1 :
名無しさん@ピンキー:
1980年代を席巻した肌も露な美少女剣士たち!
その代表作たる「夢幻戦士ヴァリス」を中心にヒロインたちの淫らな宴を妄想するスレだ!
スレタイになっている麻生優子はいうに及ばず、時代を彩ったその他の『露出系美少女剣士』たちも
想うままにやってしまおう!
陵辱、触手、和姦、純愛、レズ大歓迎。
「その格好で本番ナシですか?」そう想って悔し涙を流した諸君!もう遠慮はいらない。
今こそその熱い思いを語り合おうではないか!
そんな熱い血潮を持つ文書きさん&絵描きさん募集中!!!
2 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 10:45:20 ID:EkOsE5QK
3 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 10:46:57 ID:EkOsE5QK
○名無しさんへお願い3カ条
一、スレの栄枯衰退の鍵は名無しさんが握るということ
過度の職人依存をしない。名無しさんが楽しく雑談していればスレが活性化する。
逆に職人を叩いたり、投下物をスルーしたりすればスレが衰退することを認識すべし。
一、派閥争いせざること
ネタ論争歓迎。ただし引き際を心得たること。○○派と派閥名乗らざること。
○○好きと名乗るべし。
一、荒らしはスルーすべきこと
職人叩きやコピペ荒らしなど、いずれはこのスレにも荒らしが来る可能性がある。
荒らしには「かまわず、きれず、レスつけず」を守るべし。
>1
乙〜
「マドゥーラの翼」や「雷の戦士ライディ」のSS投下スレは
ここでいいんですか?
ARCH氏が出品する谷間に出したいとは思ってるんですが…
>>1 スレ立て有難うございます〜〜。
>>5 おお、ルシアたんですか?
大歓迎ですので宜しくお願いいたします〜。
それでは、早速、即死防止SSを発表させて頂きます〜。
なお、この作品は、あくまでスレの即死を防ぐためのものですので、
普段より文章量は少なめとなっており、その分、エロ描写も薄めとなっています。
あらかじめご了承の上、お読み下さいませ〜。
(1)
優子:「どうしたの、麗子。立ち止まったりして?」
麗子:「・・・・」
夢幻界。ヴァニティ城。
白亜のアーチの連なる回廊を連れ立って歩いている、優子と麗子。
中庭にある小さな噴水の前で足を止めた麗子を怪訝そうに眺めつつ、問いを発する優子。
(2)
麗子:「ううん、何でもないわ。ちょっと・・・・ね」
優子:「・・・・?」
首を傾げる優子。身に纏った黄金の鎧が、陽光を受けてキラキラと光り輝く。
対する麗子は、いつもの漆黒の鎧ではなく、
ヴァニティ風のゆったりとした白絹の衣服に身を包んでいた。
(3)
優子:「どうしたの、麗子?今日は何だか変よ。
急に会いたいだなんて、いつものように、夜、夢の中で話すだけじゃダメな用件なの?」
麗子:「そういう訳じゃないけど・・・・いや、違うわ・・・・その・・・・やっぱり直接会って話した方が・・・・」
いつになく歯切れの悪い麗子の口調に、かすかにだが不安を覚える優子。
やや上目遣いな視線で、最も信頼する親友の表情を見やった麗子は、
少し間を置いた後、意を決したかのように、話を切り出す。
(4)
麗子:「ちょっとだけ、時間を貰えないかしら?・・・・優子に、会いたいってコがいるのよ」
優子:「?・・・・別にいいけど、それぐらい」
きょとんとした表情で、答えを返す優子。
思わず、何か言おうとした麗子だったが、
すぐに(小さく)かぶりを振ると、口元まで出掛かっていた言葉を引っ込めてしまった。
(5)
――――――――ヴァニティ城内。一室。
麗子:「レナ、アム・・・・入るわよ」
レナ:「んァッ・・・・れ、麗子さま!?・・・・んんッ・・・・ち、ちょっとお待ち下さい・・・・!!」
アム:「・・・・あふぅッ!!・・・・い、今はちょっと・・・・すぐに済ませますからッ・・・・!!」
優子:「????」
薄暗がりの中、バタバタと慌しい物音が響き渡り、そして、静かになる。
(6)
レナ:「・・・・は、はじめまして、優子さま・・・・わたくし、戦士見習いのレナと申します」
アム:「妹のアムです。ヴァルナ様の許で神官の修行をしています」
部屋の入り口に姿を見せた二人の少女が、
優子に向かって代わる代わる挨拶をする。
優子達が訪れるまで、こんな薄暗い場所で一体何をしていたというのだろうか?
よくよく見れば、二人とも衣服の裾が乱れて、乱雑なシワが出来ている。
(7)
麗子:「ごめんね、優子・・・・このコ達が、どうしても優子に会いたい、って言って聞かないものだから・・・・」
目を丸くする優子の後ろで小さくため息をつきながら、
それでも、麗子は、訳が分からず当惑気味の優子に向かって説明した。
(8)
麗子:「このコたち・・・・その・・・・私の、教え子っていうか、後輩というか・・・・「戦士」の卵なの・・・・」
優子:「ああ、成る程、そういう事だったの・・・・それで、私に会いたいって思ったの・・・・」
必ずしも完全に得心がいった訳ではなかったものの、
麗子の説明に、優子は、一応頷いてみせると、改めて、目の前の二人の様子に視線を走らせる。
・・・・どうやら、先程、部屋の中で姉妹がしていた行為には、とりあえず目を瞑る事にするようである。
(9)
優子:(・・・・ま、麗子の「教え子」なら・・・・あれぐらいは仕方ないかもね・・・・)
麗子:(・・・・・・・・)
チラリ、と、麗子の横顔を眺めやる優子。
何事も起こらなかった事に胸を撫で下ろしたのか、
明らかに、ホッ、とした表情の親友の姿に、可笑しさがこみ上げてきてならなかった。
――――と、そこへ、レナと名乗った少女が、緊張した面持ちで話しかけてくる。
(10)
レナ:「あ、あの・・・・優子さま・・・・」
優子:「優子、でいいわよ。わたしも、あなたの事、レナ、って呼ぶ事にするから」
レナ:「・・・・は、はいッ。それじゃあ・・・・優子さん。前々からお聞きしたかったんですが・・・・」
優子:「何かしら?「ヴァリスの戦士」についての事?」
優子がそう思ったのは、ごく自然な事だろう。
・・・・だが、レナが発した質問は、それとは全く別のものだった。
(11)
レナ:「そ、そうじゃなくて・・・・ええと・・・・その・・・・優子さん自身についての事なんですッ!!」
優子:「・・・・わたしの?」
レナ:「・・・・ズバリお聞きしますが、優子さんと麗子さまとは何処まで進んでるんでしょうか!?」
優子:「!?」
全く予期していなかった質問に、目を丸くする優子。
・・・・その隣では、麗子が引っくり返っていた。
(12)
優子:「・・・・ど・・・・何処まで、って・・・・一体・・・・何が、かしら・・・・!?」
麗子:「・・・・ちょ、ちょっと、レナ!?いきなり、なんて事聞くのよッ!!」
異口同音に、狼狽した言葉を並べ立てる二人。
――――だが、夢幻界の少女は、すでに開き直っているらしく、動じる気配さえ見せなかった。
(13)
レナ:「麗子さまは黙ってて下さいッ!!
・・・・さもないと、あの事、ヴァルナ様に告げ口しちゃいますよッ!!いいんですかッ!!」
麗子:「・・・・うぐっ!?」
レナの剣幕にたじろぐ麗子。
想像もしなかった展開に、優子は、しばしの間、呆然となった。
(14)
アム:「アハハッ!!さすがの麗子サマもカタ無しねぇ!!
・・・・ま、そりゃあ、ヴァルナ様に黙ってあんな事してるのがバレちゃったら、
いくら麗子サマでも、お城に居られなくなっちゃうかもしれないけどねぇッ!!」
今まで黙って様子を眺めていたアムが小悪魔的な笑いを浮かべて囃し立てる。
完全に黙り込まされてしまった麗子を尻目に、一気にまくしたてるレナ。
(15)
レナ:「・・・・優子さん。誤解の無いように言っておきますが、私、あなたの事はとても尊敬しています。
でも、麗子さまだけは譲れません・・・・あなたであれ、他の誰であれ・・・・!!」
決定的な宣言が、それに続く。
『愛してるんです、麗子のことを』
(16)
優子:「・・・・!!」
レナ:「・・・・だから、今ここで、私と勝負して下さい。
正々堂々、一対一の勝負を。
もし、わたしが負けたら、麗子さまの事は諦めます。
・・・・でも、もし、わたしが勝ったら、その時は、麗子さまを譲って下さいッ!!」
眦を決して言い放つレナ。その目は真剣そのものだった。
(17)
優子:「・・・・ちょ、ちょっと待って、レナッ!!
・・・・急に、そんな事言われたって・・・・第一、勝負って・・・・!?」
レナ:「わたしと優子さん、どちらが麗子さまにふさわしい女性か、麗子さま自身に決めて貰います。
・・・・では、優子さん、参りますッ・・・・いざッッッ!!!!」
優子の意志など完全に無視して、戦いの咆哮を上げるレナ。
懐から取り出したのは、何と、ファンタズム・ジュエリーだった。
(18)
レナ:「バトル・チェンジッッッ!!!!」
気合一閃、レナの身体が、ファンタズム・ジュエリーの放つ白い輝きに包まれる。
・・・・次の瞬間、優子の前には、ブルーを基調とした「ヴァリスの鎧」に身を包んだ戦士の姿が現れていた。
(19)
レナ:「これで、パワーは互角。・・・・行きますよ、優子さんッ!!」
優子:「・・・・ちょ、ちょっと、待ってよ・・・・うあああッ!?」
全力で突っ込んできたレナをかわし切れず、床に押し倒されてしまう優子。
息つく間もなく、夢幻界の少女の身体が覆い被さってくる。
(20)
優子:「むぐっ!?ううっ・・・・んむぅッ!?」
強引に唇を奪われ、ショックに目を白黒させる優子。
驚きのあまり、意識が飛びそうになる。
しめた、とばかりに、レナは、鮮やかなピンク色をした舌を繰り出すと、
半開きになった口腔内に捻じ込んで、柔かくスベスベとした粘膜を執拗に舐めしゃぶった。
(21)
優子:(な、何ッ!?・・・・この娘のキス・・・・わたしの弱いところばっかり・・・・ふあぁっ!!)
レナ:(フフフ・・・・優子さんの弱点は、全部、麗子さまから聞き出してあります。
口の中だけじゃなくて、他の場所もぜ〜んぶッ・・・・!!)
優子:「・・・・ひいっ!!うああああああッッッ!?」
弱点を知り尽くしたレナの責めに防戦一方となる優子。
・・・・一方、麗子の方もまた・・・・。
(22)
アム:「あははは、ダメですよ、麗子さまッ。一対一の闘いに手を出すのは反則です。
そんな事考える悪いコには、あたしがお仕置きしちゃいますからッ!!」
麗子:「ひぁっ!!ア、アムッ・・・・そこはダメぇッ!!」
アムに組み敷かれ、床に四つん這いになる麗子。
下半身を覆っている、レオタードに似た形状の衣服の股布部分が捲り上げられ、
キュッとすぼまった、愛らしいお尻の穴がカオを覗かせた。
(23)
優子:「・・・・いやぁっ・・・・や、やめてッ・・・・そこ・・・・弱いのォッッッ!!!!」
麗子:「・・・・んあああっ・・・・ダメ・・・・そんなに激しく・・・・・吸っちゃダメぇッッッ!!!!」
麗子直伝の秘術を駆使して、着実に優子を追い詰めていくレナ、
師をも凌ぐ淫乱さを武器に麗子の身体を弄ぶアム。
姉妹の攻撃を受けた二人の「戦士」は、
反撃の糸口すら掴めないまま、あられもない悲鳴を上げ続けるしかなかった。
(24)
・・・・しばらく後。死闘は未だ続いていた。
レナ:「・・・・なかなかやりますね、優子さん。
・・・・私のテクにここまで耐えたのは、麗子さま以外では、あなたが初めてです」
アム:「フフフッ、どうしたんですか、麗子サマ?
お尻の穴がヒクヒクしてますけど、もうイッちゃいそうなんですか?」
ハァハァと荒く肩で息をする、レナ・アム姉妹。
対する優子と麗子の消耗はそれ以上だったが、
二人とも、絶頂に達する一歩手前ながら、よく踏み止まっている。
(25)
麗子:「・・・・ううう・・・・ま、負けないで・・・・優子・・・・」
優子:「・・・・んぁっ!!・・・・くっ・・・・大丈夫・・・・わたしは・・・・絶対に・・・・」
押し寄せる快感に必死に抗いながら、互いを励し合う優子と麗子。
形勢的には、圧倒的に有利を確保していたものの、
気圧されているのは、今や姉妹の方だった。
(26)
レナ:「・・・・くううッ・・・・このままじゃ、いけないッ!!
・・・・こうなったら、一気に決めるしかないッ!!アム、準備して!!」
アム:「OK、姉さんッ!!いつでもいいわ!!」
背面座位の態勢で抱きかかえた二人の獲物を、向かい合わせにする姉妹。
予想通り、絶頂寸前の快楽に喘ぐパートナーの姿を目の当たりにした優子と麗子は、
ひときわ激しい興奮に苛まれて、蜜壷から熱い飛沫を噴き上げる。
(27)
優子:「・・・・あああッ!!麗子ッ・・・・・麗子ォッッ!!!!」
麗子:「ひぎぃいいッ!!優子、わたし・・・・わたし、もうダメェェッッッ!!!!」
高々と愛液を吹き上げながらも、必死に意識を保ち、互いの名を呼び合う優子と麗子。
力など全く入らない筈の腕を懸命に伸ばして、相手を求め合う。
震える指先が、相手の指に触れた、と感じた、その瞬間・・・・!!
二人の中で何かが弾けて、真っ白な光が全ての感覚を飲み込んでいった――――。
(28)
レナ:「うあっ・・・・ああんッ!!ゆ・・・・許して下さいィィィッ!!」
アム:「アアアッ、麗子様ぁ・・・・もう限界ですッ・・・・これ以上は・・・・ヒィィィッ!!」
麗子:「・・・・フンッ、二人ともだらしないわね。そんな事じゃ、まだまだ正式な「戦士」とは認められないわよ!?」
スースーと静かな寝息を立てている優子の傍らで、
甘い悲鳴を上げながら、ビクビクと身体を痙攣させるレナとアム。
・・・・そして、鬼の形相で二人を責め立てている麗子。
(29)
麗子:「・・・・ったく、もう。二人とも、試験は落第よ。明日からはまた修行のやり直し。
私が、一から叩き直してあげるから、覚悟しときなさいッ!!」
レナ:「ヒィィィッ!!そんなぁ、先にイッたのは優子さん達の方なのにィィッ!!」
アム:「そうよそうよッ!!ルールを勝手に変更するなんて、麗子様ったら何て横暴なの・・・・!!」
――――より上位の「戦士」を一人指名し、彼女と、一対一で戦って打ち克つ事、
それが、古来から夢幻界に伝わる「戦士」への昇格試験だった。
なお、戦いの手段は挑戦者に任されているため、今回のような性技による攻防も一応は認められている
・・・・認められているだけで、実際にその方法が用いられたのは、今回が初めてだったのだが。
(30)
麗子:「・・・・やかましいッ!!私の優子を、やりたい放題散々弄んでおいてッ!!
これが昇格試験じゃなかったら、タダでは済まさなかった所よッ!!」
こめかみにぶっ太い青筋を浮き立たせ、教え子達に鉄拳を振るう麗子。
・・・・どのみち、タダで済ませる気など無いらしい。
レナ:(・・・・ど、どうしよう・・・・麗子さま、本気で怒ってるわ・・・・)
アム:(・・・・な、何よ、麗子様だって、最初にこの話を持ちかけた時は、
ノリノリで、『優子とのエッチも最近マンネリ気味だから、時々趣向を変えてみるのもいいわ』なんて言ってたくせにッ!!)
・・・・姉妹の悲鳴まじりの嬌声は、いつ果てるとも無く続いたのだった・・・・。
<完>
以上、即死防止SSをお送りしました〜。
いささか物足りないと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、
その分は、現在執筆中の「優子inレオタード」第4章〜恥辱レッスン編〜に、
注ぎ込んでいますので、どうかご容赦下さいませ〜〜。
>>ARCH DUKE 様
乙でした〜!レオタード編も楽しみにしてます。
>>5 + +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワク
(0゚∪ ∪ + テカテカ
と__)__) +
>読者の皆様
今後の方針について、御意見をお願いしたく存じます。
前スレ
>>659において、ご指摘を受けている点についてなのですが、
「ヴァリスの戦士」としての優子の戦いとその中におけるエロに重点を置く作品と、
一人の女子高生としての優子としての日常とその中におけるエロに重点を置く作品では、
いま現在、主にどちらを読みたいとお考えでしょうか?
正直、私自身、今後どのような作品を執筆していけばよいのか、
迷いを感じている部分もございますので、
どうか忌憚の無いご意見をお聞かせ下さいませ。
>>41 同板別スレで書かせてもらっている者です
私も同じ事を以前やりましたが、そのスレの住人の皆様からは
「××のシーンが入っているからいいんじゃないか」というお言葉を頂き
完結させる事ができました
(この時は××での陵辱シーンとそれ以外の陵辱シーンが0.5:9.5ぐらい)
このスレでARCHさんの作品を見たがっている人は、多いはずですし、
とりあえずレオタード編は既定路線を堅持しつつ鎧姿での陵辱等のシーンも
どこかに入れる、という形はいかがでしょう?
個人的には、無理に鎧姿のシーンを入れる必要はないんじゃないかなー、と思ってます。
ARCH DUKEさんは、今までに鎧姿での作品を書いてきていらっしゃるわけですし、
変化球があってもいいかな、と思います。
「ヴァリスの戦士」であるというエッセンスは効いているわけですし。
>>41 ARCH DUKE氏はスレ内での要望に応えて書いているので問題ないかと。
実際、発表したSSに必ず反応があるわけですしね。
1番いいのは、スレ内で要望があり、
なおかつARCH DUKE氏が書きたいものを発表してくれることだと思っていますから。
ちなみに、俺は戦士としての優子(の陵辱)が好きで、
女子高生の優子には興味は無いです
というわけで、せっかく書いていただいていますが、
今作では感想を書くということはしていません。
てか無理に感想を書く方とかえって失礼かと思いますし。
なにもスレに寄与できないくせに申し訳ありませんが。
それは了承してください
>1
新スレおめでとうございます&スレたて乙です!
>ARCHDUKEさま
SS二つもお疲れさまです。レオタ編はコーチのモデルがあの人だそうですが、
優子はエッチで生気を抜かれてシオシオになってしまうのでしょうか?
エッチ描写も好きですが、そういうピンチシーンも大好きなので続きが楽しみです。
即死防止SSも初登場の二人が大活躍ですね。
イメージ的に弱そうな二人がまさか優子&麗子をやってしまうとは思いませんでした。
掛け合いが楽しかったです。
>鎧姿リクエストについて
ARCHDUKEさまが作品作ってくれるだけで嬉しいですけどw
どちらかというと戦士の鎧…というか非日常世界のほうが好みです。
日常だと痴漢の描写とか生々しくて引いちゃったり…。
でも今回のレオタード編はスレの長さを考えたら番外編のような存在ですし、
優子さんの可愛さを引き立たせるアクセントとして充分楽しませていただいております。
「普段か弱い女の子が、異世界で怪物相手に健気に戦う。」コンセプトを引き立たせるためにも、
普段のか弱さを認識する機会があっても良いのではないでしょうか?
とりあえず保守
皆様、御意見有難うございました。
検討の結果、現在執筆中の「優子inレオタード」は、
全5章完結予定のところを第4章(現在執筆中のパート)で完結させ、
次々回からは、「ヴァリスの戦士」としての優子が活躍する(そして、恥辱にまみれる)内容の
新作を発表していく事にいたします。
なお、今後、主に女子高生としての優子が日常の中で陵辱される内容の作品を発表する際には、
1話読み切りか、あるいは、長くても2、3話程度(執筆・発表の期間としては概ね半年以内)で、
完結させる事にいたします(今回のように、1年近くも引っ張るような事はいたしません)。
今後とも、スレの活性化と作品の質の向上に微力を尽くさせて頂く所存ですので、
御意見や御要望がございましたら、どうぞご遠慮なくお願い申し上げます。
優子の鎧がドロドロにされるシーンとか
読んでみたいです。
鎧と共に
優子のミニスカートを使ってしごくシーンとか
ちょっとフェチっぽく・・・なんてのはどうでしょうか。
>>47 期待してます〜。
スレの活性化に貢献したいけれど、何も出来ない自分がカナシス(´・ω・`)
>>47 一度決められたことですから仕方の無いことでしょうが、
せめて、今進展中の話を終わらせてからでも、
その決断を下されても良かったように思うのですが。
あぁ、恐らくはレオタード大乱交となるであろう第五章は
もう読めないのですね… 悲しいです…
前スレ659-660がこの決定をどう思うか、一度意見を伺ってから決めてもいい気がする。
今すぐの路線変更を要求しているという雰囲気でもなかったし。
ひょっとすると「長期的にこの流れになったら嫌」ぐらいの気持ちだったのかもしれない。
律儀にも職人さんが動いてくれたのだから、賛否どちらにせよ返事するべきじゃないかな。
>>50、
>>51 折角御期待を頂いていたのにも関わらず、
このような仕儀となってしまい、誠に申し訳ございません。
これまでに表明された読者の皆様の御意見を拝見したところ、
『なるべく早期に、「ヴァリスの戦士」としての優子が異世界で戦い、陵辱される作品を読みたい』
という考えをお持ちの方が増加傾向にある、という印象を抱いたため、
『(今年一杯)今の作品を書き続けるよりも、次の作品に取り掛かった方が良い』
という結論に至った次第です。
なお、第5章で予定していた内容(新体操部の上級生達によるレズ輪姦)は、
今後の作品の中で、(少し形を変えて)発表したいと考えています。
とりあえず保守
前スレで妖子関係上がってたんだね
気づくのが今更すぎだな
進捗状況報告〜〜。
「優子inレオタード」最終章は、現在進捗率約50パーセント。
状況的には、全身にクスリが回って強制発情状態に陥った優子タンの前で、
本性を剥き出し、ついでにヴェカンティに毒されている事も明らかになった、レズ・コーチが、
手足の自由を失った優子タンに変態的なポーズを取らせた上で、
上半身のレオタードをビリビリ引き裂いて胸を揉み回し、
足指から太腿までタイツごとペロペロ舐め回して、いよいよ秘貝合せに挑もう、といった所。
物語全体の結末シーンを付け加えねばならなくなった分、
文章量も執筆に要する時間も、当初の予定よりは多く必要になりましたが、
12月の上旬には、何とか完成出来そうな状況ですので、
発表までもう暫くお待ち下さいませ〜〜。
進捗状況〜〜。
「優子inレオタード」最終章は、現在進捗率約60パーセント。
女体同士の結合の前に、新体操の手具を用いた前戯シーンの描写を挿入したため、
未だ合体には至っていません・・・・が、もうすぐそこまで迫っている、という所まで書き進んでいます。
めでたくドッキング成功・絶頂到達の後は、
(前回のような直接介入という手段を封じられた)麗子による救出劇へと続く訳ですが、
ここでも少しエロ描写を含ませてみようと考えていますので、
全体として、冒頭から最後まで、ほぼ満遍なくHシーンを散りばめた章になる予定です。
発表まであと1か月、どうかご期待下さいませ〜〜。
ワクワクテカテカ AA(ry
超期待♥♥
楽しみ〜
60 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 21:13:03 ID:uwLuJ9D7
下がりすぎなのでageとくよ。
ネタがないので、せめて保守
>保守の皆様
いつも有難うございます〜。
>ALL
進行状況〜〜。
「優子inレオタード」最終章は、現在の進捗率約70パーセント。
クライマックス(優子連続絶頂)のシーンを書き終わり、
フィナーレの部分に取り掛かっています。
今回は特に絶頂シーンの描写に凝ってみました。
書き終わった後で改めて数えてみたところ、原稿用紙換算で30枚分以上あり、
もしかしたら、少しねちっこく書き過ぎたかな〜、と感じなくもないのですが・・・・。
ただ、少なくともボリューム感という点では、ご満足頂けるだろう、と思っています。
完成・発表まであと約3週間、もうしばらくお待ち下さいませ〜〜。
続きを楽しみにしつつ保守
>ARCHDUKEさま
連続絶頂&絶頂シーン描写に期待しております!
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
捕手
関係ないけど、今日深夜のNHKで世界体操選手権の放送があるそうで。
これでレオタード分を補給して小説の続きを待つか。
進行状況〜〜。
予定より少し遅れてしまいましたが、
「優子inレオタード」最終章は、本日、一応完成いたしました。
誤字脱字や誤った文章表現等、細部を修正するのに、
1週間から10日程度が必要となりますので、もうしばらくお待ち下さいませ〜。
>>67 見ました。
(全員が全員そうという訳ではありませんが)体操の女子選手は、
新体操の選手に比べて、明らかに筋肉質というか、ガタイがしっかりしているというか、
同じレオタード姿でも、印象が随分と違って見えますね〜〜。
ちなみに、最終章では、優子タンのレオタとパンストをビリビリ破いていって、
最後には全裸同然にした上で犯しています。
実際にはレオタードの素材は、見た目よりも遥かに丈夫で、
素手で簡単に引き裂く事など出来ないらしいのですが、
その点につきましては、どうか目を瞑って下さいませ〜〜。
わくわく
みんなもう少しだ
めっちゃ期待しております
ものがレオタだけに
ツルツルテカテカ
>>68 優子タンハアハアなコーチの手にかかれば、レオタードなど
紙も同然なのでしょうw
>>68 楽しみにしてました
推敲ガンガッテください
>(全員が全員そうという訳ではありませんが)体操の女子選手は、
>新体操の選手に比べて、明らかに筋肉質というか、ガタイがしっかりしているというか、
新体操はスタイルを維持するための食事制限が厳しく、
逆に器械体操は俊敏な動きのために筋肉質にならざるを得ないんでしょうね。
…筋肉質でボーイッシュな体操少女に襲われる優子タンってのもいいかも
待ちついでのチラシの裏。
ソウルキャリバーVで優子を作ろうとしたら、ミニスカートと肩当てがらしくない上にロングヘアが手に入らないorz
もうすぐかな?
皆様、大変長らくお待たせいたしました〜。
只今より「優子inレオタード」第4章の発表を開始いたします。
それでは、早速行ってみましょう〜〜!!
(1)
リアリティ。東京都三鷹市内某所。白影邸。
50畳はあろうかという板敷きの間。
床に敷かれた青色のフロアー・マットの上で、純白のレオタードを身に纏った少女が準備運動をしていた。
軽い体操、屈伸と伸脚を数回ずつ、腰や膝、足首といった関節の柔軟・・・・、
それらを、3回繰り返した後、今度は腕立て伏せと腹筋。
「・・・・ッ・・・・んッ・・・・はぅッ・・・・くッ・・・・」
軽めの運動にも関わらず、その額には皺が刻まれ、小さな汗の粒が幾つも滲んでいる。
パール・ホワイトの輝きに包まれた身体は、筋肉も関節も、申し分なく、柔かくしなやかで、
本来ならば、この程度の事で息を切らす筈など無い筈なのだが・・・・。
(2)
(・・・・んあッ・・・・ま、まただわ・・・・ア、アソコが・・・・くぅッ・・・・擦れて・・・・んふあぁッ!)
必死に歯を食いしばり、下半身を襲う感覚を堪えようとするレオタードの少女――――優子。
今にも泣き出しそうな視線の先では、その部分だけ灰色に染まった化繊の布地が、
太腿の間の、全身で一番敏感な領域をギリギリと食い締めている。
元より、レオタードという運動衣が考案された目的が、
女性の身体のラインが持つ美しさを最大限に引き出すためである以上、
ぴっちりと身体に密着しているのは当然の事なのだが、それにしてもこれはただ事ではない。
(・・・・うう・・・・脚を動かしただけで・・・・すぐに布地が食い込んじゃう・・・・!!
・・・・ど、どうしよう・・・・もうすぐ先輩が・・・・一体・・・・どうすればいいの・・・・!?)
電車の中で見知らぬ中年男の指戯によって散々に弄ばれ、アクメにまで導かれた上、
今また、飲み物に盛られた淫毒により、内側から発情に導かれつつある肉体にとっては、
股間を責め苛むその感触は、到底、堪え得るものではない。
素肌との間には、コーチの「特別のはからい」によって着用を許されたパンストが存在しているものの、
コンマ数ミリの厚みしかないナイロン製の薄布は、花弁の間から湧き上がる愛蜜によって濡れそぼった挙句、
今やレオタードの股布とほとんど一体化して、緩衝材としての役割など到底期待できない有様だった。
(3)
(・・・・と、とにかく・・・・食い込みを元に戻さないと・・・・)
単なる圧迫感や痛みであれば、何とか耐え抜けない事もないかもしれないが、
優子の下半身を包み込んでいる締め付け感は、
それらに加えて、じんじんするような疼きと悪寒のようなむず痒さを伴っていた。
(・・・・っ・・・・!?・・・・んッ・・・・ふあッ・・・・ああああッ・・・・!!)
天使の悪戯か悪魔の誘惑か、股間に食い込んだ股布を元に戻そうとして伸ばした指先が、
見えざる力に引っ張られるようにして、あらぬ方向へと逸れてしまう。
しなやかな指先が捉えてしまったのは、じっとりと露に濡れたナイロンの肌触り、
・・・・そして、その下から伝わってくる、火照りと震え、そして、信じられないほどの心地良さ。
――――ドクン、ドクン、ドクン・・・・。
心臓の鼓動が、次第に間隔を狭めていくのが自覚出来る。
こんな事をしてはダメ、今すぐ手を離さなきゃ、と焦れば焦るほど、
全身がカアッと熱く火照って、指を離す事も目を逸らす事も出来なくなっていく・・・・。
――――麻美が練習場の中に入ってきたのは、まさにその瞬間だった。
(4)
――――――――ガラガラガラッッッ!!!!
背後で、入り口の引き戸が、勢い良く開け放たれ、
初夏の陽光と共に入り込んできた一陣の清風が、少女の体に纏わり付いた陰気を吹き払う。
文字通り、跳び上がるようにして後ろを振り返った彼女の目に飛び込んできたのは、
艶やかな光沢感のあるローズ・ピンクのレオタードに着替えたこの屋敷の主の姿だった。
「――――すっかり待たせちゃったわね。ちゃんと準備運動してた?」
先日、体育館での練習に姿を見せた際には、上からトレーニング・ウェアを着込んでいたため、
優子が、レオタード姿の麻美と対面したのは、これが初めてである。
無論、あの日以降、新体操部の友人達から、写真誌や競技会の様子を録画したビデオを借りて、
敬愛する先輩の流麗なプロポーションと躍動感溢れる演技を目に焼き付けてきたのではあるが、
実際にこうして間近で目にするそのレオタード姿は、
写真や映像に撮影されたものとは比べ物にならない程の存在感に光り輝いていた。
(5)
すらりと伸びた長身の背丈に、キリリと引き締まった顔立ち。
ポニーテールに括ったナチュラル・ブラウンの直髪は、
新体操の選手にしては珍しく、団子状に結い上げたりせず、そのまま腰まで伸ばしている。
すっきりと通った鼻筋とペアを組むのは、引き結ばれた桜色の唇だが、
そこに浮かぶ落ち着いた微笑がアクセントとなって、ともすれば怜悧な印象を与えがちな表情を和らげていた。
しっかりとした充実感を感じさせるバストの膨らみ、
それとは対照的に、程よく引き絞られ、美しくくびれたウェストライン、
そして、急角度でV字型に切れ上がったレッグ・ホールから伸びる肉感的な太腿と、
見方によっては、非常にきわどいとさえ感じられかねない程豊かな、ヒップの稜線。
その身体を包む、濃い ピンク色のレオタードは、基本的な形状こそ、あまり違わないものの、
デザインもカラーリングも、大学生や社会人レベルの競技に用いられる本格的なタイプで、
とりわけ、胸元から背中にかけて螺旋状に巡らされた、メタリック光沢の数本のラインが、
優子が着用している純白のそれよりも、ずっときらびやかで大人びた雰囲気を醸し出している。
(6)
(・・・・はぁ・・・・凄い・・・・私なんか、逆立ちしたって敵いっこないわ・・・・)
目の前に現れた美神の化身には、ため息しか出てこない。
その肉体に備わった、妖艶と言っても過言では無いほどの魅惑的な雰囲気は、
高校生レベルとしては全く申し分ない水準にあるとはいえ、
女性としての成熟度において、彼女とは比べるべくもない優子には、
(現時点では)いくら望もうとも、手に入る可能性など皆無のものばかり
・・・・あまりにも激し過ぎる格差に、嫉妬する気さえ起こらなかった。
(唯一対抗できるとしたら、ヴァリア様ぐらいかしら・・・・?)
ぼんやりとそう考えかけて、優子は、再び、自嘲にかられた。
周囲の同性――――家族や友人、麗子をはじめとする夢幻界の面々――――の誰を思い浮かべてみても、
これほどまでに肉感的な、大人の魅力に満ち溢れた肉体の持ち主は見当たらないのは事実だが、
だからと言って、数千年の時を生きてきた異世界の女王と、
現実界の母校の先輩とを引き比べてみる事自体、ナンセンス極まりない発想であるのは間違いない。
――――こんな突拍子も無い事しか思いつけないなんて、やっぱり、私はまだ子供なのね。
・・・・そう、口の中で呟きを漏らした少女は、
しかし、麻美のラベンダー色の瞳が自分を冷たく吟味している事に、全く気付いてはいなかった。
(7)
(見たところ、まだ足がフラついてる訳でもないみたいね。
なかなか頑張ってるじゃない・・・・それとも、コーヒーに入れたクスリの分量、間違ってたのかしら?)
観察と推理とを繰り返しながら、レズビアンの女子大生は、
目の前の後輩の状況を冷酷に分析し、次の一手を思案する。
効き目を現わすのは遅れ気味とはいえ、パール・ホワイトの薄布越しに漂ってくる汗の匂いが、
すでに、甘酸っぱい、を通り越し、甘ったるい、と言わなければならない状態に陥っている事からも、
また、おそらくは無意識的なものだろうが、丁度腰の部分の前を隠すような形で重ねられた両手首が、
小刻みにヒクヒク震え続けている事からも、媚薬の力は着々と肉体を蝕み続けている事が伺えた。
――――ならば・・・・どうする?
(多少時間はかかっても、どのみち結果は動かない筈だけど、
クククッ、ま、たまには、薬に頼らないのも良いかもしれないわねぇ・・・・)
小さく喉を鳴らしながら、口の中に湧き出してくる生唾を嚥下する。
事前に立てた計画では、目の前の少女は、自分が練習場の中に入室する頃には催淫剤が全身に行き渡り、
発情のあまり、正気を保つ事すらおぼつかなくなっている筈だった。
だが、現時点においては、薬剤の効果は着実に現れているとはいえ、
彼女の理性を完全に崩壊させるまでには至っているとまではとても言えない。
(・・・・それならそれでいい。計画の一部を現状に合わせて手直しすれば良いだけの事だわ)
(8)
「ちゃんとカラダはほぐしてあるようね、感心感心。
・・・・じゃあ、早速レッスンを始めるから、こっちへ来て頂戴」
麻美が優子を手招きしたのは、
壁際に設置された2メートル四方はあろうかという大きな一枚鏡の前だった。
いよいよ憧れの先輩との一対一でのレッスンが始まるのだ、と、内心ひどく緊張しつつ、
蒼髪の少女は、妙に内股気味の走り方で、急いでその傍に駆けつける。
「・・・・そうね、まず、"MGキック"をやって貰えないかしら?
ただし、なるべくゆっくりと・・・・可能ならば、キックの状態で体を静止させて。どう、出来るかしら?」
"MGキック"とは、幾つかある新体操の基本姿勢の中でもやや難度の高い部類に属すフォームで、
ブリッジの要領で背中を床に向けて体を反り返らせた状態から、
片方の脚を蹴り上げて、天井に向け高々と突き上げる、という技である。
正しいポーズを決めるためには、持久力と瞬発力の両方を兼ね備えていなければならず、
成る程、下半身の筋肉の動きを確認する、という(表向きの)目的のためには、理想的な方法だった。
(9)
「・・・・・・・・」
少女の顔色が、みるみるうちに真っ青に変わり、続いて、真っ赤に染まっていく。
その様子を気取られないように盗み見ながら、にんまり、と狡猾な笑みを浮かべる新体操コーチ。
"MGキック"を完成させるためには、まずブリッジの姿勢を取らねばならず、
続いて、片足を蹴り上げて、ピン、と、真っ直ぐ垂直に突き上げねばならない。
そうなれば、今この瞬間も、膣壁の間からじゅくじゅくと滲み出している愛蜜にジットリとまみれた、
あさましい股間の有様を曝け出す事になってしまうのは明白だった。
「・・・・え・・・・えぇと・・・・その・・・・わ、わたし・・・・」
咄嗟に、『"MGキック"は初めてで・・・・』という言い訳が脳裏をかすめたものの、口にする事は出来なかった。
先日、麻美が、コーチ着任の挨拶にきた折りに、バー・レッスンとそれに続く"個人指導"の後、
たしか"MGキック"の練習もしている筈である。
にも関わらず、これまで一度もした事が無い、などと言っても、信用しては貰えないだろうし、
むしろ、どうしてそんな嘘をつくのか?と、怪しまれてしまうのがオチだろう・・・・。
(10)
「"MGキック"、この前もやってたわよね?なかなか良いフォームだったのを覚えてるわ。
・・・・ああ、空中で技を止めるのが難しい、という訳ね。
だったら、私が手を貸してあげるから、とにかく一度、やってみせて頂戴」
追い討ちをかけるように一気に畳み掛けられ、
進退窮してしまった優子は、思わず、天を仰ぎ、
・・・・そして、麻美の言葉を反芻して、ぎょっ、とした表情になった。
(・・・・『手を貸してあげるから』って・・・・あああ・・・・そんな・・・・)
脳裏に蘇ったのは、先日の体育館での出来事の記憶。
引き絞られた弓のように、ピン、と張り詰めた自分の身体の上を、ゆっくりと滑り下りていった先輩の指先、
あたかも魔法の杖の先でなぞられたかのように、触れられた部分の皮膚が熱を帯びて、
不可思議な痺れと疼きに包み込まれていく、白昼夢のような体験・・・・。
少女の心臓が、ビクン、と跳ね上がり、
あぁっ、という、かぼそい呟き声が零れたかと思うと、
目の前の景色が、グルリ、と一回転して、途方も無く不快な感触が頭の中を掻き回す。
膝頭がガクガクと砕け、足首がゼリーのように溶け流れるような感覚に襲われた次の瞬間、
グラグラッと傾いだ彼女の体は力無く崩れ、マットレスの上へと沈み込んでいった・・・・。
(11)
(・・・・カ・・・・カラダが・・・・あつ・・・・い・・・・ち・・・・からが・・・・はいらない・・・・)
はぁッ、はぁッ、と大きく息を弾ませる優子。
全身に回った淫薬にからめとられて、すでに腰から下にはまるで力が入らない。
座り込んでいる事さえ困難になった少女は、力尽きたように青いマットレスの上に倒れ込み、
呆けたような虚ろ目で、照明灯の青白い光に浮き上がる、天井板の木目をぼんやりと見上げた。
(・・・・ダメ・・・・先輩が・・・・見てる・・・・はやく・・・・立ち上がらないと・・・・。
・・・・あああ・・・・で、でも・・・・動かない・・・・い、一体・・・・どうしちゃったの・・・・私のカラダ・・・・!?)
涙でふやけた瞳はすでに視力が弱まり、焦点すら合わせづらくなっている。
ぼやけた視界に黒い影が落ちてきて、かろうじて倒れた自分を麻美が覗き込んでいる事は判ったものの、
口元から吐き出す事が出来たのは熱と湿気を多分に含んだ空気の塊だけで、
助けを求める言葉は、どれだけ頑張っても声にはならなかった。
(12)
「・・・・あら、残念。これからって所で、おクスリが効いてきたみたいね。
クククッ、でも、折角だし、"MGキック"は見せて貰おうかしら・・・・?
・・・・勿論、その様子じゃあ、手助け無しでは絶対にムリでしょうけどねぇ・・・・」
とろん、とした目つきで、幻覚と現実の境界線上を彷徨っている優子。
その上に屈み込んだ麻美の美しく整った唇は禍々しい笑みに満ち溢れている。
だが、すでに意識と呼び得るもののほとんどは喪失してしまっている蒼髪の少女は、
それに気付く事なく、力無くたるんだ口元から、くぐもった音を漏らし、
懸命に自分の窮状を伝えようと足掻き続けていた。
「・・・・フフフ、なぁに?よく聞こえないわ。もっと大きな声で話して貰えないかしら?」
侮蔑の感情を満面に湛えつつ、純白のレオタードに手を伸ばす、同性愛嗜好者。
滲み出した汗によって、しなやかな身体にピチピチと張り付く、ナイロン繊維の感触を楽しみつつ、
性感帯の位置に沿い、ゆっくりとした愛撫を送り込んだ。
たちどころに返ってきた敏感な反応にさらに気を良くして、より入念な刺激を送り込んでやると、
微細な感触に昂奮して、胸の脹らみ、とりわけその頂き付近が怪しげなひくつきに覆われ始める。
ムクムクッと勃起した乳首の姿は、ニップレスのお陰で、かろうじて隠蔽されていたが、
結果から言えば、その事実は、優子の身にさらなる災厄を招き寄せただけだった。
(13)
「・・・・あらあら、いけないコねぇ。
アンダーは『全部』外して来なさい、と、あれほどきつく言っといたのに。
いくら可愛い後輩でも、これは、ちょっとお仕置きが必要よねぇ・・・・」
そう呟いた麻美は、胸乳をまさぐっていた手を一旦止めて、獲物の傍から離れていく。
どうにか視力だけは取り戻せたものの、依然として手足の動きを封じられたままの優子は、
やむなく、目だけを必死に動かしてその行く先を追いかけ、
・・・・そして、戻ってきた彼女の手に握られた裁縫用の鋏に、掠れかけた叫び声を上げる。
(・・・・せ、先輩ッ!!・・・・そ、それは・・・・一体ッ・・・・あああッ!!)
怯えすくむ少女の様子がいたく気に入ったらしく、
女切り裂き魔は、嬉々として、再度その細指を胸元へと伸ばしていく。
もっとも、今回の標的は、適度な大きさと弾力に恵まれた柔乳ではなく、その上を覆った薄い布きれの方であり、
凶器となるのは自分の指ではなく、反対側の手に握られた鋏だったのだが。
乳首を隠蔽する邪魔な細片もろともに、伸縮性のある化繊の薄布が、ググッ、と引っ張り上げられ、
恐怖に凍りつく後輩の目の前で、裁ち鋏の先端が鈍い銀色の輝きを発する。
ニップレスに沿って、白い布地が、まるで出来損ないの切り紙細工のように醜く刻まれていくにつれ、
未だ発育の途上ながらも、すでに充分見栄えのする乳房も、その頂きで震えている小さな薄桃色の乳頭も、
冷たく歪んだラベンダー色の瞳の前に、容赦なく暴き出されてしまった。
(14)
(・・・・あ・・・・あああ・・・・なぜ・・・・こんな事をッ・・・・!!)
無残に抉り取られた純白のレオタードから頭を突き出した胸乳を弄ばれ、顔を引き攣らせる優子。
しかし、太腿の間では、じゅん、という湿った水音が漏れ、
トロトロに蕩けた花弁の奥から、ヌルヌルとした半透明な蜜液が溢れ出している。
保水力の限界に達していたパンストには、それを吸収しきる余力は到底無く、
最後の防波堤たるレオタードの股布も、似たり寄ったりの惨めな情況を呈していた。
――――じゅるッ、じゅるるッッッ。
愛液の奔流は、縁に細いゴムの入ったレッグ・ホールを掻い潜り、
適度な弾力としなやかさを内包した太腿へと滲み出していく。
それは、少女の心と身体が、麻美の巡らせた周到な罠に完全に絡め取られてしまった証であり、
とりわけ、その欲望が、理性の束縛など、ものともしなくなった事実を雄弁に物語るものに他ならなかった。
未だ、自制心も羞恥心も、意識の中から完全に消えて無くなったという訳ではないものの、
それらは、すでに昂ぶり狂う欲情を押し留めるにはあまりにも無力な存在に過ぎなくなっていたのである。
(15)
(・・・・ああ・・・・センパイ・・・・ど、どうして・・・・ううっ・・・・い、いやぁっ・・・・もう、触らないで・・・・!!
・・・・んあぁっ・・・・やめて・・・・やめて下さい・・・・あああっ・・・・もう、やめてぇッッッ・・・・!!!!)
悲痛な懇願など意に介さず、麻美は、レオタードから頭を出した胸丘を、徐々に力を加えつつ、揉みしだく。
打ち上げてくる官能の大波に全身を掬われ、全身を激しく痙攣させた優子は、
それと前後して、洪水の如く押し寄せてきた既視感に、声にならない悲鳴を張り上げた。
――――周囲から隔絶された密室・・・・。
――――言葉も動きも封じられた自分・・・・。
――――敵意と欲望をむき出しにして、迫ってくる人間・・・・。
・・・・状況は違えども、自分は、以前にも、これと同じ経験をしていたのではなかったのか・・・・?
(・・・・・・・・ああッ・・・・そ、そんな・・・・まさかッ・・・・!!!!)
――――つい2ヶ月ほど前、あの、体育用具室の中で・・・・。
(16)
(・・・・そ、そんな・・・・うそ・・・・嘘でしょ・・・・白影先輩がッ・・・・!!)
全身を走り抜ける巨大な衝撃、
・・・・それは、間断なく押し寄せる悦楽の波動すら忘れさせる程の、激しい恐怖感だった。
必死にかぶりを振って否定を試みる優子・・・・だが、次の瞬間、大きく見開かれた彼女の双眸は、
目の前で揺れるピンクのレオタードから、どす黒く濁った得体の知れない妖気の塊が立ち上るのを捉えていた。
(・・・・<ヴェカンタの炎>・・・・ああッ・・・・こんな・・・・こんな事ってッ・・・・!?)
震え慄く唇の間から弱々しい喘ぎが漏れた途端、
麻美の身体に絡みついた瘴気のかたまりは、邪悪な輝きをひときわ強く燃え立たせ、
あたかも、あらゆる抵抗の術を失った、少女の惨めな有様を嘲笑するかの如く、猛り狂う。
時を同じくして、罠にかかった美しい獲物の姿に見入っていた麻美の瞳もまた、
澄んだラベンダー色から毒々しく燃え盛る業火の炎色へと変貌を遂げていた。
・・・・凍てついた氷の刃と化した絶望感が、優子の心臓を深々と抉り、串刺しにする。
(17)
(・・・・い、いやぁッ・・・・こ、来ないで・・・・!!・・・・あああッ・・・・た、助けてぇッ!!)
あまりのおぞましさに我を忘れ、無我夢中で麻美の体を押し退けようとする優子。
しかし、魔薬によって完全に呪縛されてしまった身体は、
どれだけ必死に命じようとも、ピクリ、とさえ動かない。
しばらくの間、冷然とその様子を眺めていた麻美は、やがて、酷薄な笑みを浮かべると、
赤黒く輝く<ヴェカンタの炎>を纏わり付かせた指先で、少女の華奢な右足首を絡め取った。
(・・・・ひぃっ・・・・嫌ぁッ・・・・は、放してッ・・・・!!
・・・・あああ・・・・だめぇッ・・・・お願い・・・・もうやめてぇッッ・・・・!!)
怯えすくむ獲物の傍らに腰を下ろした女狩人は、目の前のしなやかな右脚を抱え上げると、
じっとりと汗に濡れたストッキングを指の先でなぞり上げながら、
その表面に顔を寄せて、芳醇な匂いを鼻腔一杯に吸い込み、満喫する。
生理的な嫌悪感に苛まれつつも、生温かい鼻息の感触に、ビクビクッ、と、鋭い反応を返した右足は、
大腿の付け根から爪先までが、ピーンッ、と一直線に伸びて、天井に向かってあさましく突き上がっていった。
(18)
「・・・・フフフ、な〜んだ、やる気になれば、簡単に出来ちゃうじゃないの。
ま、ちょっと不恰好ではあるけれど、一応、"MGキック"の型にはなってるしねぇ、クックックッ・・・・」
侮蔑に満ちた口調で、囚われの少女を嬲る新体操コーチ。
・・・・確かに、今、彼女の身体は、胴体が完全なブリッジの態を成していない点を除けば、
"MGキック"のフォームをほぼ再現していた。
自由の利かない体を人形のように弄ばれる事が口惜しく、情けなく感じられて、
両方の目に溢れんばかりの涙を溜め込む優子、
・・・・だが、淫乱コーチによる恥辱のレッスンはまだまだ始まったばかりだった。
「・・・・うっ・・・・うう・・・・んっ・・・・うくっ・・・・んんんッ・・・・!!」
食いしばった口元から漏れる、くぐもった呻き声をバック・コーラスに、
麻美は、ほぼ垂直に近い角度でそそり立った目の前の右脚を、
ストッキングの繊維もろとも、丹念に舐め回していく。
シューズを剥ぎ取られて弱々しく空中を泳ぐ繊細な足指、若鹿の如くスラリと伸びた美しい脹脛、
一見、華奢のように見えるが、その実、しっかりと中身の詰まったピチピチの太腿・・・・。
淫蕩極まりない口唇愛撫の洗礼は、それら全てを貪欲にしゃぶり尽し、
よく引き締まった健康的な乙女の美脚は、あっという間に半透明な唾液で塗り潰されていく。
(19)
(・・・・うッ・・・・あッ・・・・い・・・・いやぁッ・・・・!!
・・・・ひぐッ・・・・うああッ・・・・そ・・・・そこッ・・・・舐めちゃ・・・・ひあああッ!!)
巨大な津波と化して、再び盛り返してくる淫靡な感触。
その衝撃で、恐怖のため、一時的に麻痺していた感覚が一気に回復していく。
それと前後して、全身に行き渡った催淫剤の成分に対して、
抗戦を諦め、順応を選択する体内器官が大幅に増え始め、
抵抗の放棄と引き換えに、抑え込まれていた身体の機能が相次いで息を吹き返していった。
「・・・・んあああッ・・・・ダ、ダメェッ・・・・!!
・・・・か、感じる・・・・感じちゃうッ・・・・ヒィッ・・・・い、いやぁッ・・・・もう・・・・だめぇッッッ・・・・!!」
久しぶりに声を取り戻した口元から、銀色に輝く涎の飛沫と一緒に、紛れも無い嬌声が迸った。
抑圧され続けていた反動からか、ほとんどの器官が、自由を取り戻すや否や、
放埓な性の衝動に身を任せて鬱積したストレスを吐き出しにかかり、
それが更なる性感を誘発して、優子の体内に性欲の無限連鎖を完成させてしまう。
身体中で噴出した快感により、少女の全身は真っ赤に染まり、生汗で飾り立てられた上、
両脚の間の恥ずかしい場所からは、失禁でもしたかのような大量の吐淫を垂れ流していた。
(20)
「クククッ、タイヘンねぇ・・・・アナタのあそこ、おツユの栓が壊れちゃったんじゃない?」
ヌラリとした鈍い光沢を放つレオタードの股布部分を、人差し指の先で、つうう〜〜ッ、と、なぞり上げると、
途端に、優子の腰は、ギクギクッ、と、鋭く硬直して、高々と突き上がる。
ポニーテールを揺らしつつ、甲高い笑い声を上げた麻美は、
多量の水分を吸って、肌との密着度を極限まで高めた挙句、
大陰唇の形状をくっきりと浮き上がらせるまでになっているその場所を興味深そうに覗き込んだ。
「・・・・ひぃッ・・・・一体・・・・な、何を・・・・!?
・・・・ああッ・・・・だ、だめッ・・・・そんなこと・・・・い、いやぁぁぁッッッ!!!!」
引き攣った悲鳴が、涎まみれの口元を激しく歪ませる。
ビクンッ、ビクンッ、と不規則に痙攣する太腿を抱きかかえた性悪女は、
こちらも負けてはいられないとばかりに卑猥なダンスを跳ね踊る腰を掻き寄せた上、
先程太腿に対して行ったのと同様に、ベトベト状態の股間に鼻先を近付け、香しいその臭いを嗅ぎ回した。
恥ずかしさで卒倒しそうな表情の後輩少女に聞かせるため、わざとらしく喉を詰まらせ、咽せ返ってみせると、
極限に達した羞恥の感情が被虐の快感となって背筋を駆け巡り、目元に溜った涙が堰を切ったように溢れ出す。
(21)
――――――――ジュルッ!!ジュルジュルッ!!ジュルルルゥゥゥッッッ!!!!
そのまま目の前の恥丘にむしゃぶりつく麻美の唇。
膣壁の奥から湧き出してくる愛蜜によってビチョビチョに濡れまみれ、
まるで粘膜と一体化したかのように隙間無く張り付いているレオタードを、唇と舌先とで卑猥に捏ね回しながら、
上下の前歯を使ってしごき立て、あるいは、前歯を軽く立ててこそいでいく。
「・・・・ひあああッ!!・・・・いぎぃッ・・・・ひっ・・・・ぎひぃいいいッッッ!!」
唇が、舌先が、歯が、入れ替わり立ち代り、充血して厚味を増した秘裂の谷間を執拗に嬲るたび、
優子の下半身には気が狂いそうな程の快感が押し寄せる。
濃厚な牝汁の滴る化繊の生地を咥え込まれて、グググッ、と引っ張られると、
ぷっくりと隆起した大陰唇の上端にカオを覗かせていた勃起陰核の包皮までもが一緒に捲れ上がり、
極限まで感度を増した真珠玉が、ピュクンッ!!と、勢い良く跳ね起きてしまう。
目ざとくそれを見つけたレズ女が、真上からヌルヌルとした唾液を垂らしつつ、
細長く尖らせた舌の先端を器用に駆使して優しく突付いてやると、
雷に打たれたかのような衝撃が少女の全身を激しく打ち震わせ、上下の口から悲鳴と愛液とを噴出させた。
(22)
「どう、優子、このままイキたい?
・・・・それとも、もっともっと気持ち良くなってからイク方がいいかしら?」
優子と自分自身の体液によって淫猥に彩色された口元から発せられる、
追い詰めたネズミを嬲り殺しにする性悪猫のような粘ついた笑い。
だが、もはや呼吸すらままならない状態にも関わらず、
蒼髪の少女は、最後の気力を振り絞って、淫靡な降伏勧告への拒否を貫き続けていた。
「ふぅ〜ん、それだけ息が上がっちゃってるのに、まぁだ余裕があるってワケ?
・・・・クククッ、貴女って、本当に頑張り屋さんなのねぇ。
オーケー、分かったわ。じゃあ、降参する気になるまで、とことん楽しませてあげる・・・・」
言い終わるや否や、淫乱コーチは、練習場内を見回して、使えそうな品々を物色する。
目を止めたのは、ロープにリボン、それに、クラブといった、いずれも新体操に用いられる手具の類
・・・・だが、その用途は、まかり間違っても、演技指導などではあろう筈が無い。
硬直しきった表情の少女を冷たく一瞥した麻美が、どす黒い笑顔を一層凶悪に歪ませたかと思うと、
一度は引っ込みかけていた<ヴェカンタの炎>が、再度、背中からメラメラと立ち上って、
暗紫色の不浄な光が、練習場の中を不気味に照らし出した。
(23)
「――――うはぁッ・・・・くッ・・・・はぐっ・・・・あうう・・・・んうぅッ・・・・」
バー・レッスンに用いる可動式の支柱に括られた両足が、ピクピクッ、と引き攣るたび、
しなやかな太腿にへばりつくようにして垂れ下がったストッキングの残骸が、力なく揺れ動く。
支柱の高さは1メートル強、丁度、肩甲骨から上が床に着く程度に調整されているため、
ほんの少し目線を上げただけで、剥き出しになった胸丘越しに、
散々に弄ばれ、唾液と汗と愛汁によってズブ濡れになった己の股間を目の当たりにする事になる。
未だ、その部分だけは、(少なくとも、外見上は)目立った破損も無く、原形を留めているものの、
周囲の薄布は、容赦なく切り裂かれ、破られて無残な姿を晒している。
その代わりに、優子の身体を飾り立てているのは、
支柱に縛りつけられた二本の美脚を割り広げ、屈辱的な大開脚の姿勢を強要するロープと、
同じように、バンザイの格好で大きく左右に開かれた格好の両腕を拘束しているリボンだった。
どちらも、新体操に用いられる手具の一つであり、
伸縮性に優れた新素材を用いて流麗な演舞を実現できるようにした物だったが、
同時に、変化に富んだ動きにも耐えられるよう、見た目とは逆に、かなり丈夫にも出来ている。
(24)
「・・・・ふぁッ・・・・んッ・・・・せ、センパイ・・・・。
・・・・うくぅッ・・・・お願い・・・・あああッ・・・・も、もう・・・・やめ・・・・うぐぐッ!?」
弱々しく喘ぎつつ、哀訴の言葉を呟き続ける口元に、
レズ女は、これも新体操の手具の一つであるクラブを突き付けると、
グリグリと捻りながら、喉の奥へと押し込んでいく。
異物感にえずきながら、必死に吐き出そうと試みる蒼髪の少女だが、
クラブの先には甘い香りのするローションが塗り込まれており、
柔らかい口腔粘膜を擦られ続けるうちに、いつしか顎の力が抜け落ちていった。
「・・・・んんッ・・・・むぐぅ・・・・むむッ・・・・んぐぐ・・・・んんん・・・・んむむぅ・・・・」
彼女の両目がトロンと潤みを帯びたのを確認すると、
麻美は、だらしなく緩んだその唇から、唾液の糸を滴らせる棍棒をゆっくりと引き上げ、
今度は、それで胸の脹らみの頂きに屹立するピンク色の突起を優しく愛撫する。
ふあああ・・・・、と、悦楽に浸りきった声を漏らしながら、
卑猥なクラブの動きとそれに絡め取られていく乳首の脈動を蕩けた視線で追いかけていた優子は、
やがて、保健の授業で教わった男性の生殖器官の姿に酷似したその手具が、
向かっている先に気付くと、拘束された全身を、ひときわ大きく揺らし始めた。
(25)
――――・・・・スリ・・・・スリ・・・・スルリ・・・・。
――――・・・・すり・・・・すり・・・・するり・・・・。
丸みを帯びたクラブの先端がクレヴァスの上をゆっくりと上下する。
最初は浅く、少しずつ、少しずつ、割れ目の奥深く食い込んでいく手具の動きに、
はじめのうちこそ、歯を食いしばって堪えようと試みていた優子だったが、
自分自身の唾液によってヌメヌメと不気味な光沢を帯びてたクラブの先が、ある一点を捉えた瞬間、
なけなしの忍耐力はついに砕け散り、ビュクン、と、卑猥に体をくねらせてしまった。
――――・・・・スルリ・・・・スルリ・・・・ビクンッ・・・・!
――――・・・・するり・・・・するり・・・・びくんッ・・・・!!
判明してしまったウィーク・ポイントの周りを、円を描くようにして優しく撫で回されたり、
上下左右に不規則な変化を加えつつ、執拗に擦り上げられたりするたびに、
胎盤の中を衝撃が走り回り、強烈なゾクゾク感が脊髄の中を猛スピードで駆け抜けていく。
身体中から力が抜け、呼吸がどんどん速くなっていくのが自分でも分かるが、
想像しうる限りの手練手管を織り交ぜて徹底的に弱点を突いてくる攻撃の前には手も足も出ない。
(26)
「・・・・ぁあんッ・・・・い、いあッ・・・・んんッ・・・・うああ・・・・あうぐッ・・・・ひはああああッッッ!!」
押さえ切れない嬌声が、喉の奥から引っ切り無しにこみ上がってくる。
食い込んでいる、というより、咥え込んでいる、と形容する方が適切だろう、
もはや、彼女の秘裂は、レオタードに包まれているとは到底思えない程しっかりと、
手具の突起を掴んで離そうとはせず、あさましい疼きに、為す術も無くのた打ち回っている。
「ウフフフ、ようやく、素直になったようねぇ。
・・・・でも、こんな棒っきれでイクのは、貴女もつまらないでしょう?」
囁きながら、麻美は、グショグショに濡れた股間からクラブを引き抜き、
代わりに、自分の右手の人差し指と中指を、切り裂かれたレオタードの間から侵入させる。
手具が取り除かれた後も元には戻らず、ぱっくりと口を開けたままの大陰唇に沿って這い進む二本の指が、
ビショビショに濡れそぼった薄い陰毛を、ギターを爪弾くように撫で付けてやると、
気も狂わんばかりの快感に屈して何も考えられなくなった少女は、
淫蕩極まりない感触に身体をよじりながら、自動人形のような身振りで首肯のゼスチュアを繰り返した。
(27)
「・・・・あぁんッ!!・・・・んッ・・・・はぐぅッ・・・・!!くはぁッ・・・・ひぁうッ・・・・ふひぁああッッ・・・・!!!!」
ベトベトに濡れたレオタードの中に侵入した指先は、潤沢に溢れ返る体液を潤滑油代わりにしつつ、
慣れた手付きで、完全に熟しきった瑞々しい果物から、既に用を為さなくなったパンストを引き剥がしていく。
ブチブチッ、と、引き千切られた化繊の切れ端が充血した粘膜を擦り上げるたび、
子宮全体が、ビクンビクン、と激しくわななき、膣口から新たな愛汁が飛び出して、
出し入れされる指は無論の事、右手全体を、あっと間に妖しく彩っていった。
(・・・・あああ・・・・もう・・・・ダメぇ・・・・気が・・・・遠くなりそう・・・・)
敏感さを増しているのは、何も膣穴だけに限らない。
先程から、尿道口は、その先端を魚の嘴のように尖らせて、
今にも、プチン、と音を立てて弾けてしまいそうなくらいに膨れ上がっていた。
すでに、時折、プシュッ、プシュッ、と情けない音がして、
半分壊れかけた水門に亀裂が生じ、生温い飛沫が飛び出しているのだが。
ただでさえ、襲い寄せる快楽の大波によってフニャフニャにふやけてしまった下半身が、
この上更に、排尿欲求まで相手にする事のは全く不可能な事だった。
(28)
「フフフ、いいわ・・・・優子・・・・アナタのその表情・・・・本当に素敵・・・・。
・・・・イッちゃいたいのと、イキたくないのと・・・・二つの気持ちが鬩ぎあって・・・・ヘトヘトになるまで闘って、
・・・・でも、最後は、やっぱり、イッちゃいたい気持ちが競り勝っちゃったのね・・・・ねぇ、そうなんでしょう!?」
このまま指だけでフィニッシュに持ち込むのも勿体無い、と感じたのか、
麻美は、指の動きをわざと弱めると、少女の顔の上に身を乗り出してその瞳を覗き込む。
・・・・だが、時すでに遅く、初登頂の権利を巡って壮絶なマッチ・レースを繰り広げていた性的興奮と排尿欲求は、
下半身の感覚を臨界点にまで押し上げており、
もはや燃料供給を止めただけでは、性感の暴走を停止させる事は不可能だった。
満足に呼吸も出来ない状態の哀れな生贄は、口だけをパクパクさせつつ、
言葉どころか声にすらならない、切迫した喘ぎを発し続ける事しか出来ないでいる。
「・・・・あらあら、感じ過ぎちゃって声も出ないの・・・・!?
クックックッ、いいわ・・・・凄くイイ・・・・今の貴女のカオ、最高にブザマだわッッッ!!」
ヒステリックな喊声を発し、自らも魔悦の極地に浸りつつ、レズ女は最後の行動に出た。
屈辱的な大開脚のポーズで割り開かれている、しなやかな白い太腿を跨ぐと、
自身の右半身と優子の左半身とを交差させ、目の前で震えている膝頭をググッと抱き寄せる。
丁度、上下から二本のピンセットが組み合わさるような形で、
それぞれローズ・ピンクとパール・ホワイトのレオタードに愛蜜をたっぷりと滲ませている二つの花弁が、
初めてお互い同士を突き合わせ、そして、一つに溶け合っていった。
(29)
「・・・・ひぐッ!?ヒッ・・・・アアアッ!!・・・・あがッ・・・・うはぁあああッッッ!!!!」
薄暗い室内に響き渡る、魂の凍りつくような悲痛な叫び声・・・・。
凄まじい快感が逆さ吊りにされた少女の身体を串刺しにし、
沸騰した血流が頭の中に押し寄せてきて、脳味噌も何もかも一緒くたに掻き回した。
感情も思考も意識も、全てが、強引に一つに捩り合わされた上、
猛り狂う衝動の大臼の中へと叩き込まれ、木っ端微塵に碾き潰されていく。
――――ブジャアッ!!ブジャアアアアッッッ!!!!
濁りきった圧壊音を立てて、膣口と尿道口が同時に決壊する。
白い湯気を噴き上げながら溢れ返る愛液と小水の前には、
すでにズブ濡れ状態の化繊の薄布などは無いのも同然で、何の役にも立ちはしない。
その上から圧し付けられていた麻美の下半身すら、一瞬、浮き上がった程の勢いの体液の奔流は、
とどまる所を知らず、断続的に、間欠泉のような潮吹きを繰り返した。
(30)
「いあああッッッ!!いッ・・・・いぎぃッッッ!!ひぃぎぁあああッッッ!!!!」
カッ、と見開かれた両目、引き攣った頬、ちぎれんばかりに大きく開いた口元・・・・、
表情からは本来の清楚さも冷静さも跡形も無く吹き飛び、
悲惨を通り越して凄絶と言う他ない所まで歪みきっていた。
蒼髪を結わえていたゴム紐が、激しく左右に打ち振られる首の動きに耐え切れずにプッツリと切れると、
大量の汗を吸った長い髪の毛が、マットレスの上に、バサァッ、と四散する。
急角度のアーチを描いて仰け反った頤の上では、
悲鳴と喘鳴とを交互に噴き上げる唇の間から白い泡に覆われた舌先が突き上がり、奇怪なダンスに興じていた。
――――それでも、淫乱女は獲物の体を放そうとせず、倦む事無く貪り続けるのを止めようとはしない。
逃げ場を求めて上下左右に動き回る腰を、ガッチリと抱え止めたまま、
激しい動作のおかげで、細く紐状に捻れてしまっているクロッチの上から、
同じように捩れ上がって媚肉に食い込んでいるピンクのレオタードもろとも、
二人分の淫液にまみれた陰唇を執拗に押し付け、相手のそれを吸い立てる。
性悦の炎に焙られ続ける秘裂は、めくるめく快感を押し込まれて真っ赤に充血し、
膣壁は普段の倍近くまで厚みを増して、襞という襞をビュクビュクと蠢かせていた。
どうやらタンクが空になったらしく、尿道口からしぶく小水の方は急速に勢いを弱めていったものの、
愛液の分泌量は相変わらずで、衰える気配など微塵も見せはしない。
(31)
「・・・・っ・・・・が・・・・・あががッ・・・・あぐぅ・・・・うぐ・・・・あうぁああああッッッ!!!!」
間断なく降り注ぐエクスタシーの絨毯爆撃に呼吸が追いつかず、
上気してピンク色に色付いていた顔色は、次第に生気を失って蒼ざめていく。
ごった煮状態の頭の中はとうに正常な思考などとは無縁な代物に堕していたものの、
限界を超えた快楽の奔流に呑み込まれて攪拌され続けるうちに、
かろうじて正常さと異常さを隔てていた垣根さえも取り払われてしまい、
何が正常で何が狂っているのかの識別すら困難になっていった。
――――――――・・・・ッ・・・・ぶじゅッ・・・・ぶじゅじゅ〜〜〜ッ・・・・!!
・・・・だが、首から上が、まさしく悲惨さの極致と言うべき状況にあっても、
他の部分、特に下半身は、それとは全く対照的な、めくるめく快楽の真っ只中に在り続けていた。
子宮の奥で新たな衝動が生まれるたびに卑猥な痙攣を発し続ける、サーモンピンクの膣壁からは、
疲労の極に達した身体の、一体、何処にこれほどの水分が残っているのか?と、
不思議に感じられるほど、大量の淫汁が湧き出してくる。
快感地獄と化した連続絶頂の中で、拘束された手足をひたすらよじらせ、のたうち回らせるうちに、
全身の筋肉と関節からは、ミシミシという不気味な軋みが連発されるまでに至っているにも関わらず・・・・。
(32)
(・・・・あああ・・・・ダメ・・・・もう・・・・もう・・・・ダメェ・・・・。
・・・・ひぐぅ・・・・た・・・・たす・・・・けて・・・・おねがい・・・・これ以上は・・・・もう・・・・)
未来永劫続くかのようにすら感じられた絶頂の合間には、
慈悲深い闇の帳が何度と無く優子の意識を包み込み、失神という名の安息へと誘おうと試みている。
だが、それらの兆候は、幾多の同性を搦め取りモノにしてきた、麻美の観察眼の前には一目瞭然であり、
緩急と変化を巧みに織り交ぜた巧妙なテクニックで新たな刺激と欲望を掻き出されて、悉く水泡に帰していた。
気を失う事すら許されない蒼髪の少女にとってせめてもの救いは、
<ヴェカンタの炎>の作用なのだろう、疲れも倦怠も一切感じる事無く、
貪欲かつ冷酷な責めを続行しているレズ・コーチの艶かしい腰が深々と覆い被さっているせいで、
あさましい吐淫を続ける下の口の有様を直接目にせずに済んでいる事だけだった。
(・・・・たすけ・・・・て・・・・ヴァルナさ・・・・ま・・・・麗・・・・子・・・・)
勿論、優子は、朦朧としていく意識の中、(本当の意味での)救いを求める言葉を発し続けていた。
だが、彼女の身がリアリティの内にある限り、
ヴァニティの者であるヴァルナや麗子の介入は期待できる所ではなく、
逆に、待てども待てども、救いの手は一向に差し伸べられない非情な現実は、彼女の衰弱を一層加速させていく。
このまま陵辱が続けば、いずれ自分の精神は消耗し尽くすなり、破綻を来たすなりして、
無明の闇の中へと引き摺り込まれ、二度と戻って来る事が出来なくなるかもしれない、という恐怖感が、
時間を追う毎に募っていき、ほどなく、完全な絶望へと変化していった。
(33)
(・・・・どうし・・・・て・・・・?なぜ・・・・たすけ・・・・て・・・・は・・・・くださらないの・・・・ですか?)
何十回となく繰り返した血を吐くような苦悶の問いかけが全て徒労に終わった末に、
ついに、優子の心は、目の前が真っ暗になるような絶望に押し潰されてしまう。
その様子をじっと見下ろしながら、麻美は、
・・・・否、『白影麻美』としてこの世界に転生してきた魔性の女は、冷酷な笑みを浮かべ上げた。
『馬鹿な娘ね・・・・まだ気付かないの?』
紡ぎ出されたのは、およそ人間の発したものとは思えない程にひび割れた声。
その中に満ち溢れる尋常ならざる邪悪な響きに、恐れおののく少女の前で、
<ヴェカンタの炎>が、勝利を確信したかの如く、高々と立ち上り、
どす黒い血反吐のように濁りきった瘴気を、あたり一面に撒き散らす。
――――その直後、異界の女は、優子の下腹部に僅かに残る、最後の布帛へと片手を伸ばし、
白濁した生命のエキスをたっぷりと吸い取ったそれを、無造作に鷲掴みにした。
(34)
――――ブチブチブチィィィッッッッ!!!!
ぞっとするような破断音。
そして、もはや悲惨な程に弱々しいものでしか無い、かすれきった悲鳴。
無残に裂けた化繊の布地の下から露わになった白い肌は、
何度と無く繰り返された絶頂のたびに溢れ出した淫液をはじめ、
生乾きの汗や、濃厚なアンモニア臭を漂わせる尿液や、今も唇の端から垂れ落ちる涎などで、
ベトベトに汚れ、到底正視に堪えない姿へと変貌を遂げてしまっている。
「・・・・い・・・・いや・・・・あああ・・・・いやぁ・・・・み・・・・みないで・・・・みないでぇッ・・・・!!」
一糸纏わぬ姿に剥かれてしまった事よりも、
ここまで汚穢にまみれた体を晒している事の方がずっとショックで、
蒼髪の少女は、思わず、ギュッ、と目を瞑り、狂ったようにかぶりを振る。
すでに涙腺が空っぽで、涙の一滴すら出てこないために判然としないが、
時折、くしゃみを我慢しているかのように鼻をシュンシュン言わせているのは啜り泣きに違いなかった。
全身を覆う震えだけは相変わらずだったが、よくよく見れば、
息もつかせぬ連続絶頂の果てに枯渇してしまった体力を反映してか、一時のような鋭さや烈しさは影を潜め、
何処と無く気の抜けた、力の無い揺れ方しか出来ないでいる。
(35)
『・・・・どうやら、終わりのようね・・・・フフッ、考えてみれば、アナタも哀れよねぇ。
なまじヴァニティの<戦士>なんかに選ばれたおかげで、
あっさり殺しても貰えず、こんな屈辱的な死に様を晒す事になるんだから・・・・』
再び漏れる、ひび割れた呟き。
・・・・かろうじて、優子は、それが目の前にいる先輩のものではなく、
彼女をこの世界へと送り込んだ、<暗黒界の後継者たち>の一人のものだと気付いたものの、
すでに体力も気力も底を尽き、睨み返す事すらおぼつかない。
『・・・・ま、そのお陰で、私は、ヴェカンティの玉座を手中に収める事が出来るんだけど・・・・。
・・・・クックックッ、それにしても、皮肉な巡り合わせよねぇ。
アナタが<戦士>で、しかも、リアリティにいてくれるお陰で、
結果的に、私は、誰からも邪魔されず、アナタを狩る事が出来たワケなんだし・・・・』
完全に罠に嵌り、身動きすら出来なくなった、<戦士>の前で、依り代の口を借りた、<彼>は、
凡そ、その瑞々しい唇から発せられるものとは似ても似つかぬ、ガラガラと耳障りな笑い声を迸らせる。
口調だけは麻美のまま変化しないのが、余計にその不気味さを強調し、おぞましさを増幅させていた。
(36)
(・・・・どういう・・・・事!?・・・・わたしが・・・・<ヴァリスの戦士>で・・・・リアリティにいる・・・・せいで・・・・?
・・・・誰からも・・・・邪魔されなかった、って・・・・一体・・・・どういう意味なの・・・・!?)
完全な混濁に向かって、ずるずると引き込まれていく意識の中、
優子は、麻痺しかけた思考を必死に揺り起こし、<彼>のその言葉を反芻した。
――――本来、ヴェカンティの者がリアリティの住人を襲うには、多大な困難を伴う筈ではなかったのか?
――――榊原のように、リアリティの住人を洗脳し、刺客に仕立て上げる、という方法を取ったとしても、
それに要する労力は、ヴェカンティの怪物を直接送り込むのと大して変わらない筈ではなかったのか?
(・・・・その・・・・どちらでも・・・・無いとしたら・・・・!?
・・・・も・・・・もしかしてッ・・・・先輩の・・・・正体は・・・・まさかッ・・・・!?)
力無く閉じていた瞼が、パッ、と持ち上がり、
見開かれた瞳に、まず、驚愕が、続いて、戦慄が浮かび上がる。
リアリティにいる<ヴァリスの戦士>を、最も少ない労力で葬り去る事の出来る手段であり、
同時に、その手段を実現可能なものに出来る存在・・・・すなわち――――――――。
(・・・・<ヴェカンタの黒き戦士>!!!!)
(37)
『フンッ・・・・やっと分かったようね。
てっきり、このまま、最後まで気付いて貰えないかと思ったわ』
ぞっとするような笑みを浮かべながら、<ヴァリスの戦士>をねめつける異界の女。
表情を凍りつかせる優子の目の前で、
先刻、彼女を生れ落ちたままの姿に剥き上げたばかりの爪を、今度は自らのレオタードへと突き立てる。
――――――――ビリリリィィィッッッ!!!!
鋭い悲鳴を上げて引き裂かれていく、ローズ・ピンクの化繊布。
・・・・その下から姿を現した肉体は、
あたかも抜き放たれた真剣のように、美と恐怖とが緊張をはらみつつ均衡を保っている。
細い指の先に引っ掛かったレオタードの残骸を、鬱陶しげに払い除けながら、
“白影麻美”は、自分の本性が如何なる存在であるのかについてのヴェカンティの大貴族の宣言を、
自分自身の声と言葉を用いて、囚われの身の<戦士>へと伝えた。
『・・・・そう、<戦士>であれば、力を与えるのも、次元の狭間を越えて汝の世界へと送るのも、容易な事。
・・・・とは言え、<戦士>の素質を持つ者を、他の<後継者>には内密に探し出すのは存外に難しくかったわ。
それに、この世界の因果律に干渉して、“白影麻美”という存在を一から作り上げるのも、大変な難事だった・・・・』
(38)
『驚いた?<ヴァリスの戦士>。・・・・クククッ、さてはヴァニティの連中、肝心な所は何も話してないのね。
この程度の介入であれば、私たちの持てる力だけでも、決して不可能ではないの
・・・・勿論、ログレスやメガスのように、容易に事を運べるという訳ではないけれど・・・・』
依代の唇の端が、やや苦笑気味に、ニィッ、と吊り上がる。
その一方で、ログレスとメガスの名に触れた際の口振りには、
明らかに、今、彼らの跡を襲って覇王の座に王手をかけているのは自分なのだ、という自負が見え隠れしていた。
他の<後継者>たちは勿論、ヴァニティの住人であるヴァルナや麗子でさえ手が出せない状況の下で、
周到に張り巡らせた罠に落ち、絶体絶命の危機に瀕した美しい獲物に、
今まさに最後の一撃を加えようとしている事への、甘美な陶酔感と共に・・・・。
『・・・・さぁて、おしゃべりはここまでよ、<ヴァリスの戦士>。
これから、お前の生命が尽き果てるまで、間断なく責め抜いてあげる。
フフフ、たっぷりと見届けてあげる・・・・ログレスとメガスを倒し、三界最強と謳われた<戦士>が、
よがり、苦しみ、己の無力さと愚かさを呪いながら死に行く様を・・・・アハハッ!!ハーッハッハッハッ!!!!』
勝利の雄叫びとも狂気の哄笑ともつかない絶叫が響き渡った直後、
優子の両足を拘束していたロープが、ひとりでに、スルリ、と解けて、
支えを失った下半身がマットレスの上へと落下していく。
床に激突する寸前にそれを抱き止めた“白影麻美”は、あまりのおぞましさに放心状態の少女を一瞥すると、
これまでの責めによって完全に蕩けきっている媚肉を口に含み、美味しそうに啜り始めた。
(39)
「・・・・アッ・・・・アアッ・・・・いやッ・・・・アアア・・・・いやあああッッッ・・・・!!」
再開された口唇愛撫は、以前にも増して、貪欲で荒々しかったが、
しかし、すでにめくるめく快美感をもたらすものでは無くなっていた。
これ以上は無いと思えるぐらい、冷酷、かつ、残忍で、愛情はおろか、欲望や性的関心の一片すら窺わせない、
あたかも、検死台に横たわる死体を切り刻む解剖医のメスのように無機質な口唇の動き・・・・
非人間的なまでに血の通わないその吸引によって、柔かい秘所の粘膜が舐り回されるたび、
ある種の波動が生み出されているのは紛れも無い事実だったが、
同時にそれは、凡そ『性感』と呼ぶには、あまりにもおぞまし過ぎる代物に他ならなかった。
(・・・・ああッ・・・・ダメ・・・・な・・・・なに・・・・この・・・・感じ・・・・!?
・・・・あああ・・・・いやぁ・・・・だ、だめ・・・・この感じ・・・・いや・・・・いやぁあああッ・・・・!!)
じゅるっ、じゅるっ、と卑猥な音を立てながら、目の前の花弁から蜜液を吸い立てていく“白影麻美”。
そのたびに、ゾッとするような悪寒が、少女の肌を粟立たせ、
まるで内臓そのものを吸い出されてしまうかのような不快極まる感触が、嘔吐感を催させる。
先程までの優子であれば、自分の股間から発せられる、
ピチャッ、ピチャッ、という湿り気を帯びた囀りを耳にしただけでも、
身体の芯が、カアッと熱く火照って、煮え滾る血液が全身をくまなく駆け巡った筈だった。
しかし、今、こうして、秘所を舐めしゃぶられて感じるのは、
圧倒的な苦痛と嫌悪感、そして、自分に向けられた偏執狂的なまでの憎悪に他ならない。
(40)
「・・・・い・・・・いや・・・・す、吸い取られる・・・・うああ・・・・どんどん、吸い取られていくぅッ・・・・!!
・・・・はぐぅッ・・・・ああ・・・・だ、だめぇ・・・・抵抗できない・・・・あああ・・・・止まらないィィッッッ・・・・!!」
少女の顔は恐怖に歪み、清らかな乙女の心は絶望によって引き裂かれていた。
今や彼女の下半身を包んでいるのは、汲めども尽きぬ熱い滴りに濡れた歓喜の戦慄きではなく、
凍てつくような冷気を思わせる生理的嫌悪感がもたらす激しい痙攣に他ならない。
必死の抵抗も空しく、おぞましい感覚は下腹部から胸へ、首筋から頭部へと流れ下り、
絶対零度の指先で、破裂寸前の心臓を鷲掴みにして容赦なく締め上げていく。
――――死が、もう、そこまで迫っている。
その事実をひしひしと実感し、思わず、掠れかけた喘ぎを漏らす優子。
もはや抵抗する術とて無く、目前に迫った破滅の時をただじっと待ち続けるしかない自分が、
あまりにも惨めで、情けなく感じられてならない。
力尽きた女囚に許されたのは、焦点を失った瞳でぼんやりと中空を眺めながら、
これまでの短い人生の中で出会った中で、最も愛しく、信頼できる友の姿を思い浮かべ、
もはや動かない唇の奥で、哀切極まりない謝罪と別れの言葉を呟く事だけだった・・・・。
(・・・・ごめんね・・・・麗子・・・・もう一度・・・・会い・・・・たかった・・・・)
――――そのまま、優子は意識を失い、永劫の暗闇の中へと落ちていった。
(41)
・・・・・・・・そこは、真っ白い光に満ちた空間だった。
・・・・流れ込んでくる暖かな光が白い裸身を包み込み、長い蒼髪に反射して柔かく光沢を放つ。
「・・・・・・・・っ・・・・ん・・・・んふ・・・・うっ・・・・?」
何かが、頬に触れる。
少しひんやりとした、だが、とても心地良く、そして、懐かしい、その感触・・・・。
ゆっくりと瞼を開けた優子は、目の前に、穏やかな微笑を浮かべた親友の姿を認め、小さく呟いた。
「・・・・麗子・・・・良かった・・・・また、会えたんだ・・・・」
無言のまま頷くと、紅髪の少女は、親友の体に、そっと腕を回す。
どこまでも優しく安らぎに満ちたその抱擁に、心底からの安堵感が込み上げてきたのだろう、
とうに涸れ果ててしまったとばかり思っていた涙腺から、大粒の涙を溢れさせた優子は、
麗子の腕の中へと身を投げ出し、ひっく、ひっく、としゃくりあげながら咽び泣いた。
(42)
「・・・・ごめんね、優子。こんなに遅れちゃって、本当にごめん。
もっと早く駆けつけたかったんだけど、色々手間取ってしまって。
・・・・でも、もう大丈夫、何も心配いらないわ。解決したのよ、何もかも全部・・・・」
そう、耳元で囁いた麗子は、最愛の友の身体をそっと抱き起こし、
薄い絹のような繊維で織られた白いケープを羽織らせると、
柔かく清潔な人指し指の先で、泣き腫らした目元を優しく拭う。
ようやく落ち着きを取り戻した蒼髪の少女が顔を上げると、
それまで二人の周りを包んでいた乳白色の光のヴェールが、サッ、と掻き消えて、
初夏の陽射しが燦燦と降り注ぐ、木立の中の小さな空き地が姿を現した。
「ここは、何処?・・・・先輩は、一体、どうなったの?」
まだ完全に回復しきらない頭を振り動かし、
しつこくまとわりつく靄のような感覚を追い払いながら、周囲を見渡す蒼髪の少女。
・・・・と、その視界の隅に、見覚えのあるものが映り込んだ。
木々の向こうに見える古い石造りの鳥居と小さな社が並ぶ神域・・・・
それは、確かに、白影邸の庭先から目にした、あの光景に間違いない。
(・・・・じゃあ、ここって、もしかして・・・・!?
・・・・で、でも・・・・だったら、これは一体・・・・どうなってるのッ!?)
(43)
「そう、優子、ここは白影邸のあった場所・・・・いや、少し、違うわ。
“白影麻美”と同じく、あの屋敷もまた、奴が、この世界の因果律に干渉して作り出していた存在、
だから、今ではもう、最初からここには何も無かった、という事になるわね・・・・」
「・・・・そんな、何もかもが幻だったというの?先輩も、先輩のお宅も・・・・!?」
――――違うわ、と、短く答えた麗子は、
そこで一度、言葉を切り、何処か寂しげな眼差しを木立の枝の向こうへと投げかける。
「・・・・あの女性は、本来、この世界の人間ではないの。
ここと良く似てはいるけど、全く別の世界で、<戦士>としての宿命を持って生まれた一人。
けれども、彼女は、私達がその素質に気付き、ヴァニティの<戦士>としての覚醒を促す前に、
<暗黒界の後継者>の一人に発見され、<ヴェカンタ>に染められてしまっていた。
そして、“白影麻美”という偽りの名を与えられて、この世界に転生させられたの・・・・」
(44)
「“別の世界に転生する”という事がどういうものかは分かっているわね?
本来いた世界に存在した痕跡は全て消え去り、最初から存在しなかった事にされてしまう。
・・・・そう、全ての記録からも、友人や家族の記憶からも消え去るの・・・・この私のように、ね」
(・・・・麗子・・・・)
親友の表情に浮かぶ寂寥感の意味を察した優子。
どんな言葉を掛ければ良いのか、咄嗟には思いつけなかったものの、
その体は、意志の判断を待つ事無く、その場に最もふさわしい行動を取っていた。
無言のまま、静かに親友の指先に触れる、優子の手。
そこから伝わってくる感触は、麗子が自分と同じく、この世界の人間だった頃と全く変っていない。
・・・・だが、今、リアリティの人間の中に、彼女の事を思い出せる者は、
自分以外には誰一人として存在しない、という事実を優子は知っていた。
差し伸べられた温もりを確かめるかのように、
ぎゅっ、と力を込めて、少女の手を握り締めてくる麗子の手・・・・。
優子が、しっかりとそれを握り返すと、
木立の彼方――――かつての自分が暮らしていた街の方角――――を眺める友の双眸は、
ゆっくりとではあるが、やわらかく暖かい光を取り戻していく。
(45)
「・・・・いずれにせよ、“白影麻美”という存在は、もうこの世界にはいない。
ちょっと苦労したけど、無事に洗脳を解き、本来の人格を取り戻す事が出来たから、
今頃は、ヴァルナ様が、元の世界に・・・・もう一度“転生”させて・・・・送り返している筈だわ。
彼女をこの世界に送り込んだ奴は、まだ一応息をしてるけど、
すでに持てる力は費い果たしてるハズだから、もう一度同じ事を繰り返すのは不可能ね。
そもそも、<戦士>の資質のある人間を見付け出して覚醒させる事自体、
大変な労力を必要とする作業なんだから・・・・」
――――そう言えば、あいつもそんな事を言っていたわ。
『この程度の介入であれば、我らの持てる力だけでも、決して不可能ではない』
『勿論、ログレスやメガスのようには、容易に事を運べるという訳ではなかったのだが』
ひび割れた邪悪なしわがれ声が、優子の脳裏に蘇り、
前後して、不吉な考えが胸の奥をよぎって、暗い影を投げかける。
麗子の言葉が事実ならば、今回、“白影麻美”を刺客として差し向けてきた<暗黒界の後継者>が、
再度、同じ事を試みるという可能性は排除しても良いのだろうが、
それでは、別の<後継者>が、同じように彼女を洗脳し、新たな名前と人格を与えて、
刺客としてこの世界に送り込んでくる、という可能性についてはどうなのだろう?
あるいは、彼女以外の<戦士>の素質を持つ少女に目を付けるという可能性については・・・・?
(46)
「・・・・残念ながら、そっちの可能性は否定できないわね・・・・」
麗子の答えに、やはり、と、表情を暗くする優子。
今回のような出来事が今後も続くのか、と思うと、
危機をくぐり抜けた喜びも急速に色褪せ、口の中に苦いものが湧き出してくる。
それと同時に、本来なら、夢幻界や暗黒界のような異世界が存在している事実さえ知らず、
平穏な日々を送っていた筈の人間が、たまたま自分の周囲にいた、というだけの理由で、
三界の覇権を巡る争いに巻き込まれている事に思い至ると、胸が締め付けられるような気分がしてならない。
(・・・・きっと、新体操部のレギュラー選手たちの事故や病気も、アイツのせいだったのね。
わたしと“先輩”の出会いを仕組む、それだけのために・・・・こんな事が、一体、いつまで続くの・・・・!?)
言い知れぬ悲しみと共に、フツフツと湧き上って来る静かな怒りが、少女の心の水面に三角波を立てる。
<ヴァリスの戦士>として戦い続けるという宿命を受け入れた以上、
自分が狙われ続けるのは、ある意味、仕方ない事なのかもしれないが、
そのために、自分の周囲の人々が、己れの行為の意味する所すら理解できぬままに、
ゲームの駒として動かされ、傷付いていくのは、到底我慢出来そうにない。
(47)
(・・・・本当に、このままずっと守りを固めてアイツらが諦めるまで粘り抜く事が、最善の方法なの?
・・・・何か。もっと他に、打てる手はあるんじゃないかしら?)
そのような存在である事は充分に理解していた筈だったが、
それでもなお、<暗黒界の後継者>たちのエゴイズムに対し、これまでに無く強い憤りを覚える少女の中で、
防衛一辺倒の現状に対する疑問が急速に膨れ上がっていく。
麗子から伝え聞くヴァニティの現状を考え合わせれば、
今すぐヴェカンティに乗り込んで、<後継者>たちを討ち果たすのはさすがに難しいにせよ、
何らかの形で積極的な反撃に出て、彼らの機先を制する事は可能なのでは無いだろうか・・・・?
――――――――そう思った時、優子の中で、何かが弾けた。
「・・・・麗子。わたし、決めたわ」
親友に向き直った優子の表情は、かつて暗黒界の覇王として三界を睥睨した、ログレス、メガスの両雄に対し、
一歩も退く事無く敢然と立ち向かった、<ヴァリスの戦士>のそれへと変じている。
さすがに驚きを隠しきれず、押し黙った夢幻界の友を、静謐さを湛えた双眸で見つめながら、
蒼髪の少女は、落ち着き払った口調で告げ、
それから、親友の手を握ったままの手の平に、ググッと力を込めてみせた。
「――――これ以上、何もせず、守りだけ固めているのはイヤなの。
アイツら・・・・<暗黒界の後継者>たちに好き勝手させたくない。
だから、麗子、・・・・お願い、あなたの力を貸してッ!!」
(48)
「・・・・・・・・・・・・」
ここまで本気で怒った優子を見るのは久しぶりだわ、と、麗子は、思わず目を見開き、言葉を失う。
その名が示す通り、優しく、柔和な少女が、
これほど攻撃的な言葉を発する事は、ここ最近、無かっただけに、その驚愕は大きく、同時に、深かった。
最も固く、確かな絆で結ばれた友の言葉にどう答え、その感情にどう応えるべきか、
麗子は、しばらくの間、口元を厳しく引き結んだまま、逡巡に沈み――――その上で決断を下した。
「・・・・そうね、たしかに、これまでの私達のやり方は少し消極的過ぎたかもしれない。
ただ守りを固めて相手の疲弊を待つだけのやり方では、
却って、戦いを長期化させ、あなたやあなたの周りの人々を危険に晒し続けるだけなのかも・・・・」
そう答えを返した麗子は、半ば無意識のうちに、重ねられた友の手を、ギュッ、と握り返す。
口元に湛える微笑は、あたかも内に宿る激情が伝染したかのように、凄みを帯び、
その心臓は、不安やためらいの故にではなく、目の前の少女が見せる、かつて無いほどの闘志に共鳴した、
晴れがましく浮き立つような高揚感に包まれて、力強い律動を刻んでいた。
無論、戦いを前にして、胸の高鳴りを感じるなど、ヴァニティの者としては決して褒められた話では無いのだが、
正直なところ、今の麗子には、そんな事など、殆どどうでも良い事にしか感じられない。
――――否、それどころか、彼女は、その事について悪びれるどころか、
実際には、胸のすくような爽快感を覚えていたのだった。
「・・・・いいわ、優子。あなたがその気なら、とことんまで付き合ってあげる。
そうよ。・・・・だって、私は、そのために、あの時、もう一度やり直す機会を貰ったんだもの・・・・!!」
<<完>>
125 :
ARCH DUKE:2005/12/12(月) 02:14:53 ID:F9MEPjkJ
以上、最終章をお送りいたしました〜。
お楽しみ頂けたならば幸いに存じます。
なお、途中から名前が空欄となっているのは、
連投規制のため、約30分間作業が中断してしまった関係ですのでご心配なく。
今回は、最終稿の文章量が、
400字詰め原稿用紙に換算して約140枚という長文となってしまいましたが、
元々はもっと長いものでした。
余りにも文章が長大過ぎて、
全体的に描写が少し散漫になってしまったイメージがあったため、
約5分の1程度を削り、この長さにしたのですが、いかがだったでしょうか?
次回作は、PC版「U」の終了した直後の夢幻界が舞台で、
(これまで直接描いた事は一度もなかった)メガス(残忍王の方)と、
PC版のハイパースーツに身を包んだ優子タンを登場させる予定です。
なお、発表時期は1月下旬を予定しています。
それでは今夜はこの辺りにて失礼いたします〜〜。
>>125 いつもいつもお世話になってますw
でも最後ageてるのはケアレスミスですか?
>次回作は、PC版「U」の終了した直後の夢幻界が舞台で、
……えっと、あのビキニ鎧じゃないヴァリススーツですか……orz
ああいえいえ、もちろん楽しみにしてます。
ついにキタよ
待っておりました
これから読むぞー
>>126、127
毎度ご愛読有難うございます〜。
>ageてしまった事
かなり下の方まで下がってしまっていたので、
ageてみたのですが、不味かったでしょうか?
>ハイパー・スーツ
ハイ、「U」の最終面で優子タンが身にまとう、あの貫頭衣みたいな鎧です。
ただし、SSの前半部分では、
ノーマル・タイプのヴァリス・スーツを着用させるつもりですので、ご安心を。
129 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 00:50:30 ID:LZNXiTRL
毎回楽しみに拝読しております。
次回は「U」のお話だとか。
私が一番好きな部分の話しで楽しみにしとおります。
優子タンがメガスさんにあんな事やこんな事を…Oo。( ̄¬ ̄*)
優子タンが雑魚キャラのアーロン君やスティンガー君達に
あんな事やこんな事を…Oo。( ̄¬ ̄*)
・。:*゚(゚∀゚)゚*:。・ムハァー今から楽しみです
130 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 22:19:03 ID:rtPwwypt
こんばんわ携帯で見れる優子タンのエロ画像どなたかぐださい。
しかし、どれ読んでも完成度の高いSSですねぇ〜
次回も楽しみにしています
保守
新作情報〜〜。
現在執筆中の新作『アフター・ヴァリス〜メガス復活〜』は全4章の予定。
うち前半の2章は、通常タイプのヴァリス・スーツ(金ブラ&純白ミニ)を、
後半の2章は、PC版ハイパー・スーツ(ブロンズ又は燻し銀製ブラ&純白サーコート)を、
それぞれ着用して、触手やら怪物やらに陵辱されます。
基本的に、登場キャラはPC版の「U」から持ってくる予定です。
メガスは当確として、ハイゼン、ガイアス、ザルーガといった(一応)人間型のキャラと、
2面の恐竜(?)化石風BOSSや5面の巨大ミミズ風BOSSなどの中から、
合計3体を登場させようと考えています
(・・・・ダリスだけは、クロスオーバーの方でもう何度も描いてきたため、今回は登場させませんが)。
いま現在、第1章の40パーセント程度まで書き進んでいます。
優子によって倒された筈のメガスを復活させようとしている者がいる、という怪情報に揺れるヴァニティ城、
麗子の依頼を受け、噂の真偽を確かめるため、単身ヴェカンティに潜入した優子を待ち受ける、
不気味な濃霧に覆われた謎の沼地とメガス軍の残党たち・・・・、
といった筋立てで、今回も優子タンを官能地獄に叩き込む手筈ですので、
皆様、どうかご期待下さいませ〜〜。
>>132 ぜひこのスレ住人に、クリスマスプレゼントをー。
>>135 同じく頂戴いたしました。いつも有難うございます〜。
麻美に力を吸われる所は、「ホワイト・シャドゥ」を少し意識しつつ描きました
(以前にも一度書いた事ですが、「白影麻美」という名前は「ホワイト・・・・」から取ったものです。
ただ、それ以外の点(外見や性格等)は、「淫獣聖戦」シリーズの天津亜衣を参考にしていますが)。
「80年代ビキニ鎧系美少女戦士」というスレの趣旨との兼ね合いで、
こういったキャラを登場させる事の可否について、私自身も少し悩んだ時期があったのですが、
この点につきましては、今回のみのゲストキャラという事でどうかご勘弁下さいませ。
>135
優子ちゃんが!!ぬぉぉ!くぅぅ!
これはこれは大変良いものを戴きました。
素晴らしいです。
ありがとうございます。
あと、陽子ちゃんおしり可愛いすぎです。
>ALL
読者の皆様、本年も拙作をご愛顧頂き、誠に有難うございました。
この一年間色々な事がございましたが、やはり一番大変だったのは、
4月以降、(人事異動のため)それまで勤務していた部署を離れた事が原因で、
執筆に割く事の出来る時間が以前ほどには取れなくなった事でしょうか。
このため、昨年までは、大体1か月から1.5か月に1章の割合で、
SSを書き進める事が可能だったところが、
現在では、概ね1.5か月から2か月に1章という間隔での発表となっています。
来年以降も、執筆のスピードに関しては、
残念ながら、この辺りが限界だろうと考えています。
読者の皆様には大変申し訳なく感じているのですが、
この点につきましては、どうかご理解の上、ご寛恕の程お願い申し上げます。
それでは、以上を持ちまして、本年の書き込みを終了させて頂きます。
皆様、良いお正月を。
こちらこそ来年もお願いしますね。
優子たんあけひろ
保守
読者の皆様、新年明けましておめでとうございます〜。
本年も宜しくお願い申し上げます〜。
では、今年最初の状況報告です。
『アフター・ヴァリス〜メガス復活〜』第1章は、現在進捗率60パーセント。
ヴェカンティの奥地で残忍王復活を目論む者が暗躍しているとの情報を受け、
幾つもの勢力が血で血を洗う内戦を繰り広げている暗黒界に単身潜入した優子タン、
行く手に広がるのは、麗子ですら途中で探索を断念した、深い霧に覆われた謎の湿地帯。
不吉な予感を覚えつつ、足を踏み入れた優子タンに襲いかかる触手生物の大群、
そして、濃霧の奥に浮かぶ上がる巨大なシルエット・・・・。
といった感じの書き出しから始まり、
現在、優子タンが触手に全身を絡め取られて、身動きがとれなくなった所まで書き進んでいます
(ちなみに、今、優子タンが身に纏っているのは、ノーマル・タイプのヴァリス・スーツです)。
順調に進めば、今月の月末には発表可能な状態に仕上がると思われますので、
皆様、もうしばらくお待ち下さいませ〜〜。
触手ネタは久し振りっすな。期待してます!
進捗状況報告〜。
「アフター・ヴァリス」第1章は、現在、進捗率約80パーセント。
状況的には、依然として優子タンと触手生物の群れとの間で『寝技』の攻防が続いています。
触手の群れによって手足の自由を奪われつつ、
本能のままに生きる野生動物である彼らの習性を利用して反撃の機会を窺う優子タン。
しかし、スカートの中に入り込んだ触手の先端は、
薄いショーツ越しに彼女の最も恥ずかしい場所を責め立て続け、
その快感と羞恥心の前に、少女の理性は次第に限界へと追い詰められていく・・・・。
第1章はこういった感じの仕上がりとなる予定です。
発表までもうしばらくお待ち下さいませ〜〜。
おぉ!!ナイス触手。
楽しみだなぁーOo。( ̄¬ ̄*)
触手タンが『寝技』で優子タンから
一本ないし、技有りを取るとこを早く読みたい(ラg★゚∀。)ノ
「80年代ビキニ鎧系美少女戦士」というスレの趣旨との兼ね合いという点に関して私見を。
このスレは「ビキニ戦士」というシチュエーションのスレであると同時に、
「夢幻戦士ヴァリス」等の作品のスレでもあります。
シチュスレとして見れば、鎧を着ていない日常シーンなんてスレ違いと感じるかもしれませんが、
作品スレとして見れば、原作では戦いばかりしてるヒロインの日常シーンを見たいと思うのは自然であると思うのです。
つまりは麻生優子というキャラを描いてる以上、スレ違いを気にする必要は無いのではないかと。
>ARCHDUKEさま、
前回も2時間掛かりの連投大変だったかと思います。
今のエロパロ板の設定なら2レス分を1レスにまとめられますので、投稿時間も半減させられるかと。
それから、
■ PINKちゃんねる公式ショップ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/9242006001/ このスレに別の人間が書き込むと(実際には書き込めませんが)、板全体での書き込み数にカウントされて、、、
まあ要するにARCHDUKEさまの連投規制が解除されるわけです。
投稿前にお声を掛けてもらえれば連投支援をさせてもらいますので。
次は優子たんの目隠し凌辱あたりを…
月末に期待しつつ保守
進捗状況報告〜。
「アフター・ヴァリス(略してAV)」第1章は、現在、進捗率約90パーセント。
月末の発表に向けて、現在、最終調整の最中ですので、
もうしばらくお待ち下さいませ〜〜。
>>146 「寝技」のポイントですが、「有効」ぐらいを目標に書いていたら、
気が付いたら「技あり」ぐらいになってしまいました(笑)。
>>147 ご意見&情報提供有難うございます〜。
ご意見につきましては、今後、もう少し時間をかけて、読者の皆様のお考えを把握していき、
最終的になるべく多くの方にご満足頂ける形にしたいと考えています
(なお、この次に、優子タンの日常生活シーンを含んだ作品に取り掛かるのは、
一番早くても、来年の後半になると考えています)。
連投規制の回避につきましては、貴重な情報とご協力のお申し出、誠に有難うございます。
月末発表予定の「AV」第1章は、本編のレス数が22と比較的短めですので、
多分その必要は無いだろうと思っているのですが、
もっと文章量(レス数)の多い作品を発表する際には、ご協力を宜しくお願いいたします。
>>148 目隠しプレイですか〜。麗子あたりが好んで使いそうな責めですね(笑)。
視覚による描写表現が制限される分、文章化するのは少し大変そうですが、
近いうちにチャレンジしてみようと思います。
151 :
目隠し好き:2006/01/24(火) 12:00:52 ID:7jXG9aB2
ARCH様、目隠しプレイを楽しみにしてます。参考に二次元ドリームマガジン最新号にジャンヌの目隠し凌辱がありますのでそちらを…
技有り楽しみにしてます(ラg★゚∀。)ノ
ネタとしてリクエストですが
優子タンが敵のカラダに半分取り込まれ、
カラダの自由を奪われ操り人形にされ
精神をも半分以上奪われ自分が犯されてる屈辱と
自分を犯してる悦楽が同時に優子タンに襲ってくる
ってのはどうですか?
目隠しというか、視力を失うとかはいいかもと思ったりしてる。
やっぱりあえぎ顔はそのままで見たいw
視力、聴覚を奪われた状態でってのはなかなかいいかも。
ファンタジーの産物ぽくてよさげですな、一時的に視力を麻痺させる毒とか
ヴァリアが犯されたくなくば そこで大人しくヴァリアが犯されるのをみておけ
期待しつつ捕手
お待たせいたしました〜。
ただいまより、「アフター・ヴァリス」第1章〜霧の沼地編〜の発表を開始いたします。
なお、今作は、PC版の「ヴァリスU」が終了した後
(リアリティの時間でおよそ1〜2ヶ月が経過した頃)という設定で書き進めていきます。
それではお楽しみ下さいませ〜〜。
(1)
ヴェカンティ。
灰色の霧が重苦しく垂れ込めたその場所は、どうやら古戦場のようだった。
かすかに漂う死臭・・・・土中に半ば埋もれた無数のされこうべ・・・・、
ぽっかりと空いたその眼窩は、漆黒の天空を覆うどんよりとした雲に虚ろな視線を向けている。
ぬかるんだ足元のそこかしこには、朽ちかけた白骨が散乱し、
錆つき腐り果てた刀槍の残骸が、墓標のように立ち並んでいた。
「・・・・ここが問題の場所ね・・・・」
目の前に広がる陰惨な風景を見渡しながら、静かに独りごちる少女――――優子。
多量の湿気を孕んだ生温い風が、腰の上まで伸ばした豊かな蒼髪の表面をヌルリと撫で上げる。
僅かに眉根を寄せて不快感を表した彼女だが、全身に纏わり付く湿った空気が相手とあっては、
その細身の体躯に宿る、三界に冠絶する<ヴァリスの戦士>の力をもってしても如何ともしがたかった。
(2)
(・・・・あの霧の向こうに・・・・一体、何が隠されているというの・・・・?)
ねっとりとした大気の肌触りに堪えながら、しばらく様子を窺ったものの、
特にこれと言って注意を惹くようなものは見当たらない。
・・・・ただ、湿原全体を覆い隠すかのように、深く立ち込めている灰色の濃霧には、
こうして眺めているだけでも、思わず気が滅入ってくるような陰鬱な気配が漂っていた。
(・・・・ふぅッ・・・・まったく、嫌な所だわ・・・・出来る事なら、すぐにでも帰りたいものだけど・・・・)
一、二度、頭を軽く振って、蒼髪の少女は、重苦しい感情を振り払った。
目の前に広がる灰色の空間に何が潜んでいるにせよ、ここでこうしていても何にもならない。
霧の中がどうなっているのかを知る方法は、その中に分け入る事以外には無いだろう。
――――そう考えた<ヴァリスの戦士>は、黄金作りの胸当ての前に両腕を突き出すと、
静かに目を閉じて、しなやかに伸びた細指の先に意識を集中させた。
・・・・・・・・無数の光の粒子が現れ、群れ集い、そして、次第に一振りの剣の形へと収斂していく。
<ヴァリスの剣>――――万物に宿る<明>の力、<ヴァリス>を糧として生み出される、聖なる刃。
白銀の光沢に包まれた細身の刀身は、見てくれこそいささか頼り無いものの、
三界の開闢以来、その切先にかかって果てた、<暗>の係累は計り知れなかった。
殊に、この剣が、彼女――――麻生優子の手に帰してよりこの方、
<暗>の領域、すなわち、ヴェカンティは、その力の前に夥しい数の屍の山を築いている。
暗黒王ログレス、残忍王メガスをはじめ、討滅された者の数は数知れず、
赤闘竜ザルーガ、雷獣将ガイアス、蟲獣機ハイゼン等の名だたる将星も、
個体としての名前さえ判然としない雑兵も、等しく切り伏せられ、死者の列に加えられ続けてきたのだった。
(3)
(・・・・・・・・)
無言のまま、愛剣の柄の部分に施された精妙な細工をなぞり上げる優子。
剣先から発する清冽な波動が、指の先から全身へと伝わっていき、
肉体と精神の双方に活力と鋭敏さを漲らせていく。
ヴァニティの住人が"ヴァリス・オア"と呼ぶ不可思議な物質により構成されている(と聞かされた)<剣>は、
三界に遍く存在する<明>のエネルギーを取り込み、様々な力に変換して、彼女を助けてくれる。
光の飛礫や衝撃波を放って敵を薙ぎ倒す以外にも、
肉体に害を及ぼす物質やエネルギーを弾いたり、邪悪な意志の力を遮ったりするのは勿論、
気配を隠して忍び寄ってくる敵意ある存在の情報を知らせたり、
人体の限界を超えた運動能力や知覚力、更には飛行や次元間の跳躍すら可能とする力を付与したり、と、
あらゆる局面において、様々な加護の数々をもたらしてくれるのだった。
(・・・・でも、それらは決して無制限という訳じゃない・・・・)
刀身から立ち昇る陽炎のような霊気を眺めながら、
<ヴァリスの戦士>は、そう口の中で小さく呟き、自分を戒めた。
<剣>の与えてくれる力は、確かにどれも強大なものばかりだが、
無尽蔵という訳では無く、また、常に一定の水準を保っている訳でも無い。
詳しいメカニズムについては未だに不明な部分が多いが、
どうやら自分の精神状態が重要なファクターの一つとなっているらしく、
感情が塞ぎ込んでいたり、ひどく動揺していたりすると、<剣>の力も不安定に陥りがちだった。
(4)
(・・・・それにしても、本当に陰気な場所ね。
あの麗子が、"兎に角、長い時間居たくないところだ"って、
珍しく弱音を吐いてたぐらいだから、ある程度の覚悟はしていたんだけど・・・・)
やや色白な肌に絡み付いてくる沼地の空気は、奇妙なぐらいに重く、粘り気すら感じられた。
優子は、浮かぬ表情のまま、こんな場所に足を踏み入れる事になった顛末を思い浮かべる。
――――事の発端は、ヴェカンティに放った斥候からの、"奇妙な噂がある"という報告だった。
<ヴァリスの戦士>の活躍により、残忍王メガスの魔手をからくも免れる事の出来たヴァニティだったが、
そのために支払った代償はあまりにも巨大だった。
数千年の永きに渡ってヴァニティを率い、<明>の力を駆使して、
絶え間なく襲い来るヴェカンティの軍勢と戦い続けた指導者、ヴァリアの死・・・・。
一子ヴァルナがその後を襲い、幻想王女として即位したものの、
能力においても経験においても、偉大な母親と同じ域に達するのは、誰の目にもまだまだ先の事に思えた。
それに引き換え、ヴェカンティの方は、ログレス、メガス、と立て続けに強大な支配者を失ったとはいえ、
その勢力自体はいまだヴァニティを大きく引き離しており、その脅威は未だ健在と言って良い。
(5)
そこで考え出されたのが、メガス亡き後のヴェカンティの覇権を巡る内部抗争を激化させて、
ヴァニティへの侵攻余力を失わせよう、という構想である。
多くの者が、現時点でヴァニティが採り得る策の中では最良とみなしたこの計画を遂行するため
先代の下で暗黒界との苦しい戦いを闘い抜いてきたヴァニティの精鋭たちが集められ、
その指揮官には、かつて、暗黒王ログレスにより、<ヴェカンタの黒き戦士>として見出された事で、
(僅かな期間とはいえ)ヴェカンティの権力機構の中枢部分を垣間見る機会を得た麗子が任じられていた。
彼女の立てた周到な計画の下、夢幻界の期待を一身に背負った工作員達はヴェカンティへと潜行し、
すでに次代の支配者の座を巡る内紛が火を噴き始めていた各々の任地で、工作活動を開始したのだったが・・・・。
ほどなくして、彼らの許から、工作活動の過程でキャッチした、ある奇妙な噂についての情報が、
相次いで、ヴァニティ本国へともたらされ始めたのである。
(5)
そこで考え出されたのが、メガス亡き後のヴェカンティの覇権を巡る内部抗争を激化させて、
ヴァニティへの侵攻余力を失わせよう、という構想である。
多くの者が、現時点でヴァニティが採り得る策の中では最良とみなしたこの計画を遂行するため
先代の下で暗黒界との苦しい戦いを闘い抜いてきたヴァニティの精鋭たちが集められ、
その指揮官には、かつて、暗黒王ログレスにより、<ヴェカンタの黒き戦士>として見出された事で、
(僅かな期間とはいえ)ヴェカンティの権力機構の中枢部分を垣間見る機会を得た麗子が任じられていた。
彼女の立てた周到な計画の下、夢幻界の期待を一身に背負った工作員達はヴェカンティへと潜行し、
すでに次代の支配者の座を巡る内紛が火を噴き始めていた各々の任地で、工作活動を開始したのだったが・・・・。
ほどなくして、彼らの許から、工作活動の過程でキャッチした、ある奇妙な噂についての情報が、
相次いで、ヴァニティ本国へともたらされ始めたのである。
曰く、『残忍王メガスの復活を目論む者達がいる』・・・・。
最初のうちは、単なる流言蜚語の類いだろう、と、さして気にも留めなかった分析官達だったが、
日を追う毎に、同様の報告を上げてくる者の数が増えていくにつれ、その顔色は蒼ざめていき、
やがて、彼ら自身の間からも、情報の真偽を確認すべし、という声が上がり始めたのである。
事態を重く見たヴァルナは、本来の任務を一時中断する形で、暗黒界入りした工作員達に調査を命じたものの、
確かな情報と言うならまだしも、ヴェカンティの住人達の間ですら真偽は藪の中という代物が相手では、
手練れの諜報要員といえども歯が立つ筈も無く、上がってくる報告はいずれも要領を得ないものばかり、
最後には麗子までもが引っ張り出されて、こちらはある程度詳細な情報を掴む事に成功したのだが、
結局のところは、それでもまだ、情報の真偽を確定出来るまでには至らなかったのだった。
(6)
『・・・・本来なら、優子を担ぎ出してまでしなければならないような話じゃないんだけど・・・・』
自分達の不甲斐なさを詫びながら、協力を求めてきた麗子の表情は、
これまで一度も目にした事の無い程、苦りきったものだった。
彼女の言う通り、普通に考えたならば、確かに現状はあまり芳しいものではないとはいえ、
夢幻界にとって最後の切り札とも言うべき<ヴァリスの戦士>の投入が必要な程の状況ではありえない。
本当の問題点は、これまでの間に『もしかしたら本当に残忍王が復活するかもしれない』という猜疑心が、
一種の強迫観念となってヴァニティ城全体に広がっており、恐慌状態を生じさせていた事の方だった。
『・・・・まぁ、彼らの気持ちも分からないではないけどね。何と言っても、あのメガスに関わる話だし。
そのおかげで、今、城の中は、ヴェカンティへの工作を再開するどころじゃなくなってる。
まったく、本末転倒もいいところだけど、この辺で区切りを付けないとどうしようもない、って訳なのよ・・・・』
最後の一言は、言外に、麗子自身は、"メガス復活"の情報が本物とは感じていない事を匂わせている。
だが、自らヴェカンティに乗り込んだにも関わらず、その事を確実に立証できる証拠を発見出来なかった以上、
今の麗子の言葉には、城内の混乱を食い止めるだけの力は存在していなかった。
それに、戦乱の時代を目前に控え、異常なまでの警戒心と疑心暗鬼とが横行している暗黒界への再潜入は、
もはや、麗子にとってすら、危険過ぎる行為となっているのも事実だったのである――――。
(7)
・・・・・・・・・・・・数刻後。
「・・・・ううう・・・・一体・・・・何なの・・・・この感じは・・・・!?
・・・・まるで・・・・周り中から・・・・誰かに監視されているみたい・・・・」
乳白色の霧に包まれた荒地の中を行く蒼髪の<戦士>の顔は、
これまでにも味わった事の無い、得体の知れない焦燥感によって強ばっている。
霧の中に一歩足を踏み入れた瞬間からまとわりついていた不気味な気配は、時間と共に増していた。
あたかも、この場所そのものが分け入る者を拒絶しようとしているかのように、
ある時は肌に突き刺さるかのような、別の時には手足にベトベトと絡みつくかのような、不快さが、
絶え間なく優子を付け回し、平常心を掻き乱そうとし続けている。
「・・・・成る程、麗子が、途中で引き返すしかない、って判断した訳だわ・・・・
こんな所に何日もいたら、本当に気が変になってしまうかもしれない・・・・」
・・・・別段、敵意ある存在や危険な生物が襲ってくるという訳ではない。
濃霧に包まれた湿原を進むのであるから、決して楽な道のりではなかったが、
難儀すると言っても、せいぜい地面が泥炭のような柔かい地層になっていたり、
小さな沼や沢が行く手を遮っていて、遠回りを余儀なくされたりする程度である。
それでいて、少女の心は、時間の経過と共に、急速に疲労を増し、ささくれが目立つようになっていた。
麗子の話では、"メガス復活"の噂が何処から伝わってきたのかを調べていくと、
情報の流れの殆どは、いずれもこの陰鬱きわまる場所の近辺に辿り着く点で一致しているらしい。
この場所が件の情報の発信源なのか、それとも、ここも単なる中継ポイントの一つなのか、
そのいずれにせよ、自分の目で直接真相を確かめる必要がある、と考えた夢幻界の少女は単身この地に挑み、
――――そして、霧に包まれた荒野の中をひたすら彷徨い歩いた末に、
もうこれ以上は一歩も進めない、と判断せざるを得ないまでの衰弱と困憊に見舞われたのだった・・・・。
(8)
「・・・・最初に話を聞いた時は、まさかあの麗子が、って思ったんだけど・・・・」
双眸に疲労の色を滲ませながら、ため息をつく優子。
麗子は、この場所全体を、侵入者の精神に作用する特殊な力場が覆っているのでは?と推測していたが、
どうやらそれは真実らしく、その威力たるや、親友からの忠告で十分に心積もりをしてきた筈にも関わらず、
実際にこの地に足を踏み入れ、霧の中を歩き回ってみると、
小一時間と経たないうちに、叶う事なら一刻も早くここを離れたい、という気持ちが芽生え始めた程である。
「・・・・認めたくは無いけど・・・・でも、どうやら本当みたいね・・・・。
何なのかは分からないけど・・・・確かにこの場所全体を何か得体の知れない力が覆ってる感じがする・・・・」
まるで、毒ガスの中に閉じ込められているような気分だった。
しかも、その毒性は、肉体ではなく、精神の方を蝕み、消耗させていく性質を有しているのだろう、
通常の毒物や劇物であれば、浄化の魔力によってこれを中和し、
無害な成分へと変えてくれる筈の黄金の甲冑も、全く無反応のままである。
勿論、聖なる鎧に封じられている加護の力の中には、
主の精神を惑わし、危害を加える事を目的とする邪悪な力を遮断するものも含まれていた筈だが、
現状を見る限り、それも充分な効果を発揮しているかどうかは疑わしいと言う他無い。
(9)
(・・・・ダメよ、優子。もっと心を強く持たなければ・・・・!!
・・・・もしも、今ここで、私まで逃げ帰ってしまったら、
麗子やヴァルナさまがこれまで積み重ねてきた努力が全部無駄になってしまうかもしれないんだから・・・・!!)
強くかぶりを振った優子は、自分自身に向かって、そう、叱咤の言葉を張り上げると、
更に、鬱々とした感情を頭の中から追い払うべく、弛緩しかけていた利き腕にありったけの握力を再充填し、
まるで、霧の奥にいる何者かに向かって、『決してお前の思い通りにはならない』と宣言するかの如く、
<ヴァリスの剣>を高々と振り上げて、眩い輝きを放つエネルギーの弾丸を霧の中へと撃ち込んでみせる。
・・・・変化が生じたのは、その時だった。
――――シュルッ、シュルシュルッッッ!!
濃霧の中に吸い込まれていく剣光の軌跡を見守っていた優子の足元で、何かが動く。
・・・・次の瞬間、愛剣の柄の部分に嵌め込まれた紅玉から警告の光条が放たれるのとほぼ同時に、
蒼髪の少女は反射的に地を蹴り、空中へと身を躍らせていた。
僅かに遅れて、足元を浚おうと忍び寄っていた襲撃者の一撃が空しく空を切り、
更にそのコンマ数秒後、今度は、着地した<ヴァリスの戦士>が、気配を感じた方向に向かって剣先を走らせる。
切っ先から飛び出した衝撃波は、土煙を上げながら地表スレスレの高さを直進し、
必殺の一撃をかわされた暗殺者に、回避の暇を与える事無く、見事その体を捕捉する事に成功した。
(10)
「・・・・あれはッ!?」
眩い輝きに照らし出された肉の破片を目にした優子は、一目でその正体を看破する。
ヴェカンティの至る所に生息する、一見、植物とも動物ともつかない奇怪な生き物、
知能は無いに等しいが、その代わりに、優れた闘争本能と旺盛な生命力を備え、
十メートル近い長さの触手を伸ばして獲物を絡め取り貪り食う、危険な肉食獣である。
(あいつらは群れで行動する・・・・まだ他にも仲間がいる筈だわッ!!)
素早く周囲を警戒する、<ヴァリスの戦士>。
・・・・はたして、数秒もしないうちに、シュルシュルという不気味な擦過音が、再度少女の足元に近付いてきた。
しかも、今度は二つ、否、三つ・・・・正面と左右から一斉にである。
さすがの彼女にも、その全てを同時にかわしきる事は不可能と思えた。
(11)
「――――ならば、こうするだけッ!!」
瞬時に状況を見極めた<戦士>は、黄金の甲冑を纏った身体を半回転させて、
左方向からの一本に向き直るなり、必中の光弾をお見舞いする。
続いて、振り下ろした切先を引き上げる事無く、そのまま水平方向に薙ぎ払うと、
撃ち出された衝撃波は、低い弾道を描きつつ直進し、
向かって右、つまり、先刻まで自分の正面にいた触手に命中して、その醜悪な体を消滅させた。
(あともう一つ・・・・これはかわすのはムリ・・・・だったらッ!!)
同胞達の犠牲の下に、標的へと到達した最後の一本は、
猛然と身を起こして、しなやかに伸びた右脚を覆う、白いロングブーツに巻きつこうとする。
だが、すでにそれを予期していた優子は、慌てる事なく足元に意識を集中して、
不可視の障壁を展開すると、ヌメヌメとした粘液に覆われた異形の肉塊を弾き飛ばした。
続く一呼吸の間に少女が再び体勢を入れ替えた時点で、勝負の行方は決まったようなものだったが、
彼女は最後まで集中力を途切れさせる事無く、哀れな襲撃者に向かって正確無比な一撃を叩き込む。
(12)
(・・・・これで四匹目ッ!!他は何処ッ!?)
剣を引いた<ヴァリスの戦士>は、中腰の姿勢のまま油断無く周囲に目を配り、
濃い靄の中で蠢く暗殺者達の位置を察知すべく、五感の全てを研ぎ澄ます。
無論、<ヴァリスの剣>にも、敵意を持って近付こうとする存在の位置を探知する能力は備わっているのだが、
接戦の際は自分自身の感覚の方がずっとアテになる、という事実を、彼女は幾多の戦いを経て会得していた。
強大な<剣>の力も、結局のところ、その能力を使いこなせるかどうかは自分次第なのだ、という事も。
・・・・そう、自分では思っていた筈だった。
(13)
「・・・・ハッ、後ろッ!?」
背後に気配を感じると同時に、優子は豊かな蒼髪を翻し、瞬時に身体をターンさせた。
その身のこなしは、氷上を舞うスケート選手さながらに、
軽快で、なおかつ、無駄が無く、周囲に観客がいれば魅了されずにはいられない程美しい。
――――だが、背後を振り返り、そこにあるものを確認した途端、少女の動作は急停止してしまった。
「・・・・なッ!?・・・・う・・・・嘘ッ・・・・まさか、こんなことッ・・・・!!」
白いスクリーンの向こうに聳え立っていたのは、雲衝くような巨大な影。
子供の頃、テレビの特撮番組によく登場していた大海亀の怪獣を思わせる、その禍々しい輪郭は、
優に10メートルを超える身の丈とその半分近い胴回りを併せ持っている。
これほどの巨体の持ち主が、物音一つ立てず、背後に忍び寄っていた事だけでも信じ難かったが、
さらに彼女を愕然とさせたのは、その特徴的なシルエットに、確かな見覚えがあるという事実だった。
「・・・・赤闘竜・・・・ザルーガ・・・・」
微かに震える唇が紡ぎ出したのは、
暗黒王ログレス亡き後、その遺臣たる雷獣将ガイアスの命を受け、
優子への憎悪を滾らせたログレス軍の残党を率いて、リアリティにまで攻め寄せてきた復讐鬼の名前。
自らの一命を代償に、ヴァリアから託されたファンタズム・ジュエリーを奪い取り
一時とは言え、<ヴァリスの戦士>と夢幻界の双方を窮地へと陥れた強敵の姿は、未だ記憶に生々しかった。
(14)
(・・・・こ、これは・・・・一体・・・・どういう事なの!?
・・・・今・・・・わたしが見てるのは、幻!?・・・・それとも・・・・本当に、あのザルーガが目の前にいるというのッ!?)
驚愕のあまり、瞬きすら忘れて、優子は、霧の中の巨大な影を見上げ続ける。
視界を遮る濃霧のせいで、細かい部分までは判別出来ないが、
視認可能な範囲には、少なくとも、これはザルーガではない、と確実に断言できるような要素は見当たらない。
(・・・・もし・・・・もしも、これが、本当にあのザルーガだったなら・・・・!?
・・・・『メガスが復活する』という、あの噂は・・・・!!)
みぞおちを冷たいものがすべり落ち、心臓の動悸が激しさを増していった。
真実を確かめねば、という使命感と、そんな真実など知りたくもない、という恐怖感とが、激しく交錯する中、
少女の注意力の全ては、前方の影へと吸い寄せられてしまう。
・・・・無論、捕食本能の権化ともいうべき暗黒界の野獣が、その隙を見逃す筈が無い。
実際には、彼女が我に返るまでに要した時間は僅かなものに過ぎなかったが、
原始的ではあるが優秀なハンターである彼らにとっては充分だった。
ほんの数秒間の間に、左右のブーツにはヌメヌメとした触手が幾重にも巻きつき、
両足の自由を奪い取る事に成功したばかりか、
その一部は、程よく引き締まった健康的な太腿に達して、早々と、乙女の柔肌を醜い粘液で穢してさえいた。
(15)
「・・・・ひぃッ・・・・いっ・・・・いや・・・・イヤぁぁぁッ・・・・!!」
剥き出しの肌を這いずり回るおぞましい感触に、優子の口元からは鋭い悲鳴が響き渡る。
・・・・だが、本当の恐怖はこれからだった。
その主役は、まるでその叫び声を合図にしたかのように、周囲の霧の中から姿を現わした怪物達、
無数の臓物を集めて無造作に捏ね上げ、肉団子状に丸めたかのような、触手生物の本体である。
「・・・・た、だめぇッ・・・・!!来ないでッ・・・・あああ・・・・こっちに来ないでぇッッッ・・・・!!」
罠にかかった獲物の上げる悲痛な叫び声が響き渡る中、
醜悪な化け物の群れは、ゾロリゾロリ、と地面を這いずりながら、にじり寄ってくる。
半ば恐慌に陥った蒼髪の少女は、剣を振り上げ、無我夢中で斬り付けようしたものの、
冷静さを欠いたその反応は、ほとんど自由の利かなくなっていた身体にとっては致命的だった。
無秩序な動きに付いていく事が出来ず、辛うじて保たれていた全身のバランスが崩壊してしまった結果、
<戦士>の身体は、派手な音を立てて背中から地面に激突してしまったのである。
(16)
「・・・・んあッ・・・・あああッ!?あううッ・・・・ぐ・・・・ひはぁッ・・・・!!」
さしもの優子も、無秩序にのたくる触手の大群に全身を捏ねくり回されては、冷静さを保つ事など不可能だった。
両手両脚は言うに及ばず、美しく整った顔面も、ほっそりとした首筋も、すっきりと引き締まった脇腹も、
<ヴァリスの鎧>の黄金の装甲によって直接的に守られていない部位は、
余す所無く暗黒界の下等生物の捕食器官により覆い尽くされ、おそるべき愛撫の標的となっている。
頼みの綱の<ヴァリスの剣>はと言えば、転倒した拍子に指の間からこぼれたらしく、
少女の身体から僅かに数十センチ程度しか離れていない、小さな水溜りの中へと転げ落ちていた。
「・・・・うぐッ・・・・ああッ・・・・だ、駄目ッ・・・・手が・・・・届かない・・・・ぁあああッ・・・・!!!!」
<ヴァリスの剣>を取り戻そうと、必死に腕を伸ばそうとするものの、
全身の自由を奪われた今、愛剣との間の自分の身長の半分にも満たないその間隙は、
どのような手段を以ってしても越える事の出来ない、千尋の谷間に等しいものだった。
あるいは、ある程度落ち着いて対応できたならば、たとえ<剣>を手にしていなくても、
この程度の攻撃であれば、<鎧>から発する守りの気だけで弾き返せたかもしれないのだが、
何十匹もの異形の群れが全身に絡み付く中にあっては、それもまた不可能な事だった。
(17)
(・・・・ううう・・・・そんな・・・・信じられないッ・・・・!?
・・・・いくら<剣>が手元に無いからって・・・・<戦士>の力がこんなに弱まってしまうなんて・・・・!!)
悪夢のような現実に打ちのめされ、優子は半ば茫然自失の状態に陥っていた。
もはや、立ち上がる事はおろか、剣の落ちている方向に這い進む事も、腕を伸ばす事さえ出来なくなり、
古い家屋の壁面をびっしりと覆う、蔦や蔓を連想させる暗緑色の触手に絡め取られた自分の肢体が、
ネバネバとした分泌物により、好き放題に汚辱されていくのを止める手立てとて無い。
加えて、常人ならそれだけで発狂してしまうかもしれない程の異物感は、
<ヴァリスの戦士>として幾多の死線を掻い潜ってきた彼女の精神をも容赦なく責め苛み、
泣き叫んだりこそしなかったが、真っ青に引き攣ったその顔は、恐怖と苦痛とで醜く歪み切ってしまっていた。
(・・・・だ、だめッ・・・・全然、振り解けないッ・・・・!!
・・・・くうううッ・・・・一体、どうしたらいいのッ!?・・・・こ、このままじゃあ・・・・!!)
脳裏をよぎる不吉な予感に、弱々しくかぶりを振る蒼髪の少女。
そんな事は無い、希望を捨ててはダメ・・・・、と、弱気に陥りかける自分を必死に奮い立たせながら、
奇怪な触手の大群に揉み苦茶にされる中、必死にこのピンチを脱する方法を思考する。
そうでもしなければ、全身の神経を責め苛む殺人的なレベルのおぞましさが、
自分の意識を(あるいは正気もろともに)因果地平の彼方に追いやりかねない、と判断しての行為だったが、
勿論、こんな状態で考え込んだところで、名案など浮かんでくる筈も無かった。
――――だが、優子のとったこの行動は、全く無駄という訳ではなかったのである。
(18)
(・・・・えッ・・・・何、どういう事ッ!?・・・・触手の動きが・・・・急に・・・・!!)
何の前触れも無く、突如して緩慢となる触手の動き。
何が起きたのか理解できず、一瞬、怪訝そうな面持ちをする優子だったが、
実は、戸惑っていたのは、ヴェカンティの異生物の方も同じだった。
彼らにしてみれば、自分達の攻撃を受けた者は、肉体はともかく、精神が耐え切れずに意識を失うか、
そうでなければ、完全に体力を使い切るまでもがき続けるか、そのいずれかであるべきなのであり、
そのどちらでもない反応を示す者に遭遇した例は、これまでただの一度も無かったのである。
知性も思考も持ち合わせず、本能だけを頼りに狩りをする存在にとって、
この獲物の反応は完全に想定外であり、どう対処すれば良いのか分からなくなってしまったのも無理はなかった。
(・・・・しめたわッ!!腕だけなら何とか動かせるッ!!)
その点、優子の方は、状況に対して、きわめて柔軟に対処できたと言って良い。
無論、何故触手の動きが鈍ったのか、正確な理由を探り当てた訳ではなく、一抹の不安は残っていたのだが、
それでも、前後の状況から考えて、下手に刺激を与える事は逆効果だという点を理解出来たのは大きかった。
無闇に手足を振り回すのをやめて、じりっじりっと身体の位置をずらしながら、
拘束の緩んだ左腕だけをゆっくりと伸ばし、<ヴァリスの剣>を探す、という彼女の選択は、
間違いなく、この状況でとり得る中では最良の手段だったと言って良いだろう。
・・・・少女の指先が<剣>に到達するのが先か。それとも、怪物たちが混乱から立ち直るのが先か。
――――霧に包まれた沼地のほとりでの攻防は、クライマックスへと向かっていく。
(19)
(・・・・はううッ!?・・・・しょ、触手の先が・・・・スカートの中に・・・・!!
・・・・ど、どういう事!?・・・・もしかして、こうやって反応を窺ってるというのッ・・・・!?)
太腿の内側を舐めるように撫で上げるヌルヌルの肉縄に、肩当ての先端が、ビクビクッ、と鋭く跳ね上がった。
全体的に動きが鈍くなった分、一本一本の動きはより強調されたものとなり、
結果的に、乙女の柔肌を蹂躙する不快な感触は、低減するどころか、反対に大きくなっている。
無論、騒ぎ立てれば彼らを刺激するだけだ、と分かっている優子は、持てる忍耐力を総動員して、
こみ上げてくる悲鳴を必死に押しとどめ、跳ね暴れようとする手足を懸命に食い止めようとしているが、
その戦いは、未だ成熟しきっていない彼女の肉体には、幾つもの点で荷が重すぎるものだった。
(・・・・あううッ・・・・だ、だめ・・・・カラダが・・・・動いちゃうッ・・・・!!
・・・・ひぃぃッ・・・・や、やだ・・・・そんな所・・・・ああッ・・・・そこは、ダメぇッッッ・・・・!!)
触手の先端部分は絶えずプルプルと小刻みに蠢動しつつ、
少女の太腿の上を、付け根の方に向かって這い進んでいく。
先刻までと比べれば、明らかに弱まっているとはいえ、
依然として、その締め付けは、仰向けに倒れた身体を地面に磔にし、立ち上がる事を許さなかった。
今の所、それ以上の行動に出ようとはしていないのが、救いと言えば救いだったが、
おぞましいヌメリに覆われた異生物の感触を、鎧に覆われていない場所の全てで常時味わされる拷問には、
いかに<ヴァリスの戦士>といえども、長く堪え続けるのは至難の業である。
(20)
(・・・・だ・・・・だめぇッ・・・・声が・・・・漏れちゃう・・・・ひぃッ・・・・我慢出来ないッ・・・・!!)
しなやかな太腿を堪能しつつ、ダーク・グリーンの淫獣は、
丈の短いスカートの中の一番奥まったところにある純白の薄布を目指し、着実に突き進んでいく。
腰を浮かせて逃げる事も可能だったが、それでは相手を刺激してしまう、と懸念した優子は、
太腿を捩り合わせて何とか防ごうとしたものの、触手の体表はまるで鰻のようにツルツルで掴み所がなかった。
しまった、と後悔した時はすでに遅く、防衛線を破られて目的の場所への到達を許してしまった後だった。
「・・・・あうッ!!・・・・そ、そこはッ・・・・いひぁッ・・・・んぐッ・・・・んんんッ!!」
もはや、優子に可能だったのは、歯を食いしばり、額に脂汗を浮かべながら、
身体の奥底から衝動と共に噴き上がってくる叫び声をすんでの所で食い止めるぐらいの事しか無い。
だが、彼女の身体の中で一番触れて欲しく無い場所に押し当てられた突起物とは、
今や、わずか1ミリにも満たない薄い布地を隔てているだけで、
ヌメヌメとしたその粘液の感触も、ビクビクという不気味な蠢きも、手に取るようである。
ぞっとするような感覚は、高圧電流の如く腰椎の間を暴れ回り、
必死の努力も空しく、次第に高くせり上がっていく背筋を駆け上って、頭蓋骨の中にまで達するのだった。
(21)
(・・・・ああッ・・・・ぐっ・・・・くううぅッ!!
・・・・だ、だめぇッ・・・・我慢・・・・しなければ・・・・ひぅッ・・・・で、でも・・・・ひあああッ・・・・!!)
太腿の間でグネグネと這いくねるいやらしい触手に、思わず、激しい喘ぎ声が口をつく。
すでに敗色は濃厚で、懸命の抵抗にも関わらず、少女の身体はブルブルと小刻みな痙攣に包まれ始め、
今にも理性の頚木を振り払って、間断なく襲い来る不快感に真ッ正直な拒否反応を返しかねない有様だった。
――――そうなれば、全ての怪物が一時的な混乱から復帰して攻撃本能を取り戻し、
これまでの忍耐の全てが水の泡となってしまう。
その事は痛い程良く分かっているのだが、
全身に鬱積した生理的な嫌悪感の水嵩は忍耐力の限界ギリギリまで上昇している。
その上、薄い布地一枚を隔てただけの粘液まみれの異物から執拗に揉みしだかれるうちに、
敏感な花弁の間には、不快感や嫌悪感とは明らかに異なる、妖しい感覚までもが滲み出してくるのだった。
(・・・・あああッ・・・・何・・・・なんなの、この感じッ・・・・!?)
新たな脅威の出現に狼狽し、ますます焦燥を深めていく、<ヴァリスの戦士>。
・・・・無論、彼女は、それが紛れも無い性の気配だと自覚できる程、大人では無かったが、
同時に、それがセックスとは全く無縁な現象であると思い込める程、小人という訳でも無い。
そのいずれかであれば、このピンチにも動じず、あるいは、危機自体を意識しないまま、
冷静にやり過ごす事も出来たかもしれないが、不幸な事に、優子はそのどちらでも無いのだった。
(22)
(・・・・ひぃぃッ・・・・イヤ・・・・そこ・・・・触らないで・・・・ううう・・・・!!)
触手の先端が恥丘のふくらみを撫でるたび、少女の下半身は、ブルッブルッ、と微細な戦慄きに包まれる。
その波動を全身に波及させまいと、涙ぐましい努力を続ける優子だが、
一度火が付いてしまった性感を押さえ込むのは普通の状態であっても並大抵の事ではない。
ましてや、異形の生物の群れによって全身を絡め取られているばかりか、
スカートの中の一番大事な場所にまで侵略を許している悲惨な状況の下では、
性の衝動は、鎮静化するどころか、反対に、ますますエスカレートしていくばかりだった。
(・・・・あッ・・・・あああッ・・・・だ、だめぇ・・・・わたし・・・・もう・・・・だめぇッ!!
・・・・ハァハァ・・・・こ、これ以上は・・・・もう・・・・我慢・・・・出来ないッ・・・・!!)
いつの間にか、頭の中には妖しいピンク色をした靄が垂れかかり、
きつく閉じ合わさった瞼の裏側では、無数の火花が飛び交っている。
肺腑の底から噴き上がる魂の叫び声は、喉笛の中を暴れ回っただけでは飽き足らずに、
食いしばった口元にまで押し掛けてきて、外界への出口を強引にこじ開けようと試みていた。
捩り合わされた太腿の間で、じゅん、という、小さな湿った音が響き渡ったかと思うと、
膣壁の間から、ジュワワ〜〜ッ、と溢れ出した生温かい液体が、
お漏らしでもしてしまったかの如く、薄い恥毛に包まれた未成熟な果実をビショビショに染めていく。
(23)
「・・・・も、もうッ・・・・だめえええッッッッ!!!!」
破局の瞬間、優子の口からは、一杯に溜まっていた唾液と共に、絹を引き裂くような絶叫が迸る。
鬱積していた欲情が、ビクビクビクッ、という激しい痙攣となって噴出し、
地面に縛り付けられていた手足は、無数の触手をものともせずに上下左右に跳ね上がる。
意識の中は、ピンク色の衝動と共に、周囲を取り囲む濃霧と同じ、乳白色の閃光がゴウゴウと渦を巻き、
理性も感情も思考も一切合財を一緒くたにして、無秩序に攪拌し続けていた。
「・・・・ひぃぃッ・・・・と、止まらないッ・・・・止められないィッッッ・・・・!!」
血の気を失った顔面は、すでに、無残を通り越して、滑稽にすら感じられる程、グロテスクに歪んでいる。
厳密に言えば、今、彼女の肉体を覆っている興奮状態は、純粋なセックスの快楽に由来するものではなく、
我慢に我慢を重ね続た挙句、とうとう限界に達してしまった五感が一時的な錯乱状態に陥って、
身体の内側に溢れ返る諸々の衝動を、いわば擬似的なエクスタシーとして誤認してしまっただけだった。
だが、性体験など数える程しか無い――――しかも、その殆どは同性の少女によるものだった――――、
17歳の未熟な果実にとっては、それが性的なものであるかどうかを見分ける事は不可能に近い事だったし、
また、たとえ、それが可能だったとしても、両者の間に差異を見出す事は出来なかったに違いない。
「・・・・い、いやッ・・・・いやああああッッッ・・・・!!!!」
絶叫に次ぐ絶叫。痙攣に次ぐ痙攣。
・・・・そして、次の瞬間、少女の視界は、怒り狂った触手の群れによって埋め尽くされたのだった。
――――――――TO BE CONTINUED.
183 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 23:38:23 ID:HgoWuN5D
すてき
以上、第1章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜。
今回は、途中、一箇所、<切り取り>-<貼り付け>の作業をミスした所があったものの、
連投規制に引っ掛かる事も無く、順調に作業を終える事が出来ました。
規制回避のため自主的にご協力くださった方がいらっしゃったのであれば、
この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。
次章は、触手生物の攻撃でボロボロになった優子タンに、
更なる強敵が襲いかかり、今回以上の恥辱と快楽によがり狂わせる予定です。
発表時期の方ですが、今の所、3月下旬を予定していますが、
年度末と重なるため、多少遅れが生じる可能性もございます。
その際には、どうかご容赦の程、お願い申し上げます。
それでは、今夜はこの辺で〜〜。
ぐれーとじょぶ!!!
素晴らしい。流石ですなぁ(ラg★゚∀。)ノ
あまり難しい表現はそんなに使わず、判りやすく、それでいてヤラスィ〜イ*゚∀゚)*。_。)ウンウン
とても、優子タンが必死に凌辱に耐え耐えきれなくなるのが伝わり激萌ですね。
いや、小生も某触手系エロゲースレでたまに投稿しますが(嫁に隠れてコソッと(藁))
こんなに巧く書けないですよ。参考になります。
次回楽しみにしてます
皆様、ご感想有難うございます〜。
久しぶりに触手責めの場面を描いてみたのですが、いかがだったでしょうか?
第1章では本番(膣内挿入)は無し、という形にしたため、
あるいは、少し物足りない、と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、
これは全体のバランスを考えた上での判断です。
勿論、第2章以降は、膣外射精→挿入→中出し→??、と、
優子タンへの責めもヒートアップとしていく方針ですのでご安心を
(ちなみに、触手は第3章で再登場の予定です)。
ほしゅ
進行状況〜。
「アフター・ヴァリス」第2章は、現在の進捗率約40パーセント。
状況的には、<ヴァリスの鎧>の加護の力によって触手生物は撃退したものの、
自分自身は全く何も出来なかったという事実に打ちのめされ、
自信を喪失して落ち込んでしまった優子タンが、
先のメガスとの戦いの中で起きた忌まわしい出来事を思い出しているところ。
回想シーンでは、(「ヴァリス」関係の同人誌や同人CGで何度となく題材にされている)
PC版「U」の5面終了後の「あの」ビジュアル・シーンにエロ・シーンを大幅追加して、
メガスによる優子タンへの羞恥プレイを描いていく方針です。
完成発表まで、あと約一ヶ月少々の予定です。
どうかご期待下さいませ〜〜。
進行状況〜。
「アフター・ヴァリス」第2章は、現在の進捗率約60パーセント。
状況的には、
(回想の中で)メガスにヴァリアを人質に取られ、降伏を余儀なくされた優子タンが、
宿敵の欲情した視線に見つめられる中、
鎧を脱ぎ捨て、両腕で隠していた乳房を晒し、スカートの端を持ち上げて、
中身(注:下着です・・・・まだこの時点では(笑))を曝け出しているところ。
この後、残忍王の要求はさらにエスカレートしていきます・・・・。
今の所、全てスケジュール通りに進んでいます。
特に執筆の遅れ等は発生していませんので、予告通り来月の下旬には発表できる見通しです。
どうかご期待下さいませ〜。
乙カレー様です。(ラg★゚∀。)ノ
ムムッ!あの話ですか?
何か昔似た話を読んだ記憶が有ります。
失礼かと思いますが、以前その回想部分執筆されましたか?
凄く興奮して読んだ記憶が有ります*゚∀゚)*。_。)ウンウン
違っていましたら申し訳ございません…orz
とにかく楽しみにしています。(ラg★゚∀。)ノ
>>193 >何か昔似た話を読んだ記憶が有ります。
>失礼かと思いますが、以前その回想部分執筆されましたか?
おそらく、それは「麻生優子陵辱同盟」(序幕)の一番最初の頃、
私がここにSSを投下するようになる以前に発表されていた作品の事ではないでしょうか?
早すぎず遅すぎず、丁度良いスピードでストーリーが展開していく文章構成の巧みさといい、
優子の感情や仕草の表現の緻密さといい、メガスのどす黒い情念の滲み出たセリフ回しといい、
私も大変感銘を受けた記憶があります。
保管庫に収録されていた筈ですので、探してみてはいかがでしょうか?
195 :
新参者:2006/02/24(金) 17:30:29 ID:T0mCQJvU
はじめまして。保管庫からやってきました。
皆さんの作品を読んでいたら自分も書きたくなってしまいました。
保管庫にあった27様の魔物達×優子と、185様の「不良ネタ!」の続編を
書きたいなと思ってるんですが、書いてもいいものでしょうか?
魔物達×優子の方は、これからクライマックスというところで終わってしまって
残念ですし、不良ネタ!の方はあの後どのようにして優子が調教されて
しまうのか気になってます。どうしたものでしょうか?
発表からずいぶん経つしな。いいんでないかとは思うんだが。
>>195さん
ここは、誰でも書き込める2ちゃんねるですから
いいんじゃないですか。(ラg★゚∀。)ノ
良い作品なら私は歓迎です(ラg★゚∀。)ノ
>>195 肯定的なご意見の方が多いようですので、
発表されてみてはいかがでしょうか?
なお、発表にあたっての注意点は概ね以下の通りです。
・フタナリはNG。
・浣腸描写はOK。ただし、ウ○コの描写はNG(あまり詳細に描写しなければOKです)。
・内臓、眼球、四肢切断、その他残酷な描写はNG。
そこまで酷くない性的暴行や戦闘による負傷のシーンはOKですが、
判断に迷う場合は、事前に読者の皆様に確認する方が良いでしょう。
あともう一点、これは現在、スレの中で意見が分かれている問題なのですが、
『ビキニ鎧』以外のコスチューム(セーラー服等)の着用シーンについては、
(スレの趣旨から考えて)なるべく描写しない方が良い、というご意見が存在しています。
勿論、そうは思わないというご意見も存在しているのですが、
いずれにせよ、読者の皆様の中に、
そういった考えをお持ちの方もいらっしゃる、という点にはご注意をお願いいたします。
199 :
新参者:2006/02/26(日) 01:03:16 ID:A821yKHg
皆様、ありがとうございます。
ちょっと時間がかかるかもしれませんが、書きあがり次第発表いたします。
不良ネタは当時ワクテカしながら続きを待ったもんだ。
ぐわんばれ、期待している。
思えば、もう4年にもわたってARCH DUKE氏がこのスレを支えてきたんだよなあ…
レズビアン麗子の登場は衝撃だった
>202
まじか
マジです。
ちなみにBB5=日本テレネットです。
こりゃまた、凄いですな。
まさかエロゲーになるとは…
複雑だな〜、テレネット自体が変わっちゃってるし
欲を言えば、絵柄がちょっと受け付けないがw
そりゃこのスレに来てるんだから、良からぬ妄想のひとつやふたつはあったが
一線を越えて、本家が叶えてはいけない夢というか…
正直アクションゲームとして復活してくれた方がうれしかったのに。
なんか相手が人間(しかも女)ばかりの絵しか出てないが、
ログレスやメガスにはやられんのか?
エロパロ読んでいながらこう言うのもどうかと思うが、エロゲにはなって欲しく
無いなぁ…
Oo。( ̄¬ ̄*)〈只今エロゲになったヴァリスの優子タンを妄想中…〉
相手はモンスター系メインで頼むよ
ヴァリスはエロキャラと思ってる俺は無問題
Oo。( ̄¬ ̄*)・。:*゚*:。・
〈只今会社でエロゲになった優子タンがモンスターの性奴になったところまで妄想は進行中…〉
優子は巨乳じゃなかろーに、あと、絡んでるの誰?まさか麗子じゃねーよな
>>215 いやそうだろw
上がチャムで下は麗子だと思う。
…なんだか男前になったなぁ麗子w
あと、優子にもーちょっと凛とした表情はないのか
なんだかめっちゃ萎えた…
とりあえず触手はあるようなので安心した
というか、今後このエロパロスレがパロディでなくなる件
う〜む、遂にオフィシャルが我々を追走してくるようになりましたか・・・・。
これまで『そうなればいいな』と、心の中で漠然と思っていたのですが、
こうして現実の出来事として目の前に現れる日が来ようとは、率直に言って驚きでした。
新しい『夢幻戦士ヴァリス』と新しい優子タンの物語、どういったものとなるのか?
今から期待で胸がワクワクしています。
それと同時に、今後は、この『ヴァリスX』によって、
『夢幻戦士ヴァリス』というゲーム、麻生優子という魅力的なキャラを知り、
新たな『ヴァリス』ファンとなって、このスレを訪れる方も現れる事でしょうから、
そういった方々のご期待にも(出来る限り)応えていかねばならない、と身の引き締まる想いでもあります。
いずれにせよ、私は、この『夢幻戦士ヴァリス』の新作を大歓迎し、
その前途に大いに期待したいと考えています。
絵がへたくそだな。
一応横スクロールアクションの体裁をとって欲しいと思うのは俺だけかな?
まあ、ARCH DUKEさんもあぁ言ってるし、出るまではじっと見守ってやりませう。
エロゲ板は阿鼻叫喚みたいだけど、こっちはいつもどおりマターリと。
ゲンガーは「もみじ」みたいなロリっとしたキャラが
本領なんだから仕方ない。
つーか、俺らに一声かけてくれば、いらでも絵師を推薦…orz
>>225 ちなみにレゲー板では、エロゲ板以上の、阿鼻叫喚地獄絵図となっております…
まあ俺らには日常の延長みたいなもんだし
文句言えた義理でもないからなw
>>224 同意。
敵に負けると犯られちゃうアクションゲームこそ俺が望んでいたもの。
複雑…
エロ同人はお目こぼしだと思っている。
エロやってても、原作を貶めようとか考えたことはない。
自分と少数の人たちの妄想だから、勘弁してもらおうというレベル。
カッコイイのも描きたいけど、エロも描きたい。作者さんゴメンナサイ…。
そう思ってひっそりとやってる。
それを本家が大々的にやるとは…
作者さんの心中察するにあまりある。
色んな意味で一線踏み越えちゃったな
せめて絵師をアプリの絵柄の人にして欲しかった
作者は背に腹は変えられないほど資金繰りに困窮してたんだろうな
オフィシャルでエロゲになったら
エロパロの意味無いじゃん?
一般作キャラをエロ妄想するトコロが良いと思うんだが。
X(クロス)の意味はX指定ですか、そうですか。
同人潰しの旗手として後世に語られる記念すべき作品
巡回してきたがどこもかしこも…爆発音しか聞こえない。
エロゲ板は…9割強で地雷と判定している…mixiは…泣き叫んでいる。
時代劇の、女衒に娘売り飛ばす光景しか思い浮かばない。
何て言うか…合掌。
御神楽もそうだが、エロゲ化した一般作の
末路は悲惨だ。
>>239 「あのひとからのおくりもの」はエロでは無いぞw
調べてみたんだが、非18禁ゲームとして世に出て、
その続編なり外伝なりが18禁になったケースって
御神楽少女探偵団しか無いんだね。
無人島物語とかレッスルエンジェルスは?
>>241 第一作から「水着はぎデスマッチ」だったような……
それを言うならむしろガイナが電脳学園で「トップをねらえ!」を使った例とか。
無人島は既存のキャラを使ってないし、レッスルは脱ぎから始まったから順序が逆でない?
自分とこの版権キャラを容赦なくエロに投入したのはガイナが最初だと思う。
>>238-
>>243 悪いがスレ違いだ
これ以上は他所でやってくれ
いっそ魔物ハンター妖子もエロゲーにしてくれ。
>>234 (私はそうならない事を願っていますが)もし、出来上がった作品が前評判通りの駄作であったならば、
このスレや同人誌・同人CG等のサークルさんで、足りないところを補完していけば良いと思います。
逆に、前評判を覆すような素晴らしい作品に仕上がっていれば、
それによって『夢幻戦士ヴァリス』や優子の魅力を知り、あるいは、再確認して、
新しくヴァリスのファンに加わる方が現れる筈ですので、
この方達のために、更なる優子の物語を提供し続ける存在として、
このスレや同人サークル・同人作家の皆様は今後も一定の役割を果たしていけるのでは?と考えています
(勿論、ヴァリス以外のビキニ鎧系美少女戦士作品のファンのためにも、です)。
>>237 う〜む・・・・私は、同人誌とか同人CGとかで、色々な優子タンを見てきていますので、
今回のキャラデザが、各所で言われているような、どうしようもなく酷いものとは感じないのですが。
とりあえず、ゲームの出来に関しては、完成品を見てから論評すべきだと思います。
…なんか、この騒動が始まってから、初めて「オトナの意見」を聞いた気ガス
こういう人だからこそコテでスレの屋台骨を支えていても叩かれないのですよ
>>233 作者は営利と関係ないとこで嘆いてますよ。
>>247 結構昔のゲームだからな
エロゲーで出そうと絵がどうであろうと
このスレが荒れないで盛り上がってくれればそれで良い
むしろ同人側がアクションゲームを作る番と見た!
御神楽は良かった。
開発力のあるエルフだし、生みの親の河野一二三氏がメインで関わってるし、
主題歌やBGMは前作踏襲してるし、ゲームシステムも同じだし。
絵や声が変わっても御神楽の続編ということを実感出来た。
本人が版権を持ってたのが幸いしたのかも。
エロゲー化自体反対してるファンは批判的だが。
ヴァリスのエロゲー化自体は反対しないが、お手軽ヤリゲーっぽいのは反対。
原画がおざなりなのも駄目、やるなら真剣に作ってくれ!
ゲーム紹介やあらすじの文を見るとシナリオ自体も不安だし。
>>251 フランスパン辺りに頼んでみてはどうか?
フランスパンだったら魔物ハンター舞のキャラ代えするだけでもいいな。
今回のエロゲ化では、むしろカコイイ敵キャラがいなくなりそうな所が残念なんだよ。
本筋で強敵どもをバッサバッサと切り倒していく優子がいてこそ、エロ妄想のしがいもあるというに
実際どうなるかはわかんないけど
油断した所を、そこら辺のザコ級モンスターに襲われてしまう。
というシチュが股間直撃な自分は変でしょうか?
力尽きた優子はザコモンスターの巣に連れて行かれ…
ウヒョ-
‐ ´ ̄⌒ ー-、 / ま す
/ ミ ~ = \ ヽ っ げ
./ / ≧ ゞ ! ノ 白 え
j.ノ,, /^} レ!! i|| \ だ
. V ,} ヘ ! !|i| 丿ぞ
! ,,_爪ノ`;ー-、Y ノ ilハ ヽ
ヽ_人_ ゝハ''Tj;` '''iTゞy゙/ , ヽ  ̄ヽ
_ / ./ ,,バ'~ !. ~'~゙/ , ハ ヾヽ
ふ お \ ,. -=彡 ヽ に) _../ / |__\ `ト-、
く っ < __/ ̄ !/ { 「 ,リ ヽ \ヾ \
ら ぱ ( 〃 / 、_ {! /__j |\ ヽ`⌒ヽ
ん い / / { ノ フ, \ )ハ) ノ
で も \/ / / ヽ レレ⌒!ヽ_ヽ
.・ / ! / }| |
.・ ヽ . j ∧ 、 。 ノ ィ j !
.・ / / /,∧ ー | / {
< ! ∧从ハ ハ / 人
ヽへ/ | 〈 ! !. ヽ- /  ̄(
. ! ! | { <
!. | / . ! / な 優 ヴ
! ! / | ヽ っ 子 ァ
.! | / .! ノ た が リ
〉 ./ { \ あ 裸 ス
l ! / ! 丿 | に の
j , ,| } / | ヽ っ
ノ// ト L jノ !  ̄ヽヘノ
>>255 良いねぇ、汚され感があって。
つーか色んな処女喪失のパターンが欲しいなぁ。
ゴブリンとか低級モンスの群れに
腕とか腹とか食いちぎられながら
犯されて、死に絶える優子
というシチュにおっきする僕ですが変態でしょうか?
262 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 23:08:48 ID:7plcqcSD
長時間キスされて、呼吸困難で顔を真っ赤にしながら、
ヴァリスの戦士としてのプライドの高い言葉を吐こうとする優子とか、
両手か両肩を拘束されて、体を弄繰り回されて顔が上気して、
鎖骨の辺りが真っ赤になりながら、潤んだ目で睨む優子とか、
体がいう事を聞かずに、その後イッてしまって、顔を手で覆って泣き崩れる優子とか、
というシチュが俺的には股間直撃
どうやら、各所とも(発表当初に比べれば)落ち着いてきたようですね〜。
新作の情報も次第に明らかになってきており、
憶測や思い込みに基づく発言が減ってきているのは良い傾向だと思います。
「アフター・ヴァリス」の方ですが、執筆は順調に進んでいます。
現在の進捗率は約75パーセント。
状況的には、羞恥責めをかろうじて耐え抜いた優子タンに対し、
メガスは非道にもフェラチオを強要、
気管を半ば塞がれて酸欠状態にされた上、さらに口内発射を受け、
さすがの優子タンも、ショックのあまり、今やボロボロの状態。
しかし、この後には、本番(後背位での挿入&尻穴責め)が待っています・・・・といったところ。
完成発表まで、あと2週間程度の予定です。
どうかご期待下さいませ〜〜。
パンツおろして正座して待ってます。
>>264 個人的には、今回の公式エロゲよりも楽しみだったりしてます。
期待してますよ〜。
公式のエロヴァリス、
ライター・・・ARCHDUKE氏
絵師・・・B237氏
だったら何をおいても買ってたのだが・・・
B237氏の絵って、どこかに保管されてますか?
見てみたいんですが
269 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/09(木) 02:56:08 ID:UnGOEAC2
うーん・・ヴァリスX・・
サンプルの絵を見る限りでは、絵師の実力が成さそうな気が・・
人物画は上手いけど、キャラに表情が無いというか・・
ヴァリスの優子だったら、有名だし作れば売れるってのは誤算な気が・・w
もう少し、ユーザーにも、市場にも、敏感に作って欲しいですねぇ・・
メーカーがせっかく出すのに、同人以下なのはちょっと・・
・・とか、思ってしまいました。
正直、期待している。
たった一人がたいした事ないSS書いて幅利かせてるような
このスレをコテンパンにしてほしいものだ。
>>269 ageると往々にして煽りや荒らしが来るから気をつけてね。
うむ ここは大人が多いな流石に。
>>273 >>うむ ここは大人が多いな流石に。
…正直に言ってしまえ。ジジイばかりだと。
ぼくまだ二十代だもん。
嫁持ちの二十代ですが何か…
usodaro
16進の20なんじゃろ
自分みたいな21も居るって。PCE版当時6歳…
私は永遠の17歳ですが何か?
碧ちゃんいや紫子さんの中の人乙!
>>278 16進数でも20を超えてる俺はいったい・・・
保守
進捗状況〜〜。
「アフター・ヴァリス」第2章は、現在の進捗率約90パーセント。
只今、最後の仕上げに入っている段階です。
いよいよ明日ですか・・・・。
私個人としては、絵よりもテキスト(又は、脚本)がどうなってるか?に関心があります。
今回の新作のような「ヴァリス」シリーズの主要登場人物が一同に会する物語は、
私自身、一度書きかけて、失敗に終わった経験があり
(・・・・実は、今でもちょっと未練が残っていたりもするんですが)、
そういった意味でも、今回の「ヴァリスX」は非常に興味深く感じています。
「ヴァリスX」購入しました。
脚本は、(私とはカラーが違いますが)結構面白い、と思いました。
優子と麗子の対決シーンは一読の価値アリです
特に、『自分は決して強い人間ではない、むしろ、弱く愚かな人間だ』
と叫ぶ優子の真摯な気持ちが、麗子を揺り動かし、
彼女の心を支配していた<暗>の力を消滅させていく件りには、
『このシーンを表現するのに、こんな手法もあったのか』と新鮮な驚きを感じました。
ただ、テキストの方には、残念ながら、
日本語の文章表現としてふさわしくない点が幾つか散見されましたが。
全体的には、やや軽いノリも目立ちますが、
決していい加減な作りをしている訳ではなく、
むしろ、「ヴァリス」シリーズのファンであれば、
思わずニヤリとするようなシチュやセリフが随所に散りばめられたりしていて、
結構力を入れて作り込んでるな〜、と感じる出来でした。
エロシーンはどんな感じ?
>>ARCCH神
乙です。ちょっと興味でてきました。
私もお試しプレイしてみましたが
確かにニヤリとする事が多くて買っても良いかなと思いました。
あとはエロが気になります。
ARCHどんのを、
劣化まるパクリの予感・・・。
「ヴァリスX」続報〜〜。
本日、3種類のエンディング全てを確認いたしました。
改めて読み返してみると、やはり脚本が非常に興味深いです。
優子と麗子の対決シーンの後の会話の中で
(「X」では、麗子は優子に殺されるのではなく、
ログレスの罠から優子を庇って死ぬ、という展開になっています)、
優子が麗子に向かって打ち明ける言葉がその一例。
『わたし・・・・本当は・・・・みんなの期待に応えるのが・・・・辛くて・・・・
本当は逃げたかった・・・・何もかもから逃げたかった・・・・』
このセリフと殆ど同じセリフを、私は、以前このシーンをエロパロ化した際に、
麗子から優子に向かって打ち明ける言葉にしています。
元々のゲームのビジュアル・シーンでも、これに似たセリフがあり、
やはり、麗子が優子に向かって発する言葉になっています。
・・・・にも関わらず、敢えてこのセリフを優子の口から麗子に向かって喋らせ、
なおかつ、それが(前後の状況から考えて)決して不自然でない、
それどころか、非常にムードを盛り上げるものとなっているのには、
正直言って、目から鱗が落ちました。
エロシーンに関して言えば、触手による処女喪失に始まり、
チャムのスライム責め、放尿&失禁、
麗子によるクンニ、麗子とのシックスナイン、チャムとのレズプレイ、
ブタ型モンスターが化けたヴァニティ軍女兵士コンビ(フタナリ)による身体検査&前後穴責め、
ヴァリアを人質に取られての剣オナニー/ヴァリアと感覚リンクしたモンスターによる陵辱(選択肢により変化)、
フタナリ麗子による陵辱→優子がノリまくっていつの間にか和姦化→二人仲良く絶頂、
巨大バイブによる永久絶頂/怪物妊娠・陣痛に興奮しながら出産(エンディングによって変化)
と、色々揃っています。
レズとフタナリがすこし多めで、射精時にはぶっかけは殆ど無く、膣出しが主です。
ヴァリス・スーツを着用してのセックスは、麗子にクンニされる時だけで、少し物足りないのですが、
剣オナニーの直前のシーンに、メガスの命令でスカートを脱ぐCGがあり、これが結構良いです。
なお、個人的に一番気に入っているCGは(エロではありませんが)、
トゥルー・エンディング(一番最後に『TO BE CONTINUED・・・・』とテロップが流れるエンディング)で、
ヴァリスの剣を握り締めた優子が、<暗>の気に染まった天空を睨み据えているカットのものです。
……ARCHDUKEタン優しいな……
なんつうか、エロゲ作品板が阿鼻叫喚すぎて、せっかくの感想も素直に信じられないのも本音だけど、なんていうか大人の対応だと思う。
イヒイッッ・・・・・・大人の対応イイッ・・・・・・
_,l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l,,_
,.r'´,. -┐ ':..,゙ヽ __
,r' ,::;:' ,ノ ヽ、 ゙:::.ヽ .| ノ .士
,.' _.,:;:'___ _立_ ___;;ミ゙、 .|_) |士|
.l厄巳厄巳厄 i王i ,.巳厄巳厄巳l | ┼
l´ , "´  ̄ ̄ ̄ `'''′  ̄ ̄ ̄`.:`{
| l ;;:.,. ::、. ... '゙| ___l__
,.-''、.,! ,.::' ヽ、:.゙、 ;;.:' '' ヽ | ,.、 >| _マ_
./ 、/ `ヾー─tッ−ヽ'' kーtr─ツ'´〕. ヽ. | l 士 l
/ {´i Y::::.. ` ̄ ̄´.: "i! ::. 、` ̄´ ゙:::.、} r、 l ノ l 十 ,l
| ヾ_,,入;:::.. `'' " ´.::; .::i! ::.. ``` :. }ツl l
\ ノ ヾ ;:::. .:r'' :: ll! :ヽ;:..:. .: j,ノ ,! ┬‐┌,┴┐
ヽ',,;l ゙i ;::.. _ `ヽ、;;,,,,'.ィ'' _,, .::,;r'1,,,/ l__ ノl士
ッジ::::::| ゙ ,r'´:::;;;;;;;::> 弋´;;;;;::::ヽ'" |:::::゙'イィ ノ凵 l土
弍:::::::::::l /:::;r'´ ,,..-ー…ー-、 ヾ;:::'、 |:::::::::::ヒ
シ:::::::::::l i':::,! ´ __ ゙ l::::l:. |::::::::::ス __ヽ__‐┬┐
彡;:;:::::l l:::l ''''''''⇒;;;:, l:::l |::::;;ャ` ニ メ ,ノ
,r', 广'`ヽl:::l ::::. .:: ゙::. l::l ノ^i`、 l ̄l ハヽヽ
,イ(:::j i::;ヘ :;:. .:: l::l'" l:ヽヽ  ̄  ̄
|;:ヽヽ l::l ヽ ;:.... .. .. : /l::l ノ ,.イ
|;:;:;:;\\ l::l ', :;.:;::::::::::..::. / l::l,r'' /;:;:;|
396 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/03/18(土) 23:34:58 ID:Cu34vkDJ0
● 某Vの話 update 06/03/08
急に閲覧者の数が増えて、ビビって某Vの話をこっちに書いてみたり(ぇ
どこかに晒されたら(引用されてたら)この項目は消すので、ここを見つけちゃった人は、みんなにはないしょだよ?
まあ、わたしも製作の段階でいろいろご迷惑をかけてしまった立場だったりするので、この企画自体にあーだこーだ
言う気は無いのですが(でも値段は(ry)なんだから(ry)で(ry)でも(ry)。塗りも(ry)ラフ絵見ると(ry)(ry))。
それでもとりあえず、シナリオは、つまらなかったらごめんなさいと謝っておきます。結構気合い入れて書きはしましたが、
それでもつまらないと言う人はいると思います(汗)。まあ嗜好は人それぞれっつーか、物語(シチュエーション)にベストや
ベターはあっても、100%の正解は無いからなあ……。ってゆーか2chで序盤の展開予想がまんま書かれていてビビった(笑)。
その予想は正解なのですが、おまえはオレか(何)。
まあでも間違って各話それぞれ1万ぐらい出ちゃったら、完全版とかできるんじゃないかなぁ……とか、無責任に言ってみたり。
いや、個人的にも実は、消化不良な所が無きにしもあらずなので……(汗)。ゲームデザイン的な所とか……。
ああ、無責任ついでに言うと(わたしは外注なので詳しい話は聞いてないのですが)、各話それぞれ1万ぐらい間違っても出ない
限りは、絶対にパッケージ版にはならないと思います。ポアシャラの他のタイトルを参照。……携帯電話の方に移植されるという
可能性は、むしろ高い気もしますが(笑)。
ちーなーみーにー。
薄いかどうか言われたら、薄くないと全力で否定するけどなあ。規模(というか、“全体”の分量)はともかく。
ただ、致命的に引かれそうなネタは避けてるというだけで。ちなみにプロットからはずしたネタというのは、チャムが尿道ファック
される〜というもの。……でも冷静に見てみると、普通に引かれるネタが多いような気がする……シリーズが進むにつれて……。
ちなみに参考文献は『OVA・魔法少女アイ』『淫妖蟲』なので……。
本音と建前ってあるだろだれにも、大人なんだよ
・・・・う〜ん、そうですね。
私個人としては、(公式にせよ同人にせよ)私以外の方が書く、
『夢幻戦士ヴァリス』の物語を読んでみたい、という欲求が常に存在しており、
今回の『ヴァリスX』については、それが発売されたというだけでも満足している状況です
(勿論、エロゲ板で指摘されているような感想を全く感じていないかというと、
決してそういう訳でもないのですが・・・・)。
ただ脚本に関しては、本当に力がこもってるな〜、と感じています。
(別にプロの小説家でも何でもない)私程度の人間が、
こんな事を言うのもおこがましい限りなのですが、
元々のゲームのストーリーをここまでアレンジする作業は、それだけでもかなり大変なものだった筈です
(実は、私自身にも経験のある事ですが)二次創作の上で楽をしたいと思った場合に、
一番簡単なのは、元々のストーリーを改変せずにそのまま使う事ですから。
(それをやろうと思えば出来た筈なのに)敢えてそうしようとせず、大幅なアレンジを加えた点、
私としては、これは本当に凄いな〜、と思える事です。
18禁じゃないゲームを抜きゲーにしないといけないんだから
ストーリーを改変しないで使う事は不可能だろう。
でも今回、優子の頭の中の軽さが人間離れして過ぎ。
短編だから仕方ないのかもしれないけど、もう少しどうにかして欲しい…
後スーツ着てHが無いんだったら出す意味NEEEって思うんだが
……………………待て。
今何と申した?
「スーツを着てHが無い」と、そう、申したか
303 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 14:27:16 ID:1DXFDhX/
そういえば・・Xは、、スーツ着たHが全く無かったような・・
いや、有るんだけど・・
ヴァリアの姿のモンスターに犯される二枚だけで、
他のシーンは、セーラー服と、全身裸ばっかり・・
あ、レズシーン・・麗子とのシーンで、一枚有るんだけど・・
なんというか、
肝心のシーンが全く無かったような感じを受けました。
まぁ、これでは結局意味が無い・・ってな感想です。
>>289 これ見て 昔、動物園で走りながら糞をたらしてエサを奪いまくる
雌ゴリラを見て吐いてしまったのを思い出したよ
で、優子を見ると 吐
>スーツ着てHが無いんだったら出す意味NEEEって思うんだが
出す意味NEEEとまで思いませんが、
たしかにヴァリス・スーツ着用してのHが少なすぎるのは、私も残念に感じています。
もし仮に、私が、「ヴァリスX」をエロパロ化するとしたら、この点は必ず修正するでしょう。
その他にも、「ここは自分がエロパロ化するんだったらこうするだろうな〜」という所が
何度かテキストを読み返してるうちに、かなり具体的なイメージとして湧いてきています。
勿論、実際に「X」のエロパロSSを書くとしたら、5部作が全部出た後になるでしょうが、
リクエスト等ございましたら、どうぞお寄せ下さいませ。
スレのルール(フタナリ禁止、等)に抵触しないものであれば執筆してみたい、と考えています。
>>305 個人的には、アレは存在しないことにして、ARCH DUKEさんのこれまでどおりの路線で続けてほしいような……
>ALL
「アフター・ヴァリス」第2章、本日完成いたしました〜。
明晩22:00頃から発表を開始したいと思います。
今回は、本編のレス数が46と、
普通に切り貼りを繰り返していくとほぼ確実に連投規制に引っ掛かる文章量ですので、
規制回避のため、ご支援を頂けれると大変助かります。
>>306 勿論、そういった御意見の方が多いようでしたら、そのようにいたします。
今書いている「アフター・ヴァリス」は全4章で、最終章の発表は、
(今年の異動で、また何処か別の部署に回されるといった事態にでもならない限り)
7月末から8月上旬になる予定ですので、
その間、読者の皆様のリクエストの傾向を見て決定したいと考えています。
308 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 22:46:49 ID:DS1LhUhx
ARCH DUKE様 万歳!
お疲れ様です。
独自路線を貫いてください。どこまでも付いて行きます!
お待たせしました〜〜。
只今より、「アフター・ヴァリス」第2章の発表を開始いたします〜。
(1)
ヴェカンティ。乳白色の濃霧が垂れ込める沼沢地。
「・・・・っ・・・・うっ・・・・うう・・・・んっ・・・・うううっ・・・・」
泥濘の上に蹲り、震え慄く肩を抱き締める少女――――優子。
腰まで伸ばした蒼髪には不気味な色の触手生物の体液がこびりつき、死臭に似た腐敗臭を漂わせている。
――――否。
汚辱にまみれているのは頭髪だけでは無い。
平素の柔和な表情からは想像も出来ないくらい、冷たく強張り青褪めている頬にも、
血の気と共に微笑をも失って、半ば土気色に変色しかけている唇にも、
饐えた匂いを帯びた粘液が飛び散り、おどろおどろしい隈取りを形作っていた。
「・・・・うっ・・・・んうう・・・・くっ・・・・はぐっ・・・・ううう・・・・あぐぅっ・・・・・」
弱々しい啜り泣きを漏らし続けるその姿には、<戦士>の凛々しさなど何処にも見当たらない。
本来ならば、やや色白気味ではあるものの、十分に瑞々しく健康的な美を湛えている筈の乙女の柔肌は、
穢れた粘汁に覆われて見る影も無く、まるで重度の栄養失調状態にあるかの如く血色が悪い。
肘や肩、胸や腰といった部分を保護している、<ヴァリスの鎧>の防具ですら、
黄金色の輝きを減じて、半ば色褪せてしまったかのような、くすんだ色合いへと変じていた。
(2)
「・・・・ううう・・・・嫌・・・・もう嫌よッ・・・・こんな場所・・・・!!
どうして・・・・どうして・・・・わたしが・・・・こんな事しなくちゃいけないのッ・・・・!!」
普段なら決して口にしないような、自暴自棄な言葉を口にしながら、
泣き腫らして真っ赤になった目元を両手で何度もこすり上げる優子。
だが、その手にもまた、触手生物の体表から分泌した粘液がたっぷりと染み付いており、
それでいくら擦ろうとも、饐えたような異臭を放つベトベト液を塗り重ねるだけに過ぎない。
「・・・・どうして・・・・こんな事に・・・・」
――――触手生物による蹂躙は、結局のところ、<ヴァリスの鎧>の守りに阻まれて未遂に終わっていた。
<ヴァリスの剣>を取り落とし、恐怖と苦痛によって集中力を乱した結果、
沼地を覆う霧の魔力への抵抗力が失われ、<戦士>としての力の殆どを引き出せなくなったのは事実だったが、
だからと言って、所詮、暗黒界ならば何処にでも生息しているような下等生物では、いくら数を頼んだとしても、
行動の自由を奪うのが精一杯で、肉体に危害を与える事など到底おぼつかなかったのである。
・・・・だが、肉体的には無傷でも、精神の方はそうはいかなかった。
三界に冠絶する<ヴァリスの戦士>といえども、
その魂の祖形は、あくまで人間・・・・それも、未だ思春期の盛りにある未成熟な存在に過ぎない。
無数の異生物が全身に絡み付き、ビチビチのたくりながら肌の上を行き来する悪夢のような体験を味わってなお、
ココロの安定を保っていられる程のタフネスさを持ち合わせている訳では決して無かった。
(3)
「・・・・ううっ・・・・ぐっ・・・・かはっ・・・・くぅっ・・・・んううう・・・・」
ひっく、ひっく、と、震えながらしゃくり上げるたびに、
おぞましい粘液の発する刺激臭が気道を激しく責め苛み、嘔吐感を催させる。
すでに胃の中にある物は全てもどしてしまっているため、実際に吐く訳では無かったが、
行き場を失った不快な感触はいつまでも体内に滞留し続け、呼吸すらまともに行えなかった。
「・・・・ううう・・・・もう・・・・嫌・・・・こんな所・・・・もう・・・・居たくない・・・・」
俗に言う"体育座り"の格好で、地面に座り込んだまま、
生乾きの泥に覆われて見る影も無くなった<ヴァリスの剣>をぼんやりと眺める優子。
愛剣の刀身に付着しているのは泥だけで、触手生物の血肉は一片たりとも混じっていない
・・・・その事実が、彼女の思考をより一層自虐的な方向へと急き立てる。
本来ならば、狼藉を許すどころか、おそらくはほとんど苦戦する事すらなく、一掃する事が出来た筈の存在に、
己れの肉体をここまで好き放題に弄ばれてしまった、という事実、
そして、助かったのは全て<ヴァリスの鎧>のお陰であり、自分は何一つしていない、という事実の前に、
<戦士>としてのプライドは深く傷付き、自分自身への深刻な疑念が湧き上がってくる。
その痛みは、対象となった者の精神に干渉してその感情を乱し続ける霧の効能と相まって、
少女の心を深々と貫き、抉り、切り刻んで、途方も無い苦しみを生み出していた。
もし仮に、襲撃者たちの狙いが、彼女の戦意を喪失させ、この地から退散させる事にあったならば、
すでにその目的の半ば以上は達成されているといっても過言では無かっただろう。
(4)
(・・・・うっうっ・・・・分かってるわよ・・・・別にあいつらが強い訳じゃ無いって事ぐらい・・・・。
・・・・この霧のせいで・・・・わたしの心が弱くなってる・・・・そんな事ぐらい分かってる・・・・。
・・・・でも・・・・一体、どうすればいいの!?ここにいる限り・・・・霧からは逃れられないのよ・・・・!!)
千々に乱れた少女の心に次々と流れ込んでくる、悔しさ、情けなさ、苛立ち、不安・・・・
不可思議な霧の魔力によって増幅されたそれらの想いは、
圧倒的な力で、彼女の意識を蹂躙し、押し潰し、窒息死させようと試みている。
どす黒く濁った想念を頭の中から追い出そうとする試みも繰り返されてはいたが、
その度に、未だ身体のあちこちに残る、凄惨な触手陵辱の名残りが邪魔をして、
反対に、己れの惨めな敗北の有様を再確認させられるだけの結果に終わってしまう。
――――押し寄せてくる触手の群れ。
――――全身にぶちまけられるヌルヌルとした粘液。
――――恐怖と嫌悪とで麻痺してしまい、完全に抵抗を放棄してしまった心と肉体。
(・・・・やっぱり・・・・無理よ・・・・わたしには出来っこないわ・・・・。
・・・・だって・・・・だって・・・・わたし・・・・結局、一人じゃ何も出来ない人間なんだもの・・・・。
・・・・麗子やヴァルナさまがいなければ・・・・わたしなんて・・・・)
(5)
――――わたし・・・・本当は・・・・<戦士>になんて・・・・全然、向いてないのよ・・・・!!
・・・・それは、彼女が異世界にいる間、心の片隅でひっそりと息づいている臆病な気持ち。
普段はまず意識する事無く、たとえ何かの拍子に、心理の水面にその影が写りこむ事があったとしても、
たちまちのうちに否定され打ち消されてしまうような、曖昧な存在に過ぎなかった筈だった。
だが、<戦士>としてあるまじき醜態を晒し、己れの不甲斐無さに涙するしかない今、
それは少女の胸の中一杯に膨らみ上がり、これまでずっと抑圧され無視され続けてきた雪辱を晴らすべく、
他のどんな感情よりも猛烈に、傷付き疲れ果てた心を攻撃し、責め苛んでいる。
(・・・・そうよ・・・・だから・・・・あの時だって・・・・!!
・・・・ヴァリアさまを失うのが怖くて・・・・辛くて・・・・だから、あんな事を・・・・!!)
・・・・嗚咽の響きが一段と大きくなり、全身の震えが一層激しくなる。
――――何重にも重ねられた封印を押し破って、優子の脳裏へと湧き出してきたのは、
先のメガスとの戦いの中で起こった、最低最悪の出来事の情景・・・・。
本当の意味での<戦士>になり切れ無い、自分の弱さが招いた、おぞましい原罪の記憶だった。
(6)
『・・・・だめよ、優子!・・・・戦いを放棄してはだめ・・・・!!』
――――血を吐くような叫び声が耳朶の奥に突き刺さる。
何か途方も無く巨大な怪物の胎内を思わせる、陰惨な色彩で覆われた要塞・・・・メガス城。
その最上階、有機物とも無機物ともつかない不気味な調度によって飾り立てられた玉座の間で、
優子は、"残忍王"の二つ名を持つヴェカンティの支配者と対峙している。
・・・・否、今まさに、その対峙を終えようとしていた。
『・・・・えぇ、メガス!・・・・その通りよ!
さぁ、わたしは降伏するわ!ヴァリア様を返して・・・・!!』
――――ガシャン!!少女の手から離れた<ヴァリスの剣>が、メガスの足元に投げ落とされると、
玉座の上からそれを見下ろす、濁った血の色をした義眼が鈍い光を放ち、
口元には、勝利への確信と敗者への侮蔑によって、引き攣ったような笑みが浮かぶ。
対する<ヴァリスの戦士>の表情は、
宿敵を前に膝を屈する事への怒りと、人質に取られたヴァリアを想う心との間で引き裂かれて、
傍目にも明らかなぐらい揺れ動き、惑乱しきっていた。
(7)
『・・・・よし、いい娘だ。
・・・・では、ボディ・スーツを外してもらおう・・・・』
『えっ・・・・?』
少し間を置いて要求を告げるメガス。
その内容に思わず絶句する優子の姿を眺めながら、
玉座の主は、黄色く汚れた犬歯を剥き出しにして好色な笑みを浮かべ、
・・・・そして、足元に引き据えられたヴァニティの女王を、意味ありげに一瞥してみせる。
"ヴェカンタ砲"の威力の前に為す術も無く転移を封じられ、虜囚の身となったヴァリアは、
捕えられてからさほど時間は経っていないにも関わらず、
その消耗ぶりは尋常ではなく、殆ど別人のようにやつれ果てていた。
『・・・・優子っ・・・・』
身体を起こしているだけでも辛いらしく、擦れた呟きの中には力強さなど欠片も見当たらなかった。
手酷い扱いは、"ヴェカンタ砲"の暴走と、それに続く混乱の中、
厳重に保管されていた筈の<ファンタズム・ジュエリー>が忽然と姿を消したのが原因である。
怒りを爆発させた残忍王はその矛先をヴァリアへと向け、
宝玉の在り処を吐かせるべく、昼夜を分かたず過酷な拷問と陵辱を繰り返したのだが、
ヴェカンティの女王は、自らの生命と引き換えになろうとも、何とかしてもう一度優子に会い、
<ジュエリー>の行方とその力を引き出す術を伝えねばならぬ、という一心で、
頑として自白を拒み続け、あらゆる苦痛と恥辱に耐え抜いてきたのだった。
――――だが、皮肉な事に、彼女が、最も肝腎なタイミングで発した一言は、
優子に誤ったシグナルを与え、今や最悪の事態を招こうとしていたのである。
(8)
『・・・・クククッ、どうした?恥じらっておるのか?
フッ、戦士に恥じらいなど無用・・・・外してもらおうかッ・・・・!!』
敗北者に対する蔑みに加え、どす黒い欲情まで漲らせた嘲りの言葉。
ぐっ、と怒りを堪えつつ、残忍王を睨みつける優子だったが、
思わせぶりに動いた彼の片手が、足元に蹲るヴァリアのか細い首筋を掴もうとすると、
たちまちその顔は恐怖で真っ青になり、反抗的な態度は四散してしまった。
(・・・・ダメ・・・・抵抗すれば・・・・ヴァリアさまが・・・・今は・・・・従うしか・・・・)
小刻みな震えに包まれた、ほっそりとした指先が、
こちらもまた、激しい動揺を隠せずにいる左肩へと伸びる。
肩口の曲線にぴったりとフィットしている黄金色の防具の表面に、軽く触れると、
少女の細い肩先から外れた肩当てがしなやかな身体のラインをゆっくりと滑り落ち、
石床にぶつかって、先刻の<ヴァリスの剣>同様、乾ききった金属音を立てた。
・・・・やや間を置いて、右の肩当てがその後に続き、
下卑た笑いを浮かべるメガスの見守る中、左右の肘当てもまた、乙女の細腕から引き剥がされていく。
(9)
『・・・・待て。ブーツは履いたままで構わん。
その、腰に巻いた布切れもだ・・・・フフフ、その方が風情があるからなァ・・・・』
『・・・・くッ・・・・うううッ・・・・!!』
愉快そうなメガスの声・・・・自尊心を踏み躙られた優子の顔が朱く染まる。
だが、ヴァリアを人質に取られている限り、一切の抵抗は不可能であり、
どんなに屈辱的な命令であろうと、黙って服従する以外に選択肢は存在しない。
そして、目の前の玉座に腰を下ろした暗黒界の支配者には、
武装解除という名のストリップ・ショーを中断する気など微塵も無かった。
(・・・・ああッ・・・・私は・・・・なんて事をッ・・・・!!
・・・・不用意な一言で・・・・優子を・・・・追い詰めて・・・・こんな事をッ・・・・!!)
悲嘆に暮れるヴァリアの目の前で、
彼女の<戦士>は、身に着けた防具を、一つ、また一つ、と、脱ぎ捨てていく。
首元に巻いた深紅のスカーフ、繊細な象嵌の施された腰のベルト・・・・。
乾いた金属音が石床の上に響き渡るたび、単なる屈辱感や敗北感などという言葉では言い尽くせない、
心底からの絶望、諦め、無力感が綯い交ぜとなった負の感情が、少女の心を静かに侵食する。
魂を貫くその痛みを、せめて眼前の男にだけは気取られまい、と必死に平静を装おうとするものの、
欲情にぎらつく邪悪な眼差しが、次第に剥き出しになっていく乙女の柔肌を突き刺すたびに、
身体は否応無く反応を示し、心臓は動悸を増して、内心の動揺を隠す事は困難になっていくのだった。
(10)
『・・・・外した・・・・わ・・・・』
最後に残った黄金の胸当てを取り去り、足元の石床に置いた時点で、
すでに優子の気力は底を尽き、忍耐力も自制心も擦り切れてしまっていた。
玉座の上から容赦なく浴びせられる欲望の目線に堪え切れず、
今にも泣き出しそうな表情で胸元を覆い隠すその姿は、
もはや、<ヴァリスの戦士>のそれではなく、無力な少女のそれに過ぎない。
(・・・・あああ・・・・み、見られてる・・・・わたしの・・・・ハダカ・・・・見られてる・・・・)
(異形の怪物とはいえ)劣情を露わにした異性の前に一糸纏わぬ上半身を曝け出している、という事実が、
思春期の最っ只中にある乙女にとって、忍耐可能なものであろう筈が無い。
いやらしく頬を緩ませるメガスの顔を正視している事に堪えかねて、
蒼髪の少女は、ぎゅっ、と下唇を噛み締めると、ついに視線を床へと落としてしまった。
途端に、目元に溜まっていた大粒の涙が、銀色の軌跡を描きつつ頬を伝い、
黄金色の護りを喪失した胸の脹らみに向かって勢い良く流れ落ち始める。
(11)
(・・・・い、いや・・・・見ないで・・・・あああ・・・・お願い・・・・見ちゃイヤぁ・・・・)
優子の双乳は、年齢相応に、まだ成熟前の青い果実の段階に過ぎないが、
だからと言って、二本の細腕だけでその稜線を覆い隠す事が出来るほど小粒という訳では決して無かった。
最も恥ずかしく、他人の目に触れさせたくない部分、すなわち、淡いピンク色に色付いた乳輪だけは、
どうにか手の平の内側に収める事が出来るものの、
震える指先は、お椀を伏せたような形状の美しく滑らかな乳房全体を隠し切るには頼りなさ過ぎる。
『・・・・フッフッフッ、なかなか美しい眺めだ。これでお前はただの小娘同然・・・・』
ニィィッ、と口の端をいやらしく歪めつつ、暗黒界の帝王は、
目の前の美しい戦利品を、頭の天辺から爪先に至るまで、どんな些細な特徴も見逃すまい、と念入りに吟味する。
魔道と工学とが、すこぶる奇妙な形で融合した彼の肉体の中でもとりわけ特徴的な、
濁った血の色をした高感度レンズの嵌め込まれた右目が、微かな駆動音と共に被写体を執拗に追跡し、
その隣では、魔道によって視力を強化された左目が、邪悪な歓喜を浮べて輝いていた。
(12)
『・・・・フフフ、どうだ、優子、戦いに敗れ、勝者の前に膝をつく気分は・・・・!?
負けた己が情けないか?無力な自分が歯痒いか?・・・・それとも、このメガスが憎くて憎くて堪らんかッ!?』
傲然と胸を反らしながら、玉座から立ち上がる残忍王。
長く伸びた黒い影が、蒼髪の少女の細身の体をすっぽりと包み込む中、
不吉な赤い輝きを帯びた両目が、彼女の心を奥底まで見透かすかの如く、油断の無い光を放っている。
(・・・・どうやら、こやつ自身は、<ファンタズム・ジュエリー>の在り処については何も知らんと見える。
だが、ヴァリアに口を割らせる役には立つかもしれん・・・・とりあえずは生かしておくとするか・・・・)
ヴェカンティの帝王は、好色なニヤニヤ笑いの裏側で冷酷な計算を働かせる。
先王ログレスの遺臣であったガイアスは、息を引き取る直前、優子の前で彼を殺人機械と呼んだが、
どうやら、その評価は、正鵠を射ていたようである。
その肉体が魔道と科学各々の粋を結集した呪われたパーツで埋め尽くされているのと同様、
メガスの内面にも、欲望と打算、狂熱と怜悧、支配欲と破壊欲、等々、相反する感情や欲求が常に混在し、
自我の覇権を巡って果てしない争奪戦を繰り広げており、
彼の知性は、その時々の状況に応じて、
それらの中で最も有用なものを、恐ろしく器用に、かつ、冷徹に、選び出す事が出来るのだった。
(13)
(・・・・ヴァリアの前で、この小娘を嬲り者にしてくれる。
自分の<戦士>が死にも勝る恥辱と苦痛によがり泣く姿を見せ付ければ、
さすがにあの女も耐え切れなくなるやもしれん・・・・ククク、最強の<手駒>を失う恐怖になァ・・・・)
決断を下した残忍王は、玉座の脇に蹲るもう一人の女囚に向かって、チラリ、と、冷やかな一瞥を投げかける。
度重なる拷問や精神走査にも頑として沈黙を続けたばかりか、
メガス自身による情け容赦ない陵辱をもってしても、真実を吐かせる事が出来ずにいる不快極まる女は、
しかし、目の前で次々に起きた一連の出来事にはショックを隠せないらしく、
血の気の無い表情で震え慄いており、ある程度の期待は持てそうな気配だった。
『・・・・フンッ、どうやら図星だったようだな。
クックックッ、まあよい、そう簡単に従順になられては、こちらとて興冷めなだけだ。
・・・・そうだ、良い考えを思いついたぞ・・・・どうだ、優子よ、私と賭けをしてみる気はないか?』
『・・・・賭け?一体、何を賭けるというの・・・・?』
一旦、思索を脇に置いたヴェカンティの支配者は、目の前の少女に向き直ると、
内心の打算などおくびにも出さず、指先を、パチンッ、と鳴らす。
そして、唐突な申し入れの意図を測りかねて、怪訝そうに聞き返してくる優子に向かい、
妙に上機嫌な口調を装いつつ、あたかも今思いついたばかりのアイデアのように、<賭け>の内容を披露した。
『・・・・なぁに、簡単な事だ。
これから、私が、貴様に3つの事を命じる。
もしも、それら全てをやり遂げ、なおかつ、最後まで正気を保っていられたならば、
・・・・そうだな・・・・ヴァリアを解放してやろう・・・・<ヴァリスの剣>と共になァ』
(14)
『・・・・えっ!?ほ、本当なの・・・・!?本当に、ヴァリアさまを・・・・』
メガスの言葉に、反射的に、パッ、と、顔色を明るくする優子。
・・・・だが、そこへ、ほとんど間髪を入れず、ヴァリアの声が割って入る。
『優子・・・・騙されてはなりません。どのみち、私はもう助かりません。
あなたには大切な使命があります・・・・なによりも世界に平和を取り戻すことを第一に考えなさい。
私のことはかまわずに、さぁ、今すぐ<剣>をとり、メガスと戦うのです!!』
声を振り絞って、目の前の<戦士>に訴えかける夢幻界の女王。
弱りきった身体に残った最後の力を込めた、瞳孔の無い双眸が、カッ、と見開かれると、
その気迫に打たれたのか、束の間、玉座の間全体が、重い沈黙の帳によって覆い尽くされる。
――――だが、力を失った幻想王女に可能だったのはそこまでだった。
(15)
『・・・・ええいッ、ヴァリアよ、いい加減善人面をするのはやめにしたらどうだッ!?
優子がそんな言葉に耳を貸す訳が無いのは、先刻承知の事だろうがッ!?』
残忍王の口から発せられる、苛烈な罵倒、そして、容赦ない足蹴り。
ううっ、と小さく呻いて押し黙ってしまった、夢幻界の女王の胸倉を掴んだ暗黒界の支配者は、
怒りの収まらぬ表情で、衰弱したその身体を強引に引き摺り上げ、
瞳孔の無い両目を睨み据えながら、続けざまに言葉の鞭を打ち鳴らす。
『・・・・分かっておるのだぞ、ヴァリアよ。
貴様と<ヴァリスの剣>さえ無事であれば、たとえこのまま優子が戻らずとも、
新たな<戦士>を召喚して、この私と戦う事が出来るのだろうがッ!?
フンッ、このメガスを見くびるなよ・・・・貴様の本心がそこにある事ぐらい、とっくにお見通しよ。
聞き入れる筈も無いと知りながら、敢えて<戦士>として戦う事を求めるのもそれが狙いだろうッ!!
・・・・どうだ、ヴァリア!!図星だろうがッッッ!!」
(16)
『・・・・もう、やめてッ・・・・!!!!』
広間に響き渡る、苦悶の叫び。
悲しみで掠れかかった声の主は・・・・優子。
悲嘆のあまり、裸身を隠す事すら忘れ、喉から声を絞り出す。
『・・・・もう・・・・やめて・・・・ヴァリアさまを・・・・傷付けるのは・・・・!!
メガス・・・・貴方の要求は・・・・呑むわッ・・・・!!
・・・・わたしは・・・・わたしは・・・・どうなってもいい・・・・だから・・・・ヴァリアさまは自由にしてッ!!』
ぐったりと生気の無い幻想王女の体を振り捨て、背後を振り返る残忍王。
何処まで愚かな娘だ、と言わんばかりの侮蔑の視線に相対するのは、大粒の涙で濡れそぼった気弱な瞳・・・・
だが、少女は、顔をクシャクシャにし、言葉を詰まらせながらも、ヴァリアへの揺るがぬ信頼を口にし続ける。
それを眺めた彼はやや不快そうに渋面を作り・・・・そして、その裏ではしたたかな笑みを浮かべていた。
(17)
『・・・・フム、まあ、良かろう。ならば、<賭け>を始めるとしようか。
まず最初は・・・・そうだな、その腰のヒラヒラを持ち上げて、中がどうなっているか、見せて貰おう
・・・・クックックッ、勿論、両手を使ってなァ・・・・』
『・・・・くぅッ・・・・!!』
メガスの発する淫猥な要求に、優子の目元が、かぁっ、と赤らみ、
それまでの悲嘆の涙に代わって、羞恥心に起因する恥辱の涙が涙腺を脹らませる。
『・・・・どうした、<ヴァリスの戦士>・・・・?先程、どんな要求にも従う、と取り縋ったのは戯れ言か・・・・?
・・・・まぁ・・・・それならそれで、一向に構わんぞ・・・・。
・・・・お前が約束を守らんなら、この女に代わりを努めさせるだけだからなァ・・・・』
低く喉を鳴らしながら、欲情にギラつく目でヴァリアを見下ろす残忍王。
それが単なる脅しではない事は、
その部分だけ、重厚な鎧を押し上げるようにして盛り上がっている股間の様子を見れば明らかである。
元より、その名の示す通り、心優しき少女にとっては、
三界で最も敬愛している人物が、それも、瀕死の重傷を負ってもはや満足に動く事も叶わない状態のまま、
自分の目の前でおぞましい獣欲の贄となる事など、耐えられよう筈も無かった。
(18)
『・・・・うッ・・・・くッ・・・・うううッ・・・・』
きつく噛み締めた唇の隙間から漏れる、弱々しい喘ぎ。
一本、また一本、と、形の良い乳房を離れていった震える手指が、
ベルトを取り払われ、いまや頼りなげな布切れを残すだけのスカートへと伸びていく。
覆い隠されていた形の良い脹らみが、少しずつ山容を露わにしていくにつれ、
白桃色をした柔肌が、ザワザワザワッ、と、騒がしく粟立ち、
胸の鼓動もまた、トクン、トクン、と、次第にその間隔を狭めていった。
その一点を意識すまい、とすればするほどに、
胸丘の頂にある桜色の突起は敏感さを増していき、硬く、熱く、しこりを帯びていく。
『フフフ、乳首が勃ってきたぞ・・・・おっと、今度はピクピクし始めた。
なかなかに良い眺めだ・・・・のう、ヴァリアよ、お前も、目を逸らさずに、よぉく見てみるがいい・・・・』
眼前で繰り広げられる痴態に舐めるような眼差しを這わせていた残忍王は、
いよいよ鼻息も荒くなり、口調にも声音にも煮え滾る欲情がわななきとなって現れ始めていた。
殊更にヴァリアの名を強調してみせるのは、
ともすれば、羞恥心が昂じて動きが鈍りがちとなる優子に、人質の存在を再確認させるためでもあったが、
同時に、一部始終をヴァリアが目にしている事をアピールし、更なる恥辱を呼び起こすためでもある。
実際、メガスがヴァリアの名を口にするたびに、
蒼髪の少女は、己のあさましい姿に涙を浮かべつつ、激しい自己嫌悪にとらわれ、
まるで高圧電線に触れでもしたかように、その細い身体を、ビクビクッ、と大きく震え上がらせるのだった。
(19)
『・・・・い・・・・いやぁ・・・・お願い・・・・そ、そんな事・・・・言わないで・・・・くうううっ・・・・!!』
憎むべき仇敵が相手だというのに、口をついて出る言葉はどんどん哀願の調べを帯びていく。
だが、屈辱感によって轢き潰されそうなその気持ちとは裏腹に、
左右の胸丘の上では、脂ぎった視線を容赦なく浴びせられて、危険なピンク色に色付いた乳首が、
早くも、プルン、プルン、と、その身を卑猥にくねらせ、淫蕩なダンスに打ち興じていた。
その事を自覚出来るだけの理性はまだ残っていたのだが、
それがために却って、彼女の心の傷口は、大きく、深いものとならざるを得ない。
『・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・はぁッ・・・・だ、だめ・・・・はずかしい・・・・もう・・・・見ないで・・・・ううう・・・・』
――――だが、哀れな少女の苦しみはそれだけにはとどまらない。
胸の脹らみを露わにするのと並行して、
腰に巻き付けている丈の短い白いスカートを持ち上げて、
隠されたその中身を曝け出す、というもう一つの苦行が待ち構えていた。
こちらは乳房とは異なり、乙女の柔肌それ自体を白日の下に晒す訳ではないものの、
何と言っても、下半身――――その中でも一番見られたくない場所――――に関わる話である。
優子にとって、その行為は、もはや女性としての羞恥感情云々という生易しいものではなく、
人間としての尊厳そのものを踏み躙るものとさえ感じられるレベルのものだった。
(20)
『ムフフフ、どうした・・・・?
もっと上まで持ち上げて貰わん事には、中がどうなっているか、さっぱり分からんではないか?
・・・・それとも、もう<賭け>は負けだ、と認める訳なのか、んん〜〜!?』
メガスの嘲りに、思わず、意識が何処かへ弾け飛んでいきそうになる優子だったが、
最後の一言が効いたのか、両腕に残った力を振り絞り、何とかスカートを上まで引っ張り上げる事には成功する。
だが、暗黒界の帝王は、その二つ名に恥じない残酷さを発揮して、
囚われの<戦士>の心を弄び、痛めつけるべく、
彼女のすぐそばまで近付いていくと、あろうことか、石床の上に、どっか、と腰を下ろした。
『クックックッ、ここなら良く見えるぞ・・・・おおッ、丸見えだァ・・・・!!。
・・・・おっと、力を抜くんじゃない・・・・このまま、良い、と言うまでじっとしているんだ!!』
そう、冷酷に言い放った残忍王の目線は、
ブルブルと震える少女の指先が摘み上げるスカートの端とその奥に見える純白の薄布を、
丁度、真正面、それも、ほぼ水平の高さに捉える絶好の場所に占位していた。
口元から漏れる熱い吐息が掛かりそうな程の近距離から、
大きさも形状も異なる、だが、欲情の輝きに満ちている点は全く同じ、紅い双眸にまじまじと見つめられて、
優子の顔面は、サアアッ、と血の気を失い、頭の中は真っ白に変じていった。
(21)
(・・・・あああ・・・・見られてる・・・・わたしの・・・・はずかしい所・・・・全部・・・・見られてる・・・・)
熱く紅潮した頬を伝う滂沱の涙。
いくら下着越しにとはいえ、宿敵の目の前で、
自分の肉体の中で最も他人の目に触れさせたくない場所を晒しているという事実はあまりにも重く、
羞恥心と敗北感とで頭が変になりそうになる。
――――それは、優子の意識の奥底に眠る、ある性癖を目覚めさせるに充分な刺激だった。
(・・・・ッ・・・・な、なにッ・・・・この感じは・・・・!?)
ヴァリアを人質に取られて已む無くとはいえ、
あられもない姿を晒し、屈辱的なポーズを強要されているうちに、いつしか抵抗感は薄らいでいき、
代わりに、得体の知れない心地よさが少女の全身に行き渡り始めていた。
厚さ1ミリにも満たない、薄手のショーツの下では、
ぴっちりと閉じ合わさっていた筈の肉花弁が少しずつ熱を帯びていき、
内側からの圧力によって、ヒクンヒクンと妖しく蠢きながら、解きほぐされていく・・・・。
(22)
『・・・・んんッ?おや、これは・・・・何とした事、純白の下穿きの真ん中に何やら染みのようなものがッ!?
優子、これは一体どうしたというのだ・・・・よもや、このメガスに見られて感じている訳ではあるまいなァ!?』
目ざとくその変化に気付いたメガスは、
まるで速射砲のような勢いで聞くに堪えない淫語を連発し、
清純な、――――否、未だ清純を保っていると必死に思い込もうとしていた――――乙女の心を嬲り回す。
そんな筈はない、馬鹿な事を言わないで、と泣きながら叫び返そうとした蒼髪の少女だったが、
開いた口から真っ先に飛び出してきたのは、抗議の言葉ではなく、甘く蕩けた喘ぎ声だった。
(・・・・や、やだッ!!・・・・わたしったら・・・・何て声をッ・・・・!?
・・・・ち、違う・・・・違うわッ・・・・ゼッタイに・・・・感じてなんかないッ・・・・!!
・・・・こんな事させられて・・・・気持ち良くなるなんて・・・・そんな事、絶対にッ・・・・!!)
激しいショックを受け、狂ったようにかぶりを振りながら、
自らの心理の表層にまで出没し始めたマゾヒスティックな衝動を打ち消しにかかる優子。
そんな忌まわしい性癖が自分の中に潜んでいるなどとは、
今まで考えた事さえ無かっただけに、余計に衝撃は大きく、激烈で、
どう足掻こうとも、自分自身への深い疑心を生じずにはいられない。
打ち消しても、打ち消しても、次から次に湧き出してくる自己不信は、
傷付き消耗しきった彼女の心を完全に打ちのめし、絶望の淵へと突き落とすのに充分なものだった。
(23)
『ハッハッハッ、どうした、優子、顔が赤いぞ・・・・!?
んんッ!?なんとなんと・・・・下穿きの染みがどんどん広がっているではないか・・・・!!
詰られているのに濡れてしまうとは、さては変態の素質を秘めているようだなァ・・・・!!!!』
『・・・・い・・・・いやぁっ・・・・もう・・・・言わないで・・・・』
かろうじて搾り出す事の出来た反論は、蚊の鳴くようなか細いものでしかない。
執拗に繰り返される羞恥責めに抗しきれなくなった少女の心身は、
あろうことか、背筋がゾクゾクと粟立っていくような倒錯的な興奮さえ覚えるようになっていた。
頭の中はすでに真っ白な状況で、目の前の淫語魔王から発せられた卑猥な言葉が、
まるで壊れかけのテープレコーダーの如く、延々と再生され続けている。
あと数分、その状態が続いたならば、
彼女の理性は完全に屈服し、自己否定と歪んだ肉欲の虜と堕していたに相違ない。
――――だが、ヴェカンティの支配者は、
押し寄せる快楽に抗いながらも流されていくのを止められない<戦士>の姿には、頗る満足を覚えつつも、
敢えて、この状況を継続する事は望まないのだった。
(24)
『・・・・ようし、それまでだ。
・・・・いささか甘いとは思うが、第一の課題には合格点をやろう』
――――元より、これはその場の座興などではなく、
ヴァリアから消えたジュエリーの所在を訊き出すための策であり、
その目的を達しない限り、勝とうが負けようが、結果自体には何の意味も無い。
(・・・・あッ・・・・はぁッ・・・・ん・・・・ふはぁああッ・・・・)
だが、そんな思惑など知る由も無い優子の身体は、
残忍王の言葉に、緊張の糸が切れたのか、グラリ、と大きく傾ぎ、そのまま床の上へと沈み込む。
思わず失笑を漏らしたメガスは、だが、すぐに表情を改めると、
足元に蹲るヴァリアを横目で眺めやりながら、少女の頭上に怒声を落とした。
『馬鹿者ッ、誰が休んで良いと言ったッ!?
賭けはまだ始まったばかり、課題はあと二つも残っているのだぞッ!!
(25)
『・・・・・さあ、次の命令だ、心して聞けッ・・・・!!
今から"これ"に奉仕し、そして、満足させろ・・・・
ただし、手を使ってはならん・・・・使って良いのは、お前の、その口だけだッ・・・・!!』
有無を言わさぬ口調のメガスの言葉に、おそるおそる顔を上げる優子。
――――次の瞬間。
耳を劈くような盛大な悲鳴が上がり、少女の目蓋が大きく見開かれる。
目の前に、ぐいっ、とせり出していたのは、縮れた剛毛に覆われたメガスの巨根、
性器と言うよりも、むしろ、凶器と呼ぶのがふさわしい、黒ずんだ肉の槍先だった。
子供の腕ほどもありそうな太さの肉棒の表面では、青紫色のミミズのような血管がビュクビュクと脈打ち、
特大サイズの亀頭の表面は、半透明な先走りの体液に濡れて不気味な光沢を放っている。
反射的に顔を背けようとしたものの、
衝撃の巨大さは、彼女の手足から、一時的に、自由を奪うほどのものだった。
哀れな少女の双眸は、呪縛から解き放たれるまでの数秒間、
グロテスク極まりない、しかし、目も眩まんばかりに強烈な、眼前の光景に釘付けとなり、。
目を瞑る事も視線を逸らす事も叶わないまま、その姿を凝視し続けるしかなかった。
(26)
『・・・・いやッ・・・・嫌ぁあッッッ・・・・!!
ひィッ・・・・お、おねがい・・・・そんなモノ・・・・こっちに近付けないでェェェッ・・・・!!』
やっとの思いで最初の衝撃を乗り越えるや否や、
空っぽになっていた頭の中に雪崩れ込んでくる戦慄と嫌悪・・・・。
まるで駄々をこねる幼児そのままに、左右に激しくかぶりを振りながら、
優子は、メガスの身体から――――その中心で猛り立つ恐怖の象徴から――――逃げ出そうとする。
だが、気が動転するあまり、足元もおぼつかない状態では、逃走など全く不可能であり、
数歩も離れないうちに足がもつれてしまい、気が付けば、薄笑いを浮べる残忍王に組み敷かれていた。
『"そんなモノ"とは、ご挨拶だな・・・・リアリティでも男の股間には同じ物が生えている筈だろうが?
ええッ!?どうなんだッ・・・・お前の世界の男は、どんなイチモツを生やしているッ!?』
『・・・・ひっ・・・・し・・・・知らないッ・・・・そんな事ッ・・・・!!』
蒼白だった少女の顔が、一瞬にして、真紅へと変貌を遂げた。
思春期の真っ只中にいる女子高生にとっては、まさに悪夢のような質問だろう。
勿論、彼女とて、汚れ無き少女達の学び舎に在籍する身とはいえ、その種の情報と全く無縁という訳ではなく、
保健科の授業は勿論の事、級友達との他愛ない会話の中でも、
異性の身体の構造や機能について耳にする機会は日常的に存在したし、
(年頃の娘として自然な程度には)そういった話題にも関心を持っていたのも事実である。
・・・・だが、異性の身体に興味を持つ事と、実際に男性の肉体を求める事とは、勿論、イコールではない。
(27)
『・・・・何ィ、知らない、だとぉ!?見え透いたウソを言うなッ!!
男のカラダを知らん小娘が、見られただけで肌をこんなに熱く火照らせたりするものかッ!!』
羞恥心に突き上げられ、為す術も無く狼狽する優子の姿に、メガスの嘲弄も一層辛辣さを増す。
容赦なく浴びせられる口汚い言葉によって、少女の胸は張り裂けそうだった。
・・・・だが、もはや、彼女に反論は不可能だった。
燃え上がるような熱を帯び、ヌルッ、とした脂汗すら噴き出している柔肌、
胸郭の中に響き渡る、隠し切れない心臓の高鳴り、
だらしなく半開きになった口元から漏れる、異様に生温かい吐息・・・・。
執拗な言葉責めの中で開花させられたマゾヒスティックな性癖が束の間の休息を終えて再び発現し、
淫靡な全身の変調となって、自己の存在を強烈にアピールし始めたのである。
(28)
(・・・・ああ・・・・あああ・・・・こ・・・・こんな・・・・こんな事って・・・・)
自らの本性に愕然となり、深く打ちひしがれる蒼髪の少女。
ここに至っては、彼女も、自分の心の中の、あさましい被虐の快感の存在を、
――――そして、その欲求が猛烈な勢いで増殖し続けている事を、事実として認める他無かった。
重く垂れ込めた無力感が、なけなしの気力を完膚なきまでに叩き潰し、
その代わりに、おぞましくも魅惑的な、抗い得ない感覚が、疲弊しきった精神に染み渡っていく。
(・・・・だ・・・・だめ・・・・こんな気持ち・・・・だめなのに・・・・いけないのに・・・・!!
・・・・あああ・・・・でも・・・・でも・・・・もう・・・・わたし・・・・自分を・・・・抑えられない・・・・!!)
薄青色の瞳には、ようやく完全な自由を得た欲情が、トロリ、と濁った光となって溢れ出し、
視界全体が、デフォルメされた前衛絵画の如く、グニャグニャと捩れていた。
すでに十分な大きさに屹立していたピンク色の乳頭部は、
何十本もの極細針で突き刺されるかのようなチクチク感に包まれており、
あまつさえ、プルプルと繊細な痙攣に覆われて妖艶に蠢いている。
しなやかな太腿に挟まれた最も敏感な場所への入り口もまた、内側からの熱気に蒸されてぷっくりと膨張し、
濃密なフェロモンと共に、汗の香りとは明らかに異なる、独特の芳香を吐き出していた・・・・。
(29)
『クククッ、どうやら、ようやく素直になったようだな。
・・・・ならば、優子よ、今の正直な気持ちを行動で示してもらおうか?』
にんまりと笑いながら、股間の怒張を押し付けてくる残忍王。
再び目の前に突き出された肉槍は、先刻にも増してその禍々しい威容を際立たせており、
もはや、羞恥心や生理的な嫌悪などを通り越して、原初的な恐怖感すら抱かせる存在へと変貌している。
・・・・・・・・だが。
『ムフフフ・・・・そうだ、亀頭の周りに沿って舌を這わせろッ。
ゆっくりと・・・・丹念に・・・・よしよし、その調子だ・・・・なんだ、やれば出来るではないか!!
とても素人とは思えん・・・・一体全体、何処の誰に仕込まれたというのだ・・・・!?』
(・・・・ハァハァ・・・・お、大きい・・・・それに・・・・ヒドイ臭い・・・・頭がクラクラしそう・・・・)
トロン、と酒に酔った様な眼差しを浮べつつ、
蒼髪の少女は、殆ど何の躊躇いも無く、メガスの汚らわしい逸物に舌を這わせていた。
最初のうちこそ、饐えたような悪臭が鼻孔に突き刺さり、
苦いようなしょっぱいような何とも言い難い不快な味覚が口の中一杯に広がったのだが、
それも束の間で、幸か不幸か、あまりの酷さに彼女の味蕾は麻痺してしまい、何一つ感じなくなってしまう。
(30)
『・・・・はぁう・・・・くッ・・・・うううッ・・・・うぶ・・・・んむぅうう・・・・』
小さな口元を全開にして、鈴口を頬張る優子。
亀頭の部分だけでも、顎が外れそうなくらいの大きさがある肉棒を、無理矢理口腔内に詰め込んでいく。
・・・・チロッ、チロッ、チュパッ・・・・!!
・・・・ピチャッ、ピチャッ、ジュルルッッ・・・・!!
・・・・チュルッ、チュルッ、ブチュルルルッッッ・・・・!!
最初は、それでも、おずおずと遠慮がちだった舌先の動きも、
しばらくすると、ぎこちなさがとれ、積極的なものになっていった。
喉奥の粘膜が巨大な亀頭に擦り上げられるたび、
悪寒にも似たゾクゾク感が背筋を駆け巡り、倒錯した快楽の波動が頭の中をグルグルと攪拌する。
・・・・悔しい、と思う気持ちが完全に消え失せてしまった訳ではない。
だが、それ以上に少女の心の内を占めていたのは、
あまりにも惨めな自分への絶望であり、情けない自分を罰したい、という自虐的な願望だった。
本来ならばメガスに向かうべきところの怒りと憤りは、
圧倒的な屈辱感と無力感によって、方向性を180°捻じ曲げられてしまい、
遂には、その矛先を自分自身に向けるまでになってしまったのである。
(31)
(・・・・はぶぅッ・・・・く、苦しい・・・・大きすぎて・・・・息が・・・・あああ・・・・続かない・・・・)
加えて、先刻から全身の毛穴をチリチリさせている、快美な被虐感が、
憎んで余りある宿敵の性器を咥え込み、舐め回すという最低最悪の行動を糧として、
ますますエネルギーを増大させ、神経中枢への支配力を強化しようとしていた。
意識の深層に宿ったまま、これまでずっと深い眠りの中に沈んでいたマゾの素質だが、
一旦、禁断の快楽として性感との間にダイレクトな繋がりを確立してしまった今、
それまでの沈黙が嘘のように猛威を奮い始め、もはや、その甘美な感覚を忘れる事など全く不可能な状況である。
『・・・・ああ・・・・がッ・・・・あぐぅ・・・・はがッ・・・・うぐ・・・・ぐぶぅううッ・・・・!!』
そんな優子の変化を目聡く察知した残忍王の肉槍は、
すでに充分過ぎるほど勃起している筈にも関わらず、更に怒張ぶりを増していく。
猛り狂う肉の塊が、狭い口腔を押し破り、気道の入り口付近まで到達して、
柔かい喉奥の粘膜を擦り上げながら、肺腑に向かって咽せ返るような牡のフェロモンを放出し始めると、
少女の細い気管は、たちまちのうちに半分以上塞がれてしまった。
さすがに奉仕どころではなくなって、口内の巨大な肉棒を吐き出そうとするものの、
呼吸困難に陥って麻痺しかけた舌先の感触が、ますます気に入ったらしいメガスは、
それを許すどころか、反対に、更に力を込めて、恐るべき肉の凶器を喉の奥へと押し進めていく。
(32)
『・・・・あぐぅッ・・・・ぶ、ぶぎへぇ(ぬ、抜いてェ)・・・・!!
ぐッ・・・・ふぐぅッ・・・・ぶぁ、ぶぁべぇ(だ、駄目ぇ)・・・・ぼぉ・・・・びぎぐぁ(もう・・・・息がぁ)・・・・!!』
無我夢中で、口腔内を暴れ回る肉塊から逃れようとする優子。
だが、メガスの体を突き放そうと伸ばした両腕は無情にも撥ね付けられ、
そればかりか、手首を捻り上げられて、身体全体を更に前へと手繰り寄せられてしまった。
苦しさのあまり白目を剥く蒼髪の少女は、涙と唾液と鼻汁とで顔中を濡らしながら悶絶する。
本来の桜色はとうに消え失せ、今や蒼白から更に土気色へと変色していく唇から発せられるのは、
喉奥の粘膜を掻き回す卑猥な水音を除けば、今や潰れた悲鳴と断続的なえずきでしかない。
『・・・・ふはははッ!!いいぞッ・・・・実に良いッ!!
プリプリの唇にヌルヌルの舌先、おまけに、このキツキツさが堪らんわッ!!
ヴァリアのも良かったが、優子、お前のフェラチオは最高だッ・・・・!!』
うなり声を上げながら、ヴェカンティの支配者は、(優子にとっては有難くもない)賛辞を口にする。
勿論、誇張も少しは混じっているのだが、
実際に、(その部分だけは生身のままの状態を保っている)陰茎の中では、射精感が急速な高まりを見せていた。
正直なところ、そこまでは期待していなかった残忍王にとって、この事は嬉しい誤算であり、
一瞬、このまま精を放出せず、少女が窒息死するまで喉を犯し続けようか、と、危険な誘惑に駆られた程である。
(33)
(・・・・フフッ、まあ、そういう訳にもいかんだろう。
多少勿体無い気もしないではないが、ファンタズム・ジュエリーには代え難いからな・・・・)
珍しく自嘲気味な笑みを口元に含ませながら、
残忍王は、下腹に、グググッ、と力を込め、股間の剛刀に意識を集中する。
少女の口の中の暴れ棒が、ビュクン、ビュクン、と、ひときわ大きなうねりを発し、
同時に、口内には収まり切らない、その付け根部分が、
ビクビクビクッ、と、こちらは逆に、至極小刻みな震動に覆われ始めた。
『・・・・ぶがっ・・・・ぶぁびッ(・・・・なっ・・・・何ッ)・・・・!?』
かろうじて異変に気付いた優子だが、
半ば窒息しかけ、しかも、両手を拘束された状況では打つ手など無い。
僅かに目線を上げて、怯えの混じった瞳でメガスの表情を見上げるのが精一杯だった。
――――そして、彼女の置かれたその状況は、
その直後、柔らかい口腔粘膜の間に埋まっていた肉棒が、ブルブルッ、と痙攣し、
喉奥まで突っ込まれた亀頭の先から白濁した精液が迸り始めても、
しばらくの間は全く変化しなかったのである・・・・。
(34)
――――どびゅッ!!どぶゅびゅッ!!どびゅどぶゅぶぶッッッ!!!!
肉先から物凄い勢いで弾き出された白濁の粘塊が顎裏に直撃する。
ネバネバとした飛沫が、殆ど一瞬のうちに、鼻腔から肺臓に至るまで飛散したのを手始めに、
身動きできない彼女の喉が、口腔が、唇が、ぶちまけられる精液によって、悉く汚されていった。
信じられない量の、強烈な生臭さと粘り気を帯びた牡汁が、
気管と食道の双方から、少女の体内へと乱入し、激しい嘔吐感を催させる。
『・・・・ぐがッ・・・・げぼッ・・・・あぐぁッ・・・・げぶッ・・・・がッ・・・・はがぁぅうううッッッ・・・・!!』
唾液と胃液と精液がグチャグチャに混じり合ったゲル状の吐瀉物が、食道を逆流して口内に溢れ返ると、
さすがに不快感の方が勝ったらしく、メガスも、ようやく肉棒を引き抜き、少女の体を解放した。
真っ青な顔色のまま、胃袋が完全に空になるまで吐き続ける優子・・・・
灼け付いた喉から発した信じ難いほどの汚穢感が脳髄を直撃し、
これまでに感じたものとは比べ物にならないほどの被虐感が全身を駆け巡る。
総毛立つようなゾクゾク感は、吐く物が完全に無くなってしまった後も執拗につきまとい、
哀れな虜囚の感覚と感情とを徹底的に打ちのめすのだった。
(35)
『・・・・うっ・・・・ううっ・・・・あうう・・・・ぐっ・・・・ううう・・・・』
ようやく、えずきが収まった後も、優子は顔を上げる気力すらなく、
時折、くぐもった擦れ声で何かを呟きながら、咽び泣くばかりだった。
その様子を無感動に眺めていたメガスは、やがて、ふんッ、と軽く鼻を鳴らすと、
汗と精液がベットリこびりつき、清楚な雰囲気など微塵も感じられなくなった蒼髪を、むんず、と掴み、
弱々しく漏れる悲鳴を無視して、強引にその体を引き摺り上げた。
『・・・・フフ、どうだ、まだ勝負を続けたいか?
クククッ、そうだな、<賭け>の条件を変えてやっても良いぞ。
今この場で、這いつくばって赦しを請うのなら、お前だけは解き放ってやろう・・・・どうだ、悪い話ではあるまい?』
鮮血の色を湛えた機械の目が狡猾な輝きを発する。
半透明な赤いガラス・レンズに映り込む優子の顔は、見る影もなくやつれ果て、
瀕死の重病人もかくやと思わせる程の死相に覆われていた。
あれほど執拗につきまとっていた、被虐の戦慄きでさえ、すっかり息を潜めてしまい、
心身共に、あたかも、骨と皮だけを残して、全てが燃え尽きてしまったかの如く、空虚な感覚に支配されている。
(36)
『・・・・・・・・』
重い、・・・・否、重過ぎる、沈黙。
その緊張に堪えきれなかったのだろうか、
メガスの背後で、ついに、苦悶の喘ぎとも失意のため息ともつかない微妙な音階の吐息が漏れる・・・・。
(・・・・そうだ、ヴァリアッ!!ジュエリーの存在を明かすのは今しかないぞッ!!
今この時を逃せば、あの小娘は永遠にお前の駒ではなくなる・・・・
さあ、ファンタズム・ジュエリーの在り処を言うのだッ・・・・優子の心を繋ぎ止めるためにッ!!)
残忍王の(機械の入っていない方の)目に、勝ち誇った光が閃めく。
待ち望んでいたその瞬間がついに訪れた事を悟り、
血色の悪い頬を、ピクピクピクッ、と不規則な痙攣が走り抜けた。
最後の力を振り絞り、よろよろと身を起こすヴァリア。
生乾きの血の泡がこびりついたままの唇を開きかけた、その時――――!!
(37)
『・・・・勝負を・・・・続けるわ・・・・』
(38)
(・・・・・・・・優子ッ!?)(・・・・・・・・ゆう・・・・こ・・・・!!)
陰惨な空間に響き合う、二つの驚愕。
メガスの哂い顔が凍りつき、ヴァリアの唇が動きを止める。
――――そして。
『・・・・何故だッ!!!!』『・・・・な・・・・ぜ・・・・!?』
期せずして重なり合う、二つの問い。
・・・・無論、声量でも迫力でも勝っていたのは、ヴェカンティの魔王のそれだったが、
優子の答えを得られたのは、彼ではなく、ヴァニティの聖母の方である。
彼女が<戦士>として選んだ少女の声は、喉へのダメージが残っているのか、ひどく掠れていたものの、
しかし、周到に用意した罠をあと一歩のところで台無しにされ、激発寸前の残忍王を前にして、
言い淀む事も、うわずる事もなく、何処か静謐ささえ感じさせる響きを帯びていた。
『・・・・だって・・・・約束した・・・・から・・・・。
・・・・必ず・・・・たすけて・・・・みせる・・・・って・・・・』
(39)
『・・・・莫迦、な・・・・』
呻くようなメガスの口調が、その衝撃の大きさを何よりも雄弁に物語っていた。
信じられない、という表情が、彼の顔面に浮かび上がったのは、一体、何千年ぶりの出来事だろうか?
完璧な計画に沿って、細心の注意を払い、あらゆる不確定要素を排除しつつ遂行してきた筈の策略が、
単なる手駒でしかなかった筈の存在の、絶対にありえぬ筈の行動によって、水泡に帰した、という事実の前に、
さしもの殺人機械も、しばしの間、完全に言葉を失い、その場に立ち尽くしていた。
(――――・・・・・・・・殺ス・・・・殺シテヤル・・・・ッ・・・・!!!!)
・・・・やがて、その驚愕は、憤怒へと変化していく。
否、それは、単なる感情の暴走、発作的な怒りの爆発ではなく、
鬱積と凝縮と純化のプロセスを経て、限りなく鋭利に研ぎ澄まされた、負の感情の発露だった。
実際、怒号と共に優子に襲い掛かるその姿は、まさしく荒れ狂う悪鬼以外の何物でもなかったが、
一方で、瞳に浮かぶ赤い輝きには、それ以上の、何処か必死さすら感じられる異様な雰囲気が漂っている。
(40)
『良いだろうッ!!続けてやる・・・・続けてやるともッ!!
ええい、いつまでも寝ているなッ・・・・後ろを向いて、四つん這いになれ!!』
鳴り響く怒声は、先程までとは異なり、欲情ではなく、殺意によって満たされている。
返事をする間もなく、容赦無い蹴りが脇腹に炸裂し、
少女の身体は石床の上を数メートルあまり転がって、うつ伏せの姿勢で停止した。
『尻を持ち上げろ・・・・高く、もっと高くだッ!!さっさとせんかッ!!』
怒りを露わにしたメガスへの恐怖で表情を歪める優子。
その背後に迫った半人半機の怪物は、打ち伏したまま動けずにいる<戦士>を睨み据えながら、
再び高々と隆起した肉棒を、こんなものではまだ足りぬ、とばかりに扱き立てていた。
憎しみに満ちた視線は、薄汚れて至る所に無様な染みの出来ているスカートの下、
鳥肌だった太ももの肉に挟まれた薄い布切れを凝視し、
その中にくるまれた青い果実を、貫き、掻き回し、汚辱し尽す、復讐の悦楽に、早くも酔い痴れようとしている。
――――ビリィィィッッッッ!!!!
起き上がる事の出来ない優子の身体を背後から抱え上げた残忍王は、
丈の短いスカートを無造作に捲り上げると、無言のまま、汗ばんだ下着に手を伸ばし、一気に引き千切る。
抵抗らしい抵抗も出来ぬまま、短い悲鳴と共に切り裂かれた極薄のショーツが、
無残な砕片となって宙に舞ったと思った瞬間に、
まだ先程の口淫射精の名残りがこびりついたままの肉槍は、彼女の秘裂へとの突進を開始していた――――。
(41)
『・・・・ひッ・・・・ああッ!!・・・・いぎっ・・・・ぐッ・・・・あぐぅぁああああッッッ・・・・!!!!』
猛然とうなりを上げた肉の刃が、まだ男を知らぬサーモンピンクの裂け目を刺し貫く。
幸い、すでに愛液の滴に覆われていたせいで、最初のうちは予期していた程の痛みを感じる事も無かったが、
侵入者の巨大さは尋常ではなく、また、優子自身に異性と性交した経験が皆無だったのは、やはり致命的で、
膣内に押し入ってきた肉の塊に対しては、冷静な対処など全く不可能だった。
『持ち応えてみせろッ!!<ヴァリスの戦士>!!
それが最後の<賭け>だッ!!俺の責めに耐え抜くか・・・・さもなくば、死ねッ!!!!』
憎悪を滾らせた叫び声と共に、股間の破城槌を突進させる残忍王メガス。
充血して厚味を増した膣壁を突き破り、押し退け、捲り上げながら、ひたすら子宮を目指す。
その前に立ち塞がるべき純潔の象徴は既に取り払われていたため、破瓜の激痛こそ味わう事無く済んだものの 、
メガスの下半身には、およそ相手を愛しみ情感を共有しようなどといった甘い感傷は全く存在せず、
むしろ、彼女の未成熟なオンナの部分を徹底的に嬲り尽くし、
死にも勝る苦痛に悲鳴を上げる様子を愉しもう、というサディスティックな欲望が充満していた。
(42)
『フンッ、やっぱりそうか!!
さっきから怪しいと思っていたが、優子、お前は、もう処女では無いのだなッ!?
・・・・ええい、忌々しい!!一度ならず二度までもこのメガスの期待を裏切りおって・・・・一体、相手は誰だッ!?』
ヴェカンティの支配者の侮蔑の言葉と、ずちゅッ、ずちゅッ、という重く湿った抽送音とが、
頭の中で幾重にも木霊し絡み合って、不気味な和音を奏で続けている。
適度に引き締まった美しい尻丘を貫く肉杭は未だ全体の半分近くを残していたが、
すでにその先端は膣道を抜け、子宮の奥壁へと達しようとしていた。
無論、そのセックスには、愛情など欠片も含まれてはいないのだが、
一方で、ただ粗暴なだけという訳では決して無く、荒々しさの中にもツボを心得たテクニックが存在して、
初めは圧倒的な恐怖しか感じなかった少女も、徐々に官能の疼きを覚えるようになっていく。
『ハーッハッハッ!!どうした、尻の穴がヒクついているぞッ!!
ははあ、さては、ここにも何か挿入れて欲しいのか!?
クククッ、いいだろう・・・・お望みどおりにしてくれるッ!!さあ、受け取れぃッッッ!!』
節くれ立った人指し指が、小皺の寄り集まったすぼまりを深々と抉る。
鋭い痛みと異物感に悲鳴を上げ、反射的に、括約筋を、ギュギュッ、と引き絞ったものの、
そうすると、子宮口の開閉を司り、膣圧の強弱を調節している筋肉までもが連動して収縮するのは避けられず、
結果、突き入れられている巨根を力一杯食い締め、その逞しさをより一層強烈に感じるようになる。
その快感の凄まじさは、排泄器官を襲った痛みや異物感を忘却させるに充分であり、
あっという間に抵抗力を失ってしまった尻穴は、野太い指を一気に第三関節まで呑み込んだばかりか、
丸く引き伸ばされた肛門自体、真っ赤に腫れ上がって、異様な火照りとゾクゾク感に覆い尽くされてしまった。
(43)
『・・・・さあ、言えッ!!お前をオンナにしたのは何処のどいつだッ!?
まさか、ヴァリアやヴァルナではあるまい・・・・とっとと白状した方が身のためだぞッ!!』
(・・・・れ、麗子・・・・麗子ォッッッ・・・・!!!!)
メガスの問いに、思わず、最愛の友の顔を思い浮かべてしまう優子。
途端に、涙が溢れ出し、息が詰まって、全身の血液が沸点に達した。
失神しそうな程の快美な感覚が脳天を直撃し、
身体中が性感帯と化したかのように、刺激に対して敏感さを増していく
『クククッ、小娘めが、尻穴をほじられて興奮しておるわッ!!
おまけに膣壁の締め付けも増して来たぞ・・・・全く、何たる淫乱ぶりッ!!』
残忍王の嘲りも、もう殆ど耳に入らなかった。
きつく食いしばっていた口元も、今やだらしなく弛緩して唾液の糸を垂らし、
熱い吐息と切迫した喘ぎ声とが、引っ切り無しに漏れ出している。
パン、パン、と妙に乾いた音を立てて突きまくられる子宮壁に、腹膜一枚を隔てただけの直腸の痙攣が届くと、
溶鉱炉の中で煮え滾る銑鉄のような熱い滴りが湧き上がり、腰椎がバラバラになるような衝撃が走り抜けた。
子宮を、膣道を、直腸を、肛門を、好き放題に掻き回され汚辱され続けているというのに、
少女のカラダは肉悦に躍動し、あさましい欲情の虜となって飛び跳ね続けている。
(44)
(・・・・そ、そうよ・・・・あの時も・・・・こんな風だったわ・・・・)
――――気が狂いそうなくらいの苦痛、意識が遠退きそうなほどの快楽。
――――情け容赦ない罵声、相手の意志などお構いなしの一方的なセックス。
――――憎悪に満ちた双眸、欲望に歪んだ眼差し。
それら全てが融合して、強烈な既視感を伴った想念の暴風となり、優子に襲いかかる。
大切なバージンを奪い去ったのは、ログレスの<戦士>だった麗子。
ここと全く同じ場所ではないけれど、同じヴェカンティの中の、ここと良く似た雰囲気の漂う、陰鬱な城。
泣けど叫べど、自分の意志など全く顧みる事無く、
却って、欲情の炎を燃え上がらせるだけだったのも、たしかに今のメガスと変わらない・・・・。
(・・・・あああッ!!・・・・でも・・・・それでも・・・・麗子は・・・・麗子にはッ・・・・!!!!)
熱く火照りを帯びた媚肉を休む間もなく責め立てられ、
一度は完全に涸れ果てた筈のあさましい被虐の悦びも息を吹き返す。
すでに肉体はトロトロに蕩け、精神にもまた、破綻の時が迫りつつあった。
下半身を舐め尽した熱い感覚は、全身の神経索を通じて上半身へも燃え広がり、
全ての感覚と感情が、たった一つの狂おしい衝動へと収斂していく・・・・。
(・・・・ごめんね・・・・麗子・・・・約束・・・・守れなく・・・・て・・・・)
(45)
フラッシュバックする世界。
追憶の時間が終わりを告げられて、
四散した意識が、現実の地平――――呪われた霧に覆われた陰惨な沼地へと、引き戻される。
「・・・・あの後、わたしは・・・・麗子に、救われた・・・・」
散々泣き腫らした顔を膝の間から持ち上げる優子。
その表情の大部分は未だ弱々しいが、少なくとも、空虚ではない。
(――――ヴァリアさまの犠牲と引き換えに・・・・)
苦吟に満ちた思索が、追憶と感傷・・・・過去と現在とを繋いでいく。
・・・・ヴァリアさまは、あの時、麗子がすぐ近くまで来ている事を知っていた筈・・・・。
・・・・わたしを切り捨てさえすれば、確実に自分は助かる、って事を・・・・。
・・・・そうしてでも・・・・生き抜かねばならないのが、幻想王女の責務だ、って事を・・・・。
・・・・麗子だって・・・・それは承知だった筈・・・・。
・・・・あの時・・・・優先しなければならなかったのは・・・・わたしじゃなく、ヴァリアさまである事を・・・・。
・・・・わたしを犠牲にして・・・・ヴァリアさまを生かす・・・・それが、自分に課せられた義務だ、って事を・・・・。
・・・・それでも・・・・ヴァリアさまは・・・・そして、麗子は・・・・。
(46)
(・・・・嗚呼・・・・ヴァリアさま・・・・麗子・・・・)
閉じられた瞼の隙間から漏れた小さな光が銀色の滴りとなって頬を伝い、
黄金の胸当てへの上へと零れ落ちる。
――――その刹那。
涙の粒から発した仄かな光が胸元で瞬いたかと思うと、体の中がじんわりとした温もりで満たされていく。
みるみるうちに全身へと広がったその暖かい光は、
まるで愛しい我が子を抱擁する慈母の如く、優しく少女の体を包み込んだ。
・・・・その懐かしい感触に、何が起きたかを悟った優子は、殆ど無意識のうちに天を仰いで、叫び声を上げていた。
「・・・・あああッ・・・・こんな・・・・この感覚はッ・・・・!!
・・・・まだ・・・・この上まだ・・・・戦えと・・・・仰るのですかッ!?
こんなわたしにも・・・・まだ・・・・戦う事が出来ると・・・・そう、仰るのですか!?)
その言葉に呼応するかのように、<ヴァリスの鎧>から、キーン、と澄みきった波動が放出される。
次いで、全ての防具が、一旦、実体を失い、白い光の粒子へと還元されたかと思うと、
新たな姿・・・・否、かつて、一度だけ目にした事のある、聖なる戦衣の形へと再構築されていった。
めくるめく光芒の中に姿を現わし、ひときわ美しく光り輝いているのは、
<明>の精髄・・・・ファンタズム・ジュエリー。
清浄なる生命の息吹が邪悪な霧の魔力を退散させ、
絶望と悲しみに囚われ自縄自縛に陥っていた優子の魂を、沈鬱な桎梏から解き放った・・・・。
――――――――――――TO BE CONTINUED.
以上、第2章をお送りいたしました〜。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜。
なお、今回は、途中、連投規制に引っ掛かる事も無く、
スムーズに発表するが出来ました。
ご支援頂いた方、誠に有難うございました。
次章(第3章)以降は、PC版ハイパースーツに身を包んだ優子タンが、
謎に包まれた霧の正体を解き明かしていきます。
第3章の発表は5月末頃、第4章(最終章)の発表は7月末から8月上旬を予定しております。
それまで、しばらくの間、お待ち下さいませ〜。
>>356 お疲れ様です!
申し訳ないですが、休みの日にゆっくり読ませていただきます
しかし、本当にすごいボリューム。第4章までいくと小説1冊分ありそう
「・・・・」が大杉
流石!!
面白いですねぇ
フェラチオの壮絶な内容の描写よかったです。
次回も期待してます
>>358 福本漫画でも読んでからこっち読むと、そんなに多くも無く
感じるぞw
>>ALL
ご感想有難うございます〜。
>>358 「・・・・」の使用頻度が多過ぎですか?
これまで受けた事の無いご指摘なので、正直どう対応すべきか迷っています。
文章が読みづらいというのであれば、直したいと思いますが。
>>359 次回は、ハイゼン×ハイパースーツ優子の組み合わせで、
主に触手陵辱を予定しています。
最初はガイアスも出そうと思っていたんですが、
ストーリーの展開上、問題があって登場させない事にしました。
>>361 「…」の多さとか気にしないほうがいいよ、個性の範疇だし。
声がでかい連中の要望に何でもホイホイ答えて、作風がぶっ
壊れちゃった人とか結構居るから気をつけな。
うむ
「…」に関しては個人的には気にならなかった
むしろ、このくらいがいい雰囲気だと思ったよ
内容も雰囲気もいい感じで来てると思う
次の触手陵辱も楽しみだね
まあ358はまともな感想ですらないし、ARCH DUKE氏の文体は既に確立されてるから、
まともに取り合う必要はない。と普段ROMの俺が発言してみる。
こんな力作に対する無責任なそしりは、まったくたちが悪いぜ。
>>366 こちらこそ、いつも素晴らしいCGを有難うございます〜。
現在、原作の画像やテキストをほぼ全て網羅していた、
ttp://naha.cool.ne.jp/lolipop/ のサイトが利用できなくなっているため(マジで早く復帰してホスイ・・・・)、
原作との比較対照が困難な状況なのですが、
優子の回想部分のセリフの前半部分は、
ゲームのテキストをほぼ原文のまま使用しています
(基本的に追加しているのは「・・・・」と「ッ」と「!」「?」だけです)。
「ヴァリスX」・・・・エロゲ板では淫乱勇者とまで言われてますが、
私は、単に性的な快感に対する抵抗力が無いだけで、淫乱とまで思わないんですが
(実際、自分から能動的に性行為を始めているシーンは何処にもありませんし)。
・・・・とはいえ、もうちょっとぐらい抵抗してくれても・・・・、という意見には極めて同感なんですが(笑)。
おや絵師さんお久し振り。よこから頂きました。
いつもdであります!
保守
hoshu
進捗状況〜〜。
「アフター・ヴァリス」第3章は、現在進捗率約30パーセント。
状況的には、ハイパースーツ化を完了した優子タンに対し、
ハイゼン率いる触手軍団の総攻撃が開始されたところ。
ファンタズム・ジュエリーとハイパースーツの力で一旦は優勢に立つ優子タンですが、
一瞬の隙を衝かれて、形勢は逆転、無数の触手に全身を絡め取られてしまいます。
第1章に登場した触手と違い、今度の触手は、優子タンをエサではなく明確な敵とみなしており、
加えて、ハイゼンとその背後にいる存在の操る霧の魔力は、
ハイパースーツの堅牢な守りすら無効化してしまいます・・・・。
おかげさまを持ちまして、どうやら今年は配置換えにならずに済みました。
今の所、執筆は順調に進んでおり、来月の後半には予定通り発表に漕ぎつける事が出来そうです。
完成まで、もうしばらくお待ち下さいませ〜〜。
パンツおろして正座して待ってます。
372を棘つきの鉄板に座らせながら待ってます。
私も楽しみにしてまっています
ハイゼン触手軍団に応援ファンレターでも書きながら待ちます。
圧縮回避
>>ALL
ご声援・圧縮回避、いつも有難うございます〜。
進捗状況〜。
「アフター・ヴァリス」第3章は、現在進捗率40パーセント。
現在、戦闘開始→敗北→触手責め開始、とつながっていくシーンの文章が、
いま一つ上手くまとまらなくて、ちょっと難産気味です。
鎧の形が複雑な上に露出度が低い、ハイパー・スーツを着用した優子タンを、
艶っぽく、なおかつ、格好良く表現するのは、
実際に書き始めてみると、当初の予想以上に難作業でした。
もっとも、ハイパー・スーツは、今回の作品のキー・アイテムですから、
ここは、なんとしてでも乗り切らねばならない所なのでしょうけれども・・・・。
381 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 23:29:58 ID:XBI2LvCR
>>380-381 乙
ビキニ鎧の女戦士て結構メジャーなんだなと納得。
早速オカズにさせてもらいます。
進行状況〜〜。
「アフター・ヴァリス」第3章は、現在の進捗率約60パーセント。
相変わらず、PC版ハイパースーツを文章で上手く表現する方法が見付からず苦労していますが、
どうにか触手陵辱に取り掛かる段階にまでは漕ぎ付けました。
なお、描写の都合上、ハイゼンは触手生物と共生関係にある人工生命体という事にしています
(もっとも、原作のゲームの方でも、
ハイゼンの本体は背中のパーツに隠れ潜む蟲である、という設定でしたが・・・・)。
いずれにせよ、完成までもうしばらくお待ちくださいませ〜。
>>380-381 優子の対抗馬はキャロンですか。
個人的には、(候補に上がってる中では)麗夢かな〜、と思っていたので、
(現時点での)投票結果には少し意外な感じがしました。
こんなに人気があるのなら、クロスオーバー形式で一度書いてみようかな〜、と思ってみたりもします
(まぁ、私がキャロンを書くとしたら、「2」の少し成長した方になりますが)。
>>381 ……やっぱり、乳はバランスが大事だな、と。
大きすぎず小さすぎずが一番。
何か人外のような乳はちょっと困るなぁと。
キャロン登場期待しつつ保守。
この日・・・・・・早くに食事をとって、刑場にいたった。
ヴァリスの戦士こと麻生優子はすでに肉をそがれはじめていた。
凌遅の執刀回数は例のとおり三千三百五十七刀。
十刀ごとに一息いれ、一喝して優子を正気にもどす。
はじめの一日は親指から手の甲、胸部の左右へと三百五十七回、
肉をそぎとった。第一刀目のときわずかな流血があったが、
二刀目からは出血がない。一説には、罪人が恐怖にしばられているため
血は下腹やふくらはぎにたまり、そぎ終わって胸を開けばそこから一挙に
噴きだすという。夜になり、優子はしばられたまま闇の牢獄に護送された。
そこで優子はなお二碗の粥を食べたという。
メガス様にたてついた賊のしぶとさは、かくのごとし。
次の日、東に場所がうつされた。
昨日、刑の執行にあたって優子がメガス様を罵倒する言を吐いたので、
口にごつい胡桃(くるみ)の実が押し込まれている。
優子は数十刀、肉をそがれたところで気絶した。
まさに日が昇りはじめるころ、監督官が、凌遅の数に達したので屍を解体する
ただし、さらし首にはしないとの聖旨を読みあげた。
優子から被害をうけた魔物の遺族たちが争うようにそぎとられた肉の山に群がった。
その肉を祭って、優子に殺された者の冥福を祈るためである。
屍の胸部に大斧が打ちおろされ、骨や血が数丈もとび散った。逆賊のむくいのなんと無残なことか・・・・・・
進行状況〜〜。
「アフター・ヴァリス」第3章は、現在の進捗率約90パーセント。
本日、第一稿が完成いたしました。
今回はかなりの難産でしたが、どうにかここまで辿り着けました。
結局、一般的な触手だけでは、
PC版ハイパースーツ着用の優子へのエロ攻撃を効果的に描写する事が難しかったため、
プチ触手(ナメクジやミミズを少し大きくしたものをご想像ください)を併用する事にいたしました。
今後、修正や校正を行った上で、月末頃には完成に漕ぎ付けられると思います。
発表までもうしばらく、お待ち下さいませ〜〜。
ビキニ鎧の美少女戦士にピンチは似合うが、流石に
>>386はきついな。
hoshu
進行状況〜。
「アフター・ヴァリス」第3章は、現在の進捗率約95パーセント。
誤字脱字やその他細かい点を訂正したり削除したりと最終調整作業が進行中です。
おそらく、今週の土曜日か(遅くとも)来週の日曜日には発表の準備が整うと思います。
なお、今回のレス数は44と、連投規制にかかる可能性が高くなっていますので、
当日、お手空きの方がいらっしゃいましたら、支援の方、宜しくお願いいたします
(発表開始時刻は、22:00を予定しております)。
それでは発表をお楽しみに〜〜。
うゲぁパップッぐるううぐッッッ!?!?!?
「アフター・ヴァリス」第3章、本日完成いたしました〜。
明晩22:00より発表作業を開始いたします。お楽しみに〜〜。
396 :
372:2006/05/27(土) 07:50:19 ID:S4yMjiBb
パンツおろして正座して待ってます。
お疲れ様です。楽しみにしてます
皆様お待たせいたしました〜〜。
只今より、「アフター・ヴァリス」第3章〜ハイパースーツ触手陵辱編〜の発表を開始いたします。
なお、お手空きの方がいらっしゃいましたら、
連投規制回避のため、ご支援を宜しくお願いいたします〜。
(1)
――――光の中。
眩く輝く純白の光に包まれ、美しく流れる豊かな蒼髪。
凛々しく引き締まった面立ちには、
強い意志と理知の輝きを取り戻した薄青色の双眸・・・・。
(・・・・なんて・・・・暖かい光・・・・)
何処までも清らかで、それでいて、決して冷たくは感じられない、
まるで、胸の中で眠る愛児を優しくあやしつける母親のような温もりに満ちた光。
頭上で輝く聖なる宝玉、ファンタズム・ジュエリーから放出される<明>のエネルギーは、
不浄な力に汚染された魔霧――――感情を掻き乱し精神を枯渇させる、乳白色の闇――――を打ち払い、
傷付いた心を静かに癒していく。
極度の緊張から解放され、心底からの安らぎを得た少女は、
ようやく取り戻した本来の微笑みを浮べながら、実体化を完了した新たな<鎧>の姿を確認した。
(2)
胸当てと腰周りを覆う布帛、肩当てに肘当て、ブーツ、という基本的な組み合わせに変化は見られないが、
各々の防具は、形状も色合いも質感も、以前のものとは大きく変わっていた。
胸丘の曲線にピッタリとフィットしていた黄金の胸当ては、
形状はほぼそのままに、繊細な意匠の金装飾をあしらった黒鉄色の胸甲へと変貌を遂げている。
純白のミニ・スカートと精緻な帯止め飾りの付いたベルトが活動的な印象を強調していたウェスト部分は、
古代の神殿に仕えていた巫女たちのトーガを思わせる、白絹の戦衣に取って代わられていた。
肩先を申し訳程度に覆っていただけだった肩当ては、
大幅にボリュームを増した上、上下二段重ねの重厚な構造へと変化し、
肩だけでなく、首や背中の一部をもカヴァーするものになっている。
首回りに巻かれていた赤いスカーフは姿を消し、
代わりに、中心部分が楕円形の空洞になった、奇妙なデザインの三日月形のブローチが鎖骨の上を飾っていた。
背中には、身体の前面を覆うものと対になった純白の戦衣が、肩当ての真下から膝上近くまで垂れ下がり、
胸当てと一体化した留め金具と金色のベルトによって、胴体に繋ぎ止められている。
残る肘当てとブーツは、肘当ての外見が、(胸当てと同様)流麗な黄金の象嵌で飾られた黒金へと変わり、
ブーツの方は、膝まで覆っていたものが脹脛の半ばまでと短く切り詰められて、
すらりと伸びたしなやかな脚線美を今まで以上に際立たせるものとなってはいるものの。
他の防具と比べれば、それほど際立った変化は生じていないようにも感じられる。
(3)
――――そして、何よりも大きな変化が訪れていたのは、<ヴァリスの剣>。
剣というよりも、フェンシング競技に用いられるサーベルに近い、細身の外観が特徴的だったそれは、
いまや、刀身・握り共に、長さも厚みも大幅に増して、風貌を一変させている。
一番太い所で、片手の親指から小指までの長さほどもある刀身の中央部には、
鍔元から切先に向かって、古代のルーン文字に似た、判読不能の文字列が刻み込まれ、
幾何学模様の細工で飾られた鍔と柄には、深みのある濃紺の宝玉が嵌めこまれて、神秘的な光沢を放っていた。
一見した限りでは、優子のような少女が片手で扱う事など、到底不可能に思えるが、
手の中に収まった<剣>は、(以前と変わる事無く)殆ど重量を感じさせず、
まるで、プラスティックで出来た玩具のカタナを振り回すかの如く、自由自在に操る事が可能だった。
無論、これは、蒼髪の少女が<ヴァリスの剣>に認められた主である証左なのだが、
さらにもう一つ、彼女の内面が、その能力を最大限に引き出す事の出来る状況、
すなわち、内在する<明>と<暗>の要素が、最も高い水準で均衡した状態に達している事をも意味している。
通常の状態であれば、一定レベルの<戦士>としての資質を持つ者であれば、
例えば麗子のように、限定的ながらも、その力を引き出し行使する事も不可能ではないのだが、
現在のこの状態に達した<剣>を扱えるのは、三界広しといえども優子以外には存在しないだろう。
それこそが、彼女が<ヴァリスの戦士>として選ばれ、そして、幾多の死闘を生き残る事が出来た理由、
すなわち、生きとし生ける者の中で最もバランスのとれた心を持つ、という事の意味なのである。
(4)
(・・・・感じるわ・・・・ファンタズム・ジュエリーの・・・・<明>の力を・・・・。
・・・・でも・・・・だからと言って・・・・わたしの中の<暗>の力が弱まってる訳じゃない・・・・)
――――これはどういう事なんだろう?と、優子は、少しの間、考え込み、
・・・・それから、フッ、と、小さく笑みを漏らす。
(・・・・ああ・・・・そうか・・・・)
ファンタズム・ジュエリーは、確かに<明>の力を与えてくれている。
だが、その力は、あくまで自分の中の<暗>の力を消し去るためのものではなく、
<明>の領域を活性化させ、均衡状態を回復するためのものなのだ。
つまり、<暗>の力、<ヴェカンタ>が、他者の存在を否定し、排除するための力、だとすれば、
それに対置する、<明>の力――――<ヴァリス>は、他者を受容し、共存するための力・・・・。
(・・・・だから、ジュエリーの力は、普段、わたしの中で眠ったままなのね?
その助けを必要とする程、わたしの中の<暗>の要素が強大化する事が無いから・・・・)
(5)
(・・・・そう・・・・わたしは、<ヴァリスの戦士>・・・・<明>と<暗>の狭間で闘い続ける者・・・・)
ひとつ頷くと、蒼髪の少女は、もう一度、全身を覆う<ヴァリスの鎧>へと視線を向ける。
改めて眺めてみると、<剣>と同じく、外見上は以前よりもずっと装飾性を増している新たな甲冑は、
しかし、決して華美に流れるようなイメージを帯びている訳ではなく、
反対に、身に着けているだけで、気持ちが引き締まるような独特の質感に包まれていた。
事実、新たな<鎧>を身に纏った優子の姿には、
以前の、戦いの場に赴く戦士の勇壮さと汚れを知らぬ乙女の清純さに加えて、
何処と無く、神聖な祭儀に列する女祭司を連想させるような荘厳な雰囲気が加わっている。
身体の前後を挟む様に覆った、清潔な純白の布帛は勿論、
胸当てや肘当てを飾る流麗な金色文様や精妙なカットを施された幾つもの宝玉の輝きも、
そういった印象を醸し出すのに一役買っていたが、
何よりも、彼女自身から滲み出る内面の清らかさが、それを強く際立たせているのである。
(6)
(・・・・・・・・)
頭上で神々しく光り輝いていた夢幻界の聖玉は、
やがて、与えられた役目を終えた、と判断したのだろう、
徐々に実体を失い、元の光の粒子へと還元されていった。
ジュエリーの姿が完全に消失した瞬間、
胸元に装着された三日月形のブローチが淡い輝きに包まれ、
空洞が穿たれていた筈の中心部分に、燃え上がるような深紅の宝石が忽然と姿を現わす。
同時に、額の真ん中、少しクセ毛になった前髪のかかった辺りにも、
ブローチと同じく、真ん中に紅玉の嵌め込まれた、美しいサークレットが出現する。
(ありがとう・・・・ファンタズム・ジュエリー・・・・)
すでに、少女の体を優しく抱擁していた暖色の光は消え去っていたものの、
額と胸元に顕現した赤い聖石からは、エネルギーに満ちた波動が溢れ出し、
全身の細胞がいっぺんに生まれ変わったかのような、力強い躍動感が湧き上がってくる。
つい先刻まで、己の無力さに、膝を抱き涙するしかなかったのが嘘のように、
五感は勿論、注意力も、集中力も、思考力も、格段に研ぎ澄まされて鋭敏さを増し、
平衡感覚を取り戻した精神には、はちきれんばかりの気力が漲っていた。
(7)
「――――ハアアアッッッ!!」
高揚感の赴くまま、気迫のこもった掛け声を放った優子は、
両手で構えた<ヴァリスの剣>を高々と振り上げる。
頭上高く突き上げられた聖なる刃が、不浄な沼沢地の空気に触れると、
大気中に含まれる微量の<ヴェカンタ>が反応して、
そこかしこで、パチパチパチッ、と、小さな放電現象が引き起こされた。
「――――ッ・・・・たぁああッッッ!!!!」
気合一閃。喊声と共に振り下ろされた白刃が、鋭い風鳴りを巻き起こす。
あたかも刃先が通り過ぎた場所の空間そのものが真っ二つに断ち切れるの如き、強烈な斬撃に続いて、
剣先から、まばゆく光り輝く、白銀色の光弾が放出され、
視界を遮る乳白色のヴェールに大穴を穿ちながら、猛烈な勢いで突き進んでいった。
その軌跡を目で追いながら、素早く軸足をずらした彼女は、
振り下ろした切っ先を横方向に薙ぎ払い、さらに刺突の構えへと繋げ、身体の動きを確認する。
表面積の点では、以前のものよりも確実に嵩を増している<鎧>であるが、
そのせいで、手足をはじめ全身の各筋肉や関節の動きが阻害されているかと言えば、決してそんな事は無かった。
(8)
――――異変が起きたのは、その直後である。
突如、ヒュルルル――――ッ、という耳障りな音を掻き鳴らしながら、
白煙をなびかせた金属製の擲弾が、遥か視界の彼方から飛来してくる。
反射的に身体を横に跳躍させ、着地と同時に地面に伏せる<ヴァリスの戦士>・・・・
次の瞬間、耳を劈くような爆発音が響き渡り、数秒前まで自分がいた場所に紅蓮の火柱が立ち上った。
「なッ、こ、これはッ・・・・!?」
ゴウゴウと吹き荒れる爆風が、腰近くまで伸びた蒼髪を巻き上げ、
次いで、白い戦衣に包まれた背中に泥土の雨を撒き散らす。
美しく整った色白な顔立ちも、同じように沼地の泥によって汚されてしまうが、
もはや、優子にはそんな事を気にしている余裕は存在しなかった。
爆風が通り過ぎるのを待って顔を上げた少女の耳朶には、
さらなる凶弾の来襲を告げる不吉な金属音が次々と飛び込んできたのだから・・・・。
(9)
(・・・・こ、これは、幻覚なんかじゃないッ!?
一体、どういう事・・・・魔力を帯びた霧や触手生物とは別に、沼地の中に誰かが潜んでいるというのッ!?)
乳白色の暗幕の奥から放物線を描きつつ飛来してくる、無数の噴進弾。
続けざまに着弾しては、巨大な爆発音を轟き渡らせ、
土塊と泥水とを激しく撥ね上げて、地面にクレーターを穿ち抜く。
さすがに、ただちに護りの障壁を破る程の威力は備わってはいないが、
その一方で、どうやって照準を合わせているのかは不明だが、狙いそのものはかなり正確であり、
決して闇雲に砲弾の雨を降らせているという訳では無い様子だった。
ヒュルルル・・・・ガガァァァンッッ!!!!
かわし損ねた砲弾の一発が足元に着弾し、爆風と硝煙とを噴き上げる。
生身の体であれば、万に一つも生存は望めない状況だが、
強化された甲冑は、爆発の瞬間、優子の周囲に不可視の防壁を張り巡らし、
美しい主を、肉の細片となって四散する運命から見事に守り抜いていた。
――――しかし、視界全体を炎と煙によって覆い尽くされてしまった少女が、
バランスを崩して足元をもつれさせ、前のめりに転倒してしまうのまでは防ぎきれない。
(10)
「くぅッ・・・・あううッ・・・・!!」
砲撃によって攪拌されドロドロにぬかるんだ泥土が、鼻腔と口元に侵入し、
何とも形容し難い臭気と不快な味覚が喉の奥へと滑り降りた。
思わず咽せ返り、気管に入った汚物を吐き出そうと注意を逸らしたところへ、
狙い澄したかの如く、数発の爆裂弾が飛来してくる。
・・・・しかし、凄まじい衝撃も噴き上がる業火も、依然として不可視の壁を突き破る事は叶わず、
周囲の泥濘を掘り返すだけで後には何も残さない・・・・かに見えたのだが――――。
「・・・・はうッ!?なッ・・・・こ、これはッ・・・・!?」
抉り取られた地面を何気なく覗き込んだ<戦士>の目が大きく見開かれる。
そこにあったのは、・・・・否、その場所を埋め尽くしていたのは、
惨たらしく引き千切れ、焼け爛れた、無数の小生物の屍と、
そして、その下でザワザワと蠢く、さらに夥しい数の同類の姿。
視界内に存在しているものだけで、その数、数百匹を下らないだろう。
殆どは、ナメクジやミミズに似た姿のもので占められているが、
中には、不定形のアメーバ状生物や黴やら胞子やらが無秩序に寄り集まった不気味なものも多い。
しかも、彼らは、砲撃によって抉り取られた地面の下から途切れる事無く這い出してきては、
申し合わせたかのように、一斉に自分の方へと押し寄せてくるのだった。
(11)
「ひッ・・・・こ、来ないでッ!!」
狼狽し、声を上擦らせる蒼髪の少女。
勿論、防御障壁が健在である以上、
小生物達の進軍が如何に勇敢でも、柔肌にまで達する事はありえないのだが、
何百、何千、もしかすると、何万、という小さな生き物が、
奇怪なヌメリを帯びた海嘯と化して、自分を呑み込もうとしている光景は、
実際の脅威以上の恐怖と嫌悪感とを感じさせるものに他ならない。
その上、彼女には、心胆を寒からしめるもう一つの理由が存在していたのだった。
(遠距離からの正確な砲撃に、昆虫の大群・・・・この組み合わせは・・・・もしかして!?)
重火器と蟲・・・・畸形化した工学技術と古来から伝わる魔道の融合というメガス軍の特色を、
残忍王メガスその人以外では最も良く体現していた、あの男。
メガスの片腕としてログレス軍の残党を屠り尽し、
その首魁たる雷獣将ガイアスが死の間際に託そうとした、ファンタズム・ジュエリーをも奪取した雄敵。
主と同じく、全身を不気味な人工筋肉と精密機械によって埋め尽くされた殺人マシーンでありながら、
その脳髄にあたる部分をナノマシンの如き無数の小昆虫の集合体に置き換えられていた、異形の魔将・・・・。
(12)
「――――ハイゼンッ!!」
記憶の水底から蘇ったその名を、戦慄をこめて声に出す優子。
驚愕に見開かれた双眸には、奪われたファンタズム・ジュエリーを取り戻すべく挑んだ
――――もっとも、その時既に夢幻界の聖玉は、メガスの許へと送られていたのだが――――、
かつての死闘の状景がありありと浮かび上がってくる。
戦いの結果だけを言うのであれば、たしかに勝ち残ったのは彼ではなく優子の方だったが、
一方で、死力を尽くした激闘は、彼女自身をも深く傷付けていた。
・・・・そう、あの時、ヴェカンタ砲の標的となっている事を承知の上で、ヴァリアが救いに現れなければ、
あるいは、そのまま生命を落としていたかもしれない程の深刻なダメージを・・・・。
「あいつが生き返ったというの!?まさか、そんな事が・・・・で、でも・・・・この状況はッ!?」
叶う事ならば否定の言葉を口にしたかったが、
目の前で起きている現実はそんな甘えを許してはくれなかった。
砲弾の炸裂が地面を抉り取るたび、泥土と一緒に撥ね上げられる無数の蟲たち・・・・
普通であれば、この場から逃げ出すか、それとも、地中深く潜り込むかして、
危険を避け、自分の生命を保とうとする筈だが、彼らにはそんな様子は微塵も無い。
その姿は、どう考えても、何かの目的のために、あるいは、誰かから命じられて、
自らの生存を度外視した行動を取り続けているようにしか考えられなかった。
(13)
「・・・・多分、いいえ、きっと間違いない。ハイゼン・・・・あいつが復活したんだわッ!!」
黒金の胸甲に覆われた鳩尾を、冷たいものが流れ下っていく。
至近距離で炸裂した噴進弾が火柱を噴き上げても動じる事の無い表情に緊張が走り、
<ヴァリスの剣>の柄を握り締めた細指は、じっとりと汗ばんで関節が白く浮き出していた。
胸の中で、心臓の鼓動が、どんどんせわしなく、激しいものへと変わり始め、
それに比例して、口元から漏れ出す呼吸音も、徐々に切迫したリズムを増していく。
「ハイゼンッ!!何処にいるの・・・・姿を現わしなさいッ!!」
チリチリと神経を灼く焦燥感に堪りかねた優子は、霧の中に向かって叫び声を上げる。
無論、この場所からでは遠すぎて、敵の姿は視認出来よう筈も無く、
せいぜい、時折、靄の中で、砲撃時の発砲炎が、チカッ、チカッ、と瞬くのが見て取れる程度に過ぎなかった。
だが、それでも、少女は、漆黒の暗闇以上に深く視界を閉ざした乳白色のヴェールの向こうで、
悪意の牙を研ぎながら攻撃の機会を窺う者の存在を確信を持って感じ取っている。
――――はたして、その予感は、しばらく後・・・・彼女の動揺が頂点に達した瞬間に、現実のものとなるのだった。
(14)
『クックックッ・・・・優子・・・・<ヴァリスの戦士>よ・・・・久しぶりだなァ・・・・』
頭の中に響き渡る、地の底から湧き上がるかのようなどす黒い怨念に満ちた思念。
一瞬、愕然と引き攣った瞳が空中を泳ぎ、
蒼ざめた唇が、まさか、とも、やはり、とも見分けがつかない中途半端な形状へと姿を変える。
『こっちだ、優子・・・・俺なら、ここにいる。
・・・・と言っても、そこからでは視認出来んだろうが・・・・まあ、気配ぐらいは分かるだろう?』
邪悪な『声』の告げる通り、
前方には、ひときわ濃密に垂れ込めた白い大気の城壁が幾重にも連なり、視界を遮っていた。
だが、その一方で、彼女の<戦士>としての直感は、
その中にいる何者かこそが、この思念を飛ばしている張本人である事を告げている。
ファンタズム・ジュエリーの欠片を嵌め込んだ額冠を頂いたこめかみから、
白く輝く汗の粒が数滴、ジワリと滲み出し、かたく強張った頬の上を滴り落ちていく。
(15)
「ハイゼン・・・・一体、どうやって蘇ったの!?・・・・お前の目的は何ッ!?」
ともすれば動きが鈍りがちになる舌先を強く叱咤しつつ、矢継ぎ早に詰問を叩きつける。
相手は頭の中に語りかけてくるのだから、こちらも言葉を思い浮かべるだけで良いのは承知の上だったが、
直接声に出して言わない事には、どうにも気持ちが収まらなかった。
そんな<戦士>の様子に冷笑を含ませながら、漆黒の思念は挑発的な返答を返してくる。
『知りたいか?ならば、来い・・・・決着をつけようじゃないか。
貴様が、再び、この俺に勝ったなら、真実を教えてやろう・・・・メガス様の復活の真実をッ!!』
(・・・・メガスの・・・・復活・・・・!!)
『声』の告げた言葉・・・・その禍々し過ぎる響きが、脳裏に強烈なフラッシュバックを引き起こし、
記憶の井戸の底に封印されていた忌まわしい情景をありありと浮かび上がらせる。
憎悪に満ちた眼で自分を見下ろす残忍王の、
全身の傷口から、オイルと血液の混じり合った真っ黒い液体を噴き上げ、
怒りと屈辱に怨念を煮えたぎらせながらの凄絶な最期・・・・。
そして、閃光に飲み込まれ消滅する寸前に叫んだ、呪詛の言葉を・・・・。
『その時を待って・・・・我は必ず復活し、そして、お前に復讐する・・・・忘れるなッッッ!!!!』
(16)
――――その刹那、優子の中で、何かが鋭い音を立てて弾け飛んだ。
(17)
「それが・・・・その時が、今だ、と言うのッ・・・・!!
こんなにも早く、その時が到来したと言うのッ・・・・!!」
猛然と大地を蹴り、深い霧の中へと走り出す、<ヴァリスの戦士>。
殆ど絶叫とも言って良いだろう、肺腑の奥から搾り出すように発せられた叫び声は憤激に満ち溢れている。
白いヴェールの奥から飛んで来る噴進弾に気付いた彼女は、
それを避けようともせず、無言のまま、手にした<ヴァリスの剣>を振り上げると、
沸騰した感情を眩い剣光へと変え、飛来して来る敵弾目がけて叩き付けた。
「そんな訳、無いッ・・・・そんな理不尽な事ッ・・・・絶対にッ!!
許さないッ!!認めないッ!!・・・・必ず、止めてみせるわッッッ!!」
長い髪をなびかせ、白い戦衣の裾を翻しながら、蒼髪の少女は砲火の中をひたすら駆け抜ける。
行く手に立ち塞がる乳白色の城壁を睨みつける両の眼には、
悔しさのあまり、熱い滴が滲み出し、激流となって飛沫いていた。
死力を尽くした戦いの末、ヴァリアという尊い犠牲を払って、ようやく取り戻した三界の平和が、
これほど僅かな時間で崩れ去ろうとしている事への憤り、
そして、それをもたらそうと画策を続けてきたメガスとその残党達への怒りが、
少女の心の中に、かつて無いほどの激情を呼び起こし、暴風となって荒れ狂っている。
(18)
『はーはッはッはッ!!無駄だ、無駄だッ!!メガス様の復活は、もはや止められんッ!!』
「黙れッ、ハイゼン――――ッ!!!!」
ほとんど手で触れる事が可能なぐらいに濃密さを増した霧の中、
一寸先も見えない乳白色の闇が視界を覆い尽くし、
ねっとりとした大気が、まるで無数の触手のように乙女の柔肌へと絡み付く。
「何処にいるのッ!!隠れてないで出てきたらどうなのッ!!」
決着をつけようと嘯きながら、一向に姿を見せようとしない卑劣な敵に、
<ヴァリスの戦士>の怒りは頂点に達していた。
何かおかしい、罠かもしれない、とも思わないではなかったが、
すでに、彼女の思考は、自分でも驚くほどの激昂によって支配されてしまっており、
その行動がもたらす結果についての洞察を著しく欠くまでになっている。
・・・・そう、この時の優子には、現在、自分が置かれている心理状態が、
<明>と<暗>との極めて高度なバランスにとって、
あるいは、それが成り立って初めて発現する、<ヴァリスの剣>の真の力にとって、
どれほど危険なものであるのか、全くと言って良いほど理解出来ていなかったのである・・・・。
(19)
「ハイゼン!!見つけたわよッ!!もう逃がさないわッ!!」
甲高い叫び声が轟き渡る。
睨み据えた先に聳え立つのは、忘れもしない、メガスの右腕。
間髪を入れず、刀身が煌き、切っ先から迸った光の飛礫が白いヴェールを猛然と切り裂くと、
記憶の中にあるのと寸分違わぬ、筋骨隆々とした禍々しいシルエットが、ついにその全貌を露わにする。
「許さない・・・・お前だけは、決してッッッ!!」
聖なる剣を振り上げた少女が、全身を貫く怒りを気迫に変えて闘気を練り上げると、
相対するハイゼンもまた、姿勢を低く取って重心を落とし、
両腕を油断無く構えながら、装甲と生体部品によって構築された巨体から猛々しい気を立ち上らせた。
「たあああッッッ!!!!」
『ぬむうううッッッッ!!!!』
二人の戦士が見交わした苛烈極まる眼差しが空中で絡み合った、次の瞬間――――!!
どちらからともなく、地面を蹴った二つの影が空中高く跳躍し、
すれ違いざま、各々の武器――――優子の剣とハイゼンの拳――――の持つ必殺の間合いから、
それぞれの心身に宿る、渾身の力を込めた一撃を、相手に向かって叩き込んだ。
(20)
「・・・・・・・・」『・・・・・・・・』
・一瞬、周囲の全てから音が失われ、恐ろしいまでの静寂が世界を包み込んだ。
<ヴァリスの戦士>も暗黒界の魔将も、着地時の姿勢のまま、微動だにせず
・・・・否、出来ずに、ただひたすら、沈黙の時が過ぎ去るのを待っている。
――――トクン。
沈黙を破ったのは、微かに鳴り響いた、心臓の鼓動。
それは、防御障壁を一点に集中して、必中必殺の剛拳を見事に防ぎきった、黒金の胸甲の奥から、
弱々しく、しかし、紛れも無く確実に、生命の律動を再開している。
『・・・・フフ、やはりな。結果は・・・・変わらなかったか・・・・』
優子の意識の中に木霊する思念が、妙に乾いた調子で己れの敗北を首肯したその直後、
暗黒界の将軍の巨体は、グラリ、とよろめき、地面へと崩れ落ちた。
左胸には、<ヴァリスの剣>が、強化合金製の分厚い装甲をものともせず、
殆ど鍔元近くに達するまで深々と突き刺さり、
不気味な体液に濡れた切っ先が、背中から灰色の天空に向かって飛び出している。
(21)
「・・・・はぁっ・・・・はぁっ・・・・はぁっ・・・・」
荒々しく息を注ぎながら、ゆっくりと立ち上がる優子。
急所への攻撃は紙一重の差で防ぎきる事ができたものの、
衝撃の一部は肩口へと抜け、上下二層構造の白い肩当ての双方に鋭い亀裂を走らせていた。
<鎧>で吸収し切れなかったダメージの一部は身体へも達したらしく、
幸い骨や内臓は無傷なようだが、腕や肩を動かすたびに鈍い痛みが全身へと広がっていく。
「・・・・さあ、聞かせて貰うわよ、ハイゼン。お前の事もメガスの事も、何もかも・・・・」
だがしかし、<ヴァリスの戦士>は、傷口の痛みに表情を歪めながらも、
立ち止まろうとする事無く、瀕死の重傷を負った敵将の元へと近付いていく。
対する暗黒界の巨人は、文字通り、虫の息で、
胸から背中に抜けた長剣を抱きかかえる様に蹲ったまま、身を起こす事さえままならぬ様子だった。
それでも、傍らに近付いてくる少女の姿に気付いた彼は、
最後の力を振り絞って唇を開くと、自分自身の肉声で答えを返そうと試みる。
(22)
「・・・・いいだろう・・・・約束は守る・・・・だが、早くするんだな・・・・長くは保たん・・・・」
擦れきったその声音は見る影も無く弱り果て、
もはや断末魔の呻きと呼ぶ方がふさわしいぐらいだった。
その姿に、最後まで残っていた一抹の警戒心をも解いてしまった優子は、
立ったままでは彼の発する言葉を聴き取る事が不可能に思えた為もあり、
半人半機の巨人の傍らに片膝を付くと、ほとんど息が掛かる程近くまで顔を寄せて、
土気色に変色しつつある口元の動きに全神経を集中する。
・・・・その、刹那ッッッ!!!!
ビュルッ、ビュルルルッ!!
足元の地面から、毒々しい色の触手が数本、
ぬかるんだ泥土を撥ね上げながら飛び出してきたかと思うと、
両腕と両脚へと巻き付いて、ギリギリと容赦なく締め上げる。
完全に虚を衝かれ、愕然と両目を見開く<ヴァリスの戦士>。
その目の前で、血の気を失ったハイゼンの顔面が、内側からの圧力によってブクブクと脹らみ始め、
直後、得体の知れない不気味な粘液と共に、夥しい数の軟体生物をゴボゴボと吐き出した。
(23)
「・・・・ヒィッ・・・・い、嫌ァッッッ・・・・!!!!」
ゾッとするような光景に、思わず、情けない悲鳴を上げる蒼髪の少女。
だらしなく尻餅をついたまま、後ずさろうとするものの、
手足に巻きついた強靭な肉の縛めは、思いのほか頑強に抵抗してそれを許さず、
逆に、彼女の方を、ぬらぬらと異様なヌメリに覆われた蟲の大群の前へと手繰り寄せようとする。
みるみるうちに優子の顔が蒼ざめ、引き攣った叫びが喉を震わせた。
「なっ・・・・何故ッ!?どうして、護りの力が発動しないのッ!!」
――――いくら強靭な生命力を宿しているとはいえ、
本来ならば、この程度の触手など、甲冑の周囲に展開される加護の力場によって、
そもそも身体に触れる事すらままならない筈・・・・なのに、これは一体ッ・・・・!!
だが、現実に、聖なる鎧は、主の意向を無視して、沈黙を決め込んでいる。
無論、これは、少女の心の中の<明>と<暗>各々の要素のバランスが決定的な乱れ、
<ヴァリスの戦士>としての真の力を喪失しかけている事の現れだった。
しかし、優子には、<鎧>の外見に何ら変化が生じていないせいもあって、その事が理解できず、
何らかの外的な要因が働いて甲冑の守りが一時的に失われた、と間違った認識に囚われてしまう。
(24)
「あひぃぃッ!!いやッ・・・・嫌ぁああッ・・・・!!
・・・・あああ・・・・どうして・・・・どうして・・・・こんな事に・・・・ひぅうううッッッ・・・・!!」
身に纏う<ヴァリスの鎧>に向かって、必死に呼びかけを繰り返す優子。
だが、本当に力を失ってしまっているのは、防具ではなく、自分自身の心の方である。
加えて、殆どパニック同然と言っても過言ではない程、酷く動揺しきった状態では、
焦りが焦りを呼び、やがて、疑念へと変じて、彼女の中の<暗>の要素は増殖していく一方となってしまう。
「うあああッ!?・・・・ダ、ダメッ・・・・来ないで・・・・来ちゃダメェ・・・・!!
・・・・ひあッ・・・・や、やめて・・・・ヒィィッ・・・・入って来ないでッッ!!」
地面から湧き出す肉縄は瞬く間に増え、手足に絡み付いて行動の自由を奪うだけに留まらず、
戦衣の長い裾や甲冑の一部を、引っ張ったり捻り上げりして、引き剥がしにかかっていた。
蟲たちは蟲たちで、彼らほどの力は無いものの、その小さな体を活かして少しの隙間から甲冑の下に潜り込み、
瑞々しい肌の上を思う存分這い回りつつ、体表から分泌する不気味な体液をあたり一面に塗りたくっている。
その姿は、<鎧>の護りが完全に失われてしまった事の動かし難い証拠として目に焼き付き、
これまでに無い激しい絶望をもたらすのだった。
(25)
「ひィィッ!!はッ・・・・入ってくるぅッ!!
あああ・・・・い、いやぁ・・・・来ないで・・・・来ちゃダメェッ・・・・!!」
頼みの綱の<ヴァリスの剣>は言えば、依然としてハイゼンの胸板に咥え込まれたままで、
両腕と両脚を拘束された状態では、引き抜く事はおろか、近付く事さえままならない。
先程までの威勢の良さは何処へやら、今や蒼髪の少女は、
手足に絡み付く奇怪な肉蛇とビュクビュクと蠢く軟体生物の総毛立つような感触に悶えながら、
拘束された体を無様にのた打ち回らせる事しか出来なかった。
「ひぎぃッ!!・・・・そ、そんなところまでッ・・・・あううッ・・・・だ、だめぇッ!!
・・・・ひああッ・・・・ダメ・・・・ダメよ・・・・お願いッ・・・・そ、そこは・・・・ふあああッ!!」
とりわけ優子を苦しめたのは、両脇に開いた戦衣のスリットから入り込む小さな生き物たちで、
お腹の上をモゾモゾと這い回るその様子は、薄い布地越しにもよく見て取れ、
気が狂いそうな程の生理的嫌悪感と相まって、理性をしたたかに打ちのめしている。
美しい曲線を惜しげもなく露出させている、しなやかな太腿や程良くくびれたウェストラインは勿論の事、
胸当てや肩当ての内側にある部位でさえ、防具と皮膚との間にほんの少しでも間隙を生じたならば、
たちどころに多種多様な醜い生き物の侵入を許し、狼藉の限りを尽くされてしまうのである。
(26)
――――ニュルルッ!!ニュルルルッ!!
蟲たちに混じって、手足を拘束しているものよりも幾分細身の触手が数本、
不気味な粘液を纏わり付かせたその体を、白い布帛の下に潜り込ませてくる。
すでにアメーバ型やナメクジ型の不定形生物による分泌液攻撃により、
シルクに似た光沢と肌触りだった生地は、ベットリと汚れ汁に染まっているのだが、
今度は、そこへ、彼らの体表から滲み出る強烈に生臭い体液までもが加わって、
その外見は、ほとんど正視に堪えない程、悲惨な有様へと変じていった。
――――ピチャッ!!ピチャピチャッ!!
這いずり回る異形の生物が卑猥な水音を奏でるたび、華奢な身体が切なげに捩れ痙攣する。
暗黒界で戦う<戦士>の宿命と言うべきだろうか、
時と場所と相手は違えども、これまで彼らの同族とは、何度となく望まぬ邂逅を繰り返してきた彼女だったが、
そのおぞましさは未だ克服できず、免疫や慣れとは無縁な状況が続いていた。
人間の舌先に酷似した淫靡さと、ウナギやドジョウのような鱗のない淡水魚を連想させるヌルヌル感、
それに、勃起した男性器の先端部分に酷似している、生温かさを伴った硬質感とが混じり合った、独特の感触・・・・、
それらが擦り付けられる度、反り返った背筋は、ゾクゾクゾクッ、と敏感に鳥肌立ち、
身体の奥で生まれた艶かしい淫熱が、意志とは無関係に、周囲に向かってジワジワと広がっていくのである。
(27)
「くうぁッ・・・・ふああッ!!だ、だめぇッ!!・・・・そ、そこは・・・・あああッ!!!!」
全身へと広がっていく妖しい感覚により、ますます窮地に追い詰められていく少女を尻目に、
陵辱者達の連合軍は、新たな攻撃目標を選定し、着々と準備を整えている。
・・・・突如、下半身に襲いかかる、強烈な違和感。
驚愕に慄く視線が見出したのは、しなやかな太腿に絡み付いた、ひときわ目を引く暗紫色の触手・・・・
それは、多くの同輩とは異なり、すらりと伸びた美脚を堪能するだけでは満足する事無く、
本能の赴くまま、蛇のようにのたくりながら、さらに上方に向かって這い上がろうとしていた。
「ひッ・・・・ひいいいッ!!あ、脚が動かないッ・・・・閉じられないよぉッ!!
い、嫌ぁッ・・・・だ・・・・ダメェッ・・・・そ、そこは触っちゃだめェェッッッ!!!!」
言うまでも無く、その向かう先に存在しているのは、
優子に限らず、女性であれば誰しも、自分の身体の中で最も触れられたくない、と考えている筈の器官。
しかも、今、その場所を守るのは、ジュエリーの力を借りて進化を遂げる以前の<ヴァリスの鎧>に比べ、
切れ込みの角度が若干きわどくなった以外は殆ど変化のない、薄手のショーツ一枚のみ。
他に、金色のベルトで腰に固定された、大事な場所の前後を覆う戦衣の裾が一応存在はしているものの、
既に何本もの肉縄が絡みついたそれは、防御の役に立つどころか、肝腎な場所を隠す事さえ不可能になっている。
(28)
「・・・・あッ・・・・あああッ・・・・来る・・・・入って来るぅッ・・・・!!」
蒼ざめた口元から擦れきった涙声を紡ぎ出し、さかんにかぶりを振り続ける優子。
・・・・だが、活発に動いているのは首から上だけで、
人外のモノの前に最も触れられたくない部分を無防備に曝け出している事への羞恥心の前に、
それ以外の場所は軒並み力を失い、あるいは、凍りついたように動きを止めてしまっている。
「・・・・ッ・・・・ひぐッ・・・・ひぁあああッッッッ!!!!」
――――やがて、首から上の部位にまで転移した悪寒の塊は、
無力感に満ちた嘆きとなって、精神を汚染する白い毒霧の中に響き渡った。
何一つ遮るものの無い剥き出しの太腿をゆっくりとよじ登った、毒々しい色の肉蛇が、
とうとう禁断の聖地にまで到達したその瞬間、
少女のカラダは、ビュクビュクビュクッ!!と、特大の衝撃に貫かれて、のた打ち回る。
瞼の裏で、何百台ものカメラが一斉にフラッシュを浴びせたような強烈な火花が炸裂し、
溢れ出した真っ白な光が、視界全体を、そして、意識の全てを真っ白に染め上げていった。
(29)
「ひッ・・・・ひゃああぁッ!!あッ・・・・あひッ・・・・ひふぁあああッ・・・・!!」
ピクッピクッと不規則な震動を帯びた肉鞭の先端が、
極薄の布切れで隔てられただけの最も敏感な場所を撫で上げる。
その触感に堪えきれず、汗にまみれた蒼髪を振り乱した<ヴァリスの戦士>は、
ギクギクギクッ、と背筋を仰け反らせながら、情けない悲鳴を迸らせた。
「ひッ・・・・ひいいぃッ!!
だ、だめェッ・・・・来ないで・・・・あああ・・・・触らないでェッッ!!」
おぞましい粘汁が柔かいショーツの表面へと擦り付けられるたび、
腰骨の奥から湧き起こった電流が、脊髄を貫き脳天にまで達して、
溢れ出した涙が、醜く歪みきった頬筋を勢い良く流れ下っていく。
しかし、両手両足はおろか、頭や胴にまで触手が絡み付いている状態では、如何なる抵抗も不可能だったし、
ましてや、懇願の言葉など、個体としての自我を持っているのかどうかも怪しい相手に通じる筈も無い。
逆に、彼女の示した、その激しい反応は、それまで他の場所を責め立てていたモノ達にまで知れ渡り、
"その場所"への注目を招いて、意図した所とは全く相反する結果を招いてしまうのだった・・・・。
(30)
「・・・・うあ・・・・あああッ・・・・こんな・・・・ああ・・・・う、嘘でしょうッ・・・・!!
ひううッ・・・・いや・・・・いやよぉ・・・・お願い・・・・来ないで・・・・ひぃッ・・・・ひぃああああッッッ!!!!」
先達の成功に倣え、とばかりに、大小数十本もの肉蛇と数えるのも馬鹿馬鹿しくなる程の蟲たちが、
優子の目の前、M字型に割り開かれて地面に固定された下半身に向かって、押し寄せてくる。
圧倒的な物量の前には、すでに散々汚液にまみれてドロドロ状態の下穿きなど無いも同然で、
たちまち捩られ、引き伸ばされ、掴み上げられた挙句、
未だ生え揃わぬ薄い繁みに縁取られた、恥丘の稜線を暴き立てられてしまう。
「・・・・ううう・・・・どうして・・・・一体、どうしてなの・・・・?
<ヴァリスの鎧>も・・・・ジュエリーの力も・・・・何故・・・・通用しないの・・・・!?」
外見も内実もすでに下着としての機能を果たせなくなったショーツの下では、
何百匹ものナメクジやヒル、芋虫やアメーバ、粘菌類の大群がひしめき合い、
毒々しい絵の具で彩色された大ミミズを思わせる、何本もの肉凶器がウネウネと這いずっていた。
今や、緩やかな恥丘のふくらみも、慎ましやかな縮れ毛の茂みも、
鮮やかなピンク色に色付いた大陰唇も、その端で、自ら被り物を脱ぎ捨て屹立している陰核すらも、
全てが異形の群れに覆い尽くされ、絶え間なく分泌される色とりどりの体液に浸かって区別さえ出来ない。
(31)
――――じゅるッ!!じゅじゅるッ!!じゅるじゅるじゅッ!!!!
腰から下を、くまなく覆い尽くした異形の生き物たちは、
不気味な行進曲を奏でながら、濡れそぼった皮膚の上を我が物顔に闊歩している。
無様に拡げられた太腿の間から噴き上がる、信じ難いまでの汚辱感は、
五感をあっという間に叩き潰し、思考と感情をボロボロになるまで嬲り回した上、
最後には、理性と正気すらも、ズタズタに引き裂き、切り刻んでいく。
――――ちゅぷッ!!ちゅぷぷッ!!ちゅちゅぷちゅッ!!
想像を絶する恐怖のあまり、蒼髪の少女の視線は下半身に群がる異界の生物たちに釘付け状態だった。
もはや不快感などという生易しい言葉では到底形容しきれない、限界を超えたおぞましさのせいだろう、
顔色は死人のように青褪め、生気がまるで感じられない。
異世界の生物たちによって、好き放題に掻き回され捏ね回されるうちに、
媚肉の上で奏でられる水音はますますその卑猥さを増していき、
覚束なくなった意識は、半ば悪夢の中に沈み込んでしまったかのようにあやふやになっていた。
失神すら許されない、強烈な汚穢感の連続攻撃の前に、
少女の双眸は、まるで質の悪いアルコールに神経をやられでもしたかのように、トロン、と蕩け、
濁りきった眼差しを、無残に変わり果てた自らの下肢へと這わせ続けている。
(32)
「・・・・うああ・・・・来るぅ・・・・入って来てるぅ・・・・あ、ああッ・・・・いや・・・・もう、いやぁ・・・・」
散々に恥丘を嬲り尽くした陵辱者たちの軍団は、しかし、それだけでは飽き足らず、
充血した小陰唇をこじ開けて膣内へと突き進んでいく。
まず、粘菌やアメーバのような不定形の生物が暗く狭い膣道へと滑り込み、
その後に、ナメクジやミミズや青虫など、細長体型の蟲達からなる後続部隊が続いて進路を確保し、
最後に、先端部分に大小さまざまな突起が生えた、野太い触手が分け入っていく。
「ひゃッ!!・・・・あひゃああッ・・・・うう・・・・あぐッ・・・・ひゃあぐぅうううッッッ!!!!」
抵抗の意志を中和しつつ、ジワジワと悦楽の毒を注入していく慎重な作戦から一転、
圧倒的な力の誇示によって、反抗心を粉砕し抑え込もうとする強攻策を採用した陵辱者たち。
何の前触れも無く行われた戦術転換の効果は覿面だった。
イボイボだらけの肉蛇が、強引にこじ開けられた秘裂粘膜をこそぎ取りながら暴れ回ると、
それまでとは比べ物にならない程の強烈なショックが全身へと襲い掛かる。
官能の波動と言うには乱暴過ぎるエクスタシーの衝撃によって、蕩けきった表情は一瞬で吹き飛び、
頭の中を覆う白い靄は、どぎついピンク色の業火と化して逆巻く炎を噴き上げた。
(33)
「ひッ・・・・いッ・・・・嫌ッ・・・・いぎッ・・・・い、嫌ぁッ!!
あッ・・・・あがッ・・・・た、助けて・・・・ひぃッ・・・・あああッ!!」
ずにゅうううッ、と膣道の襞を押し広げつつ、奥へ奥へと侵攻していく異物感に、
優子は、声も涸れんばかりに盛大な絶叫を放ち、泣きじゃくる。
さいわい、膣内に侵入した生物が絶えず分泌している液体が潤滑剤の役割を果たしているせいか、
乱暴極まりない責めの割には、痛み自体はそれ程感じずに済んでいるのだが、
その分、狭い膣道を暴れ回る軟体生物の動きは、何者にも邪魔されずストレートに伝わってくる。
ヌルヌルと蠢く異形の生き物たちは、まるでその一匹一匹が小さな男性器と化したかのように、
蕩けた粘膜を、一斉に、突き上げ、擦り立て、捏ねくり回して、
彼女の五感を悦楽の無間地獄へと叩き込み、最悪の快感によがり狂わせる。
「・・・・い・・・・いやぁッ・・・・ひゃううッ・・・・どうして・・・・どうして・・・・こ、こんな・・・・!!
・・・・だ、だめッ・・・・が、我慢・・・・しなくちゃ・・・・ああッ・・・・で、でもッ・・・・!!」
猛烈な勢いで湧き上がってくる淫靡な波動に対し、必死に抵抗を試みはするものの、
逃げ出す事はおろか、脚を閉じる事すら叶わない状況では、所詮は蟷螂の斧に過ぎない。
ついに子宮口にまで達した異生物の先頭集団は、形ばかりとなった防衛線をあっという間に蹂躙し、
その背後の、さして広くも無い空間へと雪崩れ込み、埋め尽くしていった。
すでに臨界点に達していた反応炉がメルトダウンを引き起こし、
腰骨の内腔を舐め尽した巨大な官能の波が脊髄を駆け上って神経中枢を直撃すると、
少女の頭の中は、まるで脳震盪を起こしたかのように、じぃん、と痺れて何も考えられなくなってしまう。
(34)
「・・・・だ、だめぇ・・・・もう・・・・もう・・・・だめぇッ・・・・!!
・・・・もう我慢できない・・・・あううッ・・・・気持ちいいッ・・・・気持ち良過ぎて・・・・死んじゃうぅぅッ!!!!」
頤を跳ね上げ、仰け反らせた白い喉を惜しげもなく晒し続ける優子。
輝きを失った胸元の紅い宝石の周囲に、白い汗の粒がびっしりと浮かび上がり、
だらしなく半開きになった口元は、この上なく屈辱的な敗北宣言を漏らし続ける。
弱々しく響くその声に嗜虐心をくすぐられたのか、
秘裂の内外を問わず、群れ集った異形たちは、ここぞとばかりに動きを活発化させた。
「・・・・ふはぅッ・・・・む、胸が・・・・くふッ・・・・ああッ・・・・そ、そこは・・・・あひいいぃッ!!
・・・・い、いやッ・・・・ち、乳首・・・・ちぎれちゃう・・・・あくぅうううッ!!」
流麗な黄金細工で飾られた黒金の胸甲が、内部からの圧力で、グググッ、と浮き上がる。
蟲たちだけならばまだしも、スリットから忍び込んだ触手までもが、
生汗にまみれた腋の下と胸当てとの間に出来た隙間を見逃さず、内部への侵入を成功させていた。
ふっくらと盛り上がった、形の良い二つの隆起に絡みついた肉蛇たちは、
弾力感に富んだその感触を堪能しつつ、頂上を目指して這い進み、硬く屹立したピンク色の突起へと殺到する。
(35)
「はひゃあッ!!・・・・こ、今度は・・・・お尻にッ!!
・・・・あああッ・・・・ダ、ダメェ・・・・そこは・・・・触っちゃ・・・・ンアアアッ・・・・!!」
適度なボリュームに恵まれた、尻丘の曲線を這い回っていた肉ミミズが、
上気した肌に張り付いたショーツの下へと入り込み、ヌルヌルとした腸液の滲む谷間をツルリと撫でる。
途端に、肌理の細かい肌が、ゾクゾクッ、と鳥肌立ち、
膣への責めによって鋭敏さを増している腰が、ビクビクンッ、と情けなく跳ね上がった。
鋭敏すぎる反応に好奇心をそそられた同胞たちが集まってくると、白桃色の尻肉はいよいよ感度を増し、
谷あいの最も深い所にある不浄のすぼまり自体も、ヒクヒクと小刻みな震えに包まれる。
「ぐッ・・・はううッ・・・・そ、そんなッ・・・・尿道までッ・・・・!?
ひぃッ・・・・や、やめてッ・・・・開いちゃダメェッ・・・・お、おしっこ・・・・漏れちゃうッッッ!!」
陵辱の魔手は、鳥の嘴のように先端を尖らせている、もう一つの不浄の器官にも攻め寄せてきた。
全く無防備だったその急所をピンポイントで啄ばまれた瞬間、
少女の頬は醜く引き攣り、目尻から流れ下る熱い羞恥の涙に濡れまみれる。
特に狙い打ちされていた訳ではなかったが、膣壁のすぐ後ろを通っている尿道管は、
膣道内で所狭しと暴れ回る異形どもに圧迫されて、ただでさえ過敏な状態に仕上がっていた。
なけなしの気力を総動員して括約筋を引き絞り、本格的な漏出だけはかろうじて阻止したものの、
塞き止められた水分が堤防を乗り越えるのは時間の問題で、
膀胱の中ではちきれんばかりに膨れ上がった尿意によってコチコチに固まった排泄器官は、
ギクッ、ギクッ、と、引っ切り無しに不気味な痙攣を発し続けている。
(36)
「アッアッ・・・・アアアッ・・・・あそこも・・・・胸も・・・・お尻も・・・・おしっこの穴までッ・・・・!!
くふぁッ・・・・だ、だめ・・・・もう、止まらないッ・・・・ひああッ・・・・止められないよぉッッッ!!!!」
拘束された体を海老のように反り返らせながら、恥も外聞も無く泣きじゃくる蒼髪の少女。
だが、その悲鳴自体、すでに、苦痛と嫌悪ではなく、肉欲と喜悦によって裏返り、呂律すら怪しくなっている。
目も眩むような強烈な性の衝動が、炎の鎖となって容赦なく意識を締め上げ、
抵抗不可能な淫楽の暴風が、肉体の隅々に至るまで吹き荒れていた。
皮膚という皮膚を汚辱し尽くす、何千何万ものおぞましい触感は、次第に収斂し一体化されて、
途方も無く巨大な一つの感覚となって少女を追い詰めていく・・・・。
「アッ・・・・アアアッ・・・・い、いやッ・・・・ひはあッ・・・・か、感じるッ・・・・凄い・・・・気持ち良過ぎるぅッ・・・・!!
・・・・ヒィィッ・・・・く、来るぅ・・・・凄いのがッ・・・・ヒアアッ・・・・い、いやッ・・・・嫌ァアアアッッッ!!!」
子宮が焼き切れそうな程の凄まじい狂熱が下半身全体で暴れ狂うと、
根元から絞り上げられた乳房が卑猥に充血し、硬直した乳首が、びゅくびゅくッ!!と激しく打ち震える。
はしたなく割り拡げられ、異物の挿入を許している肛門に衝撃が走り、
最後まで踏み止まっていた尿道口も、内側からの水圧に耐え切れず決壊して、黄金色の飛沫を迸らせた。
発狂寸前の自我の中、全ての理性が弾け飛び、
白熱するマグマの奔流に飲み込まれて燃え上がる。
全身の血液が一斉に沸騰したかのような灼熱感が五感を煮え滾らせ、
途轍もなくおぞましい、だが同時に、この上なく魅惑的な衝動が、
罪業の滴りにまみれた乙女の媚肉を包み込んで、圧倒的な力で噛み砕いていった・・・・。
(37)
少女から大人の女性へと移り変わる端境期に特有の、
美しく整った、それでいて、成熟した雰囲気には程遠い、初々しい美貌は、
今や、その半ばが愉悦の残滓に甘く蕩け、残り半ばは絶頂の衝撃で醜く引き攣っている。
前者の代表格が、だらしなく半開きになり、白い泡と共に銀色の涎を伝わせている口元だとすれば、
後者のそれは、さしずめ、凍りついたように見開かれたまま、白目を剥いている双眸だろうか。
魔生物達の濃厚な愛撫により、絶頂へと追い上げられてしまった瞬間、
そのあまりのおぞましさとグロテスクさ、そして、地獄の苦痛と表裏一体となった至福の快楽の前に、
優子の意識は、その人格を構成する諸々の要素と共に掻き消えてしまっていた。
勿論、精神そのものが崩壊してしまった訳ではないのは、
未だその身体を覆う<ヴァリスの鎧>が消え去ってはいない事が証明していたが、
いずれにせよ、極めて危険な状態である事には変わりない。
完全に放心し虚脱しきった肉体に、もはや興味を失ったのか、
触手の群れは彼女から離れ、蟲たちの大部分もそれに倣っていた。
未だその肌に恋着し続けているのは、意識のある間におこぼれに預かる事が出来かった、
一握りの――――それでも、全部を合わせれば、優に数十匹は残っていたが――――例外だけで、
その多くは、同胞達の分泌した粘液と少女自身の噴き上げた愛潮の双方の水分によって、
半ば透き通り、中の様子が透けて見える程にまでなった戦衣の下で蠢いている・・・・。
(38)
・・・・だが、(失神という不名誉な形であったにせよ)兎にも角にも得られた休息の時は、すぐに終わりを告げる。
『クックックッ・・・・いい格好だな、優子・・・・』
再び、あの濁りきった思念が、全ての熱を奪われた心の中へと入り込み、
悪夢の底へと沈んだ<戦士>の魂に更なる恥辱を刻み付けるべく、精神の深層へと潜っていく。
為す術も無く引き摺り上げられたそれは、どこもかしこも酷く傷付き弱り果てており、
そのままではまともに自我として機能する事さえ難しい、と、一目で分かる状態だったが、
邪悪な意志は一向に意に介さず、無造作にそれを元の場所に戻すと、強引な蘇生を施した。
(・・・・ううッ・・・・あ・・・・あうう・・・・!?)
それでも、意識が本来あるべき位置に戻った事で、
四散してしまった他の欠片もかろうじて息を吹き返し、ひどくゆっくりとではあるが、再集合を開始する。
睫毛の先が、微弱な電流が流れたかのように、ピクリ、と震え、
裏返しになっていた眼球が、渋々とではあったが元の角度へと戻り始める。
冷え切っていた精神に薄日が差し、壊死を起こしかけていた場所に再び血流が巡り始めた。
――――だが、元より、黒い思念の塊・・・・ハイゼンが望んでいたのは、優子の意識の回復だけであり、
その心が本来の力強さを取り戻すまで待ち続ける気など、全く持ち合わせてはいなかったのである。
(39)
(――――くッ・・・・ううッ・・・・ま、またなの・・・・)
しばらくの間、自分に対して何ら積極的な関心を見せていなかった触手たちの動きが、
再度慌しさを増すのを知覚して、優子は弱々しく息を吐く。
再び、腕や脚に絡み付き、幾重にも縛り上げていく、
――――どのみち、すでに気力も体力も尽き果てて、抵抗など全く不可能だったのだが――――彼らの姿を、
ただじっと眺めている事しか出来ないのが、むしょうに歯痒く、情けなかった。
しかし、手足は、もはや拘束すらされていないにも関わらず、地べたに力なく横たわったまま微動だにせず、
意識もまた、混濁の影響から完全に脱する事が出来ずに、薄靄がかったような状態が続いている。
『・・・・クククッ、ただ突っ込んで掻き回すだけでは芸が無いだろう?
ちょっと趣向を凝らしてみたんだが・・・・さて、麗しき<戦士>殿にはお気に召して頂けたかな?』
(・・・・くッ・・・・ハ・・・ハイゼン・・・・!?
・・・・まさか・・・・あの傷で・・・・まだ息があったというの・・・・!?)
罠に落ち、消耗の極みに達した少女を嘲弄する、敵将の『声』。
その命令一下、触手の群れは、陵辱劇の仕上げにふさわしい陰惨な舞台の準備に取り掛かっていた。
高さは彼女の身長の丁度2倍、幅はそれより少し小さい程度になるだろうか、
数千匹、いや、おそらく一万匹以上の、種類も大きさも様々な、沼地の生き物からなるモニュメントが、
沼地の真ん中に姿を現わし、美しき敗残者の身体を地面から引き摺り上げる。
両腕と両脚をX字型に割り広げられたブザマな格好で、緑色の磔刑台に架けられた哀れな虜囚は、
体の背面全体を半ば埋没させられて、弱々しく喘ぐ事しか出来なかった。
(40)
『フフフ、惜しかったな、<ヴァリスの戦士>。
俺のこの肉体は、ハイゼンという俺の存在・・・・早い話が、精神とか魂とか、そういったものだが・・・・
そいつを詰め込んで、この世に繋ぎ止めておくための、容器に過ぎん。
だから、首を刎ねられようが胴を断たれようが、俺はしぶとく生き永らえていられる・・・・というカラクリだ』
勝利を確信した喜び故か、それとも、これから繰り広げられる復讐劇への高揚故にか、
『声』の調子はひどく饒舌なものになっていき、同時に、陶酔の度合いを増していく。
その口調と態度とに、無念そうに唇を噛み締める優子だったが、
まるで象嵌細工か何かのように、緑色の展示プレートへと嵌め込まれてしまっている全身は、
グネグネと這いうねる不気味な感触に絶え間なく曝され続け、強がりを口にする気力さえ萎えていた。
『・・・・念のために言っておくが、さっきのアレはだな、貴様を油断させるためにわざと負けたのだ。
お陰で蘇生したばかりの体をまた失う羽目になったが、
フフッ、まぁ何しろ、貴様と違って、俺の肉体は壊れたらまた作り直せば良いだけだからなァ・・・・』
くつくつと笑いながら、残忍王の右腕と評された魔将軍は、
触手に命令を飛ばして、つい先刻まで自らの手足だった物体を小馬鹿にするように動かしてみせる。
分厚い胸板を<ヴァリスの剣>に貫かれたまま息絶えているその屍
――――いや、厳密には、抜け殻、と言うべきだろうか――――は、
かりそめの生命を維持するための機能が停止したためだろう、
まだ小一時間程度しか経っていないというのに、あちこちから腐敗臭を漂わせていた。
(41)
『・・・・だがな、短い間とは言え、こいつはこの俺のカラダとして役に立ってくれたのだ。
このまま朽ち果てさせるのは、さすがに不義理というものだろうな・・・・』
その言葉の響きに途轍もなく不吉なものを感じた優子は、慌てて眼前の屍骸を注視する。
・・・・次の瞬間、泣き腫らした目元に激しい恐怖が浮かび上がり、
引き攣った口元からは、声にならない叫びが溢れ出す。
案の定、不吉の予感は的中していた・・・・それも最悪の形で。
生気を失い、しなびかけた皮膚に、毒々しい死斑を浮かび上がらせた巨人の死体が、
異形たちの介添えを得て、よろよろと立ち上がる。
奇妙な具合にねじくれ変形した顔面の、落ち窪んだ眼窩の中で、ドロリと濁った眼球が虚ろな光を発し、
生乾きの血反吐がこびり付いた唇からは、呼気の代わりに、壊死した内蔵が放つ猛烈な悪臭が漏れ出していた。
腐りかけた足を引き摺りながら、のろのろと歩み寄ってくる様子は、
すでに流行遅れとなって久しいホラー・ムービーによく登場する、生ける死者そのものだったが、
勿論、その迫力は、映画のために拵えられた作り物の死体などとは比べ物にならない。
(42)
「・・・・ひッ・・・・い、いや・・・・もう・・・・もう・・・・いやぁあああッ・・・・!!」
一歩また一歩と近付いてくるハイゼンの屍。
死体特有の、むぅッ、と絡み付くような臭気が鼻腔を串刺しにすると、
パニックに陥った優子は、逃れられる可能性など万に一つも無い事は百も承知だったにも関わらず、
それでもなお、まるで毒蜘蛛の巣に羽根を絡め取られた蝶の如く、
触手の壁の中に埋もれかけたその体をを精一杯ばたつかせずにはいられなくなる。
『・・・・フフフ、殺しはせん。それが、あの方のご意志だからな。
その代わり、貴様のカラダに、とことんまで敗北の徴を刻み付けてやれ、との仰せだ・・・・』
すでに思考力の低下は著しく、頭の中に響き渡る『声』も殆どが理解不能だったが、
ガラン、という鈍い音と共に、死体の下腹部を覆っていた強化合金の装甲板が外れ、
ぞっとするようなその中身が姿を現わすと、本能的にその意図を察した少女の恐怖は頂点へと達した。
饐えた死臭を纏わり付かせる赤黒い亀頭、
内部に溜まったガスのせいで異様に膨れ上がった陰嚢。
そして、死してなお、びくん、びくん、と不気味な脈動をやめようとしない陰茎には、
添え木のように何本もの触手が絡み付き、中には一部が同化してしまっているものさえ存在している・・・・。
(43)
「・・・・いや・・・・いやぁッ・・・・こんなの・・・・こんなの・・・・酷すぎるッ!!
・・・・あああ・・・・お、お願い・・・・助けて・・・・誰か・・・・誰か、助けてぇッ!!」
目を開けていられないほどの屍臭に咳き込みながら、
破壊され尽くした無様な表情で、声帯が潰れそうになるぐらいの悲鳴を上げ続ける優子。
しかし、腐肉の塊と化したハイゼンは、止まる気配など微塵も見せず
ましてや、そうそう都合良く、救いの手を差し伸べてくれる者が現れる筈もない。
もはや、蒼髪の少女に残された抵抗の手段は、
せめて一時なりとも破滅の瞬間を遅らせるべく、必死に顔を背ける事以外には存在しなかった。
・・・・だが。
「ひぎッ・・・・いぎひぃいいいッッッッ・・・・!!!!」
死体のキスから逃れようとする最後の抵抗は、
勿論、後頭部、というより、背面全体をびっしりと覆い尽くした生ける拘束台の許す所とはならなかった。
往生際の悪い囚人に己の立場を弁えさせるべく、繰り出された何本もの肉鞭が、
頭部をがっちりと固め、万力のような力で、無理やり、その向きを正面へと引き戻す。
殆ど抵抗らしい抵抗も出来ず、元の位置へと連れ戻されてしまった少女の顔を――――その口元を、
暗紫色に腫れ上がった死体の唇が、総毛立つような笑みを浮かべて待ち構えていた。
(44)
「・・・・あッ・・・・あがッ・・・・うう・・・・ぐッ・・・・あぐぐぅ・・・・」
触手による締め付けと死体から漂う悪臭とに責め苛まれ、半ば窒息状態に陥る<ヴァリスの戦士>。
もはや悲鳴すら途絶え、犬のように舌先を突き出してえずくだけの惨めな有様には、
目の前にいる本物の死人と比べてもほとんど遜色ないぐらい、生気が感じられなかった。
ハイゼンの腐りかけた瞼が満足げに細められ、
枯れ枝のように干からびた指先が、蒼ざめた頬をゆっくりと掻き寄せていく・・・・。
――――ぶちゅッ!!ぶちゅるるるるッッッ!!!
悪夢の瞬間、ブヨブヨとしたゼラチンの塊のような死人の口唇は、
血色を失ってガチガチに凍えついた生者の口唇の上へと覆い被さり、念願の味覚を思う存分貪り喰らう。
あまりにも一方的なその接吻は、内部が腐乱しきっていた唇には荷が勝ちすぎたらしく、
ハイゼンの口元は、程なくプチンと弾け、ドロドロの腐肉と化して溶け流れてしまうのだが、
死者のキスは、もはやそんな事にはお構いなく、爛れかけた歯茎と舌によって継続された。
信じ難いまでの不快感は、無論、拭い去る事も出来ぬまま、鼻腔の中に留まり続けただけでなく、
口蓋内にまで入り込み、文字通りの死の味となって、凄まじい嘔吐感を催させる。
圧倒的な苦痛が精神を屈服させ、自我と理性をどす黒く塗り潰していく中、
優子は、おそらく初めて、具現化した死のイメージと向き合い、
その圧倒的な存在感に為す術もなく魅了されて、底知れぬ闇の中へと引き込まれていったのだった・・・・。
――――――――TO BE CONTINUED.
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| CM : 任天堂Wii今秋発売! .|
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oll (´・ω・`)lo
以上、第3章をお送りいたしました〜。
規制回避への支援、いつも有難うございます〜。
今回は、(PC版の)ハイパー・スーツの描写に、正直、かなり苦労いたしました。
最強の鎧という事もあり、簡単に破いたり壊したりするのもどうかな〜、と思いましたので、
鎧の隙間から触手や蟲達を侵入させてネチネチ責め立ててみたんですが、いかがだったでしょうか?
また、ラストは、ハイゼンの死体にキスされる、『ゾンビ姦』で仕上げてみたのですが、
残酷だ(あるいは、気持ち悪い)、と思われた方がいらっしゃるのであれば、
次章の冒頭部分(この続きのシーン)は、別の責めに差し替えたく存じます。
次章(第4章)は、「アフター・ヴァリス」の最終章となります。
その後は、(一応、今年一杯の予定で)、クロスオーバーの第3部(完結編)を書き上げたいと思っていますが、
それ以外に、「こんな作品が読みたい」というリクエストがあれば、お寄せ下さいませ。
それでは、今夜はこの辺で〜〜。
乙かれっす。
読み応えがありました。 ゾンビ姦も◎でやんす
いきなり伸びたと思ったらすごいボリュームだなぁ。
お疲れ様でした。
ご愛読&ご感想有難うございます〜。
反対意見等、特に無いようですので、
このままゾンビ姦の描写を続行する事にいたします。
(「ヴァリスX」に続き)7月下旬にキルタイムから発売の隔月誌「コミック・ヴァルキリー」に、
「夢幻戦士ヴァリス」の漫画(注:全年齢向け)が掲載される模様です。
執筆にあたるのは、「超夢幻伝説レヴィアス」のZOL先生という事ですので、
これは非常に期待が持てる作品になりそうです〜。
いつもご苦労さまです
漫画掲載、マ・ジ・デ・ス・カー!!!
本家ご解禁からこっち、土砂崩れってますね…スゲー
449 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 12:56:32 ID:i/vTY6J3
なにぃぃぃぃぃぃ!!リリアのZOLでヴァリス!!??
ちょっとそれすごすぎる件についてwkt
お疲れ様です。いつもながら素晴らしい表現力、感服いたします。
ふぐぉ!!漫画でゆ、優子タン!!!!(ラg★゚∀。)ノなんですって!!
し、小生の厨房からの永年の夢がまた…
全年齢対象が少し残念ですが…
進行状況〜〜。
「アフター・ヴァリス」第4章は現在の進捗率約25パーセント。
触手柱に磔(というより、体が半分埋まっている)状況の優子タンに、
肉棒扱き立てながら迫る、ハイゼン・ゾンビ。
現在、身動きできない優子タンに対して、口唇舐め、乳首舐め、耳穴舐め・・・、と、
ゾンビ化している割には結構丹念な下準備を続けています。
今の所、執筆は順調に進んでいます。
この分で行けば、予定通り、7月末には発表に漕ぎつける事が出来そうですので、
どうか、もうしばらくお待ち下さいませ〜。
商業誌での「ヴァリス」の漫画化、今度ので4回目ですね〜。
FC版、PCE版(のパロディ)、「ヴァリスW」(の外伝)、と来て、さて今回はど〜なるんでしょうか?
ZOL先生のサイトの日記によると、PC版の1と2をプレイされたとの事ですので、
もしかすると、発売から20年目にして初めて、
PC版の流れに沿った優子タンの活躍が描かれるかもしれませんね〜。
>>451 その絵柄でエロゲー出してほしかった・・・スマソ
>>455 >多くゲーマーを虜、いやむしろトラウマにさせた伝説のゲームがコミックで復活!
……トラウマになったのは某アレのせいだと思うんですがw
>>455 確認しました〜。
さすがはZOL先生、凛々しさと柔和さ、そして、何処と無く儚げな、
優子のイメージを良く掴んでいらっしゃると思います。
もうすぐ、この優子タンの、
傷付き、消耗しながらも懸命に剣を振るい続ける姿を、
異形の怪物たちに圧し掛かられ、触手に絡みつかれて、絶体絶命のピンチに陥る姿を、
目にする事が出来るのだと思うと、非常にワクワクしてきます〜。
hoshu
優子タンを凌遅にして、その肉片をバーベキューにして
食べたいと思った自分は異常でしょうか?
おまえか!なりきり荒らしたのは!
進行状況〜〜。
「アフター・ヴァリス」第4章は現在の進捗率約60パーセント。
状況的には、
霊体化したハイゼンが操る、触手生物と融合したその死体の腐りかけチ○ポが、
とうとう、優子タンの膣内に挿入されました。
悪夢のような感覚に錯乱状態に陥る優子タン、
混濁した意識の中、メガスに屈服し徹底的な陵辱に晒された、
あの時(注:第2章参照)の記憶が蘇り、過去と現実とが混交していきます。
・・・・そして、深く垂れ込めた魔霧の奥からは、冥府に落ちた筈の残忍王の『声』が・・・・。
完成・発表まで、あと約1ヶ月と言った所でしょうか?
もうしばらく、お待ち下さいませ〜。
463 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 07:07:56 ID:bnG1he2o
どうも、このサイトで、
コミックヴァルキリーの広告してるように見えるんですが・・
気のせいかな?^^;
さらし者にして嗤ってるのを見て広告といえる視力はすばらしいw
18禁ではないからこそ表現できるドキドキがある!
隔月刊 COMICヴァルキリーVALKYRIE
女戦士、変身ヒロイン、退魔師、巫女、
魔法少女、女子プロレス、闘うお姫様・・・・・・
などなど、カッコいいヒロインを取り揃えております!
キルタイムコミュニケーションが満を持して創刊する雑誌は、
「闘うヒロインオンリー」という非常に偏った、
かつ、とてもわかりやすいコンセプトの漫画雑誌です。
18歳未満のお子様でも買える雑誌ですが、
作っているところはやっぱりキルタイムコミュニケーション。
ちょっと過激なエロピンチシーンにも期待しください!
多くのニジマガ読者が望んでいた!
あの伝説のゲームがコミックスで復活!
夢幻戦士ヴァリス ZOL 原作:日本テレネット
んだよー 18禁じゃないのかよー!
ガクッ…
大丈夫、そのうちきっと18禁バージョンも出るさw
つ闘うヒロイン陵辱アンソロジー 闘姫陵辱
ヴァリス萌えの人にはお薦めのシリーズ。
前も創刊号のZOLの漫画が良かったので期待したけど、あれ一冊で終わりだった。
今度もZOLのヴァリス漫画は2話か3話で終わる予感。
>>469 闘姫陵辱1巻目は、ゲドマガ掲載の最終回(=負けてやられちゃう)だけ描くシリーズの再録だから、1話しかなくて当然。
そこだけウプキボン……
…なんでもない…
忘れてくれ…
闘姫陵辱は触手モノばかりでワンパターンで買う価値なし。
ドロドロのバッドエンドの展開も無いし。
けなすだけじゃなくて、おまいのオススメを紹介してくれないか?
ただし、ビキニアーマーのヒロインが登場する作品限定で。
レヴィアス
おすすめだお!
キルタイム、少し厳しい意見が出るとどのスレでもすかさず反撃されてますが、
自然に流した方がいいと思いますよ。
好みは人それぞれですから。
何より2chで広告や営業してると思われたら、相当悪印象持たれるのでご注意を。
>>475 ちょっと考え過ぎじゃないか?
他のスレのことまでは知らないが、
このスレのカキコは、キルタイムの広告や宣伝じゃなく、
あくまで住人同士での情報交換のためのものだと思うぞ。
477 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 21:51:43 ID:hIHH3HO7
18禁のゲームとかでも、同人関係のネットの掲示板には敏感で、
悪く書かれたら、即売上が落ちる傾向とか有ります。
購買層に被る人が大勢見てるって事は知ってて、意識してると思うので、
”そのスレの住人なら買う”と思ったら、広告書き込んでもおかしく無いような・・
特に、キルタイムのヴァリスって、売り出す雑誌の目玉だと思いました。
まだどっからもリンクして無い未完成の公式ページが公開一日で発見されるなんて不自然だと思。
その前に漫画化の情報だけ出てたみたいだけど、限られたキーワードで毎日検索した人いるんだろうか?
期待はしてるし多分買うから、業者が見てても別にかまわんけど。
どっちでもいいんだけどオススメ情報はもう少し詳しく書いてほしい。
17冊あるシリーズ全部薦めるのと、レヴィアス一話薦めるのとじゃ、情報の絞込みに開きありすぎ。
>>478 エロ漫画小説板のエロラノベスレにも二次元サイトの更新は秒で知らされます
便利だけどね
480 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 14:57:22 ID:cmgyqIxV
>まだどっからもリンクして無い未完成の公式ページが公開一日で発見されるなんて不自然だと思。
つか、ニュースサイトでリンク貼られまくりだがw
漏れのオススメ作品(数字は『闘姫陵辱』の号数)
1 『超夢幻伝説レヴィアス』 ZOL
4 『転落〜栄光の報酬〜』 ねことはと
6 『DISPELL WERING!』 みたくるみ
8 『聖水を求めて』 Kou
16 『天使×堕天使』 冬和こたつ
あと、漫画ではないけど、
7号に掲載されてる高浜太郎のイラストは凄く良い出来だよ
(カラーじゃないのが残念だけど)。
公式更新きたね。
連載数多すぎw
ヴァリスは1/20ぐらい?
隔月雑誌だし、コミックス化絶望っすかね?
絶望ではない筈ですよ。
大概雑誌や書物には読者アンケートが入ってますから
ヴァリスが良かった!!ってココの組織票で皆さんが書けば、二ヶ月一回の連載なので
遠い将来単行本になる可能性は秘めてますよ。
ただし、話の中身が充実して無いと只の贔屓の引き倒しになってしまいますが…
わたくし的には、麗子とのレヅより触手や化け物相手に優子タンがピンチに陥ったり、
完膚なきまでに敗北したり、犯されたり…(ラg★゚∀。)ノ
あ〜、全年齢やからなぁ〜、エロのキルタイムさんやから…少しは…
でもわたくしは信じております。
キルタイムさん!!空気読んで下さいよ!!
……ラインナップを見て普通にドン引きしてしまった俺は負け組みかもしれない。
俺は優子が雑魚や中ボスに嬲られて、レイプ寸前→なんとか助かるを毎回やってくれると信じてる!
信じてますから!!
もちろんコミックヴァルキリーの方は純潔のまま毎回いたぶられてください。
ちゃんとゲドマガの方で犯されてくれればさらに良し。
ゲドマガって何?
ゲド戦記マガジンだろ
>>485 胸キュン刑事の例もあるし、ギリギリの範囲までそういう描写を
出して欲しいね。
ふ〜たりの〜 デートライン〜 パラダイス〜
進捗状況〜〜。
予定していたスケジュールよりも少し遅れてしまったものの、
本日、「アフター・ヴァリス」最終章の第一稿が完成いたしました。
いつものように手直しを加えた上で、月末には発表したいと考えています。
あとしばらく、お待ち下さいませ〜。
「コミック・ヴァルキリー」とヴァリス漫画化、結構色々な所で話題になっていますね〜。
セックス・シーンそのものは描かれないものの、それ以外の性的描写は盛り沢山、という事で、
「ヴァリスX」と同じような猛反発を受けるんじゃないか?と心配していたんですが、
今の所、そういった動きも無く、ひとまず安心しています。
考えてみると、「ヴァリスX」にしても、エロゲー化/18禁化そのものに反対、という考え方の人は、
全体の中では、必ずしも多数派ではなかったのかもしれませんね。
作品としてきちんと充実した内容であれば、
一般向け作品をエロゲー化/18禁化したものであっても受け容れる、
という考え方をされている人の方が(潜在的には)多いのかな〜、という感じもします。
いずれにせよ、私としては、漫画版「ヴァリス」とZOL先生の健闘に大いに期待しています。
これを機に、元のゲームをプレイした事のない方々の中にも、
「夢幻戦士ヴァリス」の魅力を知り、新たなヴァリス・ファンとなる方が現れるかもしれませんし、
そういった人が増えていけば、「X」の反省点を踏まえ、より内容を向上させた、新作ゲームがリリースされるかもしれないですから・・・・。
ゾンビに犯される優子タン…
楽しみにしてます
氏賀Y太にヴァリスを漫画化して欲しいと思っているのは俺だけか?
>>493 アンダーカバーコップスみたいなギャグ漫画になります
クリムゾンにヴァリス作って欲しいビクッ!
>>495 ティファの顔まんまだろうなでも感じちゃう!
>>460 チューリッヒ公園の優子スレの事か?
あそこなら俺も随分と猟奇質問したな。
あ〜、あと三日でヴァルキュリー発売なんやなぁ〜Oo。( ̄¬ ̄*)
ヴァリススーツの優子タンが負けるとこ見たひ〜Oo。( ̄¬ ̄*)
ヴァリススーツの優子が十字架に磔にされるシーンがあれば買うんだが
>>499 何でか知らんが野球拳に負けた優子タンが
べそかきながらのの字を書いてる所を想像してしまたw
てゆーかメガスとの絡み(2の5面デモ)までどうにかして描ききってほしい
ヴァルキリー読んだ。
オープニングと1面を超駆け足で進めてるな。ページ数が少ないんであっさり風味
ちゃんとボスが丸まり&地震攻撃してて笑った。
あとこの雑誌は絶対に脱がさないと駄目なん?
印象としては優子の心情とか云々より、ゲームの展開をそのまま再現していく方向かもしれんと感じた。
今後どうなるかはわからないけど
只今、嫁に隠れて読んでます。(ラg★゚∀。)ノ
感想…う〜ん…微妙…優子タンがやられてくれるのは嬉しいが…
前者の方がおっしゃってる様に駆け足でOPと1面ボス、ガイーダ兄さんまで書いてあり、
ゲームのラインに沿ってるけど…オリジナリティが少し欲しかったです。
心配なのはゲーム内容にそりすぎ、すぐ連載が終わってしまうのでは…との一抹の不安が有りますが
次回からヴァリススーツの優子タンが毎回の如くやられてくれそうなので、次回から期待。
嫁に雑誌を発見されたらかなりやばいなwww
エロ本みつかるより数段気まずい雰囲気になりそう
まあ、隔月だからなあw
ご安心召され、ベッドの下のガン〇ムAに紛れ込ませておりますw
はは…全てお見通しかもですね(*´∇`)
ま、結婚する前からエロゲ持ってんの知ってるし、リビングのイスの横に無造作に魔法少女〇イのディスク置いてあるし
20代前半の頃みたく毎夜毎晩の如く酒池肉林のヤクザな兄貴の頃よかかわいいと考えてるんでは
『コミック・ヴァルキリー』手に入れました〜。
さすがはZOL先生、素晴らしい仕上がりです。
迫力ある作画については、言うまでも無いのですが、
ストーリー面についても、最初から優子が<ヴァリスの戦士>として覚醒している状態ではなく、
まだ<戦士>として闘い続ける運命を受け容れておらず、
普通の女子高生として、戦いを恐れ忌避する感情を抱いている段階から物語を開始している点からは、
優子というキャラクターの持っている、
<戦士>としての強さ、凛々しさと一人の少女としての弱さ、脆さという二面性を上手く表現し、
作品を面白く味わい深いものにしていこう、という意気込みが感じられます。
また、麗子とのやりとりや地下鉄内でのガイーダとの戦いなど、
元のゲーム(PCエンジン版「夢幻戦士ヴァリス」)を知っている方なら、思わずニヤリとするようなシーンもあり、
ちゃんと元のゲームを研究している事を窺わせる点も非常に好感が持てます。
出来れば、もう少しページ数を増やして欲しいところではあるのですが、
これについては、今後の改善に期待したいと思います
(出来れば、単行本化出来るところまで連載が続いて欲しいところです)。
オフィシャルには「単行本」っていう項目ありますね。単行本化する気はあるのかもしれません。
いつになったら出るのか不明ですがw
でもZOL先生のページには引き続き執筆中という情報はありません。
何号か分まとめて描いてるのか、やっぱり早期終了なのか、気になるところです。
お待たせしました〜。
「アフター・ヴァリス」最終章、本日完成いたしました。
明晩22:00より発表の予定ですので、
お手空きの方は、いつも通り、規制回避支援をお願いいたします。
>>513 確かに、ゲームの原画等、他にも多数仕事を抱えていらっしゃる方ですから、
「コミック・ヴァルキリー」だけに集中するのは難しいかもしれませんが・・・・。
いずれにせよ、連載が続く間は応援したいと思っています。
お待たせしました〜。
只今より「アフター・ヴァリス」第4章(最終章)の発表を開始します。
お手すきの方は、ご支援、宜しくお願い申し上げます〜。
なお、本作の中で、優子が身に纏っているのは、
PC版「ヴァリスU」に登場する「ハイパースーツ」なのですが、
(何となく語感がしっくり来なかったのと適当な代用語が思い浮かばなかったため)
文章中では<ヴァリスの鎧>と表記しています。ご注意下さい。
それではお楽しみ下さいませ〜。
(1)
ヴェカンティ。辺境。霧に閉ざされた湿地帯。
奇怪な暗緑色の柱が泥濘の中から突き出していた。
何百匹もの触手生物、それに数倍する数の魔蟲の群れにより構築された、生ける磔刑台・・・・。
グネグネと蠢く不気味な生物の中に半ば埋もれるようにして、ぐったりとした体を晒しているのは、
悪辣な陥穽に落ち、囚われの身となった<ヴァリスの戦士>――――優子。
古代の神殿に仕えていた気高き巫女を連想させる白い戦衣は、
内側と外側の両面から汚液にベットリとまみれ、生気の失せた肌が透けて見える。
堅牢な黒金の胸甲も、上下二層構造の白い肩当ても、
<明>と<暗>、各々の力が最も高い水準で均衡してはじめて得られるエネルギーの供給を断たれて久しく、
防御力も何も無い単なる装飾品と化して、主の身体を暗黒界の生物達に明け渡していた。
(2)
「はぁッはぁッ・・・・あぐぅッ・・・・んんん・・・・はあぐぅうううッ!!!!」
全身を覆い尽くした暗黒界の魔生物たちは力を喪失した<鎧>の存在などもはや意に介さず、
皮膚と防具との間に出来た隙間を衝いて、その内部への侵入を果たしている。
胸当ても肩当ても、ミシッ、ミシッ、という不気味な軋み音を引っ切り無しに奏で続け、
引き伸ばされ捩じ上げられた戦衣は、今に引き千切れそうである。
――――くちゅッ!!ちゅぶちゅぶッ!!くちゅるるるッ!!
肘から先と膝から下は完全に緑色の柱の中に呑み込まれ、
卑猥なリズムを刻む水音と共に入念に舐めしゃぶられている。
肘当ての内側にもブーツの中にも、ナメクジやミミズのような体型をした奇怪な小動物が満ち溢れ、
毛穴から滲み出る汗と自身の分泌する半透明な体汁を潤滑剤にして暴れ回っていた。
逃げる場所とて無い肉蔓の群生の中、執拗に擦り立てられた手指や足指が、
普段はほとんど自覚する事の無い、性感帯を暴き立てられ、
むず痒さと気持ち良さが渾然一体となった、一種独特な刺激によって包み込まれている。
(3)
(・・・・ヴァ・・・・ヴァリア・・・・さま・・・・)
消耗しきった意識の中、脳裏に浮かび上がってくるのは、残忍王の居城で起きた惨劇の記憶。
・・・・降伏の儀式・・・・武装解除・・・・3つの<賭け>・・・・あの、めくるめく快楽と苦痛の連環劇・・・・、
圧倒的な陵辱に体を明け渡し、被虐の炎に心を焼き尽くされる、悪夢の時間。
穢れなどとは無縁と思っていた自分の中に、おそるべき淫乱さと倒錯した性癖が宿っている事を、
骨の髄まで徹底的に思い知らされた、身の毛もよだつような連続絶頂。。
「・・・・ああ・・・・これが・・・・これが、むくいなのですか・・・・!?
わたしが・・・・犯してしまった事への・・・・!!」
震えるクチビルから零れ落ちた小さな呟きは、
全ての想いが凝縮されているかの如く、重く、哀しく、歪みきっている。
本来ならば、自分は、あの時・・・・残忍王メガスの圧倒的な力の前に膝を屈したあの時、
死んでいた筈、否、死ななければならなかった筈。
それなのに、今、わたしが、こうして生き長らえているのは、
本来ならば、自分が身を挺してでも救い出さねばならなかった筈の夢幻界の女王が、
反対に、その全てを投げ擲って、自分をたすけてくれたため・・・・。
(4)
(――――そうしてまで、生き残ったというのに、
わたしは、今また、メガスの復活を食い止める事叶わず、虜囚の辱めを受けている・・・・)
瞼裏に蘇る、ヴァリアの最期。
残忍王に両手首を掴まれ、宙吊りにされたまま息絶えている惨たらしい姿が、
触手で出来た墓石に半ば埋もれるようにして拘束されている、今の自分と重なって見える。
(・・・・・・・・)
薄青色の瞳がぼんやりと見下ろす先にあるのは、グロテスクに隆起した肉の槍先。
そのおぞましい形状といい、禍々しい雰囲気といい、
女王の背中から飛び出した、あの血塗れの手刀を想起させずにはいられない。
胸を貫かれ、真っ赤な血の海の中で絶命したヴァリアと、
子宮を貫かれ、暗緑色の肉壁の中でのたうち回っている自分。
――――『因果応報』という言葉が、すうっ、と、頭の中に浮かび上がる。
意識の奥底に沈んでいた罪悪感が、軋むような叫び声を上げながらゆっくりと浮上を始め、
それに呼応するもう一つの衝動、すなわち、罰への期待感もまた、胸の奥に滲み広がっていく。
(5)
「ああッ・・・・いやぁん・・・・・ひぃああッ・・・・あくぅ・・・・んふはぁあッ!!」
薄布に包まれたしなやかな背中に、ビチビチ蠢く蟲の群れが押し寄せ、秘められた性感を暴き立てていく。
攻撃対象となる面積が広い分、異形の生物たちの数も種類もバラエティに富んでおり、
その動きが紡ぎ出す多種多様な触感は、各々異なる波動となってぶつかり合いながら、
複雑この上ない性のハーモニーを紡いでいた。
「ひぃぃッ!!うあ・・・・あああッ!!ダ、ダメェ・・・・背中・・・・ダメェッッッ!!」
さらには、優子自身もまた、背筋が特に敏感な体質だという事を忘れてはならないだろう。
現実界での日常生活の中でも、満員電車の中で後ろの乗客が気になって仕方ないなどは日常茶飯事で、
夏場など薄手の衣服しか身に着けていない時には、
駅のホームに降りる頃には内股がジトジトに湿っていた事さえあった。
麗子にとっては格好の標的で、少女同士の愛の営みの際には必ずと言って良い程前戯に組み込んでくるし、
ヴァニティ城内で突然背後に彼女が現れたかと思うと、マシュマロのような胸を背中に押し当てられ、
うなじに優しく息を吹きかけられただけで軽く達してしまった、という赤面モノの体験すらある。
無論、相手が麗子だったから、という点は割り引いて考えなければならないとしても、
優子の背中が刺激に対して非常に弱いというのは間違いのない事実だった。
(6)
『・・・・クックックッ、そうか・・・・麗子・・・・あの裏切り者と貴様はそういう関係だったのか』
ピンク色の靄に包まれた頭の中に響き渡る、ハイゼンの嘲笑。
辛辣な揶揄に、咄嗟に抗議しようとするものの、
先刻来、その口元は腐りかけの屍体によって塞がれてしまっていた。
通常、遺体の腐敗が進行していく速度とは明らかに異なる、急激なピッチで朽ち果てていく死体、
その胴には、相変わらず、<ヴァリスの剣>が深々と突き刺さったままである。
だが、手を伸ばせば確実に届く所にあるにも関わらず、
触手柱に緊縛された優子にとって、その距離は無限と言っても過言ではなかった。
『フフフ、何を恥かしがっているんだ?
男だろうが女だろうが、好きな奴が出来れば乳繰り合うのが人の性。
<戦士>だからとて別に遠慮する事はない・・・・やりたい時にやりたい事をすれば良いではないか?』
ねっとりとした思念に込められているのは、
襲い来る肉悦と必死に格闘しながらも、徐々にその誘惑に抗えなくなりつつある少女への冷たい侮蔑。
その『声』は、熱く欲情した生肌に絡みつき、執拗に嬲り続ける魔生物に似て、
否、それ以上に、入念で、かつ、徹頭徹尾、容赦がなかった。
彼女の弱りきった意志の力では、すでに全身を責め苛む淫気の奔流を押し返すどころか、
次第に侵食され、脆くなっていく理性の防壁を支える事すら不可能だという事に気付きながらも、
敢えて気付かないフリを通し、ジワリジワリと責め嬲るやり方を変えようとしない。
(7)
『ククッ、俺様のコレが欲しくて欲しくて堪らない、というカオをしているな。
・・・・さぁて、どうしたものかなァ?』
びしょびしょに濡れた恥部の様子に満足げな笑いを含ませながら、
わざとらしく腕組みをして逡巡するフリをする蟲獣将。
すでに芯まで痺れが回っている少女の頭ですら、その意図する所を理解するのは簡単だった。
「あ・・・・あう・・・・あぅあああ・・・・」
すでに思考は半分以上停止した状態で、快楽への期待だけが際限なく膨れ上がっていた。
かぶりを振る動きさえも力を失い、どんどん弱まっていくばかりである。
言語中枢に浮かび上がるのは、最後のスイッチを押下させる隷従の言葉、
己れの肉体と精神に永遠に消える事の無い奴隷の烙印を刻み込む禁断の誓いだけ。
――――それを拒み通せるだけの強靭な意志は、
もはや、今の優子の何処を捜しても、見つけ出すのは不可能だった・・・・。
(8)
「・・・・はぁはぁ・・・・お、おねがい・・・・します・・・・!!
もうダメ・・・・カラダが・・・・カラダの中全部が・・・・熱くて、苦しくて・・・・もう我慢できないッ!!」
零れ落ちた啜り泣きは、か細く、擦れかかっていた。
"下の口"と同様、生温い体液でグチョグチョに濡れそぼっているクチビルは、
こちらも実に艶かしく紅潮して、微細な震えに包まれている。
思考も感情もトロトロに蕩けきっているせいだろう、
口走っている言葉の半分以上は、脊髄反射的に飛び出しているに過ぎず、
実のところは、自分でも何を喋っているのか、理解出来てはいなかった。
『フフフ、そうか、そんなに苦しいのか?
ならば、特別に情けをくれてやらん事もないが、さて、何処をどうして欲しいのだ?
生憎とリアリティの女には無知なものでな、具体的に言って貰わねば分からん事だらけなのだ。
――――たとえば、ここはどうだ?』
ぬけぬけとまくし立てるハイゼンの霊。
一方、その肉体の方はと言えば、半ば朽ちかけた巨体を屈めながら、
唇が腐り落ちて剥き出しになった、真っ黄色の乱杭歯を、
触手生物の壁の中から突き出ている、愛らしい形の耳たぶへと近付けてくる。
異形の生き物たちの大群に負けず劣らず、酷い臭いのする吐息を吐きかけられ、肌を粟立たせる蒼髪の少女。
ニタリ、と、いやらしい笑みを漏らした生ける死者は、
その口元を、目の前で縮み上がっている聴覚器官へと押し付けた。
(9)
「・・・・ッ・・・・アアッ・・・・んんんッ・・・・うくぅ・・・・んぐぅううッ!!」
愛らしい耳たぶを甘噛みされ、思わず漏れる、懊悩の呻き。
ほんの一瞬だけ、『そこじゃないッ!!』という叫びが出かかったものの、
触手舌の淫靡な感触と巧妙な愛撫の前に、すぐに押さえ込まれてしまう。
さらに、先端部分を糸こよりのような細く薄い形状へと変えた侵入者が、
半透明な唾液を流し込まれ、ビチョビチョになっている耳穴に潜り込むと、
呻き声は戦慄きへと変わり、やがて、切迫した喘ぎへと近付いていった。
――――チュルッ!!チュパッ!!チュルチュルルルッ!!
不規則に伸びたり縮んだりを繰り返しながら、狡猾な責め手は狭い耳孔の中をほじくり返していく。
隠されていた弱点が、次々とその存在を暴き立てられ、甘やかな官能の火照りが疼き出すと、
耳元だけでなく、顔面全体、それに、首筋までもが、ゾクゾクッ、と引き攣り、
呼吸の乱れが、より一層激しく、艶かしいものへと変化していった。
優子とて、耳たぶや耳の穴にも性感帯が走っている事は、一応理解していたつもりだったのだが、
女性器や胸乳や尻丘とは異なり、ここまで本格的な刺激を受けた経験は無く、
その官能が如何ばかりのものなのか?について意識したのは、事実上、今回が初めてと言って良い。
(10)
「んぅッ・・・・くッ・・・・あぁん・・・・うむぁッ・・・・はぁううんッ!!」
麗子との情熱的な交合の中でさえ経験した事の無い、耳穴の快感は、
新鮮な衝撃となって心身を掻き乱し、狂おしいまでの情欲に燃え立たせる。
耳という、性的なイメージとは、一見、全く無縁に思える器官を嬲られて、
激しい興奮を覚えているという事実それ自体も非常にショッキングな出来事であり、
全身を覆う震えは、留まるところを知らず、大きく、烈しいものへと変わっていった。
『おやおや、ちょっと耳を舐められたぐらいで、よもや、ここまで酷く乱れるとは・・・・
貴様だけが特別なのか、それとも、現実界の女は皆こういう趣味を持ち合わせているものなのか
・・・・クックックッ、こいつは実に興味をそそられる問題だなァ・・・・』
拍車を掛けるように、言葉責めも辛辣さを増していく。
無論、性感帯の位置や性的な刺激に対する敏感さの強弱は千差万別であり、
耳を責められて感じてしまうからと言って、一概に倒錯的な趣向の持ち主とは限らないのだが、
性に関する知識や経験が十分とは言えない者は、とかく、そのような錯覚に陥りがちなものである。
おそらく、麗子は、こうなる事を見越した上で、最愛の親友である彼女を不必要に傷付けぬよう、
賢明にも、耳穴には手を付けようとしなかったのに相違無い。
(11)
『どうした、感じているんだろう?
だったら、叫べばいい・・・・いやらしく喘ぎながら、思いっきりよがり狂えよ』
くつくつと笑う魂魄の『声』。
一方で、その死体は、耳穴を掻き回しているものとは根元の部分で枝分かれした、
言わば兄弟分とも言うべき、もう一本の舌先を、
身動きできない口元へと捻じ込んで、清潔なピンク色の歯茎を堪能し始める。
じゅるッじゅるッ、と、忌まわしい舐め摺りの音が響き渡るたび、
腐りかけの舌根から滲み出るヌルヌルとした液体が、
少女の唇に妖しい彩りを塗り重ね、官能への欲求を引き摺り出していく。
(・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・はぁッ・・・・く、口の中が・・・・とろけそう・・・・。
なんで・・・・こんなに気持ち悪いのに・・・・は、はふぅ・・・・どうしてなの・・・・)
ふやけた意識の中、性への欲求だけが、巧みに掻き立てられ昂ぶりへと誘導される一方で、
それ以外の感覚や思考は、目論見の障害となるのを防ぐべく、
ぼんやりとした薄明の中へと沈められるか、あるいは、完全に骨抜きになるまで無力化されてしまっていた。
もはや、優子の中では、溢れ出る肉悦への欲求だけが野放図に膨れ上がり、
ともすれば、相手がつい今しがた手にかけたばかりの死体である、という事実すら忘却して、
欲情に蕩けた眼差しを向けてしまいそうになってしまう。
(12)
(ふあ・・・・ふわぁああッ!!きもちわるい・・・・でも、すごくきもちいいッ!!
あああ・・・・だ、だめ・・・・頭の中ぐちゃぐちゃで・・・・もう何も考えられないッ!!)
身体の奥底から湧き上がってくる、異様な熱気にあてられたせいだろう、
焦点の合わなくなった瞳は灰色の大気に覆われた空をあてどもなく彷徨い歩いている。
聴覚器官の片方をドロドロになるまでしゃぶり尽くした舌先は、残るもう一つの方へと移動し、
口腔内を満遍なく味わい尽したその兄弟分もまた、喉奥を目指してより深く潜り込んでいく。
(んあッ・・・・あッあッ・・・・そ、そこイイッ・・・・あァッ・・・・も、もっとぉッ・・・・!!
くッ・・・・あぅう・・・・そう、その場所よ・・・・もっと激しく・・・・んふううッ!!)
更に三本目の舌触手が、野太いミミズのようにのたくりながら、
高々と突き上げられた顎の下、荒々しいリズムを刻んで脈動する胸元へと這い降りていく。
ほとんど何の抵抗も受ける事無く、黒金の胸当てを掻い潜って内部への侵入を成功させたそれは、
しかし、生汗にまみれた脹らみをまさぐるでも、カチコチに充血した突起に触れるでもなく、
屹立した乳頭の周囲、薄桃色に色付いたリングの表面を、チロチロと舐めしゃぶるだけ。
容赦ない胸乳責めを予想して身構えていた彼女は気の抜けたような表情となり、
ほどなく、炎を噴き上げる欲求不満に身を焼き焦がされて、上気した目元に涙を浮べてしまう。
(13)
『ククク、カラダが疼いて仕方が無いというカオだな、<戦士>殿。
・・・・おっと、ちょっと目を離した隙に、下穿きがこんなに濡れているではないか!?』
容赦ない嘲弄が、掻き乱された胸の奥を容赦なく抉り抜く。
・・・・だが、いまや、優子は、どれだけ口汚く罵られようとも、
反論の言葉を口にする事は勿論、思い浮かべる事すらおぼつかなかった。
むしろ、あさましい欲望に囚われ、為す術もなく肉悦に溺れるしかない、自分の姿を、
痛烈に糾弾され侮蔑されるたびに、ゾクゾクするような被虐感が全身を駆け巡り、
新たな性感の滾りとなって、肉欲を燃え立たせていく。
(はぁう・・・・お願い・・・・も、もう・・・・意地悪・・・・しないで・・・・。
あああ・・・・も、もっと触って・・・・うくッ・・・・もっと激しくぅぅッ!!)
生殺しの責め苦に堪えかね、蕩けきった瞳を潤ませながら哀訴を繰り返す、哀れな女囚。
もはや、頭の中は、手の打ちようもないほど昂ぶった牝の劣情で一杯で、
<ヴァリスの戦士>としての誇りも矜持も、乙女としての慎みも無垢な心も、
何もかも忘却の彼方へと追いやって、ひたすら欲求の充足のみを求め続けている。
邪悪な思念から指摘を受けるまでも無く、大きく割り拡げられた太腿の狭間は大洪水で、
失禁と見紛う程の漏蜜に濡れそぼった白絹のショーツは半透明に透き通り、
秘裂の縦筋は勿論、陰核の勃起ぶりや厚みを増した大陰唇の様子までもが曝け出されていた。
(14)
「んッ・・・・んぐ・・・・むふッ・・・・うむぅうッッ・・・・」
赤紫色の舌蛇が口内を占領しているせいで、
声となって外に漏れ出す喘鳴は、酷くくぐもって聞き取りづらかったが、
テンションが高まるにつれてそのリズムはますます加速し、過激さを増していく。
限界まで昂ぶった神経にとって、今や、焦らされる事は何よりも耐え難い苦痛に他ならず、
猿轡代わりの触手の存在がなければ、後生だから情けを与えて欲しい、という懇願の叫びが、
速射砲のような勢いで飛び出していたに違いなかった。
(くぅああッ・・・・もう・・・・もうこれ以上・・・・我慢できないッ!!
お、お願い・・・・早く・・・・それを・・・・は、早くぅッ・・・・!!)
鬱積した性欲に血走った視線は、いつしか、眼前に聳え立つ醜悪な肉の凶器へと引き寄せられていた。
つい先刻まで――――まだ、かろうじて自制心と呼べるものが残っていた頃は――――、
身の毛もよだつようなおぞましさしか感じなかった筈の腐りかけの男根は、
性的な飢餓状態に陥った今となっては、残された最後の希望以外の何物でもない。
勿論、屍姦愛好癖がある訳でもない彼女の中から、
死体の体の一部、それも、男性器を咥え込むなど論外だ、という拒絶感が消え去った訳ではないが、
それ以上に、淫熱に蕩けたその全身は熱く煮え滾り、目の前の肉棒を欲してやまないのだった。
支援sage
(15)
まともな人間であれば、近くにいるだけで気分が悪くなる筈の、異臭を纏った突起物。
それは、色といい、形といい、見た目の雰囲気といい、
これまでに目にしたどの男性器、あるいは、触手や蟲などの異形の存在にも増してグロテスクで、
およそ、こんな代物を受け入れて無事で済むとは考えられない程の、凶悪な存在感を放っていた。
根元から筒先までの長さは優に三○センチを越えているが、その形状は真っ直ぐとは言い難い。
全体の外観は、縊れや捩れが何箇所もある、出来損ないのフランスパンのよう、
陰茎部分の直径は、一番太い所で少女の腕回りほど、細い所でも手首の太さに近く、
異様に黒ずんだ亀頭部分は、傘の開ききったマツタケのような形状をしていた。
表面には、緑色の地肌に赤紫色の斑紋のある細い触手が、毛細血管のように絡み付いているが、
よく眺めると、その根元の部分は、爛れかけた股間の皮膚と同化してしまっているのが分かる。
自然のままでは、勃起状態の継続はおろか、体組織の維持すら不可能だった筈の腐りかけの性器は、
細胞レベルで触手と融合し、その一部となる事によって、仮初めの精力を取り戻していた。
たしかに、外見こそ醜く変わり果てているものの、
それ以外の場所とは異なり、この部分だけには、(少なくとも、外見上は)腐敗の進行は及んでおらず、
それどころか、ビュクン、ビュクン、という異様に活発な脈動に包まれている。
(16)
(あああ・・・・お願い・・・・早く・・・・早くしてぇッ!!
もうダメなの・・・・我慢出来ない・・・・頭がヘンになりそうなのォッ!!)
相変わらず口は塞がれているため、蒼髪の少女は、薄青色の瞳を涙滴で一杯にしつつ、
専ら頭の中で、哀切極まりない懇願の言葉を繰り返している。
耳穴と喉奥と胸丘とをまさぐり続ける三本の舌触手はそれぞれ特徴的な動きを見せてはいるが、
それらからもたらされる快楽はいずれも限定的であり、真の充足とは遠く隔たっていた。
舌触手に穿られ、弄ばれ続けている耳孔はどうか?
これまで全く開発されていなかった場所への責めは、新鮮さ故に刺激的だったが、
逆に言えば、身体が慣れていくにつれ、その快感は徐々に漸減していき、
たしかに気持ち良くはあっても、何かもう一つ物足りないというもどかしさが付き纏い始めている。
あるいは、その兄弟によってこじ開けられた口蓋は?
割り広げられた唇の間からは生温い涎と湿った吐息とが交互に溢れ出し、
犯され続ける喉奥の粘膜は灼け付くようなヒリヒリ感に覆われてているものの、
その感触は、快楽以外の不純物をも多く含み、必ずしも心地良いという訳ではなかった。
無論、固くカチコチにしこり上がった乳首には触れようともせず、
周りを囲むピンク色の乳輪にばかり、緩急を付けた執拗な愛撫を集中させる胸への攻撃は、
実に悪どく効果的とはいえ、これは最初から焦らし策であって、真の絶頂を与えるものではありえない。
・・・・もしも、今この瞬間、手足の戒めが解け自由を得たとしたら、優子は、一体どんな行動をとるだろうか?
ハイゼンの足元に這いつくばって、牝犬のように情けを乞うか・・・・?
あるいは、問答無用で、逞しく勃起した怪物ペニスにむしゃぶりつき、
とめどもなく溢れ返る愛液に濡れそぼっている己れの淫花へと咥え込むか・・・・?
いずれにせよ、徹底的に焦らし抜かれ、膨張しきった欲求によって爆発寸前に追い込まれた少女の目には、
もはや、活力に満ち溢れて聳え立つ異形の肉塊以外のものは、何一つ映らなくなってしまっていた。
(17)
(フン、どうして、よりにもよって、この小娘なのだ。
まったく、皮肉な巡り合わせにも程があるというものだ・・・・)
肉欲の虜となった少女を見下ろす魔将の呟きは、何処か憮然とした響きを帯びていた。
標的とした者の精神に作用し、その負の側面を増幅させる魔力を帯びた霧・・・・
蓄積された<暗>の力は、時に、世界を律する因果の法則をも歪めてしまう程の強大なものとなり得る。
問題は、それだけの<ヴェカンタ>を溜め込む事の出来る容器、
すなわち、極めて強い心の持ち主を確保できるかどうかだった。
並の人間なら霧の中に小一時間もいれば、強烈な幻覚や幻聴に耐え切れず逃走を図るだろうし、
何らかの理由でそれが不可能となった場合には、
一晩で、<明><暗>のバランスが決定的な破綻をきたし、人格が崩壊して廃人となってしまう。
これは、<暗>の要素が精神の根本をなしている暗黒界の住人でも同じだった。
重要なのは、どれだけの量の<ヴェカンタ>を蓄えられるか、という一点であって、
<暗>の力に順応出来るかどうかは、あまり関係ないのである。
(18)
(残念だが、他に選択肢は無い・・・・こいつの存在を抜きにして、メガス様の再臨はありえん)。
この上なく忌々しい小娘・・・・今すぐ、その細首をへし折りたいという衝動が何度湧き上がってきた事だろう。
だが、その先にいる少女こそが、三界で最も強靭な心の持ち主であるという事実だけは、
目下の所、どう足掻こうとも、動かしようのない現実である。
(この、蟲の中でも最も下等な連中に弄ばれて、ブザマに蜜汁を垂れ流すだけのメス豚がッ!!)
――――それ故にこそ、彼は、『残忍王の復活を目論む輩がいる』との情報を流し、
ヴァニティの間諜たちがその餌に喰い付いてくるのを根気強く待ち続けていたのだった。
<ヴァリスの戦士>をこの沼地に誘い入れ、その内面を漆黒に染め上げるために・・・・。
全ての企ては狙い通りに運んだ・・・・かに見えた。
今や、魔霧に冒された優子の中には、許容限界ギリギリまで増殖した負のエネルギーが充満している。
だが、(彼にとって信じ難い事に)生み出されてくる負の感情の殆ど全ては、
残忍王の力――――彼女を<戦士>から一匹の牝獣へと変えた、あの圧倒的な力――――への畏怖ではなく、
その前に惨めに敗れ去った筈の夢幻界の女王に対する、一片の感傷から生じているものなのだった。
言うまでも無く、<暗>の力は、強大とはいえ、決して安定的ではなく、
些細な事が原因で予期せぬ事態を引き起こす危険は常に存在している。
今の状況が続く限り、彼女の中の<ヴェカンタ>を利用して世界を律している因果の法則を歪め、
メガスの魂を現し世に呼び寄せるという企ては、いつ何時、破綻する事になるか分からなかった。
それを避けるためには、優子の意識を、かつてその身に与えられた肉悦の記憶のみで満たし、
ヴァリアの死に対する後悔や自責の念といった余計なものを、一片残らず叩き出すしかない・・・・。
(19)
――――ちゅぽんッッッ!!
栓を抜くような音と共に、耳孔と喉奥を塞いでいた触手舌が、ほぼ同時に引き抜かれる。
前後して、胸当ての中の双丘を弄んでいたもう一本も引き揚げを開始した。
もっとも、散々弄ばれた喉奥に残る汚辱感が、顎の感覚を麻痺させてしまったせいなのか、
優子の口蓋は閉じるという動作を忘れてしまったかのように、だらしなく開き放たれたまま、
毒々しい体液と混じり合った大量の涎を垂れ流し続けていた。
「あふ・・・・ぁあぅ・・・・ふはぁうう・・・・」
精根尽き果てたように、ぐったりと頭を垂れる優子。
だが、どうやら、今度こそは待ち焦がれていたモノが与えられそうだ、という安堵からか、
その表情は解きほぐれ、漏れ出す吐息の音色も心なしか和らいでいる。
それは、これまで必死の思いで守り通してきたものの一切合財を打ち捨てる行為に他ならないのだが、
今の彼女にとっては、もはや、それはどうでも良い事でしかなかった。
この時、蒼髪の少女の目に映り、瞼に浮かび上がっていたのは、
硬く、熱く、屹立している醜悪な肉の塊と、それが与えてくれるであろう至福の肉悦のみであって、
それ以上の価値を持つものがこの世界に存在しているなどとは、考え付く事も出来なかったのだから。
(20)
―――すでに、挿入に邪魔な股布は掴み上げられ、脇へと退かされていた。
まだ十分に生え揃っているとは言い難い、細く柔らかな恥毛に縁取られた大陰唇は、
過度の興奮によってボリュームを増してぷっくりと隆起している。
そのせいで、もはや隙間無く閉じ合わさっている事が出来なくなった小陰唇は、
ピクンピクンと恥ずかしそうに震えながら、谷底から鮮やかな桜色の顔を覗かせていた。
視点を下から上へと転ずれば、そこには、自然に反転して捲れ上がってしまった薄い包皮、
そして、その中から、ニュッ、と頭を突き出している、ピンク色の肉真珠・・・・。
普段は小豆粒くらいの大きさしかない快楽神経の集積体は、
執拗に焦らし抜かれたお陰で、ビー玉大に膨れ上がっているばかりか、
今にも弾け飛んでしまいそうな程の、激しい痙攣に包まれていた。
それら全ては、濃厚な牝臭を漂わせる淫液を浴びて、ヌラヌラと鈍い光沢を放ち、
まるで白く濁った蜂蜜を塗りたくられているかの如く、汚れきっている。
しかも、ジュクジュクと滲み出す愛蜜の滴りは、ますますその量を増していき、
それに比例するかのように、咽せ返るような甘ったるい芳香とドロリとした粘り気もまた、強まっていた。
(21)
『フッフッフッ、何ともあさましく変わり果てたものだなァ。
これが、我らを散々に苦しめ、あの御方の生命までも奪った、<ヴァリスの戦士>の成れの果てとは・・・・』
<ヴァリスの戦士>という単語にも、『あの御方』という呼び名にも、
もはや、優子は何の反応も示そうとはせず、
呆けたような笑みを浮かべつつ、目の前に突き出された、肉凶器をボンヤリと眺めるばかりだった。
焦点の定まらないその瞳はとうにふやけきり、高熱にうなされる病人のようなドロリとした光を湛えている。
『そうら、お望みのイチモツだぞぉ。
クククッ、安心しろ・・・・そんなに物欲しそうな顔をしなくても存分にくれてやるから』
干からびて、元の太さの半分以下にまで痩せ細った屍体の指が、
毒々しい色をした何本もの触手が網の目のように表面を覆う、股間の隆起物を扱き立てる。
腐りかけの残飯のような悪臭を漂わせているそれは、
男性器と言うよりも何か奇怪な寄生植物を思わせるグロテスクな代物へと変貌を遂げ、
びゅくん、びゅくん、と不規則な間隔で脈打っていた。
黒ずんだ亀頭部分には半透明な先走りの体液が滲み出し、
ヌラヌラとした不浄な光沢が、ただでさえ醜怪なその外観を一層おぞましく彩っている。
(22)
――――ちゅぷッ・・・・ちゅッ・・・・にちゅちゅッ!!
枯れ枝のような指先が、愛液に濡れそぼった大陰唇へと伸ばされ、
ぼってりと厚みを増した花弁を左右に割り開いていく。
いやらしい音を立てながら、ぱっくりと分たれたサーモンピンクの谷間のほとりで、
限界まで膨張した陰核が、ひときわ卑猥に、プルン、と震え上がった。
「あッ・・・・くはッ・・・・あうう・・・・ふぁはッ・・・・はぁうんッ!!」
小陰唇を穿ち抜かれた瞬間、
蕩けきっていた表情に、一瞬だけ、パッ、と火花が瞬いたかのように思われたものの、
その気配はすぐに掻き消え、代わりに、淫猥な湿り気を帯びた喘鳴が漏れ始める。
迫り来る陵辱の予感・・・・昂ぶりゆく興奮に戦慄きを隠せない少女の肉体。
その一方で、瞳の奥には鉛色の色彩が重く垂れ込め、
底知れない悲しみと諦めとが灰色の濁流となって、幾重にも渦を巻いていた・・・・。
(23)
(ああッ・・・・くッ・・・・ぁはあッ・・・・むはぁあッ・・・・!!)
粘膜をこそぎながら、狭い膣道を押し広げる、干からびた指先は、
血流が止まり、真っ黒く変色して、冷たく強張り、
しかも、触手や蟲達と比べても遜色がない程、奇怪な感触を帯びていた。
もはや、肉体の一部分と呼ぶ事さえ躊躇われるような指先が、おぞましい楽曲を奏でるたび、
喉奥から漏れ出す声は、大きさもトーンも、狂ったような乱高下を繰り返し、
暗緑色の拘束台の中では、絡め取られた手や足が、関節も弾け飛べ、とばかりに凄絶なダンスに打ち興じる。
(ひぃッ・・・・あぐぅッ・・・・うああ・・・・あぎぃッ・・・・ひぐぁあああッッッ・・・・!!)
秘裂の中の指先が、まともな人体では考えられない角度に折れ曲がり、
生温かな愛液に濡れまみれた肉の回廊を、ギュルギュルと押し潰す。
気も狂わんばかりの快感と気持ち悪さとが子宮を直撃し、
目の前が、何千ものフラッシュの放列で覆い尽くされて何も見えなくなった。
数瞬後、どうにか視界が回復した後も、激しい衝撃は収まる気配とて無く、
焼け付くような痛みと強烈な嘔吐感とが断続的に込み上がってきては、
少女の脳髄を掻き回し、醜く引き攣った唇から、えずきとなって溢れ出していく。
(24)
「ふひぁああッ!!・・・・むあッ・・・・くはぁあああッッッ!!!!」
狭く窮屈な回廊を貫き通し、子宮口にまで到達する死体の指先。
散々に弄り回され、掻き嬲らされた媚肉粘膜は、熱い疼きに覆い尽くされ、
ビクビクと痙攣しながら、半透明な愛蜜を引っ切り無しに分泌し続けている。
すでに小さな絶頂を幾度と無く味わっているためだろう、
顔面全体が真っ赤に上気して、真珠のような汗の粒が一面に滲み出していた。
『ククク・・・・随分と手間を掛けさせてくれたが、どうやら頃合いのようだな・・・・』
満足げな笑みを漏らすハイゼン。
徹底的に焦らし尽くされ、暴発寸前まで高められた少女の性は、
狂おしい淫欲の炎となってメラメラと燃え上がっていた。
あともう一押しするだけで、その火勢は意識全体を丸呑みにし、
彼女の中に存在するあらゆる想いを焼き尽くす巨大な業火と化すに違いない。
(25)
「あくッ・・・・ううッ!?んはッ・・・・あああ・・・・ひぐあぁッッッ!!」
――――ずりゅずりゅっ、という、妙にベトついた吸着音と共に、
魔性の愛撫に昂ぶらされた肉孔から、枯れ木のような指が引き抜かれる。
途端に、大量の愛蜜を溜め込んでいた肉襞が、ビクビクッ、と痙攣を発し、
溢れ返る淫ら汁の卑猥なヌメリが粘膜全体を水浸しにしていく。
指が取り去られた後もすぐには元の姿に戻ろうとしない秘穴の中、
まるで解き放たれた暴れ龍の如く溢れ返った熱い迸りは、
膣口に達してもその勢いを減じる事無く、栓の抜けたサイダーのように外界へと噴出していった。
「・・・・ッ・・・・むふあああぁッ・・・・!?」
優子を拘束している触手生物の群れが大きくうねり始めたかと思うと、
大地に対してほぼ垂直に屹立する形で固定されていた体が後ろに倒され、
地面からおおよそ45度の角度に達した所で停止する。
それと同時に、胴体の他の部分はそのままに、腰だけがより高い位置へと持ち上げられ、
久方ぶりに暗緑色の牢獄の中から解放された尻肉が外気の感触を味わった。
最後に、頭部の後ろに占位している肉蔓たちがムクムクと盛り上がって、
なだらかなスロープを描く自らの身体、とりわけ、卑猥な疼きに包まれた下半身と、
その中心にピタリと照準を合わせた不気味な男根がよく見えるよう、幾度となく微調整を繰り返す。
(26)
『・・・・クックックッ、随分と待たせて悪かったが、
いよいよ、お待ちかねのクライマックス・ショーの時間だ。
メガス様には及ばんだろうが、まぁ、たっぷりと楽しんでくれッ!!』
囚われの<戦士>の耳元でけたたましく笑いながら、
蟲獣将の魂魄は、数刻前まで己れの肉体だった肉人形に向かい、大仰な身振りで合図を送った。
直後、半分崩れかけた死体の顔面に名状し難い表情が浮かび上がり、
冷たく硬直した屍肉の塊がゆっくりと動いて、熱く火照った柔肌の上へと覆い被さる。
腐りかけた体組織から発する腐敗臭が、一段とその濃度を増したように感じられて、
少女が思わず咽せ返った――――その、次の瞬間。
「んひッ・・・・うあぁッ・・・・ッ・・・・あぁあああッッッ!!!!」
真っ黒に黒ずんだ亀頭部分が、愛蜜に濡れそぼった秘唇へと突き刺さる。
本能的に、ギュギュッ、と、入り口をすぼめ、侵入者を拒もうとする膣筋の機先を制して、
陰茎部分を覆っていた網状触手が、サッ、と広がり、
大陰唇の内側へと殺到すると、不気味な蠕動音を響かせながら、敏感さを増した粘膜に絡み付いた。
一瞬、視界全体が真っ赤に染まったかと思うと、
極彩色の爆発光が、バァン、と弾け、凄まじい衝撃波が、頭蓋骨の中身を滅茶苦茶に引っ掻き回す。
(27)
「あぁッ・・・・がッ・・・・くあぁッ・・・・ひふぁあああッッッ!!!!」
本隊に先立って、膣道内へと分け入った侵入者たちの役目はただ一つ、
ただでさえ充血して厚みを増している粘膜がこれ以上膨れ上がり、通路を塞いでしまう事の無いように、
いわば、防護ネットの役割を果たすというものだった。
すでに通路が確保されており、潤滑剤も十分に用意されているとはいえ、
許容量の上限に近いサイズの肉槍が狭い通路を行き来するのは、
やはり困難な業であり、何らかの助けが必要だ、と計算した上での動きである。
――――ギチィッ!!ビキビキッ・・・・ビギィィィッ!!!!
事実、不恰好なキノコのように張り出した、エラの部分がめり込んでくると、
引き伸ばされた出入り口は、たちまちのうちに真っ赤に腫れ上がっていく。
ギチギチ、ミシミシ、という女陰の悲鳴が響き渡り、
捲れ上がった小陰唇が、今にも千切れ飛びそうな様子でプルプルと打ち震え始めた。
当然、異物を寄せ付けまいとする防衛本能も高まりを見せるのだが、
その動きは触手ネットの前に封じ込められ、効果的な反撃となる手前の段階で頓挫させられてしまう。
本来ならば、激痛と恐怖によって、激しく引き攣っている筈の顔立ちもまた、
中途半端に凍りついたまま、しばらく経っても、大きな変化は現れなかった。
(28)
「・・・・はあ、はあ・・・・くうう・・・・はくぅッ・・・・ふぁうううッ!!」
同時に、それは、これまで徹底して繰り返された焦らし責めの中で、
営々と生産され蓄積され続けた、大量の脳内麻薬の働きによるものでもある。
限界量まで溜め込まれた快楽物質は、五感を司る神経系統を麻痺させたただけではなく、
痛覚そのものについての定義まで一時的に錯乱させてしまい、
『痛い』という感覚がどういったものであるのか?という基本的な認識自体を歪めてしまっていた。
「・・・・ぁあう・・・・んはぁ・・・・うふぁ・・・・ぁはあぁぁ・・・・」
やがて、雁首の全てが秘唇への没入を果たしてしまうと、
その効果は一段と顕著に現れるようになり、表情にも膣口にも明らかな変化が見られ始める。
次第に解きほぐれていく表情には、時折、ピクッ、ピクッ、という妖しいわななきが走り抜け、
その都度、恍惚とした笑みが面積を増して、口元がだらしなく緩んでいった。
相変わらず、侵入者の胴をきつく食いしばったままではあるものの、
慎ましやかな秘裂もまた、まるで、呑み込んだその肉根を味見するかの如く、
不規則な収縮とぎこちない律動からなる反復運動を繰り返し始めている。
(29)
「ううッ・・・・あくぅッ・・・・つあぁあッ・・・・んあはぁ・・・・ひふぅううッ・・・・!!」
間断なく襲い来る悦楽の大波の前に、
いつしか、見開かれていた双眸も力を失い、熱い涙に潤んでいく。
挿入が開始されてすぐの頃は、まだ、切迫した調子を残していた息遣いも、
今ではすっかり大人しくなって、甘く湿った響きに満たされていた。
――――ずぶッ、ずぶぶッ、じゅぷッ、じゅぼじゅぼッ・・・・!!
淫靡な蠕動音が奏でられるたび、
熟しきった南国の果物を思わせる陰唇粘膜に触手と同化した陰茎が擦りつけられ、
胎盤がドロドロに溶け落ちてしまうような快感が湧き上がってくる。
ゆっくりと、しかし、着実に、子宮との距離を縮めていく、異形の男根は、
おぞましい融合によって仮初めの生命力を吹き込まれた代物だというのが嘘のように、
逞しく勃起して、ドクンドクンと脈打ちながら、少女の肉体を責め立てていった。
・・・・否、実際、これが死体の一部である事を示しているのは、冷温動物を連想させる表面温度の低さだけで、
それさえ無ければ、その事実は、意識の中から完全に放逐されていたに違いない。
(30)
(はふぁ・・・・だ、だめぇ・・・・き、気持ちいい・・・・ふはあぁぁ・・・・)
挿入の直前まではあれほど圧倒的だった嫌悪感も何処へやら、
今や、視線は、下半身を深々と貫き通す肉槍の動きに釘付けだった。
大きく割り開かれた状態で固定されている太腿の間からは、
太いところでは彼女の腕回りほどもあろうかという極太の剛直が、
真っ赤に充血した膣口をこそぎながら、出たり入ったりを繰り返している様子が丸分かりである。
(はああ・・・・しゅごい・・・・しゅごすぎるよぉ・・・・!!
・・・・あああ・・・・来るぅ・・・・熱くて、逞しいのが・・・・へはぁあああ・・・・!!)
卑猥に咲き誇る肉花弁の上端では、
完全に反転しきった包皮の中から飛び出したピンク色の真珠玉が、
今にも破裂してしまいそうなくらいに膨張して、淫らな痙攣に包まれている。
優子の顔の位置からは、直接、目にする事は出来なかったが、
オイルの代わりにヌルヌルとした分泌物を塗りたくられ、念入りなマッサージを施された尻肉もまた、
先刻から、無数の蟻の群れにたかられているかのようなムズムズに包み込まれ、
すでに、堪え性も無く、あられもないダンスを踊り狂っていた。
(31)
――――プツン。
乾ききった音が、心の中で響き渡った。
何かとても大事な繋がりが切れ落ちてしまったような不吉な感覚にとらわれて、
本能的に己れの身体を見やった少女は、次の瞬間、両目を見開き、愕然となる。
これまで、肌と防具との間隙から、触手や蟲の侵入こそ許してはいたものの、
それ以上の侵犯行為にはかろうじて抵抗を貫いてきた黒金の胸甲に、
蜘蛛の巣状のヒビが入り、一部はすでに剥離して、白い汗にまみれた白桃色の乳房が露わになっている。
残りの部分も、まるで酸性雨によって腐食されたトタン屋根のように朽ち果て、
いつ、完全な崩壊を生じたとしても不思議ではない程の無残な有り様に陥っていた。
「・・・・う、嘘ッ・・・・こ、こんな事がッ・・・・!?」
上擦った叫び声を上げながら、ぶんぶんとかぶりを振る、<ヴァリスの戦士>。
だが、どんな攻撃を受けても耐え抜けると信じていた無敵の鎧は、
無情にも、赤茶けた破片と化し、次々と剥がれ落ちていく。
勿論、この時、異変が生じていたのは胸当てだけではなく、
毀たれたとはいえ、ハイゼンの渾身の一撃を見事に防ぎきった肩当ても、
磔刑柱の中に飲み込まれた四肢をこれまで守り続けてきた肘当てやブーツも、
殆ど一斉に、ボロボロの砕片と化して、あるいは、それすらも残す事無く、消え失せていく。
(32)
「あああ・・・・だめ・・・・だめよぉ・・・・こんな・・・・こんなのぉッ・・・・!!」
すでに防御力という点では存在していないのも同然の<ヴァリスの鎧>だったが、
それでも、未だそれが形を留め続けているという事実は、ある程度の支えとなっていたのだろう。
こうして、甲冑が失われていく様子を目の当たりにしていると、
改めて、自分が置かれている状況の悲惨さがひしひしと実感でき、
同時に、もはや全ての希望は断たれたのだ、という最悪の絶望が、萎えた心の中に広がっていく。
「ひッ・・・・いやぁッ・・・・こ、来ないでェッ!!」
追い討ちをかけるかのように、朽ちかけた枯れ枝を思わせる屍者の両手が、
セイロの中で蒸し上がったばかりの肉饅頭を思わせる、ふくよかな胸の脹らみに迫ってくる。
拘束された体を懸命に捩らせ、半ば白骨化したその指先から逃れようとするものの、
僅かに残った胸甲の残骸と共に、輝きが去り暗赤色の石片と化していたファンタズム・ジュエリーまでもが、
胸元から無造作に引き剥がされ、足元の泥濘の中へと払い落とされてしまうと、
あまりの恐怖に放心してしまったのか、その動きは完全に力を失ってしまった。
(33)
「はひぃッ・・・・あぁあ・・・・ひぐッ・・・・ひはぁああッ!!」
すでに触手生物によって丹念に舐め上げられていた一対のふくらみは、
透き通るような白い地肌に大量の生汗が噴き出し、妖しいヌメリに覆われていた。
ミイラ化した手指が曲線の上を軽くなぞっただけで、
ただでさえ感度の増している肉の果実は、かぁッ、と火照りを生じ、
硬く勃起した乳首の芯から、ズキズキするような疼痛感が湧き出してくる。
――――くにゅッ・・・・ぎゅぎゅッ・・・・ぷにゅッ・・・・ぎにゅにゅううッッッ!!!!
本格的な揉み込みが開始されると同時に、
優子は、拘束された体をガクガクと打ち震わせながら、悶え泣いた。
死人の腕から発せられているとは思えないほど、力強く、しかも、巧妙な、愛撫により揉み転がされるたび、
適度なボリュームに恵まれた形の良い乳房は搗き立ての餅のように捏ね回され、
激しく、しかも、執拗な、歓喜の波動が、全身の神経を戦慄かせる。
だが、限界を超えた刺激に堪えかねて五体を揺すろうとしても、
動く事が可能なのは、磔刑柱から浮き上がった腰の部分だけであり、
そこには、膣道を貫通して子宮にまで届こうとしている剛直が突き立てられたままなのだった。
(34)
「むぁあッ・・・・あぎッ・・・・いぎひぃッ・・・・んああッ・・・・ひぐうぁあああッ!!!!」
引っ切り無しに発せられる、無残に押し潰された悲鳴。
甘やかな痺れに追い立てられるようにして身体を捩るたび、
待ち構えている勃起肉茎が、膣襞を抉り、子宮へと突き刺さった。
ただでさえ快楽に蕩けきっていた少女は、
容赦なく浴びせられる連続攻撃によって一方的に打ちのめされていく。
『三界最強と謳われた<ヴァリスの戦士>も、こうなっては哀れなモノだな。
クククッ、さあ、そろそろ仕上げの時間だ・・・・覚悟はいいかぁッ!?』
復讐の喜悦に酔い痴れながら、残忍極まりない宣告を突きつけるハイゼンの魂魄。
前後して、死体の腰遣いに微妙な変化が現れ、
力強さはそのままに、ピストン運動のストローク間隔が徐々に短く切り詰められていく。
回廊全体を占領している陰茎もまた、これまでのものとは異なる小刻みな震動を帯び始め、
亀頭付近では、筒先の中へと流れ込む、精液とも樹液ともつかぬ得体の知れない粘汁が、
ビュクン、ビュクン、と、不気味に湧き立ちながら、その容積を増していく。
(35)
(・・・・ああ・・・・ヴァリ・・・・ア・・・・さま・・・・。
これ・・・・が・・・・あなたの・・・・あじわった・・・・くるしみ・・・・なのです・・・・ね・・・・)
朦朧とした意識の中、優子は、我知らず、夢幻界の女王の身に起きた悲劇を思い浮かべていた。
憎しみを込めた罵詈雑言を浴びせられながらの容赦無い陵辱、
その限りない苦痛と恥辱感によって、発狂寸前まで追い詰められているヴァリア。
にも関わらず、熟れた肉体はそれを無上の快楽として貪り喰らい、
堕された心は、あさましい欲望をはちきれんばかりに膨らませてしまう・・・・。
『違うッ!!ヴァリアではないッ!!
貴様のその記憶は、メガス様の怒りだッ!!憎しみだッ!!復讐だッ!!』
間髪を入れず、嵐のような怒声が頭蓋骨の中に響き渡った。
――――貴様を責め苛んでいる記憶は、ヴァリアではなく、メガスが与えたものだ。
――――貴様が欲する罰も復讐も、メガス以外からは決して与えられない。
――――そう、貴様が真に求めるべき者の名は、メガスッッッ!!
主君の名を執拗に連呼し続け、深層意識への刷り込みを図るハイゼンの思念。
その甲斐あってか、少女の中では、女王の存在感が少しずつ薄らぎ始め、
代わって、残忍王の禍々しいイメージが支配力を拡大していく。
(36)
『フフフ、いいぞ、その調子だ。もっと思い出せ、メガス様の事を。
全てを征服し尽くす圧倒的な力をッ!!全てを喰らい尽くす底無しの欲望をッ!!』
(・・・・メ・・・・メガ・・・・ス・・・・)
茫洋とした薄青色の双眸に浮上した、恐怖の色。
記憶の奥底に焼き付けられた凄惨な陵辱の情景が蘇り、
いままさに己の身に襲いかかろうとしている、悲惨極まりない運命と重なり合う。
・・・・ヴァリアを人質に取られ、為す術も無く、おぞましい取引を受け容れてしまった自分。
・・・・陰湿極まりない魔王の責めに屈して、カラダを明け渡し、あさましいヨロコビに狂い果てている自分。
・・・・今まさに血の海の中で息絶えようとしているヴァリアを前にしながら、指一本動かせずにいた自分。
(――――ああッ、メガスッ・・・・!!)
心臓の音がドクンドクンと猛り狂い、全身の体温が急上昇していく。
己の存在の全てをかなぐり捨て、淫獄に繋がれた奴隷として追い求めた、
あの、熱い滾りに満ちた肉欲の象徴・・・・。
心身の耐え得る限界を遥かに超える快楽に屈服し、
激しくのた打ち回りながら味わった、あの、果てしない肉悦の極み・・・・。
(37)
(あああッ・・・・い、嫌ぁッ・・・・おねがいッ・・・・思い出させないでェッ!!!!)
『駄目だッ、目を逸らすなッ!!己れの惨めなザマを直視しろッ!!
そして、認めるのだッ!!貴様は、今でも、あの御方の・・・・メガス様の奴隷だ、とッ!!』
溢れ出してくる忌まわしい既視感に重なる『声』。
必死に否定しようとする優子だが、抗おうとすればするほどに、
残忍王メガスと彼に与えられた最悪の恥辱は、より鮮明なイメージとなって心を責め苛む。
(い、いやぁ・・・・いやよぉッ・・・・やめて・・・・もう、やめてぇッ!!)
『止めて欲しいかッ!?ならば、認めろッ!!貴様自身の弱さをッ!!
そして、思い出せッ!!あの逞しい剛直が、貴様を貫いた瞬間をッ!!
メガス様の御力に圧倒され、永遠の奴隷となる事を誓約した、あの言葉をッ!!』
一気に畳み掛けるハイゼン。
追い求めていた獲物が張り巡らした罠に足を踏み入れた事を悟り、
ランランと輝く両の眼は、この上なく甘美な復讐に陶酔しきっている。
冥界に落ちてなお、強大な力を有する残忍王の魂と、
現し世の側から彼を呼ぶ、<ヴェカンタ>に満ち溢れた、もう一つの魂。
両者が合わさった時、必ずや、三界を律する法則の縛めは消し飛び、
再びこの暗黒界へと降臨した彼の帝王は、恐怖と死に彩られた覇権を打ち立てるに違いない。
・・・・そして、その時こそ、糞忌々しいこの小娘は・・・・。
(38)
――――びくッ、びゅくびゅくんッッッ!!!!
咥え込まれたイチモツが大きく震えたかと思うと、
不気味に黒ずんだ亀頭の先端から、ドロドロとした粘汁が放出される。
陰茎表面の生ぬるい触感とは反対に、筒内を流れる牡液は信じ難いほど熱く煮え滾っていた。
それは、燃え盛る噴火口から溢れ出す溶岩流の如く、
ほぼ一瞬のうちに、充血粘膜の全てを焼き尽くし、おぞましい汚濁により塗り固めてしまう。
――――どぴゅッ!じゅぴぴゅッ!ぶぴゅぴゅびゅッ・・・・!!
己の体内で最も敏感な場所を直撃した、信じ難い程の熱と衝撃・・・・、
それは、心身に宿った最後の灯火を掻き消し、漆黒の闇を招来するのに充分なものだった。
完全な恐慌に陥った感覚は無残に砕け散り、破滅的な錯乱状態に陥って、
膣道から子宮へと流れ込む濁流の感触を、そっくりそのまま、全身の神経へと伝えてしまう。
号泣の音色が声域の限界まで高まり、やがて、それをも突破したものの、
悪夢のような射精は、一向に尽き果てる気配を見せない。
恥骨の裏側を走りぬける白濁した洪水もまた、留まる所を知らず、
極限に達した汚辱感は、今度こそ確実に、自我の息の根を止めると、
その残り滓をも粉々に破砕し、決して浮かび上がる事の無い、暗渠の底へと沈めてしまった。
・・・・もはや、叫び声すらも出なくなった彼女に可能だったのは、
大きく開け放たれた口元を恐怖の形に凍りつかせたまま、幾度か短く息を吐き出し、
――――そして、最後に待ち受けている、最低最悪の絶頂に身を委ねる事だけだった・・・・。
(39)
『・・・・・・・・』
相変わらず、グネグネと気味悪く蠢く磔刑台の上に横たわったまま、微動だにしない優子。
空中からその姿を見下ろしながら、ハイゼンの霊体は、浮べていた笑いを静かに消し去った。
冷やかな視線の先では、仮初めの生命の最後の一滴まで吐き出してしまったかつての身体が、
腐肉の塊と成り果てて、<戦士>の足元に転がっている。
『・・・・少し、勿体無い遣い方だったか?』
饐えた臭気を放つ汚物の中、動いているものと言えば、宿り木を失った暗紫色の触手だけ。
だが、その動きも、間近に迫った己の死を感じ取っているためだろうか、ごく弱々しいものに過ぎず、
つい先刻まで、死者の股間にそそり立った醜悪なイチモツと融合し、
目の前の少女を犯し抜いていた、あの猛々しい様子は微塵も感じられなかった。
主の命じるまま、宿主はおろか自分自身の生命維持すら叶わなくなるまで精を吐き続けたが故の末路は、
どうしようもなく惨めで、かつ、滑稽ですらある。
(40)
『まぁ、やむを得んか。どのみち、残しておいた所で使い道がある訳でも無し』
小さくかぶりを振って、ハイゼンの霊は、肉体への執心を払い除けた。
失った体は、多少時間はかかるものの、また複製できるし、
それを補完するために必要となる触手生物や蟲も、代わりは幾らでもいる。
そんな事よりも、今はもっと重要な問題に思考を割かねばならなかった。
暗黒界の諸王の中で、最も強大で、最も非情と謳われた男の魂を、
冥府の底より救い出し再び現し世に降誕させる、という崇高な使命を果たすために。
『では、始めるとしよう・・・・』
起き上がる気配のない美しい生贄に向き直る蟲獣将。
否、厳密に言えば、優子は気を失っているのでは無く、
圧倒的な恐怖と絶望――――すなわち、極限まで増殖した<ヴェカンタ>の作用により、
精神活動が極度に低下した、ある種の金縛り状態とでも表現すべき状況にあった。
これが彼女以外の人間であったなら、<暗>のパワーの増大によって生ずる、
圧倒的な重圧に押し潰されて、確実に破綻をきたしているに相違ない。
その意味では、この少女の心は、一分の誇張も無く、三界最強と呼ぶにふさわしいものなのだが、
一方で、その強靭さは、外部からの心理操作に対しても同じように発揮される訳ではないのだった。
(41)
『・・・・さぁ、優子、あの方の御名を呼ばわれ・・・・』
「・・・・・・・・」
『・・・・呼ばわれ・・・・あの御方の名を・・・・貴様に無上の悦びをお与え下さる御方を・・・・』
「・・・・ッ・・・・ううッ・・・・め・・・・めが・・・・め・・・・がす・・・・さ・・・・ま・・・・」
『・・・・そうだ・・・・メガス様・・・・あの御方こそが・・・・貴様の望みを叶えて下さる・・・・』
「・・・・ううう・・・・のぞみ・・・・ゆうこの・・・・のぞみ・・・・」
『・・・・優子・・・・貴様は何を望む・・・・メガス様に何を望む・・・・?』
「・・・・ゆうこの・・・・のぞみ・・・・あああ・・・・のぞみ・・・・のぞみは・・・・」
『・・・・言え・・・・貴様の望みとは何だ・・・・?』
「・・・・ゆうこの・・・・のぞみは・・・・ばつ・・・・おかしたつみへの・・・・ばつを・・・・」
『・・・・犯した罪・・・・それは何だ・・・・何故に・・・・貴様は罰を望む・・・・?』
「・・・・・・・・」
『・・・・言え・・・・優子・・・・貴様の罪を・・・・貴様の欲する罰を・・・・』
「・・・・ゆうこは・・・・まけました・・・・まけたのに・・・・いきのびてしまった・・・・
・・・・たいせつなひと・・・・まもらなければならなかったひとを・・・・ぎせいにして・・・・だから・・・・ゆうこは・・・・」
(42)
「・・・・たたかいを・・・・つづけます・・・・つみを・・・・つぐなうために・・・・」
――――――――沈黙。
次の瞬間、ハイゼンは宙を仰いだ。
(43)
『・・・・なぜだッ!?一体、何が間違っていたというんだッッッ!!!!』
無念さの滲んだハイゼンの叫び。
凍りついた視線には、――――ばかな、という驚愕がありありと浮かび上がり、
引き攣った口元は、激しい怒りと落胆を湛えて、彼女の言葉を噛み締めている。
そして、もう一つ。
地の底から湧き上がるかような苦悶の呻きがその上に覆い被さる。
優子の意識――――そこに蓄積された膨大な量の<ヴェカンタ>――――に導かれて、
冥府の底から現し世へと続く常闇の回廊を這い上がっていた、彼の主君もまた、
予想だにしていなかった事態に狼狽し、かつ、憤怒を煮え滾らせていた。
『オオオオオオ・・・・優子・・・・またしても、我を拒むのか・・・・優子ォッッッ!!』
発せられた巨大な怒気は、一時的にとはいえ、世界の法則をも凌駕する程のものだった。
無残に断ち割られ、毀たれた甲冑。
幾筋もの斬撃や醜く焼け焦げた痕、無数の傷に覆われた身体。
穴だらけの全身からとめどなく溢れ出す、どす黒い血液と濁りきったオイル。
地上に生きる全ての者を憎悪し、滅ぼそうとするかのような邪悪な形相・・・・。
かつて目にした断末魔の最期そのままの凄惨な姿を留めた悪霊が、
灰色の霧の中に、禍々しいシルエットを浮かび上がらせる。
勿論、さすがに、その魂魄の全てが地上に顕現出来たという訳ではなかったものの、
それは、残忍王の二つ名を冠せられた男の影にふさわしく、どす黒い怨念に満ち満ちていた。
(44)
『答えろッ、優子ッ!?何故だ・・・・何故に、貴様は我を拒む!?
どうして、こんな状態になってもなお、あの女の事を思い続けるのだッ!?』
苦吟に満ちた咆哮。
憎悪の炎を噴き上げる苛烈な眼差しは、磔刑台に縛められた少女を呪殺せんばかりに睨み据えている。
対する優子の表情は、死人のように蒼ざめ、強張ってはいたものの、
発せられた言葉は驚くほどに静謐で、そこから想像されるような弱々しさとは無縁だった。
「・・・・それは・・・・わたしが・・・・<ヴァリスの戦士>だから・・・・。
<ヴァリス>の力・・・・愛の力・・・・によって・・・・繋がれているから・・・・」
『・・・・ば、ばかなッ!?意識が戻っただとッ!?一体、どういう事だッ!!』
叫んだのは、傍らに浮かんでいたハイゼンの霊。
ありえる筈のない状況に直面したその顔は恐怖に引き攣っている。
――――だが、事態の急変は、これで終わりではなかった。
突如、分厚く垂れ込めた黒雲と不浄な濃霧の胸壁を突き破り、
眩く輝く一条の閃光が、横たわる蒼髪の少女へと降り注いだ。
本能的に危険を感じて飛び退いた暗黒界の将軍の前で、
五体を覆っていた触手の群れが、胸の悪くなるような異臭を発しながら焼け爛れていく。
さらに、解放された優子の肢体を押し包んだ清浄な霊気・・・・<ヴァリス>の波動は、
その身体に瑞々しい生命の息吹を吹き込み、力強い輝きを取り戻させていった。
(45)
『・・・・ま、まさか・・・・その力はッ・・・・うあッ・・・・がはぁあッッッ!!!!』
目の前で起きている出来事の意味に気付き、『声』を張り上げようとしたハイゼンを衝撃が襲う。
優子の精神と繋がったままの意識の中に、膨大な量の<明>の力が逆流してきたのである。
慌てて接続を解除したものの、時すでに遅く、蒙ってしまった打撃は、
もはや、霊体としてさえ、その場に留まり続ける事を不可能とならしめるものだった。
己の消滅と忠誠心とを天秤に掛けた蟲獣将は、
僅かに逡巡の気配を見せただけで前者を選択すると、主を打ち棄てて遁走を図る。
『うがぁッ・・・・ゆ、優子ッ・・・・貴様は・・・・本当にそれで良いのかッ!?
・・・・繋がれ、囚われて・・・・戦い続ける運命が・・・・本当に、貴様の望みなのかッッッ!?』
最も信を置いていた部下にさえ見捨てられ、怒り心頭に発する残忍王。
だが、(肉体を欠いた霊魂のみの状態とはいえ)現世の者であるハイゼンですら撤退を余儀なくされた今、
いくら強大な力を有するとはいえ、未だ冥界に縛り付けられた存在に過ぎない彼が、
いつまでもこの世界に留まり続ける事など、到底不可能な事である。
回復した世界の因果律の前に、必死の抵抗も空しく、暗黒界の在る時空から弾き出されたメガスの魂は、
怨嗟の絶叫を残して、冥界と言う名の魂の牢獄へと吸い込まれていくのだった・・・・。
(46)
リアリティ。東京。夜。
ビルの屋上に一人佇む、優子。
月灯りの中、穏やかに吹き付ける心地よい夜風が、
長い蒼髪をそよがせ、身に纏う夏服のセーラー服を優しく包み込む。
冴え渡る美しい月光。
瞬く天球の星々を静かに仰ぎ見ていた薄青色の双眸が、ふと、曇る。
・・・・脳裏をよぎるメガスの言葉。
『・・・・本当に、それがお前の望みなのかッッッ!?』
青白い月の光が、白く透き通った頬筋に、微妙な陰影を投げかける。
しばしの沈黙の後、少女は、ぽつり、と呟きを漏らした。
「・・・・そうよ、残忍王。それが、わたしの選択」
再度見上げた夜空では、青褪めた満月が、変わらず、穏やかな光に満ちている。
幻想的な風景の中心にある月は、とても美しく、だが、何処か虚ろにも感じられた。
・・・・まるで、彼女自身の心を映し出した水鏡であるかの如く。
(・・・・決して望んだものではないけれど、
でも・・・・それは、わたしに出来る、たった一つの償い・・・・あの人への贖罪なのだから・・・・)
<完>
以上をもちまして、「アフター・ヴァリス」は終演となります。
半年間、ご愛読大変有難うございました〜。
・・・・しかし、この半年間、「ヴァリス」関係は、本当に激動の連続でしたね・・・・。
「ヴァリスX」、「リバイバルコレクション」、そして、ZOL先生のコミック版と、
(毀誉褒貶はあるにせよ)新商品が次々に登場して、
「夢幻戦士ヴァリス」という作品が十数年ぶりに脚光を浴びた事は、
私にとっても、非常に刺激的な経験でした。
今後の事は分かりませんが、私としては、アイデアの続く限り、
「ヴァリス」や他のビキニ鎧系美少女戦士たちのエロパロ作品を書き続けていくつもりですし、
新たに登場した(またはこれから誕生する)「ヴァリス」等の系統作品を応援していきたいと考えています。
さて、次回作ですが、現在、以下の3案を検討中です。
@ クロスオーバー「ヴァリス&レダ」第三部(完結編)
A 「コミック・ヴァルキリー」連載中の「夢幻戦士ヴァリス」のエロパロSS
B 「ヴァリスX」のエロパロSS
ご意見ご要望等ございましたら、宜しくお願いいたします
(この3つ以外のものでも構いません)。
ご支援頂いた方、有難うございました〜。
お陰さまで、今回も無事、連投規制を回避する事が出来ました。
超絶GJ。
大変お疲れ様でした、そして有り難う!!
A……だが、Bも捨てがたいw
個人的要望で言えば、ヴァリア様のキッツイ奴とか読みたい(死後も続くような陵辱とか)。
でも、書きたいものを楽しく書いて下さるのが一番です。
ARCHさんSSありがとうございます なかなかの作品でした。
女の生命の源の子宮に腐肉の冷たい肉棒が挿入されてるシーンは
生と死の肉体の交わりによって敗北した優子の肉体に証を刻みつけた
感じで読んでて最高のシーンでしたよ、またこんなグロイシーンお願いします。
お疲れさまでした。
次回希望はわたくし的にはAをお願いしたいです
コミック・ヴァルキリーようやく入荷したので買って読了。
ヴァリスだけ乳首出しているのね。
と言う訳でAをリクエスト。
優子に限らず女性が剣を持っているだけで(といってもゲームやマンガばっかだけど)
エロスを多少なりとも感じるのは剣そのものが男性の象徴だったからなんだね。
今日ダビンチコードみて納得した。
と言う訳でAをリクエスト。
同じくAで
コミックヴァルキリーでは寸止めだが…こちらではって感じでw
各面ごとの雑魚や中ボスに犯されてしまうバットエンドなんてどうです?
少数派は覚悟で@を希望します。
江戸川乱歩好きな自分としては陵辱された挙句、剥製にされて
飾り物にされてしまう優子の話なんか読んでみたい。
数ある猟奇コレクションの中に、みたいな?
漏れは凛々しく剣を構えた姿のまんまブロンズ像の方が
せつなく萌え
意識のあるままブロンズ像にされて男子便所に置かれ、
最初は物珍しさから撫でられたりもしたけれど、そのうち飽きられて、
ただ日常の営みとして小便をかけられ、寂しく朽ちていく……
みたいなのにキュンときます。
う〜ん、像にされるのは何かの功績を讃える為につくる物だら…わたくし的には、同じ生きたままブロンズにするなら
リアリティーに誰でも化け物が容易攻め入る為にヴァリスの戦士たる我等が優子タンを
化け物の世界とリアリティーを繋ぐ鍵の役割として、生きたまま人柱として
埋め込むのが激萌ですね。
>563
漏れはたま〜に読むだけのROMだったが、本当にGJ!
579 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 00:16:13 ID:ayzo+m38
皆様、リクエスト&ご意見・ご感想有難うございます〜。
次回作につきましては、(やはり、と言うべきでしょうか)Aが多数を占めていますので、
しばらくの間、ZOL先生の「ヴァリス」のエロパロSSに取り組んでみる事にいたします。
なお、発表時期は、「コミック・ヴァルキリー」の発売日(奇数月の25日)の約1.5か月後、
発表期間は、ZOL先生の「ヴァリス」の連載終了まで、
各章毎の文章量は、概ねコミック1ページにつき1レス(原稿用紙2〜3枚前後)、を予定しています
(ただし、コミックのページ数が30pを越える場合は、ある程度圧縮する事になると思いますが・・・・)。
>>572 本当は「アフター・ヴァリス」の後は「クロスオーバー」を書くつもりで準備をしていたのですが、
ご覧のような状況ですで、次回以降に順延といたしたく存じます。どうかご容赦下さいませ。
期待しつつhoshu
コミック・ヴァルキリーが廃刊にならないことと
このスレが長しえに続くことを祈りつつ保守。
ZOL先生のサイトに「第二話がんばらなきゃ…」とのお言葉が。
ヴァルキリーも売れているようで、ヴァリス続きそうです。とりあえずヨカッタ。
ち、ちょっと遅いかも知りませんが、
先日…PCエンジン版メ、メガス様が…メガス様の中の人がぁ…肺癌で…
肺癌でメガス様が崩御なされましたぁ…orz
メガス様の中の人こと鈴置さん、今までありがとう。安らかに…ご冥福を御祈りします。(;_;)
PCエンジン版のメガスは格好よすぎたな。
ほどよく卑怯でエロいPC版の方がメガスらしいし
妄想のし甲斐がある。
メガスのお陰で優子のオッパイが見られたんだし。
それはともかく鈴置さんのご冥福を祈りつつ保守。
進行状況〜〜。
「ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン」(略して、3V)エロパロSSは、
現在の進捗率約60パーセント。
ガイーダが登場する直前の辺り(コミックの16ページ目)まで文章化しています。
ストーリーは、基本的にコミックの流れをなぞり、
セリフや情景描写も(エロ・シーン以外は)コミックに即したものにしています。
なお、優子や麗子の設定等、今の所、コミックでは紹介されていない点については、
PCE版「夢幻戦士ヴァリス」の取説書や「月刊PCエンジン」の付録冊子を参考に付け加えています
(どうやら、コミックの展開も、PCE版の「T」に準拠しているようですので)。
9月中旬の発表まで、もうしばらくお待ち下さいませ〜。
>>584、585
う〜ん、幻夢皇帝がご崩御ですか・・・・。
これも時の流れとはいえ、たしかに少し早過ぎる死かもしれませんね。
心よりご冥福をお祈りいたしたいと思います。
毎日の酷暑でカキ氷を食べている時に思いついた妄想。
魔物の冷凍光線で氷の彫像にされた優子。
それをノコギリでバラバラにしてしまう魔物たち。
残虐スキーは心が病んでると思うんだ。
>>587の元ネタはウルトラマンレオの星人ブニョだと思われ。
弟を人質に取られ、抵抗できない優子とかなら萌えるんだが
極度に残虐なネタは生理的に受け付けないな。
蟹江敬三か
その、なんつーか
優子は冷凍されて叩き壊されてしまった!
…とおもいきや、間一髪で変わり身でかわして、高みから魔の者達を嘲笑う
なんて展開はヴァリスぽくないしな
やはり基本に戻って十字架に磔がお薦め。
手首足首に五寸釘打ち込んで衰弱&窒息していく様を眺めて楽しむ。
磔もそそりますがヴァリススーツがボロボロにされた優子タンを吊し上げにされ、
ぐったりうなだれているのが良いですね
進行状況〜〜。
『3V』エロパロSSは、現在の進捗率約90パーセント。
第一稿が完成し、現在、推敲を加えているところです。
全体の文章量は、予定していた1ページ1レス(原稿用紙2〜3枚)よりもやや多めになりましたが、
コミック版のストーリーや情景描写をほぼ忠実に文章化しているため、
(そういったものを全部自分で考え出さねばならない)普段の作業に比べると、
執筆は予想以上にスムーズに進行しています。
なお、エロパロ化の箇所は、主に、一番最後の数ページ
(ガイーダのアースクエイクで吹っ飛ばされ、意識を失った場面以降)で、
この部分に関しては、ほぼオリジナルの描写とセリフだけで構成しています。
完成までもうしばらくお待ち下さいませ〜。
>>587-594 磔とか氷漬けとか、『拘束』というシチュは想像力を掻き立てられますね〜。
あまり残酷なものはちょっと・・・・、ですが、
屈辱的なポーズを強要され、悔し涙を浮べる優子タンの姿は、グッと来るものがあります。
色々と参考になりました。有難うございます〜〜。
いつもご苦労様です。毎回楽しみにしております。
今からガイーダ兄さんに犯られ?ちゃって女の操を失っちゃう優子タンを想像しながら発表を待ちますOo。( ̄¬ ̄*)
各ステージのボスに負けた場合のバットエンド編みたいな流れになるのかな。
お疲れ様であります。
処女じゃなくなったらヴァリスの戦士になれなくなるという裏設定でも
あるのかね?
取り敢えず最下層なんで上げるよ。
変身ヒロインを扱った作品では、時々取り上げられるキーワードではあるよね
まぁ優子本人については、特にスーパーパワーや豪腕を持った無敵の戦士でもないし
自信はすぐ無くす、精神的にはか弱い生身の女子高生であろうと
でも処女性云々を前面に出すと、いくらエロパロとはいえヴァリス世界には不釣合いな気が…
むしろそこに触れずに、清楚な象徴者が陵辱・破壊される所にグッと来るのでは
600 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 15:01:10 ID:rzTIwzjk
>>599 色んなシチュで処女喪失が見たいってのはあるかな。
>>602 その気持ち、耳から血が出るほど良くわかるぜ!
>>602 >>603 同士、同士よ!
ヴァリスXには期待を裏切られたどころの騒ぎじゃなかった…
ほぼ最悪のシナリオだった。
ライター氏ね
上の口とアナルを散々犯されて
最後にとっておいた前の処女を貫かれるパターンとか見たい
なんで俺のクローンがこんなにいるん?
今ここに俺が来なかったか?
ばっかも〜ん!
今のはル(ry
ヴァリスXは最悪だっTA
610 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 21:09:19 ID:VnS8wDJH
同じく、ヴァリスX最悪でした・・
とりあえず、前までの作品のキャラと、
人格とかが全く異なってて、魅力が全く無かったです。
アダルトに成ったのは賛否両論としても、
せめて、前作までの雰囲気や、作風とか大事にして欲しかった。
>>610 ・・・あのさぁ、たしかに俺もヴァリスXが良い出来だとは言わないけどさ、
ここでアダルト化反対とか叫ぶのはやめてもらえないか?
このスレはヴァリスのキャラでエロ妄想してハァハァするのが楽しいと感じる住人の溜まり場なんだからさ、
そういうのは他のスレでやってくれないか?
>>611 少しもちつけ
>>610はエロゲー化には賛否両論あると言ってるだけで
別にエロゲー化反対と言ってるわけじゃない
唯一最大の収穫は、ヴァリア様のエロシーン(しかもフタナリで強制母娘相姦)があったことだな。
あそこだけは、文章はもちろんだめだが、シチュ勝ちしてた。
そして、それだけにほだされて、その後もクソをプレイし続けるはめに……
進行状況〜〜。
『3V』エロパロSSは、現在の進捗率約95パーセント。
第ニ稿まで完成し、現在、最終調整中です。
予定通り、来週の半ば(15日前後)には発表できる状態になると思います。
もうしばらくご辛抱くださいませ〜。
>ヴァリスX
パッケージ版が発売されるみたいで、またネット上での議論が再燃しているようですね
(さすがに発売当初のような過熱した雰囲気ではありませんが・・・・)。
作品内容についての私の感想は、以前から申し上げている通りです。
結局、DL版を1から5まで全巻購入し、全てのテキストに目を通したのですが、
(ネット上でよく見かける)全くの失敗作で良い所は一つも無い、という評価は、
やはり間違いではないか?という考えは、今も変わっていません。
今年3月の発売以来、ネット上での動きを追って来たのですが、
『陣痛イイ!!』とか『うゲぁパップッぐるううぐッッッ!?!?!? 』とか、
本編のストーリー部分とはあまり関係のない、刺激的なセリフやCGにばかり注目が集まる一方、
登場人物達の関係や揺れ動く心理についての描写を、
元のゲームと比較しながら分析・把握していこう、という動きが活発化しなかったのは残念に感じました。
私としても、欠点や『ここは少しやり過ぎでは?』という点が全く感じられない訳ではないのですが、
優子と麗子、あるいは、ヴァルナ、チャムとの心の触れ合いを描いた、ストーリーの基幹部分に関しては、
元のゲームのそれと比べても、決して遜色ない内容だと考えています。
おおっ!
『3V』も完成間近ですか。
ARCH DUKEさま、相変わらず乙で御座います。
楽しみに待たせてイタダキマス。
完成期待しております〜
正座して待ってます。
>ヴァリスX
荒れるのでその話題はやめましょう。
ARCH DUKEさんのSSで抜き、コミックヴァルキリーのヴァリスで抜く。
実に優雅な性生活だ。
ここで散々言われてんのにバッテンフルセット版買っちまったよ……
このスレのネ申様の文章を読みながらCGで抜くよorz
このスレの住人に質問だが、仮に優子が拷問されるSSを投稿するとしたら
どの程度までの猟奇残虐描写が可能なんでしょうか?
>>622 俺はソフトSMまでしか認めない。
鎖で拘束して、ブラを外して、触手とかスライム責めまで。
破瓜も含めて、優子たんの血を一滴でも流したら俺は書き手をグーで殴りたい。
そら潔癖だなぁ。
世の中には俺みたいな、惨死エンドまでOKな奴もいるので、神はそのへん平均とって書いてくれると嬉しいかも。
おいらは拷問大歓迎!
ただし、自分的には
耳剥いだり、爪剥がしたり、指切りおとしたりのスプラッターは、ちょっと勘弁。
あと、極めて自分的には、破瓜のときあそこからの出血が多いとが嬉しいほう。
拷問的に処女を散らされるのなら、処女膜が破かれるだけで無く、
モノの大きさに耐えられず膣とかが傷ついて血がたくさん出るとハァハァしてしまう。
以前なりきりスレがしつこい残虐系のカキコで潰れたから遠慮して欲しい。
できたらここでなく、残虐系シチュのスレ行ってやってくれ。
いや、書くのは神だし、なりきりのようにはならないんじゃないか?
俺も、多少のエグい展開ならアリだと思ってる。
多様なSSがあっていいんじゃないのかな・・・逆に
>>623なんかはスレの幅せばめてると思うし。
ここの神は、なりきりスレをとても楽しみにしていたんだよ。
それを終わらせた人を楽しませるために、好きでもないシチュを書くは思えないんだが…
あのスレの荒らし、明らかに皆が嫌がるの楽しんでたからな…
新しい神が来て、その人の好きなシチュを書くのは勝手だとは思うけど
ヴァリスやその類のパロであることを重視してるならこっち、
シチュ重視で元ネタとかけ離れるならシチュ系のスレでやるのが筋でないかい?
自治乙
「荒らし」「神」は別に一人ずつってわけでもないから、前段落は決め付けすぎ。妄想とまでは言わないけど。
後段落については、グロかどうかは属性の問題であって、シチュ重視かどうかってのは分量問題じゃないのか?
何にしても「筋」と言い出すあたり、自分勝手にも程があるだろう。
作品のバリエーションを狭めるのは、自治どころか私物化だと思われ。
いや、こっちもグロ歓迎ってわけじゃない。さすがに行き過ぎると引く。
しかし、「グロいのは書くな!」というスタンスは不健全だと思う。
そういうローカルルールがあるスレッドってわけでもないしな。
まぁ、いろいろな属性の人が世の中にはいらっしゃるし
いいとは思うのですが。確か以前にここのローカルルールをなんか定めた書き込みがあった様な…
でも、ここに以前グロや暴力的なSSも書かれたことがありましたが
グロや暴力的なのは苦手な人はごめんなさい。
みたいな但し書きが書いてあったので、そうすれば幾分不快な思いをする人も少なくて済むと思います
私もたまに他でグロや暴力的SSを書くときは但し書きをしますが…
>>629 そんな2レスぐらいでスレを私物化なんて大袈裟な・・・
息苦しいのは嫌だが、荒れるのはもっと嫌だと言ってるだけだよ。
実際に関連スレ一つ潰れてるからね。
でも、そうやって過敏になるほどスレのことを考えてくれていて心強いよ。
やばげな雰囲気になったらたのむわ。
中途半端なエログロよりも、罠にかかって捕われた優子が
様々な拷問にかけられるも決して屈服せず
最後は凌遅か車裂きで凄絶に処刑されるSSキボンヌ。
ヴァリスXなぁ…
全体的にはパッとしない感じだけど
どっかで見た「優子、ヴァルナ、チャムの3人が妊娠した姿で全裸のまま並んでる」画像で
ちょっと黒い感情が
状況報告〜〜。
「3V」エロパロSS第1章、本日完成いたしました。
明晩22:00から発表作業を開始しますので、
御時間がおありの方は規制回避支援をお願いいたします。
>リョナピンチ作品
私個人に関して言えば、今の所、リョナピンチ作品を執筆するつもりはありません。
以前に一度、リクエストを頂いて、短いSSを書いてみた事がありましたが、
表現方法(何をどう書いたら良いのか?)が、今一つよく分からなかったのと、
正直なところ、執筆していてあまり楽しい感じがしなかった、という記憶が残っています。
申し訳ございませんが、リョナピンチ作品のご要望にはお応え致しかねますので、
どうかご了承の程、お願い申し上げます。
お待たせしました〜〜。
只今より、「3V」(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)エロパロSS第1章の発表を開始します。
お手空きの方がいらっしゃいましたら、
連投規制回避のため、どうかご協力を宜しくお願いいたします。
(1)
(優子・・・・、優子・・・・)
・・・・誰?わたしを呼んでるのは?
(聞こえますか、優子・・・・)
誰なの・・・・あなたは・・・・?
(今、夢幻界、人間界、2つの世界に危機が迫っています・・・・)
夢幻界?2つの世界?危機って何の事・・・・。
(あなたの力が必要なのです、優子・・・・!)
・・・・力?わたしに、どんな力があるというの!?わたしは、ただの・・・・。
(2)
ゴオオオオ――――ッ!!!!
地響きを立てながらホームを通過する快速電車。
吹き付けてくる突風が、少女の意識を現実へと引き戻す。
『・・・・間もなく、2番線に各駅停車の・・・・』
走り去っていく電車の音。駅員のアナウンス。人々のざわめき。
・・・・いつもと変わらぬ、下校途中の風景。
「・・・・また、あの夢・・・・」
端正な目鼻立ちの顔に深い憂愁を浮かべながら佇む、一人の女子高生。
すらりとした体躯の背中で、腰の上まで伸ばした豊かな蒼髪が静かに揺れている。
身に着けているのは、近年では珍しくなった、伝統的スタイルのセーラー服と丈長の紺色スカート。
見る者によっては少し古風な印象を受けるかもしれない、オーソドックスなデザインの制服は
際立って美人という訳では無いものの、申し分なく均整のとれたプロポーションに良く似合っていた。
――――麻生優子。17歳。
3月3日生まれ。魚座のO型。私立聖心学園高等部2年。
身長158cm、体重46kg、B82W61H85。
得意な学科は国語と美術。趣味は音楽鑑賞・・・・。
(3)
(・・・・どうして、いつも、同じ夢ばかり見るのかしら?)
小さくため息をつきながら、物思いに沈む優子。
最近、ほとんど毎晩のように見る、あの夢・・・・。
暖かく、清浄な光に包まれて、まどろみに落ちている自分に向かって、
何処か遠い場所から、見知らぬ女の人が呼びかけてくるというもの。
最初は、名前を呼ばれるぐらいだったのだが、
ここ2、3日は、『ムゲンカイ』とか『ゲンソウオウジョ』とか、意味不明な言葉が続くようになっていた。
(疲れてるのかなぁ、わたし・・・・)
決して嫌な感じのする夢ではないのだが、こうも続くのは何となく不気味だったし、
その内容自体も、日を追う毎に、だんだんリアルさを増しているような気がする。
健康状態には特に問題無いし、中間テストの成績もそんなに悪くは無かった。
家族にも学校の友人たちにも、別段、ストレスに感じるような事は起きていない筈なのだが。
あるいは、何か悪い事の起きる予兆なのだろうか?それとも・・・・。
(4)
「――――雨宿りのついでに、居眠り?」
すぐ近くで発せられた声に、ハッとして目線を上げる蒼髪の少女。
目の前に立っていたのは、肩口で綺麗に切り揃えられた、赤みがかったブラウンの髪の毛が特徴的な、
自分と同じ学校の制服を身に纏った女子生徒・・・・同じクラスの麗子だった。
桐島麗子。17歳。
8月1日生まれ。獅子座のAB型。
身長160cm、体重48kg、B78W60H82。
趣味はショッピング。得意学科は数学・・・・。
挑発的な輝きを湛えたラベンダー色の瞳に見つめられて、優子はやや息苦しさを覚えた。
クラスメートとはいえ、この界隈でも指折りの資産家の一人娘である麗子に対しては、
住む世界が異なっているとは言わぬまでも、ある種の心理的な隔たりを拭い切れずにいる。
学校ではいつも取り巻きたちに囲まれ、羨望と畏怖の眼差しを注がれている「お嬢様」と、
ごくごく普通の中流家庭に生まれ育ち、成績も「中の上」程度でしかない平凡な少女・・・・。
彼女達の間には、かなり微妙な距離感を伴った感情が横たわっていた。
(5)
「・・・・どうしたの?こっちはあなたの家とは方向違いのはずよ」
心中に生じたさざ波を気取られないよう、優子は、努めて冷静に応対しようとする。
少し絡んでくるような麗子の話し方が、まったく気にならない、と言えば嘘になるのだが、
いつもの事であるし、特に悪意を含んでいる訳ではないというのも分かっていた。
それに、下校時刻を過ぎた頃から急に降り始めた、このひどい雨の中、
ただ嫌味を言うためだけの目的で、わざわざ自宅とは反対方向にあるこの駅までやってきたとも思えない。
「いいのよ」
クラスメートの双眸をじっと見据えたまま、短く言葉を切る『お嬢様』。
どこか肌寒さを覚えるようなその視線に、
蒼髪の少女は、学校で、何か気に障るような事をしてしまったのだろうか、と、ひそかに気を揉んだ。
滅多に無い事だが、何かのはずみで彼女を怒らせてしまったら、どんな事態が待ち受けているのか、
学園の生徒たちの中に、否、教職員の間でさえ、知らぬ者はいないと言って良い。
彼女の内心を見透かしたかのように、
赤毛の少女は冷やかな笑みを浮かべ、それから、おもむろに話を切り出した。
「挨拶に来たんだから・・・・お別れのね。
ちょっと遠くへ行かなくちゃならなくなったの」
(6)
(――――遠くへ?もしかして、転校とか?)
驚いた表情で問いを発しようとする級友を拒絶するかのように、
くるり、と踵を返し、背中を向ける麗子。
その態度に軽い狼狽を覚えながらも、優子は、慌てて追いすがろうと試みた。
「なんで、そんな急に・・・・もっと早く知らせてくれてたなら・・・・」
「あら、友達みたいな事言うのね?」
振り返った麗子の唇に浮かぶ皮肉めいた笑いに、蒼髪の少女は思わず傷付いた顔になった。
たしかに、同じクラスとはいえ、彼女とは特に仲が良い訳ではなかったし、
彼女自身は無関心な様子だったが、取り巻きたちの中には、
『お嬢様』に対して距離を置こうとする自分を陰で白眼視している者もいるらしい。
・・・・が、たとえそうだとしても、この態度は、あまりと言えばあまりではないだろうか?
――――そう思った瞬間、優子は、(彼女にしては珍しく)強い口調で反論の言葉を言い放っていた。
(7)
「友達でしょ?何言ってるの!」
・・・・・・・・一瞬、麗子の口元から笑いが消え、
ラベンダー色の瞳の奥に、明状し難い光を宿した暗い炎が燃え上がる。
大粒の水滴に覆われた雨傘の柄を、グッ、と握り締めた手の甲に、白い骨筋が浮かび上がった。
ヒュンッ!!
まるで居合いの達人が白刃を一閃させるかのような動作で、
鈍い銀色の光沢を帯びた傘の先が弧を描き、級友の喉元に突きつけられる。
・・・・そして、また、歪んだ微笑み。
「あなたのそーゆーとこ、嫌いじゃないわよ。皮肉とかじゃなくて」
(な、なによ、一体!?どうして、ここまで突っかかってくるの!?)
皮肉ではない、と言いつつ、赤毛の少女の言葉には辛辣なスパイスがたっぷりと滲んでいる。
困惑し、表情を曇らせる優子。
いつも学校で目にする彼女ならば、たとえ本気で気に入らない事があったとしても、
他人に対して、ここまであからさまに怒気を発する事は無かった筈だった。
その辺り、自分にはちょっと真似できないなぁ、と感じる一方で、
その強い克己心に対しては、一種、尊敬に近い感情すら抱いていたのだが・・・・。
(8)
「・・・・もっとも・・・・」
ゆっくりと傘を下ろす麗子。
ホッとしたのも束の間、今度は、ガリッ、ガリッ、と耳障りな音を立てながら、
ホームのコンクリート床を、何か先の尖ったもので神経質そうに引っ掻き始める。
半ばうんざりしつつ、視線を落とす優子・・・・直後、その双眸は思いもかけなかった光景に大きく見開かれた。
(・・・・な、何なのッ・・・・これッ!?)
クラスメートの手に握られていた物体・・・・それは雨傘でも何でもなかった。
鈍い鉄色の光沢を放つ、長い刃物――――剣。
両刃で、刃渡りは五、六十センチほど、
刀身はテレビの時代劇に出てくる日本刀のような反りを帯びた造りではなく、
西洋史の教科書に載っている、中世の武具のような直線形をしている。
特徴的なのはその細さで、横幅は一番太い所でも三、四センチ程度しかない。
鍔元から握りにかけては、流麗だが、何処か不吉な雰囲気を帯びた装飾があしらわれ、
嵌め込まれた幾つかの宝石が妖しい輝きを発していた。
(9)
「・・・・あなたとは、どこかでバッタリ出会うことになるでしょうけど・・・・」
驚愕のあまり声も出ない優子。
冷やかな一瞥と共に発せられた赤毛の少女の呟きには、
まるで呪詛の祭文のような謎めいた響きが纏わり付いている。
・・・・ほぼ同時に、コンクリートの上では、剣先で描かれたサークルが完成していた。
――――――――ゴオオォォォッッッ!!!!
灰色の地面に刻み付けられた傷口の内側から、
途轍もなく邪悪な『何か』が、禍々しい瘴気となって噴き上がる。
「れ・・・・麗子ッ!」
ここにある筈の無い、否、あってはならない筈の存在が、
麗子によって作られた破れ目を目指して押し寄せてくる。
――――そう、直感した優子は、次の瞬間、半ば本能的に、鋭い悲鳴をほとばしらせた。
「何だ」「どうしたんだ」「事故か」
突然の大声に驚いた人々が一斉に集まってきて、周囲は騒然となる。
パニック状態に陥った級友を尻目に、人垣の間をすり抜けた麗子は、最後にもう一度、背後を振り返った。
(10)
「じゃあね、優子。さようなら。
・・・・あなたの無事を祈ってるわ。フフフ」
口元を歪めたまま、ホームの柱の陰へと近付いていく麗子。
次の瞬間、その姿は、一切の気配を残す事無く、
・・・・まるで、闇そのものと同化したかのように、暗がりの中へと吸い込まれていった。
その途端、足元から噴き上がる、得体の知れない『何か』は、ますますその勢いを増し、
ただならぬ気配に、群衆の中にも(本能的に)異変を悟る者が現れ始めた。
濃密さを増していく闇の感触に、あちこちで叫び声が上がり、
卒倒する者や嘔吐する者、闇雲にその場から逃げ出そうとする者が続出する。
たちまち、地下の空間は、悲鳴と怒号が飛び交う混乱の坩堝と化してしまった。
――――彼らには知る由もなかったが、
それは、こちら側の世界へと滲み出してきた『何か』に力を与え、
仮初めのものとはいえ、この世界における実体を獲得させるに充分な『養分』に他ならなかったのである。
(11)
『ゴアアアアア――――ッッッ!!!!』
ホーム中に轟き渡るかのような、ひび割れた咆哮。
明らかに人間の声帯から発せられたものではないと分かる、その禍々しい響きに、
優子の――――そして、その場に居合わせた全員の――――顔が恐怖に引き攣り、
ぞっとするような声の持ち主にふさわしい、グロテスクな怪物の姿に息を呑んだ。
その巨体を、敢えて地球上の生物に擬すならば、
体毛が全て抜け落ちたマウンテン・ゴリラといったところが適当だろうか?
異様に逞しく発達した筋肉、どす黒く濁った色の皮膚。
長く伸びたかぎ爪。真っ赤に裂けた口元に並ぶ鋭い牙。頭には赤銅色をした二本のツノ。
下腹部には人間のサイズを遥かに超える巨大なイチモツが高々と隆起し、
まるで、その場所だけ、別の生き物であるかの如く、ビクビクと小刻みに脈打っている。
さらにもう一種類、巨人達の足元には、赤黒い体殻を纏った六本足の生物が蠢いていた。
大小それぞれ一対のガラス玉のような複眼、鋭く尖った下顎。
外見的な特徴だけを捉えれば、それは昆虫の一種にも見えなくはなかったが、
体長数十センチにも及ぼうかというそのサイズは、地球上に生息する虫達のものでは絶対にありえない。
(12)
『ヴオオオオッッッ!!』
雄叫びを上げる異形の巨人。
丸太のような野太い腕がうなりを上げて襲い掛かってくる。
反射的に跳ね飛び、かろうじて難を逃れる優子。
背後にあったコンクリート製の円柱に拳がめり込み、砕け散った無数の破片が周囲に飛び散る。
転んだ拍子に、何処かを強く打ちつけてしまったようだが、
ショックのあまり、感覚が遠退いたのだろうか、痛みは殆ど感じなかった。
「ぐわぁあああッ!!」「ひぃいいいッ!!」
その場に居た人々の多くは、彼女ほど幸運に恵まれてはいなかった。
巨人の拳によって、頭を叩き潰され、背骨をへし折られ、
あるいは、巨大昆虫の下顎に喉笛を喰いちぎられ、はらわたを抉られて、
脳漿と血煙と内臓を撒き散らしながら、次々に倒れていく乗客たち・・・・。
僅か一、ニ分の間に、地下鉄駅の構内は、一面、血の海と化し、
断末魔の呻きと咽せ返るような血臭が充満する地底の地獄へと変貌を遂げていく。
(13)
「ぐッ・・・・ううッ」
こみ上げてくる嘔吐感を必死に堪えながら、起き上がろうと足掻く蒼髪の少女。
――――と、破砕されたコンクリートの粉塵で真っ白になったその背中に、黒い影が落ちる。
『ゴァアアアア――――ッッッ!!』
今度こそ逃がしはしないぞ、とでも言ったのだろうか、
怪物は、ギラギラと輝く両目に、明確な殺意を滾らせながら、ゆっくりと間合いを詰めてくる。
冷たい恐怖に心臓を鷲掴みにされた優子は、ヘビに睨まれたカエルのように、その場にへたり込んだまま、
ガクガクと震え慄くばかりで、もはや、逃げ出す事すらおぼつかなかった。
「だ・・・・誰か・・・・たす・・・・け・・・・」
迫り来る死の気配を前にした少女に出来る事と言えば、
幼児のようにイヤイヤをしながら、かすれかかった声で、来る筈の無い助けを呼び続ける事だけ。
塵埃と血泥にまみれ、見る影も無く汚れきった紺青色のスカートの下、
しなやかさと適度な充実感とが同居する白い太腿の間で、プジュジュゥゥゥッ、と情け無い音がしたかと思うと、
微かなアンモニア臭を漂わせる生温かい液体が滲み出し、プラットホームの上に黄金色の水溜りが出来ていく。
(14)
『グォオオオッッッ!!!!』
すでにたっぷりと血糊がこびり付いている拳を固め、猛然と振りかぶる黒い巨人。
蒼髪の少女はと言えば、今まさに、脳天へと振り下ろされようとしている死の一撃をよける事すら叶わず、
その様子を、涙でぼやけた瞳でただ茫然と見上げている事しか出来ないでいた。
――――どうして・・・・なぜ、わたしがこんな目に・・・・!?
こんなの・・・・理不尽すぎるわ・・・・一体、わたしが何をしたっていうのッ!?
・・・・無論、その問いに答えてくれる者など誰も居なかった。
代わりに、鼓膜に飛び込んできたのは、放物弾道を描きながら急降下してくる拳の風切り音。
瞬間的に発生した凄まじい拳圧で吹き煽られた長い蒼髪が、バサァッ、と勢い良く四散し、
鼻腔から侵入した強烈な血の臭いが充満してしる頭の中が、脳震盪を起こしたかのようにグラグラと揺れ動く。
(15)
・・・・ああ、わたし、死んじゃうんだ・・・・。
――――――――そう思った、刹那。
(・・・・ケトリナサイ・・・・ユウコ・・・・)
耳元で、誰かの『声』が聞こえ、ほぼ同時に、目の前で白い光が弾ける。
物凄い勢いで膨らんでいく、輝きと熱・・・・
瞳を射られて、思わず、瞼を瞑ろうとしたその瞬間、
反射的に突き出していた右手の先が、途轍もなく熱い、『何か』へと触れた。
『ゴガァアアア――――ッッッ!!』
「・・・・ッ・・・・やめてえェェェ!!!!」
凄まじい大音響・・・・瞼の裏まで灼き尽くす閃光・・・・そして、あらゆる物を薙ぎ倒す、強烈な衝撃波・・・・!!!!
(16)
「・・・・はぁッ、はぁッ、はぁッ」
吹き付ける熱風。
喉の奥がヒリヒリする。
息が苦しい。心臓が張り裂けそう・・・・。
(・・・・まさか・・・・わたし・・・・まだ生きてる・・・・の・・・・?)
きつく閉じていた両の眼をおそるおそる見開く優子。
まず視界に飛び込んできたのは、濛々と立ち込めた灰色の爆煙と、
切れ目から垣間見える、無残に破壊され、内部の鉄筋が剥き出しになったコンクリートの柱。
その根元にうずくまる、何か小山のような物体の影・・・・あの怪物だ。
「・・・・えッ・・・・こ、これってッ!?」
漆黒の巨体は生気を失い、コンクリートの瓦礫の中に半ば埋もれていた。
分厚い胸板には、背中まで達する空洞が深々と穿ち抜かれ、
焼け焦げた肉の間からは、シュウシュウと白い煙が立ち昇っている。
・・・・そして、それよりも手前、爆圧で裂けちぎれた片袖の中から突き出す、しなやかな右腕の先には・・・・。
(17)
(・・・・・・・・け、剣ッ!?)
突き出したままの手指の向こう、空気以外は何も存在しない筈の空中に静止している、光り輝く一振りの剣。
長さも形状も、先刻目にした麗子の剣に酷似していたが、
鍔元と握りの部分は、鈍く輝く黒金の光沢ではなく、燦然たる黄金色の輝きを帯びており、
そのせいだろうか、彼女の持っていたものとは随分異なる、清冽な雰囲気に包まれている。
『・・・・優子』
唐突に、響き渡る女性の言葉。
驚いて周囲をキョロキョロと見回した少女は、
しかし、すぐに、ハッ、として動作を停止する。
(これって、声じゃない・・・・頭の中に、直接、聞こえてくる・・・・それに、この感じは・・・・!!)
『そうです・・・・優子。これを受け取りなさい』
どこまでも澄み渡った青空の如く、清らかで、力強い、
それでいて、決して高圧的には聞こえない、慈愛に満ちた優しい調べ・・・・。
その響きは、紛れも無く、毎夜、夢の中に現れて自分を呼んでいた、あの不思議な女性のものだった。
(18)
『ヴェカンタの昂りを、これ以上野ばなしにするわけにはいかないのです。
・・・・あなたにはそれを正す資格がある』
「ヴェカンタ?資格?・・・・何のことなの?」
相変わらず、話の内容は分からない事だらけだったが、
少なくとも、その口調からは、邪まな欲望や底暗い企みの存在は感じ取れなかった。
むしろ、(理由までは分からないが)自分を励まし、勇気付けてくれる、強い思いやりが見て取れる。
『さあ・・・・剣を取りなさい』
『声』に後押しされ、優子は、改めて、目の前に浮かぶ剣へと視線を走らせた。
本当にこれで何かを斬る事が出来るのだろうか?と思えるぐらいの華奢な刀身。
澄み切った白銀色のそれは精妙な霊気を湛えており、
武器というよりも、むしろ、何かの儀式に用いられる祭具のような風格が備わっている。
・・・・そう、ただ人や物を傷付け、死と破壊をもたらすためではなく、
何かもっと大事な目的に用いるために生み出された、神聖な存在・・・・。
(19)
(・・・・ゴクリ)
なお躊躇いを残しつつも、少女の手はゆっくりと剣の握りへと近付いていく。
小刻みに震える指先が繊細な装飾の施された柄に触れたその瞬間、
刀身を包む白銀の光芒が、より一層、輝きを増し、
髪の毛がチリチリするような感覚が、全身を包み込んだ。
一瞬、ビクッ、と全身を痙攣させた蒼髪の少女だったが、不可思議な波動はすぐに消え去り、
後には、何とも言えぬ爽快感と充実感が漲っていた。
打撲の痛みも筋肉の疲労も嘘のように掻き消えて、身体全体が弾むようにリフレッシュしている。
――――ヒュンッ!!
気が付けば、優子は、黄金の剣柄を握り締め、軽く試し振りをしていた。
外見は頼りないとはいえ、鍛え上げられた鋼の塊には違いないのだから、と、相当な重さを覚悟していたものの、
予想に反し、両手に感じる重量は殆ど無く、まるで紙で作られているかのように軽々と扱う事が出来る。
しかも、これまでの人生の中で、刀剣など手を触れた事すら無いというのに、
剣を手にする事への抵抗感は全く起こらず、
むしろ、不思議と気分が落ち着いて、感性が研ぎ澄まされていくようだった。
(20)
『ゴァアァアァアァッ!!』
再び響き渡る、割れ鐘のような雄叫び。
ハッ、となって、声のした方を振り返ると、
先程の巨人と同じ背格好の、黒い肌の怪物たちが数匹、
仲間を殺された怒りに全身を戦慄かせながら、一斉に突進してくるのが目に映った。
直後。
思考が追い付くよりも遥かに早く、優子の手足は新たな事態への対応を果たしていた。
両手でしっかりと握り締めた剣を上段に構え、手の平に意識を集中する。
鍔元に嵌め込まれた深紅の宝石が、一瞬、燃え上がるような輝きを放ったかと思うと、
細身の刀身全体が、限りなく清浄な、そして、力強い光によって包み込まれた。
「ハアッ!!」
裂帛の気合と共に振り下ろされる、聖なる刃。
切っ先から撃ち出された白い光条が、幾つもの光の弾丸となって、迫り来る怪物たちの横隊へと襲い掛かる。
各々の標的にあやまたず命中した光の飛礫は、彼らのどす黒く濁った皮膚を呆気ないほど容易く切り裂くと、
肉を抉り、骨を断ち、本来この世界にあってはならない、邪悪な生命に終止符を打ち下ろした。
(21)
「体が軽い・・・・!まるで自分の体じゃないみたい・・・・」
自らにもたらされた未知の力に驚き、そして、興奮を覚える優子。
高揚感に包まれた身体の中を、エネルギーに満ち溢れた波動が熱い血潮となって駆け巡り、
躍動が細胞の隅々にまで行き渡っていくのが分かる。
スピードもジャンプ力も、まるで陸上五輪の選手にでもなったかのように格段に向上しているし、
視覚や聴覚をはじめとする五感も、判断力や思考力さえも、ほとんど人間離れした水準にまで冴え渡っていた。
「てやぁああッッッ!!!!」
迸る感情に身を任せた少女は、広大な地下鉄の構内を縦横無尽に駆け抜ける。
狩る側の立場から一転、狩られる側の立場となった巨人や巨大昆虫は、
彼女の右腕が振り下ろされるたび、銀色の光に撃ち抜かれて次々に倒れ、物言わぬ骸と化していく。
純粋な体力勝負であれば、怪物たちも決して一方的に不利という訳ではなかったかもしれないが、
素早さや正確さを含んだ総合的な戦闘能力において、彼らは到底優子の敵ではなかった。
一箇所に留まらず、常に走り続け、攻撃の狙いを定めさせない青髪の少女を、異形の者共は追尾しきれず、
したたかな逆撃を喰らって、一匹、また一匹と打ち倒されていく。
(22)
・・・・だが、勝負は容易には決しなかった。
いくら圧倒的な実力差があるとはいえ、優子が、たった一人なのに対し、
異形の生物達は、倒しても倒しても、何処からとも無く湧き出してきては、
恐れも躊躇いも一切無しに、延々と闘いを挑んでくる。
脱出方法はと言えば、階段もエレベーターも一つ残らず破壊し尽くされ、
地上に続く通路自体、崩落した瓦礫に埋まってしまっていて、これも不可能と言う他無い。
・・・・少女に残された道は、戦場を離脱し、線路伝いに数キロ離れた隣接駅を目指す事だけだった。
――――はぁッ・・・・はぁッ・・・・はぁッ・・・・。
点々と連なる非常電灯を頼りに、薄暗い地下の通路をひた走るセーラー服の少女。
その後ろには、執拗に追撃を試みた怪物たちの死体が累々と連なっている。
普段、地下鉄に揺られて通学している際には考えた事も無かったが、
トンネルという場所は決して歩き易い所ではなく、
足元と背中の両方に絶えず注意を払いながら進むのは想像以上の難行軍だった。
どうにか追っ手を振り切る事が出来た、と実感できるようになった頃には、
剣によってもたらされた高揚感も過去のものとなり、
肉体的にはともかく、精神的には相当な重圧を感じるまでに至っていた。
(23)
「どうしよう・・・・何でこんなことに・・・・」
靴底が抜けかけて酷く歩きにくくなっていた足を止めて、荒々しく肩で息をする優子。
青白い線路灯の光に照らし出された横顔は沈鬱に翳り、
先刻までの溌剌とした充実感は何処かに掻き消えてしまっていた。
流れ出る汗でベトベトになったセーラー服が肌に纏わり付いて不快な事この上なく、
下半身からは、息を吹き返した失禁の感触が、虫唾の走るような悪寒を伴い、這い登ってくる。
「・・・・・・・・」
無言のまま、手に持った剣へと視線を落とす蒼髪の少女。
・・・・薄青色の瞳をよぎる、怯えと疑惑の深い影。
これまで、自分を守り、庇護してくれる存在とばかり思っていたのだが、
はたして、それは本当なのだろうか・・・・?
もしかしたら、事実は全く逆で、この剣こそが全ての怪異の元凶だったのでは・・・・?
(24)
ガシャン!!!!
ブルブルと震える細い肩を、ひしっ、と掻き抱きながら、
蒼髪の少女は、線路の上に投げ捨てた冷たい鉄の塊から顔を背けた。
目元には大粒の涙が浮かび、頬筋は凍えついたかのように引き攣っている。
「家に・・・・帰らなきゃ。
熱いお風呂に入って、一晩ゆっくり寝て、それから・・・・それから・・・・」
しどろもどろになりながらも、優子は、
これは、夢か、あるいは、性質の悪い幻覚に違いない、と、必死に言い聞かせようとする。
・・・・あの怪物も、不思議な声も、何もかも幻想の産物に他ならないわ、
・・・・だって、ほら、そんな事が、現実に起きる訳が無いじゃない。
・・・・鉄筋コンクリートの壁や柱を素手で破壊する、ゴリラみたいな生き物?
・・・・頭の中に直接響いてくる女の人の言葉?
・・・・宙に浮かんだ剣を掴んだ途端、漫画の主人公みたいなパワーを授かるわたし?
――――だが、(彼女にとっては不運な事に)その努力が実を結ぶ事は決してなかったのだった。
(25)
・・・・ズンッ!!
すすり泣く少女の耳に飛び込んできたのは(またしても)重々しい地響きの音。
一瞬、あのゴリラのような怪物がしつこく追いかけてきたのか、と背後を振り返った優子だったが、
足音は、後方からではなく、前方から近付いてきており。
何より、先刻の黒い巨人とは比べ物にならない、凶悪なまでの存在感を放っていた。
「・・・・な、何・・・・?」
擦り切れ、薄汚れた袖口で、目元をゴシゴシ擦りながら、トンネルの奥を凝視する蒼髪の少女。
しばらくして、漆黒の闇の中に浮かび上がったのは、
ほとんど天井に頭が届きそうなくらいの身の丈に、
それと同じ、否、更に発達しているかもしれない肩幅を有する、巨大な筋肉の塊。
これまで倒してきた怪物たちが子供にしか見えない、恐るべき巨体の持ち主を前にして、
思わず息を呑んだ彼女は、次の瞬間、放り捨てたばかりの剣に、無我夢中で飛びついていた。
(26)
『あのお方もお人が悪い・・・・』
小山のようなその身体を覆っているのは、筋肉の鎧と重厚な外骨格。
加えて、要所要所に分厚い装甲板まで張り付けたその外観は、
まるで、昔の戦争映画に登場する重戦車のような威圧的な重々しさに満ちている。
『こんな小娘相手に、わざわざこのガイーダを呼び出されるとは』
ずんぐりとした胴体の上には、平べったい頭部と仮面のような奇怪な顔面。
目や口をはじめとするその造作は、逞しすぎる肉体に似ず、面相筆で描かれたかのように細かった。
太くがっしりとした四肢は、脚部よりも腕の方が若干長く、
そのせいか、姿勢は、常に少し前に屈み気味で、まるで獲物に飛びかかる直前の肉食動物のようである。
(・・・・ま・・・・まさか、喋れるの!?)
そして、何より優子の心を寒くしたのは、
歪んだ笑いを湛えた唇から漏れる、ぞっとするような囁きだった。
勿論、『ガイーダ』と名乗った異形の怪物は人語を操れる訳ではなく、
発しているのは、唸るような不気味な囀りに過ぎない。
だが、耳に入ってきた時点では、間違いなく、判別不明だった筈のその奇声は、
如何なる仕組みによるものか、頭の中に達した時点では、紛れも無い『言葉』として把握されているのだった。
(27)
「いや・・・・あ・・・・こ、来ないでェ・・・・!!」
だが、相手が人語を解する存在であると気付いた事は、
優子を安心させるどころか、その怯えをますます深刻化させただけだった。
この恐ろしげな筋肉の化け物が友好的な接触を望んでいるとは思えない以上、
腕力や体力だけに留まらず、一定以上の知能をも有するのだという事実は、
彼がその分だけ余計に危険な存在である、という意味に他ならない。
・・・・事実、ガイーダは、(少なくとも、この時点においては)眼前で怯えすくむ少女に対して、
殺意以外の感情は全く持ち合わせてはいなかったのだった。
『・・・・あのお方の命令は絶対だ。お前にはここで死んでもらおう』
くぐもった声で呟きを漏らすと、巨獣は長い両腕を胴の前で交差させ、次いで、上半身全体を前屈させた。
筋肉と装甲版が、ギシギシ、ミシミシ、と不気味に軋み合い、
怪物の巨体が、動物園のアルマジロのように丸まっていく。
目の前で繰り広げられる奇怪な変容に、恐怖も露わに見入っていた少女は、
巨大な車輪と化したその体が、ゴォォォッ、と凄まじい音を上げながら回転を始めると、
本能的に危機を察知して、手にした剣の切っ先へと意識を集中した。
(28)
――――だが・・・・。
「・・・・き、効かないッ!?」
放たれた光の弾丸は、高速で回転する黒い車輪を捉えたまでは良かったものの、
その表面で弾かれ、本体には何のダメージも与えられないまま、空しく四散していく。
信じ難い光景に色を失い、逃げ出す事も忘れてその場に立ち尽くす蒼髪の少女。
・・・・我に返った時には、巨大な殺人ヨーヨーと化したガイーダの体が目の前に迫っており、
すでに、回避はおろか、直撃を免れる余裕すら存在しなかった。
「あぐぅううッッッ!!!!」
為す術も無く跳ね飛ばされた全身を凄まじい衝撃波が貫き、
荒々しく唸る風圧が、カマイタチのように着衣を切り裂いた。
捲れ上がりズタズタに引き千切れた、紺色のスカートの中から、
生白い太腿が剥き出しとなり、失禁の痕も生々しいコットン地の下穿きが露わとなる。
地球の引力に引かれたその身体が線路の上に叩き付けられた直後、
ギギギィィィィ、という恐ろしい金切り声を上げながら、真っ黒な車輪がUターンしてくると、
哀れな少女の五体は再び宙を舞い、今度は数メートル離れた壁面に背中から叩き付けられてしまった。
(29)
「・・・・ッ・・・・うぐ・・・・ぁ・・・・」
全身の骨が粉々に砕けるかのような凄まじいショック、
一瞬遅れて、『激痛』などというありきたりの言葉では到底言い表せない痛覚の大波が、優子を襲う。
気管が詰まり、呼吸が停止し、悲鳴を上げる事すら叶わなくなった蒼髪の少女は、
灰色の靄に包まれた意識の中、力を失った自分の体が、ズルリ、と壁面から剥がれ落ち、
冷たいコンクリートの地面の上へ崩れていくのを、ただ茫然と眺めているしかなかった。
『ククク・・・・』
攻撃形態への変形を解除し、本来の姿へと戻ったガイーダの視線が、
地面にうつ伏せに倒れた傷だらけの獲物の上に、冷たく注がれる。
真っ白な埃をかぶり、見る影も無くクシャクシャに乱れた蒼髪、
両袖とも千切れて、ノースリーブ状態になったセーラー服、
すでに衣服としての態を為しておらず、ボロきれ同然の惨状を晒しているスカート。
・・・・だがしかし、その右手は、(無意識のうちに、ではあったが)未だ黄金の剣柄を握り締めたままだった。
(30)
『どうした、お前の力はその程度か?
そんな事で、このわしのアースクエイクに耐えられるかな?』
湾曲した鋭い鉤爪をギラギラと輝かせながら、倒れ伏した少女をねめつける魔生物。
ホッケーマスクのような無機質な顔面には、嗜虐欲に満ちた笑みが満ち溢れていた。
・・・・夢幻界の女王から与えられた加護があるとは言え、
満身創痍、動く事さえままならない有様のこの小娘が、
暗黒の支配者からも賞賛される、自らの最強奥義を受けて五体満足でいられるとはとても思えない。
(フフフ、ヴァリアに選ばれた<戦士>・・・・首を捻じ切る前に、その肉体を味わってみるのも悪くない)
戦場で捕えた夢幻界の女共と同じく、自慢のイチモツを捻じ込んだならば、
文字通りの意味で『昇天』しまいそうな様子の細いカラダだが、
よくよく観察すれば、そこには、彼女達には無い肉感的な豊かさの気配が見て取れる。
抹殺命令が下されている以上、最終的に生かしておくつもりは毛頭無かったが、
その事に気付いたガイーダにとって、目の前の人間界の娘はもはや単なる標的ではありえなかった。
恐るべき怪物は、優子を睨み据えたまま、両腕を地面へと突き立てると、
手指の先に精神を集中して、全身を流れる暗黒の瘴気を大地の底へと送り込む。
(31)
――――轟音。
怪物の手元から発せられた邪悪なエネルギーが、地面の下で指向性を持った波動となり、
線路の敷石が捲れ上げ、活断層のような亀裂を発生させながら直進する。
特殊鋼で出来たレールが、地中に埋設された鋼鉄製の計器類が、まるで飴細工のように寸断され、
大量の土砂と共に噴き上がって、身動き出来ない優子へと襲い掛かった。
「きゃああああッ!!!!」
絶叫とともに、みたび、空中へと放り上げられた彼女の右手から、
白銀の輝きを帯びた細身の剣が零れ落ち、瓦礫の中へと吸い込まれていく。
空中で2,3回、クルクルと回転した後、人工的な地震によって形成された陥没孔の中へと落下した少女は、
地面へと叩きつけられた時のショックで白目を剥き、動かなくなってしまった。
(32)
『フハハハハ、他愛もない・・・・。
まぁ、ただの人間にしてはよくがんばった方だが』
濛々と立ち込める土煙。
地中に半ば埋もれた形で失神している優子へと近付いたガイーダは、
敗北者のブザマな格好に容赦ない嘲笑を浴びせながら、
華奢な足首を無造作に掴み、土砂の山の中からその身体を引き摺り上げる。
『クククク』
異形の怪物の好色な眼差しが、逆吊りにした少女の肢体を舐め回す。
無残に破れて捲れ上がった、セーラー服の胸元からは、Cカップの乳房を包んだブラがまろび出ていたが、
持ち主の性格を反映してだろう、決して派手なものではない。
一方、ショーツの方は、万事控え目なファッション感覚の持ち主の彼女にしては幾分背伸びをした感のある、
レース飾りを大胆にあしらった大人びたデザインのものだったが、
今や、大きく広がった排泄液のシミとアンモニア臭によって悲惨な状況に陥ってしまっていた。
(33)
『それにしても、本当にコイツがヴァリアに選ばれた戦士なのか?
・・・・だとしたら、夢幻界の連中も、相当ヤキが回っているとしか思えんな』
独りごちながら、ガイーダは、鋭く尖った爪の先をぎこちなく操り、
気を失った獲物に残った衣服の残骸を切り刻んでいく。
歴戦の士である彼にとっても、人間界の女をモノにするのは初めての経験だったが、
これまで観察した限りでは、衣服や所持品はともかく、身体の基本的な構造は、
今までに戦場で捕らえ、獣欲の贄に供してきた異世界の女達とさほど変わらないように見えた。
――――プツリ。
大きくはだけられたセーラー服の下、純白のブラが真っ二つに切り裂かれて、
中から白桃色をした一対のふくらみが姿を現わす。
白く輝く汗の粒に覆われた乳房は、
この年代の少女のものとしては、平均よりもやや豊かなサイズで、形状も色艶も申し分なかった。
それぞれの小山は、一番上に淡いピンク色をした小ぶりの乳輪を頂き、
その中心には、小指の先程度に身を尖らせた可愛らしい乳首が屹立している。
(34)
『フン、大きさはまあまあ、だな』
ニィィ、と唇の端を吊り上げる異世界の怪物。
彼の生まれた世界――――暗黒界という名の、夢幻界とは対を成す時空――――の女たちに比べて、
ボリュームや(多少乱暴に扱っても大丈夫か否かという意味での)バイタリティの点では劣るものの、
夢幻界の女達の平均よりは上であり、皮膚の肌理の細やかさや瑞々しさは彼女達に引けを取らない。
むしろ、彼女達の肌が、白い、というより、薄い、と形容する方が適切な、繊弱な代物であるのに対し、
目の前の少女のそれは、非常に健康的で、光り輝くような躍動感に満ちていた。
『・・・・こっちの方はどうだ?』
口腔内に滲み出す唾液の分泌量が急速に増大していくのを感じつつ、
ガイーダは、適度にくびれた脇腹の下、しなやかな二本の太腿に挟まれた場所を覆う薄布へと指を伸ばす。
摘み上げられ、引き伸ばされたお気に入りのショーツは、
すぐに耐久力の限界に達して、弱々しい悲鳴を上げながら千切れ落ちてしまった。
露わになったのは、まだ恥毛も十分生え揃っていない、未成熟な果実。
失禁の名残りなのだろうか、それとも、別の要因によるものなのだろうか、
外気にさらされた優子の最も恥かしい場所は薄桃色に蒸れ上がり、じっとりと濡れそぼっている。
二枚の肉花弁は、一ミリの隙間もなく、ぴったり閉じ合わさっているものの、
それ自体の体積は、明らかに通常の状態よりも増大してしまっており、
あまつさえ、先端にある小さな肉莢が半ば捲れ上がって、ぷっくりと脹らんだ真珠玉が見え隠れしていた。
(35)
『フフフ・・・・どれ、味見といこうか』
暴き立てられた秘密の花園に、能面のような顔を、ぐぐッ、と近付けるガイーダ。
アンモニア臭と甘酸っぱい汗の匂いが入り混じった複雑な芳香が鼻腔をくすぐると、
戦闘によって昂ぶっていた嗜虐心が更に掻き立てられ、強烈な牡の欲望がこみ上げてくる。
唇の無い口元から、赤茶けた色の異様に細長い舌先を突き出した彼は、
ザラついた表面を柔かい恥毛の草叢へと押し当て、ゆっくりと動かし始めた。
・・・・ぴちゃッ・・・・ぴちゅッ・・・・ぴじゅるッ・・・・!!
ヌルヌルとした唾液をたっぷりと含ませた舌先が、
ぷっくりと隆起した恥丘の稜線を丹念に舐め上げる。
気を失っているためだろう、女体の反応はあまり顕著なものとは言えなかったが、
それでも、時間の経過に伴い、優子の、未だ男の味を知らない陰唇粘膜は鮮やかさを増し、
次第に、ピクッ、ピクッ、という微細なわななきが表面に現れるようになっていく。
それに気を良くした暗黒界の魔将は舌先の動きを加速させ、
同時に、より大胆なストロークを用いて、少女の肉花弁を本格的に責め立て始めた。
(36)
「・・・・ッ・・・・ん・・・・う・・・・うんぅ・・・・」
美しい獲物から漏れる、断続的な呻き声。
性感の回復は、(おそらくそれが無意識の領域に属するためだろうが)意識の回復よりもずっと早く、
すでに、平常時とさほど変わらない水準にまで復帰していた。
『クククッ、ビラビラが開き始めたな・・・・蜜もジュクジュクと滲み出てくる。
・・・・おっと、気付かないうちに、こっちの方も皮が剥けかかっているではないか!?』
欲情の高まりを反映して、ガイーダの息遣いも次第に荒々しい調子へと変化していく。
ギラギラと輝く眼差しの先では、ザラザラとした舌先の感触に根負けした肉扉がおずおずと口を開き、
異性のイチモツを咥え込んだ事のない、真っ新な膣口が曝け出されていた。
思わず、ゴクリ、とツバを呑み込んだ怪物の股間でも、
人間界の平均的な成人男性の数倍に達するサイズの生殖器官が逞しく聳え立ち、
熱く煮え滾りながら、突入のタイミングを今や遅しと待ちわびている。
「・・・・はッ・・・・くッ・・・・うう・・・・んむッ・・・・ぁうう・・・・むあぅんッ・・・・!!」
執拗な、そして、巧妙なクンニリングスによって送り込まれる快感のパルスは、
悪夢の中に閉じ込められた優子の心を絶えず揺すぶり動かし、
悪夢よりも更におぞましく、更に悲惨な現実への覚醒を促し続ける。
目覚めた先に待ち構えている非情な運命を想っての事だろう、
蒼髪の少女の目元からは大粒の涙がとめどなく溢れ、
鈍く輝く鉛色の小川となって、青褪めた頬を流れ落ちていくのだった・・・・。
――――――――to be continued.
以上、第一章をお送りいたしました〜。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜〜。
熟慮の末、とりあえず、今回、優子の処女喪失シーンは無し、という事にいたしました。
このままガイーダの男根によって破瓜を迎える事にするのか、
あるいは、次のボスキャラ(ギーヴァ?)に持ち越しにするのか、
はたまた、再会した麗子の指によって破かれてしまうのか、
本編(ZOL先生のコミック版)の第2回を読了した上で決定したい、と考えています
(個人的には、アイザードやベノンと絡ませるのが面白いかな〜、と思っているのですが)。
なお、次章以降の執筆は、なるべく今回と同じペースで展開していくつもりです。
第ニ章の発表は、11月中旬頃を予定しています。
それでは、今夜はこの辺りで〜〜。
追伸:
規制回避へのご協力、今回も誠に有難うございました。
GJです。
これ、好きですね。
読みだして、最初にプロフィールらしきのが書いてあって思い出したのと、初めて知ったのがあり
読みながら思わず( ̄ー ̄)ニヤっとしてしまいました。
最初のコミックに沿った文章はもし、『夢幻戦士ヴァリス』のノベルが有ればこんな感じだろうなと言うぐらい
コレはコレで面白く読まして頂きました。
ガイーダ先輩の凌辱の文面も昔、ゲームをして、ここで優子タンが敗北したら…
あんなことやこんな事されるんやろかと、モンモンとしていた厨房の頃の思いがかなった様で
個人的には大変よかったです。
是非次回も頑張って下さい。
GJです!
次回の展開に期待です!
いいところでの寸止め!
ヤッテクレル!
おつかれさまでした。
漫画のほうも楽しみですなー。
>>636 無理してリョナ・嗜虐系に行かない方がいいですよ。
自分も何回か書いてみたけど読み手の目と知識が肥えているから
中途半端な描写じゃ文句言われるし
かと言って上質のを書こうと思ったら拷問部屋とかの関連サイトの小説や
残酷な刑罰の歴史とかも勉強しなきゃならないし、とても生半可な気分じゃ
書けない分野だと思い知らされました。
今の作風で続けられる事を期待します。
>>676-679 ご意見・ご感想、いつも有難うございます〜。
本編の方、今日サイトが更新されて立ち読みが出来るようになっていました。
(やはり、と言うべきか)ガイーダは瞬殺、
その後、夢幻界に移動(or転生)して、
今回はザコ敵&触手生物との戦いがメインになるようです
(ガイーダの後のボスキャラ様が誰になるのか?は、現時点では不明
・・・・ゲームの順番なら、次はギーヴァのハズなんですが)。
>>ALL
現在、スレの残り容量が100KBを切っている状態です。
『3V』第2章の発表後(または、その前に、他の職人様が作品を投下して下さった後)、
次のスレに移行する必要があると思われますので、ご準備をお願いいたします。
681 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 04:22:15 ID:DEp/Py5g
今、ヴァリス・プロジェクトのページ見たら、
ValisProject#1って成ってる。
#1って事は、2以降も出るのかな?
ユーザの声が反映されたりしないかな^^
>>681 ヴァルキリーで連載してる漫画が#2だよ
ヴァルキリー明日発売日だけど痴呆在住の俺の近所の本屋に届くのは
恐らく27日頃だな。
東京圏在住の皆さん、感想待ってます。
ヴァルキリー読みました(ラg★゚∀。)ノ
ガィーダ兄さんは余りと言えば余りにも簡単にヌッコロされてしまいますねぇー
ヴァリア様の説明なかなか興味深いですねぇー
一番驚いたのは一面の一番最初に出てくる一つ目のザコ、
わたくし、今の今までゲームの中で奴は内臓を出して攻撃してくると
思ってましたが、触手やったとは(ラg★゚∀。)ノ
当時、何回奴の内臓攻撃で優子タンをやられさして
ハァハァしたり、やられた後どんな風に犯られるか妄想してハァハァしたか…
内蔵じゃないぞう
なんつって`;:゙;`(;゚;ж;゚; )ブッ
どうした686、内臓が内蔵されてないz`;:゙;`(;゚;ж;゚; )ブッ
度重なる部下の失態に怒ったメガスは自ら出陣し優子を捕え
皮を剥ぐよう命令した。
優子は縛り上げられて城門外に引き立てられた。
目の前に一箱の石灰と一山の稲わらが用意される。
「・・・何に使うの?」
という優子の問いに刑吏の魔物が
「これはお前に押し込める草だ」
と答えた。優子は激怒してどなりつけた。
「だとすれば、その草の一本一本が私の言葉であり、一節一節が私の熱情よ!」
程なく魔物が門のわきの階上に立ってメガスの旨意を伝え
優子に跪く様一喝した。
「ヴァリスの戦士である私が、何故、メガスなんかの命令に跪かなければならないの!」
優子はこう叫びざま中門まで走り、心中で仲間との永別の礼をとった。
魔物は優子を裸にして地面にねじ伏せ、背骨から臀部にかけて一気に小刀をいれ
皮膚を剥ぎ取るよう命じた。優子は
「死こそ生きる道、渾身これ潔白!」
と大声をはりあげメガスを痛罵し続けた。
四肢の皮が剥ぎ取られ、両の手足が切断されると、あおむけにされて胸部の皮に手がつけられた。
その時、優子の声は最早かすかであったがメガスへの罵りは止まなかった。
程なく首が切断され、優子は息絶えた。
メガスは従者に命じ、優子の皮を石灰汁につけた後、乾かして縫い合わせ
中に草をつめさせると、城門の楼閣の軒端に吊り下げさせた。
本編第2話読了しました〜〜。
・・・・やっぱり、ヴァリス・スーツは最高ですね。
暗黒五邪神(ガイーダ、ギーヴァ、アイザード、ベノン、ヴォルデス)とログレス陛下も、
(それぞれ1カットだけですが)ちゃんと描かれていましたし、
ラストにはPCE版2面の中ボスまで出現、と、ファンにはたまらない出来でした。
戦闘シーンの描写も迫力ある仕上がりで、御約束の触手生物も登場、
あれこれと想像力を掻き立ててくれました。
エロパロSSの第2章に関しては、現在、プロットを考えている状況です。
ガイーダはこのまま退場として、今章のメインはやはり触手でしょうね〜。
イヒイッッ……陣痛イイイッ……
本スレ落ちた・・・orz
>>692 確認しました。長く続いたスレだけに残念です。
これで、2ch上のヴァリス関連スレは、こことエロゲー作品板の『x』スレだけになってしまいましたか・・・・。
>>ALL
進行状況〜〜。
『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』エロパロSS第2章は、
現在の進捗率約20パーセント。
プロットの組み上げを完了し、第1稿の執筆に取り掛かっています。
現在、第1章のラストから続く部分(ガイーダと優子のHシーン)を書き終わって、
本編第2章の冒頭へと繋がっていく部分の文章を推敲しているところです。
11月中旬の発表までもうしばらくお待ち下さいませ〜。
―― 『ヴァリスX』は色々と話題にもなりました
A:良くも悪くも話題になってしまいましたね…、、『陣痛イィィ』とかw。
まぁ今回で言えば「元々コンシューマーの一般作だったものが18禁になる」というひとつの形が示せたのではないかと思います。
また、元々の『ヴァリス』ユーザーの世代を考えれば、もう30代にもなりますよね。
仕事で残業が忙しくてお店には買いに行けない、家族も居ればパッケージを積んでおくわけにもいかない。
そういう人たちが、ダウンロード販売自体に目を向けてくれるきっかけになってくれればいいなという思いもあります。
―― あの後、某所から某有名一般タイトルを18禁化できないかという話もありまして…
有:ぜひ勝負していって欲しいですね。
ダウンロード販売もボチボチ2年目に入って、過去作のお蔵出しも一段落着いてきたので、
そろそろ他のメーカーさんも「ダウンロード販売ってこういうものなんだ」って分かり始める時期だと思うので、
これからは新作がドンドン出てきて、結果として業界全体が盛り上がっていけばいいかなと思います。
まぁ、その辺イーアンツは昔から先走っちゃう傾向があると言うか…。
A:私らは駆け抜けて行きますよね、地雷原を(笑
表情に清純さのカケラもねぇw
あはは、これもプロジェクトの一環?
さすがにこれは違うだろw
プロジェクトに触発されて出てきた商品とは呼べるだろうけど
苦痛や快楽に顔を歪めると途端にオバハンになっちまう
演技を知らないから表情はリアルというよりシロウトさんだな
やっぱ三次元の限界かw
でも、120分のコスプレもので衣装ひとつって・・・
そのわりにタイトルが全然パロってないし
なんか別の力が働いている気がしなくもない
Xがほんとにヒットしてたならコレもヴァリスの名で出てたかも
なんて考えてみたが急速にどーでもよくなってきた
ま、レンタルにあったら借りてみっかな。
ジャンルに触手やキャットファイト入ってたら俺としては買うかもしんないw
>>694 どう考えても悪い話題しかないだろ。
エロは歓迎だけど悪ノリと志の低さでせっかくの金の卵を産む鶏を殺してしまったのは愚かとしか言いようがない。
イーアンツに永劫の呪いあれ。
麗子は出てくるの?
御神楽探偵事務所を思い出すな。アレはけっこう出来が良かったが。
御神楽はオリジナルを作ってた人が続編として手がけてるわけだし
御神楽は悪く無かったよ。垢抜けてなかっただけで。
進行状況〜〜。
「3V」エロパロSS第2章は、現在進捗率約50パーセント。
ガイーダが死に、ファタズム・ジュエリーの最初の欠片を手に入れ、
夢幻界に飛ばされてヴァリアと対面しているあたりまで書き終えています。
なお、優子がジュエリーを入手する場面は、
(そのままではあまり面白くないので)『エロパロ的解釈』を行って、
本編よりもかなりアダルトな描写に仕上げています。
完成・発表まで、あと約1か月ほどお待ち下さいませ〜。
>DVD
今度は実写ですか・・・・。
どうやら、公式とは無関係に製作されたもののようですが、
もしかしたらエロパロSSの参考になるかもしれませんので、
発売されたら購入してみるつもりです。
ベイビーエンタテイメント並にイカせまくりだったら買うかも>DVD
713 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 23:28:18 ID:AvIYEm5E
age
何かエロDVDとか出るみたいですが
記念プロジェクトで実写ヴァリスを作って欲しいのはわたくしだけでしょうか…
うーん優子タンは誰がいいかなぁ…Oo。( ̄¬ ̄*)
>>714 報告貼り付けイィッ!!w
>>715 ファーストから時代を何世代も飛び越えてますからねぇ
妄想だけなら結構古いヒトも候補に挙がるし
「MDのヴァリスの頃のあのアイドルの誰々」とかw
逆に今時の若い子に興味湧かないなぁ
全体的なレベルが上がっているけど、飛び抜けているヒトが居ない
やべっ歳がバレるって
俺の中ではスケバン刑事Uの頃の南野陽子が
718 :
sage:2006/10/22(日) 11:47:46 ID:K3fuZMS+
GIGAとかにネタ振ってみたらいいんでない?
脱がしてただSEXのグレイズと違ってエロでも戦闘シーンとか衣装も拘ってて、
フェチっぽいシチュを狙ってて結構好きなんだが。
非エロ実写なら同系列の禅ピクチャーズね。
sage間違いスマソ
あ〜、当時南野陽子は考えましたねぇOo。( ̄¬ ̄*)
今の子は…う〜ん。優子タンみたく清純で凛としたイメージの子は…
なかなか…居ないですよねぇ。個人的に贔屓も入れれば…ですが
釈 由美子かなぁ…Oo。( ̄¬ ̄*)
進行状況〜〜。
「3V」エロパロSS第2章は、現在進捗率約70パーセント。
いよいよ今章のメイン・イベント、触手陵辱シーンの描写に着手いたしました。
処女喪失まで持っていくかどうかは兎も角、
ねちっこく念入りに責め立てる方針ですので、ご期待下さいませ〜。
>実写版
私個人としては、優子役は『スティール・エンジェル』の冴城憂さんが適役ではないかと思っています。
スタイルも良いですし、演技力も結構しっかりしているイメージがありますので。
製作スタジオは、
>>718が仰っている通り、GIGAかZENピクチャーズが実力伯仲でしょう。
あとは(男優ではなく)麗子に責めを担当させ、
触手やスライムなどの小道具をきちんとそれらしく作ってくれれば満足です。
>>720 私も、やっぱり、優子は南野のイメージですね。
最近のアイドルの中にはそれらしい雰囲気の子が見当たらない、というご意見にも同感です。
・・・・外見的な特徴だけなら、似ている人もいない事はないんですが、
話し方とか仕草とか、内面から滲み出てくるものが、
どうしても自分の中の優子のイメージとは合わないんですよね・・・・。
触手バンザイ!!∩(´・ω・`)∩
完成を楽しみにしております。
このスレの住人に質問。
もし自分が魔物の王みたいな立場で優子が敵だったら
どんな風に対処する?
それともし捕まえたらどんな処置を施したい?
まず絶対に殺さないし完全な狂気にも陥らせない
常に一定レベルの理性と羞恥心を保たせながらじっくりと弄ぶ
うーん。罠ですな。罠を仕掛け油断さして罠に落とす
もしくは、守るべき人々か仲間に裏切られ
ザコいキャラ(私はザコキャラの方が…(・∀・)イイのですが)に
敗北、その後、じわじわといたぶり性奴に開発。
キャッチ&リリースかな
捕まえて調教、ただし完全に堕ちる前に逃がして
気力と理性を復活させる
その後も捕まえては巨乳化や射乳化したり、ヴァリススーツを、
バイブ2本付にして着るだけで挿入されたり、搾乳装置付のブラに
改造してじわじわと快楽の虜にしていく
最後は自分の城の王の間で、バイブやら射乳やらで力を発揮できない
優子を圧倒的な力で叩きのめしてから「自分に従えば今以上の悦楽を
与える」と適当なことを言ってそのまま性奴隷にする
>>721 冴城憂 での検索結果 16件 いったい何物なんだこの人
売れないアイドルの成れの果てじゃね。
ちっちゃなプライドのせいでAVは拒否った。
でも仕事が無いので仕方なく、みたいな。
730 :
724:2006/10/30(月) 22:21:49 ID:SeGWRTMI
レスどうもでした。
このスレの住人の方々の嗜好に興味があっての質問でしたが
苦痛系や拷問などのレスが無かったのには意外でした。
俺としてはクリ○ゾンコースにして欲しいのもある
『 優子ハード 』
麗子を救うの為に暗黒界に潜入する優子。
だが、それはログレスの巧妙な罠だった。
「優子のプライドは 私に崩される為に築いてきたんですものね」
「いつもの力が出せれば…こんなログレスなんかに…!」
「よかったじゃないですか クスリのせいにできて」
「んんんんんんんっ!」
「へへへ おい、剃刀を用意しろ。みんなでパイパンやる」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
「優子の生乳ゲ〜ット」
(いけない…!左乳首が感じやすくなってるのを悟られたら…!)
「生優子様の生×××を拝見してもよろしいでしょうか?」
「こんな奴らに…くやしい…! でも…感じちゃう!」(ビクッビクッ
「おっと、乳首に当たってしまったか。甘い痺れがいつまでもとれないだろう?」
とあるサイトで作ってみた(笑
ならば俺はこうだな
『 ヴァリス ハード 』
十数年の時を経て、復活したヴァリス。
だが、それはテレネットの巧妙な罠だった。
「ヴァリスのブランド力は 私に崩される為に築いてきたんですものね」
「昔のスタッフさえ居れば…こんなエロゲーなんかに…!」
「よかったじゃないですか 無理矢理な分割販売のせいにできて」
「んんんんんんんっ!」
「へへへ おい、ライターの”きもとべなたか”を用意しろ。みんな電波文にしてやる」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
「川合正起の生原画ゲ〜ット」
(いけない…!”もみじ”に比べて激しく絵が劣化してるのを悟られたら…!)
「生優子様の生ログレス融合エンドを拝見してもよろしいでしょうか?」
「こんな奴らに…くやしい…! でも…陣痛イイッ!」(ビクッビクッ
「おっと、30分で全クリしてしまったか。甘い過去の栄光の記録がいつまでもとれないだろう?」
>>732 >「ヴァリスのブランド力は
世界一ぃぃぃっッ!!かと思った
今検索してみたのだが○○ハード風に作れるサイトがあるとは知らなかったおw
今日、エロゲコーナーを覗いたら「PS2対応」って書いてあった
DVDゲーム?のヴァリスX優子〜麗子なるものがあった。値段は5000ぐらいでPC版と別に置いてあったが
中身は例のひどい奴かなぁ…
ひどい 。゚(つд`)゚。
そんなに酷いのかw
進行状況〜〜。
「3V」エロパロSS第2章は、現在の進捗率約90パーセント。
ただいま最終調整段階です。
今週中にはちょっと無理ですが、
来週の中頃には発表可能な状態に持っていく事ができると思いますので、
もうしばらくお待ち下さいませ〜。
>>728 少し分かりにくい例で申し訳ございませんでした。
冴城憂は、
>>729が書いていらっしゃる通り、グラビア系出身のAV(?)女優です。
出演作品(ZENピクチャーズの『スティール・エンジェル』)を見た限りでは、
(ルックスもですが)演技力もそこそこあるな〜、と感じたんですが・・・・
(勿論、本職の女優さんに比べたら、演技の質は落ちますが)。
まあ、GIGAかZENピクチャーズ制作で「ヴァリス」の実写版を作るとしたら、
個人的に、せめてこれぐらいの人は使って欲しいな〜、といった意味合いで出した名前です。
>>ARCH DUKE
文章上手いのだけど
どうもしつこい味で飽きてしまう・・・
書いてくれるのはうれしいのだけど
どうもこう・・・パンチが効いてない希ガス。
いや…、俺の趣味にはど真ん中なんだから勘弁してくれ
742 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 04:58:49 ID:ZQt4zLuL
おう!俺の求めてるものとはうまく合致してるのでARCHさん引き続き楽しみにしてるぜ!
743 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 09:53:20 ID:gAxRzFBA
>718
禿同。GIGAにヴァリスもの作って欲しいねぇ
みんなで、BBSカキコするか(ワロタ
>>743 で、GIGAだけにスカトロで発売されてしまうオチですか?
皆様、ご意見有難うございます〜〜。
>>740 仰りたい事には私も心当たりがあります。
ただ、一度出来上がってしまった作風や文章の書き方を変えるのは、
そう容易に出来る事ではありません。
また、
>>741、
>>742の方々のように、
その作風や書き方を気に入って下さっている皆様もいらっしゃいますので、
おいそれとは変更できないという事情もあります。
もしも、どうしても、というのであれば、
私には足りない文章力・表現力を持っていらっしゃる職人さんを探して、
このスレへの作品の投下を御依頼なさってはいかがでしょうか?
>>740 ARCHさんしか職人がいないのに超ツマランこと書き込むな
嫌なんだったらここには来るな他へ池
>>ARCHさんへ
俺としては結構好きな作品ばかり書いてくれるから大変ありがたいよ
このまま続けてくれればいいから
スレが出来た最初の頃は職人が複数いたけど今は唯一の存在なんで
周りの批判は気にせずとことん突き進んで欲しい
ARCH DUKE氏が(麗子×優子)のSSで衝撃のデビューを果たしたのが、かれこれ4年前と記憶してます。
それ以来、ゲームと矛盾しない設定と濃密なエロスが渾然一体とした作風に、すっかり魅かれました。
実際、リアルタイムのテレネットファンからも、舞台設定への批判がほとんど聞かれないのは奇跡的とさえ思います。
ただ、性癖というのは貪欲なもので、濃厚な物語も繰り返し読めば次第に興奮が薄れていきます…
あと残念なことに、これは誰の責任でもないのですが、ARCH DUKE氏の登場以降、初期のSS職人諸氏が消えてしまったことも
>>740氏に物足りなさを感じさせるのかも知れませんね。
わがままをいわせてもらえば、もう一度、麗子の歪んだ愛情で優子を執拗に愛撫する場面が見たいです…
>>746 応援有難うございます。
アイデアが続く限り、作品を書き続けてつもりですので、
今後とも宜しくお願いいたします。
>>747 >もう一度、麗子の歪んだ愛情で優子を執拗に愛撫する場面が見たいです…
たしかに、最近は<暗>に染まった麗子を書いていませんね。
もっとも、この分で行けば、遅くとも来年中には「3V」の中で描く事になるでしょうから、
もうしばらくの間、お待ち下さいませ〜。
ヴァルナも……
>ARCHさんしか職人がいないのに超ツマランこと書き込むな
>嫌なんだったらここには来るな他へ池
なんだろね、この人・・・
お前も釣られて書き込まないで
スルーすればいいのでは、と思うんだよね。
こんなサイトだ、たまには変な奴も混ざるのは
仕方ないだろ?
それに一々反応していたら疲れるだけ、
アンタもそれを学んだほうがいい、マジで。
荒れているねぇ〜
ヴァリススーツ姿を、お父さんに目撃されてしまう優子さんとかどうだろう。
ヴァルナも忘れないであげてくだちぃ
>>753 変身シーンを弟に見られるSSなら保管庫にあるよ(未完だけど)
ヴァリススーツ姿の優子が十字架に磔にされてる画像とかない?
見たいですねぇ〜
優子タンの磔
わたくし、鬼畜スキーなんで
お待たせしました〜。
「3V」エロパロSS第2章、本日完成いたしました。
本日22:00から発表を開始いたしますので、
お手空きの方は連投規制回避支援をお願いいたします。
なお、現在、スレの残り容量が50KB以下となっています。
第2章の発表後、なるべく早い時期に新スレを立てて頂ければ幸いです。
大変お待たせしました〜。
只今より「3V」(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)エロパロSS第2章の発表を開始します。
なお、スレの残り容量はおそらく大丈夫だろうと予想していますが、
万が一、途中で容量オーバーとなった場合はご容赦下さいませ。
それでは、お楽しみください〜。
(1)
――――ビュオォォォッ。
霙まじりの凍てついた寒風が吹きつけてくる。
目の前には、天まで届くかのような高さの氷壁とその中腹にぽっかりと口を開けた岩の裂け目。
「ハァッ・・・・ハァッ・・・・」
真っ白な呼気のかたまりを吐き出しながら、雪の中に立ち尽くしている優子。
長く伸びた蒼髪が寒風に舞い上げられ、
首に巻いた深紅のスカーフと一緒になってバタバタとはためいている。
(・・・・どうして、わたしなの?
わたしは・・・・わたしは、ただの人間よ・・・・なのに、どうして・・・・)
ゴウゴウと吹き荒ぶ吹雪の中、幾度と無く耳を澄ませてみたものの、答えは何処からも返って来ない。
夢幻界を司る者、ヴァリア、と名乗った、あの不思議な女性の思念もすでに感じ取れなかった。
五感に伝わってくるのはただ、荒れ狂うブリザードの不気味な唸り声と、
その奥に隠れ潜んでいる、邪悪な何者かの気配だけ・・・・。
(・・・・いったい、どうして、こんな事になってしまったの・・・・)
(2)
(・・・・何か、近付いてくる)
希薄化した意識の中、得体の知れない汚濁した感覚だけが際限なく膨張し続けていた。
自分の身体に何が起きているのか、皆目見当が付かなかったが、
確認のために瞼を開くのは、とても恐ろしく思えてならない。
(ああッ・・・・い、いま、何かが脚を掴んだッ!?)
途轍もなく嫌な予感が少女を鷲掴みにした次の瞬間、
ビリリィッ、という弱々しい悲鳴と共に、股間を覆っていた布帛が剥ぎ取られる。
引き裂かれた薄布が、失禁の痕も生々しい白い太腿から剥がれ落ちていくのと同時に、
牡の欲望を滾らせた荒々しい吐息が、ぷっくりと隆起した恥丘の脹らみを淫靡に撫で回し始めた。
割り拡げられた脚を必死に閉じようとしても、心身に負ったダメージのせいか、まるで力が入らない。
もっとも、たとえ身体が意のままに動かせたとしても、怪物の前では無意味だっただろうが・・・・。
(3)
(・・・・ッ・・・・ひ、ひぃぃッ!!)
ベトベトとした唾液をたっぷりと絡ませたガイーダの舌先が、
しなやかに伸びた太腿の内側を、まるで味見でもするかのように、ベロリ、と、ひと舐めすると、
優子の心臓は跳ね上がり、今にも破裂しそうな勢いで激しく動悸を刻む。
鱗が剥げ落ちたヘビのようなグロテスクな感触、
加えて、表面を覆う不気味なビクビク感が、いやが上にも、不快感を掻き立て恐怖心を煽り立てる。
(や、やめてッ・・・・おねがい・・・・も、もう、これ以上はッ・・・・!!)
声にならない悲鳴を上げ続ける蒼髪の少女。
だが、怪物の舌は、ザワザワと粟立った乙女の柔肌を堪能しながら、
太腿から脇腹へ、更に下腹部へと、執拗に往復を繰り返す。
その先には、まだ完全に生え揃ってはいない、柔らかな下草に覆われた恥丘と、
中央に位置する、ぴったりと閉じ合わさったサーモン・ピンクの大陰唇が、不安げに顔をのぞかせ、
迫り来る嫌悪感にブルブルと打ち震えていた。
(4)
――――ぴちゃん。
赤黒くヌメった舌先が、身体の中で最も触れられたくない場所へと襲い掛かる。
その感触は、少女の理性をしたたかに打ちのめし、
どす黒く濁った絶望の底へと叩き落すのに十分なものだった。
衝撃のあまり、叫び声を上げようとした口元は奇妙な形に変形したまま凍り付き、
代わりに、手足はひきつけでも起こしたかのような激しい痙攣に見舞われる。
・・・・・・・・ぷちゅッ、びちゅるるッ!!
意識を失って以来初めてとなる激しい反応に満足したガイーダは、
嗜虐心と征服欲とをさらに昂ぶらせつつ、口唇の動きを加速させる。
単に表面を舐めるだけでなく、敏感な場所にザラザラとした舌を押し当ててこそいだり、
先端をドリルのように尖らせて花弁の隙間に捻じ込んだりと、
緩急と強弱とを織り交ぜた巧みなテクニックを駆使して、標的の堅い守りを崩そうとする暗黒の巨人。
性の経験に乏しい、というより、(ごく初歩的な自慰行為を除いては)皆無に近い彼女にとって、
その責めに耐え抜くのは、困難を通り越して到底不可能な事だった。
(5)
(あああッ・・・・ダメッ・・・・も、もう・・・・だめェッッッ!!!!)
ゾッとするような蠢きに打ちのめされた優子は、気も狂わんばかりの苦悶にのたうち回る。
つい先程まで、自分の身に起きようとしている悲惨な出来事を知るのが恐ろしく、
必死に閉じ合わせていた筈の両の瞼が、カァッ、と見開かれ、
凍りついた薄青色の瞳は、身体の上に圧し掛かっている醜悪な怪物の姿に釘付けになっていた。
もっとも、涙でぼやけた視界に映し出されるのは黒々とした小山のような影だけで、
今まさに陰唇の守りを押し破り、異性を知らぬ膣口へと突入しようとしている舌先も、
その背後で出番を待ち構えている巨大なイチモツも、判別する事は出来ないでいる。
(ひうぅッ・・・・た、たすけて・・・・誰か、たすけ・・・・あああッ!!!!)
執拗な愛撫に堪え切れず、綻びを生じ始めていた肉蕾は、
ほどなく、パックリ、と花弁を開き、大輪の花を開花させた。
ヌルヌルとした滴りが、曝け出された鮮やかな紅色の粘膜を滑り降りていくと、
はじめて味わう異性の体液に対して、本能的な興奮を覚えたのだろうか、
少女の腰は、ググッ、とせり上がり、子宮の奥で湧き立つ濃厚な牝臭を陵辱者の鼻先に撒き散らしてしまう。
――――直後、頭上に覆い被さってくる真っ黒な影を目にしたのを最後に、
彼女の意識は希薄化し、漆黒の闇の底へと引き込まれていった・・・・。
(6)
「フフフ、失神したか。他愛も無い・・・・ん?」
涎にまみれた長い舌を引っ込めたガイーダ。
代わりに、股間に聳え立つ肉の槍先を、無防備な恥裂にあてがおうとしたものの、
ふと違和感を感じて、動作を止めた。
「・・・・な、何だ、これはッ!?」
気を失ったまま、ぐったりと横たわる現実界の娘・・・・
その胸の上に、どこからともなく出現した無数の光の粒子が群れ集っていた。
驚いて目を瞠る暗黒界の刺客の前で、何万もの輝きはしなやかに伸びる全身を覆い尽くし、
さらに明るさを増しながら、幾つかの塊へと分かたれていく。
目の前で繰り広げられている異変の意味を悟ったのだろう、
愕然とした面持ちで手をどけた怪物は、二歩、三歩、と後ろに退いていった。
(7)
「バ、バカなッ!!・・・・だが、あの鎧はッ!?」
どこまでも清浄な光――――<明>のエネルギーに満ちた空間の中、
優子の体は、不可視の力に誘われて空中へと浮かび揚がり、次いで、直立姿勢で静止する。
鼻筋の通った端正な面立ちからは苦悶の色が消え去り、本来の柔和な微笑が舞い戻っていた。
汚らわしい体液は勿論、一切の穢れを拭い去られた色白な肌の内側では、
しなやかさとふくよかさ、二つの要素が絶妙の均衡状態を取り戻し、
背中では、腰まで伸びた艶やかな蒼髪がキラキラと輝きながらゆったりとなびいている。
幾つかの大きな塊に分かたれた眩い輝光は、やがて、各々、聖なる<鎧>へと形を変えていく。
さほど大きくは無いが形の良いバストの曲線に見事にフィットした黄金の胸当て。
精緻な装飾を施された黄金の飾り帯と、丈の短い純白のプリーツ・スカート。
加えて、同じく金色の色彩で飾られた、肩当てと肘当て、膝までを覆うロングブーツに、
ワンポイントとして、襟元を飾る真紅のスカーフ・・・・。
いずれも皆、金属特有の重苦しさも冷たさも全く感じさせる事無く、
柔らかな羽毛で出来たケープのように、少女の身体を優しく包み込んでいる。
(8)
――――伏せられていた瞼が、静かに持ち上げられる。
再び姿を現わした双眸からは、怯えも絶望も綺麗に消え去っていた。
薄青色の瞳の奥には、身に纏う甲冑と同じ黄金色の意志が炎となって燃え上がり、
先刻までとはまるで別人の如く、力強い視線を宿している。
「まさか、この小娘が、本当に<ヴァリスの戦士>だというのかッ!?」
戦慄に満ちたガイーダの問いに答えるかのように、
数条の光が足元の地面から溢れ出し、清浄な波動が周囲を祓い清める。
――――そして。
瓦礫の下に埋もれていた筈の<ヴァリスの剣>が、
刀身から白銀色の霊気を立ち昇らせながら躍り上がると、
まるで磁石のN極とS極とが引き合うかのように、彼女の右手にすっぽりと収まった。
(9)
『・・・・それこそが、あなたの戦士としての真の姿。
<ヴァリスの戦士>として選ばれた、本当の証し・・・・』
再び、頭の中に響き渡る、不可思議な<声>。
『戦士』という単語に引っ掛かりを感じて、意味を訊き質そうとする優子だったが、
思念の主はその問いには直接答えず、もう一度、同じ言葉を繰り返しただけだった。
「ま、待って、わたしが戦士だなんて、何かの間違いよ。
わたしに戦いなんて出来る筈が・・・・!!」
『あなたは選ばれた<戦士>。臆することはありません』
「そんな・・・・」
なおも食い下がろうとした彼女の耳朶を、
ギュゴオオオッ、という憎悪に満ちた轟音が激しく叩く。
振り向くと、怒りに表情を歪めたガイーダが、
全身を車輪状の攻撃形態へと変形させて、凄まじい速度で回転を始めていた。
(10)
「たとえ、夢幻界の<戦士>であろうと同じ事ッ!!
ログレス様のご意志に叛く者は捻り潰すのみ!!」
甲高い喊声を上げながら、殺人ヨーヨーと化した巨体が砂塵を巻き上げ突進してくる。
反射的に剣を構え、迫り来る黒い旋風を凝視する優子。
・・・・しかし、この状態の彼に対して、光の弾丸は通用しないという事実は、
先刻の戦いでしたたかに思い知らされている。
(貰ったッ!!)
切っ先を向けるだけで攻撃してくる気配の無い少女の姿に、
己れの勝利を確信した暗黒界の怪物は、一撃で勝負を決しようと一直線に突っ込んでくる。
鋼鉄と筋肉で出来た悪魔の大車輪に圧倒されたのだろう、
蒼髪の少女は、もはや、逃げる事すら忘れて、茫然と立ち尽くすだけ・・・・。
――――否、その筈だった。
(11)
「なッ・・・・か、かわした、だとォッ!?」
予想だにしなかった標的の行動に驚愕するガイーダ。
・・・・直後、今度は、どんな攻撃にも耐え抜ける筈の体殻に冷たい刃が刺し込まれ、
信じられない程の激痛が身体中を走り抜ける。
「グッ・・・・オオオッ!?バッ、バカなッ!!」
殺人ヨーヨーの突撃を紙一重の差でかわした蒼髪の少女は、
返す刀で、<ヴァリスの剣>の切っ先を、
回転する車輪の中心――――丁度、怪物の脇腹にあたる部分へと突き立てていた。
光の弾丸であれば防ぐのも可能だったが、
刀身そのものを直接刺突されてはさしもの重装甲も役には立たない。
分厚い腹筋の層を貫通し、内臓にまで達する深手を負った暗黒の巨人は、
ズズゥゥンッ、という山津波のような音を立てて、地べたへと倒れ込んでしまった。
(12)
「す・・・・すごい・・・・」
巨体から引き抜いた武器を握り締めたまま、優子は、半ば茫然と立ち竦む。
目の前の光景が、自分の手で成し遂げたものだ、という事実を呑み込めていないためだろう、
彼女の視線は、苦悶の喘鳴を漏らしながらのた打ち回っている傷負いの魔将と、
右手の先で白銀色の輝きを放つ細身の剣の間を行ったり来たりしていた。
『これが、あなたの中から発せられた力。
<ヴァリス・オア>の剣と鎧が、あなたの生動波を力に変えているのです』
「・・・・わたしの・・・・チカラ・・・・!?」
『声』に諭されてようやく、(少しではあるが)実感が湧いて来た。
と言っても、信じ難い――――あるいは、信じたくない、という思いは依然として大きく、
また、話の中に出てくる『ヴァリス・オア』だの『生動波』だのという言葉が全く意味不明な事も手伝って、
少女の混乱は終息する気配を見せず、むしろ、以前にも増して酷くなってしまったのだが。
・・・・・・・・だが、それも、すぐに終わりを告げる事になる。
(13)
「く・・・・喰らえッ!!アース・クェ・・・・!!」
脇腹に開いた傷口からどす黒い体液を飛沫かせながらも、
悪鬼そのものの形相で立ち上がり、必殺の地震波を繰り出そうとする暗黒の巨人。
両の拳を地面に押し当て、暗黒の気を流し込もうとした、その刹那――――。
(させないッッッ!!!!)
反射的に飛び出した<ヴァリスの戦士>は、
大地に突き立てられた両腕を狙い、手にした武器を一閃させた。
肉が断ち切られる鈍い音・・・・、
両断された腕が宙を舞い、切り株のような傷口から濁った血液が噴水のように溢れ出す。
斬り飛ばされた二つの肉の塊が地面に落ちた瞬間、
ガイーダは、邪悪な生命が世界に産み落とされて以来初めてとなる死の恐怖に直面し、
肘から先が無くなった両腕を振り回しつつ、無様な悲鳴を連発した。
(14)
「うぉおおおッ!!!!」
獣のような咆哮を発しつつ、優子は無我夢中で<剣>を振り上げる。
黄金の甲冑から立ち昇る気迫が、ヒュオオオッ、と甲高い風鳴りを巻き起こし、
刀身を包んだ聖なる霊気がエネルギーの塊となって白熱した。
――――ズドォオオオッッッ!!!!
渾身の力を込めて振り下ろされた白刃の斬光が、
竿立ちになった怪物の頭頂部から尾?骨の下までを一刀の下に断ち切り、両断する。
身体の左右がほぼ等分に真っ二つになった暗黒界の魔将は、
断末魔の絶叫を放ち上げると同時に、体内から途轍もなく禍々しい色合いの炎を噴出させた。
赤黒く穢れた業火は、あっという間に全身へと燃え広がり、
今まさに絶ち滅ぼされようとしている魂魄を糧としてゴウゴウと燃え盛る・・・・。
(15)
「・・・・勝った、の・・・・?」
勝利したのだ、という実感は全く無かった。
それどころか、<ヴァリスの戦士>は、あの強大な魔物が斃れたとは到底信じられず、
いつ何時、蘇った巨人が躍り出てくるかもしれない、と、しばらくの間、逆巻く炎に目を凝らし続けていた。
だが、彼女の予想に反して、不浄な炎に身を焼かれた巨大な肉塊は二度と動き出す事無く、
やがて、欠片も残さずに存在を消し去られていく。
茫然と立ち竦む少女が見つめる前で、
ガイーダの遺骸を焼き尽くした火と煙の勢いは次第に弱まっていく。
・・・・と、視界の端に、チカチカと明滅する小さな物体が姿を現わした。
「石?・・・・宝石なの?」
唐突に、目の前に出現した、数センチ程の大きさの石片。
虹色の輝きを放ちながらゆっくりと降下してきたそれは、
半ば引き寄せられるように差し出された左手の中にすっぽりと収まった。
透き通った水晶のような神秘的な光に、意識が、すぅっ、と引き込まれかけた・・・・次の瞬間ッ!!
(16)
「・・・・あうッ!!な、何ッ、この感覚ッ!?」
手の中の石が、信じ難い程の熱さを放つ。
慌てて振り落とそうとする優子だが、赤熱した魔石はまるで手の平に張り付いたかのように離れない。
さらに、五本の指までもが、自分の意志を無視して、
焼け付くような宝石を握り締めたまま、開かなくなってしまった。
「い、いやぁッ!!・・・・どうしてッ!?手が・・・・手が離れないッ!!」
悲鳴を上げ、奇怪な宝玉を投げ捨てようとして躍起になる蒼髪の少女。
すると、今度は、熱さはそのままに、石の感触だけが消失したかと思うと、
奔流と化した灼熱感が、手の平から甲に、さらに、手首、肘、腕・・・・、と、猛烈な勢いで流れ込んでいく。
どうすれば良いか分からないまま、恐慌へと陥りかける少女の体内で、
エネルギーの激流は巨大な火の玉へと変貌を遂げると、
全身の水分を沸騰させ、五臓六腑の全てをグツグツと煮え滾らせた。
(17)
「あああッ・・・・こんな、こんなのッ・・・・嫌ァッッッ!!」
見えない手で内臓を掴まれ、滅茶苦茶に引っ掻き回されているかのような衝撃が、
優子の自我を叩きのめし、理性と感情とを激しく攪拌する。
今にも張り裂けそうな勢いで心臓が鼓動を刻むたび、
吐き気と悪寒が暴風となって襲い掛かり、
ただでさえ過負荷状態に陥っている五感を決定的に狂わせていった。
「たすけてッ・・・・だ、誰か・・・・おねがい・・・・あくぅぅッ・・・・誰かぁッ!!」
表情を引き攣らせながら、哀れな少女は声を限りに絶叫を放つ。
容赦なく心身を責め苛む正体不明の高熱により、
しなやかな肉体の全て、そして、精神の主要部分の多くが侵略され、
異質な何かへの変容を余儀なくされているのがひしひしと伝わってくる。
その事自体も恐ろしかったが、彼女を最も恐怖させたのは、
自分が自分で無くなっていく変貌が、今まで一度も経験の無い、凄まじい快美感を伴っている事だった。
真っ赤に熱せられたマントルのような高温高圧のエネルギーが身体の奥底から込み上げてくるたび、
信じ難いほどの快感が脳髄へと雪崩れ込み、神経を伝って全身の細胞へと広がっていくのである。
(18)
・・・・ドクンッ!!ドクドクドクンッ!!
・・・・じゅるっ!!じゅちゅるちゅッ!!
狂ったように飛び回る心臓が胸郭に叩きつけられるたび、
適度な肉感に恵まれた太腿の内側、純白のスカートと薄手のショーツに隠された未成熟な花園でも、
サーモンピンクの粘膜が擦れ合って、淫靡なうねりが発生していた。
彼女の注意は、専ら左手の中の宝玉に向けられていたため、
秘所の異変が意識の中枢に届いたのはずっと後になってからだったが、
その間にも、火照りと戦慄きは確実に下半身全体へと広がっている。
「ひぐうぅッ・・・・も、もうだめぇッ!!おかしくなる・・・・し、死んじゃうぅッッッ!!!!」
グッショリと汗にまみれた蒼髪を振り乱しつつ、
優子は激しく左右にかぶりを振り、歪んだ口元から引き攣った喘ぎを迸らせた。
もっとも、四方八方から押し寄せる苦痛の水位が忍耐力の限界へと近付いていくと、
悲鳴は弱まり、表情からも力が抜けて、次第に曖昧なものに移り変わっていく。
無論、少女は自分を奮い立たせようと躍起になり、
闇へと押し流されていく自我を引き戻そうと試みていたのだが、
時間の経過と共に、流れを押し留めるのはどんどん難しくなっていく一方だった。
ガクン、と、膝が折れ、脱力した両脚が瓦礫の上へと崩れ落ちる。
すでに感覚も消え失せて、妙に甘ったるい気だるさだけが全身を覆う中、
必死に上体を起こした蒼髪の少女は、視界に残る最後の光・・・・トンネルの非常燈に向かって手を伸ばした。
まるで死人の顔のような、青白く、冷たく、ぼんやりとした灯し火。
――――これが、優子が現実界で目にした、最後の光景だった・・・・。
(19)
――――その後で何が起きたのか、正確な記憶は残っていない。
最初に気が付いたのは、真っ白な光・・・・あるいは、霧や靄の類だったかもしれないが・・・・に満ちた空間。
一陣の突風が吹き寄せ、唐突に目の前が開けた、次の瞬間、
現れたのは、綺麗に晴れ渡ったトルマリン・ブルーの空とその中に浮遊する無数の島々、
そして、頭上を悠然と飛んでいく、見た事も無い生き物の姿。
日本ではない、いや、自分が知っている世界の何処にも存在する筈の無い光景に、
息を呑みながら見入っていると、頭の中に、またあの不思議な女性の声が差し込んできた。
『夢幻界へようこそ、優子・・・・えらばれし<ヴァリスの戦士>よ』
・・・・否、今度は、『声』だけではなかった。
何処までも広がる、突き抜けるような青い天空の遥かな高みに、
如何なる原理によるものなのか全く想像もつかないが、途轍もなく巨大な立体映像が映し出され、
驚きのあまり言葉を失った少女を静かに見下ろしている。
黄金と色とりどりの宝石で飾り立てられた、ゆったりとした聖衣を身に纏い、
ローマ法王の三重冠に似た荘厳な宝冠を頭上に頂く、神秘的な女性――――いや、女神。
(20)
『私の名はヴァリア・・・・夢幻界を司る者。
そして、ここは夢幻界。あなた方の住んでいる世界とは別の時空です』
少し青みがかった色合いの透き通った肌。
面立ちには威厳と慈愛とがバランスよく調和し、
まるで、古代の遺跡から出土した大理石の彫像のような美に満ち溢れている。
切れ長の双眸の中には瞳らしきものは存在していないが、
湛えられた淡い色の光には、とても清らかで温かみのある雰囲気が滲み出ていた。
「一体、何のことなの!?わからないわッ!!
そ、そうだ・・・・きっと、私、夢を見てるんだわ。
ねぇ、そうなんでしょ!?・・・・お願い、そうだと言ってッ・・・・!!」
一方、優子は、一時の驚愕が収まるや否や、今まで積もりに積もった感情を爆発させて、
目の前の女神にむかって、矢継ぎ早に質問をまくし立てていた。
――――これまでに起きた事についての説明を得るため、ではなく、
突如として地下鉄構内に現れた怪物の群れ、<剣>との邂逅、ガイーダとの死闘・・・・。
自分の周りで起きた一連の出来事は全て虚構だったのだ、との言質・・・・確信を求めての問いである。
それは、現実の尺度では説明不可能な体験を続けざまに味わってきた彼女にとって無理からぬ事だったし、
また、そのように考えなければ、正気を保つ事すら難しかっただろう。
・・・・だが、自らを、夢幻界を司る者、ヴァリア、と名乗った異界の女神の答えは、
少女を気遣い、慎重に言葉を選んではいたが、期待していたものとは全く異なっていたのだった。
(21)
『突然の出来事で、全てがあなたの理解を超えていることでしょう。
・・・・でも、これは夢ではないのです。
どうか、落ち着いて、これから私の言う事をよく聞いて下さい・・・・』
そう、前置きし、語り始める夢幻界の女王。
最近、優子の世界――――彼女は<現実界>(リアリティ)と呼んだ――――で多発している暗い出来事、
・・・・戦争やテロ、犯罪などの凶事・・・・は、人の心の<暗>に作用する<ヴェカンタ>という力のせいである。
それを操っているのは、ここ、<夢幻界>(ヴァニティ)、とは別の時空、
<暗黒界>(ヴェカンティ)を統べる、ログレスという邪悪な支配者。
永きに渡った均衡状態を破り、<夢幻界>に奇襲攻撃を仕掛けた彼は、
<暗>の力<ヴェカンタ>に対抗できる、<明>の力<ヴァリス>を略奪すると、
<ファンタズム・ジュエリー>という特殊な宝玉の中に封印し、更に打ち砕いて、
それぞれの欠片を<暗黒五邪神>と呼称される、五人の強大な配下に守らせている。
同時に、最初の攻撃を耐え凌いだ<夢幻界>の残存勢力を掃討すべく、
<暗黒の戦士>を誕生させ、近々、総攻撃に移る構えを見せているのだ――――。
(22)
(ログレス!?)
聞き覚えのある名前に、優子のみぞおちを冷たいものがすべり下り、
沸騰していた思考が急速に落ち着きを取り戻していった。
戦いの最中、ガイーダが『あの御方』と呼んでいた人物、
・・・・では、怪物たちを送り込んできたのは、そのログレスという存在だったのか・・・・?
あまりにもスケールが大き過ぎて、内心、何処まで本当なのか疑わしい、とさえ思っていたヴァリアの話が、
ログレスの名が告げられた瞬間を境に、徐々にではあるが現実味を帯びて感じられるようになる。
・・・・だが、まだ彼女の話の全てに納得がいった訳ではない。
(――――何故、この異世界の女神は、ただの無力な女子高生に過ぎない自分に、
世界の命運に関わるような重要な話を打ち明けたりするのだろう?
そもそも、わたしに魔物たちと闘う手段を与えてくれたのは、なぜ・・・・?)
顔色を曇らせる少女の姿に、胸中にわだかまっている疑心の深さを悟ったらしく、
美しい女神は、(密かに呼吸を整えると)これまでよりも一歩踏み込んだ言葉を切り出した。
『ログレスを倒すには、バラバラになった<ファンタズム・ジュエリー>を一つに戻し、
<明>のエネルギーを解放しなければなりません。
そのためには、どうしても<戦士>の力が必要なのです・・・・』
(23)
「・・・・ま、まさかッ!!そのために、わたしに<戦士>になれ、って言うのッ!?
その上、見た事も無い世界のために戦え、とッ!!」
ヴァリアの話に驚き、次いで、憤激を発する優子。
あまりにも身勝手で一方的な要求――――そう受け取った彼女は、
嫌悪の感情を隠そうともせず、強い口調で女神に対峙する。
だが、その反応は、ある程度までは織り込み済みのものだったらしく、
ヴァニティの支配者は、冷静な表情を崩そうとはしなかった。
『優子、もはや時間がないのです。
<暗黒界>にはすでに<戦士>が誕生しています・・・・』
冷徹な、いやむしろ、冷酷にすら映るその態度が少女の心に怒りを点す。
口をついて出る反駁の叫びはますます激しさを増していった。
「・・・・だからって、何故、わたしなのッ!?
<夢幻界>の危機なんて関係のないことよ!
第一、わたしは、ただの女子高生で、力なんて何も・・・・」
(24)
『それは違います・・・・あなたには力がある。
現に、あなたは、わたしの『声』を聞き、<ヴァリスの剣>を受け取り、
そして、<暗黒五邪神>の一人を倒したではありませんか?』
「あ、あれは・・・・仕方なくやっただけよッ!でなければアイツに・・・・」
途中まで言いかけたところで、蒼髪の少女は、ハッ、として、左手に視線を落とした。
ガイーダがログレス配下の<暗黒五邪神>の一人だったという事は、
例の不思議な宝石が<ファンタズム・ジュエリー>なのだろうか?
でも、あの石は、いつの間にか何処かに消えてしまった筈・・・・。
『いいえ、優子、<ファンタズム・ジュエリー>は無くなってなどいません。
<ジュエリー>の・・・・<明>のエネルギーは、あなたの中に。
心を静めて意識を集中すれば、存在を感じ取れる筈です』
低く囁きかけるよう女神の思念は、しかし、有無を言わさぬ迫力を帯びていた。
思わず反論の言葉を失う少女。
・・・・直後、カラダの芯を強烈な波動が駆け抜けた。
驚きを感じる暇もなく、衝撃は情欲の迸りへと変化して四方八方へと広がっていき、
肉体を、次いで、精神を、熱とエネルギーの暴風で薙ぎ払う。
(25)
(ああッ・・・・か、身体が熱い・・・・あの時と同じだわッ!!)
巨大な灼熱感の塊が身体の中心で燃え盛り、全身の血液を煮え滾らせる。
頭の中にはショッキング・ピンクの靄が立ち込め、
理性も思考も感情も全てが一緒くたに混交してドロドロにされてしまった。
腰椎の真ん中で爆発が起こり、一時的に小さな太陽が誕生して、
子宮の内腔を真っ白な輝光で照らし出し、灼き尽くしていく・・・・。
『それが、<明>の力・・・・<ヴァリス>。
状況が許すのであれば、もっと詳しい説明をして差し上げたいのですが、
・・・・でも、優子、これ以上の問答はあなたを混乱させ、あなたの中の<ヴェカンタ>を増殖させるだけ。
今は私の言っていることの意味がわからないとしても・・・・このまま行って下さい』
「・・・・ま、待って!!・・・・そんな・・・・でも・・・・わたしはッ・・・・!!」
『<ファタズム・ジュエリー>の欠片が、他の欠片たちの元へ導いてくれるでしょう・・・・』
悲痛な声を上げる少女を冷たく突き放すように、ヴァリアの姿が遠ざかっていく。
必死で呼び止めようとする優子だが、カラダの奥底から湧き上がってくる淫気により、
叫ぼうとした言葉は喉元で掻き消え、唇から吐き出されたのは熱く湿った吐息だけだった。
やがて、(地下鉄の時と同じように)湧き上がる炎が身体中へと燃え広がると、
視界は霞み、足がもつれ、立っている事すら困難になってしまう。
(26)
「そ、そんなッ・・・・ひどい・・・・あああああッ・・・・!!!!」
地面に倒れ、無様にのた打ち回る蒼髪の少女。
瞼の裏側で強烈なフラッシュが何度も焚かれ、すさまじい眩暈が襲い掛かってくる。
まるで脳震盪でも起こしたかのような異様な不快感が頭蓋骨の中身を攪拌し、
泣き叫ぶ事はおろか、まともな呼吸さえ叶わなくなってしまう・・・・。
――――だがしかし、彼女自身は(まだこの時点では)気付いてはいなかったが、
希薄化し朦朧としていく意識とは裏腹に、未開発の肉体は溢れ返るエネルギーに湧き立ち、
同時に、間もなく訪れるであろう至福の瞬間を予感して、淫靡な波動に打ち震えていたのだった。
『優子・・・・闘いの中であなたが目覚めてくれることを、わたしは信じています。
・・・・そう、キッカケさえつかめれば、必ず。
たとえ、そのためにかけがえのないものを失うことになっても、それが<戦士>の宿命だと・・・・』
(27)
――――そして、再び気が付いた時には、
少女は、一面、雪と氷に閉ざされた荒野の真ん中に突っ伏していたのである。
(・・・・・・・・)
一体、これで何度目だろう――――今までの経緯を思い出し、嘆息を漏らしたのは。
こうしていた所で、周囲の状況が変化する訳ではない、
・・・・それは、すでに十分過ぎる程分かっているのだが、
さりとて、このまま目の前の雪洞へと分け入るのは、あの女神の思惑通りに動くようで抵抗を禁じ得ない。
(・・・・といっても、いつまでもこんな所に突っ立っている訳にもいかないわよね・・・・)
事実、背後には灰色の雪原が延々と広がり、猛烈なブリザードが荒れ狂っていた。
黄金の甲冑に何らかの力が備わっているためだろうか、
見渡す限り雪と氷とか存在しない、白銀の荒野の真っ只中にいるというのに、
凍えるどころか、指先が悴む気配すらないのは有り難かったが、
だからと言って、地図も道標も無しに猛吹雪の中を彷徨い歩くのは自殺行為に等しい。
悔しいが、やはり、現状では、ヴァリアの企図した通りに前に進む以外の道は無さそうだった。
(28)
(予想はしてたけど、やっぱり、ただの洞窟じゃないみたいね)
薄暗い雪洞に足を踏み入れてから、ものの数歩と進まないうちに、
優子は、ゴツゴツとした岩の陰に隠れ、あるいは、カチコチに氷結した万年雪の下に潜みつつ、
自分の気配を窺っている、無数の視線の存在に気付いていた。
巧妙に殺気を隠蔽しながら、<戦士>の周囲に包囲網を形成していく異形達の数、二十、いや、三十近く、
他にも、洞窟の奥で息を殺し、攻撃開始のタイミングを窺っている者が数十、もしかすると、百以上・・・・。
(・・・・来るッ!!)
けたたましい喊声を放ちながら躍り出てきたのは、
抜き身の曲刀を構えた骸骨戦士と両刃の斧を振りかざした有翼の半獣人。
前後左右、あらゆる方向から、標的の少女に向かって殺到してくる暗黒界の軍兵は、
いずれも、さしたる知能を有している訳ではなかったものの、
この状況が自分たちにとって著しく有利なものであるのは分かるのだろう、
彼らの表情は一方的な殺戮への確信によってギラギラと輝いている。
(29)
――――ドガァァッ!!ザシュゥゥッ!!
・・・・だが、彼らを待ち受けていたのは、
奇襲攻撃に慌てふためき、為す術も無く切り刻まれていく哀れな小娘ではなく、
飛躍的に強化された知覚力によって襲撃の兆候を完璧に捉えていた、一騎当千の<戦士>だった。
待ち伏せのために準備されていたのは、人体の能力限界を遥かに超える研ぎ澄まされた感覚と俊敏な機動力、
そして、身体の周囲に不可視の防御障壁を展開して攻撃を防ぐ黄金の防具に、
今、相手にしているような低級な怪物であれば、刃先に触れただけでも致命傷を与える事の出来る武器。
一方、自分達の存在が気取られているとは思わず、反撃の可能性を考慮していなかった襲撃者達は、
連携も戦術も皆無で、力押し以外の戦い方など最初から頭の中に無い。
だが、いくら数の点で圧倒的な優位に立つとはいえ、
狭隘な洞窟の中では、それを完全に活かし切るのは不可能である。
むしろ、数の多さが災いして、洞窟内で満足に身動きが取れなくなった兵士たちが、
俊足を活かして凍りついた岩壁の間を巧みに駆け抜ける優子に翻弄され続ける場面も多く見られた。
第一、腕力任せでロクに狙いを定めもしない彼らの攻撃は空しく宙を切るばかりで、
偶然、目標を捉えても、不可視の護りに弾かれるだけなのに対し、
少女の手にする<ヴァリスの剣>が目標を外れる事は滅多に無く、
ひとたび命中すれば、骨も筋肉も鎧もバターを切り分けるように簡単にスライスしてしまう。
(30)
「・・・・ッ!?・・・・もう新手がッ!!」
洞窟の奥から木霊してくる騒々しい足音。
予想していたよりも早い増援の到着に軽く舌打ちを漏らした優子は、
しかし、すぐに気を取り直すと、素早く身体を引き、呼吸を整えた。
相も変らず数頼みの密集隊形で押し寄せてくる魔物の群れに向かって<剣>を構え、精神を集中する。
「ハアッッッ!!!!」
鋭い気合いと共に、切っ先から眩い輝きを放つ光の弾丸が撃ち出され、
ひとかたまりになって突っ込んでくる襲撃者達の真ん中へと吸い込まれていった。
大音響と共に炸裂した<明>のエネルギーが猛烈な爆風と熱線と化して、
逃げる場所とて無い氷洞の内部を駆け巡り、醜怪な暗黒の兵士達を挽き潰す。
同時に、爆発は、周囲の永久凍土を融解させて濛々たる水蒸気を発生させ、
かろうじて被害を免れた軍勢からも視界を奪い去った。
(31)
(今のうちに、奥へッ!!)
大混乱に陥った暗黒界の雑兵共を尻目に、
蒼髪の少女は素早く身を翻すと、複雑に枝分かれした洞窟の深部へと駆け出していく。
ヴァリアの言葉通り、<ファンタズム・ジュエリー>が引き合っているせいなのだろう、
目印も何も無い氷の迷宮であるにも関わらず、何処をどう進めば良いかは、何となく理解出来た。
勿論、女神の思惑に沿う形で動いている現状は決して愉快なものではなかったが、
今の所、その選択肢以外に、生きて元の世界に戻る術があるとも思えない・・・・。
――――ビュルルッ!!ビシュルルルッッ!!
突如、不気味な響きが耳朶を叩いたのは、
入り口からかなり奥まった所まで分け入った頃だった。
動物とも植物ともつかない、赤茶色の表皮に包まれた一つ眼の化け物が、
左右の氷壁に穿たれた隙間から数メートルもの長さの触腕を伸ばし、少女を絡め取ろうとする。
軽快な身のこなしで回避を試みる<ヴァリスの戦士>。
だが、運悪く、かわし損なった一本が左の手首に巻き付いてしまい、
不恰好な体格に似合わぬ怪力で、ギュルギュルときつく締め上げられてしまう。
(32)
「くうッ・・・・!!」
動きの止まった優子に向かって、再度、触腕の群れが襲い掛かった。
第一波と同様、その殆どは<鎧>の展開する防御障壁に弾かれ、目的の達成は叶わなかったのだが、
さらにもう一本がブーツに包まれた左脚を絡め取り、
最大の武器である俊敏な機動力を完全に奪い取ってしまう。
「・・・・な、なんて事ッ!!油断してたわッ!!」
知らず知らずのうちに甲冑の能力を過信していた事を悔やむ、蒼髪の<戦士>・・・・だが、もう遅かった。
さらに数度にわたり、<鎧>が一度に障壁を展開出来る能力を上回る数の醜怪な肉蛇が押し寄せてきて、
残った手足も次々と縛り上げられ、反撃は勿論、逃走すら不可能な状態へと追い込まれてしまう。
――――ギュルッ!!ギュルルゥゥゥ・・・・!!
左右の手首に巻き付いた触手が、強引に両腕を捩じ上げ、後ろ手に結わえ付けようと試みる。
歯を食いしばり、痛みに堪える少女だったが、
彼らに備わっていたのは万力のようなパワーだけではなかった。
肘を覆う黄金のガントレットが悲痛な軋み声を上げる一方で、
両手の筋力が、すううっ、と抜け落ちていき、次第に指の先が冷たくなっていく。
(33)
(ああッ・・・・だ、だめぇッ!!)
抵抗も空しく、ジリジリと後ろに引っ張られていく優子の細腕。
すでに指先の感覚は殆ど消失し、手の平や甲のそれも大幅に鈍くなっている。
やがて、右手が完全に握力を喪失すると、
青白く変色した指の間から<ヴァリスの剣>が零れ落ち、
足元の凍りついた岩盤の中に深々と突き刺さってしまった。
「うああッ・・・・ぐッ・・・・ううう・・・・んぐッ・・・・あああッ!!」
弱々しく喘ぎながらも、少女は、邪悪な縛めを振り解こうと足掻き続ける。
だが、太い部分では彼女の腕回りほどもある肉縄は、ちょっとやそっとでは外れる筈も無く、
むしろ、もがけばもがくほど、より深く、よりタイトに、柔らかい生肌へと食い込んでいった。
縛められているのは両腕だけに留まらない。
不運な同胞達の犠牲の上に、甲冑の護りを掻い潜る事に成功した触手は、
ある者は、純白のスカートの下からのぞく、むっちりとした白い太腿へと巻き付き、
別の者は、黄金に輝く胸当てと美しい飾り帯の間の柔かいわき腹に汚れ汁を擦り付け、
さらに別の者は、深紅のスカーフに取って代わるべく細い首筋の周りに絡み付こうとするなど、
瑞々しいカラダの上を傍若無人に暴れ回っていた。
(34)
(あああ・・・・嫌ぁッ・・・・き、気持ち悪い・・・・)
全身を覆った肉蛇のおぞましい感触に、少女の心が悲鳴を上げる。
スーパーの鮮魚コーナーに並んでいる加熱調理した蛸に似た、暗い臙脂色の生ける拘束具は、
時折、表皮から半透明な体液を分泌して、肌理の細かい乙女の肌を汚していた。
生ゴムのような皮膚の下には、ブヨブヨとしたペースト状の肉が詰まっており、
引っ切り無しに、ビュクビュクビュクッ、と不規則な痙攣を発しながら、
健康的な肢体の上を這い摺り回り、不快さを煽り立てる。
「くッ・・・・ううッ・・・・あぅうう・・・・」
ゴミ捨て場の残飯と害虫駆除用の農薬が入り混じったような刺激臭が鼻腔に突き刺さり、
蒼髪の少女は充血した眼尻からポロポロと涙を流しながら、苦悶に咽いだ。
粘液に含まれる毒性物質は、<鎧>の力で分解され、有害成分を弱められているのだが、
悪臭とぞっとするようなネバネバ感だけは、しぶとく生き残って呼吸器を冒している。
その上、どのような仕組みなのか皆目見当も付かないが、
触手に巻き付かれた手足は、しばらく経つと急速に動きが鈍っていき、
また、一時的に感覚が麻痺したり、逆に極めて過敏になったり、と様々な変調にも襲われていた。
(35)
(・・・・ダ、ダメ・・・・外れない・・・・ううう・・・・こ、このままじゃあ・・・・)
心臓を容赦なく締め付ける不安と焦燥。
心拍数が跳ね上がり、呼吸によって供給される酸素の量では追いつかなくなると、
貧血を起こした時のように、意識が朦朧としてくる。
それが更なる恐怖を呼び起こし、今や優子の心は恐慌の淵に立たされていた。
「・・・・ッ!?」
とどめを刺すかのように、背後からの騒々しい物音が耳朶を叩く。
骸骨戦士、半獣人、その他雑多な怪物たちからなる混成部隊、
先刻の戦いぶりからも分かる通り、個々の戦闘能力は大した事の無い、低級な雑兵達に過ぎないが、
五体の自由を失い、足元に突き刺さった剣を拾い上げる事すら叶わない今、彼らの接近は死と同義だった。
絶望に駆られた少女は、闇雲に手足をばたつかせて、おぞましい縛めから逃れようとするものの、
なけなしの体力を更に消耗しただけで、絡みついた触手は微動だにしない。
(36)
(・・・・ハァハァ・・・・ど、どうして・・・・なんで、外れないのよッ!?)
じりじりと包囲の輪を狭めながら近寄ってくる化け物の群れ。
手に手に、蛮刀や手斧、槍や棍棒など、
遠目にも切れ味が悪そうな、だが、重量だけはたっぷりとある得物を携え、
抵抗の術を失った哀れな標的を嬲り殺しにすべく、ゆっくりと歩を進めてくる。
対する優子は、戦慄で声もかすれがちになりながら、
なお、僅かな望みを託し、残った力を振り絞って手足を動かし続けていた。
――――無論、奇跡などは起こらなかった。だが・・・・。
(と、停まったッ!?)
獲物まであと数歩という所で、怪物の軍団は急に進軍を止める。
何の前触れもない出来事に、ほっとするよりも、むしろ、薄気味悪さを覚えて周囲を見回した蒼髪の少女は、
・・・・次の瞬間、両目を、かぁッ、と見開いた。
両手両脚を拘束している赤茶色の触腕、汚らわしい表皮のあちこちが捲れ上がって、
内側から、極彩色の縦縞模様で覆われた、細長い突起物が顔をのぞかせている。
・・・・いや、よく見れば、それは触手の一部ではなく、
体長二〇から三〇センチメートルほどの独立した生き物だった。
鱗の無いヘビ、あるいは、特大サイズの大ミミズを連想させる不気味な生物は、
宿主の半透明な体液にまみれた身体を、芋虫のようにビクンビクンと収縮させながら、
触腕の中から這い出し、彼女の方へとにじり寄って来る。
(37)
「い、いやぁッ!!来ないで・・・・来ちゃだめェッッッ!!!!」
あまりにも毒々しい姿に、引き攣った悲鳴を漏らす蒼髪の少女。
醜悪な容姿という点では、周囲を取り囲む骸骨兵や半獣人をはじめ、凡そ今までに目にしたどの怪物達も、
粘り気のある体液を滴らせながら這い寄ってくる、この異形の蟲には及びもつかなかった。
それは、単に気持ち悪いとかおぞましいとかという類の感覚を超越する、
動物に備わった火を恐れる本能のように、生まれる以前から意識の中にある何かに根差した、
いわば、原初的な恐怖の発露に他ならない。
「ヒィィッ!!ダメ・・・・ダメぇッ!!あああッ・・・・もうダメぇッ!!」
美しき獲物は、泣きじゃくりながら、絡め取られた身体をブルブルと打ち震わせた。
おぞましい肉蟲の群れが近付くにつれ、名状し難い不快さが大波となって押し寄せ、
同時に、体力はおろか気力までもが払底していくような枯渇感が襲ってくる。
――――やがて、最後に残った僅かばかりの力も尽き果ててしまった少女は、
かろうじて立っているのがやっとの、惨めな有り様となってしまった。
・・・・否、今や、彼女の体が地面に崩れ落ちるのを免れているのは、
皮肉にも、両手両足を雁字搦めに縛り上げている触手のおかげに他ならない。
その縛めにほんの少しでも緩みが生じたならば、
ガクガクになった膝関節は体重を支えきれず、ブザマな転倒は避けられないだろう・・・・。
(38)
「くひィッ・・・・あくぅ・・・・きひィィッ!!
あぁあ・・・・ぐぐぅ・・・・いひぁッ・・・・あ・・・・ひぎィィッ!!」
不気味に這いうねる極彩色の悪魔が、
薄いピンク色に上気し、白く光る無数の汗の粒に覆われた太腿の上を、
ピチャリピチャリといやらしい音を立てながら這い進んでいく。
ぞっとするような感触に、音程の外れかけた叫びとくぐもった喘ぎとが交互に放ち上げられ、
高い氷洞の天井にぶら下がったツララの間で反響し合って奇怪な和音を奏で上げた。
(んくうぅ・・・・あ、熱いッ・・・・!!
ううう・・・・な、何・・・・まさか、毒なの・・・・くふぁああッ!!)
異形の蟲が通り過ぎた後の皮膚は赤く腫れ上がり、鈍痛と異様な熱気を発している。
一見したところ、爛れたり膿を生じたりしている様子は無いものの、
グロテスクなカラダを覆う半透明な滴りには、
(<鎧>の力を以ってしても太刀打ちできない程の)強力な毒が含まれているのは間違いなかった。
これまでにも増して、冷たい戦慄を覚える優子だったが、
どうする事も出来ないまま、全身がジワジワと熱に冒されていく様を眺めているしかない。
(39)
(・・・・はぁッ・・・・はぁッ・・・・熱い・・・・苦しい・・・・ああああ・・・・)
気が付けば、縦縞模様の毒虫は、
太腿だけでなく、両腕にも、胸にも背中にも、首や顔にまで張り付いていた。
真っ赤な腫れは黄金の甲冑によって護られている部分以外の全てを舐め尽くし、
ねっとりとした火照りを伴う疼痛感も身体中に広がる勢いを見せている
(ふぁあッ・・・・そ、そんな所までッ・・・・!?)
健康的な太腿に粘汁を塗りたくり、見るも無残な姿へと変貌させた魔蟲の一匹は、
更に這い進んで、丈の短いスカートの中にまで潜り込もうとしていた。
もはや、行く手を阻むのは、汗ばんだ肌に張り付いた厚さ1ミリにも満たないショーツのみ
・・・・勿論、おぞましい侵入者は、何の躊躇も無く、深く切り込んだ股ぐりの下へと頭を突っ込むと、
純白の布帛の中心を目指して、ズブリズブリと突き進んでいく・・・・。
(40)
「アアッ・・・・んぅンッ!!
あくッ・・・・んうう・・・・ぐぐぅ・・・・ふぁッ・・・・はぁぐあああッッッ!!!!」
身体中で最も触れられたくない器官を、最も触れられたくない相手にまさぐられ、
激しく表情を歪めながら身悶えする優子。
腕や脚などを這いずっていた時も、無論、不快極まりなかったのだが、
自分自身ですら殆ど手を触れた事の無い恥かしい部位を穢されていくのは、
清純な乙女にとっては、想像を絶するおぞましい体験に他ならない。
(くぅああッ・・・・も、燃えるッ・・・・ア、アソコが・・・・熱いィィッ!!
ひぃんッ・・・・熱いッ・・・・や、火傷しちゃうッ・・・・!!)
やがて、暗黒界の魔蟲から分泌したヌルヌル液は、他と同じく、秘密の花園をも冒し始めた。
違いがあるとすれば、一帯の感覚は、ここ以外のどの場所よりもずっと敏感で傷付き易いという事だろう。
ビチュッビチュッ、と、細長い身体が蠢くたびに撒き散らされる毒の滴りは、
量も成分も他と大して変わりなかったにもかかわらず、少女の受けた衝撃は桁違いだった。
(41)
「アアッ・・・・ダメッ・・・・そこ、ダメェッ!!
ふひぁああッ・・・・やめて・・・・お、おねがい・・・・舐めちゃ・・・・んあああッ!!」
生まれて初めて、禁断の花園に、
他人――――否、正式な名前すら判然としない異界の毒ミミズ――――を受け容れたショックは、
理性を打ち砕くには充分なものだった。
厳密には、まだこの時点では、魔蟲の侵攻は最も鋭敏な地点の表面をなぞるに留まっていたのだが、
性に関しては無知に等しい彼女に、正確な判断が可能な筈もない。
何より、体表から分泌される毒は、薄く柔らかな下草に覆われた恥丘の中心、
ぴったりと閉じ合わさった肉の門扉を構成するサーモンピンクの粘膜にとっては、致命的だった。
下半身を襲う地獄の苦しみに、優子は、腰まで伸ばした美しい蒼髪を振り乱しつつ、悶え狂った。
大陰唇を焼き焦がす業熱が、目の前の全てを血の色に染め上げ、
赤熱する火箸を股間に突き立てられるかのような激痛が意識を席巻して正常な思考は停止しまう。
このままカラダの内奥から噴き出す炎に焙られていれば、
いずれは肉も骨も内臓もドロドロに融解し溶け流れてしまう・・・・、
本気でそのように思えてしまうほど、全身を責め苛む苦痛は圧倒的だった。
(42)
――――しゅるッ・・・・しゅるしゅるッ。
あまりにも激しく五体を揺らしたせいだろう、
今までどんなに暴れても振り解けなかった触手が拘束を緩め、
バランスを崩した身体が糸の切れたマリオネットのように地面に落下する。
・・・・そして、次の瞬間、今にも炎を噴き上げんばかりに火照った肌に、
凍りついた洞窟の岩肌から発する凍気が吹き付けて、少女を最悪の陥穽へと突き落とした。
(ひぁッ・・・・つ、冷たいッ!!・・・・あああッ・・・・冷たくて、気持ち良いッ!!)
本来であれば、皮膚を刺し貫くような凍土の冷気も、
トロ火で焙られるような炎熱に冒された肉体には、信じ難いほど心地よい。
燃え盛る地獄の業火の中から救い出された蒼髪の少女は歓喜の涙を流し、
まだ身体中に残る、ネットリとした感覚を冷やすべく、
あちこちに体をぶつけるのも厭わず、ゴツゴツとした氷洞の床を転げ回った。
(アアッ・・・・す、すごい・・・・き、気持ちいいッ・・・・気持ちいいよぉッ!!
ひあああッ・・・・だ、だめぇ・・・・気持ちよすぎて、止まらない・・・・止められないよォッッ!!)
ゴロゴロと地面の上を転がり続けるうち、
クチビルから漏れる随喜の叫びは、次第に音程の外れた金切り声と化していった。
永久凍土の冷気によって、全身を覆っていた魔毒の熱があらかた中和され、
涼を求める必要が無くなった後も、なお、狂躁は収まらない
・・・・いや、もはや、止めようとしても止まらなかった。
(43)
「ふあああッ・・・・き、きもちいい・・・・きもちいいのが、止まらないィィッ!!
あッあッあッ・・・・どうして!?わ、わたしのカラダ・・・・一体、どうなっちゃったのォッ!?」
狂ったような叫び声を上げ、悶絶する蒼髪の少女。
先程までの異様な熱気に代わって、
むず痒さとゾクゾク感が融合した堪え難い肉悦が全身を蝕んでいた。
勿論、彼女は知る由も無かったが、
それこそが、魔毒の本当の性質であり、最も恐るべき症状に他ならないのである。
――――びじゅッ!!ぶしゃああああッッッ!!!!
情けない音を立てて尿道口が破裂し、
決壊した蛇口から噴出した大量の排泄物が生温い飛沫となって下半身を汚していく。
股間を濡らす失禁の滴りと立ち昇るアンモニア臭とが恐慌に一層の拍車をかけ、
最後に残っていた理性の欠片をも、水流と一緒に押し流していった。
「あああ・・・・んくぅ・・・・くはぁ・・・・ふぁあああ・・・・」
タンクが空っぽになってようやく、今にも気を失いそうな脱力に見舞われた優子は動きを止め、
フラフラと頭を揺すりながら、呆けたような視線を空中へと彷徨わせる。
清らかだった肢体は、屎尿と脂汗と泥水に汚れて見る影も無く、
未成熟ながらも健康的な美によって光り輝いていた姿が嘘のように、汚穢と異臭を纏わりつかせていた。
(44)
(・・・・ハァハァ・・・・ゾクゾクするぅ・・・・とまらない・・・・とめられないィィッ!!
あああ・・・・なんで・・・・お漏らししちゃったのに・・・・こんなに気持ちいいのぉ・・・・!?)
何よりも悲惨だったのは、恥も外聞も無く、失禁の快感に酔い痴れている表情だろう。
上気した目元は、トロン、と蕩け、排泄液のこびりついた頬はだらしなく緩み、
半開きになった口元からは、湿った吐息と共に白濁した涎の糸さえ滴っていた。
先刻の苦悶から一転、頭の中は今まで味わった事の無い濃密な快楽によって支配され、
海綿と化してしまったかのようにフニャフニャになったカラダにはまるで力が入らない。
「・・・・んんん・・・・うむぅ・・・・ふあぁあ・・・・アア・・・・ン・・・・」
最後に一度だけ、汚物にまみれた身体を持ち上げようしてブザマに失敗した少女は、
ブザマに倒れ伏したまま、もはや、起き上がろうという気持ちさえ無くし、
時折、ビクビクと不規則な痙攣を発するだけだった。
あれだけ嫌悪を感じていた毒ミミズの感触が、今やそれ無しには片時も我慢出来ない程気持ち良く感じられ、
ビチョビチョに濡れそぼったショーツの中で異形の蟲がモゾモゾと蠢くたび、
ゾクゾクゾクッ、と、痺れるようなヨロコビの波動が駈け抜けていく。
意識全体がピンク色の靄に沈み込み、渦を巻く性の衝動で攪拌されて、
焦点を失った薄青色の瞳は、視界内のもの全てを途轍もなくグロテスクに歪めて映し出していた。
(45)
――――グルルルル・・・・。
痴態に耽る蒼髪の少女を取り囲んだ怪物たちの輪が開いて、
長い銀色の体毛に覆われた巨大な狼が姿を現す。
氷洞の主、<暗黒五邪神>が一将、水邪ガイーダより、
罠に落ちた<戦士>の処分を命じられた、死刑執行人・・・・。
耳元まで裂けた口には鋭い牙が生え揃い、
喉の奥から漏れ出す唸りには、これから開演する殺戮劇への興奮が滲み出していた。
――――じろり。
金色の双眸が、地面に打ち伏したまま起き上がる事もままならない少女の姿を冷やかにねめつけた。
そこには、もはや、敵と言うのも馬鹿馬鹿しく感じられる程に弱りきった標的への、
限りない侮蔑と、嘲りに満ちた敵意とが仲良く同居している。
だが、優子の目は、それでもなお、輝きを失ったまま、ねっとりとした昏い光の中に沈み込み、
反撃の意志はおろか、立ち上がろうとする気力すら全く窺えない有り様だった・・・・・・・・。
――――――――to be continued.