺は全てを理解した。
そうか。そういうことだったのか。
きっとこれが、俺に課せられたこの時間旅行での役割。
暴走車も、クッキーも、植木鉢ミサイルも、全ては俺がこの役目をやり遂げる為。
朝比奈さんにとっての鶴屋さんが居るように、きっとハルヒにとってあの少女は、いずれそういう存在になってくれるのかもしれない。
だから、仕方ねえ。
あいつにとって大事な、そのきっかけを作ってやる為に、俺は何があろうと必ずこいつをここから無事に連れ出してやるさ。
ハルヒ、俺の体を酷使させた借りは、いずれきっちり返してもらうぜ。
瓦礫の舞うグラウンドゼロで、犬っころは左後ろ足が体に吊り下げられた状態で必死にこちらへ進む。
そこでふと見上げた俺の視界に入ったのは、巨人が大きく拳を振りかぶる姿。その拳が向かう先は。
――まずい。
犬っころを止めないと、これはおそらく直撃。それはゲームオーバーにほかならない。
「おい動くな! 止まってろ!」
俺は叫ぶが、やはり効果はなく小犬は直進を続ける。
くそっ、どうすりゃいい。もう時間がない。
だがここでさじを投げるわけにはいかん。
こいつを無事にあの少女のもとへ送り届ける為。
そして、その少女がいずれあいつの大事な存在になる為に。
何しろ俺自身、この犬っころには情が移っちまったしな。
灰色の空に映える青い拳が照準を合わせる。位置エネルギーが運動エネルギーへと変わる瞬間。
俺は、声の限りを尽くして叫ぶ。
「ルソー! 『待て』!」
止まった。ピタッと。
その刹那、ルソーの手前に拳が現れる。
セーフだ。そして青い拳のUターンと同時に、俺はルソーのもとへ駆け寄る。
「えらいぞ。よく頑張った」
抱きかかえて頭を撫でてやる。
よくぞ止まってくれたもんだ。初めて呼ばれたであろう自分の名前を、こいつは瞬時に理解したのだろうか。たいしたもんだ。いっそハチ公って名前にするか?
だがその改名案を通すのは未来を変えるに同意義かもしれないので、それは自分の胸に仕舞っておくことを決め、早々にこの場から離れることにした。
もう一体の巨人をやっとこさ始末し終えたのか、やがて幾つかの赤い玉がこちらの方の巨人へと標的を変えた。古泉もこの中に紛れているんだろうか。
青い光に赤い光が重なり、それが紫に見えたりするヴィヴィッドな光景は、教会のステンドグラスを連想させる。
その幻想的な色合いを、俺とルソーはじっと眺めていた。
とうとう巨人は体の大部分を失い、それこそ本物のグラウンド・ゼロのあの高層ビルのように崩れ落ちていく。
灰色の空に亀裂が走り、古泉いわくのちょっとしたスペクタクルな光景、久々のそれに俺は目を奪われる。
日光を浴び、人々の気配を取り戻して、俺は無事戻ってこれたことを実感した。
ようやく肩の荷が降りた気がして、ふう、と溜息をつく。
長門のマンションへ帰ると、俺たちを待っていてくれたのか長門と朝比奈さんがエントランスの外で立っていた。
「ふえっ。キョンくん……よかった、ほんとに無事でよかったぁ。えぐっ」
いきなり朝比奈さんに泣きつかれた。
あんまり俺にくっつくと汚れますよ。外面的な意味で。
「キョンくん、ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。あたしのしたことが、キョンくんをこんなに大変な目に遭わせて……」
いえいえ、きっと必要なことだったってのを今さっき知りましたから。それに、どんなに大層な厄介事だって、あなたの涙をもってすれば諭吉でお釣りが返ってくるという信じ難い事態になりますので、結局はプラスです。
「長門、ありがとな。お前がいなけりゃ、またどうにもならないところだったよ」
俺と朝比奈さんのやり取りを微動だにせず見つめていた長門に、俺はお礼の言葉を述べる。
「いい」
口以外の部分を全く動かすことなく、長門はそう返してきた。
「長門、これが最後の頼みだ。こいつの足を治してやって欲しい。それと、ちょっと風呂を貸してくれないか?」
ずいぶんと汚れたしな。俺もこいつも。
「朝比奈さん。あとでびっくりするものを見せてあげますよ」
俺は、小犬の足を痛々しそうに見ている朝比奈さんに前振りをしておくことを忘れない。
「え? び、びっくりするものですか? なんだろう……」
朝比奈さんが首を傾げているうちにドクター長門の秒間オペが終了したようで、俺は小犬を連れて風呂でお互いの汚れをさっぱり落としてやった。
犬っころの汚れはなかなかしぶとく、石鹸でゴシゴシ洗ってようやく落ちた感じだ。最後にドライヤーで緩く乾かしてやると、みるみるうちにふわふわの毛並みが現れた。
それを朝比奈さんに見せて差し上げると、
「ええっ! これって……もしかしてこの子って、そういうことだったんですかぁ……」
期待通りの反応に俺は満足しつつ、
「ええ、びっくりしたでしょう?」
俺はどっちかというと、びっくりしたというより妙に納得しちまったって感じだったけどな。
「そういうわけで、今から俺は最後の仕上げに行ってこようと思います。それまでもう少し待っててもらっていいですか?」
「わかりました。キョンくん、頑張って!」
両拳を胸のあたりで、ぐっ、とやる朝比奈さんという、俺の脳内高性能パノラマカメラがシャッターを切らずにはいられない光景を見届けて、俺は長門の部屋を出る。
中学って授業終わるの何時くらいだっけかと記憶の引き出しを開け閉めしつつ、俺はあの公園へと向かった。
どうやら時間的に早かったようで、少しばかり待つ羽目になった。
まあ犬っころという遊び道具を引き連れて来たということもあり、まず退屈はせずに済みそうなのでさほど気にはしない。適当にこいつと戯れながら待つとしよう。
将来を見越して火の輪くぐりでも仕込んでおいて損はないだろうが、俺の肩書きに前科が付くのは今のところ御免被りたいので、至極健全なお遊びで時間を潰すことにした。
そうして俺が小犬と遊んでやっているのか逆に遊んでもらっているのか、小犬にしてみればどっちでも良さそうな状態がしばらく続き、
「あ、よかった。居たんだ」
制服姿の少女がこちらへ走り寄ってきた。
「授業お疲れさま。ちゃんと勉強してきたか?」
「うーん、そこそこかな。それにしても良かった。この子の怪我、治してくれたんだね」
少女は俺に抱かれている小犬の頭を、よしよし、と撫でる。
「ああ。それにずいぶん見てくれ変わっただろ、こいつ」
「うん、綺麗になった。やっぱりわたしが言ったとおり、雑種っぽくないね」
実際、雑種ではないからな。えーと、なんつったっけ。ホワイト何とか……確かそういう感じの種類だったな。
「なあ、ちょっと頼みがあるんだ。聞いてくれるか?」
少女は犬っころの頭を撫でながら、「なに?」と顔をこちらへ向ける。
「俺さ、ちょっと当分遠くへ行かなくちゃならないんだ」
俺がそう言うと、少女は目を俯かせ、
「え……そう。そうなんだ……。お引越し?」
「まあ、そんなところだ。そこで、こいつのことなんだが、キミが飼ってやってくれないかと思ってな」
すると今度は少女は目を丸くして、
「え? わたしが?」
「ああ。俺が飼ってやろうかとも思ったんだが、引越し先がペット禁止でな。それに、あれだ、キミの両親もこいつに心和まされて、離婚なんてやめようと思うかもしれないだろ?」
それに、うちにはシャミセンがいるしな。妙な響きになるが、犬と猫は犬猿の仲だ。
少女は少し考えるような仕草を見せ、
「……うん、わかった。わたしもこの子と一緒に暮らせるなんて嬉しいし。飼えるよう頼んでみるね!」
明るい笑顔で、少女はそう答えてくれた。
「ありがとう。それと、実はもう名前も考えてある」
「名前かぁ。いいなあ。ね、どんなの?」
目を輝かせながら、俺の顔を覗き込んで訊いてくる。
「ルソー、ってのはどうだ? 賢そうだろう?」
俺がその名前を口にすると、少女はその名前を何度か小さく呟き、
「ルソー。ルソー、か。うん、いい。すごくいい名前!」
気に入ってくれたようで、よもやハチ公にならずに済んだことに俺は安堵の息を漏らす。
こうして、俺に課せられたこの時間旅行での最後の役割も無事終了し、少女はルソーを連れて帰宅することになった。
少女は俺に手を振りながら公園を後にし、俺もそれに答えて手を振ってやった。全てが終わったことを実感する。
がんばれよ。キミもルソーも。幸福な家庭を取り戻す鍵は、きっとキミたちにある。
キミたちが頑張れば、両親が離婚なんて絶対にない。
それは何年後かの俺が保障してやる。
嘘じゃない。
なぜかって、そんなの言うまでもないだろ?
なんせ俺はすでに知ってるからな。
少なくとも十六を過ぎるまでは、キミの苗字は変わらず「阪中」だってことをさ。
四日間のうち丸三日を動物愛護に費やしたという、どこぞのボランティア団体のような出張を終え、俺と朝比奈さんはもとの時間軸へと帰還した。
俺はなんだか妙にシャミセンが恋しくなり、その日は帰宅してからずっとシャミセンを玩具にしていた。当の本人はちょっと迷惑そうだったが。
うむ、たまには生魚でも食わせてやるか。
そして翌日。
授業の合間に挟まれている短い休憩時間だ。
俺は自分の席を立ち、お馴染みの面子が揃う方へ向かうと、
「俺よお、今度の連休、東京に遊びに行くことになったんだぜ」
田舎もん丸出しのアホ面が、ひとはた上げてくるべと言わんばかりにぼやきだした。
「へえー、東京かあ。でもさ、東京って普通に遊ぶには良さそうだけど、観光って感じじゃないよね。まあ、僕はまだ行ったことないんだけどさ」
「俺も行ったことはないが、国木田に同意だな。イメージ的にはそんな感じがする」
俺と国木田の軽いジャブを受けて、谷口はより声を上げ、
「ばっかお前ら、東京だぜ東京! そんなもん渋谷でナンパに決まってんじゃねえか! きっと大漁だぜ大漁」
こいつにしてみれば東京が何らかの攻撃を受けたとしても、日本の機能の停止とかじゃなく、そっちの方を心配するんだろうな。
「谷口、渋谷に行ったら、あの駅前の銅像が違う犬になってないか確かめてきてくれ」
「……は? 何言ってんだお前」
「どうしたの、キョン?」
いや、そんな二人して今にもカウンセリングを勧めてきそうな目で見なくてもだな。
「……いや、なんでもない。単なる思い違いだ」
あの小さな犬っころが拡大されて石の塊になっている絵が脳裏に浮かんだ。
そこで俺は、無意識に窓際後方の席へと視線を移していた。
俺の目に入ったのは、
「…………のね」
「そう、よかったじゃない。じゃあ今週末、みんなでJ・Jに会いに行くわ」
「うん、待ってるから。きっとルソーも喜ぶと思うのね」
傍目から見れば、なんてことのないクラスメイトの日常会話。
だがそれを織り成すのは、
「キョン! 今度の土曜日、SOS団課外活動があるから絶対に空けとくこと、いいわね! J・Jの様子を窺いに阪中宅へゴーよ!」
孤独な中学時代を過ごした一人の少女。
それと、いずれその親友になるであろう一人の少女。
「やれやれ。もともと俺の予定なんざ関係ないんだろうが、どうせ」
そしてそれを紡ぐのは。
二人の人間を支えるにはあまりにもか弱い、一つの小さな命なのさ。
――――ワンハングドグラウンドゼロ
以上です。
なつかしいのキター
一眠りして起きてから読む!乙!
前々スレぐらいで少女オンザグラウンドゼロマダーとか言ってたら本当にキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!
まさかあの人で来るとはw
乙でした!!
支援してくださった方、ありがとうございました。
そして執筆に快く同意をくださった少年オンザグラウンドゼロの作者様に、厚くお礼申し上げます。
>13
落ち着きの無い子が沢山、でも思いっきり長いから…
唐突な序盤とその先の濃い展開がよく理解できなくて、頭の悪さを再確認
半神視点は適度にくどくてツボ、最初の方は文句なしに面白かったですよ
おつかれさまでした
>55
すばらしい風呂敷きの畳み方だと、感心しました
さすがの上手さな上、好みでもあります 良いものをありがとう
>>55 GJです!
めがっさか! めがっさなのか!?
とwktkしていたら、良い意味で裏切られたっさ!
おもしろい!
「言葉の使い方が上手い」とでも言うのか、同じ書き手として非常に参考になる。
真夜中にイイモノ読ませていただきました。
ただ文中でキョンも少し言ってたけれど、いくら未来からの指示とはいえ、子犬を危険な目にあわせたり、ハルヒに植木鉢を落とすみくるに少し腹が立った。
いや、仕方ないって事はわかってるんだけど、やっぱり生き物が傷つくってのは抵抗があるんだよ……
まさかこんな深夜に超長編と長編を読むことになるとは思わなかったんだぜ。
ともあれGJ
64 :
クレイバンの人:2007/02/27(火) 05:44:39 ID:EPe05ST1
久しぶりに短編投下します。最近長いの&続編書けなくてすみません。
誤爆です忘れてください。
古泉一樹のある種の罠:
話は面白いのに書き手の語りが正直うざすぎる。
そりゃ書きたくて書くんだろうけど。
長すぎて途中で読むの諦めてしまった
>>前スレ101
最後まで読んだが、はじめのうちはハルヒSSにボクセカ語り手の作品かと思ってた
ただでさえ長いストーリーにこのペダンティックで過剰説明な語りというのはやりすぎなんじゃないかと
ストーリーについては、九章〜十一章の展開は世界観に合わない印象を受けたけど、前半は違和感無し。
これだけの長さの物をオチまで考えきるその努力はすさまじいものだったと思う。ひたすら乙
しかし、エピローグまで行ってやっと終わるかと思ったらまだ普通の長編並にあるというのは恐ろしいね
>>29 阪中がマキバオーになる○年○ヶ月前のことだった……読みやすくてよく練られた作品GJ
長門と同衾するキョン萌え
>>50の「純白に輝く毛並み」を見るまで落ちが読めなかった俺はこのスレ最低レベルの読解力なのだろう
しかしもしかして最短で容量オーバーじゃね?
>>55 「少年オンザ〜」とは別の人なのか。そこに一番驚いたかもw
阪中&ルソーは直前まで分からなかったなぁ。一番最初は当て推量で森さんかそのへんかと思ったんだけど。
面白かったし推敲丁寧だし長さも丁度いいしでよかったです。お疲れ!
>>10 何か異常に読みにくいんだが、地の文の語り部は一体誰なんだ?
場面ごとに語り部の視点が説明抜きで変わってるように見えるんだが。
原作はキョンが語り部で統一されてるから良いんだけど、これは分からん。
読みにくい上に長いなあ
読むの大変だった…orz
ってか途中で挫折した
ハルヒのssで死とか酷いとか
かなりキツイのを探しています
どなたか一番キツイssって知りませんか?
>>28 >「少女オンザグラウンドゼロ」の完全版に当たる物です。
書くのは別にかまわないが、
二次著作物にも著作権はあるので、
「少女オンザグラウンドゼロ」の作者ではないのなら
その旨はちゃんと表明しなさいな。
一言で言えば作者に対して無礼。
違う違う。
少女オンザグラウンドゼロの作者さんが完全版としてちゃんと書いたのが、
ワンハングドグラウンドゼロってことだよ。
>79
別人じゃないか。
>>71も気づいているね。
>576 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/12/01(金) 22:54:37 ID:1FeNEGyB
> 少年オンザに感銘を受けて受信した電波、
> 「少女オンザグラウンドゼロ」をダイジェスト版でお送りします。
>28 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 03:08:57 ID:FPsz/NCb
>では投下します。
>
>「少女オンザグラウンドゼロ」の完全版に当たる物です。
>覚えている方がいればですが、ダイジェスト版とは多少の変更点がありますのでご了承ください。
ごめん。こんがらがってるね。
>78では、
「少女オンザグラウンドゼロ」の作者ではないのなら
その旨はちゃんと表明しなさいな。
ってなってたからさ。
少年〜とは違う人だってことを表明しろってことなのかな?
FA。
>>79みたいに混同する人がいるから、ちゃんと書かないと。
>>58だけじゃ、過去スレ見てない人や覚えてない人にはわからんでしょ。
>>84 ごめん、何を言いたいのかよく分からん。
> 「少女オンザグラウンドゼロ」の作者ではないのなら
って
>>78で言ってる所を見ると、少女オンザグラウンドゼロ(ダイジェスト版)と今回のワンハングドグラウンドゼロ
の作者が同一でないと思ってそこを明記するように言ってるんじゃなかったの?
よくわからんけど少女オンザグラウンドゼロダイジェスト版書いた人と
ワンハングドグラウンドゼロ書いた人は同じなんでしょ?
>>84 とりあえず、俺は混同してないから大丈夫だよ。
ID:YJFoL4nu自重しろ
混乱させたようで申し訳ありません。
34-576「少女オンザグラウンドゼロ」ダイジェスト版
は、自分が書いた物で、少年オンザグラウンドゼロの作者様とは別人です。
少年オンザグラウンドゼロの作者様からコメントを頂きまして、これを書こうと思い立ちました。
混乱してないよ
一人だけだよ
「古泉〜」は前半から中盤の、デートから入れ替わったハルヒだけやってれば「癖のある三人称のお話」というだけで評価されたかもな
それが中盤から後半にかけて超展開で萎えまくり。オリキャラが出た時点でもう駄目だと思った
クセのある三人称っていうと、ボクセカも「三人称の話を見てる人の一人称」って感じだけど、あっちはわりとアッサリ気味に感じる。
難しいなぁ。
>古泉〜罠
そういえば、12月頭にプロローグを見た覚えがあるので3ヶ月に及ぶ構想、執筆なんやね。
それだけで凄いと思ってしまう、単純な俺。
長編書いてる人には普通かも知んないですが。
>>77 もうちょっと明確に言ってほしいけどそういうのはVIPのほうが見つけやすそう。
あっこは結構あっさりキョンとかハルヒ死ぬからな。
>>77 VIPのまとめサイトへ行って
短編→いじめ
あれらをSSと呼んで言いかはちょっと疑問だが
>古泉〜罠 は流石に長すぎる。文庫本二冊分はありそうな分量を一気にはとても読めん。
単品としちゃ間違いなく最長だろうなw
>>77 VIPの「Short Summer Vacation」はキョンが死んじゃう話。
ひどい話ではないが面白いと思う。
そういえばエロパロって年齢規制してるわりには死ぬ話とかは少ないね。
やっぱり人が死んで悲しい話というのは卑怯ですかね。
>>98 別に卑怯じゃないがもう一工夫欲しい。
人が死んで悲しい、だけで終わらずに何か読後に残るようなものもが有ればいい。
「あたしはね!最後に死んで終わりとかそういう話が大っ嫌いなのよ!」
>>100 キョンが死んで、残ってた古泉とくっつきました。
子供と孫に囲まれて幸せに暮らしているように見えました。
死ぬ間際「実はずっとキョンだけが好きだったの、待たせたわねキョン!」
読み終えてから読んだことを後悔した作品。
>>102 そりゃあお気の毒に。
死にネタは難しいな。
人が死ぬ様な事はハルヒが望まないからねぇ…ハルヒの力が消えた後なら死ぬ展開も無理が無いかも。
「死と感動は本来別物だ。混同するな。」的な事を谷川氏も作中でキャラに語らせてるしな。
>>96 文庫本二冊はさすがにない。
薄い文庫本で一冊ってところ。
モチーフが死だけどワン・センテニアル・ユキとか何か惹かれたなぁ。
普段はまさに谷川作品全般でそう語られてるがために死&病気ネタは読みも書きもだめだな……。
そのせいかkanonとか没入できないっつー弊害がw
綱渡り的ストーリーなハルヒシリーズで、シリアスで重大なテーマを扱うと、日常への回帰が難しく、そこでストーリーが終わってしまうからな。
起こさなきゃならない必然性もないし。
二次創作の範囲内でSS書きたいからなあ。
おかしいな…朝の妹とキョンのくだりがどっかで見たことあるんだが…
110 :
106:2007/02/27(火) 17:28:20 ID:h/hJJ/NX
ごめん計算ミス。
厚い文庫本一冊分ってところだと思う。
>>77 おまえとオレは全く逆の人間だ。
鬱や死にネタは嫌いだ。
逆に感動ものは何回読んでも飽きない。
なんか・・・スマンな、自分の意見ばっかり主張して。
基本ハッピーエンド至上主義だがたまに無性に暗い話や切ない話が読みたくなる。
テキストビューワで比較してみた。
古泉〜を抽出してまとめてテキストビューワに入れてみると428ページ。
200数レス分のレス番名前ID分と雑レス分として8ページ引いて約420ページ。
改行の仕方で無駄に行数が増えてる気がしないでもないので更に20ページ引いて400ページ。
原作で一番長い陰謀を同じテキストビューワで見てみると、目次後書き含めて276ページ。
ちなみに憂鬱は192ページ、長いと評判の微笑が252ページだった。
>>110 あ、そうそう。実際に本にしてみたらわかるんじゃねぇか?
というか、これまでのいろいろな話から傑作を選んで
本にしてみたらかなり売れるんじゃないか?
「涼宮ハルヒ エロパロ板作品 傑作集」みたいな感じでさ。
もちろん谷川氏やここの管理人にも利益がいくようにしてさ。
厚めの文庫本作れるな。
改めてお疲れ様。
>>113 てことは原作のページ数だと600くらい?
二冊分だなw
訴えられたら、間違いなく勝てないよね…
>>98 読んでみた。面白かったが、長門の一人称と、
「もともと望んで入った団じゃないんだし、いまさらやめたって未練は無いと思うが」
の文だけが気になったな。
>>114 金銭関連、権利関連で非常に面倒なことになる。
えー、JASRACのほうから来た者ですが……。
>>114 利益出さないようにすればおkだろ
文芸誌的扱いで無料配布とか。
そういえばながとスレで昔こんな流れが
キョンのキャラソンオリコン9位かよwwww
>>121 いや大雑把にだけど原作憂鬱300ページくらいだったからそのくらいかなーと。
>>122 それだとWEBでの無料公開とほぼ同じだが……。
しかしこれだけ長いのに読んだあと虚しくなるだけってのもすげえな……
書いた人にも読んだ人にも乙と言いたい
何時になるかは分からないけどSS投下してみたいんだが…
作文用紙5〜10枚程度
長編書くのはいいんだけど次スレの案内が張れなくなるまで
張りつける人が結構いるな。
コピペでいっぱいいっぱいなんだと思うがもうちょい余裕を持って
行動してくれ。
最近は携帯ブラウザでも次スレ検索できたりするし、どうしても軽く見ちゃうのはあるな……。
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 41章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172331574/348 > 一応説明しておくと、春休みの同窓会で旧交を温めて以来、廊下で時々ダベリング(※)会が
>開かれるのだ。
↓に訂正
一応説明しておくと、春休みにもちあがった同窓会の相談で旧交を温めて以来、廊下で時々ダ
ベリング(※)会が開かれるのだ。
拙文『古泉〜』はおよそ212,000字、約8,480行です。
ところで、原作者が心がけてそうな長門有希の性格付けについてはこの感想文が参考になると思った。
>低次の系は完全であることが可能だが出来ることが限られている。この低次の系を包括するより高次
>の系はこの低次の系で分からないことが分かるが、その系の高度さ故に不完全さを持つ。さらに「こ
>の高次の系」より高次の系は、「この高次の系」の不完全さを完全に出来るが、自身の不完全さがま
>た存在する・・・
>と、複雑・高度な系は不完全にならざるを得ない。永遠に出てくるマトリョーシカの様に、終わりは
>ない。
>人工知能が本当に進歩して、考える力を持つようになったら、それはたぶんあまり役に立たない。な
>ぜなら人間と同じで、気まぐれでミスを犯す存在だから。
なんつーか……反省がないなあ。
まあ反省しるとは言わないけどさ。
このスレはひどくVIPより「VIP」と言われてるVIP的だな
三人称の長編。しかも謎な展開設定は萎える
ギミックがオリジナルで原作メンバーに関係ないってのがどうもね。
ようするに偉そうで頭良さそうな割に面白くなかったでFA?
フラゲしてきたがザ・ス二ーカーはどこ探したらいいのかわかんねーな
文芸誌コーナーだったりアニメ誌だったり ゲーム誌コーナーだったり
下手すりゃBLの隣だったりするし
今日GETした本屋じゃ漫画誌コーナーだったぜ
>>136 個人的には、読んだら面白いのかも知れんけど最後まで読む気が起こらなかったでFA
俺が気になった点をいくつか。
批評はいらないと思う人はスルーで。
とりあえず、
1 ほとんど設定や用語がオリジナルすぎ
2 普段一人称で読んでるせいもあるけど、三人称にしては微妙な表現が多い
3 一部ただ詩をコピペしただけのような箇所
4 長々と書いておきながら登場人物の心情にはほとんどノータッチ
5 主人公が誰かはっきりするような書き分けがほとんどない
6 表情、態度、様子、伏線がせっかくの三人称という視点を使っているのに、
一人称視点とさほど変わらない。
その他もろもろ突っ込みたいとこ多すぎ。
気に入らなかったのなら黙ってスルーしてればいいのに、
なんでわざわざここに書いてスレの空気を乱したがるかな。
批評家ごっこがしたいだけなら他でやってくれ。
>>55 やられた、そうきたかw
電車で読んでて声出しそうになっちまったじゃねーか。
GJだ!
これから読もうとする人のための指標。
時間を無駄にしないために。
このくらいで空気云々言い出す香具師って、普段どんな平和な板で暮らしてるんだろう。
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
>140
果てしなく、いつ終わるとも知れない超長文SSを一気に投下すれば、
そりゃ文句のひとつも言いたくなるだろ。スレジャックじゃん。
マナー違反とは言わんが、それに限りなく近いんじゃないか?
当然ながら見る目も厳しくなって、辛口の評論だってでるさ。
一気に投下とか関係なくガチで作者のオナニーがひどいって思ってる
作者のオナニーが酷いからと言って、読み手がオナニーして良いって事にはならんと思うが。
やっぱり色んな意味でスルーできないやつが多いんだな
じゃあもうこの作品の事は忘れちゃえば良いんだろうな、きっと
とりあえず皆さんいっしょに
●<マッガーレ!
マッガーレ
ふんもっふ
バンドやろうぜ!
スクイズのサインだ!
自慢の彼女の話はけっこうです
しかし上下巻の間隔を3ヶ月空けるってのは、吸血鬼のときよりうまいやり方だな。
全部完成してるのに。
>>161 スクイズだろうが打たれてたまるか。こっちは世界の命運背負ってるんだ。
頼んだぜ長門、これが最後のインチキ魔球だ!
「ハルヒは今謎の男性ジョン=スミスと結婚し……"ハルヒ=スミス"に続く第三弾っ!
ハルヒ宇宙へ──────────ッ!!」
とりあえず皆さんいっしょに
●<マッガーレ!
とりあえず皆さんいっしょに
●<マッガーレ!
二十一世紀初頭のゴールデンウィーク明けを端として文芸部を三年間占拠し続けたSOS団
の活動内容が遂に謎のままだったことはいうまでもなく、涼宮ハルヒという半ば伝説と化した
問題児の手先という認識が定着したことにやれやれと肩をすくめる俺がいうのもなんだが、妙
にSFタッチの効いた記憶の何もかもが皆懐かしい。
まさしく広大な宇宙の片隅のそのまた端くれでひっそりと過ごすはずだった俺の未来を動か
したのがそれこそコペルニクスが二、三回その場でひっくり返りそうな非常識の体現者である
とのことだが、運命とやらが何か決定的な間違いを犯したとしか思えないようなオプションが
群れを成して一介の男子高校生を襲ったことに関して、何かしら因縁まがいな妄想が俺の良心
とまともな平衡感覚を蝕んでいるのはやむをえないことだ。カントやベーコンらのものの考え
を否定するほど俺も聞き分けの悪い人間ではないつもりではあるが、他でもない自分の眼前で
重力加速度と質量保存の法則をそれこそ気持ちよく切り刻むような光景が繰り広げられてから
のことだ、火元の見えない原子力潜水艦のクルーさながら脳内のコードはレッドに次いでレッ
ドを執拗に繰り返し、且つ部室で飲む甘いお茶の味を忘れない程度に冷静さを保っていた当時
の俺はわりと賢明な奴だったと今でこそ思う。
さて置き一見して奇妙なカルトムービーに見えなくもない高校生活に幕を閉じて以来、知り
合いの超能力者とはたまに顔を合わせるようになっていた。不本意もいいとこ、そもそも謎の
転校生の名を冠していたがためにあの日部室で鉢合わせたのが運の尽きだった気がしてならな
い以上に、かつての『機関』が解散して以降あいつが俺を招待したのは明らかな意図と若干の
微笑ましい事情によるものだった。
――正直に言おう。内心ぶったまげた。
世にも怪しい知人からの手紙が届いたのは、某日昼休みに次の連休を寝るか喰うかと思案し
ながら弁当をつついている最中だった。今日も母親が愛情こめて電子レンジで六十秒温めた唐
揚げを中国製の屈強なプラスチック製の箸で口に運んでいたときに尻ポケットが振動したのを
契機にどっかの暴走連合がトレンドな環状線の名前を挙げて、何やら面白いものを見せたいと
の趣旨で、見た感じ悪質なチェーンメールに見えなくもないテキストを送ってきやがった。日
付と場所はどちらにしてもそう遠くはない。せいぜい夕飯のカレーの材料を買いに行かされる
要領でK3の相手だってしてやろう。
インター横で待つこと三十秒もしないうちにマフラー越しにでもエンジン音がよく通るかと
思えば、運転席にいたのは古泉だった。いかにも怪しいタイミングだ。おい頼むからさ、もう
ちょっとばかりアコースティックにいこうぜ? ついでに言うと毒々しいまでに赤系統でカラ
ーリングされたランサーは、それはそれは不謹慎な外観でありしかしながら、あのむず痒い微
笑みと変にウザい敬語は未だに健在だった。
「よっ」
ルーフ越しに運転席へ声を掛けると古泉がいかにも陳腐な挨拶を返してきた。
「お久しぶりです、といっても一ヶ月経ってないですが。涼宮さんは相変わらずのようですね」
「特に心配はしてない、だとよ」
いえいえ、と軽く会釈。助手席を指して、
「一応行っておいたとは思いますが見せるものといっても大したものではないです。どちらか
というと拍子抜けの類かと。さて、今なら引き返せますよ?」
とりあえずシートに腰掛けて無愛想にドアを閉めてやった。
早よ廻せ。
ハイの頂点で思いついた新手のジョークで滑ったあとに流れそうな、冷徹に見据える限りは
身も凍るというほどでもない寒気が吹きすさぶ路上で缶コーヒーを湯たんぽに持っていた俺が
先例のごとく古泉の戯言聞き流したのには、大した意味はない。
ふと見上げた空に雲ひとつないのも存分にありきたりといったシーンではあるが、特に魚眼
レンズを持ち合わせてなどいない俺にも解りきっているのもさながら、なにぶん雲ひとつしか
見当たらない光景には僅かばかりの感慨がある。実質はあのゴールデンウィーク明けからこっ
ち側、さながら常軌を逸した自分の立ち位置に納得するはずもなかったが、まあそんじょそこ
らに漂っている星間物質と比べられてもまだ無理がありそうな気配を察している以上、人間原
理に則って気楽にいきたいものだ。そうとも。涼宮ハルヒというあくまで触らぬ限りは祟りも
何も杞憂に終わってくれそうな問題児に余計な提言をした挙句、自他の認識外で見事というべ
きかそのシュワルツシルト半径内に腰を下ろしている俺!? てな具合で、一種のショック療
法に近い……いやいや、谷口曰く涼宮がうつるとは要するにこのことだったな。
『機関』の本部を目の当たりにしている今でこそ俺もいろいろ考えさせられる。
「あー……いいオフィスだな」
「恐れ入ります」
このざまでは指先でプルタブを起こすくらいでしか反抗もしようがない。
勘繰らずとも情けないといえば情けないが、グリーンマネーに怯える経営者じゃあるまいし
このまま思秋期に突っ込みかねない自分を制して、否、そこで押さえ込むと余計に考えが老け
そうな上に先行投資保護でどすを効かせるパドロンが潜んでいないかと不気味なスポットと化
した歩道でなくとも左右の気配に殺されそうだ。
見たのは、ところどころ錆付いたアルミ箱が数台、ナナハン辺りを筆頭に2サイクルが数十
台、古泉を頭打ちに趣味の悪いステッカーで覆われた2シートが十数台。あと残りはキャンピ
ングっぽいのが数えるほど、エトセトラ、エトセトラ……。
……おい。
古泉はというと全てを見透かしているのか手の込んだはったりなのか、実際半々ともいえる
空気を漂わせながら相変わらず無差別に微笑んでいる。
「……説明しろ」
「実を言うと朝比奈さんの同級生に少々の恩がありまして、当時に関しては概して資金面の心
配はなかった、のですが――いわば寄せ集めというよりは寄せ集まっていた。これが僕に出
来る最良の弁明です」
無論、テンキーが腹に張り付いているような腹筋に囲まれてビビってる俺じゃない。
ただ、それが巷で言う珍走団に見えなくもなかっただけの話だ。
「紹介します。僕の同志ですよ」
いっそトロポポーズにまで手が届きそうな秋空の下、ディーゼル音が背骨によく響く。
「なあ、古泉」
「なんでしょう?」
いや別にいいけどさ……。
……スローなブギはやめてくれ。
終わり?
俺の読解力が低いだけかもしれんが,あんまりよくわからかったのだが……。
機関の正体は珍走団だったって事でおk?
機関がわりとアウトローな侠気集団だったっつうシュールなオチじゃねーか。上手すぎる。
>>55 「…………のね」ワロタwww
俺も理解力なくてよくわからんのだが…
まあ、この42も続いてきたハルヒSSスレの歴史上、最悪の作品は
前スレからの埋めたて荒らし作品だったってことだけは確定してしまった。
>>172 他人様のパロディ作品についてこういう解説じみたこと書くのは気が引けるが、
「寄せ集め」っつうのは〈烏合の衆〉とか〈利害がらみの薄情な関係〉とか、
〈背に腹は代えられぬ〉ってイメージになる。〈金の切れ目が縁の切れ目〉ってね。
そこを古泉は「実を言うと」と打ち明ける。つまり、「寄せ集め」という受動的な関係じゃなくて、
「寄せ集まっていた」すなわち能動的な関係だったと言う。いわば武装戦線とか多胡西
応援団(懐)とか、そういう精神的漢どもの集まる熱い集団だったってオチ。
何だ、このスレ。
書き手のレベルを求める読み手のレベルがあまりに低すぎ。
批評にすらなってない感想や、読まないで『つまんなかった』って言って、更に蔑んで終わりか。
そういうことばかりなら作品読むなよ。
原作だけ読んでれば良いじゃないか。
エロパロにオリジナル設定は不可とか自分ルールを持ち出してる奴とかな。
自分に合わなかったら合わなかっただけでいいところをネチネチと何か言わないと気が済まないのかね。
最終的に荒らしとか言い出すし。
確かに全スレから続いてきたある種の罠は超・長編でどれだけの長さかも指定しないでスレ1個まるまるつぶしたが、
既に完成しているなら全部上げてって言っている奴が居たじゃないか。
それに否定する奴は見なかったが。
で、全部投下したら、長すぎる、オリ設定で萎えた、あまつさえ荒らしまでいうか。
どう考えても読むほうのレベルが低すぎる。
過疎っているスレじゃないから、どうしても良質なものを求めるようになるんだろうが、
出されたものはちゃんと食べる、残すとしても何も言わないくらいは出来ないのか。
というわけでスレを今まで見てきた中で思った愚痴を無駄に書いた。
思いっきりオナニー文章だから一度読んだらNGワードにでも登録してくれ。
もうこういうのは書かない。
ちなみにオレは書いているうちに自分の文章をどうしても許せなくなるから書きたいのに書けない人だ。
職人さんの投稿作品にはどんなものでも凄いと思うぜ。
文章にその人の書き方味が出ているからな。
そこは流せ。
ID変わってすぐにそんなこと言うと怪しく見える
>>177 書き込み内容について言いたい事は置いといてだな、NGワードにしてとかそういう事
言っとけば何書いてもいいという訳では無いんだぞ?
削除パス記載しとけば何書き込んでもいいみたいな奴と同じで。
まあ人間そんなもんです。俺もそう。
だからこそプーシキンの『あなたにとってわたしの名前が何だというのか』を3度ほど途中に挿入したっす。
あとは恥ずかしいのでネタバレはしないけどw
まあ読んでもいないのに書き手を荒らし扱いするのはどうかとオモタが。
明日はザスニ買いに行かにゃ。残ってればいいけど。
>182
いざとなりゃamazonだな。
書店でフラゲしたからこれからamazonをキャンセルするんで
amazonの在庫は一個増えるはず
>>177 落ちつけw
まあ確かに荒らし認定までしてる奴は言い過ぎだとは思うな。
>>179 ID変わったのは、これだけ書くのに時間が掛かったからだ。
ほんとはもっと前に投稿しようと思ってた。
>>180 NGワード云々は1度見ればもうこんな愚痴いらんだろうって意味で。
・・・正直こう言うのはエロパロスレにはいらんだろ・・・読み手の心得みたいなのは・・・
一番はオレが作品を投稿できればよかったんだがな・・・
オレはキャラのトレースが上手くないというか、自分が書いたものに納得出来ない性質なんで・・・
もし書けたらこんな愚痴書いたお詫びに投稿するよ |ノ
179の後にトリ付きで書き込むあたりすごく怪しくみえる
177が再降臨してくれれば話は別だが
よーし、じゃあパパ頑張って喜緑さんSS書いちゃうぞ〜
やっぱりこのスレ面白いわ
あの超長編をもう一度読み返す勇気は無いが
あれはあと2度3度目を通さないと
途中でおいてきぼりのままになっちまうのが何とも癪だ
たまには寝不足の頭でくだらないことを考えるのも悪くは無いさ
流れをぶつ切るように投下しますよ
192 :
エヌ氏の憂鬱:2007/02/28(水) 00:31:16 ID:JUYyNsf3
俺には、ある人物がある行動をとるたびに頭をもたげ、次の瞬間には忘れている、そんな他愛の無い疑問がある。
いや、本当につまんないものなんだ。俺以外の人間はそんな事、気にもしないだろう。きっと逐一そんなことが気になってしまう、俺の方がおかしいに違いない。
だが、この際俺がおかしいうんぬんは忘れてしまおう。気になるもんは気になるんだから仕方が無い。
俺は決心した。今日こそ本人に直接問いただすことを。
アイツが財布を取り出すたびに感じていた疑問、すなわち、長門の収入源はなんなんだ? ということを。
都合のいいことに本日は土曜日恒例不思議探索決行日で、なおかつ俺と長門がペアであることをくじは告げていた。
長門に質問をぶつける、またとない機会だ。
お約束のように図書館へと向かう道すがら、俺はいかにも、そんなに興味はないんだぜ、とでもいいたげな軽い調子を装いながら、長門に訊いてみた。
「なあ、長門。おまえってどうやって金を都合してんだ?」
と。
それに対する長門の返答は、シンプルかつ意外なものだった。
「バイト」
いやはや、驚いたね。まさか宇宙人である長門が地道な労働によって金銭を得ていようとは、まったくもって予想外だった。
言い方を変えれば、長門は親元を離れて自分で生活費を工面する苦学生なわけだな。偉いもんだ。
193 :
エヌ氏の憂鬱:2007/02/28(水) 00:32:09 ID:JUYyNsf3
だが、続けて仕事の内容をたずねた俺に、長門が語ってみせたその業務内容はかなり意味不明なものだった。
「ロボット工学者の友人宅で家事、および時折暴行をくわえている」
暴行!?
なんだそりゃ? なんでそれが仕事なんだ? それは犯罪と呼ばれる行為だろ。
「工学者に、そのように振舞うよう指示されている」
ますます訳がわからん。そのロボット工学者は友人に恨みでもあるのか?
と、ここまで考えて、俺はなにやら頭の中に引っかかりを覚えた。
ロボット工学者、その友人、暴れる家政婦、っていうかロボット……
なんか、どっかで聞いたことがあるような…
「相変わらず無駄の多いバイトをなさってるんですね。長門さんは」
俺が頭の中で必死にジグソーパズルを組み立てているとだ、いつの間に現れたのやら、俺達の正面には微笑みの上級生、喜緑江美里さんが音もなく立っていた。
「その点、わたしは一切無駄がなく、なおかつとてもエコロジカルなバイトをしていますから。
長門さんも仕事はちゃんと選ばないと」
「得手不得手。わたしにあなたと同じ仕事は無理」
「そう言う喜緑さんは、一体どんなバイトをしてるんですか?」
どことなく誇らしげな喜緑さんの態度に、これまた仕事内容が気になった俺は、こちらの方にも確認してみることにした。
さて、喜緑さんが語るところの『エコロジカルなバイト』とはこういうものらしい。
「簡単なものです。お客様の隣で相槌を打ちながら、お酒を飲んでいるだけの仕事です」
それ、ホステスって言うんじゃないですか? それのどこがエコロジーなんだ?
「なんとですね、わたしが飲んだお酒は100%還元が可能なので、いくらでも再利用ができるのです。
これこそ完全循環型商法、これ以上なく地球に優しいバイトではないでしょうか」
え、つまりそれってお客は金の出し損ってこと?
っていうか、これもどっかで聞いたことがあるような………って!
「それ! 最終的には客が全員死にますから! 今すぐそのバイトは辞めてください!」
「そんな……
最近では、わたし目当てにお店に通ってくれるファンの方も出来ましたのに…」
「そいつが犯人だっ!」
やっぱり万能宇宙人のバイトは地球人の常識からかけ離れてるな。
この分だと、朝倉あたりは、願いを叶えるかわりに、ライバルは2倍幸せになるっていう悪魔のバイトでもしてたんじゃないか?
元ネタがわからない俺は負け組。
以上です
校内放送5回目執筆中の息抜きに軽い気持ちで書いたもんなので、推敲が足りないかも
元ネタがわからない人は、星新一作品を何作か読んでもらえばわかると思います
星新一だっけ?
なんか見たことある
星新一の改変はVIPにあったな。
不評だったんでやめちゃったけど
ん?ショートショートかなんか?
199 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 00:39:44 ID:Lz2j/LwF
ぬう、元ネタ分からんw
200 :
175:2007/02/28(水) 00:42:20 ID:PEqA6DZP
新入生ネタ間に合わナカタorz
星新一はどこにしまったっけな
処分してないからどっかにあるが
探すのはまたの機会にしよう
>>197 不評っていうか一部のアンチが過剰に叩いてただけっぽいけどね
作者さんが繊細な人で、連載打ち切りになっちゃった
>181
自分で説明しちゃったら終わりだ。
アンタが語っちゃダメさ。作品に語らせなさいよ。
改変ネタってどこまで許容範囲なんだろう。
ちゃんと換骨奪胎出来ないとダメだし、意外と難しいような気がする。
>>195 星新一は小ネタの宝庫のような気がするな、確かに。
>>109 お前もか?
俺も見た覚えがある
妹の「あやかりたい」で確信した
>>195 元ネタ知らないけどおもろいっす。続きを……
>>204 ネタ元ないし関連付けたもんについてだけってことで。本当は参考文献で最後に挙げる方が礼儀かもしらん。
ボードレーヌ
『パリの憂鬱』 「窓」 「鏡」
ショスタコービチ
『ブロークの詩による七つのロマンス』
『プーシキンの詩による4つのモノローグ』
いわゆる『死者の歌』 第10楽章「詩人の死」 ←→ メシアン 『彼方の閃光』 第十曲「神の道」(不可視の世界への道)
ハムレット 「 ソネット66 」 ※「56」じゃねーけど
わーしゅごいでしゅねー
>208
だからアンタが語っちゃダメって言ってるだろ。
アンタが自分でネタ解説しなきゃ伝わらないようなものなら最初から書くべきじゃない。
作品をして語らしめよ
さもなくば口を噤め
いたたたたた
そうかな?
俺は長門の100冊的な原典開示は好きだけど。
今回の場合がどうかは置いておいてw
>>208 作者としての矜持があるなら作品で語りなさいって、だから
>>208 「自分でネタ元解説するほど虚しく愚かしく惨めなことはない」
お前さ、もういいから自サイト作ってそこで盛大にオナニーしてな。
べつにけなしてる訳じゃない。そこで凄まじいオナニーすれば
感心したり感動したりする香具師もなかには居るだろう。
でもここでオナニーされても臭いだけなんだ。ゲロ以下の匂いを
撒き散らされても、その、何だ。困る。
プロの作品ならそうかもしれんがここは「書き手」の板なんだ。
小説を書くもの同士の話であればネタ元開示は有り、俺はむしろ歓迎する。
人の書いたものを読んで文句をつけるのではなく、俺ならこう書くってのを見せてくれ。
>>208 もう一言も発することなく名無しに戻った方が良さそうだよ。
ここは特に作者が語ることを良しとしないような空気だし。
個人的に作品は面白かったし良かった。
>>215 そりゃ違う。ここは書き手と読み手の板だ。
書き手にはプロ意識を求めるけど
読み手が罵り混じりなレスをするのは2ちゃんだから当然ってか
随分だなぁ
両者が対等で存在してる場でそういった話をするのが相応しいとは思えんな。
それこそ個人サイトか書き手が集まって交流する場でやった方が。
自分語りもネタ解説もうざい。
SS内で語り切れないならそんなネタ盛り込むべきじゃないだろ。
野暮のきわみだよ。
それこそ自サイトでやってくれ。
金輪際見に行ったりしないから。
>>218 随分だろ?
でも、それが2chなんだよね
お前はここが聖人君子の集まる場だとでも思ってるのかい?
>>218 2ちゃんだからとかいうことではなく、生産者と消費者というものはそういうものだから。
罵りだろうが何だろうが、思ったことを吐き出すのが消費者の本分。
罵りばかりの状況がイヤだというのなら、あなただけは書き手に対して優しい言葉を発し続けなさい。
プロ意識ってかねえ。
読み手にも好みってもんがあるし、それに合わなけりゃボロカスに言われる事ぐらい覚悟してないと投下なんて
出来んわな、と思う書き手の端くれ。
少なくとも人に見せるためにわざわざ公表してるんだし、そうでなきゃチラシの裏にでも書いときゃいいんだから。
行過ぎた批判と言うより難癖みたいのは普通にスレ内でも嫌われるし。
じいちゃんによると「キリストさまでもそれは無理」だってよ>作品だけに語らせること
ましてや俺なんて無理無理。
あと誰も指摘してくれないので自分でw
>>208 ○ボードレール
×ボードレーヌ
○シェイクスピア
×ハムレット
>>225 この空気で書き込まないほうがいい
一旦熱が冷めるまで消えた方がいいぞ
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
>>225 ああ、喋るときはトリップ付けるの忘れないでくれ
それさえ守ってくれればお前が何をしようが俺は何を言わないから、な
いやまあそうならそうで
是非元ネタ晒しな書き手さんにもオナニーショーを続けて頂きたいな
2ちゃんだし
>>225 お前が黙ってれば「作品だけに語らせた」ことになんの。
蛇足を百万本描くのは止めて、作品だけ投下してろっての。
あ〜…やっと追いついた…「古泉〜罠」読み終えるのに合計7時間かかった…読んでは少し戻り…が何度もあったし。前半は良かったんだけどな。
一晩で読み切れないSS初めてだよ。流石に2回目は読めないな。
感想は概ね
>>139に同意かな。読みにくかった。
3人称ならキョン視点みたいにくどくど書き綴らない方が良かったかも。それとやたら多く書き手のツッコミがあって結局1人称的な文章に思えた。
それと詩の引用の意図がよく分からんかった。読まなくても読み進められたしな。
叩きでスマン。でも愚痴の一つや二つ言いたくなるよ。
でもこれだけの量を書いたってのはスゴイよ。お疲れ様でした。
なんか新ルールができそうな勢いで叩かれてんなw
書き手はSSだけ投下して、あとは口を噤め、と。
225
おじいちゃんがそれなら
オマエがそんな感じなのも納得だ!
てか若そうだね君
まあ正直書き手が作品外で必要以上に語っても誰も得しないだろうしなあ。
あと
>>55さんGJです!
犬、時間遡行、そして題名で割と初期の段階から少女が阪中と認識した俺がいた。
…ちょっと嬉しかった。
ここはひとつ発想を変えて、
「不必要な語りまで含めてコイツの作品世界」ってことにすればそれなりに楽しめ・・・
るわけねぇか
>>228 そりゃあ私だって健康な読み手だから感想を持て余したりするわよ…
でもね! 最後まで読んだけどアレは駄作よ! 駄文で高尚な文章を引用すれば
自分の文章まで立派になるかと勘違いしてアララやっちゃった〜って感じなのよ!
だけど、ちょっとだけ…ちょっとだけ誉めてあげるわ。頑張ってるのがわかるし、
私には分かってるもの! アノ作品のすごいところが…内容はアレだけど…
長さとか長さとか、あと長さとか……。お疲れ様、がんばったね。
◆30tHANivrcさん、GJです! ><b
>>238 上手いなw
言い忘れてたけど
>>55GJ!
そういうネタは好きだな。ありがd。
なんか既視感あるなと思ったら
あれだ。庵野とか江川達也が余計なこと言って
2ちゃんでタコ殴りにされてる流れに似てるわw
その流れからすりゃ
持て余した感想を一時の気の迷いで書き込むほどバカじゃない
とスルーできた方が自然だなw
('A`)・・・
普通これだけ叩かれたら懲りるんだがなぁ・・・
こういう神経の図太いヤツってVIPの作者にもいるよなぁ
誰とはいわないけど。
>>55 遅まきながらGJ、良い話だった。
昔の彼女が普通に話してるのがちょっと気になったかな。
予告時の鶴屋さんとのミスリードにしたかったのかもしれないけど、あまりに口調が普通だったんで
逆に彼女の妙な口調の原因がキョンにあるのかなとちょっと期待してしまってた。
でもキョンがキョンらしく頑張ってる暖かい話で面白かった。また期待してるよ。
一ついえるのは、
>>167-169におけるキョン語りの気合入れっぷりはおそらく過去最高。もっと評価されていい。
ついでに新刊は『学校を出よう!』の香り漂う進行で、これまた哲学語りが過去最高(俺評価)
マイケル・デントンまで読んでる可能性がある。彼はまさに天才。 あと蒼。
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
うふ〜ん
このスレの民度が限りなく低いということだけはよく分かった。
コピペの後に即スレ批判て前にもあった展開だな。
自演か?
コピペの後に即スレ批判て前にもあった展開だな。
自演か?
とある日のふれあいペット館
その入り口の近くに犯され寝転がっていたみくるの姿があった。
「―――やっほー、みくる〜。元気してた〜?」
声が聞こえた…、ここにいるはずのない…
こんな所にいてはいけないはずの友人の声が、
「…鶴屋…さん?」
ゆっくりと目を開けると、そこには嘗ての友人…
鶴屋さんの姿があった。
「どうして…ここに?」
ここに来て、幾日か経つ…
その間に来た女の子は全てここに放り出され、客と名乗る男達に貪られていた。
入荷時は皆、涙を流し、叫び、助けを求めていた…
だが目の前の少女、鶴屋さんは何かが違った。
学校で会うときと同じ、あっけらかんとした笑顔でみくるの前に立っていた。
…助けに来てくれたんだ。
そんな希望がみくるの頭を過ぎる。
「いやー、聞いてはいたけど…凄い事になってるねぇ〜、みくる。」
「鶴屋さ…」
「ま、ここの様子を新入りにちゃんと教えてあげなよ。みくる。」
途端、彼女の背後から喚き声が聞こえた。
「や〜、はなして〜」
「にょろ〜ん」「にょろ〜ん」
その後ろから現れたもの…
鶴屋さんをディフォルメ化した様な謎の生き物に引きずられた幼い少女にミクルは見覚えがあった。
「キョン君の…妹さん?」
キョンの妹は謎の生き物(名札に『ちゅるや2号』『ちゅるや3号』とかかれている。)
によってペット館の中に放り出されると、みくるに気がついたのか、彼女の傍まで寄って泣き叫ぶ。
「ふぇええん…みくるおね〜ちゃぁん。」
「どうして…どういうことですか?鶴屋さん!?」
「あ〜、ゴメンゴメン、こっからは家畜の言葉は聞こえないフリしなきゃいけないんだわ。」
と、鶴屋はいつもどおりの笑顔で言った。
「つ…鶴屋さん?」
「さぁって!開園だよ!お客さん!!」
パンパンと手を叩くと、その合図を待っていたのか入り口から大きなお友達が
わらわらとやってくる。
「おお、新しい動物がいるねぇ!」
「どれどれ、可愛がってあげようか?」
キョン妹を発見したお友達は早速彼女に近づく。
みくるも勇気を振り絞り守ろうとしたが、お友達は母から子を奪いとるが如く、二人を引き離した。
すまん、読んでみてスゲー駄文なんだが、その内続きは出そうと思う。
っていうか、妹さんがみくるの事なんていってるかうろ覚え…
>>207 >>206 どこだっけ?結構ここ最近のスレのはずなんだけど、どこだったかなぁ…
って書こうと思ったら谷口の「おめーはタイコか」って脳内再生されたw
「おっと、みくるちゃんは僕達が遊んであげるね。」
「いや…やめてください!」
みくるはそれまで何とか身体を覆っていたバニースーツを無理やりに引き剥がされ、
何人かの大きなお友達がか細いその両腕両足にガッチリと掴みかかる。
大の字にされたみくるの股の下にお友達の一人がハァハァと息を荒げながら顔を近づけた。
「ひぁっ…!」
ベロン…と気味の悪い感触が股間の辺りを刺激する。
「や…やだ!助けて…鶴屋さん!鶴屋さあああん!!」
みくるは唯一自由な首を振りながら目の前の友人に助けを求める。
しかし、その友は笑顔のまま「さあって、みんな〜、掃除頑張ろー!」と、
小さい不思議生命体に指示を出していた。
「おおっと、今日は元気だねみくるちゃん。」
と、腕を抑えているお友達の一人が声をかける。
「ほんと、昨日までは殆どなすがままだったのに。新しい飼育員さんが来て興奮してるのかな?レロン…」
「いや!いやぁあ!!」
綺麗な肌色の太腿を嘗め回しながら、足を押さえているお友達が言った。
それは間違いではない、なまじ希望がある分…昨日よりも今の状況の方がみくるの精神に来ていた。
それも、予期せぬ裏切りという形で…、だが希望に縋りたいがために彼女の思考は友人の裏切りを信じたくはなかった。
感情の板ばさみとなり、彼女の心は砕ける寸前だった。
「鶴屋さ…鶴…むぐっ…!?」
途端、別のお友達が己の臭い唇で彼女の唇を塞いだ。
「さて、そろそろ入れるか…」
(や…やめてぇ…!)
唇を塞がれ、口内に気持ちの悪い感触が蠢くのを感じる。
そんな中、更なる痛みが彼女を襲おうとしていた。
「んぐっ!んん!!んんんーーーーー!!!」
膣の中に入る男根、何日も犯されて慣れ始めたはずだったが、
心の準備をする暇のなかったみくるにとっては初めて以来の激痛が伴う。
「おっ!すげっ!締めてくるなー」
大きなお友達はそんなことを気にするまもなく腰を揺らし始める。
その動きとともに付属品であるウサミミがゆれる。それだけでなくお友達が注目したのはみくるの乳だった。
ブルンブルンと、重力に揺らされる乳…お友達はさも当然の如くその巨乳に群がっていった。
「はうっ・・・」
唇を解放されたみくるは思わず声を上げた。
「この柔らかさは最高だなぁ。」
「先っちょ、コリコリ堅くして…感じてるんだねみくるちゃん」
好き勝手に揉み始めるお友達のみなさん…中には吸い出すものまで出てきた。
「ジュルジュル…おいしいなぁ、みくるちゃんのおっぱい」
「おい俺にも代われよ。」
「やめてぇ…吸わないでぇ…」
そして、次の瞬間には「みくるのおっぱい試食会が始まっていた。
(鶴屋さん…助けて…鶴屋さぁん…)
必死に目の前でせっせとちりとりにゴミを集めている鶴屋に目で訴えるが…
そんな様子すらお友達には可愛く見えた。
「さあてと、それじゃ…みんな次行くよ!」「おー。」
と、彼女は腰を上げて出口へと向かった…
(やだ…鶴屋さ……助け…いやぁ…)
痛みと悲しみで頭の中に靄がかかってくる…
そうしている間に、鶴屋の姿は館の中から消えていった。
>>119 そうか、アニメしか見てなかったからな…
ちゃんと調べて書くんだった。
っていうか、牧場関係なくただの輪姦になってる気もする…。
「妹ちゃん妹ちゃん!スモークチーズはいるかい?」
「うん!」
昨日、不思議な生命体ちゅるやさんに出会い、頂いたスモークチーズ…
それを食べた途端、眠くなり…気がつけば何処だか知らない場所につれてこられていた。
目が覚めて、私は手を縄で縛られて椅子に座らされていた。
目の前には男の人と、ティラノサウルスのロボットがいて、何か話してる…
「それじゃあ、その子は『ふれあいペット館』でいいんじゃないですか?」
そういう風に、炒飯の旗だけ残そうと努力しているオーナーって人が言った。
同時に、ちゅるやさんとそれを束ねているらしい鶴屋さんが入ってきて…
私は…もう二度と帰れないような気がした。
そして今…
「やーだ!離してぇ!」
必死に身体を動かして抵抗するが、大人たちの力の前に
キョン妹はなす術がなかった。
その身体を床に押し付け、大きなお友達は笑っていた。
「やっぱ、ここは幼女だよな。」
「ああ…この初々しさがたまんねえ。」
そういいながら、お友達の一人がはキョン妹のスカートの中に両腕を忍ばせていく。
「!や…何?やだ!!キョン君!助けてぇ!!」
何をされるかは分からないが、気持ちの悪い感触に妹は暴れだす。
しかし、他のお友達に手足を拘束され、その抵抗空しく…お友達の手は目的の場所までたどり着く。
「そぉーれ!!」
「////!!」
掛け声とともにスカートの中からパンツを剥ぎ取る大きなお友達…
瞬間、妹の顔は真っ赤に染まる。
「やっ!いやぁああああああ!!」
恥辱心からスカートを抑えようと手を向けようとするが、両手は相変わらず不自由だった。
「可愛いなぁ…これからもっと凄い事すんのに…」
「え…?ひぁ!」
その声を聴いた瞬間だった…。
上着を左右から無理やり捲り上げられ、
お友達の前に小さなさくらんぼがご開帳されたのは。
「い…いやあああ!!」
泣き喚きだす妹だが、お友達にとってそれはちょうどいい興奮剤でしかなかった。
「大人しくしろよ…レロン。」
「ヒィッ!」
今まで味わった事のない感触に襲われ首を仰け反らす妹。
小さなさくらんぼがザラザラとしたお友達の舌に舐め上げられたのだ…。
「いやぁ!気持ち悪いよぉ!」
「ははは、いい反応だな、おい。」
「こっちの方はどうかな…」
そういって、顔の近づくお友達…その舌は妹の流す涙をベロリと味わった。
「うん、好感好感。」
「やだぁ!キョン君!キョンくぅん!!」
必死に兄を呼ぶがそれが届くはずもなく、また、お友達の勢いも止まることなく
妹の肌の味かその反応か、どちらとも言わずにお友達はこぞってその柔らかそうな肌を舐めしゃぶった。
「ヒャンッ!!」
「おっ。」
あるところを舐めるとこれまでで一番いい反応をした事にお友達の一人が気がつく。
それと共に、他のお友達もその場所に注目する…。妹の女の部分に…
「へへ、ペロ。」
「や…ああ…」
「かわい〜、」「おいおい、一人で愉しむなよ。」
妹は、そんなお友達の様子への恐怖した。そして…
「うう…」
「うわっ…こいつ漏らしやがった。」
「マジか…ったく、こいつはちょっと躾ねえとな。」
ここまでただの輪姦だったが、このふれあいペット館…お客による躾によって
動物達が良い方向に育ってくれると飼育員としても助かるわけであった。
お友達はキョン妹の足をVの字に広げた。
「や…だぁ…何するのぉ?」
「さてと…お仕置きタイムと行くか。」
妹の目の前に、殆ど見慣れない物体がにょきりと現れた…
「ひっ…」
今では兄のですら殆ど見ない男性器…、それが自分の股に当てられる。
「やだぁ…なにこれぇ?」
「そんじゃ…十分濡れてるし、いくぜぇ!」
途端、キョン妹の身体がズンと下がる!
「アアアああああああああああああ!!!!」
同時に激しい痛みが襲った。
頭を振り回し、目を見開いて痛みを訴える妹…
「おいおい、壊すなよ。」
カクンカクンと腰を揺らすお友達に別のお友達が声をかける。
「悪いな…勢いでついやっちまったかも。」
と笑い混じりで言うお友達だったが、
その結合部分から流れる血を見てクスリと目に見えて笑った。
「よっしゃ!幼女の処女奪ったりー!」
「はっ!そういやこいつ、今日来たばっかだったな…」
「くそっ…それ覚えてりゃ……」
「抜いて!抜いてぇえエエ!」
少女の叫びなど全く聞こえないかのように、お友達は悔しげに喋りあっていた。
「うぉ…きつ…幼女はやっぱいいなオイッ!」
「痛い!痛いよぉ!」
涙を浮かべ、首を振っても…それに答えるものは誰もいない…。
「さて、そろそろ出るぜぇえ!」
「や…なに?やだぁああ!もうやだぁ!!」
ドピュドピュ!ブピュ〜!
「ああああああ!!!」
白いザーメンが膣内に収まりきれずに外に漏れ出す。
破爪した時の赤い血と混ざり合い…それはまるで苺に混ざったバニラのような色合いだった。
「あ…ああ…」
「おっ…俺らも…!」
僅かな意識の中周りを見ると、他のお友達が自分の物をしごいていた。そして…
ドピュ!ドピュ!!
「いやぁ…」
そのザーメンは妹の顔や肌に降り注ぎ、ベットリと覆っていく。
そして、それから何時間も順番に犯され続けた、
目の光を失い、泡を吹きながら、妹の意識が消えかけていった…。
(…キョン君…痛いよぉ…助けてよぉ…キョンくぅん…)
声にならない声を出しながら…妹の意識は沈んでいった。
「ん、何だよ…イッちまったか?」
「まぁいいや…あっちの方行こうぜ…」
「そうだな…まだ動物は結構いるし。」
いつの間にか、館の中は少女の嬌声があちこちで響いていた。
その中で、キョン妹は…遊びつかれた小動物の一体として白濁の水溜りの中眠っていた。
(……あれぇ…キョン君って…誰だっけ?)
その心を完全に砕かれて…、今後は立派な愛玩動物として生きていく事だろう。
ふれあいペット館…閉館時間
「…みくる。」
ふと、鶴屋さんは目の光を失い倒れていたみくるに声をかける。
声に気がついて反応するみくる…その肌には乾いた精液でパリパリとした感触が合った。
――鶴屋さん?
もしかして、解放してくれるのか?そう考えた瞬間…
「これ新しいバニースーツ、今日までの破れちゃったから…ちゃんと着替えなよ。じゃないと飯抜きなのさ!」
そう言って、彼女は赤いバニースーツを彼女に投げて渡した。
「…う…うう…」
「それじゃ、またねー!」
そして彼女は再び館の外へ出て行ってしまった。
呆然と残されたバニースーツを抱いて…みくるは涙を溜める。
「どうして…どうして私だけ…」
恐らく着替えなければ、これまでの経験から飯抜きなんて軽いものじゃない事は理解している…。
みくるは泣きながら、辛うじて肌に残っている布を取ると、バニースーツを着始めた。
絶望しかない明日のために…。
中央管理棟
何体かのちゅるやさんを連れて、鶴屋さんは休憩所で伸びをしていた。
「いやー、今日も働いたねー」「にょろ〜ん。」
「しっかし、たかだかスモークチーズの為に友達売り渡すたぁ、おんしも悪よのぉ。」
声をかけたのは蟹のトランスフォーマー、勇者王ランページだった。
「そりゃそうサ、ここのスモークチーズはめがっさおいしいし。それが、ここで働けば、半額だよ半額!」
鶴屋さんの目的…この牧場で作られる最高級スモークチーズ。
厳選された乳牛から絞った乳によって出来たそれは、一度食べれば病み付きになる美味しさだ。そりゃあもう、みくるを含む友人連中と天秤にかけても圧勝するほどに…
「それに…この子達も結構気に入ったし。」
ちゅるやさんズ…鶴屋さんのDNAからこの牧場の科学チームが作り出した生命体…とりあえず、飼育員・鶴屋さんのサポートを任せられている。
「ところで蟹っち。ちゅるやさん達がさらってきた他の家畜はどうなってるかな?」
ランページは机に置いてある名簿を見た。
「ああ、涼宮ハルヒっちゅう娘はいい感じに調教できかけとるらしい。
そんで、長門有希は、朝倉涼子ちゅうおんしと同じ新入りの調教師が面倒見とるらしいで?
あとは…喜緑江美里は調教済みで豚小屋行きが決まりそうやな。」
フンフンと頷く鶴屋さんは話を全て聞き終えると彼の近くまで寄ってきた。
「そりゃ良かった。それで…みくるの件はオーナーに通してくれたかな?」
「あん、朝比奈みくるか…一応許可は出たようやな。」
書類を覗きながら鶴屋さんは笑った。
『朝比奈みくる→転属:牛小屋』
「よっしゃ!これでみくるのスモークチーズが食べれるよ!」「わーい。」
鶴屋さんの足元でチュルやさんも喜ぶように踊った。
「じゃあ、記念にスモークチーズを食べに行こう!」「おー!」
「完売しとったで…」
「「にょろ〜ん」」
ふと、ちゅるやさんの一人がランページの方へじっと見た。
「蟹っち蟹っち!蟹っちは食べられるのかな?」
「…喰えるかい。」
「「にょろ〜ん」」
END
一応終わりです。
ちゅるやさん全く出る意味がないです。はい…ランページも最後のネタやるためだけです。はい…
無駄に長い上、ほぼ勢い任せ…果たしてこれはこのスレの内容に合ってるのか、凄まじく反省する必要がありました…。
なんでIDバラバラなんだ。
これもコピペの甜菜か?
うわ、何故か俺のレスまでコピペされてるw
何がやりたいんだ、こいつは?
コスプレスカトロジャーナリズムAVマニアの人だろ
二人称なのか三人称なのかよく分からなかった
>269
エロシーンの地の文まで”キョン妹”って表現されるとなんか面白いなw
>225はもしかして39スレ目の680かな? あと2週間だって言ってたし。とりあえず乙。
ただ、やっぱり長すぎだよ。
wiki形式でもPDFでもいいからどこかにうpして、URLだけ貼るほうがいいと思われ。
個別スレで、連載途中にそういう形式に変えた作品あったけど、
作品の素晴らしさも、寄せられる感想の数も全く変わらないし。
あと、じいちゃんの格言とか詩人の名言とかは、SS以外の語りでは非常にサムいんで勘弁。
レスそのもので踊らされてる感じがする。モチーフの演劇がそういうボクセカみたいな内容らしいから。
はじめからスレ自体を舞台装置というか見せ物小屋にするつもりだったんだろう。
古泉〜罠の人、はっきり言って読みにくい。
長くても少年オンザの人や、非単調ラブロマンスの人の様に作品に
引っ張り込むものがあればそれでいい。
けれど、最初から読者を拒絶するような言葉を選んで、
ひたすら韜晦し続けるような言い回しの文は駄目だ。
言いたいことが色々あるのは分かるけど、もう少し読者を見ようよ。
少なくとも俺は、少しでも他人にわかりにくいと思った文章は、
取り除くか、噛み砕くように推敲する。
引用と韜晦の連続である種の幻想ムードを漂わせるってのも
ありだけど、それはある程度筆力が身についてから。
小松左京や筒井康隆がいくつかチャレンジしていたけど、
それだってサービス精神に満ちていたわけだし。
>>277 ああいうのを書く奴には何を言っても無駄な気がする
自分のいいたい事が伝わらない時はまず自分のアウトプットを疑ってほしいな
ザスニを立ち読みしてきたんだけど、他にも読んだって人に質問したい
佐々木って、明確に男だって描写、あったっけ?
叙述トリックで、実は女だってことはないのかな?
話し方が古泉に似てるから男なんじゃないの?
ショルダーバックで男ってイメージはあまりないなぁ…
男であってほしいなぁ。
何ていうか、谷川には僕っ娘を書いて欲しくない。
もしかして学校を出ようの方には出てるのか
うふ〜ん
vipに帰れ
>>283 佐々木僕子、通称:僕。
雌雄決する前にSS書くかw
地方は発売遅れるからまだザスニが売ってねー。
うふ〜ん
佐々木って女じゃないのかな。 ショルダー、身体的数値、髪の長さで印象が変わる云々がヒントで。
ミヨキチのことをしゃべるキョンへの古泉の突っ込みには笑った。
反応しまくってるわりには一人もボードレーヌ(笑)に突っ込みいれず、痺れ切らして自分に突っ込んで見せたのは
本人にしてみればスレ住人をおちょくってたつもり。
あと
>>167-169がわからんって奴に、いちいち解説してみせてたし。
289 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 14:54:06 ID:NIdCPWPx
反応しまくってるわりには一人もボードレーヌ(笑笑笑笑)に突っ込みいれず、痺れ切らして自分に突っ込んで見せたのは
本人にしてみればスレ住人をおちょくってたつもり。
あと
>>167-169がわからんって奴に、いちいち解説してみせてたし
要するにアレだ
最初の数行で読み飛ばしついでにスレ丸ごと削除した
俺は勝ち組ってことだな
今日は発売日だからザスニの話題も解禁か
>>280 無い。
セオリーで言えば女なんなんだろうが、
それを逆手にとって、読者のミスリードを誘ってる可能性もあるわけで。
現時点では、SSに登場させるにはやっかいなキャラだね。
あ、
>>291は「明確に男だって描写、あったっけ?」に対するレスね。
俺も最初のほうすでに違和感を感じて読むのをやめたから勝ち組
>>291 なるほどな。逆手にとるか。
でも、それだと100枚先行掲載を先に知ってて書いてないと成立しにくい気もするなあ。
文庫の読者だったら、とりあえずは男だと思って読むだろし。
すげぇ情報爆発っぷりだw
>>294 >文庫の読者だったら、とりあえずは男だと思って読むだろし
それはそれでいいんじゃね?
最初からオトコだと思って読むのと、
女じゃないかと疑わせておいて結局オトコなのと、
大差なくね?
さて、佐々木が国木田の反対なのを期待してる俺がいるんだが
靴は読んでないけどな!!
ザスニの話ならほかでやれよ。然るべきスレがあるだろうが。
おめーらみてえな空気読めねえ馬鹿ばっかだから荒れまくるんだよ。自覚しろ。
同意せざるを得ない
>>300 も、もう! やめてよね、大きな声でザスニの話をするの!
近くにいるあたしまで誤解されちゃうじゃない!
…あ、いや、誤解されるのが嫌なわけじゃないけど、その…困るでしょ?
困るわよね? ほ、ほら…あたしどちらかといえば文庫派なわけだし……
って、なに言わせるのよ! このバカンダラゲ!!
いいから、あんたは黙って側にいてくれればいいのよ!
「涼宮ハルヒ」最新巻は上下巻構成で、第9巻『涼宮ハルヒの分 裂』が4月1日発売、第10巻『涼宮ハルヒの驚愕』も間を置かずに今夏刊行予定。
「涼宮ハルヒの分裂」100ページ先読みも読了。以下、激しくネタバレですが。キーワードとして挙げるなら、
・異世界人
・『長門ユキの逆襲Episode 00 予告編』上映
・ハルヒ達は文芸部兼SOS団新入部員勧誘中
・生徒会長と喜緑さん再登場
・ハルヒは上機嫌なのに、無意識レベルで不安定になってるらしく、≪神人≫が毎夜大暴れ中
・久しぶりで古泉は疲労困憊中
・原因は春休み最後の日に起こった何か、そして過去回想へ
・キョンの中学校の友人、佐々木再登場
・SOS団全員進級。クラスも変わらず。ハルヒはキョンの後ろの席。
・『長門ユキの逆襲Episode 00 予告編』上映。春休み中に撮ってた。
・キョンの中学校の友人、佐 々木登場。古泉に似た小難しい喋りをするヤツ。須藤から電話があって同窓会をしたがってるとか。
>>302 ……へぇ〜、あたしが言ったこと聞こえなかったのかしら?
これは生半可な罰ゲームじゃダメそうね……。
よし! 決めたわ! 放課後、体育用具室まで来なさい!
鍵はあたしがなんとかしてマットをしいとくから、
アンタは清潔な、シーツの変わりになるようなものとアレを用意しておきなさい。
あ、これは罰ゲームなんだから逃げちゃだめよ!
逃げたらファッキンなんだからねっ!!
>>303 読んで萌えつつ脳内に響いた古泉の言葉。
「ちなみにアレとは僕の事ですので、お忘れなきよう……」
まさに生半可じゃない罰ゲーム。
ちょw それ罰ゲームの域を超えてるwww
アッーー!!
いや、きっと三人で(ry
「あたしは前貰うから、古泉君は後ろから突いてあげなさい!」
よかったな。一度にいろんな‘初体験’がすませて。
すごく……VIP931です
古泉〜罠が投下される前と後でスレの雰囲気変わったな。
罠の毒気が抜けないというか…俺も途中で読むの止めておけば良かったわ。
佐々木は女でハルヒが嫉妬して新人登場と予測
>>311 むしろ、今後の原作が進展する方向とネタバレとについて、主にSS書きがピリピリしてるものと思われ。
佐々木って何巻に出た?
これから9巻に出る
ようするにネタバレ
ネタバレだったのかorz
あぁ、それか。喉のつかえが取れた気がする。
家にあったから読んだことあるぞ。
うふ〜んしすぎにワロスwwww
すると佐々木が例の変な女ってことか?
俺は佐々木は男でハルヒにキョンと変な女の話をするんだと思ってたが
いろいろな見方があるんだね。
変な女に対する嫉妬でハルヒが不安定ってのはあるとは思うがな
投下します!
「国木田が男装した女の子だったら」第7弾です!
キャラの性別が変わるのが苦手だという方はスルーして下さい!
国木田がオリキャラ化しているので、苦手な方はスルーして下さい!
それでは、いきます!
322 :
国木田の嫉妬:2007/03/01(木) 00:13:45 ID:/iebg89D
世の中は不条理な事だらけだ。俺はそんな事をぼんやりと考えていた。
自分が行なっていたことがどんな意味を持つのか。そして、その結果自分にどう返ってくるのか。
それを正しく認識して行動できるならば、どんな幸せも掴めるし、どんな不幸をも回避できるかもしれん。
だが俺は残念ながら日本中どこにでもいる極々普通の一般的な高校生だ。
そんな俺が自分の行動がどんな結果を生むのかなど完璧に分かるはずも無いし、よしんばそれによって何か不幸な出来事が
起こったからといって俺に責任を問われても困る。
言っておくが別に俺はマスコミが最近言うような「無責任な若者」ではない。これでも責任感や使命感、義務感は他人よりも遥かに強いと
いう自負はある。もっとも、俺をとりまく環境の所為でそうならざるを得なかった部分が大なのは確かだが。
何が言いたいかというと、自分が楽しみにしていることをひっそりと行なっていただけで、自分の想像の斜め上を超鋭角で超えるような
出来事を起こされても俺は陸に打ち上げられた魚の如く何も出来ないし、大変困るということだ。
「あぁんっ……! な、長門さぁんっ……! 国木田くぅんっ……! お、お願いだから許してくだしゃあいっ……!」
「その要請は却下。私と彼女は貴方が自分の気持ちを正直に吐露するまでこの行為を続ける。」
「そうだよ朝比奈さん……。ちゃんと素直に……なってもらわないとね……。」
俺は部室で椅子に縛り付けられた状態のまま、目の前で朝比奈さんが国木田と長門に嬲られる様を見ながらどうしてこんな事になったのか
元気になりかける股間のドラ息子を宥めながら思い返していた。
それはいつもの部活中に起こった。ハルヒはネットサーフィンをし、俺と古泉はチェスを楽しみ、長門と国木田は読書をし、朝比奈
さんはお茶を淹れていた。
そう、国木田は長門と一緒に読書をすることが多かった。俺や古泉とゲームをする事もあったが、そちらの方が多かった。
黙々と読書をする長門に対し、国木田は自分が読んでいる本で面白い箇所があったりすると、積極的に長門に話しかけた。
長門もそれを嫌がらず、むしろそうやって話し合えることを楽しんでいるようだった。
もっとも、そんな些細な感情の機微は俺ぐらいにしか分からないだろうけどな。
その時も長門と国木田は本のことで話しこんでいた。どうやら恋愛小説における、男性への女性からのアプローチについて話しているようだ。
「ねぇ長門さん、これどう思う? やっぱり女の子は積極果敢にいかないと駄目だよね。ボク男だから分かるんだけど、そういう娘にはクラッときちゃうなぁ。」
「あなたの言うことも理解できる。しかし黙って一途に想い続ける女子というのも魅力的。慌てず騒がず彼の事を想って見続ける。これが最善の方法。」
「えー? いやそれも悪くはないけどさぁ。それって随分受身だよね? 男がギネス級のニブチンだったら気づいてもらえない可能性大だよ。
やっぱり積極的に行くべきだね。その方が一途さも増すってもんさ!」
「そんな事は無い。彼は鈍そうに見えて実は気配りが出来る。一途に想っている女子に気づかない可能性は0コンマ1以下。
さらに面倒見の良い彼はそんな女子を放っておくことは出来ない。必ず拾ってくれる。これこそ搦め手。」
えーと、これは恋愛小説の話なんだよな。さっきから国木田と長門の視線を凄まじく感じるが、これは俺の気のせいだろう。
ふと見ると、古泉がニヤニヤ笑っている。どうした、負け続けて遂に気がふれちまったか。
「そんなことはありません。ただ、貴方が羨ましいと思いましてね。」
何が羨ましいのかはあえて問わず、俺は黙って駒を動かした。大体俺はこいつに対する疑念を解いた訳ではない。
というか、もう完全に真性だと思っている。俺はそういう人間を差別するつもりはないが、自分が狙われているとなれば話は別だ。
そんな殺伐とした俺の目の前に、すっと白い手が差し出された。殺伐とした俺の気持ちは一瞬にして溶解する。
この手が誰のものであるかは言うまでもないだろう。マイスィートエンジェル・朝比奈さんだ。
「はい、キョン君お茶です。ゲームに集中するのは良いけど、ちょっと怖い顔してますよ? もっと楽しんで下さいね。」
うふ、と天使の笑顔を浮かべる朝比奈さん。身を起こすと同時に、メイド服の上からでも分かる豊かなお胸がたぷんと揺れる。
俺は朝比奈さんに気づかれないように、目の端でそれを堪能する。そこ、ムッツリスケベとか言わないように。
これは男ならば誰しでもする、いわば本能だ。よって俺が特別スケベだと言うわけではない。断じてない。
が、俺の密かな楽しみは周りからの強烈な視線によって中断せざるを得なくなった。
いつのまにかハルヒがパソコンの画面から目を離してこちらを烈火の如き目で睨みつけている。
「キョン……あんたって奴は……!」
国木田と長門も話をやめて、じっとこちらを見つめている。
「長門さん……。ボク、真の敵が誰か今、分かった気がする……。」
「それは奇遇。私も同じ意見。」
目の前の古泉も、笑顔ではいるものの目は笑っていなかった。
……というか待て。女性陣が非難の視線を送るのは分かるが何でお前までそんな目で見るんだ。やはりお前は真性か。
しかし、ハルヒが俺に対して色々な折檻を加えてきたためその件についての追及はできなかった。まぁ、今更しても疲れるだけだがな。
不機嫌になったハルヒは「今日はもう解散!!」という台詞を残して嵐の如く帰っていった。まったくやれやれだな。
古泉も先に帰っていった。「閉鎖空間は発生していませんが、念のために待機しておきます。」とのことだ。
まったくご苦労なことだ。だが、今のハルヒならこれぐらいでは閉鎖空間は発生しないと思うがな。
そんなことを考えていると、何か言いたそうにもじもじしている朝比奈さんと目が合った。
「あのぅ……キョン君、私着替えるから……そのぅ……。」
いかん、余計な事を考えていたせいで朝比奈さんの着替えを邪魔してしまっていたようだ。
俺はそのことを詫びて部室を出ようとした。……しかし。
「ちょっと待って……キョン。」
俺は、国木田に呼び止められた。
振り向くと、国木田と長門がじっとこちらを見ている。俺は猛烈に嫌な予感がした。とにかく話をしなければ。
そう思った俺が口を開くより先に、長門の口が高速呪文を唱えた。
「!」
俺の体は自分の意志とは無関係に動き始め、部室内の俺のイスにどすんと落下した。
「ふぇっ!? キョ、キョン君大丈夫!? どうしたんですか!?」
朝比奈さんが俺に駆け寄ろうとしたが、その肩をがっちりつかんで動きを封じた人物がいる。
「…………。」
三点リーダーで分かるとおり、その人物は長門だった。朝比奈さんは見ているこちらが気の毒に思う程に狼狽して長門に問いかける。
「ふえぇっ!? な、長門しゃん、どうしてこんにゃことをっ!?」
「……すぐに分かる。」
その後ろで国木田がドアに鍵をかけるのが見えた。……なんだかこの展開、どこかで見たような……。
「さすがだね長門さん。……さて、じゃあボクは念のためにキョンを縛っておこうかな。」
そう言うと国木田はこちらに近づき、俺をイスごとロープで縛り上げた。どうでもいいがこのロープはどこから出したんだろうか。
どうせ長門が「実はこんなこともあろうかと……。」なんて言ってポケットから取り出したんだろうが。
不思議な事に、国木田が縛り終えるのと同時に俺の体は自由を取り戻した。国木田の前で力を使いすぎるのはまずいと長門も踏んだのだろう。
いや、今はそんなことより国木田と長門を問いただす方が先決だ。
「おい国木田! 長門! お前ら一体どういうつもりだ!」
俺がそう叫ぶと、国木田はニヤリと笑い、長門は表情こそ変えなかったものの、その目に何やら妖しい光を浮かべた。
「ふふ、いやちょっとね……。ボクと長門さんの共通の敵を懲らしめてあげようと思ってね。」
そう言うと国木田は、長門と同じように朝比奈さんの後ろに回る。
しかし、共通の敵、だと? どういうことだ、あれは朝比奈さんのグゥレイトなお胸を見ていた俺に対する発言じゃなかったのか?
俺の疑問を見透かしたように、国木田は言う。
「いや、違うよ。ボクと長門さんにとっての共通の敵、というのはね……。この……」
……そして国木田は、ぐわし!! と効果音まで聞こえてきそうな勢いで朝比奈さんの胸を鷲づかみにしながら叫んだ。
「……いけないおっぱいのことさッ!!」
「ひゃあんッ!! く、国木田君、やめてくださぁいっ!!」
朝比奈さんが激しく身をよじって抵抗する。そんな朝比奈さんに国木田は囁くように言う。
「大丈夫、安心して朝比奈さん。……ボク、実は女の子だから。」
「え、えぇっ!? そ、そんなわけ……!」
朝比奈さんもすぐには信じられないようだ。すると国木田は、頬を赤らめながら朝比奈さんの右手を取った。
「しょ、証拠はコレ……。ちょっと恥ずかしいけど……。」
そう言うと国木田は、朝比奈さんの右手を何と股間に導いた。
「えっ!? いやっ! そんなの……ってあれ? ほ、本当に無い……。」
朝比奈さんは胸を鷲づかみにされていることも忘れて呟いた。一方今度は国木田の方が喘ぎ始める。
「ちょ、朝比奈さんっ! そ、そんな乱暴にしないでぇっ……! あんっ!」
その喘ぎ声に驚いた朝比奈さんは、「ひゃうっ」という可愛い声をあげて手を引っ込めた。
「ど、どう……? ボクが女の子だってこと、分かってくれた……?」
「は、はいぃ……。よ、よく分かりましたぁ……。」
荒い声で問いかける国木田に答える朝比奈さん。どうでもいいが激しくエロい。俺は思わず見入ってしまっていた。
と、後ろから朝比奈さんの胸を揉んでいた国木田と目があった。国木田はまたニヤリ、と笑うとまた朝比奈さんの胸を揉みだした。
いや国木田だけではない。長門も参加している。右乳を国木田が揉み、左乳を長門が揉む。
とても息のあった見事なコンビプレーだ。しかしどうせならもっと世の中に役立つような息の合い方をすればいいものを。
これじゃあ風俗店の変態特殊プレイぐらいしか使い道が無いぞ。
「うるさいなぁキョンは! これを見て興奮してるくせに……!」
そういうと国木田は朝比奈さんを長門に任せ、俺に近づいてきた。そのまま俺の顔を両手ではさみこむと、いきなりキスをしてきた。
「! ふえぇっ!?」
朝比奈さんが驚いて固まる様子が視界の隅に写る。
国木田は一心不乱に俺の口の中を攻め立てた。国木田の唇は長門のものとはまた違う柔らかさを持っており、なおかつひどく熱かった。
何回も唇を吸われた後、思いっきり舌を入れられる。俺の口の中、頬の内側や舌の裏側まで舐めてくる。
だが、決して不快ではない。激しくしたかと思えばそっと優しくするといった具合に絶妙なまでの緩急をつけてくる。
俺はその感触に酔いしれて、国木田のされるがままになっていた。
「ぷはぁっ……。ふふっ……キョン、どう? お気に召して頂けたかな?」
顔を赤くしながらも国木田は笑顔で問いかけてくる。畜生、いい笑顔をしやがって。
俺は自分も顔を赤くしていることを自覚しつつも余裕のあるふりをした。
「……まぁ、その、悪くはなかったぞ。」
そう言ってやると、国木田は顔を綻ばせた。そのまま俺に抱きついてくる。ぐあっ苦しいぞ国木田、もうちょっと加減しろ。
「あ、ごめんねキョン! ……でもボク本当に嬉しくって! ツンデレなキョンからそんな風に言ってもらえるなんて、幸せだよ!」
誰がツンデレだ誰が。そう言ってやった俺は、朝比奈さんが呆けたような顔をしてこちらを見ている事に気がついた。
どうしたんだ? 確かに刺激の強い行為ではあったが、ここまで呆けるとは……。
俺の様子に気づいた国木田が、朝比奈さんの方を見てくすり、と笑う。
そして、俺の頭をかき抱いて朝比奈さんに楽しそうに言う。
「朝比奈さん、実はボク、キョンのことが好きなんだ。……中学の頃からね。」
その告白を聞いた朝比奈さんは、びくり、と体を震わせる。
「ちなみに私も彼の事が好き。」
負けまいとするかのように、長門も朝比奈さんに告げる。朝比奈さんは絶句したまま何も言えないようだ。
それでも彼女は何とか声を絞り出した。
「な、長門さん……。分かってるんですか!? そんな事をしたら、その……。」
国木田がいるせいか朝比奈さんは言葉を濁した。しかし、その後を受けて長門は続けた。
「あなたの言いたいことは分かる。しかし、それが必ず正しいこととは限らない。」
「……えっ?」
「……それを、彼女が教えてくれた。立ち向かう勇気。彼を、そして涼……彼女を本当に大切に思うならばお互いの本音をぶつけるべき。
私はそう判断した。」
俺は少なからず驚いた。まさか、長門がそんな事を言うようになるなんてな……。
国木田を見ると、誇らしそうな目で長門を見ている。本当にこいつらは親友になったんだな。
俺がそんなことを考えていると、国木田が朝比奈さんに言った。
「そう、長門さんの言うとおりだよ。朝比奈さん、長門さんに言った言葉をあなたにも言うね。
周りの環境やしがらみを理由にして自分の気持ちを偽るのは卑怯なことだよ。
そういうものも、死ぬ気でぶつかればなんとかなるものにね。
だから、……朝比奈さん、あなたもキョンを全力で愛してほしい。そして、あなたを縛る様々なものに、全力で立ち向かってほしい。
……同じ人を好きになったライバルとして、仲間として……ボクはそう思うんだ。」
俺は国木田の言葉を黙って聞いていたが……ちょっと待て。朝比奈さんが俺のことを好きだって?
おい国木田、いくらなんでもそれは……と言いかけて、国木田と長門の視線に制された。
「キョン……。君って奴は本当に……」
「……にぶちん。」
そこまで言わなくて良いだろう。
「さぁ、朝比奈さん、素直になって、キョンに思いを告げてよ。」
国木田が朝比奈さんに声をかける。しかし朝比奈さんは、身を硬くしたまま、無言でいる。
その様子を見た国木田がふぅ、と溜息をついて長門に話しかける。
「長門さん。朝比奈さんは強情みたいだから、もう一押し必要みたい。」
「了解した。……わたしももう限界。」
そう言うと、長門は音も無く俺に近づいてきた。そのまま俺の顔をつかむとキスをしてきた。
しかしお前といい国木田といい、何でこんなに積極的なんだ。
「ちょっとキョン。それを君が言うわけ? 胸に手を当ててよく考えてごらんよ。」
この状況じゃ胸に手なんて当てられないけどな。
そんなことを考えながら長門のされるがままになっていると、身を震わせる朝比奈さんが目に入った。
それと同時に長門がぷはぁと俺から口を離す。俺が余計な事を考えていたのが分かるのか、目にちょっと不満の色が見える。
それを察したのか、国木田が更なる提案をしてくる。
「じゃ、さ、長門さん……。いよいよ次のステップに進もうか。」
言うが早いか国木田は学ランのボタンを外し始め、長門はセーラー服のリボンを外し始めた。
おいお前ら何をする気だ。まさかここであんなことやそんなことをヤるつもりじゃなかろうな。俺が止めるべく声をあげようとした時、
「─────だめぇっ!!」
朝比奈さんが、絶叫した。
俺は唖然と、国木田は微笑んで、長門は表情は変えないがその目にどこか優しい光を浮かべて……朝比奈さんを見た。
朝比奈さんはそのまま俺の前までつかつかと歩いてくる。そしておもむろに俺の顔をつかむと、唇を押し付けてきた。
今日これで三度目か、なんて事を頭の隅で考えながら、俺は朝比奈さんの様子を伺った。
唇を合わせてきたものの、舌は入れてこない。本当に不慣れな、だけど想いのこもったキス。
微かに震える朝比奈さんを、俺は愛しいと思った。縛り付けられてなければ思いっきり抱きしめてあげるのだが。
そんな事を考えている内に、朝比奈さんがそっと俺から唇を離した。そのまま俺の目を真っ直ぐに見て、想いを告げてくる。
「キョン君……。私はあなたのことが……。でも、私はいつかあなた達と離れなくっちゃいけない……。」
俺の脳裏に初めて朝比奈さん(大)と交わした会話が蘇る。『私とあんまり仲良くしないで。』そう言った彼女の寂しげな横顔と共に。
「……だから私は、あまり深く関わらないように、心を許しすぎないように、と思って……。だけど……。」
「気づいたら……あなたを好きになっていました……。」
朝比奈さんの、微かに涙で濡れた瞳が俺を更に深く射抜く。
「それが分かってからは……私……ずっと辛くて……。
どうしたら良いか分からなくて……。それで……でも、何もできなくて……。」
朝比奈さんは、俺にしがみついて泣き始めた。縛られていなけりゃ優しく撫でてあげるのに。
俺がそんなことを考えていると、国木田と長門がそっと朝比奈さんを抱きしめ、髪をなで始めた。
「……あっ……。」
「辛かったね朝比奈さん……。だけどもう大丈夫。これからはボク達がいるよ。
さっきも言ったけど、同じ人を好きになったボク達はライバルであり、仲間なんだ。だから、辛いことがあったらボク達に話して?
力になれる事は少ないかもしれないけど、それでもあなたの心を軽くすることは出来ると思うから……。」
朝比奈さんが国木田と長門を交互に見やる。国木田は大きく、長門は小さくだが確実に頷いた。
それを見て朝比奈さんは、再び泣き出した。だが、今度のはさっきとは違う、うれし泣きだろうな。
俺はそれを見ながら国木田に囁いた。なぁ国木田、俺が言うのもなんだがお前、どんどんライバル増やしてるけど良いのか?
そう言うと国木田は、くすりと笑って俺の髪をくしゃっと撫でた後答えた。
「キョン、ボクはね、君の素晴らしさを分かってくれる人がいてくれて嬉しいんだ。……君は正直、古泉君のような美男子ではないじゃない。」
……うるさい、ほっとけ。むくれた俺がそう言うと、国木田はまた俺の髪を撫でて続けた。
「……でも、だからこそ、キョンを好きになる人は外見なんかに惑わされず、その素晴らしさを理解してくれているってことだよ。
ボクはそれが嬉しいんだ。ちゃんとボク以外にもキョンを、キョンの素晴らしさを理解してくれる人がいることがね。
ボクはそういう人達と友達になりたいんだ。同じキョンを愛し、キョンの幸せを望むものとしてね。
……ちょっと変わってるかな? だけど、これが偽らざるボクの本心だよ。ま、朝比奈さんの胸にはちょっと嫉妬しちゃうけど、ね。」
そう言うと国木田は俺に笑顔を向けてきた。まったくお前ってやつは……。縛られてなかったら思いっきり抱きしめちまうところだぜ。
俺がそう言うと国木田は、「それは残念」と言ってウィンクをしてきた。まったくやれやれだな。
ひとしきり泣いた後、朝比奈さんは赤い目をこすりながらとんでもないことを言い出した。
「ぐすっ……。そ、それで……これからどうするんですかぁ? せ、折角キョン君を縛ってるんだし……その、チャンスなんじゃないかと……。」
朝比奈さん、あなたは何を言い出すんですか。ふと見ると、国木田と長門からも何やらピンク色のオーラが立ち上っているように見える。
「そうだね……。前回も最後までいけなかったし……。よし、ヤっちゃおうか! キョン、若いんだから三発くらいは余裕だよね?」
女の子がヤっちゃおうかとか若いんだからとか三発なんて言うんじゃありません。
「私は既に覚悟完了。」
お前はどこの強化外骨格だ。頼むから勘弁してくれ。
そうして三人がにじり寄ってくるのを恐怖と……ほんの少しの期待を抱きながら見ていると……ふと、声が聞こえた気がした。しかもそれは……!
「……ちょ、ちょっとこれ涼宮さんの声じゃない!?」
「……確認した。彼女がここに到着するまで推定二十秒。」
「はわわっ! 急いで服とか直さないと…!」
そうして彼女らは俺や自分たちの衣服を直し始めた。後は俺をイスから解放するだけだったが、しかし……
「WAWAWA忘れ物ーっとぉっ!! ……ってアレ? みんな何やってんの?」
鍵をかけていたはずなのにそれをブチ破って入ってくるとは、この馬鹿力女め。
しかしこの場をどう切り抜けるか。俺が灰色の脳細胞をフル活動させながらハルヒに向けて話しかけようとした時、朝比奈さんが叫んだ。
「お、お仕置きをしてたんですぅっ!!」
……朝比奈さん、あなたは一体何を言い出すんですか?
しかし目をつぶって拳を握り締めながら叫ぶ彼女に俺の視線は届かないわけで……。
「キョ、キョン君があんまり私の、その、む、胸を見るものだから、長門さんと国木田さ……君に手伝ってもらって! お仕置きしてたんですぅ!!」
その朝比奈さんの言葉を受けてうんうんと頷く国木田と長門。えーとお前ら、俺のことが好きなんじゃなかったっけ?
なのになんで俺を生贄にしようとしてるの? WHY? 女はさっぱりわからん。というか怖い一面を見ちまった気がするな。
ふと見ると、ハルヒは無表情に俺を見ていた。その目と視線が合うと……ハルヒの顔が百万ワットの輝きを放ち始めた。
「なによもう!! そういうことならあたしも呼んでよね!! キョンへのお仕置きなんて、普段から百個くらい考えてあるんだから!!」
そう言うとハルヒは部室の中をがさがさと漁り始めた。普段から百個って、お前そんなに無駄な……
って言うかちょっと待て油性マーカーはきつい本当に落ちないんだってそれぇっ!!
俺はムダだと分かりつつも縄を解こうと必死になりながら、安堵したような申し訳なさそうな顔をした三人娘に恨みがましい目を向け
更にハルヒを止めようと喋り捲りながら心の中で呟いた。
やれやれ。
以上です。
以前にみくるを書く際のアドバイスを下さった方々、有難うございました!
結局みくると国木田では書けなくて、長門の力を借りる事になってしまいました。時間もかかってしまいましたし……。
また同志を増やすべく頑張って投下したいと思いますー。ではー。
ををぅ、国木田女装キタコレ! しかもリアルタイムww
個人的にはかなり好きな作品なので、次回もワクワクテカテカカラテカキタコレでお待ちしてます。
GJ!!
>学ラン
ダウト?
ダウトダウト。推敲したはずなのに……ブレザーでお願いします……。
テラGJ!やってきました国木田シリーズ第七作!国木田カワイすぎ!
長門も朝比奈さんも負けてられませんよ!キャラに違和感がないのがまたいい!(←ここまで一息)
ハァ、ハァ、酸欠でめまいがしてきた。
国木田の恋のライバル、そして仲間が増えていく。そして恋の行方は!
オレはいつまで応援します!ファイト!
キャラに違和感無いっていのはどうだろう
個人的にはエロ同人誌にありがちな違和感をキョンと長門に感じたが
そういうノリのものだと納得すれば楽しめたけど
前書き踏まえて気楽に読み流すには、ちょうどいい軽さでよかった
GJ!!
なんだけど、ハルヒに対して隠そうとしたのがなんか嫌だったな。
国木田の「キョンを好きになる人〜」って発言の説得力がいっきになくなった気がする。
ま、おもしろいからいいんだけどね。
いつか来るであろうハルヒとの対決に期待。
違和感なく楽しめた
次のゲスト?キャラがたのしみ
ハルヒはまた違う存在だからいいんじゃね?
キョンがすんなり受け入れすぎなのがにんともかんとも
あと長門のセリフ回しが少々不自然かな
キャラの痴女っぷりは久々にエロパロらしくてGJ
>>339 乙。また見に行きます。
さて。
原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。これはもう如何ともしがたいね……
>>339 読ませていただきました。
舟○さんのところであの秀逸な長門嫁ネタは見ていたので、それを思い出しました。いやすばらしい。
熱々の夢と展望ですね。あの題名・詳述性は俺の見るところ“何か”と対照させたのかな。違ったらごめん。
60l.2700B /30min
そういや長門スレでシリーズ物書いてる人がいて、ある時そのシリーズの新作が投下されて
賞賛レスが付いた後に「実は別人です…」てなカキコがあってその作者が
叩かれまくってるのを見た時は笑ったw
いやまあ前置きせずに人のシリーズ使ったその作者もアレなんだが、読んでた奴も
ネームバリューだけで脊髄反射的にレス付けてるのがバレバレになってたから。
誰もそんなの突っ込んでなかったけどな。
>>328 国木田も巻き込まれるメンバーも、どんどん大胆かつ繊細になって行くなあ。
もはや完全なオリキャラなのに不思議と違和感がないのは、書き手氏の筆力か、国木田(♂)が優等生空気キャラだからかw
敢えて注文つけると、キョンにしては「そう思った」や「そう言うと」が少々多いかも。これ削るのは勇気がいるんだけど。
>>339 いろんな意味で萌えスレ向け。一部エロいとはいえ。
長門も電気キョンの夢を見るんだな。婚姻年齢くらい情報操作で何とかしてしまいそうだが。
……にしても、長門といい国木田(♀)といい、好きな男が殺されそうになってたらフォローしろよw急進派かお前らは。
>>340-341 100%俺の個人的意見だが、君は名無しとしては1ヶ月ROMれ。
俺に言われるんじゃオシマイだと思っていただきたい。
>>339 ここのよりよっぽど面白れえなw
>>340 お前は、馬鹿か。
恥ずかしいからそういうこと堂々と言うな。
346 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 13:13:18 ID:29GGi1Q+
原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。
こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
まあ事実だけどな
というより全ての情報を持ってるんだから当たり前だろ
いやしかし21歳以上の書き込みとは思えんなw
いや、今は18禁に下がった
18でも分別は付くけどなぁ…
中学校の漫画同好会でこんなこと言うやついたなw
しかしこっから先どんなSSが書かれるのかが非常に楽しみだ。
特に分裂〜驚愕の間。
漫画同好会のある中学校ってなんかいいな
18歳以上なんだからそんなに他人を煽り倒さなくても
分別のある18歳と分別のない21歳以上なんて比べるまでもないだろ
このスレは後者が多すぎるんじゃないかもしかしたらリアル工房ばっかかもしれないが
357 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 17:29:04 ID:0dsToh2N
原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。
こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
プロ
これ本気で思ってたとしたら相当凄いよね……。
ハルヒではあんまり「谷川すげえなあ」と感じたことはないな。
学校と絶望系とドクロちゃんですはガチだけど
憂鬱はガチだけど、後に続く作品群のgdgdを顧みるにラノベ作家の域は出ていないと思われ>谷川
消失だって憂鬱あってのもんだし。どうしても別格扱いするのには抵抗がある
何がおもしろいと思うかなんて人それぞれだろ…
そこで学校2ですよ。
学校2が凄いって良く聞くけど、どう凄いの?
とにかくすごい
今覗いてみて、古泉〜罠のあまりの投下量に愕然とした。
読んでみたいが時間がかかりそうだな。どれくらいかかるんだ。
>>274 それって長門スレのアレのこと?
もしそうなら、これほどの量じゃなかったけど結局wikiに連載するようになったよね。
確かにURL張るだけになっても勢いは変わらなかった。
古泉〜罠は、これだけの量だと分かってたならどっかにうpした方が良かった気がする。
専ブラ使ってても辛いよ、これじゃ。
語りたい香具師はラノベ板逝け
/:::::::::::;:::::::::::::/ ヽ;:::::i::::::::::::::;::.ヽ;:::::::::::.\
/:;イ::;::::::/:::::,イ::/ l::::|l::::l::::::::i:::::::l::::.ヽ::::::.ヽ
// レ'::::/i:::::/-H,_ .l:::l.|:::ト;:::::::|:::::::l:::::::l:::::::::l... /キョンくん、あっちに残してきたものが
.i:l |::::i゙ l::::l |;!. ヽ、 .l:| .|::| lヽ::::l:::::::l:::::::|::::::::l /. あるんでしょう? いけないなぁ、何事も
|! .|:::l l:::| _ ,,;=‐‐''''|!‐l:;l、 |:::i:::ト;::::::l::::::l::::::::| \. 中途半端はよくないよっ。あたしの彼氏
.|:! .〉;! /゙b:::゙ヾ.ヽ |;!. `|:::|/:.ヽ:::|::::::|:::::::::l. \はかっちょいいからねっ、そんなことは
l!./::/l ゙ ,!::ill::;!゙' '' ,,ィ-==-、_ l:::::::::::.ヽ!:::::l::::::::::l しないんさっ。
/ノ::::| わ!ッリ ゙/O:;;;;:::::;iヾ l:::::::::::::l:::::::l:::::::::::|
,,ィ´;::::::::l ゙'=-''゙ l:::j:illii:;i::j゙. ' .l:::::::::::::l:::::::|::::::::::::ト
ヽ、__,,,ィ''´::;;ィ゙:::::::::{ 、 ,;iつ、;;;ツノ .l:::::/::::::|::::::l::::::::::::::l:ヽ
::::::;;=='''゙_;;:''.:::::::::::::::;;:ゝ. r.x.__ __, `゙''ー=''゙ l::::l|:::::::l::::::|:::::::::::::::::i:::.ヽ
二;;;;;;;ェ=''.:::::::::::::::/.:::::::.ヽ l/ Y ,イ:::l.|:::::::|:::::::l:::::::::::::::::::i:::::::.\
_,,ィ'´.::::::::::::::,,:::''.:::::::::::::::/ \ ゝ ,ノ ,/::i::::l |:i|:::l:::::::::l::::::::::::::::::::l::::::::::..゙ー-,,,
::::::::::::::::;;::=:'':::;;;:=-'''´`'゙ ./:;ヽ.  ̄ ,, ='''",ノ::;;:l::::| |:|,!:l、:::::::::l:::::::::::::::::::.ヾ、:::::::::::::;;;`二==、
ラ''':::::_;;r''' ̄ .| /, ',.'.:::::`ー--r ''' ´ ,,='''´;:: ,"|:::|. |:l::|:|ヽ;:::::.ヽ;::::::::::::::::::::.ヽ`ー-ェ、..
:::_;;=''::::l l { .i,/, ',ィ'.::::::::::::;;ァ''´.! ,,=''´.:; '' ,..:'';ィ|:::| .|:|. l:l. ヽ;:::::.ヽ;::::::::::::::::::::::.\::::::::.ヽ、_
'':::::::::::;;| 、 l ∨//:::::::::;;r<ヽ ./.:::::://::/ .|::::| .|:l l:l ヽ;::::::ヽ;::::::::::::::::::::::::..ヽ::::::::::::::ヽ
:::;;:-:''::::l ヾ、._ .i゙/./::::::;r'´-.、 `''x''´.:::::://:/ /|:::::| .|:l |:l ヽ::::::::.\::::::::::::::::::::::..ヽ::::::::::::::
":::::::::::::} `''i'-|:i l::::::/゙⌒ヽ`r'´.:::::::/./::/ / l::::::| .|:l |:l \::::::::.\::::::::::::::::::::..ヽ::::::::::
/ ヾ:.. _.. -‐- 、:..\:::::::`ヽ ヽ
∧. /:: , -=-v'´ \:::ヽ::::::: ハ:ヘ
,' 丶i / .::´〃 ヽ::ヽ:!::l | i
i/\_| ,' .:::!:./ , -‐‐ヘ: }i: l | |
|. l |:i :::::l::i / リル'...| |
| l ハ:', :::l::i _.. -―‐-、 _, -==k、 |:: | |
| ! rヘヽ::代 /ィ尓::::::}ヾ|:: | | <だから、ね? バイバイ、キョンくん。
| i f-ハ:.\{ , -=- 、 'V__::::ィj l:: :| |
| il マ ! ::::i ,.イ坏:::::::} `ー '´ |:: |:: |
l il :::\!..:::}`‘ Vァ-ィ;j l:: |:八
. l. il ..::::::::l ::小、 `¨ ´ _ ` ‐v ,イ::: |二二ニ==、
. ,' リ.::::::::: | :::厶、 V´ リ / |:::: |-‐――---ヽ
/ /ィ =ニ二| ::::V > _ ヽ _ ' /!} |::: | ヽニヽ
. / 〃/_, -ー| :::::|! ヘ` ¬ー‐‐ '´ 〃 |::: | ! ーヽ\
. / // / | :::::|! ヽ j' |::: | ! / / `ー=ミ、
/_//'/ | :::::|! \_ r/ |::: | l / /
/// ヽ. | :::::|! \>´/' |:::: | i}. //
//厂 \ | :::::|! /⌒\//  ̄ |::: 「 /
>>370 その作品好きだったな俺
題名忘れたけど
エロじゃないんだけど書いていいかな?
エロくなくても全然おk
最近はエロいほうが少ないぜ。
あ、非単調〜だっけ?
377 :
340:2007/03/02(金) 05:03:02 ID:a/05jAYH
>>344 他の煽りは一顧だに値しない。が、あなたの言葉の意図するところをもうすこし明瞭に説明してくれ。頼む。
新刊の古泉かなり切羽詰まってるな。ああいう口調は想像もしてなかった……。
ホモどころか「自分になど興味はない」だと。このあたりにやはり圧倒的な差を感じる。
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\
/ ⌒(__人__)⌒ \ <原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。
| |r┬-| | これはもう如何ともしがたいね……
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"〜〜``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ <だっておwww
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / `ー'´ ヽ / /
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バ
ヽ -一''''''"〜〜``'ー--、 -一'''''''ー-、 ン
>>378 何釣られてるんだよwww
といいつつ俺もそのAA使って同じことやろうと思ってたw
>>377 344ではないが、マジレスしてみると、
原作者の作ったストーリーや人物設定そのものを借りて、言わば他人の褌で相撲を
取ってる二次創作職人が、その当の原作者相手に「力の差」を感じるという事自体が
おこがましい。
そういう意味じゃないの?
もし「力の差」を本当に感じたいなら、プロになってきちんと商業作家としてデビューして
同じ土俵に立ってから言うべき、じゃないのかね。
違ったら申し訳ないんだけどな。
釣堀www
377はカタリで380は釣りだよな?
マジレスとか考えたくも無いんだが。あまりにも頭が悪過ぎる。
383 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 08:53:50 ID:hQh/TnyR
さて。
原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。これはもう如何ともしがたいね……
これ次スレからテンプレに入れて欲しいw
マジ壮絶www
新作ってどこで読めるのか教えてくれ。
>>384 ザ・スニーカーを買え。
今の段階だったら、新刊の初めから100Pまでのところが公開されている。
良くも悪くも末永く伝えられるべき名言だな
ここの連中はほんと細かいことネチネチ引っ張るのが大好きだな。
ぶり返させた
>>377もあれっちゃあれだけど。
こういう時は投下が一番の薬ってことで誰かマダー?
>>344でも
>>380でもないけど俺は普通に、
「オリジナルと二次創作との差はスタンスの違いであって、決して力量差ではない」と思っているよ。
例えば有名なダ・ヴィンチのモナリザなんかは、他の巨匠もオマージュとして同じモチーフの作品を描いたりしてるけど、
だからといってダ・ヴィンチと他の巨匠との間に圧倒的な力量差があるってわけではないじゃん。
みんなモナリザとは別の素晴らしいオリジナル作品を創作してるんだからさ。
いや、ここのSS職人さん達がみんな谷川並みのオリジナルを生み出す力量を持っているかどうかは知らないよ。
そんなもん匿名掲示板の上では確認する術がないんだからさ。
ただ、二次創作ってものを理解した上で受け入れる感性ってのは読者側として重要なことだと思う。
>原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。これはもう如何ともしがたいね……
この発言に感性の欠如を感じる人が少なからずいるってことじゃないのかな?
一応聞いておきたいんだが、分裂ネタはどこまで解禁?
1:春休み最終日前々日
2:春休み最終日
3:四月某日
4:ネタばれ注意しとけばいいんじゃね?
どうだろ。ネタバレ嫌いな人もいるからな、俺的には4だが。
4じゃねーの
全国的に書店の店頭においてあるし
立ち読みだって出来るのが普通だしな。
禁止する意味がわかんねーや。
つかネタバレ禁止した場合の解禁日っていつになんのよ。
では全部ばらすかw
>>392 ザスニの先行掲載分だけな
文庫全部読んだなんてのは勘弁だぜ。
>>387 一番ネチネチ引っぱってるのはお前な。
>>389 面白ければなんでもいいんじゃね?
ネタバレしてるけど読んでない人でも楽しめる物にしたい人だっているだろうし、
読んでる人にだけ分かれば未読の人からは非難轟々でも構わないって人だっているだろう。
力量と作者の気分次第だろそんなの。
そうやって杓子定規に決めようとするから子供臭いスレになっちゃうのさ。
>>393 分裂の文庫分全部のバレができるのなら
それはそれで聞いてみたいがw
個人的には、ネタバレに特に制限を設ける必要は無いと思うけど。
エロパロらしく完全自己責任、自分の身は自分で守れで良いんじゃね。
ネタバレ禁止のSS投下出来るハルヒ関連スレは他にもあることだし。
まあ制限かけてもネタバレする奴は必ずいるだろうけど
ネタバレするなら事前に注意した上で
作品を書くという形でばらして欲しいもんだね
ネタバレっても、たとえば「どう、とは」という台詞をSS中でキョンが長門に言ったとして、
それがネタバレかどうかなんてわからない。「長門台詞をキョンに言わせてる投下者の遊び」と思う程度。
逆に「ここがネタバレです」と自分ないし他人が指摘した段階で初めて「え、そうなん?」と思うだろう。
そういう心理も考慮に入れないと。
後は自分でネタ解説しない事だな(w
これまでどうだったの? 憤慨の時にそんなの気にしてたようには思えないんだけど。
>>388 書き手の立場で言っておくよ。
小説を書く時に一番大変なのは、魅力的な世界観、キャラクター、背景を作る事。
ストーリーは上記の3つが揃って初めて動き出す。
オリジナルの作品を1本書いてなよ。
自分の満足がいく作品に仕上げるのに、どの位もがき苦しむか。
二次創作作者を貶す必要はないが、力量の差はオリジナルを読まないことには
判断できないね。
犯人はヤス
>>401 当たり前だろ。そんなこと、わざわざ書く必要もない
だが、もがき苦しもうが読者にとって面白くなければ意味がない
エロパロにおける基準は面白いか面白くないかだろ、力量なんて内容に内包されてるもんだ
>>403 >読者にとって面白くなければ意味がない
>面白いか面白くないかだろ、力量なんて内容に内包されてるもんだ
断定口調で言い切る内容ではないですね。
面白いかどうかというのは、個人の主観でしょうに。
貴方にとって作品が面白くなければその作者は力量が無いのですか?違うでしょ。
面白いかどうかというのをあえて客観的に判断するならば、大多数の支持を得られたか
どうか位しか判断材料が無い。
力量が内容に内包されているか、面白いかなんて誰が判断するんだろう。
面白いから力量があるなんて、今後は口が裂けても言わないほうがいいですよ。
ここでわりと人気のある某作品でいうと、『「靴の中に画鋲」でなんでおまえらが還れなくなるんだよ』
こう思ってしまうと途端にすべてがつまらなく感じる、そういう人もいるかも知れん。
「ハルヒや谷口の顔が判ってどうしてこいつが判らないのか。ミスリードにもなってねえし」、はたまた
「『こいつ』でお涙頂戴が書きたいだけなんだな」などと下衆なこと思うようなバカもいるだろう。
あと「着ぐるみの誰かさんを連れまわすハルヒの動機って何よ?」などという違和感なら俺もある。
「どうしてそんなに執着するのかもわからん」と思うかもしれない。
ところどころのそういう違和感がありながら内容を持たせているのは、結局、原作の後光なんだと思う。
力量がどうこう言う以前に、自分のSSで「よし、満足だ!良い出来!」と思ったことがないな。
いやそのときは思ってるんだが。後から読み返したりね……・
やっぱり「自分を笑えるくらいじゃないと駄目だ」と、思わないとダメだよ。
だから「圧倒的な差」がつくんじゃないかと。
後から読み返すと穴掘って自分埋めたくなるよなw
あるあるwwwww
orz
SSや小説を書く人は皆、詐欺師で嘘つきであるというコラムを読んだ事がある。
現実にはいない人物、無い物、無かった事象をいかにもそれらしく書くのだから。
力量ものがあるのだとしたら、いかに上手く嘘をついて読み手を納得させたかじゃないかな。
ハルヒがキョンに出会う
↓
ハルヒがキョンとキスをする
このアウトラインにいかに説得力をもたすか。涼宮ハルヒの憂鬱でいうなら、ここが
小説家の嘘(力量)の見せ所。
ハルヒって誰さ、キョンって何?何で二人は知り合ったの?どうしてキスしなければならなかったの?
これを違和感無く、書ききる。二次創作って、上記の大部分を省けるんだ。
>>405の人が言っているけど、そこが正に原作の後光で力量の一部なんだと思う。
つーかザスニの話は別にここでしなくてもいいんじゃないか?
まぁザスニ読まなわからんような伏線や呼び方とかがあるんなら別だが
唐突だが、二重人格というものをご存知であろうか?知らない奴は・・・各々調べを入れてみてくれ。ここでは説明を省略させていただく。
その名の通り一つの人間という単体に複数の人格が宿っているという事らしい。簡単に言えばこんなような意味だ。
さて、なぜ俺がこんな非科学的現象話を持ちかけたというと・・・少し時間をさかのぼらなければならない。
・・・言っておくが俺は二重人格じゃないからな?
【数時間前】
「あ・・・キョン君、おはよう」
「・・・・すまん、ちょっと寝ぼけてて聞き取れなかった。もう一度言ってくれ」
「へ?あ、うん。キョン君、おはよう!」
「・・・・・!?」
こ、これは・・・悪夢だ!悪夢が今まさにこの瞬間起きようとしている!俺には分かる・・・この先の未来が・・・・
いや、待て待て落ち着け。それじゃあ俺が未来が見える不思議少年じゃないか、長門じゃあるまいし。というか、何で俺こんな訳も分からん
発想を自分の中で広げているんだ?ハルヒか?ハルヒが原因かこの発想は!とうとう俺もあっち側の人間になっちまったのか・・・?
谷口の言う通り、俺は毒に犯されてしまったのか・・・?
「キョン君・・・?」
「キョンさん、事件です」
「うわッ!い、いきなり現れるな、びっくりするだろ!」
「これは失礼。謝ります。それより、厄介な事が起こりました」
「顔が近い、もうちょっと離れろ」
「これは今だかつてない、前例の無い事態です」
人の話を簡単に流すな!何なんだこいつは
「どうせまたハルヒ絡みなんだろ?」
「ご名答、その通りです。よく分かりましたね」
「今のハルヒを見てみろ、不自然の代名詞化してるぞ。一体どうなってる、ハルヒが別人になっているぞ。」
「それを含めて今から説明します。ここでは涼宮さんに聞かれる恐れがあるので移動しましょう」
俺は古泉に連れられて部室へと移動する。部室には長門、朝比奈さんが既に待機していた。
「大体察しはつく。どうせまたあの閉鎖空間とかいうのが出たんだろ?今回のは俺は知らん。俺を面倒事に巻き込まないでくれ」
「いえ、今回はそうではありません。閉鎖空間よりも厄介な事です。それに、あなたにも協力してもらわなければなりません」
あれで充分厄介なのにまだ上があるのか?
「って、やっぱり俺も巻き込まれなきゃならないのかよ!」
「申し訳ないです。我々の力では限界がありまして、今回のはあなたでないと解決出来ません。」
「・・・・・。
で、閉鎖空間より厄介なのって何だ?一応話だけは聞いてやる」
「実は、単体人格変化空間が現れました」
「単体・・・何だって?」
「単体人格変化空間。簡単に言えば個人情報の書き換え。涼宮ハルヒは自分の意思で人格の変化を望んだ。その結果、涼宮ハルヒのもう一つの
人格が表へ出てしまった。」
「長門、お前の説明じゃよく分からん。理解しかねる」
「・・・。この世界で一般的に使われている言語で表すと、二重人格という言葉が匹敵する。ただし多少意味に相違が見られる。」
「それなら分かりやすい。成る程二重人格ね・・・・・・二重人格ぅぅ!!??ええ!!あの二重人格か!?」
「そう・・・。」
「まさかそんな事が・・・それに意味の相違って何だ?どういうところが違うんだ?」
「この世界で一般的に使われる言語の二重人格は二つの人格が共存しているという意味。それに対して単体人格変化空間は、人格を消し新たな人格を生み出して
しまう。」
「つまり、前の人格は綺麗さっぱり消えてしまう。そして誰もしらない涼宮さんの人格が現れてしまう。そういう事です。そうですねよね、長門さん」
「そう・・・。」
「じゃあ、前のハルヒの人格は消えちまうって事か?」
「ええ、まだ消えてはいませんが・・・時間の問題です」
「もはや何でもありだな・・・」
「キョン君・・・昨日の事覚えていますか・・・?」
朝比奈さんが唐突に質問してきた。
「昨日の事・・・?」
「昨日の私との会話です。」
「会話会話・・・会話って言われてもいつどの会話を指しているんだか分からないんですが・・・」
「涼宮さんと私とキョン君の三人だけだった時の会話です・・・。」
「・・・ああ、あの時のですか。思い出しましたよ。それが何か・・・?」
「その時キョン君、『朝比奈さんは性格、容姿、スタイルすべて完璧のオールSですよ。ハルヒもあの性格を治せば完璧になるんですけどね』と言ったよね・・・?」
そんな事、言ったような言わなかったような・・・・どうも記憶がない、ついに俺も老化が始まったか・・・
「あんまり覚えていませんが・・・朝比奈さんが言うのなら言ったのでしょうね。けど、そんな事あいつが聞こえていないところでこっそり言うような事だと思いますが・・・」
「聞こえていたんです・・・涼宮さんに・・・」
「それが原因ですか・・・成る程、道理で・・・」
「はい・・・恐らく涼宮さんはそのキョン君の一言で・・・」
「自分の人格に嫌気が差してしまった・・・・と、いうところですかね。
あなたの言った言葉に涼宮さんが過剰に反応してしまった。つまり・・・すべての原因は・・・
『「キョンさん」「キョン君」「あなた・・・。」』
に、あるという事です」
全員の言葉が同じ意味を表している。原因は俺・・・?ハルヒの急激な変化も・・・?
「・・・ドッキリとかじゃないのか?実は俺をハメてるとかそういう・・・」
「残念ながらドッキリではありません。事実です・・・。ドッキリなのであればどれだけ我々も安心出来る事か・・・」
「・・・またお前がその空間に侵入して問題を解決してくればいいじゃないか」
「不可能。単体人格変化空間はその単体の中で発生する。今回は涼宮ハルヒに発生した。侵入は不可能。一般的な言葉に置き換えると、無理。」
「・・・・・そうか」
「そう・・・。」
「長門さんの言う通りです。今回は我々もお手上げです。どうにもなりません」
「キョン君しかいないの・・・涼宮さんを元に戻せるのは・・・」
待てよ・・・ハルヒがあの性格のままで別に問題ないんじゃないのか?前のハルヒより今のハルヒの方が静かだし。俺もちょっとドキッとしたほどだ。
そうすればこのSOS団も解散。俺に平和が戻ってくるって事じゃないか!
「なあ・・・別に戻らなくていいんじゃないのか・・・・?」
「え・・?」
「と、言いますと?」
「いやだから俺の意見はハルヒがあのままでいいんじゃないかって事だよ。考えてみろ、あの訳の分からん思考を持つ爆弾のような女子より。
大人しい女の子の方が良いだろう?いや、良いに決まってる!」
「それは逆。元に戻らなければ地球の終わりを意味する。」
「何でだよ、人格が変わっただけじゃないか」
「人格の書き換えが完了するのが引き金となって涼宮ハルヒの記憶がすべてリセットされてしまう」
「何だって?」
「つまり、涼宮さんの人格が完全に変わってしまうと記憶が無くなってしまうという事です」
「そうじゃなくて、何で人格と地球の終わりが関係してるんだよ」
「涼宮さんの新しい人格には、あなたの記憶しかないのです。僕や長門さん、朝比奈さんはもちろん。あなた以外の人間の記憶は無くなってしまうのです。
すると必然的に僕達はこの世から消えてしまう・・・今の涼宮さんは僕達の存在を望んでいない。すると僕達は存在する意味、または理由が無くなってしまのです。
今涼宮さんが望んでいるのはあなただけ。つまり、あなた以外の存在はすべて消えてしまうという事です。無常にも、あなたの記憶に植え付けられたまま・・・」
「この世界に俺とハルヒだけの二人以外いなくなっちまうって言うのか?」
「ご名答。その通りです」
「前にも言ったでしょう?あなたは涼宮さんに選ばれた者なのです。たった一人のね」
「・・・・・。」
古泉や長門、朝比奈さんの言っている事は普通ではありえない話。しかし、これまでの経験上こいつらには俺の常識は通用しない。
ハルヒの変化から見ても異常だってのは分かる。ドッキリでもないようだ。
「・・・・どうすりゃいい?」
「協力してくれるのですね?」
「ああ・・・」
「流石、僕のかけがえの無い親友です」
違う、俺は朝比奈さんやその他が消えてしまうのが嫌なんだ。お前は別に消えてもいい、むしろ消えてくれ
「で、どうすりゃいいんだ?ハルヒに直接『元に戻ってください』とかなんとか言えとでも言うのか?」
「そんな簡単じゃありません。あなたを涼宮さんの人格をコントロールしている場所へあなたを送り出します。」
「何だって!?それじゃあ・・・」
「ええ、あなたを単体人格変化空間に強引に侵入してもらう事になります。」
「それは無理だとさっき言っていただろうが」
「いいえ、あなたにはその力があるんです。僕達はその力が無い、だから侵入出来ない。理解して頂けましたか?」
「なぜ俺だけは侵入出来ると断言出来る」
「分かってしまうんです。こればかりは説明出来ません」
「朝比奈さん、あなたも・・?」
「はい・・・」
「長門、お前も分かるのか・・・?」
「分かる・・・・」
「・・・・。分かった。で、方法は何だ?どうやって侵入する」
「侵入方法は一つです。それを今から説明するので少しばかり目を閉じてください」
またそれか・・・
「閉じたぞ」
「もう、開けていいですよ?」
目を開けるとそこには予想通り閉鎖空間とやらが広がっている
「閉鎖空間か・・・」
「ご名答。その通りです」
「その返答は聞き飽きた。もうちょっとアドリブを効かせろ」
「これは失礼。今度は別のバージョンに変えることにしましょう」
「で、この後どうするんだ?」
「この閉鎖空間から単体人格変化空間に移動します。これが難儀な事で、困ってるんですよ」
「どうやって移動する?また目を瞑るのか?」
「いいえ、ここからはあなた一人の力で移動してもらうほかありません。僕達はここまでです。では、頼みましたよ」
そう言い放つと古泉は俺の目の前から姿を消した。
「おい古泉!」
「キョン君、また会えたら宜しくね・・・頑張って・・・」
朝比奈さんも古泉と同様に姿を消す
「これを・・・」
「何だこれ?」
「あなたとの唯一の交信手段。困ったらこれを使って。ただし、多用出来ない。時間がない。健闘を祈る。」
「あ、おい長門!これどうやって使うんだよ!」
長門から10分の1くらいの大きさにしたノートパソコンのようなものを受け取った。
しかし、使い方が分からない。
「肝心な事を・・・。ふぅ・・・呆然と立っていても仕方が無い。行くか・・・」
辺り一面が薄暗い砂漠のようなこの世界に俺はため息をつきながらも、一歩一歩地を踏みしめていた・・・。
はい!という事で意味不明ですみません!それに空気も読めずに投下した事をお詫びいたします!!
とりあえず続く・・・のかな?ORZ
とりあえず二重人格は非科学的ではないって事だけ言っておこう
ブギーポップの末真さん辺りに影響されちゃったんだろ
>>413 要約すると、続きに期待なんだぜ?
『ゲーデル・エッシャー・バッハ Golden Eternal Braid』 いま読んでるんだけど、
原書副題の「Golden Eternal Braid」は G ゲーデル E エッシャー B バッハ の言葉遊びだ。
なんでそのままにしておかなかったんだろうか。原題のままのほうが面白いのに。
言葉遊びといえばあの長編の章題は「いろはにほへと」順だが。
>>411 お疲れ様です。今後の展開に期待します。
SSはまだ書き慣れていないようなので、以下の事を今後の参考にしていただければ幸いです。
1)間を取る時には「…」(三点リーダー)か、「──」(全角ダッシュ)で書くこと
2)会話文以外の始まりは、1文字分空ける
3)1行の長さを適度にそろえる。改行を打つときには、一文の区切りの良いところで切る
4)内容が変わる部分で1行改行を打ち、文を空ける
5)5W1H、読み手を意識し、会話で状況を説明する事をなるべく避ける。
文の書き方はこの位かな。
後は内容ですが、できれば危機に対してもっと説得力を持たせれば良くなると思います。
頑張ってください。
形式厨うざい
そんなに徹底させたいのならテンプレにでも付け加えとけ
たまにはいいんじゃないかと思う。ほんとーにたまになら。毎回じゃうざいけど。
>>418 助言と強制とは全たく異なるぞ。そこを混同して苛立つようではお先は暗い。
>>418 徹底って……
文章を書くのなら最低限これくらいは知っておいたほうがいいですよ
とアドバイスしてくれてるだけのように見えるが。
最近はこういう一般常識レベルの事が出来てない人も増えてるから。
他で大恥を書く前に指摘してもらえるのは書き手にとってもプラスだと思うぞ。
423 :
初心者:2007/03/02(金) 17:56:35 ID:2nywbQlL
エロSS(未完)投下させてもらいますー。
424 :
初心者:2007/03/02(金) 17:58:28 ID:2nywbQlL
いつだって、俺を困らせるのは涼宮ハルヒであることに間違いはないのだが、
ここ一週間のハルヒには、正直、弱る。
毎晩、閉鎖空間を発生させては俺のチンコをしゃぶり続けるのだ。
いわばカマドウマの化け物に出会った時のようなもので、
ハルヒは無自覚に自分の夢の中に俺を閉じこめ、
そして俺のチンコを飽きるまでしゃぶり続ける。
「キョンー、欲しいよぉ。キョンの童貞チンポ欲しいよぉ。
もう私、舐めてるだけで濡れちゃうんだから。
ん、キョンの童貞チンポ美味しいよぉ、でも中に欲しいのぉ!」
さすがに夢の中で処女を奪うのはいかがなものかと思う俺としては、
三度目の射精が終わると同時に速やかに寝ることにしている。
ハルヒは俺が射精してもチンコを放そうとせず、
結果として、俺は毎日三回射精させられている。
これは、肉体的に辛い。
そのうえ、
顔面にぶっかけられた精液をクチュクチュと音をたてて愛おしそうに飲み込み、
延々と俺の名前を繰り返しながらオナニーをするハルヒの隣りで眠るというのは、
精神的にきつい。
425 :
初心者:2007/03/02(金) 17:59:46 ID:2nywbQlL
そんなわけで、放課後、SOS団の部室で長門に相談してみた。
「解決するのは簡単」
即答された。
さすがは、対有機生命体用インターフェースだ。
「でも、これは彼女とあなたの問題。情報統合思念体は、今の状態を重大な問題とはみなしていない。だから、わたしが個人的に解決を手伝う」
問題とみなせよ。
「思春期にはありがち」
それで、長門はなんだって個人的に解決を手伝ってくれるんだ?
確かに長門はいつも頼りになって俺の味方になってくれる奴だが、
それが無償の行為ではないことぐらいは俺もわかっている。
「取引」
「なにを?」
「あなたの童貞は、わたしのもの」
なにを言ってるんだ、長門。おまえ、そういうキャラじゃないだろう。
いや、ていうか、俺が童貞だってなんでハルヒも長門も断言するんだ。
確かに童貞だけどな。しかも仮性包茎だ。
でも、わりと大きさには満足している。
いや、まあ、そんなことはどうでもいい。
「俺とセックスしたいのか?」
一気に跳ね上がった心拍数を深呼吸で抑えて、
長門の無表情な顔を見て尋ねる。
「したい」
「そうか」
………………じゃあ、しょうがないよな。
426 :
初心者:2007/03/02(金) 18:02:19 ID:2nywbQlL
マンションに移動するのかと思いきや、
長門はその場で制服を脱ぎだした。
部室で事を致している最中に、
ハルヒが突入してくる可能性など考えると恐ろしいのだが、
そこらへんの対策を長門はしているのだろうか。
「大丈夫」
やけに強気に言い切り、長門はスカートをまくりあげて下着を脱ぐ。
もう濡れていたのを、俺は見逃さなかった。
が、そこは童貞の悲しさで、長門の次の動作を待ってしまう。
長門は椅子に座ったまま固まっている俺を見て言った。
「この姿勢はやりにくい。床に横になるといい」
「そうか」
「全部脱がないで、局部だけ露出するのがいい」
「そうか」
「わたしもそうする」
「そうか」
まさに、まな板の上の鯉と言った感じで、
長門の言うがままに床に横たわる俺。
このシチュエーションは、なかなか萌える。
目の前にまんこがアップであるし。
って、まんこの中になんかピンクのものがあるんだけど、なんだこれ?
「ローター」
「いつから入れてたんだ?」
「朝から。今日、あなたがわたしに、
涼宮ハルヒの淫夢について相談しにくる可能性は97%あったから」
「そうか」
俺はもう、そうかしか言えない。
いや、でも、ローターは気になるぞ、ものすごく。
「んっ……!」
ローターをつついたら、長門の無感動な声が急にエロくなった。
「これ、遠隔操作タイプだろ?
どこにコントローラーあるんだよ」
童貞とはいえ、知識は谷口から仕入れてある。
ローターの種類くらいは見てわかる。
「わたしのスカートのポケット」
「借りるぞ」
太股をなで上げながら長門のスカートのポケットを探り当て、
中からローターの操作用装置を取り出す。
「ふぁっ!?」
いきなり、振動を最大まで高めたら、長門の背中がびくんと跳ねた。
427 :
初心者:2007/03/02(金) 18:03:57 ID:2nywbQlL
「あ、悪い」
「悪くない」
気持ちよかったんだな。
長門のまんこを指で広げると、
もうとろとろに熱く濡れて蕩けていた。
指や太股を伝って愛液が際限なくあふれてくる。
ローターを引き抜いていじくろうとしたら、
長門が俺のチンコに口をつけた。
声をあげそうになるくらい、
長門の口の中は気持ちよかった。
しかし、情報統合思念体に、
俺が早漏と記録されるのは納得がいかない。
ぬちゅぬちゅといやらしい音をたてる膣穴からローターを引き抜いて、
愛液にまみれたそれを、今度は長門の小さなアナルに押し込むことにする。
愛液まみれの指を長門のアナルに挿入し、少しずつほぐしていく。
「くぅ……ふぁ……っ……ふぅっ……んんぁ!」
人差し指が入れば、中指も、そして薬指までなじませたところで、
ローターをずぷりと押し込む。
「長門のまんこに指つっこむと、
壁一枚隔ててローターが揺れてんのがわかるぞ」
「そこは、いじっていいと……言ってな……ふぁあ……ひくぅっ!」
ローターの振動を最大にすると、
長門の言葉はあっけなく喘ぎ声に変わった。
「ああ。えーと、こっちでも感じるなんて……」
「言葉責めはしなくていい」
冷静に言われると、少し悲しい。
まあ、向いてないのはわかってたけどな。
しょうがないので、指とローターを駆使することにする。
ぬちゅとかちゅぷとか淫靡な音が延々と部室に響く。
ていうか、そろそろ俺が限界だ。長門の舌技は上手すぎる。
428 :
初心者:2007/03/02(金) 18:06:09 ID:2nywbQlL
「長門、挿れさせろ」
慌てて、とめる。でないと、
長門の口の中に射精してしまいそうだった。
それはまずい。取引は俺の童貞だ。
「自分でやる」
振り返り、赤く上気した頬で俺を見下ろす長門。
角度はなんだが可愛い。が、俺の童貞は騎乗位で奪われるのか?
長門は姿勢を変えると、俺のチンコを探すように腰をすりつける。
ぬるぬるとした愛液がズボンまで濡らしているのを感じる。
長門が濡れやすいのか、それともみんなこうなのか、
ジャッジを下せる経験値が俺にはない。
「そういえば、長門、処女じゃないのか?」
マンコにローター入れてたしな。
「処女膜は必要のない部位なので、再現しなかった。
性交渉に及ぶ時、93%の確立で処女膜は行為の中断を引き起こす」
「そうか」
「でも、はじめて」
「そうか」
……ちょっと嬉しい。
長門は俺のチンコを探り当てると、
自分からそれを自分の膣穴へと押し当てて深く腰を下ろした。
「……んっ」
息を吐き出しながら、
長門はきつきつのまんこの中に俺のチンコを埋めていく。
こういうときは肉棒って言ったほうがエロいのかもしれないな。
429 :
初心者:2007/03/02(金) 18:07:21 ID:2nywbQlL
「気持ちいい」
「俺もだ」
挿入の快感だけで射精しそうになるのをこらえて、
長門の細い腰に手を伸ばす。交合した部分が、
くちゅくちゅといやらしい音を立てる。
「わたしが動くから、合わせて」
頷くと、長門は腰を動かし始める。
いつもの無表情からは想像もつかないほどエロい顔で、
自分で自分の乳首を制服の上から弄っている。
「俺も、少し動かすぞ」
下から一気に突いてみる。
「んあっ! ひゃう!」
途端に声のトーンが跳ね上がる。
俺は、長門の一番奥に届くように、必死で腰を突き上げる。
「ふぁあっく! ひんっ……くあうっ!」
何度か突き上げているうちに、俺も限界がきた。
「長門、出る」
「……なか」
なにを言い出すんだ、この宇宙人は。
しかし、俺は完全に騎乗位を決められいて、
膣肉にしごかれるチンコを引き抜くことができない。
「……!」
「ぁ……ふぁ……ふう……うっ!」
長門の中に、俺の精液がたっぷり注ぎ込まれた。
幸いなことに、
どういうわけだかSOS団長である涼宮ハルヒだけでなく、
朝比奈さんも、古泉も、今日は部室に来なかった。
なにを操作したんだ、長門。
430 :
初心者:2007/03/02(金) 18:08:00 ID:2nywbQlL
長門編完。
書けたら、次、朝比奈さん、ハルヒと続きます。
感想とかいただけたら嬉しいです。
>>430 すまん、「初心者」で題名は良いのか教えてくれ。後で読む人に感想貰えるし、はっきりさせたほうがいいぞ。
>>411 やっぱ初めてだと駄文になっちゃいますORZ
アドバイス感謝です
433 :
初心者:2007/03/02(金) 18:12:37 ID:2nywbQlL
>>431 ご指摘、ありがとうございます。
一応、コテハンのがいいのかと思って、名前が「初心者」です。
タイトルは、「涼宮ハルヒの処女喪失」で。
初心者は言い訳にならんとry
>>434 ウス!
じゃあ、タイトルは「初心者」でいきます。
>>430 おおー久々にエロ物だ。
本来エロパロなんだからもっとこういうあからさまなエロが増えてもいいな。
438 :
初心者:2007/03/02(金) 19:26:06 ID:2nywbQlL
続きいきます。
439 :
初心者:2007/03/02(金) 19:27:07 ID:2nywbQlL
翌日、俺が部室に行くと、
事態はすでに取り返しのつかないところまで進行していた。
「んふぁ……んあっ! もう許してくださいぃ……」
朝比奈さんが、俺の天使の朝比奈さんが、
懐かしいバニーの姿で白濁液にまみれていらっしゃった。
「なにやってんだよ!」
思わず、声を荒げた俺の横に、いつのまにか小柄な宇宙人がいる。
「欲求不満は解消すればいい」
その言葉に、ふと視線を部室の奥に向けると、
机の上に腰かけ、まくりあげたスカートの下、
妙に可愛い下着の中に指をつっこんで上下させているハルヒが目に入った。
「おい!」
ハルヒに直接掛け合おうとした途端、
長門に制服の裾をつかまれた。
「解消しないと、終わらない」
ハアハアと息を荒くして、
ハルヒは目の前で陵辱の限りをつくされる朝比奈さんを見ている。
なるべく穏当な言葉を選んできたが、
陵辱の限りという言葉でも、もう言い尽くせないだろう。
朝比奈さんは、肉便器と化していた。
440 :
初心者:2007/03/02(金) 19:28:07 ID:2nywbQlL
「SOS団主催の第一回みくるちゃん陵辱ショーよ!」
ハルヒの声が高らかに響く。
改めて朝比奈さんに目をやった瞬間、
俺の理性はどっかネジが飛んだと思う。
それくらい、朝比奈さんの姿はエロかった。
「キョン、おまえもやるか?」
掃除の時間にいないと思ったら、
谷口が剥き出しの勃起したチンコで、
朝比奈さんの白い頬を嬲っている。
朝比奈の顔はすでに精液にまみれ、
唇の端からもザーメンが糸を引いている。
「俺は、この網タイツに包まれた太股に、
チンポをこすりつけてみたかったんだよ!」
マニアックな欲望を口走りながら、
朝比奈さんの太股に勃起したチンコをすりつけている奴がいる。
「朝比奈さん、こっち向いて。
さっき口に出したザーメンまだ飲んじゃダメだからね。
口から手にザーメン出してみて。それでもっかい舐めて」
カメラを構え、朝比奈さんの呆けたような顔に向かって
何度もシャッターを切っている奴がいる。
「ふぁ……んぅ……あ、もう立てないぃ……」
床に座り込んでいた朝比奈さんを、古泉が無理矢理に引き起こす。
一瞬、殴りたくなった。
「始まったばっかりですよ、朝比奈さん」
朝比奈さんのバニースーツの胸は下に押し下げられ、
横から無理矢理ねじ込んだチンコのために下は破れかけ、
さらにどろどろの精液を塗りたくられて、
ほとんど服の体をなしていない。
441 :
初心者:2007/03/02(金) 19:28:47 ID:2nywbQlL
「ほら、ちゃんと皆さんに、ご挨拶しないといけませんよ」
古泉の言葉に、
朝比奈さんは弱々しく上目遣いで俺たちを見る。
「あ、あの……朝比奈みくるです。今日は肉便器です。
口と、おまんこと、お尻で、ご奉仕します。
なんでもお申し付け下さい」
涙に潤んだ目を羞じらいで伏せ、
朝比奈さんはたどたどしく言う。
「俺は朝比奈さんの乳首弄りオナニーが見たいな」
口火を切ったのは谷口だった。
「俺はその柔らか巨乳でパイズリされてえ」
「フェラで三分以内に発射させられなかったら、中出し」
「中出しいいよな。前も後ろもたっぷり中出ししたいよ」
「肉便器なんだから、中出しさせるよな?」
「俺は破れかけた網タイツにチンポこすりつけて射精したい」
「二本同時にくわえてるとこ見たい」
「つーか、二穴挿しだろ?」
それぞれが勝手な欲望を吐き出しながら、
朝比奈さんに近づく。
俺は、固まって動くことができなかった。
いや、俺も欲情していた。だから、動けなかった。
「そんな、全部いっぺんにはできませんよぉ……」
涙目で言う朝比奈さんを、谷口が膝立ちにさせる。
「ほら、エロ乳首弄れよ。もう勃ってんじゃないか」
いつもの情けない谷口からは想像もつかない、S口調。
俺もあれをマスターせねば。
長門に「言葉責めはいい」と言われたのはけっこうショックだった。
いや、それは今はどうでもいい。
ともかく、朝比奈さんはその白い指先で、
白い胸の先端にある、ベビーピンクの乳首を摘んで、
自分でクリクリと弄くりだした。すぐに息が荒くなる。
胸がでかい人は、乳首が弱いって噂、ホントなんだろうか。
442 :
初心者:2007/03/02(金) 19:29:47 ID:2nywbQlL
「あ……んぅ……ん……」
小さな声をあげる朝比奈さんの頬を、
谷口はチンコでぺしぺしと叩く。
「あ……やぁ……おちんちんで顔嬲るのやめてぇ……ん!」
言葉とは裏腹に、朝比奈さんは明らかに興奮している。
顔をチンコで嬲られて興奮している。
なんてことだ、朝比奈さんは変態だったのだ。
じゃあ、俺も遠慮することはない。というか、遠慮する方が失礼だ。
「キョンくん……」
朝比奈さんの声に、
俺も制服のズボンのジッパーを降ろそうとする。
「ダメ」
長門に止められた。
「今日のあなたは、彼女専用」
言われて見ると、ハルヒは大きく股を開き、
邪魔な下着をずり下げて、
ぐちゅぐちゅと音を立てながら、
自分のまんこを激しくかき回している。
「すごい。こんないっぱいに犯されてるみくるちゃんを、
バカキョンは助けないんだ」
どういう妄想をしているんだ。
今、おまえの頭の中で進行しているシチュエーションを俺に教えてくれ。
「今はまだ、だめ」
言い寄ろうとした俺を、長門が止める。
「ふぁあっ! ひゃくっん!」
朝比奈さんの声がいきなり高くなったと思ったら、
後ろに回った男が朝比奈さんの腰を掴んで
無造作に硬くなったチンコをアナルに押し込もうとしている。
「いきなりは無理だろ!」
思わず言った言葉に、古泉が首を横に振る。
「今日の朝比奈さんは肉便器なんですよ。
無理など、とんでもありません」
見る見るうちに、
朝比奈さんの小さな尻穴がチンコで拡げられ、
めりめりと犯されていく。
「やあああっ! 中! 中がめくれちゃう! 拡がっちゃう!」
「スゲエなあ、朝比奈さん。アナルのが反応いいぜ」
下卑た声に、朝比奈さんは、ゆるゆると首を横に振る。
443 :
初心者:2007/03/02(金) 19:30:28 ID:2nywbQlL
「待てよ、今、前にも挿れるから」
前に回っていた谷口とアナルを犯している奴が、
朝比奈さんの体を一緒に持ち上げる。
駅弁だっけ? そんな名前の体位に近い。
あれ、現実で出来るとは思わなかった。
「朝比奈さん、今、どこになにが挿っていて、
今からどこになにが挿りますか?」
「い、今、みくるの尻穴におちんちんが入っていてっ!」
答える朝比奈さんの顔は苦痛と快感に、蕩けていた。
「これから、みくるのおまんこに、おちんちんが入ってきますっ!」
大きく喘ぎながら、それでも朝比奈さんはちゃんと答える。
「そうすると、朝比奈さんはどうなるの?」
谷口はさらに問いつめ、
膣穴の入り口に押し当てたチンコをじらすようにこすりつける。
「あっ! あ……! 挿れて!
挿れてください。おちんちんがまんこに欲しいのっ!」
「それじゃダメだよ。チンコ挿れたら、どうなるの?」
谷口は、執拗に問いつめる。
「みくる、両方の穴にいっぺんに挿れられたら、
頭真っ白になって、イキまくって、
それでも止まらなくて……やっ!
あぅ……イク! イッちゃう! お尻でイッちゃう!」
しびれを切らした背後の男が、
何度も荒く朝比奈さんの体を突き上げる。
「しょうがないなあ。
こっち、もうおもらしみたいで、
穴ふさがないと床どろどろになっちゃうよ」
薄ら笑いを浮かべながら、
谷口はようやく朝比奈さんの中へと、
いきり立ったチンコを挿入した。
444 :
初心者:2007/03/02(金) 19:30:59 ID:2nywbQlL
「ひゃああっん! きもちいいっ! きもちいいいよおっ!」
呆けた言葉を口にしながら、
朝比奈さんはむちゃくちゃに腰を振る。
「とまんないっ! 腰、とまんないのぉ!
イキっぱなしなのにっ!」
「これじゃあ、くわえるの無理だなあ。
食いちぎられちゃいそう」
フェラを希望していた奴が、
仕方なさそうに朝比奈さんの胸をひしゃげるほど握る。
「ほらほら、イッちゃえよ。
何回イクか数えててやるから」
乳首を乱暴な仕草でいじりながら、そいつが言う。
「イク時はちゃんとイクって言えよ?」
谷口は挿入してからも声が冷静だ。見習わねば。。
「イキます! みくる、イキます! イキっぱなしなの!」
ぐちゅぬちゅと粘液のたてる音と、
朝比奈さんの悲鳴のような喘ぎ声が教室に響く。
「うわ、イキ過ぎて締め付けてくる!」
急にアナルに挿入していた男が、荒く息をつく。
「じゃあ、そろそろフィニッシュしますか」
谷口も息が荒い。
「ああんっ! 中はダメです!
中は! 妊娠しちゃいます!」
「肉便器はそんなこと言う権利はありませんよ」
古泉がにこやかに言う。
ああ、そうだ。この朝比奈さんは、まさに肉便器だ。
中出しを拒否する権利なんてない。
「ふあ……んんんっ!」
背後の男の表情が一瞬険しくなり、
すぐにだらしなく弛緩する。射精したんだ。
朝比奈さんのアナルにたっぷりと。
「こっちも出る!」
谷口が思いきり朝比奈さんを突き上げる。
「やああっ! 妊娠しちゃう!
ああ……ふぁ……んんんっ!」
中出しされた精液の勢いに、
またイキながら、朝比奈さんが高い声をあげる。
「ひゃあん!」
ひときわ高い声があがったと思うと、
谷口のズボンを黄色い液体が一気に染め上げる。
「ああー、お漏らししちゃいましたね」
「しょうがねえなあ、肉便器は」
申し訳なさそうな古泉に、
谷口は対して嫌でもなさそうに軽く手を振る。
「お仕置きしたいけど、今日はもう使い物になんねえなあ」
床にへたりこんで放心状態の朝比奈さんを見下ろし、
谷口は言う。
朝比奈さんの周囲に急速に水たまりが広がっていく。
「あ、あ……ふぁ……」
なにか言おうとして言葉にならず、
朝比奈さんはまだ湯気を立てている水たまりの中に突っ伏した。
445 :
初心者:2007/03/02(金) 19:32:08 ID:2nywbQlL
「初心者」の朝比奈みくる編ですた。
これはひどい。ひどすぎて同人並だ
●<さぁ…貴方も一緒に…
アッ-!
ねぇ〜、続きはいつくるのかな?かな?
初心者だから、まあいいかなあと思った。
これで偉そうにしてたり後書き痛かったり俺語りとか始めたら蹴り入れるけどw
まあ、名前欄を名無しにすることだな。
俺この仕事が終わったら「Kの悲劇」の続編というか、
ダイジェストじゃないやつをがんばってみようと思ってるんだ…
なにフラグ立てようとしてんだよw
自殺願望があるのか
古泉のガチホモktkrとなる訳ですか
>>451 同志よ! 頑張れ! wktkして待ってます!!
●<ホモじゃないんですよ…ゲイなんですが…
甘々なハルキョンが読みたい
意外とストレートなのないからな最近のここ。
そもそもキョン自身がもの凄く回りくどい
朝、学校へ到着すると校舎沿いの花壇が満開になっていたので、ちょっとグラウンドで泳いでみることにした。
軽やかにグラウンドへ向かって歩き、
「これは春かもしれん」
ここぞとばかりに俺は呟く。
そういうわけで早速グラウンドの中央あたりに到着。そこで俺はやっぱりもうちょいグラウンドの隅へと移動することを決意した。
うつ伏せで倒れこみ、やがて顔に型が付くまで砂と小石の感触を堪能する。これはやばい。
手足に関しては、誰かがそれを見たところで瞬時に平泳ぎをイメージできるよう正しいフォームを心掛ける。
「こいつはたまらん。お前もやってみろ国木田」
試しにそう言ってみるが、特に国木田がいるというわけではない。
――見つけた。
俺だけの時間。
現実を遥かに凌駕するほどの夢をふんだんに詰め折りにしたひと時。
だが、何ゆえこうもタイミング良く邪魔立てしようとするのだろうか。
「おや、何をなさっているのでしょう?」
こいつは完全に節穴だ。これのどこを見れば、何をしているのか、などと問わなければならないのか逆に問い詰めたい。
「どうやら僕も参加した方がよさそうですね」
俺だけの時間、それが俺たちだけの時間へと進化を遂げた。
反省はしていない
朝比奈さんの扱い…
ちょw 鬼才あらわるwwwwww
ぶった切ってすまんが
ここって行数制限と字数制限ていくつ?
>>459 ちょwwワロwwww古泉おまww参加すなwwwwwww
我が気持ちを精密に表現すると畢竟こうなってしまふ。なにゆえ……
>>463 テンプレを……と言おうとしたら書いてなかった。
書いてあったと思ったんだが記憶違いか?
確か60行、4096byteだったはず。
>グラウンドで泳ぐ
そうか、キョンはセッコだったのか!
そんなわけで小ネタ
「ほーらほらキョン結び目何個がいい?1つ?い…いやしんぼめ!」
…スマン。
これは春かもしれん,てお前だお前w
>>459 >――見つけた。
カッコつけんなバーローw
(――見つけた)
括弧つけんなb
和式で用をたしてた時の事だ。ちょっと今日は、緩めの物が出ていたせいもあったのか
このベルトコンベアライクに連続的な糞の流れが些か不思議な感じがあった、あと特別に臭い。
とまぁここまでは、良くある話しなんだが、俺が事件に遭遇したのは
尻を拭き終えた直後に起こった。イヤ・・・このトイレに入ったときから起こっていたのかも知れない
俺の分身が立派な巻糞に成り上がりその先端と来たら天を仰ぐように
真っ直ぐピーンと立っていたのだ!!
ああぁぁぁぁぁぁすいませんでした。誤爆してしまったor2
こいつは、大罪だな
どこと誤爆したのか教えて欲しい内容だ‥‥‥
凄い誤爆だなw
ところでさっき久々に「非単調ラブロマンス」読み返して泣いてきたんだが、あれ書いてるのっていわゆるアスタリスクの人って呼ばれてる人の作品なのか?
違う。非単調はいわゆるオンザの人って呼ばれてる人。
アスタリスクの人は北高をでようや、最近だと耳掃除のSS書いてた人。
>>476 ああ、少年オンザ書いた人か、d
春休み暇で暇でしょうがないから保管庫全部読もうかな
こういう時にちょうどいいレポートとか課題があるといいなぁとか思ってしまうw
>>476 その二人のはいつもながらいいな。安心して読める。
479 :
初春嵐:2007/03/03(土) 17:08:11 ID:sW7IE2MU
2月後半ともなると、太陽は意外と早く昇ってくるものである。そりゃあ冬至の日からふた月も経つわけだし、当たり前といったら当たり前だが、冬は日が短いと思い込ん
でいるとついうっかり忘れてしまうものである。不意に目を覚まし、日の光を目にし、「んーもうこんな時間……あれ、まだこんな時間だっけ」と時計を確認してはわずかな
時間のずれを楽しむ……優雅なひと時であり、かつ早起きは三文のなんちゃらを地でいく一瞬。
あくまで自力で目を覚まし、且つ平日だったら、の話であるが。
残念ながら、耳元で非常ベルの如くけたたましくそして人を不愉快にさせてくれる携帯電話のせいで目を覚ました土曜日に適用されることはない。渋々と体を起こしてまだ
6時35分じゃないかもう少しくらい寝かせてくれよ昨日も散々連れまわされては節々が痛むんだからと寝起きの口上をたれつつ、パカリ、ポチッ。
「ただいま寝ております。御用の方はピ」
『あんた遅いわよ! いったいいつまで寝てる気なのよ!! もう太陽だって地平線から顔出してる時間なのよ』
それは太陽さんの勝手だろうが。少なくとも俺の睡眠時間に関係はない。あとボケは最後までやらせてくれ。
「で、太陽さんが起きたからなんだよ。少なくともまだ完全に顔出し切ってる時間じゃないだろうに」
『もったいないじゃない。日が出てあたしも起きてる。こんなにもったいないことはないでしょう?』
俺の睡眠時間がもったいないのはどうすればいいのだろう? とりあえずハルヒ、お前は受け取っちゃくれないだろ。
『というわけで、今から30分後駅前に集合ね。緊急集会やるから!』
プーッ、プーッと、電話から無機質な電子音が鳴りだし、やれやれとため息をひとつこぼし、パカリと閉める。どういうわけだ、いったい。
残念なことに眠気はすっかり消え失せてしまっていた。だからといってハイソウデスネと駅前に行く気にもなれないのだが、何故だか小泉の顔が頭の中で浮かんで離れてく
れない。やめてくれ、行ってやるから休みの日まで人の目の前で胡散臭いスマイルのまま閉鎖空間がとか言うんじゃない。
なんやかんやでしゃきっとシャワー浴びて着替えて10分後に家を出ていた自分には、何もダメ出ししないでおいて欲しい。きっと首をくくりたくなるから。
480 :
初春嵐:2007/03/03(土) 17:08:55 ID:sW7IE2MU
「おっそーい! 寒い中団長を待たせるなんて、あんた本当に団員としての意識あるわけ?」
んなもん昔から持ち合わせていない。寒いなんてわかりきったことだろうし、そもそも電話が鳴ってから20分でここまで来たのは奇跡に近いぞ。
「何行ってるのよ、あたしを10分も待たせたことに違いはないわ」
……電話かけるときには既に出かける準備終えてやがったな畜生め。
「もう俺の驕りなのは泣く泣く我慢するとして、だ。他のやつらは?」
「何言ってるのよ。こんな休みの日の朝早くから起こしたらさすがにみんなの迷惑でしょう?」
俺は? 何にも期待してないけど一応聞いておいてやろう。万が一、という言葉もあるしな。後は鬼の目にも涙、とか。犬も歩けば棒にあたる、とか。
「あんたはいーの! 雑用係代表取締役なんだから」
「偉いのか偉くないのかはっきりしろ」
「雑用なんだから偉くない。わかった?」
よくわかりました。
「で、こんな朝っぱらから何するんだ?」
「決まってるじゃない。SOS団のやることといえば不思議探索よ!」
この寒い中ごくろーさん、俺は家のコタツに……わかったわかった俺もちゃんと自分の足で歩んでみせるから、手を引っ張るなっての! そして走るな!
481 :
初春嵐:2007/03/03(土) 17:09:24 ID:sW7IE2MU
2月末という時期は不思議な色合いを称えている。
冬なのに、春。春なのに、冬。
時計の針が、二つの季節の間を駆け抜けていく感じだ。
ようするに、朝はまだ冬ってことさ。
「……なあ」
「……何よ?」
8時にも届かぬうちは、吐く息も白く曇り、吹き付ける風は冬のそれと変わらない。コートとマフラーで防寒対策をしているとはいえ、素肌がさらされている部分はなすす
べもなく、冬の攻撃に耐え忍ばなければならない。
俺が逃げ出すとでも思っているのか、先ほどからずっと手は引っ張られっぱなし。いや、俺は逃げないから、な? ガキじゃないんだし。
「ウソばっかり。今すぐにでも逃げ出そうとしてるじゃない」
「そりゃ誤解だ」
残念なことに、ハルヒも神様のようなもんとはいえ哺乳類(というか人間)であり、触れ合っている部分からは否応無しに体温が伝わってくる。なんで手袋だけ忘れてくる
かね、俺は。
「しっかしまあ、いくらなんでもこんな朝早くには未来人も宇宙人も超能力者も布団の中で丸まってるんじゃないか?」
「そんな人間くさいのはいらないのよ。あたしが求めてるのは、朝早くからカツ丼3杯食べられるようなびっくり非人類」
居てほしくない、というかそりゃお前のことだろうが。あと長門は当てはまってるぞそれ。むしろ10杯はかたい。
……いつもより若干細目(寝起き)でカツ丼を次から次へと平らる姿を想像するのは、少しばかり危険だ。谷口あたりにはオススメできないね。
「たまには別のもの探そうとは思わないのか」
「別のって何よ。あたしの目にかなうものなんてそーそーないわよ?」
「そーやってネタ振りのレベルを上げるなよ……」
大体だ、お前のそのみょうちくりんな好奇心を満たすもの探しなんて、そんな簡単じゃないぞ?
あたりをぐるぐる見回してみても、あいにくとそれっぽいものは見つかってくれやしない。どこか新築っぽいマンションにいけば一発解決おめでとう、となるが、そういう
わけにもいくまい。
……やれやれ、握る手にこめられる力は、イライラを表現する具体例か?
再び脳裏に小泉スマイルが飛び交う。みくるビームじゃあ全てを打ち落とせそうにもない。ついに空想小泉が顔面まで迫ってくるかといったそのとき、ふいに小泉スマイル
を消し去り、先ほどから痛みすら覚えるようになってきた右手を解放する手段が思い浮かぶ。
俺の頭はどうやら一足先に春真っ只中に突入していたらしい。首をくくりたい。
「ハルヒ」
仕返しといわんばかりに、手を握り返す。
「何よ?」
「いいもん、思い出した」
「ちょ、ちょっと団長をひっぱるんじゃなーい!」
482 :
初春嵐:2007/03/03(土) 17:11:17 ID:sW7IE2MU
歩くことしばし。わが高校のすぐ近くに目的地はあった。
「何よ、市営の植物園じゃない」
「ああそうだとも何か?」
「こんなとこに何があるっていうのよ」
まあ待ちなさい。そして期待はするな。
あんまり機嫌のよろしくない顔を引っ張りながら、植物園を奥へと進んでいくと、探しものが目の前に広がる場所へ抜け出る。
「……」
先ほどまでくすぶり気味だった団長様の表情が、少しばかり和らぐと共に、わずかばかりの驚きも入り混じったものに変わる。
「まあたまにはこういうのもいいだろ? ……季節の変わり目を実際に体験するなんて、そうそうあるもんじゃない」
そこには、紅白入り混じる梅の花が、まさに春を謳歌せんとばかりに咲き誇る姿があった。ほとんどの花が開花し香りを漂わせている中、乗り遅れたのか、今ゆっくりと蕾
を開こうとしている様子も見受けられる。ほらがんばれ、春はもうそこまで来てるんだ。
「……桜じゃなくて梅、ね。春って感じは半減」
「いいだろ別に。春が何処かじゃなくて、季節の変わり目自体が重要なんだから」
蕾が、ゆっくりと、開いて――
「……たまにはこういうのもいいわね。やるじゃない、キョンにしては」
不敵な笑みではなく、やわらかい笑顔を俺に向け、ハルヒはいった。
なぜだかそうしてほしいと訴えてるような気がして、そして俺自身もそうしたい気がして、つないでいた手を解き、代わりに肩を寄せる。
閉鎖空間じゃないんだがまあ閉鎖空間を未然に防いだんだからいいだろ? と三度現れた小泉スマイルに言い訳をしてみるが、「やっぱり言い訳ですか」とにたにた顔で言
われるからたまったもんじゃない。
まあ、言い訳だが、そういうことにしといてくれよ。水張ってない道頓堀に飛び込みたくなるからな。
「まあ、桜の時にももう一回見に行こう、な?」
「うん」
――たまにはこういうのもいいだろ? 俺も、ハルヒも。
●<終わり?ですか?相変わらず仲がよろしいですね。
甘い、GJ
と言いたい所だが、古泉が小泉に・・・
いい加減、小泉ミスはどうにかしてほしい
投下します。「Kの悲劇」のちょっと柔らかいバージョンです。
エロありです。
それではいきます。
487 :
Kの悲劇:2007/03/03(土) 18:05:28 ID:+rcO9t2A
俺が中学生だった頃の話だ。何年の時かは忘れちまったが、国木田などのその時
仲が良かったメンバーでプールに行った時だ。近くの安い市民プールではあったけど
そこそこ大きめのスライダーもあるプールで、小学校の時なんかは家族で来ていた。
夏休みの昼間なんてのはそれこそ、小学生とかの親子連れや海に行けないカップル達で
混み過ぎてるので、日が沈み始める辺りの時間帯に行き、閉園まで遊ぶという
中坊なりに考えた遊び方をしていた。
で、例にもよってまた閉園時間になり、そこそこ暗くなり始めた時の事だ。
夏で明るいから電気は付けない更衣室で着替えていたら国木田が少し離れてタオルを巻いて着替えていた。
この時は特に何にも考えてはいなかった。そりゃ別に公共の場所だったし。
ソロソロ着替える国木田を尻目に完全に着替えを終えた俺は誰かの声に振り向いた。
「あっ。」
ただ単にタオルが落ちただけ…じゃ無かった。上はTシャツ一枚の国木田の下は何もついていなかった。
そう。女だったのだ。なんてここまで不思議現象に巻き込まれまくってた今だからこそ
落ち着いて言えるが、当時の俺はとりあえず人生で一番の衝撃に脳がチケット予約の回線並みにパンクしてしまっ
488 :
Kの悲劇:2007/03/03(土) 18:06:22 ID:+rcO9t2A
で、何でこんな事を急に思い出したかというと、俺は高一の冬のある日、父親にのせられて
3時すぎから酒をちょっと飲んだ。ちょっと俺は酔っ払って外を見ていたら、
日が落ちかけていることと、同時にあの日の事を何故かわからんが急に思い出したのだ。
ところで、何故飲酒運転がいけないのかと言うとだ、酔ったヤツというのはまともな
状況判断能力を失うからだそうだ。まぁその結果事故ったりするわけだ。
そしてその酔った1人のバカはこの後でとんでもないことをしでかした…
酔った勢いであの日の事を思い出した俺は国木田に電話し、今からお前の家に行きたい
という旨を何とかうまく伝えた俺は、アウアウア〜…とか何とか呟きながら、
端から見たら完全に酔っ払い、警察がいたら完全に職質無しで御用の状態で、国木田の家に向かった。
歩いて10分ほどで国木田の家に着き、普通にアイツの家に上がった。
今なら断言出来る。あれは俺じゃなかった。こんなベタな事は言いたく無いが、
酒のせいで俺が俺じゃなくなる、という某格闘漫画のピンク色のデブな魔人みたいだった
一応言っておくが、コーヒーキャンディよりはチョコの方まだがいい。
って何言ってるんだ俺は。
で、国木田の部屋に入った後、国木田が温かいお茶を片手にに話しかけてきた。
ちなみにコイツの部屋は俺の部屋と違って部屋の中心に小さめのテーブルが置いてあり、
それを囲んで座っている。
「で、キョン急にどうしたの?大事な話があるって。」
489 :
Kの悲劇:2007/03/03(土) 18:09:39 ID:+rcO9t2A
「あぁそうだな。国木田。お前さ、」
「うん?」
単刀直入にいくことにした。小細工無しの方がいいだろう。
「…女だろ?」
「え……」
完全に開ききったの国木田の目を俺は見ていた。
「な…なに言ってるんだよキョン。僕が女?そんなわけないだろ。だいたい何を…?」
国木田はえらくマジな俺の顔を見て黙り込んだ。これで違ったら酒のせいにしてやる。
「国木田。正直に言う。今の俺にはお前が可愛く見えてしょうがない。」
そう言い終わるがはやいか、俺は座ったまま硬直してる国木田の唇を塞ぎ、そのまま押し倒した。
目を閉じてるから今国木田がどんな顔をしてるのかわからんが、そんなことはほっといて、
国木田の口の中に舌を入れる。じっくりと口の中を犯していく。
国木田は頑張って抵抗するも、上に乗られている俺をどけれるほどの力があるわけが無く、
しばらくすると少し抵抗を止めた。
「んむっ…ちゅっ…んん…」
2、30秒ほどそうした後、俺はやっと唇を離した。俺と国木田の間に糸がはしる。
「はぁ…はぁ…キョン……」
国木田は真っ赤な顔で、息を荒げ、服も髪も全体的に乱れていた。
ヤバい。すごくそそる。朝比奈さんにも長門にもない感じだ。
「キョン…これから僕をどうするの…?」
その格好で言われるとマジでたまらん。
「まさか…犯すの?」
「……」
何が答えろよ、俺。
と、突っ込みつつも国木田のズボンとパンツを少しずらし、ベッドに向かって四つん這いにさせた。
いわゆるバックの体制で、国木田の秘部に指をそわせる。すでに結構濡れている。
「うっ…あっ…やっ…だめっ」
少し暴れるので、体とベッドで国木田の上半身を押さえ込んだ。
「はっ…はっ…あっうっ…んやっ」
とにかく秘部を徹底的にいじる。そして指の本数を増やしていき、ついに3本になった。
部屋に聞こえるのは国木田の荒い息遣いと水っぽい秘部の音だけだ。
そろそろ舌に切り替える。もう抵抗をしなくなった国木田を尻を掴み、
国木田の秘部を舐める。今までとは違う感覚に舐めるたびに体をビクッと震わせる国木田。
「ふあっ…やっ…も…だめ…あっ!」
そしてあっという間イった。これを何回か繰り返し、ついに俺は肛門に手を出した。
490 :
Kの悲劇:2007/03/03(土) 18:11:25 ID:+rcO9t2A
垂れ流しの愛液で指と入り口を濡らし、国木田に何も言わず肛門に指を入れた。
「だめ…そっちあっ………………!」
入れた瞬間に半開きだった国木田の目が開ききった。
声にならない声で叫んでる国木田のうなじを舐めながら、肛門に指を抜き差しする。
よく見ると涙を目に浮かべている。
「あっ…ああっ…ふあっんっ…」
どうもイキそうなので、こっちもスパートをかけることにした。
いっきに指を2本増やし、スピードをあげた。
「ん…あっ…あっあっ…あっあっあっあっ!」
声が大きくなった瞬間に国木田はぐったりとして倒れた。
俺の中で勝手に本番はまた今度にする事にした。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…キョン…」
息がまだ荒い国木田は必死に俺の袖を掴んだ。どうした?
「キス…」
それから俺らは1分ほどまた抱き合ってキスをして、国木田の秘部をティッシュで拭いてやった。
「僕…キョンと…こういうの…もっとしたい…これからも…」
結構意外なことを国木田から言ってきた。まぁ俺としては歓迎だが。
「ほんと?でも…ひとつだけ約束してね。」
「何だ?」
「この事は2人だけの秘密だよ。」
あぁわかってるさ。誰にも渡したくないね。こんなにかぁいい奴を。
「そうじゃなくて、僕が男じゃないって事だよ!」
終わり。
491 :
Kの悲劇:2007/03/03(土) 18:13:32 ID:+rcO9t2A
以上です。
次は森さん関係で書こうと思ってますので、
その時は宜しくお願いします。
>>482 そろそろ、古泉を覚えてくれ
あと、花見と言えば、梅だと思うのは、俺だけじゃないはずだ……多分
>>491 GJです
国木田女説が蔓延ってますなァ
>>484 >>485 私用ではなく会社用のパソコンなのに気にせず打ち込んでましたorz
保管庫で癒された後首くくってくるわ……orz
流れが止まった…
朝、学校へ到着すると校舎沿いの花壇が満開になっていたので、ちょっとグラウンドで泳いでみることにした。
軽やかにグラウンドへ向かって歩き、
「これは春かもしれん」
ここぞとばかりに俺は呟く。
そういうわけで早速グラウンドの中央あたりに到着。そこで俺はやっぱりもうちょいグラウンドの隅へと移動することを決意した。
うつ伏せで倒れこみ、やがて顔に型が付くまで砂と小石の感触を堪能する。これはやばい。
手足に関しては、誰かがそれを見たところで瞬時に平泳ぎをイメージできるよう正しいフォームを心掛ける。
「こいつはたまらん。お前もやってみろ国木田」
試しにそう言ってみるが、特に国木田がいるというわけではない。
――見つけた。
俺だけの時間。
現実を遥かに凌駕するほどの夢をふんだんに詰め折りにしたひと時。
だが、何ゆえこうもタイミング良く邪魔立てしようとするのだろうか。
「おや、何をなさっているのでしょう?」
こいつは完全に節穴だ。これのどこを見れば、何をしているのか、などと問わなければならないのか喉にポリープが発生するまで問い詰めたい。
「どうやら僕も参加した方がよさそうですね」
俺だけの時間、それが俺たちだけの時間へと進化を遂げた。
二人分に嵩増しした俺の夢、それがトリガーとなったのであろう。気付けば三年もの時間を遡っていた。
ふと横に目をやったところで古泉はいない。当然だ、今は三年前である。だが俺は構わず正しいフォームを心掛け続ける。
三年前であろうが全く変わらない砂の感触、それがトリガーとなったのであろう。気付けばもとの時間軸へと戻っていた。
「おや、おかえりなさい」
「ああ、どうやら未来的な何かに巻き込まれていたようだ」
二人して夢のような会話に花を咲かせながらも、手足を動かすことを忘れない。
その時だった。
――居ない。
古泉が居ない。消えた。
だがそれも一瞬の出来事で、すぐさま古泉は姿を現した。
「戻ってきたか」
「ええ、これが時間遡行というものなんですね」
そろそろ俺と古泉の位置を入れ換えてみたい衝動に駆られる。だが、そんなことを仕出かした日には何が起こるか解ったもんじゃない。
「何といいますか、そろそろ位置を入れ換えてみてもいいのではないでしょうか」
解ってる。だが、あまりにも大きな危険が伴う。
「行こう」
あの場所へ。位置を入れ換えることなく。
「そうだ。位置を入れ換えてみればいいんじゃないか?」
そう言って、俺と古泉がすれ違おうとした瞬間。
――まずい。
冗談半分だが世界が捻れるような感覚。俺ですら感じ取れる大きな時空震。
またもや古泉がいない。
「やっちまった」
俺は早々に音楽室へと向かわなければならない。
俺は音楽室の扉を開ける。だが一つ気に掛かっていた懸案事項を思い出し、扉を閉めた。
それを3、4回ほど繰り返し、今はグランドピアノの前に立ち尽くしている。
拳でピアノ線を直接叩きつけ、その音色を堪能する。
「なんて音色なんだ。お前もやってみろ国木田」
やはり国木田はいない。
だが、その音色が良くなかったんだろう。そこで俺はその音色を良いと思うことを固く決意した。
グランドピアノを音楽室からグラウンドへ引きずり出す。色々と幅が広すぎるが、すんなり外へ出すことができたのが幸いだ。
そこで俺はグランドピアノを校長室へ預け、いったん授業を受けることにした。
前の教壇で古文、後ろ側にある小さめの黒板で戻ってきた古泉による数学の授業が同時に行われる。ノートを取るのもままならない。
俺は窓際で英語の授業を開始した。初めての、教える側という立場。
ふと生徒たちに目をやると、そこには見慣れない顔が並ぶ。だが教室は一年五組。どうやら三年前だ。
「ニ年前じゃないのか?」
俺の疑問などそこそこに、生徒たちは俺をじっと見つめてくる。
視線に耐え切ることができず、俺は思わずグラウンドへ向かい教室を飛び出した。そう、今度こそ中央へ。
またしても満開の花壇が視界に入るが、今はそんなもん関係ない。
やがてグラウンドに差し掛かるが、それも今は無視だ。
「やっぱり春なんだ」
北高を出る。
そこで一度校内に戻り、それを5、6回繰り返したあと再び校内を出る。
俺の前方百メートルほどのところを、俺に同じく走っている奴が一人。
古泉。
しかしすぐさま消えた。どうやら元の時間軸に戻ったらしい。
「キョンくんおかえりー」
「すまん、シャミセンと入れ違いにならなかったか?」
妹に弁当の中身を手渡し、俺は自分の部屋へと駆け上がる。
よかった。俺は無事帰還を果たしたんだ。
これから元の時間軸へと戻る為、俺は何度でもグラウンドへ向かい続けるだろう。
解ってる。
春が終わりを告げる前に、必ずあの感触を取り戻してやるさ。
以上。
>>491 同志よ! GJです!! 自分も早くエロ有り展開に入れるよう頑張りますよ!!
うはw 鬼才の続きがwwww
>>497 なんか知らんけど大爆笑した。元ネタか何かあるの?
同じく爆笑したwwwwシュール過ぎるだろww
パン工房以来の久々の狂気系ssだなwww
たまにこういうのも投下されるからここは最高だw
流れを読まずに「初心者」ハルヒ編投下。
エロありあり。
「キョンー!」
朝比奈さんを助け起こそうとしたら、
ハルヒの奴がすっ飛んできた。
その間に、古泉が朝比奈さんを保護する。
ちょっとほっとした。
「キョン、すごいの。
ズボンの上からでもわかるの、
キョンのチンポ、すごい勃起してるー!」
目を輝かせ、
我らがSOS団の団長は俺の股間に頬をすりつけてくる。
服の生地越しにチンコが刺激されて、さらに硬くなる。
「ねえねえ、このチンポ、出していいのよね!?」
聞きながら、ハルヒはすでに
俺のズボンのジッパーを降ろす。
俺の答えなんて待ちもしない。
だったら、最初から聞くな。
「キョンのチンポ! 本物のチンポ!
硬くておっきくて美味しそうなチンポ!」
卑猥な言葉を口走りながら、
ハルヒは俺のチンコを早速口に含もうとする。
「まだ」
いつのまにか、ハルヒの背後に回っていた
長門の小さな手が、ハルヒの頭を抑える。
あと少しで舌が届きそうで届かなくて、
ハルヒは赤く上気した頬を震わせる。
その顔が妙にエロくて、外気にさらされたせいで
ちょっと縮んだ俺のチンコはすぐに硬さを取り戻した。
「彼の願望も聞かなくては、だめ」
ハルヒの頭を抑えながら、長門が俺を見る。
俺は……俺の願望は、まあ、アレだ。
どうせなら、夢と同じ展開はつまらないので、
ちょっと変化球が欲しい。
長門がハルヒを攻めるとかどうだろう。
「じゃあ、見てて」
「え? ヤダよ? あたし、キョンと……んむっ!」
長門はおもむろにハルヒの顔を上向かせると、
文句を弾丸のように吐こうとしていた唇を、
自分の唇で塞ぐ。
「んー! んー!」
ハルヒは抗議しているらしいが、
長門は気にせずベロちゅーを続ける。
なんでベロちゅーだとわかったかと言うと、
唾液と舌の交わるくちゅくちゅという音が
聞こえてきたからだ。
たっぷりハルヒの口内を攻め続ける長門。
女子同士のディープキスってエロいなあと眺めていると、
だんだんハルヒの白い喉が震えてくる。
感じてるらしく、膝を閉じてもじもじしている。
暇なので、
ハルヒのマンコがどれくらい濡れているか確かめようと、
スカートをめくろうとしたら手で押さえられた。
さっきまで、おおっぴらにオナニーしてたくせに。
「見せろよ、おまえがどんだけ濡れてるのか」
さっきの谷口を思い出しながら、
精一杯、
俺の少ない語彙をフル稼働して
言葉責めらしきものをしてみる。
「んむっ!」
なにか抗議らしい声が聞こえ、
見上げると唇から唾液を滴らせたハルヒが
すごい目で睨んでいたが、
気にせず手を放そうと力を込める。
「見せろよ」
「んぅ!」
なぜ、そんなにムキになるんだ。
ムキになられると、
かえって見たくなるじゃないか。
でも、俺がめくるより、
ハルヒが自分でめくった方がエロいかな。
とか、俺が迷っていると、
長門の片手がハルヒの制服の胸をまさぐる。
「……んんふぁっ!」
制服を押し上げるほど尖ったハルヒの乳首を、
長門は布地越しに摘み上げる。
その途端、膝の力がゆるみ、
ハルヒが崩れ落ちそうになる。
あわてて支えて、耳元で囁く。
「ハルヒ、自分でスカートめくってマンコ見せろよ」
ベロちゅーかまされてんのに、
目をあけたまんまだったハルヒが、
逡巡するように目を閉じる。
ふるふるとハルヒの全身が震えている。
長門の舌で口は犯され、
指で乳首を乱暴に愛撫され、
肌には汗が玉のように浮かんでいた。
「……んっ」
やがて、ハルヒの手が俺の手から離れ、
スカートの裾を掴む。
震えながらスカートの裾を
自分でめくりあげるハルヒの姿は、
朝比奈さんの肉便器姿とは別の方向でエロかった。
俺、こっちの方が萌えるかもしれない。
さっきのオナニーでぐちょぐちょに濡れた下着は、
ハルヒの足首に引っかかっているので、
俺の目には太股まで愛液を垂らした
ハルヒのマンコが丸見えだった。
「スゲエ濡れてる」
思わず指で愛液をすくって、
ハルヒの頬にすりつける。
「マジびしょ濡れだな。ずっとオナってたもんな」
「んん……うくっ!」
言葉をかけるたび、
ハルヒのやけに白い太股がびくんと震える。
「もしかして、イッてる?
まさか、これくらいでイカないよな」
「んっ……んぁ……う!」
まだ唇を長門の唇で
ふさがれているハルヒの声は、言葉にならない。
でも、ホントにイッてんじゃないかってくらい、
また濡れてきた。
こんだけびしょ濡れなのに、どこまで汁気が多いんだ。
「長門、もういいぞ」
声をかけると、無表情な宇宙人はすぐに唇を離す。
「ファーストキスはキョンとって決めてたのに!」
途端に、ハルヒの唾液で濡れた唇が文句を吐き出した。
「バカキョン! アホキョン!」
本気で悔しかったらしく、
いつも強気な目に、涙が浮かんでいる。
「なにかんが……っ!」
いい加減、うるさいので、
今度は俺が唇を奪う。
舌を差し込むと、ハルヒもすぐに舌を絡めてくる。
文句言うわりに、積極的だ。
あ、俺とのキスなら良いってことか。
そういうことなら遠慮なくやらせてもらおう。
舌を動かすだけで、
ハルヒの肩がびくんびくんと大きく揺れる。
長門が支えていないと、今にも崩れ落ちそうだ。
「ふぁ……んむぅ……んん」
たっぷり唾液を飲ませて、口を放す。
舌と舌が糸を引いた。
「キョン……あたし、もうダメ。
キスだけでイッちゃったよぉ。
ううん、その前、キョンにマンコ見られた時から
ずっとイッてたの。
これ以上、イッたら、頭オカシクなっちゃう……」
涼宮ハルヒの高笑いを見たことある奴は大勢いても、
涙を浮かべて懇願する涼宮ハルヒを見たことがある奴は、
たぶん、今この瞬間まで、
世界に一人もいなかったに違いない。
俺も初めて見た。
朝比奈さんを陵辱してた奴らも、
あまりに意外なハルヒの一面にぽかんとしている。
「まだ、俺とセックスしてないだろ?」
「でも、これ以上、感じたら、壊れちゃうよお……」
気弱に言うハルヒのマンコに右手を伸ばして、
クリトリスを人差し指と中指でこする。
「ひゃああっん!」
体をのけぞらせるハルヒにかまわず、
そのままクリトリスをしごく。
「スゲエ、クリ、こりこりじゃん。
オナニーし過ぎなんじゃないのか?」
「ひゃあっ! だめっ! ふぁああっ!」
悲鳴のような声をあげ、
ハルヒは体をがくがくと震わせる。
セーラー服をまくりあげ、
白い胸を覆っているブラを押し下げる。
「乳首、ピンクで可愛いな」
ピンと勃った乳首をちょっと舐めてみる。
少ししょっぱい汗の味がした。
ハルヒがびくびくと体をのけぞらせるのが面白くて、
そのまま乳首を口に含む。
言葉責めできないのが難点か。
でも、俺、おっぱい好きなんだよな。
「おっぱい、だめぇ……
ひゃんっく……ふぁ……だめぇ!」
「そろそろ、挿入に最適な状態」
ハルヒの体を支えていた宇宙人っ娘が、
おもむろに言う。
ここまで濡れないと最適じゃないって、
どういうことだ。
とはいえ、俺もそろそろ気持ちよくなりたいので、
ズボンと下着を一緒に降ろして
痛いほど勃起したチンコをハルヒに見せつける。
「だめ……チンポ、だめ。壊れる、壊れちゃう」
いやいやと首を振るハルヒの頬を撫で、
手を貸して立たせる。
もう力が入らないらしく、
ハルヒは俺の動かすままに、机の上に横たわる。
「だめ、ホントにだめ」
うわごとのように繰り返すが、拒否する動作はない。
「嘘つくなよ、
自分から足開いてるだろ。
もっかい、ちゃんとおねだりしろよ」
言葉責めだけで、ハルヒの体がびくんと跳ねる。
ひくひくしている膣口に指を這わせて、
入り口を撫でる。
「ほら、言えよ。
ほんとはだめじゃないんだろ?
家でオナニーするときみたいに言ってみろよ」
「あー……やあ……なんで知ってるの?」
それはお前が毎晩……
と言い出すわけにはいかないので、
意味深に笑っておく。
涙目で見上げるハルヒの顔は
嗜虐心をそそるのにじゅうぶんで、
俺って実はサドだったんだなと思う。
「欲しい。
キョンの童貞チンポ欲しいの。
あそこに欲しいの」
ハルヒは潤んだ目で、
俺を見上げながら言う。
……俺、もう童貞じゃないって言ったら、
ぶちこわしだよな。とりあえず黙っておこう。
「あそこじゃなくて、ちゃんと言え。
指で拡げて見せてみろ。
みんな見てるんだから、
SOS団の団長は、
ちゃんとおねだりできるって証明しないとな」
俺の言葉に、
ハルヒは一度唇を噛んだあと、こくりと頷く。
両足を大きく開き、
両手でマンコを拡げると、俺を見て言う。
「キョンの童貞チンポを、
あたしの処女マンコに挿れて!」
俺は痛いくらい勃起したチンコを、
ハルヒの愛液でぬるぬるした膣口にあてて、
ゆっくり腰を沈める。中はきつくて、
締め付けだけで射精しそうだった。
「んんっ! 入ってる!
キョンの童貞チンポ、入ってきてる!」
ハルヒは嬉しそうに嬌声をあげる。
「痛くないか?」
きつすぎるくらいの感触を楽しみながら、
俺はチンコの先を遮る処女膜の感触に、
少しだけためらう。
「大丈夫だから、もっと!
痛いのも気持ちいいの!
キョンに処女奪われる痛みなら気持ちいいの!」
ハルヒは足を俺の腰に絡ませて、
さらに深く求めてくる。
へたに気遣うより、
勢いに任せた方がよさそうだ。
俺も一気に腰を突き入れた。
つぷりと何かが破れるような感触がした。
その途端、しめつけが痛いくらいにきつくなる。
「あああっ!」
ハルヒが声をあげる。
苦痛と快感の合間、みたいな声だった。
すごい締め付けに、自然と腰が動き出す。
「や……だめっ……動かすとイッちゃう!
またイッちゃう!」
ハルヒの声にかまわず、
腰を叩きつけるように動かす。
俺もまだ二回目だし、
挿入してからの余裕なんてない。
「ふぁあっ……イク!
イッたの! ひゃあう……んっ!
またイクッ!」
体を弓のようにのけぞらせて、
ハルヒはイクと繰り返す。
ハルヒがイク度にビクッと膣壁がしまって、
俺も非常に気持ちいい。
何度も腰を叩きつける。
パンパンと肉と肉のぶつかり合う音が部室に響く。
周囲が俺たちのセックスを
凝視しているのを感じる。
まあ、とびきり美少女のハルヒが、
こんなエロくなってたら、
男は見ちゃうよな。
横目で確認したら、みんな勃起してやがる。
どうすんだ、この始末。
あ、俺、意外と余裕あるな。
なんてことを考えていないと、
すぐに射精してしまいそうだ。
「んあっ……キョン……
キョンっ……ふぁあんっ!」
次第に、ハルヒの言葉が意味をなさなくなる。
チンコにかきまわされて、
マンコからぬちゅぬちゅと愛液の湿った音がする。
「ひっ……んんんっ! ……あっふぁあ」
「おまえ、声デカイ、なあ」
軽口を叩いたつもりが、
俺の息も荒れてきた。情けない。
「声、おさえらんない!
キョンのが、キョンのが挿ってるんだもっ……!」
必死で返事をするところは、
いつもは見られない可愛さだ。
「はい、皆さん。
鈴宮さんは陵辱対象じゃないので、
お触り厳禁ですよ。撮影もご遠慮下さい。
でも、特別大サービスで、
オナニーで射精した精液をぶっかけるのはありです」
古泉の冷静な声で、少し我に返る。
横目で見ると、
俺とハルヒのセックスを見ながら、
男子どもがチンコを擦り始めていた。
「ああっ! ふぁ……ひゃあっく!」
少し腰をグラインドさせるように動かすと、
ハルヒの声がますます高くなる。
チンコを擦る男子どもは少しずつ近づいてきて、
ハルヒのエロ顔を見ながら息を荒くしている。
「キョン、すき。だいすき。キョン、キョン!」
ハルヒの不意の告白に、
不覚にも興奮してしまった。
いきなり射精感がこみあげてくる。
「ハルヒ、出るから、ちょっと足どけろ」
「やあ……ふぁああっん……く!」
聞いちゃいねえ。
「んあふぁっ……ひひゃあく……キョン……すきなのぉ!」
だから、セックスの最中に好きとか言うなよ。
興奮するんだよ。
「ハルヒ! 悪い、出る!」
それだけ言うと、
俺は、ハルヒの中に精液をぶちまけた。
「ああああっ!
ふぁ……中……っ! ……中に出てるっ!」
ハルヒが全身を震わす。
「んっ……熱いの入ってくる……キョンの精液が入ってくるっ」
喘ぎながら、ハルヒは俺の出した精液を子宮で受け止める。
「中出しされる鈴宮、いいっ!」
「古泉、どこにでも出していいのか?」
周囲の男子たちも一気にせっぱ詰まるのが、
遠く聞こえる。
「女性器以外のどこでもどうぞ」
古泉の声も遠く聞こえる。
俺は、最後の残滓までハルヒの中に
出し切って、チンコを引き抜く。
「んぁ……お腹熱い……」
下腹に手をあてて、ハルヒが呟く。
「俺、一番乗り!」
その瞬間、下卑た声がして、
ハルヒの頬に白濁液が飛び散った。
「俺も俺も!」
次々に、男子どもが射精する。
ハルヒのカチューシャも、
ハルヒの唇も、ハルヒのおっぱいも、
ハルヒの二の腕も、ハルヒの太股も、
次々と発射される白濁液にまみれる。
ハルヒの全身が精液で汚される。
でも、全部、体の表面だ。
ハルヒのマンコからどろっと溢れてくる
俺の精液を見ると、
俺だけがハルヒに中出しできるんだという
優越感を味わえた。
俺は息を整えながら、ズボンをはき直す。
「ハルヒ、大丈夫か?」
「キョン……」
精液まみれでも、
ハルヒは全然汚くなかった。
俺は、思わずその体を抱きしめる。
「ひとつ、言うことがある」
とろんとした目で、
俺を見るハルヒの耳元で囁く。
「俺、童貞じゃないんだ」
――その後、涼宮ハルヒが
どんなことをしたかは、ご想像にお任せしよう。
完
はじめての涼宮ハルヒSSでした。
読んでくださった方、ありがとうです。
改行、多すぎたと反省。
糞すぎてどうしようもないな
ちょwすさまじいオチw
でもお前スレタイから読み直してこい。そこにいるのは一体だれだ?
>>502 パン工房読み返してみた。再び大爆笑した
まちがい。
>>514 胸に染みます。
>>515 ああ! 浮気相手と本命間違えて呼んだ気分です。
本当にすみません。
ハルヒに「流、大丈夫か?」って言っちまったんだな
よくある
>>496-497 これはすごい。
途中まで首を捻ってるだけだったが、
笑っていいんだ、と感覚的に理解した瞬間に何かがはじけたww
なぜかピアノと英語の授業のあたりがツボった。
>>496 キミには恐ろしい程の才を感じるw
閉鎖空間なら大ヒット間違いなしだ!
>>513 デビューSSがエロパロか… でも乙。
板的に合ってるからいいんだけど。
楽しく読ませてもらった。
>>513 とりあえず鈴宮はひどすぎる。
投下する前に見直しくらいしろ。
全ての話はそれからだ。
なんでそんな偉そうなんだよオマエ?
何様?
能力のない奴ほど減点法を選びたがるというからな
そういう奴にとっては書かない奴が一番偉い
日本語を話してくれ
日本語で話してくれ、の方が正しいのでは
日本語が離してくれ
>>513 投下お疲れ様!
投下前に推敲したとは思うけど、念のためにもう一度確認すると確実だと思うわ。
正直、改行が多すぎるのはちょっと考えものね。どれくらいが良いのかは一概には言えないけど、他のSSを読んでみて
自分なりに適度な長さを模索してみると良いかもね。
あと、その……セ、セックス、とか……マ、マ……マン、コ、とか……。隠語を直接キャラに言わせるのは「こいつはこんな事
言わない」って叩かれる原因になりやすいから、使用には気をつけるよーに!
とにかく次回作には期待してるんだから、頑張ってよね!
私も……待ってるから。ま、待ってるんだから!
朝。
あたしはいつものように通常の約3倍の速度で北高の坂を登りきり、教室に向かう。
トップスピードのあたしは登坂車線の10トン車くらい余裕でかわせる。そんな自分の脚力が悩ましい。
いけない。またファンを獲得してしまう。
すでに獲得しているファンの数から言えば微々たるものだけど、ヒロインとして運命付けられているあたしに休息など許されない。
「春なのね」
ふと気が付く。玄関先を淡く彩る花びらの群れ。
そう。新館の前は桜吹雪。遠山の金さんを松平健が演るなんて誰が予想しただろう。
あたしもおもわず目を奪われた。マツケンサンバに。
「オーレー、オーレー」
おもわずつぶやく。
うん。
誰も聞いてないわよね。
聞いてるやつがいたら即ぶちのめして奥歯ガタガタいわしてから無理にでも忘れさせるし、別にいいけど。
――全裸で
‥‥‥のいぢ絵のあたしの裸をバストDカップ未満でイメージしたあんた、そこに直りなさい。今日のあたしの正宗は血に飢えてるわ。
がちゃがちゃ。
鼻にツンとくる微かな臭い。ゲタ箱の臭いなんてのは男子だろうと可憐な乙女(あたし)だろうと実はあんまり変わらない。
「ふん」
あたしは鼻を鳴らす。
こんなところにラブレターとか呼び出しの手紙、ましてや牛みたいな乳した年増が秘密連絡の手紙を入れるなんて想像を絶する恥ずかしさね。
あたしなら自殺するに違いない。ええそうよ。
んな間抜けなことするくらいなら、今頃中庭のあの桜の木の下で灰になって眠ってるほうがマシだと思う。力石もそのほうが喜ぶわ。
ましてやあの年中寝惚けたようなアホ面男のゲタ箱になんぞ入れた日にゃあ‥‥‥。
と、いうか誰か入れたんじゃないでしょうね。
いたらマジ殺すわよ。マジよ。見つけたらその場で中性子崩壊させるからね。
そんなことを考えてるうちに、ついいつもの癖で以前の教室の前まで来てしまった。見知らぬ若造と目が合う。
気まずい。
とりあえず見とがめたあのクソガキに三日後の満月の夜破孔から血を吹き出して死ぬくらいのガンをとばす。
――しかも全裸で
んなわきゃないわよ。
リアルで妄想してるバカがいたら異次元から黄金聖闘士けしかけるわよ。ハーデス編とか関係ないから。
あー、なんか調子狂っちゃう。やっぱ新しいクラスだし。
教室の場所入れ替えさせようかしら。
でも、まあいいわ。
あの一日仏頂面とまた一緒のクラスらしいし。
あいつのちょっとだけ大きい背中を思い浮かべる。
朝のHR中にシャーペン突き刺す場所を二ヶ所決め、あたしは意気揚々と教室に乗り込む。
――ここでバク転
本当にやってしまった。
えーと、触発されて書いてしまいました。許して。
>>482 文章全体から漂う、いろんな意味で「春はもうそこ」の雰囲気が素晴らしいと思います。
まったりした日常ものも二次創作の醍醐味ですので、たまには、と言わず、ちょくちょく書いてくださいw
でも、ハルヒものにしては少々風流で渋すぎるかなとも。
ハルヒは植物園楽しむのはキャラ的に小学校で一旦卒業してそうな気が。まあキョンと二人ならどこでも楽しいのかもしれん。
あと勝手ながら、150文字を超える行は、1280x1024でサイズ12のフォントを読んでる俺には辛い……。
>>491 国木田(♂)の体型並みにスマートだったSSが、国木田(♀)に膨らんで、ずいぶんエロくなりましたな。
男装ボーイッシュな女の子にのしかかって、「犯すの?」と言われるシチュエーション、俺はかなりツボです。
ただ、キョン語りにしてはツッコミも迷いのモノローグもなく、物足りなさは否めませんが……。
国木田が実は女ですんなりキョンに犯されてもさして違和感ないのは何故だろう。これってまさかショタ?
>>459>>497 何がなんだかわからないうちにニヤニヤの大笑いさせてもらいました。
こういうSSは本当にスゴイ。何かのパロディなのかもしれないけれど、それでもはっきりとした嫉妬を覚える。
不合理なのに二次創作としての意味があり、読み手には容易に理解しえない登場人物の論理があり、
壊れキャラとかシュールとか不条理ものとか、そうした単純な言葉では片づけてしまえない、エンタングルな内容。
論理と表現の合理性しか考える余裕がない俺みたいな凡才物書きには、決して書けない領域です。
ただ、もしこれが完全なキョン語りで書かれていれば……とも思ってしまいました。
>>423>>438>>513 問答無用で最初から最後までセックスで突っ走るSSで良かったです。
まあ二次創作という観点から見れば、ただヤるだけで描写も即物的で、明らかに漫画向けですが……。
しかし、敢えて、同じ物書きとして偉そうに言わせていただければ、
こういうSSは初心者の今でしか書けない。そしてこういうSSを好きな人は世の中にたくさんいます。
ですから今のうちに、さして恥ずかしがらず書けるうちに、こういうあっさりした文体のエロSSを書きまくったほうがいい。
(もっとも、ネット界では需要者がそのまま供給者になってるケースが多く、供給過剰になってるかも)
ただし。ハルヒで書くなら、せめて単行本一冊写本してからか、三人称で。キョン語り文体でのエロは難しいんです。
それから推敲は、投下前に小一時間くらいかけてきっちりやってください。初心者の自覚があるなら特に!
とりあえずグランドピアノを運べるキョンの体力に脱帽。
絶望
系閉じられた世界?
>>532 スレの容量制限もあるので長レスはお勧めできんね。
パン工房ってのはどこにあるんだ?
せめてまとめサイトくらいは目を通そうぜ
パン工房・・・
俺にはさっぱりわからなかったな。
分かってしまう方が危険だと思うが
そうなのか。
あの作品はやたらと評判なんだが、
全然面白いと思わなかったんでな
>>532 > ただし。ハルヒで書くなら、せめて単行本一冊写本してからか、三人称で。キョン語り文体でのエロは難しいんです。
ほう、そうなのかい。あんたの主観で断言されてもなあ。
三人称の方が難しくないか?
キョンはハルヒに襲いかかった!
キョンはさらに襲いかかった!
「これ以上したら嫌われるだろうか……」
キョンが余計な事を考えているスキにハルヒは逃げ出してしまった!
釣られるなって、馬鹿の戯言だ
キョンはハルヒに襲いかかった!(服を着たまま)
キョンはさらに襲いかかった!(パンツ一丁で)
「これ以上したら嫌われるだろうか……」(パンツを脱ごうか悩んでいる)
キョンが余計な事を考えているスキにハルヒは逃げ出してしまった!(全裸で)
ハルヒは三人称にすると一気に難しくなるような気がするが。
あの語り口で形作られているからなぁ。
感想の感想はいらないんだぜ? 改行しすぎだろ!とは突っ込ませて貰うが。
パン工房はシュールすぎる。人を選ぶぜ。俺もちょっとよくわからん。
キョンはハルヒに襲いかかった!(服を着たまま)
キョンはさらに襲いかかった!(パンツ一丁で)
「これ以上したら嫌われるだろうか……」(パンツを脱ごうか悩んでいる)
キョンが余計な事を考えているスキにハルヒの反撃を受けてしまった!(全裸で)
キョンは操を奪われてしまった…
あ、野性のキョンだ!
古泉!きみに決めた!
掘る
すごく掘る
深く掘る
激しく掘る←
古泉「ふんもっふ!」
キョン「アッー」
一撃必殺!キョンは倒れた!
3人称ハルヒ小説の何が難しいかって、「キョン」とか「鶴屋さん」とか作中で言っちゃうと雰囲気が崩れること。
確かにナレーション部分で「さん」はあまり使わないしなぁ…
わたくし未婚の地の文でございます。
>>497 こういうの白けるかウケるかどっちかだと思うんだが、俺はこの手の超好きなんで爆笑w
文字ってすげぇよな。これでも映像が浮かぶんだぜ。キョンが校庭泳いでるんだぜ。
>>497 なんかビート時代の小説を読んでる気分になる
流れが止まった…
そらねぇ…
急にレス数が少なくなった
もともと恒常的に流れてるスレじゃないし。
>>497書いたのってワンハングドグラウンドゼロの作者なんだなw
マジだね
「緊急事態です。閉鎖空間がこれまでにない規模で発生しました。」
今日は朝からハルヒは不機嫌だった。結局、SOS団はそのまま解散。
俺はそのまま帰って1日を終了するはずだった。
「なんでお前はいつも先回りして俺を待っているんだ。」
「すいません。何分、緊急事態なもので。」
「で、俺にどうしろと?」
「とりあえず、付いてきてください。すぐそこですから」
おいおいハルヒよ、よりによって発生源はここかよ。
「では」
古泉は俺の手を握りやがった。
「ちょっと待て、俺は行くと入ってないぞ。だから、
手と手をつなぐなよ。向かうなら単体で……」
最後までいえなかった。
まったく、何で俺の周りの奴は俺の意見を聞かないのかね。
後悔はしていない
うわ、マジだ!
新川氏からワンハングドまで万能超人かこの人。
>>561 それは禁則事項です。
お気に入りの作品タイトル名で探してみるしか。
>>563 アッーーー
しか頭に浮かばない俺はもうダメだ
2ちゃんレベルだと神レベルだけど世間に出したら普通じゃね?
普通レベルってだけでも驚愕物なんだけどさw
文才とか言ってるの見るとつい突っ込みたくなってしまって。
めちゃくちゃ面白いとは思うけどね。
>>567 気持ちは非常にわかるが、ここで書いても別の書き手の嫉妬としかとられないから、チラシの裏にしておこう。
世間で普通なら、凡人でも徹底努力すれば追いつけ追い越せるレベルですよ。
そこから先は、才能とか性格とか環境とか、ものすごく高い壁がいくつも立ちはだかってるんですけどね……。
気持ちはわからないでもないが、そこを堪えるのが大人
全く関係ないけど。
キョンが、性格そのまま(泣き虫ではある)でショタだったら。
そんな妄想が止まりません
多分森さんがお持ち帰り
根拠なんて無い
そんなSSがあったような……?
確か長門にやられて一緒に風呂に入れられてた気がする。タイトル忘れたが。
でもまぁ是非書いてほしいな。朝比奈さんにおっぱいねだったりとか見たい。
>>572 そのときの長門は触手を出して来ますたか?
この銀河を統括する情報統合思念体によって造られた体有機生命体(ニックネームキョン)コンバイン専用ヒューマノイド・インターフェース。それが、わたし。
体有機生命体って……orz
勿論、対有機生命体な
TFEIって何の略だろう。
Tottemo Fushigide Ecchina Interface
略語では無く宇宙語の発音を無理矢理当てはめた造語。
日本語で書くなら「つふぇい」となる。
例:
「つふぇ〜い」
「……パーソナルデータ朝比奈みくるを敵性と判断、対有機生命体攻撃因子の使用許可を申請する」
みくる逃げてー!!
580 :
小ネタ:2007/03/05(月) 01:26:39 ID:dw7wjdXE
まぁ誰もいるわけないだろ、と自分に言い聞かせながら俺は教室に入った。
するとそこには夕日を背に朝倉が立っていた。
「遅いよ。」
「お前だったとはな。」
「意外だった?」
と、朝倉が次第にどっかの国の経済を語り出したと思ったら
最後にとんでもない事を言い出しやがった。
「あなたを殺して涼宮ハルヒの反応を見る」
ナイフが一閃。間一髪で後ろに尻餅をつきながらかわす俺。
一体全体俺は何されてんだ?
混乱しながらも何とか噛まずに言う。
「それ本物じゃなかったとしてもマジ危ねぇから!しまえよそれ!」
「うん、それ無理。」
そう笑顔で答えるや否や朝倉はナイフを腰に構え、突っ込んで来た。
俺は後ろを向いて驚いた。
壁しか無い。ついさっきまではドアがあった筈だ。
話してる間にコンクリ塗ったとしてもまだ乾かないような時間だ。
そうこう考えてる内に椅子を投げたりしてみるも、
「無駄よ。言ったでしょ。今この部屋は私の情報制御下にあるの。」
何がなんだかもはやわからん。そしてついに動けなくなった。ありかよ!反則だろ!
そして下を向いてる俺の視界に朝倉の上履きが入ることもなく、朝倉の声だけが聞こえた。
「最初からこうすればよかった。」
クソ。もう終わりなのか?あぁハルヒに…いやなんでもないな。
こんな事今言ったら逆に後悔しそうだ。
と、その時。ドーンという轟音と共に俺の体動くようになり、上を見た。
天井を破り、落ちてきたのは…
ロードローラーに乗った長門だった。
そして朝倉の上に落ち、上に乗ってた長門が思いっきり
ロードローラーに無数の連打をぶち込む。
「あなたはとても優秀。でもあなたが負けた原因はひとつ。」
めずらしい長門が喋っている。などとアホな事を考えている俺。
「あなたは私を怒らした。理由はそれで十分。」
すると教室が砂のようになり、教室に戻った。
何だったんだろね?これ。
すると長門が倒れていた。とりあえず抱きかかえ、尋ねる。怪我でもしたのだろうか?
「いや。」
何だ?
「スタンドの再構成を忘れた。」
時止め属性は無いぞ。俺には。
次の日に朝倉は何故かカナダへ転校した。
581 :
小ネタ:2007/03/05(月) 01:28:34 ID:dw7wjdXE
俺は教室に入った。
するとそこには夕日を背に朝倉が立っていた。
「遅いよ。」
「お前だったとはな。」
「意外だった?」
と、朝倉が次第にどっかの国の経済を語り出したと思ったら
「あなたを殺して涼宮ハルヒの反応を見る」
ナイフが一閃。間一髪で後ろに尻餅をつきながらかわす俺。
「それ本物じゃなかったとしてもマジ危ねぇから!しまえよそれ!」
「うん、それ無理。」
そう笑顔で答えるや否や朝倉はナイフを腰に構え、突っ込んで来た。
俺は後ろを向いて…
ドアから逃げ出した。
1年5組の前を全速力で走って部室に向かう。後ろの方で朝倉が何か言ってたけど知るか。
ドアを開けると長門が無表情ながらも唖然とした顔で俺を見る。
そしてぽつりと言った。
「あなたは幸運。」
は?
「入る教室を間違えた。」
ん?確か俺はさっき1年5組の前を走って……あ、そういう事か。
そう。なんと俺は1年4組に入っていたのだ。
こうして俺は間抜けなことに延命し、何故か次の日に朝倉はカナダへ転校した。
>>580 とりあえず一つだけ
×怒らした
○怒らせた
とりあえず爆笑した。
夜だからハイなのかな…
「うらやましい?あんたもやってあげようか?」
あぁそりゃもううらやま…
「でしたら僕とおしくら…とうぅるるるるるる!!」
「うおっ!どうした古泉!」
「すいません。どうやら電話のようです。」
「どっ(ぴお)……」
なんてゆーか思いついて3分で書いた。後悔はしてない。
「でも上の人達は頭がかたいの。でも現場じゃ待ってくれない。
そうなったらもう現場の独断で動いても問題ないよね?」
一体全体何の話だ?俺を無視して笑顔のまんま朝倉は喋り続ける。
「だからね、」
そう言って朝倉は一呼吸置き、
「事件は現場で起きてるの!統合思念体の母体で起こってるんじゃないの!」
で、ドアが壁になったりイスが投げても有り得ない方向にしか飛ばなかったり、
動けなくなったりした後、天井がいきなり崩れて、長門が落ちてきた。
ナイスな角度でパンツ見えねぇな…とかアホみたいな事を考えてると少し困った顔で、
朝倉がいきなり叫んだ。
「1年5組封鎖できません!」
3秒ほど沈黙の妖精が飛び回ったところで、長門達はは思い出したかのように闘い始め、
朝倉は砂になった。
そして長門が手を耳元に持ってきてぽつりと言った。
「和久さん…仲間が撃たれた…」
いや、やったのはお前だろ。
あ〜しくった。
>和久さん ×
↓
室井さん ○
588 :
40-549:2007/03/05(月) 08:54:08 ID:uRP3NRRO
投下します。
エロなし。4レス。
ギャグものです。キャラが壊れていますので(特に会長と喜緑さん)苦手な方は飛ばしてください。
もう小学校も最高学年になるというのに、遊びに出かけては体中泥だらけにして帰ってくる我が妹の脳内のように暖かくなってきた三月のある日、うちの学校で卒業式が行われる事となった。
とはいえ今回は俺達の二つ上の学年の式であるし、そもそも日々を訳の分からん同好会もどきの団活動により消費されている身である俺に、艱難辛苦を分かち合うような親しい先輩ができているはずも無い、………朝比奈さん達は例外であるが。
というわけで卒業生の皆様方には申し訳ないが、正直俺はこの式については無事に終わってくれさえすれば、それ以外は晴れ時々曇りの時々曇りの部分くらいどうでも良い。
なので今回、俺は涙と見せかけて出てくるあくびを必死でかみ殺しながら、ところどころですすり泣く青春人達を傍観するだけの予定であった。
あった、と過去形になるのは別に教室でいつも俺の後ろに座っている、これも脳内が年中程よく暖まっている、暴走娘が何かを企てているというわけではなく、
「さて、それでは僭越ながらこの私が在校生代表として送辞を読ませていただこう」
………この馬鹿会長の存在のせいである。てか誰だ! こいつに送辞を任せたのは!
馬鹿と共に何故かほぼ等身大の鍋が火にかけられた状態で壇上に登場する。
不安は泥舟で海に漕ぎ出すレベルの強さだが、俺にできる事といえばまな板の上の卒業生を眺める事と、いくら馬鹿でもまさかこんな大事な席で暴走するような事は無いだろうと祈る事ぐらいしかない。………ああ、巻き込まれないって素晴らしいなぁ。
「春の訪れが頬をくすぐる風の暖かさからも感じられるようになった今日この頃、卒業生の皆様におかれましては………」
良かった。出だしは比較的まともだ。
「………皆様も当学園での三年間で素晴らしい思い出を作られた事だと思われます」
何とかこのまま終わってくれよ。
………残念な事に俺の願いが叶うというのは宝くじで3億当たるよりも確立が低いのである。
「ああ、ちなみに私の最も素晴らしい思い出というのは、もちろん喜緑くんに出会った事なのだがね」
はい、馬鹿スーパーエクスプレス暴走開始! 幸せっぽい青い鳥は隣の芝が何色だろうとみつからねぇんだよ、俺にゃあな!
「さて、今でこそお互いにラブラブである私と喜緑くんではあるが、出会った当初、つまり現生徒会発足直後の頃はそうでもなかった。しかし、発足後4ヶ月たった今、もはや私達はお互いに無くてはならない存在にまでランクアップしているのだ!
これは一体何故であるか? 聞きたいかね、諸君。よろしい、ならば教えよう」
周囲に、あーやっぱりなー、という空気が広がる。出席しているほぼ全ての人間の予想通りに脱線していく卒業式。………てか、分かってんならアレが壇上上がる前に誰か止めろよ!
「それを理解していただくにはまず、我々二人の事を知っていただくのが一番であろうと私は考える。いや、むしろそれ以外に方法は無い、と私は断言する。しかし、正直に言うと私は自分の事は良く分からないのだよ。
自分で自分の説明をするという事は非常に難しいという事だろうね。ならば私にできる事は一つだけだ! そう、これから皆さんに喜緑くんの魅力について語ろうと思う」
あんたにできる事は自主退場だけだよ。どうやら教師という名の付けられた審判団の皆さんは見て見ぬふりを決めたらしいしな。
「『乳』の魅力についてはこの前の生徒会便りに書いた通りだ。なんと素晴らしい事に設置してから10分で全部捌けたそうだね。私はその前後2・3日ほど入院していたのでその現場は見ていなかったのだが」
喜緑さんが設置場所ごと吹き飛ばしたアレか。この世から消滅したというのも捌けたうちに入るのだろうか?
「『尻』についてはまことに申し訳ないが、私だけの特権とさせていただこう。これを全て喋ると一週間ほどかかってしまうのでね。それに皆が喜緑くんの『尻』に特攻をかけるようになると困るだろう、主に私が。
さて、というわけで今回私が語るのは喜緑くんの『髪』についてだ」
いや、待て! それは確実に地雷だろう。しかも核だ。
「ここでいきなりではあるが、この一ヶ月の間に我が生徒会に寄せられた質問五つを全て紹介しよう。
1. 喜緑さんの髪の毛がワカメに見えます。僕は病気なんでしょうか?
2. 喜緑さんがワカメに見えます。これは変なのでしょうか?
3. ワカメが喜緑さんに見えます。これが恋なのでしょうか?
4. ワカメがワカメにワカメです。これがワカメなのでしょうか?
5. キョンくんがキョンたんでキュンキュンです。好き好きキョンくん愛してる!
と、なんと五つ中四つが喜緑くんの髪の毛についてなのだよ。ふむ、こうしてみると皆なかなかに病的だね」
待て! 特に最後の一つ!
背筋にツララを差し込まれたような寒気が走る。………振り返ると、鬼がいた。
「キョーンキョーン。ちょっと話したい事があるんだけど。………拒否権・黙秘権は共に無しね」
ハルヒさん、万力のような力で雑巾のように俺の首を絞るのは止めてもらえませんか?
「うん、それ無理」
裁判もせずに死刑確定ですかそうですか。てか権利も何もお前、話し聞く気最初からねーじゃねえかよ!
……おお、………意識が、………と……お…く、………、
「ちなみに最後の一つは我が親愛なる後輩へと送る、ちょっと小粋なジョークなのだがね」
そのセリフはもっと早く言って欲しかった。具体的に言うと俺が新世界へと旅立つ前に。………お花畑って本当に見えるんだなぁ。………あ、ひいばあちゃん、久しぶり。
三途とかいうこじゃれた名前の河を渡る前に何とかご先祖様に別れを告げ、意識を取り戻す俺。時間を確認すると、気を失っていたのは10分ほどのようだ。壇上ではまだ馬鹿が熱弁を奮っている。………ああ、夢じゃなかったんだなぁ、ちくしょう。
「逆に皆に問おう。ワカメである事がそんなに悪い事かね。最近、食生活が欧米化していると言われているが、それでもアレは日本の食卓には欠かせない味であると私はここに宣言しよう」
二年生の一角がダークフォースに包まれているな。喜緑さんはあそこか。
ついでにワタワタしている朝比奈さんと笑いすぎで死にかけている鶴屋さんも見つかった。ああ、本当に朝比奈さんは見ているだけでも癒されるなぁ。俺や卒業生の方々の心のささくれ具合からすると、焼け石に水という言葉が浮かんでくるが。
「要するに何が言いたいのかというと、私は喜緑くんの煮出し汁ならば何ℓであろうとも飲み干す自信があるという事だ! おお、こんなところにちょうど良く人一人が入れるほどの鍋が火にかけられているではないか!」
そう言って送辞が始まってから全校生徒が意識に残さないよう必死になっていた物体を指差す馬鹿。
馬鹿専門デストロイヤーであらせられる生徒会書記が馬鹿暴走超特急と化した生徒会会長へと近づいていく。………なるべくならもう少し早く破壊して欲しかった、というのがこの場にいる全ての人の共通認識であろう。
「さあ、喜緑くん! これは二人の愛を確かめ合うチャンスだよ。カモン、レッつらばぁ………」
助走をつけてのジャンピングダブルニー。吹っ飛んだ馬鹿の上でマウントポジションをとり、拳を高々と振り上げて………、
すまん。これ以上の描写はいろいろな団体から規制がかかるので、これ以降は音声のみでお送りする事にする。
「ちょ、待ちたまえ、喜緑く」ゴスッ、
「これは二人の愛のあか」ガスッ、
「そうか! これがキミからの愛の形なのだ」ドゴスッ、
「ふははははっ、ならばここは甘んじ」バキッ、
「受けようで」グキッ、
「………」グチュッ、
ゴリュッ、………ヌチャ、………グチュア、………、
………すまん、これ以上は音声でもやばいのでシーン自体をカットさせていただく事にする。
………5分後である。その間何があったかは前述の理由により省略する。ただ、破壊完了、とだけ言っておこう。
「失礼いたしました。会長は脳が病気との事で、ただいま煮沸消毒中です」
自分で用意したであろう鍋に頭から突っ込まれ煮沸消毒されている馬鹿。………あれで死なないのも不思議といえば不思議だよなぁ。
「なあ、ハルヒ。お前が探している不思議とやらがあそこにあるような気がするのだが………」
「………あたしにだってね、関わり合いになりたくない存在っていうのがあるのよ」
現人神に否定される馬鹿。まあ、変態神あたりに拾われそうではあるが。
「では、会長の代わりに書記であるわたしが送辞を読ませていただきます」
まあ、どちらにせよ、これで一安心だな。式が終わったら、部室で朝比奈さんが入れてくれるお茶でも飲んで癒されるとしよう。
「さて、わたしのこの学校で一番の思い出と言いましたら、会長に出会った事なのですけれど………」
………って、あんたもかいっ!!!
………余談ではあるが卒業式自体は、うーん、しょうがないねっ、あたしが送辞よむっさ、と立候補した、とあるお方のおかげで何とか無事(?)に終了した。
不愉快な思いをされたであろう卒業生の方々には在校生を代表してお詫び申し上げる、申し訳ない。
………更に余談ではあるが馬鹿は翌日には何事も無かったかのように復活し、別件で喜緑さんに殴り飛ばされていた。そんないつも通りの風景にこれまたいつも通り理不尽に巻き込まれながら思う事がある。
結局のところ、馬鹿は死んでも治らないのだなぁ、と。
593 :
40-549:2007/03/05(月) 09:01:50 ID:uRP3NRRO
以上です。
では、また。
もう来るなよ。
最初に壊れてるって言ってたし、ラクに読ませてもらった。面白いよ。GJ
これは終わクロの会長だろw
>>593 まるでVIPのバカシリーズのような、
予告どおりの壊れっぷり乙でした
誰がレスするよりも先に煽るために粘着しているんだろうか
暇だなぁ
いちいち煽りに煽りを入れないと気が済まないのか
春だなあ
なんでもVIPを引き合いに出すんだな
ここって書き手とかのレベルアップを謳ってるくせに
自分たちより力がないものと思っているものと比べたがるよね
結構両方見てる人はいると思うけどな。
別に見てることが悪いとは思わんがな。
わざわざここでそれをアピールしたりしなければ。
「俺はVIPも見てるんだぜ〜」 それがどうした、って感じ。
ワカメ四連発吹いたwwww
ハルヒはチャーハンと焼き飯とピラフの違いがわかりそうだ
炒飯とピラフは根本的に違うだろ、常識的に考えて……。
俺は珍しく、いや、俺にしては珍しく今日は学食で食うことになっている。
別段変な理由があるわけでもないが、たまには学食で食べてきなさい、とうちの母親が申したので、
今日は国木田と谷口と3人で学食に来た。
あんまりここには来ないので、メニューを眺めていると、俺はふとある物に目がいった。
説明しておくと、ウチの学校は、というか恐らく大体の学校がまず
ご飯ものや、麺類などにメニューが別れている。それで、そこからまた枝分かれしていく訳なのだが、
俺は今日はご飯ものをチョイスする事にした。
ところがここでひとつ気になる事が出て来た。
焼き飯とチャーハンってどう違うんだ?
「言い方違いなんじゃねーの?」
と、愛すべきバカ谷口。
「ん〜正しいかどうかはわからないけどそうかもね。ラーメンを汁そばとも言うし。」
と、ショタキャラ国木田。
「バカとはなんだバカとは。成績はおあいこのおめーに言われたくねーよ。」
まぁスルーをしとく事にする。お前は帰宅部なのに何で俺とおあいこなのかはまた今度にしてやるよ。
で、漢字が違うから意味も違うのだろうと前者2人の意見をほぼ無視して考えていると、
後ろからいきなり声をかけられた。
「ちょっとキョン。もしあんた今暇だったら、このお金でチャーハンと
ピラフと焼き飯そこで買ってくんない?」
まぁ誰かは言わずもがなだろ。我らが団長ハルヒだ。
何でもいいがお前よくそんなご飯ものを3種類も頼もうと思うな。
しかもチャーハンとピラフと…おぉそうだ。俺は訳わかんないけど
頭がなかなかいいハルヒに先ほどの疑問をぶつけることにした。
「なぁハルヒ。チャーハンと焼き飯の違いってなんだ?答えれたら買ってきてやってもいいが。」
「何キョンあんたそんなのも知らないの?」
いや知らんから聞いてるんだが。
「ま、いいわ。チャーハンと焼き飯の違いはね…」
ここまで書いといてなんだが結局違いは何?
俺わかんねえからオチが書けねぇorz
炒飯は炒めた飯
焼き飯は焼いた飯
割とガチで
炒飯がパサパサ
焼き飯がパリパリ
あー、つまり何だ。
炒飯は中華料理で、炒めてパラパラとした感じのもので、
焼き飯は焼いてパリハリとした感じのものか。
大体イメージはつかめた。で、ピラフは具体的にどう違うんだ?
ピラフは炒めてから炊くんじゃなかったっけ?
そだね
となるとパエリアは・・・。
割とマジレスで
炒飯は炊いた米を炒める料理
ピラフは炒めた米を炊く料理
焼き飯は炊いた米を焼く料理
多少のアレンジはあるけど基本はこんなとこ
炊き込みご飯も混ぜてくれ
ここは一体何のスレですか?
. -‐-
〃. ヾ
. ! |ノiノハ从ハヽゝ ・・・解析不能なスレ
i (| |┰ ┰iイ
'ハリ、 - ノリ 。・゚・⌒)
. ⊂}:|{H}l:iG━ヽニニフ))
. くソ_i_li;ゝ
(__i_)
谷川作品とお米を美味しく調理するスレ
試食した後、批評したり罵倒したりGJしたりも
「GJしたり」ってどんな日本語だよ……。
>>593 会長が某フルメタの林水に思えてしまう。
>>620 正直に言う。ハルヒの短いセリフが俺は千鳥にみえた。
だからナニ?
SSのタイトルって、皆めっちゃ考えて付けてる? それともけっこう適当?
俺は最初は適当だったんだけど、最近はかなり考える。
タイトルって、すごくその人のセンスが出るよな。
一応考えて付けてる… つもり。センスがあるかは知らないけど。
でも適当につけるかどうかって、個人的なもんだよね。当たり前か。
>>625 どれ書いてる人?
ちなみに俺はあんま考えないけど
チャーハンと焼き飯とピラフ
セリフの真相
無題(長門がロードローラーするやつ)
Kの悲劇
ある清涼飲料水のお話
異世界人の新入生(トンネルを抜けるとそこは〜)(未完)
古泉×鶴屋さん(部室を透視するやつ)(未完)
その他小ネタ
異世界人ネタはもう佐々木が出てきちゃったから書けないんだよな
出会う時間設定が完全にかぶって人の設定が致命的に違うから廃棄処分するしかないのかな…
何か宣伝になってた。スマン。
俺は、タイトルはむちゃくちゃ適当だった。
基本的に無題なんだけど、保管庫に収納されたときにタイトル付いてたりして、びびったこともある。
保管庫の管理人さん、迷惑かけてしまってスマン。タイトル付けてくれてありがとう。
ってことで、次からはちゃんとタイトル考えようと思いつつ、それ以降は小ネタしか書いてないダメな俺。
>>629 読みたいから作品の番号教えてくれない?
小ネタも含めて。
>>627 それは流石に言えない。
俺は小ネタにも全部付けてるなあ。
保管庫見た時にさ、片っ端から全部読んでいく場合じゃなければ、そのSSを開くかどうかってやっぱタイトルだと思うんだ。
そう思ってからタイトルには気を使うようになった。
タイトルは考えるなあ。
と言うかタイトル考えてから「どんな話よ」って中身書いた事があるぐらい。
……と思いつつ自分のメモ開いて見たら「古泉一樹の入院」とタイトルだけ書かれた文があったw
>>631 だな。まとめの方式もいろいろあると思う。投下時系列順はやはり解かりやすい。
ただの小ネタだと何の小ネタか一見しては判らないので、題名つけたほうが。
ほんの私見だけども、40-624なら『小ネタ「魔改造」』、39-968なら『小ネタ「なあ、谷○」』とか。
>>633 それどっちも俺が書いたヤツだw
タイトルつけてもらってありがとうw
まあ「小ネタ」がずらりと並ぶと本当に判らないもんな。
今度からは小ネタにもつけるようにしよう。
>>630 そいつはカンベンしてくれ。
でもそうか、やっぱりタイトルって大事なんだな。
次に投下することがあったら、ちゃんとタイトル考えることにするよ。
とか思いつつ、別んとこで投下しているSSもやっぱり無題な俺。
>593
二人ともアホでワロタ
たまにはこういうのも面白いね
>>274 すさまじく亀だが、それどこの個別のなんてSS?
かなり気になる。
>>638 ありがとう。ずっと見返してたらちょっと気になったもんで。
ここでも個別スレの話題が出るんだなと思って、少し驚いた。
なんで個別スレの話題が出ると驚くんだ?
昔っからよく話題にはなってたじゃん
>>635 俺もある時からけっこう考えてつけてる。
他とかぶらないようなネーミングにするのと、内容のバレにならないようにするのと。
あと「(キャラ名)の○○」って題は基本的につけない。
オンザの人はネーミングセンス独特でいいよね。
あう……俺は思いっきり「(キャラ名)の○○」というタイトルだな……。しかもそれで結構書いちゃってるな……。
内容を考えるとそれが一番かなぁって思ったんだけどね。今書いてるシリーズは仕方ないとして、小ネタ書くときは
もうちょっと凝ったタイトルを考えてみようかな。
>>640 ああ、すまんかった。最近ここに来るようになったんで。
個別スレの物でも話題になるようなSSがあるんだなって、それだけの話。
個別のおすすめSSがあったら知りたいんだぜ。
中身いいSSがその手のタイトルだともったいないなぁって思う。
保管庫見てもタイプとしては一番多い題名だしさ。
>>643 それをここできくのはちょっとアウトかもなんだぜ。
個別スレごとにまとめがあったりするからそっちを回ってみるとよろしいかと。
>>635 俺は連載途中にタイトルつけてしまったよ。
最初は連作長編になるとは思わなかったから…
構想が大きくなって初めて考えた。
「(キャラ名)の○○」タイプはもういっぱいあったから、
すでに付けられる候補が残ってなかったw
>>645 すまんです。ちょっと自分で巡ってみる事にするよ。
ありがとう。
ハルヒとは関係ないけど東方SSのまとめである
「東方創想話 」には感想がかなり付いていて羨ましく思った。
同じ形式のローゼンまとめは閑古鳥だけど。
作者以外がタイトル付けることを、作者さんはどう思うのか、純粋に気になるところ。
投下いきます。
エロなし、10レスほどです。
「あたしが選りすぐりの素材で作った団長特製スペシャルドリンクよ! ありがたくいただきなさい!」
「なあハルヒ、それは人間に飲める代物だよな?」
「このドリンクは、通常の数値では計り得ないほどの高い栄養価を秘めている。コップ一杯で、およそ七日間不眠不休で活動できる」
「んなバカな!」
「全く無作為に調合した飲み物がそれほどのものだったなんて、さすが涼宮さんですね」
「なにぶつぶつ言ってるの? いいからホラ、キョン飲みなさい」
「なんで俺が!」
「なんでもいいの! 団長命令よ! それとも何? あたしがせっかく手間暇かけて作った飲み物が飲めないっての?」
頼んだ覚えはねえ! ってか、お前自分で飲んでみたのかよ。
「……もちろん飲んだわよ。あったりまえじゃないの!」
絶対嘘だ!
「いいからちゃっちゃと飲む!」
くそっ、わかったよ! うぐ、このにおい……。
「……大丈夫、人体に害は無い。むしろ体に良い」
生憎だが、人間っていうのはそれだけで計れるものじゃないのさ。体に良い悪いよりも大事なことがある。
「ええい! ままよ!」
俺は意を決してコップの中身を一気に飲み干した! う……ぐぅ、うっく、ぅうあぁ〜。
「どう? キョン」
どうもこうもねえ、ひどい味だ……あれ?
「どったの?」
「いや、昼過ぎから凄く眠かったんだが、目の腫れぼったさがとれてスッキリした」
「でしょお〜? さすがあたしの特製ドリンクよね!」
意図して製造されたものでないことだけは断言できるがな。まあいいか。効果があったのは事実だ。なんだか軽く運動でもしたい気分だぜ。この天気のいい日に部室の中にいちゃあ腐っちまう。……。
「古泉、なんか今日暑くないか?」
「え? いいや」
そうか。まさかこれもドリンクの効果なのか? 悪いがブレザーを脱がせてもらおう。
「……」
だめだ、まだ暑い。俺は乱暴にネクタイを外し、シャツを第3ボタンまではだけた。
なんなんだこれは、やっぱアレは飲んじゃいけないものだったんじゃないか? くそっ、暑い、っていうか熱い。体の内側から爆発的な衝動がこみあげてくる。一言で言うと み な ぎ っ て き た !
ふとハルヒのほうを見やると、あのひどい味の飲み物を涼しい顔で飲み乾しながら、何やらぶつぶつ言いながら思案していた。そして俺の方を見るやいなや、途端に驚いたような表情に変化してこう言った。
「あ、あ、あんた何やってんのよ! なんでそんなラフな格好してんの!」
仕方ないだろ、さっきからやたら暑いんだよ。おそらく、あのドリンクの副作用でな。
「だからってねえ! そんなに胸出すことないでしょ! 女子が三人も居るんだから、少しは考えなさいよアホンダラ!」
いつも朝比奈さんを裸に剥いてるのはどこの誰だ。 ん? どうしたんだお前、顔真っ赤だぞ。
「き、気のせいよ!」
ほう、そうかい? 俺は椅子から立ち上がってハルヒに歩み寄った。
「……!」
俺から目を、いや、俺の胸元から必死で目をそらすハルヒ。
「どうしたんだよお前、さっきから変だぜ?」
「どうもしてない!」
「そんなわけないだろ、明らかにいつもと違うぞ」
「ち、近寄るなバカキョン……あっ!」
俺は左手でハルヒの手首を掴んだ。
「やっ……離して……!」
「おいおい、随分かわいい声出すじゃないか。いつものハルヒはどこへ行ったんだ?」
俺は右手の指をハルヒの首筋に這わせた。
「やああ……! バカぁ、変なのはあんたよぉ……」
「いつもそんなにかわいけりゃいいのにな? 抱き締めたいぜ、ハルヒ」
首筋から、髪をかきあげ、耳のうしろに触れる。ハルヒの体がビクッと反応し、その途端、
「もぉダメ!」「うわっ危ね――」
急にハルヒが飛び掛かってきて俺は押し倒されてしまった。息つく暇も無く、俺の口はハルヒの口で塞がれた。
感情が堰を切って溢れ出したかのようにむしゃぶりつくハルヒ。お世辞にも上手いとは言えない、ただ衝動のままに、激しく、乱暴に舌をねじ込み絡めるキス。
「んあ……はふ……むちゅ……はあ……」
俺は背中に回した手を、セーラー服の裾から差し込んで素肌に触れた。
「…! んああぁぁ!」
あのハルヒが俺の手が触れるたびに悶えている。ああハルヒ、愛しいハルヒ……。
「ひえぇ〜……」
「長門さん、何が原因なんでしょう?」
「わからない。人間の行動原理は謎」
あ、割り込んじゃいました。すいません。
「キョンく〜ん、おっはよー!あっさだよー!!」
早朝の暁を覚えたくない春眠を、120デシベルの騒音と、フライングボディアタックとの
実力行使によって、冷えたコールタールのように固く閉じられた俺の瞳をこじ開けたのは、
言うまでもなく我が妹だ。
さらにあろうことか、マイシスターが放った必殺技は俺のみぞおちを直撃し、しかも笑みを
浮かべながら、とどめを刺そうとする暗殺者のように2度3度と攻撃を加え、挙句にはその
はずみで妹の頭が俺の……まあ、その……なんだ、男の朝の生理現象というもので、心持ち
高めに主張していたある部位に頭突きを喰らわされる結果となり、まさにのっけから死の
苦しみを味わうことになったわけだ。
お前はもう少し、兄への優しさを身につけるべきだろう。
早朝の奇襲攻撃を仕掛け、あまつさえ2カ所もの急所への打撃というおよそ人道にもとる行
為を行った妹であったが、そんなことには贖罪の意識をかけらも持つはずもなく、まるでミ
ステリーサークルと遭遇をしたかのような、不思議そうな表情を浮かべつつ、無邪気にも、
「ねえキョンくん、今あたしの頭に当たった堅くて小さい突起はなあに?」
……ち、小さくなんてないっ!! 人並みだっ!!
「それ、何の話?」
すまん、俺の魂の嘆きが漏れ出たものだ。気にしないでくれ。
妹は何のことかさっぱりわからないといった様子で、まるでチベットスナギツネにでもつままれたような表情だ。
そこで、俺はさらに畳みかけるように言った。
「もしもし、そこの無邪気な妹さん、あなたがぶつかったものは、昨日小人たちが俺の寝床に運び込んでしまったエクスカリバーなのですことよ」
「えくすきゃばれー? キョンくん、それってなあに?」
キャバレーじゃない。エクスカリバーだ!
なに、エクスカリバーを知らないだと? アーサー王と山羊座の黄金聖闘士が草葉の陰で泣
いているぞ。罰として、お前は己の不明を恥じて1秒間に3兆回詫びなさい。
自分でも意味不明な言葉を口からはき出した末に、妹の頭をますます混乱のるつぼに陥れる
ことに成功した俺は、頭上にハテナマークを放出し続けている妹を部屋から無理矢理追い出
した。そして、ベッドに腰掛けてほっと一息つき、戦争の後の平和を実感し噛みしめつつ、ベッドから床に足をおろしたところ、
「キョンくん、今日の約束忘れないでよ!」
たった今出て行った妹が、扉の向こうからややくぐもった声で一言残していった。
約束? なんのことだ……?
俺はロダンの考える人ばりのポーズをとり、フロッピーディスク3枚分程度の容量しかなさ
そうな、我がピンク色の記憶装置から無理矢理記憶のかけらを引っ張りだそうと努めていた。
昨今のブロードバンド時代に、まるでダイヤル回線で検索した結果を待つかのように少々の
時間を要したものの、数分の後ようやく、頭の隅でほこりをかぶった様に押し込まれていた
記憶がこぼれだしてきた。
そう、今日は妹にある場所への付き添いをするという約束していたのだ。
ある場所とは、SOS団の不思議探索の集合場所であり、かつ探索場所としても認知されてい
る北口駅前にある大手進学塾「海学園」だ。
先日、妹がこの春には小学6年生に進級するのに合わせて、我が家では妹の私立中学への進
学問題が沸き上がった。
そんなに両親が教育熱心だったのかと俺は疑問に思い、妹自身も当初渋っていたのだが、彼
女の大の親友であるミヨキチ――吉村美代子と同じ進学先ならばと納得し、妹の気が変わら
ないうちにと、不足する学力を補うため、両親は妹に進学塾への入塾を勧めた訳だ。
「海学園」とはこの地域における有名進学塾で、難関校にも多くの塾生を送り込んでいる。
なお、この塾は完全能力別のクラス制で、各授業前の復習テストと、月一回に行われる入塾
テストを兼ねた公開テストの結果によって、20段階に分かれる所属クラスが毎月上下する
厳しい制度で塾生達の実力アップを図っている。
そこに妹を入れようというのだが、もちろん誰でも入れるわけではなく、ある一定以上の学
力が求められ、俺が今日付き添うところの入塾テストにパスをする必要があるのだ。
本来なら両親がつきそうか、それとも一人で行くべきなんだが、なぜか妹は俺についてきてほしいとせがみ、親も俺に対して否応なしに命令を下したわけだ。
まあ、親のすねをガリガリかじっている被扶養者としては、しょうがないがね。
ようやく思案を終えると、俺はいつものように寝間着姿のまま階段をゆっくりと下り
て洗面所に到達する。日中はやや暖かさを増した早春ではあるが、朝の意外な冷え込みに体
をブルっと震わせて鏡と対面した。
まあ、別に朝比奈さんに会うわけも、誰かとデートするわけでもないので、歯ブラシをくわえながらヘアーブラシでセットすればわずか1分で終了だ。
古泉のように、無駄にツラのいい男ならもう少し時間を掛けるんだろうが、俺にはこれで十分さ。むしろ、セットをするような時間の余裕があるなら、それを睡眠時間に回した方がよほど健康的だ。
うむ、鏡に映る俺は惚れ惚れするほどに普通だ。
俺は洗面所を後にするとダイニングにたどり着いたのだが、家族はもうすでに朝食を済ませていて、テーブルに朝食が1セット、取り残された子供のように寂しくそこにあるだけだ。
俺はやむを得ずイスに腰掛けて、むなしく一人朝餉を黙々と口に運んだ。
「キョンくん、おっそ〜い! あと20分で迎えが来るんだから、急いでー!」
妹は市販のどんなものよりも強力な目覚まし時計の役割を果たし、早々に起こしたはずであ
るにもかかわらず、だらしなくも遅れてきた不肖の兄の登場に案の定クレームをつけてきた。
だが、妹の言葉に俺は違和感を持った。
おい、迎えって他に誰か付き添うのか?
すると妹はニヤリと、メドゥーサさえも石化しそうなほどの笑みを浮かべた。
いかにも悪巧みをしていそうなその表情に俺の背筋がゾクッとする。
俺はあらためて、もうすぐ小学6年生と言うにはやや幼いその顔を見つめ回答を促すと
「それは来てのお楽しみだよ、キョンくん。ほらほら、早く食べてしまいなよ」
どちらが年上かわからない妹の言葉に促され、俺は急いで残りを平らげた。
食後、俺は部屋に戻り身支度を調えるとすぐさまリビングに待機し、もはや終わりの時間にさしかかったニュース番組を見ながらわずかな時間くつろぎのひとときを過ごしていた。
「ピンポーン」
どうやら妹の言う迎えが来たようだ。さて、誰だ?
どうか、ハルヒじゃありませんように。ハルヒじゃありませんように。
最悪の事態を想定しつつ、それを回避するため俺は雨乞いの生け贄にも似た心持ちで、両手を握りしめ、神と仏と天使とついでに悪魔とそれからその他諸々に祈っておいた。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるの精神だ。ご利益どころか、むしろバチが当たるかもしれないが。
「おはようございます」
その聞き覚えのある、透き通ったガラスのようなソプラノは、幸いにもハルヒではない。
すらりとして大人びて見えるその姿形は、まごうことなき妹の無二の親友、ミヨキチだ。
今日の彼女は、妹の付き添いと云うにはあきらかによそ行きと言えるものの、淡い水色の
ワンピースが彼女の雰囲気によく調和し、清楚さと少し背伸びをした大人っぽさとを兼ね備
えている。
やや誇張しすぎかもしれないが、もし朝比奈さんと並び立てば、どちらが年上に見られるのだろうかと思えるほどだ。
「やあ、君だったのか」
「お兄さん、おはようございます。今日はよろしくお願いします」
ミヨキチは、まるで礼儀のお手本のようなきれいなお辞儀を見せる。
うーむ、まさに絵に描いたようないいとこのお嬢さんだ。とても我が妹の友達とは思えない。
まるで妹とは別の世界の人間とさえ思えてしまう。
何か食ってる物が違うのか、それとも……育ちの良さだろうな。朝っぱらから兄の急所に猛撃を加えるような我が妹には、ミヨキチを見習って欲しいね。
俺はミヨキチの楚々とした挙措動作に感銘を受けつつ、一つ質問を投げかけてみる。
「ところで、君は妹に付き添いを頼まれたのかい? 試験中に待っているのも大変だから、
断っても良かったのに」
と尋ねると、ミヨキチはかわいらしく首を縦に小さく傾け、
「はい、でも今日はお兄さんも来るって聞いたから、わたし……いえ、な、なんでもありま
せん!」
焦っておたおたとしたミヨキチは、急に顔を熟れた有機トマトのように真っ赤にしてうつむいてしまった。
……俺が来ればいったい何だと云うんだろうか?
それにしても、たかが入塾テストに俺とミヨキチの付き添いが必要なのか? そんな大げさなものでもなかろうに、疑問だね。
だが、そんな疑問を問いただす間もなく、準備をすでに整えた妹がまるで緊張感のなさそう
な表情で、筆記用具の入ったいかにも小学生らしいポーチを携え玄関にやって来た。
まるで中学生と小学生の姉妹にも見えるミヨキチと妹との対比が非常に興味深い。
「ミヨちゃん、キョンくん、準備はいい? じゃあ、出発進行!」
まるでこれから山へハイキングにでも行くようなノリであり、およそ試験を受けに行く人間
の態度ではなかった。
俺は妹の縄文杉並の神経の図太さに俺はややあきれながらも、少しうらやましい思いを抱き、
玄関をゆっくりと出て行く妹の後ろ姿を追った。
辿り着いたのは北口駅前、目指す塾はSOS団の集合場所からも容易に見え、銀行も入って
いるビルの中にある。
ビルの中には、学習意欲を煽り立てる雰囲気がそこかしこから醸し出され、万年劣等生の俺
にはやや居心地が悪い。
ハルヒや長門ならどうってことないだろうがな。
そしてしばらく歩いた末に会場となる教室にたどり着くと、相変わらず緊張感のかけらもな
い天真爛漫としか表現しようのない妹を送り込むと、その妹の提案により、俺とミヨキチは
付き添いの保護者用の待合い室には向かわず、試験終了まで駅の周辺で時間をつぶすことに
した。
すると、妹は俺たちを見送るときに、再びニヘラとし、まるで口の閉まらなくなったシェッ
トランド・シープドッグのような妙な笑みを見せ、意味のわからない言葉を俺に投げつけた。
「二人とも仲良くしなよ。キョンくん、ミヨちゃんをよろしくね。じゃあね、いってらっしゃ〜い!」
まったく、何を考えているんだか
……そうか、こいつが妙に時代劇の悪代官のような顔をしていたのは、俺とミヨキチを二
人っきりにするためだったのか……。
それが何を意味するのかは、少々理解に苦しむところではあるが。
淀んでいた気持ちも高ぶるようなすがすがしい晴天の中、俺とミヨキチはビルを後にすると、
支線の線路を隔てた商業施設の中にある規模の大きな書店に向かうため、踏切を横切ってい
た。
俺の50センチ斜め後ろを歩くミヨキチは、多少の緊張感を漂わせながらも上機嫌に見え、まぶしいばかりの笑顔を時折見るにつけ、妹の付き添いという貴重な日曜日を、退屈きわま
りないイベントで過ごす羽目になっていた俺にとっても悪い気分ではなかった。
その道すがら、ミヨキチは妹からSOS団のことを聞いていたのか、やけに興味津々、どころ
かそれをを通り越して、熱心にハルヒや朝比奈さんの話を俺から聞こうとした。
もしミヨキチが、SOS団という一般人が関わってはならないクラブとも同好会ともつかない団体への入団志望を持っているなら、俺は人生を誤ることはない、君の選択は、虎穴に入っ
てわざわざ餌食になるようなものだ、と必死で止めたいところだが、まあ彼女が高校生にな
るころには、さすがにハルヒがあの部室の主になっていると云うことはないだろうから、さ
ほど気にすることもないか。
ただ、俺がハルヒによって俺が振り回されていることと、朝比奈さんの天使の御心のような
優しさとあどけなさをやや熱気を帯びて語ってしまったため、ミヨキチはなにやら複雑そう
な表情で俺の話を聞いていた。
そんなこんなで、話に夢中になっていたためか、俺たちはあっという間の行程で目指す書店
に辿り着いた。
そして店に立ち入ると、俺たちはしばらく一緒に同じコーナーの雑誌を立ち読みしていたが、
ほかに読みたい本があるのか、
「お兄さん、わたしはこっちで見てますね」
そう俺に声を掛けて、ミヨキチは少女向けのライトノベルコーナーに向かった。
そして売り場の棚から取り出し、手に取ったライトノベルを立ち読みしている彼女のその姿は年相応に見え、妹と同年齢なのだと俺は実感した。
なにせ小学生生活も残り一年になり、成長という階段を1段抜かしで駆け上がっていくミヨキチに対して、妹は1段上がって半歩戻るといった様子だったからな。差がつくのも無理は
ない。
さて、俺はと言えばあっちで漫画を立ち読みし、こっちで情報誌を立ち読みしというように、
自分の知的好奇心を満たしていた。
しかし、ふと妙な空気を嗅ぎ取った。
そこで、俺は書店の中を視線を巡らせて確認してみたが、俺の知っている人間など誰もいなかった。
気のせいか……?しかし、妙な予感がする。
ここは出た方がいいな。
俺は今読んでいた雑誌を閉じて元の場所へ戻すと、ミヨキチの姿を求めて売り場を彷徨った。
そしてミヨキチを見つけると、彼女もそろそろ声を掛けようと思っていたらしく、俺たちはいそいそと建物の外へ歩き出した。
建物を後にはしたものの、それでもまだ試験終了には時間があるため、俺たちは駅近くのファンシーショップに寄り道をした。
このような店に俺が立ち寄ることなど、俺金輪際ないと思っていたし、まるで羊の群れの中にマンボウでも迷い込んだような非常に場違い感があり、非常にいたたまれない気持ちでいっぱいで、床に穴を開けて掘り進んで、地球の反対側に隠れてしまいたい気分だった。
しかし、楽しそうにヘアアクセサリーを見定めるミヨキチにそうも言えず、また態度もとれないので、俺は他の買い物客の邪魔にならないよう、隅で店のオブジェと化していた。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、ミヨキチはうれしそうに満面に笑みを見せつつ、ある一つの商品を携えて俺の元へ近づいてきた。
「お兄さん、どうですか? このリボン」
ミヨキチが持ってきたのは髪留め用のリボンだ。
「ああ、なかなかいいデザインじゃないか。君にとても似合いそうだ」
などと、俺は言い慣れないことを述べると、ミヨキチはポッと頬を赤くするとありがとうございます。私これにしますと言ってレジに向かいかけたところ、ふとあることを思いついて呼び止めた。
「今日、妹に付き添ってもらったお礼とお詫びの印に、俺が君にプレゼントするよ」
我ながら似合わないことをすると思いながらも、遠慮しているミヨキチからやや強引に商品を受け取ると、すぐさま会計を済ませ、とって返してミヨキチに手渡した。
それを受け取ったミヨキチは、申し訳なさそうな表情を浮かべた後、さもうれしそうに包みを胸に抱きしめ、潤んだ瞳で俺をまっすぐに見つめると、
「お兄さん、ありがとうございます。私、一生大事に使わせていただきます」
「大げさだな。でも、そんなに感激してもらえると俺もうれしいよ」
妹は幸せ者だ。こんなにいい娘さんが友達でいてくれるんだから。
さて、そろそろ頃合いか? そう思ってミヨキチに声を掛け、俺たちは再び北口駅前に向かった。
俺はたちは連れだって歩き、駅前の公園とその東側にある塾が入居する建物が見えるあ
たりまでやってきた。
その公園を取り囲む形になっている道路は、車や歩行者、さらには自転車までもが行き交い、往年の交通戦争を想起させる混沌ぶりだ。
そして公園の方へ視線を滑らせると、その先には高校生ぐらいの4人ほどの若い男女がたむろしていた。
「…………!!」
……今、俺の心臓と脳の働きが数秒間は確実に停止した。
―――ハルヒたちだ!
さっきの書店での予感は、まさかこれのことか? あいつもあそこにいたのか……。
さほど寒くもなかった冬は、もうとっくに出口を通りすぎてしまったというのに、俺は今更になって寒気を憶えた。ひょっとして俺の体の周辺にだけとどまっているんじゃないか?
そう考えてしまいそうな、戦慄の瞬間だ。
あー、言い忘れていたが、俺は妹の付き添いをすると言って、今日のSOS団不思議探索を
断っている。まさか、ここでかち合うとは思わなかったが。
いや、あまりの偶然ぶりに俺は何者かの作為すら疑ったほどだ。
さて、ここで唐突にクエスチョンだ。
Q、俺は誰と一緒にいる?
A、妹ではなく、見た目は女子中学生と言っても差し支えない容姿をした美少女、ミヨキチだ。
Q、俺たちを見てどう思う?
A、俺はデートだとは思わないが、そう誤解する人間もいるかもしれない。
Q、もし、ハルヒに見つかったら?
A、俺は生きながらにして地獄を見ることになるだろう。というか、考えたくない。
まるでニュートリノの質量を捉えることのできる装置のように、鋭敏なカンを備えるハルヒ
たちの前で、俺たちがハルヒたちに見つからずに建物の入り口にたどり着くことは、ホワイトハウスに無傷で乗り込むことより至難なことだ。
しかし、今更引き返すわけにもいかない。それならここは知らないふりをして、脇を通り抜けよう。一か八かの賭になってしまうが、あるいはかえって気づかれないかもしれない。
俺は心配げな表情なをしていたミヨキチを促し、足を速めつつビルへと向かった。
そして公園の脇を通り抜ける。
ビルの入り口まであと50メートル、40、30、20……
よし、逃げ切ったか?
「ちょっと! そこにいるのキョンじゃない!?」
―――全米が恐怖した!
意識が遠のいてしまいそうな俺に反比例するように、ハルヒはなぜか不気味に微笑み、手招
きするその姿はまるで亡者たちに嬉々として審判を下す閻魔大王のようだ。
そのハルヒの悪魔も真っ青なその瞳に睨み付けられた俺の顔色は、もはや青を通り越して生ける死体の方々のごとく土気色になっている様に思える。
俺の隣にいるミヨキチは当初キョトンとした表情をしていたが、ハルヒの体から湧いて尽き
ざる禍々しいオーラを感じたのか、恐れをなして、痛ましくも身震いをさせている。
それでも俺はハルヒの声が聞こえないふりをして、このまま建物の中に避難して、ハルヒと
いう活火山をやり過ごそうと思ったのだが、なぜか体が言うことを聞かず、まるでローレラ
イの歌声を聞いてしまった舟人のように、勝手にハルヒたちの待つ公園へと進んでいる。
そして否応なくハルヒたちの前まで進み立ち止まると、ハルヒはおもむろに口を開いた。
「よくも、おめおめとあたしたちの前に顔を出せたもんだわね?」
おまえが呼んだんだろうが。
「あたしが聞きたいことはわかっているわよね? キョン」
いや、これは……だな、皇居の堀よりも深い事情があってだな……。
「なんだか微妙な深さね。まあ、いいわ。それなら、聞かせてもらいましょうか? あたし
や古泉君たちの前で、詳しく説明してちょうだい!」
……わかった。おまえのプリオン脳にもわかるように説明してやるからよく聞け。
というわけで、俺は今現在に至る経緯を全てハルヒたちにつまびらかにしたのだった。
なぜだか、俺がミヨキチと行動する話に差し掛かると、ハルヒの顔色が変化し、表情が引き
つり気味になったように見受けられたが、まあそれはいい。
とにかく、俺は話し終えたのだ。
なぜこんなに必死になっているのか、自分でもよくわからんが、それもいい。
一同納得したようだった。そう、俺は妹の試験が終わるのを待つためにミヨキチと行動して
いるのであって、やましいことは何もないのだ。
さすがのハルヒも納得してくれただろう。
「へえ、そうなの。でも、よかったわねえキョン、そんなかわいい女子中学生とデートがで
きて」
全然聞いてねえ。ハルヒは俺がミヨキチと行動していたところだけを切り取って、あげつ
らっている。
しかもハルヒはミヨキチのことに気がついていない。
ハルヒは俺の恋愛小説もどきを読んでいるから、ミヨキチのことがわかっているはずなのに
だ。
「あのな……おまえは俺の話のどこをどうとったらそう理解できるんだ? しかもおまえは
誤解している。この子は中学生じゃない、小学生だ」
「……中学生とじゃなくて、小学生とデートしていたですって? なお悪いわ!こんのロ
リキョン!!あんたの行為は、団則第225条に違反するんだからね!」
ハルヒは目をつり上げて何やら喚いている。つうかいつ決まったんだよ、そんな団則。
そんなにあるんなら、1から254条まで全部詳しく教えてもらいたいね。
しかし、どうも話がかみ合ってなかったようで、このままではハルヒの誤解が、第一次大戦後のドイツのように際限なくインフレしそうだ。
ほかの連中はと見回してみると、古泉は困った顔をしているし、長門はいつものように無表
情、朝比奈さんはおろおろ、助け船を出してくれるような人間はいそうにない。というか、
今飛び出せば、溶岩流のまっただ中に身を委ねるようなもので、自殺行為に等しいことは明
白だ。
また、かわいそうなことにミヨキチは貝のように押し黙り、先ほどからずっと俺の背中に隠
れるようにしている。
俺としても進退窮まるこの状況下では、彼女に害が及ばないようにガードしてやることしか
できない。
正直、神に祈りたい気分だが、古泉たちによるとハルヒにしても神の一種という存在だと見
なされているのだから、神に祈る行為さえ無意味なことになりかねない。
そんなときであった。どしゃ降り寸前の雲行きのなか、天佑のような薄日が差し込んだのは。
「キョンくん、おっそーい! もう、試験終わっちゃってるのに来てくれないんだもん。待ちくたびれたよ」
建物の中から飛び出してきた妹は、俺たちが公園で突っ立っているのを見咎めると、駆け寄
りマシンガンのように抗議を行った。
しかし、俺とミヨキチのほかにハルヒをはじめとするSOS団の面々が勢揃いしていることに
気づくと、やや勢いを落とした。
そして妹は、公園を覆い尽くすこの剣呑な雰囲気に気づいたのかはわからないが、キョトン
とした表情を浮かべた。
「あれ? ハルにゃんにみくるちゃん、それに有希ちゃんじゃない。こんなところでどうし
たの?」
言いにくいことなんだが妹よ、1人忘れているんじゃないのか? それと、年上のお姉さんにむかってちゃん付けはやめなさい。
「あら、妹ちゃん、こんにちは。ふうん、キョンの言ってることは嘘じゃなかったのね。う
うん、こっちの話。ところで妹ちゃん、あなたキョンに付き添いを頼んだのは本当なの?」
こいつは、俺の話をまるで信用してなかったのか?
「うん、本当だよ。あのね、キョン君とミヨちゃんに付き添ってもらってたんだけど、試験が終わるまで時間があるでしょ? だから時間をつぶしてもらってたの」
救世主の妹によってこれまでの経緯がハルヒに説明され、それを聞いてようやくハルヒは納
得したようだった。
するとどうだ、先ほどまで立ちこめていたオーラは雲散霧消し、ハルヒはまるで時化の後の
凪のような身の変わりようで、今や妹と談笑していた。
しかしな、よく考えたら俺とミヨキチを一緒に行動させるようにし向けたのは妹じゃないか。
ひょっとして諸悪の根源はこいつじゃないのか?
そんなことを考えていると、機嫌を直したハルヒが俺に話しかけた。
「ねえ、キョン、ところでミヨキチだっけ、あの子本当にかわいいわね。キョンが血迷うの
も無理はないわ」
血迷ってなどいない! 確かに美人だが、さすがに小学生を対象とするほど俺も落ちぶれちゃいない。
「本当に小学生だとは思えないほど大人びているわね」
まあ、確かにそれは言えるがな。
「胸なんか、有希より大きそうだし」
「…………」
おい!
「それに、みくるちゃんよりしっかりしてそうだし、これは逸材ね。彼女はいずれ、我がSO
S団にスカウトする必要がありそうだわ」
「ふぇぇ」
お前の言うことには一部同意したいところだが、本人たちの前で言ってやるなよ……。
もちろん長門は平然としているが、それでも何か抗議でもしているようにハルヒをじっと見
つめているし、朝比奈さんに至っては小学生よりもしっかりしていないと言われたようなも
ので、少し落ち込んで、地面のタイルの数を数えていた。
しかしながらハルヒは、SOS団女性陣の顔色の変化にはまるで斟酌することなく、今度は妹
の進路のことについての相談に乗っていた。
「ねえ、妹ちゃん。あなたがよければ、あたしが毎日勉強見てあげるから、塾に行かなくて
も志望校に合格させてあげるわ」
何やら不穏当な発言をしているじゃないか。
毎日家に来るだと? いや、実際俺も時々ハルヒに家庭教師をやってもらってはいるが、毎
日は勘弁してくれ。
今、なぜか俺の脳裏に、ハルヒが俺の家で夕飯まで食っていくなんて情景が浮かんでしまい、一人自己嫌悪に陥ってしまった。
よしてくれよ、史上最大級の台風が毎日俺ん家にやってくるなんて、想像しただけで怖気がするぜ。
って、おい古泉、なんだ?
「いえ、なにやら少し口元がゆるんで見えましたので」
「な、そ、そんな顔などしていない! お前の幻覚だ! お前にはすぐにでも目医者に行くことをおすすめするぜ」
すると古泉は肩をすくめ、微苦笑を浮かべた。
まったく、何を考えているんだか。
「さあ、妹ちゃん。どう?」
頼むから断ってくれ。
すると、意外な人間が突如口を開いた。
「わたしが毎日家に行って一緒に勉強しますから、涼宮さんが行かなくても大丈夫です!」
ミヨキチのあまりに意外すぎる発言に、一同唖然とする。
当然、俺や妹もだ。
ミヨキチは決然とした表情で、ハルヒに対する怯えは見られない。
「な、な……!」
さすがのハルヒも二の句が継げないでいる。
しかし、滅多に見られるもんんじゃないな。呆気にとられたハルヒなんて。
貴重だからその間抜け面を写真にでも撮って、SOS団の部室の前にでかでかと貼っつけてやろうか? さぞかし怒り狂うだろうぜ。
なんて考えている場合じゃないな。
和やかな雰囲気から一転、まるでキューバ危機の再来といった様相だ。
ところで、なぜあのおとなしいミヨキチが、あんなことを言い出したのかよくわからない。
妹をハルヒに取られたくなかったからか? まさかな。
すると、ハルヒはなぜか俺を睨み付けて、次にミヨキチの方を向いたが、ふっとハルヒが目をそらすと、再び俺の方に向いて突然言い出した。
「キョン、あんた春休みが近いけど勉強を怠けてんじゃない? 進級が決まったぐらいで喜んでいるようじゃ、大学進学なんて夢のまた夢よ!」
何が言いたいんだ? どうもいやな予感がするんだが……。
「キョン、明日からあたしが毎日あんた家に通って、みっちりと勉強を教えてあげるわ。あんたでも公立の大学を狙えるほどにね」
ハルヒはニヤリとし、獲物をどう料理してやろうかといった風な笑みを見せた。
そのやりとりを見ていた朝比奈さんは口を押さえ、古泉は微笑ましそうな笑みを浮かべた。
だが、ミヨキチはややムッとした表情を浮かべたものの、すぐに引っ込めハルヒを見た。
なぜかはわからないが、俺はミヨキチとハルヒとの間で、鋭く視線同士がぶつかり合うような幻像が見えたような気がした。
ところで、俺に拒否権は……?
「あるわけないでしょ? これはもう決定していて覆せないことなの。さあ、そうと決まったら、あたしは明日からの準備をするからもう帰るわ」
ハルヒは実にうれしそうで、100個のLEDを束ねたような満面の笑顔を振りまき解散命令を下した。そして駅へと去っていった。
こうして、なんとも疲労感の残る、ある晴れた日曜日が過ぎ去った。
俺はあの日以来、家庭教師のハルヒによる授業を毎日受けている。
ハルヒが一方的に俺に宣告したあの日の翌日から、彼女の押しかけ家庭教師としての日々が始まったのだ。
ハルヒは毎日が実に楽しそうで、家に来るときは上機嫌だ。また、俺の部屋で授業を行っているときはいつもの傍若無人ぶりを披露しているのだが、差し入れなどで母親が立ち入ると、途端に良家のお嬢様然とした立ち居振る舞いを見せ、俺の母親をいたく感動させた。
俺の母親に取り入っても仕方ないだろうに……。
それと、妹のことだが、彼女は塾のテストには合格したものの、ミヨキチと一緒にいる時間が少なくなるとかで、結局入塾を辞退した。
それでどうしているかと言うと、これもまた宣言通り毎日のようにミヨキチがやってきて、一緒に受験勉強をしている。
つまり、俺と妹にそれぞれ無料の家庭教師がついたようなもので、確かに効果は上がっている。
ただ、ハルヒとミヨキチは俺の家で顔を合わせても、挨拶こそはしてもあまり会話もせず、たまに両者の間で火花が散っているように感じるのは俺だけだろうか?
それでもハルヒに対して、恐れることなく対峙できるというのはたいしたもんだ。どこにそんなエネルギーがあるのかわからないが。俺としては十字勲章でも授与してやりたいほどだ。
最後に――ある日、俺があの日曜日にプレゼントした髪留め用のリボンでポニーテールを結わえたミヨキチを見咎めたハルヒとの間で鋭い対立があり、それが俺にも飛び火してちょっとした騒動になったのだが、それはまた別の話だ。
おわり
終わりです。
GGGGGGGGGGGGGGGGJ!!
>>663 ヨカタヨー(・∀・)
ただ、途中のQ&Aのところがちょっとくどかったので
そこだけ惜しいと思いました。
いいですね。三角関係マニアの俺には琴線に触れる内容でした。
ハルヒVSミヨキチはあまり見られない対戦カードなのも新鮮でした。
個人的には衝突シーンをもっと描ききって欲しかったですが、
それはキャラの性質上中々難しい注文でしょうか。
少し文にぎこちなさが感じられましたが、
それを埋めるだけのボキャブラリーと作者トレースの熱意が
伝わってくる力作だったと思います。
>>663 おもしろい、GJ!
できれば‘別の話’も書いてくれ
続きまだ〜? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
669 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 21:33:51 ID:AlHoMSt8
面白い!!でもキョンがミヨキチにと言うのが少し変な気がしたSS読みすぎかな?
「なんだ君だったのか」
↓
「おっ、ミヨキチか」
みたいにもうちょいフランクでもいいと思った。どうであれ次回にも期待
>>669 どう考えても細かすぎ、重箱の隅気にしすぎ。
そのレベルなら、原作本の方でも突っ込めるレベルだぞ。
重箱くんも大概だが、
重箱くんに一々食ってかからないと気が済まない
自治厨気取りの困ったちゃんもなんとかならんものか。
672 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 22:04:55 ID:AlHoMSt8
そうか、細かい事か…すまなかった。
sageろよおい
>>672 気落ちしないでもいいんだぜ。でもsageよう。
キョン→ミヨキチへの呼び方が気になったんで原作を読み返してみた。
モノローグではミヨキチだったけど,直接呼ぶ時はキミだったんであってる。
あれは叙述トリックもどきだから、実際はミヨキチって読んでるかもしれんぜ。
>>671 気に障ったのならすまん。
だが、自分も書き手なんでそこまで指摘されるんじゃ、投下なんてできないと感じた。
勿論、各キャラクターの呼び方、背景、原作もチェックするけど、相違点が出たり
原作とは違った行動をキャラが取ることもある。
でも、それも嫌というなら、敷居が高すぎるし書き手に失礼だよ。
何で二次創作にもうちょっと寛容になれないんだろう?このスレの一部の人は。
クレーマーなんだろ。文句言いたいだけ。
>>677 気にするな、ただの感想だ。『思った』って書いてあるだろ?
680 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:28:18 ID:8GJ59W3E
>>677 価値がないと思う批判に対しては、噛み付くんじゃなくてスルーしろよ。
>>678 プラス、自分達を「ハルヒのプロである高尚な読み手」とか勘違いしてるんじゃね?プロってナンなんだって
話だけどさw
はっきり言って粘着して同じ事言ってきたり、本当にここの読み手ってのは嫌な連中ばかり。
批評と言えば何でもとおる、何か言えばかみつく、本当にくさってる
>>651 ありがちネタながら、傍観者たる非日常人の冷静さにワラタw
タイムマシン原論文を自力で考案してしまうハルヒなら精力剤の調合も実際お手のものかもしれん。
七日間ぶっ通しでヤり続けそうで、いろんな意味で後々怖いが。
>>663 よくあるプロットですが、起承転結のしっかりした話に仕上げられていて、各所でキョンのツッコミも効き、楽しかったです。
こういう三角関係においてハッキリ現れるツンデレのヤキモチはユカイですな、傍から見てる分にはw
果たして妹の意図は?もしかしてワカメ女史と並ぶ腹黒なのか?
ただ上の方も言っている通り、文体のぎこちなさに、キョンになりきるというのはやはり難しいことだなあと思ってしまいました。
それと、イントロダクションのシーンと内容とが少々合わないかなと。最後ミヨキチが朝ダイブしてくる伏線かと思ったもので。
投下前にエディタで改行マークを確認するか、メモ帳で開いてフォントサイズ変更してみると、改行ミスがなくなるかも。
ミヨキチ使ってロリキョンなら、キョン姉かキョン従姉使って年増好きキョンてネタ、どこかにないかなあ……。
>>669 俺としてはいい指摘だと思う。深読みかもしれないが。
『編集長』でのキョン自らの小説は意図的に謎を秘めて抑えてあるため、ミヨキチと実際話した口調とは違うものである可能性が高い。
それにあの小説は一年前の出来事なので、その後も毎日とは言わないが週イチ程度で遊びに来ているとすれば、
対応する機会が多いキョンのほうも、自然くだけて来るはず。
一己の女性として意識(恋愛感情有無にかかわらず)し始めていれば、それなりにかしこまった言葉遣いにもなるだろう。
しかし、だとしても……と、これ以上長ったらしく書くとお叱りを受けそうなので中絶。
プロットの面白さに比べればコンマ以下の議論だろうが、こういう何気ない口調に登場人物の心情が表れるから、小説というのは気が抜けない。
>>682 別に導入部とオチを無理に繋げる必要なくねえ?
684 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:51:07 ID:AlHoMSt8
わざとやってるだろ、お前
どんだけ馬鹿だよ・・・・・・orz
気付いた、自分は生涯ROMってるのが似合ってる
エクスカリバー……確か鞘には魔法がかかっており、身に附けている限り、持ち主は血を流さないそうだ
キョンは確か血が流れたよな、つまり皮は被ってないと言うことになる
つ キョンのはエクスカリパー
ダメージは常に1
投下させていただきます。10レス予定
「彼女がときめく時」
「それでは明日、よろしくお願いします」
頭を何度も下げながら、緊張しっぱなしだった電話を終えた。胸の高鳴りを落ち着かせるために深呼吸をした。
電話の相手は私の親友の女の子のお兄さん。家に遊びに行くと時々会うことがある。どことなくぶっきらぼうな喋り方だけど小さい子の扱いに慣れているようで私にも親切にしてくれる。
向こうは私をお客さんとしてとしか扱っていないと思うけど、私は3つ以上年上の男の人なのに親近感を持っていた。
だから私はお兄さんに一日付き合ってくださいと頼んだ。けどその目的が年齢制限のある映画を見に行くこととはそのとき伝えなかった。私の外観が12歳未満に見られることはないから
当日そのことを言っても許してくれると思ったから。
「あれも・・・時間をずらせば大丈夫よね。」
無意識に私の手が下半身に伸びた。まだあの時の感触が体に残っている。知らない男の人たちの感触・・・
それは昨日のこと。
映画を見に行きたい願望は日に日に大きくなり、お兄さんに付き合ってもらおうというアイデアも浮かんでいた。けど電話をする決心がなかなかつかず悶々としていた。そんな時
「そうだ、お兄さんに頼む前に下見をしよう!」
突然思い立った。私が無理にお願いするんだから失礼があっちゃいけないなどと自分に言い聞かせていたけど、なんのことはない、決心がつかない自分への苛立ちをごまかそうとしていた
だけ。
下見だけだというのに、私はお兄さんと出かけるならこれ、と決めていた真っ白なワンピースを着て外に出た。トートバッグの中には家にあったタウンガイド誌。
電車に乗って目的の駅へ向かう。そこから真っ直ぐ映画館に向かった。
「映画だけじゃ、時間が余っちゃうかな。」
トートバッグからタウンガイド誌を取り出した。その地図を見ながら歩いていくと喫茶店が見えてきた。前から行ってみたかった所だけどこの位で着くなら大丈夫ね。私は赤ペンでその喫茶店
のページを丸く囲った。ここの特製ケーキがおいしいらしい。映画の後はここでお兄さんと食事をしよう。お兄さんとならきっとおいしいに違いない。私は店を見ながらその風景を想像した。
あっさりと下見終了。
下見といっても、映画館と喫茶店の場所を確認してくるぐらいで終わってしまった。
「何やってるんだろう、私・・・」
目的を果たした途端素に戻ってしまった私は駅に戻る途中の公園でベンチに腰掛けた。私がこんなに意識したって、お兄さんは自分の妹の友達のお守り程度にしか思ってくれないだろう。それ
以前に、私の頼みを聞いてくれないかもしれない。そう、まだ電話だってしていないのだから。
「ふう・・・」
状況が何も進展していないことを自覚してしまい思わず溜息が出た。でも、気持ちが先走りしすぎていたのかもしれないけど下見までしたんだからもう後には引けない。
「後は当たって砕けろよ!」
私は勝手に納得して、公園の水を飲んで再び駅に向かって歩を進めた。この気持ちがしぼんでしまわないうちに、家に帰ったらすぐ電話しようと思いながら。
帰りの電車の中は、そんなに混んでいなかった。私はボックス席の窓側に座って外の景色を眺めていた。けれど景色に関心はなくお兄さんへの電話で最初にどう切り出そうかなとか、映画の内容
は言ったほうがいいかなとか、そんなことを考えていた。
今日は天気もよく太陽の日差しが電車内に降り注ぎ、とても暖かい。そのうち私はうとうとしてきてしまった。気持ちが高ぶっていた分疲れたのかもしれない。けどそのせいで私の座ったボックス
席の異変に気づかなかった。
「ん・・・?何だろう?この感じ・・・」
突然私の太ももに違和感を覚えた。最初は膝の辺りにあったその違和感はだんだん上に上がってきてスカートの中に入って奥に奥に進んでくる。とっさに手をやるとごつごつした暖かい感触が伝わ
ってきた。はっとすると私の目の前の席に男の人が2人、そして私の隣に男の人が1人座ってわたしをじろじろ見つめていた。
私の太ももの違和感は男の人の手だったのだ。
「えっ、何・・・?」
自分に起こったことが理解できず、私の太ももを触っている男の人の顔を見た。
その男の人はお兄さんよりずっと年上っぽくて、黒のスーツを着ていた。前の席の2人はGパンにシャツといったラフな格好。やっぱりお兄さんより少し年上っぽい印象だった。どっちにしろ私に
とって全く面識のない人たち。私をじろじろ品定めするような目つきは、薄気味悪さを感じた。
「ち・・・痴漢・・・さん・・・?」
「おっと、大きな声を出しちゃだめだよ。でないと・・・」
「え・・・えっ?」
スーツの男の人が私の片足を持ち上げて自分の膝の上に乗せた。私は大きく股を開いた格好になって、スカートからパンティーが見えそうになってしまった。
「この恥ずかしい格好をみんなに見られちゃうよ?」
「い・・・いやっ!」
「おっと」
私の前に座っていた2人組がスカートを押さえようとする私の腕をつかんで上に持ち上げた。身動きが取れない。
「おとなしくしてれば怖くないからね」
優しそうな口調だけど、薄気味悪さは抜けていなかった。私の腕をつかむ力も一向に収まらない。頭の中が混乱した。
「うひょお、すべすべな肌だなあ」
「おまけにスゲー柔らかい。どこを触っても気持ちいいぜ」
ボックス席の窓側だから囲まれる形になってしまって逃げ場もなく、私は股を開かされた格好のまま声を押し殺していた。
「ん・・・んふっ・・・」
私がおとなしくしていることに気を良くしたのか、3人の男の人が遠慮なく私の体を触ってくる。私のワンピースはボタンが胸元からおへその辺りまで続いている。一人で着れる様このデザインの
服を選んだのだ。男の人たちはそのボタンを次々に乱暴にはずしていった。青色のブラジャーが露わになるとそのブラジャーをたくしあげて胸を直に触ってきた。最初ひんやりとしていた男の人達の
手の感触も私の体に触れているうちになじんできていた。私のおっぱいを少し乱暴にむにゅむにゅと揉んできたかと思うと犬を撫でるように優しく触ってきたり。そして乳首をコリコリとつまんだか
と思うとピンッとはじいたり・・・。私のおっぱいをおもちゃのようにして遊んでいる。その間も股は開かされたままで太ももやふくらはぎをいじられた。
「いやあ・・・やめて・・・やめてよお・・・」
「やめてって言いながらすごい感じてるじゃないか」
「そんな・・・そんなこと・・・あっ」
耳元で囁かれる言葉を否定しながら、私の口からは吐息が漏れ出していた。他人に自分の体を好き勝手にいじられるなんて初めてのことだった。私の体は自分の意思とは関係なくピクン、ピクンと
反応してしまう。
そしてついに、パンテイーの中に手が伸びてきた。
「だ、だめですっ、そんなとこっ」
とっさに足を閉じようとしたその時、私の腕をつかんでいた男の人が私の乳首に吸い付いてきた。
「んひゃあっ」
ちゅーっ、ちゅちゅっ、ちゅぱっ、ちゅちゅ・・・
そんな音が聞こえてきた。私の乳首は飴のように舌先で転がされ、ストローでジュースを飲むように吸われ続けた。くすぐったい。背筋がゾクゾクする。乳首を甘噛みされると力が抜けてしまい足を
閉じることができなくなってしまった。
「へへ、もう濡れてるぜ」
難なくパンテイーの中に入った男の人の手が私のアソコを触っている。濡れてるってどういうことなんだろう。アソコの入り口に触れているだけだった指が突然L字に曲がりだした。
「ひゃっ」
それは何の抵抗もなく私のアソコのくぼみに潜り込んでいく。そして激しく動き出した。
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・
私の下半身から水音が立ち、パンティーが湿っていくのが分かった。
「あはあっ、はっ、んひっ」
乳首を吸われる音。アソコをいじられる音。その二つの初めて聞く音が頭の中で交響しいつしか私は抵抗する言葉を発しなくなっていた。
「ココは弱いかな?」
「えっ?」
アソコの中から出された指が少し前に移動した。濡れた指でこすると小さな粒のような塊が飛び出した。男の人はそれをきゅっと強くつまんできた。
「あああああっ!」
強い衝撃が頭の中を走り抜けていく。私の体が大きく仰け反ったのを見て男の人が口を押さえてきた。
「このくらいでイッちゃだめだよ?」
イ・・・ッちゃう?イッちゃうって何?
「さて次はこれだな」
ピンク色をした丸いものを見せられた。コードみたいなのが付いている。何だろう?男の人はそれをパンティーの中に突っ込み、さっきの小さな粒にあてがった。そしてー、
カチッ
スイッチのような音がしたかと思うと
ヴヴヴーッ
小刻みな振動が伝わってきた。振動自体は弱かったけどピンク色をした物を押し付けられている小さな粒が増幅器のようになって激しい刺激を体中に広げていく。
「んん・・・んんうう!」
私はいつの間にか男の人の腕をつかんでいた。いつ腕を解放されたんだろう。でも今は何かにしがみついていないと声を上げてしまいそう。その振動がだんだん気持ちよくなっていた。男の人はピン
ク色をした物を押し付けたまま再びアソコの中に指を入れてきていたのだ。私のおっぱいは二つとも前の席の2人組に吸われていた。
「おおっ、マンコの締りが良くなったぜ」
へへへ、という低い笑い声が聞こえてきた。4ヵ所を同時に攻められ、私は意識が朦朧としていた。そのうち体が勝手に激しく痙攣しだした。
「おっこいつイキそうになってるぞ」
「あっ、あっあっ。ひぎっ、何?何これえっ」
「おい、声立てるな」
また口を塞がれた。イキそうって、イクってどういうことなの?
「ほらほら、イケよ!」
乳首の吸い付きや、アソコの指使い、そして振動がどんどん激しくなっていく。
「イケっ!イケっ!」
呪文のように両耳で囁かれる。イク・・・私、イッちゃう・・・
697 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 00:51:20 ID:44u7ms9E
原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。
こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
「あっ、あっ、あひぃっ、んあああっー!」
男の人の声が導火線になって、私の中で何かが炸裂した。それは私の体を快感で痺れさせた。
「はあ・・・はあ・・・」
「ハデにイッたねえ。俺の指噛んじゃって。」
イッた・・・?私、イッちゃったの・・・?これが、イクってことなの?私は息を切らしながら自分に起こったことを把握しようとした。けど思考が持続しない。体が小刻みに痙攣している。
「さあ、次は俺たちをイカせてもらおうか」
ボーッとする私の前で3人の男の人たちがズボンの中から大きく反り返ったものを出してきた。それは男の人の・・・ペニス。
「はら、こうやって上下にしごくんだ」
「は・・・はい」
ぐったりしている私の手をつかんで火傷しそうなほど熱いペニスを握らせる。思考が途切れ途切れになっている私は言われるがままだった。
「俺はここをいただくぜ」
私の両手が2本のペニスで埋まっているので三人目の男の人は私のおっぱいにペニスを擦り付けてきた。ペニスの先から透明な液体が出てきておっぱいを濡らしていく。
「はら、口も使って」
「は・・・はい」
私にできたことは唇をペニスに触れさせることだけだった。すると男の人は唇の上でペニスを上下左右に振って擦り付けてきた。よだれが溢れてくるとぴちゃぴちゃとまたいやらしい音が聞こえてきた。
「うぶ・・・ぶぶぶ・・・ぶぽっ、ぶぷ・・・」
「気持ちいいぜ、これ。おい、目を閉じてないで俺たちの顔を見るんだ」
「は・・・はい」
目を開けるともうひとつのペニスが私の唇に乗せられようとしていた。
「おい、俺にもやらせてくれよ」
さっきまで私のおっぱいを弄んでいた男の人まで私の唇に照準を合わせてきた。でも三本ものペニスなんか私の唇に乗らない。ほっぺたにまではみ出し、それでもこすり付けてくるのをやめないのでほっ
ぺたまで濡れてきた。それはとても苦く、臭かった。でも、それすらだんだん苦にならなくなっていった。
「うっ、そろそろ射精そうだ」
「俺もっ」
男の人の体とペニスがビクビク震えだした。私の頭をつかみながら
「もっとしごいて!しごけっ」
「ふっ、うっ」
私のよだれと男の人の透明な液体でベトベトになった手で、にちゃにちゃとペニスをしごいていく。おっぱいにペニスを擦り付けている男の人も、その速度を上げていった。
「うおう、ぶっかけてやるっ」
「んあっ」
どぷっ、びゅるるっ、びゅっ・・・!
私の顔に、髪の毛に、おっぱいに、ペニスの先から飛び出した白い液体が降り注ぐ。私はこの液体の名前は知っていた。
「精液・・・いっぱい・・・」
右のまぶたの上に精液がかかってしまい私は左目だけで自分のおっぱいを白く汚している暖かい液体を視界に入れた。ゆっくりゆっくり、おへその方に流れ落ちていた。
「ふう〜っ、気持ちよかったぜっ」
「うう・・・うあ」
「お嬢ちゃんも気持ちよかっただろ?」
「え・・・あ・・・」
頭の中が焼けるようで、言葉にならない。
「気持ちよかっただろ?気持ちよかったって言ってみな」
「き、気持ち・・・よかった・・・です・・・」
口が勝手に動いていた。よだれを垂らしながら。
男の人たちは満足そうな顔を浮かべて着せ替え人形のように私の服を元に戻した。けれど精液を拭き取らないままだったのでワンピースに精液が染み込んでしまった。ああ、もう、これ着れないなあ・・・。
そんなことを思った。
「気持ちよくしてくれたお礼に、これをあげるよ」
「何・・・これ・・・」
「ピンクローターだよ」
男の人たちがボックス席から居なくなった。解放されたものの私は放心状態で顔にべっとりついた精液を拭き取ることもできず、ただその匂いを受け止めていた。
「これ・・・いい匂いかも・・・」
思考が持続する様になった時、最初に浮かんだ言葉だった。
そしてお兄さんと映画を見に行く当日。
「構わないよ」
私の期待通りお兄さんは映画を許してくれた。そればかりか私のチケット代を出してもいいとまで言ってくれた。もちろん断ったけど。
やっぱり映画は1人で行くより誰かと一緒のほうが楽しい。上映中は映画の演出にびっくりしてお兄さんの腕にしがみついてしまったり、映画のあとは内容について話し合ったりできた。
喫茶店では入り口でお兄さんが一瞬たじろいだ様だったけどちゃんと中に入ってくれて一緒に食事ができた。男の人の食べる速さに少し驚いた。お兄さんも私が小食であることに驚いていた。私ってやっぱ
身長が高いから大食いに見えるんだろうか。うつむいてしまった私に
「いやいや、そのままで全然かわいいよ」
と今の話と少しズレたことを言ってきた。私に気を遣ってくれたんだと思って嬉しくなって笑い返すことができた。
ああ、あのワンピース着てこれたらよかったのに・・・
痴漢に遭ったあの日、私は結局お兄さんに電話できなかった。自分で動けるようになった時は降りる駅を通り過ぎてしまい、帰りが遅くなってしまったのだ。もちろん家に帰る前に顔と髪の毛についたぱりぱり
に乾いた精液を拭き取った。でもワンピースの精液のシミは落ちなかった。だから今日はブラウスを着てその上にカーディガンを羽織り、スリムジーンズをはいている。お兄さんに似合ってるよと言われたのが
何よりの救い。
「す・・・すみません」
「いや、別にキミのせいじゃないから」
帰りの電車は満員電車に当たってしまった。痴漢のこともあって時間をずらすことを意識していたためだ。
「ご・・・ごめんな、もう少しの辛抱だから」
「は・・・はい・・・あひっ」
その電車の中で、私はお兄さんと向かい合ってぴったり密着している。人ごみの波に乗って奥に流され、私は扉とお兄さんに挟まれた。身動きが取れないのはどことなく一昨日と似ていた。
「あっ・・・あんっ・・・」
「つ、次の駅でその扉が開いたら一旦降りような」
私の股の間にお兄さんの右足が入り込み、その太ももが私の股間に密着していた。電車が揺れるたびお兄さんの体勢が小刻みに揺らいで執拗に私の股間をこすってくる。私のアソコはすぐ濡れだした。
「だっ、大丈夫?」
「はっ、はいっ。へ、平気でっ、す」
私の声は上ずっていた。お兄さんの顔がゆらゆらぼやけている。下半身が熱くなっているのが解る。
お兄さんはどうしていいか解らないという、本当に困った顔をしていた。私を心配してくれてるみたいだけど、私今お兄さんの太ももで感じてるんです。私がこんな子だって知られたらどうしよう。でもお兄
さんの困った顔、とてもかわいい。こんな顔見せてくれるのなら、お兄さんになら、このままイカされちゃってもいいかな。
お兄さんは次の駅で降りようと言ったけど、私は知っている。次の駅では反対側の扉が開くことを。降りることはできない。
これも一昨日の下見のおかげ。お兄さん、ちゃんと私をイカせてくださいね。
私の心は今日一番ときめいていた。
終わり
以上です。7レスで収められました。
>>701 こ、これはエロい……。おしゃまで早熟な小学生が痴漢されるのはペド属性持ち合わせた人間には辛抱たまらん。
ただ……プロットも必然性もやっぱり漫画向きですね。まあ今はミヨキチの公式絵もないのでSSでしか描けませんがw
そもそもこれ小学校4年生が語る文章じゃないなあ……と書くとまたクレーム来るか。
内容の方向を考えると、事前の注意書きが欲しかった。ネタバレになってしまうのだろうけれど。
あと勝手ながら、190文字近い行は、1280x1024でサイズ12のフォントを読んでる俺には辛い……あ、前も書いたっけ。
そうか……もう春か
きつい話だな。んな体験したらショックで外になんか出られないだろ普通。
sage ageなどという、もはや目的としては形骸化していることを持ち出して叩くのはどうなんだろう?
オンザの人のは以前スレにでてたんじゃないか?
ところでアスタの人のサイトってどれ……?
良いことしたつもりなのかな。
GJとか言われると思ってたのかな。
これが春か……
……春……なんだなあ……
>>701 これは
エロい
な
で、この続きの
「欲情したミヨキチにムラムラしてしまったキョンの暴走」
はどこで読めるんですかセンセイ!!!
>>701 エロい! 酷い! でも何か不幸じゃないどころか目覚めてる!
つまりアレだ、GJ!
>>709 その意見を聞いて妹ちゃんが嫉妬に泣くシーンがムラムラと黒い電波になって頭をよぎった。
俺はもう寝た方が良いのかもしれんな。
ネットやってると都合の良いものしか見なくなるから、ふっとこういう話が
来るとメリハリが付く感じがする。興奮してる人にちょっと嫉妬。
703の奴は間違いなく春の訪れ。 あとはオンザの人次第。
「これは春かもしれん」
エクスカリバー話題で、書きなぐってみた。
当初は小ネタで2レスくらいの予定だったんですが…以下投下
そういえばアーサー王と円卓の騎士で有名なエクスカリバーだが、もとはカリバーンという名刀で、
一度真っ二つに折れてから小人だか妖精さんだかに打ちなおして貰ったことからEX−カリバーンと呼
ばれ、これがエクスカリバーの語源になったとかなんとか……。
なぜこんなことを考えて気を逸らしているのかといえば、これは目の前で白い裸体をくねらせている
貪欲なウロボロスことSOS団団長のせいというか、おかげというか……。
つまり現在の俺は孤軍奮闘の状態で自身の名剣だけを頼りに、涼宮ハルヒという名のほの暗く熱く湿っ
たダンジョンで一進一退を繰り広げてるというわけだ。身を守るものといえばはなはだ頼りない薄いラ
テックス製の鎧だけで、俺の断末魔と白い血飛沫を早く早くと急き立てるようにザワザワと蠢く魔物達
の群れの中を掻き分けながら―――
「んっ! そこ…それがイイの!」
まだ経験が少ない為か奥までの挿入はなかなかキツイらしく、最近のハルヒのお気に入りは入り口付
近に浅く付き入れて、亀頭の出っ張りで粘膜を掻き出すようにゆっくりと抽送繰り返す行為だ。時々根
元まで突き入れながら本能の赴くままに奥の扉を乱雑にノックしたい衝動には駆られるが、ハルヒの満
足度と俺の持久力を両方を鑑みるとここは我慢の一択。苦痛に耐えて眉をしかめながら受け入れるハル
ヒを眺めるのは俺の趣味じゃないしな。まぁ…一度は耐えて貰った訳だしな……反則的なまでに可愛かっ
たなぁ……。
っと、いかんいかん、過去を振り返るには俺は若すぎるし、反芻して込み上げてくるものに耐えきる
にも若すぎるので、現在の行為に没頭することにする。
大きく反応する部位を確かめながらゆったりと掘削を繰り返し、どの水脈に繋がっているのだろうか
と馬鹿な疑問を抱きながら溢れ出す天然ハルヒ水を自慢のカリ・バーンで掻き出し、ダンジョン入り口
の上部に配置されたピンクのドアノッカーに指を伸ばす。トントン。ごきげんよう、お加減はいかがで
すか?
「っわひゃ! あっ――くぅ!!」
どうしたんですか!? 大丈夫ですか!? トントントン。
正直に言おう。行為の最中のハルヒは可愛い。素直にそう思えるのが行為の最中だけとはいえ、自分
の反応が恥ずかしいのか片手で顔を覆いながら、もう片方の指を噛んで嬌声を堪えるハルヒに劣情もて
あます。
スタイル自慢ハルヒだけに、自身満万にさらけ出された裸身は今や羞恥と歓喜に朱に染まり、しっと
りと艶やかに汗ばんだ肌の下、特に鳩尾から臍分、下腹部にかけては、皮膚の下に一体なにが潜んでい
るのかと疑いたくなるようにうねり、くねらせていた。イブを騙してアダムを堕落させた蛇なのかもし
れんね。成敗してくれる。こいつめこいつめ。えいえい。
ここで調子に乗ったのが、今回最大の失態だったんだろうな……。冷静に行為を致してたと自分では
考えてたのだが、俺自身も経験が浅く、また普段よりもイイ反応を返すハルヒに注意が向きすぎていた
んだと思う。行為がおざなりにならないよう集中しながらも、気を逸らすために妙なモノローグに力を
分散させたせいかもしれないが……この事故はそんなとき起こったのだった。
伝説の秘宝であるピンクの真珠へのアタックを、千本ノックから占い師が水晶玉にするような妖しげ
な指さばきでこねくり回し、慎ましげに手入れされた熱帯雨林が大きなうねりを見せた時、精一杯の愛
情と茶さじ一杯分の嗜虐芯を込め、愛すべきビニール製の緩衝材、通称『プチプチ』の最後の一泡に対
するように感謝と畏敬と細心の注意を持って俺の愛すべき小さなロゼッタストーンをきゅっと摘んだ。
「ぅあぅっ! ―――っ!!」
それまでの行為で徐々にズレていたせいなのか、
はね上がるように背をそらして大きくのけぞったハルヒのせいなのか、
「いくぞっ! ハルヒ!!」
最後の大波に乗るべく、ハルヒと言う名の歓喜の海の乗り出した俺が、ラストスパートよろしく深く
突き入れたせいなのか、おそらくその凡てのカードが最悪のタイミングで揃ってしまったんだろう。交
歓の濁流に飲み込まれ、潤み、呆けた瞳でどこか遠くを眺めるハルヒが背を、頭を下ろした場所はベッ
ドの縁からかなり外れていた。
この高さなら頭から落ちても小さなタンコブをこさえるだけだろうさ。などと思い至ったのは随分後
のこと。その時の俺の世界にはハルヒしか映っていなかったし、コイツを守るんだという矜持しか湧き
上がってこなかった。まぁ、笑うなよ?
一大スペクタクルのクライマックスよろしく身を賭してでも! と衝撃からハルヒを守るべく背中と
後頭部に腕を回し、
「ハルヒ!!」
その叫びに意識を取り戻したであろうヒロインは背中に体重を支える物が無いことに一瞬恐慌したよ
うに目を見開いたが、次の瞬間には逆に俺を守るんだといわんばかりに素早く腕を回してくると俺の頭
をその胸に掻き抱いた。この辺はさすが団長様。とっさの判断力と行動力は頼もしいばかりだ。……が、
ふさわしい持ち主に出会うために岩に突き刺さったままの聖剣までキュウキュウと強く抱き締められる
のはさすがに埒外だった。もげるかと思ったね。カラクリ屋敷の釣り天井で人生に幕を下ろした盗人は
こんな気分なのだろうなあ……。ぶっちゃけかなり痛い。
このままでは涼宮ハルヒという銘の俺専用――ここは断言しておこう――鞘から抜き払ったら一回り
細身の剣になっていた、なんて事になりかねん。困るよね? お互い。ねぇ、ハルヒさん?
必死だった為か無駄に長いモノローグ披露するはめになったが、実際のところ落下は一瞬だった。当
たり前か。俺のベッドの高さはマットを含めても40cmもないしな。永劫にも思えたクライマックスは
不快な落下感を伴って瞬く間に終わりを告げたのだった。
「つぅ…大丈夫か? ハルヒ」
あと、絞めつけ過ぎでちょっと痛いぞ? 口に出しては言えないんだが。
ハルヒはと言えば、まだ俺の頭を強く抱き締めながら息を整えている。密着してる分、下腹部のうね
りがダイレクトに伝わってきた。
「はぁ……ダイ…大丈夫……んっ!」
返事が遅れて少しばかり心配し始めた頃、息も絶え絶えにそう言った。言いながら少しの全身をフル
フルと震わせていた。
「んっ――……はぁ……。ちょっとびびったけど、なんだかすごく良かったわよ? キョンが支えてく
れた時、ああ、愛されてるんだって実感した!」
ハルヒは俺の頭に回していた腕を解くと、両手を俺の頬に添えてそっと持ち上げ、自分の唇へとぐっ
と引き寄せた。さらば俺の主導権。またそのうちにな!
お互いの唇をついばみながら紅潮した頬、潤んだ瞳、そして100Wの笑顔眺める。それが一瞬ゆが
み、「んっ!」をハルヒがまたも身を震わせると、ようやくマイ愚息がちゅるりと釈放された。「もう
こんなトコ来るんじゃないぞ!」「へっへっ、またご厄介になると思いやんす」アホなコントが脳内で
再生されてしまう。いかん、ニ回戦に挑むにも――正確には俺は達してないが、どうやらハルヒの方は
満足できる高みに到達できたようで、なにやら達観した様子で息を整えている。俺のほうはと言えば、
先ほどの桃色ギロチンハルヒホールドの影響でマイサンがヒリヒリというかピリピリと苦鳴を上げてい
たので、少しばかりインターバルを求めているのだが――とりあえず一段落ついたということで愛を囁
くべく「なんだかね!」モノローグを遮るなよハルヒ。
「なんだかスッゴク良かったわ! 最後の、アレ! 落ちながらギュウって抱き締められた時、キョン
のアレがグワワって大きくなった感じで、その瞬間体は落ちてるのに心がフワワって飛んでっちゃうよ
うな! 例えるならピンク色のフラッシュに向かって羽ばたくイカロス!?」
気だるい午後のピロートークにしてはあけすけすぎるだろう? もうすこし慎みある語彙で表現した
ほうが秘め事としては盛り上がるだろうに。それにだな、多分最後のは俺が、まあ、その…アレが大き
くなったのではなく、お前がギュウギュウに絞めつけてきたから相対的に大きく感じたんじゃないか?
「あんただって十分あけすけじゃない。そんなに……その、しま…絞め……うぅん!」
「正直もげるかとおもったよ」
「そ、そうなんだ? あたしもビックリしてたから意識してなかったんだけど、もうちょっとで『都市
伝説の膣痙攣救急車搬送』になる所だったのかもねっ」
それは全力で遠慮したい。ご近所に顔向けできない人生は御免だし、妹が納得するまで説明を求めら
れるかと思うとゾッとするね。
「それで、あー、キョンは大丈夫だった?」
あぁ、ちょっと肘を打ったが痣になるほどでもないと思うぞ。
「そうじゃなくて! ちゃんと気持ち良かった?」
そういうことか。なんて説明すればいいのかね。ちょっと最後のタイミングを逃してしまったのと、
今だに愚息がピリピリと小さく痛みを嘆願し続けているわけで、再戦か和平かもう少し様子を見たいの
だが……。
「出た?」
いや、直接すぎです団長。
ここは正直に言っておくべきだろうな。俺が下手に遠慮することが、大体においてハルヒの逆鱗、は
大げさにしても不愉快の琴線に触れること多々だしな。
「ばっかねぇ〜。窮地の時こそ状況を楽しむのよ! 『英雄、色を好む』って言うでしょう。SOS団
団員としては、落下の間に何度前後運動を行えるか試すくらいの胆力が欲しいところね!」
無茶言うなよ。40cm自由落下なんて、えぇと、コンマ数秒だろうが。
「でもちょっと焦った表情も素敵だったわよ、キョン。大事にされてるって実感――」
「うぐぅっ!!」
突然の激痛に堪え切れずうめく。痛てぇ・・・この痛みは?
珍しくウットリとした表情で賞賛とともにバードキスを繰り返したハルヒが、俺の悲鳴とビクリと手
を止め、オズオズとその手の先にある本日のMVPへと目を向けた。
「ちょっ! ちょっとキョン! こ、これ……大丈夫、なの?」
見なくても自分の体だ。どの部位が大変な事になってるのかは分かった。先ほどからヒリヒリピリピ
リと警戒を発していたマイ聖剣が、秘め事の時だけ発揮されるハルヒの柔らかい所作で触れただけで、
避難訓練の非常ベルよろしく最大級の警報を鳴らしだしたのだ。嫌な予感はしたのだが……恐る恐る視
線を降ろすと、そこには無残にも『く』の字に折れ曲がった愚息の姿が! ……ちんこって折れるんだ
ね。
「だだ大丈夫? そそうだ! ちんこには骨とか軟骨とか無いから骨折はありえないらしいわよ!?」
長年連れ添った、まさに相棒だから骨が無いのは知っているが……。とりあえず触らなければ耐えら
れない痛みではないらしい。
「たしかまさに綿状の海綿体って血管や神経が筒状になってるから無理に捻ったり曲げると捻挫に似た
症状を引き起こすらしいわ!」
同じようなボケ方をするな。で、これってヤバいのかな?
「う〜ん、尿道が傷ついてなければソコソコ大丈夫って書いてあったけど、血尿が出るようだと病院に
急げって載ってたはず……」
ソコソコって……血尿って……。にしても詳しいなハルヒ? ふぅ、痛みに驚いて愚息があどけなさ
を取り戻してきたら痛みも大分引いてきたようだ。
「だから行為の最中に体位を変える時、変に負担がかかるときは、どんなに盛り上がっていても一度抜
いてから改めて挿入するよう心がけるべし。って! 違うわよ!! 借りた、そう借りた本を何気なく
読んでいたら書いてあったことがなんとなく頭に残っていただけで、団長としては一見無駄に思える知
識でもいつか役に立つかもしれないから忘れるわけにもいかなくて、決して変な書籍を愛読しているよ
うなことなど――」
いいから落ち着け。まず落ち着けハルヒ。とりあえず触らなければ耐えられない痛みじゃないし、ハ
ルヒ知識のおかげで慌てて病院に駆け込まなくても済むかもしれないしな。とりあえず少し様子を見て
みるさ。にしてもドコからそんな本を買って、じゃない借りてくるんだか。
「それは! みく――ん、ゴホン。女の子には独自の情報網があるのよ! 誰かは言えないけど、あん
な可愛い顔しててもお年頃だし胸もアレなだけあってもう知識だけはスッゴイのよ!」
それは……ほとんど特定してるようなもんじゃないのか? 変な妄想が頭を掠めてしまうじゃないか。
くそっ! 海綿体が海援隊並に痛みでもって自己主張してきやがるからこの話題は勘弁してくれ。あと
ハルヒ、ジト目で俺の顔と折れた魔剣を睨むのは止めてくれ。どんなプレイだ?
「エロキョン! シャワー借りてくるわね!!」
いつものテンションにいち早く回帰したハルヒはベッドのシーツを体に巻きつけると、床に散乱した
大まかな衣服と、バックから新しい下着を手に部屋から出て行った。さらば俺の可愛げのあるハルヒ。
またそのうちにな! これはさっきも言ったっけか?
と、油断してたら、ドアの向こうからハルヒが顔を出していた。
「シーツは洗濯機回しておくから、換気とか後始末はしっかりお願いね。妹ちゃん、ああ見えてあんた
に似ず鋭いところがありそうだから。……なに目を逸らしてんのよ?」
「なぁハルヒ。恥ずかしそうにシーツに絡まりながら上目遣いでお願いするのは反則だろう? 今は心
の平静を保ちたいんだが」
真白いシーツ――所々行為の残滓が残ってはいたが――との対比のせいかハルヒの顔が一瞬で赤くなっ
たのがハッキリと分かった。…だから可愛げのある様子をあまり見せないでくれよと念じていたら、な
にか思いついたのが一目で分かるようにニカッっと笑い、
「もぉ! エロキョン!!」
先ほどとは違った艶のある口調で罵倒し、何故かその場でクルリと――うっ、クソ、わざとか……。
シーツを若干ずらし、チラリズムを効果的に発揮しながら階下へと降りていった。俺の苦鳴が聞こえた
のか、悪の女幹部の如く満足げな笑い声が響いている。どうやっても可憐なヒロインには向かないが、
そんな所にも惚れたのさとウソ吹きながら、役目を全うすることなく使用済みとなった薄い皮膜製の鎧
を、抜群の悲壮感を漂わせながらうなだれている愚息から取り除いてやった。うむ、縮んでもホンノリ
『く』の字だな……。
タオルで汗や天然ハルヒ水を拭い――一部はかなり細心の注意を払いつつおざなりに、だが――、ベッ
ドのマットで目立つ染みをポンポンと叩き拭うと、簡単に服を纏い窓を開けて新鮮な空気を存分に吸い
込んだ。
願わくば、そう、新しい季節を感じさせる鮮烈な風を浴びながら、俺は一つのことを願っていた。
「どうか血尿が出ませんように……」
「というわけで、恥を忍んでお願いしたいのだが……分かってもらえるだろうか? 長門……?」
昨日の事故の後、シャワーを済ませたハルヒは俺に絶対安静を言い渡し、送ってもらうわけにはいか
ないでしょう? ということで明るい内に帰宅することとなった。当初の予定ではもう少しゆっくりと
二人の時間を過ごし、またのんびりと余韻に浸りながら家まで送り届ける予定だった俺としては恐縮し
きりだったのだが、まだ歩く度に発する痛みに顔をゆがませていたわけで、ハルヒの気遣いに感謝しな
がら送り出した。
「いいのよ。それにもうソレはあたしのモノなんだから大事にするのは当たり前でしょ? 今日はシッ
カリと休むこと。痛みがひどい様だったら病院に行くこと。そして」
玄関の扉の陰に隠れるように、そっと顔を差し入れてほんの少しだけキツめのキスをしながら、
「次までに完治しておくこと! まだまだ頑張ってもらわないとねっ!」
ニヤリッとしか表現できない笑顔で、それじゃあ! と帰っていった。俺の窮状を察していながら、
なぜ俺のツボを刺激するかね。いてて。
その後は、痛みこそあるものどうにか血尿だけは免れ翌日、つまり今日になったわけだ。
最初は歩くたびに少し痛みを覚えていたのだが、痛みを感じると萎縮し、萎縮してるお陰で痛みを和
らぐといった、良く出来ているのか謎な循環を経て地獄のハイキングコースを乗り切ったのだった。
登校時の儀式でもあるハルヒとの挨拶をかわし、席に着いたところで小声で「大丈夫だった?」と聞
かれたが、あまり心配をかけるわけにもいかないので「まあ、なんとかな」と無難に返したまでは良かっ
たのだが、2〜3時限の休憩時間に空気を読まないことにかけて右に出るもののいない某谷口が、女子
の白んだ視線にも気付かずちょっとした下ネタの爆走を始めたのだ。俺は、「あぁ、バカなんだなぁ」と
軽く聞き流していたのだが、過剰反応したのが背後霊、失礼、守護霊ハルヒだ。
「今日はキョンに猥談禁し――むぐっ!」
なんでもないなんでもない! と谷口国木田ペアに誤魔化しながら、ハルヒの口を右手で押さえつつ
自分の席に座らせた。
今日を乗り切れば痛みもなんとかなるだろうと楽観的に考えていた俺だったのだが、そんな考えをあ
ざ笑うかのように地獄の一丁目行きと書かれたバスが目の前に停車した。ハルヒの口を押さえていた右
掌に熱い違和感が! 思えばコレが乗車券だったのだろう。終点までの片道切符だ。そう手に隠れたそ
の中でハルヒの舌技が光る! ペロリ、なんて可愛い冗談じゃなく、チロチロと小刻みに舐ったかと思
えば、指と指の付け根の隙間を貫通しようかと鋭く舌を突き入れてきたのだ!
一瞬の硬直。慌てて手を離したんだが、当のハルヒは素早く舌を収納するとニヤリと笑い窓の外へと
そっぽを向き、あまつさえ惚けた拍子で口笛を吹く真似までしてやがる。
まわりの目があったせいで派手に手を拭えず、何事もなかったように国木田達に向き直ったが、この時
点でバスは俺を飲み込んで出発してしまったわけだ。
程なくして授業が始まり、シャーペンを持ったままこめかみを書いた時に気付いた。否、気付いてし
まった。
最初は、なんと言うか、綺麗に言うなら右手に残ったハルヒの残り香だった。そこからは先日の生々
しい唾液に香りに、先ほどの舌の動き、先日のカーテン越しの薄明かりの中で身をくねらせるハルヒ。
先ほどの笑顔に、先日の、俺だけが見ることの出来るハルヒの蕩けた―――っ!! やばい! やばい
やばい! ここが俺だけの閉鎖空間なら叫んでいたかもしれん。もしくは例の巨人と共に破壊活動にい
そしんだかもだ。そうだよ! 痛いんだよナニが!
小康状態を保っていたはずが、遠くから聞こえる消防車のサイレンにワクワクする不謹慎な少年のよ
うにそわそわしだし、今では実は自分の家が燃えてましたと目の前で激しい放水を受ける、真っ赤に松
明と化した自宅を前に喉も裂けよと号泣してるような状態だ。なに、意味がわからない? 気にするな。
俺ももう分からん!
登校時に見せた痛みに寄る収縮をおこらず、痛みに耐えながらも奮い立つバカ息子……なぁ、マゾな
のか? 昨日は満足させてやれなかったしな……ハルヒから行為の三日前から『一人上手禁止』と申し
付けられていて、それを律儀に守り通してたのもマズかったかもしれん。しかし、しかしだな、あのハ
ルヒといえどもそのようなことをいつもの声量で叫ぶわけもなく、恥ずかしげに俺の胸に『の』の字を
描きながら小声で囁くように命令するんだぞ。それはもうおねだりと表現するのにやぶさかでなく、頬
を桜色に染めた上目遣いは反則的なまでに――うがぉあ! 耐えるんだ俺! 無心になれ! ちんちん
痛いので保健室に〜などと言えるわけないだろう。無心に、いやこんな時こそ古泉だ! 今回は出番な
いしな。何を考えてるのか自分でもわからなくなってきたが、俺は完全にヘテロ、異性愛者だ! いま
こそそれを証明する刻!!
俺は、ともすれば激痛の中で薄れゆく意識の中、必死になってスマイリー古泉のインチキ笑顔でもっ
て脳内ぷよぷよを開始した。
「だ、大丈夫なの? キョン」
昼休みに入った直後、涼宮さんが学食に向かう前に声をかけてくれたが、その頃には僕はすっかりと
古泉2号と化していた。
「いえ、大丈夫ですよ? 涼宮さん」
怪訝な顔で、そう? と首を傾げて出ていったハルヒを見送り、僕は胸の奥に色んなモノを貯め込み
ながらも微笑まなくてはならない時、人は無駄にさわやかな笑顔を浮かべてしまうものなのだなぁ、な
どと微妙な悟りをひらいていた。今度からは古泉にも優しくしてやろう。
机を寄せて弁当を開き始めた友人たちに「それでは僕はトイレに言ってきますね」などと言って眉を
ひそめさせ、僕は廊下へとまろび出た次第です。
いかん。しっかりしろ、俺。流れ出る脂汗と共に散漫になる自我を掻き集め、保健室に痛み止めのよ
うな管理に注意が必要な薬剤が置いてある確率と、いかにしてそれを入手するかといった犯罪計画に頭
を悩ませているその時、廊下に一陣の風が流れた、気がした。
なにがしかの予感を感じ取った俺はゆっくりと背後を振り返りると、おそらく部室へと向かうのであ
ろう小柄な女生徒と目を合わせた。長門。
普段より冷え冷えとした視線を感じたが、あいつの目は俺の苦境を読み取ったのかもしれん。微妙な
角度で一瞬だけ首を傾けたかと思うと、そのまますっと部室棟への渡り廊下へと姿を消した……今のは、
「ついてきて」だよな? 長門?
無駄にさわやかさを振りまき、頭の中で満開の古泉の笑顔が咲き乱れるお花畑を掻き分けながら長門
に追いついたのは、長門が部室の鍵を外しドアを開いたまさにその時だった。扉を押し開けたまま俺を
じっと見つめたかと思うと、
「入って」
その一言で彼女こそが天から差し伸べられた蜘蛛の糸だと確信した。いつにもまして温度の下がった
眼差しとか、日が陰ったようなオーラをかもし出しているなんて事には気付かなかった。ホントだぞ?
そんな事はないと、信じたいだろう? 蜘蛛の糸が、鋼さえ断ち切りそうなほど研ぎ澄まされていても
今の俺なら飛びつくだろうさ。なんなら首に巻きつけかねないくらいに。頼ってばかりで不甲斐ないと
いう思考さえも、痛みに反応して半分膨張しては、また痛み、それに反応して――といった悪循環を体
験している身としては……済まん、言い訳だ。でも助けてくれ……。
「あなたは」
俺は自分の特等席に、長門は自分のイスを俺の脇に移動させて向き合う形に腰を下ろすとすぐさま本
題にはいってくれた。
「現在かなりの苦痛を感じている」
ああ、そうだ。恥ずかしいが、なんとかしてもらいたいと、藁にもすがる気分をも体現しているぞ。
「軽度とはいえない肉体的損傷がみられる」
そ、そんなにヒドいのか? ニ、三日に痛みに耐えれば復帰できると楽観してたんだが……。
「早期に治療を施す必要がある。幸いにも医療機関に記録を残していないため、私が治療を行ってもな
んら不利益は起こらないと考えられる。でも」
すこしビビったね。そんなに悪い状況だったとは……。「でも」の続きも気になる。治療となるとい
つもの噛みつきだと思うのだが、ま、まさか患部に直接じゃないと効果が薄いとか――いでで! すみ
ません。
「でも、なんだ?」
「でも、治療するには損傷が起こった際の詳細な状況を知る必要がある」
「…………なんだって?」
「詳細な状況説明を要求する」
「な、長門……さん?」
「鮮明かつ克明に説明を」
「いや、しかしだな……その」
「つややかに!」
「なんと言えばいいのか……」
「あでやかに!!」
なんでだろうな? 長門の瞳が普段より30%増しで開いてるように感じられる。
「つまりは、アレだ……ハルヒと、アレがナニを……、
というわけで、恥を忍んでお願いしたいのだが……分かってもらえるだろうか? 長門……?」
「というわけ、では理解できない」
「……かくかくしかじか、じゃ駄目だろうな」
「駄目」
「…………」
「…………」
ここでお互いに手詰まりに陥ったわけだ。千日手とも言うかもしれん。しかし男同士でもまだ赤裸々
に語るには恥らう内容を宇宙的インターフェースとはいえ可憐な少女にしか見えない長門に包み隠さず
話すわけにも……。
ふーっ。長門の息が漏れた。溜息だろうか? まさかとは思うが鼻息じゃないよね?
失礼な疑問を抱いていた俺だが、長門が口を開いたのを見て背筋を伸ばした。
「言語での情報伝達では齟齬をきたす可能性がある」
「まあ、そうだな」
「出来る限りの治療を施し、情報の欠落による差異は後日調整を行う」
「差異って……大丈夫なのか」
「無視できるレベル。大丈夫。まかせて」
「そうか。いつもすまないな、長門。こんな変な事にまで頼りにしちまって……」
「いい」
「そうか。でもありがとうな」
「いい。ギブアンドテイク」
「はぇ?」一瞬朝比奈さん化しちまったぜ?
「後日、情報の欠落を補完する際、映像と音声の提出を要求する」
な、長門さん?
「食欲を満たした涼宮ハルヒが普段より過敏かつ過剰な反応を返すあなたに興味を持つのは確実。その
際には授業開始から30分以内にあなたの意識が苦痛により断ち切られる可能性は87%。残りの13
%も授業終了時まで耐え切る状況には配分されない」
それってつまり、このままだと確実に午後の授業中に恥ずかしい部分を押さえながら悶絶、気絶のコ
ンボってわけか。たしかにハルヒならそういった行動をしかねない。嗜虐的なわけではないが、冗談が
過ぎるという点ではハルヒに並び立つものはなく、規定事項というよりも被害に遭う確率150%って
事か……。100%襲われて、更に襲われる確率50%ってヤツだな。あいかわらず敵に回すと恐ろし
い奴だ……。目の前にいる敵もかなり厄介なわけだが。
「なぁ、長門」
「大丈夫。まかせて。私がさせない」
今日は嫌に饒舌だな?
「そうじゃなくてだな。その、そういった行為を映像とか音声に残す嗜好を持ち合わせていないわけだ。
だから渡したくてもだな……」
「大丈夫。あなたの部屋のクローゼットに私の身体が納まること、および通風用の空気穴からベッドの
全貌が視認できることも確認済み。まかせて」
いつの間に? この前俺の部屋で勉強会を開いた時に、お茶を用意して戻ったらやたらと妹が長門に
絡みついてはしゃいでいた時か? しかしそれは恥ずかしいというか、見られて致すのが癖になったら
困るいうか……。
俺の煩悶をよそに長門は部屋の柱に備え付けられた時計に目を走らせる。こいつの体内時計が狂うな
んざ考えたくもない。やけにノリノリな長門だが、異常というわけでも……異常というわけでもない。
ないだろ? 明らかに決断を迫るアピール。成長してるんだな、長門。
政治家並の殊勝さを以って俺は決断を下した。奇声を上げて気絶したり、ブーメランマンといった汚
名を着て生きるには今の世はキツすぎる。ハルヒに気付かれた時に与えられるの罰とどちらがキツいん
だろうね。
「わかった……前向きに、善処する」
迂遠な拒絶を含めたつもりだったのだが、相手はそうは受け取らなかったらしい。長門観察日記を巻
頭から紐解いても見られないような、大仰な角度を用いてコックリと頷いた長門を見て、
「確約した。まかせて。隠密行動は得意」
確実に実行されるんだろうと実感し、嘆息を漏らした。やれやれだ。
「それでは処置を開始する」
脱力感と投げやりさが表に出ないように努力はしたが、それが実を結んだか自信のないまま、やって
くれと長門に頭を下げた。
「うわぁぁあん! こんなのキョンじゃないー! 火星人――!!」
ドカーン! ともバターン! ともつかないドアの悲鳴と共に、ハルヒが泣きながら団室を飛び出し
たのはその日の放課後のことだった。
渾身の力で引き開けられたドアは、その反動でもってカチャリと閉じられた。俺は追いかける気力も
無く、ドアと、健気にそそり立つ可愛らしいさをアピールしてやまない自分のピンクの象さんを眺めて
いた。あぁ、誰かが来る前にこの粗末なモノを仕舞わないとな……。
事の始まりはこうだった。今日に限って朝比奈さんの学年と古泉の特進クラスが進路指導の名目で俺
達よりも一時限長く割り振られ、長門は全員が揃う頃合いまで図書館を物色したいとあの扉から出ていっ
た。俺とハルヒだけが残された団室で、二人だけの気安さから下の按配の確認が口頭で行われたのだが、
これは長門様様だ。痛みは跡形もなく消え去り調子に乗ってしまったのが敗因だろう。
最初に調子に乗ったのはハルヒだったのだが……復調を祝って、その、口で処理してくれると言い出
したのだ。前日に俺が放出しなかったために貯め込んでおくのは体に悪いわよとそそのかされ、俺もハ
ルヒも団室や団員に気付かれるような危険は犯さないとお互いに誓っていたのだが、ハルヒの方のスイッ
チが入ってしまったらしく、また、あー……「今日限定で飲んであげるわよ?」などと言われて食わぬ
は男の恥でもあり、うがい及び飲み込み用とウーロン茶まで用意してくれたとあっては……なあ?
外部から目の届かないように窓際の床に座り込み軽く膝を立て、その間を四つん這いで割って入る舌
なめずりした女豹ハルヒ。軽めのキスから徐々にテンションを上げていき――制服を乱さないよう細心
の注意を払いながら柔々と胸に触れたのだが、これは払いのけられた。曰く、昨日予備の下着を使用し
てから補充するのを忘れたので、踊り子には手を触れないように! とのことだった――お互いの息遣
いが乱れ始めたあたりで、真の持ち主へと回帰すべく、聖剣への扉が開かれた。はずだったのだが。
最初に異変に気付いたのはハルヒだった。
「ねぇ、キョン? 気持ち良くないの? あれから自分でした?」
そんなことはないぞ。血尿こそ出なかったが手を添えるだけでもかなり痛かったしな。どうしてそん
な事を? と目を向けると、両掌に余るキョンブレードを握り締めるハルヒの姿。……はそこには無く、
いきり立ったミニチュア桃色エレファントを親指と人差し指だけで摘んでいるハルヒが見える……。
「…………」
クイクイと普段より遥かに短いストーロークで上下させるハルヒ。絶句以外の機能をフリーズさせた
俺の目の前で、ハルヒの瞳が潤み始め、目元が引くつきだしたのを見逃さなかった。
「……こ」
こ?
「こんなのキョンじゃないわ! 普段の見かけからは想像もつかないような狂暴さと、カリ! バーン!!
ってなってる無骨さがキョンの数少ない魅力の4番目位だったのに!!」
おお落ち着けハルヒ。こんな時は古泉を数えるんだ! 1・2・1・2! それと俺の魅力上位3つ
も大いに気になるんだが。
ペチーンと小気味いい音を立ててハルヒのモノであるのはずのブツにビンタをかまし、ハルヒは涙も
拭わずにすっくと立ち上がった。壊れたメトロノームよろしく左右に揺れる再生された聖剣。EX−カ
リバーン……なまくら所か鞘から抜け出していません。ハルヒに下に引っ張られた時の感触が幼少のみ
ぎりを思い出させた。この胸に去来したのは過ぎ去った過去への郷愁か……いや、残酷な現在への寂寥
感だろうね。
「うわぁぁあん! こんなのキョンじゃないー! 火星人――!!」
ハルヒさん。先ほどの感触では……仮性人では済まないかもしれません。
ささやかなブツを仕舞い終えた時、開かれたのは団室のドアではなく設立当初から鎮座ましましてる
掃除用具ロッカーの扉だった。
中から出てきたのは、
「うかつ。繊細な器官なので再構成に時間を要する事を忘れていた」
「長門…………」
説明、してくれるよな? ドアから出ていったはずのお前がなぜロッカーから出てきたのかはあえて
聞かないが、普通人たる俺の中庸をもって良しとする矜持に反して、唯一誇れたかもしれない勲章のよ
うな宝物のような業物のこの現状を。
「……最盛期を下回らないように再構成するには損傷が激しかったため、まず苦痛を取り除くのを最優
先と設定。神経系の修復を行い安定するまでの間各組成から不足分を補う形で保護機能を有する皮膜構
築に多くを割り振った。そのため海綿体及びそれに付帯する組織を一次借用した為に、全体の質量の減
量および膨張率の低下が発生した。修復に伴い遅延処理にて順次復元構成が行われ、終了時には全長及
び直径の誤差は+7%以内。持久力に関しては±0.2%以内に収まる」
つまり……大丈夫ってことなのか? わざと難解っぽい言葉を選んで煙に巻こうとしているわけじゃ
ないよな? と、つい勘ぐってしまう。
「そのうち、元の勇姿を取り戻してくれると思っていいんだよな?」
「いい。それほど長くはかからない。大丈夫。安心して。金曜日の朝には完全復帰している。なお金曜
の夕刻よりあなたの両親は同窓会により遠方に宿泊、妹が友人宅に宿泊するため家を留守にする模様。
また涼宮ハルヒの家では土曜の夜に仕事関係の都合より両親が家を空けるが、涼宮ハルヒの居室には身
を隠すスペースが少なく、奔放な行為に走り台所や浴室、居間、玄関等での行為に至った際にトレース
が難しくなるため、金曜日の放課後にあなたの家に招待するのが望ましい。
あなたは涼宮ハルヒを自宅に招待するべき」
……ツッコミを阻止するには、逆にツッコミ所を満載にした長台詞が有効なのは理解した。
とりあえず記憶野から排出される前に順番にツッコんで置くべきかと、大きく息を吸った直後に俺の
携帯が電子音と共に震えた。
『着信:古泉』。迷わず通話OFFを押したのは、なに、古泉の苦情と問い合わせに辟易したわけで
はない。
「キョンが! キョンが新星人にー! ばかんだらげー!」
ドップラー効果を伴って団室前の廊下から、こんな台詞が聞こえてきたら誰だって処理すべき物事の
優先順位はわかるだろ?
「打ちなおされた聖剣は」
長門のモノローグを聞き流しながら俺はドアへと脚を急がせた。
「神聖なる鞘に収まっている限り持ち主をあらゆる災厄から守る」
そんな一説もあったな。ブリテンの英雄の話は、そういえば長門から借りた本で読んだんだったか。
「今のあなたもそう。真性なる鞘に収まってる間は、何物もあなたを傷つけることはできない。頑張っ
て。あなたに託す」
なにも言わずに俺はドアを抜け、錯乱したハルヒを追いかけた。
傷つく事が無い? 本当かよ? 俺の心には今マリアナ海溝より深い傷が掘り込まれ、血涙でそれ
を満たすことさえ出来るかもしれないのに、だ。
恐慌状態だった為か何かしらの不思議パワーの所為かは謎だが、無事ハルヒを捕獲した俺はグズるハ
ルヒに衝撃で萎縮してるだけだ、とかなんとか丸め込み、週末には100%復帰する予定だと告げると、
30Wくらいのくすんだ笑顔で「回復してなかったらギロチンなんだからね」と脅迫されつつも、週末
の約束を取りつけることに成功した。
まったくもってやれやれだ。
ん? 金曜と土曜のどちらに約束したのかって? まぁ、選択的には一兎も得られない方さ。もしか
したら長門との約束を先延ばしできるかもしれないし、限界に挑戦してみたいような若さゆえの暴走と
も言えるのかもな。
ただ一つ気がかりなのは、二人だけの人体の不思議探索の真っ最中に。「うかつ。全身が滑った」な
どとクローゼットから宇宙人が転がり出てこないか、ということだ。
頼むぜ! 長門さん?
以上、でした。
これはNGでしょ。申し訳ないけど…。
投下増えたねー。戻ったと言うべきか。
何にしろいいことだ。
そうか?
むしろこれはいいぞもっとやれ!としか言いようが無い。あんたサイコーだよ。
『いや、どんどんやりなさい(秀明さん声)』
>728
エロ神降臨!
楽しませていただきました。
いやぁ、まずいでしょ。これは
最初はちょっと誤字が多いかなーなんて感じて読んでいたが、
すぐに引き込まれて、後半はげらげらと。
これじゃ会社で読めないって!
「ばかんだら」て言葉あんの?
「あほんだら」から「アホンダラゲ」ならわかるけど。
言葉なんて意味とふいんきが伝われば無問題
内容が面白いかどうかは個人の好き嫌いで、面白いという人もいるし置いとく。
ただ違和感ありまくりなんだよ。「あほんだら」がもともと阪神地域の方言だと思うから余計気になる。
じゃあ「ばかんだら」もどっかの方言何じゃないの?
本気で言ってたとしたらマジ引く。
メガとめっさが実在するからめがっさが気になると言うのと同じ。
原作にでも突っこんでろって感じだな。