★女同士の壮絶なバトル Round2★

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1名無しさん@ピンキー
高い身体能力や戦闘能力を持った美女・美少女同士が壮絶な闘いを繰り広げる・・・。
そんなシーンやシチュエーションに萌える人、いませんか?
漫画ネタ・アニメネタ・ゲームネタ、なんでもありです。

さあ、同志カモン!

前スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071753076/
2前スレ944:2006/08/23(水) 23:12:45 ID:xMdWOiTK
前スレ>>947
容量オーバーで誘導できませんでした
情報d、そして初脱糞キタ激しく乙!

A2、B2希望。
3名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 03:12:47 ID:Lgc0v60N
A2 B3で。
人思いに一撃必殺でカッコよく。
4名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 10:35:56 ID:5sNEn9tp
>>1乙

A2B1希望で!
5名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 13:03:40 ID:Dcq/OK5s
A1B4で
6名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 15:47:58 ID:P59XP5SJ
A2 B3で
作者様には本当に申し訳ないが、正直「うぼぉ」系のうめきにも少し飽きてきたので最後は華麗にきめてほすぃ
7名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 17:21:12 ID:B3c4WhyP
>>1


A1B3で
8名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 20:24:10 ID:YrPUiWl2
A1B1
壮絶KOを
9名無しさん@ピンキー:2006/08/25(金) 15:27:40 ID:M1NnaPtb
A1B1に全財産

てゆーかもうホントGJ
10過去ログとか:2006/08/25(金) 22:45:57 ID:HX9IaDX5
11名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 00:13:02 ID:QMIU4itj
書き込むまで容量に気づかなかった。
A2 B2で。
最後は下半身丸出しでのお漏らしKOとかに期待。
(まだ出る・・・はずw)
12名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 00:18:31 ID:wzFchvyW
思ったんだが罰ゲームのお尻叩きってさ。
今回の展開だと叩くの嫌じゃないかな。
汚れるし。
せめて拭き取ってからじゃないと。
そこはどうするんだろ?
13名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 12:55:57 ID:95O3ZOxm
>>12
手じゃなくて竹刀で叩くとかw
14名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 13:25:13 ID:84nAlWAl
ドミネート専用スレがあるんだったらそういうの好きな奴は
そっち行ったらいいんじゃないのか。
15名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 18:00:05 ID:dTAgc5wU
あっちはアレ氏専用みたいなもんだろ
16名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 18:04:54 ID:dTAgc5wU
それはそうとA1B1で
17地下スキー:2006/08/26(土) 22:33:19 ID:W5ZZv+0o
ええと・・・今の段階でAは1が五票、2も五票・・・かな?
Bは1が四、2が二、3が三、4が一・・・・かな?

今夜0時で締め切らせてもらいますね。

>>12
ふふふ・・・・ペナルティは別に勝者を喜ばすために存在するわけではないんで、嫌でもなんでも関係ないでしょうw
つーか、今回のぺナのお尻叩きと脱糞の組み合わせはある意味非常に鬼畜で良いコンボではないかとw
18名無しさん@ピンキー:2006/08/27(日) 18:14:53 ID:wkphN7l8
タイムアウトみたいですが、突貫w
A1B2で。
衆前監視の中、よつんばいで尻を拭かれる屈辱。
剥き出しの尻を蹴られながら退場。
片腕では蹴られるときバランスがとれず、尻をつきだして倒れる。
そのたびに屈辱的な罵声を浴びて涙。
たまんねぇ。
19名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 11:28:10 ID:cZ6jxcBs
>>12
本人が嫌なら前の試合みたいにさっさと帰って客にやらせるでFAな気がするよ
20名無しさん@ピンキー:2006/08/30(水) 22:25:18 ID:d/02ce0T
「うくっ・・・・・このまま、続行で・・・・・お願い・・・・します」
レフリーへの言葉にいつもの勢いがない。それも当然だろう、失禁脱糞姿というこの上ない生き恥を晒してしまっているのだ。
まだ若い娘にとっては悶死しそうなくらいの精神的な苦痛だろうに。

「ファイト!」
レフリーの声と同時に紗里奈は前に出る。
−相手は肉体のダメージも深く、それに精神的にもかなり参っている、今がチャンスだ。それに・・・・なるべく早く終わらせてあげたい。せめて早くKOしてあげて、楽にしてあげよう−
同じ女として見てはいられぬ・・・・・・姿。一秒でも早く勝負を決めて、真理恵をあの惨めな状態から解放してあげたかった。

「ふうっ!」
しかしだからといって勝負を焦ることはせず、格闘家としての慎重さはあくまで忘れず、ここまで相手を追い詰めているのにけん制のローを打つ。

「あがあッ!」
しかし真理恵は足を上げてカットすることもせず、棒立ちでそのローを受けた。

−そう・・・・・もうディフェンスすることもできないのね。それなら・・・・−

「せいやッ!!」
・・・・決着はあっさりとついた。
紗里奈の放った上段突きを、真理恵はどこか呆然とした顔で見詰めていた・・・・ローを受けたときと同じように、まるで防御のやり方を忘れてしまったかのように。
脱糞という醜態は彼女の精神から戦意を、肉体からは染み着いたはずの戦いの動きを奪い取ったのだろうか・・・・・。

ゴツッ!

「あがっ!・・・・・・・ぉううぅ・・・・」
上段突きが真理恵の顔に吸い込まれるように入り、少量の鼻血をこぼしながら尻餅をつく。

「ダウン!」
レフリーがダウンを宣言する・・・・・このラウンド3回目のダウン。

にちゃあっ・・・・
水着の中の糞塊が潰され、嫌な感触が真理恵のヒップに伝わった。
ローレグカットの水着だった為、『ソレ』が水着から溢れるということがなかったのがせめてもの救いだったかもしれない。
だが、2Rで敗れてしまった真理恵にとってはあまり変りはない。
すぐに水着は剥ぎ取られて、『ソレ』も衆目に晒されることになるのだから・・・・。

「あ・・・・・あぁ・・・・・・ひぃ・・・・・・・ううっ・・・・・」
打ち鳴らされる試合終了のゴングを、呆然とした表情で真理恵は聞いていた・・・・・・。
21地下スキ:2006/08/30(水) 22:39:39 ID:d/02ce0T
A1B1ということで話を進めさせてもらいますね。
22名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 20:36:48 ID:r3ifbDq0
更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
23名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 03:30:34 ID:IAgb+DFL
思ったんだが。

昔自分が他スレに投下した作品を、
ちょいと加筆修正してこのスレに落とすのってアリなんかね。
他スレのまとめサイトに載っけられていて、
なんか俺が書いたものって証明するアレがないんで、
場合によっちゃ面倒くさいことになりかねないから
避けた方がいいのかな。

ま、その場合適当にだらだら新しいもの書けばいいんだけどね。
24名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 21:34:19 ID:crWI4/zd
>>23
良いと思いますけど。
証明とか言い出すと連載物でも間隔が長いものだと筆者の名前と内容以外証明は無いわけですし。
匿名掲示板では本人がそういうなら信じるのが一番かと。
25名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 11:38:17 ID:QpNOb/W4
結構自分のサイトでまとめている人はいるよ〜
俺には無理だけど、友達によれば読めば誰が書いたのかすぐにわかるらしいので、
他の作品もちゃんと並べておけばそれが証明になるっぽい。
26名無しさん@ピンキー:2006/09/05(火) 02:38:07 ID:2gRD6edy
>>24
そっか。
まあ、名のあるコテハンとか作者さんのだったら
ややこしくなるだろうけど、そうでもなきゃ大丈夫かな。

>>25
自分のサイトを作れるほど自信ナス(´・ω・`)
27名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 22:52:55 ID:bcVJu/Gr
hoshu
28名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 23:11:03 ID:AuNA4azA
hoshuage
29名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 21:22:47 ID:JP9/CZIU
agege
30名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 22:11:47 ID:3Oo2ZCli
なっなに!?
31名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 19:05:56 ID:jaKsNulC
hoshu
32名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 20:24:13 ID:nrastOQ6
ホシュ
33名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:57:17 ID:YohHXwY6
age
34名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 01:26:05 ID:iZES59lp
男同士の壮絶な過疎スレ
35名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 21:10:13 ID:AAhGmjgt
hoshu
36名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 20:34:45 ID:Ai+/9vkd
香港映画の女同士バトル
http://www.youtube.com/watch?v=LzaVaEv2-G4
37名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 19:59:45 ID:fVIGadVd
age
38名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 19:29:47 ID:Td0jDSeL
更新まだかな
39地下女スキー:2006/10/10(火) 17:20:41 ID:WY2+8B4p
長く待たせてスマソ
近い内にウプ出来るよう頑張るよ
来週中には第三試合を終らせたい・・・
40地下女スキー:2006/10/10(火) 17:25:58 ID:WY2+8B4p
アゲてしまったorz

ところで23氏はどうしたのかな?
ワクテカしながら待ってるんだが
41名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 01:15:10 ID:tPZNLzH8
期待してます!
ファイターさんも来てくれるとうれしいな
42名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 02:55:54 ID:Bic9KP8J
>>40
スレに落としたのをサルベージしてみて
正直、内容があまりにあまりでアレでナニ。
よくこんなの投下できたなぁと軽く凹んだ。

大幅に手直しして落とそうかな、と。
43名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 16:33:18 ID:1ruv+ffC
w
44名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 18:04:34 ID:0oVPqo/p
地下女スキーさんの続きにwktk
45地下女スキー:2006/10/14(土) 23:45:54 ID:cmTxXEH2
>>42
期待しwktkしてますw

>>44
まあ、wktkしないで、気長に待って下さい
46名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 00:05:20 ID:CUN8Du9W
んー
47名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 20:02:36 ID:fRmA/9V9
期待age
48地下女スキ:2006/10/21(土) 21:41:44 ID:qc7Y0Vsd
「では滝井選手、水着を脱いで下さい」
「ぁ・・・・・は、はぃ・・・・・・」
無残な姿でTKO負け喫した真理恵は、レフリーの水着を脱げという命令に呆けたような顔で頷くと、ヨロヨロと、だが素直に立ち上がってツーピース水着のトップを脱ぐ。
露にされる真理恵の乳房に、会場が興奮と大歓声に包まれるなか、彼女は続いてボトムに手をかける。だが・・・・・

「おおーッ!?遂に真理恵のオ○○コご開帳かいーぃ!」
「早くそのクソ塗れのパンツをオレによこせやぁ!10万出すぜ?!」
「もったいぶってないで早く脱げー!負け犬っ!!」
大観衆の視線の中、なかなかそれを下ろすことができず躊躇している真理恵を、レフリーが促す。

「早く脱ぎなさい。『強制執行』しますよ?」
「・・・・・・うっ・・・・・・・くっ・・・・・・」
レフリーと、リングに上がった数人の係員とに囲まれた真理恵。ボトムに手をかけたままの姿勢で固まっている。
「ゆ、優子ぉ・・・・・・」
真理恵は助けを求める様にセコンドを振り返るが、木山はリング下で顔を両手で覆って肩を震わせているだけだった。

「ううぅ・・・・・・・」
いくらかの時間、ためらっていた真理恵だが、やがて意を決したように、ボトムをするすると脱いで足からそれを引き抜く。
真理恵のヒップが露出するのを期待を込めて待っていた観客達が喜びの歓声を上げる。

真っ白で滑らかで、形の良い臀部であったが、観客の期待通りに、そこは彼女が漏らした排泄物でべっとりと汚れていた。
尻餅をついたときに無残に潰されたソレは、彼女の臀部全体に広がり、ぐちょぐちょにこびりつき醜悪な様を晒していた。

☆☆☆
「9万!」
「10万!」
「10万五千!」

敗者である真理恵は、全裸にされてリング中央に立たされていた。
リングの周りの客席から、興奮気味の声が投げ掛けられる。
KO負けを喫した真理恵は水着を剥ぎ取られ、その水着の所有権を賭けたオークションが今まさに行われているところだった・・・・。

「11万!」
1000円から始まったそれは、あっという間に晶の水着の値段を超え、今10万円の大台を突破した。
「11万五千!」
「12万!」
「12万五千!」
真理恵は呆然とした顔で、まるで他人事のようにオークションの様子を眺めている。
白いヒップには糞便がこびりつき、黒々とした陰毛は太ももや脛には小水の跡が残っている。
身体を隠すことは許されず、悪さをした幼童がしかられているように、真っ直ぐに立たされ、その敗者の肉体を余すところなく晒し者にされていた。

「16万!」
「16万五千!」
「17万!」

水着の値はどんどん吊り上っていた。
大小便に汚れているにも関らず・・・・いや、むしろ汚れているからこそだろうか、一部の人間が熱狂的にそれを欲し、金に糸目をつけずに値を吊り上げている。

結局、19万2千円という破格の値段で、真理恵の汚物付水着は落札された。
40前と見られる男が、ビニールパックされた戦利品を係員から受け取った。
男がパックを開け、中身の匂いを嗅ぎ、しかめた顔を背けるというパフォーマンスをすると、場内からは大爆笑が沸き起こった。

「・・・・ぁ・・・・・・ぅあ・・・・・・・くぁぅ・・・・・」
ただ一人、真理恵だけは、男のその行為−自分の汚臭を嗅がれている様−を正視することが出来ず、唇を噛み締め顔を背けた。
49地下女スキ:2006/10/21(土) 21:43:32 ID:qc7Y0Vsd
今週中に第三試合を終わらせる、と言ってましたが無理でスタ。

あとは尻叩きだけなんだけど・・・・
今回はこれで勘弁してくれorz
50名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:55:33 ID:LP4FZsyU
キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
超期待して待ってる。
51名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 21:20:08 ID:oY2EBVT6
超乙です!
52名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 23:35:19 ID:iLwxw0dG
京都から帰ってきたら新作キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
53地下京都スキー(?):2006/10/23(月) 01:02:33 ID:GNpwOES0
京都とはウラヤマスィ

オイラも京都辺りを旅したいな〜
54名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 16:25:31 ID:aMAVum1z
弱みを握られて親友同士が泥沼に戦う…なんてのが好きなんだが
一通り見る限り一方的なのが皆好きなのな(´・ω・`)
55名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 21:01:55 ID:2t5+VKJ1
>>53
京都って言っても競馬場逝ってきただけですw
56名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 21:04:25 ID:4useCRkC
>>55
菊花賞かwww
57名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 19:53:49 ID:WXyRovbt
>>56
その通りw
競馬終わった後はスロットの殺人フルコースですw
58名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 02:20:09 ID:q2WbWJYk
で、勝ったの?

ってスレ違いだなすまん
59名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 20:42:19 ID:R9WcZSmb
>>58
競馬で負けてスロットで取り返しました。
同じくスレ違いスマソ。
60名無しさん@ピンキー:2006/10/30(月) 21:32:21 ID:0Fh1dY1/
age
61名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 21:52:42 ID:WY21YOko
agege
62名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 21:37:05 ID:mIs1y8nR
age
63名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 12:19:41 ID:jL8jk0oT
age
64名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 21:27:25 ID:t1cQEOsZ
hoshu
65名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 20:59:38 ID:RwZRPf37
hosu
66名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 21:17:48 ID:W1UOVuTc
保守
67名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 03:27:25 ID:dsH3Yd10
眩いライトに照らされて、ふたりの女が闘っていた。
黒い金網が、その特別な空間を外界から隔絶する。

片方の女は、ボクシングの心得があるのだろうか。
小刻みなフットワークで相手の周りを軽快に回りながら、
細かなパンチを命中させていく。
撃たれているのは、柔道着に身を包んだ、まだあどけなさの残る少女。
ボクサーの女の拳が少女を撃つたび、飛び散った汗がライトの明かりに照らされてきらきらと光る。
少女は何度も掴もうと手を伸ばす。
そのたび、ボクサーは、華麗な足運びでかわしてゆく。。
しぃっ!
ボクサーの右の拳が、少女の手と手の合間をすり抜けて、顎をとらえた。
少女の膝がかくんと落ちた。


純白のマットの上で戦う女たちの、飛び散る汗と血に歓声が飛ぶ。
女たちは、繰り出す拳でそれに応える。
その様子は、あるいは激しいダンスのようでもあった。
それは無骨で、散文的で、されど情熱的な舞踏。
戦いを裁くレフェリーを除いては、ふたりの舞踏を妨げる者はいない。


左のフックで追撃しようと、女がステップを踏む。
少女は前のめりに倒れるように、ボクサーに抱きついた。
次の瞬間、ボクサーが宙を舞った。
それはきっと、少女が幾度と無く反復してきた動作。
半ば無意識に、少女は身体に染み付いた投げを行ったのだ。
ボクサーをマットに叩きつけると、すかさず柔道少女は押さえ込む。
左の腕で首を巻き、胸をおしつけ。
もう片方の手で顔面に鉄槌を振らせる。

一撃、二撃、三撃……
ボクサーの口からマウスピースが跳ねた。

四、五、六……
七発目が振り下ろされたところで、ボクサーの手がだらんと床に流れた。


歓声と怒号が屋根をも揺るがすほどに高まる。
ここはATHENAと呼ばれる女子総合格闘技の会場。
それは、女たちが闘う舞踏場。
6823:2006/11/21(火) 03:42:53 ID:dsH3Yd10
「もうじき時間ですわ」
くるくると、バンテージを拳に巻きつけながら、彼女が言う。
「ああ……」
返事は上の空といったところ。
彼女、ハルカは苦笑を浮かべ女のその様を眺めていた。
「アイさん。柄にもなく緊張していらっしゃいますの?」
「ああ……なっ、そんなわけないだろッ!」
アイと呼ばれた女は顔を真っ赤にして反論する。
沈着冷静との言葉が相応しい端正な容貌とは裏腹に、ちょっとからかっただけでいつもこうなのだ。
くすくすとハルカが笑いをこぼす。
「もうすぐ貴女の出番です。いつもやってきたことをできれば、大丈夫、勝てます」
「ああ……ああ。アンタに言われなくとも負ける気はない」
その意気です。
ハルカは笑った。
アイの拳にバンテージを巻き終え、テーピングで固定して。
「さあ、最後の確認をしましょう」
パンチングミットをはめて、頭をぽんぽんと叩く。
アイは、上目遣いでハルカを一瞥し、のそのそとベンチから立ち上がった。



控え室を出て通路を左にまっすぐ進む。
狭い通路を歩いていくと、やがて光が見えてくる。これから向かう「戦場」の光だ。
ゲートをくぐる前に立ち止まり、瞳を閉じて数秒間、周囲の空気に意識を漂わせる。
ゲートの向こうからは、今宵の対戦相手の入場曲とそれを迎える観客たちの歓声が。
そして傍らには自分を格闘家として育て上げた師、ハルカの息遣いが感じられる。
師。
彼女は、アイにとって目標であり、師であった。
誇れるものもやりたいことも、若者らしい夢も、
何ひとつ持たなかった自分に格闘技という道を与えてくれた師。
アイの胸にはたしかな目標がある。
ハルカを、倒すこと。

アイにしてみるとハルカは年下だ。
自分が年長だという矜持と、必ず打ち倒さねばならないという思いが、
師と呼ぶことに対する抵抗をアイの中に根付かせている。

ふたりの出会いは高校時代。
同じ地方の進学校に通いながらも、二人は対照的な道を歩んできた。
かたやハルカは成績優秀で、品行方正で。
容姿はこれまた端麗にして、教師からも生徒からも人望が厚く皆に将来を期待された少女だった。
一方のアイはといえば、遅刻欠席当たり前、校内でこそ大人しくしているものの、
外に出れば他校のたとえ男子生徒であろうとも平気で喧嘩する、筋金入りの不良少女。

二人の出会いは穏やかなものではなかった。
廊下で、因縁をつけられたハルカが、アイを返り討ちにした。
まさか年下の校内一の優等生が柔術の使い手とは思わなかったのだろう、
なす術もなく絞め落とされたアイに対し、なにを思ったかハルカは手を差し伸べた。

強くなりたくはないか、と。
6923:2006/11/21(火) 03:45:09 ID:dsH3Yd10





っていうようなのを昔書いて某スレに投下したわけだ。
保守代わりに投下してみた。

ああ、恥ずかしや恥ずかしや・・・


こんなアレなのでもよければ、残っている続きをまた暇を見て落としますが。
70名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 04:00:12 ID:OAD5deud
投下コォ━━━━щ(゚Д゚щ)━━━━イ!!!!
wktkしてまってる。



地下女スキーさんの続きもwktk
71名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 07:28:43 ID:xpjthM5Q
GJ!!
描写が良いので引き込まれますね
期待してます
72名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 00:03:04 ID:SOOa/sGE
うん、期待してる。
73名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:54:45 ID:vdMC2Skx
待ってます!(*^ー゚)b グッジョブ!!
7423:2006/11/24(金) 04:08:09 ID:NRI1TaJ6
(まずい……)
緊張が、半分。
恐怖感が、半分。
街中でどつき合う分には、そんな感覚など、無縁。
しかしここは違う。
戦う姿を、勝ち負けを、“見られている”。
喧嘩の野次馬とは、明らかに別の種類の視線だ。
視線の鎖に雁字搦めにされて、身体が鉛にでもなったように、鈍く重い。
そして、対戦相手。
聞くところによると、どうやら空手が得物らしい。
高校生の時分に、なにかの全日本大会で、三位に入賞したのだとか。
ハルカがそんなようなことを言っていた気がする。
名を、二階堂ミズノ。
一目見ただけで、ヤバイ相手だとアイの本能が告げた。
アイがこれまで何度か拳を交えてきたような、街の、腕っぷし自信の男たちが自慢するような空手とは、別種。
幼い時分から、長い年月をかけて真剣に磨き上げた、本物の匂いを嗅ぎ取った。

「練習でどんなに技を磨いても、それだけでは意味がありません。
弱い方々を打ちのめしていたとしても、また、けっして強くはなれません。
強くなるには唯一つ、自分以上の力を持つ“本物”との闘いを何度も経験することです」
かつてハルカはそう言っていた。
ゆえに、この舞台に上がることにしたのだが。

波を描いて肩まで伸びた艶やかなミズノの黒髪が、道着を脱ぐ際に触れて、はらはらと揺れる。
一見すると華奢に思えるその身体には、うっすらと、筋肉が隆起しているのが伺えた。
齢、いまだ二十。
歳は自分とそう離れていないとはいえ、身に纏う空気は明らかに違った。
積み重ねてきた鍛錬、潜り抜けてきた修羅場は如何程のものだろうか。
アイはミズノの持つオーラに圧倒されていた。

「寝技に引きずり込んで、自分のフィールドで処理なさい」
ハルカはそう言っていた。

そこまで持ち込める気がしない。
(タックルで倒せるか?)
ことごとく切られ、押し倒され、意識を失うまで殴られ続ける映像が瞼の裏でリアルに再生される。
いやもしかすると、蹴り一発で意識を断ち切られるかも?
(いつもやってきたことをやれば、大丈夫、勝てる)
心の中でリピート再生しながら、何度も練習してきたことをいまいちど頭の中で反復する。
「……立った状態での肘打ち、顔面への膝、頭突きを認めます。グラウンドでの……」
レフェリーのルール確認の声も、アイの耳を素通りしていった。
視線を逸らすと、手の平にはじっとりと汗が滲んでいた。


7523:2006/11/24(金) 04:37:19 ID:NRI1TaJ6
「アイさん、アイさん」
セコンドのハルカが、金網の外から手招きしている。
「……なんだ」
「もっとこっちに」
金網に額がつくくらいにまで、近づくと。
(その……勝利のおまじない)
金網を隔てて、額に唇が押し当てられた。
突然のキスに、脳のどこかがフリーズ。
次の瞬間、顔が真っ赤に染まる。
「……ッッッ!」
抗議の声を上げようとすると、ハルカが人差し指を唇にあて、“静かに”のジェスチャー。
(な、な、なにするんだよっ!)
(緊張、ほぐれました?)
(え……?)
「落ち着きなさいな。まるで虎に睨まれた兎のようですわ」
「うん……」
「貴女は状況に合わせていつもやってきたことをやるだけです。勝ちとか負けとか、考えてはいけません。状況に応じて最適な選択を選び続ければ、結果はそこについてきます」
レフェリーが手招きをしている。はやくリング中央に戻るよう促しているのだ。
「さあ、“本物”との闘いを楽しんでいらっしゃい」
「その……ありがとう」
改めてミズノと向き合う。
今はもう、あの重圧感からは開放されていた。
やがて、舞踏の開始を知らせる、ゴングの音が響き渡った。



「おおおオオ雄雄ッ!」
吼える。
ゴングと同時に、ミズノへ目掛けて走る。
跳躍。
振り下ろした右の手でミズノの頭を押さえ、空中で膝を突き出す。
奇襲の飛び膝は、しかし間一髪で防がれた。
着地と同時に、姿勢を低くして胴に食らいつく。
頭上を右の正拳が通り過ぎていった。
脇を差しながら、足をかけて倒そうとした。
(重い……ッ!)
なんという力強さだ。
後ろに横に、崩そうとしても倒れない。
即頭部に拳が打ち付けられる。
密着した状態でのパンチは、さほどの威力を持たない……はずだった。
しかし、その拳は硬く、重く、コツコツと続けられると脳が揺らぐような感覚。
さらにミズノは、続けざまに肘を肩に落としてきた。
それは的確に、腕の付け根の間接を狙って振り下ろされる。
「……ぁあッッ!」
鋭い痛みに、思わず声が漏れる。
わずかな隙をついて、ミズノは巻かれた腕を振り切って、突き放す。
「下がって!」
とっさの指示に飛びのいた次の瞬間、右の上段回し蹴りが、鼻の先を駆け抜けていった。
7623:2006/11/24(金) 04:38:41 ID:NRI1TaJ6
とりあえず保守代わりに。
地下女スキーさんの作品が投下されるまでの、
つなぎにでもしてくだしあ
77名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 16:02:07 ID:EarjIbBQ
キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
78地下女スキー:2006/11/27(月) 01:02:23 ID:yrtMRDfW
GJです!
俺も頑張らないと・・・・。

いい作品が投下されると励みになるなぁ
79名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 01:14:30 ID:AsLCGKpZ
age
80名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 22:56:06 ID:37IwICPN
age
81名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 07:13:17 ID:eS9YA2Bi
age
82名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 20:51:49 ID:OIOCdCBp
hoshu
83名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 20:49:52 ID:oHPL76YV
age
84名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 00:43:51 ID:zuXEeFJM
保守
85名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 21:31:00 ID:SOfAsotN
姫カモン!保守
86名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 00:57:41 ID:ITv6otn3
age
87_:2007/01/01(月) 01:20:56 ID:sMpmeC5O
あけおめ!
新年初投下カモン!!
88名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 23:34:14 ID:mN2KArqE
あげ
89名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 01:06:08 ID:e0ud44Jz
ほす
90名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 03:18:24 ID:eefEahqg
保守
91名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 04:51:40 ID:TtlHECph
このスレ終わった。
92名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 20:19:44 ID:TtlHECph
糞スレ廃止しろ!
93_:2007/01/17(水) 20:55:44 ID:VtUYNyJg
まだ終わらんよ
94名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 20:59:07 ID:HyUW0f94
近くで出会える。速攻わくわくハッピー!!
http://www.happymail.co.jp/?af2094782
http://550909.com/?f5787804
95名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 20:46:31 ID:lDdR465G
地下女スキーさんプリーズカムバック
96地下女スキー:2007/01/20(土) 00:59:26 ID:zVss/3dS
>95
呼んだ〜?

いや、ちゃんと覗いてはいますよ

ただ忙しかったり、続き書けなかったりしてるだけですがw
97名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 02:36:06 ID:uTgqURl2
>>96
安心したw
続き期待中。
9823:2007/01/21(日) 00:54:09 ID:JXDVGa8A
間が空いて正直スマンカッタ。
一応続きを投下。
9923:2007/01/21(日) 00:57:40 ID:JXDVGa8A
好機。
蹴り足が斬り裂いた空気が鼻をかすって流れていくのを感じ、地面を蹴る。
右のストレートから左のフック。
蹴りで身体が流れたところに、カウンターの連撃を放っていく。
しかし回し蹴りをかわして重心が後ろにシフトした、そのわずかな分だけ、パンチのタイミングが遅かった。
フックが、空を切る。
「ローきます!」
右の太股を衝撃が襲った。
ひたすら重い。金属バットで振りぬかれたかのような錯覚を覚える。
パンチをかわしながら、カウンターの下段蹴り。
「ガードを下げないで!」
体制を崩しながらも下がったガードを上げる。
間に合わない。
右の拳が、手と手の合間をするりと抜けて、アイの顔面に命中する。
それはひどく、固く、鋭く。
衝突の反動で、身体が仰け反る。
セコンドに指示を仰ぐ間もなく、下段蹴りが、対処する暇も与えずに太股を捉えた。
不相応なほどの重低音がリングに響く。苦痛に顔が歪んだ。
つんのめるかたちでバランスを崩したアイの首に、腕が回される。
万力のような力で首を押さえつけられたかと思うと、腹に、ミズノの膝が突き刺さった。
二発、三発。
「……っあぅ!」
アイの口から苦悶が漏れた。
「食らえ」
ミズノのハスキーな声が、耳元をくすぐる。

「アイさん!カウンターとれます!」
セコンドのハルカの指示が飛んだ。
四発目の膝を、肘で打ち落とす。
首に巻かれた腕に手をかけ、身体をひねるとともに軸足を払うと。
「……っ!」
ミズノの重い身体が宙を舞った。
  ばぁん
ミズノが背中からマットに落ちるやいなや、横につき、首を巻いて抑え込む。
(よっしゃ)
「ここからが、私の領域っ」
腹の上に膝を滑り込ませ、固定しながら、ミズノの腕を取る。
下になったミズノが伸ばされまいと腕をたたんだところで。
  カーン!
一ラウンドの終了を告げるゴングが鳴った。
10023:2007/01/21(日) 01:02:57 ID:JXDVGa8A
「アイさん、悪くないです」
ハルカが、アイの額に浮かぶ汗をタオルでふき取る。
「打撃に付き合わないで、もっと積極的に倒しにいきましょう」
「簡単に言ってくれやがる」
なんて、頬をタオルで撫でられながら軽口をたたく。
「あら。私と一緒に練習してきたアイさんなら、造作もないことではなくて?」
(……ほんと、簡単に言ってくれやがって)
タオルの感触にか、それともハルカの言葉にか。
アイはくすぐったそうに、小さく身振るいした。
「だって、貴女なら……」

  セコンド、アウト
  セコンドアウト

もうじき訪れる2ラウンド目の始まりを告げる、アナウンス。
「とにかく、ローを貰いすぎないことですわ。喰らいすぎれば、効いてきます」
「ああ」
ハルカに背中を押されて、立ち上がって。
また、戦いの中に身を投じる。

「……もう、効いてるって」
ハルカに聞こえないよう、漏らした。
腿の奥を、鉛の鎖で締め付けられるような感覚。
「私と一緒に練習してきたアイさんなら、ねぇ」
そんなことを言われたら。
(ただの二発で、動けないだなんて、恥ずかしくって言えやしないじゃないか。)
マウスピースを噛み締めて、踏み出した。

10123:2007/01/21(日) 01:06:47 ID:JXDVGa8A
書きっぱなしになってるなぁ
手直ししつつ細切れに続きを投下するつもりですんで、
お付き合いいただければ幸いです。

スレ住民に質問。
なんか、「バトル」の方に力点を置いて書いている感じがあって、このスレにふさわしいか微妙な感じがするんですが。

このスレとしてはバトルの中にエロが欲しい人が多いのかな?
希望に添えるか分からないですが……
102名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 03:47:32 ID:nP0a/p4y
イイヨイイヨー!

どうせなら、エロも欲しい。
そんな感じw
103名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 05:54:44 ID:3ukwJKLk
エロはどっちでも良いけど、失禁シーンがほしいかな。
恐怖はまだ少ないし、やってほしい。
104名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 21:37:34 ID:NwL61ou7
バトル中心が好き。
で壮絶KOが大好き。
105名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 22:06:55 ID:5TlkNvJ6
age
106名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 22:38:47 ID:yLvFaolH
hoshu
107名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 23:22:42 ID:O866WXT9
hoshu
108名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 03:58:22 ID:7OGn8PEb
こんなのどうだい?
ttp://erolink.jp/sm/movie/4fb9148d.html
109名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 21:35:44 ID:1trgjLa6
age
110地下女スキ:2007/02/18(日) 20:56:12 ID:f8lKia8i
「えっと・・・・・これって棄権してもいいんだよね?」
四つん這いになった真理恵を前にした紗里奈は、少し困惑した顔でレフリーに訊ねる。

「無論棄権してもOKです。その場合、抽選で選ばれた観客の方20名に代行して頂きます。お一人10発づつ、敗者を撃ってもらいます」
「えっ?・・・・それって、計200発ってことじゃない・・・」
平然としたレフリーの応答に紗里奈は驚き、戸惑いの声をあげる。
対照的に客席からは、期待のこもったどよめきが沸き起こっていた。

「ぅああぁ・・・・・せ、先輩・・・・・」
怯えた声が下から聞こえ、その声の主−真理恵を見ると、すがるような目で自分を見ている。
「200発も打たれたら・・・・・歩けなくなっちゃう・・・・」
客席からの期待を込めた視線を浴びながら、情けない顔で自分を見上げる真理恵の姿を見れば、紗里奈はこう言うしかなかった。
「分かった、私がやるわよ・・・・・で・・・これ、素手でやるの?」
塗れの真理恵の臀部を見て流石に怯んだ様子で訊ねると、レフリーは相変わらずの平然とした口調のままで応える。
「平手によるスパンキングか、足によるキックか、もしくはこれで・・・・」
リング下の係員から木刀を受け取って、真理恵と紗里奈に見せびらかしながら言う。
「20発、打って下さい。言っておきますが全力で打って下さいよ。少しでも手加減が認められれば、その一打はカウントされませんから」

「ひッ・・・・・」
それを見て、思わず息を呑む真理恵。またもや怯えた視線で、紗里奈と木刀とを交互に見つめて今にも泣き出しそうな顔になっていた。

その顔を見て、目を閉じ嘆息して首を振る紗里奈。
−勝ったはずなのに、こんなことさせられるなんておかしな話だわ。でも、私が手でやってあげないと、このコがあまりにも可哀想ね−
「分かった、分かった・・・・・素手でやるわよ」
もう一度嘆息して、真理恵の傍で片膝をつき、腰をポンポンと軽く擦ってやって
「んん・・・・・・辛いかもしれないけど、 発なんてすぐ終わるから、ちょっと我慢してて」
111地下女スキ:2007/02/18(日) 20:59:49 ID:f8lKia8i
こんばんわ お久しぶりです。
ちょっとスランプなのか、なかなか書けなかったですが、これ以上間を空けるとマズイかなと思うので、無理矢理書きました、ハイ。

まあ、第一回戦第三試合は終わりの方向なので、次の第四試合、合気姫対サンボ娘の試合展開などのリクでもどうぞ〜。

・・・・とはいえ、忙しくて最近はなかなかココも毎日見れないのよね(苦笑)
112名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 21:47:45 ID:or5d3nZZ
久しぶりに新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
113名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 21:20:36 ID:6788KYT4
第4試合がめっさ楽しみ
114名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 02:09:00 ID:h87l6LOJ
第三試合の幕引きもこういやらしい
もどかしさがいい感じで最高です。
115名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 23:56:16 ID:5q5cTyMF
hoshu
116名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 22:52:55 ID:Z63dZZbT
>>111
途中まで合気姫優勢、結果サンボ娘が逆転で合気姫水着剥ぎ
117名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 00:59:49 ID:vgOSi3Of
それいいな
合気道は相手の攻撃を受け流すイメージだから(違ったらごめんなさい)
一発のヒットが形勢逆転につながったりして
楽しみにしております
118名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 21:37:04 ID:dENk0dIL
合気姫が負けてほしい
恐怖失禁てゆうのもしてほしいな
首とかをしめられて失禁てゆうのもいいけど
それ前にあったような気がするから
罰ゲームは任せるけど前の3試合より過激に
いっそのこと大きいほうのお漏らしとか

119名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 22:29:11 ID:qL0/uiWh
合気姫は勝ってほしいけどな。
初戦を華麗に勝利して、自信つかせた上で二回戦で完膚なきまで完敗の方が萌える。
120名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 22:35:58 ID:O8KaMqRU
合気姫はなんとか水着剥ぎだけは避けようとするも・・・ってのが期待
121名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 04:44:39 ID:ZEJNgrGw
保守
122名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 13:02:12 ID:R9ijd9/k
保守
123名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 22:53:38 ID:8JOfWZjz
hoshu
124名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 23:51:55 ID:syYC2WPg
ほしゅあげ
125名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 21:03:15 ID:zUZ2539o
hosh
126名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:20:56 ID:5f8WNfsz
hoshu
127名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 15:12:25 ID:7ZmH1yJR
age
128名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 22:36:45 ID:wcBnk+ek
age
129名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 23:13:50 ID:Qj5bWnis
ほしゅ
130名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 23:18:29 ID:7furNZFm
hoshuage
131名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 00:54:14 ID:2Ca+xX/C
hoshu
132名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 18:14:22 ID:9NC8tYjR
保守
133名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 00:53:01 ID:Nhv2nkUS
ほしゅ
134名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 01:12:03 ID:oZaz6jQu
age
135名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 08:36:47 ID:pBV1PJw4
hoshu
136名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 09:40:23 ID:4lcKVNZN
age
137亜佐倉:2007/06/10(日) 19:05:26 ID:42RRk1BF
SSですが投下します。
思い付きで書いたのでおかしい所等があるのは申し訳無いですが。


――AM11:00。白昼の繁華街、本来であれば夜の喧騒とは違い、人足もまばらで静まり返っているはずなのだが、今日はいつもと少し違っていた。繁華街の一角に男達が群がり、一様に野太い声で声援やら野次を飛ばしている。

その野次馬の中では一人の少女と身長190はあると思われる筋骨隆々の男が対峙していた。

少女の身長は145cm位で年齢は恐らく15〜16程のあどけなさが残る顔立ちと雰囲気だった。クラッシュデニムのスカートに背中には女王蜂の刺繍が施されたスカジャンを羽織り、腰まで届く綺麗な栗色の髪は左右にゴムで結び分け黒い野球帽を被っていた。

「へへへ・・・なぁ彩、いい加減こんな所で格闘ごっこなんかしてねぇでよ、さっさと俺に抱かれちまえよ。そうすりゃ毎晩涙流しながら喜べるぜ。なんつったって俺の大砲で今までイカされなかった女はいねぇからよ」

男は下卑た笑みを浮かべながら彩と呼んだ少女を品定めするように見る。
138名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 19:06:16 ID:42RRk1BF
しかし彩はそんな下品な物言いや、舐めるような視線など気にした様子もなく、頭の後ろに両手を組んだままニコニコと笑っていた。
「あはは〜、まぁそりゃボクだって一応女の子だし、人並みに性欲はあるよ?
でもね・・・・」

そこで言葉を区切ると悪戯ッ子のようにペロッと舌を出しながら手をひらひらとさせて身長差50cm以上ある男を見上げた

「ゴメンなさい、さすがにボクでもゴリラに抱かれて処女喪失は勘弁だわ。アハハ」

――その時、ギャラリー達の大笑いが起きた。中には腹を抱えて笑い転げている者もいる。

男は彩の言葉を聞いた瞬間こめかみに青筋を浮かべ、ゆっくりとにじり寄る。

「てめぇ・・・・ちょっとばっかりストリートファイトで強いからって調子に乗んなよ・・・・こちとらボクシングの世界ランキング6位まで行ったんだぞ」

脅しで怯ませようとしているようだが彩は興味も無さげに帽子を取ってうちわ代わりに顔を扇ぎはじめた。
「でもさ、その後薬物やってるのバレてライセンス剥奪されちゃったんでしょ?全く、これだからヤダよね〜お脳が筋肉ギッシリのゴリさんは」

その一言が引き金になり、男は目を血走らせながら彩の胸ぐらに掴みかかった
139名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 19:08:57 ID:42RRk1BF
「このアマァァァァァッ!!その顔ぶっ潰して人目に晒せねぇようにしてやらぁっ!!」

男は丸太のような太い腕を振り上げ、彩の顔めがけて殴りかかろうとした。が・・・

グキィッ

「ギャアアアアアアアッ!!!」

突然悲鳴が上がり、同時に彩の胸ぐらを掴んでいた手を離し、そのまま親指を押さえていた。見ると男の指はあらぬ方向にねじ曲がっていた。
今度は彩が男に歩み寄り、立ったまま痛みに悶え苦しんでいる男の膝めがけて全体重を乗せたサイドキックを叩き込む。

ゴキィッ

半月板が割れると同時に今度は膝関節が逆方向に向いてしまった。どれ程屈強な男であろうと関節までは鍛えようがなく、非常に脆く出来ている。

「アギャッ・・・・・」

情けない悲鳴を上げ男はあっけなく崩れ落ち、尻餅をついた体勢で彩を見上げる。先程までの愛嬌のある笑みは消え、冷徹な眼差しが男の無様な姿を捉えていた。

「・・・ねぇ、誰に向かって抱かれろって言ったの?誰に向かって調子に乗んなって言ったの?一体誰の顔ぶっ潰すって?」

口調はあくまで変わらないが、その雰囲気は少女には似つかわしくない殺気を放っていた。

140名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 19:11:40 ID:42RRk1BF
「さっきから人が笑って聞いてれば調子に乗ってねぇ・・・・よく言えたもんだよホントに」

彩はそのまま男の顔に掌底をフックの軌道で打ち、続けざま男の顎を蹴り上げる。

「グゲッ!!」

蛙が引き潰されたような声を上げながら男は白眼を剥いて失神した。




すいません、前半はここまでです。女同士のバトルまで行きたかったのですが今日はここまでが限界です。次回から彩の対戦相手の女の子が登場しますので次頑張ります
141名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 19:23:56 ID:42RRk1BF
あげます。
142名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 00:44:13 ID:D7YRptzs
保守
143名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 03:22:28 ID:laYyaKZ3
>>137
期待
144名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 02:18:32 ID:AOoqkwKS
糞スレ廃止しろ!
145名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 15:05:31 ID:WXKF5fUr
保守
146亜佐倉:2007/06/27(水) 02:07:49 ID:FraM74b5

アスファルトの上に巨体が大の字になって倒れるのは端から見ればかなり爽々しい光景だった。

男の負けが決まるや否や
ギャラリー達は雄叫びにも似た歓声を上げた。

「いいぞーーーー!!彩ーーーーーーーー!!!!」
「これで20連続KO勝ちだーーーーーー!!!!」
しかしギャラリーの歓声に対して当の本人はさも当然と言わんばかりにデニムスカートの埃を手で払いながら再び口許を緩めて愛嬌のある笑みを浮かべていた。
「アハハ、相手が弱すぎるんだよ〜力だけで勝てるとしか考えて無いんだから。それにしてもさ、もっと強い人いないの〜?いい加減ボクも少し飽きてきちゃたよ」

笑ったかと思えば今度は不満げに口を尖らせる。表情がコロコロと変わり、一切感情を抑制しない所はどこにでもいる10代の少女そのものだった。

「・・・・おもしろそうな事やってるわね。私も参加していい?」


147名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:40:21 ID:FraM74b5
彩が次の対戦相手を求めていた丁度その時、群衆に紛れて一人の少女が彩に声を掛けた。

「えっ・・・・・?」

彩だけでは無い、先程まで歓声を上げていたギャラリーすらも一瞬声を失った。
挑戦者を名乗り出たその少女は空手道着を身に纏っていたが、何日も洗ってないのか灰色に変色して所々ボロボロになっていた。腰には帯ではなく、荒縄を締め、鼻緒が今にも切れそうな年季の入った下駄を履いている。
148名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:41:31 ID:FraM74b5
髪も全く手入れはしておらず、肩まで掛る位の黒髪はボサボサでフケが粉雪のように積もっていた。
その風貌はかつて千葉真一が演じた昭和映画の空手家のようだった。

「えと・・・・次の対戦相手で・・・いいんだよね?」
彩がおそるおそる粗末な格好の少女に声を掛ける。

「他に誰がいるの?どう考えても私しかいないじゃない・・・言っとくけど、見た目で判断しない方がいいわよ。怪我だけじゃ済まなくなるから」


149名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:44:24 ID:FraM74b5
少女は自信ありげに腕を組み、唇の端を吊り上げて笑った。

(見た目だけで充分闘いたくないです・・・・・)

彩は少し涙目になりながら心の中で呟いた。自分と対峙する少女があまりにも酷い悪臭を放っていたからである。例えるなら生ごみや生活排水が溜ったドブ川に長い時間浸けた雑巾のような臭いだった。

「せっかくだけど・・・お風呂入って着替えてきてからまた来て欲しいなぁ〜アハハ・・・・」

左手で頬を掻きながら苦笑いを浮かべる。さすがに今のままでは闘う事すらままならない。

――――シュバッ

「!!」

一瞬何かが顔をかすめた。見ると少女の拳が彩の顔のすぐ横で止まっている。巻き藁で鍛えたのか、拳には大きく膨らんだタコが出来ていた。こんな拳で殴られたら鼻の骨なんて簡単に潰れてしまうだろう。


150名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:46:29 ID:FraM74b5
「どうするの?私の挑戦・・・受ける?受けない?」
相変わらず不敵な笑みを浮かべながら少女は顔を近付けた。口臭のキツさに顔をしかめながらも彩は自分より頭1つ分身長差のある対戦相手を見上げるように睨み付ける。

「ずいぶんと変わった挑戦状だね・・・・・なら」

刹那、彩は少女にビルジーと呼ばれる目突きを放つが、少女はこれを片手で払いのけ、バックステップで距離を取る。

「これが答えだドブ鼠」

吐き捨てるようにして言い放つと彩は半身に構え、拳を軽く握る。

「そう来なくちゃ・・・・少しは張り合えそうね。アンタ、名前は?」

「・・・ボクが君の歯叩き折ったら教えてあげるよ」
不遜な物言いが癪に触るのか彩は少女の問いを突っ放ねる。少女はそんな彩に対してやれやれとでも言いたげにかぶりを振った。髪が舞う度に白いふけがバサバサと飛ぶ。

「はぁ・・・これだから俗世の人間は短気で嫌なのよ・・・まぁいいわ、あたしの名前は柚華(ゆずか)、高寺柚華よ。覚えておいて損は無いわ。これから実戦空手の世界に革命を起こす英雄なんだから」

柚華と名乗る少女は自信ありげに鼻を鳴らし、胸を張った。

151名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:48:39 ID:FraM74b5
「・・・あっそ。ならさっさと潰れてゴミ収集車に乗ってろボロ雑巾」


ガリッと音がする程アスファルトを蹴って、一気に柚華との間合いを詰めると そのまま肝臓目がけてボディブローを叩き込む。

「ッ!!」

ギャラリーは一瞬何が起こったのか理解は出来ず呆然と彩の動きを見ていた。ただ、分かっている事が一つある。

――――試合はもう始まっている。

「ウッ・・・!!」

柚華は急所とも言える肝臓にハンマーで殴られたような衝撃を受け、苦悶の表情を浮かべる。一瞬、柚華の動きが完全にストップしたのを彩は見逃さず、素早くサイドに回る。

「アーーーイシャアッ!!!」
独特の掛け声を発しながら膝裏にローキックを放つと柚華はバランスを崩して
片膝を付いた。

「ウワッ!!」

驚愕して慌てて立とうとするが既に遅かった。

「雑巾は地面でも拭いてなよ!!」

いつの間にか背後に回っていた彩が柚華の後頭部に肘打ちを叩き込んだ。鋭角に曲げた肘打ちは人の肌を切るだけでなく時には人の骨を砕く簡易的な凶器になる。

「ガハッ・・・!!」

後頭部にモロに衝撃を喰らった柚華はそのままアスファルトに顔から落ちてびたんっ!!という派手な音と共に倒れこんだ。
152名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:51:04 ID:FraM74b5
(・・・決まった!!)

確かな手応えを感じて彩は心の中で歓喜する。
わずか10秒――あまりにもあっけなく決着は着いた。

「・・・少しは人と会話する位の余裕作りなさい。人間闘いも焦ったら負けよ」

「なっ!?嘘ッ!?」

アスファルトにしたたか顔を打ち付け気絶したと思っていた柚華はゆっくりと起き上がり、鼻血を垂らしながら彩を見据える。

「な、何で後頭部モロに喰らって平気なの!?君バケモノ!?」

自分の攻撃が全く通用していないのにさすがに焦ったのか彩は構えを解く。

しかし、それが致命的な失敗だった。

「今度はこっちから行くわよ・・・私を雑巾だのドブ鼠だの言ったこと・・・後悔させてあげる」

柚華は下駄を脱ぎ捨てると同時に彩の腕を掴む。

(っ!!しまった!!)

掴まれた腕をふりほどこうとするが予想以上に強い握力でふりほどく事が出来ない。

「ハアッッ!!」

ドゴォッ

柚華はそのまま強引に彩の体を引き寄せるとみぞおちに下突きを放つ。それが全く鍛えていない拳ならまだしも柚華の拳は固い拳タコが出来ている破壊力に優れた拳である。加えて全体重を乗せている為、鉄球で殴られるような感覚だろう。
「あがっ・・・・!!」
153名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:53:58 ID:FraM74b5
一瞬だけ彩の呼吸が完全に停止して、体をくの字に曲げる。しかし、そんなものお構い無しに柚華は膝蹴りを腹に叩き込む。

「ウブッ!!ゲェェェェェッ!!」

内臓が破裂せんばかりの衝撃を受けた彩はその場で口から未消化の食物を吐き出してしまった。吐冩物がビチャビチャとアスファルトに飛散し、地面を汚していく。

「・・・折角だから、そのまま胃の中空っぽにしてあげるわ」

ドスゥッ!!

「うげぇぇぇぇぇぇっ!!エボッ、オェッ、ゲホッ」
続け様に膝蹴りが彩の腹部に炸裂し、今度は胃液を吐き散らした。これだけで人はかなり体力を消耗すると同時に精神力さえも削ぎ落とす。時折柚華の体にも吐冩物が掛かる。

「汚物ひっかけないでよ・・・・これ私の一張羅なのよ」

呆れたように言い放つと押し込むような前蹴りで彩を突き放し、距離を取る。

154名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:56:29 ID:FraM74b5
「ハァ、ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

ようやく地獄から解放された彩はその場でうずくまってしまったがヨロヨロと立ち上がり、吐冩物と一緒に出た涙を手の甲で拭いながら息を整える。

「どう?戦闘意識は大分削がれたでしょう?あなたみたいな頭に血が登りやすいせっかちな女は少し頭冷やした方がいいのよ」

柚華は小馬鹿にしたように笑うと目を細めて鼻で笑う。

「・・・・殺してやる。肥溜め女」

親の仇でも見るような目で柚華を睨み付け、一通り呼吸が整った彩は再び半身に構えた。だが先程までの余裕はどこにも無い。

「ハァ・・・あなた筋金入りの怖い者知らずか只の馬鹿ね。人が折角クールダウンさせてあげたのに」

155亜佐倉:2007/06/27(水) 03:00:49 ID:FraM74b5
とりあえず序盤のバトルシーンまで書けました。僕の拙い小説を期待して下さった方、遅くなってすみませんでした。

次は彩と柚華のバトル中盤からラストまでを一気に書く予定なのでよろしくお願いします。多分また遅くなりますが(汗)
156名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 08:10:46 ID:BU8sTvdu
GJ!
いつまでも待てるよこれなら
157亜佐倉:2007/06/27(水) 18:36:54 ID:FraM74b5
>>156 ありがとうございます。必ず完成はさせますのでもうしばらくお待ち下さい。
説明文が不足して読みづらい所があるかもしれませんが(汗)これを読んだ人が楽しんで頂ければ幸いです

158名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 20:18:30 ID:BU8sTvdu
いや普通に読めるバトルシーンだし
159亜佐倉:2007/06/28(木) 02:42:52 ID:s6i8BFEC
いや・・・どうしてもここで書いてた人の小説と見比べる自分のが見劣りするなー・・・と。
明日から続き書き始めます
160名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 03:17:28 ID:LLrbIY4F
大変に失礼な物言いさせていただくとすれば、
決して文章力そのものは高いわけではないが、展開や緊迫感なんかはとってもGJだぜ!
161名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 03:39:54 ID:5hJAC5kG
失礼な。
162亜佐倉:2007/06/28(木) 15:10:37 ID:s6i8BFEC
>>160 いえいえ、失礼では無いですよ。寧ろそう言ってくれるのが有り難いですしこちらもいい刺激になります。
163名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:31:47 ID:zrUvX4Oj
ちょWWおまWWWW
なんでそんな物分かりの良い奴なんだよ!
とてもグチョグチョのバトル書いてる奴とは思えねぇよWW
164名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 01:13:38 ID:MqQme5JK
そんなもんです
内容と筆者の性格にはギャップがあるものです
165亜佐倉:2007/06/29(金) 11:05:16 ID:HFWl1MPq
普段はお人好しで通してます(笑)今バトル中盤書き終ってラスト書き初めてますよ〜

166地下:2007/06/29(金) 17:01:54 ID:bGKLWzUB
お久しぶりです。ちょっと最近、テンション下降気味な状態が続きいております。
格闘女王トーナメントをお待ちの皆様には、申し訳なく思っております。

>>亜佐倉さん
どうも始めまして。中盤以降も、ワクテカ期待してます〜(笑)
167亜佐倉:2007/06/30(土) 12:56:30 ID:FJv/GM24
只今ラストの中間辺りで詰まってます(汗)

とりあえずネタ練りながら中盤投下しますね。

>>地下さん
こちらこそ初めまして。僕の作品を楽しみにして下さってありがとうございます。前のレスで作品拝見させて頂きました。脱糞描写を興奮しつつ見てました(笑)脱糞大好きなので(爆)
文章力も高いので勉強させて頂いております。


作品の方は焦らずゆっくり自分のペースで頑張って下さい。
168亜佐倉:2007/06/30(土) 16:33:07 ID:FJv/GM24
「おかげ様でクールダウンどころか逆に脳味噌に血が登って血管切れそうだよ。ありがとうね」

ペッと胃液混じりの唾を吐くと彩はすり足で柚華ににじり寄る。

「・・・訂正するわ。只の馬鹿じゃないわね。正真正銘、本物の馬鹿よあなた」
相変わらず小馬鹿にした態度で彩を毒突くが、その表情はどこか嬉しそうだった。

「久々に拳でしか語り合えない人間に会えた気がするわ。今日という日に感謝しなくちゃね」

柚華も半身の構えを取るが、彩とは違う。後ろの右足に体重を掛け、左足を一歩出して踵をやや浮かし、両手は手刀にして右手を胸に置き、左手を顔の前に出す。
169名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 16:36:01 ID:FJv/GM24
空手ではこの構えを後屈立ち手刀受けと言うが、昨今のフルコンタクト空手の試合ではまず使わない。今のキックボクシング化した近代空手では動きも鈍いし非効率的だからだ。使うとしてもせいぜい稽古の時くらいだろう。

(・・・どうやらこいつ、臭い口開けて喋ってるだけじゃ無いみたいだね)

今までストリートファイトで自らを空手家と名乗る連中を相手にしてきたが、その全てが今のスポーツ空手のルールに捕われた闘い方ばかりで、顔面を殴られる対策は愚か急所を守るような構えすら取らなかった。そのお陰で大抵の奴らには目突きと金的蹴りだけで勝つ事が出来た。

しかし、今自分と対峙してる相手は違う。
170名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 16:46:36 ID:FJv/GM24
急所が集中してる正中線を攻撃されないよう極端に半身な体勢を取り、自らも攻撃に徹せるように構えている。

(それなら・・・)

彩は突然両手を開き、胸の前に構えるとすり足を辞め、ボクシングのフットワークに切り替えた。柚華のスタイルがパワー主体だと気付き、スピードで対応する為だ。
171名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 16:48:10 ID:FJv/GM24
先程腹に受けたダメージがまだ癒えていない状態でステップするのはいささかキツイが、今自分に甘える訳にはいかない。とにかく今は自分に恥をかかせたこの小汚い女をこの場でKOさせるのが先決なのだ。

「あなた・・・正直こんな所でケンカ屋やってるのはもったいないわよ。それだけの格闘センス持ってるんだから」

柚華も彩の柔軟な対処に舌を巻く。格闘家というのはどうしても自分のスタイルにこだわる余り、一辺倒な闘い方や構えをするが、彩の場合は違う。相手の出方次第で構えや闘い方をいくらでも変えられる柔軟な思考を持っているのだ。

「無駄口叩いてる暇あったらさっさと来なよ」

タッ、タッ、と全くリズムが乱れない軽快なフットワークを刻みながら彩は柚華を挑発する。
172名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 16:50:25 ID:FJv/GM24
「そうね・・・」

――ヒュオッ!!!

先に動いたのは柚華だった。
左足を軸にして右足で中段回し蹴りを放つ。しかし、彩は一歩下がり半円を描くように手で捌いて蹴り足ごと柚華の体を流す。

「セヤァッ!!!」

柚華のバランスが崩れた隙を見逃さず彩は飛込むようにしてサイドキックを繰り出す。

「クッ!!」

避けきれないと判断した柚華はサイドキックを受けると同時に自らも後方に飛び、ダメージを半減させる。
―――タッ

猫のようにしなやかに着地すると、再び後屈立ちに構え直す。
そんな柚華に対し彩は追い掛けるように一気に間合いを詰めた。

「貰ったぁっ!!」

指に全神経を集中させ、先程かわされたビルジーで柚華の目を突く。

「うぐっ!!」

173名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:12:13 ID:FJv/GM24
柚華は目を抑えてよろめく。幸い、首を後ろに動かして完全に突かれるのだけはまぬがれたが、かすっただけでも目がくらむ。

バシィッ!!

柚華がよろめいているのをチャンスと見た彩は顔面に容赦無い掌底突きをヒットさせる。

「――ッ!!」

無防備な顔面にまともに喰らってしまった。掌底は相手に外傷こそ与えないものの内臓や脳を揺さぶる威力を持っている。柚華は軽い脳浸透を起こした感覚に襲われ、上体を揺らめかせてしまう。

「まだまだぁッ!!」

続けざまに左右の掌底で顎、こめかみ、眉間、人中と急所を打っていき、柚華の脳をシェイクさせながら次第に追い詰めていく。

「このっ・・・!!調子乗んなッ!!!!」

――グシャッ!!

怒りに任せた柚華の正拳突きが彩の顔を捉えた。
鼻の骨が折れたのか嫌な音が繁華街に響く。


174名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:16:55 ID:FJv/GM24
「・・・痛てぇな、この野郎ーーーーー!!!!」

折れて左に曲がった鼻を構うことなく般若のような形相で柚華の黒髪を引っ掴み、ロシアンフックで思いっ切り頬を殴り付ける。

――ブチブチブチィッ!!
殴られた衝撃で柚華の顔が左に振られ、掴んでいた髪の毛が千切れる。

「痛いのはコッチよ!!」

すぐさま体勢を立て直すと同時に彩の喉元を掴んで握力のみで絞め上げ、足を払ってアスファルトに体を叩き付ける。

「ぐぇっ・・・・」

後頭部をしたたか地面に叩き付けられた挙げ句、喉元を絞められてるので呼吸が出来ない。普通の少女――いや、男でさえもこんな攻撃を喰らえば失神か最悪の場合死に至る。しかし彩は意識を失い昏倒するどころか、倒れたまま柚華を睨み付けて戦意すら失っていない。

「ハァ・・・ハァ、途中まではさすがに私も危なかったけど・・・詰めが甘かったわね」

そう言いながら今度は柚華が唾を吐く。いや、唾では無い。地面にカランッという乾いた音がして、よく見てみるとそれは血で真っ赤に染まった柚華の奥歯だった。恐らくさっきのロシアンフックの衝撃で折れたのであろう。


175名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:22:32 ID:FJv/GM24
「・・・ハハッ・・・アハハハハ!ハハハハハハッ!!アーハッハッハッハッハッハ!!」

突然彩は気が触れたように笑い出した。柚華も余りの唐突な高笑いに怪訝な顔をする。

「何がおかしいの?あなたどう見ても劣勢なのよ・・・もしかして当たりどころ悪かった?」

「約束だったでしょう?ボクが君の歯叩き折ったら名前教えてあげるって」

彩はニヤッと笑いながら柚華を見る。この笑みがまだ普通の時であれば小憎たらしい少女の笑みで終わるが、鼻が折れ曲がり、口から血を流してる状態での笑顔は不気味以外の何者でもなかった。

「あぁ・・・そう言えば言ってたわね。なら最後に聞かせてもらおうかしら、あなたの名前」

柚華のその言葉は正に自分の勝利を確信し、死にゆく者から最後の言葉を聞くようなものだった。

「ボクの名前は彩、美島彩だよ」

「そう・・・彩って言うの・・・良い名前ね。覚えておくわ」

こちらも不気味な薄い笑みを浮かべ、ゆっくりとした動作で拳を振り上げ、顔面に狙いを定める。彩の顔を完全に潰す気だ。

176名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:24:56 ID:FJv/GM24
「最後に聞かせてもらう?覚えておく?そんな台詞吐くのは勝ってからにしなよ、柚華」

最後の悪あがきであろうか、彩は笑いながら自分の首を絞めている柚華の腕を両手で掴んだ。

「は?どうあがいたってあなたの敗けでしょう?この一撃でゆっくり眠ってなさ・・・」

「ぐ、ぐぎぎぎぎぎっ・・・・!!」

少女には似つかわしくない軋んだ声を漏らしながら柚華の腕を絞っていく。

(まさか・・・っ!!)

本能的に恐怖を感じた柚華はとどめを刺す事を辞めて彩から離れようとする。だが尋常でない力で腕を掴まれ、逃げる事が出来ない。

「こんな腕使えなくしてやる。殴る所か箸すら持てないようにね」

彩の言葉が自分を破滅に導く悪魔の宣告に聞こえた。

――ボギュルッ!!グリュッ!!!

有り得ない――いや、決してあってはならない音がギャラリーと彩、そして柚華本人にも聞こえた。

177名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:27:31 ID:FJv/GM24
「ギャアアアアアアアアアーーーーーーーッ!!!!!!!!!」

天を切り裂かんばかりの絶叫が響き渡り、柚華はもんどり打って倒れた。

「イダイィィッ!痛いぃッ!痛い!!痛いよぉぉぉッ!!!」

今までの涼しげな態度から一変し、味わった事の無い激痛からか切長の目から大粒の涙を流していた。

骨が折れたのではない。柚華の腕は絞ったタオルのように捻れてしまったのだ。

「へっへーん、ざまぁないね〜柚ちゃん。勝ったつもりで油断してるからそうなっちゃうんだよ」

起き上がった彩は折れた鼻を手で無理矢理逆方向に持っていき、元の位置に戻しながらあざけ笑った。

「うっ、腕、私の、私の腕があぁぁぁぁッ・・・」

顔面蒼白になり歯をカチカチと鳴らしながら信じたくない光景を目にしていた。今まで強くなるために鍛えてきた己の腕が螺旋を描いて曲がってしまっているのだ。冷静でいられるはずが無い。

「あはは、骨捻り大成功〜。まさかこんなに上手く行くとおもわなかったよ」

178名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:30:28 ID:FJv/GM24
白い歯を覗かせながら満面の笑みを浮かべる彩。それは自分が考えた悪戯が成功を収めた子供のようだった。

「・・・・てやる」

震える唇で小さく呟く。



「何か言った〜?柚ちゃん?」

柚華の声が聞こえないのか耳を手に当てるジェスチャーをする。

「・・・してやる・・・ろしてやる・・・ころしてやる・・・殺してやる・・・コロシテヤル」

呪租のようにブツブツと呟きながら彩を形容し難い凄まじい形相で睨み付ける。
「いいじゃん別に。たかが腕一本使えなくなっただけでしょう?命に比べたら安いもんじゃん?」


プチンッ

柚華の中で・・・・・全てが壊れた。


「ゔあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!」

殺気の固まりと化した柚華は地を蹴って体ごとぶつかっていく。

「わわっ!!」

彩は柚華の体当たりを受けてバランスを崩し、2、3歩よろめく。

――ドスッ、ドスッ、バシィッ!!
179名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:33:56 ID:FJv/GM24
左の下段回し蹴り二発から右の中段と流れるような蹴りが炸裂する。
バランスを崩していた彩はガードが間に合わずただ受けるしかなかった。

「ぐっ!!」

柚華は脛を押し込むようにして蹴る為、脇腹と太股に鈍い痛みが走る。

何とか堪えてカウンターを狙いたいが、怒りと殺意で完全に理性を解き放った柚華に立ち入る隙は無い。
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!!」

180亜佐倉:2007/06/30(土) 17:49:19 ID:FJv/GM24
>>168-179までがバトル中盤です。ラストは少し時間を置いてネタを練りますので(汗)少しお時間下さい。
181名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 19:27:03 ID:v1jhsn7/
すげぇマジ凄ェ!GJ!
182亜佐倉:2007/07/02(月) 03:23:33 ID:VXSKgFv9
少し質問したいんですがこの後の展開で残酷描写入る予定なんですがこのスレの人達的には残酷描写有りの方がいいですか?それとも無しの方がいいですか?
183名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 03:47:29 ID:kEX4itL6
程にもよりますね
惨殺レベルの残酷だとアレですけど、今までの流れから考えてってレベルなら自分は十分許容範囲内
184名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 03:49:28 ID:H7F3StUA
程度にもよるけど基本的には有り有りでいいと思う
悪趣味なまでにグロいのは勘弁だが過激にしてこその特化シチュスレだと思うし
なんにしろ今までの文章を読んでみてもそこら辺はバランスを取れる人だと思うので期待させてもらうよ
185亜佐倉:2007/07/02(月) 10:18:35 ID:VXSKgFv9
>>183-184

ご意見ありがとうごさいました。僕自身残酷描写って言うとどうしても猟奇に走ってしまう傾向があるので(滝汗)
そこを踏みとどまって壮絶な内容にしていきます。仕事終わったらちょこちょこっと書いてみますね〜
186亜佐倉:2007/07/03(火) 16:52:16 ID:wU7Z6hYj

ラストの中間投下します。残酷描写はあんまり残酷っていう程じゃ無くなりました(笑)



怒りと憎悪で顔を歪めながら柚華は蹴る事を辞めない。ただひたすら目の前の憎むべき敵を倒す為に蹴り続けた。

(ぐっ・・・や、ヤバイ!)
彩は焦っていた。徐々に太股が麻痺してきたと同時に蹴られた脇腹の痛みも自己主張し始めてきたからである。ここを打開しないと脚の骨が折られるか内臓を蹴破られるかは時間の問題だ。
幸い柚華は今までの冷静さを失っており、蹴りの軌道は読みやすくなっている。後はタイミングさえ合えば蹴り足を掴んで動きを止めるか、タックルでテイクダウンを取る事が出来る。

(・・・一か八か!やるしかない!!!)

―グゥオンッ!!

疾風迅雷、正にその言葉が当てはまる中段回し蹴りが彩に襲い掛る。


187名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 16:54:36 ID:wU7Z6hYj
(今だっ!!)

―ガシィッ!!

彩は柚華の蹴り足を両手で掴み、そのまま抱えるようにして足を封じた。

「ヘヘヘッ・・・そう何回も蹴らせないよ柚華。ボクだって負けたくないもん」
笑みを浮かながらそのまま柚華の軸足を払って倒そうとする。だが・・・

「ハァッ!!!」

蹴り足を拘束されているにも関わらず柚華はそのまま軸足のバネを活かしてジャンプし、体を器用にひねりながら飛び上段回し蹴りを炸裂させた。

―バシンッ!!

鞭で叩いたような音がして、彩の側頭部に蹴りが綺麗に決まった。蹴られたのと同時に被っていた野球帽が吹き飛ぶ。

188名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 16:56:11 ID:wU7Z6hYj
「・・・・あっ」

栗色の髪が揺れ、彩の膝がガクンッと落ちた。目の焦点が合わなくなり、視界が暗転する。そのショックで掴んでいた脚を離してしまった。

「死ね、下衆女。私の腕をよくも・・・」

崩れ落ちる彩のこめかみにに後ろ回し蹴りを放つ。力の抜けた彩の体は蹴りで吹き飛ばされ宙を舞う。


―――ドサッ!!

「ぐあ・・・・あぅ」

固い道路に背中から落ち、くぐもったうめき声を上げて・・・そのままピクリとも動かなくなった。




「・・・あ、彩が負けた」

それまで静観していた。いや、声すら上げれなかったギャラリーの一人がようやく絞り出すようにして声を出した。

「・・・まだよ。まだこの勝負はついてない。この腕の借りを返すまではね!!」

柚華は仰向けに倒れている彩にゆっくりと近付き、足を上げる。


―ドスゥッ!!

そのまま彩の腹部を踏みつけた。

「あぐぅあ!!・・・がふっ!!」

189名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 16:57:58 ID:wU7Z6hYj
全身を駆け巡る激痛に意識を覚醒させ、彩は目を白黒させながら腹を抑えた。

「目が覚めたかしら?美島彩」

無機質で凍てついた声が耳に木霊する。聞くものを震え上がらせる、そんな声だった。

―ドスッ!!

「ぎゃあっ!!」

顔を踏みつけられ、短い悲鳴を上げる。今度は顔を両手で覆いながら少しでも身を守る為、体を背けた。

―ドガァッ!!

そんな彩の背中をサッカーボールでも蹴るみたいに無造作に蹴り上げる。

「ぐっ!!ゲホッ、グホッ、おぐぇぇぇぇぇぇぇっ!!ゔぇっ!!」

今まで蹴られ続けて蓄積されたダメージが一気に押し寄せてきたのか今度は胃液では無く血を吐き出した。恐らく内臓器官に支障をきたしたのだろう。アスファルトの上に吐血した後が生々しく残る。


「ねぇ彩、痛い?苦しい?でもね・・・・私が味わった痛みに比べたら生ぬるいものよっ!!!」

彩の髪を掴み、引きずり起こすと同時に鉤突きと呼ばれるボディフックで脇腹を殴る。

―ボキィッ!!

「がぁぁぁぁぁぁっ!!」

殴られた衝撃で肋骨が叩き折れ、彩は目を見開いて獣のような声を上げた。しかし、それでも柚華は攻撃を辞めようとはしない。
190名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 17:00:32 ID:wU7Z6hYj
再び髪を掴むと上体を引き倒し、顔面に膝蹴りを放つ。

―ドゴォッ!!

口に固い膝頭が当たった為、前歯が三本折れ、口からボタボタと血を流した。

「もう一発!!」

今度は額に膝蹴りを当て、額がパックリと割れてペンキを被ったかのように顔を真っ赤な鮮血で汚していく。
191名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 17:01:54 ID:wU7Z6hYj
続けざまに五、六発膝蹴りを喰らった彩の顔はバスケットボールのようにパンパンに腫れ上がり、整っていた顔は原型を留めないほど酷い有り様になっていた。何一つ抵抗出来ず既にサンドバックと化している。

「・・・フン、さっきまでの威勢は何処に行ったのよ?」

柚華は苛立つ気持ちを隠す事無く、彩の体を片手で軽々と持ち上げるとコンクリートの壁に投げつける。

ダメージが深刻な為に受け身すら取れない彩は壁に頭から突っ込んで地面に落ちると再び糸の切れた人形のように動かなくなってしまった。ドクドクと額から流れる血はすぐに赤い水溜まりを作っていく。

192名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 17:04:49 ID:wU7Z6hYj
「まだ腕の恨みに比べたら安いもんだけど、まぁ結構スッキリしたわ」

熱くなった頭を冷やす為にフゥッと一息付いて顔に流れる汗を手の甲で拭った。
取り巻き達は新たな挑戦者が勝ったという事実に唖然としていた。それまで20戦連続KO勝ちを誇っていた少女は四肢を投げ出し、頭から血を流して倒れているのである。

「まさかこんな喧嘩屋風情に大切な腕を壊されるなんて・・・末代までの恥晒しよ!!」

忌々しく舌打ちすると捻れて変形した腕を摩りながら気絶している彩に憎しみの視線を向けた。冷静さは取り戻したもののやはり腹の虫が収まらない。




「こわっ、・・・される・・・か・・・くご・・・もない、・・・や・・・つが・・・たたか・・うな・・・・」

「!!」

彩は両手を地面につき、混濁した意識のなか、力を振り絞って立ち上がろうとしていた。

――――――――――――
以上がラストの中間です。結構苦しかったorz
193名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 18:38:43 ID:J4KGBfF4
いいよいいよ!GJ!
なんか投下時刻を見てみるに生活が凄い事になっているような気もするが
夜勤とかしてる人?
身体には気をつけろよ
194亜佐倉:2007/07/03(火) 22:16:02 ID:wU7Z6hYj
5勤2休で昼勤・夜勤をやってます。生活のリズムがすぐ狂うのが大変ッス(苦笑)
195名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 05:28:40 ID:gOIAuySu
分かるwwwww
196亜佐倉:2007/07/07(土) 15:37:37 ID:P5TaXO6G
「まだやる気なの?いい加減自分の負けを認めなさいよ」

柚華は理解出来ないという表情で彩を見下ろす。
最早勝負は目に見えているのにも関わらず彩の愚直なまでに闘う姿勢に呆れるしかなかった。

「言った・・・はず・・・だよ。負ける訳には・・・いかないってね」


汗と血を含んで重くなったスカジャンを脱ぎ捨て、彩は再び構えを取る。全身を痛みで支配されて満足に動けないがそれでも歯を食いしばり柚華と対峙した。
前歯が折れている為に息を吐くとヒュー、ヒューという風が抜けるような音がする。


「・・・分かったわ。楽にしてあげる。その根性と馬鹿さ加減に免じてね」

――最早この女に何を言っても無駄。ならさっさと倒すしか無い!!

柚華は一歩踏み込み、彩の顎目がけて上段正拳突きを放つ。

「ッ!!」

彩は腰を落として身を屈め、上段突きを紙一重でかわすと同時に脱力して柚華の口に手を伸ばす。

「えっ?」

一瞬伸びてきた手が何なのかさえ分からず小さく開いた口に彩の指が侵入してきた。

「ボク自慢のファニーフェイスをこんなボコボコにしたオ・カ・エ・シ」



197名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 15:39:55 ID:P5TaXO6G
残忍な笑みを向け、彩は指を下の歯に掛けて力任せに思いっ切り引っ張る。

―――ガゴンッ!!

「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


引っ張られた柚華の顎は完全に外れ、口がだらんと開きっぱなしになってしまった。唾を呑み込む事すら出来ずに涎がしどどに溢れて空手着に垂れていく。


「そろそろケリ付けていいよね?柚ちゃんこのままじゃ可哀想だし・・・必殺技行っちゃおっと」


彩は背後に回って柚華の両腕を交差させながら掴んで固定する。

「は、はに!?はんなのっ!?」

顎が外れている為まともには喋れず、聞き取りずらい言葉を発する。

柚華は暴れだして何とか彩を引き離そうとするが、両腕を拘束され、体も密着状態にある為不可能だった。
「じゃあ美島彩、超必殺技いっきーす。はあぁぁぁぁぁっ!!!」

198名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 15:41:31 ID:P5TaXO6G
そのまま肩車の要領で持ち上げると後方にブリッチしながら弧を描くようにスープレックスを決める。

かつて女子プロの豊田真奈美が生み出したオリジナルホールド、ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスだ。

両腕を拘束されている為に柚華は受け身を取る事すら出来ず、地上から空へと移り行くのを視界で捉えながら固いアスファルトに脳天を叩き付けられた。

「げぇへぁっ!!」

断末魔の悲鳴を上げて柚華は白眼を剥いて昏倒した。
199名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 15:43:43 ID:P5TaXO6G




「うぅ・・・・はぁー・・・・はぁ、はぁ・・・・・さすがにもう立てないでしょう」

ブリッチ状態で十秒程ホールドした彩はゆっくりと体を離して起き上がる。
柚華は仰向けに倒れこみ、チョロチョロと小水を垂れ流して失神している。


「あ、彩・・・勝ったのか?つーかそいつ死んでないか?」

ギャラリーの一人がまた声を絞り出しながら彩に恐る恐る声を掛ける。

「え?・・・・まぁ加減はしたし大丈夫でしょ?念のため救急車呼んどいて・・・・あぅ」

そう言った瞬間張り詰めていたものがぷっつりと切れ、彩はその場に崩れ落ちた。

「お、おい!?彩!彩!!」
自分への呼び掛けの声をどこか遠くで聞きながら彩の意識は消えていった。




200亜佐倉:2007/07/07(土) 15:47:57 ID:P5TaXO6G
バトルはここまでで終了です。ちょっと強引すぎたな・・・・次エピローグに入って締めです
201名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 17:56:59 ID:as4ssuFo
Σ('Д`;)
スゲェ
202名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 18:24:05 ID:gOIAuySu
GJ!まさに壮絶なバトルだったな…
グロくなるとか言ってたからてっきり修羅の門ばりに目に指突っ込むぐらいまでいくかとドキドキしてたがこれくらいならちょうど良かった
203亜佐倉:2007/07/07(土) 19:56:03 ID:P5TaXO6G
当初はそういう風に目をえぐったり腕がもげたりとかも考えていたんですが、さすがに見てくれる人がドン引きしたらマズイな〜と思ってボツにしました(笑)

204亜佐倉:2007/07/07(土) 21:24:39 ID:P5TaXO6G
最後にエピローグ投下します。バトルでは無く、一応締めという意味で

―エピローグ

激闘の末、何とか勝利をもぎ取った彩だったがその後は意識を失い、柚華共々病院へと搬送された。




病院に入院患者や面会に来ている人々が行き来している中、リノリウムの床をヒョコヒョコと不恰好に歩いている彩がいた。しかし、いつもの笑みは無く、泣き出しそうな情けない表情をだった。
205亜佐倉:2007/07/07(土) 21:26:17 ID:P5TaXO6G
二周間経った今でも傷は完全に癒えてはおらず、歩くだけでも爪先から頭の天辺にまで神経を逆撫でするような痛みが走る。

入院患者用の寝間着を身に纏い、額には包帯を巻き、顔は湿布とガーゼで隠れて殆んど目と鼻と口しか見えない状態で、折れた肋骨がくっついていないのか腰にはコルセットを巻いていた。
206名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 21:27:22 ID:P5TaXO6G
闘いの時ならいざ知らず、日常では彩は何処にでもいる普通の15歳の少女と何ら変わりないのだ。激痛に耐えろと言うのが無理な話である。

本来なら絶対安静を言い渡され、ベッドで寝ていなければならない彩が自分の体に鞭打って歩いている理由は至って単純だった。

自分と同じく絶対安静である柚華の病室へと目指しているのだが、亀の如き歩みな為かなり時間が掛っている。三歩進んでは一息付き、また三歩進んでは一息付く。こんな状態が続き、病室に着く頃には日が傾き掛けていた。

207名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 21:28:47 ID:P5TaXO6G
―415号室 高寺柚華

そう書かれていたプレートを発見すると彩は達成感に満ちた表情を見せている。

「ここかぁ・・・しんどかったよぉ」

だが、深呼吸すると悲壮な表情はそこで辞め、気を引き締めるとスライド式のドアをそっと開け、ベッドで横たわり本を読んでいる人物に近付いた。


「やっほ〜柚ちゃん元気〜?・・・痛っ!!」


にぱっと陽光のように明るい笑みを見せるが、顔面に激痛が走り、すぐさま顔をしかめた。

「何が元気〜?よ、その程度の傷で痛がって・・・・・あぐぅっ!!」

柚華は呆れたように相変わらずの憎まれ口を叩くが彩と同じように激痛に声をあげ、眉間に皺を寄せる。

「ゆ、柚ちゃんだって偉そうな事言ってる割に瀕死じゃんか、そのままぽっくり逝かないでよね。眠目覚めが悪いから・・・ぎゃあっ!!!」

「フンッ、この程度・・・蚊に刺された方がまだ痛いわよ・・・ギィィッ!!痛い痛い痛い痛いッ!!」

「アハハハ、蚊に刺されるより痛がってるじゃん。もう〜痩せ我慢しないの・・・ひぎぃぃぃぃぃっ!!」

208名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 21:30:14 ID:P5TaXO6G

「う、うるさい!この色気皆無のチビッ!!っていうか柚ちゃんって呼ぶな!!大体何でコンクリートの壁に頭ぶつけて生きてんのよ?・・・がぎゃあぁぁぁっ!!」

「へっへーん、人より丈夫に出来てるんだよ〜柚ちゃんこそ手加減してスープレックス決めてあげたのに一週間生死の境さまよっちゃって・・・っていうか誰がチビだ!この空手バカホームレスッ!!不潔女!!」
「あんなもんアスファルトで喰らったら普通の人間死んでるわよ!!少しは考えなさい!!この小便臭い未痛娘!!」

「人が一番気にしてる事を〜〜!!小便漏らし!梅毒持ち!ついでに脱糞しとけ!!」

「なんですってーーー!!」
――――――――――――
聞くに堪えない罵詈雑言の嵐でお互い痛みを忘れて髪やら胸ぐらに掴みかかっていた。

「静かにして下さい!!ここは病院ですよ!!」

騒ぎを聞き付けた看護婦が金切り声を上げて二人を叱咤する。

「すいません・・・・」

冷静になり、お互い身を縮込めて陳謝する。

「全く・・・美島さんも早く自分の病室に戻って下さい!高寺さんは貴方より重症患者なんですよ!!」

「は〜い」
209名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 21:32:30 ID:P5TaXO6G
看護婦はブツブツと文句を言いながら病室から立ち去っていく。

「・・・ところでさ、腕の方どうなったの?」

ふと思い出したように柚華の腕を見てみる。

「・・・さすがに医者もこれは治すの不可能って言ってたわ」

柚華は布団から腕をゆっくり出して彩に見せる。彩が捻った腕はそのままで、手の甲が内側に向いて螺旋状に捻れていたままだった。

「そっか・・・恨んでるよね、ボクの事」

そう言ってうつ向き、彩は顔を曇らせる。

「馬鹿・・・第一恨んでたらあなたと話してもいないし顔も見たくないわよ」

「え?」

「それに・・・これは本音だけど、あなたと闘ってた時、言葉で表せない位楽しかったの。久しぶりに本気で闘えて・・・拳を交えた時、どうしようも無い位嬉しかったのよ」

「柚ちゃん・・・」

「また闘いましょう、彩」

そう言って柚華は静かに微笑む。それは怒りも怨恨も無い、優しく何一つ曇りない清々しい笑みだった。

「・・・うん!!あ、そうだ柚ちゃん」

「ん?何よ?」

「ちょっと腕出して。捻れてる方」

「?」

首を傾げながらも柚華は捻れて変色した腕を出す。 その腕を両手でゆっくり掴み、静かに逆方向に捻る。
210名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 21:33:40 ID:P5TaXO6G
「ちょっと痛いけど我慢してね・・・・フンッ!!」
―ゴクリュッ!!

「〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
声にならない叫びを上げて柚華は目を見開いた。
暴れだしたい位の痛みが腕に走るが、そうすると体中に激痛が走る為、泣く泣く大人しくするしかなかった。

「よし、これでOK」

彩は一仕事終えたかのように爽やかな笑みを浮かべた。

「何すんのよこの馬鹿!!」
柚華は腕を押さえながら歯を剥き出しにして彩に向かって叫ぶ。

「ゴメンゴメン、でもこれで腕は元に戻ったよ」

「え?」

疑いながら腕を見てみると捻れて変形していたのが綺麗に戻っていた。柚華は目をこらし、色々な角度から見てみるがやはり元の一直線の腕だ。

「一ヶ月位は動かすだけで痛むけどそれを越えれば普通に動かせるようになるから大丈夫だよ」

「彩・・・」

「これでまた全力で闘えるね。次も失神KOさせてあげるよ・・・イテテ」

再び笑顔を試みるが、やはり痛いのか、表情が歪む

「・・・お人好し。闘ってた時とは別人ね」

211名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 21:35:41 ID:P5TaXO6G
小さく笑って揶愉するが、それでも柚華は嬉しそうだった。

「へへッ・・・次は秒殺だから覚悟しといた方がいいよ〜」

静かに拳を突き出す彩。

「何言ってるのよ、次に勝つのは私、その辺は覚えておきなさい」

それに応えるように拳を出してコツッと突き当てる柚華。

「・・・アハハッ」

「・・・フフッ」

燃えるような真っ赤な夕日がカーテン越しに病室に差し込み、二人の笑顔をいつまでも照らしていた。

END

212亜佐倉:2007/07/07(土) 21:39:17 ID:P5TaXO6G
以上で僕のSSは終わりです。読んでいただいた方、改めてお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。
213名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 22:13:10 ID:as4ssuFo
GJとしか言えないな!?
214名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 01:58:03 ID:PgGNOcsY
うむ、亜佐倉殿は良い仕事を成された。
GJでござる!

展開上、以前質問していた「残酷描写」はもっと加えても良かったかなと思う。
不用意な返答で亜佐倉殿に枷をつけたと思うと、反省せざるを得ない。
215亜佐倉:2007/07/08(日) 01:58:16 ID:sttC0PF6
>>208

×未痛娘

○未通娘

間違えたorz
216亜佐倉:2007/07/09(月) 02:50:42 ID:gWf6KVMs
枷では無いですよ。意見を頂いた上でどういう展開にするか、どういう描写がいいかと考えるのが楽しかったですし、何よりGJや意見、批評等は僕にとっての一番の活力ですので、その辺は気にしないで下さい。
217名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 05:03:14 ID:ySG2s/bt
ちょwww良い人過ぎ
218亜佐倉:2007/07/10(火) 21:55:17 ID:BwPT12Do
まぁ・・・性分なんでしょうね(笑)

ところで僕前スレ見てなかったんですが前は何人位職人さんいたんでしょうか?

やっぱり一人だけだと寂しいです(´・ω・)

219地下:2007/07/11(水) 20:49:29 ID:eIOB7i9u
>>218
GJ!!っす

前スレは、始まってから落ちるまでの期間が長かったせいもあって、沢山の人が入れかわり・・・って感じでしたね。
220亜佐倉:2007/07/14(土) 13:10:15 ID:hMBUNhUk
入れ替わりですか・・・・壮絶なバトルってなるとやっぱり職人さんも書くのに悩んでしまうんですかね?個人的にはガチンコ通じて芽生える女の友情とかが結構好きなんですが。


221名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 19:35:11 ID:IhpBkoCr
ドミネ好きな自分としては完全にボコってほしい。
その後「ごめんね、やりすぎた(チュッ!)」ってのはアリかもしんないw
222名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 20:41:42 ID:qeaSbHSn
ガチンコかました後に芽生えるのはいいけど、途中で芽生えられるとヌルい気がして仕方ない
223名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 21:59:31 ID:3UbjWOEA
糞スレ廃止しろ!
224名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 17:40:17 ID:uCfLSw93
あげるよ
225亜佐倉:2007/07/20(金) 13:19:47 ID:FA9lTXwW
>>221 >完全にボコって欲しい。
実はさっき一方的にボコるというネタ少し思い付きました。また彩を主役にして書いてみようかと思います。
・・・時間掛りますがorz

>>222
確かにガチンコ途中で友情芽生えた日には「えーーーーーー!!!」ってなりますね。出来ればバトル中はお互いブチキレモードであって欲しいです(笑)

226名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 20:47:38 ID:2aswJRVB
>>225
期待して待ってますよ(・∀・)
227221:2007/07/21(土) 02:41:30 ID:uEZTQX0x
>>225
それはそれは!お待ち申し上げておりますです。
妥協するくらいなら時間は掛かっていいよ。
228亜佐倉:2007/07/23(月) 06:25:32 ID:+aEVApaH
ひとまず序章が書けましたので投下します。

※諸注意
あくまで序章のため、まだバトル描写はありません。
229HORNET 序章:2007/07/23(月) 06:46:39 ID:+aEVApaH
まだ陽も出ておらず、辺りが薄暗い早朝の市街地、
ひっそりと身を潜めるかのように建っている廃墟ビルがある。
このビルはかつてオフィスとして使われていたらしく、書類と思われる紙クズがあちこちに散乱し、キャスターや背もたれを失った椅子が転がり、壁も床も所々剥がれていて、
鉄筋コンクリートが剥き出しだった。買い取る人間もいない限りこのビルは廃れていく一方だろう。
「986・・・987・・・988・・・・ハァ・・・ハァ・・・・・ハァ・・・989・・・990」  





そんなビルの一室で栗色髪の少女、美島彩はTシャツにスパッツというラフな
格好で全身汗みどろになりながら屈伸運動を行っていた。
荒い息を吐きつつ全身を震わせ、額から頬にかけて滝のように流れ落ちる雫を拭う事無くひたすらトレーニングに没頭していた。
スクワット1000回。これが彩の毎朝の日課である。




高寺柚華との激闘から二ヶ月、結果的に勝利したものの顔はボコボコ、肋骨と前歯は折られて全身痣だらけという満身創痍で病院送りになった。
生まれ持った驚異的な回復力によって何とか傷は癒えたが、
彩には満足の行かない闘いだった。しかし、得たものもある。
自分の未熟さを痛感した事、また一つ強くなれたという喜び、そしてかけがえのない戦友と出会えた事、
自分が成長を遂げていくのを実感出来る事が彩には嬉しかった。そして柚華といつの日かまた闘おうと約束していた。
今度こそ完膚なきまでに柚華を倒すという目標を胸に、彩は普段よりも過酷なトレーニングを自らに課していた。
230名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 07:00:25 ID:+aEVApaH
ダンプのタイヤを体にくくり付けて20qのロードワーク、二本指で逆立ちして階段の登り下り、5分間10ラウンドのサンドバック打ち、
そしてどんなパンチや蹴りにも耐えられる腹を作る為、知り合いのバッティングセンターに無理を言ってピッチングマシーンから放たれる時速110qのボールを腹で受け止める等・・・下手をすれば命にも関わりかねない狂ったような
メニューを彩は苦痛に耐えながらも休む事無く毎日行っていた。

時には余りの苛烈さに昏倒したり赤子のように声を上げて泣き出す事もあった。肉体も精神も発育途中である15歳の少女にはこのトレーニングは酷としか言い様が無い。
だが、彩は辞めなかった。どれだけ音を上げても投げ出すような事はせず、更なる強さを手に入れる為、己に鞭打って体を鍛え上げ続けたのだ。

今やっているスクワットも普段の奴とは違い、
より負荷を掛ける為に、爪先立ちで行っているのだ。「ハァ・・・ハァ・・・996・・・997、998、999・・・ハァ・・・ハァ・・・・せ、んっ!!!・・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!ハァ・・・ハァ・・・ノルマ達成〜」
231名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 07:03:40 ID:+aEVApaH
最後の一回をこなすと同時に奇声をビル全体に響かせ、コンクリート剥き出しの床に大の字になって倒れこむ。苦しみから解放された彩は四肢を投げ出し、
少しでも多くの酸素を体に取り入れようと口を開けて必死に呼吸している。
吸っては吐き、吸っては吐きを繰り返して息を整え、顔に張り付いた髪を邪魔臭そうに剥がす。
若干息の乱れが無くなってきた彩は漆黒の天井を見つめながら静かに、だが、沸々と燃え上がっている自分の中で感情を抑えられないでいる。
―――もっと、もっと強くなりたい。柚ちゃん、柚華を叩きのめす為に! 

グゥ〜
232名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 07:07:57 ID:+aEVApaH
そんな決意を嘲笑うかのように珍妙な音が廃墟に木霊した。彩の腹の音である。寝起きから何も口にしていない状態でトレーニングを行っていた為に、空腹も臨界点を既に突破している。
「・・・とりあえず、御飯食べよう。もう限界」

生理現象とはいえ、作り上げたシリアスな雰囲気を簡単に打ち壊してくれた自分の体に苦笑しながら彩はゆっくりと起き上がった。

「フンフフッフ〜ン、ゴーハン、ごっ飯〜御飯は英語で〜・・・何だっけ?」

意味不明な鼻唄を口ずさみながら無造作に置かれていた肩掛けのザックに手を入れ、ゴソゴソと漁る。
ザックから出てきたのは手の平大のボンレスハムと卵が12個入ったパック、そしてビールジョッキだった。
「いっただっきまーす」

いつもの無邪気な笑みで両手を合わせるや否や、早速ハムにかじりつく。口腔に肉片を頬張りながらじっくりと吟味する。ハムを喉に通した後はジョッキの口に卵を打ち付け、殻を割ると中身を次々とジョッキに入れていく。やがて全ての卵が注がれたジョッキを手に持つ。
233名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 07:13:48 ID:+aEVApaH
「じゃあ美島彩。早速一気に行っちゃいまーす。飲〜んで飲んで飲んで、飲〜んで飲んで飲んで、飲〜んで飲んで飲んで、飲んで♪」

無人の、しかも早朝の廃ビルで少女が一人コールを切りながら卵黄が並々と入ったジョッキを一気にアオる光景は端から見ればかなりシュールだった。しかし、そんな事どうでもいいとしか考えてない本人は嬉々として喉を鳴らしながら卵黄を飲み下していく。

「ングッ・・・ングッ・・・んっ・・・プッハ〜・・・不味ッ、でもごちそうさまでした」

舌を出してオェッという仕草をした後、手を合わせて片付けをし、ザックを掴んで立ち上がった。ここでのスクワットが終わった後、タイヤを引きづりながらロードワークで帰宅、そして家路に着くと学校に行く支度をして家を出る。これが美島彩の朝のスケジュールだ。

「さてと、行きますか」

フゥッと息を吐き、彩は小走りでビルを後にする。
234亜佐倉:2007/07/23(月) 07:22:08 ID:+aEVApaH
以上です。バトルを期待して下さった方には申し訳ありませんが、バトルまでの過程と彩の側面を書きたかったので序章から始めてみました。
そして文字列が変な風になってしまってすいません。次から気を付けます
235名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:49:16 ID:NcGq61w2
>>234乙&GJ!
一方的にフルボッコする(される?)彩に期待してます。
236名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 18:23:12 ID:rGgst4mM
いいね!第一章を楽しみにしてますよ。GJ
237HORNET 第一章:2007/07/26(木) 22:17:30 ID:XD7f81GG
こんばんは、亜佐倉です。第一章が書けましたので投下します。




――私立三笠ノ宮学園。
関東平野の高丘に位置するこの学園は、森林に囲まれた静かな場所にある規模の小さい女子校だ。
社会に出ても恥じる事無い淑女の育成を校風としている為、学業は勿論の事、礼儀作法においても厳しく指導している、いわゆるお嬢様学校である。
「くか〜・・・しゅるる〜・・・・すぴ〜」
四時間目の授業中、典型的な寝息を立てながら彩は机に突っ伏していた。




大口を開け、鼻提灯を作りながらヨダレ垂らして熟睡している姿は可愛さを通り越して間抜け面そのものだった。彩のクラス、1年3組の教室には今、教師が黒板にチョークを走らせる音も生徒達のひそひそと雑談する声も聞こえない。聞こえるのは彩のイビキだけだ。
238名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:34:23 ID:XD7f81GG
「・・・美島さん」
そんな彩の前に今年32歳になる英語教師、谷中恵子(やなかけいこ)が腕組みをしながら仁王立ちで立っていた。心なしか眉間にはくっきりと青筋が浮かんでいる。
「くぉ〜・・・しゅるぴぴ〜・・・ふぇ?今誰か呼んだ?」
夢の世界から現実に引き戻された彩は寝惚け眼で顔を上げる。そして2、3秒程硬直。
「・・・あぁ、谷中先生、おはようございまっす」
「おはよう。美島さん、随分とお疲れみたいだけど、昨日は相当勉強に力を入れてたのかしら?」
「あ・・・はい!そりゃあもちろん寝る間も惜しんで猛勉強してました!握っていたシャーペンが砕け、ノートが筆圧に耐えきれず引き裂かれる程に!!」
「そう・・・なら、この文章の訳、出来ますよね?」恵子は彩の意味不明な言い訳に耳を傾けた後、地を這うような低い声を出しながら黒板に書かれた英文章を指差す。
「えーっと・・・・」
早朝トレーニングの時とは明らかに違う汗を額に浮かべ、黒板とにらめっこしている。
「あっ、分かった!えっと・・・“彼女が見た夢は、四ん這いで首都高を駆け巡る髪の長い女性がドリフトを決めた夢です”だ!これで正解でしょ?ね?先生!」

次の瞬間、思いきり振り下ろされた教科書が彩の脳天を直撃した事は言うまでもない。無論、角が。



「ッ痛〜〜・・・あんの鬼ババァ!何も角で殴る事無いだろうが!!」
昼休み、先程受けた一撃の痛みと怒りが収まらず、綺麗な栗色髪をクシャクシャと掻きむしりながら彩は教室で吠えていた。


この場合、言わずもがな非があるのは彩の方なのだが、本人が悪びれている様子は全く無く、寧ろ“寝ている人間を起こして問題をやらせるなんて卑怯者のやる事だ!”としか考えてない。
とことん性質の悪い女である。
239名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:39:21 ID:XD7f81GG
そんな彩をクラスメイト達は脅えた目で見るか、軽蔑の眼差しで見ている。温室育ちのお嬢様達にとって彩という少女は異端な存在だった。
恥じらう事なく、慎ましさを知らず。平気で廊下を走り回るというのは日常茶飯事で、さっきの授業で披露した爆睡もこれが初めてでは無い。それ故に彩は校内で問題児というレッテルを貼られている。

「でも良かったじゃありませんか。彩ちゃん、只でさえ先生や生徒会から目を付けられているんですから、それだけで済んだのは谷中先生の寛大な処置と思いませんと」
そんな彩の隣でひどくゆっくりとした言動の少女がヒステリー全開の彩をたしなめる。
「でもさ、友美!いくら何でも角は無いでしょうが、角は!頭ヘコんだらどーすんだっての!全く・・・この学校はどうしてボクの自由まで奪うんだ!!」


身勝手極まりない言葉を吐いて隣の少女、桐生友美に八つ当たりする。
友美はクラスで浮いている彩にとって、唯一の友達だった。身長は彩と同じ位で、切り揃えられたボブカットの髪型にパッチリと開いた目、小さな口と蝋のように白い肌、その容姿はまるで日本人形のようだった。


「フフフ・・・でも確かによく眠っていましたね。今朝もトレーニングしていたんですか?」
口元を手で抑えて小さく笑う。その姿は嫌味さというものが全く無い無垢な笑みだった。
「まぁね、また闘いたい相手が出来たし。勝ちはしたけど、何つーか痛み分けの闘いだったよ」
彩は自分がストリートファイトをやっている事を友美にだけ打ち明けている。
こんな話をすれば大抵白い目で見られるので他の人間には話してはいないが、友美は彩の喧嘩話を聞くのが好きらしく、いつも興味深そうに耳を傾けている。
240名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:53:51 ID:XD7f81GG
「また闘いたい相手・・・ですか?」
「うん。ボクにとって戦友なんだ。蹴りや突きは一発一発重いし、片手で投げ飛ばされたりね。コンクリの壁に頭ぶつけた時は正直ヤバかったよ」
「打撃系の格闘技か何かをやってらっしゃる方なのですか?」
「うん、空手だよ。名前は高寺柚華。最初会った時は人を小馬鹿にしたような態度がイラッと来る奴だったけどね」
「高寺柚華って・・・えぇっ!それ本当ですか!?彩ちゃん!?」
友美は大きな目を更に大きく見開いて驚愕し、身を乗り出すようにして彩に詰め寄る。
「ちょっ・・・ど、どうしたの友美!?」
241名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 23:28:33 ID:XD7f81GG
「高寺柚華といえばフルコンタクト空手の本家、極東会館の全日本大会を2年連続制覇した強豪です!!
16歳という若さで指導員に任命、同年全日本初出場でベスト8入り、翌年には見事優勝したんです!身長165cm、体重58kg、スリーサイズは上から89、ごじゅうさ・・・」
「ま、待った!友美ストップ、ストップ!!」


先程までとは打って変わり、饒舌になって熱く語る友美を必死に押さえる。
友美は自他共に認める格闘技マニアで、古今東西のあらゆる格闘技の知識に精通している。
242名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 23:33:29 ID:XD7f81GG
「そ、そんなに有名だったんだ・・・柚華って」
「有名も有名!超有名ですよ!!高寺柚華に憧れて極東に入門する女性も後を絶たないんですから!でも・・・・・」
「ん?どしたの?」
「高寺柚華は常に実戦においての空手、つまり喧嘩空手の確立を理想としていました。しかし、大会で勝てる為だけの稽古しかしない極東を“競技空手”と批判し、昨年4月、来たるべき世界大会に出場しないまま極東を離れました」
「・・・・・」

「その後の消息は知れず、風の噂では山に篭って空手の修行をしているとか」
(あぁ、山篭りしてたんならあのホームレスみたいな格好も納得出来るなぁ)
表情に陰りを見せながら語る友美に対し、彩は柚華の着ていたボロボロの空手着を思い出していた。

「でも、そんな高寺柚華に勝った彩ちゃんは凄いです!」
「凄くなんか無いよ、本当にギリギリの勝負だったしね。もし、あれが空手の試合だったらボクは三秒と立ってられなかった」
かぶりを振ってやんわりと友美の賛辞を否定する。謙遜ではなく、それが彩の本音だった。
「フフフ・・・何だかんだ言いながら相手の強さをしっかり認める。そこが彩ちゃんの良い所ですね」
「馬鹿な事言ってないの。早く御飯食べないとお昼休み終わっちゃうよ」
そう言いながら彩は購買で買ってきたコロッケパンを口に運ぶ。友美も思い出したように自分の弁当を箸でつつき始めた。
「・・・おい、アンタが美島彩か?」
彩達が昼食を再開したその時、一人の女生徒が彩に話し掛けてきた。
243亜佐倉:2007/07/26(木) 23:47:20 ID:XD7f81GG
以上です。今回もバトル無くて申し訳無いっス。
244名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 03:06:25 ID:U42D/oRm
>>241 ※一部訂正 友美が柚華について語るセリフ

「高寺柚華といえばフルコンタクト空手の本家本元、極東会館の日本ウェイト制、そして全日本大会を2年連続制覇した強豪です!!5歳のとき極東会館に入門、12歳の時に黒帯を取得して若干15歳という若さで指導員に任命、
同年全日本初出場でベスト8入りして翌年には見事優勝を飾ったんです!それ故に周りからは“極東の戦乙女”と呼ばれています!
身長165cm、体重58kg(本人談)好きな食べ物はすりおろしにんにくを山盛りに乗せた焼き肉と納豆
趣味は読書とガーデニング、そしてスリーサイズは上から89、ごじゅうさ・・・」
「ちょっ・・・友美ストップ、ストップ!!」
245名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 22:29:23 ID:q+8vxwfG
>>243乙&GJ。
友美物知り過ぎてワロスw
お前は雷電かw
246名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 15:48:29 ID:kgTP9Uxy
おおっと!新たな敵の登場の?
柚との再戦の前にボコられちゃったりして…
兎にも角にも嵐の予感だな



それにしても彩…身体鍛えてるなら食事は腹持ちの良い米だろ
247亜佐倉:2007/07/31(火) 01:26:30 ID:Oi7qCuFS
HORNET第2章


「おい、アンタが美島彩か?」
「ふぇ?ふぉく?」
コロッケパンをくわえたままキョトンとした顔で話し掛けてきた女生徒に顔を向ける。見た事無い生徒だった。170cm位の身長でスレンダーな体型、短く切った髪は所々外側にハネており、ネコ科動物を彷彿させるツリ目はいかにも気の強さを現す象徴だった。

――どこかで会ったっけ?っていうか何でボクの名前知ってるんだろ?と、首を傾げて思案するがこの女生徒の顔を思い出す事が出来ない。
「えっと・・・友美、誰だか分かる?この人?」
考えあぐねた彩は友美の方に振り向く。
「彩ちゃん・・・本当に知らないんですか?」
驚きを隠そうともせず、友美は唖然としながら彩の顔をまじまじと見る。
「んな事言ったって知らないもんは知らないもん。誰なの?この痴女系AVに出てきそうな顔してる人?」
「その表現はどうかと・・・誰って、3年生で生徒会副会長の五條楓(ごじょうかえで)先輩ですよ」
「・・・・知らない」
「彩ちゃん・・・本当にこの学園の生徒ですか?」
「そだよ」
「入学式の時に生徒会役員の紹介あったじゃないですか」
「ゴメン、入学式の時バッチリ寝てた」
「え?目・・・開いてましたよね?」
「目ぇ開けて寝てたよ」
「・・・・・・」
「ついでに言うと寝息も立てないようにして寝てた」
「・・・彩ちゃん、それ物凄い才能の無駄遣いです」筆でスッと書いたような綺麗な眉をハの字にし、友美は困ったような呆れたような表情を浮かべる。

「・・・おい」
放置された挙げ句、凄まじく侮辱されて苛立った女生徒、五條楓は腹に力を入れてハスキーな声をより低くする。
「あ、あぁ!すいません。えっと〜はい、ボク・・・じゃなかった。私が美島彩です。副会長の五條先輩が私に何か御用でしょうか?」
楓の機嫌を損ねて面倒事を起こしたくない(既に損ねているが)彩は慌ててキチンとした態度を取り繕ろう。
「・・・まぁいい。ところで美島、アンタの噂はよく聞いてるよ。この学園じゃ有名人だからな」
憤りをため息に変えて吐き出した後、彩を見下ろしながらジロリと睨み付ける。「いえ、それほどでもありませんよ。私、結構地味な存在ですから」
楓の鋭い眼光を物ともせず、照れ笑いを浮かべながらいえいえと否定する。
「立派な有名人だよ。授業中の居眠り、遅刻に無断欠席、昼休み以外の時間に飲食、この学園の品位を著しく傷付ける言動は目に余る」
「うぐっ・・・」
「今の所会長からは暖かい目で見守ってやれっていう指示が出てるけど・・・・いい加減オレにだって限度ってものがある」
「はぁ・・・」
248名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 01:31:02 ID:Oi7qCuFS
嘸然とした表情で鬱憤を吐き出す楓に対し、彩は楓の顔を観察しながらただ生返事を返すだけで、頭の中では別の事を考えていた。
(あぁ、やっぱりこの人AV女優の浅川蘭に似てるなぁ・・・)
「・・・放課後、第2体育館に来い。いつまでも態度を改正する見込みが無いお前に制裁を加えてやる」
「ふぇ?せーさい・・・ですか?」
「そうだ。聞いた所によると美島、アンタいつも喧嘩してるんだってな?これ以上校外で暴れられてもオレ達生徒会にはいい迷惑だからな。オレが喧嘩・・・いや、スパーリングに付き合ってやるよ。一応こう見えてもキックボクシングの心得はあるからな」






唇の端を吊り上げてニヤッっと笑いながら楓は彩の鼻先に拳を突き付ける。
「ハァ・・・生徒会の副会長さんが直々にお出向いて何を言い出すのかと思えば」
喧嘩――そう聞いた瞬間、彩の目付きが変わった。普段、少女特有の黒目がちな愛らしい瞳から肉食獣のような三白眼になり、鋭利な犬歯を剥き出しにして笑う。楓とは対照的の不気味な笑みだった。そして、突き付けられた拳を掌で払うと、スッと立ち上がる。
「いいですよ。スパーリング、受けて立ちます。先輩にキックのご教授お願いしたいですから」
「OK。学園一の問題児に赤っ恥かかせてやるよ。スパーリング中に泣き出して“もう許して下さい!!”とか言うなよな」
「泣いてる暇あったら先輩の顎をアッパーで砕いてますよ」
互いにぶつかる視線と視線。タダ事では無い雰囲気に周りの女生徒達も不安な面持ちで見つめている。
「・・・決まり、だな。じゃあ放課後待ってるぜ、逃げ出すなよ」
そう言って踵を返し、楓は教室から去っていった。
「・・・彩ちゃん」
249名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 01:35:04 ID:Oi7qCuFS
二人の会話中、それまで喋る事の無かった友美はおもむろに口を開いた。
「うん?何?」
「彩ちゃんが誰と喧嘩をしようがそれは彩ちゃんの自由ですが・・・五條先輩はその辺の喧嘩屋とは違いますよ」
友美の話によると楓はキックボクシング部の中でも
トップクラスの実力を誇っているという。


三笠ノ宮学園は部活動にも力を入れており、特に空手、柔道、ボクシング、剣道、フェンシング等の格闘部もかなりの実績を残している。
その中においてキックボクシング部は郡を抜いており、大会において全戦全勝、右に出るものはいないらしい。 それというのも副会長である五條楓が主戦力となっているからだという。
「その五條先輩が今回の彩ちゃんの相手なんです。喧嘩慣れしてるとはいえ、油断はしないで下さいね」
「大丈夫、ダイジョーブ。ボクは今までどんな格闘家にもKO勝ちを収めてきたんだから、心配御無用」
さっきまで楓に見せていた殺意を消し、童のような笑顔で友美の頭をポンポンと叩く。
250名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 01:38:04 ID:Oi7qCuFS
「フフフ、余計な心配でしたね。でも、万が一の事も考えて私が彩ちゃんのセコンドに付きます。それはいいですね?」
「うん。じゃあ放課後よろしくね、友美」
「はいッ!」
互いに意見が一致した後、再び昼食を再開しつつ友美は彩に自分の知識を生かしてキックボクシング対策のアドバイスをした。彩も真剣に頷きつつ、友美のアドバイスを参考に頭の中で闘いをシュミレーションしていく。


―――――そして、全ての授業が終了し、ホームルームが終わると同時に彩は着ていたブレザータイプの制服から学園指定の体操着へと着替え、友美を付き添ってゆっくりとした足取りで第2体育館へと向かった。
251亜佐倉:2007/07/31(火) 01:55:20 ID:Oi7qCuFS
以上です。え〜・・・投下宣言忘れ、バトルまでの過程を引っ張りすぎて本当にすいませんorz ようやく次から彩VS楓のキックボクシングバトルに突入します。



>>245->>246
感想&GJありがとうございます。
友美はこれから多分解説&驚き役になるかと(笑)ポジション的に言えば雷電と富樫みたいな感じで


彩は体調管理しっかりしてるようでかなりいい加減&間違った知識を詰め込みという脳内設定(笑)がありますので食事に関してもあんまり関心は無いんです。
その辺は普通の女子高生と何ら変わりないという事で。
252名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 06:31:05 ID:UtnmK7lk
乙〜
なんか彩ってガチで殺し合いの一歩手前を潜り抜けてきてるんで所詮スポーツどまりの先輩には楽勝な気がする



が、多分彩自身のそんな慢心をついた正統派の技巧が苦戦に追い込むんだろうな
いまからwktkだぜ
253名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 02:02:39 ID:lpQyShSS
>>251亜佐倉さん 新作投下 乙グッジョブ!
254名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 07:40:20 ID:ORrl2Rbw
彩ちゃんはなんでAV女優に詳しいんだ?w
255亜佐倉:2007/08/05(日) 19:18:29 ID:d0Sv/SDt
バトル開始前〜バトル冒頭まで書けましたので投下します。
256名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 19:27:26 ID:d0Sv/SDt
HORNET 第3章

校舎から西側に位置する第2体育館。ここは普段体育の授業等で使用するアリーナタイプの第1体育館とは違い、格闘部の主な練習場として用いられている為、体育館の両脇に2つのリングが設置されている。

西側にあるのがボクシング部のリングで、東側にキックボクシング部のリングと分かれている。
放課後ともなれば練習に励む少女達の掛け声やミット、サンドバックを打つ音が響き渡るのだが、今日は女生徒達のざわめく声ばかりが聞こえてくる。
今第2体育館には格闘部の部員だけでなく、制服に身を包んだ大勢の一般生徒の姿もあった。
彼女達は“生徒会副会長、五條楓と学園の問題児、美島彩が対決!”という話を聞き付け、興味本位でこの第2体育館に足を運んできたのだ。

「シッ!シュッ!アイッシャッア!!」
リングの中央では楓が黒いタンクトップに青いトランクス姿でシャドーを行っていた。頭の中で仮想の敵を作り、その敵にワンツーのジャブ、ストレート、そしてミドルキックを当てていく。

その一連の動作には無駄な動きがなく、腰の回転を利用したパンチと蹴り足を下から上へとすりあげるキック、正に基本に忠実なフォームだった。
257名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 19:32:03 ID:d0Sv/SDt
バンテージを巻いた拳がヒュッという音を立て、細く、蹴りが唸りを上げる。その度に生徒達は感嘆の声を上げ、中には楓の勇ましい姿に頬を赤らめ酔いしれる者もいる。
「ふぅ・・・」
一通りウォーミングアップを終えてリングのロープに引っ掛けておいたタオルを取り汗を拭う。
体は充分に暖まり、筋肉がほぐれた楓は完膚なきまでに自分に殴られ蹴られ、脅えた目で許しを乞う彩の姿を頭の中で想像して思わず笑いがこみ上げてきてしまう。

(今日こそあの生意気な美島をぶっ飛ばせる・・・喧嘩じゃ向かう所敵無しみたいだけど所詮は素人。オレの敵じゃないな。素人と格闘技経験者の違い、見せてやるよ)
顔をスポーツタオルで覆い隠し、普段自分を慕ってくれている生徒の前では絶対に見せる事の無い含み笑いを浮かべながら楓はリングコーナーにもたれ掛る。

五條楓という生徒は三笠ノ宮でもかなり人望が厚い。男勝りで飾らない実直な性格、生徒会の仕事も無駄口ひとつ叩かずに黙々とこなす姿勢は教師だけでなく、生徒達にも絶大な人気を誇っている。
その性格故に学園の風紀や秩序を平気で乱す美島彩という存在が許せなかった。
――二度と好き勝手出来ないように叩きのめしてやる!!
楓はその決意を現すかのように拳をギリギリと握り締めた。
258名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 19:37:21 ID:d0Sv/SDt
楓が僅かな休息を取り始めたその時、鉄製の重い扉がギィィッという軋んだ音と共に開かれ、入り口から二人の少女が体育館に入って来た。彩と友美である。
校章の刺繍が入った白いTシャツにディープグリーンのハーフパンツという体操着姿で、拳には楓同様バンテージを巻いている。
足はキックボクシングのスパーリングという名目上の為、素足だった。友美はというと彩のセコンドに付く為、ジャージの上下を着用している。
「ねぇ、あの娘がさっき言ってた美島彩?」
「うん・・・私クラスメイトなんだけど、平気で無断欠席する上に授業中いつも寝ているの。噂では校外で喧嘩ばかりしてるらしいよ」
「えぇっ!?嘘、考えられないわ」
「だから問題児って言われてるのよ。そんな事していれば五條先輩だって怒るのも無理無いわ」
「あの美島って娘・・・多分ボコボコにされるかもね。何せ相手はキックボクシング部の中でも実力トップクラスの人だから」
「でも馬鹿よね、よりにもよって楓さんを怒らせるなんて。メッタ打ちにされれば考えも変わるはずよきっと」


一般生徒達がヒソヒソと話す声を彩は気にした様子も無く、リングに向かってゆっくりと歩いている。
そして、コーナーで待機している楓の姿を見つけた途端、昼休みに見せたあの三白眼で睨み付けた。
リング上にいる楓は人指し指を上に向けてクイクイッと動かし、「来いよ」と挑発している。それに応えるかのように彩は床を蹴って跳躍し、2mも高さのあるトップロープを一気に飛び越えてリングに舞い降りた。
その人並み外れたジャンプ力を目の当たりにした生徒達からどよめきが起こる。
259名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 19:43:06 ID:d0Sv/SDt
「よく逃げずに来たな、褒めてやるよ。美島」
「・・・売られた喧嘩は値引き無しで買うのがボクの主義ですから」
「フンッ、でもまぁそんな大口叩けるのも今の内だな。せいぜい土下座する準備はしておけよ」
そんな楓の皮肉を無視するかのように彩は二、三回足でキャンバスを踏みつけ、感触を確かめる。

(何かフワフワするなぁ・・・)
固いアスファルトかコンクリートの上が闘いの場である彩にとって柔らかいキャンバスはかなり違和感があった。ましてや今回はグローブをはめるため、普段使っている目突き、掌底はおろか骨捻りも使えない。
つまり彩は最大の武器を殆んど封じられた状況で闘わなければならないのだ。
だからと言ってそれを言い訳に引き下がればストリートファイターとしての自分は名折れになる。
向こうに喧嘩を売られた以上、こちらも喧嘩屋としての意地は貫き通さなければならないのだ。

――不利な状況だろうが何だろうが絶対勝つ!!
決意を胸に秘め、彩はセコンドである友美から渡されたグローブを手にはめていく。

「彩ちゃん、ヘッドギアとマウスピースは・・・?」
「うーん・・・いいや、いらない」
「でも・・・危ないですよ」「喧嘩するのにヘルメットと入れ歯なんか使うと思う?まぁグローブは先輩への安全の為だけどさ」
「フフフ、彩ちゃんらしいですね・・・分かりました。でも、さっき言った通り油断はしないで下さい。五條先輩はミドルとローが怖いですから、そこを警戒して後あの長身ですからパンチも充分に・・・」
「ダイジョーブ。心配ありがとうね」
グローブ越しに友美の頭をクシャクシャと撫でて笑い、彩はゆっくりとリング中央へ向かった。

同じく準備の整った楓もリング中央に歩み寄る。
「先輩、負けた後ボクに媚へつらうのだけはやめて下さいね。鬱陶しいだけですから!」
「ハッ、誰がお前なんかに媚へつらうか!お前こそ、オレに負けたら二度とデカイ顔して学園歩くなよ!!」
170pの長身と145pの小柄な少女が対峙して凄まじい睨み合いを開始させる。試合前から一触即発状態だ。ちなみに楓は彩が防具をしない事を聞き、ならばと自分も本来する筈だったヘッドギアとマウスピースを着用しなかった。
260名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 19:50:13 ID:d0Sv/SDt
やがてレフェリーを務める部員の一人もリングに上がり、簡単なルールの説明をする。
3分間5ラウンドで肘、頭での攻撃は禁止。
後頭部、背中への打撃も禁止。3回連続ダウンでK.O・セコンドによるタオル投入有りというキックボクシングの通常ルールで対決は行われる。
説明も終わり、レフェリーの合図で二人共コーナーへと戻って身構える。
「ラウーンド1、ファイッ!」

その声と同時に耳をつんざくような生徒達の歓声が上がった。
楓は拳を顔面の両脇に構え、体を上下に揺らすアップライトに構える。キックボクサーがよく用いる構えだ。
一方の彩は半身で右腕右足を前に出し、前足に体重を掛け後ろのカカトは少し浮かして体を前後に揺らしている。
「・・・・・」
「・・・・・」
睨み合ったままじりじりと互いの距離が縮まっていき、パンチの届く間合いに入っていく。
「シィッ!」
先に仕掛けたのは楓だった。速く、切り込むようなジャブを彩の顔に打っていく。
「フッ!」
彩はこれを右手で弾く、いや、弾くというよりも力を込めて叩くといった方が正しいだろう。バチンッという乾いた音が体育館に響き渡り、楓の腕が左斜めに叩き落とされる。

(ハッ、やっぱ素人だな)
最初のジャブはあくまで牽制であり、誘いだった。
楓は弾かれた左手をそのままにし、顔面を目掛けて右手でストレートを放つ。脇を締めて真っ直ぐに打つ、お手本とも言えるストレートパンチだ。
「・・・アホ」
ニヤッと笑いながら半歩前に進み、ストレートを顔面で受け止めた。距離をぐっと縮められた為に肘が完全に伸びきらず、パンチの威力が殺される。
更に前傾姿勢になって顔面で右手を押し込むようにして楓のバランスを崩す。
「なっ!?」
相手の予測していなかった動きに楓は驚愕して目を見開いた。
261名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 19:51:34 ID:d0Sv/SDt
その刹那、彩は後ろ足を前に出してキャンパスに足ががめりこむ位踏み込むと楓のストマック(胃袋)に左のボディーブローを打ち込む。
「ぐぅっ!」
その小さな体からは想像も付かない重いパンチにくぐもった悶き声を上げ、たまらず両手で腹部を抑える。「セェアッ!」
体がくの字に曲がり、楓の頭が60度の角度に下がると同時に彩は下顎へ左アッパーを放つ。
「アガッ!」
死角からの強烈な攻撃に楓の脳は激しく揺れ、膝をついてうつ伏せに倒れこんでしまった。

「あっ・・・あぁ」
レフェリーからダウンが宣告されてカウントが始まるのを聞いた楓は慌てて立ち上がろうとする。だが、脳振盪を起こした状態の為、意思とは逆に体が動いてはくれない。
「くっ・・・うぅ」
かろうじて立ち上がり、意識をはっきりさせようと頭を振ってからファイティングポーズを取った。
262亜佐倉:2007/08/05(日) 19:56:30 ID:d0Sv/SDt
以上です。ルールに関して・・・本文では通常ルールとは書いていますが微妙に違ってたりします(汗)あくまでK−1ルールを少しいじっただけですので。無知ですいませんorz
263名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 20:10:47 ID:d0Sv/SDt
※訂正

>>261 ×キャンバスに足がが
○キャンバスに足が

“が”一個多い。皆さん脳内補正お願いします。
264名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 21:36:40 ID:23+Dhj7F
GJ!
なんか先輩が自ら負けフラグを立てまくっているのにワロタ
これでは道化だよ
265亜佐倉:2007/08/08(水) 23:35:58 ID:ntpzRQpX
ちょっと急ぎ足ですが第4章投下します。


HORNET 第4章

(ダウン・・・オレが?)
レフェリーにより続行が宣告された後、自分でも信じる事の出来ない事実と脳振盪も手伝ってかうつ向いたまま硬直してしまう。
「先輩、前!前!!」
僅かな時間、集中力を切らしていた楓はセコンドからの絶叫にも似た声にハッと顔を上げる。
「ハァッ!!」
次に楓の耳に入ってきたのは烈帛の気合いだった。
「えっ?」
瞬間、楓の視界で火花が飛び散る。それに伴いグシャッ、そしてボキッというおよそ人間が一番聞きたくないであろう音、次に鼻と口に経験した事の無い痛みがジワジワと広がっていく。その光景を目の当たりにした生徒達は皆一様に絶句していた。

266名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:54:11 ID:ntpzRQpX
「へっへ〜ん、彩ちゃんビックリ箱その1、顔面ぶち壊し蹴り〜」
彩は楓の一瞬の隙をついて飛翔し、楓に飛び膝蹴りを炸裂させたのだ。まさに奇襲技である。鋭角に曲げた膝頭は楓の端正な顔に文字通り“突き刺さって”いた。

「あぐぅぅぅぅぅぅッッッ!!!!」
キックボクシング部の実力トップクラスの楓もさすがにこれはひとたまりも無い。獣じみた絶叫を上げながらグローブで顔全体を覆って敵に背を向けてしまう。
楓が自分の顔の中でも一番自信を持っていた高い鼻はL字を描いて歪に曲がり、鼻孔から出るおびただしい量の鮮血は口元全体を真っ赤に染め上げていた。
前歯は全て根本からポッキリと折れ、白く汚れ1つ無い前歯だったものは赤い血糊を付着させてキャンパスに残骸となって転がっている。

「キャアアアアアアアッ!!!!」
予想だにしなかった恐ろしい現実に女生徒達から悲鳴が上がる。無理も無い、
何一つ不自由ない平穏な環境で育った少女達にこの光景はショッキング過ぎるのだ。
固く目を瞑って耳を塞ぐ者、泣き叫びながら半狂乱になる者もいる。
267名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 00:05:50 ID:h8qmdYp1
「・・・先輩、ボクに喧嘩売っておいてその程度なんですか?正直ガッカリですよ」
周囲がパニック状態に陥ってる中、背中越しから聞こえる低い声に思わず楓はビクッと体を震わせ、グローブで顔の下半分を隠しながらゆっくりと振り向いた。
「ーーーーーヒッ!」
短い悲鳴を上げ、途端にそのスレンダーな体をガタガタと震わす。楓が見たもの・・・それはつい先刻までの生意気な後輩が自分を睨み付ける表情ではなく、開ききった瞳孔に真一文字に結んだ口、生というものを全く感じさせない蒼白い顔。


そして禍々しく、おぞましい雰囲気を体全体に纏っている。彩は心底失望していた。五條楓の弱さに。
「喧嘩屋だからって・・・素人だからって舐め過ぎですよ。先輩が強くなる為にどんなトレーニングを積んで来たのかは知りませんが
ボクは少なくとも貴方の何十倍ものトレーニングを積み、そして何百回っていう実戦の場数を踏んで来てるんです」
構えを解いて両腕をだらんと下げ、一歩前に踏み出しす。
「う、ゔぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
近付いてくる彩に対し、まるで「来るな!!」とでも言わんばかりに楓はやや大振り気味にローキックを繰り出す。
「フンッ!!」
彩はその場で蹴りを当てられる右足の全体重を掛け、太股の筋肉に意識を集中させて力を込める。

・・・鞭で叩いたような乾いた音が鳴り、鍛えぬいた脛が彩の太股に当たった。だが次の瞬間、楓がローキックを放った右足は鈍い音を立てて直角に折れてしまった。脛から足首に掛けてがブラブラと振り子のように左右に揺れている。
268名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 00:13:12 ID:h8qmdYp1
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」
リングから聞こえる咆哮。楓はその美貌をクシャクシャに歪め、その場に倒れ込む。
「えぇ!?ボク何もしてないのに足折れたって・・・どんだけ貧弱なんですか〜先輩」
一方で蹴りを受けた彩はわざとらしく口元にグローブをあて、大袈裟に驚くフリをして楓を小馬鹿にする。
1000回という天文学的数値のスクワットとダンプタイヤを引きずってのロードワーク。このトレーニングにより彩の下半身は強靭かつ強固なものとなっている。その固さは電柱の比では無い。
その為、並の格闘家やその辺にいる力自慢の男の蹴りなどは一切通用しないのだ。
145cmという小柄な身長になだらかな曲線を描いた幼児体型。だがそれとは裏腹にアスリートを遥かに凌ぐ肉体を持ち、ルール無用の喧嘩という修羅場をくぐって来たこの少女にとって楓など所詮高校生レベル。

いわば子供のキック同然なのだ。
「ひっく・・・うぐっ・・・・痛い、痛いぃ」
試合前の勇ましく、男勝りな態度とは打って変わり楓は幼子のように泣きじゃくりながら口元と鼻、そして足を抑えてリングにうずくまってしまった。

「えぇ!?ち、ちょっと先輩、泣かないで下さいよ。まるでボクがいじめてるみたいじゃないですか」
楓の反応に思わず彩は慌てふためく。だが楓は相変わらず痛みと恐怖で震えたまま何も答えない。
「え、えっと〜・・・レフェリー、これボクの勝ちでいいん・・・だよね?」

どうしていいか分からず彩は額に冷や汗を浮かべながらレフェリーにチラリと目線を送る。
「これは・・・一体何をやっているのですか!?」
慌ててレフェリーが勝者を宣告しようとしたその時、体育館入り口から甲高い声が響き渡った。その声に彩、友美、そして一般生徒達と部員が一斉に入り口に視線を向ける。
269名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 00:18:45 ID:h8qmdYp1
そこに立っていたのは一人の女生徒だった。
腰元まで延びた友美以上に艶やかな黒髪に薄い唇、きめ細かい肌。そして他の生徒達には絶対に出す事は出来ない大人びた雰囲気。
美少女というよりは美女と言うのが相応しいだろう。その美女は今、気品すら漂うその容貌に怒りを含ませてリング上を睨み付けていた。

「ちより・・・会長」
「ん?知ってるの友美、あのセレブ臭漂う人?」
初めて見る顔に彩は楓の初対面の時と同じように小さく美女の名前を呟いた友美の方を向く。
「天草ちより・・・・この学園の生徒会長でキックボクシング部の部長、そして・・・現役のムエタイチャンプです」
270亜佐倉:2007/08/09(木) 00:21:33 ID:h8qmdYp1
第4章は以上です。
すいません、楓先輩はモロに噛ませ犬というか前座です。“期待させておいて何だこれは!!”とお怒りになった方、申し訳無いですorz
271名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 00:22:42 ID:FTU2/Qfb
楓噛ませ犬じゃんwwwww
272名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 00:29:41 ID:30Irlv6s
強さを証明するためだけに登場する捨て駒!
いわゆるザコ好きなので大いにGJ!
273名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 01:16:32 ID:rb1ZrINy
>>270楓先輩の惨めさに全俺が泣いた。
GJです!
274名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 09:52:57 ID:siauWaV3
ムエタイか…その昔3×3EYESの八雲もムエタイチャンプには一蹴されたからな
こいつは強敵かもな
275亜佐倉:2007/08/12(日) 13:33:15 ID:oa+oVKKU
第5章投下します。
※何か彩が超人と化してます(汗)



「んぐっ、ぐぶっ・・・んぐ、ンッ・・・プッハァ〜。ムエタイチャンプ?ムエタイってあの試合前に土下座ポーズする奴だよね」
リングコーナーに戻ってきた彩はグローブを外し、2リットルのペットボトルに入った水をガブガブ飲みながら入り口の女生徒、天草ちよりをジッと見つめている友美に話し掛ける。

「土下座ポーズ・・・あれはワイクーというムエタイ戦士の踊りですよ。タイのラジャダムナン・スタジアムでは義務付けまでされている程重要な儀式なんです」
「へぇ〜・・・で、こっちを睨んでるちより会長って人がそのムエタイのチャンピオンなんだ」
「ハイ。この学園の1年生の時に単身タイへ渡り、本場の強豪選手相手に50戦47勝、その内の42戦全てをKO勝ちで収めています。五條先輩、そしてちより会長、この二人の存在があるからこそキックボクシング部は輝かしい実績を残しているんです」
「なるほど〜。楓先輩はともかくとして、本場のチャンピオンがいれば他校なんかに勝ち目は無いね」

彩は友美の格闘うんちくに相槌を打ちながら再びペットボトルに口を付けて水を一気に飲み干す。
やがてカラになったボトルに肺の空気を送り込ませて遊び始めた。ペットボトルは原型を留めなくなり、直径50pの大きさにまで膨張している。並の肺活量ではまず出来ない芸当だ。
「・・・彩ちゃん、風船じゃないんですから」
「んぶ〜〜〜〜〜・・・プハァッ、凄いでしょ?」

得意気な笑みを浮かべて丸々と肥えたペットボトルを友美に見せ付ける。
「一体どういう事ですか?美島さん、何故部員で無い貴方がリングに上がっているのです?それに楓・・・いえ、五條さんが何故あんな風になっているのですか?」
276名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 13:38:22 ID:oa+oVKKU
リングに歩み寄った天草ちよりはリング上に倒れ込んですすり泣く楓と汗1つ掛かずに笑っている彩を交互に見比べながら険しい顔で詰問する。
「会長、これは・・・」
慌てて友美が弁解しようとしたのを彩はスッと手を伸ばし、やんわりと制する。「ちより会長、ボクは楓先輩とスパーリングしてただけなんです。楓先輩に是非とも相手をして欲しいと頼まれましたので」
さも“自分は悪い事してません”とでも言いたげに相変わらずの笑顔で言い放つ。それを聞いたちよりはタレ気味の切れ長な目を細め、楓を一瞥した。

「スパーリング・・・にしては随分と一方的な気がしますが?」
「アハハ〜。いや、つい熱が入っちゃってやり過ぎちゃいました」
「・・・ハァ。美島さん、後で生徒会室に来て下さい。この件に関してしっかりとご説明願います」
あっけらかんとした物言いにやや呆れながらちよりはロープをくぐり抜けてリングに上がり、楓を介抱する。
「うっ・・・ウグッ・・・ひっく・・・ちよりぃ」
楓は迷子になった幼い少女のように泣きながらすがり付く。
「・・・何故こうなったのか貴方にも後日説明してもらいます。貴方の事ですから美島さんの言動に我慢出来なくなったのかもしれませんが、暖かく見守ってあげなさいと私は言った筈ですよ」
「ウッ・・・ウゥッ」
「楓・・・とりあえず保険室で応急処置をしますから、しばらく我慢して下さい」
痛みと恐怖で泣きやまない楓をあやして自分の肩を貸し、ゆっくりとリングを降りる。

「・・・ちより会長」
入り口に向かって歩き始めたちよりを彩は呼び止める。
「・・・何ですか?美島さん」
彩の声に対し、ちよりは首だけを振り向かせてリング上の彩に視線を移す。
「ボクと・・・スパーリングして貰えますか?」
余計な言い回しもなく、躊躇もなく彩はちよりの目を見据えて言った。
その言葉を聞いた瞬間、館内が騒然となる。
「なっ、なに考えてるのよ!!美島彩!!」
「貴方のやっている事はスパーリングじゃなくて只の喧嘩よ!!」
「そうよ!楓先輩じゃ飽きたらず、ちより会長まであんな目に合わせるつもり!?」
「貴方の野蛮さには呆れて物も言えないわ!恥を知りなさい!!」
生徒達は怒りと軽蔑を含んだ罵倒を四方から彩に浴びせていく。先程行われた楓との無惨なスパーリングを見せられた後ではここまで怒るのも無理は無い。
「お静かにッッ!!」

鳴り止まぬ生徒達の罵倒の雨をちよりは一喝して抑え込む。
普段温厚かつ柔和な笑みを絶やさないちよりが怒鳴るのを初めて聞いた生徒達は驚愕して声を失ってしまう。やがて楓を肩に抱いたまま彩に向き直り、一点の曇り無き澄んだ瞳で彩の視線を真っ向から受け止める。
「美島さん、貴方がやりたいのはスパーリングではなく、私闘ですか?」
「えぇ。ボクは貴方と闘いたいですから」
「生憎ですが私は私闘でリングに上がるつもりは毛頭ありません。それに私のスタイルは・・・」
「ムエタイ・・・なんですよね?」
「知っているなら尚の事、私のやっている格闘技はスポーツではありません。
ましてや素人に怪我をさせるなど生徒会長として、格闘家としての私のプライドが許しません」
「・・・・」

ちよりの言葉を聞いた彩はバンテージを巻いた手でクシャクシャと髪を掻きむしり、無言でリングを飛び降りる。
そして体育館の片隅へと移動し、鉄製の三脚スタンドの真上に吊されたサンドバックと対峙した。キックボクシング部が部活で使用する物で170p程ある大きなサンドバックだ。
「怪我するのが怖くて・・・」
そこで一旦言葉を区切り、右手をギリッと握り締める。
「喧嘩屋が務まるかぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!」
そう叫ぶと同時に館内に地鳴りが鳴り響いた。
彩が全身全霊を込めて放った拳が鎖でぶら下げられたサンドバックにめり込み、その衝撃に順応して前後に大きく揺れる。ガシャンガシャンという鎖が擦れて揺れる音、そして地震が起きたのかと錯覚してしまう程激しい振動。

続け様に体を横に捻ってタメを作り、解き放たれるローキック。再び地鳴りが体育館を襲う。
サンドバックは前後左右デタラメに揺れ動き、鎖も金属の悲鳴を上げている。
「ダァラァッッッ!!!」
耳に入ればその場の誰もが恐怖で逃げ出したくなるような怒号、それと同時に放たれるミドルキック。
277名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 13:46:20 ID:oa+oVKKU
とうとう耐久力の限界を迎えたサンドバックは底がぶち抜け、詰まっていた薄茶色の砂がザーーーッと決壊したダムのように流れ出す。砂は床の上に降り積もり、中身を失ったサンドバックは頼りなさげに僅かに揺れるだけだった。

「天草ちより!!アンタみたいな眠たい顔して世迷い言吐いてる人間には一生分からないだろうけどね、今だけはその耳にボクの言葉を叩きこんどけ!!」
口が裂けんばかりに大口を開け、牙のような鋭い犬歯を剥き出しにして叫ぶと同時にちよりを睨み付ける。
「アンタに格闘家としてのプライドがあるならボクにも喧嘩屋としてのプライドがある!!アンタをこの場でぶっ倒す、それがボクの喧嘩屋としてのプライドだ!!」

強烈なデモンストレーションを見せ付けられたちよりは驚きを隠せず目を見開いていたが、直ぐ様綺麗な眉間にシワを寄せて小柄な少女を睨み付ける。
「・・・どなたか五條さんを保険室までお願いします」

そう言うと部員の一人がちよりに駆け寄り、手際の良い動作で楓を介抱する。一瞬部員が不安な眼差しでちよりを見つめるが、当の本人はにこやかに微笑む。
まるで「心配しないで下さい」と語っているかのように。

「美島さん・・・あなたのプライド、この天草ちよりが受け賜りました。本来であれば私闘は好みませんが、今回だけ貴方の挑戦・・・受けて立ちます!!」
彩に負けず劣らずの怒号を館内に響かせ、ちよりは真っ正面から彩を見据えた。
278名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 13:48:11 ID:oa+oVKKU
その言葉を待っていたかのように彩は不敵に笑う。
「じゃ、準備して上がってきなよ、ちより会長。退屈はさせないよ」
そう言って再びリングに上がり、友美のいるコーナーへと戻ってきた。
「・・・美島さん、怪我をしても文句は言わないで下さいね」
「さっきボクは言った筈だよ、怪我が怖くて喧嘩屋が務まるか・・・ってね」
リング上にいる彩に忠告した後、ちよりは更衣室へと移動し、静かに集中力を高めながら制服を脱ぎ、普段の練習用に着るグレーのTシャツと黒いスパッツに着替え始めた。
279亜佐倉:2007/08/12(日) 13:53:14 ID:oa+oVKKU
以上です。随分と引っ張ってしまいましたがようやく次から彩VSちより戦が始まります。
280名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 15:43:19 ID:dmIp4Fks
なんか彩からクレバーさがなくなっているような…
喧嘩屋っても買い専門で売りはしないと思ってたんだが、楓戦でそれなりに血が熱くなって好戦的になってる?ムエタイの膝に徹底的に鳩尾を抉られる彩が見れるかも!?
281名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 00:49:26 ID:o00oa7d9
>>280ちより会長の「素人さんに怪我させちゃマズいっすよサーセン^^」発言にカチンときたと予想。

しかし作者も前置きしてたが、彩タン強過ぎるよw
サンドバック破裂させるってどこぞのデンプシー使いでも無理だろ。
282名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 01:11:51 ID:JIUgDDh1
カチンときたって言っても…ちょっと彩…DQN過ぎなような…
283名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 02:42:01 ID:Y5urWVu9
バーサーカーモード?
便意でも我慢中?
284名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 12:55:25 ID:BZaUAls0
便意だな
強い便意は人を獣に変える
しかし試合後スッキリした顔でトイレから戻ってきた彩に
「いやぁゴメンゴメン。ウンコ漏れそうで手加減できなかったんだ」
とか言われたら負けたほうはいたたまれないにも程があるなw
285名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 13:25:56 ID:ApwB0nF7
浣腸という人知れぬハンデを課され
表の激しいバトルと同時に
裏でも内臓の壮絶なバトルがくりひろげられていたッッ

>とうとう耐久力の限界を迎えたサンドバックは底がぶち抜け、詰まっていた薄茶色の砂がザーーーッと決壊したダムのように流れ出す。
これはそのメタファー
流出したものが茶色というところが示唆している

うそですごめんなさい
286名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 18:03:06 ID:3/dpMnoB
鬼才現る
287亜佐倉:2007/08/17(金) 23:00:36 ID:sqhn86Y0
※小ネタ

「うぅ・・・うぐっ」
リングの設置された第2体育館。リング上で彩は何故かソワソワしていた。時折その小さな体を震えさせ、白桃色の頬を赤らめて荒い吐息を漏らしている。
グギュルルル、ギュルルッ!!
「はぅぅッ!!」
突然奇妙な声を発し、リング上でお腹を抑える。
「彩ちゃん、どうしたんですか?」
ジャージ姿の友美は首を可愛らしく傾げ、彩に問い掛ける。
「な、何でも無いよ!気にしないで!!」
彩はブンブンと首を振るが、内股になって腹を抑えてる様は何でも無いというには明らかに不自然だ。
(ど、どうしよ〜・・・やっぱ朝の卵12個一気飲みが不味かったかなぁ?)
彩が腹を抑えている理由、それは猛烈な襲われているからである。猛烈な波と同時に直腸で排泄物が生き物のように暴れている。
(うぅ〜早くトイレ行きたいよぉ・・・)
額にジットリと汗を浮かべて耳まで朱色に染めている。だが、耐えたところで便意が収まる訳も無く、
再び排泄物がゴロゴロと暴れ始めた。それに伴い、括約筋が緩み出す。
(やぁぁっ!!開いちゃ、開いちゃダメだよぉっ!!)
慌てて手で尻を抑えるが、彩の懇願虚しく、糞便が顔を出し始めた。

288亜佐倉:2007/08/17(金) 23:04:33 ID:sqhn86Y0
すいません、ちょっと悪ふざけしてしまいましたorz

彩のイメージぶち壊して本当すいません。本編の方はちゃんと0時頃に投下致しますのでお口直しにでも・・・
289名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 23:16:36 ID:BZaUAls0
な……なんというご褒美
どうか謝らないでくれ
本編とのギャップが激しくて異常に興奮した
正直さっきから勃起が止まらんわ

”壮絶な”バトルという意味では便意我慢は確かに壮絶極まりないな
お互いに浣腸による便意をこらえながら戦う闇格闘シリーズでも構想してみるか……

↓何ごとも無かったかのように本編どうぞ
290亜佐倉:2007/08/18(土) 00:04:56 ID:NHfaxhVp
では、本編投下致します。
HORNET 第6章


ちよりが更衣室に入ってから数十分後。
腰まで伸びた黒髪をゴムで束ね、バンテージを巻き終えてから再び体育館に姿を現した。
普段は滅多に見ることの無い生徒会長の格好と真剣な顔付きに生徒達がざわめく。だが、ちよりも彩同様そんな雑音には一切耳を貸さない。集中力が極限まで高まっている証拠だ。
「お待たせしました。美島さん」
リングに上がって静かに一礼し、コーナーで待機していた彩に向き合う。ムエタイという血生臭い格闘技を経験しているにも関わらずちよりの動作は優雅に見える。やはりそれはちより特有の気品があるからであろう。
「・・・・」
ちよりの言葉に対し、彩は何も答えない。腕を組んだまま自分より身長が10cm以上も高いちよりを一瞥するだけだ。
「ちより会長・・・これから何やるか分かってる?」

鋭くギラついた目付きでちよりを睨み、苛立ちを隠そうともせずに腹から絞り出したような低い声を発する。
「無論です」
感じ取った者が震え出したくなるような彩の怒りを受け流すかのようにちよりは涼しげな表情で短い返事を返す。
「ボク正直さぁ・・・アンタみたいな様式美に染まりきった人間嫌いなんだよ。何?これからワルツでも踊る気?」
彩がちよりに対して敵意を剥き出しにしている理由、それは自分が素人として格下に見られているのはもちろんの事、ちよりのいかにもお嬢様然とした態度、振る舞い、雰囲気全てが気に入らなかった。
ちよりが更衣室に入っている間、友美に聞かされた話では彼女は大企業天草グループの総帥、天草義彦の娘だと言う。つまり社長令嬢、正真正銘のお嬢様なのだ。
(何不自由なく育ったお嬢様で人望厚い生徒会長、尚且つムエタイのチャンピオン・・・何だよその豪華設定。ムカつくな〜)
考えるだけでも虫酸が走る彩は再びちよりを三白眼の目で睨み付ける。
「先程おっしゃった筈です。私のやっている格闘技はスポーツでもダンスでもなく、正真正銘の実戦格闘技、ムエタイなんです」
「ハイハイ、能書きはいいからさっさとそれを証明してよ」
291名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:15:11 ID:NHfaxhVp
彩がそう言うとちよりは先程の楓戦でレフェリーを務めた部員をリングに呼び寄せ、再びレフェリーをやってもらうよう頼んだ。
「美島さん、折角ですからこの試合、ムエタイルールで行いませんか?」
「ムエタイルール?」
怪訝な顔で首を傾げる彩にちよりはムエタイルールの説明をする。ムエタイルールはキックボクシングのルールとは異なり、肘での攻撃、そして背中と後頭部への打撃も認められている。ムエタイは打撃系格闘技の中でも比較的制約の少ない格闘技なのだ。

「異存はありませんか?美島さん」
「ボクはどっちだっていいよ。現役のムエタイチャンプと喧嘩が出来るなら何でもね」
彩の同意でルール変更が認められた。そしてお互いリング中央に歩み寄り、レフェリーを務める部員がルール変更に伴い、ラウンド回数と時間が説明される。
試合は1ラウンド3分、それを5ラウンド行われる。説明が終わり、二人はリングコーナーに戻った。
「彩ちゃん、むやみに懐に飛び込むのは絶対に駄目ですよ。ムエタイで一番恐いのは肘ですから。ちより会長は肘打ちで幾多もの選手をKOさせてきたんです」
「OK。肘を気を付ければいいんだね」
背中越しに友美の言葉を聞いた彩はこれから始まる“喧嘩”に胸を踊らせていた。
「ラウーーーンドワンッ、ファイッ!!」


試合開始。ついに彩とちよりの闘いが始まった。だが、先程の楓戦のように生徒達の歓声は聞こえない。
皆、ちよりも楓のようになるのではないかと内心不安だったからだ。
生徒達全員、固唾を飲んでちよりを見ている。
「・・・・」
リング上ではちよりが顔の両脇にグローブをはめた拳を置いて半身に構え、前に出した左足でタンッ、タンッと僅かにリズムを取っている。リズムを取る度に黒髪が揺れている。
彩は先程の楓戦と同じ、右手右足をを前に出した半身の構えを取ってちよりと対峙する。

「ハァッ!!」
先手を切ったのは彩。後ろの左足を大きく踏み込んでステップし、ちよりのボディ目がけてサイドキックを繰り出した。
このサイドキックは彩の得意な蹴りでもあり、ストリートファイトでは複数の相手に囲まれた時、周囲の状況を確認しながら蹴る事が出来る為、彩は重宝している。

ステップしてから蹴り足を抱え上げるようにして膝にタメを作り、ボディや顔に標準を合わせて一直線に蹴りを放つ。
これが彩のサイドキックだ。場合によってはわざと膝を狙って半月板(つまり膝の皿)を蹴り砕く時もある。
「――ッ!!」
サイドキックが腹部に突き刺さり、ちよりは一瞬苦悶の表情を浮かべる。
だが、蹴りが終わると同時に彩との間合いを一気に詰めた。
「シィッ!!」
自分の打撃が届く距離に入ったちよりは彩の大腿にローキックを放つ。
「グゥッ!!」
素早く、尚且つ鋭い。まるで彩の足を薙ぐような蹴りは楓のローキックとは比べものにならなかった。
常人の足とは違い、ちよりの脛はサンドバックや砂袋を蹴る事によって
鍛えられている為、肉がすり減って骨だけの状態になっている。例えるならそれは日本刀。
292名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:25:23 ID:NHfaxhVp
ローをまともに受けた彩は太股に痺れるような感覚に襲われ、一瞬棒立ちになってしまう。
「セェアッ!!」
そんな感覚を振り払って彩は飛び込むようにステップし、ちよりの顎目がけてフックを放った。だが、ちよりはこれを上体を反らしてスウェーでフックをかわす。
「彩ちゃん!離れて下さいッ!!」
「え?」
友達の絶叫が聞こえた次の瞬間、彩の顔に何かが襲い掛る。咄嗟にちよりから離れようとするが、次の瞬間にはその何かが彩の右瞼を真一文字に切り裂いていた。何かの正体・・・それはちよりの肘だった。
ムエタイの中で恐ろしいもの。それには蹴りもあるが一番恐ろしいのはこの肘である。
敵の顔を360度どこからでも狙え、モーションも小さい為にかわしにくい。
その上鋭角に曲げた肘は
人の肌を簡単に切り裂く程の殺傷力を持っている為、肉切り包丁とも呼ばれている。
「うぅ・・・ッ!!」
肘打ちにより切られた瞼から鮮血が流れ、彩の右目に入り込んでいき、たまらず目を瞑る。
そんな彩をちよりはクリンチ・・・というよりも両手で彩の首を掴んで首相撲の状態になる。
「美島さん・・・ムエタイの恐さ、貴方に見せてあげます」

そう言うと両手に力を込めて彩を引き寄せ、上体を倒すようにコントロールする。
「ハァッ!!」
気合いと同時に放たれる膝蹴り。それが彩のみぞおちにめり込む。
「うぐぇっ!!」
鳩尾に喰らった膝蹴りにより、彩の口から苦しみの声が漏れる。膝蹴りは柚華戦の時に喰らった経験はあるが、それとは全く異なるものだった。

柚華の膝蹴りは例えるなら金属バットの先端で突かれる感覚、痛むと同時に内蔵に響く感じに襲われた。
だがちよりの膝蹴りは鋭利で、体に切り込むような感覚だ。正に槍のような鋭さである。
「フッ!!」
苦しみもがく彩を尻目に再び鋭い膝蹴りを突き刺す。「うぶぅッ!!」
彩の口から悶絶の声と同時に唾が飛末のように飛び散る。
再び休む事無く放たれる膝蹴り。今度は単発ではなく、連続して6発彩の腹と鳩尾に打ち込んでいく。

「うぶぅッ!!うぼぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!!」
立て続けに胃袋に喰らった膝蹴りにより、彩は黄色味が掛った吐冩物を真っ白なキャンバスやちよりの足に吐き散らしていく。
「・・・後で掃除しておいて下さいね、他の部員も使うんですから」
ちよりは彩を首相撲から解放し、距離を取る。
「っあ!!ハァ・・・ハァ・・・ハァ」
彩は腹を抑えたままその場でフラフラとよろめき、体をくの字に折る。苦しさでまともに呼吸すら出来ていない。
「アーーイシャアッ!!」
突然聞こえたちよりの叫び声、そして左足を摺り上げるようにしてハイキックを繰り出す。標準は彩のこめかみ。
「あぐぅッッ!!!」

瞼を肘で切られて右目に血が流れ込んでいる為、彩の右側は今死角となっている。その為、蹴りが来ても完全に見る事が出来ない。
バチンという濡れタオルをぶつけられたような音が鳴り、彩のこめかみにハイキックがヒットする。
蹴りを急所に受けた彩はうつぶせにリングキャンパスに倒れた。
「彩ちゃんッッ!!」
友美は泣き出しそうな表情で彩の名を叫ぶ。だが、彩は動かない。
293名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 00:27:55 ID:NHfaxhVp
レフェリーが彩に駆け寄り、カウントを取り始めた。「ワーーーン、ツーーー、スリーーー」
カウントが始まると彩の手がピクッと動き、震えながらも起き上がる。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
あれだけの攻撃を喰らっても立ち上がる彩の姿に生徒達は驚愕する。
「どうです?ムエタイがスポーツやダンスでは無いという事、ご理解頂けましたか?」
「・・・・・ハハハ」


ちよりの言葉に彩はしばしの沈黙の後、静かに笑い出した。
「プッ、ハハハハハッ!ハハハハハッ!!アーハッハハッハッハッハ!!!」
突然高らかに笑い出す彩、それを見たちよりは眉間に皺を寄せて不快な笑い声を発する本人を見る。
「・・・何がおかしいんですか?」
「こんな攻撃でムエタイが実戦格闘技?笑わせんな、この腐れお嬢様が!!」
「――――ッ!!」
彩の一喝にちよりは顔を強張せる。

「所詮金持ちの道楽で格闘技やってるアンタにボクは倒せない!!・・・宣告してあげるよ、3ラウンド目にアンタはボクの前に這いつくばる。何度も何度も何度も倒れてね」
「なっ・・・・!!」
「それにしてもおかしいね、右目見えない上にゲロ吐いてぶっ倒れたボクがゲラゲラ笑ってて、無傷のアンタの顔は引きつってる。最高に面白いシチュエーションだよ」
「・・・・!!」

「ハハハハハハハハッ!アハハハハハハハッ!!アーハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」
水を打ったように静まり返る体育館には、栗色髪の小柄な少女の狂ったような笑い声が響いていた。
294亜佐倉:2007/08/18(土) 00:32:28 ID:NHfaxhVp
第6章は以上です。
それと私信ですがいつも感想レスありがとうございます。返事は中々出来ませんが毎回拝見させて励みになります。

295亜佐倉:2007/08/18(土) 01:35:53 ID:NHfaxhVp
追記 バトルが柚華戦の使い回しみたいになってますが、ダッシュの前の助走みたいなものだと思って下さい。
296名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 01:42:54 ID:eKRnNfBK
>>294GJです!
彩のスピードも凄いが作者のスピードも凄い。
残暑が厳しいんで体調を崩さないペースで頑張ってください。



あと、>>287で正直起った…
297名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 01:46:09 ID:P0PmkTYF
>>287の小ネタにしても
フットワークは軽く
文章力は充実し
即応力まであってすごい
298名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 01:51:28 ID:qP0vL1Sd
まさにGJ!
彩のここからの巻き返しに期待!

そして>>287は一発ネタにするには惜しい気がするんだぜ・・・
299名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 11:04:10 ID:jOyvJw1w
>>287の状態での彩が会長のムエタイ膝蹴り連弾喰らってたら完全にアウトだったな
300名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 13:02:33 ID:iJ5aDe/T
逆に考えるんだ
便意に耐えているのは会長のほうかもしれないと

>>287関連のネタとしては他スレ産だがこういうのもあった
浣腸バトルロワイヤル
ttp://waero.h.fc2.com/tyuui01.html
301名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 17:41:25 ID:jOyvJw1w
ちより会長は彩に超強烈なトンデモ腹責めを喰らって脱糞KOされて会長としての威厳、お嬢様の気品、その全てを打ち砕かれたりして

悲鳴を上げる後輩達に囲まれたリングの上で白目を剥いて尻の窄みを決壊させて、ビクビクと痙攣するお嬢様…
原作デビルマンかエヴァ初号機ばりに勝ち誇り雄叫びをあげ続ける彩…
302名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 01:31:57 ID:eITaJoWy
そういえば脱糞は餓狼伝にも採用された由緒正しき格闘小説作法だったなw

洗練された足技で彩をKO寸前まで追い詰めるが折からの下痢に苦しめられるちより会長
耐え切れずリングを出ようとするが彩はそれを許さず・・・
衆人環視での脱糞という羞恥の極みを体験したことにより
お嬢様の内に眠る獣性が目を覚まし・・・
みたいな展開とか
303名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 05:02:22 ID:uGA2qixA
おかしな方向にすすみつつあるな。

女バイオレンスと狂おしい便意と戦う女というのは
嗜好が重なってるのかな
304名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 10:18:41 ID:BZpaaLCT
脱糞といえば地下女スキーさんはもう来ないんかな?合気姫川VSサンボ水嶋の試合
305名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 18:55:41 ID:/F0J8/VM
脱糞で思い出される地下女スキーさんワロス
まあお忙しいのでしょう
306名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 01:05:43 ID:yjvtBo9k
それでもwktkして待ってますよ
307名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 01:30:24 ID:AVqC7jEx
同じくwktk
308名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 03:30:00 ID:U9mGIuYF
空手対決が好カードだっただけにかなりwktk
309tika(脱糞スキー):2007/08/24(金) 13:37:38 ID:hM8kC6Iy
壁lw@)
310名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 19:02:22 ID:AVqC7jEx
>>309
姫と朱音の試合wktk期待してますよ(・∀・)
311名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 19:16:35 ID:1RqIMxAi
>>309
ヽ( ・∀・)ノ ウンコー
ご無理のない程度にがんばってください
気長にお待ちしておりますので〜

ところで、脱糞したところで心が折れるのはただのスカトロ小説だが
脱糞してもなお雄々しく戦い続けるのは壮絶なバトル小説だと思わないか
312名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 01:23:38 ID:A+/kX5eQ
折れた方が心踊る
313名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 01:43:08 ID:UYiA/Pio
ツンデレのツン→デレの瞬間のカタルシスに数倍するものが
脱糞前後の心折れのところにあると思う。

心折れ戦意喪失する者
最大の恥をかききったことで吹っ切れリミッターがとぶ者
自己防衛のためヘンな別人格に切り替わる者など
いろんなヴァージョンがあってもいいな。

一方の脱糞後も試合継続するとして、
相手の腹が健康な場合、
真剣勝負なので汚物など気にせず集中して戦うものの
あまり経験がないことだけに、免疫がある血などと違って
ふと素にかえってしまい、その隙をつかれてしまうとか、
試合上にたっぷりある汚泥にスリップしてしまったり
さらには顔面から倒れてしまいそうになったり、
あげくその上でサブミッションで固められてしまったり。
相手の腹も危機の場合、
醜態をさらした相手を見下し、さらしていない自分に安堵すると同時に
解放感を得た相手に羨望感もあり、一方脱糞者は
相手も羞恥の道連れにすべく、いっそう執拗に腹を狙ったり
決着をじらしたり。
314名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 02:33:03 ID:0ZNsvW/Y
両者とも腹がピンチの場合だと
圧倒的な力を見せつけて主人公に楽勝した格上キャラが
実は主人公の攻撃でかなりのダメージを負っていて
試合後廊下とかで「……ぐふっ(吐血)」みたいな演出も適用できるな

新人の挑戦者を悠々と退けたかに見えた無敗女王だったが
実は崩壊して開き直った挑戦者のラフファイトに限界ギリギリまで追い詰められていて
試合後勝ち名乗りもそこそこにセコンドのバケツをひったくってコーナーでことに及んだり
帰りの廊下やトイレの個室直前で力尽きたりとか

汚物そのものは正直どうでもいい(というか画像では見たくもない)が
堪える苦しさと極限の羞恥という意味では
戦いの壮絶さとエロさに花を添えるものであるのかもしれない
315名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 14:22:02 ID:A+/kX5eQ
>>314
君は物事の「乙」という部分が分かっているね
粋だよ
316名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 13:36:07 ID:AU0TSlsZ
脱糞後もお互い心が折れず
死力を尽くしてベストバウトを展開
最初は下卑た野次を飛ばしていた観客が
最後にはスタンディングオベーションになってるとかな
317亜佐倉:2007/08/26(日) 18:01:42 ID:9qAJZjPD
えーと・・・流れを無視してしまいますが第7章書けましたので投下します。


HORNET第7章


「私が這いつくばる・・・貴方の前に?」
ちよりは聞き捨てならない言葉を言い放ち、未だ高笑いを続ける彩を睨み付ける。
「そう。何度も何度もボクに叩きのめされて最後には血泡吹きながらこのリングに沈む・・・それがちより会長の末路だよ」
「・・・その状態で何が出来ると言うんです?圧倒的不利なのは貴方なのですよ」
ちよりの言う通り、今の彩は劣勢だった。
膝蹴りによる嘔吐で体力を削がれ、肘で右目を切られて見えない彩に対し、ちよりは未だ無傷。試合開始から一分しか経過していないにも関わらず彩とちよりには大きな開きが出来ていた。

「美島さん、貴方にリングを降りる事をお勧めします。今度は右目だけでは済みませんよ」
「ふぅん・・・だから?」
「だからって・・・貴方」
「生憎ボクは今まで目えぐられたり手足もがれるの覚悟で喧嘩やってきたの。ま、お嬢様にはそんな覚悟分からないだろうけどね〜」彩はちよりを小馬鹿にした態度でわざとらしく肩をすくめる。それを聞いたちよりは半月を描いた眉を僅かに吊り上げる。
「・・・そうですか。なら、遠慮なく行かせてもらいます」

言うが否やちよりはサークリングというフットワークを用いて円を描くように周り、彩の死角である右サイドに入る。
「あぁっ!!もう右に行かないでよ、そっち見えないんだから!!」
忌々しげに吐き捨てながらも彩は片目でちよりの姿を追い、コンパスの要領で前足を支点にし、後ろ足でキャンパスを蹴って体の向きを90℃反転させる。
これはカービングステップという独特のフットワークで、サークリングに対応出来るフットワークの一つである。
「ハイ、さっきのお返し!!」
ちよりと対峙した彩は前足と後ろ足を即座にスイッチさせ、切り替えた後ろ足でローキックを大腿に放つ。「フッ!」
空気を切り裂きながら襲いかかってくる彩のローキックを足を上げて脛でカットし、一歩踏み込んでからカウンターを狙ったストレートで迎え撃つ。

「おっと!――ハァッ!」
顔面に来たストレートを左手で掴み、華奢な見掛けによらず骨太なちよりの腕を手前に引き込みながら縦拳で鼻と口の間にある急所、人中を打つ。
縦拳は空手やボクシングのように拳を返して打つ必要が無い為、構えた状態からジャブと同じ速さで素早く打つ事が出来るのが特徴。インファイトにおいては有利な武器となる。
「ぐっ!!」
急所に受けた一撃でちよりの体は僅かにのけ反る。だがすぐに体勢を立て直し、腰を回転させてショートレンジからのティー・ソーク、つまり肘打ちを彩の右頬に見舞う。
318名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 18:06:51 ID:9qAJZjPD
「うぐっ・・・!」
再び死角から飛んで来た肉切り包丁は彩の耳元から頬までを深々とえぐり、むごたらしい裂傷が刻まれた。開かれた傷口からのおびただしい出血により、
白桃色をした綺麗な頬が赤黒い血で凄惨な色に塗り変えられていく。
「こんの銃刀法違反オンナッ!今すぐ最寄りの駐在署に突き出してやる!!」
体操着の袖で頬に流れる鮮血をいささか乱暴に拭ってから彩は前足でキャンパスを蹴ってバックステップし、間合いを測ってからちよりの鳩尾に前蹴りを放つ。
「打ち合いの最中に喋ってると危険ですよ。舌を噛みます」
涼しげな顔でそう言いながらちよりは落ち着き払った動作で前蹴りを捌く為に片腕を腹の位置へと動かす。「・・・かかったね」
ちよりのガードが下がったのを不自由な視界で捉えた彩は悪戯っ娘の笑みを浮かべて蹴り足を残像が残る程の速さで引き戻し、
足を抱えたまま膝の位置を変えないまま縦に割れる軌道でハイキックをちよりの側頭部に叩き付けた。
―――ブラジリアンハイキック。彩の使った蹴りの名称で、普通のハイキックのように下から、或いは真横からの軌道とは違って袈裟斬りの軌道で放つ変則的な上段回し蹴りである。
極東会館のブラジル人選手が使う蹴りである事からこの名称が由来している。
彩は最初の前蹴りをフェイクとして使い、ちよりの意識をボディに集中させて顔のガードが甘くなった隙にこのハイキックを繰り出したのである。
「ガァッ!?」
頭骨が粉々に砕けそうな激痛と脳が激しく揺さぶられる衝撃に危うくちよりの意識が吹き飛びかける。
一年生で、しかも素人だと思っていた彩がこれ程の技術とパワーを持っているとは予想だにしていなかったのである。
「――クッ!!」
だがちよりとて本場タイで数々の強豪選手をリングに沈めてきたムエタイ王者。飛ばされそうになった意識を頭を左右に振って無理矢理引き戻し、腰を落として踏みとどまる。
そしてミドルキックの軌道で彩の胴体に膝蹴りを打ち込んだ後、そのまま足を引かずに膝のスナップを効かせて鍛え抜かれた鋼鉄のスネを再びボディに叩き付ける。
テツ(蹴り)とティー・カウ(膝蹴り)の応用複合技、テツ・クルン・ケーン・クルン・カウである。

「ぐぎゃっ・・・!!」
内臓器官が収まっているボディに尋常でない破壊力を持つ連続蹴りを喰らった彩は内臓が衝撃で暴れ回る感覚に襲われるが、屈強な精神力でこれを堪えて再び構えを取る。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・さすがムエタイチャンプ。そう簡単に倒れてはくれないね」
「ハァ・・・・ハァ・・・・貴方こそ、喧嘩屋と言いながらしっかり格闘家の技術を持ってるじゃないですか」
319名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 18:10:19 ID:9qAJZjPD
互いに構えを取り、最初と同じ間合いで仕切り直す。ムエタイと我流喧嘩殺法。お互い一歩も引かない闘いに観戦者である部員や生徒達は緊張で手に汗を握っていた。試合開始の時同様、誰一人として声を出すものはいない。

彩とちより。両者共に大きく息を吐きながら一瞬たりとも視線をそらさず、鋭い眼光で互いの視線を射抜いていた。
「――フッ!」
再び間合いを詰める為、彩はスッと足を動かした。
だが次の瞬間、何処からともなく乾いた金属音が体育館に鳴り響いた。1ラウンド終了を告げるゴングである。

「・・・むぅ」
完全に気勢を削がれた彩は撫然とした態度で背を向け、セコンドに戻っていく。ちよりも先程までの鋭い眼光を解いて静かな様子でセコンドへと戻った。
――第1ラウンド。彩がダウンを一つ取られながらもその後は両者互角の闘いで幕を閉じた。
320亜佐倉:2007/08/26(日) 18:15:53 ID:9qAJZjPD
第7章はここまでです。
期待して下さっている方には申し訳無いのですが、今の所闘いの最中でちよりの脱糞は考えてはいません。
あくまで本編はスレタイ通り、バトル中心で書いていきたいと思います。
321名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 18:22:04 ID:AU0TSlsZ
ライブで神と遭遇ヽ(´ー`)ノ乙
前回が瞬殺だったのでラウンド制があることを完全に忘れていたw

それと脱糞うんぬんは保守がわりのネタ雑談だから
流れとかは別に気にしないでいいと思いますよ
…そういう外伝が読めたら俺は小躍りしてしまいますが
322名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 16:05:25 ID:/mqVLE0o
作者乙!
これからちより会長どうなっちゃうんだろ?
もう一捻り無いと柚戦の焼き直しになる予感…



次回から彩の猛ラッシュ開始?!
323名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 23:24:50 ID:Uh9wMQNp
age
324亜佐倉 ◆aEJRs5h2Js :2007/08/31(金) 22:28:36 ID:NzUrr1Y4
いつも感想レス、又はGJありがとうございます。日頃の感謝、残暑見舞いを兼ねまして外伝を投下します。
※このSSは外伝という名のパラレルワールドです。本編の彩とは全くの別人ですので予め御了承下さい。


外伝


「やっほ〜お仕事お疲れ様♪今日も暑かったね〜」
仕事から帰ってきたある日の晩、自宅のマンションのドアを開けてまず耳に入ってきたのは底抜けに明るい声、そして寸分違わぬ差で視界に入ってきたのは身長が自分の胸に届くか届かないかしかない小柄な少女の姿だった。




夏の終わりとはいえ、まだ残暑が残る蒸し暑い季節にも関わらず女王蜂の刺繍が入った珍しいスカジャンを羽織り、黒いシングルキャップの帽子を被っている。
本人はそれで暑がっているという様子は無く、
事実そんな格好だというのに汗一つかかずに満面の笑みを浮かべている。
「・・・誰?」
一瞬部屋を間違えたのかと思い、表札と部屋の番号を確認してみる・・・自分の部屋である事は間違いない。ならこの娘は誰だ?
空き巣か?いや、そもそも仕事から帰ってきた人間を自宅で待ち構えて労いの言葉を掛ける呑気な空き巣など古今東西聞いた事がない。
そもそも空き巣なら誰と聞かれても名前を名乗る訳・・・
「あぁ、ゴメンゴメン。自己紹介まだだったよね。ボクは彩、美島彩だよ。
私立三笠ノ宮学園に通う
15歳。身長145p体重32s、スリーサイズは上から72、54、79。
趣味はストリートファイトで住所は関東地方のT県U宮市S町の〇〇。携帯の番号は090―△△△△―××××だよ。よろしくね」
・・・名乗りやがった。しかも聞いてもいないのにプロフィールと個人情報暴露してやがるし。


年頃の女が誰とも知らぬ男に住所と携番まで教えていいのか?
だが、この彩と名乗った少女はそんな事などお構いなしといった様子で相変わらずニコニコ笑っている。
何がそんなに楽しいのやら・・・・と、思いきや突然頬を赤らめてうつ向き、上目遣いでこっちを見ながら口を開いた。
「それと、これは恥ずかしいんだけど・・・握力は両方とも300sで背筋力は600s、跳躍力は7m20。100mは10秒17がベストタイムで・・・ベンチプレスはまだ240sが限界なんだぁ」
何だその規格外の数値は!?
つーかそこ恥じらう所じゃねぇ!!
何?そのギャグ今女子高生の間で流行ってるの!?
どこの星から来た超人ですかあなたは!?
・・・ダメだ、ツッコむ所多すぎて訳分からん。とりあえず混乱した頭を整理しつつこの娘に一番聞きたい事を訪ねる。

「えっと・・・その美島彩さんが何故我が家にいるんですか?」
「あ、そうだった。うんとね、話せば長くなるんだけど・・・・」
「うん」
「さっきまでボクがいつものように繁華街でストリートファイトやってたら警察に通報した人がいたらしく、駆け付けた警官に追われてたんだ」
「うん」
「ボクは全力で走って右へ左へ、上へ下へと逃げ回ってたら偶然このマンションまでたどり着いたの。それで・・・」
「それで?」
「何とか隠れようと思って空き部屋探してたら見つからなくてさ、仕方無いからこの部屋のドアの鍵破壊して入っちゃいました〜♪」お巡りさーーーーーん!!不法侵入者でーーーーーす!!!!
325外伝:2007/08/31(金) 22:34:17 ID:NzUrr1Y4
――「とりあえず、かくまってくれてありがとう♪」
「いや・・・まぁ礼はいいよ」
結局あの後、彩は半ば強引に我が家に居座っていた。本人はほとぼりが冷めれば帰ると言っていたのだが
・・・追い出せる訳が無い。何せ目の前にいるのは自称ストリートファイトで195pの大男すら病院送りに出来る女子高生。
下手に怒らせれば間違いなくその人間離れした握力で頭蓋骨を粉砕されかねない。今の心境?ガクブルに決まってんじゃねーか。
「優しい人がいてくれて助かったよ〜。あ、そうだ。何かお礼しないと」
こちら側の怯えた態度を優しさと勘違いしてくれる
都合のいい脳味噌を持った彩は座布団に座ったまま突然何を思ったのか手を叩いてスーツ姿のままベッドに座っている俺の膝まで迫ってきた。

「お礼?そんなの別に気にしなくていいよ」
「いいのいいの。これはボクの気持ちなんだから」
そう言って彩は被っていた帽子を取り、カーペットを敷いた床の上に置く。帽子を取るまで気が付かなかったが、痛んでる所も無く、クセ毛一つ無い綺麗な栗色髪だった。
部屋の淡い光を放つライトに照らされて元々茶色味がかかった髪は更に明るい色に染まったように見える。背中に届く長い後ろ髪は左右ゴムで束ねておさげにし、後ろに流していた。
「えへへ〜ちょっとおとなしくしててね」
黒目がちの大きな瞳でこちらを見上げ、悪戯を企てている子供のような笑顔を俺に向けている。
「・・・?」
彩のしようとしている事を理解出来ない俺はジッとこの少女の顔を見ていた。
ニキビ一つ見当たらない艶のある肌に桜の花びらを割ったような唇。
小さいが緩やかなカーブを描いた鼻。
女と呼ぶにはまだ早いが、それでもかなり顔立ちの整った美少女だ・・・開いた口から覗く牙のような鋭い犬歯を見なければの話な。怖えぇよ。
「は〜い、ご開帳〜」
「ん・・・?」


彩の顔を見入っていてしばらく気付かなかったが、何故か股間の辺りが外気に触れたようにスースーする。「どぅわっ!?」
自分の股間に視線を移した途端、素っ屯狂な声を上げてしまった。
スラックスのファスナーがいつの間にか下ろされ、
自分の陰茎がこんにちはしていたらそりゃ誰だってビックリするに決まってる。
彩はそんな心情を知ってか知らずか、まだ小さいままの陰茎を掌で包み込んだ。
「ちょっ、何やって・・・うわっ!?」
突然の刺激に全身に痺れるような感覚が走る。
「まだちっちゃいままなんだ〜。じゃあこの可愛いオチ○チンおっきくしてあげるね」
「んあっ!?」
剣呑な言葉を聞いた後、手コキが開始された。
生理現象に逆らえる訳も無く、あっという間に海綿体に血液が集まって愚息は彩の手の中で反り返り、天を仰いでいた。
「うわぁ、大っきいっ・・・固くて太いし、脈打ってピクピクしてる。こんなぶっといの入れられたら、ボクのオマ○コ滅茶苦茶に拡がっちゃうよぉ」


瞳を輝かせてそそり立った陰茎を見つめる彩は掌に力を込めて充血した男根の感触を確かめている。
お、おい・・・頼むからそんなに強く握らないでくれ。マジでヤバイ。
「えへへ、傘の所もこんなに広がって真っ赤になってる。キ○タマもぷっくりしてて美味しそう」
彩が喋る度に男根に息が吹きかかり、その都度ピクッと反応してしまう。
おまけにその可愛らしい口から漏れる卑隈な台詞は耳にねっとりと張り付き、
強すぎる位の刺激と興奮を与える。
「いっただきま〜す。んっ・・・んぐっ」
2、3回肉棒に頬ずりした後、可愛らしい唇を広げ、亀頭をくわえこんだ彩は口腔全体で男根を味わうように舌を絡ませている。
くわえたまま舌を器用に動かし、竿から亀頭、鈴口まで舌を這わせているのがよく分かる。
326外伝:2007/08/31(金) 22:39:47 ID:NzUrr1Y4
「ぐぅ・・・」
「ンッ・・・チュクッ・・・うぅん・・・プハッ。ハァ・・・ハァ・・・汗とオシッコの臭いが凄くて、頭クラクラしちゃった・・・男臭い匂いが口の中で一杯になっちゃってる・・・」
肉棒から口を離した彩は
顔をほんのりと桜色に染め、うっとりとした表情で甘い吐息を漏らす。
臭いがキツイのは帰宅してからシャワーも浴びてないから仕方無い。
「あぁっ・・・恥垢もこんなに溜ってる。舐めちゃおっと」

今度はピンク色の舌を覗かせて、白魚のような指を肉竿に絡めてしごきながら亀頭に舌を這わせてこびりついた白いカスを舐め取っていく。
暖かい舌が生き物のように亀頭を這い回る感覚は、考える事すら放棄させる程甘美なものだった。
「んっ・・・ちゅっ・・・ちゅく・・・うんっ・・・チンカス美味しい・・・ボク、男の人のチンカス大好物なのぉ」


うわごとのように呟きながら彩は不潔の対象でもある恥垢を嫌な顔ひとつせず、寧ろ嬉しそうに媚びる表情でカスを舌の上に乗せて口の中でじっくりと味わっている。
お礼とは聞いていたけど、目の前にいる栗色髪の少女がここまでやってくれるとは思わなかった。
正直言ってその辺の風俗嬢とはテクニックが比べものにならない。


今度は舐めしゃぶっていた亀頭から裏筋へと舌を移動させていき、陰嚢まで来ると口の中にタマを含み、ジュジュッと音がするまで吸い込み始めた。
「うぅぐ・・・!」
「はぁ・・・タマタマも汗で蒸れて凄い臭くて、しょっぱくて病み付きになっちゃう・・・汗臭いチンカスまみれのオチ○チン好きぃ、お口の中でビクビク暴れてる勃起したズル剥けチ○ポだぁい好き♪」
327外伝:2007/08/31(金) 22:44:31 ID:NzUrr1Y4
巧みなフェラと淫隈な言葉によって最早肉棒は暴発寸前だった。
彩の口淫は男のツボを完全に理解しているかのように的確にそこだけを責めるから強烈な刺激に襲われる。
「あ、彩・・・出るっ!!」「出そう?熱くて粘っこいザーメンどくどく出ちゃうの?」
彩は愛嬌のある笑みを向けながら尿道を舌先でつつき、再びペニスを口腔にくわえ込んだ後、頬がへこむ程思い切り吸い上げた。

バキュームフェラ、そして唾液と空気を含んで奏でるジュブジュブという下品な音を前に理性の壁は決壊し、つい腰をガクガクと動かしてしまう。
ヤバイ・・・もう限界だ。
「んぶっ!んんッ、ジュルルルルルルッ!!ジュブッ、ジュブブブブッ!・・・んはぁッ!!出してぇ、膿みたいに真っ黄色いのが混ざったドロドロのザーメンで口の中汚してぇ!
キ○タマに詰まった精子ミルク全部ごっくんさせてぇ!!種汁でボクのお腹の中満タンにしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」


部屋中に響き渡るように大きく叫んでから彩は肉棒を根元まで一気にくわえ込み、唇で締め付けながら頭を上下に動かしていく。
膣内の締め付けにも似たその口淫に頭の中が真っ白になり、彩の口にほとばしる欲望の全てを吐き出してしまった。
「うぅッ!?・・・んっ、ンク・・・ンクッ・・・うむぅ・・・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」
ベッドに倒れこんでしばらく呆然としていた為ハッキリとは確認していないが、彩が目を細めて俺の出した精液を飲み下していく音が聞こえた。
やがて精飲を終えた彩は身を乗り出して俺の顔を覗き込み、栗色の前髪越しから目を細めてニッコリと笑った。
「ごちそうさま。おチ○ポ汁凄いコッテリしてて美味しかったよ♪」
舌を出して満面の笑みでそう応える小悪魔に対し、ただ力なく苦笑するしかなかった。

――END
328亜佐倉:2007/08/31(金) 22:55:15 ID:NzUrr1Y4
以上です。引き続き本編の彩VSちよりの第2ラウンドの方も頑張って書きます。
329名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 23:30:31 ID:+WKNd6em
これはこれで、いい
……・……………のか?

>>287系の方がよかったなあ。
それはそうと読者サービス乙
330名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 23:41:43 ID:p5MPkqxF
GJ!
なんかこう…ひと昔前の頃の好きな格ゲーキャラのエロ同人にドキドキしてた自分を思い出したwwww
331名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 01:28:42 ID:ICD9wFvQ
>>328外伝投下乙です。
相手をブっとばしてる彩もいいけど、エロでブっとんでるこっちの彩もいいな。
332名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 18:28:26 ID:BfMQ21ed
彩、エロもなかなか可愛いな
違う一面GJ!
333名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 10:25:47 ID:R/MSnuQf
>>「美島さん、貴方にリングを降りる事をお勧めします。今度は右目だけでは済みませんよ」
「エフッ!エフッ!エフッ!!」
こんなんが頭をよぎりますた。。。
334名無しさん@ピンキー ◆gqvYj0pN0c :2007/09/08(土) 15:48:41 ID:5p8QD9LM
女っておもしろい
335亜佐倉:2007/09/12(水) 02:53:52 ID:GSSqlWaM
第8章投下します。今回より文章の形式を少し変えてみました。

HORNET 第8章


「彩ちゃん、大丈夫ですか?」
セコンドの友美は椅子に座っている彩の血塗られた瞼と頬、そして顔全体から吹き出している玉の汗を真新しいタオルで拭き取っていく。
「ふぅ・・・友美の言った通り、あの肘打ちは怖いね。警戒してても凄い速さで襲い掛ってくるもんだから彩ちゃんビックリだよ〜」友美に心配を掛けない為の配慮か、額にかかる前髪をかきあげながら冗談めかしておどけてみる。
だが心の中ではちよりが一筋縄ではいかない相手だという事を再認識していた。離れれば骨を粉砕する威力を秘めた蹴りが襲い掛り、近付けば肉切り包丁の肘が顔をえぐり、
懐に入れば槍のような膝が体に突き刺さる―――まさに全身凶器との闘いそのもの。ムエタイ王者という肩書きは伊達では無かった。
「蹴りが来たらガードしたまま前に出て威力を殺し、パンチと肘が来たらダッキングでくぐり抜けてカウンターを狙うというのが得策ですね」
「それが簡単に行けばいいんだけどねぇ・・・相手の方も中々思い通りにはさせてくれないよ」
傷口を塞ぐ為、頬と瞼に水絆創膏を塗り込みながらアドバイスする友美に対し、彩は口許だけで笑みを作る。
しかし、開いた片目は依然獲物を付け狙う野生の狩人さながらに鈍い光を放ったままだった。
その視線の先には自分と同じく椅子に座り、セコンドのマッサージを受けながら水を口に含むちよりを捉えている。

1ラウンド中、攻撃が効いてないかのように余裕を見せてちよりを挑発していたが、今の彩に決してダメージが無い訳では無い。
事実、臓腑は先刻の膝蹴り、そして連続蹴りを受けた衝撃によって激しい痙攣を引き起こしており、鈍い痛みのせいで体は鉛のように重い。
だが、彩にとってこの痛みは喜悦以外の何者でも無かった。
柚華のように規格外のパワーを誇り、そして洗練された技術を取得した女・・・否、化け物が身近にいた事、そしてそんな化け物と全力で壊し合える事が彩にとっては何よりの悦びだった。

強者との闘争は常に彩の心に巣食う飢え、渇きといった感情を満たしてくれる。本人は自分の事を只の喧嘩好きとしか思っていないようだが、
美島彩という少女は正真正銘の闘争中毒者――バトルジャンキーなのだ。
「彩ちゃん」
「うん?」
「目・・・開けられますか?」
彩の瞼からの流れる血を綺麗に拭き取り、水絆創膏で応急処置をした友美は掌を彩の両目の前にかざす。
「・・・・」
血が流れ込んだ右目の瞼を震わせてゆっくりと開き、友美の掌を見る。
“大丈夫だ。見える”
「うん、OKだよ」
瞼は多少腫れてはいるものの、『物を視る』という事において支障は無い。
応急処置を施してくれた感謝の意を込めて彩は友美の体をそっと抱き寄せた。
不意を突かれた友美は突然の抱擁に驚きの余り目を丸くしている。
「ヘヘヘッ・・・ビックリした?」
「も、もう・・・彩ちゃん」天真欄漫――そういった形容が相応しい笑顔を向けられた友美は釣られて苦笑するしかなかった。

“凄いな・・・やっぱり”友美も彩がダメージを受けている事は無論承知していた。
特に格闘技に詳しいこの少女の事、ムエタイの頂点を極めたちよりの打撃がいかに彩を苦しませているかも理解している。
だが今自分を抱きしめている友達は痛みなど決しておくびにも出さず、自分の前では常にこの幼女のような笑みを見せている。
“大丈夫、きっと彩ちゃんなら勝てる。だって彩ちゃんはこんなにも・・・”
「セコンドアウトッ!」

物思いに耽っていた友美をよそにレフェリーが声高に叫んでインターバル終了の合図が告げられる。
「じゃ、行ってくるね」
彩はゆっくりした動作で思考を僅かに遮断していた友美から体を離し、リング中央へと歩を進める。
“勝てる・・・彩ちゃんなら、絶対に!”
ロープをくぐってリングの外に出た友美は心の中で呟いていた。
根拠がある訳では無い。ただ、自分の何処かで確信めいたものがそう告げていた。
336名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 03:07:46 ID:GSSqlWaM
「・・・・」
「・・・・」
まだゴングが鳴らず、試合開始の合図も告げられていない。にも関わらずリング中央では両雄が激しい視線の鍔競り合いを始めていた。言わずもがな美島彩と天草ちよりである。
ちよりの方はともかく、彩がいつ飛び出してちよりに殴りかかるかもしれないこの雰囲気の中、レフェリーは恐怖におののきながらも間に入って二人を手で制している。この女子部員は今恐らく、猛獣と供に檻に閉じ込められたようなそんな心境だろう。
「ラーーウンド2、ファイッ!!」
「セアッ!!」

レフェリーが言い終わるか言い終わらないかのタイミングでちよりはリズムも取らずにノーモーションからのミドルキックを奔らせた。
完全に脱力した状態からインパクトの瞬間、腰の回転を活かして蹴り足を叩き付ける回し蹴りは肋骨、そして脾臓ごと破壊する威力を持っている。
彩の脇腹には今、牙を剥いた大蛇が如きちよりの脚が襲い掛ってきた。
「ッ!!」
睨み合いに意識は集中させていたものの、それで相手の動きに遅れを取るような愚を犯す彩ではない。
友美のアドバイスを参考にしてすり足で歩を進め、回し蹴りが脇腹に当たる前に片腕に力を込めてガードを固める。
“ひ、響くぅ〜!”
ほんの僅かでも気を許せば腕ごと壊されかねない。
そんなミドルキックの衝撃が腕の骨を伝って全身を痺れさせる。
「シィィィィッ!!」
間も置かずに今度は左右のワンツーのリズムで来るストレートとボディーアッパー。ついで大腿に斬り掛るローキック。
「うぁっ!!」

唸るストレートとボディーアッパーを手で捌き、ローキックは辛うじて脛でブロックした。
対角線上から来る連撃、通称『オランダコンビネーション』が一切の容赦なく彩に猛威を振るう。
「もう貴方に・・・手加減はしません!!」
絹を裂くような叫びと共にロー、ミドル、ハイ、といった回し蹴りの連続攻撃が一陣の突風のように彩の小柄な体を襲う。
「くぅぅぅ・・・強いなぁぁ。会長」
口調こそ飄げてはいるものの、顔には幾分かの脂汗が滲み出ている。やはりスピード、パワー共に化け物級と言っても余りある。
だが、彩もここで常人を遥かに凌駕したディフェンステクニックを見せていた。拳を両脇に置いてガードを崩さず、
脚を駆使してちよりの回し蹴り全てを防いでおり、そして自らの攻撃を加えられる為の間合いを慎重に測っている。

「シュッ!!」
独特の息吐きと共に大気を切り裂きながら横殴りに来るローキック。
先程放たれたものとはスピードも威力も桁が違う。鋼鉄材と比喩しても何ら遜色ないちよりの脛が彩の太股の付け根に差し迫っていた。
「!!」
瞬時の判断で彩はキャンパスを蹴って真上に跳び、その称讚すべき跳躍力でちよりの頭上高くまで来ると
背中を見せる形で身を捻り、膝を抱えるようにして脚を畳む。
「シャアッ!!」
目標を失ったローキックが虚空を描き、ちよりの体は見事に流れた。そして彩の奇抜な行動に気を取られた刹那、顔に激痛が走る。

宙を舞って身体を捻ってから畳んだ脚を引き絞った弓矢が如く、一気に膝の溜めを解放して放った飛び後ろ蹴りはちよりの顔面を捉えて直撃した。
その飛び後ろ蹴りは格闘技と測ればお世辞にも決して綺麗なフォームとはいえない。
だが素人臭さを感じさせないのもまた事実。
無造作ではあってもそれに見合う威力が十二分にあるのはやはり、彩のストリートファイターとしての実戦経験、一日も休む事なく研鑽してきた肉体、そして天性の才能。
この三つが伴った賜物とも言えよう。
「うぅぐっ・・・・」
完全に意表を突いた奇襲技の衝撃にちよりはくぐもったうめき声をあげ、顔を抑える。
だが、暇は与えられない。少しでも集中力を切らせば追撃の餌食になる。
その上相手は格闘技のセオリーが通用せず、どんな攻撃が来るかすらも予測出来ない我流喧嘩殺法。
片時の油断も許されない。
337名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 03:13:25 ID:GSSqlWaM
「クッ・・・」
顔を上げて再び彩の姿を捉えるが、自分の正面に着地した彩のおかしな行動にちよりは思考能力を鈍らせていた。
「スゥゥゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜フッ!」
肺にありったけの酸素を溜め込み、これ以上入り切らないという所まで来ると気道を引き締めて呼吸を停止させる。
そしてギリッと軋みをあげるまで歯を食いしばり、グローブ越しに両拳を握り締めて禍々しい『凶器』を作り出す。
“何を・・・する気?”
ちよりは彩のやらんとしている事が理解出来なかった。だが、自分の脳から脊髄を通じてしきりに伝えられ続ける危険信号は静まらず、体が硬直してしまう。
それに伴い生じる1つの感情――恐怖。
「―――――ッ!!」

声無き怒号、それが聞こえた時には既に彩は自分の懐へと潜り込んでいた。
標的を補足した彩は自分の顔を見上げる訳でもなく、ただ真正面、内臓器官の収まる己が胴体を猛禽類の如き瞳で睨み付けていた。
“・・・ッ!”
ちよりがその気迫と眼光に怯んだ刹那、凶器が轟音をあげて真っ向から猛威を振るった。
「がっ・・・!?」
“――み、見えない!?”
弾丸を思わせる彩の拳はちよりの腹を突き破らんばかりに深々とめり込み、その一発を皮切りに二発、三発、四発と両拳を同じ箇所にえぐり込ませた。
「ぐぇっ!!」
悲鳴を上げる暇も無く再び襲いかかる彩のストレートパンチ。双拳から放つ拳は堰を切った濁流の如く、徐々に、徐々にそのスピードを増していき、ついに拳は肉眼で捕えられなくなるまでに達していた。
速射砲。そう呼ぶに相応しい拳の乱れ突き。
捻りを加え、螺旋を描きながら放たれる強固な拳はただ闇雲に打っているのではなく、
水月、壇中、心臓、胃、肝臓、腎臓、肋骨、胸骨、鎖骨・・・胴体全ての急所と折れやすい骨に狙いを定め、全力で双拳を叩き込んでいる。
「がっ、あぎっ、ぐぶっ!!ぶぁぁぁっ!!!」
常識の全てを無視した怒涛のラッシュに反撃、ガードはおろか瞬きすら出来ない。彩の連打を前に最早ちよりは呼吸する事さえも許されなかった。
338亜佐倉:2007/09/12(水) 03:16:34 ID:GSSqlWaM
以上です。自分で書いといて言うのも何ですが・・・“女同士の壮絶なバトル”というか“女の皮を被った化け物同士の潰し合い”になってるような気が・・・
339名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 04:12:24 ID:VvIiZOg5
だがそれがいい。
「女の皮を被る」ってのは重要ですよ
その皮が上等なら尚良し

GJ
340名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 06:08:27 ID:9zatOJft
>>338
言われてみればそんなところがあるな。
でも今回だと>>335はちゃんと「皮」が意味を持ってると思うから
そういう部分が残ってればいいんじゃないかと思う。
贅沢言えば戦闘シーンの中でも「心」「身(バストなどの目立つ性差ではなく)」ともに
女である特性がかいまみえる部分がもう少しあると嬉しい。

でも、過去の文でもそれなりに女である特性がちゃんと活かされてたと思う。
341名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 18:31:14 ID:uKgG0X4k
気付いたんだけどこのスレって基本的に格闘モノ多いな。やっぱ壮絶なバトル=格闘だからかな?
342名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:45:23 ID:5GR1VHZK
今頃気づいたのか
343亜佐倉 ◆.baK7fMNR. :2007/09/17(月) 05:42:17 ID:Hwp0elT8
>>http://imepita.jp/20070917/201780

試しに彩(顔だけ)描いてみました。帽子が歪過ぎる・・・orz
344名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 15:18:23 ID:J2saoCSQ
多才な奴だな




保存した
345名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 17:23:22 ID:FsBDE74W
保守
346亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/09/25(火) 15:41:22 ID:OkZTb7yz
第9章投下します。

HORNET第9章

「がっ!!あぎっ!!うぶっ!!ぐぇぇぇぇっ!!」生徒や部員の声も聞こえず、耳をつんざくような悶絶と絶叫、そして『凶器』が肉と骨を打つ音しか聞こえなくなってしまった第2体育館。
リング上では彩が未だ両拳から放つ連続突きをちよりの体にえぐり込ませていた。
このラッシュが始まってから時間にして二分が経過している。

だが威力は鈍るどころか時間が経つ毎により一層増しており、特に拳のスピードは音速すらも超越し、腕は残像しか見えていない。
しかも彩はラッシュを開始してから全く呼吸をしておらず、体内に酸素を送り込む事を完全に放棄してパンチを放っているのだ。
打撃系格闘技の試合で見られるラッシュは無酸素運動である。無酸素運動というのは文字通り、酸素を体に供給せず、瞬発力を必要とする運動の事だ。
重量上げや100m走、そして腕立て伏せやスクワット等がこの部類に入る。

程度にもよるが、筋力とスピードが要求される激しい運動の為普通の人間、
或いはスポーツを生業とするアスリートでさえも根をあげたくなるような辛い運動なのだが、五分間10ラウンドのサンドバック打ちをこなせる心肺機能、
そして肉食獣を軽く凌駕する瞬発力。この身体能力を持つ彩にとって無呼吸でのラッシュなど箸を持つのと同じ位簡単な事だった。

「うぶっ、ぶぇあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
彩の腕は一見するとか細く、拳を振るうには頼りない代物に見えるが、見掛けとは裏腹にベンチプレス240sに達する腕力と二本指で天井の梁にぶら下がれる程の握力を持っている。
その腕力と握力、そして瞬発力が合わさったストレートパンチはコンクリートの壁をも容易にぶち抜く。
そんな殺傷力と破壊力に長けたパンチを臓府に受け続けたちよりは胃に収まる未消化の食物と胃酸を逆流させ、胃から食道、喉を通じて顎骨が外れんばかりに開いていた口から流れ出た。
その吐冩物は接近して乱打を放っていた彩の降り掛り、反吐を頭から被る形となってしまった。
人形細工のように整った顔、おさげに結んだナチュラルブラウンの髪、汗を吸収して濡れた体操着が黄土や白濁の混じった形容し難い色の汚物で汚れ、その容貌に酷い惨状をもたらしてしまっている。
347亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/09/25(火) 15:46:15 ID:OkZTb7yz
しかし、それでも彩は依然手を休めようとはしない。粘性を含んだ胃液が顔といい体といい肌全体に纏わりつく事も構わず、取り憑かれたようにおびただしい数のパンチを打ち込んでいる。
手数は既に五十、六十・・・否、下手をすれば三桁の数はとうに越えているかもしれない。
「・・・・・」
第二ラウンド終了二十秒前、そこで彩は腕の動きを止め、五月雨のようなラッシュを終わらせた。

「あ、あが・・・」
生き地獄から解放されたものの腹筋、臓府を破壊されたちよりは口の端から血泡を吹き出していた。
若干タレ気味の目から大粒の涙をこぼれさせ、令嬢と呼ぶに相応しい気品ある秀麗な容貌は苦痛と呼吸困難の為ひどく歪み、眉間に深いシワを刻んでいる。

「ゲボッ!ぐぇぼっ!!」
ようやく呼吸が許され、酸素を取り入れようと口を開けて懸命に呼吸するが、
息を吸う度に激しく咳き込み、言語を絶する猛烈な痛みがちよりを襲った。
自らの意思とは無関係に鮮血が咽喉から口を伝って吐き出され、紅い飛末がキャンパスや着ていたグレーのTシャツを毒々しい色に汚していく。
ラッシュの衝撃は肺にまで達し、気泡が何個か破裂してしまったのだ。その為酸素を取り込む機能を殆んど失ってしまっている。
最早陸に打ち上げられた魚同然となった生徒会長に歩み寄り、彩は鋭角に曲げた右肘を喉元に当てて拳を軽く握り、左手を拳に添える形を取る。
“え・・・?”

再び理解出来ない彩の行動にちよりは戸惑いの表情を浮かべる。
「ボクの必殺技パート2・・・・なんちゃって」
桜色の唇を三日月の形に吊り上げて無垢な笑みを見せた後、左手で勢いよく握った拳を叩き、ちよりの喉元に突き付けていた肘を打ち込んだ。
「ごげぁ・・・!!」
『骨捻り』に次ぐ彩の必殺技、『喉笛突き』である。その名の通り相手の喉元に肘を押し当て、握り締めた拳を逆手で思い切り叩き、肘を喉笛に突き刺す。
単純且つ何の捻りも無い技だが、幾らでも応用が利くのがこの技の長所でもある。
例えば相手の頸動脈を突いて破裂、或いは切断させたり、延髄や背骨を突いて頸堆・脊髄を骨折させる等――使い方によってはこの技は殺人の領域に達する。
348亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/09/25(火) 15:53:43 ID:OkZTb7yz
普通、この様な相手に後遺症を残してしまいかねない技を使用するのは本能的恐怖のため無意識のうちに手加減をしてしまう。
その結果、決定打を欠いて返り打ちにあってしまうのだが、そういった殺人レベルの技を一切の躊躇なく使用出来るこの少女はやはり実戦というものを熟知している。
「がぎゅ・・・・ぐぃぃ・・・・ひぃぃ」

声帯をも潰され、かすれた声しか出せなくなってしまった黒髪の美女は半ば意識を喪失させた状態で片膝を付き、キャンパスにうずくまってしまった。
「――ッ!ダ、ダウンッ!!」
それまで二人の織烈な攻防に終始唖然としていたレフェリーはちよりが膝を屈したのを見て我に返り、慌ててカウントを数え始めた。「ワーーーン、ツーーーーー、スリーーー・・・・」

混濁した意識の中、ちよりは刻まれていくカウントを聞いて立ち上がろうとするが、際限なく押し寄せる激痛に苛まれ、足に力が入らない。
立たなければ――そう思っても内部をずたずたに壊された体は脳から出される指令になかなか応えてはくれない。

「シーーックス、セーーブン、エーーイト・・・」
「ぐっ、ゔあ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ!!!」
身の毛もよだつ咆哮と共に無理矢理立ち上がり、レフェリー越しに彩を睨み付けながら両腕をあげてファイティングポーズを取った。
知性と可憐さを兼ね合わせた美貌を夜叉と身まがう程の恐ろしい形相に変え、絹糸のように白い手足を震わせながら臓府の激痛さえも振り払ってちよりは闘争の姿勢を見せている。
「へぇ・・・喉笛突きまで喰らって立てるんだ。さっすがチヨリーナ」

汚物まみれの顔に笑みを浮かべ、悪態をつきながらも彩は嬉々としていた。
ちよりが予想以上に粘る事が異常とも見て取れる位闘いに執着している彩に喜悦をもたらしてくれる。
だが、その歓喜に水を差すかのようにゴングが鳴り響いた。第二ラウンド終了の合図である。
「・・・チェッ、終わりかぁ」
楽しみはこれからだというのに、時間によってそれを遮られた彩は残念そうに嘆息してコーナーへと戻っていった。その足取りは第一ラウンドの時と大差無い。

「ハァ・・・ハァ・・・ゲホッ!ゲホッ!ごぇぇ・・・・」
一方のちよりは押し寄せる苦痛を堪えきれず、体をくの字に折って咳き込みながらおぼつかない足取りでコーナーへと戻った。
その姿は先程までの涼しげで落ち着いた様子など微塵もなく、まるでゾンビのようにひどく滑稽で不恰好な歩き方だった。
349亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/09/25(火) 15:56:18 ID:OkZTb7yz
以上です。
次、第三ラウンドに入ります。
350名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 18:26:27 ID:dNSgg26I
>>349
優劣の対比がたまらん!
ちよりはボコボコにされ続けるのか、奇跡は起きるのか・・・
楽しみにしておりますです。
351名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 19:45:05 ID:yj2hJhAZ
GJ!ちより会長ボロボロにエロを感じるぜ!
ただ…


彩なんか凄いDQNになってるような…
バリバリの武闘派がわざわざお嬢様学校に通って好き放題に振る舞って、
それを注意されたら、喧嘩ふっかけて相手ボコにして「試合」してる会長達に
自分は喧嘩屋だからって威張るのってちょっと嫌な奴になってるような…

明らかに戦闘力違うのに巣から出ないでって感じ
最初はそういうことをわきまえた学校ではお嬢様の仮面被った娘だと思ってたんだが…
352亜佐倉:2007/09/30(日) 17:03:34 ID:TKGMFkoI
勢いに任せて書いてから早二ヶ月・・・予定よりかなり長くなってしまいました。一応年内にはちより戦完結させる予定ですのでよろしければ今後ともお付き合いお願いします。
あと何故彩がお嬢様学校に通ってるのかその辺も外伝などで追々書いていきます。
353名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 18:28:50 ID:BJwL22Fm
なんと!そこまで設定を考えてたのか!
こりゃ彩がDQNがどうのこうのはこっちの勇み足だったか…。
すまなかったな。ゴメン!
続きはこれからも腰を据えて楽しみにさせて貰うんで、焦らず自分のペースで頼むよ。
354名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 21:31:11 ID:S5Y59o8v
>>352外伝も含めて続きを期待してます。

それにしても亜佐倉さん以外の書き手がみんないなくなっちゃったな。
なんか「壮絶なドミネート」みたいだ。
355亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/08(月) 00:14:45 ID:zdFxcZbU
〇小ネタその1

>>287の続き?という形で。
※スカ描写が含んでいますので駄目という人はスルーでお願いします。



四方を赤いロープで囲まれ、新品同様の真っ白なエプロンが掛けられたリングの上では彩とちよりが一進一退の攻防を繰り返していた。
「フッ!セェアッ!!」
「クッ!?…シィィッッ!!」
彩がちよりのお株を奪う鋭いミドルキックを放てばちよりはそれを足を上げて脛で防ぎ、ちよりは彩の蹴りに合わせるようにして8オンスのグローブをはめた拳でジャブを撃つ。
パワー、スピード。互いの力量は互角で両者共に技術での鬩ぎ合いになっていた。
「チィィィッ!!」

356亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/08(月) 00:16:47 ID:zdFxcZbU
歯を食いしばり、使い慣れたすり足で体重移動させてストレートをちよりの顔目がけて放つ彩。
「はぅぅぅっ!?」
それまで緊張の糸を張りつめていた彩だったが、突然あからさまに妙な悲鳴を上げて腹部を腕で抑え始めた。
ギュルルルッ!!
グルッ、グギュルルルルルルルッ!!!
(そ、そんなぁ!?折角波が収まったのにぃッ!!)腹を抑えた原因―――それは先程ちよりが更衣室に着替えに行っている間に彩を苦しめていた便意だった。あの時、結局彩は糞便を少量漏らしてしまっていたが、ちよりが準備を終えてリングに上がった時、
闘いへの高揚感から一気に波が引いたので大丈夫だろうと思っていた。だが、
その認識は甘かった。便意の波は再び彩に襲い掛り、直腸に詰まっている下痢便が嵐の後の氾濫した河川のように暴れ回っていた。
357亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/08(月) 00:18:32 ID:zdFxcZbU
殴られた時とはまた違った腹部の痛みが押し寄せ、それと同時に活約筋が緩み始めて肛門の蕾が徐々に花開いていくのが解る。
(お、お願いッ!!出ないで、出ないでぇぇぇっ!!ウンチ出ちゃ駄目ぇぇぇっ!!こんな所でウンチ漏らしちゃったら、ボク学校にいられなくなっちゃうよぉぉぉぉっ!!!!)
羞恥と排泄を我慢している為頬を紅潮し、顔全体に冷たい汗をかきながら彩は自分の尻穴を制御するのに精一杯だった。
358亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/08(月) 00:21:50 ID:zdFxcZbU
(うぅっ、ど、どうしてこんな時に!?)
一方のちよりも又、先程から押し寄せ続けている排泄感に躰を震わせ、秀麗な美貌を真っ赤に染めていた。便意によって内臓を引っ掻き回されるような苦痛に
苛まれ、彩同様腹を両手で抑えている。脚も内股になり、何とも情けない格好だった。
ブッ!!ブスゥ・・・ブビビビッ!!ブボォッ!!!ブブゥーーー!!
(ッ!?い、嫌ぁ!!そ、そんな…止まって、止まって下さい!!)
ちよりの腹の中に充満していたガスが噴出し、大きな放屁の音が奏でられる。
生徒達や彩に聞かれたのではないかと思って
一瞬背筋が寒くなるが、幸い生徒や部員達の歓声に遮られて周りには聞こえていない。
ほっと一息付いて安堵するのも束の間、最悪の出来事がちよりを襲った。

359亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/08(月) 00:24:36 ID:zdFxcZbU
ジョオォォォォォォォッ……
(!!?)
水音がちよりの耳に聴こえ、ついで股間部分が濡れていく嫌な感触。
ちよりが糞を漏らす他に一番恐れていた事態が起こってしまった。先程僅かに気を緩ませた時、膀胱が緩んでしまいその緩んだ膀胱から尿が流れ出てしまっていた。
穿いていた黒いスパッツに小便が含まれ、ちよりの股や尻、膣の淫唇を濡らしていく。
それだけではなく、スパッツに収まりきらずに溢れた真っ黄色い小便は太股を伝ってキャンパスに流れ落ちていた。

(い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!)
―――漏らしてしまった。その事実がお嬢様でもあるちよりにショックをもたらし、思わずその場でうずくまってしまう。
(あぁ……わ、私……人前で何て事を)
優しげな目元に涙を滲ませ、余りの情けなさにちよりは艶のある黒い前髪を垂らしてがっくりとうなだれてしまった。
「うっ…うぅ…うぐっ……グスッ……」
大粒の涙をこぼしながらちよりは嗚咽の声をあげる。公衆の面前での失禁放尿、それは大企業の社長令嬢であり、生徒会長でもある彼女の粉々に打ち砕くには充分すぎる程の耐えがたい屈辱だった。
だが、悲観している暇は彼女には無い。そう、今のちよりはもう一つの生理的欲求とも戦わなければならないのだ。
グルルルッ!!グギュルルルルッ!!
(きひぃぃぃぃぃぃっ!!)
360亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/08(月) 00:28:18 ID:zdFxcZbU
忘れ掛けていた便意が悲しみに暮れるちよりを嘲笑うかのように襲い、糞塊が直腸内で暴れ出し始めた。
紅潮していた頬を今度は蒼白にし、慌てて尻に力を入れて肛門をギュッとすぼませる。
(駄目ぇ!!これ以上……人前で粗相をしたら私、私ッ!!)
軋みをあげるまで奥歯を食いしばり、全身の筋肉を硬直させて尻穴から出掛っていた糞便を直腸に押し戻しながらちよりは必死の形相で立ち上がり、アップライトスタイルに構え直して彩と再び対峙した。
361亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/08(月) 00:29:50 ID:zdFxcZbU
小ネタ、以上です。本編でも小ネタでもちよりをイジメ過ぎだ俺・・・orz
362名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 01:17:13 ID:wGeFDDlM
あれ…おかしいなー。俺、排泄関係の属性なかったんだけど



便意こらえる彩可愛いよ、可愛いよ彩!
363名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 14:38:47 ID:5slzZUFY
GJ!

プライドずたずたなちより会長可哀想だけど、たまらないよ!
364名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 14:52:33 ID:t47FozhU
外伝きちゃったー!
これはもうインターバル中にバケツに出すしかないな(;゚∀゚)=3ハァハァ
365名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 20:10:42 ID:bm1bEgXs
両者とも便意を我慢しているつーのがいいな。
腹パンで漏らしちゃって、恥辱に顔を真っ赤にしながら尚も戦うつーのが燃える。
366亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/09(火) 00:15:07 ID:w5PcoO/s
〇小ネタ
※上の脱糞我慢バトルとは別の小ネタです。

『彩が萌えキャラに挑戦しているようです』

ツンデレな彩
「もうっ!こっちばっかり見てないでちゃんとトレーニングしなよ!!
スクワット1000回、ちゃんとノルマ達成しないと骨捻りの刑だからね!!
か、勘違いしないでよ、別にきつく言いたくて言ってる訳じゃないんだから!!……ただ、君に強くなってもらいたいし……それに…強くなったらボクの事守ってもらいたい……って、
何言わせてるの!?つ、次は二本指で腕立て伏せ200回だよ!ほら早くやる!!わ〜ら〜う〜なーーーーーーー!!!」

367亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/09(火) 00:16:58 ID:w5PcoO/s
ヤンデレな彩
※どす黒い彩が見たくない人はスルーお願いします。


「アハハ〜大丈夫、心配しないで。君に近付く盛りのついたメス豚はみーんなボクが屠殺してあげるから、君はボクの事だけ見てれば絶対幸せになれるよ〜
……え?ここから出してくれって?ダ〜メ、
出たら柚ちゃんやちより会長や友美の所に行く気なんでしょ?あのゴミ女共、
君に色目使った罰としてちょっと手足もいであげたよ。今頃血ドクドク流しながら芋虫みたいに這いずってるんじゃないかな?
……もう〜どうして泣いてるの?大丈夫だよ、君の事はボクがこの部屋で一生面倒見てあげるから、心配しないで。
ご飯もお風呂もトイレも、もちろん性欲処理もちゃんとしてあげるからね。ずぅっと……一緒だよ、エヘヘ」
368亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/09(火) 00:18:48 ID:w5PcoO/s
ドジッ娘&ポンコツな彩

「は、はぅ〜、ち、違うの!これには訳があって不可抗力なの〜!この前テレビで見たテナガザルが可愛くってね、ペットにしたくて山の中まで捕まえに行ったの。
そ、そしたら………間違えて夜叉猿捕まえてきちゃったんだよ〜〜!!
ふぇぇぇぇん、怒らないでよ〜〜〜〜!!わざとじゃないのに〜〜〜〜!!」
※夜叉猿――詳しくはグラップラー刃牙幼少期編参照

369亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/09(火) 00:23:06 ID:w5PcoO/s
本編の彩


「アハハハハハハハハッ!!こんな貧弱な拳で、こんな貧弱な脚でボクの事倒すとか言ってるの?
ボクに喧嘩売りたいんだったら内臓ぶちまける覚悟決めてから出直せこのボケェェェェェッッ!!!」
………結論、萌えません無理。


370亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/09(火) 00:27:33 ID:w5PcoO/s
以上です。だいぶ脱線してややスレチな小ネタになってましたが、本編も頑張って書きます。それともうひとつの彩VSちよりの脱糞バトルは時間がある時に書きますのでよろしくお願いします。
371名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 01:00:51 ID:YMkD4LBr
>>370乙&GJです。
スカトロや性格変換で手を変え品を変え、住人を楽しませようと頑張ってますね。
372亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/11(木) 03:27:35 ID:QzpMo3Yg
本編の方、少し間が空いてしまいましたが第10章書けましたので投下します。


HORNET第10章


格闘技界やタイでは日本人初の女子高生ムエタイチャンプとしてその名を知られている天草ちよりだが、生徒会長である普段の彼女は清楚で思慮深く、
成績優秀、品行方正の優等生だが、それを鼻に掛ける事もなく常に穏やかな笑みを浮かべて誰にでも分け隔てなく接している。
部活では副部長の楓のように持てる力全てを使った激しいスパーリングは決して行わず、落ち着いた動作で部員のパンチや蹴りを軽くいなしながらガードの甘い部分を指摘してそこを攻撃する。
こうする事によって部員達にディフェンス技術を体で覚えさせるという事を徹底して行っていた。
373亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/11(木) 03:29:17 ID:QzpMo3Yg
試合においてもちよりは常に冷静沈着で、取り乱すような事は一切なく流麗かつ多彩な技を繰り出して相手を翻弄し、
格闘技界では小柄な部類に入るその体躯からは想像も付かない卓越したパワーとスピードから放たれるコンビネーションや本場ムエタイ仕込みの回し蹴りで一分もしない内に相手をリングに沈めている。
雑用と学校行事等の運営が大半を占める生徒会の仕事も楓同様に嫌な顔ひとつせず自ら進んでこなし、
部活においても部員の後輩達の力量を理解した上でのメニューを考案する等、
常に周りの事を考え、誰もがやりたくないような事も自ら率先して行うちよりの姿に学園の少女達は皆彼女を姉のように慕っていた。

だが、今の彼女に普段の穏やかな笑みは無い。
「ハァ……ハァ……えがっ、がぼっ!!」
374亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/11(木) 03:33:05 ID:QzpMo3Yg
タイのナジャムランダン、ルンピニースタジアムでのタイトルマッチ、そして部活での他校との試合。
今まで何度となく行ってきた闘いの中でこんなにも苦しいインターバルは生まれて初めてだった。
「げぇぇぇぇぇっ!!おぶっ、ゴフッ!!……げほっ!げほっ!………ぐぇぇ」椅子に座るや否やセコンドから渡されたバケツの中に血の混じった吐物を吐き出しながらちよりは苦痛にあえぐ。
彩が放ったパンチの衝撃は彼女の内臓器官を悉く破壊し、最早機能停止寸前の状態。誰の目から見ても致命傷は確実であった。
「会長……」
セコンドに付いていた部員の少女はちよりの凄惨な体(てい)を目の当たりにして絶句していた。本来ならばタオルで汗を拭いたり、
マッサージをしてやらなければならないのだが、
目の前の余りにもショッキングな光景に頭が真っ白になり躰が硬直してしまっている。
375亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/11(木) 03:35:03 ID:QzpMo3Yg
“もう……見ていられない!!”
悲痛な面持ちで凄惨な姿のちよりを見つめる少女は彼女の為にある決意をしていた。
――それはリングに向かってタオルを投げ込む事。
つまりちよりの敗けを宣告してこの試合を止めさせるのだ。このまま続行させればちよりはもう部活をやる事は愚か日常生活にも支障をきたす。
いや、最悪の場合死に至るかもしれない。そして何より、ちよりの無様な姿をこれ以上衆目に晒したくは無い。自分も又、ちよりの苦しむ表情を見たくはなかった。
そう思った少女はタオルを手に掴み、そのまま投げようと小さい動作で振り被る。だが、その彼女の手を赤いグローブがしっかりと掴んでいた。
「!?」
彼女が驚愕して振り向くとそこには口元や頬に吐いた血や胃液をべったりと張り付かせたちよりの憤怒の表情があった。
「か、会長!?何を…」
「がばぁ゙……ゔぅ゙ぐ……だ、誰が………タオルを……投げていいと………いいま……し……たか?…………ゴブッ、ぐぅぅっ」
今まで見た事も無いちよりの必死の形相にさすがの部員の少女も蒼白になり、総身を震わせた。
声帯を喉笛突きによって潰されている為、普段の透き通るような声ではなく、ひどくしわがれた声になっている。
376亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/11(木) 03:36:36 ID:QzpMo3Yg
肺も潰れ、息をする事すらままならないというのに彼女は吐血しながらも尚、試合を続行しようとしているのだ。
「む、無理です会長!!そんな体で試合をすれば死んでしまいます!!それに、美島彩は会長の事を完全に壊すつもりです!!もうこれ以上は……」
「……だから……何です……か?ゲフッ、ゲフッ!!」
「………え?」
一瞬我が耳を、そしてちよりの正気を疑った。
ちよりは自分が壊される事を分かっていながらまだ彩との闘いを続行しようとでもいうのだろうか?
“おかしい……こんなのちより会長じゃない!!”
一刻も早く試合を辞めさせるべく少女はちよりの腕を振り払ってタオルを投げようとするが、グローブ越しに掴んでいる手は徐々に力を増し続け、
少女の腕の骨はミシミシと軋みをあげていた。
「か、会長……痛い、痛いです!!」
「………離して……欲しかったら………うぶっ、げふっ!!……………試合を中断……ハァ……ハァ………させないで………下さい………」
“――理解出来ない”
これは正式な試合でも何でも無く、只の私闘なのだ。なのに何故ここまで彩との闘いにこだわるのか……今の少女にちよりの意図を汲む事は出来なかった。
377亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/11(木) 03:40:09 ID:QzpMo3Yg
だが、普段優しげなその瞳には爛々とした光りが宿り、どこか狂気じみたものを滲み出させていた。
「ひっ……!!」
そんな眼光で射抜かれた少女は恐怖でサァッと血の気が引いて足がすくみ、歯をカチカチと鳴らしていた。「もうすぐ……セコンドアウトです………ゲフッ、ゲホォッ!!リングから………出てください」
椅子から立ち上がり、半ば強引にセコンドの少女をリングから追い出してちよりはリング中央へと向かっていった。
ゴムで束ねた長い黒髪を左右に揺らしながらの足取りは頼りなく、最早立っているのもやっとという状態だ。
“どうしてなんですか?会長……どうしてそこまで?”
レフェリーのセコンドアウトという声を何処か遠くで聞きながら部員の少女はちよりの醜態を正視する事が出来ず、体育館の床に視線を落としながら声を殺して泣いていた。
それは初めて見たちよりの狂ったような姿への恐怖なのか、それともちよりを止める事の出来なかった自分への不甲斐無さなのか彼女には分からなかった。
378亜佐倉 ◆ccqXAQxUxI :2007/10/11(木) 03:42:57 ID:QzpMo3Yg
以上です。第3ラウンドに入れてねぇ……(;´Д`)
すんません。第3ラウンドでのバトルはもう少しお待ち下さい。
379名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 18:19:41 ID:y0qIg1Ua
お待ちさせていただきますm(__)m
380名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 08:47:01 ID:L6eR7ZND
保守
381名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:09:50 ID:n7VkxlSd
帽子被ったストリートファイターっていうと餓狼伝説が頭をよぎる
382名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:00:06 ID:THe3HYTP
OK!
383名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 23:44:53 ID:z1oX01Gp
>>354
遅レスですいません。もしよろしければ職人募集スレで書き手さんを募集してみますか?

384亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/16(火) 03:55:56 ID:i2dK/59C
相変わらずせっかちな書き手ですが第11章投下します。
※割とエグい描写があります。閲覧の際には気を付けて下さい。
※相も変わらず彩とちよりが化け物と化してます。
385名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 03:58:53 ID:i2dK/59C
HORNET第11章



「意外と頑丈なんだねぇ
ちより会長。そのタフさ、ボクん家の掃除機にも分けて欲しいくらいだよ。最近寿命なのかすぐ壊れちゃうんだよね〜」
リング中央に歩み寄った彩は誰がどう贔屓目に見ても闘う事の出来る状況ではないちよりに軽口を叩く。
「ハァ……ハァ………美島さん、貴方は……目の前に………ゲホッ、立ってる人間を………ぐぅぅ………誰だと思って………いるんですか?」
苦痛にむせび、8オンスのグローブをはめた両手で腹をかばって咳き込んでいる様は最早ムエタイ王者の風体ではない。
だが、ちよりはその歪めた美貌に含み笑いを浮かべて彩の軽口に答える。
「ムエタイチャンプ…………いや、負けると分かってる喧嘩でも玉砕覚悟で真っ向から挑むバカお嬢様の天草ちよりかな?」
「ハァ………ハァ………バカお嬢様ですか…………ゲフッ!ぶぇぇ………不本意ですが………今の私には………ハァ……ハァ……お似合い……でしょうね」
386名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:00:17 ID:i2dK/59C
自嘲気味に呟きながらちよりはククッと喉を鳴らして笑った。
水気を失って口元に張り付いた鮮血と黄色味がかかった胃液、全ての理性を削ぎ落として闘争本能だけを宿した瞳、
そして地を這うようなかすれ声のせいでその姿は見る者によって嫌悪したくなる程不気味に感じるが、
本人はまるで精神異常者のようになった自分を楽しんでいるようだった。
人望厚く、誰からも好かれる生徒会長。だがその実、天草ちよりも彩と同じく強者を見れば闘わずにはいられないバトルジャンキーなのだ。

387名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:01:10 ID:i2dK/59C
「本当に……不思議ですね………えぶっ!!げほぉ………貴方にそう……言われると…………ぐぇぇ……誉め言葉にすら………思えてきます」
「ふぅ、空手バカにバカお嬢様……ホント、嬉しくて泣きたくなるよ。こうもバカ女ばっかりに出会えるとさ……まぁボクも負けず劣らずバカ女だけどね」
黙っていれば等身大のビスクドールと見間違える程の端正な顔に呆れたような、それでいてどこか嬉しそうな表情を作って彩は被りを振る。
自分と同じように闘う事でしか己を見い出せない女、闘いでしか本当の自分を表現出来ない女と拳を交えられる事が彩の闘争欲を掻き立てる。
「始めようかちより会長、最悪のバカ女二人の最高に面白い喧嘩をさ」
「喧嘩は………やりません…………でも」
「でも?」
「貴方が……腕を……もがれたり…………目をえぐられる覚悟で………喧嘩を……しているなら、私も……内臓潰される………ゴフッ!おげぇぇ!!………覚悟でムエタイを……………やらせて貰います!!」
388名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:04:02 ID:i2dK/59C
一通り言い終えてから赤い飛末を口から吐き出し、
彩の側頭部に標準を合わせてハイキックを奔らせた。まだレフェリーによる試合開始の合図は無い。だが、最早そんなもの二人にはどうでも良かった。
「そうこなくっちゃね!!」彩も自らの足を摺り上げ、ちよりと競うかのようにハイキックを繰り出す。
風切り音と轟音がない混ぜになった蹴りが炸裂し、リング上の二人の間合いはほんの僅かだけ真空状態を作り出す。
その音についで訪れるは時速120qで走る車と車が正面衝突を起こしたような衝撃と爆破を思わせる破壊音。
「ぐっ……!!」
「うぅ………!!」
389名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:05:23 ID:i2dK/59C
彩とちより、互いの蹴りが空中で交錯していた。文字通り己が身を削って極限まで鍛え抜いた二人の脛は齢を重ねた樫の木すらへし折る事も造作無い。
その二人の脛がギチギチと軋んだ音を立てて激突したのだ。その様子はまるで白刃と白刃がぶつかる鍔競り合いのようである。
「………ぐぅぅ」
「………ちぃぃ」
二秒、三秒しか経っていないにも関わらず、二人の膠着は経過した時間以上に長く感じた。
互いに脚に力を込め、押し込もうとするが、力と力が反発し合って微動だにしない。
390名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:08:02 ID:i2dK/59C
「―――クッ!!」
これ以上膠着状態に持ち込むのは不毛だと判断した彩は蹴り足を引き、瞬時に後方へ跳んで距離を取る。
“あちゃー……脛の骨いっちゃったなこれ”
違和感を感じた脚にチラっと目を向けると脛から足の甲にかけての皮膚が裂けて赤黒い血がドクドクと流れ出し、肉と骨が剥き出しになっていた。
よく見ると骨には亀裂が走り、老朽化して朽ちた柱のように所々が欠損している。
そしてちよりの脛も彩と同じくむごたらしい凄惨な状態になっていた。
唯一違う点はちよりの脛は斜めから折れて剥き出しの骨がズレている事だ。
391名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:09:21 ID:i2dK/59C
「ハァァァァッ!!」
恐らく彼女も自分の脛が折れている事は知っている。だが、それでも平然としているのは脳内麻薬とも呼ばれるアドレナリンの過剰供給によって痛みすら感じていないのだろう。
距離を取った彩を追い掛けるようにキャンバスを蹴って駆け出し、接近して肘打ちの斬撃を見舞った。
先程まで見せていた肘打ちとは違い、肩の回転を活かして真上から斬り掛る肘打ちは彩の鎖骨に狙いを定めている。
「ぐぎゃぁぁぁぁっ!!」
振り降ろされた刃は彩の鎖骨にめり込み、ゴシャッという青竹を踏み潰したような音が館内に響き渡る。
彩の鎖骨は中心から真っ二つに叩き折られ、肩の骨と繋がっている部分の鎖骨が皮膚と薄い肉を突き破って飛び出していた。
それと同時に血飛沫が粒子のように吹き上がる。
鎖骨は腕を動かす事において重要な骨である。
この骨が折れれば腕を動かす事は出来なくなってしまう。つまり彩は鎖骨を折られた事により利き手である右腕を封じられてしまったのだ。
392名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 04:12:02 ID:i2dK/59C
「あ……あぐ……ぐぅ」
人体でも一番脆い骨を折られて身悶える彩に対し、
ちよりはゆっくりとした動作で彩の両肩にグローブをはめた手をそっと置く。
なおも彩の鎖骨から吹き出し続ける血によって元々赤かったグローブは更に赤く染まり、グロテスクなまでの色に変貌している。
「ハァ………ハァ………さっきの……ゴフッ、ゴフッ!!………お返しです。しっかりと………受け取って………下さいね」
僅かに顔を緩めて小さく笑い、彩の躰を両手で引き寄せてからカウ・ロイ(膝蹴り)を放った。
だが、今度は鳩尾を狙ってはいない。ちよりが目標としているのはその上に位置する胸骨、そしてその奥にある彩の心臓だった。
393亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/16(火) 04:17:23 ID:i2dK/59C
第11章は以上です……………多分コイツら素手で人殺せるな( ̄_ ̄;)
394名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 17:24:22 ID:mHABw8kj
GJ

最早、宇宙人とのハーフや世紀末な人の娘や13日の怪人だろうが驚かんよ
395名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 19:02:19 ID:SDAaCryb
うおおおおっっ!!これは凄まじいバトル!
GJ!
396354:2007/10/16(火) 23:27:56 ID:AH9FONKO
>>383この雰囲気が好き!って住人もいると思うんで、みんなの意見を聞いて…
と言いたいが、ぶっちゃけ多数決取るほど沢山のレスがあるわけじゃないし、
もう>>383さんの判断でいいと思う。

そして亜佐倉さん投下乙&GJ。
脛の骨折って利き腕潰して満身創痍で、そろそろクライマックスが来るかと勝手に期待。



…無粋な話、絶対誰か先生呼ぶよな。
397名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 14:30:12 ID:p/JdwGVg
>>396


>…無粋な話、絶対誰か先生呼ぶよな。

確かにwww
398名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 16:17:07 ID:02ZJn8gR
お嬢様だから皆気絶しそうなくらい凍りついているとか、彩の報復が怖かったりとか、
ひぐらしの罪滅し編のラストの屋上バトルよろしく、
あんなに二人ともボロボロで血まみれなのになんて楽しそうなんだよ!
畜生!混ざりてぇなぁ
とか思ってたりしてんじゃね?
399名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 16:29:26 ID:UV7FBji9
>>398
>ひぐらしの罪滅し編のラストの屋上バトルよろしく
そんなシーンあったっけか
400名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 17:07:59 ID:p/JdwGVg
レナと圭一が屋根の上で金属バット、ナタを持って闘う所ッスね。

401名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 17:16:09 ID:UV7FBji9
サンクス
キャットファイトじゃないから完全に記憶から抜けてたわ
なのはとかなめのキャットファイトしか記憶に残ってNEEEEE
402亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/18(木) 00:12:29 ID:bmvq2n7r
いつもお世話になっています。亜佐倉です。以前こちらに投下した彩VS柚華戦を自分のサイトにまとめましたので報告します。
http://pksp.jp/cruelwitch-m/
※コテハンが違うので混乱を招いてしまうとは思いますが同一人物です。
※サイトのコンテンツに“小説”と書いてある所をクリックして『AYA〜対柚華戦〜』をクリックすれば読めます。
※元々同人活動の場としているサイトですのでコンテンツの中にはスカトロ・猟奇等のグロテスクな表現も含まれています。そういうのがダメな人はスルーお願いします。

403亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/18(木) 00:19:52 ID:bmvq2n7r
追記 携帯サイトですのでもしPCから見れなかったらすいません。
404名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 01:50:55 ID:1H9XxXYV
なるほど、以前から1レス当たりの文量が少ないと思ったらそういう理由か。
把握した
続き期待してるよ
405亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/21(日) 17:54:53 ID:W+VBgXvO
第12章投下する前に>>392の文中に訂正があります。
×カウ・ロイ(膝蹴り) ○カウ・ロイ(飛び膝蹴り)
406亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/21(日) 18:39:26 ID:W+VBgXvO
HORNET第12章

鎖骨を折られた激痛で意識が朦朧とする中、彩は目の前に迫る物体が何かというのを理解するのに時間は掛らなかった。
視覚が“それ”を捉え、脳が“それ”を『膝』だと認識した時には自分の身体を動かしている重要な器官に痛みと衝撃。
そして全ての意識を暗闇に呑み込まれるような感覚に襲われた。
「あぎゃぁっ………!?」
一瞬、自分の中で周りの世界全てが消滅した。
誇張ではなく、実際に彩の身体は一瞬という刻の間に全ての機能が停止したのだ。先程口から漏れた悲鳴は紛れもなく彩の絶命の声。音速の矢と化したちよりの膝頭は正確なまでに彩の胸骨、そして心臓を突き刺していたのだ。
黒目がちな彩の瞳は裏返って白眼を剥き、全ての筋肉がビクビクと痙攣して
唯一動かせる左腕は力なく垂れ下がった。
「は、ハートクラッシュ……………」
リングの外で二人の闘いを静観していた友美は蝋のように白い肌を更に蒼白にし、震える声でそう呟く。
『ハートクラッシュ』―――――タイでちよりが決め技として一度だけ使用した大技であり、相手に致命的なダメージを与える事のみを考慮したKO必須の技である。



かつてルンピニースタジアムでの王者防衛戦の時、ちよりは予想以上の苦戦を強いられた事があった。
相手は自分と同じフライ級の男だったのだが、パワー、スピード、テクニック全てが王者であるちよりを上回っていた。
それまで幾度となくこのスタジアムで屈強な男達を倒してきたちよりだったが、この時ばかりは王座陥落すらも覚悟していた。
肘打ちで目尻を切られ、受けた回し蹴りや膝蹴りのせいで臓府や大腿に鈍痛が走る中、ちよりは第五ラウンドでリスクの高い賭けに出た。
それまでフットワークを活かして蹴り主体で攻めていたちよりは突如足を止めて乱打戦に持ち込み、男の反撃も構うことなくひたすらキドニー(腎臓)へとブローを打ち込んでいた。
その戦法が功を奏したのか、徐々に相手が苦悶の声を上げてグロッキーになった時、ちよりはややうつ向いた相手の両肩に手を置いて躰を引き寄せ、
心臓目掛けて膝蹴りを放った。これが決定打となり、男は声も上げずに総身を脱力させてちよりにもたれ掛ったまま意識を喪失した。この試合がちよりの必殺技、ハートクラッシュ(心臓破壊)を生み出すきっかけともなったのだ。
407亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/21(日) 18:44:33 ID:W+VBgXvO
だが、皮肉にもこのハートクラッシュは最初で最後の技となる事となってしまった。
防衛戦直後、対戦相手の男は意識不明の重体となって病院に運びこまれた。
医師の懸命な処置により男は意識を取り戻して事なきを得たが、男の精神は恐怖心に蝕まれてリングに上がれなくなり、再起不能となってしまった。

対戦相手の男には故郷で飢えと貧困に苛まれている家族がいた。その家族を養う為に彼はムエタイ戦士としての道を歩んだのだという。
この事実は当時16歳だったちよりの心に重くのしかかり、“私のせいで一人の人間の人生を潰してしまった!!”と自分を責め続けていた。
ちよりが所属するジムの会長は“お前のせいじゃない。アレは事故なんだ”と慰めていたが、ちよりがそれでいつものような柔和な笑みを見せる事はなく、いつしかジムへ通う事も無くなっていた。
事故の影響で真剣にムエタイを辞めようと考えたちよりはベルトを返上し、
世話になったジムへと別れを告げた後、タイ遠征の為に借りていたマンションを引き払って日本へ帰国する事を決めた。


ジムへと別れを挨拶をする際、
自分にムエタイの技術を徹底的に叩き込んでくれた会長のやつれた頬と落ち窪んだ目、
そして寂し気な表情が脳裏に焼き付いて離れず、それまでのタイで暮らした一年間の思い出を振り返りながら飛行機の中で唇を噛み締めて泣いていた。

傷心のまま日本に帰ってきたちよりを待っていたのは一年振りに見た懐かしい母校、三笠ノ宮学園での思わぬ出来事だった。
休学していたので周りの生徒達より自分は一つ年上だが、実質まだ一年生であったちよりにクラスメイトの五條楓という生徒が“一緒にキックボクシング部を作らないか?”という話を持ち掛けてきたのだ。
タイでの事もあり、格闘技界から身を引こうと考えていたちよりはこの話に乗る事は無く、首を横に振って断っていた。
だが、彼女の必死なまでの熱意に気圧されてついにちよりは折れる事となる。楓は中学生の時、TVで見たK−1に魅了されて格闘技を始めたのだという。

170pの長身で屈託した所が一切無い朗らかな彼女は周りの生徒達から好かれ、彼女もまた、皆の期待に応えようと様々な事に精一杯だった。
そんな楓は女子高生ムエタイ王者であるちよりが復学したと知るや否や日頃からずっと胸の内に秘めていたキックボクシング部設立の話をちよりに打ち明けたのだ。
二人はまず同好会から始め、生徒達へ宣伝活動をして部員を募り、部として昇格させる為に活動した。
練習はボクシング部の練習が無い時にリングを借りて週3日の活動だったが、
ちよりは部員達がちゃんとした練習が出来るよう環境を整える為、グローブやヘッドギア、サンドバック等、少ない部費では賄えないものを自分の小遣いから捻出して購入し、キックボクシング部専用のリングをも設立した。
学園内で絶大なカリスマ性を持つ楓やちよりが活動している部という事もあり、興味本意や彼女達に少しでも近付きたいという気持ちを持った少女達は一にも二にもなく入部届を提出した。
408亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/21(日) 18:48:58 ID:W+VBgXvO
初期の頃は大抵楓がメインで部員達を指導していたが、楓はある日突然ちよりに部員の指導を一任したいと申し出た。
無論ちよりは自分が指導など出来るはずが無いと言って断ったのだが、相変わらず楓の異様な熱意に負け、それ以降ちよりが部長としてキックボクシング部を引っ張っていく形となった


それからというものの、
ちよりは部活に学園生活にと多忙ながらも充実した日々を送っていた。
だが、ちよりの心は空虚なままだった。
スパーリングや試合はやれど、自分より強い人間は
彼女の前に現れない。一度は本気で捨てようと思った格闘技、だが捨てる事は出来なかった。彼女にとって強者との闘いは安らぎそのものなのだから。
あの事故から二年が経ち、ちよりの心も徐々に癒えてきた時、ちよりの頭を悩ませる『種』が産まれた。
それは今年の四月に入学してきた美島彩という少女の存在だった。

礼儀作法も厳しく指導している三笠ノ宮学園の中で彼女は秩序といったものを守ろうとはせず、慎みや礼儀といったものには無縁の生徒だった。
加えて校外でも悪評は絶える事は無く、路上喧嘩ばかりしているという噂が教職員や生徒会の耳に入ってくる。
これにはさしもの楓も見過ごす事は出来ず、彩の存在は学園の規律を乱すと生徒会に直訴していたが、
ちよりはいつか彩自身が何かしらのきっかけで変わる時が来るからそれまで見守ってあげなさい、と周りに諭していた。

だが、流石に今日という日はちよりも腹に据えかねていた。
楓の方から仕掛けたとはいえ、自分達でゼロから作り出した部の神聖なリングに平然と上がり込み、決して順風満帆とはいえない道のりを共に過ごしてきた友人に怪我を負わせたのだ。
しかも全く悪びれた様子もない態度の物言いが神経を逆撫でさせる。
怒りに任せて彩を殴ってしまおうとも思ったが、もし感情的になってまたあの悲劇を繰り返してしまったらという思考が頭をよぎり、ちよりは憤怒の情を嘆息に変えて何とか平静を保った。

しかし、それでもなお彩は部の備品を破壊してまで自分をあおり、挑発し続けた。
この時は最早ちよりの固く結んでいた堪忍袋の緒も切れざるを得なかった。
表面上は冷静な顔を装っていたものの、腹の中はぐらぐらと煮えくり返り、二度とこの一年生が図に乗らないように痛め付けてやろうと画策していたのだ。
409亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/21(日) 18:54:32 ID:W+VBgXvO
だが、ちよりは彩と拳を交えていく内にひとつだけ分かった事があった。
余りにも無茶な方法で自分をリングに引っ張り上げ、一片たりとも容赦無い攻撃を加えてくるこの学園の問題児は例え喧嘩であろうが格闘技であろうが闘いにおいて真摯で完璧主義者なのだ。
どんなに追い詰められても血肉に飢えた餓狼の如く執拗に喰らい付き、その小柄な躰と命を賭け、そして闘いに心血を注いでいる。
だからこそ彩は自分を素人と見なし、闘いを避けようとしたちよりが許せなかった。
全力でちよりと闘いたい。恐らくはそれが美島彩の偽らざる本心なのだろう。
彼女も又、求め続けているのだ。闘女(おんな)にしか理解出来ない本物の安らぎを。


そんな純粋過ぎる気持ち全てを体現した攻撃は、ちより自らが封印していた技を解放させるまでに至った。
手加減など一切無い。全身全霊を込めて放つ。
素人と見なし、侮蔑した事への謝罪、再び安らぎを与えてくれた事への感謝、そして……闘争に対するひたむきな姿勢に最大の敬意を込めて。



「美島さん………貴方には………ぐっ、うぶぅぅっ!!………感謝……しています」
突き刺さしていた膝をゆっくりと降ろし、静かに呟いてから躰を引き離すと、
支えを失った彩の躰は両膝をついてそのままキャンパスへと吸い込まれるようにして顔から倒れ込んだ。

完全に白眼を剥いて動かなくなってしまった彩を見たレフェリーが顔を引きつらせながらカウントを取ろうと近付くが、ちよりはそれを言葉で制した。
「カウントは………必要ありません………ゴフッ、ゴフッ!!」
グローブで口元を抑えてから咳き込むとちよりは二、三歩よろめいてリングロープにもたれ掛った。
“私の勝ち……ですね”
気が付けば怒りも消え、どこか穏やかな気持ちになったちよりは静かに目を閉じた。
410亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/21(日) 18:55:55 ID:W+VBgXvO
「アハハ………さすがにこれは………キツイかなぁ………心臓……モロに入ったし」
「―――ッ!?」
驚愕して目を見開くと、総身を震わせて四ん這いになっている彩が顔を上げて苦笑していた。
栗色の前髪から覗く目は再び黒目に戻り、瞳にはあの男のように恐怖が刻まれている事は無く、寧ろ宿る闘志は篝火のように燃え盛っていた。
「フゥ………化生(けしょう)ですか貴方は?」
彩のしぶとさを前に最早心には忌々しさも訪れない。
「危うく写真でしか見た事無いひいおばあちゃんに手ぇ繋れてお花畑行きそうになっちゃったけど…………振り払って全力で帰ってきたよ」
心臓が位置する胸の真ん中を左手で抑えながら彩は揺らめく木の葉のようにフラフラと立ち上がり、
グローブ越しに拳を握りしめて片腕だけのファイティングポーズを取った。
411亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/21(日) 19:01:36 ID:W+VBgXvO
第12章は以上です。
それでは。
412名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 02:15:43 ID:tO/nkEzq
>>411GJ!!
心臓に膝蹴りが直撃のはずなのに、三笠ノ宮学園の生徒は化け物か!?
413名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 04:36:05 ID:PsgMsSpL
たぶん自分で心臓ぶん殴って強引に再起動でもかけたんじゃね?
ただの人間のwwジェロニモもやってた
414名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 08:47:49 ID:r2+mQyV4
彩たんはスタンド使いなんだよ
415名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 10:13:16 ID:1C9OtlQe
>>412
通常の女子生徒より三倍のスピードと戦艦並みの戦闘能力があります(嘘)

>>413
ちより戦の後廃人になってしまいますが3つの試練をクリアして超人に生まれ変わります(嘘)

>>414
彩「おじいちゃん、ボクには悪霊が取り付いているの」
こうですか分かりません!><

416亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/26(金) 01:25:27 ID:75WJna9h
書き忘れていましたが13章でちよりとのバトルはラストになります。
それと………本編と外伝併用して書きつつ新作のプロットを考えているのですが、柚華&ちより戦が余りにも大味かつ泥臭過ぎたのでちょっとその辺を調整してもう一回洗い直していきます。
後、外伝や次の新作は彩の野生味溢れ過ぎている所と端から見てもシュールギャグにしかならない強さは幾分か削って爽やか路線に戻しています。
とはいえ壮絶さは損わないようにやっていきますのでこれからもよろしくお願いします。
417名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 19:24:34 ID:QsHCZ7rA
おお、こりゃまたご丁寧に。
待ってりゃいいだけの身分のこちらとしては恐縮しちゃうぜ
418亜佐倉:2007/10/28(日) 18:50:42 ID:8pZkU13T
後、また少しお聞きしたいんですが以前>>280さんのレスであったクレバーな彩というのはどういった感じなんでしょうか? 設定はある程度考えているんですが、
まだ各キャラの性格が固まっておらず(確かにちより戦の彩は暴走し過ぎですが……)試行錯誤している段階ですのでもしよろしければ参考までにお願いします。
419名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 19:25:13 ID:m7NV1Nj7
えーと…ひっじょうに微妙かつ曖昧な答えではあるんだけど
例えるなら…



お腹一杯の時のライオン?w
420亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/28(日) 22:33:49 ID:8pZkU13T
>>419
>お腹一杯の時のライオン?w
こんな感じですか?(笑)
「ねぇ、ちょっといい?」
日も移り、人の出入りも少なくなった真夜中のゲームセンター。その中にあるガンシューティングで遊んでいた彩はブリーチで髪の色素を抜き、黒や灰色、
それぞれ色の違うスエットを着た三人組の少女に声を掛けられた。
気さくな態度で話掛けられた為、彩は警戒する事もなくガンコンをモニターに向けたまま首だけを動かして少女達の顔を見る。

「ん?ボクの事?」
愛用の黒いアポロキャップとスカジャンといういつものラフな格好をした彩は不思議そうに首を傾げて少女達を見つめた。
「そうだよ。まだ中学生だよね?」
真ん中の少女が彩にそう言うと彩はいつもの無邪気な笑顔を見せる。
「ううん、高1だよ。ボク童顔だからいつも小学生とか中学生に見られちゃうんだよね〜」
「へぇ………そう」
そこで少女は声色を変えて一歩踏み出し、彩に近寄る。
「どーでもいいけどさ〜そのダサいスカジャン着てこの辺うろつくの辞めてくんない?龍とか虎の刺繍なら分かるけど何で蜂なの?マジ馬鹿みたいなんだけど」

先程までの気さくな態度とは違い、彩を小馬鹿にしたような口調に変わる。
「ホント、何十年前のヤンキーだよってツッコミ入れられたいのアンタ?」
「ってかこのチビ自分でスカジャン似合うと思ってんの?だとしたら相当頭悪いんだけど」
真ん中の少女に続くように左右の少女も彩を見下したように口汚く罵る。
「いいじゃん別に。ボクが何着てたって誰かに害がある訳じゃ無いんだしさ、それにコレ動きやすいし着てて意外とあったかいんだよ」
彩はそんな罵倒を相手にすらしていないと言わんばかりに笑顔で軽く受け流し、再びモニターに視線を移す。

「……ってあぁ!?高得点取れる奴逃しちゃったよ〜……あれ撃てばランキング更新出来たのに〜」
笑ったと思えば今度は肩をがっくりと落とし、溜め息をつく。既に彩から彼女達への興味は失せていた。
「はぁ?こいつマジ何なの?普通にうざいんだけど」存在を無視された少女は激昂して褐色に焼いた肌をひくつかせている。
「真弓、どうせだからボコっちゃいなよ」
「そうだよ。一発パンチ入れてやれれば土下座するって」
そんな彼女を左右にいる少女二人は物騒な物言いではやしたてる。
「OK。ちょっと一発ぶん殴ってやる」
少女は拳を握りしめて再び彩に近付いた。
「ねぇ、アンタ」
「もう何〜?ボク今手と目が離せないんだけど」
「あっそ。じゃあそのままでいいわよ」
刹那、彩の頬に少女の拳が襲い掛った。
「……おっと!」
彩はそれを上体を僅かに反らしてスウェーで避け、体勢を元に戻すと片手で握っていたガンコンの銃口を少女の脇腹に勢いよく突き刺した。
「うぶっ………!?」
ガンコンが脇腹にえぐり込み、体験した事も無い痛みに少女は気を失ってそのまま床に倒れこんだ。


「ま、真弓!?」
二人の少女は慌てて駆け寄り、彩に殴り掛った少女を抱き起こす。
「………いいよ。最近ストリートファイトでもボクと闘ってくれる人いなくて退屈してたからね……その喧嘩、ボクが買うよ」
ガンコンを台のホルスターに納め、デニムスカートの裾を握り締めて掌に滲んだ汗を拭うと彩は笑いながら少女達に目配せした。
「とは言っても、ここだとお客さんやお店の人に迷惑が掛るからね。外に出よっか?」
目の前にいる帽子を被った少女の笑顔を見た瞬間、彼女達はとんでもない人間に絡んでしまった事を後悔した。



即興で書くのは難しいな…………(笑)
推敲あんまりしてないので読み辛かったらすいません。
421名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:56:00 ID:m7NV1Nj7
ああ〜そんな感じ。ようやく自分の中で形になってきた。
422亜佐倉:2007/10/29(月) 05:14:57 ID:Q/LdDM5n
>>421
ありがとうございます。おかげでこちらもキャラが大体固まってきました。 ただ………ちより戦はもう収拾付かない所まで来てしまってるのであの彩(暴走彩)のままで行きますが、
次の新作、外伝からは>>420の彩で行きたいと思います。
423亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/29(月) 22:45:02 ID:Q/LdDM5n
第13章投下します。今回で以前言った通りちよりとのバトルはラストになります。

HORNET13章


「………ハハハハハ」
心臓に直接打撃を受けても立ち上がる彩を目の前にしてちよりはロープにもたれ掛ったまま再び目を閉じ、喉の奥から絞り出すように乾いた笑い声を発する。
「アハハハハハハッ!!アハハハハハハハ!!!」
最早令嬢の体裁など気にしていないと言わんばかりに大口を開けて破顔し、抱腹しながら笑い出し始めた。
普段から同世代の生徒よりも大人びているちよりからは想像も付かない程無邪気で砕けた印象の笑い声は窓から茜色の光を差す体育館に大きく木霊する。

「………どしたの?ちより会長」
「だって……アハ、アハハハハハハハ!!ハートクラッシュまで受けて……立たれたら……もう………笑うしか………無いじゃないですか。アハハハハハハハ、アハハハハハハハ!!!」
言い終えてからぴたりと笑い声を止め、ちよりは穏やかな眼差しで彩を見据える。
清廉な微笑を浮かべるその顔には何の感慨も映してはおらず、何かを悟ったように清々しく柔らかな笑みだった。



「正直………もう勝てる気がしませんよ。貴方には」
「もう………今頃気付いたの?ちより会長」
「えぇ、今頃気付きました。何せバカお嬢様ですからね、私は」
「でもさ、まだ闘いたいんだよね?ボクと」
「はい。もちろんです。最後まで死力を尽して闘わないと気が済みません」
そこで彩はフゥ……と溜め息を一つ付き、大袈裟に肩をすくめる。
「やれやれ………どんでもない人に喧嘩売っちゃったなぁ」
「あら?今頃気付いたんですか?」
「うん、今頃気付いたよ。ボクもバカ女だからね」
そこで彩も笑顔になって利き腕、利き足を前に出して半身に構え、拳を握る。
「フフフ………お互いバカという訳ですか」
ちよりも拳を両脇に構えて半身になり、左足でキャンパスを踏み鳴らしてリズムを取る。
「行くよ………ちより会長」「こちらも………行かせてもらいます」

残像を残して地を蹴ったのは二人共ほぼ同時、互いに間合いを詰めるが打撃の領域に入ったのはちよりが先だった。
「やぁっ!!」
この試合で何度となく放たれた正確で鋭いローキック。それが彩の大腿を強襲する。
「―――ッ!?」
ちよりの蹴りのタイミングを既に掴んでいた彩は蹴りをカットする為に脚を上げて脛でローキックを迎える。
「ぐあぁっ!!」
彩の脛は先程蹴りと蹴りが激突した時、骨に亀裂が入っており、皮膚が裂けて剥き出しになった肉と骨に
ちよりの背足がぶつかった為、彩の足を伝って脳髄まで激痛が走る。
424亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/29(月) 22:48:58 ID:Q/LdDM5n
「せぇあッ!!」
今度は折れて突き出た鎖骨に目標を定め、腰を切ってストレートを打つ。
「ぎぃぃぃぃぃぃっ!!あがっ……あがが………ッ!!」
折られた鎖骨が拳によって更に歪な形になり、痛覚神経を直接掻きむしられるような痛みに彩は叫び声を上げる。
先程の宣言通り、ちよりの打撃には一切の容赦というものが無かった。相手が全力で来れば自分も全力で迎え打つ。それがちよりの礼儀である。

右足、そして右の鎖骨が彩のウィークポイントだと理解しているちよりは彩の脛に狙いを定めて再びローキックの体勢を取った。
「くっ………!?」
苦痛に躰が蝕まれる中、彩はちよりに背を向ける形で即座に体を回転させ、肩を支点にして左手を振り回した。
「がぁっ!!」
バックハンドブロー。この技は躰を一回転させると同時に裏拳を放つ奇襲技である。
外れた時のリスクは高いが拳に遠心力が加わる為、当たれば大きな破壊力を持っている。

彩の手の甲に当たる部分が顔面にクリーンヒットしたちよりは吹き飛ばされるようにふらふらとコーナーまで後退し、
躰のバランスを崩して倒れそうになる。
「くぅっ………!」
ちよりはダウンする寸前に片手でリングロープを掴み、頭を垂れさせてつんのめるような体勢で倒れるのを防ぐ。だが、戦局はもうこの時点で決まったも同然だった。
「ハァ……ハァ………チェックメイトだよ、ちより会長」

いつの間にか自分のすぐ側まで来ていた彩が呼吸を荒くしながらちよりを見下ろし、
自由の利く左腕を野球選手がボールを投げる際に使うオーバースローのように大きく振り被った。
「でやぁぁぁぁっ!!」

腕が大気を切り裂く程勢い良く振り下ろされ、ちよりの後頭部に鉄槌が急速なスピードで落下した。
「ぐぅっ!!!」
杭を金槌で打つかの如く、彩はちよりの後頭部をあらん限りの力を振り絞って叩く。
その衝撃は躰の司令塔、大脳に直接伝わり、脳は頭蓋骨の中でピンボールのように激しく揺れ動く。

「くっ!………うぅ」
脳震透状態を起こしているちよりは意識を朦朧とさせながらも奥歯が砕けそうになるまで歯を食い縛り、
リングロープを握る力を更に強めて己が躰を倒れさせまいと懸命に堪えている。
「倒れるまで………打つ!!」
再び大きく振り被り、鉄槌の雨を浴びせていく。
一発、二発、三発、四発………何十発殴ったか自分でも理解出来ない程執拗に殴り続けた結果、
ちよりの躰はガクンっと下がり、気が付けばキャンパスと顔の距離は30pまで縮んでいた。
425亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/29(月) 22:51:55 ID:Q/LdDM5n
「これで…………」
そこで息を大きく吸い込み、彩は僅かに下がって今度は太股が顔に付くほど脚を高々と振り上げる。
「デットエンドだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
猛獣の牙を思わせる犬歯を剥き出しにしながら雄々しく咆哮して脚を振り下ろし、罪人の首を一瞬で斬り落とすギロチンのような踵落としがちよりの後頭部に衝突する。
「ぐぁぶぅぅっ!!!!」
急降下する爆弾が地面に落下して爆破したかのような轟音と共にちよりの顔面はエプロンが敷かれた
ウレタンマットとラワン材を破壊してキャンパスにクレーターを作る位まで埋まり、躰を鯱(しゃちほこ)のように反らせながらリングに沈んだ。
426亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/29(月) 22:53:35 ID:Q/LdDM5n




「ハァ………ハァ………………終わった……かな?」

おぼろ気に霞む視界の中で中央に戻ってきた彩は陥没したキャンパスに顔を埋め、動く事も無くなったムエタイ王者の姿を見て自分の勝利を確信する。
「ぐっ………ぐぅぅぅ」
「!?」
ゆっくり、ゆっくりと
総身を揺さぶり、苦しげにうめき声をあげながら幽鬼の如く立ち上がったちよりは脚を震わせて彩に一歩、また一歩近付く。
「はは、ハハハハ………嘘でしょ……?」
力を全て使いきり、立っているのもやっとの状態な
彩はフランケンシュタインのように迫ってくるちよりを見て背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
「くっ………うぅ」
密接と言ってもいい程まで距離を詰めたちよりだったが、僅かに躰をぐらつかせてクリンチ状態に持ち込むように彩の小柄な躰にもたれ掛った。
「え?………おぉっと!?」ちよりの躰は脱力した状態で全体重を預けてきた為、彩の躰は反り返って倒れ
そうになるが、両足に力を込めてこれを耐える。


427亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/29(月) 22:55:07 ID:Q/LdDM5n
「ちより………会長?」
問いかけるが返事は無い。既にちよりは意識を喪失しており、泣き疲れて眠る赤子のように静かな息を立てて瞼を閉じていた。
「………レフェリー、担架持って来て」
「………え?」
「この偉大なムエタイチャンプを病院に運ばなきゃね」
蚊の鳴くような小さい声で呟き、支えていたちよりの華奢な躰をそっと抱き締める。
「ナイスファイトだったよ………ちより会長」
「…………」
相変わらず返答は無い。だが、瞳を閉じて眠る黒髪の美女に彩は穏やかな笑みを向けて健闘を称えた。
428亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/10/29(月) 22:58:39 ID:Q/LdDM5n
以上です……やっと終わりました。
次は前回同様エピローグに入って本編は一区切りです。
429亜佐倉:2007/10/30(火) 07:14:42 ID:gSDixM4M
>>374で訂正
×タイのナジャムランダン○タイのラジャダムナン
タイ語難しい……orz
ちなみに本物のラジャダムナンスタジアムは女性がリングに上がる事は許されていないんですがこのSSではそれ分かってて嘘八百書いているのでその辺は予め御了承下さい
430名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 06:40:49 ID:55+vNT60
GJ!ちより会長ナイスファイト!
431名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:23:25 ID:PC2s7AD7
>>430
ちよりの健闘を称えて下さってありがとうございます。
でも読み返してみると>>221さんが言っていたような “一方的にボコる”にはなっていないような気が…………ご期待に添えなかったらすいません。僕にはアレ??さんや地下女スキーさんみたいなドミネ系は書けないみたいです。
432名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:31:33 ID:AnKW70PO
まあ、一方的に凹られる時点でバトルじゃないからなあ。
いんじゃね?
433名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:49:05 ID:vKh7aJjx
試合った後には遺恨しか残らないってのもあってもいいとおもうんだぜ。
正直、俺には爽やか過ぎるw
あと戦闘力のインフレが起こってるのが気になる。

GJなのは間違いないが。
434亜佐倉:2007/11/01(木) 18:24:32 ID:PC2s7AD7
>>432
確かにそうっスね。バトルとして成立させないとスレに反してしまいますし
>>433
インフレが起こったのは僕が脊髄反射でバトルシーン書いたのが原因なので前に言った通り反省して次の奴はその辺のパワーバランス調整しときます。

遺恨が残るバトル…………軽くネタバレするなら柚華と女剣士との遺恨バトルの構想も練っています。
実戦空手対実戦抜刀術のバトルとか。『萌え』っていうか『燃え』の部類に入るかもしんないッス………
435名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 16:43:12 ID:/u8GjMGn
凄惨バトル最中に乱入して彩の相手を瞬殺してトンズラするような正体不明のライバルキャラとか欲しいね
436亜佐倉:2007/11/06(火) 10:22:58 ID:oxs3J+Dr
>>435
>正体不明のライバルキャラとか欲しいね

KOFの八神庵とかサムスピの牙神幻十郎みたいに 『主人公を一方的に憎んでる』系のライバルキャラは今の所考えています。漠然とですが

「無様ね。彩」
「血の色だけは綺麗よあなた」
「殺した気にもなれないわ」↑こんな感じ


437亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/06(火) 23:41:55 ID:oxs3J+Dr
保守代わりの小ネタです。
※パラレルワールドです。本編とは関係ありません

奴隷・彩の体験告白



「え、えっと、その……御主人様………今から……ボ、ボクのオマンコから……オシッコが出る所を……見てて…下さい」
駅にある個室トイレの中でボクは今、スカートと下着を下ろして洋式便座に跨りながら、目の前にいる御主人様にアソコの中までよく見えるように指で開いてる………
そんなボクのアソコを血走った目でジーッと見ている御主人様。御主人様はボクのアソコからオシッコが出る所を待ちながら、目を動かす事無く見てるの。
お、お願い……そんなにジロジロ見ないで………。
ボクも一応女の子だから、アソコ見られてるだけでも凄い恥ずかしいのに……
オシッコする所をこんなに近くで見られるなんて余計恥ずかしいよぉ……………。
438亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/06(火) 23:46:09 ID:oxs3J+Dr
余りの恥ずかしさにボクは御主人様に言われた事を破り、帽子のツバを下げて目を隠し、視界を遮った。
そしたら御主人様が……
“隠すな。ちゃんと自分のマンコから小便出す所見なきゃダメだろ”
って怒ったように言って……被ってた帽子を取られちゃった。
うぅ………意地悪だよぉ。でも御主人様はそんなボクの抗議に耳を貸す事もなく、ひたすらボクのアソコに目を向けてる。
“言いつけを破った罰だ。コレを押し当てるからな”冷たく言い放って御主人様はバッグの中から
ローターを取り出し、スイッチを入れてクリトリスに押し当ててきたの。


「ひゃあぅぅっ!!だ、駄目!御主人様ぁっ………クリちゃん………クリちゃんいじめないでぇっ!!」
突然の振動で、驚きと背中に電気が走るような感覚が襲い掛ってきて、
頭が真っ白になっちゃった………
ボクは頭を降って、辞めてって必死にお願いしたのに……御主人様はそれも無視して今度は尿道にローターを押し当ててきたの。

「い、嫌ぁっ!や、辞めて!!出ちゃうっ、オシッコ出ちゃうよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
ボクがそう叫ぶと御主人様は………
“出す時は何て言うんだ?ちゃんと教えただろ”
って…………
い、言うよぉっ!言うから、ちゃんと言うから………ローター取ってぇぇぇぇぇっ!!ボク、頭おかしくなっちゃうぅぅぅぅぅぅぅっ!!!
「あ、彩は………尿道を………イジメられて………気持ち………よくなっちゃう……変態女です!彩の……尿道……オシッコの穴からオシッコ出る所を………見てください!!」
言い終えてから御主人様にクリちゃんをツネられて、
膀胱を掌でグッと押されたら………その時が来たの。尿道から飛沫を上げながら勢い良くオシッコが出て、トイレの水溜まりにバシャバシャと音を立ててオシッコが落ちていく。

ハァ………ハァ………出ちゃった。ボクのオマンコから、オシッコ…一杯出ちゃったよぉ……………
トイレの水溜まりは直ぐに黄色くなり、ボクのオシッコが水溜まりの量を増やしていく。
うぅ………何回やっても恥ずかしいよ……
火が出そうな位顔が熱くなって、うつ向くボクと尿道から吹き出るオシッコを見比べながら御主人様は………
“随分溜ってたんだな。トレーニングの後水飲みすぎたのか?”とか聞いてくるし……………御主人様のばかぁ。
439亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/06(火) 23:52:49 ID:oxs3J+Dr

最後にピュッ、ピュッと尿道から雫がニ、三滴落ちて、長い放尿を終わった。
ボクはトイレットペーパーで尿の残滓を拭き取って下着とデニムスカートを
穿いてから御主人様から帽子を返して貰い、それを被り直して身仕舞いをする。
その後、トイレから出たボク達は、駅の改札口まで連れ添うように一緒に歩いた。

お別れする前にボクは無言で御主人様を見つめる。
うーん………やっぱりボク背が低いから御主人様の事見上げる形になっちゃうなぁ………
御主人様は何も言わずに優しく笑い、身を折ってからそっとボクにキスしてくれた。えへへ……実は終わった後のこれが一番の楽しみなんだよねぇ。

幸せに浸っているボクに
御主人様はそっと頭を撫でてくれる。
“次はまた来週……だな”そう言ってくれた御主人様にボクは精一杯の笑顔を作る。
「うん!約束だよ、御主人様」
御主人様は何も答えない。だけど、相変わらず優しい笑みを浮かべながら改札口をくぐり、立ち止まってからボクの方を振り返る。
「またね〜!」
普段は無口で相手に感情を伝えるのが下手な御主人様だけど、ボクはそんな御主人様が大好き。
エッチな事する時は意地悪だけど。普段はあんなに優しいんだもん。
……大好きだよ、御主人様




友美「という展開を本編に折り込ませてみてはどうでしょうか?彩ちゃん」
彩「友美………」
友美「はい?」
彩「頭……冷やそうか?(にっこり)」

その後、友美の頭上に踵落としが入ったのは言うまでも無い。
440亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/06(火) 23:56:21 ID:oxs3J+Dr
以上です。本編がどうにも雄々し過ぎるのでたまにはこういう小ネタもいいかな?と思い書きました。 あくまで保守代わりなのでエロ分少ない所は御容赦下さい。
441名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 12:06:37 ID:HJj9ZPJ6
GJ!なんか健気な彩、可愛いな
442名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 14:01:08 ID:TZImkN/T
このスレのSS:感想の書き込み比率の歪さは異常
443名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 18:27:18 ID:CUhblwgL
保守

女同士の壮絶なバトル・・・負けた方は罰ゲームとして容赦なく丸坊主にする髪切りデスマッチとかかな?
444名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:27:49 ID:ru2ZXNAj
ちより「リングにはおまえより強いヤツはゴマンといるぜ…」
445亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/16(金) 22:34:21 ID:e6wS/yxC
※住人の方々にお詫び
えー・・・只今エピローグが全く書き出せず、本編が手付かずになっております。期待してくれている方すいません。
もう少々お待ち下さい。お詫びとそしてエピローグまでの繋ぎとして以前>>345さんのレスであった彩のライバルになる予定のキャラを書いてみました。
446亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/16(金) 22:39:06 ID:e6wS/yxC
人や獣、万物全てにいつかは訪れる終着点がある。それが『死』というもの。
だが、それは必ずしも万物だけに訪れるものではなく、物にも死というものは存在る。
ここは正にそれを体現していた。
バブル経済崩壊と同時に倒産し、十数年間取り壊される事もなく跡地として残された夜の廃工場は、
まるで通り行く者を威圧するかの如く静かに、それでいて悠然とした佇まいを見せている。
そんな廃墟と化した工場におよそこの場所では不釣り合いと言える風体の人物が歩いていた。
ヒールの高いブーツで地面を鳴らしながら歩を進めているのは180pの長身で痩せ細った外套姿の女。
開襟にして胸元まで開けたグレーのドレスシャツに膝下まである白いトレンチコートを羽織り、下には黒のタイトスカートを穿いている。

447亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/16(金) 22:41:41 ID:e6wS/yxC
一見すればファッションモデルのような体型と身綺麗な服装をした女の顔は前髪で隠れてはっきりとは見えないが、
ナイフで切り込みを入れたような切長の鋭い目に病人と見紛うほど蒼白の肌、
それに相対するかのような紅い唇と細い顎、いささか無愛想な印象を受ける容貌だが、十分端正な顔立ちをしている女だった。
加えて控え目に施された化粧により、整った顔に艶やかさを出している。

448亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/16(金) 22:44:45 ID:e6wS/yxC
だが、女が全身に纏っている雰囲気はその妖艶さとは違って凍てつく氷のように冷たく、闇夜のように陰鬱とした不気味なものだった。
フォークリフトや外注先のトラック。そして社員の車が通る為に舗装された道路をウェーブしたワインレッドの髪をなびかせて歩いていたがそこでふと、足を止めた。
「・・・・・・」
おもむろに懐からマールボロのメントールを取り出し、一本口にくわえてからデュポンのガスライターで先端に火を付ける。
「・・・いつまで」
ライターの蓋を閉じるとキンッという小気味良い金属音が鳴り響き、コートの内ポケットにしまい込んでから女は初めて口を開く。
「いつまで私に付きまとう?いい加減目障りだ」
煙草特有の紫煙が漆黒の空に舞い上がる中、地を這うような低い声で女は言葉を続ける。
今、どれだけ辺りを見回してもその廃工場には女しかいない。
「それ位で気配を消したつもりか?私を見くびるにも程があるぞ」
肺に溜め込んだ煙を吐き出してから女は前髪越しに覗く切長の目を更に細めて振り返る。
449亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/16(金) 22:48:47 ID:e6wS/yxC
視線の先には黒一色の空間が広がる中、闇はもう一つの輪郭を浮きだした。
「神薙一族当主。神薙刹(かみな せつ)・・・だな?」
浮き出た輪郭の正体は黒の上下スーツに身を包んだ女だった。
白いコートを着た女よりやや小柄だが、女にしては上背がある。
「だったらどうした?」
苛立たしげな態度を隠す事も無く、刹と呼ばれた女は吐き捨てるように言い放ってスーツ姿の女を睨み付ける。
「我が主の命令だ。貴様の手前、拝見させて貰う」
スーツ姿の女は半身に構え、拳を握る。
「手前・・・・・・?ふざけた事を言うのは身内の人間だけにしておけ。私は下らない事に付き合う気は毛頭無い」
刹は再び煙草をくわえて、スーツ姿の女とは対照的に構えようともせず、
それ処かコートのポケットに両手を突っ込んだまま踵を返して再び歩き出していた。
「・・・行くぞ」
女は刹の侮蔑した態度にも顔色一つ変えずに地面を蹴って刹に近付き、そのまま突進の勢いを殺さずに刹の後頭部へストレートを放つ。
「・・・フン」
女が繰り出したものとは思えない程そのストレートパンチは鋭く、体重を乗せている為十二分に重みがある。
だが、刹が鼻で笑うのを聞いた後には後頭部を確実に捉えると確信していた女の拳はあろう事か暗闇を虚しく突くだけだった。



「・・・・・あんまり図に乗るなよ下郎」
「ーーーーーーーッ!?」
背後から獣が唸るような声が女の鼓膜に触れ、とっさに振り返るとそこには自分の目の前にいたはずの刹が両手をだらんと下げたまま前傾姿勢で立っていた。
「何処の誰かは知らないが・・・・・・今の私は機嫌が悪い。一つしか無い命を失くしても責任を取るつもりは無いから覚悟しておけ」
血のように紅いルージュを引いた口から剣呑な言葉が紡ぎ出された直後、女は音もなく近付いた刹に距離を詰められ、その顔を掌で捕まれていた。
450亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/16(金) 22:54:14 ID:e6wS/yxC
今日はここまでです。一応この話は本編とリンクしていく形ですのでよろしくお願いします。

>>445
彩「もっと強い人がゴロゴロいるんだ〜・・・・・・ボクわくわくしてきちゃったよ!!」



451亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/16(金) 22:57:39 ID:e6wS/yxC
>>450
アンカーミスったorz
>>445じゃなくて>>444です。
452名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 00:54:41 ID:8Pkih8fJ
てか>>444ってFの聖の台詞じゃねーかwww


サーキットにはおまえより速い奴はゴマンといるぜって奴
453亜佐倉:2007/11/17(土) 04:01:26 ID:tKYD+QLk
>>445

またアンカーミスってた・・・>>435さんのレスの間違いでした。

Fの聖・・・分からないのでググってみました。
>>444の流れで行ったらちより死んじゃうじゃないですか!wwww
454名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 10:04:00 ID:T0JRN2DG
おお、ライバルキャラ登場!
かっこいい!……けど、なんかえらくまた劇中の戦闘力にインフレに拍車をかけそうなキャラの予感がしませんかwwww
455名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 10:12:45 ID:jddtWrMZ
一騎当千とか天上天下とかのバトル漫画だとお約束のようにパンチラや服剥けがあるのにここのSS出てくる女出てくる女服剥けやパンチラが全く必要無いなw
456亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/23(金) 12:55:59 ID:8uPUwl/o
祝日だってのに仕事に駆り出された俺、参上!!………OTL

>>454
ライバル且つダークヒロインっていう位置付けなんで彩とは何もかも対極のキャラにしてみました(笑)
パワーインフレ………下手するとギャグになってしまうので拍車を掛けないよう頑張ります。うっかり大地を破壊したり塾長のように生身で大気圏突入しない程度に


>>455
基本的に戦闘とか重視するとそういった類のものを完璧に忘れる駄目書き手です。というよりあのキャラ達服剥けやったりパンチラやっても色気の欠片も無いですYO………


後ちょっと質問です。前に聞いたグロ、残酷描写の件なんですがどれ位なら許容範囲ですかね?
例えばPC、アニメ版ひぐらしとかのグロは大丈夫だけど氏賀Y太の漫画みたいなグロは勘弁とかですかね?その匙加減が今一つ分からないのでもしよろしければ御意見お願いします。


457名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 16:43:18 ID:1s2LeX1a
もし不安なら試しに外部ロダにtxtででもうpして確認してもらえばOKでないかい?
458名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 18:30:53 ID:pmPk/PLC
>>456
ちょっと待ってくれよ!挙げてる例が極端過ぎてこっちも「ああ、それ位それ位」とか頷けねぇよ!wwww
塾長にならない程度ぐらいじゃかなりのパワーバトルだよ!wwww
なんか凄いバトルが期待できそうな予感!
もう突っ走ってくれ!



でもグロで氏賀Y太クラスは勘弁
えーと…修羅の門より少し上くらいが適当?ww
なんかよく分からん例えでゴメンけど。
459亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/23(金) 19:47:51 ID:8uPUwl/o
>>457 あー………その手があったか………と思ったらレスが返ってきたので大丈夫でした。わざわざありがとうございます。

>>458
確かに例が極端過ぎた………スマソ(汗)
うーん………そうですね、こっちも曖昧な答えで申し訳無いですが戦闘力は高校鉄拳伝タフを若干マイルドにした感じぐらいで考えてます。
修羅の門より少し上くらいが適当…ぉk。大体把握しました。

後は………彩と刹の関連性もストーリー上必要となってくるので日本神話をモチーフにした伝奇も絡んできます。
460亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/24(土) 23:23:36 ID:b8ZqyyFo
>>446の続き、投下します。


「ぐっ………!?」
咄嗟に自分の頭を鷲掴みにしている掌を振り払おうと試みるものの、細くたおやかな指はその見た目に反して尋常でない力が込められ、女の柔肉に食い込んでいく。
「うっ………うぅ!?」
まるで万力にでも締めあげられているかのように顔は微動だにせず、
女は唯一動かせる四肢をただひたすら暴れさせてもがく事だけしか出来なくなっていた。
「ククク…………人が死を前にして足掻く姿はいつ見ても無様だな」
喉の奥から絞り出したような低い声で陰気に笑いながら刹はスーツ姿の女を冷徹な眼差しで見下している。
そびやかす肩にトレンチコートを纏ったこの化生は捕獲した獲物をどう屠ろうかと思案を巡らせているのだ。
コールタールを含んでいるのかと錯覚してしまう程に淀みきっていた瞳は猛禽類のようにギラつき、屍のように蒼白い肌は心なしか先程より血色が良くなっている。
461亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/24(土) 23:25:18 ID:b8ZqyyFo
そして先刻まで不機嫌かつ冷淡な態度に塗り固められていた表情には地獄の鬼女よろしく薄気味悪い微笑を浮かべていた。
紅を塗った唇は三日月に裂け、その隙間から覗く尖った犬歯は栗色髪の陽気な少女を連想させるが、
彼女のそれは愛嬌の一つにすら見えず、まるで血肉を貪る為に存在しているようにすら思えてくる。
「さぁ、イエス様に祈祷は捧げたか?最も………無神論者の私が連れていく所は天国でも地獄でも無いがな」
芝居の台詞のように紡がれた言葉はそこで途切れ、
次の瞬間には闇に浮かぶ二つの輪郭は元の位置から消えていた。否、動いていたと言った方が正確であろう。
「きぇあぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
闇夜に狂気を孕んだ絶叫が女の鼓膜を否応なく震わせる。
僅かに遅れた思考から自分は眼前の刹に片手のみで宙を浮かされ、身体を運ばれたのだなと判断した。
恐らくこのまま身体をゴミのように投げ捨てられるのだろうとも悟っている。
だが、生憎この赤毛の死神はその程度で妥協するなどと甘えた考えは持ち合わせていない。

462亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/24(土) 23:30:53 ID:b8ZqyyFo
丹頂の翼のようにコートの裾が翻り、大地を蹴るに向いているとは言えないハイヒールタイプのブーツで
器用に暗闇を疾走する刹は自らの手に収めた女の頭を後ろに存在する廃工場の外壁にあらん限りの力で叩き付けた。
その動作に技巧、策謀といった言葉は存在せず、力任せ、暴力といった単語が酷く似つかわしい。

後頭部は苔(こけ)や黴(かび)が張り付いて薄汚れた外壁と刹の掌にサンドイッチされ、女の頭部から噴出した血糊と脳漿(のうしょう)がコンクリート製の壁にへばり付いて醜悪なウォールペイントを施していた。
「がっ………あっ!?」
恐らく生涯で一度も経験した事が無い衝撃とグチャッという嫌な音が聞こえてきた女は延髄から背中に
流れる生暖かい感触と痛みすら越えた致命的な外傷に意識が朦朧としており、
女の目は遠く彼方にある世界を見つめている。
463亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/24(土) 23:33:21 ID:b8ZqyyFo
「折角だ。動く標的の撃ち方………教えてやろう」
それまで頭を掴んでいた手の力を緩めて女の顔を
解放し、五指を投げたしたままの左手をスーツの襟元に滑らせてからそれを
無造作に掴みあげると右腕を振り上げ、細やかに手入れされた長い爪で女の顔を掻きむしった。
「ぎゃあっ!!」
本人の趣味なのかネーブルカラーのマニキュアの上にネイルアートで彼岸花の
模様をあしらった爪は鷹爪と呼ぶに相応しく、研がれた白刃のように切れ味は
鋭い。刹は自らの身体で産み出した凶器を用いて容赦なく女の皮膚や肉をガリガリと裂き、鼻や唇、頬や額などと言った部位に惨い裂傷を刻んでいった。

「ククククク…………貴様のような屑でも血の色だけは綺麗だな。そこは誉めてやろう」
賞讚の言葉とは裏腹に、刹は二回、三回、四回と爪で女を顔に斬撃を見舞い、原型すら留めない状態まで女の顔面を切り裂き続けた。
464亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/24(土) 23:38:59 ID:b8ZqyyFo
やや高価そうな白いコートや肌に返り血を浴びる事も構わず、ひとりきし血まみれで動かなくなってしまった女を痛ぶった刹は爪と指の隙間に挟まった皮膚や
真っ赤に染まった肉片を
一瞥し、今度は女の両肩に手を置いてから耳まで裂けんばかりに口を目一杯に
開け、牙のように尖った犬歯を女の首筋、そしてそこに位置する頸動脈へ吸血鬼が生き血をすするかの如く噛み付いた。
この頸動脈は脳に血液を送る為に存在する重要な血管である。
柔道や総合格闘技、ブラジリアン柔術で見られる決め技、チョークスリーパー、三角絞め等は腕や脚でここを絞めあげる事によって相手の脳に血液を行き届かなくさせて失神、俗に言う
『落とす』事が出来るのだ。


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
断末魔、正にその言葉が当てはまるような雄叫びを上げて女は眦をカッと見開いた。
肉と頸動脈に犬歯が突き立てられ、ギチギチと牙が首筋をえぐっていく。
痛覚が身体を蝕み、最早女は虫の息同然だった。
「ぐぅぅぅっ……………ぐぁっ!!!」
獅子のうめきにも似た声を発しながら刹はクルミを噛み砕くように歯に力を込め、首の骨にまで達している歯で延髄を砕いた後、生肉を噛み千切った。
ブチブチという皮と肉の一部分が身体から離れる音がすると同時に女の総身は雷に打たれたかのように数秒に渡って痙攣し、
やがて絶命の時を迎えた。
先刻から見せている刹の闘い方は人間が行うものとは常軌を逸していた。
爪で皮膚を切り裂き、歯で肉と血管、髄までも砕き、そして噛み千切る…………それは武術、格闘技といった人間が理性と本能とを
調和し、長い歴史を掛けて築き上げてきたものではなく、獣が生存の為に他の種族を喰らい、貪り尽す事だけに徹した闘争本能剥き出しの闘い方だった。
465亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/11/24(土) 23:44:44 ID:b8ZqyyFo
以上です。

>>460のアンカー訂正。厳密には>>446ではなく>>449の続きです。
それと、刹のシーンは次回で一応終わり、次から本編のエピローグもちょっとずつ進められるようになってきたので終わったら本編再開します。
466名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 15:53:14 ID:1zA+IyKS
うわー!なんか人殺してるー!?www
467名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 21:18:37 ID:Jo+61vns
脳髄ぶちまけるほどの腕力、肉を引き裂く爪、喉元を食いちぎる牙。
この人はどうみてもモンスターです。本当にGJでした。
468名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 19:53:17 ID:QlTWPGgc
怪物を倒せるのは怪物だけという事か
469亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/02(日) 00:33:42 ID:WAtFVI44
>>464の続き投下します。 ※グロ注意※


―――「………フンッ、よりにもよって機嫌が悪い時の私に襲い掛ったのが運の尽きだったな」
首筋と頸動脈を噛み切った際に千切れた肉片を口腔で吟味しながら地面に倒れこんだ女の亡骸に侮蔑の視線を向けて鼻を鳴らした。

生前の面影すら残さないまで顔を切り刻んだ事によって飛散した血はトレンチコートの襟元や白貌という言葉が当てはまる顔面に付着し、生々しい血痕が残っている。
そして掌やコートの袖口、中指に嵌めたカルティエのシルバーリングまでも赤黒い鮮血でべったりと汚れているが、本人はそれを拭うのも面倒だと言わんばかりに五指を力なく広げ、
腕を下げたままにしている。


今しがた人を殺めたというのに刹は罪悪感など微塵も感じてはおらず、むしろ
“邪魔な虫を殺した”程度にしか思っていない。
ワインレッドに染めた豊かな巻き髪が風で揺れるのも構わず、右半分を街灯に照らされ、左半分を暗闇の中に影を落としている顔には歩いていた時と同じ不機嫌な表情を張り付かせていた。

「さて………と」
細かく噛みこんだ肉片を喉に通してから刹は死体をどうするかと考えていた。
このまま放置しておけばいずれ誰かに発見され、厄介な事になる。
廃工場とはいえ人が通らない事は無いのだ。そうなれば自然と警察が介入し、事件にも発展するのは自然の成り行きであろう。

「そうだな………腹も減っている事だ。餌には丁度いい」
何かを思いついたのか、
再び唇の端を吊り上げて不気味な笑みを作り出してから刹はゆっくりと骸に手を伸ばし、死体の右腕をまるで木に生った果実をもぎるかのように容易く引き千切った。
肩口の皮膚と肉が裂けてブチブチという音が漆黒の闇の中に響き、最後にゴキッという固く、硬質な音が聞こえると腕はスーツの生地ごと亡骸から分離し、
腕は刹によって握りしめられていた。
「まぁコイツの身体ひとつでも腹の足しにはなるだろう」

物騒な言葉を吐いてから刹は大きく口を開け、そのまま千切った腕にかぶりついた。
生肉、そして骨ごとその鋭利な犬歯でバリバリと噛み砕きながら刹は噛み切った二の腕の一部分を口の中で咀嚼している。
その様は飢饉にあえぎ、やむなく人の肉を喰らう者とは違い、刹はまるで極上の料理に舌鼓を打つかの如く心の底から会心の喜びを見せて人肉を貪っているのだ。
470亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/02(日) 00:41:41 ID:WAtFVI44

やがて腕一本を胃袋の中に納めると今度は死体を仰向けに転がして馬乗りになり、スーツを鷹爪で荒々しくぞんざいに切り裂いてから露出した腹部の皮膚をまるでバナナの皮でも剥くかのように引き剥がし、
彼岸花のネイルアートを施した爪で胸から臍に掛けてを入れ、縦一閃に切り裂く。
まるで魚を包丁でさばくように、或いは手術の時に使うメスのような切れ味である。
その傷口を両手でこじあけるようにして無理矢理広げると大腸、胃袋、肋骨、肺、心臓といった内臓器官とそれを保護している骨が姿を現した。
ガマ口のように広がった傷口へ頭から突っ込むような体勢になって容赦なく死体の内部をバリバリと食い荒し始めたのだ。

その光景は吐き気を催す程凄惨なものであり、最早人間の行動ではない。
今の刹は血肉に飢えた野獣、或いは仏教の中で存在する餓鬼そのものだった。
自らの手で屍に変えた女に慈悲の気持ちすら表していないこの赤毛の女にとって己以外の生物は全て餌としか見なしておらず、
目の前の死体も単なる補食の対象でしかない。

大腸に牙を突き立ててそれを引きずり出し、グチャグチャと噛みしめていく。
心臓は掌で掴みとり、これも中から引きずり出して天に掲げるとあらん限りの力を込めて握り潰し、ポタポタと滴り落ちる血を喉を鳴らして飲み干している。
そして己の手中でクシャクシャに丸められた心臓をも口の中へ放り込み、貪り始めた。




情け容赦ない蹂躙により、死体から滲み出た血糊で刹と死体との周りは真っ赤な血の池と化していた。いつの間にか死体の中に収まっていたはずの臓物は綺麗に失くなっており、下半身すらも食い尽されて残すは上半身のみとなっていた。
血の色をした髪は更に紅く染まり、小綺麗な服も血だるまになって無惨なものに変わり果てていた。
それでも尚続く刹の“食事”は不快で耳障りな音を闇夜に響かせている。
彼女のおぞましい地獄絵図とも言える人喰いの晩餐は、未だ終わることを知らない……………………


神薙 刹 編
END
471亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/02(日) 00:44:49 ID:WAtFVI44
以上でライバルキャラの出番はひとまず終了…………突っ走ってみたらこんなん出来た。
グロ描写で気分害した人すんません。

ホントに化け物出てきちゃったよ…………

472名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 08:10:50 ID:Fehs9JEJ
おい〜wwwww!なにこのエヴァ初号機wwwww
473亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/02(日) 12:38:49 ID:WAtFVI44
>>419さんの御意見レスであった
彩=お腹一杯の時のライオンとするならこっちは対極的に
刹=常に飢えたライオンというイメージで書いたらこんなんになりましたww

確かにエヴァ初号機でありバイオハザードですねコイツ……………
474名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 13:32:15 ID:QKtR419Z
オレもエヴァを思い出したw
食っちゃうのは微妙だが相手を容赦も慈悲もなく扱う様はオレ好きだ。
475名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 08:55:26 ID:y8eVY2Fl
>>473
ここまでやるなら、彩も触発されて刹に噛みつく位はやってくれ。
いや、別に食わんでもいいから
476名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 20:36:36 ID:lqOUgzSd
噛みつき合いって凄っ
477亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/04(火) 18:41:54 ID:/SIhK5kx
>>474
気に入ってもらえたみたいで良かったです。これから彩と闘わせたり暴れさせたり(笑)とライバルキャラ、ダークヒロイン(もう一人の主人公的存在)として見せ場をどんどん作っていきたいのでよろしくお願いします〜

>>475
>ここまでやるなら、彩も触発されて刹に噛みつく位はやってくれ。

だいぶ先の話になりますがそういうシーンも入れる予定なのでご安心(?)下さい。
ただ次のバトルからは彩にダーティーな闘い方はさせず、>>420みたいに主人公として正統派、爽やかなボーイッシュ娘として書いていきます。
それと………今後は彩が花とするなら刹は根っこ、茎として書いていくつもりです。根っこや茎の部分があるからこそ花が咲き誇るように刹に汚れ役を請け負わせる事で彩を主人公として引き立てていくという形で

478名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:04:38 ID:J8ft7k+N
彩にはストリートアイドルって感じがあったからね
裏通りで喧嘩もやってるモー娘みたいな…夜が来る!の七荻鏡花みたいなの勝手にイメージしてた
479名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:51:02 ID:X2xkxxFa
彩に一方的に痛めつけられるちより会長も見てみたいんですがw
480亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/07(金) 13:04:39 ID:aPEmW0MJ
刹様「ガブシュ!!」

ズキューーーーーーン!!!!

野郎1「すげぇ!!刹様が女の頸動脈を噛み千切りやがったーーーーー!!!」

野郎2「俺達でも出来ないような事を平然とやってのける、そこに痺れる憧れるーーーーーーー!!!」

刹様「私は人間を辞めるぞ彩ーーーーーーー!!!
URYYYYY!!!!」

481名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 13:09:38 ID:TGTVlZVP
てか人間の積もりだったのかよ!w
482亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/07(金) 15:23:51 ID:aPEmW0MJ
刹の強さの秘密は石かm(ry)

>>478
ストリートアイドル………では無いッスね。彩はこれといってアイドル業やってる訳じゃありませんし。ストリートファイト好きな女の子って感じなんで鏡花よりもストZEROの春日野さくらに近いイメージで書いてます。その内また彩のイラスト投下してみますね。
>>479
え〜と………ちより戦はあれが限界。というよりも本編ではちよりに噛ませ犬フラグは立てる予定無いッス。
483亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/08(土) 02:40:21 ID:rCKGMvxO
本編の方、一ヶ月も間が空いてしまいましたがようやく書けました。エピローグその1投下します。
エピローグその1

「失礼します」
檜で作られた重厚な扉を二、三回ノックしてから音を立てないよう静かに開け、彩はうやうやしい態度で室内へと入る。
平素は苦しいからという理由で絶対にしないリボンタイをきちんと締めてワイシャツのボタンも全て閉じ、七分に捲っている赤茶色のブレザーも襟元までしっかりと正して着ている。
頬と瞼にはちよりとの一戦で付いた裂傷が生々しく刻まれており、右足には包帯を当て木と一緒に巻いている。
動かすだけでも僅かに痛むのか脚を引き摺りながら歩いていた。
端から見てもちよりや楓のように入院していなければいけない状態なのだが彩自身がそれを拒否し、そのまま自宅療養という形を取っていた。
あの闘いから数日経った今日、理事長直々に呼び出しを受けて今に至る。
「怪我の具合はどうですか?美島さん」
執務の為に使う大きめの木机に両手を置き、革張りの椅子に背中を預けた白髪の媼(おうな)が久々に再会した孫娘を見るような笑みを向けて静かに口を開く。
「はい………お陰さまで大分良くなりました」
目の前の媼に対して滅多に使う事の無い敬語を用いて一礼する。



ちよりとの闘いの件で烈火の如く怒られるか延々と
説教されるかと思って覚悟していた彩はわざわざ自分の体を心配してくれた理事長に対し思わず恐縮してしまう。
学園の生活態度のせいで礼儀作法は皆無だと思っている生徒や教員が多数いるが、彩は決して粗野粗暴という訳では無い。
ただ生まれつき堅苦しい事が苦手なだけで人並みに作法は知っている。
「そうですか………まだ完治していないのに御足労お掛けました」



「い、いえ!とんでもありません!!
私自身がしっかりとケジメを付けたいから自分から
来ただけであって決して辛いとは思っていません。
どうかお気になさならいで下さい!!」
普段は『ボク』で通している一人称を『私』に変え、予想だにしていなかった労いの言葉に思わず慌てふためく。
さしもの彩も年上にここまで下手に出られると困惑してしまう。
「そ、それで理事長………お電話で話されていた私
に対する処分というのは……どうなりましたか?」
柄にもなくこれ以上気を遣わせる訳にはいかないと
判断した彩は半ば強引に自分に対する処分を求めた。
「えぇ、そうでしたね……………ここから本題に入ります。
率直に申し上げると………美島さん、貴方には本日を以ってこの学園を去っていただきます。
これは先日の職員会議で私を除く教職員全員の意見で決まりました」
484亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/08(土) 02:50:37 ID:rCKGMvxO
その言葉を聞いた瞬間、彩は理事長の目を見据え、言葉が終わるのを待たずに口を挟んだ。
「待ってください理事長。天草会長、五條先輩、
そして桐生さんはこの件に関して非はありません」
「何故………そう言えますか?今回の件はまず
五條さんが美島さんに私闘を仕掛け、次に天草さんが貴方の言葉に乗じて私闘を行ったと聞きました。
勿論桐生さんも貴方の手伝いをしていたのを生徒の大半が証言しています」
「それは違います。
正しくは五條さん、天草会長は私の普段の行いを咎めた際に私と口論になり、
それに腹を立てた私が無理矢理キックボクシング部のリングに上がらせ、私闘をさせたのです。
そして桐生さんはその時、私の共謀者になるよう脅迫したんです。ですから三人に何ら咎はありません」
我ながら酷く苦しい嘘だった。筋も全く通っていない支離滅裂な理屈と言い訳。だが、ここで引く訳にはいかない。
引いてしまえばちより、楓、友美に学園での自分と同じ問題児の烙印を押されてしまう。

特に友美はこんなどうしようもない自分を理解し、友人になってくれたのだ。
これからその友人が学園で後ろ指を差されて生活しなければならないという事を彩には看過する事は出来なかった。
泥を被るのは自分だけでいい。
端から見ればこんな得にもならない自己犠牲は馬鹿馬鹿しいとしか言い様が無いだろう。
だがそれでも構わない。
返吐が出そうな青臭い友情だと思われてもいい。
下らない自己陶酔だと蔑視されてもいい。
何が何でもこの意地を貫き通す。
それが彩の胸に宿る一つの意志だった。
485亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/08(土) 02:55:10 ID:rCKGMvxO
「お願いします…………処分を取り下げてくださいとは言いません。
せめてあの三人には寛大な処置を…………お願いします!!」
最後の部分だけ語気を荒くし、両膝と両手を床に付けて頭を下げた。
そこにいるのは喧嘩屋を自負して常日頃から陽気に振る舞う少女ではなく、
友人達をかばう為だけにプライドも我も捨てて理事長に土下座する一人の少女、美島彩だった。
しん、と静まりかえる室内で彩は床に額を擦りつけるような体勢で目を瞑りながら理事長の言葉を待つ。
「美島さん………まず頭を上げて下さい。
この学園でそのように頭を下げる礼は教えていませんよ」
椅子から立ち上がった理事長は彩の前まで歩み寄り、膝を折ってしゃがみ込んだ。
銀縁の眼鏡越しに見える柔らかな眼差しが彩を捉えて離そうとしない。
ゆっくりと頭を上げて上目遣いに理事長の顔を無言で見つめながら彩はその口から紡がれる返答を待っていた。
「そうですね…………では、天草さん、五條さんが退院して無事復学したら三人には後日学園内でのボランティア活動を行ってもらいます。
それを一週間やり通せば
今回の処分は取り下げます。これは職員の会議では決めず、私の一存で決定させて頂きます」

「え?………っていう事は」
「はい。現段階で彼女達の処分は保留にさせて頂きます」
その言葉を聞いた瞬間、
彩は破顔して喜色が溢れんばかりの笑顔に変わった。
「ありがとうございます理事長!!………痛っ!!」感謝の辞を述べてから勢いよく頭の下げた彩はその反動で額を床にぶつけてしまう。
ゴツッという固いものと固いものが衝突した鈍い音が響き、ぶつけた額に赤みが差している。
「フゥ………やはり貴方も絵里さんの娘ですね。他人の為に自分の犠牲すら省ない所はそっくりです」
「っつぅ〜〜〜〜〜………え?」
ずきずきと痛む額を手で抑えながら膝立ちで理事長の顔を見つめる彩は意外な人物の名前を聞いて目を見開いたまま文字通り膠着した。
486亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/08(土) 02:57:38 ID:rCKGMvxO
「お母さんを………知ってるんですか?」
「えぇ。昔、絵里さんはこの学園の生徒で私の教え子でしたからね。
あの人もよく問題起こしては私に怒られていたものです。
それでもあの人は肝が座っていました。
怒られても悪びれない様子で笑っていましたし………今となってはいい思い出です」
「そうだったんですか………………」
「あの事件さえなければ…………彼女も普通にこの学園を卒業出来たんですけどね」
理事長はそれまで柔和な笑みを浮かべた表情に陰を差し、伏し目がちになる。
「あの………事件?」

487亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/08(土) 02:59:08 ID:rCKGMvxO
とりあえず今日はここまでです。
ちょっとエピローグは長くなるので2〜3くらいに分割しますね。

488名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 19:37:06 ID:GNEXNojg
GJ!
次は伝奇的昔話かな?かな?
489名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 02:12:48 ID:+P+PJUsi
彩「あっやあやにしてあげるよ♪」

490亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/09(日) 20:04:14 ID:klATi1Qd
すいません。↑のエピローグで一文抜けてましたorz
>>483の理事長のセリフ、>「えぇ、そうでしたね……………ここから本題に入ります。
率直に申し上げると………美島さん、
貴方には本日を以ってこの学園を去っていただきます。
これは先日の職員会議で私を除く教職員全員の意見で決まりました」

というセリフの後に続く文です↓

退学。それが彩に下された処分だった。今までのぞんざいな生活態度、生徒とし
て規律を乱す行い、そして先日行われたちよりと楓との私闘が決定的となりこの
処分が下されたのは当然と言えよう。
合意の上での私闘とはいえ、結果的に彩は
二人の生徒に怪我を負わせ、病院送りにしてしまったのだ。
学校側も彩に弁解の余地は無いと言えよう。
下手をすれば警察沙汰にもなっていたのだから。
とはいえ彩に落胆の様子は無い。彼女自身それは覚悟していたし、もとより自分はこの
学園にふさわしくはないという事も自覚している。
それ故彩は頭を垂れようとはせず、背筋を伸ばして毅然とした態度で真摯にその
結果を受け止めた。
「そして………この件に直接関わった天草さん、五條さん、桐生さんの三人もし
ばらくは停学という処分も決まっています。そして………キックボクシング部も
当面の間活動停止という処分を………」

という後に
>>484の最初、>その言葉を聞いた瞬間、彩は理事長の目を見据え、言葉が終わるのを待たずに口を挟んだ。
「待ってください理事長。天草会長、五條先輩、
そして桐生さんはこの件に関して非はありません」
というふうになります。マジすいません
491名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 20:17:22 ID:GZwGmYCO
sage
492亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/11(火) 03:58:39 ID:SFI3oXoM
前に言ってた彩のイラスト投下します。
全身http://imepita.jp/20071211/133240

バストアップhttp://imepita.jp/20071211/133740

おまけ
刹のイラスト(顔のみ)
http://imepita.jp/20071211/133440

493名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 13:12:17 ID:trVp+qrG
ああ…学園物の定番のやり取りGJ!
バトル物とか書いているとこの手のシーンに妙に熱が入ったりする時ってあるよね、それかバッサリ無視するか。
何はともあれバトルシーンだけの作品ではなく、一つの物語の体裁を整え始めたのが分かるな。
494亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/13(木) 09:33:53 ID:q3eB+S3S
エピローグその2、投下します。今回で本編は一旦終了です。

エピローグその2

あの事件という言葉に彩は小首を傾げ、年相応の皺が寄った理事長の顔を訝しげに見つめる。
母親が何か学園にいられなくなるような問題でも起こしたのだろうか。
確かにあの破天荒な性格をした母親なら問題の一つや二つ起こしてもおかしくは無いが、理事長にここまで陰鬱な表情をさせる程の事をしたのだろうか。
「美島さん、この話は少し長くなるのでまずは椅子に座りましょう。いつまでも床の上に座っていると制服も汚れてしまいますしね」
「え?………あぁ、はい」
彩の心情を見透かしたように銀縁眼鏡を掛けた老女は先程までの陰鬱な表情を払拭していつもの温厚な笑みを彩に向ける。
しばし物思いに耽っていた彩は理事長の言葉で我に返り、両膝を付いていた体勢からおっとり刀で立ち上がると本来は接客用として
使われている豪奢な赤いソファーに両足を揃えて座り込んだ理事長とガラス張りのテーブルを挟んで向き
合う形になってソファーに腰を下ろした。
素材もショッピングモールで市販されている普通の物とは全く違うそれは座っただけでも彩の腰を沈ませるのに十分な代物だった。
父親の書斎にも似たようなソファーが存在しているが、
家に居る時のように脚を投げ出すような真似はせず、形だけでも正しく両足を揃えて着席する。
普段のアクティブな彩からは想像も付かない位の大人しさである。
「そうかしこまらなくていいですよ。これから話す事は年寄りの長話だと思って聞き流して下さっても結構ですから」
「は、はぁ………」
理事長の謙虚な物言いに彩は額に掛る栗色の前髪を指で横に掻き分けながら生返事を返すだけで後は何も喋ろうとはしなかった。






―――かつて江戸初期の時代、奥河氏十一万石の城下町として栄えていた県庁所在地、明野宮(あきのみや)市。
山々に囲まれた市は都心に比べれば人口は劣るものの、昼夜問わず人通りが多く、市街地は活気に満ち溢れている。
南西に位置する郊外には彩の住む閑静な住宅街、
そこより五キロ離れた高台には楓、ちより、友美が住んでいる物見山(ものみやま)という高級住宅地、
市内の中央には観覧車がシンボルともなっているアミューズメントパーク等、
大まかに分けて五つの地区に区切られている。
そして明野宮駅西口より栄えている市街地のメインストリートの片隅や公園、
裏通りの広場では大衆の娯楽、或いは賭博の対象としてストリートファイトが毎週末に開催されている。
東口には平日、様々な制服に身を包んだ学生達が行き交うスクールゾーンとなっており、そこから三笠ノ宮学園の生徒を送迎する為のスクールバスも存在している。
495亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/13(木) 09:42:16 ID:q3eB+S3S
普段よりも幾分か人通りの少ない平日の正午、東口の駅前ロータリーの道路脇には白塗りのレクサスがハザードランプを点滅させて停車していた。
国産車ではない為ハンドルは左側に付いており、運転席が国内産のセダンとは違って逆になっている。
座席全ての窓は黒いスモークシードが貼られて外部から車内の様子はハッキリと見えず、
運転席の窓が僅かに開けられただけで他は全て締めきられている。

市内とはいえ、こんな地方ではおよそ場違いとも言える外車の中には一人の女以外誰も乗っておらず、
車の持ち主であり、運転者でもある本人は運転席のレザーシートに腰を沈め、
アームレストに肘を乗せて頬杖を付きながら煙草をくわえていた。
いささか品が無いようにも見て取れるが、気怠そうにしているその格好はかなり様になっている。
淡く鈍い色をしたスモーキーブロンドの長髪は束ねる事無くそのままにして、
目はレイバンのサングラスを掛けている為完全には見えない。
だが鼻は高く、ピンクのルージュを引いたふっくらと厚みのある唇、白人特有の透き通る程に白い肌。

顔立ちや肌の色からしてまず日本人では無いと断言出来る。
自身がデザインしたアメジストカラーのワンピースドレスを見事に着こなし、
太股の付け根まで切り込まれたスリットから覗く粉雪のように白い脚が露になる事も構わずハンドルの下で脚を組んでいた。
ほぼ締めきられていると言ってもいい空間は彼女自身が身体と服に吹きかけている香水の匂いと煙草の煙とヤニ、
臭い消しとして置かれているビーズが詰まったポットから放たれる瑞々しいライムミントの香り等、
様々な香が入り混じった何とも形容し難い複雑な異臭と車内を真っ白に見せる程の煙草の煙が車内を蹂躙していた。
496亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/13(木) 09:47:00 ID:q3eB+S3S
だが、当の本人はそんな匂いをかいでいて気分が悪くなった様子など微塵もなく、寧ろその香を心地よく鼻に感じているように見える。
形の良い耳にイヤホンを嵌めながら何やら含み笑いを浮かべ、くわえていた
パーラメントを細い人差し指と中指の間に挟んで口から離し、おもむろにイヤホンを外してダッシュボードの中から車検証や洋楽の
CD、チュッパチャップスと一緒に無造作に放り込まれていた携帯電話を取り出した。
鼻唄混じりに女は携帯電話を操作して発信ボタンを押し、スピーカー部分を耳に押し当てる。
やがて二、三回程コール音が鳴ってからスピーカーの向こうでガチャッという音が聞こえた。


「はぁい、こちらエレジーちゃんよぉ」
「………いい加減その頭の悪い喋り方を治せ。品格を疑われるぞ」
女の間延びした口調とは違い、ひどく淡々とした
口調ではあるがやや呆れたような声が電話越しに聞こえる。
だが、口調は正反対であってもお互いの口から紡ぎ出される言葉は同国の人間も舌を巻く程流暢なクイーンズイングリッシュであった。
「んもぅ、いいじゃなぁい。この喋り方はアタシのチャームポイントなんだからぁ」
「いいから早く用件を言え。こっちはお前のように暇ではない」
「ツレないわねぇ………まぁいいわ。用件はターゲットの報告よん」
「どうだ?ターゲットの動きは?」
「うんとねぇ、どうやら学校を退学になっちゃったみたい。
それと一緒にお友達の方も停学処分受けそうになったんだけどぉ……………土下座して処分取り消そうと理事長に頼み込んでたわよぉ」


二人の会話からしてどうやら女は三笠ノ宮学園での彩と理事長のやり取りを盗聴していたらしい。
オーディオに見せかけたそれはどうやら盗聴器からの電波を受信する為のもののようだ。
繋がれたイヤホンはその会話を一語一句漏らさない為、又は外部に知られないようにする為に付けていたと思っていいだろう。

「そうか………ご苦労だったな」
「いえいえ〜………ところでレイニー」
「何だ?」
「ホントにあの甘々ちゃんが例の一族なのぉ?どんな凄い奴かと思ったら………まだまだ子供のチビッ娘じゃなぁい」
「人を見掛けで判断するな。仮にもあの御方を苦しめた美島絵里の娘だぞ」
「う〜ん、いまいち信用出来ないのよねぇ〜。
ほらアタシってさ〜実力も解らない相手を無闇に警戒するのとかあんまり好きじゃないのよぉ」
「お前は手を出すな。あの御方から釘を刺されているだろう」
「はいはい。レイニーちゃんはあの御方の信者様ですもんね〜」
497亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/13(木) 09:51:40 ID:q3eB+S3S
「……………言葉に気を付けろエレジー」
「もぅ、冗談だってばぁ………あの御方の事になると直ぐ怒るんだからぁ」

怒気を含んだ相手の声に臆する事もなくエレジーは首に付けたホワイトゴールドのネックレスを見つめながら相変わらずの口調で言葉を続ける。
「………無駄話はこの辺にしておく。引き続きターゲットの監視を怠るなよ。
私は神薙を尾行してた奴と連絡が取れなくなっているから奴に代わって私が神薙を監視する」

「はいは〜い、頑張ってねぇ〜」
相手に見えないにも関わらず、広げた掌をひらひらと振りながら電話を切り、
携帯電話を閉じるとエレジーはパーラメントをくわえ直してから唇を吊り上げて再び含み笑いを浮かべていた。
サングラス越しに瞳を妖しく輝かせ、片手でハンドルを握り締めてからもう片方の手でサイドブレーキを解除し、アクセルを軽く踏んでゆっくりと車を発進させた。


「フフフフフ…………遥か昔、倭の国に存在した神を護りし戦民(いくさだみ)、御神護(ミシマ)一族。伝承が本当かどうか確かめさせてもらうわよぉ、美島…………いいえ、御神護 彩ちゃん。……………フフフフフフフフ」
意味深な独り言を呟いてからロータリーをぐるっと一周して東口を出ると白塗りのレクサスは市街地を離れ、やがて何処かへと消えていった。



―天草ちより戦 END―
498亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/13(木) 10:13:39 ID:q3eB+S3S
以上です。本編はひとまず終了。やっと終わりました…………書き初めてから約五ヶ月、色々と右余屈折やおかしな所もあったと思いますが皆さんのGJレス、
感想、御意見レス等が励みになりました。
これからもこのSSはまだ続いていきますのでまたどうかよろしくお願いします。

>>488
すんません。伝奇的昔話はもうちょっと先なんです。だからとりあえずそのナタを置いt(ry)

>>493
このSSを書いてる時に、あれも書きたいこれも書きたいと色々欲張ったら風呂敷がかなり広がってしまったので読んでる人に
バトルだけでなく、ストーリーやキャラクターも楽しんでもらおうと思って一つの物語として整えました(まだまだ脳内段階ですが………)
かなり長編になりそうな予感なので今から少し不安です………(汗)
499名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:37:21 ID:KQtM0r1R
骨を捻る主人公

心臓に思いっ切り膝蹴り入れる生徒会長

人を喰うライバルキャラ

…………人外しかいねぇじゃねぇか

500亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/17(月) 13:15:45 ID:+eRBAaw8
どうも、亜佐倉です。

自サイトの方に彩対ちより戦(本編のみ)をまとめておきましたので報告します。
小ネタの方はもう少し整理してからまとめますね。

それと………今回は変な終わり方したので「何だこれ?」と思った方もいらっしゃるとは思いますが、
次の奴がこれに繋っていきますので次もよろしくお願いします

501亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/17(月) 19:48:30 ID:+eRBAaw8
〇小ネタその3(?)投下します。>>355の続き。 ※脱糞描写有り、注意。食事中、或いは耐性の無い方は閲覧控える事をお勧めします。

小ネタその3(?)

「くぅぅっ!!」
間近に迫った便意を必死の想いで耐えるちよりは
必死の形相で彩に接近し、両手で彩の細い首を掴んで首相撲の体勢になった。
一刻の猶予も許されないと行った様子でちよりは焦りながらも彩の上体をコントロールする。
(は、早く終らせないと……出てきちゃっ………………美島さん、恨まないで下さいね!)
この試合を早く終らせなければ今度は小水を漏らすだけでは済まなくなる。手遅れになって脱糞してしまえば自分を慕ってくれている下級生や同級生の前で無様な姿を晒してしまう。
そうなってしまえば自分はその屈辱を背負って学園生活を送らなければならない。いや、これからも背負い続けなければならないのだ。令嬢として、生徒会長としてのプライドがちよりの身体を動かし、普段からは想像も付かない力を身体に与えてくれる。
「ハァッ!!」
鋭角に曲げたちよりの膝が彩のみぞおち目掛けて
襲い掛る。
502名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 19:50:25 ID:+eRBAaw8
だが、焦っていた為か、ちよりの膝は僅かに軌道がズレてしまい、鳩尾ではなくその下、つまり彩の腹部に差し迫っていた。
「うわっ!!ち、ちょっと………ちより会長、お、お腹、お腹はダメェっ!!」ちよりと同じく、便意と闘っている彩にとって腹を打たれるという事は致命的にあった。
もし、膝蹴りが腹に直撃すれば打たれたショックで我慢していたブツが肛門から出てしまう。それだけは何が何でも避けたかった。
だが、幾ら彩が懇願した所で一度放った膝蹴りが引き戻される訳でもなく、無情にも鋭角に曲げた膝はこれ以上と無い位見事な角度で彩の腹部へと突き刺さった。
「うぶぅっ!!」
膝蹴りに悶絶しながら彩は自分の意思とは無関係に菊門の活約筋が緩み出しているのを感じていたが、自分の力では最早止める事は出来なかった。
(だ、ダメ、もう……………限界)
目尻に涙を浮かべた彩はこれから訪れるであろう“事態”に対してどこか諦めにも似た感情が芽生えていた。


ブリュッ!!ビブブブブッ!!ボビュルッ!!ビチビチビチッ!!ブビュビュビュビュビュッッッッ!!!!ブブッ!!ブシューーーーーーーーッ!!!
503名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 19:53:35 ID:+eRBAaw8
凄まじい破裂音と共にとうとう大量の下痢便が彩の直腸、そして肛門を通じて溢れだし、穿いていたディープグリーンのハーフパンツは臀部の部分だけ茶色い染みが滲み始めていた。
(ひゃうぅぅぅぅぅぅっ!!…………で、出ちゃったぁ……う、ウンコ………ウンコ漏らしちゃったぁ、ケツ穴からウンコいっぱい出ちゃったよぉ………止まって、お願い止まってぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!)
懸命に自分の身体に言い聞かせるものの、尻穴はそんな事などお構いなしと言いたげに尚も開き続け、
堰を断ち切った濁流の如く泥状の軟便を吐き出し続ける。型を留めない軟便は
ハーフパンツの裾から脚を伝ってボトボトと流れ落ち、真っ白なキャンバスの上に糞塊の小山を作っていた。
茶色と黄土色の混じったその下痢便には胃の中で最後まで消化されなかった食物がヘドロのようになって糞と混じり合い、汚物特有の凄まじい腐臭が辺りに充満し始めている。
504名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 19:54:12 ID:+eRBAaw8
(はうぅぅぅぅっ………止まらない、止まらないよぉぉぉっ………うぅっ、ひっく)
止める事の出来ない脱糞に思わず彩はちよりに首を抱えられた体勢のままポロポロと大粒の涙を両目から流し、おえつを漏らしながら泣き出してしまった。


ブビッ!ボブブッ!!ビシュビシュ、ブプゥ〜、プシュッ!!ビリュリュリュリュ!!
悲壮感を隠す事もなく悲しみに満ちた彩に対し、尻穴は彩を茶化すかのように糞便と一緒に腹に溜ったガスを噴出し続け、糞便の小山の頂きはまた高くなる。

(こうなったら……………)生まれつき淡い茶髪の前髪から覗く瞳にドス黒い焔を燃やし、自分にこんな醜態を晒させた生徒会長を睨み付ける。
脱糞によって頭の何処かの線がキレた彩は青いグローブ越しに拳を握り締め、ちよりの腹に標準を定めた。「ちより会長…………道連れだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
首を掴んでいたちよりの両手を無理矢理引き剥がし、彩は拳をちよりの腹目掛けて打ち込んだ。
505亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/17(月) 19:55:42 ID:+eRBAaw8
小ネタその3は以上。次回が小ネタのラストになります。
506名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 20:36:39 ID:s6jMicwB
俺夕食カレーだったよ…orz
でもGJ!弱さを晒す彩可愛えぇ!
腹責め好きとしても良い作品と認めざるを得ない
師走で忙しいだろうけど乙でう!
507亜佐倉 ◆gAQj6lyayg :2007/12/19(水) 01:27:30 ID:Ax8Cy0mH
>>506

えーと…………その、色々とすいませんorz 次に小ネタ投下する時は食事時控えます。

住人の皆さんも年の瀬で忙しかったりするとは思いますが体調等に気を付けて下さい。
508名無しさん@ピンキー
エロパロってより本格格闘小説だな。

しか〜〜し GJ!! 獏先生の餓狼伝ファンの俺的には亜佐倉GJ!

小ネタでエロいのほしぃーー がんばれ