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夏実×レナ
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男性が思う以上に、女性は自分の身長を気にする。
何も180cmは欲しい、などとは思わないだろうが、ある程度背は高い方が、スタイルは映える。
スラリと伸びた長い脚に、くびれたウェスト。そして、全身のバランスを崩さない程度に豊かな乳房。
そしてモデルのような整った顔立ち。これらは全て、多くの女性にっとって一生の憧れである。
女性は特に乳房に最もコンプレックスを抱きやすく、どんな女性でも大抵、
自分の胸に10個ほどの悩みを抱えているものだ。男性には信じがたいが。
水城夏実は悩んでいた。
もっとも、傍目には彼女は悩みなど抱えていないように見えるのだが、
成長期の女子高生で悩みを抱えない者など、まずいない。
夏実はパジャマ姿で部屋の姿見の前に立つと、自分の身長と胸を交互に見比べた。
身長153cm。体重は45kg。スリーサイズは上から72、55、76。
身長から110をひいた数字が理想的な体重と言われるから、この点彼女は申し分無い。
問題は、そもそもの身長の低さと、胸の小ささである。
女性の平均身長は158.4cmと言われるから、夏実はこれより約5cm低い事になる。
バストもせめて75cm、欲を言えば80cmは欲しいところだ。
スタイルが良いとはお世辞にも言えない。まぁ、肥満でない事は救いだったが。
ふと、階段の方から足音が上ってきた。
「あれ、先輩。そんな一所懸命鏡なんか見て、どうしたんですか?」
ドアの向こうから現れたのは、風呂上りの仙堂レナだった。
艶を帯びたその髪は、中学生とは思えない色っぽさを纏っていた。
身長154cm、体重47kg。スリーサイズは81、54、80。
身長は夏実より1cm高いし、バストとヒップも夏実以上。そしてウェストは夏実より細い。
体重は夏実より2kg程重いが、そもそも身長(と乳と尻)が夏実より大きいのだから、当然である。
スタイルの良さを構成する要素の全てが、中学生にも劣るという事を、夏実は密かにコンプレックスとしていた。
「良いなーレナちゃん。中学生なのにスタイル良くって」
夏実はレナではなく、レナの胸に話しかけていた。
「何言ってるんですか、先輩だって……えーと……」
スタイルを褒められて気分の良いレナは、例え世辞でも、先輩を立てようと思った。
しかし外見上の事に関して、夏実がレナに賞賛されるような要素は、客観的に見てもゼロだった。
どこを褒めて良いかわからず言葉に詰まった後輩を見て、夏実は溜息を漏らした。
「そう言えばさぁ……胸って、揉むと大きくなるって言うよねぇ」
灯りを消した部屋のベッドの中で、夏実はレナに小さな声で話しかけた。
「い……いきなり何を言い出すんですか、先輩」
消灯してから15分程。
夏実としては半分独り言のつもりだったのだが、まさかレナがまだ起きていて、返事をしてくるとは思っていなかった。
両親を亡くしていた夏実は、二日続けてバイトのある日は実家に帰らず、ホンキートンクの二階で寝泊りしていた。
実家よりホンキートンクの方が学校に近い事も、理由の一つだった。
最初の頃は必要最低限の生活用具を鞄につめてお泊りしていたのだが、慣れてくると
マスターである波児の許可を得て、自分用のパジャマや歯ブラシなどを、常から部屋に置きっぱなしにしていた。
更に最近では、家に帰れないレナが、毎日同じ部屋で寝泊りするようになったので、部屋の中の荷物は増えていた。
レナの母親は我が子に、極端なまでに関心を払わないタイプだった。
家には殆ど帰って来なかったが、とりあえず娘は学校にはちゃんと通っているようで、
担任から何か言われる事も無かったから、放ったらかしにしていたのだ。
元々娘が三者面談の通知のプリントなどを渡しても「忙しいから」と言い張って、無視するタイプの母親だった。
勿論学校側はそれでは困るのだが、レナの担任自体が既に人格者ではない。
担任は、上に嘘をついて、書類も改竄して、レナの保護者とは面談を済ませたと偽っていたのだ。
夏実は「レナちゃんも、揉まれたから胸大きくなったの?」と聞きかけたが、その言葉を飲み込んだ。
レナが義父にレイプされた事は、本人から打ち明けられた事があるので、知っていた。
まだトラウマの癒えていない、何かあるとすぐ自殺を図るような彼女に対して
自分はあまりにモラルに欠けた発言をしてしまうところだった。
しばらく、部屋の中は沈黙が続いた。夏実は戸惑った。
胸の話題を切り出したのは自分の方なのに、それに続く言葉を発する事が出来ない。
どう言っても、レナのトラウマを抉ってしまいそうになる。
先に言葉を繋いだのは、レナの方だった。
「先輩……胸、大きくなりたいんですか?」
これには少々驚いた。普通の女の子の会話としては特別変わったものではないのだが、
レナ自身の口からこのような性的なニュアンスを含む言葉を聞くと、どうしても焦ってしまう。
「う、うん……そりゃ、誰だってスタイルは良くなりたいでしょ?」
だが、夏実のその問い返しに、レナは答えなかった。
再び、不気味な程部屋が静まり返った。
しばらくすると、夏実は隣で眠るレナの布団が、のそのそと動く気配を感じた。
不審に思って体を起こすと、布団から這い出て自分の方に寄ってくるレナの姿を、暗闇に確認出来た。
「レナちゃん……? 眠れないの?」
だが、レナはやはり答えなかった。黙ったまま静かに手をのばし、夏実の頬に触れてきた。
そして、おもむろに夏実の唇を奪う。
「……!」
驚いた夏実は思わずレナを突き飛ばそうとするが、力の入る体勢でなかったために、レナを押し返せなかった。
むしろ、最初から夏実を押し倒すつもりで気構えていたレナの手で、あっさりと布団の上に寝かされた。
仰向けになった夏実の上から、レナの暗い目が見下ろしてくる。
見下ろすと言っても、まだキスは続いているので、二人の目の距離は実に近かった。
本当ならキスというものは目を瞑ってするものなのだが、
いきなり女の子にキスされて、大人しく目を瞑る女の子もいない。
夏実はレナの目に気圧され、抵抗する気さえ起こさず、ただただ唇を吸われていた。
やっとの事でレナが唇を離し体を起こすと、夏実は彼女に問いかけた。
「い……いきなり何するのよ、レナちゃん……こういうの、困るよ……」
「だって、先輩が、胸揉んでほしそうだったから……」
「いや、確かに胸大きくなりたいけど……」
ゴニョゴニョと口ごもる夏実に、レナはそのまま畳み掛けた。
「胸を大きくしたいのなら、マッサージが効果的ですよ。
私だって、いろんな人に揉まれてきたから、ここまで大きくなったんですから……」
爆弾発言だった。
夏実は言葉を失った。レナは、自分の男性経験の遍歴を、とうとうと語り始めた。
「最初は、お母さんの再婚相手……それから、当時の担任の先生。もっとも、この二人は既に殺しましたけど。
それでも、殺すまでの間は地獄でしたよ。毎日家では義父に犯されて、学校では放課後、担任に犯されて……。
いつ妊娠してしまうか、ヒヤヒヤしてました。
それでも当時は、最初の一回目以外は、抵抗しなかったんですよ。抵抗するのが、何だか空しく思えたから。
次に、サリエル……いえ、今はカケル君ね。彼とは、きちんと同意の上でしました。
別に彼の事は好きじゃなかったけど、お互いに寂しさを補い合うような関係でしたね。
彼も私も、愛情に飢えてたから……」
語りつつ、レナは夏実の胸に両手をあててきた。
「んっ……な、何するの、レナちゃん!」
慌てて暴れようとするが、仰向けのままではろくな抵抗は出来ない。
レナは構わず、夏実の胸を揉みしだいた。
「そう言えば……私まだ、女の子とヤった事、無いんですよね……」
-2-
仙堂レナの育った環境は相当劣悪だった。
快楽殺人者の多くは、幼少の頃に自分の親のセックスを目撃していると言われる。
レナの母親は淫売で、しょっちゅう違う男を部屋に連れ込んでは、昼間から情事にあけくれていた。
レナが小学校から帰ると、アパートの鍵は閉まっていて、中に入れないという事は日常茶飯事だった。
中からは、雌の本能をむき出しにした母親の喘ぎ声が聞こえた。
たまたま通りがかった近所の主婦は、同情と蔑みの入り混じった目をレナに向けてきた。
仕方が無いので、レナはランドセルを背負ったまま公園に行き、一人でブランコに座って時間を潰した。
右隣の部屋に住む独身の若い女性は、壁越しにレナの母親の喘ぎ声を聞かされていたために、ノイローゼになった。
レナがたまに会うと、女性はレナの頬をひっぱたき、完膚なきまでに当り散らした。
頬がこけ、顔の青ざめたその女性の顔を見ると、レナは申し訳なくなり、反論も出来なかった。
左隣の部屋に住む若い営業マン風の爽やかな男性は、レナの母親の『客』の一人となった。
母親の喘ぎ声を毎日聞かされていたせいで、性欲が抑えきれなくなったようだった。
平日は会社に出勤しているようだったが、土日はレナの家にあがりこみ、レナの母親と交わった。
男性は、本当はレナをも犯したかった。男性は元々ロリコンというわけでもなかったが、
小学生にしては発育の良いレナを見ていると、禁断の世界に足を踏み入れてみるのも悪くない、
などと考えるようになっていったのだ。
しかし母親が、「娘がいると興が殺がれる」といって、レナを部屋から追い出していた。
母親は別にレナを気遣ったわけではなく、ただ単に、本当に邪魔だったから追い出していただけに過ぎない。
しかしこの事は不幸中の幸いと言えた。
母親が追い出してくれていなければ、レナは小学生の内からレイプされる羽目になっていたのだ。
このような環境で育ったのでは、レナがルシファーの元で、
一時にしろ快楽殺人者になりかけたのも、納得がいくというものだ。
父親は、既に他界している。少なくとも、母はそう言っている。
本当はただ離婚しただけかもしれないのだが、幼かった頃のレナにはよくわからなかった。
今にして思えば、よくまぁ父はこんな女と結婚したものだ。
母の新しい男は、金回りが良かった。彼にも離婚歴があったが、母はそんな事は気にしなかった。
彼に対する愛情からではなく、単に金銭的・財産的な観点でしか男を見ていなかったのである。
新しい父親は良い家に住んでおり、レナは母親と一緒にその家に移り住む事になった。
ノイローゼ気味だった隣人に叩かれる事も、理性のいかれた隣人に厭らしい目で見られる事も無くなった。
しかし、新しい父親は、それ以上にひどかった。
彼は、自分の新しい女房が家をあけている隙に、まだ処女だったレナを押し倒し、犯し、ボロボロにした。
「お前の母親は、俺と結婚してからも、他の男と遊び歩いている。
お前の母親の不貞が許されるんだったら、俺も許されて良い筈だ」
それが男の言い分だった。
実際、その時母親が外出していたのは、以前のアパートでつかんだ顧客と、セックスする為に他ならなかった。
その時レナは中学一年生だったが、今程でないにしろ、スタイルは既に良かった。
それがアダとなって、男を欲情させてしまったのだ。
レナは、帰ってきた母親の前で泣き崩れたが、母親は相手にしてくれなかった。
出かける前には所持していなかった筈の高級そうなアクセサリーから、母親が『客』からまた小遣いを稼いだのだと知れた。
そんな母親が、レナの涙を見て動揺する筈も無かった。
母親がレナを育てていた理由は、自分が稼げなくなった後に、
レナを商売道具にして小遣い稼ぎを続けようという魂胆でしかなかった。
担任は何らかの理由でレナの心が壊れた事には感づいたが、だからと言ってレナに親切にしようとはしなかった。
表面上は優しく接するふりをして、それを口実に、担任までレナを犯してきたのだ。
放課後の教室、成績は悪くないのに何故か居残りをさせられていたレナは、
目の前の担任の目つきが突然変わった事に、本能的に恐怖した。
既に義父にレイプされて男性恐怖症になっていたレナが、担任とは言え男性と二人きりで
放課後の教室に居残りをするのは、極めて恐ろしかった。
それでも居残りを甘んじて受けたのは、もし仮にここで担任に犯されるなら、それも悪くないと思ったからだ。
手首を机の上に押えつけられ、制服のまま臍を舐められたが、レナはあまり激しくは抵抗しなかった。
当時、それほどまでにレナの心は壊れていた。
『初めて』を特別なものにしたくなかった。彼女の『初めて』は、義父からのレイプだったからだ。
セックスとは、大好きな男性とだけするもの、という観念を捨て去りたかった。
ヴァージンとは、一生に一人しか体を許さない男性に捧げるもの、という美徳を忘れ去りたかった。
彼女は、大声で助けを求められないようにボールギグをかまされた。寒気がするほど用意の良い教師だった。
もっとも、彼女に大声を出す気はさらさら無かったのだが。
口に咥えさせられたものの穴から涎がこぼれ、レナの顎をテラテラと濡らした。
まだ慣れていなかったレナの秘所は、快感を得る事もなく、濡れる事も無かった。
担任は苛立ち、もはやなりふり構わず、濡れてもいないのに挿入してきた。
パン、パン、パンと、耳障りな音が教室に響いた。
この音を聞くと、レナは自分が『物』になったような気がした。
少なくとも義父は、自分を穴だとしか思っていない。この担任も同様だ。音は、それを強く思い起こさせた。
さすがに妊娠されては困るのだろう、最後に担任は、レナの腹の上に精液を迸らせた。
「血は出なかったな……何も知らないような顔して、本当はいやらしい子なんだねぇ、レナちゃん」
レナがレイプによって膜を破られた事を知らない担任は、下卑た目線をレナに向けた。
それから神の記述と出会うまでの期間、彼女は毎日犯され続けた。
ファーストキスもまだだったのに、義父には舌を入れられ、担任にはペニスまで捻じ込まれた。
二人を殺したくてたまらなかったが、彼女にそんな力は無かった。
結局膣の中はおろか、乳首の先端から足の爪先に至るまで、全てを汚された。
軽蔑していた母と同じような体になってしまった事に、自嘲した。
ルシファーに選ばれたのは、その頃だった。
後になって彼女は、何故もう少し早く自分の記述の力を与えてくれなかったのか、とルシファーに詰め寄るが
記述の力によって義父と担任を二人を軽く殺害出来たおかげで、ルシファーへの不信感は忘れ去った。
アバリアリティの世界で肉体を押しつぶされた二人は、現実の世界では脳溢血で倒れていた。
それから彼女は家に帰らなくなり、ルシファーの教会で過ごすようになった。
愛情に飢えていたサリエルとは、気があった。
それは、恋愛感情などではなかった。ただの、自分を棚にあげた同情。
今までひどい目にあってきたけれど、まだこの相手よりは、自分の境遇の方がマシだという、歪んだ優越感。
と同時に、やはりどう考えても、まだ自分の方が相手よりひどい目にあってきたという、捻じ曲がった劣等感。
お互いに相手を見下していた。
表立って不幸自慢するわけではなかったが、内心では「大した不幸を背負ってないくせに」と、相手を見下していた。
しかし、それでも二人はお互いを求めた。寂しさを埋めるのに、都合が良かったのだ。
記述の世界での情事は、二人にたまらない快感をもたらした。
こんな事に記述の力を使うのはいけない事だとわかっていたが、ルシファーは黙認してくれた。
アバリアリティの世界では、リアルをはるかに超える快感を得られた。
それに、頭ごなしに「妊娠しない」と思っていれば、例え危険日に中出しされても、子を孕む事は無かった。
母乳が出ると思い込めば母乳が出せたし、サリエルの精液の量もリアルを遥かに超えていた。
何度ヤっても萎える事は無かったし、飽きるまでセックスを続けられた。
思った事が現実になる、便利な世界だった。
もっとも、リアルの世界に戻った時に、サリエルの精液がまだ彼女の膣の中に残っていては
さすがに受精してしまうだろうという事で、ちゃんとアバリアリティの中にいる内に、精液は全て掻きだしていたが。
その日、何十回と交わって、その都度白濁の液体を浴びたレナは、体中を覆うその液体を
適当な家の庭の水道を拝借して、洗い流した。
アバリアリティの世界なので、どこもかしこも無人だった。
サリエルは既に服を着て、彼女の帰り支度が整うのを待っていた。
「そう言えば……私まだ、女の子とヤった事、無いなぁ……」
彼女の呟きがよく聞き取れなかったサリエルは「何?」と聞いたが、彼女は答えなかった。
-3-
レイプされた経験のある女性というものは、どこかが壊れているという。
それまでは平凡な女性だったのに、レイプされた事により、精神がマトモではなくなるのだそうだ。
そういった女性達は、普段はトラウマも癒えて、平気そうな顔で日常を過ごしていても
ふとした瞬間に、周囲の人間に「あぁ、この人は壊れている……」と思わせるような言動をとるそうだ。
恐らく本人には、然程の自覚は無いのだろう。無自覚なままに、他者に寒気を与える。
レナも、そういった類の女性の一人だった。
「やだ……駄目だよ、レナちゃんっ……」
夏実の口を塞ぐように、レナは再び唇を重ねた。
息をする事すらままならない夏実の頬に、温かい液体がこぼれた。
それは、レナの涙だった。
夏実から唇を離したレナは、頬を伝う涙を拭いもせずに、ただただ暗い目で、夏実を見下ろした。
それから自分の左手首に視線をうつし、そこに刻み込まれた幾筋もの傷跡を眺めた。
それは、かつて自らを傷つけた時の名残だった。
死ぬ気は無かった。
彼女は、自分が死ぬぐらいなら、むしろ自分を苦しめる相手を殺した方が建設的だと考えていた。
それでも、サリエルに埋めてもらうまで、途方も無い寂しさを常に抱えて生きていた。
誰も自分を支えてくれないのなら、自分で自分を支えるしかない。
彼女が選んだ手段は、リストカットだった。
傷跡を見ると、とりあえず生きて生活している事が自覚出来た。それを、安心感と錯覚出来た。
傷跡をつける事で、他者を見下せた。苦しい思いをせずに生きられる周りの人間達を、蔑む事が出来た。
あなた達は、自傷なんてしなくても良いような、気楽な人生で良いわねぇ。
私はね、可哀想な子なのよ。大切な体を、ゴミにされちゃったんだから。
今この中に、私より辛い人生を送っていると言える人、何人いるかしら?
大人が抱えているものは子供よりはるかに重いと、私にそう言える大人が何人いるかしら?
そんな事を考えながら、彼女は街を歩いた。
手首の傷は、その頃の彼女の、誤った安堵感の記憶をとどめていた。
「先輩……」
レナは夏実を見下ろしたまま、言葉を紡いだ。
「先輩は、死のうと思った事って、ありますか?」
夏実は、わけがわからないといった表情で、暗闇の向こうにいる筈の、後輩の顔を見上げた。
ポタポタと、後輩の涙が夏実の頬に落ちてくる。
「私はね……ありますよ。……当時は、本当に死にたいと、思ってた。
でもね……今なら、それは錯覚だったと、思えるんです」
夏実はゆっくりと体を起こして、レナの言葉に聞き入った。
「人間って、本当に辛くなったら、生きるか死ぬかしか、考えないですよね。
自傷なんて中途半端な事をするのは、死ぬ気なんか全然無いのに、辛いフリをしたいだけの証拠。
ほら私は死ぬ程辛いんだよって、自分に言い聞かせるだけのもの。
だって、本当に死ぬ程辛かったら、死ぬ筈ですものね」
実に極端な考えだ。
世の中には、本当に死にたくても、何らかの理由があって死ねない人間は、大勢いる。
自分一人が楽になる事と、自分が死んで周囲の人間に迷惑がかかる事を天秤にかけて
他者のために自らの命を、嫌々永らえる者もいるのだ。もっとも、そういった人間は、心が強いから自傷もしないのだが。
兎も角そういった諸々の事が、まだ所詮中学生であるレナにはわからなかった。
彼女が死んでも彼女の家族は全く悲しまないであろう事も、彼女の偏った考えに拍車をかけていた。
自殺を図る者の大半は、普通、死んで親や家族を悲しませる事が嫌だから、思いとどまるのである。
レナは、常日頃から、暗い表情を出さないように心がけていた。
ルシファーの配下だった頃はそうでもなかったが、ホンキートンクに来てからは
周囲に気を配って、なるべく陰鬱な空気を醸し出さないように努めていた。
それは、彼女が人間を好きになっていた証拠だった。
しかし、無理はするものではない。彼女は誰の前でも泣かない事で、逆に涙を溜め込んでしまっていた。
天然である夏実でも、その事には気付いていた。
レナ本人が席を外している時は、もっぱら波児と二人で、彼女の精神バランスの危うさを心配していた。
波児は、幼い者の泣き場所になってやる事も、大人の男の務めだと思っていた。
しかしレナが心を病んだ原因は、その『大人の男』なのである。
トラウマが癒える前から、迂闊に胸板を貸すわけにもいかなかった。
それをわかっていた夏実は、レナの泣き場所になるのは、自分の役目だと常から思っていた。
夏実は暗闇の中、手探りでレナの体に触れると、そのまま優しく抱きしめた。
レナにとっては、何年かぶりの温もりだった。
死んだ義父や、元担任に抱かれていた時も、そればかりかサリエルに抱かれていた時でさえも、温もりを感じる事は無かった。
体温は感じるが、それは体温でしかなかった。
そしてそれは、温かいというよりもむしろ生温い感触で、吐き気を催す事もあった。
だが、今は違う。
相手が女性だから安心出来るのか、それとも夏実が生来備えている母性故か、
レナは久方ぶりに、純粋な温もりを感じる事が出来た。
それは、かつて実父に抱きかかえられていた、幼い頃のあの温もりに近かった。
レナは、隣の部屋の波児にも聞こえんばかりの声で、しかしそれでも必死に声を抑えながら、夏実の胸の中で泣きだした。
「大丈夫……大丈夫だよ、レナちゃん……」
「うぅっ……うぇえん……ふっ……う……っ」
嗚咽は波児の枕元にも微かに聞こえていたが、彼は全てを夏実に任せて、布団から出る事さえしなかった。
「しんどいかもしれないケド、頼むぜ、夏実ちゃん……」
再び、レナは夏実とキスしていた。
思えば、舌を絡ませないソフトタッチなキスは、今日が生まれて初めてかもしれない。
カケルとでさえ、いつもディープキスが主流だった。
夏実は、もはや抵抗など微塵もしなかった。自分の愛で、レナを包んでやろうとしていた。
夏実の両手はレナの両頬に添えられ、二人の目はそっと閉じられていた。
しばらくキスを続けた後、夏実は一旦レナの唇から離れた。
「レナちゃん……」
「先輩……お願いします。先輩の手で、私の体、綺麗にして下さい……」
レナは、自分の体が汚れている事を、今でも悔やんでいた。浄化されたかった。
しかし、いくら信頼出来る男性と言っても、波児や蛮達には、まだ抵抗があった。
いつかは、彼らの内の誰かと交わって、体中を丹念に愛撫してもらって、すっかり浄化されたい……。
そう考えてはいたが、男性恐怖症は中々治るものではなかった。
その点、相手が夏実ならば申し分無い。
女性には恐怖心は感じないし、夏実個人の事も十分信頼している。
夏実はレナのそんな気持ちを察し、黙ってレナのパジャマのボタンを、一つ一つ外しにかかった。
「やっぱり、いつ見ても羨ましい胸だなぁ……」
露わになったレナの乳房を見て、夏実は感嘆の声を漏らした。
「でも……えぇと、その……小さい胸の方が、感度は良いらしいですよ?」
レナは夏実を気遣ったが、およそフォローになっていなかった。
「むー……皮肉られてるようにしか聞こえないなぁ」
「でもでもっ、男性には喜ばれますよ?」
そう言うと、レナは夏実の控えめな乳房を、再び揉んでみた。
「あぅ……やだ、レナちゃ……んっ……」
レナの言う通り、夏実は簡単に色っぽい声を出してしまった。
「ほら、私の言った通りでしょ? 私でさえ、初めての時は少しも気持ちよくなかったのに」
「うぅ……恥ずかしい……」
夏実は、逆襲のつもりでレナの胸を鷲づかみにした。そうして、そのまま強めに揉みしだく。
「あぁ……せ、先輩……」
既に開発されきっていたレナの性感は、夏実のテクニックの前に早くもガードを下げ始めた。
さすがに女性だけあって、夏実は今までレナを犯してきたどの男性よりも、的確な攻めを展開してきた。
掌から指先に至るまでの全ての力加減が絶妙で、今までオナニーとアバリアリティの世界以外では
一度も勃った事の無かったレナの乳首が、段々としこり始めてきた。と同時に、乳房そのものが弾力を増してくる。
夏実はレナに口付けると、そのまま舌をレナの口内に侵入させた。
さすがの夏実もディープキスには慣れていない様子だったが、今度は逆にレナがリードしてみせた。
お互いの舌が相手の舌の上下左右をくまなく這いずり回る。
時折、突き出された相手の舌を上下の唇だけで噛み、そのまま唇をズルズルと前後に動かす。
さながら口が女性器で、相手の舌が男性器のようなモーション。それをお互いに交互に繰り返した。
夏実は十分にレナの唇を『浄化』してやると、次は頬、次いで額にも丹念にキスをしてやった。
耳朶を甘噛みし、首筋や鎖骨にも口付け、乳房や乳首から臍や指先に至るまで、丁寧に舐め回していった。
勿論錯覚なのだが、レナは夏実の入念な舌使いによって、本当に体が綺麗になっていく気がした。
そしてとうとう、最後の標的。もっとも汚されているであろう、女性器に夏実は照準を定めた。
「いくよ……レナちゃん」
「はい……お願いします、先輩……」
夏実はレナの内腿の間に顔を挟むと、もうすっかり濡れそぼってオアシスをたたえたその秘所に、ゆっくりと舌を伸ばした。
ぴちゃ……ぷちゅっ……ちゅぅ……ちゅっ、じゅる……
わざとらしく音を立てながら、夏実はレナの襞に口付け、舐め、吸った。
的確なポイントを刺激する度に、レナの体がビクンッと反応した。陰核の包皮を剥き、直接そこを舐める。
「ひぃいっ!」
一瞬獣のようにレナの体が打ち震える。指で同じ場所を摘み、コリコリと引っかき、押し込む。
レナの体はもはや継続的な電気ショックに晒されているかのごとく痙攣し続けている。
「それじゃ……最後に、奥の奥を、綺麗にしてあげるからね」
夏実はそう言うと、指を三本ほど、レナの膣に挿入した。
一本の指はGスポットに、もう一本の指は膣の出入り口付近の、Gスポットの次に感じる部位に、
もう一本の指は満足のいく太さを得るために、それぞれあてがわれた。更に、挿入されていない親指も、陰核にあてがわれる。
夏実はレナの膣内で縦横無尽に指を動かし始めた。
「あっ、あはぁっ!はぁっ!あぁあっ!」
レナの膣からは大量の愛液が飛び散り、声は最早波児の部屋まで突き抜けていた。
「うわぁ……やってんなぁ、夏実ちゃん……」
中学生の喘ぎ声は、三十路半ばの波児には良い回春剤になりそうだった。
「ひぇ、ひぇんぱい……ひぇんぱいぃっ……!」
レナは呂律もまわらない程に口を大きく開け、その舌は何かを吐き出すように虚空に突き出されていた。
涎は途方もなく溢れ、滝のようであった。
なおも夏実の攻めは続く。次から次へと溢れ出てくるいやらしい汁を、かきだすように指を動かす。
レナは体を弓のようにしならせ、白目さえむきかけた。
しかし攻められてばかりでは悔しい。レナは必死で意識を保って、腕を夏実の乳房に伸ばした。
「ぅあっ……れ、レナちゃぁん……」
先輩に綺麗にしてもらう代わりに、先輩の胸、大きくしてあげますから……
そう言いたかったが、レナはまともに口をきく余裕すら無かった。
だが、やはり乳房だけを攻められている夏実と、膣を直接攻められているレナとでは、勝敗は明らかだ。
「あぁ……イく……イくふぅっ!!」
レナは早々に絶頂を迎え、そのまま意識を失って布団の上に倒れこんでしまった。
次に目を覚ました時は、朝だった。
汗ばんだ全裸の格好のままで、レナは丸一晩寝転がっていた事になる。
カーテンの隙間から朝日がこぼれていた。
膝元には、同じく全裸のままで、すやすやと寝息を立てる夏実がいた。
「先輩……ありがとう、ございます……」
レナはそう言うと、敬いつつも今では愛しく思える先輩の可愛らしい乳房に、返礼の意味で口付けた。
クレイマン×蛮
アトリエの窓から見える野原の上空は清々しく晴れており、スケッチ日和と言えた。
小さな花が点々と咲き誇り、その周りで蝶が踊っていた。
クレイマンの邸宅は小高い丘の上。周囲に人家は無く、一軒だけぽつりと立っていた。
しかし、寂しそうには見えない。よく手入れのされた庭と、傍に一本だけ生えた大きな木。
そして時折やってくる鳥達。これらは全て、クレイマンの家族と言えた。
クレイマンは、美術・芸術に造詣が深いだけでなく、自身も彫刻を嗜んだ。
秀逸な彫刻を彫るためには、その設計図となる絵を描き上げる画力も、相当なレベルが求められる。
だがクレイマンは、およそ美術に関する事では不得手とするものはなかった。
かつて蛮に依頼されて作り上げた数々のラバードールを見ても、その実力は窺い知れる。
あの赤屍蔵人の目すらも欺いたのだから。
更に彼女の寝室には、彼女の手によって作り上げられた小さな彫像が、いくつも並んでいた。
それらはどれも見事な出来栄えで、もし彼女に名声を求める欲が人並みにあれば、それらの作品は
今頃は美術館に展示され、また彼女自身も、それらの彫像の作者として
美術専門誌に幾度と無く取り上げられていておかしくない作品ばかりだった。
だが、そうしてありとあらゆる作品を作り上げてきた彼女にも、
一つだけ、未だ作る事の出来ないものがあった。
それは、自分自身をモチーフにした彫像である。
自画像ならいくらでも描いた事がある。だが、彫像となると話は別だ。
何故なら、どんな人間も自分の背中を見る事は出来ないからだ。
鏡を使えば可能ではあるが、正確に作るためにはそれなりのサイズの鏡が何枚も必要だった。
勿論、それだけの鏡をアトリエに取り揃えるだけの資金の余裕はある。
だが、そうまでして自分の体を彫像に起こすよりは、他に彫りたいモチーフが山ほどあった。
家族とも言える鳥達に、自宅の傍の木。
街に下りれば、その美しさで人気を誇る、パン屋の娘。
古書店には年輪とも呼べる皺を刻み込んだ、厳かな老人。
頼まれて、ある酒屋の店先の吊り看板を作成した事もあった。
それらをモチーフに絵を描き、彫像を彫るうちに、自分自身をモチーフにする事は、後回しになっていたのだ。
機会があれば、本格的に自分の姿を彫る事に、没頭してみたい……。
その思いは日増しに強くなっていった。
そうだ、彼に依頼してみよう……。
クレイマンは街に車を走らせ、ホンキートンクへと入店した。
「よう、いらっしゃい。……あれ、あんたは……」
波児は新聞から顔をあげて、何度か見た覚えのあるその顔を眺めた。
「こんにちわ、マスター。美堂君は、こちらにおられますか?」
クレイマンは、以前見た時と違って、男物のスーツを着用してはいなかった。
薄いピンク地のレディスーツ。スカートからのそかせる生足は、彼女にしては新鮮だった。
「生憎ゲットバッカーズの二人は、今日はまだ来てないね。多分歌舞伎町あたりで宣伝でもしてんだろう。
ケータイで呼べば来ると思うが……もっとも、ケータイが止められてなければ、の話だがね」
「いえ、お構いなく。特段に急ぎの用事というわけではないんですよ。
マスターのコーヒーでも頂きながら、ゆっくり待たせてもらう事にしましょう」
波児は、蛮や銀次などの年下の人間と話す時と違って、目上の者である自分には敬語を使う目の前の女性に
以前にも増して、一流の気品を感じる事が出来た。
意外にも、蛮と銀次は程なくしてホンキートンクにやってきた。
「よう、お二人さん。お客さんがお待ちだぜ」
「あ? お前……」
「あー! クレイマンさん!」
「やぁ。元気だったかい、二人とも」
蛮と銀次はそれぞれツケでコーヒーを注文すると、クレイマンの座っているテーブル席に向かって歩いた。
「……依頼か?」
「あぁ。けれど今回は、ゲットバッカーズへの依頼ではないよ、美堂君」
「どういうこった?」
「君個人に依頼したい事があるんだ」
ゲットバッカーズへの依頼ではなく、あくまで蛮一人への依頼という事で、銀次は途端に除け者にされたような気がした。
「どういう、依頼なんですか?」
「それは……すまない、出来れば他の人には聞かれたくは……」
蛮以外の者は席を外してほしいとばかりに、クレイマンは銀次に目配せした。
「ちょっと待てよ、クレイマンよぉ。俺らは二人一組の奪還屋だぜ?
その俺達に、ゲットバッカーズへの依頼ではなく、あくまで俺個人への依頼?
しかも俺の相棒の銀次は不要ってか?」
ある意味蛮は、銀次以上に不機嫌になったようだ。
「落ち着いてほしい。今回の依頼は、芸術に関する事でね。
芸術を深く愛する君に、是非とも動いてもらいたいんだ」
だが、蛮はなおも食い下がる。
ゲットバッカーズへの依頼ではないという日本語は、二通りの意味にとれる。
一つは、蛮と銀次の二人ではなく、あくまで美堂蛮に、奪還してもらいたいものがあるという事。
もう一つは、そもそも今回の依頼が、奪還ですらないという事。そのどちらかだ。
そしてどちらも、ゲットバッカーズとしてのプライドを持つ蛮には、神経を逆撫でされるようなものでしかない。
しばらく押し問答が続いたが、このままでは埒が明かないので、銀次は自主的に席を立つ事にした。
カウンター席に座りなおして、飲みかけのコーヒーを啜る。
テーブル席からは微かに二人の声が聞こえたが、内容まではわからなかった。
しかし、蛮が少々苛立ちながら話しているのはわかった。
「……今、何つった?」
「女性に、二度もこんな事を言わせるのかい?
……もう一度言おう。私の裸をスケッチしてくれ。出来るだけ正確に。細部に至るまで」
サングラスの奥でクレイマンの発言の裏の意図を深読みしようとする蛮に、クレイマンは事情を説明した。
「……なるほど、自分じゃ見えない背中側を、俺に描いてほしいって事か?」
「あぁ、そうだ。君に絵心がある事は知っている。以前自由の女神を、私の前でスラスラと描いてみせた事があったろう?」
「あんなもん、ただの走り書きみたいなもんだぜ」
確かに走り書きだったが、それ故に描き手の実力が多いに反映されていた。
十代であれ程の絵を描けるなど、パブロ・ピカソ程でないにしろ、かなりの画力の持ち主である事の証明だ。
本気で、時間をかけて、丹精をこめて描けば、相当なレベルの作品が、蛮には描ける筈だった。
「言っとくがな、クレイマン。俺らは奪還屋だ。何かを取り返すのが仕事だ。
それ以外の副業をする事は、プライドが許さねぇよ」
「駄目かい?報酬はそれなりに支払うつもりだよ。
君の画力になら、例え鉛筆だけのスケッチでも、十万から数十万、支払って惜しくない」
「鉛筆画に十万たぁ、随分気前の良い話だな? 鉛筆画なんてのは、多くの場合ただの下書きだ。
プロは完成した絵に対して対価を貰う。まして俺みたいな、画家でも何でもない無名の男に……」
「不服かい?」
「何度も言わせるなよ。俺らは奪還屋だ」
「そうか……」
クレイマンは、諦めて席を立とうとした。プロの持つプライドの高さは、彼女自身にも理解出来る。
しかたがない、鏡を買おう。彼に依頼するより、姿見をいくつも購入した方が、元々安上がりだ。
ただ……彼に頼めば、ただ単に鏡を見て描くよりも、趣きの深いスケッチを、描いてもらえそうだと思ったのだけれど。
「待ちな、クレイマン」
クレイマンが完全に席を立つ前に、蛮が引き止めた。
「俺らは奪還屋だから、奪還以外の依頼は引き受けない。
けどな、依頼料の発生しない、ただの手伝いなら、当然引き受けるぜ」
さすがに、クレイマンは目を丸くした。
普段は凛としてある意味力強い彼女のキョトンとした表情は、不覚にも可愛らしかった。
「……良いのかい? タダ働きは君の最も嫌いとするものだろう?」
「仕事に関係の無い、個人的な付き合いの延長なら、断る道理は無ぇよ」
正直な話、美術に造詣の深い蛮自身、久しぶりに絵を描いてみたいという気持ちもあった。
ここのところ貧乏暇なしで、ゆっくりと絵を描く時間がとれなかった。
また、スケッチブックや画材を購入するような金も、殆ど持ち合わせていなかった。
しかしクレイマンなら、画材も何もかも用意してくれるだろう。そんなケチな女性ではない。
銀次には「絵を描いてほしいってだけだから、仕事ですら無ぇよ。ちょっくらクレイマンの家に行ってくらぁ」
とだけ説明して、裸婦スケッチをするという点は伏せておいた。
銀次にとっては、クレイマンの家に行けば、かつて自分が感銘を受けた名画に並ぶ程の美術品に
お目にかかれるかもしれない、という考えもあったが、蛮の作業の邪魔になってはいけないと思い
二人についていく事を自重した。
クレイマンの自前の赤いミニクーパーに乗せられて到着した先で、蛮は感嘆の溜息を漏らした。
「……こいつぁ、中々の景色じゃねぇか。裏新宿から車で小一時間程のところに、こんな場所があったとはな」
「気に入っていただけたかな? この土地を買うには、少値がはったよ」
クレイマンは車を降りてそのままアトリエに向かおうとしたが、蛮はずっと庭に立ち尽くしていた。
景色に見とれているのもあるが、それ以上に、この景色をスケッチブックの上に再現してみたいという思いが強かった。
芸術家肌の血が騒ぐ。勿論クレイマンの美貌をスケッチする事も、美術の観点から見て非常に価値のある事だったが
その頼み事を反故にして、この景色を描く事に没頭しようかとさえ、思いかけていた。
しかし、単に女性の裸をスケッチするのと違い、風景画を描くのには相当な時間がかかる。
鉛筆だけで終了する今回のスケッチとは違い、風景画は絵の具による作業工程が入るのだ。
製作日数は何十日にも及ぶ。今日のところは諦めるしかなかった。
「……何なら、この原っぱで、私をスケッチしてみるかい?」
後ろからクレイマンが話しかけてきた。
「……ここでか? お前、露出の趣味でもあんのか?」
「ここには君と私以外に誰もいないし、誰も来ない。幸いこの陽気だ、風邪はひかないだろう。
この景色に興味があるんだろう?」
「だが、今日は描いてる時間無いぜ。また今度の機会にでも、ゆっくりと……」
とは言うものの、正直クレイマンが全裸でこの野原の上に佇むというのは、非常に見栄えしそうだ。
ただ裸婦スケッチする以上のインスピレーションが沸いてきそうで、
一人の美術を志す者である蛮にとって、非常に興味をそそられる。
「遠慮する事は無い。君の好きな場所で描いて構わないよ。
依頼料を払わないのだから、他の見返りを与える事に、私も吝かではない」
蛮の返事も待たずに、クレイマンは自宅にスケッチブックと木炭鉛筆を取りに向かった。
次に現れた時、クレイマンは薄いシーツ生地の布を胸のあたりから足元まで巻いていた。
直前まで着用していたレディスーツは脱いできたようだ。
「さすがに……いきなりは恥ずかしいからね」
生娘ではないだろうが、さすがに男に裸を見られるのには若干の抵抗があるようだ。
クレイマンは蛮に、最もインスピレーションを掻き立てられる構図はどのようなものかと聞いた。
「そうだな、あの木が映るようにしてぇ。眠れる森の美女のイメージで描きたい」
クレイマン自身も、自らの顔立ちと見事なボディラインに、それなりの自身があった。
この体そのものが既に芸術品のようだと密かに自負していただけに、美女と形容されると一層気分が良かった。
「それじゃ、お前の彫りたい通りのポーズをとってくれや。それをスケッチするからよ」
「いや、止そう。むしろ君が、私に自由にポーズをとらせてくれて構わない。
スケッチする君自身の趣向にあわせた方が、この場合は良いものが作れそうだからね」
それならば、という事で、蛮はクレイマンに、腰に片手をあてて、若干腰をひき、顎を少しだけ突き出すように頼んだ。
彼女が体に纏っていたシーツを恥じらいつつ脱ぎ捨てると、流麗なボディラインがそこに現れた。
豊かな胸から引き締まった腰へと伸びる、女性美の極致のような流線。
その腰から下半身へと更に線は伸び、股間と尻を経由して太腿、そして膝、脛、踝へ。
最終的に踵と土踏まず、そして指先の一本一本までその線は伸び、見事としか言いようのない肢体を形作っていた。
肩から肘を経由して手首へと伸びる線も、小川のせせらぎのように美麗だった。
その指先は、フォークさえ持てないのでは、と思わせる程に細かった。
クレイマンは地面にしいたシーツの上に、すこし腰をくねらせて立った。
元々麗しかった瞳は、恥じらいと春の陽光がブレンドされた事で、一際輝いていた。
蛮は、かつてルーブルでミロのヴィーナスを初めて見た時のように、畏れの溜息をはいた。
「すげぇな……これ程たぁ……」
「……照れる。それに恥ずかしい。早くスケッチしてくれないか……」
だが、蛮は一つ、彫刻を作るに際して問題となる点に気がつくと、そこをクレイマンに指摘した。
「なぁ、アソコの毛はどうすんだ? 彫刻でも再現すんのか?」
「そう言えば……」
クレイマンは逡巡した。確かに、陰毛までも再現した彫刻はいくつかある。
しかし大半の彫刻は、無毛の姿で形作られている。
もっともそんなものは、例えスケッチの時点は生えていたとしても、普通は彫る段階で除外して考えるものだ。
しかし今回自分は蛮に対して、出来るだけ正確に描いてほしいと頼んだ。
そのスケッチから寸分違える事無く彫像を彫る予定だったので、陰毛は最初から無い方が、良いと言えば良い。
「そ……剃った方が、良いか……?」
「いや、別に……無理して剃らなくても、スケッチする段階で、俺が毛を描かなけりゃ良いだけだろ?」
「だが、それでは……毛で隠されている部分のラインまで、正確にとる事は……」
「大丈夫だって。そんかわし、なるだけ近づいて、細かく見せてもらう事になるけどよ」
背に腹は変えられない。クレイマンは剃毛プレイと、陰部を至近距離でじっくり見られる事を天秤にかけた。
クレイマン×蛮
2-A
処女程でないにしろ、やはり自分の陰部をじろじろと見られる事には抵抗がある。
女児のように無毛になるのは恥辱に近いものがあったが、仕方が無い。
股間からはみ出た、ビラビラした肉を隠す毛が無くなる事は大変な恥ずかしさだが、
芸術のためならば飲み下さねばならない。
「それじゃ、リビングで待っててくれるか? バスルームで、その……処理、してくるから」
ただでさえ全裸でいる事が恥ずかしかったクレイマンは、急いでシーツを胸のあたりにあてがった。
長いシーツはそのまま股間まですっかり隠したが、慌てていたために、後ろは全くの裸だった。
そのままの格好で、走って自宅に戻る。魅惑的な尻を振りながら、彼女はドアの向こうに消えていった。
「おいおい……俺、ここ来るの初めてなんだぞ。リビングの位置なんて知らねぇよ」
蛮はスケッチブックと画材を野ざらしにする事をよしとせず、それらを抱えてクレイマンの後を追った。
クレイマンはバスルームに駆け込むと、恥ずかしさを払拭するように、すぐにシャワーをひねった。
最初は冷たかった水が徐々に温かくなり、やがて心地よい熱さになった。
頭からそれを浴び、髪を濡らす。滝のように流れる湯は鎖骨から乳房へと落ち、先端からボタボタと落下した。
陰毛も十分に濡れたところで、クレイマンは自室に買い置きしておいた剃刀を、持ってくるのを忘れていた事に気付いた。
「しまった……今から取りに行ったら、美堂君と鉢合わせてしまう……」
もう既に裸を一度見られているのだし、そもそもバスタオルを纏って行けば良いだけの話なのだが
クレイマンは動揺していて、判断が遅れた。
「おーいクレイマン、リビングってな、どこだ?
勝手に一つ一つドア開けて確かめて行って良いのかー?」
廊下に通じるドアの向こうから、蛮の声が聞こえてきた。
慌ててバスルームから返事をしようとするが、声が響いて、逆に廊下にはよく聞き取れなかったらしい。
「あん? 何て言ってんのかわかんねぇよ」
元々、蛮は勝手に女性のシャワーシーンに乱入する癖がある。ヘヴンも卑弥呼も、その犠牲になっている。
蛮は平気で、くぐもった声の聞こえてきた方向のドアを開けた。
おそらくそこがバスルームで、そこにクレイマンがいると察したのだ。
ドアを開けると、洗面台と浴槽が一つの部屋に収められた、伝統的な外国風のバスルームがあった。
浴槽の外側に水が飛ばないよう、浴槽を隔てるカーテンがしてあった。
その向こう側に、クレイマンの美しいシルエットが見える。湯気がたって、室内は早くも蒸していた。
「馬鹿、入ってくるな!」
「悪い悪い、リビングがどこかわかんねぇからよ」
クレイマンは焦った。バスタオルは、カーテンの向こう側、蛮の近くにある。
蛮にあまり裸を晒したくないから、バスタオルを羽織りたかったのに、
蛮がそこにいるのでは、バスタオルをとるために、蛮に裸を晒す必要が出てくる。
「リビングは、廊下に出て突き当たりだ。早く出て行ってくれないか」
「おーわかったわかった。……しっかし、今更隠すもんでもねぇだろ。
後で嫌と言う程拝ませてもらうんだしよぉ」
君、そういうのをセクハラと言うんだぞ……とクレイマンは思ったが、口にはしなかった。
蛮がバスルームを出て行く音を確認すると、クレイマンは浴槽から出て、バスタオルをとった。
そのままバスルームから出て、二階の自室に向かう。
だが、焦っていたのが災いした。足音で、リビングにいた蛮が気付いてしまったのだ。
それでなくとも、リビングのドアは半分以上ガラス張りの仕様で、廊下がよく見える。
バスタオルを巻いて出てきたクレイマンを見て、蛮は既に彼女が陰毛の処理を終えたのだと勘違いした。
「何だ、早かったじゃねぇか」
「……いや、まだだ。剃刀を部屋に忘れていたんだ」
その間抜け回答に蛮は大笑いした。
「お前でもそんなギャグ漫画みたいなボケかますんだなぁ。ギャップがあるから最高に笑えるぜ」
「うるさいっ。剃刀を取って戻ってくるから、お前はリビングで待ってろ」
クレイマンは急いで階段を上がっていった。
あまりにも慌てていたために、階段の下から見上げると、陰部がバスタオルで隠れておらず、
暗いながらもわずかに覗き見る事が出来た事までは、気付いていなかった。
「ガードが固ぇんだか、甘いんだか……」
クレイマンが片手に剃刀を持って一階に戻ってくると、廊下に蛮の姿は無かった。
リビングに戻ったのだろうと思い、そのままバスルームへ向かう。
わざわざドアを開けてまで、リビングの中を確認しようとは思わなかった。
だから、まさかバスルームに彼がいるとは、思いもしなかった。
「な……っ。何で君がここにいるんだ! リビングで待ってろと……」
「良いじゃねぇか。眼福は多い方が良いってね」
下手に抵抗されてはかなわないので、蛮は得意のスピードでクレイマンの手の中にあった剃刀を奪うと、
そのまま刃の方を持って、わざとらしくヒラヒラさせてみせた。
「なっ……いつの間に……」
「へへっ、俺の速さはお前も知ってんだろ? 戦闘の素人が相手なら、楽勝中の楽勝だぜ」
「返してくれ。それが無いと処理出来ないだろう」
次の瞬間に蛮が放った一言は、クレイマンを驚愕させた。
「俺が剃ってやるよ」
一瞬言葉の意味がわからず、再びキョトンとする。徐々に言葉の意味がわかってきて、三秒程で顔が真っ赤になった。
「何を言い出すんだ、君は……! そんなもの、芸術に関係無いだろう……」
「あぁ、確かに俺が剃ってやったところで、彫刻の完成度には関係無いな」
「それじゃあ……」
「単なる趣味だよ」
蛮はそのままクレイマンのやや尖った顎を持ち上げ、今にも泣き出しそうなその瞳を覗き込んだ。
間近でじろじろと陰部を見られたくないから剃毛しようとしたのに、これでは余計に恥ずかしいではないか……!
服が濡れるので、蛮も着ているものを全て脱ぎ捨てた。
華奢な割りに筋肉のついた、精悍な体つき。これはこれで彫刻にしてみたいと、クレイマンは思った。
剃刀は蛮が持っている。取り返す事は、自分には不可能だろう。観念して、クレイマンは浴槽に座り込んだ。
西洋式のバスルームは、日本の風呂と違い、浴槽に湯をはらない。
浴槽の中で体を洗い、自分が洗い終わると綺麗に洗剤を流し、次の人間と交代するのである。
そのため、体が洗いやすいように、片方の端が傾斜になっている。
この部分に上半身を預けて寝転り、体を洗うのである。
蛮はゆっくりとクレイマンをその傾斜に、仰向けに寝かせた。そして、自分はその反対側の端に座り込む。
この家そのものと同様、バスルームも広めだったので、二人の大人が余裕で入りこむ事が出来たのだ。
クレイマンは目をきつく閉じて、蛮の前で股を開いた。屈辱的な体勢だった。
蛮は開かれた両足の間に自分の体をポジショニングさせ、毛を剃るためのムースを片手にとった。
それを、既にシャワーで濡れたクレイマンの股間に、丹念に塗りこむ。
「ふっ……う……」
艶やかな喘ぎ声が漏れてきた。蛮は調子付いた。
「おいおい、濡れんの早過ぎなんじゃねぇのかぁ? もうびっしょりだぜ」
「そ、それは……シャワーを一度浴びたから……」
そう、確かにそれはシャワーのせいだった。蛮もそんな事はわかっている。しかし、言葉責めは続ける。
「どうかな? 本当はこういうの、期待してたんじゃねぇのかよ?」
「そんなわけ……あふっ」
「それほど親密でもない男に、テメェのマッパをスケッチして欲しいなんざ、その気があるか、ただの痴女でしかないだろうが」
「馬鹿を……言うな……芸術の……ために……」
「だったら、ヘラにでも頼めば良かったろうが。あの女だって、それなりには描けるだろ?」
「それなりじゃ……駄目なんだよ……あ……」
蛮は、クレイマンの濡れた陰毛を、指先で一束つかんで軽く引っ張った。
「何をぉ……す……あはぁっ……」
「何って、丁寧にムースを塗りこまなきゃな? だろ?」
毛を剃るためのムースというものは、皮膚を保護するためのものであり、毛に塗りこんでも意味は無い。
そんな事は蛮もわかっていた。これは、ただクレイマンをいじるための名目に過ぎない。
しょり……じょり……じょり……しょり……
ゆっくりと、丁寧に、クレイマンの陰毛が剃られていく。
それは頭髪と同じく金色に輝いており、それが剃刀の刃の上を流れる様は、神秘的ですらあった。
蛮は床屋の親父のような柔らかな手付きで毛を剃り、その柔らかさが殊更にクレイマンを刺激した。
「や……あ……」
もはや見紛う事なき愛液が、クレイマンの秘所から漏れ出していた。
陰部の肉にそって指を滑らせ、その粘着質な液体をすくいとると、同時に剃り終わったばかりの金色の陰毛もついてきた。
蛮はそれを、クレイマンに見せ付けた。
「へっ、テメェも女だなぁ」
「そういうの……やめてよ……」
やがて全て綺麗に剃り終えると、蛮はクレイマンの股間にシャワーをかけて洗い流した。
ムースが洗い流され、綺麗な股間が露わになった。
「へぇ。外人は綺麗なピンク色のマンコが多いって話は聞いた事はあるが、マジだとは思わなかったぜ。
それともお前のが特別綺麗なのかよ?」
「し……知らない、そんな事……」
クレイマンは横を向いていたが、ちらっと見た時に、蛮の陰茎が既に勃起しているのは視認出来た。
もはやこのまま何事も無く終わる筈が無い。終わらせてもらえない。
それだけは確信出来た。
「安心しな、今日は元々スケッチをしに来ただけだ。ここで本番ヤって、無駄に時間をくいたかねぇよ」
一瞬クレイマンは安堵しかけたが、蛮の方を振り向いてその目を見た時、自分の判断の甘さを痛感した。
彼の目は、十分に何かを企んでいる目だった。
「心配すんな、本当に本番はやらねぇよ。まぁ、コレの処理ぐらいはきっちりしてもらうがな」
蛮は隆起した男根をクレイマンに見せ付けると、後はクレイマンの判断に任せた。
何も言わずとも、この状況なら何をすれば良いか、聡明な彼女ならわかるだろう。
クレイマンは、その細い指先で蛮の立派な陰茎に触れた。
そのまま、流れるようにスルスルと掌で覆い、包み込んでいく。
日本人の男性で、これほど大きく硬い陰茎をほこるものがいたとは思わなかった。
昔付き合っていた黒人の男性程ではないけれど……そうね、二年前にパリで出会った、あの白人の元カレぐらいかしら……
クレイマンは無意識の内に、過去に出会ってきた男性達と、目の前の蛮を比較していた。
一方蛮も、過去の女性達とクレイマンを引き比べていた。
指の細い女ならいくらでもいたが、クレイマンの指の繊細さは芸術だぜ……軽く握られただけでもイっちまいそうになる……
クレイマンはそのまま、手コキを開始した。
浴槽にふんぞり返って座る蛮の両足の間に、正座するように座って、ひたすらに陰茎を凝視しながら。
時折蛮の顔を見上げて、反応をうかがう。だが蛮は、先程からずっと余裕の表情だ。
あまりの余裕気さに、彼が今煙草をくゆらせているような錯覚さえ生じる。
手早く済ませたいと焦るクレイマンを、蛮は一層焦らせる事にした。
ふんぞり返るのをやめて姿勢を軽く前に倒し、パイパンとなったクレイマンの陰部に手を伸ばす。
「ひっ……!な、にを……」
「お前が俺をイかせるのが先か、俺がお前をイかせるのが先か……もっとも、俺は自分がイくまでやめるつもりは無いがな」
逆に言えば、彼をイかせる事さえ出来れば、この屈辱から開放される……
クレイマンは蛮の絶妙な指使いにピクピクと反応しながらも、懸命に蛮の陰茎をしごき続けた。
毛を全て剃り終えたクレイマンの陰部は、子供のようにツルツルだった。
しかしその滑らかさを台無しにする、ビラビラした肉が真ん中からはみ出ている。
そしてその中は、既にグチョグチョに濡れていた。ツルツルとグチョグチョのハーモニーに、蛮は心躍った。
指だけではなく、もっとこの神秘的な部位を味わいたい。
蛮は両手をクレイマンの内腿にあてがうと、そのまま勢い良く股を開かせた。
「なっ……何を!」
困惑するクレイマンの隙をついて、得意のスピードで彼女の股間の下に顔をつっこみ、仰向けになる。
そこからはクレイマンの陰部がよく見えた。尻の穴まで丸見えである。
蛮はそのまま、舌を突き出してクレイマンの秘肉を舐めた。
「ひゃうんっ! や、らめぇ……」
「無駄口叩いてる暇あんのかぁ? やめてほしいんなら、俺をイかせな。言ったろ?俺がイくまで止めねぇって」
しかし、舌で陰部を舐められているクレイマンと、ただ手で陰茎をしごかれている蛮とでは、どちらに有利か一目瞭然だ。
このままでは、蛮をイかせるまでの間に、5回も6回も自分は絶頂を迎えてしまう。
蛮の舌使いにはそれだけのテクがあったし、また蛮の陰茎の耐久力も、それ程高そうだったのだ。
クレイマンは深く溜息をつくと、覚悟をきめて蛮の陰茎を口に含んだ。
「ん……むぅ……っ」
身持ちの軽い方でないクレイマンは、実に何年か振りに男根を咥えた。
むせ返るような独特の刺激臭は、ただでさえフェラチオの経験が殆ど無いクレイマンにとって、吐き気に近い感覚を催した。
その内に蛮の背中は、浴槽の傾斜の部分、最初にクレイマンが仰向けに寝ていた位置に、滑るように移動していた。
そうして蛮は姿勢と足を伸ばし、悠々とクレイマンを責め続けた。
この体勢になるよう蛮に頼んだのは、クレイマンの方だった。こうしなければ、蛮は足を伸ばせなかったのだ。
そのためシックスナインの体勢で蛮にフェラするクレイマンの顔は、折り曲げられた蛮の両足に挟まれる形になっていたのだ。
それは、殊更に彼女の気分の悪さを助長した。だから、蛮が姿勢を伸ばせるような位置取りを勧めたのだ。
しかし、余程混乱していたのか、クレイマンは単純な事に気付かなかった。
前述の通り、西洋式の浴槽は傾斜している。そこに仰向けに寝る蛮とシックスナインをするという事は、
クレイマンの下半身は、上方に突き出される形になったという事だ。
ずり落ちそうになるが、両膝が蛮の肩で食い止められており、かろうじて滑る事は無かった。
しかしこれでは相対的に、自ら蛮の陰茎に向かって顔をおろしているような錯覚さえ覚える。
「ふぁ……うぷ……ぷちゅ……」
蛮の陰茎にすっぽり収まってスライドするクレイマンの口が、いやらしい音をバスルームの中に響かせる。
蛮はクレイマンのツルツルの股間をベロベロと舐め回しながら、指先で内側の肉を弄んだ。
既に剃毛の段階でかなり陰部をいじられていたクレイマンは、早くもイきそうになった。
しかし、蛮をイかせない限りは、自分ばかり何度イっても仕方が無い。
クレイマンは早急にケリをつけるため、より丹念に蛮の陰茎を弄ぶ事にした。
舌の先で舐め回し、先端を刺激し、裏筋も責める。ぎこちないテクニックだったが、蛮の絶頂は近くなった。
「やべ……イくぞ、クレイマン! 全部受け止めろよ!」
「ふぁ……わたひもぉ……イくふぅっ!!」
クレイマンの全身をオルガズムが襲うと同時に、その口中にたっぷりの精液が注がれた。
素晴らしい作品をありがとう!感動した!そして続きが楽しみだ!
>>23 あ、そうですか?
今クレイマンが剃毛を選択しなかった場合のシナリオを書いてるんで
もうちょい待って下さい
2-B
クレイマンは、大人しく蛮に陰部を凝視される方を選んだ。
剃毛プレイよりはまだマシだ。
二次元の漫画を好む層にとっては、女性の陰毛は「無い」事が当たり前かもしれないが
現実の世界の、まともな神経を持つ女性ならば、陰毛が無い事は恥ずべき事だ。
「さ、さぁ……早く描いてくれ。出来るだけ手短に」
クレイマンは可能な限り強がってみせたが、彼女が平常な心理でいられない事は、蛮にはお見通しだった。
「手短にったってなぁ……お前も美術を志す者ならわかるだろ?
絵ってのは緻密であればある程、手短に済ませる事なんざ……」
クレイマンは蛮を、珍しくキッと睨みつけると、そのまま無言の圧力をかけた。
「へっ……さすがのお前も、普段清廉に振舞ってる分だけ、やっぱり裸を凝視されるのは恥ずかしいらしいな」
「いちいちそういう事を言うな……女性に嫌われるぞ」
蛮は野原の上に座り込んで、スケッチの上にサラサラと鉛筆を滑らせた。
「お生憎さま、これでも女には好かれる方だぜ。まぁ銀次程じゃないケドな」
澄ました表情で、全体のアタリをとる。
「確かに、工藤卑弥呼さんも君の事を随分気にはかけていたようだが……」
そんなクレイマンの言葉を聞き流しつつ、蛮はスケッチブックとクレイマンの裸体を交互に眺める。
数十分経つと、蛮が筆を置いた。
「立ちっぱなしは疲れたろ。少し休憩を挟んでから再開だ」
クレイマンは足を崩して、シーツの上に座り込んだ。
「ふぅ……モデルになった事はあまり無いのだが、やはり疲れるな……」
裸のままで蛮のスケッチを覗き込むと、そこにはもう大まかなボディラインは殆ど描きこまれていた。
描きこまれていないのは、髪の毛のような繊細な部分、乳首の先端、指の爪などだ。
「こっから煮詰めにかかる。それに、線もシャープにしたい。
第一、彫像を彫るんなら前面からのスケッチだけじゃ足りねぇ。左右と後姿、それに上下から見た図も必要だ」
上下……下の方からも、まじまじと見られるのか。
わかっていた事だが、やはり男性にこんな事を頼むべきではなかった。
「ところで、クレイマン」
だしぬけに蛮に呼びかけられて、クレイマンは一瞬虚をつかれた。
「……ん? 何だい?」
「マッパのくせにそんなに俺に近づいて、よく平気でいられるな?」
「馬鹿……。平気なわけがないだろう。スケッチブックを見せてもらいたかっただけだ」
「へぇ、そうかよ……」
蛮は、自分の斜め前に膝をついて座るクレイマンの肩に手をまわして、おもむろに抱き寄せた。
「なっ……君、何を考えている!」
咄嗟に片手で両の乳房を覆い隠すが、蛮はそんな事は気にもとめない。
ただクレイマンを抱きしめて、背中をさすった。その間、ずっと無言。
クレイマンは、ワケがわからなかった。
「……何のつもりだ、美堂君。私が欲しいのか?」
「くれるんなら、有難く貰うぜ? そもそも、目の前に若い女が全裸でいるんだ。
何もしねぇ方が失礼だろ?」
目を見開くクレイマンの唇が何かを言う前に、蛮は優しい口付けでその言葉を塞いだ。
「ん……は……」
長い口付けの後でようやく唇を開放されたクレイマンは、酸素を取り込むように深く息をした。
「こ……こんな事をするために、君を呼んだんじゃないんだよ?」
「覚悟はしてたろ? 仮にも若い男の目の前でマッパになっておいて、何もされないで済むと思ってたのかよ?
それに、何の予防措置も講じてないところを見ると、満更でも無いんじゃねぇのか?」
クレイマンがムキになって口答えしようとすると、すかさず蛮は口付け、再び言葉を塞いだ。
「んむ……ぅあ……ちゅる……」
今度のキスはディープだった。蛮は自分の舌を無理矢理クレイマンの口の中に押し込み、強制的に舌の先を擦り合わせた。
気がつくと、蛮の片手がクレイマンの片手を優しく握りこんでおり、離すまいとしていた。
まるで恋人同士の戯れのようだ。クレイマンは十代の頃のトキメキを思い出し、
今日ぐらいはこの火遊びに埋没しようと覚悟を決めて、乳房を隠していた手をおろした。
「……外でするのは、さすがに初めてだな……」
涎の糸をひきながら蛮から顔を離したクレイマンのその言葉に、蛮は逆にせせら笑った。
「そりゃあ結構。俺と違って、随分マトモなセックスしかしてこなかったみたいじゃねぇか」
蛮の身の上を知らないクレイマンは、その言葉の意味をはかりかねた。
もっとも裏稼業を営むぐらいだから、まともな生き方はしてこなかったのだろうとは推察出来たが。
「俺は、母親から見捨てられて、ババアやその弟子の世話になりながら生きた。
けどその内、保護者達の庇護下を飛び出して、裏社会で生きるようになった。
つっても当時はまだまだ子供だったから、普通に稼いで普通に暮らすなんて、土台無理な話だ。
万引きや恐喝、時には薄汚ぇ年増の娼婦や、場合によっては趣味の悪い男にも抱かれて生計を立てたよ。
娼館なら裏の情報が楽に得られるし、誰も殺さずに金を手に入れる事が出来たからな」
片手で軽やかに自分を抱きしめる目の前の男の、その目が一瞬墨をこぼしたように真っ黒になった事に寒気を感じながらも
クレイマンは、黙ってその話の続きに耳を傾けた。
「その頃さ。随分体が汚れちまったのは。
変態どもはお外でするのが大好きらしくてな。俺が寝床にしていた廃墟のビルの裏手に、ドラム缶があったんだが……
そのドラム缶の上が、俺の第二のベッドだった。
逆さに置いたドラム缶の上に両手をついて、後ろから掘られたり。
或いはそのドラム缶の上に股ぁ開いて座り込んだ三十路のババアどもの、アソコを舐めたり。
もっとも、それさえ我慢すりゃあシャワーを浴びる事が出来たし、その日一日は飯も食えたがな」
クレイマンは、恐らく既に汚されきっているであろう蛮の胸板にもたれかかって、問いかけた。
「……君には、邪眼があるだろう? それでも汚れなければならなかったのかい?」
「あれは使用回数に制限があるし、同じ相手に同じ日には使えない。しかも効果時間は一分。
騙しとおせるもんじゃなかったんだよ。夢の中で満足させても、終わった後で時計を見られたら即バレだ。
相手が夢見てる間に逃げても良かったんだが、そんな事したら顔を覚えられて、その街で仕事出来なくなる」
あくまで平静を装いつつとうとうと語る蛮の顔に手を伸ばし、クレイマンはサングラスをとった。
「……すまないが、せめて今ぐらい、素顔でいてくれないか。今の君は……怖い」
チュンチュンと、小鳥の鳴き声が聞こえてくる。
丘をのぼってくるそよ風が近くの木の葉をさざめかせ、鳥達とハーモニーをかなでる。
その中に、場違いな音が混じっていた。
じゅる……ちゅる……ちゅぱ……ちゅぷ……
「ふ……くぅ……音をぉ……立てるな……」
野原の上にしかれた薄いシーツの上で、蛮はクレイマンを組み伏していた。
少年時代に鍛えられた舌使いは、クレイマンの乳首を一分と待たずにコリコリに勃起させた。
そこに赤子のように吸い付き、ちゅぽんっと勢い良く唇を離し、また吸い付く。
「どうよ、天才様の自慢のテクは。処女の卑弥呼を、耳だけでイかせた事だってあるんだぜ」
蛮は、かつて工藤兄妹と共に過ごしていた頃、遊び半分で卑弥呼に手を出した時の事を思い出した。
卑弥呼の抵抗するさまを見て、からかってみたいと思っただけだったのだが、
意外にも卑弥呼は、口で言う程には体の方は抵抗しなかったために、悪ノリしてしまったのだ。
「馬鹿……せめて、今ぐらい他の女性の事なんか、考えないで……くれないか……」
珍しく女っぽい口調で、「考えないで……」と言いかけたが、何とか強がって言葉を少し継ぎ足した。
だがそんな強がりは、百戦錬磨の蛮の前では無駄だった。
「お前、そっちの方が可愛いぜ」
「馬鹿……もう、可愛いなんて言われて喜ぶ年齢じゃ……」
それも、やはりただの強がりだった。いくつになっても、可愛いと言われて嬉しくない女性はいない。
美しいというだけなら、クレイマンは散々言われ慣れている。
蛮の舌のテクニックのみならず、言葉のテクニックによって、クレイマンのガードはどんどん下がっていった。
片方の乳首を唇で挟まれつつ、先端を舌で刺激される。もう片方の乳首は、人差し指の先でカリカリと小刻みに転がされた。
クレイマンは快感に耐えるように、蛮のシャツの裾を指先で軽く握った。
ふと目をあけると、上空には薄い雲がわずかに流れているだけだった。
皮肉な程に晴れ渡った青。彼女は今、神への冒涜をはたらいているような気分を覚えた。
それは罪悪感であるとともに、たまらない心地よさでもあった。
あぁ、背徳とはこういう事なのだな、と彼女は確信した。
蛮は、傍に転がっていた鉛筆を上下逆さまに持つと、削ってない方の先端を、クレイマンの陰部に押し当てた。
「ひっ……な、何のつもりだ?」
「なぁに。ありきたりなセックスしかした事のないお姐様に、アブノーマルな世界の片鱗だけでも味わわせてやろうかってね」
そう言うと蛮は、スケッチの際に使う羽ボウキをとりあげ、それでクレイマンの乳輪をこそばした。
「ひゃっ……! や、それ、くすぐった……」
彼女は感じているのか、単にこそばいだけなのか、よくわからない微妙な表情をした。
恐らく彼女自身、快感と可笑しさの狭間にいるのだろう。蛮は執拗に乳輪を責めた。
「美堂君……絵画の道具を……そんな事にぃ……」
「この程度でキョドってちゃ、世話ねぇぜ。蝋燭とか手錠とか使われるよりゃマシだろ?」
普通の人はそんなもの使わない、と言いかけて、クレイマンはその言葉を飲み込んだ。
恐らく、今自分を抱いているこの男は、そのぐらいは経験済みだろう。攻めと受けとに関わらず、だ。
それに比べれば、小鳥達の鳴いている傍で青姦されるぐらいは、何でもない事のような気がしてきた。
しばらく蛮は鉛筆と羽箒とでクレイマンをいじめていたが、段々と飽きてきた。
やはり女体というものは、直接触れるに限る。蛮はクレイマンの陰部に指を滑らせた。
「……っ」
ビクンッとクレイマンの体が跳ね上がりそうになる。
「良い反応だ。処女と違って手間がかかんねぇから、楽で良いぜ」
クレイマンは、もはや言葉を発しなくなった。口開けば、情け無い喘ぎが漏れそうだったからだ。
蛮は彼女のやせ我慢を楽しみつつ、二本の指をクレイマンの膣に出し入れし続けた。
時折、中で指を折り曲げて、肉壁を刺激する。見る見る内に、汁が流れ出てきた。
「もうそろそろ良いかな……っと」
既に脱力しかけているクレイマンの体を、手を貸して起こすと、そのまま四つんばいの格好をさせた。
「……ちょ、ちょっと待って、あの……」
何か言いかけたクレイマンを無視して、蛮は後ろから挿入を開始した。
「ぅあっ……ひあっ!……らめぇ……」
「ん? 何が駄目なんだぁ?」
わざと意地悪な言い方で問い返す。
「ぅ……だって、その……ちゃんと、顔見てしたいから……」
これには、さすがの蛮もキョトンとした。処女でも恋人でもない女に、そんな要求をされるとは思わなかったのだ。
蛮はしばらく考え込んだが、無視してそのまま奥まで一気に挿入した。
「ふぁあっ! ら、らめらってばぁ……!」
「知るかよ。俺はバックが好きなんだ」
無茶苦茶なマイペースぷりだが、元々彼はこうして獣のように交わるのが好みだった。
相手の自尊心を剥奪する事で、相手を自分の所有物にする。そうして少年時代、スラムを生き抜いたのだ。
「ふぁっ……あぁ……あんっ!……やっ……あふぅっ……ひぁあ!」
時に強く猛々しく、時に繊細に優しく、しかしペースを落とす事なく、蛮はクレイマンに腰を打ち続けた。
豊かな乳房がタプンタプンと前後に揺れ、乳首が放物線を描く。
汗と愛液がシーツの上にボタボタと落ち、シミを作る。
どんなに気高い女性でも、中身は肉欲の塊である。何者もそれを覆す事は出来ない。
クレイマンの中の、わずかに残っていた理性の壁も、今や消えかけていた。
傲慢な程に快楽を貪りたいという欲だけが、彼女の中に根をはろうとしていた。
「もっと……もっと突いてぇっ……もっとぉ……!」
蛮が後ろから片手を伸ばして、その指先をクレイマンの口にねじこむと、彼女は舌を伸ばして貪欲にそれを舐めようとした。
「へっ……正直なメス犬だぜ……っ」
予想外の締め付けに、蛮はもうそろそろお互いの絶頂が近いことを悟った。
ラストスパートをかけると、音はますます激しくなり、迸る愛液の量も目に見えて増えた。
「いくぜ、クレイマン……そらよっ!」
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ!!!」
クレイマンの背中に飛び散った精液をふき取ってやりながら、蛮は彼女の背中のラインをまじまじと見つめた。
「見れば見るほど、天使のようなボディラインだぜ……
いや、まぁ俺の見た事のある天使なんざ、ロクでも無ぇ化け物ばかりだったがよ……」
蛮はハァハァと肩で息をするクレイマンを抱き起こすと、その虚ろな目を覗き込んだ。
「おーい、大丈夫かー? 意識あるかー?」
「ん……大丈夫……」
クレイマンは起き上がると、そのまま倒れこむように蛮にもたれかかった。
「おい……起きろよ。スケッチすんじゃねぇのかよ」
だが、クレイマンはその言葉を無視して、いきなり蛮に口付けた。
「んな……っ」
「……ふふっ。私の頼みを断って、ケダモノのように後ろから攻めてくれた罰だ。
さぁ、第二ラウンドといこうか。次こそは、ちゃんと顔を見て抱いてくれるね? でないとサングラス、返してあげないよ」
どうやらあの程度では、今日のクレイマンは満足ではなかったようだ。
夜までに帰れるかね……と、ホンキートンクに残してきた銀次の事を思い出しながら、
蛮は再びクレイマンをシーツの上に押し倒した。
-3-
「あ、蛮ちゃんお帰りー……って、どうしたの? 何だか凄く疲れてるように見えるケド……」
蛮の帰りが遅いので、ホンキートンクでミックスピザを注文して先に食事をしていた銀次の元に、
いかにも眠そうな目をゴシゴシとこすらせながら、蛮は帰ってきた。
「あんのアマァ……人をしぼりつくしやがって……」
あの後、細部まで完璧に再現するのならば、やはり陰部の描写を誤魔化すわけにはいかないとか
脇の下も女性美の隠れた魅力だとか、いろいろと理由をこじつけられて、合計五回程させられた。
下から見上げた構図がどうとかいう理由で、騎上位に発展したりもした。
「波児! 俺にもミックスピザだ! それとブルマンNo.1!」
「相当疲れたようだな。まぁ、食えるだけ食いな。ツケは支払ってもらうがな」
「うるせぇ! ちっきしょーあの女……やっぱ金貰っときゃ良かったぜ……」
美堂に女難の相が(笑)エロくて落ちも抜群で素晴らしい文才ですね。
ゴチ。
奇羅々
単純な解離性同一性障害――いわゆる多重人格――と違って、弥勒兄弟の事情は複雑だった。
通常の多重人格にも統合人格、即ち弥勒兄弟で言うところの雪彦に相当する者は、大抵存在する。
いわゆるホスト人格と呼ばれるもので、この人格は一般的に、その個人が有する複数の人格の中では
最も常識的で、最も現状を理解しており、それ故に他の人格を統合して
普通の、一人の人間、一人の人格に戻ろうという意識が強い。
その為に他の人格と長期間の対話を重ね、説得あるいは懐柔し、一人ずつ融合していく。
雪彦も、いつかは他の兄弟達を統合せねばならないという気構えはあった。
問題は、他の兄弟達の意識である。
エリスを知らない雪彦に、兄達は温かく接しようとはしなかった。協力しあおうとも思わなかった。
エリスを知らない雪彦に統合されては、エリスへの皆の想いが、消滅してしまうような気がしたのだ。
人格の統合は、人格間の協調と理解が無ければ不可能だ。
体内で無理矢理他の人格を消滅……殺害する事も可能ではあったが、雪彦自身がそれを望まない。
協調を望む末弟と、そんな末弟を隔離しようと画策する他の六人。
そんな彼らが、無限城に来れば分離してしまう事は、自明の理だった。
「兄さん達! 僕らは協力しあうべきだと言うのが、何故わからないんだ!」
夏彦は答えなかった。緋影は黙して語らず、右狂は床に唾を吐き、椿は呆れたように雪彦を一瞥した。
時貞にいたっては最初からそっぽを向いており、奇羅々だけが、困り顔の雪彦に歩み寄ってきた。
「協力なら、いくらでもしてあげるわよ。美堂蛮を殺すためなら、ね」
奇羅々は、挑発するように、上目遣いで弟の顔を見上げた。
「天野銀次に毒されたかしら? あなた自身は会った事も無い美堂蛮を、信じる気にでもなった?」
「……美堂蛮を信じたいわけじゃない。姉さん達を信じたいんだ。
けど今のままじゃ……エリスの事を、何一つ詳しく教えてくれないままじゃ……」
「信じられん……と言うわけか」
この中で最も口を開かないであろうと思われた緋影が、以外にも言葉を発した。
「別に信じる必要なんざ無ぇよ、馬ぁ鹿! テメェは俺らに言われた通りにしてりゃ良いんだ!」
「右狂の言う通りだな。俺らは別に、お前に信じてもらわなくても、不都合は無ぇ」
右狂と椿が、それぞれ言葉を繋ぐ。
こう言われてしまっては、もはや議論にならない。お互いのスタートラインが違い過ぎた。
もっとも、ここは無限城であり、いつもは融合している七人が、珍しく分離している状態である。
最強の弥勒である雪彦は、その気になればここで六人全員を、力づくで従わせる事も出来た。
だが、心根の優しい雪彦では、そんな事は出来なかった。
元々、弥勒の統合者とは、器の大きい者でなければならない。
でなければ、他の兄弟を自分の精神の中に同居させる事など、出来はしないからだ。
その心の広さと優しさが、雪彦を縛り付けていた。
その夜は、七人ともそれぞれ別々に行動する事になった。
元々は仲の良い兄弟だったが、エリスが死に、雪彦が生まれてからは、単純に仲良しこよしというワケにはいかなくなった。
気まずい空気を抱えたまま、常に融合して生活していた。しかし分離してしまえば、その必要は無くなる。
父に呼ばれて無限城に来訪したは良いものの、その目的はデル・カイザーを守る事だ。
今のところ、奪還屋達が訪れるまでまだ日数がかかる見込みだし、自分達自身、まだロウアータウンに入ってきたばかりだ。
夜営をするにも、ここはジャングルや草原ではない。建物の中だ。
雨露は放っておいても凌げるし、七人とも、賊に狙われて不覚をとるような心配は無い。
雪彦以外の六人にしてみれば、七人で固まって行動する理由など、どこにも無いのだ。
気晴らしに、無限城の下層階を少し散策してみようと思い立った雪彦は、若い女が店員を務める服屋の前で、足をとめた。
というより、その若い店員に声をかけられて、足をとめさせられたと言った方が正しい。
「あらぁお兄さん。良い服着てんじゃないの。ここじゃそんなの着てたら、狙われちゃうよ?」
雪彦としては、露出の多い服を着たその女の方が、余程狙われやすそうに思えたが、その事は口にしなかった。
「それにしても、その服装と言い……さっきのお客さんに、似てるなぁ……」
どうやら、他の兄弟もこの店を訪れたようだ。
「その人は、どんな感じの人でしたか? 男性? それとも女性?」
「女の子だったよ。あんたと一緒で、可愛らしい顔立ちだったわね。まだ店にいる筈だよ」
言われて店内を見回してみると、棚の向こう側に奇羅々の横顔が視認出来た。
雪彦は、声をかけようか迷った。声をかける程、仲睦まじくはない。しかし姉弟ならば、無視するわけにもいくまい。
「や、やぁ、姉さん。お買い物かい?」
周囲に訝しく思われないように、なるべく気さくに話しかけたのだが、奇羅々は予想外に戸惑いの表情を見せた。
「なっ、ゆ、雪彦! あんた、こんな所で何してんのよ!」
「何って……店の前を歩いていたら、店員さんに呼び止められて……」
「馬鹿、気付いてないの? ここ、女ものの服とか下着を扱う店なのよ?」
そう言われてみれば、確かに周囲の棚には、妙にヒラヒラした服や、普段滅多に見かけない、女性用下着が陳列されていた。
冷静に眺めて見ると、周囲にも女性客しかいない。そしてそれらの客は、皆雪彦をジロジロと怪しんでいる。
雪彦は「だって店員さんが……」と弁解しようとしたが、よく思い出してみると、店員は
奇羅々がまだ店の中にいる筈、と言っただけで、声をかけてみたら? などとは一言も言っていないのである。
「す、すみません……」
雪彦は、あわてて店を飛び出した。奇羅々は、なるべく他人のフリをしたかったが、この容姿のせいでは不可能だった。
「ったく、あんたのせいで私まで恥かいたじゃないの」
そそくさと会計を済ませて店を出てきた奇羅々は、悶々としながら道を歩いていた雪彦に追いついた。
「ご、ごめん……ところで、姉さんでも女性っぽい服に、興味あるんだね?」
話題を逸らそうとした雪彦だったが、それは逆に奇羅々を苛立たせた。
「私が買ってたのはね、服じゃないのよ。これよ、これ!」
そう言って、紙袋の中から、薄いピンク色の、可愛らしいブラジャーと、揃いのパンティを差し出してきた。
「なっ……! ちょっと、ここでそんなもの……」
狭い廊下の中に所狭しと立ち並んでいた男達が、野次るように口笛をふいた。
雪彦は奇羅々の手をひいて、人気の無いところまで小走りに移動した。
「はぁ……はぁ……」
「ちょっと、痛いわよ! 手を離してっ」
「あ、ご、ごめん……」
しばらく、二人は息を整えるように無言で立ち尽くしていた。しばらくして、先に口を開いたのは、奇羅々の方だった。
「……こういうの、少し憧れてたのよ」
「え?」
「女の子っぽい格好をするのが、さ。ほら、普段あんた達と一緒にいると、こういうの着れないし」
確かにそうだ。普段融合している時は、全員が納得出来るように、服装は中性的なものを着用していたし
下着に関しては、ボクサーパンツを穿いていた。女性でも体育会系の人は着用するので、彼女もギリギリ妥協出来たのだ。
だが、やはり女の子としての、人並みの憧れはあったようだ。だからこそ、この機会に購入したというわけだ。
人がいないのを良い事に、奇羅々は着ている服を脱ぎ始めた。
「ちょっと……」
気まずくなりながら目を逸らす雪彦を尻目に、奇羅々は下着姿になった。上半身はトップレス、下半身はボクサーパンツだ。
「さっそく着てみたいのよ。別にあんたになら、裸を見られたって、今更関係無いわ。
元々、私達兄弟は、裸どころか、オナニーまで毎日見せ合ってるわけだしね?」
融合して生活する以上、それは仕方の無い事だった。彼らの間に、隠し事などという概念はきかない。
食事にしても同様で、七人全員が別々の肉体を保有しているため、一食で全員分の栄養やエネルギーは賄えなかった。
本当なら食費だけでかなりの額がかかるのだが、弥勒一族には金銭的なバックボーンがあったため、然程困らなかった。
しかし、性欲の処理だけはどうにもならない。
男性の場合は、定期的に処理しなければ夢精する事になる。
その為彼らは、傍から見れば一日に六回も連続して自慰をしているように見えた事だろう。
もっとも、六回分で済むから自慰はまだマシな方で、食事や排便は、全て七人分の時間がかかった。
一人分の時間で済むのは、睡眠ぐらいのものだった。一人が寝ている間、他の全員も寝ていれば良かったのだから。
毎日の日課である自慰のローテーションに、奇羅々が参入したのは十三歳の頃だ。
右狂や椿が、自分達は他の兄弟にオナニーを見られるという恥ずかしい思いをしているのに、奇羅々だけずるい、と言い出した。
女性も、自慰によって定期的に性欲を処理しておかなければ、下着にシミが出来たりするのだが、
普段滅多に表に出てこない奇羅々では、その心配が殆ど無かったのだ。
それに自慰を見られるくらいなら、シミを見られた方がまだマシだという気持ちもあった。
しかし残りの六人に関しては、ちゃんと処理しておかないと、朝起きた時にシミどころの騒ぎでは済まない。
そうまでして、他の兄弟に迷惑をかけないためだけに、六人は恥を忍んで処理しているのに、
奇羅々だけが愉快そうに、他の兄弟の自慰を精神世界から眺めて、楽しんでいた。
当初奇羅々は自分の自慰を嫌がったが、他の兄弟達は奇羅々が自慰を済ませるまで、表に出ようとしなかった。
雪彦でさえ、右狂に押えつけられて、表に出現出来ないようにされていた。
時貞と緋影は、例え相手が女性でも、自分の家族の自慰などに興味は無かったが、元々表に出る事が少なかったために
さしたる不平も言う事なく、いつも通り精神世界で、茶をすすって暮らしていた。
本来ならば表に出て食事をとらないと、いざという時に活動エネルギーが枯渇して困る筈なのだが
その頃は戦いも無かったし、表に出る事さえしなければエネルギーも消費しないので、特に不都合は無かったのだ。
奇羅々は、最初は一人の生活を楽しんだ。
別に他の兄弟が表に出て来なくても困らなかったし、むしろ自慰を我慢し続けるだけで
他の兄弟からの介入を一切受ける事無く生活出来るのなら、彼女にとってデメリットは何も無いと思われた。
しかし、どんな女性でも普通、年頃であれば自慰をする。
いつまでも我慢し続ければ体に毒だし、ムラムラする。落ち着きが無くなる。
道行く見知らぬ若い男を見るたびに、欲求不満の溜息をもらす奇羅々を、右狂と椿はせせら笑った。
「とっととオナニーしちまえよ。そしたら楽になるんだぜ?」
耐え切れなくなった奇羅々は、夜中他の兄弟達が寝ている隙を見計らって、こっそりと股間に手をのばした。
しかし執念深い右狂は、寝たフリをして、実は起きていた。彼は奇羅々がイくまで待った。
そうして、奇羅々が絶頂を迎えた後で堂々と姿をあらわし、彼女を思い切り笑い飛ばした。
その時、奇羅々は自分の敗北を悟った。
彼女はそれ以来、我慢する程の理由は無いと吹っ切れて、気がむいた時は普通に自慰をするようになった。
-2-
そんな事を思い出しながら、雪彦はそれでも奇羅々から顔を背けていた。
どんないきさつがあろうと、女性の着替えはまじまじと見るものではない。紳士のマナーだ。
しばらくすると、下着を着替え終わった奇羅々が、雪彦の肩をトントンと叩いた。
「どう? 似合う?」
「いや、どうって……言われても……」
肉親の下着姿など、普通は見て気持ちの良いものではない。雪彦はげんなりしがら、再び顔を背けた。
「もう、気のきかない男ねぇ。可愛いよ、とか。似合ってるよ、とか。そのくらい言えないのかしら?」
「……弟に、下着姿を褒めてほしいかい?」
「だって、他に手頃な男がいないんだもの。右狂や椿は厭らしい目で見てきそうだし。
夏彦や時貞だって、褒めてはくれないわ。緋影はまぁ、お世辞くらいは言ってくれるかもしれないけど、反応薄いだろうし。
あんたが一番、からかい甲斐があるのよ」
やはりこの姉は、兄達同様、自分をまともに扱う気は無いのだと、雪彦は悟った。
奇羅々は下着姿のままで、先ほどまで着ていたコートを羽織った。タートルネックのトップスや、ズボンは着用しなかった。
「どう? こういうのも色っぽいでしょ?」
それじゃ単なる露出魔だよ……とは思ったが、雪彦はその言葉を飲み込んだ。
奇羅々はその格好のままで、昼間と同じように、雪彦の顔を上目遣いで見上げた。
一瞬ドギマギしかけた雪彦の隙をついて、そのまま彼の首に両腕をまわし、爪先立ちした。
そうして、そのまま口付けする。雪彦は、初めて女性の柔らかい唇に触れて、一瞬思考回路が途切れた。
ゆっくりと唇を離した奇羅々の表情を凝視しつつ、雪彦は当然の疑問を口にした。
「……一体、何のつもり? 姉と弟でこんな事……悪ふざけのつもりかい?」
だが、それに対する奇羅々の返答は、雪彦の予想を上回っていた。
「あら、私、あんたの事は、兄弟だと思った事なんて無いわよ」
その言葉を聞いた瞬間、雪彦は陰鬱な気持ちになった。やはり、エリスを知らない自分は除け者という事だろうか。
「勘違いしちゃ、だーめ。別にあんたの事が嫌いなわけじゃないわよ」
「え? じゃあ……」
「むしろ聞きたいわね。どうやったら、あんたの事を弟として見られるのか。
だってそうでしょ?兄貴達は、私が生まれる前から存在してた。けどあんたは、エリスが死んでから生まれた。
それも、弥勒一族の、長兄以外の者の宿命として、生まれながらに自我と知識を備えてね。
私の前に現れた時のあんたは、既に私達と同じ年の、同じ精神年齢を備えた存在だったのよ。
そんな相手を、どうやって『弟』として見ろっての? 美堂蛮みたいな、幼馴染としてならまだしも」
奇羅々の説明を、雪彦は黙って聞いた。
奇羅々の言う事も、一理あると思った。弥勒兄弟でも、ちゃんとドイツで学校に通っていた事はある。
その頃は当然、クラスメートというものも、彼らの周囲には存在した。
奇羅々からしてみれば、雪彦は突然転校してきた新しい級友のような感覚だというのだろう。
「私達には、弟という存在を認識する感覚が欠如してるのかもしれない。
まぁ、長兄である夏彦だけは、他の弥勒と違って普通に赤ん坊として生まれて、0歳から育ってきたわけだから
私達とは更に感覚が違うのかもしれないけど?」
最初から兄や姉が存在していて、弟も妹も持たない雪彦にとっては、それは新鮮な意見だった。
弟の立場からしてみれば、自分が生まれる前から、自我を確立した兄や姉が存在している事は、当たり前の事だ。
しかし兄達の立場からしてみれば、後から生まれてきた弟が既に自分達と同程度の自我を備えているのは、不自然な事だ。
「この際だからさ、もう一つ、良い事教えてあげよっか?」
半裸のままで雪彦の腰に両腕をまわしてきた奇羅々が、胸をぴったりとくっつけて言った。
「私達全員、あんたの事が嫌いってわけじゃ、無いのよ……」
雪彦は黙ってその言葉の続きを待った。
「……だって、ねぇ、受け入れられないわよ、そんなの。
あんたが弥勒と関係のない、普通の人間だったら良かった。あんたが普通の赤ん坊として生まれて、
段々と大きくなっていきながら、少しずつ歩けるようになって、少しずつ言葉を覚えていって……
普通の兄弟みたいに、そうやって大きくなっていくあんたの成長を見守る事が、私達に出来ていたなら……」
雪彦は、切なそうに俯く奇羅々に……愛しい姉の背中に手をまわして、なだめるようにさすってみた。
「あんたの事を、本当に弟だと思う事が出来ていたなら……
たとえあんたが、エリスの事を知らないくせに統合者になる運命だったとしても、きっと構いはしなかった。
けど、無理だもん、そんなの……。出会った時から既に自我を備えていた相手を、どうして弟と見る事が出来るの?」
奇羅々はもう一度爪先立ちすると、やはり唐突に、雪彦の唇を奪った。
「……ごめんね、私達……あんたの事……ただの、ぽっと出の他人にしか、思えなかった……」
雪彦は奇羅々のコートを優しく脱がせると、再び露わになったか細い肩を、そっと抱きしめた。
奇羅々の事をしっかりと姉として認識している雪彦にとっては、彼女を抱きしめる事にまだ抵抗があった。
しかし、今日のこのか弱い奇羅々の表情を見て、考えを変えた。
妹だと思えば良い。そうすれば、温かく抱きしめてやる事ぐらい、抵抗を感じる必要は無い。
ただ、妹を甘えさせてあげるだけ。
と同時に、末弟の雪彦にとっては、『妹』というのは新鮮な感覚だった。
「奇羅々……」
ぼそっと、普段『姉さん』と呼んでいる相手の、名前を直接呼んでみる。
「ばっ……! い、いきなり何言ってんのよ……あんたにそんな呼び方されたら、困るじゃないの……」
買ったばかりの可愛らしい下着姿を再び晒した奇羅々は、それまでは感じなかった恥じらいを、突然感じた。
元々雪彦の事は、幼馴染に近い感覚で見ていた。それを、強く思い起こした。
「やばい……私、あんたにだったら……抱かれても良いかも……」
今度は、雪彦の方から唇を重ねた。そのまま、様子をうかがうように少しずつ、舌をいれていく。
「あ……は……」
奇羅々は他の兄弟同様、異性経験を持たなかった。それは多分に、弥勒一族の特異体質が邪魔くさかった事による。
男に貫かれてヒィヒィ声を荒げる様など、いくら何でも見られたくはなかったのだ。
程度の差はあれ、他の兄弟も大体同じような心理から、奇羅々以外の女性を避けてきたのだろう。
例外はエリスだったが、あの頃はセックスなどという観念はまだ備わっていなかった。
兎も角奇羅々は、今生まれて初めて、セックスを体験しようとしていた。
そんな彼女の不安を、雪彦はなるべく和らげてやろうと思った。
「大丈夫だよ、奇羅々……僕が、優しくしてあげるから」
初Hの場所がこんな廃墟の暗がりではムードが台無しだったが、他の兄弟達と離れられる機会は他に無い。
和姦よりも輪姦の方が圧倒的に多いと言われる無限城では、男女が泊まってコトをすすめる事の出来る施設も無いだろう。
奇羅々は大人しく、この埃とカビの匂いの充満した廃墟で、雪彦に抱かれる事を選んだ。
ブラのホックを外し、その柔らかい乳房に少しずつ触れる。
「ちょ……雪彦、あんたビビり過ぎ……くすぐったいし……」
「あ……ご、ごめん……」
雪彦は、あまり強く触ると奇羅々に痛い思いをさせてしまうのではと危惧したが、この様子ならば
もう少し力を込めて揉んでも、大丈夫のようだ。
こんな事なら、融合時に奇羅々が自慰をする時だけ意識のリンクを強くして、
彼女がどの程度の強さで自らの乳房を揉んでいるのか、研究しておけば良かったと、後悔した。
兄弟の中では緋影に次いで紳士的である雪彦は、彼女が自慰をする時は、なるべく意識を切り離すよう心がけていたのだ。
確か、奇羅々は普段、こんな風にいじっていた筈……
微かに記憶に残る奇羅々の自慰を思い出しながら、雪彦はその記憶の通りに、乳首を弄んだ。
奇羅々は、さすがに自分でする時程でないにしろ、微妙に快感を覚えた。
雪彦は次に、おもむろに奇羅々の乳首に吸い付いた。そのまま、赤ん坊のようにちゅうちゅうと吸う。
生まれた時から既に物心のついた少年であった雪彦には、夏彦や緋影のように、母の母乳を吸うという経験が無かった。
その埋め合わせをするかのように、懸命に奇羅々の乳首を吸う。
「はぁん……ばか……強すぎぃ……」
「あっ、ごめん! もう少し加減するよっ」
「……ほんと、馬鹿。良いのよ、強くっても……」
「え……そ、そういうものなの……?」
やはり、いくら奇羅々の事を妹と思おうとしても、雪彦が奇羅々をリードする事は、不可能のようだ。
「ね……雪彦」
奇羅々のパンティを脱がしにかかっていた雪彦に、奇羅々が提案した。
「あのさ……手マンとか、クンニとか、してみない?」
好んで成人向け雑誌を講読する椿の影響で、雪彦でもそれらの単語は知っていた。
「ほら、私達いつもオナニーばっかりだし……他人にしてもらうのって、どんな感じなのかなぁって……」
「……それを言うなら……僕だって、他人にしてもらった事、無いんだけど……」
そんなわけで、二人は互いに相手の陰部を弄ぶ事にした。
雪彦の指先が、奇羅々の陰部を撫でる。
「おかしいわね……不慣れだからかしら? それとも緊張してるから?
何だか、自分でしてる時の方が気持ち良いんだけど……」
男としては、そんな事を言われるのは悔しい。しかしそれを言うなら、奇羅々も立場は同じの筈……。
そう思っていた自分の考えが、いかに浅はかであったか、雪彦はすぐに思い知った。
意外にも、奇羅々の手コキは、抜群に気持ちよかったのだ。
握り具合、握る角度、擦るスピード……全てが、熟練の風俗嬢のように巧みだった。
「き、奇羅々……なんでそんなに……」
「あら、不思議がる事も無いでしょ? 毎日あんた達がオナニーする時、意識をリンクさせてるんだもの。
あんたと違って勉強熱心な私は、このぐらいなら要領はもう掴んでるってわけ」
なるほど、雪彦達が自分自身の陰茎を刺激する時の力加減を、精神世界で自分の腕に覚えこませているというわけだ。
童貞の雪彦は、どれほど虐めても顔色一つ変えない奇羅々に焦りを感じながら、
とうとう奇羅々のテクニックに負けて、射精してしまった。
-3-
「やだ、もうベトベト」
手に付着した雪彦の精液を舐め取りながら、奇羅々は恥ずかしさに打ち震えている雪彦を、小馬鹿にするように眺めた。
「あ、あの……奇羅々……」
「ほら、さっさと次よ次。まだクンニしてもらってないし、フェラもしてあげてないんだから。
一人でする時じゃ得られない感覚を、今日はとことん味わってやるんだから、ね?」
そう言うと奇羅々は、愛しい弟であり幼馴染でもある雪彦に、もう一度キスしてみた。
だがその時、物陰から五人分の気配が近づいてきた。
「ようようお二人さん。よろしくヤってんじゃねぇか」
それは、見慣れた兄弟達だった。
「右狂! それに椿……夏彦も、緋影も、時貞も……!」
「兄さん達……ひょっとして、ずっと見てたのかい?」
「そんなわけ無かろう。夏彦や緋影ならまだしも、俺や右狂や椿に、お前に気取られないように近づく技量は無い」
一線を越えた弟と妹を侮蔑するように、時貞が睨みつける。
「要するに、俺達は今来たばかりと言うわけだ」
どう言葉を発して良いかわからずに困惑する雪彦を無視して、夏彦は奇羅々に話しかけた。
「……お前が雪彦を、弟して見ていないのはわかる。俺達も同様なのだからな」
「何よ……雪彦に手を出した私を、馬鹿な女だと思ってるんでしょ。
決して結ばれない関係なのに、って……」
「別に。軽蔑はしない。今しがた言った筈だろう? お前の雪彦に対する気持ちは、わからんでもないとな」
「……? どういう……」
一瞬の虚をついて、椿が奇羅々を押し倒した。
「なっ……! 何すんのよ、椿!」
「生まれながらに自我を保有する雪彦を、テメェが弟して見られないのは当然だよ。
けどな、それを言うなら……俺らだって、テメェの事を妹として見た事なんざ、一度も無ぇんだぜ?」
その瞬間、奇羅々は寒気がした。
自分が雪彦に対して抱いた劣情を、兄達が自分に対して抱いていると言う恐怖。
自分より圧倒的に力のある兄達が、次に何をする気なのか、融合していなくても手にとるようにわかった。
「やだぁ……助けて、雪彦ぉ……」
右狂と椿に押えつけられ、奇羅々は泣きじゃくった。
雪彦が相手だった時と違い、兄達の事はいくら何でも『兄』としか見る事が出来なかった。
兄に犯されて喜ぶ女は殆どいない。
奇羅々は、その美貌故に、無限城に入ってきた当初は、下衆な男達に厭らしい目で見られる事もあった。
しかしその時はまだ他の兄弟と融合していた時だったので、夏彦に睨みつけてもらえば、相手はそそくさと逃げたものだ。
仮に不意に襲われたとしても、奇羅々の腕前があれば、暴漢など難なく撃退出来た。
しかし、今自分を取り囲んでいるのは、頼りにしていた兄達そのものだ。抵抗する事さえ出来なかった。
「やめろ……兄さん達……」
「うるさいな……お前は『中』でじっと見ていろ」
夏彦に押えつけられていた雪彦は、兄達に技を出す事を躊躇っている内に、夏彦の中に取り込まれた。
そして、元々夏彦を含む彼ら弥勒は、魂の存在位置を同じくする一族である。
夏彦の中に取り込まれたという事は、他の兄弟達の中に取り込まれたという事でもあった。
「へへへ、聞こえるぜぇ……雪彦の叫び声がよぉ……お前にも聞こえるだろ? 奇羅々ぁ」
先程雪彦にしゃぶられた奇羅々の乳首を、今度は右狂が貪っていた。
雪彦の悲痛な叫びは、奇羅々の心にも聞こえていた。
ごめんね、雪彦……
あんたに、私の初めて、あげたかったんだけどな……
私、兄貴達にレイプされちゃう……
ごめんなさい……
「しかし、まさかこの無限城で、積極的に雪彦と融合する事になるとはな……」
兄弟の中で最も雪彦を疎ましく思っている時貞が、胸の中で暴れる雪彦に、吐き気を覚えた。
無限城に来れば雪彦と融合しておいてやる理由はどこにも無い……そう考えていた時貞にとっては意外な展開だった。
買ったばかりのお気に入りのパンティを口の中にねじこまれ、奇羅々は叫び声をあげる事すら出来ず、仰向けに寝かされた。
「さぁて……そいじゃ俺は、その綺麗なお手手でしごいてもらうとしますか」
椿が奇羅々の左手に自分の陰茎を握らせると、右狂もそれにならって、奇羅々の右手をとった。
目の端からボロボロと涙をこぼす奇羅々の表情を無視して、時貞は彼女の胴体の上に乗った。
一瞬、奇羅々が苦しそうな表情を見せる。
「重いか? まぁそうだろうな。だが我慢しろ」
一方的に言い放つと、時貞は奇羅々の両胸を鷲づかみにし、無理矢理パイズリの体勢にさせた。
さすがに両手は右狂と椿の陰茎で塞がっているので、時貞自身が奇羅々の胸を動かしてやらねばならないが、
インセストかつレイプなのだから、そのぐらいの無理矢理さは、アリだと思えた。
口で息を出来ない奇羅々は、鼻で荒々しく酸素を取り入れた。既にパンティには涎が染み込んでおり、濃く変色している。
奇羅々は、とても自分からすすんで手を動かす気にはなれなかった。
「おいおい、雪彦ん時は積極的に手コキしてたくせに、俺らには出来ないってかぁ?」
当たり前でしょ……あんた達は、あくまで兄貴なんだから……
奇羅々はそう反論したかったが、口を塞がれているせいで、それも不可能だった。
椿はナイフを取り出すと、驚いて目を丸くする奇羅々の首筋に、その冷たい刃の腹を当てた。
「んむぅ〜!」
「はっ、さすがのテメェも、いくら実戦経験を積もうと、こんな状況じゃナイフ一本にもビビるってか」
それは、明らか過ぎる脅しだった。さっさと手を動かせという、無言以上に雄弁な脅迫。
奇羅々はもう一度、心の中で嗚咽をもらす雪彦に「ごめんね……」と謝ってから、恐る恐る手を動かし始めた。
「おぉぉ……やっぱ自分ですんのとは、ワケが違うぜぇ……」
「まったくだ……しかもこいつ、普段俺らのオナニーを体感して勉強してるだけあって、良いテクだぜ」
一方、時貞も奇羅々の巨乳を堪能していた。
「むぅ……我が妹ながら、中々見事な柔らかさ……それに弾力……」
時貞に関しては、奇羅々の胸を用いた自慰に過ぎないかもしれなかったが、それでも三人は、三十秒ともたずに射精した。
兄達の精液が勢い良く飛び散り、奇羅々の顔面を所狭しと白く埋めていく。
鼻の穴にも精液が入り込んだため、奇羅々の呼吸はいっそう苦しくなった。
一方、弥勒の精神世界で、辛うじて意識を保っていた雪彦も、兄達の得た快楽を、リアルタイムで経験していた。
精神世界には実体が無いために射精こそしなかったが、実際の射精と全く変わらない感覚に襲われた。
日ごろの自慰の時もそうなのだが、彼らは意識をリンクさせている限り、あらゆる感覚を共有する事になる。
と言っても痛覚までリンクさせていては、実戦において逆に困るので、通常は視覚と聴覚ぐらいしかリンクさせていない。
しかし、既に一度絶頂に達して快感を得ていた雪彦の意識は、平生と違って若干弱まっており、
本人が意識のリンクを切りたいと思っても、他の兄弟にリンクを強制されれば、抗う事は出来なかった。
そうして兄達は、奇羅々をいたぶる感覚を雪彦にも押し付ける事で、雪彦をもいたぶっていた。
奇羅々の右手に握られる右狂の陰茎の感覚、奇羅々の左手に握られる椿の陰茎の感覚。
そして奇羅々の胸に挟まれ刺激される、時貞の陰茎の感覚。それら全てを、雪彦は無理矢理共有させられていた。
一瞬で三人分の射精感覚を共有させられた雪彦の精神力は余計に弱まり、リンクは更に強くなった。
「う……あ……にい……さん……」
もはや雪彦の自我など、殆ど残っていなかった。
「次は、我々の番だな……」
長兄・夏彦と、次兄・緋影が、観戦をやめて立ち上がった。
意識の朦朧とした奇羅々の下半身を抱き起こすと、夏彦は妹の陰部を舐め始めた。
あくまで下半身だけであり、上半身は抱き起こされず、後頭部が床にすれていた。腰だけ浮いている状態である。
緋影は奇羅々の口のパンティを取り出すと、丁寧に伸ばして畳みなおし、脱ぎ捨ててあったブラジャーと一緒に
奇羅々用のコートと衣服と、並べて床の上に置いてやった。
相手のためにここまで丁寧なレイプ犯など、普通はいない。緋影生来の自愛か、或いは妹に対する気遣いか。
しかし、その直後に緋影がとった行動には、自愛などカケラほどもなかった。
数分ぶりに口で呼吸が出来て、思わず「ぷはぁっ」と息をもらした奇羅々の口の中に、緋影は自分の陰茎をねじこんだ。
「んっ? んむぅっ、ん〜!」
「……くれぐれも、歯を立てるなよ。我ら兄弟に、楯突くような真似をしたら……」
その閉じられた盲目の目は、殺気を放って見開いているようにさえ、錯視出来た。
奇羅々は、諦めて緋影の陰茎を舐め始めた。
普段兄弟達とリンクしている奇羅々は、どうすれば男性を喜ばせる事が出来るか、熟知していた。
尿道口、裏筋、カリ、そして自らの顔面にヒタヒタと擦れる睾丸。その全てを、指と舌と唇で、丁寧に攻めた。
一方夏彦にも、どうすれば奇羅々が悦ぶかは、わかりきっていた。
大陰唇をなるべく左右に開くようにしながら、その内側のプルプルした肉を、舌で蹂躙する。
「どうだ……兄に犯される心境は……?」
レズビアンは、自分がどうされるのが気持ちいいかを知っているため、相手に対する攻めも卓越している。
夏彦は今、そのレズビアンという人種と遜色無い程のテクニックで、奇羅々にクンニしていた。
程なくして緋影は、奇羅々の口内に思い切りよく射精した。
仰向けになっている奇羅々には、喉の奥にぶち当たる精液の奔流を、吐き出す事は出来なかった。
先程までずっとパンティを口の中に突っ込まれていたのは、ある意味幸いだった。
それによって口の中に唾液が溜まっており、精液を飲み下しやすかったのである。
「うぅ……うぇえ……」
子供のように泣き出しそうになりながらも、奇羅々は必死で声を抑えた。心までは犯されたくないと思った。
まさか実の兄達相手に、そんな風に考える日が来るとは思っていなかった。
無限城になど、来るべきではなかったとさえ後悔した。
意識とは裏腹に、既に奇羅々の体は出来上がってきた。
奇羅々は、もうここで終わりにして欲しいと思ったが、そんな事は夏彦が許さないであろう事も、わかっていた。
「もう……やめて……それだけは……」
自らの貞操の保全を必死で懇願する奇羅々に、夏彦は耳打ちした。
「落ち着け……俺の言う通りにしろ」
だが、奇羅々は一層涙をこぼすだけだった。
精神世界の雪彦も、もはやミイラのような状態だった。誰も彼女を助けられない。
「落ち着けと言うのがわからんのか……俺の言う通りにすれば、お前は雪彦と愛し合う事が出来るというのに……」
その言葉に、一瞬奇羅々は反応した。
「ゆき……ひこ、と……?」
「あぁ、そうだ。良いか、俺達は今、雪彦に強制的に意識をリンクさせている。させていないのはお前だけだ」
夏彦は奇羅々の上半身を抱き起こすと、彼女の陰部を優しく撫でてみせた。
「試しに、今雪彦とお前がリンクしたら、どうなると思う……?」
「あ……」
言われた通りに、奇羅々は衰弱した雪彦の精神と自分の精神を、リンクさせてみた。
すると、精神世界の雪彦は、今まで自分が感じた事のない感覚を覚えた。
それは、奇羅々が今まさに感じている快感だった。
「あぅ……に、兄さん……これは……?」
「聞こえるか、雪彦。お前が、俺と奇羅々、両方と意識をリンクさせれば、どうなるかわかるか?」
答えは明瞭だった。
奇羅々に挿入する夏彦の感覚と、夏彦に挿入される奇羅々の感覚。その両方を、雪彦は味わう事が出来る。
更に言えば、奇羅々も雪彦を通じて夏彦の感覚と繋がる事が出来るし、夏彦も奇羅々と繋がる事が出来る。
普通の人間ならばまず味わう事は不可能な、両性の快楽を、彼らは同時に味わう事が出来るという事である。
「夏彦、あんた……」
夏彦は、これまでに無い程雪彦と同化してから、奇羅々の中に挿入を開始した。
破瓜の痛みを、奇羅々はおろか、夏彦と雪彦も感じとっていた。
「く……うっ……いた……っ」
目の端に涙をためながら、奇羅々は自分の中の夏彦・雪彦と抱き合って、痛みに堪えていた。
と同時に、そんなきつい膣の中にズブズブと挿入していく夏彦の感覚をも、奇羅々は味わっていた。
「すご……男の人でも、痛いんだ……」
「あぁ……まるで、本当に僕自身が奇羅々の中にいれていってるみたいだよ……」
「雪彦……今度からはあんたも、私がオナニーする時は、リンクしててごらんよ。きっと、気持ち良いから……」
愛の言葉を投げかけあう二人を、夏彦は精神世界ですら無言で見つめていた。
たとえ実際に奇羅々を犯しているのは自分だとしても、この二人の間に割って入る程、彼も野暮ではない。
「お前達は……リンクさせなくても良いのか?」
「へっ、そういう時貞も、今はリンクを解いてんじゃねぇのか?」
右狂と椿は、元々奇羅々で性欲を処理したいだけでしかなかった。夏彦のように、奇羅々と雪彦を思っての行為ではない。
緋影は、奇羅々が夏彦に心を開きやすくするための前戯の手伝い程度にしか考えていなかったし、
時貞にいたっては、兄達に便乗して楽しんでみただけに過ぎない。
奇羅々を除けば、兄弟の中で最も雪彦を慈しんでいたのが夏彦である。もっとも、本人は否定するだろうが。
今、夏彦と雪彦、そして奇羅々の三人が、本当の意味で繋がろうとしている。
そこにリンクして水を差すつもりは、誰にも無かった。
_
「どうだ、奇羅々……奥まで、入ったぞ……」
純潔の血が夏彦の陰茎と睾丸を汚していた。
「うん……良いよ、動いても……」
奇羅々はそう言ったが、雪彦がそれを拒んだ。
「まっ、待って兄さん……僕、まだ痛いよ……」
女性器を持たない雪彦が破瓜の痛みに堪えるなど、弥勒の業あってのものである。
「しょうのない奴め……女の奇羅々でさえ、もう覚悟を決めているというのに……」
夏彦は、あくまで雪彦に優しく接しようとはしなかった。少なくとも、表面上の態度だけは冷たくあたった。
屈折した兄心である。彼が雪彦を嫌ってはいなかったという事実は、
後に奪還屋達との決着がついた時に判明する事になるが、それはまた別の話である。
クオリア計画が成功してしまえば、こうやって同じ痛みを、三人別々のレベルで感じる事も無くなる。
それは今の三人にとって、決して好ましい事とは言えないだろう。
「……良いよ、兄さん……動いても……」
男の雪彦にそんな事を言われても、本来なら気持ちが悪いだけなのだが、夏彦は気にしなかった。
暗がりの中で、最初はゆっくりと、そして徐々にペースアップしながら、奇羅々に腰を打ち付ける。
陰茎が膣の中をズルズルとピストン運動する感覚。三人とも、それぞれに同じ快楽を味わっていた。
本当なら処女の奇羅々は、そう簡単に感じる事など出来なかったに違いない。
しかし、男性である夏彦と雪彦が、挿入によって感じている気持ちよさを、奇羅々も感じ取っていた。
そのため、本来なら時間をかけて中和されていく筈の痛みが、すぐに消え去った。
「あぁっ、もっと!もっと突いて!夏彦!雪彦ぉっ!」
やがて夏彦は、奇羅々の膣内に自らの精液を大量に注ぎ込んだ。
雪彦は、他の兄達とリンクさせられて感じていた分も含めて、今日五度目の射精を味わった。
最後の射精を、現実の夏彦の分と精神世界の自分の分とで別計算すれば、合計六回にも及ぶ。
くわえて、奇羅々の、女性としても快感も同時に得られた。男性のオルガズムとは、全く異なる感覚だった。
それらの相乗効果は、もはや白目をむきそうな程の快楽の波だった。
「ん……ふっ……くぅ……」
「あぁ……良いよ、姉さん……」
暗闇の中で、奇羅々が一人、自慰にふけっていた。
ただし、その中には他の兄弟達が、分離する事なく融合されていた。
女性の自慰の感覚というものを、雪彦は生まれて初めて感じ取っていた。
「だからよ、テメェもさっさと、意地張らずにリンクしてりゃ良かったんだよ。たまんねぇぜ? 女のオナニーってのはよ」
奇羅々と同じ快楽を覚えながら、だらしの無い顔で右狂が雪彦に話しかける。
しかしそれも全て、奇羅々の『中』における会話だった。
「あぁ……イく……イっちゃうぅ〜……!」
統合者になれば、奇羅々との関係もどうなるかわからない。
統合された弥勒がどのようなものか、一族から伝え聞いた事はあるが、実際に経験するまでは飲み込めない。
雪彦は、奇羅々のオルガズムと感じ取りながらも、せめて統合されるまでの間は
奇羅々を、体の外と中から、懸命に愛そうと誓った。
神GJ!!
また期待してる
45 :
1:2006/10/07(土) 22:21:09 ID:JZoaOYMR
何か、俺以外SS書いてないよね……
立ててまだ一週間も経ってないけどさ
誰か書いてくんないかなー
誰で、どんなネタ(相手)が需要ある?書けたら書きたい。
>>1様のように文才はないけど。
47 :
1:2006/10/07(土) 23:30:11 ID:JZoaOYMR
>>46 個人的に面倒くさいヘヴンとかは
誰かが書いてくれたら良いなぁ、とは思うな
あいつ、話作りにくそうなんだよね
来栖を想って一人で…なネタとかどうっすか?
49 :
1:2006/10/08(日) 00:15:19 ID:gj9+9JaI
なるほど、そう言えば全編自慰の話って、まだ考えてなかったなぁ……
ヘヴンは、何しろヘヴンだから、あの乳をどう使おうかと思ってたんだけど
恥じらいなんかなさそうな女の、密かな自慰……やべ、萌える
しかし何故敬語……?
俺のが年下かもしれないのに
>>48
龍華
水飛沫が舞い、岩が砕け散る。
水の奔流は龍となって、その男・春青龍の周囲を縦横無尽に駆け回る。
天から地から、巨大な龍が牙をむいて天野銀次に襲い掛かる。
もはや避けるだけの気力すらも失って倒れ付す銀次に、青龍が語りかける。
「ルシファーは約束してくれた。彼と共に新しい世界を築けばそこには妹も……龍華もいるはずだと!」
銀次は口の中の鉄の味を噛み締め、足を踏ん張って何とか立ち上がった。
「そんなのウソっぱちだ!龍華は死んだんだ!俺の腕の中で!」
銀次自身がその言葉を口にするのは、耐え難い苦痛だった。
大切な友人を守れなかった自分の不甲斐無さを、自ずから思い出す事になる。
自分が雷帝として覚醒したのは、あの時の龍華の死がきっかけだ。
それは殺戮の力であって、誰かを守るための力ではないかもしれない。
しかしそれでも、銀次の心の持ちようによっては、誰かを守るために使える可能性を孕んでいる。
実際に彼は無限城時代、その力を、仲間を守るために使っていた。
もしも、あの時……龍華が死んだ時に、既に自分が雷帝の力を持っていたらと、何度考えた事か。
それはパラドックス。龍華の死が先に有りきである以上、雷帝の力で龍華を守れたという可能性は、有り得なかった。
有り得なかったが、しかし何度も、何度も悔いてしまう。あの時自分に力があれば……と。
「龍華だったんだよ!紛れも無く!」
青龍の猛攻はなおも続く。彼自身、アバリアリティの中の龍華が真の龍華だとは、思えなかった。
しかし、あれは真の龍華だと、思い込みたかった。信じたかった。
ルシファーは言った。
「青龍君……ここはまだ蜃気楼のように儚くて、私も君もここに永く留まる事は叶わない」
「しかしこの領域がもっと確かなものになるとしたら?
今我々が生きている世界と変わらぬ確かさをもって存在できるようになるとしたら?」
「君の妹は……龍華は生きているのと同義だとは思わないか?」
そんなものは詭弁だ。生きているのと同義?
同義という事は、本当は違うと言い切っているようなものではないか!
それでも、青龍は縋りたかった。抱きしめたあの感触は紛れも無くリアルと同じだった。
リアルとアバリアリティは、次元が違うだけで、どちらが本物、どちらが偽物というものではないのかもしれない。
アバリアリティからしてみれば、リアルの世界が偽物に相当するのかもしれない。
机上の空論とも思えそうな理屈を必死で組み立てて、青龍はルシファーに従う道を選んだ。
「私はあえて禁断の果実を口にする! 愛しき龍華の笑顔をもう一度見られるのならば!」
春雷を浴びて神々しくも禍々しく輝く双龍を前に、銀次は観念しかけた。
だがその時、銀次の胸ポケットから一枚のカードが零れ落ちた。
それは、全てを見越してマリーアが予め銀次に持たせていたものか。
それとも、銀次を思うあの少女の心がもたらした奇跡か。
『花園の麗龍』
別れの一撃を放つ青龍から、銀次を守った一枚のカードは、柔らかな大気でもって、銀次を包み込んだ。
気がついたのは、暗闇の中だった。
「……あれ、ここは……? 俺、死んじゃったのかな……」
辺りを見回すと、暗闇の中にわずかな光が、一点だけゆらめいている。
その光は、七色に煌いていた。光は大きくなり、形を為し、人の姿へと変わっていった。
黄色い光が髪の毛に、薄紫はオーバーオールに、あざやかな緑は円らな瞳に、次第に変わっていく。
色とりどりの光を纏い、懐かしい少女がそこに現れた。
「久しぶりだね……銀次君」
「君は……まさか、龍華!?」
死んだ筈の少女が、生前と変わらぬ姿で、銀次の前に佇んだ。
あまりの事に、銀次はしばし呆然として言葉を失った。
「あ……えっと、これ……どういう事、なのかな……?」
疑問を口にはしてみたものの、マリーアに記述の力を習った四人の中では、十兵衛に次いで順応の早かった銀次だ。
ましてつい今しがたまで、青龍が記述の力で龍華に再会出来たという話を聞いていたばかり。
目の前の龍華が記述によって蘇った存在だと、頭では理解出来ていた。
「不思議だね……死んだ筈の私が、こうしてもう一度、銀次君と一緒にいられるなんて……」
龍華はもう一歩銀次に近づくと、もはや自分よりはるかにお兄ちゃんになった銀次を、上目遣いで見上げた。
「えへへ……お兄ちゃんが、もう一人増えたみたい」
そう言われて銀次は、最後の一撃を放った時の青龍の、悲しい瞳を思い出した。
気がつくと、周囲は既に暗闇ではなかった。
もっとも、ある意味では暗闇よりも恐ろしい場所と言えたかもしれない。
そこは、かつて龍華が死亡した、無限城の下層階の風景だった。
「わかってはいたけど……誰もいないねぇ」
子供のように――本当に子供なのだが――浮き足立って歩く龍華の後を、銀次はついてまわった。
「私、無限城で何の危険も感じる事無く歩けるなんて、無いと思ってた」
そこには、ベルトラインの化け物達も、ロウアータウンのゴロツキ達もいなかった。
代わりに、他のありとあらゆる人間も、存在していなかった。
「ゴローやリューレン君達も、死んじゃったんだよね……」
無人の世界で、龍華はかつて天子峰猛の元に集まっていた少年や少女達の事を思い出していた。
自分のような非力な子供が、あの無限城で変態どもの性奴隷として捕らえられる事も無く
純潔を保ったままで暮らす事が出来たのは、彼らのような強力な庇護者のお陰と言えた。
もっとも、その頃の龍華は他者を信じる事など出来なかった。
無限城にいて他者を信じる事など、並の精神力では出来ない。あの冬木士度でさえ、銀次と出会うまでは排他的だった。
いつ死んでも構わない。生きる事が出来るのなら、いっそベルトラインの連中に飼われるのも、悪くはない。
生前の彼女は、そんな風に自棄になっている部分があった。
それでも彼女が他人の事を思いやりながら生きる事が出来たのは、銀次のお陰だった。
彼がいなければ、龍華は世界を恨んだまま、醜い心のままで死んでいたかもしれない。
更に言えば、銀次が雷帝として覚醒してベルトラインの化け物達を一掃してくれなければ
死んだ後でまで、化け物達の便器として扱われていたかもしれない。
ネクロフィリアなど、無限城では珍しい事ではない。塩漬けで保存された若い女性の死体なども、普通に売られていた。
「やっぱり私がいた頃の無限城とは、結構違うね。と言っても、雰囲気は全く一緒だけど」
無限城では、一ヶ月もあれば新しい通り道が出来ていたり、逆に道が無くなったりした。
あった筈の壁が無くなったり、無かった筈の壁に阻まれたり、地下だった場所が吹き抜けになったりした。
ひび割れた大きな鏡の前に立って、龍華は自分と銀次の背を見比べた。
「あの頃は、私達って殆ど身長変わらなかったのにねぇ……」
今ではもう、背伸びをしても銀次には届かない。
「ねぇ銀次君?」
まるで蛮の邪眼の世界にでもとらわれたかのように呆然とする銀次に、龍華が話しかけた。
「あ、な、何だい? 龍華……」
「もうっ、ぼーっとしちゃって。せっかくのデートなんだから、シャキッとしてよ!」
まだ頭の中がすっきりしない銀次の片手をとって、龍華は半ば強引に腕を組んだ。
「もし私が……あの時死ななくてさ、今でも体が成長してて、銀次君と同じように大人になれてたら……
少しは、銀次君の背に届いたのかな?」
彼女の成長を……未来を止めてしまったのは、自分だ。銀次はそう思っていた。
何でも自分のせいにして考えてしまう、心根の優しい銀次だからこそ、背負った罪の意識はなお強かった。
龍華を殺害したのはベルトラインの者達であり、それ故に銀次には復讐を決意する動機さえ在ると言える。
しかし、自分の非力を棚にあげて復讐などと考えられるような性格ではなかった。
「ごめんな、龍華……あの時俺に、力があったら……」
俯く銀次を無視して、龍華は近くの階段まで歩いていった。
「銀次君、こっち来て」
銀次は、言われるままに階段へと向かった。その階段は狭く、人一人が通れる程度だった。
龍華が階段の上に立っているせいで、銀次は階段の手前で止まらざるを得なかった。
階段の上に立てば、龍華はどうにか銀次と目線の高さを同じくできた。
龍華は、そのまま銀次の方へと、顔を近づけた。しかし、距離があるために、前のめりに倒れそうになる。
慌てて、銀次が龍華の体を支えた。だがその瞬間を狙ったかのように、龍華は銀次の唇を奪った。
「んな……っ」
相手は子供とは言え、突然キスをされては誰でも動揺する。銀次は驚いて後ろに倒れこんだ。
つられて龍華も銀次の上にうつ伏せに倒れこんだ。銀次は咄嗟に両手で床を叩いて、柔道で言うところの後ろ受身をした。
「ちょっ……危ないよ、龍華!」
「えへへ、不意打ち成功〜!」
龍華が上に馬乗りになっているため、銀次は体を起こせなかった。
力ずくで起き上がる事も出来たが、龍華相手に無理をする気はなかった。
「本当はさ、階段に立てば、私でも銀次君に並べると思ったんだけど……」
徐々に、龍華の着ている服が、光となって空気の中に溶けていく。
「よく考えたら、わざわざ階段の上に立たなくても。こうして、寝転んでれば、高さなんて関係無いんだよね」
龍華は、銀次の胸のあたりに両手をついていた。
龍華の掌が触れているあたりから、少しずつ銀次の衣服も光に変わって、消えていく。
「龍華……?」
「ねぇ、銀次君……私の事、いやらしい子だって、思わないでね……?
私の全部……銀次君にあげたい……私の気持ち、受け取ってもらいたいだけなの……」
銀次は何も言わず、ただ龍華を抱き寄せると、その広い胸で、優しく抱きしめた。
「龍華……ありがとう。俺、嬉しいよ……」
少女のまま成長しない龍華の体は、無垢な上に、小さかった。
成長期にさしかかっていたから、わずかな腰のくびれはあったが、それだけだった。
乳房は殆ど膨らみを伴っていなかったし、その先端の乳首も、男性である銀次よりわずかに大きい程度のものでしかなかった。
乳輪は可愛らしいピンク色で、股間にはわずかに産毛が生えている程度だった。
「こんな事……青龍さんに知られたら、殺されるぐらいじゃ済まないかも……」
銀次の陰茎を、その小さな口で懸命に咥える龍華が、上目遣いで答えた。
「んあ……ぷはっ……大丈夫らよ……わたひ、おにいひゃんにも……いわないから……」
フェラを希望したのは、銀次の方だった。
いくら生きていた頃の年齢は殆ど同じとは言え、さすがに12歳(公式)の少女を犯すのは、躊躇いがあったのだ。
しかし童貞の銀次には、女性にとっては普通のセックスよりもフェラの方が余程抵抗があるという事は、わからなかった。
それでも龍華は、銀次が望むのならと、一所懸命にグロテスクな肉棒を咥え込んだ。
テクニックなど何も知らない龍華は、ただひたすら銀次の陰茎を咥えて、先端の方を自分の口から出し入れしていた。
先走り汁が、少しずつ銀次の亀頭から漏れ出る。唾液に混じって、それは龍華の舌の上にとろけた。
段々と苦さを増していく事に顔をしかめながら、龍華はまだ懸命に口をスライドさせた。
その内、好奇心から、舌をもっと使おうという気になった。
初めは遠慮がちに、しかし少しずつ大胆に、龍華は銀次の男根を舐めた。
もはや銀次の陰茎は、いつでも準備OKな程に、硬く膨張していた。
「もう良いよ……龍華。次のステップにいこう」
銀次は、さっそく龍華の中に挿入しようと思った。
先程までは、それだけは我慢すべきと考えていたが、もはやそれは龍華に失礼だと思い直していた。
しかし龍華としては、まだ挿入してほしくはなかった。
龍華は子供で、更に義務教育さえ受けていない。性教育も受けていないし、教えてくれる大人もいなかった。
故に前戯という言葉など備わっていなかったが、それでも、胸を揉むぐらいの事は、銀次にしてほしかった。
「ねぇ……いきなりってのも怖いし……おっぱい、一先ず揉んでみてよ」
銀次は、お預けをくらった自分の陰茎を残念に思いながら、後ろから龍華を抱き上げた。
コンクリの段差の上に腰掛け、親が幼い子に絵本を読んで聞かせる時のように、龍華を自分の両足の上に座らせた。
その時、銀次が無意識に龍華を自分の肉体に密着させたのか、或いは龍華の方から銀次に密着したのかはわからない。
わからないが、ちょうど龍華の尻が、銀次の反り立った陰茎に、ぴっとりとくっついた。
龍華は、先程まで自分が咥えて、怖いくらいに大きく硬くなった、銀次の肉の棒が、
自分の大事なところのすぐ後ろに密着している事に、恐怖と快感を感じた。
銀次は後ろから龍華の細い体の横を通って、腕を前へと伸ばした。
そして彼女の要望通り、わずかに膨らんだその胸を、ゆっくりと揉みしだいてみせた。
もっとも揉める程の柔らかさは無かったのだが、それでも銀次は、掌で龍華の胸を隠すように覆い、餅のようにこねた。
「えと……ごめんね、銀次君……私の体、つまんないでしょ……?」
「そ、そんな事無いよっ!」
銀次は必死で否定したが、客観的にはそれはロリコンと間違われかねない発言だった。
大人の女性が相手なら、銀次の腕は相手のワキの下を通っていた事だろう。
だが、子供が相手だったので、銀次は龍華の腕の更に外側から、直接自分の腕を前に突き出していた。
そのため龍華の両腕は擬似的に体に押さえつけられたようになっていて、少女は拘束感を覚えた。
今更躊躇っても逃げられないという怖さは心拍数の上昇に直結し、図らずも銀次に一層のドキドキを感じた。
銀次は不器用に指先で龍華の乳首を弄んだが、やはり龍華の乳首は勃起しなかった。
「おかしいな……前に蛮ちゃんに無理矢理見せられたえっちな写真集の女性は、もっとおっぱいの先がコリコリしてたのに」
童貞の下手糞な指使いで乳首を立たせられる女など普通はいないし、まして龍華は処女である。
土台、乳首が勃起出来るわけはなかったのだが、銀次はしつこいくらいに乳首を重点的に責めた。
「ちょっと……銀次君。今、えっちな本読んだって、言った……?」
快感からではなく、脈拍の上昇から呼吸を微かに荒げていた龍華は、銀次の迂闊な発言に反応した。
しかし銀次は、自分の発言の何がまずかったのか、気付きもしなかった。
「うん。俺、死ぬ前は蛮ちゃんって人と一緒に仕事してたんだけどね。
蛮ちゃんはホンットにえっちで、よくヘヴンさんのおっぱいも揉んでるし、俺にもえっちな本読ませるし……
俺の周りって、作者のせいかもしれないけど、何でか結構えっちな事起こるんだよねぇ。
……そう言えば、こないだ、この無限城で雷帝になっちゃった時に、朔羅の服もひんむいちゃってたみたいだし……
弥勒って人と戦った時は、奇羅々さんの服も脱がせちゃったし、こないだなんか、記述の特訓中に
ずぶ濡れになった卑弥呼ちゃんとヘヴンさんの、あられもない姿を見られたり……」
銀次自身はそれらのエピソードを、身に降りかかる面倒事程度に話したつもりだったのだが、
話せば話す程、龍華の機嫌が悪くなっていっている事には、全く気付いていなかった。
「……何よ、銀次君……私だけじゃ、ないんだ……」
ぽつりと呟いた少女の声に、銀次は自分が、相手の嫉妬心を刺激してしまったと気付いた。
「い、いや、全部ただの不可抗力で……」
「やだ! もう銀次君には、指一本触らせてあげない!」
龍華は銀次の腕の中でもがいた。銀次は思わず龍華の胸から手を離して、代わりに龍華を強く抱きしめた。
「ごめん……俺が悪かったよ……だから機嫌なおしてよ、龍華……」
正直、龍華はこれを味わいたくて、わざと拗ねてみせたようなものだ。
自分より年上の男性が、申し訳なさそうに自分に甘えてくるという感覚に、女性はどうしても弱い。
「しょうがないなぁ……今回だけ、許してあげる」
「ホント?」
「そん代わり……本気で、私を抱いてよね?」
銀次に頼っているだけではどうしても濡れてこない龍華は、覚悟を決めた。
銀次の前で、躊躇いがちに自分の右手を股間に伸ばす。左手は、自らの胸にあてがわれた。
「へぇ……話には聞いてたけど、本当に女の子でも、オナニーってするんだね」
「だって……しょうがない……じゃん……こうでも、しないと……その……濡れないし……」
産毛の奥の、一本の筋に、少女は指を這わせた。そのまま、こするように指を前後に動かす。
そうこうしている内に、段々と指先がテカってきた。筋から、少しずつ肉がはみ出してくる。
龍華は、立って自慰をしていた。本当は座り込みたかったが、衛生管理の悪い無限城で、
一番清潔に保ちたい部分を床にこすりつけてしまいかねないような事は、したくなかった。
寝転がってする事も考えたが、埃だらけの床に全裸で寝る事は、女の子としては出来なかった。
しかし我慢して立っているため、既に膝は折れそうになっており、ガクガクと震えている。
乳首は十分に硬くしこっており、唇にはとても小学生程度の年齢とは思えない艶やかさが生まれていた。
「凄いな……俺が触った時は硬くならなかった乳首が……」
少女の自慰を見て既に気がふれそうになっていた銀次は、先程からずっと剛直している自分の陰茎を
一心不乱にしごきながら、立つ事もままならなくなってきた龍華を、その胸に抱きとめた。
ぽた……ぽた……と、龍華の股間から粘性のある液体が、少しずつこぼれ落ちる。
「銀次くぅん……もう、良いんじゃないかなぁ……私、もう……」
「あぁ、龍華……俺ももう、限界だよ……」
龍華が床に寝転がりたくないと思ったのと同様、銀次自身、彼女を床の上に寝かせたくないと思っていた。
そこで彼は、まず自分が仰向けに寝て、その上にまたがるように、龍華に指示した。
いわゆる、騎上位。初等教育の年齢の子供に、いきなりそんな体位をさせるのはどうかと思ったが、
龍華がそれで納得したので、銀次もその好意に甘える事にした。
龍華は、さぞかし初めての時は痛いのだろうと、腹をくくっていた。
だが、その痛みをむしろ積極的に味わいたいとも思っていた。
大好きな人と繋がる初めての記念なのだから、むしろ激痛を伴う方が、より記憶に強く残る筈だ。
龍華は涙をこらえながら、少しずつ、少しずつ、銀次を自分の中に引き入れていった。
途中で出血もしたし、その時はさすがに力尽きてしまいそうだったが、何とか堪えた。
堪えなければならなかった。もし力尽きて、そのまま膝の踏ん張りを失ってしまえば、一気に腰を落とす事になる。
そうなれば、一直線に奥まで挿入され、生半可な痛みではなくなるだろう。
十五分程かかって、ようやく龍華は、奥の奥まで銀次の陰茎を包み込んだ。
「いっ……た……痛い……よぉ……」
「大丈夫、無理しなくて良いから……動けるようになってから、動いてくれたら良いよ」
銀次はそう言うと、龍華の幼い手を握り締めてやった。
龍華は、爪が食い込む程強く握り返してきた。破瓜とは、これ程までに忍耐を伴うものなのだと、銀次はある種感動した。
やがて龍華は、ゆっくりと腰を浮かせた。
銀次は、あまりの痛さに耐え切れなくなって、彼女が抜こうとしたのかと思った。しかし、そうではなかった。
亀頭の淵のあたりまで腰を浮かせると、そのまま彼女は、再び腰を下ろした。
どうやら、懸命にピストン運動しようとしているようだ。
そのまま少しずつ、腰を浮かせてはまた沈め、浮かせては沈め、を繰り返した。
しかし、その動きに激しさが全く無いために、パンパンというセックス特有の音も発生せず、
自分の腰にゆっくりと降りかかってくる彼女の体重だけを、銀次は感じ取っていた。
「焦らなくて良いよ、龍華……時間はいくらでもある。
何しろ俺達、もう死んでるんだからね」
だが、その言葉を龍華が否定した。
「違うよ……銀次君……君はまだ、死んでない……
「え?」
「ここは、神の記述とかっていう……カードが作り出した……特殊な空間の、一つだよ……
舞台が無限城なのは……私の記憶が……反映、されてる……から……」
ここが、アバリアリティの中?
マリーアから教わり、ガブリエルと名乗る少年に引き込まれた事もある、あのアバリアリティ?
それでは、まだ自分は死んでいない?
「銀次君……兄さんを、止めて……」
龍華は未だ懸命に腰を上げ下げしながら、銀次に願いを託した。
「今の兄さんは……怖い人に、なっちゃってる……
私なんかを蘇らせるために……人を、傷つける人になっちゃってる……
だから、兄さんを止めて……」
銀次は少女の言葉を聞きながら、同時に考えていた。
ここがカードの力によって生まれたアバリアリティなら、術者である自分が強く念じれば、それは実際に起こる筈だ。
龍華はもう、十分に痛みに耐えた。これからは、気持ちよくなってもらいたい。銀次は、強くそう願った。
「あぁ……お願い……兄さんを……あぁっ……」
銀次の願いが届いたのか、龍華に元々素質があったのか、少女の声が段々と色っぽくなってきた。
ピストン運動も激しくなって、無人のロウアータウンに、パンッ、パンッと、肉の音が響き始めた。
「あぁあお願いぃ……銀次くぅん……にいひゃんを、とめれぇ……」
感極まって何かを貪欲に求めるように舌を突き出し、龍華は呂律がまわらなくなった。
その口の端からは、だらしなく涎が流れ落ちていた。愛液も、少女とは思えない程ビチャビチャと迸っていた。
「あぁんっ……ぎんじくん……ふぁあ……きす……あんっ!……きす、してぇ……ひぅっ……きすぅ……」
銀次はいたいけな少女の願いを叶えようと、ゆっくりと体を起こした。
龍華の上下運動の妨げにならないように、あくまでゆっくりと起き上がる。
「あはぁあ……ぎんじくん……あなたにぃ……ちからを……あげるからぁ……」
銀次は少女を抱きしめ、唇を重ねた。彼の腕の中で、少女はまだ上下運動を続けていた。
少女が動くたびに、唇が上下にこすれ、図らずも舌が擦れ合う。
うまく唇が重なった瞬間、銀次は少女の中に射精し、少女も絶頂を迎えた。
「んむ……んむぁあぁあ……!」
あまりの快感に叫び声をあげそうになったが、同時に銀次にキスしていたため、おかしな喘ぎ声となった。
だが、それでも口は銀次を貪欲に求めていたため、
さながら貪るように、少女は彼の唇を自分の口で覆って、キスを続けた。
絶頂を迎え、天にも昇る心地になった龍華は、体の内から溢れ出る力を、口移しで銀次に分け与えた。
「あぁ……力が……俺の中に……」
ホンキートンクから外へ出た夏実は、無限城と呼ばれる違法建築の塊に、雷が迸るのを見た。
「無限城に雷が落ちてる……」
喫茶店のマスターは、全てを悟った風に、彼女の見解を否定する。
「いや……違うな夏実ちゃん。ありゃ無限城から空に向けて、雷が迸ったんだよ」
ロウアータウンを現在管理しているMAKUBEXの手製の並列処理コンピューターが、わずかな間だけダウンした。
「MAKUBEX! 2秒間、メインシステムの電源がダウンした模様!」
「システムリカバリの必要は?」
「ノットネセサリイ! サブシステムが即時カヴァーしたため、トラブルは回避出来そうです!」
「そうか……」
眼精疲労を癒すために愛用のディスプレイゴーグルを外したMAKUBEXは、再び目覚めた『彼』に
恐怖と畏怖をもって思いを馳せた。
「永別了、銀次君……」
トドメをさそうとした青龍の前に、目もくらむ程の閃光が迸った。
電流が、細胞の一つ一つをピリピリさせる。肌が総毛立ち、本能がアラートを鳴らす。
「なっ……! ロ、龍華……?」
そこには、麗しき龍を従えた、『最強の雷帝』が立っていた。
「終わりにしよう、青龍さん。
あんたはもう――俺には勝てない」
マドカ
生まれたばかりの赤ん坊には、視力は無い。
人間は生後何ヶ月か経ってから、徐々に光を認識しはじめる。
赤ん坊が母親以外の人間に抱かれると泣き出すのは、目で母親を捉えているのではなく、
生物の本能で母親と他の人間を区別しているだけに過ぎないのだ。
そして、子供の視力の発達具合は、個人差はあれど、案外遅い。
平均的な視力の発達具合は、生後一ヶ月で0.03。二ヶ月で0.06。半年でもわずか0.2前後に過ぎない。
そこからの視力の発達速度は、それまでと違って不規則に上下するが、大抵の人間は四歳でやっと視力が1.0程になるのだ。
ところが稀に、生まれつき視力のきかない者もいる。音羽マドカはそんな人間の一人だった。
両親が彼女の視力の問題に気付くのには、多少時間がかかった。
前述の通り、生まれた頃は誰しも目が見えないのだ。まして乳児は、言葉を話す事も出来ない。
意思の疎通が困難であるために「この子はひょっとして、見えていないのでは……」
と、彼女の両親が感づくまでに、彼女が生まれてから実に八ヶ月が経過していた。
彼女自身は、それを不便だと思った事は無い。
生まれてからずっと、光の無い世界が彼女にとっての常識だった。便利も不便も無い。
その代わり聴覚は素晴らしく発達してくれたお陰で、天才と呼ばれる程のバイオリニストになれた。
字も譜面も読めない彼女に、折れる事なく丁寧に指導してくれた、アントニオ・ビスコンティと
何よりも、彼女を見捨てる事無く真剣に、それでいて甘やかす事なく厳しく育ててくれた両親に、頭が下がる。
そして、彼女の友人であり、彼女の目の代わりともなってくれる、モーツァルトという名の盲導犬。
屋敷の者達も、マドカの症状に当初は戸惑ったが、いつしか偏見を捨てて、親身に彼女に接するようになっていた。
更に、ストラディバリウス奪還の際にも、多くの友人を得られた。
奪還屋の美堂蛮に、天野銀次。ホンキートンクの水城夏実。そして……冬木士度。
人間の感覚の80%を占める視覚が無い代わりに、彼女は天分とも言える超聴覚と、温かい友人達に恵まれた。
そんな彼女が、生まれて初めて、光を求めた。
『見る』という事を、経験してみたい。その概念を、理解したい。
きっかけは、彼女の想いの人である、冬木士度。
彼と初めて交わった時、彼女は自分の恥部がどう見えるか、彼に尋ねた。
「私のここ……変じゃないですか? お母様に、ここは大事なところなのよって、教わったものですから……」
一生でただ一人体を許すべき相手に捧げる、女性の体の中でもっとも大事なところ。娘の母はそう言った。
「大丈夫……綺麗なピンク色さ」
士度は特に意識する事もなく、純粋な感想を述べたつもりだったのだが、彼女には『ピンク色』が理解出来なかった。
と同時に、この世のありとあらゆるものには、『色』がついているのだという知識を、思い起こした。
見た事も無いし、認識も出来ないけれど、この世には『色』というものがある。
今私を抱きしめてくれているこの人にも、肌の色や髪の色、瞳の色があるんだ……。
女性にとって初夜とは強く記憶に残るものだ。
彼女は、その夜感じた『色』ひいては『光』というものへの興味を、日ごとに掻き立てられていった。
私の大好きなあの人はどんな色をしていて、私はどんな色をしているのだろう……。
「マドカ……それ、本気で言ってんのか?」
「はい……軽蔑、しましたか?」
「いや……別に、普通の欲求だとは思うが……
お前の口から、目が見えるようになりたいなんて言葉、聞く事になるとは予想してなかったからよ……」
マドカは、士度が特別な血筋をひいているという事は、直接聞いて知っていた。
もっとも百獣擬態という特殊能力の事や、鳥獣擬という、蝙蝠のような聴覚を得る術の事まで知っていたわけではない。
ただ、夜話に一度、彼は聴覚を研ぎ澄ます事で、物体の形すらも捉える事が出来ると、聞いた事がある程度である。
それに、士度の友人でもあり、何度か話をした事もある風鳥院花月という者は、心の眼でものを見る事が出来るとも聞いた。
彼らに頼みこめば、『見る』事そのものは出来なくとも、それに順ずるものは習得出来るのではないかと思った。
「私同様に、生まれつき目が見えない人達が、少なからずいる事も、知っています……。
その人達が、何恥じる事無く、光の無い世界に生きているであろう事も、わかっています……。
けれど、それでも私は……あなたの姿を、顔を……見えるように、なりたいんです……」
「マドカ……」
士度は回答を保留にする事を承諾してもらってから、花月に連絡をとって相談した。
数時間後、二人はホンキートンクのカウンター席の隅で、神妙な面持ちで話していた。
「なるほどね……決してマドカさんが恥じ入らねばならないような願いではない事は、確かだけれど……」
「それでもあいつは、相当な覚悟で俺に頼んできたんだと思う……無下にはしたくねぇ……」
波児には二人の会話が聞こえていたが、立ち入るべきではないと判断して、敢えて無視に徹して新聞を読んでいた。
達人のレベルになれば、目に頼らずにものを見る術など、いくらでもある。
波児のシックスセンスに、花月や十兵衛の心眼。
それに十兵衛の針を使えば、高等な修練によらずとも、視覚を得る事も可能だろうし、
無限城に行けば、たとえ特殊な電磁波によって強制的に『見せられる』映像であっても、
兎も角擬似的にしろ、その感覚は視覚として機能するかもしれない。
こうして考えてみると、マドカが光を感知出来るようになるかもしれない手段は、方法論だけならいくらでもあった。
問題は、それらが成功するかどうかである。
「君の鳥獣擬を、彼女に教えてあげる事は出来ないのかい?」
「あれは、あくまで物体の動きや形を捉えるためのものだ。色までは知覚出来ねぇ。
それに、程度は劣るにしても、人や物体の位置を認識する程度の感覚なら、
今のあいつは既に備えてる(……としか思えない描写が山ほどある)。
第一、あれは百獣擬態の一つだ。太古の昔から動物達と触れ合い、通じ合ってきた、魔里人にしか使えねぇよ」
それはもっともだった。教えられたからと言って、蛮や銀次程の者でも、出来る事ではない。
かつて笑師春樹も、最低十年は山篭りしなければならないと聞いて、断念した事がある。
「……お前や十兵衛の、心眼はどうなんだ? あいつに教えてやれねぇか?」
士度は、風鳥院や筧に伝わる、目を超える眼の事を、問いただしてみた。
「士度……風鳥院に学ぶ者は、確かに中伝で、心眼を会得する。
けれど、何も開祖の頃から、心眼が今のように完成されていたわけではない。
何世代も継承していき、その中で研鑽されていなければ、今の心眼の完成度は有り得ない。
親が子に、子は孫にと、既に心眼を会得済みの者が、次の者へと辛抱強く教えてやる事でしか、風鳥院の心眼は……」
小難しい講釈に辟易しかけたが、それ自体はもっともな話だった。
蛮のような超天才でもなければ、ただの人間が独力で心の眼など、開眼出来るわけがないのだ。
「つまり、マドカが心眼を会得するためには、その使い手であるお前の手伝いがいるって事か……」
数日後。
花月は士度に呼ばれ、マドカの屋敷に来訪していた。
対応の良いメイドに紅茶をもてなされ、客間で待っていると、すぐに士度とマドカがやってきた。
「よぉ、待たせたな」
「お久しぶりです、花月さん」
「やぁ、お二人さん。体調は悪くなさそうだね」
二人に案内されて、花月は屋敷の離れへと向かった。これから数時間の間、誰も離れには近づかないよう、士度が指示した。
「士度さんからお話は伺っています、花月さん。私に、光を与えてくれるのだとか……」
士度は、本当にマドカに視力を与えて良いのかどうか迷った。
その迷いを代弁するように、花月がマドカの覚悟を確認する事にした。
「マドカさん……あなたは、天才的なバイオリニストです。
幸か不幸か、それは視力が無い事によって培われたものだと、僕は思っています。
視覚を失った人間は、代わりに他の感覚が発達するものですからね。僕の親友の筧十兵衛という男も、そうです」
「えぇ、何となくわかります。少なくとも、私の耳が他の人より特別良く聞こえるという事は……」
「あなたが視力を得れば、あなたはそれに頼って生きるようになるでしょう。
それは悪い事ではありません。殆どの人間は、全感覚の八割を、視力に依存しているのですからね。
けれど、そうなれば……あなたの聴覚は逆に衰え、バイオリンの演奏にも、支障が出るかも……」
その言葉を聞いた瞬間、マドカの表情がこわばったのを、士度は見逃さなかった。
「それでも、構いませんか? 今のような、天使のような旋律を、奏でられなくなるかも、しれなくても……」
それからしばらく、部屋の中には静寂が訪れた。
緊張のためと、それから無音のために、士度は自分の心拍の音が直接耳元で聞こえるかのような錯覚さえ感じた。
「……大丈夫です。私、目が見えるようになりたいです」
彼女の見えない目は、それでも強い眼差しを放っていた。
再確認するように、花月が尋ねる。
「本当に、よろしいのですか?」
「構いません。ビスコンティ先生だって、それに阿久津さんだって、目が見えるけれど、私以上の演奏家でした。
目が見えない事に頼らなければ、あの人達に追いつく事すら出来ないなんて、巨匠ビスコンティの弟子の名に恥じます!」
目が見えない事に『頼る』、という彼女の考えは、目の見える者には到底無い発想だ。
彼女の覚悟と決心を蔑ろにしないためにも、花月と士度は、全力で彼女に心眼を習得させる事を決意した。
「それで……その心の眼の特訓というものは、具体的にはどうすれば良いのですか?」
「そうですね……通常は五感全てをシャットダウンする事から始まります。
暗闇で目を閉じ、耳栓をし、呼吸も止め、一切の身動きをやめます。視覚・聴覚・嗅覚、触覚・味覚の全てを封印するわけです。
そうして精神集中して、自分の周囲の空気の動き、空気の流れだけを感じ取るように努めます。
最初は何も感じる事が出来ませんが、これを一日に数時間、何ヶ月も何年も幼い頃から続けていれば、
十歳ぐらいの頃にはこの心眼という極意を、会得する事が出来るようになります」
マドカは花月の説明を聞いて、若干焦った。
「幼い頃から毎日続けて……それでも十歳ぐらいまでかかるのですか?」
「物体の色すらも認識出来るようになるには、ね。人間の呼吸は、訓練しても三分ぐらいしか止められませんし、
間に何度も休憩を挟みながら、時には気絶しながらそれを一日に最低一時間、体が大きくなれば二時間……」
「……花月」
悪意は無いとは言え、マドカを一方的に徹底的に不安にさせる花月の説明を、士度が途中で打ち切らせた。
「あ、あぁ、すまない……。兎も角、普通の訓練と同じやり方では、マドカさんが心眼を会得する事は出来ないでしょう。
そこで今回は、他のやり方で心眼の会得を試みてみようと思います」
「他の……やり方……?」
「えぇ……その……」
話が一気に核心に触れたために、花月はしどろもどろになった。
「……済まない、士度。君の方から、説明してあげてくれないか……?」
「……そうだな。マドカも、俺の口から聞いた方が、この場合はいくらか落ち着いて考えられるだろう……」
二人が何故不安そうに言葉を交わすのかわからないマドカは、隣に立つ士度の手を握って、彼の説明を待った。
「あー、つまりな、マドカ……。いつも、俺とお前が夜にやってる事、あるだろ?」
士度と二人で夜にする事……。マドカは、すぐに答えに思い至り、同時に赤面した。
「やだ……士度さん、人前でそんな事言わないで……」
士度は彼女の不安を払拭するように優しく抱きしめた。
「落ち着け、マドカ。今日はな……あれを、花月としてほしいんだ」
マドカは、一瞬士度が何を言っているのか、理解しかねた。一瞬体が硬直し、数秒後、彼女は叫び声をあげそうになった。
「なっ!……え……? えっと、その……え、何……今、何て……」
自分の聞き違いだと言ってほしかった。
しかし、自分を抱き寄せる士度の手から、彼も相当な覚悟を背負っているのだとわかり、マドカは黙り込んでしまった。
「通常の心眼の特訓は、先程も言った通り、五感のシャットダウンから始まります。
けれどそれは、日ごろから風鳥院の技を学び、伝統芸能に打ち込み、心を研ぎ澄ませているからこそ、可能な特訓です。
普段特別な訓練を積んでいない素人が同じやり方で特訓しても、心眼は会得出来ません」
慈しむようにマドカの衣服のボタンを一つ一つ丁寧に外していく士度に背を向けて、花月は説明を続けた。
「つまり、いきなり五感を塞ぐようなやり方では、あなたの場合は効果が見込めないという事です。
視覚は生まれつきシャットダウンされているわけですから、今回は他の感覚は敢えて残しておきましょう。
即ち、あなたには聴覚、嗅覚、触覚、味覚の四つの感覚を、フルに使っていただきます」
「それが……あの……あなたに、抱かれる事と、どのような関係が……」
「大有りですよ。
相手の息遣いを聞き取る事で相手と波長を合わせなければ、同時に絶頂に達する事は出来ません。即ち、聴覚ですね。
それに、相手の汗や体液の匂いを嗅ぎ取る事も、快感の助長に繋がります。即ち、嗅覚ですね。
男性の皮膚が身を守る鎧であるのに対し、女性のそれは他者と触れ合うためのセンサーと言われています。これは、触覚ですね。
更に言えば、相手の肌や舌や、もっと恥ずかしい部分を舐める事で、より高みへと上り詰めます。言わずもがな、味覚というわけです」
初めてこの説明を聞いた時、士度も花月の気が変になったのかと思ったものだ。
しかし実際に、長い風鳥院の歴史の初期には、この方法もしばしば選択されていたのだという。
なるほど、花月の言う『何世代も継承していき、その中で研鑽』するというのは、そういう事も含まれていたのだろう。
「でも……それなら、その……普段、士度さんと……してる事ですけど……」
士度に服を全て脱がされて下着姿になったマドカは、もうこの期に及んで恥も何もないと悟りながらも
なお顔を赤くして、花月にそう言った。
「その……花月さんと、しなければならないのですか?
士度さんとだけじゃ、駄目なんですか?」
それは士度も既に感じていた疑問だった。ホンキートンクで花月に詰め寄る士度に対して、花月はこう答えたものだ。
「本当なら、この方法を実践的に行うには、男女ともに最低五人ずつは欲しいところなんだよ。
目を閉じた相手に対して、先ずは指の先で軽く触れてみる。触れられた側は、相手が男か女かを言い当てる。
それを、段々と難度を上げていくのさ。例えば男性の指先は無骨だから、性別だけなら割と簡単に判別出来る。
しかしこれが指ではなく舌となれば、難度は一気に跳ね上がる。
こうして最終的には、触れる事無く、目の前に佇んでいるだけの相手の名前や服の色も、言い当てられるようになるんだ」
それと全く同じ内容を、彼はマドカにも説明してみせた。
「つまり……私の体に、士度さんと花月さんが無作為に触れてみて、私が言い当てる、という事ですか?」
「まぁ最初はそういう、小学生の遊び程度のレベルですけどね。
ですが段階が上がっていけば、もっと深い接触に移行する事になります。
平常時とは違った心拍数、体温、息遣いの相手に対してさえ、簡単に名前を言い当てられるようになるために
それはどうしても必要な事なんです」
観念して畳の上に座り込むマドカの前で、花月は士度に耳打ちした。
「……本当に良いのかい? ひょっとしたら彼女、僕が本当に手を出すわけがないと思ってるんじゃ……」
「なら尚更、良い特訓になるだろ? 触れる相手が俺一人だと思い込んでいればこそ、間違っていた時に経験値になる」
どうやら士度も本気のようだ。
花月は腰を下ろすと、まず先に、自分がマドカに触れてみる事にした。指先で、軽くマドカの頬に触れてみる。
「どうだ……? どっちか、わかるか?」
士度の問いかけに、マドカは戸惑いながら答えた。
「今まで触れた事の無い人の感触です……花月さんの方、ですよね?」
「正解だ」
次に、士度がマドカの肩に触れてみた。
「あっ、これはわかります! 士度さんです!」
さすがに毎日肌をあわせているだけあって、恋人の指先の感触はわかるらしい。
「ま……俺と違って、花月の指は女みてぇに繊細だからな。このぐらいは簡単か」
今日までに士度の体の主だった部分は、既に幾度となくマドに触れられていた。
あと触れていない部位は……と、士度は考えた。程なくして、士度は思い出したように自分の足をマドカに差し出した。
足の指の先で、彼女の腹のあたりに、出来るだけ柔らかく触る。
士度の行動に少し驚きながらも、花月はマドカに尋ねた。
「どうです、マドカさん。今度はどちらか、わかりますか?」
「ん……く、くすぐったい……です……えと……花月さん、かな……?」
やはり足の指などという、普通触れないような部分では、まだ判別は出来ないようだ。
マドカは、自らの腹部だけでなく、手でも触れてみようと思った。彼女の柔らかい指が、士度の右足を丹念に触る。
粘土細工をこねるように、あらゆる角度、あらゆる強さで、形と温度を確認していく。
「あ……これ、手じゃない……足……? 足ですよね……? これが、踝で……」
「あぁそうだ。悪いな、汚い事しちまって」
「平気です。この硬くて力強い踵に、広い土踏まずは、きっと士度さんですね?」
幼い頃から野山を駆けて暮らしてきた士度の脚部は、花月のそれとは比べ物にならない程逞しかった。
「士度さんの足は、もう覚えました。形も、温度も。次は、花月さんの番ですね」
一瞬、花月は戸惑った。恋人である士度でさえ、彼女の体を素足で撫でるような真似は、ともすれば無礼だというのに。
こともあろうに、赤の他人である自分が……。
「……構わねぇよ。マドカが望んでんだ。
それとも、触れる部位の形で相手を区別出来るようになっちゃ、特訓の意味が無いか?」
「いや……そんな事は無いけど……出来る事から取りあえずこなしていくのも、大切な事だし……」
花月のような物腰の柔らかい青年が、人様に向かって片足を突き出す様は、全くもって似合っていなかった。
しかも、下着姿の少女に向かって、である。
しかしマドカは、士度の時と同じく懸命に花月の足をまさぐり、その形と温度を、記憶していく。
「細い……それに、士度さんのはゴツゴツした感じだったけど、花月さんのは柔らかい……」
花月が足を引っ込めて、次のステップに移ろうと言った。
士度はうなずくと、ブラジャーの上からマドカの右胸に、指先一本だけ突き立ててみた。
いくら覚悟を決めていたとは言え、これにはマドカもかなり動揺したようだ。一瞬、体がびくっと動いた。
花月も、躊躇いがちに彼女の左胸に指先を突きたてる。
「どっちが士度の指か、わかりますか?」
「え、えぇと……右のおっぱいの方……かな……?」
正解である。
先程肌の上から直接触れた時は、いとも簡単に相手を言い当てた。下着の上からでも、それは何とか可能なようだ。
「今日いきなりは無理だけど、来週あたり、服上から触れてみよう」と花月が言った。
「段々難度を上げていくってのは、そういう事か」
「あぁ。いずれは服の上からどころか、触れる事なく、相手を区別出来るようになる。
もっとも、そこから先は更に長い道のりになるんだけどね……」
花月がマドカの胸から手を離そうとすると、マドカがその手をとって、先程足にしたのと同様、手触りを確認してきた。
「あぁ……そうか、手の形も覚えないといけませんね……」
指の一本一本、その関節の付け根、掌、手の甲、手首にいたるまで、マドカはひたすら撫で回し続けた。
その内、顔を近づけて、その手の匂いを嗅ぎ始めた。
「良い匂い……士度さんの匂いも好きだけど……花月さんのは、甘い香りがする……」
座り込んで相手の手の匂いを嗅ぐ様は、言い方は悪いが、犬のようだった。
「マドカ。それに花月」
士度は、ある案を思いつき、それを二人に話してみる事にした。
「お前らさえ良ければ、なんだが……。マドカ、お前、花月の手を舐めてみるか?」
これには、いくつもの修羅場をくぐってきた花月も、心の強いマドカも、驚いて一瞬思考が停止しかけた。
「何を……何を言ってるんだ、君は?」
だが、マドカは士度の言わんとするところが、わかっているような表情でもあった。
「恥を忍んで言わせてもらうが、普段マドカは、俺の手ぐらいなら、いくらでも舐めてる。もっとも、手だけじゃないがな」
赤ん坊は視力が弱いだけでなく、握力も弱い。故に、手で握って感触を確かめる事が出来ない。
赤ん坊が何でも口に入れたがるのはこの為で、口や舌こそが、人間にとって原始的に最もその物体を認識しやすい器官なのだ。
盲目の人間は、周囲の景色と自分の立ち位置を把握出来ない分、何かに触れる事で安心出来る。
マドカは、夜二人きりでベッドに入っている時などは、士度の体に積極的に触れ合い、舐める事で、安堵を得ていた。
「なるほどね……確かに、最初は出来る事からこなしていくのも大切だと、言ったのは僕だ。
……良いですよ、マドカさん。あなたさえ良ければ、僕の手の匂いと味を、その嗅覚と味覚で覚えこんで下さい」
マドカは、恥らいつつも興味津津といった風に、花月の指先を舐めてみた。するすると、その指先を口の中にふくんでいく。
まるで女性のような……自分のような、ほのかに甘酸っぱい味だと、マドカは思った。
ひんやりとして、折れてしまいそうな程に繊細。無骨でしょっぱい士度の指とは正反対だ。
ちゅぷ……ちゅぱ……れろ……ぴちゅ……
マドカは雌犬のように、花月の指を一本一本くまなく舐めた。
犬と言えば、モーツァルトもよく、私の足を舐めにくるわね……女中の人達には、服が汚れるからと、困られたけど。
そんな事を思い起こしながら、マドカは花月の掌も舐めた。
「はい。花月さんの手、もう覚えました。試しに、また私の体に触れてみて下さい。次も当てますから」
しかし、皮膚やブラジャーの上からなら当てられる事は、先程証明済みだ。服の上から触るのは、次の機会と決めている。
皮膚、ブラジャー、服以外に、他に触れていない部分は……と考え込んで、花月は困ったように士度の方を見た。
士度は花月の考えを汲み取って、不承不承頷いた。
「マドカ……覚悟は出来てるな?」
その言葉に、マドカは一瞬身を強張らせた後、静かにコクン、と頷いた。
申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、花月はマドカのパンティに、その細い指先を伸ばした。
そこは女性の体の中で最も大事な部分。最も敏感な部分。
しかしそれ故に、体が反応し過ぎて、逆に正確に指の主を特定出来ないかもしれない。
思った通り、花月が布地越しに触れただけで、マドカの体はびくんっと撥ねた。
「どうです……マドカさん。わかりますか……?」
「ぅ……わかん……ない……冷静に……なれない、からぁ……でも……士度さんじゃないような……気が……」
ほんのちょっと指先を当てているだけなのに、もうマドカは快感に襲われているようだ。
女性は目隠しプレイをすると、より興奮するという。常に目隠しをしている状態のマドカも、今まさに興奮しているのだ。
「士度……やはり、ここはまだ、下着の上からでは無理なようだよ……」
「そうだな……」
士度はマドカをゆっくりと畳の上に寝かせると、小さなリボンのついた白いパンティを、脱がしにかかった。
さすがに大事なところを花月に見られるのは抵抗があるようで、マドカは両手で必死で隠していた。
その両手を挟み込むように足をきつく閉じる。だが、士度はそれでは特訓にならないと言った。
嗚咽をもらしそうになりながらも、盲目の少女は、足を開き、手を離した。
「わぁ……綺麗なピンク色だ……」花月は感嘆の声を漏らした。
「士度さんにも……そう言われました。でも私、色っていうのが、わからないから……」
「ひょっとして……お前が光を求めたのは、それが理由か……?」
さすがに士度も、自分のそんな一言がきっかけで彼女が光を求めたのだとは、予想していなかった。
恥ずかしそうに頷くマドカを抱き起こし、背後にまわって、ブラジャーのホックを外す。
「下も脱いでんだ……こっち着けたままだと、おかしいだろ」
こうして、音羽マドカは全裸になった。陰部と同じく、乳首も綺麗なピンクだ。
とても毎晩、恋人に弄られているようには見えない。
士度は花月に目配せして、二人とも片方ずつ、彼女の乳首に、指先だけ触れてみる事にした。
「どうだ、マドカ。どっちか、わかるか?」
恥ずかしさのあまりに脳がパンク寸前のマドカには、冷静に相手を判別するなど、とても出来なかった。
「無理……です……こん……なの……」
続いて、士度も花月も、ただ触れるだけではなく、その指先で少女の乳首をいじってみる事にした。
「どうです……? こっちの方が、より感触を感じ分けられる筈ですよ」
「うっ……あ……左……左が……士度さん、かな……?」
一応正解ではあるものの、かなり自信が無いようだ。やはり頬とは違って、乳首では平静を保てないようだ。
二人はマドカの胸を鷲づかみにした。そのまま、感触を練りこむように揉みしだく。
「あふ……や、やっぱり、左が士度……さんで……右……右がぁ……花月さん……っ」
「正解だ。じゃ、いよいよ次は、ここだな……」
先程マドカは、パンティ越しでは相手を判別出来なかった。だから士度は下着を脱がせたのだ。
今まさに、少女が最も士度以外の人間に触れてほしくない部分に、花月が手を伸ばした。
陰毛は、よく手入れされていた。目の見えない彼女に代わって、メイドが毎日手入れしてやっているらしかった。
「ひっ……! やだ、これぇ……っ……やだ……ここは、士度さんしか、触っちゃだめぇ……」
肉をなぞる指の細さから、相手が花月だとわかったようだった。
しかし、だめと言いつつ、マドカは花月の手を引き離そうとはしない。代わりに、目の前にいるであろう花月に
頭からもたれかかって、哀願するようにその腕に抱きついた。
その拍子に、マドカの両胸が花月の右腕を挟み込む形になった。
花月の指先は、既にマドカの愛液で濡れていた。
「んふ……ちゅぱ……ちゅ……くちゅ……」
マドカは、花月の陰茎を丹念に舐めた。
「そう……良い感じですよ、マドカさん……嗅覚と触覚と味覚をフルに使って……」
士度以外の男性のものなど、触れた事すら無かったのに、
いきなり舐めさせられる事になるとは、彼女は予想出来ていなかった。
花月が言うには、この方法は間引きに近いものであるという。
聴覚、嗅覚、触覚、味覚。
視覚以外の全ての知覚能力をこうして底上げした上で、そこから一つ一つ、使用する知覚を減らしていく。
そうすれば、より他の知覚が発達する。最終的には全ての知覚をシャットダウンする事になるが、
その頃には、心眼の極意にかなり近づけている筈なのである。
「だから……どうしても、最初はこういうのも必要なんです……
けれどマドカさんが一所懸命特訓して……順調にすすめば、やがては……
こういう事など、しなくても済むようなレベルに……」
締まりの無い表情でそんな事を言われても、説得力が伴わなかった。
マドカは花月のものを舐めるのを、最初は嫌がったが、普段慣れている士度のものでは
特訓にならないであろう事を、士度も察したため、何と士度自身が、彼女を説得したのだ。
「どうです……マドカさん、形は覚えましたか……?」
「ん……士度さんのと一緒で、大きくて硬いから……最初は、わかりませんでしたけど……
血管の走り方とか、鼻をつく匂いの微細な違いとかで……何とか……」
花月は、マドカの口内に射精した。
「うっ……ごほっ、けほっ……うぇ……けほ……」
「大丈夫ですか……? 味は、わかりますか……?」
「だ、大丈夫です……士度さんのより、少し味が薄いですね……」
花月と士度は、交互にマドカに口付けし、彼女の乳首を舐め、彼女にも二人の乳首を舐めさせた。
中には相手を判別出来たものもあれば、そうでなかったのもあった。
そうこうしている内に、彼女の体はすっかり火照って、出来あがっていった。
彼女は断続的に甘い吐息をもらし、陰部からは常に愛液を垂らしていた。
「花月……次はどうしたら良いんだ?」
教える立場の花月は、本当ならばここで理由をこじつけて、もっとマドカの体を味わう事も出来る。
しかし理性的な彼はそんな邪な考えを払拭するよう努めた。既に一度射精していた事もあって、一人だけ冷静だった。
「今日は特訓はもう十分でしょう……最初からあまり根を詰めすぎてもいけない。
もっとも、僕が去った後で、お二人が愛し合うのは全く問題ありませんよ」
そう言って、花月は服を着始めた。
フェラチオされた花月と違って、士度もマドカもまだ一度も絶頂に達していない。
幸い家の者にはこの離れに近づかないよう言いつけてあるのだから、今からここで一発するのも悪くない筈。
いや、厳密に言えば、二人は今すぐにでも本番に移行したい筈なのだ。
たっぷり一時間はかけて、前戯と呼んで差し支え無いであろう行為をやってきたのだから、二人の体はもう臨界寸前だった。
花月は、そんな二人に気を遣うつもりで、そそくさとその場を離れようとした。
ところが、士度が花月を引き止めた。
「さっき、マドカはお前のを舐めて、血管とか匂いで判別したって言ってたよな?」
「えぇ……それが何か? 申し訳ないけれど、最初はそういうところから始めないと……」
友人の彼女に、必要だったとはなりゆきでフェラさせた花月としては、後ろめたい気持ちでいっぱいだった。
てっきり責められるのだろうと腹をくくったが、その予想を覆し、士度は意外な事を提案してきた。
「そんな判別方法が出来たのは、上の口だからだろう?
下の口なら、血管の走り方やら匂いやら、そんなもんを細かく吟味する事は出来ねぇ筈だ」
「……君、まさか……」
「士度さん……」
下の口……即ち、膣。彼は、そこに挿入して、士度と花月の陰茎の違いを判別すべきだと言うのだ。
マドカの事を思っての提案なのだろうが、いくら何でも自分の彼女を他人に差し出すような事を言うとは思わなかった。
しかし確かに、その判別方法をとる為には、普段慣れている士度のものでは意味が無い。
「花月さん……」
マドカの表情は、怯えているようにも見える反面、不貞という未知の感覚への期待も感じられた。
ぱっくりと割れた陰唇の隙間を、花月の男根がゆっくりと突き進む。
ずぶ……ずりゅ……ぐちゅ……
「どうですか、マドカさん……わかりますか?」
「ふぅ……っ……こん……なのぉ……わかんあい……よぉ……」
話の流れからいけば、この状況で挿入しているのは花月以外に有り得ない。
頭ではそうわかっていても、体は冷静に相手を判別する機能を失っていた。もはや、区別がつかないのだ。
「曲がりなりにも彼氏である俺のものと、区別がつかないとはな……」
「仕方ないよ。正直、五感でなく直感で判断出来るかも、と思ったけれど……今は女性的な直感も麻痺しているようだ」
花月は、その直感の力でマドカが相手を判別出来る事を期待した。直感は第六感に通じる。
直感が働けば働く程、心眼の領域に近づけるのだ。今の段階で直感が強く働いてくれれば、先行きは安心なのに、と思った。
しかしマドカが麻痺しているのは、直感だけではなかった。
くさい言い回しになるが、マドカ程の慈しみ深い女性であれば、相手が士度かそうでないかを、愛で嗅ぎ分けられた筈だ。
この一時間以上に及ぶ二人の男性の攻めによって、マドカは今、完璧に欲情していた。
家族間の愛なら兎も角、男女間の愛とは、詰まるところ性欲の延長に過ぎない。
マドカは今、擬似的に花月を愛していた。士度と同様に。それが判断を狂わせていた。
最初は士度以外の男性には触れられたくないとすら思っていた部分、
今こうして花月を迎え入れているのも、極度に膨張させられた性欲のためだった。
花月は、迷った。
今の段階では、膣を用いての判別は不可能な事がわかった以上、もう抜いてしまって構わない。
再び硬く隆起してしまった自分の陰茎を落ち着かせるのは骨だろうが、
特訓にかこつけて友人の彼女に、あろう事か本番までさせるのは、やはり良くない。
花月は、そのまま自分の陰茎を、少女の膣から引き抜こうとした。しかし、マドカ自身がそれを拒んだ。
「やだぁ……抜かないでぇ……もう、耐えられないよぉ……」
「マドカさん……」
花月は、困ったように士度の方を見た。彼に、マドカを説得してもらいたかった。
しかし士度は、花月とマドカが最後までするのを、あっさりと承諾してしまった。
「構わねぇさ。花月の後で、ゆっくりと楽しませてもらう」
「し、士度!?」
「ぶつくさ言ってねぇで、早く突いてやれ。マドカがそれを望んでるんだ。ただし、バックでな」
「バック……あぁ、後背位の事か? 何故、その体位で?」
「好きなんだよ、こいつ。案外激しいのがお好みなんだぜ。騎上位とか、駅弁とかな」
言われる程に、マドカは顔をトマトのように赤くしていった。
目が見えるようになれば、彼女自身、そんな自分の顔の色の変化がわかるようになるだろうか……。
そんな事に考えを巡らせながら、花月はマドカと繋がったまま、仰向けに寝転んだ。
それまで正常位の体勢だったマドカが、つられて起き上がる。一旦、騎上位の体勢になった。
そのままマドカは花月の上で体を回転させ、花月に背を向ける形になった。
右曲がりの男根は、ただの回転運動だけで膣をえぐり、マドカは正気を保つ事さえ難しかった。
そうして花月は起き上がり、マドカは両手を前について、後背位の体勢になった。
すると、士度がマドカの前に来て、自分の陰茎を彼女の口にねじこんだ。
「どうだ、マドカ……俺のだって、わかるだろう?」
「あぁ……くちゅ……シドさんのら……ちゅぱ……このにおい……」
マドカは、美味しそうにそれを味わった。
「それじゃ……動くよ、二人とも」
花月は一言断りを入れると、強く腰を打ちつけた。
離れの畳の上に、肉のぶつかり合う音が響く。
マドカの体が前後する度に、彼女の口が激しく士度の男根の周りをスライドした。
「んふ……ん……んおっ……おぉ……っ」
口を塞がれて話す事も出来ない彼女の口から、獣のような声だけが聞こえてきた。
思えば、後背位で丁度良かったかもしれない。畳の上で正常位をすると、背中が擦れて痛いものだ。
既に臨界ギリギリまできていた士度とマドカは、すぐに絶頂に達した。
少し遅れて、花月はマドカの中から自分のものを引き抜き、彼女の背中に熱いものをぶちまけた。
「なぁ、花月……」
「何だい? 士度」
「これ、大体どのくらいの期間続ければ、心眼を習得出来るんだ?」
「そうだな……通常の、五感をシャットダウンする方法、
つまり風鳥院の継承者が行うやり方でさえ、普通は何年もかかる。まして彼女がとったやり方は、
五感の内のいくつかを生かしておき、徐々に減らしていく、古いやり方だ。
何年かかるか、想像もつかない。驚異的な才能があれば、或いは数ヶ月かで済むかもしれないが……」
「そんなにかかるのか……」
冷静になって、やはり自分の彼女を他の男に抱かせる事は良くないと思い直した士度は、
何年かかるかわからない、という花月の言葉に、不安にさせられた。
「だから、才能があれば、数ヶ月で済むかもしれないと……」
「才能があれば、だろ? マドカに、そんな才能があるかどうか……」
しかし、そんな彼の不安をよそに、気絶に近い状態で畳の上に寝転がっていたマドカは
離れた位置で待機している二人の男性を、微かな匂いで嗅ぎ分けていた。
(本当の本当に少しだけど……今なら、触れてなくても、どっちがどっちかわかる……)
(特訓の成果かしら……)
それは、紛れも無く天賦の才のあらわれだった。
もっとも、士度と花月は、まだ彼女の才能にも、彼女が心眼に達するのはそう遠くないという事にも
この時点では全く気付いていなかった。
69 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 22:14:39 ID:e41/f1a/
支援上げ…文才あるうえに筆が早いなんてウラヤマシイ…
70 :
1:2006/10/12(木) 16:57:33 ID:fanYS4Oq
ここ、俺含めても二人しかいないような気が……
気のせいかな
朔羅
無限城下層階。その更に地下。
少年王MAKUBEXが根城とする、巨大並列処理コンピューター。
マザーコンピューターのその膝元で、MAKUBEXは文字通りの母の膝で眠る赤子のように
すやすやと寝息を立てていた。
電脳少年の彼にとっては、ここが最も落ち着ける場所だった。
日々の重圧は、少年には重すぎた。彼は毛布にくるまると、毎晩ここで眠った。
ここが彼にとって最も落ち着く場所だったのは、単にコンピューターが彼の武器だったからだ。
上からの強襲があっても、ここなら起きて即座に臨戦態勢を整える事が出来る。
彼にとっての「落ち着く」とはそういう事で、安眠などとは程遠かった。
寝息も実に浅く、それはそのまま、彼の眠りの浅い事を証明していた。
そんな少年を、十歳も離れた筧朔羅は、保護者の立場で心配した。
「不思議なものね……普段守られているのは、私達の方なのに……」
彼女は自分の分の毛布を持ってくると、少年の傍に座り込んだ。
「私は、あなたの保護者になれているのかしら……?」
少年は、女性の呟きに反応したかのように、かすかに「ん……」と声を漏らした。
いつの日か、この子が安心して眠る事の出来る時代が来れば……
女性はそんな事を考えつつ、少年の隣に、添い寝するように寝転んだ。
もっともこんな風に隣で眠らせてくれるようになったのも最近の事だ。
初めのうちは、朔羅に限らず、誰が相手でも、近寄っただけで目を覚ましていた。
雷帝が無限城にいた頃もそうだったけれど、雷帝が去ってからは、殊更に酷くなった。
周囲に、鏡や不動といった、寝首を掻きかねない者達が多かった事も遠因の一つだろう。
だが、彼女は辛抱強く少年の傍に居続け、少しずつ信頼を得ていった。
生まれてずっと家族というものを……母親というものを知らないこの子の為に
せめて母親代わりになってあげられるのなら……
彼女の覚悟は岩をも動かし、二年以上の歳月はかかったが、とうとう少年の傍で寝かせてもらえる程になった。
しかしそれでも、少年の寝顔を見ると不安にさせられた。
「まるで……ただ目を閉じているだけのよう……」
少年は、とても眠っているようには見えなかった。狸寝入りだと言われれば、信じてしまいそうな程に。
朔羅は、そっと少年の頬に指先を触れさせてみた。
「ん……」
思った通り、少年は目を覚まし、虚ろな眼差しで彼女の顔を見た。
「……敵襲、というわけじゃなさそうだね……もう朝かい? ここじゃ時間の感覚が……」
朔羅は慌てた。
「申し訳ありません、MAKUBEX。起こしてしまって……まだあなたが眠り初めて、30分も経っていませんよ」
幼い頃、まだ裏風鳥院が謀反を起こし、十兵衛と朔羅の姉弟が出奔する前の事。
十兵衛は一旦眠りにつくと中々起きず、彼女がいたずらで頬をつついてみせたりしても、目を覚ます事は無かった。
「……あの頃の十兵衛と、年はそう変わらないのに……」
「何だ、またその話か。構わないんだよ、僕は。この無限城なら、気の持ちようで多少の疲労はすぐに……」
「良くありません。ここのところ、顔色も……」
「僕の血色が悪いのは生まれつきだよ。こんな日の当たらないところで育ってきたんだから……」
人の健康を気遣うぐらいなら、いっそ起こさないでくれ……という言葉を飲み込みつつ、少年は目を閉じた。
「MAKUBEX……」
一度起きたために中々寝付けない少年の耳元で、朔羅が囁いた。
「……何だい?」
「その……抱きしめても、良いですか?」
MALUBEXは「はぁ?」ととぼけようとしたが、彼が答える前に、朔羅はその腕を伸ばしてきた。
少年の首の周りを女性の腕が通る。女性は、自ら少年の頭を引き寄せ、その胸に抱きしめた。
「……ちょっと……さすがに、照れるんだけど……」
豊満な大人の胸に抱かれた少年は、年相応の恥じらいを表情に浮かべた。
もっとも、女性からはその表情は見えない。自分の胸に少年の顔をうずめてしまっているからである。
「ごめんなさい……あなたを、落ち着かせてあげたいと思って……」
「こんな状態じゃ、逆に落ち着かないよ……それに……」
少年は片腕を朔羅の背中にまわすと、なだめるようにその背をさすった。
「落ち着かないのは、君の方じゃないのかい……? 少し根を詰めすぎてるところがあるよ、朔羅は」
内心、図星とも言えた。確かに彼女は、頑張りすぎるところがある。
だがそれを、更に頑張っている年端の行かない少年に言われるとは、予想もしていなかった。
「私は……あなたの、母親になってあげたいんです……」
朔羅は少しだけ腕の力をゆるめて少年を胸から解放すると、その額に口付けせんばかりの距離まで顔を近づけた。
「私では……あなたの母親に、なってあげられませんか……?」
「クスクス……そういうところが、根を詰めすぎだと言うんだよ。朔羅は、僕の友達であり、仲間。
それで十分だか……」
言い終わる前に、既に朔羅は少年を再び抱きしめていた。
布越しに谷間に顔面を突っ込み、少年は再び顔を赤くした。
「MAKUBEX……」
まだ強がる少年を、どうしても甘えさせたい。せめて二人きりの時ぐらい、子供に戻って貰いたい。
朔羅はそんな想いをこめるように、MAKUBEXを今までより更に強く抱きしめた。
「さ、さくら……ちょ、ちょっとタンマ……」
王とは言え、MAKUBEXはまだ十三、四歳の少年だ。女性の胸の谷間に押し込められれば、欲情してしまう。
現に彼の未発達な陰茎は、それでも既に硬くなりかけており、それはズボン越しに朔羅の足にあたっていた。
彼は必死に女性の腕から逃れようとしたが、どうしても逃れられなかった。
「無駄ですよ、MAKUBEX。あなたを包み込んでいるこの毛布は、今は私の技の支配下にあります。
素直に私に甘えてくれるまで、離しはしませんから」
甘えると言っても、どうしたら良いものか。
「いきなりそんな事言われても……何を頼めば良いのか……」
朔羅は少年の勃起しかけの陰茎にズボンの上から掌をそっと当てた。
ピクンと反応して、また更に少しだけ大きくなるのが可愛い。
「こういう事を、頼めば良いんですよ……」
朔羅は少年のズボンのチャックを下ろし、中から小振りな陰茎を取り出した。
小振りだが、少年なりに硬くなっており、まだ半分程皮を被ったその先端からは、もうカウパー氏腺液が漏れ出ていた。
彼女はその皮を、丁寧に剥いていく。微かな痛みに似た感覚が、不慣れな少年を襲った。
「っぁ……! ちょ、さくら……」
朔羅は、もうそろそろ良いだろうと、少年と自分を包み込んでいた布を取り払った。
薄暗い証明の中、恥垢をまとった少年の陰茎があらわになった。
「もう……駄目ですよ、MAKUBEX。年頃なんだから、ちゃんと綺麗にしておかないと……」
「そ……そんな事言われたって……そこまで剥けたの、初めてだし……」
MAKUBEXは、今朔羅に無理矢理剥かれるまで、自分の皮がこんなに剥けるものだとは思っていなかった。
出血するのではないかと思える程の痛みと、病気なのではと疑いたくなるような垢が、彼の意識を釘付けにした。
辛うじて知識だけは並の大人以上に備えていた彼は、それが怪我や病気でない事だけは理解出来た。
朔羅は垢を丁寧に指でこそぎ落としてやった。しかしそれすらも、少年にとっては拷問に近い恥辱だった。
「おか……おかしいよ、さくらぁ……っ」
今まで、朔羅に抱きしめられる事は、何度かあった。頬にキスされるぐらいなら、日常茶飯事だ。
いつかは、一歩踏み込んでしまうだろうなと予感はしていた。しかし、これは彼が想像していたよりも、幾分汚らしい。
「遠慮しないで下さい、MAKUBEX。私がヌいてあげますから。
手でするのが良いですか? それとも、胸で? 或いは……」
MAKUBEXは反抗しようとしたが、陰茎はまだ朔羅が握りこんだままだ。人質をとられたような気分だ。
彼女の、悪意の全くない、慈愛に満ちた笑顔が、逆に怖い。
少年は彼女の機嫌を損ねないよう、頭をフル回転させて逃げ口上を考えた。
「朔羅……君は、僕のお母さんになりたいんだろう?」
「えぇ、そうですよ?」
「普通の母親は、息子にこんな事はしないだろう? いくら本当の家族のいない僕でも、そのぐらいわかる」
「それじゃあMAKUBEXは、今ここでコレを処理しなくても、構わないのですね?」
朔羅が、平然とMAKUBEXの陰茎から手を離す。
「あっ……ちょ、その……」
MAKUBEXは、自分の中の相反する理性と欲望の、葛藤に気付いた。
頭では、こんな事をしてはいけないとわかっている。また、実際朔羅にも思いとどまって欲しいと切に願っている。
しかし、体は生殖を求めている。情報生命体である自分にも性欲がプログラムされていたのかと思うと、溜息が出る。
そして、プログラムされた本能が、朔羅の手が離れた事を、真剣に惜しんでいるのがわかる。
「……良いわ、MAKUBEX。確かに、母親になりたいと言ったのは、私の方。
ならば私は、あなたのその可愛いムスコには、もう手を触れません」
MAKUBEXは、彼女のその言葉に、ほっとするよりもむしろ、堪らない程悔しがっている気持ちの方が
自分の中で強くなっている事に気付いた。
プライドを捨てて、今一度懇願しようかとさえ思う。しかし、中々声が出せない。
そうこうしている内に、朔羅が服を脱ぎ始めた。
「なっ……何をする気だい? 朔羅……」
「私は、あなたの母親になると誓いました。ならば、母親らしい事を、してみせます」
そう言うと、彼女はワンピースを完全に脱ぎおろし、ブラジャーも外して、その自慢の生乳を晒した。
「母親は、子供に授乳させるものです。MAKUBEX……」
朔羅はそう言うと、膝を崩してその場に座り、MAKUBEXの頭を持ち上げて、膝枕の体勢になった。
少年の頭の上で、豊かな乳房が部屋の照明を遮光している。
彼女は戸惑う少年の頭を更に持ち上げ、その唇を自らの乳首にあてがった。
「んむっ……ぷはっ……朔羅、これは……?」
「言ったでしょう? 授乳ですよ……」
朔羅が自分の胸を揉みこむと、驚いた事に、乳首の先端から母乳が垂れ出てきた。
-2-
筧流は、医術として発展してきた流派だ。
針術によってツボを刺激し、時に痛みを和らげ、血流すらも変える。そして、布衣術で止血し、体を保護し、温める。
そこに風鳥院の絃が交われば、縫合すらもこなす事が出来る。
医は仁術。それこそが筧の理念でもあり、掟とも言えた。
そんな筧流だからこそ、広く人々の役に立つために、様々な分野の治療法も確立されていた。
その中に、子育てに関する治療もあった。
世の中には、乳癌などで乳首を切除したわけでもなく、乳首も乳腺もちゃんとあるにも関わらず
先天的に母乳を出せない体質の女性も、少なからず存在する。
今でこそ市販のミルクが簡単に手に入るが、我が子には自分の母乳を飲ませてやりたいと思うのが、親心だ。
そんな悩める母親達を救うために、筧流は乳腺を刺激する針術をも磨いていた。
その技が成功すれば、どんな女性でも、任意で母乳が出せるようになるのである。
筧十兵衛が、その技を会得するための修行に付き合ってくれと、朔羅に申し出たのは十年程前。
まだ裏風鳥院によって筧家が壊滅する前の、平穏だった時代の事だ。
「頼む、姉者! 姉者以外に頼める者がいないんだ!」
朔羅は当初、断ろうと思った。自分でなくとも、母に頼めば良い事だと思ったのだ。
しかし、彼らの母は既に夫によって、その術を施されていた。その為母は既に自在に母乳が出せた。
そもそもこの技は、本来ならば筧の男児が、近親の女性、即ち姉か妹か母親に頼むのが慣わしだ。
しかし彼らの父には姉妹がいなかったために、父は妻を迎え入れてから、ようやくこの技の修行に打ち込めたのだ。
本当なら、血の繋がらない女性に、この修行に付き合わせるのは掟破りだった。
この修行の性質上、どうしてもその女性と一度は体を交えねばならなかったのだ。
通常、筧の男児は、成人するまでに全ての技を会得せねばならない。
成人する前に婚姻でもしない限りは、修行のためだけに、定まった関係に無い女性と交わる事になる。
彼らの父は、どうにか成人前に嫁を娶ったお陰で、この技を完成させるに至ったのだ。
そういった例外を除けば、筧の男児は、一生に一度は近親相姦をせねばならないのが、当たり前という事である。
朔羅は渋々承諾し、両親の立会いの元、十兵衛の前で全裸になった。
当時、既に年頃の女の子だった朔羅は、母親は兎も角、父親の前でまで裸を晒す事に、相当抵抗があった。
片腕で両の乳房を隠し、もう片方の掌で陰部を隠した。それでもまだ、内腿をきつく閉じて正座した。
「良いですか、十兵衛、朔羅。母乳が出せるようになるには、通常、出産せねばなりません。
この技は、母体に『出産したのだ』と、錯覚を起こさせる事によって成立します」
あくまで上品に、母親が修行の説明に入る。
「そして、母体に出産を錯覚させる為には、その前段階として『妊娠した』と錯覚させる必要もあるのです」
そこで、十兵衛が口を挟んだ。
「なるほど、植物を意図的に狂い咲きさせるのと、原理は同じですね。
春にしか咲かない花を秋に咲かせるには、その花に春だと思い込ませねばならない。
そのためには、春だと思わせる前に、冬だと思わせておく必要がある」
少しも厳かな表情を崩す事無く、筧の父が頷いた。
「その通りだ。お前には、これから朔羅の体を、擬似的に『妊娠』させてもらう。
いや……より当を得る言い方をするならば、『受精』させてもらう、と言った方が正しいか……」
即ち、ここで二人が体を交える必要が出てくるのだ。
安全日である事は既に確認済みである。十兵衛が朔羅の中にたっぷりと中出しし、
針で彼女の陰部を刺激して、子宮に『受精した』と錯覚を起こさせる。
通常、妊娠してから十月十日で出産するが、実際には妊娠していないので、子供も生まれない。
この時に更に針で乳腺を刺激する事で、本来ならば一定期間で停止する授乳機能が、
実際には五十歳ぐらいまで停止しなくなるわけだ。それ故この技は、遅くに子宝に恵まれた夫婦にも需要があった。
もっとも今回の修行と違い、一般の人達にこの治療を施す場合は、筧の男は依頼主の女性に一切手を触れない。
夫である男性に交わってもらいつつ、自らは針のみをもって、治療を施すのだ。
依頼主の女性からしてみれば、他の男に自分の痴態を見られる事になるわけだが、四の五のは言えないわけだ。
そして朔羅も、内心は他の男に交わってもらえないだろうかと思った。
好きな人と交わりながらならば、例え父親や弟に恥ずかしいところを見られても、何とか我慢出来る。
しかし当時彼女には好きな男性などいなかったため、結局その願いは、考えるだけ無駄に終わった。
「ほら、よくご覧なさい、十兵衛。これが大陰唇、そして小陰唇。上の方の小粒なのが、陰核よ」
「今の内に、この図表とよく見比べて、見当をつけておけ。ツボを外してはならんからな」
十兵衛は両親に指導されるがままに、姉の陰部を舐めるように隅々まで眺めた。
それは、当時少年だった十兵衛には、気持ち悪すぎた。
内臓の延長のようなものだとは聞いていたが、それにしてもこれ程とは……と、幻滅した。
それでも修行のためと割り切って、指や舌を使って懸命にならしていくと、不思議と勃起してしまった。
母親の指導が的確だったために、童貞の十兵衛でも、朔羅を気持ちよくさせる事が出来たのだ。
姉から発せられるかすかな声は、淫靡で艶かしく、違う女の人みたいで、それが彼の性欲を刺激した。
十兵衛は十分に姉の陰部が濡れた事を確認すると、慎重に少しずつ、自分の陰茎を挿入していった。
処女だった朔羅の膣は抵抗も激しく、途中で出血もしたが、父が「構うな」と言うので、そのまま一気に奥まで貫いた。
朔羅は叫びだしそうな程の痛みを感じたが、唇を噛み締めて耐えた。
やがて、その日が初めてだった十兵衛は一分と待たずに射精し、修行の第一段階が終了した。
十兵衛は余韻に浸る事も無くすぐに針を取り出すと、あまりの痛さに痛覚の麻痺した姉の陰部に、それを刺していった。
ツボが的確だったために、朔羅は然程の痛みを感じる事も無く、簡単に針を受け入れた。
十分程してから十兵衛は針を抜いた。これにて修行の第二段階が終了し、彼女の肉体は『受精』した。
数ヵ月後には彼女は『出産』し、母乳が出せるようになったが、それまでは毎日体調が悪かった。
実際には身ごもってもいないのに、吐き気を催したり、酸っぱいものが食べたくなった。
まるで想像妊娠のようだと思った。子も孕んでいないのにマタニティブルーになるのは、良い気分ではなかった。
そして、いざ母乳が出せるようになった後でさえ、まだ針の責め苦があった。
もっとも、それもツボが的確だったために痛みは無かったのだが、年頃の女の子が、
自分の胸から数本の針を垂らすのは、恥辱に近いものがあった。しかも、また両親の立会いで、だ。
兎にも角にも、そんな風にして、彼女はその日以来、任意で母乳が出せるようになったというわけだ。
-3-
「そうか……筧流に、そんな技が……」
朔羅から顛末を聞かされたMAKUBEXは、古流術派の奥の深さに敬服した。
「ですから、MAKUBEX。今夜は私を母と思って、どうかこの乳を吸って下さい。
未熟な私では、あなたを支える事すら難しい……けれど、せめてあなたを甘えさせてあげたいから……」
朔羅と十兵衛の過去を聞かされ、もはやMAKUBEXは肉欲を我慢出来なくなっていた。
思春期の少年にとっては、先程の朔羅の話は猥談でしかない。
少年は体を起こすと、目の前の豊かな乳房の先端にしゃぶりつき、母乳を吸い始めた。
じゅっ……ちゅぅ……ちゅぱ……
「何か……変な味。おっぱいって、こんなもんなの?」
「さぁ、私自身は吸った事無いから……けれど、あまり美味しいものではないと、聞いた事ならあります。
赤ちゃんが母乳の味を嫌がらないのは、単に他の味を知らないからだとか……」
それでも少年は、赤子のように女性の乳首を舐め続けた。
やがて、唾液と母乳によって、彼女の乳首は汚らしく湿ってきた。
「MAKUBEX……まだ、こちらの処理は構わないと申しますか?」
朔羅は再びMAKUBEXの股間に手を伸ばし、勃起したままの陰茎をさらさらと撫でた。
「っあ……そ、その……」
「確かに母親ならば、こんな事の面倒は見ないでしょう。
けれど私の事は、姉と思ってくれても良いんですよ? 十兵衛の相手なら、私にも経験があるのですから」
もっとも、姉と弟でさえ、やはり普通は肉体関係を持つものではない。
朔羅と十兵衛が特殊な環境で育っただけの事なのだが、MAKUBEXの方も、もう理屈をこねる気は無かった。
朔羅を仰向けに寝かせ、胸の谷間で陰茎を挟み込む。そのまま、乳首でこすったりしながら、陰茎をしごきまくる。
いわゆるパイズリだが、朔羅の母乳の機能のおかげで、更に楽しむ事が出来る。
乳首から溢れたミルクはMAKUBEXの陰茎をヌルヌルと覆い、快感を増幅させた。
「ぅあっ……良いよ、これ……さくらぁ……っ」
「私にも……MAKUBEXのミルク、くださいね……」
ぐちゅ、ぬちゅ、ずりゅ、こり……七色の音を立てて、乳房と陰茎が擦れあう。
やがて、MAKUBEXは思い切り射精した。
「あぁっ……イくよぉっ、さくらぁ!!」
大量に降り注いだ白い汁は、朔羅の顔を容赦なく温めた。
「……っ! ご、ごめん朔羅! 汚すつもりじゃ……」
朔羅は顔に纏わりついた精液の一部を指ですくうと、それを口の中に入れてみた。
噛んで、よく味わい、ゆっくりと飲み込む。
「ん……MAKUBEXのミルクも、変な味ですよ?」
朔羅は、茶目っ気たっぷりに微笑んでみせた。
「でも、美味しい……」
「はぁっ! あぁあ! やん……! ふぁあっ!」
マザーコンピューターの前で、何憚る事無い朔羅の喘ぎ声が響いていた。
MAKUBEXの上に騎上位でまたがり、激しく上下運動をしながら、牛のように母乳を撒き散らす。
先程の顔射の返礼とばかりに、MAKUBEXの体を白く汚していく。
「あぁさくら……熱い……あったかい……それに、これ……きもち、いい……」
ぷしゃーっ……ぴゅっ……ぴゅっ……
勢い良く迸る母乳は、容赦なく少年の胴体を埋めていく。腹をつたって流れたミルクが、ぽたぽたと床にこぼれる。
直結した二人の陰部は、既に愛液で洪水のようになっていた。
「やばっ……イったばっかりなのに……もう……っ」
「あぁ、MAKUBEXUぅ……良いわ、私も……あぁっ……」
一際大量の母乳が注がれたかと思った瞬間、二人とも同時に絶頂に達し、少年の精液が女性の膣内に注ぎ込まれた。
「うー……腰が痛い……」
翌朝、目を覚ましたMAKUBEXは、前日の激しい運動のために、体を痛めていた。
久方ぶりに熟睡出来たにも関わらず、疲労はいつもより何割も増していた。
「も、申し訳ありません、MAKUBEX……」
昨夜の事は彼女にとっても恐らく勢いでしてしまった事なのだろう、朔羅は恥じ入って後悔していた。
「気にしなくて良いよ……その、気持ち良かった……し……」
昨日は、あの後そのまま二人とも眠りこけてしまった。
体を拭いてさえいなかったため、翌朝はベトベトした感覚が纏わりついていた。
朔羅の髪は精液でパリパリになっていたので、それを洗い落とすのが一番面倒くさかった。
笑師や十兵衛達が来る前にシャワーを済ませて、何食わぬ顔でいつものプログラミング作業に入った。
その日は一日中、目が合う度に、二人とも顔を赤くした。
その様子を見ていた笑師は、昨夜の出来事は何も知らないながら、案外的を射た感想を述べた。
「何やぁ、二人とも。昨日までは姉弟みたいやったのに。
今日はまるで、恋人同士みたいやないか……」
今回は、風邪をひいてしまったので内容を早々に切り上げてしまいました
薫流
人の一生は、四季に例える事が出来るという。
即ち、春は萌え、夏に盛り、秋は衰え、冬に死ぬ。
だが、古くから森や動物達と親しんできた四木族は、異なった考えを持っていた。
春に癒し、夏に死に、秋に眠り、冬に目覚める。
春木薫流は幼い頃、それをずっと疑問に感じていた。
兄のように親しんだ夏木亜紋に、それを問いただしてみた事もあった。
しかし彼は、とぼけたような表情で、答えをはぐらかすだけだった。
「さぁ、何でだろうねぇ……旧暦と新暦の違いが、関係してるのかなぁ……」
幼かった薫流は知識が無かったために、その言葉に騙されていた。
「考えてごらん、薫流。旧暦の四季は、今より少し早い感じなんだ。
たとえば俺達の感覚では冬だと思っていても、旧暦では春の場合もある。
そう考えると、萌えいずる『目覚め』の力を、春木でなく冬木が司っているのも、わからなくはないだろう?」
薫流は、彼の言っている事が難しくて、よくわからなかった。
「同じように、『眠り』の一種である冬眠のような力を、秋木が支配しているのも……
そして『癒し』を『活性化』とみるなら、燃える夏のようなその力を薫流の一族が持っているのも
何となくわかるような気がしないかい?」
あの頃は、そのお話を聞いて、何となく頭が良くなったような気がした。
ただそれだけで、本音では釈然としないながらも、薫流はとりあえず納得しておこうと思ってしまった。
しかし冷静に考えれば、それは有り得ない話だったのだ。
旧暦では冬が春と呼ばれていたというのなら、動物達を冬眠させる『眠り』の力は、
春の名を冠する、春木が保有していなければならない筈なのだ。
それだけではない。亜紋の話を真に受けてしまえば、全てが支離滅裂になる。
第一、そう……どの道、夏木が『死』を司っている事だけは、何の理由付けもされないままなのだ。
森の中は騒がしかった。葉のさざめきや、水のせせらぎや、動物達の会話に、鳥達の歌声。
それらがひっきりなしに聞こえてきて、けれどもそれらは不快でなく、むしろ薫流の心身を癒してくれた。
都会に暮らす人々は、可哀想な事に、彼らの声が聞こえないという。
だから中々疲れを癒す事が出来ないのだ……と、彼女は呆れて溜息をついた。
彼女は外套を脱ぎ、帽子をとり、他の衣服も全て脱いで一子纏わぬ姿になると、
冷たい小川の流れの中に仰向けに寝転がり、背と髪を濡らした。
「ふぅ……やはり疲れを癒すには、これが一番だな……」
彼女は、ゆるやかに流れる水の冷たさで心を癒すと同時に、身を清め始めた。
古来、清めの水浴びは禊(みそぎ)とも呼ばれ、穢れを払うものだった。
身も心も清められ、自然の一部になる事が出来るような気さえする。
冷たい水流の中で、彼女はかつて慕った夏木亜紋の事を思い出した。
士度に命を返して散った、道化の青年。かつて、自分も妹のように懐いていた、あの若者。
彼は、いつも笑っていた。
無意識に周囲の生命力を吸ってしまうその力故に、仲間からも忌み嫌われていたというのに。
そんな風に、輪廻の輪に戻っていった彼の事に思いを巡らせていると、薫流の周りに動物達が集まってきた。
「お前達……今日も私を、慰めてくれるのか?」
動物達を代表するように、一頭の鹿がこくりと頷く。野兎や狼犬も、それに倣う。
動物達は、浅瀬に寝そべる薫流の周りにのろのろと集まると、次々に彼女の体を舐め始めた。
頬や額、肩、腕、乳房、腹、太腿、股間、脹脛、爪先……。
「あっ……や、あ……や……そこぉ……」
身じろぎながら、彼女は動物達の舌を全て受け入れていた。それは、彼女の週に一度の日課の一つだった。
汚いだとか、雑菌だとかは気にしていなかった。癒しの春木に対してそんな瑣末な汚れは関係が無い。
「そう言えば……私に、この味を覚えさせたのも……亜紋だったっけ……」
薫流は、わずか数週間前に地獄谷にて昇天した、夏木亜紋の事を思い出していた。
80 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 23:38:54 ID:d5eLwaeu
>>78 お大事に。
支援上げ。人がくることを願う。
81 :
1:2006/10/14(土) 23:39:45 ID:JMt1m3KU
>>80 あ、どうもこんばんわ
たったの二秒差……
「亜紋、そろそろ本当の事を教えて」
それは、まだ夏木亜紋が生きていた頃の事だ。
きたるべき鬼里人との決戦に備えて、四木族は時に連絡を取り合い、いつでも決戦に赴く事が出来るように備えていた。
そしてとうとう、彼らは冬木士度からの連絡を受けた。
知り合いが、蜂を操る男と対峙した。近い内に『奴ら』と戦う事になるかもしれない、と。
連絡を受けた薫流と亜紋は、覚悟を新たにするために、決戦の何日か前に、数年ぶりに再会していた。
秋木も誘ったが、彼は亜紋といると生気を吸われるからと、にべもなく断った。
「……本当の事って? 何の話さ」
「昔お前から聞いた、四木族と旧暦の関係の事だ。あれ、本当はデタラメだろう?」
東日本の、とある駅前の、とある広場で、二人は落ち合っていた。
二人とも一応携帯電話は持っていたが、別に四木族間で連絡をとるだけなら、電話など不要だった。
全員離れて暮らしていたとは言え、連携をとりやすいように、そう何県も離れて暮らしていたわけでもない。
電話や電子メール程の速度は無理にしても、鳥達に頼めば、郵便葉書よりは早く連絡をとる事が出来た。
彼らが携帯電話などを所持していたのは、士度のように街で仕事をする場合の、業務用に過ぎない。
特に秋木などは、元々街で暮らす事に乗り気ではなかったのだが、郷を追われた彼らが、
虫も多く生息する『森』という場所で、一日の内の長い時間を過ごすのは、少々危険だったのだ。
士度にとって森よりも無限城の方がまだ逃げ込むのにマシだった程だから、そのリスクが窺い知れる。
彼らは街で裏稼業やバイトなどして生計を立てつつ、週に一度程は森に帰って、動物達と触れ合った。
四木族同士離れて暮らしていたのも、単に鬼里人の目を分散させるためのものだった。
そんな彼らが久方ぶりに会うのだから、話題が数日後の決戦の事だけで済む筈が無かった。
旧交を温めるために、他愛の無い世間話など交えたとしても、仕方の無い事だ。
-2-
「旧暦……旧暦……あぁ、ひょっとしてあれの事かな?」
「……忘れてたのか。やっぱり口から出任せだったな?」
待ち合わせた駅前から数分歩いてファーストフード店に入り、注文を終えて席に着いたところで
ようやく、亜紋はかつて自分が薫流に話した事を、おぼろげに思い出してきた。
「いやぁ、ゴメンゴメン。正直な話、俺にもわかんないよ。
或いは、俺達の能力と、実際の四季なんて関係無いのかもよ?」
だったら最初からそう言っていれば良かったものを、何故彼は、幼い自分にデタラメを教えてきたのか。
「四木族のそれぞれの能力は、利便性を優先するなら、別に四季に合わせなきゃならない理由なんて、無いわけじゃん?
必要だから編み出されたにしろ、自然発生的に備わったにしろ、さ」
「我々四木族の名が季節に因んでいるのは、あくまでたまたま、という事?」
お気に入りのシェイクをストローで吸いながら、薫流は亜紋の適当そうな講釈に、自分も適当に言葉を返した。
「逆に、実際に四季に合わせるとしたら、不便だよ。というか、穴が出てくる。
それは、薫流にもわかるだろ?」
確かに、その点は彼の言う通りだった。
単純に四季折々のイメージから能力を生み出すとなれば、春は誕生、夏は隆盛、秋は衰退、冬は枯死となる。
しかし、『誕生』は厳密には『再生』ではないし、『再生』でないという事は、『癒し』でもない。
そうなると回復役を務める者がいなくなるし、そもそも『誕生』という営みは、特殊能力によって操作するものでもない。
『隆盛』も、身体能力の底上げと見るならば、必要性はそう高く無いだろう。
相手を『衰退』させる能力を用いれば、相対的に自分は強くなるわけだから、これでは能力が重複するのである。
そう考えると、実際の四木族の個々の能力は、理に適っていると言えた。
回復のための『癒し』のチャクラ。強敵を確実に『死』なせるチャクラ。
相手を『眠り』に落とす事で、無血で戦いを終結させるチャクラ。
そして、潜在能力を『目覚め』させるチャクラ。
最も道理的で、欠けたるところのない、隙の無い布陣。
実際にこの布陣で、かつて四木族は数百の鬼里人の兵達を相手に、わずか四人で勝利したのだ。
春夏秋冬の名など、実戦では関係が無い。
実戦、か……。
薫流は、少しだけ溜息をついた。闘争に慣れた自分の思考が嫌になった。
古の魔里人は、戦うためにこの能力を使っただろうか? 恐らく違う。
『癒し』によって傷を治癒し、『死』によって生を循環させ、
風邪をひいたり、体の弱っている者には『眠り』を提供し、必要とする者には『目覚め』を与えた。
人々と動物が共存し、営みを続けていく為に、平和的に利用されていた筈だ。
いつからこうなってしまったのだろう?
鬼里人との諍いが片付けば、こんな考え方は捨てる事が出来るのだろうか?
そんな事を思っていると、亜紋が彼女の顔を覗き込んできた。
「な……何?」
「いや……何か難しい顔してたからさ。どうしたのかなって」
薫流は、間をもたせるために、もう一口シェイクを飲んだ。
「……別に、構わないでしょう。私がどんな表情をしても」
「つれないなぁ。そういう所は秋木に似てるよ、薫流はさ」
ハンバーガーを頬張りながらそう言い放つ亜紋に少しばかりカチンときて、薫流はムキになった。
「私が難しい表情とやらになるのが、お前にとってそんなに迷惑だというのなら、是正させてもらうが?」
あからさまに不機嫌な表情になった年下の女の子を見て、亜紋は可笑しさ半分、焦り半分という気持ちになった。
「いやぁ、その……まぁ、迷惑じゃないけどさ」
「だったら……」
「でも、せっかく久しぶりに会ったんだから、出来れば楽しそうな顔しててほしいなー、なんて……」
薫流は呆れた。
遊びに来ているわけではないのだ。数日後に控えた鬼里人との決戦のために、士気を鼓舞するつもりで来たのだ。
何かあってもすぐ動けるようにと、比較的地獄谷に近い街に下りてきたという意味もある。
それを目の前の男は、楽しそうな顔をしろと言う。まともな神経をしているとは思えない。
「……お前程楽観的ではないんだ。お前達みたいに、戦闘向きの能力が高いわけでもない。
ただの回復要員の私が、今度のような大規模な戦争に参加するのは、本当は不安……」
そこまで言いかけて、彼女は口をつぐんだ。
確かに、不安は大きい。だが、そんな弱音を吐きたくはなかった。殊に、この男の前では。
その男はと言うと、相変わらず能天気そうな顔で、話半分にフライドポテトを貪っていた。
「ねぇ、待ってよ薫流ぅ。置いてかなくたって良いだろ?」
亜紋の態度に薫流は気を掻き乱されそうになり、そそくさと席を立って、店を出てしまった。
トレイを片付けながら、彼も慌てて後を追った。
「ついてこないで。作戦会議をするでもなく、互いを鼓舞しあうでもなく……これじゃ、会った意味が無い」
素っ気無く言い放つ薫流の腕をとり、亜紋は無理矢理彼女を振り向かせた。
「離して……っ」
「……意味が無いわけ、ないじゃないか」
その瞬間、亜紋の表情が憂いを帯びていた事を、薫流は見逃さなかった。
「俺達……ひょっとしたら、今度の戦争で……もう、会えなくなっちゃうかもしんないんだぜ?」
薫流の手を握る亜紋の掌が、心なしか熱くなる。薫流は、亜紋の体温が直接流れてくるような感覚に陥った。
その感覚を振り払うように、慌てて言葉を返す。
「あ……会えなくなるなんて事、あるわけ……! 私達が、勝てば良いだけだろう?」
道行く人々は、路上で言い合いをするカップルなど見慣れているのか、二人に見向きもしない。
「勝つとか、負けるとか……そういう事じゃなくてさ。誰一人犠牲にせずに終わる戦争なんて、無いんだよ……」
「お前でも……『死』を恐れるの? それとも、私が死ぬかもしれないと思ってるの?」
亜紋は首を横に振った。
「両方とも違う。俺は他の人程『死』を恐れてはいないつもりだし、薫流が死ぬとも思ってない。
それに……薫流は、俺が死なせない」
最後の一言に、彼女は不覚にも鼓動を早めてしまった。
「じゃ、じゃあ……どういう意味なのよ? もう会えないかもしれないって……」
亜紋から目を逸らしながら、なおも薫流は問い詰める。
「わかんないかなぁ……。俺は確かに『死』を恐れないけれど、それは死なないという事じゃないだろ?」
言われてみれば至極その通りだ。
『死』を恐れない者は、この世界には少なからず存在する。噂に聞く美堂蛮や、魔人・赤屍蔵人などは、その好例だろう。
だが、そんな彼らでも、生物である以上、いつかは必ず死ぬ。(もっとも、赤屍に限ってはどうだかわからないが)
他者の『生』を吸い取って永らえる夏木の者だけは例外だと、誰が決めた?
寿命や、多少の怪我では死なないであろうというだけだ。本人に『死』ぬ意思があれば、誰だって簡単に死ねる。
「お前、まさか……」
薫流は、そこまで言いかけて、言葉をつぐんだ。
自分でも、その続きにどんな言葉を繋ぐつもりだったのか、判然としない。
だが少なくとも、後に士度を救うために自らの命を投げ出す事を、亜紋自身は薄々感づいていたのかもしれない。
今になって、そう思う。しかし、当時薫流にはそこまで考えが及ばなかった。
夏木は、周囲の生物の生気を奪う。
それは平時は微々たるものだが、一度彼が怪我を負うなり、エネルギーを消耗するなりすれば、
それに比例して、周囲の生物が生気を吸われる量も、大幅に増える。
現に彼の周りにいた通行人達は、一様に妙な倦怠感を感じていた。
それでも、歩いている内に亜紋から離れると、そんな気だるさも一気に回復したので、
それまでのわずかな間に感じた気だるさは、ただの気のせいだろうと思って、特に気にとめなかった。
本当ならば、その日一日行動を共にしていた薫流も、そんな疲労を感じて当然だった。
それでも薫流が平然としていられたのは、『癒し』の力を保有する春木の血族であればこそ、かもしれない。
「昔の薫流は可愛かったなぁ。よく俺の後をついてきたっけ……」
海辺の公園に佇んで、少し寒い風にそよがれながら、亜紋は幼い頃の薫流を思い出していた。
「昔の事は言うな……あの頃は、お前がこんなに他人の気分を害する男だとは、思ってなかったのよ」
薫流はそう言ったが、それは二重の意味で嘘だった。
第一に、彼女の亜紋に対する評価は、昔から変わってはいない。
第二に、彼女は亜紋と一緒にいる事で、気分を害された事など殆ど無い。
彼女にとって亜紋は、今でも兄のような存在だった。
忌み嫌われながらも、死神という損な役回りを、好むと好まざるとに関わらず引き受け、
それでも笑顔でいられる、そして周りの者を笑わせる事も出来る、強い心の持ち主。
幼い頃は、何度、彼の笑顔に和まされたかわからない。その道化の振る舞いに、如何ほど救われてきたかわからない。
敬う心はいつしか、慕う心へと成長していた。遠かった横顔は、あの頃は目線に近くなっていた。
薫流は、柵に背中からもたれかかっていた亜紋の隣に立つと、その手をそっと握った。
「……薫流?」
「……昔は、私が少しだけ手をあげないと、亜紋と手を繋ぐ事なんて、出来なかったものね……」
薫流が幼かった頃は、亜紋も子供だったとは言え、そのぐらいの身長差があった。
しかし今では、二人とも手を地面に垂直に下げたままでも、こうして容易に手を繋ぐ事が出来る。
亜紋は、薫流の意を汲み取って、優しく抱き寄せた。
既に陽は沈みかけており、空は赤と紫の入り混じった、荘厳な色をしていた。
-3-
シーサイド・ヴィラの一室。
窓を開ければ海が拝めた筈だが、二人がチェックインした時には既に陽は沈みきっていたため、暗い海しか見えなかった。
それにそもそも、この手の宿泊施設の窓は、しっかりと閉じて、更に外側に雨戸のようなものが嵌められている事が多い。
外から見られないための、利用客への配慮だ。
「残念。部屋から海が見下ろせるかも、と思ったんだけどなぁ……」
亜紋はわざわざ窓を開け、外側の雨戸の鍵も外して身を乗り出し、味気の無い、黒い海を眺め回した。
「ば、馬鹿っ、開けるな! 人に見られるだろう!」
薫流は慌てて亜紋を部屋の中に引き戻し、雨戸も閉めなおした。
「大丈夫だって、人に見られても。別にこの辺りに知り合いが住んでるわけじゃないし。
というかこっち海なんだから、人なんか……」
それはもっともだが、薫流は亜紋の配慮の無さに呆れた。薫流としては、こんな施設に入るだけでも恥ずかしかったのだ。
「……身を清めてくる。そこで待ってろ」
薫流はそう言うと、そそくさとバスルームの中に消えていった。
しかしバスルームの壁は一部が曇りガラスになっていたので、その向こう側に、
人の形をした肌色が服を脱いでいく様は、部屋の中にいてもわかった。
「……あいつ、脱いだ服はどこに置いておく気なんだろう。シャワー浴びてたら濡れちゃわないかな?」
しばらく黙って様子を見ていると、薫流は少しだけバスルームのドアをあけて、その隙間から
着ていたものを部屋の中に脱ぎ散らかしていった。どうやら、相当慌てているらしい。服を畳むのももどかしいのだ。
程なくして、シャワーの音が聞こえてきた。
ガラスの向こう側で、少女が体を洗っているのがわかる。
いつかは、こういう日が来るような気がしていた。
夏木の傍に寄り添っていられるのは、春木だけだ。幼い頃の薫流は亜紋に懐いて甘えていたが、
それを言うなら亜紋の方も、薫流という存在に甘えていた。
彼女以外に、甘えられる相手がいなかった。抱きしめられる女性が、いなかった。
やがてバスルームのドアが開くと、バスタオルで胸から下を覆い隠した少女が、亜紋の前に現れた。
「あ……あまりジロジロ見ないで! 恥ずかしいから……」
薫流は部屋の照明を消すと、亜紋の待つベッドまで、ゆっくりと歩いていった。
「うぁ……っ……ひぃ……そこ、イイよぉ……」
かつて初めて亜紋と交わったあの夜の事を思い出しながら、薫流は水流の中で、動物達に辱められていた。
鹿と猿は乳房をベロベロと舐め回し、狼犬は股間の匂いを懸命に嗅いでいた。
「ぅひっ……そう、そこぉ……下から上に……なぞるみたいにぃ……っ」
薫流の懇願に従って、狼犬は少女の陰唇を一舐めした。鼻先で、クリトリスをつつく。
そのくすぐったさは、彼女の体をピクピクと振るわせた。
「あはぁっ……良いよぉ……お前達……っ」
薫流は、舌で陰部をなぞられるのが、特に好きだった。それは、多分に亜紋との記憶が関与していた。
彼女にその味を教えたのが、他ならぬ亜紋だったのだ。
彼女は再び、ホテルで亜紋と過ごした一晩の事を思い出した。
「なんか……思ってた以上に、あんまり気持ちよくない……」
薫流は、自分の乳房を懸命に揉む亜紋に、不平を漏らした。
「仕方無いだろう。薫流、初めてなんだろ? そりゃ性感だって発達してないさ」
「そういう事じゃなくて……お前自身、下手だと思うんだけど……お前実は童貞だろ?」
図星を指され、亜紋はちょっぴり傷ついた。
「……それこそ、仕方ないじゃんか。俺と触れ合える女性なんて、お前ぐらいしかいないんだから……」
薫流は、自分の迂闊な言動を少しばかり後悔した。
確かに、亜紋と深く接触出来る人間など、春木の一族ぐらいしか存在しないのである。
これまで夏木の一族は、子を為す際に相手の生気を極度に吸ってしまっていた。
しかも、胎児まで夏木の力を有するのだから、母体となった女性は常に命を削られる事になる。
そんな母親達には春木の者が『癒し』を与え続ける事で何とかなっていたが、それでも魔里人の歴史の中には、
夏木の子孫を出産すると同時に自らは力尽きて死亡してしまった母親達も、何十人といたに違いなかった。
秋木が極端に夏木を毛嫌いする理由も、そこにある。普通の神経をしていれば、快く受け入れられる存在ではないのだ。
薫流が、自分の失言を謝ろうかと迷っていると、亜紋は彼女の乳首を舐め始めた。
「年の割には、良い体してるよなぁ薫流って」
「……どうせ、他の女性の裸なんか、見た事無いくせに」
それもまた図星だった。亜紋は少しムキになって、執拗に乳首ばかり攻めてみた。
「やっぱり……気持ちよくない」
「うるさいなぁ……お前不感症なんじゃないの?」
「なっ……! 初めてだから仕方ないと言ったのは、亜紋の方……」
言いかけた薫流の言葉が止まってしまったのは、亜紋が彼女の陰部に指を伸ばしたからだった。
まだ挿入はしていないが、指の腹で肉を上下に擦っている。
その単調なだけの動きでも、薫流は体内に電気ショックを受けたような感覚になり、思わず口をきつく閉じてしまった。
口は閉じているが、耐え切れずに漏れ出す空気の音が、鼻から聞こえてくる。
声も、ただ単に口の外に出ていないというだけで、頬の内側からかすかに漏れ出してくる。
「ふっ……う……んうぅ……んっ……う……」
亜紋はその喘ぎ声が聞きたくなったので、陰部を弄りながらも、薫流に口付けした。
と、同時に舌で無理矢理彼女の唇をこじあける。その途端、我慢していた声が遠慮がちに彼女の口から流れてきた。
「んっふあぁあっ……ふぇえ……きぅ……や、やだぁ……それぇ……っ……んんん……っ」
どうやら、処女でも下の口は弱いようだ。
ただ指で撫でているだけでこれならば、本番では死んでしまうのではないかとさえ思えた。
「くす……案外、素質はあるのかもねぇ……」
「や、やらぁ……そんなこと、いわないれぇ……」
ディープキスのままで器用に喋る亜紋とは対照的に、薫流は全く呂律がまわっていなかった。
亜紋は体勢を変えると、今度は薫流の陰部に、直接自分の舌を這わせた。
「あひぃっ……や、らめぇ……っ」
思った通り、薫流の反応は良かった。まだ指さえも入れていないのだから、やはり素質はあるのだろう。
「面白いなぁ、薫流の反応。きっとクンニが病み付きになるだろうね」
それはただ単に彼女をからかうつもりで言った言葉だったが、亜紋の死後、実際に彼女が
動物達に陰部を舐められる事を好むようになった事を考えると、ここは彼の読みの鋭さを評価するべきだろう。
兎も角そんな風にして、彼女の体はいとも簡単に準備完了の状態となった。
「はぁ……はっ……はぁ……」
既に虚ろな目になっている薫流の足を優しく開かせると、亜紋は剛直した自分の陰茎を、恐る恐る挿入してみた。
すると、確かに多少の出血は伴ったが、薫流は痛みを感じていない様子だった。
「へぇ……まぁ、痛みは個人差があると言うから、納得も出来るけどねぇ……」
だが、そんな彼の言葉は、既に薫流には聞こえていなかった。
亜紋は構わずスライドを開始した。
すると、それまでひゅうひゅうと小刻みな呼吸をしていた薫流が、何かに目覚めたように一気に激しく酸素を求め始めた。
「あぁっ! あふぁあ! んあっ! あぁん! もっと……もっとぉ……!」
やはり、素質なのだろうか。全く痛がる事も無く、もう既に快楽の味をわかってしまったようだ。
亜紋としては、手間がかからずに済んだので、結果オーライだ。
「あぁ……もうすぐ……くる……きちゃうぅ……」
狼犬に陰部を舐められながら、薫流は同時に、自らの指を、そこに激しく挿入していた。
中で指を折り曲げたり、角度を変えたり、回転させたりして、ひたすらに汁を掻き回す。
その指が亜紋の指だと思えば、快感もひとしおだった。
自分の体を舐め回す動物達の舌も、亜紋の舌だと思えた。
一心不乱に膣内を掻き回しながらも、頭の中は決戦前の亜紋との一夜の記憶で埋まっていた。
記憶の中の亜紋も、ラストスパートをかけるところだった。
――そろそろイくよっ……薫流!――
「あぁっ……良いよ……きてっ……亜紋……!」
絶頂の瞬間、今でも薫流は思い出す事が出来る。直接中に注がれた、亜紋の精液の熱さを。
抱きしめるその腕の温もりと、華奢なようで広い胸板を。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
余韻に浸りながら、トロトロになった指先を、浅瀬に寝そべったまま、冷たい水で洗い流した。
「私を、こんな女にしておいて……責任もとらずに、先に逝ってしまって……」
今では、彼女は乳房や乳首でも十分に感じる事が出来るようになっていた。
亜紋と交わった時とは大違いである。性感を開発されてきた自分の体を、天国の亜紋にも味わってもらいたかった。
「けど……寂しくはないわ。その内……近い将来、あなたとまた会えるような気がするから……」
それは、現実の亜紋ではないかもしれない。何らかの悪戯が生み出す、幻覚かもしれない。
それでも、薫流には確信があった。だからこそ、亜紋が消滅した時、涙を流さなかった。
彼の為の涙は、今は流さない。
いつかとっておきの瞬間がある筈と、淡い期待を抱えているから。
未だに、何故夏木が『死』を司っているのかはよくわからない。
亜紋は、或いは本当の理由を知っていたのかもしれない。知っていて尚且つ、それを否定したいがために
あんなデタラメを自分に教えたのかもしれない。だがそれも、今となってはどうでも良い事だ。
ただの、彼との思い出の1ピース。自分にとっては、それだけの事で良い。
猪が、体を洗っていた薫流の元に歩いてきた。
「どうしたの……?」
猪の言葉に耳を傾けた薫流は、そこで驚くべき依頼を引き受ける事となった。
「風鳥院……そう、あの時の人達ね。……無限城で? そう……。依頼人の名は……東風院祭蔵……?」
薫流はこの時、無限城に訪れる決心をした。
まさか、そこで夏木亜紋に再会出来るとは予想もしないままで。
舞矢
「んあぁあっ! ふあぁ! やんっ……んあぁっ! も、らめぇ……!」
ベルトライン。
裏風鳥院が居を構える本堂で、黒鳥院舞矢は黒鳥院夜半に犯されていた。
正確には、犯されているという表現は不適切かもしれない。
椅子に座った夜半の上に、舞矢がまたがって、何度も腰を上下させていた。
夜半は目の前で盛り狂う舞矢の涎まみれの表情を、、顔色一つ変えずに頬杖をついて眺めていた。
「……こんなものか。思った程、退屈しのぎにならないな」
時間は、一時間程前に遡る。
夜半に突然呼び出された舞矢は、嫌な予感を抱きつつも、彼のもとへ一人で参じた。
「あちしに用って、なぁに?」
舞矢の服装は、至って平凡な和装だった。
胸の大きさ故に和服の似合わない彼女ではあるが、その点を除けば、上等な織物を見事に着こなしていた。
裏とは言え、さすがは風鳥院の血統といったところである。
幼年時代の花月にはやや劣るが、彼女もまた、見る者を虜にする見目麗しき少女だった。
だが、夜半はそれを敢えて汚してみる事にした。
彼は椅子に座ったままで舞矢に少しばかり殺気を放ち、立ちすくませた。
「ひっ……!」
「すまない。けど、騒がれるのも面倒なんでね。止むを得ずこうさせてもらったよ。
どうか怖がらずに、僕の話を聞いてくれないか?」
夜半は未だ涼しい顔を崩しておらず、見た目には殺気さえ放っていないように錯覚する程のすました表情だ。
だが、放たれている殺気はその表情とは裏腹で、舞矢の体を1ミリも動けなくさせていた。
「は……話……って……?」
冷や汗を一粒程垂らしながら、平静なフリをして舞矢が尋ねる。
夜半は、言葉を選ぶべきかと一瞬思ったが、考えるのを止めにした。敢えてストレートに、彼女に尋ねる。
「舞矢は、僕の事を愛しているかい?」
「……は?」
舞矢は一瞬、彼の言った事が理解出来なかった。アイシテイルという単語を、頭の中で反復する。
「愛って……何で突然、そんな事を……?」
夜半は、答えるべきか否か逡巡した。
彼は、愛情に飢えていた。生まれてすぐに父親に見捨てられ、裏の者として育てられた。
宗家に攻め入った時も、実の父親は彼を突き放すような目で見た。
彼は、愛情が欲しかった。誰かに愛してもらいたかった。
もっとも、自覚していたよりも遥かに自分が愛情に飢えていたのだと気付くのは、もう少し後。
風鳥院花月との対決で、花月の鳳凰を受けた時の事なのだが、今はまだそこまで話は進んでいない。
兎にも角にも、彼は誰からかの愛情を欲しがっていた。
誰もが自分を、畏怖の目で見る。そこに、愛情など欠片程も存在しない。
ならば、見かけ上は自分の血縁にあたる、舞矢はどうなのだろうかと、気になったのだ。
彼女ならば、ひょっとすれば、自分に愛情を注いでくれるかもしれない。
少なくとも、畏怖の目で見るような、孤独感に苛まれる事は無いかもしれない。
それを確認してみたいと思った。
夜半が黙り込んでいると、舞矢は恐る恐る答えを口にした。
だがそれは、いかにも口先だけの言葉に聞こえた。
「あ……愛してるよ、勿論。兄弟だもの、当然でしょ?」
事実、それは口先だけだった。彼女も夜半を、恐怖をもって眺める側の人間だ。愛する事など出来なかった。
夜半のお陰で、自分達がこのベルトラインで大きな顔をしていられる。
その事は承知していたが、内心では、黒鳥院夜半という恐怖の存在が、この世からいなくなれば良いとも思っていた。
圧倒的強者を拒むのは、生物の本能である。ましてや夜半の場合、その力は善行のために振るわれない。
そんな男を、家族とは言え、舞矢は心の底から受け入れる事は出来ていなかったのだ。
そんな彼女の言葉は、夜半にはすぐに嘘だとわかった。
だが、敢えてその言葉を信じるフリをしてみようと思った。
「愛しているというのなら……それを、僕に証明してみせてくれないか?」
「し、証明……?」
「あぁ……この僕と交わる事で、その愛を証てみせてほしい」
本来なら大胆な発言だが、そこに抑揚は無かった。それが逆に不気味だった。
「まじわるって……! そんな、何で……兄妹なのに……っ」
未だ殺意にあてられながらも、舞矢はその言葉が冗談である事を祈った。
夜半が冗談を言う人間とも思えなかったが、人並みの性欲を持っているようにも思えなかったのだ。
まして、遊利のように適当な女を見繕ってきてはべらせるのならまだしも、
妹に向かってセックスを要請するとは、夢にも思わなかった。
「……出来ないのかい? 僕を愛しているのなら、そのぐらい出来るだろう?」
仮に愛していても、兄妹で交わる事など普通はしない。家族愛とは、そういうものではないからだ。
夜半もその事は十分わかっていた。だが、彼は舞矢とは何の血の繋がりも無い。
倫理的な抵抗感など、彼の方には微塵も無かった。もっとも彼の場合、血縁者相手でも抵抗感など無かったかもしれないが。
「駄目かい? この僕の言う事が、聞けないかい?」
十何年も一緒に生活してきたのだから、彼女が自分を恐れている事は既にわかっていた。
それでも尚、先程の舞矢の不自然な態度で、それを一層強く認識した。
さて、そうなれば、彼女を従わせる最も効果的な方法も、自然とわかるというものだ。
即ち、恐怖。
逆らえないのだと、本能に教え込ませる。そのために彼は、少しばかり殺気を強めた。
「ひぃっ!」
舞矢は立つことすらままならなくなり、膝を折ってその場に座り込んでしまった。
「ヨ……夜半……待って……!」
「何を怖がっているんだい? 僕はまだ、何もしてないというのに」
確かに、夜半はまだ椅子に座ったままだ。絃も使っていなければ、手さえも動かしていない。
舞矢が自分を愛さないどころか、恐れていたという事を再確認させられた夜半は、少しばかり苛立っていた。
せっかくだから、この女を少々虐めてやろうと思った。
「ねぇ、舞矢……僕と、交わってくれるよね?」
もう少々、殺気を強める。舞矢は歯をカチカチと鳴らし始めた。
「ヨ、夜半……駄目だよ、そんなの……」
涙目になりながらも、舞矢はまだ、どうにか抵抗の意思を表してみせた。
夜半は、次は視覚的にも恐怖を与えてみようと思い立ち、絃を一本、ゆるやかに放ってみた。
ただ適当に空中に放ってみただけだったが、その瞬間、舞矢の体がビクンッと反応した。
「やだ……やめて……夜半……」
どうやら、この程度ではまだ精神的にも耐えられるようだ。もう少し恐怖を与えてみる事にした。
風鳥院絃術・暗禁閉の戒で、彼女の両目を無理矢理閉じさせてみた。
美しい顔が、瞼にこれみよがしに縫合痕が入っただけで、すぐに醜くなった。
「や……やめっ、て……っ!」
動きを封じられ、視覚を奪われた彼女は、それでもまだ辛うじて反抗の意思を見せる。
この黒鳥院夜半を前に、中々強気な女性だ。彼女もまた、黒鳥院家の人間という事か。
夜半は一本の絃で、優しく彼女の頬を撫でてみた。だがそれすらも、今の彼女にとっては恐怖でしなかった。
「ひぃ……っ! や、や……」
縫い付けられた瞼から、絃の間を通り抜けて、涙がうっすらと流れてきた。
歯の震えも先程より強まっている。カチカチ……という音から、ガチガチガチッ……に変わっている。
少々耳障りな程だ。しかし、もう少しでこの女は堕ちると思った。
夜半はもう一本絃を放つと、彼女の周りの床を適当に破壊させた。
ゴンッ! ドン! ゴシャァッ!
「ひぃやぁぁぁぁぁぁっぁぁああぁあっっあ!! もうやめてぇぇぇぇっぇ!!」
目の見えない彼女にとって、体の周りで発生する大きな音は、それだけで死ぬ程怖かったろう。
本当は足で強く地面を蹴るぐらいでも良かったのだが、夜半にとっては、足を使うよりも絃の方がまだ楽だった。
既に舞矢の涙は縫い目を通って幾筋も滝のように流れ落ち、鼻水は口元にまで伸びてきていた。
「うっ……うえぇえぇぇぇええぇん……ふぇえ……っ」
じょろじょろじょろ……という音とともに、刺激臭が発生した。
それは、常に他者に恐怖の目で見られてきた夜半にとっては、割と見慣れたものだった。
彼女は、恐怖のあまり失禁していた。
綺麗な着物が、床にひろがった尿で湿っていた。
「……躾が必要のようだね」
舞矢は、尿で汚れた自分の股間を、着物の端を雑巾がわりにしてまさぐっていた。
夜半が、自分で責任をもって綺麗にしろと命令したのだ。
しかし、紙も何も与えられなかった。未だに視覚を閉じられたままの彼女には、
着ている服の、比較的下半身に誓い部分の布地で拭う事しか、出来なかったのだ。
だが、その着物は既に先程の失禁である程度濡れていた。
その濡れ方は疎らではあったが、目の見えない彼女には、どこが濡れていないかを見分ける事は出来なかった。
とりあえず手で持ってみると、そこがぐっしょりと濡れていたために、彼女は慌てて手を離した。
掌に、小便がかすかに付着した。
「ひぃん……っ……も……やだぁ……」
手探りで何とか濡れていない部分を見つけると、彼女はそこで股間を拭った。
だが、座り込んで失禁したために、股間はおろか、その周囲の内腿までびっしょりだった。
ぽた……ぽた……と、水滴が落ちる音が殊更、辱めを受けている事を意識させる。
やっとの事で、下半身の濡れた部分をあらかた拭き終えた時には、夜半は軽く欠伸さえしていた。
「……あぁ、体の方は終わったようだね」
「か……からだの、ほうって……?」
夜半は冷たく言い放つ。
「床がまだ汚れているだろう? まさか、僕に拭けというんじゃないよね?」
舞矢は、嫌がる事さえ無意味だと悟り、大人しく床に四つんばいになった。これは、尿の範囲を特定するためだった。
失禁した場所にそのまま立っていたのでは、足の裏が尿で濡れてしまう。
彼女はそれを避けるため、下半身を拭く時は少し位置をずらして立ったのだ。
しかしそれ故に、目の見えない今の彼女は、正確に水溜りの位置を確認する事が難しかった。
犬のように床に顔を近づけ、匂いで位置を割り出す。
ふと、指先に液体が触れた。間違いなく、彼女自身の尿だった。
「ひぅっ……」
どうやら、思った以上に水溜りが広がっているようだった。これを拭くのは、容易ではない。
だが、拭くものは相変わらず与えられない。夜半は黙ったままだし、頼んでも何も与えてくれないだろう。
「……どうした、舞矢? 君の服、もう腰から下はあらかた濡れてるけど……
まだ、上が残ってるだろう? それで拭けば良い事だ」
だが、この時点では舞矢はまだ、現在のような痴女ではなかった。
処女ではないにしろ、裸を晒すのは耐え難い屈辱だ。
しかし失禁に比べればまだマシだと思い直して、彼女は着物の帯を外しにかかった。
「ねぇ……許してよ、夜半……ごめんなさいするからぁ……」
躊躇いがちにゆっくりと帯を外しながら、閉じた目で夜半に懇願する。
しかし夜半は取り合わないどころか、完璧に彼女の頼みを無視した。
舞矢は、この帯で床を拭おうかと思ったが、夜半は着物で拭けと言った。彼には逆らえない。
仕方なしに、彼女は帯を解いた着物の、上半身だけを器用に脱いで、下半身はひた隠し続けた。
着物の下に下着は着用していなかったので、豊かな乳房と乳輪があらわになった。
左腕で両胸を隠しながら、右手で着物の布地をひっぱり、床を拭く。
見る見るうちに、着物は上半分すらも、下のように汚れていった。ツンとした匂いが、鼻をつく。
彼女は嗚咽を漏らしながら懸命に拭いたが、水溜りの範囲がどこからどこまでか、正確にはわからなかった。
実は拭いている内に、彼女の手によって押し出された部分の水溜りが、その分外側に広がっていったのだが、
彼女にはそれはわからなかったし、夜半も教えようとは思わなかった。
その内、更に滑稽な事になってきた。
舞矢は然程汚れていない部分ばかり躍起になって拭き始めたのだ。
すぐ傍の、本当に汚れている部分には全く気付いていないようだ。
グショグショの着物を通しての感覚なので、どこが綺麗でどこが汚れているかが、掴みづらいのだろう。
見当外れなところばかり、無駄にごしごしと拭き始めた彼女を見て、夜半は思わず笑ってしまった。
「クス……」
舞矢は、その嘲笑に気付く事なく、床の上をヒタヒタと懸命に四つんばいで歩きながら、床を拭き続けた。
「舞矢。綺麗になったかどうか、ちゃんと自分で確かめなきゃ」
舞矢はまた体を震わせた。もはや内容に関わらず、夜半の声を聞くだけで恐ろしいのだ。
「た……確かめるって……言われても……」
「目が見えなくても、他にいくらでもやり方はあるだろう? 素手で触ってみるとかさ……」
「す、素手でって……!」
舞矢は困惑したが、夜半が「冗談だよ」と言って撤回してくれるような人間でない事は、わかっている。
結局、彼女は夜半が言う通りに動く事しか出来ないのだ。
舞矢は観念して着物から一時手を離すと、床をペタペタと手探りで触ってみた。
自分の拭いていたところが見当違いだった事に気付き、すぐに、本当に濡れているところを探し当てた。
ぱちゃぱちゃと、自分の尿で手が汚れていく。
「ここ……ちゃんと拭かないと……」
強迫観念に囚われたかのように、今度は夜半に何か言われる前に、自発的にそこを拭き始めた。
時間はかかったが、彼女は何とか、床を綺麗にした。
もっとも、一度濡れ雑巾で拭いてから乾拭きするという手順を踏んだわけでもないので、
ぐっしょりになった着衣と同様、床はまだ十分に湿っていた。
ただ水溜りが無くなっただけの話である。夜半は、後で乾拭きもさせようと思った。
「さぁ、もう目を開けさせてあげても良いかな」
夜半は暗禁閉を解いた。数十分ぶりの光の下、舞矢は一応綺麗になった床を見て、安心した。
と同時に、びしょびしょの自分の着物を視覚的に認識して、一層恥辱が募った。
「……その着物、ちゃんと洗わないとね。脱いだ方が良い」
「えっ……」
夜半の提案に、舞矢はやはり困惑した。とは言え、先程までと比べればまだマシな提案だ。
自分としてもこんな着物は一刻も早く脱ぎたかったし、汚れた服はすぐに洗濯に出すのは道理だ。
ここが裏風鳥院の拠点である以上、自宅のようなものなのだから、家族の前で服を脱ぐのを躊躇う道理は無い。
「どうした? まだそれを、着ていたいのか?」
舞矢は、恥じらいつつも着物を脱ぎ始めた。
夜半が脱げと言ったのだから、恥ずかしいところを隠しても、一層彼の機嫌を損ねるだけだ。
舞矢は、夜半の前で一糸纏わぬ姿になった。
「つ……次は……何をすれば……?」
「そうだな……舞矢の裸を見ていると、少し興奮してきたようだ。沈めてくれるか?」
嘘だった。
夜半は、女の裸を見たぐらいで欲情するような、普通の世界の人間ではない。
実は自慰さえした事が無いのだが、夢精を防ぐために、女中が毎朝彼の勃起を口で沈めさせられていた。
彼が勃起出来る時など、朝立ちの時ぐらいしか無かったのである。
だが、編曲の法を応用すれば、陰茎を硬く、膨張させる事も可能だ。彼はその方法をとった。
舞矢は、椅子に座ったままの夜半の袴を何とか下ろし、硬くなった男根を取り出した。
「ぅわ……大きい……」
舞矢は、おもむろに夜半の陰茎を口に咥えた。慣れた仕草だった。
もっと幼い頃に、遊利の性欲の捌け口として犯された事もあったし、十八年も生きていれば、恋人らしい男性だっていた。
まだ恥じらいを知る少女とは言え、フェラチオぐらいは、何度か経験済みの事だったのだ。
ぴちゃ……れろぉっ……ずっ……ぷちゅっ……
夜半の気が向かない限りいつまで経っても静まる筈の無い陰茎を、舞矢は懸命に舐め続けた。
夜半が、膝立ちでフェラし続ける彼女の後頭部を撫でている。
恋人同士ならその仕草は嬉しいものだが、夜半が相手では、逆に恐怖でしかなかった。
いつ頭蓋骨を割られるかとビクビクしながら、舞矢は夜半のものを咥え続けた。
一向に射精する気配の無いものを貪っていると、段々と焦りを覚えてきた。
「はぁ……やくぅ……イって……よぉ……っ」
より刺激を与えるために、裏筋や尿道も、躊躇いがちに舐め上げた。
「クス……舞矢は、尿が好きなのかな? さっきもお漏らししてたし、今だって……」
「ひぅう……違うぅ……」
夜半が、舞矢の頭を優しく撫でる。それが彼女の恐怖を何倍にも跳ね上げる。
歯がガチガチとなりそうだったが、歯を立ててはどんな仕打ちを受けるかわからない。
彼女は必死で恐怖を堪えながら、小便くさいその手で、懸命に彼のものをしごいた。
そろそろ気が向いたので、夜半はとりあえず射精しておく事にした。
彼程となると、射精のタイミングは任意に近い。その気になれば何時間でも耐えられるし、一秒でイく事も出来る。
彼は舞矢の口の中に大量の精液を放った。
「むごっ! んむぅ〜……!」
不快なものを口中に放たれた舞矢は、すぐにそれを吐き出したくなった。
しかしその瞬間、今度は口が絃によって閉じられる。
「んむ!? むぅっ!」
先程目を閉じさせた時と違い、今度は完璧に隙間無く閉じた。涎も精液も、漏れ出る事は無い。
この状況では、精液は飲み込むしか無かった。
「知ってるかい? 精液には、尿が含まれてるんだよ……よく噛んで、味わえ」
言われなくとも、夜半の陰茎から離された舞矢は、閉じた唇の奥で、歯をガチガチと鳴らしていた。
そのため、意図的でないにしろ、濃い精液が歯に絡み、上の歯と下の歯の間でクチャクチャと糸をひいていた。
舞矢は、震える口を何とか抑えこんで、懸命に精液を飲み下した。
「やれば出来るじゃないか。……次は、何をすれば良いかわかるよね?
僕を、ちゃんと愛しておくれ……」
夜半は暗禁閉を解除すると、一気に酸素を取り込んで「ぶはぁっ!」と呼吸する舞矢に、冷たい目線を送った。
「んあぁあっ! ふあぁ! やんっ……んあぁっ! も、らめぇ……!」
ベルトライン。
裏風鳥院が居を構える本堂で、黒鳥院舞矢は黒鳥院夜半に犯されていた。
正確には、犯されているという表現は不適切かもしれない。
椅子に座った夜半の上に、舞矢がまたがって、何度も腰を上下させていた。
夜半は目の前で盛り狂う舞矢の涎まみれの表情を、、顔色一つ変えずに頬杖をついて眺めていた。
「……こんなものか。思った程、退屈しのぎにならないな」
「も……やらぁ……やだよぉ、こんなのぉ……よはぁん……」
懇願しても助かるわけがないとは知りつつも、舞矢は頼み込まずにはいられなかった。
だが、夜半はここで気まぐれを起こした。
「そうだな……普通にするのも飽きた」
夜半は再び射精した。膣内射精だった。
「あぁ……赤ちゃん出来ちゃうよぉ……」
「だったら、掻き出せば良い。自分でやってごらん。見ていてあげるから」
夜半は、舞矢に自慰を強要した。しかも、中まで指を突っ込むような、激しいものをだ。
「うえぇ……いくら、なんでもぉ……」
「早くしないと、本当に妊娠するよ?」
指で掻き出した程度では、子宮内にまで達した精子を排出する事は出来ない。夜半も、そんな事はわかっていた。
舞矢は観念すると、床に座り込み、夜半に見えるようにM字開脚で自慰を開始した。
彼女の指が掻き回す度、中から夜半の精液がこぼれてくる。
「ふぐっ……ふぅう……う……やだよぉ……こんなのぉ……」
「嫌がる事は無い。もっと自分を解放しろ。舞矢、君は変態さんなんだよ」
「そんな事……ないもん……ひっく……ひぐ……」
幼児にように泣きじゃくり、顔を真っ赤にしながら、少女は自分の指で膣を穿っていた。
「……あぁ因みに。そこも、後で拭いといてくれないか」
掻き出された夜半の精液を指差して、彼は言う。
「……はいぃ……っ」
自慰を続けた彼女は、夜半の前で、軽くアクメに達してしまった。
何本もの蝋燭の灯りに照らされて、舞矢はその姿を芸術的に彩られていた。
もっとも、そのポーズは芸術とは言いがたかった。M字開脚のまま、両手は真上に上げている。
その状態を固定されて、天井から黒い絃で宙吊りにされているのだ。
「よは……ん……」
既に意識を失いかけの舞矢の膣内には、夜半の絃が一本、挿入されていた。
陰唇は絃で縫い付けられ、愛液以外のものが外へ出てこれないようになっている。
その内側で、絃が無作為に暴れまわっていた。
絃によって異常なまでにグチャグチャに掻き乱され、もはや快感や痛みを通り越して、感覚が麻痺していた。
それでも、内壁を保護するために愛液が絶えず分泌され続けていた。
それは3メートル程下の床に、ボタボタと遠慮無く落ちていった。
乳首と陰核は絃によって縛られ、どこからともなく引っ張られていた。
「ちぎれ……ちゃう、よぉ……」
「痴態を晒せ……自分を解放しろ……見事に着物を着こなすお前が、下らない痴女に成り下がっていくのを見たい」
夜半は絃で彼女の尿道口をいじりまわした。刺激を受けてか、彼女は再び失禁した。
じょぼじょぼじょぼ……と、黄色い液体が床に飛び散る。
舞矢は、もう何も考えられなくなった。
受け入れた方が、楽だと思った。
「も……これからは……変態さんに……なっちゃおうかな……」
こぼれた涎で自分の巨乳を濡らしながら、とうとう舞矢は壊れた。
それからの舞矢は、精神崩壊に伴って、性格や服装まで変わっていた。
乳首が見えかねないような際どい服を着て、これみよがしに太腿を晒す。
そこには、かつての才女の影は全く無かった。
侍女達は、彼女の変貌ぶりに寒気を覚えた。夜半の仕業だと、誰もが思った。
けれども、夜半を恐れるあまり、誰も彼女を元に戻そうとは、試みもしなかった。
奪還屋達が無限城を訪れるのは、もうしばらく後の事である。
「あーゆーペットが欲しかったのだ!」
舞矢は、いかにして天野銀次を、自分のような壊れた人形に出来るか
そればかりを考えた。
100ゲトー
…もしかしてマジに二人しかいない?
名作が並んでますよ、皆さん
ノ
まだ居る
おおよかった。つわけで支援
103 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 01:17:18 ID:2eIvQSih
あげます。
婦警さん
「駐車違反とレッカーと仮駐車代、しめて5万7千円になりまーす」
「フザケんなコラァッ! 俺様の天道虫を勝手に引っ張って行きやがって何が5万7千円だ!」
「婦警さ〜ん、もう少しまかりませんか? 俺ら今月ピンチなんですよぉ……」
新宿署の交通課は、今日も賑やかだ。
当初は何事かと驚いていた他の警官や、署を訪れる近隣住民達も、今ではすっかり慣れきっていた。
今では、月に一度は彼らの怒声を耳にしなければ、落ち着かないと言う者まで現れる始末。
「あのぅ、勝手に引っ張って行ったと言われてもですね、レッカーしたのは私じゃないですから。
そう言う文句は、レッカー担当の者に申し付けて下さいますか? 私は内勤なんで」
「るせぇ! 大体テメェ、俺らからボッタくった違反代、どこに回されてんだよ!
テメェらのポケットマネーに化けてんじゃねぇだろうな!」
「あら、ご存知無いんですかぁ? 違反者から取り立てた罰金は、道路整備などの費用に……」
「そんぐらい知ってるっつーの! そう言う事言ってんじゃねぇだろうが!」
「あら、知ってる事をわざわざお聞きになられたんですかぁ?」
「人の神経逆撫でしてんじゃねぇー!」
あまり騒ぎ立てると、公務執行妨害も付与されかねないと脅されて、
蛮と銀次は渋々交通課を後にした。
「はぁ〜あ。……どうにかして違反を免れられないかなぁ……」
「お前が車運転出来りゃ良いんだよ。したら、一人が車降りてる間、もう一人が運転席に座ってりゃ良い。
警察が来て『車どけろ』って言われたら、素直にどけりゃ良いだけの話なんだからよ、駐禁なんてのは」
マルボロを一本取り出し、火をつけて深々と吸い込む。
大量の煙を吐き出しながら、蛮は一方的な理屈をこねた。
「だったら、蛮ちゃんがそれを担当すりゃ良いじゃん。
車を降りる用事がある時は、俺一人で降りて用事を済ませて……」
「馬っ鹿、ホンキートンクで依頼人と会う時は、お前一人じゃ任せらんねぇよ。
お前に任せたら、とんでもねぇ大損コキそうな依頼を、平気で引き受けちまいそうだ」
損得勘定の下手な銀次に、一人で依頼人と契約を結ばせる事は、蛮には考えられなかった。
もっとも蛮自身、何だかんだと言っても結局損な依頼を引き受ける側の人間なのだが。
「また波児さんへの借金増えちゃったね……」
「別に構やしねぇよ。あいつだって裏でいろいろ副業してんだから、金に余裕はあるだろ」
波児から貸してもらった金を警察に振り込み、二人はスバル360で近所のコンビニへと向かった。
相変わらず正規の駐車場には停めない。路肩に停車して、銀次だけが降りる。
「蛮ちゃん何食べる?」
豪勢に焼肉弁当、などと言いたいところだが、金に余裕は無い。
「……のり弁当」
「飲み物は?」
気前良く麦茶のペットボトルでも買いたいが、やはりそんな余裕は無い。
「……公園で水を飲む」
いちいち聞かなくても、毎度のパターンなんだからそのぐらいわかれ、と言わんばかりに、
棒読みで銀次に注文を伝える。
蛮ちゃんが一日に煙草二箱も買わなかったら、六百六十円分も贅沢が出来るのに……
と言いたい気持ちを抑えて、銀次はコンビニのドアをくぐった。
蛮は窓を少しだけ開けて、紫煙を外へと排出した。
窓の外では、明らかに路駐を迷惑がっているコンビニの店員と、
煙草の煙を嫌がる通行人が、チラチラと蛮を見ていた。
「……ちっ、愛煙家にゃ辛い世の中になっちまったもんだぜ。
平成大不況の前は、喫煙しててもそれほど非難されてなかったらしいがな……」
コンコン、と助手席側の窓を叩く音が聞こえた。
銀次が帰ってきたのかと思いきや、そこに立っていたのは若い女性だった。
「あん……? おネーちゃん、何か用かよ?」
女性は、にこやかな笑顔で語りかけてきた。
「ここ、駐車禁止ですよ。近隣の方にもご迷惑でしょうし、移動させた方が……」
参った。
いくら2006年頃に駐車違反の取り締まりが厳しくなったとは言え、
まさか通行人にまで違反を問われるとは思わなかった。
「……おネーちゃんにゃ関係無ぇだろ。相棒が今日の晩飯買ってくるまでの間だ。あと3分だけ待ってくれよ」
「いけないなぁ。通報しちゃうよ? 駐車違反で迷惑な上に、未成年のくせに喫煙なんて……」
蛮は、その言葉が少し引っかかった。だが、敢えてそ知らぬ顔で会話を続けた。
「……俺は成人だぜ? 未成年に見えるかよ?」
実際には蛮はまだ十八歳だが、シラをきる事にしたのだ。
「嘘はいけませんよ。偽証罪もプラスですね。……美堂蛮君?」
そこまで言われて、ようやく蛮は相手の正体に気付いた。
「あ……っ! テメェ、交通課の婦警か!?」
おそらく勤務明けなのだろう。
デニム生地のジャケットと黒のミニスカに、薄いブラウンのブーツといういでたちのため、誰だかわからなかった。
「へぇ、私服たぁ新鮮だな。そういうのも案外似合ってるぜ?」
だが、彼女は勝手に助手席のドアを開けて座席に座り込むと、蛮の世辞を無視して話を続けた。
「話を逸らそうとしても無駄ですよ。未成年での喫煙に、反省の見られない路駐常習。
今すぐ所轄の交通課に通報して差し上げますから」
「こ、こらっ!」
なるほど、彼女はこのためにわざわざ車に乗り込んできたわけだ。
蛮は先程、相棒がコンビニの中にいると、言ってしまった。という事は、その相棒が戻ってくるまで、車で逃げる事は出来ない。
助手席を占領したのは、ダメ押しのつもりだろう。
「待てこらテメェ! 冗談じゃねぇぞ!」
慌てて、蛮が彼女の手から携帯電話を奪おうとする。
パッと見た感じでは、彼が女性に覆いかぶさっているようにも見えた。
そこへ、銀次が買い物を終えて戻ってきた。
「ば……蛮ちゃん……俺の知らない間に、女の人を襲うなんて……」
「テメェも待て! 話を聞け!」
婦警だけが、クスクスと笑って、事態を達観していた。
「……ったく、何で俺らがアンタを家まで送ってやんなきゃなんねぇんだよ」
後部座席に婦警を乗せ、奪還屋の二人は西新宿のとあるマンションへと向かって車を走らせた。
「違反を見逃してあげるんだから、そのぐらい言う事聞きなさいっ」
とてもそうは見えないが、彼女は婦警である以上、少なくとも成人なのである。
前の席に座る年下の男二人を、からかうような口調で彼女は嗜めた。
「タチ悪ぃ……ガソリン代ぐらい払えよな、公務員」
「いっそ今回だけじゃなくって、これからも俺らの違反見逃してくれたら、何度でも送ってあげるのになぁー」
「それはダメですよっ。昼間も言ったけど、レッカーさせるのは私じゃないもの。
私は担当の者から違反者のナンバーを聞いて、書類を纏めて、違反金を請求するだけ。
私に文句言われても困りますぅ」
後部座席に女性が座っているにも関わらず、蛮は平気で煙草を吸っていた。
「喫煙を見逃してあげるのも、今回だけですよ?次からはきっちり補導させていただきますからね」
「ちっ……お役所仕事しやがって。
良いじゃねぇか別に、未成年が煙草吸おうが酒飲もうが。あんただって、未成年の頃に
飲酒の一回や二回は、やったんだろうが?」
だが、婦警は答えなかった。
彼女が黙り込んだために、蛮と銀次も、何となく言葉を繋げにくくなった。
夜の新宿の街灯や、居酒屋のネオンが、天道虫に彩りを与えた。
赤信号で停止した時、婦警はぼんやりと居酒屋を眺めていた。有名な、経営母体が半島系の飲み屋だ。
若者がよく利用する店で、安いがあまり美味くない事でも有名だ。全国にチェーン展開している。
「お酒……」
彼女は、ぽつりと呟いた。
「あん?」
「……お酒、飲みに行きませんか? 少しなら、奢って差し上げますから」
その提案に、二人は驚いて顔を見合わせた。
「……俺ら未成年だぜ? 警官が飲酒につき合わせて良いのかよ?」
「でも、あなた達は飲まなければ良いんじゃないですか? 飲むのは、私だけで……」
どうやら、彼女は何も知らないようだ。
「一昔前と違って、近年は規制が厳しくなってんだよ。入店時に、若い奴は必ず年齢確認される。
未成年者が一人でも混じってたら、成人も含めて、そのメンバーは入店さえ許可されねぇ。
特にあーいう、メジャーな飲み屋はな」
「そうなんですか……」
それでなくとも、2006年に飲酒運転の取り締まりが強化されてから、
飲食店側は客に、自家用車での来店でないかどうかを、確認しなければならなくなっている。
仮に蛮と銀次が成人であったとしても、車に乗っている以上は、運転代行を頼まなければ、酒は飲めないのだ。
「あ、ねぇ蛮ちゃん! 別に居酒屋に入らなくても、その辺のお店でお酒買えば良いんじゃない?」
「そりゃあそうだが……おいネーちゃん、それで良いか?」
居酒屋という雰囲気を楽しんでみたかった婦警にとってはただの妥協案でしか無かったが、彼女は承諾した。
「そうですね……仕方ないですもんね。ああいう飲み屋さんは、今度同僚とでも……」
少しガッカリした感じの婦警をバックミラー越しに見ると、蛮は
コンビニで売っているような酒は、酒とはとても言えないような味の薄い、或いは不味いものばかりだと
とても彼女にバラす事は出来なかった。
しかし、辺りに酒屋は見当たらない。大人しく、コンビニに入るしか無いようだった。
駐車場を備えたコンビニを発見したため、三人は道交法を違反する事なく店に入る事が出来た。
「どれにしよっかなぁ……」
冷蔵ケースの中に収められた酒類の数々を見て、婦警は一頻り迷った。
「早く選べよ。普段飲んでる酒で良いじゃねぇか」
蛮が急かす。
「普段飲んでる……って、言われても……」
蛮は、もしやと思ってはいたが、彼女のその言葉で確信を持った。
「……あんた、酒飲んだ事無いのか?」
「えぇっ!?」
驚く銀次の視線の先で、婦警はコクリと頷いた。大人になって酒の味も知らないという事を、恥じているようだ。
「……道理でな。居酒屋の事に疎いし、酒も満足に選べねぇ。
それこそ、まるでアルコールに初挑戦しようとしてる高校生みたいなザマだかんな」
蛮は、メジャーな銘柄の缶ビールを数本と、ジュースのように甘いチューハイを数本、カゴに放り込んだ。
「しゃあねぇ。俺が酒の味、教えてやるよ。
チューハイなんざ甘ったるい飲み物は俺の好みじゃねぇんだが、まぁ最初は、こういうのからイっときな」
婦警は、年下(しかも未成年)の少年に、誘導されるがままになった。
マンションの一室。
そこは、こじんまりとはしていたが、部屋が二つと、トイレ、バスルーム、そしてリビングを備えていた。
三人はリビングのテーブルの上に、夕方買った弁当と、先程買った酒のツマミを並べた。
少しでもよく冷えるように、酒は殆ど冷蔵庫の中に入れた。
「凄いよ蛮ちゃん! このマンション、部屋がいっぱいあるよ!」
「馬鹿、リビング除いてたったの二部屋だけだろうが……いかにも貧乏っぽいセリフ吐いてんじゃねぇ」
まさに金の無い若者といった風で話す二人の声を、婦警は面白おかしく聞いていた。
「奪還屋さん……でしたっけ? 聞いた事の無い職業ですけど、その様子だと生活は苦しそうですね」
婦警は、一人だけリビングの横の部屋に入って行った。
「着替えますから、しばらく待ってて下さい……くれぐれも、他の部屋に入ったりしないで下さいね」
だが、そんな彼女の頼みも空しく、もう一つの部屋を開ける「ガチャリ」という音が、彼女の耳に届いた。
「ちょっ……! やだ、見ないでぇ!」
慌てて、婦警は部屋から出てきた。見ると、もう一つの部屋のドアを、銀次が開けていた。
「あ、ご、ごめんなさい! 珍しいもんだから、つい……」
「悪ぃな、許してやってくれよ。こいつスラム育ちだから、プライバシーなんて概念無ぇんだ」
相棒の無礼を悪びれる事も無く、蛮も、開いた部屋の中を覗き込んだ。
予想通り、まさに一人暮らしの女性の部屋の代名詞といった風だった。
干したままの下着や、床に散らばった雑誌。かと思えば、コタツの上には資格検定の参考書。
「やぁっ! 見ないでってばぁ!」
婦警は、慌てて二人をドアの前から引き離した。
「んだよ、今更下着くらい見られても構やしねぇだろ?
ピンクの可愛いパンティ見せてくれちゃった事だってあんのによぉ?」
彼女としては、下着を見られた事が恥ずかしかったのではない。
下着を干したままという、そのズボラさを知られた事が恥ずかしかったのだ。
冬でも無いのにコタツを出しっぱなしにしているというのも、マイナスポイントに違いなかった。
だが、蛮はそんな事を気にもとめず、彼女に提案した。
「なぁ、リビングより、こっちの部屋で飲まねぇか?
コタツ囲って缶ビールなんて、いかにも学生っぽくて面白いだろ?」
この中に学生など一人もいないのだが、彼女は渋々同意した。
「……せめて、少しだけ部屋片付けさせて下さい。終わったら呼びますから」
部屋の隅に置かれたテレビを見ながら、三人は夕食を済ませた。
蛮と銀次の二人は、コンビニで買った弁当以外に、婦警が手作りしてくれた肉じゃがなどをご馳走になって、
久しぶりに人間らしい食事がとれた。
「ぷはぁー! うまかったぜー!」
「ホントホント! 婦警さん、料理上手だねぇ! それに、このお味噌汁も最っ高!」
「そ、そうですか……?」
照れて顔を赤くした彼女は、嫁入りの修行のために磨いた腕前を、改めて誇らしく思った。
「この腕なら、いつでも嫁に行けるんじゃねぇの?
顔も可愛い方だし、男がほっとかねぇだろう?」
ナンパのつもりではないのだが、蛮は素直に彼女を褒めた。
彼女は、殊更に顔を赤くしながら、しかし反面、少々伏目がちにもなった。
その様子が、蛮には気になった。
「……あんた、あんまり浮いた話の無い方なのか?」
婦警は「……はい」と、小さく頷いた。
冷蔵庫から人数分の缶ビールを取り出しながら、銀次もそれとなく耳を傾けた。
彼女の話は、こうだった。
小さい頃から警察官に憧れ、警察官になるために、必死で勉強を積んだ。
しかし警察官に限らず、公務員を目指す女性というものは、遊びを知らない真面目なタイプが多い。
結果、彼女は器量に恵まれながらも、恋愛には恵まれなかったというわけだ。
資格取得のための勉強を積む一方で、柔道などにも取り組んだ。
高校生活はおろか大学生活も棒に振り、その甲斐あってか、見事に試験をパスした。
結婚願望は人並みにあるから、花嫁修業にも余念は無かったが、だからと言って彼氏を作るのは下手だった。
同級生達が遊んでいる間も自分は勉強していたために、酒も煙草も経験しないまま大人になった。
そして、憧れの婦警になってからも、出会いは殆ど無かった。
来る日も来る日も同じようなルーティンワークで、周囲の男性は皆中年の妻子持ち。
刑事課の若い男性達との合コン企画が持ち上がった事もあるが、運悪くその日は他の予定があった。
そして最初の一回を断ってしまうと、次からは中々声がかからなかった。
結局、彼女が知り合った若い男性など、GetBackersを名乗る、目の前の二人だけだったのだ。
「いつも、ロッカールームで同僚の女の子達に言われてたんですよ。
いつも交通課に来るあの二人の内、どっちが本命なの? って……」
ほろ酔い加減になった彼女は、目をトロンとさせながら、その場に寝転んだ。
「全然、そんなんじゃないんだけどなぁ……皆、早とちりしちゃって……」
彼女は、まだほんの三口ぐらいしか、ビールに口をつけていなかった。
酒に慣れていない者など、最初はこんなものだ。一口分飲むだけでも、十分以上かかる。
チューハイは甘いから大丈夫と言われても、酒を飲んだ事の無い者からすれば、苦味以外の何物でもない。
そして、体が慣れないために、アルコールの消化吸収は思わしくない。
血液中のアルコール濃度は高まり、いとも簡単に酔う。彼女は、突然愚痴っぽくなった。
「……不公平ですよ、こんなのぉ……」
銀次は、仰向けになった彼女の額に手をあてて、優しく撫でてみた。
「だって……小さい頃からの、憧れだったんだもん……
毅然としてて、カッコ良くってさぁ……そんな婦警さんになるために、いっぱいいっぱい勉強したんだよ……
けど、今は、公務員は安定してるからって羨ましがられるけど、好景気になると、立場は逆だもん……
昔はこの国にも、バブル経済とか呼ばれる、異常な好景気があったらしいけろ……
普通のサラリーマンは、ボーナスとか跳ね上がってたらしいけろ……
公務員なんて、全然その恩恵に預かれないんらよ……?
そのくせ、不景気になったらボーナス減っちゃうのは、普通の会社員と同じなんらよ……?
何が、公務員は安定してるよ……そんなの、何も知らない人の言い分らよ……
良い人にも巡りあえないし……この国のために一所懸命頑張った女の末路が、こんなんれ良いの……?」
まだ若いのに、もう末路だと思っている辺りは悲観的だ。
だが、確かに不公平ではある。世の中とは得てして、頑張っている者程損な役回りになる事が多い。
彼女はその典型とも言えるだろう。
合コンなどに積極的に参加して遊んでいる女程、仕事は大してこなさないくせに、とっとと結婚するものだ。
「……焦んなよ、ネーちゃん。
その内、良い男の一人や二人、見つかるさ。結婚しちまえば、寿退職しちまえば良いんだしよ」
だが、彼女は泣き上戸のまま、蛮に反論した。
「やだっ! ……結婚なんかに、逃げたくないもん……
可愛いお嫁さんになる事も、小さい頃の夢だったけろ……仕事は、続けたいもん……」
なるほど、まぁまぁ良い心がけだ。
女性の社会進出だ何だと言っても、多くの女性は、仕事よりも結婚を目標にしたがるものだ。
現に、男性は就職活動しなければ非難されるが、女性は大学卒業後働かずに家に居ても、殆ど文句は言われない。
歪んだ『男女平等』に踊らされる者が多い中で、彼女のスタンスは立派な方だ。
もっとも、共働きだと鍵っ子が増える事になるという事については、意見の分かれるところであろうが。
少なくとも、共働きを良しとしない男性とは、結婚出来ないだろう。
「あ、あのさ、婦警さん! 恋愛は、まぁ今すぐには無理かもしんないけどさ。
とりあえず、学生だった頃には出来なかった、お酒を飲むって事を、今夜は出来たんだからさっ。
この調子で、少しずつ青春を取り戻していったら、良いんじゃないかな?」
無限城で育った故に、実は彼女以上に青春などとは無縁だった銀次だが、
この場はその事実を伏せて、とりあえず彼女を励ましておく事にした。
だが、この時彼は、自分の言った言葉の意味に、気付いていなかった。
婦警が、ぽつりと呟く。
「青春を……取り戻す……?」
「そうっ! だって婦警さん、下手したら俺らより年下に見えるくらい、若くて可愛いんだから。
今からでも全然遅くなんて……」
「ねぇ、今、『取り戻す』って、言いましたか?」
ここに至って、ようやく蛮も、彼女の意図に気付いた。
「お二人は、奪還屋さん……でしたよね?」
銀次は、かつて婦警に対してそう名乗った事もあったという事実を、思い出した。
「あ、えっと……」
銀次は戸惑いながら、彼女の額を撫でていた手をとめた。
婦警が、その手をとって彼に語りかける。
「私の青春……奪還、して下さい……」
「青春を奪還するって……そんな事言われても……」
体を起こした婦警に、縋るようにその両肩を抱かれながら、鈍感な銀次はまだ彼女の真意に気付かなかった。
だが、ここは蛮も敢えて気付かぬ振りをしてみる事にした。
「具体的には、何をどうして欲しいんだよ? 男でも紹介してほしいのか?」
婦警は顔を真っ赤にし、その言葉を言い切るべきかと躊躇った。
やがて、覚悟を決めて、言うべき言葉を口にした。
「……私と、して下さい。キスとか……もっと、いろんな事……」
銀次には『いろんな事』の意味が瞬時には理解出来なかった。何秒か考え込んで、ようやく意図がわかった。
「そ……そんなのダメだよ! って言うか、キスだけでも、そんな簡単にするもんじゃないし……」
「銀次の言う通りだな……アンタ、ファーストキスもまだなんじゃねぇのか?
ましてや、もっと深い事まで酒の勢いでしちまうのは、後悔を呼ぶ結果になっちまうぜ?
アンタ、俺らの事は好きでもなんでもねぇだろうが?」
婦警は俯くと、そのまま何十秒も黙り込んでしまった。
しばらくして、やっと沈黙を破ったが、それでもその声は小さく、か弱かった。
「……確かに、あなた達の言う通り……本気で好きになれる人に出会えるまで、大事にとっておくべきかもしれないけど……
でも……あなた達が相手なら、たとえ好きじゃなくても……きっと、後悔しないと思うんです……」
無茶苦茶な考えだが、覚悟だけはあるようだ。蛮は銀次に目配せすると、人肌脱いでやる事に決めた。
「ネーちゃん……今から、アンタの青春を奪還してやるよ。報酬は、今日の肉じゃがと味噌汁と酒代で勘弁してやらぁ」
蛮がサングラスを外し、彼女の顎を持ち上げると、数秒間、じっと彼女の瞳を見つめた。
「美堂さん……」
婦警が、今にも眠りに落ちそうなトロンとした目で、蛮の瞳を見つめ返してくる。
「ネーちゃん、俺の目をじっと見な……そんで、なるべく気持ちを落ち着けろ。ファーストキスのコツだ」
たっぷり十秒程見つめあうと、蛮は目を軽く閉じた。それを合図にしたように、婦警も目を閉じる。
そして、そのまま婦警の唇に、蛮の唇が重なった。
蛮とキスし始めてから、時計の針は実に十分過ぎていた。
婦警は、今度は銀次とキスしていた。初めてキスの味を覚えた中学生のように、夢中で唇を重ねあう。
「ちゅ……っ……ん……」
既にこの十分の間に、彼女は二人の男と、何度となくキスをしていた。
ディープキスは勿論まだだったが、馬鹿の一つ覚えのように、何度も二人にキスをねだっていた。
「キスって、凄ぉい……柔らかくって、温かくって……」
「男よりも、女の方がもっと柔らけぇもんだぜ? ネーちゃんの唇も、スゲェ柔らけぇよ……」
蛮が、彼女の右頬に口付ける。と、銀次もそれに倣って、彼女の左頬に同時に口付けた。
「……きゃぁぁぁぁぁぁぁ……こんなの、ドキドキしますぅ……」
美形の男二人に同時にキスされて、彼女はかなりご満悦のようだ。
「婦警さん。学生時代に出来なかった分のキスは、もう元は取れたかな?」
銀次が尋ねる。
「……ううん、まだまだ。もっともっと、キスして欲しいです」
「欲張りだなぁ、婦警さん……」
銀次が、苦笑しながら彼女の前髪を掻き分け、その額にキスをした。髪を優しく撫でてやる。
銀次が離れると、今度は蛮が直接口付けた。ディープキスの前段階とばかりに、少し口を開いて、彼女の唇を覆い隠す。
そのまま、少しだけ舌を突き出して、彼女の唇に触れさせてみる。
彼女は少し戸惑ったようだが、嫌がるような事は無かった。そればかりか、恐る恐る、自らも口を開いてくる。
さすがに自分から舌を突き出すような事はまだ出来ないようだが、相手の舌を受け入れるつもりはあるようだ。
蛮は遠慮なく舌を入れ、彼女の舌の先端を、軽く舐めてみた。唾液の音が、静かな部屋に通る。
蛮は唇を離すと、銀次にバトンタッチした。
「婦警さん、優しくしてあげるからね」
銀次は、蛮と同じように、彼女にディープキスをした。
今度は婦警も覚悟が出来たのか、じわじわと自分の方からも舌を突き出すようにしてきた。
と言っても、ただ突き出しただけだ。自分から積極的に舌を動かして、相手の舌を舐めようという事は、まだ出来ないようだ。
それでも、銀次は彼女の舌を、縦に横にと舐め回した。
「おーっ……今日は綺麗な緑色か。健康的で良いじゃねーか」
銀次とキスするために目を閉じていた婦警の隙をついて、蛮が彼女のスカートをめくって、パンティの色を確認した。
「んむっ……やぁ、み、美堂さぁん……やらしいですぅ……」
「なぁに言ってやがる? 初めて会った時にパンチラしてきたミニスカポリスは、どこの誰だっつーの」
「いや、その、あれはぁ……欲求不満って言うか……作者の趣味って言うか……」
銀次は婦警の後ろに回りこむと、ワイシャツの上から彼女の胸を揉んだ。
背後からまわされた銀次の両手が、彼女の乳房を控えめに撫でる。
「やっぱブラジャー越しだと、硬いカンジがする……ブラジャー外しても良い? 婦警さん」
「やぁ……いきなり、そんなぁ……」
口ではそう言いながら、彼女は全く抵抗の気配を見せなかった。
目の前でスカートの中を眺め回す蛮に対しても、足を閉じるなどする事もなく、むしろ
頼まれてもいないのに少し足を開き気味にして、小さなM字を形作っていた。
銀次と蛮は、彼女のワイシャツとスカートを、それぞれ脱がしにかかった。
婦警は恥ずかしさで顔を背けるべきか、それとも警戒してむしろ目を見張るべきか迷った。
自分から望んだ事とは言え、やはり怖いという感覚はあったし、反面、この二人なら悪いようにはしない筈、とも思っていた。
迷っている内に、彼女は、上下揃いの緑色の下着と、靴下だけを履いた姿になった。
「へぇ……可愛い下着だね、婦警さん」
銀次にそう言われた彼女は、今日たまたま、人に見られても悪くない下着を着用していた幸運に感謝した。
そして、朝の星占いでラッキーカラーをグリーンと言われた事にも。
銀次はブラジャーを敢えて脱がさず、肌とブラジャーの隙間から、中に指を差し入れた。
「あ……」と、一瞬彼女が声を漏らす。快感や恥辱からというより、少しばかりの驚きからの声のようだった。
「やっぱり、ブラつけたままだと、指一本も入れにくいね……なんかキツイや……」
あまり自由に動かない指先で、それでも銀次は、彼女の乳首を探し当てた。
「や、ちょっと……痛いですよぉ……天野さん……」
キツイのは、銀次よりも彼女の方だった。指一本挟んだ程度で、途端に窮屈になったのだ。
「キツイんなら、自分でキツくないように、すりゃ良いじゃねぇか?」
蛮が意地悪な口調で言う。彼女は観念すると、自らブラジャーのホックを外しにかかった。
「やだ……恥ずかしいなぁ、もう……」
彼女の、大きくは無いが程よいサイズの美乳が、蛍光灯の明かりの下で露わになった。
「ほーぉ。まぁまぁの大きさじゃねぇか」
蛮と銀次は、二人でそれぞれ片方ずつ、彼女の乳房を下から揉みあげてみた。
自分で欲求不満と言うだけあって、日頃から性欲の自己処理には余念が無かったという事だろうか。
彼女の体は、処女とは思えない程に感じやすかった。
「ふっ……ぅあ……んっ……」
彼女は、わずかな感触の一つ一つに反応し、ピクピクと体を震わせた。
既に乳首は硬くしこり、パンティは股間に食い込んで、左右からわずかに陰毛がはみ出ている。
蛮がそこを指でなぞると、少しだけ愛液がしみてきて、彼の指先を湿らせた。
その度、ビクンッ、ビクンッと彼女の体が跳ねた。
「処女つっても良い反応じゃねぇか。何も知らねぇってワケじゃぁ、なさそうだな?」
「やぁ、ぁっ……そんっ……な、事ぉ……」
蛮はパンティの中に手を突っ込み、直接陰部を撫で始めた。
途端に、それまで控えめだった愛液が、堰を切ったように流れ出してきた。
銀次も、婦警の口の中に指を突っ込んで濡らし、それを彼女の乳首にあてがって、クリクリと虐めた。
「や……はぁ……っ……それ、らめぇ……」
「正直に言いな……週に何回だ?」
言いつつ、彼はクリトリスを手探りで探し当て、入念にそこを責めた。
「あっ、は……っ……えと、二日……」
「週に二日か?」
「ひがいますぅ……二日に……いっかい……くらい……っ」
なるほど、感度が良いのも頷ける。成人している女性なのだから何度かは自慰の経験もあるだろうとは踏んでいたが
そんなに頻繁となると、二人としても逆に楽しくなってくる。
「恥ずかしがる事ぁ無ぇぜ、ネーちゃん。そうやって感度鍛えておいたお陰で、今アンタかなり良いオンナになってるぜ」
「そうだよ、婦警さん。色っぽくて、可愛くて、凄く素敵だよ!」
「ほ……ほんとにぃ……?」
蛮はしっかりとクリトリスを弄りまわしながら、彼女に再び口付け、舌を入れた。
ゆっくりと糸をひきながら口を離し、優しく微笑む。
「……自信を持ちな。アンタ、そこらへんの女より遥かに良いオンナだぜ?」
充分に彼女の体の準備が整うと、三人はいよいよ本番に入る事にした。
婦警は部屋の中央のコタツの上に手をつき、うつ伏せの姿勢になった。
蛮は彼女の前に立ち、少し屈んで、自分の陰茎を彼女の眼前に差し出した。
「おら、咥えな。一晩で青春取り戻そうってんだ、並みのセックスじゃ足りねぇよ」
婦警は、期待と不安の入り混じった目でそれを眺めてから、少しずつ口に中に含んでいった。
後ろから、銀次が彼女の尻を持ち上げて、挿入を開始する。
「痛いかもしんないケド、ちょっと我慢してね……」
「んっ……! んふぅ〜っ!」
ズブズブと、銀次の陰茎が彼女の膣の中を侵攻していく。
やがて奥まで到達した時には、彼女は既にもう体力の限界、といった風な表情をしていた。
「大丈夫かよ? こんなんで最後まで持つのかぁ?」
「しんどいかもしんないけど、ちょっと頑張ってね、婦警さん」
銀次はピストン運動を開始した。婦警の体が前後に揺れると同時に、自動的に蛮へのフェラも激しくなる。
元々潤っていた彼女の陰部からは更に愛液が溢れ出し、コタツの上にボタボタと落ちていく。
「んっ! んっっ! んぉ……っ……おふ……っ!」
口を塞がれてまともに声も出せない彼女は、野獣のような哭き声を発した。
「おら、もっと舌使えっての」
「自分からも、腰動かして」
二人の声はもう殆ど彼女の耳には届いていなかったし、仮に聞こえていても、思うようには動けなかった。
体中の感覚が消し飛びそうになりながら、必死で意識を保つ。
美乳が揺れ、汗が飛び散り、愛液が迸る。
「こりゃぁ、思ったより……」
「うん……俺、もう軽くイキそうだよ……」
それは、彼女も同様だった。一人でする時よりも何倍も気持ちが良く、堪えるのも容易ではない。
「そら、覚悟は良いかネーちゃん!」
「イくよっ、婦警さん!」
「ん〜っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
口の中と膣の中に、それぞれ精液を放たれながら、彼女も絶頂に達した。
死んでしまうのではないかと思える程の快楽の波に、全身の皮膚が打ち震えた。
と同時に、目の前の黒髪の男が小さく呟く声が聞こえた。
「ジャスト……一分だ」
「……あれ? 私……」
目を覚ました時には、部屋には誰もいなかった。
婦警の着衣は乱れていなかったし、コタツの上にあった筈の缶ビールの空き缶は、全て片付けられていた。
肉じゃがの皿も味噌汁の器も、きちんと洗って、食器乾燥棚に並べられていた。
「何だろう……夢、見てたのかな……?」
ふと見ると、コタツの上に一枚の紙切れが置いてあった。
『夢は見れたかよ? by美堂蛮』
『目が覚めたら、きちんとドアの鍵閉めるのを忘れないで下さいね! by天野銀次』
時計の針は、蛮に見つめられたあの時点から、わずか一分しか動いていなかった。
「……ま、飯の礼としちゃ、こんなもんだろ。本当にヤっちまったら、悪いしな」
「蛮ちゃんは兎も角、俺女の子とあー言う事した経験無いから、ちょっと惜しかった気もするけどね……」
「ケッ、これだから童貞はケチくさくっていけねぇや」
「なっ……! お金に関しては、ケチなのは蛮ちゃんの方じゃないか!」
いつもの言い合いをしながら、二人は婦警のマンションを後にした。
……が、スバル360が、見当たらなかった。
愛車を停めてあった筈の路上には、白いチョークで、レッカー移動された旨と、その時間、
そして所轄の警察署の名前が書かれていた。
「……やられたね」
「う……嘘だろ? いくら新宿とは言え、ここは繁華街でも何でもねぇんだぞ……?
こんな夜中にまで、たかが住宅街で駐禁取り締まるようなポリが……」
明朝、二人は馴染みの警察署の交通課に向かった。
「駐車違反とレッカーと仮駐車代、しめて5万7千円になりまーす」
「フザケんなテメェ! 誰に付き合ったせいでこんな事になったと思ってやがる!」
「それとこれとは別です。何も私、あなた達に路上駐車しろなんて言ってませんよ?
時間料金払ってでも、最寄のパーキングに止めるべきでしたねぇ」
いつにも増してニコニコ笑いながら、婦警は我関せずといった言葉を吐く。
「それに……あんまり、昨日の事はここで喋らない方が良いですよ?
私、いつの間にか眠ってたみたいだけど、あの時あなた達が車で帰ってたら、飲酒運転ですもの。
そうなったら、レッカー食らうより罰金高いですよ」
二人は愕然とした。
「婦警さん……俺らをはめたの?」
彼女は首を横に振った。
「私だって、こんなのは予想外ですよ? でも、正直私は関係ありません。
私は、ただ居酒屋に誘っただけです。結局それは適いませんでしたけど、
あなた達に飲酒なんて、一度もすすめてません。あなた達が勝手に飲んだだけです」
確かに、そうだ。
居酒屋に入ろうと思った時でさえ、彼女は彼らに
『あなた達は飲まなければ良いんじゃないですか? 飲むのは、私だけで……』
と言っている。そしてその後も、自分の部屋に通したり、肉じゃがを作ってやったりしただけだ。
彼女には、それを非難される謂れは無い。
「テメェ……仮にも成人なんだから、未成年と飯食ったりする時は、監督責任があんだろうが?」
「私の知らない間に、勝手にあなた達が飲んだんです」
「なっ……!」
これはさすがに、完璧な嘘だ。彼女は、二人が酒を飲む事を黙認していた。
だが、相手が仮にも警察官では、蛮と銀次が何を言おうと、誰も信じはすまい。
「ちっくしょぉ……こんな事なら、マジで一発ヤっときゃ良かったぜ……
ネーちゃん相手に本番やってりゃ、風俗に注ぎ込んだと思って諦めもついたのによぉ……」
「あら、何の話ですか? 私、昨夜は何もやましい事はしてませんが」
それも、確かにその通りだ。
蛮は、下手に邪眼で済ませてしまった事を後悔した。
確かに、彼女は何もしていないし、何もされていない。
いつか本当に好きになれる男性に出会えるまで、ファーストキスもヴァージンも
大切にとっておくべきだと思って、せめて手を出さずに帰ったのが、二人にとってアダとなった。
「それじゃ、指定の日時までに郵便局などで振り込んで下さいねっ」
蛮は魂が抜けたようにヨロヨロになり、銀次がそれを必死で支える。
「くそぉ……このお役所仕事ばっかの公務員のアマがぁ……っ」
「蛮ちゃんっ、元気出して! 今度からは路駐やめようよ、ね?」
「あ、待って下さい、奪還屋さん!」
大人しく去ろうとした二人の背中に、婦警が呼びかける。
「あ? んだよテメェ……まだ何か用があんのか?」
周囲の誰も見ていない事を確認して、彼女は受付から身を乗り出した。
そして、振り向いた二人の頬にちゅっ、ちゅっと、それぞれ一瞬だけキスした。
不意をつかれた二人は、言葉をなくして立ち尽くした。
「……今度は、ちゃんとお相手して下さいね?」
二人を見つめる婦警の目は、恋する乙女のそれだった。
婦警さんktkr!!!
(*´Д`)ハァハァ
ヘヴン
-1-
二人の出会いは、決してロマンチックなものではなかった。
男と女。互いにプロとしてのプライドを持つ、裏の世界の住人。
だが、そのプライドの中身に、正反対とも言える差異があった。
男は、プロ故にやりたい仕事を選んだ。好みでない仕事には見向きもしなかった。
女は、プロ故に仕事を選ばなかった。依頼された以上は、内容に関わらず引き受ける。
出会った二人は、最初から対立しあった。
「アンタもプロなら、仕事を選ぶなんて子供じみた真似はするんじゃないわよ!」
「子供じみてるのはどっちだか……大体、そんなのはお前が仲介屋だから言える台詞だ」
男の意見も、最もだった。
女の職業は、ただ仕事の仲介を行なうのみ。実務には一切ノータッチである。
どんなに危険な仕事でも、彼女には関係が無い。要は仲介料金を差し引けば良いだけなのである。
だが、男はそういうわけにはいかない。実際に仕事を行なうのは彼であり、危険に晒されるのも彼だ。
女は、男のそんなスタンスを臆病だと思い、非難した。
それに、彼が仕事の受注を渋れば、仲介屋である彼女の評判も下がるのである。
もっとも、男が仕事を選ぶのは、被るリスクだけが理由ではなかった。
「……そんなに、汚職政治家の依頼を引き受けるのが嫌なわけ?」
女は男を、まるで正義漢ぶった子供をなじるような口調で馬鹿にする。
だが、男はその程度では動じない。
「薄汚い狸一匹が得をするために、他の何人もの人間が犠牲になる仕事の
片棒を担ぐ気など、俺にはさらさら無い。お前がどうしても狸に得をさせたいなら、他の奴を選べ」
その言葉に神経を逆撫でされた女が、くってかかる。
「ハン……あんたもプロなら、仕事はちゃんと引き受けなさい。
引き受けた上で、誰も不幸にしないように、うまく事態を運びなさいな。
それがスマートな仕事の仕方ってもんでしょう?」
男はため息をつき、呆れたように女に背を向けた。
「……EAT-MANでも読んだのか?
コミックのような夢想じみた事を言うな。所詮は未成年という事か?」
男は、胸ばかり大きいくせに精神的には未熟なその金髪の女に、振り向きもせずに立ち去った。
「馬鹿みたい……あんたが引き受けなくても、誰かが狸の依頼を引き受けるのは変わらないのよ。
仮に私が仲介しなくても、狸は他の仲介屋を探すでしょうし、そうなったら結果は一緒。
……どうして、敢えて自分が引き受けた上で、被害を最小限に食い止める手段を模索しようと思わないかしら」
だが、男が選んだ手段は、もっと直接的だった。
スマートではないかもしれないが、女が望む以上の結果をもたらした。
何があったのか、仲介屋の女が男に仕事を持ちかけ、断られたその翌日には
政治家は自らの収賄の証拠となる資料を持って、自首のために警察に出頭していた。
取調室で、政治家は「光が……光を纏った男が……」と、うわ言のように繰り返した。
警察はその証言にまともに取り合わなかったが、彼の体から薬物反応は出なかった。
こうして、署内では『人知れず現れて悪人を悔い改めさせる光の男』が、半ば都市伝説として広まった。
件の政治家が政治家としての仕事を続けていれば、もっと多くの人間が泣きを見ていたに違いない。
アンフェアな談合によって受注から外される建設企業に、
手抜き工事で建てられたマンションに住まされるであろう住人達。
上司の罪を被って無実の罪を背負って投獄される秘書。
だが、『光の男』が汚職政治家を自首させたお陰で、それら何十人もの、罪無き市民が助かった。
それは、仲介屋の言う『一旦仕事を引き受けた上で、誰も犠牲にしない方法を模索する』事よりも
はるかに多くの人間を救う結果となった。
女は男に連絡を取って、再び見える事となった。
「聞いたわよ、『光の男』の噂……どうやって、あの政治屋を自首させたのかしら?」
男は、我関せずといった表情で、ウェイトレスが運んできたコーヒーを飲んだ。
「……何の話だか、検討もつかん」
「ふふっ……相変わらず、スマートじゃないわねぇ」
仲介屋は、男がテーブルに置いたコーヒーのカップを手にとると、残りのコーヒーに口をつけた。
「でも、そういうトコ案外気に入ったかも……」
カップの縁に口紅の跡をつけ、間接キスをわざとらしくアピールする。
「……誰が飲んで良いと言った。代金は……」
「あら、当然私のオゴリよ。今日は気分が良いもの。マ・サ・キ!」
突然ファーストネームで呼んできた仲介屋に、光の男・来栖柾は呆れかえった。
ムシが良いというか、馴れ馴れしいというか……。
-2-
ピンポーン……
都内の、とある高級マンションの一室。
ヘヴンがバスルームでシャワーを浴びていると、玄関の呼び鈴が鳴る音が聞こえた。
「あら……今日はアポイントは無かった筈だけど。誰かしら?」
ヘヴンはシャワーを止め、バスタオルを体に巻いて、濡れた髪を軽くしばって、玄関へと向かった。
床に水滴がポタポタと落ちるが、後で拭けば済む。
「はいはい、どちら様?」
ドアを開けると、そこに立っていたのは天野銀次だった。
「あら、銀ちゃん? 今日は何の用……」
だが、銀次はその場で鼻血を噴出して倒れた。
「きゃあっ! 一体どうしたの銀ちゃん!」
「ヘ、ヘヴンさん……衝撃的過ぎるよ……その格好……」
ヘヴンは、よろめく銀次に肩を貸して部屋まで招きいれながら、苦笑した。
普段はもっと露出度の高い格好をしているのに、今更この程度で鼻血とは……。
「ん……あ、あれ? ここは……」
数分後、銀次が目を覚ました。呆けた頭を意識的にはっきりさせて、ここまでの経緯を思い返した。
「あ、そうだ……俺、ヘヴンさんのマンションに来て……」
起き上がろうとする彼の額に、温かな手がふんわりと添えられた。
「駄目よ、銀ちゃん。急に起きたりしたら」
銀次は、寝転んだままで、声の主の方を見た。ヘヴンが、自分を見下ろしているのがわかった。
「……って、あれ!? いや、膝枕? えぇ!?」
どうやら鼻血を出した後、辛うじて部屋には上がりこんだが、そこで意識を失ったらしい。
その内に、ヘヴンが膝枕で彼を寝かせてくれていたのだ。
巨大な乳房に隠れて彼女の表情は下からは見にくかったが、少しばかり湯気が立っているのはわかった。
それは顔からだけではなく、肩や背や胸からも立ち上っていた。
胸から下にかけては白いバスタオルで包まれており、彼女が湯上りだった事が銀次にも知れた。
「ごめんなさいね、こんな格好で。ちょうどシャワー浴びてたところなのよ。まだ昼間だけどね」
「いや、ご、ごめんなさい! そうとは知らず、アポも無しにいきなり来て……」
銀次は飛び上がるように起き、ヘヴンから目を逸らすようにした。
この程度の格好なら、見られても彼女は気にしなかったのだが、彼の方が気にするようだ。
「あ、あの……湯冷めとか、しないかな……大丈夫?」
そっぽを向いたままで、銀次が彼女の体を気遣う。
「鼻血出して気を失った人に、健康の心配されるなんてね……大丈夫よ。
銀ちゃんを膝枕する前に、ちゃんと体は一通り拭いたから。寒い時期じゃないし、湯冷めはしないと思う」
ヘヴンはそう言うと、背を向けて床の上に座る銀次の背中に、ぴったりと自分の胸をくっつけて抱きついた。
体拭いたんなら服ぐらい着てよ、と言いかけた銀次だが、突然の事態に慌てふためいた。
「ヘ、ヘヘヘヘヘヘヴンさん! 胸、胸が……当たって……!」
「当ててんのよ」
彼女にとっては軽いジョーク交じりのスキンシップなのだが、この程度で慌てるとは、彼もやはり可愛いものだ。
「それで、今日はどんな用事かしら?」
何食わぬ顔で本題にを尋ねる。それも、耳元で、小声で。
銀次は、再び鼻血を出しそうになりながら、懸命に意識を保った。
「ふぅん……仕事が欲しいって、言われてもねぇ……」
あまりのシチュエーションに、銀次はしどろもどろだった。
それでも何とか要求を伝えたのだが、彼女の反応は思わしくなかった。
「携帯で連絡も取れないくらい貧窮してんのはわかったけどね……でも私だって、何か仕事があれば
真っ先にゲットバッカーズに持ちかけるわよ。今は本当に、奪還業の人に頼む仕事が無いの」
バスタオル一枚のままで、彼女は部屋を歩き回り、二人分のハーブティーを淹れた。
椅子に座り、わざとらしく足を組み替えながら、一杯を銀次に手渡す。
「ところで、蛮君は今何してんの? 銀ちゃん一人で来たんでしょ?」
「蛮ちゃんは、今歌舞伎町で売り込みしてる。安くても良いから、女子高生とかから仕事を貰おうとしてるみたい」
そうは言っても、女子高生の払ってくれる金額など、せいぜい何千円かのレベルだ。
売春などで金を儲けている者ならば何万円か支払ってくれるかもしれないが、そう確率は高くない。
日雇いのバイトでもした方が良いんじゃないかと思ったが、ヘヴンはそれを口にしなかった。
「何か仕事が入ったら、すぐに連絡するから……と言っても、携帯止められてるんだっけ。
その場合は、波児あたりに連絡するしか無いわねぇ……でも、最近は本当に奪還の依頼なんて無いから……」
ヘヴンとしても、二人が金銭的に困るのが、面白いわけではない。
仕事はきちんとこなすし、士度程でないにしろ、裏社会での信用は高い。
彼らが貧乏なのは、主に金運の無さと、蛮の浪費癖のせいだ。
自業自得に近い蛮は兎も角、せめて銀次くらいは、何らかの方法で労ってやりたいところだ。
「そうだ……」
ヘヴンは、悪戯半分のプレゼントを思いついた。
「ねぇ銀ちゃん。私とイイ事しよっか?」
「へ? 良い事?」
一瞬、意味がわからずに銀次が考え込む。程なくして、ヘヴンの性格と照らし合わせて、銀次は彼女の意図を理解した。
「そ、そんなの駄目ですっ!! 不純ですーっ!!!」
後ずさる程の勢いで否定するたれ銀に、ヘヴンはがっかりした。
ここで、もし冗談ででも話に乗ってきたなら、本当に一度くらい経験させてやっても良かったのだが……。
「相変わらず紳士ねぇ、銀ちゃんは」
ヘヴンはハーブティーを飲み干すと、クスクスと笑ってみせた。
ふと、気付いた。
銀次のシャツが汗ばんで、肌に張り付いている。
今日は良い陽気だ。空調のきいた室内だから何も感じなかったが、外は結構暖かいだろう。
ゲットバッカーズが根城にしているホンキートンクから、ここまでは何駅もある。
金が無いのだから、恐らく銀次は徒歩でここまでやってきた筈だ。
暑くはないとは言え、この陽気の中徒歩で何kmも歩いたという事になる。
しかも、平坦なばかりの道ではない。下り坂もあれば、勿論上り坂だってある。
「ははぁん……鼻血で倒れたのは、血が少しばかり足りてなかったからかしら?」
因みに筆者は、輸血した直後に煙草を二本程吸いながら急な上り坂を登っていると、十分程で貧血になって
家に着いた途端にその場に倒れこみ、しばらく立ち上がる気さえ起こらなかった事がある。
銀次は煙草は吸わないが、一時間以上に及ぶ徒歩行軍の末に、
ヘヴンに悩殺されたせいで、倒れてしまったというわけだ。
「とりあえず、汗は流した方が良いわね。帰りは私が車で送ってあげるから、シャワー浴びてきたら?」
ヘヴンは銀次に、先ほどまで自分が使っていたシャワーをすすめた。
「あ……そうだね。それじゃ、お言葉に甘えて……」
銀次は、最初は謹んで遠慮しようかとも思ったが、自分とヘヴンの仲なので、厚意に甘える事にした。
バスルームの位置を聞いて、そこへ足を運ぶ。
廊下と脱衣所を隔たる間仕切りを閉めて、彼は服を脱ぎ始めた。
ヘヴンは「あ……タオル用意してないや……」と独り言を呟きつつ、ティーカップを流しに持っていった。
頭から水流をかぶって、銀次は、体にまとわりついていたベタベタした感触が、ものの見事に流されていくのを感じた。
細胞が一つ一つ洗われていっているかのようだ。すこぶる気分が良い。
シャンプーもボディソープも、石鹸はおろかボディタオルさえも使わなかったが、構いはしなかった。
貧乏暮らしが身に染み付いているから、普段体を洗う時も、洗剤などはあまり必要としなかった。
生活必需品ではあるので、金のある時には買うが、無ければ無いで困るという程の事は無かったのだ。
濡れた前髪が額に張り付くのが嫌だったので、両手でガシガシと頭を掻き毟って、オールバックにする。
潤ったその髪は、室内の証明に照らされて、金色に輝いていた。
と、その時、脱衣所とバスルームを隔てるドアを、軽くノックする音が聞こえた。
「銀ちゃん、タオル持ってきてあげたわよ」
ヘヴンが、少しだけドアを開けて、隙間からバスタオルを差し出してきた。
「あぁ、ありがとうヘヴンさん……って、あれ?」
銀次は、手にとったそのバスタオルが、ほんのり湿っている事に気づいた。
「ヘヴンさん、これ……」
ふと目をやると、ヘヴンの体のラインが、ぼんやりとドアの擦りガラスに投影されていた。
銀次は違和感を持った。
ヘヴンはバスタオルを巻いているか、あるいはもう着替えていておかしくない筈だ。
にも関わらず、うっすらと見えるそのラインに、布地のような影は見当たらない。
加えて、極めてそのボディラインが、純粋な肌色に見える。
乳白色の服に着替えたというのでもなければ、答えは一つだ。
「ヘ、ヘヴンさん!」
ヘヴンは、全裸だった。彼女は、つい今まで自分が体に巻いていたバスタオルを、銀次に差し出してきたのだ。
「どう? 中々刺激的なサービスでしょ」
「いっ、良いからっ、そんなの! 新しいタオル用意しといてよ!」
「あらぁ? 人の家に上がりこんでシャワー浴びておいて、新しいタオル使わせろだなんて……」
まるで、銀次の方が非常識と言わんばかりに、ヘヴンは冷笑した。
もっとも、いくら学識の無い銀次でも、この場は自分は何も間違った事は言っていない自信がある。
「そんなサービスされても困るよ、俺……お願いだから、新しいタオル用意しといてくんないかな……」
銀次は、自分の裸を隠しつつ、ヘヴンの裸体から目を背けるように、ドアに背を向けた。
「もうっ……せっかくお姉さんがサービスしてあげようってのにぃ……」
ヘヴンは冗談めかしつつも、もう十分彼をからかう事が出来たと内心満足した。
そうして、素直に新しいタオルを用意しておいてやろうと思った。
だが、ドアの前から離れるその一瞬前、ヘヴンは懐かしいものをその目に捉えた。
正確には、それそのものが懐かしいわけではない。だが、かつて慣れ親しんだものと、面影が重なる。
それは、銀次の髪だった。
銀次は先程、濡れた髪を掻き揚げていた。
天を衝くように、その金色の髪を逆立てていた。
それはまるで、かつて無限城の薬屋ゲンの部屋のディスプレイでちらりと見た、あの雷帝のようであった。
湯気で視界がはっきりしないのも、その錯覚の一因だったかもしれない。
「……!」
ヘヴンは、言葉を失った。
雷帝を思わせる風貌に、あの時の恐怖や悲しみを思い出したからではない。
彼女にとって雷帝の姿は、もっと深い意味があった。
来栖柾。
雷帝と同じように髪を逆立て、雷帝と同じように眩い光を放つ、あの男……。
かつて愛し合ったあの男の後姿が、今彼女の目の前にあった。
「……ヘヴンさん? 早く、ドア閉めてもらえると助かるんだけど……」
その幼さの残る声に、ヘヴンは現実に引き戻された。
「あ……ご、ごめんなさい、銀ちゃん……」
そうは言うが、しかし彼女も、ドアを閉める気配は一向に無い。
もはや、その後姿に見とれていた。今一度、その背を後ろから抱きしめたいと思った。
銀次は来栖ほど広い背中でも無ければ、来栖ほど厚い胸板でもない。
だが、それでも彼女は、その腕に抱かれ、溶けるように埋没していきたいと思った。
例えそれが、来栖本人でなかったとしても……。
彼女は持っていたバスタオルをその場に放り出し、銀次の反対を無視してドアを開け広げ、バスルームに入って行った。
「ちょ……っ! ヘヴンさん! 駄目だってば!」
ヘヴンは、銀次の背中に再び自分の胸を当てた。今度はバスタオル越しでなく、直接に。
流れるシャワーが、体を拭いたばかりのヘヴンを、再び濡らしていく。
水滴が乳房の上を滑らかに流れ落ちる。
「ヘヴンさん! 当たってるってばぁっ!」
「だから、当ててるんだってば……」
ヘヴンは銀次の体に腕をまわし、掌を銀次の腹のあたりに持っていった。
そのまま、彼の鼓動を聞き取るかのように、左手だけ上に滑らせる。
銀次の左胸にあてがわれたその柔らかな掌は、平常時をはるかに上回る銀次の鼓動を感じ取った。
「駄目じゃない、銀ちゃん……ちゃんと、洗剤使って体洗わないと……」
ヘヴンは、ボディソープを自分の乳房の上に垂らし、素手で塗りたくった。
そのまま、銀次の背中にぴっとりとあてがい、上下左右に動かす。
「うふふ……背中、流してあげる……」
「ヘヴンさん……ちょっ、待っ……!」
そうは言うが、銀次も抵抗しようとはしなかった。
自分の背中に触れる、面積広く弾力もあるその乳房と、先端の乳首の感触を、手放したくないと思った。
乳首がズズズ……と縦横無尽に移動する時、彼はヘヴンの乳首が既に固くなっている事に気付いた。
「後ろは、もう良いかな……今度は、前ね」
そう言って、ヘヴンは銀次に回れ右させた。
銀次の前に立ったヘヴンは、両の乳房をその手で持ち上げ、うっとりした目で男を見上げていた。
見つめる先にいたのは、銀次ではなく来栖だったかもしれない。だが、銀次はそんな事は気にしなかった。
目の前で、陰毛すら隠す事なく淫靡な目を向けてくる女性に、もはや理性をきかせる気さえ起きなかった。
銀次は少し首を前に傾け、ヘヴンは逆に首を斜め上に向けた。
ちょうど、見詰め合う二人の唇がうまく重なる角度になった。二人はそのまま口付けした。
ヘヴンは唇を重ねながらも胸を持ち上げ、それを銀次の胸板に当てた。
そうして、隅々まで綺麗にするように、その乳房をグネグネと動かす。先程、背中にしたのと同じように。
銀次はヘヴンの肩を抱き寄せ、より彼女と距離を詰めた。
と同時に、遠慮なく彼女の口の中に舌を挿入させる。彼女も銀次の舌を受け入れ、更には自分からも舌を突き出す。
女の乳首が銀次の肌の上を移動しまくり、時折二人の乳首同士が擦れ合う。
勃起した銀次の陰茎は、足の長いヘヴンに対しては、ちょうど股間のすぐ下に接する形でフィットした。
キスのために彼女が少し爪先立ちしていたのも、その体勢になるのに一役買っていた。
ヘヴンは乳房についたボディソープを少しだけ指で掬い取り、それを自分の股間に塗りたくった。
「えへへ……銀ちゃんの、おちんちんもぉ……綺麗に、ひてあげるからね……?」
ヘヴンは、爪先立ちのままで素股を開始した。
と同時、胸も相変わらず激しく動かす。
無理な体勢だったが、銀次はそれを両腕で力強く支えた。
「ぎん……ちゃぁん……」
「へぶん……さん……」
二人は、お互いの唇と舌と唾液を貪ぼった。
体に悪くさえなければ、ヘヴンはこの唇や舌にも、ボディソープを塗りたくりたいとさえ思った。
ヌチャ、クチュ、ずりゅっ、ズププ……、ぐちょっ、びちっ……
ディープキスの音か、胸による愛撫の音か、或いは素股の音か。
どの音とも判別のつかない、それでいて全ての音が入り混じった不協和音が、
ザァァァァ……というシャワーの音の中に混じって微かに聞こえ始めた。
やがて、銀次の精液が、バスルームの内壁にピュピュッと飛び散った。
「んあっ! ら……っ! おっ、んおぉっ!んいぃ……っ! ひ、あ゙っ……!」
ヘヴンは、銀次の両手の指に、上の口と下の口両方を攻め落とされていた。
二本の指は口の中に無遠慮に進入し、その舌を、これでもかと蹂躙する。
下の口も、ボディソープを塗りたくられた三本の指で、ぐちょぐちょに掻き回されていた。
「ヘヴンさん、気持ちい良い?」
「んふぅ……っ」
彼女は壁に背を預け、膝をガクガクさせながら、辛うじて立っていた。
ヘヴンの膣は、最初の数秒は指一本でもきつい感じがしたが、
ボディソープをつけた指を挿入すると、すぐにほぐれて、指三本でも難なく入るようになった。
ボディソープがローションの役目を果たしているのもあるだろうし、
既に一度素股までしているのだから、ある程度濡れてほぐれていても、仕方のない事だった。
もっとも、それでなくとも彼女は経験豊富だったので、その器も既に相当使い込まれてはいたのだが。
銀次は指を抜くと、シャワーを取り外し、それでヘヴンの体の洗剤を洗い流した。
勿論、ただ湯で流すだけではない。
彼女の乳房や乳首に纏わりついた洗剤を、自らの手でもって、丁寧に手洗いしていく。
「んっ……ふ、あ……や……そうよ……そこぉ……」
銀次が乳首の洗剤を親指と人差し指で洗い落とす時、彼女の体はビクン、ビクンと反応した。
「もっと、念入りに綺麗にしてあげるよ、ヘヴンさん」
銀次はそう言うと、すっかり洗剤が落ちて綺麗になった乳頭に、舌を突き立てた。
そうして、ペロペロと舐め尽くしていく。あるいは口の中に含み、ちうちうと音を立てて吸う。
せっかく洗ったばかりなのに唾液を塗りたくっては意味が無い、
などという無粋な突っ込みは、ヘヴンも口にしなかった。
銀次は次に、シャワーをヘヴンの股間に当てた。
と同時に、やはり指を使って洗剤を落としていく。
「あっ、あぁ! や、ら……っ! ちょ、あぁっ! ひ、だめぇっ……!」
銀次は、彼女のビラビラした部分や、クリトリスまで、余すところなく愛撫した。
だが、彼の力加減が中途半端なために、ヘヴンはイく事が出来ない。
もっと激しく中を掻き乱してくれれば絶頂を迎える事も出来るのだが、銀次は敢えてそうしなかった。
「もっと……もっとぉっ! おねがい、もっと激しくっ! お願いだから、イかせてよぉっ!」
もはやそれしか頭に浮かばない程に焦らされ、ヘヴンは自分から折れた。
「そうだね……そろそろ、入れようか……」
銀次はヘヴンの体を腰から持ち上げ、挿入を開始した。
ヘヴンは、その両足を銀次の腰に回し、彼の背中側でX字に交差させた。
宙ぶらりんな彼女の体を銀次は両腕で支える。
ヘヴンの方も、銀次の首に両手をまわして、極力後ろに倒れないようにする。
背後の壁にもたれかかるようにすれば、姿勢は維持しやすかった。
ヘヴンは回想した。
光の男・来栖柾も、このように自分が動きの主導権を握れる体位を好んだものだ。
そして今、彼と同じくらいに眩い光を放つ帝王が、あどけなさの残る表情で、自分を抱いている。
だが、来栖と銀次では、決定的に違うものがあった。
それは、来栖の操るのが光である事に対して、銀次は雷・電流を操るという事である。
光、つまり可視光線は、特有の帯域の電磁波の総称である。
対して電流は、そこに熱や斥力を帯びる場合がある。
電気ケーブルの工事中に、ケーブルに触れたラジオペンチが事故で蒸発する事もある。
また、ケーブルの例を持ち出すまでもなく、誰しも一度は静電気によって細胞がピリピリした経験はあるだろう。
銀次は、少しだけ力を解放して、ヘヴンの膣に極めて弱い電流を流してみた。
……パリッ!
「!!!」
ヘヴンは、声さえも出せずに体を引きつらせ、ショック死しそうな程の快感を得た。
「ひ、ぁ……銀ちゃん……今のぉ……」
「どうかな……? ちょっと、痛かった?」
ヘヴンは首肯したが、だからと言って止めて欲しいとは思わなかった。
むしろ、この未知の快感を、もっと貪欲に貪りたいと思った。
「やめちゃ、らめぇ……もっと、もっとぉ……」
銀次は、要望通りに、もう一度電流を流してみた。下手をすれば膣内が火傷しかなねいが、そこは加減の問題だ。
「ひぎっ! ……あぁ、良いよぉ、銀ちゃん……突いてぇ……」
「うん……痛いし、熱いだろうけど……我慢してね、ヘヴンさん」
銀次は上下運動を開始した。
と同時に、様々なタイミングで電流を流し込む。
亀頭が奥に当たる時や、逆にカリが入り口あたりまで戻る時。或いは、その途中。
無作為に近いタイミングで放たれる電流は、ヘヴンに覚悟を構えるタイミングを絞らせなかった。
いつ襲ってくるかわからない快感が、彼女の神経伝達信号を伝って脳髄をシビれさせる。
「ひぎぃっ! ひっ、ひっ……! ひぁっ……! きっい! ……ぉおっ! ぅぐっあ……!」
ヘヴンは、今や白目を向きそうな程に意識が飛びかけ、舌を限界まで突き出し、涎を垂れ流していた。
本当なら、これは拷問であってもおかしくないプレイなのだ。
銀次の方も、感電によって収縮・痙攣する肉壁に陰茎を苛め抜かれ、限界近くまできていた。
「ヘヴンさん……そろそろ、イくよっ!?」
「う、かっ……ぎ、ぎん……ひゃぁん……! あたひ、しんじゃう……しんじゃうよぉおぉっ……」
膣内の襞が破れて出血してしまうのではないかと思える程の最後の電流に、ヘヴンは気を失った。
-3-
「ほら、ヘヴン……見えるか? この光が……」
「えぇ、よく見えるわ、柾……」
証明を消し、カーテンも締め切った暗い部屋のベッドの上で、ヘヴンと柾は繋がっていた。
柾はヘヴンの中に挿入した自分の男根を光らせていた。
光に指をかざした時のように、ヘヴンの下腹部の肌が、ぼんやりと赤く光って見えた。
スライドを開始すると、ヘヴンの腹の中で、光もやはりスライドしていた。
明滅するソレは、ペニスである事を忘れれば、ロマンチックでさえあった。
行為が終わった後、彼女の膣からこぼれ出る精液は、夜光塗料のようにほのかに明るかった。
そんな昔の事を思い出しながら、ヘヴンはベッドの上で、銀次のペニスをパイズリしていた。
「綺麗でしょ? 銀ちゃん……」
やはり証明を消した暗い部屋の中で、銀次は自分の男根をわずかに帯電させていた。
光に指をかざした時のように、ヘヴンの胸の谷間が、ぼんやりと赤く光って見えた。
やがて放たれた精液は、ヘヴンの顔や髪を、薄紫色に輝かせた。
「ヘヴンさん……綺麗だよ」
「やぁね。私は元から綺麗よ?」
わずかに帯電してピリピリするその幻想的な精液を、彼女は指ですくって、口の中に含んだ。
そうして、過去と現在、二人の『光の男』を心の中で見比べた後、
何を思ったか、妖艶に微笑んだ。
初めてスレ見たけどちょっと前に
蛮×婦警
銀次×ヘヴン
は結構好きな組み合わせなんであとで読ませてもらいます
それとは別に
氏家火生留×銀次ストーリーきぼん
原作ではあまり関係ない組み合わせだがアニメではそれらしい描写あったので
原作はカオルが銀次を好きになってたぽ
職人が一人しかいないスレ
って悲しいな・・・・
それとも、名乗ってないだけで
実は作者が違うのがいくつか混じってるのかな?
だと良いんだけど・・・・
で、このスレがあるってのに新しく立てた馬鹿は誰だ?
135 :
1:2006/11/14(火) 13:03:23 ID:gxrjVv7H
実は、いっそ重複でも良いかなぁと思ってる
俺が調子んノって書きまくったせいで、他の人が書きにくくなってるような気がするし
俺としては、職人さんが増えてくれるんなら、こっちは削除依頼出して
あっちに移るのも十分アリだと思ってるんだよね
まだ生きてたのか、このスレ。
ようし、ぱぱちょっと卑弥呼頑張ってみようかな
卑弥呼期待してますよ
卑弥呼は、(蛮も含めて)ラストでどうなるのかわからない限りは
料理のしようがないんだよな
作中でまだ処女だと言い切られてるし
まぁそこに拘らなければ良いだけの話なんだろうけど
卑弥呼を待ってる!
140 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 00:05:18 ID:vY51bUHD
あげ
141 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 11:23:49 ID:AgDVQpJm
卑弥呼はあれだけ敵に捕まってるんだし、
いずれ凌辱されて敵側につきそうなのがあってもいいとか思ったんだが…
とりあえず期待age
卑弥呼はまだですか?
143 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 02:08:16 ID:8VTvwmFq
あげ。卑弥呼か…
とりあえずどんなのが需用あり?
エロいの
145 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 02:50:25 ID:4yJprA9Y
卑弥呼人気だなぁ・・・
そんな漏れは朔羅ねえやんキボン(´∀`)ノ
個人的には捕まって調教されて敵側…みたいな流れを希望。
149 :
136:2006/11/24(金) 22:05:23 ID:8PpA7yj0
ごめん。
>>138読んでちょっとゲトバ調べてみたら、自分の記憶の中と全く違う事になっててびびった。
最近読んでなかったんだ……
俺には、すこし、土俵が高いみたいだぁ……
なぁに、この世には便利な言葉がある
夢 落 ち
敵に捕まれば問題なし
152 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:58:00 ID:xJ7ZEhR5
前に蛮×クレイマンででてた「卑弥呼を耳だけでイカせる話」ぱくって書いてもいいですかー?蛮×卑弥呼で。
>>152 いんじゃね?
書いた俺本人が、そんな事書いたのをすっかり忘れてたくらいだし
154 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 20:02:14 ID:xJ7ZEhR5
ドモ 投下します
幼い蛮×卑「耳」
その日蛮と卑弥呼は家に二人きりだった。保護者である邪馬人は仕事で出かけていた。
連れていけとごねる妹をみて苦笑しつつ、蛮に子守りを頼むと言って家を出た。ますますむくれる卑弥呼。「そんなにおにーちゃんが恋しいか。ブラコン卑弥呼」
蛮がせせら笑うと卑弥呼は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「う、うるさい!…決めた、あたし今日はあんたと口利かないから!!」
びっ、と蛮に人指し指を突きつけて宣言すると、肩を怒らせて居間に行ってしまった。
まだエロにたどりつけない…
155 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:13:59 ID:xJ7ZEhR5
仕方ねえな、とついていく蛮。卑弥呼はテレビの前に座りこんだ。蛮は後ろにあるソファに寝転がり、新聞を眺めた。「今の時間だと…おいチャンネルまわせ。12でエロい洋画やってる」
「………」
「『人妻の熱い肌』だってよ。キョーミねえ?」
「………」
いつもなら顔を真っ赤にさせて「変態!」と罵ってくるところだが、全く反応がない。面白くもないワイドショーを見つめたままだ。「おーい、卑弥呼。卑弥呼ちゃーん」
「……」
そんなにアイドルの不倫騒動が面白いのか。んな訳あるか。面白くないのはこっちだ。
蛮は微妙に腹が立ってきた。そんなに兄が居ないのが嫌なのか。
―俺が居るのに。
今自分が感じているものが嫉妬であることも気付かずに、蛮は卑弥呼の後頭部をを眺めてた。
ふと、髪から覗く耳が目にはいる。
形の良い耳。
そう思ったとき、人指し指でそっと触れていた。
ばっ、と振り返る卑弥呼。驚きと戸惑いを顔に浮かべている。
口が何かを言いたげに動いたが、自ら科した戒めを思い出したのか、結局何も話さないまま閉じられる。
再びテレビの方に顔を向けた卑弥呼だったが、先程よりも微かに肩が上がっている。警戒しているのか。
それを見た蛮は一転して笑みを浮かべた。
耳が弱いんだな、こいつ。邪な考えが笑みを更に深くさせる。
卑弥呼の耳に顔を寄せて蛮は囁いた。
「…なあ、卑弥呼」
卑弥呼にこれまでかけたことのない種類の、低い声音。吐息が耳に触れる。
卑弥呼はびく、と身を震わせた。があくまでも口は利かないつもりか、何も話さない。
―面白い。
「なら…俺が何をしようと、絶対に声をあげるなよ?」
156 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:08:21 ID:xJ7ZEhR5
すました調子でニュースを読みあげるキャスターの声が耳障りで、蛮は手を伸ばしてテレビのスイッチを消した。音が消えた分、空気の濃度が増した気がする。蛮は卑弥呼の耳に軽く口付けた。
「!」
異変を感じた卑弥呼が体をこわばらせる。身をよじるが蛮が腕をまわして捕えているため、逃げることが出来ない。
「な…」
に、と言う前に蛮の手が唇に触れた。
「俺とは口利かないんだろ?」
優しく諭すような笑みは、返って卑弥呼を戸惑わせた。
長い付き合いとは言えない。でも、短い付き合いではない。ともに仕事し、ともに暮らし、まるで本当の家族みたいに一緒にいた。
なのに。今の彼は、知らない人のようだ。
157 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:56:46 ID:A72SChUE
「おまえの耳、黒くてパンみてぇ。美味そう」
蛮は卑弥呼の耳を甘噛みした。パンの甘い味の代わりに、汗のしょっぱい味がする。
「…や、だ……」
漏れた声はあまりに弱々しかった。そして明らかな熱があった。
蛮は少し驚いて、舌の動きを止める。
「へえ…そんな声だせんだな」
まじまじと卑弥呼を見つめると、恥ずかしそうに顔を背ける。
その仕草に、予想外の「女」を感じる。
もっと見たい。
実験とばかりに蛮の舌が卑弥呼の耳の縁を舐める。円を描きながらねっとりと。
わざと音を立てながら、耳の奥へと舌を差し入れた。
「…ふっ、あ、や…」
卑弥呼は身をよじったが、蛮の舌が独立した一つの生き物のように執拗に追い掛ける。
蛮の舌ばかりでなく、舌が耳を這うくちゅくちゅという音さえ耳を犯しているように卑弥呼は感じる。
二人きりの部屋。舌が耳を食べる音。蛮の囁き声。…自分の変な声。
やめてと言おうとする声は、形に成らずに溶ける。
「…その声いい。そそられる」
何をされてるかもよくわからないが、蛮の声の調子で卑弥呼は、自分がすごく恥ずかしい声をあげているとわかった。
自分で決めた「口を利かないんだろ」云々はとっくにわすれていたが、
そんなことより自分の声を蛮に聞かれたくなくて、
卑弥呼は口を手で覆った。それでも声が漏れてしまうので、指の腹を噛んで堪えた。
もうやめてほしい。
声を出せない卑弥呼は、目で訴えた。
「…っおまえその顔はやばいだろ」
涙を滲ませた目がかえって蛮を煽っていると思いもよらない卑弥呼に、
蛮が焦った理由などわかるはずもない。
ただ激しさを増した舌の動きに、自分の名前を呼ぶ低い声に、
声をあげぬよう必死に耐えるだけだった。
158 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 02:49:43 ID:A72SChUE
と、力が入りすぎた歯が指を傷付ける。
「………痛」
卑弥呼の様子に気付いた蛮は、卑弥呼の口から手を剥がした。中指の腹から血が滲んでるのをみて、眉をしかめる。
「……アホ」
呆れたような口調とは裏腹に、優しく傷に口付ける。舌で擽るともう覆いのない卑弥呼の口から小さく声が漏れた。
「そんなに声出すの嫌だったら、俺の指でもくわえてろ」
左手の指を卑弥呼の口に入れる。
「噛んでもいいぜ?」
蛮の言葉に、少し間を開けてから卑弥呼は頭を振った。また予想外の反応に、蛮は笑う。
本当にこいつは面白い。
おとなしく指を舐める卑弥呼の頭を、労るような気持ちで撫でた。
「いい子だ」
こんなことをしながら、小さい子供にかけるような言葉。これほど場に合わないものもない。
それがかえって背徳感を煽る。瞳を閉じて蛮の指に集中する卑弥呼の表情は、いとしさと嗜虐心を同時に刺激した。
「ん…ふあ、は…」
たどたどしく動く舌が、蛮が耳を舐める度にはねて。
…やべえ。
まさか、耳いじくっただけで指舐められただけで…
蛮は慌てて指を卑弥呼の口から引き抜いた。
一瞬見えた物足りなそうな顔に、また煽られる。
だから、やばいんだって。
「…卑弥呼」
快楽に慣らされた体は、名前を呼ばれただけでびくりと身を震わせた。
「も、いーぜ。声出せよ」蛮は卑弥呼の唾液で濡らされた指を卑弥呼の左耳につっこんだ。右耳は再び舌を這わせる。
「…あっ、あっ、やあっ…は、ん…!」
もはや恥じらうこともなく、耐えまなく嬌声をあげる卑弥呼。
「出せっつったとたん、正直な奴…!」
からかうつもりではなく、本当におかしくて笑ったのだが、卑弥呼は涙目で蛮を睨んだ。
可愛い奴、と後ろから抱き締める力を強くすると、卑弥呼の体が震えているのに気付いた。
瞳を見れば、快楽を一杯に満たし、目の前にいる蛮を探すように揺れている。
「…ば…ん…」
ここにいる、と示すために、蛮は卑弥呼の手を自分の腕に掴ませた。
溺れている者のように、卑弥呼は蛮の腕を痛いくらい強く握った。
「…いいぜ、卑弥呼」
蛮は卑弥呼の耳たぶをガリリと噛んだ。
「イケよ」
その瞬間、卑弥呼は初めての絶頂を登りつめ、果てない快楽の波に、意識を失った…
後日、意識を戻した卑弥呼は全く事を覚えておらず、そのまま一週間風邪で寝込んだ。
卑弥呼が忘れてしまったことをラッキーとも惜しいとも思った蛮だったが、とりあえず卑弥呼の処女は誰にも渡さないと誓うのだった。
すげぇwwwwGJwwww
卑弥呼えろかわいいよw
「耳」だけでここまで書けるとは
エロいの書くの苦手な俺なんか妬いちゃうよ
162 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:41:34 ID:9o30YGwY
超GJ作品続々アゲ。
まだまだエロを頼みます。
保守。
164 :
☆:2006/12/13(水) 17:36:39 ID:Uhqvatkk
あご
GetBackers-奪還屋- Act??・失った処女を奪り還せ!
中学生ぐらいの年頃の子供の話題と言えば、随分と限られる。
即ち、部活に、勉強。そして、恋愛。
しかし仙堂レナにとっては、その三つは須らく無縁な存在だった。
喫茶店でバイトしているために部活動には所属しておらず、
頭の出来は良いので勉強など苦にならず、
恋愛に至っては……過去のトラウマから、受け付ける事さえ出来なかった。
「あぁ、素敵なカレシ欲しいなぁ……」
放課後、学校の帰り。隣を歩く友人がそう呟く。
友人は、レナが被レイプ経験者である事を知らない。
対人恐怖症のレナにとって、いかに友人と言えど、まだ他者を信じる事は適わなかった。
どんな目で見られるかだろうか?
腫れ物を触るような扱われ方をするのではないか?
そう思うと、打ち明ける事もままならなかった。
「やっぱさぁ、初めては好きな人が良いよねぇ?」
何も知らない友人は、悪気無くレナにそう話しかける。
嫌いな男と初夜を迎えたいなどと考える女は、いないに決まっている。
レナも、どんなにか友人の言葉に頷きたいと思ったか知れない。
「うん、そうだね」
レナは、首を縦に動かさず、言葉だけであっさりと返した。
何事も無いかのように澄ました表情でそう答えるのは、たまらなく辛かった。
「夏休みなのに童貞のままとか、有り得なくなぁい?」
二十時を過ぎたあたりでかかる二流のテレビ番組で、
顔にモザイクのかかった女子高生が、臆面もなくそうはやし立てる。
モザイク越しでも、その女子高生の顔が不自然に茶色いのがわかる。
平成大不況を過ぎた未だに、ガン黒などというDQN丸出しのファッションを好む少数派はいるものだ。
「アタシなんか中1ん時にもうバージン捨てたしぃ〜」
別のモザイクDQNがそう言う。
司会を務める芸人が、苦笑いの奥で呆れをひた隠しにしているのがわかる。
隣でテレビを見ていた水城夏実が、気を遣ってレナの顔色を伺ってきた。
けれど、直接的に何か疑問をなげかける事は出来ない。
こんな番組、見てて平気?
そんな風に尋ねられたらいっそ夏実も楽だろう。
だが、被レイプ経験者に対して、そんな端的な尋ね方では、傷を抉る結果になるかもしれない。
レナにとっては逆に、そんな不自然な気の遣い方をされる方が迷惑なのだが、
夏実にはその匙加減がわからない。
そして、レナの方もそれをわかっているから、やはり夏実を責められない。
無言でレナの顔色を伺う夏実に対して、首を縦に振るか、横に振るか。
その程度でしか、彼女も自分の気分を答えられない。
レナは少し困ったように微笑みながら、それでもやはり首を横に軽く振った。
それを見て夏実も、慣れた手つきでチャンネルを切り替えた。
夜の帳が下りて幾時間か経った頃。
布団の中で仰向けになっていたレナは、暗い天井を所在無く見つめた。
クラスの友人の言葉が胸に刺さる。
『素敵なカレシが欲しいなぁ……』
『初めては好きな人が良いよねぇ?』
深く溜息をつくと、レナは美堂蛮の事に想いを馳せた。
「素敵な人、か……」
いないワケじゃ、ないよ……。
心の中で、友人にそう呟く。だが、詮無い事だ。
どの道自分には、愛する人に貞操を捧げる事はもう出来ない。
あの日……強姦されたあの日。
体が腐っていくような気がした。
相手の汚らしい舌に、卑猥な指使いに、おぞましい男根に、
自分の唇が、舌が、歯が、首筋が、乳房が、乳首が、臍の穴が、陰唇が、膣が、子宮が、そして心が。
ことごとく腐って取れるか、溶けるかしてしまいそうな気持ちだった。
いや、いっそ溶けてくれたらまだ救いがあったろう。
穢れた部分が、この身から削ぎ落とされてくれれば、楽だったかもしれない。
だが現実には、自分の体は汚れた部分を纏ったままだ。
頬を伝う透き通った涙すらも、淀んで黒ずんでいるような気がしてくる。
「奪られたら、奪り還せ……か……」
レナは、自分が敬愛する男の信条とするフレーズを口に乗せた。
奪られても、奪り還せないものだってあるんですよ、蛮さん。
何度そう言いたくなった事か。
けれど、自分のような汚れた、下らない女の言い分で、彼らのポリシーまで汚したくなかった。
「お前のバージン、奪還してやろうか?」
蛮がレナにそう言ったのは、買出しの手伝いをしてもらった、その帰りの事だった。
「な……は、何……何、言ってるんですか……?」
レナは戸惑った。
常から自分の穢れた体を気に病んでいた自分の心を彼が読み取ったのか。
それとも、夕暮れ時の坂道を仲睦まじく下校する小学生の男女を
羨ましそうに眺めていた自分が迂闊だったのか。
理由は判然としないが、しかし兎も角、蛮は彼女の想いを、ある意味で代弁した。
叶わないと知りつつも、どこかで望んでいた願望。
「今さ、小学生が通って行ったろ?」
もう既に背中が遠くなった無邪気な子供達を、蛮が指差す。
レナは答えなかったが、無言でいる事は肯定に等しかった。
蛮は構わず話し続ける。
「今のお前……老けてたぜ?」
「なっ……」
女性に対して何と失礼な事を言うのか、とレナは思った。
しかし、彼女が何か言う前に、蛮は小学生を指していたその指を
振り向いてそのままレナの片目にターゲッティングした。
「目だよ、目。人生見限った大人の親父みたいな目ぇしてたんだよ、お前」
レナは唖然とした。
周囲から見て、自分はそんなに重症だったのか……と。
「お前のトシでそんな目つきは似合わねぇんだよ。
……お前は俺みたいになるんじゃねぇ」
そう言うと、蛮はレナが持っていた買い物袋を取り上げた。
彼自身、既に重い方の買い物袋を一つ、片手に提げていたので、合計で二袋持つ事になる。
手ぶらになったレナは、申し訳なさそうに縋った。
「じ、自分で持ちますよ! お客さんに荷物全部持たせるなんて、そんな……」
だが、蛮は買い物袋をレナに返そうとはしなかった。
夕映えに溶け込みそうな……先程のレナなどよりも遥かに人生を見限った
老人のような瞳で、蛮はレナに呟いた。
「荷物なんざ、一人で担ごうとするもんじゃねぇよ」
一人で担ごうとするな、か……。
でも、それじゃあ、蛮さんはどうなの……?
あなたの過去は知らないけれど、あなた自身、全てを自分で背負おうとしてるんじゃないの……?
私はおろか、銀次さんにも、工藤卑弥呼さんにも、誰にも何も甘えようとしないで……。
それなのに、今尚、私を甘えさせようとするの……?
そんなの、あなたの荷物が増えるだけじゃないの……?
それでも、ねぇ……
私は、あなたに甘えて良いの……?
ラブホテルの一室。
レナの頭の中は、これから起こる事への不安と、そんな不安を抱えた自分を
優しく受け止めようとする憧れの男性への、複雑な想いでいっぱいだった。
奪られたら奪り還せ。
今宵、美堂蛮は本当に、彼女の処女を奪り還そうとしていた。
少なくとも、彼はそれが出来ると言った。
そして不思議と、彼ならば本当にそれが出来るのではないかと、レナも思った。
それでも、不安は残る。
処女を喪失したという事実は無くならない。
時間が逆行しようとも、記憶が残っていては意味が無い。
そして、仮にレイプされたという記憶が無くなり、手術か何かで処女膜を再生出来たとしても、
大切なのはそういう事ではないのだ。
今彼女に必要なのは、時間を誤魔化す事でも、物理的な処女膜の再生でもない。
有った事は、無かった事には出来ない。
必要なのは、全てを受け止めた上で、前を見る事だ。
レイプされたからと言って、いつまでも男性恐怖症、対人恐怖症ではいられない。
何かあればすぐ自殺を図るような虚弱な精神を、克服しなければならない。
この体のままでも大好きな人と満足のいくセックスが出来るのだと、確信する事だ。
愛を育む事が出来るのだと、強く信じられる事だ。
そして、その事を彼女以上に理解していたのが、蛮だった。
蛮はシャワーを浴び終えて、部屋に戻ってきた。
いつもはウニのように撥ねている髪も、湯に濡れて大人しく重力に身を任せている。
「次はお前の番だぜ」
レナはこくんと頷くと、穢れは払えないまでも、せめて汗ぐらいは落とそうと、シャワールームに向かった。
十分程経過しただろうか。
レナは、一日の汗を充分に洗い落とすと、バスタオルを体に巻いてシャワーを出た。
貞操感覚は既に欠如しているので、今更裸体を見られる事など大したものではない。
頭ではそう思っていたが、しかし何故か今夜だけは、強い恥じらいを感じていた。
「お……お待たせ」
精一杯気丈に、声を投げかける。
蛮が無言で手招きするので、レナはそそくさとベッドに向かって歩いて行った。
「ン……ちゅ……ッ」
ベッドに上がったレナを待っていたのは、蛮の優しい口付けだった。
彼のイメージにそぐわない、けれど彼らしい、ソフトで軽やかなキス。
バスタオルで体を隠したレナの、最後の心の壁を取り払っていく、不似合いな程紳士的な唇。
舌を入れられる事も、わざとらしく唇を擦れさせる事も無い。
ただ実直なまでに、柔らかく互いの唇を重ねあうだけ。
それは、双方にとって儀式的な意味合いがあった。
穢れない純情な恋なのだと、言い聞かせるように。
まるで、本当にこれから初めての夜を迎えるのだと、認識するように。
レナは今宵、何もしなくて良い。
初夜を迎える乙女は、自分からは何もしないものだ。
ただ相手に身を任せる。よがる事も、喘ぐ事も無く。
そう、それこそ、体を隠すバスタオルすらも、取り払うのは相手の男でなければならない。
「あ、あの……」
蛮がレナのバスタオルを脱がせようと手を伸ばした時、彼女は最後の挨拶を投げかけた。
それは、この場の通過儀礼のようなものだった。
「や……優しく、して下さいね……?」
まるで、本当に処女だった頃のようなトキメキを、彼女は感じた。
蛮は優しく彼女の頭を撫でると、その額に口付けした。
「心配すんな。全部俺に任せな」
たっぷり一時間程は経った頃。
その一時間の間、蛮はレナに、キスしかしなかった。
裸の彼女を抱き寄せたりする事もあっても、舌を入れる事も、胸を揉む事さえもしなかった。
処女に対して焦るのは禁物だ。
ただひたすらに、心が解れるまでソフトタッチなキスを繰り返す。
それは、レナが今まで味わった事の無い優しさだった。
あぁ……初めての夜って、こういう風なんだ……。
半分怯えながら、うっすらと開けた目で、彼女は蛮の顔を見つめた。
照明のトーンは落としてあるため、はっきりとは見えない。
だが、柔らかな顔つきをしている事だけは、触れればわかる。
しばらく考え込んだ後、レナは覚悟を決めた。
「あの……良いですよ、その……セ、セッ……!」
恥らいを知る乙女は、その言葉を口に乗せる事さえ躊躇われる。
今レナは、本当に処女だった頃の感覚に戻っていた。
最後まで言い切れない彼女の心を代弁するかのように、蛮が今一度彼女に口付ける。
そうして、唇を離してから、再確認する。
「痛かったり、気分悪くなったら、すぐ言えよ?」
「は……はいっ……」
非処女相手に「痛かったら」とは、彼一流のギャグのようだ。
だが、本当に破瓜の痛みを感じる事になるのだと、レナは間もなく知る事になる。
蛮の舌が、レナの口中をねっとりと這い回る。
恐れるように引っ込む彼女の舌の先端を、歯を、歯茎を、頬の内側を、遠慮なく舐め回す。
レナにとって、それは慣れた感覚の筈だった。
しかし、まるで初めて味わったかのような感覚に囚われる。
「ディープキスって、こんな感じだったっけ?」と思うよりもむしろ、
「これが、大人のキスかぁ……」という驚きの方が強い。
自分が今更そんな事に驚くというのが、自分でも理解出来ない。
恐る恐る自分からも舌を伸ばしてみようかと考えるが、どうしてもその勇気が出せない。
続いて繰り出される、蛮の乳房への愛撫も、
まるで初めて男性に揉まれたような、何とも言えない恥ずかしさがあった。
しかも、全く気持ちよくない。
蛮はテクニシャンだし、レナも一応経験者だ。
快感を得ておかしくない筈なのに、不思議と何も感じない。
指先が触れているという触覚は感じるが、それだけだ。
快感も何も無い。未知の体験への期待と、ほんの少しの不安があるだけだ。
彼女は今や、完全に処女の体に戻っていた。
蛮が執拗に乳首を攻める。
しかし、レナの乳首は勃つどころか、少しも硬くなる気配を見せない。
蛮は彼女の陰唇を指でなぞるが、やはり濡れてこない。
かすかに断続的な溜息を漏らすだけで、一向に快楽を得る事が出来ない。
「すみません……何か、私今日、調子悪いのかな……?」
中学生に不釣合いな巨乳の先端に吸い付きながら、蛮が答える。
「気にすんなよ。初めてだから、緊張してんだろ」
初めて……。
そっか、私。今日が、初めてなんだ……。
不思議と、心の底からそう思えた。
陰唇に触れる蛮の舌の感触も、生まれて初めてのものだと思えた。
わざとらしくチュパチュパと音を立てるその舌使いは、完全に未知の感覚だった。
「やだ……そんなトコ、汚いです……」
今更隠すようなものではない。
処女とは、頑なに自分の下半身を見られる事に恥じらいを感じるものだ。
しかし非処女であれば、感じる恥じらいは処女のそれ程ではない。
にも関わらず、レナは処女特有の恥じらいを、全身に染み渡らせていた。
下の毛の手入れは、ちゃんとしたかしら?
手入れし過ぎて、普通の女の子より薄くなってはいないかしら。
それとも手入れが足りなくて、剛毛だと思われたりしないかな。
こんないやらしいビラビラしたところ、じろじろ見て欲しくないなぁ。
暗いから平気かな。
どこまで見られてるんだろう。
尿道口は、勿論見られちゃってるよね。不潔だなぁ。
私のクリトリス、変な形してないかなぁ。
お尻の穴とか、見てほしくないなぁ。
処女が感じるそれら諸々の不安と恥じらいを、レナも今まさに、感じていた。
下半身を露わにする事への抵抗は、レイプ時にも感じた事だが、全く種類が異なる。
レイプ時のそれが恐怖と侮蔑であったのに対し、今蛮に対して思うのは、純粋な恥である。
それは、あんな形で処女膜を破られたレナにとって、一生実感する事がないと思われていた感覚だった。
「っしゃ……そろそろ良いか?」
蛮は、自らの唾液で充分にレナの秘部を濡らすと、部屋に備え付けてあったコンドームを取り出した。
不安で目をきつく閉じていたレナが、うっすらと目を開けてみると、
そこには立派に剛直した蛮の男根がそびえ立っていた。
見慣れたものの筈なのに、何故か初めて見たような感覚だった。
「うわぁ……男の人のって、結構グロテスクですね……」
「うっせぇよ」
蛮は手際よくコンドームを装着し、胸の前で両手をきつく組んだレナの股のあたりに狙いを定めた。
レナは、蛮の両手が誘導するがままに、両足を開脚させた。
「もうちっと腰浮かせてくれや」
「あ……うん……」
蛮は彼女の陰唇を指で左右に拡げ、自分の男根に手を添えて、少しずつ先端を挿入していった。
2cmも入っていないあたりで、レナが苦痛の表情を浮かべた。
「あ、あれ……? 痛い……っ」
疑問を口にする彼女に、蛮は優しく額を撫でる事で、無言の答えを返した。
初めてなんだから、当たり前だろ? そう言っているかのようだ。
「抜いて欲しくなったら、すぐ言えよ。無理はすんじゃねぇぞ」
そう言うと、蛮はもう少し力を込めて、挿入を深くした。
「いっ……あ゙ぁ……っい、痛……」
レナは瞳の両端に涙を浮かべ、下唇を噛んで痛みに耐えた。
バツン、と何かが千切れるような感触がした。
目を開けてみると、蛮の男根の根元に、血液が付着している。
それは、彼女の破瓜による出血だった。
「そうだよね……初めてなんだもんね……」
痛みを堪えて微笑むレナに、蛮も微笑みで返す。
十五分程かかったが、とうとう蛮の男根はレナの奥まで到達した。
「さすがにキツいな……巨乳でも中学生は中学生ってか」
「やだ、もう。子供扱いしないでよ……」
レナの口調は、まるで愛しい恋人とのお喋りのようだった。
バイト先の客でも、頼れるお兄さんでもない。
この瞬間だけでも、蛮は紛れも無くレナの初恋の相手であり、初夜の相手であった。
「動くぜ……?」
「え? あ、は……っ」
彼女が答えるより先に、蛮はピストン運動を開始した。
ずっぷ、ずっぷと、男根が膣で擦れる音がする。
パンパンと肉がぶつかり、ポタポタと血が滴る。
しかしやはり、彼女自身は全く気持ち良くなかった。
段々良くなってくるかと思ったが、一向に快感を得られない。
飛び散り、腹の上に迸る、蛮の汗。
そして、今尚静まる気配の無い破瓜の痛み。
それだけが、彼女が感じられるものだった。
「どうよ、レナ……気分はよぉ……?」
ハァハァと荒い息を吐きながら、蛮が尋ねる。
「全然……っ気持ち……良く……んくっ……ない……ですっ……ん……」
蛮はなおも腰を打ち付けてくる。
「でも……はぁっ……痛くて……凄く……痛くって……い、あっ……」
「痛くて……何だ……?」
レナは、恥じる事を捨てて正直な感想を述べた。
「痛いから……こそっ……蛮さんを……強く、感じ……るぅっ……!」
蛮はラストスパートをかけた。
「わたしぃっ……初めての、相手が……蛮さんで……良かっ……!」
最後の瞬間、レナの中で何かが弾けた。
オルガズムでは、無い。
それは、目の前のブラウン管が割れたような、そんな音だった。
次に目を覚ました時は、もう翌朝だった。
蛮は一足先に起きて顔を洗っていた。
「よう、寝覚めは如何? お嬢さん」
レナはノロノロと起き上がると、ベッドサイドテーブルに置いてあったサングラスを取って
それを手練の手品師に手渡した。
「蛮さん……男性なのに、よく処女の痛みとか感覚とか、わかりましたね?」
昨夜の性交は、全て邪眼の中の出来事だった。
処女としてのセックスをレナに味わわせるために、蛮が組んだ芝居だった。
そしてレナも、途中からその事に気付いていた。
「別に。自分の感じた事の無い痛みや感覚でも、邪眼を使えば相手に植え付ける事は出来るさ。
それが出来なきゃ、核爆発なんて幻覚を見せる事も出来ねぇしな」
レナは、彼が何の話しをしているのか、ちょっとわからなかった。
しばらく考えて、それは以前彼から聞いた武勇伝の一つ、
無限城の少年王MAKUBEXにかけた邪眼の内容だったと気付いた。
なるほど、確かに自分の味わった事の無い感覚でも、相手に味わわせる事が出来るようだ。
魔術か何か知らないが、『神の記述』のドミネーターだったレナには、飲み込めない話ではない。
だが、昨日の出来事が、客観的にはただの幻だったとしても、何も問題は無い。
他者から見れば、欺瞞や誤魔化しと、何も変わらないように思えるかもしれない。
だが少なくとも、レナにとってはあれが「本当」なのだ。
「まだ、チェックアウトまで二時間くらいありますよね?」
「あぁ」
蛮は時計を見て時間を確認した。正確には二時間と十三分ある。
それまでは、この部屋を使っていて構わないのだ。それだけの料金を払っている。
「それじゃ今度は、幻なんかじゃなく、本当に私を抱いて下さい」
レナは、積極的に蛮の片腕に組み付いた。
昨日までの、男性恐怖症の彼女からは考えられないアクションだった。
「お、おいお前……」
蛮には、それを断る事は出来なかった。
そもそもレナが蛮に抱かれたいと思った事の目的は、このレイプされた体のままでも
大切な人と普通に愛し合えるという事を、確信する事だった。
蛮はそれに、レイプではない、愛のある初エッチの感覚をプレゼントする事で答えた。
レナにとっては、蛮が味わわせてくれた初夜こそが、本当の初夜なのだ。
過去にはレイプも確かにされたが、今ならそれも乗り越えられる。
邪眼は、欺瞞や誤魔化しなどではなく、「彼女にとっての」真の初夜を、彼女に与えたのだ。
そうとなれば、当初目的を達成しようと思うのは、彼女にしてみれば当然の事である。
当初目的。
即ち、大切な人と、普通に愛し合う事。
「ちっ……これだからセックス覚えたての猿はよぉ……」
蛮は、懐く子供の頭を片手で抱くと、そのままベッドに彼女を押し倒した。
「言っとくがな、俺はユメん中ほど優しかねぇぞ?」
レナはにっこりと微笑む。
「大丈夫ですよ。私、こう見えてもエッチ慣れしてるんですから。
少々の事では痛みなんて感じませんっ。」
レイプされた事実すらも、今では笑い飛ばす事が出来る。
他人から見れば、歪んだ満足感かもしれない。
心の傷に目を背けて、無理矢理笑い話にしているように映るかもしれない。
確かに、苦い過去ではある。
だがそんな過去も、これからは少しポジティブに捉えられるかもしれない。
何と言っても、レイプされていたお陰で今、蛮と、痛みなどの邪魔な感覚に阻害される事なく
純粋に快楽を貪る事が出来るのだから。
レナは蛮の首に両腕を回し、積極的にディープキスを求めた。
蛮が指を這わせると、レナの陰部は既にほんのりと湿っていた。
「ガキのくせに……」
「何か言いました?」
「何も……」
連投規制に引っかかったのか?とりあえずレナかわいいよレナ
いや、別にかかってないよ
これで終わり
「終了」って書くの忘れてた
GJ!! 素晴らしい!!
177 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:23:41 ID:B0vUu0vp
ほしゅ
ほしゅる。
自分にネタと文才があれば…
180 :
178:2006/12/29(金) 22:35:59 ID:5KJRJA3B
>>179 是非やってみたい。
まあ、嫌だやめろ論外だ、と言うやつもいるかもしれないからいろんなひとの意見も聞きつつとりあえずのネタ
□りょうじょく(敵に捕まって・レナの義父とカテキョ・仲間の裏切?)
□お約束(遭難・イケナイお仕事等々)
□季節(正月・風邪)
□純愛系(初めて系?両親)
□武器?(邪眼・毒香水・糸・動物…)
□設定無視(パロディ・パラレル・家族)
キャラ
■ヘヴン・朔羅・卑弥呼・レナ・夏実・クレイマン・マドカ・婦警さん・蜘蛛の人達・蝶の人・ヘラ・きらら・舞矢・いろんな母親・マリーア・蛮祖母等々
頑張って出してみた。短いのが一つくらい出来るかも。
個人的にお約束に心ひかれてる。
いろんな母親……って……
まさかカード編に出てきたカケル達の?
蛮母・花月母等。彼らはこうして出来ました、みたいな。
それはやってみたい。
書きたい気持ちはあるけど長編を書くほどのモチベーションがなくって…
卑弥呼なら必ず書きますよ。
何も長編でなくとも良いんでない?
このスレは何故だか短編が一本も無いけど
185 :
183:2006/12/31(日) 20:30:09 ID:XEC/R1LN
短編を綺麗にまとめる技量がないから、もしくはあまり短編に魅力を感じないから
書こうと思わないのかな…
陵辱モノでヘヴンや他キャラを出すのはありきたりだけどアリかな、なんて思ってたりもする。
ただリレーなので他の書き手様の意見もキボン
盛り上がりそうな予感(゚∀゚)
始めに仲介屋を凌辱
↓
仲介屋を利用して他♀キャラを凌辱
↓
ハーレムEND…
ダメだ、月並みなエロゲみたいなのしか浮かばん(;´Д`)
意欲を沸かせるような起爆剤にならないかと思ったけど(;´Д`)
あれだ、むしろ最初に筋書きを取り決めないで
各人がアドリブで続きを書くってのはどうだ?
……AB型の発想だな、スマン忘れてくれ
ややこしくなりそうだから
無垢な夏実ちゃんにいけないお仕事させたい(´Д`)
やってはみたいが、誰かが取りまとめ役をしないと進まないと思う。
KYOの単行本読んでて、唐突に「奪還学園」なんてネタを思いついてしまった
191 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 19:56:44 ID:O4REosIL
>>190 学園ラブ?例えば…
美しい巨乳新任教師ヘヴン。その美貌と胸の虜になった男子生徒が、放課後の個人授業で…
とか
サッカー部キャプテンと、マネージャーの夏実は、夜遅くまで部誌を書くために部室に残っていたが…とか?
リレー小説をするなら、まずは人数確認とそれから順番を決めるのか不可欠。
ある程度のストーリーは決めておくか、落ちを書く人を決めておくかしたほうがいいとおも。
あとは視点(一人称か三人称か)の統一とか文末(ですます、〜だ〜である)の統一とか、気になるならやるべき。
とりあえず何か短編でも頑張って考えてみようとするか…
パラレルなら書く、原作の世界観のままなら書くっていうのも分かれそう。
少しでも参加の意志がある人がどれだけいるかな。
193 :
191、またの名を178:2007/01/01(月) 22:46:45 ID:O4REosIL
そのうちの一人。
とりあえず先に上げた教師ネタで書いてみた。
_____
育児休暇のため休んだ数学教師に変わってやってきたヘヴン先生。
きれいでスタイルがよくて頭がよくて、優しくて…そんな彼女は、いまや俺の、いや全校生徒の憧れだ。
残念ながら普通な俺は、数学の点も普通で、特に覚えてもらえるような生徒じゃない。
憧れを憧れのまま、青春時代の思い出にしよう、と俺は心に決めて、普通な日々をすごしていた。
ある日、帰宅途中に辞書を忘れたことに気がついた。今日の宿題はあれがないと出来ないのに。
仕方なく来た道を戻り、夕暮れ時の教室に向かう。
すでに人もまばらで、喧騒は遠い。
情けないことだが薄気味悪く感じ、早く帰ろう、と勢いよく扉を開ける、と。
「きゃっ!」
「え?」
短く叫んだのはヘヴン先生だった。
「あら、あなただったの。びっくりしたわ…忘れもの?」
「は、はい…せ、先生は?」
「私も忘れもの。どこかに教科書を置いていっちゃったみたいで、探してるの」
恥ずかしそうに笑う先生。可愛い。
「あ、き、教科書といえば、授業のあと誰のかわからない教科書があって日直が本棚に…」
先生の役に立ちたくて俺は急いで本棚の前に立った。
194 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 22:58:33 ID:O4REosIL
「あ!これです。先生の教科書はこれですか?」
差し出すと先生はうれしそうに頷いた。
「そうよ、ありがとう。こんなことまで覚えているなんて、やっぱりあなたは真面目ね」
「いや、そんなことは…」
「そんなことあるわよ。あなたいつも私の授業を一番真面目に受けてくれてるもの。先生は見てるのよ」
先生はいたずらっ子みたいな顔で笑った。
ヘヴン先生、俺に気づいてくれてたのか…うれしい。
「い、いや、だって、ヘヴン先生の授業はわかりやすくて…」
「そういってくれるとうれしいわ。授業でも、授業以外でも、わからないことがあったら聞いてね?」
授業以外でも。その言葉に俺は思わず口を開きかけた。それに気づいたのかヘヴン先生は、「何?」と優しく尋ねる。
せっかくだし、聞いておこう。優しい先生だから、俺を嫌いになんてならないだろうし。
「せ、先生は、恋人がいるんですか?!」
「あら…ふふ、どうかしらね」
先生は一瞬驚いたような顔をしたけどすぐにはぐらかした。
…やっぱり彼氏、いるんだろうなぁ…先生、きれいだから。
「…ねぇ」
落ち込んだ俺に先生はからかうような笑みを浮かべた。そんな表情でも、ヘヴン先生はきれいだ。
「個人授業、してあげようか」
「え?」
ヘヴン先生の言葉に俺は困った。
個人授業、なんてうれしいけど、数学という教科は進んでやりたい授業じゃない。
ヘヴン先生との個人授業をとるか、休息をとるか…微妙な二択である。
195 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 23:11:37 ID:O4REosIL
「まあとにかく座りなさい」
ヘヴン先生が座れと俺を促したのは、何故か椅子ではなく机だった。
「え?あの…」
「あなただけに、特別な個人授業をしてあげるのよ、さ…」
特別な個人授業…その、ギャルゲーか何かのような展開に俺の期待は一瞬で高まった。
言われた通りに机に座ると、俺の足の間にヘヴン先生が身を屈めた。
大きな胸の谷間がこれでもか、というくらいよく見えた。
そして先生はその胸を、躊躇いもなく服を下げてさらけだした。
「へ、ヘヴン先生…」
「他の人には内緒よ?」
妖しく笑うと先生は俺のズボンのファスナーを下げて、先生の巨乳に興奮しまくってる俺の……俺自身を取り出した。
「うふふ、まだまだ若いわね」
ペロン、と先生が俺自身の先端を舐める。
「せ、先生…」
「ふふ、とっても気持よくしてあげるからね?」
ヘヴン先生はその豊満な胸で俺自身を挟んだ。
こ、これが世に言うパイズリか?!やばい、気持ちよすぎる…
先生の柔らかな胸が俺自身をこする。
「ね?気持ちいいでしょ?」
「気持ちいいです!先生…うっ!」
俺は堪らなくなって先生の乳首に手を伸ばした。
固くなった乳首をコリコリと手でまさぐると、先生は「あ…」とすこし声を出した。
196 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 23:25:37 ID:O4REosIL
気持ちいいのかな、と思いさらにいじくってみる。
「あ、んん…あなた、とっても、あ、上手よ…」
とすごく色っぽい声で言った。
それでも先生は胸で俺自身をこするのをやめない。
時々ちゅばちゅばと俺の先端をくわえて、舌で舐める。
「っ、先生…先生…!」
先生の唾液で、胸の動きが早くなる。
ぐちゅ、ぶちゅ、となんとも卑猥な音が響く。
自身がそろそろやばいのがわかった。
俺だけが気持ちよくなるのはなんだか先生に悪くて、とにかく俺は先生の乳首をコリコリとしている。
「あ、ん…!もっと…」
「せ、先生、先生!おれ、もう…」
「いいわよ、気持ちよくなりなさい…全部受け取ってあげるから…」
先生のお許しが出たかと思った瞬間、俺は頂点に達した。
先生が俺自身をくわえて、俺が吐き出した液を飲みほしてくれた。
「す、すみません先生!」
「いいのよ。どう?気持ちよかった?」
「はい!」
先生が服を直しながら聞いた。
もう気持ちいなんてもんじゃない、まさに天国に昇るかのごとき、快感だった。
「続きは明日の個人授業で。予習をしてくりのよ」
予習をしてこい、というのはヘヴン先生がいつも普段の授業でよく言うことだ。
お茶目に笑う先生に、俺は「はい!」といつも以上に大きな声で言ってしまった。
ヘヴン先生はふふ、と笑い、立ち上がった。
「次はもっといいことしましょうね」
万歳俺の青春時代。
ほとんど下書きも何もないうえにsage忘れ…orz…あんまりエロくないし。
自分まだまだです修行してきマッスル。
やっぱりいきなりリレー始めるのはマズイだろうか?(´・ω・)
卑弥呼凌辱モノ冒頭書いてみたけど…
うはリアルタイムでネ申に遭遇してしまった。超GJ!
俺も全裸で予習して続きを待つぜ
>>198 とりあえず出来たぶんを書き込んでみるのはどうだろうか。
自分は凌辱ものは書けるか分からんが、是非見てみたい。
それか今から参加者を募るか。
リレーやりたい人何人いる?
自分こんなジャンルなら書く、って人も是非、「〜なネタやりたい」っていうのを待ってます。
勿論リレーじゃないのも待ってます。
>>197 超GJ!
下書きしてないのなんて気にする必要無し
むしろぶっつけ本番で書いたからこそ、勢いが殺されてなくて
しかも導入部分が長くないからサクッと読めて、ヌくのに最適
下書きとか、ワードに書き溜めてから纏めて投下とか、そんなの気にするのは
今のぶっつけ本番的手法に行き詰ってからで良いんでない?
個人的で偉そうな見解だけど(^_^;
202 :
197:2007/01/02(火) 11:39:19 ID:NUyKWI7c
>>201 そう言ってもらえてうれしい。でも誤字脱字とかは気をつけたい。
203 :
198:2007/01/02(火) 16:19:56 ID:RBFugnnu
とりあえず冒頭を書いてみたので投下してみる。
下手な文章と、凌辱ネタが嫌いな人は読み飛ばしてください。
204 :
198:2007/01/02(火) 16:21:53 ID:RBFugnnu
卑弥呼凌辱ネタ冒頭
「――う、んっ……」
小さなうめき声とともに、『レディポイズン』工藤卑弥呼はその意識を覚醒させた。
ぼんやりと未だ霧のかかったような意識の中その瞳を周囲へと移す。
7畳ほどの広さだろうか、無機質なコンクリートのうちつけの壁が周りを囲み、
2,3個の裸電球が部屋を薄暗く照らすその部屋の中央に卑弥呼はいた。
窓もなく、少し肌に湿気を多く感じるあたり、どこかの地下なのだろう。
そして褐色の肌の細い腕に感じる冷たい金属質の感触――
天井につけられた滑車から伸びる鈍く銀色に光り輝く鎖が自らの腕に絡みついているのを感じた時、
卑弥呼はようやく自分が捕われたことを理解した。
(…足の方は自由は利くみたいね。ま、殺されたなかっただけマシってとこかしら。鎖は…緩くはないみたいね。)
冷静に今の自分の状況を見極めながら、脱出口となりえそうな場所が左隅にある鉄製の扉であることを確認する。
鎖の拘束具合を確認するために一度体を揺らせば、
邪眼の男に貧乳と呼ばれる(もっとも、【ヘヴンと比べたら】なのだろうが)柔らかな乳房が服の中で窮屈そうに揺れる。
「さて…と。さっさと抜け出しておかないと、明日の仕事の方に支障が出るし… どうするか、だけど……」
今回の依頼の品の方は無事に届いただろう。自分はフェイクの品を持ち敵をひきつけておいた。
何より、ミスター・ノーブレーキとDr.ジャッカルのコンビに勝てる人間などそうそういるものではない。
これくらいの状況ならば、何度か体験している。
思ったよりも落ち着いている自分自身を感じながら、卑弥呼は今の状況から逃れる手段に考えを巡らせていた。
そして――
卑弥呼が逃げる算段を巡らせ始めるその時と同じくして、重々しい金属音と共に鉄製の扉が開かれた――――
205 :
198:2007/01/02(火) 16:23:18 ID:RBFugnnu
何も設定決まってないから相手キャラとかをまだ登場させないようにしたけれど…
何か説明臭いものになってしまってる…すまそ。
自分だったら鏡を登場させてしまう…
___
「やぁ、ハニー」
場違いに明るい声が響いた。
卑弥呼は思わず目を見張る。何故、彼がここに。
「久しぶりだね。君に会えてうれしいよ」
「鏡…なんであんたがここに」
 ̄ ̄ ̄
てな感じで。
自分軽いノリでしか書けないからな…
207 :
198:2007/01/02(火) 23:12:41 ID:wMz92u7i
私的には絃で遊びたかったから、赤目小弦太とか黒鳥院夜半とか考えてた。
ただ赤目なんてチョイ出の脇役だし、
夜半は絡んでないからね…
そして冒頭文でちょっと雰囲気を決め付けすぎたかもしれない、
感想とか指摘よろ(´・ω・`)
後、リレー受け継いでくださる方も募集中。
予想外の展開を楽しむのがリレーの醍醐味
と、リレー小説をやった事の無い者が申しております
現れたのは意外な人物だった。
「天野…」
卑弥呼ににっこり微笑んだのは、奪還屋の一人天野銀二だった。
あんたどうしてここに、と卑弥呼が問うのを無視して、銀二は卑弥呼のそばにいき身を屈めた。
鎖の強度を確かめるように2、3度ひっぱる。
とりあえず助かりそうだ、と安堵した卑弥呼だったが。
「さすがは無限城製の鎖だ、びくともしないね」
「え…?」
銀二の言葉に卑弥呼は取っ掛かりを感じた。
「卑弥呼ちゃんのことだから俺が来る前に脱出しちゃうかも、って焦っちゃった」
よかったら間に合って。
決定的な言葉を聞いてもなお、卑弥呼は信じられなかった。
だって、彼にはこんなことをする理由も度胸も、ない。
はずなのに。銀二は笑顔であっさり言った。
「おれだよ?卑弥呼ちゃん縛ったの」
銀二は卑弥呼の頬に手を伸ばした。逃げようにも鎖に繋がれ動けない。
恐怖が沸くのを必死に押さえ、卑弥呼は気丈に銀二をにらんだ。
「近付かないで。あんたがどうしてこんなことするのよ?」
「卑弥呼ちゃんってほんと俺のこと嫌いだねえ」
断定口調。悲しげではなく、むしろ楽しそうに。
意図がつかめず、戸惑いながら答える卑弥呼。
「…そりゃこんなことされて好きになる奴いるわけないでしょ」
「そうじゃなくて。最初っから俺のこと嫌いだったよね。俺が蛮ちゃんの隣に居るから」
隠していた想いをいい当てられて、卑弥呼の頬が赤く染まる。
「ほんと卑弥呼ちゃんってわかりやすい」
「るっさい!」
「だから俺卑弥呼ちゃんのこと大好きなんだ」
銀二の顔がゆっくり近付く。顎を強い力で捕まれ、卑弥呼は目をそらすこともできない。
「ね、銀二って呼んでよ」
「……や」
「呼べよ」
卑弥呼の体がびくりと跳ねた。
書き逃げダッシユ!
銀二が嘘銀二ですいません。
でも銀二×卑弥呼ってアリじゃね?ナシですか…。
あとは好きに料理してください。
凌辱の名にふさわしいエロを期待。(他力本願)
リレーがつづきそうなのはうれしいし、参加していただいて嬉しい。
ただ、
×銀二
○銀次
なんだよね…これだけ間違ってると読みにくくは…
銀次の表情は、笑顔のまま。それがより、恐怖をそそる。
卑弥呼は必死に口を閉じた。これでもかと言うくらい固くきつく。
名を呼んでしまえば済むことかもしれない。ただそれだけで逃れられるかもしれないのに、負けん気の強さのせいか、はたまた想いの強さのせいか…まだ彼女には銀次にへりくだるという行為は出来なかった。
「…ほんとに卑弥呼ちゃんは可愛いね」
そうやって、彼を拒む行為にすら、銀次は笑う。それは彼の愛情の深さを表しているのだろうが、卑弥呼はただ背中がぞっとした。
別に嫌いじゃなかった。蛮の隣にいたのには腹が立ったけど、優しくて、明るくて…
「血、出てるよ」
その彼は、ゆっくり彼女に顔を近付けると、固く結ばれた唇に舌を這わせた。
「!っな」
思わず言及しようとして、口を開いてしまった。その隙をついて、銀次の舌が腔内へと侵入してくる。
「〜〜〜っ!」
声にならない声。目を見開いた卑弥呼には、瞳を閉じキスに没頭する銀次が見えた。
逃げようと身をよじるも、銀次の手がしっかりと肩を掴んでいる。
舌を噛みきってやろうとすると、彼の舌は逃げ歯列をなぞったり唇の裏側をくすぐったり、それでまた彼女の口が開くと舌を侵入させる、いたちごっこが繰り返される。
そうこうするうちに銀次が唇を離した。
―――
こんな感じでどっすか?次からは是非エロエロで!
満足に呼吸が出来るようになって、ようやく卑弥呼は一息つけた。
「ふあっ……」と、心持ち大きめな声をあげながら、二酸化炭素を吐き出す。
痛む唇に危機感が煽られ、目の前の男を涙目で捉える。
本人が正気だと思っている狂気程、敵に回して恐ろしいものはない。
目の前に立つ銀次は、ある意味で雷帝よりも恐ろしく見えた。
「この鎖、裏新宿の街角で拾ってきた奴だけど、結構頑丈でしょ?
俺、正式な捕縛の仕方とか拘束の技術なんて知らないからさぁ、
とりあえず適当に絡ませてみたんだけど……」
卑弥呼の腕をグルグル巻きにした鎖は、確かに素人丸出しな絡み方をしていた。
だが、それ故に明確な解き方が存在しない。
卑弥呼も、ある程度の縄抜けなら出来るが、これはかなり厄介だ。
「アンタっ! これ解きなさいよ!」
「いやぁ〜……俺にもちょっと無理、かも」
案の定だ。
銀次自身、無茶苦茶に絡ませ過ぎて解き方がわかっていない。
大きめの工業用ペンチでも使わなければ、これを外す事は出来ないだろう。
あるいは、ガチャガチャと腕を動かしている間に、運良く外れてくれる事を祈るしかない。
試しに腕を左右に振ってみるが、いまいち外れそうな気配は、やはり無い。
「無駄だってば、卑弥呼ちゃん。蛮ちゃんにでも頼まない限り、それ素手じゃ外れないよ」
銀次は卑弥呼の左腕を縛る鎖に手を添えた。
そして、一気に放電する。
「ちょ、何を……ぎぁっ!」
帯電した鎖は卑弥呼の腕を伝って、左胸に到達した。
軽い電気ショック程度だったが、心臓を刺激されて激痛を感じないものはいない。
たった0.何秒かの放電で、卑弥呼は失神直前にまで意識が落ちかけた。
「大人しくしててよぉ、卑弥呼ちゃん。俺が面倒くさいじゃんか」
ふと思ったんだけど、卑弥呼には傀儡香があるんだよな……?
あれ使わないのかね、卑弥呼
>>212 噂のご都合主義、というやつ。
原作でもあるじゃん、なんか「あれ?こここうしたらいいのになんでしないんだ」っての。
突発的なものだからどうなるかと思って見てたけど、リレー続いてるようでよかった。
がorz _| ̄|○
198氏の要望を踏まえて黒鳥院夜半を絡めたエロ手前〜前戯くらいのを
作ってしまったはいいが、起きたら他のSS書き様が投稿されてた。
もちろん「次書く」と言わずにいた自分が悪いんだが、
この作品はゴミ箱へ捨ててしまうべきだろうか
>>214 のせてしまえ。別ルートバージョンということで全てが解決する。
仮に今書かれてるのをA、そっちをBとか名前つければいいと思。
いや、どうにかして銀次と夜半が
共謀して卑弥呼をとっ捕まえたという風に筋書きを変更すれば
ルートを分けなくても、
>>214の書いたものも活かせるんじゃないか?
銀次が卑弥呼を散々虐めた後で夜半が現れて
「実は僕が一枚噛んでいたんだよ」とかw
捕まえたのが夜半、その話を持ち掛けたのが銀次、みたいな感じとか?
これなら今までの話もそうおかしくないのでは?
捕まえられた本人の卑弥呼が捕まえた銀次が現れて驚いたことへの説明にもなるし。
とりあえず
>>214の意見も聞きつつ、続きを誰か…
とりあえず、無理やりな感じになってしまったけど投下してみる。
銀次は呪刺繍を打ち込まれていたなんて無理やりな感じで…。
二個あるけどとりあえず一個目だけ投下、
続きが読みたいという言葉があれば二個目も投下します。
219 :
214:2007/01/04(木) 21:52:42 ID:Go0qooQN
なんなのだろう、この目の前の男の狂気は。
いつもと同じような笑みを浮かべてはいるが、そこには恐怖しか感じ取ることができない。
「………?」
ここで卑弥呼はとある事に気づいた。笑みを浮かべ狂気を振りまく、天野銀次のこめかみにある
「黒い刺繍」に。どことなくいつもの天野銀次に比べて瞳に生気がないのは、何かそれが関係あるのだろうか。
「天野、あんたそれ……」
「起きたようだね。どうだったかな?前座としては中々に趣深いものだったろう?レディポイズン。」
「っ!!」
卑弥呼の疑問の声は、卑弥呼の背後――最も、卑弥呼がその気配を感じ取ることは今の今まで出来なかったが――
より発せられた声により遮られた。
「和」と呼ぶにふさわしいような、羽織と袴に身を包むその男がゆっくりとした足取りで卑弥呼の眼前へと回りこむ。細身に端整な顔立ち。
「誰よ、あんた………」
自分の声が震えていなかったかどうか、卑弥呼は自身が持てなかった。病弱そうにも見えるその細身から発せられる気は、
一流の運び屋でもある卑弥呼の脳内に、激しく警鐘を鳴らす。蛮よりも、鏡よりも…計り知れないほどの強さを秘めている。
口には決してだせないが、自分ではこの男に勝つのは難しいだろうと卑弥呼は瞬時に判断した。
一度姿勢を正すために、鎖を鳴らしその身体を艶かしく揺らし夜半の方を睨みつける。
「自己紹介が遅れたようだね。僕は黒鳥院夜半。はじめまして、レディポイズン・工藤卑弥呼。こんな歓迎をしたことをまずは詫びよう。
だが、面白い趣向だったろう?雷帝と呼ばれ恐れられる天野銀次が狂気を君に向ける様は。」
いつの間にか口を真一文字に紡ぎ、光のない瞳で夜半の後ろにひざまづく天野銀次を見て、何らかの方法で操られているのだろうと気づく。
(…まったく、甘ちゃんはこれだから…)などと心で馬鹿にしながらも、目の前に佇む夜半の方からは眼を離さずにいた。
「…ハジメマシテ。随分な歓迎をしてくれたようだけど、一体何のつもりかしら?言っておくけどあたしを捕らえたって、この仕事には支障は――
「君の事は」
卑弥呼が言い終わらぬうちに、夜半はゆっくりとその唇を開いた。
「以前から無限城の方にも噂は届いていたよ。そして、そこの雷帝からも多大な情報はいただいた。貴方を捕らえたのは仕事ではない、
単に僕が君に興味を持ったからだよ。一流の運び屋として可憐に裏で活躍する、レディポイズンの「誇り」を見たくてね…」
「誇り…?」
「レディポイズンが「レディポイズン」であり続けるか――それとも、僕の玩具となるかを。」
「どういう意味かしら…?」
夜半の放つ雰囲気から、多少なりともこれから行うであろう行為は理解できた。それでも、この目の前の底知れない雰囲気を放つ男
が一体何をたくらんでいるのか、確かめる必要があると感じた卑弥呼は改めて聞き返す。
夜半の冷たい瞳はまっすぐに卑弥呼を見つめ――その瞳を臀部や乳房、そして何より、勝てないであろうことは理解しているだろうに、
殺気を込めた瞳でまっすぐに睨みつけるその表情に口元を綻ばせた。
「レディポイズン。君には――」
220 :
211:2007/01/04(木) 23:22:22 ID:Y8X+BrkK
>>214 是非続きを!ぶたぎりは気になりすぎる!
221 :
214:2007/01/05(金) 02:47:38 ID:X9QmCWSC
一応2個目投下します
222 :
214:2007/01/05(金) 02:51:20 ID:X9QmCWSC
「レディポイズン。君には「牝」としての試験を受けてもらう。」
「っ! ―――どういう意味よっ!」
「分かりやすく説明しようか。その方が君もこれからの事が分かって楽だろう。
僕は今からレディポイズン、君を犯す。あらゆる技巧を駆使してね。
裏の風鳥院には女性を篭絡するような技もいくつかある。 そして、君が全てを忘れ、
快楽だけを求め貪る獣…「牝」となれば、合格…僕の性奴隷、玩具として側においてあげよう…そういうことだよ。」
自分の言葉に鋭い反応を示す卑弥呼が面白い、とでもいう風に夜半は笑みを浮かべる。
そして何より、一流の運び屋のプライドが勝るか、牝としての本能が勝るか… この強気に振舞う女が、果たして「牝」となるのかを
自分が運命を握っているということが夜半にとってはこの上ない楽しみだった。
その卑弥呼はと言えば、あまりにも露骨な表現と…笑いながら狂気の沙汰を話す夜半に、言葉が出ずにいた。
ただ、多少その頬が赤らんでいるところを見れば…これから何が行われるのかは理解できたのだろう。
「…冗談じゃないわ。あたしは『レディポイズン』工藤卑弥呼よ?あんたの思ってるようなことになるとでも思うんなら、とんだ笑い草ね。」
「それでいい。工藤卑弥呼、君は君の全存在とプライドを賭け自分を守り抜く…そして僕は、それを少しずつ打ちこわし、
新たな君の可能性…「牝」、「性奴隷」としての工藤卑弥呼を作り上げていこうじゃないか。」
言葉を紡ぎながらも、夜半はスリットはその綺麗な脚を見せ付けるかのように深く入れられ、胸元に煌びやかな刺繍の入ったチャイナドレス
(永遠の絆を奪りかえせ、蟲編で着ていた衣装)を身にまとう卑弥呼を値踏みしていた。
無駄な贅肉など一つも見あたらない細く引き締まった腰、そこから丸やかなラインを描き出す尻肉、そして少し背を反らすようにして拘束されている
ために強調される乳房のライン―― どれをとっても楽しめそうだと、夜半は口元を再び狂気に歪めた。
先ほどの天野銀次の放った電撃に合わせ、卑弥呼の淫らな素質を秘めた身体を包むチャイナドレスに
夜半の放った黒い弦が縫いこまれたことを卑弥呼は感じ取れてはいないだろう。
雷帝と同じようにこめかみに呪刺繍を打ち込めば、何の苦労も無く目の前の女は自分にひざまづく。
だが、それではなんの面白みもない。
プライドを快楽で打ち崩し、ただひたすら快楽を与えることで「牝」へと堕落させる…
誇り高いレディポイズンでそれを楽しめるのだ、と夜半は自身の下半身がすでに熱くたぎっていることを感じていた。
「あんたが何を言おうと、何をしようとあたしは「あたし」よ。あんたなんかのチンケな遊びに付き合ってる暇はないし、付き合うつもりもないわ。
天野みたいに簡単に自分のものに出来ると思ったら、大間違いよ…」
「その強気を保っていてくれると嬉しいな…それでこそ、「牝」としての飼育のしがいがある。さぁ、レディポイズン・工藤卑弥呼。
『性奴隷』としての試験を、はじめようか…」
「っ――――!」
―――――――――――――――――――――――――――――
というところまで書き上げました
なんだか流れを大幅に変えてしまったみたい(´・ω・`)
何か決まった流れがあったらいいだろうと思って、
服装と「牝」とか「性奴隷」とか、自分好みだけど
キーワードみたいなものを入れ込んでみた。
後はお願いしますorz
それは一瞬の出来事だった。
チャイナドレスの襟から腰までが、急に破れたのだ。
柔らかな膨らみが二つ、服が破れた反動で揺れる。
「い、いい加減にして!」
頬を少し赤らめつつ、卑弥呼は強気に怒鳴る。これくらいの辱めは数回受けているから、慣れはしないが強気ではいられる。
そんな彼女に夜半は表情を変えず、無言。代わりとばかりに答えたのは、銀次だった。
「…卑弥呼ちゃん」
ゆっくりと近づく正気を失った男。
「何………!!」
目の前まで来た銀次は、彼女の胸を無遠慮に揉み始めた。
「蛮ちゃんって、嘘つきだね。卑弥呼ちゃん全然貧乳なんかじゃないのに」
「や、だめ、やめなさい、天…」
行為を止める声は続かなかった。
銀次が、揉みしだいていた手を止め、代わりに固くなってきた乳首を吸いあげたからだ。
「ひあっ!」
ちゅうちゅう、と無心に乳首を吸う銀次。
その瞳に生気は薄い。まるであやつられているような。
卑弥呼はその快感に染まりそうになりながら、夜半を潤む瞳で捕えた。
「あんた、こいつ、に、何を…」
「ただ彼の理性を取り除いただけだよ。彼が今していることは、彼が心の奥底でやりたいと望んでいたことだ」
銀次が急に軽く歯を立てた。
「ぅあっ!」
彼はゆっくりと片方の胸を揉みながら、もう片方の乳首を吸い続ける。
これが、あの天野銀次が心の奥底で望んでいたこと…?
声を押さえようと必死になりながら、卑弥呼はぼんやりとそう考えた。
―――
携帯からなのでいまいち長く書けない…そしてあまりエロくないorz
「どうしたのかな、まさかこの程度で君は牝へと成り下がるつもりかい?」
「…冗談じゃないわよっ、これ、くらいっ…」
銀次の愛撫に敏感に反応する卑弥呼に夜半は口元を歪めながら挑発の言葉を並べた。
「そうでなければおもしろくない。だからこそ君を僕の玩具に選んだのだからね」
それだけ呟くと、美しい乳房を露出した卑弥呼の背後に夜半は回りこむ。
そして一度銀次の方へ弦を向ければ、銀次はその場に崩れ去るようにして倒れ、
やがて、この陵辱劇には大きな違和感を感じさせるような安らかな寝息をたてていた。
「君を牝へと変貌させるのは何よりの楽しみ。操っているとはいえ他人に譲るのも…ね」
背後に回りこんだまま、夜半はゆっくりと卑弥呼の露出した引き締まった腰に手をあてがう。
「この細くくびれた腰、しなやかな筋肉、そして水水しい肌… これが艶かしく振られると思うと、ゾクゾクする」
「な…ふ、ぁっ……」
言葉と共に夜半の手はゆっくりと卑弥呼の腰のあたりをさすりはじめた。まるで愛おしい玩具に触れるかのように。
まさか夜半は自分の身体全てをこうして言葉で飾っていくのだろうかと、卑弥呼はゾクリと背筋が寒くなるのを感じた。
と同時に、身体の奥の奥底が熱くなっていたのを、卑弥呼本人は感じとれていた…だろうか。
//////////////////////////////////
こんな感じでどうでしょう?
良いよ良いよ〜
226 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 08:34:30 ID:WURrmUKi
夜半の手がゆっくりと腰を伝い、胸にまできた。
「右の胸は雷帝の唾液がまだ残っている。随分感じていたようだね、乳首がこんなに…」
銀次の唾液のついた乳首を夜半がぐりぐりといじくる。
かすかにくちゅくちゅという音が鳴り、卑弥呼の羞恥心をさらにあおった。
「っ…」
「綺麗な薄紅色だ。性奴隷になった時には、何色になっているかな?」
夜半が銀次の唾液のついていない方の乳首を強く吸いあげた。
「ひぅっ!」
卑弥呼の身体が軽くのけぞる。
ぢゅる、ぢゅる、といやらしい音が響く。
「う、あぅ、あ…」
卑弥呼の足から力が抜けていく。
ガクガクという音が聞こえるくらいに震える足を見て、夜半は手を軽く動かした。
足に巻き付いていた絃が、彼女の纏っていたもの全てを破いた。
「いやぁ!」
さらけだされた足を卑弥呼は擦りあわせる。
そこはかすかに濡れていた。
夜半が卑弥呼の前に回る。
そして両足を持ち上げて開かせた。
「や、やめなさいよ、変態!」
まだ強気な姿勢を崩さない卑弥呼に夜半はまた、飾りたてたように言う。
「こちらも乳首と同じ色だ。美しい薄紅色。もっと潤わせれば、さらに美しくなるだろう」
夜半は卑弥呼の足を開いたまま絃で固定した。
彼女の身体は地を離れ、鎖と絃とで支えられる形になった。
―――――
夜半のしゃべり方いまいちわからん
今更だけど
花月と懇意にしていた女性を標的にした、という設定だったら
もう少し自然に夜半を絡ませられたかもしれないな
んで、自分と関わってしまったせいで犠牲になった銀次と卑弥呼を見て
花月が発狂して終わり……みたいな
だって、花月の一番大切な存在って十兵衛じゃん
懇意にしてた女やら銀次・卑弥呼ていどが自分のせいで犠牲になっても
発狂なんてしないよ
よし、じゃあその内皆の大好きな朔羅を夜半にレイプさせて
花月と十兵衛とついでに笑師も発狂するエロパロ書いてやる
いや、あくまで「その内」な
朔羅w
あれ、リレーは?
232 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 20:42:53 ID:VDYOriPa
age
233 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 10:10:26 ID:yurITSRl
暇だし、投下もリレーも無いみたいなので
>>229で言っておいた朔羅レイプモノでも書いてみる
誰もが畏怖する。
誰もが恐怖する。
誰もが跪きながら、心の底では忌み嫌う。
誰もが機嫌を伺うように媚びへつらいながら、寝首をかく度胸も見せない。
誰も、それ以外の感情を見せてはくれない。
日ごろ偉そうに振舞う兄や、親しげに語りかけてくる姉も。
侍女も、部下も、誰も彼も。
黒鳥院夜半は、退屈していた。
呪術王や他の派閥の者達との駆け引き以外に、特にやる事の無い毎日。
チェスや将棋に興じてみても、呪術王以外の者は勝負どころか遊びにもならなかった。
鏡形而に『神の記述』なるものを薦められた事もあるが、興味は湧かない。
思ったより簡単に取り扱えたため、恐怖や驚愕はおろか、緊張感すら覚えなかった。
「これが、あの奪還屋達が梃子摺った代物……?」
夜半は下層階を見下ろすと、通行人の一人をカードの力で消し炭にしてみた。
突然火に包まれた通行人は、酸欠で喉を掻き毟りながら地面を転げまわった。
行き交う人々は男を助けようともせず、ただ蟻のように逃げ回るだけだった。
「あれ? それ『神の記述』だよね?」
「はっ、面白い遊びやってんじゃねぇか!」
舞矢と遊利が、興味津々といった風に夜半の傍まで歩いてきた。
だが、夜半は下界を一瞥すると、カード一式を舞矢に渡して立ち去った。
「夜半、これいらないのぉ?」
「……あの程度の表情なら、見飽きてる。宗家を壊滅させた時にね」
ふと、夜半は立ち止まった。
崩壊した風鳥院宗家の現当主・風鳥院花月。
今、愚かにも黒鳥院に対抗するためにビースト・マスターとこの城を目指している男。
彼なら……我が兄なら、もっと違った表情を見せ付けてくれるだろうか?
夜半は、遊利と舞矢を呼び止めた。
「ン……」
花月が目覚めたのは、檻の中だった。
意識はまだ若干濁っている。
混濁した意識の中で、記憶を手繰り寄せる。
そして、かつて同胞だった光の男・来栖柾の裏切りを思い出した。
痛みを堪えながら、身を起き上がらせる。
「痛っ……ここは?」
「花月さん気がついた?」
慣れ親しんだ少女の声に、花月は安堵した。
少女は花月の身を案じ、まだ安静にしているように促した。
「よかった……無事だったか、レン」
螺堂レンは医術をかじっているだけあって、慣れた手つきで花月に包帯を巻いていった。
痛み止めも塗布してはいるが、それも気休めにしかならない。
何にしろ、花月はまだ無理に動くべき体ではなかった。
花月は、この無限城に入るにあたって、パートナーを組んでいた筈の
士度の姿が見当たらない事に気づいた。
「そう言えば士度は……!?」
その疑問に、懐かしくも忌々しい声が答える。
「魔里人ならここにはいないよ」
実に数年ぶりのその声は、花月にとっては殺しても足りない程の憎悪をもって聞こえた。
「『第二の鍵』は王の手の中にある」
「黒鳥院……夜半!」
花月は本能的に、髪留めの鈴の中から絃を繰り出しかけた。
だが、聖痕を刻み付けている自分と、それを凌ぐ夜半の二人が
見境なしに戦っては、傍にいるレンを巻き込んでしまう。
殺したくてたまらない狂気を自制心でもって押さえ込み、きっと夜半を睨みつける。
「ふむ……まぁ合格だろう。恐怖されるよりはマシだ」
花月の眼光を受けても、夜半は微動だにしなかった。
「合格……? 何の話だ」
「私を、恐怖の眼差しでもって眺むる者は多い。……飽きる程にね。
けれどお前は、この私に憎悪を向けてくれた」
夜半としては相手を褒めたつもりだったが、花月からしてみれば侮蔑以外の何物でもない。
一層眉間に皺を寄せる花月の眼差しに、夜半はマゾヒスティックに酔った。
「たまらないな……その目、その目だ」
夜半は、さっと手を挙げて合図した。
暗闇に控えていた遊利と舞矢が、祭蔵を伴って現れた。
「さ……祭蔵! それに、貴様らは黒鳥院の……っ!」
裏切りの祭蔵に、一族を滅ぼした夜半。そして、その配下。
花月にとって許すまじ者達が、今まさに彼の目の前に揃い踏みした。
「よぉ、『表』の雑魚当主様じゃねぇか」
「やっほーい、傷の具合は大丈夫ぅ?」
下衆な笑みを向けてくる二人の兄妹も十分憎たらしいが、
花月の目には彼ら二人は映っていなかった。
「祭蔵! 十兵衛達を解放しろ!」
夜半は、少しだけクスと微笑んだ。
きっと祭蔵は、風雅の三人を解放したくてたまらないだろう。
けれど、彼らの命を救うためには、解放したくても出来ない。
親愛なる風鳥院花月を敵にまわそうとも、
友である筧姉弟や雨流俊樹に信じてもらえずとも、
格下である遊利や舞矢に小馬鹿にされようとも、
この私に顎で使われようとも……
実に愉快じゃないか。
ヒトの次元では強者に位置するこの東風院祭蔵すらも、
そんな生き方を自らに強いねばならないとは。
「祭蔵、あの子達はちゃんと連れてきたぁ?」
舞矢は、事前の打ち合わせ通りに事を運んでいるか、祭蔵に確認した。
「……えぇ、ちゃんと連れて来てますよ。なぁ、皆?」
祭蔵が暗闇を振り返ると、カーテンの間を縫って風雅のメンバーが現れた。
「なっ……十兵衛! 朔羅! 俊樹!」
額に呪刺繍を縫い付けられた三人は、傀儡そのままに魂の宿らぬ足取りで花月の前に現れた。
「目を覚ますんだ、皆! 『裏』に操られては……っ」
その瞬間、檻の中の花月の胸に、衝撃波がぶつけられた。
勢い良く後ろに吹き飛んだ花月の背中で、盛大に壁がひび割れた。
「ぐはっ!」
「花月さん!」
それは、雨流の遠当てによるものだった。
「がはっ……と、俊樹……!」
「俺をその名で呼ぶな。そもそも『裏』の雑兵となった我々に、名など無い」
雨流は再び掌に氣を収束させると、今度はそれをレンに向けて放った。
激痛で体の自由がきかない花月は、レンをかばう事が出来なかった。
「よせっ、俊……っ」
「いぎぁあっ!」
花月に駆け寄ろうとしていたレンの背中に衝撃が走り、シャツが破れる。
そのまま彼女は前のめりに倒れ、花月の足元に転がった。
「いっ……ぐぅ……」
「レン!」
「心配するな。威力は格段に抑えてある。雷帝のスタンガンよりはマシだろう」
雨流はそう言うが、それでも十三歳の少女には耐えられない痛みだ。
反動的に涙をぼろぼろ零しながら、レンは花月の足にすがった。
「痛いよ……助けて、花月さん……」
「レン……待ってろ、今すぐ僕がこいつらを……」
だが、その瞬間檻の中に放たれた黒い絃が、二人を引き剥がす。
絃にからめとられたレンは、入り口の辺りまで引きずられていった。
ザザザ……と音をたて、床と足が摩擦する音が響く。
レンを捕らえたのは、舞矢だった。
それも夜半も指示によるものだった。
「君がどうやって我々を倒すというんだい? 若様」
夜半は次に祭蔵に目配せした。
祭蔵は、花月に申し訳ない気持ちで一杯になりながら、
花月を絃で壁に縫い付けた。
「こっ、これは……っ! 祭蔵! 何をする!」
無数の絃が壁から現れ、花月の体の前を通って、また壁に突き刺さっていく。
花月の体に、さながらハムのように絃が食い込み、彼は壁に固定された。
「悪く思うな、花月。命が惜しいんだってば……」
遊利は檻の鍵をあけた。
無表情のままの夜半に変わって、遊利がほくそ笑む。
「さぁって……ショータイムと行こうか」
その目線の先には、恐怖で顔をひきつらせたレンが座り込んでいた。
「やだぁっ! やめろぉーっ!」
「遊利! その子に手を出すな!!」
檻の中で、レンの服が乱暴に剥ぎ取られていく。
刃物と化した遊利の腕が、レンの肉体を傷つけないギリギリのところで、衣服を切り捨てる。
下着すらも取り払われ、レンの裸体があらわになった。
レンは両手で体を隠したが、その様は遊利を興奮させるだけだった。
「よぉく見てろよ、雑魚当主様よぉ。お前に関わった人間が、どうなるのか……」
「やめろぉぉぉぉぉ!!!!」
遊利はレンを押し倒すと、彼女の手首をつかんで無理やり両腕を開かせた。
隠せなくなった乳首が、衆目の前で薄明かりに照らされる。
「ひぐっ……や、やめろよぉ……やめろってばぁっ!」
「るっせぇ餓鬼だな。乳は小せぇくせに声だけデケェ」
遊利は彼女の口元を、自分の唇で無理やり抑えた。
レンにとっては、ファーストキスだった。
「んんっ……」
レンは一瞬、口付ける遊利の唇を、憎しみにまかせて噛もうかと思った。
が、そんな事をして機嫌を損ねたら、もっとひどい事をされかねない。
レンは諦めて、花月に捧げたかった自分のファーストキスを、
目の前の下賎な男の欲しいままにさせてしまった。
遊利が唇を離すと、レンは鼻をすすって花月に謝罪し続けた。
「ごめんなさい、花月さん……ごめんなひゃいぃ……うぇえ……」
自分がついていながら、彼女を危険な目に……。
そう悔やんでいる花月の目の前で、舞矢が服を脱ぎ始めた。
「ジャーン、出血大サービス! 今日は若様にぃ、美女三人の痴態を
心行くまで楽しんでもらいたいと思いまーっす!」
裸になった舞矢は、朔羅を引き連れて檻の中に入ってきた。
「何をする気だ……舞矢」
舞矢はクスリと笑うと、人差し指を真上に突き立てた。
その瞬間、彼女の後ろに控えていた朔羅の衣服が、一瞬でスパッと切れた。
まるで赤屍蔵人に切り裂かれたかのように、見事にバラバラと衣服が脱げ落ちる。
だが、朔羅の体には傷一つ無い。
「若様は動かないで良いからね。たぁっぷり、楽しんで下さい、ね?」
舞矢はそう言うと、花月を憧れの目で見るレンに見せ付けるかのように、
身動きできない花月の唇を奪った。
「か……花月さん……」
「んむっ……舞矢! 何を……っ」
急用が出来たので、続きはまた今夜にでも
展開にリクエストがあれば、今のうちに書いといて
興味をひかれたものがあれば、ひょっとしたら実行するかも
GJです!!!
言葉を交わした女すべてとかにして、ちょい出しでヘヴンや卑弥呼も出すと悲愴感もあがりそうでは?
>>241 卑弥呼やヘヴンは思いつかなかったけど、ある女は出す予定
でもブードゥーの配下にある卑弥呼を使うってのは、十分アリだなぁ……
続き書くべ
これみよがしに自分と花月の口付けをレンに見せた舞矢は、
これもまた、レンに見せ付けるようにわざとらしく唾液の糸をしたたらせた。
花月の唇から舞矢の唇の間に、うっすらと光る筋が見てとれる。
「か……花月さん……」
憧れの男性の名を呼び懇願するレンの口を、遊利が再び唇で塞ぐ。
「んむっ! んんっ……むぁ……はっ……」
粗暴なその男の舌は、無垢な少女の唇を無理やりこじあけた。
恐怖で拒絶の言葉も搾り出せないレンの口の中に、
とろりと一筋、涎を流し込まれた。
喉の奥に唾液を直接受けてむせたレンが、ゲホゲホと声を荒げる。
「か、はっ……も……やめてぇ……」
生命と貞操の両方を一度に窮地に陥らせた女の見せる表情は、遊利にはたまらなかった。
「良いなぁ、あれ。あちしもしてみよっと」
遊利とレンのディープキスに触発された舞矢が、再び花月に口付ける。
だが、舌でもって懸命に彼の唇をこじあけようとする舞矢に、花月は必死で抵抗する。
きつく閉じられた唇の継ぎ目を、舞矢の舌が左右に行ったり来たりする。
舞矢が諦めて唇を離した隙をついて、花月は言葉を搾り出した。
「覚えていろよ、裏風鳥院……必ず、僕が……貴様らをぉ……っ」
夜半は、花月の見せたその侮蔑と怨嗟の瞳に、三割程満足した。
だが、まだまだ足りない。
この程度の顔なら、今まで散々見てきた。
風鳥院を滅ぼした時、自らの実父や、命乞いを良しとしなかった十三絃達。
彼らが死の間際に見せた怒れる瞳と、今の花月の瞳は大差無い。
今までに見た事も無い程の鬼の形相を見せてもらえなければ、楽しくない。
夜半は、まだ当分この宴を終える気にはなれなかった。
舞矢は朔羅と顔を見合わせた。
憤慨し、あろう事かまだ抗う意思を見せる風鳥院花月に、ある種感動した様子だ。
「あはっ! 若様カッコイー!」
舞矢がまた何かしでかしそうだと直感した花月は、再び唇をきつく閉じた。
だが、そんな事は無駄だった。
何故なら、舞矢の次の狙いは、彼の唇などではなかったからだ。
舞矢は唇を尖らせて、花月の片方の乳首に吸い付いた。
「……!?」
花月は驚いたが、声をあげはしなかった。頑なに口を閉じていた。
それを良い事に、舞矢は朔羅に向けて、合図代わりにウィンクしてみせた。
合図を受けた朔羅は、花月に一礼した。
「失礼します、花月様……」
朔羅は舞矢の隣に立つと、反対側の乳首におもむろに吸い付いた。
朔羅、何を……っ!
そう叫びたいが、意地が彼の口を開かせない。
口を開いた途端、舞矢につけこまれるとわかっているからだ。
「あはっ! 若様女の子みたいに可愛いから、おっぱいも美味しいかなって思ったんだけどぉ」
舞矢は挑発気味にそう言い放つと、丹念に花月の乳首を弄り始めた。
「ぅ……っ」
くぐもった声が、花月の口から漏れ出る。だが、根性で口だけは開けない。
「へっ、面白そうな事やってんじゃねぇか。
ま、俺ぁ男だから、あっちに参加したいとは思わねぇが」
遊利はそう言うと、もはや抵抗の意思さえ崩れてきたレンの胸に、
爬虫類のように舌の先を這いまわらせた。
「やだぁ……ふぐぅ……っふう……」
「はっ! こっちはこっちで、男みてぇに平たい胸してんなぁ!」
遊利はレンの控えめな乳房を鷲掴みにすると、そのまま力をこめて引っ張った。
「いっ痛い痛い! いっ、いぎっ! いぁあっ!」
牛の乳を搾る要領で、乳房の根元から乳首の先端まで刺激を加えていく。
揉み甲斐は無かったが、この被虐の表情は十分に価値がある。
遊利は、泣きじゃくるレンの乳首を、人差し指でピンと弾いてみた。
祭蔵は、憤りをひた隠しにして夜半の後ろに待機していた。
黒い繭の中にいる三人は、きっと今頃、祭蔵が憎くて仕方ないだろう。
特に朔羅には、本当に申し訳ない事をしてしまっている。
だが、それも全て、命を奪われるよりはマシだと思っての事だ。
感謝はされないだろう。
彼らなら、生きて恥辱にまみれるより、いっそ殺して欲しいと願うかもしれない。
だが、祭蔵は身内の尊厳死よりも、彼らに生きていて欲しいと願う自分の気持ちを優先させた。
将来にわたって理解はされまい。
仮にされたとしても、自分は取り返しのつかない事をしてしまっている。
懸命に花月の胸板を舐め回す朔羅を見ていると、自分が堕ちるのは地獄すらも生温いと思った。
舞矢と朔羅は、花月の胸を舐め回しながら、同時にその巨乳でもって
彼の腹を撫で回してもいた。
豊満な乳房と、先端の硬い突起物が、花月の腹筋を刺激する。
ともすれば、くすぐったさに笑ってしまいそうにさえなる、屈辱の拷問。
だが、同時にそれは快感でもある。
男である以上、振り払おうとしても振り払えない悦び。
花月の顔の筋肉は緩み、先程まできつく閉じられていた両目も
今や薄く開かれ、聖痕は虚ろになりかけていた。
その艶かしい表情も相まって、今の花月は女性そのもののようだった。
女性にはあり得ない下腹部の膨張さえなければ、誰が見ても三人のレズビアンに見えた事だろう。
朔羅は花月の股間部分を、掌で撫で始めた。
花月は、なるべく唇を開かないように気をつけながら、小さな声で朔羅を嗜める。
「やめろ……朔羅っ……」
だが、朔羅は何食わぬ顔で、花月の股間の膨らみを触り続ける。
触っているのかいないのか、という程の微妙な力加減。
恐らくは舞矢の意思が関与しているのだろう、普段の清楚な朔羅からは想像出来ないテクだ。
本能は、このままズボンを下ろして、この女達にしごいてもらいたいと叫び続ける。
花月は激しい程の理性でもって、その感情を封殺し続けた。
遊利はレンを四つんばいにさせると、自らはズボンを下ろし始めた。
レンに恥ずかしいポーズをとらせる事は、恐怖による支配の下では容易かった。
「ごめんなさい、花月さん……ごめんなさい、爺ちゃん……ごめんなさい……」
ぼろぼろと涙を床の上に零しまくりながら、レンは何度も何度も呟いた。
一番恥ずかしい部分を、尻の穴まで含めて、自ら背後の男に突き出す。
女性の中には、一生そんな体位で交わらない者もいるというのに、
ましてわずか十三歳の少女では、もはや生きていけなくなる程の絶望が感じられた。
明日からどんな顔して生きていけば良いのか……どころの話ではない。
明日などという概念すら、頭の片隅にも残らない。
この時間が今すぐにでも終わって欲しい、ただそれだけを、切に願い続ける。
だからこそ、遊利が次の瞬間言った台詞は、彼女に希望をもたらした。
「安心しろ、すぐに済ませてやっからよ」
だが、それは額面どおりに受け取れる言葉ではなかった。
少なくとも、安心など出来る類のものではない。
遊利は、まだ濡れてもいないレンの秘所に、無理やり男根を捻じ込んだ。
「いぎゃっ! い、いひっ、痛いぃ! 痛ひいぃっー!!」
遊利は余程自制心がきかないのか、彼が挿入を開始したと思った次の瞬間には
既にレンの膜は裂け、痛々しく出血していた。
「言ったろ? すぐに済ませてやるってよ」
本当なら、濡れていない処女の膣に、成人男性の立派なモノが易々と入るわけがない。
だが、遊利にとってはそんな事は、ほぼ関係無いと言って差し支えない。
全てにおいて無理矢理我を通してきた男に、処女の膣の抵抗感など問題にあたらない。
レンは、先程の彼の言葉に、一瞬でも安心しかけた自分が悔しかった。
「レン……!」
とうとう彼女を守れなかった花月は、彼女への申し訳なさと
自分の不甲斐なさに、たまらなく腹が立った。
この場の全ての人間を殺した後で、自分すらも殺害して罪を贖いたい。
だが、今の自分では黒鳥院を殺す事はおろか、自害さえままならない。
舌を噛み切れば人間は死ぬというのは、実は大嘘である。
人間はその程度では死なないし、あるとすれば、
噛み切った舌が喉につかえて呼吸が出来なくなって窒息する程度である。
花月はその事を知っていたので、この場で自分に出来る贖罪は無いとわかっていた。
もはや意識をしっかりと保つ事も難しくなってきた花月を、
なおも舞矢と朔羅は責め立て続ける。
花月のズボンはパンパンに膨らみ、朔羅はひたすらそれを撫で続ける。
胸は、乳首を中心としてもう水をかぶったように濡れていたし、
また彼の意思に反して、硬く尖ってもいた。
「んふふ〜。若様、レイプされて感じるなんて、はしたなぁい」
返す言葉も無い。
弛緩しきった顔の筋肉は、もはや唇をきつく閉じる事すらも忘れていた。
朔羅は少しだけ姿勢を高くし、花月の唇に自らの唇を重ねる。
相手が朔羅だからか、それとも意識が混濁してきたのか、
花月は抵抗一つせず、彼女の舌をねっとりと受け入れた。
「見てるかぁ? 貧乳娘ぇ」
遊利はレンの髪の毛を掴んで、無理矢理花月の方を向かせた。
彼女の視界にうつった花月は、もはや憧れの対象ではなくなっていた。
花月とレンは、お互いに「見ないで……」と呟いた。
だが、その声は互いの耳には届かなかった。
夜半は、花月の表情がつまらなかった。
この程度で陥落し、悦楽に身をまかせるような男とは思わなかった。
花月には、恐怖を通り越して、殺意を抱いてもらわねば困るのだ。
それも、並みの殺意ではない。
世界の全てを破壊しつくしたいと本気で願ってしまいかねない程の、この上ない殺意。
ただ殺すのではない。
指の関節を一つ一つ圧し折り、肋骨を砕き、肺に穴をあけ、
肩の関節を無理矢理外し、股を裂いて股関節を脱臼させ、
尿道を痛めつけ、目玉を抉り、耳を素手で引き千切り、
鼻を万力で粉々にすり潰し、背骨を素手で剥がして、
ゆっくりと、ゆっくりと、時間をかけて嬲り殺す。
世界中の人間を、それ程の残虐性でもって滅ぼしたいと願う程の
それこそ赤屍蔵人すらも到達していない程の純然たる殺意。
それを、花月には抱いてもらわねばならないのだ。
「コマが足りないかな。……祭蔵」
夜半は祭蔵を呼んだが、それ以上何も口にしなかった。
夜半の部下たるもの、これだけで彼が何を言おうとしたのか察せねばならない。
祭蔵は冷や汗をかきつつ、慌てて「はいっ、只今……」と返事した。
暗闇に消えていく祭蔵を無視して、遊利はレンの中に精液を吐き出した。
レンは、子宮の中に腐った吐瀉物が流れ込んできたような気がして、
両手で頭を抱えて咽び泣き続けた。
「ふえぇ……ふぐぅっ……うえぇん……」
子供のように泣き喚くレンの体から、遊利はまだ離れようとしない。
「まだだぜ、糞餓鬼。俺はテメェがイくまで止めねぁからな?」
そんなっ、話が違……っ!
レンはそう主張しようとしたが、ひきつって声にならなかった。
「そんな怖い顔すんなよ? すぐに終わらせるってのぁ嘘じゃねぇさ」
じゃあ……!
「お前が、とっととイっちまえば良いだけの話だろ?」
レンは、再び微かな希望を抱いてしまった自分の愚かさに呆れた。
遊利はレンの体を持ち上げると、自分の陰茎を軸として
そのまま彼女の体を回転させた。
狭い膣の中を、彼の大きなモノが抉っていく。
「うぐっ……ふぅうっ……」
遊利と向き合う形になったレンは、必死で目の前の男から目を背けた。
遊利は構わず、そのまま後ろに倒れこんだ。
そうして、無理矢理騎上位の体位にもっていく。
「さぁ、今度はお前が動けよ。頑張って、自分も俺もイかせてみせな?」
花月の目の前で、レンが上下に腰を動かし始めた。
慣れない仕草だが、必死なのがうかがえる。
血まみれの秘部が遊利のモノを咥え込み、本人の意思に関わらず、離そうとしない。
下から遊利が手を伸ばし、レンの乳房を揉みしだく。
中々快感を得られないレンに、舞矢は悪戯っぽくアドバイスした。
「いつも自分でしてる時みたいにやってみなよ? すぐ気持ち良くなれるからさっ」
思考の麻痺したレンは、早く終わらせたい一心で、自分のクリトリスを弄り始めた。
膣内は上下運動によって間断なく擦れ、痛みが快感に変わっていく。
「はぁ……はぁ……ふぅん……んふぅっ……はぁん……」
レンの声に、痛みによるものとは異なる声が混じり始めた。
「はぁんっ! はぁっ!あぁっ、あぁん! んなぁっ!」
その声はすぐさま喘ぎ声一色に変わり、遊利を楽しませた。
「ほぉら見てごらん、若様。あんなに若い女の子が、淫らに喘いでるよ」
心のガードが崩れてきている花月の口元に、舞矢がキスする。
もはや、花月は無抵抗で彼女の口付けを受け入れていた。
レンは、今の乱れきった自分と、堕ちかけている花月に幻滅しながら、
そんな考えを振り切るように、必死で快楽を求めた。
そして、とうとう彼女が絶頂に達する時がきた。
「ふぁっ、や、らめ、らめぇっ! こんなの、あぁぁぁぁぁぁぁ……」
ビクビクっと体が震え、背筋が弓のようにしなる。
再びドクドクと注がれた遊利の精液を隙間からこぼしながら、レンは果てた。
そしてその瞬間、花月のズボンの股間部分が脈打った。
じわじわと色が滲み、朔羅の手の中で膨らみが萎んでいく。
「はっはぁん……若様、あの子がイく瞬間見て自分もイっちゃったんだぁ?」
舞矢がズボンを下ろしてやると、そこには白濁にまみれた彼の陰茎があった。
「若様恥ずかしい〜! 守るって誓った女の子を、守れなかったのに悦んでるぅ」
遊利に飽きてその場に捨てられたレンは、舞矢の聞こえよがしな声に
絶望すら感じる事さえ出来ず、ただひたすら涙を流し続けた。
「ひぐっ……ふぐぅっ……うぇえん……」
夜半は、遊利の知恵の浅さに内心呆れた。
憧れの男性の前で堂々とレイプしてやるのは良い。
ありきたりな作戦だが、効果は高い。
また、その憧れの男性が、自分がレイプされている様を見て
助けようともしないばかりか、射精さえしてしまう姿を見せつけるのも、中々のアイデアだ。
敢えて花月にズボンも下着も脱がせなかったのは、舞矢なりのアレンジだろう。
そこまでは良い。
だが、まだ一押し足りない。
自分なら、いきなりレンの処女膜を破ったりはしない。
一旦花月の前に全裸のレンを運んでいき、問うてやるのだ。
この男と交わりたいか、と。
どうせなら、好きな男と交わりたいと考えるのは、女として当然だろう。
少なくとも遊利にレイプされるよりはマシな筈で、恐らく必死に首を縦に振ってくれるだろう。
羞恥プレイである事に変わりは無いが、好きな男とならまだマシだと安心させる。
そこで、期待を裏切るようにおもむろに自分が挿入してやるのだ。
そうすれば、レンの受ける絶望は幾倍にも跳ね上がった事だろう。
「ま……良いか」
今回の目的は、レンを絶望させる事ではない。
花月を破壊神のごとく怒らせるためには必要なスパイスではあるが、
最終目標さえ達成出来るなら、レンごときの絶望感などどうでも良い。
今のところは遊利と舞矢の二人だけでもうまくいっているので、不問にしておいた。
そこへ、再び祭蔵が現れた。
「お連れしました……」
消滅しかかった意識の中で花月が見た者は、祭蔵の後ろで
滑車つきの台座に置かれた、大きなダンボール箱だった。
これこそが、夜半の言っていたもう一つのコマだった。
「やぁ、手間をかけさせたね。『中身』を取り出してくれるかい?」
「……はっ」
夜半は、渋々箱の中の物を……否、者を、担ぎ上げた。
その途端、薄れかかっていた花月の意識が、徐々にはっきりとしてくる。
「まっ……マドカさん!?」
祭蔵の腕に抱かれていたのは、音羽マドカだった。
ビースト・マスター冬木士度の恋人であり、花月とも知らぬ仲ではない女性。
薬を打たれているのか、眠ったように静かだった。
「貴様ら……っ」
「ようやく表情が戻ってきたね。その調子だ」
失意から這い上がってきた花月の表情を見て、夜半は嬉しくなった。
食事でもそうだが、味に慣れてきたところに新たな味を投入されると、
感覚が真新しくなって、ハッとさせられるものだ。
甘いショートケーキで言うところの酸っぱい苺であり、粥の中にあっては梅干のようなものだ。
「貴様らっ! マドカさんまで……!」
すやすやと寝息を立てるマドカを、祭蔵は丁寧に床に寝かせた。
「結構簡単だったよ、花月。ビースト・マスターは呪術王に捕らえられて、不在なもんだからさ」
音羽の屋敷の警備は、一般的なセキュリティと、門の前に警備員がいる程度だった。
あの程度なら『裏』でなくとも、卍一族でも難なく切り抜けられよう。
「何故だ……何故こんな事をするんだっ、貴様ら!
この僕が標的なら、他の者に手を出す必要など……!」
今もなお絃に縛り付けられて身動きの出来ない花月に、夜半が答える。
「若様……最初に言ったでしょう? 私は恐怖を見飽きてきたんだ」
彼が話している間だけ、舞矢は動きを止めた。まるで、彼の話の邪魔をするのは無粋とばかりに。
夜半は話し続ける。
「だから私は、恐怖以外の表情が見てみたかった。
お前なら……いや、貴方なら、と言い換えましょうか。
貴方なら、この私に殺意を向けてくれると思った。
星すらも粉々に砕きかねない程の殺意を、ね……」
もがこうとする花月の皮膚に絃が食い込み、血が滲んでいく。
「まさか……そんな事のためだけに……」
問いかける花月の言葉に、夜半はクスリと笑った。
花月は慄いた。
まさか、ただそれだけのために、あまり関係の深く無い音羽マドカまでもが……。
「貴様……この僕と、少しでも関わった者全てを巻き込むつもりか……」
今回はここまで
ヒミコと合体した卑弥呼なら出してもいいんではないか、とか。
とにかくGJ過ぎます
リレーの続きは?
今気づいたけど、
>>252の4行目の冒頭「夜半」じゃなくて「祭蔵」だ
俺の中では、名前のイメージが真逆なんだよな、こいつら……
仕事早いな。マジGJ杉
>>252の続き
恨みを晴らすために、相手の縁者を殺害するという報復方法はよく聞く話だ。
だが、なまじ狂気におかされていると、報復の対象が縁浅き者にも及びかねない。
『るろうに剣心』の雪代縁はまさにその代表だったが、
夜半の告げた真実は、それよりはるかに恐ろしかった。
花月に対する恨みなどでは、全くない。
だたの、退屈した心を紛らわせるための遊戯。
そのためだけに、朔羅は人形のように扱われ、幼いレンは破瓜の恥辱を味わい、
この上音羽マドカまで巻き込まれようとしている。
「夜半……貴様ぁ……っ」
凄む花月の陰茎を、操られた朔羅は指先で摘んだ。
じっとりとした精液が、彼女の細い指に絡みついてくる。
「こんなみっともない格好で凄んでも、あんまり怖くないねっ」
舞矢はそう言うと、抵抗出来ない花月の、耳たぶを舐め始めた。
「うぁっ……くっ……やめろ、舞矢っ……」
零距離にある花月の耳元に、舞矢は囁いた。
「あの盲目の女の子もそうだけど、あの薬屋の女の子だって、若様との関係は深くないよね?」
そう言って、汗まみれで捨てられているレンの方をちらりと見やる。
つられて、花月もレンの方を見た。
「あの子なんか、若様との接触は過去に一度っきり。
爆縮レンズの奪還のために無限城に戻ってきた時に、大怪我した若様を
拾って、医者に連れて行って、治療してあげたくらいでしょ?」
確かにそうだ。
ある意味では、友人である士度の恋人という立場にあるマドカよりも、
花月との繋がりは浅いと言える。
そんな少女が的にされた時点で、マドカの身も安全で済む筈など無かったのかもしれない。
そして今、花月には眠る彼女を助けてやる事は出来ない。
花月は、士度とマドカに対する呵責の念に、押し潰されそうになった。
遊利は左手を剣に変形させた。
「そうだ! この目の見えねぇ女の乳房を切り取って、
弱っちい若様の胸板に、絃で縫い付けてみるってのはどうだぁ?」
ひたひたと、冷たい刃がマドカの胸に触れる。
「あはっ、それ良いかも! 若様ならきっと似合うよねぇ」
悪趣味な二人の会話を耳に挟みながら、黒い繭の中の雨流は歯噛みした。
下卑た者共の、万死に値する愚行。恥ずべき蛮族の行い。
何より、それを止められない自分の無力さに憤る。
だが、そんな彼の怒りを無情にも無視して、事態は最悪の方向に流れる事となった。
「突っ立っているだけというのも退屈だろう。
マドカ嬢のお相手は、君達がしてあげると良い」
夜半が、立ち尽くす十兵衛と雨流に対して、そう言い放ってきたのである。
「なっ……夜半! 貴様ぁっ!!」
叫ぶ花月の脇腹に、遊利の鉄拳がめりこむ。
「ぐぉ……ごっ……」
花月は、胃液とも唾液ともつかない粘着性の液体を吐き出した。
「黙って見てろよ、雑魚当主。せっかくお前の相手は舞矢がしてやるってのによ?」
気絶しそうな程の激痛に耐えながら、花月は目の前を見据えた。
視界の端には、明かりの宿らない瞳のままで、マドカを抱き上げる雨流の姿があった。
「そうだっ! 若様のお相手は私一人で十分だからぁ、
この布っきれ使うお姉さんの方は、そこのサムライ君にヤらせてみない?」
舞矢は、隣に立つ朔羅を指差してそう言った。
祭蔵は怒りをひた隠しにしながら、表面上は笑って答えた。
「ははっ、それ良いですねぇ舞矢様。……おい、十兵衛」
「御意……」
雨流の隣に立っていた十兵衛は、標的をマドカから朔羅へと変更した。
朔羅もまた、導かれるように十兵衛の元へと歩み寄って行った。
「やめろ、二人とも……実の姉弟でなど……」
だが、花月の祈りを嘲笑うかのように、十兵衛はスラックスのチャックを下ろし、
朔羅は屈み込んで愛しい弟のモノを咥え始めた。
余程薬が効いているのか、雨流が何度か頬をひっぱたいても、
音羽マドカは目を覚まさなかった。
「うぅん……」と寝言のように呻くだけで、目を開けようともしない。
雨流は思い切って、少し強めにひっぱたいてみた。
乾いた音が、軽く小さく、檻の中に響く。
「んん……な、何が……」
ようやく目を覚ましたマドカに、花月は大声で呼びかけたくなった。
だが、呼びかけたところで何がどうなるものでもないと思い、結局声一つすら上げなかった。
「逃げろ!」とか「助けを呼ぶんだ!」なんて、この場では言った所で詮無き事だ。
マドカは、ぼんやりしたままの意識で、状況を把握しようと努めた。
「えっと……ここ、どこだろう? それに、人の気配がいっぱい……。
貴方達、どなた様でいらっしゃいますか? それに、ここは……きゃあっ!」
気配の一つが、マドカの服を素手で引き千切った。
襟元を強く掴んで、一気に下まで破る。白い素肌と、清楚なブラジャーがあらわになった。
「なっ、何をなさるんですか!?」
彼女の服を破った男は、叫ぶ彼女の額に手を当て、軽い衝撃波を撃ち込んだ。
「ひぎゃっ!」
ダメージとしてはごく軽いものだったが、鍛えていないマドカには激痛だったろう。
脳が揺れ、鼻血を吹き出し、口の端からは涎がこぼれた。
それは、先程レンを吹き飛ばしたものと同じ……雨流の遠当てだった。
ただし、今度は超至近距離での。
「うぇっ……げほっ、けはっ……」
咽るマドカの、右の眼球に、雨流は人差し指を当てた。
「貴様は目が見えないのだったな……眼球など、どうせ不要だろう?」
「やめろぉー! 俊樹ぃーっ!!」
花月の表情が、また一歩憎悪に近づいた事に、夜半は嬉しくなった。
舞矢は花月の聖痕を見つめ、遊びを思いついた。
「ねぇねぇ! どうせその子の目玉抉るんだったらさ、
いっそ若様の聖痕抉り取って、二人の眼球入れ替えてみる?」
この娘は、世にも恐ろしい事を思いついたものだ。
いびつな眼窩から血を垂れ流し、その光彩には聖痕を宿す、しかして盲目の美少女。
夜半は、特段に音羽マドカには興味を持っていなかったが、
舞矢のアイデアにはある種の破滅的な芸術性がある事を認めた。
だが、下衆の遊利は、もっとおぞましく、且つ芸術性に欠けるアイデアを思いついた。
「目玉抉り取った後で空っぽになった空洞の中に、
先っちょを挿入してやるってのぁどうだぁ?」
それらの、人とも思えぬ狂気じみた言葉の数々が、無明の世界に生きるマドカを脅かす。
目が見えない分、誰かが自分に向かって手を伸ばしてきても、それを知覚出来ない。
彼女にとって、周りで激しい物音がするだけでも恐怖なのだ。
そんな彼女の耳に、淫靡で聞きなれた音が聞こえてきた。
「じゅぱっ……ちゅぷ……れろぉ……ぴちょ、ぴちょっ……」
それは、朔羅が十兵衛の男根を舐め回す音だった。
音に混じって、朔羅の吐息が聞こえてくる。
人並み外れた聴覚を持つマドカには、数メートル離れた位置でのフェラの音も聞き取れるのだった。
それは、この場においては皮肉な特技だった。
マドカは、一気に顔を赤くした。
そして、そこに舞矢が付け入る。
「あっれぇ〜? マドカちゃん、この音が何の音かわかるんだぁ?」
遊利も、調子付いてマドカに言葉責めをする。
「当然だよなぁ? 毎晩あのケダモノ野郎としっぽりヤってんだろうがぁ?」
マドカは、耳を塞いで彼らの声も、十兵衛と朔羅が立てている淫らな音も、
聞こえないようにしようと思った。
「だめっ……こんなの、聞きたくない……」
雨流は、マドカのブラジャーを無理矢理引き裂いた。
「きゃあっ!」
破れた服を裂け目から左右に広げ、乳房を曝け出す。
「やめっ、やめて下さい! そんな事!」
だが、抵抗しようとして両手を使うと、今度は耳が無防備になる。
そこへ、遠慮の無いオーラルセックスの音が聞こえてくる。
マドカは、たまらず片手で耳を押さえ、もう片手を振って雨流に抵抗した。
だが、ただでさえ両手でも雨流には勝てないのに、まして片手である。
いとも簡単に、その手は横に振り払われた。
「耳を塞ぎたいのなら、好きにすれば良い。
胸を守りたいのなら、それも構わない。
どちらにしろ、どちらかは諦めねばなるまいがな」
マドカは、耳に聞こえてくるピチャピチャという音に吐き気を催しながらも、
自らの体を守る事を選んだ。
超聴覚のマドカにとって「聞こえないフリ」は不可能だったが、
士度以外の男に体を良いようにされるよりはマシだった。
だが、そもそも彼女に選択肢などありはしない。
雨流は、自らの胸を覆い隠すマドカの両手を眺めた後、おもむろに
彼女の下半身に狙いを定めた。
「上ばかり防御していて、下がおろそかになっては仕方無いな?」
「いっ、いやぁーっ! やめてぇー!」
スカートが引き裂かれ、パンティが露出する。
慌てて下半身を守ろうとマドカが手を伸ばした隙をついて、雨流は
むき出しになった彼女の乳房にしゃぶりついた。
「ひっ! や、いやっ! 駄目なのぉっ!」
下に行きかけた手が、再び胸元を隠そうとする。
その途端、防御の薄くなった股間部分に雨流が手を伸ばす。
「やっ、あ……あぅん! そ、こはっ……ら、めっ……」
面白い反応だ。
彼女は今、上も下も満足に守れず、困り果てている事だろう。
そして尚、正直な体は下腹部への刺激に敏感に反応する。
ビクッ、ビクッと、マドカの体が打ち震える。
雨流は、繭の中で自害したくなる程の絶望を感じながら、
どうする事も出来ない無力感に打ちのめされていた。
「ふぁあ……十兵衛……十兵衛ぇ……」
「あ、姉者……感じているか……?」
「えぇ……とってもぉ……っ」
十兵衛と朔羅はいつの間にかシックスナインに移行していた。
ひきつるようにピクピクと動く朔羅の太股が、十兵衛の頭部をがっしり掴んで離さない。
愛液独特の匂いが、姉を犯す苦しの中にいる十兵衛と、
雨流に弄ばれる音羽マドカの耳に届く。
盲目の二人にとって、かすかな音でもはっきりと聞こえた。
朔羅は、いっそ十兵衛が相手なら、まだ受け入れられると思って割り切った。
遊利のようなゴミに汚されたレンに比べれば、自分などまだマシな方だ。
MAKUBEXの笑顔がふと頭の片隅を過ぎったが、それもセピア色だった。
もはや、愛しいもう一人の弟の存在すらも、過去の事のように意識から薄れかかっている。
それでも、割り切る事が出来る分だけ、彼女はマシだった。
いきなり拉致されて、見も知らぬ男に強姦される音羽マドカなどは、
今も必死に抵抗の動きを見せている。
大の男に手弱女の腕力で勝てよう筈も無いが、それでも彼女は無駄な抵抗を続ける。
必死に振り回される彼女の両腕は、稚拙な児戯のようにさえ見えて滑稽だった。
しかし、そんな他愛の無い抵抗でも、雨流にしてみれば邪魔でしかない。
……もっとも、繭の外側の、操られている雨流にしてみれば、の話ではあるが。
雨流は抵抗を止めさせるために、いっそ彼女を気絶させてしまおうかと考えた。
「まさか……止めろっ、俊っ……」
叫ぶ花月を無視して、雨流はマドカの腹にそっと手を置き、威力を抑えて衝撃波をぶち込んだ。
「ぐぼっ!」
それは、彼女の骨や内臓がひん曲がる音だったのか。
それとも、彼女自身の声だったのかは定かではない。
マドカは涙をポロポロ流しながら、口から血液の混じった透明の液体を吐き出した。
刺激臭から、それは胃液だと知れた。
と同時に、ジョロジョロとみっともない音を立てて失禁する。
垂れ流されたそれは、マドカの太股と雨流の陰茎を塗らした。
「十兵衛……朔羅……俊樹……マドカさん……」
悔し涙を流しながら、花月はきつく目を閉じた。
目の前の現実に目を背ける事は、彼にとっては逃避だった。
この事態を招いてしまった自分の存在に責任を感じるなら、彼は目を背けてはならない。
だが、実際には彼は何も悪くないし、仮に彼に責任があったとしても、
キッと目を見開いて直視していられる程、目の前の乱交は耐えられる映像ではない。
目の前で乱れ狂う男女は、いつの間にやら挿入の体勢に入っている。
涙を流し、鼻血を吹き、涎と胃液と血液を口元から垂れ流すマドカの表情は、死体のように生気が無かった。
彼女の尿で濡れた雨流の男根が、彼女自身の膣へと挿入されていく。
敏感な粘膜が雑菌などに感染する恐れもあるが、マドカにそんな事を考える余裕は無くなっていた。
一方で、愛し合う姉弟は、まさに愛し合う恋人同士のように、正常位で連結していた。
あ、途中で添削したもんだから、一部日本語が繋がってないトコがあるな……
とりあえずまた中断
花月の表情が再び絶望感に満ちていく様が、夜半には不満だった。
何度言ったらわかるんだ……私は貴方に、破滅的な殺意を抱いて欲しいと言うのに。
そんな夜半の内心を悟った祭蔵は、次にどんな指示をされるものかと警戒した。
だが、特に妙案を思いつかなかったのか、夜半は黙って目の前の乱交を見つめ続けた。
思えば、音羽マドカは不幸な女性である。
生まれつき全盲の上、若くして親を亡くし、執事の裏切りに遭い、カブトムシに体を乗っ取られる。
その上ここにきて、恋人の知人に犯される。
それも、恐らくは恋人にすら見せた事もないであろう、屈辱的な有様で。
「あぅっ……ふぐっ……う……うぁ……あんっ……」
喘ぎ声とも呻き声ともつかない声を発するマドカの中で、雨流のモノがスライドする。
やがて絶頂に達しかけた雨流は「うっ」と低く唸ると、自分のモノをマドカから引き抜いた。
そのまま、汚れたマドカの顔面に、白濁の液体をぶちまけた。
マドカはごく小さな声で、誰かの名を呟き続けたいた。
誰の名を呼んでいるのかは、声が小さすぎて雨流には聞き取れなかった。
恐らくは冬木士度か、あるいは父親か、母親か。
盲目の彼女に花月の姿はわからない筈だったが、仰向けに倒れた彼女の瞳は
呆然と花月のいる方向を見つめ続けていた。
レンに続き、マドカまでもが犠牲となった。
そして今また、朔羅がその身を贄として捧げている。
立ちバックの体勢で突かれ、その豊満な胸をこれみよがしに前後に揺らす彼女の表情は恍惚として
むしろ自ら悦んで弟の肉棒を受け入れているようにさえ、花月には見えた。
「あ、あ、あっ! そ、こぉ……そこっ、もっと! もっと突いてぇっ! 十兵衛!」
具合の良い部分を見つけたのか、朔羅はそこばかりを責めてほしがる。
十兵衛も、そんな姉の声に応えるように、同じ角度で突き続ける。
お漏らしのように愛液が太股をつたわり、床に小さな水溜りを作る。
やがて十兵衛は、実の姉の中に自らの遺伝子を無駄撃ちして果てた。
花月には、彼女達が汚されていくのを、ただ黙って見ているしか出来なかった。
266 :
234:2007/01/15(月) 09:50:04 ID:+vEeGtG1
四月からの就職の関係で、更新頻度が著しく下がる模様
とても続きを長々と書いていられる状況じゃなくなったので
続きはリレーにでもするか、誰かが纏めて最後まで書ききるか
もしくはこのまま放置するか、好きなようにしてくれい
このスレ保管庫ないの?
赤屍さん×間久部博士とか無い?
「天国へ`運んで`差し上げます」ってカンジで
269 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 18:16:34 ID:Yxk9gcFo
アゲ
「んむ……ちゅぱっ……んっ……」
「うぉお……こいつぁ良いぜ、夏実ちゃん」
「ふぁっ……本当……ぢゅく……ですかぁ……? じゅる……」
「あぁ、もう最高さ……」
「それじゃあ、んむっ……もっと、じゅぷっ……頑張りまふぅ……」
ドピュッ、ビュルビュルッ
「はぁあ〜……やっぱ一日の終わりは夏実ちゃんのお口に限るなぁ」
「もうっ、マスターったら。こんなにミルクいっぱい出しちゃって」
「今度は、俺に夏実ちゃんのミルク飲ませてくれよ」
「え、やだ……あん」
271 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 22:41:36 ID:QczuuJJN
あげ。
誰か、何らかの罰ゲームでローターをパンツの中に仕込まれたまま
接客させられる夏実の話とか書いてくれ
273 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:15:18 ID:nl3f9LkO
兜に体乗っ取られて覚醒したエロエロなマドカに、「そんなにこの体が欲しいか? ならば抱かせてやろうか?」とか言われてたけど(24巻参)
お言葉に甘えて抱かせて頂いちゃう展開が見てみたい
>>273 よし、書いてくれ
俺?
俺はマドカそんなに好きじゃないから、意欲がわかない
やっぱまどかは最初の不良軍団に犯されなきゃ
「あっ、あっ! や、だめぇんっ、そこぉっ!」
長い黒髪を振り乱し、わずか十五歳の少女が乱れる。
壁に両腕をつけて体を支え、そこに備え付けられた大きな鏡に頬をすり合わせながら、
足は快楽に打ち震え、立つ事もままならない。
本当なら床に座り込んでしまいたくなる程に全神経を痙攣させる彼女が、
それでも何とか立ち続けているのは、彼女の後ろにいる少年のせいだった。
少年は立った状態で背後から少女の膣に挿入を繰り返していた。
「へっ、どうよ夏実……後ろからだと、余計に気持ち良いだろうが?」
「は、あぁん、きもひ良いよぉっ……蛮ひゃぁん……」
たまらず突き出された舌で鏡を汚しながら、夏実は正面に映る自分の恍惚とした表情を見つめた。
これが、私……?
それが、彼女の率直な感想だった。
今までに見た事も無い程、自分以外の誰かとしか思えない表情。
淫靡で、卑猥で、みっともない。
今まで自分は、こんな顔をして彼に抱かれていたのかと思うと、情けなさすら感じる。
「や、もうらめ、も、らめぇえっ! あぁ〜〜っ……」
上と下の口から涎を垂らしながら、夏実は蛮の精液を胎内に受け止めて果てた。
ここは、水城家の邸宅の一室。
幼くして母親を亡くし、つい先日父親をも失った水城夏実にとって、広すぎる一人暮らしの住まいだった。
陸揚げされた魚のようにピクピクと痙攣する夏実の股間を、蛮は丁寧に拭いてやった。
そうして、両腕で抱きかかえられ、自室まで運ばれる。
夏実と蛮は、仕事の関係で知り合って以来、たまに体を重ねあう関係になっていた。
話は、数週間前に遡る。
ある晴れた日の夕暮れ。
裏新宿に居を構える喫茶店『ホンキートンク』は、
目立って繁盛こそしないものの、毎日常連がちらほらと来店していた。
マスターである王波児にとって幸いだったのは、この店に常連客が多かった事だ。
もし熱心なリピーターを獲得出来ていなければ、その日の売り上げは散々な結果になっていただろう。
何故ならば、店の顔でもある入り口のドアが、両面ともベニヤ板を打ち付けられていたからだ。
壊れた部分をありあわせの材木で補強したため、継ぎ目が丸分かりの不恰好なドアになっていた。
「……マスター、これどうしたんですか?」
その日は、朝から皆同じ質問を波児に投げかけていた。
こんな、あからさまに怪しいとしか言い様の無いドアをくぐって来てくれるのは、常連だけだ。
波児は今日何度目か知れないため息をつきながら、事情を説明した。
「お客さんの一人が、誤ってドアのガラス部分を割っちまったんですよ……」
これは、かなり言葉を選んだ回答だ。
何故ならば、ドアを破壊したのは美堂蛮だったからだ。
例えば「最近ウチに入り浸ってる若いのが、キレて壊したんです」などと答えたら、どうなるだろうか?
いくら波児に親しんでいる常連客とは言え、危険人物が入り浸るようになった店には、
そう頻繁に通いたいとは思わなくなるだろう。
「キレて壊した」ではなく「誤ってガラス部分を〜」と説明したのも、同様の理由だ。
あくまで客の一人が、つまづいた拍子か何かでガラスを割った事にしておきたかった。
乱暴な若者が激昂して、ドアごと破壊するつもりで蹴破ったとは、とても言えない。
波児は客にコーヒーを差し出しながら、修繕費をいつ支払ってもらえるのか、そればかり気にしていた。
ホンキートンクのドアを破壊した張本人である蛮は、
相棒の天野銀次を伴って、歌舞伎町で客引きをしていた。
「皆様のお口の恋人、心の友! 奪還屋でぇございまぁす!」
「……奪られたら奪り還せ、が信条の、GetBackersでぇ〜す。
どんな些細なものでも構いません、必ず俺達が取り返してみせまぁす……」
恥を忍んで大声を張り上げる蛮とは対照的に、銀次は気なるべく通行人に聞こえないように
なるべく小さな声で売り込みを続けた。
正直言って、十六歳にもなってこんな道化な真似をするのは度胸がいる。
その点、開き直る事が得意な蛮にとっては、大した苦ではないのだろう。
「くぉら銀次! お前ももっと声出せやぁっ! 何ボソボソ喋ってんだ!」
「うっさいなぁ……大体蛮ちゃんが、競馬で負けたぐらいで
波児さんの店のドアに八つ当たりしてぶっ壊したりするから、こんな事に……」
せっかく夏実からの依頼を遂行する事で得た高額の報酬は、数日で浪費された。
元々ちょっとしたブルジョア住宅に住んでいた事からわかる通り、夏実の父親の遺産は結構な額だった。
加えて、父親の生命保険が下りた事で、夏実は女子高生としてはあり得ない額の資産を手に入れた。
大学を卒業するまでに必要と思われる分の金額を差し引いても、まだ十分余裕がある。
夏実は、数千万円に及ぶその金銭的余裕の中から、百万円程GetBackersに支払った。
だが、その百万もの金額を、蛮は数日で使い切ってしまったのだ。
調子にのって豪遊したせいで、一晩で十万近くが無くなり、それが三日日程続いた。
更にはホンキートンクでも一番高いコーヒーを無駄に注文し続け、寿司まで頼んだ。
車の修理や改造にもいくらか使ったし、そこへきてトドメの、ホンキートンク入り口破壊事件である。
「金ならいくらでもあるんだ、ヨユーで払ってやらぁ!」
そう言って気前良く現金の束を波児に差し出した蛮だったが、
あまりに使い込んでしまっていたため、ドアの修繕費に十万程足りない事にまでは気付いていなかった。
結局ツケを抱え込む事になり、蛮は銀次を引き連れて歌舞伎町に向かったのだ。
「私が支払った百万円、もう使い込んじゃったんですかぁ?」
たまたま学校帰りに通りかかった夏実は、蛮に呆れて大きな声をあげてしまった。
まだ夏実とGetBackersは出会って間もないが、
どうせ金遣いが荒いのは銀次より蛮の方だろうと、夏実は確信していた。
隣にいる銀次ではなく、明らかに蛮一人に非難の目を集中させている。
「んだよ、貰った金をどう使おうが俺等の自由だろうが」
「蛮ちゃん蛮ちゃん、俺等のっていうより、蛮ちゃん一人の自由になっちゃってるよ?
だって俺、寿司以外で殆どお金使って……いだっ!」
言い終える前に、銀次の頭に鉄拳が舞い降りた。
「るっせぇんだよ銀次ぃ。酒だって飲ませてやったろうが、覚えてねぇのか?」
「あれは蛮ちゃんが無理矢理飲ませただけじゃ……あたっ!」
再び、拳が銀次の頭頂部を穿つ。
これ以上反論しても仕方ないと悟った銀次は、大人しく黙る事にした。
夏実は翻ると二人に挨拶してその場を立ち去ろうとした。
「どこ行くんだ、嬢ちゃん?」
「これからバイトですよ、バ・イ・ト!」
夏実はにっこり微笑むと、実に楽しそうな表情でホンキートンクを目指して歩いて行った。
バイトが楽しいと言い放つ学生が稀にいるが、正直蛮には理解出来なかった。
第一、しこたま金を持っている彼女が、何故バイトしたがるのかが飲み込めない。
まぁ、それ程バイトが楽しくて仕方ないのだろう。
まだミスばかりで頼りない少女のようだが、波児が甘やかしているせいで、
泣き出したくなる程の厳しさなど、まるで感じていない様子だ。
ふと、蛮は気付いた。
いとも簡単に、大金を儲ける方法があったのだと。
去り行く夏実の背中を眺めながら、蛮は頭の中でシミュレートを開始した。
その日の夜。
閉店時間を過ぎて、波児は夏実を駅まで送って行った。
本当ならバイトの人間を近くの駅まで送る事などしないのだろうが、ここは裏新宿だ。
暗い時間に女子高生を一人で出歩かせて、万一の事があってはならない。
もっともその理屈で言えば、彼は夏実を自宅まで送るべきなのだが、
さすがにそれは限度を超えている。
夏実の家は新宿駅から電車で数分のところにあり、一方の波児の家はホンキートンクの二階だ。
いちいち毎回電車に乗って夏実を家まで送って、またホンキートンクに帰って来なければならない事になる。
それは明らかに非合理的だし、第一甘やかし過ぎである。
波児としては、ホンキートンク二階の空いている部屋を夏実に貸してやっても良いのだが、
犬の世話もあるので、彼女は波児と一緒に住む気は無いようだ。
それに、保護者の許可も得ずに未成年と同居する事は、社会的に許されない。
そんな事を考えながら、波児は夏実を新宿駅まで送って行った。
「それじゃ、マスター。お休みなさい」
「あぁ、お休み。次のバイトは明後日だから、よろしくな」
波児は少しだけ手を振って、来た道を引き返して行った。
「よ、嬢ちゃん。奇遇だな?」
改札を通ろうとした夏実の肩に、突然誰かの手が置かれた。
彼女が振りかえると、そこに立っていたのは蛮その人だった。
「あっ、こんばんわ蛮さん! お一人ですか?」
夏実は、彼の相棒である筈の銀次が見当たらない事に気付いた。
「あぁ、あいつは一足先に車ん中で寝てんじゃねぇかな。よく眠る奴だからよ」
蛮は、シミュレートした通りに作戦を運ぶために、銀次は不要と思って切り捨てた。
それに蛮の計画を成功させるためには、作戦に加わる男は自分一人でなければならない。
蛮はなけなしの小銭をはたいて、自分の切符を購入した。
「散歩ついでだ、家まで送ってやるよ」
その言葉に、夏実は何の疑いも持たずに喜んだ。
十数分後。
最寄の駅で下車した二人は、夜道をとぼとぼと歩いて、水城邸へとたどり着いていた。
入り口の門を開けて、夏実は蛮を中に入るように促す。
「せっかくここまで来たんですから、上がって行って下さいよ。お茶ぐらいならありますから」
シミュレーション通りの展開だ。
わざわざ電車代を支払ってまでついてきてくれた男を、そのまま手ぶらで帰す女などいない。
まずは彼女の家に上がりこむ事が、蛮の計画の第一段階だった。
仮に彼女が蛮を家に上げるつもりが無くても、何か理由をつけて上がりこむ気ではあった。
ウィルスから解放された犬の予後が気になる、とでも言えば良い。
しかし、念の為に用意していた言い訳を使わずに済んだのは、蛮にとって幸先が良かった。
「悪いな。お言葉に甘えて……」
表面上は遠慮する素振りを匂わせながら、何一つ遠慮する事無く、
蛮は夏実の家の敷居をまたいだ。
ダイニングに通された蛮は、そこにあったテーブルに着席した。
超高級品というわけではないが、そこそこ上等なテーブルのようだ。
どうやら夏実の両親は、金持ちをひけらかす程ではないが、
それでもちゃんと質の良い物を選んで愛用するタイプの人間だったらしい。
嫌味くさい金持ちも世の中には山ほどいるが、水城家はそういう家風でないようだ。
程なくして、荷物を部屋に置いてきた夏実が、階段を降りて来た。
「お待たせしましたっ! これから、夏実ちゃん特製コーヒーを淹れて差し上げます!」
彼女はそう言うと、エプロンを取り出し、手際よくそれを身に纏った。
バイトの時と違って白いエプロンで、どちらかと言うと割烹着に近い。
「おいおい、コーヒーって……大丈夫なんだろうな?」
蛮は、夏実の淹れるコーヒーの味に不安を覚えた。
つい先頃、地獄の底の溶岩ようなコーヒーを飲まされた経験もあって、警戒心が働いてしまう。
「ご心配無く! うちには市販のドリップセットしかありませんから」
確かに、一般家庭に喫茶店並のコーヒーメーカーやポットなどが揃っているわけはない。
水城家ではひょっとすると在り得るかも、と思っていたが、
どうやら亡き両親も、自作のブレンドを嗜む趣味は無かったようだ。
夏実はポットに水を入れ、コンロにかけた。
摘みを捻り、火をつける。
ここで、蛮の作戦の第二段階。
「なぁ、嬢ちゃん……」
振り向きかけた夏実の体を、蛮は背後からおもむろに抱きしめた。
レイプと間違われて叫ばれても困るので、出来るだけ優しく肩を抱き寄せる。
元々性的な警戒心が薄いのか、貞操観念が人並みに備わっていないのか。
それとも蛮を信用しきっているのか、夏実は少し目を見開きこそすれ、拒絶の態度は示さなかった。
「やだ、蛮さん……スキンシップですかぁ?」
彼女にしては珍しい事に、少し顔を赤らめながら、夏実は蛮に問いかけた。
だが、蛮は一言も言葉を発さなかった。
ただ黙って彼女を抱きしめ続け、悪戯に時間を経過させていく。
こうして、自分には無理矢理夏実を襲おうとしう意思が無い事を印象づける。
「ねぇ、ちょっと……火、危ないですよ……」
手は塞がれていないので、湯が沸騰してもすぐに消せる。
しかし、何か理由をこじつけて、手を離して欲しいと、夏実は思っていた。
蛮にハグされる事が、嫌なわけではない。
クラスの女友達と冗談半分で抱き合ったりするくらいなら、小学生の時から慣れている。
だが、二人きりの時にいきなり、しかも年の近い男性に、
無言で抱きしめられては流石に困惑してしまう。
もっとも、そうして彼女の冷静を奪うのが、蛮の作戦でもあった。
しゅんしゅんと音を立てて蒸気を吐くポットが、静寂を貫通する。
蛮は夏実を抱きしめる片手を伸ばして、コンロの火をとめた。
もう片方の腕は相変わらず夏実を抱きしめたままだ。
そのまま、伸ばした手を下ろし、手持ち無沙汰で下がっている夏実の片手の甲に添える。
優しく柔らかく、蛮の掌が夏実の手を包んだ。
「夏実ちゃ……聞いて、くれるか?」
蛮は、敢えて夏実を下の名で呼んだ。
それまで「嬢ちゃん」としか呼んだ事が無かったのに。
作戦は功を奏したのは、夏実は彼の声に、不覚にも一瞬鼓動が高鳴った。
「俺、さ……
夏実ちゃんの事、好きなんだ……」
蛮は夏実の耳元で、小さく愛の言葉を呟いた。
衣服とエプロンを挟んで尚、夏実の内側で脈打つ心臓の音が、
蛮の腕に響いてくるようだった。
「そ、あの、そんなっ、事……急に、言われてもぉ……」
夏実は俯き、もじもじし始めた。
顔は良いが、性格が幼すぎた彼女の事だ。
男好きするタイプではあったが、不思議と今まで誰かに告白された事は無かった。
それは蛮の知るところではなかったが、どの道不都合な要素ではない。
相手の免疫が低ければ低い程、彼にとっては好都合だった。
逆・玉の輿。
大量の有価証券、もしくは日本銀行券、或いは動産・不動産を問わ
ず何らかの貨幣価値を有する資産を持つ女性と婚姻関係を結ぶ事で
労せずして大金を得る、男にとっては一種の夢。
蛮の作戦は、まさにそれだった。
奪還屋としてのプライドを持つ彼にとって、奪還以外の仕事で儲けを得るのはご法度だったが、
逆玉の輿は仕事でも何でもない、ただの恋愛関係の行き着く先、対人関係の結果論だ。
逆玉の輿は本来、結婚する相手の両親との立場上、肩身の狭い思いをせねばならないのが常だ。
だが、夏実の両親は既に死亡していて、肩身も糞も無い。
夏実の顔自体は非常に可愛らしいし、一人の人間として性格は良い。
結婚して損は無い。むしろ、得な事ばかりだ。
となれば、いかにして彼女と婚姻関係を結ぶかが焦点となる。
そのために蛮は、夏実に嘘の告白を行い、手玉にとろうと考えたのだ。
女は、言い訳の生き物だと言われる。
女は、お願いされる立場でなければ素直になれないと言う。
つまり、同意の上で関係を結ぶ時でさえ、男は女に言い訳を用意させねばならないのだ。
例えば今の蛮のように、夏実を背後から抱きしめ、逃げられない状況に追い込む。
更に、夏実の方から蛮を求めるのではなく、あくまで蛮が夏実を求めるように振舞う。
こうする事で、夏実としては「だって断りようが無かったしぃ」と、後で言い訳が立つ。
と同時に、お願いされる立場だと認識される事で、ちょっとしたお姫様扱いにもなる。
蛮は夏実の頬に手を添えて、首だけ自分の方に振り向かせるようにした。
そのまま自らも顔を前に突き出すようにする事で、至近距離で夏実と見詰め合う事が出来る。
今、夏実は、息すらもかかる程の距離で、蛮の瞳を覗き込んでいた。
いっその事邪眼の見せる夢だったら、こんなに困らなくて済むのに……と思う反面、
このひと時が夢や幻であってほしくない、とも思い始めていた。
「キス……して良いか?」
蛮の問いかけに、夏実の心は震えた。
彼女のすぐ目の前で、目つきは悪いが顔立ちの整った美少年が、
儚げな瞳で見つめ返してくる。
これを断れる程、夏実は蛮を異性として見ていないわけではなかった。
一言も答えず、しかし瞼をそっと閉じる。
それを合図にするかのように、蛮は夏実の唇に自らの唇を優しく重ねた。
続く
初めては、ちゃんとしたホテルかどこかのベッドの上で……
そう考えている女性が殆どだろう。少なくともキッチンで初体験をしたいと思う娘はいない。
当然夏実も、どうせやるのなら、出来れば自分の部屋で、と思った。
だが、蛮は遠慮なくその場で彼女の胸をまさぐった。
彼女の頭を、一瞬たりとも冷静にさせたくなかった。
冷める隙も与えず、勢いで行為に及ぶのが、彼の作戦の一環だった。
下手に考える隙を与えるのは、得策ではない。
更に、拒絶の言葉も吐けないよう、キスで念入りに唇を塞ぐ。
夏実には強く抵抗する意思は無いらしく、蛮のなすがままとなっている。
蛮はエプロンとブラウスの隙間に差し込んだ手を、尚も動かし続けた。
ブラジャーと制服に、生の感触が阻まれているのが少し惜しい。
蛮は一旦彼女から唇を離すと、エプロンの紐を解いてやった。
ぱさ、と音を立てて、白い布地が床の上に崩れる。
ブラウスの胸元は、蛮に揉みしだかれたために少し皺が出来ていた。
はしたないとは思う。
けれど、不思議と拒絶出来ない。拒絶しようとも思わない。
目の前の男に対して恋愛感情など持っていなかった筈なのに、何故か自然と受け入れられる。
夏実はそう思いながら、テーブルクロスの上に腰を下ろした。
そうしたのは、蛮が彼女を抱き上げて、そこに座らせたからだ。
だが、下りようという気にはならなかった。抵抗も感じなかった。
かつて父と囲んだこの食卓の上で乱れる事になろうとも、一片の罪悪感すら覚えそうに無い。
やはり自分には貞操観念が薄いのだろうなと、夏実は思った。
でなければ、まだ脱いでもいないスカートの中に蛮の首を迎え入れる事など、出来ようも無い。
「ふっ……く……」
溜息とも吐息ともつかない呼吸が漏れそうになるのを、懸命に堪える。
だが、スカートの中の蛮の責めは、おさまる気配を見せない。
パンティ越しに、温く湿った舌が大事な部分に触れ、頭がおかしくなりそうになる。
生温かい感触は、処女の夏実にはとても気持ち良いとは思えない。
だが、何故か声が漏れそうになる。苦痛や吐き気などとは違う、今まで感じた事も無い感覚。
あるいは、これを「感じている」と世間では言うのだろうかと、自問する。
蛮はスカートの中から顔を出すと、不敵に笑った。
「思ったより順応が早ぇな」
夏実の股間は、夏実が思っている以上に濡れてきているようだった。
蛮は夏実の胸元に両手を持っていき、ブラウスのボタンを外し始めた。
既に下の方を責められているのに、これでは順序が逆ではないかと夏実は思う。
だが、今になって気付くまで、まるでその事を気にとめなかった自分の思考を疑わしくも思う。
やはり、今日は何かがおかしい。
蛮に告白されてから、調子が狂ってしまっている。
蛮自身は、そこまで計算して作戦を実行しているわけではなかったが、都合は悪くなかった。
むしろ、彼女の冷静な思考回路が停止してくれれば停止してくれるだけ、自分は楽になる。
その分心理誘導をしなくて済むのだから。
……などと二人の考えが交錯している内に、夏実の胸からは
いつの間にかブラジャーも外され、取り払われていた。
むき出しになった控えめな乳房と、その先端には可愛らしい乳首。
蛮はゆっくりと口を近づけ、それからおもむろにその乳首に吸い付いた。
乳房の小さい女性は、乳首も標準よりやや小さい場合が多い。
それ故、蛮自身が楽しむには少し物足りないと感じたが、
それでも相手を満足させるだけなら、乳首の大きさなど然程関係は無い。
蛮は丁寧に、かつ荒々しく、ペロペロと彼女の乳首を苛めたおした。
やがてそれは硬くしこり始め、数分後には痛い程にカチカチに張り詰めていた。
「ま、こんなもんかな……」
蛮は小さく呟くと、もう片方の乳首も責め始めた。
こちらも感度は申し分無いようで、やはり程なくして、もう片方の乳首のように硬く仕上がった。
「そいじゃ、下の方も仕上げにかかるか」
蛮は夏実をゆっくりとテーブルの上に倒し、仰向けに寝かせた。
スカートを捲り、うっすらと染みたパンティを表に出す。
指をかけ、シールを剥がすように繊細に、太股に下ろしていく。
やがて、産毛も生え揃わない未成熟なヴァギナがあらわになった。
「やだ……あんまりジロジロ見たら駄目ですぅ……」
神に祈るように胸の前で腕を組む夏実が、涙目になって懇願する。
だが、今の蛮にとっては、もっと自分の恥ずかしいところを見て欲しいという哀願にしか思えない。
事実、夏実は見られたくないと思う反面、見られたいとも思っていた。
自己矛盾だが、恥じらいとはそういうものだ。
蛮はスカートのチャックを下ろして、そのままあっさりと脱がせてやった。
これで夏実は靴下と、足首にひっかかったパンティ以外は、何も纏っていない状態になった。
その状態でまんぐり返しの体勢にしてやり、股間が夏実自身に見えるようにする。
「やっ、ちょっ……!」
焦る夏実を無視して、蛮はそのまま夏実の膣を舐め始めた。
「ぴちゅ……じゅるっ……ぬちゅ……」
「やっ、やぁんっ! やだ、そんなのぉ……や、ふぅっ!」
男の舌に舐め回される自分の膣と、逆さに流れる愛液が、夏実の視点からはよく見えた。
舌がクリトリスに触れると、ショックで体が弓のように反り、つま先がピンと張った。
「ひぅっう! なにっ、やだ、これぇ……っ」
未知の快感が、夏実の全身を駆け巡った。
責められているのは股間だけの筈なのに、今や指先まで打ち震えている。
蛮は口を離すと、代わりに指を膣の中に挿入しだした。
異物が入ってくる感覚が、真新しい刺激となって彼女の思考を揺らす。
たったの一本の指が出し入れされる度に、脳天に小刻みに電撃が奔る。
電気椅子に座らされた囚人のように悶絶の表情を浮かべ、舌を突き出し、唾液を垂れ流す。
「上からも下からも涎がこぼれてきてんぜ?」
そんな蛮の言葉責めも、耳に入らない。
頭の中から理性が消し飛び、今や目の前の男の子を為したいという本能だけが働いていた。
これ以上やっては、本番前に夏実が絶頂に達してしまいそうだ。
そう思った蛮は、一旦クンニを中止し、夏実の越しをテーブルの上に下ろしてやった。
「はぁ……はぁ……」
断続的に吐息を漏らす夏実の呼吸が落ち着くのを待つ。
やがて息が整ってきたのを見ると、蛮は再び彼女の膣に狙いを定めた。
ただし、今度は舌ではない。
そそり立つ自らの男根をしっかりと手で固定し、その先端を目標に接触させる。
「入れんぜ、夏実ちゃん……」
「ふ、ふぁい……」
寝惚けたような虚ろな声で答える夏実の膣に、蛮の男根の先端が突き刺さった。
「い、ぐっ……ひぃ……」
ギチギチと音が響きそうな痛みに耐えながら、夏実は蛮を受け入れた。
幸い、思ったより抵抗も少なく済んだ。
処女ではあったが、一分程で挿入は完了した。出血も痛みも、大した事は無さそうだ。
「動くぜ……?」
「……うん」
覚悟を決めた夏実は、蛮の最後の問いに、ほぼ即答に近いタイミングで答えた。
本当ならここで、最低でも十秒。下手をすると数分は返答待ちになると、蛮は思っていたのだ。
しかし、せっかく容易く受け入れてくれるのだから、逃す手は無い。
蛮はゆっくりとピストン運動を開始した。
「ひゃあん! あん、やんっ! お、あ……そこ、そこぉおっ……!」
数分後、夏実の声は処女とは思えない程快楽に溺れていた。
ぱん、ぱん、ぱん……とスローペースで鳴っていた肉の音は、
今やパンパンパン、と一切の隙間無く部屋に響いていた。
そこそこ広い邸宅なので、近所にまで声が聞こえるという心配はほぼ無かった。
だが、夜なので声は響く。
「声抑えろよ……ご近所様に筒抜けだぜ?」
「あんっ、あんっ! やんっ、や、あ、あっ、あはっ、あぁ感じるぅっ、
あぁ、あっ、感じるよぉっ! あふんっ、んあぁあっ、気持ち良っ、ぃあぁっ!」
蛮の忠告も聞こえないのか、夏実は一心不乱に乱れまくった。
頭を左右に振り、時には仰け反る様に首をピンと張りながら、涙と涎を周囲に撒き散らす。
蛮が前傾姿勢になって唇を重ねてやると、頼んでもいないのに自分から舌を絡ませてくる。
両足を蛮の腰のあたりで絡ませ、相手のオスを離すまいとする。
両腕も彼の首の後ろを通って交差しており、蛮の首を拘束する。
ともすれば、自分の方が食われているのではないかと、蛮は錯覚しそうになった。
「くぅ……っそろそろ出るぜ! 夏実ちゃん!」
「あぁっ、うんっ、きて、きてぇっ! あぁぁあああぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁあぁぁ……」
夏実の足でがっちりと固定された蛮の下半身から、熱い汁が注ぎ込まれた。
ビクビクと痙攣する彼女の腹の中に、それは一滴残さず飲み込まれていった。
蛮と夏実は、それ以来恋人同士として接していた。
付き合っている事は周囲に内緒にしていたが、波児も銀次も薄々感づいているように思えた。
初めての夜を、思った以上に気持ち良く済ませる事の出来た夏実は、
そんな快感を与えてくれた蛮に、心底惚れ込んだようだった。
二人は、毎日のようにホンキートンクで顔を合わせ、時にはデートを楽しんだりもしながら、
夏実がホンキートンクの二階にに泊まって行かない日には、水城邸で交わったりもした。
まだ回数は多くないが、充実したセックスライフを満喫している。
どうやら、図らずも体の相性は良かったようだ。
夏実は蛮の子を産む事に何の抵抗も感じていない様子で、年齢の問題もそっちのけで
毎回ゴム無しを許容してくれている。
いい加減蛮の方が自制しないと、本当に妊娠させてしまいそうだ。
ともあれ、出来ちゃった結婚も悪くない。
要は、最終的に彼女の財産を利用出来るようになれば良いのだから。
だが、誤算が二つあった。
一つは、純粋に蛮を愛する夏実に対して、蛮が罪悪感を覚え始めた事。
それまで裏の世界で、どんな汚い事もやってきた自分が、まさか今更
道徳的な観念に支配されるとは思っていなかった。
ひょっとすると近い内に、お互いの気持ちがすれ違って、自然消滅するかもしれない。
そして、もう一つの誤算。それは……
「え? ホンキートンクのドアの修理代ですか?
そんなの自分で働いて稼いで、自分でお支払いしたら良いんじゃないですかぁ?」
意外と、夏実が金に関してしっかり者だったと言う事だ。
「ちょ、おま……肩代わりしてくんねぇのかよ!?」
「だってそんな相談受けた覚えありませんしぃ。
仮にあったとしても、そんな事のためにお金払ってあげる気無いですよ?
ラッキーを奪還してもらった時とはワケが違いますからっ」
蛮の顔は、途端に青ざめた。
結局彼は、必死で働いて自力で借金を返す羽目になった。
終了
良い話だw
女からすると胸糞悪い話だ
屍×卑がみたいな
赤屍って性欲あんのだろうか
じゃあヘヴンか卑弥呼が赤屍に性欲があるか調べる話…なんてどう?んでかえりうちにあうと言うありがちな。
じゃあこんなんはどうだろう。
「赤屍って性欲あるの?」言ってから、しまった、と思った。
別に悪意もなく純粋に疑問として浮かんでさして考えずに口に出してしまったが、いくら相手が規格外の殺人鬼でも失礼だろう。
続く沈黙に、卑弥呼は冷や汗をかく。
一殺那後にはコマ切れか。赤屍は何も、答えない。
なんで卑弥呼がこんなことを言い出したか、そもそもプライベートでは親しくないのに卑弥呼が赤屍の家に居るのか。
訳は数時間前に遡る。
タッグで仕事を組んで、成功して、依頼人から報償を受けとる。
それ自体は珍しいことでもない。
まずかったのは、依頼人の店選びのセンスだった。
いかにもなキャバレー。
下着の様な薄いキャミソールから豊かな胸を覗かせる女達。それを押し付けるように赤屍に身をすりよせる。
明らかに場違いな卑弥呼は不快に思ったが、赤屍はもっと不快そうだった。
「…失礼。離れて頂けますか」
絶対零度の微笑みで、女の首にメスをあてる。
「不快なので」
店は騒然となり、卑弥呼は依頼人から慌てて報償金を受けとると、赤屍をひっつかんで逃げるように店をでた。
クスクス笑いながらしかし、メスをしまわずますます殺気を濃くさせる赤屍。
ほっといたら気晴らしにでも通行人を切り刻みかねない。
そう思うと目をはなすことも出来ず、卑弥呼はそのまま赤屍の家まで来てしまった。
赤屍のいれてくれた存外に美味しいコーヒーを飲みながら、卑弥呼は店での出来事を思い返した。
男はみんな胸がでかくて頭の悪い女が好きだと思っていたが、赤屍はそうでもないらしい。
赤屍に常識を当てはめることこそ非常識なのかもしれないが、胸を押し付けられて「不快」と言うのはあまりにも極端じゃないか。
そもそも
「赤屍って性欲あるの?」
とここでやっと冒頭につながる。
「そうですねえ…」
脅える卑弥呼をよそに、赤屍はまだ思案顔。やがていいことを思い付いたと、笑った。
「確かめて頂けますか?」「…は?」
「私に性欲があるかを」
実験を助手に頼む教授のように、ごく平然とお願いしますと言った。
「…いいわ」
赤屍「確かめていただけますか?」
断れねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!111
298 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 16:36:01 ID:xzfeB6yZ
こんな行為をしている自分を、自分が一番信じられない。
けれど信じる必要もない。これは紛れもない現実だから。
赤屍の下着から現れたそれは、くにゃっと萎れていて、なんだかグロテスクだった。
それはじいっと見つめる卑弥呼をみて、赤屍はおかしそうに笑う。
「意外、ですね。拒絶するかとおもってたのに」
「そうね」
とりあえずそれを、軽く握ってみる。
「……っ」
ただ握ってるだけでは面白くないので、揉んでみたり上下に擦ってみたりする。「…卑弥呼、さん」
赤屍の焦ったような声。
…焦る?この男が?そんなものは一生聞けないと思っていた。
赤屍の表情をみると、目を閉じ眉を寄せ、口から時折、吐息がこぼれる。
「ずいぶんと、大胆、なんですね?」
からかう口調だが、とぎれとぎれなせいで強がりにしか聞こえない。
「そう…ね」
舌先をそれの先端に伸ばす。
「……ふっ、あ」
先から根本まで唾液を塗りたくるように舐める。
裏はこうなっているのか、と筋を舌を尖らして這わせる。
自分がまさかこんな商売女のような真似をするなんて。再び卑弥呼は自分に驚いた。
仕事中ゲスな男に狙われたことは何度もある。
全て撃退してきたが、そのたびに自分の女と言う性を嫌悪した。自分は性行為が嫌いだと思ってた。
だけど。
実力は足元にも及ばない、一瞬で自分を殺せるこの男が。
自分の手によって、舌によって、普段出さない声をだし普段見せない表情を見せて容易く悶えている姿は、悪くないと思う。
思いきって口を大きく開く。
「ちょ、ちょっとまってください」
狙いを即座に理解し、赤屍は卑弥呼の頭をつかんで押しとどめようとするが、力が入らず髪を弱々しくつかむだけだった。
髪をすく手を気持いいと感じつつ、卑弥呼は一気に口に含んだ。
じゅぷる、といやらしい水音が響く。
「…く」
苦い。でも気持悪いとは思わなかった。
歯を立てないよう気を付けながら、舌をうごめかす。頭を前後に動かす。卑弥呼の唾液と赤屍からでる液が卑弥呼の口と擦れあい、じゅぷじゅぷと響く。
「ん、んんっ」
理性などとうにとんでいる。ほほを上気させ髪をほつれさせながら、卑弥呼は懸命に奉仕していた。
「……っ」
赤屍の手が強く卑弥呼の頭を掴む。
一気に噴出し口の中に流れ込んできた液体に、驚いて卑弥呼は顔を離そうとするが、赤屍の手がそれを許さない。
なすがまま、喉にぬるりとしたモノが流れ込む。
「うー…」
赤屍の手がゆるまると、卑弥呼はぐったり床に倒れた。
「…すいません。つい」
さっきまでの姿は幻だったんじゃないかと思うくらい、いつもの赤屍の落ち着いた声。
「…いーわよ、もう」
「ありがとうございます」「なにが」
「お陰で分かりました。私に性欲があることが」
「…そーいやそんな話だったわね」
途中からすっかり忘れてた。
なんだか余計にぐったりし、起き上がる気力もない卑弥呼に赤屍はそっとちかづいた。
「…なに」
「汚してしまったから、掃除です」
赤屍は微笑むと、卑弥呼の顔に付いた精液を舐めとった。
額、頬、鼻。くすぐったくて身をよじらせる卑弥呼を押さえ付け、顎、耳。
赤屍が舌を長く伸ばし奥までくすぐると、たまらず卑弥呼はあえぐ。
「…ふ、ぁ、…やっ」
「卑弥呼さんは耳が弱いんですね?」
赤屍のクスクス笑いが、卑弥呼の耳に触れ、それだけで卑弥呼は身を震わせた。
「るっさい、さっきまであえいでた癖に…」
精一杯の憎まれ口をたたくと仕置とばかりに耳たぶをかまれた。
やがて舌が卑弥呼の唇までたどりつく。上下の唇の輪郭を、なぞるように這う。「………あっ」
薄く開いた口の隙間に赤屍の舌がするりと侵入する。卑弥呼の舌と赤屍の舌が絡み合う。卑弥呼の舌が逃げようとすれば、赤屍の舌が追う。決して逃がさない。
「ふっ、んっ、…あっ」
まるで、恋人同士のキスみたいだ。
唇同士が離れたあと、まだはっきりしない頭で卑弥呼はぼんやり思った。
フェラよりキスの方が照れ臭いなんて、変な話だ。
…というかそもそもキスの前にフェラしたことがまず人間として終わってんじゃないだろーか。
そこまで気付いてずがーんと落ち込む卑弥呼。
「なんだか順番が逆になってしまったようですね」
「本当ね…」
「では最初から始めませんか?」
にっこり笑って赤屍は卑弥呼を押し倒した。ぱぱっと手早く卑弥呼の服を脱がす。
「…え?…えー…え!?わーわーちょっとまった!」「待ちませんよ。貴方も待ってくれなかったじゃないですか」
先程のことをいってるらしい。根に持ってるだろうか。
「やっ、ちょ、…ふぁ、ま、やぁ…あか、ばね」
「貴方は本当に面白い」
赤屍は卑弥呼にキスを落とした。先程とは違う、触れるだけの。
なのに卑弥呼はこれまでで一番顔を赤らめた。
「本当に、ね」
そんなわけで、赤屍の性欲が人並み以上に旺盛であるということが卑弥呼の体を持って完全無欠に証明されました。
めでたしめでたし。
「GB女の子キャラにハアハア」スレ。なのに八割方卑弥呼×屍です (;´д`)スマソ
まず屍のブツを取り出すところで「ズボンのジッパーを下ろし」とかきかけて
「ズボン…チャック?屍が?」と悩み、
つづけて「パンツ」と打とうとして
「パンツ…トランクス?ブリーフ?えまさかヒモパン?」
とまた悩み。
バネはそゆうの想像しづらい。
あの裾広がるフレアスカートの下はノーパンですと言われたら信じる。バネなら。
GJ。
短くてでもしっかりまとめれてる感じで読みやすかった。
良かったね赤屍。
こういう短編的なものもどんどん書いていこうぜ。
何かいいネタはないかー。意外な組み合わせとか。
>>「貴方も待ってくれなかったじゃないですか」
怖えぇー!!!
まさか赤屍を使ってエロいの書ける人がいるとは思わなかった、GJ!
このスレでは卑弥呼は、耳が弱いというのが確定したな
>>154と言い
折角ヘヴンか卑弥呼という話が出たので赤屍とヘヴンをよみたい
304 :
>>303:2007/02/03(土) 19:35:20 ID:JVcdJbWq
予想通りの部屋だった。
壁紙一枚張られていない、素材剥き出しのコンクリートの壁。
机と椅子が一脚ずつ置かれてはいるが、使われているようにも思えない。
窓にはカーテンがつけられておらず、室内の様子が向かいのビルから丸見えだ。
ベッドは病院にあるような、パイプで骨格を組んだ簡素なデザイン。
布団をかぶるのが面倒くさいのか、冬だと言うのに敷布団の上には薄いバスタオル一枚のみ。
食器棚には最低限の皿とコーヒーカップがいくつか並ぶだけで、
普段から来客を全く想定していない様子が伺える。
天井には照明が備え付けられているが、多分一人の時は、夜になっても使っていないだろう。
彼は暗闇を苦にするような男ではない。
ヘヴンは、初めて訪れた赤屍の部屋を何と形容して良いかわからず、もどかしく思った。
これで中々掃除はまめにしているようで、清潔感だけはある。
従ってよく言う「監獄のような……」という雰囲気ではない。
さりとて温かみがあるかと言えば勿論無く、しかして機能性を追及しているという風でもない。
恐らく赤屍本人は、寝るための箱、という程度にしか考えてはいまい。
そもそも、彼が睡眠をとるのかどうかも疑わしいものだが……。
「……アンタって、寝た事あるの?」
「今現に寝ているではありませんか、あなたと」
「そう言う事じゃなくって……」
ヘヴンは、ベッドの上に横になった赤屍のペニスを、自らの乳房で挟み込んでいた。
風俗の世界で言うところの、いわゆるパイズリ。蛮あたりが好きそうなプレイだ。
赤屍の体の上に覆い被さるなどという、常人では不可能な筈の体勢を
いくらそれなりの理由があるとは言え、まさか自分がさせられる羽目になるとは
ヘヴンは思っていなかった。
「わかりませんね……これが『愛』というものなのですか?」
ヘヴンの巨乳に挟まれたペニスは、いつの間にか見事に硬くなっていた。
もっとも赤屍の事だから、性欲だとか生理現象といったものではなく、
それこそ任意で好き勝手に勃起を制御出来るのかもしれない。
まさかね……こいつも一応人間な筈だし、そんなワケ……と考えながら
ヘヴンは懸命に彼のペニスを左右の乳で包み込み、上下に動かしていた。
「『愛』の形なんて、人それぞれよ。そりゃセックスも、愛の結実した行為の一種ではあるケド?」
「あなたも、来栖柾と愛を確かめ合うのに、このような戯れをなさってきたのですか?
だとすれば、今私に対してこのような真似をなさるのは、いかがなものでしょう」
モノは立派に大きくなっているのに、赤屍ときたら、その表情は冷静そのものである。
「うるさいわねぇ。今アイツの名前出すんじゃないわよ。
アンタが『愛というものが具体的にどのようなものか教えて下さい』って言ってきたから私は……」
赤屍はしばし考え込んだ。
セックスが愛の証だと言う定説は、多角的に見ると単なる言い訳のようだ。
遺伝子を後世に伝えるための、生物に備わった本能を、無理矢理理性的に解釈しようとしているに過ぎない。
でなければレイプも、或いは今の自分とヘヴンの、興味本位からくる戯れも、愛という事になってしまう。
結局、後学の為にと思って彼女に教えを請うたのは、意味の無い事のようだった。
「もう結構ですよ。お疲れ様でした」
赤屍はそう言うと、ヘヴンの顔面に大量の精液を迸らせた。
「ちょ、待……っ!」
白濁の液体を顔いっぱいに受け止めながら、ヘヴンは目の前の男が、
結局何一つ人の『愛』というものを理解してくれていなさそうな事に、呆れそうになった。
自分のつぶやきから二つも名作が生まれる…ありがとうございます。ゴチになります。
意外でもなんでもなく、むしろオフィシャルでは作者イチオシだと思うのに、
なぜかこのスレでは口裏合わせてるかのよーに誰も書かないあのカポー。
蛮 卑 を だ れ か
書 い て く れ
m(__)m
近親相姦なんか今更障害でもないじゃないか…っ少なくともエロパロのこのスレでは…
連投ゴメンナサイoTL
》154の存在を忘れてたわけじゃないんだが、出来れば今度は大人の蛮卑をお願いします 神の降誕を心からお待ちしています
赤屍とヘヴンのもきたー!!
乙様。ありがとうございます。
>>307 大人の…って髪長い卑弥呼か?
ちびっこじゃなかったらショートでもロングでも。
でもやっぱり卑弥呼はショートが一番可愛いかなwww
卑弥呼うんぬんよりも、蛮がどうなるかわかんないからなぁ
消滅するのか、しないのか、バビロンに彼と同じ人間は存在するのか、しないのか
仮に消滅するとしたら、卑弥呼と絡ませるにはどうしても生前になるわけで
けれどそれだと卑弥呼処女説との兼ね合いで、どうしても本番は描写出来ないし
もし消滅してもバビロンにも存在するというのなら、卑弥呼とは兄妹としてなのか
それとも血縁でも何でも赤の他人という最も都合の良い関係としてなのか
それが判明しない事には、下手に書けないよ……
そういや過去スレでは結構、蛮卑もあったね・・・
原作設定を無視してもいいのだろうか。あとはパラレルなネタとか。そんなんでよかったら書いてみる。
蛮は一応卑弥呼と兄妹だったってこと知ってたみたいな感じだけど、もうちょっと前の話では「卑弥呼が血族」とか聞いて驚いてたよな。
いまいち蛮卑に関する伏線その他は今後原作ではあまり語られそうになくね?あと四話くらいらしいし。
アニメみたいに意味ありげに車の中でGBが肩よせあって終わってもなんら不思議はないペースだ。
何にしても大量にある不完全燃焼を少しでも解消したエンディングにしてほしいとかスレ違いで言ってみたり。
長文スマソ
楽しみにしてます蛮卑www
確かにエロは書きにくくなったけど、今の蛮卑の雰囲気好きだー。お互いにお互いを大事に思い合ってるんだけど、思いのベクトルが微妙にすれちがってる感じが切ない。
卑弥呼は多分異性として蛮が好きなんだろうけど、蛮は純粋に妹として大切なんだろうな…
「蛮卑」で検索したら、蛮×卑関連のサイトの出てくる事出てくる事w
やっぱ一番需要が多いんだろうねぇ
315 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 21:43:33 ID:e6ZEyNw8
なんとなくあげ。
昔奪還屋サイト巡りして、やおいサイトのあまりの多さに愕然としたことがある…(゜ロ゜;ガクブル
ノーマルカップリング好きの漏れにはこのスレがオアシス。
まさに聖地。
316 :
312:2007/02/08(木) 19:57:05 ID:cZaypVDM
とりあえず蛮卑で原作設定無視でエロ手前まで書いてみた。
軽いノリでしか書けないし、語彙も少ないし携帯からなので微妙かもしれないがよろしく。
続きを書くなというなら書かないのでそこんところもよろしく。
―――
レディポイズン・工藤卑弥呼は、結構マッドサイエンティストである。
新しい毒香水を作ってみる。
新しい毒香水を作ったら、人体で実験してみたくなる。
モルモットは、仕事の敵で。
そして、それは時に、
「テキトーな配合で作った毒香水がどんな効果を持つか試してみたいなー」
という、半分ギャンブル的な欲求につながる。
周りには迷惑極まりない話ではあるが。
だがしかし、卑弥呼はその日、自分が軽率だった、と己のマッドサイエンティストぶりを、とことん後悔、させられることになってしまった。
敵はGetBackers。こちらは赤屍と馬車とのタッグ。
依頼品の本物は馬車が運んでいて、赤屍と卑弥呼はGetBackersを覚攬させるために偽物を運んでいる。
そうとは知らず、蛮が卑弥呼を追ってきた。銀次は赤屍を追っているのか。いや、追われているのかもしれないが。
317 :
312:2007/02/08(木) 19:59:27 ID:cZaypVDM
どちらにしても仕事は成功したと言っていい。もうしばらく蛮をこちらに止めておけば、依頼品は依頼主に届くだろう。
どうせだし、蛮には毒香水のモルモットになってもらおう。ギャンブル的に作った毒香水。
大丈夫、死ぬようなものは使ってないし解毒香はちゃんとあるから。
深い森の中で、卑弥呼は密かにほくそ笑んだ。
「…そろそろ依頼品を渡してくれてもいいんだぜ?」
「あんたこそ、帰ってバイトした方が早いんじゃない?ツケ、溜ってるんでしょ?」
「これの仕事料が入ればツケなんざ余裕で返せるんだ、よ!」
蛮が仕掛けてきた。
ギリギリでかわし、ここぞとばかりにギャンブル毒香水を使う。
「へっ、見え見えだ…」
ニヤリ、余裕たっぷりに笑う蛮。だが、その鼻を、遅れたように甘い香りがくすぐる。
「な…」
気化が遅い毒香水だったのだ。
地面に落ち広がった液体が、今更芳香をたてる。
これには卑弥呼もびっくりした。
こういう毒香水もいいかもしれない。成功作か?
「…卑弥呼」
「…何?」
だが蛮の様子はあまり変わらない。何か効果があったのだろうか、それともただ香りだけ?
318 :
312:2007/02/08(木) 20:00:12 ID:cZaypVDM
「これ、どういう毒香水だ?」
「…さぁ」
「さぁ!?」
「テキトーな配合したやつだから。たまに作りたくなるのよね」
「テキトーだぁ?!」
様子がおかしい。蛮の精神的な様子。これは何か効果があったとしか考えられない。…まさか欲滅香になってたりとか。
「何か効果があったの?」
「大有りだよ!…とにかく解毒香持ってこい!」
「わかったわかった」
卑弥呼は素直に、言われた通り蛮の元へ解毒香を持っていった。
「でも、何の効果があったか教えないと解毒香あげないから」
蛮の目の前で、小瓶をちらつかせながら勝ち誇ったように卑弥呼が笑うと、何故か蛮もニヤリと笑う。
その笑みに、何故か悪寒が走った。
「…何の効果?教えてやるよ」
「!」
蛮に急に抱きよせられ、思わず卑弥呼は腰の毒香水に手をのばす。
「その体に、ゆっくり、たっぷり…な」
こらお前ちょっと待てこんな中途半端なところで止めるなコラおい続きはどうしたオイってば!
320 :
312:2007/02/08(木) 20:09:06 ID:cZaypVDM
だがその手は蛮に止められてしまい、毒香水をつけているホルダーを外されてしまう。
ドン、と近くにあった木に背中を押し付けられたかと思うと、顎を持ち上げられ、キスされた。
強引に、舌を割り込ませてくる。
「ん、んむ、っ…」
必死にその肩を押し返そうとしても、深いキスのせいで、だんだん力が抜けていった。
「要するに、超強力なバイアグラって言えばいいか?」
唇を離した蛮が、熱い吐息混じりに卑弥呼の耳元で囁いた。
「めちゃくちゃヤりたくなった」
―――
原作の雰囲気まるっきり無くて申し訳ない…
ちなみに漏れは蛮卑で検索して「名前に使える漢字」のページばかり引っかかった…
321 :
312:2007/02/08(木) 20:17:55 ID:cZaypVDM
>>319 連投規制に引っかかってびびってたorz
いえっふー待ってたぜ!!で、できれば最後までwwww
続きはまだかい?
あの夏実とレナの、いかにもメインヒロインです的笑顔ときたら
思わず犯さずにはいられない
325 :
312:2007/02/14(水) 16:00:20 ID:aafLEvdS
とりあえず一応続き。駄文だけど。
―――
反論する隙もなく、蛮の舌が耳を這った。
「や、蛮、ま、待って!解毒香ならちゃんと、ある…」
「無理。ま、自業自得だし諦めてヤらせろよ…」
言葉が耳にかかる。耳の中にまで侵入してくる、生暖かく、ざらざら、ぬるぬるした感触。
「や、あ…」
足に力が入らなくなってきて、卑弥呼は蛮にすがるように、彼の腕を握る。
そしてとどめ、とばかりに蛮が耳に息を吹きいれた瞬間。
「ふあっ…!」
卑弥呼の足がくずれた。
ずるずるとへたりこんでしまうと、蛮は屈んで、ニヤニヤと笑う。
「…お前にも毒香水効いてんのか?今日は随分敏感じゃねえか」
「あ、たしに、効く、わけ…」
「じゃあ何だ?2週間ほどヤってなかったから、溜ってた、とか」
蛮の手がズボンの中に侵入する。そのまま、下着の中に。
筋に指が這い、くちゅ、という水音が断続的に、卑弥呼の耳に届いた。
「や、あっ、ふあっ…」
「耳だけでこんなに濡らして。毒香水効いてねぇってんなら、随分とやらしい身体になったもんだなぁ」
指が止まり、下着ごとズボンを脱がされる。
そのまま蛮は卑弥呼を抱き上げて、少し広い場所にその身体を寝かせた。
326 :
312:2007/02/14(水) 16:02:13 ID:aafLEvdS
「蛮…」
名を呼んだのは、制止のためか、催促か。ただ卑弥呼は、起き上がろうとも、足を開かせてくる蛮にあらがおうともしなかった。
「なあ卑弥呼」
くちゅくちゅと秘所をかきまぜながら、蛮がまたねっとりと耳元で囁く。
「舐めあいっこ、しようか」
「な、に?」
「69」
シックスティナイン。
いつも、恥ずかしくて、絶対にやらせない、それ。
だが蛮は今日は有無を言わせず実行した。
寝転んだ卑弥呼の口に自身をくわえさせ、自分は彼女の秘所に容赦なく舌を這わせた。
「ん…」
いつも、口でやらされる時より、固く、大きくなっている。
さすが私の毒香水。すごい効き目、などとぼやけた頭で考えた。
必死に蛮のモノに奉仕する。
いろんな所を舐めて、口に含んで。
あまり口は大きくないから、口に含む時は苦しい。それでも頑張ってしまうのは、
「…卑弥呼、ホント、上手くなったな」
蛮が誉めてくれるから、なんて単純な理由である。
秘所を舐める蛮の舌が時々震える。感じてくれているのだろうか。
それでも蛮は、攻めるのをやめない。
ぐちゅ、ぐちゅ、と音をたてながら、舌を膣に侵入させて、かきまぜる。
「んんっ!う、ふ!」
327 :
312:2007/02/14(水) 16:03:23 ID:aafLEvdS
蛮のモノを加えたまま卑弥呼は声をあげた。
ぐちゅ、ぐちゅ。舌が出し入れされたり、ぐるりと舐めたり。
陰核を吸ったり、舐めまわしたり、グイグイと押してきたり。
「う、ふぅん!んん、ん!」
卑弥呼も負けじ、と蛮のモノを裏側から付け根まで、丁寧に舐めあげる。
それからカリの部分を含んでちゅう、と吸うと。
「!」
耐えきれなくなったのか白濁が卑弥呼の口の中に一気に放たれた。
飲み干そうとするが、その勢いは止まることなく、ついに卑弥呼は口を離してしまった。
「ふぁっ…」
真っ白い液体が彼女の顔と胸元にかかる。上の服は脱いでいないから、服に思いきり精液がかかってしまった。
蛮のモノは、あんなに出したというのに、まだ固い。
「…服、汚れちまったな」
蛮が身を起こして、卑弥呼の服を脱がせた。
屋外で、全裸。服を破かれたことは何度もあるが、全裸、というのはあまりない。
外気に触れてより固くなった乳首に蛮が吸い付いた。もう片方は指でこねくりまわされる。
「あ、ああっ!う、あ、あんっ!」
自分はこんなに胸が弱かったっけ、そうおぼろげに考えながら蛮の頭を掴む。
ニヤリ、と蛮が顔をあげて笑った。
328 :
312:2007/02/14(水) 16:04:35 ID:aafLEvdS
その瞬間、両方の乳首を一度にちゅぅ、と吸われた。
「ひゃん!」
いや、乳首だけじゃない。
耳にも、両方とも、舌が這ってて、あろうことか秘所も。
「どうだ?卑弥呼。クリトリスとマンコとアナル、同時に舐められてる感想は」
卑弥呼は今、七つの舌に身体中を舐められているのだ。
あり得ない。蛮の邪眼だとはわかったが、それでも、感じる。
「や、ああっ!ひ、うんっ!」
じゅぶ、じゅぶ
じゅる、じゅる
ちゅぷ、ちゅぷ
色んな水音が混ざる。
「や、だめ、蛮、いっちゃ、ああっ!」
「イく?どこが?」
「あ、お、おマ、ンコ、いっちゃ、あ、ああっ!」
瞬間膣内をなにか変なものがかきまわした。
細い触手のようなものが何本も、卑弥呼の膣の中で暴れる。
「だめ、だめえっ!も、あ、イく、いっちゃ、あ、ん!」
ちゅう、と一気に全ての舌に吸われた。
「ひああああっ!」
自分が潮を吹いたのを感じた。
「…ジャスト一分、だな。いい夢、だっただろ?」
「さいっ、てー。邪眼の、無駄使いじゃない」
「お前が気持ちよかったんなら無駄使いじゃねえよ」
ニヤニヤと笑いながらイったばかりの秘所を蛮がかきまわす。
329 :
312:2007/02/14(水) 16:05:33 ID:aafLEvdS
ぐちゅ、じゅぶ、ちゅぶ。水音が激しい。
「ひ、くぅ、ん、あっ!」
「…さて、と。そろそろ仕上げとするか」
蛮が唇を求めてくるのに、卑弥呼は必死で答えた。
唇を離すと蛮は卑弥呼の首筋に顔を埋め、いくつもキスマークを作った。
褐色の肌でそれはあまり目立たないが、蛮はいつも、そうやっていくつもキスマークをつける。
独占欲が、強いのだろうか。
「卑弥呼」
蛮がまた耳元でねっとりと囁く。
「たまに違う体位もしてみようぜ」
「え…?」
「いつも正常位か騎乗位、だろ?駅弁と立ちバック、どっちがいい?」
「駅…弁?」
あまりそういうことには知識がない卑弥呼は、聞きなれないその言葉を(いや、普通の、駅で売ってる駅弁なら分かるが)繰り返した。
「なんだ?駅弁がいいのか?ちなみに空弁はねえぞ、多分」
「いや、どういうのか、分からないし普通に…」
「じゃあやってみれば分かるだろ?」
自分の都合のいいように話を進め、蛮は立ち上がって卑弥呼を抱き上げた。
「へ…?」
「ちょっと疲れるかもな。ま、俺は大丈夫だけど…」
向かいあう形になって、蛮がゆっくりと卑弥呼の秘所に自身のモノをいれる。
330 :
312:2007/02/14(水) 16:06:48 ID:aafLEvdS
「ひあんっ!」
足が、つかない。
「卑弥呼、足、巻き付けろ」
言われた通り蛮の身体に足を巻き付ける。
卑弥呼は完全に蛮に支えられる形になってしまった。
普通の男なら体力が足りなくなるだろうが、蛮は軽々と卑弥呼を支え、秘所を突き上げた。
ぐちゅ、ぐちゅ。
「ふあ、ああっ!」
バランスが崩れそうになって、卑弥呼は必死に蛮にしがみついた。
「どうだ?いつもより気持ちいいか?」
「や、んな、こと、分かん、ない、あ、ふあ!」
「俺様が巧みすぎて分かんねえか、よしよし」
誰もそんなことは言っていない、と突っ込みたいのはやまやまだが、頭はショート寸前で、口を開けば甘い声ばかり出てしまう。
蛮が唇を重ね、舌を割り込ませてきたので、卑弥呼もそれに答えた。
「ん、ふ…」
嬌声がしばし止まる。
その、瞬間だった。
ガサガサ
「「?!」」
明らかに何か生き物が動いた音に驚いて、二人は音の方向を向いた。
ぴょん、と飛び出してきたのは、ウサギだった。
「…なんだ、びっくりした。誰かに見られたかと思ったぜ」
「…」
リアルタイムできたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
332 :
312:2007/02/14(水) 16:08:50 ID:aafLEvdS
行為に夢中になっていて、周囲の様子などまったく気にしてなかったが、この辺りには数匹、中くらいの大きさの動物の気配がする。
動物でよかった。人間に見られたら例えそれが誰であっても、どんな手を使ってでも忘却香をかがせねばならなくなる。
「…続けるぜ?」
「うん…」
だがなんとなく嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
そんな考えは、激しくなった蛮の突き上げに、一気に吹っ飛んだ。
「ん、ああっ!や、はげし、あ、あんっ!」
「そろそろ、終わらせるぜ?」
卑弥呼の了承を取りもせず、蛮は思いきり彼女を突き上げはじめた。
「ああっ!ひあっ!だめ、ばん、いっちゃ…」
「イっていいぜ?俺も、中で…」「な、あっ、ああっ、ひああああんっ!」
中はだめ。そう叫ぼうとした卑弥呼だったが、より深く蛮が突き上げてきたため、それは一際高い嬌声に変わった。
中で蛮の精液が放たれたのが分かる。
だが…
「…ね、蛮?」
「なんだ?」
「その、もしかして、まだ、毒香水の効果、残って、る?」
中で達したはずなのに、蛮のモノはまだ固く。
「…あの毒香水、商品にすれば絶対に儲かるぞ」
「どうでもいいから。いい加減抜いて…」
333 :
312:2007/02/14(水) 16:09:41 ID:aafLEvdS
意外にも蛮はすぐに解放してくれた…かと思いきや、抜いた筈の自身を、今度は別の体位でいれようとしている。
「ちょ、なにやって…」
「大車輪?どうせなら色んな体位試してみようて思ってな。あとは立ちバックと松葉崩しと…」
「…???」
そういうのにうとい卑弥呼は、ただ首を傾げる。
それを見た蛮は
「…教えてやるよ、全部」
「いや、いい!てか全部っていくつあるの…」
「四十八手とか言うから48、だな。やべぇ、まじで今日は全部やれそう。あんな毒香水作れるなんてお前天才だな」
「テキトーに作ったんだけど…じゃなくてだめ!」
「よし、やるぞ?覚悟はいいか?」
聞いたくせに半ば卑弥呼を押し倒している蛮。ヤル気マンマンだ。
「ま、待って、蛮!今はどっちも仕事途中なんだしそろそろ…ひあん!」
「急なハプニングにより仕事は中断中」
「だ、だめ、あ……」
334 :
312:2007/02/14(水) 16:10:24 ID:aafLEvdS
結局、かなりの数四十八手とやらをやられて、卑弥呼はぐったりとしていた。
蛮はやっと毒香水の効果が切れたはずなのに、余韻に浸っているのかキスしてきたり頭を撫でたり抱きしめてきたり、好き勝手やっている。
あんなにやったのになんでそんなにピンピンしてるのか、卑弥呼には不思議でたまらない。
「…卑弥呼。携帯、鳴ってるみたいだぜ?」
「あ、ホントだ」
マナーモードにしているため、バイブだけがぶるぶる震えている。
卑弥呼は携帯をとった。赤屍からだ。
『仕事はうまくいきましたよ、卑弥呼さん』
「そ。…なんかあんた、機嫌悪そうね?」
『つまらない仕事でした。銀次君も美堂君も追いかけてきてくださらないし』
「へ?天野、そっちに…」
天野、と言った瞬間ガサガサ!と音がした。
「…まさか」
蛮がゆっくり、音がした草むらをかきわける、と。
「こ、こんにちわ…」
鼻血を出しながら垂れている、彼の相棒が。
「あ、えと、これは、不可抗力で…」
「…天野」
「ふゎい!」
卑弥呼は服を羽織りながら、銀次に近づいていった。
「忘れろ」
「んあー!」
335 :
312:2007/02/14(水) 16:11:04 ID:aafLEvdS
忘却香と催眠香。卑弥呼お得意のコンボに、銀次はぐっすりと眠りについた。
「やるのに夢中で気がつかなかったな」
「…もうぜったい外じゃしないからね」
「え?いいじゃねえか、あおか…」
「…欲滅香、くらいたい?」
「ごめんなさい」
卑弥呼は大きくため息をついた。
もう絶対に、ギャンブルなんてしない。そう固く心に誓った卑弥呼であった。
おわり。
―――
書き逃げε=┏(; ̄▽ ̄)┛
うわあああんぐっっっ!じょぶ!!!
夢にまでみた蛮卑ーラブラブー感涙。。。
エロも最高だったけど蛮卑の会話に愛があってよかった…激しく萌えた…
誉められて頑張る卑弥呼ちょう可愛い。。
四十八手に挑む蛮男前。
もっかいGJ!!!
蛮卑ww
やっぱノーマルで一番蛮卑が好きだわ
お疲れ様でしたーっ!萌えをありがとう!
次はどんなのが読みたい?
天野博士と加賀美君の道ならぬアバンチュ〜ル
本スレではカップリング話出来ないからここでしようかと思ったけど
ここは逆に、カップリングを限定してしまてはいけないスレだったな、と思い直した
他カプを中傷しなければ話してもいいんでね?作家神様たちにいい刺激を与えるかもだし。
恵まれない雨流に愛の手を
》恵まれない雨流
ワロタww
相手はやっぱ朔羅かなぁ
でも奴は不幸でこそ輝く気がするw
とりあえずこのスレでは卑弥呼が耳に弱い事と
雨流が幸薄い事は確定なんだな
そんな幸薄い雨流が闇商人に騙され偽物の「幸運のつぼ」を買わされ、朔羅たんに慰められる話キボン。とか言ってみるテスト。どんな話や。
あいつに壷なんか買う金あるんかな
というか無限城在住者達の収入源が気になる
それはもちろん朔羅が身を呈して…
あとはMAKUBEXとかがハッキングだかなんだかでどうにかしてるんでしょう。
348 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 00:00:13 ID:sG07Ek+/
犯罪じゃねーかw
先週でMAKUBEX外に出られたみたいだけど
外に出られるという事は、義務教育を受けるべきで
本人が不要だと思っても、恐らく朔羅お姉様は無理矢理にでも学校に通わせる筈で
そうなるとMAKUBEXとレナって、年齢=学年一緒なんだよな……
ちょっと妄想続けてみようw
さぁこれで晴れて蛮卑カップリングが書き易くなりましたよ
蛮は消滅しない、誰の記憶からも消えない、卑弥呼との関係も変化無し
ついでに言うなら、もう卑弥呼相手に本番やっても良くなったわけだし
インセストである事さえ気にしなければ、書き放題ですよ、職人さーん!
>>351 よし、書くぞ!待ってな、いつになるかわからんが。
352 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 01:27:50 ID:XFoIRSRd
私待ーつっわ♪いつまでも待ーつっわ♪あげ
353 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 22:55:29 ID:vTlb9Gg2
age
リレーは続かなかったか…続きが見てみたかった。
原作を作り直したいな
主に蟲編以降
言うな…そう思ってるやつ結構いるから。ってか原作の終わり方べたぼめしてる人なんていないよね?
合体卑弥呼と蛮の直接対決見たかったなー。邪麻人を殺された恨みをぶつけて本気で殺しにかかる卑弥呼と、卑弥呼を傷付けられなくて苦しむ蛮、みたいな愛憎渦巻く切ない戦いが。
あと卑弥呼誕生日。忘れられてたなあ…
ところで卑弥呼の両方ほっぺ星どうよ?片方ある方が絶対可愛いと思うんだが。
神の記述終了あたりで見なくなった俺は勝ち組み?
しゃくあったら、卑弥呼が蛮と闘うとかあったのかなー
このスレの住人で、小説形式で作り直ししてみねぇ?
どのくらいの時間がかかるか、検討もつかんがw
どこかサイトを作ってやるしかねえぜ?
邪馬人を殺された恨みと蛮への愛情を抱えたまま戦いを挑む卑弥呼。
「蛮…なんであんたなのよっ…なんでっ……!!」
瞳を潤ませながら攻撃を仕掛けてくる卑弥呼に、心を痛めながらも攻撃できない蛮。
…こんな感じか?
とりあえず、最終回でもう一度卑弥呼の乳が見たか(ry
クイーンヒミコvs蛮も見てみてえーwwww
にっこり微笑みながら殺意全開な女王ww
あの丁寧な言葉づかいが萌えた
もしやるんだったら微力ながら参加したいな。
ただ自分にはサイト作るスキルがないorz
実際にやるとしたら、何人くらい集まるのかな?
とりあえず蛮卑はまだですかい?
366 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 19:44:57 ID:sFouFV+T
ここは蛮卑が人気だな
かくいう俺も好きだが
ネタの神様ネタをくださいorz
>>367 真のヒロインの座をかけて卑弥呼と夏実とレナと婦警さんの直接対決
バカッポー蛮卑。
風呂に全身を沈ませると卑弥呼はうぅーん、と声をあげた。
少々乙女らしくないが、それだけ彼女の一日が年齢不相応に厳しい、気の張るものだということなのだろう。風呂は彼女の一番の息抜きだった。
一日の疲れを洗い流して風呂から上がり、バスタオルで全身を拭く。
髪の毛も拭くが完全には乾かない。
パジャマを着て居間に行くと、目的の物は意外な人物が持っていた。
意外、と言ってもこの家に今いるのは自分とこいつしかいないが。
美堂蛮。邪眼の男がドライヤーを持って手招きした。
「乾かしてやっから来い」
「な、なんでよ」
誰かに髪を乾かしてもらうなんて、小さな子供みたいで恥ずかしいし照れ臭い。
「いーから」
ほれ、と手を引かれる。
仕方なく卑弥呼は蛮の前に座る。
後ろから抱えこまれるような形になり、やはり照れ臭い。
でも蛮に背をむけているので顔を見られずに済む。よかった、と卑弥呼は思った。
赤い顔しているのがばれたら絶対からかわれる。
370 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 05:32:33 ID:i20BKY18
ごぉーとドライヤーから熱風が吹き出し、蛮の手が卑弥呼の頭をがしがし拭く。(…気持ちいー)
くにゃっと体の力が抜けていく。
大きな手だと卑弥呼は感じる。その指先が頭を揉むように当たるのが、たまらなく気持ちいい。
ショートカットの髪はすぐに乾いて。
蛮はドライヤーのスイッチを切った。
それでも蛮は卑弥呼から離れない。むしろより密着している。
ドライヤーを脇に置き、空いた手は卑弥呼の前にまわる。ぎゅうっと抱きしめる。
「…なによ、もう渇いたでしょ」
こういう時くらい可愛い事が言いたいのに、照れた卑弥呼は憎まれ口を叩いてしまう。
「お前っていい匂いすんな。風呂上がりは余計」
勝手に首筋に顔を埋めている蛮は聞いてもないらしい。
幼い照れも強がりも多分バレバレで。それが卑弥呼は悔しい。
抱きしめられた体は風呂から上がってずいぶん経つのに、かえって温度が上がってる。汗もかく。
べろり、と舌が肌を舐める。
「…っ…いい匂いって…それ嫌味?」
卑弥呼の体からかおるのは、呪縛香。敵を操り自分の思うままに動かす毒香水。
「なんであんたは効かないのよ…」
以前は確実に効いたのに。今ではこの男はこの香りをかいでも好きな時に好きなように思うまま、自分の体に触れる。
「かぎすぎて効かなくなったんだろ…あー違うか」
にやり、と意地悪く笑う。
「今でも効いてんじゃねえ?つまりお前が望んでるってこった」
「違っ…」
否定の言葉も言わせてもらえない。
蛮が卑弥呼の唇を塞いだから。
未だ慣れない卑弥呼に教えるような丁寧なキス。
舌を絡ませ歯をなぞる。口を離して息継ぎをして、また繰り返す。お手本のような。
最後に卑弥呼の唇をひと舐めし。またにやっと笑う。「キスして欲しいって思ったんだろ」
「…な…ばか!」
これ以上ないくらいに顔を赤らめる卑弥呼。
おかまいなしに蛮は手を卑弥呼の体のあらゆる箇所に伸ばす。
パジャマの下から手を入れ胸に触る。
人指し指で乳首をひっかく。
「あ…やっ」
「揉んでほしいのか?やらしい奴」
胸を揉みながら舌は耳の奥を這う。片方の手はパジャマのズボンに伸びる。
「や、だめ」
「駄目っつっても俺はどうにも出来ないし」
いけしゃあしゃあと言う。ズボンの上から秘部を撫でる。まだるっこしい刺激がかえって苦しい。
「ひうっ」
「胸と同時に耳を舐めてここも責めて欲しいなんて、ほんとやらしくなっちまったなあ卑弥呼」
からかうように言われ卑弥呼はショックを受けた。
「…ちが…やっ!」
がり、と耳たぶを噛まれる。
「違わねーだろ?」
舌が耳から離れ、今度は頬を舐める。
「あっ…」
「もっと触って欲しいんだろ?認めたらもっと気持ち良くしてやる」
優しい優しい声。毒のように甘い声。
「な?卑弥呼」
幼い子供をなだめるように。
「…んっ、わかった、わよ」
卑弥呼は蛮の方向に体を向ける。
「…あー、その…おねが…っゃっ」
蛮の右手が卑弥呼の秘部を襲う。
「あー?なんつった?ちゃんと最後まで言わねえと聞いてやんねえぞ?」
「じゃあ手を離してよっ…あ、ん、やあ!」
「駄目。ほら、言えって」
笑う蛮の目には一片の容赦も無く。いじめている。
「ひ、どい…う、あんっ」
ぐちゃぐちゃと秘所をかきまぜる。
「言わねえと…やめちまうぞ?」
「…やぁ…」
最初の条件と目的とが変わった事にも、今の卑弥呼は気付かない。
ただ蛮にこの行為を止めて欲しくないと必死で願う。「お…ん…おねが、…あっあ、!…お、ねが…い」
かきまぜられるたびに言葉を詰まらせながら、なんとか懇願する。涙が一筋こぼれる。
それを舌で舐めとり、蛮は卑弥呼の頭を撫でる。
「良くできました」
ご褒美だ、と囁いて指の本数を増やす。
じゅぷじゅぷと音を出して出し入れする。
「ひ、あ、ああああっ」
結局風呂に入る前より汗をかくハメになった卑弥呼は、サド、と蛮の髪を引っ張った。誉め言葉だななどと言って笑い。
汗かいたならもう一度風呂に入るか、今度は一緒に。
ごめん一回下げ忘れたoTL
蛮と卑弥呼がくっついたらバカッポーになるに一票。
蛮卑ssばっかで他カプが投下しずらい流れなってる気がす。
漏れは蛮卑しか書けないがだからこそ他カプ大歓迎っす。
あれ、本番は?
あぁそうか、このスレ的には「耳」が既に本番に等しかったな、卑弥呼限定で
おっけ、グッジョブ!
GJ!
他カプかー…このスレで滅多に出ないキャラとかのとか…誰だ?
369の作者っす。
蛮卑の本番は書けないんだ…なんか照れ臭いんで。
でも次こそは本番付きでがんがる。
見たいカポーは花月×レン
銀次×夏実は需要ある?
あるあるwwwwww
378 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 22:53:20 ID:bJlvYd/Q
蛮の初めての女はマリーアだと思っていた
ひな祭りあげ
しまった、ひな祭りネタ書くのを忘れてた。
限定ポストカードの卑弥呼×マリーア×クレイマン
誰か書いて
381 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 22:55:14 ID:Q88n5cGH
aeg
書き手さんはきっと執筆中
投下まで萌え語りで繋ごうぜ
ゲトバで抜いたことある?
俺は女神の腕の岩陰で「あっ…ダメ…誰かにみられちゃうよっ…」に何回もお世話になってる
この漫画によくあるどーしようもないエロ繋ぎだけど、乳もまれてる彼女の切ない表情がたまらん
抜きどころだらけだろ、この漫画
全裸に剥かれて拘束された卑弥呼は言うに及ばず
俺程の猛者ともなると、クレイマンが初めて素顔を晒したあのコマだけでも抜けるしな
夏実が脱いでさえくれたなら、俺は一生その絵で抜け続けた筈だが
卑弥呼は裸で鏡に拘束されてたのもいいが、蟲編でのあの服装にやられた。
敵に捕まったところとかね。
>>386 あれはよかった…でもぱんつ見られて蛮を蹴り落とすくらいならもっと別の服を…とか思ったのは俺だけか?
スカートを短くしてても、じっと見られるのは嫌っていう女子高生の心理と同じだと思う
女子高生な…卑弥呼…w
年齢的には女子高生だよな卑弥呼
学年的には、夏実と卑弥呼とマドカって同じ学年になるんだよな
作中での、シリーズごとの時期や季節がわかりにくいから断定出来ないけど
多分マクベスはレナより一年後輩で、レンはマクベスより更に一年後輩
もうちょっと年齢考証まとめていったら
それだけ妄想の幅が広がるな・・・
あのチャイナ服が一番よかった。
そのままで拉致られて手をつながれてた時も、赤死香使った時も。
朔羅=保健室の先生
間久部=引きこもり
加賀見=非常勤
クレイマン=美術部顧問
ヘヴン=英語担当教員
マリーア=家庭科
阿久津=音楽の先生
山村のオッチャン=管理人さん
ということは先生が生徒を篭絡するから……
とりあえず卑弥呼の乳が見たかった…新しく描きおろしたりは‥ないかな?
もし描かれるとしたらどんなのがいい?
どんなのって・・・・
巨乳と貧乳とどっちが良いか、みたいな?
ひ ん に ゅ う
び に ゅ う
卑弥呼は微乳?美乳?
おいおい、卑弥呼の神髄は乳じゃなくて耳にある筈だろう?
少なくともこのスレでは
いや、乳だ。
というわけで、美乳に一票
402 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 23:15:53 ID:YEw7D7rK
結局この漫画って、ヒロイン誰なんだ?
夏実かレナか卑弥呼か(ヘブンは来栖とくっついたので除外
403 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 23:28:56 ID:VZBd7BvZ
まどかの縞パン (*´Д`) ハァハァ
ヒロイン誰か以前に、主人公誰なんだよ
銀次か蛮か卍か
そりゃホームレスのおじいちゃんに決まってるじゃないか
「貧乳は乳が感じやすい」という俗説をネタに誰か書かまいか
女の子は揉むより乳首いじる方が感じるらしいよ!
ところで「ひんにゅう」と打ったら「品丹生」と変換されたんだけどここ何処?
407 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 22:31:23 ID:IiVVtccz
揚げ
せっかくの限定版なのに来栖とツーショットのせいで脱がなかったヘヴンと
逆に脱がせるためだけに殆ど面識の無い筈の薫流と組まされた挙句MAKUBEXを孤独にさせた朔羅と
どっちが可哀相だと思う?
>>393 亀だが、保健室の先生は
赤川絹江のが良いんじゃない?
>>409 それだと引きこもりのマクベスが授業出ずに保健室で休んだ時に
朔羅先生に体で慰めてもらう展開が出来ないじゃないか!
不動は何か音楽の先生っぽい
何というか、指揮棒振ってそう
あ〜なんか髪型が…
不動ってあの(性)欲みなぎってるあたりといい、残忍な性格、粘着質で執念深そうなところといい、エロパロにびったり!なのに相手が居ない…oTL
拉致ったヘヴンも、手付かずの状態で牢屋に放り込んでたぐらいだしな
作中ではあらゆる欲を常に抱いてるかのような言い方されてたけど
殺戮衝動以外、特に欲らしい欲が見受けられなかったような・・・
性欲が目立ったらスケベ野郎になっちゃうし、
食欲が目立ったらカワイイことになっちゃうし
睡眠欲が目立ったら話にならないし
難しいところだ
もっと強いやつと戦いたい願望ではないかと新説を
睡眠欲強い不動…。
夜の9時ごろになると眠くなりぐずりだす。
「俺は眠いんだよ!ねむーい!」とかキレだす。
毎日十時間睡眠な不動。
うぁ。可愛い。
あれ?学生の話誰か書くの?
>>418 むしろここは貴方が神になるチャンスですよ
ちょっと、書いてみます。
まだ蛮と卑弥呼が同じ家に住んでいた頃の話。
「ば〜ん」
「んんっ、どうした、卑弥・・・・わああぁぁ」
「どうしたの?蛮」
「どうしたって・・・お前その格好!?」
蛮が驚くのも無理は無かった。卑弥呼の格好は裸だったのだ。
(それにこいつなんか成長してねえか?、昨日までは乳もほとんどなかったのに・・
なんか20歳ぐらいの身長と体格だ・・・それに・・目がなんかとろ〜んとして
やがるし・・)
「なによ〜蛮、どうしたの?それよりさ・・・ヤらない?」
「・・・・・・・あぁぁあ?なんつった卑弥呼・・今?」
「だから〜ヤらない?って聞いてんのよ〜、どうしたの?」
(ぜって〜変だ・・こいつ、確か昨日は夜中まで毒香水の生成や実験
してたっけな・・・ま、まさか・・)
「おい、卑弥呼、ちょっとここでまっとけ?いいな」
蛮は一目散に研究所?に駆け込んでいった。
バタッバタッバタッ・・
「なによ、蛮。まあいいや、一人でしちゃえ・・あっ・・あっ・・あぁ」
バタバタッ・・ガチャッ
「ん・・なんだこの甘い匂い・・」
研究所に入った蛮にまず飛び込んできたのはすさまじく甘く官能的な香りだった。
「や・・やべ、」バタンッ、
蛮は急いで扉を閉めた。
「やべえな、こんなに室内に充満してるっつうのは、多分あいつ調合失敗して
吸い込んじまったな・・多分、一時的な肉体の成長とそれに伴って、性欲なんか
増進させる働きがあるみてえだな・・・んっ?ってことは・・・まさか!!」
蛮は急いで卑弥呼のもとへと向かっていった。
421 :
蛮×卑弥呼(ギャグ?有):2007/03/24(土) 19:16:28 ID:orlGk1KJ
「おいっ、卑弥呼〜だいじょ・・う・・ぶ・・・じゃねえみてえだな・・・」
「あっ、あぁぁ・・あぁ、あっ、ど・・どう・・したの、バ・・蛮・・ふぅ」
卑弥呼は一人でヤってる最中だった。
(んん〜多分あの毒香水には羞恥心なんかも奪っちまう働きがあるんだろうな・・
じゃなきゃ俺見て続けたりしねえし、大体裸で俺の前にもこねえか・・
まあ邪馬人は仕事さがしに2〜3日留守にするっつってたからそれまでには治る
だろう、しかし、あんなの見せられて俺も我慢が・・・)
「あぁっ、あっ、くっ・・・はぁ・・ああぁぁ」
「別にいまこいつ襲っちまっても・・・いいかな・・忘却香使えば・・
どうにか・・なるだろうし・・もう・・限界だ〜・・・卑弥呼〜〜」
「えっ・・・あっ、蛮・・そ・・そんな・・いきなり〜・・あぁぁ〜〜!!!」
そして蛮と卑弥呼の快楽の宴が始まった。
422 :
蛮×卑弥呼(ギャグ?有):2007/03/24(土) 21:23:28 ID:orlGk1KJ
(やべっ、俺もやっぱ吸っちまったみてえだな・・やべえ・・ひみ・・・こ
・・・)
「あっ、あっ・・ば・・蛮、はげ・・・し・・い・・なっ・・あっ・・」
「くっ・・卑弥呼のやつ成長してるくせに・・締め付けが・・やべぇ」
(・・これで・・卑弥呼の初は俺ってことになんのかな・・くっ・・
ダメだ・・思考が・・もう・・)
「あっぁあ・・い・・いたっ・・あぁっ・・や・・・・・あぁぁぁ、も・・
もっ・・と、」
その瞬間蛮のなかでなにかが目覚めた!!
「へ・・・へへ・・卑弥呼、いくぜ!!」
いきなり、蛮の動きが激しくなった
「あぁぁ、ぁっ・・駄目・・そ・・そんな・・は・・や・・・・く・・
うごいちゃ・・らめぇぇ〜」
「へへ、おめえの乳がもうこんなに尖ってるぜ・・俺に揉んでほしいのかな・?
ほらよ」
蛮は思いっきり卑弥呼の胸を揉みだした。
「あっ・・む・・ね・・は・・よわ・・いの・・感じ・・ああぁ・・もう・・
あぁっ・・い・・イクッ、イっちゃう!!」
「おいおい、もうイクのかよ・・なら、俺も一緒にイッてやるぜ!!」
蛮は力強く乳首をつまみ引っ張った!!
「あぁぁ、らめ・・あっ・・い・・・イクッ・・・ハゥ!!」
「おれも・・い・・イクぜ・・クッ!!」
卑弥呼と蛮は盛大にイッた・・ちなみに蛮は卑弥呼の膣内に・・・・・
・・・・
1時間後・・蛮が先に目覚めた。
「くっ・・駄目か・・まだ卑弥呼のやろう戻ってねえ、・・・俺もまだなんか
やりたりねえって感じが残ってやがるぜ・・・そうだ!!確か・・解毒香があった
はずだ!!・・あれを使えばどうにか・・多分卑弥呼が持ってるはずだ・・」
蛮は卑弥呼の持っているであろう解毒香を探し始めた。
「どこだ・・ココか?・・くそ、どこにある・・」
「あっ・・ぁぁ・・ぁっ・・あぁああぁ・・」
「おいおい、卑弥呼のやろうこのぐれえで感じてやがるぜ・・まだ気絶してるはず
何だがな・・・・まあいい、ココか?・・・・・・・・・んっ?よく考えたら
裸の卑弥呼がどこに隠すってんだよ・・駄目だもう、頭がはたらかねえ・・」
こらw
>「裸の卑弥呼がどこに隠すんだよ…」
何気にアフォな蛮にワロタww
えろいよ〜二十歳の卑弥呼と少年蛮の裸のじゃれあいw
グッジョブ!!
>>422の続き
「えっと・・・・おい、卑弥呼そろそろ起きろ、おい」
「ん・・むにゃむにゃ・・蛮・・・」
「おい、卑弥呼、解毒香どこだ?おい」
「ん〜、らめらよ〜蛮〜そんなところ〜キャッ・・すぅ・・」
「こいつ・・・まだ起きねえ・・寝てやがんのか、まったくどんな
夢見てんだか。・・・さてと・・どうすっかな〜」
とりあえず、蛮は研究所に行くことにした。
「こうなりゃ、解毒香を探すしかねえ、快楽の虜になっちまう前に
探し出してやるぜ!!」
ガチャッ・・蛮は研究所へ入っていった。
「よし、もうあの匂いは消えてる・・さてとどこにあんだ?・・・・・・
あった!、よし・・すぅ・・・よし、ふうぅ、やっと落ち着いた・・
次は卑弥呼だな。」
蛮はすぐさま卑弥呼のもとへと向かった。
「おい、卑弥呼、解毒香だ。ほれ」
「ん・・すぅ・・ん・・んん」
見る見るうちに卑弥呼の体が縮んでいく。
「ふぅ、これでよしと。おい、卑弥呼、おきろ〜」
「・・・ん・・ああ、蛮。おはよ・・・・・・・えっ・・な・・んで
私・・こんな格好・・・まさか・蛮?」
「えっ・・ち、ちげえちげえ、俺は別に何も・・・お、おめえの乳臭え体なんて
誰が・・・はっ」
「へええ、すぅ、火炎香」
「ば、馬鹿やめろ〜」
「なにやってやがんだ、おめえら、裸同士でよ?」
「邪馬人、助けろ〜」
「問答無用、まて、蛮〜」
こうして、また一日が過ぎていくのであった。(終)
>>420〜
>>425の作者です。
ちょっと、流れ無視した感じですみませんね。学生編の流れみたいでしたし・・
まあ、正直私は卑弥呼萌えです。
反響よかったら次の話もかこうと思います。、それでは・・
グッジョブ!
卑弥呼受け万歳\(^-^)/と叫びつつ更に卑弥呼受け投下します。
銀次×卑弥呼です。
428 :
428:2007/03/26(月) 01:06:27 ID:0dJ7ts1g
ブードゥ・チャイルドの呪いが解決したあと、卑弥呼に言い寄る男は少なからずいた。
例えば黒衣の殺人者、
例えば女顔の絃使い、
例えば盲目の針遣い、
例えば邪眼の幼馴染み、
例えば。
そして彼女が選んだのは、周りにとっても当人達にとっても意外な人物だった。
(あー…しあわせ…)
ぬくぬくと暖かい卑弥呼の家で、銀次はしみじみと幸福を感じていた。
寒いスバルから逃れて暖かい部屋に居ること。
すぐそばに恋人が居ること。
それだけで、ああもう明日死んでもいいやくらいの幸せを感じることができる。いつまでもこんな風にいれたらいいのに、なんて銀次は願う。
平穏な状況は結局銀次自身によって破られることになるのだが。
「なに間抜けな顏してんのよ」
「いやーしゃーわせだなあって思って…って卑弥呼ちゃん!」
「?」
「…乳首立ってます」
え、と間抜けな顏をしたあと、卑弥呼は自身の胸を見て
「っきゃあああ!」
銀次をぐーでパンチした。黄金の右が見事にヒットする。
「ちょ、ちょっと待ってこっち見ないで!」
卑弥呼は背を向けるが、しかし銀次の目にはくっきり焼き付いている。
部屋着のフリースが描く曲線、ぷくんと立った乳首。(ということは…いま…卑弥呼ちゃんはノーブラなわけで…)
むらむらと欲望が立ち上がる。
見ないよ、と銀次は呟く。慌ててる卑弥呼の耳には届いて無いけれど、一応。
見ないけど。
「えいっ」
銀次は背後から抱きつき卑弥呼の胸を服の上から鷲掴みした。
「…!や、こら!はなしなさい!」
ばたばた暴れる卑弥呼を銀次は可愛いなあなんて思う。
耳の後ろを撫でると次第におとなしくなるところも本当に可愛い。
鼻の下が伸びきっているのを自覚しつつ、わざと真面目くさった声を出す銀次。「今はおうちだからいいけど、外の時はノーブラなんか絶対だめだよ。
男はみんなオオカミなんだから」
「…あ…あんたが…っゃ…いい例、よね…ふぁっ」
予想通りのセリフ。あえぎ声混じりで、うるむ目で睨みながら。
それが嬉しくて、銀次は卑弥呼の耳にそっと囁いた。
「いーんだよ俺は。卑弥呼ちゃん限定のオオカミなんだから」
甘い言葉。さすがにくさかったかなと照れたけど、卑弥呼は銀次以上に顏を赤くした 。
するりと銀次の手が服の下に忍びこんだ。
止めようとする卑弥呼の手は全く役に立たない。
脇腹を撫でられるだけで声が漏れてしまう。
卑弥呼が自分の無力さに歯噛みしているうちに、やすやすと手は胸にたどり着いた。
形を確認するように全体を一撫で。
「………っ」
「あー…。すっごい」
右手は優しく、左手は強く掴む。
繰り返し繰り返し揉む。柔らかな胸はその度に形を変える。
「すっごい柔らかくてあったかい。気持いい」
夢うつつ、の心地で銀次は呟いた。
卑弥呼ちゃんも気持いい?と聞くともう言葉もないようで。
聞こえないフリをするが、銀次は耳を舐めたり耳たぶを噛んだりして執拗に追い詰めた。
乳首をぎゅうっとつまむととうとう観念して、卑弥呼は小さくうなづいた。
「ふ…、あ、ん…や、あ…っ」
熱のこもった声、ただし躊躇いがちな。くいしばる口から漏れる息。
未だにこういった行為に慣れないらしく、素直にあえぐのはまだ抵抗があるらしい。
そんな抵抗も、ゆれ始めた腰を見れば意味がないのに。
「もう辛いよね?ここ…」あえて今まで触れなかった、股の間に手を伸ばす。
パンツの上からすっと秘部を撫でるとじんわりあたたかい。
「だ、めぇ…」
言葉だけの拒絶。顏を見れば、悦びの色が見え隠れする。
「意地っ張り」
そんなところもかわいいけれど。
彼女の意地を溶かす一番の方法を、銀次は知っている。
銀次は卑弥呼の前に体を動かした。
目と目を合わせ、すい寄せられるようにキスをした。どこに触れるよりも一番、唇に触れる時が緊張する。溶けあうと一番気持いいものだと分かるけれど。
口の中に舌をいれ滅茶苦茶に荒らすより、唇同士を触れ合わせる方が卑弥呼は好きらしかった。
それは銀次も同じで、二人は戯れるようにキスを繰り返す。
唇が離れ卑弥呼の顏を見ると、頬が上気し目がとろんとしている。
上の服を脱がしても、もう抵抗は無かった。
肌に唇を這わせゆっくりと下へ向かう。
いじりすぎて真っ赤に固くなった乳首を口に含むと、
「あんっ…!」
とずいぶん素直に声をあげた。
気を良くして更に下へ進む。
へその穴をくすぐるのも忘れない。
ズボンも脱がしてしまう。現れたのはこちらが恥じらうほどのま白い下着。
(うあ、鼻血でそう…)
童貞のようにどきどきしながら手にかけた。
脱がすときにくちゅっ、と音がするのがなんともいやらしかった。
ピンク色した其処は、うるんで悩ましく光っている。「…あんまり、見ないで…」
恥ずかしそうに隠す手を押さえて、銀次は凝視した。
くらくらする。
(…おいしそう)
生来食欲旺盛な銀次は、本能に動かされるままにぱくりと食い付いた。
「ひゃあっ!」
突然の刺激に飛び跳ねる卑弥呼の体を押さえて、更に奥へと舌を伸ばす。
じゅるり、じゅるり、と音を立てながら吸いあげる。「あ、あっあ、やあっ!ひうっ!…だめ、あぁっ!」
分けいっても分けいっても先はあり、生温く奥へと誘う其処。
匂いに頭が痺れた。
ただもう夢中になって舐め続ける。
「……く、あ、あぁ…も、や…」
卑弥呼の足が銀次の背中に触れた。冷たい足と熱い背中の温度差が気持ちいい。卑弥呼の体が動く度に足が上下に背中に擦れて、ぞくぞくした。
ふと銀次が顏を上げると、卑弥呼は目をつむっていた。
自分の足の間を男が一心不乱に舐めている姿が、恥ずかしくて見るに堪え無かったのだろうか。
もちろん銀次は許さない。
舌を指にシフトする。
離した舌を今度は下から上に這わせ、顎を舐める。
指は二本入れ、激しくかきまぜる。
「ひ、あ、あっ!んっ!」
「卑弥呼ちゃん、目、開けて欲しいな」
優しく、けれど有無を許さない口調。
びくりと卑弥呼は体を震わせたが、ふるふると頭を降る。
「お願い。卑弥呼ちゃんの目が見たいんだ、ね?」
耳元に唇を寄せて。
指をくいっと折り曲げる。
「…ふぁっ…」
「…お願い」
とびっきりの甘い声。
「………卑弥呼」
銀次は恋人になってからも、卑弥呼をちゃん付けで呼んだ。
最後の最後のとっておきの場合以外は。
ずるい、と卑弥呼は思った。
悔しくて、それ以上に嬉しくて、卑弥呼は目を開けた。
めちゃくちゃ嬉しそうな笑顔の銀次と目が合った。
「やっと俺を見てくれたね、卑弥呼ちゃん」
銀次は卑弥呼を押し潰すくらいにぎゅうーと抱き締めてキスをした。
「………あ」
卑弥呼の表情から察知した銀次は顔色を変えた。
「…それで、その…」
腰に固いモノが当たる。
おずおずと銀次は切り出した。
「……いい?」
まるで主人の機嫌をうかがうペットのような表情と、求める行為のギャップに卑弥呼は少し笑った。
「……うん」
もう何度目かになるし、銀次は決して痛いことはしないと信用しているが、この瞬間はやはり怖い。
体を横たえ目をつむりながら待っていると、
「………あっ!」
銀次の間抜けな声が響いた。
何事かと目を開けると、銀次は背を向け前屈みになって慌てている。
「ちょっと待ってて!ゴ、ゴムつけ忘れてたごめん!!」
ムードぶち壊しの発言に、卑弥呼はこみあげるものを感じた。
「よしばっちり!さあ卑弥呼ちゃん…あれ?」
「ふ、ふふ」
「え?」
「…あははははは!!!」「え、卑弥呼ちゃん!?」ひとしきり笑った卑弥呼は銀次の体に持たれかかった。
「…ごめん、なんかあんたらしくて。体の力抜けた」「…力抜けたならいいけどさ」
「……大好き」
「え!?」
驚く銀次に、卑弥呼は照れ隠しにキスをした。
「…卑弥呼ちゃん、いくよ」
「……ん」
大笑いして緊張がほぐれたせいだろう、銀次のは卑弥呼の中にいつもよりスムーズに入っていった。
全部が入って、銀次は一息ついたあと、卑弥呼に声をかけた。
「大丈夫?」
「…だいじょうぶ。でも…」
「なになに?」
今すぐ抜いて、だったらどうしようと恐れつつ。
卑弥呼の前髪が汗で額に張り付いているのを払う。
「……キスして?」
「…ごはっ」
クリーンヒットだった。
自身が大きくなったのを自覚する。
卑弥呼は直にそれを感じて、苦しそうに眉を寄せる。その表情に申し訳なくなると同時に興奮している自分を銀次は発見した。
ごめんと謝りながら卑弥呼にキスをして、腰を動かす。
「んっ、んん」
キスをしながら繋がっている感覚に酔うが、やはり卑弥呼のあえぎ声が聞きたくて、銀次は唇を離した。
離れる瞬間、悲しそうな顏をする卑弥呼を心から愛しく思った。
腰を振りつつ卑弥呼の耳をぎりっと噛む。
興奮のあまり力加減が利かない。
卑弥呼の中がきゅうっとしまる。
「…く、やば…!」
「あ、ああ!ひぅっ!」
舌や指で触れた時、反応の良かった場所を狙って打つと予想以上の効果がでた。出し入れする時のぐちょぐちょという音、喉の枯れそうなあえぎ声、絡み合う汗の味、
聴覚と味覚が犯され思考がショートしながら、残された部分で銀次は覚え込む。卑弥呼ちゃんの弱い部分は、ここだね。
死んだって忘れるものか。「…お、おれ、もう…」
「あ、ああああっ!!」
ふいー、と銀次は息を吐いた。
卑弥呼の体を離し、仰向けになって体を伸ばした。
心地いい疲労感が全身を包む。
けれど息子はまだまだ元気で。
父さんまだ行けますと主張している。
さてどうしたものか。
卑弥呼に無理はさせられないしいつも通り自己処理で…と考えていると。
ゆらり、と影が銀次の体を覆う。
卑弥呼だった。
「卑弥呼ちゃん、どしたの?」
「………」
まだぼんやりとした表情のまま、卑弥呼は銀次の質問に答えない。
無言で体を屈め、銀次にキスをする。
「ひ、卑弥呼ちゃん」
少し面食らった銀次をしり目に、卑弥呼はちゅっちゅっと細かいキスを繰り返す。
唇を離さないまま、腰を前後に動かし銀次の息子に擦り付ける。
粘膜が擦れ合う度にぬちゃり、ぬちゃり、と音がした。
いまだ濡れる暖かい秘部の愛撫に、銀次のは爆発寸前だった。
「…したりないの?」
聞くと卑弥呼は幼子のような素直さでこくんとうなづいた。
「………!卑弥呼ちゃんっ!」
意地っ張りな卑弥呼ちゃんも可愛いけど、シてくうちに素直になってくるのも、たまんないんだよなあ…とのろけたことを考えながら、銀次は第二ラウンドを開始した。
〜おまけ〜
「あんたに一つお願いがあるんだけど」
「なになにっ?何でも言って!」
「あたしの前でタレないで。正直気味悪いから」
が〜ん!!
「…ふーん、そんなこと言って良いのかなあ?(タレ化)」
「ああっ言ってるそばからっ…きゃあっ!」
ぷにぷにっ
「こーしちゃうのです」
「や、やめっ」
びちびちっ
「あ、あぁっ」
ぺとぺとっ
「いやぁっ!」
「あれ〜どうしたんですか卑弥呼ちゃん?」
ぴちぴちっ
「ひ、ひぅ…やぁ…お願い…も、やめてぇ…」
「駄目なのです。お仕置きで今日は最後までタレるのです。
今日は何回イクのかなあ〜♪」
「あぁんっ!や、こんな下等生物に〜」
終われ。
GJっす。
銀次と卑弥呼っていうのも新鮮でいいですね。
俺もまた書きたくなってきました^^
タレ銀次と卑弥呼ってのが・・グッジョブ
卑弥呼職人様達GJ!!!!
名前すらあがらない雨流に萌えたw
439 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 01:02:54 ID:f4uZNvlK
雨流期待アゲ
赤屍さんで何か書きたいが……相手が思い浮かばないダメっぷり。
たまには何かあまり此処で出番のない女性と出来ればお願いします
マクベ博士で良いじゃない
また誰の手垢もついてないぜ
でもいくつなんだろう博士。
原作者が「見た目幼女だけど中身は老女」とかファンブックのインタビューで言ってた。と思う。
婦警さん・クレイマンさえも制覇したこのスレで出てない女子キャラ…
あ、マリーアは?
マリーア×蛮の筆下ろしキボン。
444 :
マリーア×蛮:2007/03/28(水) 23:51:17 ID:OOUuGDTC
無謀にも投下してみます・・
前に住んでいたところを追われて数ヶ月・・
マリーアとともに逃げた蛮は山奥の小さな小屋に行き着いていた。
「呪術師たちは、多分また私たちの居所を突き止めるでしょうね。」
「ああ、そうだろうな・・おそらくここも4〜5日ぐらいしたら出なきゃ
いけねえだろうな・・」
「そうね・・・」
「そ、それよりマリーア・・寒くねえか?」
「確かに・・・薪もないし・・暖をとろうにも何もないわね・・あっても
毛布ぐらいのもんよ。・・ここは人肌で温めあうしかないのかしらね〜」
「おい、その年でそういうのやめろよな。ババァ」
その瞬間マリーアの右パンチが炸裂した。
「ばばあですって〜!!」
「おい、やめろやめろ〜・・・もう寝るぞ」
「フフッ・・そうね」
・・・それから1時間あまりが過ぎたころ・・・マリーアはまだ起きていた。
「ふぅーっ・・・」
マリーアは深くため息をつくと蛮のことを考え始めた。
(この子は・・母の愛や父からの愛も知らずただ自分の運命と闘い続けてるのよね・・
これが不限の瞳を受け継いだものの宿命とはいえ・・・私に出来ることは
もうこれぐらいしかないわね・・)
マリーアはそういうといきなり服を脱ぎだし・・蛮の寝ている毛布の中に
入った。
「ん・・んんん?なんだ、マリーア・・・な・・?」
「いいのよ、蛮・・・私を好きにしても・・私はあなたのおばあさまに
あなたのことを任されてから何が出来るかずっと考えてきたの・・
でも私にはこれぐらいしか出来ない・・・さあ、来て・・蛮」
「じょ・・・冗談じゃ・・ねえ・・・・のか?」
「ええ、さあ・・来なさい、蛮」
そっと、マリーアの体に触れてみる・・・何か自分の体のなかにこみ上げるものを
感じた。
ばさっ・・蛮も服を脱ぎ一糸まとわぬ姿になった。
「いいんだな・・・マリーア。」
「女に何度も言わせないの・・さあ、来て・・」
蛮はそっとマリーアの胸に手を置いた。
どきどき 続き待ち
ホンキートンクは、常連が訪れこそすれ、混む事などは稀だった。
近くに大学やオフィス街があるわけでもなく、マンションや住宅街も遠い。
混む時があるとすればそれは、たまたま常連客達が、
揃いも揃ってほぼ同じ時間に入店した場合ぐらいのものだろう。
工藤卑弥呼がその店を訪れたのは、丁度そんな時だった。
「いらっしゃ……おぉ卑弥呼ちゃんか、久しぶりだねぇ」
波児は、一ヶ月ぶりくらいに見かけたその馴染みの顔に、挨拶を交わした。
「マスター、エスメラルダを一杯。砂糖二個でね」
簡潔に注文だけ済ませると卑弥呼は、カウンター席に座る実の兄……
美堂蛮の横に着席した。
「久しぶりね。髪型、イメチェンでもしたの? それとも、お風呂上りかしら?」
そう問いかけたのは、彼の髪がウニ型ではなく、真っ直ぐに下ろされていたからだ。
「風呂なんかに入れる程、金を持ってるように見えるかぁ?
公園の池で洗ってきただけだよ。乾けばその内またツンツンしてくらぁ」
「勿体無いわね。あの髪型、私正直嫌いなんだけど」
あんな髪型が好きな人間は、確かにそうはいない。
勘違い全開の田舎ヤンキーか、マクロスの主人公か、雪代縁ぐらいのものだ。
実際作者も、蛮は髪下ろして白カッター着てる時のが一番好きなので、
好みで勝手にそのイメージで脳内固定させてもらうつもりだ。
そんな書き手の都合を流して、卑弥呼は店内を見渡してみた。
蛮の隣に天野銀次がいるのはいつもの事だが、その更に隣には冬木士度。
そのまた隣に音羽マドカと、風鳥院花月。
テーブル席には仲介屋のヘヴンと、デートでもしているのか、来栖柾。
別のテーブルには、珍しく無限城の外に出てきたヒキコモリのMAKUBEXと、保護者の朔羅。
「……今日は何かの記念日だったかしら?」
「いんや。ただ単に、偶然今日このタイミングで皆この店に来ただけだ」
この超ご都合主義的展開を、偶然の一言で片付けるとは良い度胸だ。
明らかに、何か起こるに決まっている顔ぶれだ。
赤屍やマリーアがいないだけ、まだマシに見えるくらいだ。
蛮はブルマンを飲み干すと、追加注文をした。
つられて、銀次も注文する。
「おい波児、ブルマンもう一杯。ツケでな」
「ダッチワイフお願ーい! ツケで!」
もう今更定番のツッコミをする気は、波児にも蛮にも無い。
一つ溜息をこぼすと、波児は常からの疑問を今日も習性のごとく投げかけた。
「……お前等は一体いつんなったらツケ払ってくれんのよ?」
最近は、一日に二回か三回はこの台詞を言わねば、一日が過ぎた気がしない程だ。
願わくば、こんな形で人生を実感などしたくはないのだが。
「仕方無ぇだろが。仕事が入ってこねぇんだからよぉ。
おいヘヴン、新しい依頼は無ぇのかよ?」
問われて、ヘヴンは気まずそうな表情を見せた。
来栖と蛮の顔を交互に見比べ、冷や汗をかきつつ釈明をする。
「ごめんねぇ蛮君、銀ちゃん。最近、依頼は殆ど柾に回してるのよ」
「んだとぉ!? こら無精髭ぇ! テメェまで猿回しに続いて奪還屋を……」
怒鳴る蛮を、すました顔で受け流す来栖。
「奪還屋じゃない、運び屋だ。
元々俺は、ヘヴンと出会う前から運び屋をやってたんだよ。
奪還屋などという融通のきかない仕事は、俺はしない」
「あぁ!?」
「運び屋ならば、目的地まで無事に身柄を送り届けてくれと頼まれれば、護り屋にもなれる。
奪われた物品を持ち主の元へ運べと言われれば奪還屋にもなれるし、
ターゲットを地獄へ送り届けろと言われれば、殺し屋にもなれる。
ま、さすがに殺しは請け負わないがな」
その主張は、冷静で隙が無かった。
確かに、言われてみればこんなに融通のきく稼業はそうそう無い。
だが、蛮はそれが気に食わなかった。
「ガイドブックじゃどんな設定が付加されるかもわからねぇのに、
勝手に設定作って公式化しようとしてんじゃねぇ!」
神視点でそう話す蛮の言葉は、卑弥呼には理解出来なかった。
「……アンタ何の話してんのよ。って言うか、その髭の言う事は正論よ。
職種が限定されないからいろんな依頼を受けられるのは、私が運び屋をやってる理由の一つよ。
赤屍が運び屋をやってたのも、殺人の機会が多いからだし」
そんな事を言われても、『奪り還す』事にポリシーを持つ蛮には、
今更運び屋に鞍替えするなどという優柔不断な思考は出来なかった。
かつて奪い屋をやっていた頃の事など、どうでも良い。
「おい猿回し。ヘヴンが依頼全部無精髭に回してんだったら、
テメェだって今稼げてねぇんじゃねぇのか? まさかヒモか?」
蛮は、恋人がいる分士度の方が勝ち組であるにも関わらず、
何故か根拠も無く上からの目線で彼を挑発した。
が、生憎そんな小賢しい真似は、士度には通用しなかった。
「お生憎様、マドカの世話にはなってるが、ヒモじゃねぇよ」
「はぁ? どう言うこった」
その説明は、ヘヴンが引き受けた。
「知らなかったの、蛮君?
マドカちゃんの知り合いには、セレブがいっぱいいるからねぇ。
高額の依頼が、結構回してもらえるみたいよ?」
「マジで!? ねぇ士度、マドカちゃん!
俺等にも少しくらい仕事まわしてよ!」
蛮に代わって士度に頼み込んだのは、銀次だった。
しかし、そんな懇願は無駄に終わった。
困ったように笑うマドカの代わりに、士度が説明する。
「悪ぃな銀次。依頼人は、俺の腕と、何よりマドカの人柄を信用して仕事をくれるんだ。
いくら俺がお前等の腕を信用してようと、他人に仕事を預けるつもりは無ぇよ。」
それもまた、まさしく正論だった。
蛮としては、こういう答えが返ってくるであろう事が予測出来ていたからこそ、
銀次と違い、仕事の斡旋を頼んだりしなかったのだ。
蛮は次に、テーブル席に座るMAKUBEXに声をかけた。
「おいヒッキー、お前等どうやって無限城で生計立ててんのよ?
ヒキコモリのニートじゃ、保護者に食わしてもらうしかねぇんじゃねぇのか?
案外そこのお姉様が、体で稼いで……」
言いかけた蛮の体を、無数の絃が突然絡め取る。
いきなり天井に釣り上げられ、蛮はすまし顔で紅茶をすする花月を見下ろした。
「テメェ糸巻き! 何しやがる!」
「今日ここには、十兵衛も笑師もいないからね。
朔羅が侮辱されたとあれば、それを諌めるのは僕の役割かと」
情けなく吊るされた兄の姿を、卑弥呼は白い目で見上げるしか出来なかった。
頭痛でもするのか、MAKUBEXは軽く眉間に手を当てた。
「あのねぇ……そもそも年齢から言えば中学生の僕が、ニートに該当するわけ無いだろう。
それに、自力でちゃんとお金は稼いでるよ。プログラムを作って、法人向けに販売してるんだ。
とは言っても未成年の契約には法定代理人が必要だから、朔羅に手伝ってもらってるけど」
そうなると今度は、花月の収入源が気になる。
確か案内屋を営んでいた筈だが、そんな仕事が果たして儲かるのだろうか?
そう尋ねてみると、花月はあっさりと答えた。
「そうですね。今はロウアータウンの観光案内のような事をしてますよ。
無限城は以前と違って、比較的安全になりましたから。
危険でないわけではありませんが、強盗や強姦に遭遇する確率は、
今では裏新宿とそう変わらないですしね、MAKUBEXの統治のお陰で」
聞くところによると、無限城ツアーは結構な予約をとれるものらしい。
兼ねてよりあの城を、遊山気分で探索してみたいと思う愚か者は少なくなかった。
それが今では実現可能な程、無限城の治安は良くなった。
仮にツアー中に怪我人が出ても、筧十兵衛の針治療と、薬屋レン達に頼めば大抵事無きを得るらしい。
こうして見ると、仕事が軌道に乗ってる男は皆、恋人のいる者ばかりだ。
来栖にとってのヘヴン、士度にとってのマドカは言うに及ばず、
MAKUBEXにとっての朔羅や、花月にとっての十兵衛を恋人と見なさない者は、このスレには居まい。
となれば、銀次は蛮にとっての恋人の筈だが、801ネタを書く気は無いので今回はスルーして欲しい。
第一ここは801禁止スレだ。
「悔しかったら、アンタも彼女くらい作りなさいな。
勝利の女神が、運を運んできてくれるかもよ?」
この場でただ一人、恋人もいないくせに仕事の順調な卑弥呼が、蛮を茶化した。
だが、その言葉に反応したのは夏実だった。
「……あれぇ?
卑弥呼ちゃんって、蛮さんのカノジョじゃなかったんですか?」
一瞬、場が静まりかえる。
この場に集まった者の誰もが、卑弥呼の蛮に対する好意と思慕には気付いていた。
そして同時に、あの無限城での戦いを経た今では、その二人が兄妹である事も。
聞かされていないのは、夏実とレナだけだった。
「な、ななななな……何言ってんのよ!
わたっ、私は別に、ばばば蛮の事なんか……!」
本音を突かれると慌てる辺りは、ツンデレの本領発揮である。
どうやら卑弥呼は、まだ蛮への好意を捨てきれていないようだった。
(今思ったが、妹でツンデレでボーイッシュでショートカットで色黒で処女とは、随分属性の多い娘だ)
「あのなぁ夏実ちゃん……。
言い忘れてたけど、俺と卑弥呼は……」
戸惑う卑弥呼に代わって答えようとしたのは、蛮だった。
慌てふためく妹をフォローするあたりは、やはり頼り甲斐のある兄そのものだ。
しかし、思っていた言葉を言い切る前に、またも夏実に空気を止められた。
「あっ、ひょっとしてお二人って、元カレと元カノなんですか?」
ピキーン……
という音が、銀次の耳に響いてきた。
段々話がおかしい方向にこじれていく気配がする。
波児は我関せずというスタンスを決め込み、そっぽを向いて新聞を読み始めた。
MAKUBEXと朔羅は「そろそろお会計を……」と言って席を立ちたかったが、
レジまでの通過点に、当事者である蛮と卑弥呼がいるので、通りにくくて仕方が無かった。
そんな場の空気をよそに、天然の夏実は一人納得したような表情で、ウンウンと頷いている。
「そっかぁ、そりゃ難しいですよねぇ、一度別れたのにヨリを戻すって言うのは」
「……話を聞けや」
何とか場を取り持とうとする蛮だったが、火のついた卑弥呼が暴走を始めた。
「ちょっと、水城夏実さんだっけ?
アンタこそ、蛮とはどうなのよ。以前蛮がルシファーにボロカスに負けた時、
徹夜で看病してあげてたでしょ?」
言葉と態度は澄ましているが、目には女豹の鋭さが漂っていた。
が、やはり天然には通用しない。
夏実は「ほえ?」といった表情で、卑弥呼の挑発を華麗にスルーした。
「私ですかぁ? 私は別に蛮さんとは何の関係も無いですよ。
看病してたのは卑弥呼さんだって一緒だったじゃないですか。
どっちかって言うと、レナちゃんの方が、蛮さんにベタボレだと思うんですけど」
「はぁ!? ちょ、ちょっと先輩! 何言って……」
銀次の、というより、この場のほぼ全員の予想通りになってきた。
確実に、修羅場に近付いている。
「あれ、違うの? だってレナちゃん、松茸の代金奪還してもらってから、
いつも蛮さんを目で追ってるし、蛮さんの話ばっかりするし、てっきり……」
「あ、いやっ、私はっそのぉ、別に……だって、その、あの……」
「……ちょっとアンタ、まだ中学生のくせに、それは生意気なんじゃない?」
「ちがっ、違います! 私はただ、人として憧れてるって言うか、ちょっと良いなぁって……」
ここで状況を整理してみよう。
蛮の隣には、卑弥呼。カウンターの向こう側には、夏実とレナの二人。
↓図で表すと、こう
夏 レ
―――――――――――――カウンター
卑 蛮 銀 士……
つまり蛮は、至近距離で三人の少女からジトーッと見られる事になったのだ。
「……態度、はっきりさせた方が良いんじゃない?」
「そうですよ、蛮さんは誰が好きなんですか?」
「こ……答えてくれないと、首吊りますよ」
こういう場面で、例えば花月なら、うまくかわした事だろう。
だが、彼程大人でも、ましてや紳士でもない蛮には、これを切り抜けるのは荷が重すぎた。
「いや、誰をってお前……そりゃあ……」
蛮は当惑した。
何しろ、いつ消滅するかもわからない、呪われた身だったのだ。
とても特定の女性と密接に関わろうとなどという気には、今までなれなかった。
だがデモンズアームを克服した今、邪眼の使用制限を破らなければ、滅多な事では死なない。
何しろ、あの赤屍すらも一応倒した程なのだから。
ドラゴボールのように、日本或いは地球の外から、もっと強い敵が現れない限りは大丈夫だ。
となれば、彼にも人並みの幸せを求める権利はある。
だが、しかし……
「悪いけど、どれも俺の好みじゃねぇわ」
誰か一人を選ぶ事によって、他の二人を傷つけるような事は、蛮には出来なかった。
いや、冷静に考えれば、夏実は別に蛮の事が好きなわけではないし、卑弥呼は妹だ。
レナを選べば、夏実は素直に喜んだろうし、卑弥呼だって諦めただろう。
夏実か卑弥呼のどちらかを選ぶよりは、一番妥当な選択だったに違いない。
しかしそれでも、蛮にはそれが出来なかった。
何しろ本当に、レナも含めてこの三人の誰かに、恋愛感情を持つ事など出来ないのだ。
何かあったらすぐ自殺を図るようなレナに、
その場を収めるだけの目的で嘘の告白をする事は、許されなかった。
が、そんな男の計算と気遣いを理解せず、下手をすると卑怯とまで罵るのが女である。
事態はますますヒートアップしてきた。
「はっきりしろって言ってんでしょ、馬鹿!」
「この期に及んでどれも好みじゃないなんて、通用しませんよ?」
「……この想い、きっちりトドメをさしてもらわないと、すっきりしません」
こうなるとムキになるのが蛮である。
「うるせぇ! どいつもこいつも!
誰が妹や、貧乳や、中学生に惚れたりするかよ!
カウンターの二人は、もっと大人んなってから出直してきな!
卑弥呼は問題外!」
卑弥呼のすぐ隣に座っていた蛮が傀儡香を嗅がされたのは、そのわずか0.5秒後だった。
「悪いわね、天野銀次。こいつ借りてくわよ」
「マスター、私今日はもうあがります。良いですよね?」
「あ、あの……私も……」
波児には、彼女等を引き止める事は出来なかった。
抗えず連行されていく相棒の背中を見つめながら、銀次は溜息を吐き出した。
「良いなぁ、蛮ちゃんだけあんなにモテて」
「……あれだったら、モテない方がまだマシだと思うがな」
士度も、今回ばかりは蛮に同情した。
都内。裏新宿に程近い、とあるマンションの一室。
無理矢理操られて車を運転させられた蛮は、三人の少女を連れて……
というより、三人の少女に連れられて、卑弥呼の部屋へと歩かされた。
玄関を通過して、複数あるうちの一部屋、卑弥呼の寝室に通される。
そこは、クローゼットと書架とテレビとオーディオとPCと……
兎に角、いたって平凡な内装の部屋だった。
ヌイグルミが置いてあれば年頃の女の子らしいのだが、生憎卑弥呼にそんな趣味は無いようだ。
室内には更に扉があり、隣は香水を調合する実験室のようだった。
卑弥呼はその実験室から、香水を一瓶持って来た。
「おい、テメェその毒香水は何だ。嫌な予感がするんだが」
「察しが良いじゃない、蛮。欲滅香って覚えてる?」
その名は記憶にある。
確か、地獄谷で大量の蟲を相手に卑弥呼が使用した、蟲滅香の別名だ。
だが卑弥呼が持ってきたのは、それとは真逆の効能を持つ香水のようだった。
「以前、興味本位で作ったのよ。
勃起不全を引き起こすという事は、成分を調合しなおせば
逆にバイアグラにもなるんじゃないか、と思ってね」
卑弥呼としては、まさか本当に使う日が来るとは思っていなかった代物だ。
したがって、人体実験も何もしていない。どんな副作用があるかはわからない。
とりあえず、死ぬような事は無いだろう。いざとなれば解毒香を使えば済む。
卑弥呼は、躊躇無くその匂いを蛮に嗅がせた。
蛮は抵抗して呼吸を止めたが、口を手で覆われては、いつかは吸わざるを得なかった。
部屋中に独特の甘い香りが漂う中、蛮の下半身はパンパンにテントを張った。
そうなるまでに、一分も必要とはしなかった。
卑弥呼オリジナルの、まだ名も無い香水の効果は、抜群のようだ。
(決してこの香水のオサレな名称を考えるのが面倒くさいというわけではない)
蛮は、もうどうにでもなれと思った。
女性に下半身を見られる事に、今更抵抗などありはしない。
今あるのは、処女&天然&鬱病一歩手前の女達が、加減をわきまえているか否か、という事だった。
卑弥呼が代表して蛮のチャックを下ろし、手袋をした手で、陰茎を引き出す。
硬くなったソレは、バネのように勢い良くトランクスの穴から飛び出して天をついた。
「うっわエグ……」
「へぇえ、こうなってるんだぁ」
「……うぷ、何か思い出しそう」
三者三様の反応だ。
さて次にどうするつもりかと思って黙って眺めていると、
夏実は躊躇いもなく、それを舌の先で舐めはじめた。
「お、おいっ!? 少しは恥じらいってもんは無ぇのか?
つーかいきなり舌とか、サービス良過ぎだろ!」
「……ほえ? なんれふかぁ?」
夏実の目は、溶けそうな程とろんとしていた。
ベッドの横に屈みこんで、楽しそうに蛮のモノをペロペロする。まるで犬のようだ。
片手で肉棒を保持しながら、もう片方の手はと言うと、何とスカートの中。
早くも股間をまさぐり、自らも気持ち良くなろうとしている。
「ほらぁ、卑弥呼ちゃんもレナちゃんも、早くぅ」
何か様子がおかしい。
いくら性的知識や貞操観念の薄い夏実(いや、俺の偏見だけど)と言えど、
いきなりここまで興奮状態に陥り、かつフェラチオまで開始するとは。
何がこの少女をそうさせるのか、蛮はしばし逡巡した。
「……おい卑弥呼! まさか……」
「ごめん、そのまさかみたい……。
まさかこんな副作用があったなんてね……」
そう言う卑弥呼の顔も、既に相当赤く火照っていた。
レナはモジモジしながらも、トラウマの残る筈の肉棒から、目を逸らさない。
「まさかこの新香水、女性にも発情作用があるなんて思わなかったわ」
卑弥呼はそう言うと、吹っ切れたように服を脱ぎ始めた。
ミルクを舐める猫のように、三人の少女はペロペロと蛮の男根を舐めた。
夏実は、ベッドの横から。
レナはベッドの上に上がり、夏実の反対側から。
卑弥呼も同じくベッドの上で、蛮に尻を突き出しながら。
それぞれに、既に恥すら感じる事なく、オナニーをしていた。
処女は、自分の大便よりも、股間を見られる方を嫌がると言う。
逆に非処女は大便を見られる事の方が嫌なそうだが、少なくとも
この場でそんな風説は、全く意味が無かった。
既に、処女である卑弥呼が、蛮に股間を見せつけながらフェラチオしているのだ。
シックスナインの体勢だが、蛮は目の前の処女宮を、舐めたり弄ったりしようとは思わない。
何しろ実の妹だし、そもそもその卑弥呼が、自分で弄っているのだ。
何かしてやろうにも、彼女自身の手が邪魔だ。
代わりに、そのか細い指先が肉をまさぐる様子を、まざまざと見せ付けられた。
「覚悟しなさいよ、蛮。
私が妹だって事、下半身から忘れさせてやるわ」
「私をペチャパイ扱いした事、後悔させてあげます!」
「私を子ども扱いした事、必ず撤回させてみせます……」
ペニスを人質にとられた状態でこんな脅しをかけられては、抗えよう筈もない。
蛮は、数年ぶりに女を「怖い」と思った。
段々と三人の口使いは大胆になっていく。
夏実とレナは、口を開けて顔を横に倒し、それぞれに肉棒を両サイドから挟み込む。
卑弥呼は、カリの部分を口に含んで、先端の汁を無心に吸い続ける。
夏実とレナの唇は、蛮のモノを挟んで軽くキスするように触れ合い続けながら、
棒の形にそって上下にゆっくりとスライドして、唾液を満遍なく広げる。
そこへ卑弥呼のフェラチオが重なる事で、時折三人の唇が触れ合う。
「んむ……はっ……そう言えば……
卑弥呼さんには、いつかの借りがありましたね?」
レナは、少しだけ蛮から口を離し、卑弥呼に話しかけた。
「借り……?」
卑弥呼は、かつて自分と仙堂レナが、神の記述の世界で戦った事を思い出した。
はっきり言って、秒殺した相手の顔など、卑弥呼はろくに覚えていなかったのだ。
「あぁ、アンタあん時の。……そうね、返せるものなら返してみなさい。
でもとりあえずは……」
卑弥呼は自慰を止め、体を起こした。
つられて、夏実とレナも体を起こす。
キョトンとする二人を尻目に、卑弥呼は蛮の下半身の上に跨った。
「悪いわね、早い者勝ちよ」
「あっ、ズルい!」
名前も決めてない新香水のお陰か、それとも自身のオナニーによって解れていたのか。
卑弥呼の膣は、初めてながらも蛮のモノをズブズブと受け入れる事が出来た。
常に活発に動き回る事で、膜が自然裂傷していたのも都合が良かった。
既に愛液をコポコポと隙間から漏らしながら、卑弥呼は実の兄との結合を果たした。
「ふぅっ……どう、蛮? あたしの具合は」
卑弥呼は、入れただけなのにもうイってしまいそうな程だ。
一方蛮も、不本意ながら快感を得てしまっていた。
人間の体は、相手が血縁だからと言って、快楽を感じずに済むようには出来ていない。
当然勃起もすれば、射精もする。
「う、うるせぇっ……ヤるんならさっさと済ませろ、この魔女め……」
「あぁ、そう言えば私も、魔女の血族だったわね。忘れてたわ」
あまりピロートークには聞こえない、ぎこちない会話。
卑弥呼は覚悟を決めると、ゆっくりと腰を上下に動かし始めた。
その様子を、喫茶店の娘二人が、羨望の眼差しで見る。
「まだ順番も決めてなかったのに、アンフェアですよ!」
「あぁもうっ、どうしたら良いんですか! 収まんないよぅ……」
どんな薬でもそうだが、人によって効能の現れ方は差異がある。
どうやらレナは、夏実以上に欲情している様子だった。
さりとて、自分の番が回ってくるまでは、自慰を続行しようという気にもなれない。
目の前で本番を見せ付けられては、対抗心が燃えるばかりだった。
「あふっ、あっ、良いっ、あぁんっ!」
動けない兄の上で、卑弥呼は一心不乱に乱れ続ける。
頭の中は何も考える事が出来なくなっているため、蛮を操作する事もままならない。
本当なら蛮を操って、もっと激しい体位を楽しみたい程だ。
「あっ、もっと、もっとぉ、足りないよぉ……っ」
自分が一番感じる部分や角度を、本能で探り続ける。
とうとうGスポットを探り当てて、そこを重点的に突くが、それでもまだ足りない。
香水によって高められた性欲は、もはや暴走状態だった。
蛮は、妙案を思いついた。
身動きのとれない状況下でも、妹とのセックスを無理矢理早く終わらせる方法。
「卑弥呼、お前確か……」
「……んぁ? なにぃ? もっ、きこえ、なっ……あん」
自らの乳房をひたすら揉みながら、卑弥呼は踊り続ける。
「おい、レナ……良い事教えてやろうか?」
息も絶え絶えになりながら、蛮は作戦を実行に移した。
「お前、早く自分の番になりたいんだったら、卑弥呼の耳を苛めてやりな。
こいつ確か、耳が異常に弱ぇからよ」
「耳が……?」
「ちょ……ちょっと、蛮ん……っ」
レナは、半信半疑ながらも、卑弥呼の背後に回りこんだ。
恐る恐る舌を突き出し、上下に揺れる卑弥呼の耳たぶに触れさせた。
「ひぅんっ!!」
「あはっ、本当だ……面白いかも」
卑弥呼の反応が思ったよりも激しく、可愛かったので、レナは調子に乗った。
彼女の両耳の穴の中に人差し指を差し入れ、中で軽く回転させる。
「ひぃあぁぁぁぁぁ……それっ、うふぅ……らめぇん……」
卑弥呼は、耳を触られるだけでも、その都度イきそうになった。
両耳と膣。一度に三箇所の穴を攻められては、身が持たない。
内壁は急速に締め付けを増し、蛮の側にすら痛みを与える。
「ぐっ、きっつ……こりゃ、ヤベェな……」
「うぇえんもうダメ、もっダメェっ! みみ気持ひ良いよぉっ、あっ、あ、やぁあん……!」
卑弥呼は仰け反り、レナに凭れ掛かった。
意識を失った瞬間腰が沈み、図らずも蛮の先端が奥にぶち当たる。
蛮は、零距離に密着した妹の子宮に、魔女の遺伝子を注ぎ込んでしまった。
一人レナだけが、勝ち誇った気分だった。
「えへへ……借りは返しましたよ、卑弥呼さん」
卑弥呼が意識を失った事で、傀儡香の効果が切れた。
自由に動けるようになった蛮は、そのままこの場から逃走しようと思った。
「へへっ、こうなりゃこっちのもんよ!」
赤屍をも驚愕させたスピードの片鱗を見せて、蛮は亜光速で服を着始めた。
そのスピードはギャグのように速く、もはや夏実やレナには、蛮が消えたようにさえ見えた。
が、すぐに彼の動きは止まった。
「……ま、マジかよ……そう言やこいつの毒香水が、
ほんの数分で効果切れた事なんて、今まで無かったっけか……」
驚いた事に、蛮の男根は、未だガチガチの勃起状態を継続していた。
どうやら効果が切れたのは、傀儡香のみだったようだ。
さすが呪術が礎にあるだけあって、術者が気絶しようが睡眠しようが、解法にはならないらしい。
「くすっ……まだ、元気なんですねぇ」
「当然です。まだ私達が残ってるんですから、満足させるまで許しませんよ」
悪戯っ子のような、純粋且つ恐ろしい瞳で、夏実とレナは微笑んだ。
「……実の妹に、ガキみたいな体型に、本物のガキに……。
一人ぐらい普通の女はいなかったのかよ、畜生!」
「むぅ〜。誰がガキみたいな体型ですって?」
「良いじゃないですか、先輩。今から蛮さんは、そのガキに、気持ち良くさせられるんですから」
レナはそう言うと、蛮の胸板に顔を近づけた。
もはや男性恐怖症を感じてはいないようだ。これだけ見れば、良い傾向である。
だが、その次にとった行動が、問題だった。
何とレナは、そのまま蛮の乳首を舐め始めたのだ。
「お、おいテメェ……?」
戸惑う蛮を無視して、レナは夏実に目配せする。
アイコンタクトを感じ取った夏実は、後輩がやっているのと同じように、
自らも蛮の乳首を舐め始めた。
男性とは言え、乳首が性感帯の一種である事には変わりは無い。
蛮も、二人の少女の乳首責めに、奇妙な感覚を覚え始めた。
「どうれふかぁ、蛮ひゃん?」
「気持ひ良いれしゅか?」
舌足らずな赤子のように問いかける二人に、蛮は答える。
「あ、あぁ……まぁ悪か無いが」
二人は、その答えが聞きたかった。
即座に蛮から離れると、夏実はベッドの上に仰向けに寝転んだ。
レナは、先輩に譲るように、ベッドの端に移動する。
「今度ぁ何の真似だぁ?」
「蛮さん、今言ったじゃないですか。おっぱい大きくなくたって、
気持ち良くなれるって事を、自分で証明してくれましたよね?」
蛮は得心した。
要は、同じようにして、貧乳の夏実を気持ち良くしてやれ、という事らしい。
確かに男からすれば、揉み心地が無いので面白くないが、女にとっては
揉むよりも乳首を弄る方が気持ちが良いものだ。(って
>>406が言ってました)
蛮にとっては、夏実が気持ち良くなろうが、レナが満足しようが、どうでも良い。
要はこの勃起を鎮めて、さっさとこの場から逃げたいだけなのだ。
その為に必要とあらば、子ども体型を相手にする事ぐらい、軽いものだ。
蛮は舌を伸ばして、なだらかな丘の上に申し訳程度に乗った突起物を、軽くつついてみた。
「ひんっ」
貧乳は感じやすいという俗説(
>>406曰く)が正しいのか、
それとも香水の威力によるものか、夏実の体は、たったそれだけの事で鋭く反応した。
蛇のような蛮の舌技に、自身も上半身を蛇のようにくねらせて悶える。
こんな表情をする夏実など、今までレナも見た事が無かった。
「ひぅぅぅ……病み付きになりそぅだよぅ……」
「……それは勘弁してくれ」
聞こえないように、ぽつりと小声で拒絶する蛮。
しかし、その下半身はむしろ拒絶の態度を否定している。
今にも入る穴が欲しいといった様子だ。
「なぁ、もう良いか? イったばっかで何だが、もうヤベェんだよ……」
だが、レナがそれを制する。
「ダメですよ。まだ私は何もしてもらってません。
イく時は、先輩と一緒にイきたいです」
蛮は一旦夏実から離れると、そのままレナの方に振り向いた。
まだ中学生という事もあって、胸にはヘヴンや朔羅程のボリュームは無い。
だがよくよく考えてみればこの漫画は、夏実やレナだけでなく
マドカやレンやクレイマンなど、それ程巨乳でない女性キャラは実は多い。
(少なくとも見た目の話であって、実寸は覚えてないが)
従ってレナのこの乳房でも、普通の男性ならば十分満足出来る大きさだ。
おっぱい星人の蛮も、妥協すればそれなりに楽しめる。
「ま、この際コダワリは抜きにすっか。そう言やお前の乳は前にも見た事あったけど
揉んだり弄ったりした事は、まだ一度も無かったっけなぁ?」
蛮はそう言って、彼女の胸に手を伸ばした。
だが、何故かレナは、その手を拒否した。
「ごめんなさい……ちょっと、その……」
「んだぁ? 今更怖くなったか?」
「ち、違うんです……ただ、その……
顔を見ながらだと怖いから、後ろから……ダメですか?」
あまり聞いた事の無い意見だ。
顔を見ながらでないと嫌だという女性は多いが、顔を見るのが嫌だとは。
彼女は別に、蛮を嫌っているわけではない。
恐らく、過去に強姦された時の記憶と恐怖が、彼女にそうさせるのだろう。
至近距離で男に顔を覗き込まれ、卑猥な言葉を投げかけられるのは、
まだ受け入れられないと言うわけだ。
「わかったぜ。バックでやってやらぁ」
蛮はレナの背後に回りこみ、その可愛らしい乳房を両手で覆った。
掌にすっぽり収まるそのサイズは、揉み心地では巨乳に劣るものの、
逆にそのサイズ故に、全部自分のものだと感じられる征服感があった。
「へぇ……中学生の乳も、悪かねぇな」
「蛮さん、ロリコンですね……」
コリコリと乳首を転がされながら、レナは精一杯強がった。
仰向けのままの夏実の上に、レナが覆い被さる。
下半身を密着させ、クリトリスを擦れさせる。
乳首と乳首が触れ合い、吐息と吐息が交じり合う。
「大丈夫だよ、レナちゃん。トラウマ、治そう」
優しい先輩はそう言うと、レナの唇にそっとキスをした。
尊敬する夏実と見つめあいながらであれば、蛮に犯されるのも怖くはない。
そう言ったレナの気持ちを優先して、蛮と夏実はこの体位を承諾した。
密着したビラビラの肉の間に、蛮は怒張した自分の男根を差し挟んだ。
「っしゃ……動くぜ、二人とも」
その言葉を合図に、一度目のピストンが後方にスライドした。
それを反動のようにして、勢い良く前方に突き出す。
パン、という肉の音と、ぐちゅ、という水の音が交じり合う。
だがこの程度では、二人の少女もまだ声を我慢出来る。
蛮は様子を確かめながら、徐々にピストンのスピードを上げていった。
具合が整ってくる頃には、既に少女達は快楽に溺れていた。
「あぅん、あはんっ、あ、あぁっ、ふあっ、あっ、あっ、だめっ、気持ひいぃんっ」
「きぃあっ……こん……なのぉっ……知ら、なはっ……あぁん!」
既に、理知的な言語を話せるような状態ではなくなっている。
蛮は、二人が絶頂に近付いていっている事が、手にとるようにわかった。
同時に、彼自身もそろそろ二度目の限界に到達しつつある。
「いくぜ、二人とも……思いっ切りブチ撒けてやる!」
「あぁん、ちょうだい、ちょうらいっ! 蛮ひゃんのせーしぃい!」
「あぁもう駄目ぇもう、あ、あぁっ、もう駄目ぇっ、あぁぁぁぁあぁぁ!」
少女達の意識は、まるで胸と腹に発射されたその精液のように、白く濁っていった。
意識を失った蛮が、次に目を覚ましたのは、夜になってからの事だった。
気持ち良く眠れたのか、三人の少女達は既に起きていた。
ぼーっとする頭を振って、何とか意識を覚醒させようと試みる。
だが蛮は、意識を取り戻した事を、すぐに後悔した。
「あっ、やっと起きましたよ、二人とも」
夏実はそう言って、卑弥呼とレナに声をかけた。
蛮が二人の方を見てみると、やはりと言うか、あまり良い雰囲気ではないようだった。
しかし、いくら元々反りの合わない二人とは言え、何故今険悪な雰囲気になっているのだろうか?
「ようやく目ぇ覚ましたのね、馬鹿兄貴」
「やっと、第三ラウンド開始ですね」
……何、第三ラウンドだと?
「さっきはこの中学生が途中で横槍入れてきたけど、今度は返り討ちにしてやるわ!」
「それはこっちのセリフです。いつまでも負けていられません。
次こそは、勇気を出して私も卑弥呼さん同様、中に出してもらうんですから」
「させやしないわよ。大体卑怯じゃないの、ヤってる最中に耳を攻めるなんて。
アンタの弱点も見つけ出して、同じ目に遭わせてやるんだから」
何か、嫌な予感しか感じさせてくれない会話だ。
「まぁまぁ二人とも。
とりあえずは、またさっきの香水を使わない事には、話は進みませんってば」
夏実が、卑弥呼とレナの間をとりなす。
「おい、ちょっと待て……いくら何でも、体が持つわけ……」
未だ疲労の回復していない蛮の体が、再度の毒香水によって
無理矢理臨戦態勢に持ち上げられたのは、そのわずか数秒後の事だった。
終了
流れを切った事は謝る
何故かPCから見れない
462 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 20:58:55 ID:L8xTjM/Z
落ち前にまとめサイトを!
そろそろ埋めSSの時期ですね
まだ500レスにも到達していないと言うのに埋めが話題に上る
怪物だな、このスレは
とりあえずエロパロトップにあると思うから説明書きを全部見てくるんだ
容量オーバーまであとたったの5KBしかないんだぞ
467 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:32:04 ID:jfVnmk/D
ほしゅ
468 :
名無しさん@ピンキー:
age