パワプロのハァハァな小説2

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1名無しさん@ピンキー
ここはパワプロシリーズの萌えSSやエロSSを投稿するスレです
シリーズは一切問いません、SS職人さんは常時大歓迎
sage進行でお願いします、sageてないと厨房扱いされますよ?

読み手へ…

・ キボンキボン騒がない。
・ 作品の批判は基本的に避ける。気に入らないならスルーしとこう、な!。
・ 他者の意見に不必要に食って掛からない。荒れる元です。
・ 「GJ!」とかだけじゃなく、具体的な感想があった方が書き手は喜びます。

書き手へ…

・ リアルタイム投下は避ける(ローカルでまとめて一気に投稿すること)
・ 感想が無いからと言って文句言わない。
・ 書く前にあれこれ聞くより、まず投下しる!

前スレ パワプロのハァハァな小説
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132728262/

関連スレ パワポケでエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1144385424/
2名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 04:46:03 ID:ScFGzlZ6
・基本的に、評価するのは著者ではなく作品。これ重要。

・「自分下手だけど書いたら叩かれないかな?」
 「こんなSS書こうと思うんだが需要あります?」
 といったの誘い受けレスはただウザいだけでなく流れも切るのでムード×。
 特に(´・ω・`)などの顔文字を使うと余計に構ってちゃん度が上がって評価マイナス。

・過疎ってる時ならともかく、SSの投下直後に雑談をするとチームプレイ×。
 上の誘い受けと重なると相乗効果で評価マイナス。
 ここはあくまでSSスレなのでTPOはわきまえましょう。

・どんなに面白いと思っても、レスをしないと気持ちは作者に伝わらない。
 ちゃんと読んでくれる人がいるとわかるのが作者にとって最高の報償。
 GJレスにちょっとでもいいから感想をつけるとセンス○、いいやつ。

・もし気に入らない作品であっても、批評ではなく叩くことはしない。
 このスレを見ているということは、貴方にとっても
 作者さんにとって投稿しやすい雰囲気のスレになることが望ましいはず。
 書き込む前に、そのレスが本当に書き込むべきものなのかどうか、
 30…いや50秒考えましょう。
3名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 04:47:38 ID:ScFGzlZ6
とりあえずなんだ…俺のせいですまんwwwwwwwwwwwww
要領見ずに投下しちまって…、ごめんよ…。
できてちょっち嬉しかったんだよー…
一週間くらいで書き上げたから嬉しさがこみ上げてきて…スマソw
4名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 04:52:20 ID:ScFGzlZ6
最初から投下したほうがいいのか、
それとも続きからがいいのか解らんなぁ…。
こう言うときはどっちがいいんだろう。

一応最初から投下しておこうかな?
ずうずうしくてスマソ…

もう陽も沈みきり、照明の明かりがグラウンドを照らす。
「それじゃ、今日の練習はここまでにしようか。みんなお疲れ様」
「ありがとーございましたっ!」
監督に挨拶すると各々野球部員たちが散らばっていく。
手と顔だけ洗ってさっさと帰る人。シャワールームでしっかり汗を流す人。
小波も当然のようにシャワールームで汗を流して帰ろうと、
上着のボタンを外しつつシャワールームに向かった。
「待て」
ふと後ろから声がかけられた。
小波は振り返ると、聖タチバナ学園の正捕手・六道聖が立っていた。
いつからだったか、女性プロ野球選手が活躍しだしてから、
女性が野球をするのも珍しくなくなってきた。
彼女も同様。女の子だが野球をやっている。
どちらかというと身体は細くスレンダーな彼女が野球をする。
入部してきたときは、この先どうなることかと思ったが、十分通用している。
「?なに?俺シャワー浴びたいんだけど」
「…そうか、ならいい」
何か用があったんだろう。そう思った小波はすかさず言った。
「どうしたの、聖ちゃん。なにかあったなら話聞くけど?」
すると立ち去ろうとしていた聖は立ち止まると、少し考えてから振り向いて
「……今日じゃなくていい。小波先輩も疲れてるし」
「…?」
「明日…部活終わってから、練習に付き合ってくれると嬉しい…」
「えー…っと…。あぁ、自主練?いいけど、でも俺はピッチャーじゃないし…。
 出来ることなんて限られてると思うけどなー」
だが、聖は少し頷いて
「先輩に色々教わりたいからな…」
「俺に?…まぁいいよ。でも練習後はちょっとつらいかもね。少し体力セーブしとかなきゃ」
「…先輩、サボりはダメだぞ」
「えっ!?あ、あはは…そ、そうだね…。んじゃ、明日ね?」
「…うん」
「(でも、なんで俺なんだろうな〜…)」
いきなり、自主練なんて言い出した聖に少し疑問を抱きつつシャワールームに向かった。
「…あ、タオル忘れた」
5無題:2006/07/25(火) 04:53:02 ID:ScFGzlZ6
今日一日の勉強も終わり、終業の鐘が校舎内に響く。
「小波くん、起きるでやんすよ〜」
「ん〜…もうちょっと…」
「まったく、野球のこと以外はだらしないでやんすね〜」
「むにゃむにゃ…」
「いいでやんす。先に部活行ってるでやんすよ〜」
いつもだったら一番に部活に行く小波だったが、今日は時間ギリギリまで寝てるようだ。
どう見てもダラけてる様にしか見えないが、昨夜、約束したように自主練をしっかりこなすためらしい。
でも、そんな至福の時もすぐに終わってしまう。
「…小波くん!ちょっと、小波くーん!…起きろっつってんだろー!!!!」
「…むにゃ……」
「…。こーなったら実力行使しかないわね…喰らえ、精神注入棒!!」
「うぎゃっ!!?……ぬぁ!?…あれ?もう放課後?」
「ったく、何寝ぼけてんのよ。監督も怒ってるわよー、小波くん遅刻するんだもん」
「あ、みずきちゃん。おはよー」
「なにが「おはよー」よ!ほら、さっさと行くわよ。小波くんが居なきゃ部活始まらないんだからね」
「…はぁ〜い……」
眠い目をこすりながら立ち上がると、部活用のバックを背負い、教室から出る。
目の前を歩くのは橘みずき。ボーイッシュな髪型で、2年生エース。
この学校の経営者の孫娘であり、元生徒会長でもある。
押しが強くてワガママで。でも時々見せる女の子らしいところが魅力な子。
そんな彼女の後ろ姿を眺めつつ追いかけた。
「何ジロジロみてんのよ」
「あ、いや…なんでもないよ、なんでも」
「怪しいわ…小波くん、時々変な事考えるしねー」
「う、ま、まぁ否定はしないけど。あ、そうだ、ところでさ〜」
「必死で話変えようとするのね?」
自分の腹の内を言い当てられた小波は少し困惑したが、
話すべきこともあったのでなんのアクションもせず、続けた。
「昨日聖ちゃんがね。今日の練習後に付き合ってほしいって言ってきたんだ」
「ふぅん、聖がねぇ…」
「なんか俺に教わりたいことがある〜、って」
「…………」
「みずきちゃん?どしたの?」
「…あ。ううん、なんでも。へぇ〜…」
少し浮かない顔をしていたが、すぐにいつもの笑顔になる。
触れていいのか悪いのかわからない小波は
「うん。だから…みずきちゃんも一緒にやらない?」
やっぱりまだ聖ちゃんのことはよくわかんないからね、と付けたして。
だが、気に食わなかったのか、みずきはまた難しい表情をし始め
「…小波くんに教わりたいことがあるんでしょ。わたしは関係ないもん
 うん、関係ないから。だからちゃんと教えてあげなさいよねー!」
言ったとたんたまらなくなったのか、
手に持った棒っきれ(矢部君曰く精神注入棒。軍人かよ…)で
小波の身体を強打し、一目散に駆けていく。
「ちょ…みずきちゃん…痛い……ぐふ」
6無題:2006/07/25(火) 04:53:53 ID:ScFGzlZ6
その後よろけながら部活に参加した小波だが
大仙監督に遅刻したことについてたっぷり説教を受けて
フラフラになりつつ練習を開始する。
全体で少しウォーミングアップをして、メントレ、ストレッチなどをこなす。
それが終われば今日の練習が始まる。
「よしじゃあ、みんな集まってくれ!」
監督の笛の音と声に反応してグラウンドでストレッチを終えた部員達が集まる。
監督は全員集まったかどうか、見回してから今日のメニューを説明していく。
「今日一日は守備練習に当てたいとおもうぞ!
 ちなみにみんなにはそれぞれ別のポジションについてもらおう。
 それぞれ動きが異なってくるからな、そういう時の動きをみんなで練習したいと思う!」
これをやれば試合回しが、と言い出しはじめる。
こうなるともう手が付けられないのですかさず部員達が突っ込みを入れる。
「せんせー、じゃあポジションとか指名してくれるとうれしーです〜」
「おっと、そうだったな!よしじゃあ、座子崎、お前はサード…」
もともと部員数も少ない。
なのでポジションを変えて練習をするのはかなり効率がいい。試合でまわして使えるようになる。
程なく監督の指示が渡り、それぞれの守備位置に付く。
小波だけはショートを定位置にしたいという監督の意向か、ショートの守備位置に付く。
「(矢部君はランナー役か〜。
 ん?あ、聖ちゃんはファースト守ってるんだ。確かにどんな悪送球にも反応できそうだけどね)」
「ランナーファーストに置いたときの対応を頼むぞー!!
 いきなりは難しいだろうが、自分なりに考えて動いてみてくれ!じゃ、いくぞ!」
監督の掛け声に反応して、全員が打球に構える。
グラウンド内は緊張感に包まれるが、ファーストの聖ちゃんだけ少し落ち着かない感じだった。


別にいつもどおり。小波はいつもどおり、右方向へ打球が飛べばベースカバーに入るし、
左方向へ飛んだら自分の動ける範囲の球を捕球して二塁に送球する。
なんら問題もなかった…だが。
「ファースト!」キンッ
初めて聖のほうへ打球が飛ぶ。ぎこちない動きの聖は球を後逸。エラーしてしまった。
「……っ」
「おいおい、六道!気合がたらんぞ!!もう一度飛ばすぞ!!!」
「………」
コクリと頷く聖。キンッ。今度の打球は真正面。
小波はその間に二塁ベースカバーに入る。聖が今度は危なげなく捕球し、二塁に送球。
が、送球が高い。小波の頭上を越えていき、サードがカバー。
「……」
「六道、お前それでいいのか!今度やったら承知せんぞ!!」
「…すみません」
監督は連続のエラーに少しいきり立つがしばらくしてから
「…まぁいきなりファースト守るのも難しいだろうな」
と、一言フォローを入れる。
しかし今日の聖は少し緊張しすぎている。
「(どうしたんだろうな…)」
まさか。聖タチバナ学園守備の要、聖がここまで守備ミスを連発。
確かに慣れないファーストということもあるだろうが、小波は過剰に気にしていた。
「(あとで自主練するし。その時に聞いてみるか…って、あ。そういうことか…)」
「ショート!」キンッ
「え、あ、は、はい!…やばっ」
「小波、お前がトンネルするとは何事だ。気合がたらんぞ!」
「うう、すみませーん」
昨夜「先輩に色々教わりたい」といっていた意味が、小波にはなんとなく解った気がする。
7無題:2006/07/25(火) 04:54:33 ID:ScFGzlZ6
「じゃあ今日はここまで。
 来週の練習試合まで明日からこういう練習もしていくつもりだからな。
 自分なりに勉強なんかもしておいてくれ!じゃあ解散」
やっと終わったー、と言いながら帰り支度をする人。
当然のようにシャワーを浴びに行く人。他の部活の調子を見に行く人。
色々いるが、グラウンドに再び戻るって言う人は居ない。二人を除いて。
「小波先輩」
大体の人がグラウンドからいなくなったときに、聖から声がかかる。
「聖ちゃん、練習する?でも照明切れちゃうからなぁ…」
「監督に言われた。10時までなら良いみたいだぞ」
「え、そうなんだ?」
「守衛の人に言っておいてくれたみたいだ。10時までなら照明を付けてくれるらしい」
「根回し早いねー」
「…みずきがそうしてくれたみたいなんだがな」
「え、みずきちゃんが?へぇ、みずきちゃんには感謝しなきゃね」
その言葉に頷いた聖はファーストの守備位置につく。
小波もそれについていき、コーチボックスの中に立ってプロのコーチっぽく決めている。
「……先輩は馬鹿だな…」
「う、うるさい。んで、なんでまたファーストに?キャッチじゃないの?」
「……。今日は…」
少し俯いてから聖は少し話しだした。
「…ファーストでエラーしてしまった…。ちゃんとしなくちゃいけないのに…」
「……うん、確かに。トンネルもそうだけど、悪送球がね。
 位置的に目の前で見てたから…」
「………だろうな…。なぁ先輩。どうすればいいと思う?」
俯いた顔を上げ、聖は小波に食いつくように聞く。
「どうすれば送球が安定する?どうすればいいんだ?」
「…聖ちゃんさ」
小波は少し考えて、コーチボックスを外してキャッチャーボックスに歩いた。
「ここからいつも投げるよね、二塁まで」
「……」
照明に照らされた影が頷いたのを確認すると続けて
「ここから二塁は綺麗に投げられる。でもって、一塁から投げると悪送球…
 なんだ、力加減が出来てないだけじゃないの?」
「そんな簡単な…ことなのか?」
小波は聖に少し近づき、首をすくめながら
「さぁ?わからない。それは聖ちゃんの技術の問題だからね」
「……技術か…私はまだまだなんだな」
「そりゃ誰だっていきなりいいプレーが出来るわけじゃないから。
 俺だって今になってみればちゃんと守備できるけど、昔はへたくそだったんだよ」
「………」
「それに、ほら。みずきちゃんの…なんだっけ。うんちゃらムーンとかいうの。
 あれだって、はじめ聖ちゃんは捕球できなかったじゃない」
「…先輩は何が言いたいんだ?」
「あー…だから、そういう風に難しく考えないで。聖ちゃんはできる力は持ってるんだから。
 あとは自分への自信だけだよ。それだけで、ちゃんと出来るようになるから」
「…解った。でも、やっぱり自信ないからな…。どうも…」
「じゃあ、俺二塁に立つから、塁間でキャッチボールしよう。
 正確な送球ができてこその速い送球なわけだし、ね?」
「…ありがとう、先輩」
8無題:2006/07/25(火) 04:55:11 ID:ScFGzlZ6
二人グラブをつけ、胸元へキッチリと投げ合うだけ。ただそれだけの時間。
永遠に続くかのようなボールの投げ合い。パシ、パシ、という音がグラウンドにこだまする。
「…先輩」
ふと聖が声をかけてきた。
小波はボールを受け取ってしっかり握ると、聖の胸元にあるグラブをめがけて正確に投げ
「どうしたの、聖ちゃん」
「…いや…。…先輩は、みずきに私のこと…どこまで聞いたんだ?」
「ん〜…みずきちゃんと聖ちゃんの馴れ初めの話くらいかなー」
「中学時代の時のこと…か」
「そうそう。すんごい集中力だったんだってね。そのときの現場を見たかったなぁ」
「…なぁ、先輩。じゃあ、アイツのことはみずきに聞いたのか…?」
話が飛んだ、といえばいいんだろうか。急に聖は良くわからないことを言い出した。
「…アイツ?んー…名前いってもらわなきゃ解らないな。ん、でも…なんか話飛んでない?」
「解らなければいい……。そっか…知らないのか…」
ポツリと一つ呟いてまたボールを投げ返してくる。それを何度か繰り返した後に
「…私のな、中学時代…。好きな奴が居たんだ」
本当に小さな声で。聖は普段から小さな声だったのだが、それよりもっと小さな声。
かろうじて周りに音がするものがなかったので小波は聞き取れた。
「……。…うん、それで?」
この先は聞いていいのか悪いのか小波には解らなかったが、
聖ちゃんは二人だけの時にわざわざ言い出したんだ。
聞いてもらいたかったんだろうと思い、小波は聞き返した。
「一緒に野球やってたんだ…。私がキャッチャーで、彼はピッチャー。
 エースやってて、すごく優しくてかっこよかったんだ」
続けて
「高校時代も一緒にバッテリー組もうって話もしたんだけどな…。
 でも、近場の学校には私みたいに女が入れる野球部がなかったし、
 親元を離れるわけにもいかなかったから…。結局、それっきり会えずじまいだったんだ」
「…うん」
「でも、そんなときにみずきと出会って…。家から通えるこのタチバナ学園を紹介してもらって…。
 本当に嬉しかったんだ。また野球ができるって。はじめは戸惑ったけど、入学の日が近づくにつれてな」
こんなに話す聖は初めてみた。少し興奮気味なんだろうか、いつもより口調も激しくて。
なにより、聖の本当の気持ちがわかる気がした。
「…でもな、でも…。アイツは居なかったんだ…。タチバナに来て嬉しかったけど…寂しさもあった」
急に語調が大人しくなり、いつもより小さな声で、泣きそうな声で聖は続ける。
「…でも、アイツに似てる小波先輩に出会えた。あの日から、アイツの影を先輩に当てはめているんだ。
 それはアイツじゃなくて先輩なのに…。小波先輩なのにな…」
肩を揺らしながらすすり泣きはじめる聖。嗚咽交じりの声は小波の耳に痛く響いた。
「(聖ちゃん…。そっか…)」
「私は……先輩…をアイツだって……思って…」
「……じゃあ」
「…なに……先輩…?」
「俺は…俺はアイツじゃないだろ。それは聖ちゃんだって気づいてたんだろ」
小波は聖に近づきながら、自分の心にある気持ちを告げようと覚悟を決めた。
「俺はね、聖ちゃん。君の事が好きなんだ」
9無題:2006/07/25(火) 04:55:42 ID:ScFGzlZ6
「……っ」
「君が初めて入部した日。矢部君をコテンパンにしちゃって、何だコイツって思った」
一つ一つ、思い出を語るように話し始める小波。
「聖ちゃんとファミレスに行った日。甘い物を食べまくる君に圧倒された。すげえ!って思ったね」
「誕生日。みずきちゃんの計らいで色々やったけど…楽しかった。
 初めて会ったときみたいな、負の感情はなくなってて、聖ちゃんと仲良くしたくなった」
「…そんでもって…。うんちゃらムーンの出来た日。あの日が、そう。君の事が好きになった日だよ」
「友達を守る気持ち。みずきちゃんも言ってたよね。俺はそういうところに惹かれたんだ」
「…………でも、私は汚い子だ…」
だが小波は首を横に振り
「汚かったにしても…俺は聖ちゃんの優しさは十分に解ってると思う。うぬぼれかもしれないけどね。
 だって、今日自主練誘ったのって…元々やるつもりだったんでしょ、ファースト」
「え…っ」
「本当にキャッチャーを練習するんだったらみずきちゃん誘ったほうがいいのに。
 そこで内野の俺だからね。まぁ気づいたのは今日の練習中だったけどさ」
「それとこれがどういう…」
「だから、部員の少ないウチの部で、率先してサブポジの練習をするところ。
 周りのことに気を配ってないと出来ないことだと思うんだよね」
反論が来る前に大きく息を吸い込んで、あえて大きな声で言う。
「…だから、そんな聖ちゃんが俺は好き!友達としてじゃなく、女の子としてね」
「……っ!……先輩…」
「いいよ、別に。確かに聖ちゃんはその昔の友達を俺と重ねてるだけかもしれない。
 でも、俺は聖ちゃんを愛するから。ソイツにかなわなくても、ね」
ここまで勢いで言ったものの、途端に恥ずかしくなる小波。
でも、自分の気持ちを正直に話したんだから、後悔も何もない。
「………先輩」
聖は、いつの間にか目の前に立っている小波を見上げ、
「…接吻」
「へ?」
「な、なんども言わせるな…っ」
恥ずかしさと自分への罪悪感からか、見上げていた顔を伏せてしまう。
「…ちゅ、ちゅーとか言うやつ…してもいいぞ」
そうポソポソというと、今にも湯気が出るくらい顔が紅潮してしまい、
どうしようもなく胸が苦しくなってくる。
「…聖ちゃん……、俺、は、初めてだから…キス。痛くしたらごめんね…」
小波は腰を屈め、聖ちゃんの俯いた顔を覗き込むようにし、軽く唇にキスを落とした。
10無題:2006/07/25(火) 04:57:26 ID:ScFGzlZ6
どうしてこうなったんだろう。
小波にはよくわからなかった。お互い、興奮していて…あまり憶えていない。
ただ、しっかりと憶えているものがある。聖の唇。
そして今、小波の隣に、聖の体温。
あまりの脱力感に朦朧としていた記憶を呼び覚ましてみる…。

「先輩…今日、お父さんは本山に用があるって今日は帰ってこないみたいだ」
「…え、うん」
「先輩と…少しでも長い時間、一緒にいたいから…私の家に来てほしい」
「……あ、うん。わかった」
そんな風に言われて期待と不安で心が一杯になるが、
断ったら聖に悪い、と考えた小波は言われるままについていくことにした。
「先輩、私はシャワー浴びてくるからな…」
「うん、俺もそうするよ」
お互いにタオルを持って学校のシャワールームに向かう。
ただただ無言。聖は少し顔を赤らめて、チラチラと小波の様子を伺っているようだが。
「じゃあ、浴び終わったら校門で待ってるからね」
「あぁ…また後で」

汗をさっさと流して帰り支度をし、小波は校門で聖を待つ。
すると後ろから声がかかる。
「…聖は、小波くんになんて言ったの?」
声の主はみずきだった。
小波はいきなり声をかけられて驚いたが、声の主で判断し振り向くことはなく
「……どうだっていいでしょ」
「よくないわよ」
「そういうと思ったよ。…俺は彼女からは何も言われてない」
「…どういう意味?」
「俺が言ったんだ。俺は聖ちゃんが好きだから。だから愛してるって」
「ふぅん…」
ポケットに手を突っ込み、出したそれをみずきちゃんに差し出す。
三日月のペンダント。
「…元々。みずきちゃんだって自分の良いように俺を利用しただけだろう」
そう言って、最後に「文句は言わないでくれよ」と付け足した。
すると差し出したペンダントを素直に受け取り
「別に言わないわよ。確かに私と小波くんは表面上の恋人だったけどね…」
少し間を置いて
「でも、これだけは言わせて」
「聖まで泣かせたら…承知しないからね!」
やっぱり精神注入棒で思い切り小波を殴り、
みずきは鼻をすすると、そのまま走り去っていった。
誰かを好きになるっていうことは、痛みを知ることなんだろう。
フラれたほうも、フッたほうも。成就しても成就しなくても。
みずきの見せた涙は忘れない。きっと、忘れない。
すごい勢いで走り去っていくみずきの後姿が見えなくなったくらいに聖がやってきた。
開口一番。
「…先輩どうした。おデコが腫れてるぞ」
「さぁ…どっかでぶったかな。あははは…」
11無題:2006/07/25(火) 04:58:01 ID:ScFGzlZ6
「ここが…私の部屋だ…。少し待っててくれると嬉しい」
「うん、わかった」
みずきちゃんにご説教された後、二人合流して一緒に帰る。
手はお互い恥ずかしがって握れなかったが、きっと二人には見えないなにかで繋がれてた。
二人並ぶように歩いて、聖の家に着いた。
そして部屋に案内されて、ここで待ってろとのことだ。
「ふぅん、聖ちゃんらしいや。なーんもない。バットとミット…ボール……
 そんでもってなぜか中村(星)のサインボール…っ」
お世辞にも女の子らしい、とは思えない部屋で一人待つ。
「あー、母さんに電話しておかないとな」
ピピピ、プルルルルル
「あぁ、母さん?うん、俺。今日帰れそうもないんだよー、だから…うん。そう。
 今友達の家。うん、大丈夫。ちゃんと学校いくよ。ごめんね、ご飯。ううん、ありがと。それじゃ」
どちらかというと放任的な親で良かったと今素直に思った。でも問題があった。
「っていうか!俺何泊まること前提で話してたんだー?!」
「…うるさいぞ、先輩……」
「えっ」
そこには聖ちゃんが立っていた。お茶を持ってきてくれたらしい。
「あ、あはは…聖ちゃんはいつも突然現れるよなぁ…ビックリしたよ」
「騒ぎすぎだぞ、小波先輩。ところで、パワ堂のきんつばだ。美味しいぞ」
お盆に載せられたそれらをちゃぶ台の上に静かに置いて
「どうぞだ」
と少し会釈しつつ差し出された。
つられて小波も軽く会釈をして、湯気の立つ美味しそうなお茶を口につける。
「…美味しいか、先輩?」
「うん、お茶の味はよくわかんないけど…聖ちゃんが淹れてくれたってだけで美味しいよ」
テレもなく、そんなことを言うと聖の顔は途端に真っ赤になり、
「…ゆ、夕食の準備をしてくるからな…ま、待っててくれ。あ、テレビみてていいからなっ」
と、まくし立てるように言って台所に駆けていった。
「あはは…。しかし、これんまいな」
やっぱりお菓子はパワ堂がオススメみたいだ。
12無題:2006/07/25(火) 04:58:53 ID:ScFGzlZ6
適当に夕食も食べ終わり、テレビもくだらない番組がやりだしたところで聖は電源を切る。
「…最近は大福の腐ったような番組しかやっていない」
しみじみといいながらお茶をすする。
「うん、そうだねー…」
なにか居心地が悪いのか?いや、違う。何かに期待しすぎてる。
期待しすぎて心臓がバックバックなってる。
まるで女の子のスカートの中を偶然見てしまったかのような動悸の高鳴り。
そんな俺に聖ちゃんは気づいたのか
「なぁ…先輩」
「…な、なに?」
「もう一回…接吻、するか?」
「ぶっ!ゲホゲホっ!…あ、あぁ…?えっと…」
「………」
聖は目をつぶって小波を待つ。
「…じゃあ、するからね」
頷いたのを確認してから、聖の隣に座り肩を掴んでキスをする。
永遠とも思える時間。先ほどのように軽いキスじゃない。それで終わらせるつもりは、ない。
聖の唇を味わい続けた小波は、先に進もうかと、舌を差し出す。
驚いた聖は目を見開くが、覚悟したのかまた目をつぶり小波の進入を許す。
ぴちゃ…
聖の舌と小波の舌が重なり合い、なんとも言い難い音がする。
…ちゅ……ちゅぷ…
所詮お互いキスすらしたことのない。
聖にいたってはそういう行為をすること自体、知っていたのだろうか。
小波の舌を必死で吸おうとしているが、上手くいかない。
小波は小波で、エッチなビデオやエッチな本、ゲームで知った情報のみを信じ、
ただ舌と舌を絡め合い、お互いの唾液を混ぜ合わせるだけのキス。
でもそのたどたどしいディープキスにも、小波のアレは急激に勃起し、
スラックスの中でところ狭しに自分を主張している。
「……ちゅ…はぁ…」
小波が舌を引き抜いて、唇を離すと聖はおねだりするかのような表情ですがる。
はじめての事なのに、熱に浮かされたような気分になり、胸が熱くなる。
その熱さをもっと感じていたいのか…聖の瞳は小波を見つめ続ける。
「…聖ちゃん……これ、すごいエッチだね…」
「……うん…もっと、して。もっとしてほしいぞ…」
「ふふ…ごめんね。俺はこれだけじゃ我慢できない…みたいなんだ」
13無題:2006/07/25(火) 04:59:26 ID:ScFGzlZ6
小波は照れくさそうに自分の勃起したアレに目線を落とした。
聖も小波の目線の先を見つめ
「先輩の…こんなにおっきくなってるぞ…制服の上からでもわかるな…」
そういうと、スラックスの上からではあるが、手を這わせてきた。
「…知ってるぞ…。ここをスリスリすると…気持ちいいんだって」
ぎこちなかったが、自分の手じゃない。他人の手で触られると背筋がゾクゾクとなる。
気持ちいいけど、あらわになったものを握ってしてもらう程の快楽ではない。
だが、今の小波にはそれだけでも十分気持ちよかった。ずっと味わっていたかった。
「先輩…息が荒くなってるな…。そんなに…私の手は、気持ちいいのかな…?」
「うん、とてもね…。聖ちゃんの手だけで、俺、イけちゃうかもね…っ」
「イっても…いいから……」
そう許可すると、先ほどより少しこする速度を上げ、強く激しくなってくる。
「っ…だめ、聖ちゃんっ……ダメだってば…」
小波は聖の手を制止し、立ち上がるとカチャカチャとベルトを外す。
「…パンツとか汚れちゃうよ。替えないんだし」
苦笑いしつつそう言うが、聖は納得いかないのか、勢いで小波をベッドに押し倒す。
「っ!?…ひ、聖ちゃん……?」
「小波先輩は…そのままでいいんだ……私に、やらせろ…」
「え、でも…んっ」
小波の反論を封じこめる為にキスをする。こんな積極的な聖は初めてだ。
いや、元々こういう子だったんだろうか…?
「私はな…ずっと、ずっと…。先輩を想ってしてた…んだと思う…」
そう言いながらスラックスのジッパーを下げ
「確かに…アイツの影と重ねていたけど…でもな…。先輩のことが好き…だから…
 先輩が言ったように似てるけど、同じ人間じゃないって解っていたところもある…んだ…」
スラックスの中に手をいれ、トランクスのボタンを外す。
すると今まで狭いところに入れられていた小波のアレが、天井に向けて勢いよく飛び出した。
「お…っきい……」
「ひ、聖ちゃん…」
外気に触れて、少し気持ちいい。
その小波のアレは、脈を打ちながら聖の前にさらけ出され、更にそそり立つ。
「先輩のコレ…先から変なのが出てるぞ…。気持ちよかったんだな…」
そういうとギュっと握りしめる。力加減がイマイチ解っていないのか、
鍛えられた握力によって、小波の背筋に快楽の渦が走り抜ける。
「あっ…す、すまない…。もうちょっと…力抜くことにする…」
バットを握るような力じゃなく、少し力をセーブしたような感じで握り締め、
それを上下にこするようにしてみせる。
「……あっ…ひ、ひじりちゃん…っ……はっ…」
いつも一人でするのならこんな声は出ないのに…
初めて出てしまったあえぎ声が聞いて、小波は少し罪悪感に苛まれるが
「先輩…すごくかわいいぞ…。いつもは…頼り甲斐があるけど…」
艶かしい笑みを浮かべた聖はこう続けた。
「こういう先輩…悪くない……」
14無題:2006/07/25(火) 04:59:59 ID:ScFGzlZ6
もう、小波に成すすべはない。
ただ聖の愛撫で打ち寄せてくる快楽の波に呑まれるまま。
聖は聖でだいぶ興奮気味に小波のアレの様子を観察しつつ、弄ぶ。
先走りがトロトロと流れ出る亀頭の先を人差し指でクリクリと弄ったり、
アレの裏側にあるスジを親指でグリグリと押しつぶしたり…。
「(ま、まるで…あっち方面の職業の方みたいだよ、聖ちゃん…っ)」
多分そんなことを口で言ってしまえば聖も流石に傷つくだろう。
今はただこの快楽に身を任せるだけでいい。
そして、聖に自分の射精の瞬間を見てもらいたい。
「先輩…本当に我慢…しなくていいぞ?…私は、先輩の気持ちよくなってるところ、見たい」
この一言がまずかった。男としてのプライドがすべて砕け散った。
小波はストッパーをかけていたが、それを外すかのように聖に言う。
「…はぁっ…じゃ、じゃあひじり…ちゃん…っ…。激しく…上下っ…あっ!」
「え、せんぱ…わ、わかったぞ…」
意図が通じたのか、聖は小波のアレを力強く、そして素早く上下にしごき上げた。
その瞬間。
小波の怒張したアレから白く濁った液体が放たれる。そして聖の手を、顔を、髪を汚していく。
「先輩の…いっぱい、でたぞ…。すごい…匂いだな…」
「あっ、聖ちゃん、ごめん!顔にかけるつもりなかったし、それに…制服…」
「…いい。先輩のだから…我慢できる…」
そう言うと手についた精液を舐め、顔や髪についたのをバックの中の手鏡で見て、指で掬い取っていく。
その指をそのままくわえると、味わうようにして飲み込む。
「ん…コクン。……味はよくわからないな…甘くないのか…」
ちょっと残念そうな顔をする聖に小波はデコピンを食らわして
「そんなわけないじゃないかよっ」
と、小波は顔を真っ赤にしつつ突っ込みをいれる。
聖もそれが少しおかしかったのか、少し噴き出していた。
15無題:2006/07/25(火) 05:01:06 ID:ScFGzlZ6
「先輩…」
ひとしきり笑い終えた小波たちは、お互いの身体を摺り寄せるようにしてベッドの上に寝転んでいた。
そんな時聖ちゃんは、また一つ話しだした。
「先輩、私…さっきグラウンドで…汚い子だっていっただろう」
「あぁ、言ってたね」
「先輩にだったら話せる…。私は……。先輩で、その…え、えっちなこと…」
ここまで言うと、俺の胸に顔を押し付けて、黙ってしまう。
小波にも何をしてたかなんて容易に想像がついた。
だからこそ、聖が愛しくて抱きしめたくなる。
「…本当は言いたくなかった…でもな、先輩が私の前で…イってくれたから…」
「うん、聖ちゃんに見てもらいたかったから。俺のイくところ、ね」
小波は聖の髪飾りを優しく外してあげ、指で髪を梳いてあげる。
普段は見れない聖の髪をおろした姿。小波の胸の中に「自分だけの聖」が居る。
そう考えただけで胸が苦しくなってくる。それを抑えるために、必死に抱きしめた。
「…先輩……わ、私のこと…こんな汚れてるのに…好きって言ってくれるのか…?」
「それはちょっと卑怯なんじゃないかな?」
苦笑いしながら小波はいい、そして続ける。
「どんな聖ちゃんでも好きだよ。だから…もっと色んな聖ちゃんが知りたいんだ」
「小波先輩…!?」
身体をお互いに摺り寄せていたのだが、どちらかと言えば聖が上に乗っていた。
小波は力を入れて、体勢を逆転させる。
聖の上に覆いかぶさるようにして、逃がさない。
「…もっと知りたいんだ…だから、見せてくれるよね?」
答えを聞く前に、聖の唇を奪う。
今日二度目のディープキス。粘っこい液体の音が聖の部屋にこだまする。
「…ちゅ……んぁ…。卑怯だぞ…小波先輩…」
「あはは、ごめんね。俺はこうやることしかできないから…」
そう言うと、聖のブレザーのボタンを外す。ネクタイも。
それらを聖の協力もあり、完全に脱がすとYシャツとミニスカートのみの姿の聖が目の前に映る。
普段、ブレザーやらネクタイやらをしているので、そこまで興奮するような制服でもない。
だが、いざYシャツにミニスカートのみの女の子を見ると、見慣れてないせいか興奮してくる。
16無題:2006/07/25(火) 05:01:40 ID:ScFGzlZ6
「Yシャツは…脱がなくていいのか、先輩…」
「俺はこのままのほうが…燃えるかも」
「先輩ってやっぱりえっち…だな」
聖の言葉がちょっぴり痛かったけど、小波は気にしない素振りをして、
Yシャツごしの小さな聖の胸に手を這わせる。
「せ、せんぱい…いきなり……驚く…ぞ……んっ」
加減が解らない。ブラはしてるだろうから…強く押したほうがいいんだろうか?
小波の頭はもうほぼパンク寸前だったが
「先輩…強い……いたっ…いぞ…」
「あっ、ごめん!うん、そだよね…ごめん!」
「ちょっと…まっててほしい…」
起き上がる素振りを見せたので、一時的にどくことにする。
聖はYシャツ裾から背中に手を回し、ブラを外すと枕元にチョコンと置く。
「先輩はえっちだから…Yシャツがいいなら…」
そう言いながら、また横になる。
「先輩の…好きにしてほしい…それが一番嬉しいから……」
頬をほんのり赤く染めて、聖は小波にそう伝える。
小波は先ほどの自分の不甲斐なさに少々自己嫌悪に陥ったが、聖の気遣いに救われる。
今度は優しく、聖が気持ちよくなるように、ゆっくりとまわす様にして触る。
「……っ…はぁ……せんぱい…せんぱい……」
聖の口から喘ぎにも似た声をようやく聞くことができ、小波は少し安堵した。
そしてなんとなく要領も覚えはじめ、段々と聖の吐息が荒くなってくる。
「んっ…は……こすれて…ダメになっちゃう…ぞ…んんっ…!」
「…ここ、硬くなってるね…?」
Yシャツの上からでも解る。聖の二つの胸のテッペンにツンと勃起したものがある。
小波は先ほどのお返しと言わんばかりに、聖の耳元でこう囁く。
「聖ちゃん…ここ、なんていうの?」
その勃起したモノを指先で摘んで、聞いてみた。
「ひゃぅっ…だめっ!せんぱ…あっあっ……い、いえな…ぃ…」
「でも、言わないとわからないな…。俺は聖ちゃんのこと全部知りたいのに…」
ちょっといじわるかな、と少し思った小波だが、これがたまらない。
恥ずかしそうに目を背ける聖の表情に、本当にたまらなくなってくる。
「ち…くび…だぞ」
「はい、よく言えました」
答えを言った聖は本当に恥ずかしさのあまりに小さくなってしまったが、
勃起したそれをこすりあげればちゃんと反応してくれる。
17無題:2006/07/25(火) 05:02:13 ID:ScFGzlZ6
「Yシャツのボタン外すからね…いい?」
「う、うん…いいぞ…」
ちゃんと返事を確認してから、わざわざ下から外していく。
そして最後の一個。プチンと外して、胸元をはだけさせる。
お世辞にも大きいとはいえないが、綺麗な形をした二つの胸。
そして綺麗なピンク色の乳首。見事な部活焼けで、腕などはよく焼けている。
でも服の下はどうだろう。こんなにも綺麗な白い肌。
そんな不恰好なところも聖の魅力だし。それが好きだから。
小波はそう思うと、まず聖を抱きしめ、また寝かせて胸を弄る。
「先輩…私の胸、ちっちゃいぞ……んっ…あっぁ…」
「でも、俺は聖ちゃんの胸が好きだから。だから…」
そう言って、片方の乳首に吸い付く。
歯で甘噛みしてみたり、思い切り吸ってみたり、舌で転がしてみたり。
そのたびに聖は反応してくれる。そんなところが嬉しくて仕方ない。
「あっ…はぁ…せんぱ……わ、わたしっ…んっ……」
「ちゅ…ちゅく……ん…?どうしたの?」
「はぁ…はぁ……。せんぱい…もう、だめだ……。し、したも…触ってほしい…」
もう我慢が出来ないみたいだ。聖は肩で呼吸しながら、股をモジモジとしている。
切ない。きっとこの言葉が聖の頭の中をめぐっているんだろう。
恥ずかしいからいえないけど、いわなきゃ進まないかもしれないと。
そして言わせてしまった。
やはり自分ががリードしてあげなきゃいけない。
そんな考えが小波の頭に浮かんだ。なら、俺のほうが大人にならなきゃいけない。
それをしてあげてこそ、聖が一番気持ちよくなれるのだから。
「解った。じゃあ聖ちゃん、少し、開いてくれるかな?」
小波の言葉に頷いて、聖は少しづつ股を開いていく。
白。
聖らしいと思った小波はしばらくその白い布切れを眺めていたが、その上に、指をのせてみる。
湿っぽい。いや、湿ってる。中指の腹で押し込むようにすると、白い布に染みが広がる。
「聖ちゃんのここ、一杯濡れちゃってる…。気持ちいいのかな?」
耳元で囁きながら、中指で聖のアソコの形をなぞる様にして愛撫する。
「…っ……んんっ…ぁ……」
「もっと声出して…」
「せんぱぃ…わ、わたし……き、きもちぃぃ、ぞ…んぁぁっ」
小波は聖の感じてる姿を見ると、先ほど出したばかりのアレがまた膨らんでくる。
聖の中に入れたい。そんな考えが駆け巡る。
小波は手で、聖の白いショーツを脱がそうと思い、中に進入させる。
「…あっ!…せ、せんぱい!だ、だめだぞ…」
「聖ちゃん…腰、あげて。聖ちゃんを…見たいから」
必死で顔を横に振る聖だったが、小波の手はショーツの中に入っている。
小波の指が、聖のアソコに触れた途端に観念したかのように腰をあげる。
18無題:2006/07/25(火) 05:04:55 ID:ScFGzlZ6
「うん…じゃあ、脱がすから」
小波はそう言うと、手を少しズラすと、一気に剥ぎ取る。
聖のアソコは、少し薄い産毛に包まれて、そこにいた。
「(聖ちゃんの…アソコ…)」
小波はたまらなくなり、顔を聖の股に近づけるが
「せんぱ…い……見ちゃ、やだ…ぞ…」
だけど、そう言われても我慢は出来ない。小波は何も考えず、ただそこを見入る。
薄い産毛。少し開らかれた聖のアソコ。そこから溢れる聖の蜜。
小波は目の前のモノを指でなぞり、蜜を掬い上げてみる。
ツゥー、と糸を引きながら…そして、ちぎれる。
小波は指に付いたそれを口に含むと、ほのかな酸味が口の中に広がっていく。
聖の味がする。自分の愛撫で聖が感じてくれた証拠。
「…すっぱい」
「…っ!!」
「でも、こんなに感じてくれてるから…嬉しいよ」
「せ、先輩がいけないんだぞ……ばか…」
小波は優しい笑みを浮かべ、聖のアソコに指を少しずつ挿入していく。
ゆっくり、指でほぐしながらいれていく。
十分に濡れていたのか、そこまで痛みも見せずに指が吸い込まれていく。
「はぁぁっ!!…んっ……せんぱ…、だ、だめ…っんっあぁっ」
じわりじわりと聖のアソコから蜜が零れ落ち、シーツと制服のスカートを濡らしていく。
もういいだろうか?小波のアレも、もう耐えられないくらいに膨れ上がっている。
「聖ちゃん…いれる……から…。力抜いて…?」
挿入する、と告げた小波の言葉に少し身体を強張らせる聖。
力を抜こうにも、初めてするのだ。そんなこと、緊張してできるはずがない。
そもそも抜き方なんて解るわけがない。
「…それじゃ痛いよ…?大丈夫なの…?」
「ち、力抜こうにも…やりかたが……」
「そっか…」
そんな時、小波の頭に一つのビデオの内容が思い浮かんだ。
アナルセックスモノのビデオだったのだが…。
実はこのビデオ、女優は素人のOLが出演しており、しかもアナルは処女。
男優に初めてのアナルを奪われてしまうという内容のモノなのだ。
そのときに、男優はこう言っていた。
「入れられた時に、大きく腹式呼吸するとすんなり入るよ」と。
要は深呼吸をしろ、ということだったのだ。
小波はそのことを思い出し、早速聖に同じように教える。
「…わかった……」
19無題:2006/07/25(火) 05:05:38 ID:ScFGzlZ6
それでも初めてなのだから痛いだろう。
でも、少しでもその痛みを和らげてくれるものなら、それでいい。
聖の足を先ほどより少し広く開かせると、小波はそこに腰を沈めていく。
「じゃあ、聖ちゃん…俺、いれるからね」
「い、いいぞ…きてほしい……」
よく、初めての人はどこに入れればいいのかわからなくなる。
だが小波は違った。元々読書も好きなのか知らないが、
そういった類の本は穴が開くくらいに読み返す。
なので、初めての人にしては知識があり、すんなりと入れるべき場所を発見する。
そして、ゆっくりと腰を沈める。
「ひゃっ!?…あっ、せんぱいのがっ…はぁ……」
「ゆっくり、いれていくからね…。痛かったら、とめるから…言ってね」
「うんっ…あっ!あぁぁ…先輩のがぁ…どんどん…」
ゆっくりと沈めてゆき、ついに根元までいれてしまう。
「はぁ……はぁ……。先輩の…全部入っちゃったのか…?」
「うん…。聖ちゃんの中…っいれちゃった…っ!はぁ…」
聖が呼吸するたびに縮み上がって、絞まってくる。
入れているだけで、動きを伴わずイけてしまえそうな快感が襲ってくる。
「大丈夫…痛くない…?」
「…うん…。もう、大丈夫だぞ……」
確かに、自分のアレを見やると、聖のアソコから血のようなものは流れ出ていない。
いわゆる処女膜というのがあると小波は思っていた。
しかし、聖のようにスポーツをよくする人にはよくあることで、
スポーツをしている間に破れてしまっていた、というわけだ。
確かにシーツを赤く染めてしまうよりはよかったかもしれない。
でも、やっぱり物足りないと思ったのか、小波はすこしガッカリするが
「…先輩……動いてほしい…先輩の愛が欲しい……」
聖のそのなんとも言えない表情で、そう哀願されればなんてことはない。
小波は優しく、優しく、と思いつつ、腰を動かし始める。
「あっ…あっ!あんっ…先輩…っせんぱぁい…っっ」
聖の喘ぎ声。小波の腰はゆっくりと優しく聖を突き上げていく。
はじめの内は不慣れだったが、段々とこうすれば自分も良くなれる、という事に気づく。
聖を傷つけないように優しく動かしていたが、その快楽をもっと欲しくなる。
すると小波は気づいていない内に、どんどん快楽を貪るかのように腰を打ちつけていく。
「せんぱ……つっ……んっ、んぁあっ!」
「ひじりちゃんっ…くっ…ぅ!はぁ…はぁ…っ……きもち、いいっ!」
「あっ、あっ…だめ、せんぱいだめ!…は、はぁっ…んぅ……」
聖のその喘ぎ声も相まって、小波の射精感が次第に高まってくる。
するとどうだろうか。聖の方も、小波のその荒っぽい動きに痛みを感じていたが、
少しずつではあるが、快楽に変わってくる。
「せんぱい…やっ……もう…はぁ……あ、あぁっ…気持ち…いいよぉ……っ!」
「ひじり…ちゃん……俺も、気持ちいい…っ……イっちゃいそう…かも…っ」
「いいぞっ、キて…っ…。私の中に…キてほしいっ」
そう聖に言われて、タガが外れたように。怒り狂った獣のように腰を動かす。
最後の一瞬まで、快楽を貪るかのように、早く激しく。
次の瞬間。
「っ…!あっ、イく、イくよっ…!!」
小波の頭が真っ白い霧のようなものに包まれる。
そしてその瞬間に、聖の中に小波の精液がそそぎ込まれていく。
「先輩…私も……イく…っ、あっ!だめ!イっちゃう…っ!…あ、あっあぁぁっ!」
少しの間を置いて、聖も果ててしまった。
20無題:2006/07/25(火) 05:06:15 ID:ScFGzlZ6
そうだ、自分と聖は繋がったんだ…。
そう思い出した小波は、隣でちょっとヨダレをたらして寝ている女の子の髪を撫で、
「愛してるよ…聖……」
横顔に、優しくキスをした。


ジリリリリリリリリ!!!
まぶしい。うるさい。まだねむい。最悪の目覚めのような気がした。
「なんだよ〜、うるさいなぁ…。んなー!?」
遅刻。ご飯食べて、朝のニュース見て、なんて呑気なことしてられない。
遅刻魔、小波はベッドから飛び起きて、急いで身支度をした。

「母さん!なんで起こしてくんなかったんだよー!?」
「アラ?知らないわよ。あとちょっと〜、って言ってたのはどこのバカ息子なんだか」
「くっそおお!こんなことなら早く寝れば良かったよー!じゃ、いってきまーす!!」
小波は弁当と野球道具一式の入ったバックを担ぎ上げると、大急ぎで家を出た。
「まったく…新学期の初日くらいちゃんといけないのかねぇ、あの子は」

キーンコーンカーンコーン
「ま、間に合った…っ」
「また時間ギリギリでやんすねぇ、小波君は…」
「あはは…まぁ…間に合ったなら1時間前もギリギリも変わらないさ…!」
などとカッコつけながら、自分の席につく。
今日から小波や矢部は2年生。矢部とは1年生の時と同じクラスだった。
そんなことより、今日は部活にも新入生が来るというわけだ。
元々寄せ集めの部だったので、自分達含め、正規の部員が増える。
必死に部員をかき集めようと1年生の頃の自分は必死に動き回っていた。
だからこそ、昨日はワクワクしすぎて夜眠れなかったのだが…。

放課後。野球部グラウンド。
小波や矢部。先輩の大鼓先輩。
その他、寄せ集めの部員達がキャッチボールなどをして汗を流している。
「よーし、じゃあみんな!今日は新入部員がいるから、集まってくれ!」
監督の声がすると、適当に散らばっていた部員達が監督の前に整列する。
監督の少し後ろあたりに新入部員だろうか。5人程並んで立っている。
「じゃあ、新入部員のみんな。先輩に挨拶をしてくれ!」
「バス停前中学から来ました、座子崎座子太です!」
程なく自己紹介が終わっていき、最後の一人になった。
珍しい…訳でもないが、やっぱり珍しい。女の子がそこに居るのだ。
確かに女性選手は最近珍しくはなくなってきているが、やはり異彩を放っていた。
というか、小波にはその女の子をどこかで見た気がした。
どこだったか覚えてはいない…。でも、確かに見覚えがある。
「六道聖だ。よろしくおねがいしたいぞ」
21名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 05:07:54 ID:ScFGzlZ6
これで俺の妄想は終わりだぞ!
くそー、やっぱ初めて投下するのは恥ずかしい。
でもなんか朝っぱらからこんな清々しい気分になれたからいいとするw

これからもなんかネタが浮かべば書くかもしれないんでよろしく!
ではお休みノシ
22名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 06:15:55 ID:Xy+NxTBp
なんつーか…こういうのを書かれると、凡なる職人は後が非常に書きにくい。
別に上手いって意味ではなく、むしろその逆。
まあご丁寧にも聖たんの関連要素を逐一箇条書きみたくダラリと紹介してくれといて、あろうことか夢オチ。
それで文章が上手いのなら納得もできるが、まったく未熟な文体(冒頭部、3行で「シャワールーム」3回使ってるが、ワザとなんだろうか?)、
お約束な話の流れ、どこかで読んだようなパラレル展開。
主人公×聖たんで真面目に慎重に小説を書こうとしてた職人がもしいたら、かなり気の毒だよ。
ネタっていうのは早い者勝ちで、そのネタをどう仕上げるかはただ職人一己の腕次第なんだけどさ。
「冗談じゃないこんなコテコテのSSなら俺は私はいつだって書けるのに!」と叫んでいる凡なる職人さんが何人かいそうだ。
才ある職人さんがいれば、苦笑するだけで別にどうってことなく、もっとスバラシイSSを書いてくれるとは思うけども。

>>21
他の人がよく使いそうな食材は、調味料かけただけで出すのではなく、自分なりに料理することを考えよう。
それから、不注意なのか書きたくなったのか、聖たん側の感覚が唐突に飛び出してる。主体が代わるという合図をすべき。
また、空白行が入るときには、投下レスが変わったとしても冒頭あるいはレス末にちゃんと入れないと、読むこちらは前のレスと繋がっているものと思ってしまう。
甚だ簡単ではあるけど、漏れが言えるのはこれだけだ。ああ、あと、スレ立て乙!よくやった!

んじゃティッシュがなくてトイレットペーパーで拭いたらベチャベチャ貼っついちまったので、シャワー浴びてくる。
23名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 10:22:39 ID:NqewbqXC
>>21
久々にいいSSを見せてもらったGJ
24名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 10:49:46 ID:9Dpr/Ff/
前スレキャリーオーバーになってたのか
つーかささやき破り編わらけすぎて腹が痛いですw

>(なんだよテロ朝、台湾名物、持ち逃げ・ひったくり・くじ泥棒って……台湾人がセコい人種みたいじゃないか……オマケに犬は缶に首をつっこんでるし)
>いや、ちがう意味での雪辱に燃えていた。ともかく雪辱に燃えていた。
衝撃映像スペシャルですね。ってか野球関係ねえw

>ライトに巨人の堀田は居ない
ゲキワロタwwwwwww

>それともみんなTDNやTNOKのような人間だったのか。
まさか谷岡様の名前をこのスレで見ることになるとは、たまげたなぁ。
25名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 10:59:49 ID:c0+XCjaZ
>>22
はっきりしろよお前
26名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 11:24:22 ID:SaRB9WxI
>>22
まぁ君の文章見てるとちゃんとアドバイスしてるし、
単なる煽りではないんだろうとは思うが、文章の端々に刺々しさが感じられるぞ。
批評ってのは難しいもんなんだ。もう少し言い方考えんと叩きになりかねんぞ


>>21
GJ!
まぁ夢オチにはびっくりしたが、話自体は俺は好きだった
20レス近い長文オツカレ!
27名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 11:25:16 ID:5koLPsHi
前スレをあんな形で埋めなきゃGJだった。
容量500kb超えると書き込めなくなるので以後注意。
28前スレ930:2006/07/25(火) 11:49:10 ID:11vhgCjF
>>21
GJ!!
野球部分もエロ部分もしっかりしててイイ感じです!!
29名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 12:30:24 ID:slthlWJn
前スレが急に止まったから何事かと思ったぞw

>>21 丁寧に書かれていて良いと思います、パワプロへの愛が伝わりました。
   >>22のレスは結構辛辣ですけどその裏を読んで今後の励みにしてください、
   彼もきちんと読んでくれているということですよw

そして>>1乙!
301:2006/07/25(火) 13:40:19 ID:ScFGzlZ6
あれだ、まだ文章ヘタレてるのは自分でも承知してる。
でもみんな読んでくれてありがとう
色々本とかエロ本とか読んで修行するお^ω^


あと前スレはすまんかった。正直すまんかった
要領オーバーなんていう単語をスッカリ忘れてた…スマソ

↓じゃ、いつもどおりにやってくれい!
31名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:00:39 ID:P1JyfvWZ
このスレで書くのは初めてだけど挑戦してみた。
最終的には主人公×みずきの予定。
長くなりそうなんですが、序盤のほうだけ投下します。


『Moon Night Lullaby』

1st Inning

ライトイエローのユニフォームに身を包み、自分に足りないスタミナをつけるためにランニングを行う。
オレは田上修二(たがみしゅうじ)。聖タチバナ学園の二年生で野球部のエース。
プロ野球選手の兄を持ち、オレもそんな兄と共に野球漬けの毎日を送ってきた。
今まで、ホントのところ野球以外のことで悩んだことはなかったのだが、今日は少し違った。

「田上くん、今日は練習のあと、ちょっと残ってくれない?」
練習中、オレに話しかけてきたのは女子ながら投手である、橘みずき。大好きな野球をやるために、表面上、彼女はオレの婚約者と偽っている。
「いいけど……例の変化球の練習?」
「ううん。ちょっとね、田上くんに大事な話があるの」
「ふぅん、わかった」
オレは、なんだかはっきりとしないみずきちゃんに、返事を返すと、グラウンドへ投げ込みに戻った。

そして日も暮れた頃、オレは忘れ物をしたと言って、いつも一緒に帰っている矢部くんを先に帰らせた。
もちろん、忘れ物などしていない。みずきちゃんに会いに行くため。
「みずきちゃん、いいかな?」
部室の明かりを見つけると、オレはドア越しに中の彼女に問いかけた。
32名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:02:16 ID:P1JyfvWZ
「待ってて、まだ……着替え中っ」
今日のみずきちゃんは、いつになく真剣なのか、いつものように、オレをからかうような雰囲気が感じられない。
「じゃあ、話ならここで聞くよ」
オレは部室のドアを背に寄りかかり、その場に腰を降ろした。
「うん。ねぇ……田上くん、私ね」
みずきちゃんはゆっくりと口を開いた。

――田上くんのこと、ホントに好き。

オレは耳を疑った。驚きからか、何も言葉が出なかった。
「いつも、気づいたら田上くんのこと……考えてて」
「や、やめてよ。いつもみたいに、オレをからかってるんでしょ?」
オレは立ち上がり、帰ろうと、その場から逃げようとした。
荷物を抱えた際に物音が聴こえて気がついたのか、みずきちゃんが扉を開けて、走って行くオレの背に向かって叫んだ。
「嘘じゃない! ちゃんと、最後まで聞いてよ!」
「その……ゴメン」
オレは、小さくつぶやくと、駆け足でその場を逃げ出した。どうしていいか、全くわからなかった。
33名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:04:32 ID:P1JyfvWZ

空には綺麗な三日月が輝いていた。でも、月明かりに照らされて帰った家路はいつもより暗く感じた。
「ただいま、って誰もいないか」
「おかえりっ」
リビングから、オレのよく知ってる声が聴こえた。
「兄貴……帰ってたんだ」
オレの兄、頑張パワフルズの田上一樹(たがみかずき)と言えば、意外と有名な外野手。普段は寮生活をしているため家にいることは少ない。
「軽く肘痛めてさ、今は休養中。来週には復帰かな」
兄貴はテレビで野球中継を見ながら、烏龍茶を片手にくつろいでいる。
「仲間が試合してるのをテレビで見るなんて、変な気分だな」
兄貴は、笑いながら久しぶりにあったオレに楽しそうに話しかける。
「……兄貴ぃ」
「ど、どうした?」
オレは、他に頼れる人間もいない。兄貴だけが唯一の救いだった。
オレは、兄貴に今日あった出来事をすべて話した。

「まぁ……いろいろあるだろうけど」
兄貴は難しい顔をして、ポケットから携帯を取り出した。
「オレはそういうのわからないし。いい相談相手って言ったら……ちょっと待ってて」
携帯のボタンを押すと、兄貴は誰かに電話をかけた。
「あ、もしもし……あおいちゃん?」
あおいって……早川あおい選手?
34名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:06:58 ID:P1JyfvWZ
「明日、予定開いてる?」
兄貴はそのまま、あおい選手(?)と会話している。
「は、デート? 違う違う。弟がちょっと困っててさ。うん、ありがとう」
そう言って兄貴は電話を切った。えらく親しげに話していたのが驚いた。
「明日はデイゲームだし、夜なら会えるってさ」
「いいよ。あおいさんみたいなスター選手に……迷惑かけたくないし」
「大丈夫! オレはあおいちゃんとは仲いいからさ」
なんか、すっごい不安だった。


翌日。気まずいとは思いながら、オレは学校へ向かった。
とりあえず、みずきちゃんには会いたい気分ではなかった。
まだ、気持ちの整理がついてないから。
「あ……田上、くん」
「みずき……ちゃん」
言ってるそばから、会ってしまった。
「昨日は」
「……ゴメン、今は……話したくない」
「…………」
みずきちゃんは、やはり落ち込んでいるようだった。
なんなんだろう。この自分の情けなさは。このモヤモヤとした気持ちは。
35名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:07:59 ID:P1JyfvWZ

放課後、部活の始まり。グラウンドにみずきちゃんの姿はなかった。
「田上くん、元気ないでやんす……オイラでよければ力になるでやんすよ」
矢部くんが、オレを気遣うように語りかけた。眼鏡でよく見えないが、心配そうな表情をしている。……と思う。
「ありがとう、矢部くん」
ピッチャー用のマイグラブを左手に付け、オレはブルペンへ向かった。
「聖ちゃん、受けてもらえるかな」
聖ちゃんは無言で頷くと、しゃがんでミットを構えた。
シュッ
オレの速球。140後半は出てる。手元でよく伸びるとか。でも聖ちゃんは軽々と捕ってくれるから安心できる。
ビュン! クッ
オレの高速スライダーはよく曲がる。打者の胸元へ食い込む、キレのいいスライダー。でも、今日はなんか調子がよくなかった。

ある程度、投げ込んで上がろうとしたとき、聖ちゃんに腕を捕まれた。
「どうか、した?」
「先輩……球が走ってないぞ。何か違うこと考えてた」
お見通し。
なんでわかっちゃうんだろう。
「なんで、わかるのかなぁ」
「見てるから……な。先輩のこと」
オレは、その言葉の本当の意味にまだ気づいていなかった。
「ありがとう。気遣ってくれて。でも、大丈夫だよ」

36名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:08:47 ID:P1JyfvWZ

無事に部活も終わって、帰宅すると、兄貴が駆け寄ってきた。約一週間の休養ということで、しばらくは暇なのだろう。
多少は調整しているのか不安だけど、兄貴は野球に関してはちゃんとしてるから大丈夫だろう。
「修二。あおいちゃん待ってるよ」
「ど、どこで?」
兄貴はポケットに手を入れると、一枚の紙を差し出した。
「住所。自分で行ってきな〜」
なんなんだか。とりあえずそれを受け取ると、オレは紙を頼りに、あおい選手の居場所を探した。

歩くこと約30分。彼女はどうやら1人暮らしをしているらしい。
一件のマンションにたどり着いた。
オレは、恐る恐るチャイムを鳴らした。
ピンポーン。
「はーい。あれ? キミが田上くんの弟くんかな?」
テレビや雑誌で見る、早川あおい選手、そのものだった。
「は、はい」
「いいよ。中、上がって」
「あ、ありがとうございます」

37名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:12:16 ID:P1JyfvWZ
「それで、ボクに相談って何かな?」
あおいさんは、オレに紅茶をいれてくれると、テーブルに座って向かい合った。
「それが……」
オレは、女性としての意見を聞きたいと思って、迷惑かと思いながらもあおいさんに相談に乗ってもらった。
オレの話に真剣に耳を傾けてくれたことが、嬉しかった。
「オレ、告白とかされるの初めてで……どうしていいかわかんなくて。だけど、彼女のことは嫌いじゃないっていうか」
オレは今にも泣きそうな声で、目の前の女性にすがるように語り続けた。
「でも、彼女を幸せにできる自信がないんです。オレには」
「そっか。でも、大事なのはキミがどう思ってるか、なんじゃない?」
こんなに泣きたくなったのは初めてだ。答えを出せない自分の情けなさに対する悔しさからか、今までの溜まってた悩みが一気に溢れたのか、涙の原因は―わからない。
あおいさんは、オレを抱きしめてくれた。その温もりがあったかくて、とっても嬉しかった。
「いいよ、泣いて。落ち着くまで」

しばらく、あおいさんの胸の中で、自分を責めるように泣き続けた。そのおかげか、少しは落ち着いた気がする。
「修二くん。今日はもう遅いし、うちに泊まってく?」
――え?
38名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:13:25 ID:P1JyfvWZ
「でも、迷惑じゃ」
「いいよ。キミが泊まるくらい。大して変わんないし」
こんな優しい人が兄の知り合いにいて、本当に良かった。
そういえば、ずっと気になっていたことがあった。
「あおいさんと兄は、どういう関係なんですか?」
「ただの……同級生だよ。恋々高校の」
あおいさんは少し寂しげな表情で、机の上に立て掛けてあった写真を見つめた。
桃色のユニフォームに身を包んだ15人程の部員が、楽しそうに笑っている。
『祝!甲子園優勝』
聞いたことがある。甲子園決勝、アンドロメダ学園に2ー3でまさかのサヨナラ勝ち。決めたのは遊撃手田上の逆転サヨナラ2ラン。兄貴は昔ショートをメインにしていたとか。
「田上くんがいたから、ボクたち恋々は勝てたんだよ」
「……甲子園」
オレも……同じ場所で野球部のみんなと笑いたい。
ふと時計を見て、あおいさんは頬を染めて、立ち上がった。
「ちょ、ちょっとお風呂入ってくるね」
「あ、はい」
今まで自分の話に時間を費やしていたせいで入浴すらしていなかったのか。
本当に申し訳ない気持ちになった。
恩を返したい。オレにできることで。
「よし」
オレは立ち上がり、浴場へ足を進めた。
3931:2006/07/25(火) 14:15:03 ID:P1JyfvWZ
とりあえずここまで。
近いうちに続きもかくので。
エロくなくてすみません。
40前スレ930:2006/07/25(火) 15:14:17 ID:11vhgCjF
うお!あおいちゃんきた!!
みずきと聖がいて、13では出番が少ない彼女ですが
やっぱり好きです!!
続き期待してます!!
41前すれ600:2006/07/25(火) 18:09:04 ID:arfR8DiS
 もう保守しなくて大丈夫ぽいが、予告どおり投下する。
 一話だけだけど。
421-1:2006/07/25(火) 18:10:18 ID:arfR8DiS


 雨は昨夜のうちに通り過ぎて行ったらしい。東の空の端にその名残雲が見えた。
青空と言うにはやけに白い、真冬のような快晴を、何番目だかの春風が吹き荒れている。

 一晩きりの見せ場に嵐を迎えた不運な桜並木を、小波は一人歩いていた。散り際の潔さ
を失って意地汚く大地にへばり付いた花びらの絨毯を踏みしめると、ぐちゃりぐちゃりと
水気を含んだ音がする。

 革靴の、凹凸の少ない底面に有り難味を覚えたのは生まれて初めてかもしれない。どん
なにしつこく花びらがへばり付こうとしても、平らな靴底はそれを踏んづけるだけで相手
にもしなかった。

 制服の上に羽織った薄手のコートは、上まできちんとボタンを留めても、差し込むよう
な寒さを防いではくれない。所詮は安物だ。せめて指先だけは冷えないようにと、破ける
ほどの強さでしっかりと懐炉を握り締める。走れば少しは温まるだろうが、おろしたての
制服で雨上がりの道を疾走するほどの非常識さはあいにくと持ち合わせていなかった。第
一、背中の野球道具が重くてまともに走れはしないだろう。

 ──早く夏になればいいのに。

 ようやく春になったばかりだというのに、小波の心の中は早くもそんな思いで満ち溢れ
んばかりだった。なればなったで冬を焦がれるようになるのは分かっているが、今はとに
かくあの焼けんばかりの暑さが欲しい。寒いのは服を着て防げる、なんて馬鹿げたことを
昔読んだ童話が声高に謳っていたが、聞かされた当時からあれは詐欺だと思った。どんな
に服を着ていたって寒いものは寒い。

 夏になれ、夏になれ、と呪う様な視線に耐えかねたわけでもなかろうが、目の前の信号
が青くなった。その足元を、小波は早足で通り過ぎる。車道に出ると、一際風が冷たくな
った気がして、コートの襟元を寄せ合わせた。背中に担いだケースの中で、金属バットが
カツンと鈍い音を立てる。

 横断歩道を渡った先には煉瓦造りの長く、高い壁があった。隠れて見えないその向こう
にあるはずの、白亜の清楚な学び舎こそが、彼の今日から通うことになる学校──恋々高
校だった。

431-2:2006/07/25(火) 18:11:29 ID:arfR8DiS


 下見に二度。入試の時に一度来た、その記憶を頼りに壁沿いを進む。下見の一度目はう
っかり反対に回ってしまって酷い目にあったが、流石に二度も同じ過ちは繰り返さない。

 ほどなく壁の切れ目が現れ、失せた壁の代わりには頑健そうな鉄製の門があった。全開
に開いた扉の上には、アーチのように「恋々高校入学式」と書かれた白布が張られている。

 門を潜ってすぐに守衛小屋がある辺りは、流石は元女子校というところか。校内に入る
と、ちらほら生徒の姿が目に付いた。後は、その流れに乗っていけば自然と昇降口まで辿
り着くだろう。思って無意識のうちに一つ大きな息を吐く。

 緊張していたのだ、と今更ながらに小波は気づいた。慣れない道の所為だろうか。或い
は高校生活初日という理由だろうか。

 ──自分は案外、自分自身で考えていたよりもずっと小心者なのかもしれない。

 思わず苦笑すると、すれ違った上級生と思しき女生徒が不思議そうにこちらを振り向い
た。そ知らぬふりで会釈を返すと、照れたように手を振ってそのまま小走りに去って行く。
まったく理に適っていない、いわゆる女の子走りのそのフォームを、頭の中で強制してや
りながら小波もまた歩みを戻した。


441-3:2006/07/25(火) 18:12:22 ID:arfR8DiS


 校庭横の細道を突っ切ったところが昇降口だった。その脇に張られた巨大な紙──クラ
ス表の下には、早くも人だかりが出来ている。予想していたことだが、そこには男子生徒
の影も形もない。

 今年から共学になったばかりの恋々高校は、嘗てはそれなりに名の知れた歴史ある女子
校で、男子生徒受け入れには父母からの反発が大きかったらしい。それに妥協した結果、
初年度となった今年は半ばテストケースとして、定員5人と言う極少人数のみの公募とな
った。実際に入った数は、流石にそれよりは多いようだが。

 小波は、自らの長身を生かして人の群れよりも些か離れた場所から、表の中にあるはず
の自分の名前を探した。視力には自信がある。一組から順に見ていくと、すぐにあった。
自分はどうやら二組のようだ。同じクラスに、もう一人男子らしい名がある。矢部明雄。
心のメモにその名を刻む。嫌な奴じゃなければいいけれど。

 他のクラスの名前にも一通り目を通しておく。自分を入れて、全部で七人ほど男子生徒
と思しき名があった。そのうち、何人が野球部に入ってくれるだろうか。無名校で甲子園
出場なんぞという夢を描いたのはいいが、選んだ高校は失敗だったかもしれない。今更な
がら、小波はわずかに後悔を覚えた。──と、

「あっ、男子でヤンス」

 ぶしつけな声が背後から聞こえた。


451-4:2006/07/25(火) 18:12:56 ID:arfR8DiS


 そちらを見れば、この寒いのにやせ我慢なのかワイシャツとブレザー──つまり標準制
服──しか着ていない痩身の少年が、嬉しそうに近寄ってくるところだった。しゃれっ気
の無い丸メガネが逆にやたらと似合っている。

「新入生でヤンスか?」

「まあね」

 一年のクラス分け表の前に立ってるんだから、それ以外ありえないじゃないかと皮肉を
言いかけたが、小波は堪えた。数少ない同性だし、仲良くしよう。精々社交的に見えるよ
うに意識して微笑む。

「俺は小波。キミは?」

「矢部明雄でヤンス」

「ああ、キミが矢部くん? だったら同じクラスだ。三組だよ」

 表の、名前の書かれた辺りを指で示す。矢部は目を細めて、やがて見つけたのかコクリ
と大きく頷いた。それから小波のほうを見て笑う。

「改めて、よろしくでヤンス」

 どうやら嫌な奴ではなさそうだ。ほっと息を吐きたくなる弱い自分を励ますように、小
波は必要以上に大きく頷いた。

「うん。よろしく」


462-1:2006/07/25(火) 18:13:37 ID:arfR8DiS



 講堂に集められた生徒の波の中で小波は、アヒルの群れに混じった白鳥の雛の心地を知
った。

 世代の平均より顔半分高い彼の身長は、同性の中にあってもそれなりに目立つが、周り
を女生徒に囲まれると闇夜の月である。壇上で長話を続ける学長は、ちょうどいい目印と
ばかりにこちらを見ている気がするし、壁際に立つ教師たちから丸見えなので、迂闊に欠
伸もできない。周囲の生徒からも好奇心に満ちた視線を感じる。

 もっとも、そんなものを気にするような神経でグラウンド、それもその一番高いところ
に立てる筈も無い。全方位から突き刺さる視線をさらりと無視し、いかにも真剣に話を聞
いている風を装いながら、小波は隙なく周囲に眼を這わせた。

 圧倒的多数を占める女生徒の中に、染みのように点々と男子の姿が見える。みんな自分
と同じような気分を味わっているのだろうかと思うと、話した事さえなくとも親近感は湧
いた。どこのクラスかを確かめて記憶にとどめる。後で部活に誘う為だ。向こうも自分同
様に、こちらに対して共感を覚えるようなら勧誘も楽になろう。そう考えればこの肩身狭
さも捨てたものではない。

 ──と、

「最後になりましたが、皆さんご入学おめでとうございます」

 ペコリと頭を下げる学長の、まだ話足りなそうな顔に向かって叩きつけるような拍手が
起こった。わざとらしくならない程度のタイミングでそれに便乗し、ぱちぱちと二度三度
手を叩く。


472-2:2006/07/25(火) 18:14:09 ID:arfR8DiS


「やっと終わったでヤンスね」

 隣に並んでいた矢部がうっへりと呟いた。

「長話が好きなのは校長、学長になる最低条件か何かなんでヤンスかね?」

 思いの他皮肉った物言いに、小波は笑う。

「きっと選考試験の問題にあるんだよ。『入学おめでとう』という言葉を三千字以上に拡
張して述べよ、とかね」

「そんなのオイラでも出来そうでヤンス」

「五分間ていう時間制限付きなのさ。合格する連中の時計は、長針が一つ動くのに二分か
かるようにできてるんだ」

 スケジュールに狂いが生じた所為か、巻きに巻いた進行を繰り広げる生徒会を哀れみな
がら小波は言った。ちょうど校歌の段に入ったところで、時計と見比べてみれば張り出さ
れたプログラムからはまだ3分以上遅れている。心なしか伴奏のピアノさえもが急いて聞
こえた。二人の場違いなやり取りがツボに入ったのか、くすくすと周りから漏れる忍び笑
いもあって、歌詞も旋律もさっぱり耳につかない。なんとなく、歌い辛そうな曲だなとい
うのが正直な感想だ。

「はやいとこ、覚えなきゃな」

 別段、愛校心とかそう言った類の心根を持ち合わせての言葉ではない。

 高校野球は、試合に勝てばその度に歌う機会が訪れる。何度だって歌うつもりだ。それ
を毎回毎回口ぱくで凌ぐ訳にもいくまいというだけの話だ。部活を作る前から考えること
ではないかもしれないが、小波は掛け値なしの本気であった。

 もっともその為には、校歌の練習以上に野球のそれに身を入れなければならない。


482-3:2006/07/25(火) 18:14:41 ID:arfR8DiS


「──そうだ。忘れてた」

「な、何でヤンスか?」

 結局駆け足のままに終わった入学式から、教室への帰り道。大きな声を出す小波に、矢
部はかすかに眉をひそめた。

「ああ、いや。入る部活もう決めたか聞こうと思って」

「ぶ、部活でヤンスか……」

 ギクッと大げさなほどに仰け反って、つつーっと視線を脇へ走らせる。あからさま過ぎ
る反応に、触れてはいけない話題だったかと内心舌打ちしながらも、話を振ってしまった
からには後戻ることも出来ない。敢えて小波はそのまま踏み込むことにした。

「うん、もうどこか入るところ決めた?」

「決めていた、というべきでヤンスか。決まっていない、というべきでヤンスか……」

「どっちなのさ」

 思わず半眼になる。それが怖かったのか、或いは単に語りたかっただけなのか、矢部は
眼鏡をくいっと押し上げて言う。

「聞くも涙、語るも涙の物語でヤンスが、そんなに聞きたいってぇんなら教えてしんぜや
しょう、でヤンス」

「まだ何も言ってないけど。っていうか、さっきからずっと聞きたかったんだけどキミお
国はいったい何処ですか」


493-1:2006/07/25(火) 18:15:21 ID:arfR8DiS


 物心もつかない幼い頃。見上げるほどだった背丈の父が教えてくれた球技──野球は、
その背に並び見下ろす歳になってもしっかりと少年の心を掴んで離さないでいた。二人で
したキャッチボールの感触は忘れてしまったけれど、買って貰った当時ぶかぶかだったグ
ローブは、今やぴったりと彼の左手を包み込んでいる。

 一人が投げて、一人が打って、みんなが守る。言葉にすればたったそれだけのことが、
上手くできない歯痒さがまた余計に彼の興味を引きつけた。寸暇を惜しんだ練習と、或い
はそれなりの才能があったおかげか中学ではなんとかレギュラー。高校に入ってからも、
もちろん野球を続けるつもりだった。父が果たせなかった夢を代わりに自分が、というわ
けでもないけれど、甲子園を目指すのが自分の使命だと冗談抜きに思っていた。けれども
──

「なんと恐ろしいことに、彼が入った高校には野球部がなかったんでヤンス。ああ悲劇」

「どっちかって言うと喜劇だと思うんだけど」

 軽い眩暈を覚えて、小波はこめかみを押さえた。会ってまだ数時間しかたっていないが、
なんとなく矢部明雄という人物の人となりが理解できてきた気がする。典型的な自爆型だ。

「去年まで女子高だったんだから、野球部がないのは当たり前だよ」

 むしろあると考えるほうがどうかしている。可能性からすれば女子野球部だろうか。女
子硬式は全国大会こそあるが、参加校は47都道府県で50に満たない。軟式に至っては連盟
に加盟している数さえ二桁に届かない。ちなみに甲子園大会夏の予選に出場する高校数は
4800前後である。全国にある高校の数が5000とちょっとであることを考えれば女子高を除
くほぼすべての学校にあると言っても過言ではない。まさに桁が違うのである。
 
「ちょっとうっかりしてたんでヤンスよ」

「それで『ちょっと』って、随分とまた奥ゆかしい表現だね」

 檻越しの珍獣を眺める目をする小波に、矢部は頭を掻いた。

「そんな風に言われると照れるでヤンス」

「誉めてねぇよ」


503-2:2006/07/25(火) 18:16:44 ID:arfR8DiS


 思わず荒げてしまった口調を正すために、ごほんと一つ空咳をして小波は話を戻した。

「じゃあ、矢部くんも野球やってたんだ?」

「『も』というからには、小波君もやってたんでヤンスか?」

「うん。やってた、というか俺は高校でも続けるつもりだけど」

「道理でバットケースなんて持ってきてた訳でヤンス」

 はじめクラス表の前であったときの小波の姿を思い出したのか、矢部はようやく得心が
いったとでも言いたげにこくんこくんとしきりに頷く。気づいてたんならその時点で分か
りそうなものだけど、と内心で呟きながら、小波はようやく切り出した。

「そんなわけだから、もし良かったら俺と一緒に甲子園目指さない?」

「うーん、それも充分魅力的な提案なんでヤンスが……」

 眉をしかめて言葉を濁す。

「なにか気がかりでもあるの」

「せっかく女の子ばっかりの学校に入ったのに、また汗臭い部活でその大半を潰すのはい
かにも不健全じゃないでヤンスかねぇ……」

 腕を組んでうーむ、と唸る矢部に、じゃあ、さっきの話はなんだったんだと小一時間問
い詰めたい気持ちをグッと堪えて、小波はため息を吐くように言った。

「マネージャーとの恋愛とかいろいろあるじゃないか。甲子園まで行っておまけに活躍す
れば、きっと女の子にモテモテだよ」

「さあ、藤村くん何をやってるでやんすか! こんなところでボーっと突っ立ってても、
甲子園は目指せないでやんすよ!!」

 なんて扱いやすい奴だろう。ちょっとだけ彼の将来を心配しながら、小波ははやる矢部
少年があさっての方角へ走り出そうとするのを奥襟を掴んで引き止める。

「まだホームルーム残ってるよ」


51名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 18:21:44 ID:arfR8DiS
 ここまで。
 表記は分かりづらいかもしれないが一話のシーン1の一章、みたいな感じ。
 あんま気にしないでくれ。

 >>3
 みずきカワイソス、だけど現実的な言動の主人公は好感が持てるな。
 ハーレムも無論良いが、スレ一発目に相応しいgj。
 次も期待してる。
52名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 18:52:56 ID:SaRB9WxI
おおお…、このタイミングで恋々とは
シブイね〜おたくまったくシブイぜ
9ものも大好物なんで続き期待してますぞ
53前スレ930:2006/07/25(火) 18:57:34 ID:11vhgCjF
GJ!
高校生ってかんじでさわやかでグッドです!!
54名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:45:07 ID:J+cDRIbR
あんまり職人さんに文句はつけたくないんだけど、これだけは言わせて欲しい。

まず、職人さんも最近このスレに投稿が多いのはわかると思う。
だったら、書く側でもタイトルと番号をきちんと割り振って、読みやすいように努めて欲しい。
その方が感想も返しやすいし(レス番ではなく、作品名で感想を返せる)。

ふたつめ。投下する前に作品の概要くらいは述べて欲しい。
メインの話はどういうものか、また何レス程度で完結させるつもりなのか。
特に大作にの場合それが重要で、序盤で方向性が見えないと
他の職人さんとネタがかぶることもありうる。

みっつめ。長編のほんの序盤の序盤だけを投稿されても感想は書きにくい。
酷な言い方だけど、ネット内のSSでは超大作になりそうな作品の
序盤だけ書いて放置、といったことが起こりやすい。
せめてひとつかふたつ見所があり、一段落ついたところまで書いてから投下してほしい。

よっつめ。いくら職人さんの思うままに書いて欲しいといっても、
他の職人さんが書き込んだ直後、感想がいくつも来てないうちに自分の作品を投下するのは
少し大人げないと思う。前に書き込んだ職人さんが気を悪くするだけでなく、
本人も自分勝手なんじゃないかと思われる可能性もある。

いつつめ。その作品を、この場所に投下するものとして適切かどうかを考えて欲しい。
あくまでここはエロパロスレだ。もしかしたら何十レスどころか、何百レスの間
エロが含まれないかもしれない作品を投稿するのは、いくらエロ抜きでもOKのスレとはいえ
度が過ぎている場合がある。
自分の書きたい物をそのまま書き、発表する場の性質を顧みないのは避けて欲しい。

上のような注文をつけたくなるのは、特にこのスレが盛況しているからでもある。
過疎っているスレならともかく、これだけヒートアップしているスレに投下する場合は
職人さんの方でも工夫と思いやりが必要だと思う。
どうか、SSの内容だけでなくその見せ方も作品の価値に含まれることを理解していただきたい。
55名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:46:04 ID:B9P6TQE0
9じゃ、9が来たぞ!
最近あおい出番少ないから恋恋は嬉しいです。
56名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:51:17 ID:cCQ8MxTI
>>54
おおむね同意。

つーか最近作品が多すぎて、とてもじゃないが全部読みきれない。
勝手な意見かもしれないけど、もし今新規参入を考えている人がいたら、
投下するのを少し待ってもらえないだろうか。
もう少し落ち着いてからの方がみんなちゃんと読んでくれるだろうし、
インフレが終わった後の過疎防止にもなって一石二鳥。
時間をかければ尻切れトンボも減っていいことづくめなわけで、
長い目で見れば、スレにとっても書き手にとっても、
それが一番建設的でいいことなんじゃないかと思うんだ。

せっかくのお祭り騒ぎなんだから、はしゃぎ過ぎてケガしないようにしようや。
5731:2006/07/25(火) 20:59:58 ID:P1JyfvWZ
>54 >56
そうですね。こういうペースで長いSSが続くと読み切れない人もいるし、感想がすぐにこなかったりと、書き手にも読み手にもいいとは言えませんね。
とりあえず、31から書き始めたものの続きはしばらくは投下のタイミングを考えようと思います。
58名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 21:17:11 ID:SaRB9WxI
>>57
まぁ、あれだ。あんたの作品、続き楽しみにしてるよ
しばらく待つことになっても、ちゃんと全裸で正座してお留守番しておくぜ。
59名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 21:25:59 ID:8+FDRuc9
前スレいれても区別できる程度の量だと思うが
60名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 22:37:37 ID:Xy+NxTBp
>>54
おいおい。他はともかく、ここは21歳以上の板なんだ。
そんな当たり前のことすら配慮できない経験の浅い職人なんて、いるはずがないですよ。
61名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 22:44:45 ID:SaRB9WxI
>>60
何で君はわざわざ人を挑発する物言いをするのか
もう少し考えてから発言してほしい
62名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:36:05 ID:2jJ8WZ8o
ネタが被るのは別に問題ないんじゃね?
ただ似たようなネタの場合は作品名などの表記をはっきりしてくれないと
分かりにくいってのは確かにあるけどね。

制限が多いと職人過疎の原因にもなるし最低限の区別さえ出来りゃ問題ないかと。
63名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:50:42 ID:2jJ8WZ8o
連レススマソ

>>62
制限っていうよりも「制約」の方が合ってるな
64名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:25:00 ID:rF/BgUEy
もう新スレ立ってたんか…。
どうりで前スレの流れが止まってたわけだ。
65名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:28:05 ID:bwy2ekUV
もう誰もいない旧スレでひたすらまってる>>64にキュンキュン
66名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:34:20 ID:YAOt+xA8
誰か…望・みずきの精神タッグの画像持ってないか?1回だけ見たことがあるんだが、じっくり見る暇がなかった。

その画像で



みずきのパンツが微かに見えたような気がするんだ…
思えば携帯なりで撮っておけばよかったと後悔しているorz
67名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:38:48 ID:57qaWSL9
あの90%デフォルメ体型でパンチラなんて可能なのか?w
68名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:42:17 ID:YAOt+xA8
俺の見間違いだったかもしれないけどね…
もっかい見られるようにタチバナ学園20回はプレイしてます。
いまだにあの1回しか見たことはない…
69名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:45:27 ID:Vj4YKke2
>>68
ググれば出ないこともない
70名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:47:02 ID:9NzTXuMM
>>66
角煮から転載。といってもたぶん転載の転載。
あくまで主人公の妄想のはずである。
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader240449.jpg
71名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:47:31 ID:rcajKS8g
http://f18.aaa.livedoor.jp/~pawafull/imgboardphp/src/1153842358635.jpg
upした
選手名とかは自分で削った
72名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:54:13 ID:YAOt+xA8
>>70 >>71
ホントにありがとう!思わず7回保存したよ!
俺の目の錯覚ではなかったみたいだw
73名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 01:27:26 ID:fWwrw5nR
ttp://www11.atwiki.jp/pawaparo573/

僭越ながらまとめサイト作らせていただきました。Wikiですので、職人さんが
自分の投稿した作品を加筆修正したい場合、自由に行うことができます。

現在連載中の作品については、「このスレに続きが投下された時点で」保管しようかと考えています。
けれども、職人さん側で2ch投下後に加筆修正を行っていることもあると思われますので、
できれば職人さんが自身の手で元ファイルからWiki投稿して頂きたいです。

新規投稿があった場合、メニューへの追加などはなるべくこちらで行いますが、
職人さん自身でやって頂いたり、管理人の対応が遅ければ別の方が勝手にやってくださっても構いません。

また、投稿作品があまりに長くなってしまう場合等は、このページにうpして
ここにリンクを貼るといった使い方もできると思います。

不都合がありましたら申し出て下さい、出来る限り対処します。
74名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 01:34:47 ID:bwy2ekUV
おおー!なんだこのサプライズww
しかも今までのもちゃんと保管してあるのね
>>73氏に30…いや50回分の乙!
75届かない想い :2006/07/26(水) 01:42:12 ID:sTALzS4s
続きが出来たのですが、投下しても大丈夫でしょうか?
76名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 01:46:18 ID:bwy2ekUV
今は比較的静かだし、大丈夫かと
77届かない想い:2006/07/26(水) 01:49:28 ID:sTALzS4s
では、前スレの続き(>>786) を投下させていただきたいと思います。
前にも述べた通り、結構強引系ですので苦手な方は注意を。
78届かない想い(1/13):2006/07/26(水) 01:51:14 ID:sTALzS4s
俺は、みずきが着ていた制服のボタンを外す。
タチバナ学園特色である、オレンジ色の制服がハラリと地面に垂れる。
そして、きっちりと締まっていたネクタイを広げ、力任せにボタンを外す。
ボタンを外すたびにみずきの胸元が露になっていき、俺の欲望をどんどん掻き立てていく。

「案外、地味なブラジャーを付けてるんだな」
「……」
「下の方はどうなんだ?」

以前、みずきの下着がちらりと見えたことがあったっけ。
その時はシマシマ模様だった気がする。
今となってはどうでもいい。今回は下着だけじゃなく、全てが見れるのだから。

俺はみずきのスカートに手を掛ける。
さすがにこの時はみずきも多少の抵抗をみせた。が……。

「ここまで自由にやらせといて今更抵抗すんじゃねえよ……」
「だ、だって……っ!んむぅ……っ!」

再び唇を奪い、みずきの神経を麻痺させる。
舌と唾液をぴちゃぴちゃと絡ませればすぐに抵抗は止んだ。
俺ってキスの才能があるかもなと苦笑しながら再びスカートに手を掛ける。
79届かない想い(2/13) :2006/07/26(水) 01:52:29 ID:sTALzS4s

「ん…ぁ…っ や…っ!らめ…っ んくぅ……っ!!」

こんなに乱れてる癖に、駄目なんて言わせねえよ。
スカートのボタンを外し、するりとスカートを外す。
俺は視線を下ろし、みずきの下着を確認する。

「なんだ、あの時の下着か。よっぽどお気に入りなんだな」
「……っ! や、やぁ……っ!」

みずきは、体をもじもじと動かす。
下着を見られまいと体を動かしているんだろうが、ハッキリ言って逆効果。
この動作が余計に俺の興奮を沸き立たせ、余計に虐めたくなる。

「なんだよ、そんなにここが疼くのか?」

そう言って俺はみずきの下着に手を入れて、割れ目に沿って指を這わす。

「ひゃうぅっ!」

みずきの体がびくりと弓反り、ぞくりと体を震わせる。
指にぬるりと蜜が絡まる。既にトロトロの状態だった。
80届かない想い(3/13) :2006/07/26(水) 01:54:12 ID:sTALzS4s
「キスだけでこんなになるなんてな」
「や……っ ち、違うの……」
「何が違うんだ、こんなに濡らしておいてよ」

俺は意地悪く笑みをこぼし、再び割れ目を沿ってみる。
みずきは再び、体をビクリと震わせ甘い声を出す。
こんな色っぽいみずきは初めて見た。思わず無茶苦茶にしてやりたい衝動に駆られる。
しかし、もっと楽しんでからでないと勿体無い。
俺は指を割れ目に沈ませ、膣内でクチュクチュと音を立てて動かす。

「ひゃん…っ あぅん…っ や、やぁ…っ んん…っ! あ…っ ふぁ…っ!」

みずきの甘い吐息が、俺の顔にかかる。
頬を真っ赤に染め、目はトロンとさせている。
俺はたまらなくなり、みずきの唇をまた奪う。

「ん…っ! んぅんん……っ ん…っ ん…っ」

今度は、みずきの方からも積極的に舌を絡ませてきた。
俺の頭に手を回して、存分にキスを味わっている様子で。
しばらく乱れた後に一連の動作をやめ、一呼吸置いた。
81届かない想い(4/13):2006/07/26(水) 01:55:41 ID:sTALzS4s
「…っ 随分と積極的だな?」
「そ、それは……」
「やっぱこういうことを望んでたのか?それともただ淫乱なだけなのか?」

ま、この際どっちでもいいがな。
今まで散々、こいつに煮え湯を飲まされてきたんだ。
これくらい乱れてくれないと俺の気が済まない。

「……あんまり、下の方ばっかり虐めるのもあれだよな」

そう言って、ブラジャーのホックに手を掛ける。
みずきは黙ってその様子を見守っていた。
少し抵抗してくれたほうが面白かったが、どうでもいいか。
ホックを外しブラジャーを取ると、一緒にパッドも外れる。

「なんだよ、お前ってこんなに胸小さかったわけ?」
「な……っ うぅ……っ」

みずきの胸は小さいとは思っていたが、ここまでとはね。
俺はたっぷりと、意地悪く笑う。一方、みずきは悔しそうな表情を浮かべている。
この優越感がたまらない。
82届かない想い(5/13):2006/07/26(水) 01:57:02 ID:sTALzS4s
「ま、別に俺は小さくても大きくてもどっちでもいいけどね」

そう言ってみずきの胸を軽く揉み、先端部分を指でキュッと弄ったりする。

「あ… んんっ! ひゃ…っ つ、強く弄っちゃ…っ きゃぅうっ!」

下を弄った時とは、また違った反応が返ってくる。
吸ったり、舌で弄ったりしたらどんな反応が返ってくるんだろうか。
俺は笑みを浮かべると、さっそく先端部分を口に含み、軽く吸ってみた。

「あ…ひっ! す、吸っちゃ…… ひぁ…っ!」

更に舌で先端を転がしたり、突いたりする。
その度に、みずきはビクビクと体を小刻みに震わせる。

「うぅ…っ ひゃふ…っ! ひぅ…っ ふぇ…っ あ…っ!」

口からはだらしなく涎をたらし、甘い声を出しながら喘ぐ。
普段、わがままで、おてんばで、高飛車なみずきからは想像もつかない様な声。

「……なあ、そんなに気持ちいいか?」

と質問すると、奴は小さくこくりと頷く。
こんな時にだけ、素直になりやがって。
83届かない想い(6/13):2006/07/26(水) 01:58:06 ID:sTALzS4s
「じゃあ、もっとしてやるよ」

そう言って、俺は再び行為を再開する。
片方の手で下着を脱がし、割れ目に指を這わせる。

「ふぁぁ……っ ぁあん……っ!」

すっかり出来上がっていた。
入り口を広げ、膣内をかき回す。
いやらしい水音を立て、さっきよりも多量の蜜が俺の指に絡みつく。

「はぁん…っ ひゃぅ…っ おかしく……っ なっちゃう……っ」
「……なっちまえ」

そう言い放ち、胸への吸いつきを強め、膣内の膨らみを指を這わす。

「ひゃああぁんっ!」

みずきがビクリと大きく体を仰け反らせる。そろそろ限界のようだ。
俺は膣内の指の動きを激しくしていく。

「ぁふ… ふぁ… ら、らめ……っ もう、イっちゃ……っ!」
「イっちゃえよ。気持ちよくなりたいんだろ?」

そう言って、膨らみをキュっと摘み、止めを刺す。

「ふぁぁぁ、あああああんっ!!」

みずきはビクビクと体を何度も大きく震わせ、そして力尽きる。
イった後も余韻を味わっているのか、体を小刻みに震わせている。
84届かない想い(7/13):2006/07/26(水) 01:59:22 ID:sTALzS4s
「ふぁ…っ はぁ…っはぁ…っ ぁ…っ」

うっとりとした表情で、呼吸を整えている。
俺は我慢出来なくなり、ズボンに手を掛ける。

「もう、充分楽しんだよな?今度は俺が楽しませてもらうぜ」

そういってズボンを脱ぎ、下着から自分のモノを取り出す。
しばらく俺のモノをボーっと見ていたみずきだったが、ハッとして視線を逸らす。

「なんだ、そんなに欲しいのかよ?」
「ふぇ…っ ち、ちが……っ」

必死に否定しようとしていたが、チラチラと俺のを見ていると興味はあるようだ。

「嘘付け、ここをこんな風にしてる癖に」

割れ目に指を入れてクチュっと音をならす。
みずきはビクッと体を反応させ、再び息を荒くしていく。

「ん…っ それは… あんたが… あ、あんなこと……」
「言い訳すんなよ」

入り口を広げ、わざと汁が滴るように弄くる。
ビクビクと体を震わせ、イったばかりとは思えない反応を見せる。
85届かない想い(8/13) :2006/07/26(水) 02:00:47 ID:sTALzS4s
「ひゃ… はぁあ…っ や…ぁ…っ」
「あんなもんじゃ物足りないだろ?」
「ふぇ……」

聞こえてるのか、聞こえてないのか。
みずきはただ体をブルブルと震わせ、快楽へと身を投じている。
俺はとうとう我慢できなくなり、自分のモノをみずきの膣に当てる。

「一気に貫いてやるから安心しろ」

とだけ言って、みずきの膣内を一気に貫く。何かが弾ける感触と共に。

「い…っ ぁぁああああああっ!」

みずきは涙を浮かべながら、必死に痛みに耐えているようだった。
俺はそのまま腰を動かし、みずきの膣内を犯す。
グチュグチュという、何かが混ざり合う音を立てながら
血と蜜が、ポタポタと地面に滴る。血と、蜜―?

「お前、処女だったんだな」
「い…っ あ…っ え…?」

みずきは、下半身の痛みと快楽で俺が何を言ってるか解らない様子だった。
みずきの処女を奪ったことが、俺の心をさらに燃え上がらせる。
腰を振り、みずきの唇を奪い、舌を絡ませ合う。
86届かない想い(9/13) :2006/07/26(水) 02:02:34 ID:sTALzS4s
「ん…っ ふ…っ んん…っ! んーっ!! ぷはぁ…っ んふ…っ!」

何度も、何度もその動作を繰り返し、みずきの全てを犯す。
俺の中から熱いものが立ち込めてくる。俺も、もう限界だ。

「…っ。 く…っ 出す…ぞ…っ」
「あんっ、ふぁん…っ らめ…っ 中…はぁ…っ あ、ふぁぁあああん―――!!」

ビクビクと大きく体を震わせ、俺は熱いものを全て吐き出した。
――みずきの、外に。
みずきの体に俺の精液が降り注ぐ。

「はぁ…はぁ…」
「はぁん…っ あ…っ ふ…ぅ… んん……」

自分でも、なぜ外に出したのかわからなかった。
おそらく、俺の最後の良心が……働いたのかもしれない。
みずきは、ぐったりと力を落としてただ只管、天井を見上げていた。
87届かない想い(10/13) :2006/07/26(水) 02:03:45 ID:sTALzS4s
そして翌日。
俺は目を覚ましてからいの一番に昨日のことを思い出した。
興奮、そして怒りが完全に収まった俺にとっては地獄の朝だった。

「やっちまった……」

あんだけ好き放題やっておいて、やっちまったもクソもない。
時々、自分のこの性格が憎らしくなってくる。
みずきは、昨日のことをなんと思っているだろうか?
あいつと合ったら、なんて言われるだろうか?
色々な妄想が頭の中を駆け巡るが、とにかく学校に行かなきゃ始まらない。

「行きたくねえけど、行かなくちゃな……」

俺は部室で着替えながら一生懸命、会った時どうするか考えていた。

「ていうか、昨日ここで……やったんだよな」

今思えば、ものすごい所でやってしまったものだ。
皆が共同で使っているこの場所を汚してしまうなんて。
俺は、ユニフォームに着替えるとグローブを持って、グラウンドに出る。
88届かない想い(11/13):2006/07/26(水) 02:04:37 ID:sTALzS4s
そこにはストレッチ運動をする、みずきの姿があった。
予想外だった。まさかこんなに早く来てるなんて……。
俺はどんな罵倒も浴びる覚悟でみずきに近づく。

「あの、昨日……の事なんだけど」
「……」

みずきは無言で俺の方に振り向く。
俺は地面に手をついて、土下座をする。

「ごめんっ…!最低のことをしたと思ってる。何でもする……。気の済むように……」

と、言いかけたところでみずきが口を開く。

「……それじゃあ、帰りにプリンを奢って」

「わかった……って、それだけ!?」

あれだけのことをしたのにプリン!?
プリンで済んでしまうのか!?わけわかんね!
半ば混乱状態であたふたする俺を尻目にみずきは話を続ける。

「……今まで、小波君に酷いことをしてきたから。だから、あいこ」
89届かない想い(12/13):2006/07/26(水) 02:05:49 ID:sTALzS4s
この言葉で、俺は初めて心から後悔した。
みずきは、ずっと謝ろうと思ってたんではないか。
でも、素直じゃない性格でなかなか俺に謝れなかったんではないか。
なのに俺は、その心も悟らずにあんなことを―。
自分の都合だけ吐き出してるのは俺のほうだ……。

「ご、ごめん…本当に……」
「もう良いってば。小波君だったら、別に平気だもん」

……!?

「え!?そ、それって……」
「外に出してくれたのは、なんだかんだで気を使ってくれたんでしょ?ちょっと嬉しかったかな〜」

どういうこと!?何言っちゃってるの!?

「え、ちょ、ちょっともう一か……」
「だ〜め、この話はここまで。とにかく、ちゃんとプリン奢ってね。じゃないと今度こそ口聞いてあげないから」

そう言って、みずきはストレッチ運動に戻ってしまった。

……あああああ!一体何が何なのか誰か教えてくれ―――!!
俺は今後もこの女に振り回されそうな悪寒を感じながら天を仰いだ。

おわじ。
90:届かない想い(13/13):2006/07/26(水) 02:08:10 ID:sTALzS4s
すいません、一レス足りませんでした・・・。
ということで、文字レスという誤魔化しを。
長くなりましたが、前回レスしてくれた皆さん、ありがとうございます。

今度はまたイロモノを書いてみようかと思ってたり思ってなかったり。
とりあえず、失礼をいたしましたをば。
91名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:18:46 ID:fWwrw5nR
乙です!
みずきに鬱憤をぶつける展開はありそうで無かったので新鮮でした。
さっそく前スレの分と合わせてまとめサイトに保管させていただきます。
ご存じかもしれませんがWikiは内容の修正どころか、
職人さんがお持ちの元ファイルに完全に差し替えることも容易ですので
ぜひ一度試してみてください。
92名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:26:49 ID:bwy2ekUV
フフ…ハハハハハハハ!!
そうだ…それでいいんだ>>90氏…。  
いやすいません嘘ですGJです
なんていうか、
キャラの心の動きと言うのか、そういう描写がとても良かった。上手い。
そして最後もちゃんと綺麗に収まってスッキリ
みずきちゃんモエス。
まぁ要するに、ただただGJと

次回作も期待してますぜ。いつまでも半裸で待機してるかんね!

>>91
仕事速いなw乙!
93パワプロ男対聖作者:2006/07/26(水) 02:28:21 ID:JmLUQLYb
 遅れに遅れましたが、スレ立て&神の皆さんGJ!
 前スレに至っては外伝まで書いていただいて……涙で前が見えないよママ上(TдT)
 届かない思いシリーズは、ただの無理やり系で終わらなかったのが
さらにGJですた。
94名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:22:37 ID:9NzTXuMM
権力を持ち横暴な女(上司、先生、委員長、生徒会長等)
 ↓
不満が爆発して無理矢理レイープ(レイープはそもそも無理矢理だが)
 ↓
実は前から好きだった、お付き合い開始

というパターンは、ただの強姦ものより心理的にソフトで純愛なためさほど抵抗なく読め、もはやエロ漫画(と悲しいことに少女漫画)では王道。
ハッキリ言って今や誰もが思いつくベタな展開。
だから問題はスジではなく、各部の配置(どういう時系列にするか、告白をどのタイミングでやるか等々)や細部をどう描くかにかかってくる。
つまり、こういうお約束ストーリーは、変にヒネリを効かせようとするとむやみに長くなるので、エロの腕力試すために書くタイプの話。
まあ今回のはキッカケこそ横暴だがそもそもは単なる男女間の理解不足なので、このパターンとは若干違って、ほとんど和姦だけれど。

>>90
完結おめ、そしてGJ!
パワプロらしさがあるのがほとんど冒頭部のみなのが残念。
もちろん、パワプロらしさとは、
「俺の物干し竿バットを聖ちゃんのピンク色ミットの中へ突き立てた」
……などとシリアス話にあからさまに野球用語の比喩を持ち出してかえって萎えさせることではなく、
「弾道が上がった!安定度が下がった!一発病になった!負け運になった!」
……などとSSを書いてるのにいきなりゲームという現実(?)に戻すような余計なお世話でもありません。
この会話はまさにパワプロキャラだ、この世界はまさにパワプロだ、と読んでいる人が思える、そういった当たり前に書く部分に気を遣ってください。
一作書き上げたということでSSを書くパワーはさらに増したはずです。今後とも夜のお供をおね!
95前スレ930:2006/07/26(水) 06:48:40 ID:Pw3cdKEs
>>届かない思い
GJ!!
思い届いちゃってるけど…だがそれがいい
みずきをむりやり…すばらしい
ふふふふふ・・・ははははははは!!
…ゴホッゴホッ(咳
9641:2006/07/26(水) 06:50:50 ID:n3CuBHcD
 上でクソ長いの投下した奴だが、物議をかもしてしまったようですまぬ。
 リアルで取れる時間があの時間帯しかなかったのだが、もう少し考えるべきだった。
 >>4様にはまことに申し訳ないことをした。気にせず投下してくれると嬉しい。
 自分も一応前スレで許可貰ったんで、引き続きこっちに書かせてもらいます。
 続きは明日ぐらい、エロは来週までには辿り着くつもり。
 あかんかったら言うてくれ。あと、感想くれた人ありがと。

 >>77完結乙です。
 イロモノ、期待してます。
 俺は充分パワプロぽかったと思うよ。
 >>95の指摘は俺もおもたw
97名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 07:45:20 ID:/MnVKchp
>>95
蛇先輩とゴウが混じってるw
98名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 08:41:11 ID:VhdE11wG
確かに想い届いちゃってるなw
99名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 13:33:46 ID:IQvDt5Xq
>>90 生意気なみずきをシメてやるっ!(以下略
カタルシスがあって良かったです。重い話にならなかったのもグー。
次も期待してます。
100名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:16:00 ID:ZjeAgu80
何でスレストしてるのん?
書き込めるよね? テスト
101名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:38:24 ID:57qaWSL9
こういう時を狙えばGJたくさんもらえるのになw
102名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:28:48 ID:bwy2ekUV
まぁ尻込みしちゃってるんじゃないかな…
単に職人さんが今いないだけかもしれんが
103名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:43:57 ID:bwy2ekUV
なんかまとめwikiえらい重いけど大丈夫かな
104まとめ”管理”人:2006/07/26(水) 23:55:17 ID:fWwrw5nR
まとめwikiの管理人です。どうやら不具合で夕方から夜中まで異常に遅いそうです。。
要するに、昨日の夜中に立てたので気付かなかったのですがハズレ鯖を引いてしまったようです…。

最近になって起きた不具合のようなのでそのうち改善されると思いますが、
いつまでもこんな調子でしたら移転も考えます。
105名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:08:20 ID:pcMl5Agn
なるほど。わざわざどうもです
106快楽の虜:2006/07/27(木) 01:32:29 ID:PH57GQCe
- 8 -

「ん…月野くん…、良い…よぉ…」
「た、橘ぁ…ヒンッ…、あなたさっき、してもらっ…あッ、ぅ…ぅぁ…、もっと…月野く…っ」
「2人ともただおっぱい触ってるだけなのに、そんなに感じる…?」

 案の定、風呂から上がると早速みずきちゃんと麗菜ちゃんの相手をさせられることになった。
 オレはソファに座って2人はオレの膝の上に座らせる。後ろから抱きかかえるように2人の方胸に手を沿え、さっきと同じように軽く揉みしだいていく。
 本当にそれだけなのに、2人は感度が良いみたいで、これだけでも充分イってしまいそうだった。

 2人から石鹸の良い香りがして、つい背中にキスなんてしてしまう。

「はふ…、だめぇ…月野くんの手…、良いよぉ…ぁ、う…、ぁ…ぅん…っ」
「くぅん…良いです、わ…っ…、あンッ…月野くん…、あ、ぅ…、先っぽの方もぉ…」

 麗菜ちゃんに言われて気付いたが、2人の乳首が硬くなっている。
 そういえばさっきみずきちゃんを虐めてやろうと思って、タイミングが良いのか悪いのか、麗菜ちゃんが風呂から上がってきてしまったんだっけか。…ふむ。
 …やばい、今オレ、悪巧みしてる悪役の顔だ、きっと。

 オレは一旦手を胸から離した。そのまま、5秒も何もしなければすぐに2人の反応が変わる。
 2人は振り返って、オレの肩にそれぞれ縋りつくように抱きついてくる。

「何で…うぅ…、やめちゃうんですか…」
「うぅ〜…やめないでよぅッ、はふ…っ…せっかく…、気持ち良かった、のに…」
「意地悪しようと思って、だから聖ちゃん上がってくるまで我慢しててね」

 オレがシレッとそう言うと、2人の目は途端に潤み始めた。

「だめぇ…、して…したいよぉ、月野くん…、ねぇ、お願いだよぅ…」
「も、もう…、疼いて疼いて…仕方ない、ですわ…っ」
107快楽の虜:2006/07/27(木) 01:33:48 ID:PH57GQCe
あ、改行してないや…
ちょっとタンマ
108快楽の虜(仕切りなおして…):2006/07/27(木) 01:35:46 ID:PH57GQCe
- 8 -

「ん…月野くん…、良い…よぉ…」
「た、橘ぁ…ヒンッ…、あなたさっき、してもらっ…あッ、ぅ…ぅぁ…、もっと…月野く…っ」
「2人ともただおっぱい触ってるだけなのに、そんなに感じる…?」

 案の定、風呂から上がると早速みずきちゃんと麗菜ちゃんの相手をさせられることになった。
 オレはソファに座って2人はオレの膝の上に座らせる。後ろから抱きかかえるように2人の方胸に手
を沿え、さっきと同じように軽く揉みしだいていく。
 本当にそれだけなのに、2人は感度が良いみたいで、これだけでも充分イってしまいそうだった。

 2人から石鹸の良い香りがして、つい背中にキスなんてしてしまう。

「はふ…、だめぇ…月野くんの手…、良いよぉ…ぁ、う…、ぁ…ぅん…っ」
「くぅん…良いです、わ…っ…、あンッ…月野くん…、あ、ぅ…、先っぽの方もぉ…」

 麗菜ちゃんに言われて気付いたが、2人の乳首が硬くなっている。
 そういえばさっきみずきちゃんを虐めてやろうと思って、タイミングが良いのか悪いのか、麗菜ちゃん
が風呂から上がってきてしまったんだっけか。…ふむ。
 …やばい、今オレ、悪巧みしてる悪役の顔だ、きっと。

 オレは一旦手を胸から離した。そのまま、5秒も何もしなければすぐに2人の反応が変わる。
 2人は振り返って、オレの肩にそれぞれ縋りつくように抱きついてくる。

「何で…うぅ…、やめちゃうんですか…」
「うぅ〜…やめないでよぅッ、はふ…っ…せっかく…、気持ち良かった、のに…」
「意地悪しようと思って、だから聖ちゃん上がってくるまで我慢しててね」

 オレがシレッとそう言うと、2人の目は途端に潤み始めた。
109快楽の虜:2006/07/27(木) 01:36:28 ID:PH57GQCe
「だめぇ…、して…したいよぉ、月野くん…、ねぇ、お願いだよぅ…」
「も、もう…、疼いて疼いて…仕方ない、ですわ…っ」
「ふ〜ん、じゃあ2人ともオレの前に立ってみてよ」

 そう言うと2人は嫌々言わずオレの前に裸体を晒した。
 いや、晒した、といっても、やはり何だかんだで恥ずかしいのか、胸と股間は手で隠している。それで
も一目見れば分かる、穢れの無い綺麗な身体。野球をやっている割に華奢な身体つきのみずきちゃ
んもそうだが、メガネに乳、麗菜ちゃんもなかなかだ。

 恥ずかしそうにモジモジと落ち着かない様子の2人。

「隠しちゃだめ、ちゃんと、大事なところも見せて?」
「う、うん…」

 みずきちゃんはコクンと頷くと、胸と股間を隠した腕を後ろにやった後、続いて麗菜ちゃんが同じよう
に手を後ろにやる。すると露になる2人の恥ずかしい部分。
 恥毛が生え揃っていないのでピンク色が丸見えだ。
 部屋の蛍光灯の光を反射する、キラキラとした液体。どうやら、股間の花びらはさっきの胸だけの愛
撫で既に出来上がっているようだ。よっぽど気持ち良かったんだろうか。

「もう少し近くに来て」

 2人が近くに寄ると、オレは何も言わず、2人の股間に中指と薬指を潜らせる。

「アッ…う、んんんんッ!」
「んぅっ…、は、あッ、つ、月野、く…ッ、ヒンッ!」

 指を2人の花びらに擦らせ、爪がクリトリスに掠める程度の前後ピストン運動。
 胸だけでもあれだけの感度を見せた2人が、ここを弄られて平気なはずが無い。自慰経験の1つや2
つあれば、ここを愛撫されることがどれだけ快楽か、2人ともちゃんと分かっているはずだ。
110快楽の虜:2006/07/27(木) 01:37:07 ID:PH57GQCe

「ンッンッンッ…だ、だめぇ…、立って…、立ってられない、よぅ…ッ…くぅんッ!」
「あ、うっアッ!…あぅ…アッ…、わ、私、も…ッ」
「あー、先に崩れた方が負けね」
「なぁッ…、く、ぅ…、た、橘みず、き…なんか、に…、負けません…わ…ッ、ンくぅっ」
「あ、あたし…だって…ヒンッ!…ま、負けな、い、んだ、からぁッ…あぁうッ!」

 こんな感じで2人の闘争心を引き出してみる。みずきちゃんを負かしたい麗菜ちゃんと、何だかんだ
で負けず嫌いなみずきちゃんの2人は、オレの『先に崩れたら負け』という言葉で、お互いこの愛撫に
対して耐えようとする。耐えれば耐えるほど、イク時の快感は増すものだ。

 オレはさらに指の動きを早め、ヌルヌルとした愛液を掬い取るよう手首を動かす。

「ハッ、ぅあっ…そ、そんなッ激しく…、しちゃだめぇっ…、イっちゃ…うぅ…ッ」
「あ、ぅぅッ…アッ!あっ、あっ、あぅっ…あぅっ、んんんっ…、い、いい…ッ、イき…そ、ぅ…ッ」
「我慢しないと、ほら、負けたらエッチが後になるよ」

 できるだけ引っ張って少しでも多く濡らしておけば、本番の時もスムーズにできるだろう。擦れ合うと
初めての女の子にはただ痛いだけの行為にしかならない。

「あ、たし…ッ、がっ…先…、ンンッ!…あたし、が…先、なん、だ、からぁ…ッ」
「は、早く…アッ!んぅッ…早くイって…、しまいなさい…橘みず、きぃ…っ」

 強がってはいるが、2人の口調からはもうそんなに余裕は感じられない。足も小刻みに震えだし、股
をモジモジと擦り合わせている。
 あんまり我慢させすぎても身体に毒か…。

 オレは2人の股間が愛液で充分濡れていることを確認し、一気にラストスパートをかける。
 指を小刻みに動かし、僅かに掠めるクリトリスを集中的に擦り付ける。
111快楽の虜:2006/07/27(木) 01:37:39 ID:PH57GQCe
「アッ!アッ!だめっ、ん!んんッ!!そん、なッ、激しくしたらっ…!イ、イっちゃ…ぅう…ッ!」
「あああッ…!…もう…、もう…私…!だめぇ…ッ、あん!あぁ!あんッ…イ、イク、ぅ…ッ」
「好きにイって良いよ、もう我慢できないでしょ?オレに2人の可愛いところ見せて?」
「見て…ッ、月、野…くんッ、あたしのッ…あああぅ!…エッチな姿…っ、見て、欲しいッ…のっ…!」
「も、もう…ッ、勝負、なんて…っ、どう、で、も…良く、なって…ひゃぁああん!!」

 2人の力が急に抜けた感じがした、その時だ。

「イクぅ!イっちゃうーッ!……ッ!………あぁぁあああ!!」
「あっあっあっぁっ!も、ダメぇッ……っ!!イクぅぅぅうぅ!!」

 2人の身体が背中が反り返る。ビクビクと脈を打つ2人の身体は崩れ落ち、力無くオレの方へ倒れて
きた。オレは両腕で2人をギュッと抱きとめる。

「はぁ…はぁ…、ん…、は、ぁ…はぁ……、はぁ………」
「力…入ん、ない…よ…、はぁ、はぁ…、はぁ………、ん…」

 ヒクンッヒクンッとオレの傍らでオーガズムの余韻に浸る2人。太股を伝う愛液は、ソファの窪みに水
溜りを作ってしまいそうなほど溢れ出ていた。
 オレはもう一度2人を強く抱きしめる。

「あれれ、寝ちゃった」

 ピクン、と敏感に感じ取りながら、2人はどうやらオーガズムの反動で疲れてしまったらしい。

「そういえば2人とも誰にも触れられたことないんだよな…」

 男もそうだが、自分で触れるのと誰かに触れられるのとでは、快感の度合いが違う。フェラチオとか
パイズリ、或いは手コキ、足コキなんかが良い例だ。
 初めて経験しただけに、慣れなんて関係無しなもんだから快感も疲労も大きかったかもしれない。
112快楽の虜:2006/07/27(木) 01:38:33 ID:PH57GQCe

「今日はロストバージン、無理っぽいね、2人とも」

 そう囁く。

 オレに身を委ね、丸くなって目を瞑っている2人の顔。
 その顔はどこか幸せそうで、それでいて少し淫乱で艶かしい、可愛い女の子の寝顔だった。

 ―――――……。

「わ、私は……どのタイミングで出て行けば良いだろう…?」

 そうドアの向こうで囁いた少女もまた、穢れ無き処女、なのである。
113快楽の虜:2006/07/27(木) 01:41:10 ID:PH57GQCe
亀並みのペースですみません…
エッチ書くより普通の恋愛模様書いてる方がスラスラ書けることに最近気付いた…

昨日一昨日と回線工事で来れなかったよ
いやぁ、光って速いね、びっくり
114前スレ930:2006/07/27(木) 02:05:25 ID:8xK4SIye
haxaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!
エロイ!!エロ過ぎます!!
月野くんももうノリノリでいじめちゃってますね!!
vs聖も楽しみにしてます!!!
115名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 02:20:19 ID:byRj+gs0
えrs
gj
116名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 02:37:07 ID:eK8mGk64
主人公TUEEEEw あのヘタレっぷりは何だったんだw
めちゃエロかったです、自分のペースで構いませんので
ゆっくり続き書いてくださいな、マターリ待ってます。
117名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 03:03:49 ID:iSkByjhV
うはwwwテラエロスwwGJwwww

まとめサイトのカウンター見ると、このスレにどれだけROMがいるのか恐ろしくなりますねw
実際に感想返す奴の数十倍の人は読んでるということだと思いますので、
反応が地味だなんて思わずに頑張ってください。
このスレを楽しみにしている人は想像以上に沢山いるはずです。
118名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 03:27:45 ID:pcMl5Agn
おお…新しいのが来ているのか!
職人さんGJ!
…でも…すいません明日読ませてください…もう限界…眠い…
119名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 04:20:20 ID:w1ODsFHZ
二次創作SSのHシーンは難しい。
ただ書くだけなら実に簡単。しかしその版権キャラクターらしさを出すのが非常に困難。
漫画および挿絵のある本もしくはCGサイトまたは絵有ノベルゲーと違い、文字だけで個性を描かなきゃならない。
書き手の脳内では明らかにそのキャラクターがHしているのだろうけど、
読んでみると、その版権キャラっぽいところは固有名詞だけで、
キャラ名だけ入れ替えれば別の版権物に転用できるんじゃないかという内容のSS、多数です(実際そうやって作ったらしいSSもあります)。
そうならないためには、人間てものに敏感で無意識に個性を出せてしまうような才能がない限り、
きちんと登場キャラクターの細部を設定し、じっくり考えて書くより他にない。

・肉体的特徴。
 身長体重、キャラクターの顔のつくり、体毛や肌の色、カップサイズ、スタイル、体格や骨格、古傷、性感帯、普通の声と興奮した声音など。
 ただし、不用意な「小ぶりな胸」や「しなやかな脚」は、結婚式で「新婦は容姿端麗才色兼備」と言うようなものです。
・精神的特徴。
 男女の性格、内気か積極的か、普段の態度とHのときの態度の差、Hに対する好奇心や罪の意識(Hを恥ずかしいと思うか)、
 性の知識、性体験の有無と経験回数、処女や童貞喪失に対する覚悟、恐怖、コンプレックス、トラウマなど。
 主に会話によって表現しますが、態度、特にいざというときの抵抗の強さで表わしたりします。
・人間関係。
 カップルの上下関係、普段の態度と彼(彼女)に対する態度、お互いへの感情、いたわり、理解、疑問、謎、付き合いの長さ、
 お互いの過去のエピソード、誘うのはどちらからか、共通の友達、性知識を植え付けた友達、ライバル、家族関係など。
・シチュエーション。
 Hに至る成り行き、場所、時間、所要時間、カップルで何回目のHか、参加人数、事前の会話、事後のピロトーク、前フリなど。
 また、前フリを長めにしHシーンを手早く終わらせると、個性をあまり考えなくても読者はHの間も引き続きそのキャラクターを脳内に思い描いてくれるはず。
・コマーシャリズム(?)。
 サービスシチュエーション(着衣、ユニフォーム、コスプレ、SM、ご主人様など)での順応や拒否反応、処女膜、血、中出し外出しなど。
 リクに応えるのも結構ですが、そのキャラが絶対やらないようなものは書かないように。キャラクター性に対し不感症になってしまいます。
・語り手もしくは主体者の個性。
 語り手(書き手ではない)が野球バカのくせにやけに性用語に詳しかったり、童貞が初Hのときやたらに冷静にコトを進めるのはイマイチ。

こんなところか。

>>113
麗菜のみずきへの対抗心により、なかなかHシーンで個性を出すのが難しいみずきというキャラクターが今作しっかりと立っています。
それが秀逸。さすがというところです。
ただ、ある意味仕方ないのですが……、
抱きついてる裸の女に二人に指ツッこんで喘ぎ聞かされて自分は平気でいられる体育会系の童貞(素人童貞含む)は、そうはいない。
Hに参加し単なる観察者にならずに状況や心理を描写する主人公……こういうのも漫画やアニメやAVとは違って難しい点です。
次は聖たんですね!椅子の背もたれ直してお待ちしてます!
120名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 09:15:43 ID:LNxDGJQo
それだけうんちく語る時間と知識があるなら、
お前さんが書いてみてもいいじゃないか?
スレのために一肌脱いでくださいな。
121名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 09:37:54 ID:bHkv77wj
よし、おにいちゃんが脱がしてやろう
122これはひどい聖SS:2006/07/27(木) 10:14:59 ID:zyymrEcO
『横浜ベイスターズ 第5回選択希望選手・・・・・・』
聖タチバナ学園高校、野球部部室。
そこでは、野球部員達が固唾を飲んでドラフト会議のラジオ放送に耳を済ませている。
その大半はお世辞にも実力者とはいえず、ドラフトを気にするようなレベルの選手ではない。
だがその中で唯一の女性選手にしてプロ入りへの希望を持つ人物がいた。
「あー五順目もダメかあ」
「大丈夫だって、聖ちゃんなら絶対掛かってくれるよ」
「・・・・・・・・・」
六道聖。タチバナ学園高校野球部キャプテンにして同校の生徒会長を務め、
その可憐な容姿と、掴みどころはないが不思議と男を惹きつける魅力で
校内では知らない者は誰一人としてない。
野球の実力も相当なもので、県外にも知られるほどではあるのだが、
3年に上がってからは一度として甲子園に出場することは叶わなかった。
前述のとおり彼女自身の実力は申し分ないのだが、1つ上の世代にいたチームの主力である
橘、矢部、小波、宇津、岡、大京、といった主力選手がごっそり抜けてしまった上、
彼らの活躍で全国に名が知られたとはいえ元々強豪高でも何でもないタチバナに
有名選手が数多く入学してくるはずもなく、タチバナは六道だけが取り得の弱小チームに逆戻りしていた。
(みずきや先輩達に会わせる顔がないな・・・)
主力が抜けてしまった上、先発と抑えのエースだった橘と宇津が抜けたタチバナは
ハッキリ言ってロクな投手がおらず、そうなってしまっては名捕手の六道といえでも
どうしようもないレベルの問題であったのだが、彼女の責任感と目指す理想から
決して環境の不遇さのせいでこの状況を招いてしまった、などとは露にも思わせてはいなかった。
『楽天イーグルス 第8回選択希望選手・・・』
ドラフトで選手の名前が読み上げられるたび、部室からは徐々に諦めムードが漂い始める。
そんな中、六道は人事を尽くして天命を待つ、と言わんばかりにただ一人静かにたたずんでいた・・・

『――以上にて、本年度のドラフト会議を終了いたします。』

結果、非常にも六道は指名に掛からなかった。
「聖ちゃん・・・」
「六道先輩・・・元気出してくださいっす」
覇気の無い同情の声がかかるが、六道はその声に甘えることなく静かに切り替えした。
「みんな、大丈夫だ。まだ大学も社会人もある」
「でも、俺らが不甲斐なかったせいで・・・」
「それは違う。私の実力不足がこういう結果に繋がった。ただそれだけだ」
発言は前向きだがやはりショックは隠せないだろう。
普段は無表情な顔からほんの少し、悔しさが滲み出ているようであった。
「・・・もうラジオ切っていいよな?切るぜ」
重苦しい雰囲気に耐えられなくなった一人の部員がラジオに手を伸ばそうとした、その時だった。
『ガヤガヤ・・・』
「ん?なんだ?」
『し、失礼いたしました!!』
ドラフトの選手指名をアナウンスする声が突然大声を上げる。
『まだ選手の指名が残っておりました!大変申し訳ありません!』
・・・え?
思わぬ展開に部室の中に活気がふっと呼び戻される。
こんな展開。このおいしい展開で呼ばれなければウソだ。
そんな、根拠は何もないが確信めいた思いが全員の胸をよぎる。そして・・・
『だ、第9回選択希望選手・・・六道聖 18歳 捕手』
「よっしゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!」
123これはひどい聖SS:2006/07/27(木) 10:16:16 ID:zyymrEcO
一気に部室内がお祭り騒ぎと化す。
当の六道は唖然と立ち尽くし、未だ実感が沸いていない様子だった。
「やりましたね六道先輩!!」
「聖ちゃんなら絶対大丈夫って信じてたぜ!」
「最後の最後でミラクルキタ―――(゚∀゚)―――!!!!」
「みんな・・・ありがとう・・・あり・・・ん?」
―ちょっと待て?
そんな思考が六道の脳裏をよぎる。
「指名はされたが・・・チームはどこなんだ?」
『し、失礼いたしました!きゅ、球団名を申し上げておりませんで・・・て、訂正いたします』
焦燥しきった声がラジオから聞こえる。よほど焦っていたようだ。
「おいおいしっかりしろよー」
「どこに掛かるかな?」
「やっぱキャットハンズーしかねぇだろ!」
指名先の球団で盛り上がる一同。
しかし、その結果はなんとも微妙なものであった。
『極悪久やんきーず 第9回選択希望選手 六道聖』

――――はい?

お祭りムードの部室内が再び凍りついた。
「み、みんな・・・どうした?」
「いや、だって・・・なあ?」
「うん・・・これは」
「極悪久はねーーーーーーよwwwwwwwwwwww」
皆、何故か一様に微妙な反応を六道に返す。
「ドラフトで指名されたということは、その・・・極楽ヤンキースというのはプロなのだろう?なら問題ない」
「いや、まあ、プロなことに間違いはねぇんだけどさ・・・」
「っていうか極楽じゃなくて、極悪久だしね・・・」
「???」
プロを目指していながらプロ野球にはあまり精通してない六道は気付いていなかった。
これからの自分の野球人生が、所属球団だけで間違いなく波乱に満ちたものとなってしまったことを。
こうして、極悪久やんきーずの新人選手、捕手、背番号60、六道聖選手が誕生した。
―訂正。誕生してしまった。
124名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 10:35:16 ID:bHkv77wj
極亜久とは、こりゃ予想外のところから来たな。GJ!
とりあえず焼肉10人前と波力ランナー置いておきますね。
125名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:04:15 ID:ylrVB0W4
>>122
重箱の隅だが
>橘、矢部、小波、宇津、岡、大京

岡って誰w
126これはひどい聖SS:2006/07/27(木) 11:19:28 ID:zyymrEcO
極悪久やんきーず。
名称だけで色物な印象を与えるこの球団はその印象を裏切ることのない
プロ球界きっての「ネタ球団」として名をはせて?いるというチームだ。
集められる選手は何故か皆一様に妙なベクトルへの個性に満ち溢れており、
チームカラーは黒と紫で毒々しいことこの上ない。
そんなチームだから、ファンは当然少なく悪趣味な中高年ぐらいしか熱心なファンはいない。
さらにオーナー企業は背中に綺麗な絵が描かれた人達の関連企業という噂があり、
その影響なのかは知らないが、成績はともかく乱闘と不祥事と某匿名掲示板向けのネタに関しては
球界でもぶっちぎりのナンバーワンを誇っている・・・とまあ、とんでもないチームだ。
そんな球団に、六道聖という花も恥らう美少女が入団してしまうことになったのだから、
もはやただの笑い話で済まされるレベルの問題ではなかった。

「最後に聞くけど、ホントに入団するの?」
フィールドの監督に任せっきりであまり活躍の機会のなかった監督が怪訝そうに六道にたずねる。
「ああ。進学も考えたんだが折角のチャンスだから生かしたい」
「そうかい・・・幸運を祈ってるよ」
「ありがとう。監督」
こうして六道聖は正式にやんきーずに入団することとなった。
余談だが後日、どうみてもその筋の人のオーナーや早くも極悪久風味に殺気立った同期の選手に
囲まれながらも全く動じることなく六道は淡々と契約を交わしていたという。
ある意味、この時点で極悪久への適正が表れてしまっていたのかもしれない。

年が明けて自主トレを終えてついに春季キャンプ。
そこで六道聖は晴れて?プロへのスタートを切ることになる。
自分が得体の知れないチームに所属することになった事実をようやく認識していた六道だったが、
気持ちはただ前を向いてプロの道を走り出そうとしていた。
「・・・合流場所はどこだろう」
土地勘がないせいか少々迷ってしまったようだ。
その時ふと、自分と同じやんきーずのユニフォーム姿の集団が目に入った。
見た顔はいないのでおそらく同期の選手ではなく、彼女の先輩にあたる選手たちだろうか。
同じチームメイト同士、彼らに尋ねれば案内してくれるだろう。
「すまない。極悪久の選手なのだが合流先にはどう行けばいい?」
「ん?・・・おおー!?」
「六道聖!マジでウチに来ちゃったのかよ!!」
「うはっ、ラッキー!!ついに俺にも春がきたぜこれ!!」
「ねーよwwwwww」
六道の姿を見て勝手に盛り上がる極悪久の選手達。
「挨拶が遅れた。新人の六道聖だ。よろしく頼む・・・それで、合流場所には・・・」
「まーまーそんなの後でいいから。ちょっと俺らと遊びに行かない?」
「そうそう、まだ時間あるしよ、な、いいだろ?」
「ひ、聖タンとお出かけ・・・ハァハァ」
極悪久の選手はただでさえ血の気の荒いことで有名な上、その大半が未婚で彼女持ちも少ない。
彼らもその例外ではなく、目の前の美少女に早くも邪な感情全開で接してきている。
「すまないがお断りする。合流場所への案内をお願いできるか?」
不穏な雰囲気を察知しつつも、六道は怯むことなく切り返す。
この程度で動揺するほど彼女の精神力は弱くない。そこも彼女の強みの一つだ。
「そんなつれないこと言わずにさー、ちょっとだけ、な?」
「・・・離せ」
馴れ馴れしく掴んできた手を払いのける六道。
「おいおい、せっかく先輩達が親睦を深めようっていうのにそりゃないだろ?」
「言葉遣いもなってないね。ちょっと教育が必要かなーこれは?」
「聖タンに教育的指導・・・ハァハァハァ」
「・・・もういい。他を当たる」
予想以上にガラの悪い連中に呆れ返った六道は踵を返して立ち去ろうとする。
「おいおい、待・・・ひでぶぁっ!!?」
六道の背中に手を伸ばした選手の脳天に、とてつもない衝撃が走る。
哀れ、その選手は踏みとどまる余裕も無く地面に崩れ落ちる。
127これはひどい聖SS:2006/07/27(木) 11:20:09 ID:zyymrEcO
「え?」
脳天への一撃を加えたのは六道ではない。その主は倒れこんだ選手の背後にいた。
そして、その姿は六道にも精神的な意味で大きなショックを与えた。
「ったく、お前らは初日早々チームメイトに手出してんじゃねえよ!!」
「こ、こ、小並さんっ!!ちーっす!!」
衝撃を生み出したであろう木刀を片手に立つ一人の選手。
どうやらチーム内で強い立場に居るようで、柄の悪い選手達は一気に萎縮する。
だがそんなことは六道にとっては些細な問題で、その姿にただ愕然としていた。
(小波・・・先輩!?)
その男はタチバナ学園の小波、そして幼馴染の「あいつ」と瓜二つだったのだ。
もっとも、六道の知る小波やあいつはチームメイトの脳天を背後から木刀で叩き割るようなマネは
絶対にしないし、すぐさま他人の空似であると認識した・・・そう願っていた部分もあるが。
「ふぎゃああああああ・・・・・・・」
「いやーゴメンね突然。こいつらには気をつけたようがいいよ?」
「あ・・・ありがとう・・・」
果てしなく乱暴なやり方とはいえ一応助けられた身だ。一応例を述べる六道。
「オレは小並主斗。小さい並盛りに、主人公の主に北斗の拳の斗で並主斗。よろしくね」
「北斗の拳というのがよくわからないが・・・六つの道に聖なるで六道聖だ。こちらこそよろしく」
―名前までよく似ている。
「さ、それじゃあ行こうか。合流場所まで案内するよ」
他の選手達に対して放っていた殺気はどこへやら、爽やかな笑顔で六道に接する小並。
「わかった。・・・あの男は放っておいていいのか?」
「あーいいのいいの。いつものことだから」
「そうか」
「おいお前ら」
小並は振り返って選手達を睨みつける。
「仮にもチームメイトなんだ。今度変に手出すようなマネしたら番長として承知しないからな」
「は、はいーッ!!」
「承知致しました、番長ー!!」
倒れこんだ一名を除いて、背筋をピンと伸ばし最敬礼を向ける選手達。
「聖ちゃんもこんな連中に気遣わなくていいから。
 変なマネしてきたらオレみたいにブッ殺していいよ。それが極悪久流だし」
「そうなのか?」
「そうそう。蹴るなり殴るなり脊髄ヘシ折るなりお好きにどうぞどうぞ」
「わかった。では次からはそうさせてもらう」
「〜〜〜ッ!!」
六道の本気の目に、小並以外の選手達の血の気が一気に冷める。
「さーてそれじゃあー行こう。みんなにも紹介してあげるよ」
「よろしく頼む」
「しかしウチみたいなチームに君みたいなかわいい子が入るなんてなぁ。
 世も末っていうか、本当ラッキーだよ」
「褒めても何もでないぞ」
「何も出さなくていいからさ、もしよかったらオレと付き合ってみちゃったりしない?
 こう見えても結構包容力には自信があるんだけど」
「せっかくだがお断りする」
「ちぇー」
こうして和気藹々?と二人は合流場所へ向かった。
「・・・自分だって手出そうとしてんじゃん」
ガスッ!!!
路傍の石が凄まじい速度で余計な一言を放った選手に放たれる。
木刀の一撃も先ほど食らったその選手は、キャンプへの合流が数日遅れたという。

>>125
ごめんね素で間違えちゃってごめんね
128これはひどい聖SS:2006/07/27(木) 11:49:27 ID:zyymrEcO
こうして無事にチームと合流し、キャンプ地へ向かうことになった。
小並は極悪久高校という弱小高の出身で、部員不足に泣かされながらも
不屈の精神と努力で見事甲子園優勝を果たしていたという。
その実力を見込まれて6年前に極悪久やんきーずに入団。
不動の『番長』であった番藤の後継者としてやんきーずのトップに君臨して今に至る・・・
と、半ば本人の自慢も混じった話を移動中に六道は彼に聞いた。
もっとも、プロでの(誇張されまくった)活躍話に入る頃には熟睡していたが。

キャンプ地に到着し、宿泊先にようやく到着する。
「ここが聖ちゃんの部屋。なんと個室!いやあ入団早々大物だねー」
「それほどでもない」
さすがに唯一の女性選手というだけあって個室が用意されていた。
「んじゃ、明日に備えてゆっくり休むといいよ。じゃーねー」
そういい残して小並はそそくさとその場を後にした。
「はあ・・・」
小並の後姿を眺めながら、六道は微妙な心境に陥っていた。
世の中には同じ顔の人間は3人はいるというが、まさか実際にそれを体験するとは思わなかっただろう。
それだけならまだしも、今回の小並は前までの2人と明らかに違うタイプだ。
「・・・まあ、こういうこともあるか・・・」
もはや半ば無理矢理に自分自身を納得させるしかなかった。

キャンプ練習初日。打撃コーチが選手にも勝る殺気を放ち選手達を指導している。
「いいかお前らァー!!打撃の基本はピッチャー返しだ!!
 相手投手をブチこr・・・おっと、再起不能にする気持ちで思いっきり打ち返せー!!」
さすがにマズい発言と思って言い直したようだが、結局意味があまりない気がする。
(確かに、打撃の基本はセンター方向への打球・・・なるほど、プロでもやはり基本が大事というわけだな)
嗚呼勘違い・・・六道は指導のブッ飛びぶりに気付くことなくごく普通に納得していた。
「よーし、次は・・・六道か。バッターボックスへ入れ!」
「了解した」
バッターボックスに立つ六道。
その華奢で小柄な体格を見てさすがのコーチも少々不安に駆られる。
「お前、本当に大丈夫なのか?打てるのか?」
「先ほどから球は見ている。もう見極めた。問題ない」
「そ、そうか・・・よーし始めろ!!」
この日、一人の打撃投手が顔面に打球をモロに受けて病院送りになった。

守備練習ではクロスプレーの練習が行われた。
「死ねやゴルァァァァァァーーーッ!!!!!」
「てめーが死ねぇぇぇぇぇーーーッ!!!!!!」
本塁上でランナーとキャッチャーがまるでアメフトのラインのような壮絶な体当たりをぶちかましあう。
どうみてもラフプレー全開です。本当にありがとうございました。
「よし、キャッチャー交代だ。次は・・・六道?」
「わかった」
「大丈夫なんだろうな・・・?ウチの連中は手加減なんて知らんぞ?」
「問題ない」
暴走機関車のように突撃を繰り返すランナーの選手も、さすがに不安そうに六道を見る。
「コーチ、この子にもガチでやらなきゃダメっすかね・・・?」
「手加減など無用だ。来い」
「ったく、どうなっても知らないからな・・・オラアアアアーーーッ!!!」
「・・・甘いな」
六道は体当たりの衝撃をさらりと逃し、鮮やかにタッチアウトを奪う。
力の行き場を無くしたランナーは勢いのまま後方へゴロゴロと転がり込んでしまった。
「こりゃ正捕手は決まったかな・・・?」
こうして六道は思いもよらぬ高評価を得ていった。
手加減の知らない彼女が、怪我人を続出させる点を除いて。
129名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:55:47 ID:4iQgCe1M
すげぇ、なんか数年もすれば姉御と呼ばれるようになりそうだw
半田は指名打者だなwww
130名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 12:17:05 ID:byRj+gs0
半田ナツカシスwwwwwwwww

しかしこれは極亜久の動向に期待だなwww
今シーズンは波乱に満ちるに違いないwwwwwwww
131名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 12:52:39 ID:FWGWsxEB
まあ、半田は外野も守れるけどね。痩せればショートでもいけそう。
鷹野や半田との絡みも期待してます。
132名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 14:25:16 ID:D9ZVauHn
>>128
GJ! そして極亜久ナツカシス。
他のチームメイトも気になるがみずきや矢部の出番も気になるw
133前スレ930『squeeze』:2006/07/27(木) 16:36:01 ID:8xK4SIye
翌日
郎は一時間目の休み時間、麗菜を人気のない教室に呼んだ。
「ごめんね…麗菜ちゃん。やっぱり…みずきちゃんと付き合ってるわけだし…。」
郎は麗菜がどんな反応を見せるだろうと、不安を抱いていた。
「そう…ですの。」
麗菜は一瞬悲しそうな顔を見せたが、
「それでしたら…仕方ありませんわ。」
と、笑顔を郎に返した。

――…最初はみずきに対するライバル心からだった――
でも、彼を知ろうとしていくうちにだんだん変わっていった。
彼の直向きさ、野球に対する情熱、楽しそうに練習に打ち込む姿勢。
そして自分も疲れているはずなのに、マネージャーの自分に対しても見せる気遣い。
どれもが、まぶしすぎた。
そんな郎を好きになってしまうのは簡単だった。
それほどに魅力的だった。
みずきに対して、男を見る目がないと言った自分にこそ、男を見る目がないとおもった。
そのとき、初めてみずきに対して負けを認めた。
しかし、どうしても、彼に思いを伝えたかった。
そんな日々を過ごしていたある日、私はあるうわさを耳にした。
「あの二人が付き合っているのは、演技である」と
それを聞いてから、郎がみずきといるときの行動が、何となくぎこちなく見えてきたのだった。
そして、郎は別に好きな人がいるのではないかという疑念が生まれた。
(あくまで疑念で、確信ではなかった。)
そして、それが自分ではないかという希望も。
だから、彼女は賭けに出た。
郎とみずきの仲を自分で見破ったふりをし、そして告白して、キスまでするという、大胆な行動。
真直ぐな彼にこんなことをして、本当に好きな人が自分じゃなかった場合、彼を苦しめたことになるのではないかと、今になって思った。
――――――――――――――――――――
134前スレ930『squeeze』:2006/07/27(木) 16:36:44 ID:8xK4SIye
「郎様…。一つ質問をさせてもらっていいかしら…?」
「なに?」
「私…なんとなく、郎様はみずきではなくて、本当に好きな人がいるように思えますの…。」
「!?」
「よろしかったら、教えてくれませんか?」
長い沈黙がその場を包む。
「…うん。実は…。」
郎は意を決したという顔をした。
「聖ちゃん…なんだ…。」
「やはり…そうでしたのね…。」
「でもさ、聖ちゃんは俺のこと嫌いみたいなんだ…。」
――郎様、何を言ってらっしゃるの・・・――
麗菜は、郎の周りの女子の行動を、よく観察していた。
クラスでも人気者の郎の周りには、彼を慕う女子がたくさんいた。
しかし、彼女たちは、アイドルのファンといった感じで、本気ではなかった。
ある程度かっこいい身近な男子をアイドルにするといった行為は、青春時代の女子によくあることだ。
しかし、聖だけは全く違った視線を彼に向けていた。
なんとなく避けてみたり、ぶっきらぼうな態度をとったり、そのくせ、野球部の後輩として教えて欲しいことは、
みずきを除き彼以外には聞かないなど、まさに好きだけど素直になれないといった感じだった。
――その態度をして、聖は自分を嫌っていると思ってるんだろうか…――
麗菜は、郎に何故そう思っているのかをたずねた。
郎は、麗菜に告白された後のことを具に話した。

そう思わせたのは、自分だった。

やはり、あの行動は、郎を苦しめていた。
麗菜はやりきれない気持ちになり、うつむいた。

「なんか複雑になってきたけどさ、俺の結論は、みずきちゃんと向き合う。そういうことだから。」
「ええ…。」
しかし、麗菜は、ある決心をしていた。
――聖と郎を付きあわせる。――
麗菜は、みずきが本当に郎を好きだということは知らない。
だから、郎を苦しめてしまったことに対する罪滅ぼしとして、この決心をしたのだ。
二人が分かれたら、勝負は引き分けだという打算からでは決してない。
――郎を苦しめてるみずきを、彼から離す――
そして、思い合ってる二人が付き合うという、当然な交際にする。
135前スレ930『squeeze』:2006/07/27(木) 16:37:37 ID:8xK4SIye
その日の練習後…
郎はみずきに、一緒に帰りたいという旨を伝えた。
「あれ、郎君からなんて初めてじゃない?」
「そういえばそうかもしれないね。」
「実はずっと待ってたんだよね〜。」
みずきは悪戯な笑顔を見せた。
「そうだったんだ、待たせてごめんね。」
「悪いって思うなら、パワ堂のクリスマスプリン。」
郎は苦笑する。
「そういえば今日からだっけ、わかった。俺も食べたいって思ってたし。」
クリスマスプリンとは、毎年12月の半ばから発売される期間限定商品である。
しかもカップルで二つ頼むとボリュームアップというサービス仕様。
―――――――――――――――――――――――

「クリスマスプリン二つ、お待たせいたしました。」
二人の前に、豪華なプリンが運ばれてきた。
「それじゃ、郎君、ゴチになっちゃうよ〜♪」
そういってスプーンをつけ始めるみずき。
「ん〜やっぱりおいしい♪」
みずきの顔はまさに至福といった感じだ。
「うん、俺も甘いもの大好きなんだよね。」
郎もプリンを口に運ぶ。
会話を続けながらプリンを味わう二人。その内にプリンは食べ終わる。
「あ、クリスマスプリン、もう一つね。」
みずきが通りかかったウエイトレスに告げた。
「…え、みずきちゃん…。」
「あれ、郎君も食べるの?」
「…いや、いい。」
郎は苦笑いする。俺のおごりなのにな。
しばらくして、みずきのプリン二つ目が運ばれてくる。さっそくサジをつけるみずき。
やっぱり幸せそうな顔をする。

……
………
――ずっとこの顔を見ていたい――
ふと、郎の頭の中をよぎった願い。
(!?)
――もしかして、本当に自分はみずきのことを、愛してしまったのか――
――いや、「しまった」ではない。「愛することが出来た」という表現が正しい――
そのことを確かめるために、郎はある妄想をしてみた
136前スレ930『squeeze』:2006/07/27(木) 16:38:12 ID:8xK4SIye
―――妄想開始―――
「郎君!話したいことがあるでヤンス!」
「なに、矢部君?」
「実は、おいらと聖ちゃんは付き合っているのでヤンス!」
「え!?」
「…明雄先輩、そんな言いふらさなくても…私、照れるぞ…」
「照れることはないでヤンス!おいら達ラブラブでヤンス!」
―――妄想終了――――

…だめだ
俺は親友を祝福することができない。
いや、できることなら二人の仲を切り裂いてしまいたい。

そして、郎はみずきがそうなった場合も考えてみた。
同じだった。
二人を祝福することは出来ない。

――つまり…俺は…――
            同時に二人の女の子に恋してしまった。
まさかと思った。
人は、二人の異性に、同時に恋に落ちることが出来たのか。
郎は呆然とした。
「あれ、郎君、じっと見てるけど、プリン食べたいの?」
みずきが郎に尋ねる。
「え、いや、そういうわけじゃ…。」
「もしかして、私に見惚れてたとか?」
確かに、初めのうちはそうだった。郎はこくんと頷く。
すると、みずきは悪戯を思いついた子供のような笑みをした。
「郎君。」
「?」
「あーん」
そういって、スプーンを口の前に差し出す。
不意打ちだったので、そのままあーんとしてしまった。
…これって、間接キスだよな…
「郎君。」
「ん?」
「私にこんなことしてもらって、幸せでしょ?」
郎は頷いた。
―――そうだ、俺は幸せなんだ―――
でも、この幸せを心から喜ぶことはできなかった。
137名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:43:01 ID:3GyLGrgq
>>122
お前…







パワプロ10やりたくなった。やってくるノシ
138前スレ930『squeeze』:2006/07/27(木) 16:45:08 ID:8xK4SIye
きょうはここまでです。

レスしてくださる皆さん、ありがとうございます。
至らないところもありますがこれからもよろしくお願いします。
こんなに複雑にして完結できるのか不安ですが、
できるかぎりのことは尽くします。
139名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:47:15 ID:8xK4SIye
>>122
聖ちゃんツヨスw
強い女の人は大好きですww
140名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:57:20 ID:IdQQBPWE
>>138
続きが期待大だ。GJ!
でも矢部が出てくる妄想、至極真面目なシーンなのになんか噴いたw
141名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 17:02:05 ID:pcMl5Agn
>>122
イイヨイイヨー。無敵っぽい聖ちゃんもいいが
タチバナややんきーずの野郎どももいい味出してるなw
しかし今の今までやんきーずの存在を忘れかけていたのは頂点秘密

>>138
主人公がジャンプ系恋愛漫画の主人公っぽく見えてきたw
こういう複数の女の子の間で葛藤する系の話、好きだぜ…
それにしても麗菜ちゃんカワイソスww
142名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 17:27:57 ID:EY4khpMw
やっぱりそのうち番堂軍団に入れられるのだろうかw
143名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:11:35 ID:fLLAgfrz
番堂はメジャー行っちゃった後みたいだから、小並軍団か?w
144名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:15:36 ID:kPvAaZBS
聖軍団結成だな
145名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:28:58 ID:EY4khpMw
いや、11の全日本見てると、どうも番堂軍団は継続してるみたい。
146名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:42:19 ID:pcMl5Agn
聖派と番堂派の間で激しい対立
ついには西側と東側に分かれるやんきーず
147名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:44:26 ID:J0a/Ndn2
>>146
聖が水を汲んでくる事になるが
148名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:49:20 ID:MdEs80/y
>>147
うっかり転んで水を被って透けt(ry
149名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 20:46:24 ID:qtgbPj86
>>122
GJ!聖ツヨスwもはや極道聖

>>138
主人公がいい感じにへたれてて面白いwGJです。
150名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:06:11 ID:SjpySgcw
聖ちゃんがそれっぽく書かれていてイイ!     これからも期待してます!
151名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:10:57 ID:AdsXPcYi
>>138
イイヨイイヨー、続きも期待してます

あと、どうでもいいことかもしれないけど
PINKBBS全体で年齢制限が21禁から18禁に変更になったみたいだね
152名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:25:32 ID:pGzuzPB/
やっぱり小並を通じて番堂軍団加入って流れになるのかな?

あと>>149、極道聖噴いたw
153名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:29:17 ID:+7y0AKAq
聖たんが「あんたら、覚悟しいや!」とか言うのかw
15441:2006/07/27(木) 22:53:53 ID:hbflXTzS
今おk?
155名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:58:00 ID:lDaxe5o1
>>154
OKOK
156名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:04:09 ID:w1ODsFHZ
>>154
このまま投下ないと雑談始まってしまいそうですし、良いんでない?
15741:2006/07/27(木) 23:05:07 ID:hbflXTzS
 >>155-156
 んじゃお言葉に甘える。

 説明不足を指摘されてるんで、あらかじめネタばらしとく。確かに無駄に長いし。

 話自体は9ベースで他を少しずつ混ぜてる。前スレで案外9やったことない人多そうだったから。
逆にやったことある人には違和感あるかも。

 今回までが一話。次が二話で野球部結成。三話でエロまで持ってくつもり。
 予定では小波×はるか。あとは順次で、ラストがあおいちゃん。冬までにそこまでに持っていくのが目標。
 完結は一応、高校卒業。題名は「pawaQ(仮」で。
158名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:05:53 ID:PNDBehuL
待ってたぜ、ベイビー!!
さぁ、かかってきなさい!





よろしくお願い致します。
1594−1:2006/07/27(木) 23:06:01 ID:hbflXTzS


 放課後を待って、二人は早速職員室へ向かった。

 まずは顧問を見つけ、野球部設立の手続きを終わらせてしまおうという魂胆だ。部の体
制をある程度作り上げてしまってからの方が、少しは他の生徒への勧誘も楽になるだろう。

 渡されたばかりの生徒手帳にある地図を頼りに、階段を降り角を二つ、三つと曲がって
いく。

「急ぐでヤンス小波くん。青春はオイラたちを待ってちゃくれないでヤンスよ!」

「例えそうだとしても廊下は前を向いて歩くものだよ、矢部くん」

「そんな優等生みたいな言葉聞きたくないでヤンス――って、うわぁっ」

「きゃっ!」

 ──ごち。

 やけにリアルな衝突音を立てて、矢部はずるべしゃーとリノリウムの廊下の上を見事な
ヘッドスライディングで滑っていった。もう一度似たような音を出して壁にぶつかり、よ
うやく止まる。

 どうやら角を曲がって現れた別の人物と右直事故を起こしたらしい。とりあえず完全に
自業自得な矢部は放っておくことにして、小波は被害者のほうへと近づいた。

「大丈夫?」

「痛ったた。もう、何なのよ」

 仰向けにひっくり返った小柄な少女が、そこをぶつけたのだろうか。額を片手で押さえ
て呻いていた。頭を打ったのなら保健室に連れて行くより、ここで安静にしておいて教師
を呼んでくるべきかもしれない。

 一応傷を確かめるべきかと、少女の顔に手を伸ばしかけたところで、恐ろしいことに早
くも回復したのか、矢部がすぐ後ろまで近寄って来ているのに気づいた。

「アイテテ、でヤンス」

「だから廊下は歩いた方が良いって言っただろ」

「そんなこといったって急に止まれないでヤンス。しっかり避けてくれないと……」

「ちょっと、ぶつかっておいて随分じゃない!」

 矢部の呟きに反応するように、がばり、と起き上がる少女。言いぐさがよほど気に入ら
なかったのだろう。痛む額をさすりながら、涙があふれかけた釣り目がちの瞳をキッと気
丈に吊り上げている。

 ぽかっ。

「アイタ、更に痛いでヤンス。暴力反対でヤンス!」

「そっちが悪いんだから当然よ!」

 またぞろ矢部が何かをしでかす前に、小波は素直に謝った。

1604−2:2006/07/27(木) 23:06:32 ID:hbflXTzS



「ごめん、急いでたから。怪我はない?」

「う、うん。大丈夫だと思うけど」

 非のない人物に頭を下げられて毒気が抜けたのか、少女は小波の思惑通りやり場のなく
なった怒りをとりあえず治めたようだ。チャンスを逃がさず畳み掛けるように、続ける。

「頭を打ってるみたいだから、念のために保健室に行こう。意識はしっかりしてるみたい
だけど、一人で歩ける?」

 手を貸そうとする小波に、少女はぶるぶるとオーバーなくらいに激しく首を振った。

「い、いいよ保健室なんてっ。そんな大した事ないから」

「後で痛み出してからじゃ、取り返し着かないかも知れないだろ」

 拒否を表す為に突き出された少女の腕を、強引に掴んで連れて行こうとする。と、観念
したのか、少女は小波の腕を振り払い、顔を赤くして言った。

「わ、分かった。自分で歩けるから、いいよ」

「うん。なら、そうして」

 頷いて、手を離す小波。オイラのときとは反応が随分違うでヤンス、と後ろから聞こえ
る怨嗟の声は、どちらに対して向けられた言葉かわからないのでさらりと流す。

「ほら、矢部くんも頭打ったんだろ。ぼんやりしてないで、一緒に行くよ」

「そういえばそうだったでヤンス」

 トテトテとすぐさま走り寄って来て、矢部はそのままの勢いでぺこりと少女に頭を下げ
た。

「悪かったでヤンス。このメガネに誓って、今後は絶対に廊下を走らないようにするでヤ
ンス」

 たった今走ってたじゃないか、という言葉は落着した空気に水を挿しそうだったので、
小波は敢えて黙っておくことにする。

「ううん。ボクの方も前を見てなかったからぶつかったんだよ。お互い次から気をつけよ
う?」

 既に気が落ち着いていた為か、少女はすんなりと謝罪を受け入れた。そうしてはじめて
笑う顔を見た小波は、彼女が随分と可愛らしい女性であることに気づいた。整った小さな
顔や程よく日に焼けた健康的な肌、制服の隙間から伸びる細く形の良い手足も全て、見て
いるだけで何だか自分が悪いことをしているような気分にさせられる。

 同じ事を矢部もまた感じたのだろうか。ちらりとそちらに目をやると、同性として悲し
くなるほどだらしなく鼻の下を伸ばしている少年がそこには居た。

 小波は見なかったことにして、生徒手帳の地図片手に保健室へと向かうことにした。

 
1615−1:2006/07/27(木) 23:07:32 ID:hbflXTzS


「──うん、大丈夫そうね。ちょっとコブになってるけど、きちんと冷やせば今日中に元
に戻るわ」

「ありがとうございます」

「女の子なんだから、怪我にはもっと気をつけなさいね」

「はーい」

 声だけは元気な返事に、保険医──加藤里香は苦笑した。

 明日返してね、と冷蔵庫から取り出した氷嚢を少女に手渡して、待たしていた小波と矢
部の方へ向き直る。矢部も既に治療を終えて、同じように氷を額に当てていた。

 一転、眉を逆八の字に曲げて、子供でもしかるような口調で言う。

「あなたたちも、こんなかわいい子に怪我させちゃ駄目でしょ」

「面目ありません」

「返す言葉もないでヤンス」

 年上の女性ならではの、逆らうという考え自体が浮んでこないような雰囲気の前に、二
人は深々と頭を下げた。ぴたりと揃ったその様が面白かったのか、里香と少女は顔を見合
わせて笑った。

「もういいよ。大したことなかったし」

 話題を打ち切るように、手をわさわさと大きく少女。本人がそう言う以上、蒸し返すの
も何なので、小波はもう一度軽く頭を下げるだけに留めた。


1625−2:2006/07/27(木) 23:08:22 ID:hbflXTzS


「それよりキミたち、何か急いでたんじゃないの?」

 照れくささの為か、少しばかり唐突に話題転換をして、少女は小首をかしげた。もとも
と、今の状況を生み出したのが急いた矢部の暴走なのだから、当然の疑問ではあるが。

 小波は青春を、と答えたくなる自分を堪えて頷いた。

「ちょっと職員室にね」

「野球部の設立手続きと、顧問をしてくれる先生を探しに行くところだったんでヤンス」

「冷静に考えてみればちっとも急ぐようなことじゃないよね」

 じろりと矢部の方に目線をやると、下手な口笛を吹き始める。煩いので勘弁してやるこ
とにした。

「今日は午前授業だから、先生方もすぐ帰っちゃうわよ」

 何故かニコニコと不可解な笑みを浮かべながら、里香が告げる。その目が少女のほうに
向けられていることに更に謎を覚えながらも、小波はその疑問を自分の心の中に閉まった。
気のせいだろう、と思ったのだった。

 少女が驚いたように目を見開いていたのも、まあ当然の反応だろう。

「じゃあ、矢部くんの所為で余計な道草になっちゃったけど、そろそろ行こうか」

「その通りなんでヤンスが、小波くん。できれば、もう少しオブラートに包んだ物言いを
して欲しいでヤンス」

「因果応報って知ってる?」

「仏教用語でヤンスね。異教徒の概念でヤンス」

 ナンセンスだ、とばかりに肩を竦める矢部。

「矢部くんは、何か信じてる神様でも居るの?」

「それはもちろん。神様、仏様、トミノ様でヤンス」


1635−3:2006/07/27(木) 23:08:59 ID:hbflXTzS


 誰それ、と聞いてしまったが為に、彼の信じる神の凄さを滔々と語りだした矢部をなん
とか宥めて、小波は保健室を後にした。

「どうもいろいろ──」

「失礼しましたでヤンス」

 その際、里香が「またね?」なんぞと言い出したものだから、興奮して早くもメガネの
誓いを破りそうになる相方によって、小波はドッとやる気を削がれる羽目に陥った。おま
けに、ようやく辿り着いた職員室ではたらいまわしの挙句「そういうことは理事長に直接
頼むよ」と片付けられる始末である。

 再び生徒手帳を片手に、理事長室の前まで辿り着いた頃には、当初の気合など半分も残
っていなかった。陳腐な話だが、残っているのは野球への愛と、単なる意地ばかりである。

 職員室や保健室を含めた、他の部屋部屋がすべて引き戸であったのに対して、唯一ノブ
のついた頑丈そうな扉。その前で、二人は顔を合わせて綿密な打ち合わせを行う。

「ここの理事長は、まわりの反対を押し切って共学を推し進めたようなやり手だって話な
んだ。下手なことをして機嫌を損ねたら不味いことになるよ」

「分かったでヤンス。じゃあ、オイラは──」

「うん。絶対口を開かないでね」

 あれ、と肩透かしをくらったように体勢を崩す矢部を置いて、手の甲で二度、黒樫の戸
を叩く。

『──入っていいですよ』

「失礼します」

「でヤンス」

 ──ぽかっ。


16441:2006/07/27(木) 23:09:53 ID:hbflXTzS
 今日はここまで。
 全然進んでなくてすまぬ。
165名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:21:26 ID:byRj+gs0
トミノ様にふいたwwwwwgjwwwwwww

さぁ女の子との感動の再会はあるのか?!
非常に続きが楽しみでヤンス
166名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:28:02 ID:qtgbPj86
乙です。GJ!自分のペースで書けばいいから続き待ってますぜw
167名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:54:21 ID:pkyZFv8c
絵久のを製作中。
明日には投稿できるかも。
168名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:55:58 ID:EjTo7k79
んなもんいちいち報告せんでいい。しかもageで。
そう言ったきり音沙汰なかった書き手はこのスレにゴロゴロいるんだから。
169名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:09:36 ID:G7GGGo9x
このスレっていうか、どこにでもいる。
170名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:23:54 ID:JPTXM+FA
>>164
GJ! トミノ様ワロスwww
171名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:46:57 ID:U7kEkHF4
>>167
>>2にある良くない例に思いっきり該当しますよね、その書き込み。
そういったカキコはただ他の職人さんをないがしろにして場の空気を悪くするだけじゃなく、
書き込んだ本人が「自己中」「構ってちゃん」
「テンプレすら読んでない、もしくは読んでいたとしても何一つその意味を理解できてない」
といった評価を受けて損だということに気付いて欲しいです。
さらに言うと、「そんな簡単なことにすら気が回らない作者さんの書くSSが
本当に面白いのだろうか?」といった悪い印象まで与えかねません。

自分がSSを投下してから、たった数レスしか進んでいないのに、流れを切った
宣伝あるいは誘い受けのカキコをされたらどう感じるだろうかと考えてみて欲しいです。
他人の気持ちを考えるというのはSSを書く上で非常に重要だと思うのですが。

…とまあ偉そうなことを書いてしまいましたが、
SSの感想よりもこういった自治まがいの方が長くなってしまうのも間違ってるかもしれませんね。



>>128さん
あー、聖は私服が着物だったり、極道の女の素質があるのかも…
シチュエーションの設定が意外性抜群で愉快です、笑わせてもらいました。
>>前スレ930さん
麗菜の当て馬っぷりが、当て馬っぷりが見てられない…w
典型的エロゲ主人公してる郎君も微笑ましいです。
>>41さん
この第一話からオムニバス形式?になるのでしょうか、
どう展開するのか予想がつかず、楽しみです。トミノ様は、確かに矢部なら信じてそうw

SSの投稿も増えて来ましたし、特に前スレからまたがっている方は
まとめwikiの方でも読めるように投稿して欲しいですね。そうすれば新規の人も楽しめますし。
2ちゃんへの投稿時のままで良いのなら私がやっても構いませんが、
職人さんの方々はその点どうでしょう。
172名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:59:53 ID:gDo8z1qq
俺からも一つ

長文乙
173快楽の虜:2006/07/28(金) 02:16:20 ID:S+QEjHfh
- 9 -

 2人を寝室に運ぶ。寝室を見て気を失いそうになったことは、今はとりあえず置いておこう。
 にしても凄いことをしてたなと、後になって思う。木乃葉さんと2、3回した程度の経験しか無かっただ
けに、あそこまで女の子を嬲る自分が自分でないような気がした。

 オレはまたソファに座ってテレビを点ける。
 チャンネルを回していると、猪狩兄弟がカイザースに入団したことについてのトーク番組がやってい
たから、とりあえずチャンネルを止めてボーっと出演者のトークを聞いていた。

「球団、新しくなったそうだな」

 キッチンの方から声がした。聖ちゃんだ。
 聖ちゃんはみずきちゃんや麗菜ちゃんのようにバスタオル姿ではなく、もうすでにパジャマに着替え
て、コップに入れた牛乳を飲んでいた。

「猪狩コンツェルンがたんぽぽ社から買収したって、凄いね、猪狩選手の家って」
「…月野先輩は家柄を気にしたりするタイプか?」
「ん?どうして?」
「私の父が役僧なのは先輩も知っているだろう?そういう家の女でも先輩に好いてもらえるのかと」

 そういえば聖ちゃんの家柄ってお寺さんだっけか。
 前に聖ちゃんの誕生日を祝いに行ったときに一度お邪魔したっけ。

「別にそんなの気にしないよ、それに、聖ちゃんの着物姿可愛かったしさ」

 言ってから気づく。
 少し臭かったかもしれない。聖ちゃんは顔を少し赤くしていたようだが。

「そ、そんな…、そんなお世辞言っても何も出ないぞっ」
174快楽の虜:2006/07/28(金) 02:17:05 ID:S+QEjHfh
「お世辞じゃないよ、まあちょっと台詞が臭かったけど…、凄く着物が似合ってたしさ、ほら、制服とか
ユニフォーム姿なんて毎日ってくらい見てるから、それだけに新鮮だな、って」

 あとお肉が食べられないってことなんかも新鮮だ。

「うー…」
「はは、何で膨れてるの、褒めたのに」

 …何だか和んでしまってるけど、これで良いんだよな、普通は…。
 オレは少し気になりながらも、視線をテレビに戻す。どうやら出演者達が電話で猪狩守選手と対話を
しているようだ。

『猪狩さんはパワフルズの小波選手をライバル視しているようですが、その辺はどうなんですか?』
『早く1軍に上がってこいと言ってやりたいさ、あいつは僕を負かして甲子園に出たんだからね』
『プロ初対戦が楽しみですね、勝てますか?』
『さあね、やってみなくちゃ分からないさ、まあ僕の勝利が99.9999%だろうけど』
『自信満々じゃないですか!』

「小波選手か…」
「先輩は知っているのか?私はあまりよく知らないが」
「んー、近所に住んでた人だよ、昔ジュニアで野球やってた時に同じチームにいたんだ」

 その時はピッチャーをやってたんだっけか。
 中学高校とショートで4番。高校最後の夏、県大会の決勝戦で、猪狩守選手からサヨナラホームラン
を打ってあかつき大学付属高校を破り、甲子園に出場した。高校時代、猪狩選手からホームランを
打ったのは、小波選手がただ1人、という記録がある。
 その年、パワフル高校は全国の頂点に立った。ここ、聖タチバナじゃあまり耳にしない話だ。

「ライバルかぁ…そういえばオレってそんなドラマなライバルいないなぁ…」
「ライバル…」
175快楽の虜:2006/07/28(金) 02:17:54 ID:S+QEjHfh

 聖ちゃんは"ライバル"という言葉を聞いてハッとしたようにそう呟いた。

「どうかした?」
「…先輩、私が好きなのは月野先輩だ」
「うえ!?…な、何?何だか凄く唐突な気がするですよ??」

 びっくりするほど唐突な、聖ちゃんからの告白。聖ちゃんはコップをテーブルに置いて、ソファに座っ
ているオレの隣に座ると、ぴったりと身体をくっつけてくる。
 …こ、この構図…、デジャヴかな…見覚えが…。

「あー…、あのー…、あ、あれだ、聖ちゃんにはライバルっているのかな〜…なんて」
「そんなのいない、先輩がいれば他のヤツはどうでもいい」

 聖ちゃんがオレの腕を取ってギュッと抱きついてくる。
 本当に聖ちゃんなのか疑ってしまうくらい、いつもの冷静なイメージはどこへやら。

「わわわ…っ、聖ちゃん、ホントどうしたのっ」
「妻になる前にはっきりさせたい…、私はあいつじゃなく、先輩が好きだってこと…」
「あ、あいつ??よく分からないけど聖ちゃん早まっ――…」

 最後まで話すことは許されなかった。唇を塞がれていた。
 聖ちゃんの顔が目の前にある。頬を赤らめた1つ下の女の子のキスはぎこちなく、決して上手なもの
ではなかったが、オレの頭の中を空っぽにする新鮮な口付け。
 木乃葉さんとのファーストキスの時のような初々しい気持ちになる。

 オレは聖ちゃんを抱き寄せた。
 奪われた唇で唇を奪い返す。聖ちゃんは少し苦しそうにしながらもそれを受け入れてくれる。
 いつの間にだろう、オレは彼女に覆い被さっていた。
176快楽の虜:2006/07/28(金) 02:22:35 ID:S+QEjHfh
聖ちゃんとの本番前に1つ繋ぎの話を。短いけど…。
聖ちゃんって絶対こんな子じゃないなー…、とか思いながらもとりあえず投下。

まとめのページの使い方が今一つ掴めないです。
あれはホームページみたいに作れるんでしょうか
177前スレ930『squeeze』:2006/07/28(金) 02:35:56 ID:cc4hcGHp
うわ、聖ちゃん積極的ww
エッチのときはこんなになるタイプか…
萌える
178名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:40:40 ID:ieC7f4oe
>>176
GJ!主人公普段の状態からイキナリ切り替わるのなww
あ、それと使い方はwikiの方に載ってるみたいよ。
179名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 08:31:42 ID:4D4MyhP7
>>快楽の虜さん
むむ、この聖の過剰反応は後にあのザコプロ君に関する葛藤があるってことすか、
ハーレム漫画とかなら脱落フラグになっちゃうとこですがどーなるんでしょw GJ!

あと、ぱわQの人がまとめサイトで読めるようにしてくれたみたいですね、
ククク…そうだ>>41、それで乙なんだよ…。
180快楽の虜:2006/07/28(金) 11:37:43 ID:S+QEjHfh
ああ、感想どうもですm(_ _)m
聖ちゃんが"あいつ"と主人公の間で揺れてるのが気に食わないのでこういう設定に。

まとめのサイト、試しに使ってみたんですが、何かやっぱりダメっぽいです。
ホームページとかああいう系全般苦手なのかな…。
管理人さん、僕の作ったページ削除しといてください。
手間かけさせてすみません…(;´Д`)
181名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 12:43:10 ID:cEylOaOS
自分は管理人じゃないので削除はできませんけど、
未来への翼のページ、勝手に修正してみました。
ホームページが苦手ってことは、あのHTMLはサイト作成ソフトで作ったのかな…?
とりあえず、同様にやれば2ページ目や3ページ目を作ってもリンクが貼れると思います。
182名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 12:46:50 ID:cEylOaOS
あ、ちょっと追加。
SS本編のページ(未来への翼1-1、それ以降は1-2、1-3…?)も
wikiモードで作ったほうが後々便利だと思います。
183快楽の虜:2006/07/28(金) 14:19:54 ID:S+QEjHfh
んー…それはまあ良いですが2ちゃんねるの形式でも良いかな…と思って。
何か本文が変になっちゃうって言うか、
本文中の"…"が"&"とかになってますしね…何でだろ…。
184名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 14:43:56 ID:cEylOaOS
2ちゃんねるの形式っていうのがどういう意味なのかよくわかりませんが、
別にページを削除せずとも本文はいくらでも編集できますよ。
どうしても消したいならページ名を変更して本文を空にしておけば事実上削除したのと同じですし…。
あと、どうやらワープロモードでは「…」(三点リーダ)は使えない?ようです。

保管して欲しくないという意味なら、出すぎた真似をしてしまったことになりますが。
185快楽の虜:2006/07/28(金) 14:55:33 ID:S+QEjHfh
そうなんですか。全部HTMLでやってたからダメだったのかな。
とりあえず本文とか作り直してきます。今日中に終わるかな…。
186快楽の虜:2006/07/28(金) 14:58:38 ID:S+QEjHfh
あと修正してくれてる人ありがとう(^^)
187名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 16:55:52 ID:pkyZFv8c
灰凶高校野球部のエース、山ア。
150キロの直球と、プロ球とも言われるフォークを武器に、甲子園まであと一歩のところまで進んだ。
そして、最後の夏。目指すは、もちろん甲子園だ。

そんな山アにも、ひとつ悩みがある。
この男、野球部のマネージャーである、須神絵久に恋をしているのだ。
入学以来の一目ぼれで、いいかんじのところまではいつも行くが、
あと1歩の勇気が出ない。
「ふう・・・」
長めの投球練習の後、ベンチに座って汗を拭いていると、
絵久が、来た。
「山アくん、お疲れさま。飲み物、どうぞ。」
不意に訪れた接触に、思わずドキッとする。
「あぁ、ありがとう。」
こんなことしかいえない自分に、少し腹が立つ。
「さてと、ボール磨かなきゃ。」
絵久が山アのそばを離れようとする。
山アは、その後ろ姿をぼんやりと眺めていた。
そのとき、絵久が振り返り、
「あっ、そうだ。ちょっと話があるんだけど・・・部活のあと、ちょっと残ってくれる・・・かな?」
と言った。
山アは曖昧な返事をして、淡い期待に

胸を、はずませた。
188名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:11:12 ID:ieC7f4oe
ん?続きはなし?
189名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 19:51:02 ID:ev2OEv+0
読点妙に多い
190名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:31:48 ID:lmOjTz9A
木津 千里ちゃんが書いたんじゃね?
このネタを分かる人このスレに何人いるんだろうか?
191名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:42:32 ID:ieC7f4oe
絶望した!そんなマイナーネタを振る>>190に絶望した!!

マイナーじゃない?
192名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:46:45 ID:41y2w3C7
>>191
誰それ?
19341:2006/07/28(金) 21:55:36 ID:8VZQgw4Y
 上で確認されてるんで今更だけど、朝wikiに書き込みました。あれでいいのか少し不安だ。
 それに伴い、主人公の名前が藤村になってたところを訂正。何処ファンだかバレちゃうな。
古いから大丈夫か。

 続きの方は月曜までに上げるつもりなんでよろしく。
194名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 22:00:31 ID:41y2w3C7
>>193
藤村富美男の事か
195これはひどい聖SS:2006/07/28(金) 22:43:01 ID:dfcgnq50
都内の某コンビニ。一人の女性が買い物袋を片手に店内を歩いていた。
新緑のような髪に一本に纏めた長い後ろ髪。
日本プロ野球女性選手第一号にして、ミゾットキャットハンズの人気選手、早川あおいである。
「えーっと・・・あ、あったあった」
雑誌棚の料理関係の雑誌を手に取る早川。
「あら?これって・・・」
その時、彼女の視線にもうひとつ気になる雑誌があった。
野球関係の情報を扱う野球専門誌・週間パワスポ。
表紙には『友沢世代の再来なるか!?07年度新人選手大特集』とある。
「・・・そっかあ。へえ、そうなんだ・・・ふふふ」
何故か嬉しそうに微笑んでパワスポを手に取る早川。
彼女が喜ぶ理由。それは女性でありながら野球を本格的に始めた理由の一つと関係していた。
レジに差し出されたパワスポの表紙には投手・友沢亮の再来と言われる久遠や、
昔なじみの彼と同じパワフル高校出身のスラッガー東條などが写されている。
その表紙の一角に、キャッチャーミットを外してセカンドへ送球する瞬間を捉えた六道聖の姿もあった。

「よし。まあこんなもんかな。今の感覚を忘れるなよ」
「うぃっス!ありがとうございました!!」
そこでは極悪久やんきーずの小並主斗が後輩選手の指導を終えたところだった。
やんきーずや極悪久高の破天荒な先輩達に揉まれたせいか少々暴力的な一面が際立っているが、
基本的には面倒見の良いタイプであり、チームリーダーとしてなんだかんだで慕われている。
「さて、腹減ったし何か食うか」
わずかに音を鳴らす腹をさすりながら小並は選手寮の食堂へと向かった。

「・・・まーたやってるのかよ」
食堂の一角の二人の選手の姿を見て一瞬ゲンナリする小並。
そこでは2メートル近くの大男と、1.5メートル少々の少女がテーブルの上の焼肉と和菓子を相手に
文字通りに格闘しているという表現がピッタリの大食い合戦を繰り広げていた。
「ふごふごぐご・・・ふんごーっ!!」
「・・・うー、あー・・・」
大柄な男の方、やんきーず不動の4番打者半田小鉄は見た目も美しい和菓子を。。
小柄な少女の方、1年目にして正捕手の女性選手六道聖は焼肉を競い合うように平らげていた。
「聖ちゃん、半田さんも・・・またやってるの?いい加減身体壊すよ?」
「問題ない・・・これも弱点の克服のため・・・だ・・・」
「小並は黙ってろ・・・こいつは俺と六道の・・・ライバル同士の問題なんだよ・・・」
確かに半田の言うとおり、二人は同じ捕手として同じポジションを争う関係ではある。
しかし事の始まりは、極端に肉好きの半田と極端に肉嫌いの六道の意見の食い違いに合った。

―数週間前―
「半田先輩。よくそんな脂ぎったものばかり食べられるな・・・」
「お前こそ。そんな甘ったるい和菓子なんて食えるな」
「・・・わかっていないな先輩。和菓子はただ甘いだけではないのだぞ?
 絶妙な風味に見た目の甘美さも加わってまさに絶品だ」
「お前こそ焼肉の良さがわかってないって。ただの食わず嫌いなんじゃないか?」
「そんなことはない・・・そういう半田先輩こそ食わず嫌いではないのか?」
「和菓子ぐらい食ったことあるけど。中途半端に甘いだけでとても食えたもんじゃねぇって」
微妙な空気が両者の間に流れる。
「・・・まっいいさ。お前にはこいつの良さがわからないんだろ。あー焼肉うめーうめー」
「それはこちらの台詞だ・・・和菓子は美味しい。いくつでもいけるぞ」
「俺の焼肉のほうがいけるに決まってるだろ」
「何を言う。私の和菓子のほうがいけるぞ・・・ほら、まだまだ入る」
「こ、こいつ・・・ふんぬーっ!!まだまだいけるぞー!!」
とまあ、こんな経緯で両者の意地の大食い合戦が始まるも、好物に関しては屈指の大食い同士の
二人ではなかなか決着がつくことがなく・・・
「このままじゃラチがあかねぇ。お互い食うモン交換して勝負しようぜ」
「わ、私が食べるのか!?その肉を・・・」
「ほおー、逃げる気か?天下の極悪久の正捕手サマとあろうものが?逃げるのか?ほー?」
「・・・望むところだ!」
・・・とまあ、こんな展開に続いて今に至るわけである。
196これはひどい聖SS:2006/07/28(金) 22:44:30 ID:dfcgnq50
「ライバル関係も何も・・・半田さん最近DHばっかりじゃないですか」
「うるさいっ!俺はまだ正捕手の座を諦めてないんだよ!」
それもあるが、この人の場合は絶対に手段が目的と摩り替わってるなと小並は内心思った。
「そうだぞ。小並先輩。私とて今のポジションが安泰だとは露にも思っていない。
 プロの世界では常に勝負と思っているからな。気を抜く暇など私は持たない」
「いや、その心構えはホント立派だと思うんだけどね・・・」
小並は心の中で自分の言葉に訂正を入れる。
「この人達」の場合は絶対に手段が目的と摩り替わってる。

シーズン序盤を終え、やんきーずは2位と0.5ゲーム差ながら首位に位置していた。
小並と半田の中軸を中心とした打線には元々定評があり、投手陣も近年はエース鷹野を筆頭に
急成長を遂げ、実は単なるネタ球団と侮れない実力を身につけているのだ。
しかも今年からは、あらゆる意味で注目の期待の黄金ルーキーもスタメンに名を連ねており、
実力と同時に人気面でもやんきーずは急浮上を果たしていた。
「小並さん、お持ち致しやす!」
「おう。サンキュー古谷」
小並と同じ極悪久高出身の後輩にあたる古谷正美が小並の荷物を受け持つ。
同校の先輩後輩に当たるからか、自然と彼が小並の一番の付き人となっている。
「最近調子良いみたいだな。オレも先輩として鼻が高いよ」
「恐縮っス!」
基本的にはガラの悪い男だが人情には厚く、尊敬できる人物に対しては謙虚という
古きよきヤンキーの王道をいくような、古谷はそういう男だ。
選手としては、社会人を経て去年からやんきーずで活躍する外野手で、守備の面で課題は残るが
長打力と勝負強い打撃を買われて一軍スタメンの機会も多い。
「・・・っと。悪い古谷。先行っててくれるか」
「ん?別にいいっすけど何かあったんですか?」
「いやちょっとな・・・」
「まあ命令なら聞くっすよ。それじゃ失礼しやっす!」
古谷が立ち去ったのを2、3確認してから、小並は視線の先に見つけた人物の元へ駆けつける。
「えーへーへーへー。ひっ、じっ、りっ、ちゃ〜ん!!」
普段は恐怖の番長として恐れられる雰囲気など跡形もなく吹っ飛び、
だらしなく鼻の下を伸ばして六道聖の元へ真っ先に駆け寄った。
「・・・気持ち悪いぞ。小並先輩」
「グハッ。今日も手厳しいなぁ・・・」
「あ、おはようございます。小並さん」
と、その二人の前に現れた丸眼鏡の男。彼の名は・・・
「やあ亀田君。調子はどう?」
「小、小並さん、えらく上機嫌ですね・・・」
そこには小並の浮かれきった様子に若干引き気味の男が居た。
プロの中では中肉中背の丸眼鏡が特徴的な男。彼の名前は―
「やあ亀田君いたの。調子はどう?」
「だから何度も言ってるでしょ!僕は矢倍ですってば!!
「またまたー。その丸眼鏡はどうみたって亀田君以外ありえないって。だよね?」
「私に聞かれても困るぞ」
彼は去年から強豪・西強高校からドラフト1位で入団したレギュラー外野手、矢倍明彦である。
ちなみに亀田というのは矢倍に瓜二つな、小並の高校時代のチームメイトだ。
「いつもの冗談はさておき、今日の先発は斉藤だ。よく球を見ていけよ」
「任せてください。僕の得意分野ですよ」
「頼もしいな。じゃあちょっと先行っててくれる?」
「・・・そこで先に行け、の意味がわかりませんってば」
「デリカシーの無いところは亀田君そのものだよなあ」
「だから僕は矢倍・・・はぁ、わかりましたよ、行けばいいんでしょ、行けば・・・まったく・・・」
ぶつくさ文句をたれながら矢倍はそそくさと立ち去った。
典型的な野球エリートの道を進んできたタイプだが、どうにも彼は不遇なイメージがつきまとう。
弱小高と手違いで強豪高に入ったまでは良かったが、極悪久に入ってからはぞんざいな扱いを
受けることが多く、先輩陣にはいい「いじられ役」としてのポジションを確立してしまっている。
「さて、やっと二人きりになれたわけだが」
「そうか。何か私に用事か?私は特に先輩に用は無いんだが」
「・・・へ、へこたれてたまるかー」
相変わらず望みの無い恋だが、小並は今回も不純かつ不屈の闘志でなんとか持ち直す。
197これはひどい聖SS:2006/07/28(金) 22:45:29 ID:dfcgnq50
「・・・ところで小並先輩。矢倍先輩はそんなに亀田という人に似ているのか?」
「ああ、そりゃもう瓜二つさ。そのせいかなんか可愛がっちゃうんだよな、あはは。
 それがどうかしたの?」
「いや。何か引っかかるんだ・・・どこかで・・・」
私も彼とはどこかで会ったような感じがする。六道はそんな風に思っていた。
「・・・んー」
「どうしたの?」
―まあ、引っかかるが思い出せないということは大した問題ではないのだろう。
六道はその違和感のようなものを忘れることにした。
「まあいいか・・・いや、何でもない」
「ふーん・・・?」

その頃、頑張パワフルズの本拠地・頑張市民球場―
「ヘーックション!でやんす!」
「あれ矢部君どうしたの?風邪」
「そんなはずないでやんすが・・・フッ、きっとどこかの美少女が今頃オイラの噂をしてたでやんすね」
「はいはい」
「そうでやんす。美少女といえば聖ちゃんもプロ入りしてるでやんすよね」
「そうだね。ドラフトではギリギリだったみたいだけど良かったよ」
「フッ、きっとオイラの噂をしていたのは聖ちゃんでやんすね。
 違うリーグで再開する機会は薄いでやんすのに、オイラときたら・・・罪作りな男でやんす」
「はいはい・・・それじゃあ、交流戦に出られるように頑張ろうね」
「合点でやんす!聖ちゃん待ってるでやんすよー!!」
いや、お前忘れられてるから。

この日の試合はやんきーずが優位に試合を運んでいた。
「フォアボール!!」
矢倍が得意の選球眼で四球を選ぶ。
『2番 キャッチャー 六道』
ワアアアアアァァァァァーッ!!!!
そのアナウンスと同時につんざくような歓声が場内を包み込む。
六道はバットを正面に構えたまま、ネクストバッターボックスからゆっくりと打席へと向かう。
これといった特徴の無いフォームだが、その分洗練された感のあるフォームだ。
『さあ六道選手、早くも送りバントの構えか!』
状況は3対2でやんきーずがリード。追加点が欲しいこの場面は無難に送るようだ。
相手投手はセオリー通り、バントの困難な高めの速球で攻める。
(コースが甘い。もらった!)
カキーーーン!!
『あーっと六道ヒッティング!これは内野の頭を越えた!クリーンヒット!』
鮮やかなヒッティングでセンター前に運ぶ。
『3番 ショート 小並』
ワアアアアアァァァァァーッ!!!!
これまた六道に負けない歓声を背に、小並が続いて打席へと向かう。
(さて、ここで決めてやるか!)
下半身はオープンスタンス。上半身は伊達に木刀を振り回していないと言わんばかりに
正面から見た投手には剣道の八相の構えのように見えるバットの構え。
六道に意表を突かれ、ノーアウト1、2塁で主軸に繋がれた相手投手は既に雰囲気に押されている。
『第3球投げた!これはいいコース!』
外角低めに落ちる緩めのカーブ。確かに普通ならばいいところに決まる球なのだが
ストライクゾーンの範囲内なのがまずかった。
バットの届く範囲であれば、外角球は小並にとっては棒球同然なのだ。
「とったぁーーーっ!!!」
グワラゴァガキィィィーーーン!!!!!
壮絶な打撃音を残して白球がライト方向の夜空に消える。
「いっよっしゃぁー!!」
「さすがっス番長!!」
マウンド上でうなだれる投手とは対照的に悠々とベースを駆ける小並。
198これはひどい聖SS:2006/07/28(金) 22:46:29 ID:dfcgnq50
「やりましたね小並さん。お見事です!」
「これで今日の試合はもらったぜ!」
「今日も楽勝ですね〜」
浮かれ気分のチームメイト相手に小並は厳しい目で答える。
「お前ら、まだ試合は終わってないんだぞ。まだ何が起こるかわからないんだから浮かれるな」
「は、ハイッ!すんませんでした!」
何だかんだで彼は超一流の選手である。その辺りの心構えはしっかりしている。
「やったな先輩。さすがだったぞ」
「いやー聖ちゃんこそ凄かったよー!今日の試合もらっくしょーだね!あーはーはーはー!!」
ズコー
ベンチ内が一斉にズッコケた。

試合終了後、監督の八木と小並が今日の試合を振り返っていた。
今日の試合は結局、小並のタイムリーの後の半田のダメ押し弾もあって快勝だった。
「ふむ・・・皆ええ仕事をしてくれるのぉ。今年こそはいけるかもしれんな」
「はい。ですけど毎年後半に息切れするパターンが続いてますからまだわかりませんけど」
「番堂が抜けた今年こそが大事なのじゃ。やんきーず黄金時代のために何としても優勝を果たさんとの」
「今年こそはやってみせますよ。オレもみんなも・・・それから、彼女もね」
そう言って彼は六道聖の姿を脳裏に思い浮かべる。
後に、この年が本当にやんきーず黄金時代の到来を告げる年となることはまだ誰も知る由はなかった・・・
199名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:01:41 ID:Slpcy0Mk
ごめん、マジで感想言っていい?





面白い。極亜久が出たときは正直ヤバイ方向を考えたけど、
こっちで良かった。続きあれば是非。
200名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:10:20 ID:U7kEkHF4
簡潔でテンポが良い文体なのに小ネタが色々仕込んであっていいですね、
エロパロとか抜きで楽しいわw 本編じゃまずお目にかかれないだろうシチュですし。
爆笑といより、なんだかニヤニヤしながら読んでしまう感じ。続きもよろしくw
201名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:13:19 ID:JcLXJEg+
これはエロとか関係なく普通に神SSです。
202187の続き:2006/07/28(金) 23:21:31 ID:pkyZFv8c
山アはその後も絵久の言葉が気になり続けており、
練習はいつの間にか終わっていた。
部室に入ろうとすると、矢部君が話しかけてきた。
「山アくん、腹へって死にそうでやんす。
 早く着替えて行こうでやんす!」
「えっ・・・」
そうか、しまった。今日は矢部君と駅前のラーメン屋に行くんだったな・・・
とっさに、この約束と絵久との約束を天秤にかける。
矢部との約束は、ずっと上の方へ飛んでいってしまった。
「ごめん、矢部君。俺、今日ちょっと母さんの誕生日でさ・・・」
「ええ〜っ!?そんな理由でオイラとの約束を断るんでやんすか?」
自分でも分かりやすい嘘だと思った。
でも、割と単純な矢部君になら、十分だろう。
「本当にごめんよ。こんど何かおごるからさ。ね?」
「ぬうう〜・・・分かったでやんすぅ。怒拳でも誘うでやんすか・・・」
山アはふう、と小さくため息をついて、部室に入った。
自分のロッカーに、メモが入っていた。絵久からであった。
「練習お疲れ様。みんなが帰ったらまた部室に戻って来てください。」
と、女の子らしく、しかしバランスのとれたきれいな字で書いてあった。
ああ、性格って字に表れるんだなあ、と冷静に考える余裕がその時にはあった。
203名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:23:33 ID:pkyZFv8c
帰り道。
途中でチームメイトと別れ、みんなの姿が見えなくなってから、少し急いで部室に戻る。
ところで、話ってなんなんだろうか。
もしかして、絵久ちゃんから・・・告白?まさかまさか。
いや、でもなぁ、他に考えられないよな、いや、でも、と考えているうちに、部室に着いた。
いつもは何も気にせず開けているドアだが、今日は開けるのに緊張した。
ドアを開けると、気のせいだろうか、いつもより魅力的な絵久の姿があった。
「あっ、山ア君」
そうだ、このすぐに折れてしまいそうな、か細い声が絵久ちゃんを好きになったきっかけだった。
「ごめんね、いきなり呼び出しちゃって・・・」
「いや、全然平気だよ。とくに予定もなかったし。」
ごめん、矢部君。
と、心の中で謝る。
「最近、暑くなってきて練習も大変だよね。
 矢部君とか、いつもフラフラだし。ふふ。」
「この間なんて、いくら帰ろうって言っても水道から離れないんだもん。」
絵久ちゃんとの会話に、矢部君が使えるとは思わなかった。
今度は心の中で、小さく感謝。
204名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:24:05 ID:YTb9po1M
謝る。
正直、極亜久と聞いてレイプ物だと思った。
本当にごめんなさい。
205204:2006/07/28(金) 23:26:17 ID:YTb9po1M
>>204はこれはひどい聖SS 氏に対してです。
206これはひどい聖SS:2006/07/28(金) 23:33:43 ID:dfcgnq50
改めてみたら誤字と用語間違いがひどすぎる
最初んところのはキャッチャーマスク、ね
207名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:35:30 ID:EjTo7k79
焦らず、ディスプレイにヒビ入るほどじっくり推敲してから、投稿してくださいな。
つまんないミスでいいSSを台無しにすることないように。
208名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:43:06 ID:4D4MyhP7
>>207からツンデレの匂いがする…。

これはひどい聖SS、楽しいですwもっとやってください
209203の続き:2006/07/29(土) 00:34:08 ID:7bHVQImT
その後も、いくら待っても絵久ちゃんからの「話」が出てこない。
こっちから切り出してみようか、と悩んで、
そうしてみることにした。
「ところで、絵久ちゃん。その・・・話って・・・何なの?」
「えっ・・・えと・・・あのね・・・」
少し驚いた様子で、こっちをちらっと見てから話し出した。
「その・・・最近の山ア君のことなんだけど・・・」
「うん。」
絵久ちゃんはいかにも話しづらそうな表情だった。
ちょっとだけ、顔が赤い気もした。
「最近・・・山ア君、前ほど練習に身が入っていない気がするの。
 2年のときとか、毎日部活のあと居残って
 一人でフォークの練習してたでしょ?」
誰も知らないはずなのに・・・なんで絵久ちゃんは知ってるんだ?
あの自分のウイニングショットであるフォークは、
毎日の努力で作り上げたものだった。
人差し指と中指の間は擦り切れ、痛いなんてものじゃなかった。
今の俺の指の間は、皮が厚くなって、ゴツゴツしている。
210名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 00:34:41 ID:7bHVQImT
その必死に完成させたフォークで、秋の大会で準決勝まで行った。
同点で迎えた延長11回裏、相手の攻撃。
2死からセカンドが平凡なゴロを弾き、
次にはショート、セカンド、センターがフライを譲り合って俊足の1塁ランナーが一気に3塁まで進んだ。
2死だが、1・3塁となり、サヨナラ負けのピンチ。
まだ、その時は冷静だった。大丈夫。
全力のストレートで2つ空振りを奪ったあと、
もちろん最後はフォーク。3球勝負だ。
俺の投じたボールは、ジャストミートと思った相手打者のバットに近づいた途端、
ストン、と鋭く落ちた。もちろん、バットはくるりと回った。
マウンドをガッツポーズで駆け下りようとした、その時。
ボールはキャッチャーのミットの下をくぐり、バックネットに向かって転がった。
どこからか、悲鳴に似た声が聞こえた。

しかし、その大会で俺は自信をつけたのは確かだった。
ストレートはときどき打たれたものの、フォークは1回も打たれていない。
そのころからだったか、居残り練習をやめたのはーーーーー。
211名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 00:37:42 ID:7bHVQImT
絵久ちゃんは話を続けた。
「山ア君の目標がプロ野球選手だってことは、知ってるの。
 だから、今のままで満足して欲しくないの。だから・・・」
言い終わった後、一瞬、周りが静かになった気がした。
「そっか・・・絵久ちゃん、ありがとう。心配してくれて。
 確かに、最近気が緩んでた。
 プロに行くなら、もっと上を目指さなきゃね。」
「うん。山ア君なら、プロにも行けると思うの。」
1つ間を置いて、
「それに・・・」
「ん?」
顔を赤らめ、絵久ちゃんが言った。
「私、山ア君が好き。入学したときから、ずっと・・・」
思いがけない言葉に、顔をつうっと汗が一筋流れた。


続きは後で投稿します。
見てくれてる人がいるか分かりませんが。
これはひどい聖SSさんと重なってしまい、すいません。
212190:2006/07/29(土) 01:55:22 ID:wZu+ywlw
>>211
続きが気になります

結局分かったって反応をしたのは>>191だけかぁ
元ネタはさよなら絶望先生って漫画に出てくる女生徒の一人で
台詞の言葉はキッチリ句読点が付いているんです
213名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 02:07:40 ID:p5/8Yyzm
>>198
これは実にひどい聖SSですね(褒め言葉)
ってか矢倍まで出しちゃうのかよwww
>>211
イイネイイネ絵久ちゃんカワイス
そういえば、絵久ちゃんのモデルってなんだろう
最初見かけでハーマイオニーかとも思ったが、
灰凶のことを考えると、もしかしてユリアなんだろうか
214名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 02:12:25 ID:sG1uobnv
>>213
初めて廃墟プレイしたときにゴウ軍団がまんま北斗の拳の雑魚で吹いたww
215名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 02:38:04 ID:D8Hg73W6
>>213
マリア様がみてる、の藤堂志摩子っぽいけどな。
口調は…口調もあんなもんか
216名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 02:38:16 ID:gTHPEnli
流れ豚切るが10の借りるコマンドであおいを借りてきた時、
手足を縛られて口にガムテープを貼られて拉致られるあおいを妄想してハァハァしたのは俺だけ?
217名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 03:19:28 ID:UwN9pCGQ
そーいやパワプロ史での亀田はどうなったんだろう?
218名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 03:22:03 ID:zmxibKe+
>>これはひどい(ry
本当に良いなぁ〜2メートルの半田に物怖じしない聖。やっぱり姉御に(ry
本当に面白いですよ。小並もおもろい兄貴って感じです。続き楽しみにして
ますよ。

>>絵久SS
いよいよ盛り上がりですね。フォークに対する自信はどうなるんでしょう。
似たような場面でも投げる事ができるのか。実際に躊躇無くできたらそれこ
そプロになれるんでしょうね。こちらも楽しみにしてます。


219パワプロ男対聖作者:2006/07/29(土) 04:35:13 ID:xGgX67Lj
 >>これは酷い聖SS
 いやあ、目から鱗がおちるアイデアだ。これは。
 聖と聞いたら、普通キャットハンズを思い浮かべるのが普通だけど、やんきーすとは
中々にいいものですな!! 半田との絡みもいいし、和菓子と焼肉対決なんて楽しませ
ていただいた! とてもGJ!!

 >>絵久SS
 おお! このスレ初の絵久作品、GJ!

 がんばって、後続に勢いをつけられるさらにGJな作品を期待!

 気がついたらとんでもない数の作品が投下されてて、レス付け切れないが、
神様方皆様GJ♪
 ……さて、モレもそろそろ投下すっかね。
 ……エロが驚くほどい少ないよ(泣)

220パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??43』:2006/07/29(土) 04:36:39 ID:xGgX67Lj

 ドクンドクンッ……

 朦朧と意識の中、何故か鼓動だけが嫌に大きく聞こえた。
 体正面の皮膚全体に感じる懐かしいぬくもりは、眠りの神の抱擁、心音は子守唄とし
て聖の五感を埋め尽くした。思わず、ぬくもりの対象をきゅっと抱きしめる。

(ぐぬおっ!?)

(……んむ)

 聖は朝が弱い。
 元々表情が乏しく、表面上はいつもと変わらないため、その事を知っているのはみずき
と父親くらいのものだが、朝起きる時はいつも四苦八苦するものだ。睡眠欲と理性の戦
いは常に理性が勝利を収めてきたが、その勝利は全て辛勝とでも言うべき代物である。

 すりすり……

 彼女はいつものルーチンワークどおり、布団の中で丸まり、頬を布団にこすりつける。

(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!)

 ほら、こうすれば、布団と頬の摩擦でだんだんと意識が……と、ここまで行動して。

(ん?)

 聖はようやく、今の自分に違和感を覚えた。
 ……今の体勢はうつぶせである。というか、起きた時からそうだった。寝相の悪くな
い自分にしては珍しい事だが、まあそれは後で考えるとして。
 うつ伏せならば、目の前にあるのは敷布団である。それを、何故自分は抱きしめて
いるのか。ナニゆえ、布団にぬくもりがあるのか。
221パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??44』:2006/07/29(土) 04:37:14 ID:xGgX67Lj
 違和感はまだある。頬に感じる感触が、明らかに自分の布団のものではない。線香
の匂いが全くしないし、なんか生暖かくてジョリジョリする……人肌のように。

 どくんっ、どくんっ……

 先程から子守唄代わりにしていた鼓動も可笑しい。何故、自分の体からではなく
敷布団から聞こえるのだ?

 意識もさえてきたところで、聖はのっそりと目を開けて……

『…………』

 目が合った。
 そこにいたのは男だった。そして、頭の回転が速い聖は、それだけで状況を把握
してしまった。
 自分は今、男を全力で抱きしめている――

 長い。
 長い沈黙の後に、聖はある結論を出した。




 ……夢だこれは。




222パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??45』:2006/07/29(土) 04:37:44 ID:xGgX67Lj
 聖タン、一応首だけは風呂男から見える位置に出していたのを、カタツムリよろ
しくもそもそと布団の奥に引っ込み、一言。

(おやすみ)
(寝るなゴルぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!(゚Д゚))

 六道聖と波和風呂男。
 二人が本日このやり取りをするのは、3度目である。
 カタツムリみたいな動作に思わず萌えたのは秘密だ。



(夢じゃないからな。寝るなよ!)
(……ん。わかった)

 必死で言い聞かせる風呂男に、今度ははっきりと返事を返す聖。
 三度目の正直という奴か、ようやく起きる→夢だと思う→寝るのサイクルを断ち切れ
たことに、心底ほっとする風呂男であった。
 ……正直、あのまま寝ぼけた行為を繰り返されたら、理性の糸がぷちっと切れてし
まうところだったので。なにせ、起こしそこなった二回とも、同じように頬ずりした
り胸押し付けてきたり抱きしめたりを繰り返していたのだ。幸い、股間の聞かん棒が
聖に接触するのだけは何とか防げたが……

(……お前、なんで布団の中で寝てたんだよ。帰ったんじゃなかったのか)
(……わからない……あの二人が風呂云々言い出したところまでは……覚えているん
だがな……)
(は? それじゃ、俺が今のうちに帰れって言ったのは……)
(……覚えてないな。多分……既に寝てたんだと思うぞ……)

 まだ寝ボケが脳に残留しているのか、聖の応答はいやに間延びしたものだった。
 正しくは匂いと酸素不足で気絶していたのだから、分かるはずもない。そんな事は
知る由もない風呂男は、なんと肝っ玉の据わった女だと呆れた。

223パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??45』:2006/07/29(土) 04:38:32 ID:xGgX67Lj

(はぁ……ったく……今となっちゃ出て行ってもらうわけにもいかねえしな。
 悪いが、このまま朝まで一緒にいてもらうぞ)
(……うん。わかっ……………………!!!!!!!!!!)
(あいつら、明日の朝一番に帰ってくれるから、その時に……?)

 肩越しに寝ている友人達の様子を見ていた風呂男は気付かなかったが、聖に劇的な
変化が起きた。思考回路が認識したある情報が、心臓をダイレクトに動かし顔面に血
液をかき集める。
 暗闇のせいで顔は見えなかったが、明らかに体を硬くした聖に、風呂男は眉をひそめた。
いまさら恥ずかしがるような事でもないだろうに……

(な、な、な……なみわ、せん、ぱい……)

 口から漏れる言葉も、小声であることを差し引いてもあまりに小さく、掠れている。
何が起きたのかわからず、風呂男は改めて問うた。

(どーしたよ。今更恥ずかしがってるわけじゃないだろ)
(な、なんで……そんな格好をしてるんだ!?)
(……あ)

 ぼそぼそとささやかれた内容に、彼はようやく、過去と現在の差異に思い至った。
 そう……自分は今、ブリーフ一丁、上半身裸なのだ。服越しだった先程までと違い、
半裸の男と半裸の女の抱擁は、正真正銘恋人同士のスキンシップになってしまう。

(す、すまんっ……寝る時、いつもこの格好なもんで)
(…………)

 詫びて遠ざかろうにも、そうもいかない状況である。せめてもの心遣いに肩に手を置き、
少しだけ距離をとろうとした……

 ぽんっぴしっ

 ……変な効果音になってしまった。
 要するに、肩に手を置いた瞬間、二人が同時に硬直したことを示す音である。
 風呂男が手のひらに感じるのは、ありえない、ありえてはいけない感触だった。

 この、手のひらに吸い付くように柔らかな感触は、間違っても布越しのものではない、
直の感触。服を着ているはずの聖相手にありえていい感触ではなかった。
 聖も触られた感触でそれに気付き、あわてて全身をまさぐった……








 見事にパンツ一枚すらない素っ裸だった。
224パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??46』:2006/07/29(土) 04:40:05 ID:xGgX67Lj







 全てを悟り、今の自分の状況を完全に把握した瞬間、

(…………っ!)

 聖は縮こまった。風呂男の胸の上で。
 怒るでもなく、怖がるでもなく、ただ、縮こまったのである。

(…………)
(…………)
(…………)
(お、おーい?)

 それきり黙りこまれてしまい、状況と沈黙の板ばさみに耐え切れなくなった風呂男
の方が根を上げた。何でもいい、会話して気をそらさないと、理性の耐久度が限界を突
破しそうだった。

(六道? あのさ、そこで黙られると、俺もちょっとアレなんだけれども)
(……剥いたのか?)

 暗闇でもわかる明らかな疑惑の目線と形容しがたい圧力を受けて、風呂男は全力前回、
周りを誤魔化すことすら忘れて首を左右に振った。
 沈黙の後にようやく口を開いた聖の口調は、これでもかというくらい張り詰めていて。
一切の思考を無視し、むき出しの感情が脳裏に浮かび上がった。
 かわいい、と。

225パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??47』:2006/07/29(土) 04:40:36 ID:xGgX67Lj
(……本当、だな?)

 今度は全力前回で肯定。すがるような問いかけだった。

(し、下着だけならギコがとったのかも知れねえけど……さっぱり思い当たる節が
ない(汗))

 ギコは女物のパンツや下着が大好きだ。匂いその他は関係なく、単に肌触りのい
い材質が好きなのだと言う事は分かっているのだが、なんと言うか変態臭い。
 あまりに取られまくるので、しまいにゃ安物パンツしか履いてこなくなったとい
う笑い話である。安物になったとたん見向きもしなくなって、彼女凹んだが。
 二人は知る由もなかったが、聖は朦朧とした意識の中、あまりの暑苦しさに服を脱
いで下着姿になっていた。そこをギコ猫に襲撃され、素っ裸になったわけだ。布団の
中をまさぐればすぐに見つかる位置に制服が丸まっているのだが、二人がそれに気付
くはずもない。

(だとしたら、もう下着はあきらめろ。引き裂かれてあいつの寝床の下に敷かれてん
だから)
(…………本当に、先輩じゃないんだな?)
(当たり前だ。そんな事する位なら、とっくの昔に襲ってる)

 実に説得力のある言い様だった。パワーがないとはいえ、波和の腕力なら聖くらい
簡単に押さえ込めるだろう。

(そ、それじゃあ……信じる、が……)

 全身に感じる皮膚の感触に、聖は平静を保つことが出来なかった。そこにあるぬく
もりが、異性のものであると分かってもなお、安堵感を覚える自分を見つけたからだ。

 久しぶりだった。こんな風に、男の人に接触するのは。変な意味ではない。聖の父
親は寺院の本山を取り仕切っているために、仕事に忙殺され聖との家族の時間が少な
かった。
 愛情は惜しみなく注いでもらったが、それでも寂しかった。母親が子供の頃に早逝
したのもあり、こんな風に抱きしめられたのは小学校の入学式以来だろうか。
 手を繋いだ記憶すら、薄れている。

226パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??48』:2006/07/29(土) 04:41:12 ID:xGgX67Lj
(……と、とりあえず、体勢変えよう。な?)

 風呂男の言葉に、聖は首だけをコクンと動かして、同意した。重力に押し付けられる
聖の体は柔らかく、これ以上耐えられそうになかったのだ。
 これが風呂男の上ではなく、横ならば少しは『マシ』になるだろう、安易な予測の元、
聖はゆっくりと風呂男の上から、矢部達が寝ている方向の反対側へと降りていった。

 降りたのはいい。だが、降り方が拙かった。

 くちゅ

((……!!!!!!!!!!!!!!!))

 二人の動きが、布団の中で止まった。
 聖と風呂男、二人が全く同時に、全く同じ場所に対する刺激に耐えかねたのだ。
その場所とは……股間。
 位置的にギリギリだった風呂男の何と聖の秘貝が、とうとう接触してしまったのだ。




227パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??49』:2006/07/29(土) 04:41:46 ID:xGgX67Lj



(く、くぬうううううううううっ!)

 ただでさえ追い詰められている息子を刺激され、決壊しようとする精巣管を、
風呂男は執念で何とか繋ぎとめることが出来た。その頭にあるのは、こんな状況に
置かれる聖に対する罪悪感と、そんな少女を傷つけてなるものかという二つの感情のみ。
もはや、後ろにいる友人二人のことは、完全に意識の外である。
 感触からして、相当な量の先走りがあふれていたようだった。そんなものを押し付
けられた少女の恐怖はいかばかりか。考えるまでもないと風呂男は思った。
 現に、風呂男の竿が触れた瞬間、聖は体をこわばらせた後、放心状態になっている
ではないか!

(わ、悪い……大丈夫か?)
(…………)

 何とか暴発を押さえ込んでから問いかけるが、聖からの返答はなかった。
 恐怖で動けないのか……風呂男は勝手にそうと決め付けた。決め付けて、聖の体を
抱きかかえようと手を動かす。下心はなかった。ただ、聖の体を予定通り自分の上か
ら動かそうとしただけである。

 それだけだったのだが……聖の反応は、風呂男の予測の斜め上を錐揉み回転していった。

 聖の体を抱えるための手が、聖に触れたその瞬間、

(はぁ……はぁ……)

 聞こえてきたのは、聖の口から漏れる色情を含んだ濡れた息。
 聖は自分の手のひらに反応することなく、なすがままに横へと下ろされる……
その過程でようやく、風呂男は自分の認識と現実の誤差を知った。
 ――放心状態になっているにしては、脱力の度合いが酷すぎた。ほぼ手のひらには
多量の汗が付着し、ブリーフの感触も可笑しい。そっとそちらに手を触れてみると、
シミは先走り以外の液体で、外側から浸透していた。酷く粘度の高い、愛液だった。

 まさか。今ので……

 感じてしまったのか? ブリーフ越しにこすっただけで?

 聖の名誉のために言っておくが、これは仕方のないことである。
 彼女は男性に対して体制がなく、こんな異常な状態など考えたこともない。父以外
の男の裸など見たこともないし、それも子供の頃の事、抱き合うなどもってのほか。
オナニーもあまりせず、性欲は主に運動で発散させるタイプだ。
 その上、汗という男性フェロモンを窒息しかねないほどにかかされ、体の芯から火
照っていた……ここまで条件がそろえば、仕方がないだろう。
228パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??50』:2006/07/29(土) 04:46:54 ID:xGgX67Lj

(――っ!)
(んぅっ……ふあぁっ)

 続いてもれた鼻にかかった吐息が追い討ちになり、風呂男の意識の底にあったダムは、
轟音を立てて決壊した。せき止められていた欲望の勢いはすさまじく、その勢いは行
動にも反映された。

 暗闇の中、すばやく聖のあごに手を当てると、くいと上を向かせ……

「――!」

 驚く聖の双眸を見つめながら、その唇を貪っていた。聖が何かを言っているのが舌
越しに分かるが、風呂男はそんなものは黙殺した。こわばり、動こうとする体も、力
づくで黙らせる。
 歯の裏側、歯茎、頬と歯の隙間……風呂男の舌が口内のありとあらゆる場所を蹂躙
するに従い、抵抗する力が抜けていった。まるで、唇から力を吸われているかのように。
 そもそも、それほど激しく抵抗しようとしていたわけでもないのだ。女性を神聖視
する馬鹿は無視する事が多いのだが、女性にも性欲はあるのだから。

 窓からもれるほんの僅かな街灯の明かり、闇に慣れた視界に、蕩けた双眸で震える
彼女の姿がおぼろげに見える。
 その瞳を見つめながら、風呂男はようやく唇を離した……唾液で舌と舌がつながり、
きらりと光る糸を紡ぎ、切れる。

(……悪い。もう我慢出来そうにねえ)
(はぁ……はぁ……)

 詫びながら、風呂男は手のひらを聖の胸に当てた。胸板の上にほんの僅かな脂肪が
蓄えられ、辛うじて括れが分かるほどのささやかな胸だが、不釣合いな程の弾力が指
を押し返してくる。

 むにっむにっ……

「んっ……んんんっ」

 弾力を楽しむように、ゆっくりと揉みしだくと、聖の細いからだが細かく震え、
あえぎをかみ殺すも、うめき声が閉じられた唇を掻い潜って風呂男の耳朶を叩いた。

(鼻で息しろ)

 風呂男の中に残った最後の理性が、聖に声を上げられる危険性を悟り、唇で唇を塞ぐ。
口をふさがれ、聖が言われたとおりに鼻で呼吸を開始すると、少々騒がしかった室内は、
いっそう静かになった。
 布ズレの音も、矢部たちを起こすには至らない。
229パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??51』:2006/07/29(土) 04:47:27 ID:xGgX67Lj

 胸を揉んでいた指先が、乳首に触れた。痛々しいほどに硬く隆起したそれを、人差し
指と中指ではさみ、刺激を加えていく。掌で揉み、指先で乳首を嬲られて、聖の快楽の
ボルテージはグングンと高まっていった。
 闇で何も見えないが、聖が興奮していることは鼻息と、ディープキスに応じる舌の動
きで分かる。唾液を送り込めば喉を鳴らして飲みこみ、下を絡めれば絡め返してくる。

(……俺、何やってんだ?)

 快楽と欲望に押し流され、暴走状態の風呂男の脳裏に、嫌に冷静な声が響いた。
 全くだと、風呂男は思う。不本意に自分のベッドに引きずり込まれた少女を、暗闇を
いい事に無理やり犯すなど、犯罪者の所業だ。

 ……深遠な接吻の時間は、唐突に終わった。

 風呂男が、唐突に接吻を切り上げたのである。聖が違和感を感じるまもなく、力強い
抱擁を受けた。お互いの口元がお互いの耳元に寄せられ、風呂男の唇から音が漏れる。

(……なあ、何で抵抗しない?)

 何を今更、と風呂男は己を嘲笑った。自分のような目つきの悪い男にこんな行為を
されたら、誰でも萎縮するに決まっている。抵抗するなど、考えもしないだろう。卑
怯者が己の醜悪さを確認するだけの愚問だと、風呂男は思う。
 きっと、聖は何も答えようとしないだろう。

(…………)

 短い問いに、短い間を空けて、短い答えが返された。
 ささやかれた言葉の内容は、風呂男の予測とは大きく食い違った代物であった。

230パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??52』:2006/07/29(土) 04:48:26 ID:xGgX67Lj
(……これで、許してもらえるのならいくらでも)

 冷や水を浴びせかけられたというのはこの場合当てはまらないだろう。
 液体窒素をぶっ掛けられたの方がしっくり来る気がする。それほど、風呂男の内心
の変化は劇的だった。色情と激情と欲情……彼をこのような行為に駆り立てた全ての
煮えたぎる感情が、一瞬で冷めた。
 なんと言う事はない。彼女は自分と同じ状況に立たされながら、情欲に流されるこ
となく、野球の事だけを考えていたのだ。先日の試合、それに伴う罪の意識で、恥辱
に耐え切った……それに比べて、自分はどうだ。

 野球の事などすっ飛ばして、欲情しっぱなし。ささやき戦術云々以前に、どちらが
より真剣に野球に取り組んでいるかは自明の理だった。

(あ、あーっと……悪い。なんか、付け入っちまったみたいで)
(……え?)

 いきなり聞こえた謝罪の言葉に、聖は目を丸くして驚いた。彼女としては、むしろ
詫びるべきは自分のほうでだという意識があり、謝られるなどとは思っても見なかっ
たのだ。

(……悪いも何も……気にしていないぞ)
(そ、そうか?)
(ああ……そ、それよりも……)

 聖は相手の首筋に唇をしつけると、消え入るような声でささやいた……暗闇でも感
触でわかる程に体を火照らせた少女の、当然ともいえる要求だった。

(このまま放っておかれるほうが……つらいん、だ……)

 燃え上がるだけ燃え上がった聖の情欲は、今更引き返せる状態ではなかった。むしろ、
いきなり謝罪などされて放置された事で、かえって燃え上がり、忍耐心の許容限界を
あっさりと超えてしまったのだ。

 風呂男はそのささやきを聞き、思った。
231パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??53』:2006/07/29(土) 04:49:08 ID:xGgX67Lj

 かわいい。
 この女をもっと喘がせたい。

 思考と行動が直結し、行為が再開される。
 風呂男は唇に吸い付き、胸を嬲っていた両腕のうち、右腕だけを下腹部へ移動させ
ていった。指先が、腹部をなぞり、へその周りで円を描く。そして……

 くちゅぅっ

(…………!!!!)

 湿った感触と、唇に感じる悲鳴。
 少女の秘所に達した指先に、熱く湿った感触が感じられる。風呂男は触感だけを
頼りに膣内に挿入しないよう、ゆっくりと丹念に膣の周りを嬲りまわした。

(っ! っ!!!!)

 指が敏感な場所に触れるたび、聖の体は面白いほどに反応した。撫でれば震え、
つつけば戦慄き、こすれば唇が震える……状況が違ったら、もっと激しい反応をした
かもしれない。

 風呂男の指に呼応するかのように、聖の秘所はダラダラと涎を垂らす。ほしいほしいと、
はやく頂に逝かせてくれと、むき出しの欲望を、聖の変わりに叫んでいるようだった。

 感極まった涙が、聖の涙腺からあふれて風呂男の目に映る。潤んだ双眸は冷えていた
風呂男の欲望を再燃させ、唇が、指先が、その熱を原動力に激しさを増した。

 唯でさえ追い詰められていた聖に、その攻撃に耐えれる筈もなく。

(…………っ!!!!)

 絶頂に達した聖は、大きく体を戦慄かせて、その場に跳ね上がった。

 跳ね上がって、しまった。
232パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??54』:2006/07/29(土) 04:51:13 ID:xGgX67Lj

 どすんっ!!

 鍛えられた聖の体が全力で動くとどうなるか、考える必要もなかろう。彼女の動きは
大きくベッドを打ち、静寂に包まれた室内にぶしつけな騒音を撒き散らす。

 風呂男が押さえる間すらなかった。というか、聖の体を嬲るのに夢中で、音に神経を
配る必要性をすっかり失念していたのだ……両手共に愛撫に使っていたのがいい証拠だ。
 ぎくりと、二人の燃え上がっていた欲望が凍りつき、己の置かれた状況を思い起
こさせていた。

(や、やばい! 今ので二人が起きたら――!)
(……私に任せてくれ。考えがあるんだ)
(……何する気だよ?)
(大丈夫。きっとうまくいく)



 おおよそ、人間にとって真の暗闇というのは恐怖の対象である。
 最も身近な例を挙げるなら、目を瞑る、という行為が上げられだろう。なんでもない
だろうと感じる人がほとんどだろうが……そう言うのならば、各々方目をつぶったまま
家の外を散歩する姿を想像してみてほしい。
 考えただけで不可能だと思うことだろう。ここで言う真の暗闇とは、視覚を完全に
奪われ、うっすらとすら見えない状況、という意味である。
 元々日当たりがいいほうではない上に、夜の世界にわずかな光をもたらす月を、
分厚い雲が覆い隠しているから、外の闇は人の住まう場所とは思えないほどに深い。
 辛うじてさす外灯からの灯りと闇に慣れた目、双方がそろうことで、ようやく家具
の輪郭が見える。家具の輪郭が。それが、今の風呂男の部屋の状態である。

233パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??55』:2006/07/29(土) 04:51:44 ID:xGgX67Lj

 先入観というものは、人の思考を麻痺させる最低最悪の毒である。
 野球においてもそれは言えることで、相手のこういうところはこうだ! という決
め付けは、裏をかかれたときに致命的なミスを生む。
 たとえばフォーム。相手のフォームは一定の間だと決め付けてバッターボックスに
入ってしまうと、相手がクイックモーションで投げてくると反応できない。打者のタ
イミングをずらすという意味もあるが、先入観がなければ対応のしようもあるのだ。

 さて、遠まわしに遠まわしが重なったが、ようやくここからが肝心の本題。
 強固であればあるほど厄介な障害として、人の前に立ちはだかる……今矢部達の目
の前に立ちはだかっているのもそれだ。
 障害っつーか、ぶっちゃけただの勘違いなわけだが、順を追って説明しよう。

 寝た→騒音を聞いておきた→風呂男を見る→風呂男の布団から頭がもう一個出ている。

 ここで重要なのは、二人の先入観。『この部屋には三人しか居ない』という思い込み。
ある程度の違和感すら、風呂男が日頃混乱したときに披露する奇行という先入観に誤魔
化されいたので、当然のことではあるのだが……
 三人しか居ないはずの部屋に居る四人目。二人目の思考の迷路をさまよった先に行き
着いたのは、間抜けな誤認だった。

(な、な、な、な、生首ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!?(TдT))
(季節はずれの幽霊到来でヤンス〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(TдT))

 ……マヌケと言うなかれ。先述したとおり風呂男の布団はかなり分厚い羽毛布団であり、
聖くらいに細身ならば大して見た目が変化しない。暗闇ならばなおさらだ。
 生首が下でも横でもなく、天井を見上げていたのも、誤認に拍車をかけている。

(だ、大丈夫だっ! 多分、目の錯覚だ!)
(そ、そうでヤンス! 早く電機をつけって他化しか免穴七名)
(落ち着いてください矢部さん!!)

234パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??56』:2006/07/29(土) 04:55:59 ID:xGgX67Lj
 軽いパニック症状を引き起こしつつ、二人は寝袋を出ようと行動を開始した。
 パワプロ男危うし! 漫画であれば、そんな見出しがつきそうな展開なのだが、
生憎と彼らは文字通り『動』を『行う』事が出来なかった。

 ピクリとも動かない二人。衣擦れの音すら聞こえない状況に、二人はお互いの顔を
見合わせる。

(あの……矢部さん。なんで動かないんッスか?)
(……それはこっちの台詞でヤンス)
(……ひょっとして、矢部さんも?)
(も……? もってまさか……猛田も?)
(…………)
(…………)

 小声で会話し、見詰め合うこと数秒。予想の中にはあったものの、怖くて無視し
続けていた答えを直視してしまい、二人は心の中で叫びをシンクロさせた。

((か、金縛り〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(TдT)))

 んなわきゃあない。
 一般に金縛りのメカニズムとされる『脳が覚醒しているのに体がそれに追いついて
いない』状態にあるだけだ。帝王実業の過酷な練習と、17、16歳という金縛りの
おきやすい年齢等、偶然が重なって出来た必然であり、心霊現象では断じてない。
 ……追い討ちとばかりに、布団から生えていた首が矢部達の方に向いた。

(ヤンス〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!)

 暗闇なので顔の造詣はわからないが、相手が女だということ位はわかるが……彼等の
今の心持をたとえるなら、風船だった。恐怖という空気が次から次へと膨らんでいく、
風船だ。風船は、空気を入れ続ければ割れるものだ。
 その風船に対する、針の一突きが聖の唇から放たれた。

 暗闇でも明らかにそれとわかる程に、唇が動いたのだ。そこから読み取れる言葉は……

『シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ
シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシ
ネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ
シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシ
ネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ
シネシネシネ』

『…………ぐふっ』

 疲れもあったのだろう。元々聖が表情が分かり辛いのも幸いしたのかもしれない。
 だが。
 それらの原因を差し引いたとしても、あまりにもあっけなく。
 矢部と猛田は、その意識を手放してお花畑の向こうへと旅立っていった。

235パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??57』:2006/07/29(土) 05:07:52 ID:xGgX67Lj

「終わったぞ♪」
「鬼かお前は」

 恐怖のあまり気絶した二人の姿に、脊椎反射で風呂男が突っ込んだ。白目むいて突っ伏
した姿を見ると、幸い、二人とも寝る前に便所に行くタイプだったので、失禁はしていな
いが……冗談で済ませるにはあまりにも性質が悪かった。
 しかも、なんか鼻歌でも歌いだしそうなほどに上機嫌だし。

「うれしそうだな」
「子供のころから、こういう驚かせる役所は好きなんだ」
「子供の頃?」
「家が仏閣でな。そのせいで、肝試しの時なんかはいつも驚かせる側に回されてた。野
球より暦が長いぞ」
「はぁ、さいで」

 なんとコメントすればいいのかわからない。特に、野球より暦が長いというあたりが。

「お前、こいつらが動いたら、どうするつもりだったんだ? 流石にばれるぞ」
「問題ない。二人とも金縛りに会っていたからな」
「はぁ?」
「私は、金縛りにあってる人間とそうでない人間の区別がつくぞ」

 無意味にない胸を張るひじりんに、風呂男思わず脱力。流石仏門の娘、とでも言わ
れたいのか?
 ちょうどいい具合に脱力が股間にも伝わって、マキシマムな機関銃は、しおしおと
収縮していく。出来れば一発抜いておきたかったが、罪悪感で身をゆだね少女の純潔
まで奪うのは、気が引けた。

「……六道、とりあえず、トイレに行っててくれ」
「?」
「こんな真っ暗じゃあ、着替えられねえだろ。トイレなら何とか着替えられる」


236パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??58』:2006/07/29(土) 05:08:22 ID:xGgX67Lj

 ドアを開けると、ひんやりとした風が頬をなぜた。つい先程絶頂に達し、火照った
体にその風は心地よく、思わず立ち止まり、風による愛撫を堪能してしまう。
 今の聖の服装は、制服のスカートに上着は男物のジャケットという、ちぐはぐなもの
だった。下着はギコ猫の寝床からサルベージし、何とか無事だったのはパンツだけ。
残念ながらブラのほうは再起不能だったので、只今ノーブラだ。

「それでは先輩、世話になった」

 振り返って一礼する聖に、風呂男は眉をひそめた。例を言われるようなことはして
いないし、ここで聖を放り出すほど無責任な事はないという自覚もある。思わず、先
程聖にかけた言葉とその返答の数々を記憶の底からサルベージしてしまった。

『……本当に、送っていかなくていいのか? 自転車あるから駅まで送ってくぞ』
『先輩もしつこいな。必要ない。一応、最低限の護身術は学んでいるからな』
『つったってお前……最終に間に合うのかよ』
『間に合わなかったらタクシーでもひろうさ』
『……せめて、金くらいは出させろ。服代も含めて』
『金欠なんだろう? 無理しなくていい』

 と、万事が万事この調子である。強姦まがいのことをしてしまった風呂男としては、
いたたまれないことこの上ないし、第一……
 今ここで別れてしまったら、風呂男と聖の接点は消滅し、もう二度とこのような
機会は訪れないだろう。それこそが、風呂男がしつこく聖に声をかける理由だった。
罪悪感をはじめとした理由などは二の次だ。

(いかん、完璧に惚れた)

 女の子としても、野球に全てをつぎ込む同類としても。
 たった一晩で、風呂男の中の六道聖は大きく成長し、かなりのウェイトを占め始
めている。
 発覚と同時に縁の切れる恋など、冗談じゃない。

「そういえば」

 どうせなら見苦しく足掻いてやる……そんな決意に相応しく、風呂男がふった話
題は素敵に不自然で唐突な代物だった。歩き出す聖に無理やり並んで、

237パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??59』:2006/07/29(土) 05:08:57 ID:xGgX67Lj
「お前、試合の事で仕方がなかったとか言ってたな」
「……? ああ、言ったが」

 いきなりの問いに反応が鈍い聖に、風呂男は同行の拒否を封じる意味も兼ねて畳み
掛けた。告白して受け入れられるはずもなし、可能な限り会話を長引かせてやるという、
かなりやるせない方針である。

「あれ、どういう意味だったんだ?
 こう言っちゃなんだが、お前さんがあんな方法に訴えなきゃならんほど追い詰め
られる理由なんぞ、思いつかないんだが」
「……最初と違って、随分と私達を評価してくれてるな」
「さっき抵抗しない時点で見直してるよ。
 ……嫌でしょうがなかったんだろ。あんな方法」

 この問いに、聖は答えなかった。答えなくとも、ここに至るまでの経緯を思い出せ
ば容易に想像がつく……生半可な罪悪感では、あんなシチュエーションに耐えられる
はずがない。
 変わりに帰ってきたのは、『理由』に関する事であった。

「……みずきの事はしってるか?」
「サイドスローの女投手。お前の相方だろ。
 あのシンカーはかなり打ちずらいぞ」
「うん。ありがとう。
 みずきの祖父が、聖タチバナ学園の理事長でな」
「……そいつは初耳だな」
「理事長は、みずきが野球をやるのに反対なんだ。正確には、甲子園へ行く事を条件に、
高校の間は容認しているんだが、周りの人間がそれを勘違いしたんだ」
「周りの人間が?」
「そう。正確に言えば、理事長に取り入ってゴマ擂りたい輩が、学園の上層部にいたんだ。
そいつが勝手に野球部にある通達をしてな。
 『帝王に勝てなければ廃部』と」
「……はぁ、それでか」
「まあ、結局その輩は理事長に勝手な行動を知られて、学園から追い出されたわけだが。
 なにせ、理事長に野球を容認させる交換条件がアレだから」
「……聞くのが怖いな。お前らをそこまで追い詰める条件」
「『甲子園にいけなければ、理事長の決めた相手と結婚する』だそうだ」
238パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??60』:2006/07/29(土) 05:09:30 ID:xGgX67Lj

 どんなとんでも条件かと身構えていた風呂男は、その内容に呆れた。規模ではなく、
その対象の小ささについてだ。なんと言うことはない、以前の試合のあの滅茶苦茶なさ
さやき戦術はたかが一人のピッチャーのために、チームが一丸になったという結果だっ
たのだ。結果至上主義の帝王実業では絶対にありえない事態だ。

「それが理由かよ」
「ああ。あの試合、あれほど空しい勝ち試合は初めてだった。全員がそう言っていた……
みずきも含めてな」

 むしろ、一番悔しがっていたのがみずきだった。第二の早川あおいを目指す彼女から
すれば、実力以外で勝ち取った勝利など屈辱でしかないのだから。
 風呂男の位置からは聖の顔はうかがえない。みずきを直接知らない。いや、聖タチバ
ナのメンバー自体を知らない。知らない以上、その悔しさが分かるはずもないのだ
……帝王実業ならあくまで正攻法で乗り越えようとするだろう。

「……じゃあよ」

 気がつけば、風呂男の心に欲情などかけらも残っていなかった。そんなものは、
聖の言葉を鼓膜に捉えるにつれて、冷めきっていた。




 今の彼は、恋愛感情にどぎまぎするヘタレではない。
 帝王実業監督や友沢をして一目置かせ、打率9割を誇る名アベレージヒッター。
 野球馬鹿の、波和風呂男であった。

「リターンマッチすりゃあいいじゃねえか」





 この言葉に、風呂男の前を歩いていた聖の足が、止まった。

「今度は、公式試合じゃなくて、練習試合でだ。
 俺等は先の雪辱を、お前達は今度こそフェアプレーを……
 お互いの需要と供給が一致してる。簡単な話だ」
「……だが、そう簡単には」
「いけるさ」
239パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??61』:2006/07/29(土) 05:10:07 ID:xGgX67Lj

 風呂男は断言した。根拠のない去勢ではない、彼には確信がある。

「監督の性格から言って、あんな手段で負けたまま引き下がる筈がない。
 そっちの都合さえつけば、後はとんとん拍子に話が進む」
「…………」
「何黙ってんだよ」
「本当に、試合をしてくれるのか?」

 あんな無礼な真似をした自分達を? 不安げな聖の声にこめられたニュアンスを
読み取り、風呂男は鼻で笑った。

「何言ってやがる。















 野球馬鹿が野球するのに理由が要るのかよ」













240パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??62』:2006/07/29(土) 05:10:39 ID:xGgX67Lj
 風呂男の胸にあったのは、色情ではなく歓喜。
 この上なく軽蔑していたはずの相手が、己と同じほどに野球に打ち込むライバル
へと変わった事に関する、喜びの情念。

 聖は、無言だった。
 無言で、駅への道程を歩き続ける。風呂男は無言でその場に立ち止まり、彼女の
その背中を見送った。
 いや、立った一言だけ言い放った。

「楽しみにしてるぜ」



 さて、ここで流れも何もかも豚切りして、ある問題を出そう。
 溜まっている上に、散々オナニーして寸止め状態を繰り返した男が、その直後に
寝るとどんな悲劇が訪れるのか、という問いだ。
 答えは……



 ぴよぴよぴよ……

 テンプレートでもあるのか? と聞きたくなるほどに典型的な小鳥の囀りが聞こえる。日当たりが悪いために中途半端ながらも、窓からこぼれる日差しは明るく、室内に朝
の到来を告げていた。
 典型的な、波和邸における朝の情景である。矢部と猛田の二人は、代わり映えしな
いバックミュージックと、変わらない光景の中で目を覚ます。
 唯一常と違うところがあるとすれば、二人の顔色だろうか……

241パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??63』:2006/07/29(土) 05:11:15 ID:xGgX67Lj
『……眠い』

 全く疲れが取れていないご様子である。そりゃそうだ、一晩中気絶してただけなん
だから。

「なんか、凄く怖いものを見た気がするでヤンス……」
「あ゛あ゛ー……ホントッスねー……」

 都合のいい事に、前夜の記憶は吹っ飛んでいるらしい。内側から寝袋を開け、馴れ
た手つきでタオルケットと一緒に畳んだ後、所定の場所へ戻しておく。
 それから、朝の弱い家主を起こすべく、ベッドへと視線をやり……そこでようやく、
気がついた。

 そこに家主がいない事と、洗面場から聞こえてくる水音に。
 しかも、

「もるすぁ……もるすぁ……ゆめみるあんでぃさん……おっさんですかしゃあですか……
あっははははははは……(*゚∀゚)」

 ファビョッた上に、なんか混ざった変な歌が聞こえてくるし。

(あ、朝っぱらから何事でヤンスか〜〜〜〜!(´д`;))
(波和さん、又壊れたのかよ!(´д`;))

 さわやかではない朝の目覚めと不気味な歌声に欝入る矢部と猛田だったが、
彼らはある意味で勇敢で、残酷で、愚かだった。
 二人そろってゆっくりと、息をそろえて洗面場に向かい、開けっ放しになっている
扉から、内部を伺ったのである。

 彼らは、その行為を後々まで後悔する事になる。
242パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??64』:2006/07/29(土) 05:11:46 ID:xGgX67Lj







 風呂男は、洗面台で何かを洗っていた。裸で。
 匂ってくるのは、石鹸とイカのかをり。
 洗っているのは、彼愛用のブリーフ。
 股間の隙間に見える彼のマグナムはだらしなく垂れ下がり……ホットカルピスに
片栗粉まぜたよーな液体がこびりついている。
 そして思い出す。前夜彼が言っていたこの言葉。
 曰く『夢精しなかっただけマシ』







 ……どう見ても夢精の後始末です。本当にありがとうございました。
243パワプロ男対聖『ベッドインヘヴン??END』:2006/07/29(土) 05:12:35 ID:xGgX67Lj

 彼ら二人のその後の行動は、優しかった。
 無言でその場を後にし、無言で荷物をまとめ、無言で冷蔵庫の中のカロリーメイト
と牛乳を服用し、

「じゃ、鍵は郵便受けに」
「行ってくるでヤンス」

 とだけ言い残し、その場を後にした。
 それがせめてもの、男の優しさというものであった。
 彼らは漢だった。間違いなく。

「もるすぁ……もるすぁ……もるすぁ……もるすぁ……もるすぁ…………もるすぁ…………もるすぁ…………もるすぁ…………(T∀T)」

 後には、『寝る前に放出しとくんだった』と後の祭り的思考を体現した馬鹿だけが
残されたという。




 その日風呂男は、部活だけではなく学校そのものを休んだ。




 翌日、復帰してきた彼は今まで以上に鬼気迫る勢いで練習に取り組み、とうとう
レギュラー格の座を射止める事になる。巻き込まれた部員が翌日休むほどの執念に、
監督や友沢達は目を丸くしたが、真相を知る二人はその口をシャコガイの如く閉ざし、
他言しなかった。
 彼らは漢だった。間違いなく。


 俺には、神がついている。野球の、バッティングの神様が。
 波和風呂男は、己のバッティング技術をそう評価し、奢っていた。
 おごりがなくなった今そうは思わない。思わないが……
 この日、風呂男は確かに自分には神がついていると思った。
 それは、バッティングの神様ではなく……
 きっと、可愛いくせに無表情で、とても野球が好きな、疫病神なのだろう。
 そんな疫病神になら、取り付かれてもいいかもと、俺は……
 ……ごめんなさいすいませんあやまりますなんどでもあやまりますからどげざもつ
けますからからもう今回みたいな事態は勘弁してつかぁさい(T∀T)


 ……ようやく終わったよベッドインヘヴン(汗)
 エロ初挑戦ゆえか、やたらエロシーンに手間取った上に、エロが短い。
 ギコが切り裂いた聖タソの下着にうずもれて逝ってくる。
 次は、帝王実業と聖タチバナとの再試合のエピソードなんだが、
エロじゃなくて下ネタになりそうだ(汗)
245名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 05:43:51 ID:sRKjjD3R

……
………
あまりに神過ぎて、寝ようと思ったら俺の布団の中にも聖ちゃんがいる
という幻覚を見てしまった…
とにかくGJ
246名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 07:10:56 ID:Qz0Boav/
今時のギャルゲー文体を強めたようなサブカル色濃いSSは、たいていは読んでいてどっと疲れる。
大仰で、パロディずくめで、テンションの起伏が激しすぎて感情移入がついていかず、読みにくくて仕方ない。
最悪なのが改行効果ふんだんに使いまくりのSSで…よほどの目立ちたがりか、文字だけで勝負する自信がないのか。
自分は神になったみたいな、さぞかし得意そうな顔で書き手は執筆してたんだろうなと思ってしまう。
とまあこんな辛いこと書くのは、書いてる当人も数年間ネタSSばかり書いていて、
今になってあの時間と集中力使ってもっとマトモなもの書く努力すりゃ良かったと思ってるからなんですが。

>>244
Hシーンはドキドキしましたし、ネタも笑いまくれて面白かったです。GJ!
ただ、この文体でまともなHを書くのは無理。
読者を決して飽きさせない発想力と集中力はとんでもなく素晴らしいのですが、やはりHはHとして別に書いたほうが。風呂男じゃ……。
どうしてもいっぺんに書きたいのであれば、Hをも独立させることなくネタとして書く。ただし官能小説ではなくなるのは覚悟してください。
エロゲーやエロ漫画は絵という強烈かつ静止できる視覚情報があるためにネタばっかりでも抜けるんです、念のため。
247名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 08:34:59 ID:p5/8Yyzm
>>244
閲覧者は「ディモールト!良い」と作品を評価しました
聖ちゃんエロいしカワイイし
主人公何だかんだで男前だな
…と思ってたらオチwwwwwww

どうみてもGJです
248名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 11:08:18 ID:na6nJNqU
ちょwwwwwそれはモルスァじゃなくてモスカウwwwwww

などとどうでもいいところに突っ込んでしまう今日この頃

GJ!
エロは量より質!
まぁ途中からエロはどうでもよかったがwww
249名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 11:15:18 ID:PxQ8j64F
>>244
矢部と猛田ワロスw
GJ!ハァハァさせてもらいました。

帝王とタチバナの再試合話も楽しみにしてます!
250名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 11:20:50 ID:gkOiW/9y
ギャグがあってそれでいてエロなのが最高にいい。
とりあえずGJの意味をこめてきんつば置いておきますね。
251名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:15:07 ID:1EQW8rIT
明らかに浮いてる人が居るのは仕様ですか
252211の続き:2006/07/29(土) 20:29:39 ID:7bHVQImT
いやいやいや、ありえないだろう。
これは何かの間違いじゃ・・・
とは思いつつも、絵久ちゃんの表情から本当だと悟った。
「山ア君は、私のことどう思ってるの?・・・聞かせて。」
どうしよう。答えはもちろん決まっているのだが、
「俺は・・・・・・」
声が、出ないのだ。
1回息を吸い込んで、搾り取った声で思いを伝える。
「俺も、ずっと前から絵久ちゃんのことが好き。
 いつも絵久ちゃんのことばっかり考えてた。」
やっと言い終わったら、力がすっと抜けた。
しかし、大きな胸のドキドキは止まらない。
他人にも聞こえるんじゃないかというくらい、大きい。

1回瞬きをした瞬間に、絵久ちゃんが抱きついていた。俺に。
253名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:30:17 ID:7bHVQImT
女の子とこんなに近づいたのは初めてかもしれない。
絵久ちゃんは、とてもいい匂いがする。
いままでに経験の無い匂い。でも、俺を安心させる匂い。
「ありがとう・・・山ア君・・・ありがとう・・・」
感謝するべきなのは俺の方だろう。
こんなにいい思いをさせてもらって・・・
「好きだよ、絵久ちゃん。」
今度ははっきり言えた。
絵久ちゃんは恥ずかしそうに、それでいて嬉しそうな表情をした。
そして軽く目をつぶって、俺を見上げた。

ええええぇっ????これは・・・あのサインなのか?
キス・・・の。
254名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:30:56 ID:7bHVQImT
頭のどこかで思い描いていた理想のシチュエーションが、今ここにある。
ええい。ここはするしかないだろう。
俺は震えた手で絵久ちゃんの細い体を抱きしめ、
小さな唇に、俺の唇を重ねた。
柔らかい・・・ずっとこうしていたい。

きっと何分もそのままだった。
絵久ちゃんは天使のような笑顔で、
「キス・・・しちゃったね。」
と言った。ああ、愛しくてたまらない。
絵久ちゃんの髪をさらっと撫でた。気持ちいい。
絵久ちゃんの大きめの瞳が、俺をじっと見つめる。
可愛い、とにかく可愛い。
「俺・・・もっと、絵久ちゃんと進みたい。」
思ってみない言葉が、口からこぼれた。
255名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:31:31 ID:7bHVQImT
どこかの部活と100リットルの水で交換した、
なかなか立派なソファーに2人で座った。
あのとき交換しておいて本当に良かったな。
今度は、なんと絵久ちゃんからの口付け。
驚いたが、すぐに応える。
どちらからともなく舌が絡め始めた。
ちゅぷ、ちゅっ、ちゅく・・・といやらしい音が部室に響く。
「優しくするから・・・」
俺は、ゆっくりと絵久ちゃんを押し倒し、
制服のボタンを外していく。
「ひゃっ」
絵久ちゃんは最初こそ驚いていたものの、
そのあとは身を任せてくれた。
256名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:32:14 ID:7bHVQImT
制服を脱がし終わると、絵久ちゃんの白いブラジャーに包まれた胸が現れた。
「あんまり見ないで・・・恥ずかしいよ。」
「そんなことないよ。絵久ちゃんの胸、すごく綺麗。」
細めなスタイルな絵久の胸は、思っていたよりちょっとだけ大きかった。
俺は、優しく包み込むように乳房を揉みはじめる。
今まで経験にない柔らかさで、マシュマロみたいだ。
「あっ・・・はぁっ・・・んっ」
絵久ちゃんはうっとりした表情で、声をあげる。
「胸が弱いの?」
俺の問いかけに、絵久ちゃんは顔を真っ赤にして小さくうなずいた。
ブラをはずすと、きれいな桃色の乳首が見えた。
白い乳房に映えて、見とれてしまう。
その乳房の突起を指で刺激してみる。
「やぁっ、やま・・・ざき・・・くぅんっ、はぁっ・・・きも・・・・ちいいっ」
もう・・・なんて可愛いんだよ・・・勘弁してくれっ。
知識が少ない俺は、今度は下だろうとスカートを脱がせた。
絵久は白いブラとショーツだけになり、恥ずかしそうに下を向く。
ショーツの股間のあたりが濡れているのが分かった。
257名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:32:49 ID:7bHVQImT
「やぁん・・・恥ずかしい・・・」
ここまで来ると、俺の胸の音は大変なことになっていた。
でも、もっと絵久ちゃんを知りたい。
その部分に指を這わせてみる。熱い感触がした。
絵久の体がびくっと震える。
ショーツを脱がせると、見たことのない女の部分があった。
「わぁ・・・」
思わず声が出てしまう。
またその部分を指で擦るようにして刺激する。
「ひぁんっ、あぁっ、ダメ・・・っ・・・ダメぇっ・・・あぁぁ〜っ」
絵久ちゃんは俺にしがみつき、絶頂を迎えた。
「あっ・・・はぁ・・・はぁ・・・っ」
落ちついたところで、絵久ちゃんが俺に言った。
「私だけ気持ちよくちゃダメだよね。
 今度は・・・私にもさせて」
258名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:40:03 ID:jBX6Y7kx
風呂男とひどい聖が居れば我々はあと10年は戦える!
259名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:47:39 ID:7bHVQImT
俺は絵久ちゃんに押し倒される体制になった。
絵久ちゃんからの口付けはもの凄く情熱的で、
俺は、ただただ圧倒される。
「えへへ・・・お返しだからね。」
いつもの絵久ちゃんの笑顔だったが、感じるモノは違った。
俺はいつの間にか服を脱がされ、上半身は裸になった。
絵久ちゃんの愛撫は、数分に及んだ。
耳を甘噛みしたり、乳首を舌先でちろちろと舐めたりと、
ふだんの彼女からは想像ができない。
「うっ・・・絵久ちゃん・・・気持ちよすぎっ・・・」
絵久ちゃんの手が、ズボンにかかった。
細く、しなやかな指でベルトを解き、残りはトランクスのみになった。
俺の股間は、テントのようにトランクスの生地を押し上げている。
「すごいね・・・これ。山ア君も、興奮してるんだね・・・」
その言葉で、俺のモノはもう1周り大きくなった。
260名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:48:14 ID:7bHVQImT
絵久ちゃんは俺のトランクスを脱がす。
興奮の塊が大きくなって現れた。
「わぁ・・・大きいんだね・・・」
絵久ちゃんは指でちょん、と触れる。
いきなりだったので、俺はびくっとなる。
「あっ、ごめんね。痛かった?」
「いや、大丈夫だよ。ちょっと驚いただけ。」
「そっか・・・良かった。」
絵久ちゃんは小さく息をついた。
「それでね・・・あの、これ、どうすれば気持ちよくなる・・・の?」
「えぇとね、これを・・・手でこんな感じで動かしてくれれば」
俺は絵久ちゃんの手をとり、やり方を簡単に教えた。
「じゃあ、やるね・・・」
絵久ちゃんはおどおどしい手つきで俺のモノを掴み、上下させた。
「うっ、あぁ・・・」
本人は意識していないだろうが、ナチュラルな強弱が凄く気持ちよくて、
溶けてしまいそうな感覚になる。センスがあるのだろうか。
そんなことを思っていたら、「ねえ、山ア君」絵久ちゃんが言った。
「これをね・・・その、舐めたりしたら・・・気持ちいいかな?」

261名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:48:46 ID:7bHVQImT
絵久ちゃんは俺の股間に頭を埋める。
俺のそれに顔を近づけ、唇でついばむ。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅぷ、ちゅ、ちゅ、と音を立てる。
次は舌で先っぽをちろちろと刺激する。
や・・・やばい。気持ちよすぎるっ・・・
俺は絵久ちゃんの姿を見るだけで達してしまいそうだったが、
髪を撫で、少しでも我慢しようと必死に耐える。

しかし、その我慢は長くは続かなかった。
絵久ちゃんが上目遣いでこっちを見る。
とろりと酔ったような瞳に、ドキッとする。
「うぁっ」
俺が声をあげた。
絵久ちゃんの舌使いが、どんどん強力になっていく。
「出るっ・・・出ちゃうよ、絵久ちゃんっ」
「いいよ・・・出して・・・気持ちよくなって・・・」
俺は絵久ちゃんの口に精液を放出してしまった。
それを絵久ちゃんはさも当然かのように、飲み干す。
行為が終わったあとも、絵久ちゃんは俺のモノを舐めて、きれいにしてくれた。
「ふふっ、気持ちよかったんだね。良かった。」
絵久ちゃんがそんなことを言うから、また大きくなっていく俺の相棒。
「・・・また、元気になったね。・・・かわいい。」

もう、俺は自分を止められない。
262名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:49:30 ID:7bHVQImT
「絵久ちゃん・・・いいかな」
「うん・・・私、山ア君なら怖くないよ・・・」
恥ずかしそうに俺を軽く見上げる。
なんで、この子は俺のツボを的確に突いてくるのだろう。
出したばかりなのに、また大きくなっていく。
「優しくするからね・・・」
口付けをし、舌を絡める。絵久ちゃんは必死に応えてくれる。
再び絵久ちゃんを押し倒し、自分のモノを絵久ちゃんのその部分にあてがう。
「いくよ・・・絵久ちゃん。」
ずぷっ、ずずず・・・・・・
絵久ちゃんの入り口の押し広げていくように飲み込ませる。
「ああっ、ああぁぁっ・・・」
「ふぅ・・・くっ、はぁっ・・・・・・」
女の中というのはこんなにも気持ちいいものなのか・・・
「はぁっ、入ったよ、絵久ちゃん・・・」
「やっとひとつになれた・・・嬉しい」
この快感は例えようがないな。自分でするのとはレベルが違う・・・
「私は大丈夫だから・・・もっと奥まで来て・・・」
俺は本能的に腰を動かす。快感は強まっていく。
「はぁぁっ・・・い、いいよ絵久ちゃんっ・・・気持ちいいよ」
「山崎君の・・・あぁん、とってもっ、大きくて、あっ、熱い・・・よ・・・・・・」
もうそろそろ、お互いに限界が近いことを悟る。
「ふぁっ、おっ、俺っ・・・もう・・・やばい・・・イっちゃうよ」
「私っ、もっ、イっちゃうよ・・・山アくんっ、のっ、良すぎぃ・・・」
外に聞こえてしまうんじゃないか、というくらいの大きく、いやらしい音が部室に響く。
「絵久ちゃんっ、一緒にっ・・・」
「あはぁんっ、もう・・・もうダメぇっ」
俺たちは同時に果てた。俺は絵久ちゃんの上に倒れこんだ。
2人は目を閉じ、唇を重ねた。永遠とも感じるくらい、長く。

落ち着いてきたころ、絵久ちゃんは言った。
「山ア君、私を甲子園に連れていってね。絶対。」
「もちろん」
そのときの絵久ちゃんの天使のような微笑は、ずっと俺の脳裏に焼きついている。
これからも、忘れることはないだろうな。

263名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:50:01 ID:7bHVQImT
その翌日から、俺はもっとフォークを磨いた。
打たれないフォークから、誰も当てられないフォークにするため。

夏の甲子園予選を迎えた。
俺たちはチーム一丸で決勝まで進んだ。
俺の150キロを越すようになったストレートも、
タイミングを外すだけに使うキレのないスローカーブも、
なぜか矢部君にいつも打たれるスライダーも、
シード校と当たったりすると、たまには打たれる。
しかし、練習を重ね、改めて完成させたフォークはかすりもさせていない。

3対3でむかえた延長15回、矢部君の内野安打と
俺のタイムリーで虎の子の1点を取った。
その裏、2死から内野安打とフィルダースチョイス、四球で
2死満塁の場面。もちろん一打サヨナラの場面。
でも、甲子園がかかっているのだ。負けるわけにはいかない。
264名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:51:38 ID:7bHVQImT
俺の脳裏に秋の大会のことがよみがえる。
似たようなこの場面で、俺はまたフォークを投げれるのか・・・?
不安になり、ベンチをちらっと見る。
愛しい、彼女の姿。
何かを祈るようにして、両手をあわせていた。
そうだったな。甲子園、連れて行かなきゃ。

相手打者は名門・西強の4番、清本。
今日は俺から3本のソロホームランを放っている。
残りの1打席も、野手の正面だから良かったものの完璧にとらえられている。
しかし、打たれたのはいずれもカウント稼ぎに使ったストレート。
今日はまだフォークは見せていない。
最後の最後でこいつと勝負かよ・・・ついてないな。
初球、インローの直球で詰まらせてファール。
2,3球めはスローカーブをストライクゾーンから少し外したが、この打者には通じない。
4球めのストレートは、完璧にとらえられた。ファールにはなったが場外。
スタンドからは悲鳴交じりのどよめきが聞こえる。
勝ったな。行くぜ清本。
怒拳からのサインは低めへのフォーク。
ミットは動かすな。そこに構えとけ。
ボールを放った。清本のバットは、何もない空を切った。
265名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 20:52:30 ID:7bHVQImT
甲子園優勝校のエースのインタビューの載った新聞を、部室で眺めていた。
決勝でノーヒットノーランを達成した選手は、フォークが自慢だそうだ。
かすることもできない高速フォークを投げるこの選手は、秋のドラフトで争奪戦になるだろう、とも書いてあった。
「ふう、終わったんだな。俺の高校野球・・・」
今日は真夏にしては涼しい日だ。絵久ちゃんから告白された日のように。
「あ〜っ。またその記事見てるの?飽きないね。うふふ。」
背後に、いつもと変わらない俺の愛しい彼女。
絵久ちゃんからのさわやかな香りが、俺の鼻をくすぐる。
「ホント、凄いよねぇ。この選手、いいフォーク投げてたもんね。優勝したのも分かるよ。」
絵久ちゃんはえへへ、と小さく笑う。この笑い方が俺はとても好きだ。
「誰か、影で支えてくれてた大切な人でもいるんじゃないかな?」
「うふふ。そうなのかもね。」
絵久ちゃんと、目を合わせる。
絵久ちゃんはあの日のように、軽く目をつぶる。
分かってる、というように俺は唇を重ねた。     


                            完
266絵久SS作者:2006/07/29(土) 20:57:17 ID:7bHVQImT
以上で終わりです。
妄想かなり入ってるので、読むのがつらい部分もあるかもしれませんが、
頑張って書きました。
また、投下のタイミングも悪かったですね。すいません。
267名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 21:13:13 ID:sRKjjD3R
GJ過ぎますぜ!!
エロいけど高校生らしい爽やかなエロス、それでいて野球要素も忘れてない。
実にいい感じです。
26838の続き:2006/07/29(土) 22:58:58 ID:TY9VjDw8
浴場へ向かうと、棚の上には綺麗に折り畳まれた服と……下着があった。
オレは、何を血迷ったか扉を開き、彼女のいる風呂場へ、入ってしまった。
いや、服は着てるけど。
「あのぉ」
「キャー! えっと……何してるの?」
オレの姿に気付くと、あおいさんは必死に自らの細い腕で胸を隠す。
「オレ、背中流しますよ。何かお礼がしたいんで」
なんで恩返しでこんなことしか思い浮かばなかったのだろうか。それは、オレが多少なりとも覗きたい気持ちがあったからなのかな。
「それは嬉しいけど……なんかやること間違ってない?」
「いやいや」
とりあえず、オレは彼女の背に向かって座り、洗い始めた。
「肌、白いんですね」
改めてみると、女性らしい綺麗な白い肌。野球をやっているわりに、細くスラッとした身体。
「綺麗……です」
「ちょっと、そんなお世辞言ったって」
あおいさんは先程から下を向いたまま、頬を赤く染めている。
普段は縛られている緑がかった長い髪の毛、水滴で濡れたその肌がなんだか色っぽく思えた。
26938の続き:2006/07/29(土) 23:00:08 ID:TY9VjDw8
「でも、キミは優しいんだね。彼女のことで真剣に悩めるんだから」
「そんなこと、ないですよ」
オレは自分を否定するように、小さな声でつぶやいた。
「ううん。軽い男のコだったら、女のコに告白されたら曖昧な気持ちで返事しちゃうよ。その点で、ボクは偉いと思うなぁ、キミのこと」
「オレも、その辺の奴と変わらない、男ですよ」
泡まみれのスポンジを上下に動かして、彼女の肌を優しくなぞっていく。
「変なこと考えたりもするし…」
「変なことって、どんなこと?」
あおいさんはからかうように言ってのけた。オレの頭には、いつか想像したあおいさんの淫らな姿が映った。
「………………」
オレは、何も言えなかった。というか、言いたくなかった。
「フフ……ゴメン。でもさ、その橘さんだっけ。そのコ、きっと傷ついたんじゃないかな。キミが結論を出さなきゃ」
「そう、ですよね」
オレは小さく口にすると、あおいさんの身体をシャワーで流し、ゆっくりとその場を後にした。

オレはみずきちゃんが好きなのか。
オレがはっきりしなきゃ。
悩んでも悩みきれないモヤモヤとした思いが胸をよぎり続ける。
27038の続き:2006/07/29(土) 23:01:01 ID:TY9VjDw8

その日、オレは床で寝た。当たり前だが、あらぬことを期待した自分が情けなかった。
「じゃ、行ってきます。その、お世話になりました」
「うん。頑張って」
「おかげで、自分の気持ちに整理がつきました」
「また何かあったら、いつでも相談にのるよっ」
優しく見送ってくれた彼女に小さく頭を下げ、聖タチバナ学園高校に向かった。

急いだ。彼女に早く伝えたい。
オレの今の気持ち。
走り続けた末に、見つけた。
淡い水色の髪。彼女はパワ堂にいた。
「みずきちゃん!」
「田上……くん。どうしたの?」
オレは、ゆっくりと彼女に歩み寄る。
「オレの気持ち。正直に伝える」
「え?」
オレはゆっくりと彼女を抱き寄せる。
「ちょっ」
そして、口付けをした。
「これが今のオレの気持ち」
みずきちゃんは顔を真っ赤にして、オレの頭を叩いた。
「もう、何も…こんな場所で!」
恥ずかしそうに周りを見る。周囲にいた人々の視線を釘付けにしていたらしい。
「場所、変えよっか」
「うん」
27138の続き:2006/07/29(土) 23:01:59 ID:TY9VjDw8

誰もいない生徒会室。悪いとは思ったが、座子田くんに頼んで(正確には脅して)貸切にしてもらった。
「みずきちゃん。ずっと考えたんだ」
オレはみずきちゃんが好きだった。
最初の頃は、自分の気分優先という態度からイライラすることもあったけど、そんな彼女に振り回されるのも悪くないと、いつからか思えるようになっていた。
「好き、なんだ。みずきちゃんが」
「私も、好きだよ」
再び長いキスを交わす。先程よりも深く、お互いを確かめ合う口付け。舌を絡めあって。
「んっ」
キスを終えると、お互いに恥ずかしくなって下を向いて黙ってしまった。
「その、いいかな」
「いいよ。田上くんなら」
そっと、みずきちゃんの制服に手をかけた。ボタンを一つずつ外していくと、控えめの胸を覆うブラジャーが露になった。
「ゴメンね、ちっちゃくて」
「いいって。オレちっちゃいほうが好きだよ」
「それもどうかと思うけど……」
27238の続き:2006/07/29(土) 23:02:53 ID:TY9VjDw8
ブラジャーにも手をかけ、落ち着いてホックを外した。
みずきちゃんがスポーツブラじゃなかったのは意外だったけど。
「綺麗……」
彼女の胸は多少なりとも存在を主張するように膨らんでいて、先端の突起は綺麗なピンク色をしていた。
思わずオレは乳首にむしゃぶりついた。すでにピンと張っていたそこを、舌で転がしたり、軽く噛んでみたり。
「ひぁっ、んっ」
あいていた右の胸を手で揉みしだく。初めて感じる柔らかい感触の虜になりそうだった。
「やっ、あっ、んっ。ひぁん」
胸をちょっと弄っただけで、これだけ喘ぐなんて、実はみずきちゃんって、結構エッチな女の子だったのかも。
「ひゃっ! ど、どこ触っ、て……」
「へぇ、もうこんなに濡らしちゃって、みずきちゃんってエッチだね」
スカートの下から触れた彼女のそこは、自身の愛液でわかるほどに濡れていた。
オレは、スカートを力任せに引き下ろし、姿を見せたシマシマパンツを勢いよく脱がしていく。
27338の続き:2006/07/29(土) 23:04:06 ID:TY9VjDw8
何も身に付けてない、みずきちゃんの生まれたままの姿。
綺麗な白い肌は、オレの欲情をそそるばかりだ。
当の本人は、顔を赤くして恥ずかしそうにオレを見つめている。
「可愛い」
そんなみずきちゃんを、オレの手で好きにしたい。今なら、それができる。
「いくよ、みずきちゃん」
オレが問い掛けると、彼女は同意して小さく頷いた。
ズボンを下ろすと、自分の抑えきれない欲望の象徴が姿を表した。
「いいん、だよね」
オレは、彼女の秘所にそれをあてがう。そして、ゆっくりと濡れたそこに自らのモノを挿入していく。
「っ、あっ!」
みずきちゃんは痛みをこらえるように、小さく声をあげる。
「力、抜いて」
オレはみずきちゃんを落ち着かせながら、腰を動かしていく。
どうやら、初めて…だったみたいだ。血が混ざって赤く染まっている。
オレもこんなこと初めてだけど、男のオレがなんとかしなきゃ。
胸を揉んで、少しでも痛みをやわらげてあげなければ。
「んっ、やっ」
優しく乳輪を指でなぞると、感じているのか甘い声で喘いだ。
27438の続き:2006/07/29(土) 23:05:34 ID:TY9VjDw8
「あっ、んぁ、やっ…ん」
彼女の声のトーンが変わっていくのを見計らって、腰を動かすペースを速めた。
「いっ、あっん、やっ、気持ち……い」
「オレも、気持ちいっ!」
必死に耐えていたけれと、オレはなんか限界っぽい。
「で、でるっ!」
我慢できなかった。気持ちよすぎて、出るもの全てを彼女の中へと放出した。
「はぁ…はぁ」
なんだろう。この空気は?
オレは悪いことをしたのだろうか。
彼女は、冷たい視線で見つめている。
「……田上くん。中、出すんだもん」
「あ、ゴメン」
あぁ、それがヤバかったのか。なんてことしちゃったんだろう。
「それは、いいんだけど……私は、田上くんの赤ちゃんなら産んでもいいし」
「え?」
「でも……早いよ。それって早漏っていうんじゃない?」
早漏、ってなんだ?
事を終えて少しすると、みずきちゃんは少し落ち着かない様子で、オレに微妙な視線を送って帰っていった。
なんか気になって仕方がない。
家についたら、早漏の意味を調べてみようと思う。

そうろう【早漏】
《意》性交のとき、精液を異常に早くもらすこと。

「…………」
それって、どうやって治すんだろう。
ちょっとした悩みが増えたオレだった。

27538の続き:2006/07/29(土) 23:08:06 ID:TY9VjDw8
以上です。
どこで踏み違えたのか、変なエンドに。
もっと練ったSSを書けるよう努力していきたいと思います。
それと、1st〜とか書いてたけど切り目がはっきりせずに2ndをどこからにしたらいいかがわかんなくなった。
こんなんでスマソ。やっぱエロは苦手。
276名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 23:13:57 ID:sRKjjD3R
またエロイのきたー!!
最後の悩みワロスww
277名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 02:15:45 ID:CNr+AcuP
総じて展開早いな・・・もう少し心理描写とか欲しい
SSじゃしょうがないんだろうけど、どうしてもエロに持ち込もうっていう流れがあるような希ガス

あとID:7bHVQImTは少しは批評とかのレス読んでる?まとめが大変だろういから名前欄になんか書いといて欲しい
贅沢な悩みだが作家さんが多いとその分わかりにくくなるから
278名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 05:03:09 ID:9mmCaIQu
無駄に長い感想かいてる批評家気取りの奴がいるけど、
もしかして全部、同一人物でつか?
279名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 05:35:16 ID:LW4aM8ZZ
そうだね、長い文の子がいるね、「良いものを」と考えて書いてくれるのは良いことだろうけどもう少し簡潔にしてほしいね
280名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 10:55:07 ID:kjogABIx
>>275
う〜ん、読ませてもらいました。良いとは思いますが、確かに展開が
早すぎるのが少し気になりました。あと、268での
>オレは、何を血迷ったか扉を開き
自分で血迷ったという表現はどうかな…自分の行動自体制御できて
いない風に見えます。まあ、公衆面前でみずきにキスをかますくらい
だから間違っては無いかもしれませんがw
とりあえず乙でした。また是非書いてくださいませ。
281名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 13:15:49 ID:ERiUdpEV
昔のパワプロくん×あおいちゃんキボンヌ
282名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 20:58:39 ID:t+JGMrS5
「キボンヌ」とな!
そのセリフを見たのは電車男のドラマ以来だな

>>274
 サッ
つ「ひとつ上野男」
283名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:27:55 ID:N58VvCQf
今パワメジャやってんだがよ…。
ケイトってかわいくねえか?いや、エロくないか?
あとシーズンの補佐役の女性も。

お前ら的にどうよ?
需要ありそうだな、と思うんだが
28441:2006/07/30(日) 23:41:37 ID:sEn/S8PC
[壁]‥) 今おk?
285名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:42:51 ID:948Ni7PA
お、ぱわQの人? ごーごー。
286名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:45:20 ID:N58VvCQf
おkwかもんw
287名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:47:41 ID:sEn/S8PC
 んじゃ行きます。
 今回も進んでなくて(どころかまた一話で)悪いんだが、
なんとか次回から野球に入れるよう可能な限り巻いてみた。
2886−1:2006/07/30(日) 23:50:42 ID:sEn/S8PC



 一礼して中に入ると、見るからに高価なソファーとデスクの一揃えが二人を出迎えた。
入ったドアの対面に位置する執務机には、噂から作り上げていた豪腕理事長のイメージ
から程遠い、若くすらりとした女性が座っている。

 ──いや女性、というよりは少女と言うべきだろう。染料のそれとは明らかに違う、透
き通るような金髪を、前は額の中ほど、後ろは肩甲骨の辺りできっちりと揃えている。両
の横髪を結んだ赤いリボンのアクセントが、センスある洒落っ気と自身の容姿に対する自
負を感じさせた。

「ご用件は何かしら?」

「え、あ。えーっと、理事長にお願いがあってきたんですが」

「そうですか、それは申し訳ありません。祖母は所用で出かけておりますの。私でよけれ
ば代わりにお伺いさせて頂きますわ。そちらにおかけ下さいな」

 祖母、というからには理事長の孫なのだろう。やはり本人ではなかったらしい。勢い込
んでいただけに、小波は少しばかり拍子抜けした気分を覚えた。

「あー、じゃあ良いです。二度手間になっちゃいますから、ご本人がいらっしゃるときに
出直してきます」

「あら、お気になさらないで下さい。おばあさまから、学内のことであれば自由に采配を
揮って構わないと言われてますの。あんまり無茶なお話でなければ、善処しますわよ?」

「……それじゃあ公私混同でヤンス」

 ぼそりと横で矢部が呟いた言葉に全面的に同意しながらも、黙ってろと言う意味を込め
て、目の前の少女には見えないように彼の秘孔を突く。その場に声もなく倒れ落ちる少年
を無視して、小波は笑みを作りながら言った。
2896−2:2006/07/30(日) 23:51:12 ID:sEn/S8PC



「それじゃあ、お願いできますか」

「それは良いですけれど、……そちらの方はどうなさったんですの?」

 流石に気になったのか。床にうずくまったままの矢部を不思議そうな目で見つめる綾乃
だが、小波はしらばっくれた。

「気にしないで下さい。時折、床が恋しくなる病に患っているらしくて」

「まあ、お気の毒ですわ。では、どうぞお座りになって」

「はい。じゃあ遠慮なく」

 今度は言われたとおり、手近に合ったソファーの一つに腰を下ろす。普段の使っている
勉強椅子の感覚で体重をかけたものだから、体が埋まりそうになって小波は内心酷く慌て
た。対面に座ろうとする綾乃の姿が見えたので、それを顔に出すことだけは耐えたが。

「ではお話を聞かせて下さいな」

 交差させた膝の上で自然に組んだ指を、無意識にだろうか。軽く動かすその仕草が、如
何にもこういう場所に慣れて見える。精々気圧されないように、背筋を必要以上にピンと
立てて小波は頷いた。

「その前にお名前を伺ってよろしいですか? 自分は新入生の小波です」

「これは失礼しました。私としたことが、殿方とお話をするのに名乗りもしないなどと。
私の名は倉橋綾乃。ここの理事長の孫娘に当たります。小波様と同じように、新一年生と
して今日からこちらにお世話になっておりますの」

 同じ学年同士よろしくお願いしますわ、との言葉にこちらこそと返す。向こうはどう考
えても社交辞令だが、小波は半分本気である。理事長の孫が相手なのだから、共通点や話
題は少しでも多いほうが良いに決まっている。

 とは言え今は、無駄話をしにきたわけではない。小波は早速、本題を切り出した。

「実は俺──僕たち、野球部を作ろうと思うのですが」


2906−3:2006/07/30(日) 23:52:11 ID:sEn/S8PC


「野球部。……つまり新しい部活の申請、ということですわね?」

「何か問題でもありますか」

「いえ、男子生徒受け入れるを決めたときにある程度そういう話が来ることはおばあさま
も考慮なさっていましたわ」

 その辺りはさすが、敏腕理事長と言った所か。しかし、歯切れの悪い綾乃の口調に小波
は危惧を覚えた。そして予想通り、少女は申し訳なさそうにその台詞の後を続けた。

「──ただ、一つの部活に男子がみんな集まってしまうと、来年度以降もそちらに人数を
取られてしまう可能性が高いので、今年は原則として今ある部活で我慢してもらおうと言
う結論が出ておりますの。お力になれませんで申し訳ないですわ」

「そんな……」

 理事長の考えたことは小波にも大体想像がついた。せっかく共学にしたのに、男子と女
子がそれぞれ別々のグループで固まっていたのでは、その意味がないではないかというこ
とだ。クラブ活動は、学校内での生活グループを決める最たる要因である。ここで躓く訳
には行くまいとでも思ったのだろう。

 様々な改革を繰り広げて来た人物の考えにしては、随分とせせこましい物の見方に思え
るが。

 ──もっとも、こっちにだって都合がある。

 来年創部の許可が下りたところで、どれだけの人数を集めることが出来ることか。幾多
の部活に散らばってしまった男子生徒を集めなおすのも一苦労だろう。何より、高校生活
は三年しかなくて、甲子園へのチャンスは五回。そのうちの二回を易々と不意にするわけ
にはいかないのだ。


2916−4:2006/07/30(日) 23:52:56 ID:sEn/S8PC


「どうにかならないんですか?」

「そうですわね……」

 心底困り果てた小波の表情に気兼ねたのか。目線を明後日の方角へ向けながら、綾乃は
腕を組んだ。少なくとも彼女は、クラブを新設するのに反対ではないらしい。

 ここは気合で交渉する他ない。決意して小波は顔を上げた。挑みかかるような視線にさら
された為か、綾乃はびくりとわずかに身を竦めた。

「な、なんですの?」

「一生のお願いだからなんとかして下さい」

 立ち上がって最敬礼する小波に、驚きに見開いていた瞳を一転。細く笑みの形に変える。

「私が言うのもなんですが、うちのおばあさまはかなりの孫馬鹿ですの。私が頼めば少し
ぐらい融通して下さるかも知れませんわ」

「本当ですか」

「私、嘘は申しません。ただ、少し問題がありますの」

「それはいったいどのような?」

 ソファーに座り直しながら聞き返す小波に、綾乃は微笑みのニュアンスを若干変えた。

「私の喋り方は元からこうですけれど、あなたまで真似なさることはなくてよ? 普段の
通りに喋って下さいな。私たち、同い年なんですから、対等な相手に敬語を使うと言うの
もおかしな話でしょう?」

「……じゃあ、お言葉に甘えて」

 自分でもかなり無理している感はあったので、小波はありがたくその申し出を受けるこ
とにした。こう言う気配るようなことを口にするということは、幾らかは成果があったと
見るべきだろうか。

 表情に何か表れていないか、その顔を穴の開くほど見つめても、本気かわざとか、目の
前に座った少女はほんのり赤くなるだけで、何のヒントも出してはくれない。諦めて、再
び同じ疑問を小波は口にした。

「それで、問題って言うのは?」

「簡単なことですわ。私、野球というものをあまりよく知りませんの。得体の知れない部
活動に許可を与えるわけには行きませんでしょう」


29241:2006/07/30(日) 23:56:39 ID:sEn/S8PC
 今回はここまで。
 綾乃の設定変更が一番の問題点かも知れない。
 一応、本編同様主人公に惚れるんだけど、ゲームじゃ惚れる理由が書いてなかったから、
自分なりに理由付けしてみようとしたら原型なくなってしもたorz
 
293名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:04:40 ID:znjzNnvs
なるほど、一目惚れではないようにしたのか。
本編でちょい役にも程がある綾乃をまともなヒロインに昇格?させるには
それも手かもしれないね。どーなるのか期待。
しかし主人公の性格とか能力がわけのわからないことにw
294名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:48:33 ID:3Hh6sn/l
いぶし銀と闘志
295名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:23:32 ID:v/dSX+Pb
うわー…なんて言うか、凄く上手いなぁ
毎回言ってるけど、これは期待ですぞ
296名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:31:27 ID:2ZsVrqs2
いいとは思うんだけど、このペースじゃ前振りだけでうやむやになりそうな悪寒…
広げた風呂敷は畳んでくれよ。頼むからさ
297名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 04:23:12 ID:v/dSX+Pb
>>296
ちょっとその発言は迂闊だぜ。
君が心配する気持ちも十分わかるが、
今はちゃんと書いてくれてるんだから。
298名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 10:26:38 ID:dqo/q/ho
前スレで書いた真炎上王作ったんだが
マイナス能力つかねえwww
つか公式戦一度も出してもらえなかったorz

140kB155E35
スライダー4
カーブ1
フォーク1
シンカー2
Hシュート1
打球反応○
人気者


スタミナも球速も全然だw
今から観戦で炎上するか試してみます
299名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 10:31:13 ID:dqo/q/ho
思いっきり誤爆スマソ
300『squeeze』:2006/07/31(月) 11:12:58 ID:6TRXOcHJ
―翌日
今日は監督の指示で、ポジションごとに練習することになった。
捕手の聖と郎は、ショートバウンドキャッチから送球動作の練習をしている。
「20球目!」
「応!」
二人とも声を張り上げているが、会話らしい会話はしていない。
結局その日の練習中は会話を交わさなかった。
聖はそのことを気まずく思い、練習後に声をかけた。
「あの…郎先輩…。」
「何…聖ちゃん…。」
そこで会話が止まってしまう。
「………」
「………」
沈黙が流れる。
「今日もおつかれ〜。」
そんな中、みずきが声をかけてきた。
「と、いうわけで、3人でパワ堂にしゅっぱーつ♪」
二人とは対照的に、みずきはすこぶる上機嫌だった。
「え…今日も行くの?」
「うん、昨日割引券もらったからあるうちに使っちゃう♪聖もプリン好きだったよね。」
「ああ…すきだが…。」
「んじゃ、さっさと行こう!」
みずきは二人の手を引きずるようにして歩き出した。
301『squeeze』:2006/07/31(月) 11:13:51 ID:6TRXOcHJ
―パワ堂にて
女子二人と向き合うようにして、郎は座っている。
「クリスマスプリン、美味しかったでしょ?」
歌いながら、みずきは楽しそうに足を前後に振る。
「聖にも食べさせてあげたかったんだ。」
笑顔を聖に向けるみずき。
「でも昨日は郎君が二人っきりで来たいって言ったから。」
「そそ、そんなこと言ってないよ!!」
郎は不自然なほどに慌てる。
「ふ〜ん。じゃあ本当は3人で来たかったワケ?」
みずきは流し目を郎に向けた。
「そ…そんなんじゃないよ…。」
「まあそれでもいいよ、聖もかわいいし。」
そう言って、みずきは聖のホッペをぷにっと押した。
「な、何をするんだ…」
赤面する聖。
「ほらほら、可愛い。」
「なぁ…。」
「郎君もしてみなよ、聖のホッペ気持ちいいよ。」
――いいのか…――
――いいんだ!――
――みずきちゃんがいいって言ってるんだ――
――聖ちゃんのホッペ…――
郎は、立ち上がり向かいの席の聖の顔に手を伸ばした。
ぷに
302『squeeze』:2006/07/31(月) 11:20:59 ID:6TRXOcHJ
「うわ、ホントにやった。」
「せ、先輩…。」
―はっ!何をやってるんだ俺は…こんなん変態じゃないかぁ!―
「じゃあ、私のもぷにっとして♪」
「…え?」
「私のホッペも押してみて。聖に出来て私に出来ないはずないよね?」
郎が躊躇っていると、みずきはぷくっと頬を膨らました。
ぷに
「きゃん♪」
「…みずき…郎先輩…私たち…傍から見ると変だと思われるぞ…。」
そう言われて、郎は普段の、初心な自分に戻り、後悔したような顔になる。
しかし、みずきは笑顔のまま、再び聖の頬を押し始める。
「いいんじゃない?三人でラブラブでも?」
「な、なひをいっへるんはみずひ!」
頬を押されて上手く喋れない聖。
「ぴよぴよ口。」
そう言って、両手で両頬をおす。
「なぁ〜…。」
そんな二人を見ていて、郎はある考えを思いついた。
――そうだ、みずきちゃんと聖ちゃんが付き合えばいい。――
――そうすれば二人を誰にも取られることはない。―――

そのために、俺は俺の貞操観念を捨てる。
恋した相手を取られないために。
303名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 14:27:09 ID:bBqiOHN/
なんだこの胸焼けしそうな空気w
こいつらほんとどーしようもないなw

〉みずきと聖がくっつけば二人は誰にもとられない

いやそのりくつはおかしい(AA略
304名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 17:51:55 ID:v/dSX+Pb
ンマー ε=(´д`*;)ハァハァ
主人公の思考回路なんかヤバイぞw
305名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 17:53:20 ID:mTzXEwfn
まわりのテーブルの客が相当引いてそうな状況だw
306名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 17:58:50 ID:hFEQc5L+
だが、それがいい
307名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 18:27:51 ID:EJV0ZMdF
>>304
主人公もやばいがみずきもやばいぞw
308名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 19:32:51 ID:P/LP6P9Z
こ、こんな考え方があるとは

百合突入しても面白そうだ
309マイライフの既婚妻SS:2006/08/01(火) 02:04:32 ID:LIM1EcOc
今日は終日フリーということで、俺は自宅で妻にマッサージをしてもらっている。
「あなた、毎日お疲れ様。」
妻の名前は妻子(つまこ)。
中一から付き合い初めて20年、結婚して10数年、子供も二人いるが、今だラブラブな関係を保っている。
野球しか知らない俺と、人に尽くすのが好きな彼女。相性は良かったのだろう。
「妻子も水姫産んだばかりなのに、苦労させちゃってるね。」
水姫とは、俺たちの二人目の子で、一人目の名前は葵。両方とも女の子。
女の子でも野球をやって欲しいという気持ちからつけた。
「葵もそろそろ幼稚園に入るし、これからもっと苦労かけちゃうけど…ついて来てくれるよね。」
「今更ですよ。そんなこと聞かないでください。」
そういって、俺の頬にキス。
「あなたがいてくれなかったら、葵も水姫もいなかったし…。」
顔を赤らめる妻子。
「私の心も…身体も…壊れちゃいます…。」
真直ぐに俺を見つめる妻子。
「俺も、野球選手としてここまでこれたのは…妻子のおかげだよ…。」
そう言ってキスを返す。

ここまでは、理想的な夫婦に見えるだろう。

「じゃあ…マッサージおしまいにして、いつものやろうか…。」
「はい…。」
そう言って、妻子は乳房をあらわにする。
「それじゃ、いただきまーす。」
おれはそれにむしゃぶりつく。ほのかに甘い液体が口の中に溢れる。
「はい…私のおっぱい…好きなだけいただいてください…。」
そう、俺たちは乳を飲み、飲まれることが好きだという、変体同士なのだ。
この性癖が、俺たちを20年もラブラブな関係に保ってきたといっても過言ではない。
「おいしいですか…私のおっぱい…。」
「ああ、いつも以上に美味しいよ…。」
「よかった…。」
妻子が愛しくて、強く乳房を揉む。
「いうっ!」
すると、乳が勢い良く放出され、俺の顔が乳まみれになる。
「あ…ごめんなさい…。」
「いや…大好きなものを文字通り浴びるように飲まされて嫌な思いはしないよ。こっちこそごめん。」
おれは顔面についた妻子の母乳を指で拭う。
「ほら、妻子も舐めてごらん…。」
「は、はい…。」
俺の指を舐める妻子。
「美味しい?自分のおっぱい?」
「美味しいです…あなたと、葵と、水姫が好きなものですもの…。」
とろんとした目で答える妻子。そろそろ俺も限界だ。
310マイライフの既婚妻SS:2006/08/01(火) 02:06:00 ID:LIM1EcOc
「じゃあ…次は俺の飲んでくれよ…。」
おれは一物を曝け出す。
「はい…。」
まるで母乳を欲しがる赤ん坊のような目で、俺の一物を咥える妻子。
「おいしい?」
「もちろんです…。」
緩急をつけた扱き、絶妙な舌使い。
俺は果てるのに30秒かからなかった。妻子の顔面に俺のミルクを放出する。
悪いことをしたと思ったが、口の周りのミルクを舌で舐めとり、妻子は満足そうな顔をしてる。
「ごちそうさま…。」
俺たちはお互いが大好物なんだ。

しばらく余韻を楽しんでいると、娘の水姫が泣き出した。
「あらあら、多分泣き方はお腹がすいたんじゃないでしょうか。」
俺はある疑問を抱いた。
「さっき俺が沢山飲んじゃったけど、まだでるの?」
「う〜ん、多分出ると思いますけど、もし出なかったら…。」

――あなたのミルク、飲ませてあげてください――
311マイライフの既婚妻SS:2006/08/01(火) 02:11:10 ID:LIM1EcOc
キャラクターもネタもマニアックですいません。こういうの苦手な人、
ごめんなさい。
今書いてる『squeeze』が中々エロくならないから、つい…。

マイライフの妻の中で、既婚妻萌えな人挙手してくだされ
312名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 04:47:01 ID:ccJ9PqDN
奥さんついにキタコレwwwwww
正直、これを待ち望んでいたのかもしれん…。
早矢とかも魅力的だけど、既婚妻もなかなかいい
あの飾らないところが大好きだ
313名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 06:02:32 ID:PzhuzrKl
試合前にスタミナ料理作ってくれたりするんだよね既婚妻
314名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 09:30:39 ID:gVPiD1Cp
       ∧_∧
      (´Θ`)     さぁ楽天の英雄の名を言ってみたまえ
     /⌒   `ヽ-:,,   恥ずかしがることはない 
    / /sp★ ノ \; ∩
   |( /ヽ   |\___E) ジャマハハハ
   | |\ /━━|   ''ミ...
  | |  (   _ノ |     "-:,,.....
  |  |. |   / /         "-:,,
  |   |. |  / /          ,,,-ー"
  |   .|(___)__.)       ,,,-ー"
 |    l|::::|::::/   / """"
 レ⌒\〉:::|::::| ,,,-
     /::::|\:\
     ∠/   ̄ 
315名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 09:31:24 ID:gVPiD1Cp
どう見ても誤爆です。ありがとうございました。
316名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 10:43:04 ID:+ZVlq4GW
俺的には聖たん>>>>>智恵>>>>>>>>>その他
317名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 11:02:12 ID:ccJ9PqDN
>>314
邪魔崎、中日に帰ってきてくれwww
318名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 11:09:52 ID:6NuNPUNd
母乳は神すぎだ…
マジGJ!!
319名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 13:50:18 ID:VE5bxYNi
>>314
どこのスレの誤爆ですかジャーマンさん
320名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 14:15:01 ID:Rp5KKK8+
>>314
カ……カツノリ……?
321名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 16:29:11 ID:cr1UYIqe
ジャマさん!ジャマさんじゃないですか!
中日時代のバンザイは今でも覚えてますよ
今やドアラ並みの人気者ですね!
322名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 21:54:11 ID:+ZVlq4GW
過疎ってる→職人様がSS作成中でOK?
wktk
323名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 22:07:35 ID:cr1UYIqe
光臨期待しつつ待とう
324名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 22:54:04 ID:9DAnbEm0
まとめサイトの「リンク元」が面白いw
身も蓋もない単語でぐぐってる奴がいる…。
検索エンジンによっては「実況パワフルプロ野球シリーズ 」で検索しても
上の方に出るみたいだし
325名無し様:2006/08/01(火) 22:58:58 ID:9W1Uf8kG
誰かがしそうでしなかった幻のカップリング、みずき+聖×主人公。
誰か書いてくれ。 △ボタン連射  一生のお願いだーーーーー!!!
326名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 23:01:25 ID:9DAnbEm0
つ『squeeze』
327名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 23:04:05 ID:cr1UYIqe
>>325
いろいろと突っ込みどころが多すぎて何と言っていいのやら…
328名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 23:08:19 ID:9DAnbEm0
・(みずき+聖)×主人公
これだったら、みずきと聖のコンビに主人公が入り込む話になる

・みずき+聖×主人公
だが、これだと聖と主人公のカップルにみずきが参戦する話になる
329名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 23:19:28 ID:Mikb/RAU
官僚大卒生乙
330名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 23:31:51 ID:OlaJWlig
>>328
なるほど。こんな感じか。

「主人公先輩、ちょっといいか?」
「なに、聖ちゃん」
「好きだ、つきあってくれ」
「うん、いいよ……って、えー!!」
「主人公先輩がうんって言ってくれてほっとしたぞ。実はかなり緊張していた」
(これって冗談じゃないのか……でも、まあいいや)

聖ちゃんと付き合うことになりました。

「ちょ、ちょっと主人公くん!」
「あ、みずきちゃん」
「聖とつきあうことにしたんだって!?」
「う、うん」
「”う、うん”じゃないわよ! おじいちゃんのことどうすんのよ!」
「ああ、それは大丈夫。学長の前ではいつもどおりに……」
「いや、それはダメだ」
「聖ちゃん!?」
「主人公先輩と私はらぶらぶなんだからな。みずき、主人公先輩はあきらめろ」
「ふざけないでよ! 私だって主人公くんのことが……はっ!」
「みずき、主人公先輩のこと本気だったのか……」
「そ、そうよ。実は好きだったんだからっ!」
「みずきちゃん……」
「こうなったら主人公先輩に決めてもらおうじゃないか」
「そうね、主人公くんどうするの?」
「オレは……」

 聖ちゃんが好き
 みずきちゃんが好き
→二人とも大好き
331名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 23:42:38 ID:gKbnv2D0
うほっ、究極の選択…
332名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 23:46:12 ID:56Mg09UV
そして精神友情タッグのあの一枚絵に繋がるわけだな。
333名無し様:2006/08/02(水) 00:19:16 ID:DUdtiNsa
違うな。おまいらは大事な物を見落としている・・・・
334名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 00:21:40 ID:YyDxCJZp
相変わらず当然のように省かれる女子マネのこともたまには思い出してあげてください
335名無し様:2006/08/02(水) 00:23:31 ID:DUdtiNsa
正直オレはタチバナの女子マネは好かん!!!!
336名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 00:54:39 ID:JHY8JXde
とりあえず下げて。そしてコテなのかマジボケなのか判別しにくい。
ツッコミづらいので、できれば名前欄は空欄にしていただきたい。
337名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 01:01:22 ID:PQQjKJEj
正直俺も麗菜はあまり好きになれないな。
他の3人に比べて存在感が…
338名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 01:04:33 ID:JHY8JXde
俺は普通に萌えられるが、気持ちはわかる。
四条みたいな知的系彼女ポジションかと思いきや別にそうでもないしなぁ…
俺は今回は木乃葉さんが最高だったかな
彼女以外も入れるとあおいみずきの次を聖ちゃんと争う感じだが
339名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 01:52:17 ID:AoLIaf5t
自分は今も昔もこれからもずっとあおいちゃん一筋であります。
あおいちゃんの健康エロス、これすなわち最強。
340『squeeze』:2006/08/02(水) 08:06:22 ID:d6l91xju
―翌日
ぷに
「…。」
ぷに
「…。」
授業中、自分の頬を押す聖。
――みずきの頬って、どんな感じなんだろうか――
昨日は押されるばかりで、押せなかった聖。
なぜかみずきのホッペについてばかり考えている。
「みずきのホッペ…。」
押してみたい。でも、どうすればいいのだろう。

「みずき、ちょっといいか?」
「なに、聖?」
「みずきの頬の押し心地を試したいのだが、いいか?」
――これはだめだ、直球過ぎる。――

休み時間も、聖はみずきの頬のことを考えていた。
「メグ〜。」
「なに、詩織ちゃん…きゃっ!」
彼女の近くの席の女子生徒が戯れている。
――これだ――
その一瞬、聖の目が超集中したときのものとなった。

その日の練習後…
聖は外から部室の中に入る機会をうかがっていた。
今、部室の中にいるのはみずきのみ。今みずき専用テレビ(生徒会に頼んで買った)で見たい番組を見ている時間のはずだ。
こっそり入れば気付かれない。
忍び足で背後に近づき、ぽんと肩に手を置く。その際、人差し指は立てる。
みずきがふりむくと、ぷに。
という計画だ。
まるで忍びのようだなと聖は思った。彼女は時代劇が好きなため、悪くないと思った。
早速実行に移す。扉を開け、みずきの背後に立つ。
「誰!!」
みずきはびくっとして振り返る。
「なんだ、聖か…。」
明らかに安心した口調だ。
「どうした、みずき。」
作戦が失敗したということがばれないように、いつものトーンで返し、テレビに目をやると、
『季節外れの怪談SP』というテロップが流れていた。
「怖いのか?」
「何言ってんの!こ、怖くなんかないわよ!」
口ではそういってるが、顔はそういってなかった。
自ら肝試しを企画するぐらいのみずきをここまで怖がらせるなんて、よほどすごい内容だったのだろう。
「でも、もう暗いから、今日は一緒に帰るわよ!」
「…分かった。」
そうして二人は一緒に帰ることになった。
341『squeeze』:2006/08/02(水) 08:07:16 ID:d6l91xju
「ねえ、聖…。」
「なんだ?」
「もっと近づいていい…。」
「やはり怖いのではないか?」
「こわくなんかない!…さむいだけ…。」
うつむくみずき。そんな彼女を見て聖は、可愛いと思った。
――可愛い?みずきが…可愛い?――
自分の考えを撤回するしようとする聖。しかし、先日言われたことを思い出してしまった。
――聖も可愛いし…――
そうだ、みずきも自分のことをかわいいといってくれた。
ならば、自分もみずきのことを可愛いと思ったのだから、言うべきではないだろうか。
「みずき。」
「なに?」
「みずきも可愛いな。」
「な、いきなり何言うのよ!」
赤面するみずき。
「だから、そんなみずきに頼みがある。」
「何。」
「頬を…触らせて欲しい。」
「なんだ…そんなことか。」
みずきは聖の両手をつかみ、自分の頬に当てる。
「それだったら、したいときにしてくれていいよ♪」
「…そうか…。」
直球過ぎて駄目だと思った方法が成功した。悩んでいたのは何だったのだろう。
「私も聖にして欲しかったから…。」
「な…。」
「でも、それ以上は郎君に優先権があるけどね♪」
みずきは自分の頬にある聖の両手に自分の手を重ねた。
「聖の手…冷たい。私のホッペで暖めていいよ。」
――なぜだ…なぜこんなに胸が熱いんだ…――

342『squeeze』:2006/08/02(水) 08:10:59 ID:d6l91xju
なんか段々方向性が変になってきた。

ところで、2歳の女の子の微エロってやばいかな?
既婚妻SSの続きで、娘のなんだけど。
343名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 09:13:52 ID:gR/yHCDi
>>342
個人的にはかなり面白そうな方向だと思いますよ。
おお、あの既婚妻の続きが見られるとは…。
是非お願いします!!
344名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 09:18:43 ID:JHY8JXde
>>342
うおを、なにこの百合の園状態w
善き哉善き哉

…2歳!!?2歳ってちょww
また凄い挑戦をしなさる
でもまぁ、是非見てみたいですぜ
345名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 12:41:57 ID:jjwgcwbg
まとめ荒らされてね?
346名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 13:50:36 ID:JHY8JXde
え、ホント?パッと見荒らされてるようには見えんが
347マイライフの既婚妻SS2『妻と娘』:2006/08/02(水) 17:01:31 ID:d6l91xju
今日も俺は、妻子の母乳を頂いていた。

ガチャリ
「あ…。」
突然扉が開き、2歳の長女、葵が入ってきた。
当然、俺は妻子の乳房に吸い付いたままである。
「う〜!おとうたんずるい!」
怒り出す葵。
「もうお姉ちゃんなんだからおっぱい飲むのやめようって言ったのに、おとうたんは飲んでるなんて!」
そういって、妻子の元に駆けつけ、出しっぱなしになっている乳房に吸い付く。
しかし、しばらくして泣き出した。
「もしかして…おとうたんが全部飲んじゃったの?」
どうやら、もう出なかったらしい。
「お父さんは体が大きいから、沢山飲むの。」
慰める妻子。しかし葵は泣きやまない。
すると、妻子はなにかを思いついたようだ。
「じゃあ、お父さんのおっぱい吸う?」
「え…おとうたんもおっぱいでるの?」
「出ないけど、お父さんきっと喜ぶわよ。」
しばらく考え込む葵。
「…じゃあやる…。」
「そういうことです。上脱いで、横になってください。」
妻子は俺に向き直っていった。俺は言われたとおりにする。俺に覆いかぶさる二人。
(理性なんて、妻子の母乳を口にした時点でなくなっている。)
先に刺激してきたのは妻子。
舌と手を絶妙に使い、俺の乳首を刺激する。
もう片方に、遅れて葵が吸い付いてきた。
もちろん、技術などはないが、幼いながら口の力を一生懸命に使い、吸い付いてくる。
…思った以上に気持ちいい…
母乳を吸われるのが好きな妻子の気持ちもわかる。
俺から母乳が出ないのが、もどかしいとすら感じられた。
俺は喘ぎ声を上げていた。
「おとうたん、痛いの?」
心配そうな葵。
「大丈夫、お父さんはすごく気持ちいいよ。」
「よかった…。」
わが娘ながら、健気なことを言ってくれる。
俺の下の方も気持ちよくして欲しいと思ったが、流石にそんなことは言えない。極わずかな理性。
「もう十分気持ちよくなったから、お終いにしよう。」
しかし、葵はどこうとしない。
「あら、寝ちゃってる。」
妻子は葵を抱き上げた。
「きっと疲れたんでしょうね。寝室まで運んであげましょう。」
そう言って、妻子は部屋を出て行く。

しばらくしても帰ってこないので、娘達の寝室に行ってみると、葵と一緒に妻子も寝ていた。
二人ともかわいい寝顔だ。もちろん、ベビーベットで寝ている次女、水姫も同じくらいに可愛い。
妻子には続きをして欲しかったが、起こそうという気は起きなかった。俺は自分の寝室に戻る。
――このまま寝たら、どんな夢見るだろうな――
348マイライフの既婚妻SS2『妻と娘』:2006/08/02(水) 17:08:00 ID:d6l91xju
やっちまったよ…
マイライフの娘の画像でハァハァできる俺はイケナイお父さんですか?

あと、作者は色々あって、2,3日来れなくなりますです。
349名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 19:14:29 ID:eEkY8Ua4
なんか倫理観狂ってるあなたの作風が嫌いじゃないw
もっとヤバい方向に爆進してください

まとめサイトはなんか仕様が変わったみたいですね。
特定のページだけ見れなくなってる。
350名無し様:2006/08/02(水) 20:05:58 ID:DUdtiNsa
そうか、オレが想像して創造したのとは違う展開だな。
351名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 20:20:10 ID:JHY8JXde
>>348
やばい、イケナすぎるwww
しかし、なかなかどうしてコイツは悪くはないぜ…!!

>>350
いいから、メル欄に半角でsageって入れてみろ
ここは曲がりなりにも大人専用なのだから、vipやネ実のノリでは困るよ。
352名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 21:02:58 ID:/UeH7bGZ
>>348
何だこのものすごく背徳的な展開は・・・

だ  が  そ  れ  が  い  い
353名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 22:50:20 ID:x7Wwi6sF
まさかお前ら妄想の中で六道聖のことを『ひじりん』と呼んではいないだろうな?
そして六道聖に「そ、そう呼んでもいいのは・・・先輩だけだぞ・・・」なんて言わせてはいないだろうな?
354名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 23:10:55 ID:/6PqpIpt
( ゚д゚ )
355名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 23:53:31 ID:nT00E+5J
正直聖って良い意味でも悪い意味でもサブキャラ向きのキャラしてるよな
パワプロ14では以前のみずきみたいにピンでやるのは難しいと思う
356名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 00:15:52 ID:RfNqGbdE
例のザコプロ君が主人公で、聖と一緒にキャットハンズ入団の流れなら問題なし
みずきとのコンビは継続な上、先輩として人間ができてるあおいとも組めるし
捕手ってことであおいの引退イベントにも絡めそう

個人的には、条件次第で特定の選手と一緒に海外留学できるイベントが欲しいなw
357名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 00:23:21 ID:AL0EOHuS
聖ちゃんレギュラー化するなら
クロスプレーでケガ→自信なくして落ち込むイベントとかありそう
358名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 01:50:30 ID:jTnZDbbo
みずきと組むことであおいを超える
3592001の病弱妹・なぎさSS「きずな」:2006/08/03(木) 03:21:12 ID:H7FZ4tAa
イースタンリーグ最終戦
その試合は7−6で、中日二軍が勝利し、優勝が決まった。
優勝に浮かれる選手達。しかし、今日の1番の殊勲者は、祝賀会にはいなかった。

――病院――
手術中のランプがついた集中治療室の扉の前の椅子に、一人の男が座っていた。
彼の名は細波 露(さざなみ ろう)。
彼は、祈るように手を合わせている。
(…なぎさ…)
お兄ちゃん、約束守ったよ。ホームランを打ったよ。4本も。7打点だったよ。
だから、なぎさもお兄ちゃんとの約束、守ってくれるよね。
病気を治して、お兄ちゃんと外に行ってくれるよね。

ランプが消え、中から女性が出てきた。
「京子さん!なぎさは…。」
露はすがるような声でその看護婦に問いかける。
「…なぎさちゃんは…。」
京子は視線を落とす。
「もって…あと1ヶ月です…。」
「え…。」
「最善は尽くしました…これが精一杯です…。」
「そんな…。」
露はその場に崩れ落ちた。
3602001の病弱妹・なぎさSS「きずな」:2006/08/03(木) 03:22:23 ID:H7FZ4tAa
―翌日―
なぎさはいつもの病室に戻され、露は面会に行った。
「お兄ちゃん…もうちょっと入院してないと駄目みたい…。約束破ってごめんね…。」
なぎさは、自分の命の長さを知らない。教えない方針なのだそうだ。
「大丈夫だよ…でも、絶対良くなるから、なぎさも病気と戦い続けてね。」
露も、嘘をついてそのことを秘密にする。
「うん!そうしたら…一緒にいきたいところがあるんだ!遊園地に、動物園に、公園に、…あと…。」
――なぎさ…――
露は渚がいたたまれなくなり、気付いたら泣いていた。
「…お兄ちゃん?泣いてるの…?」
――まずい…――
ここで泣いたら、なぎさに気付かれてしまう。
しかし、涙は止まらない。
「まさか…私もしかして…。」
「うん…実は…。」
露は本当のことを話した。
なぎさは衝撃を受けた顔をしたが、しばらくして、何かを決心した顔になった。
「お兄ちゃん。」
「なに…?」
「外に…連れてって。」
「え…!?」
「だって…私あと1か月で死んじゃうんだよね!?死んじゃう前に、お兄ちゃんとの思い出を残しておきたいの!!」
泣き出して、最後になるかもしれない頼みを必死で兄に訴えるなぎさ。
「お兄さん、行ってあげてください。」
いつのまにか二人の後ろに立っていた京子が口を挟んだ。
「命自体はあと1か月持ちますが…いつ目が見えなくなるかも、耳が聞こえなくなるかも分からない状況なんです。なぎさちゃんは。
 だから…今すぐ、行ってあげてください…。」

露は車椅子でなぎさを連れ出し、二人の思い出の場所へと向かった。
「お兄ちゃん。」
「なんだい?」
「よくこの公園でキャッチボールしたよね。」
「うん…。」
「なぎさね、実は小さいころ、プロ野球選手になりたかったんだ。」
「そんなこと言ってたよね。女の子で最初の選手になるって。」
「お兄ちゃん、あのころはなぎさより下手で、悔しいからリトルリーグに入ったんだよね。」
「そうだっけか?」
「そうだよ。」
「じゃあ、お兄ちゃんがプロ野球選手になれたのはなぎさのおかげか。」
「えへへ。」
楽しげな二人の会話。
しかし、双方の胸には、言いたくても言い出せない禁句があった。
――もう一度、キャッチボールしたいね。――
3612001の病弱妹・なぎさSS「きずな」:2006/08/03(木) 03:24:08 ID:H7FZ4tAa
二人の実家。
しかし、父も母ももうすでにいなく、寮暮らしの露がたまに来る程度で、空家同然だ。
「お兄ちゃん…。」
「ん?」
「お父さんとお母さんに、お線香上げよう…。」
「そうだな…。」
露はなぎさをかかえ、二人は仏壇の前に座った。
「お兄ちゃん…なぎさがいなくなったら…お兄ちゃん一人ぼっちだね…。」
「そんなこと言うなよ…。」
「でも…本当にもうすぐそうなっちゃうんだよ…。」
沈黙が流れる。
そして、露の中の何かが壊れた。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
言葉にならない声をあげ、号泣する露。
「どうしてだよ!!!どうして父さんも母さんもお前も!!!俺を残して逝っちゃうんだよ!!!」
「なぎさだって…お兄ちゃん一人にしたくないよ…。」
なぎさも涙が止まらない
「なぎさぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
 お前と一緒に生きてられるんだったら、俺はなんでもする!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ホントに…なんでもしてくれるの?」
「ああ!!野球が出来なくなったっていい!!もう、なんでもする!!!!」
「じゃあ…。」
なぎさは一瞬の間を置く。
「…エッチ…しよう…。」
消え入るような声、露は聞き取れなかった。
「エッチしよう。」
もう一度、はっきり言うなぎさ。
「もし、私の中にお兄ちゃんとの子供が出来たら…私、きっと生きてられる。」
3622001の病弱妹・なぎさSS「きずな」:2006/08/03(木) 03:25:18 ID:H7FZ4tAa
兄の答えを待たず、服を脱ぎだすなぎさ。
入院生活で痩せていて、白い肌をしているが、それが成熟しきっていない女性のみが持つ魅力を醸し出している。
「お兄ちゃんも…脱いで。」
露にとって、妹のお願いほど強力なものはない。言われたとおりにする。
「お兄ちゃんの体…小さいときと全然違うね…。」
「まあ…大人になったからな…。」
「一緒にお風呂入ったのって、何歳くらいまでだっけ?」
「…覚えてないよ。」
そして、笑い声が二人の間に起こる。今日初めて笑った。
「じゃあ…そろそろはじめようか。」
そういって、仰向けになるなぎさ。
「沢山感じたほうが子供できやすいって看護婦さんが言ってた…だから…。」
なぎさは赤面する。
「気持よく…させてね…。」
「うん…」
露はなぎさの唇に自分の唇を重ねる。しかし。すぐに離してしまった。
「違う…これじゃまだ兄妹どうしがするキスだよ…恋人同士がするキスがしたい…。」
「じゃあ…どうすればいい?」
「舌を…入れて欲しいな…。」
「うん…。」
言われたとおり、舌を入れる。
「じゃあ…次、おっぱいいじって…。」
「うん、わかった…。」
顔をなぎさの胸にうずめる露。
「なぎさのおっぱい…どこ?」
「お兄ちゃんのイジワル…。」
ふくれるなぎさ。露は、そんな妹を愛しく思った。
「ごめんごめん。ちゃんと気持よくさせてあげるよ。」
そういって、貧相な胸を指で、舌で弄ぶ。
「お兄ちゃん!きもちいいよぉ…!」
悶えるなぎさ。脚をもじもじさせ始める。
「そろそろ…入れて…。」
「うん…。」
露はなぎさの股間に目をやった。
発育が遅く、まだ生えそろっていない恥毛。それが、粘着質な光を放っている。
「じゃあ…いくよ。」
自分の一物を、実の妹の中に挿入する。
「うっ…。」
実は、性交は今日がはじめてな露。入れただけで果ててしまった。
「ごめん…なぎさ…。」
「いいよ…まだ出来るでしょ…?」
妹にそういわれただけで、元気を回復した露の一物。
その日、この兄妹は何度も交わった。
それこそ、お互い絶頂の中で逝くことを望んでいるかのように。
3632001の病弱妹・なぎさSS「きずな」:2006/08/03(木) 03:26:02 ID:H7FZ4tAa
――1年後――
「ただいまー」
「お帰り、お兄ちゃん。」
なぎさは奇跡的に助かり、こうして一緒に暮らしている。

しかし、俺は野球をやめた。
正確には、球界を追放されたというのが正しいか。
理由は、簡単なことだ。
実の妹を関係を持ち、妊娠させたというスキャンダル。

しかし、俺は後悔していない。
きっと、これが理由で、なぎさは生きることが出来たのだから。
生まれてきた子供は、未熟児だった。
母親が病弱で、しかも両親の関係が兄妹。不思議なことではない。
しかし、娘…きずなは、生きている。それだけでいい。
―――俺は今、幸せだ―――
   完


3642001の病弱妹・なぎさSS「きずな」:2006/08/03(木) 03:29:20 ID:H7FZ4tAa
しばらくこれなくなる前に読みきり一本。
病弱妹のお願いを聞いてハァハァする作品2001から、なぎさでした。

なんか最近僕ばっか書いてるな…
他の書き手さん、ごめんなさい。
365名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 04:23:30 ID:M5TyV2/r
気にしたら負けだと思う
366名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 07:45:28 ID:EHbrHhSH
GJですよd(´∀`;)
367名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 09:35:53 ID:5+lpWxyD
GJです
しばらく来れないなんて、寂しいなぁ……
368ここのか:2006/08/03(木) 11:08:06 ID:mjBfxeNV
雰囲気のことも考えてGJって言いたいけど、ネタ的に少しマンネリしてると思う
この程度のネタならパワプロキャラじゃなくても別にいいんじゃない?
少し本編をかじってエロ書いただけじゃダメだと思うよ。
369名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 13:20:49 ID:AL0EOHuS
それはそうと、君は何故コテつけてるんだ?
370名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 13:23:09 ID:IT4lRLIi
うん、批評は止めとけな
371ここのか:2006/08/03(木) 14:20:04 ID:mjBfxeNV
具体的な感想を言っただけだよ、テンプレート見て勘違いしてるんだろうけど、
しちゃいけないのって批評じゃなくて批判なんじゃない?
当たり障りの無い「GJ」とかいう感想だけじゃ本当に良い小説なんて書けないよ。
372名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 14:30:41 ID:RfNqGbdE
>>368は具体的な感想でもないと思うよ。あの批判だったら
残念ながらどのSSにも少なからず言えること。
作者を落ち込ませるのではなく助言するための批判なら
それこそもっと具体的な感想を書くべきだと思う。

ちなみに、良いSSを書いてもらいたいなら
当たり障りのないGJレス>>>どこでも使える批判レス
だと思う。
373名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 14:33:26 ID:HA/dcJJS
批判だのなんだのは、
まあ一概にどうとは言えない複雑な問題だから触れないよ。
ただ意味のないコテは外していただきたい。
こういう板じゃ職人、まとめ関係者等以外は名無しが基本だ。
374名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 14:36:02 ID:1HmXYC2K
具体的な指摘もせず抽象的な指摘だからね。
批評ではなく批判と取られても仕方ないと個人的には思うよ


>>364
GJ! ただ三点リーダが多いのは少し気になりました
375名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 14:43:57 ID:AL0EOHuS
>>371のニンキーニシット
まぁそろそろ話題を元に戻そうぜ

>>364
GJぜ。最後がまたなんか少し怖ろしげだがw
なぎさとはまた懐かしいな
そういや妹キャラってプロの方じゃなぎさくらいか?
最近の恋愛ゲームじゃ珍しいな。

……あれ?
376名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 14:46:22 ID:AL0EOHuS
スマンageちまった
377ここのか:2006/08/03(木) 15:00:15 ID:mjBfxeNV
確かに私も言葉は選ぶべきだったと思うけど、中傷してるかどうか判断するのは職人さんじゃない?
あと、どのSSにも言えることなら尚更オリジナリティが必要だと思うよ
378名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 15:19:19 ID:RfNqGbdE
批評っていうより、今まで言いたかったこと言ってやった感があるんだよね、>>368は。
二次創作作品を書く際の基本中の基本な常識を今更鬼の首とったみたいに言われても…。
379名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 15:24:30 ID:sCc/eKC4
なんにしろコテ外さなきゃ荒らしと同じ
無意味な自己主張はしないのが匿名掲示板のお約束だぜ
380ここのか:2006/08/03(木) 15:40:24 ID:mjBfxeNV
そんな感じがするだけだったら人の感想にわざわざ食って掛かる必要はないよ
職人さんが次からそういうこと意識して書いてくれれば、少なくとも私が言った感想は無意味じゃないと思うよ
381名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 15:57:15 ID:cVEJeit2
分かったからコテ外せ
382名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 15:58:31 ID:+Ng4FCys
いや、意味があるどころかマイナスだよ。

具体的な指南もなしにオリジナリティが無いなんて言われただけで
質が向上するなら、そんなこと言われるまでもなく作品に反映されてる。
わけのわかんないコテに偉そうに常識をのたまわれてもムッとするだけ。
大体、自分のレスの意味がどうとかいう前にそのコテ外せ。
わざわざコテつける意味あるんですか?
383ここのか:2006/08/03(木) 16:14:28 ID:mjBfxeNV
質が良くなるならないの結果より、らしく書こうって意識の方が大切だよ
具体的な指摘・指南って言うけど、職人さんのこれから書く発想に読み手がどうこう言うのは筋違いだよ
384名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 16:17:31 ID:+Ng4FCys
だからさ、オリジナリティが大事だなんてこと、
あなたに言われなきゃわからないとでも思ってるんですか?
385名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 16:18:40 ID:3orJTZIb
なんか2スレ前でスレが荒れたときも同じ流れだったよな記憶が…
コテ付けてるほうが、アボーンしやすいんで
書き込み止める気がないならそのままでいてくれ
386ここのか:2006/08/03(木) 16:27:35 ID:mjBfxeNV
それが分かってるなら何で職人さんじゃない人が食って掛かってくるんですよ
職人さんに「分かってます」と言われるならともかく…
387名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 16:44:31 ID:V6GvEix2
>この程度のネタならパワプロキャラじゃなくても別にいいんじゃない

これは批評。

>少し本編をかじってエロ書いただけじゃダメだと思うよ

ただしこれは批判。

とても21歳以上の大人による書き込みとは思えないね。
388名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 16:47:24 ID:sccKIeMX
もういいからおとなしくアボーンしてスルーしとけよ
こんな雰囲気じゃ職人さんが来にくいじゃないか
389名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:04:10 ID:Va82cGy9
批評家が論争するのは批評家とだけ。
一般のスレ住人と論争する批評家は、自分が他人を批判するのは構わないが他人に自分が批判されるのは我慢ならない、というただの独善家にすぎない。
390ここのか:2006/08/03(木) 17:16:39 ID:mjBfxeNV
私からすれば私の感想が気に入らず、私を批判する人の方がよっぽど子供です
それから、論争はここでやることなんでしょうか?
そうでないなら不必要に食って掛かることはやめてほしいですね
391名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:19:23 ID:RfNqGbdE
回りのみんなが自分を否定してるのに我を通そうとするのは
子供とはいわないかな?
392ここのか:2006/08/03(木) 17:21:15 ID:mjBfxeNV
そんな大人は世の中にごまんといますよ
393名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:32:15 ID:DIzAkEeJ
だからといって自分もそれでいいという理由には全くなりませんが
394名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:33:37 ID:M5TyV2/r
ここのかさんはもうちょい考えて発言しような

論争の種をまいてるのはあなただよ
本当にこのスレに期待したり面白いって思うのなら、
手を引いてROMに徹した方がいいと思う。
そういうつもりがないわけじゃないでしょう?
周りの名無しの意見が機嫌悪くしちゃったのはわかるけど、
回避の方法はあるんだろうしね。


もうこれ以上言い合いしてもしょうがないから以後スルーすればおk
395名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:40:40 ID:Va82cGy9
なお。
>>368が言うのは職人らしさではなく版権らしさ、つまり腕力。
だから努力さえすれば誰でも身に付くはずのものである。
まず、そのキャラクターが登場する全シーンのテキストをノートに写す。もちろん手書きで。
どうしても手書きが無理ならワープロで打ってもいいが、必ず活字にしておくこと。
もちろんノートはインデックスをつけたりして読みやすいようにしておく。
そしてSSを書くとき常に確認する。活字にしておくのは仕事環境をいったん切り替えることで集中力が飛ぶのを防ぐため。
また、このキャラならこう発想するはず、こんなセリフを吐くはず、というのを日常的にメモするようにするのも当たり前である。
ここまでしてやっと最低条件。職人やるのも楽じゃない。
あとは別の似たようなキャラを観察分析して参照したり、その版権シリーズのなりきりチャットなどがあったら積極的に参加したり。
これで二次創作SSを描く腕力の約三分の一が身に付く。
396ここのか:2006/08/03(木) 17:40:50 ID:mjBfxeNV
では他の批評家の人はどうです?
きっかけは私の感想かもしれませんが、他者の意見に不必要に食って掛からないというテンプレートの
ルールを破ったのはどっちですか

>>394氏の言うように、元は私のまいた種です
私を批判する発言が無ければこのまま以後一切の発言はしませんよ
397名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:43:59 ID:RfNqGbdE
>>395
おい待て、そのレスが新たな論争を呼ぶぞw ネタで書いたのかもしれんが…。
398名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:48:51 ID:jTnZDbbo
批評家なんてこのスレに必要ない
399名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:51:54 ID:SaWy/LvT
オマエラいい加減やめれ。
こういう口論はエンドレスに続くんだから互いに引き際が肝心。
仮にも大人なら、前々スレの過ちを繰り返すような真似はやめなさい。

では、以後何事もなかったかのように萌え談義再開↓
400名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:53:38 ID:+Ng4FCys
正直、>>395のようなカキコの方が職人を敬遠させると思う…。
401名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:57:00 ID:SaWy/LvT
議題:あおい、みずき、聖の3人で一番Sなのは誰か?また一番Mなのは誰か?
402名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 18:11:16 ID:AL0EOHuS
あー、そうね。そろそろ終わりにしましょうね。

>>401
全員Mでひとつ。
大人あおいちゃんは少しSも入ってそうだけど。
403名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 19:01:38 ID:sThaeiSr
多分これで2日ぐらいは職人来なくなったな
404名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 19:05:34 ID:AL0EOHuS
ならばその後からは来てくれるように仲良くすればいいわけだな
ノーモア重い空気ヨ
405名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 19:05:37 ID:W8aW96B/
>>401
表面
S みずき≧聖>>>>あおい M
現実
S あおい>>>>>>>>>>>>>>>聖≧みずき M
406名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 19:08:05 ID:1HmXYC2K
>>401
俺も全員Mな気がするが強いて言うならばSがあおいでMがみずきかな。
聖はよくワカンネ
407名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 19:25:50 ID:SaWy/LvT
あおい=ドMだと思ってたのは俺だけか?
密かにドSな親友はるかには実はナニが生えてて、
ぷりきゃあ同人誌的フタナリセクロスを毎日繰り広げていると
妄想しているのは俺だけなのか!?
408名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 20:41:37 ID:dZ1YymjT
あおいは確か猪狩世代主人公にデレデレだったハズ
まぁ、普通に中間かと
409名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 21:05:20 ID:+z91otVq
気合全開で交渉しても、却下してくるみずきはSかと
410名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 21:41:07 ID:AL0EOHuS
>>407
まぁふたなりにせよそうでないにせよ、
絶対にはるかには犯されてるよなあおいちゃん
俺的には
7、9あおい=ドM  10以降=微M〜S
引退前後、段々性格も穏やかになっていくのと反比例して
裏の顔はどんどんSっぽくなっていきそうだ
411名無し様:2006/08/03(木) 23:49:33 ID:Vi9LN5Gr
二日はこないだろうと言われている時にあえて投下。
理由 みんなに認めてもらうため。
412みずき+聖×小波蓮:2006/08/03(木) 23:51:35 ID:Vi9LN5Gr
第1話 序章


「好きなんだっ!!!!先輩!!!!」
唐突に告白される事実、突然のことに小波蓮(こなみれん)は1つ後輩の六道聖の顔を見上げる。
舞台は聖タチバナ学園野球部部室、今日の練習も終わり、チームメイトが帰宅し、部室に残ったのは小波と聖だけだった。
「!!!!???」
あまりに急で目をぱちくりさせる小波。最初は冗談かと思ったが聖の真剣な表情をみるとそれが本気なのがわかる。
「先輩は・・・・・どうなんだ?」
「お・・・俺は・・・その・・・・ぁの・・・」
聖はとまどってる小波をよそに話を続けた。
「突然ですまないと思ってる・・・でも・・・すぐに返事が聞きたいんだ。」
聖は突然恥ずかしくなったのか少しうつむいて言った。若干顔が赤くなっている。
「先輩・・・・・」
そう言うと大きめのベンチに座っている小波の横にちょこんと座った。
「先輩・・・私の方をみてくれ・・・」
小波はゆっくりと聖の顔を見た。
正直言って聖はかわいい。そう思っているのは小波だけでは無く、野球部員やクラスメイトも思っている。
純粋すぎる心と、パニックになった時のギャップがあってかわいいだとか、とにかく人気があるのは確かだ。
しばらく見つめあっていると、聖がゆっくりと口を開けてこう言った。
「先輩・・・先輩も私の事が好きなら・・・・その・・・キ・・・キスをしてほしい!!!」
最初は言葉がつまっていたが、最後の部分だけ大きな声で叫ぶように言った。
「なっ・・・!!!!!!!」
実は小波は中学時代から結構モテるタイプだったが、彼女を持ったこともなく、性行為ましてやキスすらもしたことが無かった。
もともと頭のよくない小波だったが彼は彼なりに一生懸命考えて1つの決断を下した。
(これって、よーーーっく考えたらチャンスじゃね?確かに俺は今みずきちゃんが野球をしたいがために外見上は付き合ってる事になってるけどそれはあくまで外見上のことであって・・・・・・・・)
で、結局。
(ここでやらねば男じゃねぇ!!!)
勝手にそう決めつけると小波は聖の頭の後ろに腕を回すとゆっくりと自分の方へと近づけた。
「・・・先輩・・・・」
聖はそっと目を閉じると自分の体を小波に委ね、行為が実行されるのを待った。
20cm・・・・15センチ・・・・10センチ・・・・5センチ・・・・・
お互いの顔が重力で引き寄せられるように距離を縮めていった。
そして今、まさに距離がゼロになる瞬間、部室のドアノブがガチャリと音を出し、いきおいよく開いた。
「え〜〜〜っと私のグラブグラブっと・・・」
部室というラブホテルのような空間の中に突然乱入してきたのは橘みずきだった。
「確かにバックの中に入れたような気が・・・・し・・・・・」
2人と1人の目が合った。
ただ合うだけならいいのだが今は状況が違った。
実はさっきドアノブがガチャリと鳴ったとき小波がその勢いで聖を押し倒してしまった、幸いにも唇は重ならなかったが。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「み・・・みずき?」
「誤解ーーーーーーーーーーーーーーー(TоT)−−−−−−−!!!!!!」
みずきは凄い剣幕で怒鳴った。
「何やってるのよ!!!!!小波君!!!!!!」
「bhぶdhsjfbvjkfvぐわkjvbg」
最悪な現場を見られた小波の運命は?
413名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 23:58:30 ID:Va82cGy9
こちらのスレへご案内……かな。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151634440/
414名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 00:11:20 ID:YNbvIq+V
…とにかく、まずはsageてくれぃ
415名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 00:15:45 ID:dF3MVG7v
さっきのコテといい、スレ潰しの私怨工作なのでは?
2スレ前の悲劇を繰り返してはならない、何も言わずにNG登録するんだ。
416名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 00:50:31 ID:NbsYgY9w
同棲SSマダー??

あれは…良いものだ…
417名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 01:09:45 ID:nCfJdu6F
そういえばここ一週間虜氏を見てませんねぇ……
418快楽の虜:2006/08/04(金) 01:58:44 ID:ncu2Oce3
ちゃんといますよ。
今週は夜勤でしたし職人さんいっぱい投下してたから後にしようと思ってました。
差し支え無ければ今日の夕方頃にでも続きを投下しますね。

あと同時進行で別なものを書いていますが、寝取られ寸前の鬱な作品になるので、
先に報告をしておこうと思います。投下するかは別として…。
419名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 02:05:15 ID:NbsYgY9w
神キタ━━(゚∀゚)-ッ
wktkしながら待ちます。
宇津展開全然OK!
楽しみにしてますよ
420名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 04:42:17 ID:AsLYwCVs
「…っっ、う、んっ…」
「我慢しないで、声、聞かせて…」
「…っ。ぁ、は、恥ずか…ぁぅぅっ」

互いの肌が触れ合う、淫らな音。
ぐちゅ、ぐちゅと、いやらしく結合部が音色を奏で続ける。

夫婦となった今でも、セックスの時に声を出すのを恥ずかしがる彼女。
出会った頃のような初々しさを損なうことのない、そんな彼女を改めて愛しく思うと同時に、自分の中に図らずも意地悪な心を芽生えさせてしまう。




「早矢ちゃん」
「…ぁ、は……はい」
「気持ちいい?」
「は、は…いいぃっ!!」

問いかけに答えるのと同時に、きゅ、と股間の肉芽を摘んであげる。
たまらず声のトーンを高めると同時に、無意識に膣内を締め付け、新たな蜜を溢れだす早矢。

そして、我慢を解いてあげることで、彼女は性欲に素直に従うようになる。
その瞬間がいつもたまらない。
421名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 05:06:31 ID:AsLYwCVs
「んあああぁっ!あ、あんっ、あんっ!」

腰の動きを速めてあげると、すっかり『スイッチ』を入れられてしまった彼女は声を抑えることができなくなる。
そして、こちらもその様子に欲情してしまい、本能が一気に高みを目指そうと、止まらなくなる。




ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ。
腰がぶつかり合う音が小気味良く響く。
彼女の方も綺麗な黒髪を振り乱して、矯声を上げ続ける。
ふと、シーツを掴んだ手が震え出す。限界が近いらしい。

「あ、あなたぁ。わたし、もう…んんんっ」
「早矢、愛してるよ…」
「わ、わたしも、わたしもぉ……あなたが大好きなの……好きなのぉ!」

同時に昇りつめる。

「中に出すよっ!」
「はいっ!きてくださいっ!
あ、い、い……









今関!」
「ブリトー!」
422名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 05:08:23 ID:xmZVqmpd
このはやたんはねーよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
423名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 05:09:53 ID:AsLYwCVs
頭にバグが混入したらしく、思わずこんな断片的なものを作ってしまった。

反省はしている。
424名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 05:25:14 ID:xmZVqmpd
でもよくやったwwwgjwwwww

お前が公ファンなのもよくわかったwww
425名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 07:17:21 ID:5Ux9Gkl/
稲中を思い出したw
426快楽の虜:2006/08/04(金) 18:26:19 ID:ncu2Oce3
− 10 −

 聖ちゃんの身体は柔らかかった。
 こんなんで男子との練習についてこれるような筋肉がどこにあるのかと疑ってしまうくらい、その身体
はまぎれもない女の子のものだった。

 パジャマの上から伝わってくる聖ちゃんの胸の感触。ノーブラだ。
 みずきちゃんや麗菜ちゃんより少し小さいだろうか、オレは胸の大きさにそれ程拘りは無いので、聖
ちゃんくらいあれば充分に興奮できた。

「先輩…脱がなくていいのか…?」
「あー…実はオレ着エロ派なんだ…」
「さっきみずきに違うって言った…」
「あれはその場のノリっていうか…、そ、そんなことより、聖ちゃん胸触られて何とも思わない…?」

 特に喘ぎ声のようなものを聖ちゃんは出さなかった。
 みずきちゃんや麗菜ちゃんはあれだけ敏感になってイってしまったのに。

「よく分からない…でも…嫌じゃない」
「そっか」

 どうやら、これはあくまでオレの憶測だが、聖ちゃんには殆ど…或いは全く自慰経験が無いと言って
も良いだろう。聖ちゃんの性に対する反応は薄すぎた。
 性に目覚めていれば、少なからず乳首の刺激には何らかの反応が現れるはずだった。

「こんなのはどうかな…?」

 オレは少し不安げな表情を浮かべる聖ちゃんに少し笑みを向けて、胸に添えていた手を一旦離し、
爪で聖ちゃんの乳首を軽く引っ掻くように擦ってみる。
427快楽の虜:2006/08/04(金) 18:26:58 ID:ncu2Oce3
「あ…」
「感じた?」
「これが感じるってことなのか?…少しムズムズする…」

 やっぱりだ。聖ちゃんは"感じる"ということですらあまり分かっていない。
 自慰経験初心者、未経験者の典型的なパターンだ。

 オレは聖ちゃんのパジャマのボタンを1つ1つ丁寧に外していく。胸の部分だけはだけさせると、可愛
い聖ちゃんの胸が露になった。乳首は硬くなっている。確かにこれは感じている証拠だ。
 勃った乳首を指で摘む。そのまま軽く捻り上げ、クニクニと指で弄んでみた。

「ん…っ…、あ…」
「どんな感じ?」
「う、上手く言えない…ムズムズが強くなった…」

 何とも初々しい女の子だと思った。それだけにとても愛くるしい。初めての感覚に戸惑っている表情
なんかは、どこかグッとくるものがあるし、華奢な身体は健康的な明るい色をしていて美味しそうだ。

 オレは我慢できなくなり、聖ちゃんの胸に顔を近づけ、乳首を口に含む。

「ひぁ……せ、せんぱ…、私…母乳なんか出ないぞ…、ぁ…っ」

 別に母乳が欲しい訳ではない。とはいえ、知識の乏しい聖ちゃんは、この"乳首を吸う"という行為の
意味は分かっていないのだから、そう思うのも仕方がない。

 舌を使って硬くなった乳首をコロコロと転がす。

「あっ……だめだ…、先輩…そんなことしても出てこなッ…」
「聖ちゃんの乳首美味しい」
「たっ、食べるなぁッ…先輩…、いい加減諦めッ、ひあっ」
428快楽の虜:2006/08/04(金) 18:27:36 ID:ncu2Oce3

 軽く歯を立てる。痛くならないよう、本当に軽くだ。
 聖ちゃんの身体が汗ばんでくる。身体は正直だった。聖ちゃん本人こそ、快感をまだ快感だと意識
できていないが、乳首を刺激する度にビクビクと反応している。
 聖ちゃんは快感に目覚めつつあった。跳ねるような喘ぎ声が、その証拠だった。

「聖ちゃん、オレ母乳が欲しい訳じゃないよ、聖ちゃんの敏感なとこにキスしてるだけ」
「私の…敏感なところ…?」
「女の子は乳首を弄られたりするとエッチな気分になるんだよ、聖ちゃん今ドキドキしてない?」
「ぁ……あぁ、凄く、どきどきする」
「聖ちゃんがエッチな気分になってきている証拠だよ、身体も火照ってきたでしょ」
「…あぁ」

 女の子ならごく自然のことだ。例えそれが無意識であるとしても、オレに裸を見られているという恥ず
かしさと、その胸を弄ばれているという感覚で、聖ちゃんの頭はいっぱいなのだ。それはもう、それ以
外のことは何も考えられなくなるくらい。

 オレは聖ちゃんの下半身に手を伸ばす。パジャマのズボンの中に手を潜り込ませ、下着の上から、
女の子の一番敏感な秘部に触れた。

「ひッ…!せ、先輩そこは!あ、ああッ」
「大丈夫、大丈夫だから」

 中指で秘部を擦り付ける。指先に伝わってくる、下着の湿った感触。
 聖ちゃんはもう本格的に感じ始めているのだ。よく分からないムズムズするという感覚から、全身に
電気が流れたような刺激に変わっているんだろう。

 下着の中に手を入れる。生で触れる聖ちゃんの秘部はとても柔らかく、ヌルヌルと濡れていた。

「やっ…せんぱッ!ひぁッ!ダメッ…そん、なとこ、汚いぞっ…ひあ、あ、んぅ!」
429快楽の虜:2006/08/04(金) 18:28:11 ID:ncu2Oce3
「ん〜?じゃあこの濡れてるのはおしっこ?」
「い、いやだ…、恥ずかしい…恥ずかしいんだ…あ、あんッ…、先輩やめてくれ…んぅぅッ!」

 どうやら本当にお漏らししてしまったと思っているらしい。
 …何だろう、可愛すぎる…これはもう虐めっ子扱いするしか!

「私…最低だ…うっ、ひっく…先輩の前で遺尿だなんて…スン…スン…」

 で、できる訳ねぇ…。
 聖ちゃんは恥ずかしさのあまり泣いてしまった。というか、オレが泣かしてしまった。

「聖ちゃん、これはおしっこじゃないよ…、女の子なら誰でも出ちゃうものだから…」
「うぅ…っ、でも…でも…」
「みずきちゃんも麗菜ちゃんも、同じことすると同じものが出るんだよ?」
「…ひっく…、本当…か…?私、漏らしたんじゃ…ない、のか…?」
「うん、大丈夫、聖ちゃんがエッチな気分になってるだけだよ」

 聖ちゃんの涙は反則だ…。

「ん、濡れちゃうから服脱ごう?」
「…あぁ」

 オレは聖ちゃんに服を脱ぐよう促す。身体は汗ばんでいるし、下着も履いたままではグショグショに
濡れてしまう。ズボンを下ろそうとすると、聖ちゃんは気を利かせて腰を浮かせてくれる。

 聖ちゃんの裸体を一度、上から下まで眺めてみる。
 見つめられている本人は恥ずかしそうに目を逸らして、手で胸と秘部を隠している。

「隠しちゃだめ、聖ちゃん?」
「でも…恥ずかしい」
430快楽の虜:2006/08/04(金) 18:28:50 ID:ncu2Oce3
「聖ちゃんとエッチしたい、隠されたらできないでしょ?」
「………ん」

 聖ちゃんは目を瞑って手を身体の横に置いた。聖ちゃんの胸から秘部の全部が丸見えになる。
 オレが聖ちゃんの身体に見惚れていると、聖ちゃんがオレの袖をクイクイと引っ張った。

「ん?」
「先輩も…」
「何?」
「先輩も脱いでくれ…、私だけ裸は嫌だ…」
「ああ…うん、分かった」

 オレは裸になって、体重をかけないよう気を遣いながら、聖ちゃんの上から重なるように抱きしめる。
 正直なところ、まだ少し濡れ足りないかもしれないが、オレの方がもう我慢できなかった。みずきちゃ
ん、麗菜ちゃんと相手をしてきたが、当のオレは何の欲求も満たされていない。

「ぁ…先輩…、当たってるぞ…」
「聖ちゃん、良いよね…?オレさ、平気なフリしてきたけど…やっぱりもう限界…」
「あ…う、あ、あぁ…、先輩に任せる…、私、何も分からないから…」

 聖ちゃんの秘部にオレのモノをあてがった。モノの先で秘部口を擦り付け、愛液を軽くモノに付ける。
 オレは聖ちゃんに視線を送る。聖ちゃんは不安そうな顔をしているが、ふとオレの視線に気付くと、
コクンと1つだけ頷いた。それが合図。

 ちゃんと挿れるところを確認すると、オレは聖ちゃんを抱きしめる。
 聖ちゃんもオレの背中に手を回した。

 オレが聖ちゃんを貫いた時に聞いた、聖ちゃんの喘ぎ声はきっと、一生忘れない。
431快楽の虜:2006/08/04(金) 18:29:35 ID:ncu2Oce3
すみません、保存し忘れてて書き直してました。
あと、これから仕事なので最後らへん適当になりました(><;
帰ってからまとめのページに投稿する時にでも修正しておきます。
432名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 19:06:42 ID:YNbvIq+V
あらあら、そんなあわてんでも時間余裕あるときよろしいのに。
ともかくGJですぜ。うぶな聖ちゃんカワイス
433名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 22:37:17 ID:dlIbgd0L
性描写が上手い。さすが虜氏です
じっくりと書いていただければ、それで良いのに
434名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 22:44:26 ID:OVqHlKqU
これで終わり?
435名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 23:30:39 ID:YNbvIq+V
急かすなっちゅうに。きかんぼうめ
436名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 23:54:12 ID:BUXgzeQc
超GJだったな


虜氏お仕事頑張ってください!!
437名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 23:57:58 ID:jdKOgE0H
GJ

そして長文乙
438名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 00:00:53 ID:Ulyr9TO0
sageろよ厨房
439名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 01:07:52 ID:+zb7Wny5
どこが長文なのかと小一時間
440名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 01:29:31 ID:MG1Cxwf3
>>437
まぁ君に悪意はないのだろうが、
「長文乙」ってのは褒めるときに使う言葉じゃない…と思う。
441名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 01:31:19 ID:bLVav3gp
ドンマイドンマイ
442名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 02:10:34 ID:Ymqc6/mg
普通に長文お疲れさま、という意味なんだろうな
443名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 02:45:32 ID:Cv6ryvx2
>>442
新スレ建てられた場合、よく「1乙」と出るからそれと同じような使い方をしてしまったと思う
444快楽の虜:2006/08/05(土) 03:41:56 ID:J16rPKkw
まあまあ、僕普通にお疲れさまって意味で見てたので良いですよ^^
にしても長編書くときのモチベーションを保っている自分にびっくり。
コメントのおかげだろうね、ありがとう。
445名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 12:09:19 ID:MG1Cxwf3
あなたなんだか素敵ね
家に来て俺の空気人形とファックしていいぞ!
446名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 15:21:37 ID:Iw19pf8z
快楽の虜殿
貴殿の小説を読むと私は暴走しそうだ
期待してますぞ
447名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 18:30:32 ID:3jQsm3Yj
うわあああい!!!
ついに挿入キター!!
GJとともにこれからに期待!!
448名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 21:26:04 ID:CJ2twmqY
しょーせつを保管してる場所ってどこ??
449名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 21:29:15 ID:MG1Cxwf3
まずは下げることから始めて
450ここのこと?:2006/08/05(土) 21:41:21 ID:CJ2twmqY
451名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 21:54:01 ID:MG1Cxwf3
そうそうそこそこ
452名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 21:57:41 ID:CJ2twmqY
ほほ〜。やっぱ最近のやつはのってないんだ
453名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 22:21:59 ID:+zb7Wny5
いい加減sageろ
454名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 22:31:39 ID:MG1Cxwf3
まぁやり方ぐらいは教えてあげましょか…
メール欄にsageって入れるだけでいいの。
半角でね
455名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 23:59:11 ID:oUUFa+IJ
そういえば、パワプロスレはpart5でいったんリセットされたってことでいいのかな?
次はpart8になるのか、あるいは3か。
前スレに用意されてたテンプレでは
「実況パワフルプロ野球のSS Part7」にするつもりだったみたいだけど。
456名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 00:10:09 ID:tcnFETag
ん〜。一度途絶えちゃったし、生まれ変わった的なアレも含め
名前はこのまま進めていいんでないかな?
まぁでもそれは次スレ立ての人が決めればいいか。

って気が早すぎかw
457名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 03:56:51 ID:curjszNG
今のあおいタンや聖タンも好きだけど、64の5?の青髪タンと学級委員タンが大好きだった。
知ってるやついるかな?
458名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 04:26:47 ID:OjNLZ3M/
青髪は青木由利だな。いいんちょはわからん
まぁ5ったら阿畑きよし、そして猪狩と勝負して負けたら彼女とられるんだっけか
459名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 05:13:22 ID:9jz7grk9
職人の皆様方GJ! エロ部分をなしにしても普通にSS読む感覚で読みふけりました
そしてまとめサイトのお方もお疲れ様です。まとめありがとうございます

でも・・・やっぱりタチバナ学園ネタが圧倒的に多いなぁ
仕方ないといえば仕方ないか……ネタかぶるんで個人的にまた今度投降させてもらいます
460名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 06:47:06 ID:KvszDqZU
sageます
461名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 08:29:38 ID:K7iSGOGJ
>>460
sageの意味わかってる?
462名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 09:27:27 ID:KvszDqZU
わかっちゃいないね。
463名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 09:46:09 ID:tcnFETag
なんで挑戦的な口調なのかは知らんが…。

sageを入力しても実際に下がるわけじゃない。
何も入力しなかったり、sage以外の文字を入力したら上がってしまうので、
それを防ぐだけなの。
だから「sageます」という書き込みは、
よほど過疎ってて、書き込まないと落ちちゃうような所じゃないとあんま意味ないのね。

わかった?
464名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:05:49 ID:BJPZGWg3
ちょっと旬を過ぎた気もするけど「12」マイライフの愛ネタをやります。
お目汚しを…


「都会の夜はキラキラの星空よりギラギラのネオンだぜ〜」
喧騒にざわめく繁華街の片隅で、男は同期の奥居と飲みに行った時の事を思い返していた。
素顔を隠すブランドサングラス(貰い物)、ストライプが入ったブランドスーツ(貰い物)、
銀のブランド腕時計(これだけ自前)を身に付けた、それなりに身だしなみを整えた青年。
名を「血河」。これでもプロ野球選手だ。そして今夜はデートだ。
しかし10分遅れようが20分遅れようがフランクな態度を変えない彼女は未だ現れず…。現れず……。
「血河さんっ!」そしてこのムード×な大声も相変わらず……。
「すいませんお待たせしちゃって!でもやっぱりこういう時は今来たと……むぐぐっ!」
「……少し黙れ。おまえの声は特徴がありすぎる。変装の意味がない」
口を塞がれ、血河の腕の中でじたばた暴れる「やかま系」。
名を「愛」。これでもスポーツキャスターだ。そして今夜はデートなのに見事に遅刻した。

「うわー綺麗ですね!すごく綺麗ですね!」
「まあ汚くはないな」
「むー、そういう時は君の方が綺麗だよって言ってくださいよ!」
目に心地よくないギラギラネオンも上から見下ろせば見事な夜景となる。
ここは血河が先輩に教えてもらった44階建てビルの最上階レストラン。またの名を、
「これで落ちない女はいない!女殺しの必殺デートスポット100選」の1つ。
「…だそうだ」
「ええっ!?わたし殺されちゃうんですか!?」
「……例えだよ。例え。俺が愛を傷つけるわけないだろう」
「!!!???ぽ〜〜(赤面)」
呼び名が「おまえ」から「愛」に変わったのを聞き逃さなかった愛は恥ずかしさと嬉しさに顔真っ赤になる。
(こういう恥ずかしい台詞がたまにポロッと出てくるのがツボなんだよなぁ〜)
465名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:06:23 ID:BJPZGWg3
口数が少ない男と口数が多すぎる女という、漫画みたいな凸凹カップルである血河と愛。
そんな二人の馴れ初めは数年前に遡る…

パワフルスポーツの人気キャスター「楓」嬢が寿退社し、後任を決めている最中のことだった。
高年棒のプロ野球選手を我が物にする好機! ということもあり、
女子アナ業界では「ころしてでもうばいとる」仁義なき戦いが水面下で繰り広げられていた。
そんな中、見事その地位をゲットしたのが若干23歳、女子アナ歴2年の「愛」だった。
なぜ彼女が!? どんな腰テクを使ったんだ!? と雌豹達は騒然としたが、決定的だったのは、
「ほら、「あい」って覚えやすいじゃん。やっぱ誰でも覚えられる分かりやすさが云々」
というお偉いさんの独断だったらしい。ちなみにこのお偉いさん、その後姿を見たものはいないという…。

かくしてマシンガントークが売りという新人女子アナの愛が与えられた始めての仕事は、
春季キャンプ真っ最中の「仙台ジェンキンス」の突撃取材だった。

「へっへ〜、おいら今年は100試合登板を目指すぜ」
「……100敗しないようにしろよ」
球場の隅っこで今年の意気込みを語る二人の若手。
右が「血河」。プロ初打席で代打逆転サヨナラホームランという厨展開で鮮烈デビューを果たした
期待のスラッガー。性格は奥居いわく「鉄仮面」。
左が「奥居」。先発で150球投げた翌日に中継ぎで大車輪するタフネスぶりで昨年は89試合に登板した
鉄腕ピッチャー。性格は血河いわく「ムードメーカー」。
466名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:06:56 ID:BJPZGWg3
「おはようございます!」
「……?」
愛の目的はこの二人、特に血河の胸中を聞き出すことにあった。
「この度、パワフルスポーツの新キャスターになった佐倉愛です!よろしくお願いします!」
「おおっ、可愛い新人じゃん!どうぞどうぞ、あなたが望むなら根掘り葉掘り、赤裸々に語り尽くしちゃうぜ〜」
「……そうか。じゃあ奥居の相手でもしていてくれ。俺は走りこみをする」言って去ろうとする。
血河の本音を聞き出す、それは平本にストライクを投げさせるも同然の無理難題だった。
口数少ない、表情変えない、そんな血河はマイクを向けてもカメラを向けても終始無愛想の極み。
ほとんどの場合、適当に相槌を棒読みで返すだけ。
奥「こんな奴よりおいらのインタビューを」「呼んでねえよ」はお決まりの黄金パターンだった。
あまりの愛想のなさにマスコミに叩かれることもしばしばだが、本人はいたって普段どおり。揺さぶりにもならない。
2ちゃんねるのプロ野球板には「血河はわざとカメラを避けている」「仙台の血河はツンデレ」スレが立っていたり。
だが愛は一歩も退くわけにはいかない。初めての取材が失敗では局の雌豹にいびられるは必然。
血河の背後のカンペには「逃がすな!喰らいつけ!」のメッセージが。

「分かりました!ではわたしも一緒に走ります!」
「いや……ついて来るのは無理だぞ」
以前も似たような状況があった。その時血河は全速力でインタビュアーをまいた。今度も同じように…
「大丈夫です!わたし血河さんに肩車してもらいますから!」
「……は?」あまりの超展開に周囲が固まる。だが愛は本気だった。
「ほら、重い物背負って走って足腰を鍛えるってあるじゃないですか!それと同じです。
 血河さんもいい練習になるし、わたしも取材ができる。一石二鳥です!」
「……あ……え、おまえ、本気で言って…」
「ふむ、確かにそれはいいアイディアだな」そこへ現れたのは、よりにもよって監督とコーチ…。
督「おまえには一流の選手を目指してもらわければならないからな。足腰の鍛錬にはいい練習方法だ(ニヤニヤ)」
コ「血河、おまえもそろそろ愛想よく振舞うことを覚えたほうがいいな。勉強させてもらえ(ニヤニヤ)」
奥「へっへ〜、今回ばかりはババを引いたな血河。同情するぜ〜(ニヤニヤ)」

「…………………………冗談だろ?」
467名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:07:32 ID:BJPZGWg3
「あれから俺はしばらく初対面の女の股間に顔をうずめる変態って言われたんだよな…」
「わたしもしばらく初対面の男の顔を股間にうずめさせる売女って言われましたよ!」
結局、世の中何が幸いするか分からないと身をもって知った血河は観念したように意気込みを語り、
愛のインタビューは周りがドン引きするほどの大成功となった。

それから約半年、「仙台ジェンキンス」は悲願の優勝を果たす。
ビールかけ会場に突撃した愛は早々に酒を飲まされ、暴走。
部屋の隅でちびちび飲んでいた血河を壇上に引っ張り上げ、日本酒2リットルを一気飲みさせたりした。
そして翌日、自分の想いに気付いた愛は電話で血河に告白し、今に至る…。以上説明終わり。

「早いですよね!初めて会ってから一年半ですか?」
「……今日でちょうど500日だ」
特等席の豪華な料理を談笑混じりに平らげていく二人。勢いでむせて、フィンガーボールの水を飲ませようとして
「マナー違反ですよ!騙されませんよ!」と突っ込まれる血河。
ベタベタの付き合いではないものの、二人は今のところ健全なカップルでいられた。
愛は語る。「わたし以前言われたんですよ!女子アナに純愛などありえないって!」

一晩で5人のプロデューサーと寝た女がいた、男好きが高じて女好きにもなった女がいた、
息子(6さい)の童貞喰った女もいた、下衆と外道と鬼畜の恋愛劇がこの業界のスタンダートだと、
自分は平凡な相手と結婚できてむしろよかったと、先輩の楓は言っていた。
「だからわたしすっごく嬉しいんですよ!血河さんとこうしていられるのが!」
しかし、そんな愛にも不満はある。(私たちって、キスもまだなんだよなぁ)
単純にプライドもあるのだろうが、血河は肉欲を表に出すことを恥辱と考える男だと愛も感じていた。
プラトニックな恋愛も悪くない。でも愛にだって性欲はあるし、好きな人に全てを捧げたいという想いもある。
468名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:08:50 ID:BJPZGWg3
(せっかくいい雰囲気なんだし、押し倒しちゃおうかな…)
願望と欲望の境界線でピンク妄想に浸る愛。だが、先に動いたのは血河の方だった。
「……愛」
「!? はいっ!何ですか!?」
血河は懐からルームキーを取り出す。選ばれた予約者だけが利用できるスウィートルームの鍵だ。
「え、え、それって……」
「今夜の…愛の時間を俺にくれ」
「くぁzrtgf¥@:;ふじこ!?」
「……落ち着け」
「す、す、す、すいません!急にやらないかがきたので内側でおっけしようと思ったら外側で動転しちゃって」
「…日本語でおk」
この時血河は思った。自分も所詮ムード×の男なのだと。
「すまない…空気の読めない男で」
「そんなことないですよ!わたしは血河さんのそんなところが大好きなんですから!」
一瞬で乾いた喉をフィンガーボールの水一気飲みで癒し、愛は立ち上がる。
「さあ行きましょうすぐ行きましょういま行きましょう!」

「わぁこのベッドふかふかですよ!あ、でも回ったりしないみたいですね…おお、シャワー室が二つも!
えーとこっちは軽食に酒に…おおお!?」
部屋の装飾には目もくれず、愛は独身男性が隠したエロ本を捜索するかのように部屋で物色を始める。
とはいえ、緊張してるのが真っ赤な顔で丸分かりなので、血河も大目にみることにした。
「見てください血河さん!こんなの見つけました!」
愛が手にした箱には「バキュラも貫く超威力!マムシコロリお徳用10本入り」と書かれていた。
「さすがスウィートルームですね!支援物資は充実しまくりです!」
「……下世話なアシストだな。で、これを飲めと?」
「はい!どうせならひと箱全部いっちゃってください!」
「……なぜ」
「ほら、緊張すると勃たないっていうじゃないですか!10本飲めば大丈夫ですよ!ささ、ぐいーっと!」
「…………(俺、バカにされてる?)」
469名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:09:48 ID:BJPZGWg3
シャワーで念入りに身を清め、タオル一枚だけを巻いて愛は浴室を出る。
血河は既にガウンを着て愛が出てくるのを待っていた。
「待たせちゃいました?」
「いや、全然」
見つめ合う二人。お互い、頬が紅潮している。それが恥ずかしくて、切なくて、二人はその場で抱きしめ合う。
「んっ……」
血河の体温を感じながら、愛は身を委ねる。
「今夜は、いっぱい甘えさせてください」
「……ああ」
一旦離れ、二人は二度見つめ合う。血河の目は、愛に「どうしてほしい?」と語っていた。
「それじゃあですね、お姫様だっこでベッドまで」
「分かった……」言うなり、血河はひょいっと愛を抱きかかえる。
流石はプロ野球選手、日々のウエイトトレーニングの賜物だ。
「あ…」ちょうど愛の耳が血河の胸の部分に重なる。
「血河さんのドキドキが聞こえてきますよ。どくん、どくんって。緊張してるんですね。なんか嬉しいです」
そこにはマシンガントークが売りの口やかましい愛はどこにもいなかった。
付き合い初めて一年半、初めて彼女のしおらしい姿を見て、血河は自然に笑みをこぼす。
こんな一面もあるんだな、邪険にせずに付き合ってきてよかったな、と。
「…わたしね、さっきシャワーを浴びながら考えてたんです。どうして私たちってこんなに相性がいいのかなって」
「答えは…出たのか」
「はい。それはですね、私たちって恋愛に駆け引きを持ち出さないからだったんです」
会うだけで、話すだけで癒される仲。ずっとそばにいたいと想い合える間柄。
某くらたまが「だめんず」呼ばわりする俗物まがいの恋愛とは無縁だから、二人は惹かれ合った。
「……成る程な。目から鱗だ。俺も、ここまで愛しいと思える女性はいなかった」
「じゃあ、好きって言ってくれます?」
「ああ、今ならはっきり言える。俺は…愛が好きだ。ずっと側にいてほしいほどにな」
遂に聞けた。想い人の「好き」の一言が。それが嬉しくて、嬉しくて、愛は涙をこぼす。
「それじゃ、想いが通じたところで本番いっちゃいましょうか!」
「ああ…お手柔らかに頼む」
血河は愛の体をそっとベッドに置くと、体重をかけないように上に乗る。
「んっ…血河さぁん…」
470名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:11:16 ID:BJPZGWg3
「んっ……ちゅぅ…ん…んん…んー……ちゅっ…」
抱き合い、唇を重ねる。互いの興奮が高まるのを感じながら、頃合いをみて舌を挿入する。
(キスってこんなに気持ちいいものだったんだ…)
濃厚な大人のキスと熱い唾液の味を楽しむだけで、胸が幸せでいっぱいになっていく。
でもこれだけでは終われない。愛はさらなる快感を得るため、名残惜しそうに唇を離し、トロンとした目を向ける。
胸も気持ちよくして、愛はそう語っていた。血河は何も言わず、乳房の愛撫を始める。
指先で優しく乳首をいじりながら、丹念に胸を揉みしだく。もう片方は口に含み、舌をもって乳首を舐め回していく。
「あっ……ああ…ひゃん……ああ………あああ…い、いいです、血河さん、気持ちいいです。
おっぱいが…血河さんのでどんどん気持ちい……ああん!」
血河の愛撫が止まらない。絶妙な力加減でひたすら胸の性感帯を刺激していく。
(ああ…凄い。わたしの感度が上がっていくよぉ……気持ちいい…気持ちいい…ああ!)
快感が強すぎて愛はいやいやと首を振るが血河の目には入らない。とうとう軽く達してしまった。
「あああん!………んんっあ……ああぁ…」
全身の痙攣に血河も流石に気付いたか、一旦動きを止め、愛を見やる。

「んんっ……はぁ……はぁ、血河さん…わたし胸だけでイッちゃいました」
「……多感症なんだな」
「そう……かもしれません。ほら、こっちも……」
愛の手が自身の秘部に触れる。既にそこはトロトロに溶けるほど愛液で満たされ、ヒクヒクと痙攣していた。
ピンク色の花弁は美しく花開き、男の侵入を待っているかのようだった。
「凄いな……こんなに濡れるものだとは思わなかった…」
現実離れした光景に、血河もしばし素に戻る。
とはいえ、下手上手の極みのような単純な愛撫でここまで感じてくれたのは正直嬉しかった。
大切な人が感じてくれた、気持ちいいと言ってくれた、こういう愛情表現もありなんだな、と。
「愛……」
血河が目線を送る。挿れさせてほしい、ひとつになりたいと瞳で語る。
しかし愛は迷う。快感を得たいという想いは強い。今すぐにでも受け入れたい。
だが痛いと聞く破瓜の不安もある。でも焦らすのも気が引ける。
だから、承諾はせず、弁解はせず、愛は一言だけ…、
「わたしもしたいですけど、まだ不安だから…こっちもよくしてください…」
471名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:12:47 ID:BJPZGWg3
「ああっ!す、す、すごい!血河さぁん…だ、だめぇ!刺激が…刺激が強すぎですっ…あああっ!」
指を潜り込ませ、広げるように、優しく、時には激しく、緩急をつけて愛撫していく。
愛の秘部は一層淫らに愛液を垂れ流し、血河の指をきゅうきゅうと絞めつける。
「ああっ!だめぇ…だめです…わたしまたイっちゃいます!いやぁ…血河さぁ……あああああん!」
こみ上げる快感に歯止めをかける術を知らない愛は、本日二度目の絶頂を迎える。
広げてもらえれば大丈夫かも、と思っていた愛だが、自分の体の多感っぷりはいささか想定外だったようだ。
愛も限界だった。こうなれば当たって破れろだ。
「血河さん、いいです。来てください」
「ああ……痛かったら言えよ」
指を抜き、自らの男根を愛の秘部にあてがう。そしてできるだけ水平に…潜るように…、
「んんっ…!」

ずぷっ!

「ひやぁあああああっ!」
「……!?」
愛のヴァギナが急激に絞まる。…どうやら挿れた瞬間イッたようだ。これで本日3度目である。
「愛、イキすぎだぞ。最初の締め付けでもっていかれそうだったんだが…」
「そんなこと言われても、血河さんの太いの凄すぎ…あぁん!」
しかし絶頂が幸いしたか、愛はほとんど傷みを感じないまま破瓜を終えた。
神経を結合部分に集中させる。異物を咥え込んだような感じだが、痛みはあまりない。
いける! そう確信した愛は血河に懇願する。
「血河さん、わたし大丈夫そうです。だから、好きに動いてください。いっぱい気持ちよくなって…ほしいから」
「……ああ、分かった」
それだけ聞ければ充分だ。血河は負担の掛からないという座位に変えゆっくりと律動を開始した。
「んっ…ああ! あん! ああ! いいぃ…あああっ! いやぁ…だめ…だめぇ…あっ!」
抱き寄せられながら、愛は血河の胸の中で声高に喘ぐ。
二人の体が上下するたびに、愛の柔肉が突き刺さったペニスを存分にしゃぶってくる。。
「くっ…愛、激しすぎだ…!」
(なんて膣だ…。全身の力が吸い取られていく……これじゃ長くはもたないか)
「愛、すまない……そろそろ……!」
「ああっ!血河さん! …んっ!あん!…わたしのことは気にしないで…あんっ!」
「………くっ!」
「いつでもイって……イッちゃっていいですからあああぁっ!あああっ!」
472名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:14:46 ID:BJPZGWg3
「ああっ!わたし…イッちゃう!またイッちゃいます!」
「愛……愛っ!」
「血河さぁん…好きです!大好きです…ああっ駄目ぇ!」
「……くっ!」
「血河さ……あああぁぁぁ…あああああああん!!」
愛が四度目の絶頂を迎えた瞬間、血河も限界に達し、愛の膣に精液を盛大にぶちまける。
2度、3度と射精を繰り返し、その間、愛の膣はヒクヒクと呻きながらペニスを優しくなだめていく。
「あああ……出てます。血河さんのがいっぱい、子宮の奥の奥まで…凄い…」
体験したことのないマシンガン絶頂4連打、それも最後は同時イきという最高の結果で、
愛は想い人との初SEXを終えた。虜にされるほど、萌えた。

(ああ…しあわせぇ…)
「……愛、恍惚としているところ悪いんだが…どうしてくれるんだ、これ?」
「えっ?」
愛が二人の結合部分を見つめる。そこには未だ突き刺さったままのペニスがあった。
血河の男根は萎えるどころか脈打つように固く、熱くなり、愛の膣内を広げようと肥大化していく。
「…………」
「…………」
「ガソリンタンクですね!」
「違う。ドーピングだ」
先程の薬物の過剰摂取の効能か、血河のバットは解き放たれたブライアントと化していた。
「で、どうしましょうかこれ!?」
「……決まってるだろ。これじゃ寝るに寝れないからな。こいつが萎むまで付き合ってもらう」
「えええっ!あんなにしたのに全然足りないんですか!?気持ちいいのは大歓迎ですけどわたしがもた…」
「では…延長戦開始だ!」
「わわっ!ちょっと待……あああああっ!」

結局、この後愛は抜かずの16連射で心の闇を撃たれまくったのだった。
愛、後に語る。「まさにベッドインヘヴンでした!」

その年のオフ、二人はせいだいなるファンファーレのあらし!の中めでたくゴールインを果たす。
473名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:16:24 ID:BJPZGWg3
そしてまた春季キャンプがやってくる。
「みなさんこんにちわ!今年も愛の突撃キャンプレポートの時間がやってきました!
さあ今年の仙台ジェンキンス、いかなるキャンプになるのか!? …おお!あそこにいるのは血河さ…じゃなくて、
血河選手です! 早速今期の抱負を聞いてみましょう! 血河選手、調子はどうですか!?」

ぽかっ。

「いたっ! 何するんですか血河さん!」
「……何する? …何するだと? そういうおまえは何故ここにいる!?」
「何ってわたしまだ現役のスポーツキャスターですよ!取材ですよ!」
「あのな……どこの世界に膨らませた腹ぶらさげて仕事する奴がいるんだ!?」
血河は愛の腹を指差す。そこは誰が見ても分かるほど大きく膨らんでいた。推定妊娠8ヶ月といったところか。
「あれほど産休取れといったのに……何故理解してくれないんだ……」
「いえいえ、まだいけますよ!大丈夫ですよ! 産気づいたら病院に戻りますから!」
「それじゃ遅いだろ! …今すぐ戻れ! 俺達二人の、初めての子供に何かあったらどうするんだ!」
「えー」
怒りを通り越して呆れ…いやむしろ悟りの領域に足を踏み入れたくなった血河は、
グラウンドのど真ん中で頭を抱える。何が悲しくてキャンプ初日にコントをやらなければいけないんだ、と…。
…いや、こんな仕事とプライベートを混同させた挙句水で薄めたような取材があるわけない。
誰かが裏で脚本(ネタ)を仕込んで愛に実行させたのだ。しかし、時既に遅し……。

映像的にはおいしすぎるだろうが、これが全国ネットで流されるかと思うと悪夢以外の何者でもない。
「頑張って元気な赤ちゃん産みますから! まかせてください! ダ・ー・リ・ン(はぁと)」
「……………………はぁ」

督「…バカ夫婦だな(ニヤニヤ)」
コ「バカ夫婦だな(ニヤニヤ)」
奥「バカ夫婦だな〜(ニヤニヤ)」

おしまい。
474名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 14:15:39 ID:7DJDE5gG
バカ夫婦でやんす
475名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 17:37:12 ID:NaUZFt1D
仙台ジェンキンステラバロスwつーかネタ多すぎw
GJでした
476名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 20:01:37 ID:pKlBWkta
主=主人公、矢=矢部 六=六道

主「今日家に誰もいないんだよね。夕食どうしよう。」
矢「主人公君、ご飯作れないでやんすか?仕方が無いでやんすねぇ」
主「そういう矢部君は作れるの?」
矢「プラモなら作れるでやんす!」
主「ゴハンじゃないジャン・・・」
六「ん、先輩。飯に困っているのか?だったら作ってやるぞ。」
主「本当?じゃあお願いしようかな〜」
矢「主人公君ばっかずるいでやんす・・・」

ー主人公の家
六「散らかっているな。」
主「うっ・・・」
六「まぁいい。飯の後掃除する。」
主「・・・面目ない」
六「出来たぞ、肉じゃがだが。」
主「うわぁ、おいしそう。」
六「面倒なので私もここで夕食をとらせてもらうぞ。」

六「さて、掃除でもするか。」
主「そうだね。早く終わらせよう。」
主人公が立ち上がったら立ち眩みでよろける。
六「あっ」
主人公が転んで聖ちゃんに覆いかぶさる。
主「・・・・・」
六「・・・・・」
主「そういえば、食べ残しがあったなぁ。」
六「・・・なんだ?」
主「聖ちゃんも食べちゃって良いかな?」
六「(頬を赤らめて)・・・仕方が無いな、先輩は・・・」
その日、聖ちゃんと親密な関係になった。


弾道が上がりました。
聖ちゃんと付き合うことになりました。
聖ちゃんと友情タッグが可能になりました。

初書きなので覆いかぶさった後は書けないので・・・個人個人の妄想にお任せします。
スレ汚しすまそ。
477名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 20:55:49 ID:6faqIaaA
超ドンマイ。俺なんて叩かれまくったから。
478名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 22:54:42 ID:nabV4GON
普通だな
479名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 23:22:01 ID:qPi303Ph
まあ小ネタとして
480名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 23:57:40 ID:tcnFETag
いや、初書きでコレは悪かぁないぜ
しかし、ゲームのほうでも
そのうちこういう文章がでてきそうだから困る。
481名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 02:41:32 ID:Q2TljlLY
馬鹿夫婦イイ!
というか愛を題材にしたのってなかなかなかったから感謝!!
ちょっとお馬鹿で感じやすい愛タン最高…!

 人間は感情で生きる生き物である。その出来不出来は、その感情のベクトルをいかに上手く操作するかで決まるのだ。
 風呂男の死んだ父親が、常々行っていた言葉であり、風呂男の数ある心情の一つでもある。
 では……この試合において、自分は感情を制御できたのだろうか。



「……貴様らに言うことはひとつだけだ」

 帝王実業野球部の部室。
 円陣を組んだ部員達に、監督の言葉が突き刺さる。

「勝て。そして雪辱を晴らせ!」
『応!!』

 それに返したほとばしる気合は、キャッチボール時の非ではない。全員の瞳にぎらついた光が宿り、血管を浮き上がらせているものまでいる始末。怒りに燃えているともとれる部員達の姿を見た監督は、実にあっさりと前言を撤回した。

「貴様らは、前回の試合で相手が卑怯と感じているのか?
 もしそんな風に考える馬鹿がいるのなら、今すぐにこの場から去れ」
『…………』

 部員達は、無言。彼らは監督が返事を求めていない事を知っていたし、それが即自分の首を絞めることも分かっていた。

「相手が卑怯? だからなんだというのだ。
 聖タチバナのバッテリーは、貴様らの『弱さ』を突いてきただけのこと。己の持つ女という武器をフルに生かしたのだ。論理性など関係ない、結果が全てなのだからな!
 それを棚に上げて相手を責める事そのものが、貴様らの最大の弱さだ。
 あの程度のささやきで我を失うような弱卒は、帝王実業には不要だ! わかったか!?」
『応!!!!』
 再び、気合。最初の気合の倍近い声量は、空気を震わせ、部室棟の壁をぶち抜くほどだ。帝王実業の円陣に言葉はない。ただ、桁外れの気合があるのみである。昔からそうだったし、これからもそうだ。

「……お言葉ですがね監督」

 その不文律を、殺人鬼の目つきを持つ男……波和風呂男は実にあっさりと破った。
 周りの部員達はある者はぎょっとして発言者を注視し、ある者は舌打ちせんばかりに視線をそらす。
 秩序を重んじる監督は、それを破った愚か者に青筋を浮かべ、

「……なんだ。波和」
「聖タチバナは、あのささやき戦術は今回使ってきませんよ」
「なんだと? 何故言い切れる」
「プライドの問題です」

 たいていの部員なら震え上がる視線を前に、風呂男はやはり何も変わらない態度で応答していた。並の肝っ玉では出来ない事だ。監督は内心で風呂男を見直したが、表面上は怒りを滲み出させて、

「それだけでは分からんな。もっと詳しく説明しろ」
「連中だって、好きであんな戦術使ったわけじゃないって事ですよ。前回の試合、手違いで負けたら廃部なんて滅茶苦茶な事言われたから苦肉の策でやったって話小耳に挟みましてね。
 現に、一部のスカウト連中の間じゃ、聖タチバナの評判は最悪になった。そこにこの練習試合の申し込みですからね。
 多分、今回は純粋な実力勝負挑んできますよ」

 確信があるくせに暈した言い方をするのは、『何故知っているのか』という疑問を避けるためだ。

「ふん……それでもし、相手がささやき戦術をつかってきたら、どうするつもりだ」
「是非もありません。俺は来た球を打つ。それだけです」
 風呂男は、きっぱりと言い切った。それはアベレージヒッターとして裏打ちされた絶対の自信が言わせた言葉だった。
 周りの部員達が呆れ、絶句する中で、監督は風呂男を見返した。

「……ほう?」
「ささやき程度じゃ揺るぎませんよ」

 格好いい台詞に思えるが、『実物十分堪能したし』と心の中で付け加えているのだから、なんともはや。確かに、ファーストキッス奪った上に散々その肌触り堪能してりゃ、ささやきなんぞ笑止だろう。

「……たいした自信だな波和」
「ええ。この程度の自信は持ってもバチ当たらないでしょ」
「対策は立ててある、というわけか」

 内心で感心しきり、表面では不機嫌さを際立たせて、監督は他の部員達……特に、波和が発言すると同時に嫌悪感をあらわにした連中を睨み付ける。

「貴様らはどうなのだ?」
『……は?』
「先程波和の事を笑っていたが、貴様らはあのバッテリーのささやきに、対策はあるのかと聞いているのだ」

 威圧するような口調だった。その威圧感の裏には、眼前の連中に対する嫌悪感がありありとにじみ出ていた。
 帝王実業監督守木独裁が一番嫌いなものは、弱者が強者をねたみ、根拠のない嘲笑をぶつける事である。今風呂男を笑った連中は、バッティングで風呂男に負けているという事実を棚に挙げ、守備の下手さを嘲笑うような連中だ。当然、反吐が出るほど嫌いだった。

 もっとも、監督はチーム構成に私情を挟むほど愚かではない。嫌いだろうが実力があればいいし、ある程度目をかけている相手でもミスをすれば容赦なく二軍に落とす。そういうことが出来る男だからこそ、名門の監督たりえるのだ。


 てっきり、波和が叱責されて終わると思っていたその連中は、狼狽したが、それは一瞬の事。風呂男嫌いの筆頭……対先日までサードのレギュラーだった男が、一同を代表して口を開いた。

「勿論、ちゃんと対策は立ててありますよ。
 波和のような独りよがりの屁理屈ではなく、部員同士一丸となって、きちんとした対策をね」

 風呂男に出来る事が出来ないはずがないと言わんばかりの言い草だ。
 あからさまな嘲笑に、猛田が青筋を浮かべて何か言おうとするが、隣の久遠に制止された。笑われた当人はといえば、どこ吹く風で相手を見据えるのみである。

「ほう? それでは聞かせてもらおうか」
「ええ……私達の対策は……」

 監督に求められ、自信満々にその男が言い放った対策は……










「センズリです」












 部室の中だとゆーのに、乾いた風が吹きすさぶ。
 目を点にする周りの人間を無視し、男はさらに言葉を繋げた。

「私達はあの試合の後、何故私達がああも無様に三振の山を造ることになったのかを考えました。そして出た結論が、もてあまされた性欲の存在……
 ならば! その性欲を無くせばいいのです!」

 目以外の場所がだんだんと白くなり始めている一同を蚊帳の外において、男の演説は続く。目を血走らせて。
 鼻息荒く、瞳は空ろ。はっきり言って先程の風呂男よりやばい形相であった。彼の周りの取り巻きも、同意するように欲望の炎をメラメラと。

「そこで! 私達は!
 にっくき六道聖や橘みずきの輪姦は勿論、ありとあらゆるズリネタを総動員しました。
 巫女! ナース! メイド! ネコミミ! 眼鏡っ子! フライトアテンダント! セーラー服! 人妻熟女! 触手! フタナリ! 巨乳! ロリ! 貧乳! 強姦! 輪姦! SM! スカトロ!」

 ……最後のあたりはどうかと思う。

「情熱のベクトル激しく間違ってるでヤンス(´д`;)」
「それよりも、僕は何でネタの中にホモ、ショタがないのかと子一時間(´д`#)」
「ちょwwwwwwwwwwおまwwwwwwww久遠wwwwwwwwwwwww(´д`;)」

 矢部、久遠、猛田の準にそれぞれコメントしたが、奴は聞いちゃぁいない。

「古今東西ありとあらゆる妄想を糧に! 徹夜で! 赤玉が出るまで! すってすってすりまくりました! これで奴らが何をどう囁こうが我らのジョニーは反応しやしません!
 どうです監督!?」

 同意を求めるなコラ。

 ……貴様ら、やたらハイなのや目が赤いのは単なる寝不足か。
 ……我らって、まさか全員でそんな真似しとったのか。
 ……とてもじゃあないが性欲が消えたようには見えんぞ。むしろ逆効果ではないのか?
 ……何よりも先にまず寝ろ貴様ら。

 いろいろ言いたい事はあったが、とりあえず監督は簡潔に、一言だけで済ませた。

「貴様ら全員二軍落ち」
『えぇっ!!!!?』

 当たり前である。

「な、ナニがいけないんですか!?
 はっ!? まさか、監督の好みに合わないネタがあったのですか!? なんなら、ネクロフィリアやカニバリズ


 ごすっ!


 ぶべらっ!?」

 なおも口を動かし続ける馬鹿(格下げ)だったが、鈍い音と共に倒れ付した。後ろでは、風呂男が拳を握り締め、

「……鉄槌」
「な、波和君、手加減抜きでヤンスね」

 衝撃的瞬間を生み出したのは、風呂男。今までどんなにそこの馬鹿に挑発されようと、鼻で笑っていた男が、だ。矢部が恐れ戦くのも無理はない。
 容姿に反してあまり喧嘩をしない風呂男の暴力行為に、矢部だけではなく直接見ていなかった久遠や猛田、友沢も驚く。
 
 聖の輪姦云々というネタが風呂男の神経を逆撫でした事など、知る由もなかった。

「……で。どうするんです?」

 二軍落ちを言い渡され、とぼとぼと歩き去っていく連中を見送り、友沢は監督に言った。

「人数、足りなくなりましたけど」
「……2軍から何名か選抜するしかあるまい。寝不足で精神不安定な連中出すよりはマシだ。二軍でも上位の連中は下手な補欠よりも実力がある」
「そうですが……」

 眉をひそめる友沢と違い、監督はさしたる痛痒を感じていないようだった。

「二軍の連中も、使えるようになってきたという話だ。この試合で活躍したら一軍昇格だと保障してやれば、やる気になるだろう」

 二軍に落ちた連中も、その話を聞けばいっそう練習に励むはずだ。他校からは奇異の目で見られる帝王実業の差別的な体制は、一軍二軍間で競争意識を高める意味もあるのだ。

「あの連中も、一軍という肩書きの上に胡坐を書き始めていたからな。いい機会だ」

 帝王実業対聖タチバナ……再試合当日の出来事である。




489パワプロ男対聖作者:2006/08/07(月) 07:35:55 ID:FQjGFB1z
 ぎゃあ気がつけば改行しておらず(泣)
 しばらくお待ちください、ちょっと整理しますんで。
490パワプロ男対聖作者:2006/08/07(月) 07:40:32 ID:FQjGFB1z
 名門帝王実業高校野球部専用グラウンド。この単語を聞いて、読者諸氏はどのような場
所を連想するだろうか? ありとあらゆる設備の整った場所? 第三者を絶対に受け付け
ない、警備施設の整った場所? 限られた人間だけが入れる場所? ……様々な憶測が脳
裏をよぎるだろう。
 しかし、上記に上げた三つを引き合いに出せば……最初の例以外は、全く当てはまらな
い。
 帝王実業野球部は誰でも入部できるし、グラウンドは誰でもフリーパスだ。

 帝王実業野球部に、入部試験は存在しない。その施設の巨大さ故に、希望者は全員入部
可能だ。それ故に年度初めには新入部員が200人を超えるという事態すら起こるのだが、
そこから削っていくのが帝王実業流なのだ。
 定期的に行われる実技試験課題をクリアできなければ即アウト。このシビアすぎる判断
基準の綱渡りで、使えない奴はどんどん落ちていく。一番最初の試験で半分になり、二回
目の試験でさらに半分になり……最終的には20人以下にまで削られるのだ。
 練習量の多さに音を上げる者も多く、高校生活全てを二軍で過ごす者もいる。
 淘汰に淘汰を重ねた精鋭達。それが、帝王実業野球部の姿なのだ。入るだけなら誰でも
出来るが、生き残るのは困難極まりない。

 次は、グラウンドの開放についての説明である。
 野球部の使用グラウンドは他のグラウンドから完全に独立しており、部員の練習を妨げ
たり勝手に施設を使ったりしない限りは、一般高のグラウンドと同じか、それ以上の自由
さで出入りが可能だった。他校の偵察も素通りである。10年前からずっとこうだ。

 当時、この体制を強行した当時の理事長は、反論する教師を鼻で笑ってこう言った
という。

 『偵察したければしろ! 痛くも痒くもない!』

 そんな傲慢がこの体制を生み出したのは、あるパートナーが存在したからだった。傲慢
を夫とし、共同作業で現在の体制を産み落とした妻の名は、『スカウト』。

 野球の名門ゆえの問題の解決策として敷かれた体制だった。ぶっちゃけ多人数に渡るプ
ロ球団からのスカウトが訪れる野球部と一般の部活を一緒にするのは、都合が悪かったの
だ。そりゃあ、極普通に生活している一般生徒からすれば、スカウトという第三者が校舎
をうろつくのは、落ち着かないだろう。
 それだけではない。
 春先は噂になっている選手の出来上がりを見に、秋には新しい人材の探索のため、ほぼ
一年中訪れるスカウトの存在は、いい意味で部員達にプレッシャーを与える。それをさら
にオープンにする事で、部員達に常にプレッシャーを与え続けるのが目的でもあった。

 まあ、最後の目的に限って言えば、あまり効果を発揮しているとは言えないのだが。
 約一名ほど、そんなプレッシャーとは無関係に動いている馬鹿が……特級の野球馬鹿が
いたりするのだ。これが。

 さて、その野球馬鹿……波和風呂男は、他の部員達と一緒にキャッチボールをしていた。
その密度は普段の帝王実業の練習に比べると酷く密度か薄く、おざなりではないものの全
員が全力を出そうとはしていない。彼らの口からほとばしる気合も、常々の彼らと比べれ
ば8割減だ。
 それもそのはず。これは、ランニングの後の柔軟、続くキャッチボール……典型的なウ
ォームアップなのである。全力を出すのではなく、体をほぐすのが目的なのだから。

「……波和さん?」

 ふと、隣にいた猛田が、スローイングと同時に声を出した。周りの人間が発している気
合とは違う、明確な意味を持った言葉だった。相手からの返球を受けた風呂男はそこでよ
うやく相手が自分呼んだのだと気付いた。

「…………どした?」
「なんかあったんスか? えらい楽しそうですけど」

 ぶしつけな質問だったが、それも仕方が無い事だろう。唯でさえ人相の悪い風呂男がに
たにた笑う横顔は、不気味な事この上ない。きれた風呂男が殺人鬼なら、笑う風呂男は狂
人のそれに近いだろう……口に出そうものなら悪夢の無限素振りの憂き目に会うので、黙
っていたが。

 にたりにたりと、風呂男は笑っていた。ただでさえ不気味極まりないのに、それが今日
の練習が始まって以来ずっとならばなおさらだ。周りの人間は溜まったものではない。
 友沢やら矢部やら久遠やら……いわゆる、『熱心な練習中毒者』連中や監督は慣れている
から良いが、その他大勢は体がすくみっぱなしだ。マネージャー達も遠くで表情引きつら
せてるくらいだった。

 猛田が発言した瞬間の周りの心情は、単純に表現しよう。
『勇者キタ―――ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ―――――!!!!』
 悲しい事に、マネージャーまでこんな感じ。

「……楽しそう? 俺がか?」
「ええ。なんか、気味悪いくらい笑顔じゃないッスか」

 軽いスナップスローで返球し、風呂男は自分の顔をつるりと撫でた。そんなことしたと
ころで顔の形など分かるはずがないのだが、彼自身には思い当たるところが会ったらしい。
 ぎたり、と笑みを深め。

「あぁ。そうかもな」

 その相貌はまさに殺人鬼のもので。
 周りにいる人間は、友沢たちも含め……キャッチボール中だというのに、いっせいに引いた。
 彼らの行動に気付くことなく、風呂男は内心で言葉を付け足す。彼が楽しそうにしてい
る、一番の理由を……!

(ようやく、この日がキタんだからなぁ!)

 視線の先、グラウンドの反対方向では、自分達と同じようにウォームアップを続ける者
達がいた……そのユニフォームは黒ではなく、ライトイエローに彩られており、帝王実業
の人間でない事が見て取れる。聞こえてくる気合には男にはありえない黄色い声色が混じ
っており、帝王実業とは対照的にやる気に満ち溢れた光景であった。
 今日の、対戦相手……その中でことさら目立つ美少女を特に睨み据える。

(さて……お前の本当の実力とやら、見せてもらうぜ。聖)

「…………」

 一方の聖はというと。
 相変わらず表情に乏しい顔で、黙々とキャッチボールを続けているように見えたが……
バッテリーを組むみずきは、全く動かない彼女の表情に他人では気付けない揺らぎを見出
した。

「……楽しいそうね聖」
「まあな」

 返ってきた返事に、みずきは思わずぎょっとしてしまった。言っては悪いが、普段の彼
女の言動と比べると、今の返事はあまりにも感情が滲み出していた。これがみずきあたり
なら、語尾に『♪』がつきそうな、喜びの感情。
 彼女と付き合いが長く、同じ女性という事で共感のあるみずきでなければ気付けないよ
うな、僅かな変化ではあったが……

「ようやく、まともに試合が出来るからな」
「……悪かったわよ」

 聖の率直な言葉に帰ってきたのは、ふてくされたような謝罪の言葉。ちらりと横を見れ
ば、みずきの顔には罪悪感がありありとにじみ出ていた。子供のようにふてくされる彼女
の姿など、滅多に見れるものではない。

「誤る事はないよ。謝罪する気合があるなら、その分を試合に傾けよう」

 隣にいた男が、みずきの言葉を聞いてそう返した。

 何を隠そう、前回の試合のささやき戦術を提案し、実行するためにネタまで考えたのは、
ほかならぬ彼女なのだ。彼女がそれを喜んでやったかといわれれば、否と答えよう。彼女
がささやき戦術を考案したのはあくまで野球部の解散を避けるための苦肉の策であり、彼
女自身が望んで生み出したものではない。
 聖やキャプテンがこの作戦で心を痛めていると知っているだけに、樹齢千年の大木並み
に図太いみずきの神経も、しくしくと痛んでいたりするのだ。
 試合の直後など、普段の彼女からは館柄レナ伊ほど意気消沈していたが、他の部員達は
彼女に声をかけようとしなかった。

 責められていたわけではない。周りの人間が、全員みずきの落ち込みように気付けなか
っただけである。その試合に参加した部員の半分がみずきと同じ悩みで落ち込み、残りの
半分も釈然としないものを感じていたのだ。

 それ故に、再試合に望む彼らの表情は明るかった。訳あって、全員がまじめに野球をし
ているというわけではない聖タチバナ野球部だが、一人の例外もなく気合が全身から立ち
上っている程だ。

「おーし! キャッチボールやめ!
 ……それにしても聖ちゃん。よくこんな事思いついたね」

 一段と気合の入った声で号令してから、聖タチバナ主将は今回の練習試合の立役者に言
葉をかけた。
 彼女は、ちらりと主将をみやり、

「いや、あれは私のアイデアじゃない」
「え?」
「お節介な野球馬鹿が教えてくれたんだ」

 野球馬鹿。最近、聖がよく使う言葉なのだが、ふと主将はある事に気付いた。
 彼女が野球馬鹿と言い出した時期と、帝王実業との再試合を提案した時期とが、見事に
合致するのである。それは、聖が帝王実業の人間に詫びに行った直後の事で。

 何かがあったのは想像に難くはないが、何あったのかは分からる筈もなく。

 首をかしげるみずきと主将を尻目に、聖はその視線を殺人鬼のような野球馬鹿に合わせ
ていた。




 帝王実業高校には、試合用のグラウンドなるものも存在する。紅白戦や総合守備練習な
どに使われるその場所に、数十人の人だかりが出来ていた。
 別に珍しい事ではない。この程度の人数なら、毎日とはいかないが、定期的に出来上が
る。構成する人間はファンやスカウトなどが主だ。時々、他校の偵察も混ざる事がある。
 それもこれも、全ていつもの事で片付けられそうな風景……しかし、本日は少々趣が
違った。
 人だかりのうち半数はスカウト、半数はギャラリー……珍しい事だった。スカウトが十
数人一度に現れるのも、他校の人間がギャラリーとしてここを訪れるのも。

「――集合!」

 公式戦さながらの号令がかかり、両チームの部員達が走り出す。ホームベースとピッチ
ャープレートを結ぶラインに水平に並ぶ彼らを確認し、主審はさらに声を張り上げた。

 ……それは、このグラウンドに集った全員、誰もが待ち望んだ瞬間だった。

 聖と風呂男の視線が交錯したが、そこに恋愛感情は一切存在しない。聖は勿論、片思い
中のはずの風呂男も、そのような感情をさし挟もうなどとは思わなかった。
 そこにあるのは、闘志。
 今度こそ決着をつけるという、あくなき闘争心……

「これより、帝王実業高校対聖タチバナ高校の開始します。
 ……礼!!」
『オオォォォォォォォォォォッス!!!!』

 気合が大気を揺るがして。
 待ち望んだ、リベンジの瞬間が到来した。




「な、何が悪かったんだ!? 何故監督はあそこまで……
 はっ!? まさか、監督はホモなのか!? そうなのか?」

 一人の変態の叫びがバックミュージックでなければ、もっと格好良く閉まったのだろ
うが。
496パワプロ男対聖作者:2006/08/07(月) 07:46:30 ID:FQjGFB1z
 とりあえず、今日はここまで。
 相変わらず、エッチまでの道程がアホ程長い(汗)
 この後の試合の描写、端折ろうか綿密にしようか考え中です。
 まあ、どっちにしろ下ネタは入りますが。

 後、馬鹿夫婦ネタgj!
497名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 09:45:46 ID:oKlPRLA4
おお!ついにぷろおの続きが!
シモネタ野球希望します!端折らないでください!
とにかくGJ
498名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 10:08:32 ID:BrAvvBy/
別に緻密にやってもいいけどどうせ俺は読まない
どうでもいい前置きやってる暇があったらとっとと本題に入ってくれ
このスレの書き手は不必要に前置きが長くていかん
499名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 10:26:56 ID:F3tymW84
前置きが長いくらい許容してやれよ
確かに『パワプロ男対聖』は長過ぎだけど、
異常に早急な展開よりマシだろう

どうぞ、投下続けてください
500名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 10:33:30 ID:Ix4u2ix0
前置きっておいうか、コメディ部分や野球部分含めて全体が面白いのでそれでいいと思いますよ。
テンプレにもあるとおりここはエロ小説以外はNGなスレではないので。
思いついたネタはどんどん組み込んじゃってくださいなw

あ、あと保管庫の方が半端なので全部見られるようにしてほしいかなーとか思います
501名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 12:15:04 ID:yRylbcwq
>>498
夏真っ盛りだな。お前も高校野球もおもしれーよwwwwww
502名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 13:14:19 ID:GEFvxKzk
俺は綿密に書いてもらいたいかな
503名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 13:36:22 ID:cfEPTO7t
気長に待て。
504名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 15:37:55 ID:3C1D1bcg
主観での批判をあたかも読者共通の見解みたいな口調で語る奴は、
ただ自分の考えを他人に認めさせたいだけのガキなので構わないように。
前に叩かれてたオリジナリティ云々の批判もそうだけど、
ある意味作品を全否定しかねない押し付けの批判はただの荒らしです。

自分はパワプロ男シリーズの引っ張りまくる作風は個性であって魅力だと思います。
505名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 15:39:40 ID:x2wxI13Z
続きキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!
殺人鬼馬鹿(マズい表記)待ってました!!
過程があって話が膨らみますから省略無しで下ネタ野球を是非!
風呂男と聖の行方も楽しみにしてます!
506名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 15:40:02 ID:zXgQ18lv
>>476
遅GJ!
だがセリフの前に名前を入れると叩かれる場合があるのでやめた方がいいと思う。内容はいいと思う。
507名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 16:25:28 ID:tKG7zuvK
GJ!独自のテンションが笑いを誘いますな。
最後のくくり方も良いですw 比喩表現に長けている良い作品です。
「w」や顔文字の乱用だけ少し気になりました。
せっかく表現力があるんですから、「w」も表情も文章で表すとより良いです!
508名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 18:22:42 ID:op7ro6n6
いやこの作品の場合はそれで独特な雰囲気を作ってるから
問題ないかと。というか今修正したら変になる。
509名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 19:06:21 ID:yD/lgLpr
ここで聞く事じゃないかもしれんがパワプロ男はどういう能力を想定してるんだ?
AABCEEくらいか?
510squeeze:2006/08/07(月) 20:07:34 ID:oKlPRLA4
郎は、ある人物に電話をかけた。
「はい。影山です。」
電話の相手はプロ野球のスカウト、影山。
彼はどこの球団にも所属していない。いや、全球団が彼を雇っているといったほうが正しいか。
球団から「こんな選手が欲しい」と言われれば、彼は確実に探し出して来る。
「聖タチバナ学園の粉箕郎です。」
「ああ、君か。」
郎は彼と何度も話し、すでにプロに入らないかとも言われている。
「お聞きしたいことがあるのですが…。」
「なんだね?」
「橘みずき選手を欲しがっている球団は…ありますか?」
「…こういうことは秘密なのだが…まあ君ならいいだろう。キャットハンズのみだ。ここは橘投手個人を要請している。」
「…ありがとうございます。」
郎は一呼吸間をおいた。
「俺、決心しました。パワフルズを志望します。他球団には行きません。」
「おお、来てくれるか。」
パワフルズは優秀な捕手がいないことに悩まされていた。
ので、若くて三拍子揃った捕手の捜索を影山に頼んでいた。
郎は、打撃技術はまだプロレベルではないにしても、高校生離れした強肩と俊足を持ち、
二年ながら影山の眼鏡に敵うほどであった。
「君を欲しているもう一つの球団、やんきーすの方は他を当たることにするよ。」
「そうですか、よろしくお願いします。では…。」
郎は電話を切った。
(…なんだ…俺とみずきちゃんは結ばれない運命だったんじゃないか…。)
511squeeze:2006/08/07(月) 20:08:10 ID:oKlPRLA4
翌日の昼休み、郎はみずきを屋上に呼び出した。
「何、郎君?」
神妙な面持ちの郎を茶化すように、みずきは上機嫌に振舞った。
「実は俺…パワフルズに入らないかって言われてるんだ。」
「え、やったじゃん!プロ入りほぼ確定だね、ダーリン。」
「そうなんだけど…。」
郎はみずきに背を向ける。
「どうしたの?」
「スカウトの人から聞いたんだけど、みずきちゃんはキャットハンズから狙われてるらしい。」
「え、もしかして私もプロ入り!?違う球団だけどがんばろうね!」
「…頑張れないよ…。」
「え?」
「プロに入っても俺達が付き合ってるってばれたら…やっぱり、よくないじゃん。ましてやフィアンセとかなると余計に…
 だから、もう、辞めよう。」
「…何言ってるの…郎君…。」
「別れよう。」
沈黙がしばらく沈黙が流れる。
「…お爺様との約束は…どうなるの?」
涙目になるみずき。
「君が無理矢理進めた話だ。自分で何とかしてくれ。」
「じゃあ…郎君がプロに行ったら、私野球やめる!」
耐え切れなくなり、みずきの目から涙がこぼれる。
「…野球をやめた君を、好きのままでいられる自信がない…。」
「『ままでいられる』ってことは、今は好きなんじゃない!」
「もう決めたことなんだよ!」
背を向けたまま、怒鳴る郎。
その声は、普段の優しい彼のものとも、練習中の彼のものとも違うものだった。
みずきはこの場にいられなくなり、階段を駆け下りた。

――これでよかったんだ――
郎もまた、泣いていた。
しかし、結局は別れる運命。
いきなり始まって、理事長との約束のせいで別れることはこうでもしない限りできない。
それでもプロ入り出来なければ別れさせられて、出来ても別球団になって別れることになるというジレンマ。
――すごい恋だな…――
…さて、もう一つ、やるべきことがある…
もうこれで、聖ちゃんもみずきちゃんも、俺なんて、どうでもよくなる…
…麗菜ちゃん…
来るのは俺の涙が乾いてからにしてくれよ…
呼んだのは俺だけど…
512squeeze:2006/08/07(月) 20:09:09 ID:oKlPRLA4
聖はものすごい勢いで走っていくみずきの後姿を見た。
「ん、みずき、どうした?」
声をかけても、みずきは何も答えずに走り続ける。
(様子がおかしい…)
そう思った聖は、みずきを追いかけた。
みずきはそのまま外に出て、部室のある方へ走り出した。

「な…。」
部室に広がっていたのは、目を疑いたくなるような光景だった。
泣きながら、備品を壊していくみずき。
「おい!みずき!やめるんだ!」
みずきは振り向くと、聖のもとへ駆け寄り、抱きついた。
「どうしたんだ、みずき!」
「郎君が…。私を…。」
「…郎先輩がどうした?」
「振った…。」
「何だって!」
聖は、郎を、みずきを泣かせた郎を憎いと思った。
そして、今自分の胸の中にいるみずきを、受け止められるのは自分しかいないと。
「聖ぃ…私…どうしたらいい…。」
――私のほうも…どうすればいいんだ…――
頭ではそう思っていた。
しかし、体が先に動いて、両手をみずきの両頬に優しく当てていた。
みずきは落ち着きを取り戻し、聖を見つめる。
「聖…。」
「こうで…よかったか?」
「うん…。」
しばらくはその体勢のままでいた。
「ねぇ…聖…。」
「なんだ、みずき?」
「もっと…して欲しいな…。」
「何をだ?」
「エッチなこと…。」
「な…。」
「だって、もう郎君とは別れちゃったし、それに」
みずきは視線をさまよわせたあと、
「聖に私をもっと知って欲しいし。」
決心したように、はっきりといった。
「ああ、私もみずきのこと、もっと知りたい。」
513squeeze:2006/08/07(月) 20:09:46 ID:oKlPRLA4
みずきの制服を脱がせ始める。青いシマシマのスポーツブラとパンツが現れる。
「シマシマだぞ、みずき。」
「うん、この柄、お気に入りなんだ…。」
「そうか、これでみずきのことをもっと知ることが出来たな。」
みずきはクスッと笑う。
「そうだね。」
「…で、これからどうすればいい?」
「好きにしていいよ♪」
聖が緊張していることを見抜いたみずきは、先程まで泣いていたのが嘘のように明るい声を出して和らげようとした。
「ああ、じゃあそうさせてもらう。」
聖はみずきのスポブラを脱がし、軽く揉んだ。
「きゃん♪」
反応は、かつて郎に頬を押されたときと似ていたが、そのときの顔とは違い、目はトロンとしていた。
「聖ってエッチだね。でも、私も同じぐらいエッチだよ♪」
そう言って、みずきは制服の上から聖の胸に触れた。
「な…。」
「聖って私よりチッチャイね。」
「そうか?」
聖は制服の中に手をいれ、自分の胸に触れる。
「確かに…そうだな…。」
その行為がおかしくて、みずきは再び笑った。
「後で見せてね。」
「じゃあ、次はどうすればいい?」
「ここまできたら…次にすることはわか…いや、聖じゃわかんないかな。」
「?」
「最後の一枚を脱がして、気持よくさ・せ・て♪」
聖は戸惑い、中々その行動に移せないでいた。
「しょうがないなぁ、自分で脱ぐよ。」
みずきの秘所が顕わになった。さらに当惑する聖。
「こうなったら…こうするの。」
みずきは自慰を開始した。
「これを…聖にしてほしいな…。」
「ああ…。」
聖は言われたとおりにする。
「うん…そうだよ。段々速くしていって…。」
指を出し入れする速度を高める聖。
「あ…さすが聖…。気持いい…。」
息が速くなり、顔が紅潮していき、甘い声を出すみずき
「ああ!!」
大きな声があがるとともに、みずきの秘所から大量の液体が流れ出した。
「ハァ…ハァ…。聖ぃ…。」
「どうだった?みずき?」
「最高に気持いいよ…。」
「よかった…。」
二人で余韻に浸っていると、チャイムが聞こえた。
「あ、授業はじまるぞ。みずき。」
「そうだね…。」
みずきは落ちてたタオルで身体を拭いた。
「じゃあ行くぞ。」
「うん。あ、そうだ…次は同じことを聖にしてあげるね!」
514squeeze:2006/08/07(月) 20:10:46 ID:oKlPRLA4
ふう、山場を超えました。

主人公最低だなww
515名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:41:48 ID:cfEPTO7t
GJ!!!♂×♀もいいが♀×♀もいい!!!!!
516名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:52:19 ID:hDdzZZhQ
エロ前提なエロ小説のような作品と(エロ重視)
普通のSSという感じの作品から派生するエロ(話重視、これをエロと言っていいか謎だが)

このスレはこの二つがうまい具合に交互に登場するなぁ、いい感じです
職人の皆様全員GJ
517名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:54:02 ID:BrAvvBy/
何この超絶展開w
常人のレベルをはるかに逸脱してるなw
天才か?w
518名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 21:02:46 ID:cfEPTO7t
天才職人のバーゲンセールだな。
519名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 21:08:39 ID:Fo8KizJU
ああ、これはMZKとHJRですね。間違いない。
なんだこれは…。たまげたなぁ…
520名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 00:57:20 ID:ulg8Con4
521名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 01:45:49 ID:seWBEVW0
誰か後で前スレの内容うp出来ませんか?色々呼んでてその前の内容が思い出せなくなった・・・
522名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 04:24:42 ID:+iWFUu/T
>>521
まとめwkiへどうぞ。
ちなみに場所はスレ内を検索すれば見つかる
523名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 12:20:23 ID:CRlQiIv2
現段階で2ADCEEE位だと思う
初対戦時が2AECGGG位な感じだし、パワーは無いが〜云々のくだりが有った筈だからパワーもそんなでは無いかと

スレ違いでスマソ
お詫びに帝王で作ってくるノシ
524マイライフ二年目:2006/08/08(火) 14:31:13 ID:WqHJHr1X
小説作ろう
   題名「My Friends」
登場人物 
主人公 不知火 竜  三塁手 ミートA パワーC 走力B 肩C 守力B  ムードメーカー アベレージヒッター 
元々は投手だったがある事件で野手になった。優しい性格で人気があるが、怒ると人格が変わる

メンバー  矢部君  橘みずき 六道聖 etc・・・
この設定で始めたいと思います、下手ですがよろしくお願いします。

525名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 15:30:35 ID:HPdBlzu0
おいおい、友沢のパクリかよww
526名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 15:48:23 ID:K1td76wt
はい、>>524みたいのを設定厨と言います。
みなさんは決してマネせず、登場キャラクターはきちんとSSの中だけで表現しましょう。
物書きとして当たり前のことですからねー。
527名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 15:53:49 ID:Cjl3zBeW
>>524の選手はきっと蛇島先輩の罠にはめられたんだろうな
528月夜の空:2006/08/08(火) 17:00:01 ID:HPdBlzu0
今書いていたssの最初の部分が完成したので投稿してもいいですか?
529名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 17:04:01 ID:K1td76wt
なんだ最初の部分って?
できる限り、一作品完成してから、投稿してくれ。
530月夜の空:2006/08/08(火) 17:07:51 ID:HPdBlzu0
解りました。完成しだい投稿します。
531名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 17:17:34 ID:TxRO5xxA
といっても、長編だったら何日かに分割して投降してもいいとは思うのだが
532名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 17:20:13 ID:SaaOua1r
完成してすぐはやめれ
一晩以上置いてから推敲、誤字脱字をチェックして
「この作品サイコー!俺ってもしかして天才!?」
って勘違いするくらい極上の仕上がりっぷりにしてから投下しなさい
533快楽の虜:2006/08/08(火) 18:13:15 ID:dqYHeKhS
 キミは10年に1人の逸材だ、と…誰かがそう言った。

Chapter.2 「偽りのジャイロボール」

− 1 −

「ふ〜ん、それで聖あそこで座ってるんだ」
「だって朝から歩き方がひょこひょこしてたし…痛いのかなと思って」
「まさか六道さんが一番最初だとは思ってませんでしたわ」

 聖ちゃんとした次の日のことだ。聖ちゃんは平気な顔をしていたものの、オレの見ている限りでは股
を気遣うように歩いていたので、それがすぐにやせ我慢だということが分かった。聖ちゃんは平気だと
言っていたがそういう訳にもいかないと、オレは今日の練習に参加させなかった。
 ただ、1人先に帰るのは嫌だと、自分もユニフォームに着替えて木陰で休んでいる。

「良いなぁ……聖可愛かったでしょ、月野くん?」
「う、うん…まぁ……、凄く」
「ま、まあ…私は橘さんに負けなければそれで良いですわ」

 昨日の聖ちゃんはとにかく可愛かった。
 恥らっていたこともそうだが、聖ちゃんと繋がっていた時に見せた涙や、事が終わった後の満足気な
顔も、ギュッと抱きついてきた時の甘え方なんかも、全部が全部可愛かった。
 きっと、年下、ということもあるだろう。

 ただその後、聖ちゃんは自分から滴る血を見て超集中モード。気絶してしまった。
 どうやら血が出ることを知らなかったらしい。

「今日はちゃんとしようね、ダーリン?」
「私が先ですわ!」
「ははは…」
534快楽の虜:2006/08/08(火) 18:14:14 ID:dqYHeKhS

 オレが呆れて苦笑いしていると、後ろからオレを呼ぶ声がした。

「月野くん、月野くんのお母さんから手紙でやんすよ」
「ああ、矢部くん…って、母さんから手紙…?」
「さっきランニング中にそこで会ったでやんす、渡してくれって言われたでやんすよ」
「ふ〜ん…」

 オレは渡された封筒を開ける。母さんにしては変な封筒だ。
 それにすぐそこにいるんだし直接渡しにくれば良いのに。

「月野くんも仕送り頼んでたの?」
「んな訳ないでしょ、うちの母さんケチだって」
「仕送り?月野くん1人暮らし始めたでやんすか?」
「あー…実は同せグフゥッ!!?」
「部費よ部費、あの座子田って人、ほんとたまにしか要望会議やらないんだもん」
「なるほど、そうでやんすか、じゃあ確かに渡したでやんすよ」

 矢部くんは納得するとランニングに戻っていった。
 オレはみずきちゃんに殴られた腹を擦りながら、封筒から中を取り出す。広げて見てみると、レポー
ト用紙のような線の入った紙に、2行ほどの文字しか書いてなかった。

「で、何て書いてあるの?」
「んと…『下記の場所へ来てください』…何だこれ」
「あら?この住所って隣町ですわ、月野くんのお母様引っ越しましたの?」
「それはないよ、誰かが母さんに渡したんじゃないかな、オレがどこにいるか分からないから」
「あ、なるほどぉ」

 どうやら母さんからの手紙ではなさそうだった。
 見覚えのない字。女性の字に見えるが、どこか業務的な大人の字だ。
535快楽の虜:2006/08/08(火) 18:15:08 ID:dqYHeKhS

「行くの?」
「まあ…女性の字っぽいし、行ってボコボコになって帰ってくるとかもないでしょ」
「ムッ、月野くんそんなことまで分かるんだ」
「ん…?」
「字を見ただけで差出人が女性って分かるんですのね」
「べ、別に邪な気持ちはこれっぽっちも…」

 そう、邪な気持ちは全く無い。ただの好奇心だけだ。見た感じ、ラブレターという訳でも無さそうだし、
女性っぽい字、というだけで、何も差出人が女性と決まったわけではない。
 それに、このまま無視して帰っても、女の子が裸で迫ってくるだけだ。

 オレは手紙をポケットの中にしまう。

「あたしも行こっかな〜」
「私も行ってみたいですわ」
「そしたら聖ちゃんが大変でしょ、オレ1人で行ってくるから聖ちゃんよろしく」
「「ぶー」」

 2人が同時にブーイング。2人とも実は仲良いんじゃないのか…。
 まあでも、とりあえずこれで帰宅直後の逆レイプは免れたわけだ…。
 オレはホッと胸を撫で下ろした。
536快楽の虜:2006/08/08(火) 18:15:59 ID:dqYHeKhS
− 2 −

 隣町へはローカル線に乗っていく。地元のローカル線に乗るのなんて、小学校以来だった。
 ふと、ジュニアで野球をやっていた頃のことを思い出す。あの頃は野球というスポーツが自分の中で
確立していく時期だった。高学年の良き先輩であった現在パワフルズの小波さんに憧れ、ただひたす
ら上手くなろうと、プロ野球選手の真似事なんかをしていた。
 ただその時点ではまだ、プロ野球選手になる、という目標は、オレの中には無かった覚えがある。

 本格的にプロ野球選手になろうと考え始めたのは、ある日、ある人から言われた一言だった。

『キミは小学生かい?…凄いな、10年に1度か…或いはそれ以上か…、この球を投げられるのは…』

 最初、オレは何のことだかさっぱり分からなかった。とにかくオレは凄いのだと、そう思った。
 中学に入ってしばらくした頃だ。あかつき大学付属高校エースとして話題になった、今も小波さんが
ライバル視している、猪狩守さんの必殺のストレート『ライジングショット』。
 そのストレートはピストルの弾のようなドリルの回転をする、野球界最強の直球、ジャイロボール。

 ジャイロボールという魔球を知ったのは、その時が初めてだった。

 いつからだろう。
 オレは周りから…といっても、野球部員の中だけだが、天才だと呼ばれるようになっていた。猪狩守
さんと同じ、ジャイロボール。それは、一朝一夕で身に付くものではないのだから。
 そしてプロ野球選手になろうと決意した。オレにはそれだけの才能があると、そう思えたから…。


<<次はー…あかつきー…あかつきー…お降りの際はー…>>

 着いた…。
 改札を通ると地元とは違う都会めいた街。地元も結構都会だと思っていたが、多分ここは地元より
人が多いような、そんな感じがした。
537快楽の虜:2006/08/08(火) 18:17:02 ID:dqYHeKhS
 オレはポケットに入れていた手紙を取り出し、住所を確認する。歩いて行ける距離のようだ。

「タクシー拾うまでもないか……あッ、オレ住所知っててもこれがどこか分かんないじゃん!」
「あれっ」

 やっぱりタクシーか…お金が勿体無いなぁ…。
 などと思いながら手紙をポケットにしまうと、傍らで声がした。反射的に声のした方へ視線を向ける。

「シズくん!?シズくんだよね!」
「ん…?」
「シズくんだっ、久しぶりだね!私のこと覚えてる!?」

 何だこの女子高生は…。
 この辺の高校の子だろうか、今時では珍しいセーラー服で、短い髪にヘアバンド。 久しぶり、と言わ
れてデジャヴを感じたが、多分それは木乃葉さんのことだろう。
 オレはこの子と会ったことなんて…

 …いや、待てよ…オレの事今"シズくん"って呼ばなかったか。
 オレの下の名前は雫(しずく)という。中学に入りたての頃、そんなあだ名で呼ばれていたな…。

「…」
「あー…もしかしてシズくん忘れちゃってるの…?酷いなぁ…」
「え、いや…、んと…間違ってたらごめん…、もしかしてなつきちゃん?」
「あはっ、やっぱり覚えててくれたんだね!」

 そうだ、この子の名前は藤乃なつき。中学校まで同じだった、幼馴染みみたいなものだ。中学1年の
時に同じクラスになって以来、2年3年はクラスが違って特に顔も合わせることなく卒業。その後はお互
い別々の高校に進学した。
 ついでに言うと、オレは昔こっちに住んでいたのだ。
538快楽の虜:2006/08/08(火) 18:17:54 ID:dqYHeKhS
 確か…パワフル高校に行ったとかって…、そうか、じゃあこのセーラー服はパワフル高校か…。
 そういえばここ、あかつき市は、パワフル高校とあかつき大付属の激戦区だ。

 …にしても4年も顔見ないとこんなに変わるものなのか…。

「良かったっ、シズくん私のことちゃんと覚えててくれて…、それよりどうしたの?」
「あ、ああ、実はさ、人に来るよう言われたんだけど、住所がよくわからなくて…」
「ん〜?どれどれ?」

 なつきちゃんに言われてオレはポケットにしまった手紙をもう一度取り出す。

「あー、ここ、加藤クリニックだと思う、多分」
「加藤クリニック?」

 何か聞いたことあるぞ…?…その、『加藤』って部分…。

「うん、凄く美人の先生がいたんだけど、最近休業が多くて、何でかなって私も気になってて」
「は、ははははは…」

 それってもしかしなくてもさぁ…。
 オレは脳裏に浮かぶあの人をもみ消した。まさか本業サボって保健室の先生に…。

「私が連れて行ってあげるよ、ここからすぐそこだから」
「あ、うん、ありがとう、なつきちゃん」
「ふふっ、どういたしましてっ」

 そういう訳で、オレは理香先生の本業所に行くことになったのだ。あと、なつきちゃんと再開したわけ
だが、この時はまだ…そう、この瞬間はまだ、ただの幼馴染みだった。
539快楽の虜:2006/08/08(火) 18:21:14 ID:dqYHeKhS
一旦ここで切りますね、夜にでもまた続きを投下します。
ここから少し野球小説っぽくなるので、了承してもらえたらな、と…。
ちゃんとするところは書きますので、応援よろしくお願いします。
540squeeze:2006/08/08(火) 18:26:16 ID:yVwAqH/b
…もしかして…加藤先生となつきちゃんまで…
一人で何人いただく気ですかシズク君…

とにかくGJです。酒池肉林期待して待ってます。
541名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 19:08:20 ID:Np+coSe9
>>539
GJです
もしかして13に出てくる女全員降臨?
542名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 19:34:48 ID:+iWFUu/T
クク…そうだ快楽の虜氏。それでいいんだ…(´д`*)

期待しつつ半裸で正座して待ってますよ
543名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 22:13:24 ID:SsuIqw0o
>464で愛ネタを投稿した者です。
反応が怖くてスレを除いてませんでしたが、概ね好評だったようでホッとしております。

最初は12レスだったのを、長いと読み手も萎えると思い10レスに減らしたり、
脳髄に流れた電波をネタにしたり(ガソリンタンクですね!のとことか)、
愛はやかま系だから対象的に男は無口系のキャラにしようとか考えながら書いてました。
2ちゃんにSSを投稿するのはこれが初めてでしたが楽しんでいただいて幸いでした。

精神注入棒を回しながらロイツマを歌うみずきを妄想しつつ、
しばらくはROMに徹することにします。


オマケ
督「すっぽん粉末はすごく効くらしいぞ!(ニヤニヤ)」
コ「マムシドリンクも効果抜群らしいぞ(ニヤニヤ)」
奥「しばらくは飲みに誘わないから安心しろよ〜(ニヤニヤ)」
血「……………………」
544名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 22:18:21 ID:K1td76wt
そういう裏方事情は喋らないほうがよろし。
作品がヘボければ言い訳に聞こえるし、上手ければ得意気に聞こえます。
その作品書くのにどんなに苦労していようと、それをおくびにも出さず、挨拶と投稿だけして去っていく。それが巨大掲示板の職人てものです。
もちろん、どうしても確認できない資料をスレ住民に求めるのはOKです。
545名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 22:32:58 ID:gpq4LZum
>>539
これだけ先が読めないSSも珍しいな、どうなることやら。期待してます。

しかし、>>544の>作品がヘボければ言い訳に聞こえるし、上手ければ得意気に聞こえます
これは言い得て妙ですね。確かにそうなのでみんなが気をつけた方がいいかもしれません。
546快楽の虜:2006/08/09(水) 01:57:48 ID:KImH9FA3
− 3 −

「ここだよ、加藤クリニック」
「わ、ほんとにすぐのところにあるんだね」

 幸い、というか、今は休日の昼過ぎなので、クリニックは開いていた。

「えと…シズくんどれくらいに終わる?」
「さぁ、別に診察頼んだ覚えもないし…何か話があると思うから…(同棲の事とか…ね)」

 もし母さんに渡しに来たっていうなら、家にオレがいないことを疑うはずだ。昼なら、普通に野球部の
グラウンドに来て直接言えば良いのだから。
 先生ならそういうことで呼び出すのもありえるかもしれない。

「待ってても…良い?」
「別に良いけど…、いつ終わるか分かんないよ?」
「待ってるっ」

 なつきちゃんはそう言うと、加藤クリニックのドアを開けるオレに着いてきた。

 中には診察者は全くいなかった。そりゃそうだ、平日ずっとサボってるんだから。オレは呆れながらも
クリニックのスリッパに履き替えると、奥からやはり、理香先生が出てきた。
 保健室の時の格好と変わらないんだな…。

「いらっしゃい、あら、彼女連れなの?」
「あ、いえ…そういうんじゃなくて、ただの幼馴染みですよ…」
「…むぅ〜…」
「ふぅ〜ん、まあ良いわ、月野くん、とりあえず診察室に来てもらえるかしら」

 診察室…オレ、何か診察されるんだろうか。別にどこも悪くないはずなのだが…。
547快楽の虜:2006/08/09(水) 01:59:21 ID:KImH9FA3

「あ、彼女さんはそこで待っててくださる?彼に少し話しがあるの」
「あっ!はいっ」

 だから彼女じゃないんだってば…。
 そんなオレの心の叫びは、踵を返した先生の背中に弾かれた。

 先生に続くように診察室に入る。こういうところはいつ来ても慣れないものだ。

「月野くん、着いてきてくれる?」
「え?」

 着いてきてくれも何も、着いてきたつもりなのだが。ここで診察するんではないのか?
 そんなことを考えていると、先生はさっさと奥へ行ってしまった。早歩きで着いていく。ドアを1つくぐっ
たところで、オレは驚いた。

「大丈夫、安心して、あなたを取って食おうとか、そんなことは考えていないから」
「で、でも、先生これ…地下…」

 そう、ドア1つくぐった先にあったものは地下への階段。まだ昼なのにそこだけ真っ暗で、今にも亡霊
が這い上がってきそうな、まるでホラー映画で見るようなそんな階段だ。

「あら、怖いの、仕方ないわねぇ…ほら、来なさい」
「うわっ」

 先生はオレの手を取ると、引っ張るように階段を下りていき、それに誘発されたようにオレの足は階
段を下りていく。別に地下があって驚いただけであって、怖かったわけじゃないのだが…。
 階段の下の方はひんやりとしていた。

 全部下りきった所で、先生がドアを開ける。灯りが差し込んで、少し目が眩んだ。
548快楽の虜:2006/08/09(水) 01:59:56 ID:KImH9FA3
 そして驚いた。

「な、何だここ!」
「オヤ、ソノ子ガ例ノ少年デスカ?」
「ええ、そうです博士」

 は、博士だ!何か漫画とかでこういう人を見たことがあるけど、まるっきり博士って感じだ!
 片言の日本語で話すその博士の横には、奇妙なデザインの布を被った人もいる。

 先生は地下室のドアを閉めると、オレを椅子に座るよう促した。

「で、なんです、ここ?」
「月野くん、実はあなたにちゃんと話しておかなければならないことがあるの」
「は、はあ」

 先生は向かい側の椅子に座ると、真剣な面持ちでそう言った。

「単刀直入に言うわ、月野くん、あなたは過去に今私の後ろにいる博士にある手術をされているの」

 先生の目がオレの目を捉えて離れなかった。

 手術だって?
 全く覚えが無かった。確かに、いつだったか、盲腸の手術を受けたことがあるが、手術はそれっきり
一度もない。博士を見たのも今日が初めてだ。
 というか、こんな怪しい研究室に連れてこられた覚えも無い。

 オレは心の底から先生を疑った。
549快楽の虜:2006/08/09(水) 02:00:32 ID:KImH9FA3
− 4 −

「何かの冗談でしょ…、先生」
「あのねぇ、そんな冗談でこんなとこに呼び出したりしないわよ」
「…えーと、人違いでは…」
「あなたが覚えていないのも無理ないわ、手術後、あなたは記憶の一切を消されているの」

 ははは…、そんなファンタジーな世界があるもんか…。
 記憶を消すなんてこと、魔法でも使わない限りは無理だ。

「あなたが小学校の頃よ、あなたは一度、交通事故に遭ってね、死に限り無く近い、瀕死の状態」
「……はい?」

 何かいきなり凄い世界に入ってきている!
 小学生の時に交通事故に遭った覚えなんかないし、そんな話を母さんから聞いたこともない。
 それに、もし本当に死にかけるほどの交通事故に遭ったのなら、身体にその時の傷が残っていそう
なものだが、生憎そんな傷は、オレの身体には付いていない。

「その時の手術を担当したのが博士なの、博士の手術は常に時代の最先端を行く…あなたには傷も
残らないし、手術前の身体能力が向上することも可能性として有り得るわ」
「は、はあ」
「ジュニアの頃からあなたの野球センスは並外れていたわ、それはもう将来プロになってもおかしくな
いくらいにね、そんな才能を持った芽が消えようとした…ただ、今までの手術では到底、その命を救う
ことはできない、そこで博士はある1つの可能性にかけた」

 先生が語ることを黙って聞いていた。
 冗談とか、そんな色は全くと言って良いほど窺えない。至って真剣だ。

「あなたに行われた手術の内容は最先端の『肉体強化手術』…法にも触れるほどタブー、しかも手術
後の副作用は記録もないし予想もできない、それでもそうすることによってあなたの命が助かるのな
550快楽の虜:2006/08/09(水) 02:02:16 ID:KImH9FA3
らってね、結果、博士は潜りの医者をやっているのだけど…」
「何か凄い世界ですね」
「あなたの投げるジャイロボールはね、博士の手術の影響なのよ」
「…え?」

 ちょっと待て、ジャイロボールはオレがジュニアの頃、無意識のうちに投げられるようになった、オレ
のオリジナルのはずだ。手術したから投げられるようになった?そんな馬鹿な…。

「手術によってあなたの筋肉の成長がね、普通とは違う異常な発達を見せたの」
「なっ」
「最初あなたがタチバナに入学したと聞いて驚いたわ、パワフル高校、或いはあかつき大付属高校か
…でもまさか隣町のタチバナだなんてね、そこで急きょクリニックを離れてタチバナの保険医をするこ
とにしたの、異常な筋肉の発達に、いつか故障するんじゃないか心配になったから」

 …少しどころじゃない、かなりショックな話だ。
 それが本当だとしたら、オレが今まで自分の努力で積み重ねてきたと思っていた能力が、手術に
よって作られた、偽りの野球センスだということの証明になってしまう。

「今日ここに呼んだのは精密検査を受けてもらうため」
「精密検査、ですか?」
「ええ、身体に異常がないかチェックしないと、あなたこのまま野球できなくなっても良いの?」
「いえ、それは困りますが…」
「それじゃあ早速始めるから、ここに寝てもらえるかしら?」
「はい…」

 オレは先生の言葉に従った。
 ただ、オレの頭の中は、オレの野球センスのことでいっぱいだった。

 オレは所詮、作られた野球センスで成長してきた、偽りの野球選手であること。
 オレの持ち味であるジャイロボールも、実は天性のものではなく、人工のもの。オレが今まで努力し
551快楽の虜:2006/08/09(水) 02:02:59 ID:KImH9FA3
て習得してきた変化球も、その事実の前では全て無と化してしまう。

 偽りのジャイロボール。偽りの変化球。偽りの、オレの野球。
 普通の人が努力して得られるものを、オレは、努力をしなくても成長とともに得られるものだと…。

「よいっしょ、っと」
「って、うわ、何してんですか!先生??ちょ、冗談やめてくださいよ!」
「あら、精密検査じゃない、精液の検査…あなた将来子供が作れなくなっても良いの?」
「だからって何で馬乗りになってんですか!」

 考え事をしていると急に理香先生がオレの身体に馬乗りしてきた。

「ん〜、ちょっと精液を拝借♡みたいな?」
「『拝借♡』じゃないですよ!どいてくださいよ、重い!」
「しっつれいねー!私はこれでも50キロよ!京子、この子暴れるから固定しちゃいなさい」
「ギョー」

 奇妙な布を羽織った人は奇妙な声を発して、備え付けのボタンを押した。するとオレの両手首と両足
首に鉄枷がはまった。寝ている机に身体が固定される。
 逃げられない!

「だー!やめッ、先生やめろって!」
「ごめんね〜、もうその気になっちゃったから、月野くんの精液、もらっちゃうね♡」

 そう言うと理香先生はオレのベルトを外してズボンとトランクスをずり下ろすと、オレのモノを掴んで、
そのまましごき始めた。オレのモノは外部の刺激により、見る見るうちに大きくなっていく。

「んふふ…元気な子って大好きよ♡」
「あ…あ、ぁう…、せ、せんせ…ッ」
「気持ち良い?ならもっと気持ちよくしてあげるわっ」
552快楽の虜:2006/08/09(水) 02:04:22 ID:KImH9FA3

 言って先生は服を脱ぎだす。下着だけの姿になると、またオレに馬乗りになり、パンティをずらして、
オレのいきり勃つモノを膣内へ飲み込むように腰を降ろした。

「アッ!んっ、あはッ♡…素敵っ、良いわ…ッ、月野くんのモノ…硬くて大きいじゃないっ♡」
「う、あ、せ、んっせ…、く、ぁあ…」
「イイ、凄く良いわっ…!…さすが…ッ、私が目を付けた選手だわッ!…くぅんっ♡」

 抵抗できないオレに対して、先生が腰を動かしてピストン運動を繰り返す。
 先生の膣は木乃葉さんや聖ちゃんのように引っかかることなく、スムーズな動きでオレのモノを出し
入れし、それでいてその締め付けによりモノがしごかれる。
 経験豊富な女性の特権というやつなのか。

「うんッ、あっ、くぅ…ッ♡…すっ……ごいイイィ♡…素敵ッ!…ほん、と!イイイイィッ♡」
「ゲドークン、キミモ準備ナサイ」
「ギョ…、ギョー」

 ゲドー君と呼ばれたその被り物をした人物は、薬品棚から薬を取り出すところだった。
 オレはその様子を先生の刺激に耐えながら見ていたのだが、見ていたところで今度は何をされるの
か不安になっただけだった。
 それよりも、先生の締め付けが凄くて、無駄な余裕など全くなかった。
 もう、だめか…そう感じた時だ。

 研究室のドアが勢い良く開いたのだ。

「…っ!!…つ、月野くんを放して!今すぐに!」

 そう、上で待っていたなつきちゃんが、研究室を見つけて助けに来てくれたのだ。
ただ、オレは博士の横で注射を構えるゲドー君に、気付いていなかった…。
553快楽の虜:2006/08/09(水) 02:06:16 ID:KImH9FA3
何だか都合の悪い時はいつも博士…、こんなんで良いんでしょうか、僕…。
野球小説っぽくなってきた雰囲気を奪回したいと思います(;゚_゚)
554名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 02:16:28 ID:qCvOiIAx
シリアスなのかギャグなのかエロなのかお約束なのかカオスな展開w
これでBGMにダイジョーブ博士のテーマを想像すると超空間完成ですな
GJ!
555名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 02:40:22 ID:MjnaObXM
パワプロでエロ小説って正気か?
おまえらキモイ
556名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 03:20:36 ID:+E/JEUAZ
>>555
どうした、嫌な事でもあったか
557名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 03:30:46 ID:5FZXNNed
正気にては大業ならず パワプロでエロパロ道はシグルイなり

>>もう、だめか…そう感じた時だ。
これだけ見たらマジなモノローグっぽいけど、何がダメなんだとw
558squeeze:2006/08/09(水) 07:08:47 ID:Iil2XeF+
ぐはああああああ!!!
いきなり大変なことになってる…
続きが気になって不眠症に…
559名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 08:12:23 ID:UC2juWfW
>>554
ばか、お前のせいで頭の中でずっとジョーブ博士のテーマがwwwwwwwwwww
なんとかしてくれよwwwww
560名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 09:51:09 ID:8xLWvfwX
なんでこのスレはとんでも超展開なSSばっかなんだ?
たまにはまともな話も読ませてくれよ
561名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 10:19:54 ID:LB1kwppX
ヤバイ!! 見るもの全てがゲドー君になってまいそうだ
562名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 10:25:58 ID:yvz3cll3
あくまでパロディなんだから、真っ当な話でなくとも良いんです

快楽の虜さんは、加藤姉妹好きなんですな
明るいエッチって新鮮です
563名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 10:25:59 ID:LB1kwppX
神様がこのスレに    春一番キター!
(春に吹く にくい突風 男子校の味方)
564名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 19:13:53 ID:/L2Olv+1
>>558
糞コテは死んでいいよ^^
565名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 19:26:40 ID:bAvMiXIu
>>564
職人さんに何てこと・・・
おまいこそ死ね

てかそれは>>560に言え
566名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 19:43:15 ID:UXIllJot
邪魔なのは荒らし。
もっと邪魔なのは荒らしの相手をする奴。
567名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 20:10:03 ID:BzXCFZ6v
あからさまな煽りや釣りはスルーしようぜ。

そしてageてる奴はちゃんとsageろ。
568名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 20:10:19 ID:In/ytbDL
>>20
ibwqemmRFU
569名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 20:28:14 ID:qCvOiIAx
職人さんの投下後の荒らしや煽りにどうしても反応したいときは、
作品への感想もつけるというのをマナーにした方がいいと思うぞ。
570名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 21:21:21 ID:IDFXh3XB
>>569
反応する必要なんかない。反応したらそいつも荒らしだ
それに感想を書くのは反応したいからなどではなく当然のこと。
このスレに必要なのは作品と感想だけ
571名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 21:52:18 ID:qCvOiIAx
>>570 つ鏡
572月夜の空:2006/08/09(水) 22:30:48 ID:4/rsvOBp
快楽の虜さん。こんどはいつエロ絵版のチャットに来ますか?
573名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 22:43:19 ID:5FZXNNed
これはさすがに厨を装った荒らしに思えてきた…。
住人がバカばっかりなのではなく、極一部の輩が私怨で水さしてる可能性も考えて欲しい。
職人さんの投下後に毎回はかったように現れるのがどうもな。
574名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 23:20:06 ID:UC2juWfW
本当にこのスレの住人は程度が知れてるな

荒らし云々言うんなら反応しなきゃいいのによ
反応してる時点でどうしようもない、同じよ
それこそ>>570が一番正しいわな、極端な事言うと


俺も反応乙
ま、こういうことは言うのやめましょーや
575名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 00:15:45 ID:vXE64wvz
このスレの荒らしや厨をタイプ分けしてみた

>>498 >>555 >>560
最近目立つようになった、いわゆる「水差し・脱線誘発」タイプの荒らし。
職人さんの投下後に書き手のやる気を削ぐような書き込みをする。
特に、上の3つのレスはこのスレ全般に言及しているように見えるが、
書き込み時間を見ると、明らかにSS投下直後を狙っている。
つまり、職人さんを萎えさせる目的、そしてその荒らしレスに住人が反応することで
SSへの感想が減る、あるいは無くなってしまうことを目的としていると予測できる。
恐らく職人さんへの嫉妬などからの私怨なので、対処法としては
「このタイプのレスがあっても、職人さんへの感想レスは忘れない」ことが重要。
不用意に反応して流れが脱線すると荒らしの思うツボ。
「荒らしに構うなよ」系のレスも脱線を助長するだけで、
そんなレスをするくらいならSSの感想を書いた方が100倍はスレの安定化につながる。
ただ498と517のIDが同じなのが気になる。どう解釈するかはお任せする。

>>22 >>54 >>56 >>119 >>246 >>296 >>368 395
これを純粋に荒らしと呼ぶべきかは微妙だが、「私見押し付け」タイプのレス。
このスレッドはこうあるべき、SSとはかくあるべきだという持論を
みんな俺の素晴らしい意見を聞けーとばかりに書き込む。
仮にレスの内容が的を射ていたとしても、それをスレに書き込むことが職人さんやスレにとって
プラスなのかどうかは全く別の話。それを読んだ人間がどう感じるか、そこまで考えを及ばせて欲しい。
荒らす目的なのか本気で持論をスレの人々に受け容れさせようと思っているのかはわからないが、
エゴと自己顕示の匂いがプンプンしているため、スレの雰囲気が良くなるはずもない。
このタイプは書き込んだ本人が自分は絶対に正しい、間違ってるのは自分の意見を聞かない奴だと
思いこんでいる可能性があるため、まともに反論しても平行線になるケースが高い。
黙ってスルーして、飽きてもらうのを待つくらいしか対処法はない。
また、自分が良かれと思って書いたレスが、はからずともこの私見押し付けになっている
可能性もあるので、あらゆる人が書き込む前に自分のレス内容が適切かどうか考えてみる必要があるだろう。


特に、あまりにもひどい荒れ方をしたことで有名な前々スレでは、
上記の水差しタイプの荒らしで職人さんへの感想レスやGJレスが封殺され、
神職人が離れてしまった感がある。私怨荒らしだったのではないかと予想するが、真相はわからない。
また、水差しタイプの荒らしの変形で、「まったく関係ない雑談を始める」というものがある。
これをやられると職人さんは、自分のSSよりも雑談の方が楽しいのかとやる気を削がれる。
「荒らしをスルー」することは重要だが、「SSをスルー」するのは職人さんへのダメージが
非常に大きいことを忘れてはならない。

そこで、これからは荒らしレスには「水差し乙」とか「押し付け乙」の一言で一蹴し(メル欄とか使うのもいいかも)、
その後に同レス内で何事もなかったかのようにSSへの感想をつけるようにしたらどうでしょうか。

まぁ、このレス自体も私見押し付け荒らしだと言えなくもないですが。
576名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 00:18:44 ID:K2QLeo8t
考察長文はマンドクサいので読む気しないんで読まずに書くが
夏は無視してマッタリやればいいだけだな
577名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 01:33:03 ID:KktEkqSM
周りの関係ない人間の意見に無理矢理合わせられる義理はないんだしな。
例えるならオールスターで直球以外投げてはならない雰囲気みたいなもんだ。実際は皆空気読むが。
578名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 02:50:35 ID:Xhhntsd4
さんざん放置しろ放置しろって書かれてるのに
放置できないんだから(あるいは荒らしの自演もあるだろう)
荒らしを客観的に分析するのはアリだと思う。

自分は、荒らしは無視すればいいとか書いてるレスで
ちょっと前に投下されたSSに触れてないことが多いのが気になるが。
ある意味同じ穴のムジナ。
579squeeze:2006/08/10(木) 03:50:08 ID:OzoWSjEn
こんな時こそコネタ投下。

妻「あら、あなた、どうしました?」
性感マッサージしてもらう。
妻「はい。じゃあ横になってください。」
(もみもみ)
(とんとん)
(ぎゅっぎゅっ)
(ぺろぺろ)
(…じゅぷ)
(…はぁっ)
(ぎしぎし)
(あんあん)
体力が下がった!

580名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 12:23:38 ID:UtwVJzOK
>>579
ちょっw
581名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 12:29:43 ID:fHJX9dSY
弾道は上がらないのかw
582名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 18:30:44 ID:Q8OWGDNe
最終的には弾道は下がりますわなw
583名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 20:22:43 ID:tww6E0tP
確かにw
584月夜の空:2006/08/10(木) 23:02:41 ID:DKWo9NWo
みんな程の人なら知っているだろうが知らない人の為に。
http://tankbomb.s19.xrea.com/okaeridesu.html
585名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:04:33 ID:yI5IrcYb
ただでさえ夏モードなのに
余計に厨房が雪崩れ込むから張らないでくれよ
・・・張ってから言っても遅いが
586名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:05:54 ID:aGeChW27
何がしたいんだ584は?
587月夜の空:2006/08/10(木) 23:13:50 ID:DKWo9NWo
普通にクリックしても意味無いよ。
アドレスをコピーして貼り付けてやったらサイトに行けるよ。
588名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:14:39 ID:xMRdF3CI
おまいのSSに期待する気が、まるでなくなった。
589名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:17:46 ID:+FBICrrd
わざわざコテでリンク禁止のとこはって何がしたいのやら
590名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:20:48 ID:Xhhntsd4
>>528 >>530 >>572 >>584
ただのキチガイかキチガイを装った荒らしだな。
絵チャにこいつがいるのか、あるいは絵チャも潰そうとしてるのか…。
591名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:23:35 ID:/Jbb99ex
今は角煮のほうですらアドレス張られてないというのに…。
何考えてるんだ一体
592月夜の空:2006/08/10(木) 23:28:34 ID:DKWo9NWo
僕のssに期待している人がいるのなら、やめた方がいいと思います。
僕は快楽の虜さん達神職人と違って、自分でss書いているのを理由にして普通の人よりちょっと出世したと思っている馬鹿ですから。
 
593名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:38:45 ID:Xhhntsd4
快楽の虜氏もこんなのにマークされちゃって可哀想に
594名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:41:53 ID:lENTpJ4q
スルー決定
595名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:48:27 ID:llwL7nmj
まあまあ、騙りかもしれんし。
こういうことがあるから職人諸氏にはトリップつけていただきたいもんだ。

ホンモノだったら一回病院に行ったほうがいい。
596名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 01:17:31 ID:NAiWZqKk
早矢ってもんすご妊娠すっけど
裏じゃ何やってんだろな(・∀・)ニヤニヤ

早矢でSS書いたら相当濃そうなのができそうだ
597名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 01:30:28 ID:9YYGxdoh
気を取り直して現在連載中の作品を整理してみましょうか。

■『ぱわふろQ(仮』 41さん(前スレ600さん)
 現在>>291(6−4)まで。まとめサイトには1−5までとして全て保管済み。

■『未来への翼』 快楽の虜さん
 現在>>552(Chapter.2の4)まで。まとめサイトにはChapter.1まで保管済み。

■『これはひどい聖SS』 122さん
 現在>>198まで。まとめサイト未保管。

■『squeeze』 前スレ930さん
 現在>>513まで。まとめサイトには途中まで保管済み。

■パワプロ男対聖『違う意味でオーバーヒートゲーム』 619さん
 現在>>495(13)まで。まとめサイトには『パワプロ男対聖 ベッドインヘブン??』まで保管済み。

こんなところですか、参考までに。
598名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 03:37:04 ID:LU3TXvJm
ちょっと香ばしくなってきたな

 奇しくも向かい合う形になった風呂男と聖は、互いの瞳を見据え、にらみ合う。
 秋風がグラウンドを吹きぬけ、その風はグラウンドに整列した両チームの間を断ち切
るように通り、聖の前髪を揺らす。さえぎるものがなくなった相貌に、赤い瞳がよく映
えていた。

 彼女の赤い瞳を、ミーハーな連中はルビーのようだとささやきあうののだが……風呂
男がそれを聞いたならば、鼻で笑い飛ばすだろう。
 今の彼女の目に、彼はまったく別の感想を抱いているのだから。
 前髪に見え隠れする双眸は、まるで……

(灼熱の溶岩、ってとこか)

 静かな、しかし確実にたぎる闘志で熱せられた溶岩。全く滞留せず、澱み続けているそ
れは、彼女の気概を如実に物語っていた。間違っても温度のない宝石などではない!

 殺人鬼のような顔つきをいっそう凶悪にゆがめ、嗤う。楽しくて楽しくて仕方がないの
だ。
 ようやく、彼女達の全力が味わえる……野球馬鹿として、これほどうれしい事はない。
 一ヶ月以上にわたって『おあずけ』を食らったご馳走だ。愉しまなければ損というもの
だ。

「愉しませてくれよ……六道」
「ご期待に沿えるよう努力しよう。波和先輩」

 風呂男は笑顔に愉悦と歓喜を滲ませ、聖は瞳に闘志を滾らせて。
 言葉を交わすと同時に踵を返し、それぞれの居場所へと帰っていく。格好をつけていて
も、結局行き着く先は同じグラウンドなのだが。

 帝王実業対聖タチバナの練習試合は、一回の表帝王実業の攻撃から始まる。


「聖ちゃん、あいつとなんかあったのかい?」

 各々がポジションに散っていく中で、動かずに話しかけてきたのは聖タチバナキャプテ
ンの寺津 京(てらつけい)だった。グローブを片手にその感触を確かめる守備職人に、
聖はキャッチャーマスクを装着して、

「どういう意味だ?」

 細い指が止め具の上で踊り、あっというまに装着が完了する。マスク越しの赤い瞳は、
寺津の質問の意味を把握しかねているようだった。

「ほら、先週あいつのところに誤りにいっただろ? その時何か……」

 もし、寺津の思考を除く便利な道具があり、それを使用したとすれば、下世な話題だら
けの思考が見えてくるだろう。率直に言えば、何らかの暴行を加えられたのではないかと
心配しているのだ。
 まあ、風呂男の見た目があんなである以上、その疑いも仕方がないかもしれない。現に、
先程の会話で浮かべていた笑みは、『獲物を前にした強姦魔』と説明されても納得できてし
まいそうな代物だったし。

「あったといえばあったな。この練習試合を提案してくれたのは波和先輩だ」
「……本当にそれだけ?」
「当たり前だろう」
「……ホントのホントに」
「……何があったと思ってるんだ先輩は」

 聖には寺津が何を考えているのかがなんとなく想像がついた。

「い、いやっ! 別にそういうことは!



 聖ちゃんが押し倒されてレイープされたとか、拘束されて前戯もなしに突っ込まれて泣
き叫んだとか、媚薬盛られて無理やりなのに感じちゃったりとか、浣腸されて泣き叫んだ
りとか全ッ然考えてないから! うん!!」



『……………………』
「はっ!?(゚Д゚;)」


 大声上げての大自爆に、帝王実業ベンチが凍りつく。当事者である聖タチバナ側はとい
えば、全くといっていいほど変化が見られなかった。いや、表情には『またか』という声
が聞こえてきそうなほどの諦観が滲み出ている。
 それもその筈。この先輩、成績容貌人格その他諸々、他人がうらやむような完璧超人な
のだが、ひとつだけ致命的かつハチャメチャな欠点があった。

 脳みその中身総ピンク。彼の欠点はこれに尽きる。
 いったいどんな性癖しているのやら、彼はいったん想像の翼を広げるとその道のプロで
さえ引くような凄まじい妄想を繰り広げる超が5つ以上つくド変態なのだ。
 しかも微妙に天然入っているため、よく口を滑らせて妄想の内容を口に出してしまうと
ゆー。
 皆さんご存知みずきちゃん入部のごたごたで恋人と別れる前は、その妄想を全て恋人に
実行していたというから、なんともはや。みずきの一軒がなくても確実に別れ話が来てい
ただろう、というのが野球部一同の見解である。

 聖がベッドインヘヴン??のシュチュエーションに耐えられたのも、罪悪感もさること
ながらこのピンク野郎の妄想を毎日耳にしていた『慣れ』の事もあったのである。

「……先輩(´д`;)」
「い、いや聖ちゃん違うんだ!
 散々犯した後首輪つけて監禁! とか、あまつさえそのままネコミミ尻尾つけてにゃん
にゃんプレイとか、勿論尻尾はアナールバイブが基本とか……
「ちったぁ黙れこの脳内汚ピンク野郎!!!!(゚Д゚#)」
 ひでぶっ!!!!?」

 更なる妄想風呂敷を広げようとした寺津の頬に、風呂男のなえた剛速球が突き刺さる。
 無駄に強い肩が初めて役に立った瞬間であった。捕球から送球にかける時間が長かった
り、送球それまくったりで守備で役に立つ事が全くなかったのに。

「貴様は何故それが練習や実戦で出来んのだ?」

 監督の情けなさ炸裂のつぶやきは、誰にも聞かれる事なく消えていく。


 きりもみ回転して吹っ飛び、着地する寺津を見て、加害者は吐き捨てる。

「あの野郎……高校行ってさらに悪化してやがる」
「悪化って……知り合いなんですか?」

 久遠の問いに、風呂男は簡潔に、

「中学一緒」
「あー……」

 ご愁傷様といわんばかりの久遠の視線が突き刺さる。とりあえず、話をそらすために実
戦むきな話題に切り替えようと、友沢が口を開いた。無愛想に見えるが、意外と気の回る
男である。

「それなら、相手がどういう選手か分かるか?」
「なんで俺に聞くよ?」
「いや、データよりも人の言葉を聞いたほうがいいと思っただけだ」
「ふーん」

 興味なさそうにつぶやいた後、視線をグラウンドに戻す。グラウンドでは、ようやく立
ち上がった寺津を周りのチームメイトがせかしている真っ最中だった。

「俺と正反対のタイプだよ」
「え?」

 返事が来ると思っていなかったのか、久遠は変な声を上げた。

「一言で言やあ、守備職人だな。あいつ並みの瞬発力と捕球力、堅実性を守備で持ってる
選手は、プロでもそうそういねえだろ。その分バッティングに興味がなくて、三振王なん
てあだ名がついたぐらいだが」
「……中学でもレギュラーをとった、か」
「よくわかったな」
「そりゃあ、な」

 いつの間にか、友沢は風呂男の隣に立ち、並んでグラウンドを眺めている。その視線は、
ピッチャーのみずきに釘付けだった。


 ぱぁーんっ!

 ミットに突き刺さるストレート。その快音。その球のノビは、以前ささやき戦術を使わ
れたときとはまるで違う代物だ。

「……ノリノリ絶好調って感じだな。下手すりゃ、三振の山じゃなく、凡打の山だ」
「まだまださ」
「辛口なこって」

 自分の評価に友沢が水を指し、風呂男は軽く肩をすくめて見せる。

「プレイボール!」

 主審の合図がグラウンドに響き渡ったのは、ちょうどその時だった。
 先頭バッターである稲葉がバッターボックスに入り、足場を固める。走攻守全てがそろ
ったバランスのいい……逆に言えば、長所のない全てが中途半端な器用貧乏の選手である。
パワプロ的に言うなら、全能力Cで、その上特殊能力なしの選手だ。それ故に二軍でくす
ぶっていたのだが……

(さて、どう攻める?)

 聖たちからすれば、前回の試合に出ていない……どころか、対外試合でのデータが全く
ない手合いである。
 前の試合では相手の好きなコースを計算し、ささやきも含めてきっちりとはめるという
データを駆使した戦術を得意とする聖タチバナバッテリーが、どう攻めるか。
 薄情な話しながら、稲葉がどう打つかよりもそっちのほうに興味があった。

 右打者の稲葉は、外側に逃げるシンカーを警戒しているのだろう。あからさまにホーム
ベースによって、外角狙いが丸見えである。

 みずきの体が動き、振りかぶって……投げた。
 典型的なサイドスローから放たれる、打者に食い込むようなストレート……いわゆる、
クロスファイヤーと呼ばれる球だ。ピッチャーが自分と逆利きのバッターに対し、内角に
投げる球のことを言う。
 球が打者自身に向かってくるために、打ちにくい事この上ない球だ。

(お、深い)

 風呂男が驚いたのは、そのサイドスローの角度だった。
 以前に自分が相対したときよりも、角度が違うのだ。角度が違えば、無論のこと打ちに
くさも増してくる。外角を狙う相手には内角を。この上なく教本どおりのピッチングである。
 そんな教本どおりのピッチングで討ち取れるほど、帝王実業は甘くない。稲葉はしっか
りとバットをコントロールし、内角に迫った球を打とうとするが……

 スッ!

 ボールが内角に食い込んでくることはなかった。内角へ来るはずのボールはそのまま進
路を変え、稲葉が当初想定していた外角へ変化した!

(CFからのシンカー!)

 これでは……

 かきっ!

 明らかに爽快感のかけた音と勢いのない打球。一度無理なバットコントロールをしたう
えに、読み違った球をさらに打とうとすれば、まともなヒットが打てるはずがない。
 ピッチャーの前に転がった球を、みずきは笑顔で捕球し、ファーストへ。

「……あっさり1アウトかよ。情けねーな稲葉の奴」
「いや、今のはバッテリーの勝ちだ」

 同期のミスを愚痴るチームメイトに、風呂男はきっぱりと言い捨てた。

「まあ、見逃さなかったという点じゃ、稲葉の負けだけどな」

 完全に読みをはずされた時点で、稲葉はバットを止めて見送るべきだった。それを無理
やりあてに言ったのは、初めての一軍試合で、舞い上がっている証拠だ。
 言いながらMYバットを担ぎ、立ち上がる。ネクストバッターサークルへと向かう途中、
うなだれて帰ってくる稲葉とすれ違う。
 正直、傷心の同輩を気遣う暇などありはしなかった。

(いい。いいぜお前ら)

 稲葉が下手ならば、内角に来た球を打とうとフォームを崩し、その後思惑通りの場所に
球が来てもまともにヒットは出来なかっただろう。内角を打てる腕があろうとなかろうと、
確実に討ち取れる球を投げたのだ。あの二人は。

「燃えてきたね」

 強敵に出会えばうれしくなる、生粋の野球馬鹿は、笑顔で次の打者を……自分の親友を
見つめた。

 矢部明雄。足の速さには定評のある男だ。風呂男と同じく一軍二軍を行ったり来たりし
ていた男だが、最近ようやく1軍定着が決まった。
 本日は、記念すべき1軍入りの初試合だ。

「さーて、どうする矢部……」

 プレッシャーに弱く、バッティングセンスもいいといえない矢部だが、さてどう出るの
か。
 風呂男の心配をよそに、矢部はにやりと不敵な笑いを浮かべ、聖にささやきかけた。






「ささやいてほしいでヤンス(´д`)」
「……は?(´д`;)」
「おいらの股間にズッギュゥゥゥンッとくるようないやらしい言葉をささやいてほしいで
ヤンス! さぁ! さぁ!(´д`*)ハァハァ」
「…………(´д`;)」






 べちゃ

 風呂男氏、顔面からグラウンドへレッツダイブ。幸い、ベンチの監督には聞こえていな
いようだが、比較的近距離にいる風呂男にはダダ漏れであった。
 構えはそのまま、ピッチャーを見据えていたが……

 すぱぁんっ!

 甘いコースの球を見逃すところから見ても、上の空なのは間違いない。

「少しでもおいら達に罪悪感を感じているなら、出来るはずでヤンス! さぁっ! さぁ
っ! さあさあさあさあさあさあさあさあ!!」
「…………えっと」

 聖が戸惑うのも無理はない。こんなへんちくりんな要求をされるなど誰も思わないし、
ましてやその要求方法がセクハラ全開だ。
 その上、聖は基本的に天然である。いざいやらしい言葉を囁いてと言われても何をいえ
ばいいのか分からない。
 普通の女性なら、悲鳴を上げて逃げるところだが……難度も繰り返すが、彼女は多少天
然である。以前の囁きの罪悪感も手伝って、ついつい真剣に反応してしまった。
 以前の基本を守り、みずきがボールを投じた後でしっかりと、

「……きょ、きょうのーぶらのーぱんなんだがどうおもう?」

(ささやくのかよ!)

 激しく棒読みながらも囁く聖に突っ込む風呂男……そんな二人の思惑をかき消す奇声が、
矢部からほとばしった。

「キタ――――――――――(*´д`*)――――――――――!!!!」

 叫ぶと同時にスイングを開始し……

 カキィンッ!!!!

(なっ!?)

 明らかにふり遅れで空振るであろう球を、ヒット性のファールにしてのけた! しかも、
インサイドの厳しい代物!

(なんでそれでスイングスピードが上がるの!?(゚Д゚;))

 スイングスピードはバッティングにおいて重要な要素のひとつである。少しスピードを
上げるだけでもかなりの努力が必要となるのだ。それが高々囁きひとつでアップするとい
う理不尽に、風呂男は開いた口がふさがらない。

 急変した矢部の様子や、その尋常でないスイングスピードに、みずきや寺津の顔色が変
わる。そんな周りの様子に気付くことなく、矢部は眼鏡の奥の瞳を欲望で燃やして、口を
開いた。

「振り子打法は本来、体重移動の勢いをフルに生かしてスイングする打法でヤンス。片足
の振り子でさえこの効果ならば、振り子をもう一本増やせばどうなるのか。
 そんな熟考の下完成したのがこの打法!
 名づけて! 振り子二本打法でヤンス!(*´д`*)ハァハァ」
「何を振り子にしてんだテメーわ!(゚Д゚#)」

 激しく理にかなっていない説明に、思わずぶち切れする風呂男。確かに股間のバットの
体積はマックスに近いが、ズボンで抑えられたそれが揺れるはずないし、揺れたら揺れた
ではっきり言って怖い。というか、そもそも矢部のバッティングフォームは振り子じゃね
え。
 単に、興奮してモチベーションが上がっているだけなのだが……それでも、突っ込まず
にはいられない。ってか、聞こえてんだから止めろよ主審。

 もはやセクハラというより、性的公害といったほうがイイのだろうか。あまりにあから
さまな矢部の言動に、聖の頬が赤くなっているのがマスク越しにも分かった。

(あ、かわいい)

 そんな姿に萌えてる分、流石矢部の親友といったところか。
 冗談はさておき、橘みずきと戦うのに、矢部のような左バッターが鍵を握っているのは
確かだ。少なくとも、厄介極まりないクロスファイヤーは封じる事が出来る。後は一般的
なオーバースロートは異なる球筋に順応するだけなのだから。

(まぁ、今の矢部なら大丈夫か)

 脳内アドレナリン出っ放しの矢部ならば、何とかなるだろう。
 無言でロージンを握り、足元にたたきつけるみずき。彼女は感情の読めない眠たげなま
なざしで矢部を見据え、おもむろに投げた。

 コースは――内角!

「もらったでヤンス〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 読みと重なったらしいその球を、矢部は力任せに降るスイングしようと、バットを引き
絞って……

 くいっ!

 キィィンッ

 内側からさらに変化するシンカー。それは、狙いをたがわずバットに直撃し、なんとも
名状しがたい音を立てた。




 ……みずきの思惑通りに、股間のバットを。
 繰り返そう。矢部のバットは勃起していたのである。そんなところに、石のような固さ
の硬球が突き刺さっちゃったのである。




 男たちの世界が、止まる。
 帝王実業のチームメイトたちは勿論、聖タチバナの面々や監督までもが股間を押さえ、
真っ青になる中、矢部は動かなかった。
 ボールが地面に落ちてバウンドしても動かない。まるで、スイングが終わった直後に時
が止まったかのように。
 いや……彼は動いている。
 何かに耐えるように、プルプルと振るえ続けている! 彼は今男のプライドをかけて
痛みと戦っているのだ!


 何が起こったのか、最も近い距離で目撃してしまった聖は、目を白黒させて(傍目か
らはそうは見えないのだが)矢部を凝視した。そして、ある事に気がつく。
 話は飛ぶが、これは決して無関係ではない。聖はペニスというものを見た事がない。
故に、大きさの比較対象となるのは、以前結果的に触る事となった風呂男のキングコブ
ラ唯一つだ。パンツ越しに触れ合っただけ、それも愛撫中の偶然で何度かという頼りな
い記憶だが、それでも風呂男のものが大きい事ぐらいは分かる。
 彼女に罪はない。風呂男にも。悲劇は、聖が風呂男のジャイアントバズーカを標準サイ
ズだと思ってしまった事だった。

 聖タン、矢部の股間を見て一言。












「……小さい」












 イッツア致命傷。

 そして、時は動き出す。

「ぐふっ」

 ありきたりな台詞を吐き、地面に崩れ落ちる一人の馬鹿。
 かくして、矢部明雄の一軍入り初試合成績は、『第一打席シンカーを股間のバッドでジャ
ストミート、いろんな意味で再起不能につき退場』という、忘れ難くも散々な結果に終わったのだった。


「〜♪」
「み、みずきちゃん! デッドボールの直後に鼻歌は……」
「いいのいいの! セクハラに天誅下しただけなんだから!」
「はい?」

 ……どーやらみずきにもしっかり聞こえていたらしい。
611パワプロ男対聖作者:2006/08/11(金) 05:06:02 ID:xJFozrQC
 今日はここまでです。前スレのネタを勝手に使ってしまいました(汗)
 次回投稿はお盆休みの関係で遅れると思いますが……
 後、風呂男のステータスが出来上がったのですが、どこに投稿すれば
いいのでしょうか?
612名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 07:26:21 ID:Po2KjgKC
下品だ。とても下品だ(褒め言葉)
矢部の今後のご多幸をお祈り致しますw
いや、ちゃんと話に筋が通ってて面白いです。次回はお盆休み
以降ということですので首を長くして待っています。
ステータスは…他の所へ投下しても分かりづらいですし、また
ここで書くと色々言われそうなのでまとめサイトに作者さん自身
が作品内で付け加えるのはどうですか?
613名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 08:03:43 ID:hPCC03Zp
GJ!! ちょっw 矢部ww
614名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 08:04:34 ID:lz8JMhN5
やべぇ、GJ
615名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 09:39:45 ID:Dev5J3IC
こういう主人公は完璧でない方がいいな。感情移入しやすくなる。
波和の場合打撃がすごいが守備が下手。
読んで楽しむだけでなくて実際に作成して楽しめると。

・・・とオールAだったらとても作成できないヘタレの俺。
あとスレ違いすまんな。
616名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 10:25:19 ID:LMxchwu1
これは卑猥でアホ(褒め言葉)な小説ですね
617名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 10:53:07 ID:ukC+83NI
GJ!
揚げ足とるみたいですまんが…矢部って 右 打 ち じゃね?
618squeeze:2006/08/11(金) 11:25:44 ID:5300Ym72
ぐはwwwナイス矢部www
お前が得たデッドボールはむしろ笑いのホームランだww

個人的に寺津君にも期待w
…前の彼女と変態プレイって…
619名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 12:46:17 ID:nDu7X+K1
DJ、エロなんてどうでも良くなってきた
むしろこの馬鹿なノリの話をずっと読みたい気分だよw
620名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 12:48:41 ID:n+QzL1ne
DJ、むしろノリノリだな
621名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 12:51:13 ID:nDu7X+K1
DJてなんだよ、ダイジョーブ博士かよ。GJだよorz

>>620茶化すなw
622名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 12:59:24 ID:gEDmDB2H
>>621
ノってるねw
623名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 14:16:52 ID:h4FVMCIB
さすが矢部。無駄に高い弾道はダテじゃなかったか
たぶん、股間じゃない方のバットに当ててもフライで終わってたなw
624名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 19:23:34 ID:0WWimf9O
625名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 20:50:43 ID:NTxuO7AK
どうでもいいが、パワプロの彼女候補は複数作品に跨って登場するのが少ないな。カレンくらいか。
パワポケなら裏サクセスなんかで在りし日の姿が拝めるのに。
626名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 22:54:18 ID:RKJeFSlv
2作以上彼女候補として出たのなんてカレン以外にいたっけ?
627名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 23:05:52 ID:2Tl6D9zb
そういえばいないな。
628名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 00:21:04 ID:k08AfQm0
彼女候補って制約つけるとパワポケでも智美とのりかと島岡くらいか。
ただ彼女にならなくてもサブキャラや裏サクセスで再登場するパワポケに比べて、パワプロは良くて名前が出る程度だもんな。
とりあえずカレン最強ってことで。
629名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 00:52:43 ID:+bEEFlO3
彼女候補じゃないが、12で恋恋の高木(海野)幸子や
帝王の山口さんが登場したのは嬉しかったな。
個人的にははるか復活希望。
あおいの親友という設定だけに、友情イベントとかで適当に活かせそうだし。
630名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 15:40:30 ID:KsSmdeBz
パワプロエロパロスレ異例の埋まりの速さ。早くも410k。






あかつきナインのメンバーがまた出てくるとかしてほしい。
631squeeze:2006/08/12(土) 20:12:37 ID:020GjF9K
同時刻、屋上にて。
「…郎様…見損ないましたわ…。」
そう言い放ち、麗菜は屋上を立ち去った。
(これでいい…どっちでもよかった…。)
一人佇み、虚空を眺める郎。
(麗菜ちゃんと付き合うことになろうと…逆に振られようとも…)
みずきを振った直後、郎は麗菜に交際を申し込んだ。
しかも、そのときの言葉は、
「俺、やっぱり麗菜ちゃんと付き合うことにするわ。はは。」
という、本気で恋しているものに対して侮辱でしかない台詞だった。

郎の、みずきと聖を付き合わせるための作戦は、以下のとおり。
既に付き合ってる女性をふり、その直後に別の女性に告白。しかもその二人はライバル同士。
このことを知れば、既に付き合ってる女性のほうは男性自体に不信感を持つ可能性がある。
そして、彼女は友人に慰められる。そこで、女同士の友情を超えた関係が発生する。

恐らく、上手くいくと、郎は考えていた。
傍から見てて、みずきと聖の関係には友情を超えた何かがあると薄々感じていた郎。
事実、彼は知らないことだが、女同士の関係は既に完成している。
――これでよかったんだ――
…この程度で部のチームワークが崩壊するなら、皆その程度の選手だったというだけのこと…
後は、みずきちゃんが理事長を説得できるかどうかだけだ…
632squeeze:2006/08/12(土) 20:13:24 ID:020GjF9K
放課後
「粉箕君…話があります。ついてきてください。」
「…はい。」
聖名子と郎は屋上に向かう。
「今日…みずきと何があったの?」
単刀直入な質問。
「…交際をやめたい旨を伝えました。」
「!?」
「こちらにも事情があるんです。分かってください。」
しばし無言が続く。
「そう…。お爺様の説得は、私も協力するから。」
聖名子は事情を知っている。
「…ありがとうございます。」
「でもね…。」
聖名子が一歩、郎に歩み寄る。
そして、乾いた音が響く。
「…このくらいは…許してね。」
「…わかってます。」
「それじゃあ…。」
聖名子は屋上を立ち去った。
――このくらいの痛み、どうってことないか――
郎は聖名子に張られた頬を押さえながら、荷物を持ってグランドに向かった。
――あと、原と、宇津と、大京の分も残ってるな――


聖名子はみずきの携帯に電話をかけた。
「あ、お姉ちゃん?」
みずきはすぐに出た。存外明るい声をしている。
しかし、これは強がっているだけだと、聖名子は感じた。
「今どこにいるの?」
「今教室。」
「そう…。」
「どうしたの?」
「…今日はお姉ちゃんの家に来ない?…。」
聖名子は、みずきと別の家に暮らしている。
「えっ、ホント!じゃあ今から向かうね。」
みずきはさらに明るい声を出した。演技がかっている気さえする。
「ちょうど話したいことがあったんだ!」
話したいこと。
それはきっと郎のことだろう。
じゃあねと言って電話を切る。
――今、みずきを受け止められるのは、自分しかいない――
633squeeze:2006/08/12(土) 20:13:58 ID:020GjF9K
聖名子が家に着いたのは、一時間ほど後のことだった。
ドアは開いていた。(みずきは聖名子の家の合鍵を持っていた)
玄関には、みずきの靴と、もう一組、女子用の靴があった。
「ただいま。みずき。」
訝しく思いながらも、普通に帰ってきたことを告げる。
「お帰りー!お姉ちゃん。」
「お、おかえりなさい…。」
どうやら、みずきの他に誰かいるようだ。聖名子は声がした部屋に向かう。
いたのは、一年生で野球部の女の子、六道聖だった。
「お姉ちゃん、早速話したいこと言っちゃうけど…。」
改まって座りなおす二人。聖名子もそれに合わせる。
「私達…付き合うことになったの。」
「え…私達って…。」
「わたしと、聖。」
聖は顔を赤らめ、俯く。
「あなたたち…女の子同士でしょ…。」
あまりに突然で、予想だにしなかった話に、聖名子は混乱した。
「うん、そだよ?」
「女の子同士で、付き合うの…?」
そう尋ねられて、みずきはいきなり聖にキスした。
「な…お姉さまの前で…。」
聖も当惑する。
「お姉ちゃんに、二人のラブパワーを見せなきゃいけないじゃん♪」
みずきは聖の服を脱がせ始める。
「じゃあ、さっきの続きね♪」
「な…お姉さまの前でこんなこと…だめだ…。」
「お姉ちゃんの『前じゃなきゃ』だめなの♪。」
そんなこんなでパンツ一枚にされた聖。
「やっぱり私のよりちっちゃいね。」
そう言って、聖の乳首に吸い付く。
「なぁん…」
「聖美味しい♪」
「そ、そんな…なぁあん!」
「あは、聖感じちゃってるんだ。」
みずきは聖の乳首を犯し続ける。
しかし、それ以外の愛撫はしない。

しばらくすると、聖が脚をもじもじさせ始めた。
みると、パンツが少し濡れている。
「そろそろ入れて欲しいんじゃない?」
「い、入れるって…。」
「私の指。」
「なぁ…。」
「それか舌。」
「な!」
「どっちがいい?」
聖は答えない。
「じゃあ舐めちゃお♪」
みずきは聖のパンツを脱がし、顔をうずめる。
「な!なぁぁぁん…!なぁん…。」
聖は猫のような声をあげた。
634squeeze:2006/08/12(土) 20:14:28 ID:020GjF9K
妹の、女同士の愛の行為を見せ付けられ、聖名子は驚きで何もできず、ただ見つめていた。
聖名子はまだ処女で、自慰経験も性知識も乏しく、わずかに神童 裕次郎とプラトニカルな関係があるだけだった。
しかし、こんなものを見せ付けられて、混乱もあいまってか、彼女は性的な衝動を覚えていた。
「聖、そろそろ吹くんじゃない?」
「なぁ…。」
もはや聖は喘ぐことしか出来ていない。
「み、みずき!」
聖名子が口を挟む。
「どうしたのお姉ちゃん?」
「あの…その…。」
「もしかして、お姉ちゃんもして欲しいんじゃない?」
コクリ
聖名子は頷いた。
「じゃあ、ちょっと待ってて。」

神童とは、食事や散策をするだけで、いつも別れてしまう。
聖名子は最近それに物足りなさを覚えるようになってきた。
エッチなことをしたいわけじゃない。
しかし、性欲のない人間などいない。
普通の女性なら、自慰で寂しさを紛らわすのだが、聖名子はそれを汚れたことだと思っている。
聖名子の寂しさは募るばかり。
それが今、爆発してしまったというわけだ。

「なああ!!」
聖は絶頂を迎えたようだ。
みずきは顔についた聖の潮を舐めとっている。
「やっぱり美味しい。」
聖は荒い息をして倒れている。
「じゃあ、次お姉ちゃんにしてあげるね。」
「うん…。」
自分で服を脱ぎ始める聖名子。
「やっぱりお姉ちゃんの身体ってきれいだね。」
聖名子は恥ずかしくなって俯く。
「あはははは。」
突然笑い出すみずき。
「お姉ちゃんの反応って、なんか聖と似てるね。」
「…そ、そう?」
「うん、身体は全然違うけどね。」
ぺロリ。
「あん…。」
「味も違うかな?」
「みずき…。」
ペロペロ。
そして、しばらく舐め続けた後、聖にしたのと同じようにパンツを脱がし、秘所を舐め、
潮を吹かせ、そしてそれを舐めとったのだった。

―――もう郎君なんかどうでもいいや――
635squeeze:2006/08/12(土) 20:19:09 ID:020GjF9K
アブノーマルばっかだな自分…
郎君は最低ですが、野球能力は高いですよ。
…こんなことしたらスカウト評価とか世間の評価も下がりそうだな…
636名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 20:42:20 ID:+bEEFlO3
それはひょっとしてギャグで書(ry
637名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 22:07:30 ID:5S41c+W6
凄い方向に進み始めたなぁw
どうなるか判らない展開にwktk
638名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 23:30:10 ID:eXkoVlk0
GJ!! 百合街道まっしぐらですなww
639これはひどい聖SS:2006/08/13(日) 00:21:11 ID:9mQ2gbCS
なんかかなり間が開いてしまいましたが・・・

――ビシィッ!!
ストライク、バッターアウッ!!
やんきーずのエース鷹野有希が放ったストレートが外角のコースギリギリに突き刺さる。
沸き起こる大歓声。だがその歓声はマウンド上の鷹野は勿論のこと、
ホームベース上で華麗なインサイドワークを披露する六道聖に向けられているものだった。
これが彼女の打席ともなれば更にものすごい歓声が沸くのだから、彼女の人気ぶり如何なるものか窺い知れるだろう。
例年だと空席も決して少なくないこの球場も、今年は六道効果と言わんばかりに連日満員御礼の大盛況である。

『さあ鷹野、この回を抑えきれるか!?』
状況は9回表ワンナウト、ランナー1、2塁。やんきーずの2点リード。
長打で同点、ホームランなら一気に逆転を許す場面。
すかさず六道が審判にタイムを要求した。
「どうしましたか六道、私ならまだ大丈・・・って、何故君が真っ先に来ているんですか」
「いや、まあ、なんというか・・・ほら、遊撃手は内野の要だしこういうときも率先して動かないとなーって」
タイムをかけた捕手の六道より早くマウンドに駆け寄っていたのは小並。
まあ、その本当の目的は六道をより間近で見たいという単純かつ俗的な目的なのだが。
しかし何も試合中に見ずとも、六道聖の顔ぐらいいつでも見られるだろう?と諸氏は思うだろうが、小並曰く―

「あの可憐な少女がゴツいプロテクター姿で奮闘してる姿に最高の萌えを感じるとは思わないか!!!!1111」

とのこと。まあ実際にファンの中にもそういう趣向の男は少なくないようだが。
小並はさておき、バッテリーがグラブを口元に当てて言葉を交し合う。
「今はうちの1点リード。ここで入れられると同点なんだが・・・」
「言われなくても承知していますよ。2塁のランナーは返しません」
「いや・・・鷹野先輩、2塁ランナーは忘れろ」
「・・・何故です?ここでは1点もやれない場面でしょう」
「2塁はかなりの俊足だ。内野を抜ければ確かに確実に1点入れられる。
だが1塁ランナーの足は鈍重だ。怪我が完治していないらしい。・・・何をしているんだろうな、あちらの監督は」
1塁上にいる、怪我から復帰したての相手チームの主力選手は確かにしきりに足元を気にしているようだった。
「無難にゲッツーを狙えと?言われなくとも承知していますよ」
「いや、それはいいんだ。だが2塁に俊足のランナーがいるということだけ忘れればいい。
鷹野先輩は少々神経質過ぎるところがあるからな」
鷹野は投手として非常に優秀ではあるのだが、あまりの完璧主義が時として裏目に出ることがある。
自ら招いた失敗やピンチで変に気負ってしまい、自滅してしまうケースが何度かあるのだ。
「要は気にしたら負けだ。先輩の制球ならゲッツーも楽に狙えるし、
よしんば同点にされても、うちの打線なら必ずサヨナラで勝たせてくれる」
「つまりはぶっちゃけ言うと精神論ですよ鷹野さん。いい意味でのね」
「そうだな。だが精神論だって馬鹿にできたものじゃないぞ」
六道は意外にもリードにおいて投手の精神面を重視することが多い。
それは彼女自身、超絶的な集中力によって大成した人物であるという事実があるからでもあるし、
何より彼女は、時代遅れで非理論的に見える気合や精神論の類でチームを勝利に導いてきた人物をよく知っている。
「私の流儀ではありませんね・・・ですが、少し気楽になれましたよ」
「それは何よりだ」
「さて、それじゃあオレも気合入れて守らせてもらいますよ。左方向の打球なら死んでも止めて見せますよ」
「フフフ、当てにさせてもらいますよ」
試合中は滅多に笑顔を見せることの無い鷹野から僅かに笑みがこぼれる。
ピンチへの気負いはすっかり解消されたことがわかる。
バッテリーが再びバッターを挟んで向き合い、小並以下内野陣もゲッツー体制で打球を待ち構える。

鷹野が球を投じる。得意の右打者の内角へ食い込むカットボールだ。
ガキッ!!
ポップフライとも言えないほどの低高度の内野への小フライになる。落下地点は投手と遊撃手の中間辺り。
『これは小並、悠々とキャッ・・・いや捕らない!?・・・あーっとバウンドした球をそのまま!!』
小並がフライを捕ると見せかけバウンドさせ、バウンドした球を右手で直接掴み、全身を大きく躍動させて2塁へクイック送球。
2塁フォースアウト。そこから二塁手が1塁へ送球。これもアウトでゲッツー完成。
ゲームセット!!
ワアアアアアアアアアアアアアーッ!!!
塁審のゲームセットを告げるコールは、華麗なビッグプレイによって起こった歓声に完全にかき消されていた。
640これはひどい聖SS:2006/08/13(日) 00:21:53 ID:9mQ2gbCS
試合後、いつものように選手寮で小並は六道に嬉々として声をかける。
「やー聖ちゃんお疲れ様。今日もいいプレイしてたねー」
「先輩こそお疲れ様だ。最後はすごかったな」
「そうかな?いやーやっぱそうなのかなー?そうだよねー?あははは、いや聖ちゃんさすが目の付け所が違うね!うん!」
「これで打撃成績が4打数3三振1併殺でなければ言うこと無かったのだがな」
「うぐ・・・う、打てなくても守備で取り戻せる男なのさ、オレは・・・」
痛いところを突かれて風船のようにしぼむ小並。
これが他の人物、半田や鷹野ならともかくその他の下っ端?が同じ発言をしようものならその場で百叩きの刑なのだが。
「おや、六道に小並」
今日の勝利投手の鷹野もその場へとやってくる。
「鷹野さんお疲れ様です。今年こそは最多勝いけそうですね」
「どうでしょうね・・・勝利数はともかく防御率はまだ納得できるレベルではありませんし、まだまだです」
本日の時点での鷹野の防御率は3.13。決して悪くない数字だが鷹野は満足していないようだ。
「そうでもないぞ。投手は野手が取った点数以下に抑えることが最大の仕事だ。そこまで気にすることじゃない」
「しかし、それでは私の気がですね・・・ウチの打線があるから勝ち星を重ねられるものの」
「勝てば官軍という。上を目指す姿勢はいいが勝利は素直に喜ぶべきだ」
「ふむ・・・まあ、それも一理あるかもしれませんね」
鷹野の眼鏡の奥から笑みがこぼれる。こう見えて彼は割と好青年な一面もある。
・・・彼の人となりを知らない人がそれを見れば、自らが企てた悪巧みにほくそ笑む経済ヤクザに見えてしまうだろうが。
「・・・聖ちゃんって投手おだてるの上手だよね・・・」
「それほどでも・・・あるか。常におだてないと話にならない投手との付き合いが長かったからな」

「・・・くしゅい!!」
ミゾットキャットハンズの新人女性投手、橘みずきが風の噂に吹かれて可愛らしいくしゃみをする。
「みずきちゃん、大丈夫?風邪引いてない?」
「あ、ううん大丈夫ですよあおい先輩。きっと誰かが今頃わたしに恋焦がれて噂でもしてるんですよきっと」
「そ、そう・・・」
橘は自分の姉に瓜二つである早川あおいによく懐いている。
そのうえ憧れの史上初の女性プロ野球選手であり、野球の実力もある早川なのだから橘の羨望の眼差しは非常に強い。
「へへへー、心配してくれるんですね。先輩優しいです♪」
「こ、こらこら!抱きつかなくていいから・・・もう」
早川もそんな橘を妹のように可愛く思いつつも、橘の押しの強さに少々参り気味でもある。
(・・・ん〜、いいねぇ。野郎がいないからこそのこの美しさ。まったくもってそそるね)
そんな彼女達をニヤニヤと眺めるのは、キャットハンズの名(迷?)監督。
「・・・って、かーんーとーくー?なーにイヤらしい目でこっち見てるんですかー?」
「ギクッ」
目ざとい橘に指摘されて身体をビクッと硬直させる監督。
「監督、今時口でギクッとか言いませんよ普通・・・しかも今のでバレバレ・・・」
「早川、それフォローのつもりなんだろうがかえって追い込まれてるぞ俺・・・」
「あ、そーだ監督!お給料入ったんですよね?今夜おごってくださいよ〜♪」
「え!?何で?何でこの流れで?」
「イヤらしい目つきでわたし達のこと観てたじゃないですか〜?視聴税ですよ♪」
かなりというか相当滅茶苦茶な理屈だ。
「あのなお前、俺一応監督なんだしなぁ・・・おい早川・・・お前からも何とか言ってやってくれって・・・」
「よかったですねあおい先輩、これからディナーですよ、ディナー!ウフフフフ〜!」
橘の満面の笑みに有無をも言わせない雰囲気を感じ取る早川。
「え〜・・・と、あ、うん・・・そうね。あははは・・・」
「ガッグシ」
唯一の頼みの綱があっさり切れてしまい、わかりやすく項垂れる監督。
「それじゃ善は急げってことで早く行きましょう!お店はわたしが紹介しま〜す!」
いわゆるイイトコのお嬢様である橘の店とあれば、それなりに値の張る店であることは間違いなかった。
「・・・俺って何なんだろうなぁ。監督のはずだよなあ」
「監督、ご愁傷様です・・・」
早川の同情の視線を横から受けつつ、背中に哀愁を漂わせる監督。
気まぐれな曲者で通っているこの監督も、橘の傍若無人っぷりには手も足も出ないようだった。
641名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 00:46:53 ID:lMj5XhjO
うーん、やんきーズ編は面白いんだけど、猫手編のみずきが単なるDQNと化してるのが気になる。
いくら女性選手でも女性である事を盾に監督におごらせるとかは常識以前の問題でないかい?
2chがあったら相当叩かれてると思うぞ。監督も情けなさすぎ。10じゃあんなもんじゃなかったぞ。
642名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 00:57:02 ID:ztvM1jZb
私的には、プロに入ってより傍若無人さが増したと考えればこれはアリなんじゃないかと
643名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 00:58:53 ID:b/7B9d9o
突っ込みどころが違う様な…何故そこで2chがあったら…になるんだ?
まあ、若干監督の情けなさはあるが、十分考えられることだと思う。

>>これはひどい聖SS
今回はやんきーずは野球モード、キャットハンズは…監督w作品内のミッ
クスを普通にしているので違和感無く楽しんでます。続き楽しみにしてま
す。あくまで作者様のペースでお願いします。
644名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 00:59:29 ID:b/7B9d9o
最初の二行は
>>641
に向けて。
645名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 01:12:16 ID:lV4eTnSA
みずきあおいだとあおいは完全に受けだよな〜
みずきの強引な話術と絶妙なテクにアンアン言わされるあおいちゃんを書いてくれたら
三日間おかずには困らないとここに断言する!
646名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 01:16:11 ID:lMj5XhjO
>>642
プロに入って丸くなるならともかく、周りには先輩しかいない状況でより傍若無人に
なるってのはおかしい。監督も先輩もこんなルーキーが入ってきてなんとも思わないのか?

>>643
2chの話はあまり意味は無い。単なる例え。
あの気まぐれでエースを2軍に叩き落す監督がたかがルーキーに舐められてるとは考えられんので。

パロディだし細かい事を指摘しても仕方ない。文句言うのはやめにしとく。
647名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 08:35:26 ID:lo7zrffA
大学デビューみたいなもんだよ
ちやほやされて増長するなんてよくある話、女性選手がされるかは知らんが
648名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 09:29:45 ID:WcTRBDpv
野球部分以外はほぼギャグパートみたいなもんだし
それこそ聖の言葉を借りて「気にしたら負け」ってことでw

打たれつつも何だかんだで白星重ねる鷹野さんは実は劇場型か
649名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 18:20:55 ID:9Ae4nHnf
うーむ、変なとこで揉めてるね。顔見せイベントだからキャラの性格を誇張するのは当然だと思うけど…
SS投下後最初の反応が個人の見解の差レベルの批判だと荒れ気味になることぐらい予想して避けて欲しいかも。

両チームがどう絡むのか期待です、GJ!
650名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 18:32:33 ID:bPeEWwJn
エロパロ板でこんな細かい突っ込みも珍しい
651名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 20:40:43 ID:lV4eTnSA
突っ込みが細かいということは、それだけ叩きどころがないってことでもある。
光栄な話じゃないかw
652へび:2006/08/13(日) 21:41:54 ID:J7IJY9uM
蛇島は、部室の片隅で一人、佇んでいた。
くそっ!
友沢のやつ…スカウトの目の前で俺に恥かかせやがって…
このうらみ…いつか晴らしてやる…
だが…今すぐにはできない…何か言い憂さ晴らしはないか…
「あら、桐ちゃん、どうしたの?」
彼に話しかけたのは、女性トレーナーの門楼マリだった。
(ほう…いいところにいいやつが来た…)
「いえ、ちょっと疲れているだけですよ…。」
表面上は好青年を演じる蛇島。
「あら、そうなの?」
マリは顔を赤らめる。
「じゃあ、久しぶりにイイコトしてあげようか?」
イイコトとはもちろん、性的なことである。
そう尋ねられて、蛇島は恥ずかしそうに俯く。もちろん演技だ。
彼は、普段から初心な青年のふりをしている。
行為のときも、常にマリ主導だ。
「ええ…おねがいします…じゃあ僕の家に来てください…」

蛇島の自宅
「じゃあ、コーヒー入れますね。」
イイコトの前は、いつも二人でコーヒーを飲むことになっていた。
手際よく準備をし、芳醇な香りが室内を満たす。
二つの洒落たカップに注ぎ、リビングで待つマリのもとへ運んだ。
「お待たせしました。」
片方のカップをマリの前に置く。マリはそのまま口に近づけ傾ける。
「ふふ、やっぱり桐ちゃんのコーヒー美味しい。」
「あ、そういっていただけると僕もうれしいです。」
蛇島は笑顔で返す。
653へび:2006/08/13(日) 21:42:30 ID:J7IJY9uM
マリはコーヒーを堪能していたが、蛇島は一口も口をつけていない。
「桐ちゃん、飲まないの?」
「あの…マリさん。」
蛇島は俯く。
「どうしたの?」
「今日は…やっぱりイイコトしてもらうのはやめてくれませんか…。」
「あら、どうして?」
マリは残念そうな顔をする。
「それは…。」
蛇島はきっと眼を見開く。
「俺がお前にイイコトしてやるからだよ!」
そういうやいなや、蛇島はカップをつかみ、中身をマリに浴びせた。
熱いコーヒーを浴びたマリは後ろに倒れた。
そしてそのまま馬乗りになる。
「き、桐ちゃん!なにするの!」
「俺は、お前の大好きな強い男だったってわけだ。」
そしてそのまま強引に服を脱がす。
「ふふ…下着、つけてねえじゃないか。」
あらわになった豊満な乳房に、平手打ちを食らわす。マリはうめいた。
「養老のやつとは…どこまでやったんだ…?」
「あのこは…なんにもしてくれなかった…。させてくれなかった…。」」
「そうか…。」
蛇島は邪悪な笑みを浮かべる。
「確かその前の奴も女に興味ないやつだったな…。」
マリは頷く。
「こういうことしてくれる俺みたいな奴を待ってたんじゃないのか?」
マリは涙目を蛇島に向けた。
「聞いてるんだから答えろ!」
そういって、再びマリの乳房を打つ。
「うん…こんなことしてくれる強い人、ずっと待ってた…。」
蛇島は満足したようににんまりと笑う。
「ふふ…そうか。正直な女は俺も好きだ…。」
蛇島はマリのスカートも脱がし、恥部をあらわにさせる。
そして、己自身も開放させた。
「ご褒美だ、このまま入れてやる。」
そういって、自分のものを挿入した。思いのほかスムーズに入った。
「なんだ…殴られただけでこんなになんのか…お前はとんだ淫乱マゾだよ…。」
見下すような視線。
「もしかして、野球部の野郎全員相手したいとか思ってんじゃないだろうな…。」
なかなか答えがない、ので、蛇島は右手を振りかざす。
振り下ろされるその前に、マリは頷いた。
「そうかそうか。」
蛇島は2度3度、首を縦に振る。
「でもな、それはできない。なぜならお前は帝王である俺専属だからだ。ザコ部員はカマ掘りあってりゃいい。」
蛇島は前後運動を高速化させる。
「さて、そろそろだすぞ…。」
そして、自分自身をマリの中に放出した。

行為の後…
「あの…桐ちゃん…」
「なんだ?」
「絶対…帝王の座、誰にも譲らないでね…。」
蛇島は微笑む。
「つまり、俺に惚れたと。」
こくりと頷くマリ。
「今日のことで惚れたのか…ククク…。」
いい女だと蛇島は思った。
「俺もお前に惚れた。最高の憂さ晴らし相手だ。」
                         完
654へび:2006/08/13(日) 22:01:41 ID:J7IJY9uM
へび・まりで無理矢理。
もう少しゲーム上で絡んで欲しかったなこの二人。
655名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 22:26:49 ID:VH7Hzj4g
gj

その後友沢に帝王の座を取られてしまうわけかwwwなさけねーwwwww
656名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 23:44:45 ID:hWZR+Rwr
そしてさらに主人公にまで。
657名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 23:46:04 ID:UMNd8GyB
アッチの方も友沢の方が強かったのか?w
658名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 23:48:37 ID:hWZR+Rwr
いや、友沢はそういう事はしないだろ。
659名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 00:11:19 ID:WTZagzKy
>>657
アッチの方ってマリさん言うから、友沢も男の子なんだな…ってショックを受けた俺が居た
660名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 00:11:47 ID:F5Q+4T6/
ただ、主人公は俺達の分身だからな。
すごい事になってそうだ。
661名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 00:16:55 ID:KmtECMOE
待て、モゲラ勝負に敗れて矢部くんが帝王になった時は…
662名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 00:21:38 ID:ZPQ25El3
帝王矢部の時が一番興奮する変態マリさん
あれだ。エロマンガとかでかわいい女の子が
きったないおっさんのをフェラーしてるのがすっごく興奮するのと同じ理論
そして矢部は矢部ですげえ変態的なことをお願いする

やべー興奮してきた

663名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 00:40:38 ID:idN5yjcW
パワプロ男とマリさんのSS見たいねぇ…
664名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 12:20:22 ID:sJDNFwVQ
「マリさん!お願いがあるでやんす!」
「どうしたの?明雄ちゃん?」
「おいら、実はナースが好きなんでやんす!」
「そうなの?じゃあ今日は患者さんとナースでイイコトしたいの?」
「ちょっと違うでやんす!マリさんは地球にやってきた
 悪いウイルスと戦うナースの役をやって欲しいでやんす!」
「…それで明雄ちゃんは何なの?」
「おいらはその悪いウイルスでやんす!マリさんに襲い掛かるでやんす」
「…わかったわ…。」

…すいません、さっき見たアニメに影響されてこんなの書いちゃいました…
矢部君はこんなことお願いしてそうだな…
マリさんもマリさんでコスプレ衣装を集めるのが趣味に…
665名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 12:58:50 ID:YEFRQVfj
矢部とかだとそんなことする前に友沢に奪われるんじゃないのか
666名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 16:24:38 ID:iAOqVVq5
夢を見るくらい良いじゃないか
667名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 11:36:41 ID:QsalvJJb
でも次の週で帝王奪われるから
668名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 16:32:45 ID:qbbAgtir
13で、みずきがパットだと判明するイベントってあるの?
669名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 17:25:56 ID:jVJLyPwF
ある
670名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 19:59:40 ID:qbbAgtir
>>669 サンクス! 早速やってきます
671名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 15:54:04 ID:AywnEwWb
ずいぶんと過疎ってるね。
みんな生きてるか?
672名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 16:24:35 ID:juV1S1nG
盆休みで里帰りしてるんだろう
673名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 16:26:16 ID:kW2IX9ml
わざわざ帰省先から携帯で書き込む奴もいないだろうしな
674名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 18:18:44 ID:R+ZA4XQ4
ああ、まったくだな
675名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 00:01:38 ID:CzrnuMBM
突っ込んでいいか?

そんなお前らはなんなんだよwwwwwwwwwwwwwwwww

俺?俺は実家に引きこもるニートみたいなもんです…
676名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 15:28:22 ID:zjoU1boL
ていうかそろそろ次スレ立てておいたほうがいいんじゃね
677名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 15:35:03 ID:FzpXQUkz
あと65KBだな
678名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 16:24:12 ID:bFeoOsUC
聖の登場で過去最速記録達成ですな。
保管庫に今までのSSを保管して頂きたい。
不肖ワタクシめやり方が解らない。
679名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 18:42:16 ID:F9nwcwGY
にしてもまとめ見たのだがパワプロ男強いな・・・
能力はともかく特殊がすごいぜ。再現しようと思ったが諦めた・・・
680名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 19:31:55 ID:WLWQopjb
基本的にまとめサイトへの保管はSSの作者さんがやるものだからね。
連載モノの場合、続き書きますよっていう意思表示にもなるし。
でも、このスレのSSは大体保管してあるんじゃないかな?

あと、次スレ立てるならスレタイ変えて欲しいw
681名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 20:01:27 ID:2LeKOLox
しっかしここ最近はめっきり投下数が減ったな。
後先考えずに猿みたいに集中投下した結果がこれか。
だからタイミングを考えろと何度も繰り返し言ってたんだよ、まったく。
682名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 20:04:56 ID:8E4bswXI
まぁお盆関係もあるんじゃないか?あと少し待ってみろ
683名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 20:16:43 ID:dGX2l4b7
そんな勝ち誇ったようにいわれなくても、
パワプロ関連スレが新作発売後に盛り上がって
その後急激に失速するのは常識だし…
684名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 20:40:58 ID:jjqiOI4I
そうそう、冬に盛り上がるようなスレじゃないんだよ、ここは
685名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 20:59:20 ID:bFeoOsUC
いま保管庫を見てきたが、前スレの13ネタ全般とこのスレのSSは無かった。
686名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 21:26:43 ID:ToLx1y0J
保管庫てどこ?(´・ω・`)
687名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 21:44:16 ID:RmaoPRyb
板の保管庫とこのスレの保管庫は別。
688名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 21:45:05 ID:dGX2l4b7
このスレを1から順に読むんだ
保管庫とまとめサイトは別のサイトだぞ。
689名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 21:46:42 ID:dGX2l4b7
…結婚しよう
690名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 21:58:51 ID:r+N/SiIx
いやこんなのでケコーンって……
691名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 01:05:28 ID:YVAHqZ2c
どうでもいいが、定期的に作品が投下されなきゃならない決まりなんてないよな?
692何とかさん:2006/08/18(金) 01:08:14 ID:Vslirx/i
パワポケ7です

ガチャ…
ブルー「おい、鍵は閉めたぞ…」
花丸高校野球部の部室の中で青い戦隊物の格好をした男が呟いた。
レッド「仕方あるまいな…」
その中でリーダーと思われるレッドが返事した。レッド、ブルー、そしてイエローが密室の部室で一人の美少女、花丸高校野球部マネージャー『霧島玲奈』を取り囲んでいた。
レナ「ちょ、ちょっと冗談はやめてよ!?」
レナは怯えた表情をしながら怒鳴った。が、ヒーロー達は別の事を考えながら互いに言葉を交している。
ブルー「どうする?」
イエロー「やっぱり洗脳するしかないだろうな。」
レッド「それしかないだろう。」
レナ「せ、洗脳?何のはなっ……きゃっ!」
ガチャッ
レナは両手を体の後で手錠をはめられた。
ガタッ
レナが何かを言おうとした時、いきなり床に押し付けられた。
レナ「うっ…」
両手を使えないため受け身を取れずにうめき、顔を上げた次の瞬間
レナ「きゃーーーー!!!!」
イエローが突然レナの制服を破ってきた。半袖の夏服を剥ぎとられ、ピンクのブラがあらわになる。レナは必死で逃げようとするが、手錠のせいでうまく立てず、すぐレッドに捕まってしまう。
レッド「動くな……そうだ、そのままこっちに来い。」
レナは何も言えず言われた通りにレッドについていった。

3分後

着いた先は部室のヒーロー専用の冷蔵庫の下の隠し階段の先ににあった地下室だった。
ブルー「よしイエロー、手錠を外せ。」
イエローは言われた通りにレナの手を拘束していた手錠を外した。レナは何が何だかわからかったが、ブラが露出していたことに気付き、さっと両手で胸を隠そうとした。
レナ「あ、貴方達は一体…」
レッド「おっと、余計な事は気にしなくていい。もっともこれからはそんな事も考えられなくなるがな。」
その部屋は六畳半位の大きさで、保健室にあるような柵付きのベッドと大きなタンスが2、3個並んであった。レッド「よし、イエロー、ブルー、始めるぞ。」
レッドが指をパチン、と鳴らすと、そのままレナをベッドの上へ押し倒した。
レナ「や、やめて!」
必死に暴れるもヒーローの力にかなうはずもなく、抵抗空しくベッドの上に押し倒された。レッドとイエローがレナを仰向けの『万歳』の格好にして、ベッドの柵にロープで縛りつけ、その間にレッドがレナの両足を広げ、同じくベッドの柵に縛りつけた。
レナ「イ、イヤーーー!!」
レッド「さぁ、『洗脳』開始だ…」
693名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 01:36:37 ID:B467r6hX
言いたいことはいろいろあるがここはパワプロスレであって、パワポケスレは別にあるのだが?
694何とかさん:2006/08/18(金) 01:59:59 ID:Vslirx/i
続き

霧島玲奈の『洗脳』がヒーローによって執行される。
レナをベッドに縛りつけた後、彼女の衣服を棚から取り出したハサミで切りとり、ピンクのブラを剥ぎ取る。霧島玲奈はベッドに両手両足を広げて固定されたまま、肌を隠す物は剥ぎとられたブラとお揃いの色のかわいいピンクのパンティのみになってしまった。

レッド「ふふふ…気分はどうだい?」
レッドが嫌味を含んだ笑い声で言った。
レナ「イ、イヤ……こんなこと……やめてよ……」
レナは今にも泣き出しそうな声ゆ上げて言った。が、そんな事を聞く筈がない。
ブルー「レッド、まずはどうする?」
レッド「まずはゆっくり時間をかけて、だ。」
ブルーは『了解』と頷き、レナのもとへ近寄った。
レナ「イ、イヤ……」
ブルーは何も聴こえないかのように、無言でレナのおっぱいを撫で始めた。
レナ「あっ、はん…ああ、いっ、いやぁ、んんっ」
レナは処女なのだろう性経
695何とかさん:2006/08/18(金) 02:04:44 ID:Vslirx/i
いつも使ってるスレが消滅していたので間違って書き込んでしまいました。気に入らなければ削除して結構です。
696名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 02:23:43 ID:qgPbZlqm
削除って別にそんな機能はないけどな
まあ気にするな
697名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 02:45:55 ID:ki9v6cMK
夏場は厨住人だけでなく厨職人まで湧くのか、知らなかった。
698名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 08:18:53 ID:8aX11eR0
削除機能とな
そんなものがあったら2ちゃんは空白の世界になってしまう
699名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 14:57:19 ID:YVAHqZ2c
なんだ誤爆か
700名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 00:36:35 ID:q4wRcpd3
いま投下しておk?
書いてみたらやけに長くなったんで完結するまで投下しないで置こうと思ったんだが、このままじゃスレ住人そのものがいなくなりそうだ

(新スレ行くまで待つべきか?)
701名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 00:41:08 ID:WzJvnq12
こちらとしては、投下がなくて過疎ってるのは困るが、せっかく投下された作品が完結しないまま音信不通になるのがもっと困る。
というわけで完結させてください。
書いてるうちにやたらに長くなるって場合、いったん投下してしまうとかえってダラダラしてしまいます。
はやる心を抑えるのも職人の心構えですよ。
702名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 00:42:25 ID:q4wRcpd3
把握した、迅速なレスありがとう
そしてまだ住人がしっかりいたということがわかってホッとした
703名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 00:58:22 ID:TS31DWrd
自分は連載でも構わないと思いますけどね。
作者さん本人のどう発表したらより面白く読ませることができるかの判断によるかと…。

とりあえず、SS投下で容量が一気に無くなることを考慮してテンプレ用意してみました。



スレタイ 実況パワフルプロ野球のSS Part8
*******************************

ここはパワプロ・パワポケシリーズの萌えSSやエロSSを投稿するスレです
シリーズは一切問いません、SS職人さんは常時大歓迎
sage進行でお願いします、sageて無いと厨房扱いされますよ?

■読み手へ…

・ キボンキボン騒がない。
・ 作品の批判は基本的に避ける。気に入らないならスルーしとこう、な!。
・ 他者の意見に不必要に食って掛からない。荒れる元です。
・ 「GJ!」とかだけじゃなく、具体的な感想があった方が書き手は喜びます。

■書き手へ…

・ リアルタイム投下は避ける(ローカルでまとめて一気に投稿すること)
・ 感想が無いからと言って文句言わない。
・ 書く前にあれこれ聞くより、まず投下しる!

■実況パワフルプロ野球シリーズ@2chエロパロ板まとめwiki
ttp://www11.atwiki.jp/pawaparo573/

■2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/


■前スレ パワプロのハァハァな小説2(7スレ目)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153770331/
パワプロのハァハァな小説(6スレ目)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132728262/
実況パワフルプロ野球シリーズPart5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123129951/l50
パワプロのエロ小説(;´Д`)ハァハァ
4スレ目 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1107074116/
3スレ目 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1091349304/
2スレ目 http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1066819061/
初代スレ http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1028/10280/1028039386.html
704名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 02:30:57 ID:Th40FDnR
誰か、頼む
多分前スレにあった。
みずきが調教で頭いっちゃってて、あおいを調教する作品があって、
なんかそんな感じのを書いてください。
お願いします。
705名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 03:00:55 ID:bUQSAm8Y
それって虜さんの小説?
パロ保管庫にあるけど。
706名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 03:08:15 ID:WzJvnq12
てか、もう1つのほうを再利用すればいいんじゃないの?
707名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 10:19:55 ID:7MSYOHEw
>>703
GJ 次スレのテンプレはそれで行こう。
708名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 02:20:04 ID:XBtNb6OH
次スレ出来た?
709名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 02:37:15 ID:2nIkmsCD
まだ50KB強残ってるのに立てるわけにいくめえw

長編書いてる人がいるなら、残り容量に注意しつつ切りの良いところまで投下して
次スレ立てる、ってのもアリかもしれない。
まとめサイトにもうpれば読み逃しの危険も無いわけだし。

あと、お絵かき板にパワプロスレが立った模様。これらも>>703のテンプレに加えるべきか。

■関連スレ
実況パワフルプロ野球・Part16(半角二次元)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1153886887/
パワポケでエロパロ(エロパロ)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1144385424/
実況パワフルプロ野球のノベゲーを作ろうの会(お絵描き・創作)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocg/1156005817/
710名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 16:32:31 ID:MmGdsyxp
ま、適当に話してこのスレともさよならするか。
711名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 18:18:26 ID:KzXCXeRF
次スレはスレ番号を8にするってのはいいと思うな
part5でやばいくらい荒れたからいったん落としたわけだけど
それまでにも面白いSSはいっぱいあったわけだし、
無かった事にするのは避けたい
712名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 20:56:44 ID:PQ7anTOR

       ∧_∧
      (´Θ`)     諸君、本スレのラストは
     /⌒   `ヽ-:,,   私のSSで楽しんでくれたまえ 
    / /sp★ ノ \; ∩
   |( /ヽ   |\___E) ジャマハハハ
713名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 20:57:19 ID:PQ7anTOR
「はぁ……」
年の瀬も近づきつつある12月某日……。
都内のカフェテリアにて一人溜息を漏らす女性がいた。
道行く人が「ウホッ、いい女」と足を止めるほどの美貌の持ち主。
前「パワフルスポーツ」メインキャスター、「白沢さゆり」その人である。
現在は後任の「智恵」に任せ、他番組のスーパーサブとしてその力量を存分に発揮している。

しかし、順調な仕事とは裏腹に、プライベートはいまいち生彩を欠くのが現状だ。
さゆりには結婚を誓える程の男がいない。付き合った男はいたが、不思議と続かない。
自分には男運はないんだ、そう悟っているうちに、もう今年で33歳になってしまった。
どうみても行き遅れです。本当にありがとうござ……、
「ありがとうじゃないわよ」
……とにかく、世間はもうじきクリスマス。独り身には一番厳しい時期だ。
負け犬女と裏で言われ、見逃し三振女と陰で言われ、それでも仕事に一生懸命生きてきたさゆりに、
冬の寒風は容赦なく心の隙間に吹いてくる。

「あ〜あ……」今日これで14度目の溜息だ。憂鬱だ。白沢さゆりの憂鬱だ。
『ただの男に興味はありません! この中で高学歴、高年棒、
 高身長がいたらわたしと結婚しなさい! 以上!!』
なんて言った覚えはどこにもないのにこの有様……。
そんな彼女の鬱加減に追い討ちをかける原因が、テーブルにそっと置かれていた。
「まさかこんな事になるなんてね……、宿命なのかな? やっぱり…」
自分が初めて心の底から「好き」と確信したプロ野球選手、海原 矛耶(うなばら もりや)。
自分を心から慕ってくれていた筈の後輩、智恵。

その二人の結婚式の招待状が、さゆりの目の前に置かれていた。
714名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 20:58:12 ID:PQ7anTOR
「いいか、おっぱいだ! おっぱいを揉みしだくように打つんだ!」
「はいっ、長岡先輩!」
「⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーン」
「凄え、あの先輩、腕広げながら走ってる…!」
それは、春季キャンプで盛り上がる「ニワンゴVIPスターズ」の新人取材をした時だった…。
「さゆりさーん! さゆ、ゆあー!りゅあー!」
「奥居、そのはっぴとペンライトはどこから出したんだよ。周り引いてるぞ」

期待の新人達が盛りのつき始めた男子中学生の如く興奮する中、矛耶の姿もそこにあった。

「こういう時って嘘でもデカいこと言ったほうがいいんスかね?」
「そりゃもう。記者が心に留めておいてくれますから」
「そうスか。では……この海原矛耶の目標、それは5年以内に1億円プレーヤーになることです!」
「おいおい矛耶〜、妄想はたいがいにしとけよ〜」
「なんだと奥居、おまえこそ万年500万円選手で終わるなよ」

実際、彼は新人の頃から光っていた。有言実行するほどの実力もあった。
次の登板で勝利投手になったらデート、という約束をして見事にやってのけたり、
バレンタインにファンから送られた1千個近いチョコを完食したり、
明るく、物怖じせず、お祭り好き。その破天荒な性格に業界内外問わず惹かれる者も多かった。

しかし数回のデートを繰り返す仲にまでなった海原とさゆりの間に「ノイズ」たる存在が現れる。
715名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 20:58:56 ID:PQ7anTOR
「君、迷子?」
「……!」
後輩の新人アナ「智恵」と海原の出会いは一発の鉄拳から始まった。
それ以来、智恵は海原を邪険にし続けた。
普段はガチレズと噂されるほど「先輩、先輩」とさゆりの後ろを金魚の糞のように付いてくるが、
目の前に海原がいると途端に豹変。試合前にはこんなやり取りも…、
「今日は最下位の広島戦でしょ。まあ、10三振取れなきゃクズね」
「……あまり俺を怒らせないほうがいい」と、こんな調子である。
しかし生来の負けん気か、海原は智恵の挑発に乗ってはその目標を達成してみせた。
いつしか『智恵が挑発してきた日は負けない』神話が確立し、同時に海原の成績も急上昇していった。
そして海原はついにさゆりと初めて出会った時の「公約」を達成してみせたのである。

この時、さゆりも心を固めていた。自分は海原が好きだ。そしてこの想いを伝えよう。そう誓った。
「目標達成の祝いに飲もうって誘って、そのまま告白して、その勢いで…………うふふ」
しばらくプライベートで会ってなかったけど、大丈夫! さゆりはそう思った。
「あ、さゆり先輩、ここにいたんですか」
「あら、どうしたの智恵ちゃん。何だか凄く嬉しそうだけど」
「えへへ…実はわたし告白した相手にOKもらったんです!」
「え、本当!? 良かったじゃない。それで、相手はどんな人なの?」
「さゆり先輩もよく知ってる人ですよ。ニワンゴの……」

目の前が真っ暗になった。心のガラスが音を立てて粉々に砕け散った。
ツンばかりで一生デレはない仲だと思っていた二人は、次第に心惹かれあっていた。
大人の余裕で待ちの恋愛に徹していた女性は、
積極果敢に想いをぶつけていった女性にまんまと遅れをとったのである。
716名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 20:59:45 ID:PQ7anTOR
クリスマスソングが流れる街路を通り、さゆりは一人寂しく帰路に着く。
諦めよう。今は割り切れなくても、時間が心を癒してくれる。二人の結婚を祝福できる時がくる。
心に蓋をしながら、さゆりは家への近道である公園に入っていく。

しかし、天は……いや邪神はさゆりを見捨てていなかった。

「ククク・・・ハハハハハハッ! お困りのようですねお嬢さん!」
「えっ……えええっ!?」
さゆりの目の前にいきなり蛇柄のマスクを被った謎の男が現れた。
一目見ても、二目見ても、何度見ても変態にしか見えない。
「ある時は蛇! またある時はマムシ! かくしてその実態はコブラ!
 過去に30人…いや、50人の迷える子羊を救済してきたさすらいの愛の伝道師、スネーク・キリト!
 あなたの人生、変わりますよ!」
この時、さゆりは思った。「ああそうか、バッドエンドにレイプはお約束よね」

「ご心配なく、こんな身なりをしてはいますが、決して怪しい者ではありません」
「は、はあ……」
説得力のかけらもない。大体救済者の数がころころ変わってる時点で既に……。
「この私、よその町にいましたが、あなたの心の奥に眠る『嫉妬』の炎を感知しましてね。
 遠路はるばるやってきた次第なんですよ」
「わたしが……嫉妬!?」
「ええ。そりゃもう。あなたの心の声が手に取るように分かりますよ。
 『屈辱だ! こんな屈辱は生まれて初めてだ! 智恵ぇ……!』
 そんな所でしょう。女性の腹の内など私の前では丸裸同然ですよ…ククク」
言葉の意味は良く分からないが、当たっているだけに文句は言えない。
717名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 21:00:34 ID:PQ7anTOR
正直、さゆりは智恵に対して『醜憎』の念を少なからず持っていた。当然といえば当然だ。
しかし、だからといってどうなる……? 結婚を宣言した仲を憎しみをもって引き裂くのか?
出来るはずない。そんなものは狂行だ。末路だ。破滅フラグだ。
女のエゴ丸出しの、昼ドラ紛いの二股劇なんてオナニー脚本をやったが最後、百年の恋もさよならだ。

だが謎の男は彼女の心中を的確に洞察し、言葉巧みに、邪悪な甘言をもってさゆりを誘惑する。

「あなたほどの美しい女性が、何故諦める必要がある?」
「そんなこと言っても…」
「後輩も心の底ではあなたを馬鹿にしてるのですよ。獲物を奪われた負け犬三十路女とね」
「そ、そんな……」
「このままではあなたの想い人は慕ってくれていた後輩と結婚してしまう、それでいいんですか?」
「そ、それは……」
「…寝取れ。今は三十路が微笑む時代なんですよ」
「……………………!(キュピーン!)」

「突然来てびっくりしましたよ、さゆりさん」
「あー! 今さん付けで言ったー! 駄目よ、二人きりの時は「さゆり」「うみくん」でしょー!」
さゆりはワイン片手に海原の家に押しかけていた、無論、腹の底の思惑を海原は知らない。
「ほらほら、うみくんも飲む飲む! どうせなら一気でいっちゃおう!」
「ワインを一気飲みって……いい根性してますね!」
酒を飲む前も、飲んでいる最中も、さゆりは終始テンションが高かった。
そうこうしているうちに、瓶の中身はあっさり底をつく。
「うみくん、トイレ借りるね。ちゃんと返すから」
「ええ……はいはい」
海原は時計を見る。さゆり来襲より30分と経ってない。
濁流の如く場の空気に流されたがとりあえず小休止し、物思いに耽る。思い浮かぶのは一人の女性。
「……智恵には悪いけど、可愛いなぁ……さゆりさんってば」
718名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 21:01:49 ID:PQ7anTOR
確かにさゆりは素敵な女性だ。凛としている時は見惚れるほど格好いいし、
プライベートでは子供のように茶目っ気たっぷりに振舞う、そのギャップが魅力的だ。
この女性と付き合えたら……そう考えていた時期が海原にもありました。
しかし、海原は勝手に自分では釣り合わないと思い込み、それ以上距離を縮めようとはしなかった。
(らしくないよなぁ……。この俺がよもや少年誌のラブコメみたいな優柔不断に陥るとは。
 でもまあ、漫画じゃどれだけ紆余曲折あっても最終的には必ず恋が成就するように出来てるけど、
 所詮、これは漫画じゃないしな……)

「お待たせ、うみくん!」
「ああ、さゆり……って、え…ええええええ!?」
さゆりは裸だった。スーツも、下着も、何も身に付けていない、生まれたままの姿だった。
豊かな胸も、桃色の乳首も、紅色の淫唇も、何もかもモザイク処理を施してないため丸見えだ。
「さゆりさ……一体何を」
「どう、うみくん、わたしは綺麗?」
「え……」
「ほら、よく見て、わたしの体を。綺麗でしょ…?」
海原の顔がどんどん赤く染まっていく。駄目だと思っても、目が離せない。
(これが33の肢体か…? 全然型崩れしてないじゃないか)
全身から発せられるさゆりのフェロモンに、海原の心身は蝕まれていく。
例えて言うなら、サキュバスがその淫気をもって男をかどわかし、虜にするような誘惑術……。
「えいっ!」
さゆりは飛び込み一発、海原を押し倒す。
豊かな胸を海原の顔面に押し付けたまま、ズボン越しに彼のモノを包むように愛撫する。
「う…むむ……!」
「うみくんが望むなら、わたしの体、好きにしていいのよ」
赤く上気した顔を包むように抱え、唇を重ねる、舌を挿れ、相手の口内を蹂躙する。
「ん……ぅん……ちゅ…ちゅ…んはぁ…ちゅ…」
さゆりとの初キッスは、ワインの芳香漂う濃厚な味だった。
719名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 21:02:45 ID:PQ7anTOR
「駄目だ……さゆりさ…さゆり」
「あら、添え膳喰わないつもり? 意外と頑固ね……でもまあいいわ。
 抵抗すればするほど、堕ちた時が凄いんだから。色々とね…うふ」
さゆりは海原の股間を弄りながら、ジッパーを歯で下ろし、男根を取り出す。
「ふふ……もうこんなに固くして、うみくんってばいやらしいんだぁ。
 これを、わたしのおまんこに挿れたいでしょ? 貫いて、動いて、わたしを感じさせたいでしょ?
 わたしを喘がせて、乱れさせて、イカせたいでしょ?」
さゆりの淫靡過ぎる言葉攻めが、海原の理性をみるみる削ぎ落としていく…。
「でも、まだ、だ・め・よ。まずは手とお口を味わってね…」

「ん…ちゅぷ…んん…ちゅぱ……はぁ…ぅん…ちゅー…ぢゅぷ…ちゅ…ぅぅ…」
「うあ…! 何だこれ…凄え……」
さゆりの悶絶モノのペニス責めが始まる。
ソフトクリームのように尿道を舐めあげたと思えば、ハーモニカを吹くように竿部分を唇で刺激する。
カリ首を唇で挟みながら、空いた手で玉を優しく揉んでくる。
ペニスを咥えながら舌先で亀頭責めしつつ、さらに唇を使ってペニスをしごく。
喉の奥の奥まで咥え込み、ディープスロートで射精を促す。
「うっ! くぅ……」
「うふふ、ピクピクしてきたわよ。イキたくてたまらないんでしょ?
 うみくん…、我慢しなくていいのよ。飲んであげるから遠慮なく出しなさい」
「さゆりさ……さゆりぃ! うああっ!」
「んっ……!」
海原は耐え切れずイった。否、この場合はイカされたと言うべきか。
「ん……んン・・・ずずっ……ん〜…ちゅぅ〜」
さゆりは予告どおり、口の中をいっぱいに満たした精液を一滴残らず舐め取り、
音を立てて喉の奥へ流し込んでいく。
(ああ……いいわ。好きな人を満たした瞬間……わたしまで満たされていくみたい)
720名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 21:04:05 ID:PQ7anTOR
「うふふ……うみくん、出したばかりなのにこんなに元気なのね。でもまだこれからよ。
 次はわたしの顔にぶっかけてね。おいしそうにうみくんの濃い精液舐めてあげるからね」
喋りながらもさゆりは手コキを忘れない。一時も休ませずに快感と刺激を与え続ける。
そうするにつれ、相手は快楽の虜となり、正常な判断が出来なくなる。
さゆりのSEXは言わば「寝取り」のSEX。刷り込みと洗脳も兼ねた儀式とも言える。
凡百のカップルの、単に愛を満たす性交とは明確に方向性と目的が違うのだ。
「お姉さんのとっておき、みせたげる。うみくん、覚悟してね」

さゆりはペニスを根元まで飲み込み、頬をすぼめ、舌をすっかり敏感になった裏筋に張り付ける。
その状態のまま玉を指先で転がし、舌をれろれろと動かしながら一気に吸い上げる……!
さゆりの超絶バキュームフェラに海原は抵抗も出来ずに精液を吸い出されていく。

「うあああっ…! あ…ああ…凄…すわれてるぅぅぅ!」
興味本位で過去にやってみた掃除機オナニーの数十倍の快感が襲い掛かる。
「ん〜……んん〜……ん〜……じゅぷ…ぢゅ〜…んんん……」
「だ、駄目だ……吸われて…ああっ!」
「んんっ……!」
海原がイク瞬間、さゆりは咥えていた口を離し、大量に吐き出された精液を顔面で受け止める。
「んっ……ふふ、うみくんってば、まだこんなに出せるんだ。絶倫だね」
顔にへばりついたザーメンを指で掬い取り、見せ付けるように口に運ぶ。
「んちゅ……。ずず…んん……ちゅ〜…ふぅ。おいしいね、うみくんの精液。濃くて最高だよ」
721名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 21:05:29 ID:PQ7anTOR
「さゆりさん……凄い……凄いよ…! どこでこんな風俗嬢も真っ青なテクを…」
「ん? そうね。うみくんには種明かししちゃおうか。ほら、これよ」
「そ、それは…」
「……『娼婦偉人伝 フェラの章』。男のうみくんは存在すら聞いたことないかな?」

つ(Rボタン)
「『娼婦偉人伝』。一流の娼婦達がその奉仕テクニックを書き認めた至高の一冊。
 フェラの章、アナル責めの章、本番の章など全六巻からなる。
 あまりの希少さゆえ、殆どは一部を抜粋しただけのコピー本だと言われている」

「これさえ読めば男を喜ばせるなんてわけないのよ。……あれ、うみ…くん?」
「はぁ……はぁ……う…うぅ…」
3分で2発、脅威のハイペースに海原の表情にも疲労が色濃く浮き出ている。
だが疲れとは裏腹に、海原のペニスは次の射精の為にますます膨張し、天に向けてそそり勃つ。
(凄い……一度火がついたらもう自分の意思では止まらないのね。流石一流のテク…!)
「さてと、本当はこのまま一滴残らず搾り取ってもいいけど、うみくんはどう?
 欲しいのは上のお口かな? それとも下のお口かな? 答えないとあげないよ」
「…………下。下を……さゆりのオマンコに、突っ込みたい…です」
「はい、よく言えました。それじゃ、存分に味わってね」
態勢を変え、バックで突きやすいように尻を向ける。
さゆりの淫唇は既に溢れるほどの愛液で濡れそばり、海原のペニスを待ち焦がれるように呻く。

ずぷぷっ!!

「ああっ! あんっ! いい! 凄っ……あああっ!」
「さゆり……さゆり! うあああああっ!」
「ああ……そう、そうよ、うみくん! そのまま、もっと…もっと…!
 わたしを犯し殺すぐらい……激しくかき回してえぇぇぇぇぇえええっ!!」
理性のネジを一本残らず抜かれた海原は、さゆりを犯すためだけに、ただ、ひたすら、動いた。
射精しても萎えを知らない海原の男根は、ラピュタの如く何度でも蘇り、さゆりの奥を貫く。
気が付けば朝の日差しが入り込む時まで、二人は一心不乱に性交を続けていたという……。
さゆり、後に語る。
「うみくん、大晦日の煩悩の数ぐらいイったんじゃないかな?」
722名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 21:06:36 ID:PQ7anTOR
そして、シーズンオフに海原と智恵はめでたく結婚する。

「智恵ちゃん、結婚おめでとう! 純白のドレス、良く似合ってるわよ」
「ありがとうございます、先輩。私、ダーリンに一生付いていきますから!」
「あら、もうノロケちゃって、ふふ……(幸せかどうかは分からないけどね)」

さゆりは会場で二人を何食わぬ顔で祝福し、周りもそれを祭り上げた。
海原の心が既に自分に傾いていることを、正妻の智恵は知らぬまま…。

その後、二人は時間の合間を見て出会っては、愛欲に浸るようになった。
長くマスメディアに携わってきたさゆりは、どう立ち回れば公にバレずに済むか分かっていた。
時には遠征先で、時には試合中の控え室で、
世間の目の死角をつき、肌を、性器を重ね束の間の快楽を味わう。

そして今宵は、大胆にもさゆりの自室で……、
「……また来たよ」
「お帰り、うみくん! またわたしの体が忘れられなくなったのね」
「まあね。智恵も悪くないけど、さゆりさんのテクの前じゃ物足りないんだ」
「ふふ……ベッドで愛する人を喜ばせることができれば男を取られることもない……。
 若い智恵ちゃんにはそこらへん理解できないでしょうけどね」
世間的には決して許されない背徳の恋……。しかしさゆりはそれで良かった。
想い人と心も体も一つになって満たされる時がある。これ以上何を望むというのか。

「さゆりさん、今夜も綺麗だよ…」
「嬉しいこといってくれるじゃない。たっぷり可愛がってあげるからね」


「ん……ちゅ…ちゅ…ちゅぷ……じゅぷっ……ん…! はぁむ……ちゅ…じゅぷぷ…」
「アッー! 気持ちイイ……気持ちイイ…………ちにゃ!!」

おわっちゃえ!
723名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 21:23:05 ID:brW6SD2k
文章は上手いと思うしGJだとも思う。
ただ個人的には2ちゃんネタ盛り込むのはやめて欲しい。
厨臭いのは勘弁してけれ。
724名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 22:03:17 ID:MmGdsyxp
ま、もう少しだしいいじゃないか。
725名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 22:04:56 ID:zy1VmdNu
別にいいじゃん
726名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 22:15:07 ID:WQ9o37Ju
GJ!!
727名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 22:37:48 ID:zy1VmdNu
と、言い忘れてた



そして>>724
結婚しよう
728名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 22:42:11 ID:2nIkmsCD
テンポといい言い回しといい、相当書き慣れてると感じたぞ、ただ者ではないな
俺は面白エロいと思った。GJ!
729名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 23:00:27 ID:MJhNvkPA
俺は2chネタはいってても抵抗ないというか2828しながら読むタイプなので面白いと感じた。
730名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 00:04:04 ID:3gGS7YoI
>>729
ナカーマ
731名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 02:12:00 ID:ye0zxMhP
冒頭のVIPなんちゃらの部分見てちょっとヒヤリとしたが、杞憂だったわ。
上手いし笑えるしエロいし非常によかったぜ。
732パワプロ男対聖作者:2006/08/21(月) 03:23:34 ID:9pbt/a3x
どうも。たった今帰省から帰ってまいりました男です。
 無効で考え付いた下ネタがあるので、埋め代わりにUPしたいが
いかがかな?
733名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 03:36:39 ID:qksttImI
無問題。よろしく(・∀・)
734名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 03:39:25 ID:qksttImI
無問題。よろしく(・∀・)
735パワ男対聖作者:2006/08/21(月) 05:42:07 ID:vEwm9XQJ
ぎゃあアクセス規制巻き込まれた!
すいません終わるまで待って下さい
736名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 06:55:59 ID:iKegTFUK
アク禁、憎し…
俺も実家の方がアク禁になって1週間以上書き込みができない。
非常に迷惑だ。アク禁になるような事をするバカは消えて欲しい。

とりあえず全裸で待ってますw
737名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 11:02:56 ID:ye0zxMhP
むう、災難だのう
738名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 13:50:17 ID:Earnxzra
蛇島先輩なにやってんだよw
739名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 14:21:37 ID:SHl/TdUM
プロに入れなかったから気がくるったのかな?
740名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 14:25:51 ID:Hbi4+LXb
>嬉しいこといってくれるじゃない

これで思わずくそみそ思い出した俺はもう駄目だ
741名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 14:34:24 ID:SHl/TdUM
友沢よりゴウの方が圧倒的に強いのにプロに入れなかった事について
742名無しさん@ピンキー:2006/08/21(月) 15:08:31 ID:Yl5yQZEG
蛇先輩はしっとマスクとして第二の人生を始めたんだよ
743名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 04:58:52 ID:640nxPBj
ちょっとスレ住人に質問
聖タチバナ学園って夏には帝王とかとは対戦しない仕様だっけ?

確かどの高校でやってもタチバナだけは秋にしか対戦しなかったような……地区が同じで県は違うあつかいなのか?
744名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 10:44:23 ID:NO3kXxS4
宝くじ最高何円当たった?
俺は1万円だった・・・
745名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 12:37:24 ID:l/W9PExe
俺もだ、100万なんて本当に当たるのか?
746名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 16:40:43 ID:5H23lKLA
漏れ100万当たったぞ


あとスレ違い
747名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 17:54:43 ID:mmGQsucb
パワプロ13,評判悪いみたいで買ってなかったが
このスレの六道さんが俺の心を満塁ホームランしたので今から買ってきますね
748名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 18:33:50 ID:640nxPBj
13の悪いところ
野球部分のさらなる劣化とAIのあまりの頭の悪さ(特に守備)
相変わらずのバグ、シリーズが進むにつれて長くなるロード時間、サクセス部分のバランスの悪さ
投手能力は友沢>太鼓なのに、実際投げてみると防御率は太鼓>友沢、というか友沢毎度毎度打たれすぎ

13のいい所
かつてないほどの新キャラクターの宝庫、特に蛇島先輩と六道聖は最高級、ゴウも非常にいい感じ
みずきや友沢などのこれまでのレギュラーも活躍してるし……シナリオ面はますます強化されてる

こんな感じか、つまりSSなどにするには13は極めて良作というわけで
当然ながら職人も増えやすく良作も生み出されやすい……ですよね、職人の皆様!
749パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック1』:2006/08/22(火) 18:57:31 ID:V/Sbe4VK
解けたので投下開始します。
 元ネタは、田舎で見たフラッシュと13の応援歌。


 それは、まだ風呂男が恋人別れる前、聖が聖タチバナになじみ始めた頃。
 蝉の合唱が耳朶を叩く、夏季甲子園大会の真っ只中での事だった。



 帝王実業にも新しい応援曲が欲しい!
 理事長がそんな馬鹿な事を言い出したのは、帝王実業高校野球部が風呂男のサヨナラ
ヒットで甲子園出場を決めた矢先の事だった。
 その提案を監督から聞かされたときの選手一堂の感想は、何を馬鹿なというものが圧倒
的多数を占めた。当たり前だ。応援歌ならすでに現存のものがあるし、無理に変えるこ
となど混乱を呼ぶだけで百害あって一利なしである。
 しかも、その提案の理由があいまいで、どこからどう見ても新体制に移行しつつある
帝王大学へのあてつけだった事が、その感想に拍車をかけさせた。

 帝王実業と帝王大学。その関係から双方の関係が密接であるというイメージが強いが、
実際に双方の間にあるのははどろどろに爛れた敵意だけ。
 不運な事に、原因は全面的に帝王実業野球部にあったりする。帝王実業のほうは野球
部名門を鼻にかけうだつの上がらない帝王大学野球部を馬鹿にして、相手の敵意を煽っ
ているのが現状だった。
 学校の上層部も大学派と実業派にわかれ、監督同士の関係も激悪。典型的な学内派閥。
 特に監督間の仲の悪さは有名であり、本来ならエスカレーター式に大学に上がる選手
達を、嫌がらせに他校に送り出すほどだ。余談ながら、その度に殴り合いの大喧嘩をす
る両監督の姿は、もはや帝王上層部の風物詩と化している。

 風呂男自信はそんな差別意識はないのだが……監督の意地のせいで、いやおうなしに
巻き込まれてしまった。

「CDもってこいって言われてもなー」

 友沢、矢部、久遠、猛田、そして風呂男……五人で並んで帰りながら、風呂男は今日
のミーティングで監督に告げられた言葉を思い出していた。

750パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック2』:2006/08/22(火) 18:58:22 ID:V/Sbe4VK
 一軍全員、応援曲の元になるCDをもってこい。選ばれた奴には金一封。
 変えよう言い出したのはそっちのくせに部員に丸投げな所とか、金が出る辺りとか、
いろいろ突っ込みどころ満載だったが、目を血走らせて大学への敵意を燃やす監督に文
句が言えるはずもなく。

「ちょうど良いじゃないッスか。波和さん、暇なんでしょ? 俺も一緒に行きますから、
探しましょうや」
「そりゃあそうだがよ……」

 甲子園前の最終調整において、オーバーワークはご法度。
 放課後練習を禁じられ、暇だ暇だとあえぐ風呂男を知る猛田が声をかけるも、風呂男
の欝を吹き飛ばすには至らない。

「正直、余計な事に金使いたくねえんだよ。見返りグラブの為に金ためてる真っ最中だ
かんな。CD一枚の金も惜しい」
「え? 波和先輩CD持ってないんですか?」
「どころか、CDプレイヤーも持ってないでヤンス」

 目を丸くする久遠に、矢部が補足を加えた。

「波和くんはそういうのはPCで聞くでヤンスからねえ」
「条件外れの奴なら何枚かあんだけどよ」

 監督が持ち寄る曲につけた条件とは、ズバリ『男の歌』。
 男子校であり硬派でならす帝王実業に、女の歌は相応しくないというのが、監督の
理論だ。男女差別っぽいが、監督の言う事だから仕方がない。

「他にあるとしたら、応援歌の特集だしな。どうすっかね」
「新しいCDぐらいなら買えるんじゃあ」
「断る。デートだって近所の散歩で済ましてるくらいなんだ」

751パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック3』:2006/08/22(火) 18:59:00 ID:V/Sbe4VK
 ――いつか喧嘩別れするなこのカップル。
 一同の見解はこの点において完全に一致した。傍目には恋人のほうが風呂男にベタ
惚れなのだが。
 その分家に帰ってからたっぷりベッドで可愛がっている事は割愛した。

「ま、中古のCDでも買うさ。あの調子じゃあ、もってこなかったってだけで二軍落
ちしかねねえし。
 友沢はどうすんだ? 俺以上に曲少ないだろ」
「俺は免除してもらったよ。余裕がないのは監督も知ってる」

 ひょいと肩をすくめる友沢。他の二人はすでに曲が決まっているらしく、話題を振
ってもニヤニヤ笑うだけである。

 ……この時、彼が二人の持参曲を知っていたならば、ぶん殴ってでもとめていただろう。
 風呂男と猛田は三人と別れたその足で中古CD屋に足を運んだ。



 そして運命の日……練習を終えて集まった部員達を一瞥し、監督は口を閉じていた。
 傍には見慣れぬCDプレイヤーがぽつんとひとつ、置かれており、そこからはサード
のレギュラー……風呂男を小ばかにし敵視する男が持ってきた曲が流れている。

「……止めろ」
「は?」
「止めろといっているんだ。この曲は帝王実業に相応しくない」

 かなりの自信をもって持参した曲をけなされ、男の頬が引きつったが、反論できるはず
もなく。しぶしぶとCDを取り出し、退散していった。彼が帰った場所に固まる部員達は、
各々が憮然とした表情を浮かべ、沈んでいる。
 それもそのはずで、ミーティングが始まって一時間以上が経つが、今まで流された曲全
てが駄目だしを食らい、最後まで聞いてもらえずじまいだった。
 そんな彼らに、笑顔で声をかける男が一人。

「まあまあ、みんな落ち込まないで」
「次は……蛇島か」
「はい」

 にっこりと、人好きのする笑顔で監督に答える蛇島。現役帝王がどんな曲を持ってきた
のか、その場にいる全員が興味を持ったが……続いた一言は、そんな彼らの意識を思いっ
きりひるませた。

「とはいえ、おそらく監督のおめがねにはかなわないでしょうけど」
「なんだ、謙遜か?」
「いえ。単純に、『ウケ』ねらいのCDを持参したもので」
752パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック4』:2006/08/22(火) 18:59:35 ID:V/Sbe4VK
「何……?」

 監督は、目の前で笑う腹黒蛇の考えが読めず、眉をひそめるが、すぐに思い立った。
 何という事はない、部員達に親しみ安いイメージをさらに植えつけ、自分のプロ行きを
補助しようというのだろう。そしてその推論は、ほぼ正解であった。

「監督の性格から駄目だしの嵐になるのは予想できていましたから。ちょうどいいタイミ
ングですし」
「……そうか」

 正直、監督は以前から蛇島腹黒さに気付いていたし、その人格を批判するつもりはなか
った。これでも己を鍛え上げる事に関してはこの上なく貪欲だし、ポーズだとしても後輩
に対する指導も適格だ。出来るなら強制してやりたかったが、それは強欲というものだろ
う。

(クククッ、上手くいったな)

 自分のバックからCDを取り出しながら、蛇島は内心笑いが止まらなかった。
 彼が持ってきたのは、笑店のテーマ。昨日わざわざ店に行って購入したものだ。ぴかぴ
かのパッケージを開き、中身をうつそうとして……

(こ、これは!)

 そこで改めて致命的な、そしてマヌケ極まりない自分の失敗に気付いた。
 中身が違う。そこにあったのは、替えが常日頃から愛用している一枚……魂の象徴と言
っていい代物だった。
 幸い、一般的にはキワモノな曲なので『ウケ狙い』にはなりそうだが……

(く、クソッ! 私とした事がこんなミスを!)

 内心はこの上なくうろたえていたが、三年間かぶり続けた仮面は伊達ではない。何食わ
ぬ顔でそのCDをセットし、再生する。

 そして、流れ出てきた曲は……


753パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック5』:2006/08/22(火) 19:00:09 ID:V/Sbe4VK












 『緑のマキバオー』のエンディングテーマだった。
 馬並み〜で始まるアレである。












 どっと笑いに包まれる部室内。

「う、馬並みって……ぎゃははははははっ!!!!」
「は、腹痛ぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
「く、こ、これは……」

 不意打ちの一撃に、監督ですらピクピク痙攣している。蛇島自身は笑顔だった。そこか
ら内心は読み取れないが……

「しょ、笑点の奴から出てきたから何かと思えば……不意打ちッスね」
754パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック6』:2006/08/22(火) 19:00:42 ID:V/Sbe4VK
「まあ、狙ったからね」

 はっはっはっはっはっと、肩を震わせる猛田に答える蛇島。その笑顔はパーフェクトド
ライだったり。

「えらい個性的な歌ですね〜」
「そういう歌なんだよ」

 なにやらうっとりしている久遠に答え、乾き続ける蛇島の笑み。久遠が内心『友沢さん
のも馬並なのかなあ』などと思っていたのは秘密だ。
 その時……



「く、くくっ! 馬並みねえ……本当にそんな奴いんのかね」
「も、ものの例えでヤンスよ! 素で馬並みな奴が何言ってるでヤンスか!」



 聞こえた。
 聞いた。
 聞こえてしまった。
 聞いてしまった。矢部と、風呂男の何気ない笑いをかみ殺した会話を。



「馬並みかぁ。滅多にいませんけどね〜」
「そういう歌なんだよ」
「けどこれって、昔のアニメのEDテーマでしたよね」
「そういう歌なんだよ」
「蛇島さん、こんなのどこから……」
「そういう歌なんだよ」
「あ、あの……蛇島さん?」
「そういう歌なんだよ」

 壊れたように同じ返事を繰り返す蛇島に、久遠は思わず目線を向けて……そこには。
755パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック7』:2006/08/22(火) 19:01:43 ID:V/Sbe4VK

 肩をプルプル震わせて。
 目幅涙をぬぐおうともせず、男が一人泣いていた。

「そ……そういう……歌なんだよぉ…………(TДT)」

 後ろでは、門楼女史が女にも関わらず思わずもらい泣きしていたり。
 蛇島……彼は帝王実業キャプテンである前に、異常に小さく皮被りな己が息子に対し、
『蛇はいつか脱皮するんだい!』と涙ながらに語る、ナイーブな高校生なのであった。
 故に、この曲は蛇島の理想にして魂のバイブル。憧れの象徴なのだ!

 静まり返る部室、重く沈む空気。

 己がこの異変を招いたとも知らず、風呂男はうろたえた。そして、
 禁断の一言を、口にしてしまった。

「……男はサイズじゃなくてテクニックだよなぁ」



 貴 様 が 言 う な ! ! ! !



「お、OK蛇者! とりあえずもちつqあwせdrftgyふじこlp!!」

 無言で、なおかつ泣きながら風呂男に馬並みならぬ馬乗りになって暴行を加える蛇島を、
部員達は止めようとしなかった。止められるはずもなかった。
 蛇島の小ささは周知の事実だったし、風呂男の発言に理不尽なものを感じたのは監督含
めみんな同じだったので。



「……ふぁー…………ぶるぎこふぁー……………………」
「さて」

756パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック8』:2006/08/22(火) 19:02:36 ID:V/Sbe4VK
 一通り暴行が収まり、蛇島が無言で帰ったのを見送って。
 監督は場の空気を無視するように、次の人間を呼んだ。

「次、久遠」
「…………はい」

 正直なところ、倒れたままファビョり続ける風呂男が気になったのだが、呼ばれたから
には出ねばなるまい。
 取り出したCDをセットし、再生。流れてきた曲は……

「ほぅ。中々ではないか」
「でしょ!」

 監督が思わずも漏らしたつぶやきどおり、悪くない曲であった。
 歌詞は英語、曲調はしっとりとしたバラードで、中々にいい曲だ。応援歌としてはとも
かく、あの大騒ぎの後の気付けには十分すぎる。
 息抜き代わりにその曲を堪能する一同。

「…………久遠」

 しかし。
 猛田は、ファビョり状態の風呂男を放棄するほどに、その曲に違和感を覚え、一言だけ
聞いた。
 聞き覚えがあったのである。以前、風呂男がお勧めのフラッシュがあるといって、見せ
てくれたネタの中にあったような気が……

「この曲出展は何だ?」
「え? PCゲームだよ?
757パワプロ男対聖外伝『ソングオブパニック9』:2006/08/22(火) 19:03:11 ID:V/Sbe4VK





 『炎○留2』っていうんだけど(*´д`*)」
『捨てろ(゚Д゚#)』

 監督と猛田の声が、ハモッた。

 ……気になる人は丸に多を当てはめて検索してみるといい。なお、それによって生じた
ありとあらゆる障害や精神的ダメージに当方は関与しない。



「……よく監督があのゲーム知ってましたね」

 二人がかりで否定されとぼとぼと帰っていく久遠を見送りながら、猛田は監督に視線
を送り、問うた。なにせ、監督とはある意味一番縁遠いジャンルなので。
 監督さん、その問いに遠い彼方を見つめつつ、

「娘に買いにいかされた事がある」
「え゛!?」
「何も言うな。聞くな」

 漂ってくる無言のプレッシャー。
 虎の尾を踏んでしまった猛田は、その気配に圧されてすごすごと帰っていった。

「次、矢部」
「やんす〜!」

 ローテンションな周りに比べやたらハイテンションな矢部がきましたよ。
 その男はバッとCDを取り出し、バッとインサート。ババッと機械を操作して曲が流
れ出す。そして、その場にいた一同は目を見開いた。
 なんと、そこから流れてきたのは、ラッパや太鼓で奏でられる、『すでに完成した』応
援曲だったのである。

「ほう! これは……」
「ある曲を基にPCで作ってみたでヤンス!」
「ふむ……」

 矢部の自慢をバックミュージックに、風呂男は無言で復活すると、テーブルに向かった。
 置かれていたPCの前に座ると、おもむろに、電源を入れて待つ。
 その間、矢部がいかにこの曲を作るのに苦労したのかを延々アピールしていたが、全て
聞き流した。

「それででヤンスね、ここのところが……」
「――わかった、わかったから」

 長い自慢に辟易しているのを隠そうともせず、監督は矢部の言葉をさえぎった。そして、
脳内で今まで聞いた曲をリピートしてみる。
 別に、監督は好きで駄目だしの嵐を巻き起こしていたわけではない。ただ、今までの曲
が『応援曲』に加工する事を虚空のかなたにぶっ飛ばしたような曲調のものばかりだった
ため、『既に完成した』この曲に対して評価が高くなるのは当然の流れだった。

 多少、曲調が明るすぎるような気がしないでもないのだが……他に候補がないのなら、
応援曲はこれになるだろう。

「……まあまあ、合格点だな」
「やったでヤンス〜〜〜〜〜!」

 鉄面皮から放たれたのは今までの中で最も高い評価である事を示していた。思わずガッ
ツポーズの矢部に、水を指す男が一人。

「監督」
「ん?」

 いつの間にかPCを立ち上げ、マウスを操ってた風呂男であった。
 彼は、矢部の方を『かわいそうだけど〜』調の、食用豚を見る目つきで一瞥した後、本
題に入る。いや、表情そのものは必要以上に付かれきっているのだが。

「そういうのは、この曲の原型を聴いてからにして下さい」
「え゛!? ちょ、ま……」
「ポチッとな」

 なにやら慌てた矢部の言葉を馬耳東風で聞き流し、マウスクリック。
 流れてきたのはこんな曲。








『ミコミコナースミコミコナース! ナマムギナマゴメミコミコナース! ミコミコナー
スミコミコナース! カエルピョコピョコミコミコナース!』
『…………』

 明らかに聞き覚えのあるやたらポップな曲調の、やたらはじけた歌詞の歌。
 ……どう聞いても青年向けゲームのウケ狙いテーマソングです。本当にありがとうござ
いました。

「オ、オイラゴンナギョグジラナイディャンスヨ−(´д`;)」

 ショックのあまりオンドゥル化する矢部に、監督は一言、宣告した。

「貴様二軍行け(´д`#)」
「ヤンスッ!!?(TдT;)」




 実力以外の要素で一軍の人間が二軍オチになったのは始めてであったが、だぁれも反対
はしなかった。当たり前だ。風呂男の突込みがなければ、帝王実業が物笑いのタネになる
ところだったのだから。
 肩を落として一軍部室から出て行く矢部を見送りすらせず、監督は風呂男に問いかけた。
彼ぐらいしか、今時分の抱いている疑問を溶かしてくれる者はいないと、そう考えたから
だ。

「波和。奴はいったい何がしたかったのだ?」
「ミコミコナースを全国に広めようとしたんじゃないですか?」
「…………………………………………………………………………次、猛田」

 得られた答えに何も言おうとしない監督に、催促しようとしない風呂男。
 ……むしろ、どう答えろっちゅーんじゃ。理解できんっちゅーねん。

 なにやら微妙な空気になってきた部員の間を縫って、猛田はCDをセットする。
乾いた笑いを浮かべながら。

「ええっと……まあ、なんというか……」
「? どうした?」
「俺のもウケ狙いなんで」
「何?」
「中古CD屋が閉まってたもんでネットのフラッシュから拝借しんッスよ(汗)」
「……かまわん。最悪、応援歌変更の話はなしだ」

 かなり無理があると自覚があるらしい風呂男と猛田。よくよく考えたら、練習が終わ
った後の時間とそのCDショップ開店時間を比べれば、無理があるのは丸分かりである。
業務終了を示すシャッターの前で呆然とした二人は、その足で風呂男の家へ向かい、徹夜
で持っていく曲を探したのだ。
 実は一睡もしていなかったりする。
 なにやら諦めたような、絶望したような顔をする監督をよそに、その曲は再生され……



『あっ……いやっ……やめてぇっ』



 響き渡ったのは、イッツア濡れ場ボイス。バックミュージックはクチュクチュ濡れた
効果音。

『そ、そこぉ……もっとぉ……』

『ぬぐふぉっ!?(゚∀゚)』

 流れてきた声は帝王実業のチェリーボーイ達の股間を直撃した。再生した本人も噴出し、
その動きを止め、監督に至っては座った姿勢のまま後ろずっこけている。
 一人、部室の隅でグローブを磨いていた友沢だけが冷静なように見えたが……グローブ
じゃなく自分の手を磨いている辺り、十分取り乱しているらしい。

『やぁんっ……せん、ぱい……じらさないで……』
『……おいおい。もう少し我慢しろよ』
『だってぇ……スクール水着でこんな事ぉ……』

((ス ク 水 !!!!?(゚∀゚)))

 聞こえてきた固有名詞に、チェリーボーイの何人かは鼻血を出しかけた。聞こえてくる
音声には覚えがある。風呂男と、彼を迎えに来るのでよく見かける、その彼女の声だ。
恋人がいるというのに、アタックを試みる者がいる美少女である。

 そのあられもない痴態……この場にいる何人かのズリネタは、しばらくこれで決まりだ。

『サイズも小さいからぁ……締め付けられるのぉ……』

「おおおおおおおおっ!!!!?(゚∀゚)」
「サイズ違いキタ―――――(゚∀゚)――――――――ッ!!!!」

 チェリーボーイ共が目を血走らせ、騒ぐ姿ははっきり言ってキモイ事この上ない。
第三者がその姿を見たら、100人が100人全員はだしで逃げ出すだろう。
 その異常事態に終止符を打ったのは、渦中の男であった。

『もぉっ、駄目なのぉ……いれ』

 ぷちっとな。
 童貞男達の夢のようなひと時は唐突に終わりを告げた。飢えたトラから餌を掻っ攫う
ような無謀な行為を平然とやってのけたのは、波和風呂男その人。
 いろんな意味で固まっている一同を涼やかに無視し、CDを取り出し、猛田に一言。

「悪い。CD間違えて渡しちまった」
「何やってんッスかアンタ――――――――――――ッ!!!!?(´д`;)」

 きわめて常識的な意識が凝縮された猛田の突っ込みに、風呂男は嘆息し、微妙にピントのずれた事を言う。

「悪いつってんだろ……確かに、間違えたのは俺だがよ(゚д゚;)」
「そういう事言ってんじゃなくて! 何お録音してるんスか!!!!(´д`#)」
「何って……濡れ場(゚д゚)」
「いかにも『なんで怒られてるんだ俺は』みたいな顔で返すなーーーーーっ!!!!
 変態ッスかあんたは!?(´д`#)」
「オイコラなんでこの程度で変態呼ばわりされなきゃならんのだ?(゚д゚#)」

 世間様一般から見ればじゅーぶん変態的なのだが、悲しい事に風呂男にその自覚がない。
中学時代に天井越えて成層圏すらぶっ飛んで星空の彼方を駆け抜けるよーな筋金入りの変
態T氏と交友したために、そこらへんの感覚が麻痺していたりする。

「第一! 録音しようって言い出したのはあいつのほうだぞ!」
「はい?」
「なんでも、証拠がほしいとかなんとか……」
『…………』

 ここにも気付いていないらしい風呂男に、一同凍る。彼らの記憶が確かなら、風呂男の
恋人はかなり裕福なところのお嬢様である。
 ……どう考えても人生の墓場一直線です本当にありがとうございました。
 一転して哀れみ一色の視線を受ける風呂男。そんな事にも気づかず、すでに外堀が埋
め尽くされているであろう彼はいそいそと自分のCDを取り出した。

「じゃ、次俺かけますね」
「う、うむ」

 また間違っててくんねーかなー、なんていうドクオ一同の淡い期待も知らず、風呂男は
CDをセットして演奏開始。




 どごぉっ!!!!!



 ……その瞬間から開始された寸劇を、全て認識できたのは監督だけだった。部員達が
気が付けば、監督の体が空中を舞って、その両足を風呂男の顔面にたたきつけていた。
 落ちる風呂男に対し股を開き、胸の上に着地。そのままマウントポジションを取る。

「ちょ、ま、監督者! とりあえずもちつ……」

 そして……聞く耳持たずの一方的な虐殺が始まった。

 ドガバキグシャボコベキボカグシャァッ!!!!

「qあwせdrftgyふじこlp!!」

 結論から言うと、間違ってはいたのだが、内容は部員達の期待したものではなかった。
 こぶしが振り下ろされるたびに鼻血が飛んで、監督のこぶしややたら広い額を塗装する。
その血みどろの流血劇のバックミュージックは……ある有名フラッシュのバックミュージ
ック。










 髪の毛の不自由な人を歌った一曲だった。
 その名も『○ゲの歌』
 ……どーやら監督、自分の額の広さを気にしてたらしい。





 散々ぼこぼこにされファビョッた風呂男が、即座に二軍落ちを言い渡されたのは言うま
でもなく。
 風呂男と矢部二人仲良く甲子園の土を踏ませてもらえなかった上に、濡れ場CD公開が
ばれて恋人と破局するきっかけになったという、そういうお話。




 余談 応援曲だが、結局話しそのものがお流れになったそーな。

765名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 19:10:12 ID:6OWYeN6W
アッー!
766パワプロ男対聖作者:2006/08/22(火) 19:10:48 ID:V/Sbe4VK
 勢いに任せて書いてしまった……ラーメンの麺で吊ってきます。

 ところで話はかわりまするが、風呂男の昔の恋人、パワプロの過去シリーズ
のキャラを起用してもいいものでしょうか?
767名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 19:12:31 ID:/FCl6JPq
イインジャネェーノ
768名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 19:14:54 ID:640nxPBj
相変わらずグッジョブ!
ギャグもうまいけどキャラの描写の仕方が特にイイッス……まとも人間って猛田だけだw
769名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 19:38:26 ID:RDGdNZFi
帝王野球部は実に楽しそうだなw
ひとつの世界作っちゃってるこのシリーズ、かなり好きです。GJ!
770名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 19:40:33 ID:JruU9FmT
もうエロやられるよりも
ずっとギャグパート見ていたいぐらいだよw
771名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 20:58:07 ID:Sj3tHcyQ
禿ワロタw
そろいもそろってアフォな部員ばかりw
特に久遠…何してんねんw

本編ともども今後も期待しております!
772名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 22:09:28 ID:aisXdTYn
次スレは再利用でいいのか?
773名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 22:12:07 ID:RDGdNZFi
テンプレが>>1にあるかどうかは結構重要なので新たに立てるべきだと思う
774名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 22:22:23 ID:lcaAkImr

       ∧_∧
      (´Θ`)     Wikiに過去2作品をうpしてみたぞ
     /⌒   `ヽ-:,,   いつでも堪能してくれたまえ 
    / /sp★ ノ \; ∩
   |( /ヽ   |\___E) ジャマハハハ

(´Θ`) 編集はあれでいいと思うけどネ…
775名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 22:53:48 ID:itz6YVNd
>>766
ワロタwwww乙



以下俺の戯事
時空系列的に犬猫が居ないのが非常に悔やまれry
戯事終了
776名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 23:09:03 ID:rPazVWMZ
>>766
この野球部揃いも揃ってホームラン級の馬鹿だなw GJです

昔の恋人は世代とお嬢様ってことを考えると摩夕かな?
777名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 23:33:45 ID:aisXdTYn
>>703で建てた、不備があったらスマン
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156257166/
778名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 01:18:31 ID:a4eBD/Ed
パソコンでちと書いてるんだがeroticな表現が出来ないから途中で終わるかもしれん
779名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 01:21:34 ID:/JHThUDZ
どなたかは分からないけど、もし連載中の作品がある方なら
ジャンプの打ち切り並の展開でもいいんで最後は纏めて欲しいです
780名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 01:48:25 ID:y/KDWNPi
そこまで脅すこともないと思うけどな
とりあえず投下してみることの方が大事だと思う
建前上のルールでSSを書くことによる責任を変に重たくするよりは
気軽にポンポン投下できる雰囲気作る方がいいんじゃないかな、と
781名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 01:52:29 ID:pMOEk4X2
未成年スレならそれもいいだろうが、ここはあいにくオトナのスレだからな。
782名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 02:15:07 ID:638OyS8f
たかだか2ちゃんのスレなんだから思い付いたらさくさく投下しちゃえばいいじゃん。
書く側だけオトナであることを強制するなんて変な話。
極端に言うと連載途中で飽きて投げたって罪でもなんでもないんだし。
783名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 02:25:56 ID:pMOEk4X2
つまりおまいさんは、たかだか2ちゃんのたかだか素人SSだと思ってるわけだな?
784名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 03:02:42 ID:638OyS8f
簡単に言うと、完結させてくれ云々書き込まれる度に
現在連載中だったり過去に一度でも作品を投げたことがある書き手が
「んなこたわざわざ言われんでも百も承知してんだよ」とカチンと来るということ。
785名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:22:52 ID:0z6hMqNW
12の友沢×みずきで書いたんで投下します。
初めてSSかいたんで稚拙なものかもしれませんが生暖かい目で見てください。
786名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:24:15 ID:0z6hMqNW
話は8月に遡る。全国野球アカデミー選手権大会の決勝戦。試合は終盤までもつれ込んでいた。
中盤に4番ピッチャーの主将、小奈光尊(こな みつたか)の先制ツーラン、8回には疲れの見えた
先発出木を東日本のクリンナップが打ち込み3連打で同点。そして9回裏、パワフルアカデミーの攻撃。
1番矢部が神高の8球目のカーブをしぶとくライト前に運び無死一塁、そして2番雑魚野がきっちり送り
一死二塁、このサヨナラのチャンスに3番ショート、友沢の打席が回ってきた。
この友沢がネクストサークルにいる時、橘みずきが友沢をベンチに呼び寄せて、こう耳打ちしたのだ。
「もし次の打席で打って勝ったら、ひとつなんでも言う事聞いたげる。だから絶対打ちなさいよ!」
会話の内容を聞けば察しが着くかもしれないが、この二人は実は恋仲である。
知っているのは主将の小奈と、友沢の二人の弟妹だけ。
「一応あいつには話しておこう。チームに影響が出るかもしれないし、あいつなら信頼できる」
という友沢の判断によるものだった。実は既に二人の関係は結構深いところまでいっていたが。
そして友沢は東日本のエース神高のアウトローに決まる直球を、見事に流し打ちツーベースを放つ。
元々シングルでもどうにか帰ってこれる矢部だ。当然の如くホームベースに辿り着き、拳を突き上げた。
ベンチから飛び出すチームメイトの中にはちょっぴり複雑な表情をしたものもおったそうな。
787名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:25:32 ID:0z6hMqNW
そして今、残暑の厳しい街中を友沢と橘は並んで歩いていた。
あのとき、見事に殊勲打を放った友沢の出した条件はこうだ。
「○月○日にデートしよう。ただし、その時はノーブラで来い」
当然の如くうろたえるみずき。
「ちょ、ちょっと、それはないでしょ!」
「ひとつ、なんでも言う事聞くって言ったのはおまえだぜ?なんならノーブラノーパンのほうがいいか?」
「・・・!!・・・・・・・・・・・・・・変態」
「悪いな。ま、俺も男だってこった。そんなに難しい事でもないだろ?」
「・・・わかったわよ。あたしだって一度した約束は守るわ」
かくして、ちょっぴりHなデート計画が持ち上がったわけである。そして、○月○日がやってきた。

いつもと変わらぬ、普通のデート。ただひとつ違うのは服装だけ。
そのひとつだけの違いがただでさえ熱いみずきの体をさらに熱くしていた。
道行く人が振り返る。それはこのカップルが美男美女であるからなのだが、みずきには全く違うものに感じられた。
788名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:26:10 ID:0z6hMqNW
本当は(うわー、あの子可愛いなあ。くそーあのヤローが羨ましい!でもあいつもカッコイイなあ・・・)とか、
(わ、あの子かっこいい。女の子も可愛いし、お似合いね。あたしもあんなふうに街を歩きたいなあ)といったものだ。
しかしみずきは乳首が浮き出てるのが見えていると思い、顔を赤くし、うつむいていた。
(やだ、みんな見てる。恥ずかしい・・・でもあたし、興奮してる・・・?)
いやがうえにも胸に意識が集中し、血が集まってくる。そして、不覚にも乳首が勃ってしまう。
(いやあ・・・!)
流石にこの時ばかりはあんな事を言った自分を心底恨んだ。大体、友沢ならハッパなどかけなくても
打っただろう。例えそれがプロ相手であろうとも。
「どうした?気分でも悪いのか?」
友沢がまるでヤクルトの鈴木健のごとく2828しながら尋ねる。
「な、なんでもないわよ!ただちょっと暑いだけ!」
「ふーん?本当かな?」
当然嘘である。あながち間違ってもいないのだが。
789名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:27:21 ID:0z6hMqNW
そしてどうにかこうにか人通りを抜け、公園に着いた。あたりはもう暗く、風も涼しくなってきた。
「ベンチにでも座るか?」
そういって二人はベンチに腰掛ける。みずきはやっと心が落ち着く場所に来れてほっとしているようだ。
「どうだった?今日のデートの感想は」
「・・・二度としたくないわね」
まあこれも当然の反応だ。いわゆる羞恥プレイだ。やりたい奴なんてマゾか変態かぐらいだろう。だが、
「本当にそう思ってるのか?こっちの方は正直みたいだぜ?」
「あっ!くぅ・・・!」
そういって服の上から乳首をつまむ。乳首はもう完全に勃起していた。
「そうかそうか、みずきは人に見られて感じるマゾだったのか」
「違うわよ!つーかあんたいつからそんな変態になったのよ!?」
「さあ?たまに小奈とかといろいろ語り合ったからな。それのせいかもな」
(小奈君め〜〜〜!)
小奈君、結構変態です。矢部と同類かもしれない。
「さって、下の具合はどうかな?」
「ひゃっ!?ちょっと、こんなところで・・・!」
そう思うのも無理はない。ここはまがりなりにも屋外である。しかし、
「大丈夫、この公園、こういうところだから」
そういって友沢は耳を澄ましてみろ、と耳打ちする。それに従うみずき。
なんとなく人の声が聞こえる。しかも、妙に艶っぽい。
「な?だから、しようぜ?おまえもこのまんまじゃ嫌だろ?」
一応言っておくがハッテン場ではない。
790名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:27:57 ID:0z6hMqNW
そして改めて友沢はみずきのスカートの中に手を入れる。
「ひうっ!あう・・・!」
「なんだ、やっぱり感じてたんじゃないか」
そして下着に手をかける、
「と、その前に」
友沢はみずきをお姫様抱っこして、近くの茂みにそっと運ぶ。
「ベンチの上じゃ硬いし、俺も見られながらするのは趣味じゃないんでな」
とうそぶく。だが本当は彼なりの女性への心遣いなのだろう。羞恥プレイの時点で心遣いも何もないが。
そして再度下着に手をかける。が、
「ま、待って。下着ぐらいは自分で脱ぐから!」
人に脱がせてもらうのは恥ずかしいらしい。そう言ってするっと足から下着を抜く。
「はい、どーぞ。好きなようにしていいよ」
と芝生にごろんと仰向けになる。どうやらもう覚悟は決まったようだ。
「じゃ、遠慮なく行くぜ?」
友沢は足を開かせ、局部をじっくりと嘗め回すように見た。スカートは脱がさずに、だ。
もうそこは完全に濡れている。まさしくマンコビッチ。
「なんだ、これじゃあ前戯はいらないんじゃないか?」
そして自分のズボンのジッパーを下ろし、モノを取り出す。それはチンコがソリアーノと呼ぶにふさわしく勃起していた。
791名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:29:27 ID:0z6hMqNW
そしてみずきの秘所にあてがう。こすれあった時ににちゃり、といやらしい音がした。

「それじゃ、いくからな」
「うん、きて・・・」
友沢はゆっくりと腰を前に押し出し、みずきは自分の中に友沢が入ってくるのを感じていた。
ずぷ、ずぷずぷずぷ・・・友沢のモノはみずきの秘所に根本までおさまっていた。
「動くぞ」
言うが早いか、友沢は腰をゆっくりと前後に動かし始める。
モノが引き抜かれ、おしこまれる度に結合部からは愛液が溢れ出してくる。
街を歩いている間、よっぽど感じていたのだろうか。いつもよりも感度が高まっている気がする。
「あんっ、あっ、くふうっ!」
友沢は腰のスピードをどんどん速めていく。それに応じてみずきの嬌声も高鳴ってくる。
一突きするごとにみずきの膣はきゅっと締まり、そのたびに友沢の理性は決壊しそうになる。
「みずき、愛してる・・・っ!」
「うんっ、あっ、あたしっ、もっ!すきぃ!だからもっと突いてぇ!!」
二人とももう限界が近いことを感じて、一気にスパートをかける。
「はあっ、はぁっ、きゃうっ、きゃふうっ!」
「みずきっ、俺、もう・・・でちまいそうだっ!」
「うんっ、いいよ、中で出してっ!あたしの中にぶちまけてえっ!!」
「「ふあああああああああああああっ!!」」
二人が口付けあった瞬間に、みずきの中はびくびくと締め付け、友沢は白濁液を大量にみずきの中へ吐き出した。
792名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 04:30:39 ID:0z6hMqNW
二人は荒い息の中互いの体を抱きしめあった。まだ余韻が残っているのか、みずきの体は時々びくっとする。
「中で、だしちまったな・・・」
「ふふ、赤ちゃんできちゃったらどうする?」
「そうだなあ・・・やっぱそうなるよなあ・・・」
正直、もし子供が出来たりしたら現実問題では大変である。
みずきは第2の女性プロ野球選手としてスカウトにも注目を浴びているし、友沢などは言うに及ばず。
その二人の道はほぼ閉ざされる事になるであろうことは間違いない。
「大丈夫よ。今日は安全日だから。まあ100%じゃないけどね」
「ま、もし出来ててもいいさ。おまえと一緒にいれるんなら俺はなんだって出来る」
友沢とは思えない聞いてるほうが赤くなりそうな台詞にみずきは赤面するばかりで、ひとつの言葉を搾り出すのが精一杯だった。
「・・・ばか。」

その頃アパートでは・・・
「小奈にいちゃ〜ん、お腹すいた〜」
「小奈にいちゃん、この問題どうすればいいの?」
小奈が妹弟の面倒を見ていたという。このとき彼は長男という重みを知った。
「友沢、早く帰ってきてくれ・・・」
793名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 07:04:02 ID:YVh06F1u
GJ。




普段強気の女は大抵Mなのです。
794名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 10:05:07 ID:PjallhcM
>4番ピッチャーの主将、小奈光尊
先発出木が八回まで投げてるのにry



795名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 11:27:09 ID:tmp0hoER
GJ。初めてでこれなら十分及第点です。
欲を言えば、もうちょい前戯があっても良かったかもね。
796名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 11:31:51 ID:beKRajdB
ドンマイww
797名無しさん@ピンキー
充分グッジョブ、オマイの技が磨かれるのはこれからだ


……ところで、このスレはもう埋め?