1 :
名無しさん@ピンキー:
1980年代を席巻した肌も露な美少女剣士たち!
その代表作たる「夢幻戦士ヴァリス」を中心にヒロインたちの淫らな宴を妄想するスレだ!
スレタイになっている麻生優子はいうに及ばず、時代を彩ったその他の『露出系美少女剣士』たちも
想うままにやってしまおう!
陵辱、触手、和姦、純愛、レズ大歓迎。
「その格好で本番ナシですか?」そう想って悔し涙を流した諸君!もう遠慮はいらない。
今こそその熱い思いを語り合おうではないか!
そんな熱い血潮を持つ文書きさん&絵描きさん募集中!!!
○名無しさんへお願い3カ条
一、スレの栄枯衰退の鍵は名無しさんが握るということ
過度の職人依存をしない。名無しさんが楽しく雑談していればスレが活性化する。
逆に職人を叩いたり、投下物をスルーしたりすればスレが衰退することを認識すべし。
一、派閥争いせざること
ネタ論争歓迎。ただし引き際を心得たること。○○派と派閥名乗らざること。
○○好きと名乗るべし。
一、荒らしはスルーすべきこと
職人叩きやコピペ荒らしなど、いずれはこのスレにも荒らしが来る可能性がある。
荒らしには「かまわず、きれず、レスつけず」を守るべし
どうやら一番最後の文章を投下したところで、
丁度512KBをオーバーしてしまったようです。
状況が状況ですので、新スレは私が立てさせて頂きました
準備していらっしゃった方、申し訳ございませんでした。
新スレの即死防止に御協力をお願いいたします。
私も、明日の夜、短編を投下いたします
(時間が無かったため、あまり綺麗な文章ではありませんし、
アダルト・シーンもあまり多くはありませんが・・・・)。
乙です。
相変わらずというかますます筆が冴え渡っておりますな。GJ
お疲れ様です
うぉぉおおぉぉ!!
ガンガレぇぇ〜、内臓吐いてると思ってた一つ目ェェェッ!
ガンガレぇぇ〜、銀色イガイガ狼ィィィッ!
優子タンの操をふみにじれぇぇッ!(ラg☆゚∀。)ノ
優子タンはたぶんここまで×4ぐらいあるから、一騎ぐらい減っても大丈夫な筈やぁぁぁッ!
8 :
ARCH DUKE:2006/11/15(水) 17:56:20 ID:KMKOTInQ
>>6-7 ご感想有難うございます〜。
急遽立てた新スレにも関わらず、
探して来て頂けた事に感謝いたします。
>ALL
本来は前スレに何とか詰め込みたかったのですが、
容量オーバーとなってしまったため、こちらに書き込ませて頂きます。
以上、「3V」第2章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます。
また、今回も連投規制に引っ掛かる事無く投下を完了出来ました。
ご支援頂いた方、誠に有難うございました。
次の第3章は、本編の内容を確認した上で、
1月の中旬をメドに発表したいと考えています。
以下、即死防止用SSを投下いたします。
(1)
シェオーリア。バアル・ベオルの居城。
「・・・・あッ・・・・ああッ・・・・くあああッ・・・・ひぐッ・・・・あぎひィィィッ・・・・!!」
金襴と色とりどりの絹布で飾り立てられた豪奢な寝台の上、
全身、白く輝く生汗にびっしょり濡れそぼった全裸の少女が、
獣のように四つん這いになり、あられもない嬌声を、引っ切り無しに放ち続けている。
年の頃は、まだ16、7歳、といったところだろうか。
際立って美人という訳ではないが、あどけなさの残る目鼻立ちにブラウンのポニーテールが良く似合う、
出会う者の多くが自然と親しみを感じるような顔立ちの持ち主だった。
・・・・無論、絶え間なく襲いかかってくる苦痛と快楽によって、
ほとんど痛々しいまでに、捻れ、歪んでいなければ、の話であるが。
(2)
――――朝霞涼子。
シェオーリア創造神の一柱、女神レヴィアスによって異世界より召喚され、
伝説の聖剣<レヴィア・ソード>を託された、<レヴィアスの戦士>。
女神の加護と人々の祈りを胸に宿し、世界を蝕む魔の者共を討滅すべく、
単身立ち上がった、シェオーリア最後の希望の光。
・・・・だが、幾多の苦闘の末、辿り着いたこの城で、魔王バアル・ベオルとの決戦に敗れた少女は、
<戦士>としての力の全てを失い、共に闘ってきた同志たちの助命と引き換えに、
今や、魔王とその配下の獣欲に奉仕する、哀れな奴隷の身へと転落を余儀なくされていた。
(3)
「・・・・フフフ、母上、いかがですか、ボクのテクニックは?
大きさでは、まだ父上のモノには敵いませんが、
母上に気に入って頂けるよう、技術を磨いて参ったのですよ・・・・」
涼子の背後には、膝立ちになった少年の姿。
高々と突き上げられた白桃色の尻丘を冷然と見下ろしながら、
未成熟な体躯に似合わぬ、妙に落ち着き払った態度で腰を前後させ、
硬くそそり立った逸物で、彼女の女性器を容赦なく責め上げている。
(4)
少年の名は、イオ。
バアル・ベオルに犯され、身篭った涼子が産んだ息子で、
魔王と<戦士>の二つの血を受け継ぐ、シェオーリアの次代の支配者である。
美しい、たが、凍てつくような冷たさに満ちた、中性的な美貌の持ち主で、
黄金色の双眸には邪悪な知性の光が漲り、薄い唇は常に酷薄な笑みを湛えて微笑んでいた。
少女の胎からこの世に産まれ落ちてから、わずかに三月あまりだったが、
すでに、その外見は、人間の齢で言えば、十二、三歳に相当する水準にまで発育を遂げており、
知能と体力は更に一回り、胆力と精力はニ回り以上、成熟した状態にある。
(5)
「あひィィッ!!い・・・・いひィィッ!!ぐうう・・・・ああッ・・・・がッ・・・・あはぁあああッッ!!!!」
自信に満ちた魔皇子の言葉どおり、その腰使いは堂に入ったもので、
昨日までの実母、今日からは実母兼愛人であるポニーテールの少女は、
怒涛のように押し寄せる肉悦の大波にあられもない叫び声を上げながら、下半身を打ち揺らしている。
最後の戦いに敗れ、<戦士>の矜持と共に、処女の純潔をも奪われてしまったあの日から数ヶ月、
昼夜を問わず繰り返された、陵辱、暴行、調教、洗脳・・・・。
それらは、汚れを知らぬ純粋な少女の精神をどす黒く染め上げ、
恐怖と絶望によって、がんじがらめに縛り上げるに至っていた。
汗と唾液に濡れまみれ、ビクビクと激しい痙攣に包まれている生肌は、
実の息子から注ぎ込まれる欲情の滾りにあさましく反応し続け、
父親程ではないとはいえ、充分に立派な大きさの男根によって掻き回される陰裂からは、
ぐちゅっ、ぐちゅっ、という艶かしすぎる楽の音が響き渡り続けている。
そこには、シェオーリアの民を魔王から救うべく立ち上がったレヴィアス神の処女戦士の面影は既になく、
徹底的な陵辱と調教によって馴らしつけられた、牝奴隷の姿があるだけだった・・・・。
(6)
惑星ラル。"昼の地"(ミュウ)。ゴモロスの峡谷に程近い、辺境の村。
下草の生い茂る休耕地。
飛行を終えて地上へと舞い降りた翼竜(キーラ)が、眠たそうな目で主人の顔を見上げている。
「はいはい、ご褒美ね・・・・そんなもの欲しそうな顔しなくたって、ちゃんとあげるわよ」
腰に腕を当てながら、少女は、図体の割りには鈍重でスタミナも乏しい、
そのくせ、食欲だけは旺盛な、自分の騎竜に向かい、小さくため息をついてみせた。
本来、キーラは夜行性の生き物で、昼間動き回るのは苦手としているのだが、
コイツの場合は、種族としての習性に更に輪をかけて頼りないのでは?と常々感じている。
(7)
「・・・・グルルル・・・・」
喉を鳴らして催促するキーラに根負けして、
懐から彼の大好物のニンジンを取り出した少女――――キャロン。
頭頂部のやや後ろで束ねた豊かなオレンジ色の髪の毛に、
遠く西の山裾に沈もうとしている夕陽の光がやわらかく注いで、黄金色に光り輝かせていた。
美味しそうにニンジンをパクつく相棒を眺めているうちに、
渋い表情は消え去り、代わりに、ふふふッ、という無邪気な微笑みが浮び上がる。
(8)
王女キャロン。13歳。
惑星ラルの主要部分を版図とする同名の王国の支配者一族、ラル王家の血を引く第1位の王位継承権者であり、
王国に伝わる神秘の武器<リバースの剣>に認められた、伝説の剣士でもある。
彼女が生まれてすぐ、国王とその妃であった両親は、
突如、外宇宙から襲来してきた魔道士ラモー・ルーによって殺害され、
国土の半分も侵略者の手に落ちて、長きに渡る暗黒の統治を受け容れる事になった。
崩壊する王都から7人の衛士に護られて落ち延びた、嬰児キャロンは、
魔王の刺客を欺くため、衛士の一人、ルークの孫娘として、辺境の村に匿われ、
自らの生い立ちと運命とを知らぬまま、一介の村娘として育てられたのだった。
転機が訪れたのは、キャロンが10歳の時である。
惑星ラルの空に浮かぶ4つの月が重なる時、伝説の剣士としての力に覚醒した少女は、
<リバースの剣>を操り、魔道士ラモー・ルーを見事打ち倒して、
父母の無念を晴らし、同時に、ラル王国存亡の危機を取り除いたのだった。
(9)
それから3年、キャロンは、肉体的にも精神的にも、
「女の子」から「少女」へと至る過程の中間、きわめて微妙な時期へと差し掛かろうとしていた。
背丈もぐんと伸び、最近になって、しなやかな身体のラインにも女性らしい凹凸が目立つようになっている。
お転婆ぶりは相変わらずで、お目付け役のルーク老人や第一衛士のライケなどは密かに頭を抱えていたが、
それでも、彼らの目には映らない部分で、彼女の内面は徐々に変わりつつあった。
「・・・・こんな暮らしが、ずっと続けばいいのに・・・・」
地平線へと没していく太陽を見つめながら、ぽつり、と呟きを漏らすキャロン。
ラモー・ルーの侵略と10年に及ぶ暗黒の統治によって荒廃した王国も、
近年、次第に活気を取り戻し、それに伴って、王家の再興を求める声も各地で高まりを見せていた。
これまでは、国土の再建が先だとか、壊滅的打撃を受けた王都に代わる新たな都が決まらないだとか、
色々と理由を付けて即位を先延ばしにしてきたのだが、それもそろそろ限界に近付いている。
だが、自分が王女であるという事実は受け容れたものの、
王宮の奥で文武百官に傅かれて窮屈な毎日を送らねばならないのは、キャロンには到底堪えられない事だった。
(10)
(・・・・いっその事、王位も何もかも捨てて、
何処か遠い所に、ラルの民の誰も知らない場所に、行けたらいいのに・・・・)
碧色の瞳に浮かぶ、哀しげな光に気付いたのか、
ニンジンを食べ終えたキーラが、静かに鼻先を寄せてくる。
その頬を優しく撫でながら、やるせない声で呟きを漏らすキャロン。
「・・・・でも、アンタじゃムリよね。
そんな遠い所に行こうとしたら、背中一杯にニンジン積まなくちゃならないから
・・・・きっと、重くて飛べなくなっちゃうに違いないもの」
(11)
アシャンティ。レダ教徒の地下神殿。翼の間。
(・・・・どうして、また、この場所に来ちゃったんだろう・・・・)
沈んだ口調で独りごちる陽子を、
遥か頭上から、背中の翼を大きく広げた女神のレリーフが見下ろしている。
目の前には、古びた日干し煉瓦の台座の上に鎮座する橙々色の小さな椅子・・・・"レダの翼"のコクピット。
先の戦いの折、崩壊する浮遊城から陽子たちを乗せて飛び立った筈の機体は、
まるで何事も無かったかのように、元通りの形で翼を休めている。
(12)
(・・・・もう、逃げない、って・・・・決めたのに・・・・)
操縦席に寄りかかり、力なく身体を預ける少女――――否、<レダの戦士>。
側頭部で結わえた特徴的なポニーテールが小さく揺れ、
細い肩口から張り出したラピス・ブルーの肩当ての先が微細な震えに包まれていた。
(・・・・また・・・・逃げてきちゃった・・・・この世界に・・・・)
伏せられた睫毛の間から水晶色の涙滴が滲み出し、
凍えるように白く透き通った頬筋をゆっくりと零れ落ちていく。
ゴツゴツとした金属装甲の無骨な感触が、悲しみで火照った肌に容赦なく突き刺さる。
並木道での告白・・・・優しい言葉・・・・束の間の幸せな時間・・・・
・・・・だけど・・・・あの人は、もう、あたしの許には・・・・。
(13)
「・・・・ヨーコ、ここに居たのか」
背後からの声に、慌てて目元を拭う陽子。
振り返った先には焦茶色の体毛に覆われた老犬の姿・・・・
(しょぼくれたその見てくれからはちょっと想像も出来ないが)アシャンティ随一の神学者リンガムである。
「部屋にいなかったと言うて、ヨニが捜しておったぞ」
「え、えぇと・・・・ゴ、ゴメン・・・・ちょっと、独りになりたかったから・・・・」
ふむ、と、一つ頷くと、
リンガムは、じっ、と値踏みするような眼差しを少女に向けた。
普段は、学者らしくもなく、軽口や冗談を好んで口にする、愛嬌たっぷりの老犬だが、
伊達に齢を重ねている訳ではないらしく、こういう時の態度は威厳と思慮深さに満ちている。
(14)
(・・・・・・・・)
心なしか、気圧されるものを感じて、視線を逸らす陽子。
言葉をかけようとして果たせず、老神学者は小さくため息をついた。
アシャンティの地勢や社会、あるいは、レダ教の教理や信仰についてならば兎も角、
この種の感情については、自分の専門分野からはかけ離れている。
それは、同性であるヨニでも同じだろう。
これまでの人生の大部分をレダ教最後の巫女として歩んできた彼女は、
本格的な恋愛を経験した事は、おそらく、ただの一度も無い筈である。
まして、恋に破れ失意に喘ぐ苦しさが如何ばかりのものかなど、
想像した事すらない、と言っても過言ではないだろう。
(15)
(・・・・まぁ、今は、一人きりにしておいた方が良かろう・・・・)
しばらく逡巡した後、そう結論づけたリンガムは、
陽子に向かって、もうしばらくしたらヨニの所に顔を出すように、と言い置くと、
くるり、と踵を返し、そのまま『翼の間』から退出していった。
あるいは、「ジョシコオセエ」から呼び止められるかもしれない、とも思い、
わざと歩調を落として、なるべくゆっくりと彼女の側から遠ざかっていったのだが、
幸か不幸か、それは杞憂に終わる。
・・・・・・・・後には、<レダの翼>と少女だけが残された。
(16)
夢幻界。ヴァニティ城。一室。
水盤の水面がユラユラとさざ波立ち、
映し出されていた少女の姿が掻き消えて、別のものへと置き換わる。
小さく息を吐く、青みがかった銀髪の少女――――幻想王女ヴァルナ。
疲労しているせいだろう、華奢な体が小刻みに揺れている。
「・・・・もう、お休みになられては?」
傍らに控えていた赤毛の側近が声を掛けたが、
ヴァニティ城の主は無言でかぶりを振り、再び水盤の映像に意識を集中した。
長時間にわたる儀式の影響で、元々色素の薄い肌が、蒼白、と言っても良いくらい血の気を失っている。
見かねた麗子は、再度口を開いて、休息を促した。
「どうか、ヴァルナさま。このままでは、彼女達よりも先に、ヴァルナさまの方が・・・・」
(17)
「・・・・・・・・」
真っ赤に充血した双眸で、最も信頼する臣下に一瞥を投げかけるヴァルナ。
だが、麗子は(今度ばかりは)譲る気配を見せず、
主の許に歩み寄ると、静かにその肩を抱き寄せた。
人肌のぬくもりがじんわりと伝わり、夢幻界の支配者の疲れきった身体に染み渡っていく。
「麗子・・・・」
抗おうとしたものの果たせず、
幻想王女は、そのまま赤毛の少女の腕の中ににカラダを預けた。
力の抜けた眼尻から一筋の涙が零れ、頬筋を伝って流れ落ちる。
重く圧し掛かった憂いが線の細い横顔に隠しようの無い陰影となって現れ、
心中に垂れ込めている苦悩の深さを物語っていた。
(18)
「あまり、ご心配なされませんよう。
彼女達は、皆、<戦士>です。
危険が存在している、という事実さえ分かれば、容易く敵の手に落ちたりはしない筈」
「分かっています。ですが・・・・」
反論しようとしたものの、ヴァルナの体力はすでに限界に達していた。
すぐに息が上がって、咳き込んでしまう。
(麗子の言う通りですわね・・・・このままでは、わたくしの方が先に倒れてしまうでしょう)
・・・・何と情けない女王だろう、と自嘲しながら、銀髪の少女は言葉を切った。
先代の幻想王女・・・・母ヴァリアであれば、これしきの事で疲弊したりなどしないだろう。
事実、彼女は、母の傍らに在った何百年かの間に、
ヴァリアが、今、自分が行っているものよりも遥かに高度で負担の大きい術式を、
楽々と使いこなしている姿を何度と無く目撃していた。
その頃は、いずれは自分も母のような力を会得出来る筈、などと、自惚れた考えを抱きもしていたのだが、
実際にこうしてヴァリアと同じ立場に立ってみると、
単なる経験の差によるものだけではない、もっと根本的な部分での力の開きを痛感せざるを得ない。
(19)
<現実界>(リアリティ)の名で総称される無数の並行世界により構成される多元宇宙・・・・
原初以来繰り返されてきた、<明>の力<ヴァリス>と<暗>の力<ヴェカンタ>の相克は、
今も世界のそこかしこで、激しく火を噴き上げながら、歴史を紡ぎ上げている。
<明>の力を奉じる<夢幻界>(ヴァニティ)においては、
先代ヴァリアの時代、<ヴァリスの戦士>麻生優子を見出した事で、
一時期、大きく<暗>の側に傾きかけていた世界の流れを引き戻すのに成功していた。
ヴァリアは、<暗>の力を奉じる<暗黒界>(ヴェカンティ)の王、メガスから優子を守って生命を落としたが、
その犠牲によって生き永らえた<ヴァリスの戦士>はメガスをも葬り去り、
彼女の復仇を果たすと共に、<暗黒界>の力を再び大きく減退させた。
(20)
――――そして、現在。
一子ヴァルナが亡き母の跡を継ぎ、<夢幻界>の頂点に立っていた。
だが、決して凡庸な人物という訳ではないものの、
彼女は幻想王女としてはまだ未熟であり、母の領域に達するのはまだまだ先の話だろう。
幸い、<暗黒界>は二度にわたる敗北によって有能な指導者の多くを失い、
さらに、残った者達の間で次代の支配者の座を巡り、血で血を洗う抗争が勃発して、
<夢幻界>に侵攻する余力は完全に無くなっていた
それ故に、世界は、不安定ながらも一応の均衡を保ちつつ、時を刻み続けている
・・・・否、その筈だった。
(21)
異変が起きたのは数日前の事だった。
並行世界の一つ、『エルス大陸』で、戦士が一人、忽然と<消失>した。
ライディという名のその少女は、彼女の世界における<明>の力の受容体、
平たく言えば、<ヴァリスの戦士>の『エルス大陸』版、といった所の存在である。
無論、正真正銘の<ヴァリスの戦士>である優子や麗子に比べれば、その実力は若干見劣りするのは否めないし、
そもそも、彼女は、<明>の力と<暗>の力とが永遠の闘争を続けている多元宇宙の真実も、
<夢幻界>や<暗黒界>の存在も、一切、知る事無く(あるいは、知らされる事無く)暮らしていた。
大気中の雷の力を自在に操る事が出来る自分の能力が<明>の力の加護によるものであり、
これまでの人生の中で繰り返してきた数多の冒険と戦いが、
実は、『エルス大陸』における<明>と<暗>の相克からもたらされた必然である事など露ほども知らぬまま、
彼女は、<雷光の戦士>の二つ名と共に、自分の生まれた世界の中だけで生きてきた存在なのである。
(22)
そのライディが、突如として、何の前触れも、また、痕跡も無く、『エルス大陸』から消えた。
単に、生命を落とした、という訳ではない。
たとえ肉体が死を迎えたとしても、霊魂はその世界に存在し続ける。
死後の世界に行くか、輪廻に従って転生を果たすか、はたまた、永遠に地上を彷徨い続けるか、
各々の並行世界を律している因果の法則によって行き場は異なるものの、通常は消滅という事にはならない。
稀に霊魂も失われてしまう事態も無い訳ではないが、その場合でも、世界に存在したという痕跡は残る。
・・・・だが、ライディはその何れとも違っていた。
突如として、彼女の存在は『エルス大陸』から切り離され、何処とも知れぬ場所へと消え失せたのである。
同時に、『エルス大陸』における<雷光の戦士>の存在は、一切合財、全て無くなってしまっていた。
今や、少女の事を記憶している者は世界の何処にも存在せず、
彼女にいささかでも関わりのある全ての事物は何もかも綺麗に失われてしまっていた。
――――あたかも、ライディという少女は、最初からこの世界には存在していなかったかのように・・・・。
(23)
突然の凶報は、ヴァニティ城を震撼させた。
ある世界に生まれた者が、その世界における存在の全てを消し去られて行方知れずとなる
・・・・そんな事が起こり得るとしたら、考えられる可能性は一つしかない。
世界の因果律の中で行われるものとは異なる、時空を跨いでの転生・・・・すなわち、<戦士>の召喚。
<暗黒界>の何者かが、<暗>の力を用いて次元に断層を穿ち、
ライディを、<ヴェカンタの黒き戦士>とすべく、連れ去ったのである。
かつて、暗黒王ログレスが、麗子を言葉巧みに篭絡して、暗い道へと誘い入れたように・・・・。
――――だが、一体、誰が、何の目的で???
(24)
<戦士>の召喚には大変な労力が必要となる。
現在のヴェカンティでそれだけの力を有している者がいるかどうかは甚だ疑問であり、
また、もし仮に<戦士>の召喚が可能なだけの力を蓄える事の出来た者が居たとしても、
<暗黒界>の現状を考えれば、まずは自らの覇権確立のためにその力を用いようと考えるのが普通だろう。
ヴェカンティを統一し、ログレス、メガスの死によって空位となっている支配者の座を我が物とした上で、
<ヴェカンタの黒き戦士>を招き入れ、ヴァニティに侵攻する・・・・それが常道というものなのだが。
どうやら、ライディを召喚した人物はそういった思考の持ち主ではないらしい。
あるいは、他に、何か目的があっての事なのだろうか・・・・?
情報の収集と分析に明け暮れていたヴァルナの許に、第二の知らせが届いたのは昨夜の事だった。
並行世界の一つ、『地球』――――優子や陽子が暮らしているのとは別の次元に存る『地球』である――――で、
夢守の民の戦士、綾小路麗夢が、忽然と、<消失>したのである。
状況は、ライディの時と全く同じだった・・・・。
(25)
二度目の凶事の報告を受けた後、ヴァルナはこの部屋に籠もりきり、
一睡もする事無く、多元宇宙に散らばる<戦士>たちの安否を確認して回っていた。
優子、涼子、キャロン、陽子、カナンの<銀の勇者>レムネア、第108代魔物ハンター・真野妖子、
アルテナの三戦士・朱鷺田茜、紺野藍子、竹川みどり、ララマザーの王女シルキス・・・・。
これまでに確認できた限りでは、ライディと麗夢の他には姿を消した者は見当たらなかった。
・・・・だが、油断は出来ない。
相手は、ログレスやヴァリアですら、そう頻繁には行えない筈の<戦士>の召喚を、
短時日のうちに二度も成功させる程の力の持ち主である。
加えて、何が目的で、これほどの労力を必要とする行為を続けているのか、皆目見当が付かない。
「・・・・麗子。やはり、休息は後にします・・・・」
憔悴しきった声で呟くヴァルナ。
赤毛の少女の表情が、ピクリ、と緊張が走る。
(彼女の予想通り)続いて発せられた言葉は、
擦れかけて酷く聞きにくかったものの、決然とした意志の滾りに満ちていた。
「儀式の準備を・・・・彼女達をこの城へ呼び入れます。
可能な限り多くの<戦士>を、この危険な状況から救い出さなければ・・・・!!」
――――――――TO BE CONTINUED.
以上、即死防止SSをお送りいたしました。
完成から発表までにほとんど時間が無かったため、
全くと言って良いほど文章に手直しを入れておらず、
読みにくい箇所もあろうかと存じますが、どうかご容赦くださいませ。
なお、末尾が、『――――――――TO BE CONTINUED.』になっていますが、
具体的な執筆時期は完全に未定です。
『いつかはこんなSSを書いてみたい』とは思っていますが・・・・。
GJ
GJ! スーパー(セクシー&ビキニ系)ヒロインの宝石箱や〜
たった今、気付きました。
(誤) 「並行世界」
(正) 「平行世界」
毎度乙であります。
今や唯一のSS職人様なので筆力が続く限り書き続けて下さい。
楽しみに待ってますので。
惜しむらくは残酷リョナ色が無い事ですかね。
新規参加の職人さんにはこっち方面を希望。
Archサソへ
大変読み応えがありました。
敗北し氷の床に無様に倒れ込んだ優子にガイーダがどのように処分するのか楽しみですね。
(救世主が現れずにこのままどんどん嬲られ続けて欲しいですw)
優子をじっくりといたぶり肉体・精神両面からトコトン穢し屈服させる展開は私も好きです。
今後のストーリー構成はどんなものになるのか期待です
またこのストーリーとは別にリクエストの1つなんですが
敗北し捕らえた優子のDNAを採取し魔界の大きな大実験室(笑)でニセ優子(クローン?)作るシチュなんかいかがでしょうか。
複製した優子に本物の優子が戦いを挑んだ挙げ句敗れたり、他にはヴァリア、ヴァルナ、チャムやレナ、アムetc...と次々と手をかけ
本当か嘘か見分けれずに混沌としたドロドロでエロエロな展開とするストーリーはどうですKa?
最近フォーセットアムールやり出したのですが特にコルクランスの鎧で股間だけが布で護られているのがたまりませんな。
触手にでも襲われたらすぐに布に入り込み挿入されて乙女のピンチですよw
>>40 ご感想有難うございます〜。
リョナ系の作品は・・・・残念ながら、私には少し難しいようです。
もっとも、書く方は無理としても読んではみたいな、という気持ちはありますが。
>>41 すみません。
とんでもないミスをやらかしていました。
(45)の5行目、
(誤) 水邪ガイーダ
(正) 水邪ギーヴァ
でした(はずかしぃ〜)。
なお、次章のストーリー展開は、27日に発売される本編の内容次第です
(従って、現時点では、どのような展開にするのかは白紙の状況です)。
高校時代の設定で優子vsセクハラ男(風貌としてはデブおた君AA)を希望
このスレの最初に書かれた2次ドリのレヴィアスは良作でした。
通学電車の中で痴漢に下半身を弄ばれる優子も悪くない。
病院へ診察受けに行ったら医者と看護婦さんにいやらすぃこと(セクハラ)されちゃう優子はどお
>>44 ブルマ優子が変態高校教師に嬲られるSSなら保管庫にあるよ。
>>46 ほぼそのまんまのシチュのSSが保管庫にあるよ。
コミックヴァルキリーのホームページが更新されてるが、
新しい立読みできず!うーん優子タン、イガイガ狼にどんなふうに痛め付けられるんやろ…
立ち読みできるようになってる
報せて下さり有り難うございます。
帰ったらチエックさして頂きます
>ARCHDUKEさま
旧スレのSS&スレ建て&即死回避SSお疲れさまです。
タイミングの良いスレ移動に迷ってましたw
ヴァリスコミックのノベライズ?とても良い感じです。
既に手元に絵があるっていいですよね。楽だしw
ベースをコミックにした着眼点は素晴らしいと思います。
文章も相変わらずのハイクオリティで安心して楽しめました。
コミックの先が読めないって、SSの続き書くの難しくありませんか?
難しくなったらいつでもオリジナルで突っ走ってくださいね。
即死回避SS、ライディ消失で「ZYX倒産か?」とオチを予想してしまったのはナイショです。
今スレは色々な作品の職人さんが来ると良いですね。
今後も頑張ってください。
>>52 あまり期待はしてなかったのですが、一応入手してみました。
感想は・・・・やっぱり大した事はありませんでした。
>>53 ご感想有難うございます〜。
幸い、ZOL先生は、原作(PCE版「夢幻戦士ヴァリス」)にかなり忠実に、
作品を仕上げていらっしゃいますので、完全に先が読めなくなる心配はせずに済んでいます。
なお、即死回避SSのライディと麗夢ですが、ちゃんと生きています
・・・・<ヴェカンタの黒き戦士>として、ですが。
もし、続きを書く事があれば、この二人はヴェカンテイの戦士として、
優子や陽子、妖子、キャロンやレムネアやコルクたちの前に立ち塞がる事になるでしょう
(そして、その中の何人かを快楽の虜にして<暗>の道に引き摺り込む、という訳です)。
ZOLさん絵が上手いから次の展開知りたくて
隔月から毎月刊にして欲しいです
スーパービキニ鎧ヒロイン大戦いいですね
>>52 私も見ました 内容はあんまりでした。
そのAV女優は発売時既に引退したらしいですな
58 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 16:39:23 ID:9VwlNANC
>>52 神田の花太郎にあったので見ました。
ストリー性が無かったのが残念。でも全編ヴァリススーツ衣装着たままなのは
俺的には良かったと思う
せめて茶髪はやめて欲しかった・・・orz
今号のヴァルキリー(ラg☆゚∀。)ノ
今回の優子タンはケッコウやられてくれます!(゚∀。)
イガイガ狼や中盤に出てきたキーヴァ姉さんにケッコウやられてくれます。
あのズルッってちから無く崩れる優子タン激萌えです(ラg☆゚∀。)ノ
ただ、作者のZOL氏はここを覗いておられるのか鮮血の描写がありません。
ヴァルキリーの他の作者さんは鮮血描写有るのですが
少しリョナ属性の有るわたくしは少し欲しい様な…(リョナ嫌いな人ごめんね)
あと、爆発で高い所から落っこちる優子タンのギャグ漫画みたいな涙は少し頂け無かったです。
しかし、全体的にはグッドでした!
さぁ!次号はログレス陛下(次元大介の中の人)の有難ぁ〜い王言です
アッシもヴァルキリー見ましたお。オオカミにボコボコにされるシーンはなかなか良かったです
両股開きの尻見せで情けないポーズで倒れて徐々に追い詰められる虚ろな表情が萌えるっすよ
女の子にとってはとても恥ずかしいポーズですが優子ならやってくれると信じておりました
一番格別だったのが凍り漬けにされるシーンですね。キーヴァ最後で気を抜くなと言いたいです(笑
凍結した優子のオブジェクトは綺麗ですよ 俺だったら芸術品として観賞用に置いておくかも
まずは独立創刊おめでとうございます。地方の隅々にまで広まるといいですね
3次AV版見ましたがため息だけが残りました。
ただし優子役の女優のおっぱいだけは形が良かったので「◎」
GIGAやZENやCOSMOREなどが制作してくれれば少しは楽しめそうかなと思ったのに・・・残念!
最近波田陽区何してるんだろ(なじょ)
リニューアルして波田NEW陽区になったよ
64 :
62:2006/11/29(水) 00:25:31 ID:kjoEpW/K
lω・`)チラッ
トンクス♪
『コミック・ヴァルキリー』3号購入いたしました。
今回のヴァリスは、最初から最後まで戦闘とピンチの連続で非常に読み応えがありました。
優子も、前半の中ボス(フェンリル)との戦いこそ「イヤボーン」によって切り抜けたものの、
後半のキーヴァ(コミック版は「ギーヴァ」ではなく「キーヴァ」になっているんですね・・・・)戦は、
自らの機転と勇気によって逆転するなど、少しずつ戦士として成長している様子が窺えます
(なおかつ、彼女自身は、まだその事を受け容れかねているように描写されているのが、
原作のゲームを非常に良く研究されているように感じられて、さらに好感が持てました)。
次回は、いよいよログレス陛下のご降臨、
そして、暗黒五邪神の中でも最も知略に長けたアイザードとの戦い、と、
ますます目が離せない展開になっていくようで、非常に楽しみです。
さて、「3V」第3章ですが、
前半はフェンリル×優子で獣姦プレイを、
後半はキーヴァの冷凍攻撃にジュエリーの性エネルギーを開放して対抗する優子の苦闘(&苦悶)を、
中心に据えて描いていきたい、と考えています。
・・・・なお、優子の処女喪失は、次章(アイザード)に持越しです。
お待たせして申し訳ございませんが、あともう少しお待ちくださいませ〜。
読者の要望でもグロ・苦痛系は控えてほしいというのが多かったし
コミックヴァルキリーの読者はイマイチ性的嗜好、意見が分かれる。
個人的には今回の凍結優子だけでも一冊分の価値はありました。
これを契機に石化・十字架磔・鮮血描写と期待したいんですがね…。
hoshu
キーヴァ特製の氷の柱で上から優子のアナルを傷つかないよう串刺しにして
お腹の中の冷たい気持ちよさと お尻の中で氷柱が解けて地面に両足が着くまでの
時間の間悶絶している優子の描写が見たいです
進行状況〜〜。
「3V」エロパロSS第3章は、現在の進捗率20パーセント。
フェンリルとの戦闘(というより、一方的な蹂躙)の結果、
壁際に追い詰められてボコボコにされた優子(本編P.80の状況)、
もはや起き上がる力さえ失った彼女に迫る狼の舌先・・・・、
といったところまで書き進めています。
>>67 私も凍結優子には非常に感動を覚えました。
個人的な嗜好になりますが、一撃で昏倒させられたり、動けなくなるよりも、
やっぱり、足や手などから順番に、少しずつ動けなくなっていく方が好きだからでしょうか。
>>69 リクエスト有難うございます。
アナル責めは前半のフェンリルとのカラミの中で描写する予定ですので、ご期待くださいませ。
後半のキーヴァは、直接優子と絡ませる形でエロパロ化するのが、
(主に身体の作りから考えて)困難に思えますので、
冷凍攻撃に対抗するためにジュエリーの力を開放した反動で、
カラダの奥で昂ぶっていく性感との闘い・・・・といった感じで仕上げる予定です。
期待してます
冷凍イイ!!!
不覚にもワロタW
中国の拷問で「仙人献花」というのがある。
砕いた瓦の破片の山の上に露出した足で正座させ
手枷を嵌めた両手を上に上げさせてその上に重りを置き苦しめる。
優子たんにこんな責めをしてみたいと思いました。
う〜んなんで、こうも皆さんは優子タンを拷問したいとか
犯られるところが見たいとか、麗子とのレヅが見たいなど多いのやろ?
例えばス〇U板では未だに春麗を嫁にしたいだの、俺の女だの、言われる方々いらっしゃいますが
優子タンに関してはその様な発言が皆無な様な気がしますね。
かく言う私もその一人ですが…
これはやはりストーリー上そんな異性との色恋沙汰が無く死んじゃった優子タンの哀しい性なんやろうか…
すいません訳の分からん事書いて
ここの書き込みをみて
年甲斐も無く今朝、見た夢がヴァリススーツを纏った優子タンにフェラをしてもらう夢だったので(ラg☆゚∀。)ノ
あ〜、仕事に戻ります
欲求不満がタマってんなラgw
>>75 優子の名前やルックスについては(比較的有名なキャラなんで)情報を持っていても、
具体的にどんなパーソナリティの持ち主なのかはあまり知られてないためだと思う。
だから、拷問されたり犯されたりしている姿は想像できても、
嫁にするだとか俺の女だとかいう所までは行きづらいのではなかろうか?
そもそも発言が少ないってだけじゃね?
SSとその予告、SSへのレスと残酷系の定期レス除いたら、
雑談らしい雑談ほとんどないし。
ビキニ鎧の美少女戦士なら拷問や陵辱を連想するのはごく普通だと思うが。
妄想する際でも自分を優子の敵側に置いてするでしょ。
少なくとも自分は優子タイプのヒロインを嫁だの愛でたいとは思わない。
まあ、ヴァリスを扱った同人でもマターリモノは見た事無いな。
大抵バッドエンドの陵辱か今流行りのリョナが中心。
流行り?
>欲望の対象or愛情の対象
非常に興味深いテーマですね。参考になります。
私は・・・・欲望が8割に対して愛情が2割といったところです。
確かに、優子というキャラクターは、第一に<戦士>である訳ですから、
戦いに敗れて、または、敗れたフリをして反撃の機会を待つため、陵辱を受けるというのが、
オーソドックスなシチュエーションと言えるでしょう。
もっとも、私の場合、どうやら、戦闘と陵辱の繰り返しだけだと、時々飽きてしまって、
他のシチュ(主に麗子との和姦レズや麗子を想っての自慰行為等)を猛烈に描きたくなる、
という癖があるようなのですが・・・・(苦笑)。
>進行状況
「3V」エロパロSS第3章は、現在の進捗率約60パーセント。
前半の山場、フェンリルによる尻穴責めを書き終わり、
キーヴァがアイスフェザーの第一撃を発射して、
優子が間一髪のところでかわしたところ(本編で言うとp.89の場面)まで書き進めています。
この後は、冷凍攻撃→ジュエリー・パワー開放(性感倍増の副作用つき)→キーヴァの最期、
と書き進め、1月の後半を目途に完成を急ぎたい、と考えています
(年末年始を挟む関係で、いつもよりも少し発表時期がずれ込むかもしれませんが、
遅くとも4号の発売日までには発表を完了する予定です)。
83 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 23:38:27 ID:OxFtyMSj
応援age
>>84 好みは人によりけりだろうけど、こういうのがあってもいいんじゃないか?
進行状況〜。
「3V」エロパロSS第3章は、現在の進捗率約80パーセント。
アイスフェザーによる凍結シーン(本編で言えばp.98〜p100にかけての辺)の描写を完了し、
現在、肉体が氷漬けになっている中で、かろうじて意識だけが残っている状況の優子が、
Hな副作用と闘いながらファンタズム・ジュエリーの力を徐々に開放している様子を執筆中です。
さて、読者の皆様には、今年も一年間、拙作をご愛読頂き、誠に有難うございました。
このスレにSSを投下させて頂くようになって、早いもので5年目に突入いたしましたが、
まだまだ未熟な点や皆様のご要望にお応え出来ていない点もあろうと存じます。
今後も精進を重ね、少しずつでも前進していきたいと考えておりますので、
どうか来年も、今年同様、ご愛読・ご支援方宜しくお願い申し上げます。
それでは皆様、良いお正月を〜〜。
お二人ともごっつあんです。
良い御年をー!
これまた美麗なお年玉、ありがとう御座います。
どうぞ今年も宜しくお願いします。
今年は、去年以上にヴァリスが盛り上がればいいな〜。
ヴァルキリーが廃刊にならずに続いて
それと共にこのスレのSSが賑わえば言う事は無いな。
惜しむらくはリョナ系SSを書ける職人さんが新規参加してほしい。
皆様、明けましておめでとうございます〜。
>>87 いつも素晴らしい作品を有難うございます。
新年からとても嬉しい気分になりました。
今年は、(夢幻界の住人として転生する前の)<ヴェカンタの黒き戦士>麗子による、
優子への鬼畜陵辱シチュを準備しています。
実際に執筆に取り掛かるのはもう少し先の話でしょうが、どうかお楽しみに〜。
イイネー、まだ先ですが楽しみにいています
職人様、そして住人の方々、明けましておめでとうございます
>>75-
>>81 確かに仰る通り、優子って戦士の姿は思い浮かべても
普段何して過ごしてるかなんて元々語られてないし
やっぱりこういう同人的な掘り下げが無いと楽しみ様が無い
だから麗子との絡みでの外伝?自分は歓迎です
こんな感じで
時間と空間、服装までも移り変わりながら、ある場面では「放課後に甘味処であんみつにするか
クレープにするか」などと、他愛無い理由で剣を交えて衝突しているかと思えば
二人ともパジャマ姿で、夜に優子の部屋の窓からジャンプ、そのまま空へ飛び立って
しばらく上空から街を眺めると、手を繋いだまま一気に成層圏を突き抜けて
自分たちが住んでいる地球をズームアウト…実際には寒さは感じないが、震えを感じて抱き合う
木洩れ日のやさしい光の中でハッと目を覚ますと、横には麗子が制服姿で寝息を立てている
優子がさらに少し強く想うだけで、場面は二人きりの秘密の場所へ移る事が出来るが
慌てる必要は無い、とそのままやさしい眼差しで麗子の寝姿を見つめる
最早、優子が頭の中でイメージするだけで、時間も空間もコントロール出来るのだ
好きな時に好きなだけ麗子と一緒に居られ、愛し合える時間を作れるのだ
いや時間など、何故か老いなくなってしまった二人には、あまり意味を持たない
単に地球の歴史の年表を観測、あるいは介入しているに過ぎない
容易には現実世界しか行き来する事が出来ないのが、限界と言えば限界なのか
その事に優子は何ら疑問を感じず、不安も抱かなかった…むしろそうあって欲しいという願いがあった
現実ではずっと麗子に対して切り出せなかった想いが、そうさせるのか
もし今、「ヴァルナやチャムに会いたい」と想ったら麗子は嫉妬するだろうか?と優子は考えた
今度は声に出して言ってみる…
実は暗黒界に捕らわれて、醒める事の無い夢に陥っている二人
全裸のままコールドスリープの様なカプセルに収容されている
二人の手はグッと握られている
だったりするとコレはまた泣けますなw
今年はヴァリス関連の同人誌色々出てくるといいね。
96 :
93:2007/01/08(月) 18:36:39 ID:T+ihTkv/
>>94 いやいやいやいやいや、そんなのミリ
そんなにじっくり文を練られるなら、今頃無差別に色々書き散らしてます
ただ、どうしてそう思うのか不思議なんですが
百合ネタというか、麗子との絡みが一番幸せなんじゃないかと感じるんです
>1月7日
>そういえば七草粥の日だった。
>原稿がなかなか捗らない。今回から段々原作の筋から離れだすので
>そこらへんの匙加減がよくわからず難儀する。
もしかして麗子の登場時期がゲームよりも早まるのかな?
原作から離れるのはいいが下手なオリキャラ出して
ストーリーを駄目にするパターンに陥るのは勘弁ね。
ここの住人達って、優子をイジメ倒したいだけなの?
それとも陵辱したい?陵辱だとレズしか興味ない?
モンスターなどの異種姦はダメなのかな?
あんまりヒギィなやつ(どぎつい拷問)とかじゃなければおkだと思うぞ。
>>99 異種姦はOKだけどスカトロとかフタナリとかは引く
エロい事をされる優子がメインならOKでは。
スカトロとか拷問がメインだと、ちょっと引くかも。
オリジナルよりも二次創作の方が良いの?
ずっと読んでたら、上の方でオリジナルが投下されてたみたいだけど。
二次だとスレタイは優子だけど、テンプレではその他(ラル、レダ、アテナ)とかでも
大丈夫そうだけど…。
>>103 もしかしてクロスオーバーのことを言ってる?
このスレにはオリジナルの作品はなかったはずなんだけど
俺もたぶんレダとラルは大丈夫と思うけど
アテナはエロパロ板の別のスレに扱ってる所があるんでよくないかも
同じ理由でワルキューレとかカイとかDQ女戦士とかも避けた方がいいとオモ
拷問(性的じゃない苦痛系)なら萌えるが
スカトロは流石に抵抗があるな。
と、氏賀Y太読者の俺の感想です。
俺もアテナ扱ってるとこ知りたい
アテナで検索しても引っかからなかった
108 :
104:2007/01/15(月) 18:41:10 ID:93zXBN/w
スマソ
キャラサロン板の間違いだったよ
進行状況〜。
「3V」エロパロSS第3章は、現在の進捗率約90パーセント。
現在、最終調整中です。
(年末年始の関係で)執筆作業が多少遅れ気味ですが、
「ヴァルキリー」4号の発売日までには何とか仕上げて、
発表に漕ぎ付けたいと思っていますので、もうしばらくお待ちくださいませ〜。
>ヴァリス以外のビキニ鎧系美少女戦士
リクエストがあれば、なるべくお応えしていきたいとは思うのですが、
資料集めやファンサイト探しなど、SSを執筆するための準備がなかなか大変で、
今のところ、一応執筆可能かな〜、という段階に達しているのは、陽子とキャロンぐらいでしょうか。
彼女たち以外の、麗夢、妖子、レムネア、ライディ、コルク、アテナ(初代)等につきましては、
現在も資料や情報を収集している状況です。
>>110 絵が嫌すぎるぅぅぅぅぅぅ?!w
いや、ある意味GJなんだが、なんつーか笑ってしまったよ俺は
ほしゅage
ヴァルキリー4号に麗子登場!
お待たせしました〜。
「3V」エロパロSS第3章、完成いたしました。
本日23:00より投下を開始しますので、
お手空きの方は、連投規制対策用のご支援をお願いいたします。
>>110 ご紹介有難うございます。
リョナパロ系の老舗サイトさんですね。
ティリスが無残に調教されていく描写が凄いと感じました。
さりげなく「ヴァリス」関係のレビュー記事も置いてあったりして非常に参考になりました。
>>114 確認しました。
ここで麗子登場ですか・・・・。
う〜〜む、優子の処女を奪うのはアイザードと決めていたんですが、
ちょっとだけ、決断がぐらついてきました(苦笑)。
大変長らくお待たせいたしました〜。
只今より「3V」(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)エロパロSS第3章の発表を開始します。
なお、連投規制回避のため、ご支援方宜しくお願い申し上げます。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。
(1)
ヴェカンティ。全てが白く塗り潰された氷洞の中。
銀灰色の長い体毛に覆われた巨大な狼から、
殺意に煮え滾った視線が目の前に倒れ伏す獲物に向かって放たれている。
獲物の名は――――優子。
すらりと伸びたしなやかな身体は、女性としてはまだ発育の途上にあるものの、
17歳という年齢にしては、申し分のないプロポーションに恵まれている。
チャーム・ポイントの腰まで届こうかという豊かな蒼髪はしっとりとした光沢を湛え、
みずみずしい乙女の柔肌と相まって、落ち着きのある楚々とした雰囲気を醸し出していた。
・・・・そう、ほんの数時間前までは。
(2)
(あああ・・・・だ、だめェ・・・・!!)
今の彼女には、清楚な面影など微塵も見当たらなかった。
それどころか、触手生物に絡め取られて奇怪な体液を浴びせられた皮膚は、
不気味に腫れ上がり、ぞっとするような臭気を漂わせている。
全身を覆っていた恐るべき業熱はどうにか弱火になりつつあるものの、
淫気に冒されてしまった神経は汚辱感と疼痛感によって狂わされたままだった。
(力が入らない・・・・身体が動かない・・・・)
凍りついた地面に這いつくばる姿はブザマと言う以外無いが、
頭蓋骨の内側は恐怖と苦痛によってあらかた麻痺しており、立ち上がる気力すら湧いてこない。
もっとも、焦点を失った双眸は、あらゆるものをグロテスクに歪んで映し出している上、
散々に酷使された筋肉はガチガチに強張ってとても使い物にならず、
たとえ思考が正常に働いていたとしても、五体を意のままに動かせるとはとても思えなかったが。
(3)
グルルル・・・・。
見上げる先には、獲物を前にした狩人の如く、油断無く自分を睨みつけている逞しい獣。
狼と言うより、ライオンやトラを連想させる程の威圧感を湛えた金色の眼玉に、
じぃぃっ、と凝視されると、それだけで全身に震えが走り、生きた心地がしなかった。
耳元まで裂けた口には鋭く尖った牙が並び、踏み締めた四肢には不気味に湾曲した黒い爪、
そして、背中では、プラズマ化した青白い光がバチバチと火花を飛ばし続けている。
(あのトゲ・・・・まるで機関銃だわ。
あんなのを何度も喰らったら、いくらこの<鎧>でも・・・・)
荒く呼吸を繰り返しながら、表情を歪める優子。
激しい怯えと焦燥が、胸郭の中で響き渡る心拍の間隔を狭めていく。
必死に周囲を探し続けた末に発見した<ヴァリスの剣>は、
10メートル以上も離れた場所に突き刺さっていた。
しかも、その間には灰色の獣が巨大な壁となって立ち塞がっている上、
処刑劇の進行を固唾を呑んで観戦している雑兵たちが人垣を作り、
仮に氷狼の牙を上手くかわせたとしても、脇をすり抜けて武器の許へ走り込むのは至難の業である。
(4)
(くううッ!!一体、どうすればいいのッ!?)
絶望に駆られる蒼髪の少女。
追い討ちをかけるように、頭上から青白い光弾の群れが容赦なく降り注ぐ。
ゴツゴツとした地面を転がってかわそうとする<戦士>だが、
毒によって大幅に動きの鈍った身体は、普段の数分の一の敏捷性しか発揮出来なかった。
「あぁあああぁッ!!」
直撃を受けた優子は爆圧で木の葉のように舞い上がり、
グシャッ、という不快な音と共に、近くの岩肌へと叩き付けられた。
衝撃と痛みが瞼の裏で火花となって飛び散ったかと思うと、
瞬間的に全身の感覚が途切れ、何も感じなくなってしまう。
薄青色の瞳が反転し、白目を剥くのと同時に、
力を失った少女の五体はズルズルと氷壁を滑り下り、地べたへ崩れ落ちてしまった。
(5)
(・・・・うう・・・・だ、だめ・・・・もうカラダが動かない・・・・)
倒れ伏したまま、身動き一つ出来ない優子。
背乱れ広がった蒼髪の下では、光弾の雨を浴びせられた背筋が、
まるで、革製の鞭で激しく打ち据えられでもしたかの如く、
大小いくつもの暗紫色のミミズ腫れに覆われた無残な姿を晒している。
ヴルルル・・・・。
低く喉を鳴らしながら、美しい獲物を眺め下ろす銀灰色の死神。
金色の眼がいよいよその輝きを強め、耳元まで裂けた顎から漏れ出す吐息が熱気を帯びていく。
「いや・・・・あ・・・・」
哀れな少女に可能だったは、弱々しく擦れ切った悲鳴を漏らす事だけ。
すぐそばまで近付いてきた巨獣の息遣いが頬へとかかり、次いで、背中、脇腹、太腿・・・・、と、
まるで最初の一撃を振り下ろす場所を決めかねているかのように、ゆっくりと全身を撫で回していった。
(6)
(た、たすけて・・・・あああ・・・・誰か・・・・誰かぁッ!!)
迫り来る死の恐怖に表情を歪めつつ、
半ば無意識のうちに、来る筈の無い助けを呼ぼうと試みる少女だったが。
口の中はカラカラに乾ききり、もはや、声を発する事すら叶わない。
あたかも、見えざる手と化した周囲の冷気に心臓を鷲掴みにされたかのように、
五感も思考も凍り付いて、混濁の中へと引き摺り込まれていった。
――――だが、氷狼は、彼女にそのまま失神を許すほど、慈悲深い心の持ち主ではありえなかった。
「・・・・な、何ッ!?」
痛めつけられた背中の上へと垂れ落ちてくる、生温い液体。
鼻腔の中に、むううっ、とする独特の獣臭が流れ込んでくると、
ぞっとするような感触に、しなやかな四肢が、ギクギクッ、と、鋭い痙攣を放った。
食道の奥から込み上げてきた嘔吐感が、激しいえずきとなって喉の奥で暴れ回ると、
薄れかけていた意識が強引に引き戻されてしまう。
(7)
・・・・・・・・ペチャリ。
湿った音と共に、悪臭の発生源・・・・唾液まみれの真っ赤な舌先が内股に押し当てられたかと思うと、
はじめて母親からアイスキャンデーを買い与えられた子供の如く、
しなやかさと充実感が適度なバランスの下で共存している二本の太腿を交互にしゃぶり始めた。
「ひッ・・・・ダ、ダメ・・・・いやぁぁッ!!」
最初は何が起きたのかすら理解出来ずにいた蒼髪の少女も、
時間が経過していくにつれ、(否応無く)その意図するところに気付いて、
嫌悪も露わに表情を歪めながら、擦れた悲鳴を漏らし始める。
・・・・そう、敗残の身となった自分に用意されていたのは、
生きながらにして、腹を裂かれ、手足を貪り食われる、最期の数分間・・・・ではなく、
想像する事すらおぞましい、陰惨きわまる獣姦ショーだったという事実に――――。
(8)
「ヒィィッッッ!!う、嘘でしょう・・・・こ、こんなの・・・・うあああッ!!」
信じられない、という顔つきで、ぶんぶんとかぶりを振る優子。
無論、悲痛な叫びは、野獣の耳朶に到達する遥か手前で掻き消えてしまっている。
もっとも、もし仮に、目的の場所まで届いたとしても、
彼の意志を変え得る言葉は、主である暗黒五邪神が一将、水邪キーヴァの命令以外には存在しない以上、
現状にはいささかの変化ももたらさなかっただろうが。
「あッ・・・・あああ・・・・やめて・・・・おねがい・・・・もうゆるしてェッ!!」
執拗な舌遣いはむっちりとした太腿を蹂躙し尽くし、
表面がベトベトになるまでドロドロの唾液を塗り重ねると、
更なる獲物を求めて、その先にひろがる尻丘の隆起へと侵略の手を伸ばしていく。
捲れ上がった白いスカートの下の、ふっくらとした脹らみを守るのは、
まだ失禁の痕が生々しく残る、薄手のショーツ一枚きり。
しかも、下半身の一部には触手生物の淫毒の影響がしぶとく残り、
荒々しいだけではなく存外に巧妙でもある氷狼の責めとも相まって、防衛戦の敗色は濃厚だった。
(9)
じゅるッ・・・・ぴちゅるッ・・・・びじゅじゅるッ・・・・!!
大きさは平均的だが、滑らかな弧を描く曲線の具合は申し分の無い、乙女の桃尻の上で、
たっぷりと唾液を含んだ長い舌が、幾度となく、行ったり来たりを繰り返す。
厚さ1ミリにも満たない極薄のショーツは元より何の防御効果も持ち合わせてはいなかったが、
ヌルヌルの液体に濡れそぼり、半ば透明に透き通っている現状では、
肌を覆い隠すという衣服としての最低限の機能さえも放棄してしまっていた。
「ふぁ・・・・ああ・・・・んふぅ・・・・ひあ・・・・はぁくうう・・・・」
おぞましい愛撫にさらされるうち、地面に横たわった青い肉体は忘れかけていた昂ぶりを取り戻していく。
皮膚にぴっちりと張り付いて完全に用を為さなくなった下穿きもろとも、稜線が舐め上げられるたび、
腰椎の真ん中に、何千匹もの小さな蟻が這い回るようなゾクゾク感が生まれ、
剥き出しになった背中全体を、びゅくびゅくびゅくッ、という激しいわななきが包んでいった。
嫌悪感に引き攣っていた声音にも次第に妖しげな響きが現れ始め、
弱々しい呻きに代わって、切迫した喘ぎ声の占める割合が加速度的に増加していく。
(10)
(ひあああッ!?な、何ッ・・・・何なの、これぇッ!!
んぁあッ・・・・だ、だめぇ!!そんなにお尻ばかり、舐めちゃあ・・・・ひはあああッ!!)
下半身から這い上がってくる狂おしい欲情を、必死になって否定しようとする優子。
半ば本能的な、これだけは絶対にいけない、ダメなものだ、という強い禁忌の感情が溢れ出してくる。
・・・・勿論、肛門性交という人間同士であっても倒錯した嗜好とみなされている性愛行為については、
好奇心旺盛なクラスメイト達の間でも、さすがに大っぴらに話されたりはしていないため、
今まで、そういった行為が世の中に存在している事実さえ知らずにいたのだが。
「んふぁああッ・・・・い、いやぁ・・・・やめて・・・・もうやめてぇッ・・・・!!」
このままされるがままの状態が続けば、何か途轍もなく恐ろしい事に、
・・・・そう、上手く言葉には出来ないが、とにかく、一度それを味わってしまったら最後、
自分が自分でなくなって、もう二度と元には戻れなくなってしまうような気がしてならない。
だが、彼女が、絶対に感じたりするものか、と必死になればなるほど、
舌先の感触はますます鮮明なものとなり、未成熟な少女の心身を追い詰めていくのだった。
(11)
「・・・・ああッ、いやぁああッ!!」
鋭い絶叫が迸り、周囲の氷壁に反響して洞窟中に響き渡る。
舌先の動きにばかり気を取られていた隙に、
巨獣の両顎がビショビショに濡れそぼったショーツを咥え込んでいた。
グググッ、と力を込めて引っ張られると、
潤滑油代わりの唾液にまみれた極薄下着は、あっという間に摺り下ろされてしまう。
「ひいいいッ!!み、見ないで・・・・ふひゃあああッ!!」
呆気ないほど簡単に剥ぎ取られてしまった最後の護り・・・・。
剥き出しにされた尻肉の脹らみは、
汗腺から滲み出した白い汗と塗り重ねられた魔獣の唾液とでベトベトだったが、
それでいてなお、匂い立つようなフェロモンを発散させていた。
左右の隆起に挟まれた谷間は、狭過ぎる上に浅過ぎて、
一番奥まった所にある恥かしい場所を覆い隠すにはあまりにも微力である。
もはや隠蔽する手段とて無く、白日の下に曝け出されてしまった排泄器官には、
氷狼は勿論、周囲を半円状に取り囲んだ怪物たちの無数の視線が鋭い刃となって突き刺さる。
気の遠くなるような屈辱感のあまり、顔面蒼白となった優子は、
全身を硬直させたまま、ブルブルと震え慄く事しか出来なかった。
排便の際にトイレット・ペーパーを用いて拭き取る以外には、自分自身でさえ触れる事の無い不浄な場所、
そんな所を見られていると思うだけで、意識が飛び去りそうになってしまう。
(12)
――――だが、(勿論、優子自身は知る由もなかったものの)その小さな窄まりは、
糞便の排泄を司る器官であるとは思えない程、清潔に保たれていた。
十数本の繊細な小皺が寄り集まった表面はほんのりと薄いピンク色に色付き、
まるで野に咲くバラがつける蕾のように愛らしい。
極限まで高まった羞恥心がもたらす断続的な痙攣と、
妖しげなリズムが醸し出す、たとえ様も無く扇情的な雰囲気さえ無ければ、
おそらく、この突起物が人体の一器官であるとすぐに気付く人間は少数だろう。
・・・・・・・・じゅるり。
涎まみれの長い舌が尻たぶの一番ふくよかな部分へと押し当てられた。
そのまま谷間へと這い進んだ肉ブラシは、目的地である菊座を目指して、
羞恥に悶える乙女の肌を堪能しつつ、ゆっくりと滑り降りてくる。
先端がすぼまりの表面に近付いてくる気配だけで堪え切れなくなった優子は、
盛大な悲鳴を張り上げつつ、背筋を大きく波打たせ、反り返らせた。
(13)
(は、はずかしい・・・・恥かしいよォッ!!)
自分ではそう叫んだつもりだったが、
口元から飛び出したのは完全に意味不明となった金切り声に過ぎない。
だが、優子は、もはやそれにさえ気付かない、否、気付く事が出来ないまま、
蒼髪を振り乱し、さかんにかぶりを振りながら泣き喚くだけ。
そこには、すでに凛々しさも勇ましさも微塵も感じられず、
淫虐な罠に陥り、為す術も無く嬌声を上げ続けるしかない、哀れな牝犬の表情しかなかった。
・・・・じゅぷッ・・・・ちゅるちゅる・・・・じゅるるるッ!!
獲物の痴態に興奮したのだろう、肛虐の切っ先はますます烈しさを増していった。
ただ単に表面を舐め回すだけでは、もはや飽き足らなくなり、
先端をドリル状に尖らせて、小皺の中心・・・・直腸へと続く尻穴の内部にまで捻じ込もうと試みる。
わずかに残った理性が試みた最後の抵抗がブザマな失敗に終わると、
もはやその動きを止めようとする者は皆無となり、
巨大な体躯からは想像し難いほどに巧緻を極める舌技の前に無力化された括約筋は、
直腸へと続く回廊の支配権を易々と明け渡してしまった。
(14)
(・・・・あああ・・・・力が抜ける・・・・ど、どうしてぇッ!?
ふひぃぃッ・・・・も、もう、だめぇ!!お尻の穴、ヘンになっちゃう・・・・!!)
窄まりの守りを突破した邪悪な侵略者は、更に執拗な攻撃を繰り返し、
今や、直腸の入り口は完全に揉み解されてしまっている。
ザラザラとした感触が菊門の内側を舐め擦るたび、腸液の飛沫がピュルピュルと滲み出し、
小さな汗の粒で覆われた背筋が、ピクピクピクッ、とせわしない痙攣を連発した。
「はぁう・・・・くぅぅんッ!!はひぃッ・・・・くふぁあああッ!!」
すでに、絶望の呻き声ですら、官能の毒に汚染され、微細な震えに覆い尽くされている。
得体の知れないゾクゾク感が下半身を席巻し、全身へと飛び火していった。
ほんの数分前まで、あれほど自分を苦しめていた異物感は、
えも言われぬような心地良さとなって少女の五体をトロトロにし、禁断の快楽を撒き散らしている。
にゅる・・・・にゅりゅるる・・・・ちゅる・・・・じゅにゅるるる・・・・!!
湿り気を帯びた恥かしい水音が響き渡るたび、
肛門の内径が少しずつ押し拡げられ、鈍い痛みが増していく。
だが、すでに頭の中にはピンク色の靄がかかり、尻穴舐めからもたらされる妖しい肉悦が席巻していた。
性の経験に乏しいカラダは性感の泥沼にどっぷりと浸かり、
理性も感情も押し寄せる欲情の大波に洗われて、フニャフニャに蕩けつつある。
(15)
(・・・・あああ・・・・ダ、ダメぇ・・・・だめエェェッ!!)
気が付けば、優子は、高々と突き上げた尻をさかんに振り立てながら、
甘く上擦った声を引っ切り無しに放ち続けていた。
しかも、この上なくあさましい己の姿にショックを受けつつもなお、
跳ね回る腰を止める事は叶わず、むしろ、その動きはますます過激さを増す一方だった。
(ふあああッ・・・・と、止められないッ!!
何かが・・・・あああ・・・・体の奥から・・・・我慢出来ないィィッ!!!!)
肛門の守りを突破した邪悪な舌先がとうとう直腸の最深部にまで到達すると、
これまで一度も味わった事の無い快感を伴った、熱い衝動の塊が、下腹部から全身へと広がっていき、
まだ各地で散発的な抵抗を続けていた理性の残滓を跡形も無く粉砕してしまった。
真っ赤に上気した顔面は未知なる喜悦に深く酔い痴れ、
濃密なピンク色の靄によって覆い尽くされた意識の中で、極彩色の火花が破裂を繰り返すたび、
強烈な興奮の波動がフラッシュして、自我の壁を突き崩していく。
――――次の瞬間、視界の中で、信じ難いほどの輝きを放つ純白の閃光が炸裂した。
あらゆる感覚が、思考が、感情が、一緒くたに眩い輝きの中へと吸い込まれ、
・・・・・・・・そして、何も見えなくなる。
(16)
・・・・しばらくの後。
「・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」
クレバスを登り切った先は、周囲を氷河に囲まれた小さな窪地になっていた。
長時間に渡って酷使し続けたせいだろう、両腕は情けない悲鳴を上げ続け、
両手の指もほとんど麻痺しかかって、カチコチに硬直しきっている。
「・・・・・・・・」
それでも、優子は、地底からの脱出に心底から安堵を感じていた。
要した時間は、実際には精々二、三十分といったところだったが、
頭上の小さな裂け目から注ぎ込む僅かな光だけを頼りに、
真っ暗闇の中、ほぼ垂直に近い角度で切り立った断崖を素手だけでよじ登っていく作業は、
何時間にも及ぶ苦行にも匹敵する行為に他ならない。
いくら<ヴァリスの剣>が、それを可能にするだけの筋力と敏捷性を供給してくれたとはいえ、
今まで、フリー・クライミングなど、TV番組の中でしか知らなかった女子高生が、
初めての挑戦で、パニックにも陥らず、これだけの事を為し遂げたのは、一種の離れ業だと言って良いだろう。
(17)
(・・・・本当に、幸運だったわ・・・・)
久方ぶりの新鮮な空気で肺の中を満たしながら、少女は、思わず、涙ぐんだ。
タイミングが一つでも狂っていたら、
今頃は、大量の岩石に押し潰されるか、地底の断層に墜落するかして、
永遠に呼吸など必要の無い存在になり果てていたに相違ない。
「・・・・風が、気持ち良い・・・・」
どうやら、この場所はブリザードの通り道からは外れた位置にあるらしく、
吹き渡る風こそ冷たかったものの、大気の湿度は少なく、眺めも良い。
それだけでも随分気分が楽になった優子は、
尾根の間を駆け抜ける寒風に豊かな蒼髪をなびかせながら、しばしの間、黙想に耽った。
・・・・頭蓋骨の中身が残らず焼け焦げるかのような強烈なスパークが炸裂した、あの瞬間。
・・・・突如、目の前を覆い尽くした真っ白な輝き。
・・・・耳をつんざくような大音響・・・・そして、信じ難いほどの衝撃・・・・。
――――もうだめだ、助からない、と諦めかけたその時、
フワリと宙に浮くような不思議な感覚が全身を包み込み、それから・・・・。
(18)
途切れた記憶が回復したのは、(多分)その数秒後の筈だった。
未だ不気味な震動の収まらぬ中、おそるおそる目を開いた少女は、
最初のうち、視界に広がっていた景色が現実のものだとはどうしても理解できず、
何度となく、自分の正気を疑わずにはいられなかった。
「な、何ッ、これは!?一体、何がどうなってるのッ!?」
洞窟内の風景は完全に一変していた。
岩盤は至る所で無数の地割れを生じ、
凍てついた地面の底から何トンもの土砂が露出している。
瓦礫の間からは、怒れる大地に飲み込まれ、噛み砕かれたのだろう、
頸から上だけを残して原形を留めない程押し潰された姿となった氷狼が、光の消えた瞳で虚空を見上げ、
周りでは、雑兵たちの体が(文字通り)挽き肉と化していた。
(19)
「ど、どうして・・・・これが、ここにッ!?」
不可解、かつ、凄惨きわまる状景に、反射的に顔を背けた優子。
・・・・だが、視線を逸らした先には、更なる衝撃が待ち受けていた。
何事も無かったかのように目の前の地面に突き立っている、<ヴァリスの剣>。
戦いの中で引き離されてしまった筈のそれが此処に在るのは一体・・・・?
(――――違う。<剣>がわたしの所へ来た訳じゃなく、わたしの方が引き寄せられたんだ)
軽い悪寒を感じながらも、蒼髪の少女は、改めて、周囲に視線を巡らせた。
白銀色に輝く刀身の真下からは、地面を切り裂いた断層が真っ直ぐに延び、
その先端は暗黒の軍勢を呑み込んだ土石流へとつながっている。
咄嗟に脳裏をかすめたのは、以前経験したある現象・・・・
場所こそ異なるが、ここと同じく、地の底を穿ち抜いた回廊で経験した、凄まじい大地の力だった。
(20)
(アースクェイク!!地下鉄の時と同じチカラ!?
もしかして、アイツのファンタズム・ジュエリーを手に入れたから?)
驚嘆する<ヴァリスの戦士>・・・・だが、詳しく調べている余裕は無さそうである。
先程からずっと岩盤を伝ってきている不気味な揺れは、
収まる気配を見せるどころか、逆に、ますます大きく激しいものへと変わっていた。
それどころか、場所によっては、地盤に大小の亀裂が走り、岩石の剥落が相次いでいる所さえある。
(――――これはさすがに不味いかも)
鳩尾のあたりにヒヤリとしたものが流れ落ちる。
・・・・その時には、破局はもう足元にまで忍び寄っていた。
突如、メリメリバリバリという凄まじい圧壊音と共に、釜の底が抜け、奈落への入り口が出現する。
外見はいかにも頑丈そうだった氷洞も、内部の地層は案外脆い構造だったらしく、
一箇所で落盤が始まると、連鎖反応的に付近全体の地盤が崩れ始め、
天井が、壁が、地面が、信じ難いほどの勢いで地の底へと沈み込んでいった。
(21)
(・・・・こ、今度からは、技を使う時はちゃんと場所を選ばないと・・・・)
大急ぎで<剣>を引き抜くと、優子は無我夢中で跳躍を繰り返し、
かろうじて氷壁に出来た張り出しの一つにしがみつく事に成功する。
・・・・もっとも、その場所とて、壁というよりは、むしろ、断崖といった方が正確な様子で、
とても安心できるような状況ではなかったのだが。
(・・・・見ちゃダメ・・・・見ちゃ・・・・)
心の中で呪文のように唱え続けながら、
蒼髪の<戦士>は、暗闇の中、指先の感覚だけを頼りによじ登れそうな場所を探し出し、上を目指す。
ほぼ垂直に切り立った絶壁は遥か頭上まで聳え立ち、
一番てっぺんに小さな裂け目が存在しているのがわずかに窺えるだけ。
一方、足元には何百メートルあるか分からない断層が口を開けて落下してくる獲物を待ち構えている。
滑落の危険を何度と無く冒しながら、どうにか出口に辿り着いた頃には、
全身、グッショリと汗に漬かり、完全に息が上がってしまっていた。
今まで高い所に上る事には苦手意識を持っていなかったのだが、
もしかしたら、明日からは高所恐怖症と呼ばれる神経症状に悩む人々の仲間入りをしているかもしれない。
――――だが、彼女の前に立ち塞がる危難は、まだまだ序の口に過ぎなかったのである。
(22)
「ククク・・・・」
乾いた寒風に乗ってやってくる、低い笑い声。
悪意に満ちた響きに、ハッ、として愛剣を構え直した優子の耳朶に、
バサバサッ!!という耳障りな羽音が飛び込んでくる。
「お前だね、ガイーダを倒した<戦士>というのは?」
声のした方向を振り向くと、
やや離れた場所にある、雪原から隆起した岩棚の上で、
野生の猛禽と人間の特徴が入り混じった奇怪な生き物が、冷やかな目でこちらを凝視していた。
嘴の代わりに鋭い牙が生え揃った口元を開き、
妙にざらついた響きの、だが、紛れも無い『人語』を発する、人面鳥身の怪物。
緑系統の色調の羽毛で覆われたその身体は、3メートルそこそこの身長しかないものの、
最大の特徴である双翼は、左右の端から端までを正確に測ったならば、
身長の2倍、いや、3倍はありそうな特大サイズである。
(23)
(も、もしかして!?)
――――そして、もう一つの特に目立つ身体的特徴が、
ふさふさとした体毛に覆われた胴体の真ん中から隆起した豊満な肉の果実。
たわわに実ったメロンを思わせる一対の乳房は、
両肩から生えた双翼を開閉するたびに、プルンプルンと大きく揺れて、
外見はともかく、質量においては、少女のそれを遥かに凌駕する事実を見せ付けている。
「あなたも、暗黒五邪神の一人なの!?
・・・・やめてッ!わたしは<戦士>なんかじゃないわ!
戦う理由なんて何処にも無い・・・・ただ、自分の世界に戻りたいだけよッ!!」
自分でも驚くぐらいの激しい口調で、蒼髪の少女は怪物の言葉に反駁する。
・・・・だが、鳥女にはまともに議論する意思など最初から無かった。
その態度は、まるで、女性の持つマイナスの形質だけを縒り集めて出来ているかのように、
ひどく尊大で、嘲笑的で、あらゆる種類の悪意に満ち溢れている。
(24)
「フフン、あのガイーダを手にかけた、って聞いたから、どんなバケモノじみた女かと思っていたら、
クックックッ、まだ、<戦士>として目覚めていなかったとはねぇ」
ほんの一瞬だけ、唇の端に、軽い驚きの感情が浮かんだような気がしたものの、
すぐに掻き消え、侮蔑に満ちた冷たい笑みに取って代わられた。
同時に、最大限の浮揚力を得られるように左右の翼が大きく広げられ、
ギラギラと鉄色の輝きを放つ長い鉤爪が、
ガリッガリッ、と危険な音を立てながら、足元の岩肌に食い込んでいく。
「ハハハハッ、それは好都合ッ!!
私の爪で、引き裂いてあげるよ・・・・ズタズタにねぇッ!!」
甲高い声を発するなり、怪鳥女は猛然と足場を蹴り、空中へと跳躍した。
周囲の尾根から吹き降ろす気流に乗り、一気に上空まで急上昇すると、
獲物の頭上を旋回しながら、狩りの開始を宣言する。
「殺す前に教えておいてやるよッ!
私の名はキーヴァ、暗黒五邪神が一将、水邪キーヴァ様だッ!
すべてを凍らせるこの私の世界からは逃れる事などできんッ!」
(25)
――――ビシュッ、ビシュシュシュッ!!!!
緑色の翼から撃ち出された無数の羽根が、
鋭い風鳴りの音を空中に撒き散らしつつ、急降下してくる。
反射的に身を投げ出し、すんでのところで攻撃を回避する<ヴァリスの戦士>だったが、
雪の上に突き刺さっていた凶器の禍々しい正体には、驚きの色を隠せなかった。
「こ、氷の羽根ッ!?」
今まで自分が立っていた場所に降り注いでいたのは、
彼女の二の腕の長さ程もあろうかという氷の矢、・・・・いや、氷の短剣と呼ぶ方が正確だろうか?
何とか全部かわしきれたから良かったものの、
先刻の洞窟内での戦いとそれに続く脱出行による消耗から立ち直れていない現状で、
こんなものを何発も受ければ、身に纏う黄金の甲冑とて防ぎ切れる保証は何処にも無い。
(26)
「フフフフ・・・・気に入ってくれたかい、私のアイスフェザーは?」
狼狽する少女の様子に満足そうな表情の水邪キーヴァ。
洞窟内での部下達との戦いを通じて、すでに<ヴァリスの鎧>の弱点は割り出していた。
防御障壁を正面から打ち破るのは、不可能とは言わないにせよ、かなり骨が折れるのは事実、
だが、一度に展開できる障壁の数、言い換えれば、防御可能な攻撃の量には限りがある。
要は、甲冑が対応できる以上の火力を浴びせ、手数で押し切れば良いのだ。
その点、一撃毎の威力は高く無い代わりに、発射速度と弾数の多さでは抜きん出ている自分の得意技は、
まさしく理想的な攻撃手段であると言える。
(・・・・それに、これには、もう一つ、とっておきの使い方もあるしねぇ・・・・)
ニヤニヤ笑いを浮べつつ、必死の形相で防御の構えをとる<戦士>を一瞥した怪鳥女は、
どす黒い悪意を無数の氷の弾丸に変えて、再度、機関砲の如く、地上を掃射した。
聖なる<剣>が煌き、刀身から幾筋もの斬光が放たれるものの、
高速で空中を飛び回る敵影をとらえるには距離が開き過ぎている。
何より、撃ち出されるアイスフェザーの数は圧倒的で、すぐに優子は防戦一方に陥ってしまった。
(27)
「あうッ!!」
頼みの綱である<鎧>の護りも、これまでの消耗が響いて満足に力を発揮出来ずにいた。
攻撃が始まって数分も経たないうちに、不可視の壁は対応能力に事欠くようになり、
やがて、守りを掻い潜った最初の氷弾に直撃を許す事になる。
ビシッ、という乾いた音を立てて、左の肩当てを直撃したその一撃は、
貫通こそしなかったものの、衝撃はかなりのもので、
肩の骨が砕けるかのような痛みと共に、全身のバランスが大きく崩れてしまった。
「ひうッ・・・・あぐぅうううッッッ!!」
何とかして体勢を立て直そうと試みる優子だが、
あらゆる角度から無数の敵弾に狙われている状況では思うに任せなかった。
更に数本のアイスフェザーに痛撃され、後方へと吹き飛んだ少女は、
激しく背中を打ちつけた反動で、一瞬、呼吸が止まり、身体の自由が利かなくなる。
・・・・無論、キーヴァがその好機を見逃す筈が無い。
続けざまに連撃を叩き込まれた<ヴァリスの戦士>は、
たちまちのうちに、対応不能な数の凶弾を全身に受け、
悲痛な叫び声を上げたきり、立ち上がれなくなってしまった。
(28)
(はぁ・・・・はぁ・・・・か、体が・・・・冷たい・・・・。
だ、だめ・・・・凍えてしまう・・・・何とかしないと・・・・このままじゃあ・・・・)
凍土の上に倒れ伏した蒼髪の少女は、口元から真っ白な呼気を吐き出しつつ、
肌に突き刺さるような冷気を感じて、手足を弱々しく痙攣させた。
執拗な攻撃を受けるたび、輝きをすり減らし、今や曇りガラスのように鈍い色合いに変じた黄金の甲冑は、
防御障壁の展開は勿論、寒さを遮断し体温の低下を防ぐ能力さえ喪失しかけている。
青白く血の気の失せた指先は、未だ<ヴァリスの剣>を握り締めてはいたものの、
身体を起こす事さえままならない状態では、有効な反撃の手段など到底思い付けなかった。
「どうした!もう、逃げ回る元気も無いのかいッ!」
頭上から響き渡る嘲りの言葉。
怒りのこもった眼差しを天空に向かって放ち上げた優子だったが、
悔しさに滲んだその涙は頬に流れ落ちた途端に白く凍りついてしまう。
上空からその様子を見下ろした怪鳥女は、フン、と、つまらなそうに鼻を鳴らすと、
攻撃を一時休止して、目の前の敗者をどう料理するか、思考を巡らせた。
すでに勝負の帰趨は明らか、小娘には一分の勝機も無い。
おそらく、このまま一切手を出さずに、雪山の中に放置しておいたとしても、
哀れな敗者を待っているのは、惨めな凍死の運命以外にはありえないだろう。
主であるあの御方、暗黒界を統べる偉大な覇王からの命令は、
ただ、『夢幻界の<戦士>を迎え撃ち、首級を持ち帰れ』というだけで、
方法については特に何も指示はないのだから、それでも何ら問題無いハズ・・・・ではあるのだが――――。
(29)
(だけど、それじゃあ物足りないねぇ。
クックックッ、やっぱり、最後はアレで締め括るのが粋ってものだろうしねぇ・・・・)
怪鳥女の口元が、楽しげに、ニィィッ、と吊り上がる。
改めて下界を見下ろすと、蒼髪の少女は残った力を振り絞り、何とかして起き上がろうともがいていた。
汚物でも見るような目でその様子を眺めつつ、
キーヴァは、尊大極まりない態度と口調で、無慈悲な死刑宣告を叩き付ける。
「そろそろ遊びは終わりだッ、<ヴァリスの戦士>!!
ハハハハッ、そうだな、ここまで楽しませてくれた礼に、せめて楽に死なせてやるよッ!!」
甲高い叫び声と共に、左右の翼が大きく広げられ、アイスフェザーの大群が解き放たれる。
反射的に身を伏せた優子だったが、
何千もの冷気の刃は、今までの動きとは異なり、直接彼女に殺到してくる代わりに、
ゴウゴウと恐ろしい唸り声を上げるブリザードと化して周囲を取り囲むと、
その身体をすっぽりと覆い尽くす、氷雪の檻を完成させてしまった。
(30)
「こ・・・・これはッ・・・・!?」
混乱の極に達した思考でも、それが尋常な事態ではない事は理解出来たらしく。
本能的な恐怖に背中を押された優子は、痛みを忘れ、無我夢中で飛び起きた。
不吉な予感は的中し、周囲の気温はあっという間に氷点下に達して、
肌に突き刺さる魔性の冷気が容赦なく体力を奪い取っていく。
「アーハッハッハッハッ!!
アイスフェザーのドームに包まれたが最後、中のものは全て、血の一滴まで凍りつくのさ!!
ログレス様に楯突く身の程知らずめ、せいぜい己れのブザマさを恥じながら死んでいくがいいッ!!」
死のドームに木霊する、けたたましい嘲笑。
・・・・しかし、今や彼女の耳には、その声さえも殆ど届く事は無い。
凄まじい冷気の渦に取り囲まれ、間近に迫った凍死の運命に怯えすくむしかない少女の体内では、
極度の体温低下によって血行が阻害され、血液の循環機能が急速に衰えていた。
みるみるうちに生気を失った皮膚は血の気を失って蒼白に変じ、
わずかに残った水分も氷結して、霜が下りたような氷の薄膜が全身を覆っていく。
(31)
「あ・・・・あああ・・・・く・・・・空気が・・・・凍っ・・・・て・・・・い・・・くぅ・・・・」
すでに足元は真っ白な氷に呑み込まれ、
毛髪や手指の先端から徐々に凍結が広がっていた。
想像を絶する恐怖に打ちのめされた優子は、
双眸を張り裂けんばかりに見開き、何かを叫ぼうとしたのか、大きく口を開けたまま、
何層もの分厚い氷のジェルをコーティングされて、物言わぬ彫像へと変容を遂げていく。
「フフフフ・・・・」
柔らかな羽音と共に、キーヴァが地上へと舞い降りたのは、
役目を終えた死の竜巻がようやく消え去り、雪原に静寂が戻った後だった。
アイスフェザーのドームが聳えていた場所には、
天空に向ってそそり立つ、円錐形の小さな氷山が出来上がっている。
クリスタルガラスのように青く澄み切った棺の中には、美しい人形のような少女の姿・・・・
光の反射具合によるものだろうか、その容貌は、
まるで、今にも動き出しそうなくらいに瑞々しく、あるいは、生々しかった。
(32)
――――だが。
優子の生命は、未だ燃え尽きてはいなかった。
(33)
・・・・トクン・・・・トクン・・・・トクン・・・・。
肺腑の中の空気までもが凍りついた中で、
胸郭の奥の心臓だけが、小さく、密やかな鼓動を刻んでいる。
カチコチに固まって、本来ならば何一つ映し出せない筈の瞳の中にも、
驚くべき事に、ひどくおぼろげではあるものの、視覚と呼べるものが舞い戻っていた。
厳密に言えば、それを鼓動や視覚と呼ぶのは間違いかもしれない。
絶対零度のドームの中で凍結し、氷のオブジェと化した蒼髪の少女の肉体は、
いま現在、全ての機能を停止している状態にあるのだから。
・・・・にも関わらず、現に、彼女の意識は保たれ続け、
限定的なものとはいえ、五感のいくつかも正常に働いている。
そして、脳機能も呼吸も何もかもがピタリと活動を止めてしまったにも関わらず、
最低限の生命維持と思考の働きは維持されていた。
――――一体、優子の身に何が起きたのか?
(34)
(どうやら、助かったようね・・・・今度も間一髪だったけど)
心の中で小さく息をつきながら胸を撫で下ろす<ヴァリスの戦士>。
それに呼応するかの如く、左右一対の胸甲の狭間に嵌め込まれた楕円形の宝石の中で、
紅色の輝きが微かに煌き、冷え切った体の中にじんわりとした温もりが染み込んでくる。
(ファンタズム・ジュエリー・・・・やっと、応えてくれたみたいね)
優子の呟きは、微かにだが、苦笑めいた響きを含んでいた。
氷洞内でアースクエイクの発動を経験して以来、
夢幻界の宝玉にはもっと別の働きもあるのでは?と考えて、力の開放を試みていた成果がようやく現れたらしい。
おそらくは、完成したドームの中で荒れ狂う死の息吹に触れた瞬間、
意識の中で弾けた生への執念がかつてない程強烈な光と熱への渇望となって、
結果的に、聖玉の力の開放を促すトリガーとなったのに違いない。
(35)
(でも、大変なのはこれからだわ。
あの、キーヴァっていう将軍の強さは、今までの奴らとは質が違う・・・・)
実際、目の前に立って自分の顔を覗き込んでいる怪鳥女は、
これまでに戦ってきた、どの怪物とも異なるタイプの戦士だった。
純粋な腕力や技の威力だけならガイーダの方がずっと上だろうし、
生来その身に備わっている闘争本能という点では、部下であった氷狼の方が優っていたかもしれない。
キーヴァの強さの根源は、そのどちらでもなく、
狡猾さと用心深さ・・・・すなわち、持って生まれた天性の能力ではなく、戦いの中で会得した技術と経験にあった。
(もしかしたら・・・・いいえ、きっと、今も完全に油断しきっている訳では無い筈だわ。
迂闊に動けば、今度こそ、取り返しのつかない状況に陥ってしまう・・・・)
それが杞憂ではない証拠に、アイスフェザーのドームが消え去った後もなお、
氷の牢獄は一定の速度で体積を増し続けていた。
あるいは、この敵将の目には、自分が本当に凍死したかどうか、疑わしく映っているのかもしれないし、
そこまでは考えている訳ではないとしても、不測の事態への備えは間違いなく用意している筈である。
兎に角、今は逸る心を抑え、ジュエリーの力を利用して出来る限り体力を蓄えながら、
相手に本当の意味での隙が生じるタイミングを待つしかない・・・・それが、この時、優子の下した決断だった。
――――だが、少女はすぐに気付く事になる。
その策が、己の心身にどれだけの責め苦をもたらすものだったか?という事実に。
(36)
(んッ・・・・うう・・・・んんんッ!!)
チロチロと小さな光を発しつつ、赤熱していく夢幻界の聖石。
キーヴァに気取られないよう、エネルギーの抽出には細心の注意が必要である。
・・・・だが、一端に触れて、はじめて理解できたのだが、
<明>の力を操る作業は決して楽なものだとは言えなかった。
たしかに宝玉から放射されるパワーは強大であるが、
それ故に、一旦、制御を誤れば、簡単に暴走を許してしまいかねない危険を伴っている。
(・・・・そ、それに・・・・あううッ!!)
切迫した喘ぎ声が口をついて漏れ出した直後、
優子の肌を、ビクビクッ、と微細な電流が走り抜け、
本来ならば開く筈の無い毛穴が開いて、汗腺から生温くネットリとした体液が浮かび上がる。
数秒と経たないうちに、真っ白な霜と化して体を覆った氷の層に吸収されたとはいえ、
少女の肉体に生じたのは、(常識では起こり得る筈の無い)発汗現象に他ならなかった。
(37)
(くぅ・・・・むあぁッ・・・・こ、込み上げてくる!!
熱い・・・・とても、熱いものがッ・・・・ふはぁああッ!!)
(実際に呼吸している訳ではない以上、これを『息切れ』と呼ぶのは適切ではないかもしれないが)
はぁッ、はぁッ、と荒々しく息を切らしながら、<ヴァリスの戦士>はかろうじて自制心を保った。
半ば予想していた事ではあるが、優子の意識は、
はじめて宝玉に触れた時と同じく、凄まじい衝撃に貫かれ、引っ掻き回されている。
それも、一度や二度ではなく、力の開放を始めて以来、間断無く。
(・・・・ううう・・・・た、堪えなくちゃ・・・・今はどんなに苦しくても・・・・)
次第に昂ぶりを増していく性感に、歯を食いしばる蒼髪の少女。
心臓の鼓動が高まり、次第に速く鳴り響くようになるにつれ、
冷え切っていたカラダに血行が戻り始め、温もりが全身へと広がり始める。
もっとも、身体機能の回復に伴って、失われていた感覚が蘇生していくと、
もたらされる波動もまた、文字通りの肉感へと昇華して、これまで以上に生々しいものとなり、
あちらこちらで神経をザワザワと騒がせ、掻き乱すようになるのだったが。
(38)
(ひくぅッ・・・・ま、またぁ・・・・くはぁあんッ!!
ううう・・・・どんどん強くなってる・・・・このままじゃあ・・・・!!)
<明>のエネルギーを開放するたび、鉄砲水のように湧き上がってくる灼熱の大波は、
ねっとりとした肉の悦びへと変換されて少女の心を荒らし回り、欲情を掻き立てる。
また同時に、このまま全身の自由を一気に取り戻したい、という密やかな願望にも働きかけて、
危険極まりない賭けへと突き進ませるべく、自制心を乱し続けてもいた。
(くううッ・・・・ダ、ダメッ・・・・耐えて・・・・耐えるのよ、優子ッ!!
こ、ここで先に動いたら、勝ち目は無い・・・・今までの苦労が水の泡だわッ!!)
そう自分に言い聞かせ、必死に誘惑を払いのけようとするものの、
<明>の力との初めての対決は非常に分の悪い戦いだった。
時間が経つにつれて、カラダの奥から湧き上がって繰る滾りは勢いを増す一方となり、
それに反比例するかのように、理性の制御は弱まっていく。
もはや、ほんの少しでも気を緩めようものならば、濁流と化した性感が忍耐の堤防を乗り越え、
心の中にあるもの全てを遥か彼方の世界へと押し流してしまうに違いない。
(39)
(くひぃぃッ!!お、お尻・・・・お尻が、熱いッ!!
ひあああッ!!た、助けて・・・・ヤケドしちゃうぅッッ!!)
不意に、鈍い衝撃が下半身を貫いたかと思うと、腰椎の周囲が一斉に火を噴いた。
優子が狼狽している間に、淫熱の舌先は、先刻、氷狼によって散々に弄ばれた菊座へと潜り込み、
妖しげなゾクゾク感へと姿を変えて、肛門を囲む括約筋を揉みほぐしにかかる。
(はぁはぁはぁ・・・・あああッ・・・・お、おしっこ・・・・漏れるうぅッ!!)
妖しい感覚に責め苛まれていたのは肛門だけではない。
ぷじゅん、と小さな圧壊音が響き渡ったかと思うと、
凍えたショーツの中から生温い液体が滲み出してきて、太腿の表面を滑り落ちていった。
まるで男子のように立ったまま尿を垂れ流しているのだ、という現実が、
羞恥心をいやが上にも煽り立て、動かしてはならない手足をガクガクと打ち震わせる。
その影響が最も顕著に現れたのは、腰骨の真ん中に位置する袋状の器官で、
荒ぶる肉悦欲求は、もはや手の施しようが無いまでの高ぶりを見せていた。
(40)
(はひぃぃッ!!だめえぇぇッ・・・おなかの中・・・・ビクビクするぅッ!!
きひぃぃッ・・・・あ、熱い・・・・ひゃうあああッッ!!!!)
生まれる前の赤ちゃんが育つための場所、と保健の授業で教わったその内腔は、
どういう理由でか、他の体内器官よりも、宝玉から放出されるエネルギーをよく吸収し、
また同時に、その影響がずっと顕著な反応となって現れていた。
加えて、その場所から湧き出した肉悦の波動は、
他のどの感覚よりも鋭敏に、かつ、何者にも邪魔されず、速やかに全身の神経へと伝播していく。
――――びゅくんッ!!・・・・びゅくびゅくんッ!!
熱い脈動が五臓六腑に染み渡り、死の冷気を打ち払っていくのと平行して、
淫靡なわななきもまた、その支配領域を拡大していった。
力の開放を中断すれば、昂ぶりも一時的に沈静化するのだが、
再びジュエリーの熱を呼び戻そうとすれば、たちどころに欲情も舞い戻ってくる。
何度かイタチごっこを繰り返した末、いよいよ抜き差しならない状況に追い詰められた優子は、
いつしか目元も口元もトロンと蕩けて、だらしなく緩み切っていった。
(41)
(はァううッ!!・・・・こ、氷が溶けていく・・・・!!)
ピキッ、ピキッ、という妙に乾いた音を立て、
目の前を覆っていた冷気のデスマスクが割れ剥がれていく。
再び『表情』を取り戻していく少女だったが、
それは同時に、擬態の維持が決定的に困難となる事でもあった。
もはや、どれほど意志の力を振り絞って、喜悦にまみれた内面の露呈を防ごうとしても、
苦悶と快楽の間で目まぐるしく変化し続ける感情は、否応なしに顔の動きとなって現れてしまう。
(アッアッアッ・・・・だ、だめよ・・・・まだ、だめぇッ!!
んふあぁッ!!もう少し・・・・あと少しだけ・・・・ぁあああッ!!!!)
刻一刻と近付いてくる破局の足音が、深い絶望となって襲いかかる。
身体機能の殆どは回復し、あとは<剣>を操るための右腕の筋力が戻るのを待つばかりだったが、
吹き荒れる狂熱の暴風は、とっくに限界を突破していた。
今この瞬間にも、全てが水泡に帰してしまうかもしれない・・・・、
そう思うと、不甲斐ない自分に対する怒りと情け無さとで胸が潰れそうになり、
やり場の無い哀しみが自暴自棄な絶叫となって込み上げてくる。
(・・・・ど、どうして・・・・どうしてよッ!?
我慢して、我慢して、我慢して・・・・やっとここまで来たのに!!
なのに、何もかもが、無駄に・・・・無意味になってしまうというのォォッ!?)
(42)
「クククッ、まったく、綺麗に仕上がったモンだねぇ。
このまま打ち砕くのがもったいないぐらいだよ」
まず生存の可能性は無いだろう、とは感じていたものの、念のため、しばらく様子を窺っていた怪鳥女は、
やがて、どうやら杞憂だったらしい、との結論に達したらしく、
もはや動く事叶わぬ虜囚の顔を分厚い氷のショーケース越しに覗き込みながら、満足そうに何度も頷いた。
・・・・彼女にとっては不幸な事に(すなわち、優子にとっては幸運な事に)、
血の一滴まで凍りついた(筈の)美しき獲物を前にしたその瞳は、
迸る性感との間での生死を賭けたデッドヒートが本格化する直前に少女への関心を失っていた。
代わりに頭の中を占めたのは、暗黒界の支配者の前に<戦士>の首級を献上する自分の姿と、
他の暗黒五邪神――――今では一人減って四邪神だが――――が示すであろう落胆の情景。
最後の最後で見せたその油断が、九分九厘まで手にしていた勝利を奪い去ろうなどとは露程にも思わず、
キーヴァは、人生最後の数分間を甘美な夢想に費やしていた。
(43)
「ガイーダには悪いけど、アイツが死んだ分、あの御方のあたしへの覚えもめでたくなるってもんだ。
フン、まぁ、墓の一つぐらい立ててやるとしようかねぇ」
いつも寡黙だった巨漢の僚将を思い出しながら、くつくつと笑う。
一見温和そうな態度の裏で、腹の底では何を考えているか知れたものではない風邪アイザードや、
陰険な策謀で相手を陥れる事に無上の喜びを覚える炎邪ベノン、
他者を見下した傲慢な態度を一向に改めようとしない雷邪ヴォルデスらとは違い、
生前のガイーダは、側に居て特に不愉快に感じるタイプではなかった。
無論、完全に心を許せるような間柄ではありえなかったが、
信頼関係とは言わないまでも、同盟関係と呼びうる程度の立場には在った筈だ・・・・。
――――世界が暗転したのは、まさにその瞬間である。
「な、何ッ!?」
突如として、大地が鳴動し、地面が真っ二つに断ち割られた。
目の前に立つ陰気な墓標が轟音と共に砕け散り、
とうに死んだ筈の敵影が氷の棺桶の中から飛び出してくる。
咄嗟に翼を広げて空中に逃れようとしたキーヴァだったが、
一瞬早く、足元にまで達した地割れが両方の脚を挟み込んで身動きを封じてしまった。
言葉にならない悲鳴を上げる彼女の胸に、鞘走った白銀の閃光が突き刺さり、
どんな冷気よりも冷たく凍えきった鋼鉄の切っ先が、肋骨の間を滑り抜けていく――――。
(44)
「がはッ・・・・ぐぎゃああああッッッ!!!!」
絹を引き裂くような叫び声が峰々の間に響き渡る。
信じられない、という面持ちで、胸元に食い込んだ白刃を見つめたキーヴァは、
次いで、その視線を、恐るべき武器の持ち主である少女へと向けた。
(な・・・・何故ッ!?・・・・貴様・・・・死んだ・・・・筈・・・・!?)
口元からゴボゴボと鮮血を溢れさせながら、驚愕に打ち震える怪鳥女。
ほんの数秒前まで、哀れな氷の彫像と化していた蒼髪の少女は、
今もまだ、青白く引き攣った、幽鬼のような表情ではあったものの、
間違いなく、彼女自身の足で大地を踏みしめ、自分の前に立ちはだかっていた。
右手に握り締めた<ヴァリスの剣>を、
前方――――つまり、自分の心臓に向って正確無比に突き立てながら。
(45)
「バ、バカな・・・・あたしの・・・・アイスフェザーに・・・・耐え抜いたとでも・・・・?」
ガクリ、と膝を折り、地面に崩れ落ちた暗黒界の女将軍。
断末魔の喘鳴を漏らしながらも、懸命に言葉を絞り出し、問いを口にする。
すでに顔面には死相が色濃く現れており、
一秒毎に生命の灯が細く翳っていく様子が手に取るよう伝わってくるようだった。
「・・・・賭け、だったわ・・・・。
わたしが完全に凍りつくのが先か、お前が油断するのが先か・・・・」
対する優子もまた、極度の疲労から、その場に、がっくり、と膝を落としていた。
薄青色の瞳は虚ろで、放心しきった表情には生気のカケラも感じられない。
ジュエリーによって与えられた力とその代償について何も触れなかったのは、
何も隠し立てをしようとした訳ではなく、詳しく説明する余裕など何処にも無かったからに過ぎなかった。
むしろ、両腕を突っ伏して、かろうじて上体を支えながら、荒々しく肩を上下させる姿は、
まるで、彼女の方こそが戦いに敗北した側であるかのようである。
(46)
「・・・・ふ・・・・ふふ・・・・雛鳥と侮っていたが・・・・とんだ誤算だったわけだ・・・・」
悔恨と自嘲の入り混じった低い笑い声に、
どう答えを返して良いか分からず、沈黙を保ち続ける優子。
その反応をどう受け取ったのか、死に瀕した怪鳥女は、
残された力を総動員し、最大限の侮蔑と呪詛を込めながら、最期の言葉を絞り出した。
「・・・・この期に及んでも・・・・まだ、自分は<戦士>ではない、と言う気かい・・・・?
クックックッ・・・・甘いねぇ・・・・どっちにせよ・・・・お前はもう・・・・後戻りなんか出来ないんだよ。
あの御方に・・・・弓を引いた者の末路・・・・いずれ・・・・たっぷりと思い知らされる・・・・は・・・・ず・・・・」
末尾の辺りに至っては、ひどく擦れて聞き取りにくいものだったが、
おそらくは暗黒五邪神の一将としての最後の矜持を示そうとしたのだろう、
彼女は、息を引き取る間際まで、昂然と顔をもたげたままだった。
「・・・・・・・・」
力尽きた直後、(ガイーダの時と同じように)不浄な瘴気に満ちた炎を発したキーヴァの身体は、
ゴウゴウと燃え盛る業火の中で、邪悪な存在の全てを焼き滅ぼされていく。
その様子を茫然と見つめながら、彼女の言い遺した言葉を反芻する蒼髪の少女
・・・・暗澹とした感情に支配された瞳には、勝利の喜びなど微塵もなかった。
(47)
(・・・・もう、後戻りは出来ない、か・・・・)
――――その通りかもしれない、と、認めざるを得ない自分が、ひどく口惜しく、情けない。
自分は夢幻界の<戦士>などではない、と言い張りながら、
結局のところは、またしても、ヴァリアの思惑通りに動いてしまっただけ。
・・・・そう思うと、とても喜べる気分にはなれず、
むしろ、言い知れない後味の悪さが、胸の奥から湧き上がってくる。
「・・・・ファンタズム・ジュエリー」
以前と同じく、怪物の肉体が燃え尽きた後、忽然と姿を現わす光の聖玉。
しばらくの間、逡巡していた優子は、やがて、小さくため息をつくと、
眩い純白の輝きに包まれた小さな石片へとゆっくりと腕を伸ばし、手の平を差し出した。
流れ込んでくる新たなパワーが疲れきった心身を半ば無理矢理に再活性化させていく一方で、
灼け付くような業熱が体の内側に広がっていくのを感じながら、虚ろな眼差しを天空に彷徨わせる。
(・・・・いったい、いつまで続くんだろう・・・・こんな戦いが・・・・)
――――――――to be continued.
以上、第三章をお送りいたしました。
お楽しみ頂ければ幸いに存じます〜。
なお、今回も連投規制に引っ掛かる事無く、
無事、作品の投下を終える事が出来ました。
ご支援頂いた方、厚く御礼申し上げます。
犬の尻攻め、GOODでした!
しかしやっぱりイヤボーンでワロタ
GJ!
いつもありがとうございます!
今号のヴァルキリー(ラg☆゚∀。)ノ
今回はいきなり我等がログレス陛下のご登場。
立ち読みにも有るように優子タンをギリギリと締め付けますねぇ〜。
涙を浮かべ涎を垂らし苦悶の表情いいですねぇ〜(ラg☆゚∀。)ノ
っと思ったら。あ〜(´・ω・`)ヴァリアのカット救出。要らないですねぇ〜
そして!!ゲームと違いいきなり麗子タン登場!!
うわぁ、小生。昔、ゲーム中、優子タンと麗子タン比べると断然優子タンでしたが
ZOL氏が描く麗子タン結構好きかもです。(´─`)
しかし麗子タン…どSですねぇ…
全部は書きませんが、優子タンをいたぶる×2みぞおちへのパンチ優子タンの吐きそうな顔は
リュナ好きな小生でも少し引きます。゚+.(・∀・)゚+.゚
スゲェ量
GJ
GOODJOB!! 氷の中で悶えるシーンが良かった。
今後としては尻攻めだけでは勿体ないので麗子とのプレイで処女も喪失させて
後はヴァルキリーの展開に合わせて魔物やボスキャラによる両穴攻めによる
中だし吹き出しなんかどう?
ARCH DUKE様、いつもありがとうございます
しかし、ここに来るにつれてつくづく思うのは
文章の前にはゲームもアニメも非力に感じる事ですね…(ヴァリスはゲームからですが)
まぁ期間も尺も限られて作るわけですから、仕方ないと言えばそうなのか
アニメも特撮も普通の映画も観ますが、CG化が進んでも尚物足りなさが増すばかり
むしろ同人の文章なり漫画なりで、永く愛でられる作品であって欲しいですね
あ、ZOL氏にももちろん期待してますよ!!
ところで麗子に奪われる優子、いいですねぇwそれもありとあらゆるパターンで
171 :
sage valis:2007/01/29(月) 02:15:11 ID:yyWc4xKR
まずっ!!sage書くとこ間違えた。orz
>ALL
応援&感想有難うございます〜。
「コミック・ヴァルキリー」4号、本日入手しました。
さすがはZOL先生、ログレス陛下と麗子の連続攻撃は素晴らしい迫力です。
対する優子タンも、未だ<戦士>の運命を受け容れる事に迷いを残している描写が秀逸でした。
少し残念だったのは、アイザードが登場していない事でしょうか?
優子と麗子が戦っている場所のモチーフは、PCE版の3面だと思いますので、
おそらく、次回には登場すると思いますが。
個人的には、表面上はログレスに忠誠を誓うフリをしながら、
裏では優子に手を貸して、他の暗黒五邪神(ベノンとヴォルデス)を葬り去り、
更にはログレス自身をも倒して暗黒界の覇権を握ろうとしている策略家・・・・、
みたいなアレンジをして下さると面白いな〜、と思うんですが
(さらに麗子が一枚噛んで、ログレス相手にドロドロの権力闘争をおっ始める、とか)。
いずれにせよ、原作(PCE版)よりも早い、この時期に登場した麗子が、どういった動きを示すのか?
(そして、優子がどう絡んでいくのか)今後の展開が非常に楽しみになってきました。
わたしも読みました。<第4回
麗子、ひでぇー。
無抵抗の優子をムチャクチャに暴行して「あははは、おもしろ〜い」って。
麗子戦が繰り上げになったんですかね、アイザード以降の五邪神は割愛して。
暴行の最中にパンツも剥いでやれば面白かったかも
>>175 本編でそれをやられたらこのスレの存在意義が無くなるよw
なんか作者が得ろ同人でやりそうな気がしなくも無い
心の声(むしろ歓迎だだだ!!!)
がおーっ
がるるるる
執筆状況〜。
3VエロパロSS第4章は、現在進捗率20パーセント。
本編で言えば、概ね6〜7ページのあたりを執筆中です。
・・・・無論、本編とは異なり、ログレス陛下の幻覚攻撃は、
優子に、苦痛と死の恐怖を与えるものではなく、
甘く、抵抗し難い性の悦楽をもたらすものとなっています。
(あくまで幻覚としてですが、処女喪失シーンも描く予定です
・・・・本当の『貫通式』は次回に回しますが)。
完成・発表時期は、来月の中旬から下旬を予定しています。
もうしばらくお待ち下さいませ〜。
ARCHさんに期待しつつ保守
幻覚の中で優子が凌遅刑にされるSS読みたい。
本編とは別のストーリーとして幻覚の中では今まで倒してきたモンスターや
魔物によって復讐の的にされ全身を嬲られ辱められ汚されるストーリーなんかどお?
執筆状況〜。
3VエロパロSS第4章は、現在進捗率50パーセント。
本編で言えば、概ね12ページ目まで書き上げました。
ログレス陛下の幻覚攻撃(幻影男根による処女喪失)ですが、
書いているうちに、さすがに初めての挿入で快感に悶え狂うというのもどうかな〜、
という気持ちが強くなってきたため、当初の予定を変更して、
性的快楽ではなく、苦痛と恐怖を前面に打ち出した描写にいたしました。
完成・発表までしばらくお待ち下さいませ〜。
>>183 いいですね、それ。
今度、短編を書く機会があれば、挑戦してみようと思います。
ご意見有難うございました〜。
hoshu
187 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 20:43:35 ID:4B4PB/M7
優子の内臓食べたい
188 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 05:20:21 ID:LPqCawVN
幻影なら苦痛ないかも。 でも悶える優子ちゃんは素敵なの。
優子タンが機械に繋がれ醒めない幻覚な喘ぎ苦しむとこを見てみたいですね
執筆状況〜。
3VエロパロSS第4章は、現在進捗率90パーセント。
第一稿を書き上げ、現在、推敲作業に取り掛かっています。
完成・発表まであと2週間といったところですので、
もうしばらくお待ち下さいませ〜。
>>189 リクエスト有難うございます。
機械に繋がれて幻覚、というと、「幻夢戦記レダ」みたいな感じでしょうか?
良いシチュエーションですね・・・・あれこれと妄想が膨らみます。
あ、わたくしはレダは拝見した事がないので何とも…Σ(´Д`*)
イメジーは目隠しをされ、口や秘裂に無機質なパイプを射し込まれ
だらだらと液をたらしながら脳波に幻覚を見させる電流を流され時折ビクビクとジャーギンクするのを妄想してますOo。( ̄¬ ̄*)
保守
白い日
shichi27690
執筆状況〜。
3VエロパロSS第4章は、現在進捗率95パーセント。
現在、推敲作業にもどうやら目途がつき、ラストスパートに掛かっています。
完成・発表の日時ですが、今度の週末は、所用の為、時間が取れませんので、
来週の19日(火)の夜22:00以降を予定しています。
あともう少しだけ、お待ち下さいませ〜。
「3V」エロパロSS第4章、本日完成いたしました〜。
予定通り、明晩22:00から発表しますので、
お手空きの方は、ご支援宜しくお願い申し上げます。
それでは明日をお楽しみに〜。
>>196 待ってたよー!!
しかし19日って書いてあるんだ・・・今日公開しても罰は当たらない・・・
皆様、大変お待たせいたしました〜。
只今より、「3V」エロパロSS第4章の発表を開始します。
今回も、ご支援方、宜しくお願い申し上げます。
>>197 お待たせして大変申し訳ございません。
ご指摘を受けるまで気が付きませんでした(苦笑)。
(1)
何処とも知れぬ場所。漆黒の闇の中。
(――――ここは、一体・・・・?)
一寸先も見通せない暗闇に立ち竦む蒼髪の少女・・・・優子。
死闘の末に、水邪キーヴァから取り戻した<ファンタズム・ジュエリー>に手を伸ばした途端、
途轍もなく強大な力によって全身を絡め取られたかと思うと、
次の瞬間には、この不吉な空間に投げ出されていたのだった。
周囲に充満する濃密な闇の気配に、得体の知れない不安が胸の奥で急速に膨れ上がり、
露出度の高い黄金の甲冑からのぞく、しなやかな肢体の上を微かな震えとなって這い回っている。
「・・・・だ、誰ッ!?」
不意に、背後に気配を感じ、上擦りかけた誰何の声を上げる少女。
振り返った先には、巨大な――――圧倒的なまでに巨大な黒い影。
(2)
「・・・・お前が、今度の<戦士>か。
なかなかの腕前だ。まずは誉めてやろう・・・・」
ジュエリーを手にしたあの時と同じ、押し潰されるような圧迫感が、華奢な体を包み込んだ。
これまでに一度も経験の無い、強大で威圧的な存在感の前に、
少女の意志は凍りつき、身動きはおろか視線を外す事すら困難になる。
中世の宗教画に描かれた地獄の門を連想させる、禍々しい巨体。
遥か頭上から流れ落ちる長大なマントは、
死と腐敗とによって染め上げられ、恐るべき力を宿した肉体を覆い隠している。
相貌は、美しく精緻な作りでありながら、温かみなど全く感じられない、黄金細工の仮面に包まれ、
表情は一切窺えず、喜怒哀楽を推し量る術は皆無だった。
その姿は、正邪の別を問わぬならば、
ある意味、あのヴァリアと名乗った夢幻界の女神と極めて似通った要素を孕んでいたのだが、
無論、優子が受けた印象は完全に正反対のものだった。
果てしなく邪悪で、欲望に煮え滾った、持てるもの全てを破壊のためにしか用いようとはしない、
恐怖による支配と残虐非道な殺戮とを、呼吸するかの如く平然とやってのける事の出来る魔性の王・・・・。
(3)
「お、お前は・・・・誰?」
体中の勇気を総動員して、ようやく問いを口にする優子。
だが、魔王にとっては、どのような内容であれ、自分の前で言葉を発した事自体が意外だったらしく、
仮面の奥の双眸を僅かに細め、青白い炎を燃え立たせた。
・・・・だが、(所詮は)それも僅かな時間の出来事に過ぎない。
「フフフ、どうした、声が震えておるぞ。
貴様も<戦士>の端くれならば、ログレスという名ぐらいは聞いた事があろう・・・・」
(――――ログレス!!こいつがッ!!)
驚愕が、氷点下の冷気となって、鳩尾を滑り落ちる。
無意識のうちに、手にした<ヴァリスの剣>を、ギュッ、と握り締めたものの、
その加護の力を以ってしても、暗黒王の威圧感に抗し切るのは不可能だった。
心に浸み渡る原初的な怯えが、激しい息切れと動悸となって少女を責め苛み、
あたかも、塩の柱と化してしまったかのように、手足の筋肉を萎縮させてしまう。
(4)
「フン、無力な小娘が必死で戦う様を眺めるのも一興、楽しませてもらったぞ」
発した言葉とは裏腹に、
恐怖に負け、竦み上がった少女の姿に失望を覚えたらしく、
彼の口調には明らかに退屈そうな響きが舞い戻っていた。
(くううッ!!)
唇を噛み締める、<ヴァリスの戦士>。
だが、彼我の間に横たわる力の落差は、依然として、五体を金縛り状態に留めている。
無視された口惜しさも侮蔑への憤りも全身を絡め取る冷たい鎖を断ち切る事は出来ず、
僅か一、二度、弱々しい痙攣となって、蒼ざめた頬筋の上を走り抜けただけに過ぎなかった。
その事実を確認したヴェカンティの支配者は、暗く無機質な光沢を放つ仮面の裏で小さく笑みを浮かべ、
・・・・それから、怒声を張り上げる。
「だが、それも・・・・ここまでだッ!!!!」
(5)
「余の」
凝縮された怒りと憎しみが怨念の波動と化し、
奈落の底から響く地鳴りの如く、幾重にも木霊し合いながら周囲を圧していく。
「邪魔をする者は」
少女を取り囲む闇が、一層、禍々しい気配を増して、
ねっとりと絡み付かんばかりに濃密化する。
「何人たりとも」
極限まで存在感を増した漆黒の闇の中に、
人とも獣ともつかない、異形の者共の顔が出現し、
生ある者全てに対する、果てしない怨嗟の呻き声が湧き起こる。
「生かしては」
悪意に満たされた世界の中で、不浄な炎を噴き上げる、目、目、目・・・・。
暗い欲望を漲らせた無数の視線が追い求めるのは、
虚無の世界でただ一人、血肉をそなえ、生命の光を宿す、無力な小娘――――。
「・・・・おけぬ!!!!!!」
(6)
「ひぃッ!!な、何なの、これッ!?」
瘴気の中から這い出てくる亡者達の群れが、
優子に向かって一斉に腕を伸ばし、掴み掛かり、引き千切ろうとする。
<ヴァリスの剣>を振り回し、必死の抵抗を試みる<戦士>だったが、
斬っても斬っても、幽鬼たちは次々と闇の胎内から産み落とされ、
激しい憎悪を煮え滾らせながら、執拗な肉薄攻撃を仕掛けてきた。
「きゃああああッッッ!!!!」
しなやかなカラダを覆い尽くす、腕、腕、腕・・・・。
ぞっとするような冷気を纏わりつかせた異形の指先は、
想像を絶するおぞましい感触によって、彼女の戦意を打ち砕き、理性を狂わせる。
絹を引き裂くような悲鳴を発した蒼髪の少女は、
蜘蛛の巣に羽根を絡め取られた蝶の如く、拘束された四肢を痙攣させながら泣き叫んだ。
容赦なく捩じ上げられた右手から<剣>が零れ落ち、
足元の闇へと吸い込まれて視界から消え去ってしまうと、パニックは更に拡大していく。
(7)
「あ、ああ・・・・や、やめて・・・・やめてェッ!!
わたしは・・・・<戦士>なんかじゃないのッ・・・・あああ、お願い、信じてッ!!
ただ・・・・ただ、訳も分からず、連れて来られて、戦え、って命令されただけなのよォッ!!」
弱々しくかぶりを振り、両目から大粒の涙を溢れさせながら、哀願の言葉を並べ立てる優子。
不浄な爪や牙が食い込んでいるところから、全身の生気がジワジワと搾り取られていき、
何百本もの腕に押さえ込まれ、締め付けられた手足の関節は、
ミシッ、ミシッ、という不気味な軋み声を漏らし始めている。
「フン、自分は無関係だと言いたいのか、愚かな人間よ。
・・・・しかし、そうはいかぬ、何故ならば・・・・」
ベキッ、バキッ、と、ひしゃげた音を立てて、少女の肩先から黄金の防具が引き剥がされる。
愕然とする囚人の目の前で、肘当てが、ブーツが、そして、乳房を覆う胸甲までもが後に続いた。
どんな攻撃にも耐え得る筈の<鎧>が、造作も無く破壊されていく光景に、
彼女は打ちのめされ、わずかに残った反抗心の残滓さえ萎え縮んでいく。
もはや、泣き喚く気力さえ喪失した蒼髪の少女は、
半ば茫然とした表情を浮べたまま、ヴェカンティの支配者の宣告に耳を傾けるしかなかった。
(8)
「何故ならば、余は、今在る全てを滅し、全てを忘却の彼方へと葬り去る者だからだ。
そう、三界に生きとし生ける者全ての運命は、余の手の中にあるも同然・・・・」
絶望に打ちひしがれる哀れな虜囚を冷たく見下ろしながら、
低いが良く通る声で、神をも恐れぬ高言を傲然と言い放つ魔王ログレス。
恐怖に青褪めた優子の表情が、更に醜く惨めなものへと歪んでいく。
「全てが余の意のままとなった今、調和など無用のもの・・・・もはや、夢幻界も現実界も要らぬわッ!!」
間もなく、暗黒界の覇権は揺るぎなきものとなろう。
小娘よ、お前の如きちっぽけなものに、一体何が出来ると言うのだッ!?」
ビリビリビリィィ!と、鋭い悲鳴を発して、丈の短いスカートが引き裂かれた。
本能的に両膝を閉じ合わせようとした少女だったが。
勿論、力の抜け落ちた下半身には全く無理な話で、抵抗らしい抵抗など最初から不可能である。
太腿に絡みついた幽鬼の腕は、万力のように内股を割り拡げ、
彼女の体内で最も恥かしい場所を強引に暴き出してしまった。
(9)
「お前の存在など、余にとっては目の前のチリに等しきもの。
せいぜい己の無力さを噛み締めるが良い・・・・死にも勝る恥辱の中でなッ!!」
侮蔑と嘲笑に満ちた魔王の言葉が終わるや否や、
主の許しに歓喜した亡者の群れは、怯えすくむ少女に殺到した。
引き攣った肌の上に指を這わせ、舌をくねらせ、噛み付き、吸いしゃぶり・・・・、
ありとあらゆる手練手管を駆使して、おぞましい饗宴を繰り広げる。
(ひぐぐぅッ!!い、嫌ァ・・・・放してッ!!
うああ・・・・ダ、ダメぇ・・・・触らないでぇッ!!)
火が付いたように泣きじゃくる優子だが、
その悲鳴は無数の黒い手によって遮られ、外界に漏れ出すのはくぐもった呻き声のみ。
もっとも、万に一つ、彼女の哀訴が伝わったとしても、
生者への怨念に凝り固まった悪しき者達はせせら笑うだけだろう。
彼らの望みはただ一つ、この無力な獲物を嬲り回し、弄び、身も心も破壊し尽くして、
最後には、自分達と同じく、闇の中を永劫に彷徨い歩く不浄の存在へと堕とす事なのだから。
(10)
(ヒィィッ!!や、やめてッ!!そこは・・・・あぁあああッ!!)
少女の体を取り囲んだ異形たちは、
しなやかさと充実感とが絶妙なバランスを維持している二本の太腿を強引に割り開くと、
今やズタズタに引き裂かれて、襤褸同然の有様となっているスカートを捲り上げた。
内側にある禁断の聖地を守っているのは、厚さ1ミリにも満たないショーツのみ。
極薄の布地越しに感じる邪悪な感触に恐慌は頂点に達し、
巨大な絶望と化した無力感が、断末魔の苦悶にのたうつ自我を押し潰そうとする。
(い、嫌ぁああぁあああッ!!!!)
恥かしい場所が淫虐に弄ばれる様子を、哀れな獲物自身が目にする事が出来るよう、
上半身が、ぐぐぐッ、と持ち上げられ、下半身を見下ろすのに一番都合が良い位置で固定された。
――――直後、四方八方から殺到した数え切れない腕によって、
乙女の純潔を隠す最後の布きれは毟り取られ、千切れ飛んでしまう。
塞がれた口の中で吹き荒れる、言葉にならない絶叫。
蒼髪の少女は狂ったように手足をばたつかせ、邪まな縛めを振り解こうともがき続ける。
だが、所詮は多勢に無勢、死に物狂いの抵抗はなけなしの体力を消耗させただけで、
後には、強烈な疲労感以外、何も残りはしなかった。
(11)
(や、やめて・・・・お願い、やめてぇ・・・・!!)
大きくV字型に開脚させられた屈辱的な姿勢で、優子の下半身は一切の身動きを封じられ、
容赦なく暴き立てられた秘密の谷間は羞恥に震え慄いていた。
まだ繁茂している面積も狭く、密度もさほどではない草叢の下からは、
剥き出しにされた青い果実が恥かしげに顔を覗かせている。
(はァ・・・・はァ・・・・んはぁ・・・・ふはぁあぁッ・・・・)
一方で、恥溝の上端部に、ぷっくりと頭を突き出している突起物は、
未知の感覚に対する密やかな期待を反映してだろうか、
表面を覆う包皮の中で、ピクン、ピクン、と、敏感に脈動を続けていた。
今の所、その様子は、肉莢の陰に隠れて、陵辱者達には気取られずにいるものの、
本格的な責めが始まれば、苦も無く露見してしまうに違いない。
(12)
――――ゾロリ。
怪物の群れから、ひときわ巨大で、禍々しい瘴気を纏わり付かせた一体が立ち上がる。
ノソノソと身体を寄せてくる姿を一目見るなり、
優子は嫌悪感に表情を歪め、今にも泣き出しそうになった。
かろうじて人の形はしているものの、彼の全身はどす黒く爛れて饐えた異臭を放ち、
特に顔面は、目も口も鼻も殆ど見分けが付かない程に朽ち果てている。
(ひぃぃッ・・・・う、うそ・・・・こ、こんなのッ!?
あああッ・・・・こ、来ないで・・・・ダメ・・・・来ちゃだめぇッ!!)
腐り果てた体の中で、唯一、まともな形状を留めているのは、
両脚の付け根から生えている筒状の肉の塊だけ。
しかも、それは、少女の記憶に存在する、ある物体に酷似していた――――否、生き写しだった。
(・・・・し、信じられない・・・・あれって・・・・お、男の人の・・・・ああッ、いやぁああッ!!!!)
・・・・小学校に上がる以前の記憶にある、父と一緒にお風呂に入った際に見た、毛むくじゃらの物体。
・・・・好奇心旺盛なクラスメイトたちのヒソヒソ話に何度と無く登場した、男子の『アレ』。
・・・・学校の保健の教科書にグロテスクな図解付きで載っていた、異性の生殖器官。
長さは自分の二の腕ほどもあり、内径は手首よりも一回り近く太い、というサイズの違いを除けば、
目の前の逞しい槍先は、それらと全く外観を有していた。
他の部分が、どれをとっても、次の瞬間にもボロボロと崩落しかねない状態なだけに、
余計に異様さは際立ち、ゾッとするようなおぞましさを感じさせる。
これまでに一度も味わった事の無い精神的苦痛は、
彼女の心を底無しの絶望へと突き落とすのに充分なものだった・・・・。
(13)
(いや・・・・いやよぉ!!こ、こっちに・・・・来ないでぇッ!!)
張り裂けんばかりに見開かれた双眸に映る、肉の刃先。
パニックに陥り、真っ白になっていく優子の頭の中を、
級友達の間で語り交わされていたおどろおどろしい言葉が、走馬灯のように駆け巡る。
(・・・・男の人のアソコってね・・・・)
(・・・・そうなの、アレを入れられた瞬間って、凄く痛いんだって・・・・)
(・・・・ショックで気絶したり、出血が止まらなくて病院に運ばれたりする人もいるみたいよ・・・・)
(・・・・運が悪いと死んじゃう、って話も聞いたわ・・・・)
「うぅ・・・・ああ・・・・うああ・・・・ああああッ!!!!」
薄毛に覆われた恥丘の上に、黒々とした怒張が押し当てられると、
蒼髪の少女は半狂乱になり、悪魔の槍先から逃れようと手足を必死にばたつかせた。
だが、亡者達の縛めは冷酷なまでに執拗で、揺らぐ気配など微塵も無い。
最後の足掻きも徒労に終わり、敗北感が疲れきった全身を支配した、次の瞬間、
眼前の怪物は、股間のイチモツをゆっくりとスライドさせ、
色素の沈着など一片も無い、真ッ新なピンク色をした秘唇の正面へと占位させた。
(14)
――――じゅぶり。
鈍い音を立てて、陰唇の城門が突き破られ、真っ黒な破城鎚が膣襞の内側へと雪崩れ込む。
最初に感じたのは、ゴツゴツとしたコンクリートの塊のような、粗く硬い肌触り。
だが、それは、すぐに、赤熱した焼け火箸を無理矢理体の奥へと突っ込まれたような、
凄まじい熱量を伴った苦痛へと変じて、陵辱される下半身を駆け巡った。
「あぐ・・・・あぎぃッ!!ぐぐぅ・・・・ううう・・・・ぐぎひぃぃッッッ!!」
あまりの激痛に正気を失った少女は、手負いの野獣の如く、唸り声を上げながら、
口元を覆った黒い手の平に歯を立て、力任せに噛み締める。
腐肉の弾ける、ぶじゅじゅうッ、という不快極まりない感触と共に、
ぞっとする臭気を漂わせる濁った血液が口の中に溢れ返り、
喉から肺へと流れ込んで、ごぼッ、ごぼぼッ、と、気味の悪い音色を響き渡らせた。
その間にも、邪悪な侵入者は、狭く窮屈な膣穴を強引にこじ開け、
聖なる空間を汚らわしい怒張によって埋めながら、少しずつ少しずつ奥へと進んでいた。
未だ異性を受け入れた経験の無い乙女の潜戸は、どこまでも固くぎこちなく、
しかも、殆ど前戯らしい前戯もなしに男根の挿入を受けたため、左右の膣襞は乾き切っていたのだが、
異形の怪物は、委細構わず、恐るべき凶器を押し込むのを止めようとはしない。
およそ、相手への愛情や思いやりに類するものなど微塵も無く、
ただただ、前方に広がっている牝孔を、貫き、抉り、掻き回したい、という、利己的な願望のみを糧として。
(15)
(いッ、ひぎッ・・・・嫌ぁッ!!さ、裂ける・・・・千切れちゃうッ!!)
想像を絶する恐怖に、全身を激しく痙攣させる優子。
下半身を串刺しにされる激痛が増大していくにつれ、
理性はズタズタに切り刻まれ、意識はドロドロに混濁していく。
周囲の亡者達が、一様に名状し難い陶酔感に酔い痴れ、グロテスクな歓喜に身を震わせる中、
肉槍の先端は、膣道と子宮との境目にある純潔の象徴へと到達した。
「あ・・・・あ・・・・ぐぅ・・・・ううう!!」
今にも張り裂けんばかりに見開かれた双眸。
周りでは毛細血管が次々と破断して、視界全体がピンク色のヴェールに覆われていく。
おぞましい圧力が、薄い肉膜のみならず、子宮口全体にかかると、
滲み出した大粒の脂汗が不気味な斑点となって顔中を覆い尽くしていった。
子宮が、いや、内臓の全てが押し上げられる不快さが強烈なえずきとなって喉奥を暴れ回り、
やがて、青白い胃液の混じった気泡が唇の端からブクブクと漏れ始める。
(16)
――――ぶちィィんッッッ!!!!
実際にその音が発生したかどうかは定かではなかったが、
処女膜が千切れ飛んだ瞬間の悲痛な音色は、打ちひしがれた心に甲高く響き渡り、
目の前が真っ暗になるような絶望をもたらした。
鋭利な刃物でハラワタを抉られ、グリグリと掻き回される痛みが急速に遠のき、
代わって、カラダの真ん中にぽっかりと空洞が空いたような寒々しい感覚が広がっていく。
(あ・・・・あぁ・・・・も、もうダメ・・・・わたし・・・・もう・・・・)
生温かい液体が、膣口に突っ込まれたままの陰茎を伝って流れ落ち、
ポタポタポタッ、と、真っ黒な大地に吸い込まれていった。
肉棒を握り潰さんばかりにきつく噛み締めていた括約筋から、すうッ、と力が抜けて、
聖なる門を突き破った事に気を良くして、さらに怒張を増した侵略者が、
くびれの向こうに広がる大広間へと突き進んでいくのをみすみす看過してしまう。
(・・・・わ、わたし・・・・穢されて・・・・わたし・・・・わたし・・・・!!!!)
意識が朦朧となり、思考も感情も五感も何もかもが曖昧になっていった。
もはや、完全に虚脱し、身心共にボロボロに傷付いた少女には、
消耗し切った己の魂が永劫の闇の底へと吸い込まれていくのを止める術は残されていない。
――――ヴァリアの<声>が聞こえてきたのは、まさに間一髪のタイミングだった。
(17)
『幻覚に惑わされてはなりません、優子ッ!!』
力強い、何より、優しさと思いやりに溢れた、懐かしい響き。
ハッ、として意識を取り戻した少女の身体から、絡み付いていた腕が消え失せていく。
「グゥオオォォォッ!!」
つい今しがたまで、目の前の肉体を好き放題に蹂躙し続けていた筈の漆黒の化け物が、
挽き潰された呻き声と共に、カーボン粉末のような細かい塵に変じて崩れ落ちる。
前後して、自我を抑え付けていた呪縛がぷっつりと途絶え、
自由になった体が、フワリ、と宙に浮くのを感じた蒼髪の少女は、
そのまま、逆送するジェットコースターに乗せられたかの如く、天頂に向かって引っ張られていった。
(18)
『気を確かになさい、優子』
みるみるうちに遠ざかっていく暗黒の世界、
その中心で、忌々しげな視線を上空に放ち上げているログレスを呆然と眺めていた少女に、
どこまでも温かく、慈愛に満ちた女神の思念が語りかける。
『あなたが、ファンタズム・ジュエリーを二つ取り戻してくれたおかげで、
わずかではありますが力を回復させる事が出来ました。
ありがとう、優子・・・・今はこの程度の助力が精一杯ですが、いずれはもっと・・・・』
あれほど巨大に見えた魔王がどんどん小さくなっていくにつれ、
<暗>の気配が薄れ、やがて、全く感じられなくなった。
何かに気付いた少女が視線を巡らせると、
粉々に打ち砕かれた筈の黄金の甲冑も、ビリビリに引き裂かれた筈の純白のスカートも、
まるで何事も無かったかの如く、元の姿を取り戻している。
――――そればかりか、彼女の五体からは、あの激烈な痛みや堪え難いほどの喪失感は元より、
あの惨めな破瓜の在った事を示す一切の痕跡は跡形も無く消え失せて、
清らかな肌と健康的な乙女の肢体が舞い戻っていた。
(19)
(幻だったというの?ログレスも・・・・あの空間も?)
『ええ、そうです。ですから、何も心配は要りません。
あなたが心をしっかりと保ち、挫けずに戦い抜こうとする限り、
<ヴァリスの剣>は無限の力を与えてくれるのですから・・・・』
ヴァリアの言葉に、思わず、安堵の涙が頬筋を伝った。
一瞬だけ、自分がこんな思いをしなければならないのは、元は全てこの女のせいではないか、
という不満が脳裏をよぎったものの、以前、夢幻界で対面した時ほどの反感は湧いてこない。
彼女のその態度に内心ほっとしたのだろう、女神もまた、安心したように一つ頷くと、
少女を次なる試練の場へと続く次元の狭間に誘う直前に、もう一言だけ、付け加えた。
『・・・・今は、慣れてくれ、としか言えません。
戦いとは無縁の生活をしてきたあなたに背負わせるにはあまりにも酷な運命ですが、
あなたを信じて待つものがいるのを忘れないで下さい・・・・』
(20)
――――死と腐敗の気配に満ちた、闇の中。
死人の肌のように青白い炎が、豪華な墓石のような玉座を陰鬱に照らしている。
『・・・・ふん、邪魔が入ったか。ヴァリアめ・・・・』
まるで、何かに掴み掛かろうとしていたかの如く、
空中に伸ばしていた右手を静かに下ろし、ジロリ、と視線を落とす玉座の主、
ヴェカンティの支配者、<暗>の力を体現する者――――暗黒王ログレス。
『・・・・まあ、良い。<戦士>の始末には、あの者を遣わせば済む。
もっとも、それでカタが付かなかった場合には・・・・』
仮面の奥で暗い眼差しを湛えていた瞳が、すっ、と細められ、
鋭い鉤爪の生えた指先が、ぎりりッ、と不気味な音を立てて、拳を握り締める。
――――漆黒の闇の中、くぐもった笑い声が低く流れていった・・・・。
(21)
(慣れる・・・・?)
煌く純白の光が、瀑布へと向かう急流のように、
ゴウゴウと逆巻きながら、下界へと流れ落ちていく。
(わたしが・・・・殺し合いに?)
ヴァリアの言葉を反芻しながら、奔流に身を任せ、遥かなる水底へと下っていく優子。
しなやかに伸びる肢体に纏う<ヴァリスの鎧>が光り輝く粒子を乱反射して、
肌の上は、あたかも何億個ものダイヤモンドをぶちまけたかの如く、眩い輝きに覆い尽くされている。
(・・・・そんなわたしなんて・・・・想像できない・・・・そんな・・・・わたしなんて・・・・)
ゴオォォォッ、という激しい耳鳴りのような異音が近付いてくる。
天空を吹き荒ぶ突風のうねり?それとも、大地に降り注ぐ驟雨の轟きなのだろうか?
希薄化した意識の中では、感覚も思考も全くと言って良いほど働かず、音の正体は皆目見当も付かない。
――――ただ一つ、確信が持てたのは、
此処もまた、ファンタズム・ジュエリーの導く、戦場・・・・殺し合いの場であるという事実だった。
(22)
――――サァアアアッ。
風がそよいでいる。
樹木の匂い、水のせせらぎ・・・・どうしてだろうか、とても懐かしい気がしてならないのは?
「いつまで寝てるつもり?さっさと起きなさいよっ」
誰だろう?
たしかに、何処かで聞き覚えのある声なのに・・・・思い出せない。
ポチャン!!
何かが水面に投げ入れられ、撥ね上げられた水飛沫が顔面にかかる。
その冷たさが、まどろんでいた優子を、薄明の世界から(ようやく)連れ戻した。
川べりの岩場の上に倒れ伏していた身体を持ち上げ、
キョロキョロと周囲を見回す蒼髪の少女・・・・声の主と視線が合ったのはその直後だった。
(――――えッ、ま、まさかッ!!!!)
(23)
「ようやく、お目覚め?
・・・・いい加減、待ちくたびれたわ」
漆黒の鎧に身を包んだ少女が、渓流の対岸で冷やかな笑みを浮かべていた。
自分と同じくらいの背丈、体つきは幾分細身な感がある。
色白の肌と鮮やかなコントラストを為す、赤みを帯びたブラウンのショートヘア。
そして、鋭く挑発的な眼光を湛えた、ラベンダー色の双眸。
「麗子・・・・本当に、麗子なの?」
「眠ってる間に殺っちゃったら、さすがに寝覚めが悪いものね。
・・・・第一、面白くも何ともないし」
驚愕に打ち震えながら問いかけた優子に対し、
川向いに陣取った<戦士>は直接答えを返そうとはせず、
代わりに、左右の手の平を胸の前にかざして何事かを念じた。
現れたのは――――。
(23)
「ようやく、お目覚め?
・・・・いい加減、待ちくたびれたわ」
漆黒の鎧に身を包んだ少女が、渓流の対岸で冷やかな笑みを浮かべていた。
自分と同じくらいの背丈、体つきは幾分細身な感がある。
色白の肌と鮮やかなコントラストを為す、赤みを帯びたブラウンのショートヘア。
そして、鋭く挑発的な眼光を湛えた、ラベンダー色の双眸。
「麗子・・・・本当に、麗子なの?」
「眠ってる間に殺っちゃったら、さすがに寝覚めが悪いものね。
・・・・第一、面白くも何ともないし」
驚愕に打ち震えながら問いかけた優子に対し、
川向いに陣取った<戦士>は直接答えを返そうとはせず、
代わりに、左右の手の平を胸の前にかざして何事かを念じた。
現れたのは――――。
(<ヴァリスの剣>!?いや、違う、これは・・・・)
細身の外見と精緻な細工を施された黄金の柄は自分の愛剣のそれと同じものだったが、
刀身には、聖なる白銀の輝きではなく、
黒水晶の塊を磨き上げて作られたかのような、漆黒の光沢を湛えられている。
赤毛の少女が、軽く一振りしてみせると、
切っ先から迸った、美しい、だが、この上なく禍々しい気配に満ちた霊光が空気を鳴動させ、
次いで、二人を隔てた水面に、大岩を投げ込んだかのような水柱を高々と立ち昇らせた。
(24)
「その姿・・・・ヴァリアが言ってた暗黒界の<戦士>って、まさか・・・・?」
青褪めた唇から零れる、戦慄の呟き。
自分のものと同じく、防具と言うのが憚られる程きわどい形状の胸甲に、丈の短いプリーツ・スカート、
肩当てと肘当て、ブーツ、首に巻いたスカーフに至るまで、
漆黒の甲冑は、まるで<ヴァリスの鎧>と同じ鋳型に別々の鉱材を流し込んで鋳造したかのようである。
違いらしい違いと言えば、頭に巻いているバンダナぐらいに過ぎないその形状は、
彼らの主たる麗子が、夢幻界の<戦士>とは対極に位置する存在だという事実を、
(逆説的ではあったが)何よりも雄弁に物語る証拠に他ならなかった。
「ふふッ、そのまさかよッ!!」
鋭く叫び返した麗子の爪先が、タン、と足元の岩場を蹴る。
フワッ、と宙に浮いたその身体は、美麗なアーチを描きながら、
軽く10メートルはある渓流を楽々と飛び越え、現実界で級友だった少女の傍へと着地した。
――――次の瞬間、優子の頭上を、魔剣の旋風がうなりを発して通り過ぎ、
剣圧に巻き上げられた蒼髪の幾筋かを寸断して、空中へと舞い散らせる。
(25)
「さあ、楽しませて貰うわよッ!!」
黒光りする切っ先をかつての友の心臓へと向けた麗子は、
制止の叫びを無視して、いかにも楽しそうに剣を振り上げた。
不吉なうなりと共に落下してくる、鋭い太刀筋・・・・
紛れも無い殺意が込められた一撃を、蒼髪の少女はすんでの所で身を翻し、切り抜ける。
しかしながら、息つく間もなく繰り出された第二撃は、
<ヴァリスの剣>に頼らずにかわし切るには荷が勝ちすぎていた。
「くっ・・・・」
やむなく、自らの武器を実体化させる優子。
しかし、<剣>を振るう腕の動きは極端に鈍く、消極的で、
反撃はおろか、相手の動きを牽制するためのフェイント動作にすら、
万が一、手元が狂って麗子を傷付けては、と躊躇う事がしばしばだった。
そんな彼女を、もう一人の<戦士>は、汚物でも見るような目で眺めやりながら、
斬撃を浴びせかけ、同時に、情け容赦ない罵声を飛ばして心理的に追い詰めていく。
(26)
「それにしても驚いたわ。
あんたみたいなグズがここまで生きて辿り着くなんて!
自分の意思でこの世界に来た訳でもないくせに!」
交差する聖剣と魔剣。
刀身同士がぶつかり合うたびに、じぃん、と痺れるような感覚が優子の肘を突き抜ける。
純粋に筋力だけを比較すれば、大差ないと言える一方、
技量の差は一目瞭然で、荒々しく息を注ぐ蒼髪の少女がすでにびっしょりと汗をかいているのに対し、
赤毛の少女は涼しげな顔つきのまま、呼吸にもまったく乱れた様子は無い。
「じ、自分の・・・・意思ですって!?」
信じられない、という表情で問い返してくる、夢幻界の<戦士>に、
暗黒界の<戦士>は薄笑いを浮かべながら頷いてみせた。
――――もしも、このとき、対峙する二人の様子を傍から眺めている者がいたとしたら、
おそらく、彼は、その態度の違いの中に、単なる能力面での優劣以上の、
<戦士>としての根本に関わる部分での格差を見出したに違いない。
「その通りよ。ログレスの力を借りはしたけど、現実界を出たのは私自身が決めたこと。
今だって、私は、あんたみたいに受け身で、イヤイヤ戦場に駆り出されている訳じゃない。
そうよ、私はあんたとは違う・・・・戦いたいから戦ってるのよッ!!」
(27)
ガキィィィン!!!!
ひときわ甲高く、耳障りな音と共に、<ヴァリスの剣>が巻き上げられ、空中高く弾き飛ばされる。
ヒュルヒュルと回転しながら、あらぬ方向に飛び去っていく銀色の軌跡を、愕然とした眼差しで追う優子。
・・・・直後、喉元に突きつけられた漆黒の切っ先が、彼女から全ての動作を奪い去った。
「フフッ、勝負あったわね、<ヴァリスの戦士>」
ニヤリ、と唇の端を吊り上げる麗子。
後ろで、ドボンッ!!と、派手な水飛沫が上がって、
天空から墜落してきた聖なる武器が渓流の底へと吸い込まれていく。
ゴクリ、と息を呑んだ敗北者は、表情を強張らせ、怯えに満ちた視線で目の前の親友を凝視した。
「ま、まさか・・・・麗子?わ、わたしたち・・・・友達でしょう!?」
赤毛の少女は答えを返す代わりに、
黒々とした刀身を油断無く構えたまま、敗者の顔を、じっ、と睨みつける。
深いラベンダー色の瞳の奥で噴き上がる暗い炎に気付いた蒼髪の少女は、
恐怖に我を忘れ、歯の根も合わない程ブルブルと震え慄きながら、
上擦った声で、情けない哀願の言葉をまくし立てた。
(28)
「フン、やれやれ・・・・仕方ないわね」
低く吐き捨てた麗子は、切っ先を下ろし、足元の地面へと突き立てる。
一瞬、喜色を露わにしかけた優子だったが、
かつての級友は静かにかぶりを振りながら、その誤りを指摘した。
「勘違いしないで。私は情にほだされたりはしない。
ただ、こうもあっさりとカタが付いたんじゃあ、面白くも何ともないから、
もう少しくらいは遊んであげる事にしたの・・・・それだけよ」
「あ、遊ぶって、どういう意・・・・んッ?うううッ!?」
真意を量りかねて、混乱した表情を浮べる優子。
だが、暗黒界の<戦士>は、もはや答えようとする素振りすら見せる事無く、
少女の傍に走り寄ると、両肩を掻き寄せ、唇を奪った。
そして、予想だにしていなかった行動に動転し、目を白黒させる彼女にはお構い無しに、
生温かい唾液をたっぷりと含ませた舌先を口腔内へと捻じ込んでいく。
(29)
「ふぶぅッ!!んむむ・・・・うう・・・・んむぅ・・・・んぶぅううッ!!」
張り上げようとした驚愕の叫びが形の良い唇に吸い込まれ、弱々しい吐息の羅列と化してしまう。
完璧な奇襲攻撃を成功させた舌先は、象牙色をした清潔な歯並びを押し割り、
あまりの出来事に茫然自失となり、行き場を失っているもう一枚の舌へと絡みついた。
一見乱暴な、だがその実、巧妙に計算し尽くされた技巧が、
甘く痺れるような波動を生み出し、口の中を侵食し始める。
(――――い、いやぁ!!)
驚愕の大波の後に続いたのは、羞恥心の暴風雨。
同性の、しかも、ついこの間まで同じ教室で机を並べていた人間に弄ばれているのだと思うと、
みるみるうちに顔面が赤く染まり、目元には大粒の涙が滲んでくる。
嫌悪感に表情を歪めた優子は、必死にかぶりを振りながら、
ありったけの力を込めて麗子の肩を掴み、カラダから引き剥がそうと試みた。
(30)
「チッ、往生際が悪いわねッ!!」
想定外の抵抗に、一旦、唇を離す暗黒の<戦士>。
・・・・だが、すぐに不敵な表情を取り戻した彼女は、
口元を押さえながらえずき込んでいる物分りの悪い級友の、
首周りを飾る深紅のスカーフに手をかけると、重心を前に傾けつつ体を引き寄せた。
バランスを喪失した優子の身体は、大地の上に踏み止まれず、ブザマに宙を泳ぐと、
川面に突き出した岩場の上へと落下して、したたかに背中を打ち付ける。
「アハハハッ、おもしろ〜い!!
戦士の体って、頑丈でいいわよねぇ。
痛めつけてもなかなか死なないし・・・・ホント、嬲り甲斐があるわ!!」
肩口で切り揃えた赤髪を打ち振りながら、麗子はケラケラと愉快そうな笑い声を上げる。
たしかに、彼女の言葉通り、身に纏った黄金の甲冑のおかげで、
砕け散ったのは優子の背骨ではなく、岩石の方だったが、
その際に生じた衝撃の全てを防ぎ切る事は、さしもの<鎧>にも不可能だった。
全身を貫く激痛に堪えられず、渓流の中をのた打ち回る蒼髪の少女・・・・
どうにか岸に辿り着いた頃には、半死半生の体たらくで、もはや、身を起こす事さえままならなかった。
(31)
「フフフ、だらしないカオ・・・・やっぱり、あんたはイジメられてる方がお似合いねぇ」
頭上から降り注ぐ侮蔑の言葉。
――――違う、と、否定しようとした優子だが、
引き攣った口元から漏れ出したのは、消耗と疲労の極に達した弱々しい吐息だけ。
フン、と小さく鼻を鳴らした麗子は、
殆ど虚脱状態に陥って、ぐったりと横たわる蒼髪の少女の身体を仰向けに転がすと、
ずぶ濡れ状態で太腿に張り付いている、丈の短いスカートの上へと屈み込んだ。
「ふああ・・・・も、もう、止めてぇ・・・・」
蚊の鳴くようなか細い抗議を完全に無視した暗黒界の<戦士>は、
目の前の布きれを捲り上げ、大量の水分を含んで半ば透き通っている極薄ショーツに手を伸ばす。
屈辱感を煽り立てるために、必要以上にゆっくりとした動作で摺り下ろしていくと、
案の定、羞恥心に苛まれた少女は、満足に身動きも出来ない筈の体をビクビクと震わせながら、
恥ずかしい谷間を隠そうと、濡れそぼった下半身を懸命に捩り合わせようとした。
(32)
「どう、優子?今の気分は?
クククッ、こんな事になるぐらいなら、剣でひと思いに殺される方が楽だったかもねぇ・・・・」
サディスティックな笑いを満面に湛えながら、
元クラスメイトは冷酷に指先を動かし、恥丘を覆う薄い草叢を撫で付けた。
心ならずも、ピクンッ、と敏感な反応を返す、哀れな獲物に、容赦ない罵声を浴びせかけ、
人差し指の先端を、大陰唇のラインに沿ってゆっくりとスライドさせる。
「あはぁ・・・・うッ・・・・あああッ・・・・んう・・・・むふぁあああッ!!」
喘ぎ声のトーンが、急速に激しく、小刻みなテンポになっていく。
一方で、その表情からは苦痛の色が抜け落ち、嫌悪感も影を潜めて、
こみ上げてくる妖しい感覚への、羞じらいと戸惑いの感情だけが際限なく脹らんでいった。
しなやかな人差し指が湿った音を立てて秘裂を捲り上げ、媚肉の内側へと侵入を開始すると、
喘ぎ声はますます強まり、息遣いもカラダの震えも加速度的に荒々しさを増していく。
「あらあら、ちょっといじっただけで、いやらしいおツユがこんなにたくさん。
あんた、処女のクセに敏感すぎるわよ・・・・まったく、最高のオモチャだわッ!!」
薄くピンク色に色付き始めた耳元に、生温かい吐息を吹きかけながら、
赤毛の少女は、心なしか厚みを増したように感じられる花弁の奥深く指先を没入させ、蜜を浚った。
指先で銀色の糸を引く淫らな液体を舐め取り、自らの唾液と捏ね合せると、
あまりの恥かしさに、顔を背けようと躍起になる優子を力ずくで振り向かせ、再び唇を奪う。
麗子の意図に気付いた蒼髪の少女は必死に抵抗を試みたものの、
すでに性感の虜となりかけていた口腔粘膜は、
水飴のような粘りを帯び、何とも言えない淫靡な牝臭を漂わせる液体を易々と受け容れてしまった。
(33)
「・・・・はぁッ・・・・はぁ・・・・んぅはぁぁ・・・・」
喉の奥に、じゅわあああっ、と広がっていく、己れ自身の愛液の味。
咽せ返るように濃厚で生臭い中に、ほんのりとした甘酸っぱさが入り混じる複雑な味覚は、
執拗なまでの貪欲さで性感を求め続ける口唇愛撫と相まって、
(麗子の読み通り)少女の理性と感情の双方を、千々に掻き乱していく。
(あぁあ・・・・な、何・・・・何なの、この感じ?
いやなのに・・・・こんな事されたくないのに・・・・何故・・・・どうして、こんなッ!?)
カラダの奥底から湧き上がってくる得体の知れない快美感の前に、
性の経験など無いに等しい優子は怯えすくみ、翻弄されるばかりで為す術を知らない。
悪辣きわまる責めは、ウブな五感を着実に絡め取り、
いまや、粘膜を這い回る、唇も、舌も、それどころか、唾液や吐息ですらも、
一種の悪寒にも似た、名状し難いゾクゾク感を呼び起こす存在と化していた。
生温かい舌先同士が、くちゅッ、くちゅッ、と卑猥な吸着音を立てながら絡み合うたび、
えもいわれぬ悦楽が頭の中を席巻し、真っ白な靄が意識を飲み込んでいく。
(34)
「他愛もない・・・・」
くたぁ、と脱力し、腕の中に倒れ込んできた蒼髪の少女に、失笑を漏らす暗黒の乙女。
ピチャピチャと卑猥な楽の音を奏で続ける秘裂からは、粘ついた液体が絶え間なく湧出し、
半透明な光沢を湛えた小川となって、柔かい内股を濡らしていた。
熱い涙滴の中でフニャフニャにふやけきった薄青色の双眸は、
まるで悪酔いでもしたかの如く、トロリ、とした曖昧な光に包まれ、
夢と現実の狭間で、甘く虚ろなまどろみを貪っている。
・・・・くちゅッ・・・・くちゅッ・・・・くちゅるるッッ!!
蜜壷へと挿入された指先は、いつの間にか2本に増え、
さらに3本目が加わるのも時間の問題となっていた。
まるで火傷しそうなくらいの火照りに覆われた膣壁粘膜は充血して厚みを増し、
押し広げてやると、内側に溜め込まれていた大量の愛液がじゅくじゅくと溢れ出てくる。
処女特有の、固く、ぎこちない動きは随所に残っているものの、
少なくとも、膣道の内部では、すでに性への欲求が抵抗感を上回り、大きく引き離しにかかっていた。
――――その事を確認した後、麗子の指は最深部へと前進していく。
向かう先には、優子の純潔の象徴である、聖なる肉膜が無防備な姿を晒していた。
――――TO BE CONTINUED.
以上、第4章をお送りいたしました〜。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます。
実は、この後、麗子の指が優子の処女膜を突き破るシーンを途中まで書きかけていたのですが、
処女喪失については、本編(第5話)の展開を見定めた上で結論を出そうと思い、
今回の発表部分には含めない事にいたしました。
ご期待されていた方には大変申し訳ないのですが、
5月後半に発表予定の第5章まで、どうかお待ち願いたく存じます。
なお、今回も、連投規制に引っ掛かる事無く、無事発表を終える事が出来ました。
いつもご支援有難うございます〜。
おおーGJ!
たまにはストーリを追うよりただやられまくるだけの、
下品なエロエロも読みたいですっ!
乙です。
コミヴァ立ち読みコーナー更新されましたな。
麗子の暴言に優子タンマジギレ・・・なんか凄い展開になってる。
フラゲした人詳細キボンヌ
むらっと茶は閉鎖かよ、、、欝
『コミック・ヴァルキリー』5号、本日入手しました。
これまでと同様、迫力のあるタッチで、優子と麗子の姿が活き活きと描かれていました。
途中、これまでの漫画の中には無かった、コミカルな描写を用いたカットが幾つかあり、
初めて読んだ時はちょっと面食らったのですが、
おそらく、これは、今の段階ではまだ、優子の心の中には、
麗子に対する明確な敵意までは存在していない事を示しているものでしょう。
今後、戦いの中で、優子のその感情がどう変化していくのか?
あるいは、変化していく優子の感情をZOL先生がどう表現していくのか?
非常に興味深いものがあります。
・・・・ちなみに、、今回もアイザードは未登場でした
(多分、最後のシーンで、優子に吹き付けてきた突風が彼の攻撃だと思いますが)。
これ以上引っ張るのも良くないだろうな〜、と思いますので、
エロパロSSの中では、優子のバージンは、このまま麗子が頂いてしまう事にいたします。
>>239 とうとう完全に閉鎖されてしまったのですか。
ひと頃は、優子や妖子のGIFアニメ等、
他のサイトには無い、面白いコンテンツが豊富に揃っていたのを覚えています。
・・・・本当に、残念、の一言に尽きます。
>エロパロSSの中では、優子のバージンは、このまま麗子が頂いてしまう事にいたします。
残念
チンポで奪われる方が「汚された感」があって良いんだけど
ARCH DUKEさんのSSの方が漫画より面白い。
と言うより今回のコミックヴァルキリーは全体的に見てリョナ度が落ちていて
個性が感じられなくなってきた。
ARCH DUKE様いつもありがとうございます
麗子ガンガレw
245 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 21:50:03 ID:cvYzydTc
>>239 またつながったよ。更新は止まったままだけどね。
>>242 >チンポで奪われる方が「汚された感」があって良いんだけど
・・・・う〜む、確かにそうですね。
実際、私もそう考えていたからこそ、
これまで優子の処女喪失を先延ばしにしてきた訳ですし。
他の皆様はどうお考えでしょうか?
麗子(♀)とアイザード(♂)では、
どちらが優子のロストバージンの相手としてふさわしいとお思いでしょうか?
御意見を頂ければ幸いです。
精液で汚されてこそ破瓜、だと思う俺はアイザードに一票
麗子。
「X」等で適わなかった愛憎溢れる破瓜を。
その際なんか生えてたとしても「汚された感」は無いかもしれないけど。
愛剣iによって柄から挿入されて処女喪失はどう?
相手は麗子・アイザードどっちでも選択いいよ、・・・おまけとして
ヴァリスソードを道具に自慰によるロストバージンもok
とりあえずARCH氏SS乙〜
>>247 同意
たっぷり中出しされて血の混じった精液が溢れ出すのが良い
あと読んでるこっちのシンクロ率が違うw
麗子でしょう。
本編の設定上、相応しいのは彼女だという点と、
同性の親友に汚されるというショックを考えれば、
個人的には麗子を推します。
できれば後味悪いくらいの陵辱で。
人以外の生物で処女喪失をキボンヌ
例えば触手や獣姦で
ログレスの一歩手前の竜みたいなボスはどうよ?
イケメンもオカマも麗子もそそらん…
まあ最終面の豚か鬼みたいな雑魚もいいけど。汚されてる風でいい
こういうのは、作者が麗子と決めたら、そのままいく方がクオリティ保てると思われ。
俺はフタナリ平気なのでフタナリ麗子をキボンヌ。
麗子の優子への愛憎半ばする感情を全部優子の中に吐き出させてやりたい。
受精能力ありの設定にするとなおさら燃える。
優子も相手が麗子なら最初は嫌がっても最後には全部許しちゃいそうなので
その堕ちる過程もエロそうというか。
結構、そういう系全体から見るとフタナリだめな人多いけど
リョナやヒロピンでフタナリだめな人も他と同じ割合なのだろうか?
自分はフタナリOKなんだが。
俺はフタナリ駄目
オレは女子がフタるのは全然セーフ!ギャグもシリアスも関係無し!!
麗子が望んでフタるシチュを2パターン妄想しますた
磔にした優子を前に終始Sな麗子
↓
愛撫・陵辱開始
↓
その気になってきた優子を「身体は正直ね」
「いつもすましてるクセに、汚らわしい!」
などと時折なじり、平手打ち
↓
ペニバンに偽装した武器wを見せる麗子
↓
優子抵抗するも貫通
↓
実は射精も出来る事を初めてそこで明かす
↓
優子激しく身悶えし、抵抗する
↓
麗子「わたしの子を孕むがいいわ!」と容赦無く注ぎ込まれる
↓
ショックで気絶した優子を牢に幽閉し、終わらない陵辱
こっちはスーツ着用での夢幻界での戦い?ですね
優子の部屋で、泣きじゃくりながら一方的に謝る麗子
↓
訳を聞こうと近寄る優子をいきなりベッドに押し倒してキスする麗子
↓
舌を入れられ驚いて後ずさる優子
↓
歪んでしまった優子に対する一方的な愛情を白状する麗子
↓
涙ぐみながら麗子を抱き寄せる優子、段々とトローンとしてくる
さっき舌を入れられた時に媚薬を飲まされた事に気付く
↓
お互いに訳も判らない状態でキス、揉み合い、舐めたり、乱れる
↓
「もう、こうするしかないの」と最終兵器wをスカートから覗かせる麗子
こっちは日常シーンで学生服のまんまとかイイですね
わたくしは麗子姉さんのフタナリでも構わないのですが
次号出てくるであろうアイザード兄さんと3Pで友人の同性に処女を奪われる戸惑いと
敵である異性に処女を汚され屈辱にまみれる
哀れな優子タンが見たいです(ラg☆゚∀。)ノ
しかし、皆さんの意見をみんな聞いてたらまとまらないので、お好きなように書いて下さい。
本編みたいなコミカルでなければ…アレは少し興醒めでした
ARCHさんSODのような痙攣薬漬けアクメ地獄みたいなシチュにして
>>247-
>>260 皆様、ご意見有難うございます〜。
色々なお考えを拝聴出来、とても参考になりました。
検討の結果、優子のロスト・バージンは今回執筆分の中で行う事にいたしました。
なお、お相手につきましては、5月後半予定の発表をお待ち下さいませ〜。
ARCH DUKEさん乙です。
どんな展開になるのか楽しみに待ってます。
保守
264 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 21:09:40 ID:KKoOHUX/
死守
265 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 02:43:39 ID:UoY5Zh7K
喪主
266 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:44:59 ID:GOjf8cVZ
手裏剣 守、守、守...
執筆状況〜。
3VエロパロSS第5章は、現在進捗率40パーセント。
(ストーリー展開の都合上)本編とは異なり、冒頭からアイザードが登場し、
麗子の許から優子を奪い去って、幻覚剤と魔道の力で催眠状態に陥らせています。
アイザードによって作り出された悪夢の中で、麗子の幻影に弄ばれ、
現実世界では、彼の実験室で生まれた人工生物の触手に辱められる優子・・・・。
その純潔が失われる瞬間までは、秒読み段階に差し掛かっています。
完成・発表まで、あと1か月少々の予定です。
もうしばらくお待ち下さいませ〜。
>>267 お、おぉ―――――!!(ラg☆゚∀。)=3
読まなくてもティムポが唸る〜
今までの寸止めで優子はエロ処女になってるから
初めてチンポを挿入された際の反応に期待
hoshu
期待保守
執筆状況〜。
3VエロパロSS第5章は、現在進捗率70パーセント。
前戯描写を書き終わり、これから、いよいよ挿入シーンへと取り掛かります。
<ヴァリスの戦士>の心を支配し隷属させる事により、
<ヴェカンタの戦士>たる麗子に対して優位に立とうするアイザードの魔道の技により、
幻夢の中では麗子の指と舌とでめくるめくレズの快楽へと誘われ、
現実世界ではアイザードの逞しい男根に掻き回されて、絶頂へと突き上げられていく優子。
彼女を探してアイザードの支配領域を駆け抜ける麗子は間に合うのか・・・・!?
完成・発表まで、あと3週間前後の予定です。
どうか、もうしばらくの間、お待ち下さいませ〜。
ARCH DUKE様、いつもありがとうございます〜
さて、酒でも飲みながら優子を愛でますか
(ヴァリスcompleteで)
お………………ッ!!
いぃですね、良いですね!!(ラg☆゚∀。)=33
掻き回して下さい!こねくり返して下さい!
ゲームなら完全に一騎減りますね。
期待保守
投下まちを利用して、みなさん、唐突ですか…
みなさんはどんなザコキャラにヤラれる優子タンでハァハァしてますか?
因みに小生はPCE版2の大小様々なアーロンさんに一斉に襲われる優子タンや
3の蠍に駅弁で犯され、お留守の口にアノ尻尾の毒針を強制フェラされる優子タンとか…
やはり、スライムにやられる優子かと
執筆状況〜。
3VエロパロSS第5章は、現在進捗率90パーセント。
予定より少し遅れてしまいましたが、
第一稿を書き終え、現在、最終調整段階に入っています
今月の終わりまでには何とか完成・発表に漕ぎ付けたいと考えていますので、
どうか、もうしばらくの間、お待ち下さいませ〜。
いろんな種類のザコキャラによってたかって輪姦される優子が見たい
280 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 10:08:37 ID:vjAm9bRB
おまいらってヴァリスXはプレイ済みなの?
コミヴァ立ち読みコーナー更新
ヴァルナとアイザードが登場してた
フラゲした人詳細きぼん
本日、『コミック・ヴァルキリー』vol.7購入いたしました。
ZOL先生の『夢幻戦士ヴァリス』は、ページ数は20pとやや少なめでしたが、
内容的には、中身の濃い、充実した作品に仕上がっていると感じました。
アイザードの登場シーンが非常に格好良い出来でした。
ゲームの設定とは異なり、アイザードは元は夢幻界の住人で、<暗>の力に魅せられて暗黒界に寝返り、
にも拘らず、ログレスに対して全面的に忠誠を誓っているという訳でもない、
第三勢力的な立ち位置にいる人物として描いている点も、とても興味深いと感じました。
さらには、こちらも新登場のヴァルナが、
優子に対する懸念(多分、彼女の心の中で<暗>の要素が増殖しているう事)を指摘している点など、
オリジナルのストーリーの枠を(良い意味で)越えようとしているように見受けられます。
個人的に一番気に入っているのは、
『自分にもファンタズム・ジュエリーを寄越せ』と噛み付く麗子を巧みにいなしながら、
同時にログレスに対する疑念を植えつけ、自分の側に取り込もうとするアイザードのやり取りのシーンです。
細かい点では、水に濡れた優子のスカートが太腿や臀部に張り付いている様子が、
非常にリアルに描き込まれているのが印象的でした。
なお、『3V』第5章の方ですが、
現在、最後の仕上げに入っています。
今週中には完成・発表の予定ですので、あとしばらくお待ち下さいませ〜。
お待たせしました〜。
『3V』エロパロSS第5章、本日完成いたしました。
明日22:00から発表を開始いたしますので、
御時間に余裕のある方は、連投規制回避のためのご支援をお願いいたします。
それでは、明晩をお楽しみに〜。
大変長らくお待たせいたしました〜。
只今より『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第5章の発表を開始いたします。
すでに『コミック・ヴァルキリー』6号も発売され、
本編の展開も明らかとなっていますので、読み比べていただければ幸いに存じます。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。
(1)
ヴェカンティ。木々の生い茂る森の中。渓流のほとり。
「ふあ・・・・あ・・・・ああ・・・・」
めくるめく快楽が優子の五感を席巻していた。
恥かしげも無く割り開かれた左右の太腿も、腰椎の許容する限界まで持ち上げられた腰も、
びゅくん、びゅくん、と卑猥極まるリズムに乗って、淫靡なダンスに打ち興じている。
トロトロに蕩けきった双眸はすでに焦点を失って久しく、
湧き出てくる涙滴に覆われた視界は、一面、無数の火花によって埋め尽くされていた。
――――くちゅッ、ちゅるッ、くちゅるるるッ!!
不用意に触ろうとすれば、ヤケドさえしかねない程の熱を帯びた秘裂の中では、
繊細さと大胆さを併せ持った白い指揮棒が、甘美な三重奏を奏で続けていた。
しなやかな指先は、軽快なテンポで肉襞を掻き回し、快感を増幅させていったかと思えば、
一転して、嫌味なまでにゆっくりとした動きで焦らしにかかり、
懊悩が頂点に達する頃合いを見計らって、膣道の天井に潜む敏感なスポットを的確に突いてくる。
顔面は勿論、首筋まで真っ赤に染まりきった蒼髪の少女は、
甘やかな喘ぎ声を引っ切り無しに発しながら、間近に迫った至福の瞬間を待ち焦がれていた。
(2)
「うふふッ、ホントに情けないカオ。鏡があったら見せてやりたいくらいね」
かつてのクラスメイトの痴態にねっとりとした笑みを浮かべる、赤毛の少女。
ラベンダー色の瞳から放たれる冷やかな眼差しが、ピンク色に上気した生肌をくまなく漁り尽くし、
ビクビクと跳ね回る肢体の動きの一部始終を悪意を込めて観察している。
無論、この間にも、両手の指先は疲れる事も倦む事も知らぬかのように、
優子の弱点を責め立て、あさましい戦慄きを量産し続けていた。
――――ちゅぷッ、ぶちゅッ、ぶちゅるるるッ!!
淫熱を孕んだ恥かしい花弁からは、いやらしい水音が間断なく響き渡り、
止め処も無く滲み出す半透明な蜜汁が、突き入れられた三本の指をベトベトに濡らしていた。
傍らにあるパールピンクの陰豆には、もう一方の手が絡み付き、
包皮を押し退けむっくりと屹立していた突起を摘んで、コチコチになるまで擦り立てている。
下半身全体に広がった甘い痺れが、
弓なりにしなり、ギシギシと軋み声を上げる背筋を伝って、頭の中へと噴き上がるたび、
口腔からは、あられもない嬌声と共に生温かい唾液が迸る。
処女特有のきつい締め付けをものともせず、侵入者たちは膣道の最深部へと這い進み、
特に中指の先端は、子宮口との境目にある、肉の門扉にまで達しようとしていた。
間近に迫った破瓜の瞬間を本能的に感じ取ったのだろう、
呼吸は、更に荒々しく、小刻みなリズムへと変じ、全身の痙攣も激しさを増していく。
・・・・・・・・異変が起きたのは、丁度、その時だった。
(3)
―――――ゴゴゴゴゴッ!!!!
不意に、巨大な風鳴りが麗子の耳朶を叩いたかと思うと、
不可視の拳と化した突風が、横合いから頬を殴り飛ばす。
予想外の打撃によろめき、バランスを失った体は、
悪意を纏った暴風によって軽々と掬われ、背中から地面へと叩き付けられてしまった。
「ぐっ・・・・この風は、まさかッ!?」
痛みに顔を歪めながらも、何とか体勢を立て直した赤毛の少女。
目の前を、意識を失った優子の五体が、
大気で出来た腕に掻き抱かれ、空高く舞い上げられていく。
何が起きたのかを悟った暗黒界の女戦士は、全身から鋭い怒気を発しつつ、声を張り上げた。
「アイザード!!一体、どういうつもりだッ!!
決して手は出さない、と約束したのを忘れたのかッ!?」
(4)
「・・・・フフフ、大きな声を出さなくても聞こえていますよ、ちゃあんとね」
天空から降り注いでくる、玲瓏たるソプラノの響き。
声のする方角を見上げた少女は、口の中で、チィッ、と、小さく舌を鳴らす。
遥か視界の彼方に、かろうじて確認できた人影は、ほとんど豆粒程度の大きさ、
これでは、彼女の能力を以ってしても、斬撃を届かせる事はおろか、狙いを定める事さえ至難だった。
「ええ、約束なら覚えていますよ。
"<ヴァリスの戦士>を始末する間、決して手出しはするな"・・・・」
「その通りだッ!!分かっているなら、何故、邪魔をする!?
優子を倒すのは、ログレスから与えられた、あたしの使命。
それに協力するのは、アンタたち、暗黒五邪神の義務でしょう!!」
大声を出す必要は無い、と頭では理解していても、自然と口調が高くなってしまう。
暗黒界に召喚されて間もない頃からすでに、
麗子は、彼――――暗黒五邪神の一将、風邪アイザード――――が嫌いだった。
いつもにこやかな笑みを湛え、一見、いかにも気さくで親切そうな印象の表情の裏で、
常に相手の利用価値を値踏みし、自分のために働かせるチャンスを窺っている、狡猾な男。
剣呑な相手との取引は決して気が進むものではなかったのだが、
ガイーダとキーヴァを倒した優子が次に現れたのが(よりにもよって)彼の封土であった以上、
ログレス直属の<戦士>とはいえ、何の協定も結ばずに事を進める訳にはいかなかったのである。
(5)
「ええ、それは貴女の仰る通りですよ、我らが<戦士>殿。
・・・・しかしながら、貴女は、どういった御事情があるのかは存じませんが、
とっくに勝負がついているにも関わらず、トドメを刺そうとはなさらないではありませんか?
ならば、私がケリを付けて差し上げようと考えましてね・・・・まあ、親切心という訳ですよ」
嫌みたらしく言ってのけるアイザードに、
怒りに震える麗子の両手が、ぎりり、と鈍い音を立てながら握り締められた。
遥か遠方の空に浮遊しながらも、魔力によって強化された知覚により、様子を窺い知った風の魔道士は、
クククッ、と楽しそうに喉を鳴らしながら、更に慇懃無礼な言葉を言い連ねる。
「分かっておいでとは思いますが、
私は貴女の部下では無く、あくまであの御方のご命令で力をお貸ししているだけのこと。
貴女があの御方の御意思に従おうとなさらないのならば、協力を続ける義務はありませんからねぇ」
周囲の大気の色と同じ、灰色がかった薄水色のローブを纏った、暗黒五邪神随一の謀将は、
目深に被ったフードの下で、碧色の双眸に冷たい光を浮かび上がらせた。
傍らには、ぐったりと力を失った優子の身体が空気の鎖に絡め取られて横たわり、
吹き荒ぶ風に煽られた豊かな蒼髪が、バサバサとせわしなくはためいている。
(6)
「バカな事をッ!!あたしが優子を助けるとでも!?
ログレス様から<暗>の力を授かった、<ヴェカンタの戦士>のあたしがどうしてッ!!」
下界では、獲物を横取りされた狩人が憤然と拳を突き上げていたが、
ブロンドの魔道士は、これ以上相手を続ける意志は失せたらしく、
パチン、と指を鳴らして、周囲の空間を何処かへと続く次元の通路へと接続した。
「くッ・・・・ま、待て、アイザード!!
優子はあたしのモノよ!!勝手は許さないわッ!!」
なおも追い縋ろうとする金切り声を無視して、
まず蒼髪の少女を空間を穿つ断層の中へと放り込むと、
暗黒界の青年貴族は、嫌味たっぷりに麗子を振り返り、ニヤリ、と口の端を吊り上げてみせる。
無論、細かい表情の変化など窺い知るのは不可能なのだが、
大まかな仕草から、ある程度の意図は感じ取ったのだろう、
怒り心頭に発した彼女は、漆黒の<剣>を実体化させ、憤激に任せて無茶苦茶に振り回し始めた。
(ハハハ・・・・可愛い顔に似合わず、何とも物騒なお嬢さんですねぇ。
さすがは、あの御方に選ばれたというだけの事はありますよ・・・・)
(7)
――――灰色にくすんだ空間。
淀んだ時の流れに絡め取られ、まどろみに落ちていた意識が、弱々しいながらも息を吹き返す。
・・・・ここは、何処?
(うっ・・・・うっうっ・・・・ぐすっ・・・・ぐすっ・・・・・)
泣き声が聞こえる。一体、誰?
小さな女の子みたい・・・・何故泣いてるのかしら?
(・・・・大キライよ!お父さまも、お母さまも・・・・どうしてケンカばっかりするの!?)
――――えっ!?この子、もしかしてッ!?
で、でも、どういう事?両親がケンカって・・・・?
(・・・・何よ、あの、優子って子。
勉強も運動も大した事無いクセに、塾にもクラブ活動にも習い事にも行ってないクセに、
なんで、いつもクラスの人気者なの?何で、みんな、あの子の友達になりたがるの?
どうして、どうして、あたしじゃなくて、優子ばっかり・・・・!?)
・・・・・・・・麗・・・・ちゃん・・・・?
(8)
(・・・・優子、そうだわ、アイツさえいなければ、あたしはこんな気持ちを抱かずに済むのよ。
そうよ、いけないのは優子。アイツさえいなくなれば、あたしは・・・・!!)
・・・・まさか、ウソでしょう!?
麗子が、わたしをそんな風に思っていたなんて事ッ!?
(どうして・・・・どうしてよ!?
なんで、アイツは、こんな酷い事されて平気でいられるのッ!?
どうして、辛そうな顔一つ見せないで、笑ってられるのよッ!!)
麗子・・・・まさか・・・・本当なの?
これが、あなたの・・・・本当の気持ち・・・・だったの?
「やめて、やめて、優子・・・・。
あたしのそばに来ないで・・・・あたしに話しかけないで!!
お願いだから、あたしに優しくしないでッ!!これ以上、あたしに惨めな思いをさせないでッ!!」
・・・・麗子・・・・あなたは・・・・あなたは・・・・・・・・。
(9)
「・・・・れ・・・・れい・・・・ちゃん・・・・」
一筋の光も射し込む事のない洞窟の中。
多量の湿気を含んだ黴臭い空気が重苦しい雰囲気を醸し出している。
青白い炎を上げる魔道の灯し火が照らし出しているのは、
いわくありげな書物の並べられた書架、怪しげな薬瓶の列、おどろおどろしい実験器具の数々、
そして、それらの中心に据えられた、黒い円形の石の台座・・・・。
「ふぅむ、残念ですが、この辺りが限度ですか。
さすがは<ヴァリスの戦士>、大した精神力です。
どうやら、通り一遍の方法では洗脳など出来ないようですねぇ」
しばしの間、腕組みをしながら物想いに耽る、洞窟の主――――風邪アイザード。
視線の先には、おどろおどろしい魔道の紋様が刻み込まれた実験台と、
台上に横たえられた、しなやかな蒼髪の少女のカラダ。
特別な薬物と精神に作用する呪法を併用したせいだろう、
瞳は虚ろで意志の光を全く感じさせない一方、
肌は生気を失っておらず、顔色にも呼吸にも、取り立てて異常な点は見当たらない。
(10)
「全く効果が無いという訳では無いようですが、
単純に幻覚を見せ、偽りの記憶を植え付けようとしても、相当な時間を要するでしょう。
・・・・はてさて、一体、どうしたものでしょうか?」
大気を自在に操る魔道士の棲み処とは思えない程、風通しの悪い、じめじめとした空間の中心で、
暗黒界の青年は全身を覆う灰色のローブとフードを脱ごうともせず、
魔性の揺り籠の中でまどろみに落ちている優子の意識を一心不乱に走査し続けていた。
もっとも、時折、困ったものだ、と、ブツブツ不平を漏らしながらも、
その表情は、複雑怪奇な方程式を前にした数学者のように、とても嬉しそうにも見受けられるのだが。
「今頃、"麗ちゃん"は、頭から湯気を出しながら、必死に私の跡を追っているでしょうねぇ。
フフッ、この娘を私の人形に仕立て上げるのが先か、それとも、ここが突き止められるのが先か・・・・」
フードの縁から覗く、冷たい光沢のプラチナ・ブロンドも、白磁のような頬筋も、
むぅっとするような熱気と湿気にあてられて、じっとりと汗ばみ、
折角の容貌が台無しになっているが、全く気にする様子は無い。
彼の注意力の全ては、目の前に横たわる美しい獲物へと注がれており、
観察力と思考力もまた、如何にすれば、その心を完全に篭絡出来るか?という難問に振り向けられていた。
(・・・・ここは、やはり、あの手を使う以外にありませんか。
いささか野蛮な方法で、私の趣味ではありませんが、この場は致し方ないでしょう・・・・)
(11)
――――アイザードの意思のままに変化し続ける、幻覚世界。
現在の姿は、麗子との再会を果たした、あの美しい森の中。
近くを流れる渓流のせせらぎが心地良くこだまする、岩場の上。
「・・・・お願・・・・も、もう・・・・やめ・・・・て・・・・」
愛欲の化身と化した赤毛の少女は、倦む事も疲れる事も無く、優子の肉体を貪っていた。
その下に組み敷かれ、執拗な愛撫にさらされている蒼髪の少女は、
巧緻を極める性愛の技により、次から次へと淫靡な波動を送り込まれて、
清純無垢な表層の裏側で息づく、淫乱な牝の本能を暴き立てられている。
トロトロに蕩けた表情、あさましい痙攣を発し続ける手足・・・・。
すでに頭の中は空っぽの状態で、
ここが何処なのか、いつからこんな行為に耽っているのかさえ把握できなくなっていた。
(12)
「フッ、アンタも素直じゃないわねぇ。
こんなビショ濡れになってるのに、まだそんな事を言い張るつもり?」
冷やかな視線を投げかけながら、愛汁に濡れそぼった蜜壷を捏ね回す暗黒界の<戦士>。
途端に、充血して厚みを増した粘膜が、ビクン、と敏感な反応を返し、
挿し入れられた細い指先をきつく噛み締めたかと思うと、
不随意筋から圧迫を受けた肉襞の間から、生温い粘汁が、じゅくじゅくと滲み出してきた。
「い、いやぁッ・・・・ぁあ・・・・くッ・・・・ひぁあ・・・・ふひぃあああッ!!」
唾液でベトベトになった唇から上がる、甲高い叫び声。
腰椎がガクガクになるような快美感に、健康的な乙女の柔肌が、ぞくぞくぞくッ、と鳥肌立ち、
僅かに残った理性の欠片が業火に包まれて燃え尽きていく。
クスクスと忍び笑いを漏らしながら、麗子は、突き入れた人差し指をスローテンポに回転させ、
快楽のあまり、ほとんど引き攣りかけている膣壁粘膜に、更なる刺激を送り込んだ。
(13)
「ああ・・・・ッ!!はぁッ、はぁッ・・・・ひはぁ・・・・んぅ・・・・くひぃぃんッッッ!!」
深々と眉間にシワを寄せながらよがり狂う、蒼髪の少女
うなじの周囲が、じぃん、と切なく痺れ、全身の汗腺が一斉に開花すると、
視界全体に幾条もの火箭が飛び交い、身体の芯がドロドロになって溶け流れていった。
下腹部から這い上がってきた、はしたない痙攣が、
黄金の胸甲に包まれた形の良い双丘を、ぷるんぷるん、と揺り動かし、
カチコチに屹立した乳首を、体中でここだけはひんやりと冷たい、装甲の裏側へと押し付ける。
「ほらほら、反論出来るなら、してみなさいよ。
フン、どんなに偉そうな事を言ったって、所詮、アンタは口先だけの人間よ。
そうやってヨダレを垂れ流して、情けない悲鳴を上げてるのがお似合いのねぇッ!!」
弱々しくかぶりを振りながら、啜り泣きを漏らす元クラスメイトに、
赤毛の<戦士>は、容赦ない糾弾を叩き付け、嘲りと蔑みの眼差しを突き立てた。
必死に反論を試みる優子だが、押し寄せる快感の大波の前に正常な思考は働かず、
発しようした抗議の言葉は、口元に達する前に、あられもない嬌声へと姿を変えてしまう。
嘲りの笑いをヒートアップさせながら、目の前のカラダを力任せに引っくり返した麗子は、
溢れ出る愛液で濡れそぼった下半身を抱きかかえて、恥裂の様子を無遠慮に覗き込んだ。
(14)
「アハハハッ!!優子のアソコ、いやらしいオツユでグッチョグチョだわッ!!
ホント、見てるこっちの方が恥かしいくらいよッ!!」
パックリと口を開けた、サーモンピンクの秘果実を目の当たりにして、
<ヴェカンタの戦士>は、好色そうな光を双眸に湛え、頬を緩ませた。
生温かい吐息が、きつくすぼまった菊門の表面を優しく撫で付けると、
高々と持ち上げられた白桃色の尻肉が、ゾクゾクゾクッ、と鳥肌立ち、
太腿の筋肉が、びゅくびゅくびゅくッ、と続けざまに大波を放つ。
「あああッ!?ひぃッ・・・・そ、そんな所・・・・い、嫌ッ・・・・いやぁあぁあッッ!!」
唾液をたっぷりと含ませたピンク色の舌先が、尻たぶの間の排泄器官をチロチロと舐めしゃぶると、
恥かしさのあまり、完全に裏返った声がクチビルを震わせ、
頭の中をグチャグチャに掻き乱した生理的な嫌悪感が眩暈となって襲ってくる。
だが、赤毛の少女は、ほっそりとしたその腕から発したものとは思えない、万力のような力で、
必死に逃げ場を求めて前後左右に跳ね回る下半身を押さえ込むと、
恐るべき正確さを誇る妙技を駆使して、すぼまりを構成する細皺の一歩一本を丹念に揉み解していく。
(15)
「いやらしい匂い・・・・汗と腸液が混じり合って、ツン、と鼻にくるわ。
うふふッ、今度はこっちの穴も味わってあげる。覚悟なさいッ!!」
・・・・・・・・ねろっ。
先っちょをドリルのように尖らせたナメクジ舌がすぼまりの内側に捻じ込まれると、
羞恥心が一気に燃え上がり、甘い汗に濡れ光る全身が、びゅくびゅくッ、と大きく戦慄く。
反射的に、肛門に力を入れ、それ以上の侵入を食い止めようとする優子だが、
一瞬早く、無防備な股間へと回り込んだ指先が、秘裂の端で疼いている充血肉豆を、ピン、と弾くと、
たちまち括約筋は力を失って、ヘロヘロ状態に陥ってしまった。
「い、いやぁ・・・・はぁう・・・・んッ・・・・や、やめ・・・・ひはぁあッ!!」
体中で最も不浄な器官をチロチロと舐めくすぐられる恥ずかしさに、
毛穴という毛穴が逆立ち、奇妙なむず痒さを伴った悪寒が全身へと広がっていく。
ピンク色の薄い唇をすぼまりに密着させられて、絶妙なリズムで吸い上げられると、
じぃん、と背筋が灼け、みるみるうちに弓なりに反り返っていった。
ぞっとするような感触が排泄器官の内側を動き回るたび、
少女の未熟な性感には、おぞましさと共に、不条理な心地良さが刻み付けられ、
きつく食いしばっていた筈の口元さえもが、いつしか、だらしなく弛緩してしまう・・・・。
(16)
「フフフ、これはまた、随分と溢れて来ましたねぇ。
<ヴァリスの戦士>殿は、前だけでなく、後ろの穴も大変具合が宜しいようで」
実験室。
優子のカラダは、左右の脚を大きくVの字型に割り拡げられ、
太腿の間のクレヴァスが遮るものとて無く露出した無様な格好で台座に拘束されている。
邪悪な魔道の技により、深い催眠状態へと陥れられた五感は、
幻夢の中で、麗子の指と舌とに弄ばれるのと平行して、
現実の世界では、アイザードの生み出した奇怪な魔法生物からの汚辱を浴び続けていた。
「あぁッ!!や、やだぁ・・・・こんな、トコロ・・・・ひぃッ・・・・くはぁああッ!!」
弱々しく擦れた涙声が、上気しきった吐息と共に、唇をひくつかせる。
勿論、その言葉は、偽りの世界の赤毛の少女に向けられたものだったが、
台座の上でガクガクと揺れている彼女の腰にもまた、
体長二、三十センチくらいの、タコとナメクジを交配したような魔法生物が絡み付いていた。
裏側に不気味な吸盤の生えた長い触腕は、
薄い恥毛に覆われた秘裂と生汗に濡れそぼる尻肉の双方へと伸び、
卑猥に粘ついた水音を奏でながら、モゾモゾと蠢いている。
(17)
「フフッ、<ヴァリスの戦士>と言えど、所詮は、リアリティの小娘。
力押しだけのガイーダやアイスフェザーしか能の無いキーヴァなら兎も角、
私の知略と魔術の才を以ってすれば、赤子の手を捻るようなものです」
低く笑いながら、暗黒界の青年は、傍らに置かれた水盤の上に手をかざした。
暗く淀んだ水面に、一瞬、赤黒い<ヴェカンタ>の炎が立ち上ったかと思うと、
この近くでは無い、だが、決してさほど遠く隔たっているという訳ではない地点の情景を映し出す。
「・・・・おっと、こちらの<戦士>殿は優秀ですねぇ。
もうあんな所まで辿り着くとは、いやはや、大したものです」
折角の獲物を横取りされた怒りと口惜しさを糧として、
複雑に入り組んだ封土の奥深くにまで踏み込んできた麗子の姿に失笑を漏らしつつ、
同時に、何度となく、満足そうにうなずいてみせるアイザード。
麗子がここまでの執着を見せる事自体、
目の前で悶え泣く無力な少女との間に、単なる憎しみだけではない、複雑な因縁が存在する事実の証に違いない。
それを解き明かせれば、赤毛の少女に対して心理的な優位を確立し、
己の意のままに動く手駒とする事も不可能ではなくなる筈・・・・。
(18)
「クククッ、<ヴェカンタの戦士>を自由に操れるようになれば、
もはや、ベノンやヴォルデスなどは私の敵と呼べる存在ではなくなるでしょう」
――――そして、いずれは・・・・。
涼しげな輝きを湛えた碧眼に灯る、暗い欲望の炎。
束の間、邪悪な愉悦に満ちた夢想に心を預けた謀略家は、
しかし、すぐに理性を取り戻すと、当面の問題点へと思考を切り替えた。
「・・・・まずは、麗子が到着される前に、小娘から全ての情報を引き出すといたしましょう。
あまり時間はかけられませんから、多少、乱暴な方法をとらねばなりませんが・・・・」
酷薄な視線の向かう先には、グロテスクな魔法生物に辱めを受け、
汗の粒に覆われた手足を小刻みに痙攣させながら、切迫した喘ぎを漏らし続ける蒼髪の少女。
悪夢に沈んだ意識の中では、
おぞましい触手の群れは、かつてのクラスメイトの細く美しい指先に、
瑞々しい柔肌を穢していく穢れ汁は、舌先に含まれた生温かい唾液に変換されて、
ヴァリアによって与えられた加護に守られた自我に侵蝕を繰り返していた。
その様子を確認した魔道士は、ニヤリ、と唇の端を吊り上げると、
おもむろに、体に巻き付けた重苦しいローブを解き始めるのだった・・・・。
(19)
――――再び、悪夢の中。
「はぁ・・・・うッ・・・・あくぅ・・・・ンッ・・・・んあぅ・・・・あはぐぅん!!」
絶え間なく秘裂粘膜をしゃぶり続ける、柔かい舌先。
両腕で抱え込まれ、大きく左右に割り広げられた太腿はビュクビュクと戦慄き、
まだ十分に生え揃ってはいない、恥毛の繁みの間では、
サーモンピンクの大陰唇が口を開いたり閉じたりとせわしない動作を繰り返していた。
その内側、淫靡な感覚に染まりきった膣襞から溢れ続ける愛液を求めて、
級友の唇が貪欲極まりない吸引力を発揮するたびに、
心なしか、以前よりも表面を覆う黄金の輝きが弱まった感のある黄金のブーツが、空しく宙を蹴り上げる。
「こら、優子ッ、何度言ったら分かるの?
自分ばかり気持ち良くなってないで、あたしのも舐めて頂戴ッ!!」
覚えの悪い級友を叱り飛ばしながら、ぬばたまの光沢を帯びたプリーツ・スカートをたくし上げる赤毛の少女。
すでに黒絹のショーツは取り去られており、
程良くくびれたウェスト周りから発した美しい曲線が、
腰の部分で大きくカーブを描いた後、しなやかな太腿に向かって再度収斂されていく行程が一目瞭然だった。
同性の目から見てさえ、全く見事、と言う他無いフォルムに、(思わず)息を呑んだ瞬間、
柔肉で出来た芸術作品は、何のためらいも無く、彼女の上へと振り下ろされ、
マシュマロのような弾力を帯びた白桃色の尻たぶの間に切迫した吐息を封じ込めてしまった。
(20)
「んむぅッ!!んうう・・・・んぶッ・・・・うむぅううッッッ!!」
みずみずしい尻肉に鼻腔と口元を同時に塞がれて、悶絶する蒼髪の少女。
呼吸の術を失った事も勿論だが、それ以上に優子を動転させたのは、
薄いピンク色に色付いた尻たぶの質感と、微かに匂い立つ甘酸っぱい汗の芳香、
何より、流麗なふくらみの下、張りのある太腿の間に広がっている恥溝の景色だった。
すでに何度か眼福にあずかる機会はあったものの、
ここまで接近した状況は初めてなだけに、少女の呼吸も自然と早まっていく。
(こ・・・・これが・・・・麗子、の・・・・)
目の当たりにした親友の陰裂は、長さ約5センチメートルほど、
ぷっくりと隆起した恥丘の中央部を走り抜ける桜色の大陰唇に挟まれ、半透明な愛蜜を滲ませたその姿は、
熟しきって今にも枝から落ちそうな南国の果実を連想させる。
大きさ自体はさほど変わりはないし、形状や色合いにも目立つ程の違いはないにも関わらず、
その谷間は、自分のそれとは比べ物にならないくらい、官能的な雰囲気に包まれていた。
噎せ返るような濃厚な牝臭と喩え様も無く淫蕩な充血に包まれた花びらを前にしているだけで、
顔面が、カァァッ、と熱く火照り、頭の芯がクラクラするような気分に陥ってしまう。
(21)
(ああ・・・・なんて、いやらしいの・・・・で、でも、凄くキレイ・・・・)
目の前でゆっくりと前後にスライドする淫果の姿に、
我知らず見惚れて声を失う、囚われの<戦士>。
胸の奥の鼓動がどうしようもなく高まっていき、体温が急上昇していくのが自分でも分かる。
こんな感情は間違っている、と、僅かに残っていた理性の欠片が警報を打ち鳴らすものの、
カラダの芯から湧き上がってくる強烈な衝動を食い止めるには全く役不足だった。
――――ぴちゅッ!!
微かに震えるクチビルが、蜜に濡れた秘裂へと吸い寄せられる。
鼻先で強い香水をスプレーされたかのような牝臭の塊が、むわぁっ、と鼻腔に吹き寄せ、
甘酸っぱくてコクのある、レモンケーキのような愛汁の味が広がっていくと、
頭の中は、たちまち極彩色の輝きで一杯に満たされ、なけなしの自制心など瞬時に吹き飛んでしまった。
「ウフフフ、いいわ・・・・その調子よ。
焦る必要は無いの・・・・最初は、そう、ゆっくりと、丹念に・・・・味わって・・・・」
完全に性感の虜となった少女は、赤毛のクラスメイトに命じられるまま、
顔面へと覆い被さったローズピンクの食虫花に向かって、ぎこちない奉仕を開始した。
何処までも柔かく、ヌルヌルとした感触に口元を浸していると、
瞼の内側で、マグネシウムを焚いたような強い輝きを放つ火花が舞い踊り、
全身を流れる血液が業熱に焙られて、グツグツと煮え滾っていく・・・・。
(22)
「それにしても分からないもんよね〜。
アンタみたいなおっとりとした子が、よりにもよって<戦士>だなんて。
まったく、お笑い種も良いところだわ・・・・」
陰唇粘膜を舐め回す舌先の動きは、依然として拙いままだったが、
技量はともかく、献身的な態度には満足を覚えたらしく、
赤毛のクラスメイトの口調は妙に上機嫌な響きを帯びていた。
(べ、別に・・・・頼んだ訳・・・・じゃあ・・・・あああッ!!)
対する優子には、かろうじて彼女の言葉を聞き分ける事が出来る程度の思考は残っていたものの、
(反射的に浮かび上がった呟きとは裏腹に)もはや、反論を口にする気力など何処にも存在しなかった。
涙に濡れた双眸を僅かに見開き、弱々しくかぶりを振る少女の横顔は、
<ヴァリスの戦士>としての矜持など何処にも見当たらず、
敗北感と屈辱感に打ちのめされ、使命も望みも忘れ去った、惨めな女囚の表情へと堕している。
(23)
「ふぅん、そうなの。
でも、アンタだって、なんだかんだ言い訳しながら、
戦いの中で勝ち進んでいく自分のコト、結構気に入ってたんじゃない?」
皮肉のスパイスをたっぷりと利かせた囁きと共に、
麗子は、眼前に屹立している真珠玉に向かって、フウッ、と、生温かい息を吹きかけた。
すでに極限まで昂ぶりを増していた勃起陰核にとってはこれだけでも十分な刺激で、
優子の腰は、堪え性も無く、ニ、三十センチも跳ね上がったかと思うと、
ビクンビクンと激しく打ち震えながら、卑猥なダンスを踊り始める。
「ハッ、ほんとにバカね、アンタってッ!!
ヴァリアなんかの口車に乗って、バカ正直に冒険の旅ってわけ?
まったく、お人好しにも程があるわッ!!」
「ち、ちが・・・・あああッ・・・・そ、そんな事・・・・あうッ!?・・・・むぶぅんううッッッ!!」
かろうじて搾り出す事の出来た抗議の叫びは、すぐにあられもない嬌声に取って代わられ、
さらに、押し付けられてきた尻たぶに塞がれて、くぐもった呻きへと変じてしまう。
ケラケラとけたたましい嘲笑を響かせた、<ヴェカンタの戦士>は、
のた打ち回る太腿を強引に押さえつけると、
再び、蜜汁にまみれて煮え滾る肉孔に舌先を捻じ込んで、グチュグチュと掻き回し始めた。
――――白桃色の尻たぶに塞がれた少女の口元が大きく歪み、
弱々しいさざ波と化した悲鳴が、淫液に染まったあわいを妖しく掻き揺らしていく・・・・。
(24)
「・・・・おおっと、危ない危ない。
お気持ちは分かりますが、まだイッてしまわれては困りますよ」
歪んだ笑みを浮かべつつ、碧色の双眸を、すうっ、と細める、アイザード。
視線の先では、不気味な軟体生物を体中に絡み付かせたままの優子が、
顔面を真っ赤に染め上げ、胸元を荒々しく上下させている。
本格的なアクメへと差し掛かる前に、最も敏感な部分への刺激は中断させたものの、
その対応は、一瞬、否、半瞬だけ、後手に回ったらしく、
彼女の性感は軽い絶頂へと突き上げられてしまっていた。
「あはぁ・・・・はぁぐぅ・・・・うあああ・・・・はひぃ・・・・へはあぁぁッ・・・・!!」
半開きのクチビルから溢れ出る、ふやけきった吐息。
伏せられた睫毛の端から、銀色の涙滴がボロボロと零れ、
あさましいピンク色に上気しきった頬筋に沿って流れ落ちていった。
甲高い耳鳴りが騒々しく響き渡り、視界内を埋め尽くした小さな星の群れが次々に弾けていく中、
実験台に投げ出された手足は不規則な痙攣を繰り返し、
ビュクビュクと波打つ下腹部と共に、卑猥極まりないベリーダンスに打ち興じる。
(25)
「フム、あともう一押し、といった所でしょうか?」
実験台の上の優子と水盤の中の麗子を見比べながら、
暗黒界随一の策士は冷徹に計算を巡らせる。
<ヴェカンタの戦士>が辿り着くまで、長く見積もっても、あと数分といったところだろうか?
だが、その前に、自分は<ヴァリスの戦士>を完全に屈服させ、従順な牝奴隷へと変える事が出来るハズ。
ならば、いっそのこと・・・・。
(むしろ、最も効果的なタイミングで実行するといたしましょう。
クックックッ、たとえば、・・・・そう、彼女がここに足を踏み入れた瞬間、とか・・・・)
無意識のうちに口元をほころばせつつ、蒼髪の少女を乗せた漆黒の祭壇の縁をそっと撫で上げる青年魔道士。
石材の擦れ合う重々しい音を響かせながら、台座は床へと沈んでいき、
丁度、彼の膝頭の高さに達した所で、ピタリ、と静止する。
その意向を察知したのだろう、蒼髪の少女に群がっていた魔法生物は触手を早々に引っ込め、
半透明な体液にまみれた膣裂を、邪悪なる創造主の許へと明け渡した。
(26)
「クククッ、そうそう、誰かさんと違って、分別のある子は良いですねぇ。
・・・・そうだ、お利口さんな君達にはご褒美を差し上げましょう。
私の使う牝穴以外の場所は自由になさい。好きなだけ楽しんで構いませんよ!」
一体、どのような仕組みで意思伝達を行っているのかは不明だったが、
手足は勿論、目鼻も口も無い、不定形の人工生物たちは
主の寛大な言葉に、原形質の固まりで出来た体をプルプルと揺らして、精一杯の歓びを表現する。
ニイッ、と薄笑いを浮べたアイザードは、
喜び勇んで、再び少女の柔肌へと殺到していく軟体動物たちを眺めやると
おもむろに自身の下腹部へと手を伸ばし、隆々と勃起したイチモツを掴み出した。
(フフフ、さすがの私も、<ヴァリスの戦士>を犯すのは初めてですねぇ。
さぁて、一体、どんな具合になってるんでしょうか?彼女のアソコは・・・・)
表皮に青黒い血管の浮き出した陰茎の長さは二十センチ少々、
単純に大きさだけを考えるなら、同じ暗黒五邪神のガイーダとは比べ物にならないが、
それでも、リアリティの成年男子の平均的サイズは確実に上回っている。
また、見事な反りを帯びたその剛直は、肉体の一部であるとは思えないまでに堅牢で、
なおかつ、業物の刀剣を連想させるような風格を誇っていた。
もしも、今この瞬間、優子が正気を取り戻したならば、
ガイーダなどとは一味も二味も違う、凄みのある姿に震え上がるに違いない。
(27)
「さあ、行きますよ。覚悟は宜しいですね?」
いきり立つ肉棒をしごきながら、優子の上へと覆い被さっていくブロンドの魔道士。
何れも彼の卓越した魔道の力で生み出された、触手生物と幻影の麗子により、
散々に弄ばれ、嬲り抜かれて、いまや、グチョグチョに濡れそぼっている陰裂に、
鋭利なナイフの切っ先を思わせる、怒張が近付いていく。
「ああ・・・・ど、どうして・・・・麗子・・・・お願い・・・・もう・・・・もう・・・・!!」
どうやら、幻覚の世界でも、麗子による決定的な行動が開始されようとしているらしく、
囚われの少女は、苦しげな呼吸の下から哀願の言葉を搾り出している。
恐怖に表情を歪ませ、脂汗さえ浮べているのは、
クラスメイトの幻影が余程恐ろしげな姿をしているためだろうか?
それとも、彼女が想像した事も無い、おぞましくも魅惑的な手段が用いられようとしているのか?
(クックックッ、現実の世界で私が実行する行為が、幻覚の中でどのような変化となって現れるのか?
これはなかなかに興味深い命題ですねぇ。時間があれば、じっくりと研究してみたいものですが・・・・)
(28)
「やめて・・・・やめて・・・・あああ・・・・そんなモノ、入れたら・・・・・!!」
擦れ切った悲鳴を漏らす蒼髪の少女。
恐怖に怯える視線は、麗子の手に握られた剣の先端部
――――漆黒の光沢を湛えた切っ先ではなく、黄金細工で飾られた握りの部分――――に注がれている。
「うるさいわね、この期に及んでピーピー泣き喚くんじゃないわよ、みっともないッ!!
それに大丈夫、これぐらい簡単に入っちゃうわ・・・・そんなにオマタを濡らしてればねぇッ!!」
嘲笑を浮かべながら、暗黒界の<戦士>は、<影の剣>の剣柄を、
目の前でヒクヒク蠢く桜色の秘貝へと近付けていく。
反射的に逃亡を試みる優子だったが、
繰り返してきた敗北の数々と、その都度、肌に刻み込まれた淫らな悦びは、
単に体力を奪い尽くしていただけでなく、肉欲に対する抵抗感をも大幅に萎えさせてしまっていた。
(29)
「ひィィッ!!い、嫌ッ・・・・いやぁあああッッッ!!!!」
ひんやりとした感触が、熱く火照った太腿の表面を伝いながら、恥ずかしい谷間へと近付いてくると、
優子は、堪え性も無く、あぁッ、と切ない喘ぎ声を漏らし、悶絶する。
ぷっくりと脹らんだ恥丘は挿入への期待感でプルプルと痙攣し、
頂上に聳える肉芽は、激しい興奮のあまり、異様なほど大きく肥大していた。
何より、淫気に蕩けて、パックリ、と全開になった陰裂からは、
半透明な蜜液が、まるで失禁でもしたかのように、とめどなく溢れ出し、
安物の香水のような、どぎつい牝臭を撒き散らしている。
――――ぶちゅッッッ!!!!
鈍い音と共に、破城槌の先端がサーモンピンクの城門へと突き刺さり、
敏感なあわいに冷たい金属の塊が押し込まれた瞬間、
<ヴァリスの戦士>のなめらかな背筋は、汗の滴を跳ね飛ばしながら大きく後ろに反り返った。
挿入された剣柄の内径は一番幅広な部分でも数センチ程度だったが、
体中で最も恥ずかしく、最も大事な場所を、硬く、ゴツゴツとした異物に貫かれてしまった衝撃を受けて、
ただでさえ鋭敏になっている五感が無事でいられる筈も無い。
(30)
「フフフ、口では嫌がってるけど、アソコの方は随分と正直じゃない・・・・」
ニヤニヤしながら様子を観察する赤毛の少女の見つめる前で、
すでにピンク色に上気した柔肌がさらに赤みを増して、燃えるように染まっていく。
最初はゆっくりと、そのうち、だんだんと速度を増しながら、黄金の剣柄が蠢き始めると、
ベトベトに蕩けた膣孔は、一、二ミリずつ、着実にその直径を拡げていき、
同時に、ほぼ同じ分だけ、異物の先端を深奥部に向かって迎え入れてしまう。
「あッ・・・・ぐはッ!!ひはぁ・・・・ううう・・・・ぁはぅ・・・・はぁぐぐぅッ!!」
頤は、首が捻挫してしまうのでは?と思えるぐらいの急角度で、何度も何度も跳ね上げられ、
その都度、口元からは、甲高い悲鳴と熱い吐息と唾液の飛沫とが交互に溢れ出した。
全身の毛穴という毛穴からは甘い香気を帯びた汗が噴出し、
火照りを帯びた肌の表面を滝壷に向かって注ぐ急流のような勢いで流れ落ちていく。
今にも張り裂けんばかりに見開かれた両目に映るのは、視界を埋め尽くした満天の星々。
真っ白な靄がかかった頭蓋骨の内側では、
欲望と衝動とが不規則にぶつかり合い、交じり合いながら、
ゴウゴウと恐ろしげな唸り声を上げる巨大な渦巻きを作り出していた。
恐慌状態に陥った心臓は、一拍毎に膨大な量の酸素を要求し、
これに何とか応えようと必死に息注ぎを繰り返す呼吸音は、
ほどなく、瀕死の重病人もかくやと言わんばかりのリズムへと破綻を来たしていく。
(31)
「さぁ、もうすぐよ、優子。
あとほんの少しで、あたしの<剣>が、アンタの大事なバージンを突き破るの。
フフフ、楽しみだわ〜、アンタ、その時、一体、どんな顔をするのかしら?」
陶然とした表情を浮べる、赤毛のクラスメイト。
対する優子のカオは、間断なく与え続けられる快楽のおかげで、
すっかり骨抜きになり、ユルユルに弛緩しきっている。
その変貌ぶりに、ゾクゾクするような嗜虐感を覚えた麗子は、
矢も楯も堪らず、囚われの少女の上体を抱き起こすと、片手だけで<影の剣>を器用に動かしながら、
だらしなく半開きになった口元に己の唇を重ねて、舌先を捻じ込んだ。
「うッ・・・・むぐぅッ・・・・んんん・・・・ぐぶッ・・・・うぶむぅ・・・・!!」
上半身と下半身、両方のクチビルを同時に責め立てられた蒼髪の少女は、
苦悶の呻きを漏らしつつ、弱々しく五体を揺らした。
だが、それはもはや、抗議の意思に基づいた動作というよりも、
口唇愛撫と膣内挿入、二つの波動が共鳴し合って出来た、強烈な肉悦の発露と言うのが正解だろう。
事実に、しなやかな身体は背骨が折れそうなぐらいに反り返り、
内なる衝動にガクガクと打ち震えながら、口腔からも秘唇からも夥しい量の体液を溢れ返らせている。
(32)
「いいわよ、優子・・・・すごくいい。
けどね、勝手にイッちゃうのは許さないわ。
あたしが、もういい、って言うまでは我慢するの、分かったわね?」
処女を奪い去る前に、頂きに上り詰めてしまうのを警戒して、
一旦、クチビルを離し、あたかも粗相をした幼女を叱る母親のような口調で念を押す赤毛の少女。
注意を受けた優子は、暴発寸前まで高まった性感を一方的に断ち切られた懊悩に耐え切れず、
喘ぎとも呻きともつかない、あさましい泣き声を漏らしつつ、必死に再開を催促する。
そこには、もはや、凛々しさも清純さも欠片すら感じられず、
カラダの芯から発する執拗な疼きに屈服して、恥も外聞も無く情けを請う、哀れな牝獣の姿があるだけだった。
ぶちゅッ・・・・ぶちゅりゅッ・・・・ちゅぶちゅるるッッッ!!!!
「ああッ・・・・はぁうッ・・・・んくぅ・・・・あひぃッ・・・・はひぃぃッ!!!!」
漆黒の剣が規則正しいピストン運動を再稼動させると、
愛液に濡れそぼった膣襞の奏でる淫靡な水音に混じって、
――――と言うよりも、むしろ、それを完全に圧する勢いで、
あられもない嬌声が迸り、全身の筋肉がビュクンビュクンと踊り出す。
もう一度、警告を発しようとした麗子だったが、
熱い涙のスープの中で、とろん、と酒に酔ったような光を浮かべている双眸を目にした瞬間、
もはや何を言ってもムダだ、と、匙を投げざるを得なかった。
涙を一杯に湛えた薄青色の瞳は、すでに完全に焦点を失い、
知性の光も意志の力も、ほとんどと言って良いくらい、存在していなかったのだから。
(33)
(もうこれ以上、先延ばしにするのは無理のようね。――――仕方ないわ)
小さく舌打ちを発すると、麗子は方針の転換を即決し、
<影の剣>を握る指先に、ぐいッ、と力を込めた。
それまで、わざと一定させていなかったピストン運動のストロークが、
力強く、より正確なリズムに変わって、優子の膣穴を抉り始める。
「うあぁあッ!!いッ・・・・いあッ!!ダ、ダメッ・・・・らあめぇええッ!!
ひ、ひぃああッ!!ぁはあ・・・・あぅく・・・・ひはぁあああッ!!」
腰まで伸ばした豊かな蒼髪を振り乱し、
汗にまみれた上体を打ち揺らしながら悶え泣くとらわれの少女。
急速に大胆さを増していく剣柄の動きが意味するものを直感的に感じ取ったのだろう、
全身を覆う痙攣も、よがり声のトーンも、一段と激しさを増していった。
甲高い耳鳴りが、鼻先に瞬く火花が際限なく大きくなっていき、
すでに十分変調をきたしていた五感が、ひとつ、またひとつ、と弾けていくにつれ、
忌まわしい、しかし、この上なく心惹かれる、甘美なイメージが、意識の奥底から溢れ出して来る。
(34)
「ハァハァ・・・・あぎぃッ・・・・アッアッ・・・・ぎひぃいいッ!!
い、いぎぃ・・・・はひぎぃぃッ・・・・あぎひぃいいッッッ!!!!」
視界全体を埋め尽くしたショッキングピンクの火花が一斉に炸裂し始めると、
大きく開け放たれた口元からは、銀色の涎の飛沫と共に、嬌声とも悲鳴ともつかない絶叫が迸った。
すでに剣柄の先端は淫道の最深部・・・・純潔の象徴たる肉の薄膜によって守られた子宮口にまで到達し、
ひと突き毎に、ぞっとするような痛みと灼熱感、
そして、それらを遥かに凌駕する、信じ難い程の性のヨロコビが全身の神経を侵蝕していく。
――――次の瞬間。
「はぁあッ・・・・あぐ・・・・あがぁああああッッッ!!!!」
・・・・ぶちぃん、という鈍い断裂音が膣襞の奥で響き渡るのと同時に、
限界に達した淫唇は、咥え込んだ黄金の剣柄を小刻みに締め付けながら、頂上へと駆け上っていた。
ぞっとする程に甘美な衝動が、狂おしいわななきとなって背筋を駆け上るのと平行して
眩く輝く白光が灼熱の炎を噴き上げ網膜を焼き尽くし、
極限まで見開かれた双眸を、破裂した毛細血管から漏れ出した血液が深紅に染めていく。
下半身に満ち溢れる、激痛と快楽・・・・。
ぽっかりと胸に穴が空いたような喪失の哀しみと、五臓六腑を掻き乱すめくるめく悦楽の滾り。
本来ならば決して相容れない筈の二つの感覚と感情が、
たった今、処女から女へと変貌を遂げたばかりの優子のカラダの中で、
混ざり合い、溶け流れ、攪拌されて、奇跡的に一つの存在へと昇華していく−−−−。
(35)
・・・・・・・・ぢゅるん。
純潔の象徴を突き破った忌まわしい凶器が、爛れきった膣内から引き抜かれ、
纏わり付いたドロドロの愛蜜が長々と尾を引いて、汗ばんだ白い太腿の表面に銀色の紋様を描き出す。
美しい、しかし、何処か禍々しい雰囲気を漂わせる紅い宝玉で飾られた剣柄の先端部には、
征服の瞬間に浴びた赤錆色の返り血がこびり付き、凄惨な戦いの結末を雄弁に物語っていた。
「・・・・あッ・・・・かはッ・・・・ぐ・・・・あぁぐ・・・・くはぁッ・・・・」
壊れかけた呼吸器から漏れ出す、切れ切れの吐息。
脳天を直撃したエクスタシーの大波は一切の思考を消し去り、
全身を駆け巡る忘我の悦楽を除いた、全ての感覚を崩壊させている。
完全に蕩け切り、呆け果てた表情とは裏腹に、
ビクン、ビクン、と不規則な痙攣に蝕まれている姿は、
陸に打ち上げられた魚のように惨めで、ある意味、グロテスクですらあった。
その、数瞬後。
麗子――――否、風邪アイザードの作り出した幻影の少女は、
自らに課せられた役目が終わった、という主の『声』を聞くと、
横たわる優子に惜別の眼差しを注ぎながら、灰色に淀んだ大気の中へと、己の存在を消し去っていった。
(36)
――――ビュクン!!ビュクビュクビュクッッッ!!!!
いきり立った牡根が烈しく爆ぜて、
きつく食いしばった媚肉の間に、ドロドロとした汚汁を撒き散らす。
一瞬、黒い台座の上に拘束された女体が、拘束具を引き千切らんばかりに大きく跳ね回り、
混濁に陥っている意識の中で、真っ赤に赤熱した巨大な火球が炸裂する。
「ぐ・・・・んぐッ・・・・うぐぅうううう――――ッッッ!!!!」
カラダの奥からこみ上げてきた絶叫は、
口腔内を犯していたブヨブヨの軟体生物に遮られて、くぐもった呻き声にしかならなかったが、
はじめて味わう精子の感触は、津波のように押し寄せる本能的な嫌悪感となって、
優子の心を徹底的に破壊し、狂わせずにはいなかった。
体中で最も恥ずかしく、最も大切な場所が、焼け火箸を突っ込まれたかのように燃え上がり、
信じ難いほどの激痛と最低最悪の汚濁感が全身を席巻し尽くしていく。
精を放出し終えた肉槍が膣から引き抜かれると、
罪深い破壊行為の象徴である深紅の破瓜血が入り混じった大量の白濁液が溢れ出し、
あさましく震え続ける下半身を醜く穢していった・・・・。
(37)
「――――アイザード!!」
「・・・・おや、もうお着きですか?
さすがは<戦士>殿、我らが暗黒界の王に選ばれただけの事はありますねぇ・・・・」
実験室の入り口に姿を現した赤毛の少女を前にした魔道士の口調は、
漏らした言葉とは裏腹に、すっかり落ち着き払い、余裕さえ感じられるものだった。
対する暗黒界の<戦士>は、ハァハァと荒く息を注ぎながら、
彼とその背後に置かれた黒い台座に向かって、血走った視線を投げかける。
「・・・・貴様、一体、何を考えている!?」
殺気立った表情で問いを発する麗子。
極限に達した怒りのせいだろう、
ただでさえ色の白い頬筋が蒼白に引き攣り、
口元は醜く歪んで、さながら昔話に登場する山姥のようだった。
震える拳は、怒りのために、固く、きつく、握り締められ
食い込んだ爪が手の平の皮膚を抉って出来た傷口からは、真っ赤な血液が滴っている。
「答えろ、アイザード!!優子に・・・・あたしの獲物に、一体、何をしたんだッ――――!?」
――――――――to be continued.
以上、第5章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます。
今回、(久しぶりに)鬼畜な麗子を描きました。
しばらくの間、優子と相思相愛な関係にある麗子ばかり書いていたので、
正直、最初は少し戸惑いもしましたが、
すぐに、『ああ、麗子には、やっぱりこっちの方が似合ってるな〜』と思い直し、
色々と想像を膨らませながら筆を進めていきました。
次章では、自らの野望のために麗子を手中に収めようとするアイザードも加わって、
三つ巴のエロバトルを展開していく予定です。
7月下旬の完成・発表まで、しばらくお待ちくださいませ〜。
なお、今回も恙無く発表作業を終える事が出来ました。
ご支援、誠に有難うございました〜。
GJ
いぢわるな麗子はイイ
乙
現実サイドの方が読みたいと思った
GOODJOB
次回も頑張って下さい
期待保守
執筆状況〜。
3VエロパロSS第6章は、現在進捗率20パーセント。
アイザードの実験室、陵辱された優子の姿に怒りを炸裂させて斬りかかるものの、
強力な暗示をかけられ、忠実な奴隷と化した優子に阻まれる麗子。
目の前で、アイザードの肉棒にしゃぶりつき、奉仕するかつての親友の痴態に嫌悪を滾らせつつも、
カラダの奥底から湧き上がってくる欲情の炎に炙られた彼女もまた、
魔道士の狡猾な罠の中へと誘われ、抜け出せなくなっていく。
・・・・といった感じで、今章では、
前回とは一転、アイザードと洗脳優子に責め立てられ、
心の奥に宿る被虐願望を暴き立てられていく麗子を中心に描いていく予定です。
7月末の完成・発表まで、しばらくお待ち下さいませ〜。
>>331 携帯ヴァリスって続編が出てたのか。知らんかった。
■『夢幻戦士ヴァリスII』
情報料:
1ダウンロード525円(税込)/追加コスチューム105円(税込)
対応機種:
902T、802SH、703SH、803T、903SH、903SH、903T、
703SHf、804SH、703SHf、904T、904SH、905SH、705SH、
910SH、811SH、705P、911SH、812SH、910T、911T、813SH
アクセス方法:
Yahoo!ケータイ:[メニューリスト]→[ケータイゲーム]→[恋愛・美少女ゲーム]→[夢幻戦士ヴァリス1&2]
執筆状況〜。
3VエロパロSS第6章は、現在進捗率40パーセント。
催眠暗示をかけられたまま、アイザードの股間のイチモツに奉仕し続ける優子。
繰り広げられるフェラチオ・ショー。
<剣>を奪われ、戦う術を失った屈辱と無力感、心を抉る執拗な言葉責め、
いつしか麗子の瞳は目の前の痴態へと引き寄せられ、
やがて、カラダの奥底から湧き上がってくる淫熱によって身も心も蕩けていく・・・・。
現在、麗子が堕ちていく過程を執筆中です。
7月末の完成・発表まで、しばらくお待ち下さいませ〜。
>携帯版「U」
前作の巫女装束や体操服も凄いと思いましたが、
今回のワインレッドのメイド服や純白ウェディングドレスは、
もはや感涙モノと言っても過言ではないカモ。
>>334 ARCHDUKEタン乙
更新楽しみにしてまつ
336 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 12:31:32 ID:N+lr0bg+
>>336 作画が微妙というのは同感。
下手ではないけど上手というほどでもない。
麗子とのカラミが1カットしかなく、
暗黒界の怪物たちも全く出てこないのは珍しいけど、
そのせいでHシーンがちょっと寂しい気もする。
338 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 01:32:20 ID:xk3KQwNo
ZOL先生の手による「布地のヒラヒラ感」
「肌の上に纏っている」という繊細な質感の方が
よっぽどエロりんぐ
ZOL(キャプテン・キーゼル)御大と比べるのはさすがに気の毒な希ガス
ZOLを御大とかってこのスレではちょっと持ち上げ過ぎなような気がする
俺個人としては決して好みの絵柄ではないし、ヴァリス好きの補正をかけてさえ話も面白くかんじれなかった
絵柄の好みで過剰に拒否している部分もあると自分でも思うのだが、もうちょっと冷静な目で見た意見も聞いてみたいな
絵柄は別に嫌いじゃない。
ただ『全年齢推奨』であるコミックヴァルキリーで連載している以上
目の肥えているここの住人の嗜好にマッチするか否かが問題。
相対的評価をするとき、あらゆるヴァリス関連作品の評価を上げてしまう比較対照が存在する。
あれがある限り、冷静な目で見ても評価のインフレーションは避けられない。
執筆状況〜。
3VエロパロSS第6章は、現在進捗率80パーセント。
優子を利用したアイザードの巧みな心理誘導により、
彼の肉棒に奉仕するという屈辱を甘んじて受ける事になる麗子。
魔道士の生み出した魔法生物たちに性感帯を弄ばれつつ、自慰に耽る優子を眺めるうち、
アイザードを憎み、拒む心の中に、次第に妖しい感情が湧き上がっていく・・・・。
今月末の完成・発表まで、もうしばらくお待ち下さいませ〜。
346 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 08:57:09 ID:KYgIH+bM
348 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 16:37:34 ID:dm+W58Bu
HESHI FACTORYは相変わらず酷い中身だな
349 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:50:32 ID:Ei9gYu9F
350 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:59:59 ID:Ei9gYu9F
しかしエロ広告すごいな〜。
下のほうに小さくジャンプ先が書いてあるのわかってくれるだろうか...
執筆状況〜。
3VエロパロSS第6章は、現在進捗率90パーセント。
現在、完成した第1稿を元に、
文章・表現等の推敲と誤字脱字のチェックを行っているところです。
完成時期は今月末を予定しておりますので、もうしばらくお待ち下さいませ〜。
>>346 レダですか〜。
かなり上手く描けていますね。
仰るとおり、ヴァリスも手掛けて頂けると嬉しいのですが・・・・。
352 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 01:16:04 ID:vZXbctM/
発売日age
皆様お待たせしました〜。
3VエロパロSS第6章、本日完成いたしました。
今夜の22:00から発表を開始しますので、
お手空きの方は連投規制回避に御協力をお願いいたします〜。
>『コミック・ヴァルキリー』vol.7
優子にとって、肉体面は勿論、精神面でも、極めてハードな展開になってますね。
あのラストシーンからどういった風に逆転するのか?興味深く感じています。
個人的には、『イヤボーン』やヴァリアによる救出といった、これまで登場したパターンの焼き直しではなく、
優子自身の『生きたい』という強い意志が奇跡を呼ぶ、という展開に期待したい所ですが・・・・。
354 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 00:43:43 ID:IYFLZGQA
期待age
皆様お待たせしました〜。
只今より『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第6章の発表を開始いたします。
本編の方では、今回、優子は大ピンチに陥りましたが、
こちらの方は、一足早く(前章にて)処女を喪失した上、
強力な催眠暗示を掛けられて操り人形と化しています。
ただし、今章の時点では、自我の一部はまだ残っており、
アイザードの魔力によって変質させられた意識の中を彷徨っている、という状況です。
この点は、本編とも元のゲームとも異なる、当SSのオリジナル展開となっていますので、
お読み頂く際にはご注意下さい。
それでは、お楽しみ下さいませ〜。
(1)
ヴェカンティ。風邪アイザードの封土。
黴臭い空気の充満する、洞窟の中の実験室――――。
「もう一度訊くわ・・・・あたしの優子に何をしたのッ!?」
ベトベトと肌に纏わり付く不快な湿気に苛立ちを募らせながら、
赤毛の少女は、陰気な部屋の主を鋭い視線で睨みつける。
・・・・だが、プラチナ・ブロンドの青年は平然とした態度を崩そうとはしないばかりか、
色素の乏しい唇に薄く笑みを湛えて、碧色の双眸を挑発的に輝かせていた。
背後に鎮座するのは、禍々しく黒ずんだ石の祭壇。
台上には、意識を失った蒼髪の<戦士>が横たわり、
邪悪な魔道の紋様の刻まれた実験台の縁からこぼれ落ちた片腕が、力無く揺れている。
返答を待つまでも無く、その身に起きた出来事は一目瞭然だった。
(2)
「・・・・別に、大した事はしてませんよ。
今は気を失っていますが、じきに目も覚めるでしょう」
しれっとした口調で言ってのけるアイザード。
たしかに、少女の身体はぐったりと脱力しているものの、
黄金の防具に包まれた胸元は未だ上下運動を止めてはいない。
それを確認した麗子の口元に、ほんの一瞬だけ、安堵の微笑が浮かび上がった。
・・・・だが。
緩みかけた表情は、魔道士の妙になれなれしい口調によって、
再び怒気を取り戻し、引き攣るように強張っていく。
「そんな怖い顔をしなくたって良いじゃありませんか?
こう見えても、私は味方なんですよ。
現に、君の勝手な振る舞いだって、あの御方にも一言たりとも報告していないんですから・・・・」
「・・・・・・・・」
(3)
「・・・・うるさい」
吐き捨てるような呟きと同時に、
<影の剣>が鞘走り、魔道士の青白い喉元へと突きつけられる。
「これ以上、その汚らわしい舌を動かしてみろ。
二度と口をきけなくしてやるッ!!」
どす黒い憎悪を煮え滾らせる暗黒界の<戦士>。
発した科白が単なる脅しではない事を示唆するかの如く、
漆黒の刀身からは、赤黒い邪気――――<ヴェカンタ>が立ち昇っている。
・・・・だが、次の瞬間、言葉を途切れさせたのは、麗子の方だった。
(4)
――――ギィイインッッッ!!!!
突如として横合いから襲いかかってきた斬撃が、
アイザードの首筋へと伸びていた漆黒の切っ先を絡め取り、巻き上げた。
予想だにしなかった――――否、出来なかった――――衝撃を受け止めきれず、
ぬばたま色の愛剣は、いとも簡単に白い指先から弾き飛ばされ、
ひどく耳障りな軋み音を発しながら、洞窟の天井へと吸い込まれていく。
「なッ・・・・バ、バカなッ・・・・!!」
信じられない、という表情で、空っぽになった利き手を見つめる赤毛の少女。
もしも、狙われたのが<剣>でなく、肘か腕だったならば、
痛みを感じる間もなく、不恰好な切り株へと姿を変えられていたに相違無い。
それ自体もさる事ながら、麗子を愕然とさせ、凍り付かせたのは、自分に痛打を浴びせた相手が、
ほんの数秒前まで、ボロ雑巾のように転がっていた筈の少女であるという事実だった。
「ぐ・・・・ううぅッ・・・・は、謀ったな・・・・アイザード!!」
<ヴァリスの剣>を油断無く構えた優子の表情は、
まるで蝋で出来た仮面の如く、感情らしきものの存在が全く感じられない。
彼女の身に何が起きたかを悟った<ヴェカンタの戦士>は、
無念さの滲む目で暗黒界随一の謀将を睨みつけた。
(5)
夢幻界。ヴァニティ城。祈りの間。
遥か頭上に設えられた水晶の丸屋根から美しい七色の光彩が降り注ぎ、
法衣を纏った線の細い少女を優しく包み込んでいた。
名を、ヴァルナ、という。
ヴァニティ城の主であり、数千年の長きに渡って夢幻界を統治してきた超越的存在、幻想王女ヴァリアの娘。
現時点では偉大な母親には及ぶべくも無いが、
その魂に秘められた力を覚醒させた暁には、玉座の禅譲を受け、
同時に、<明>の力の源泉である、<ファンタズム・ジュエリー>を引き継ぐ事を約束された存在・・・・。
神に程近い存在であるヴァニティの王族は生殖のために異性を必要としない。
ヴァルナもまた、母親であるヴァリアの単性生殖により、この世に生を受けた貴種だった。
おそらくはそのせいだろう、すっきりと整った目鼻立ちは、
ヴァリアに似て、というより、瓜二つと言って良いくらいヴァリアに生き写しである。
もっとも、帝王としての威厳も神族としての聖性も未だ十分に備わっていない相貌には、
何もかもが完成され尽くした感のある母親とは異なり、
あどけなさと親しみ易さ(あるいは、子供っぽさと頼り甲斐の無さ)が同居しているのだが。
(6)
「・・・・ふぅ・・・・」
先刻来、聖所に籠ったヴァルナは、
安置されている二つの霊石――――優子が奪還したジュエリーの欠片――――に手をかざし、
思念を集中して、<戦士>の動静を把握しようと努めている。
だが、彼女自身が術者として未だ熟練の域には達していないためだろうか、
その試みは、今の所、大した成果を生む事無く、時間のみを無為に費やしている状況だった。
「・・・・ここにいたのですか、ヴァルナ」
「あ、お母様・・・・」
静かな衣擦れの音と共に、愛娘の許へと近付いてくる幻想王女。
話し方も立ち居振る舞いも、臣下に接する際のそれではなく、
血を分けた娘に対する母親としての情愛に満ちたものであるにも関わらず、
ある種の気後れを感じてしまうのは、やはり、彼我の存在感に埋め難い開きがあるためだろう。
無論、彼女とて、暗黒界との戦いさえ無かったならば、本格的な後継者としての教育を授け、
今頃は支配者としても術者としても、持てる力を十全に開花させていた筈なのだが・・・・。
(7)
「<ヴァリスの戦士>の様子が気になって。
・・・・ファンタズム・ジュエリーを通して見ようとしたのですが、なかなか上手くいかなくて・・・・」
ため息交じりのヴァルナの言葉に、
夢幻界の女王は、(内心、やるせなさを覚えつつも)静かにかぶりを振ってみせる。
たしかに、愛娘自身が認めている通り、能力的にはまだまだの部分が多いのは事実だが、
今回の試みが上手く行かない理由は別に存在していたのだから。
「無理もない。このような小さなカケラでは。
昔はあの天井に達するほど巨大だったジュエリーも、今ではたった・・・・」
幻想王女の視線ががらんどうの空間を寂しげに上下する。
夢幻界創造の際、自分の降誕と時を同じくして生成された、<ファンタズム・ジュエリー>。
<明>の力によって調律され、あまねく世界に光を送り続けてきたエネルギーの源も、
暗黒界との果てしない闘争の中で少しずつ失われ、今や僅かな欠片が残っているに過ぎない。
しかも、そのうちの幾つかは、奸智に長けた裏切り者によって暗黒王ログレスの許に売り渡され、
暗黒五邪神と呼称されるヴェカンティの魔将達によって守られているのだった。
(8)
(それも皆、私の力の衰えゆえかもしれません。
・・・・あるいは、私の役目が終わる日も近い、という事なのでしょうか・・・・)
純白の法衣の袖の内側で、ほっそりとした手が拳を作り、固く握り締められる。
自らの側近くに仕え、ヴァニティ城の最重要区画にも出入りを許される立場にあった者が、
<暗>の力に魅せられ暗黒界に走るなど、以前ならば到底考えられなかった。
情報によれば、ログレスに忠誠を誓った彼・・・・アイザードは、
<ジュエリー>奪取の功と昨日まの同胞たる夢幻界の民への仮借ない攻撃によって寵愛を獲得し、
ついには暗黒五邪神の一将に名を連ねるまでに取り立てられたという――――。
「・・・・一度だけ、優子の目を通して、あの男の姿を見ました。
もしかしたら、行方がとらえにくくなっているのは、
<ファンタズム・ジュエリー>だけのせいではないのかも・・・・」
ヴァルナの分析にゆっくりと頷き返す夢幻界の女王。
愛娘の推論は、おそらく、否、間違いなく正鵠を射ている筈だ。
あの狡猾な青年ならば、<ジュエリー>だけでなく、<戦士>にまで食指を伸ばしていたとしても不思議は無い。
そういえば、最近、彼女の力に、何か不安定な・・・・揺らぎのようなものが現れるようになったのだが、
これも何か関係があるのだろうか・・・・?
(暗黒界側の召喚した<戦士>・・・・アンチ・ヴァニティの力・・・・?
・・・・しかし、何故?ログレスならば兎も角、彼の臣下に過ぎない筈のアイザードが・・・・)
(9)
アイザードの魔力で作り出された悪夢の中。
鬱蒼と木々の生い茂る薄暗い森を抜け出せぬまま、彷徨い歩く<ヴァリスの戦士>。
「・・・・はぁっ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
・・・・何だろう?
<鎧>が少し重くなったような気がするのは。
まさか、戦いが続いたせいで疲れが溜まってるとか?
「それにしても、何処まで続いてるのよ、この森・・・・」
すでに時間の感覚は失われて久しく、
どれくらいの間、緑の迷宮を彷徨い歩いているのか、見当もつかない。
<ヴァリス>の加護によって護られているせいだろう、飢えも渇きも感じないのは有難かったが、
陰鬱な風景の連続に、いい加減、神経が滅入りそうだった。
時折、黄金の甲冑から聖玉の力が開放されて、
この森のどこかにある――――と思い込まされている――――聖玉の欠片を探知しようとするものの、
戻ってくる反応は微かで、頼りないものばかり・・・・精神的な疲労だけが蓄積されていく。
「でも・・・・探し出さなければ・・・・<ジュエリー>を・・・・麗子を救うためにも・・・・」
(10)
――――淀んだ空気の垂れ込めた実験室。
「フフフ、どうです?意地を張ってないで、あなたもこっちに来て楽しみませんか?」
そう言って、アイザードは、背中から四枚の透き通った羽根の生えた青緑色の肌の女達
・・・・邪悪な魔道の実験により生み出された異形の侍女に、血の色をした飲み物を用意させると、
赤毛の少女に対して、優雅な仕草でクリスタルの酒盃を傾けてみせる。
ジメジメとした部屋の隅で膝を抱えて座り込んでいた彼女は、
返事の代わりに、嫌悪感も露わに表情を歪め、煮え滾る怒気を湛えた目で彼を睨み返した。
「やれやれ、とりつくシマもありませんねぇ・・・・」
軽く肩をすくめたブロンドの魔道士は、気分を変えようと思ったのか、
暗紫色の液体を口に含むと、足元に跪くもう一人の少女に小さく目くばせする。
そして、先刻の俊敏さから一変した緩慢な動作で顔を上げた蒼髪の虜囚に向かい、
麗子に聞こえるよう、わざと大きな声で下半身への奉仕を命じた。
トロリと酒に酔ったような光を湛えた薄青色の双眸の奥で、一瞬、何かがざわめく気配がしたものの、
結局、一言も発しないまま、優子は侍女達の手を借りて主の衣服を脱がせ始める。
(11)
じゅるッ・・・・ちゅじゅッ・・・・ぶじゅる・・・・じゅちゅるるッ・・・・!!
耳朶の内側に押し寄せる、淫靡な水音。
叫び出したくなるのを必死で堪え、冷静さを保とうとする<ヴェカンタの戦士>だったが、
容赦なく鼓膜に殺到してくる粘っこい旋律は、否応無く、身体の芯を火照らせていく。
青黒い血管の浮き出た肉の塊に丹念に舌を這わせ、
柔かい口腔粘膜と固い上顎の違いを利用して敏感な亀頭部を責め立てる音。
歯先を使って優しく甘噛みしつつ、
ネチョネチョと男性器を舐めしゃぶり、喜悦の反応を確かめる音。
先端部分を使ってたっぷりと塗り広げた唾液を、唇を使って綺麗に拭き取り、
その上からもう一度、ヌルヌルとした涎汁を掛けて磨き上げていく音・・・・。
(・・・・ゆ、優子・・・・まさか、本当に・・・・?)
麗子の見つめる中、蒼髪の少女は、
未だ熟練には程遠い技術ながらも、教え込まれた手練手管を駆使し、魔道士の剛直に奉仕し続ける。
その外見は、暗黒界の軍勢を相手に聖なる剣を振るっていた時と何ら変わっていないにも関わらず、
何か決定的なものが喪われ、あるいは、変質してしまっているように思えてならなかった。
(12)
「最低ね・・・・悪趣味にも程があるわッ!!」
口では強がってみせる麗子だったが、
先刻からずっと、漆黒の肩当ては微細な震えに覆い尽くされていた。
クラスメイトの唇が、舌が、歯茎が、卑猥きわまる音楽を奏でるたび、
まるで自分自身の肌が舐め回されているかのように、
胸の奥はチリチリと燃え、汗ばんだ背中にも、ピクン、ピクン、と断続的な痙攣が現わる。
「フフフ、どうしたんです?顔を赤くして、もしや、熱でもおありなのでは?
だとしたら一大事・・・・ここで君の身に何かあったら、私がログレス様からお叱りを受けてしまいます。
さあさあ、遠慮などなさらず、どうぞこちらへ・・・・」
陰茎のみならず、睾丸や太腿にまで口唇奉仕を要求しながら、
アイザードは、慇懃無礼そのものの口調で、少女の足掻きを嘲笑する。
――――くぅうッ、と擦れ声で呟き、悔しげに下唇を噛み締める赤毛の少女。
その様子に、嗜虐欲求を大いに刺激された暗黒界一の陰謀家は、
狡猾な笑いを浮べつつ、更なる言葉の鞭を打ち鳴らした。
「・・・・<戦士>として、勇猛果敢なのは大変に結構な事なんですがねぇ。
でも、少しくらいは殊勝な態度も見せてはいかがでしょうか。
元はといえば、今回の騒動は君の軽率な行動が発端だった訳ですからねぇ・・・・」
(13)
「なッ・・・・言わせておけばッ!!」
ギリリッ、と奥歯を噛み鳴らし、屈辱に耐える<ヴェカンタの戦士>。
もっとも、この点に関しては、アイザードの言い分の方に理があった。
何しろ、元々、ログレスは、彼の献策を容れて、
強奪したジュエリーを夢幻界からも暗黒界からも隔絶した異空間に分散して秘匿する事により、
ヴァリアの消耗を促進しつつ、夢幻界中枢に侵攻するための準備時間を稼ぐ、という戦略をとっていたのだが、
それをご破算にしてしまった張本人が、他ならぬ麗子なのだから。
「・・・・あのまま、もうしばらく時間を置いていれば、現実界から<戦士>を召喚する事さえ困難となっていた筈。
なのに、君が、陛下の命令と偽ってガイーダをけしかけた結果、例の石の一つが夢幻界に戻り、
力の一部を取り戻したヴァリアに導かれて彼女は夢幻界に辿り着いてしまった・・・・違うかい?」
問いかけながら、暗黒界の魔道士は、チラリ、と優子に一瞥を走らせ、
相変わらず、一心不乱に――――というよりも、むしろ、ゼンマイ仕掛けの自動人形のような動きで、
性奴隷としての務めを忠実に果たし続けている様子を確認して、小さく笑みを漏らした。
深層心理に幾重にも張り巡らせた催眠暗示は、どうやら会心の掛かり具合らしい。
未だぎこちなさは抜けきっていないが、汗の粒に覆われた長い髪を小刻みに揺らしながら、
咥えた逸物を口腔粘膜でくるみ、張り出したエラの窪みに沿って舌を這わせていく姿は、
得体の知れないオーラに包まれ、拙い技量を補って余りある淫靡な雰囲気を醸し出している。
(14)
「――――先刻だって、折角、あと一歩の所まで優子を追い詰めたにも関わらず、
トドメを刺さずに己の欲望を満たす事に熱中し、結局、折角の獲物を横取りされてしまったでしょう?
あれが私だったから良かったものの、もし、夢幻界の者に彼女を救い出されでもしていたら、
今頃、君は、陛下のご不興を買う羽目に陥っていたかもしれませんねぇ」
他人の獲物を横から掻っ攫った挙句、
それを親切心の現われとまで言ってのける厚顔無恥な口上に、
麗子の堪忍袋の緒は完全に断ち切れ、蓄積された怒りが雷鳴となって轟き渡る。
「だったら、もう一度、コイツと戦わせなさいよッ!!
こんな腑抜けた姿じゃない、まともな状態で!!
その場でハッキリさせてやろうじゃない、あたしが<戦士>としてふさわしくないかどうかをッ!!」
・・・・しかし、一方で、絶え間なく木霊して来る、ピチャッ、ピチャッ、という淫靡な吸着音は、
少女の心に本能的な恐怖を呼び起こし、えずきとなってこみ上げてきている。
こめかみをピクピクと脈打たせながらまくし立てた怒声でさえも、
響きの奥には微かに震えが走り、口の中はカラカラに渇ききっていた。
憤怒に赤く染まった形相は半分は本物だったが、残りの半分は焦りと恐れを隠蔽するための作り物に過ぎず、
感情は、魔道の技によって精神を冒された元クラスメイトへの動揺によって掻き乱されている。
それは同時に、(自分が為し得なかった)彼女の完全征服に成功した男の姿に、
耐え難い敗北感と劣等感とを意識に刻み付けられた事の裏返しでもあったのだが・・・・。
(15)
「ふぅむ・・・・」
束の間、青年の碧色の双眸が思案げに宙を漂う。
引き込まれるように体を乗り出す麗子・・・・
知らぬ間に、その心は、九割方、アイザードの術中に嵌り込んでいたのだが、
冷静さを失った彼女は、未だこの事に気付いてさえいなかった。
(なかなか面白いアイデアですが・・・・出来れば、もう一捻り欲しいところですねぇ)
笑いを噛み殺しながら、、夢幻界生まれの魔将軍は手玉に取った二人の顔を見比べる。
逞しい男根を頬張りながら、焦点の合わない瞳で自分を見つめる<ヴァリスの戦士>と、
己れがどれだけ危険な状況に置かれているのかも把握できないまま、
激情に任せて、闇雲に食って掛かってくる<ヴェカンタの戦士>・・・・。
対照的な取り合わせの両者の表情を観察しているうちに、彼自身も徐々に興奮を掻き立てられたらしく、
どのみち手中に帰すのならより徹底的にものにしてやろう、という暗い情熱が湧き上がってくる。
(16)
(フフフ、どうしましょうねぇ・・・・?
折角、麗子が自分から言い出してくれたのですし、利用するのも悪くないでしょう。
でも、その前に・・・・)
グラスの中の芳醇な液体を飲み干した魔道士が、優雅な仕草で酒盃を侍女に戻し、
それから、おもむろにどす黒い情念のこもった眼差しをひと薙ぎさせた。
直後、主の意を察した人造生物たちが一斉に優子の体を絡め取り、身動きを封じてしまう。
「とりあえず、埒を明けさせて頂くとしましょうかッ!!」
――――ぶびゅッ!!ぶちゅぶりゅるッッッ!!
喉奥に聳える淫肉の塊が、ビュクン、と爆ぜ、
決壊した筒先から熱く煮え滾った牡液が鉄砲水のように噴出した。
輪精管が、ビクビクッ、と、大きく痙攣を発し、
極限まで大きさを増した亀頭が狭い口腔粘膜の間を跳ね回る。
本能的に異物を吐き出そうとする少女だが、
猛烈な勢いで精を撒き散らす悪魔の槍先からの退路はすでに断たれてしまった後だった。
(17)
「んぶッ・・・・うぶぅうッ!!げはぁッ・・・・あう・・・・ぅぐう・・・・むぐぅあああッ!!」
傍若無人に跳ね回る暴れ棒の先端から、夥しい量の精液が放出され、
生温かい牡液が、喉奥から唇に至るあらゆる場所を不浄な白濁で染め上げていく。
気道に流れ込んだ汚れ汁が喘息患者のような激しい咳を引き起こしたかと思えば、
食道から胃袋の底にまで侵入したネバネバ液は猛烈な拒否反応で迎えられ、
おぞましい嘔吐感へと姿を変えて口元へと逆流していく。
パニックに陥った優子は、胃液と唾液と精液が入り混じったドロドロの液体を吐き散らし、
不潔な石床の上をゴロゴロとのたうち回った。
(・・・・あああ・・・・こ・・・・こんなのって・・・・)
凄惨な光景に、我知らず、顔を背ける麗子。
実験室の石壁に反響する苦悶の喘ぎと激しい吐瀉音の前に、
暗黒界の<戦士>の怜悧な顔つきはとうに消え失せていた。
しばらくの間、冷やかな目でその様子を見下ろしていたアイザードは、やがて、無言のまま、
胃の内容物を全て吐き出した後もえずきが収まらずにいる少女を強引に引き摺り上げると、
放出を終えたばかりだというのに、もう凶悪な怒張を回復している股間のイチモツを、無理矢理に頬張らせた。
(18)
「フフフ、良いですよ・・・・実に良い。
口の中がビクビクと痙攣して、たまらない感触ですねぇ」
いかがわしい笑みを浮かべた魔道士の双眸が、赤毛の少女を舐め回す様に眺めやる。
恐怖と嫌悪によって相貌を青白く引き攣らせた麗子は、
まるで、自身の唇の間にも、目には見えないおぞましい異物が突き入れられているかの如く、
こみ上げてくる嘔吐感と必死に闘いながら、小刻みに身体を震わせている。
(ひ・・・・酷い・・・・酷すぎるッ!!)
俄かには信じ難い事だったが、情け容赦なく蹂躙される元クラスメイトの姿を見ていると涙腺が緩み、
お願いだからもうやめてくれ、と、叫び出したい衝動が湧き出してくる。
あれほど憎しみを募らせ、消えていなくなれば良い、と呪い続けていた相手だというのに、
<戦士>としての誇りはおろか、少女としての清純さも、人間としての尊厳も、何もかも踏み躙られ、
圧倒的な暴力と魔道の技とで強制的に服従させられているのを目の当たりにしていると、
何故なのか、自分でも理解不能な理由ながら、押し潰されるような苦痛で胸が塞がってしまうのだった。
(19)
(ククク・・・・睨んだ通りですねぇ、『麗ちゃん』は。
――――まあ、だからこそ、あの御方は、彼女を選んだのでしょうけれども・・・・)
青白く引き攣った麗子の表情を眺めやりながら、小さくほくそえむアイザード。
目の前にいる小娘は(おそらく)何一つ知らされてはいないだろうが、
彼女が暗黒界に召喚されたのは<戦士>としての天分を備えていたからでは決して無い。
単に<ヴァリスの戦士>・・・・今や牝獣の境遇に堕ちた哀れな女囚・・・・に対抗できる、
<アンチ・ヴァニティ>の能力を買われたまでの事に過ぎなかった。
(・・・・何しろ、あの力が発現するのは、
夢幻界側の<戦士>として選ばれるだけの素質の持ち主が、現実界において育った期間、
とりわけ、最も多感な時期に、最も精神的に強く結ばれていた者だけですからねぇ)
確かに、その意味においては、麗子は他に取替えようのない貴重な戦力であると言えるかもしれない。
・・・・だが、それも、優子という相手が存在していてこその話だった。
夢幻界の最後の切り札が、自我を失い、命じられるままに奉仕を行うだけの性奴隷と化した今、
<アンチ・ヴァニティ>能力の価値は、消滅したと言って良い。
無論、召喚された直後とは異なり、現在では彼女自身の力も侮り難い水準に迫っているが、
これとて、夢幻界が滅んだならば、不要のものとなるのは自明の理だった。
(・・・・まあ、その辺りの事情は、我々暗黒五邪神にしても、似たり寄ったりなんですが・・・・)
(20)
「・・・・さぁて、仕上げと行きましょうかッ!!」
――――ビュクンッッッ!!!!
再び肉管が躍動し、熱く煮え滾った体液をぶち撒ける。
解き放たれた精子の塊は前回の射精時に発射されたものよりも更に濃厚で、
嗅覚が狂いそうになるような強烈な牡臭を帯びていた。
勢い余って、口腔内を飛び出したネバネバ汁の飛沫が、痛々しく歪んだ顔面にビチビチと飛び散り、
青褪めた頬筋の上にグロテスクな水玉模様を描き上げていく。
「・・・・ひゃぶううッ・・・・んぁう・・・・むはぅうッ・・・・ぁはぁあ・・・・はぶぅぅぅッ・・・・!!」
喉奥を満たした汚液を吐き出そうとする優子だったが、
今度はそれすらも許されず、侍女たちの青緑色の手が寄ってたかって口元を塞いでしまった。
凍りついた視線で見つめる赤毛の少女の前で、凄惨な苦悶の呻きが響き渡り、
呼吸を塞き止められた肢体が、ビクビクビクッ、と断末魔の痙攣を発する。
(20)
「・・・・さぁて、仕上げと行きましょうかッ!!」
――――ビュクンッッッ!!!!
再び肉管が躍動し、熱く煮え滾った体液をぶち撒ける。
解き放たれた精子の塊は前回の射精時に発射されたものよりも更に濃厚で、
嗅覚が狂いそうになるような強烈な牡臭を帯びていた。
勢い余って、口腔内を飛び出したネバネバ汁の飛沫が、痛々しく歪んだ顔面にビチビチと飛び散り、
青褪めた頬筋の上にグロテスクな水玉模様を描き上げていく。
「・・・・ひゃぶううッ・・・・んぁう・・・・むはぅうッ・・・・ぁはぁあ・・・・はぶぅぅぅッ・・・・!!」
喉奥を満たした汚液を吐き出そうとする優子だったが、
今度はそれすらも許されず、侍女たちの青緑色の手が寄ってたかって口元を塞いでしまった。
凍りついた視線で見つめる赤毛の少女の前で、凄惨な苦悶の呻きが響き渡り、
呼吸を塞き止められた肢体が、ビクビクビクッ、と断末魔の痙攣を発する。
――――次の瞬間。
居ても立ってもいられなくなった麗子は、無我夢中で立ち上がり、叫び出していた。
「・・・・やめてッ!!優子が・・・・優子が死んじゃうッ!!」
(21)
――――悪夢の中。
『・・・・ッ!!優子が・・・・優子が・・・・!!』
(えッ!!な、何、今の声・・・・!!)
樹海の奥から聞こえてきた声に、ハッとして足を止める蒼髪の少女。
すぐに耳を澄ましてみるが、何も聞こえない。
(・・・・空耳だったのかしら?でも・・・・あれは、たしかに麗子の・・・・)
立ち止まったまま、思案に暮れる。
・・・・と、その時だった。
(・・・・ッ!?あ、あれは・・・・ッ!?こんな所に、どうして・・・・)
黄金の胸甲に嵌め込まれた深紅の宝玉が燃え上がるような赤い光を発し、
迸った光条が木立の一隅を明るく照らし出す。
<ファンタズム・ジュエリー>が指し示した場所にあったのは、
陰鬱な周囲の風景とは全く不釣合いな、鏡面のようにキラキラと輝く清冽な湧き水。
聖なる光は、サファイヤ・ブルーの水底に向かって一直線に射し込んでいた――――。
(22)
「・・・・おやおや、何を言い出すかと思えば・・・・」
侮蔑も露わに、アイザードはオーバーな身振りで肩をすくめてみせる。
その仕草によって、我を取り戻した赤毛の少女は、
続いて、自分が発してしまった言葉に衝撃を受け、全身を凍りつかせた。
(あ、あたし・・・・な、なんて事を、口走ってしまったの!?
優子が死ぬ、って・・・・当たり前じゃない!!敵なんだからッ!!)
「フン、これで、よく分ったんじゃないか?
やっぱり、君は<戦士>には不適だよ・・・・能力以前の問題だ」
魔道士の嘲笑が胸に突き刺さる。
だが、もはや、麗子は、何一つ言い返せなかった。
最も聞かれてはならない相手に、最も聞かれてはならない秘めた想いを叫んでしまったという事実、
・・・・そして、己れに対する深刻な猜疑がもたらす、恐怖と無力感が相手では、
肩を落とし、ブルブルと打ち震えながら、立ち尽くす事しか出来ない。
――――まるで、毎日のように対立し、争い続ける父母を前に、
為す術も無く泣き暮らすしかなかった、あの日々に戻ったかように・・・・。
(23)
(・・・・ち、違う・・・・違うわ・・・・。
あ、あたしは・・・・そんな・・・・弱い人間じゃ・・・・ない・・・・)
僅かに残ったプライドが必死に抵抗を試みるものの、
どす黒く濁った負の感情は増殖を続け、精神への腐食は止まらない。
そもそも、彼女の自尊心の源となっているものは、『桐島家の令嬢』にせよ、『暗黒界の<戦士>』にせよ、
自分自身の価値とは無関係に、他者から与えられた評価に依存するものに過ぎない以上、
アイザードの巧みな心理誘導によって噴出し始めた自己不信を止める事は不可能に近い。
「・・・・ひッ!!ゆ、優子・・・・な、何を・・・・あああッ!?」
とどめの一撃とばかりに、背後から忍び寄ってきた蒼髪の少女が、
しなだれかかるように顔を寄せ、白い液体の跡が生々しく残る口元を近付けてくる。
生温かく湿った吐息が耳たぶをかすめ、憔悴しきった頬筋を妖しく撫でると、
おぞましい感触に表情を引き攣らせた麗子からは情け無い叫びが放たれた。
無様を通り越して滑稽にすら見えるその姿に、目の前の魔道士はあからさまな侮蔑の眼差しを浮かべ、
周囲に侍る青緑色の肌の魔法生物達までもがキーキーと甲高い声を上げて笑い出す。
(24)
「アハハハッ!!いいねぇ、実に素晴らしい。
麗子、君は本当に刺激的な女性だよ・・・・色々な意味でねぇッ!!」
屈辱に身を震わせる<ヴェカンタの戦士>に向かって、
底意地の悪いエスプリを織り交ぜた嘲笑を浴びせかける暗黒五邪神。
反射的に言い返そうとした赤毛の少女だが、一瞬早く、優子の両手が唇と利き腕を絡め取ってしまう。
つい先程まで、呼吸困難に陥って死にかけていた人間のものとはとても思えない筋力の前に、
ささやかな反撃は封じ込まれ、失敗に終わった。
「クックックッ、どうやらまだ納得できない様子ですねぇ・・・・まったく、困ったお人だ。
・・・・では、物分りの悪い君のために、一度だけチャンスをあげるといたしましょう」
狡猾な笑みを満面に貼り付けたアイザードが、怒りと悔しさとで蒼白に変じた顔を覗き込む。
思わず、唾を吐きかけようとしたが、口元は優子の手で覆われたままだった。
反対に、指先に残った生乾きの精液の臭いが鼻腔内に侵入したせいだろう、
生理的な嫌悪感が掻き立られて、身動きすらままならなくなってしまう。
その様子にゾクゾクするような興奮を覚えた暗黒界の青年は、半ば恍惚となりながら取引の条件を告げた。
「・・・・これから、二人で乳繰り合い、愛の契りを結んで頂きます。
首尾よく、優子を先に絶頂に導けたならば、
彼女にかけた暗示を解いて、お望み通り、五分の状況で勝負をさせて差し上げましょう・・・・」
(25)
「・・・・んッ!!むぐぅッ!!」
白い指の間から漏れる、激しい動揺を孕んだ息遣いにはお構いなく、
アイザードは、しれっ、とした口調で要求の言葉を紡ぎ続ける。
「無論、私は手出ししませんし、あの御方にも報告はいたしません。
・・・・どうです、決して悪い取引ではないでしょう?」
「ううッ!!ぐうぅ・・・・」
呻くような喘ぎを漏らした直後、
憤激で血走った両目を、カッ、と見開き、目の前の卑劣漢を睨みつける麗子。
――――だが、今の彼女に可能だったのはここまでだった。
どう足掻いてみたところで、優子を押さえられている以上、魔道士の意向に逆らう事など出来はしない。
この男の狙いが自分の従属にあるのは明白だったが、
同時に、それが不可能と判断したならば、彼女をログレスの前に差し出すのを躊躇いはしないだろう。
そうなれば、ヴェカンティの支配者の寵愛は彼へと移り、
暗黒界における自分の立場は、(夢幻界との戦いの終わりを待つまでも無く)完全に失われてしまうに違いない。
(26)
――――ぴちゃッ・・・・ぴちゅッ・・・・ちゅるッ・・・・ぴちゅるるるッ!!
淀みきった空気の中、粘ついた吸着音が陰鬱な音色を響かせていた。
籐椅子の肘掛けに頬杖を突きながら、
暗黒界随一の策謀家は、聳え立つ肉の槍先に奉仕を開始した赤毛の少女を値踏みする。
冷やかな視線の先では、<ヴェカンタの戦士>が、黒いバンダナの下の眉間に深い皺を刻みながらも、
口に含んだ男根を、吸い立て、舐めしゃぶり、扱き上げていた。
「・・・・見ての通り、優子は私を満足させるために体力を使っているからねぇ。
このまま勝負させたのでは公平じゃないし、君だってそんな戦いは受け容れ難いでしょう?」
フェアプレイの精神など薬にしたくても無い筈の男の物言いに再び激怒する麗子だが、
もはや、どんなに理不尽な要求であっても、受諾以外の選択肢は存在しない。
もっとも、掛け値なしの清純派だった級友とは違って、彼女には、
現実界にいた頃、すでに何人かの相手と"不純異性交遊"を繰り返していた"実績"があったせいか、
無理強い同然の形での性交という点を許し難く感じたのは兎も角、
異性の性器を愛撫する行為自体への抵抗感は薄かったのだが。
無論、アイザードの強請は、その辺りの事情も全て知悉した上でのものだった。
(27)
「さあ、咥えてください。
・・・・ああ、優子、私が精を吐き出すまでの間、君は少し体を休めているんだ。いいね?」
加えて、突き出された男性器が人間離れした巨大なサイズでも奇怪な形状でも無かった点も、
抵抗感を薄めるのに一役買っていた。
・・・・とはいえ、本来の敵である優子以上に憎らしい、卑劣漢への奉仕はやはり苦痛でしかなく、
ともすれば、この醜い肉の塊を噛み千切ってやりたい、という衝動が胸の奥に湧き上がってくるのだが。
「ほぉら、さっさと口を開けるんだ。
そうそう、それでいい・・・・やり方は分かってるんだろう?さあ、早く楽しませてくれ・・・・」
(くッ・・・・急かさなくったって、やってやるわよ、変態男ッ!!)
覚悟を決めた少女は、瞼を閉じて目の前の肉突起へとかぶりつくと、
むわぁっ、と広がったアンモニア臭と生乾きの精液の感触とに内心閉口しつつ、
唇をすぼめてエラの張った鈴口を締め付け、舌の先端で亀頭の表面を舐め回し始める。
無論、こんな男の言いなりになるのはどうしようもなく癪なのだが、
一方で、どうせ避けられないならば早々に済ませてしまえ、という半ば自棄気味な感情が働いたのも事実だった。
(28)
「ううッ!?さ、さすがに上手いですね・・・・一体、何処で習ったんでしょうか?」
皮肉を無視して、黙々と口唇愛撫を継続する<ヴェカンタの戦士>。
味蕾の表面でピリピリと弾ける刺激感を我慢し、雁首の窪みに沿って舐め進み、
こびり付いた恥垢をこそぎ取るようにして丹念に扱き立てていくと、
程なく、輪精管の周囲から、ピクン、ピクン、と敏感なひくつきが現れる。
薄目を開けて魔道士の様子を窺うと、芝居ではなく、本気で感じ出しているらしく、
ブロンドの縮れ毛に覆われた下腹部がプルプルと小刻みな震えを発していた。
(何、もう射精する気なの!?
散々偉そうな御託を並べてくれた割には大した事無いのねッ!!)
青黒い血管が浮き出した勃起男根を咥えたまま、
赤毛の少女は冷笑を浮かべ、なおも、アイザードの様子を観察する。
暗黒界に寝返った元夢幻界人は、先刻までの余裕綽々な態度は何処へやら、
プラチナ・ブロンドを打ち揺らし、下半身から突き上げてくる快感に、早くも恍惚とした表情を浮べていた。
フン、と不快げに鼻を鳴らした麗子は、こんな茶番はさっさと終わらせてしまうに限る、と考えて、
頬を膨らませたり凹ませたりを繰り返し、一層激しく舌を動かし始める。
(ホラホラ、我慢してないでさっさと射精しちゃいなさいよッ!!)
――――だが、彼女が優位に立てたのはそこまでだった。
(29)
「ふぁッ・・・・ああ・・・・れ、麗子ぉ・・・・!!」
不意に、背後から響き渡った喘ぎ声が、
喉奥に聳える肉棒を扱き立てていた赤毛の<戦士>の肩を、ビクンッ、と跳ね上がらせる。
思わず、イチモツを吐き出した少女が後ろを振り返ると、
石床の上に座り込んだ元クラスメイトが、侍女達に全身を舐め回されながら、
自らもまた、敏感な場所に細指を這わせ、クチュクチュと卑猥な愛撫を続けていた。
「あああ・・・・イイ・・・・気持ちイイよぉ・・・・」
両脇からしなだれかかった青緑色の皮膚の魔法生物は、
しなやかな太腿やじっとりと汗ばんだ背中は勿論、うなじや耳たぶ、両手の指の股、腋の下から脇腹に至るまで、
甲冑によって覆われていない場所に存在する性感帯は一箇所たりとも見逃さなかった。
ザラザラとした舌先が、皮膜のように広がる脂汗にベットリと覆われた肌へと唾液を塗り重ねていくたび、
だらしなく半開きになった口元からはヨダレの糸が幾筋も流れ落ち、
熱く、荒々しい吐息と共に、あられもない嬌声が溢れ出していた。
(30)
「なッ・・・・話が違うじゃないのッ!?
あたしがアンタの相手をしてる間、優子は休ませる、って事だったでしょ!!」
気色ばむ麗子だったが、股間のイチモツを振り立てたアイザードは、
別に命令してさせている訳ではない、と取り合おうとしない。
怒りを通り越して呆れ返ってしまった赤毛の少女は、
大きくため息をついて抗議を切り上げ、魔道士に向き直った。
(まぁ、いいわ。アンタがそのつもりなら、今度こそ終わらせてやるッ!!)
口の中で吐き捨て、再度、いきり立つ男根を頬張る<ヴェカンタの戦士>。
・・・・だが、背後から響き渡る擦れかかった啜り泣きは、自身も知覚していない所で心身に影響を及ぼしていた。
否、彼女がもっと注意深く、心の内を把握しようと努めたならば、気付く事も出来ただろうが、
目の前の青年の何処までも卑劣なやり口に対する敵愾心に燃え立つあまり、
少女は、物事に動じず冷静に状況を見極められる判断力という、
己れに備わった最大の武器の一つを自ら封印してしまっていたのである。
(31)
――――じゅるッ・・・・ずちゅッ・・・・ずじゅちゅるるッ!!
そそり立つ男根を根元まで咥え込み、緩急を付けて扱き立てていく。
舌先を器用に操りながら、ザラザラとした味蕾を押し当て表面にブラシをかけると、
歯茎の付け根から、生温かい唾液が、じゅわわ〜ッ、と湧き出し、
口腔全体が、まるで、女陰と化したかの如く、淫気を帯びていった。
「あッ・・・・あうッ・・・・気持ち・・・・ひくぅ・・・・良過ぎて・・・・指がぁ・・・・止まらないッ!!」
背後では、欲情の虜と化した優子が、長い蒼髪を振り乱し、手淫に耽っている。
薄手のショーツを脇にずらし、敏感さを増した陰唇粘膜を、細い指先で捲り返し、ほじくり回すたびに、
まるで、麗子のクチビルから発せられるねばついた吸着音と競い合うかのように、
粘り気を帯びた水音が、喧しく、だが、扇情的な旋律を奏で続けた。
波長の異なる二つの官能の響きは、赤毛の少女の頭の中で鬩ぎ合い、複雑に絡み合いながら、
やがて、次第に融合し、この上なく妖艶な和音へと昇華を遂げていく・・・・。
(32)
――――ドクン、ドクン、ドクン!!
心臓の鼓動が次第に大きく、力強くなる。
カラダの中心にドロドロに熱せられた溶鉄が現れ、
溢れ出した性の波動が自律神経を伝って、カラダの隅々にまで行き渡っていった。
全身の毛穴という毛穴が、残らず、ゾワゾワとざわめき始め、
特に感じ易い場所からは、むず痒さを伴った快美な感覚が湧き上がってくる。
(ううッ・・・・な、何!?どうしてこんなに・・・・!?)
性感の疼きが次第に全身を覆い始めるに至って、ようやく事態の重大さに気付く麗子。
・・・・だが、時すでに遅く、暴走を開始した欲情は、
彼女の強靭な意志を以ってしても制御不能な段階に達しつつあった。
先程から、脊髄の真下、腰骨の付け根の辺りに、ゾクゾクと不穏な気配が現れ始め、
急速に勢いを増しつつ、さらに下の方・・・・黒絹のショーツに包まれた禁断の谷間に、滑り降りていく。
事態の急変に狼狽する<戦士>の耳朶の中では、自慰に没入する元クラスメイトのよがり声が激しく吹き荒れ、
喉奥の粘膜の間では、怒張した魔道士の陰茎が更に大きさと硬さを増していった。
(33)
「あふ・・・・うああ・・・・んむ・・・・むぐぅ・・・・んむううッッッ!!!!」
ラベンダー色の瞳が大きく見開かれ、細い眉が跳ね上がる。
体積を増した肉の槍先が、びゅくびゅくびゅくッ、と得体の知れない生き物の如く動き回り、
先端部から透明な先走り液を分泌して、口内全体に生臭い牡の匂いを撒き散らしていた。
射精欲求が忍耐力の限界に近付きつつある事を示す兆候は、
本来ならば歓迎すべきものの筈だったが、今の麗子にはそんな余裕は全く無い。
(あああ・・・・か、感じるッ・・・・カラダが・・・・あたしの体が・・・・ダメ・・・・止まらない・・・・止められないッ!!)
ヌルヌルとした体液が舌先を絡め取り、口腔粘膜を妖しく撫で回す。
顔中の水分全てが唾液腺へと流れ込んでいるのでは?と思いたくなるような勢いで、
生温かい涎が湧き出し、溜まり、流れ落ち、また湧き出す、という無限連鎖を繰り返していた。
身体の奥で燃え盛る淫蕩な業火はますます火勢を増して手が付けられなくなり、
申し訳程度の丈しか無い黒いプリーツ・スカートに覆われた、柔かい内股の間に、
ジュクジュクとした湿り気と絶え間ない疼きとをもたらし続けている。
(34)
「うふふッ、もう我慢の限界みたい・・・・」
傍に近付いてきた優子が、
愛蜜にキラキラ光る指先を見事に反り返った背筋に這わせながら甘い言葉を囁きかけると、
<ヴェカンタの戦士>は耳たぶをかすめた吐息に、ビクビクッ、と全身を痙攣させた。
クスクスと笑いながら、じっとりと汗ばんだ首筋にそっと口付けした蒼髪の少女は、
甘酸っぱい芳香を放つ無数の水滴を美味しそうに吸い立てる。
(・・・・あ・・・・ああ・・・・だ、だめぇッ・・・・くぅ・・・・ゆ、優・・・・子・・・・はぁううッ・・・・!!)
アイザードの陰茎を咥え込んだまま、麗子はぶんぶんと左右にかぶりを振り、悶え狂う。
すでに極限まで鋭敏さを増していた彼女の性感にとって、
少女の、甘く、とろけそうなクチビルの感触は致命的だった。
押し流されまいとする最後の抵抗は、快楽の大波と欲求の業火の前に脆くも砕け散り、
薄く桜色に色付いた生肌のそこかしこからは、
性への欲求が理性の頚木から解き放たれた証である濃密なフェロモンが立ち上り始める。
(うッ・・・・ふはぁ・・・・んあああッ・・・・!!!!)
何千台ものカメラから、一斉にフラッシュを浴びたかような強烈な白い輝きが意識の中に溢れ返り、
同時に、目に見えない無数の電撃が、幾度と無く、華奢な身体に襲い掛かる。
これまで一度も味わった事の無い強烈な快感に貫かれた麗子は、
殆ど抵抗する暇とて無く、肉欲の頂に向かって追い詰められていった・・・・。
(35)
――――幻像の森。
鬱蒼と生い茂る木々の間に忽然と姿を現した小さな泉。
場違いなくらいに美しく澄み渡った水面に視線を落としながら、逡巡に耽る<ヴァリスの戦士>。
(あの泉の中に、一体、何があるというの?
<ファンタズム・ジュエリー>?それとも、敵の罠・・・・?)
水面に映る己れの相貌を見つめ、独りごちる。
細心の注意を払って周囲の様子を窺うものの、
時折、<ヴァリスの鎧>の胸甲に嵌め込まれた聖玉が明滅し、水底に向かって紅い光条を迸らせる以外には、
取り立てて変化らしい変化も見当たらない。
(・・・・どちらにしても、前に進む以外に無い、か・・・・)
ようやく決心を固めた後も、優子は、胸の奥に澱のように沈殿する漠然とした不安が気にかかって、
水の中に入る事に躊躇を覚え、何度と無く引き返そうとする。
いつの間にか、風も止んで、枝々のざわめきも小鳥達の囀りも途絶え果てた森の中は、しん、と静まり返り、
あたかも、この場に繁茂する樹木の一本一本が、水辺に足に踏み入れる瞬間を待ち構えているかのように、
少女の周囲は重苦しい沈黙のヴェールによって取り囲まれていた――――。
――――――――to be continued.
以上、第6章をお送りしました〜。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜。
途中、貼り付けミスのため、作業が中断いたしましたが、
今回も連投規制に掛かる事無く、無事に発表を終える事が出来ました。
ご協力、誠に有難うございました。
さて、次章ですが、
本編で展開中の<アンチ・ヴァニティ>能力による<戦士>の力の喪失については、
是非とも(無論、エロパロ・テイストに変えた上で、ですが)取り入れてみたいと思っています
・・・・ついでに、ラストの噛み付きモンスターの大群も。
完成・発表は9月末を予定しています。どうか、ご期待ください〜。
GJ!!
毎度ながら乙であります。
しかし今月号のヴァリスは何故か巻末でしたな。
単純に入稿順か或いは読者の人気投票順か・・・
掲載順が下がると不安になるのはなぜだろう…
>>395 大丈夫。
BCのゴルゴやマンサンの静ドンのように、
巻末に掲載されるのは、その雑誌の中で一番人気が安定してる作品が多い。
本当に危ないのは、掲載頁がいつも雑誌の真ん中あたりをウロウロしてる漫画。
今回は締め切り順かと思った
正味の話しヴァリス以外読むとこねぇから
今回買ってない
今回腹パンチ有りのCDドラマに天道まさえの短編、フリージングと結構楽しめれるのがあったよ
これらはエロとリョナと絵とストーリーのバランスがまあ…取れている…とは思う
値段を考えれば正直当たりだったよ
数年後にプレミアついて高値で売れるのを見計らっているので
CDドラマは開封すらしていない。
まあ、島本須美のヴァリスなら聴くけど。
ZOL版ヴァリスの今号のピンチ。
優子に襲い掛かる敵の雑魚が吉田戦車の漫画に出てくる「丸」ソックリなので萌えない。
どうしても笑ってしまう。
来週は夏コミか
ヴァリス同人今年はどれぐらいありそう?
コミケ出るような若者サークルの中で探すより、
DLショップの検索で探したほうが釣れる気がする。
ヴァリスをネタにする様なトコって作り手が年齢重ねてそうだしな。
コミケだと、出ても島中で数サークルでしょうな。
執筆状況〜。
3VエロパロSS第7章は、現在進捗率20パーセント。
(本編の展開とは違い)アイザードに捕獲されて催眠暗示を掛けられ、悪夢の中を彷徨っている優子。
麗子の叫び声がきっかけで、自我を取り戻しかけたのも束の間、
その事に気付いたアイザードによって、より陰惨な精神攻撃を仕掛けられると同時に、
麗子の<アンチ・ヴァニティ>能力の発現によって、<戦士>としての力そのものも蝕まれていく・・・・、
といった感じで、今回も絶体絶命のピンチに追い詰められていきます
(ZOL先生のコミックとは異なり、こちらはエロピンチですが)。
完成時期は来月末を予定しております。
もうしばらくお待ち下さいませ〜。
407 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 01:46:57 ID:9LwWw4NQ
HESHIの表紙と中身のギャップによるガッカリ具合は毎回異常
>>403 18禁じゃないがRoughDriverって所からイラスト本が出てた。
>>407 いつものことなんで今さら腹も立たない。
「MissBlueに微笑みを」だけどあれって昔HESHIが出していたのと同じ内容?
>>409 タイトルは同じだけど中身は全く別物だったよ
執筆状況〜。
3VエロパロSS第7章は、現在進捗率50パーセント。
アイザードの催眠暗示と麗子の<アンチ・ヴァニティ>能力発動の共同攻撃で、
ヴァリアの加護を失い、精神世界でもボロボロに傷付いていく優子。
必死に立ち上がろうとするもの、<ヴァリスの剣>さえも維持できなくなり、
圧倒的な数のモンスターたち(注:アイザードの魔道の技が生み出されたイメージ上のもの)を前に、
為す術も無く敗北の道を歩んでいく・・・・、といったところ。
勿論、ラストは雑魚モンスターの集団による輪姦を予定しています。
今月末の完成を目指して執筆を進めておりますので、
もうしばらくお待ち下さいませ〜。
やった、ようやくモンスター軍団による輪姦
めちゃくちゃにしてやってください
保守
hoshu
執筆状況〜。
3VエロパロSS第7章は、現在進捗率90パーセント。
本日、第一稿を書き上げました。
引き続き、校正作業に取り掛かっています。
今月末の発表を目指して作業を進めておりますので、
あとしばらくお待ち下さいませ〜。
コミヴァ公式HP更新キターーーーー!!
優子タン半脱ぎ。ベノン登場。麗子タンご乱心?
単行本は10月下旬か
特典は何になるのかな?
夢幻戦士ヴァリス 1 ヴァルキリーコミックス
ブランド: キルタイムコミュニケーション (このブランドの作品一覧)
定価: \580 (税抜\552)
発売日: 2007/10/30
メディア: 書籍
JANコード: 9784860324773
著者 ZOL、日本テレネット
備考 B6
皆様お待たせしました〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第7章、
つい先程、完成いたしました。
本日の22:00より発表を開始したいと存じますので、
お手好きの方は連投規制回避のため、ご支援宜しくお願いいたします。
それでは、今夜をお楽しみに〜。
まだかな?
お待たせしました〜。
只今より、『3V』エロパロSS第7章の発表を、開始しますので、
ご支援の方、宜しくお願いいたします。
なお、本SSは、『コミック・ヴァルキリー』連載中の本編をエロパロ化したものですが、
展開には一部オリジナル要素(麗子がアイザードに囚われて洗脳されている、等)が入っておりますので、
初めての方はご注意くださいませ。
それでは、お楽しみ下さい〜。
(1)
意識の奥底。悪夢の迷宮。
――――ゴオォォオオオッッッッ!!!!
逆巻く水流が体に絡み付き、暗渠の底へと引き摺り込もうとしている。
耳を聾する激しい水音が、水底に沈んだ無数の水死者の呻きの如く、
必至にもがく少女をあざ笑いながら、五体を縛り付けていた。
容赦なく襲いかかる水圧に冷静さを失い、無我夢中で叫び声を上げる蒼髪の少女――――優子。
当然、肺の中に残った僅かばかりの酸素は、ゴボゴボと濁った音を立てて体外に溢れ出し、
入れ代わりに、凍え付きそうなくらいに冷たく澄み切った湖底の水が、
口腔と鼻腔を押し破って、猛烈な勢いで気道の奥へと流れ込んでいく。
(あああッ・・・・だ、だめ・・・・息がッ!!)
酸欠状態に陥った心臓が悲鳴を上げ、窒息の恐怖が全身を押し包む。
そのショックで、一時のパニックからは回復出来たものの、
時すでに遅く、浮上のチャンスは指の間をすり抜け、遥か彼方へと流れ去ってしまっていた。
水没しかけた肺腑が発する断末魔の痙攣の中、思考が混濁し、すううっ、と希薄化していく。
もはや、溺死寸前にまで追い詰められた彼女に可能だったのは、
消え失せようとする意志を懸命に手繰り寄せつつ、夢幻界の女神に助けを求める事だけだった。
(2)
ドオォォン――――!!
必死の祈りが通じたのだろうか、意識が途切れる直前、足元の地面が陥没し、
<戦士>の身体は、再度、亀裂の下へと飲み込まれてしまう。
今度こそもう駄目だ、と絶望にかられた優子だったが、
予想に反して、湖底の岩盤の裏側に広がっていたのは、
大量の空気と若干の地下水によって構成された、巨大な地中の湖水だった。
「ぐッ・・・・あぐぅうッ!!」
数十階建ての高層ビルに匹敵する高さから水面に叩きつけられる寸前、
<ヴァリスの鎧>から不可視の障壁が展開され、全身を包み込んだ。
そのまま、地下水脈へと落下し、派手な水柱を立ち昇らせた少女は、
荒れ狂う波間からかろうじて浮かび上がると呼吸器内に溜まった水を吐き出そうとする。
水深がそれ程でも無かった事が幸いして、試みはどうにか成功を収め、
文字通りの意味で、息を吹き返した彼女は、
盛大に咳き込み、ゼイゼイと喉を嗄らしつつではあったが、からくも岸辺へと辿り着いたのだった。
(3)
暗黒界。アイザードの実験室。
(むぅッ!?)
我知らず、驚きの声を漏らした暗黒界の魔道士。
瞠目、といって良いだろう、見開かれた碧色の双眸が見下ろすのは、
目の前で、青緑色の肌の侍女たちに取り囲まれ、
巧緻を極める舌技と指技で性感帯を玩弄され続けている、囚われの少女。
「俄かには信じ難い事ですが・・・・しかし、これは明らかに意識が戻りつつある兆候に間違いありません。
いやはや、<ヴァリスの戦士>が斯くも油断ならない存在だったとは、正直、驚きましたよ」
半ば本気で感嘆を覚えた魔将軍は、蒼髪の少女の表情を注意深く窺いつつ、
強力な催眠暗示によって支配下に置いていた筈の彼女の精神に、再度、走査の網を投げかけた。
驚くべき事に、囚人の自我は、僅かではあったものの、回復の兆しを見せ、
邪法によって生み出された悪夢の迷宮を抜け出さんとする苦闘を再開している。
幸い、抵抗運動は緒についたばかりで、充分な成果は上がっていないようだったが、
一度は完全に制圧し、抑え込んだはずの優子の心が、
呪縛を振り解き、活動を再開していたという事実は、衝撃をもたらすのに充分なものだった。
(4)
「・・・・とはいえ、この調子では完全に暗示から脱するのは当分先になりそうですが・・・・」
精神走査の結果に、ひとまず胸を撫で下ろしはしたものの、
アイザードは、尖った顎に手を当てて、どうしたものだろうか、と考え込んだ。
・・・・無論、今一度術をかけ直すのは簡単だが、
魔力で押さえ込むだけでは、また同じ繰り返しになる可能性が高い。
封じる事は出来ても滅ぼす事は出来ない厄介な存在を完全に消滅させるには、一体――――?
(・・・・あるいは、麗子の力、<アンチ・ヴァニティ>能力を試してみるべきなのでしょうか?)
実験動物に対するかのような酷薄な眼差しが、
優子の傍らで、同じように虚ろな表情を浮かべている、もう一人の<戦士>へと向けられる。
視線の先では、甘美な感覚に酔い痴れた赤毛の少女が、
生肌をねっとりとした汗で濡らしながら、押し寄せる歓喜の大波に全身を震わせていた。
フン、と鼻を鳴らしたプラチナ・ブロンドの青年は、
汚物でも眺めるのような目で淫獄に堕ちた少女を見つめ、冷やかに吐き捨てる。
「まぁ、考えてみれば、君はそのために召喚されたんですからねぇ・・・・」
支援
(5)
出口の見えない迷宮――――悪夢の中。
(地底にこんな場所があるなんて・・・・。
いったい、この世界はどうなっているの?)
やっとの思いで辿り着いた岸辺は自然の物ではなく、
歴史の教科書で目にした事のある古代西欧の遺跡を髣髴とさせる、人工の建造物だった。
赤茶けた石材で築かれた河岸の上へと這い上がった優子は、
荒々しく息を注ぎながら、周囲を見渡し、首を傾げる。
森の中に泉が湧き出し、地下には巨大な空洞があって水脈が走っている、
・・・・これだけならば、まだ理解できなくもなかったが、
そこに明らかに人の手が加わった遺構があり、奥に向かって伸びている、など想像の範疇を超えている。
勿論、ここが現実界とは異なる自然法則に支配されているのは分かっているつもりだが、
一方で、水中で溺れれば窒息し、高所から落下すれば五体が粉々に砕け散る、という現実はどうなのか?
これでは、まるで周囲の何もかもが悪意を抱く何者かが作り上げた虚構であり、
自分を奈落の底へと突き落とさんとする悪辣な画策のための道具立てのようではないか――――。
(6)
「まさか、いくら何でも・・・・そんな筈、ある訳ないわ・・・・」
小さくかぶりを振ると、
優子は、不吉な――――しかし、これ以上無いくらい、正鵠を射ていた――――考えを振り払った。
今は悩んでいても仕方ない、兎に角、脱出する方法を見付けるのが先決だ。
(いささか強引に、ではあったが)自分を納得させた彼女は、
ズブ濡れ状態の身体の中から最も気になる部分・・・・水分を含んでベタベタと肌に纏わり付く蒼髪を手に取り、
軽く絞って水気を切った後、手櫛で梳いて元通りに直す。
そして、少し気分が落ち着いた所で、呼吸を整え、精神を集中させる。
だが・・・・。
(え?どうしたんだろう、いつもと感じが・・・・)
実体化した<ヴァリスの剣>に触れた瞬間、
今までに経験した事の無い違和感が五感をざわつかせる。
具体的に、何処がどう違っているのか?は、自身にも判然としなかったが、
手の平に感じた感覚はいつものそれとは明らかに異なるものだった。
一瞬、先程の疑問が脳裏に蘇り、ビクッ、と肩を震わせる蒼髪の少女。
――――もっとも、しばらくすると、微かな違和感は(やや不自然なくらい)跡形もなく掻き消え、
白銀の聖剣は何事もなかったかのようにいつもの肌触りを取り戻したのだが・・・・。
(7)
(な、何だったんだろう、今の・・・・?)
漠然とした不安を覚えながら、優子は<剣>の様子を注視し、
次いで、ゆっくりと視線を巡らせて周囲の状況を確かめる。
立ち並ぶ石柱の列も敷き詰められた石畳も、
長い月日にわたって地下水脈の湿気に曝され続けたためだろう、
侵食されて亀裂が入っていたり、崩れかけているものも少なくない。
――――と、その時。
「ッ!?<ファンタズム・ジュエリー>がッ・・・・!?」
唐突に、胸元に嵌め込まれた聖玉がチカチカと明滅し、
真紅の輝きが石畳の先の暗がりをさかんに指し示した。
森の中を彷徨い歩いていた時とは明らかに異なる強い反応に驚いた少女は、
一時的に不安を忘れると、赤色の光が示す方角に目を凝らす。
案の定、その先には、両側を高い石壁に挟まれた狭い通路が口を開けていた。
(8)
「こ、こんな所を進め、っていうの!?」
<ジュエリー>から迸る光条に照らし出された場所を覗き込むなり、
唖然として言葉を失う<ヴァリスの戦士>。
左右を優に数十メートルはありそうな石壁に挟まれた通路は、
道幅が大人同士が何とかすれ違う事の出来る程度しかない。
万が一、襲撃を受けたなら、極めて不利な状況に陥るのは明らかだった。
(他に道があるなら、そっちを使いたいところだけど・・・・)
・・・・だが、切なる願いも空しく、辺りには別の通路らしきものは見付からなかった。
小さくため息をついて捜索を断念した少女は、唯一無二の入り口の前へと足を運ぶと、
全身の神経を集中させて、漆黒の闇の中を覗き込み、聞き耳を立てる。
だが、真っ直ぐ直線状に伸びていると思った通路は実際には緩やかに蛇行しているらしく、
ヴァリアから与えられた加護によって、常人の何倍にも強化されている筈の視覚や聴覚を以ってしても、
様子が分かったのは精々数十メートル程度、そこから先はまるで見当も付かなかった。
(9)
「何だか、すごく嫌な感じがする。・・・・出来れば、引き返したいけど」
気弱なセリフを口にする優子だったが、無論、引き返す道など何処にもありはしなかった。
やむなく、少女は、もう一度深いため息を漏らすと、
諦めたように<ヴァリスの剣>を構え直し、通路へと分け入っていく。
覚悟はしていたものの、実際に足を踏み入れてみると、
左右に聳え立つ無機質な石壁から発せられる圧迫感は想像以上で、息苦しささえ覚えるほどだった。
(それにこの気配、やっぱり何かいるみたいね)
天井から降り注ぐ無数の敵意に歩みを止める、蒼髪の<戦士>。
うなじの周囲をざわざわと騒がせる不快な気配を追って遥か頭上に目を凝らすと、
案の定、そこには、何十匹、否、何百匹もの奇怪な生き物が数珠繋がりに連なり、
古くなって壊れかけた蝶番が軋むような奇怪な唸り声を発している。
暗くて正確な姿形は分からないが、どうやら平均的な個体は直径一、二メートル程の球体のようで、
手足は勿論、目も耳も鼻も無いカラダの真ん中に、真っ赤に裂けた口だけが存在し、
不健康な色合いの歯茎の間では鋭く尖った牙の列が不気味に輝いている。
支援
(10)
「・・・・来るッ!!」
鍔元に嵌め込まれた紅い宝玉が、警告の波動を発して害意ある者の接近を知らせる。
ほぼ同時に、優子は<ヴァリスの剣>の先端を上空に向け、切っ先を頭上高く突き上げていた。
細身の刀身が、カッ、と眩い閃光を発したかと思うと、
白銀の聖剣から飛び出した幾つもの光の弾丸が空中へと飛散し、
降下態勢に入ったばかりで回避もままならない敵の体を正確に撃ち抜いていく。
「ハアアアッ!!」
運良く剣光の弾幕を免れた者たちもいるにはいたが、
彼らとて、不幸な同胞達より、ほんの数秒間長生き出来ただけに過ぎなかった。
地上に着地するタイミングを見計らって迸った聖なる斬撃が、
光り輝く暴風と化して犠牲者達の間を吹き抜けたかと思うと、
次の瞬間、不恰好な怪物たちの肉体は潰れたトマトのようなブザマな肉塊へと変えられてしまう。
(11)
ドドドドド――――!!
第一波攻撃の失敗を悟ったのだろう、前方から、重々しい地響きを轟かせつつ、別の一団が迫ってくる。
今度の敵は、中世の騎士が身に纏っていた全身を覆う板金鎧の両手と両肩の部分に、
どんな用途に用いるのか理解し難い、飛行機のプロペラに似た形の金属片を装着した怪物たち。
かなりの重量があるらしく、一歩毎に足元の石畳が割れ砕けて陥没していくのが遠目にもよく分かる。
(接近戦になると不味いわ・・・・アースクエイクで一気に畳み掛けるしかない)
普段なら、パワーはあっても動きの鈍そうな、この種の敵を相手にする際には、
むしろ、相手の懐に飛び込み、急所を狙って的確な斬撃を叩き込んでいくのが常石なのだが。
(でも、これだけ狭い場所で戦うとなると、
わたしの動きも制限される分、思わぬ不覚をとる可能性も捨てきれないし・・・・)
そう、状況を見て取った優子は、先程とは逆に、<ヴァリスの剣>を地面へと向けて切っ先を突き下ろし、
己の体内に眠る聖玉のエネルギーを開放すべく、精神を集中した。
その決断自体は、決して間違ったものではなかったのだが――――。
(12)
(な・・・・何・・・・・・・・?)
――――突如として、視界がグニャリと歪み、三半規管にダメージを負った時のように、全身の感覚が消失した。
目に見えない力によって押し潰されようとしているかの如く、体が沈み込み、
いつもは羽根のように軽く、着用感さえ殆ど意識させない黄金の防具が、
まるで鉛と化したように柔肌に食い込んで、重苦しく感じられる。
(い、一体、これはッ!?)
重心がグラグラと不安定に傾いで、ついには立っている事さえ出来なくなる優子。
石畳に突き立てた武器にしがみついて、かろうじて転倒だけは免れたものの、
腰から下の筋肉からスルスルと力が抜け落ち、もはや一歩も動けなくなってしまう。
ブオオオオッッッ!!
追い討ちをかけるように、禍々しい甲冑の化け物が襲いかかってくる。
騒々しい轟音と共に、都合4機のプロペラが高速回転を始めると、
前方に小規模な竜巻が発生し、<ヴァリスの戦士>に向かって吹き寄せてきた。
たとえ五体が正常に動く状態であったとしても、
狭い通路内ではその攻撃をかわしきる事は至難だっただろう。
まして、自由を失い、五感すら正常に働かない現状では、満足な受け身さえ不可能だった。
(13)
「あッ・・・・ぐうぅうッッッ!!!!」
吹き寄せてきた凄まじい突風が、少女の身体を木の葉のように舞い躍らせる。
為す術も無く、空中へと投げ出された蒼髪の<戦士>は、
直後、背後の石壁に背中から叩き付けられ、悲痛な叫び声を発した。
<ヴァリスの鎧>の加護の力が、かろうじて打撃の大部分を防ぎきったらしく、
強打された背骨が砕け散るという致命的な事態だけは免れ得たものの、
防ぎきれなかった衝撃は、すらりと伸びた健康的な背筋を無残に腫れ上がらせていく。
(ち、力が出ない・・・・なぜ・・・・?)
激痛に全身を捩りながら、必死に起き上がろうとする優子。
その努力を嘲笑うかのように、アイザードの配下達は、次々と悪意の風を放って彼女を痛めつけていった。
竜巻に巻き上げられ、石壁に叩き付けられ、地面へと落下し、そしてまた巻き上げられる――――、
一連の流れを繰り返す度、体中がギシギシと不気味な悲鳴を上げ、
乙女の柔肌には、一つ、また一つ、と赤色や青色の痣の数が浮かんでいく。
しかも、反撃など全く不可能な状況下で、唯一の頼みの綱と言える<鎧>の守りまでもが、
執拗な攻撃の前に徐々に弱まっていくのだった・・・・。
(14)
「フフフ、どうです、優子?
<アンチ・ヴァニティ>の力、お気に召して頂けたでしょうか?」
黴臭い空気の漂う実験室。
ねっとりとした笑みを満面に張り付かせた魔道士の見下ろす先で、侍女たちが遠巻きに見守る中、
意志の輝きを失った双眸に薄ぼんやりとした曖昧な視線を浮べた二人の少女が乳繰り合っている。
「ふあ・・・・ああ・・・・んぅう・・・・あはぁ・・・・うううん・・・・」
弱々しく手足を震わせながら、途切れ途切れに甘い喘ぎを漏らしているのは、黄金の鎧を身に纏う蒼髪の少女。
適度な質感を帯びつつ、しなやかに伸びる太腿は、
大きくV字型に割り開かれ、時折、ビクン、ビクン、と不規則な戦慄きを発していた。
その付け根の部分――――本来なら、純白のスカートの奥に隠されている筈の秘密の谷間――――には、
もう一人の娘・・・・漆黒の鎧を身に帯びた赤毛の少女が顔を埋めており、
指と舌を激しく駆使して、初々しいピンク色の花弁を弄んでいる。
(15)
痺れに似た感覚が背筋を這い登ってくる都度、半催眠状態の優子は切なげな吐息を漏らし、
じっとりと汗ばんで桜色に上気した肌を小刻みに震わせている。
無論、意識が完全では無い以上、彼女が、己の心身を蝕んでいる忌まわしい刺激を、
心の底から"快楽"としてとらえているのかどうかについては、疑問の余地を残していたが、
少なくとも、肉体の方は、周囲に漂う濃密な淫気に屈服し、完全に虜となってしまっていた。
ぬるっ・・・・ぐちっ・・・・にゅるるっ・・・・ちゃぱっ・・・・ちゅるるるっ・・・・!!
薄手のショーツは、舌技の邪魔にならぬよう脇へと退かされ、
まだ十分に生え揃っていない下草の間から、充血した陰唇粘膜が恥ずかしげに顔をのぞかせていた。
サーモンピンクの割れ目に沿って、<ヴェカンタの戦士>の艶かしいクチビルがゆっくりと上下すると、
秘裂の内側から、半透明な愛蜜が、じわわわぁッ、と溢れるように滲み出し、
えもいわれぬ芳醇な香りを帯びたフェロモンが、かつてのクラスメイトの顔面に向かって飛沫を上げる。
陰唇の上端部では、可愛らしい真珠玉が精一杯背伸びをして、
表面を保護している包皮の間から懸命に身を起こし、まろび出そうとしていた。
(16)
「たった一度、まぐわっただけでこうも影響が出てしまうとは。
いやはや、大したチカラですねぇ・・・・実に興味深い」
涙で蕩けた優子の瞳を覗き込み、しきりに頷きながら目を細めるアイザード。
一瞥しただけでも、これまで、ヴァリアによって与えられた加護に守られて、
どんな高度な魔道の技を以ってしても、完全な屈服には至らしめる事が叶わなかった強靭な精神が、
今や決壊寸前のダムの如く、崩壊の危機に直面している様子が手に取るように分かる。
「君は、もう以前のようには戦えないよ。
麗子と肌を合わせてしまったのが運の尽き、だったね」
かつての級友に責め立てられ、弱々しくカラダを揺らしながら啜り泣く蒼髪の少女に向かって、
暗黒界の魔道士は、ニヤニヤと底意地の悪い笑みを浮かべてみせた。
<アンチ・ヴァニティ>能力は、彼女を<ヴァリスの戦士>たらしめている心の働き、
すなわち、魂の内面にあって、<明>と<暗>の二つの要素を高い水準で均衡させ続けるサイクルを、
掻き乱し、不安定化させ、修復不可能なまでに破壊してしまうもの。
――――そう、知識としては会得していたものの、
今まで実例を目の当たりにした事は無く、正直、いささか眉唾ではないか?とさえ感じていた彼にとって、
麗子の力の一端に触れる機会を得たのは、非常に心踊る経験と言えた。
無論、それにより、今まで散々手こずらされてきた難問が解決するとあっては尚更である。
(17)
「<アンチ・ヴァニティ>の力を注がれてしまった今、君はただの少女でしかない。
・・・・クックックッ、その証拠に、ほぅらッ――――!!」
ニヤニヤと笑いながら、アイザードは黄金の胸甲に守られた乙女の胸元に向かって片手を伸ばす。
骨ばった指先が美しい曲線を描く胸甲に触れるか触れないかの所で奇妙な印を結んだ直後
黄金の胸当ての下からキラキラと不可思議な輝きが溢れ出し、
震え慄く口元からは、苦悶の呻きとも快楽の喘ぎともつかない、かぼそい泣き声が漏れ始めた。
「・・・・あ・・・・ああ・・・・うぅ・・・・あ・・・・ふぅあ・・・・あああ・・・・」
胸元から溢れ出した光は次第に集束し、凝縮されて、
やがて、馴染み深い物体の姿へと実体化していく。
――――ファンタズム・ジュエリー。
死線を彷徨った末に、ガイーダとキーヴァからの奪還に成功した聖玉のカケラであり、
<ヴァリスの剣>を媒介として、<戦士>としての自己の存在と結合した<明>のエネルギーの結晶。
それが、自分の体から強引に引き剥がされ、奪い去られようとしている事態を本能的に察知したのだろう、
蒼髪の少女は、苦しげに喘ぎつつも、大切な聖石を奪われまいと必死に腕を突き出した。
(18)
「・・・・あ・・・・あああ・・・・だ・・・・ダメぇ・・・・!!」
――――だが、現実は、優子にとってあまりにも残酷だった。
二つの宝玉は、無情にも、差し伸べられた指の間をすり抜けると、
冷笑を浮かべた魔道士の青白い手の中に引き込まれるように吸い寄せられていく・・・・。
(19)
「フフフ・・・・ハーッハッハッハッ!!!!」
二つの<ファンタズム・ジュエリー>を高々と掲げ、勝利の哄笑を放つアイザード。
見下ろす先では、ああ、という力無い呻きと共に、突き上げられていた腕が、パタリ、と落ち、
(ほんの一瞬だけ)瞳の奥に蘇りかけていた輝きが再び絶望の底へと沈んでいった。
「ククク、大事な石を守る事さえ出来なくなってしまうとはねぇ・・・・どうです、今のご気分は?」
半ば憐れむような眼差しを投げかける魔道士。
もっとも、蒼髪の少女は、最後の意志の糸も断ち切れてしまったのか、黙りこくったままだった。
フン、と鼻を鳴らした暗黒五邪神は、急に興味を失ったらしく、
麗子に向かって、後は好きにしろ、とばかりに顎をしゃくってみせると、自らは籐椅子へと身体を戻した。
赤毛の少女の両手がぐったりと脱力しきった白い肌をまさぐり始め、
弱々しく擦れた喘ぎ声が、再度、陰気な実験室を満たしていく・・・・。
(いちいち精神を走査するまでもないでしょう・・・・勝負はすでについたも同然なのですから)
物憂げに目を閉じた暗黒界の貴公子は、
少女達の奏でる卑猥な吐息のリズムに耳を傾けながら、今後に思いを馳せた。
聖石の加護を失った今、優子の精神を守るものは、ヴァリアによって与えられた僅かばかりの力のみ。
――――否、これとて、尽き果てるのはもはや時間の問題だろう。
そうなれば、意識の底に残る最後の光も、悪夢によって食い尽くされるのを待つばかり。
あと少しの辛抱で、夢幻界最後の希望は潰え、二人の<戦士>は、身も心も自分の手に帰す事になる。
(そして、その後は、いよいよ・・・・)。
(20)
――――再び悪夢の中。
「ううっ・・・・う・・・・動け・・・・な・・・・い・・・・」
息つく暇も無い連続攻撃にさらされ続けた少女は、
今や瓦礫の山と化した石畳の上に横たわったまま、立ち上がる事さえ出来なくなっていた。
ガシャン!!ガシャン!!ガシャン!!
耳障りな足音を立てて近付いてくる甲冑の悪魔。
蒼髪の<戦士>は全身を襲う激痛に苦悶の声を発しながらもなお、
残った気力を総動員し、<ヴァリスの剣>へと腕を伸ばす。
震える指先と黄金の剣柄の間の、僅か数センチにも満たない空間が、
今の優子には無限の隔たりのように感じられた。
(くぅ・・・・あ、あと少し・・・・お願い・・・・間に合ってッ!!)
残った力の全てを出し切り、かろうじて目的地へと辿り着く細い指。
――――だが、次の瞬間、彼女の表情は凍りついた。
支援すんのは初めてなんだけど、こんなもんでいいのかな?
(21)
・・・・グニャリ・・・・。
掴み取った細身の武器を渾身の力を込めて手繰り寄せようとした途端、
白銀の聖剣は、何の前触れも無く、刀身の真ん中付近から折れ曲がり、
出来損ないのアイスキャンデーのように、ドロドロと溶け崩れてしまった。
「う、嘘ッ!?剣が・・・・<ヴァリスの剣>がッ!!」
あまりの出来事に言葉を失う優子。
見開かれた双眸の前で、鈍い輝きを発する得体の知れ無い流体へと姿を変えた聖なる武器は、
凍り付いた指の間から零れ落ち、瓦礫の上へと流れ落ちていく。
(・・・・あ・・・・あああ・・・・そ、そんな・・・・どうして・・・・)
信じ難い事態に、驚愕を通り越し、茫然自失の態となる。
あまりにもショックが大きすぎて、眼前に広がる光景を現実のものと認識出来ないのか、
空っぽになってしまった両手と、足元を流れる銀色の小川をぼんやりと眺めつつ、
さかんにかぶりを振り、意味不明な呟きを漏らし続けている。
(22)
――――ギュルルルッ!!!!
憎悪に満ちた唸り声が、放心しかけていた優子を現実へと引き戻す。
背後を振り返った少女の瞳に映り込んだのは、視界を埋め尽くさんばかりのヴェカンティの軍勢・・・・
目も耳も鼻も無いグロテスクな顔の中で、真っ赤に裂けた口元だけが、一様に歪んだ笑みを湛えた姿は、
醜怪さの点で、これまでに出会ったどの怪物の群れよりも抜きん出ていた。
(そ、そんな・・・・まだこんなに生き残りがいたなんてッ!?)
恐怖に慄きつつ、逃げ道を探す蒼髪の少女。
だが、すでに周囲は、見渡す限り、巨大なミンチボールを連想させるアイザードの軍団に覆い尽くされ、
文字通り、蟻の這い出る隙間さえ見出せない。
対する怪物達は、あたかも、つい先程、無残な肉塊と化した同胞たちの無念が乗り移ったかのように、
ジワリジワリと包囲の環を狭め、武器を失くした哀れな<戦士>を壁際へと追い詰めていく。
(23)
「い、いやッ!!来ないでッ!!」
凍てつくような絶望によって心臓を鷲掴みにされ、ギュウギュウと締め上げられた優子は、
引き攣った表情をさらに歪めつつ、両手両足をガクガクと痙攣させた。
どう考えても、<ヴァリスの剣>の無い今、これだけの数を相手にするのは自殺行為だったし、
動く甲冑――――今の姿は、まるで肉団子の海から突き出した海上標識のようだったが――――の攻撃によって、傷付き、消耗しきっている黄金の防具は、もういくらも保ちはしないだろう。
(あああ・・・・た、助けて、ヴァリア様ッ!!)
夢幻界の女神に救いを求める言葉でさえも、弱々しすぎて、もはや、擦れかけた呟きでしかなかった。
そこにいるのは、迫り来るヴェカンティの魔物たちを怯えきった視線で眺めやるだけの、無力な少女・・・・
勇気も矜持も萎えしぼんだ目元には、かつての凛とした輝きは微塵も感じられない。
絶体絶命のピンチを前に、思考のほぼ全てが停止してしまった彼女は、
もはや、幼女のようにイヤイヤをしながら、うわ言のようにヴァリアの名を呼び続ける事しか出来なかった。
(24)
――――だが、呼べと叫べど、夢幻界の支配者からは何の返事も返っては来ない。
気が付けば、怪物の群れは、すぐ間近にまで迫っており、
紫色の歯茎の間から汚らわしい色の唾液をジュルジュルと垂れ流しつつ、
壁際に追い詰められた哀れな獲物の窮状をせせら笑っていた。
(ひぃぃッ!!も、もう・・・・だめぇッ!!)
ざっと数えただけでも百匹は下らない数の醜悪な化け物たちが、
一斉に口を開き、鋭い牙の列を露わにする。
一昔前に一世を風靡したスプラッタ映画に登場した巨大人食い鮫を連想させる、強靭な顎と居並ぶ牙・・・・
それらが、加護の力を失った<鎧>へと殺到し、
まるで煎餅か何かのように、バリバリと噛み砕いていく光景を思い浮かべた蒼髪の少女は、
小さく悲鳴を上げてその場にへたり込み、歯の根も合わない程、震え慄いた。
(25)
「ひああッ!!」
先頭集団に属する一匹が、半透明なヨダレをたっぷりと含んだ赤紫色の長い舌を伸ばしてきた。
ヌルッとした不快な感触がしなやかに伸びる太腿へと絡み付き、
まるで味見でもするかのように、健康的な生肌を舐めしゃぶる。
嫌悪感に表情を歪めながら身を捩る蒼髪の少女だったが、もはや逃げ場は何処にも無かった。
ベチョッ!!ビチョビチョッ!!ブチュッ・・・・ブチュルルッ!!
己れの無力さに打ちのめされる哀れな女囚を、容赦なく責め嬲るミンチボール。
執拗かつ陰湿な責めに堪りかねた少女から弱々しい嗚咽が漏れると、
それを合図にしようと申し合わせていたかの如く、周囲の仲間たちも一斉に舌を繰り出してきて、
怯え竦む瑞々しい肢体を絡め取り、所構わず、ベトベトの汚液を塗り重ねていく。
無我夢中で両腕を振り回し、おぞましい愛撫から逃れようとする優子だったが、
多勢に無勢、二本しかない細腕で、軽く二十本を超えようかという数を相手取る事など出来る筈も無かった。
(26)
「や、やめて・・・・ぅあうッ!!あああ・・・・気持ち悪いッ!!」
ドロドロの唾液を塗り重ねられ、不快さのあまり吐きそうになる優子。
だが、その一方で、生温かく湿った舌に柔肌を舐め回されるたび、
下半身の何処か・・・・おそらくは腰椎の付け根の辺りから、ねっとりとした熱い波動が込み上がり、
気だるさを伴った甘ったるい感覚となってジワジワと周囲を冒していく。
常識的に考えるならば、怪物たちによって体中をむしゃぶり尽くされるなどという行為に対して、
およそ屈辱感とおぞましさ以外の感情が湧き出してくる余地など全く無い――――筈なのだが。
「ひくぅ・・・・い、いやぁ・・・・ああ・・・・そんな・・・・一度に舐めたら・・・・はふぁああッッッ!!」
現実には、彼女の五体は、投げ与えられる刺激に対して敏感な反応を打ち返し、
下半身の奥で燃え盛る熱情は、耐え難い疼きとなって性感を煽り立てている。
どうやら、彼らの分泌物に含まれる成分の幾つかが、
少女の体組織・・・・特に交感神経に対して特異な発揮しているらしい、と気付いたものの、
それが分かったからと言って、対処法がある訳でもなく、懊悩は一層激しくなる一方だった。
獲物の反応に気を良くしたのだろう、魔物たちの責めも次第にエスカレートしていく。
今まで責めに加わってきた連中よりも二回りほど小型の者達が、
色とりどりの体液に覆われて不気味な光沢を発している生肌に吸い付いたかと思うと、
体格に比例して随分とひょろ長い、まるでミミズのような舌先を、身体の奥まった部分にまで伸ばしてくる。
微細なタッチで性感帯を突いてくるピンポイント攻撃はたちまち弱点をとらえ、
媚毒によって昂ぶった欲情をさらに増幅させて、快楽の頂きに向かって引き摺り上げにかかった。
(27)
「ふああッ・・・・ダメ・・・・ダメぇ!!
こんな・・・・こんなの・・・・イヤ・・・・絶対に、嫌ァアアッッッ!!」
粘汁でベトベトになった蒼髪を振り乱しつつ絶叫する、囚われの<戦士>。
だが、言葉とは裏腹に、放ち上げられる声の調子は、
怒号のそれとも悲鳴のそれとも異なる、嬌声と表現する他無い淫猥な響きに包まれていた。
ある程度は本人にも自覚があるのだろうか、
赤面しつつ目を瞑った優子は、弱々しく啜り泣き、さかんにかぶりを振り続けている。
ちゅばッ・・・・ちゅびちゅ・・・・びちゅッ・・・・びじゅじゅるるるッ・・・・!!
無論、責め手の方はそんな事情など一切お構いなしに舌技を駆使し、少女の心身を着実に追い詰めていく。
媚毒成分を塗りたくられてピンク色に上気した肌が不規則な痙攣に波打つ度に、
体内で燃え上がる業火に熱せられた毛穴という毛穴から淫気が迸った。
今や、かぶりを振る力さえ殆ど消え失せてしまった女囚の中では、
肉体が抗戦を諦めてしまった後もなお、抵抗を継続しようとしていた精神もまた、
絶え間なく押し寄せてくるゾクゾク感に曝されて無力化し、煮え滾る欲情に飲み込まれていった。
(28)
(はぁ、はぁ、はぁ・・・・ううう・・・・カ、カラダが疼く・・・・すごく熱い・・・・。
あああ・・・・嫌なのに・・・・こんな気持ちいけないのに・・・・でも・・・・でも、もう・・・・)
すでに身も心も疲れ果て、消耗しきってしまった優子には、
肉欲の虜へと堕ちていく情け無い自分に涙ぐみながらも、
最後まで心の奥に灯っていた意志の光が翳っていくのを為す術も無く見つめている事しか出来ない。
敗北を認め、屈服を選んだ乙女のココロ・・・・。
それは、不浄な接吻にさらされ、おぞましい汚液で覆い尽くされつつもなお、
かろうじて姿形だけは保っていた<ヴァリスの鎧>にトドメを刺すには充分な衝撃だった。
――――ドロリ。
最初に限界に達したのは、右の肩当てだった。
肩先に張り出した先端部分が、先程の<ヴァリスの剣>のように折れ曲がったかと思うと、
たちまちのうちに、椰子の実を二つに割ったような半球形の防具全体が形を失い、
炎天下のアスファルトの上に置かれたチョコレート菓子の如く、溶け流れていく。
堅牢不壊を誇った聖なる甲冑は、燦然たる黄金の輝きと共に力の大半を喪失していたのだが、
主の精神が折れたため、とうとう物質としての実体の維持さえ不可能となってしまったのだった。
(29)
「ふくぅッ・・・・よ、<鎧>・・・・<ヴァリスの鎧>が・・・・あああッ・・・・!!」。
異変に気付いたものの、快楽に麻痺したカラダは満足に動かす事もできない。
クチビルから漏れる、悲鳴ともよがり声ともつかない激しい喘ぎの中、
肩当てに続き、左右の肘当てが、膝当ての付いたブーツが、繊細な意匠の象嵌細工を施されたベルトが、
次々に溶解し、薄桃色に上気した少女の柔肌を滑り落ちていく。
「・・・・あ・・・・あぁ・・・・ら・・・・らめ・・・・らめぇ・・・・!!」
(どういう訳か)丈の短い純白のスカートと襟元を飾る深紅のスカーフは難を逃れていたが、
罪深い彼女の体に最後に残った砦・・・・流麗な曲線を描く胸甲はそうはいかなかった。
迫り来る破局を前に、媚薬漬けにされた意識の隅に僅かに残っていた羞恥心のカケラを総動員して、
自らの肩を掻き抱き、双丘を包む胸当てを守ろうと最後の抵抗を試みる少女だったが、
・・・・もはや、如何なる努力を以ってしても、<ヴァリスの鎧>を救うには手遅れだった。
必死に胸元を庇う細腕の間で、最後の防具はグジュグジュと形を失い、黄土色の溶解液と化していく。
声にならない絶叫を迸らせる優子の前で黄色い小川と化した<鎧>の残滓は、
そのまま、遮るものとて無い裸体を流れ下り、足元の地面へと吸い込まれてしまった。
支援
(30)
「ひいいッ・・・・い、いや・・・・いやぁああああッッッ!!!!」
みるみるうちに大地に飲み込まれ、姿を消してしまう金色の液体
――――つい先刻まで、<ヴァリスの鎧>として己れの身体を覆っていたモノの残滓を、
青白く引き攣った表情で見つめていた優子が絶望に身を震わせる。
これまで幾多の危難から自分を護り抜いてくれた<剣>、そして、<鎧>が失われた今、
<ヴァリスの戦士>として戦うための手段は何一つ無くなってしまった。
もはや、自分に残されているのは、腰と襟元の一部を覆う、僅かばかりの布切れだけ、
元より、それらには、甲冑としての能力は勿論、衣服としての最低限の機能さえ期待できない。
目の前で口を開けて待ち受けている、おぞまし過ぎる運命に対して、
抗う術の全てを喪失した少女は、ただひたすら恐怖し、怯え竦むだけだった・・・・。
――――――――TO BE CONTINUED.
以上、第7章をお送りいたしました。
ご支援、誠に有難うございます〜。
これから楽しく読まさせてもらいます。
輪姦は次回かな?
さて、次回ですが、『3V』のエロパロは一回休載とさせて頂き、
代わりに読み切りの短編SSをお送りしたいと考えています。
理由は、今号(vol.8)に掲載された本編の展開が、
私の予想していたものとはかなり違ったものであったため、
このままSSを書き進めたのでは、
パロディというよりオリジナル作品に近い内容となってしまいかねないと判断したためです。
『3V』のエロパロをお楽しみ頂いている皆様には大変申し訳ございませんが、
どうかご理解の程お願い申し上げます。
なお、『3V』エロパロSS第8章は、『コミック・ヴァルキリー』vol.9発売後、
本編の展開を見極めた上で執筆を再開し、
vol.10発売前後(2008年1月末)を目途に発表したい、と考えております。
それまで、しばらくの間、お待ち下さいませ〜。
>>457 ご愛読有難うございます〜。
雑魚モンスターによる優子輪姦シーンですが、次章に持ち越しとさせて頂きました
(サワリの部分だけは今章の後半部分に盛り込んでいますが)。
大変申し訳ないのですが、来年1月までお待ち下さいませ。
短編と続き楽しみにしてます。頑張ってください
( ゚д゚)ポカーン
生首!生首!
463 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 22:47:29 ID:F4h9/nvl
>>462 感想がどこを見ても生首!
買わないから知らないけどそんなに良かったの?
>>463 作り物の偽物だったから、たいして騒ぐ程でもない。
1ページで、麗子が見抜いて終了。
ショッキングな展開を狙うのなら、
るろうに剣心の薫の死体みたいに、数回は引っ張れば良かったのに。
465 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 08:38:30 ID:NI84ecWO
残念
残念って・・・本物だったら最終回だろw
ゲームでも何度首飛ばされたか・・・
GAME OVER
だよな
3回引っ張ったら半年主人公不在だな
469 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:11:32 ID:NI84ecWO
保守
執筆状況〜。
短編SSですが、
以前スレ即死防止用に発表した『戦士集合!』の続きにいたします。
謎の敵に召喚され、陵辱されるライディと麗夢。
姿無き敵に不安を募らせる麗子とヴァルナ、そして、優子。
一方、ヴァニティ城に集められた<戦士>たちは、
やがて始まる凄絶な戦いの行く末も知らず、一時の平和に興じていた・・・・。
といった感じで考えています。
完成時期は来月末を予定しております。
もうしばらくお待ち下さいませ〜。
期待しつつ保守
473 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 19:58:23 ID:5tApgEYq
期待age
hoshu
しかし保守ネタ投下が来月末ってスゴいよなwwww
476 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 01:18:58 ID:9NLwmrzr
wktk
執筆状況〜。
不定期連載SS『戦士集合!』第2章は、現在進捗率50パーセント。
ライディ、麗夢の戦闘とヴァニティ城に集結した<戦士>たちの描写がほぼ完成し、
主人公ペア(優子&麗子)と彼女達(の中の数人)との邂逅の場面、
そして、戦いに敗北して陵辱され、<暗>の力に取り込まれていく、ライディと麗夢の描写に取り掛かっています。
コミック第1巻、購入しました。
連載時のトーンの張り忘れ箇所やセリフの一部が書き直されている他、
巻末に原画の一部がZOL先生のコメントと共に掲載されていました。
個人的に一番印象に残ったのは、
作者あとがきのブルマ優子&麗子(体育の授業中を描いた一コマ?)です。
(柔軟体操は少し苦手らしい)麗子の表情が絶妙でした。
『この絵を描いてたら優子と麗子がひたすらキャッキャウフフしてるだけの
学園ものマンガとか読みたくなってきたかもーー』
・・・・それ、私も(物凄く)読んでみたいです(笑)。
478 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:41:50 ID:VepCOkQA
wktk
479 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 10:04:27 ID:uuhq9v+C
テレネットが倒産したらしい!!
ヴァルキリーの連載は大丈夫か…
ヴァリスの版権がどうなるか問題だな。
どこが買い取るんだろ。
版権って倒産でうやむやになる事あるんだろうか?
それとも、これも資産として誰かが買うんかな。
倒産が再建型なのか、清算型なのかで違う。
再建…っぽくはないな。
清算型なら著作権の類は売られて、売り上げが債権者に分配されると思う。
評価額が不当だったり、債権者の誰かが抜け駆けしたりするともめる。
BB5の運営を譲渡したのも債務の弁済的性格があるならもめる。
もめたら連載休むかも…
いいところが買い手につくといいね。
>>482に書いてある事が事実なら、
ヴァリスの版権は既にどこかの会社に譲渡されてるみたいだから、当面は続くんじゃね?
今ヴァルキリーの連載中止しても一円の得にもならん訳だし。
倒産前に駆け込みで処分された資産には、債権者からクレーム来ることあるんだよ。
そういうときは資産価値以下で投げ売られることが多いからね。
きちんと売れば100円で売れるものを10円で売ったら、そこから債権回収する人たちは分け前が減ってタマランわけ。
ということで弁護士ガンバレ。超ガンバレ。
今日、ヴァリスの単行本買ってきた
うぉぉぉぁ〜!!テレネットちゃんと版権まともなとこに売れー!!
そして弁護士先生さんガンガレ!!
つうか、キルタイムが買えぇー!!
そうすればわけの分からんエロゲよりスッゴいエロい優子たんがみられる!!
優子たんをキルタイムに嫁に逝かせろー!!
つか、その単行本は全年齢向けなのか?
エロいとこ無いの?
>>488 いやいや、キルタイムに嫁入りしたら別作で18禁も( ̄ー ̄)
版権ゴロのコナミだけは勘弁して・・・
>>488 モロは無いけど下着ビリビリぐらいあったかと
あぁ、ゲーセン行く前に買って来ないとw
>>490 ゲーム絡んでるからありえそうですっごくガクブルだ
>>491 488です。ありがとう。
ZOLさんは、キャプテンキーゼル名義の時は
成年コミックとかエロ同人誌とかやってたんで
一般コミックでも、そういうシーンはエロいのでしょうね。
エロいとこ無いけど、エロい所にあるね。
散々探して見つからないと思ったら、エロ漫画コーナーの真ん中にあったw
494 :
491:2007/11/04(日) 00:32:38 ID:SSSk6qh+
>>492 やっと買いますた
冒頭とスーツお着替え時に全裸シーンがあり、形の良いオパイ全開です
そう言えばKTCの単行なんて、ソフトバンク以上にレアなんで
地元じゃ大型書店wになればなる程、アテにならなくて苦労しました
ヴァル誌自体の普及率は高いんだけどね…しっかりしろよ大型書店w
多様性に対して逆行して、売れ筋の重複しかないでやんの、大型書店w
ヴァル誌創刊時にポスターまで貼ってた、個人経営の書店に行ったらやっぱあった
それもヴァルコミックスほぼ全部wマイッタ
漫画専門店で買った
嬉しい事にヴァル単行本でヴァリスが一番減ってた
まあZOLはこの手のエロパロには定評あるからな。
キーゼル時代に書いたレダのやつもエロかったし。
いちおう一般誌だからエロでもないし、版権者の了承得て依頼で描いてるんだからパロでもないんだが。
言いたいことはよ〜くわかる。
買うかどうか迷ってたが、とりあえず買ってみるかな。
成年向けと違うんで、値段も普通だし。
日記が更新されてた
> 10月31日
>担当K氏から打ち合わせの電話。
>日本テレネットの件だが、すでにヴァリスの権利は他社に渡っているとのこと。
>とりあえず連載の継続に何か支障があるということはないらしい。
>>499 てことはキルタイムが版権取得したんじゃないのか
ちょっとだけ期待してたんだが・・・
キルタイムが版権取ってくれたら、
ゲドマガでエロ展開とかお願いしたいな。
あのしょうもなかったエロゲよりかは、
なんぼマシな事してくれると思うし。
遅ればせながら、コミック版購入。
PC-88版とPCE版をうまいことミックスして使ってるね。
PC-88版は無視されるのかと思ってたから、ちょっと嬉しい。
・・・でも「麗ちゃんのバカ」はあんまりだと思う。
>>502 氏のファンだったから即座に購入したよ。
CG数はそんなに多くないが、満足な出来だった。
ヴァリスのCG集も是非作って欲しいよ。
単行本、楽天で注文したら、「提携倉庫にて在庫切れ」でキャンセル
されてしまった。
今度、暇な時に秋葉に行って買ってくる
508 :
505:2007/11/12(月) 23:33:27 ID:EAK3Mue2
ゴメン、上でCG数そんなに多くないと書いたが
俺が見てたのはエロSSがついてる物だけだったらしく
ギャラリーモードのCG枚数は結構な量があった。
作者殿、スマン。
hoshu
執筆状況〜。
不定期連載SS『戦士集合!』第2章は、現在進捗率90パーセント。
第一稿を書き上げて、現在推敲作業に取り掛かっています。
完成・発表は今月末を予定していますので、あともうしばらくお待ちくださいませ〜。
>>502 おお、この絵は〜〜〜ッ!!
以前、大変素晴らしい作品を投下して下さっていたB◇247さんではありませんか!?
とても懐かしいです。早速購入しなくてはなりませんね。
>>510 完成楽しみにしております。
ヴァルキリー9号予告きましたね。
エロい!
しかもなんかARCH氏の作品展開に似ている希ガス。
>>511 小さくて読みづらいけど、著作権表示が、
(C)TELENETJAPAN.2006から(C) 2007 STARFISH-SDに変更されてる。
高円寺女子サッカーのところか。
>>512 へ、優子タンが嫁入りしたその会社どんな会社?エロイの?(・∀・)
ttp://www.s-f.co.jp/ ここだな。Wizardryとか上海とか出してるから、
過去の名作を安く買い叩いて、自社で移植や亜種を出してるっぽい。
ヴァリスはケータイとかでも出してたし、良いターゲットだったんだろうな。
これで晴れてXは「無かったこと」になりそうだな。
エロなのはともかく、薬物の影響があってもおかしくないシナリオは認めんだろう。
hosyu
>>516 あれは結局脚本家の頭が悪すぎたと言う事以外
何もこの世にもたらさなかったな。
大いなる無駄だったよ。
>>518 だよね(;´Д`)=3
俺はここをよんで買わなかったタチだが
漏れ聞こえる話は良い内容では無かったしなぁ〜
新たに出すならどんなんにしたいですか?
同じ学校の上級生のレズ女に凌辱されるの出してくれ
ベタだが、かっこいい優子が化け物や触手との戦いに敗北して
肉奴隷に成り下がるのがいい!
まぁ、ビキニ鎧自体が80年代のベタなので
ストーリー展開に、そういうお約束のベタ展開は欲しいよな。
優子を凌遅刑にするストーリーでゲーム化希望。
マウスでクリックした所の肉を削ぎ落としていき
何刀目で死ぬのかを楽しむゲーム。
それはキモい
>>523 リョナは嫌いではないが、コレは…ねぇ…(ヽ´ω`)
やはり、エロチック混ざってないと
ゲームで出てきた雑魚キャラに嬲られるのがいい
やはり凌遅刑は刺激が強すぎるか。
反対に1票
>>527 さすがにちょっとなw
腹パンくらいなら賛同してもいい
今月号はエロいシーン多かったので良かった
生首ネタの次は魔物との百合ですか。
生首よりかはレズへ墜ちる方が綺麗。。
いや、レヅは嫌い
触手が良かったです
触手よりも輪姦のほうがいいな
触手、陵辱、輪姦はアリだな
リンチとか生首は勘弁
漏れも、四肢切断、嘔吐、脱糞はカンベンだな。
執筆状況〜。
不定期連載SS『戦士集合!』第2章、完成いたしました。
今夜は時間が取れそうにないため、
発表開始は明日(12月1日(土))22:00頃を予定しています。
お手すきの方がいらっしゃれば、連投規制回避のため、ご支援方宜しくお願いいたします。
>>511 早速購入しました。
一瞬、私のSSとZOL先生の連載漫画、どちらがエロパロなのか分からなくなりました(苦笑)。
それは兎も角、私個人としては、前回のラストシーンがアイザードに植えつけられた偽の記憶によるものと判明した事で、
予定していたSSのストーリー展開を大幅に変更する必要がなくなり、少しホッとしています。
もし、これが、アイザードですら意図していなかったアクシデントの発生
(たとえば、第三勢力(メガス、グラメス等)の介入とか)によるものであったならば、
本編との整合性を保つために四苦八苦しなければならなかったところなんですが・・・・
(もっとも、一読者としては、そういった展開も見てみたかった気もしますが(笑))。
>>539 おお、おかえりなさい。
CG集購入させて貰いましたぜ。
ヘッヘッヘッ。
つぎは是非ヴァリスをry
>読者の皆様
>>538にて、SSの発表は明晩としておりましたが、
緊急の用件により、明日以降数日間、ネット環境の無い場所に滞在しなければならなくなりました。
連投支援等、ご準備頂いていた方に誠に申し訳ございませんが、只今より投下を開始させて頂きます。
>>539 お久しぶりです〜。
以前と変わらぬ、いや、さらに進歩した作品を有難うございます。
いずれも甲乙付け難い秀作と存じますが、
個人的には二枚目の方の優子イラストが気に入りました
(<ヴァリスの戦士>となった直後の1シーンなのでしょうか?
スカートの丈を気にしているような、初々しい表情が印象的に感じます)。
(1)
永劫の闇の中。
淀んだ空気に神聖ならざる気配が満ちている。
「・・・・ここは、一体・・・・」
倒れ伏していた人影が身を起こす。
漆黒の暗闇の中で、黄色いリボンで括った炎のような色合いの長い髪が揺れ動いた。
(クッ・・・・身体が、重いッ)
強い意志を秘めた双眸、程好く引き締まった頬筋、きりり、と結ばれた口元・・・・
だが、<雷の戦士>の美しい顔立ちは、大気に含まれた名状し難い悪意を感じて歪んでいた。
剣技のみならず魔術の心得もあるが故に、
周囲を覆っている濃密な闇のヴェールの中に不浄な魔力が宿っている事を看破していたのである。
(2)
少女の名は、ライディ。
エルス大陸と呼称される世界に生まれた冒険者である。
物心つく前に生き別れた両親の足跡を探して、
すでに十年以上、大陸各地を放浪し続けている彼女は、
生来、雷を自在に操る事の出来る能力を有している事から、
同業者の間で、<雷の戦士>と呼ばれ畏怖を集める存在だった。
一方、その内面は、(数々の危難を潜り抜けてきたにしては)未だ純朴さを失っていなかった。
むしろ、咎無くして虐げられる者や力弱きゆえに困窮する者を目にしたら放っておく事の出来ない正義感と、
一度こうすると決めたら脇目も振らず突き進んでいく直情的な行動パターンの持ち主であり、
そのせいでこれまで随分と損な役回りを演じる羽目に陥っている。
もっとも、それこそが彼女の魅力の源泉であり、
戦いの日々を生き抜く事の出来た秘訣だったのも紛れも無い事実であるが。
(3)
(僅かだけど、空気の流れを感じる。・・・・もしかして、ここは地下?)
視界は未だ暗闇に覆われたままだったが、
冒険者として幾多の試練を乗り越えてきた直感は早くも息を吹き返していた。
腰に手をやり、愛用の長剣が無事であるのを確認すると、
鞘走りの音が漏れないよう、慎重に引き抜いていく。
(・・・・何か、いるわね。モンスター?それとも、ただの動物?)
――――トクン、トクン、トクン。
気配の感じられた方角に向かって、油断無く武器を構える<雷の戦士>。
しなやかな肢体を包む浅黄色のボディ・スーツの奥で、心臓の鼓動が徐々に高まっていった。
幾多の経験を積んだ彼女は、自分が筋力と体力で押すタイプではないという事を熟知しており、
カラダのバネを活かした俊敏な動きを確保するため、防具の類は必要最低限なものしか身に着けていない。
もっとも、普段の戦いであれば、それで十分事足りるとはいえ、
こうして視力をほとんど失っている状態では、いささか心許無く感じるのも無理はなかった。
(4)
じゅる・・・・。
闇の中で、何かが音を立てる。
鱗の無い二匹のヘビが絡み合うような粘ついた音・・・・。
ハッ、として、視線を足元に向けた少女は、
ほぼ同時に、幾多の戦いの記憶の中から現状に最も近い状況をピックアップしていた。
(地下の暗闇。地面を這いずるような音。多分、一匹ではなく、複数いる・・・・)
少し目が慣れてきたのだろう、ぼんやりとではあるが周囲の様子が掴めるようになった。
依然として近付いてくるものの姿は見分けられなかったが、
すでにライディは、その正体についておおよその目星をつけ、
愛剣の切っ先をダンジョンの石床に向けて、いつでも突き下ろせるように身構えている。
雷の魔法が使えるならば、刃先を帯電させて斬撃の威力を倍増させたいところだったが、
魔力の発動は周囲の空間に充満する不浄な瘴気によって押さえ込まれ、不可能だった。
(5)
(アイツが・・・・いや、アイツらが相手なら、魔法抜きで戦うのは、どう考えても不利なんだけど・・・・)
――――今の状況では仕方ないか、と、胸の奥で苦々しく呟く。
地理を把握していたならば、逃げる、というのも一つの手だったが、
ロクに周囲も見渡せない状態で闇雲に逃げ回ったとしても助かる可能性は低いだろう。
<戦士>としてのカンは、ここはこの場に留まって戦うのが最善の選択だ、と告げていた。
(・・・・来るッ!?)
何かが地面を蹴って空中へと躍り上がるのを感じて、ライディは迷わず長剣を振り下ろした。
次の瞬間、肉の寸断される確かな手応えと共に、
腐りかけの卵のような生臭い体液の匂いが鼻腔に飛び込んでくる。
その独特の臭気は、彼女に、今、自分が相手をしているモノの正体を確信させた。
(こんな暗闇の中で、アイツらの攻撃を凌ぎ切るのは至難の業ね・・・・でも、逃げるのはもっと不味い。
こうなったら、とことんまで戦うしかないわッ・・・・!!)
(6)
悪夢の中。見渡す限り続く、不毛の大地。
「・・・・うッ、ぐぐッ・・・・!!」
傷付いた右腕を庇いながら、必死に体勢を立て直す小柄な少女。
エメラルド・グリーンの長い髪は汗にグッショリと濡れ、白く透き通った頬筋は熱く紅潮して、
本来の、凛々しく、それでいて可憐さの滲む顔立ちからはかけ離れた、険しい表情を形作っている。
ディープ・ブルーの瞳から発する厳しい視線の先には、
陽炎のようにゆらめく、どす黒い瘴気の塊・・・・悪夢から生じる恐怖と狂気を糧とする異形の者・夢魔の姿。
(ハァハァ・・・・一体、どうなってるの!?
倒しても倒しても、すぐに再生するなんて・・・・!?)
幽鬼、いや、黒衣を身に纏った死神のような外見をした目の前の夢魔は、
一見、より強力な夢魔の手駒として用いられる、一定の形を持たない低級の想念体のように見受けられたが、
繰り出してくる攻撃の鋭さは、これまで戦った上級夢魔と比べても決して引けを取らない。
その上、どういう理由によるものか、全く不明ながら、
これまで数多の夢魔たちを浄化し消滅させてきた、聖なる光剣を用いて、
幾度と無く、その肉体を両断したというのに、その力は全く衰える気配を見せていなかった。
通常、どんな強力な夢魔、あるいは、死霊や妖魔の類であっても、夢の中にいる限り、
<夢守の戦士>または<ドリーム・ガーディアン>の名で呼び習わされる彼女の攻撃を受ければ、
ただちに消滅とまではいかずとも、相応のダメージを負って弱っていくものなのだが・・・・。
(7)
「可能性は二つ・・・・コイツ自身がほとんど無尽蔵と言って良い位の負のエネルギーを蓄えているのか?
それとも、この悪夢を見ているあの女の人の精神に、それだけの力が宿っているのか・・・・?」
苦戦する中、必死に思考を働かせる少女だったが、
ジリジリと忍び寄る焦燥と消耗の黒い影は、
時間の経過と共に重圧感を増しつつ、精神に圧し掛かってくる。
綾小路麗夢。
日本各地に伝説の残る先住祭祀民族、<夢守の民>の末裔として、
睡眠中の人間の意識――――夢の世界へと分け入る事の出来る能力を駆使し、
人語を解する犬猫アルファとベータ、そして、幾人かの仲間たちと共に、
夢魔と称される邪悪な思念体から人々を守り続けてきた現代のシャーマン。
太古の昔より続く血脈の中に連綿と受け継がれてきた<戦士>の記憶を武器に、
対峙した夢魔を、(時に苦戦する事はあっても)悉く因果地平の彼方へと葬り去ってきた彼女だったが、
今回ばかりは、いつもとは全く勝手が違っていた。
真夜中に、青山にある自宅兼探偵事務所の前の路地に倒れていた女性を発見し、
幾つかの症状から夢魔に精神を侵食されていると判断、その夢の中に分け入ったまでは良かったものの、
この、死神のような外見の不死身の夢魔に襲い掛かられて、防戦一方に追い込まれているのである。
(8)
――――ヒュン!!
不気味な風鳴りと共に振り下ろされる死神の大鎌。
間一髪、地面に体を沈めてかわした麗夢は、
そのまま夢魔の懐へと飛び込み、光剣の切っ先で無防備な胴体を貫き通した。
確かな手ごたえと共に、傷口から真ッ黒な血が噴出し、
次いで、全身が暗紫色の不浄な炎に包まれて松明のように燃え上がる。
・・・・だが。
「・・・・クッ、まただわッ!?」
次の瞬間、<夢守りの戦士>の目の前で、燃え盛っていた炎は急速に消え萎み、
中から、漆黒の衣を纏った死神が、何事も無かったかのように大鎌を振り上げつつ、姿を現した。
聖なる刃に切り裂かれた際の傷口は完全に塞がり、
あの一瞬、間違いなく、消滅を確信した筈の邪悪な精神エネルギーも何処からか補充されて、
夢魔としての実体は、以前と寸分違わず、再構成されている。
(9)
(こんな事初めて・・・・コイツ、本当に夢魔なの!?)
光剣を正眼に構え、黒いフードの奥にぽっかり空いた二つの眼窩を睨みつける。
収まりの悪い前髪から滴り落ちた汗がひどく目にしみるが、拭い取る余裕は無かった。
戦いを始めてからすでにかなりの時間が経ち、
現実世界で寝床についている肉体の睡眠状態も不安定になっているらしい。
華奢な体を覆う<戦士>の甲冑、その守りの力が真価を発揮するためには、
<レム睡眠>と呼ばれる安定した深い眠りの状態が続く事が必要だった。
それが乱れ始めた今、鎧・・・・黄金細工で装飾された胸甲と肩当て、深紅のアーマーショーツ、
手首の部分を守るブレスレット状の肘当てに脛当てのついたロングブーツ・・・・は、
いずれも未だ外見上の変化こそ見られないものの、防御力を確実に減じつつある。
それに何より、夢の中で延々と戦い続けてきた自分自身が、すでに限界に近付きつつあった。
蓄積した疲労のせいだろう、構えた切っ先は徐々に下がり始め、
ブーツの中のしなやかな足首は、先刻来、ガクガクと情け無い震えに覆われている。
手の中の光剣自体、心なしか、刀身部分の長さが目減りしつつあるようだし、
振り回した時の重量感、切れ味の鋭さ、共に、悪化の一途を辿っていた。
(10)
(悔しいけど、ここは一旦退くしかないわ)
苦渋を滲ませつつ、撤退を決断する<ドリームハンター>。
一度、現実世界に戻り、再生を繰り返す夢魔の正体とその力の源を解明して、再度アタックし直すしかない。
その間、この恐るべき魔物の跳梁を食い止める術は無く、
宿主の女性に何も起きない事を祈るしかないのだが、今はそうするより他に手立てが無かった。
「アルファ、ベータ、・・・・お願い!!」
虚空に向かって叫び声を上げる少女。
やや間を置いて、何処か遠くの方で。目覚まし時計のベルの音がけたたましく鳴り響き、
五体の感覚が、すううっ、と、希薄になっていく。
主の思念を受け取ったアルファとベータが緊急時の脱出用にセットしていたアラームを作動させて、
現実世界に在る彼女の肉体を睡眠状態から解き放ったのだ。
――――と、その時だった。
(11)
『・・・・逃がしはせぬ。もはや汝は我のものだ・・・・』
戦いが始まって以来、一言も発していなかった死神が、初めての言葉を発した。
薄らいでいた五感でも明瞭に捉える事の出来たその声は、
まるで地獄の底から響き渡る亡者の呻きのような禍々しい波動に満ち溢れている。
今まさに戦場から離脱しようとしていた少女は愕然となり、
あたかも心臓を呪いのナイフに刺し貫かれたかのように顔面を蒼褪めさせた――――。
「ウッ・・・・アアアッッ!!!!」
鋭い悲鳴を上げながら、ベッドの上に跳ね起きる麗夢。
心臓が、今にも破裂しそうなくらい、せわしなく鼓動を刻み、呼吸が全然追いつかなかった。
喉はカラカラに渇き切り、口の中も妙にざらついた不快な感覚に覆われている。
上半身は、ダークグリーンのアンダーウェアは勿論、その上に重ね着した赤色のレオタードまで、
毛穴という毛穴から一斉に噴き出した冷たい汗にぐっしょりと濡れそぼっていた。
「み、水・・・・って・・・・な、何ッ・・・・ここはッ!?」
無我夢中で、寝台の脇に置いてあった筈の水差しに手を伸ばす。
・・・・だが、指先に触れたのは、冷水を湛えたガラス製の容器ではなく、ゴツゴツとした石壁の感触だった。
慌てて周囲を見回した彼女の表情は、次の瞬間、驚愕に凍りつく。
(12)
「そ、そんな・・・・バカな・・・・まさか、ここはまだ夢の中だというの!?
で、でも・・・・あの時、たしかに、アラームは作動した筈・・・・だとしたら、これは・・・・この場所はッ!!」
夢の世界の戦場からからくも離脱し、帰還した筈のベッドは、
青山某所の中古アパート2階に設けられた、探偵事務所兼自宅の一室・・・・ではなく、
何処とも知れぬ場所の、黴臭い不潔な地下牢の鉄格子の中に収まっていた。
訳が分からなくなり、恐慌をきたした麗夢の脳裏に、
先刻、あの死神の姿をした夢魔が発した不吉な予言が蘇ってくる。
「まさか・・・・ここは・・・・現実世界ッ!?
そんな・・・・一体、いつの間にッ!!アルファとベータは・・・・!?
・・・・も、もしかして、アイツが言ってた、『逃がしはしない』という言葉は・・・・!!」
何処と知れぬ陰気な牢獄の中、
とらわれの少女の悲痛な叫び声に答えてくれる者はまだ誰も現れなかった――――。
(13)
夢幻界。ヴァニティ城。一室。
「――――という訳なのよ。また優子の力が必要になったの・・・・」
ひと通り事情を説明し終え、申し訳なさそうに頭を下げる親友に、
蒼髪の少女は、そんなにしなくていいわよ、と肩に手を置きながら微笑みかける。
はぁっ、と、小さなため息を漏らした麗子は、
(ほんの少しだけ)やるせなさそうに微笑みながら顔を上げ、それから、後ろを振り返った。
「・・・・ごめん、ヴァルナ様を寝かしつけてくるから、ここで待ってて頂戴」
視線の先では、休息さえ満足に取ろうとせず、数度にわたる召喚の儀式を繰り返したせいで、
立っている事さえ叶わない程、疲労困憊しきった夢幻界の女王が、
大理石の玉座にもたれかかったまま、虚ろな瞳で二人のやり取りを眺めていた。
十数人の<戦士>たちの最後に優子を召喚した時点で、すでに幻想王女の集中力は限界に達していたのだが、
それでもなお、彼女の矜持と責任感は、
<ヴァリスの戦士>を寝台の上で迎え入れる、という非礼を拒み続けていたのである。
(14)
「まったくもう・・・・ヴァルナさまも頑固なんだから」
頼みを快諾する<戦士>を見て、張り詰めていた緊張の糸が途切れたのだろう、
いつの間にか、玉座の上で華奢な体を折り、睡魔の誘惑に身を委ねているヴァルナ。
ブツブツとこぼしつつも、同時に、赤毛の少女は温かい微笑を眼差しに湛え、
スースーと静かな寝息を立てる主君の体を優しく抱き上げて、私室へと運んでいく。
その姿に、優子は、(ほんの束の間ではあったが)銀髪の王女を羨ましく感じた。
(わたしにも、あんな風にしてほしい・・・・なんてね)
麗子の手でベッドに寝かしつけられているヴァルナの姿を想像し、少し複雑な表情を浮かべる優子。
王女への感情と自分へのそれとでは、同じ好意でも中身が全く異なっていると理解はしていても、
自他共に最愛の友と認め、時としてカラダを重ねる事さえ許し合う仲にまで至った今では、
パートナーが自分の前で見せる一挙一投足に対して、関心を掻き立てられずにはいられない。
その点は赤毛の親友も似たり寄ったりなのだが、
こちらは、蒼髪の少女に比べると、(幾分)己の感情を韜晦する術に長けていて、
純真な恋人を、(多くの場合、からかい半分に、とはいえ)翻弄し弄ぶ事も少なくなかった。
(15)
「――――それにしても、誰が、何のためにこんな事を・・・・」
小さくかぶりを振った現実界の少女は、
ジェラシーと呼ぶには他愛無さ過ぎる感情の揺れを胸の奥へと追いやると、
形の良い顎に指先をやりながら、麗子から説明を受けた現在の状況を、自分なりに整理し直してみる。
ライディと綾小路麗夢という二人の<戦士>、
・・・・<明>の力を司る夢幻界の女王の庇護を(そうとは知る事無く)享受する代わりに、
各々の世界での<明>と<暗>との闘争において一定の役割を託されている存在・・・・が忽然と姿を消した。
死んだ訳でもなければ、別の世界への転移を強要された訳でもなく、
あたかも、最初からその世界には誕生していなかったかのように、存在の痕跡ごと消失させられたのだ。
そんな事があるとすれば、暗黒の諸力を司る何者かによる召喚以外には考えられないのだが・・・・。
(16)
「・・・・でも、ログレスもメガスもいなくなったヴェカンティの、
一体、誰が、これだけの事を実行してのけたというの・・・・?」
優子にとっても、やはり、一番の疑問点はそこだった。
<戦士>の召喚は大変な難事であり、術者に多大な負担が圧し掛かるばかりか、
下手をすると、それだけで夢幻界と暗黒界の均衡に影響を及ぼしかねない程のエネルギーを必要とする。
現に、(先程目にした通り)夢幻界の女王であるヴァルナですら、
召喚の儀式を数回行っただけで、ロクに口も聞けないほどの消耗状態に陥っていた。
ましてや、本来、暗黒界側ではなく、夢幻界側に属する者を強引に召喚などすれば、
その悪影響は、まさに計り知れない、といっても過言ではなかった。
(・・・・でも、現実に夢幻界側の二人が、立て続けに暗黒界に召喚されている。
一体、今度の敵の狙いは何なの?そんな無理を冒してまで、何を狙っているというの?)
(17)
ヴァニティ城。回廊。
「あたし、キャロン。ラル王国から来たの。あなた達は?」
「朝霧陽子・・・・アシャンティって世界で、悪い奴らと戦っている<レダの戦士>よ」
「わたくしは白鳥の騎士シルキス。ララマザー芸術王国の王女です」
平行世界の各地から召喚された<戦士>たち。
最初のうち、その多くは、突然、時空を越えて別の世界に転移させられた事から来る戸惑いに支配され、
あるいは、敵――――その多くは<暗>の勢力の尖兵なのだが――――が巡らせた罠では無いか?
と、警戒感を募らせる者も少なくなかった。
だが、ヴァルナに仕える侍女達から事情説明を受けると、一応は疑念も解けたらしく
――――と言っても、夢幻界、暗黒界、現実界からなる三界の在り様や、
<明>と<暗>との相克といった諸命題については、未だ理解の及ばない者も多かったが――――、
現在は、城内のあちらこちらで、三々五々輪を作っては歓談に花を咲かせている状況である。
(18)
「へえ・・・・シルキスも王女なの?実は、あたしもなの・・・・全然、そんな風には見えないと思うけど」
「そ、そんな事ありませんよ。何というか、隠し切れない気品のようなものが・・・・ねぇ、陽子さん?」
「へ?わ、わたしに聞かれても・・・・大体、王女様なんてテレビでしか見た事無いし」
「ふーん、そうなんだ。・・・・ところで、その"テレビ"っていうのはどんなモノなの?」
殆どの者にとっては、自分が生まれた世界以外に足を踏み入れるのは初めての体験だったし、
<レダの戦士>のような例外にしても、自分以外の<戦士>に出会って言葉を交わした経験は皆無である。
また、陽子や第108代魔物ハンター・真野妖子のように、
<地球>という名の世界から召喚された者も多かったのだが、
彼女たちの間でも、話がかみ合うのは、せいぜい世界史の歴史年表に載っているような事象までだった。
話題の内容が、たとえば、身の回りの品物の名称や製造企業、テレビCMで商品を宣伝しているタレント、
といったレベルにまで踏み込むと、途端に会話は成立しなくなり、
やがて、自分達は似てはいるが全く別の世界に暮らす人間なのだ、という事実の再認識に至るのである。
(19)
「はあ・・・・メッシュ、心配してるだろうなぁ。
早くカナンに戻らないと仙導師さまやリアンにも迷惑かけるかもしれないし・・・・」
「あずさちゃん、一人で大丈夫かなぁ。
おばあちゃんやマドカに引っ張り回されてなければいいんだけど・・・・」
元の世界に残してきた恋人や仲間に想いを馳せ、その身を案じているのは、
カナンの<銀の勇者>レムネアと第108代魔物ハンター・真野妖子。
自分たちがいた世界と夢幻界とでは時間の流れが異なるため、
ここでどれだけの時間を過ごそうが、元の世界ではほんの一瞬に過ぎない、との説明を受けて、
一応の安堵は覚えているものの、やはり、親しい者達が傍にいないというのはどうも落ち着かないらしい。
特に、各々の世界における戦いを強制的に中断させられて、
ヴァニティ城に召喚された者たちにはその傾向が強かった。
家族や友人、とりわけ、共に戦ってきた仲間達を残して一人だけ安全な場所にいる、という歯がゆさは、
いくら、自分が彼らと行動を共にしている方が危険なのだ、と頭で理解していようとも、
<戦士>としての矜持とは基本的に相容れず、忸怩たる想いを誘発せずにはいられない。
また、危険が存在するのは分かっていても、誰がそれをもたらしているのか?という点が判明しないため、
今の所、積極的な対抗策を全く打ち出す事が出来ない、という現状も、苛立ちの種だった。
(20)
「今は待つしかないわ、レムネアさん」
「そうね。それは分かってるんだけど・・・・」
心配そうに声を掛けてくれたチャイナドレスの魔物ハンターには悪いと思いながらも、
深紅の甲冑に身を包んだ銀髪の少女は、小さくため息を漏らさずにはいられなかった。
たとえ無事だと分かっていても、恋人と離れ離れになり、連絡も取れない状況に陥ってしまった事は、
とても辛く感じられるだけでなく、行き場の無い腹立たしささえ湧き上がってくる。
(ああ、メッシュ・・・・早く、あなたの所に戻りたい)
元気の無いレムネアの様子から、その心の内を察したのだろう、
妖子もそれ以上口を差し挟もうとはしなかった。
自分自身、待つのは苦手だったし、早く元の世界に戻りたい、という気持ちは同じである。
・・・・というより、むしろ、今では敵の正体が判明し次第出撃して、
<破邪の剣>をお見舞いしてやらねば気が済まない、とさえ思っていた。
(ただ待ってるだけ、っていうのも、結構苦痛よね。
どんな強い魔物か知らないけど、早い所正体を拝ませてほしいわ)
無論、そのように考えているのは妖子一人に留まらず、
城内に集められた者の大多数は同意見と言っても過言ではない。
生れ落ちた世界や各々の立場は異なれども、彼女たちは、皆、<戦士>であり、
各自にとって大切なもの、守るべきもののために戦い続ける事を、
(たとえ、最初は逃れ得ぬ宿命により半強制的に選び取らされたとしても)自分自身に誓った人間である。
強大な敵と不当に苦しめられる人々の存在を知りつつ、手を差し伸べずにいる事は出来ない相談だった。
・・・・もっとも、何事にも例外というものは存在するのだが・・・・。
(21)
「一体全体、何がどうなっているんですのッ!!
せっかくアルテナから帰ってきたって言うのに、また別の世界に召喚されるなんて!?
・・・・しかも、よりによって、この前と同じ、こんな恥ずかしい格好で・・・・!!」
ダンダンと足を踏み鳴らしながら、黒髪の美少女――――紺野藍子は、金切り声を張り上げた。
怒りに赤く染まったその顔は、元々プロモデルとしても十分やっていけるのでは?という程の美形だったが、
今は、憤激のあまり、鬼気迫るような形相と化している。
あまりの剣幕にヴァルナから事情説明を命じられた侍女達が怯え竦み、
一緒に召喚されてきた二人の<戦士>に助けを求めるような視線を向けている。
「ま、まぁまぁ、紺野さん、そう興奮なさらずに落ち着いてください。
そんなに攻め立てられては、この方々が可哀相ですわ」
「そーだよ、フッカイチョー。この人たち、別に悪い人には見えないし。
勝手に呼び出した事だって、きちんと謝ってるんだから・・・・」
助け舟を出したのは、年齢の割りには発達の著しいプロポーションを、
碧色の、背中と胸元を大胆に露出させたワンピース水着のような形状の鎧に包んだ眼鏡少女。
そして、彼女ほどではないものの、バスケット・ボールで鍛えた健康的な体躯に、
深紅のビキニ水着を思わせる胸当てとベルト付きのアーマー・ショーツを纏った短髪のスポーツ少女。
(22)
「・・・・なッ!!竹川さんも朱鷺田さんも、どうしてそんなに落ち着いていられますのッ!?
アルテナで私達がどんな目に遭ったのか、忘れたとでも言うんですのッ!?」
怒りの矛先を仲間へと向け、興奮した口調で機関銃のようにまくし立てる、
通称"フッカイチョー"こと白風館高校生徒会副会長・紺野藍子。
三人の中では最もスレンダーなその身体を覆っているのは、
朱鷺田と呼ばれた、ショートヘアの少女が身に纏うものと良く似た形状の濃紺の鎧だったが、
他の二人のものと比べて、体を覆っている部分が一番少なく、露出面積が最も多い。
特に、股間部分を覆うプロテクターは、下手をすれば中の恥毛がはみ出してしまいかねない程の幅しかなく、
バックの切れ込みも、大胆、というよりも、きわどい、と表現する方がふさわしいデザインで、
白くもっちりとした尻たぶの殆どが丸見えの状態になっていた。
身動きするたびに尻を撫でる空気の感触に羞恥心を禁じ得ないのか、
怒鳴り声を張り上げている最中でさえ、両脚はぴったりと閉じ合わさったままで、
時々、居心地悪そうにもじもじと揺れ動いているのが妙に印象的である。
紫煙
(23)
「そ、そりゃまぁ、アタシだって、あんな目に遭うのは御免だけど・・・・」
「・・・・でも、困っていらっしゃる方をこのまま見過ごしには出来ませんわ」
藍子の友人達――――ショートヘアのバスケ部員・朱鷺田茜と、眼鏡の文芸部員・竹川みどり――――は、
マイペースを崩す事無く、嵐が過ぎ去るタイミングを見計らっていた。
成績優秀、スポーツ万能、某企業のオーナー社長の令嬢で、自他共に認めるお嬢様系美少女・・・・
これで人柄が平均以上なら、伝統あるミッション系女子校である白風館の校史に残る才媛と言えるのだが、
残念ながら、神は彼女をそこまで溺愛していたという訳では無かったらしい。
"フッカイチョー"の性格は極度に沸点が低く、何事につけキレやすいときており、
おかげで、教師の評価も生徒の人気も今一つ、生徒会の面々も内心では敬遠気味という噂さえ立っていた。
幸い、いつまでもネチネチと根に持つようなタイプではないため、
暴風雨が吹き荒れる間だけ耐え忍べば、その後はどうにかなるというパターンが多いのだが・・・・。
(・・・・今回は、ちょっとやそっとでは収まりそうにありませんわね・・・・)
(まぁ、結果的に勝てたとはいえ、アルテナじゃあ徹底的にやられちゃったしなぁ。
フッカイチョーの気持ちも分からなくはないケド・・・・)
いつ果てるとも知れない罵詈雑言の集中砲火をやり過ごしつつ、
少し疲れたような視線を交し合う<風渡りの戦士>茜とみどり。
・・・・ほんの数週間前、藍子を含めた三人は、ジゼルと名乗る魔道士によってアルテナという世界に召喚され、
<地球>(無論、優子や妖子の故郷とは別の次元に存在する<地球>である)に戻るためには、
<邪まなる黒>という存在を見つけ出し、滅ぼさねばならない、と告げられたのだった。
不承不承ながらも、戦いに赴いた三人を待ち受けていたのは、
<邪まなる黒>の狡猾な罠、そして、筆舌に尽くし難い陵辱と恥辱の洗礼。
快楽に屈し、欲望のままに肉悦を貪る牝獣に堕した三人は、ジゼルの力で魔手を逃れる事が出来たものの、
その記憶は、元の世界に生還した今も、夜毎淫夢となって現れ、心身を悩ませ続けているのだ・・・・。
――――と、そこへ、もう一組の<戦士>が現れた。
(24)
「・・・・これはまた、騒がしいのが来たものね」
半ば呆れ返りつつ、不機嫌そうに舌打ちを漏らした女王の側近は、
運の悪い同胞に向かって、ここはもういいから、と退出を促した。
隅の方に縮こまって震えていた侍女達が、
礼もそこそこに壊れかけの人間スピーカーの前から逃げ出すのを横目で眺め、今度はため息をつく。
・・・・だが、次の瞬間、(自分でも驚いた事に)その表情は一変した。
「な、なんですの、アナタはッ!
ハッ!?その悪趣味な黒い鎧・・・・さては、闇に染まった悪の戦士ッ!?
一体、わたくしをこんな所に呼び寄せて何を企んでいるのですのッ!!」
「なッ・・・・あ、悪趣味、ですって・・・・!!」
ヒステリーの矛先を向けられた少女の眉が、ピクン、と跳ね上がり、
こめかみの血管がピクピクと危険な痙攣を発する。
やや遅れてその場に到着した優子がただならぬ気配に驚き、
咄嗟に制止の声を上げたようとしたものの、一瞬、否、半瞬だけ、遅かった。
目の前で騒音を撒き散らす公害娘を睨みつけながら、無言のまま、大股で近付いていく麗子
・・・・はからずも、その様子は、先程"フッカイチョー"が口にした言葉の通り、
闇に染まった悪の戦士、という形容がぴったり当てはまるものだった。
(25)
――――数分後。
「ええと・・・・どう言えば良いのか・・・・と、とにかく、ごめんなさい。
麗子も・・・・悪気があった訳じゃないと思うの・・・・たぶん・・・・」
ぶすッとした表情のまま、一言も口をきこうとしない友に代わって、
困惑しきった顔で何度も頭を下げる蒼髪の少女。
目の前では、取っ組み合いの喧嘩の末、ボロボロになった藍子が大理石の床石の上にのびていた。
一方の麗子も、バンダナを毟り取られ、髪の毛は乱れ放題で、全身引っ掻き傷だらけの惨状を呈している。
「い、いや・・・・その・・・・アタシ達の方こそ・・・・ゴメン・・・・」
「・・・・紺野さん、いつもあんな調子ですから・・・・。
わたしたちも、いつの間にか、慣れて感覚が鈍っていたようですわ・・・・」
対する茜とみどりも、冷や汗をタラタラと流している点は同じである。
彼女達もまた、目の前の少女と同じく、パートナーを制止するのに失敗していた。
幸い、二人とも、武器を繰り出すほど見境を失くしていた訳ではなかったため、
生命に関わるような事態にこそ発展しなかったものの、
騒ぎを聞き付けた<戦士>たちの好奇の視線に曝されて、三人は、穴があれば入りたい気分だった。
(26)
(・・・・まったくもぅ、意地っ張りな所は相変わらずなんだから・・・・)
藍子の平手打ちを喰らって真っ赤に腫れた頬を、ぷぅっと膨らませた親友を横目で見やりつつ、
<ヴァリスの戦士>は、周囲に聞こえないよう、ごく控えめにため息をついた。
先代の幻想王女であったヴァリアによって、
夢幻界人としての新たな生を与えられてからもう随分経つが、
未だ彼女の立ち居振る舞いの端々には、現実界の学校で机を並べていた頃の面影が垣間見える事がある。
無論、新女王ヴァルナの公私にわたる補佐役として、常日頃は厳しく自分を律し続けているのだが、
ふとした弾みでその箍に緩みが生じると、一介の女子高生だった頃の"桐島麗子"が顔を覗かせるのだ。
(そういえば、この人・・・・紺野さんって言ったかしら・・・・?
・・・・なんとなくだけど、昔と雰囲気が似ていた気がするわ)
鳩尾に当て身を喰らって目を回している黒髪の少女へと移動する優子の視線。
先程は、機関銃のような勢いで不平を喚き散らすヒステリックな態度のせいで気付かなかったが、
"フッカイチョー"こと紺野藍子の言葉遣いは、いわゆるお嬢様口調で、
乱暴極まりない物言いにもかかわらず、何処か育ちの良さのようなものを感じさせた。
そう言えば、かつて、クラスメイトとして机を並べていた頃の麗子も、
――――ここまでストレートに好悪の感情を口にする事はなかったが――――
怒りや不満を漏らすときには、無意識のうちにそんな口調になっていた記憶がある・・・・。
(27)
(・・・・もしかして、麗子がこんなにムキになったのって、それが原因なのかな?)
――――ありうる話かもしれない、と胸の中で独りごちる。
ここ最近――――特に、ヴァリアが崩じ、ヴァルナが夢幻界の女王となって以降――――、
赤毛の親友は、殊更にヴァニティの人間らしく振る舞う事に心を砕くようになっていた。
本人は全く自覚していないのだろうが、その事が原因でストレスを溜め込んでいたとしても不思議ではない。
「何よ、優子、言いたい事があるならハッキリ言えば?」
気付かないうちに、彼女の顔をじっと見つめていたらしく、
赤毛の親友は、不機嫌さと気恥ずかしさとが半々に入り混じった口調で問いを発した。
どう答えたものか?少し思い悩んだ末に、蒼髪の少女は、やや曖昧な回答でこれに応じる。
「そうね・・・・こっちはこっちで、色々と大変なのね。ご苦労さま」
案の定、夢幻界の親友は、(少し首を傾げながらも)
――――何よそれ、と幾分ふてくされ気味に言い返してくる。
・・・・想像通りの反応に、優子は、ほんの少しだけ口元を綻ばせながら、そっと肩をすくめてみせた。
(28)
饐えた異臭の漂う地下迷宮。
天井から吊り下げられたしなやかな肢体が、ビュクンビュクンと激しく跳ね回っている。
浅黄色のボディ・スーツから伸びるしなやかな太ももは、
不気味な黒い紐状の物体に縛められてM字状に割り拡げられ、
貞操帯ごと破り取られたクロッチ部分のあった場所から、紅い恥毛に覆われた可憐な秘裂がのぞいていた。
「アアッ・・・・あうう・・・・くはッ・・・・うあああッ!!」
――――善戦、と言って良いだろう、
暗闇の中、地下迷宮の狭い通路でのライディの健闘は小一時間にも達するものだった。
十分な視界も得られない状況下、襲い掛かってくる無数の触手生物を、
たった一本の長剣だけを頼りに、斬り伏せ、薙ぎ払い続けたその戦いぶりは、
その様子を眺めていた者がいたならば、さすがは<雷の戦士>、と喝采を叫ばずにはいられなかっただろう。
だが、所詮は多勢に無勢、戦いの結果が事前の予想を覆す事は遂に起こらなかった。
斬り飛ばした触手の数が五十を越えた頃から、愛剣の切れ味が目立って鈍り始め、
百を数えた頃には、蓄積した疲労によって指先の感覚が怪しくなり、
二百に達した時には、足元はふらつき、殆ど気力だけで戦っている状態となる。
精根尽き果てた赤髪の少女が触手に絡め取られたのはその直後・・・・
その頃には、愛用の長剣の刃先には敵の血糊と肉片が何層にも渡ってこびり付き、
斬るための武器と言うよりも、殴打用の鉄の棒切れと言った方が適切な状態に成り果てていた。
・・・・しかしながら、獲物が倒れた後もなお、押し寄せてくる触手の数は増え続け、
今や、少なめに見積もっても三百、おそらくは千匹に近い数の黒い怪物が、
力尽きた女冒険者のカラダの周囲を取り囲んでいるのだった・・・・。
(29)
「ひいい・・・・も、もう許して・・・・これ以上は・・・・くふぁあああッッ!!!!」
戦闘不能に陥った<戦士>は、弱々しくかぶりを振りながら、
押し寄せてくる黒い生き物に向かって哀願の言葉を搾り出した。
剥ぎ取られているのは陰部だけに留まらず、
ボディ・スーツはあちこち破れ、手足を覆う防具には大小の亀裂が生じて、
その全てから張りのある健康的な柔肌が無残に曝け出されている。
破れ目に頭を突っ込んだ何本もの赤黒い陵辱者は、仲間の仇とばかりに瑞々しいカラダを責め嬲っていた。
「だめぇッ!!そ、そんなとこ・・・・はひぃぃぃッ!!」
割り開かれた両脚から下半身全体にかけて幾重にも絡み付いた触手の群れは、
グネグネと蠢きながに肌理の細かい肌を吸い尽くすかのように這いずり回っている。
その表面から滲み出る体液は、体内を流れている時の生臭さからは想像も出来ない、
甘ったるい匂いを放ち、半裸の美しい囚人を淫靡に飾り立てていた。
不規則に全身を揺らしながら喘ぎ声を漏らすたび、細い顎がカクンカクンと跳ね上がり、
胸元に口を開けた大きなかぎ裂きから飛び出した、豊満な乳房がプルプルと震え慄く。
(30)
「あああ・・・・ダメ・・・・ダメぇッ!!
ア、アソコが擦れて・・・・ふああッ・・・・感じちゃうッ・・・・!!」
鮮やかなピンク色の秘裂にはひときわ太く逞しい触手が没入し、
さらに、その周囲にはやや胴回りの細い同胞が数匹、
隙あらば、花弁を強引にこじ開けて内部に突入しようと、入り口の前でひしめき合っている。
ヘビのようにうねる触手の先端部分は大小の球状突起に覆われ、
繊細な柔肉を執拗に擦り立てては、ピクピクとせわしない痙攣をもたらしていた。
押し広げられた膣穴は真っ赤に充血して腫れ上がり、
滑りを良くする為に分泌された不気味な体液が、捲れ上がった粘膜に何重にも塗り重ねられている。
「ハァハァ・・・・だめぇ・・・・もう、何も・・・・考えられ・・・・ふはぁうぁぁッ!!!!」
陵辱が始まってから、さほど時間は経過していないというのに、
既にライディの目元は虚ろになりかけ、クチビルの端からは涎の糸が垂れ落ちていた。
頭の中は白い靄に覆われて、正常な思考は隅に追いやられ、
五感も、全身を覆う触手の感触と時折背中を走る電流のような快美感の他には何も感じなくなっている。
引き締まった中にも適度な豊かさを感じさせる美しい肢体は、
滲み出した脂汗と触手生物の汚液にまみれて、てらてらと妖しく濡れ光っていた。
(31)
ジュプッ・・・・ジュププッ・・・・ジュルッ・・・・ジュチュルルッ・・・・!!
劣情にわななく乙女に気を良くしたのだろうか、
膣壁を犯す魔生物の動きが次第に加速していく。
グニュグニュと激しくうねりながら膣道を抉り進んだ触手が子宮口を穿ち破り、
グロテスクなイボイボのついた破城鎚の先端部が奥壁に当たって鈍い音を響かせた。
「ヒィッ・・・・イギヒィィッ!!
だ、だめぇ・・・・壊れちゃうッ・・・・ひはぁあッ・・・・おかしくなるぅッ!!」
凄まじい激痛と快感の大波が、僅かに残った理性を打ち砕いていく。
容赦の無い責めに紅髪をしどろに振り乱したライディは、
擦れかけた悲鳴と共に、絡め取られた下半身をビクビク痙攣させ、惨めに悶え狂った。
少女のカラダを目がけて押し寄せてくるおぞましい触手の群れはとても全部が秘裂の中には入りきらず、
あるモノは熟れた乳房に搾り出すように絡み付き、硬くしこった乳首を擦り立て、
またあるモノは、大陰唇の上端で、ツンッ、と先を尖らせている陰核を巧みに責め嬲り、
あるいは、背後に回って、まろやかな尻肉の奥で息付くすぼまりの表面を這い回ったり、
・・・・といった具合に、美しい獲物の肉体を思い思いの方法で味わい尽くさんとしている。
(32)
「ひあッ・・・・ふぁう・・・・はうぁああッ・・・・!!
ひぃぃ・・・・も、もうだめッ・・・・イクッ・・・・イッちゃううッッッ!!!!」
嵐のような責めの連続に、火の付いてしまったカラダは否応無く反応し、
喜悦の頂へと続く急斜面を一気に駆け上がっていった。
跳ね上げられた頤の下で、白い喉元がヒクヒクと引き攣り、
拘束された身体がビクンビクンと跳ね回りながら、弓なりにしなっていく。
「あはぁ・・・・ひゅうう・・・・ふぅあ・・・・はひぃあああッ・・・・!!」
前後の穴から入り込んだ触手の先端が薄い子宮壁越しにゴリゴリと擦れ合うたび、
絡め取られた裸身は淫猥にのたうち、わななく唇から蕩けた泣き声が溢れ出す。
敏感な粘膜を犯される刺激は、耐えがたい苦痛と共に、
腰椎をトロトロに溶解させんばかりの官能的な衝撃を生み出していた。
背筋を伝わり延髄から視床下部へと流れ寄せてきたゾクゾク感は、
頭の中で灼熱の炎と化し、痺れかけた脳味噌を蒸し焼きにしていく。
――――そして、次の瞬間ッ!!
(33)
「あうう・・・・うぐぁああッ・・・・な、何・・・・何か来るッ!?」
・・・・ゾロリ。
散々掻き回され、嬲り抜かれた膣穴の内側で、
触手の先から何かが放出される――――否、触手の中から這い出してくる。
充血花弁の中に異様な感触が広がり、
子宮口の隙間から胎盤の中へとゆっくりと流れ込んでいった。
「ひいッ・・・・何なの、これぇッ!!
・・・・ああッ・・・・ダ、ダメ・・・・入ってきちゃ・・・・いやぁああッッッ!!!!」
絶叫を上げる、女冒険者。
乙女の直感、いや、むしろ、生物としての本能と言った方が適切だろうか、
意識の奥に宿る何かが、子宮内に広がる汚濁の中に計り知れない危険を感じ、拒絶のシグナルを乱打する。
同時に、魂の底に眠る光・・・・少女に生きる意志を、戦いに赴く勇気を与え続けてくれた煌きが封印を解かれ、稲妻のようなエネルギーの奔流となって体内を駆け巡った。
・・・・だが。
時を同じくして、カラダの中で最も敏感な部分からは、
ぞっとするような熱い疼きが湧き上がり、異様に鋭さを増した性感を業火に包んでいく。
絶頂寸前のエクスタシーに支配された心身にとっては、何よりも悪辣で効果的な責め嬲り
・・・・選ばれた<戦士>といえども、その魔手から逃れる事は適わない程の。
気が遠くなるような快感に、くぐもった嗚咽が漏れ、
目尻から溢れ出した大粒の涙が、真っ赤に上気した頬筋を流れ落ちていく。
(34)
「あうッ・・・・あが・・・・あッあッあッ・・・・ぐぐ・・・・あああッ・・・・!!」
激しく鬩ぎ合う、聖なる意志と魔性の悦楽。
・・・・だが、ここは不浄な力によって汚染された漆黒の回廊だった。
宿主の危機に封印を解かれた夢幻界の加護も長続きはせず、
ライディの意識は闇に蝕まれ始め、ゆっくりとではあるが、着実に暗黒の色へと染まっていく。
パシッ!!
最後に一度だけ、青白い電光が身体の上で小さく弾けたかと思うと、
まるで、強風に掻き消される線香花火のように、空しく散り去った。
魂の奥底、存在の最も根源的な部分に標されていた<明>の徴が音もなく消え去り、
代わって、<暗>の紋章が灼熱の焼印となって刻み付けられる。
その直後、彼女の感覚はぷっつりと途切れ、
奈落へと続く闇の深淵に呑み込まれて沈み込んでいった――――。
(35)
――――コツ、コツ、コツ・・・・。
赤錆の浮いた鉄格子の向こうから近付いてくる冷たい靴音。
牢の中で耳をそばだてていたレオタードの少女は、濃紺の瞳に力を込め、身構えた。
思いも寄らぬ形で、捕囚の身になってしまったとはいえ、
<夢守りの戦士>は未だ戦いを放棄した訳ではない。
「・・・・ッ・・・・!!」
『・・・・・・・・』
独房の前に姿を現したのは、先刻の夢魔と同じ服装をした暗い表情の男。
一瞬、麗夢の脳裏には、どこかで彼に会った事があるような、不可思議な既視感が湧き上がってくるが、
いくら考えても、いつ、どのように知り合ったのか?全く思い出す事が出来ない。
一方、死神の装束を纏った男は、しばらくの間、値踏みをするかのようにその顔を覗き込んでいたが、
やがて、かすかに唇の端を歪めると、手にした大鎌を牢の中の捕囚に向けて静かに揺らしてみせた。
「きゃあああッ!!」
大鎌の刃先から強烈な悪意を孕んだ衝撃波が繰り出される。
狭い独房の中、回避もままならず、背後の壁へと叩き付けられる、<ドリームハンター>。
鈍い破砕音と共に、つい先刻まで身体を休めていた木製のベッドが粉々に砕け散り、
切り裂かれたお気に入りの羽根枕から飛散した白い羽毛が、しばしの間、両者を隔てる白い壁を形成する。
(36)
「うう・・・・」
全身の痛みに顔をしかめつつも、麗夢はどうにか体を起こした。
したたかに打ち付けた背中は勿論、紅いレオタードの至る所に鉤裂きが大きく走り、
その下から、未だ発育の途上にあるスレンダーな肢体が覗いている。
大きく破れた胸元を両手で隠しつつ、込み上げてくる羞恥心に顔を赤らめた少女は、
鉄格子の向こうを睨みつけ、くうぅッ、と、奥歯をきつく噛み締めた。
(嬲り殺しにしよう、って訳なの?)
こめかみから滲み出した冷たい汗が、強張った頬筋をゆっくりと流れ落ちる。
――――と、次の瞬間、今度は、背後で異様な感触が蠢いたかと思うと、
反射的に後ろを振り返ろうとした彼女を、ミイラのように骨ばった冷たい手が封じ込めた。
「・・・・なッ、コ、コイツは・・・・!?」
ディープブルーの瞳が驚愕に大きく見開かれる。
背後の壁面から上半身を突き出していたのは、悪夢の中で死闘を演じた、あの不死身の夢魔。
・・・・それも、一人だけでは無く、天井からも、床からも、左右の壁からも、死神の腕が現れて、
ぞっとするような感触の指先を小柄なカラダに絡み付けてくる。
(37)
「ひィィッ!!いやぁッ、は、放してぇッ!!」
信じ難い光景に、我知らず、悲鳴を放ち上げる<ドリームハンター>。
・・・・否、彼女が驚愕するのも無理は無かった。
取り憑いている人間を介してというならば兎も角、
夢魔自身が夢の世界から抜け出して現実世界にいる人間を襲うなど、凡そ考えられない事である。
宿敵である死神博士や親友である榊ゆかりに取り憑いていた悪霊の王のように、
純粋な意味での夢魔とは言えない存在であれば、ありえない事でもないが、
彼らとは異なり、この死神は、疑う余地も無い夢の世界の存在だった。
(・・・・そ、それが、何故、こちらの世界にッ!?)
ビリビリと不快な音を立てながら、残りのレオタードとアンダーウェアが引き千切られた。
競技用やエアロビクス用の市販品と違い、夢魔に操られた人間や動物との戦闘を想定して、
防弾チョッキにも採用されている特殊樹脂を織り込んで編まれた衣服が、あっという間に千切り破られ、
なめらかなカラダの曲線とうっすらと汗ばんだ色白な肌が露わにされていく。
「・・・・くううッ、み、見ないで・・・・」
自身では『見るな』と怒りのこもった口調で言い放ったつもりだったが、
実際に震える唇が紡ぎ出した言葉は、すでに弱々しい哀願調の響きに包まれていた。
暴き立てられた発育途上の乳房、そして、下草もまばらな幼い性器を、
必死に覆い隠そうとするその表情からは、先程までの気概は姿を消し、
恐怖と羞恥に打ち震える、年端も行かない少女の顔に戻ってしまっている。
(38)
「ひぃ・・・・や、やめて・・・・い、ぎひぃいッ!!」
死人のように冷たい指が手足に喰い込み、
わずかばかりの抵抗をものともせず、胸元と秘部から引き剥がした。
あまりの恥ずかしさに顔面を引き攣らせる敗残の<戦士>は、
もはや、大粒の涙で双眸を潤ませながら、力なくかぶりを振る事しか出来ない。
その恐怖は、――――ギィィィッ、という軋んだ音を立てて鉄格子が開け放たれ、
死神の格好をした鬼女が牢の中に身体を滑り込ませてくるに及んで、頂点へと達した。
「い、いや・・・・いやあああッッッッ!!!!」
狭苦しい牢の中に響き渡る、悲痛な叫び声。
背後に陣取った死神の両手が、硬さの残る乳房を根元から絞り上げ、
ゆっくりと円を描くように揉み込んでいた。
陰気な色合いの長衣から伸びた骨ばった指先は、殊更に乱暴な動きをしている訳ではなかったものの、
異性との性交はおろか、まともにキスさえした事のない無垢な少女にとって、
名状し難い不快感の纏わりついた愛撫の感触は、耐え難い苦痛と恥辱をもたらすものでしかない。
(39)
「むぐッ!?んぐぅ・・・・ぐぶうううッ!!」
乳房へのおぞましい愛撫に抗議の叫び声を上げ続ける口元に、夢魔のクチビルが覆い被せられた。
吐き気を催す感触が口腔内を蹂躙し、喉の奥にまで流れ込んでくる。
まだ誰にも許した事の無いファースト・キスを無情にも奪い去られた麗夢は、
信じられない、と叫びたげに、左右の瞼を大きく見開くと、
ひとかけらの温かみさえ感じられない接吻を撥ね退けようと、絶望的な抵抗を試みた。
「んぶぅッ!?ぶぐ・・・・うぐぶぅうううッッッ!!」
・・・・だが、死神の口付けは<夢守りの戦士>の可憐な口元を執拗に犯し続け、
あまつさえ、震え慄く歯並びをこじ開けて、
腐った血の匂いを漂わせる体液をたっぷりと含ませた舌先を可愛らしい舌根へと絡ませてくる。
泣き叫ぶ気力すら喪失した少女には、おぞまし過ぎる口唇愛撫から免れる力は残されていなかった。
悪夢をも上回る凄惨な現実に打ちのめされ、茫然自失となった彼女に出来る事と言えば、
薄紫色のストッキングに覆われた左右の太腿を捩り合わせ、敏感な谷間を守り抜こうと足掻き続ける事だけ。
――――もっとも、それとて、本格的な責めが開始されようものならば、
あっという間に無力化されてしまう程度の代物に過ぎなかったのだが・・・・。
(40)
「んぐぅううッッッ!!!!」
案の定、微弱と言うのも憚られる程弱々しい抵抗は、何の成果ももたらさなかった。
スレンダーな太ももを包むストッキングが引き裂かれ、露わにされる幼い性器
・・・・ほとんど無毛に近い恥丘の真ん中を走る、真っ新なピンク色の割れ目が、
ねっとりと淀んだ空気にさらされてヒクヒクと震え上がる。
骨ばった指先がクレヴァスをそっとなぞり上げると、
塞がれた唇からくぐもった悲鳴が漏れ、眼尻から大粒の涙滴が零れ落ちた。
ちゅッ・・・・ちゅく・・・・ちゅくちゅッ・・・・!!
敏感な花びらを割り広げ、充血した陰唇を弄ぶ髑髏の夢魔たち。
剥き出しになった下半身に、自分達に抗えるだけの力が残されてはいないのを承知の上で、
わざと焦らすように手加減しつつ、幼い性感を掻き立て、妖しい昂ぶりに目覚めさせていく。
やがて、狡猾な指技に揉み解されくつろげられた粘膜から、半透明な愛液が滲んでくると、
つつましい肉の花弁の奥に生じた熱っぽい感覚が青い果実を燃え立たせ始めた。
(41)
「うく・・・・んむぅ・・・・くふッ・・・・ううう・・・むふぅんん・・・・」
いつしか、苦悶の声は甘く切なげな吐息へと変化し、艶かしいリズムを刻んでいた。
力の抜けきった両脚が持ち上げられ、V字型に大きく開脚を強いられても、
もはや、檻の中の女囚は形ばかりの抵抗さえも示そうとせず、屈辱的な体位を受け入れてしまう。
(はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・)
柔かい秘唇を擦り上げられ、包皮の中の陰核を穿り出されて転がされる。
さすがに自慰の経験ぐらいはあるものの、
自分の指で弄るのとは比べ物にならない心地良さに、子宮の奥から蜜液が溢れ出して来る。
自制心の箍が緩くなっていくにつれ、その湧出量は増加の一途を辿り、
いまや膣内には収まりきらず、太腿の内側をベットリと濡らしていた。
(・・・・もう・・・・もう、ダメぇ・・・・何も・・・・考えられない・・・・ふはぁああッ・・・・!!)
<戦士>としてのプライドは粉々に打ち砕かれ、心の中には絶望が深く染み渡っていった。
頭の中は真っ白な靄に覆われ、理性も思考も麻痺しきって、
腰椎の間から込み上げてくるゾクゾクするような快美感以外、何も感じられない。
胸の中では、数秒毎に、心拍の回数、強さ共に跳ね上がり、
熱く沸騰した血液が血管の隅々にまで快楽の波動を送り届けていた。
視界がぼんやりと霞み、虚ろな瞳が空中をあてどもなく彷徨っている。
やがて、限界を迎えた少女の意識は、際限なく膨張し続ける肉悦の中で、
全身がバラバラに弾け飛ぶかのような激しい痙攣を感じつつ、昏い奈落の底へと沈んでいくのだった・・・・。
――――――――TO BE CONTINUED.
以上、不定期連載SS『戦士集合!』第2章をお送りいたしました。
お楽しみ頂ければ幸いに存じます。
なお、突然の予定変更にもかかわらず、ご支援を頂き、誠に有難うございます。
次回作ですが、予告どおり、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第8章を予定しております。
完成・発表は、1月末を予定していますが、
年末年始を挟む形となりますので、若干執筆が遅れる可能性もございます。
あらかじめご了承くださいませ。
それではまた〜〜。
ちなみに、今作に登場させた、
シルキス王女は、二次元ドリームノベルズ209『白翼の騎士ナイトスワニィ』に、
朱鷺田茜、紺野藍子、竹川みどりの三人組は、フランス書院美少女文庫『ブレイブ・ガールズ』に、
登場する、ビキニアーマー系美少女戦士です。
>>539 お久しぶりです。
お元気そうで安心しました。
>>584 ARCH DUKE氏もいつもお疲れ様です。
ナイトスワニィはそう言えばスルーしてしまったなぁ
ちょっと書店でも行って来ますw ( ^ω^)
>>584 麗夢、普通にナツカシス…
願わくは
妖子が集団凌辱に敗北するとこが読みたいです。+゜.*(・∀・) +.゜*。
588 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:12:52 ID:J8ft7k+N
あげ
保守
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第8章は、現在進捗率20パーセント。
構成的には、本編のvol.7のラストからvol.8の中盤にかけて(一部vol.9の内容を含む)、といった部分を扱う予定です。
なお、『生首』については、「残虐な描写は禁止」というスレのルールに抵触しないよう、
文章化の際には、抽象的な(あまり具体的でない)表現にとどめるつもりですので、どうかご安心下さい。
完成・発表は来月末を予定しています。
しばらくの間、お待ちくださいませ〜。
wktk
頑張ってくださいね
592 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 01:27:45 ID:M5Ach8JH
今月号のゲドマガ、MISS BLACKの漫画に出てくる女格闘家が優子に激似で萌えた。
書き込みtest
サンタさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
ありがとうありがとう (つД`)
横からインターセプトでどうもありがとう
スゲー…
いのまたフェイスまんまじゃん
エロゲー、しかもNEC98の頃の絵っぽい所がまた…
>>594 有難うございます〜。
むっちりとした太腿の健康的な色合いと
絡み付く触手の毒々しい色とのコントラストが実に素晴らしいです。
この後は、一体、どうなってしまうんでしょうか〜?
>>597 (・∀・)イイ!!
これは素晴らしい
ありがとう ヽ(´ー` )ノ
600 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 15:19:49 ID:18OxERH+
601 :
594:2007/12/26(水) 02:54:12 ID:OQZZktEx
昨日に引き続きありがとうございます
いいシチュですねー
>>601 おぉ〜、次で!!次で!!陽子が触手に…!!
エロパロにも来たか
保守
606 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:07:04 ID:V2cIVp8c
保守
607 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:07:28 ID:M+useQKk
hssh
ビキニ鎧あげ
608 :
594:2007/12/27(木) 03:12:37 ID:0tgMvKyv
乙でした!!
610 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 12:56:41 ID:JvIEbJXD
ヴァリス同人誌はどれぐらいありそう?
レダでもいい
アテナでもいい
皆様、明けましておめでとうございます。
旧年中は拙作をご愛読頂き、誠に有難うございました。
本年も宜しくお願い申し上げます。
では、今年最初の執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第8章は、現在進捗率50パーセント。
前章の続きの部分(雑魚モンスターによる優子輪姦)、
エロ調教を受けてアイザードの牝奴隷と化した麗子のフェラチオ&顔射と来て、
現在、ログレスの前での『首実検』のシーンを描いています
(なお、本編とは異なり、麗子は優子の首級がアイザードが用意した贋作である事を最初から知っています)。
完成・発表は今月末〜来月初旬を予定しています。
しばらくの間、お待ちくださいませ〜。
頑張ってくだされー
本年初保守
むにゃむにゃ…
今…起きたが…夢で麗子が見てる前で優子を犯る夢を見た
私の身体がSSを欲しているのかな…
中身商才に
>>617 うーん、夢の中身…
何故か学生にもどり学食の食堂にセーラー服の麗子が横に座り
耳元で囁きながら机のしたで私の股間を触り
「優子を犯して」と言われ私も気持ちよかったから
スカートの上から麗子のク〇トリスを揉みしだき
耳元に麗子の吐息がかかる
いきなり場面は変わり、次のシーンで
いきなりヴァリススーツの優子を押し倒していて
「くあぁッ!や、やめてぇ〜」と悶える優子の両手を抑え挿入。
その様子をビキニ鎧の麗子が建物?の中から不敵な笑みを浮かべながら眺めていた
そのあと優子にイマラチオ(順番が…)
そのあと場面が変わり俺?から生えた?触手に犯され尽くされた優子のシーンにかわり
全身触手と白濁まみれになったヴァリススーツの優子が
白眼を剥いて力無くグッタリしていた
そして、また最初の食堂のシーンにループ。そこで眼が醒める(;´Д`)
いやぁ…いい夢見みました。+゜.*(・∀・) +.゜*。
イイですねぇ
そのさらっさらのロングヘアとか素肌からスゲー良い香りが漂ってて
扇情的ではあるが清楚なヴァリススーツ、だからこそイタズラ心半分に
生地の上から揉みしだいたり舐めたりの陵辱三昧
で、ナゼか抵抗の力が弱かったりするんですよねw
>>619 いやぁ〜、夢ってのは見たくて見れるもんでは無いですが
かなりよかったので寝る前また見ないかと念じてますが
見ないですね
ドラマCDやらヴァリコンから音声引っ張って来て
ヘッドホン流しっぱでおやすみになれば、イヤでも見られるとは思いますがw
それと、アロマですかねぇ…でも内容のコントロールが難しそう
ここでARCH様のSSを毎日欠かさず読み
あとはZOL先生謹製第1巻を枕元に常に置いておくとかですか
生首が出たりしてwww
>>621 はは…SSは更新されると寝しなに寝床で読んでましたし
コミックは最近まで寝床の本棚に有りましたねWW
みなさんはどんな夢を見たいですか?
ある日、ふらりと寄ったPCショップのゲームソフトコーナーにヴァリスの新作が!
3Dアクションだが、近頃のネトゲの見本イラストに勝るとも劣らない美形3D優子が主人公。
パッケ裏を見ると戦う優子の姿も沢山出ている。
機械的なアクションではなく、攻撃を受けると痛がったり怯んだり、怒りで攻撃が鋭くなる人間味がウリらしい。
やっぱり元祖美少女ゲーたるもの主人公の描写に力を入れないと。わかってるなゲーム屋。
それにしても、ええ表情だな〜ついに3Dもここまで来たか!
さらにストーリーモードもついていて、島本さんの声でしゃべると来たもんだ。
7800円…うわ買える!
DirectX9.0C以上、CPUPentium43Ghz以上、グラフィックGeroce6200以上推奨…
流石にグラフィック凝ってるだけあって環境の敷居高けーな。でもウチなら動くぞ!
でも、操作に何使うか書いてないな…ゲームパッド買わなきゃいかんのだろうか?
店員に聞こう。
ワクテカしながらレジへ…
で目が覚めるw
買い物オタの俺はこんな夢が多い。エロくないけどねw
思えばネットが当たり前になってから店舗で感動の発見をすることがなくなった。
>>623 うお、その夢見たいですね〜
てか、リアルにそのゲーム欲しいですね。私なら倍額出しても惜しく無いですね
10号予告キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
626 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 20:57:30 ID:gubOBGvS
いよいよ得ろ本ですか
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第8章は、現在進捗率90パーセント。
現在、第一稿を書き終え、校正作業に入っています。
年末年始を挟んだため、作業は少し遅れ気味で、
完成・発表は2月の初め頃にずれ込む予定です。
お待たせして申し訳ございませんが、もうしばらくの間、お待ちくださいませ〜。
>夢
私がこれまでに見た中で一番リアルだったのは、
敵に捕まった優子と麗子が、呪いで発情させされ、
牢の中でカラダの疼きに必死に耐え続ける、というものでした。
先に我慢できなくなったのは麗子の方で、
『お願い、正気に戻ってッ!!』と必死に懇願する優子の目の前で一人エッチで達してしまい、
さらに『優子も一緒に〜』とか何とか叫びながら、
抵抗する優子を床に這いつくばらせて・・・・、というところで目が覚めました。
>10号予告
来ましたね〜。
<ヴァリスの鎧>を一つずつ剥ぎ取っていくシーンが印象的でした。
本編が楽しみです。
保守首都高
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第8章は、現在進捗率95パーセント。
校正作業は順調に進んでおり、今週中に完成の予定です。
発表ですが、今週末はちょっと時間が取れそうにありませんので、
2月4日(月)夜に行いたいと考えています。
>コミヴァvol.10
入手しました〜。
ZOL先生の漫画版ですが、前半はエロ大全開の展開で素晴らしい出来でした。
エロパロSSの資料用に、ヴァリス関係の同人誌や同人CG集は結構揃えているのですが、
今回の優子ほどグッと来るものは、そう簡単に見付かるものではありません
(特に、4ページ目の、スカートを膝までずり下ろされた優子が虚ろな目でアイザードを見上げているカットは最高です)。
そして、後半は麗子とアイザード、ベノンの三人が三つ巴の戦いを繰り広げる、
迫力満点の戦闘シーンに(正直)驚かされました。
個人的には、これまで漫画版の中に登場した中では最高のアクションだと感じています
(残念な事に、優子は全くの役立たずでしたが・・・・その分、麗子が格好良かったので満足)。
ラストで、アイザードが優子を庇って麗子に斬られていますが、
もしかして、これが優子再覚醒のキッカケとなるんでしょうか?
あるいは、『アイザードは実はいい人でした』(=実は、ヴァリアとは別の方法で夢幻界を救おうとしていた)という展開になるんでは・・・・?
という予想も出来なくは無いのですが・・・・。
このあたりも、とても興味深く、目が離せません。
単行本2巻はほとんど優子が剣を握ってないことになりそうですな。
そのうちの大半がエロ展開と。
しかし発売は1年後か…
お待たせしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第8章の発表を開始いたします。
なお、本章でエロパロ化した内容は、
本編で言えば、vol.7のラストからvol.8の終盤(麗子とベノンがログレスの前から退出するシーン)にかけてとなります。
vol.8のラスト以降、モンスターに視姦されながらの触手陵辱(の幻覚)、アイザードの部下によるレズ輪姦、
アイザードによる正常位挿入(本編では、麗子の乱入により未遂に終わりましたが・・・・)、と続く、
エロエロなシーンの連続については、次章のお楽しみ、という事にさせて頂きました。
ご了承の上、お読み下さいませ〜。
(1)
意識の迷宮。
戦意を失った優子に群がる、醜悪な陵辱者たち。
ヴァリアの加護を喪失した今、少女の心は全くの無防備状態で、
邪悪な魔道の技によって生み落とされた怪物たちの前に投げ出されている。
「ひあッ・・・・あひぃ・・・・はぁふぁあああッ!!」
めくるめく快楽の嵐に翻弄され、あられもない痴態を晒す蒼髪の<戦士>。
逃げる場所も、抵抗する力も、すでに無く、
押し寄せる異形――――暗黒五邪神が一将、風邪アイザードの意識操作によって作られた幻獣たちにより、
身動きを封じられ、四肢を絡め取られ、全身をくまなく舐めしゃぶられて、
為す術もなくよがり悶えながら、忘我の境地へと追い上げられている。
(2)
「ひはあぁッ!!いい・・・・気持ちいいッ!!
あああ・・・・だめぇッ・・・・も、もう何も考えられないッ!!」
ビリビリに引き裂かれ、襤褸切れ同然の有り様に成り果てたスカートの下、
恥部を覆い隠す最後の薄布もまた、クロッチ部分を破り取られ、無残な残骸を曝していた。
真っ赤に充血した陰核の周囲で、何本もの舌先が脈打つたびに、
鈍い痛みとそれに数倍する肉の悦楽を掻き立てられる。
「うひぁあ・・・・ど、どうして・・・・なんで・・・・こんなに気持ち良いのッ!!
はぁん・・・・わ、わたしのカラダ・・・・いったい・・・・どうしちゃったのォッ!?」
火照った肌に不規則な痺れが走り、微細な電流が脳天から手足の先まで何度も駆け抜ける。
汗腺がバカになってしまったかのように、毛穴という毛穴から白い汗がとめどなく溢れ出し、
ピチャピチャと淫猥な水音を立てながら塗りたくられる、媚薬成分入りの唾液と交じり合って、
身体中を甘ったるい芳香と濃密なフェロモンとで包み込もうとしていた。
緩急を織り込みながら揉みしだかれる都度、乳房がひと回りずつ大きく脹らんでいくように感じられ、
胸の奥が止め処もなく熱く疼いてしまう。
(3)
・・・・ずちゅッ。ぶちゅ・・・・ぷぢゅるッ・・・・じゅりゅりゅッ!!
無論、熱くなっているのは膣内も同様で、
滲み出した蜜液が侵入者をくるみ込み、子宮に向かって恭しくエスコートを申し込もうとしていた。
もう少しで子宮口に届くところまで来ていた魔物の舌先が急に角度を変え、
ザラザラとした肉ブラシの先端が手近な膣壁をグニャリと挟み込むと、
両の眼が、カァッ、と見開かれ、アアッ、という鋭い叫びが空気を震わせる。
大きく開け放たれた口元からは、大量のヨダレと共に、真っ赤な舌が空中へと突き上げられ、
ピクピクとブザマに痙攣しながらダンスを踊っている。
「ひぃはぁあッ!!だ、だめ・・・・そんなに暴れないで・・・・はひぃいいッ!!」
無意識のうちに漏れ出してしまう喘ぎ声も、
音程は狂い、語尾は途切れて、およそまともな言葉にはなっていなかった。
すでに愛液でヌルヌル状態の蜜壷は、陵辱者たちの動きに合わせて、引っ切り無しにひくつき回り、
そのたびにカラダがバラバラに弾け飛ぶような強烈な衝動が湧き上がってくる。
すでに頭の中は芯まで痺れきり、下半身を犯される異物感も不快感も殆ど感じられないばかりか、
殺到する異形たちに犯され続ける屈辱に、異様な悪寒まで覚えてしまう始末だった。
(4)
「あうッ!?・・・・お、おしりまで・・・・くはッ・・・・はうあああッ!!」
申し訳程度に尻たぶを覆うスカート
――――正確には、つい先刻までスカートと呼ばれていた布の切れ端――――を撥ね退け、
肛門のすぼまりへとめり込んでいく肉鞭の感触。
思わず、驚きの叫びを上げる優子だったが、その声は、すぐに甘い喘ぎへと変わっていく。
恥ずかしい排泄器官に異物を咥え込む事への抵抗はまだ残っているものの、
未知の快楽に対する期待の方が何倍も大きく、激しい衝動となって心の中を吹き荒れていた。
「んんッ!!ふぐ・・・・ぅううッ・・・・お尻が広がる・・・・拡げられていくぅッ!!」
つい先刻、牝穴を攻略したのと全く同じやり方で、
ヌメヌメとした舌先が、アナルの皺を伸ばしながら奥に押し入ってきた。
最初のうちこそ、痛みや違和感も覚えていた少女だったが、
唾液中の媚薬成分のせいか、すぐにそれは和らぎ、代わって、悪寒のような疼きが下腹に集まってくる。
加えて、狭い潜り戸を通り抜け、括約筋の束縛から解き放たれた責め具の動きは俄然活発になり、
腰椎の間を駆け巡るゾクゾク感もどうしようもなく脹らんでいった。
(5)
(・・・・あ、ああ・・・・来る・・・・感じるぅッ!!
だめぇ・・・・も、もう・・・・止まらない・・・・止められないッ・・・・!!)
薄い肉膜一枚を隔てて、子宮を掻き回す舌先と直腸を扱き立てる舌先の感触とが複雑に絡み合い、
おそろしく卑猥な二重奏を奏でながら、少女の下半身を蕩かしていった。
肛門が捲り上げられて内臓と一緒に引きずり出されてしまうような、恐ろしい感覚が襲ってきたかと思うと、
一転して、膣壁がドロドロに溶けてしまうかのような凄絶な快美感の嵐が吹き荒れたり、
情けないひくつきを発する尿道の先から、得体の知れない体液が、ピュピュッ、と迸ったりもする。
「うぁ・・・・あああッ!!ひぃッ・・・・くああッ・・・・た、助け・・・・ひふぅあああッ・・・・!!」
苦痛と快感とが綯い交ぜになった名状し難い衝動が、心身を容赦なく切り裂いていく。
唇、舌、口腔、うなじ、首筋、背中、腋の下、臍、下腹部・・・・。
荒れ狂う情欲の暴風雨は、同時に、体中の性感帯をより鋭敏なものへと変貌させ、
あらゆる場所で、様々な性感が、各自のやり方で自己主張を始めていた。
信じられない量の淫らな波動が、巨大なうねりとなって全身の神経を伝い、
脳細胞へと流れ込むや否や、我先に、早く快楽物質を分泌しろ、とまくし立てる。
処理能力の限界を超える法外な支払い要求に直面してパニックに陥った理性はすぐに破綻し、
意識の奥底から無理矢理に引き摺り出された牝の本能に取って代わられてしまった。
(6)
(ふああッ・・・・いいッ・・・・気持ちいいッ!!
ひぃいッ・・・・凄いのが・・・・あああ・・・・壊れるッ・・・・おかしくなるぅ!!)
身体中の筋肉が、ビクビクビクッ、と不規則な震えを発し始める。
指の先まで張り詰め、敏感になった神経を熱いわななきが往復し、
てんでばらばらに暴れ回っていた快感が、次第に一つに収斂していった。
欲望の業火によって無残に焼け爛れた頭蓋骨の内側に真っ白な光が広がっていき、
目元からは敗北の涙滴が、口元からは恍惚の唾液が、だらだらと溢れ出していく。
「かはぁッ・・・・!!あう・・・・あッあッ・・・・んはぁああッッッ!!」
何百匹ものナメクジの大群が群がってくるような悪寒が、<ヴァリスの戦士>を襲う。
汚液でベトベトになった長い蒼髪を振り乱し、甘い啜り泣きを漏らすたび、
しなやかなカラダがギシギシと軋んだ音を立てながら弓なりに仰け反っていった。
胸元では、胸甲から解き放たれた二つの乳房が真っ白い汗に濡れ光りながら前後左右に揺れ動き、
腹部では、あまりに激しく不規則な下半身の動きについていけなくなった黄金細工の飾り帯が外れかかって、
程良くくびれたウェストの下から、白さが際立つビキニ・ラインの柔肌が覗いていた。
(7)
「くああッ!!し、死ぬッ・・・・死んじゃうッ・・・・くひゃぁああッッッ!!!!」
ひときわ甲高い歓喜の叫び声を放ち、ついにエクスタシーの頂点へと到達してしまう蒼髪の少女。
ビクビクと悶絶していたカラダが、一瞬、ピタリ、と静止し、
ブーツの中で、爪先まで、ピン、と伸び切っていた足指が、瞬間的に、キュッと丸められる。
侵入してきた肉舌の群れを根こそぎ千切り取らんばかりの勢いで子宮口の締まりが強くなり、
愛蜜袋から噴き出した濃密な牝汁が、ジュブジュブと派手に飛沫ながら、出口を捜し求めて溢れ返った。
「ひぎぃッ!!いやぁッ・・・・オ、オシッコの穴が・・・・ひぃッ・・・・い、いひぁあああッッッ!!!!」
大量の恥汁の向かった先は、怪物たちの舌によって塞き止められた秘裂ではなく、
尿道と平行して走る一本の細長い肉腺だった。
学校の保健の教科書にも正確な名前は載っていないその器官は、
本来、膣道内の老廃物を体外に排出するために存在しているものなのだが、
無論この時は、元々の目的からは逸脱した、全く想定外の量の体液を受け容れ、
自前の放水能力だけでは到底事足りず、隣接する膀胱にも助力を請わねばならない羽目に陥っていた。
ぶしゅうッ・・・・ぷしゃあああああッッッッ!!!!
尿道口が決壊し、少し黄色がかった色合いの、粘り気のある液体が、
空中に見事な放物線を描きながら噴き上がった。
悲鳴とも嬌声ともつかない、凄まじい絶叫が迸ると同時に、
絶頂に達した瞬間のまま、凍り付いたように動きを止めていた肉体が、
壊れかけのゼンマイ人形のように、ギクッ、ギクッ、ギクッ、と、激しい痙攣に見舞われる。
信じられない程巨大な快感が優子の意識をひと呑みにしたかと思うと、
彼女の自我は、あっという間に、噛み砕かれ咀嚼されて、濁流の底へと吸い込まれてしまった・・・・。
(8)
暗黒界。アイザードの研究室。
「・・・・そうだ。ゆっくりと運べ。培養槽に入れる際にショックを与えるな・・・・」
部下達の作業を見守りながら矢継ぎ早に指示を出す、プラチナ・ブロンドの魔道士。
主の命令に、背中から昆虫のような翼の生えた少女達
――――青年が魔道の技を駆使して作り上げた、ご自慢の侍女――――は的確に応え、
与えられた仕事をテキパキとこなしている。
試験管の中の細胞のカケラから、現在の血肉を備えた美しい姿にまで練り上げられた魔法生物は、
文字通りの意味で、血の一滴、髪の毛の一すじに至るまで、彼の所有物であるのと同時に、
彼と離れて過ごす人生など想像した事すら無い、究極の奴隷でもあった。
(9)
(フム・・・・とりあえず、落ち着いたようだな)
籐椅子に深く腰を下ろし、独りごちるヴェカンティの魔将軍。
目の前では、彼の手になる生ける芸術作品たちが、
意識を失った獲物――――磨き上げられ、加工される前の原石――――を、
毒々しい色の薬液の詰まった巨大なガラス容器に漬け込んでいる。
隣には、同じく薬液で満たされた培養槽が幾つも設えられ、
各種の薬液を注入するためのパイプやバルブ、得体の知れない計器や検知器具の類が所狭しと並んでいた。
(これで、二人の<戦士>は私のもの。
だが、陛下にその事を明かすのはまだ先の話だな・・・・)
今しばらくは、時間が必要だ――――腕組みをしたまま、アイザードは思案を巡らせる。
現在までの所、状況はほぼ計算どおりに推移しているとはいえ、
全体計画を考えれば、やっと全行程の半ばを過ぎようとしている程度に過ぎなかった。
優子を完全に洗脳し、自らの支配を受け容れさせねばならないのは勿論だが、
それと平行して進めておかねばならない作業も幾つか存在する。
(10)
(・・・・まずは、あの小うるさい腰巾着を陛下の許から引き離す事から始めようか)
脳裏に浮かんだ男の名は、暗黒五邪神が一将、炎邪ベノン。
陰険な策略を好み、殊に力弱き者を罠に嵌めてジワジワと嬲り抜き、
恐怖と絶望の中で死に至らしめる事に無上の快楽を覚える、という生粋のサディスト。
無論、謀略家という点に関しては、アイザードとて他人をとやかく言える立場ではないのだが、
彼の場合、(策の完成のために必要である場合を除けば)標的に無用な苦痛を与えたりはしないし、
ましてや、策略を弄する行為自体に悦びを見出すような陰湿さは持ち合わせていない。
そのあたりが気に入らないのか、彼の魔道士に対する感情は完全に冷え切っており、
隙さえあれば現在の地位から追い落としを図ろうと、日夜監視の目を光らせていた。
(それから・・・・あの御老体にも、そろそろご退場願わねばならないでしょう)
そして、今一人の邪魔者が、五邪神最後の将にして、
暗黒界の覇権を巡ってログレスと最後まで争った双頭の邪竜、雷邪ヴォルデス。
暗黒王の圧倒的な魔力の前に敗北し、臣下の列に加わる事でかろうじて死を免れたものの、
未だ巨体の奥には野心の残り火が燻り続けているらしく、
ねぐらに引き篭もったまま王都に伺候もせず、夢幻界への出兵命令にも言を左右にして応じようとしない。
ベノンとは異なり、今の所、自分との仲は取り立てて良くも悪くも無かったが、
彼の存在は、彼の計画の中では大きな不確定要素の一つに数え上げられていた。
無論、石橋を叩いて渡る性格の元夢幻界人としては、
事を為すにあたって不安となる材料は、可能な限り、取り除いておくつもりである。
(11)
「そのための仕掛けは・・・・麗子、君にやってもらいますよ」
いま一人の<戦士>を捉えた碧色の双眸が、僅かに細められた。
籐椅子の足元に蹲った赤毛の少女は、
巨大なガラスの水槽の中へと沈められていくかつての級友の姿を、
焦点の合わない瞳でぼんやりと見つめながら、
未だ冷めやらぬ肌の火照りがもたらす懊悩を鎮めようと、ひたすら手淫に耽っている。
(フフフ、優子と違って、彼女はもはや完全に私の言うがまま。
・・・・どれ、少し味見してみるとしましょうか?)
好色そうな視線を湛えつつ、無言で顎をしゃくり上げるアイザード。
自慰に没頭していた指先が、はた、と止まり、
・・・・次の瞬間、赤毛の<戦士>は、半ば条件反射的に、パッ、と顔を上げて、
ご主人様の言い付けを心待ちにする愛犬よろしく、期待に満ちた表情で魔道士を仰ぐ。
お前など信用出来るものか、と、頑なに自分を拒絶し、心を許そうとしなかった麗子が、
僅かな期間でここまで従順になるとは、罠を仕掛けた当人にとっても、いささか予想外だった。
(12)
(・・・・どうやら、君は、自分で思っている程には、自分の選択に自信を持っている訳ではないようだね。
いいや、きっと君は、心の奥で、今でも捜し求めているんだろう。
・・・・無条件に自分を受け容れてくれる存在、安心して寄りかかる事の出来る誰かを、ねぇ・・・・)
色素の薄い唇に浮かぶ、辛辣な微笑。
今まで、目の前の少女は――――生まれた世界こそ違えど――――暗黒の力に魅せられた末に、
故郷を捨て去る決断を行ったという点で自分と変わらぬ、一種の同志的な存在、と考えていたが、
どうやら、"故郷を捨て去った"という行為は同じでも、動機の方は全く異なっていたらしい。
(・・・・私は少し思い違いをしていたようですねぇ。
君は、何かを求めて、ログレスの召喚に応じたのではなく、
何かから逃げ出したくて、こちらの世界にやってきた・・・・そうでしょう?)
冷やかな眼差しを投げかけつつ、籐椅子から体を起こしたアイザードは、
無造作に着衣をはだけ、むっくりと隆起した股間のイチモツを露わにした。
ほんの一瞬だけ、怯えるような表情を見せた赤毛の<戦士>だが、すぐにその感情は掻き消えて、
白く細長い指を怒張した肉棒へと絡めると、太い血管が浮き出した陰茎に可憐な唇を近付けていく・・・・。
(13)
――――ピチャッ・・・・ペチャ・・・・チュプッ・・・・ジュジュプッ・・・・!!!!
法悦に目元を潤ませながら、男根に奉仕する赤毛の少女。
優男然とした外見とは裏腹に、アイザードのペニスは逞しくそそり立ち、
狭い口腔一杯に広がって気道をあらかた塞いでしまっていた。
だが、彼女は、半ば呼吸困難に陥りながらもなお、
ますます情熱的に長大な逸物を舐め回し、扱き立て、吸い尽くそうとする。
(・・・・いいですねぇ、その表情。
奉仕する事に悦びを見出し、欲情を燃え立たせる牝奴隷と呼ぶにふさわしい)
苦しげに呻く麗子の頭を掴んで荒々しく手繰り寄せると、
亀頭の先端が柔かい喉奥の粘膜を越えて食道内にまで達し、
小さな喉仏がせわしなく痙攣を発した。
少しだけ力を緩めてやると、陰茎に押し潰されていた舌先が狂ったように跳ね回り、
楕円形に伸びた唇の端から唾液の糸が幾筋も流れ出す。
(14)
「フフッ、安心なさい。
たとえ、ログレス陛下があなたを用済みとみなしても、決して私は見捨てたりしない。
最後まで傍にいてあげる・・・・ククク、最後の最後までねぇ」
整った顔立ちを苦悶に歪めつつも、懸命に奉仕を続ける少女の姿に、
己が打ち立てた支配の完璧さを再認識し、会心の笑みを浮かべる元夢幻界人。
顎が痛くなるほど大きく開かれた麗子の口内では、
怒張した逸物が、歯茎を擦り立て、舌を捻り、咽喉蓋を押し潰して、好き放題に暴れ回っている。
「そろそろ射精しますよ・・・・全部飲み干しなさいッ!!」
くぐもった声を発したアイザードの腰が、びゅくんッ!!と跳ね上がり、
コチコチに固くなった亀頭の先が、上顎の粘膜を擦り立てる。
こそばゆさと気持ち良さが入り混じった感触が、ぞわぞわッ、と肉棒の裏筋をなぞったかと思うと、
震え慄く舌先にくすぐられた逸物の怒張は限界に達し、
代わって、鈴口のくびれの辺りから、ピクピクピクッ、という妖しい脈動が現れ始めた。
――――そして・・・・。
(15)
――――びゅくッ!!どぴゅッ・・・・どびゅるッ!!!!
いきり立つ肉棹が爆ぜて、灼熱した飛沫をぶち撒けた。
唇から食道に至るまで、ネバネバとした粘液が所構わずこびり付き、
常人ならば吐き気を催しかねない、生臭い臭気と不快な感触を塗り重ねていく。
・・・・だが、今の麗子にとって、それは最高の御馳走に他ならなかった。
「ンぇあッ!?んぶ・・・・むぐぇぁああッ!!」
絞め殺される直前の鶏のような奇怪な呻き声が上がった直後、
迸った濃密な白濁液が口腔粘膜を白く染め抜き、
噎せ返るような精液臭が気道から肺腑にまで流れ込んでいく。
ピンク色の靄がかかったような意識の中、
食道を垂れ落ちる牡汁の滴りが堪え難いほど熱く感じられた。
(16)
「んぉ・・・・ぷ・・・・ぷはぁッ!!」
ようやく引き抜かれた男根が目の前でビクビクと跳ね回り、
肉筒の中に残っていた精子を、麗子の顔面に撒き散らす。
だが、もはや少女の表情には嫌悪感は微塵も現れなかった。
むしろ、『全部飲み干すように』という命令を忠実に果たそうと、
自ら進んで、口元を亀頭へと近付け、体液のシャワーを一滴残らず受け止めようとする。
(はぁはぁ・・・・熱い・・・・あああ・・・・カラダの芯が・・・・燃え尽きそう・・・・)
クチビルの周囲に付着した精液を美味しそうに舐め取った赤毛の少女は、
牝としての本能と汚辱の悦びにトロトロに蕩けきった瞳を、なおも物欲しげに打ち震わせた。
下半身に視点を移せば、クネクネと卑猥なダンスを踊る腰の下、
魔道士のペニスから飛び散った濁液で、白い水玉模様を生じた黒スカートの内側で、
厚みを増した粘膜花弁が淫らにフェロモンを撒き散らし、
じゅくじゅくと滲み出した愛蜜が黒絹のショーツを濡れそぼらせている。
(17)
(フフフ・・・・まさに完璧な仕上がり、我ながら鼻が高いというものです。
これならば、しばらくの間、私の許を離れても何ら問題無いでしょう・・・・)
ひとしきり射精の余韻を楽しんだアイザードは、
再び麗子に向き直ると、四つん這いになって、尻を持ち上げるように命令する。
期待に胸を躍らせながら、言い付け通り、屈辱的な姿勢をとる<ヴェカンタの戦士>。
スカートの下から、汗と愛汁の入り混じった濃厚な薫香が漏れ出すと、
ひと仕事終えて息をついていた肉棒が、再びムクムクと勃ち上がっていく。
「まずはベノンからです・・・・しっかりと頼みますよ、麗子」
「ふはぁ・・・・は、はい・・・・かしこまりました・・・・アイザード・・・・さま・・・・」
頭上からかけられる主の声に、
壊れかけたゼンマイ人形の如く、幾度となく首肯を繰り返す奴隷少女。
同時に、高々と突き上げた尻肉を卑猥にくねらせながら、
一刻も早く、心身の疼きを鎮めて欲しい、とあさましく訴えかける。
しばらくの間、その痴態に眺め入りながら、
さて、どのように料理したものか?と考え込んでいた魔道士は、
やがて、奴隷の示す従順な態度に対し、それに最もふさわしいやり方で褒美を取らせよう、と決めたらしい。
左右に大きく跳ね回る尻たぶを押さえ込むと、
溢れ返る愛液によってベトベトになった黒いクロッチを脇にずらし、
交尾する獣のような野蛮なスタイルで、逞しい剛直を充血した秘唇の底へと押し込んでいった・・・・。
(18)
暗黒界。王都ヴェカンタニア。宮城。
「久しぶりだな、ベノン」
恭しく片膝をつき、君主に対する忠誠の意志を示す魔人に向かって、
玉座の主は、いつも通りの感情の起伏を感じさせない声音で言葉をかけた。
畏まった表情で頭を垂れた暗黒五邪神の一将、炎邪ベノンは、
そのままの姿勢で、暗黒王の傍らに侍立する側近の顔を、ちらり、と一瞥する。
「アイザードからの吉報は、お前も聞き及んでいよう」
黄金で飾られた仮面の裏でうっすらと笑みを浮かべつつ、
ヴェカンティの支配者は、あくまでも無機質な口調を崩す事無く、語りかけた。
無論、彼は、目の前にいる男が、元夢幻界人の同僚に対して、
ほとんど嫉妬と呼んで良いくらいの競争心を抱いている事を十分すぎるほど知り抜いているし、
同じ暗黒五邪神のガイーダとキーヴァを倒したヴァリアの切り札、<ヴァリスの戦士>を葬り去り、
ファンタズム・ジュエリーの欠片を奪回したライバルをどう意識しているのか、正確に把握している。
(19)
「これで、夢幻界への侵攻にもはずみがつきますな。
一部の者の向こう見ずな行いのせいで、一時はどうなるかと案じましたが・・・・」
案の定、ベノンは、表向きは冷静さを保つ努力を続けつつも、
挙動の端々に隠し切れぬ無念さと不機嫌さを滲ませながら受け答えする。
麗子の行動を揶揄してみせたのは、
同僚への不平を口に出来ないもどかしさを無意識のうちに転嫁したものだったが、
アイザードであれば、たとえ同じ立場に立たされたとしても、
本人の目の前で、こんな振る舞いに及ぼうなどとはしないだろう・・・・。
(まったく、若造といい、小娘といい、
何故、陛下は、暗黒界の生まれでもない者共を重用なさるのか・・・・?)
胸の奥で、盛大に苦虫を噛み潰す暗黒五邪神。
元々、彼は、暗黒王登極以前の分裂期において、暗黒界の一地方を領有する諸侯の一人だった。
戦乱の時代、多くの同輩が激動する情勢の見極めを誤って滅亡していく中で、
彼は時々の権力者に巧みに取り入ると共に、落ち目と判断すれば、即座に見限って保身を図ってきた。
ヴォルデスやログレスに取って代わるだけの力を持つ事は一度として無かったものの、
その立ち回りの才能は、彼らも一目置かざるを得ないだけの勢力を築き上げるに充分なものだった。
(20)
「フフ・・・・まぁ、そう言うてやるな」
憮然とした表情の少女を横目で眺めながら、やんわりと臣下の話を遮る暗黒王。
はあ、と、気の無い返事をしながら、生粋のヴェカンティ貴族は苛立ちを禁じ得なかった。
暗黒界の生まれでなく、従って、ログレスの覇業に何の貢献もしていない輩が、
暗黒五邪神や<ヴェカンタの戦士>として肩を並べている現状は不公平以外の何物でもない。
そればかりか、自分を差し置いて、<ヴァリスの戦士>の首級を上げた、とあっては、
あのクソ生意気な魔道士に対する王の信任は積み増される一方だろう・・・・。
(このままでは不味いわ・・・・何か策を考えねば・・・・)
壇上を見上げ、素早く計算を巡らせる。
――――とりあえず、小娘の方は後回しでも良いだろう。
夢幻界側の切り札が消えた今、<ヴェカンタの戦士>の存在意義もまた無くなった。
早晩、ログレスも麗子を用済みとみなすに違いない。
やはり、早急に手を打たねばならないのはアイザードの方に違いない・・・・。
(21)
「・・・・しかし、この目出度き席に、アイザードもヴォルデスもおりませぬとは、
一体、如何なる事情にありましょうや?」
ハラを決めたベノンは、得意の弁舌を駆使して主の耳に『忠言』を囁きかけた。
ライバルの欠席を強調する事で、彼に対する暗黒王の心証を悪化させ、
あわよくば、その忠誠心に疑念を抱く方向へと誘導していこうという算段である。
狡猾な炎の魔人は、過去、同様の手法で自分にとって不都合な連中を何十人も刑場へと送っていた。
「アイザードは<ヴァリスの戦士>との戦いで重い手傷を負い、身動きがとれぬそうだ。
ヴォルデスは・・・・相変わらず、身体のあそこが悪い、ここが痛む、と、なかなか言う事を聞きよらぬ」
(・・・・重い手傷?そんな情報は耳にしていないけど・・・・一体、何を考えている?)
心の中で首を傾げる暗黒界の大貴族。
相手が夢幻界の切り札と呼ぶべき<戦士>であった以上、事実である可能性も捨てきれないが、
青年の性格を考えれば、鵜呑みにするのは剣呑極まりない。
もう一方のヴォルデスについては、ログレスに敗れ、臣下となった後も、
ああだこうだと理由を付けては出仕を拒み続けており、
今回もまた、『仮病』なのはほぼ間違いないだろうが・・・・。
(22)
「無礼な・・・・将帥としての自覚に欠けますな、あの老いぼれは。
これでは下々の者達にもしめしがつきません」
とりあえず、ヴォルデスをあげつらいながら、
真の標的――――憎んで余りある魔道士の名前を出すタイミングを計る炎の魔人。
・・・・しかし、その目論見は、あっさりと頓挫してしまった。
「まぁ、あれの事はいずれ始末をつけねばなるまい。
それよりも、今はまず勝利を祝おうではないか・・・・?」
ベノンの返事を待たず、暗黒界の絶対権力者は侍従たちの列に向かって合図を送った。
控えていた初老の女官がログレスの前へとしずしずと進み出し、
両手に捧げ持ったアイザードからの献上の品――――象牙色の光沢を帯びた首桶を小卓に乗せて、
玉座に向かって恭しく一礼しながら、静かに蓋を開け放つ。
・・・・微かな死臭と共に姿を現したのは、頚骨の付け根付近から切断された少女の頭部だった。
(23)
「<ヴァリスの戦士>の哀れな姿だ・・・・」
ログレスの声は相変わらず抑揚に乏しく、
ましてや、その表情は不吉な黄金細工の仮面に遮られて窺い知る術は皆無だった。
もっとも、前後の状況を考えれば、現状を不快に感じている道理はまずないだろう
仕方なく、ベノンは曖昧に相槌を打ちながら、口の中で小さく舌を打ち鳴らした。
(チッ、忌々しいッ!!やはり、評議への欠席程度では陛下の心証を害するまでには至らないか。
何か、もっと・・・・重大な疑惑を招きかねないような材料を見付け出さなければ・・・・!!)
目の前の首級を突き刺す、苛立たしげな視線。
そもそも、この間抜け面をした小娘が、あっさりとアイザードに討ち取られたりしなければ、
自分が気苦労を抱え込む事も無かった訳だし、
場合によっては、奴の不手際を追及して五邪神の座から放逐する事も可能だった筈である。
利己的かつ他罰的な怒りを燃え立たせつつ、
暗黒界の大貴族は、憎悪に満ちた瞳で物言わぬ少女を睨みつける。
(24)
「麗子・・・・こやつは、お前が一番良く見知っていよう。
間違いなど、万に一つもあるまいが、近くで確かめてみるがいい」
玉座からの言葉に、ハッ、と短く答え、宿敵の首級へと近付いていく暗黒界の<戦士>。
心無し強張っているようにも見える赤毛の少女の横顔を、辛辣な目付きで眺めていた炎の魔人は、
さすがに音こそ立てなかったものの、冷やかに鼻を鳴らした。
(おやおや、動揺しちゃってるのかい?
フン、<ヴェカンタの戦士>と言っても、所詮は小娘ねェ・・・・。
そんな事だから手柄をアイザードに攫われちゃうのよ)
魔将軍の唇が醜く歪み、嘲りの笑みを形作る。
暗黒王自らによって素質を見出され、現実界より召喚された麗子だが、
優子との戦いに限定してのものとはいえ、五邪神をも上回る権限を与えられたにもかかわらず、
自らの手で首級を持ち帰れなかったとあっては、無能者との謗りは免れないだろう。
現時点では、王の側近という地位を慮って、公然と批判の声を上げる者はいないが、
実力無き者がいつまでも高官の席を温めていられる程、ヴェカンタニアの宮廷は甘い場所ではない。
(・・・・ま、この小娘が何時まで持ち応えられるか、高みの見物といこうかねェ・・・・)
にんまりと冷笑を浮かべるベノン。
――――だが、次の瞬間、麗子のとった行動は、彼の表情を一変させずにはいなかった。
(25)
アイザードの居城。すぐ近くに大瀑布を臨む、白亜のテラス。
「・・・・そうか、どうやら上手くいったようだな」
久しぶりに地下の実験室を離れ、胸一杯に清冽な空気を吸い込む長衣の魔道士。
吹き渡る風が、プラチナ・ブロンドの長い髪をサラサラと揺らす。
傍らに立つ侍女の一人がワインのボトルを手に取り、
卓上に置かれたクリスタルの杯に血の色をした酒を注ぎ入れると、
青年は、芳醇な香りを楽しみながらゆっくりとグラスを傾け、満足げに息を吐いた。
「ベノン様は、麗子様を伴い、こちらに向かわれている、との由。しかしながら・・・・」
「あの男の事だ。背後には直属の軍勢を隠しているに違いない。
・・・・フフ、対応はお前達に任せる。せいぜい歓迎してやるといい」
主の言葉に、無言で一礼する有翼の少女。
美しい姿形だけでなく、高い知能をも兼ね備えた特注品の魔法生物は、
簡単な指示を与えておきさえすれば、あとは自分達で状況を判断して上手くやってくれる。
身の回りの世話は勿論、軍団の指揮や研究室での各種実験まで任せ切りにしても大丈夫だし、
何より、元夢幻界人である彼にとって、彼女達以上に信用できる部下は存在しないと言っても過言ではない。
(26)
「・・・・で、優子の様子はどうだ?」
「はい、おとなしく眠っております。
培養槽の中で、アイザード様の夢を繰り返し見ながら・・・・。詳しくはこちらに」
忠実な配下から報告書の束を受け取った魔道士は、注意深く文面に目を通した。
施術の効果は概ね良好だが、完全な洗脳には、なおしばらく時間が必要らしい。
フム・・・・、と考え込んだ元夢幻界人の青年は、
しばらくの間、報告の内容とこれから起こり得るであろう問題点とを突き合わせていたが、
やがて、何かを思い付いたらしく、パチン、と指を鳴らし、侍女に何事かを耳打ちした。
「・・・・頼んだぞ。準備が整ったら知らせてくれ・・・・」
「かしこまりました、我がマスター」
深々と頭を下げた魔法生物の顔は、唯一絶対の主の役に立てる事への喜びに光り輝いていた。
彼女達の造物主は満足げに微笑みを浮かべながら、
おもむろに酒盃を傾け、上質の酒精のもたらす程よい酩酊に心身を委ねる。
頬を撫でる冷涼な風が実に心地よく、精神をリラックスさせるには丁度良かった。
(フフ・・・・そう、我がものとするのだ。彼女の身も心も、な・・・・)
(27)
ヴェカンティ。アイザードの居城へと続く街道。
額から角の生えた黒馬の引く四輪馬車が、
濛々と土煙を上げながら、舗装の悪い――――と言うより、殆ど未舗装と言って良い街道を疾駆していた。
「ひどい道ね・・・・こんな所をわざわざ馬車で走らなくても」
「うるさいわね。嫌なら一緒に来なくったって構わないわよッ!!」
激しく揺れる馬車に閉口して、不平を漏らす赤毛の<戦士>。
一方、彼女と相対して座る暗黒五邪神もまた、憎々しげな表情を隠さなかった。
王宮内では、ログレスを憚って遠慮して振舞っていたが、
自制の必要のなくなった今、その語尾は、地のものである、気味の悪い女性口調へと戻っている。
「街道を行くのはね、アイツの目を引き付けるためよ。
あたしの背後に付き従っている軍勢の存在を隠蔽する必要があるのッ!!」
珍妙と言う他無い言葉遣いに、
麗子は、一体、この男の頭の中はどうなっているんだろう?と、内心眉を潜めずにはいられなかった。
無論、ベノンにしてみれば、普段通りの喋り方をしているだけだが、
不幸な事に、現実界出身の少女の耳にはふざけているようにしか聞こえなかったのである。
(28)
(大体、アイザード様相手に、こんな単純なトリックが通用すると本気で思ってるのかしら?)
麗子の見るところ、アイザードと並ぶ策士、という彼への世評は、過大評価も良い所だった。
たしかに、策謀を好んで用いるという点は似通っているが、
元夢幻界人の魔道士と暗黒界の大貴族の間には、
謀略家としての才能において、プロの詐欺師と二流のセールスマンほどの開きが存在している。
(あの方ならば、間違っても、こんな計略とも言えないような杜撰な策を講じたりはしない。
敵を欺くときには、徹頭徹尾、隙の無い、完璧な罠を用意して臨む筈だわ・・・・)
かく言う赤毛の少女もまた、いつの間にか、アイザードを敬称付きで呼ぶようになっており、
今ではそれを至極当然の事と考えるまでになっていた。
彼女を仕留めたのは、相手の弱みを探り出し、徹底的に責め立て、身も心も屈服させる、彼の最大の武器・・・・
狙った獲物を決して逃さない言葉の弾丸に他ならない。
そして、誰の目にも映らないその魔弾は、麗子という媒介者を介して、
とうの昔にベノンを捕捉しており、彼の体内を心臓を目がけて静かに突き進んでいるのだった。
(所詮、コイツは世渡りが上手いだけの俗物、あの方の敵じゃない。
ああッ、もう、こんな馬鹿馬鹿しい茶番なんてさっさと終わりにしたいものだわッ!!)
(29)
――――麗子の回想。
「この首は・・・・ニセモノよ!!」
声を張り上げる<ヴェカンタの戦士>。
目の前には、<影の剣>によって台座ごと両断され、床の上に転がった首級の残骸
・・・・そして、突然の出来事に色を失い、腰を抜かした暗黒五邪神。
無論、王の御前に列する栄誉を与えられた廷臣たちも、
突然の凶行に、ベノンと同じく度を失って、大混乱に陥っており、
落ち着きを保っていたのは、事実上、玉座に座したログレスひとりに過ぎなかった。
「ニセネノだと・・・・?
しかし、2つのファンタズム・ジュエリーは確かに本物だぞ」
騒然とする周囲にも動じる事無く、静かな口調で訊ね返してくる暗黒界の支配者。
内心、ヒヤリ、としたものを覚えつつも、
少女は、己れの持てる演技力の全てを振り絞り、一世一代の大芝居を打った。
「私には分かる・・・・優子は生きてるわッ!!」
言葉を切り、真っ直ぐに黒衣の魔王を見つめ上げる赤毛の少女。
視線を受け止めた仮面の奥で、いくつかの表情が目まぐるしく変化した。
息を殺しながら無言のやり取りを続ける麗子と暗黒の帝王との間に、
ほんの一瞬、冷たい刃を含んだ感情が行き交い・・・・不意に、破られる。
(30)
「・・・・ま、まぁ、とにかく、これは只ならぬ事態。
私がアイザードの元に赴いて事の真相を確かめて参りましょう」
対峙する王と<戦士>との間に割り込んで来るベノン。
一歩間違えば、絶対君主の機嫌を致命的に損ねかねない危険な行為だったが、
彼の声は、何故か、妙に弾んでいるように感じられた。
(コイツの言ってる事がデタラメだとしても、これは絶好の機会だわ。
そう、あのクソ生意気な若造に叛乱の嫌疑をかけ抹殺するための、願ってもないチャンス!!
奴さえ追い落とせれば、陛下の第一の側近の座はアタシのものよ・・・・)
無論、炎の魔人は、自分の頭に閃いたそのアイデアが、
アイザードの術策と麗子の演技により、巧みに誘導された結果であるとは知る由も無い。
当の麗子は、まさに狙い通りの展開を見せる状況を前にして、胸の奥で薄くほくそえみながら、
うわべはあくまでも取り繕いつつ、駄目押しの演技をやってのけた。
「私も行くわ・・・・優子が生きているなら、<アンチ・ヴァニティ>の能力が必要なハズよ」
(31)
「なッ・・・・控えよッ!!一度ならず失策を犯しておきながら、何という身の程知らずな・・・・!!」
功績を独り占めしたいベノンが必死に吠え掛かるのを無視して、
少女は玉座の上のログレスに向かって深々と頭を垂れる。
・・・・しばらく間を置いて、ヴェカンティの支配者は口を開いた。
「まぁ、良かろう」
王の発した言葉に愕然とする暗黒界の大貴族。
・・・・だが、麗子の言う通り、<ヴァリスの戦士>に対抗するための最も効果的な手段が、
<ヴェカンタの戦士>の持つ<アンチ・ヴァニティ>の能力である、というのは事実である。
その点を持ち出されては、さしもの彼も、これ以上横車を押すのは不可能だった。
「足手まといにならないよう、せいぜいしっかりと働く事ねッ!!」
捨て台詞を残し、憤然とした足取りで、謁見の間を退出していく魔人の姿を眺めながら、
してやったり、という表情の、赤毛の<戦士>。
玉座の主に向かって一礼すると、足早に彼の後を追いかけていく。
(32)
(・・・・フン。まぁ、良かろう・・・・今はまだ、な)
広間に残された暗黒界の支配者は、
黄金細工の仮面の裏側で意味ありげな笑みを浮かべながら、
現実界の少女の後ろ姿をじっと凝視していた・・・・。
――――TO BE CONTINUED.
以上、第8章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます〜。
次の第9章ですが、
本編vol.8のラストからvol.10の前半(麗子が乱入してくる直前のシーン)までをエロパロ化する予定です
(・・・・まあ、この部分に限っては、本編自体がすでにエロパロ状態な訳ですが・・・・(苦笑))。
完成・発表時期は4月初旬を目指していますので、しばらくの間、お待ち下さいませ〜。
乙でした!
GJ!!!
hoshu
668 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 11:09:10 ID:uh9F2moW
>>668 「完全無料エロ動画」がどうかしたのか?
『スレイブヒロインズ』(『闘姫陵辱』の新シリーズ)で麗夢の連載が始まる模様
>>671 おもしろい
表紙もなんとなく優子っぽいね
サーバが(ry
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第9章は、現時点の進捗率40パーセント。
本編のvol.8のラストからvol.9の序盤(夢の中での触手陵辱のシーン)まで書き終わり、
現在、vol.9の中盤(アイザードによって偽の記憶を刷り込まれるシーン)に取り掛かっています。
この後は、侍女たちによるヴァリス・スーツ剥ぎ取り&レズ前戯、
そして、アイザードによる愛奴隷化と、いつもにも増して、エロ描写の割合が多い章となる予定です。
なお、完成・発表は3月末〜4月初旬を予定していますので、
もうしばらくの間、お待ちくださいませ〜。
676 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 04:07:17 ID:Zzu9pjiy
wktk
パンツ脱いで正座で待ってる
>>594氏
遅まきながら、いただいた!
ありがとう!感動した
またレダネタで何か描いてください〜
679 :
594:2008/03/03(月) 22:31:24 ID:V0+5b4k9
680 :
594:2008/03/03(月) 22:33:31 ID:V0+5b4k9
直リンしてしまいました・・・スミマセン・・・
グッジョブ!
うめぇww
684 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 11:24:24 ID:14u+bpp4
>>684 うわ!!ホスィイ〜
欲しいけど嫁に見つかったらどん引きされるな
うふ〜ん
>>683の上のほうの写真陽子を勢いで購入したんだけど
作る時間も技術もありゃしない
どないしよ
死ねば?
>>691 近くの模型屋行って代行製作頼めば?
店にもよるだろうが3〜4万も出せば何とかなるぞ
魔改造代行ってのもあるよ フヒヒヒヒヒ
高いンでしょ?
>>694 ま、魔改造代行!!(*゚∀゚)=3ハァハァ
あんなことや!!こんなことされてる優子を作ってくれるのか!!(*゚∀゚)=3ハァハァ
そう。具体的に言うとゼロ戦に変形する優子やF-15と合体する優子。
>>697 違う!!(´Д`;三;´Д`)
そんな優子見たくないです〜!!
化け物に負けて犯される優子がみたいです〜!!
>>697 変アートとしてそういうのあったよな
村上隆かなんかだっけ
GJ
>>701 GJ
他のビキニ戦士も描いちゃったりしないのかな?かな?
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第9章は、現時点の進捗率90パーセント。
第一稿を書き終わり、現在、校正作業に取り掛かっています。
完成・発表は4月初旬を予定していますので、
もうしばらくの間、お待ちくださいませ〜。
>>679 >>701 遅まきながら、力作を有難うございました。
陽子も優子も、この後一体どんな目に遭わされてしまうのか?
想像力を掻き立てられてなりません〜。
コミヴァ公式サイト更新したんで立ち読みしてきた
ヴァリスは・・・今回はあんましエロくない
個人的にはスライム系の敵に粘着されて苦しむ優子とか、優子VS麗子の
沼地や田んぼみたいな場所での全身泥まみれになりながらのキャットファイト
とか見てみたい。
もうエロモードは当面ないんじゃない?
アイザードの所しかエロくできないから密度高めにしてたんだと思ってたんだけど。
またあらすじモードに戻るのか・・・
ストーリーを媚薬モードにしてくれよ
流れを切って悪いけど、ここって、「魔物ハンター妖子」でもOKでしたっけ?
いい加減、一人の投稿は秋田よ。
>>711にはがんばってもらいたい。
ARCH DUKE氏も良いけど一人職人では
もし、ARCH DUKE氏が倒れた時、スレが倒れると同義語になるから
職人は多い方がいい(・∀・)
>>711 OKだけど、フタナリとスカトロと残酷描写はカンベンな。
軽いリョナは読みたい…です…
読む人のため注意書は必要やろけど
自治房くさくてごめん…(;´Д`)
かなり前から新規参入の打診は時折あるが、一度も実現していない…
まるで宇宙○艦ヤ○トの新作の噂のようにナー
>>711 だからなんでもいい。本当に書いてくれるなら。
(;´Д`)ハァハァでも、しかし、ここ見て思い出した様に
妖子の触手に縛られる動画みたけど萌えますわ〜
妖子もののSSも全力で投下まち待機します(*゚∀゚)=3ハァハァ
hoshu
さて、そろそろパンツ下ろして待機しとくか…
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第9章、完成いたしました。
本日22:00より、発表作業を開始しますので、
お手空きの方は、連投規制回避のための支援をして頂けると大変助かります。
>今月号のヴァリス
アイザード死亡と原作には登場しない、コミック版のオリジナル・キャラ登場ですか。
正直、アイザードの死亡はまだ早過ぎるのでは?と感じました。
ログレスともヴァリアとも違う『第三の道』を模索する人物として、
もう少しキャラクターを掘り下げて欲しかったのですが・・・・
(おそらく、アイザードの思想なり考え方なりに関しては、
今後、新キャラのデルフィネに引き継がれるのでしょうけれども)。
デルフィネに関して言えば、良い意味でも悪い意味でも、
麗子のキャラクターと被る部分が出て来るのでは?と考えています。
その事が、物語に対して、プラス方向に作用するかどうかは、今の所、判断つきかねていますが、
いずれにせよ、優子と麗子とデルフィネの関係には注目していきたいと思います。
(ZOL先生の日記によると、『コミック・ヴァルキリー』以外の御仕事の関係で、
残念ながら、「ヴァリス」は次回お休みとの事ですが・・・・)
722 :
ARCH DUKE:2008/04/04(金) 22:14:07 ID:zevx7cAT
皆様、大変お待たせしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第9章の発表を開始いたします。
(1)
(・・・・どうして・・・・麗子・・・・)
・・・・・・・・・・・・ピトン・・・・。
『お別れのね・・・・』
・・・・・・・・ピト・・・・ン・・・・。
『ちょっと遠くへ』
・・・・ピト・・・・ン・・・・。
『行かなくちゃ・・・・』
・・・・どうして・・・・私たちが・・・・!?
(2)
――――――ピチャンッ!!
暗がりの中。
頬に触れる、何かひんやりとしたもの。
(水滴・・・・?)
おそるおそる顔を上げ、瞼を開く。
余程、固く瞑っていたのだろうか、目が慣れるまでの時間が異様に長く感じられる。
ようやく見えるようになった双眸に飛び込んできたのは・・・・廃墟と化した地下鉄のホーム。
「な・・・・何?ここは・・・・」
破壊の限りを尽くされた構内には夥しい数の死体が散乱し、
溢れ出した血液が真っ赤な小川となって放置された骸の間を流れていた。
錆びた鉄骨を思わせる独特な臭いが容赦なく鼻腔を刺激し、
胸が悪くなるようなえずきが喉奥から込み上げてくると、
蒼髪の少女はその場にへたり込み、真っ青になって胃液を吐き散らし始める・・・・。
(3)
(・・・・そ、そうだわ・・・・あの、鬼みたいな化け物が現れて・・・・)
次々とフラッシュバックする、陰惨な殺戮の記憶。
・・・・地の底から這い出してきた、赤銅色の肌の醜悪な巨人・・・・。
・・・・逃げ惑う人々・・・・振り下ろされる巨大な拳・・・・。
・・・・断末魔の叫び声・・・・噴出する血飛沫・・・・破裂した頭蓋骨から飛び散る脳漿・・・・。
・・・・紙人形のように引き千切られる胴体・・・・散乱する色とりどりの内臓・・・・。
「やめてッ!!もう、やめてぇッ!!」
激しくかぶりを振りつつ、泣きじゃくる。
恐怖にひび割れた嗚咽が暗渠の底で幾重にも反響し、不吉な和音を奏で上げた。
だが、血みどろのイメージの奔流は、本人の拒絶を無視して、いや、むしろ、嘲笑うかの如く、
後から後からとめどなく溢れ返り、消耗した心を責め苛んでいく。
(4)
アイザードの居城。地下研究室。
「・・・・血中アドレナリン濃度上昇。心拍数増加・・・・」
「・・・・データ採取、今終わりました。転送します・・・・」
「・・・・よし。次の作業に移行する。パターンBを用意しろ・・・・」
羊水に満たされた胎盤を連想させる、薄紅色の薬液の詰まった培養槽。
中に漬け込まれた少女の顔が、一瞬だけ、苦悶に歪む。
――――だが、周囲を取り囲んだ有翼の魔法生物達の手早い処置のお陰で、
優子の意識は人工的な眠りへと誘われ、更なる悪夢のステージへと導かれていった。
「・・・・パターンB、準備完了。投影を開始します・・・・」
「・・・・各生体反応、概ね正常値。意識障害は確認できません・・・・」
「・・・・脳波に注意しながら作業を続けなさい。異常があれば、ただちに報告を・・・・」
(5)
廃墟。かつて、東京と呼ばれていた都市の残骸。その一角。
「――――ぐへへへ、オネンネにはまだ早いぜ、お嬢ちゃん」
「う・・・・うう・・・・」
饐えた臭いを放つ野太い手に揺すぶられて、束の間の安息から引き戻される優子。
涙に曇った瞳でぼんやりと見上げた空は真っ黒に煤け、
まだ昼間だというのに、辺りは日没後の如く薄暗い。
行き交う人々の喧騒に満ちている筈の商店街はシーンと静まり返り、
訪れる者も無く打ち捨てられた墓地のような、不気味な死の気配が立ち込めていた。
「まだ生き残ってる奴がいたか・・・・」
「ヒヒヒ、しかも、女だぜ・・・・こいつはついてやがる」
「まったくだ。オレらの分はもう残ってねぇとばかり思ってたんだがな」
口々にはやし立てるのは、地下鉄のホームで人々を切り刻んだ怪物達と同じ、
身の丈3メートルはありそうな有角の巨人達。
彼らもまた、体毛の無いゴリラのような巨体は分厚い筋肉と赤銅色の皮膚で覆われ、
少女の目の前で起きた惨劇の被害者のものではないが、
凄惨さにおいては何ら変わるところの無い、大量の返り血と肉片で装飾されている。
(6)
「い、いやぁ・・・・やめて・・・・放してぇ・・・・!!」
弱々しく啜り泣きながら、表情を歪める蒼髪の少女。
怯え竦む体を包んだセーラー服は土埃にまみれ、
命からがら地下から脱出した際に、あちらこちらに破れやほつれを生じている。
しなやかな手足には、植物とも動物ともつかない、緑がかった色の紐状の生物が絡みつき、
全身の自由を奪い取ると同時に、ぞっとするような感触で心を凍りつかせていた。
ヘビのようにうねる不気味な触手の群れは、
地面から生えた、数メートルもあるサボテンに似た異界の植物の幹から伸びており、
まるで味見でもするかの如く、獲物の身体を這い回っている。
(7)
「へッへッへッ、そろそろじゃねぇか?」
ニヤニヤといやらしい笑いを浮かべ、好色な目線を浴びせる怪物たち。
直後、触手共の先端が、プゥッ、っと脹らんだかと思うと、
むぅッとするような濃密な臭気を放つ、クリーム状の粘液が滲み出してきた。
「きゃあああああッッッ!!!!」
絹を引き裂く悲鳴が、廃墟と化したアーケードの中に響き渡る。
恐怖に引き攣った視線の先で、おぞましい樹液に触れた衣服がジュルジュルと溶け崩れ、
腐りかけの魚介類を思わせる異臭を発しながら、流れ落ちていく。
「ヒィィッ!!か、身体が、溶けちゃうッッッ!!」
狂ったように泣き叫びつつ、絡め取られた手足をジタバタと打ち揺らす優子。
・・・・だが、不気味な植物から伸びた不浄の触腕を振り解くには、彼女は消耗し過ぎていた。
反対に、五体を縛める緑色の拘束はさらに力を強めていき、
それに比例して、おぞましい溶解液の分泌量も増大していく・・・・。
(8)
「グフフ、別に暴れなくたって構わねぇぜ。そいつは体には害は無いからよ」
「もっとも、暴れてくれた方が、邪魔な布ッ切れが早く無くなって嬉しいんだがなァ」
「ヒャハハハッ、違いねぇッ!!オラ、嬢ちゃん、もっと派手に足掻いてくれよッ!!」
(本人の意志とは無関係に)展開されるヌードショーに、
周囲を取り囲む魔界の観客たちが黄色い声を放ち、卑猥な言葉を連呼する。
悪魔の樹液は体には無害だと聞いて、わずかに安堵したのも束の間、
合繊製のセーラー服とスカートの面積はみるみる減少し続け、
ついには、蒼髪の少女のカラダの上から完全に姿を消し去ってしまった。
(ああッ!?・・・・だ、だめぇッ!!)
かすれきった悲鳴は、すでに言語としての態を成していなかった。
今にも張り裂けんばかりに大きく見開かれた瞳の前では、
ごく控えめなデザインのブラジャーが白濁した汚液と化して溶け消え、
中から、サイズは目立って大きいとは言えないものの、
色つや、形共にすこぶる健康的で、瑞々しく張りのあるバストが零れ落ちている。
(9)
「おおッ、結構上玉じゃねぇか!?」
「顔はまだガキだが、なかなかそそるカラダしてやがる」
美しい獲物の肢体を見物人の目にもっと良く映るように、というサービス精神を発揮して、
触手の群れは、彼女の体を高々と持ち上げたばかりか、
しなやかな手足を割り拡げて、あたかも空中でバンザイをしているような格好にする。
為す術も無く屈辱的な姿勢を強いられた囚われの少女は、もはや、思考すら途切れ、
地上から湧き上がる欲情した歓声に包まれて、真っ青な表情でかぶりを振り続けるだけ。
・・・・それでも、悪辣な触腕の魔の手が、
残された最後の衣服――――秘部を覆う極薄のショーツへと近付いてくると、
かろうじて羞恥の感情が恐怖心を上回り、悲痛な叫びを放ち上げた。
(10)
「誰か・・・・誰かたすけてッ!!お願い、だれかあぁぁぁッッッ!!!!」
救いを求める絶叫は、
ズタズタに切り裂かれて骨組みだけとなった商店街のアーケードを越え、
無人と化したオフィス・ビルの壁面に反射して、コンクリートの廃墟の間を空しく反響し合う。
「ヒャハハハ、大声出したってムダムダ」
「ここいらの連中は、全部オレたちが狩り尽くしてやったからよ」
「まったく、ちょろい仕事だったぜ・・・・張り合いが無くって退屈だったくらいだ」
声を嗄らして救いを求める優子に浴びせられる、嘲笑、侮蔑、罵声・・・・。
何より、呼べど叫べど何処からも返事の来ない冷酷な現実が、抵抗の意志を急速に萎ませた。
やがて、気力も体力も限界に達した蒼髪の少女は、
五体をぐったりと脱力させ、代わって、双眸から滂沱の涙を溢れさせる。
むっちりとした太腿に絡みついた緑色の陵辱者が、妖しくうねる触腕を恥部へと近付けてきても、
もはや、指一本動かす事も出来ず、
絶望しきった眼差しで、最後の砦が陥落する様を見つめているだけだった。
(11)
じゅる・・・・じゅりゅるるッ!!
サテンで縁取られた股ぐりの間から侵入した触腕が、
少し青みがかった色合いの縮れ毛をそっとかすめ、ショーツの生地へと絡み付いた。
クロッチ部分が、グググッ、と持ち上げられると、
観客達は一斉にどよめき、欲情した視線が束になってその一点に押し寄せてくる。
・・・・・・・・ぷつん・・・・!!
儚い断裂音と共に、極薄の下着が弾け飛び、
少女の肉体の中で最も秘されねばならない場所が公衆の面前に暴き立てられた。
股間を撫でる冷え冷えとした空気の感触に、最後の望みを打ち砕かれた優子は、
『いやぁ』という言葉の形に開いた口元から、悲鳴の代わりに、ヒュウヒュウとか細い吐息を漏らし続ける。
これから自分の身に降りかかるであろう、おぞまし過ぎる運命を想像して生きた心地すらなく、
蜘蛛の巣のように空中に張り巡らされた緑色の捕り網の上で、ブルブルと震え慄いている。
(12)
「オイオイ、あんまりイジりすぎて壊すなよ?」
「オレらの分もとっといてくれや」
一糸纏わぬ美少女が怯え竦む姿に、嗜虐本能をそそられて、
怪物たちの声はますます熱を帯び、獣欲のわななきを滾らせていく。
一方、彼らの羨望を一身に集める形となった緑色の曲芸師たちもまた、
熱烈な声援に応えるかのように肉鞭をくねらせると、
太腿を限界まで押し広げ、未だ陰毛も十分に生え揃っていない恥丘を露呈させた。
(いや・・・・おねがい・・・・やめ・・・・てェ・・・・)
必死に脚を閉じようと試みる蒼髪の少女だったが、
恐怖に支配された下半身は、全く意のままにはならなかった
そうこうしているうちに、触手の群れは割り拡げた両脚を折り曲げにかかり、
丁度、アルファベットの『M』の字の形に固定してしまう。
そして、恥ずかしさの余り、卒倒寸前の彼女に見せ付けるかの如く、
触腕の先端部分を、今度は、イソギンチャクのような繊毛状の突起物へと変形させるのだった。
(13)
「ヒヒヒ、すげぇ眺めだなッ!!」
「そいつに掻き回されたら、他の事はもう考えられなくなるぞォ〜!!」
「気が変になっちまうかもなァ・・・・」
次々と上がる卑猥な叫び声が、最後まで踏み止まろうとしていた理性を粉砕し、
漆黒色の闇となって心の中を侵食する。
フラフラと頭を揺らしつつ、花弁へと近付いてくる触手から身を捩る優子。
繊毛に覆われた先端部は、先程の溶解液とは明らかに異なる半透明な体液に濡れまみれ、
まるで獲物を追い詰めた猛獣が飛びかかる前に品定めをするかの如く、
目の前に曝け出された未成熟な秘密の花園をじっくりと凝視していた。
・・・・にゅるり・・・・。
粘ついた感触が、生白い内股を左右同時に撫で上げ、
すっきりと引き締まった下腹の表面をグネグネと這い回る。
声にならない悲鳴を漏らした少女は、本能的に、残った力の全てを掻き集めて、
秘貝の肉扉をきつく食いしばり、魔性の者達のおぞましい愛撫に対して、絶望的な抗戦の構えを取った。
(14)
「・・・・あうッ・・・・ひああッ・・・・!!」
ぷっくりと隆起した恥丘を這い上ってくる陵辱者たち。
・・・・しかし、少女の予想に反して、彼らは決死の抵抗を試みる陰唇の堅城をあっさり迂回すると、
その外れにある小豆大の突起・・・・莢の内側から半分だけ姿を覗かせた幼い陰核を、剥き上げにかかった。
暗黒界のエンターテイナーたちは、植物然とした見かけによらず、獲物の弱点を探し当てる名人であり、
何処をどう責め立てれば、最も効率的に相手を屈服させる事が出来るのか、経験的に熟知していたのである。
「ふひぁあッ!?そ、そこは・・・・ひぁうッ・・・・だ、だめえェッ!!」
肉突起によるブラシ責めの効果は覿面で、ものの一分と経たたないうちに、
蒼髪の少女はあさましく総身をひくつかせ、盛大によがり始めた。
膣穴と違って守る術とて無い女体の泣き所に何本もの繊毛が巻き付き、
情け容赦なく、淫らな樹液を塗り重ねたのだから、無理もない。
包皮を強引に引き剥がされ、強制的に露出させられた陰核が、
今にも破裂しそうな勢いで、ビュクン、ビュクン、と痙攣を催すたび、
信じ難いほどの性的な刺激が電撃の矢と化して脊髄を穿ち抜き、脳髄へと突き刺さる。
催淫作用の含まれたヌルヌル液は真っ赤に充血した真珠玉の表面から体内へと浸透し、
ヒリヒリと焼け付くような熱さを帯びた灼熱の性感となって、
固く閂を閉ざした大陰唇と括約筋へと襲いかかるのだった。
(15)
「ひぃ・・・・ぐぅうッ!!や、やめてぇ・・・・も、もう・・・・ひはぁあああッ!!」
渾身の力を込めて封印を維持してきた秘密の谷間が、
ブルブルと情けないわななきに包まれ、ギシギシと軋み始める。
――――感じてはならない、ここで負けたらお終いだ、
と、必死に歯を食いしばりながら、下半身の守りを維持しようとする優子。
対する陵辱者たちは、陰核を執拗に弄ぶ一方で、
陥落の瀬戸際にある大陰唇自体にも攻撃の矛先を向けてくる。
「アアアッ!!だめッ・・・・もう、ダメッ・・・・我慢出来ないッ!!」
綴じ合わされた二枚貝の間に出来つつある僅かな間隙を、目ざとく見付けた繊毛が、
何とかして潜り込もうと、半透明な粘汁を潤滑油代わりに塗りたくりながらいやらしく跳ね回る。
努力の甲斐あって関門を滑り抜ける事に成功した肉ミミズたちは、
すでに愛蜜の滴に濡れそぼっている秘口に到達するやいなや、
今までの苦労を倍にして返してやろうとばかり、猛然と掻き回しにかかった。
(16)
「あ、あ、ああッ・・・・開く・・・・開いちゃ・・・・うぅッ!!!!」
内側から込み上げてくる荒々しい性感と外側から忍び込んでくる微細な刺激・・・・。
双方向からの波長の異なる責めは秘穴の中で複雑に絡み合い、
絶妙なハーモニーを奏でて、最後の抵抗を捻じ伏せていく。
愛液の分泌は自分自身でもそうと分かるほどに勢いを増し、
花びらの表面を、ぞわわッ、ぞわわッ、と羽根箒木でくすぐられるようなむず痒さが走り回っていた。
子宮の一番深い所から異様なゾクゾク感が湧き起こり、
快楽の巣窟と化しつつある膣道を逆流して、封じられた肉門へと押し寄せてくる――――。
「やぁッ・・・・んッ!!ひくぅ・・・・だ、だめ・・・・らめぇェッッッ!!!!」
こじ開けられた秘裂に無数の繊毛が挿入され、一斉に蠢動を開始すると、
ただでさえ淫熱を帯びていた陰唇粘膜が擦れて今にも燃え上がらんばかりになり、
甘酸っぱく香る恥ずかしい蜜が、じゅわわわ〜〜ッ、と溢れ出した。
内部からの水圧でパンパンに膨れ上がった尿道が、びくん、びくん、と、激しい痙攣を発するたびに、
魚の嘴のように尖りきった尿道口から、ピュピュピュッ、と半透明な体液が迸り、
膀胱に溜め込まれた水量が危険水位に達している事を露呈する。
(17)
プッシャアアアッッッッ――――!!!!
限界に達した括約筋が勢い良く弾け、
鮮やかなサーモンピンクの充血花弁が、くぱぁぁぁッ、と、あさましく開花した。
ひたすら堪えに堪えてきた膣道のヒダヒダが、
流れ込んできた外気に触れた途端、狂ったように奮い立ち、
細かく刻まれた肉溝という肉溝から、溜め込まれていた愛液がシャワーのように噴出する。
「ふああッ・・・・しゅ、しゅごい・・・・しゅごいよォォォッ!!
ひゃああッ・・・・らめぇ・・・・と、とまらにゃい・・・・とめられにゃいィィィッ!!!!」
凄まじい肉悦の嵐が脳味噌をグチャグチャに掻き乱しているせいで、
放たれる叫びは音程も外れ、呂律も回らなくなってしまっている。
勿論、自分が何を喚いているかなど、とうの昔に判別出来なくなっていた。
一呼吸おきに、陰核と子宮から、各々微妙に異なる性感のパルスが襲ってきては、
頭蓋骨の内側で次々と炸裂し、視界を極彩色の光で埋め尽くしていく。
心臓は今にも爆発しそうなくらいの勢いで律動を繰り返し、煮え滾る血液を送り込んでいたものの、
狂乱を続けるカラダ――――とりわけ、脳と子宮――――の要求は過当さを増す一方で、
破綻を余儀なくされるのは、もはや時間の問題だった。
(18)
「ひぎぁァァァ!!・・・・ま、またぁ・・・・く、くるぅッ・・・・しゅごいの・・・・こみあげてッ!!
いひぃッ!!も、もう・・・・らめぇッ・・・・こ、こわれひゃう・・・・ふひゃあぁああッッッ!!!!」
瞼の裏側に、まばゆく輝く真っ白な光の塊が現れ、
このまま失明してしまうのでは?と感じる程の猛烈な勢いで、広さと輝きの強さとを増殖させていった。
恐慌に駆られた悲鳴とも快楽に酔い痴れる嬌声ともつかない、甲高い絶叫が大気を鳴動させるのと同時に、
目尻からは涙滴が、口元からは唾液が、鼻腔からは鼻汁が、奔流となって溢れ出し、
絶頂の快感に歪んだ少女の顔面をベチョベチョに濡れそぼらせていく。
――――ぷしゃあッ!!!!しゃしゃあぁぁぁァァァッ!!!!
最初の吐淫が終わらないうちに、第二、第三の潮吹きが秘唇を突き上げ、
壊れかけの噴水宜しく、次々と巨大な水柱が空中に噴き上がって観客席に降り注ぐ。
下半身から押し寄せてくる凄まじい快感が、
理性も、思考も、感情も、一切合財を奈落へと押し流し、
五体の全てを、底無しの欲情に奉仕する、肉奴隷へと変えてしまう。
信じ難い程の衝撃を浴びた優子は、激しく全身を打ち震わせながら何度も何度も絶頂へと上り詰め、
やがて、ショッキングピンクで埋め尽くされたイメージの底へと吸い込まれていった・・・・。
(19)
再び、研究室。
「・・・・脈拍数増加。呼吸回数、血圧共に正常値を上回っています・・・・」
「・・・・脳波乱れています。神経系統に伝達障害の兆候発生・・・・」
「・・・・これ以上は危険か。やむをえん。一旦、イメージ投影を中断する・・・・」
昼夜兼行での意識走査と記憶改竄の連続作業は、
選ばれたエリート達の能力を以ってしても相当な難事業だったが、弱音を吐く者は誰もいない。
誰もが、アイザードのために働く事を当然の義務とみなしている共同体では、
そのような惰弱な感情はあってはならないものだし、実際に存在していなかった。
そう、彼女達にとっては、偉大なる主によって与えられた生命を彼の人のために捧げる事だけが、
人生の最終目的であり、同時に、最大の喜びに他ならないのである。
「・・・・脳波形状に変化。ノンレム睡眠状態からレム睡眠状態に移行・・・・」
「・・・・意識走査、開始します。意識深度ゼロ、1、2、3・・・・」
「・・・・意識深度ゼロからレベル7まで異常なし。レベル8から9にかけて投影体の定着を確認・・・・」
意志を奪われた<ヴァリスの戦士>に対する精神操作は、
禁断の魔道の技を駆使した的確な施術により、最終段階を迎えつつある。
これに伴い、冷徹無比な研究者たちの動きも、異様なほどの熱気を帯び始めていた。
何しろ、『造物主』に命じられた刻限まではまだ十分に余裕があり、
彼からの賞賛という何物にも代え難い栄誉を獲得できる可能性は高いと言えるのだから。
「・・・・よし。イメージ投影を再開する。パターンD準備・・・・」
(20)
――――みたび、悪夢の中。
無人の廃墟と化したオフィス・ビルの屋上。
「・・・・う、嘘・・・・でしょ・・・・」
眼下に広がる光景に絶句したまま、塩の柱と化したかのように立ち尽くす優子。
目の前に広がる大地・・・・かつて、東京と呼ばれていた、地球上で最大の都市の一つ・・・・は、
パニック映画に出てくる終末の状景そのままに、無数のクレーターに覆われ、醜く焼け爛れている。
「そ・・・・そんな・・・・父さん・・・・母さん・・・・みんな・・・・!!」
所々、市街地の残骸らしき一帯も残ってはいるものの、
大震災にも耐えられるよう設計されていた筈の高層ビル群は、まるで将棋の駒のように押し倒され、
より小規模な建造物――――公共施設、工場、デパート、学校、マンション・・・・、は、
天空から降り注いだ悪意によって粉々に砕かれて、原形を留めているものは皆無に等しかった。
溢れ出す涙を拭おうともせず、手すりから身を乗り出して自宅や学校のあった方角を遠望し、
生命の残滓を見出そうと躍起になる蒼髪の少女。
・・・・だが、視界には、ひときわ禍々しく地表を穿った隕石孔が黒々と口を開けているだけで、
生きている人間はおろか、焼け残った樹木や草花の一本すら発見する事は叶わなかった。
(21)
「これがログレスに狙われた世界の末路だ。
命あるものはこの地上から消えてしまった・・・・」
背後に立った青年の声が冷酷な現実を突きつける。
優子よりも幾分背の高い、均整の取れた体躯。
端正な面立ちと強い意志と理知の輝きを湛えたエメラルド色の双眸。
赤茶けた砂塵混じりの強風に舞う、プラチナ・ブロンドの長い毛髪・・・・。
足元まである水色の長衣を纏った姿は、
アラビアン・ナイトの世界から飛び出してきたかのような現実離れした雰囲気
――――もっとも、人食い鬼や謎の触手に比べれば、まだ安心できる部類だったが――――を漂わせている。
アイザードと名乗った彼は、優男然とした風貌とは裏腹に、
強力無比な風の魔力を駆使して、瞬く間に怪物たちを切り刻まれた肉塊へと変え、
おぞましい宴から蒼髪の少女を救出し、安全な場所へと逃してくれた恩人である。
同時に、地上で起きた出来事をかいつまんで説明してくれた人物でもあったのだが、
真実を知った彼女の衝撃は大きく、今の所、その行為に対する感謝は受け取っていなかった。
(22)
(・・・・麗子・・・・どうして、こんな事を・・・・)
手すりにしがみついたまま、肩を震わせ、啜り泣きを漏らし続ける優子。
暗黒界という名の異世界を統べる魔王ログレスとの盟約により、麗子が召喚した異界の悪魔達は、
あの時目にした者達が全てではなかった。
地下鉄での襲撃と同時に、世界中で暗黒の軍勢が出現し、虚空からは燃え盛る炎の塊が降り注いで、
わずか一昼夜で、地上は死の世界と化してしまった――――と、語ったアイザード。
彼の言葉が嘘でない事は、目の前に広がっている、
廃墟となった市街と廃墟さえ残っていないクレーターだらけの荒野を見れば一目瞭然だった。
「うっ・・・・うっうっ・・・・本当に・・・・みんな・・・・死んでしまったのね・・・・。
わ、わたし・・・・一体・・・・どうすればいいの?」
流れ落ちる涙が銀色の小川となり、
引き裂かれたセーラー服の代わりに魔道士から手渡された、薄青色の長衣の襟を濡らしていく。
家族も友達も一人残らず消え去り、家も学校も何もかも無くなってしまった世界で、
一体、どうやって生きていけば良いのだろう?
――――あるいは、こんな思いをするくらいならば、
事情も何も知らずに、先刻の化け物達に殺されていた方が、ある意味、ずっとマシだったかもしれない・・・・。
(そ、そうだわ・・・・いっそ、このまま・・・・手すりを乗り越えて・・・・!!)
(23)
「――――まだ、全ての希望が消えた訳じゃない」
まさしく絶妙と言う他ないタイミングで、小刻みに震える肩口に置かれた青年の手が、
虚無の淵へと誘われようとしていた心を現実へと引き戻す。
反射的に自分を振り返った少女に向かって、
アイザードは、優しく、しかし、有無を言わさぬ強い口調で、ゆっくりと語りかけた。
「まだ、君が残っている・・・・最後の希望である君が。
君の力があれば、あるいは、世界を元に戻せるかもしれない」
「・・・・希望?・・・・力?でも、わたしは・・・・ただの高校生で・・・・」
蒼髪の少女の不思議そうな表情を、無言で受け止める異世界の魔道士。
神秘的な輝きを帯びた緑色の双眸に見つめられて、
泣き腫らした目元を瞬かせつつ、半ば無意識のうちに声を途切れさせた優子に、
フッ、と小さく微笑み、一語一語、噛んで含めるように囁きかける。
「・・・・君は、まだ何も知らないだけだ・・・・。
君がその気になれば、この時空の支配者にだってなれるし、
あの娘・・・・麗子を、暗黒の王から取り戻す事も出来るだろう・・・・」
(24)
「・・・・本当に?わたしに・・・・わたしなんかに、そんな事が可能なの・・・・!?」
手すりから離れ、自分の顔をまじまじと見上げてくる少女を、
プラチナ・ブロンドの青年は両腕で引き寄せ、力強く抱き締める。
「大丈夫。私が導いてあげるから・・・・」
薄青色の瞳と碧色の瞳――――絡み合う二つの視線。
二つの吐息が重なり、お互いのぬくもりが体を熱くする。
トクン、トクン、と、胸の奥で律動を刻む心音が響き合うたび、
二つのクチビルは近付いていき・・・・やがて、両者の距離は零となった。
甘美な・・・・頭の中にあるもの全てを忘れ去ってしまいそうなくらい、甘く官能的な・・・・口吻け。
巧妙ではあったものの愛情の一片も感じられなかった触手生物の肉ブラシとは全く異なる、
どこまでも温かく、柔かい感触が、冷え切っていた感情を静かに溶かしていく。
頬をくすぐるプラチナ・ブロンドは細くしなやか、
擦れ合う肌は滑らかで、背中をさすってくれる指先はとても優しく、情愛に満ちていた。
「・・・・君を、善き方向へ・・・・」
(25)
「・・・・意識深度レベル10、投影体の定着を確認しました・・・・」
「・・・・脳波正常。各生体反応、良好に推移。特に異常は認められません・・・・」
「・・・・よろしい。では、優子さまを起こして差し上げなさい・・・・」
研究主任からの許可が下りるやいなや、研究室の中に歓声が湧き上がった。
誰もが、最後の関門をクリアして、唯一絶対の主人からの期待に応える事の出来た喜びに沸き立ち、
温かいねぎらいの言葉と褒賞への期待感に胸を膨らませている。
――――まだ仕事は残っている、気を抜くんじゃない、と、
慌てて部下達を叱りつけた主任の声でさえ、何処となく浮ついた口調である点では変わり無かった。
「・・・・さあ、お目覚めの時間ですよ、優子さま・・・・」
誰かが口走ると、美少女たちは、一瞬、水を打ったように静まり返り、
――――それから、一様に妖しい微笑みを浮べて、
被験者の体を培養槽から真っ白なシーツの敷き詰められた寝台へと移動させた。
そして、血の色をした薬液を拭き取り、全身に取り付けられていた電極やカテーテルを取り除きつつ、
目の前の少女の様子を、素早く、かつ、詳細に観察する。
邪悪さに満ちた眼差しの先にある肉体は、
比喩的な表現を用いるならば、未だ完全に熟し切る前の青い果実、
あるいは、開花を間近に控え、花弁の先端を僅かにほころばせ始めたばかりの蕾、といった所だろうか?
ふんわりとしたマットレスの上に横たえられた、しなやかな肢体には、
随所に年齢相応のあどけなさが残っているものの、
胸元や腰周りにはやや早熟気味な豊かさの兆候も見え隠れしていた。
やや色白だが、すこぶる健康的な色艶を帯びた乙女の柔肌には、
黄金の光沢を帯びた<ヴァリスの鎧>がよく映えて、その美しさを一層引き立てている。
だが同時に、この神秘的な甲冑は、彼女の肉体を巧妙に矯正する箍の役割をも担っている事実を、
アイザードの側女であり、優秀な<戦士>でもある、有翼の魔法生物たちは鋭く見抜いていた。
(26)
「あ・・・・うぅ・・・・」
ベッドに移動させられてから数分後。
人為的に低く抑えられていた体温が徐々に上昇し、血行が回復した優子が薄目を開ける。
徹底的に繰り返された自我への介入の影響で、未だ思考の大部分は目覚めておらず、
視界はぼんやりとして、顔色も優れないままだったが。
「わた・・・・し・・・・」
白衣を脱ぎ捨て、きわどいデザインの革の胴衣へと着替えた研究主任がそっと近付いてきて、
未だ感覚の覚束ない右手を取り、やんわりと握り締める。
指先から伝わる微かな温もりに、ほんの少しだけ正気を取り戻した少女は、
ひどく擦れた聞き取りにくい声で、切れ切れに言葉を紡ぎ出した。
「死ん・・・・だ・・・・の?ここ・・・・もしか・・・・して・・・・天国・・・・?」
一瞬、居並ぶ侍女たち全員のクチビルに、ニィィッ、と、陰気な笑みが咲き誇った。
直後、魔法生物の一人が、ぐぐッ、と身体を乗り出すと、
未だ焦点さえ定まりきらない薄青色の双眸を覗き込みつつ、
まるで、催眠術でもかけるように、ねっとりとした口調で囁きかける。
(27)
「フフフ・・・・そう、天国に等しいトコロですわ、この場所は・・・・」
――――どういう意味なの?と、問い返そうとした途端、
美少女の両眼が赤々と燃え盛り、悪意に満ちた眼光が瞳を金縛りにした。
ほぼ同時に、たっぷりと唾液で湿らせたクチビルが急降下して、
開きかけた口元に覆い被さり、発しようとした質問を封じ込めてしまう。
「むぅッ!?・・・・んふッ・・・・うむぅん!!」
見開かれた目元に浮かぶ、驚愕と怯え。
・・・・だが、巧緻を極める口唇愛撫の技の前に、両者はすぐに姿を消し、
代わって、羞恥と欲情の気配が顔面へと湧き上がってきた。
むにゅむにゅと擦れ合う柔かい感触に頬が赤く染まり、
とめどなく注ぎ込まれる生温かい体液が、口腔粘膜を妖しく蕩かしていく。
理性を取り戻しかけていた自我が、再び、すううっ、と希薄化していき、
五感がフニャフニャと腰砕けになっていくのが自分でも良く分かった――――。
(28)
「・・・・ん・・・・くッ・・・・んふぁ・・・・ふぁううう・・・・」
抵抗らしい抵抗も叶わないうちに、口元がこじ開けられ、
隙間から唾液をたっぷり纏わりつかせた肉ブラシが挿し込まれた。
女体の一部と言うよりも、むしろ、別の生き物の如く器用に動き回る舌先が、
唇の裏を、口蓋を、歯茎を、チロチロと舐めしゃぶっていくにつれ、
頭の芯が、じぃん、と熱く痺れ、心臓の鼓動が激しさを増していく。
(・・・・あはぁ・・・・だめぇ・・・・なにも・・・・かんがえ・・・・られ・・・・ない・・・・)
忘我の境地へと誘われていく意識とは裏腹に、
全身の汗腺は目を覚まし、毛穴という毛穴から甘酸っぱい匂いのする蒸気を立ち昇らせていた。
滲み出した汗の滴が薄いピンク色に色付いた柔肌の上でキラキラ輝く様子は、
まるで、何千個もの真珠を縫い付けたかのようで、殆ど神秘的ですらある。
「むふぅ・・・・ふああ・・・・んあッ・・・・ぅくぅ・・・・くはあッ・・・・ふはあぁぁん!!」
急速に高まりつつある性感のせいだろう、呼吸は荒くなる一方で、
貪欲な愛撫の合間に漏れる吐息にも次第に欲情の響きが滲み始めていた。
いつの間にやら、手足は微細なわななきに覆い尽くされ、
体中が性感帯と化してしまったかのように、不規則な痙攣が至る所に噴き出している。
(29)
「ククク・・・・大丈夫、さあ、気を楽にして・・・・」
「恐れることはないわ・・・・」
「力を抜いて・・・・私たちを受け容れるの・・・・」
うなじへ、首筋へ、腋の下へ、脇腹へ、太腿へ・・・・、
蛇のようにうねる細長い指先が這わされ、敏感なポイントを探り当てていく。
丈の短いスカートが捲り上げられ、じんわりと蜜を含んだ純白のショーツが暴かれると、
幾筋もの煮え滾る視線が降り注ぎ、陵辱者の動きが加速していった。
「アイザード様がいらっしゃる此処は、まさに楽園と呼べる場所・・・・」
「アイザード様は、とても慈悲深い御方・・・・」
「あなたを正しく導いてくださるのは、世界に唯一人、アイザード様だけ・・・・」
――――アイザード、アイザード、アイザード。
・・・・幾つもの囁きが、聖歌隊の合唱の如く、幻想的な和音となって響き合う。
高熱にうなされる病人のような表情で瞼を開くと、
双眸に映ったのは、視界一面に重く垂れ込めたピンク色の濃霧の奥で赤々と瞬く、無数の瞳だけ。
この世のものとも思えない恐ろしい光景に、本能的に叫び声を上げようとした瞬間、
全身の性感帯をまさぐる手指の動きが急激に烈しさを増した。
紡ぎ出された高密度な快感が高圧電流となって脳髄をしたたかに打ち据え、
・・・・眼底の奥で弾けた真っ白い光が、小さな太陽となって意識を焼き尽くしていく。
(29)
「ククク・・・・大丈夫、さあ、気を楽にして・・・・」
「恐れることはないわ・・・・」
「力を抜いて・・・・私たちを受け容れるの・・・・」
うなじへ、首筋へ、腋の下へ、脇腹へ、太腿へ・・・・、
蛇のようにうねる細長い指先が這わされ、敏感なポイントを探り当てていく。
丈の短いスカートが捲り上げられ、じんわりと蜜を含んだ純白のショーツが暴かれると、
幾筋もの煮え滾る視線が降り注ぎ、陵辱者の動きが加速していった。
「アイザード様がいらっしゃる此処は、まさに楽園と呼べる場所・・・・」
「アイザード様は、とても慈悲深い御方・・・・」
「あなたを正しく導いてくださるのは、世界に唯一人、アイザード様だけ・・・・」
――――アイザード、アイザード、アイザード。
・・・・幾つもの囁きが、聖歌隊の合唱の如く、幻想的な和音となって響き合う。
高熱にうなされる病人のような表情で瞼を開くと、
双眸に映ったのは、視界一面に重く垂れ込めたピンク色の濃霧の奥で赤々と瞬く、無数の瞳だけ。
この世のものとも思えない恐ろしい光景に、本能的に叫び声を上げようとした瞬間、
全身の性感帯をまさぐる手指の動きが急激に烈しさを増した。
紡ぎ出された高密度な快感が高圧電流となって脳髄をしたたかに打ち据え、
・・・・眼底の奥で弾けた真っ白い光が、小さな太陽となって意識を焼き尽くしていく。
(30)
「ああッ・・・・ふはぁああッ!!!!」
ジョボジョボジョボッ、と、生温かい液体が下穿きから溢れ、
ピンク色に上気した内股を濡らしつつ、シーツの表面に薄黄色のシミを広げていく。
濃密なアンモニアの臭気がベッドの周りに充満するのを感じて、
周囲を取り囲んでいた有翼の魔法生物達が、さああッ、と身体を引き、
・・・・続いて、一斉に嫌悪と侮蔑の入り混じった目線で、黄金色の液体にまみれた少女を睨みつける。
当の優子はと言えば、膀胱内に溜まっていた水分を一気に放出した心地よさに酔い痴れ、
童心に戻ったかのようなあどけない表情を浮べたまま、
カラダの芯から湧き出でる肉悦に全身をあさましく波打たせていた。
五感の中枢で起きた超新星爆発は、凄まじい衝動と化して未だ頭蓋骨の内部を吹き荒れており、
脳味噌をグチャグチャに掻き乱して正常な思考を奪っている。
視界はまばゆく輝く真っ白な火花によって埋め尽くされ、
時折、極彩色の光のかたまりが、バァン、バァン、と炸裂しては、
散々に打ちのめされ、ボロボロになった理性を、更なる業火で焼き焦がそうとしていた。
(31)
「・・・・あらあら、大事なお召し物が汚れてしまいましたわ・・・・」
「ウフフフ・・・・これはこれで情緒があって素敵ですけれど・・・・」
「・・・・でもまぁ、脱がして差し上げましょう・・・・見苦しいものは、何もかも・・・・」
痴態を曝け出した優子の姿に、自分達の役目を思い出した侍女達は、
冷たい蔑みに満ちた笑いと共に、再び忘我の境地に佇む少女へと近付いていく。
未だうっすらと湯気を立てる黄金色の排泄液に怯む事無く、淫らな愛撫を再開し、
同時に、快楽に悶え続ける哀れな虜囚から、
夢幻界の庇護を与えられた者の証である、<ヴァリスの鎧>を引き剥がしにかかった。
――――パキンッ!!カラン、カラン、カラン!!
呆気ないほど簡単に、守護すべき体から取り除かれた左右の肩当てが、
大理石の石床へと放り投げられ、妙に乾ききった金属音が発生する。
本来ならば、優子自身が望まない限り、取り外す事はおろか、触れる事さえ叶わない筈の聖なる甲冑が、
何の抵抗も無く肌の上から滑り落ち、易々と敵の手に渡ってしまったという事実。
・・・・それは、彼女を<ヴァリスの戦士>たらしめていた資質、
すなわち、明暗の均衡がもっとも高い次元で保たれていた筈の精神に生じた、
決定的な変容を何よりも雄弁に物語るものに他ならない。
(32)
(<ヴァリスの鎧>が・・・・そ、そんな・・・・!!)
さすがに事の重大さに気付いたらしく、ふらつく意識を叱咤し、上体を起こそうとする優子。
だが、なけなしの気力を振り絞った抵抗の結果は、
切迫した吐息と限りなく嬌声に近い喘鳴とが、周囲の空気を僅かに震動させただけに終わった。
最後の反撃を粉砕した事に気を良くした魔法生物達は、
今や、ベッドに抑え付けられ、身動き一つ出来ないでいる少女を嘲笑しつつ、
<加護>の力を喪失した甲冑を毟り取り、あられもない姿へと変えていく。
「あッ・・・・あう・・・・くぅッ!!はふぅ・・・・ううう・・・・ふあぅううッ!!」
巧緻を極める愛撫に手足がクネクネと卑猥なダンスを踊り、
寝台のスプリングが、ギシッ、ギシッ、と重々しく軋む。
尻や太腿が執拗に舐め回されるたび、捩れる背筋に電流が流れ、
見事な三日月形のカーブを描きつつ、弓なりにしなっていった。
緩急を使い分ける舌技と指技の前に、各地の性感帯は次々と陥落し、
扱き立てられた乙女の柔肌がゾクゾクと疼いて、あさましいよがり泣きが止められない。
(33)
「・・・・忘れてしまいなさい、余計な事は・・・・」
「・・・・不要なモノは全て脱ぎ捨てるの・・・・」
「・・・・何もかも捨て去って、あの御方におすがりするのよ・・・・」
肩当てに続いて、両腕を守る肘当てが、脛当てと一体化したブーツが、
手際良く取り外され、脱力しきった身体から引き剥がされていく。
今まで何度と無く、絶体絶命の危機を撥ね退けてきた防具が、
為す術も無く奪い去られてしまった事実に打ちのめされる、囚われの<戦士>。
無力感に苛まれる心には、めくるめく快楽に流されていく自分自身への嫌悪がジワジワと広がり、
同時に、(略奪者たちの思惑通り)今や無力なガラクタと化してしまったヴァリアの<鎧>に代わって、
新たに庇護を与えてくれる存在への渇望が密かに芽吹き始めていた。
(・・・・そうだ・・・・わたしを・・・・助けてくれた・・・・あの人なら・・・・)
脳裏をよぎる、偽りの想い出。
絶望にひしがれていた自分を優しく抱き締めてくれた温かい抱擁が、
生きようとする意志を取り戻させてくれた力強い眼差しが、まざまざと蘇ってくる。
その記憶は贋物だ、アイザードは敵なのだ、と、僅かに残った正気が悲痛な叫び声を上げるものの、
一旦、坂を転がり出した感情を引き戻せるだけの力は、もはや、何処にも存在しなかった。
――――あの人だったら・・・・わたしをここから救ってくれる。
――――あの人だったら・・・・もう一度、わたしにチャンスを与えてくれる。
――――あの人だったら・・・・わたしを・・・・。
(34)
(・・・・ああ・・・・アイザード・・・・さま・・・・)
穏やかな微笑を湛えたプラチナ・ブロンドの青年の顔を思い浮かべるだけで、
カラダの芯がじんわりと火照って、目元が、トロン、と酒に酔ったようにふやけていく。
柔肌を這いずり回る指先の感触と身体の内側を灼く淫靡な感覚とが渾然一体となり、
全身が羽毛のかたまりと化してしまったかのようなフワフワ感が五感を支配下に収めていった。
――――ピキッ・・・・パキィィィンッ!!!!
澄み切った音色と共に、優子の体に残った最後の守り・・・・黄金の胸当てが、
双丘の谷間にある紅い宝石飾りの下に隠された留め具を断ち割られ、真ッ二つになった。
汗ばんだ乳房の表面を滑り落ちる冷たい金属の肌触りに、
いやぁっ、とも、いいっ、ともつかない、曖昧な鼻声を発する蒼髪の少女。
際立って目立つ程のボリューム感はないものの、
お茶碗を伏せた形の美しく整った二つの稜線はすでに十分蒸らされて、
頂から山裾に至るまで透明な汗の粒にびっしりと覆われ、甘酸っぱい芳香を発散している。
山頂にそそり立つ乳首は、今にも血を噴き出しそうなくらい、真っ赤に充血し、
コチコチに固くなって、時折、プルン、プルン、と不規則なひくつきに見舞われていた。
・・・・一瞬、その美麗な光景に息を呑み、静まり返った陵辱者たちは、
我に返るやいなや、山開きの日を迎えた山男さながらに両目を血走らせ、
聳え立つ銀嶺を征服する欲望を満たすべく、処女地に向かって押し寄せてくる。
お疲れ様でした
(35)
(くはあああッ!!気持ち良いッ・・・・気持ち良すぎて・・・・あ、頭・・・・真っ白・・・・にィ・・・・!!)
肘当てを失った両腕は為す術もなく引き上げられ、
ブーツから暴き立てられた両脚は大きくV字型に割り開かれて、
各々、アイザードの侍女が一人ずつ、拘束と性感帯責めを受け持っていた。
天蓋つきの豪勢なベッドの上には、さらにもう三人の魔法生物が上がり込んでおり、
うち二人は、つい先刻、剥き出しになったばかりの乳房を左右から奪い合い、
残ったもう一人が、黄金細工の飾り帯を抜き取られ、生白いウェスト・ラインが丸見えの下腹部から、
全ての<鎧>を失った今、最後の衣服となったスカートと下着をずり下ろそうとしている。
小気味良いリズムに合わせて揉み込まれていく、二つの乳房。
頂上では、いつもは桜の蕾のように淡い色合いの肉豆が、真っ赤なバラの如く咲き誇っていた。
外見からは想像も出来ないほど、優しく肌にフィットして保護してくれていた胸甲が消え去った今、
熟しきった木の実のように脹らんだ乳首はカチカチに硬くしこり、
ただでさえデリケートな表皮が一段と感度を増して、空気の揺らぎを感じただけでビンビンになっている。
ましてや、直接、指先で摘み取られ、シコシコと擦られでもすれば、
赤熱した焼きゴテを押し付けられたかのような灼熱感が乳腺の内側から溢れ返り、
それだけで軽く達してしまいしそうになる程の狂悦が白濁した意識の中を駆け巡るのだった。
(36)
(はぁッ・・・・はぁはぁ・・・・もう・・・・だめぇッ・・・・気がヘンになっちゃうぅッ!!)
すでに、スカートは膝まで摺り下ろされ、
少女の最も恥ずかしい部分を覆い隠しているものと言えば、
飾り気の無いシンプルなデザインのショーツ一枚きり。
その純白の下穿きにしても、これまでに加えられた色責めで滲み出した愛液により、
じっとりと濡れそぼり、半ば透き通らんばかりの有り様へと変じている。
このままでは頭がおかしくなってしまう、という優子の直感は、妄想でもなんでもなかった。
実際に、あともう数回、快楽の電流がしなやかな体を駆け抜けたならば、
間違いなく、優子の最も恥ずかしい場所は大洪水に見舞われ、
溢れ出す濁流が最後の薄布を押し流してしまう事は疑いないだろう。
(37)
キィ・・・・。
蝶番の軋む不吉な音色と共に、寝室の扉がゆっくりと開け放たれ、
不敵な微笑を湛えた男の、一糸纏わぬ裸身が、スルリ、と、部屋の中に滑り込んでくる。
気配に気付き、慌てて礼をとろうとする侍女たちを無言で制し、
そのまま、まるでかくれんぼを楽しむ子供のように息を殺しつつ、
部屋の奥に設えられた、豪奢な天蓋付きのベッドへと忍び寄っていく、プラチナ・ブロンドの青年・・・・。
「フフッ。<戦士>としての力が無ければ、鎧など役には立つまい」
寝台の傍らに立った、彼――――暗黒五邪神が一将、風邪アイザードは、
しばらくの間、冷え切った眼差しで横たわる蒼髪の少女をねめつけた。
改めて確認するまでも無かったが、配下の魔法生物達の仕事ぶりは完璧であり、
仰向けに転がされた優子のカラダは、薄暗がりの中でさえはっきりと分かるほど、完全に上気し、
キラキラと光り輝く無数の汗粒によって覆い尽くされている。
「はぁ・・・・はぁ・・・・んく・・・・はぁはぁ・・・・ふはぁん・・・・」
涙に曇った薄青色の瞳は焦点を失い、ぼんやりと空中を彷徨っており、
だらしなく半開きになった口元からは、涎の糸が銀色の小川となって流れ落ちていた。
主の入室に驚いて作業を中断したらしく、花弁を隠せるギリギリの位置で停止した下穿きだけが、
微妙な可笑しさを誘っていたが、同時に、何とも言えない官能の気配を漂わせてもいる。
――――そう、真っ赤に熟しきって、今しも枝先から零れ落ちようとしている果実のような、
際どいバランス感覚が醸し出す、喩えようもなく淫猥なエッセンスを・・・・。
(38)
「待っていたよ、優子。君が私の元へやってくるのをね・・・・」
執拗に繰り返された性感帯責めによって掘り起こされた欲情のせいで、
しなやかさと適度な豊満さが同居する美しい裸身の上では、あさましい痙攣が引っ切り無しに噴出している。
破れかけた肺腑の奏でる乱れきった吐息は瀕死の重病人のように切迫していながらも、
女体の内側で燃え盛る欲望の炎によって沸騰し、触れれば火傷しそうな位に熱を帯びていた。
「・・・・君は、自分が何者なのか分かっていない。
目の前の敵をただ闇雲に恐れ、破壊するだけだ・・・・一体、何のために?」
今の彼女の耳には届く筈もないと承知の上で、
魔道士は、放課後、成績の悪い生徒に、昼間の授業の要点を再度教え聞かせる教師よろしく、
虚ろな瞳で自分を見上げる虜囚に向かって、静かに囁きかける。
案の定、表情を失った少女の反応は皆無だったが、
アイザードは、焦点を結ぶ事すら忘却してしまった薄青色の瞳孔を覗き込んで満足げにうなずき、
おもむろに、傍らの侍女・・・・優子の足元にいた一人に向かって合図を送った。
(39)
「君が今まで見聞きした事の全てが真実とは限らない。
・・・・本当は、優子、君自身が一番良く理解しているんじゃないのかな・・・・?」
襟元を飾る深紅のスカーフが手際よく解かれ、枕元に置かれるのと時を同じくして、
すでに膝まで下ろされていた白いスカートが完全に剥ぎ取られ、若鹿のような下肢が露わにされる。
肉悦に蕩けきった視線を漂わせる少女の前を、
純白のショーツが、半透明な愛蜜の糸を引きながら摺り下ろされ、
内側にキュッと丸められた爪先の方向に向かって、ゆっくりと滑り降りていった。
「今の君は、まるで、糸の切れた凧のような存在だ。
誰かが傍らにいて正しい道を示してやらねば、いつか自分自身の力によって破滅するだろう・・・・」
あたかも、陥落させた都に入城する征服者の馬前に捧げられる戦利品の如く、
侍女によって恭しく献上される極薄の下穿き・・・・。
クロッチの部分にたっぷりと染み付いた蜜汁が、
玄妙なる芳香と化して鼻腔をくすぐり、牡の本能をズキズキと刺激するのを感じて、
暗黒界の魔道士は、一瞬、ニィィッ、と、唇の端を吊り上げた。
そして、何を思ったか、目の前で唾液を溢れさせている口元に指をかけると、
抵抗する暇を与える事無く、手にした下着を、無理矢理、口腔に押し込んでしまう。
(40)
「うッ・・・・んううッ!?んぐッ・・・・ぐッ・・・・うぐぅううう・・・・!!」
突然の凶行に目を白黒させ、異物を吐き出そうともがく囚われの少女。
そうはさせるものか、と、魔道士は居並ぶ部下達に目配せを送った。
次の瞬間、寝台の上の五人から、十本の腕と五十本の指先が、一斉に優子へと襲い掛かり、
抵抗する術とて無い身体を、快感という名の革鞭でしたたかに打ちすえ、絡め取ってしまう。
自らの膣壁から湧き出した蜜汁の染み込んだ下着を咥えさせられたまま、
半哀れな女囚は、窒息しかけた顔面を、ビクッ、ビクッ、と痙攣させた。
恥辱に蒼褪めた頬筋を、銀色の涙が、つううっ、と伝っていく・・・・。
「そうなってしまう前に・・・・私は君を導きたい」
凍てつくような碧色の双眸の先では、
大きく割り広げられた下半身の真ん中で、場違いなくらい鮮やかに咲き誇った媚肉の大輪が、
ビュクビュクとあさましい戦慄きに包まれ、ぱっくりと口を開けている。
滲み出した半透明な蜜は、花びらの縁を軽々と乗り越え、
先刻の失禁によって出来た黄色い湿地帯に、白い水玉模様を描き込んでいた。
(41)
「君と、・・・・そして、世界を・・・・」
薄い笑みを浮かべたアイザードの唇が、咥え込まされた下着の端が飛び出した口元へと近付いていく。
優男然とした外見とは裏腹に、彼の体躯は引き締まった見事な筋肉で覆われ、
毛穴から滲み出る汗には、獣臭に似た荒々しい男性ホルモンが滲み出していた。
くっきりと割れた腹筋の下には、ライオンの鬣を思わせる剛毛が密生し、
逞しく振り返った雄々しい逸物が天に向かって聳え立っている。
「より善き方向へ・・・・」
荒々しい息遣いが、少女の頬を無遠慮に撫で回した。
湧き上がって来た本能的な恐怖が、焦点を失くした薄青色の瞳に影を落とし、
滲み出る涙滴となって、青白く引き攣った頬筋を流れ落ちていく。
欲情を滾らせた口元が、猿轡を嵌められたまま、半ば凍えついた唇へと押し当てられると、
侍女達によって抑え付けられた四肢の筋肉が、ビクッビクッビクッ、と跳ね回り、
重厚な造作の寝台が、ギシッ、ギシッ、と大きく軋みながら揺れ動いた。
――――ア・・・・アアッ・・・・アアアアッ!!!!
動きを止めた優子の上に、鍛え上げられた牡獣の肉体が重ね合わされ、
熱く燃え盛る肉の刃が、淫らな愛汁にまみれた花弁を、ズブリ、と正確に抉り抜いた。
そのまま、一気に奥まで刺し貫かれた蒼髪の少女は、
想像を絶する激痛と凄まじい喜悦の間で、狂ったようにのたうち回る。
・・・・圧倒的な力によって捻じ伏せられ、犯し抜かれる自分の中で、何かが音を立てて崩れ去り、
同時に、その残骸の間から、得体の知れない存在が立ち現れるのを感じながら・・・・。
――――――――TO BE CONTINUED.
今度こそお疲れ様でした(笑)
以上、第9章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば、幸いに存じます。
なお、今回も、規制回避へのご支援、誠に有難うございました。
次の第10章は、5月末をメドに発表できるよう、鋭意執筆中です。
内容的には、今回の続きからベノンとの戦い、現実界への転移とデルフィネとの出会いの辺りまでの予定です
(今回とは打って変わって、エロ描写は冒頭部分のアイザードとの和姦(?)のみとなりますが、ご容赦下さいませ)。
ちなみに、本SSにおいては、(本編とは異なり)アイザードはベノンとの戦いの時点ではまだ死亡しません
(デルフィネを登場させない展開も考えたのですが、
それでは本編との整合性が全く取れなくなってしまう可能性が高くなりますので、
しばらくの間、アイザードとデルフィネの二人を登場させる事にいたします)。
それでは、本日はこの辺で〜。
『デルフィネ』じゃなくて『デルフィナ』でした・・・・。
GJ!!
お疲れ様でした
次回が待ち遠しい…
>>773 『ハイパーセクシーヒロイン エリーゼ』ってヤツ?
衣装とか髪型とか明らかに優子を意識してるな。
GIGAから出たAVより女優さんの質も高そうだし。
でもイメージビデオなのでAVじゃないのが致命的
zenはそういうスタンスだからなぁ…
ところがところが、これが中古ショップとか行くと
店員が間違えてアダルトコーナーと特撮に半々ぐらいに置き間違えてたりw
だって写真やパケがアダルト物にしか見えないんだものw
ZENの中の人はアダルトのGIGAだからな。
知っててやってるんだろう。
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第10章は、現時点の進捗率25パーセント。
(本編ではたったの2ページしかない)アイザードと優子のベッドシーンを(ねちっこく)執筆中です。
スレの容量を確認したところ、459KBと危険水域に近付いている事が判明しました。
前スレのように、投稿完了と同時に残り容量がゼロになり書き込み不可になる、という混乱を避けるため、
予定を変更して、文章量を、3分の1前後、減らす事にいたします。
具体的には、第9章の続きからベノンとの戦闘シーンを経て、優子を庇ってアイザードが倒れるまでとし、
現実界への転移とデルフィネとの出会いのシーンについては、次章(第11章)に回します。
ご期待いただいているところ申し訳ございませんが、どうか、ご容赦の程、お願い申し上げます。
hoshu
この前優子に似たエロいアニメの画像を見たんだが…‥気弱な優子ってイメージで鎧とかはまるでそのものだった
kwsk
>>773 買ってみた。
たしかにモチーフは優子のようだ。
本番はないけど、手足を鎖で縛られてスライムまみれにされたり、
ミミズ触手にたかられたり、結構エロかった。
hoshu
執筆状況〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第10章は、現時点の進捗率90パーセント。
今月末の発表を目指して、現在、校正作業中です。
スレの容量との兼ね合いで、結局、今回はアイザードの敗北シーン
(注:私のSSの中では彼が死ぬのはもう少し先の話なのですが)は割愛する事にいたしました。
また、次回は本編コミックが一回休載との事ですので、エロパロSSも小休止とさせて頂き、
代わりに、『戦士集合』の第3章をお送りしたいと思います。
完成までもうしばらくお待ち下さいませ〜〜。
マンセー
>>785 お祝い、ありがたくいただきました!!
すっげークオリティの高い陽子に優子を堪能させていただきました。
レダサイトの方も今後に期待ですね。
>>784 また期待してます
>>785 どの画像も良いけど、ayohko05sのお尻の破れ加減が素晴らしい
そして、これからどうされるのか?、という妄想が膨らむ絵ですなあ
サンクスです
>>785 いつも有難うございます〜。
レダHP拝見しました。
ビキニアーマー系美少女戦士を専門に扱っているサイトは、今では本当に少なくなりました。
こうして新たに交流の場を開設して下さる方々には頭の下がる思いです。
応援していますので、これからも頑張って下さい〜。
ビキニアーマーは時代の産物だしね。
今の時代の人は、あまり興味ないんかも。
あと、漏れの友人なんかそうなんだが、
ビキニに防御能力なんか無いだろ!と現実的な人は
ビキニアーマー大嫌いって言ってるし。
今の時代ってリアルっぽいのがもてはやされてるから
あんまり好かれないのかな?とも思ったり。
教えて、今の若い人!(漏れはオッサンだから)
アニメの鎧でリアルなものがあったら教えてほしいw
頭丸出しで何が防御力かと…
スカートも変だよなぁと思ってしまう。
脚を守るのに不向きじゃないかと。
大地を割り、空を裂くような、ファンタジー的な攻撃力に対して
物理的な鎧に防御力を頼るのがそもそもの間違いだな
ファンタジー的な攻撃力に対しては、ファンタジー的な防御力をもつ鎧が必要になる
当然それは、物理的な形状等では計り知れない能力を持つことが、一目で判別できることが望ましい
つまりファンタジーにビキニアーマーは正しい
まあ、流行り廃りというものもあるんだろうて。
頭丸出しで〜というのは一応反論の余地もあるけど。
やっぱちゃんとした兜は重くて疲れるらしいぞ。視界も耳も利かなくなるし。
剣の戦いなら一番危ないのが肩と首と腹、手足らしいから、そこだけ守るのは一応理にかなってるらしい。
スレイヤーズみたいな旅行者の話なら、軽い鎧を選ぶのもアリなんじゃないかな。
> あと、漏れの友人なんかそうなんだが、
> ビキニに防御能力なんか無いだろ!と現実的な人は
> ビキニアーマー大嫌いって言ってるし。
痛い人ですね
>一番危ないのが肩と首と腹、手足
長嶋茂雄かおまえはw
スマン混ざったw 一番が肩と首、次が腹とか、くらいに言いたかったんだw
剣で斬りつける時は袈裟斬りが一番力を入れやすいんだってね。
突くのは意外と難しいんだとか。
戦国時代の足軽さんも胴体を覆う鎧だけで駆け回ってたとか(装備を安上がりにするためでもあったんだろうけど)。
ビキニに防御力がないってのは、鎧機能とか以前に肌を無闇に露出してるから、
寒さとか砂塵とか草木の枝や葉っぱとかにも危ない、明らかに冒険に不向きなデザインだから、
フィクションとしたって流石にどーよ、ってとこなんじゃないか。
ツッコミどころ多すぎだな。
ビキニ鎧はエロなんだよ!!w萌えなんだよ!!w
どこも露出してない女の子がフルアーマーの鎧着てても萌えんやろw
機能の事はなんか分からん不思議なちからで護られてるでオールオッケー
細かい事に囚われたらアカン
そうだ!ビキニ鎧ばかりいじめるな!
配管工が亀に囚われた姫を助けに行くゲームにリアリティがあるか?
キノコ食って巨大化し、火噴くんだぞ。
リアリティなんか関係ない。楽しめることが正義だ。
最近ビキニアーマー着ている人っていたっけ。
アメコミのレッドソニアぐらいしか記憶が無いぞ・・・・
クィーンズブレイドなんてその係累だと思うが。
hoshu
皆様、大変お待たせしました〜。
只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・ヴァージョン)』第10章の発表を開始いたします。
なお、今回は、スレの残り容量の関係で、少し短めとなっております。
(1)
ヴェカンティ。アイザードの居城。
「ひぃ・・・・くぅッ!!んふぁ・・・・ああ・・・・ひゃうッ・・・・ひゃあぅうううッ!!」
なめらかな裸身が、銀色の水滴を跳ね飛ばしながら大きく反り返る。
サーモンピンクの秘唇を深々と貫いた魔道士の陰茎は、
がっちりと硬く、優子の手首に匹敵するほどの太さを誇っていた。
張り出したエラが膣壁を抉り、捏ね回すたびに、
焼けた鉄串を押し当てられたかのような激痛とそれに倍する快感とが腰椎の周囲を暴れ狂い、
信じ難いほどの淫らな衝動が、脊髄を伝って上半身へと突き上げてくる。
「ああッ・・・・くはぁ・・・・ひはッ・・・・あはぁあああッッッ!!!!」
生臭い陰茎はトロトロに蕩けた肉孔を押し広げつつ、
子宮を目指して、一歩、また一歩、と、着実な前進を続けていた。
みるみるうちに朱く染まった肌からは、
まるで熱湯の詰まったビンを埋め込まれたかの如く大量の汗が噴き出している。
もはや、気力も体力も底を尽いてしまった蒼髪の少女は、
ほとんど垂直に近い角度に跳ね上がったままの頤を小刻みに震わせ、
大きく開け放った唇をぱくぱくさせる事しか出来なかった。
(2)
ずにゅうううう・・・・!!!!
煮え滾った巨根の内部でも最高の温度を誇る膨らみが、
ビュクビュクと絶え間なく痙攣する秘門を突き破り、押し入ってくると、
瞬く間に、視界一面に無数の星屑が飛び散り、頭の中は真っ白な光で一杯になった。
真っ赤に紅潮した顔面が鬼女のように醜く歪み、
ぎゅぎゅっ、と、固く瞑った瞼の裏側から、大粒の涙が零れ落ちる。
「フフ、残念ながら、処女では無かったようだね。
だが、この締まり具合は実に素晴らしい・・・・待ち続けていた甲斐があったというものだよ」
碧色の双眸に浮かぶ、酷薄な笑み。
元夢幻界人の魔将軍は、子宮口を突破した後は抽送のペースを少し落とし、
未成熟な肉の花弁を堪能するかの如くねっとりとした腰遣いへと移行した。
力任せに責め立て、一気呵成に頂きへと追い詰めるのではなく、
あくまでもソフトに、時間を掛けてじっくりと屈服させようというのである。
同時に、彼は、今まで優子の手指に絡めていた両手を、
目の前で卑猥なわななきに包まれている胸丘へと伸ばして、
モチモチとした触感を楽しみつつ、二つの膨らみを巧みに弄び始めていた。
(3)
「んんッ・・・・はッ・・・・んくぅ・・・・ふはぁッ・・・・くふぅうッ!!」
優しく、しかし、肉悦のツボは的確に押さえながら、
アイザードは白桃色に色付いた乳房を揉み込んでいった。
粘り気を帯びた音が徐々に高まっていくにつれ、
しなやかな背筋が、グググッ、と仰け反っていく。
刺激が単調に陥らないように、との工夫なのだろう、
時折、左右の乳首を交互に引っ張り、シコシコと擦り立てると、
自我が弾け飛びそうになる程の快楽が少女の全身を駆け巡り、脳天へと突き抜けていった。
敏感な突起をコリコリと揉み潰される感触は、
すでに痛みを通り越して、鳥肌立つ甘い痺れと化しており、
優子は、ぶんぶんとかぶりを振りつつ、激しく吐息を震わせる。
(4)
・・・・じゅるッ・・・・ずちゅッ・・・・ちゅるッ・・・・ずちゅるん・・・・!!!!
無論、胸丘への責めの間にも、青年の下半身は規則正しくピストン運動を繰り返していた。
ゆったりとした抽送に合わせて、背筋が、じぃん、じぃん、と、あさましいひくつきに見舞われ、
深々と肉根を受け容れた秘裂が、甘く狂おしい欲情で満たされていく。
狭い膣口を目一杯押し広げ、めり込んでくる巨大な亀頭が、
蕩けきった媚肉を、こそぎ取るように責め苛む硬い雁首が、
小陰唇から子宮の最奥部に至るまで、充血粘膜を執拗に捏ね回していった。
(あくぅッ!!・・・・だめぇ・・・・き、気持ち良いよぉッ・・・・!!)
切なく疼く花弁をゴリゴリと抉り抜かれるたびに、
瞼の奥に火花が飛び散り、甘く霞んだ意識がぶつ切りになってしまう。
熱い涙に霞んだ視界がピンクに染まり、抽象絵画のようにグンニャリと歪んでいくと共に、
極まった甲高い嬌声が、幾度となく、寝室中に響き渡った。
魚の嘴の形に先端を尖らせた尿道口からは、
小規模な絶頂が、半透明な先走り液に姿を変えて、ピュピュッ、と断続的に迸る。
(5)
「フフッ、嬉しいよ、優子。私のモノでこんなにも感じてくれるなんて・・・・」
ニヤニヤしながら、アイザードは、一旦、陰茎を引き抜いた。
じゅぼっ、という卑猥に湿りきった開栓音と共に、
半透明な液体が、潮噴きさながらに勢い良く零れ出し、シーツの上に広がっていく。
「・・・・ッくぅ・・・・はぁはぁ・・・・あううぅ・・・・」
エクスタシーの頂きへと昇り詰める寸前で"お預け"を喰らわされた蒼髪の少女は、
一転、今にも泣き出しそうな表情で、黒光りする逸物を見つめつつ、苦しげな喘鳴を漏らした。
あさましい懇願の言葉を発しなかったのは、
意志の力で抑え込んでいたからでは決してなく、
脳内を席巻する膨大な快感によって言語中枢が麻痺しかけていただけに過ぎない。
むしろ、頭の中からは、理性も羞恥心も、完全に姿を消しているか、
あるいは、押し寄せる肉悦に呑み込まれて意味を為さなくなっているか、のどちらかだった。
(6)
次はどの体位にすべきか、しばらくの間、思案を重ねていた魔道士は、
やがて、ひとつ頷くと、侍女の助けを借りて、目の前の裸身を斜めに四十五度回転させた。
加えて、白い汗の粒に覆われたしなやかな太腿を抱え込んで、
丁度一対の松葉が組み合わさったような姿勢で互いの股間を交差させ、
ビュクビュクといきり立つ淫槍を、淫らに充血しきった牝穴へと突き入れる。
・・・・ジュブッ・・・・ジュプブッ・・・・!!
再開される、いやらしい音色。
もっとも、新たに選択した体位は、先刻までのものに比べると、挿入の深さの点でやや見劣りしていた。
膣内に侵入し、肉襞を掻き回すには充分だったが、
子宮の奥まで到達するのは困難で、一見、充分な満足を与えるのは困難に思える。
だが、青年は、よりリズミカルなテンポで出し入れを繰り返す事により、不利は補えると踏んでいた。
性交時の結合感は、(特に女性の側には)成否を占う上で極めて重要な意味を持つが、
それは、何も、挿入部位の深さだけで測れるものではない。
侵入の角度や間隔によっては、十分にカヴァー出来るという事実を、
夢幻界と暗黒界の二つの世界で浮名を流してきた技巧派は熟知していた。
(7)
「くはぁッ・・・・んふぁ・・・・ひはぁんッ!!」
はたして、新たに採用した戦術が効果を発揮し始めるまでに、さほどの時間は要さなかった。
これまでの比較的スローなペースでのピストン運動に慣れていた優子は、
最初のうちこそ、突然の変化に戸惑いを隠せなかったものの、
時間の経過と共にその虜となっていき、小刻みな痙攣を発しつつ、あられもないよがり声を迸らせる。
「フフッ、可愛い声で啼くじゃないか・・・・ご褒美に、もっと気持ちよくしてあげるとしよう」
同時に、彼は、性器同士だけでなく、股間と内股の殆ども密着させる形となるため、
肌同士の触れ合う部分の面積が格段に増大する、新体位の特性を活かそうと腐心していた。
ぷっくりと隆起した恥丘とそれを薄く覆う縮れ毛の繁み、
そして、しなやかさと適度な豊かさの両方を内包する、形の良い太腿・・・・。
それらは、一つ一つでは、決して大きな肉悦を生む訳ではないものの、
効果的な間隔を置き、巧妙に刺激を加えたならば、
単なる挿入だけでは決して得られない、微細で複雑な味わいを醸し出せるのだった。
(8)
「くひゃあぁッ!!・・・・ハァッ、ハァッ・・・・んむぅ・・・・ひゃふぅううッ!!」
案の定、蒼髪の少女は、次々と襲いかかってくる、各々異なる波調の性感の前に為す術もなく、
情け無い悲鳴を発しつつ、寝台の上をのた打ち回った。
掻き回される膣穴では、いくつもの快楽が混じり合い、溶け合わさって、
今まで一度たりとも経験した事の無い、絶妙なハーモニーへと昇華している。
(うあああッ・・・・な、何・・・・何なのッ・・・・これはッ!?
ひぃぃッ・・・・だ、だめぇッ・・・・こ、怖い・・・・自分が・・・・自分でなくなっちゃうッ!!)
局部から下半身全体へと広がっていく未知の感覚に恐慌に駆られ、
全身をガクガクと揺すぶりながら、弱々しく泣きじゃくる囚われの少女。
・・・・だが、怯え慄く心とは裏腹に、彼女のカラダは、早くも新たなる喜悦に順応を始めていた。
目ざとく、その変化を察知した魔道士は、にんまりと笑みを浮かべると、
愛液にまみれた指先を、大陰唇の端で、ぷっくりと隆起している、ピンク色の真珠玉へと伸ばし、
もう片方の手で、会陰部の向こう側、可愛らしく丸みを帯びた尻肉をまさぐりにかかる。
(9)
「あひぃッ!!そ、そこは・・・・だめぇッ!!」
菊門のすぼまりをそっと撫でられた瞬間、
甘い汗に濡れ光る背中が、雷に打たれでもしたかのように大きくびくついた。
しかし、暗黒界の青年は、委細構わず、否、むしろ、初々しい反応に口元を綻ばせながら、
細かな皺を延ばすかの如く、ねっとりとした愛撫を繰り出してくる。
恥ずかしさのあまり、声を上擦らせた優子は、ココだけはやめて、と叫んだものの、
涙ながらの懇願は、陵辱者の獣欲をますます掻き立てただけだった。
「あぁッ・・・・い、嫌ぁッ!!お願い・・・・やめて・・・・ふひゃああッ!!」
恥辱の極みにある筈なのに、チロリ、チロリ、と、微細な刺激を送り込まれるたび、
全身の体毛が妖しく逆立って、心地よく鳥肌が立ってしまう。
潤んだ薄青色の瞳の奥から更なる大粒の涙が湧き起こり、
今にも爆発しそうなくらいの勢いで、心臓が激しい収縮を繰り返した。
何千匹もの蟻の大群が這い登ってくるようなゾクゾク感が身体中を駆け巡り、背徳の官能を呼び覚ます。
(10)
「ククク・・・・おやおや、どうしたんだい?
嫌だ、と言ってる割には、アソコの締め付けが一段ときつくなったじゃないか?」
羞恥に震える少女に容赦ない嘲笑を浴びせる、プラチナ・ブロンドのテクニシャン。
フィニッシュを決めるべく、傍らの侍女たちに合図を送った彼は、
微細な痙攣に包まれた美しい獲物を抱き上げさせると、
屹立する男根を愛液に濡れまみれた秘貝にあてがい、ゆっくりと迎え入れていった。
「はぁひゃあッ!!くがッ・・・・あああ・・・・ふがはぁあああッッッ!!!!」
逞しく発達した硬い亀頭を、一気に子宮の天井部分にまで受け容れる形となった少女は、
陰部を抉り抜かれる痛みとそれに数倍する喜悦の大波に、引き攣った絶叫を轟かせた。
視界一杯に極彩色の火花がバチバチと飛び散り、うなじの辺りが、じぃん、と切なく痺れている。
膣内を埋め尽くした巨大な肉の塊がゴウゴウと燃え盛り、
下半身全体が、おぞましい、しかし、耐え難いほどに甘く、狂おしい感覚に満たされていった。
「フフフ、そろそろ限界のようだね・・・・。
いいかい、イク時には、ちゃんと『イク』って言うんだ。
・・・・ちゃんと言えたら、ご褒美にたっぷりと射精してあげるから」
引力の法則に従って、優子の全体重が股間の中心に聳え立つイチモツに押し寄せてくるものの、
鍛え抜かれた業物はビクともしなかった。
加えて、アイザードは、抽送のリズムをより直線的なものに切り替え、
同時に、十秒から十数秒程度の間隔を置いて突き上げてきたストロークを、
ひと突きあたり、一、二秒前後の高速運動へとギア・チェンジするという離れ業までやってのける。
過激さを増す一方の責めに、哀れな女囚は、矢も盾も堪らず、あられもない嬌声を漏らしながら、
腰まで伸びた豊かな蒼髪を振り乱して、狂ったように悶え続けるだけだった・・・・。
(11)
「んひぃぃぃッ!!い、いやぁッ・・・・たすけてッ・・・・あああ・・・・もう、だめぇッッッ!!!!」
鋭く研ぎ澄まされた肉槍が子宮の奥壁に突き刺さるたび、
恥ずかしいリズムに合わせて愛蜜が飛び散り、周囲に漂う甘酸っぱい香りをさらに濃厚にしていく。
細い顎先を突き出し、生白い咽喉元を惜しげもなく曝しつつ、間断なく喘鳴を漏らす優子には、
もはや、羞恥心などという悠長な感情を覚える余裕など、微塵も無かった。
絶頂の極みへと向かう急勾配を凄まじいスピードで駆け上りながら、
冷酷な陵辱者の思うがまま、気をやり続ける以外、何一つ出来ない状況に追い込まれている。
「んあッ・・・・あッあッ・・・・んぐぅッ!?」
淫らなよがり声を発していた口元にアイザードの唇が覆い被さり、
ビクビクと卑猥なダンスに打ち興じていた舌が絡め取られた。
一瞬、いや、半瞬だけ、驚愕と嫌悪の表情が浮かんだものの、
真っ白な歯並びの隙間から、生温かい唾液が流れ込んでくると、すぐに掻き消えて、
肉悦への欲求と今更抵抗しても無意味だ、という諦めに取って代わられる。
直後、彼女自身の舌先も、淫らな欲望に突き動かされるまま、
憎むべき侵略者である筈の肉ナメクジに同調し、活発に蠢き始めるのだった。
(12)
・・・・チュッ・・・・ピチャッ・・・・チュル・・・・ピチュルルッ!!
卑猥な水音を奏でつつ、交尾する獣たちのように絡み合う、四枚のクチビル。
みるみるうちに口腔内を満たした、ほんのり甘い液体を、
蒼髪の少女はゴクゴクと美味しそうに喉を鳴らし、嚥下し続ける。
完全に惚けきった目元は、酩酊したかのようにトロリとした光を湛え、
両腕は勿論、両脚までもが、逞しい胴に、がっし、と絡み付いて、
背中に回された両手の爪が、汗の流れる白いキャンバスの上に、幾筋もの赤い線を刻んでいた。
「んんッ・・・・むぐぅ・・・・んぶッ・・・・うッうッうッ・・・・!!」
呼吸が一段と速くなり、全身のわななきが激しさを増していくにつれ、
優子の顔面が真っ赤に紅潮して、苦悶に歪んでいった。
それでも、少女は、窒息の危険など完全に度外視して、
自分からは決して口元を離そうとはせず、逆に、ますます舌の動きを加速させていく。
もはや、羞恥心も屈辱感も完全に片隅に追いやられた頭の中では、
性への欲求だけが際限なく脹らんで、一切の歯止めが利かなくなってしまった。
(13)
・・・・・・・・そして、次の瞬間。
――――びゅくんッ・・・・!!!!
ひときわ強烈な痙攣が子宮の一番奥で生み出されたかと思うと、
瞬く間に、膣襞を席巻し、陰唇粘膜を蹂躙する。
その衝撃は、喩え様も無く巨大で淫靡なエロスの波動へと増幅され、
一撃で腰椎を粉々に粉砕したばかりか、電光石火の勢いで脊柱を駆け上がり、
脳天にまで達して、頭蓋骨の内側で凄まじい大爆発を引き起こした。
「・・・・ひぐッ!!ぎぁひぃッ・・・・!!」
快楽の業火が優子を灼熱地獄の真ッ只中へと突き落とす。
カメラのストロボの何万倍もの閃光が視界を埋め尽くし、
全身の感覚が濃硫酸の池に放り込まれたようにドロドロと溶け崩れていった。
もはや、単なる快感と呼ぶには峻烈過ぎる、エクスタシーの嵐が、
意識をグチャグチャに掻き回し、五感をズタズタに切り刻んでいく・・・・。
「い、いぐッ・・・・いぐぅうううッッッ!!!!」
凄絶な絶叫が寝室の空気をビリビリと震撼させ、
大理石の石壁に反響して、何か得体の知れない生き物の鳴き声の如く、周囲に響き渡った。
鬼気迫るような光景に我を失った魔法生物達が、
主の御前にも関わらず、口々に甲高い悲鳴を放ち、ベッドから飛び降りる。
ただ一人、碧眼の美青年だけが、強靭な意志の力によって踏み止まり、
肉筒に充満している欲望を吐き出さんと、暴れ狂う少女を抱き締めていた。
――――――――異変が起きたのは、その直後である。
(14)
ドォオオオンッッッ!!!!!!
突如、優子の嬌声にも負けない轟音が響き渡り、
寝室の入り口を守る重厚な大扉が、跡形も無く、爆砕された。
バラバラになった構造材が爆風に煽られて辺り一面に降り注ぎ、
直撃を受けた運の悪い侍女が、派手な血飛沫を噴き上げつつ床の上を転げ回る。
(・・・・チッ、よりによって、こんなタイミングで・・・・)
何が起きたのか、瞬時に理解した暗黒五邪神は、苦々しげに口元を歪めると、
僅かに未練がましそうな視線で、白目を剥いてイキ果てた蒼髪の少女を眺めやりながらも、
きつく喰いしばった膣口から、愛液にまみれた陰茎を引き抜いた。
欲情の高まりを反映してか、亀頭は極限まで膨張し、
表面から浮き出したミミズのような血管が、ビュクン、ビュクン、と活発に蠢いている。
いきり立つ射精欲求を、――――かなり無理をしながら――――押さえ込んだ彼は、
濛々と立ち込める爆煙と砂埃の向こう側に佇む人影に向かって、幾度となく、舌打ちを繰り返した。
(15)
「・・・・呼び鈴も鳴らさなくて、失礼。遊びに来てやったわよ、カマイタチ野郎」
冷やかな笑みを浮かべつつ、砂塵の中から姿を現す、漆黒の<戦士>。
ベッドの上の男女へと向けられた鋭い視線は、ドライアイスのように凍え付き、
手にした<影の剣>は、いつでも必殺の斬撃を放てるよう、
ぬばたまの輝きを湛えた刀身に、おびただしい量の暗黒の瘴気をまとわりつかせている。
(フン、とても演技には見えないな・・・・もしかして、本気で怒っているのか?)
汗に濡れた素肌に水色のローブを羽織りながら、アイザードは小さく肩を竦めてみせた。
文字通り、試験管の中に浮かぶ一片の受精卵から捏ね上げた侍女達とは異なり、
麗子は――――優子と同じく――――自我には何ら改変を加えてはいない以上、
どれだけ徹底的に調教しようと、その心を完璧にコントロールするのは不可能である。
無論、幾重にも施した暗示の全てが解けてしまった訳ではないようだが、
いくら策略の一環とはいえ、自分が不在の間に別の女を引き入れ乳繰り合う、という行為は、
自意識の高い赤毛の少女にとってはショックであり、
同時に、嫉妬の炎に身を焼かずにはいられない出来事だったのかもしれない・・・・。
(16)
「こんなヘタレ男に手玉に取られるとは、相変わらずのグズね、優子」
「あう・・・・ううッ・・・・」
憎しみを湛えた眼差しが、不実な愛人からその体の下に横たわる元クラスメイトへと移動する。
未だ悦楽の園を彷徨っている彼女は、まともな返事はおろか、身体を起こす事さえままならなかったが、
かろうじて、麗子が近くにいるという事実だけは分かるのか、
擦れかかった声で何かを必死に訴えようとしていた。
・・・・もっとも、口元から零れ落ちたのは、
ほとんど言葉にならないほど弱りきった呻きに過ぎなかったのだが。
「まったく、無粋な娘だな・・・・折角、良い所だったのに」
抗議の半分は演技だったが、もう半分は本心だった。
散々手間隙を掛けて<ヴァリスの戦士>の心をを陥落させたのみならず、
ベッドの上でも徹底的に焦らし抜いて、目の前の肉棒のためならどんな恥辱でも受け容れる、
いや、むしろ、責めが屈辱的であればあるほど、一層性感を燃え立たせてしまう所まで追い込んで、
最後の最後、自分自身の欲求を満足させようとした、まさにその瞬間、
待った、を掛けられてしまったのだから、当然だろう。
実際、何とか暴発だけは食い止めたものの、股間の逸物はローブ越しでも明らかなほど勃起したままで、
鬱積したストレスがいつ制御不能になってもおかしくない状態が続いていた。
(17)
(・・・・まったく、女の嫉妬ってヤツは手に負えないな・・・・)
盛大に苦虫を噛み潰しながら、プラチナ・ブロンドの青年はため息を漏らした。
――――手に負えない、と言えば、いま一人、今回の策を成功に導くため、現実界に送った女も、
初めて話を聞かせた時はカンカンになって怒り出し、機嫌を直すのに一苦労したものだが、
存外、赤毛の少女も、あの隻眼の女剣士とよく似た精神構造の持ち主なのかもしれない・・・・。
「ヴォオオオオッッッ!!!!」
魔法生物の唸り声が、束の間の思索を中断させる。
(計画の全貌を知らされていない)彼女たちは、
現在進行中の事態が、二人の共同演技であるなどとは露程にも考えず、
主の身に危機が迫っていると即断して、優美な侍女の仮面を捨て去り、戦闘態勢へと移行していた。
つい先刻まで、たおやかな微笑を湛えていた顔は、醜く歪んだ鬼女のそれと化し、
優子の性感を巧みに煽り立てていた指先と口元には、鉤ぎ爪と牙が、各々、凶悪な輝きを放っている。
(18)
(使い潰すには少しばかり勿体無い気もするが・・・・まぁ、やむを得ないだろうな)
寝台の前に壁を作った忠実な家臣たちの姿に、
ほんの一瞬だけ、憐憫の感情を催した魔道士だったが、後退を命じる気にまではなれなかった。
それが原因で、今も何処かに隠れ、様子を窺っている筈のベノンに不信感を与えでもすれば、
苦労して作り上げた仕掛けが水泡に帰すかもしれず、本末転倒の謗りは免れないだろうし、
何より、最高の出来栄えとはいえ、所詮は作り物に過ぎない者達の替えなどいくらでも利くのだから。
「・・・・まぁ、いいわ。とりあえず、生きてて嬉しかったわよッ!!」
無論、麗子の側には、魔法生物などまともに相手にする気などさらさらない。
アイザードから受けた指示は、『優子を傷付ける事無く、戦うフリをしろ』という一点だけで、
部下についてまでは一切触れられていなかった。
もっとも、何らかの指示があったとしても、
そんな言い付けに素直に従うほど、彼女は律儀な女ではないのだが。
「ぬぁあああッッッ!!!!」
本来ならば、ベッドの上の男女に向けられなければならない筈の怒りが、
矛先を変え、恐ろしげな表情で威嚇を試みる有翼の美少女達へと降り注いだ。
<ヴェカンタの戦士>が愛剣である<影の剣>を水平に薙ぎ払うと、
刀身に集まっていた邪悪な瘴気が強烈な衝撃波と化して哀れな犠牲者達を薙ぎ倒し、
まるでバターの塊を切り分けるかのように、美しく整った身体をスライスしていく・・・・。
(19)
「ハッ、こんな雑魚が相手じゃ、面白くも何とも無いわね」
そう嘯きつつも、赤毛の少女は、
優子との戦い以来となる、久方ぶりの実戦に興奮を隠せないらしく、
漆黒の魔剣を縦横無尽に振り回し、侍女の群れを血まみれの肉塊へと変えていく。
中には、魔道士から調教を受けた際にその場に居合わせ、めくるめく快楽を共有した者もいたのだが、
今の彼女にとっては、単なる八つ当たり対象以外の何物でもなかった。
「この、裏切り者ッ!!」
瞬く間に全ての護衛を斬殺すると、
暗黒の<戦士>は、<剣>を逆手に持ち直し、切っ先を優男の心臓に向けて、猛然とダッシュした。
鬼気迫る形相は憤怒に燃え立ち、傍から見れば、とても演技とは思えないだろう。
(『裏切り者』か。・・・・一体、誰にとっての裏切りなんだろうな?)
こみ上げてくる乾いた笑いを堪えつつ、独りごちるアイザード。
宿敵であり、かつての親友だった少女と肌を重ねたのみならず、
子種まで与えようとした行為が『背信』にあたるとすれば、
たしかに、自分は、(麗子個人にとっての)『裏切り者』という訳であり、
彼女の反応は極めて正当なもの、と言わなくてはならないだろう・・・・。
(20)
「――――いやはや、女というのは何処までも厄介なものだな」
我知らず、声に出して呟いた青年は、
ぐったりと脱力し、ベッドに横たわっていた優子を抱き寄せると同時に、
素早く呼吸を整え、精神を集中して、前方に逆巻く気流の障壁を発生させる。
卓越した魔道の技の使い手である彼にとっては、
この程度の魔術など、呪文の詠唱無しでも楽に発動させる事が可能だった。
「ぐぅッ!!」
不可視の壁に突進を遮られた赤毛の少女が、苛立たしげな呻きを発する。
さらに、横殴りに吹き寄せてきた突風にわき腹をしたたかに打ち据えられ、華奢な身体が宙に舞った。
手加減していなければ、内臓が破裂していてもおかしくないだけの強烈な打撃に、
一瞬、その表情は引き攣り、ザワァッ、と蒼褪めたようにも見受けられたのだが・・・・。
「・・・・甘く、見るなァッ!!」
次の瞬間、<ヴェカンタの戦士>は、空中で体を半回転させて巧みに大気の流れを逸らすと、
素早く着地して、簡単には吹き飛ばされないよう、姿勢を低く保ちながら重心を安定させた。
どうやら、疾風の洗礼を受けて、持ち前の闘争心に火が付いたらしく、
嫉妬に任せた直線的な怒りが姿を消したラベンダー色の瞳は、
冷静に状況を分析し、最善と思える行動を選択するハンターの目つきへと変貌している。
(21)
――――次元の狭間。
(・・・・ちぃッ、思ったより長引くわね。
仕方ない、アタシが出て行って始末をつけるとしましょうか・・・・)
苛立たしげに呟きを漏らしたのは、両者の戦いを静観していた、もう一人の暗黒五邪神。
毒々しいルージュを塗り重ねたクチビルを尖らせつつ、転移の呪文を唱えると、
全身を薄気味悪い紫色の瘴気が包み込み、周囲の空間が歪んでいく。
(どうせなら、色男か小娘か、どちらかがくたばってからの方が良かったんだけどねぇ・・・・)
傲岸不遜な面立ちに浮かんでいるのは、ねっとりとした含み笑い。
二人の敵――――正確に言えば、敵と邪魔者――――を争わせ、生き残った一人を始末する・・・・、
その展開を狙って、今まで戦いに加わらず、体力を温存していた暗黒界の大貴族は、
しかし、予想に反して、容易に決着の付きそうない戦闘にイライラを募らせた挙句、
ついに、当初の予定を放棄し、自らの手で決着を付けよう、と決断するに至っていた。
(・・・・まずは、あの小娘に味方して、クソ生意気な若造を消し炭に変えてやろうかしら。
それから、隙を見て、お嬢ちゃんも・・・・ククッ、ログレス様には適当に報告しておけばいいわ)
(22)
「オホホホッ!さ〜すが、アイザード♪
お嬢ちゃん一人じゃあ、てんで歯が立たないわねぇッ!!」
戦いの場に、壊れかけのスピーカーががなり立てるような、音程の狂った哄笑が響き渡る。
空間の一部が引き裂かれ、別の空間と強引に繋ぎ合わされる気配を察した魔道士は、
ただちに攻撃を中断し、声のした方角に大気の防壁を展開した。
直後、二人の間に割って入る形で、何も無い筈の空間から青黒い瘴気が噴き出してくる。
(フン、ようやくお出ましか)
束の間、風の魔力と炎の魔力が激しく鬩ぎ合い、
目には見えない強大なエネルギーの奔流が、大渦巻となって部屋中を覆い尽くす。
空間に穿たれた断層を押し広げ、こちら側に侵入しようとする者と、阻もうとする者、
二人の術者の力量はほぼ互角と見受けられた・・・・ただし、最初のうちだけは。
瘴気の色が、蒼から紫へ、さらに、紅蓮の炎色へと変化していくにつれ、
青年の額に汗が滲み、碧色の双眸が険しさを増していく。
もう一人の敵の存在を念頭に置いて、麗子との戦いではなるべく力をセーブするつもりだったのだが、
ジェラシーに身を焦がした赤毛の少女のおかげで、計算は大幅に狂い、
今までに費消した魔力は、あらかじめ、予想していた量を遥かに上回っていた。
やむなく、ベノンを押し戻すのを諦めたアイザードは、
改めて、自分と優子とを囲む形に防御障壁を組み直し、新たな敵と対峙する。
(23)
「ククッ、久しぶりねぇ、色男さん。元気にしてた?」
渦を巻く火焔の中に、狡猾な笑みを浮かべた男の姿が浮かび上がった。
ライオンの鬣を思わせる、オレンジ色の毛髪を業火になびかせた容貌は、
一見すると大層な美丈夫の如く感じられるものの、
よくよく目を凝らしてみれば、頬はこけ、鼻は曲がり、目元には醜い皺が幾重にも刻まれている。
身に着けている物はと言えば、面相以上に奇ッ怪な代物だった。
頭には燃え盛る炎の色をした卵大の紅玉を嵌め込んだ黒金の額冠を頂き、
手足には、およそ機能的には見えないデザインの防具、
加えて、胴体には、華美なだけが取り柄の、意味不明な装飾で飾られた甲冑・・・・。
それらは、暗黒界の人間の美的感覚に照らしてさえ悪趣味と言えるまでに、異端的だった。
何よりも、不気味でグロテスクだったのは、
塗りたくられた白粉と唇を彩る原色の口紅である。
まるで、歌舞伎役者の隈取りのようだが、
彼のものは芝居用にわざと誇張されたメーキャップではなかった。
・・・・もっとも、本気でそれを化粧と信じているのは、世界中で本人ただ一人であり、
彼以外の者は、たとえ、化粧などという行為には一生縁の無い、最下級の魔物であったとしても、
間違っても、美しい、などと感じたりしないだろうが。
(24)
「裏切りの現場、しかと拝見したわよ。
キヒヒッ、これで、堂々とアンタを殺せるって訳ね・・・・」
だが、その男――――暗黒五邪神が一将にして暗黒界随一の大貴族たる、炎邪ベノンは、
己の容貌に向けられた白い眼差しに一切気付く事無く、
悪趣味極まりないルージュに縁取られた口元から、気味の悪い女性言葉を紡ぎ出した。
(馬鹿につける薬は無い、と言うが・・・・)
元夢幻界人の魔道士は、心底から呆れ返り、反駁する気にもなれなかった。
どのみち、目の前のオカマ魔人相手にまともな議論など成り立つ筈も無く、疲れるだけに決まっている。
チラリ、と麗子を眺めると、この点に関しては全く同感らしく、
気取られないよう、動作としてはごくさりげないものではあったが、深いため息が返ってくる。
ラベンダー色の瞳からは、不愉快な茶番劇に付き合うのはうんざりだ、という不満がありありと見て取れた。
(――――そうだな、そろそろ潮時かもしれないな)
少し考え込みながら、傍らにいるもう一人の<戦士>に視線を向けるアイザードだったが、
優子は、未だ曖昧な表情で自分を見つめ返すばかりで、動こうとする気配はまるでない。
・・・・やはり、もう少しかかりそうだな、と、口の中でこぼした青年は、
彼女に意志が戻るまでのための時間を稼ぐべく、
残った魔力を総動員し、矢継ぎ早に幾つもの防御呪文を唱え始めた。
(25)
「あのまやかしを誰が見破ったんだ?ベノン、貴様か?」
白々しい台詞と目配せは、もう少し待て、という合図。
しょうがないわね、と胸の奥で呟いた麗子は、
愛剣を大上段に振りかざし、だん、と床を蹴って、前方に跳躍する。
「それは、私よッ!!」
展開された防御障壁に正面から白刃を叩きつけながら、叫び返す。
耳を劈くような大音響と共に、漆黒の剣から放たれた斬撃が大気の城壁とぶつかり、
オレンジ色に輝く火花が、空中高く、舞い散った。
・・・・もっとも、ほどほどに手加減した攻撃には見た目ほどの威力は無く、
張り巡らされた魔道の障壁の前に、空しく弾かれるだけだったのだが。
「・・・・フン、威勢が良いのは口だけのようね」
小馬鹿にしたような口調で言い放ったオカマ魔人が、両腕を、すッ、と突き出した。
真っ直ぐに伸ばされた指先に強大な魔力が集中し、神聖ならざる気配が辺り一面に充満していく。
ベノンが得意としている炎の魔術『火炎柱』の発動動作だと見破った魔道士は、
これは不味い、と判断したのか、それとも、むしろ、チャンスかもしれない、と感じたのか、
――――あるいは、その両方だったのかもしれないが、
未だ自発的な行動を起こそうとする気配の無い少女に向かって、鋭く声を張り上げた。
「逃げるんだ、優子ッ!!」
――――――――TO BE CONTINUED.
以上、第10章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます。
次回は、ZOL先生のコミック本編の休載に伴い、
不定期に連載中のクロスオーバーSS『戦士集結!』の第3章をお送りいたします。
なお、完成・発表は6月の終わり頃、次スレにて行いたいと考えています。
しばらくの間、お待ちくださいませ〜。
毎度乙です〜。
お疲れ様です〜
そろそろ次スレを立てないと?
さすがにまだ早すぎる
容量がやばいっす。
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名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:53:17 ID:jpaWDWr7