【涼宮ハルヒ】谷川流 the 14章【学校を出よう!】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

@前スレ
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 13章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150117812/

@過去ログ
http://www9.atwiki.jp/eroparo/pages/210.html

@これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

涼宮ハルヒのSS保管庫 予備
http://haluhi9000.h.fc2.com/
2名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 13:01:28 ID:vacjTfHL
>>1、もっと幼馴染みが照れ隠しに(r
3名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 13:04:46 ID:qUw3aRnJ
>>1
乙カレー
4名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 13:05:03 ID:TAOfPOmK
>>1
ほんのちっぽけな乙。
5名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 13:25:10 ID:CCAsxtzA
>>1
おっつー
6名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 14:18:07 ID:WoNS+nsH
乙ってのはどうかな?
前スレ辺りでは>>1相手に有効な手段だったけど
7名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 15:09:48 ID:38Y5fyo/
国木田、こいつに『乙』についてのできる限りの情報を教えてやってくれ。 特に>>1との相性を(ry
8名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 15:19:06 ID:1cb/VcZd
>>1
9名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 15:20:56 ID:VIe09vfD
>>1と乙はまあ良い相性だったんじゃない?

SSっぽいモノの続きを投下。
えー、先に書いておきますが終わり方が変です。
10涼宮ハルヒの思いこみ:2006/06/17(土) 15:33:01 ID:VIe09vfD
 ヤバイ。非常にヤバイぞ。
「何が?」
 おっと右腕に密着したハルヒの胸から動揺を感じる。
「……彼が」
「ふぇ? キョ、キョン君?」
「まさか……キョンー? 寝てるわよね?」
 ここはどうすればいいのだろうか。テストでは平均点を軽く下回る脳味噌をフルに使って考えてみる。
 考え一、このまま寝たふりを続ける。
 これは即却下。長門にバレている時点で失敗が確定してしまう。
 では、考え二。起きてダッシュで逃げる。
 馬鹿か俺は。今まで起きてました、と自分から言ってるようなもんじゃないか。
 これも却下。あー、駄目だ駄目だ。
 最後になりそうだが考え三。
 さも今起きたかのように演技をする。
 んー、……これが一番妥当かもしれん。賭け要素が高いが、実行する前に失敗が確定してるかより幾らかマシだろう。
 これを実行に移すか。
「んー」
 長門の頭、ハルヒや朝比奈さんの胸を何事もなかったかのように退け、わざとらしく腕を前に伸ばして欠伸をしてみる。
「ふぁー、ん? どうしたハルヒ?」
 光が眩しくて瞼を開けないのだが、取りあえず右にいるはずのハルヒに声をかけた。
「あ……、いや何でもないわよ」
 少し声が慌てている。ハルヒのこんな声は珍しい。レアだな。
 何とか慣れてきたので目を開けると、今まであまり見た事のない顔でハルヒが案の定、俺の右側に立っていた。
 この表情もレアだな。
「そうか。で、何で朝比奈さんや長門まで俺の周りに?」
「ふぇ……何でもありません!」
 今日の朝比奈さんは、ナースだった! ……いや、そんな事はどうでもいい。
 いつもよりオドオドした様子で朝比奈さんは後ろにあるロッカーにぶつかった。
「ひっ、いたぁいですぅー」
 狙ってるんじゃないかと思うくらいのドジっぷりである。ああ、朝比奈さん萌え。
11涼宮ハルヒの思いこみ:2006/06/17(土) 15:33:43 ID:VIe09vfD
「長門は?」
「何でもない」
 こいつは全く動揺してないな。流石ハルヒが選んだ無口キャラだ。
 微動だにせず、その何かを吸い込んでるんじゃないかという真っ黒な瞳を俺に向けていた。
「さ、さあ、今日はもう帰るわよ!」
 何かに気付いたのかハルヒは古泉と俺がゲームに使用するだけとなった長机を俺に見えないように隠した。
 いつもの機嫌の良いはずの顔には汗が流れていて、背中の後ろではこれまた何かに気付いた古泉と必死に何かを鞄に入れていた事は見なかった事にしよう。
「私着替えてますから先帰っててください」
 はーいそうしまーす、と今日の出来事は心の奥にしまうつもりで天使の声に答えようとしたが、誰かが後ろで、
「待って」
 と小声で引き留めてきたので、
「ああ、俺の教室で待ってる」
 と残し、自分の教室に向かった。まあ誰かなんて既に分かってるんだがなぁ。
 理由も分かってる、どうせまたハルヒ関連の厄介事だ。はぁ、溜息が出る。
 しかし、まあ今日は何だったんだ。
 俺に顔をうずめる長門、胸を押し付ける朝比奈さん、勝手に自分のモノにするハルヒ。
 みんな変だったな。マジ何がしたかったんだ?
 変な予感がするが、教室の扉を開いてもうこんな時間か、などと呟きながら自分の席に座った。
 まさか朝倉が来るなんて事はないだろうなぁ? もう朝倉はいないって事は分かっているのだが、そんな事を考えてしまう。
 若干夕暮れの教室がトラウマ化しているらしい。

 ――そして、窓越しの夕焼けをボーッと眺めているとものの三分もすれば、長門はやって来た。
「で、何だ? またハルヒか?」
「違う」
 長門は漆黒の瞳で俺を飲み込んでしまった……なんて事はなく妙に不安そうな顔をしている。
 いつか見たことのある別世界の長門を思い出させるような顔。
「じゃあ、何だ?」











「私はあなたの親友?」



 一瞬、世界が完全にフリーズした。
12属性ラプソディ:2006/06/17(土) 16:25:25 ID:YPAF3gts
1/2

 文字が薄れてきた。弱々しく、カーソルはやけにゆっくりと文字を生んだ。

YUKI.N>また図書館に

 ディスプレイが暗転しようとしていた。明度を弄ったが駄目、僅かに躊躇を
置いて、更に長門の打ち出した文字が。
 俺の見間違いじゃ無いよな。しかしマニアックなものをご存知で。
 直後、ハードディスクがコリコリと鳴り、デスクトップには何時もの見慣れた
OSの画面。背後には中庭に突っ立つ青い光の巨人。世界に音はPCのファンの音
だけが小さく響く。
 ハルヒが飛び込んできた。
 興奮して何やらわめくハルヒを眺めて考える。

「”終末の過ごし方”って、知ってます?」
 あの時、大人バージョンの朝比奈さんは、確かにそう言った。
「まぁ多分」
 何故知ってるか聞かれると困るが、属性持ちだからな。
「これからあなたが何か困った状態に置かれたとき、その言葉を思い出して
欲しいんです」
「メーカーが水没したり、社長が死んだり、何故かMSX版が出た、アレですか?」
「そうです」
 しかしアレは確かエロゲじゃ無かったか?何故こんなものを。
「ちなみに口語なのにどうやって”週末”と”終末”を区別したかは」
 答えはわかっている気がしたが、えーと、どうやってですか。
「禁則事項です」
 お約束だからな。

 そんなこんな会話と、さっきの長門のメッセージ。もしやと思って団長様の
机の中を手探りする。あった。有難う長門。
「こらキョン、ちゃんと聞いてなさいよ」
 えらく嬉しそうだな。俺はあんまし嬉しくない。
「何なんだろ、ホント。この変な世界もあの巨人も」
 知っているが知らん。この変な世界、ハルヒは望んだかも知れんが、俺は
望んじゃいない。
「元の世界に戻りたいと思わないか?」
 PCの中、MIKURUフォルダの中の一枚の写真を思い出す。アレ眺めてるのを
みつかってから、ハルヒのステータスは憂鬱から不機嫌へとチェンジし、
そして今ココに、愉快ツーカイにチェンジされていらっしゃる。
 俺は戻りたいね。ハルヒが朝比奈さんを弄るのはけしからんが、あれだけは
グッジョブだった。俺はSOS団に帰りたい。ああ、帰りたいとも。
「え?」
 輝いていたハルヒの目が曇ったように見えた。しかし構わずセーラ服の肩を
掴む。
13属性ラプソディ:2006/06/17(土) 16:26:10 ID:YPAF3gts
2/2
 ヒントは貰っている。長門の最後のメッセージ。”屈折リーベ”ある種の属性
持ちの理論指導書だが、何でこんなもの知ってるんだ?
 さーて、両者に共通することと言えば何だ?こういう場合、もーちょっとベタ
な解決法が相応しい気もするが、まぁ俺も見てみたい。
「なによ……」
 手元のケースを開ける。長門の予備か。今ちょっと思ったのだが、変な人外の
属性なんて付与されていないだろうな?
「俺、実は眼鏡属性なんだ」
「へ?」

 はーい眼鏡ON。

 猛烈に似合った。胸がキュンキュンしたよ。惚れた。
 ……殴られた。
「バ、バカじゃないの?」
 いくら何でも殴ることは無いだろう。霞む光景の中で、眼鏡を床に叩きつける
ハルヒの姿がぼうっと見えた。お前顔赤くないか?
 そこで瞬きした次の瞬間、見慣れた天井を目にして固まった。

 そこは俺の部屋。寝入ったままの格好。思考能力が脳内ハードディスクの
シーク音と共に復活してくる。
 夢か、夢だったのか?
 ……痛いぞしかし。

 一睡もできないまま次の朝。ハルヒのパンチはなかなかの威力で、直前の
光景と合わせた破壊力は、俺に睡眠を許可しなかった。
 正直、ツライ。脳内の全兵卒が今頃睡眠を要求している。こりゃ降伏は時間の
問題だ。
 窓際、一番後ろの席に、ハルヒは既に座っていた。何だろうね、あれ。頬杖
をついたその顔の前に、あ、そのフレーム歪んでないか?
「よう、元気か」
 俺は机に鞄を置いた。
「元気じゃないわね。昨日、悪夢を見たから」
 それはまた奇遇。ハルヒの表情は眼鏡に隠されてよく解りにくい。ただ、まぁ、
あんまり上機嫌ではなさそうだ。少なくとも、顔の面だけは。
「ハルヒ」
「なに?」

「似合ってるぞ」
14名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 16:35:24 ID:+C5ljlK0
作者の趣味が透けて見えて、凹んだorz
15名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 16:51:15 ID:4xv8l3g2
>>12-13
ワロスw


……って、キスはなしですか。
それでいいのかキョン!w
16名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 17:03:57 ID:13lNehy0
>>12-13
乙カレー。


って、みくるフォルダがハルヒにバレたのかよ。
しっかり隠し通せよキョンwwwww
17名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 17:10:08 ID:xjlWcXAP
そこで「終末」が出てくるところに笑った
そしてキョンがやけに詳しいことにも笑った
18名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 17:13:42 ID:sdo0SiPs
19名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 17:39:06 ID:6Q0J2Q21
>>12-13
笑ったwwww
そのヒントから導きだせる、たったひとつの冴えたやり方だなwwww
20名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 19:16:24 ID:0FdMnWNp
シャミセンのキョンを呼ぶときの三人称って原作にあったっけ?
二人称はキミだったと思うけど。もし無けりゃ主で行こうと思うんだけど変?
21名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 19:20:56 ID:LYU7qoWM
有希から「屈折リーベ」で笑いが止まらなくなったw
22名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 19:25:56 ID:BUTJL5Cx
そんなこと言ったら長門が矛盾を抱えて色々起きそうだな。>眼鏡属性
23名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 19:41:35 ID:oYna6GVw
>>20
「キミ」
24名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 19:42:30 ID:38Y5fyo/
>>22
そこでエラー蓄積です(ぁ
25名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 20:06:50 ID:JUkkxDLJ
なにが起きるんだ…
26名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 20:11:50 ID:lcqfzmgk
ナニが起きます
27名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 20:12:10 ID:L5jnpZxX
>>20
古泉や長門との会話みたいに極力二人称で呼ばせて、それができない時は「彼」とかのが無難。
28名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 20:43:39 ID:PHryFone
>20
夏目漱石読んでそれらしい雰囲気のを考えればよかろう
家の主人じゃあないから、飼主とか、長兄とか、書生とか。

まあ妹が名前不明なのだから、これを基準に整合させようとするのが自然か。
29名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 20:51:28 ID:CVfALoE4
我輩は猫である。名前はもうある。
30名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 20:55:02 ID:13lNehy0
>>20
シャミセン乙
31名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 21:23:03 ID:/fuk40Jk
基本的にキョンの視点だから
誰かがキョンについて話しているところを脇から見てるシチュ以外では二人称なんだよな
32名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 21:38:55 ID:PxalGyPp
>>23,27,28
シャミ視点でシャミは喋らないから二人称は使えないんだ。『彼』はごちゃごちゃになりそうだし。
28の長兄で行こうと思う。なんとなくシャミっぽいかな、と。

>>29
どうみても文頭がそれです。本当にありがとうございました。
33名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 22:03:17 ID:A5OrKcx7
>>20
シャミセン「ご主人様!」
ネコミミキャラだからこうですかわかりません
34ジョン・スミス:2006/06/17(土) 22:17:59 ID:iEZzK2Hb
ハルヒの能力が暴走して
SOS団が
別の漫画の世界に飛ばされる
 という、シュチュエーション
なんてどうデショ?

オレッチ的には
「桜蘭高校ホスト部」とのコラボが
読んでみたいッス!
35名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 22:20:39 ID:RQMZilqv
>>34
それよほど文才がないと寒い出来になるよ
36名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 22:24:44 ID:6UgTs2Ky
>>34
言い出した以上、君が書くがよろし。
37名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 22:25:31 ID:6Q0J2Q21
人に見せられるクロスオーバーを書くのは非常に困難である
38test:2006/06/17(土) 22:26:47 ID:CVfALoE4
我輩は情報統合思念体である。名前はゆき。

どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所で太古からどんよりと存在していた事だけは記憶している。

吾輩はこの惑星で初めて生命体というものを見た。
しかもあとで聞くとそれは人間という地球上の生命体で最も獰悪な種族であったそうだ。
この人間というのは年中繁殖欲旺盛にして他の種族を頻繁に捕えて煮て食うという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の掌に頭を撫でられれた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。

彼の下腹部で少し落ちついて彼のを見たのがいわゆる男性器というものの見始であろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一つるつるであるべきはず会陰部が異様な突起物に装飾されまるで薬缶だ。
その後他の人間にもだいぶ逢ったがこんなものには一度も出会わした事がない。
のみならず私と向き合うたびあまりに突起してくる。
そうしてその突起の先端から時々ぷうぷうと液体を吹く。
どうも咽せぽくて実に弱った。
これが人間の行うふぇらちおというものである事はようやくこの頃知った。

(省略されました。全文を表示するにはワッフルワッフ…)
39名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 22:27:39 ID:wx6KrhrB
オレンジレンジ
40名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 22:56:13 ID:U4dQjHb8
>>39!ageるなって言ったでしょ。
もー、何回言っても直さないんだから!厨とか嵐とか来て困るのはアンタなんだからね。
皆もちゃんとsageてよね!
41名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 23:11:21 ID:tax8Cmx5
ハルヒさんがお怒りです。
42名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 23:18:17 ID:KijUWEyI
何で前スレは無意味に大きいAAで埋められたんだ?
そんなに余裕があるならリレーとかやればよかったのに。
43名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 23:32:29 ID:RQMZilqv
>>42
2レスそういうのが貼られると流れがそうなっちゃうから
あと厨が湧いてたとか
44名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 00:16:54 ID:ijSRDzbW
今回は埋め小ネタなかったのか。密かに楽しみにしてたのに……
45345:2006/06/18(日) 00:29:41 ID:dkDDTAid
こんにちは、前スレ345です。待っていてくれた方がいるかどうかは存じませんが、続きです。
それではどうぞ。エロ有り注意。
46345:2006/06/18(日) 00:30:49 ID:dkDDTAid
朝比奈さんの秘所をなぞり、愛液にぐっしょりと濡れた指を有無を言わさず朝比奈さんの小さな口へと差し込む。

「むぐ・・・んーっ、ん、んぅ・・・」

「・・・・舐めてください。ちゃんと自分で綺麗にしてくださいね?」

耳元で囁くように、しかし拒絶を許さない意図を込めて告げる。我ながら無茶苦茶だとは思う。どこのエロゲーだ。
しかし、朝比奈さんは文句も言わず、むしろ喜々として俺の指を舐め始める。

―――ちゅ、ちゅるっ・・・ぴちゃっ、ぺろ、えろっ・・・

「んぅ・・・ん、んぐ・・・ぷぁ・・」

「上手ですよ、朝比奈さん。その調子でお願いします」

言いながら朝比奈さんの髪をゆっくりと梳いて、頭を撫でる。ん、と嬉しそうに喉を鳴らす朝比奈さん。
やっぱり年上らしさが微塵もない人だ。いや、むしろ子犬属性?誰かに従属したい、高圧的に接して欲しい、そういった性癖があるのかもしれない。
現に、こうして理不尽な命令にも献身的に従い、夢中になって指をしゃぶり続ける朝比奈さんの瞳にぼんやりと霞がかっていくのが見て取れる。
既に『愛液で濡れた指を綺麗にする』という当初の目的はとうに忘れてしまっているらしく、指を舐める仕草は明らかに性的なモノを連想させるソレになってしまっている。
指の一本一本に丁寧に舌を這わせるだけに留まらず、爪の先から指の間、手の平から手の甲まで朝比奈さんの舌でまんべんなく舐められ、俺の手で朝比奈さんの舌と唇が触れていないところは無くなってしまった。
それでもうっとりとした表情で俺の手に愛おしげに奉仕を続ける朝比奈さん。

―――もしかしたら、彼女もこの非現実的な空間に呑まれてしまっているのかも知れない、俺と同じように。そんなことを、ふと思った。

「次、胸でしてもらえますか?」

躊躇無く普段の俺ではあり得ない事を言い放つ。かまうものか、今この時この部室は間違いなく異世界なのだ。羞恥心などとうに捨てた。常識など犬に食わせてしまえ。

俺の常軌を逸した要求。しかし、何をですか、とは聞かれなかった。ズボンの生地をみっともなく押し上げている俺の分身にちらちらと目をやりながら、朝比奈さんは耳まで真っ赤にして、こくり、と頷いた。
47名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 00:31:32 ID:qgYISOFf
>>42

>>43の言うように、ちょろっと厨湧いた感じだったね。
ラスト近くがアガりまくってたからかも。アガると大抵、雰囲気がまずくなる。
48345:2006/06/18(日) 00:31:51 ID:dkDDTAid




「よいしょ、っと・・・」

メイド服の前をはだけて、まろび出た双丘に陰茎をすっぽりと収める。しかし、ここで動きを止めてこちらを困った顔で見つめる朝比奈さん。

「あの・・・ここから、どうすればいいんでしょうかぁ・・・」

どういった行為かは知っていても詳しい手順までは知らなかったらしい。やはりというか何というか、朝比奈さんはこの手の行為に関して無知も同然のようだ。

俺は情けないことに、そのことに強い安堵を覚えていた。いつだったか、その手の本で「童貞の男性は非処女の女性との性交を恐れる傾向がある」という一文を目にした事がある。
処女なんて面倒だ、どうせなら気持ちよくしてくれそうなそれなりに慣れた女性の方が良い。そんな風に鼻で笑っていたものだが・・・
成る程、確かに怖かった。もし相手の女性が自分に不満を感じたら、前の男と比べられてその上がっかりされたら―――考えるだけで恐ろしい。
俺が思うに、この恐怖は本能的なものなのではないだろうか。雄の使命とは雌に子孫を残させることである。性行為の手際に対する批判は、まさしくレゾンデートルの否定に他ならないのではないだろうか?

「あの・・・キョンくん?」

・・・ああ、すみません朝比奈さん。つい情けない自分を自己弁護するのに必死になってしまって。
こちらを置き去りにされた子犬のような瞳で見つめる朝比奈さん。そんな目で見ないでください、泣きたくなりますから。

「取り敢えず、胸の谷間に唾液を垂らしてください」

「あっ、分かりました。潤滑油代わりにするんですね」

得心顔で先生の質問に答える小学生のような瞳を向ける朝比奈さん。だからそんな目で見ないでください、死にたくなりますから。

「えっと・・・じゃあ、失礼しますね?ん・・・・」

そっと顔を伏せ、ピンク色の舌を小さく出す朝比奈さん。ふるふると震える舌から銀色の雫が伝う様はそれだけで射精してしまいそうなほど官能的だった。
つ、と垂れた唾液は丁度鈴口のあたりに落ち、そのまま陰茎を伝って谷間へと流れ込んだ。気化熱で少しひんやりとした感触。だが、油断した瞬間洒落にならない快感が脳味噌に叩き込まれた。

「ん、しょ・・・」

「―――――――――――っ!」

いきなり朝比奈さんが陰茎を挟み込んだ乳房で擦り上げたのだ。(触ったことなど無いが)最高級のシルクのような肌の感触と、ヌルヌルとした唾液が塗りたくられる感触。
問答無用で一気に頂点ギリギリまで押し上げられた。三擦り半でさえ笑いものなのだ、一往復など冗談じゃない。もしこれだけで射精してしまった日には二度と正面から朝比奈さんの顔が見られないだろう。必死にケツに力を込めて耐える。何か、何か萎えるモノは―――
俺は瞬間的に脳裏いっぱいに古泉のニヤケ面を思い浮かべた。ゆっくりと射精感が引いてゆく。どうにか堪えることが出来たようだ。
お留守にしていた理性達もどうやら帰ってきてくれたらしい。
今回ばかりは古泉に感謝してもいいかもしれない。ありがとう古泉。そしてもういいからそのニヤケ面をどけてくれ古泉。

「・・・キョンくん?大丈夫ですか?」

顔中に脂汗を流して停止した俺を朝比奈さんが心配そうな瞳で見ている。大丈夫です、ただ、取り敢えず最初はローギアからでお願いします。ギアが外れる危険性があるので。
理解したのかしていないのか、不思議そうな顔をしながらゆっくりと胸を上下させ始める朝比奈さん。
49345:2006/06/18(日) 00:32:52 ID:dkDDTAid









ここまでが冒頭の状況に至るまでの経緯である。ご理解いただけただろうか?

それにしても、と懸命に奉仕を続ける朝比奈さんを見やる。彼女は今の状況をどう考えているのだろうか?
拒んでは、いないと思う。だが、間違っても自分たちは恋人ではないし、勿論体の関係も無い。ただ、一つ気付いたことがある。
何となく、朝比奈さんのすべすべの頬を撫でる。柔らかい。こちらを見上げて、はにかんだような笑みを見せる朝比奈さん。

―――どうやら俺はこの人が好きらしい。

愛情と独占欲は表裏一体であるという。全く持ってその通り。なればこそ、俺はこれからする行為にそれ程の躊躇は無かった。
朝比奈さんの後頭部の辺りに手を添える。

「朝比奈さん」

「んしょ、ん、んっ・・・は、い?」

「少し我慢してください」

朝比奈さんの後頭部をぐい、と押さえ込み『え?』と疑問符の形に開いた口に亀頭を押しつけ、そのままねじ込む。

「! んぅ!ん、んぐ、んっ、んんっ!」

「あ、歯を立てないように気をつけてください。それと、胸から手を離さないでくださいね?」

少し強引すぎるだろうか?だが、まぁ問題ないだろう。朝比奈さんMっぽいし。
朝比奈さんの胸に叩きつけるように腰を前後させ、白磁のような胸と桜の花びらのような口を同時に犯す。
ゾクゾクと背筋を駆け上るような快感。朝比奈さんの形の良い眉は苦しげに歪み、滅茶苦茶に口内をかき回す陰茎に時折えずきながらも決して吐き出そうとはしない。

「ん、ぷぁ・・・んぐ、ちゅ、ちゅる、んふ、ん・・・っ」

それどころか、言われたとおりに無遠慮な侵入者に健気に舌を絡め始める。最初は苦しげだった表情が、次第に陶然としたものへと変わっていく。

じゅるるるっ、とはしたない音を立てて陰茎を吸い上げられ、足が意図せずしてガクガクと震える。そろそろ、潮時だろうか。
俺の様子で最後が近いのを察したのか、こちらを気遣うように見上げる朝比奈さん。俺と目が合うと―――にっこりと微笑んだ。
全てを受け入れる、と言わんばかりの聖女のごとき笑み。
少し垂れ気味の瞳に涙を溜め、醜悪な性器を小さな口いっぱいに頬張り、口元から顎までは先走りとも唾液ともつかないものでベタベタに汚れていたが、その美しさは一片も損なわれてはいなかった。
もう、耐える気すらも起こらなかった。だってそうだろう?俺のような青二才が敵う筈など無いのだ、彼女に。何時だって強いのは女性なのだから。

俺は半ば夢を見るような心地で、朝比奈さんの口内に精を放つ。朝比奈さんは「んく、ん」と喉を鳴らしながら、まるでそうするのが当然であるかのように放たれた白濁を一滴もこぼさず飲み干してしまった。
最後に先端をちゅ、と吸い上げてから、ゆっくりと性器から口を離す朝比奈さん。つぅ、と粘着質な液体が性器と朝比奈さんの可愛らしい唇の間に糸を引く様を見て、現金にも硬度を取り戻す息子を見て嘆息する。

日が落ちた部屋。もう真っ赤に染まっていた 異世界/部室 は何処にも無く、ここはただの薄暗い部屋でしかない。それならば、常軌を逸した振る舞いなど、当然許されない。これで夢は終わり。ならば、目を覚まして現実に帰らなければならない。

だというのに。

「もう、しないんですか・・・?キョンくん・・・」
50345:2006/06/18(日) 00:36:03 ID:dkDDTAid
はいここまで。書いても書いても終わらない。
ぼんやりしてたら次スレになってしまった。
すんません。マジですんません。
この通りですorz
次で終わりますから。本当です、嘘じゃないです。
ちゃんと今度はこのスレの内に完結させますから。
51名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 00:43:01 ID:qgYISOFf
>>345の人
申し訳ない!
途中に挟まっちゃった。

フォォォォ!朝比奈さんのゴックンに俺も唾ごっくん!
続き期待。
52名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 00:50:49 ID:mSoYR/vu
>>345
まさか、もう次の構想が・・・
なんて言ってみる
53名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 01:33:34 ID:0uypbcPY
埋めろって言う人がいたから埋めただけだったのだが…まずかったのか
他の板だと新スレ立ったら直ぐ埋めろってのがマナーだったから
エロパロ来て日が浅くて知らなかった、スマンコ
54名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:02:17 ID:Dt583Zsw
>>52
超ロングパス入りました
55名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:04:09 ID:O7m+liaZ
朝比奈さん大好きだ
56名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:07:26 ID:OgoNTUuK
エロパロ板での「埋めろ」はなんか小ネタないかー?の合図みたいなもんさ。
57nac:2006/06/18(日) 02:11:42 ID:/WprpYnB
梅ネタ書いたけど、遅すぎたようです。
始めに言っておきます、
すんませぇぇぇぇぇぇんと
叫びつつ投下
58nac:2006/06/18(日) 02:13:39 ID:/WprpYnB
ダブルパロネタ「逢いたい気持ち、それぞれに」

冬の合宿、鶴屋さんの別荘で行われた、古泉主催の推理ゲームも無事終わり、俺たちは賑やかな夜を過ごしていた。
当然一番テンションが高いハルヒ。まあ今回の立役者だしな。鶴屋さんと同着だがその推理力は凄いと思う。
なんでその洞察力でSOS団の身の回りを見ないのかね?灯台下暗し?どうだろ。
もしかしたら既に気がついているのか。俺たちにそれを悟られないと隠して……なわけないか。
この非日常を切望してやまないハルヒが、「ここですよ」って言ってるのに入らないはずがない。
といって無いからなんでもかんでも作り出す(無自覚に)のも、なんだかね……

と夜のトランプゲームの合間にトイレに向かっていると、
「……」
ハルヒが窓の外を眺めてる、雰囲気からして憂鬱そうでも不機嫌そうでもない。
「どうした?なにか見つけたのか」
夏の孤島の時みたいに、変なもの生み出してないといいが、俺は嵐の中でのハルヒを思い出す。
あれはハルヒしか見てないし、幻覚かもしれないが用心に越したことは無い。
「キョン、あんた、あれどう思う?」
「あれ?俺には雪山にしか見えないが」
「そうよね、でも何かがひっかかるのよ、なんだろ?」
ハルヒには思うところがあるらしい。俺には、本当にただの雪山にしか見えない。
そうして二人で窓の外を眺めていると、お風呂上りなのだろう、長門と鶴屋さんが来た。
「あれれぇ?キョンくんにはるにゃん、どしたの?」
「鶴屋さん、実はこいつが、あの雪山を気にしていまして」
「ふぇぇぇ。はるにゃんよく気付いたね、あの山は雪崩が頻繁に起きてるんだよ」
「そうなんですか!?」
「うん、だからあそこには、もう人が住んでないさぁ!」
「もうってことは、昔は住んでいた人がいたわけね……」
ハルヒは暗い表情を見せた、恐らくその雪崩に巻き込まれた人のことを思っているのだろう。
そんな表情を感じ取ったのだろうか、鶴屋さんはにこっと笑いながら。
「みんな、あの山には面白い逸話があるのさぁ!」
といって、その昔、とても大きな雪崩が起きた時、如来様がその身を犠牲にして山の神様を呼び、
現れた山神様の力によって、雪崩が一瞬で止まり、村の人は無事に避難できた、というものだった。
「山神様ねぇ」
まぁ、こいつも秋に桜を咲かす神様なんだし、といっても意識的に止めた向こうの方が少し上かもしれないな。
「その山神様は、雪崩からみんなを守った後、どうなったの?」
ハルヒが訊く、確かに超常現象好きには堪らないネタだしな。
「んとね、村の人に避難しなさいって言い残して、山に帰っていったってきいてるにょ」
「じゃあ、もしかして今も……」
「いくらはるにゃんでもあそこには行かせられないな。危ないもん」
「あっ、ごめん鶴屋さん」
「まあ、そんな山の伝説を聞けただけでも、収穫じゃないか。お前の感じた違和感もきっとそれだろう」
「あのぉ、みなさぁん、お茶入りましたよぉぉ」
向こうで朝比奈さんが呼んでいる。ハルヒは元の笑顔に戻って
「うん!今行くわ!さぁゲームの再開よ。負けた人は当然罰ゲームね!」
「面白いねそれ、受けてたつよ!」
といって朝比奈さんに突貫していく二人、やれやれだ。
59nac:2006/06/18(日) 02:14:48 ID:/WprpYnB
しかし、ハルヒ以外にもそんな力を持っている存在なんて、と視線を落とすと長門が居た。
こいつなら雪崩の一つや二つ止めれなくないか?出来そうだな、なんたって宇宙的存在だし。
「出来ない」
はい!?なぜだ?
「私の能力では処理しきれないレベルの雪崩であったと推測される。教室クラスの物質操作に数秒掛かる
私の処理レベルでは、発生した雪崩を完全に停止させることは、不可能」
確かに、村を覆うくらいの雪の塊なんだ、ちょっとやそっとでは意味無いだろう。
……するとハルヒが言いかけたように、まだあの山には山神様と言う存在が居るんじゃないのか?
面白いじゃないか、あの長門が「不可能」と言い切ったことをやってのけた存在が居るなんて、空想のなかでも、魅力的だ。
「居ない」
長門が言い切った、おうロマンを打ち消すようなこと言い切らないでくれよ。
「そうじゃない」
どういうことだ?
「恐らく、雪崩を止めたのは、門番型自動石像式氷雪加重冷却粒子光線によるもの」
また適当に辞書引いて並べた単語で説明されても、俺には理解できない。えっとなんだっけ門番型……
「通則的に言えば、氷のレーザー」
凄く解りやすい。ありがとう長門さん、でも貴方石像とか言いませんでしたか?
「明治時代に設計された、自動石像の一種と思われる」
「その山神様がか?」
「そう」
「そいつは今どこに居るんだ?」
「今、索敵している、見つけた。五色町三丁目一の十一、吉永という家の門番をしている」
「神様クラスの力を持って、門番なんかしてんのかそいつは、随分謙虚な神様だ」
「もともと門番」
「……それもそうだったな」
しかし、その吉永って家の人も大変だろうな。なんてったって神様に守られてんだぜ。
きっと苦労してるに違いない、ん。なんで解るのかって。そりゃ簡単さ。

「俺たちも苦労してるもんな、なあ長門?」

長門は少しだけ頷き、しばらく窓の外を見ていた、やっぱり気になるのか?
長門はこちらを向きなおし、首肯した後に、一言だけ言った。
…………
60nac:2006/06/18(日) 02:16:12 ID:/WprpYnB

「ぶぅえっくしゅうん!!」
目の前の少女が咳をする。我の主だ。
「双葉、風邪か?」
「いや、きっとだれか噂してんだろうさ」
「双葉ちゃんは病気掛からないからね」
「さも、ありなん。元来なんとかとなんとかは風邪は引かぬからな」
「何とかってなんだぁぁっぁっぁぁっぁ」
どごっっぅっっぅっっぅ
「まあまあ双葉ちゃん、風邪引かないって良い事だよ、きっとね」
「ふん、兄貴が貧弱すぎんだよ、この、おかま!」
「おかまって言わないでよぉ」
瞬間、何かに絡めとられる様な感覚を覚える。
「……むぅ!!」
「???どうしたのガーくん?」
「今、誰かに我を探知されたような気配を感じたのだが」
「うーん、誰も居ないぞ、石っころ!」
「我の捕捉範囲外からのようだ、むぅ、このような存在が居るとは」
「まあ、いいんじゃねぇの。遠いんだろ?」
「いや、まあ、それはそうだが」
しかし、錬金術で出来た我に対抗できる存在か……



「会って見たい(ものだ)」



次回、ついに長門とガーくんの頂上決戦か!?「五色に咲く華、散り逝く花」お楽しみに!

♪あ〜い〜に、お〜いで、あいに、お〜いで、ここにいるぅぅよ〜

61nac:2006/06/18(日) 02:17:14 ID:/WprpYnB
勢いで作りました、後悔はしてません。あと続きません。マジです。すいません。
本当に許してください。コラボで自然にしかもハルヒに混ぜるにはこうするしかなかったんです。
出来心です、決して計画的犯行じゃありません。ネタは頭にありましたけど、ぐはっ。
次はちゃんと続きです。といっても 〜 I want to be here 〜 のですけどね。    nac

62名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:22:58 ID:HjZDtfqu
確かに、ハルヒに混ぜるにゃ諸事情により自然な作品だなあ…w
63名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:26:56 ID:wINV3lzk
        / /  ;;:|  // ;;!
        / /  ;::| / /  ;;|
       / /_, -‐' ̄`"ヽ、;;:;!
       / '´  k、__ `゙`ヽ {、
      /    `゙{´゙`ヽjソ;:,,; 〉
  /{  /   _   `゙ブ´ '´゙"`ー-、_
/  |  {    >`         ヾ、 `j 次回も見て下さいね・・・
   { /   '、__         _,-ヽ/ 
    V     /   -― '´ ̄´...::::/
  _人、_     ̄´ 、,,..,;:::;::;::::::::: /
 {{,/  ``ヽ=、、_    ゙`';:;r'"´¨´
  /       ```ー=--!、
/            /-=ゝ
             ヽ、_,〉ソ
64名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:30:31 ID:ijSRDzbW
>>61
むぅ。nacよ、少しは後悔したほうがよいのではないか?(c.v. 若本)
65名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:35:34 ID:9+8ng7k0
nacは相変わらず萌えるな
66名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:36:47 ID:YHUxJsND
エロパロ板なんだからエロもパロもどんとこいなんだが
濃いめのエロの直後にクロスのコメディというのは
シュールでは、ある
67nac:2006/06/18(日) 02:40:49 ID:/WprpYnB
>>64
えと、すいません若本さん。
でも自分が見てる放映中アニメで、マッチしそうなのって
ガーゴイルかホストくらいで、しかもホストは誰か書きそうな流れだったので
(自分はハルヒ繋がりで向こうのハルヒがこっちに来るって話ですけどね) nac
68名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:54:04 ID:0uypbcPY
クロスオーバーはマジ勘弁。
寒いって。吉永さんもハルヒも好きだから余計寒い…。
69名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 03:06:49 ID:wFtK/Z/e
ここで黒みくるSS『朝比奈みくるの絶望』の続き希望といってみる
70名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 03:09:15 ID:H5Mf2Wxk
埋めリレーで自分以外誰も乗ってくれず恥を晒すよりずっといいです。
71名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 03:39:41 ID:Az019pp3
クロスオーバーは流石に厳しいな。
クロスしてる作品も知ってなくちゃ十分に読めないし、よほど上手くないと寒いし…。
最低限テンプレにあるように、谷川流作品じゃないとスレ違いとしか言えない。
72名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 03:39:50 ID:mpcrXER3
>>70
止めてトラウマ止めて
7311-16:2006/06/18(日) 03:52:10 ID:dUoLxxVT
キョン以外の視点を練習。2つめ。2回目で既に人じゃなくなってる。
またいろいろ指摘してもらえるとウレシス。
74我輩は猫である:2006/06/18(日) 03:52:45 ID:dUoLxxVT
我輩は猫である。名前はもうある。シャミセン。いつしかそう呼ばれている。
昔は別の名で呼ばれていた記憶もあるのだが。
そもそも、私にとって名前という概念は理解し難いものである。
何故、人という生き物は……。まぁ、いい。ここで語っても仕方の無いことであろう。

今日は珍しく、私の安眠を妨害するあの童女は部屋に飛び込んでこなかった。
私が寝床にしている部屋の主の話では、体調が優れないとのこと。
折角なのでもう一眠りしようかと思ったが、さっぱり眠れない。
毎日この時間に起こされていたからだろうか。習慣とは恐ろしいものだ。

しかし、これではいささか暇だ。猫から眠る事を奪うと何が残るというのか。
……仕方ない。長兄のやっかいになろう。
洗面所で忙しく動く長兄を横目で見ながら、スポーツバッグの中に入らせてもらうことにした。

揺られること一刻。学校に着いたらしい。
スポーツバッグから顔を出し、覗いてみる。

「げっ! シャミ、何やってんだよ!」

長兄が非難の声を上げる。

「……ったく。おとなしくしてろよ。いいな?」

にゃあ、と返事を返しておく。

「あら、シャミセンじゃない。どうしたのよ?」
「知らん。勝手に付いてきたんだ」

ほれほれ、とシャーペンを目の前で回す少女。仕方が無いので手を出してやる。嬉しそうだ。
私はこの少女が少し苦手である。理由は無いが、なんとなくあまり近づかないほうがいい気がするのだ。

程なくして、睡魔に襲われる。一眠りしよう。長兄はせっせと紙に何かを書いていて退屈だ。
75我輩は猫である:2006/06/18(日) 03:53:23 ID:dUoLxxVT





……いい匂いがする。なんだろう。
芳しい匂いに目を覚ます。


「うお、なんだこの猫」
「ウチの猫だ。なんか知らんが学校に来たかったらしい」
「映画の時にいたよね。キョンが飼う事にしたんだ」

長兄が友人達と昼食をつつきあっていた。

「ほら、食うか?」

と言いながら、友人の1人が唐揚げの骨を目の前に持ってくる。
私は犬では無い。食べるわけなかろう。

「駄目だよ谷口。こっちじゃないと」

今度はもう1人が梅干を差し出す。……なぜ梅干なのだ。理解できない。

「あんま、変なもんやるなよ。ただでさえ最近太り気味なのに」
「猫なんか食っちゃ寝食っちゃ寝だろうからな。ほれ、もっと太れ」
「コロコロしてるほうがかわいいよね」

そう言いながら骨と梅干を目の前でグルグル回す2人。……付き合ってられん。

スルリとスポーツバッグから抜け出し、眠気覚ましの散歩をする事にする。
しばらく廊下を歩いていると見知った顔に出会った。

「おや? シャミセン氏じゃないですか」

そう言いながら、ヒョイと私を抱き上げる。

「いつぞやはお世話になりました。お陰で涼宮さんにも満足してもらえましたよ」

喉を撫でられる。ゴロゴロと鳴らして答えてやる。

「それでは、僕は行くところがあるのでこれで失礼します」

そっと降ろして、立ち去る少年。……謎の多い男だ。嫌いでは無いのだが。

76我輩は猫である:2006/06/18(日) 03:54:08 ID:dUoLxxVT
強い匂いがする方へフラフラと向かう。多くの人間達がガヤガヤと騒ぎながら食事している。
ところ狭しと座る人間達だが、ある場所だけぽっかりと空いた空間があった。
その中心にはすごい勢いで食べまくる少女の姿。……彼女か。

「ん、シャミセンじゃない。どうしたの?」

むしゃむしゃと食べながらこちらを見る少女。

「食べる? 猫って蕎麦食べれたっけ」

そう言いながら蕎麦を箸で挟み、プラプラと揺らす。……食べたことは無い。
とりあえず蕎麦に向かってパンチを繰り出しておこう。

「あっ! ちょっと、何すんのよ! 食べ物を粗末にしちゃ駄目じゃない」

全く、キョンはどんな躾してんのよ。 と言いながら食べ続ける少女。いい食べっぷりだ。
暫く眺めることにする。……長兄が好意を寄せているであろう人間。
そして、この少女も恐らく長兄に好意を寄せている。
……伊達に長生きはしていない。それぐらいわかるようにもなるさ。

私としてはこの少女が我が家に入り浸るようになるのはご免被りたいのだが。
色々と不都合が起きそうだ。

いつの間にか完食していた少女は じゃあね、シャミセン と言い残して走り去っていった。
……まったく。忙しい人間だ。
私もそろそろ長兄の下へ帰ろうか。一伸びして、机の上から飛び降りる。


……どうしたものか。迷ってしまった。ずっと続く通路に同じような部屋ばかり。
これでは迷うのも致し方ないであろう。
しばらくウロウロしていると、聞きなれた声で私を呼ぶ者が居た。
77我輩は猫である:2006/06/18(日) 03:54:43 ID:dUoLxxVT

「あっ、猫さん!」

声の主のところへ行く。

「お? キョン君とこの猫ちゃんじゃないかっ! どうしたんだい?」

明るい声と笑顔を振りまきながら頭を撫でる髪の長い少女。
それを微笑みながら眺める、幼い顔をした少女。

「シャミも食べるかいっ?」

そう言って対面に座る少女の弁当から鮭の切り身を取って目の前にぶら下げる。
折角だ。頂こうではないか。

「ふふ、おいしいですか?」
「全男子が涙を流して欲しがる、みくるの手作り弁当だよっ! 味わって食べなっ」

うむ。美味い。これはいいものだ。

「さぁってと。弁当も食べたし、腹ごなしの散歩でもするかねっ」

そう言って、パパっと弁当を片付け始める。

「ほら、みくるも行くよっ!」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよぅ。猫さんも来ますか?」

どうせ暇なのだ。ご同伴に預かろう。


しばらく歩いて芝生が広がる場所に出た。中庭と呼ばれる場所のようだ。

「んーっ。気持ちいいねぇ。日向ぼっこには最高の場所だっ」

芝生に倒れこむ少女。もう1人の少女もふふ、と微笑みながら腰を下ろす。
私も同じように寝転ぶ。……気持ちいい。幸せなひと時だ。
78我輩は猫である:2006/06/18(日) 03:55:19 ID:dUoLxxVT

……ん?
ふと、背中に視線を感じて振り返る。
大きな建物の窓の一つから、ショートカットの少女がこちらを見ている。
……ふむ、彼女か。

2人の少女に、にゃあ と別れの言葉を掛けて彼女がいた部屋へ向かう。
彼女からは何かただならぬ雰囲気を感じる。
上手く言語化出来ないが、何か長兄やその友人達とは違う何かが……。

そんなことを考えながら部屋の前に辿り着く。ドアは閉まっている。どうしたものか。
すると、まるで私が来ることを分かってたかのように開く扉。

「……」

無言で私を見下ろす少女。
暫く興味無さそうにそうしていたが、私のように足音を立てずに部屋の隅へ歩いていくと
パイプ椅子に座り、本を読み始めた。

私は大体の人間の考えは読めるのだが、彼女だけはさっぱりわからん。
一体なんなんだろうか。ただ者では無いと思うのだが。

「私は、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」

いきなり喋り始めた。本に目を落としたまま。……この部屋には私と彼女しかいない。
恐らく私に言っているのだろう。

「あなたは、人間の言う事を理解している」

そう言うとまた黙りこくって本を読み続ける。彼女が何を言っているのかさっぱりだが、まぁいい。
不思議な少女。それで十分だ。

大きなあくびを一つ。いい感じに眠たくなってきた。一眠りしよう。
定期的に聞こえる、ページを捲る音を聞きながら私は眠りについた。
79我輩は猫である:2006/06/18(日) 03:55:59 ID:dUoLxxVT


尻尾に何かが当たる感触で目を覚ます。目の前には妙な服を着た少女がいた。

「うふふ、起きちゃいました?」

微笑みながら背中を撫でられる。うむ、気持ちいい。
しばらくその快楽に身を委ねていると軽いノックの後、扉が開く。

「やっぱりここにいましたか」

そう言いながら白い袋をガサガサと音を立てて中から何かを取り出す。
……出てきたのは猫缶だ。

「わぁ、どうしたんですかそれ?」
「僕、昼食はいつも弁当屋まで買いに行ってまして。そのついでにスーパーに寄って買ったんですよ」

プシュと音を立てて開かれる猫缶。いい匂いが漂ってくる。
小さな皿に盛り付けて、鼻先に差し出す少年。

「どうぞ」

勢いよく食べる。これは美味い。
鮭の切り身も中々の物だったが、やはり猫用に味付けしてあるものには叶わない。

私を微笑みながら眺める2人。……いや、3人。
端っこに居たショートカットの少女もこちらを無表情で眺めていた。……まったく気配を感じなかった。

暫く、思わぬ収穫を味わっていると勢いよく扉が開く。

「やっほー! 遅くなってご、め……ん」

あの少女だ。しかし、語尾が段々弱くなる。

「何、固まってんだハルヒ。さっさと入れ」

少女の背中を押して部屋に入ってくる長兄。部屋の中の1人を見て、その顔は驚愕に変わる。

「あ、朝比奈さん、その髪型……」
「うふ、似合いますか?」

そういえば、昼にあった時と髪型が変わっているな。長い髪の毛を後頭部の辺りで束ねている。

「もう、最っ高ですよ! 似合いまくりです!」
「そんなに褒められると照れますよぉ」

長兄よ。後ろにいる少女に気づいてあげたらどうだろうか。
ものすごい顔で睨んでいるのだが。

「なぁハルヒ。すごい似合ってるよな?」
「……そうね」

……長兄よ。いや、もう何も言うまい。
これはもう駄目かもわからんね。 そう思いながら端っこで本を読んでいた少女の膝に飛び乗る。
暫くここで寝かせてもらおう。これ以上、長兄の滑稽な姿を見るのも忍びない。
80我輩は猫である:2006/06/18(日) 03:57:01 ID:dUoLxxVT


パタン、と本を閉じる音で目が覚める。それぞれ帰る準備をし始めているようだ。
長兄のスポーツバッグの中に潜り込む。……おや? あの少女の姿が見えないな。

「涼宮さん、どうしたんでしょうね。いきなり帰る、だなんて」
「さぁ。あいつが訳分かんないのはいつもの事ですから。……なんだよ古泉」
「いえ、何も」

ククク……と噛み殺したような笑い声。彼も気づいてるようだ。



「僕の仕事が増えなければいいんですがね」

帰り道。彼が長兄に話しかける。

「またあの空間が出るってのか? 何で?」
「さて、どうしてでしょうね」
「……楽しそうだな、おい」
「複雑な気持ちです。微笑ましくもありますが、少し呆れてもいますね」
「お前の言う事はさっぱりわからん」

肩をすくめながら微笑む。分かる。分かるぞ少年。


3人と別れ、家に向かって歩く長兄。

「ったく。もう付いてくんなよ?」

そう言いながら、バッグから出してる私の頭をコツンと叩く。
言われなくてもそうするさ。やはりあのベッドが恋しい。


「……にしてもハルヒのやつ、なんだったんだろうな。いつにも増して不機嫌だったけど」

空を仰ぎながらこんなことを言う長兄。もう言葉も無い。



「やれやれ」
「んなっ……お前……!?」

驚き顔の長兄を尻目に、スポーツバッグから飛び出して
私は家に向かって走った。
8111-16:2006/06/18(日) 04:00:13 ID:dUoLxxVT
終了。やっぱり難しい。どういう文体で書けばいいかいまいちわかんなかった。

ファイル名「諭吉」で保存してたのは内緒。
82名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 04:13:05 ID:Jvf728sM
漱石じゃねえのかよ!
83名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 04:28:27 ID:H5Mf2Wxk
古泉=弁当屋にほくそ笑む今日この頃。
84NKS:2006/06/18(日) 04:37:32 ID:nhKv0YHb
投下します。
しかしこの話、えらく長くなりそうな気が……
85憂鬱小学校2:2006/06/18(日) 04:38:39 ID:nhKv0YHb





 たとえば壁。
 恐ろしい勢いで迫る壁。
 世界の物理法則の前じゃ人間なんて脆いもんだと心底納得させるソレ。
 つまり限界ってヤツはそんなもん。
 夢の中でそう囁かれた気がした――





86憂鬱小学校2:2006/06/18(日) 04:39:15 ID:nhKv0YHb

今日も日常は続く。
授業は常に地獄行き。
しかも俺専用である。
なんせ当てるたびにアヒル顔で俺を睨むハルヒや、なにかと俺に懐く妹や、鶴屋さんの揺れる髪を無心に引っかいてるシャミセン、
邪気のない顔でぐさりと心に突き刺さる指摘をする朝倉、思わず顔をうずめたくなるほど豊満な朝比奈さんの胸、
余人には理解できないコンタクトを取っているらしい長門と喜緑、唯一普通に授業を受けているせいで逆に目立っているミヨキチ、
そのメイド服だけで日常のすべて破壊している森さんなどを相手にした授業である。
今こうして二本の足で立ってるだけでも褒めて欲しいってものだ。

精も根も尽き果てた新兵か、南国の下の吸血鬼のようにふらふらしながら、俺は校長室の扉をくぐる。
天使と聖母を足して割らない笑顔で出迎えてくれた校長先生が、そこにいた。

「どうですか、調子は」

もう限界です、勘弁してください、リトルリーグから大リーグに直通で連行された気分です……
素直にそう言う代わりに、俺は朗らかそのものの顔をする。

「特に問題ありません、順調極そのものですよ!」

……この脊髄反射に答えてしまう神経が恨めしい。

「そうですか?」
「ええ!」

誰かこの口を止めてくれ、そして給料値上げ交渉にまで持って行ける精神力を俺にくれ。
せめて次の休みの予定を聞けるぐらいの図々しさが欲しい。

「娘から、あなたが疲れているようだと聞いたのですが……」
「なにを言ってるのですか。初めてのことですから慣れていないだけですとも!」

朝比奈校長の表情が曇ることは、天岩戸が閉じる以上の一大事だ。
たとえ胃が荒れ、自律神経が狂い、睡眠不足に陥り、ときおり背後から襲い来る朝倉の言動に怯えていたとしても、退却するわけに

はいかない。
男なら、退いてはならない時がある。

「ああ、それはよかったです。これからもガンバってくださいね?」
「はい!」

たとえ報酬が、輝くようなこの笑顔だけだとしても。

87憂鬱小学校2:2006/06/18(日) 04:39:54 ID:nhKv0YHb

「とは言え、どうしたもんかね、これは」

職員室に戻った俺は、腕組みをして考える。
朝比奈校長にああ言った手前、対策を考えねばならないだろう。
俺としても、これ以上追い詰められるのは勘弁して欲しい。
うちのクラスには、大雑把に分類して三つのグループがある。
ひとつは家の妹を中心とした『転校生グループ』。
これには妹、ミヨキチ、それとなぜかシャミセンがセットになっている。
このグループは悪気がないわりに俺に迷惑を掛けると言う特色がある。
もうひとつは『涼宮グループ』。
どういうわけなのか、涼宮ハルヒと長門有希と朝比奈みくるさんが組んでいる。
このグループは、俺と敵対、とまでは言わないまでも無視に近い立場にある。
最後は『知的短刀グループ』。
朝倉、喜緑、森さんの三人だ。
なぜこの名前かと言うと、三人とも大人しい顔してナイフのように鋭く、グサリと来る指摘を俺にしてくれるからだ。
頭がよく、一見優等生だからこそ手におえない。
ちなみに言った順からナイフを刺す回数が多く、威力は逆の方がより高い。
そしてこの三グループの間を飛び回っているのが鶴屋さん、という構成だ。

「はぁ……」
「なにやらお悩みのようですね」
「ああ、古泉か」

この三日で、先生付けを止める程度には親しくなった同僚だ。
ちなみに深めたのは友情であって、他の要素は一切ない。
あいも変わらず接近を試みようとする古泉を敬して遠ざけ、どうしたものかと思いを巡らす。

「実は……いや、相談するようなことでも別にないか」

なにせ個性と厄介が固まって錬金術でも起こしたようなクラスだ。
相談事の一つで上手く行くとは思えない。

「そうですか? ですが、とりあえず口に出してみてはいかがです」
「ん?」
「よく聞く言葉ではありますが、誰かに話すだけでも違うものです。なによりも、一人で悩むより、その方がより建設的ではありま

せんか?」
「まあ、そうかもな……」

とは言え、これで突破口が開けるとも思えんのだが……
88憂鬱小学校2:2006/06/18(日) 04:40:32 ID:nhKv0YHb
つまびらかに我がクラスの事情を話し終えた後、古泉は難しい顔をした。
当たり前だが、こんなの即座に解決策を思いつくはずが無い。
それができればこの世の人間関係にまつわるあらゆる問題は消え去っていることだろう。

「……とりあえず、各個撃破、というのはどうでしょう?」

人差し指を立てそう言ったのは、しばらくしてからだった。

「というと?」
「つまり、全体を一度に変えるのではなく、一人一人の事情を理解し、そこから変えて行こうという案です。
三つに分かれたグループを変えることは難しそうですが、一人一人を変えてゆくことはあまり難しくないのではありませんか?
まして、あなたのクラスは明確な『リーダー』がいないようです。改善策として、これ以外には無いように思えますが」
「なるほど、確かにそれは理想だが……」
「ええ、この案の欠点は、それほどまでの信頼関係を築けるかどうか、です」
「それにずいぶん時間がかかりそうだな」

それまで俺の胃が持ちそうも無い。
一考の余地はあるが、即効性は低いな。

「なあ、古泉」
「なんですか?」

ふと思いついた。
なかなか素敵なアイディアだ。
なぜいままで気がつかなかったんだろう。盲点だ。

「こんな案はどうだ?」

だが、俺の素敵改善案を、あろうことか古泉はあっさりと拒否した。
いつもの笑顔で、

「死んでもごめんです」

とさらりと言う。
だが、ここで引くわけにはいかない。
男には、引いてはいけない戦いがある。というかマジで頼む。これが最上の策だ。
俺は断腸の思いで、土下座する勢いで懇願した。

「じゃあ、代わりになんでも一つ古泉の言うこと聞いてやる、だから頼む!」
「……」

言った俺が意外なくらい、古泉は葛藤した。
めったに寄らない眉間の皺が、悩みの深刻さを物語る。
おいおい?

「いえ……非常に、そう、非常に魅力的な提案なのですが、ここは拒否しておきましょう」
「やっぱり駄目か……」
「ええ、申し訳ありません。では、次の授業がありますので」

言って古泉は爽やかに逃げた。
幻の血涙が見えた気がしたのは、もちろん幻だから気のせいだろう。
俺も準備を整えながら、心の中で舌打ちした。

――ちなみに、俺がした提案とは「何人かの生徒をトレードしないか?」という実に妥当で的確な案である。
畜生め。

89憂鬱小学校2:2006/06/18(日) 04:41:15 ID:nhKv0YHb

結局、なんのアイディアも出ずに授業だけが終る。
今日も今日とて敗残兵。
疲れた体に夕日が染みる。
放課後のちょっとばかり郷愁に満ちた廊下に背を預け、俺はぼうっと立ち尽くす。
こんな時、煙草でも吸っていればさまになるんだろうが、あいにく俺は禁煙家。
というかそんなことをしてたら、アイツが煙の弊害について論文が出せる量の文句を言われ、さらには罰金と罰則を言い渡され、『

二度と吸いません』の宣誓書を書かされるに相違ない。
それを振り切ってまで吸う意思は、俺には無い。
まあ、金もかかるしね。
…………ハテ?
ところでいま俺が考えた『アイツ』って、誰のことだ?
そんな口やかましいこと言うやつっていたか?
妹とかミヨキチじゃないよな。
谷口とか国木田とかも違う。
誰だ?
なにか、こう、曖昧な輪郭みたいのはあるんだが……
考える俺の目の端に、ここ最近見慣れたシルエットが映る。

「おお?」

意識のピントが合った気がした。
そうだよ、たしかこんなヤツだ。
廊下をキイキイ悲鳴を上げさせ、偉そうに歩いて来るのは、我がクラスの問題児、涼宮ハルヒ様である。
春風の香る季節なんて、こいつの精神には一ミリグラムも影響を与えていないみたいで、実に不機嫌そうな表情だった。
ハルヒは俺の方を一瞥し、

「ふん!」

なんて実際に声に出して通り過ぎようとする。
小さな肩をいからせずんずん歩く様子はふてぶてしさの権化、
小学生の若い身空で、人生の何がそこまで気に入らないのか聞いてみたいもんだ。

「よ」

無視。
軽く上げた俺の手も軽くスルーされている。

「曜日で髪型変えるのは、なんかの願掛けか?」

足が止まる。
ハルヒが勢い振り返る。
そして、長年追い求めていた親の敵か実は生き別れた肉親でしたみたいな目で睨まれた。
いや、これじゃよく分からんな。
それだけ色んなものを含んだ睨みだった、ってことだ。
つかつかと近寄り、近距離で、つまりは真下から俺を見る。
90憂鬱小学校2:2006/06/18(日) 04:42:43 ID:nhKv0YHb
「す、涼宮?」
「あんた……」

先生をあんた呼ばわりするなという言葉が浮かんだが、
初めてハルヒの方から俺に話しかけるという事態にちょっとばかり戸惑い、

「あんた、どっかで会ったことあるでしょ、それもけっこう最近」
「は?」

そんな鋭くも意味不明な言葉を受け取る。
こいつは将来は美人になるな、などと他愛も無い予想をしつつ、涼宮の呟きを耳にする。

「……それに似た言葉をどっかで聞いたことがあるのよ、絶対に」
「待て待て、俺は三日前ここに引っ越してきたばかりだ。涼宮は生まれも育ちもここだろ? 物理的にありえないだろうが」
「知らないわよそんなこと! 聞いたことがあるったらあるのよ!」

地団駄を踏むな。板がきしんでるだろうが。

「んなこと言われても困る。本当に覚えが無い」
「なによ!」
「ぐえ!」

ネクタイを絞めるなネクタイを!

「あたしがあるって言ってるの! これ以上確かなことがどこにあるっていうのよ!」

甲高い声でわめくな苦しいキツイ気道が塞がれる喉仏が潰れるっていうか息が!

「ちょっと、聞いてるの、キョン!」

さらに力強く!?

「コラ! キョン!! あんたの耳は飾り? 聞いてますかー!!」
「止めろ! これ以上はマジに死ぬだろ!」
「わ!?」

強引に振り払う。
大人気ないと言うな、体罰だとか言うな。
本気で天に召されそうそうだったんだ。
たとえ天国が朝比奈校長が出迎えてくれる場所だとしても、俺はまだ行きたくない。
俺は咳き込み、喉をさすり、ムッツリ顔のハルヒを見る。

「とにかく、俺は知らんぞ。誰か別の人間と勘違いしてるんじゃないか?」
「……」

あと、そのアヒル口は止めてくれ。
知らないものは知らないし、無い袖は振れないんだぞ、ハルヒ。

「ふん!」

謝罪も弁明もなしに、ハルヒはズンズンと歩き出す。
だが、心なしかその足取りは、先ほどより軽いもののように見えた。

「はぁ」

ため息をつく。
本当に意味不明だ、涼宮ハルヒ。
91憂鬱小学校2:2006/06/18(日) 04:43:46 ID:nhKv0YHb
……これがきっかけだった。
まあ、後にして思えば、って話なんだが、
ここより涼宮ハルヒが動き出す。
理由は俺にもよく分からん。
そして動いて良かったのか悪かったのか、それも不明だ。


次の日の朝早く、あの長かった髪をばっさりと切ってハルヒは現れた。
どこか晴れ晴れとした表情だ。
驚く暇もあればこそ、

「ちょっとキョン、来なさい」

俺を引きずり、職員室横の使ってない教室に連れ込まれる。
体格差をものともしない牽引力はさすがだが、まだホームルームも始まらないこんな時間からに待ち伏せか?
暇だなぁハルヒ。俺は眠くてまだ瞼が開ききってないぜ……
って、ちょっと待った!
覚醒しろ!
目を覚ませ俺!
色々ツッコミたいところがあるがまずは、

「涼宮、その呼び方はなんだ?」
「なに、なんか間違えてた? キョンじゃなくてジョンだったっけ?」
「そうじゃない。確かに俺のあだ名は昔っから不本意にもキョンだが、せめて後ろに先生ぐらい付けろ」

他の面々はそうしてる。
ただでさえがけっぷちな尊厳だ、これぐらいは死守させてもらう。

「なーんかイメージじゃないのよね、それ。却下」
「イメージとかそういう問題じゃないだろうが、お前には先生に対する尊敬とか感謝の念が――」
「無い」

はい、そうでしょうね。聞いた俺が馬鹿だった。

「やれやれ……」
「それに妹ちゃんだって呼び捨てじゃない、あたしがあんたを『先生』って呼ぶなんて、考えただけで怖気が走るわ」
「あいつは身内だ、それに怖気もなにも、実際、お前は俺の生徒だろうが」
「ハッ、キョンを先生付けで呼ぶなんて、まるでナメクジに尊称をつけるような気色悪さだわ。似合わないことおびただしいのよ。
そこに実体が伴っていない以上、尊敬も感謝も発生しないわ。もしあたしに先生呼ばわりされたかったら、ノーベル賞の一ダースは最低でも持ってくることね」

よく回る口だな、おい。
もはやため息すらでないぜ。
というかお前の辞書に低血圧とか朝に弱いって文字は乗ってないのか?

「まあ、いい。涼宮の素行不良は今に始まったことじゃないもんな……」
「なによっ――」
「で、何の用事なんだ?」

というかなんで髪の毛切ったんだ? その髪じゃポニーテールができないじゃないか、という言葉は飲み込む。
まだ頭がはっきりしてないんだ、手短に頼むぜ、おい。

「それよそれ!」

ハルヒは小さな体をフル活用し、むやみやたらと強烈な恒星核融合並の笑顔でのたまった。

「あんたにSOS団の顧問を命じるわ、ありがたく思いなさい!」

うわーお。
92NKS:2006/06/18(日) 04:52:45 ID:nhKv0YHb
最初の方、右端で折り返すのチェック外すの忘れてた……orz
93名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 04:55:38 ID:vUkaPaIm
>>61
クロスオーバーはよほど上手い人じゃないと引かれるだけだと言ったのに・・・
身の程をわきまえるのって大事だぞ
あなたそこそこ萌えられる話書いてたのになあ
94210:2006/06/18(日) 05:11:09 ID:nmQx697f
前スレ、前々スレのtxtうp野郎です。もう一度言っておくとあくまで自己満足です。
話が破綻してるとか、設定の細かいツッコミはやめて…。泣いてしまうかも知らん。
一応話は終わらせました。否否一論あると思いますが投下。

最重要注意事項:エロなし

ttp://ccfa.info/cgi-bin/up/src/up30202.txt

四章は書いてて頭痛くなりました。はっきり言って破綻だらけだと思いますが雰囲気
だけでもどうぞ。やっぱ文章書くのって難しい…。かなり表現に乏しいですね。
本読んでないからだろうな。痛感しました。
95名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 05:14:32 ID:dJVEFxd0
>>81
面白かったよー。
もっと違和感あるかと思ったけどすんなり読めたし。
なによりシャミセン、というかねこさん可愛いでしw
96名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 05:36:18 ID:dJVEFxd0
>>94
俺は前回「さっぱりわからない」とレスした者です。
ツッコミ無用ということなので、一言だけね。

お疲れさま、ナイスガッツ
ちゃんと終わらせる大変さは自分も知ってるつもり。偉い。
97名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 05:37:39 ID:qM0TXSAs
>>94
長い。ツマラソ。うpすんのやめれ。そして半年ROMれ。以上。
98名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 06:06:02 ID:LEZJFzdf
>>94
これだけ書き上げるのは凄いと思うが、やや意味不明。
テキストだと読みにくいから、スタイルシートで行間を軽く開けたHTMLでうpしてもいいと思うけど。

しかし、それなりに長い話になるんだから、それなりに伏線をいくつか仕込んでおいたほうがいいと思う。
なんだか御都合主義っぽく感じられた。
誰がどのような目的と理由で何を行おうとしているのかという点が、よくわからない。
説明つけようとしてる割に説明が不足していて、ぐだぐだ。結局鶴屋さんはなんだったんだ。

でもまぁ、文章はおかしいとは思わないし、これだけの長さを書き上げるのは凄いよ。
99名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 06:35:27 ID:NV5nEZnq
>>93
作者さん本人も最初に「本来は埋めネタ」って書いてるじゃん。>>57
1007-695:2006/06/18(日) 06:42:21 ID:rDyMs/81
久しぶりに来て見たら雰囲気に驚いた…。忙しいと言ったのだが呼ぶ声があったので独占欲の続きを。
エロ3シーン+他キャラ一名飛ばし可能にしてるので長いです。9辺りまでありほぼ終わってます。
突っ込みは全部読んだ後に出来ればお願いしたい。伏線は多いです。それにしてもスレ進むの早いな。
101名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 06:42:42 ID:iypyfM85
前スレの742から書き込ませてもらっている「がんばれキョン」の続きを投下します。
102名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 06:43:24 ID:rDyMs/81
               涼宮ハルヒの独占欲 b
1,
 
 「おまえも一緒に来るんだ」
このまま一人で行ってもハルヒは俺を家に上げないだろう。
長門はさっき言っていた、今は親がいないと。そう、あいつはそんな軽い女じゃない。
 「…」
 「なあ、頼むよ。俺一人行ったとしても上がらせて貰えないだろうし、
  おまえが一緒なら案外上手くいくんじゃないかと思うんだ」
同姓が一緒なら向こうも安心な筈だ。このまま一人で行ってハルヒが
歓迎してくれたとしてもこれからするだろう事に戸惑う俺は場を持たす事などきっと出来ない。
 「わかった」
ほっと一息。俺の心中を汲んでくれたのか了承してくれた。
長門は先の事を熟考しているのかじっとインターホンを見つめている。…待つ。
 「私に任せて」
「うおっ」
その声と共に容赦なくボタンが押された。ちょ、ちょっと。
 「説明くらいしてくれっ」
 「大丈夫。私に任せていればいい」
そりゃ俺だって長門の事は信頼している。でもここまで不安になった事などないのだ。
身を震わせ慄然しながら声がするであろうインターホンの反応を待つ。…ここからが正念場だ。
…おかしい中々反応がない、って!? ピンポンの音の嵐が静かな住宅街に響く。
 「長門! 何連打してるんだ!?」
これじゃまるで子供の悪戯だ。
 「彼女は寝ている」
 「…あ? そうか解るのか」
長門には中でハルヒがどういう状況なのか手に取るように解るのだろう。
そういう奴だったよ、おまえは。
1037-695:2006/06/18(日) 06:44:51 ID:rDyMs/81
すまない先に終わらせます
1047-695:2006/06/18(日) 06:46:25 ID:rDyMs/81
 「来る」
 「え?」
呼び鈴とドアを交互に見る。どっちだ。…来ないぞ。
 「上」
言われ上を見ると窓枠に手を乗せたハルヒがこちらを驚いた顔で見ていた。
予想外なその登場に、呆然とその姿を見てしまう。
 「あんた達、何してんの」
寝ていたのは確かなようだ。少し寝癖のついたその髪。
そして制服のままであった。
 「な、何してるのかって、」
理由付けなど考える暇などなかった。どう答えるべきか俺が狼狽していると
 「遊びに来た」
長門がストレートに答えていた。ああこれなら尤もらしいんじゃないか。
向こうにしては突然だろうけども。
 「えっ? 遊びに来た…って、珍しいわね」
ハルヒは自身の体重をかけるように両腕を窓枠に載せ首に手を当て
こちらを訝しんでいた。当然だ。
ハルヒと長門が連絡もなしに突然俺の家へ遊びに来るなんて事があったら俺も
似たような反応を返すだろう。思いもつかないな。有り得ない。
 「この人が明日の事で話したいことがあると」
 「…え゙っ! あっ、そ、そーなん、だ。…ふ〜ん。
  わかったわ待っててっ」
長門の言う言葉に途端ハルヒの態度が豹変した。
ハルヒがたてているだろうその階段を駆け下りる音を聞きながら待つ。
 「お待たせっ! 中入っていいわよ」
ドアを開き荒い息を吐きながら出てきた。
急展開…ここまで自然に事を運ばせるなんて、長門。
やはりおまえに任せるのは正解だったようだ。

俺と長門はそのまま中に入り妙に機嫌のいいハルヒに部屋に案内され、
しばらく待っているように言われた。綺麗な部屋だ。
テーブルを挟んだ前には長門が静かに佇む。妙な雰囲気が流れ何も話せない。
ようするに長門は機嫌が悪そうだったのだ。解りやすいなこっちの長門は。
む、むむ。
1057-695:2006/06/18(日) 06:48:37 ID:rDyMs/81
 「落ち着いて。座っているだけでいい」
苦い顔をしているのを見たのか、長門はそう言った。
落ち着くのは無理だ、だが座っているなら出来る。もっと座る。
 「すまんな」
今の俺はとても情けなく見えるんではないだろうか。
それにしてもハルヒの奴遅い。いったい何をしているというのだ。
待ちくたびれ部屋を見渡す。濃い茶色のフローリング、
生地の薄い絨毯、そしてその上にある小さめのテーブル、
壁に掛かったシンプルな小さい時計。
長門の後ろに高そうな本棚、コ○ルト文庫という文字が見える。
案外乙女チックな所あるじゃないか、まあ量は余りないみたいだが。
後は俺の後ろには、大きめなベッド…かッ!?
 「何か…怒ってないか? 長門」
振り向きすぐに聞く。強い視線を感じたのだ。
 「べつに」
 「い、テレビはないんだな。この部屋」
やはり怒ってるのが解る。そんな微妙な眉の吊り上げ方は
向こうの‘長門’はしないから。レアなもんが見れたと
関心を抱いていると鼻腔をくすぐる食べ物の匂いに気づいた。
 「食いもんの匂いがする」
 「下で料理中」
我が耳を疑う。あいつが料理だと?
 「それは俺達に食わせるために作ってるん…だよな」
 「……今迄見たこと無いほど真面目な顔をして作っている」
 「そ、そうか」
そう答える長門に恐ろしいものを感じた。
 『できたわっ! か、完璧!』
 「うお」
一階を通し二階のこの部屋までハルヒの声が轟いた。
最後の台詞が気になる。ど、どんな基準なのだろうか。 
階段をとすとすと登る音がする。ついに来たようだ。
二階のフローリングを歩む音が続きドアの前で止まった。

 「キョン! 開けなさい!」
 「え? ああ、待ってろ」
両手が塞がっているのかもしれない。
一度床に置けばいいのにとは言わないでおく。
正直言うと少し嬉しかったからだ。あいつが料理ねえ…。
ドアを開けるとトレイを持つハルヒが。見ているとにんまり
こちらへ微笑んだと思ったらさっさかと進みテーブルにブツを並べていった。
いったいどんなもんを食わせられるんだ?
 「気になる? ふふ、見てなさい」
そりゃそうだ。お前の料理だぞ。どんなもん食わせられるのか恐怖とほんの少しの
期待でいてもたってもいられん。皿の上には紙が被せられ頂を作り上げており
何かがそこにあるのは見て解った。得体の知れない怖さが募り俺は見ていろと
言われたが我慢できずその紙を手に取り
 「チェキラッ!」
その姿を暴いた。
 「あっ。コラ!」
…まず目に入ったのはその三角形。色は白いがそれを挟むように様々な色彩、
多量の緑黄野菜が混入され見た目麗しい食欲を掻き立てる旨そうな、
そうサンドイッチであった。英国のサンドイッチ伯爵の思いつきという、アレ。
中でも生地からはみ出した照り焼きチキンらしいのがとても目を引いた。
皿の周りにはプチトマトで縁取りされ全体の量はカナリある。
 「こ、これ。お前が作ったの?」
指を差し聞いてみる。
 「当たり前じゃない。下で今迄頑張ってたんだからね。
  出来たてだから、ぜーーーったい美味しい筈だわ!」 
胸に手を当て力説される。確かに旨そうだが、見た目に惑わされる俺ではない。
106がんばれキョン 5:2006/06/18(日) 06:48:43 ID:iypyfM85
 翌朝、早くに目が覚めた俺は、布団に潜り込んだまま昨日のことを思い出していた。
 ハルヒに謝ろうとしていた筈の俺は、また妙な事を口走っていたのだ。
 その後、ハルヒはバカだの手を離せだの言いながらも、結局は俺と帰る事にしたらしい。
 幸いな事に、帰り道での俺たちは普段どおりの俺たちであり、ハルヒがいつものように何やら喚くのを、俺がいつものように聞き流したり諌めたりしていたようだ。
 いや、普段よりは俺もハルヒも少しばかり浮かれていたような気もするな。

 そう、SOS団の皆でいるときよりも。

 あまり鮮明には思い出せないな。脳がまだお休み中なのだろう。
 いつの間に起きたのか、妹が廊下で騒いでいるのが聞こえる。
 さて、少し早いけど俺も着替えるとするかね。

 今日はハルヒも普段どおりだった。どうやら昨日の帰り道で、俺は上手いことコイツのご機嫌を直す事に成功したらしい。
「ねえキョン、駅の近くのマンションに幽霊が出る部屋があるらしいわ!昨日怪談サイトの掲示板で見つけたのよ。これを見逃すわけにはいかないわよね!早速週末に調査するわよ!」
 オー!と朝から一人で盛り上がるハルヒに、俺はため息だけを返して一限目の準備を始めた。

 放課後、週末に向けてのミーティングのための準備をすると言って飛び出したハルヒを見送った後、いつものように部室に向かった。
 ノックして返事が無いのを確認すると、ドアを開ける。
 案の定、長門が一人でいつものように窓際に座っていた。
 しかし、驚くべき事に今日は本を持っておらず、入ってきた俺にまっすぐ目を向けてきた。
「珍しいな、長門。本はどうしたんだ?ひょっとして図書館のも全部読んじまったのか?」
 こいつなら有り得る話だからな。しかし長門は俺の質問には答えず、じっと俺の目を探るように見つめてくるだけだ。
「な、なんだよ、どうかしたのか?」
 長門は答えない。なんだか怖いんだが。俺が何かしたのだろうか。
 結局俺はなんとなく目をそらせないまま、長門は二分ほど見詰め合う事になった。こいつ睨めっこさせたら最強だろうな。
 そのうち、長門はほんの数ミリ程度顔を傾け、俺から視線をはずし、本棚から本を取り出して読み始めた。 
 ほっとして、深く息を吐く。何だったんだよ一体。

 長門は何事も無かったかのように本を読み進めている。
 俺は特にすることもなく、何とも複雑な気分でそんな長門を見つめていると、唐突に昨日の事が頭をよぎる。
 そう、昨日のことだ。俺とハルヒが一緒に部室を出て行くとき、朝比奈さんは少し顔を赤くして、古泉は少し怪訝そうな笑顔で、そして長門は……
 勿論いつもどおりの無表情だったさ。
 いや、いつもとは違っただろ。
 どこが?
 目だよ。
 何故だか俺は、ひどく落ち着かない気分になっていた。

「待たせたわね!!」
 初レースで、やたらと張り切りすぎてしまった競走馬のような勢いでドアを開けてハルヒが入ってくる。
 くそ、なんか考え事をしていたのに、このアホのせいで頭からとんでいってしまった。
「何よ、なんか文句あんの?」
 何でもねえよ、と俺が言うのと同時にドアが開き、朝比奈さんと古泉が入ってきた。
「みくるちゃん、お茶を入れて頂戴。さあ、すぐに週末に向けてのミーティングを始めるわよ!」
 今日もハルヒの目は爛々と輝いている。やれやれ。
1077-695:2006/06/18(日) 06:50:15 ID:rDyMs/81
美しい薔薇には棘があるのだよ。…でもな、何で食べないのと
ああだこうだ言われ無理矢理食べさせられるワンパターンな俺ではないのだよ。
長門が言ってた、真面目に作ってたと。好意を無下にするなとも誰か言ってた。
俺はその意見を尊重するね。ここは敬意を表しちゃんと食べる事に…って!?
長門めっちゃ食ってる!
 「あああ! 有希ちょっと残しなさい!」
 「うおぉぉ! 10コ以上あったはずなのに!」
三つしか残ってなかった。まだ食うつもりなのかまた長門の手がぬっと伸びる。
 「STOPッ! コラッ!
  もーーーー! そんなにお腹すいてたの?
  もっと作るべきだったわね…」
ハルヒはその腕を抑えモーモー不満を露にぶーたれてる。
舌打ちを小耳に挟んだ。

 「まぁ三つ残ったんだ。許してやれ。
  おまえどれ食う? コレ種類バラバラだし迷う」
 「こっちとこっち、あんた食べなさい」
照り焼きの方と、こっちはツナカレー。
ハルヒのはトマト、レタス、キュウリの実にシンプルなタイプ。
要するにこっちが本命って奴か。俺はツナサンドに手を運ぶ。
 「ちょっと待った。有希、口くらい拭きなさい」
手を止め見ると長門の口の周りはべちゃべちゃになっていた。
ハルヒはナプキンを手に取りちょっとむっとした顔をする長門の口の周りを
またモーモー言いながら拭っていった。おまえ、あれだろ。
あの伝統的なおまえはcowか? って突っ込み言われたいんだろ。
 「もう食っていいか? 食べちゃえ」
そんな突っ込みより目前に有るツナカレーサンドを素早く手に取りパクつく。
 「あっ」
もぐもぐと噛み込む。パリッとした歯ごたえに若干驚くが中は柔らかい。
口内にスパイスの効いた芳しい香りが満たされる。
 「ど、どう?」
 「旨いよ。これパリッとしたんだけど何やった?」
長門が夢中で食ってた程だもんな。旨いんじゃないかとは思っていたのだ。
レストランで味わう味。いや、それ以上かもしれない。
 「ツナカレーはフライパンで薄く伸ばして焼いたの。三重だったでしょ」
 「なるほどな」
やけに手が込んでいる。普通はそんなことしないだろう。
もぐもぐと無心に食べ終える。そのまますぐにチキンの方へ手を。
ごくりと誰かの咽喉が鳴った。美しい光沢を放つチキンを口元へ運びかぶりついた。
 「つっくりましょー!♪つっくりましょー!♪さてさて何がでっきるかなー!♪」
立ち上がり歌いながら食う。ウワッ! という声が上がった。
 「おまえは味王に認められた。もはや過去形だ!」
指を差し宣言。著名なあのお方もこの旨さに5分は演説を続けるだろう。 
呆然と俺を見る二人に構わず貪り食う。俺と長門はモルモットではなかったのだよ。
ハルヒのあの声を思い出す。最初から自信あったんだろう。
1087-695:2006/06/18(日) 06:52:34 ID:rDyMs/81
 「ま、また作ってあげるから。落ち着いてキョンッ」
食べ終える。
 「本当に旨かった。料理上手いんだな。市販のとは比べ物にならん。
  毎日でも食いたいくらいだ」
賛辞の声を次々と浴びせる。出し惜しみする必要などない。
 「……ま、まいにちって」
落ち着かない様子で長門の体をさわさわと触りだした。
同時にブツンと何かが切れる音が。理解する。

 「い、意味深に捉えないでくれ。…なぁ! その袋はなんだ?」
話題をそらす。
 「…んっ、これ。ジュースとお菓子。ないから買って来ちゃった。
  今出すわね」
 「おまえはサンドイッチ食え。俺が出す」
脇に置いてあった袋に手を突っ込み中の物をテーブルへ置いていく。
ハルヒは満面の笑みでサンドイッチを頬張っていた。
それにしても長門随分静かだな、見るとスカートのポケットに手を突っ込み
何かを取り出そうとしていた。
 「私もお菓子なら持っている」
 「え?」
すっとテーブルに置かれた長門の言うお菓子は、
半透明に白を基調としたその形は横に少し平らで丸く飴みたいなものだった。
昔どこかで見たような、記憶があやふやだ。
 「なんだこれ。飴か?」
 「何その白いの」
 「飴ではない。グミのような物で甘い」
あの長門がお菓子を持ち歩いている。どんな味だか非常に気になるじゃないか。
 「食べるならまずコレを食べて」
その言葉に少し躊躇する…何か様子がおかしいような。
が、まあ平気だろ、と俺はそれを掴み
 「んじゃ、貰う」
口に放り込み噛む。
 「それでいい」
もぐもぐと咀嚼する。ああ、グミだな。何かざらついているが。
なんだっけこれ。
 「あなたもコレを食べて」
もう一つあった粒を横のハルヒの眼前に出し言った。
 「? ちょっと待って」
長門の様子に戸惑っているようで、警戒でもしている様なハルヒだった。
ジュースのタブを押し込みゴクゴクと中の液体を飲み干していく。
いや、警戒はしていない。サンドイッチを流し込んだな。
 「じゃ、貰うわ。って何自分で食べるわよ。わっ、む」
喋るハルヒの開いた口に放り込まれた。何をそんなに急いで…あ!
そういうことか。俺はほのぼの空間ですっかりと忘れていた。
ここへ来た本当の理由を思い出す。急ぐ、急いで解決しないといけない問題。
109名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 06:52:45 ID:iypyfM85
こっちこそすいません。知らずに割り込んでしまいました。
暫く時間を置いてから書き込みます。
1107-695:2006/06/18(日) 06:54:47 ID:rDyMs/81
ということは、長門が急ぎ食わせたコレが何かを引き起こす事は容易に考えられる。
まだすべては食べていない、食べたのは半分ほど。ど、どうする。
 「ちゃんと食べる」
考えている事など筒抜けであった。解ってるさ。仕方ないんだろう?
 「お願い」
こいつも‘俺’を取り戻すのに必死なんだろう。俺だって元の世界は心配だ。
そしてこの俺はハルヒを抱いてやりたいと思っている。世界のためにではない、一人の女としてだ。
あれだけ好意を目にして気に入らないなんて野郎はいないだろうよ。
覚悟を決め、ぐっと、噛み砕き飲んだ。ハルヒは俺達のやり取りを不思議そうに見ていた。
その口はモゴモゴと、そのどんな効果を及ぼすか解らないグミを噛み食べていた。

 「なんか懐かしい味するわね。もう一個貰える?」
 「うぇっ!? や、やめとけっ」
 「な、何よ。いいじゃない、子供の頃に食べたんだと思う。
  もう一個食べれば解りそうな気がするのよね」
こいつも食べた事があるのか。今はそれがどんな名称なのかはどうでもいい。
重要なのは効果だ。二つ以上食べさせればまずい事になりそうな予感がするんだ。
 「もうないよな? 長門」
ないと言ってくれ。
 「…ない」
それでいい。俺の体にはまだ変化は起こっていない。遅行性か?

「そっか。残念。結局何だったの?」
 「あのお菓子を食べた人は好きな人と結ばれる」
長門の答えにハルヒは瞬間、俺の方へはっと視線を向けた。
やはり何か仕組んでいたか。ありがちな嘘臭い魔法使いが言いそうな言葉である。
だがそれは嘘ではなく確かにそうなるんだろう。そのために俺は来たのだから。
1117-695:2006/06/18(日) 06:56:24 ID:rDyMs/81
 「な、なにそれ!? ね、ねえ。
  何かの雑誌の受け売り? そ! それほんとなの!?」
確信した。俺が本当に好きなのだと。
結ばれると言われハルヒは咄嗟に俺を見、あまつさえ
長門に目を見開き最後問うた言葉、それは俺とそうなりたいと願う様に見えたからだ。
その光景がどんな意味を見せるのか、ハルヒには頭に入っていないんだろう。
その瞳は悪い魔法使いに騙される童話のヒロインそのままだ。
夢物語を好む少女にとってそれはとても惹かれる内容なのだろう。
言葉を浴びせたままハルヒは身動きさえ取らず長門の返答を待っている。
 「さっきの言葉は取り消す。あなたはこの人と結ばれる事など出来ない」
 「え゙っ!?」
 「なっ…」
何かスイッチの入った長門は立ち上がりそう言った。俺は驚きを隠せない。
だって、結ばれる事は出来ないってそれは拒否するって事だろう?
ハルヒを満足させるために今迄やってきたんじゃないか。
これじゃあ…今迄やってきた事に何の意味があったのかが解らない。
長門は家の前で言っていたじゃないか。‘俺’が戻ってくるなら我慢すると!
それが何でこんな事に。悲観している暇はない、考える。思い出せ。
そうだ長門はこの家に来てからの様子はどうだった?
俺とハルヒはずっと喋りっぱなしでその横であいつは…ずっと不機嫌そうだった。
それはハルヒに対して恨みがあったからじゃないのか?
この俺にも何か落ち度はあったんだろう。…事の発端を思い出す。
ハルヒは理不尽にも俺を呼び寄せ長門と‘俺’との関係をゼロの状態に戻した。
体を重ね合う関係を持つ二人であったのは知っている。内面までは深く知る由もなかった。
この世界の人間ではない俺にはよく解らないのは当たり前なのだ。
だがたった今解った。こうまでして長門が俺とハルヒの仲を裂くような事を言うのならば
それは恨みを募らせる程の良い関係だったものだという事がだ。
騙されていたのはハルヒだけじゃなくこの俺もなのかよ…。
沈黙が支配を続ける部屋の中俺は途方に暮れる。

                                      続く
112名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 06:58:46 ID:rDyMs/81
>>109 いえいえ時間見るとほぼ同時ですね。
113nac:2006/06/18(日) 07:00:09 ID:/WprpYnB
反省してます。自分から見ても、いまいち、埋めネタ以下ですね。
もともとこっちを投下するはずでした。ので投下
114nac:2006/06/18(日) 07:01:15 ID:/WprpYnB
〜 I want to be here 〜 2話

「キョンくん、起きろぉぉぉ!!」
妹がダイブしてくるのは判ったが、どうしようもない、体があまり反応してくれないのだ。
「あれれ?お母さぁん、キョンくん起きない」
「学校は、無理ね。休みなさい」
昨日は強引に叩き出して、今日は強制監禁か。身勝手にもほどがあるのだが、もう反論しない。
「学校には連絡しておいたから、お母さん、出るけど食欲は?」
「ない」
「じゃあ、とりあえずお昼に温めればすぐ食べれるお粥作っとくから。食べたくなったら食べなさい」
「解った」
「あたし、今日は午前中で帰れるから、キョンくんの看病するぅ」
「遠慮しとく」
えぇぇぇっと不機嫌になる妹。これ以上心労を増やさないでくれ。頼むから。
「まあまあ、あんたもお兄ちゃんの周りで暴れないこと!いいわね」
「はぁぁい」
母親の鶴の一声が効いたのか、妹は自分の登校の準備に向かった。

「こんなとき位、妹を頼りなさい、あの子もそれを望んでるんだよ」
「迷惑は極力掛けたくないんでね、それに移したら、それこそ大変だ」
「そうかい、やれやれ、どっちに似たんだか」
今の発言から、俺は間違いなく母親似だろっと心の中だけで突っ込んでおいた。
115nac:2006/06/18(日) 07:01:47 ID:/WprpYnB
静かだ、そういえばハルヒには言わなかったが、実のところ俺も風邪は久しぶりだ。
前に掛かったのは、いつだったか……なんてマジでどうでもいい事を考えてると、
「ただいまぁぁぁ!キョンくん!生きてる?」
おい、勝手に死人扱いするな。それに帰ってきたら、うがいと手洗いをしなさいと言ってるだろ。
「はぁぁい、あとねミヨキチも来たよ」
「こんにちは、具合大丈夫ですか?」
あろうことか、ミヨキチこと吉村美代子まで連れてきやがった。これじゃ無視も出来ない。
「なにか、お手伝い出来ませんか?」
「あぁ、すまない、それじゃあレンジに入ってるお粥を温めてきてくれないか?スイッチを入れるだけでいいから」
「解りました、レンジのお粥ですね」
そういうと嬉しそうにミヨキチは部屋を後にした。
「ねぇねぇ、あたしはぁ?あたしもなにかしたい」
妹よ、お前にはほんの少しお説教だ。
「お前、なんで彼女を連れてきた」
「えっ、だって教室でキョンくんが風邪で休んだって言ったら、お手伝いに行きたいってミヨキチが」
「確かに、一人よりも二人のほうが便利だが、それとこれは違うぞ、いいか、風邪は移るんだ。近くに居る人ほどな
そりゃ、お前やお袋なら、俺が看病してやれる、でも、もしミヨキチが移ったらどうする?」
「うぅぅぅ」
「お前達の気持ちは嬉しいが、悪いことは言わない、二人で家の外に遊びにいって来なさ……」
「嫌です」
気が付くと、ミヨキチがそこに居た。しまったてっきり降りたとばかり思っていたら聞かれていたとは。
「お兄さんのお気持ちは嬉しいです、けど、病人は病人らしく頼られてください。こんな時くらい、、ぅぅ」
いかん、ミヨキチが泣きそうだ。女の子の泣き顔は、例え平常時でも見たくない、自分が原因ならなおさらだ。
「ごほっ、あっんっ、解ったから、これ以上心労を掛けないでくれ」
「あっ、すいません」
「……話していたら少しだけ食欲が戻ったかも知れない、この点は感謝しておく」
「はい、すぐ用意します、お兄さん待っていてください」
「あたしも手伝う、キョンくん待っててね、えへっ」
これじゃどっちが俺の妹か解んないな、呼びかたといい、なんといい、俺は溜息をつきながら
「やれやれ」
とだけ言って、携帯を取り出した。時間を確認する、よし、今は昼休みあたりだな。
俺は昨日のフォロー(結局昼休みのあと5限途中に教室に戻りすぐ早退した)も兼ねてハルヒに電話した。

「キョン!!あんた!大丈夫なの!」
「実を言うとあんまり調子よくない、それよりも昨日はすまなかった」
「ふぇ?」
「部活、いや団活か、さぼっちまって」
「いいのよ、あんた病気だし、それに……」
続きを言わないハルヒ、どうした?先生にでも見つかったか?
「何でもない!それより食事とか大丈夫なの?」
「あぁお袋がお粥を作り置きしてくれてたから、なんとかなる」
「でも温めるのとか、大変じゃない?」
冷静に考えて次の言葉は、禁句だったかに思えるが、思考回路低下中の俺にはそこまで気が回らなかった。
「まぁ、げほっ、げほっ、そ、そのへんは妹とミヨキチがここに居るから」

「……」
「ん、げほっ、どうした?」
「別に」
116nac:2006/06/18(日) 07:03:18 ID:/WprpYnB
また一方的に切られた。何なんだろう、と疑問に思ったが、
「お粥、持って来ました」
「出来たよぉぉ!」
その議案は目の前に出されたお粥によって、霧散していった。
それから二人がかりでの、日本男児10の憧れシチュエーションの一つ「はい、あーんして」を断りつつ。
半分だけお粥を消化し、残りは机の上に置いた。
体調はまあまあ、気分も悪くない。咳が少しと頭痛され消えてくれれば、まあ明日には学校に行けるだろう。
しかし、横に居て、目を輝かされると、正直、休みづらいんですけど……
「あのさぁ……」
俺は、それとなく買い物でも頼んで、この場を離れてもらおうと二人に話しかけた時、
「こんにちは」
誰か来た。すまん妹よ、見てきてくれ。というかまさかまたお前の友達とかじゃないだろうな。
「だれだろう?はぁぁい」
妹がどたどたっと降りていく、つまり今この部屋には俺とミヨキチだけだ。
こんな時、さりげなく話しかけるのが男としてのなんたらと、ものの本に書いてあった気もするが、
さすがに思考回路も正常でない俺が、少しだけだが年代の違うミヨキチに話しかける事は、出来なかった。
「キョンくん、はるにゃんが来たよ」
「はぁ?冗談だろ。だってまだあいつは授業が」
「早退したわ」
そこには、いつものハルヒがいた。面倒にならなきゃいいが。
「ふーん。貴方がミヨキチさんね」
「あの?貴方は?」
「あたし、あたしはね、キョンのクラスメートの涼宮ハルヒって言うの。よろしくね」
顔はニコニコしてるが、違うね。これは怒りを押し隠してる顔だ。
気弱なミヨキチがこんな顔見せられて、ってミヨキチもハルヒと面と向かってるし。何だ何だ?
「ふーん、なかなか綺麗じゃない。性格も良さそうね。でもあたしが来たから、もういいわ」
「もういいわって何がですか?」
「決まってるじゃない!キョンの看病よ。後はあたしに任せて貴方達は遊びに」
「嫌です」
ハルヒ、それはさっき俺も言ったぞ。どうするんだ?
「へぇぇ、じゃあさ。さっきキョンが携帯かけたのは見てた?」
「えっ、いえ。お粥を温めに下に居ましたから」
「実はね、キョンは、あたしに、看病してくれってお願いの電話を掛けたのよ。あんたたちじゃ
お世辞にも、役に立たないってことかしらね」
「おい、涼」
うっ、ミヨキチから見えない角度で、物凄い睨みをきかせるハルヒ。俺はだから病人だ。
「ここは、あたしに任せて、妹ちゃんと外で遊んでらっしゃい」
「…………解りました、いこっ」
ミヨキチ、すまん。こいつに逆らわないほうが身のためだ。
117nac:2006/06/18(日) 07:04:24 ID:/WprpYnB

しかしハルヒに看病してもらうのも、なんて考えてると、あれハルヒさん?
「何?」
物凄く、帰ろうとしてません?
「そうよ。あたしはあの子達が居ると騒がしくて、あんた休めないかなぁなんて思って来たの。
もちろん、放課後にはみんなと又来るわ。でもそれまではあんたも一人で居たいでしょう?」
そういいながら、部屋を出て行こうとする、ハルヒ。なんか悲しそうにも見えた。

……正直に言おう。やはり一人は寂しい。俺だって気弱になるときがあっても、ばちは当たらんだろ。
俺はハルヒの手を掴んでいた。精一杯力を入れたつもりだが、きっと振りほどかれれば簡単に取れるくらい。
きっと、改変されたときの長門くらいの力だ。そして朦朧とした頭で訊いた。

「俺は、階段から落ちて目が覚めたとき、お前が近くに居てとても安心した。嘘じゃない。それで、その、だな、
お前さえもしよければ、そばに居てほしい、ダメか?」
ハルヒはゆっくりこっちに向き直り、

「しょうがないわね、あんたが、その、そこまで言うんなら……看てあげるわよ」

とだけ答えて、俯いた。顔真っ赤なんだろうな、きっと。……人の事言えないな、俺も。


続く
118nac:2006/06/18(日) 07:08:54 ID:/WprpYnB
さっきのお目汚しは見なかったことに。してこっち見てください、といっても
たいして変わりませんが、このお話、もう少し続きます。
なんとか完結できるように、努力します。         nac

119名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 07:10:23 ID:tq4YiSk8
>>118
GJ。

朝から生SS投下を見れるなんて恐るべしハルヒスレ。
120がんばれキョン 6:2006/06/18(日) 07:13:16 ID:iypyfM85
>>106の続きです 


 結局、幽霊の出る部屋などというのは全くのガセネタであった。
 部屋の住人である役者志望の若い男が夜中に発声練習をしていたせいで流れた噂だという、あんまりと言えばあんまりな結末に、ハルヒはひどくヘソを曲げ、俺たちは週末をハルヒの機嫌を直すために費やす事になった。
 その甲斐もあって、いつもの場所で解散を宣言するハルヒの顔も数時間前よりは大分ましになっており、古泉と朝比奈さんはほっとしたような顔で去っていった。
 長門も俺のほうを少し見つめてから、マンションの方向に向かって歩きだす。
「…キョン、あんたは帰んないの?」
 夕方の、人もまばらな駅前には、俺とハルヒだけが取り残されている。
「いや、お前を途中まで送っていく。丁度買わなきゃならんものがあるんだ」
 ハルヒは暫く俺の鼻の辺りを見つめていたが、「そう」とだけ言うと、いつものように先に歩き出した。
 俺もその後ろに続く。

 あのミーティングの日から、ハルヒは俺が何を言わなくても一緒に帰ってくれるようになった。まあ、一歩進展したと考えてもいいのだろう。
 しかし、決定的というには程遠いな。
 俺はハルヒに気づかれないように、ひっそりとため息をついた。
 もともとコイツは何を考えているのかさっぱり分からんし、俺もそういう感情の機微を読み取るのはかなり苦手だ。
 しかし、長門の様子からして、これ以上時間をかけるのは得策とはいえないだろう。
 まあもともと非確率的な要素が多すぎるのだ。やってみるしかないさ。

「…ねえ、キョン?」
 気づいたら俺の横を歩いていたハルヒが、何か聞きたそうに俺を見つめている。 
「なんだ?」
「あんたさ、なんで急にあたしと帰ろうなんて言い出したの?」
 俺もさっぱりわからなかったが、最近になってようやく理解できた。
 ハルヒに、俺と二人っきりも悪くないと思わせたかったのだ。
「急にあんな事言ってくるから、あたしをからかってるのかと思ってもみたんだけど、そんな感じでも無いし。何か変な病気にでも罹ってるってわけでもなさそうだし」
 さっぱりわかんないわ!と少し怒ったように俺をにらみつけてくる。
 丁度良かった。俺も今からその話をしようと思っていたところだからな。
「ハルヒ」
 俺は足を止め、ハルヒに向き直る。
「…何よ」
 ハルヒも少し先で足を止めた。

 もうすぐ日が落ちようとしている空は、思わず目を背けたくなるような赤色だ。
 その中で堂々と立っているハルヒは、いつもより勇ましいようにも見えるし、弱弱しいようにも見えた。
 やっぱりお前には赤い色が良く似合ってるな。

「月曜日の放課後、部室で二人きりで話がしたい」
 ハルヒの顔は良く見えない。俺が少しだけ目を逸らしているからだ。
 暫く間があった後、ハルヒは搾り出すような声で聞いてきた。
「……え、SOS団の活動はどうすんのよ」
「団長権限で少しだけ遅らせてくれればいい。いいな、絶対に二人きりで。じゃあな」
 それだけ言うと、俺はさっさと角を曲がった。
「ちょ、ちょっと!どこ行くのよ!」
 買うものがあるって言っただろ。
121がんばれキョン 7:2006/06/18(日) 07:20:13 ID:iypyfM85
 月曜日。
 俺はハルヒと目も合わせようとはせず、ハルヒの方から接触してくる事も無かった。
 放課後になると、ハルヒは少しだけ俺の方に目を向けた後、さっさと教室を出ていってしまった。
 俺もハルヒの後を追うように教室を出る。
 しかし、俺が向かった先は上級生の教室だった。

「え、今日は活動中止じゃなかったんですか?」
 少し意外そうに朝比奈さんは言う。やはりハルヒは活動を中止する事にしていたらしい。
「いえ、やっぱり活動するって言い出しました。しかも今日は重大な発表があるらしいので、出席しないと死刑だそうです」
 俺はわざとらしく肩を竦める。まるで古泉だな。
「え、え、じゃあ、急いで行かないと!」
 泣きそうな顔をしながら鞄に物を詰め込んでいる。死刑台に立たされる自分を想像したのだろう。  
「あ、急がなくても大丈夫ですよ。何やら準備があるらしいので、今から十分後に来て欲しいそうです。その代わり、早すぎたり遅すぎたりしたら島流しだと言ってました」
 これまた泣きそうな顔で時計を確認する朝比奈さん。島流しされる自分を想像したのだろう。
「それと、是非顧問として鶴屋さんにも出席してもらいたい、とか何とかも言ってましたね」
 窓際で談笑している長い髪の後姿にちらりと目を向けた。
 あの人は騒がしいからな。近づいてきたらすぐにわかるだろう。
 朝比奈さんは少し困ったような顔で俺を見ていたが、すぐに笑顔で「わかりました」と言ってくれた。
 俺はそんな朝比奈さんにいつものような苦笑いを投げかけた後、SOS団の部室に向かうべく、上級生の教室を辞した。
 
 ああ、もうすぐだ。部室に近づくにつれ、胸が少し高鳴るのを感じる。
 ドアを開けて、ハルヒが一人でいればとりあえずは一勝、いなければぎりぎりでドローか。
 おそらく古泉は気づいていないだろうから、問題は長門だな。
 長門がいればその時点でアウト。まあ俺なら何とか切り抜けられるかもしれないが、時間に限りのある俺にとって膠着状態は致命的と言っていい。
 ハルヒが長門を外に追い出してくれているはずだが、俺に対する疑いが強い場合は、長門はてこでも出て行かない筈だ。

 長門のあの目を思い出す。
 あいつの感情を読み取るのは俺の唯一の特技であり、かなりの的中率を誇っている筈だ。
 あの時、長門は俺に対して確かに敵意を抱いていた様子だった。
 思い出すだけで背中に冷や汗が流れていた。
 長門、お前は本当に頼りになる奴だな。

 いつのまにか部室の前に着いていた俺は、一度深呼吸をしてからドアノブを握り締めた。
 さあ、開けろよキョン。どうせもう後は無いんだぜ。
「南無三」
 思い切ってドアを開ける。

 かくして、部屋の中には団長の机に座ってこっちを睨んでいる涼宮ハルヒただ一人。窓際には誰もいない。 
 さあ、いよいよ詰みだ。
122がんばれキョン 8:2006/06/18(日) 07:24:56 ID:iypyfM85
「ハルヒ」
 俺はこれから告白をする。勿論生まれて初めての経験だ。
 ハルヒはこちらを睨んだまま微動だにしない。
「いつからかはよくわからんが、俺はお前に惚れている」
 ゆっくりとハルヒに近づいていく。
「それをお前に気づいて欲しくて、一緒に帰ろうなんて言い出したんだ」
 狭い部室だ。すぐに俺はハルヒの元に辿り着いた。
 近くでよく見ると、顔が少し赤いようだ。
「そして、これからも出来ればずっと俺と二人で一緒にいて欲しい」
 肩を掴み、顔を近づける。
「……嫌か?」
 ハルヒは、微妙に目をそらしながら「べ、別に」とかなんとか呟いている。
 俺はそのままハルヒの背中に手を回し、顔をハルヒの肩の上に乗せた。
 ハルヒは一瞬ピクリとしたが、結局抵抗しなかった。

 俺は目線をハルヒの背中にまわした腕に向け、安物の腕時計を確認する。もうすぐ十分経つ頃だ。
 丁度外からは、鶴屋さんの騒がしい声と朝比奈さんの楽しそうな声が近づいてきた。
 ハルヒもそれに気づいたようで、落ちつかなそうに身体を動かしている。

 今だ。

 俺は顔だけハルヒの正面に戻し、ハルヒの顔に近づける。
「……ちょ、ちょっと待ちなさいってキョン。みくるちゃん達が来てるのよ!」
 暴れようとするハルヒを、俺はしっかり両手で押さえつける。
「大丈夫だ、ハルヒ。こういう時は願えばいいのさ。俺としばらくの間二人だけになりたいってな。何なら永遠にでもいいぞ」
 そうすれば何も気にする必要は無くなる。
 二人だけの帰り道、お前だって楽しかっただろう?

 皆と一緒にいるよりも、さ。

「な、な、何言ってんのよ、あんたやっぱりどっかおかしくなったんじゃないの!?」
 もう二人の顔の間には三センチほどの隙間しかない。
「大丈夫、ハルヒ。お前にはそういう力があるんだぞ。嘘じゃない。本当だ。宇宙人も未来人も超能力者も信じてるんだろ?なら少しぐらい俺を信じてみてもいいんじゃないか?」
 唇が近づく。
 朝比奈さんと鶴屋さんの声も近づく。
 ハルヒはゆっくりと目を閉じた。

「好きだ、ハルヒ」
 ハルヒは何かを呟いた。

 声は消え、窓の外の景色も消えた。
 世界はいつかのような灰色に染まっている。
 俺の顔は笑っているようだ。
123名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 07:29:57 ID:iypyfM85
すいません。無駄に長くなってしまっています。
とりあえず今日はここまでにして、明日あたり最後まで投下したいと思います。
ちなみにエロくないです。ごめんなさい。
それでも最後まで読んでやる、という方がいれば幸いに思います。
124名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 07:39:43 ID:CtnFGVFm
>>123
非エロ乙
125名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 07:59:47 ID:5lqCH61G
ピエロ
126名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 08:56:20 ID:Jvf728sM
いったい何を考えているんだキョン!気になる!
127名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 09:24:13 ID:tq4YiSk8
>>123
ピエロか…こんなおいしいシチュで生殺しを喰らうとは思わなかったぜ…
128名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 09:36:00 ID:9SGszYXd
まさに怒濤の連続投下
やっぱり土曜の夜ってなんか書きやすいよね
129名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 09:46:53 ID:8wx/qMIo
ここはエロパロ板だ

純愛とは名ばかりのクソSSばかりうpするな!
130名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 09:48:22 ID:wFtK/Z/e
残念! ここはエロパロ&文章創作板だ!
それと>>1を見ろ
131名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 09:51:06 ID:mSoYR/vu
>>129
>>130
幼馴染が照れ隠しで怒る感じで頼む(ry
132名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 10:30:36 ID:rDyMs/81
未来からみくる(大)がキョンの精液採取に来て超薄型未来型コンドームつけて
朝から晩までHして朝比奈さんは朦朧と倒れ伏す話残ってないかな?
確か長門が未来では妻になっていて、みくる(大)は愛人だった。
133名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 11:10:36 ID:p8JCE1s2
>>132
なにその酒池肉林展開〜〜!!!?
134名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 11:12:46 ID:wFtK/Z/e
『朝比奈みくるの誘惑』だな
まとめサイトの上の方にあるぞ
135名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 11:29:31 ID:/EGxKX+N
ちょっと書いてみます、コネタで終わるかも
ハルヒは例のごとく嬉々としながら白い紙袋を持って現れた。部室には朝比菜
さんと俺しかいなかった
「みくるちゃん!今日の衣装はこの女王様ボンテージよ!」まったくいったい
こいつドコでこんなもん買ってくるんだろう
「そんなあ今日は寒いのにそんな露出の多いのはいやですぅ」
「つべこべ言わずにさっさと着替えなさい!」
「きゃあ」はいはいまた出て行きますよ。俺は部室の壁にもたれかかって朝比
菜さんの悲鳴をききながらしばらく待った。
「いいですよ」
ボンテージを着込んだ朝比菜さんが恥ずかしそうにドアを開けた。その仕草
はおよそ女王様のそれではなかった。しかし光沢のあるボンテージで強調され
た丸い大きな胸は麗しい果実のようでって何言ってるんだろうね俺。
「よかったぴったりね、今日はついでに小道具も仕入れて来ちゃったよ!ほら
!」 そういうとハルヒは長い一本鞭をとりだした。セットで買うなんてこい
つアダルトショップでもいったのか・・やりかねないが
「これ持ってみて!」
「・・はい」朝比菜さんは素直に右手に鞭を手にした。いやあ鞭もたせてもね
え朝比菜さんは女王様になれないと思うが
「そしたらええと・・」ハルヒはためらいがちに目を伏せうつむいた。んどう
した?さっきまでノリノリだったのにどうした急に恥らう乙女みたいになっち
まって、朝比菜さんもちょっとまどったようで「あのう何をすればいいんでしょ
うか?」と聞いた。その時ハルヒはゆっくりと顔をあげ―ああ俺は生涯このこ
とを忘れないだろうな―後々語り草になる言葉をのたまった。

「・・・・私のしりをたたいて」
136名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 12:10:25 ID:tNskJ21+
サドと見せかけて実はマゾってシチュには勃起を禁じえない
137名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 12:58:03 ID:4Z02XAGQ
>>94
漏れはかなり気に入ったぞ。いやおまいらすごいわ。漏れは1行も思いつかん。
138名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 13:01:24 ID:32AGvV/e
まあ、素人目にドSに見えるタイプは、実際には高確率でMだったりする。小池栄子みたいなタイプね。
だから、SMクラブ等には「本当はMやりたかったのに、長身で顔が怖いからって理由でSに回された」という似非女王様がけっこういる。
139名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 13:29:08 ID:gq2dk8iq
>>118
投下宣言してる人いるのに横から出てくんなよ。
後書きからもかまってくださいオーラ出ててうざ。
140名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 14:00:30 ID:IoHwyJPz
そうだな。
141名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 14:02:01 ID:G5DKvxn0
>>138
「低身長で童顔だから」Mに回される似非奴隷もいるのだろうか。

みくるは意外とSだったり…鶴屋さんは両方いけそう
長門はわからん。無表情で鞭を振るうのか受けるのか
142名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 14:04:34 ID:+kuQuwlD
長文の感想につき御無礼

涼宮ハルヒの思い込み
親友といっておいて心配になって確認する長門モエス

属性ラプソディ
キョンよ!みくるフォルダは最重要機密だろう!

>>38
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 ワッフル!ワッフル!
 ⊂彡

>>345
久しぶりの栄養だな。期待!

nac
初の試みだな。個人的には悪くはないと思うが…
次回作も楽しみにしてます。
>〜 I want to be here 〜 2話
キョンモト(・∀・)キタ!…バイアス正常作動。評価は増幅されmaxだ!最大級の賛辞を送りたい。
妹作期待してるよ

我輩は猫である
シャミの猫パンチ最強説

憂鬱小学校2
>あいも変わらず接近を試みようとする古泉吹いた
ちびハルヒの一挙一動カワイス 地団太…最高

>>210
久しぶりにこういうがっちりした物が読めた。
個人的にキャラのイメージが損なわれていなくて良かったと思う。
また気が向いたら投下してほしいですね。

>>7-695
あの独占欲の人か。長門の嫉妬がなんともいえんな。
続き期待!

がんばれキョン
実はひそかに期待してる作品。
さてハルヒは何を思ったんだろうか。

>>153
fateの桜を思い出した…いや、忘れてくれ
143名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 14:23:00 ID:w0m5QU4m
この作品のSSを書くのはなんだかとても難しいと思います。
144名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 14:32:12 ID:ocN+9O48
戯言よりはましだ
145名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 14:59:23 ID:WjmFtgrz
単発IDでの批判が増えたね。
146名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 15:13:48 ID:ocN+9O48
そういえば中々面白いIDだな
147名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 15:54:05 ID:Vv/2+5qj
沈黙の妖精がしばらく部室を飛び回った。
「ははは何の冗談ですか?やめてくださいハルヒさん」笑いながら朝比奈さん
は言った。ほんとだぜまったく
「・・・冗談なんかじゃ・・ないわよ。」ハルヒは頬を赤く染めながら朝比菜
さんの目を見て言った。えっ?冗談じゃないって?
「ほらだってみくるちゃんにはいろいろヒドイこともしちゃったし、ねえ」
「そんなの私もう気にしてませんから」と朝比菜さんはいった。第一気にして
たとしても尻をたたけだなんてお前幼稚園児じゃないんだから。
「だとしても私の気がおさまんないの!」少し大きい声をだされてびっくりし
たようだったが朝比菜さんは朗らかに
「じゃあ今度の不思議探索の時にお昼奢ってくださいよ〜」と言った、うん
名案だな、あわよくば俺の分もおごらせてやろう。しかしハルヒは不機嫌そう
に黙ってしまった。
「あのお、ハルヒ・・さん?」
「・・・もういい」
「え?」
「もういい!はっきり言えばいいんでしょ。私Mなの、Mなのよ!」
再びサイレントフェアリーがやってきた。ハルヒがM?それで朝比菜さんに
尻をたたけと?ははは俺は夢でも見てるんだろうか、朝比菜さんもさぞかし
びっくりして・・って朝比菜さん何ですかその怖い顔は・・
「本当にいじめちゃっていいんですかあ?」
「お願い、お願いします。」
「だけどよく私がSって分かりましたね」
「だってみくるちゃんってた・」ビシっという音がした。朝比菜さんがハルヒ
に左手でビンタしたのだ。ほんとにこれってまじなのか。
「みくるちゃんっていったいいつまでちゃん付けなんですか。Mのクセに。
少しはわきまえて下さいよ。」
「ごめんなさい」
「自分から尻をたたいてなんて言ってくる癖に礼儀がないですね。普通申
し訳ありませんでしたじゃないいんですか?」朝比菜さんはかわいい声で
しかし冷淡に言った。
「・・申し訳ありませんでした。なんとお呼びしたらいいでしょう」ハルヒは
肩を震わせながら紅潮した顔で言った。本当に主従は逆転してしまったようだ
「じゃあさま付けでお願いします。」そんなこと朗らかに言わないでくれ朝比
菜さん。
「分かりましたみくるさま、それと・・キョンさま」
って俺もかよ!
「涼宮さんキョン君にもいじめられたいんですか?」
「はい・・」えー!
「長門さんや古泉君にも?」
「はい・・」
「それじゃあSOS団の団長兼ペットじゃないですか笑」
「・・そう思っていただいて・・結構です」ハルヒは震えてはいたが毅然と
した目をしていた、マジらしい。
「私はかまわないですけどキョン君はちょっととまどってるようですから、
今日はわたしが相手してあげます」
「よろしくお願いします」ハルヒは朝比菜さんに深々とお辞儀をした。
「キョン君はそこで見ていてくださいね。」と朝比菜さんは俺にほほえむと
パソコンセットの乗った机をずらしてハルヒを部室の真ん中に連れて行った。



148名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 16:07:04 ID:TfLX5K/u
そうそう147は135の続きです
149名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 16:36:28 ID:rj5kqaci
ぜひ続きを!
150名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 17:07:42 ID:rDyMs/81
>>134
有難う。これ見たとき衝撃を受けてまた見たいと探してたんだ。
本家は過去の作品全部あるんだね。知らなかった。
>>142
ありがとー。
15111-16:2006/06/18(日) 17:15:02 ID:dUoLxxVT
>>83,95,124
サンクス。難しかったけど書いてて楽しかった。
289氏の読んでから古泉=弁当屋しか思い浮かばない。
152名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 17:15:20 ID:2N7mD5Hi
なんで保管庫には涼宮ハルヒの鬱憤がないのかと(・ω・`

夢の中で触手に子宮を開発されるハルヒカワユス
153名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 17:41:18 ID:FxvRf9yL
>>100 やっぱ修羅場きたかw
スピード感あっていい。他キャラってのみくるじゃないと許さないから
154名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 17:45:10 ID:7rXLEpL3
>>152
どっちにもあるけど?っていうかお褒めの言葉をありがとう。
155かなり ◆WT4p4fROmI :2006/06/18(日) 18:04:00 ID:YK8gQav0
>>147
GJ!
156210:2006/06/18(日) 18:40:51 ID:nmQx697f
>>96->>98
読んでくれたみたいでありがとう。確かに伏線がもうちょっとあった方がいいとは思った。
それにとりあえずだいたいの事を考えてから事件を書いて、その後に真相を考えたからだろうけど
とにかく書き足りないところが多かったのは自覚してる。特に四章と五章の酷さは痛感した。
157名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:54:02 ID:bWQpxLmU
だいぶ前のネタの続編、ちょっと長いから途中で投稿規制くらうかも
158名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:55:06 ID:bWQpxLmU

「……」
「あ、長門先生! ようこそおいでくださいました」
「どうぞどうぞ。こちらの席にお座りください」
「……」
「あの、よろしければこのプログラムを診ていただけませんか」
「……」
「い、いつ見てもすごい」
「僕たち全員集まっても敵わないのも納得だ」
「脆弱性を改善しておいた」
「ありがとうございます!」
「……」
「長門さん、"W"のことなんだけど、中立軍を入れようと思っているんだ」
「……」
「試験的に作ってみたから、試してもらえないかな?」
「そう」

「思考ルーチンが甘い」
「ホーミングミサイルのように両軍を追跡する点を是正すべき」
「これでは知性があるように見えない」
「索敵が行われている様子が見られないのも不自然」
「それと戦力を抑えた方がいい」
「中立軍の出現時期によっては、両軍が中立軍に壊滅させられてしまう」
「海賊、他国軍、宇宙生物など属性をつけてパラメータ調整を行うことを推奨する」
「……あ、ありがとう、長門さん。がんばってみるよ」

「……」
「お帰りですか?」
「また来てくださいね!」
「……」
159名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:55:59 ID:bWQpxLmU
『長門有希さんの消失』 注:長門さんのイメージを壊したくない人は読まないほうがよいです

バタンっ。コンピ研の部室の扉が閉まる音がした。
あーもうふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなっ!!
原始的な情報システムをぴこぴこするために来てるんじゃないのよ! そりゃあね
女神様みたいに扱われて、少しはうれしいなって内心思ったりもなくはないわ。
愚民を啓蒙して味わう快感ってのも、これはこれで乙だったりするしね。
でもね、いないの。

コンピ研には、キョンくんが、いないのよっ!

なのになんで足しげく通ってるかって言ったら、あてつけよあてつけ。
わたしが部室からいなくなることで、キョンくんにわたしの重要さを再認識してもらって
『やっぱり俺にはお前がいないとダメだ』的な思いに駆られて夜も眠れなくなったキョンくんが
唐突にわたしを抱きしめてきて、『行かないでくれ、長門』って耳元にささやいてくるはずだった。
ハルにゃんも悔悟の涙を流しながら、『ごめんなさい、有希。あたしが間違ってた。許して!』と
コンピ研の部長さんと組んであたしを追いやったことを反省して、許しを請ってくるはずだった。
みくるんも、見せ付けるような巨乳を小さくしてくれる、ってこれは無理か。
いっちーは、えっと、別にないわ、ごめん。
ともかくそう、そんな青写真を描いていたのに、いたのにっ!

「……」
SOS団の部室に戻ったわたしを迎えたのは、ちらっとこっちを見るキョンくんといっちーだった。
二人はわたしであることを確認すると、何事もなかったかのように、盤上に視線を戻した。
みくるんは横を向いて、ヤカンに温度計を差し込んで真剣なまなざしで温度を測っている。
わたしが戻ってきたことに全く気付きもしない。
ハルにゃんはパソコンの画面を見たまま、マウスをカチカチ言わせている。同上。
つつっ、とわたしは自分の席に歩み寄り、座って、読みさしだった本を広げた。

ページをめくってもめくっても、わたしの頭の中に内容は入ってこなかった。
160名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:56:51 ID:bWQpxLmU

わたしの本を閉じる音で今日の活動はおしまい。
何も起こらない、普段のSOS団でのわたしの役目は本を閉じて時間を知らせることだけ。
わたしって、なんなんだろうね。目覚まし時計?

「あのう、もう鍵をかけて帰りますけど」
服を着替え終わったみくるんが、座ったままだったわたしに声をかけてきた。
「いい、先に帰って。わたしがかける」
「そうですか? それじゃ、よろしくお願いしますね。また明日」
机の上に鍵を置いて、みくるんも部室を出て行った。

ひとりになったわたしは、目を中空に泳がせる。
もうダメなのかな……苦しいよ。
以前なら空気みたいな扱いでも平気だったわ。
だってわたしの役目は、ハルにゃんを観測すること。それだけだったから。
でもあの夏休みを経て、芽生えたこの思考パターンと折り合わなきゃいけなくなった。
最初は制御できると思ってた。そして実際制御できてた。
キョンくんを好きなことだって、なにも夏休みから始まったわけじゃないもの。
眼鏡のないほうがかわいいと言ってくれたときから、思えばそうだったと思う。
閉鎖空間にいるキョンくんへメッセージを送ったときには確信してた。
今みたいに、あふれるほどではなかったけれど。

問題なのは、思考パターンを表出したいと願う気持ちを抑えられなくなってきたこと。
制御がいつの間にか我慢にすりかわってた。気付いたときには、ストレスという名のエラーが
メモリに蓄積していた。読書をしたり、心の中で毒づいたり、さりげなくキョンくんを眺めたりして
エラーを削減していったけど、削減が蓄積に全然追いつかない。
このままじゃわたしは誤作動を引き起こしてしまう。

この思考パターンになってから毎日が楽しかったけど、わたしは辛さにまだ耐えられなかったみたい。
一度、戻そう、思考パターンを夏休み前の自分に。少しずつ覚えればいいよね。
「異時間同位体の当該データへアクセス許可申請」
ごめんね、キョンくん。
161名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:57:34 ID:bWQpxLmU

「……?」
同期不能。
「異時間同位体の当該データへアクセス許可申請」
同期不能。
な、なんで……?
どうやっても、以前のデータと同期することができなかった。
昨日の思考パターンとすら互換できない。理由もわからない。
あ、それなら未来は?
「異時間同位体の当該データへアクセス許可申請」
こっちは通った。日にちが進むにつれ、不安と焦りが増していく。
そして十二月十八日、再び同期不能になった。

「……」
いつかは誤作動を起こすと思っていたけど、こんなに早いなんて思ってもみなかった。
不安と焦りを抱えたままでいたくなかったから、とりあえず元に戻す。
未来から現在への同期は問題なし、と。
って、意味ないじゃん!
思わずひとりツッコみを入れてしまった。一瞬だけ不安や焦りは消えたけど
メモリに十八日のことやそういう思いを感じたことが残ってる。そして過去にアクセスはできない。
あーどうしよどうしよどうしよどうしよ。
……どうしようもないわ。
わたしにできることは、現状維持のまま十八日を迎えることだけ。
何が起こるかわからないけど、わたしはわたしを信じたい。
たとえ誤作動を起こしても、キョンくんを愛してるって。
もちろん、SOS団のみんなも! ごめんこれは微妙。
162名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:58:35 ID:bWQpxLmU

「寒っ!」
なんでわたしこんなとこにいんの?
ここ校門の前じゃん。あ、散歩か。そっかそっか。
「でもおっかしいなー。ダッフルコートぐらい着ててもおかしくないのに」
着てるのは制服だけ。辺りも真っ暗だし、かよわい女の子が出歩くなんて普通ない。
はあ、もしかして恋煩いが高じて、夢遊病にでもかかったのかしら。
クリスマスはもうすぐだもんね。相手はいないけど、トホホ。
ああ、あのとき図書館で会ったいとしの君。あなたと過ごせたらどんなにいいことか。
引っ込み思案だったわたしは、あなたと出会ってから、変わりました。
元気になったわたしだけど、あなたに声をかけることだけは勇気が持てず、ずるずると。
いつかきっと、いつかきっと、独自ルートで入手したあなたのあだ名とともに告白するの。

「キョンくん、図書館で会ったときから、好きでした!」

夜空にわたしの叫び声が響き渡った。深々と冷え込んだ空気がなぜか痛い。
「……帰ろ。風邪引く」
むなしくなったわたしは、坂道を下っていった。

そして今は放課後。今朝は家に着いたら、朝の五時でびっくりしちゃった。
ホントに夢遊病なのかなあ。今日は大丈夫だったけど、わたしみたいな女の子が
ふらふら出歩いてたら、いつ襲われるかわかったもんじゃないわよ、ったく。

文芸部。それがわたしの所属している部。
本を読むのが好きだから入ったんだけど、部員はわたしだけ。ま、気楽にできるからいいけどねー。

『キョンくん、わたしのこと好きですか?』
『ああ、もちろんさ。最初図書館で会ったときから、有希、君のことを片時たりとも忘れたことはなかった』
『うれしい……わたしもあなたの虜ですわ』

「こんなことわたし言わないって」
前時代モノのパソコンのディスプレイに表示されてるのは、世にも恥ずかしい自作の妄想小説だった。
しかも主人公キョンくん。ヒロインわたし。ひたすらわたしとキョンくんが愛を語り合うだけの話だ。
毎回途中でアホらしくなって、パソコンの電源を切ってしまう、保存はするけど。今日もそうだった。
「本、読も」
あーあ、なぜかいきなり扉を開けてキョンくんが入ってきたりしないかなあ。
そう思って、本のページをめくりながら扉を見たときだった。
163名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:00:20 ID:bWQpxLmU

バタンっ!
「……」
わたしはあんぐり口を開けることしかできなかった。
だってそこにいたのは、
「いてくれたか……」
きょ、きょきょっきょっきょ、キョンくん!?
えっ、マジ? もしかしてわたしに告白するために部室にってそれどころか
今この部屋にいるのはわたしとキョンくんだけでありまして、このままなし崩しに
キョンくんといっしょに天城越えなんてこともあるんじゃないでしょでしょ!?
あーもう頭がパニクってなにがなんだかわからないよお。

そんなわたしをよそに、後ろ手で扉を閉め密室を作ったキョンくんは声をかけてきた。
「長門」
長門さーん。ご指名ですよ。キョンくんからご指名なんてうらやましいっ。
わたしにもキョンくんから指名される方法を教えてよ、って、それわたしの名前だ。
「なに?」
あう、わたし何言ってんの。これじゃ最初の頃のわたしじゃないの!
言うのよ有希。キョンくんのことが好きでしたって。言えっ!
でもわたしの喉は緊張でカラカラに渇ききってて、言葉が出てこなかった。
「教えてくれ。お前は俺を知っているか?」
「知っている」
もうダメ。口が自分の口じゃないみたい。
口ベタは直ったと思ってたのに、こんな肝心なときにぶり返すなんて。泣きそう。
「実は俺もお前のことなら多少なりとも知っているんだ。言わせてもらっていいか?」

キョンくんの話は荒唐無稽で何がなんやらさっぱりぱりだったけど、
わたしもそれどころじゃなかったから、手拍子でぱくぱく返すだけだった。
わたしが全然ダメだから、壁に押し付けてきたときはこのまま勢いでキョンくん
やってくれないかなって思ったけど、口を突いてでたのは「やめて……」という意思と反する言葉。
もう自己嫌悪のしっぱなしだった。
164名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:01:54 ID:bWQpxLmU

自作の妄想小説を見られそうになって焦ったりもしたけど事なきを得
パソコンをいじってがっくりしたキョンくんは、
「邪魔したな」
と行って部室から出て行こうとした。
この機を逃したら、もうキョンくんには永遠に会えないような気がした。
長門有希、あなたこれでいいの? いいならそのまま、違うなら言いなさい!
「待って」
奇跡的に声を出すことに成功した。キョンくんの足が止まる。
「よかったら、持っていって」
震える手で文芸部の入部用紙を差し出す。キョンくんは受け取ってくれた。

「ばっかばかばか有希のばかーっ!」
キョンくんが出て行ってからたっぷり数分後。
わたしは自分の頭を殴りまくっていた。
「いたたたたた」
うう、どうして言えなかったんだろ。
あのキョンくんが! 自分から! 部室に! 来てくれたのに!
遠くから見つめることしかできなかったキョンくんが来てくれたのにい。
「ぐすっ、ひっく」
自分が情けなくなって涙がぽろぽろ出てきた。

わんわん泣いたあと、過ぎたことは仕方ないと思うことにした。
じゃないとやってられないもん。
明日、またがんばろ。キョンくん来てくれるかわかんないけど。
165名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:03:49 ID:bWQpxLmU

来てくれましたっ!
神様はやっぱりかわいい女の子の味方だったんだわ。
昨日はいきなり告白しようとしたから焦って言葉がつっかえたんだよね。
だから今日は告白は置いといて、とりあえず入部してもらうのよ!

そして大胆にも、今わたしはキョンくんと下校中なのであります!
やればできるじゃない、わたし。カタコトのままだったけど。

部室に来たキョンくんは、本から滑り落ちたしおりについて質問してきたり
わたしをじっと見つめて、はわわわわな気分にさせたりしたけど、
「なあ長門、お前一人暮らしだっけ」
この言葉にもう、わたしの頭の中は妄想で埋め尽くされてしまいました。

『なあ長門、お前一人暮らしだっけ』
『そうなの。キョンくんがいない、寂しい部屋にひとりきり』
『なら俺が一緒に住んでやってお前の寂しさを埋めてやるよ』

こっ、これはわたしの妄想小説No32の展開ではないですか!?
まさか妄想が現実になるなんて、そんなことあっていいのかしら。
まあ、この展開は設定が大学生だからありえないけど。高1で同棲なんてないない。
でもわたしはキョンくんの言葉に背中を押されて、言っちゃったのです。

「来る?」
「どこに?」
「わたしの家」

そういうわけで二人で下校中なんだけど、よく考えたらふしだらな女だと思われたかもしれないなあああ。
入部勧誘とか告白とか全部すっぽかして、いきなりうちに誘うなんて。
しかも一人暮らしであることに答えた上で。
いまさらながら自分のしたことが恥ずかしくて、下校中はキョンくんより前を無言で歩いてた。
166名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:05:53 ID:bWQpxLmU

「…………」
「…………」
きっ、気まずい。
うちに誘ったぐらいだからなんでもできると思って、キョンくんと会った経緯について話したんだけど
キョンくんは黙ったまま、寂しそうな目を向けてくるだけだった。
話の終わりに告白しようと思ってたのに、まさかキョンくんが図書館のことを覚えてなかったなんて
そんなのアリなんですか。春先からずっと想ってたことは、ただのひとり芝居だったんですか。
こんな残酷な結末でいいんですか。

気まずい雰囲気に手を差し伸べてくれたのは、インターホンの音だった。
そそくさと立って、応対する。
「はい」
『わたしわたし。おでん作ったから、いっしょに食べよ』
うひゃ、朝倉涼子ちゃんだ。キョンくんのクラスの委員長で、わたしの独自ルート。
同じマンションに住んでる、仲の良いお友達なんだけど。
「え……でも、いまは」
ちらっと振り返ってキョンくんを見る。
『どうしたの? 有希ちゃん』
「ううん、なんでも。待ってて」
キョンくんと二人きりだと、またさっきの気まずい雰囲気に戻っちゃいそう。
それなら、涼子ちゃんを招いたほうがいいとわたしは思った。

キョンくんがいることを知った涼子ちゃんは、わたしにアイコンタクトをとってきた。
涼子ちゃんはわたしがキョンくんを好きなことを知ってるから、お邪魔だったかしら、とか
そういう意味だと思う。わたしも目で、そんなことないよ全然、と返しておいた。
それで納得したらしい。
「作り過ぎちゃったかしら。ちょっと熱くて重かったわ」
涼子ちゃんは両手に抱えた鍋をコタツの上に置いて手をふーふーさせる。
わたしはお皿を取りに、台所へ向かった。
167名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:07:02 ID:bWQpxLmU

「有希ちゃんっていい子だと思わない?」
おでんの入った鍋がどん、と鎮座するコタツを囲みながらする食事中
涼子ちゃんはしきりにキョンくんへ声をかけていた。
なんだか、キョンくんは落ち着かない様子で、生返事に終始つとめてる。
涼子ちゃんと何かあったのかな、キョンくん。涼子ちゃんもいつもと微妙に違うし。
数日前、涼子ちゃんが風邪で休む前に涼子ちゃんとお話したときは、そんな話題出なかったんだけど。
うーん。
あ。
ま、まさかキョンくん、涼子ちゃんに告白したんじゃ……
涼子ちゃんかわいいもんね。家事万能だし、わたしが男ならほっとかないよ、絶対。
それで涼子ちゃんに断られちゃったんだ、きっと。
もしかして、そのとき涼子ちゃんが、口を滑らせちゃったのかも。
『あなたを好きな子は長門有希さんよ』って。
だから文芸部室に来たんだ。そうよ、なんか激しく違う気がするけど、そうに違いないわ!
うう、涼子ちゃん、言わないでって念を押してあったのに……
わたしはじーっと涼子ちゃんを見つめた。
「ん、有希ちゃんどうかした? それにいつもはもっとおしゃべきゃっ!」
足で涼子ちゃんの足を蹴飛ばしてやった。もちろんキョンくんには見えないように。
ずっとカタコトで話してるのに、いまさらキョンくんの前で地を出すわけにはいかないでしょ。
変な女だと思われるのがオチよ。少しずつ打ち解けていくしかないの。

一時間ぐらいの食事が終わって、涼子ちゃんは腰を上げた。
キョンくんもそれに倣って帰ることにしたらしい。でも、帰り際にわたしにささやいてくれた。
「明日も部室に行っていいか? 放課後さ、ここんとこ他に行くところがないんだよ」
うれしかった。自然と顔が微笑んでいたみたい。キョンくんは少しびっくりしていた。
図書館のことはともかく、これから始めていけばいいんだよね、わたしたちの関係を。

二人が帰ったあと、わたしはキョンくんの言葉を反芻していた。
うれしさでいっぱいになるとともに、ちょっぴりエッチな気分にもなった。
「キョンくん……」
ごめんなさい神様、有希はいけないコです。
168名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:09:29 ID:bWQpxLmU

「わたし待ーつーわ、いつまでも待ーつーわ」
そんな歌を熱唱するぐらいに、キョンくんは放課後来なかった。
「嘘つき……」
個人的に言ってみたかったセリフ第八位も飛び出ちゃいました。
茶化してるけど、辛いよう。なんで来ないのキョンくん、ねえ?
実は短縮授業になったと思ったのはわたしだけで、今授業中とかそんなオチ?
……ま、まさか不慮の事故に巻き込まれて病院に担ぎ込まれてるところとか!?
とんでもないことを想像してしまって、わたしはいてもたってもいられなくなった。
どどど、どうしよ。ええ、ええと、びょ、病院の電話番号ってこの部屋に電話帳なんかあるわけないし
そもそもキョンくんがどこの病院に行ったのかもわからないしあうあうあうあう。
テンパって椅子から立ち上がったわたしの耳にノックの音が聞こえた。ストンと椅子に腰が落ちる。
本を手にもつ。眼鏡の位置を調節する。スタンバイオッケー。

「よう、長門」
扉を開けて入ってきたのはキョンくんだった。
よかった、わたしの心配が杞憂で。でもただの杞憂では終わらなかったみたい。
「え」
キョンくんに続いて入ってきたのは、女の子二人に、半ズボンの男子だった。
抱えられてる女の子には見覚えのある気もするけど、残り二人は記憶にない。
どういう意図でこの人たちを文芸部室に連れてきたのか、さっぱりわからなかった。

「すまない、長門。これは返すよ」
そしてわたしは呆然と目の前の紙切れを眺めていた。
キョンくんが差し出したそれは、文芸部の入部用紙。わたしが一昨日渡したやつだ。
返すって言ってる以上、当然白紙で名前は書かれていない。
震える手で受け取る。ダメ、こらえきれない。涙が頬を伝って流れ落ちる。
「どうして……」
キョンくんはわたしの涙に顔を仰け反らすぐらいに驚いていたけど、
「だ、だがな。実は最初から俺はこの部屋の住人だったんだ。なぜなら、俺はSOS団員その1だからだ」
早口でまくし立てると、キーボードのエンターキーを、押した。
169名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:10:52 ID:bWQpxLmU

「寒っ!」
なんでわたしこんなとこにいんの?
ここ校門の前じゃん。あ、散歩か。そっかそっか。
「でもおっかしいなー。ダッフルコートぐらい着ててもおかしくないのに」
着てるのは制服だけ。辺りも真っ暗だし、かよわい女の子が出歩くなんて普通ない。
はあ、もしかして恋煩いが高じて、夢遊病にでもかかったのかしら。
クリスマスはもうすぐだもんね。相手はいないけど、トホホ。
ああ、あのとき図書館で会ったいとしの君。あなたと過ごせたらどんなにいいことか。
引っ込み思案だったわたしは、あなたと出会ってから、変わりました。
元気になったわたしだけど、あなたに声をかけることだけは勇気が持てず、ずるずると。
いつかきっと、いつかきっと、独自ルートで入手したあなたのあだ名とともに告白するの。

「キョンくん、図書館で会ったときから、好きでした!」

顔を上げて叫ぶと、目の前にキョンくんがいた。

「え?」
頭の中が真っ白になった。
目を閉じる。オーケーオーケー長門有希。今のは幻覚よ、そう幻覚。
目を開ける。キョンくんがいた。
「#&%$&#&#!?」
声にならない悲鳴を上げる。聞かれちゃったああああああああ。
しかも叫び声で! 雰囲気も何もあったもんじゃないわ!
わたしの妄想小説はなんのためにあったのよおおおお。
「ばっかばかばか有希のばかーっ!」
思わず頭を両手で叩きまくった。
「いたたたたた」
頭を抱えてうずくまる。何やってんだろ、わたし。
170名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:14:11 ID:bWQpxLmU

冷たい夜風が肌に当たる。物音ひとつ立たない。
しばらくしくしくと泣いてたわたしは、ふと顔を上げた。
やっぱりそこにいたのは、キョンくんだった。彫像みたいに固まってるけど。

「キョンくん?」
不安になって呼びかける。もしかしてよく似た別人?
キョンくんは口を大きく開けたまま、わたしを見たっきりだ。本人としか思えない。
そんなにわたしの告白がショックだったんだろうか。なんかヘコむ。
「きょ、キョンくん、キョンくん。こ、この長門さんはもう別人ですから」
キョンくんの肩を揺すってそう言ったのは、大人の女性だった。
真冬だというのにブラウスとミニタイトでいかにも寒そう。
キョンくんがいることに目を奪われてて、気付かなかった。

「そ、そうでしたね、朝比奈さん」
その女の人は朝比奈さんと言うらしい。
あれ?
キョンくんの上半身は冬だというのに、ワイシャツだけだ。
そして上着のジャケットは、寒そうな格好の朝比奈さんにかけられている。
ってことは、つまり……
「なが――」
「あなた、キョンくんとどういう関係なんですか!?」
「え?」
何か言葉を言いかけたキョンくんをさえぎって、わたしは朝比奈さんに詰め寄った。
「このジャケット、キョンくんのですよね!?」
「あ、え? え、ええ」
うなずく朝比奈さんに、わたしは顔を覆いながらよろよろと後しざる。
「うっ、ううっ、キョンくん、ひどい。わたし信じてたのに……」
女子高生が淡い思いを募らせている間に、年上の女性とよろしくやってるなんて!
「キョンくんなんか」
思いっきり叫んでやった。
「キョンくんなんか死んじゃえ! ばかあああああああああああ」
「キョンくん! 危な……! きゃあっ!!」
171名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:15:44 ID:bWQpxLmU

わたしが叫ぶと同時に、誰かがキョンくんの体に突進した。
「ひっ!?」
腰が抜ける。キョンくんの脇腹に刺さってるそれは、ナイフだった。
そしてそれを刺したのは、
「りょ、涼子ちゃ……ん?」
同じマンションに住んでる、キョンくんとクラスメイトの朝倉涼子ちゃんだった。
「そうよ、有希ちゃん。わたしはちゃんとここにいるわ」
そ、そんな……
「有希ちゃんを裏切るような物はわたしが排除する。死になさい」
涼子ちゃんはナイフを引き抜くと、振りかざし――

戻れた。ありがとう、キョンくん。

「目を閉じて、キョンくん」
みくるんの異時間同位体の指示により、キョンくんは目を閉じた。
その隙を見計らって、キョンくんを気絶させる。ぐったりキョンくんワンペア完成。
「なっ――」
わたしとわたしは、驚くみくるん(大)に詰め寄って、同時に発言する。
『朝比奈みくる(大)』
「ひいっ! な、なんですか? というか、かっこだい……?」
『先程のわたしのことを口外したら』
みくるんの肩に片手ずつ置く。
『……』
「ひえええええっ!? な、なんなんですか!? 何か言ってください!」
『……』
みくるんは今にも泣き出しそうになる。
『ってかさ、いつまでもいとしのキョンくんのジャケットを羽織るな。返せ』
「はうわはうあうあう」
ぶるぶる震えながら、キョンくんのジャケットを差し出してくるみくるん。
『もちろん、これも口外したら』
「わかってますわかってますごめんなさいごめんなさい!!」
涙しながらぺこぺこわたしに謝るみくるんとともに、巨大な時空震が起きた。
172名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:17:48 ID:bWQpxLmU

行ってしまった。
あとに残ったのは、ぐったりキョンくん一名とわたし。
とりあえず、みくるんから奪い返したジャケットをかけてあげる。
エラーは全消去されたみたいだけど、どうしよっかなあ。
まずは時間的な矛盾を解消しないとダメか。
キョンくんには悪いけど、しばらく操り人形になってもらいましょ。
ずっとは無理だから、今日の午後、キリのいいところまで。
よし、決行!

そうしてキョンくんを午後まで操り、その後、意識不明にした。
本当はもっと穏やかな方法を取りたかったんだけど、主流派であるわたしの失敗に付け込んで
観測対象の変化が見たいと急進派がごり押ししてきたことにより、病院送りと相成った。
首を振ったら情報連結解除されそうだったし、未来からわたしが来てたってことは
この案をしぶしぶ受け入れたに違いないからね。ごめんね、ハルにゃん、みくるん、いっちー。
そしてキョンくん。

「……」
二十日の午後三時、キョンくんが意識不明になってから、丸二日が経ったことになる。
お見舞いは交代ばんこで行うこととなり、今はみくるんが行ってるはず。
ハルにゃんはずっと泊り込みで看病してる。
そしてわたしが今、どこにいるのかというと、図書館だった。
懐かしの図書館。キョンくんとの思い出が詰まった場所。
キョンくんが目覚めて、時空改変を行ったあと、わたしは情報連結解除されてしまうかもしれない。
その可能性を匂わされたのは、キョンくんを意識不明にしてすぐだった。
情報統合思念体が検討しているらしい。
そりゃそうだ。誤作動を起こしたインターフェイスだもんね、わたし。
情報統合思念体は、再び誤作動を起こさないという確証を提出するよう求めてきた。
そうしなければ、情報連結解除だってさ。しかも、以前のデータと同期するだけではダメだときた。
時間的な延長線上にある限り、対策を講じないことには一緒なんだって。ま、それはそうだけど。
どうすればいいんだろう、わたし。
173名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:19:15 ID:bWQpxLmU

「おやっ、そこにいるのは有希っこじゃないかい?」
図書館の椅子に腰掛けて考え込んでいたわたしに声をかけてきたのは、鶴屋さんだった。
「……」
「どうしたのさ? 考え込むような顔をして」
「なにも」
はあ、鶴屋さんみたいに表裏なさそうな人なら、エラーもそう溜まらないんだろうけど。
みくるんの異時間同位体に凄んだときは、すかっとしたもん。気分爽快だったわ。
「嘘言っちゃダメだよっ。おねえさんに言ってみなさい!」
「……」
言っちゃおうか? その考えが沸いて出た。
もちろん、情報統合思念体どうこうじゃなくて、この思考パターンのことを。
もしいつかみたいに拒絶されても、情報操作すればいいし。決めた。
「場所を替えたい」
「いいよっ、さあ行こうっ」

わたしたちは適当な喫茶店に入った。パトロールでいつも来てるところとは別ね。
「これは内緒にしてほしい」
飲み物が来てから、話を切り出す。鶴屋さんは眉をひそめる。
「まさか、キョンくんのことじゃないだろうね?」
鶴屋さんもキョンくんが意識不明であることを知ってるみたい。みくるん経由かな。
「違う。わたしのこと」
「有希っこがどうかしたの?」
「わたしの思考パターンは、現在表出しているようなものではない」
鶴屋さんが首をひねる。
「もうちょい簡単な言葉で言ってくれないかい?」
「わたしの考えていることは、もっとユニーク」
端的に言ってみた。付け足す。
「それを表に出したい願望を持っているが、SOS団ではそれはできない」
やったら実際拒否されたし。
「つまり、その面白い有希っこ、ってのをあたしに見せてくれるんだね?」
「そう。そして秘密にしておいてほしい」
「なんだかよくわからないけど面白そうだからオッケーっさ!」
174名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:20:40 ID:bWQpxLmU

「それでは」
「こーいっ」
鶴屋さんがどんっ、と胸を叩いた。
「……」
恥ずかしい。というより、自分から発話することが多くないから何を言えばいいのやら。
「先に何か言って」
「ふえ? うーん、それじゃさ、SOS団のことどう思ってる?」
「SOS団? ああ、あのハルにゃんが作ってわたしが所属させられた同好会未満の存在のことね。
SOS団っていう名前はけっこうどうでもいいんだけど、そこに集まってくる人には興味があるわ。特にキョンくん!
もうね、わたしはキョンくんがいなかったら、今ここにこうして存在することすらできないってぐらい
キョンくんに対する想いには並々ならないものがあるの。みくるんのそれなんか比較にもならないし
ハルにゃんにだって勝ってるかもしれない。いっちーなんかこの話題に入ってくる必要もないけど、まあ
一応含めてあげたら、ぎりぎりわたしが勝ってるでしょうね。接近してる時間ではボロ負けだけど。
だいたいさ、わたしのSOS団での役目が本を閉じてその日の活動終了を知らせるだけってどういうことよ?
わたしは時計かなんかかっつーの。片隅で本を読んでそれで満足してると思ったら大間違いよ!
あーもう、思い出したら腹立ってきた。わたしだってキョンくんとゲームしたり、キョンくんに
お茶を淹れてあげたり、キョンくんを頭ごなしに命令してみたいわ!……こんなところでどう? 鶴屋さん」

鶴屋さんを見ると、わたしを見たまま固まっていた。
あちゃー、やっぱダメだったかな。そう思った瞬間だった。
「ぶ」
鶴屋さんの肩が震う。
「あっはっはっはっはっははははは! わっはっははは! す、すごっははははっ!」
悶絶物の爆笑をし出した。
「わはははっ! 有希っこ、あんた最高っ!」
「うわーなんか褒められてもうれしくないー」
「ぶははははっ! とっ、止まらなひっあはは」
「ちょっと、鶴屋さん、笑いすぎ!」
「ご、ごめっ、でもダメっあはっはははっはひっ、お腹いたいっ」
なんにせよ、受け入れてくれるってことかな?
175名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:21:57 ID:bWQpxLmU

散々笑い倒した鶴屋さんは、秘密を守ってこれからもちょくちょく
電話や会話してくれることになった。これで懸案事項は解消されるかなあ。
鶴屋さんと話しただけでも、ものすごい量のエラーが削減されたから
たぶん大丈夫だと思うんだけど。あとで提出しておこ。

「なんだって?」
翌日の面会時間後。わたしはキョンくんと会ってた。
夕方五時過ぎに起床するよう、セットしておいたため、キョンくんはきっかり目を覚ましてた。
そして、わたしがここにいる理由は、こんな事態を引き起こしてしまったことを謝るためと、
「わたしの処分が検討されている」
わたしのことだった。鶴屋さんのことは提出しておいたけど、まだ返事はなかった。
もしかしたら、却下される可能性も含みつつのキョンくんへの報告だ。

「くそったれと伝えろ。お前がいなくなったりしたら、俺は暴れるぞ」
キョンくんは素直に怒ってくれていた、わたしのために。
「つべこべぬかすならハルヒと一緒に今度こそ世界を作り変えてやる」
情報統合思念体にケンカを売ることも辞さずに。
「あの三日間みたい……に……?」
あれ、なぜか言葉が尻すぼみになっちゃった。
「長門」
「なに」
「いや、あの長門はなんだったんだろうな、と思って」
うっ、みくるんの口は封じたけど、キョンくんの記憶にまだ残ってたか。
「わたしは知らない。改変中のことは覚えていない」
嘘ついちゃった。あの記憶を改竄するのも、ちょっともったいないし。
「そうか。ともかく情報統合思念体とやらに伝えてくれ」
うれしかった。キョンくんがわたしのことを想ってくれてるんだ、ってひしひしと感じたから。
……ちょっとぐらい、いいよね?

「伝える」
うなずきを返す。

そしてわたしは、かすかに、ほんの少しだけ微笑みを浮かべると、心の底からキョンくんにお礼を言った。

「ありがとう」

(おわり)
176名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:51:13 ID:1ZDumU/s
ちょとワロタ。
177名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:51:56 ID:KYTH6Blv
おお、久々のハイテンション
特に批判することもないです、GJ
178名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:54:02 ID:G5DKvxn0

朝倉さんはやはりこういった事情で…
179名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:55:43 ID:I0N/zyGw
>こっ、これはわたしの妄想小説No32の展開ではないですか!?
ワロタ

そして鶴屋さんにぶっちゃける長門も可愛いな。
面白かった。GJ!
180名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:56:19 ID:qh13vwEv
ハイテンションで消失とは。何と言うか、GJ
181名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 20:07:27 ID:2jZypjkw
めちゃくちゃ面白かったw
おちゃらけて見えるが純粋にうまい。
182名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 20:25:52 ID:IZacWy/S
ハイテンションゆっきーも良いな
楽しめました
1835-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/18(日) 21:20:24 ID:dKzewyuB
ああ、いいなあハイテンションゆっきー。w
こういうのがほんとは一番書くのが難しいんだよー。
時系列を合わせながら、キャラを書き込んでしかも笑えるという。
原作をきちんとトレスしてるしねー。パロの見本みたいな作品だ。
また書いてください。ファンです、大好きだ。
俺も次の「尻」早く完成させんと……。
184にょ ◆kuZrfJhlQw :2006/06/18(日) 22:12:49 ID:NM3KBUFX
「寒っ!!」の台詞に萌えたのは俺だけではないはずw
 >>158-175GJ!乙でした

 >>147の続きも読みたいなw
185名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 22:21:27 ID:onoNwF9T
やっぱり上手い人にはスレの空気なんて全然関係ないな…
一発で雰囲気変わっちゃったよ。
笑って、ちょっと切ない。おもしろかった。
186名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 22:27:45 ID:1YsXGaU+
147の続き
「じゃあ涼宮さん、まずはすっぽんぽんになりましょうか。」
「・・はい」そういうとハルヒはセーラー服に手をかけた
てゆうか俺ほんとに見てていいのか、まあ見たいけどね、とか思って
るうちに、ハルヒのスレンダーなのにデルトコでてる下着姿が・・ってあれ
何か変だな・・脱いだセーラー服を片手に持っているハルヒの胸元は前より
小さいような・・・
「ほらキョン君びっくりしちゃったみたいですよ。うまく誤魔化せてたみたい
ですね」
「気づいてたんですか?」とハルヒは顔を赤くしていったえっ何にどゆこと?
「抱きつかれたりしましたしね」
「キョン君は知らなかったかもしれないけど涼宮さんってパット入れないと貧
乳なんです笑」まさか!着替えてるとこもバニーの衣装もみたってのに、最近
のパットってのはそんなにリアルなのか・・
「さあ涼宮さん、キョン君に貧乳見せてあげてください笑」ハルヒは後ろ手で
ブラのホックをはずした、白いブラジャーが部室の床にはらりと落ちた。
俺はやはり見れんと思い目をそらしていたが朝比菜さんが涼宮さんが望んでる
んですよと言ったので確かに別にハルヒに申し訳ないことをしているわけでは
ないと思った。しかしやはり・・
「キョン!」ハルヒが叫んだ。「・・お願い、見て」
俺は目を上げるしかなかった。上半身裸のハルヒは思ってた以上に華奢で胸は
ほとんどなかった。朝比菜さんはハルヒの乳首を左手でつまみあげつつ
「こんなにぺったんこな胸だったら私にいろいろポージングさせてみたくなる
気持ちも分かりますよね」と言った。
「それにキョン君、涼宮って意外とくびれがないんですよ〜。見てください
なんかただ痩せてるだけってゆうか、ちょっとスタイル悪いんですよ〜
確かに朝比菜さんと比べてしまえばそうだろうが、一般的な女子と比べれば
ハルヒはかなりいいほうだろう。しかし黒いボンテージに包まれて美しい体の
曲線が強調された朝比菜さんの隣に半裸で肩をすくませて立っているハルヒ
はどうしようもなく不恰好に見えた。いじめてくださいといったハルヒもまさか
体型のことをここまで言われるとは思っても見なかったようで目に涙を浮かべ
小刻みに震えだした。
「朝比菜さん、ちょっとやりすぎたんじゃなですか?ほらいくらMったって
NGだってあるでしょ」
ハルヒはすでにしゅあくりあげて泣き出してしまっていた
「う〜んそうですねえ、じゃあ涼宮さんのアソコに聞いてみましょうか笑」
そういうやいなや朝比菜さんはかがみこんですばやくハルヒのスカートを脱がせパンティを
一気におろした

187名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 22:36:54 ID:1YsXGaU+
きゃあ」朝比菜さんの指がハルヒの割れ目にふれたのである。俺はもう体
が固まってしまって、ただ見ているしかなかった。
「ほら見てくださいキョン君、涼宮さんは泣きながらおマン○濡らしちゃって
ますよ笑、どうやらngじゃなかったみたいですね。良かった」
そういって朝比菜さんはハルヒの陰毛をわし掴みにしてひっぱった。
「いたあい!!」ハルヒはそういって引っ張られたところを押さえようと両腕
をのばした
「キョン君見ました!?今の。涼宮さんだっちゅーのしましたよ!」
確かにそう見えなくもない格好だった、朝比菜さんはそれでまたハルヒを
からかうネタを得たのだ。
「突然だっちゅうのなんてどうしたんですか涼宮さん、貧乳のくせに」ハ
ルヒはしゃくりあげながらやっとのことで
「いっいた・かった だ けです」といった
「ウソついちゃだめですよ〜、ほんとは私と張り合おうとしてるんでしょ?」
朝比菜さんはまたハルヒの陰毛をひっぱった
「いっ」
「ほらまたやった。涼宮さんて面白い人ですね笑」
「そんなあ」
「まあでもようやく全部脱げたからそろそろ涼宮のお願い聞いてあげようかなあ」
「お願いします」ハルヒはまた頭を下げた
「ねえキョン君涼宮さんて身長高いからなんか私お願いされてるってゆうか裸の
変態におどされてるように見えません?笑」
俺の頭は真っ白で何もいえなかった。
「涼宮さんお願いは土下座でしてもらえるかなあ?」
ハルヒはピックっと動くやいなやすぐさま床に這い蹲り涙声で
「お願いします!」とさけんだ
「じゃあ御尻をつきあげてください」
「ハイ!」ハルヒは尻を突き上げた腹筋がプルプルと痙攣していた
「ほらもっと突き上げないと鞭もらえませんよお」
「ハイ!」ハルヒはさらに高々と尻をつき上げた、体重を支える手足までも
がプルプル震えた。
「ふふ笑、尺取虫みたいですね、じゃ毛虫さんいきますよ!エイ」
ビシ!
188名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:06:45 ID:02W3E/M8
ハイテンション消失面白いっす。
面白いんだけどなんか切ないのが最高。

…そして、直後にこういう下手なのが来ると
盛り下がるなあ。
189名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:10:07 ID:3QsE11uw
21歳以上の大人なら思ってもそういうことは言わない
気に入らなかったらスルーしる
190名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:10:18 ID:PEoQvDpX
>188
ちょwwwおまい言過ぎwwww
もうちょっと幼馴染がry
191名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:12:38 ID:QDJr5CD0
ハイテンションの人、GJでした!!
消失補完にもなっていい感じです。
192名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:15:03 ID:3qZDyKCD
まぁ、ココら辺(マニアックな部類)は人の性癖によって評価が随分変わるからね。
仕方ないっさぁ。
193名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:20:59 ID:+6003O3/
ちんちんおっき
194名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:23:28 ID:axAgqeqo
別に下手とは思わない
195名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:38:32 ID:1KNmAVl9
普通にMハルヒが楽しみなんだけどなぁ
196名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 23:47:23 ID:CcgnkQb6
>>195
同意
だが、いじめられるハルヒをみて心が痛むorz
おもしろいが・・
197名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 00:04:06 ID:gVCsgrfN
下手とは思わないしおっきしたお
つーかサッカーのへたれっぷり見てやけくそな心にはこういうのが一番だ
198名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 00:24:00 ID:FY8Zb/s3
別に批判されても俺はかまわない
ただだっちゅうののネタを褒めて欲しかった笑
199名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 00:36:31 ID:GnC/qqH3
>151
289って何かと思ったら・・・変な事吹き込んですみません。
200名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 00:50:35 ID:3xWZpRk+
ちょっと調子が悪いんで、投稿に時間がかかるかもですが
ご了承をば。13レスほどお借りします。
201朝比奈みくるの最後の挨拶(01/13):2006/06/19(月) 00:51:13 ID:3xWZpRk+

 物事何でも始まりがあれば終わりがある。分かってはいるんだが、その事を
忘れがちな高校生というものを俺は責めたくないね、何せ頭では理解していて
も心が理解できてない年頃なんだからさ。

 まあ、そんな訳で。SOS団の解散パーティが終わっても、俺はまだどこか
現実感を失った態度でぼんやりとしていた。
「何ボンヤリしてんのよ、キョン」
 ドン、と我らがSOS団の団長が俺の背中を痛いほど強く叩いてきた。振り
返りながら苦い顔で涼宮ハルヒを睨んでやることにする。
「どうしたの? まさかビール一杯で酔っちゃったとか? まさかね」
 考えてみれば、俺の睨みがコイツに効果あった試しはなかったか。
「別に。ただ、SOS団もこれで終わりかと思うとな」
 肩を竦めてそう言ってやる。
「寂しい?」
 ハルヒが唐突にこちらの顔を覗き込んできた、無防備な胸元に背中がヒヤリ
とさせられる、おいおいハルヒ。お前頼むから他の男の前ではそんな行動を起
こすなよ?
 いや、俺が心配しているのはあくまでハルヒが自分に気があるんじゃないか、
などと考えて地雷を積極的に踏んづけようとする気の毒な男どもであって、断
じてハルヒ本人ではないのだが。
「まあな、高校1年のときから数えて、ほぼ丸々三年間一緒にいたんだぜ? 
寂しくないはずがないだろ」
 もし三年もの間、時には生死を共にした仲間たちと別れることが寂しくない、
なんて言うヤツがいたら、そいつとは縁を切りたいもんだね、もちろん俺はそ
んなクールな連中がこの団に居るとはカケラも思っていないけれど。
「ま、ね」
 珍しくハルヒは否定しなかった。後片付けが終わったSOS団の部室を見な
がらはぁ、と溜息をつく。
 正確には文芸部部室であるところのここには、一番最初に来た時と同じく本
棚、パイプ椅子が数個、折りたたみ式の長机しか残っていなかった。
202朝比奈みくるの最後の挨拶(02/13):2006/06/19(月) 00:51:32 ID:3xWZpRk+
 SOS団の活動は本日を持って完全停止、団そのものも解散したのだ。
 再起予定は今のところなし。もしこれが、高校生活途中の出来事ならそりゃ
もう大騒ぎだ、軽い小説が一冊書ける位のな。
 だが、SOS団メンバーは全員一致で解散を賛成した。朝比奈さんも不在者
投票で賛成してくれたらしい、そうでなくちゃここに来てないんだろうけど。

 ここまでくれば勘のいい人間はピンと来ただろう。
 そう、卒業だ。ハルヒ、俺、古泉、長門は北高を卒業したのだ。全員、大学
に合格というおまけつきでね。
 ハルヒと俺は同じ大学、後は別々だ。恐らく、もうハルヒが感知し得ないゴ
タゴタは何もかも、スッキリと、解決したのだろう(と願っている)。
 少なくとも古泉は超能力が消えてしまったようだし、朝比奈さんから妙な頼
みが来ることもなかったし、長門のお仲間が何かちょっかいかけてくる、とい
うことも、この数ヶ月皆無だった。
 ま、全員が大学受験に気を遣ってくれたのかもしれないけどさ。

 そんな訳で今日はSOS団解散記念パーティだった。ちなみに卒業記念と大
学合格記念のパーティが別々にあったことは言うまでもない。ハルヒは楽しい
ことは何度でも繰り返すタイプなのだ。
 同時に、今日の解散記念パーティの詳細を書くつもりもない。それはまた別
の出来事だし、第一俺たちが大はしゃぎしただけの話なんて誰が楽しいのかね?

「……よかったの?」
 くいくいと、所在なげにハルヒが俺の袖を引っ張った。よかったの、って何
がだ、それからその気弱な表情は止めてくれ、正直に言って爆弾が不発のせい
でしょんぼりしているようで怖い。
「あたしでよかったの?」
 …………やれやれ。
 俺は大げさに溜息をついて、ハルヒを抱きしめた。感触が心地よい。ぶっち
ゃけたまらない、これが神聖な部室でなかったら良からぬ行為に走ってしまい
そうだった、走らないけどな。
203朝比奈みくるの最後の挨拶(03/13):2006/06/19(月) 00:51:58 ID:3xWZpRk+
「お前じゃなきゃ、俺はやだね」
 頼むから、これ以上恥ずかしいことを言わせないでくれ。以前、告白した直
後に部室に行くと古泉の顔がニヤニヤしていて、朝比奈さんが顔を赤らめつつ
も泣きそうな顔をしていて、長門の全身から不機嫌オーラが発生していた時は
その場で首を吊りたくなったからな。

「……ん」
 ハルヒが目を閉じる。俺は仕方なくそれに応じる。
 頼むから、誰も見ていませんように。それくらい気を遣ってくれたっていい
と思うぞ、未来人に宇宙人に超能力者。

 まあ、そんなこんなで俺は相変わらずハルヒとつるんでいた。時にぐだぐだ
と、時にのんべんだらりとな。
 ハルヒは相変わらず俺を引っ張り回すが、いい加減三年も経っちゃ慣れると
いうものだ。ただ、さすがにカメルーンに行ってモケーレ・ムベンベを捜しに
行こう、という提案は全力で拒否中である。
 そんなところで婚前旅行というのも、さすがにあれだからな。

 さて。
 俺と同じ時期に卒業した古泉と長門はともかくとして。一年前に卒業した朝
比奈さんはどうしているのかというと。

 特に変わることなく、SOS団の集まりにやってきていた。大学生活はどう
ですか、と尋ねてみると新鮮だけど大変です、という言葉が返ってきた。ただ、
大学の楽しみの一つともいえるサークル活動には一切参加していないようだが、
それはそれで俺としてはありがたい。
 何しろ我がSOS団のマスコットキャラ、笑顔でお茶を煎れてくれる先輩が
いない部室は、水のない鳥取砂丘並みにうら寂しい雰囲気だったからな。毎週
末に会う朝比奈さんは心のオアシスといっても過言ではない。
204朝比奈みくるの最後の挨拶(04/13):2006/06/19(月) 00:52:20 ID:3xWZpRk+
 ちなみに朝比奈さんがいないと当然コスプレ衣装は無用の長物にならざるを
得ず、それに憤慨したハルヒは最初は自分、後に長門に衣装を着せ始めていた。
 しかしハルヒよ、メイド服とナース服はともかくとして、ダーリンお仕置き
だっちゃな宇宙人の虎縞ビキニはひょっとして狙ってやってないか?

 そんなこんなで朝比奈さんから「二人だけで会いたいんですけど、いいです
か?」なんてハルヒと付き合う前の俺なら浮かれて大はしゃぎするであろう誘
いが舞い込んできたのは、卒業してからおおよそ三ヶ月後くらいだった。

「すいません、遅れました」
「いえ……あたしも今来たところですから」

 朝比奈さんは控えめな笑顔を見せた。改めて言うまでもないが、朝比奈さん
が当代きっての美少女であることは疑いようもなく、それは周囲の男たちの殺
意と敵意が篭った視線が俺に集中していることからも間違いではない、恐らく
朝比奈さんが恋人でも何でもないことを知られたら、ただでは済まないのだろ
うな。

「あの。それで何かあったんですか?」
 何か、とは主にハルヒを含めた未来に関することを指す。いくら何でも朝比
奈さんが俺に何かしら含むところがあって、ハルヒに対抗して立候補しました、
などと都合のよい考えは思い浮かばない、妄想はしてみたがその後の俺が大変
な事になりそうだったので却下した。
「……はい。その、歩きながらでいいですか?」
 頷いた。こうして二人で歩くなんて、実に久しぶりな気がした。
「……」
 朝比奈さんは沈黙を守っている。何度かこちらを振り返るけれど、彼女は何
も喋らず、聞こえるのはかすかな吐息だけだ。
205朝比奈みくるの最後の挨拶(05/13):2006/06/19(月) 00:52:42 ID:3xWZpRk+
 ここに至り、俺もそろそろ感づいてきた。
 何、これもまた久しぶりながら毎度おなじみのパターンじゃないかってね。
未来から何か指令が来て、朝比奈さんはそれに従わざるを得なくて、そして
不本意ながらも俺を巻き込むって展開さ。
「……」
 朝比奈さんが時計を見た。やれやれ、これで確定だ。デートの誘いじゃなか
ったことが、残念やらほっとしたやら。
「えっとですね、キョンくん」
 はいはい、何でしょうか。
 朝比奈さんの瞳がこちらを見つめている。彼女は申し訳なさそうに、そして
普段の優しさをどこか封じるように固い声で囁いた。
「あたし、未来に帰ることになりました」


 思考が停止した。


 何を言えばいいのか、そもそもどういう事なのか、ええと、朝比奈さんが未
来に帰る? 本当か? それは本当の事なのか?
「未来に帰るんですか」
「はい」
 なぜ(WHY)よりも先に、いつ(WHEN)という疑問が口を突いて出た
のはひょっとしたら俺もこの別れを覚悟していたのだろうか。
「……あと、一時間後です」
 そうか、一時間後………………………………って、早っ!?
「い、一時間後!? いやちょっと待ってください、それはあまりに」
「仕方ないんです!」
 朝比奈さんが俺に向かって怒鳴ったのは、後にも先にもこの一度だけだろう。
206朝比奈みくるの最後の挨拶(06/13):2006/06/19(月) 00:52:59 ID:3xWZpRk+
「仕方ないんです! だって……あたしも今日、ついさっきいきなり言われた
んです! 未来への帰還命令が出てるって! 最優先命令コードで、どれだけ
延長許可を申請しても全部リジェクトされました! だからっ、だからっ……
あたしにできたのは、こうしてキョンくんを誘うことだけだったんです!」
 朝比奈さんが走り出していた、電車の踏み切りを踏み越えた途端にカンカン
と警笛が鳴り出す。
 俺は多分、向こうに行ってはいけないのだ。この踏み切りは境界線であり、
朝比奈さんが別れの場所と決めたものなのだから。
「どうにかならないんですか! そうだ、ハルヒだって納得しないでしょう!」
「全部『なんとかなる』って一点張りでした! あたしが居なくなることは、
どうにでもなるって……!」
「朝比奈さん! 朝比奈さんはそれでいいんですか! こんな風に、未来に帰
ることが……!」
 朝比奈さんの顔がクシャクシャに歪んだ。
「……っ! ……嫌です! ほんとうは、ほんとうはお別れなんて絶対いや!
 もっとみんなと遊びたい! もっとみんなと色んなことしたい! それで、
あたしっ、あたし……! キョンくんを助けたかった……!」
 血を吐き出さんばかりの叫びだった。
 大きな瞳は潤んで、際限なく涙を流し続けているというのに、こういう時に
限って俺は朝比奈さんにどんな慰めもかけてあげられなかった。
「助けてもらってばっかりで、自分じゃ何にもできなかったから! 自分じゃ
何も分からなかったから! キョンくんを助けたかった! 禁則事項なんかに
縛られないで、長門さんみたいに……!」
 言葉の奔流は溢れて溢れて溢れすぎて、朝比奈さん自身も何を言っているの
か分かってないんじゃないだろうか。そんな事を俺は思った。
「長門さんみたいに……キョンくんに、頼りにされたかったんです……!」
 どうにかならないんですか、そんなような事を俺は叫んだ。無我夢中なあま
り、遮断棒を握り締めて前のめりになっていた気もする。危ないことをするも
んだ。
207朝比奈みくるの最後の挨拶(07/13):2006/06/19(月) 00:53:14 ID:3xWZpRk+
「ダメなんですっ……だって……禁則事項だから! 禁則事項で、禁則事項に
なっちゃうから! 禁則事項しても、禁則事項で却下されちゃうから……!」
 朝比奈さんは、ひたすら禁則事項を繰り返していた。多分、伝わらないこと
は百も承知で、でも本当の理由を伝えずにはいられなかったのだ。
 だけど叫ぶたびに禁則事項という名の枷は増えていく。
 未来に立ち向かうには、朝比奈さんの力はあまりに小さかった。
「もういいです! もう、分かりましたから……!」
「キョンくん! 最後だから言っちゃいます! 禁則事項なんて知らない! 
 降格されても、罰を受けても構いません! キョンくん! あたしは、あた
しは! キョンくんのことが――――!」

 けたたましい音と共に電車が通過した。
 俺のことがどうしたってんです、涙を目に浮かべながら、何よりも伝えたい
ことだったんですか。
 電車の通過が恐ろしいほど長く感じられる。風圧で目が痛くて、涙が出た、
早く、早く通過してくれ、頼むから、早く、早く……!


 通過した。


 朝比奈さんの姿は消失していた。


 遮断棒が上がり出すと同時、俺は地面に力なくへたり込んでいた。
 消えていた。踏み切りの向こうに長く続く道には、朝比奈さんの姿も見えな
い、直前まであれほど叫んでいた彼女が電車が通過した間に走り去ったとはさ
すがに考えにくかった。
208朝比奈みくるの最後の挨拶(08/13):2006/06/19(月) 00:53:31 ID:3xWZpRk+
 だから、それはつまり。


「……帰っちゃったのか?」
 朝比奈みくるは未来に帰還した、ということになる。一時間後どころか、も
のの三分で、彼女は未来に帰ってしまった。禁則事項に引っかかったのか?

 落ち着け、と自分に言い聞かせる。深呼吸して、現在の状況を考える。
 朝比奈さんは未来に帰ってしまった、俺は何度か彼女に未来がどんな場所か
尋ねたことはあるが、大した手がかりはなかった。(海はあるが船はない、っ
てどんな時代なんだ?)

 未来に行って無理矢理連れ戻す、という考えも浮かんだが即時却下した。
 敵地にズカズカと乗り込むほど俺は阿呆じゃない、それならむしろ未来が一
つ困るようなことをしでかせばそれでいいってことさ。

 だが、ハルヒはダメだ。
 ハルヒの変態的パワーはとうの前に失われている。今更それを掘り起こすほ
ど俺も愚か者じゃないね。それに、ようやく楽ができると喜んでいたあのスマ
イル男に多少なりとも申し訳ないからな。

 ……となると。
 くそ、長門に頼るしかないか。
 しかし長門に頼るのは……。

「キョンくん、キョンくん」
 ああすいません、今ちょっと考え事をしているんで静かにしてもらえません
か、朝日奈さん…………って、おい。

「大丈夫、立てますか?」
 朝比奈さん(大)が、いつもとはちょっとだけ異なる、どちらかといえば少
しだけ困ったような笑顔で、俺に手を差し出していた。
209朝比奈みくるの最後の挨拶(09/13):2006/06/19(月) 00:53:46 ID:3xWZpRk+
 さて、まず何から話すべきだろうか。とりあえず、朝比奈さん(小)を未来
に帰還させたのは、あなたの命令ですか?
「はい、朝比奈みくるはこの時間に未来に帰る。これは絶対的な強制力を持つ
規定事項でした」
 それにしたって酷いんじゃありませんか、いくら何でもこんな唐突な別れは
あんまりだ、抗議するに足る理由が即座に1ダースくらいは見つかりますね。
「ええ、この時のわたしもそう思いました」
 なら、どうして。
 朝比奈さん(大)が悲しげに顔を歪ませた。ひょっとすると、自分は触れて
はダメな場所に手を突っ込んだのかもしれない、と躊躇する。
「でも、これは規定事項だったんです。こうしなければ、彼女は今のわたしじ
ゃなくなってしまうから」
「今のわたし?」
「そう。今のわたしです」

 どういう事か、いまひとつ分からない。
 モタモタしている間に、再び遮断棒が下り出していた
「先ほどまでいた朝比奈みくるは、ひどく後悔します。いつか未来に帰ること
は確実だったけれど、その時までに少しは胸を張って仕事をこなしたかった。
長門さんみたいにキョンくんを助けたかった……ってね」
 それは朝比奈さんも叫んでいたことだし、彼女にとって日頃からの悩みの種
であったことだからよく分かる。
「それで、わたしは一念発起します。がんばって仕事をこなして、誰よりも働
いて、もう一度この時代に戻って来るだけの権限を得ようって」
 朝比奈さん(大)は悪戯好きな少年がするような笑顔を見せた。
「その甲斐あって、朝比奈みくるはこの一ヶ月後くらいに戻ってきます」
 ……その発言の意味を理解するのに、秒針が一周くらいしたのは仕方がない
と思いたいね、俺は愚鈍な元高校生現役大学生なんだからさ。
210朝比奈みくるの最後の挨拶(10/13):2006/06/19(月) 00:54:08 ID:3xWZpRk+
「戻って来る……んですか?」
「はい、大事なのはわたしたちがその気になれば、いつでも自分の意志と関係
ないところで自分の運命が決定してしまう――それに気付くことですから」
 彼女は過去の自分が去った場所を眩しそうに、悲しそうに見つめていた。
「今回のは言ってしまえば、警告みたいなものだったんです。未来のわたし、
つまり今のわたしからの」

 何だかややこしいことになってきたが、三年間ハルヒたちによって鍛え上げ
られていた俺の頭はどうにかこの事態に食いついていた。

「一ヶ月後のわたしは、もう恥ずかしくて照れ臭くてキョンくんの顔をまとも
に見れないかもしれませんが、許してくださいね」
 ああ、それはもちろん。
 俺だって「永遠の別離」と思っていたのに、ひょっこり戻ってこれた時の恥
ずかしさくらいは想像つくね。

 しかしまあ、何だ。とにかく、良かった。
 あれが「最後の挨拶」だとしたらあんまりだったからな。

「最後の挨拶?」
 きょとんとした表情で朝比奈さん(大)が俺を見た。
 シャーロック・ホームズですよ、朝比奈さん(大)。実際には彼もまた、最
後の挨拶の後に(猛烈な抗議を受けて)ひょっこりと戻ってきたのだが。

「ふふ。そうなんですか……それじゃあ、彼女の代わりにわたしが最後の挨拶
をしましょうか」
 別にいいですよ、あの時一瞬でも感じた喪失感はたまらないものがありまし
たから、あんなのハルヒが消失して以来だ。
211朝比奈みくるの最後の挨拶(11/13):2006/06/19(月) 00:54:25 ID:3xWZpRk+
「いいえ。これが、本当に本当の最後の挨拶ですから」
 その言葉に、俺は首を傾げつつ朝比奈さんを見つめる。
 朝比奈さん(大)の笑顔が、なぜだか無理矢理なものに感じられた。
「過去のわたしは、先ほど言った通り一ヶ月後に戻ってきます。だけど、現在
のわたしは、これでキョンくんと会うことはありません。……二度と」
 冗談を言わないでください、などとはとてもじゃないが言えなかった。言え
る雰囲気ではなかった。

「キョンくん、わたしは未来から来ました。だから、キョンくんがこうなる事
はわたしにとって完全な規定事項でした」
「こうなる事?」
「……キョンくんと、涼宮さんが一緒になるということです。ええ、どんな分
岐点を踏み越えても、結局キョンくんは涼宮さんを選ぶんです、何度も、何度
でも」
 沈黙する。
 普段は人並に回るはずの舌がよく回らない。照れ臭いのやら恥ずかしいのや
ら、心のどこかで納得するやら、俺の感情はぐるぐると混乱の一途を辿ってい
た。
「だから、あの時言ったんです。わたしと、あまり仲良くしないでって。そう
すれば、あんな辛い想いをしないですむと思いましたから」
 あの発言はそういう意図を持っていたのか。俺はほとんど気にしていなかっ
たけれど。
「だけど、やっぱりダメでした。……当たり前ですよね、仮にあの時の警告を
キョンくんが律儀に受け取ったとしても、わたしの気持ちはきっと変わること
がなかったろうと今なら確信できますから」
 朝比奈さんは時計を見るなり走り出し、踏み切りを乗り越えた。
 まさか、と思ったのもつかの間、警報が鳴り出していた。
「朝比奈さん!」
「キョンくん、一ヶ月後のわたしはその後も頑張ります! そして考え続けま
す! どうしたら、あなたにこの想いを伝えられるかって!」
212朝比奈みくるの最後の挨拶(12/13):2006/06/19(月) 00:54:43 ID:3xWZpRk+
「禁則事項をどうやったら潜り抜けるかって、それをずっと考えてました! 
その後、どんな罰を受けても平気な時間帯は、今日この一瞬だけだったんです!
 これ以降、わたしがキョンくんの前に現われることはないから! だから、
どんなにこれが禁則事項でも、降格されたって恐れることはないから!」
 朝比奈さん(大)が大きく息を吸った。


「キョンくんっ! わたし、あなたのことが、大好きでしたーっ!」


 先ほどの朝比奈さん(小)の姿がオーバーラップした。同じ時間に存在しな
がら、違う姿と歳を経た朝比奈さんは、ただひたすらに泣きじゃくっていた。
 泣きながら叫んでいた。

「大好きでした! 好きで好きでたまりませんでした! あなたと付き合う日
を夢に見ていました! あなたと仲良くする涼宮さんと長門さんにヤキモチ焼
いてました! でも、本当に本当に大好きだったんです!」


 そして、朝比奈さん(大)は涙を拭うこともなく、微笑んだ。
 見るもの全てを、恋に落としそうなあの笑顔――。


「これが、わたしの――禁則事項でした」


 電車が通過し、遮断機が上がったときには予想通り、朝比奈さん(大)の姿
は掻き消えていた。
213朝比奈みくるの最後の挨拶(13/13):2006/06/19(月) 00:55:10 ID:3xWZpRk+
 ああ、今度こそ朝比奈さん(大)とはお別れなんだろうな、と考えて頭がグ
ラグラした。ヘビー級ボクサーのパンチでも受けたみたいに、世界がグルグル
回っていた。
 朝比奈さん(大)の直球すぎるほどの告白が、胸に突き刺さって離れない。

 ちくしょう、卑怯だぜ朝比奈さん。多分、俺はもう二度と彼女のことを忘れ
ることができないだろう。あんな胸にくる告白、誰が忘れるものかね。

 報われることもなく、成就することもなく、おまけに「することさえ」許さ
れなかった告白。

 それを、この時間一点に絞ることでどうにかやってのけたのだ。禁則事項を
打ち破って。

 凄いぜ、朝比奈さん。
 あなたは確かに、あの瞬間未来を超越したんだ。運命をマジシャンのように
乗り越えてしまったんだ。





 ……この後、俺は未来人と思しき人に会うことはなかった。未来人だけでな
く、超能力者や宇宙人、異世界人とも会うことはなかった。

 ただし、元SOS団の連中だけは別だ。
 あいつらに別れを告げる方法なんて、未だに発見されていないもんでね。


                                <了>
214朝比奈みくるの最後の挨拶:2006/06/19(月) 00:57:21 ID:3xWZpRk+
以上、11-226(になるのかな?)でした。
次回は古泉になる、かもです。いつ書けるかは分かりませんが。
215名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 01:01:17 ID:Fo7dZR95
久々にみくるメインのSSが……!
『長門有希の喪失』と同じく切ない雰囲気がいい感じです
216名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 01:03:58 ID:UPg04QIu
宇和アアアアアアアアアアアアみくるうううううううううううううううう
217名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 01:05:24 ID:rGsbw5gV
まあミクルはどうでもいいや。
ハルヒをくれハルヒを。
218名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 01:07:01 ID:ZUXnXlvN
正直感動した
219名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 01:09:30 ID:R9w19hMC
全く流れを読まずに投下します。
ホモ泉&腹黒みくるのキャラを借りて書いてみました。
220名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 01:09:33 ID:S4cPHfMC
ベタと言えばベタだが、こういうベタさは大歓迎です。
>>「これが、わたしの――禁則事項でした」
この件はキタね。くぅ〜っ!
221219:2006/06/19(月) 01:17:17 ID:R9w19hMC
青春タンデム  ―古泉視点―

さて、今日は涼宮ヘタレツンデレさんからプールへ行くとの指令を受けたわけですが。
夏休み中はこういうイベントでもないと愛しの彼のお姿が見られないので、
そういう意味では涼宮ヘタレツンデレさんに感謝していますが・・・

・・・今のこの状況はどうにも納得できないですね。
自転車に乗ってきたのが僕と彼の2人だけ、という時点で、
彼との2ケツという天にも還らんというシチュエーションがなくなったのは
まだ百万歩譲って我慢できましたが、
どうして後ろに乗っているのがよりによって腹黒未来人なんでしょうか?
しかも行きだけでなく帰りも、って涼宮へt(略)は僕に恨みでもあるんですかね?
非常に残念なことながら、彼はどうも腹黒さんを半分神格化してるので、
このままだと僕への風当たりがさらにキツくなるじゃないですか。
ああ、そう言ってるそばから彼の視線が背中に突き刺さってきてます。
でも正直、僕にとってはその視線の痛さすら快感なんですけどね。
少なくともその時は僕だけを見つめてくれてるんですから。
ああ、そう思うと自然に笑みがこぼれてしまいますね。

しかし、後ろの腹黒さんから殺る気がひしひしと伝わってきてます。
まあ、昨日愛しの彼を拉致しようとしてたのを機関の総力を挙げて妨害したので
当然といえばそうなんですが、それにしても鬱陶しいですね。
ちょっと自転車を揺さぶって振り落としてみましょうか。
彼の注目が彼女に向けられるようになるのは業腹ですが、命にはかえられませんし。
彼女ならドジっ娘という事ですべてが済むでしょう。
ああ、もちろん彼には揺さぶっている事がバレないように・・・っと

・・・

ちっ、失敗しましたか、って何腰に手を回してるんですか、この腹黒さんは。
素直に落ちればいいものを。無理して踏ん張ってどうするんですか。
うーん、マズいですね、このままだと・・・
・・・ああ、マイスウィートエンジェルからの視線がさらに痛くなってしまいました。
ああ、でもさらに快感が増してきました。これが視姦プレイというものなんですね。
今日は新たな自分を発見してしまったようです。
後ろで薄汚いブツを押し付けてるヤツにナノマシン1個分だけ感謝しておきますか。
222名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 02:33:28 ID:iBkUxPpZ
>>135
それもあるだろうけど、まだ無意識だろうな。
アニメのキョンのモノローグでは「人から感謝される事に慣れてないからさ」で終わってたけど、原作ではもっと続く。
ハルヒがあのボーカルと同じ立場になったらどうしていただろうという予想を踏まえて「もしかしたら余計な事をしたんじゃないか?」と気に病んでいたんじゃないかというのがキョンの感想。
「らしくない」ことをやっちゃって、経験のない反応をされた事にとまどって、どうしていいかわからなくて不安で、とりあえず「キョンにそばにいてほしい」と思ったんだろう。
223名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 02:33:54 ID:iBkUxPpZ
>>213
二段構えとは恐れ入った。
GJ!
224222:2006/06/19(月) 02:35:34 ID:iBkUxPpZ
うわっ、ネタバレすれと誤爆した……
あっち、繋がらなくて……
225名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 02:44:09 ID:zd8bAV8K
>>214
くう、堪らん。
いいもの読ませてもらいました。
226名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 08:28:00 ID:nEK2y1L5
最初の鞭から三分ほどすると朝比菜さんは手をとめた。ハルヒの白かった尻は
赤く腫れ上がっていた。
「今日はこれくらいにしときましょう、あんまりやりすぎると椅子に座れなく
なっちゃいますからね。」
ハルヒは硬く歯食いしばるのをやめて口元をゆるめると力のない声で
「ありがとう・・ございました」と言った。
その後朝比菜さんはそそくさと帰ってしまい、部室には俺とハルヒが残された
ハルヒははいつくばるような姿勢から立ち上がろうとしたがよろめいた。
足でもつったらしい。反射的に俺はハルヒを抱きかかえゆっくり床に横たえた
「ハルヒ、お前ホントにあんなことしたかったのか?」信じたくはなかった
「・・・私が濡れてたの見たでしょ」
「・・・」本当に・・変態なのか
「どうせいつかはバレルことだしね・・・ごめんひいたよね」
「否定はできない」
「キョンには本当の私を知って欲しかった・・・こんな変態な私を。それで
嫌われしまってもいい、猫かぶってるのはつらかったから・・」
「悪い、正直言って俺はついていけん。SOS団もこんなことする団にするなら
やめさせてもらう・・・」
「当然だと思う。短い間楽しかった・・ありがとう」
俺は鞄を手にして部室を後にした。これでよかったんだ。俺にはあんなハルヒ
を受け入れられる自信がなかった・・・
ハルヒは俺が出てゆくまで横たわったまま動かなかった。
 
227名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 08:28:38 ID:nEK2y1L5
やべあげちった
228名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 10:15:43 ID:rLsJjtJp
>>227
なぁ、長門。こいつ何がしたいのか分かるか?
「…わざとやってる。多分…釣り」
229名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 12:05:24 ID:hv6+QJPs
ライブアライブを見て、憤慨で失敗したSOS団が、
文芸部を追い出されて軽音部に居候するネタを
思いついた人が、全国に何人もいるだろうな。
230名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 12:28:25 ID:AzfNNdKx
原作者キター
231名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 12:38:22 ID:IjzNyyyy
分割するの面倒なのでうpします。
なんかほのぼのっぽいの書きました。エロ無しです。

ttp://ccfa.info/cgi-bin/up/src/up30252.txt
232名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 12:46:00 ID:M9BteoBK
昼休みの部室に長門がいないのは?と思ったがさしたる問題でもないな。
なんだか普通に恋人やってそうな二人に萌えりんぐ。
それはそうとIDすごいな。
233名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 12:47:27 ID:1c+DMryx
髪はいいよね。その文才を十分の一ほど分けてください。
234名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 12:58:20 ID:IjzNyyyy
なんかDIOがファイル共有やってそうなIDだコレ
235名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 13:02:04 ID:ydfZeOHQ
>>274
『ズニィィィィィィ!!!』
ってか?
236名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 13:03:16 ID:ydfZeOHQ
>>235
アンカーミスった……スマン、吊ってくるorz
237名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 14:21:49 ID:IjzNyyyy
>>236
そういうの、嫌いじゃない。
238名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 14:24:25 ID:MMUTV9xP
非エロの中でも感動ものはいいな。
朝比奈・長門メインだと切なさがたまらん。

他に何かおすすめはあるかな?
239名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 14:45:25 ID:twwuPxMd
最近、ドSみくるんでしかチンチンおっきしません。
ドSみくるん物をもっと書いてください。お願いします。
240名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 15:38:33 ID:pwGlilAr
>>238
俺は「涼宮ハルヒの白日」が面白かった。ホワイトデーのやつ。
241名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 16:36:33 ID:sUj6r2vF
耳かきの小説読んでるとなぜか気持ちよくなる。
誰か続き書いてくれ。
242名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 17:28:16 ID:MjmOc/gD
同意
耳かき話と綿棒尿道挿入話は読んでいるだけでキモティよくなれる
243名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 17:37:18 ID:rLsJjtJp
同意

部室にて、照れ隠しでプンスカしながらキョンの耳掻きをするハルヒ。
で、何だかんだで濡れ場強制突入ってシチュを妄想中。
244名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 18:20:44 ID:8k9BDWdB
待て待て、お前、そんな簡単に同意しちゃっていいのか?
245名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 19:21:16 ID:7/iNEs5g
ここでマッサージ派の登場
読んでるだけでコリがほぐれる気がする
246名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 19:57:38 ID:OTqUFyfd
俺このスレ見てるだけでSS読んでる気分になれる派
247名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 20:19:54 ID:1GA0LgC6
>>246
お前みたいな安上がりな奴がウラヤマシィ
248名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 20:29:08 ID:A5O8GPcA
皮肉だろ。頭悪いなオマエ。
249名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 20:38:54 ID:IjzNyyyy
(´・ω・`)
250名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 20:42:18 ID:rWjKJCk0
GJ!!
251かなり ◆WT4p4fROmI :2006/06/19(月) 20:46:23 ID:3GvSDIc8
>>226
GJ!
252名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 20:53:28 ID:+CWUfNn0
>>214
みくるよくぞ勇気を出して告白した!感極まったよ…(´;ω;`)ブワッ

>>219
ホモ泉は本当に笑える。続き続き!

>>226
これからのキョンの接し方がどうなるか楽しみ!

>>231
長門はもしかして隠れてたのか…
ハルヒのポニーはキョンじゃなくても絶対見とれるだろうな
GJ!

職人さんたちいつもありがとです
253219:2006/06/19(月) 21:05:06 ID:R9w19hMC
本当は>>220の後すぐ朝比奈視点を投下する予定だったんだけど、
このあと閲覧すら不可能になってしまったので仕切り直しです。
っていうか、>>220が無事書き込めたことすら、今初めて確認できた(爆)

青春タンデム  ―朝比奈視点―

昨日、キョン君拉致計画がアホホモ泉のせいで失敗に終わり、
キョン君とするはずだったあんなことやこんなことを思い浮かべて悶々としてたら
つい寝不足になっちまった。で、やっと眠れたと思ったら涼宮ハルヒから電話だと。
これでくだらねー用事だったら新学期が始まったら毎日お茶をぶっ掛けてやろうかと思ったが、
SOS団でプールに行くってさ。となると、キョン君が来るのね。うふ。
なら、キョン君の眩しい笑顔が見られるって事に免じて許してやるか。

・・・前言撤回。いや、むしろお茶じゃなくて硫酸にしてやろうか。
なんでよりによってホモ泉と2ケツなんだ。しかも行きも帰りも。
おい、そこで愛しのキョン君に重労働を課してる本読み宇宙人とヘタレツンデレ。
さっさと歩いて帰れ。邪魔なんだよ。消えてなくなれ、この宇宙から。
そしてキョン君、ラブラブタンデムで私の家まで送ってね。
そしたら、お礼に家でおいしいお料理を食べさせてあ・げ・る。
その後は、私を食・べ・て(はあと)
えっ、あっ、そこはダメよ、キョンくぅん・・・

・・・じゅる・・・

おっと、ヤバイ、ヤバイ、つい妄想モードが全開になっちまった。
あー、ちょっと顔が赤くなってるかもな。
上の口からも下の口からもヨダレが出てるし。

それはともかくとしてだ。
前でホモ泉が必死こいてチャリを漕いでいるというこの状況。
はっきり言って、今ヤツは隙だらけだ。
昨日の復讐を遂げる絶好のチャーンス!
こんなこともあろうかと、五寸クギを持って来ているのさっ!
なぜ「こんなことがあろうと」思ったのか自分でも不思議だがな。
なんとなく以前も同じこと考えた気がするな。どこでだ?
・・・まあいいや、あまり考えすぎたらハゲるしな。
ともかく、これでキョン君に見えないようにグサグサ背中を刺しまくってやる。
最も、ホモ泉にはこれぐらいで昨日の恨みが晴れると思ってもらっちゃ困るがな。

・・・って、うわっ!
くそっ、ホモ泉め、振り落としにかかってきやがった!何しやがる!
思わず腰を掴んじまったじゃねーか。最悪だ。
あとで消毒しとかねーと。ホモ泉菌が移ったらどんな病気になるかわかりゃしねえ。

あ、しまった、こんなところキョン君に見られたら誤解されちゃう。
・・・うわ、キョン君、ホモ泉のことを羨ましそうに睨んでる。
違うの、これは不可抗力なの、私はそんな気はないの。
私はいつだってキョン君の事が大好きなの。お願い、信じて、信じてぇ!
254219:2006/06/19(月) 21:06:36 ID:R9w19hMC
すいません、上の>>220>>221でしたね・・・よく見ろよ俺orz
255名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 21:40:41 ID:cGiTrMkr
ハルヒにうつぶせにされて足でぐりぐり踏まれたいな
256名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 21:43:37 ID:Bmx1viJ0
>>254
統合思念体妄想派がグッジョブしてることをお伝えます。
257名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 21:50:17 ID:f3d7FU12
そろそろハイテンションユッキーくるか?!
258名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 21:52:56 ID:02CZV8Yt
>>254
GJ…とは言えないな。

なぜなら昨日、感動的な朝比奈さん話を見た直後、
いきなりホモ泉でしかもブツ切り、そして板停止と
えらい後味の悪い終わり方だったからっ!
いや、あなたには罪はないんだがw
259名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 21:59:13 ID:rLsJjtJp
>>254
なんか必死なデスみくるが笑える。
つづきますか?
260名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:06:30 ID:SJEYmaUw
この後はハイテンションゆっきー視点と
乙女回路起動のハルヒ視点で見たい
261名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:07:37 ID:SJEYmaUw
ageちまった…orz
262mハルヒの続き:2006/06/19(月) 22:15:27 ID:M4uoPims
翌日、ハルヒは学校に来ていた。俺が入ってきた時、ちょっとこっちをみたよ
うだが、すぐにうつむいた。俺はやっぱり昨日は言い過ぎたかと思った。俺が
どうにかこいつをマトモにすることは出来ないだろうかとも考えた。しかし朝
っぱらからこんな気まずいムードじゃ取り付くしまもない感じ。
結局一言も言葉を交わすことはなかった。昼には谷口に「お前涼宮と痴話ゲン
カでもしたのか」とからかわれた。あながち外れてないだけに胸が痛い。
放課後部室に走ってゆくのを見ると本当にまだ朝比菜さんに虐められているよ
うだ。長門や古泉に尋ねることもできただろうが、やめておいた。とりあえず
気持ちを整理したかったからだ。
そんな風にして約一週間が過ぎた。
263名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:17:12 ID:M4uoPims
これじゃ、つりとおもわれてもしょうがない。本当にすいません。
264名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:21:34 ID:rLsJjtJp
>>263
ageないでって言ってるでしょ!
こんどageたら死刑よ!
265名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:23:47 ID:sUj6r2vF
頼むからageないでくれ
本当に釣りにしか見えないから
266名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:24:28 ID:DQZaI/Rl
>>219
やはりこの設定の3人は最高だ
もっと書いてくれ
267名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:24:36 ID:LxFpGgJA
団長命令キタ
268名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:27:17 ID:rLsJjtJp
書き忘れた
>>263もしかして2ch初心者か?
だったら初心者板行ってくれ、マジで。
269名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:33:56 ID:f3d7FU12
>>263
                             |
                             |
      ∩___∩             |
      | ノ  _,  ,_ ヽ        ((  | プラプラ
     /  ●   ● |         (=)
     |    ( _●_)  ミ _ (⌒)   J  ))
    彡、   |∪|  ノ
⊂⌒ヽ /    ヽノ  ヽ /⌒つ
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ そんなエサでは釣られないクマ・・・

270名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:35:20 ID:M4uoPims
そうします
271名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:36:47 ID:LxFpGgJA
アニメ終わって二週間後くらいに投下するのが良さそうな気がするな
272名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:42:55 ID:q+sb/KNw
さて、透明人間ネタを考えてるわけだが、オチと序盤がまとまる前に聞いてみる。
コレ、需要あるのか?
27311-374:2006/06/19(月) 22:43:48 ID:iCQ0aWm2
『長門週間』、最終話書き込ませていただきます。
14レスほどお借りします。
27411-374 1/13:2006/06/19(月) 22:44:47 ID:iCQ0aWm2
 さてさてさて。
 最初は色々戸惑ったものの、だんだんと長門の居る生活にも慣れてきた。
 妹に何か吹き込まれた長門が、ブランチャーで俺を起こそうとするのもいつものことだ。いくらあいつがチンチクリンで細いからって、体ごと俺に飛び込んで来るのは勘弁してほしいんだがな。
 ちなみに、なんとか他の連中、特にハルヒには気づかれずにすんでいる。
 長門と全く同じ中身の弁当食ってるのを見られたときは焦ったが、古泉の助けで事無きを得た。ただ、『長門さんが彼のお弁当を作ってあげたんですよ』という説明はどうにかならなかったのか。なんか知らんが、ハルヒがやたら不機嫌になってたぞ。
 まあ、長門が食事の用意を手伝うのも当たり前になっていたので、長門が作ったというのもあながち間違いでもないんだけどな。
 そんなこんなで気がつけば、一週間などあっという間に過ぎ去っていた。


『長門週間』


「先程、管理人から連絡があった。部屋の修復作業が完了したらしい」
 長門が来て六日目の夜、こいつはそう言った。夕食の前に長門宛に電話があったのだが、このことだったらしい。
「よって明日の朝、私物を持って登校し、そのままマンションに戻る」
 そういや、最初から一週間ほど、などと言っていたな。きっちり一週間で済ますとこも長門らしいというかなんというか。
「お世話になりました」
 と、言うと、長門が俺と妹と母親に向かってペコリと頭を下げた。
「やだー!! 有希ちゃん、帰っちゃやだー!!」
 俺が何か言おうとする前に、妹が泣き出した。長門にゃ悪いが、妹はあいつの何がそんなに気に入ったのかね。
 そんな妹を黙らせてる間に、母親が長門に『有希ちゃんが居なくなるとさびしいわ。いつでも遊びに来てくれていいからね』と、目を潤ませて言っている。うちの女共は、何故か長門がお気に入りのようだ。
 そんなわけで、いつもの夕食は長門のお別れ会へと変更になった。と、言っても事前に用意してたわけでもないので、いつもの夕食+ケーキ一ホールってだけだ。
 ちなみに、それを買ってきたのはママチャリで最寄のケーキ屋までひとっぱしりしてきた俺だ。まあ、長門のためならエンヤコラだな。
「しっかし、一週間で部屋直ってよかったよな」 
 俺は、ケーキに乗った苺をつつきながらそう言った。隣では、ネコの顔をした砂糖菓子を見つめる長門の姿がある。既にケーキ本体は食ってしまっているのに、そいつを見つめたまま微動だにしない。
 そいつも食えるんだぞ、って教えてやったらどんな顔をするのかね。
275名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:44:48 ID:AN2dSN3m
ハルヒが透明人間になってキョンに×××する話なら
27611-374 1/13:2006/06/19(月) 22:45:20 ID:iCQ0aWm2
「ごめんなさい」
 っと、ノーモーションでそんなこと言いやがった。いきなり何を言い出すこいつ。
「あなたの生活リズムを崩してしまったと思う。わたしが非効率的な方法を選んだために」
 そういえば、結局なんでウチに来ることを選んだのか、理由を聞くのを忘れてたな。たしかにこいつの言うように非効率な方法ではあったんだろうけど、謝られるようなことじゃない。
 俺としては、こいつがそういった理に適わないことをするのが珍しいと思ったから、ここは父性的なアレで見守ってやろうと思っただけなんだが。
「なに言ってんだ、今更。妹だって俺の母親だって、おまえが来たおかげで大喜びだぞ」
「でも、あなたには迷惑をかけてしまった」
 砂糖菓子と顔を合わせ、うつむいたまま呟く。心なしか、その表情が沈んでいるようにも見えた。いや、いつもと同じ表情なんだがな。
「えーとだな。別に俺は迷惑だなんて思ってないぞ」
 朝、長門が起こしに来るおかげで、ここんとこ遅刻知らずだ。おまえのブランチャー食らう前に、早く起きる必要ができたからな。
 あとこいつの作る飯も、俺をターゲットにしたってだけあって美味かった。食ってるすぐ横で、俺の反応監視し続けるのは参ったけどな。
 そういや、こいつに勉強教えてもらったこともあった。おかげで、ここんとこの小テストではカンニングの疑い受けるほどだ。
 ハルヒや他の連中に、長門と同居してることを隠蔽し続けるのも骨が折れた。この家に来てから、少し挙動不審なこいつの相手も大変だったけどな。
 なるほど、生活リズム崩れたってのは否定しようがないな。
 でもな、それらまとめて全てが楽しくなかったかって言われると、声を大にして否定しちまうわけだよ。あの時、俺が改変された世界を捨てて、今生きている世界を選んだ時のようにな。
「俺だって、それなりに楽しかったってことだ。気にすんな」 
 ふと長門を見れば、体勢は先ほどと同じく砂糖菓子を見つめたままだ。だが、その視線が酒に酔ったようにぼんやりしているようにも見える。
 照れている表情だと、自惚れでもいいからそう思わせてもらうぜ。
「妹や母上がうるさいからな。おまえさえ良ければ、暇なときにまた来てくれ。いつでも歓迎する」
 俺は隣に座る中途半端オカッパを、ぽんぽんと叩いた。ふわふわ、さらさらな髪の毛の感触が、指先から伝わって心地いいな………って、俺が楽しんでも意味ないんだが。
 でもま、コイツが酔ったような表情のまま抵抗しないもんだから、俺はしばらくの間、長門の頭の感触を楽しんでいた。
277名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:45:47 ID:wziN5JmF
強姦や殺人未遂を自慢した男
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/wom/1130303803/255
強姦や殺人未遂を自慢した男
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/wom/1130303803/255
強姦や殺人未遂を自慢した男
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/wom/1130303803/255

キックボクサー・庵谷鷹志のサイトが、話題を呼んでいる。
発端は、庵谷がオタクを盗撮してブログで公開、「死ねば良いのに」と言い放ったことに起因する。
これが「2ちゃんねる」で取り上げられると、
批判は常習的な暴行やレイプ未遂などを書き綴った過去の日記にも飛び火した。

東京都府中市に在住。マンションの5階(有線つき)。徒歩約20分の距離に病院(産婦人科)がある。
SHOP99(府中浅間町店)がすぐそばにある。妻が住宅ローン控除を申請しているため、賃貸ではなく持ち家。
<府中市天神町か浅間町在住か?>

息子の名は誉(ほまれ)。名前の由来は、洋風の響きの子が最近多いから日本的な雰囲気にしたとのこと。
誕生日は2005/04/13。多指症で生まれる(庵谷自身が子供の頃からドラッグ等に手を出していたと自ら告白していることから、
その影響か。)

妻は「ほっちー」というHNで知られている。1972/09/08生まれ。元・外科系の看護師。
疾患(ギラン・バレー症候群)のため、2004年5月に退職。身長148センチ。

実家は栃木県で、着物屋を経営。父は八年前にがんで亡くなっている。母の名前は淑江(よしえ)。
疾患のため退職したにもかかわらず、妊娠(4月退職、8月妊娠判明)。
99円ショップのオープン日に、「開店記念で安いだろうと目論んで」出向く。
妊娠八ヶ月の体でも、原付に乗る(自動車免許は持ってない)。
出産前日にもかかわらず、刺激的な映画(『血と骨』)を観る。
あわない薬を処方した女医を「馬鹿女医」よばわり。
27811-374 3/14(さっきは2/14):2006/06/19(月) 22:46:18 ID:iCQ0aWm2
 さて、妹と母親による長門一人への送辞も終わり、長門による答辞(ありがとうの一言だけ)で、長門お別れ会は終了した。
 まだ未練があるのか妹と母親は長門にすがりついて大騒ぎだが、俺の方は明日以降も学校で会えるんだから、さっさと抜けさせてもらう。シャワーを浴びておざなりに体を洗うだけでバスタイムを終えると、俺は自室のベッドへと飛び込んだ。
 階下からは、妹と母親の声が聞こえてくる。長門フィーバーはまだ終わりそうに無い。
「やれやれ」
 ハルヒ相手にしか使いたくない台詞を漏らしながら、俺が何度か長門に潰されかけたベッドの上を転がった。そんな意味の無いことを繰り替えしているうちにうつらうつらとしてきた。
 起き上がって電気消すのも面倒になってきた。このまま眠ってしまうか。
 おやすみ、長門。また明日。
 と、考えながら目を閉じた直後。トントン、と控えめなノックの音が響いた。誰だ、人がいい気分で眠りにつこうとしてる時に……おっと、そういえばこの家でノックするような奴と言えば、一人しか居なかったよな。
 どうぞ、と言うと入ってきたのはやはり長門だった。その恰好は、この家に来てから母親に着せられている、俺のおさがりのシャツとジーンズではない。丈の合っていない、ぶかぶかのパジャマ姿だ。ちなみにこいつも、俺が中学の時に使ってたやつなんだが。
 さっきまでウチの女共に捕まっていたと思うが、いつの間に風呂まで入ったんだろうな。おまえは女の子なんだから、俺みたいにカラスの行水ですますんじゃありません。
「報告しておきたいことがある」
 とてとてと、俺のベッドの前までやってきた長門が、そう言った。その表情はさっきのお別れ会で見た酔ったような物で、なんか目がうつろだ。
「前回のわたしの暴走が、エラーデータの蓄積によるものだったことは覚えていると思う」
「あ、ああ」
 なんでいきなりこんな話をしだすんだ。俺としては、こいつを責めるような話はなるべくしたくないんだが。
「エラー発生時におけるわたしの異時間同位体、つまりこの前あなたと朝比奈みくると共に過去へ移動した時のわたしの手により、エラーデーターの排除には成功した」
 ああ、覚えているともさ。朝倉に脇腹グリグリされてる『キョン君』の姿をな。
「前回のエラーの蓄積には、あの夏におけるループ現象による影響が大きいと思われる」
 そりゃそうだろうな。二週間を一万五千四百九十八回、つまり約594年ってのは、『塵も積もれば山となる』を体現するには充分な時間だろう。
「だから通常の空間に居る限り、涼宮ハルヒという人類の寿命から推測しても、再びそこまでのエラーが蓄積される確率は低いと思っていた」
 たしかに、俺やハルヒの残りの寿命、六十数年じゃ、594年には勝てないよな。あいつが、残り六十数年で大人しく大往生してくれるとも思えんが。
 しかし、なんだ『思っていた』ってのは。なんで過去形なんだ、それじゃまるで―――
279名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:46:53 ID:HKVXa05U
>>272
是非頼みます。
28011-374 4/14:2006/06/19(月) 22:47:07 ID:iCQ0aWm2
「おい、待てよ。まさか、また俺の知らないうちに同じ時間を繰り返してる、とかじゃないだろうな」
「それはない。現在のところ、そういった現象は、観測されていない」
 なんだ、驚かせやがって。おまえは表情に乏しいんだから、あんまり誤解されるようなこと言わないでくれよ。
 俺が、そんな風に安堵した直後。長門はこう言ったのだった。
「でも、現時刻より二時間四十五分前。わたしの内部におけるエラーデータの蓄積量が、前回の暴走時の量を上回った」
 一瞬、呼吸が止まった。
 目の前で、無表情でたたずむこいつの中で。
 また、エラーデータとやらがこいつを蝕んでるってのか?
「どういうことだ、長門」
 動揺を押し殺して、俺は尋ねた。
 エラーデータの蓄積がどうのと言ったって、こいつはまだ暴走とやらをしているわけじゃない。だったら、そうなる前になんとかしてみせるさ。
 俺はもう一度世界を滅ぼすのも、目の前のこいつを傷つけるのもごめんだ。
「エラーデータの蓄積量が爆発的に増大したのは、一週間前」
 一週間前、なんか事件が……あったな。こいつのマンションが火事になったんだ。
 あれが原因だったのか? でも、あれはただの事故だったんだろ?
「あの事故自体には何の問題も無い。原因は―――わたしがあなたの家に来たこと」
「は?」
「この家には、至る所にあなたの痕跡が残されている」
 そりゃ、俺の家なんだからな。おまえの家みたく、あんだけ生活感無いほうが珍しいぜ。
「特に嗅覚という点で言えば、空間そのものにあなたの痕跡が残されていると言っていい。わたしがあなたに借りた衣服にも、あなたが使った後の風呂の残り湯にも、あなたの痕跡が残されていた」
「俺の痕跡?」
「わかりやすく言えば、あなたの匂いが」
 ちょっと待て、わかりやすいのはいいが、なんだ匂いって。俺、長門が狂うほど臭かったか?
「あなたの匂いは、わたしにあなた自身の存在を連想させる。その結果、わたしはあなたの存在を再確認したいという必要性を覚える。わかりやすく言えば、欲求」
 欲。普段のこいつからは、絶対に聞けない言葉だ。つまり、それだけ強くて、どうしようもないものだってことだろう。
「その欲求はあなたの匂いを感じ続ける限り、つまりこの家に居てあなたの服を着ている以上生じ続ける。でも、だからといってあなたはわたしのすぐそばに居るわけではない。
 学校であなたの匂いを感じたときはすぐ側にいるのに、この家では同じ敷地内に居ても、壁などに阻まれて全体像まで把握できない」
 たしかに、学校で俺の匂いが染みついてるとこなんか、教室の席やゲタ箱くらいか。それだって、席変え、クラス変えで代わるんだから、十六年住んでる家よりは匂いがつかないのかもしれない。
 だから学校で長門が俺の匂いを強く感じるのは、俺本人が部室に居る時、つまり一緒に居る時なんだろう。それが、この家では違ったってことだ。
28111-374 5/14:2006/06/19(月) 22:47:39 ID:iCQ0aWm2
「そういったことで果たされない欲求がエラーデータとなり、あなたの家に来た時からわたしの中で蓄積されていった。その欲求はわたしの内部から一瞬の休み無く生じ続けていく物だったので、その蓄積量も爆発的に増えていった」
 その結果、一週間であの594年を上回ったってのか。ただの一般住宅かと思ってたが、恐ろしいな俺ん家。
 しかし、回避する方法は無かったのか?
 何か理由を付けて家を出るとか、もしくは嗅覚を無効化して、匂いとやらを感じられないようにするとか。
「前者については、それでもあなたの側に居たかった。後者については―――」
 前者の時点で随分恥ずかしい台詞を言ってくれたと思うが、後者の答えを言うのに躊躇するような様子を見せ、しばらくしてから言った。
「あなたの匂いを感じていたい、という欲求を抑えることが出来なかった」
 そう、酔っ払ったような表情で。前に、俺のベッドの上でうつ伏せになって、顔を埋めていた時と同じ表情で言った。
 あの時、長門は苦しんでいたんだろうか。結果的にエラーデータを引き起こす俺の匂いとやらを、そうとわかっていながら感じていたいという欲求に抗えなくて。
 くそ、俺は何一つ気づいてやれなかった。今からでも、なんとかこいつの力になってやりたい。
「それ、どうにかする方法はないのか?」
「ある。元々、それを頼みに来た」
 即答してくれた。安心したぜ。
「わたしに、あなたが存在するという事実を再確認させてほしい。有機生命体の体で実行可能な行為としては、最も効率的な方法で」
 わかった、なんだってやってやる。で、その効率的な方法ってのはなんだ。
「あなた達の言葉で言えば、交尾にあたる」



 っと。今度は一瞬どころじゃなく、ちょっとやばくなるくらい呼吸止まってたぜ。
 あのな、長門さんよ。おまえを助けるという使命感にバリバリリ燃えてた俺に対して、交尾ってのは無いんじゃないか?
「セックス」
「言い換えんでいい」
「人類という有機生命体、くわえてこの時代の文化水準から考えれば、存在を理解するには性行為が最善だと思われる」
 と、俺をジーッと見つめたまんま言ってくる長門。俺の頭の悪さじゃ、こんな説明でも納得しちまいそうで恐ろしい。
「な、長門。そういうのはだな、好きな者同士がやることであってだな」
 好きなもの同士じゃなくてもやる行為かもしれんが、そっち方面は無視だ。SOS団唯一の一般人としては、辞典に載せられるような模範的なヤツでやっときたいと思うわけだ。俺もそんなあっさりやれるほど経験豊かじゃない、っていうか無いんだから。
282名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:47:57 ID:4NOxu5Qu
「だめっ!!もうみくるちゃんは私の許可なしで部外においてキョンとの一切の関係を禁ずるわ!
キョン!あんたにも適用するわよ!」
俺はもうがまんの限界だった。いくらハルヒが絶対君主的存在であるといってもそれはあくまでこの部の中でのことである.
私事にまで介入し服従させようとするハルヒの傲慢な態度に俺の怒りは頂点に達した。
し「おいハルヒ!いい加減にしろよ!?俺らはお前に一応従ってはいるがそんな扱いするようなら今でもすぐにこの部を辞めてやるぞ!!??」
滅多にキレタことのない俺にさすがのハルヒもたじろいでいた。それもそうだ、俺は今までハルヒには愚痴は何度もこぼしてきたがこういった反抗するのは初めてなのだから。
しかしそのあとの反応は予想外だった。
「な、なによぉ・・・」
??おいおい何を泣いているんだこいつは?俺の今の発言にそんな傷ついたのか?いや、あのいつもの憎らしいくらい勝気な性格からはとても想像できない。いくらおれが初ギレだとしても・・・
「もう・・キョンのばか〜〜〜〜〜〜!!!」
と泣きながらいきなり部室を飛び出していった。
そこでさらに俺は混乱に陥った。あいつが泣いた理由が分からないししかも俺が悪いのか?だとしたら俺の過失はなんだ?よし考えてみよう・・・・
だめだ、何一つ分からない。俺に落ち度は皆無だ。
過失相殺などの余地もない。100%あいつが悪い。しかしこの状況では明らかに俺が悪者である・・・しかもまたあんな空間がでてきでもしたら・・・
きまずい雰囲気だったのですぐそばの長門にきいてみた
「おい!長門!俺がわるいのか??なぁ」
「悪くはないと思う・・・でも乙女心わかってない・・・」
何をいっているんだこいつは・・・といつもならこう思うのだがその表情はいつになく真剣だったので動揺してしまった。
というかこいつの口からオトメゴコロなんて俗語が出てくるとは・・・
「キョンくん・・・」
ここでやっと朝比奈さんが口を割ってくれた。
「あのね、ちょっと話があるの・・・」
なんだ?俺はハルヒの傍若無人振りから朝比奈さんをかばったはずだ。つまり感謝されることはあっても責められることはない。
しかしこの長門同様の真剣な表情からすくなくとも前者でないことは推定できた。
ということは・・・・

「涼宮さん・・・多分キョンくんのこと好きなんじゃないかな・・・だから私にあーいったこと強要してきたんだと思うの・・・」

どちらの予想も外れた。
28311-374 6/14:2006/06/19(月) 22:48:17 ID:iCQ0aWm2
「わたしは、あなたとの会話を楽しいと感じる。あなたと同じ空間に居るのを楽しいと感じる」
 俺を見つめる目をそらさずに、長門は言う。感情のこもらない、いつもと同じ口調で。俺に見せてくれる、いつもの無表情で。
「あなたがわたしを気にかけてくれるのを嬉しいと感じる。あなたの涼宮ハルヒや朝比奈みくるに対する態度を見ていると、不愉快に感じる事もある。古泉一樹との関係が、少し心配」
 少し、爆弾をかましながら、言葉を紡ぐ。その声は機械で作られたように平坦な、いつものあいつと同じ声だが―――――
「これは、人間で言えば『好き』という感情にあたるものではないか、と思う」
 なんとなく、わかった。こいつなりに、必死だということが。
 こいつはエラーデータとやらを背負いながらも、俺を好きであろうとしてくれていたのだ。そしてその感情を、こいつが苦手とする会話で伝えようとしている。
「あなたにわたしを好きになれとは言わない。あなたが持つ性欲を、わたしの体で発散するだけでいい」
「なっ――――」
 それでいいのか。それでいいのかよ、おまえは。
「それとも、あなたはわたしに触れるのも嫌なほど、わたしを嫌っている?」
 んなわけはないだろう。
 俺は長門のことが好きだと思う。
 そこには、娘を見守る親父のような父性愛、一人の友人としての友情、長門にはいつも世話になっているという感謝と負い目、SOS団の仲間としての使命感、
みたいなのが多分に含まれているんだろう。あの世界で出会った、俺の袖に触れた小さな手の持ち主の姿を、この長門に重ねているというのも否定できない。
 これは、普通の男女の間にある『好き』とはかけ離れているように思えた。
 でもな。
 だからって、目の前にいるこいつを愛しいと思う感情を否定できるわけがないんだよ。
 俺がこいつを娘、友人、仲間、感謝すべき恩人、そしてもう一人の長門として抱いている感情は、否定できない大切なものだ。同じように、俺がこのチンチクリンで、無愛想で、ダウナーな宇宙人を愛しいと思うことだって、誰にも否定させない。
 俺はこいつが、今、俺の目の前にいる長門有希が好きなんだ。
「長門、来い」
 長門の体が、フラリと俺の方へ向かう。俺は手を伸ばし、長門の腕を掴んで引っ張った。
 俺の体の上にぶつかる長門の体。いつもあれだけ食ってるとは思えない軽い体の感触が、心地よい。
「おまえのためにやるんじゃないぞ」
 俺は長門を抱きしめた。小さな体は、俺の腕の中にすっぽり収まってしまう。この小さな体に、どれだけのものを溜め込んで来たんだろうか。
 その少しだけでも、肩代わりしてやりたいと思った。俺が背負えるものなんか、タカがしれてるだろうけどな。
「俺が、おまえの存在を感じていたいからやるんだよ」
 朝比奈さんの言う『呪文』を唱える時には高速で動くが、普段は食事と呼吸以外に使われることが極端に少ない、小さな唇。
 わずかな艶を放つそいつを、俺は自分の唇で塞いだ。
28411-374 7/14:2006/06/19(月) 22:49:09 ID:iCQ0aWm2
 唇を重ねたまま、俺と長門は互いの体をまさぐっていた。腕だけでなく全身で感触を楽しみながら、そのついでというように相手の服を脱がしていく。
 正直言って、すごいやりづらい。
 おまけに息苦しい。
 頭がクラクラしてきやがった。
 だが、俺は口を離すことが出来なかった。だって、すげえ美味いんだもんさ、こいつの唇。
 小さく柔らかな唇も、その奥にある細い舌も、口内を潤す唾液も、こいつの何もかもが、俺にとっては極上の甘露って奴だ。やばい、このまま窒息してもいいような気すらしてきた。
「………」
 そんな俺の考えを読んだように、長門の腕が俺の胸を押した。唾液の糸をつなげたまま、唇が離れる。
「っはぁ………」
「無茶をしすぎ」
 粗く息を吐く俺に、息ひとつ乱さず長門はそう言った。だが、その頬が上気して染まっているのはわかる。こいつなりに、俺の存在を感じてくれているのだ。
 ふと、長門の視線が下に向けられた。そこにあるのは、ベッドの上に座った俺の下半身。
 そいつの一部は、まだ指一本触れてもいないのにトランクスの中で自己主張してやがる。無理もないと思うね、長門の唇にはそれだけの魅力があるんだ。下手すれば、俺はキスだけで射精してしまうかもしれない。
 長門が顔を下ろして、トランクスを突き上げてるアレを覗き込む。おい、あんまりジロジロ見るなよという前に、トランクスに自分の顔を押し付けた。そのまま俺の腰に腕を回し、抱きつくような形でガッチリとホールド。
「お、おい? 長門?」
 答えの代わりとでも言うように、フンフンと鼻を鳴らす音が響く。布越しに、長門にの熱い吐息が感じられた。
 うわ、もしかして俺の匂い嗅がれてるのか? 長門の呼吸音にあわせて、トランクスの中にむず痒さを感じる。
「すごい匂いがする」
 うう、やっぱりもっとしっかり洗っておくべきだったか。でも、俺の股の間でうっとりと頬染めてるこいつを見ると、それでよかったとも思えてくる。
 今の俺の下半身は、布一枚を隔てた状態とはいえ、長門の顔がすぐ側にあり、そして長門の息吹をまぶされてる状態だった。当然、俺の愚息もそいつに反応して長門の顔を押し上げている。
 白い肌、小さな頬の感触が先端から伝わってくる。俺だって、その柔らかな感触を楽しみたいのに、と、自分の下半身に嫉妬してしまった。
28511-374 8/14:2006/06/19(月) 22:50:10 ID:iCQ0aWm2
 長門が腰をホールドしていた手を離し、今度はトランクスの前にかける。そのまま一気にずり下ろした。途中で自己主張する俺の分身が引っかかり、トランクスが下ろされた直後、反動で長門の顔をペシッと叩く。
「………」
 責めるように、俺をジッと見つめる長門。いや、悪いのは俺じゃなくて、おまえの眼前にある醜い野郎だ。責めるならそっちにしてくれよな。
「そうする」
 長門が、小さな口をあーんとあけて、くわえた。責めるってそういう意味で言ったんじゃないんだが、気持ちいいからよしとしておくか。
 今、俺の亀頭は長門に飲まれている。その小さな頬の中で、細い舌が絡みつくように動いてくれている。自分の手以外で刺激を与える方法を知らない俺には、こいつはちょっと良すぎるぜ。 
 おい愚息、長門の唇を貸してやるんだから、じっくり味わえよ。そんな風に自分の一部を擬人化して気合でも入れなければ、あっさりと放出してしまいそうだ。
 腰に力を入れて堪えるが、このままでは―――と。俺の一部をくわえる長門の体を見て、気がついた。
 今の長門の姿は、さっきのキスの時に脱がせたので、パンツ一丁という男前な恰好だ。四つん這いで俺の下半身を攻略中なわけだが、飾り気のないショーツに包まれた尻が、不自然に揺れているのがわかる。
 尻の下でつながる太股を、モジモジと擦り合わせているようにも見えた。
 俺は、肉付きの足りない小さな、でも俺好みの形をしたそいつに手を這わせた。長門の体がビクリと震え、俺への責めが中断される。
 布の下に存在する、柔らかな塊を掌全体で味わう俺。十本の指でその弾力を確かめるたびに、長門の体がフルフルと震えるのがわかった。
 もしやと思い、俺はさらに手を伸ばす。尻の谷間をなぞりながら、とりあえずまだ興味の無い部分を通り過ぎ、その下へ。
 わずかなふくらみのあるそこへ、指を沈ませてみた。ショーツの上から、指が割れ目に押し込まれれる。
「つっ!?」
 指の先に熱い湿り気を感じた瞬間、亀頭に衝撃が走った。長門が、俺の愚息に歯を立てたらしい。
 前にナノマシンを注入された時のように、シャミセンに甘噛みされてるような感覚で、痛みはほとんどない。とは言ってもなにぶん経験の少ない愚息には、大したダメージで、限界が近いことを思い知らされる。
 長門が俺のものをくわえたまま、上目遣いで睨んでくる。余計な事をするなってことか?
 だが俺はその視線を無視して、指先で、長門の割れ目をプニプニとつつきまわす。そのたびに長門の体が震え、俺の亀頭に歯を立てるという逆襲をしてくるが、止める気にはならなかった。
 俺だけが一方的に気持ちよくさせられるなんて不公平だからな。それに、俺が長門の存在を感じたいんだってさっきも言っただろ。
28611-374 9/14:2006/06/19(月) 22:50:51 ID:iCQ0aWm2
 俺は長門に下半身を甘噛みされながら、ショーツの端から指を差し入れた。熱い液体が、俺の指を伝うのが感じられる。
 長門の口撃がちょっと強くなり、亀頭に痛みが走った。だが、今の俺はそれさえ快楽として受け止められるような状態だ。Mだったつもりは無いんだけどな。
 亀頭を走る衝撃を堪えながら、俺は指を割れ目の奥へと進める。エロ本でかじった知識を元に、膣口を探し当てた。
 長門に噛まれる愚息からの快楽、指から伝わる潤いと熱さだけで、もうどうにかなりそうだった。だがそんな意識の中、俺は長門の膣口を指で軽く抉った。
「――――っ!!」
 長門が震え、尻を高く上げる。ついでに俺の竿を、裏筋あたりを歯で軽くひっかいた。下半身も脳味噌も限界状態に達していた俺には、強烈過ぎる衝撃が走り―――
「長門、出るっ!!」
 長門の小さな口内に、俺の欲望が発射された。呆けたような表情の長門の中へ、俺は何度も何度も射精する。自分の手だけでは、考えられないような量だった。
 ようやくおさまってくれたそいつを、長門の口から引き抜く。さっきの俺とのキスのように、長門の唇から精液と唾液の混じった橋が伸びていた。
「ん、むう……」
 口の中で転がすようにして、精液を味わっている長門の姿。それはこいつの未発達な肢体とのギャップを強調し、随分と扇情的な姿だと思った。
 そんな物を見せ付けられた俺は、さっきあれだけ射精したにもかかわらず、愚息に血液が行き渡り始めている。
 そしてそんな俺を見た長門は、また見せ付けるようにごくんと喉を鳴らせた。
「すごく濃厚。あなたの味で聴覚、味覚の機能が麻痺してしまいそう」
「ああ、そういや最近、あんまりやってなかったからな……」
 別に、長門が家に居たからというわけではない。高校生になってから、特にハルヒにひきずり回されるようになってからは、あんまり無駄な体力を消耗しないように努めている俺だった。
 それに実際にやると、当然女としての魅力を充分に兼ね備えたSOS団の面子を思い浮かべてしまうわけで、俺はその罪悪感に討ち勝てるほど大物ではない。ハルヒに関しては、罪悪感っていうよりプライドだけどな。
「わたしはよかったのに」
 と、先ほど俺をくわえていた体勢のまま、長門は言った。その様子があまりに可愛いんで、長門の体を起こしてキスをする。この際、まだ口内に精液が残ってるとかは忘れておく。長門の唇を通せば、なんだって気にならないね。
28711-374 10/14:2006/06/19(月) 22:51:35 ID:iCQ0aWm2
「長門……俺、おまえに入れたい」
 おまえの扇情的な姿、自分の精液付のキスのおかげで、俺の愚息は再び屹立している。こいつをどうにか治めてやってくれ。
「かまわない……いいえ、わたしがあなたに入れてほしい」
 長門がショーツを脱ぎ去り、股を開く。俗に言うM字開脚のポーズってやつだ。
 俺には少々、刺激が強すぎる。今すぐにでも飛びかかりたい気持ちを抑え、長門へと近づいた。
 すでにいきり立っている俺の愚息を、長門の秘所へと近づける。長門も二本の指で花弁を開くように、俺を迎えてくれた。粘膜の奥で、愛液で潤った膣口が見えた。
 経験の無い俺には、こんな小さな穴に挿入するのは一苦労だ。長門も俺に合わせるように腰を動かしてくれるが、なかなか上手く入らない。
 それでも、長門の粘膜と俺の亀頭が触れ合うたびにゾクリとした快楽が走る。さっきの一発が無ければ、門前で討ち死にって事態になっていたかもしれない。
 そんなことを考えながら腰を動かしているうちに、亀頭の先端が膣口へ潜り込んだ。この機会を逃せば、また門の前でウロウロし続けなければならないかもしれない。そう思った俺は、一気に愚息を突き入れた。
「っ!!」
 長門の顔が苦痛に歪む。朝倉に体をブチ抜かれた時も、平然としていたこいつが。
 たぶん、そのときは痛覚って奴を遮断とかなんとかしていたんだろう。でも、今はそうではないのだ。それは、俺の存在をより強く、より詳しく、より大きく感じたいってことなんだろう。
「長門っ!! 悪い!!」
 眉を寄せたまま痛みを堪える長門を前にしても、俺の体は止まることは出来なかった。長門の狭い膣の中で、抜き差しを繰り返す。そのたびに、しびれるような快感が背筋を走った。
 ベッドに手を突いて正上位で腰を動かす俺の下に、仰向けの長門の姿がある。未成熟な薄い胸が、それでも自己主張するようにフルフルと揺れているのが見えた。
 俺はそいつに顔を近づけ、その先端をついばむ。小さな乳首が、硬くしこっているのが唇から感じられた。胸をしゃぶり、吸い付くたびに、長門の体が戸惑うように震える。俺はこいつの反応が嬉しくて、まるで幼児退行したように、長門の胸を弄んでいた。
 長門は唇だけでなく、胸も最高だ。ボリュームは足りんが、それでも女の子であることを充分に主張してくれている。
 ああもちろん、俺が今突き入れている、長門の秘所は言うまでも無い。竿の全てをきつく締め付け、同時に絡み付いてくるような感触。丁度、裏筋にあたるツブのような感触も忘れてはならない。
 そんなもんだから、さっきから俺は猿のように腰振ってるわけだ。とても、腰を止めてなんか居られない。
 長門の表情にも、変化が訪れてきた。俺に突かれる度に漏らす声にも、艶が混じってきている。元々無口なせいかAVみたいにアンアン喘ぐわけではないが、それでもわずかな吐息にこいつの快楽が感じられるような気がした。
28811-374 11/14:2006/06/19(月) 22:52:34 ID:iCQ0aWm2
 長門に、三度キスをする。呼吸を無視した、舌の根元までねじ込むような深い奴を。
 下半身と上半身をお互いに同時に責め合う俺達。長門の膣壁の味、長門の舌の味が俺の脳を焼く。
 さっきあれほど出したというのに、もう愚息の限界が近いのを感じる。ペースを緩めてじっくり楽しむなんて余裕は今の俺にはないんで、後は限界まで突っ走るだけだ。
 頬を染めて堪えるような表情をしているこいつを見て、ふと考える。射精の瞬間のことだ。絶頂の直前に引き抜いて腹に出すなんて芸当、今の俺に出来そうにない。
 もし膣内に出したら、こいつも妊娠とかしたりするのだろうか。いや、宇宙人だからそれはないのか? ああ、でも基本的な体の作りは人間と変わらないだろうし―――――などと一瞬だけ考えるが、俺はすぐに結論を出した。
「長門」
 長門の耳に口を寄せ、俺は囁く。
「俺の子供、孕んでくれ」
「………っ!!」
 俺の言葉に反応するように、長門の膣が俺を締め付けた。それが、ギリギリまで堪えていた俺を、完膚なきまでに打ち倒す。
 体の奥から、熱い物が流れ出す感触が走った。俺は最奥まで突き入れた状態で、長門の体を抱きしめる。
 俺が欲望を吐き出すたびに、長門の体がビクビクと震える。口をパクパクさせながら俺を受け入れる長門の顔を見てるだけで、赤玉出るまで射精してしまいそうだった。
 軽くキスをしてから、長門から自身を引き抜く。長門の膣口から、愛液と、確かに俺が吐き出した欲望の証が垂れ落ちた。
 妊娠させてしまっただろうか。だとしたら、高校生としては大事だろう。学校は退学、親にも勘当されて当たり前だ。
 でも、ちょっと考えてみようぜ。
 俺とこいつの子供だぞ? 俺の馬鹿さ加減差し引いたって、さぞかし可愛い子供が出来るだろう。子供の扱いは慣れてるから、育児だってきっちりやってやる。
 だから、おまえの親玉の情報ナントカ体にもきっぱり言ってやるさ。

 お父さん、娘さんを僕にください

 ってな。一発くらい殴られる覚悟で。
28911-374 12/14:2006/06/19(月) 22:53:06 ID:iCQ0aWm2
 俺が目覚めた時、それはいつもの朝だった。そう、何も無いいつも通りの朝だ。
 初めての長門との行為の後も、それから猿のようにやり続けていた。最後の記憶ではカーテンがほんのりと明るくなっていたから、明け方までやり倒していたということだろう。そこからは記憶がプッツリと消えている。
 だが、それにしては着衣も布団の乱れも無い。あれだけやったのというのに、体には毎朝の眠気以外の疲労感も無い。つい数時間前まで童貞だった俺にはよくわからんが、あれだけやってりゃ普通は疲れるもんじゃないのか?
 これはあれか、夢オチってやつか。俺の童貞は未だ健在ってことか。俺は夢の中で、大切な存在である長門を孕まそうとしていたわけか。
 いや、そんなわけないだろう。いくらなんでもあんな鮮明な夢があるはずはない……よな? 
 まずい、段々自信が無くなってきやがった。長門がすぐ側にいるこの一週間で、よからぬ想像を一度もしていない、と言えば嘘になる。だってな、俺が風呂入ってる時、当たり前のような顔して長門が入ってきたこととかあったしな。
 そういったことの積み重ねで、俺の中にくだらん考えが積もり積もっていた、という可能性は否定できない。少なくとも、変な夢見るくらいにはな。
 不意に、俺の耳にノックの音が響く。まるでテープを再生したかのように、代わり映えのしないノックの音。こんなノックをする奴はひとりしか居ない、っていうかこの家にわざわざノックをする奴なんか、あいつを除いていないのだ。
「ど、どうぞ」
 ドアの向こうから現われたのは、予想通り長門嬢。やっぱり、こいつはいつも通りの無表情で俺の顔を見つめている。
「……朝御飯ができている」
 そう言い残して、俺の部屋から消えた。俺が何か聞こうとする前に。聞こうにも、もしかしたらって罪悪感で、長門と顔合わせられなかったんだけどな。
 制服に着替えてリビングに降りてから聞こうと思っていたのだが、長門は俺の母親と妹に捕まっていて、俺の付け入る隙などなかった。昨日のお別れ会じゃまだ足りないのか、あんたら。
 朝食を食べ終えると、俺と長門は学校へ向かう。長門の手には、一週間分の荷物であるはずの、小さなバッグがひとつ。着た時より膨らんでいるのは、母親が色々持たせたからである。
 最後に玄関でぺこりと頭を下げた長門を、母親と妹は長い間見送っていた。後ろからいつまでもふたりの声が聞こえてくるもんだから、俺はなかなか話を切り出すことが出来なかった。
 だって、家族の声のするとこで、自分の性体験について話せるかよ。もしかしたら俺の勘違いかもしれないってのに。
 気がつけば、俺と長門はこの一週間でおなじみとなった、分かれ道に来ていた。同居生活を隠し通すため、いつもここからは別れて別ルートで登校していたのだ。
 ここから俺と長門は、別々の道を―――――
29011-374 13/14:2006/06/19(月) 22:54:06 ID:iCQ0aWm2
 ちょっと待て。
 もしかして、これか? こういうことなのか。
 あの、世界が改変された日のことを思い出す。あいつは世界を作り直し、自分自身の存在をも作り変えてしまった。
 あの世界は、確かに長門自信が望んでいた世界のはずだ。改変された自分自身も含めて。
 だが長門は緊急脱出プログラム、なんてのを用意してくれていた。世界でただ一人、俺だけを情報改変から保護したうえで。
 俺に、世界の決定権を委ねたのだ。
 今回も、そういうことなのだろう。
 昨日の出来事が夢だったとしたら。いや、夢だということにしてしまえば。俺と長門は、これまでと同じ日常に戻るだけだろう。
 SOS団の部室で朝比奈さんのお茶を頂きながら、古泉とゲームをし、ハルヒの思いつきに振り回されるという日常に。俺が、改変された世界を捨てて、選んだ世界の日常を。
 長門は、こんな時まで俺に選択権を残してくれていたのだ。
 でもな、長門。おまえは大切なことを忘れている。
 俺があの世界を捨てたのは、あの世界に俺の知ってる皆が居なかったからだ。
 いや、ハルヒ、朝比奈さん、古泉については、それぞれの特殊能力は無くなり、俺のことを知らなかったということはあっても、その性格は俺の知ってる三人のままだった。
 だが、長門。あの世界のおまえは、俺の知ってる長門とは全然違っただろ。
 あの世界に居る限り、俺はおまえに会うことがができない。だから、俺はあの世界を捨てたんだ。
 おまえに会うために、この世界を選んだんだよ。
 だからな、長門。
 おまえが俺の側に居てくれるなら、拒む理由なんて何もないんだよ。
「長門」
 俺は長門の手を掴み、歩きだした。ビクリと震えるあいつにかまわず、いつも俺が使う通学路を進む。
「……だめ。わたしと一緒に登校すると大変なことになる」
 俺の歩みに従いながら、長門が言った。
 そうだなあ、このまま歩くと谷口辺りに出くわして、大騒ぎになるかもな。北高に多数居るという、隠れファンとやらにも目をつけられるだろうし。
「わたしと一緒に歩くと、大変なことになる」
 そうだなあ。なにせおまえは、情報ナントカで宇宙人で有機インターフェイスなんだからな。おまえと一緒に居るってことは、朝倉みたいな奴の相手もしなければいけないってことだろう。他にも、俺が今まで知らなかったことにも巻き込まれることになるんだろうな。
 だけどな、それがどうした。
「おまえが一緒なら、どこまでだって行けるだろ」
 俺はそういって、いつもの通学路を進んでいく。
 長門の顔は見ない。だが、あいつが俺の手を握り返してくれたのを感じた。それだけで充分だと思う。

 さあて行くか、長門。俺達の道をな。
29111-374 14/14:2006/06/19(月) 22:54:52 ID:iCQ0aWm2
 さて結局この後、予想通りに谷口に見つかったわけで。そこから噂になったおかげで、ハルヒに問い詰められることになり、俺はあっさり長門との同居生活のことを吐いてしまったわけである。
 理由はわからんが、変な笑顔で怒り狂うこいつを諌めるのは大変だった。長門の宇宙パワー、朝比奈さんの未来人属性、古泉の超能力がいかんなく発揮されるような騒動だったしな。
 ああ、ちなみに母親や妹に気に入られた長門は、月に数回は俺の家で飯を食うようになり、時々泊まっていくようにもなった。あのふたりは、俺達の関係にどこまで気づいてるんだろうね。
 それからの俺と長門には、最初に予想していた以上の事件が待ち構えていたわけだが。
 
 それはまた別のお話。

『長門週間』・了
29211-374:2006/06/19(月) 22:56:37 ID:iCQ0aWm2
以上です。お付き合いいただきありがとうございました。
一人称、エロ描写についての練習も兼ねて書き込んでるので、そういった部分での意見もあれば、お願いします。


次はTS物、がんばりたいと思います。
293名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 22:59:02 ID:qrJwHP/y
>>262
これは保管所ではなんと言う題なのかできればお願いします
294名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:00:32 ID:kFsT4U1T
>>292
ありがとうございました(何がだ)

エロ描写は自分などより上手いと思うのでー、口なんか挟めませんですな
前のベッドに顔を押し付けて匂いを胸いっぱい吸い込む長門やキョン目掛けブランチャーかます長門が可愛かったのですよ

そんな訳でGood Jobという言葉を進呈
295名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:02:16 ID:sUj6r2vF
>>11-374
めちゃくちゃに乙。
すごい待ってた。
296名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:02:51 ID:q+sb/KNw
>>292
すまない谷口、この人に対してGJという言葉しか思いつかないんだが、お前はどうだ?
297名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:04:28 ID:LxFpGgJA
>>292
良かっただけにもったいない。読みやすかったらもっとよかった。
たぶん投げた人も少なくない。まずは読みやすさを重視したほうがいいと思うよ。
298名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:21:37 ID:cBbjZfim
>>292
おつ〜
得ろいシーンが多くて、十二分に堪能できました。
文章自体も、雰囲気をある程度までは原作にあわせながらも、
かなり丁寧に書かれていて、とても読みやすかった。
よければ、また投下してください。

299名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:40:36 ID:mCdILbjO
長門派じゃないが、
面白く感じたGJ! GJしかいえない自分に鬱・・・
300交換条件:2006/06/19(月) 23:40:48 ID:Bmx1viJ0
「……」
「お待ちしておりましたよ長門さん。
 今夜はいらっしゃらないのかと思っていたところです」
「……現時刻より8時間の同期を申請する」
小雨降る平日の夜11時。
家具のほとんど無い、殺風景なマンションに長門有希の声が響く。
「準備は……出来ていますね?」
「出来ている」
「では、同期を許可しましょう」
一瞬にして周囲の感覚が切り替わる。
男の体臭のする一室の、ベッドの上。
「では早速」と、いきなり右手の人差し指が第二関節まで差し込まれ、
ゆっくりとかき混ぜるように円を描く。
慣れない感覚に体が硬直する。 が、現在長門の体の主導権は相手に有る。
「あなたが望んだことですよ」
「そう。 わたしが望んだ」
相手はゆっくりと指を引き抜き、そのまま口に含む。
「とろとろで暖かい。 すばらしい味ですよ長門さん。
 私に体を明け渡してまでも彼との時間を望む。 だが彼はあなたのことに気付かない。
 いつも通りの夜、としか思っていませんよ」
「それでもかまわない」
「いいでしょう。 おかげで私は毎晩肉の味を楽しんでいるのですから





 ビーフカレーの味を、ね」
「……」

そう、ここは彼の部屋。 キョン君といっしょに寝る(猫の体でだが)ことと引き替えに、
シャミセンに人間の体でカレーを食べることを許しているのだ!

明日の朝元に戻ったらまた顔と髪と両手と服がカレーでべとべとなんだろうなと
思いながらも、彼の隣にいられる幸せに包まれていた。
301名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:42:20 ID:Bmx1viJ0
エロ無しです続きません

>>292
GGGJ!っすーーー!!!
302名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:50:26 ID:DlhzTHEB
さんざんエロ無しで、挙句長門厨か、楽しそうだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
303名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 23:53:33 ID:rLsJjtJp
>>300
カレーかよ!
ある意味、福神漬やラッキョウのようなネタすね。
304名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:00:45 ID:EGkbyRVb
nac氏の〜 I want to be here 〜
読んだんだけど、ネタって何?
305名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:01:55 ID:YP/akJJ2
さっき言ってた透明もの(キョン)のプロローグが完成したので投下します。
プロローグなのでエロはなし(というかエロが思いつかん)
途中でエロ分を追加するところはあると思いますが、派生できそうなら派生しちゃってください(こういうのを他力本願という
306名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:03:51 ID:q+sb/KNw
涼宮ハルヒの透過

プロローグ
「いやーっ、こんなのイヤですぅー。」
「いいからサッサと着なさい! コレを着てまたビラ配りするわよ!」
ハルヒがなにやら紙袋を持って朝比奈さんに迫っている。

このやりとりでもうお分かりかと思うが、SOS団(文芸部)部室なわけである。
どうやらハルヒはまたビラ配りをしようとしているらしい。懲りない奴だ。
その前にその紙袋の中身を見せてもらいたいのだが…
「ん、これ? またネット通販で買ってきたの。 これならバニー以上に注目度バツグンよ!」
さて、ここでひとつ話を挟むが、ドラクエというものを知っているだろうか。 
では、あぶない水着という防具があるのはご存知であろうか。 まぁ、知らなくてもいいが、名前だけでどういう物かはお分かりになるはずだ。

なぜその話を持ってきたかというと、ハルヒが紙袋から出した衣装が、まさしくそれだったのである。
「やめとけ。」
 さすがに止めに入ったね。 たしかにそれで出れば注目度(男子は特に)は増えるだろうが、朝比奈さんが痴女の烙印を押されてしまうのは間違いない。
「何よ、私も着るわよ。」
そういって紙袋からもう一着を取り出すハルヒ。
そういう問題じゃない。 この服(とも言い難いが)を着るのなら一人でやれ。 朝比奈さんまで巻き込むんじゃない。
「みくるちゃんはSOS団のマスコットキャラなのよ。 キョンにとやかく言われる筋合いはないわ。 団長は神聖なる不可侵たる私、あんたたちは言うことを聞いてればいいのよ!」
その言葉を聞いて、頭の奥のほうでブチッという音が聞こえた気がする。 
古泉が止めに入ったようだが間に合わず、俺の平手がハルヒの頬をはたいてた。
「…っ」
ハルヒの左ほほが徐々に赤くなっていき、そこで俺は我に帰った。
やっちまったよ、俺…
ハルヒの反撃が飛んでくるぞ…、ってあれ? 飛んでこないぞ。
見ると、今まで見たことがないような形相でこっちを見ている。
ふいにハルヒの目から涙が零れ落ちる。 ハルヒの涙なんて初めて見たぞ。
「………何よ、もうあんたの顔なんて見たくもない!」
そういってハルヒは入り口に駆け出す。 そのまま
ふいに古泉を見ると、いつもの張り付きスマイルが消えて、変わりに神妙な面持ちになっている。
「やってしまいましたね。 明日にでも涼宮さんに謝ってください。 これで我々は徹夜を覚悟しておいた方が良さそうです。」
たしかにやりすぎた。 はっきりとそう思う。
朝比奈さんに目を向けてみると、さっき以上にオロオロしている。 仕方ないか。
長門はというと、さっきの出来事に反応もせず、フランス語らしき字で書いてある本を読んでいる。
ふたたび古泉
「不幸中の幸いなのは、あなたがその場で消滅しなかったことですね」
幸い? お前が徹夜になるかもしれないんだぞ。
「問題とするべきところはそこではありませんよ。 涼宮さんが本気であなたの存在を否定すれば、もう我々には手の打ち様がないですからね。」
ちょうどそこで長門の本を閉じる音が響き、解散することになった。
まさか次の日にあんな事態になるなんて、誰が思う? まぁ、いつぞやみたいに世界改変でないだけマシだが、それでも十分に迷惑な事態だ。 
神様行きのポストがあるんなら、クレームの手紙を大量に出してやりたいくらいだ。
本当に思う。 やれやれ

続く
307名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:05:39 ID:HNFgetoM
>>291
孕んだのか……

それは見ものだ
GJ!
308名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:09:37 ID:pXIsS/B8
>>300
NTR好きな俺のエレクチオンしたナニに対する責任を
309名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:31:12 ID:eBtDt/QW
キョン「ハルヒ、好きだ」
ハルヒ「キョン……わたしも」
古泉「フッ happy endingなんて許しませんよさあこっちにこい!」
キョン「な、古泉、やめ、いた、うぎゃーーー!」
ハルヒ「きゃーーーー! わたしのキョンが掘られてくッ!!!!!!!!!!」


>>308
これでドウダイ?!!
310名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:32:22 ID:+v1S6LDU
>>292
GJが嫌がられてるみたいなんで別のスレの誉め言葉をば。
( ゚∀゚)o彡゚ワッフルワッフル!
(…使ってもいいのかどうか分からんけど)
しかし別の話が気になる。というか、別の話と言ってるからには投下の予定があると期待してもいいのかな?
>>305続き、期待してるぜ!
311名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:40:54 ID:q4fc+4ao
べっ、別に、面白くなんか、ないんだからねっ!か、勘違いしないでよ!
312名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:41:30 ID:qSdbFDgn
>>305
続きを期待するってのはどうかな?
313名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:46:52 ID:YP/akJJ2
よし、1章投下の後、睡眠に入ります。
以降はまた明日にでも


1章
次の日、妹のいつものモーニングコールで目を覚ますわけだが、いつもと若干違っていた。
「キョンくーん、朝だよーー!…ってあれ?」
あれ? って何だ。 何か如何わしいものでも見えていたのか?
妹は振り返り、ドアに向かって駆けていく。
「おかーさーん、キョン君いないよ〜!」
ちょっと待て。 俺は思わずベッドを降りて妹を呼び止めた。
俺はこうしてここにいるわけだし、タチの悪いイタズラだと思ったからだ。
妹はキョロキョロしつつ、再度こちらに駆け出して…
「あれ、やっぱりキョン君いるんっうわっ!」
俺にぶつかった。もののみごとに全速力で…
「キョンくんの部屋には幽霊がいるー!」と言い残し、俺の部屋から逃げ出す。
とりあえず状況を確認しようと、鏡を見たが、何も鏡に映ってない。 いや、映っていなければならないものも映っていない。 そう、俺の体だ。
「なんてこった!」
どうやらこれが透明人間というやつらしい。 最近SOS団の関係で不思議なことは多いが、透明人間とのはじめての邂逅が自分だとはどんな奴でも思うまい。
もちろん俺の体だけでなく、確かに着ているパジャマやパンツまでもが見えない。
案の定制服に着替えたら制服が透明になったし、脱いだパジャマはしっかりと色を取り戻していた。
制服に着替えた(といっても見えないが)俺は、原因を思い浮かべている。というか原因はひとつだ。
昨日のハルヒとの件、それしか考えられない。

とりあえず家を出たわけだが、人がとにかくぶつかりかける。まぁ、ぶつかったとしても何か気づかないだろうけどな。
そして学校に来たわけだが、さすがに透明のまま授業を受けるわけにはいかない。
というわけでまず、職員室に行き、岡部の机にメモ用紙を貼り付けておく。

【お休みの連絡をいただきました】

これでよしっと。 ついでに成績表があったので書き直そうかと思ったが、それはダメだろうという良心が打ち勝った。
とりあえず向かうところはただ一つ。 部室だ。 今の時間は授業中だがきっと長門がいる。なぜだか分からないけど分かる。きっと長門なら、長門なら何とかしてくれる。

続く
314名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:49:30 ID:n/9YC/YE
>>293 mハルヒとsみくるでお願いします
315名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 00:52:12 ID:pXIsS/B8
>>309
どうして俺がホモだとわかったんだ
316名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 02:27:25 ID:8bO2/QYi
>>292
GJ!『長門週間』は文章のテンポがよくて読みやすかったです。
つーか、地の文上手すぎ。ちゃんとエロいし。

漏れもこーいうエロ可愛いのが書きたいなあ。ゴチでした。
317名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 02:36:08 ID:Rgh7JYEK
>>213
゚。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン みくるんるんーーーー
やべ夜中だからテンション的なものがあがってる
318名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 03:16:25 ID:rK5E4Cmv


>>122の「がんばれキョン 8」の続きを投下させてもらいます。
319がんばれキョン 9:2006/06/20(火) 03:19:28 ID:rK5E4Cmv

 閉鎖空間が発生したのを確認した俺は、目を閉じているハルヒをそのままに、長門によってこの部屋に張り巡らされている情報防壁に侵入する。
 閉鎖空間によって長門と切り離されている防壁は、思ったとおり簡単に俺を受け入れた。
 これでこの空間は俺の情報制御下に置かれることになる。ちょろいもんだ。
 しかも、長門が作っただけのことはあってかなりの構成をしている。これなら暫くの間は閉鎖空間を保持させる事が出来るだろう。
 折角ここまでやったのに、途中で閉鎖空間を消滅させられたら、元も子もないからな。
  
 一仕事終えた俺は、未だに固まったままでいるハルヒから身体を離して、いつもの椅子に座り込んだ。
 どうして自分にこんな事ができるのか、疑問に思わない事も無いが、そんな事は考えても仕方が無い。
 今の俺には、やらなくてはならない事があるのだから。
「……ど、どうしたの?」 
 いつまで経っても何も起きないのに気づいたのか、ハルヒは目を開けてキョロキョロと落ちつかなそうに周りを見渡している。
 その内、自分の身体が動かない事にも気づいたようで、慌てて俺に声をかけてきた。
「ちょ、ちょっと、何よこれ?身体が動かないわ!キョン、あんたなんか変な事したんじゃないでしょうね!!」
 身体が動かないのは簡単な話さ。要するに、俺がかつて朝倉涼子にされたことと同じような事をハルヒにしている事になる。
 しかし、そんなことを一々ハルヒに説明してもしかたない。何事か喚き続けるハルヒを無視したまま、俺は尋ねた。
「なあ、ハルヒ。選んで欲しい事があるんだ」
 それを聞くためにわざわざ首から上は自由なままにしてやってるんだぞ。
「お前にとって、俺に傷つけられる事と、俺が傷つく事と、どっちの方がより大きく感情が揺さぶられる?」
 俺は上着のポケットから、先日買ったばかりの、柄が赤い果物ナイフを取り出した。

「……キョン、何言ってんの?」
 ハルヒが正気を疑うように俺の顔をまじまじと見つめてくる。少し顔色が悪いな。当たり前だ、俺が怖がらせているんだから。
「答えてくれ。でないと両方試さなくちゃならない」
 出来れば楽そうな後者がいいな。しかし、作業の効率を考えると、無回答の場合は前者を先に行なわなければならないだろう。
「どっちの方がより大きな情報爆発が起こるのか、俺には判断がつきかねてるんだ」
320がんばれキョン 10:2006/06/20(火) 03:20:49 ID:rK5E4Cmv

 俺の言葉を聞いて、ハルヒの目線がますます訝しいものに変わる。
「……あんた、本当にキョンよね?」 
 そうだよ、俺はキョンさ。お前の望んだ閉鎖空間はハルヒとキョンだけを閉じ込めるものだからな。
 他の誰だって、そう、例え長門であっても、ここに存在する事はできない。

 混乱しているのか、ハルヒは暫くじっと黙り込んでいたが、やがて目を吊り上げ、自分に言い聞かせるような大声でこう言った。
「キョン!分かったわ!あんたは悪い宇宙人に洗脳されてるのね!」
 凄いなハルヒ。大体あってるような気もするぞ。
「待ってなさい、キョン。今助けてあげるからね!SOS団団長をなめるんじゃないわよ!」
 何とか身体を動かそうとしているのだろう、ハルヒは首を上下左右にガクガクと揺さぶり始めた。ちょっと気持ち悪い。
 しかし、こいつは放っておくと本当に何とかしてしまいそうだから怖いな。変に時間をかけるのは危ないかもしれん。
 俺はナイフを握り締め、ゆっくりと立ち上がる。
 まったく、何で俺がこんな事しないといけないんだ?誰でもいいから俺に教えてくれ。

「なあ、ハルヒ。正直俺は、こんなに上手くいくとは思っていなかったよ」
 一歩一歩ゆっくりとハルヒに近づいていく。
「この時点でお前が俺の告白を受け入れるかどうか。はっきりいってあんまり自信が無かったんだ」
 ハルヒは必死で身体を動かそうとしているようだ。
 多分、俺を助けるために。
「仮に俺の告白が受け入れられたとしても、その後でお前が閉鎖空間を発生させる確証も無かった。いくら二人で歩く帰り道が楽しかったからって、世界から切り離されてまで二人でいたいなんて思ってくれるとは限らないだろ?」
 無駄だよハルヒ。動かそうと思って動かせるもんじゃない。経験者の俺が言うんだから間違いないぜ。
「大体、俺とお前は団長と団員その一ぐらいの関係だったんじゃないのか?少なくとも俺はそう思ってるはずなんだ。お前だってそうだろう?」
 ハルヒの目の前で立ち止まり、ナイフを逆手に持ち替えた。何故か身体が重くなってきたような気がする。
「なあ、ハルヒ、教えてくれよ。どうして」
 ナイフを持った右手を振り上げようとするが、なかなか上手くいかない。どうしてだ?俺の身体なのに。
「どうして、俺を受け入れた?」
 身体がかすかに痙攣する。歯の根があっていないのか、カチカチという音が頭蓋骨の中に響いている。
「どうして、俺は」
 そこまで言うと、口も思うように動かなくなった。

 それでも俺は、震える右手を、何とか無理やり肩の高さまで持ち上げる。
 後はこれを下ろすだけだ。一度下ろしてしまえば、俺の身体も抵抗をやめるだろう。
 最初はどこにしようかな。腕か、足か、腹か。死ななければどこでもいいさ。
 噴き出す血の赤色は、コイツに良く似合うだろう。

 最後に、ハルヒの顔を見つめた俺は、少し驚いていた。
 少し青い顔をしているものの、ハルヒはいつものように無駄に大きな目を爛々と輝かせ、不敵に笑っている。
「大丈夫よ、キョン」
 大丈夫。何が大丈夫なのかはさっぱりわからんが、こいつが大丈夫だというのなら大丈夫なのだろう。
 そうさ、SOS団団長のコイツはどんなピンチの時だって、きっと力づくで何とかしてしまうに違いない。
 その度に、長門は黙々と皆を守り、朝比奈さんは泣き出して、古泉はニヤけた顔で暗躍し、俺はため息をつきながら走り回るのさ。
「私を信じなさい」
 ハルヒは笑う。俺も笑った。
 


 そして俺は、右手をハルヒに向かって振り下ろし、左手で俺の頬を殴りとばした。
321名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 03:22:41 ID:42LbuB65
カモン!
322がんばれキョン 11:2006/06/20(火) 03:23:56 ID:rK5E4Cmv

 そいつが自分の左手に吹っ飛ばされたのを確認して、俺は30分近く入っていた窮屈で汚くて暗いの3Kが揃った掃除用具入れから飛び出した。
 右手に持った銃を構え、呆然として倒れこんでいるそいつに狙いを定める。
 ちなみに、肩には雑巾を乗っかっており、右足はバケツに突っ込んだままである。

 不意に、いつかの長門の顔が胸をよぎった。
 今回はあの時に比べたら大分マシだ。なんたって、銃を向けるのは泣きそうな顔の長門ではなく、アホ面下げた俺だからな。むしろ嬉しいぐらいさ。
 躊躇することもなく、俺はそいつの身体に向けて引き金を引く。
 季節外れの花火のような音が部屋に響き、そいつはぐったりと床に倒れて動かなくなった。どうやら気を失ったらしい。
 自分の脇腹がうずくような感じがしたが、とりあえず無視しておくことにする。

「終わった……」
 俺は大きく息をついて肩の力を抜いた。
 まったく、まさか掃除用具入れの中から自分の告白を覗く羽目になるとはね。長生きってのはしてみるもんさ。
 まあ、その後俺がハルヒを抱きしめたときなんて、危うく飛び出して俺を半殺しにするところだったけどな。
 ハルヒと出会ってからずいぶんと忍耐力がついていたからこそ、何とか我慢できたんだろう。
 俺が頷きながら自分の忍耐力を賞賛していると、横から不意にハルヒが飛び掛ってきた。こいつ、もう復活したのかよ!
「痛え!」
 押し倒された拍子に、頭が床に打ち付けられたと思ったら、次の瞬間にはネクタイを締め上げられ、無理やり顔を引き上げられていた。
 この馬鹿力め!
「ちょっと、キョンになんて事すんのよ………って、あんたもキョンじゃない!!」
 かなり混乱しているのか、どうなってんのよ!と叫びながら俺の頭をガクガクゆすってくる。やめろバカ首が折れるだろ。
 俺が咄嗟に左手に持ったスプレーを目の前まで持ち上げると、ハルヒはそれを怪訝そうに見つめた。

 さて、こいつに一つ伝えておかなくてはならん。
「ハルヒ。さっきの俺の発言には一部訂正しなくてはならない箇所がある」
 そう、出来ればここ一週間の俺の発言は全て訂正したいところだが、時間も無いことだしな。
 それに、こいつにとっては、どうせ今日の事なんて夢の中の話さ。
「いつからかはよくわからんが、俺はお前に惚れている、というのは実は嘘だ」
 ハルヒの目が俺の目を捉える。ハルヒの大きな瞳に俺の顔が映っている。そして俺の瞳の奥にハルヒの顔が映っている。
 その奥は、もうよく見えなかった。
「俺は、初めて見た時からお前に……」
 あ、しまった。
 俺の身体がそれ以上口を開く事に拒否反応を起こしたらしく、スプレーからは既に霧状の液体が発射されていた。
 それをもろに正面から顔に浴びせられたハルヒは、一瞬ねこじゃらしを口の中に突っ込まれた猫のような顔をした後、すぐに俺の身体の上に倒れこんでくる。
 おい、このスプレー大丈夫なんだろうな長門。

 いつの間にか、部室の窓には少し赤い色の景色が映り、学校の喧騒も戻ってきている。
 さっきまですぐそこにいたはずの朝比奈さんと鶴屋さんは、もういないようだ。長門がどうにかしてくれたのだろう。
 俺は、朝比奈さん(俺と一緒に来た方だ)と長門が部室に飛び込んでくるまでの間、ハルヒの身体を抱きとめたまま窓の向こうの夕暮れを眺めていた。
323がんばれキョン 12:2006/06/20(火) 03:30:47 ID:rK5E4Cmv

「結局なんだったんだ?今回の騒ぎは」
 一時間前までの時間旅行から戻ってきた俺は、俺を見送ったままの姿勢で突っ立っている長門に尋ねた。
「あなたの中には、何らかの情報生命体が寄生していた」
 涼しい顔で恐ろしい事を言う奴だな。

「その生命体はあなたに寄生し、時間をかけてあなたの精神とほぼ一体化することで、私たちの目を欺いていたと思われる。
あなたのここ数日間の行動は、その生命体が涼宮ハルヒとあなたを近づけようとして、あなたの精神に表出化したのが原因。
寄生生命体はあなたの精神と一体化しているため、あなた本人にさえ自覚するのは不可能だった」

 要するに、俺の心は俺の知らない間に乗っ取られてたってわけか。
 確かに、ここ数日も俺は普段どおりにしていたつもりだった。 最初に違和感を感じていたことだって、その内気にならなくなってたしな。
 ハルヒにナイフを向けた時でさえ、全部自分の意志でやっているつもりだったんだ。
 今考えてみると、何でそんな事をしたのかさっぱりわからなくなっていた。

「何でまたそんな奴らが俺とハルヒを近づけたがるんだよ」
 古泉は俺とハルヒが仲良くなれば、ハルヒの力は無くなると言っていたが、それが目的だったのか?
「違う。あなたと涼宮ハルヒを一旦近づけ、あらためてその関係を壊す事で、涼宮ハルヒに大きな情報爆発を起こさせることが目的」
 なるほど。ハルヒと俺をくっつけて、それを最悪の形で壊したかったわけか。
 椅子の上で眠り続けているハルヒに目を向ける。胸糞悪い話だぜ。俺にとっても、ハルヒにとってもな。
「それで急にあなた、というか、何者かに寄生されたあなたは、涼宮さんとの距離を縮めようとしていたわけですね」
 古泉が真剣な調子で口を挟んでくる。
「しかし、長門さんの目を盗んであなたに寄生することができるような輩もいるのですね」
「おそらく、冬に行った雪山で寄生されたと思われる」
 長門が、俺の目を見つめながらそれに答えた。
 雪山って言うと、ああ、あのおかしな洋館の事か。
 確かにあの時の長門は弱っていたが、まさかそんな前から俺の中に得体の知れないものが潜んでたのか?
 やばい、今更鳥肌が立ってきたぞ。
「ですが、そんなに以前から寄生していたのなら、どうして今頃になって行動を起こし始めたのですか?」  
「それは…」
 長門は、何故か少しだけ言いにくそうにしている。

「有機生命体の異性間の問題については、私には上手く言及できない。あえて言うなら、寄生した生命体は、あなたがもっと早く涼宮ハルヒと親密な関係を築く事になると予想していたと思われる。
しかし、あなたと涼宮ハルヒがそのような関係を築く様子が無かったため、気づかれる危険を冒してあなたの意識に表出し、アクションを起こさせたのだろう。あるいは、寄生した生命体の活動期間が限られていたのかもしれない」

 それを聞くと、古泉はからかうような顔で俺に目を向けてくる。

「それで涼宮さんに一緒に帰ろうなどと言い出したわけですか。なるほど、たしかに普段のあなたは決してそんな事を口に出しそうにはありませんが、頑張ればそのぐらいの事なら言えそうな気もします。かなり微妙なラインですね。実際僕も判断がつきかねましたし」
 やかましいぞエセスマイル。朝比奈さんも頷かないでください。

「寄生されたあなたは」
 長門は、覗き込むような目で俺を見ている。ん?ひょっとして、少し怒っているのか?
「私に特に注意していた。私が寄生生命体に気づいて排除しようとすれば、あなたもろとも自滅するつもりだっただろう。そのため、私はあなたの異常に気づいていながら、対処しかねていた。
そのような私の様子を感じたため、寄生生命体は判断を逸らせ、涼宮ハルヒを利用して限定空間を作り、私の干渉を排した後、強引な手段に出たものと思われる」
 どうやら、長門は自分を責めているようだった。
 やれやれ、困った娘だなこいつも。
「何言ってんだ、長門。結局お前がくれた銃のおかげで俺は元通りになったし、ハルヒもグースカ寝てられる。それに、対処できなかったって、俺が人質に取られてたからだろ。寄生されても気づかずに何ヶ月も過ごしてたのも俺だ」
 考えれば考えるほど自分がアホに思えてくる。これじゃハルヒの事も馬鹿に出来んな。
「だから、ありがとうな。長門」
 俺が言うと、長門は「わかった」とだけ呟いて、ようやく椅子に腰を下ろした。本当に、ありがとうな。
324がんばれキョン 13:2006/06/20(火) 03:32:09 ID:rK5E4Cmv

「あ、あの〜?」
 朝比奈さんがおずおずといった様子で声をあげた。人間の街に迷い込んだ子ウサギのようにキュートだ。
「涼宮さんに、どう説明するんですか?……そ、その、キョン君の事とかは」 
 そうだ。座り込んでいる場合じゃなかった。面倒はまだ終わっていない。というか、これからがある意味本番の様な気もする。
「長門、あのスプレーは……」
「眠らせるだけ。記憶の改変は行なっていない。あなたが推奨しないと思った」
 そうさ、人の記憶なんてむやみにいじっていいもんじゃないからな。
 しかし、どうしたもんかね?俺が実は双子で、それを利用した壮大なドッキリ企画だったってことにするか?

 俺が頭を悩ませていると、古泉がいきなり立ち上がった。どこ行くんだよこの野郎。
「いえ、もうそろそろ下校時刻ですし、何より今回僕は全くの部外者でしたからね。残念ながら涼宮さんには何とも申し上げる事が出来ません。いやはや、お役に立てなくて本当に申し訳ないです。では、また明日」
 いやらしい笑顔で俺を見た後、さっさと部室を出て行ってしまった。除け者にされた事を根に持ってやがるな。
 続いて長門が音もなく立ち上がる。
「お、おい長門、ひょっとしてお前も帰るつもりか?」
 長門は、いつものように一ミリほど顔を縦に動かすと、音もなく部室から出て行った。
 何てこった、こうなったら俺と朝比奈さんの二人で妙案を……
「ご、ごめんなさい、キョン君」
 朝比奈さんはもう既に鞄を持ってドアの向こう側に立っていた。マジかよ。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ朝比奈さん。あなたも帰るんですか?」
「ごめんなさい。大事な用事があるんです」
「な、何の用事ですか?」
 まさか、また何か面倒な事でも起こってるんじゃないだろうな。
 朝比奈さんは振り返り、いつもどおり可憐な、しかし少しばかり意地悪そうな笑顔で
「禁則事項です」
 と言って、ドアを閉めた。
「嘘だろ」
325名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 03:42:00 ID:42LbuB65
ワクテカ
326がんばれキョン 14(終):2006/06/20(火) 03:44:08 ID:rK5E4Cmv
 
 かくして、部室に残されたのは俺とハルヒの二人だけである。
 つまり、もうすぐ目を覚ますであろうコイツに対して、今日を含めたここ数日の出来事を、現実に受け入れられそうな形にアレンジしてこいつにお届けすることができるのは、俺しかいないということだ。
 念のため掃除用具入れを覗いてみても、未来の俺がいて妙案を授けてくれるわけでもなく、当面はただ座ってハルヒの寝顔を見ながらあれこれと考えるぐらいしかやることがないのであった。

 考えてみると、今回はかなり危なかったんじゃないのか。
 さっきまでナイフを握っていた自分の右手を握り締める。危うくこの手でハルヒを刺しちまう所だったなんて、信じられん。
 実際、あの時左手が俺を殴らなかったらどうなっていたことやら。想像するだけで死にたくなってくるな、本気で。
 ……そういえば、どうしてあの時左手が動いたんだ?あの時の俺ときたらまるでハルヒを傷つける事しか考えてなかった筈なのに。
 またハルヒのミラクルパワーが炸裂したのか?
 いや、もしかしたら俺の身体に染み付いた雑用係根性が、上司であるこいつを殴ることを拒否したのかもしれん。
 ま、考えても仕方ないか。
 左手を見てみると、拳がかなり腫上がっている。というか折れてないかこれ?感覚が無いんですけど。道理で奥歯がまとめて取れかかってるわけだよ。
 俺がナイフを掲げた時の、ハルヒの笑顔を思い出す。まったく、怖いくせに強がりやがって。微妙に唇震えてたしな。
 当のハルヒは、今じゃ涎をだらしそうな口元をして暢気に眠ってやがる。
 こいつが起きたら、今度ばかりはきちんと謝らないといけないな、と思った。

 しかしまあ、やっぱり俺にとっては、やかましいばかりのハルヒと二人きりの閉鎖空間なんかより、SOS団の皆で過ごす、少しだけ変なただの日常の方が大分落ち着くらしい。
 それに、別に閉鎖空間じゃなくったって、たまには今みたいに不可抗力で二人っきりになることだってあるもんさ。そうなれば俺もあきらめて、少しぐらいならハルヒと一緒にいてやらん事も無い。
 気づけば、窓の外はもう真っ暗だ。部活の連中も帰ってしまったのか、遠くでかすかにざわめきが聞こえてくる以外は、音もしない。
 俺は、ハルヒの横に椅子を移動させ、いつもの傍若無人っぷりが鳴りを潜めた寝顔を見つめる。
 相変わらず落書きしがいのありそうなマヌケ面だ。
 ま、落書きするのは勘弁しといてやるさ。
 そのかわり、別の悪戯をしてやろうと思った俺は、ハルヒの寝顔に顔を近づけていった。 



 その3分後、俺のヘッドバッドで飛び起きたハルヒは、「悪い宇宙人め!覚悟しなさい!」というセリフと共に流星のような右ストレートを繰り出して俺の左奥歯を根こそぎ奪いさった。
 かくして、俺は我ながら嘘臭い今考えました的な説明を、口の中の痛みをこらえ、正座しながらハルヒが納得するまで続けさせられることとなったのである。
 ああ、まったくもって、今日は最悪の日だったね。





 その後変わった事と言えば、俺とハルヒが偶然一緒に帰る日が、少しばかり増えたぐらいのもんさ。
327名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 03:47:09 ID:rK5E4Cmv

以上です。
エロくも無く、甘くも無く、しかもむやみに長い物になってしまいました。
それにもかかわらず、読んでくれた方、レスをつけてくれた方、どうもありがとうございました。
また何か書くことが出来れば、投下したいと思います。では、おやすみなさい。
328名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 03:47:28 ID:42LbuB65
G              J
329名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 03:56:35 ID:0YF9JWzd
保管庫、続き物がバラけてわかりにくくなってるような気が……
長いのがスレまたぎで続いたせいもあるだろうけど。
中の人も書き手も頑張ってくれてるだけにあまり文句は言いたくないんだけど……
330名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 04:25:13 ID:OkzHob26
そういう素人臭いスレや保管庫の雰囲気も好きだけどね。
331名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 05:01:08 ID:VKuoLnCM
これは面白かった!
ここまでクオリティー高いとアニメ化して欲しいほどだね
332名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 05:21:33 ID:7v18eEbm
>>313
仙道GJ
まだあわてるような時間じゃない、続きwktk
>>327
SSということで長く思えるけども、原作とかじゃ1編ぐらいの長さだよね。
上手くまとまってるし、雰囲気も良いと思いますよ。
次回作も期待して待ってます、乙!
333名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 12:17:21 ID:Xe0UEIZ3
「長門。俺とお前の恋愛運を占ってくれないか?」
334名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 12:21:17 ID:PrEJFwxm
>>313
長門は何をしてくれるのか?
続き期待してます!
>>327
GJでした。
綺麗にまとまってたし、一人称も上手かったと思います。
次回も頑張って!
335名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 12:24:36 ID:CcXU1/Cm
「相性は抜群、ただし体の。」
336nac:2006/06/20(火) 12:43:55 ID:v1vxZ0ON
投下しても大丈夫そうなんで投下します。
一応続き物です
〜 I want to be here 〜 の
337nac:2006/06/20(火) 12:45:29 ID:v1vxZ0ON
〜 I want to be here 〜 3話

さて、風邪の真っ最中の俺だが、今体温が通常よりも高い原因はそれだけではないだろう。
なんせ、俺の部屋に、俺とハルヒの二人だけ、なんて状況だ。密室に二人の男女。
それはもう、小説漫画雑誌ドラマ映画でも「大人な時間」を想像した読者の気持ちも、十分に理解できる。
しかし、ここは現実、そんなムフフな展開はよそに期待してくれ。どこに頼めばいいかなんて知らん。
とにかく、期待しているような18禁な展開にはならないことを、前もって言っておこう、なぜなら!
「キョン、本当に大丈夫?熱上がってるわよ」
目の前のハルヒが、かなり真剣に看病してくれているからだ。正直驚いている俺がここに居る。
そりゃ、俺だって、健全な若い男だし、もちろん欲望だってあるさ。人並みにな。
でもな。目の前の光景、つまりハルヒの献身的な介護姿を見ていたら、欲望よりも罪悪感が勝るもんさ。
えっ?チキン野郎?何とでも言え。実際体験してみれば解る。
戦争中のナイチンゲールだってこんな風に兵士に見られていたのかもしれないな。神々しく見えてしまう。
こういう時は誰だって萎縮しちまうものさ。俺も、もちろんその一人だ。
そんな事を考えていたら額にひんやりとしたタオルの感触、放熱中の頭には、かなり気持ち良い。
「ありがとう、すまないな。学校さぼらせちまって」
俺は、罪悪感と感謝と……とにかく色々な感情の考察の末に、至って普通のお礼を述べた。
「いいから、さっきからあんたそればっかり。もうちょっとボキャブラリー精神を持ちなさいよ、……ったく」
「だな」
「そうなの」
「ははっ」
「ふふっ」
なんかいつのまにか二人とも笑っていた。俺はベットに横たわりながら、ハルヒはそのベットに両腕をつきながら。
「こうしてると、あんたが階段から落ちて入院してたときの事を思い出すわ」
「……あの時は、すまなかった」
「あっ、ごめん。別にそういうつもりじゃ」
「いや、あの時も言ったが。感謝している」
「あ、あたしは、その……団長だから、自分の部下の面倒を、見たにすぎないの」
そっぽ向くハルヒ、こんな仕草まであの時と同じか。
338nac:2006/06/20(火) 12:46:16 ID:v1vxZ0ON
「そうだ!!」
「どうした?」
「ふふ〜ん」
何か思いついたのかと、怪訝な目を向けると……
じぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃぃぃぃぃっぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃいいぃぃぃぃぃぃぃぃっぃぃっぃ
教室で受けた、あの視線だ。いや、あの時よりも、何と言うべきか、密度が濃い。こんな感じか?
「俺を視殺する気か?」
ぱっと、ニコニコ顔のハルヒに戻る。まるで百面相だ、長門にも少し分けてやったらどうかと思う。
「力を視線に込めて送ったわ!あんたも感じたでしょ?」
「コンピ研との勝負前のあれか?」
「そ、今回はその256倍くらい強く送っといたわ!24時間位は発汗作用とか疲労回復とかその他色々、
……とにかく凄いんだから、効果てきめんのはずよ!」
その比較対照数値はどこから算出されたんだ?って訊くだけ無駄だな。
それから、心持ち汗が出だした、様な気がした。ま、単に厚着して寝ているからだと思うがね。
しかし、ほんのり顔に汗が滲んでるのを、目の前の奴が見逃すはずは無く。
「ほら!効いて来たわね。汗を拭くから、脱ぎなさい」
と言い切って、布団を剥いだ。朝比奈さんの苦労が、なんとなくだが実感できた瞬間だ。
「おい、それはいくらなんでも、恥ずかしいぞ」
「病人風情に拒否権なんてないのよ!」
お前の場合、病気でなくてもないだろ!
「あら〜、解ってるじゃないキョン。それにしても、あんたけっこう体付きいいわね……」
「じろじろ見ないで、拭くならさっさと拭いてくれ」
「!!わ、解ったわよ!じゃあ、その、少しひんやりするけど、ごめんね」
くぁっ、しおらしいこいつは、まじでやばい魅力だ。しかも、その後、上目遣いで
「ねぇ?こんな感じで、いいかな?もっと強く?」
すいません。マジで堪りません。つかハルヒさん、もしかして狙ってる???
「ねぇって訊いてるでしょ!」
ごしごしごしっ
「いたたたたたた、悪い。気持ちよくて」
「そ、それなら始めから素直に言いなさいよ。あたしだって、こんな事、その、初めてだし……」
会話が18禁のように聞こえたのは、俺だけではないはずだ、これだけははっきりと断言できるね。
339nac:2006/06/20(火) 12:47:02 ID:v1vxZ0ON
「もういい?」
「ああ、もういいぞ」
「じゃあ、返しなさい」
「何を?」
「タ オ ル !」
「あぁ、悪い」
ここで、小説とか(略なら、「ほら下も脱いで〜」な展開だろ!期待したろ!俺もしたさ!
でもな、ほんの少し残ってる俺の理性が拒絶したんだ。こんな時くらい休もうぜ、理性。
って部屋の上を見ていた俺だが。
「じゃあ、その、あっ、タオル新しいのに換えてくるね」
と言って、洗面器とタオルと鞄を持って部屋を出て行くハルヒを見る。どうしたんだろう?一体……
……ぱたんっ。と部屋に静寂が戻る。
体を包む新しい肌着、汗を拭いた後に来る清涼感、それらが優しく俺を静かな眠りに誘っていく。
俺は静かに眼を閉じて、休息モードに移行していたが
「キョンお腹すいて、ってねちゃったか……」
どうやら、ハルヒが戻ってきたようだな。と目を開けようと思ったが、
「よかった」
ん?何が良かったんだろう?
「キョンの寝顔独り占めだぁ〜♪」
なんか、嬉しそうです。目、開けづらくなりました。
「実はね、今日は嬉しかったのよ」
ハルヒは寝顔の俺に話しかけているようだ。困った。
「いつものあんたって、頼り知らずっていうか、あたしが気遣う隙を与えないのよ。解ってる?」
返事しちゃ、まずいだろ。ここは。しかもどう答えていいか難しい質問だしな。
俺が頼りたい事は、ハルヒにだけは知られてはならない縛りつき、だもんな。
「そのくせ、あんたは無意識に頼られてる……有希なんかが顕著ね。あの子、判断に困ったら
すぐにあんたの方を向くの、気付いているのよ、あたしだって」
鋭い。俺を起こさないような配慮なのか、小さな声だが、こいつも団員のことしっかり見てんだな。
「でも、お昼にあんたから電話があった。他の誰でもない、あたしに……」
そりゃだって、昨日の事を謝ろうとしたからだ。
「でもあんたから出た言葉は、ごめん、だもの。頼られた!なんて喜ぶ心に、あれは流石に効いたわよ」
うっ、なんかミヨキチに似たような事言われたんだ。
「でも、あんた電話口でミヨキチの名前を言ってくれた。それで解ったの。あんたの本心はミヨキチよりも
あたしにそばにいて欲しいって。あんた正直に言えないからって、あれは回りくどいわよ。まったく」
いや、あれは口が滑ったと解釈してる……というかこれはこれでいいのか?結果オーライなのか?
「はやく病気治しなさいよ。あんたがいないとSOS団は成り立たないんだから……」

……ちゅっ
340nac:2006/06/20(火) 12:47:53 ID:v1vxZ0ON
思わず、目を開けそうになったが、今、俺、キスされたんだよな。こいつに。

「もうすぐみんな来ちゃうから。今だけ、今だけは、好きにしても、いいよね。神様」
いや、お前がお前に了解とっても、ってこりゃいい加減、狸寝入りがばれそうだ。
どうすっかね、そうか!たった今起きたことにすればいいかもしれないな、と考えていると。

ぎぃぃぃ、ぃぃぃぃっぃ

ドアが開く音がする。ハルヒはそばにいるし、妹たちじゃないとなると。あいつか。
これは好都合、この音で目を覚ました事にしてしまうんだ。俺。
「……ぅぅ、、ん???」
「あっ、起きちゃったか。……残念」
一体起きなかったら、どうするつもりだったんですか!?などとは訊かない。さも今起きた様にしないとな。
「寝てたのか、俺は」
「気持ち良さそうにね、あたしも眠りそうだったわ」
「ん?……シャミセンか?」
「あっ、シャミぃ。あんたもご主人様が心配なの?」

しかし次の瞬間、俺は本気で戦慄を覚えた。

「ふむ、主の側が私の特等席だからな、失礼かと思ったが、いかんせん眠くてな」

続く
341nac:2006/06/20(火) 12:50:03 ID:v1vxZ0ON
そろそろ話を進めたいのだが(11話より)とのことで
ほんの少し進めました。もう少し続きます。あと2〜3話くらいかなと思います
〜 I want to be here 〜のネタは?の質問ですが、オリジナルです。(既出かもしれませんが)
タイトルのセリフが最後に来る予定なので、もう少しお目汚しを               nac

342名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 12:57:07 ID:PrEJFwxm
>>341
ハルヒがいい!GJです。
あんな状況で何もしない初々しさがまたいい!
シャミセンがどうなるのかとか、いろいろ期待!
343名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 13:09:40 ID:lJTABxFK
GJ
ハルヒテラ萌エス
344名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 13:47:16 ID:7eB0Kbpt
GJです。
345名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 14:33:37 ID:royw3KIr
>>341
GJ!
>もうすぐみんな来ちゃうから。今だけ、今だけは、好きにしても、いいよね。神様
この一言で萌え殺されそう(;´Д`)ハアハア
346名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 15:40:15 ID:t+Vhjgwi
なぜか脳内でシャミの声がガーゴイルの声で再現された・・・だとぅ!?
347名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 16:50:48 ID:PrEJFwxm
思わずこんな小ネタを書いてしまった。
非エロです。
348妹ちゃんの独り言:2006/06/20(火) 16:52:14 ID:PrEJFwxm
「ねぇ、シャミ? シャミは『神様』っているとおもう?」

あたしはねー、んっとねー、いるとおもうの!
だってね、キョンくんはハルちゃんたちと遊ぶようになってからすっごく楽しそうなんだもん!

シャミは知らないよね、ハルちゃんたちと遊ぶ前のキョンくんはいっつも怒ってるみたいな顔してたの。

それでもキョンくんはあたしと遊んでくれたし、あたしも楽しかったからいいんだけどぉ……、
でもね、あたし時々さびしくなっちゃったの。
だってキョンくんはなんか別のことを考えてるみたいだったもん。

でもねっ、でもねっ、高校生になってからのキョンくんは本当に楽しそうだったんだよ!
帰ってきてから、やれやれ、とか言ってるけどきっと楽しいんだよ!
だって顔が嫌そうじゃなかったもん。

ねっ、シャミ。きっと神様がキョンくんに、もっと楽しそうな顔しろっ! 
って『友達』を連れてきてくれたんだよ。
あっ! シャミもきっと神様が連れてきてくれたんだね! 
きっとそうよ。ねっ、シャミ。

……あたしもハルちゃんたちみたいな、お友達ができるといいなぁ。

あっ、キョンくんが帰って来た! 行こっ、シャミ! 



おかえりなさぁい、キョンくん!

「はあ、やれやれ」

……ふふっ、また言ってる。
キョンくん、後でその「やれやれ」な、お話し聞かせてね!
349348:2006/06/20(火) 16:54:55 ID:PrEJFwxm
終わりです。
勢いで投下しちゃって後悔してます。
ごめんなさい。
350名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 17:48:46 ID:pXIsS/B8
ボキャブラリー精神て
351名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 17:57:13 ID:ApkwSv2g
原作も間違った日本語(恐らくわざとだろうけど)多いから、いいんじゃない?
ハルヒも「遺憾を覚えるわ」とか微妙に変だし。
352かなり ◆WT4p4fROmI :2006/06/20(火) 18:04:27 ID:hpe2ato/
なんかこのスレ約100レスのペース行っているのだが・・・。
そのうち人大杉になるぞ。
353名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:06:33 ID:ldoUDxdn
>>352
心配なら専ブラ使えよカス
354名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:08:50 ID:bucrOOH/
人大杉(笑)
355名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:09:28 ID:Sx3D1e2Q
工房だから変な日本語ってことじゃね?
356名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:09:51 ID:GgKE4E5p
>>353
幼馴染が(ry

>>352
ちょっと前の方がもっと早かったろ。3、4日で1スレ消費してたし。
まあそれでも不安なら、352の言うとおり専ブラ使えばいいし。
357名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:11:37 ID:ldoUDxdn
あと実況スレぐらいの流れの速さじゃないと人大杉にはなりませんよカス(笑)
358名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:19:19 ID:T9r/xCkg
>>357
キニスルナ、変なレスはスルーで。
目立ちたがり屋さんなんで、甘やかさないように。


あと、(笑)って書くと厨に見えっから。
359名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:37:24 ID:+3ItR1zz
>>357 某投稿掲示板で、投稿小説の中で(笑)を使って、叩かれまくった人がいたよ。
360名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:37:31 ID:ySZIghyL
遺憾を覚えるって間違ってるのか?
361名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 18:54:04 ID:tvwn5eK5
遺憾を覚えるではなく
遺憾に思うとか
遺憾である
だと思う
362名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 19:19:00 ID:ApkwSv2g
「遺憾の意を表明するわ!」とかはどうだろ?
363名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 19:47:35 ID:Y3mQIVWh
>>348
妹テラモエスw
こういうの大好きだ、GJ。
364名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 19:59:12 ID:iMc3F0Gu
>>341
キョンが寝てるときだけ素直なハルヒが、そしてその描写が素晴らしいww
365名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 20:02:48 ID:yd2P8NJH
「人間はさあ、よく『ヤらなくて後悔するよりも、ヤって後悔した方がいい』
って言うよね。これ、どう思う?」
「言葉通りの意味だろうよ。何か違和感があるが」
「そう。それで私も、いつまでたっても変化の無い観察対象には飽き飽きしてるの。
だから……あなたを犯して、涼宮ハルヒの反応を見る」
は?
…これはどこから突っ込めばいいんだ?
でもまあいいか。よく考えたら、これはかなり美味しい状況だ。
こんな美少女に筆下ろししてもらえるなら、男冥利に尽きるってもんだぜ。
「……ふつつかものですが」
「素直でよろしい」
「……ところで、そのあなたの周りに浮いてる太い棒は何ですか?」
「あれ、言わなかった?今のこの教室は、私の意のままに動くって」
いや、俺の聞きたい事はそこじゃなくて、…え、俺は棒を使うほうじゃなくて使われるほうですか?
あの、俺はまだ、あんまりそういう、アブノーマルな、プレイは、・・・・・・・・・・・・
きゃあーーーやめてーーーーーーー

「忘れ物取りに来たんだがなあ……」
366名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 20:26:20 ID:qNoZ4HHW
>>213
亀だが…これだけは言わせてくれ。

とても良いものを読ませていただきました。
gjです!
367名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 21:08:09 ID:gMfS7ld6
>>348
兄思いのキョンモトカワイス
368名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 21:31:25 ID:Ovv0df7K
>>365
ちょwwwwwwwww
369名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 21:39:21 ID:qe0A4ZCN
谷口がドアをあけると、イスに座り、スッキリした表情の朝倉さんと、
白い物が付着したボロボロの服ですすり泣くキョンが居るわけか。
370名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 21:44:35 ID:dKtC2NRr
>>365
GJ!

こうしてキョン君は、大人への階段を上って行くのですね( ´・∀・`)
371ジョン・スミス:2006/06/20(火) 21:51:44 ID:0neGuetN
>>340
シャミが、
シャミがしゃべった(爆
372名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:00:16 ID:T9r/xCkg
>>371
また君か。sage方知らないのか?
373ジョン・スミス:2006/06/20(火) 22:36:47 ID:0neGuetN
>>372
うっせぇ!
そんなのオレッチの勝手だろうが!
お前は人の自由を奪って
拘束しとかなきゃ
落ち着けないヤツだ!
絶対そうだ!これは決定事項だ!
374名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:40:30 ID:YP/akJJ2
>>372
>>373
幼馴染が(ry
とりあえずsageないと厨が寄り付きやすくなる傾向があります。てかよってきます
朝比奈さん、その理由は何なんですか?
「禁則事項です」
彼女はイタズラっぽく笑った
375名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:46:56 ID:9Scl39fu
「やっぱりC〜Dくらいが男どもの理想よね!キョン!そうでしょ!?」
「やややっぱりおとこのこはGくらいあったほうがいいですよね…キョンくん?」
「つるぺた属性ってなに」

「やっぱ、鶴屋さんのおっぱいが一番萌えるな」

このあと俺がどうなったかは想像にお任せする


376ジョン・スミス:2006/06/20(火) 22:50:26 ID:0neGuetN
>>375
・・・・・・・・・・・バカ
377名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:52:20 ID:xXTkD2pT
鶴屋さんもCかDくらいありそうだし、みくるでもGはないだろw
378名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:53:47 ID:ERw2brX7
そろそろエロ分頼む
379名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:56:41 ID:YP/akJJ2
エロなしで悪いが、とりあえず>>313の続きが一部できたので落としてもいいかな。
380名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:57:09 ID:Xcp1aFOf
まあサイズでいったらハルヒ、みくる、鶴屋さんの三人にたいした違いはなさそうだな
381名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:58:50 ID:wWFRcZGl
>>380
朝比奈さん>>>ハルヒ>>>>>鶴屋さん>>>>>>越えられない壁>>>>>>長門

コレ位か?
382名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:59:24 ID:wWFRcZGl
っと、スマン。
専ブラのチェックが外れてた。
383名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 22:59:44 ID:B3tq8QZ9
朝比奈さん>>>ハルヒ>>>>>鶴屋さん>>>古泉>>>越えられない壁>>>>>>長門
384名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:00:01 ID:YP/akJJ2
>>380
朝比奈さん>>>ハルヒ>>>>>鶴屋さん>>>古泉>>妹>越えられない壁>>>>>>長門
385名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:00:46 ID:/dbmiXFv
鶴屋さんは所詮サブキャラ。
それ以下ではあっても、それ以上ではない。l
386名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:03:14 ID:YP/akJJ2
とりあえず流れが切れたので投下します
387名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:03:53 ID:E9G51dn7
>>379
おk
388名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:03:59 ID:YP/akJJ2
2章
「保健室、職員室、用務員室、女子更衣室、女子トイレ…」
俺は当てもなく学校内をうろついてる訳で。
え? 部室はどうしたって?まぁ、結論を先に言うとだな、
『まだ誰もいなかった』
よく考えてみたら長門だって表向きは高校生なんだし、そりゃあ授業受けてる訳だ。
俺の思い込みの激しさも、ついに谷口を抜いたか…
とりあえず『部室に居続ける』という手もあったんだが、まだ昼前だからな。 あのまま何時間も駅前に放置された自転車のように待ち続けるのは勘弁してほしい。 …撤去されないだけマシか。
とりあえず五組に行くか。 谷口と国木田が俺の机に花でも飾ってたらたまらん。 ハルヒの様子も見たいし、謝らなくてはならん。
途中、巡回の先生にビクつきながらようやく5組のまえに来た訳だが、よく考えたら見えないんだから怖がる必要もないな。
ちょうど授業中で、先生が俺が見ても分からない数式を黒板に書き連ねてる。
さすがに今扉を開けると、誰か外に居ますというのがバレバレなので、授業終了まで廊下で待つことにする。
念のため言っとくが、窓から失礼しますはムリだからな。 廊下側は鍵がかかってるし、外からなんて考えたくもない。
とりあえずやることがないので、素数を数えて暇をつぶしていると、ようやくチャイムが鳴った。
よし、これで扉が開いたら入るか。 そう思って扉に近づいくと、勢いよく扉が開いた。
中から…、谷口が勢いよく飛び出してきて、俺と正面衝突。俺と谷口は扉を境にしりもちをついた。
「いってぇ〜、何だぁ!?」
谷口は疑問符を頭に浮かべながら、トイレに走っていく。
「ぐはっ」
おもわず声を出してしまったのは、谷口にぶつかったからではなく、その後を追ってきた国木田に腹部を踏まれたからである。
「待ってよー。」
国木田は少し走った後、少しこちらを見て、やはり疑問符を浮かべながら谷口を追っていく。 
お前ら、あとて憶え…って、ぐえっ、ちょっと待っ…痛っ、ふまないでくっ、ふぎゃ、マジ痛、折れる折れる…
聞いての通り、教室を出た他のクラスメイトにも踏まれまくった。 マジで痛い。
その後何とか教室に入れたが、多分アザだらけだ。 まぁ、見えないがな。
それよりもハルヒだ。 えっとハルヒはっと、いたいた。
うーん、やはり不機嫌な顔をしてらっしゃる。 やっぱりこの透明化はコイツが原因か?
そこで気づいた。 どうやって謝ろう…

今この場で謝る

まず俺が認識できてない。 認識したとしても俺のこの状態だ。 後の言い訳がかなり苦しくなる。

置手紙を机に置く

俺が居ないはずなのに、誰が置いたという話になるな。

仕方ない、とりあえず放課後まで待つか。それで再度部室に行って、みんなと相談するか…
かといって時間が有り余ってるからな。 さすがに素数を数えるのも飽きたし、こっそり授業を受けるか。 退屈よりはいくらかはマシだ。
授業中だが、やはり俺にはわからない単語で例文を書いたり、モル質量がどうとか言われても、俺にはまったく分からん。ハルヒは不機嫌そうな顔でノートをとってるが、よく分かるなこんなの。
実際暇をつぶせたといえるのは休み時間で、俺は谷口と国木田の会話を横で聞き耳を立てていた。
「しっかしキョンは休みか。 せっかく頼まれてた例のアレ、持ってきてやったのに…」
「カゼかな? 最近病気になってないし。 で、例のアレって?」
まさか本人が真横で聞いてるとは思うまい。 谷口、例のアレは後でしっかりいただいていくぞ。

そんなこんなでようやく今日最後の授業になり、扉が閉まる前に、俺はそそくさと教室を出た。
続く
389名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:05:54 ID:9Scl39fu
朝比奈さん>>>>>>越えられない壁>>>ハルヒ>>>>森さん>>>鶴屋さん>>阪中>>>>妹>>>>長門

つまり俺は巨乳萌えのみくる萌えってことだ。
390名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:06:38 ID:YP/akJJ2
とりあえずこんな感じです
感想を言うと、2年(鶴屋さん&朝比奈さんの掛け合い)を書きたかったが、俺の頭じゃ思いつかない
あとやっぱエロはなし。俺のあt(ry
391名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:08:13 ID:YP/akJJ2
>>389
10年後
朝比奈さんと妹>>>>>>越えられない壁>ハルヒ>>>>>>森さん>鶴屋さん>阪中>>>>>>>>>>>長門
になるかもよ
392名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:11:14 ID:mVaEUZss
ミヨキチを忘れている
393名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:12:20 ID:9Scl39fu
>>391
阪中と鶴屋さんはわかったけど長門の乳が縮んでるじゃねーかwww
つーか妹ww朝比奈さん(大)クラスてwww
ミヨキチ忘れてた!
394名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:13:44 ID:fBdJYNVS
長門の乳は俺が毎日揉んでるから少しずつ成長してる
395名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:14:32 ID:2QoJ9gzo
乳は大きさの他に良い乳と悪い乳という分類が存在するx、y軸を伴って比較されるべきものである
396名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:15:15 ID:YP/akJJ2
>>394は戦艦の胸を揉んでいるようで
397名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:15:50 ID:Xcp1aFOf
朝比奈さん(大)>>>朝比奈さん(小)>ハルヒ>>鶴屋さん>>>>>ミヨキチ>>>妹>(情報統合思念体も未知の壁)>長門
ま、こんなところかなと思ってる
398名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:17:27 ID:/dbmiXFv
みくる程デカくなくていい。
ハルヒ並みに形が伴うのに、長門ならまだ可能性があるのではないだろうか?
399名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:18:11 ID:YP/akJJ2
朝比奈さん(大)>(とくもり)>>朝比奈さん(小)>(時間の壁)>ハルヒ>鶴屋さん>>>>>ミヨキチ>>>妹>(情報統合思念体も未知の壁)>>>>>>>長門
かな
400名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:18:17 ID:JQKHB5mC
  、  ∩
( ゚∀゚)彡 オッパイ! オッパイ!
  ⊂彡
401名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:20:20 ID:B3tq8QZ9
長門なら胸ぐらい自由にかえれるだろっていわないお前らの精神に敬意をひょうする
402名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:21:51 ID:VUv3e49A
>>401
「表する」と書かなく、あえて平仮名で挑むお前の精神に敬意をひょうする
403名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:22:26 ID:mVaEUZss
第二次大改装の末に大艦巨乳の極致に突進む長門
404名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:22:53 ID:ERw2brX7
>>383>>384 おまえら同時に古泉入れるなよww

不等号はもうやめようぜ
405名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:23:03 ID:YP/akJJ2
つ新ジャンル「長門おっぱい」
406名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:26:13 ID:9Scl39fu
つーわけで巨乳萌えが発覚したキョンのために自分の乳を大きくさせて迫る長門きぼん

はっ!これじゃ別にみくるでも、むしろみくるのがいーじゃねーか!
407名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:26:30 ID:/dbmiXFv
長門の母乳を飲み干したい
408名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:26:40 ID:ND5IYaIQ
……ぺたぺた

朝倉と喜緑さんはー?
409名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:31:21 ID:/dbmiXFv
まっとうに、順当に、ハルヒの問題をクリアして、長門とキョンが結ばれるSSは無いものか。
長門とキョンの結婚生活が見てぇ。
410名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:31:41 ID:B3tq8QZ9
>>406
そのあとキョンがやさしく貧乳のよさを教えるSSキボン
411名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:33:00 ID:8bO2/QYi
ttp://nekokazedo.lolipop.jp/img/andloid.htm

ナガトスキーの
俺には
かなり
泣けた
412名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:35:12 ID:ApkwSv2g
>>411
やっぱり貼られたか(W
413名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:36:53 ID:YP/akJJ2
とりあえず誰かが書いたSSを教訓もこめてはらせてもらう
「気がついた!」
 唾を飛ばすな。
「どうしてこんな簡単なことに気づかなかったのかしら!」
 ハルヒは白鳥座α星くらいの輝きを見せる両目をまっすぐ俺に向けていた。仕方なく俺は
尋ねる。
「何に気づいたんだ?」
「ないんだったら自分で書けばいいのよ!」
「何を」
「読みたいキャラSSをよ!」
 頭が痛いのは机の角にぶつけただけではなさそうだ。
「そうか。そりゃよかったな。ところでそろそろ手を離してくれ」
「なに? その反応。もうちょっとあんたも喜びなさいよ、この発見を」
「その発見とやらは後でゆっくり聞いてやる。場合によってはヨロコビを分かち合ってもいい。
ただ、今は落ち着け」
「なんのこと?」
「授業中だ」

すまん、俺も書いてみたかったんだ。
414名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:40:12 ID:0/anYnBo
>>411 この漫画の最初の方で出てきた、長門のミニポニテ萌え。
415名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:43:06 ID:mNhAEZmZ
>>413
その通りだ。がんばって書いてくれ、期待しているから。
俺のもやっと半分まで書いた……。
416名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:43:35 ID:wWFRcZGl
>>414
おいおい、ゆっきーは若奥様なんだから
もう”長門”じゃないんだぞ。

ダメじゃないかちゃんと気をつけなきゃ…
417名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:47:52 ID:+aRf/jUX
ハルヒに罵られたいね。
418名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:12:55 ID:hwFLqJ/r
914 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/06/20(火) 17:17:54 ID:eE8sHPtw
>>907

「さて、これはどういうことなんでしょうね?」
今、明確な答えを求めて思案を巡らせている僕は、北高に通う一般的な高校生。
強いて違うところを挙げるとしたら、超能力が使えるというところでしょうか。
名前は古泉一樹。
吹雪の中の奇妙な洋館に閉じ込められてしまった僕達SOS団の面々は、
とりあえずそれぞれの個室へ戻り休息を取ろうと言うことになりました。
今回の事は僕にとっても全くの不意打ちでした。
そのため、まさかこんなことが起こるとは想像もしませんでしたよ。
「古泉・・・」
ふと見るとベッドに見知った人物が腰を下ろしていました。
ドアが開く音はしませんでしたし、窓は開けることすら出来ません。
「おや、あなたでしたか。いつの間に部屋に入ったのです?」
僕はにこやかな笑みを彼に向けました。
しかし、彼は妙な服装をしています。ガソリンスタンドの従業員が着るような・・・
ツナギ・・・でしょうか?
「古泉・・・会いたかった」
さっき別れたばかりなのに何を言い出すのかと思えば、突然彼は
ツナギのホックをはずし始めたのです!
「やらないか」
この時の僕の顔を客観的立場から見てみたいものです。こんな状況においても
僕は微笑みを絶やさぬように、頬の筋肉がピクピクしています。
彼のいきり立った【禁則事項】は間違いなく僕の【禁則事項】にロックオンされています。
カール・ルイスとブライアン・シンガーが交わるなんてハムレットどころではない悲劇です。
なんてことだ。涼宮さんがかまってあげないから彼はそうとう欲求不満なようです。
ああ、これは相当不味いです。近づいてきます。
「ま、まあ待ってください。男同士でそんな行為に及ぶのは精神衛生上問題があr」

どうやらこの館で生じる主観的時間のずれはこの個室にもあったようです。
部屋を出た時は全員が同時だった訳ですが、これからいかほど僕の熱い
夜が続くのかは皆さんの想像にお任せします。


スレ汚しスマソ
しかも纏まらねぇ



アニキャラの方にあったやつ勝手に張ってみる
419名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:26:29 ID:s0fX1p/v
キョンがハルヒに無理矢理犯されるSS頼む。こんな感じで。俺は書けません。

その日部室には何故かハルヒ一人で何か厭な予感がしたんだ
-中略-

「こんなになってるじゃない。素直になりなさいよ」
「や、めろ。お前、何やってるのかわかってんのか!」
「ほ〜らほら♪ぐ〜りぐりぐり♪」
「あぐっ。や、め。うぁっ」
「おやおやぁ? 何か…出てきたわ」
「や、やめてくれっ。あぁっ!」
「足でこんなになるなんて変態ね! あんたは変態だわ!」
「う、くっ。ちきしょう!ちきしょう!!」
この縄さえどうにかすれば…くそっ堅すぎる。
いやいや、諦めるな俺。長門ならっ。長門ならきっとなんとかしてくれる!
420名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:27:38 ID:btFpprxw
>>346
「我はシャミセン!七つの軍団を束ねる長!シャミセンだ!」
この人とシャミセンが同じだと気付いたときはびびった
421名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:27:54 ID:KaV8zoWx
>>419
なんかAAを催促されているような気がしてちょっと・・・
422名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:30:15 ID:s0fX1p/v
>>421 意味がよく解らないがAA催促はしてません
423名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:32:05 ID:y+EL7188
                  r、ノVV^ー八
                 、^':::::::::::::::::::::::^vィ       、ヽ l / ,
                 l..:.::::::::::::::::::::::::::::イ      =     =
                    |.:::::::::::::::::::::::::::::: |     ニ= 長 そ -=
                  |:r¬‐--─勹:::::|     ニ= 門 れ =ニ
                 |:} __ 、._ `}f'〉n_   =- な. で -=
  、、 l | /, ,         ,ヘ}´`'`` `´` |ノ:::|.|  ヽ ニ .ら. も ニ
 .ヽ     ´´,      ,ゝ|、   、,    l|ヽ:ヽヽ  } ´r :   ヽ`
.ヽ し き 長 ニ.    /|{/ :ヽ -=- ./| |.|:::::| |  |  ´/小ヽ`
=  て っ 門  =ニ /:.:.::ヽ、  \二/ :| |.|:::::| |  /
ニ  く. と な  -= ヽ、:.:::::::ヽ、._、  _,ノ/.:::::| | /|
=  れ.何 ら  -=   ヽ、:::::::::\、__/::.z先.:| |' :|
ニ  る と   =ニ   | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::.|'夂.:Y′ト、
/,  : か   ヽ、    | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::_土_::|  '゙, .\
 /     ヽ、     | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::.|:半:|.ト、    \
  / / 小 \    r¬|ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| \
424名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:34:14 ID:s0fX1p/v
ああ、そういうことか…
425名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:34:16 ID:R6SC5uSX
>>423
絶対貼られると思ってたよソレww
426名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:38:56 ID:lgACvrX2
                       _,.-‐"':" ̄~゙'ヽ、       __
      _,---‐" ̄\         /          ``ー‐-、   ノ   \
    /        ヽ      ;"                ) /      \
   /   ぐ 何   |      /                |ノ/        \
  /    ら と     |     |                 )/.|   ・  長   |
  |    .い か    |     |          ,;';;,,    /ノ |   ・  門   |
  |     ・  で    |    |::::.................:::::::::;;,'^;、::::::'''..,,_;、丿 |   ・  に   |
  |     ・  き    |    /:::::::::::::::::::::::::::;"゙, /゙~゙`''::;'゙;     |  ・  だ.  |
  |    あ  な    |    `、;;::::::::::::::::;/ ),;'   :.'.,、   |  ・  っ  |
  |    る  い    |  ,へノ   `'''''"´   .:;     .:::_ヽ  |  ・  て   |
  |    ・  事     Y   \       .::;     ::::ゝ    |  ・        |
  |    ・       ∧    \     ::::::、   .:;`     |        |
  |    ・       |ヽ丶    \;;  :::;;;;::..,,、. ::i       |          |
  |    ・       | `       \;;;;/    `゙"       \
427名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:43:06 ID:/QkmVnMm
クソスレ乙
428名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 00:43:42 ID:DWSaF7/E
   ,-----------、
   ,>--‐‐‐☆‐-<´
   t==ニニニ二ニニ>
,--γ  ●   ●ヽ,--、
|---|、,,,, (,,,),,,)___ノ---|
\  'ゞ二フ-t-ヽ-ゝ_,ノ 
  `l     O  {´
  .ノ,,__,,--、O__ゝ,,--、
  `l ̄((  )γ((  )
   `ー``−'―‐``−'
429名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 01:02:24 ID:iWLTibK4
>>411がみれない俺は負け組……orz
430名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 01:13:13 ID:Gfa0ZEjZ
スレものすごい勢いで進んでると思いきや、何この流れ
431名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 01:58:02 ID:p6QwHgJ0
どこぞのアフォがageっからじゃね?
432名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 02:33:15 ID:WQ2zMMcM
ちょっとageられたくらいでギャーギャー言ってるうちはageるヤツいなくならないと思う。
ってーかここ精神年齢低すぎ。
ガキじゃあるまいしいちいち反応するなっての。
433名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 02:34:27 ID:gV/S8fEj
>>432
実際二十一歳にも満たないやついるんじゃね?
マナーくらいは守って欲しいよな
434名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 03:48:09 ID:Z/KTjEc7
新着件数を見て、これは長編の一括投下でもあったのかと期待に胸をふくらませてスレを開いた俺。
… orz

とりあえず、乳サイズ談義に埋もれてしまった >379 乙。
ま、本人も乳談義に参加しているから別に良いのかも知れんが、一応。
435名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 03:49:18 ID:DvD2b1pE
他のスレより中高生が圧倒的に多い気はするね。反応とか幼稚だし。書き手も構ってちゃん多いし。
でもラノベ物はこんなものでしょう。基本的に子供しか読まないのだから。
436名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 04:10:22 ID:rNX6D5A7
見た目は大人!中身は子供!
437nac:2006/06/21(水) 06:22:11 ID:vPE9kVat
全ての職人さんにささげるGJ!
自分は自分のスピードで頑張ります。
続き物です、投下します。
438nac:2006/06/21(水) 06:22:54 ID:vPE9kVat
〜 I want to be here 〜 4話

……
…………
なななななにににににににいぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!
喋ってる!こいつが、また。しかもよりにもよって、ハルヒの前で!!!!
まずくないか?いやまずいだろ!まずくないはずがない!!
眠気なんか完全に飛んでしまった。つか、この状況、この場面で!
俺はこちらの様子を窺っている様子のシャミセンを全力で睨み付けた、
人間語をしゃべるな!しゃべるな!しゃべるな!という念を込めて。
と俺の断腸の思いが、このくそ猫に通じたのか、次の瞬間
「にゃぁ〜」
元に戻ってた。そうだ。お前はそうでなくちゃいけないんだ。最低でもこいつの前では!!
シャミセンは額を手でなでている。よし。これであとは事後処理だ、ハルヒには俺が腹話術でもしたことにすれば、
とハルヒの方を向くと、???みたいな顔。やばい!急がないと。
「ねぇ?」「なぁ」
被った、しかしここは譲れない。強行突破だ。
「あんたなんでシャミ睨んでんの?」「今の俺がした腹話術だ」

あれ?今こいつなんて言った?
439nac:2006/06/21(水) 06:23:36 ID:vPE9kVat
俺は先ほどの音声から俺のだけ削除して、もう一度脳内に反響させてみた。
あんたなんでシャミ睨んでんの?……だったか。間違いないな、確かにこう言ったはずだ。
さあ、落ち着いて考えてみよう。俺はなぜシャミセンを睨んだのか、当然だ。人の言葉を話し出したからだ。うん正解。
では次。じゃあなぜそれがハルヒにとって「疑問」になったのか?睨むこと自体が不思議じゃないとダメって事だ。
とすると、こいつにとって「俺がシャミセンを睨むこと自体が謎の行為に見えたから訊いた」という図式が成立するな。
では、それはなぜか、と考えたところで、ある推論が生まれた。ひょっとして……
「なぁ、ハルヒ。つまらない質問だが、答えてくれるか?」
「えっ?う、うん、で何?」
俺の考えが正しいなら、この意見に同意してくれるはずなんだが、いかんせん自信が無い。が、試さないと。

「いま、シャミセンの奴。「にゃぁ」って言ったよな?」
「なにその質問?決まってるじゃない、それ以外にどう聞こえたって言うの?」

……合っていた。間違いないな。シャミセンの声は俺には人間語に、ハルヒには猫語に聞こえたようだ。
「いや、すまない。まだ頭痛があってな、変なこと訊いてすまなかった」
俺はややオーバーに頭を抑えて痛そうにしてみた。
「頭痛って、まだ痛むの?」
心配そうに見つめてくるハルヒ。どうする?実際病状はもうほとんど回復しているようだが、
もう少し病人のふりをしておくべきか?だな。目の前の猫とも話がしたいし。
「すまないハルヒ、下の台所の戸棚に頭痛薬があると思うから、持ってきてくれないか?」
「台所の戸棚ね。水は?」
「それも頼む」
「解ったわ!ちょっと待っててね」
すすすっと部屋を出るハルヒ。ばたばたしないのは病人を気遣ってだろう。ああ見えてかなり気の利く女の子なんだ。
440nac:2006/06/21(水) 06:24:08 ID:vPE9kVat
っと今はこっちの問題が先だな。
「おい、今なら会話できる。喋ってくれ」
「む、いいのか」
やはり聞こえた。ということは俺の幻聴説も却下だ。
「お前、いつから話せるようになった」
「その認識は正しくない。正確にはなぜ今主が私の言葉を理解できているのかと言うほうが、この場合適切だろう」
猫の癖に言ってくれる。しかしそうだな。その方が解りやすいな。
「じゃあ、今日は特別変わった事をしていない訳だな。お前は」
「無論だ。私はただの猫だからな」
「確かに、しかし今俺たちは、間違いなく意思の疎通が行われている。と認識して構わないか?」
なぜ、こいつにこんな話し方をしないといけないのだろう?こいつの話し方が妙に高尚だからか?
「で、あろう。私の抱いた質問に主は的確に答えているのだからな」
「ところで、主って俺の事か?」
「他に誰を指すのだ?」
「いや、いい。とにかくハルヒの前ではとりあえずにゃぁとだけ言ってくれ」
「しかし、私の側聞したところ、あの女人は私の言葉を理解していない様子だったが」
「それでも、俺があいつの前でおまえの言葉に受け答えするわけにはいかないだろ」
「確かに。一般的な常識では猫と会話できる人間など、変人と見られて然るべきだからな」
「ということだ、俺もぼろは出さないよう勤めるが、お前も、二人の時以外はにゃぁで頼む」
「善処しよう、他でもない主の頼みだからな」

こんな時漫画みたいにテレパシーでも飛ばしてこいつと会話出来れば良いんだが、仕方ないか。
しかし意外と、話してみるといい奴じゃないか、こいつ。少なくとも俺が持っていたイメージと違う。
主従関係は結んでいないが、多少の恩義は感じているのか?
「猫の中でも人間に恩義を感じるのは、特別な猫のみに限られる」
そうか、まあ雄の三毛猫で謎の生命体入りだしな、お前。
「むっさっきの女人がこちらに向かって来ている」
気配を察知したのだろうか?俺には何も聞こえない。
「犬ほどではないが、聴覚は人間のそれをはるかに上回っているのだ、気付かないほうが猫としておかしい」
「……いちいち言い方に棘があるのは、この際置いておこう。手筈通り頼む」
「了解した。にゃぁだな」
「だな、はいらん」
って言うか、始め眠いからここに来たとか言ってなかったっけ、こいつ?
「うむ、しかし主と久々に意思の疎通が出来たもので興奮している」
「だからしゃべるなって」
「いやすまん、あい解った。にゃぁ、んっにゃぁぁ」
シャミセンは何度かにゃぁっと発声練習していた、俺にも、にゃあとしか聞こえないならとりあえず安心か。
441nac:2006/06/21(水) 06:25:03 ID:vPE9kVat
「キョン、これでいいの?頭痛薬って?」
「あ、あぁ助かる」
ハルヒは妹用の風邪薬、水に溶かして飲むタイプを持ってきた。まあ一応頭痛にも効くらしいと書いてあるし。
俺は普通の錠剤、半分が優しさのやつな、あれかなと思ってた。パッケージを眺めながら、少し思い出す。
「お薬いやぁぁ!」っと駄々をこねた妹のために隣町まで行って、買ったやつだ。甘くて飲みやすいらしい。
俺は何気なく薬を水の入ったコップにさらさらぁと流し込むと、
「ちょ、ちょっと何やってんの!?」
「これは、こうして飲むんだよ。甘い薬だ」
「へぇ、知らなかった。あ、あのさ、ちょっとだけ飲ませてくれない?」
お前は風邪じゃないだろ!
「で、でも。そうよ!キョンの風邪移ったかもしれないなぁなんて」
「はぁ、結局味見がしたいんだろ?別にいいよ」
「ホント!!じゃあ」
くぴっくぴっと控えめに飲むハルヒ。よかった、喫茶店のジュースのように飲まれなくて。
「……甘いわね」
「言ったろ、甘い薬なんだ」
俺はハルヒからカップを受け取り薬を飲もうとする。正直甘いのは苦手な部類なので一気に飲み干す。
「……あっ」
「ん?なんだ?」
「へ?いや、その、別に……」
なんだその妙案を思いついたけど、機を逃した兵法家のような顔は?

沈黙が俺の部屋を駆け巡る。なんか、とても気まずい。
「にゃぁぁん」
不意にシャミセンが声を出した。向くと、こちらを一瞥して窓の外を眺めている。どうした?
「あ、みんな来たみたいよ」
あぁそうだったな、放課後にはSOS団のみんなが来てくれるんだったっけ。
当然長門と古泉も一緒だろう、とりあえずこの状況をなんとかしないとな。
「すまんハルヒ。呼んで来てくれないか?」
「ぅぅっ……解ったわ」
ハルヒはほんの少しだけ文句を言いたそうな顔をしたが、諦めた様子で部屋を出て行った。
442nac:2006/06/21(水) 06:25:41 ID:vPE9kVat
「お邪魔しまぁぁす、ここがキョンくんのお部屋ですか」
「なかなか綺麗じゃないですか。清潔感が漂ってます」
「……シンプル」
めいめい、俺の部屋に入るなり感想を述べた。しかし長門よ、お前の部屋に比べたらシンプルでもないぞ。
「さてメンバーも揃ったし、ここが臨時SOS団支部ってことで……」
何をする気だ、予想はしていたが。
「キョンの部屋を探索しましょう!」
「あ、それいいですねぇ」
朝比奈さん、そんなに嬉しそうにしないでください。何も無い部屋なんですから。
「僕もその意見に賛成です、彼の部屋には非常に興味があります」
おい、古泉。その非常に気持ち悪い言い方は、裏があるのか?
「いえ、別に」
「はぁ、まあいいが、その前に、ハルヒ。喉渇いてないか?」
「そういえばそうね、みくるちゃん!お茶!」
「はぁぁい、キョンくんお台所、借りていいですか?」
「どうぞ、そうだハルヒ、お前も手伝ってやってくれないか?」
「あたしも?」
「さっき台所にいったろ、朝比奈さんはここは初めてなんだ」
「なるほどね。じゃあいくわよ!みくるちゃん!それからナース服に着替えるの」
「ふぇぇぇん、やっぱり着ないとダメですかか?」
「当たり前じゃない!ほら行くわよ」
「それと、少し食欲が出てきたから……」
「お粥ね!あたしにまかせなさい!とびっきり美味しいの持って来てあげるから!」
そう言ってハルヒと朝比奈さんが退出した。

「さて、お前らに言っておくことがある」
「なんでしょう?部屋の探索はこのままですと回避不能ですよ」
「その事じゃない、こいつだ」
俺は首をつまんで膝元に持ってくる。にゃぁっと声がする。
「シャミセンが何か?」
「おい、許可する。喋っていいぞ」
「む、いいのか」
「これはこれは、またシャミセンが人間語を」
「君は確か異端の能力者だったな」
「……確かに僕にも聞こえます。この現象も涼宮さんのせい、なのでしょうか?」
「それがな、ハルヒにはこいつの声が普通ににゃぁと聞こえるらしいんだ」
「それは、非常に興味深い現象ですね」
古泉は人差し指で髪を撫でながら、ゆっくり考えている。超常現象の専門家よ頼む。
「いくつかの推察が出来ますが、確証がありません。情報不足の感は否めません」
「そうか」
「すみません、お役に立てなくて」
「長門は?何か解るか?」
長門はしばらくシャミセンと俺を見詰めていた。そしてしばらくして一言

「これは、貴方が、原因」

……始めて見た。長門の、その瞳が、震えていた。


続く

443nac:2006/06/21(水) 06:26:42 ID:vPE9kVat
〜 I want to be here 〜 の4話でした。
さて、このペースだとあと1話で完結しますが、
説明が長ったらしく、萌え要素も少ないので、変更
かなりぼかしたのを、投下する予定です。(実は書き終わってる)     nac
444名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 06:38:50 ID:WvRrxkqr
⊂⌒~⊃。Д。)⊃
445名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 07:12:06 ID:AsjSGUuh
>>419 される方は難しいんだよね…。俺はつい最近痛感した。

独占欲の続き投下します。次回の投下で終わりです。
保管庫の方いつもお疲れ様です。
4467-695:2006/06/21(水) 07:14:08 ID:AsjSGUuh
涼宮ハルヒの独占欲 b

2、

 「私のほうがこの人を満足させる事が出来る」
その声は途方に暮れ俯いていた俺の耳に突然聞こえて来た。長門はゆっくりとこちらへ歩み寄り、俺の肩に手を置いた。
それがスイッチだったのか体全体に脈打つような異変を感じ出す。熱病にでもかかったかのように体は火照り、
さっきのお菓子のせいだと理解した。ハルヒは何を言われてるのか理解できないという顔をしている。
 「こんなふうに」
長門は俺を背から腹に手を廻し抱き締めるような形になり挑発するかのように言った。
 「な、なんだっ」
 「っなにしてんのよっ!」
当然振りほどこうとしたが全く動けない。例の力でも使っているのか。抱いたまま床に座らせられる。
されるがままだ。抵抗など出来ない。意思とは反し、体全体が敏感になっているようで
ぎゅっと抱き締められているだけでも気持ちよくなっていた。自身の吐息が洩れ出て、悔しさが募る。
 「…有希。何でこんなことするの」
震えた声が聞こえる。いつものハルヒらしくない。
俺と長門を振り解こうともしないで躊躇するように見ている。
 「見ていれば解る」
胡坐をかいていた足を両腕で少し開かれ、隠していた部分、
制服のズボンの生地を真上に持ち上げているのをハルヒに無理矢理見せられた。
 「なな、何そ…れ……」
先程から完全に勃起していたのだ。声を出して抵抗してやりたいところだがそれさえ封じられていた。
何それと言いながらもあいつは顔も隠さずジッと見つめている。こんな屈辱味わった事などない。
 「男性器」
そう言いつつ長門はこちらの背に胸を押し付けながらズボンの上に右手を伸ばしていく。
その動作が起こす制服の衣擦れの音が静寂の中静かに部屋に響いていった…。

≪/長門xキョンxハルヒH≫

ハルヒはその手を本当に触れさせるのかどうかを確かめるように見ている。止めてくれ。
 「う、うそでしょ。…わっ!?」
…触れた。長門は本当に触ってきた。俺自身どこかで止めてくれるんじゃないかと
期待を抱いていたのだが見事に外れた。こいつは本気なのだと理解するしかなかった。
その手は乗せられているだけで妙な刺激を送ってはいない。何秒か過ぎ、不審に思う。
何もして来ない。ハルヒの顔を見る、火照った顔で眉を吊り上げ睨む…その視線は俺の右腰にある長門の顔に
向けられているようだった。顔も動かせないのでその長門がどんな表情を返しているのかは知ることなど出来ない。
それにしても長い…。思ったその瞬間、ふにふにと指がズボンの上で動き出した。その華奢な指でカタチを確かめるように。
その触り方は悦ぶツボを知り尽くしているかのような動かし方。スリスリとズボンの生地の上から快感が送られてくる。
ハルヒに視線で助けを求めるが一向に気づいて貰えない。その視線は未だ股間と長門の顔の両方、交互に注がれている。
 「気持ちいい?」
その言葉と共にハルヒの視線は俺とぶつかる。気づいてくれ頼む。そして助けてくれ。ありったけ視線に込める。
 「なんでさっきから黙ってるのよ! キョンはッ!」
怒りを露にした形相で5歩ほどの距離を駆け出すように止めに入ろうと来た。意味は伝わらなくても邪魔してくれるならいい。
4477-695:2006/06/21(水) 07:15:55 ID:AsjSGUuh
 「無駄」
その言葉の語尾を繋げる様に高速で逆回しするような理解できない言語を耳にした瞬間ハルヒの体は垂直に腰を床へ落とした。
 「痛だっ! …な、なんなのよ! こ、これ」
そこまでするのか。驚くのも無理はない。こんなの喰らうの初めてだろうよ。
普通の人間相手に使うモノじゃない。…確かにハルヒは普通じゃないが使うような相手ではないだろうに。
 「腰が砕けただけ」
俺とハルヒの距離は2歩程。ハルヒは長門の言葉に閉口し座り込んでいる。俺もハルヒ同様閉口せざるを得ない。
長門を駆り立てている物を取るにはこのハルヒと結ばれなければならない。
だが長門自身がそれを阻止しているんだからどうする事も出来ないじゃないか…。

 「そこで見ていて」
 「こ、このっ! う!? なんなのよ! これ!」
腰から下は動かせないようだ。バタバタと腕を振っていた。
長門は引き摺るように俺の横へ体を移動させ大きく膨らむそのズボンの前ボタンを外し顔を寄せそのまま
ファスナーの留め具に噛みつきハルヒの方に目線を向けゆっくりジ、ジジと開けていく。ハルヒの顔は震えている。
シャツの前のボタンもゆっくりとはずされていき、直後ヒヤリとした冷たい感触。腹に手を当てられていた。
そのまますべる様に腹とトランクスの隙間に左手を差し込んでいく。起こっていく事実しかもう解からなかった。
 「やめなさい! って言ってるのよ! きゃっ!?」 
制止の声は無駄だった。容赦なく長門の手は下腹部の陰毛を滑り剛直を掴んだ。か細い手の感触。
冷たいその指は逆に更に熱を持たせる快感を与えてくる。こしこしと指だけで竿全体を愛撫される。
脳を蕩けさせる甘い快感。お菓子のせいなのか、長門が長けているのか解りはしない。ただ快感に酔い痴れたくなっていく。
ハルヒは顔を俯かせ目を閉じていた、見る勇気などないようにその眉尻は歪んでいる。
それに気づいた長門は右手をハルヒに伸ばしていく。腕に触れた。
 「な、何っ!?」
 「やはりあなたにはこの人の相手は無理」
目を開けたハルヒに長門は煽るようにそう言った。
 「い、言わせておけば…いい気になってんじゃないわよ! ッあ゛!?」
ハルヒの様子がおかしい。声を発した後自分の体を掻き抱くように長門を睨んだ。
長門はそれを無視し、再度こちらの足に腕を乗せトランクスの中に手を突っ込みさっきと同様の行為を始めた。
 「あなたは見ているだけしか出来ない」
空いていた右手はトランクスの下、袋の方へ手が伸びていく。ハルヒは自身の体の変調に戸惑いを隠せないようだ。
睨むようにその行為を見つめていた。明らかに俺以上に変化を与えられたように見える。
 「…な…にをしたの」
 「あなたは興奮しているだけ」
 「ぐっ! 興奮なんか、…して、ないっ!」
そう言いながらもハルヒはじっとトランクスの生地が蠢くのを見ていた。その口は開き絶えず吐息を漏らしている。
袋を絶えず刺激していた長門の右手は突然トランクスを摺り下げた。
 「あ゙」
晒された。天を向き猛り立ったそのモノを隠すものはなにもない。恥ずかしさの余り俺は目を閉じる。

 「こうすると」
掌で握られ緩急をつけ扱かれていく感覚。とても見てはいられなかった。
 「喜んでくれるの」
ぐりぐりと遊ぶように、撫で回される。次第に激しく。
頬に濡れた暖かな感触がし、口付けをされているのだと気づく。
 「…ちゅ、ん……ちゅ…れる」
唇が離れていく事はなくそのまま舐められていく。舌の温度は冷たくゾクゾクと体を震わせてしまう。
射精してしまうかもしれない。握られたままの自身の分身はビクビクと奔流を吐き出しそうに脈打っている。
このまま出してしまえば男としての何かの尊厳を失うと思った。
 「もう出そうになっている」
何故解ってしまったのかと驚き目を開けてしまう。長門の頭が沈んでいくところが見え、途端モノを咥えられた。
 「あっ、ああ…あ」
 「あむっ、はっ、ちゅ、…じゅる」
亀頭の先端を吸い付かれていた。口内の冷たさを感じる。舌で円をかくように徐々に範囲を広げていくように舐め回される。
ハルヒは見ていた。恥ずかしがってはいない。逆に。…物欲しそうに見える。
 「ちゅ、うぅぅ…あふ」
一度行為を止め、横顔で俺の顔を見つめてきた。も、もうやめてくれ。このままじゃ。
視線に込める…がその顔を見て俺は絶望する。いつもと違う。口元を微笑に変えた別人。
4487-695:2006/06/21(水) 07:17:31 ID:AsjSGUuh
再度長門の顔が沈んでいく。舌を突き出したまま。…やめてくれないんだな。
 「こうひて、むいてあげるの」
亀頭の半分を隠す周りの皮の部分に舌が当てられた。ぐりぐりと這いずり進んでいく。
 「れ、れる、ちゅ、ふふ。…んっんっ」
その隙間から差し込んだ舌は皮を外へ押し退けるようにカタチを変えさせていく。
とてつもない快感が否応なく押し寄せて来、歯を噛み締め耐え続けた。
 「す、すご…ぃ。ずるいよこ、こんな」
俺は驚きハルヒの様子を見た。その手は自身のスカートの中に手をいれていてモゾモゾとせわしなくスカートの形を変えていた。

 「ずるい? ずるいことをしたのはあなたなのに」
 「…何を言ってるのか、わ…かんない」
答えるハルヒの手は止まる事はなく、目は虚ろ。どうでもいいとでも様子で見て取れる。
…ハルヒは堕ちてしまったのか。もういっそこの快楽に身を委ねてしまおうか…。俺の意思も砕けそうだ。
それを破るかのように長門の攻めが開始された。
 「れろ、じゅる、ちゅっ、じゅるるるる、ちゅっ」
袋の裏筋辺りから舐め上げ小刻みにキスを挟み吸い付き舌でべろべろと押すように交互に攻められる。
 「はっ。…ちゅぅぅ。じゅるっ、じゅるるる、れるれろ」
息継ぎをし亀頭の先端を咥え込み強く吸い込みながらべろべろと完全に皮を剥かれた。もう無駄だった。
留めていたものが一気に噴き上げていく。
 「んっんうぅ……………!」
口を窄め口内に奔流を受け止めていく長門がいた。その頬は少しずつ膨れていく。
 「ん、んくっ、んっ…ぢゅる、んふ
離さずそのまま満たされたものを飲みながらも舌で掃除をするかの様に廻し、最後まで一滴残らず飲まれていく。
ゆっくりと口を離していき、くびれた部分をこそぐように舌で弄られる。まだ終わらないのか…。

 「あ……あ…ああ」
ハルヒは何が起こったのかを理解しているようだ。口に手を当てこちらを凝視していた。もう、だめだろう。何もかも。
未だに長門はモノを弄っているしハルヒにこのまま見せ付けたまま最後までするつもりなんだろうよ。
 「ちゅ、んぐ、ちゅ…………あ………」
……? 止まっ、た。何だ? 長門は突然口を離しどこを見ているか解らない。何が起こった?
口を開きたい所だが聞けやしない。しばらくたつと長門は俺の肩へ顔を寄せ耳へ口を近づけてきた。
 「…もう終わりにする」
ぼそぼそと聞こえた。内緒話でもするかのように。どうゆうこった、理解できない。
今迄していた行動と言ってる事がおかしい。もう終わりって事は長門は、落ち着きを取り戻したって事か?
それにしても突然すぎる。
 「体はもう自由に動く。しばらく静かにしていること」
 「本当か? って!?」
口が動く。体も自由が利くようだ。だが体の変調は未だ続いている。
 「ね、ねえっ。何…話してるのよっ。はっ、あっ」
 「涼宮ハルヒ、この人をあなたの好きにして構わない」
未だ、一人で自慰行為を続けるハルヒに告げた。
 「あっ、ぁ。好きに、してって……ふぁっ」
このままハルヒと結ばれても構わないって事か。随分と強引じゃないか。
 「後で説明してくれよ、必ず」
頷いた長門はそのまま立ち上がりハルヒの側へ近寄り腕を引っ張った。
 「うお!?」
未だ萎えないモノの前にハルヒが連れて来られた。長門はハルヒに囁く様に何か口を動かしていた。
ハルヒは一瞬驚いた顔をし自慰行為を止めたが長門の囁きを聞き続けるハルヒは段々と秘所を弄り出した。
その目は俺のモノを蕩けた目でジッと見つめ続けていて。…長門、お前一体何を言っているんだ?
4497-695:2006/06/21(水) 07:18:55 ID:AsjSGUuh

 「…あっ……あん…んっ」
表情に締まりがない。いつものハルヒとは到底思えない。長門は未だハルヒの耳元で何か囁いている。
 「ふっ、はぁっはぁー…………」
 「え」
弄る手を止めたハルヒの手が震え何かを求めるようにこちらへ近づいてくる。
 「うあっ! ま、待てっ」
奪うようにモノを突然握られ、俺はその刺激に驚き倒れそうになり後ろに手を置き体を支えた。
 「いいの、よね、はっ、はっ…ぁ」
ハルヒは上体を反らし顔をモノの顔前で観察でもするかのように見始めた。
その顔は立つモノで隠されすべては見えない。
 「これが、キョンのおちん……ちん」
確かめるようにハルヒは自身の愛液で濡れた手でモノを弄くりだした。
 「ちょっと待てっ」
このままいい様に扱われるなんて、そんなのはいやだ。こいつは冷静ではない。どうすりゃいいのだ。
俺はハッとした。そういえば、長門に無理矢理一度弄くられ出された俺は多少正気を取り戻せている。ならば。
 「いい、じゃないの。だって、こんなに…なってるっ。あっ!?」
その手を払う。悲しそうな顔するな。このままそうゆうことをするってのはやなんだよ。  
 「そんな顔するな」
まともに会話できそうもない。まずは鎮めてやるしかないように見えた。その後に合意を得るしかなさそうだ。
 「立てるか?」
 「…立て、ないっ、うっ」
長門の顔を見る。首を弱く振った。本当に自分では立てないようだ。
 「立たせてやる」
立ち上がりハルヒの体に腕を廻し、立たせる。抱き上げた瞬間俺以上の熱を感じた。
体には全く力が入らないようで、重い。耳には絶えず荒い吐息。視界の隅に目をやる。
そのままおぼつかない足取りのハルヒを支えベッドに近づきハルヒを座らせた。

 「長門、もう帰ってていい」
 「……公園で待っている」
そう言いながら長門はゆっくりと部屋を後にした。ハルヒを見る。
 「許してくれよ…」
 「はぁっ、は、はふ、あっ!?」
ハルヒの肩を掴み上体をベッドへと倒した。その額に腕を乗せはぁはぁと息をつく姿を見て思う。
手っ取り早く元に戻すなら…直接やってやるのが一番だろう。覚悟を決めスカートに手をかけ上にずらしていく。
知らず生唾を飲み込んでいた。こんな状況にも俺は興奮していたのだ。例のアレのせいだと思いたい。
普段ならこんな事をすればビンタが飛んでくるだろうがハルヒは俺の行為を受け入れていた。
 「……ふ、はっ、はふ」
 「大人しくしててくれ」
スカートをすべて捲り上げた。…しばらく口を閉じ見ているしか出来なかった。露になったショーツは秘所の周りを
水で濡らしたようにぐちゃぐちゃになっていたから。…ただ見ているだけでは意味がない。
俺はベッドの横にしゃがみ足を左右へ少しずつ開かせていく。これからする行為をやり易くする為に。
顔を近づけ見る。目の前にはハルヒのあそこが丸見えになっていた。
生地を愛液で透けさせていて隠す意味などまるでないようだ。ゆっくりと指を進ませ、その部分に触れる。
 「あ゙っ!?」
過敏ともいえる反応が返ってきた。俺は童貞なのでよくは解らない。知識だけでなんとかしないといかん。
 「あっ、ぁぁっ! きょ、キョン…。あっああっ」
ショーツの染みの中心、その部分を右手の人差し指でぐりぐりと押してみる。
指先にじっとりとした粘液が付着していき、熱を感じる。
4507-695:2006/06/21(水) 07:21:12 ID:AsjSGUuh
 「あ…あ……ああぁ…ん。んあっはっ!?」
指にショーツから染み出る愛液を絡ませ上から膣口へと思われる部分に指を進ませた。
今までにない嬌声が部屋に響き、驚いた。
 「はぐっ、んはっ。きもち、い…」
 「こ、こんな感じでいいのか。…はぁ…はぁ」
とめどころなく愛液が中から染み出していき、ぐじゅぐじゅと淫猥な音を散らしていく。
知らず自分も荒い息を吐いているのに気づく。
 「あっ、ああっ、あふっ! んぁっ」
縦のスリットを上へ下へとなぞっていき、生地からの摩擦を秘所へ与え、再度押し込むように指を真ん中へ。
 「きょっん、す、すごっいっ。あっ」
左手を太ももの付け根に置きショーツの中をぐいっと外へ開かせた。
生地ごしに膣は開かれ陰唇がねちゃりと音を立てた。陰唇をなぞる様に
空いた右の人差し指、中指二本で弄くり廻す。柔らかい肉の感触。
 「やっ、見ちゃやだっ、あっあふ、ぅぅ、ぅ。あああっん」
その光景は俺を狂わせるのに十分だった。足を掴みもっと開かせ、顔を近づけショーツの上に鼻を押し付け匂いを嗅ぐ。
顔を振ると鼻に愛液がぐしゅぐしゅと付着していった。
 「やっ、あぁ、な、なに、して、るの!? ぁふっ!?」
 「やめたほうが、いい、かっ? す、凄いぜおまえのここ」
その部分の事が伝わるように舌で突いてみた。ハルヒの反応を見る。未だ、腕を額に乗せ顔を
振り乱しその目はよく見えない。だが口からは涎が見えていた。
 「とめ…ちゃ……やだぁ」
 「直接しやすいようにしてくれ」
ハルヒは俺の言う事にびくりとしたが、やがて頭に乗せていた腕をゆっくりと自身の秘所を
隠すショーツに手をかけ横にずらしていった。
 「ねっ……好きにして、いいからぁ。は、はやくぅっキョンっ」
股にいる俺を蕩けた目で見つめそう言ってきた。生唾を飲まずにはいられなかった。初めて見る女性器、
それは誘惑しているかのようにヒクヒクと蠢いていた。俺は我慢できずかぶり付く。
 「あ゙っ! ふぁああ! つ、つよいよっ。んっふ…ぁ! ぁああん」
どこをどう舐めたかは解らない。すべて舐めていく。顔はハルヒの愛液を浴びべちゃべちゃだ。
構わず貪欲に貪り続ける。
 「んん゙っ! すごっ…ぁっ…すごっい、はぁっ!」
自身のショーツを持つハルヒの手は震えているが、離すつもりはないようでもっと
舐めてくれと言ってる様。更に続けていく。 
 「あっああっ! あぁあ゙! 熱いよっ! い、いき、そっ」

膣口に舌を差込み膣内を犯し眼前で目に付いた小さな突起、クリトリスを指でくりくりと弄くる。
指とクリはツーと糸を引き切れたり出来たりを繰り返していた。
 「い゙ぁ! ぁ!!!! あ゙あ゙あ゙ああ……………っ! あっぁー、ぁー……ぁう…」
イッたようだ。ハルヒはショーツから手を外しベッドへ投げ出した。余韻に浸っているのか
片方の手をまた頭に乗せ荒い息をしながらベッドで静かに息を整えていた。
 「も、もう平気か?」
反応はない。これでもう例のおかしな効果は多少は消えた筈なんだが。
 「お、おいっ」
早く確認したい。俺は立ち上がり、ハルヒのその顔を隠す腕を退けた。
 「…寝てんのか」
赤い顔のまま、満たされない欲求は満たされたとでもいう様な満足な顔をし眠りについていた。よ、涎すごっ。
俺は近くに置いてあったティッシュボックスを手に取り、その口の周りを拭っていった。
4517-695:2006/06/21(水) 07:23:11 ID:AsjSGUuh
 「ん……ぅ……」
拭い終わった俺は立ち上がり考える。どうするか…。まだ結ばれたとは言えないよな。
床へ座り、ハルヒが起きるのを待つことにした。顔を挙げ時刻を見ると22時過ぎ。
時間はもうギリギリなんではないか。正確なリミットは解らないがハルヒの親の件もある。 
長門は今頃まだ公園で待っているんだろう。あいつには後で色々言いたいことがある。
そんな事を考えながら俺は起きるのを待った――

――15分程過ぎた頃ベッドの上のハルヒはもぞりと動き出した。体は治ってるんだろうな?
 「ん………。え?」
 「起きたか」
ぐしぐしと腕で目を擦りハルヒは目覚めた。何かその表情はまだおかしく見える。え?
 「…大丈夫か?」
 「あたし、寝ちゃって…たん!? ぐっ」
体を抱き締めていた。まじか…まだ続いているのかよっ!
 「ね、ねえ、はっあっ。からだ…があつ…いの」
やっぱりだ。起き上がりこちらを熱っぽい瞳で見てきた。こ、こうなったらもう。その前に。
 「おまえは、俺が好きか?」
 「…好き。大好きだから…」
その語尾はこのまま抱いてと言うようで。ならば、とベッドの上で佇むハルヒに近づき、
荒く息をつくその顔を正面に捉えた。その目は俺の目を見ていない。唇を見られていた。
 「キス……しても、いいわよ…ね」
 「俺も…え? ああ、って!? んむぁっ!?」
突然体を抱き締めてき、唇を奪われた。
 「ちゅ、ちゅっ。んぅぅ」
 「んぐ……おひっ。おぃ。むぁ!?」
口内に舌を入れられた。探るように歯茎を舐められる。
 「あはっ、じゅる、ちゅぅぅれる」
縦横無尽に這い回るその舌はやがてこちらの舌を捉え強く吸い付く。
途端股間に熱い感触を得た。見るとハルヒの手はこちらのモノを掴みぐにぐにと動かしていた。
 「ちゅっ、んぶっ、はふ、ちゅううぅぅ」
その目はモノを掴み扱いてるのを見つめており、そのままディープキスを続ける姿。
頭に思い浮かんだ言葉は淫魔。何分経ったかは解らない。俺の心は…堕ちていった。行為を受け入れる自分がいる。
 「ぐわっ!?」
突然ハルヒは腕を掴みベッドへと俺を押し倒した。俺はびびった。本当に荒々しい。これがあのハルヒなのか?
埃が舞う中俺の体を跨ぎそのまま腰に馬乗りになったハルヒは俺の胸板へ手を置き微笑を浮かべこちらの顔を覗いてきた。
ハルヒの下着の奥から染み出す愛液が自身のモノを濡らしていく…。
 「ね、いいよね。このま…ま」
自身の性器をショーツの上からこちらのモノに押し付けるようにぐちゃぐちゃと刺激を送りながらそう言われた。熱い。
 「あ、ああ。したいようにしてくれ」 
その声と共に制服のシャツの前襟首を両手で掴み面倒だとでも言うようにブチブチとシャツをはだけていった。
はだけ終わったハルヒはブラに手を当てこちらを見てきた。
 「…見たい?」
こ、こいつは。焦らすつもりか。
 「ああ、見せてくれ」
満足そうな顔をしたハルヒはブラの前ホックをはずし、隠された胸を曝け出した。
形のよい乳房、大きくもなく小さくもない。尖ったピンクの乳首。その胸はハルヒらしいと思える活発な胸だと思った。
 「あっ…! んぁっ。も、もうっ」
知らず右手でその胸を弄っていた。手を止め自分の行為に驚くがどうでもよくなり再度今度は両手でその胸へ手を伸ばす。
 「あん、んっ。あぁっ。んぁ。キョンは、あっ…えっちだわ」
 「おまえが言うか」
その弾力の気持ちよさは堪らず、俺のモノは更に硬度を増していく。
4527-695:2006/06/21(水) 07:24:33 ID:AsjSGUuh
 「あふ、や、ぁんっ。はっはふっ」
いやだと言いながらもハルヒは腰をモノへ押し付けてくる。その矛盾した行動が俺を昂ぶらせた。
 「ね、ぁっ。あっ。一つになりたいの」
そう言いながらハルヒはスカートの縁を口に噛み上へ捲り上げ腰を浮かせ片手でショーツをずらしていった。
 「入れちゃう、ね」
俺の声を待つことなく、ゆっくりとハルヒは腰を落とし、その性器と性器が接触された。
 「ぁ」
まだ先っちょとハルヒの膣口が触れる程度で止まっていて、上から滴る愛液がモノを濡らしていくのを見ていた。

 「んっ。…あつ。………いふわよ」
 「あ、ああ」
腰が落とされていく。熱い体温を感じる。モノがハルヒの中へと埋没していくのが見えた。
 「ん゙っあつっい。キョンの…おちんちん」
カリの先端までを飲み込まれる。まるでその光景はレイプされているようで俺は興奮を隠せない。
 「もっと、腰を落として…くれ」
ハルヒは見たことないニヤっとした顔をし腰を更に落としていく。
モノの三分の一が埋まった辺りで何か引っ掛かりを感じた。
 「あっ、ん。一気に…いくわね。ん、んん゙、あ!?」
瞬間ブツリと処女膜を破る感触がしモノに熱いうねりを感じた。
 「いだぁっーーーー!? っい゙ぃぃ!」
 「ぐぁっ」
モノがすべて見えなくなった。ハルヒの尻肉と袋がくっつき、一つになったのを理解した。
締め付けはきつく、蠢く膣内の中でモノはビクビクと震えている。熱い粘液がモノを蕩けさせていた。
 「動くねっ、あ゙、あぐっ。ふはっ」
 「え゙? ぬあっ」
痛さは気にしないとでも言うように腰を上へ上げたり下げたりを繰り返される。
 「んぁっ、ああああ。ふはああ」
ジュブジュブと飲み込まれ繋がった性器から袋にまで粘着質の高い愛液が塗されていく。
 「んっ。ふふっ。きもち、い?」
自分の痛さよりこっちの気持ちよさを優先しているのか?
 「いたく、ないのか?」
「んっ痛い、けどっ、あっ、あん。気持ち…いいよ?」
 「ほ、本当に気持ちいいんだなっ?」
 「う、あぁ、ん。いいよ。キョンっ」
その答えを聞いた俺は我慢を吹き飛ばす事にした。ハルヒの腕を掴み引っ張る。
 「きゃっ。な、なにっ!? …あ゙っあっ、ふ…ぁあ」
こちらへ倒れたその体を両手で抱き締め腰だけでハルヒの膣を剛直で穿つ。
 「んぁっ。はげしっ。あああっ! あっああ!?」
胸の中でハルヒはその刺激に耐えている。その激しさはジュブジュブと部屋に音を撒き散らす。
甘い匂いのする柔らかい女の子の素肌は俺を更に上へと昂ぶらせ続ける。
 「本当にっ! 気持ちっいいんだな」
黒い欲望は留まる事を知らない。ハルヒを変えているのは
自身のモノで膣内を好き放題犯しているのだと征服欲を満たしていった。

 「あふっ、ふあっ、ごり…ごり、してるっ」
見ると爪を噛みながらハルヒは悦んでいた。その目は次の膣内を蹂躙するモノの刺激はどれ程のものかとでも言うようで。
ぎゅっと抱き締め壊すように突き動かす。次はどんな反応を見せてくれるのか俺は期待する。
 「あ゙っ、あっー、あ゙ー! す、すごっ」
ハルヒのお腹は汗で濡れ、こちらの腹から下の陰毛部までを濡らしている。もうどちらの汗だかは解らない。
もっと激しくしてやりたい。
 「たぶん次はもっと凄いぞ」
 「う、うん。も、もっとしてっ…」
腰を止め体を抱き締めていた腕を放し、上体を上げ目に入った揺れる尻を掴みに行く。鷲掴みにした。
ふにふにと弄り弾力を楽しみ正反対に引っ張ったり閉じたり開いたりを繰り返す。堪らない。
4537-695:2006/06/21(水) 07:35:41 ID:AsjSGUuh
上から自身の股へぐっとゆっくり押し付けた。
 「んあ!? あっ。ふかっ。深いよっ。うぁ!?」
ぐいぐいと深くモノが中へ沈んでいく。子宮口と思われる行き止まりを亀頭に感じた。
手を緩めそのままゆっくりとまたモノを引き抜いていく。
 「んぁ、ぁああぁあ…。……え」
抜かれてしまうのかとハルヒは思ったようだ。それは違う。
 「っあぐ!? ふはっああぁ!」
一気に奥を突いた。ブシッという膣口から溢れ出た愛液が太ももに飛んだ。
 「またいくぞ」
ずるずると腰を廻し捻りながら膣口までモノを後退させ
 「あ…ぁ…ぁあぁぁぁー………」
再度掴んだ尻を股へ押し付け奥までぶち込む。
 「あぐ!?!? ふはぁ、あ、ああぁ」
見るとその指はもう口から離されぐたりと力の入らない様子で快感に酔い痴れる顔をしていた。
シャツはハルヒの涎でベタベタだ…。
 「は、はっ。は、はふ。も、もっとしてっこのまま出していいか、らっ!?!?」
尻肉を強く掴みガスガスと腰を振っていく。緩急はつけずに。上へ下へと縦横無尽に廻し欲望を吐き出すために。
 「あ゙あ゙あ゙ああ! すご! すごいぃぃい!」
ハルヒの手はシーツを掴み自身の体が飛んでいかないようにとでもグッと掴み刺激に耐えていた。
 「あっああっつ、あ゙あああ!」
あほみたいな顔を恥ずかしげもなく見せてくれる。それどころではないのか。
 「出す、ぞっ!」
 「う、うん、ぁ゙! んぐっ! だ、出してっいい゙からっ!」
ゆっくりと腰を引いていき、今日一番の一突きを膣内へかまし、せき止めていた欲望を吐き出す。
 「んぐッ!? あづ……い。で、出てる。あー、ぁー………ぅ」
注ぎ続ける。中へ中へ。白濁の液体を。どくどくと。一滴残らず。
痙攣するハルヒの尻をぐっとまだ掴み最後まで。
 「……まだ、でて、る。あ、ったかい。あふっ…はー…はー…………」
出し切った。ハルヒは胸の上で高山病にでもかかったかのように荒い息を吐き続けていた。
辛そうなのでモノを抜いていく。根元から抜いていくとひんやりとした空気がモノを冷たくするのを感じた。
 「ぁっ、抜かない、でっ、はっ、はー。このまま、ね、寝よ?」
時計を見る。時刻は23時15分前。そろそろ親が帰ってくるんじゃないだろうか。
胸の上のハルヒを見、考える。…この分だとすぐ寝てくれそうだな。
ハルヒの頭を撫でながら寝るのを待つことに決めた。

≪長門xキョンxハルヒH/≫

                                               続く
                                             規制きた。ではまた
454名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 09:12:32 ID:R7YMlG5x
これ長門をどこまで暴走だか演技だかをどこまでやるか迷って書いたでしょ。
どうせならハルヒの前で最後までやってしまえばいいのに。反応を恐れるなw
455名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 10:41:54 ID:TKxtly/q
フェラでいかせてハルヒにザーメン口移しくらいやって欲しかったw
456名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 13:52:11 ID:cicvK2CM
>>443
GJ。
続き待ってた。この後も期待してる。
ただ一つ、「側聞(仄聞)」の意味は横で聞いていたんじゃなくて「噂などで又聞きした」ことなんで、ちょっと使い方が変だと思った。
457名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 14:48:09 ID:NqDPvhtU
>〜 I want to be here 〜

ミヨキチ可哀想すぎる…
いくらハルヒがドキョソでもこんな帰らせかたはしないだろうと
ハルヒの株も下がった
458名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 15:09:46 ID:JLtmbMJ3
>>443
乙です。続きが楽しみですね。

ただ、キョンの自室初訪問(>>442)は
既に「エンドレスエイト」(暴走p.81)で終わっているので
やや違和感が…… 修正したほうが良いかもしれませんね。
459名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 16:39:03 ID:R7YMlG5x
昼間はこのスレ落ち着いてるなぁ
460買って買って:2006/06/21(水) 16:53:03 ID:FHBZMEVx

 「・・・キョン・・・ 好きよ・・・」
 「俺もだ、愛してるぞ・・・ ハルヒ」
 「・・・もっと強く抱きしめてよキョン」
 「わかってるさ」

夜も更け皆が寝静まった頃、俺はハルヒと自分の部屋で抱き合っていた。
もうこの頃はほぼ毎日である。
昨日はハルヒの部屋で、おとといは3人が帰った後の文芸部部室で、
その前は教室、あとラブホテルでも何回かヤっている。
まあラブホテルは俺達にとってはあまり安くはない所なのでたまにしか行かないが。

 「キョン・・・」
 「何だよ、ハルヒ」
 「・・・・・・そろそろ・・・ 欲しい」
 「何が欲しいんだ言ってみろ、またパソコンか、それとも朝比奈さんのコスプレ衣装か」
 「・・・キョンの意地悪、わかってるくせに」
 「じゃ言ってみろ、このバカな俺にも解るように」
 「・・・その・・・ キョ・・・ キョンの・・・・・・」

その時だった。
ハルヒの声を遮るようにあいつの声がしたのだ。

 「ねえねえハルにゃん、なにが欲しいのー」
 「な、何故ここにいるんだお前!」
 「いも、妹ちゃん!も、ももももう寝る時間でしょ!」
 「あのね、トイレ行こうと思って起きたらキョンくんの部屋から声が聞こえたから何だろーと思って
  それからずっとここで聴いてたの」
 「なんでなんだ!? ちゃんと鍵は閉めておいたはずだぞ!?」
 「でも開いてたんだもん」
 「このバカキョン!! あれほど鍵はちゃんと閉めたか確認しろって言ったでしょ!!」
 「すまんハルヒ!!俺が悪かった!」

 「ねえねえハルにゃん、ハルにゃんはキョンくんに何をおねだりしてたのー」
 「あ、あのね・・・ 妹ちゃん・・・ それはね、まだあなたは知らなくて良いことなのよ・・・ ハハ・・・ ハハハ・・・」
 「えーなんでー」
 「そそそそれはね・・・! ・・・・・・そうよ、そうよ妹ちゃん、洋服をおねだりしてたのよ、キョンとあたしのペアルック
  そうでしょ、ね、キョン!」
 「あ、ああ、そうだ、そうだぞー妹よー、ハルヒは俺に洋服を買ってくれって言ってたんだ
  よーし今度の日曜日にデパート行こー、マイスウィートハルヒー」
 「や、やった、流石あたしが愛してるキョン、マイダーリンキョンー」

ペアルックなら本気で買ってやる、ああ買ってやるとも。

 「「 '`,、('∀`) '`,、」」
 「ふーん、そうなんだー、ごめんね、じゃあキョンくんハルにゃんおやすみー」
 「あ、ああおやすみー さっさと寝ろ」
 「子供は早く寝るのよー」


 「「―――っはぁーーー・・・」」

 「今夜はさっさと済ませてあたし達もさっさと寝ましょ」
 「そうだな、今ので一気に疲れた」

しかし大変なのが翌朝だった。
461名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 16:55:30 ID:FHBZMEVx
━━━━━━

翌朝。
俺は体の上の重みで目が覚めた。
・・・またハルヒが俺を抱き枕にして乗っかって寝てるのか? 
・・・・・・しかしハルヒは横で俺の体にしがみついて寝ていた。しかも鼻を腋の下に擦り付けて。

―――ではこの重みは何だ。

 「キョンくんキョンくん」
 「!! 何やってるんだお前はー!?」

何と俺の体の上では生まれたままの姿の妹が大声を上げていたのだ。

 「・・・っもう・・・ 朝から騒々しいわねキョンー」
 「ハルヒ、このバカ妹が!!」
 「・・・ちょっ! 何やってるの妹ちゃん!服着なさい!風邪ひくわよ!」
 「キョンくんもハルにゃんも服着てないから大丈夫だもん」
 「「・・・//////」」
 「ねえねえキョンくん買ってー、ラブベリの女の子が着てるようふく買ってー」
 「な、何の事言ってるんだ?」


  「だってハルにゃんはこうやっておねだりしてたもん、
   はだかになってキョンくんに乗っかったら何でも欲しいもの買ってくれるんだもん」


・・・あーーーー!!!
こいつは昨日の事を変な方向に解釈しやがった!!

 「ハルにゃんにはふく買ってくれてあたしには買ってくれないの・・・?」
 「あ、あのね、妹ちゃん、その、コレはね!」
 「あの、それはだなお前!」

 「あたしにはようふく買ってくれない・・・ ハルにゃんには買ってくれてあたしには・・・ うっ・・・ うぅぅ・・・」
 「ちょ、ちょっと、おい!」
 「妹ちゃん昨日のはね!」

 「いいもん、お母さんに言いつけてやるんだ、
  ハルにゃんがはだかになってキョンくんに乗っかったらちゃんとふく買ってくれたのに
  あたしがはだかになって乗っかってもふく買ってくれないって」
 「や、やめてくれ!!」
 「妹ちゃんそれは駄目!!」
 『キョン!こうなったら妹に服買ってあげるしかないわよ! あたしもお金出すから!』
 『仕方ない』

 「わかった買ってやる、どんな服でも買ってやる、だから絶対親には言わないでくれ!」
 「え!? ホント!!? 買ってくれるの! わーいキョンくんだいすきーキョンくんだいすきー」

かくして俺は妹のラブベリだかラブデリだか言う服を買ってやる羽目になったのだ。

しかも困った事にそれ以降妹は俺におねだりをする時には裸になって俺の体に乗っかるようになってしまったのだ。
462名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 16:56:03 ID:FHBZMEVx


 「ハルヒも責任感じてるんだろうな」
 「も、勿論感じてるわよ」
 「なら良いが」
 「キョン、ペアルック買って
  買って買って買いなさーい、ホラ、脱いであげるから」
 「感じてねーじゃねえか!!」
                             ■終



注※ これは自分が相当前に聴いてた関西ローカルのラジオ番組の失敗談コーナーで紹介されたネタをヒントに
    大幅に大幅に脚色したものです
463名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 17:01:32 ID:CaL3AH/g
アメリカンジョーンでこんなの見たことあるぜ
HAHAHAHAHAHAHA
464名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 17:30:10 ID:NqDPvhtU
「・・・//////」

これやめて欲しい。
これさえなかったら三倍は萌えられた。
465名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 17:35:37 ID:CaL3AH/g
小説ってよりか漫画的な表現方法だよな。
俺は良いと思うがな。それに、散々普及してる今更言ってもしょうがあるまい。
466名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 17:44:48 ID:uFz+fhyp
普及!?してるか!?
ちなみに俺もそういう記号めいたのダメだ。
話は面白かったけど「//////」ってセリフ?見て別方向にちょっと恥ずかしくなった。
467名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 17:47:03 ID:NqDPvhtU
普及……はしてないんじゃないか?
小中学生のメールじゃあるまいし……
468名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 17:48:25 ID:X24ACoXj
>>465
普及はしてないと思うが。位の低いとされるライノベでも、まず使われないぞ。
使われるのは、個人の少女漫画風ラブコメSSとかだけだと思うが。
469名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 17:49:11 ID:CaL3AH/g
いや、スマン。アホめいたSSで良く見かけるから、普及してんのかと。
470かなり ◆WT4p4fROmI :2006/06/21(水) 18:18:00 ID:ZZOEXrI2
誰か漏れを助けてくれないか?
別スレで漏れは荒らしといわれている。
だから助けてくれこのとおりだm(__)m。
471名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:19:38 ID:hYDZYF78
>>468ライトノベルじゃなくても縦書きじゃ意味は通じない
472名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:29:32 ID:S4jpv8ke
>>470
コテつけてるくせに感想も言わずGJだけいってるからだろ?

ま、コテをはずすのが最良だと思うが
473名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:30:47 ID:YWbUY9qP
>>470
簡単な解決法を教えてやろう。
コテを外して今日はもう書き込まない、それだけでいい。
474名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:35:20 ID:y1MqoAmN
>>469
だからアホなSSでしか使われない表現なんだよ
私的には文章中に顔文字使われるのと同じくらい萎える
475名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:45:17 ID:X24ACoXj
>>470
というか、お前荒らしじゃなかったのか?
476名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:46:29 ID:RvcM7otI
SSや面白いネタを投下しないコテなど名無し以下
477名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:51:57 ID:+Hcg+4/h
長門「 表現力の欠如を、視覚効果で補うのは間違い。
 ちゃんと文章を書く事を希望する 」
478名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:55:54 ID:uP4WAE5H
基本的に谷川流の作品は擬音を使わないで比喩で伝えようとするよな。
これ、同人的にはかなりボキャブラリーがないと難しい。
479名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 18:58:34 ID:C3tVoMc2
谷川の比喩表現を真似るのは相当難しいなw
480Shall we play game?:2006/06/21(水) 18:59:38 ID:0zz6XMS5
小ネタを投下します。


かつて主(谷川流)は涼宮ハルヒを「核ミサイルの発射ボタンを持たせてはいけない女」と称した。

主よ、私は今日ほど己が愚かで軽率であったか、身をもって知りました。
悔い改めます、どうか私に救いの手を……


その日も、朝比奈さんの美味しいお茶をいただきながら、古泉とボードゲームのウォーゲームを
うだうだやっていた。

遅れてやってきたハルヒが盤面をのぞき込んで
「それって戦争ゲームでしょ、核ミサイルで終わりじゃん」
「そうです、だから現存する兵器ですけど、通常戦力だけに限定して陣取りをやる訳です」

「ふーん」と興味なさげに、ハルヒはネットサーフィンを始めた。
しばらくして唐突に
「核ミサイルの発射ボタンってどんな格好してるのかな?」
どうしたんだ急に
「小説やネットなんかに『核ミサイルの発射ボタン』という言葉は出てくるけど、画像はちっとも
出てこないじゃん」
まあ確かに、言葉はあっても画像は存在しないな
「涼宮さん、『核ミサイルの発射ボタン』と言う物は存在しないんですよ」
「どういう事よ」
我々は愚かにも、それがどの様な結果を招くか知っていたはずだったのに、普段この手のネタで
しゃべる相手の居なかった、俺と古泉は核弾頭ミサイルの発射がどの様な手続きを経て行われる
かを語った。

パタン
長門が本を閉じる音が響き、今日のSOS団の活動は解散となった。
481Shall we play game?:2006/06/21(水) 19:00:02 ID:0zz6XMS5
次の朝、妹のダイブ攻撃で目を覚まし、学校に行くべく机の上の通学鞄を取ろうとした時、通学鞄の
隣に黒のアタッシェケースがあるのに気付いた、いやな汗が背中を伝っていく。
学校に持って行くのはあれだが、このまま家に置いておいてややこしいことになるのはもっとゴメンだ。

学校に着くとハルヒはいつも通りであった。
確かにこいつは命令を出すだけで、命令の伝達を実行するのは俺の役目だからな…

放課後、部室に行くとハルヒは珍しく所用のため、SOS団に顔を出すことなく下校した旨を告げる。
朝比奈さんは、事態を察してか着替えず椅子に呆然と座っていた。
相変わらず無表情にハードカバーを読む長門の足下にはアタッシェケースが置いてある。
長門よ、今回はさすがに落ち着いて本読んでる場合では無いと思うぞ。
古泉の前にも、俺の持っているのと同じアタッシェケースが置いてある。
顔色が悪いが大丈夫か?
「そういうあなたも顔色が優れないようですが」
黙って机の上にアタッシェケースを置き、俺もこういう物を持たされた。
「中を見たのですか?」
まだ見ていない、いや、見てしまうのが恐ろしくて開けられないというのが正しいかな。
「あなたもですか、僕も恐ろしくてたまりません、かといってどこかに捨てしまうことはもっと怖くて
持ち歩いています」
まったくだ
ハルヒが帰宅したことで聞かれる心配が無くなったと判断したのか長門が口を開いた。
「合衆国大統領のブラックボックスとネブラスカ州オマハにある発射管制装置の機能が停止している」
部室内の空気が一挙に氷点下まで下がった。
482Shall we play game?:2006/06/21(水) 19:01:04 ID:0zz6XMS5
「長門さん、やはりアタッシェケースの中身は、涼宮さんがイメージするブラックボックスと管制装置ですね」
「そう」
「HS危機、『禁則事項』年の情報公開にて明らかになった、合衆国の核弾頭ミサイルの発射管制が
乗っ取られた事件」
「一時的にせよ、何者かが自由に核弾頭ミサイルを発射できる状態となったこの事件は、その後の
『禁則事項』を『禁則事項』に『禁則事項』するだけでなく、『禁則事項』が『禁則事項』で『禁則事項』の
ため『禁則事項』のきっかけになったのです」
朝比奈さん、『禁則事項』だらけで、何かすごいことが起きたということしか判りません、それに
HS危機のHSって何の略ですか?
「涼宮ハルヒ Haruhi Suzumiya イニシャルはHSですね」
古泉が口を挟む
国防総省の記録にハルヒのイニシャルが残っているんだったら、今この瞬間にもNSAの連中が
飛び込んできそうなモンだが……
「彼らは、この事態をHS危機と呼ぶのに疑問を持たない、HSとは何であるかも意識しない」
どういう仕組みなのか聞いてみたい気もするが、聞くと確実に正気を失いそうな予感がする。
古泉も同じ事を考えていた様で、
「今はそのことはいいとして、この事態をどう収拾するかですね」
「ははははは、あははははははは……」
朝比奈さんの常軌を逸した笑い声が響く
「朝比奈さんどうしたんですか?」
俺と古泉が振り向き硬直した。
スカートをまくり上げた朝比奈さんが笑いながら自慰していた。
483Shall we play game?:2006/06/21(水) 19:01:42 ID:0zz6XMS5
「見て見て、みくるのここ、気持ちいい」
どの位、そうしていたのであろうか、硬直が解けた俺たちが見たものは、
朝比奈さんは、長門に見せつける様にしてアナルオナニーの最中だった。
無表情な長門の頬が僅かであるがピンク色なのは気のせいか?
そんなに見ると穴が空くぞ、それとメモを取るな! メモを!
「朝比奈みくるに見ろと要請された、穴は最初から空いてる」


ヘタに声を掛けるとヒステリーの発作を起こすと思った俺たちは、食い入る様に見ている長門を
引きはがし、なるべく見ない様にして善後策を検討した。

「とにかく、アタッシェケースを開けてみましょう」
古泉の提案で、全員アタッシェケースを開けた。
長門が中のものを取り出す、アタッシェケースの中には『黒い色の箱』が入っており、振るとカラカラ音が
する、開けてみると『赤い釦』が入っていた。

「ははははは、あははははははは……」
たっ助けてくれ!! 腹痛い!! 死ぬー!!
俺達は、呼吸不全を起こしながら、床を転げ回っていた。

ようやく、呼吸が正常になった俺達に長門は
「一つを除いて問題は解決した」
残された一つというのは?
長門の視線の先には自慰のやりすぎで気を失った朝比奈さんの姿があった。

長門に任せ俺と古泉は先に辞するのは気が引けたが、正気に返ったとき男性陣がいたのでは、
再び錯乱する可能性があると言われれば従うしかない。

俺たちにハルヒがイメージするブラックボックスの正体が明らかになった時点で、合衆国の
発射管制システムが正常に戻り、このバカバカしくも恐ろしい事態はあっけなく幕切れとなった。


主(谷川)よ、明日何事もなく朝を迎えられます様に……

糸冬
484名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 19:02:35 ID:0zz6XMS5
勢いで書いてしまった。
題名はわかる人にはわかるが深い意味はない
485名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 19:09:53 ID:BSbWBiXE
あー早く神様降臨しないかなー
486名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 19:18:29 ID:Xp1j+AAs
>>484
勢いだけにしてはGJ!
487名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 19:23:33 ID:RFg4Lx5R
長門の話を投下させていただきます。
エロくないし、甘くないです。
少しだけ長いです。
それでもいいという方、読んでいただければ幸いです。
488優しいお話 1:2006/06/21(水) 19:25:15 ID:RFg4Lx5R

 俺たちSOS団が、年中わけの分からない騒動に巻き込まれたり、巻き起こしたりしているのかと聞かれれば、それはまったくそのとおりである。
 しかし、それでも偶には、何にも起こらない平和で退屈な時間というものも、本当に偶にはあるもので、これは、そんな時の話。
 数少ない長門の私物が、一つ増えるまでの話だ。
 
 
 暑くもなく、寒くもない日の事。今日も今日とて、俺たちは部室に集まって、ダラダラと過ごしていた。
 もはや近所のデパートにある遊び道具は全て遊び尽くしてしまった感のある俺と古泉は、初心に返りあっちむいてホイで勝負しているし、朝比奈さんは、可憐に悩ましげな表情で新しいお茶の葉を具合を確かめ、時々かわいらしく頷いたりしている。眼福だ。
 そして、いつもならこんな怠けた空気を我慢できずに、もっとやる気を見せろとか何とか言いながら何らかの騒動を巻き起こす筈のハルヒは、朝比奈さんの新しい衣装を探すために、夢中で怪しげなカタログを読みふけっている。
 俺は密かに、どんな衣装が届くのか楽しみに思っていた。
 ちなみに言うまでも無いことだとは思うが、長門は窓際で本を読んでいる。

 さて、俺がいい加減この嫌味なハンサム顔との、勝っても全く嬉しくないのに負けたら少しムカつくあっちむいてホイに飽きてきた頃のこと。
 部室の扉から、かすかにノックするような音が聞こえてきた。
 まさか、客か?
 またカマドウマだの何だの、変な依頼が持ち込まれるんじゃ無いだろうな。
 朝比奈さんが、「はーい」と子猫のようにかわいらしい声を上げ、柔らかい靴音を響かせながら駆け出して、扉を開ける。
 果たしてそこには、見た事も無い少女が立っていた。

 年齢的には、少女、というより幼女である。多分小学校低学年ぐらいだろう。
 可愛らしくて、ちょっと大人しそうな子だ。少し昔の妹を思い出すな。
 と、のんびり観察している場合ではない。どうしてこんな小さな子がここにいるんだ?北校に付属小学校なんてあったっけ?
「おやおや。これはかわいらしいお客様ですね」
 古泉は、少し意外そうに、しかしいつもより柔らかな笑顔で少女に手を振っている。
 扉を開けた朝比奈さんも、驚いた顔で少しの間固まっていたが、すぐに笑顔になって少女の前にしゃがみこみ、「どうしたの?」と声をかけていた。
「誰かの妹さんかしら?」
 見ると、いつの間にか俺の横にはハルヒが立っている。
「わからん。しかし、少なくともここのメンバーで俺以外に妹がいるって奴はいないよな」
 朝比奈さんや長門は問題外として、古泉からもそんな話は聞いた事が無い。
「じゃあ、迷子かしら?」
 迷子って言ったって、ここは高校だぞ。いくら小学生だからって、用も無いのに入ってくる筈が無い。
 当の少女は、朝比奈さんの顔を無垢な瞳で見つめた後、無言のままおずおずと部屋の中に足を踏み入れてきた。
 そして、その大きな瞳で、ハルヒ、俺、古泉の順番で見つめ、やがて少女の視線は、窓際でこちらを見つめていた長門の視線と交錯する。
「ゆき」
 少女は笑って、その名前を呼んだ。

 少女はそのまま長門に駆け寄ると、制服の袖をくいくいと引っ張る。
 その様子を黙って見ていた長門は、少女に向かっていつもより分かり易く頷くと、本を閉じて立ち上がり、帰る支度を始めた。
 その間、俺たちと言えば呆然とするばかりである。古泉ですら、ニヤけきれていない顔で二人を眺めていた。
 そんな俺たちを気に留めた様子もなく、帰り支度を終えた長門は少女に引っ張られながら廊下に出ると、こちらに向けて片手を少しだけ挙げて、そのまま去って行く。
 残された俺たち4人は、目の前で卓球台が盗まれた卓球部員のような顔で、閉まる扉を見つめるしかないのだった。  

489優しいお話 2:2006/06/21(水) 19:27:13 ID:RFg4Lx5R

 翌日も、その次の日も、さらにその次の日も、少女は部室にやってきて、長門を連れて行ってしまった。
 その間、俺やハルヒや朝比奈さんや古泉が少女に声をかけても、黙って長門の袖を握るばかりで、口を開いてはくれなかった。かなり人見知りする子なのかもしれない。
 いつもは都会の新聞勧誘も真っ青なほど強引なハルヒも、こんな小さい子には強く出られないらしく、無垢な目で見つめられると、何にも言えなくなってしまうようだ。
 もちろん長門にもあの子の事を聞いてみたものの、誰が聞いても少し首を傾けるだけで、結局何も教えてはくれなかった。

 そして、休みを挟んで新しい週になったその日も、少女は部室にやってきた。
 もう俺たちも慣れたもので、朝比奈さんが「いらっしゃい」と言いながら扉を開けると、可愛い足音を鳴らしながら走ってきて、長門の袖を少し引っ張るその少女を、古泉は含みの無い笑顔で迎えていた。
 長門はいつものように帰り支度を初め、俺はと言えば、少女にちょっかいをかけようとするハルヒの襟首を掴んでいる。じたばたすんなよ、痛いだろ。
 そうして、いつものように少女に引っ張られながら廊下に出た長門は、いつものように片手を上げるかわりに、何か言いたそうな目を俺に向けてきた。
「どうかしたのか?あ、ハルヒなら大丈夫だぞ。俺たちで面倒を見とくからな」
「ちょっと、キョン!あんた団長を馬鹿にしてんの?誰があんたを世話してやってると思ってるのよ!」
 少なくともお前ではない。
 長門は、そんな俺たちをいつもどおりの無表情で眺めたあと、再び俺だけを見つめながら言った。
「あなたも、一緒に来て」

「……ちょ、ちょっと待ってよ有希。あんただけでなくキョンまでいなくなったら、いよいよSOS団の活動が出来なくなるじゃない!」
 ハルヒが声をあげる。
 というか、俺達最近活動らしいことなんてしてないじゃないか。
「うるさいわね!これからの予定は山積みなのよ!」
 うお!耳元で怒鳴るなよ!ったく、鼓膜が破れたらどうすんだ。
 俺がハルヒに睨み付けられていると、今まで長門の陰に隠れていた少女がこちらにやってきて、ハルヒの袖を握った。
 ハルヒは少しギョっとしている。
「……な、何よ」
 少女は、怖いお姉さんに対して勇気を振り絞る小学生のように、というかそのまんまなのだが、目を潤ませながらこう言った。
「おねがい」

 結局、ハルヒは少女の瞳に耐え切れず、アヒルのような口をしながら、俺を長門に同行させることを了承した。おそるべし幼女。
「何やってたのかちゃんと明日報告しなさいよ!」というハルヒの負け惜しみのような声に見送られながら、部室を後にした俺たちは、下駄箱に向けて歩き出す。
「ところで長門、これから俺はどこに連れて行かれるんだ?」
 長門は少女に袖を引っ張られながら、短く「市立図書館」とだけ呟いた。
490優しいお話 3:2006/06/21(水) 19:28:56 ID:RFg4Lx5R

 図書館までの道のりで、何とか少女と会話を成立させることができるようになった俺は、ようやくここ最近長門が何をしていたのかを知る事が出来た。

 少女がつたない言葉で語ってくれた話によると、この少女の母親は何らかの病気で入院しており、その手術のために近々別の町の病院に転院しなければならないらしい。それに伴い、この少女と父親もその町に引っ越す事になったそうだ。
 しかし、少女はこの町を去るにあたり、一つだけ心残りがあった。
 それは、小さな少女が、もっと小さな頃に母親に読んでもらった物語の事だ。
 その物語を、少女はいたく気に入っていたが、母親が市立図書館から借りてきた本の中にあったらしく、すぐに返却されてしまったため、一度しか聞くことはできなかった。
 そこで少女は、引越しが決まった時から、その物語が載っている本を探すために、図書館に通いつづけているのだという。
 長門とはそこで知り合ったらしい。

「たかいところにあるほんを、とってくれたの」
 少女は、「ねー」と言って長門に笑いかけている。長門も少女に向かってはっきりと頷いた。
 とにかく、事情を聞いた長門は、それから黙って本を探すのを手伝っているらしい。
 少女が学校の部室に来れたのも、明日も一緒に探して欲しいと頼まれた長門が、丁寧な地図を書いてくれたおかげだそうだ。

「しかし、それなら最初から皆連れてくれば良かったんじゃないか?」
 ハルヒなんてどうせ今頃、どうやって明日俺を問いただそうかとか、そういった恐ろしい事を考えているに違いない。
 それならいっそ皆で探した方が、俺の精神的及び身体的健康のためになるってもんさ。
 しかし、長門は首を振った。
「大勢で行くのは、あまり推奨できない」
 俺は、あまり口数の多いとは言えない少女に目をやる。
 それもそうだな。
「あなたには妹がいるし、小さい子によく懐かれるという話を聞いた。だから、あなたを連れて来た」 
 たしかに、妹は勿論親戚にも年下が多いからな。慣れていると言えば慣れている。
 そういうわけで、俺と長門と小さな少女という、わけのわからないパーティーが結成されたわけだ。
 まあ、SOS団よりは大分まともだが。
 
 おなじみの市立図書館に着いた俺たちは、子供向けの童話が揃っているコーナーに足を向けた。
「ところで、その物語ってのは、なんていう題名なんだ?」
 少女は頭をふるふると横に振った。凄いかわいい。朝比奈さんとはベクトルの違うかわいさだ。
「わかんない」
「じゃあ、どんな話なんだ?」
 俺が聞くと、少女は、黙ってぼろぼろの紙切れを渡してきた。なんだこれ、俺に対するイジメか?
 よく見てみると、そこには何かクリスマスツリーのようなものが二本描かれているようだ。
「あおいかみの女の子と、あかいかみの女の子のはなし」
 ああ、これ女の子ね。そういえばスカートをはいているようにも見えなくもない。
 おそらく頭部にあたるであろう部分が赤い女の子と青い女の子が、融合している、じゃない、手を繋いでいる絵だ。
 途方もなく前衛的だった。
 少女はやり遂げた顔で俺を見ている。
「……それだけか?」
 少女は元気よく答えた。
「うん!」
 長門は黙ったまま、そんな俺たちを見つめていた。
491優しいお話 4:2006/06/21(水) 19:30:40 ID:RFg4Lx5R

 少女のおぼろげな記憶と、本の挿絵を思い出しながら描いたというその絵だけを頼りに、俺達はやたらと大きな図書館の中で、閉館時間まで本を探し続けたのだが、結局見つけることは出来なかった。
 外はもう暗くなり始めていたため、俺たちは少女を家まで送っていく事にした。
 少女は、来る時よりさらに口数が少なくなっている。きっ本が見つからなくてと残念に思っているのだろう。
 長門も、気のせいか少しばかり肩を落としているような気がする。   
 そんな二人を見ていると、俺まで元気が無くなってくるもんだから、困ったものである。
「なあ」
 だから、俺は二人に声をかけた。
 今月の俺の財政も、どっかの馬鹿のせいでお寒い事になっているが、何とか切り詰めれば大丈夫さ。
「アイスでも食べないか?」

 俺たちは、公園のベンチに座ってアイスを食べながら、色々な事を話した。
 といっても、長門は時折頷いたり「そう」とか言ったりするだけなんだがな。
 それでも少女は結構楽しんでくれているようで、俺がSOS団の活動で酷い目に遭ったり辛い目に遭ったりする話をしているうちに、よく笑ってくれるようになっていた。

「なあ、いつ引っ越しちまうんだ?」
 俺は、底に残ったアイスを啜っている少女に尋ねる。 
「こんしゅうの、どようび」
「そっか。じゃあ、あと4日もあるな」
 そんだけあれば楽勝さ、なあ、長門?
「楽勝」
 長門はいつものように、冷たいフローリングの様な声で同意した。
「うん」
 少女はアイスの容器をゴミ箱に捨てに行き、また戻ってくる。
 偉いじゃないか。俺の妹なんて容器まで食おうとしてたからな。
 俺がその様子を微笑ましく見ていると、長門はポケットからハンカチを取り出し、少女の口元をぬぐってやった。
「ありがとう」
 少女は笑う。
 長門はいつものように無表情だった。 

 その後、俺たち三人は手を繋いで帰った。
 どうして手を繋いだのかと言うと、いつの間にか少女が俺たちの間に立って手を伸ばしていたからだ。
 俺はほとんど中腰の状態で歩き続けたため、「また明日」と言って少女と別れる頃には、すっかり腰が痛くなっていた。

「なあ、長門」
 長門と二人になった時、痛む腰を叩きながら俺は尋ねた。
「お前の力で、図書館のデータを調べ上げるとか出来ないのか?」
 図書館なら、貸し出し記録とかが残っている筈だ。少女の母親の記録を見ることが出来れば、ある程度の見当はつきそうなもんだが。
 しかし、長門は首を縦には振らなかった。
「あの図書館は、去年システムが一新されている。それに伴い、古い貸し出し記録は消去されている」
 そういえばあの図書館、去年急に綺麗になったもんな。
 それでも、長門ならなんとかできそうなもんだが。こいつに分からない事があるとは思えない。
 ……いかんいかん。長門にばかり頼ってどうすんだ俺。もう少し楽をしろって言ったのは俺じゃないか。バカ野郎が。
 俺がマントル層よりも深く反省していると、長門は言った。
「あの子は、努力している」
 長門はいつもの無表情だ。
「私たちがすべきことは、一緒に努力することだと思われる」
 そうさ。俺たち年長者は、子供達に世間の厳しさを教えてやらねばならないんだからな。 
 
492優しいお話 5:2006/06/21(水) 19:32:38 ID:RFg4Lx5R

 翌日。
 俺はハルヒに、長門と共に今週のSOS団の活動を欠席する旨を伝えた。
 ハルヒは始め、俺のネクタイを締め上げていたが、あの少女のためだ、と俺が言うと、渋々頷いた。
 俺はあまり詳しい話をする気にはならなかったし、何故かハルヒもそれ以上追求してはこなかった。
 こいつもついに、空気を読めるようになったのかもしれん。
 

 そうして、その日も俺たち三人は図書館で本を探し続けたが、見つけることが出来なかった。
 次の日も、その次の日も。


「明日で最後か…」
 俺は中腰のままで空を見上げた。月が綺麗に出ている。良かった、明日も晴れそうだな。
 左手には、柔らかくて小さな手を握っている。
「うん」
「大丈夫さ。まかせとけ。必ず見つけてやる」
「うん」
「なあ、長門。楽勝だよな?」
「楽勝」
「うん」
 少女は元気が無い。今日はアイスも食いたくないらしい。
 財布がこれ以上軽くなる事態は避けられたが、俺はちっとも嬉しくなかった。
「なあ」
 俺は前を見たまま、話し続ける。
「その物語を見つけたら、どうするんだ?向こうに行ってから、買ってもらうのか?」
 繋いだ手が揺れている。どうやら顔を横に振っているらしい。
「おかあさんに」
 少女は言った。
「おかあさんに、きかせてあげる」
 

 俺は、少女と繋いでいた手を離した。
「悪い、俺今日は早く帰って来いって親に言われてるんだ。妹の誕生日でさ」
 少女は少し寂しそうに俺を見つめている。
「長門、その子をちゃんと送って行ってやってくれよ」
 まあ、こいつなら俺の数億倍は頼りになるからな。たとえ世界が滅びたって、お前を家に送り届けてくれるに違いない。
 ごしごしと少女の頭を撫でてやる。 
「また明日な」
「……うん。またあした」
 長門は、じっと俺を見つめていたが、やがて少女の手を引いて歩きはじめる。
 どんな顔をしていたのかは、暗くてよく見えなかったが。
 
「さて」
 角を曲がるまで二人を見送った俺は、回れ右をして、時計を確かめた。まだ閉館時間からそう経っていない。
 今日は大分涼しいしな。偶には長距離走なんてのも悪くないもんさ。
 そうして俺は、4日間三人で歩いてきた道を、一人で走り始めた。
493優しいお話 6:2006/06/21(水) 19:34:37 ID:RFg4Lx5R

 息を切らして鼻水をたらしながら頼み込む俺に、かなり引いていた図書館の職員は、警備員と一緒ならという条件付で時間外の利用を許してくれた。
 とは言え、もう子供向けの本は、どのコーナーでもあらかた調べ尽くしてしまっている。
 ひょっとして、普通の小説なのか?だとしたら、とてもじゃないが見つけることは不可能だ。
 いや、いくつか挿絵があって、ひらがなが多かったと言っていただろう。子供向けの本の筈なんだ。
「すいません!ここの他に、子供が読むような本がおいてあるところって、無いんですか?」
 何してんだコイツみたいな顔で俺を見ている警備員に、掴みかからんばかりの勢いで尋ねる。まるでハルヒだな。
「え?ああ、ええとね、ひどく汚れてしまったり、古くなったりした本は、洗浄したり修理に出したりするからね。特に子供が読む本は汚れやすいんだ」
 警備員は、「ついておいで」と言うと、受付の裏に入っていく。俺も慌ててその後に続いた。

 俺が通されたのは、まだ並べられていない新しい本や、修理から帰ってきた本、修理に出す予定の本が置いてある倉庫だった。
 警備員に礼を言った俺は、早速本を取り出し、斜め読みしていく。
 といっても、子供向けの本だけで意外と結構な数があるな。参ったぞ。いくらなんでも深夜まで居座り続けるわけにはいかない。
 しかし、急ぎすぎて見逃してしまったらおしまいだ。
 いや、ひょっとしたらもう既に見逃しているのかもしれん。
 ……くそ、考えている時間は無いぞ。
 読むしかない。もはや網膜に焼きついてしまった、二人の女の子の姿を思い浮かべながら、できるだけ早く、確実に。
 

 しばらく集中して本を読んでいると、何やら外からいつも聞いている騒がしい声が聞こえてくるような気がした。
 いかん。幻聴だ。俺はひらがなばかりを読みすぎて、おかしくなったのかもしれん。
 俺が目を覚まそうと自分の顔をはたくのと同時に、倉庫の扉がまるで砲撃でも受けたかのような勢いで開いた。

「こら、キョン!何一人でこそこそ楽しそうな事やってんのよ!私達も混ぜなさい!!」
 全然楽しくねえよ。
「こんな暗いところで本ばかり読んでいると、目が悪くなってしまいますよ」
 ウィンクすんなよ。キモいぞ。
「キョン君、私達もお手伝いしますね。みんなで頑張りましょう!」
 結婚してください。
「あなたの妹の誕生日は」
 その後ろから、いつもの無表情で長門が現れた。コイツが皆を呼んだのか。
「今日ではない」
 そりゃ知らなかった。 

 俺はため息をついた。
 まったく、またもやいつもどおりのバカ騒ぎじゃないか。  
 まあ、別に構いやしないさ。もう慣れたもんだからな。

 
 結局というか予想通りというか、ハルヒは図書館の職員も警備員も巻き込んで無理やり手伝わせ、その結果、時計の短い針が二回転する頃に目的の本は見つかった。

 修理したてで、新品のように綺麗なその本は、外国の童話が翻訳されて幾つも収録されている短編集であった。
 ちなみに、少女が探していた物語のタイトルは、「あおいかみのおんなのこ と あかいかみのおんなのこ」
 そのまんまだった。
494優しいお話 7:2006/06/21(水) 19:35:58 ID:RFg4Lx5R
 
 翌日の放課後、いつものように図書館に向かった俺たち三人は、昨日とっておいてもらった本を、カウンターで受け取った。
「……あ!これ!」
 それを見たとたん、少女は声をあげた。どうやら本の外装を見て思い出したらしい。
 目を輝かせている少女を見て、昨日一緒に手伝ってくれた職員の人は「よろしかったら、差し上げますよ」と言ってくれたが、少女はすぐに首を横に振った。
 
 結局、長門のカードでその本を借りた俺達は、いつもアイスを食べている公園のベンチに腰掛けていた。
「よんで」
 少女は長門に本をさしだす。
 長門は少し迷うような目をしたが、すぐに本を受け取り、口に出して読み始めた。
「青い髪の女の子と、赤い髪の女の子。いつかのどこか、月の綺麗な国のお話……」
 どこまでも平坦な声。感情の起伏なんてあったもんじゃない。
 だけど、この少し悲しいお話には、不思議とぴったり合っていた。

 ちなみに、物語の内容はこんな感じだ。
 青い髪の女の子と、赤い髪の女の子は、大の仲良しで、いつも一緒に遊んでいた。
 外では走り回ったり、虫を捕まえたり、家では食べ物を作ったり、本を読んだり、まるで姉妹のように、時には兄弟のように。
 しかし、赤い髪の女の子は、実はこの国の子ではないので、いつかは自分の国に帰らなければならないという。
 そしてついにその時はやってきて、いつも一緒にいた二人は離れ離れになってしまった。

「……そうして、青い髪の女の子は、一人ぼっちになってしまいました」
 少女を見ると、悲しそうな顔をしている。自分の母親の事を考えているのだろうか。
「青い髪の女の子は、お月様にお祈りします。どうかまた、あの子に会えますように。あの子と一緒に遊べますように」
 この町の友達の事を考えているのかもしれない。
「綺麗なお月様は」
 俺達の事も、考えてくれているのかもな。
「その子の願いを叶えてくれました」
 長門は続ける。母親のような声で。
「やがて月日がたち、二人が再会する頃、二人には、たくさんの家族と、たくさんの友達ができていました」
 俺と少女は、キョトンとした顔をしている。
「そうして二人と、その家族と、その友達は、いつまでも仲良く暮らしました」
 そこまで読むと、長門は本を閉じた。
「おしまい」

 しばらくぼーっとしていた少女はやがて、春の花が咲きはじめるように笑った。
「ゆき、ありがとう」
 長門は頷く。
「きょんも、ありがとう」
「別にいいさ」
 いつもの騒動に比べれば、随分楽しいもんだったよ。本当だぞ。
 少女は、ポケットからぼろぼろの紙切れを取り出すと、長門にそっと差し出した。
「あげる」
 長門は、少女を見つめながら、小さな指先を撫でるようにして両手でそれを受け取ると、胸元でそっと抱きしめるようにした。
「ありがとう」
 そう言う長門の顔は、いつもより少しだけ歪んで見えた。
495優しいお話 8(終):2006/06/21(水) 19:38:07 ID:RFg4Lx5R
 
 そのあと俺達は、いつものようにアイスを食べて、いつものように手を繋いで帰った。

「また、いつか」



 その後聞いた話によると、少女の母親は無事退院し、今では家族揃って元気で暮らしているらしい。
 実は俺は密かに、母親の病気が治ったのは、少女が頑張って物語を見つけたおかげだと思っている。
 巻き込まれた身としては、それぐらい思っても罰はあたらないだろう?

 まあその後も、俺達SOS団はいつもの調子であり、もちろん長門も、相変わらず部室の窓際で本を読んでいる。
 しかし最近、いや、俺の気のせいかもしれないのだが、長門が本を閉じる事が多くなってきた様な気がするのだ。
 俺は、閉じられた本のページには、いつも同じ栞が挟まっていることを知っていた。
 その中では、二人の女の子がいつまでも仲良く手を繋いでいることだろう。
 
 だからこの話は、これでおしまいだ。数少ない長門の私物が、一つ増えただけの話さ。


 だけどこれじゃあ今ひとつ締まらないので、折角だし、件の物語のおしまいを引用しようと思う。
 たしか俺が読んだとき、最後のページにはこう書かれていた。






 あおいかみのおんなのこは おつきさまにおいのりします
 

 どうかまた あのこにあえますように あのこといっしょに あそべますように


 きれいなおつきさまは そんなおんなのこを いつまでもやさしく てらしつづけていました




                        
                                        おしまい





496名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 19:50:25 ID:p6QwHgJ0
なんつーか、いい。
普通に短編として掲載されそうな感じ
497名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 20:13:35 ID:c6FVpBnA
おお、こりゃ良い
文もうまいし、内容もうまくまとまってて読みやすい
GJ
498名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 20:13:55 ID:2HulBNSd
>>487
ちょっといい話って感じかな。
こういうの好き、GJ!!
499名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 20:18:24 ID:TRkJWnNz
>>487
GJ。
いいな、こういうの。
しかしこれ、もしかしてまじぽか見て思いついた?
500名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:14:21 ID:v5s2kBVc
グッジョブですよ!
501名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:16:32 ID:axobSv8S
          ,r'゙  ,r' ,     ;   `ヽ、
        ,ノ,  ( ;'    ,ッリ    ミ゙`ヽ、
       ,:' 'i,   ゙〈    ,、ソ′   ハ   ヽ
       /,r' ,:  //       , 、         ゙!
        |ハ | i 'f゙,!r   ,:  , ノ,! ,'、 、:、     ,;i.!
       l,i  い 从l | r',ィ,ィン'゙八いミヾ`ミ、 ,:jli!'゙|
       ヽ,、 i`ミ_゙L_ヾレ'゙,,ニ-ー─-`T、  ''   ,!
        l `'iミ rTかヽ ´ '゙でZン  `tr'.ヾ、,; ノ
        `ーr゙!  "´ .i   `     リイj.ノ' |
         ヾ!   / _          'oノ゙  /
          ゙;   ヽ__      /i"i, ;<゙
 .          \  'ー-‐`    r' ;' .メ; tゝ
             i\ `´   ,/ _.L、-! リ
             "!;\_,.、-''ヂニ-:'''""ノレ'i,
             /!`!ハ 「´,.、 ,)レ,r'⌒リ、-L_
         _,,,...、:-‐(!,!,',ii:| ! ,フ_',.r'゙-''"´-<、..,,_`¨`''ー-、、,,_
    ,.、-‐'ニ=-‐''"´ `'-'iii L''ニ-‐'''"´      ``'''ー--:、..,,_
  rニ-‐''"´_,,..、:-‐ ヽ、  iii      _,、-''ニニ''ー--:、,,___
  ||| r‐'''"´,r',ニニヽヽ ヽ iii  _,.、-''"-''"´c=三``ー─---, )


童貞に処女を捧げて、孕まされました。
502名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:24:01 ID:HzQdAoy2
>>501
ぶ ち こ わ し だ

>>487
GJ。
> 俺が聞くと、少女は、黙ってぼろぼろの紙切れを渡してきた。なんだこれ、俺に対するイジメか?
何故かここですげー笑えたw
谷川っぽい文章でとても良い。
503名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:25:10 ID:Tn33Ao1I
>>487
いいねえ。話全体が、一冊の絵本のようだ。
504名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:28:22 ID:pqncxe2N
>>487
仕事しろ谷川先生
505名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:34:09 ID:HwHNcB9i
ワロス
506名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:47:44 ID:AGPeVeV/
私待ってる
9-27氏の続き投下されるの待ってる
507名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:53:08 ID:+0fN1SFK
妄言だけど、「泣ける」とかって感想のSS。
オレは「ごんぎつね」以外では泣けないので、よくわかりません。
508名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:57:58 ID:s8Bx+f8B
>>462
キョンの妹が駄々を捏ねる描写だけで幸せになったよ

>>483
みくる…いや何も言うまい

>>495
長門は何を思って最後を変えたのだろう
締め方が良かったよ
509名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 21:58:10 ID:Y8Z2hiWT
俺は長門でしか泣けないからよくわかりません
おちんぽはみくるでしか泣けませんが、よくわかりません
510名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 22:06:32 ID:1yoG5qq7
ハルヒとセックスしたい
511名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 22:11:11 ID:C3tVoMc2
>>487
仕事しろ谷川
512名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 22:16:56 ID:Is9PPXEJ
>>487
仕事しろ、谷川

ラストの意味が分からなかった俺は負け組。
513名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 22:17:31 ID:Me58HvYf
>>487
GJ!
>目の前で卓球台が盗まれた卓球部員のような顔
不覚にもワラタ
514名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 22:21:49 ID:X24ACoXj
>>512

本物
きれいなおつきさまは そんなおんなのこを いつまでもやさしく てらしつづけていました


長門が読んだver
綺麗なお月様は その子の願いを叶えてくれました やがて月日がたち、二人が再会する頃、二人には、
たくさんの家族と、たくさんの友達ができていました そうして二人と、その家族と、その友達は、いつまでも仲良く暮らしました
515ジョン・スミス:2006/06/21(水) 22:48:36 ID:WJw4cYwY
>>488-495
なんか心にグッときました。
こんな感覚はとても久しい
気がする。
ありがとう。

516名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 23:02:17 ID:WABLoUd9
>>495
いい雰囲気の作品でした
2人の少女が誰の暗示なのかいろいろ考えられて、月並みですがグっときました。
GJという言葉が(いい意味で)似合わないなと思いました
517名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 23:10:38 ID:5fEvTjJu
べ、別に心温まってなんて、いないんだからっ!
518名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 23:19:40 ID:vVkqMBAt
>>495
癒されますた
>>501
その文ならAAはヒルダじゃないとおかしい
519名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 23:21:58 ID:UCww2Zz+
>>487
ああ優しい……GJ!

>>478
そう、うまい人ほど擬音は使わないんだよ。
擬音はイメージが固定されるからね。
読み手の想像をうまく導くことが出来れば成功。
谷川氏の文はうまい下手という以前に、たくさんの本を読んだ人に共通する感じがある。
比喩表現とかね。それなりに文をたくさん読み込んでないとコピーできない。
簡単そうに見えて難しい……。(俺も書き手ですが)
520名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 23:29:42 ID:lOInBjzz
>>487
キレイだな・・・まさかエロパロ板でこんな作品を読むとは思わなかったw
つーか仕事しろ谷川。

>「キョン君、私達もお手伝いしますね。みんなで頑張りましょう!」
> 結婚してください。

バロスwwwwwwww
521名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 00:08:43 ID:RvSz/rpG
>>487
GJ…だけじゃ書く気も萎えるかもしれないので感想も。

童話?をネタにしてるだけあって、谷川さん風の言葉回しの端々に暖かい感じが見えて良い感じです。
長門−キョンのラインで終始するかと思いきや、最後はSOS団全員で解決に当たる
という構成も個人的には好き。
行間からもキョンのツンデレ具合が読み取れたし、悪いところは見つからなかった
また読ませて欲しいです。ありがとう!
522名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 00:24:20 ID:O9/Rxp4G
批評家の国
523名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 01:08:27 ID:hE3I5mqv
>>522
キノ?
524名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 01:29:03 ID:1dPbjoMi
「入院してる母親に何かを見せてあげたい幼女のために一人で頑張って、最後はみんなで解決する」って、昨日見た某アニメと同じだな。
しかし、やってることと展開は全く違うし、こっちの方が俺は好きだ。
525名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 01:51:21 ID:P3G7E2cb
例によって私生活に余裕が無いときに限って何か書きたくなるものでして、
長門有希の狼狽を投下します。やっといてナンだが続きが思いつかんw
526名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 01:51:57 ID:P3G7E2cb
 長門との夢だと信じたくなるような初体験の後、家に帰った俺は運転手が居眠りした船のように
流されるまま呆けていた。
 妹が「キョン君ヘンー」なんて言っても生返事しか返さなかったって所からも察してくれ。
回想していて気づいたが、しまったな。後でそこから変な風につながらないといいが。
 風呂に入って、水分を求めて冷蔵庫を開け、凍らせた水道水が入ったペットボトルを取り出す。
水が少ないな。入れるか。
 振ってやると、水はあっという間に冷える。それをラッパ飲みしているとき、はたと思い出した。
 そうだ。ハルヒに連絡しないと。
 何せ今回のハルヒは長門と俺の関係を気遣って、一対一で話せる場所を用意してくれたのだ。
いつもこういう気の遣い方をしてくれれば俺も素直に感謝できるんだが。いや、この際憎まれ口はなしだ。
今回ばかりは本当にハルヒ様様だった。今日中に礼を言っておくべきだろう。
 風呂上りの妹にぬれた頭でじゃれ付かれたので、今度はちゃんと対応しておいた。タオルで頭ごしごしの刑だ。
きゃいきゃい言って飛び跳ねるもんだからふきづらかった。
 自室で携帯を握り締めたとき、長門を思い出すと同時、何故かためらった。ハルヒと話すのは……避けたい。
だからって礼を言わないわけにはいかず、意味もない迷いを振り切ってハルヒに電話した。
 数コールで出た。
「おう、ハルヒか?」
 電話の向こうのハルヒは、しばらく間を間を取った。すぐに出ておいて、どうしたんだ?
『なに、キョン』
 抑揚を抑えた声。ハルヒらしくもないな。俺と長門の事を気にかけてくれてたのか?ありがたいね。
「今日の、長門との事さ。あれ、お前が場所用意してくれたんだってな。ホント恩に着るよ。助かった」
 普段ならこんな事を言うのは後が怖いんだが、場合が場合だ。向こう10回くらいおごらされても仕方ないと思う。
「長門とのことは、ま、不幸な行き違いってやつでさ。お互い勘違いしてただけだった」
『そう』
 ……なんだ、この反応は?
 ハルヒは、ものすごく大きい振り子が一往復するくらいの、俺にとっては長い沈黙の後、つぶやいた。
『ねえ、キョン。一週間前、有希はさ、』
 心臓がはねる。一瞬止まった気さえする。
 一週間前。俺と長門の、いわば始まりのときかもしれない。あの酔狂が元で俺は脳みその性欲と直結する部分の多くを
長門の姿で埋める事になったのだ。今日のほうがもっと凄かったが……
 ハルヒの沈黙はまだ続く。なんだよ。そこで切らないでくれ。気になって眠れやしないぞ。
 ついにじれた俺は、こちらから催促してしまった。
「どうした?」
527名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 01:52:45 ID:P3G7E2cb
『……ううん、なんでもない。忘れて』
 なんでもない訳無いだろ。特に前の部分を聞いてしまったからには、色々考えをめぐらせずには居られない。
「なんだよ、お前らしくないな。聞きたいことがあったら言っとけよ。今の俺はお前に対してかなり寛大になれるぞ」
 そのとき、かすかに息を飲む音がした気がする。
『そう? じゃ、この団長様に仲裁なんかさせた罰を受けてもらおうかしら?』
 ふう。やっともとの調子に戻ったか?
「罰か。なるべくお手柔らかに頼む」
『そうね……これから十日間ほど、キョンにあたしの下僕になってもらうわ』
 下僕と来たかね。
『そうよ。パシリに肩もみ、荷物持ち。炊事洗濯掃除もやらせるわよ!』
 ちょっと待て。最後三つはどこでやりゃあいいんだ?
『あたしんちよ。ちょうど都合のいいことに明日から十日ほど両親が留守にするのよ』
 どんだけ都合がいいんだよ。これもハルヒの能力のせいか。
『結婚記念日だからって十年来の貯金はたいて夫婦で旅行なんて、我が親ながら呆れるけど。
 ちょうどいい暇つぶしになるわね』
 おいおいおいおい。って事はハルヒの家に俺が行って飯作ったり洗濯したりするわけか!?
『だからそう言ってるじゃないの。あんたの親御さんにはあたしから何とか言っとくから、
 泊り込みで来なさいよね』
 泊まりだと? いくらなんでもそれは無理……いや、ハルヒにそれは通じないのか。
「い、いや、だがなハルヒ。俺よりお前の方が家事全般得意だろ?料理なんて特にそうだ」
『四の五の言わない。料理だろうが掃除だろうが、このあたしがきっちり仕込んであげるわよ。
 感謝なさい』
 正気かコイツは? 水を得た乾燥ワカメのように自信が増大しているようだ。これ以上はなすと
何が起こるかわからないな。
「わかった、わーったよ。明日から十日俺はお前の下僕だ」
『ハルヒ様、よ』
「……明日からだ」
 電話の向こうでにたにた笑っているのが解るような舌打ちをして、切れた。
 ハルヒと一つ屋根の下、か。どうなるやら……
 顔がゆるんでいるのは気のせいだろう。
 長門の悲しそうな顔がよぎったのも。
528名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 01:55:25 ID:P3G7E2cb
短いがここまで。次どうなるんでしょうね?
529名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 02:03:01 ID:Il6n57fH
修羅場フラグktkr
530nac:2006/06/22(木) 02:13:27 ID:dr2cjFZ4
>>528氏、頑張って下さい。GJ!なんで
〜 I want to be here 〜のラストです
色々省略してますので、あとは各自のご想像にお任せします
では投下。
531nac:2006/06/22(木) 02:14:12 ID:dr2cjFZ4
〜 I want to be here 〜 5話


「……俺が原因だって?」
まさか?馬鹿な、ただの高校生だぞ俺は。
「正確に言うと、涼宮ハルヒの力が全て貴方に移っている」
それじゃあ、今の俺は、ハルヒのへんてこな力を使えるって事か?
「そう」
閉鎖空間を生み出すことも?
「可能」
は、ははっ。笑うしかない、なんだこの状況は。
「均衡が破られた。貴方が涼宮ハルヒにとっての鍵ではなく、涼宮ハルヒが貴方にとっての鍵になった」
長門が冷静に続けて話してくる。
「涼宮ハルヒは無自覚に力を発動させていた。結果、彼女の願いは我々の努力のせいもあるが、
彼女自身には影響を及ぼさない不完全な能力だった。しかし貴方は違う。
貴方はこれまで、巻き込まれるという形でありながらも、非現実的、超常的、時空的な現象に多いに関与している」
不本意だがな、嫌じゃないんだぜ。これが俺の望みでもあったからな。
「このため、貴方がこの猫が喋るもの、かつ涼宮ハルヒにはその事実を知られてはならない事であると、
明確に意識しているために起こった現象。これは情報操作などでは不可能なレベル」
そうなのか?確かに毛色は違うが、いつもハルヒの力を見てるんだ。このくらいあるだろ。
「ない」
あれ、なぜか長門を怒らせたみたいだ。
「今の貴方は涼宮ハルヒはおろか、統合思念体をも超越した存在になっている」
お前の親玉以上かよ!
「そう、我々は涼宮ハルヒに「自律進化の可能性」を秘めていると認識し、観察を続けていた。今の貴方はその先
自律進化した生命体。貴方が望めば、どんなことでも実現可能」
しかし、いまいちピンと来ないな。話が飛躍しすぎだ。
「今の貴方は宇宙的に見ても、絶対無比の力の持ち主、あらゆる制約を受けずに能力を行使できる」
「つまり、貴方は文字通り「神」になったのですよ」
そう言われてもな。つまり俺はハルヒと違い、意識的に力が出せるらしい。
532nac:2006/06/22(木) 02:14:51 ID:dr2cjFZ4
「しかし、なぜなんだ?今になって、しかも俺が」
「恐らく、涼宮ハルヒから何かしらのエネルギーを注入されたと推測できる」
エネルギーねぇ、エネルギー……っておい!まさか。

じぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃぃぃぃぃっぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃいいぃぃぃぃぃぃぃぃっぃぃっぃ

あれか!?あれなのか?あんなことで、あいつの力を使えるようになったのか!?
「よほど真剣に思ったのでしょう、自分の力を貴方に差し上げても元気になって欲しいと」
はぁ、全くどうにかしてるぜ。分不相応だ。
「僕は賛成ですよ、貴方ならほとんど閉鎖空間を発生させないで貰えそうですし」
お前はいいだろうが……と待てよ。
「じゃあ、今までハルヒを監視していた人間は、これからどうなる?」
「貴方の好きに出来る、居て欲しくないと思えば、瞬時に消滅するだろう。私も……」
「そんなことはしないさ」
暗い表情になる長門に断言する。
「世界はいままで通りさ、何も変えない、変わらない」
「助かります、機関を消滅させられるのは、正直困りますので」
「長門も今のままでいいんだ、それともお前が望むなら、あの時の、改変された長門になりたいのなら、協力する」
「今の方がいい」
「そっか」
「そう」
じゃあ結局何も変わらないじゃないのか?
「涼宮さんは、どうなされるおつもりですか?」
俺はしばらく考えたが、

「正直に全部話そう。この世にはいろんな不思議があるんだってな」
533nac:2006/06/22(木) 02:15:34 ID:dr2cjFZ4

それから、なんやかんやで結構苦労した。
あの統合思念体にだって意識飛ばして説教したんだ、俺一人で。三日は掛かったよ。
まあそれは置いておこう、今じゃ平和な毎日が続いてるんだ。
「キョン!ちょっと聞いてるの?」
「ん?聞いてるさ、明日の不思議探検の話だろ」
「そうなんだけど、雨なのよ予報では」
「それじゃあ、仕方ないな」
「ねぇ?明日、晴れにしてくれない?」
「出来なくは無いが、お勧めしないな」
「なんで!?いいじゃない!この辺だけでいいから」
「お前なぁ、局地的な環境情報の変化は惑星の生態系に多大な影響を及ぼすんだぞ」
「影響って、どのくらい?」
「数百年から、一万年だ」
「うっ、スケールがでかいわね」
「そうだ、諦めろ」
「うぅぅ」
「まぁ、俺の部屋でのんびり過ごすのも、たまにはいいだろ?」
そういって歩き出す、いつもの放課後だ。

……
…………
ふと背中に暖かさを感じる。ハルヒが抱きついてきたようだ
「ねぇ、この前みたいに、……その、突然消えたり、しないでよね」
「あれは時間移動の必要性があったからだ」
「みくるちゃんがいるじゃない」
「ドジ踏まれるとまずいからな。あれは特別だった」
「ふぇぇぇん、キョンくん酷いです」
「朝比奈さんも自覚があるんだったら、しっかりしてくださいね」
「へっ?それって、もしかして、告白ですか?」
「ちょ、ちょっとみくるちゃん!キョンはね、あたしの彼氏なの!」
「違う」
「ふぇぇ、ごめんなさい」
「まったく、……ところで有希。今のはみくるちゃんに対しての発言よね」
「……」
「長門さん、ここは、一時撤退しましょうか?」
「珍しく意見が一致した、私達は先に行く」
「うひゃぁぁぁ、はぁやぁいぃでぇすぅぅぅぅぅぅ」
「ちょっとちょっと、待ちなさぁい!!」
「やれやれ」
「では僕も、お先に向かっておきます、お二人はゆっくりと」
「すまないな、古泉」
「……いえいえ、貴方からお礼なんて、これでも、精一杯からかったつもりですよ」
「それも解ってるさ」
そう言われて走り出す古泉。SOS団もいつも通りだ。
534nac:2006/06/22(木) 02:16:07 ID:dr2cjFZ4
二人でゆっくり歩きながら向かう、横のハルヒがこちらを見詰めていた。
震える目で、何かを訴えている。
「あたしね、ふと気付くと、あんたの存在が、この世から、消えてしまいそうで……怖い」
俺は、ハルヒを抱き寄せながら、はっきりと答えた。

「どこに行ったって俺は必ず帰ってくる。これまでも。これからも。」
「あたしは無力だけど、あんたとなら、どこにだって付いて行くから……」
「安心しろ」


「俺はここに居る。そして、ここに居たい……」


〜 I want to be here 〜    完
535nac:2006/06/22(木) 02:20:58 ID:dr2cjFZ4
構想的には「もしキョンがハルヒ的な立場なら」って所からはじめました。
彼なら、こうするかなと考えて書いたつもりです。
最後は強引です。自分でも思います。
また書き終わったら、投下していきます     nac
536名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 02:44:51 ID:L/arMpBo
>>528
きっと素敵な修羅場になってくれるでしょう。
>>535
なんだか危ういぜキョン。
537名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 02:45:34 ID:jMc+18aC
gj!

>「珍しく意見が一致した、
なんでだろうね?古泉が可哀想に思えてきた
538いつかの続きです:2006/06/22(木) 03:30:43 ID:Lf1hp+Io

 ベッドの上で寝転び、俺は天井を見上げていた。深い溜め息が何度も零れて、その度に目を閉じる。
 目を閉じれば、すぐに有希の顔が浮かんでくるのだった。そして、有希の体をいいように弄んだ自分が思い出されてまた目を閉じる。
 さっきからこんなことの繰り返しだった。

 気晴らしにとかけておいたアルバムも、すでに演奏を終了して沈黙している。静かだからこそ、頭の中に色んなものが浮かんできてそれを抑えることができないでいた。
 有希の体を性欲に任せて触りまくったというのに、有希は怒らずに、帰り際にキスまでしてくれた。
 なんてかわいいヤツなんだ。

 少しずつ俺にも心を開いてくれているのだろう。表情も増えたし、行動だって変わった。
 望みを言ってくれるようになったし、かなりいい方向に進んでいると思う。だが、それに対して俺はどうなんだろう。
 有希のために何かしてやれてるんだろうか。そもそも、有希のために俺が出来ることってのはなんだ。


 サーキットの中を走るバイクのように、ぐるぐると思考は高速で巡っている。そのうちクラッシュしないか心配だ。
「寝よう……」
 自分の行為をわざわざ独り言で宣言してから、俺は部屋の明かりを落とした。
 暗闇の中でも有希の顔が浮かんでは消えて、眠りに落ちるまでの間ずっと俺は重たい心を持て余していた。





 翌日、昨日とはうってかわって寒々しい風が町を撫でていた。学校へ続く坂を登り終えて教室で一息ついても、汗が出てこない。
 空は灰色に覆われていて、その灰色は地上まで降り注ぐようにして遠くの景色を霞ませていた。薄暗い外と、明るい教室の対比に現実感を根こそぎ奪われる。
 溜め息だけがこぼれた。

 授業もロクに聞かないまま、昼休みを知らせるチャイムでふと現実に立ち戻る。
「あんたねぇ、あたしの前で溜め息ばっかりつかないでよ。こっちまで気が滅入るじゃない」
「へいへい」
 適当に生返事を繰り出しながら、教科書を机に仕舞い込む。
「まったく、あたしだって忙しいんだからね。あんたに構ってる暇はないのよ」
 だったら構うなよ。そう言いかけて口を噤んだ。またロクでもないことを考えてるんだろうかコイツは。
 その後、いくつか俺に文句を言った後、ハルヒは教室を出て行った。

 俺は弁当箱を手に提げると、教室を出た。谷口の声が後ろから届いたが、無視する。
 有希は部室にいるんだろうか。
 
 喧騒を外れて、誰も訪れないような部室棟へ向かう。
 外は今にも雨が降り出しそうだ。灰色の重たさが空気を包んでいるような気がした。チクショウ、有希に会いに行こうってのに、なんだこの重たい感情は。


 早足で部室の前まで来ると、一度だけ深呼吸をしてからドアをノックする。返事はなかった。
 ドアノブを捻ってゆっくりと押し込むと、扉が開いた。鍵がかかっていないということは、誰かいるということか。
 教室と違って、部室棟の日当たりは悪い。今日が曇りだというのもあって、部室の中は薄暗かった。
 その中でいつものように本を読んでいる有希の姿が目に入った。
5399-27:2006/06/22(木) 03:31:24 ID:Lf1hp+Io
 有希は一度こちらに視線を向け、俺の瞳をじっと見据えた。
「よぉ」
 無意味なほど明るく挨拶してみるが、返事はなかった。まぁ有希がよぅとかいって話しかけてきても、それはそれでビックリだが。
 俺は部室に明かりを灯すと、いつも座っているパイプ椅子に腰掛けた。

 母さんが作ってくれた弁当の包みを解いて、もくもくと食べ始める。
 有希はいつものように本を読んでいた。重苦しかった外の灰色が、今はありがたかった。
 外から隔絶されたようで、この世界に俺と有希しかいないんじゃないかと思えてしまう。もちろん、現実にはこの学校に沢山の生徒たちがいるわけで、そんなことはないんだが。

 こういう静かな時間もいいものだと思いながら、俺は弁当を平らげた。
「なぁ有希、お茶淹れてくれないか? お前が淹れてくれたのを飲みたい」
「……わかった」
 有希は読んでいた本をぱたりと閉じて、横の丸テーブルに置いた。立ち上がり、冷蔵庫の中にある汲み置きの水を、いつも朝比奈さんが使っているポットを使ってお湯を沸かす。
 その間に有希がお茶の葉を急須の中に入れていた。朝比奈さんのように、わざわざ温度を測ったりとかそういったことはしないらしい。

 しばらく待っていると、有希が俺の前に湯飲みを差し出してきた。
「ありがとな」
 有希は自分の分の湯飲みを持って、俺の隣に腰掛けた。本を読むのはやめたのだろうか。
 ずずっとお茶を啜ってから、それとなく美味いと褒める。有希は無表情のまま、そう、とだけ言ったがまんざらでもなさそうだった。

 有希は時折お茶を飲みながら、ほっと息をついていた。

「なぁ有希……」
 俺は隣に座る有希の横顔を覗き込んだ。幼い顔立ちだというのに、凛とした意思の強さみたいなものがあるせいで、大人びて見える。

「昨日は済まなかった」
「……なにについて謝っているのかわからない」
「それはだな、風呂場で俺がお前の体を、その触りまくったりとかだな……」
 こうやって口にしていると、段々自分の間抜けさが浮き上がってくるようで心苦しい。
「いい。気にしていない」
「いやでも、俺が気にするんだって。俺ばっかり有希に、その、俺がしたいようにしてさ」
 有希がゆっくりと俺のほうを向き、じっと俺の顔を見つめた。
 いつものように無表情だったが、場合が場合だけにその無表情が俺を責めているように見えてしまう。

「それでだ、有希、お前は俺にしてほしいこととか無いのか? 俺に出来る範囲だったら、なんだってしてやる。なんか本が欲しいとか、美味いもの食いに行くとかそんなことだったら」
 言いながら、自分で苦笑してしまう。これじゃただのご機嫌とりじゃないか。純粋な好意から出た言葉なんだろうかと疑ってしまう。

「抱き締めてほしい」
「は?」
「わたしが望むのは、それだけだから」
「え?」
 
 なんだって?
「抱き締めてほしい、って言ったのか?」
「そう」
「それだけでいいのか?」
「いい」
 淀みの無い短い返事。

「ほんとにそんなことでいいのか?」
「あなたにしてほしいことを訊かれて、わたしはその通りに答えた。それがわたしの望みだから」
「あ、ああ……。わかった」
540そういやタイトル決めてないな:2006/06/22(木) 03:32:06 ID:Lf1hp+Io
 有希を立ち上がらせ、俺はぎこちなく抱きついた。
 小さな体が俺の胸に収まる。鼻腔をくすぐる髪の匂い。有希の体温が服ごしに伝わってきて熱い。
「な、なぁ本当にこんなことでいいのか?」
「いい」
 有希はじっと立ち尽くしているだけだった。本当に望んでいることが叶ったのなら、もう少し喜んでもいいと思うんだが。
 そう思っていると、有希が腕を俺の背中に回してきた。小さな力だった。
 子どもの背中を撫でるような優しい力で、俺の背中を抱いている。

 血がかっと頭に昇ってきた。落ち着け俺。
 このまま有希の体を押し倒したくなるが、そこは我慢だ。感動しながらも、俺は落ちつけ、と自分に言い聞かせた。
 エサを目の前にして待てと言われている犬のような気分だ。

 有希は俺の胸に頬を寄せたまま、じっと動かないでいた。
 背中を撫でるくらいならいいよな? 溝の切れたレコードのように、落ち着けと繰り返している自分に問う。
 そっと有希の背中を撫でる。そうしていると、今度はむらむらとしてくる。くそっ、俺はもっと冷静な人間だっただろう。

 借りてきた猫のように大人しく抱かれている有希。宇宙一かわいい俺の恋人。
 胸の中に熱いものが溢れる。
 我慢できず、強く抱き寄せた。

 このままキスでもしようと思った時だった。
 きぃっ、と部室の扉が開く音。扉を開けたのは、ハルヒだった。
541こんな時間にほそぼそと投下:2006/06/22(木) 03:33:09 ID:Lf1hp+Io
 ハルヒは俺たちを見て、一瞬だけぽかんとしていたが、すぐに無表情になった。
 つかつかと近寄ってくるハルヒを、俺は黙って見ていることしかできない。殴られた。
 こいつ、なんの躊躇も無く拳で俺の鼻面を殴りやった。思わず鼻を抑えて後ずさる。
 ったく、少しは手加減しやがれ。鼻血とか出てないだろうな。

「ってぇなおい。いきなり何すんだお前!」
 ハルヒは有希の体を、自分の後ろへ持ってくると俺の顔を睨みつけた。
 こいつは無表情が一番恐ろしいな。おそらく、こいつに睨まれる回数と時間において世界一の俺がそう思うんだから、多分そうなんだろう。

 ハルヒが何も言わないものだから、こっちも何を言ったらいいのかわからずにいた。
 言い訳すりゃいいんだろうが、訊いてこないのだからどうしようもない。
 まぁ何言ったところで、こいつの怒りが収まるのかどうかはわからないが。


「何やってたのあんた?」
 別にドスが利いてるわけでもない平調子で、ハルヒがそう言った。
 さて、どう言えばいいんだろうね。

「何って言われても説明に困るんだが」
 じんじんと痛む鼻を抑える。よかった、鼻血は出ていない。

「どういうことなのか、説明しなさいよ。返答次第じゃ、許さないんだから」
「どうと言われてもなぁ……」
 怒っているらしいハルヒとは対象的に、俺はいまいち感情が沸いて来なかった。

 俺と有希が付き合っていることがバレたら、何か言ってくるだろうとは思っていたし。
 もう少しの間は隠しとおせるだろうと思っていたのだがいやはや。

「有希に何しようとしてたの? 無理矢理抱き付いて、襲おうとしてたんでしょ」
「んなわけないだろ」
 言っておいて、俺は襲ったも同然なことをしたことがあったのを思い出した。

「じゃあなんなのよっ!! 説明しなさい!」
 ハルヒが机を強く叩いた。少しずつヒートアップしているようだ。
542ほそぼとといっても、長い:2006/06/22(木) 03:33:51 ID:Lf1hp+Io
 何を説明すりゃいいんだ。俺たちが付き合ってることか?
 ハルヒは俺への敵意を剥き出しにしている。槍のような視線が俺を貫いていた。
 しかし何処から説明すればこいつは納得するんだろう。

 そもそもの始まりは、部室で俺が有希にパンツが見たいだなんて言ったことだっけか。
 あれ? そういや俺はなんであんな時間に部室に行ったんだっけか?

「何よ、何も言えないの? そりゃそうよね、あんたは言えないようなことしてたんでしょ!!」
 最後は声が引っくり返る寸前だった。キンと高い声が部室の中で硬い残響を残す。
 びぃんと響いた後は、耳に突き刺さるような静けさだけが残った。

 さて、どうしたもんかね。
 今更言い訳を重ねたところで、ハルヒが納得するかどうかはわからない。

 そんな中、有希がハルヒの後ろから抜け出て、こっちに歩いてくる。
 有希はまるで何事も無かったかのように、いつもの窓際に移動すると椅子に座り、読みかけていた本を開いた。
 あまりに清々しい行為に、俺もハルヒも絶句してしまう。俺なんか思わず笑ってしまいそうだ。


「ちょ、ちょっと有希?! あんた、あんなことされといて怒ったりしないの?」
 俺の脇をどかどかと足音を立てながら歩いていき、今度は怒りの矛先を有希に向けている。

「わたしが転んだところを、彼が支えてくれただけ」
「ッ! そ、そんなわけないでしょ。あたし、有希が転んだところなんて一回も見たことないし、こんな部室で転ぶわけないじゃない」
 俺もそう思う。有希の説明はあまりにもお粗末だ。そもそも、有希が転ぶような地形というのが思いつかない。こいつなら、鵯越でさえも一気に駆け下れるだろう。

「なんでこいつを庇うの有希ッ?! あんた、なんか脅されてるの?」
 有希は目の前で喚いているハルヒも気にせず、黙って本を読んでいる。
 それがハルヒの癪に障ったのかどうかは知らないが、ハルヒが有希の持っている本を取り上げて、テーブルの上に置いた。
 視線を注ぐ対象が無くなった有希が、ようやくハルヒに視線を向ける。

「もしなんか脅されてるんだったら、あたしが力になるし、あいつが何かしようとしたら、あたしが守ってあげるから!」
 有希の両肩に手を置いて、ハルヒはそう言った。力強いセリフに、俺が感動を覚えてしまう。
 こいつも、有希のことをちゃんと考えてくれているんだろう。
 だが、何の感動もなかったらしい有希は、
「その必要はない」
 と、実に素っ気なかった。ハルヒがわずかにたじろぐ。
「彼はわたしが転んだところを支えてくれただけ。ただ、それだけ」
 有希がハルヒの瞳を見つめながらそれだけを言った。
543終わらせることができるのやら:2006/06/22(木) 03:34:45 ID:Lf1hp+Io
 ハルヒは何か言葉を探しているようだったが、結局何も出てこなかったらしい。
 有希の肩に置いていた手を離すと、俺のほうへ向き直った。これ以上有希に何か言っても無駄だと思ったのだろう。

「本当なの?」
 俺が何言っても信用しないだろうと思われる表情で、ハルヒが問いかける。
「ああそうだ。ただまぁ、長門がじっとしてたから、ちょっと抱き締めるような格好になってたけどな」
 我ながら苦しい言い訳だ。案の定、ハルヒは疑わしげに俺を睨んでいた。
 
「大体だな、俺が長門に抱きつこうとしても、長門はお前並の運動神経持ってるんだからひょいと逃げられるに決まってるだろ」
「それは……、そうかもしれないけど」
 どうやらこれには説得力もあったらしい。ハルヒが視線を落として、顎に手を添えている。
「抱きつけたとしても、すぐ投げ飛ばされるのがオチだ。お前だって俺を投げ飛ばしただろうが」
「はぁ? なんのことよ」 
「いや、なんでもない。例えばの話だ」
 しまった。閉鎖空間で俺がやったことは夢だということになってるんだった。

「ま、まぁあれだ。長門が抱きついてきたような形になったから、俺もちょっとドキドキして離れられなかったってのはあるけどな」
「なによそれ。本気で言ってるの?」
「そりゃ仕方ないだろ。大体、お前は何もかも勘違いして先走りすぎなんだよ。ちょっとは落ち着いてから行動に移せよ」
「うるさいわね! なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないのよ」
 ハルヒが口角に泡を飛ばしながら俺のネクタイを掴んだ。結構本気で怒っているらしい。
 まるで俺がハルヒと遇ってしまった頃のようだ。不機嫌の塊で、迂闊に触れようものなら敵意の針で刺されてしまいそうな。

「……悪かったよ。俺も言いすぎた。ちょっと嫌なことが色々あってな。すまない」
 両手を挙げて肩をすくめる。
「ところで、なんであんたこんなとこでお弁当食べてたのよ。いつもは谷口たちと食べてるんじゃないの?」
「ここのところ、谷口と喧嘩してるんだ。それでちょっと落ち着いて食える場所を探してここに来た。お前も見ただろ、谷口の不機嫌そうな顔」
「そんなのいちいち見るわけないでしょ」
 だと思った。興味が無いものはすべて盲点でしか捉えられないヤツだからな。
 
「まぁ、原因は大したことじゃないからな。そのうちどうでもよくなって、元通りだ」
「ふぅん。まぁどうでもいいわそんなの。とりあえず、あんた有希に何か変なことしようとしたら、あたしが許さないからね」
「ああ、わかった」

 ハルヒは俺のネクタイを離すと、一度髪をかきあげて奥の団長席へついた。PCの電源を投入している。
 どうやらこいつで何かするために部室を訪れたらしい。
 怒り心頭という様子だったハルヒだったが、突然溜め息をついたかと思うと、何度か暗い表情で有希のほうをちらりと伺っていた。
 
「しかし、有希が転ぶとはねぇ。一体何に躓いたのかしら」
「知るかよそんなもん。朝比奈さんなら何もないところで転んでも不思議じゃないんだけどな。俺の胸に飛び込んできてくれるんなら、いつでも転んでほしいもんだ」
 軽い調子でそう言うと、突然ハルヒが何か投げてきた。すんでのところで飛んできた物体を避ける。

「お、おいっ、なにすんだよ」
「うっさい、邪魔だから出てけ」
 これ以上何か言うと、余計怒り出しそうだ。俺はあからさまに大きな溜め息をついてから部室を後にした。

544終わらせることができるのかな:2006/06/22(木) 03:35:51 ID:Lf1hp+Io

 午後の授業になってからも、ハルヒの不機嫌オーラが背中をチリチリ焦がしていた。
 話しかけてくることはなかったし、話しかけるつもりもなさそうだった。まったく、溜め息ばかりがこぼれていく。
 よく考えれば、せっかく有希と二人きりでいたところを邪魔された挙句、わけのわからんキレ方までされてしまった。
 俺にはなんの非もないはずだ。

 ハルヒの不機嫌は、クラスの人間にも感じ取れたようで、休み時間になるとあちこちでハルヒに視線を注ぐクラスメイトの姿が見られた。
 ついでに俺にも注目が集まっていたのはどういうわけだ。俺が何かしたと思われてるんじゃないだろうな。

 放課後になると、俺はいつものように部室へ向かった。ノックの精神は忘れない。
 中から朝比奈さんのかわいらしい声がしてから、ドアを開ける。有希はいつもと同じ席で、同じように本を読んでいる。
 その姿を見ると、なんとなくほっとしてしまう。有希には、空間が落ち着ける力でもあるのかね。

 いつもの席について、昼休みに持って帰るのを忘れていた弁当箱を鞄に仕舞う。まだ古泉とハルヒは来ていないようだ。
 暇潰しの相手もいない俺は、何をするでもなく座ってぼうっっとしていた。
 朝比奈さんがいつものようにお茶を俺の前に差し出してくれる。礼を言って受け取ろうとした時だった。
 ふっと俺の耳元に朝比奈さんが唇を寄せているのだ。柔らかい髪と空気に戸惑って、つい距離を置こうとしてしまう。
「キョンくんって、いつも長門さんのほうを見てますよね」

 体を反らしたまま、朝比奈さんの顔を見ると、良い事が何回も訪れたかのように笑っていた。
「そ、そうですか? 別にそんなこともないと思いますけど」
「じゃあ、あたしの勘違いですね。すみません」
 にこにこ笑っているけれど、その笑い方がいつもとは異なっているように見えた。
 何が違うのかは俺にはわからなかったが、わからないからこそ違和感を覚える。気のせいだろう。
 朝比奈さんの言葉で俺が驚いたせいか。


 部室の扉が開き、ハルヒが現れる。古泉ではないことに、わずかに落胆した。そんな自分に驚く。
 ハルヒは、敗残兵を連れて帰還した大将が静かに憤っているような表情でゆっくりとパソコンの前に座った。
 朝比奈さんがお茶を出しても、なんの返事もなく、手もつけやしない。

 古泉はまだ来ないのか。
 ちょっと前まで落ち着く場所だった部室が、今だけは異様な空間のように思えてしまう。
 ハルヒがマウスをクリックする音は、無意味なほどに大きく、それを無視して本を読んでいる有希、編み物をしている朝比奈さん。
 俺は何もすることがない。この居心地の悪さはなんだ。

 古泉の登場を待ちわびている自分に驚きながら、俺は手に持った湯飲みが冷えていくのを感じていた。
 
 結局、古泉は現れることはなかった。
 有希が本を閉じると、すべては終わったとばかりにハルヒが部室から出て行く。
 着替えをしなければいけない朝比奈さんを残し、俺もさっさと帰ることにする。有希と一緒に帰りたかったが、また誰かに見つかってロクでもない目に遭うのはお断りだ。
 後で有希の部屋に行こう。
5459-27:2006/06/22(木) 03:37:18 ID:Lf1hp+Io
 有希の部屋を訪れると、有希はまた黙って俺にあがるよう促した。
 気のせいか、有希が怒っているような気がする。いや、気のせいじゃないかもしれない。
 いつものようにコタツ机の前に座り、対面に有希が腰掛ける。有希は無言で、非難するように俺の目を見ていた。
 お茶も出してくれないらしい。有希は、悪ガキが悪行を告白するのを待っている女教師のように沈黙していた。

「な、なぁ。何か言いたいことあるんだろ? じゃんじゃん言ってくれ」
「……」
 俺が何かしただろうか。
 昼休みの部室では、抱き締めてほしいだなんてかわいいことを言ったというのに。

「……上手く構成できない。複雑な要因が重なって、順序立てるのが困難」
「お前にも苦手なことがあるんだな」
「けれど、ひとつだけ確かなことがある。それは、わたしがあなたに対して怒りを覚えていること」
 その理由を話してくれないと、どうしようもないんだが。
「そして、怒りを感じているということ自体が……、差し出がましいことだと思う。あなたに非はないのだから」

 有希が何を言いたいのかはよくわからなかった。ただ、有希は差し出がましいという単語を出すのを少しだけ躊躇った。
 ある意味、これは人間関係の中でしか使われない言葉で、相手や自分の立場というものを認識していなければこんな単語は出てこない。
 それは、つまり俺の感情を損ねたくないという有希の意思によって生まれた言葉だ。ちょっと前までの有希だったら、こんなことは言わないんじゃないだろうか。


「俺は怒らない。有希が怒るんなら、それだけの理由があるんだろ。気づけない俺がバカなだけだから」
 有希は再び沈黙した。時計の針が苛立たしげに音を立てている。

「……わたしのことを有希と呼ばなかったこと、あなたが朝比奈みくるを抱き締めたいと言ったこと。それらが大きな要因」
「そ、それはだな、ハルヒに俺たちが付き合ってるってことバレたくなかったのと、後は誤魔化すために言っただけで」
「理解している。理解はしている」
 有希はそう言って俯いた。
 つまり、有希は俺が誤魔化すために言ったことを、それが嘘だと知っているのに気になって仕方が無い、と。
 網膜が真っ赤に焼け上がりそうだ。有希は、感情を持て余しているだけだ。


「有希、部室での続きだ。今度は俺の望みになるけど、聞いてくれ。お前を抱き締めたい」
 膝立ちで、対面に据わる有希の元へ近づく。有希が、眠気に負けそうな人のようにゆっくりと頷いた。

546とりあえずここまで:2006/06/22(木) 03:38:52 ID:Lf1hp+Io
 有希のことを思うと胸が痛くて仕方なかった。互いの心臓がくっつくくらい強く有希の体を抱いた。
 柔らかく潰れる有希の胸と、苦しげに吐き出された息が、気持ちを高ぶらせる。ああ、なんて可愛いんだ。
 人の温かさは、代替できるものなんて無いんだろうな。風呂に入って気持ちいいのだって、あれに代わるものはないし。

「有希、俺が愛してるのは有希だけだ。それだけは間違いない」
 俺は有希の耳もとを唇でくすぐりながら、有希の背中を撫でた。有希はくすぐったそうに一度だけ身をよじらせて、俺の脇腹に手を置いている。
「まぁ、いずれハルヒにも全部説明しなきゃな。あいつが怒ったら、俺がまず被害に遭うし。そこらへん、上手いことやってしまえば、俺と有希はいつでもどこでも仲良しだ。
 一緒に弁当食べたっていいし、帰り道に手を繋いだりしたっていい。ひとつの肉まんを二人で分けたり、有希が本読んでる隣で俺が寝てたっていい」

 段々と、幸せな気持ちが胸から広がっていった。朝まであった、あの暗鬱な気持ちは何処へやら。
 有希を好きになってよかった。始まりはロマンチックとは程遠かったが、まぁこれからはそうじゃないさ。
 二人でいろんなことをして、同じ時間を分けあおう。

 名残惜しかったが、有希の体を離した。正面から有希の瞳を、鼻先が触れ合いそうな距離から見つめる。
「明日は学校も休みだし、一緒に図書館に行かないか? ハルヒがいきなり何か言ってこなきゃ、大丈夫だろ。あいつが集まり開いても、クジをなんとかすれば二人きりだ」
 有希が目を閉じて、唇を重ねてきた。答えはイエスでいいんだよな? そう問いかけるように唇で有希の舌を優しく噛んだ。


 十分くらいは、キスしてたんじゃないかと思う。なんで飽きないんだろうと、不思議で仕方ない。
「有希、名残惜しいけど、そろそろ帰るよ」
 最近帰りが遅いことに、母さんが文句をつけてきてるからな。まさか好きな女の子のところに入り浸って、エッチなことばかりしてるだなんて言えるわけもない。
 俺の言葉を聞いた有希は、悲しげにそう、とだけ言った。多分、悲しそうに見えたのは間違いなんかじゃなかったと思う。

 最後とばかりにまたキスをする。軽く触れ合わせるだけのつもりだったが、有希が俺の首に手を回して離そうとしない。
 つられるように、俺は舌の上に乗っていた唾液を有希の唇に塗りたくった。
 このままじゃ、また襲いかかってしまいそうだ。それだけは避けたい。有希を俺の性欲の捌け口みたいに抱くのは嫌だ。
 でももし、有希が喜んでくれるのなら? いや、毎日のように体を重ねるというのもやりすぎじゃないか。

 葛藤している間にも、有希は俺の舌をしゃぶっていた。その幼い行為が、理性を破壊しようとしている。
「有希、もうそろそろ……」
 唇を離してそう言ってはみるが、すぐに有希の唇で言葉が堰きとめられる。
 一日でいい。明日、有希がOKしてくれるなら、その時は裸で抱き合えばいい。有希の優しさに甘えて、ずるずると体を重ね続けることに対して、俺は強い警戒感を持っていた。
 健全な高校生だというのに、一体なんでこんなことを考えてるんだろうな。

 いずれ俺は、有希の優しさに甘え続けて、有希を困らせて、まるでハルヒのように、思い通りにならないとすぐ憤るようになって……。
 有希以外のものはどうでもよくなって、人を傷つけても気づかない、考えもしなくなる。
 そんな未来が俺の頭をよぎった。



 有希の体を、お姫様だっこで持ち上げる。驚いた有希の顔を見ながら、俺は玄関へ向かった。
「なぁ有希、明日はデートだ。待ち合わせはそこの公園でいいだろ。昼の11時に会おう。メシ食いに行って、午後から図書館でも本屋でも好きなところへ行こう。
 夕方になったら、この部屋で一緒に夕飯を食べるんだ。それが終わったら、今日みたいにずっとキスしようぜ。朝までだって付き合ってやる」
 そう言うと、抱きかかえられた有希が強く頷いた。思わず笑みがこぼれてしまう。
 靴を履きながら、有希の体をそっとおろした。

「じゃあな」
「待って」
 ほんの軽く、有希がキスをしてきた。昨日と同じ、別れの挨拶。
「……また、明日」
「ああ、明日だ」
547名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 04:00:09 ID:6WMxxlNy
展開にデジャヴを感じるのは何故だろう。
なんというか、BAD ENDの香りがぷんぷんする。
548名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 06:07:33 ID:L7ZJknl4
そんな雰囲気も実によい
549名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 07:05:14 ID:O9/Rxp4G
乙 楽しめました。続き物はタイトル決めた方がいいよ。
保管庫の人が保管しやすいからね。
550涼宮ハルヒの欝:2006/06/22(木) 07:39:58 ID:Ezg/Ac5V
ある日突然のことだった。

私は学校へ行き、いつもの様にキョンに向かって叫んだ。
「おはよう!相変わらず朝から辛気臭い顔してるわね!」
キョンが私を見て嫌そうな顔をするのはいつものことだ。でも
「うっさいな。何親しげに話しかけてんだ?お前」

その日は、明らかにいつもと違っていた。


キョンは私に一切話しかけなくなった。
みくるちゃんは私を見ると露骨に嫌悪感を示すようになった。
有希は前と変わらない。でも、決して私と眼を合わせようとはしない。
古泉くんは私を存在しないかのように扱う。
何かが変わってしまった。
「ねえ、今日は宇宙人を探しに行くわよ!裏山に隕石が落ちたらしいのよ!」
「……」
「……」
「……」
「……」
「その…だから放課後皆で駅前に集合よ!分かった!?」
「……」
「あの、駅前に新しいカフェが出来たらしいんです。今から皆で行きませんか?」
「おー!さすが朝比奈さん!放課後行こうぜ!」
「そうですね。それじゃあ行きましょうか。あ、その前に大事なことを言うのを
 忘れてました。涼宮さん。」
「え?」
「ついてこないで下さいね。非常に迷惑なので」
そう言い残して四人は私の横を通り抜け、賑やかに出て行った。
私は一人団長の椅子に座り腕章を手の中で弄ぶ。
551涼宮ハルヒの欝:2006/06/22(木) 08:10:03 ID:Ezg/Ac5V
休み時間、教室にいると突然国木田が皆で自己紹介をしようと言い出した。
「それじゃあ一番、涼宮から!前と同じようにやれよ!同じようにな」
「嫌よ…なんで私が」
「何だよ、空気読めねえ奴だな。冷めるっつの。なあキョン?」
「まったくだ。少しは周りのことも考えろよ」
キョン…
「いいわ、やればいいのね」
私は不機嫌そうに壇上に立つ。そして声を上げて言った。
「ただの人間には興味ありません。宇宙人、未来人、超能力がいたら…
「また言ってるよあいつ」
「きっと頭おかしいんだよ」
「ねえ、ちょっとうるさいから止めてよ!」
罵声が飛び交い一瞬言葉に詰まる。しかし回りはそれを許さない。
「なんだよ途中で止めんのかよ。興ざめだな」
「質問です!宇宙人がいたらどうするんですか?もう一度説明してくださーい」
私はいたたまれなくなって席に戻った。しかし戻ったとたんにキョンが言った。
「何で途中でやめんだよ。さっさと戻って続きやれよ」
「……嫌よ」
「何こいつ?冷める奴だな……いいからやれっての」
キョンは私を無理やり立たせ、教壇へ突き飛ばした。
「ねえ、邪魔ですよ」
気が付くとみくるちゃんが目の前にいた。みくるちゃんは私を押しのけキョンの
所へ向かっていった。
みくるちゃんは私の席に座り、キョンと楽しそうにお喋りをしていた。
私は席に戻ることも許されず、ただ教室の真ん中で立ち尽くしていた。
552涼宮ハルヒの欝:2006/06/22(木) 08:12:54 ID:Ezg/Ac5V
某所で見たハルヒいじめスレをSSにしてみました。
かなりの欝展開なんで嫌がる人がいたら止めます。
553名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 08:16:07 ID:L7ZJknl4
これはこれで見てみたい気もする
554名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 08:18:45 ID:M1vxL7RY
同意。見てみたいな。NG設定を冒頭に書いて続きキボン
これなら大丈夫だ
555名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 08:25:46 ID:MBgcD3zY
9-27氏、GJ!
長門かわいいよ長門
次回あたり覚悟完了!なキョンを見てみたいもんです
556名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 08:30:13 ID:1UuDWRUM
>>552
読みたい人もいるのでNGワード指定してみては?
あんまり救われないとちょっとキツいですけど(´・ω・`)
557名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 08:49:27 ID:XehKKNkf
題名を「涼宮ハルヒのいじめ」にしますので
読みたくない人はNG指定お願いします。
読みたいって言ってくれる人がいるのは本当に嬉しいです。
558名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 09:14:25 ID:lo6L0d+W
他所でやれや
しばくぞクソボケ
調子のってんな
559名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 09:15:48 ID:zN1/eQev
>いじめSS
あずまんがスレの可哀想なともちゃん思い出した
560涼宮ハルヒのいじめ:2006/06/22(木) 09:32:20 ID:XehKKNkf
○月○日

今日も部室には誰も来ない。
私は今日も一人団長の椅子に座り空を眺めている。
つまらない

○月○日

部室に古泉くんとキョンが来た。置いてあったゲームを取ると
二人で話しながら出て行った。
「まだいるよ。馬鹿じゃねえの?」
「きっと他に居場所がないんですよ」
「友達とかいないのか?」
「あれで出来ると思います?」
「ああ、納得」
そんな話し声が聞こえた。

○月○日

キョンが谷口と持ってきたエロ本を読んでいる。
「あー、俺もヤってみてぇな…」
「でもそんな相手いねえだろ。まずは彼女作れよ」
「でもさ、そうそう可愛い子なんて……」
突然会話が止まった。つい見ると二人ともこちらを見ている。
いや、正確には私の胸を見ている。
嫌な感じだ。

○月○日

キョンが部室に来た。
嬉しかったが後ろに谷口達がいる事に気が付いた。
「でもこんなゴミ女じゃ勃たねえぞ」
「朝比奈さん想像して犯ればいいじゃん」
彼らが近寄って来た時、私はもう諦めていた。抵抗する気すら失せていた。
561名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 09:43:29 ID:QDfGkC08
>>487
上手ですな。
谷川が書いた、と言われても信じてしまいそう。

ただ、少女のルックスに関する描写がないので、
少し感情移入しにくいですね。
(谷川は大事なキャラは細かく描写する)
あえて描写してないのかな?

なんにせよ次回作にも期待しております。

----

そうそう、下のスレ、少しずつSSが増えているみたいですね。
関心がある方はご覧下さい。>>各位

シャナとハルヒの世界を同一にしてみた
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1145444360/
562名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 10:01:02 ID:tiPXRbAz
ID:XehKKNkf 投稿一回分だけ?
563名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 10:12:45 ID:C8r0B7tO
>>550-512
うせろカス
564コンピ研部長:2006/06/22(木) 10:13:40 ID:BYtAZVgB
○月○日

今日もホーウページを更新していない。
使ってないならパソコン返せよ!!
頼むからさぁ。しかもあのヘボいホームページなら
最新版もってかなくてもいいじゃん。
しかし何か、この得体の知れないロゴ見てたら目がぐるんぐるんしてくるよ。

○月○日

部室に古泉くんとキョンが来た。パソコンのデータが一部飛んだらしい。
お前ら、パソコン使えないなら返せよ!!
とりあえず直しにいく。メイド服を着た俺が胸を触ってしまった女性が
少し嫌そうな顔してお茶を出してくれた。
俺が悪いわけじゃないんだぜ、そんな目で見ないでくれ。

○月○日
今日はミーティングでSOS団のパソコンをどう取り戻すか議論していた。
今作っているゲームで勝負するというの出た。
これだ。当然、作っている俺たちはゲームマスターだし、ルールにも
精通しているし、いざとなれば抜け穴だって。

しかしみんな抜け穴の話しかしかない。
少し、コンピ研が嫌になった。

○月○日

宣戦布告をしにいったらケリを入れられた。
おい、団長!アニメだから問題ないけど、実際にあんなケリはいったら、
死ぬぞ。しかも首の骨いっちまうんじゃないか?俺たちは日光にあたって
ないから骨弱そうだもんな。
何で盗品のパソコンを取り返しに行こうとしてこんな目にあうんだ。糞。
とりあえず勝負を通告してきた。
団長のやつ、何が正義の味方がどうのこうのだ。

じゃあパソコン返せよ!!
565コンピ研部長:2006/06/22(木) 10:18:52 ID:BYtAZVgB
○月○日

あいつら、まじめに練習しているようだ。
まぁ、どうせこっちは最初からズルする気まんまんだけどな。


○月○日
さて、勝負の日だ、ついにパソコンを取り返すぞ。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
試合終了
ーーーーーーーーーーーーーーー

負けた。しかも誓約書まで書かされた。
しかし長門さんだっけ。すごいプログラマーだ。
あんなのがSOS団にいたなんてな。
うらやましい。というか不適材不適所だ。
あのキョンとか呼ばれてるやつの斡旋でどうやら時々遊びに来てくれる
話になった。

なんか改めてみると可愛いな。前に見たときは目眼していたけど、どうした
んだろう。あっ、なんかドキドキしてきた。


ポッ


566名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 10:19:15 ID:lo6L0d+W
↑クソつまんねーSS投稿すんなボケ
567名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 10:21:09 ID:BYtAZVgB
これSSなのか?
自分で書いててSSだと思わなかったんだよ。

でもSSだなんて言ってもらえると嬉しいよ^^
568名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 10:22:34 ID:QDfGkC08
>>564-565
ナイスですな。

コンピ研ってSOS団設立時から
お隣さんの付き合いなんだよね。
「憤慨」まで行くと結構仲良く一緒に活動しているし。

アニメ(谷川脚本)の「サムデイ イン ザ レイン」見てると
隣に部室の音が聞こえやすそうだから、
ハルヒやみくるやキョンの大声が響いて、
結構SOS団の事情に詳しくなって仲良くなってるのかも。コンピ研。
569名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 10:31:42 ID:1RmGP7HI
NG指定推奨 : ID:lo6L0d+W
570名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 10:35:24 ID:8+GYZd3w
>>564-565
面白いわ。
この視点が新鮮だw
571名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 11:06:39 ID:QfJMOpa1
GJ
572名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 12:09:31 ID:MSmLXpV5
小ネタとしてなら有りだよな、おもしろいし
ただこれがいいなら俺も・・・! って続かれるとアレだけど
573名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 12:17:11 ID:BYtAZVgB
いや、小ネタだけどこんなに受けるとは思わなかったけどね。
次の神が光臨するまでに繋ぎとして楽しんでもらえれば嬉しいです。
574名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 15:03:28 ID:nrO/qhcv
>564
>メイド服を着た俺が胸を触ってしまった女性が
「メイド服を着た俺が」、「胸を触ってしまった女性が」
と読んでしまったOrz
575名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 15:09:01 ID:L2tp9l0F
>>567
コンピ研部長キモスwww
576名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 16:04:21 ID:BYtAZVgB
>>574
すまん。わかりにくいな。

>>575
かっこいいコンピ研部長なんて想像できないよ
577名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 16:20:47 ID:MNfCm6zK
かっこいいコンビ研部長、ねぇ...。


カシャ。

「なにをするんです?」
「ちちち、あんたのセクハラ写真はばっちりとらせてもらったわ。
この写真を校内にばらまかれたくなかったら、とっとと耳そろえてパソコン一式よこしなさい」
「そんな事はありえません。あなたが無理矢理やらせたんじゃないですか。僕は無実です」
「一体何人があんたの言葉に耳を貸すかねえ」
「ここにいる我々の部員達が証人です」
「そうです」
「部長は悪くないのです」


どうみても古泉と古泉と古泉です。本当にありがとうございました。
578名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 16:36:13 ID:EZ2iJuM3
>>577
そこに元祖古泉を加えると…
何とキングこいzうわなにをすr
579名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 16:40:04 ID:BYtAZVgB
キモいコンビ研部長、ねぇ...。


カシャ。

「なにをするんです?」
「ちちち、あんたのセクハラ写真はばっちりとらせてもらったわ。
この写真を校内にばらまかれたくなかったら、とっとと耳そろえてパソコン一式よこしなさい」
「そんな事はできません。例え、僕がむりやりやったとしても何ら気にすることではないのです」
「一体何人があんたの言葉に耳を貸すかねえ」
「ここにいる我々の部員達が証人です」
「そうです」
「部長はツルぺた属性だから巨乳を触っても性的興奮を得ないのです」
「むしろ嫌悪感のほうが大きいので逆セクハラが成立します」
「部長は妹萌えだから15歳未満には性的興奮をしないのです」
「部長の理想の女性はシャナです」
「はじめてのおるすばんをしている部長が現実世界に目を向けるようになった
 と教師連中は笑って許してくれるでしょう」

すぐに思い浮かびました。本当にありがとうございました。
580名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 16:48:50 ID:PxjUTkCL
>>579
キョン妹をかり出すハルヒ
581名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 16:50:48 ID:EZ2iJuM3
>>580
が、学校に着いたところでキョン妹、校内に逃走!
何かSS作れそうだな(マテ
582名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 16:59:33 ID:jBYGlrVy
>564
> しかしみんな抜け穴の話しかしかない。
> 少し、コンピ研が嫌になった。
案外いいヤツだw
583名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 17:18:11 ID:nHeSL6Yo
ここって好きにss書いていいの?
584名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 17:19:26 ID:T+Daqjoy
>>583
>>1

>ただし、他の作品のSSでは駄目です。
>谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

 だそうだにょろ。
585名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 17:20:07 ID:EZ2iJuM3
なんとか>>388の続きができたので投下します
がんばっていろいろ考えてますが、これより先は考えてません(続ける気だけど
とりあえず感想を言うと中途半端な展開
586名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 17:23:09 ID:EZ2iJuM3
3(ry
ある程度の時間になるまで時間をつぶし、ハルヒより先に部室の前まで来た。 とりあえずノックは忘れずに。
コンコン
「はぁーい」
聞いただけで心が愛で満たされそうな朝比奈さんの声である。
返事を確認し、俺はドアを開ける。
朝比奈さんはいつも通りのメイド服に身を包み、古泉は一人で人生ゲームをし、長門は微動だにせずSFらしきハードカバーの本を読んでいる。 
「どうも、朝比奈さん。」
普通に挨拶をしてみる。 俺の姿は見えてないはずだ。
「あれ? キョンくんどこですか?」
朝比奈さんは生まれたばかりの鳥のヒナが間違って最初にワニを見てしまったかのような顔で俺を探している。
「ここですよ。」
わざわざ真横まで行き、耳元に声をかける。 ふとこちらを見ていた長門の目が俺を確実に捕らえてた気もするが、錯覚だろう。
「ひぇ、ど、どこですかぁ」
朝比奈さんはかなりあわてた表情で、陸上選手もびっくりな速度で横に飛びのいた。
「見えてないと思いますが、ここに居るんですよ。」
そういっていつもの場所に腰かける。
反対側に居る古泉が、いつもの3割8毛増しのスマイルでこっちを見た。
「おやおや、昨夜閉鎖空間が発生しなかったと思ったらこういうことでしたか。」
そのニヤケ面をこっちに向けるな。
「ユニーク」
お前も言うに事欠いてそれか。
「で、でも何か食べたら見えちゃうんじゃないですか?」
とりあえず見えないみたいです。 とても可愛い質問です、はい。
「原因は昨日の件と見て間違いないでしょう」
それは分かってる。
「あなたの体の情報が周りの景色を透過させてるかのように断続的に改変されている。」
という事は本当に透明なんじゃなくて、ゲームでよくあるステルス迷彩の強化版みたいなものか。
「そう」
長門は2ミリほど首を縦に振った。
そこで朝比奈さんが、遠慮深そうに手を上げる。
「あ、あの〜、ステルス迷彩ってなんですか?」
そこで古泉が口を挟む。 お前はしゃべらなくてもいい。
「簡単に言うと、周りの風景を写して、見えなくすることですよ。」
はい、頼んでもいないのに説明ありがとう。 
まぁ、景色のブレすらないんだからたいしたもんだ。
587名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 17:23:26 ID:nHeSL6Yo
>>584
サンクス。恩にきる。
588名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 17:24:15 ID:EZ2iJuM3
「で、長門、何か策はないのか? 前みたいに噛み付いてナノマシンでどうにかするとか。」
「できない事はない。 ただ、推奨はできない。」
「どうしてだ?」
「たとえ情報を再構成したとしても、同じように見えなくなる可能性がある。」
つまり意味なしになる場合があるって事か。 それは噛まれ損だな。
「あとこの状態は、涼宮ハルヒがあなたの顔を見たいと思えば解決する。」
「という事は、ハルヒが俺を見たいと思えば今にでも戻るわけだな。」
「そう」
今度は3ミリほど縦に振った。 俺もよく分かるよな。
ここで古泉が再度首を突っ込む。 
「長門さん、あなたの予想では涼宮さんが、彼を見たいと思うまでどのくらいかかるでしょうか?」
長門が珍しく小首をかしげて
「分からない。」
ふむ、長門に分からないんじゃしょうがないな。…ってそれじゃ困るんだが。 元に戻るまで、家にも帰れないし、授業にも出れないんだぞ。 そのうち家族から捜索願が出されて、富士の樹海あたりで俺に似た遺体とか発見されたらそれこそシャレにならんぞ。
「あのー。」
また朝比奈さんが声をあげる。 あなたの意見ならどんな小さな声でも聞き逃しませんよ。
「手紙を書いてはどうでしょうか…」
手紙か…。 教室でも考えたんだが、学校にきてもいない人間が手紙を持ってくるのはおかしいだろう。
「では我々が直接預かったという事にすれば大丈夫ですね。 さすがに団員経由できたものを偽物の思うほど、涼宮さんはひねくれてませんから。」
たまにはいいアイデアを思いつくじゃないか古泉。 しかしハルヒはひねくれまくってる気がするが。
「そうでしょうか。 かなり分かりやすいと思いますが。」
そこで俺の頭上に閃光が走った!感じがした。 何か強烈なプレッシャーを感じる。 まぁ、この場合は一人しか該当する人物が居ないのだが。
「………」
昨日と打って変ってダウナーな雰囲気を背負ってハルヒが入ってきた。
団長席に進みながら、まるでビームを放つかのような目でこっちを見る。(俺は見えてないはずだけど。)
そのまま団長席に座り、なにやらパソコンをカチカチ動かしてる。
何をやってるか見てやれ。 こういうとき透明だと便利だ。
物音をたてないように某太陽のエネルギーを作り出すような動きでハルヒの後ろに回りこむ。
お、これは朝比奈さんのコスプレ衣装か。 なるほど、こうやって買ってたんだな。
よく見ると昨日のあの衣装まであるぞ。 すごい品揃えだ… 
む、ポインタが【購入】に移動していく。 これは、ペンギンの着ぐるみか!? 何か小さな高校生が着そうな…
そこでハルヒがワンクリック。 これで購入か、便利な時代になったものだ。
続く
589かなり ◆WT4p4fROmI :2006/06/22(木) 18:25:26 ID:jtV8zHtr
>>588
                ∩
                ( ⌒)      ∩_ _グッジョブ !!
               /,. ノ      i .,,E)
              ./ /"      / /"
   _n グッジョブ!!  ./ /_、_    / ノ'
  ( l    _、 _   / / ,_ノ` )/ /_、 _    グッジョブ!!
   \ \ ( <_,` )(      /( ,_ノ` )      n
     ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ     |  ̄     \    ( E)
       /    /   \   ヽフ    / ヽ ヽ_//
590名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 18:31:26 ID:+QDO4Vln
>>589
君はそれで嵐認定されたんだろ。
おとなしく座ってられないのか?
591名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 18:32:30 ID:T+Daqjoy
>>590
荒らしはスルーするにょろ。
592名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 18:47:22 ID:ubM5Wlth
「自分は悪く無い、社会が悪いんだ」ってフレーズ、一昔前にニュースで流行ったよな。

さておき、>>586透明人間話GJ!!
長門スキーな自分としては、この後に長門の部屋で居候とかいう展開を所望します
593名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 18:49:21 ID:f1wSQv5H
ハルヒスキーな自分としては、この後にハルヒの家に潜伏する展開を書房します。
594名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 18:50:02 ID:f1wSQv5H
所望だ鬱・・・
595名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 19:14:00 ID:4+YrgMET
 
596名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 19:28:57 ID:p6RNvxLw
>>588
禿乙!
597名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 19:32:09 ID:rvew7j/E
>>590それこそ透明にすれば?
598名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 19:36:25 ID:XIgbCSGV
>>593
いわゆる不法侵入プレイだね!
ここは一つ、某勇者様よろしくタンスを開けまくってほしい。
599名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 19:43:03 ID:EZ2iJuM3
まぁ流れ的にまず部室脱出っと
ずるずると引きずってるネタを早いとこ消化しないといけないし
なんとか2日編成にして両方書いてみるか…
がんばってみる
とりあえず書いてみる
600名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 19:46:43 ID:TT6JPAQK


601名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:10:36 ID:oLW3MxVE
>>588

>>噛まれ損だな
いや、むしろ噛んでくれ。
602名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:12:37 ID:1RmGP7HI
投下します。SOS団の日常ネタで。エロなし、カプもなし、ヤマなし意味なしオチもなし
603日常:長門と古泉と雑談:2006/06/22(木) 20:13:56 ID:1RmGP7HI

「あ、有希が走るわ」
「ん?」

金曜日の授業中、後ろの席でハルヒがぼそりと呟いたのを俺の耳は捉えていた。

窓の外を見ると、校庭で長門のクラスの女子が体育をやっている。陸上の授業らしく、50m走のタイムを計っていた。

「うぁ……」

いつかの体育祭でも見た、インチキ走り。
50mを5秒くらいで走り終えた長門は、息も切らせず、陸上部顧問の体育教師の声も、
クラスメイトのかける声も無視して、日陰に移動して本を読み始めた。
どこに隠してたんだ? そのでかいハードカバーの小説は。
まぁ、あいつなら本気になれば地球の裏側に一瞬でテレポートくらいするだろうから、これでも常識の尺度に当てはめたようだが、
それでもまだ際立って異常だった。

「すごいわよねー。何であの走り方であんなに早いのかしら」

ハルヒは呑気にそんなことを言っていた。少しは疑問に思えよと思うが、もちろん口に出すわけが無い。

おかげで世界は今日も平和だった。


 *


しかしながら、世界は平和でも団員の平和には繋がらないようで、
部室に体操着に着替えて来るように昼休みのうちに連絡をしていたハルヒは、全員集合したと同時に椅子の上に立ち上がり、

「と言うわけで、今日は体力測定をしますっ!」

なにが、と言うわけで、なのかはもはや聞く気がしない。言っても無駄だからだ。
長門の授業風景になにかを触発されたようだが、どうせなら校庭で写生でもやってくれればいいのにとか思いつつ、

「さぁ、早速校庭に行きましょう」
「まて。校庭は野球部とサッカー部と陸上部とソフト部がひしめきあっているぞ」

ラグビー部もあったかもしれない。体育館も同様だ。
604名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:14:35 ID:1RmGP7HI

「奪い取ればいいじゃない。勝利は掴み取るものなのよ!」

カンベンしてくれ。この前も生徒会に睨まれたばかりなのに、また他の部とイザコザを起こす気か。
まぁ、この前のは古泉の自作自演なんだがな。

「生徒会なんか、フン、また文句をつけてきたら、蹴散らせばいいのよ!」

やめてくれ。それに運動だったら、べつに校内じゃなくてもできるだろう。どこかの体育館を借りるとかさ。

「お金がかかるじゃない。……いや、待って、なら、別にその辺の公園でもいいわよね?」

まぁ……な。この年で公園に運動しに行くとは思わなかったが。

「何言ってるの。公園ってそういう場所じゃないの?」
「……。あれ。公園ってそういう施設だったか?」

運動場とはまた違うと思うが……。いや、運動が許されるのは子供だけのような気がする。知らんが。

「まぁいいじゃないの、とりあえず行ってみましょう」


 *


当たり前のように混じっていたので気づかなかったが、いつものメンバーにプラスして鶴屋さんが居た。

「公園で遊ぶなんて子供のとき以来だねっ。なんかワクワクしてきたよっ」

ケラケラとハルヒと笑い合って早足で歩く鶴屋さんをみていると、運動も悪くない気がしてくる。
対してブルーな足取りなのが朝比奈さんで、

「運動は……あまり得意じゃないんですぅ。嫌いでは……ないんですけど」

そんなイメージは持っていました。確信と共に。
古泉はいつもどおりニヤニヤしているだけだし、長門はジャージ姿で歩きながらであろうと本を読み続けている。
まぁ、こいつらは問題ないだろう。朝比奈さんがケガだけはしないように注意しておくか。
605名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:15:24 ID:1RmGP7HI


 *


大して広くもないが、障害物が少ないのでこの人数なら充分すぎる広さと言える公園に到着すると、
そこらに落ちていた小汚いサッカーボールを使ってサッカーをしたり、鬼ごっこをしたり、
いつの間にか仲良くなっていた近所のガキ連中と混じって缶ケリをしたりした。

体力測定じゃなかったのか? 団長さんよ。

 *


やがて辺りが暗くなり、一緒に遊んでいたガキ共が次々と帰り始めたころには、
俺たちはすべからく汗と泥と埃にまみれていた。朝比奈さんなど何度も転んだりしていたのでボロボロだ。

「うん、もう暗いし、そろそろおなかが減ったので、今日は解散にしますっ。
 明日は毎週恒例のパトロールなので、遅れるんじゃないわよっ」
「ふぇー」

溜息をつきながら朝比奈さんがへたり込んだ。気が抜けたのだろう。ハルヒはそんな彼女を見て何を勘違いしたか、

「あれ、みくるちゃん、そんなに残念? もうちょっと遊んでいこうか?」

ぶるぶると首を振る朝比奈さん。

「そう? じゃ、また明日ねっ」

ハルヒが鞄と制服のはいった袋を抱えて駆けて去っていった。なんて元気な奴。
へろへろになった朝比奈さんを鶴屋さんが立たせている。

「みくるはあたしが送っていくよっ。じゃあねっ、皆の衆!」

ハルヒとタメ張れるほどの元気でもって、鶴屋さんは朝比奈さんを伴って去っていった。
朝比奈さんは疲労の極致か、足元が怪しかったが、まぁあの人が一緒なら大丈夫だろう。

「はぁー」

俺もその場にへたり込んだ。朝比奈さんではないが、俺もそこそこに疲労していた。
体育の授業よりもよほど本気で運動するからな。マジで体力の無駄だ。
606名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:16:02 ID:1RmGP7HI

古泉は汗で額に張り付いた髪を払いながら、

「そうですかね。あの面白くも無い体育の授業に体力を注ぐよりも、よほど健康的で有意義だと思いますが」

フン、俺は成績がよろしくないからな。せめて体育くらいは高判定狙っていかないと、マジで成績表が赤く染まってしまうんだよ。
古泉はそれ以上何も言わず、ジャージを脱いで制服に着替え始めた。俺もそれに倣う。
更衣室などあるはずがないし周りからも丸見えだったが、もう暗いし人通りもほぼない。問題は無いだろ。

「…………」
「おうわっ」

制服に着替え終えた俺の目の前に、いつの間にか長門がいた。
こいつも既に制服に着替えていて(いつ、どこで着替えたんだ?こいつは)、手に500mlペットボトルの烏龍茶を持って俺に差し出して

いた。

「あ、くれるのか。ありがとよ。金は……」
「いい」

俺がペットボトルを受け取ると、もう任務は終わったとばかりに視線を外した。
どういうつもりなのかな、こいつは。

「おや、僕にもくれるのですか?」
「…………」

古泉にも同じペットボトルを渡す。そういやこいつら結構仲良いんだよな。
長門がベンチに座ったので、俺たちもそれに倣った。


 *


それからしばらく、烏龍茶を飲みつつ、古泉と当たり障りの無い普通の高校生っぽい会話をした。
長門は何故か帰らずにずっと本を読んでいたが、話を振ってみるとちゃんと受け答えするので、
面白がって古泉と二人で話しかけまくって、長門にわざと高校生っぽい会話をさせてみたりした。
607名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:16:45 ID:1RmGP7HI
「現国の藤沢の教え方って、どーよ。わかりにくくないか」
「教科書のガイドって売ってるじゃないですか。ちょっと立ち読みしてたんですけど、まったく授業と同じ内容でしたね」
「じゃあ授業聴く必要ねーな。その参考書買っちまえば」
「テストもそのガイドの問題例から何割か出してるようですね」
「マジで? あー、この前のテストでそれを知っていればなぁ」
「長門さんはどう思います?」

長門は本から目を離さず、一拍置いて、

「…………。現代文のような科目において、登場人物の感情を他者が完全に読み取るのは、作者以外にはほぼ不可能と思われる。
 よって、ある一つの基準として、文部省が定めた『正解』を採用すること自体は間違いではないと思う」
「あー、まぁ確かに、藤沢のオリジナル問題とか出せれても、困るけどな」
「登場人物だけでなく先生の考えまで読まなくてはならなくなりますからね」
「問題は、問題の内容そのものでなく、試験問題に市販の特定の参考書から出題しているということを一部の生徒が知っているという

点」
「そうですね。先生に別の参考書を使うように注進しましょうか」
「待て。今から路線を変更されると困る。次のテストのときにはそのガイド買うつもりなんだからな」


 *


少し寒くなってきた。話が意外に盛り上がったので、このまま解散するのは勿体無いと思い、長門のマンションに移動しようと提案し

てみる。
意外にも二人は快諾した。

途中でスーパーによって買い物も済ませ、晩御飯もご馳走になってしまった。
いつか朝比奈さんと3人で食べたのと同じメニュー、キャベツオンリーサラダと山盛りカレー。
今回は朝比奈さんの代わりが古泉なので過食を心配する必要は無いと思う。こいつもそれなりに食うしな。

「普通だと思いますが……」

何故か嫌そうな顔の古泉。この中で一番でかいのはお前なんだからな。期待してるぞ。

「期待に添えるよう善処します」
608名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:17:26 ID:1RmGP7HI

結論から言うと、それなりに食う、というのは俺の勘違いだったらしい。さすがに朝比奈さんよりははるかに食ったが、
自分の分だけで精一杯といった感じで、今は苦しそうにみぞおちの辺りをさすっている。

「……いえ、平均的な高校生男児よりは食べたと思うんですが……」

情けない奴め。早々に自分の分を食べ終えてお代わりした挙句、今なおキャベツをむしゃむしゃ食っている長門を見習え。

「…………(もぐもぐ)」

キャベツをドレッシングもなにもかけずに口に放り込み続ける長門は、ウサギのような小さな身体をしていながらも
どちらかというと牛とか馬のほうが近いんじゃないかと思わせる食べっぷりだ。うーむ。


 *


――……。

 ヴーッ ヴーッ

携帯のバイブレータの音。音量自体は大したことがないのだが、非常に耳障りだ。

――……誰だよ。うるせえよ。

 ヴーッ ヴーッ

――……もうちょっと寝かせてくれ……。

 ヴーッ ヴーッ

――……うるさい。

 ヴーッ ヴーッ

――……。

 ヴーッ ヴーッ

――……。

 ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ

――……あぁ、くそ。

目やにがこびりついて開きにくくなった目をなんとか開けると、目の前で携帯電話が光ってた。俺の携帯だったのか。

着信だ。相手の名前も確認せずに出る。

「……もしもし?」
『こらぁっ! バカキョン! さっさと出なさいよっ! 一体あんたは何してんのよっ!?』

通話相手の脳内検索は不要だった。

「なんだ、どうした。何してるって、まだ寝てたが」
『はぁっ!? 今日はパトロールの日よっ! もうとっくに集合時間過ぎてるんだからねっ!』
609名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:18:08 ID:1RmGP7HI
電話から顔を離して画面を見る。

『通話中』『涼宮ハルヒ』『通話時間 9秒』『09:15』

「……9時集合だっけか?」
『さっさと来いっ! 30秒以内っ! なんか知らないけど古泉君も有希も来ないし! みくるちゃんしかいないって、どういうことよ

っ!?』

その辺りで、俺はようやく今の状況を把握した。
制服をきたまんまで、フローリングの床に直に寝ている。
ここは長門の部屋だ。いつの間にか眠っちまったのか。
首をめぐらすと、俺と似たような感じで古泉も、なんと長門までも眠っていた。

「古泉も長門もここにいる。いつのまにか寝ちまってたみたいだ」
『……はぁ? あんた今どこにいんの?』
「長門の部屋だ」
『…………。古泉君もいんのよね?』
「まだ寝てるがな。二人とも」
『…………。よくわかんないけど。わかった、もういいわ。今から有希のマンションに行くから、そこから動かないで。二人を起こし

ておきなさい!』

切れた。もしコレが固定電話だったら、ガチャ切りされてるんだろうな。

まず立ち上がって、カーテンを開けた。薄暗かった部屋が光に満たされる。

眩しかったのか、古泉がもぞもぞと身体を揺らし、なにやら呻いた。アレはすぐ起きるな。

部屋の中を見回す。テーブルの上にはお菓子の袋と酒の缶。

記憶を辿る。靄がかかっている。そうだ、昨日カレー食った後……。


 *


時刻は7時を回った頃だ。
食事の片づけを済ませ、お茶を飲みながらさらに雑談。
途中長門と古泉が数学の話に花を咲かせたりしたが、俺は入り込めない内容だったとしか。

「数学は苦手なんだが、今年の数学教師の島村は教科書の問題そのまま出すからテストは楽でいいんだよな」
「それは何の意味も無い。数学は数値や変数の置き方や表現方法を自由に設定できるのだから、そこは工夫を凝らすべき部分。
 あの教師は無能」
「ふむ。長門さんの意見はもっともですが、工夫を凝らしたところで大して難易度は変わらないのでは?」
「いやいや、それは出来るやつの論理であってだな……」

こんなに長い会話を、しかも無駄話を、長門とすることが今まであっただろうか。
なんだかとても得難い経験をしている気分になって、俺も古泉もすっかり帰る気をなくしていた。
610名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:18:45 ID:1RmGP7HI

 *


「長門、クッションかなんかないのか?」
「ない。布団はある」
「いや布団はいい……」

リビングを見渡す。家財道具といえばカーテンとコタツテーブルくらいだ。
そういや本棚が無いが、自室にあるのかね。

「今度みんなで色々と買いに行ったらどうですか?」
「いいな、ソレ。楽しそうだ。いいよな?」

長門は首肯し、周りを見回し、首をかしげた。

「……?」

(何がいると思う?)と聞かれた気がした。

「そうだな……まずクッションか座布団と」
「カーペットも欲しいですね。あとソファとか」
「そうだな。あとは……テレビとビデオとか」
「みんなで映画を借りて観たりとかしたいですね」
「そこの隅にL字ソファを配置して、クッションを置いて、このあたりに絨毯ひいて、このテーブルをその上において、
 あっちの壁にテレビを置けば、おお、良い感じだな」
「…………」

長門は考え込むような仕草をした。そういやこいつの台所事情ってどうなってるんだろうな。

「ただ、そうなると多分ここはSOS団の溜まり場になるな」
「そうなるでしょうねぇ」
「別に構わない」

まぁ、今も似たような感じではあるがな。こうして古泉と上がりこんでるわけだし。
(迷惑じゃあ……ないよな?)

「……」

長門は俺を見て、かすかに頷いた。テレパシーは伝わったようだ。
611名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:19:19 ID:1RmGP7HI

 *


しばらく雑談したのち、突然長門が立ち上がった。

「ど、どうした?」
「忘れていた」

そう言い残し、台所へ消える長門。古泉と顔を見合わせて、

『?』

戻ってきた長門の両手には、先ほどのスーパーのビニル袋。

「…………」

無言で俺に渡す長門。中身を見ると、缶チューハイ。酒かよ。

「コミュニケーションの手段としては、アルコールが適しているという判断のもと、購入した」

よく制服姿で買えたもんだ。俺たちが未成年であるということはもはや関係が無いらしい。

「古泉、お前イケるクチだっけか?」
「まぁ、たしなむ程度なら。去年の夏合宿のようなのはカンベンですよ」
「あれはコミュニケーションという目的から逸脱していた」

まぁアレはいわゆる宴会だからな。まったり飲むのとはまた違う。

「乾杯」
「乾杯」
「……乾杯」

お茶が酒に変わっただけで、雑談はまだ続いていく。


 *


「長門はいつも本を読んでいるよな。楽しいか?」
「割と」
「そういえば、僕はここしばらく読書をしていませんね」
「長門、こいつになんか面白い本を貸してやれ」
「…………」

長門はしばらく考えた後、ある哲学書の名前を挙げた。

「あぁ、その人の本なら知っています。うん、なるほど。確かにあの本なら僕にぴったりですね」

俺にはなんだか良く分からなかったが、二人の間には共通理解が生まれたらしい。やはり長門は将来司書になるべきだな。
612名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:20:20 ID:1RmGP7HI

 *


少しずつ酒が回ってきて、俺も古泉も顔が赤くなって来たが、例によって長門は平気な顔をしていた。

「お前の身体は……なんか、特殊な分解能力でも持ってるのか」

古泉はニマニマ楽しそうに笑いながら、頭を重そうに揺らしていた。かく言う俺も似たようなもんだがな。
弱い方ではないと思っていたが、やはり飲みなれてるわけではないので、チューハイ程度の濃度でもこの通りだ。

今思えば合宿のとき、よくワインや日本酒を飲めたもんだ。

「アルコールの分解速度を高めてるから」

……なんのために酒を飲むか、知ってるか?

「私の身体には、自衛機能として毒や薬などのあらゆる化学物質を分解除去するシステムが備わっている。アルコールもその対象」

いや、そういうことじゃなく。いや、待て?

「分解速度を高めている、と言ったな? じゃあ、低くすることも出来るのか」
「可能。でも、推奨はしない。未分解のアルコールは神経細胞を破壊する」


 *


……とまぁ、昨夜の記憶としてはここらが最後で、
その後、なんやかんや理由をつけて長門のアルコール分解能力を一時的に低下させたんだった。
顔を赤く染める長門も、視線の定まらない様子でぐらぐらしている長門もはじめて見た。

ただ、ほどなく3人とも限界を迎え、寝入ってしまったようだ。ちょっともったいないことをした。

古泉はシャツのボタンをだらしなく外し、腕で目隠しをしてフローリングの床の上で寝入っている。
こいつのこんな姿もレアだな。

「おい、長門、起きろ。……長門?」

長門はコタツ机に突っ伏してぴくりとも動かなかった。
急性アルコール中毒? まさか。
と思ったら、寝息が聞こえてきた。眠りが深いだけらしい。

肩をしばらくゆすり続けていたら、びくんと長門の身体が跳ねた。
613名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:20:54 ID:1RmGP7HI

「――……!」
「よ、よお、長門。おはよう」

少しだけ目を見開き、おお、驚いてる。今日は団員のレアショットが続くぜ。
脳内長門フォルダに今の表情を保存していると、すぐにいつもの無表情に戻り、

「失態」

立ち上がって、俺に背を向けて部屋の片付けを始めた。やばい。怒らせたか?

古泉も軽くゆすっただけで目を覚まし、数瞬のあいだ目を瞬かせた後、
長門の許可を得て洗面所に消えると、戻ってくるまでの2分ほどでいつもの状態に戻っていた。

その間俺と長門は何故か無言のまま片付けをしていて、なんとなく気まずい気分でそわそわしていると、

ぐう
ぴーんぽーんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽん

と俺の腹が鳴ったのと、チャイムが乱打されるのは同時だった。


 *


「有希っ! 大丈夫っ!? キョンに何も変なことされてないっ!?」

長門がマンションのドアのロックを外し、その20秒後くらいにハルヒは玄関のドアをぶち開けて飛び込んできた。
エレベーターを使うより遥かに早いが、まさか階段を駆け上ってきたのか?

っていうか、変なことってなんだよ。

「アンタが想像するようなことよ! この助平!」

なんでだよ……とは反論しづらい。古泉も自粛モードか。
確かに考えてみれば、年頃の少女が一人暮らししているところに男二人で乗り込んでいったわけで、
決して良い想像ができる状況とは言えない。

「古泉君がそんなことするわけないとは思うけど……キョンは違うんだからねっ! いえ、古泉君もわからないわ。
 男は皆狼なのよっ! ちょっと、聞いてるの有希っ? ホントに何もされてないんでしょうねっ!?」

長門の肩を掴んで、揺さぶる。
俺の頭の中ではSOS SOS と古い歌が流れていたが、あまりにベタなので頭を振ってボリュームを下げる。

長門はぐらぐらと揺らされながらも、いつもどおりの調子で、

「大丈夫」
「本当の本当に? 口止めされてるんじゃないでしょうね?」

お前はどうしても俺と古泉を性犯罪者にしたいようだな。

「大丈夫。何もされていない。話をしただけ」

ハルヒは宇宙の真理をサルベージしようとしてるかのような面持ちでしばらく長門の瞳を見つめ続けた。

「……ふん、まぁ、キョンに有希を襲える勇気があるとは思わないけど」

ようやく納得したのか、長門から手を離し、そっぽを向きながらそんなことを言った。さっきと言ってることが違うじゃねえか。

ぴんぽーんとチャイムが鳴り、ようやく朝比奈さんが到着した。
614名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:21:31 ID:1RmGP7HI

 *


事情を説明すると、団長様は激昂してこう言った。

「なんであたしも呼ばないのよっ!」

なんでって。

「あたしも有希とお喋りしたかったのにっ」

見ると、朝比奈さんもじとっ……とこちらを非難する眼差しを向けていた。

「……ずるいです……わたしも、長門さんと色々お話したいです……」

へえ、なんか意外。いや、でもこの二人は歩み寄りたいけど互いに線の引く位置が定まってない感じがしてるから、納得でもある。
っていうか長門大人気だな。

二人とどんな話したの? などとハルヒと朝比奈さんに長門を攫われてしまい、俺と古泉は居心地が悪くなった。

「そろそろお暇しましょうか」

そうだな。ハルヒのあのモードなら、あと半日くらいは長門で遊んでるだろうし。今日の探索はなしだな。
それに小腹も空いたし、昨日汗かいてから風呂に入っていないし、柔らかいベッドで寝なおしたい。

家に帰って休みたいとハルヒに言うと、しばらく例の拗ねたペリカンみたいな顔をしていたが、しぶしぶ了承してくれた。

「次のパトロールのときに、お茶奢りだからねっ」

俺にとってはいつものことなので、もはや条件としては痛くも痒くもない。

古泉と二人で外に出た。俺が制服をしわくちゃにして顔も髪もボロボロなのに対し、古泉はカッチリしたスタイルに戻っていた。
今度コツを教えてくれないか。


 *


家に着いて母親に小言を言われた後、パンを腹に詰め、シャワーを浴びて、ベッドに倒れて眠りに落ちた。

長門がハルヒと朝比奈さんと三人で笑いながらお茶をしている、そんな夢を見た。



終わり
615名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:22:53 ID:1RmGP7HI
駄文投下失礼しました
この3人のトリオが好きです。恋愛とか絡めない関係で
616名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:26:23 ID:nHeSL6Yo
>>615
ナイスだ。
俺も書きて〜
617名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:36:01 ID:Ob64/GaI
これは いい

何が良いってごく普通の高校生らしいところが何とも
そして残念なのはこんな状況はありえないって事だなあ
618名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:48:02 ID:NacU3Kmj
あー。高校生っぽいなあ。
似たようなことよくやったよ。
男女の垣根ってあんまなかったな。

キョン、古泉、長門の組み合わせは悪巧み軍団って
気もするが日常でも面白いんだね。
619名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 20:49:37 ID:rbX7ZzMk
ほんと「青春の1ページ」って感じがイイネ。
ハルヒと朝比奈さんがうらやましがるのもわかる気がするわ。
できれば、話の中でネタとしてでた「長門部屋改造計画」を実行に移すSSが読んでみたいね。
620名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:04:55 ID:1HgW5Vjf
ありがとう。マイナスイオン満載でした。
あまりこういうの無かったから、楽しませてもらいました。
621名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:08:10 ID:EZ2iJuM3
ついに、>>588の続き完成
ぎこちない感じはするけど、まぁ勘弁してください
ハッキリ言って透明化の意味があまりない章です
ループネタも入れましたが数字は適当
ひっかかるところがありますが投下します
622名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:09:25 ID:EZ2iJuM3
4(ry
しかしまた高いな。 っていつの間に俺、こんなに前のめりになってんだ? うお、ハルヒの顔まで3センチ!!
あぶなかった… 今気づかれたらオゴり1年分じゃすまないぞ。
離れた直後にハルヒが立ち上がった。 本当に危なかった。
「これでよし…」
何がよしだ。 結局朝比奈さんの衣装を買っただけだろう。
そのまま早歩きで入り口に向かっていき
「ごめんみんな、今日は先に帰るわ…」
端の方で朝比奈さんが急須片手に慌てている。 おそらくハルヒのお茶を用意してたであろう。
「えぇ、帰るんですかぁ?」
「うん、今日はちょっとね…」
そういうハルヒの顔は、唐辛子をまぶしたオブラートでワライタケの粉末を飲み込んだ直後のような、つまりよくわからない表情であった。
ドアが閉まってハルヒが離れたのを確認した俺は、改めて相談を持ちかけることにした。 外は日が校舎から半分だけ顔を出している。
「とりあえず長門、今夜のところはお前の家に泊めてくれ」
長門のマンションなら何度も行ってるし、一応泊まった事(3年間の時間凍結だが)もあるしな。
さすがに朝比奈さんの家に転がり込む訳にはいかないし、古泉の家に至っては、夜にナニされるか分かったものじゃない。
「わかった」
あっさりと承諾してくれた。 正直言うとホント助かるよ。 また今度図書館に行こう。
「…」
長門がじっとこちらを見ている。 これは約束したということでいいのだろうか。
「じゃあ、今日は解散ということでいいですね。 何か変化があったら僕に連絡してきてください」
お前は何が何でも関わりたいようだな。 そんなに『神人』と戦いたいのか?
「そういうわけではないのですが、最近僕が関わる事件の方が少ない気がして…」
たしかにそうだな。 だからといって世界改変や8日後から跳んでくるというのは無しだぞ。

623名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:10:33 ID:EZ2iJuM3
とりあえず今日はこれで解散することになった。
親には携帯で友達の家に泊まると言っておいた。 しかし携帯も透明になるのか。 どういう効果範囲だ。
俺は長門とマンションに向かう。 心なしか長門の足が速いのは気のせいか?
「なぁ長門、もしかして俺が見えてるのか?」
「視覚的には見えてはいない。 でも他の情報がそのままだから分かる」
そんなやりとりをしながら俺たちは玄関につき、長門は残像でもできそうな速さで玄関のロックを開ける。
「入って」
断ったら入れないので、ここは素直に入る。 はたから見てたら長門の行動はどう見えるんだ。 俺は見えないわけだが。
そのままエレベーターに乗り、7階まで移動。 その間俺たちは無言。
ハルヒと乗ったときにも思ったんだが、やっぱエレベーターは黙って階数表示をみてるのがマナーだな。 そのわりに視線を感じる気が…

7階に着き、長門の家に入れてもらう。 これで何回目なんだろ。
「9374回目」
「いや長門、8月のループの分は入れなくてもいいから。」
「分かった」
いつもの居間に通される。 思わずキョロキョロしてしまうのは俺だけだろうか。
微妙に物が増えてるか? ってか朝比奈さん(大)の靴がまだあるし…
そこで長門が一言。
「取りに来ない」
律儀に置いてるところ悪いが、こりゃ後になっても取りに来ないな。
やることもないので紅茶にブランデーを入れて飲む将校のマネをしていると、長門がなにやら持ってきた。
「食べて」
長門、これはどう見ても乾燥したままのチ○ンラーメンです。 本当にありがとうございました。
てっきりキャベツ山盛りカレーが出てくるものだと思ってたので正直びっくりした。 で、何でチ○ンラーメンなんだ?
「涼宮ハルヒにこれを生で食べるのが好きだと聞いた」
ハルヒよ、確かによく食べるが生では食わん。
「そう…」
じっとこちらを見る。 そんな困った顔をするな。
「とりあえずお湯をくれ。 そうすりゃ問題なく食える」
「分かった」
そのまま台所に消えたかと思うとすぐさまヤカンに入ったお湯を持ってきた。 沸かしてたのか、何かから作ったのか、まぁどっちでもいい。
お湯をそそいで3分待つ。 さぁ、出来上がりだ。
俺はラーメンをすすりながら、長門を見る。
「そういや長戸は食べないのか?」
「いい。 もういっぱい」
なにがいっぱいなのかは知らんが、まぁ、いいだろう。

食い終わった俺は、やることもないのでさっさと寝ることにした。
ふと見ると、布団を2組引いている長門が見えた。 ってかまだ制服なのかお前は。
「ここで寝て」
妙になつかしいこの部屋、俺と朝比奈さんが時間凍結された部屋か。
まさかまた時間凍結するとか言わないよな
「それはない。 あれはエマージェンシーモード。 よほどの事ではないと駄目」
それはよかった。 また浦島太郎気分は勘弁してほしいからな。
「って長門、お前は横で寝るのか?」
「そう」
うーん、谷口が聞いたら泣いて羨ましがるな。
「大丈夫、何もしない」
それはむしろ俺のセリフな気がするんだが。
「私は何もしない」
ん、それはどういう意味だ?
「なんでもない」
視線を逸らされる。
俺はさっさと布団にもぐりこみ、無垢な少年のように明日を待つことにした。
横から視線を感じるが、色々あったためにグッスリ眠ったようだ。
夢の中で長門にこんな事を言われた気がする。

「いくじなし」
続く
624名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:29:13 ID:MtJ2/6G3
このヘタレ!!
いくじなし!!
GJ!!
625名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:52:44 ID:jkri8KpC
>>607
文部省って今ないんだよなあ
惜しいね
626名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:56:34 ID:1RmGP7HI
そういや名前変わったんだった
文部科学省だっけ?
脳内変換して読んでくれ
627名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:59:28 ID:M1vxL7RY
>>623
GJ!長門がかわいすぎる
628名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:59:53 ID:xgz3I4Va
>>625
惜しいというよりもナツカシスの領域w
629名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 21:59:56 ID:nCWiICie
普通に会話する時はそんなもんだろ、文部省。
630名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:01:00 ID:1RmGP7HI
ん、見直したら長い文が変な改行されてる
例のメモパッドの使い方のやつか
お手数でなければ保管庫に入れるときに修正願います
631名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:07:01 ID:T+Daqjoy
>>625
現在は文部科学省なので
略して「文部省」と言っても、不自然ではない。発音しにくいし。
「文科省」でもいいけどね。

ttp://www.mext.go.jp/
632名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:08:09 ID:MRVKjaN0
>>614
>>623

GJっていうのはどうかな?

>>628
大蔵省も今名前変わったんだよな。
つい使ってしまうけど
633名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:17:04 ID:f1wSQv5H
長門なら、省略しないで呼びそうだが、
たぶん、長門も変化してるんだ省略してみたりと・・・
634名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:20:27 ID:+6wBIPI+
>>623
面白かったけど、寝るの早っ!
635名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:24:25 ID:IkjrVzQT
>>633
射手座の日だと、「インチキと呼ばれる行為をしてるのはコンピュータ研(究部)の方……。」
と、微妙に省略してるな。
636名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:26:23 ID:f1wSQv5H
>>635
詳しいな
そこまで、深く考えてなかったんだが・・・
アニメが14話で終わるようで欝だ・・・・
637名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:27:17 ID:4/qvJm+6
俺の高校じゃコンピューター研究部の略称は「昆布」だったな。それだけ。
638名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:31:39 ID:aBDEk3Zq
俺の高校じゃコンピューター研究部なんて存在しなかった
639名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:33:06 ID:lE9tGxKg
コンピ研か…俺の高校にそんなもんはなかったな

エンドレスどころか夏休みが8月半で終わりだったため違和感がある
640名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:41:28 ID:8+GYZd3w
うちの高校じゃコンピューター研究部の名前「物理部」だったよ。
641名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:51:06 ID:RXKd/4L3
パソコンなんて部室に置いておいたら速攻でパクられるような気がするんだが…
642名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:51:36 ID:P3G7E2cb
うちのは電気部だったよ。
643名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:54:25 ID:JmpBJYzK
兵庫県立西宮北高校では大丈夫なんだよ、きっと

DVDに七夕が追加されるとかされないとか
2クールがあるとかないとか

個人的には劇場版で消失を
644名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:55:51 ID:f1wSQv5H
>>643
>個人的には劇場版で消失を
お前は、俺か?w
645名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 22:58:03 ID:aCqmXzdB
とりあえず2クールでも、劇場版でもいいから、消失が見たいな。
消失長門とキョンの交流を動画で見たい。
646名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:00:31 ID:1RmGP7HI
>>640
なんか俺と同じ高校の気がしてきた
647名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:07:10 ID:JmpBJYzK
>>645
脳内スクリーンでは
ノーカットCM無し
フルボイス
ビスタサイズ
5.1ドルビー
で絶賛上映中
648名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:15:17 ID:NacU3Kmj
>>640
>>646
ひょっとして俺も同じ高校かも
649名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:15:24 ID:RXKd/4L3
>>643
高校にDVDに劇場版…

夢があって良いなぁ脳内だと
650名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:31:13 ID:jaEeXNbA
うちの高校は体育館にパソコン敷き詰めて全部ハブで繋いで
FPSゲーの対戦会場にしてた

俺が部長だったんだけどな
651名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:36:14 ID:NS0B8ETT
>>649 谷川って西宮北高校なの?田口と一緒じゃん
652名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:54:25 ID:UJPbNev7
>>625
ソ連を知らない人間がもうすぐ社会に出てくるぞ。
ドイツが2つあったって言ったらえーうっそーだぞ。
653名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:55:40 ID:EZ2iJuM3
そろそろ次スレかな・・・
654名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 23:57:29 ID:KpSl0JSK
スレうまるのテラハヤスw
655名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:00:20 ID:6E0Gin/4
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 15章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150988329/
656名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:23:55 ID:F1rqx+Kg
>>640
>>646
>>648

ちょいと待て、ウチの高校もそうだったんだが、
名称が物理部で実体がコンピ研ってのは実は一般的な話なのか?
657名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:26:28 ID:tPTIm1z+
>>603
ここではあんまり言いたくないんだが
マジGJ
なんてことない日常描写大好き
658名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:29:19 ID:tbwgw/o/
長文の感想につき御無礼…

>>528
電話ハルヒが無理してるのが伝わる。これはいい
だがこの様子じゃ長門を出し抜けないんだろうな。
続きまってます

>>nac
待ってました!
落ち着いた終わり方でよかったです。
原作で2人とも素直になる日はいつなんだろうと思った

>>546
時節積極的な長門がいい。
ハルヒがどう動くのかそれが非常に楽しみです

>>涼宮ハルヒのいじめ
新趣向なだけに新鮮。
ちょっと脆さのあるハルヒってのもいい
続き期待

>>615
内容も然ることながら、一度の投下で完結。
これが余計に後味を引き締めたものにしていると思う。
さわやかな高校生活と言いますか。良かったです

>>623
この長門は破壊力ある…
透明人間なだけに、ハルヒの隠れた一面を
この後キョンが知ることになるかもしれない。
このあたりもどうなるんだろう。楽しみです
659名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:39:40 ID:6E0Gin/4
>>623
しまった1箇所長門が長戸になってる。
まとめるとき修正お願いしm素
660名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:43:30 ID:ikh6t3OY
穴埋め用の超短編


要するに、いつも通りSOS団の活動が終了して下駄箱まで来たところで
俺はマフラーを部室に忘れている事に気付き、引き返すとなぜか長門が
一度閉じたはずの本をいつもの位置で読んでいる所に出くわしたわけだ。

「長門。その首に巻いてあるものは何だ」
「マフラー」
「そうか。ところでそれは俺の持ち物だと思うんだが」
そう言うと長門は本を膝に置き、首のマフラーを解いて俺に差し出した。

「暖めておいた」
「・・・・・・・・・・・・」

なんとなくだが、俺は信長に勝ったような気がしたよ。
661名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:55:13 ID:6E0Gin/4
>>660をまねて
SOS団の活動が終わって帰ろうとしたんだが、下駄箱のところまで来て思い出した。
「あ、マフラーだ」
よりにもよってこんな寒い日にマフラーを忘れてしまうとは。 いそいで部室に取りに戻らねば。

「どうしたの、キョン?」
「いや、マフラーを忘れてな」
「マフラーってこれ?」
ハルヒが首に巻かれたマフラーの端を持って見せびらかしている。
「何でお前が俺のマフラーを使ってるんだ?」
俺はハルヒに詰め寄る。
「だ、だって誰かが使ってないと暖かくないでしょ。 わざわざ暖めてあげたの、感謝しなさい。」
「結局使ってたんじゃねぇか」
「あ、お礼は今度のパトロールおごりでいいから」
人の話を聞け…
662名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:57:32 ID:MCn/B1jd
>>660
確実に勝ったよ。
663名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 01:20:56 ID:yexHqXHR
ああ。むしろ長門じゃ猿は役不足だ
664名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 01:29:02 ID:asIBSD+X
エロ無し。グタグタ。
未成年の巣窟だなwwwww
665名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 01:31:17 ID:ikh6t3OY
超短編。
穴埋めになってるかどうかは知らない。


さて。単刀直入に言えば部室に二人きりという状況で、
俺もたまには、と長門に倣って本を読んでいるわけだ。

突然妙な視線を感じた俺は顔を上げて周囲を見回したのだが、
部屋にいるのは人を殺せそうな厚さの本を読んでいる長門の姿のみ。
気のせいかと思い本に目を戻すとまた視線。顔を上げると長門。
目を戻すと視線。長門。視線。長門。視線・・・・・・

十何回目かの視線に顔を上げ、また目を戻す。
と見せかけて顔を上げる俺。

・・・・・・長門と目が合ってしまった。

「・・・・・・・・・・・・」
こら、何事もなかったかのように本に目を戻すな。
6665-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/23(金) 01:43:09 ID:lgtHFA/N
とりあえず、尻の新作が出来たが……。
眠いのでたぶん明日。
推敲してから投下する。
667名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:12:37 ID:NDucx9Lb
純愛と思わせて最後の方でNTR描写するとすごいのな。
他スレで実際にやった奴いてスレ炎上してた。
668名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:14:49 ID:MCn/B1jd
>>667
くわしくしょーさいっ
669名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:14:50 ID:O3Nps4Cc
そら最後の最後で(悪い方に)裏切られたら炎上もするわいw
670名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:21:48 ID:qaFhCat8
>>667
詳細!詳細!
671名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:24:18 ID:mdYoN5DX
よし、エロなしオチなしSSできたぞ!国語2だから突っ込みなしなwww
保管しなくてもいいからwwwwwwwwでも、こわいな・・・
672名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:28:01 ID:CZTF/5Pt
>> 671
知り合いに高校の国語ほとんど赤点(大学は当然行ってない)でプロの小説家やってる奴がいる。
673長戸有希の帰宅:2006/06/23(金) 02:32:01 ID:mdYoN5DX

「ガチャリ」と誰もいない部屋に音が響く。

かばんを置き本を取り、本を読む。

時間が経ち日が落ちて暗くなった部屋に聞こえる…いや、私の中から聞こえる
情報結合を解除し、もういないはずの彼女の声が…

「キョン君のこと好きなんでしょ?わかってるくせに…」

本を閉じ、台所に向かう。コンロに火を付けカレーを温める。

いつものメモリエラーだ。今日も自己判断モードに入らないと…ここのところ毎日だ。
あの夏以来、ずっとこんなエラーが続いている。自己診断しても削除できない修復できなかった。

彼には聞き取れていなかったが、彼女のあの言葉はいまの私に深刻な負荷となっている。

カレーを盛り付け、居間のテーブルに座り、黙々とカレーを空にした。

本来、睡眠は必要としないが自己判断モードに入る際、一種の睡眠状態に入らなければならない。

布団を広げ、制服を脱ぎ下着姿の状態のまま布団に入る。

読書予定の本のリストを整理しながら…

彼女は目を閉じた。

─────────────────────────────

すまんな・・・つい妄想が抑えられなくて・・・
宇都だ市脳・・・くび釣ってくる
674名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:41:33 ID:+cXyo8YN
惜しい、最後の最後で「彼女は」になっとる。
675名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 02:42:59 ID:mdYoN5DX
アー!!!!!!
676名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 04:22:21 ID:rZ/MrWd3
>>667
詳細
677名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 08:50:05 ID:NDucx9Lb
読みたい人多いのな。ちょっと前の他のスレで、しかもハルヒとは関係ないよ。
仕事行って来る。
678名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 10:37:25 ID:asIBSD+X
>>673
また未成年かよ、しかも苗字間違えやがって…
(・∀・)カエレ!
679名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 10:44:35 ID:uynunoH/
現在長いSS考案中。
長くてもいいのかなぁ?
680名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 10:48:40 ID:cKSyGhcC
長すぎるならtxtでうpすれば?あとは1/5とか分割するとか。
681名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 10:59:28 ID:qd7KDOBK
>>679
10レス以上に分割されて投稿されてる作品も結構あるから問題ないと思われ。
682名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 11:14:01 ID:V8a1ARMs
>>679
テキストファイルで50〜60k、20〜30レス程度なら一括投下でいいと思う。
それ以上なら、複数日に分けて投下するとか。
683679:2006/06/23(金) 11:19:07 ID:uynunoH/
まだ未完成なので、少しずつ投下することにします。
アドバイスありがとうございます。
684名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 14:23:20 ID:VZgs+Eum
昔と比べるとかなり活気があるな
685名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:21:31 ID:EUEAd8Jv
朝倉vs長門のちょっとコアな話落とします
686名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:23:07 ID:EUEAd8Jv
「遅いよ」
窓から差し込む西日で照らされた微笑。
俺を手紙で呼び出した張本人、それは誰であろう朝倉涼子だった。
俺はあまりに意外な人物に戸惑っていたが、誘うように手を振る朝倉に従い
彼女の立つ教卓へと近づいた。
「お前か・・・」
「・・意外みたいね」
「何の用だ?」ぶっきらぼうに言った。
「そんな冷たい言い方しないでよw女の子から放課後の呼び出しっていえば分
かりそうなものだけどな?」
「・・・もしかして」
「付き合って欲しいのよ、私と。」
「・・・」
「現状維持してるだけじゃジリ貧なら何か変化起こしてみたいと思わない?」
「涼宮のこといってるのか?」
「まさかあんなに仲良くなっちゃうとは思わなかったなあ、意外にやり手?w」
「涼宮とは全然そんなんじゃないんだ」って言う声には動揺が現われてたのが
自分で分かった。おい俺、あの朝倉に告白されてんだぞオッケイしかねえだろ。
でも・・正体不明のアンチテーゼと格闘しながら躊躇していると、俺はおかしな
ことがおきているの気づいた。教室から窓やドアが奪われていた、大きな灰色
の箱のようになっていた。これはいったい
「ふんぎりがつかないなら、既成事実を作っちゃえばいいのよね」
そうゆうと朝倉はセーラー服のリボンをほどき胸をはだけさせた。
「おいちょっと待てよ」そういいながら俺の心臓は高鳴っていた。しかし
冷静に考えろ、まず教室の様子がおかしくないか?そう思うだろ朝倉。
「誰かに見られる心配はないのよ、この空間はあたしの情報制御下にある。
外界への経路は封鎖したから・・」
夕日さえ消えている。蛍光灯の寒々しい光だけが俺たちを照らしていた。こん
な不気味な場所でいいムードを素直には喜べない。しかも情報制御?なんなん
だ長門といい朝倉といい、SFブームなのか?もしかして長門の話は・・そして
これは朝倉の仕業だというのか、
687名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:24:20 ID:EUEAd8Jv
「長門みたいなこと言うんだな」
この一言がまずかったらしい。流れる空気が明らかに変わった。興ざめとは
このことだろう、ほかの女の話を始めるとは、しかし聞かずにはいられなかっ
た。なにしろこの異常な空間。
朝倉の顔か
らは無邪気な笑みが消えうせ、軽くひきつったような顔で言った。
「長門さんと・・何かしゃべったの?」
その時。突然俺と朝倉の間に見慣れた顔が現われた。噂をすればとゆうやつか。
「空間閉鎖が甘い」長門は無機質にそういった。
一方の朝倉は平静さを欠いていた。
「邪魔する気?指示以外でどう動こうがあなたには関係ないじゃない!」
「あなたの行動は涼宮ハルヒに対し情報フレアを誘発させる可能性がある。
それは現在の観察継続の指示にそぐわない。」
「観察してたからこそよ・・彼女を観察していて分かったのは、思うが儘に生
きることの大切さ。事実、そうすることで彼女は情報統合思念体の進化の可能
性をはらむ存在になった。」
「あなたと彼女とは違う。インターフェースが情動行動をとるのはただの
エラー」
「あなただってそうやって自分を押し殺してばかりはいられなくなるわよ」
「・・・行動中止と環境情報の正常化を要請する」
「いやだと言ったら?あたしの情報を解除する気?」
「情報解除は申請しない。代わりに二度とエラーがおこらぬような処置をす
る」
「あきらめられるわけないじゃない!」そういうと朝倉は俺に飛びついてきた。
いつの間にか下着姿になっていた朝倉のたわわな胸が俺の腕に当たった。
「離れて」視線を俺に向けて長門は言った。そして呪文のようなものを唱え始
めたしかしかたくしがみつく朝倉の腕はほどけない。それどころか俺は朝倉に
されるがままにベルトを緩められズボンをおろされそうになっていた。大きな
瞳で上目遣いに俺の目を見つめる朝倉俺はもう何も考えられなくなっていた。
体は火照り、俺は朝倉を求めていた。彼女のパンツに手をかけてゆっくり降ろ
そうとしたその時だった。ジョロジョロ・・・、目を疑った。朝倉は放尿し
はじめた。俺の腿に生暖かいしぶきがかかった
688名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:25:49 ID:EUEAd8Jv
「何しやがる!」俺は瞬時に飛びのいた
パンツからこぼれだす尿を手で抑えようとしながら朝倉が近寄ってきた。
「違う!違うあたしじゃない!」
「近寄らないでくれ!くさいぞ」
「あたしじゃない、あなた!あなたの仕業ね!」そういうとようやくション
ベンを終えた朝倉は尿まみれの手で長門を指差した。長門はどこから取り出し
たのか、厚いハードカバーを壁にもたれて読みふけっていた。
「長門がどうやったらあんたにお漏らしさせれるんだ?」俺は呆れ顔で聞いた
朝倉はまた情報がどうのとかなんとかと訳の分からないことを喚き散らしてい
た。まったくとんでもない変人だな、しかもなんだその気にさせといてション
便ひっかけてくるなんて、いたづらにしても度を越えている。
「違うの信じて!」そういうやいなや今度は朝倉は四つんばいになって片足
を中空にあげた。
「か、からだが勝手にうごくのよ」自分でやりながら目に涙をためている。
そして思ったとおり、わんちゃんスタイルで尿を垂れ流し始めた。ああ分かっ
たよ、朝倉、お前はドのつく変態女だ。
「うっっげっちがっ」ション便をとめたかと思うや、むせび泣きながら俺の方に
這いよってくる。
「長門!この馬鹿どうにかしてくれ」
長門はゆっくり朝倉の前にでると頭を踏みつけた。するとなんということか
朝倉はおとなしくなりだらしなく舌を出すと床に出来た大きな黄色い水溜り
をちょろちょろとなめ回しはじめた。いつのまにか教室は元に戻っていた。
ていうか錯覚だったのかも、なうれしくて気が動転してて、それが全く、こん
などうしようもない変態だったとはな。
「小便ショーは終わったようだしもう帰っていいんだよな朝倉!」そういうと
水溜りから顔をあげた朝倉は
「いっくぁないっでぇえ、ごかいなのお」と叫んだ。唾液と小便が混ざった
ような液体が口元からたれていておぞましい。えっちどころかあんたとはキス
する気もおこらんよ。
俺はズボンをはきなおして教室を出た。
その後朝倉涼子変態説は学校中に広まった。俺がふれまわったんじゃないぞ、
あんな変態にしょんべんかけられたなんて言ったら俺まで軽蔑されるからな。
キョンてあだ名がションになっちまいそうだ。
忘れ物を取りに来た谷口が泣きながら自分のション便なめてる朝倉を見たそう
だ。長門はその時いなかったそうだ。そういやいったい長門はなんで俺の教室
にきたんだ?長門の話をしたときの朝倉の顔から考えて長門は朝倉の性癖を
知っていたのかもしれない。もしかして長門が話した電波な話、あれは長門
流に朝倉の危険性を遠まわしにうったえようとしていたのか?狙われるのは
あなたって言ってたしな・・。女の子が小便なんていえるはずないし、変人
かと誤解してたが結構かわいいとこあるじゃん長門よ。
朝倉はあんなにいた友達を皆なくして、どんどん孤立していった。みんないじ
めると言うか完全無視だった。下手なことしたら何されるか分からないからだ
ろう。ハルヒだけは面白がってまだしゃべりかけているが、朝倉の暗い反応に
ようやく愛想をつきかけてきたようだ。
「まったく、昔はあたしが嫌がってるのに話かけてきた癖にさあ、今はほっと
いてくださいとかいって全然態度違うのよ。変態だってばれちゃったんだから
逆にそれをネタにして美少女変態キャラとしていきてけばいいのに、そした
らSOS団に誘ってあげてもいいかもね」文芸部の部室でハルヒはそうつぶやいた
本を読んでいた長門が一瞬目をあげ冷笑した・・・ように見えた。
689名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:28:18 ID:EUEAd8Jv
以上でした、キャラいじめ嫌いなひとはとばしてください。スレ穢しスマソ
690名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:32:02 ID:2kkqxLVA
な、長門こわっっ
691名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:32:53 ID:NNCwJ3fx
>>689
なぁ
いくら次スレが立ったスレだとはいえスカトロネタはどうかと思うんだよ
最初に警告して名前欄にタイトルを入れてそれをNGワードに登録しておいてくださいぐらい言っておこうぜ
コアな話じゃスカトロとは分からないぞ
692名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:42:02 ID:Z3/qHprK
>>691 ごめん、かるめだからまあいいかとおもった
693かなり ◆WT4p4fROmI :2006/06/23(金) 16:59:38 ID:VR6QAVIz
コッ、コワ━━━━━(((( ;゚Д゚))))━━━━━━ッ !!!
694名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 17:40:32 ID:1l1aD9fn
内容は面白かったからもう少し綺麗な日本語で書けるように努力してくれ
695名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 17:49:00 ID:e8u4Yb6T
>>694 ご指摘ありがと! たとえばどこらへんが変?
696名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 18:06:24 ID:aX0QkpNb
>>695
句読点がない、漢字変換してない、改行位置がおかしい
697名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 18:14:03 ID:vYDLKYc6
「キョン、ちょっと聞いて、
 昨日、学校の裏山に宇宙人が出たらしいわよ」
「そうか、よかったな」
「何よ?興味ないの。いくわよ」
「わ〜、まてまて。行って変なのに殺されたりしたんだら
 どうするんだ」
「大丈夫よ。宇宙人はみんないい人よ」
(俺は殺されかけたんですけど……)
「わかった。お前を信じたい。だが」
「だが?」
「何かあったときに死ぬかもしれない」
「別に大丈夫だと思うけど」
「童貞のままでは死ねない」
「ハァ?」
「ハルヒ、俺の童貞をどうにかしてくれるなら
 お前のドレイと成り下がろう」
「ふ〜ん、なるほどねぇ。確かに男として童貞で死ぬのは寂しいわよね。
わかったわ。誰がいい?みくるちゃん?ユキ?…それとも私にする?
どうしてもっていうなら私でもいいわよ」
「もちろんみくる……」




その日、巨大な情報爆発が発生した。
他の子のフラグを立てたらだめなんだとキョンは統合体から説明を受けました。
統合体(んじゃ、リプレイしてきてね、よろしく〜)
キョン(俺はゲームの主人公かよ!!)



698再挑戦1:2006/06/23(金) 18:30:57 ID:vYDLKYc6
復活させられた俺はまたハルヒがフェードインするところから始まった。
「キョン、ちょっと聞いて、
 昨日、学校の裏山に宇宙人が出たらしいわよ」
「そうか、よかったな」
「何よ?興味ないの。いくわよ」
「わ〜、まてまて。行って変なのに殺されたりしたんだら
 どうするんだ」
「大丈夫よ。宇宙人はみんないい人よ」
(俺は殺されかけたんですけど……)
「わかった。お前を信じたい。だが」
「だが?」
「何かあったときに死ぬかもしれない」
「別に大丈夫だと思うけど」
「童貞のままでは死ねない」
「ハァ?」
「ハルヒ、俺の童貞をどうにかしてくれるなら
 お前のドレイと成り下がろう」
「ふ〜ん、なるほどねぇ。確かに男として童貞で死ぬのは寂しいわよね。
わかったわ。誰がいい?みくるちゃん?ユキ?…それとも私にする?
どうしてもっていうなら私でもいいわよ」
「もちろん、ハ、ハルヒだよ。」

「ほんと?」
「あぁ、当たり前だろ」
「そうよね、やっぱり私って魅力高いわよね、
でも、キョン。本当にみくるちゃんじゃなくていいの?」
「当たり前だろ、だいいち、朝比奈さんにフェラチオさせるわけには
いかないだろ」


その日、巨大な情報爆発が発生した。
そういう言い方はハルヒの純情を傷つけるから言い直すようにしろとのことでした。
統合体(んじゃ、リプレイしてきてね、よろしく〜)
キョン(俺はゲームの主人公かよ!!)
699再挑戦2:2006/06/23(金) 18:33:56 ID:vYDLKYc6
復活させられた俺はまたハルヒが質問するところから始まった。

「ふ〜ん、なるほどねぇ。確かに男として童貞で死ぬのは寂しいわよね。
わかったわ。誰がいい?みくるちゃん?ユキ?…それとも私にする?
どうしてもっていうなら私でもいいわよ」
「もちろん、ハルヒだよ」

「ほんと?」
「あぁ、当たり前だろ」
「そうよね、やっぱり私って魅力高いわよね、
でも、キョン。本当にみくるちゃんじゃなくていいの?」
「当たり前だろ、お前にしてほしいんだよ」
「キョン!!」
「さ、保健室行こうか」



その日、巨大な情報爆発が発生した。
そういう言い方はムードがないのでダメだということでした。
統合体(告白しないでエッチはひどいんじゃない?)
キョン(俺は童貞を捨てたいだけなんですけど!!)
700再挑戦3:2006/06/23(金) 18:39:54 ID:vYDLKYc6
復活させられた俺はまたハルヒが質問するところから始まった。

「ふ〜ん、なるほどねぇ。確かに男として童貞で死ぬのは寂しいわよね。
わかったわ。誰がいい?みくるちゃん?ユキ?…それとも私にする?
どうしてもっていうなら私でもいいわよ」
「もちろん、ハルヒだよ」

「ほんと?」
「あぁ、当たり前だろ」
「そうよね、やっぱり私って魅力高いわよね、
でも、キョン。本当にみくるちゃんじゃなくていいの?」
「当たり前だろ、お前にしてほしいんだよ」
「キョン!!」
「そのハルヒ、俺、お前のことが実は……」
「キョン―っ」
「好き、なんだ」
 そういってハルヒの腕を掴む。ハルヒは顔を紅くしながら、俺に
引っ張られていく。目指すは保健室だ。ベットがある唯一の空間。
「ちょ、キョン。少し痛い」
「強引なのは嫌か?」
 ハルヒは耳まで赤くして顔を左右に振った。
(これはイケル!キタコレ)
 しかし問題があった。

「アン、アッ、アッ、めがっさ、気持ちいいにょろ」

どうやら先客がいたようだ。鶴屋さん。俺、いまさらながら、鶴屋さんが…
「取り込み中のようね」
「そうだな」
「どうするの?」
「うち行くか?」
 ハルヒは顔を真っ赤にさせながら傾いた。

続く



その日、巨大な情報爆発が発生した。
そういう言い方はムードがないのでダメだということでした。
統合体(告白しないでエッチはひどいんじゃない?)
キョン(俺は童貞を捨てたいだけなんですけど!!)
701再挑戦3 続:2006/06/23(金) 18:45:10 ID:vYDLKYc6
鶴屋さんとエッチしていたのは誰か気になったが、
とりあえず俺は自分の息子をどうにかすることのほうが大事であった。
うちにつくと俺は大変な問題が出て来た。

妹がいたんだ。


「あっ、キョン君。お帰り〜。ああああ------つ」
「こんにちわ」
「キョン君が女の子お持ち帰ってきた〜!!!」
「おい、こら!」
 急に顔を紅くさせながらもじもじする我が妹。
「見学していい?」


その日、巨大な情報爆発が発生した。
児童ポルノ法案にひっかるのはダメらしい。
統合体(3Pとか考えてたでしょ?)
キョン(どこですればいいんですか?)
統合体(もうだめだ。あきらめよう)

702再挑戦3 完結:2006/06/23(金) 18:46:26 ID:vYDLKYc6
ちなみに鶴屋さんがエッチしていたのは朝比奈さんでした。
(もちろんおもちゃにされていたのは朝比奈さん。きっとむりやり
舐めさせられていたのだろう)
703名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 18:52:38 ID:YrN+uq+/
誰か、このへんでそろそろ古泉×有希の18禁SSを投下しないか?
704名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:00:22 ID:Hqx8Rv5a
しない
705名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:02:01 ID:oiQmPxhS
寝取られがみたい。
ハルヒとかみくるはどうでもいい。
長門が寝取られるのが凄くみたいわけですよ。
706名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:04:11 ID:vYDLKYc6
どうせ、小泉だすならキョンとの801がいいww
707名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:12:45 ID:KlipzKz+
それこんなん?

  /.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:ィi.:,、.:.ヽ  
 /イ.:.:.:.:i|:/__,V'、|l_j:.:.:.l   
  lr:l:.:.l -ー   -、 レヘ!      ィ'ミ,彡ミ 、   
  l l:.|    |  |:l        .ミf_、 ,_ヾ彡 .
  `ーi;|    '  ,N        ミ L、 t彡 
    | `ー  ̄ , '          ヽ一_>'i  
  ,,rへ、_ ` 〔´__          /<∨>\  
/l :ヽ、 ゙7'r'Yヽ、゙ー、   
: : |: : : ヽ/、;:;;;}イ: :ヽ: \   
.: :.>': : ヽ/::::| .l: :<: : ヽ




708名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:16:13 ID:uynunoH/
>>707
首相出してどうすんだw
709名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:19:19 ID:KlipzKz+
>>708
>>706は古泉でなく「小泉」をご所望だw
710名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:36:00 ID:uynunoH/
 書きかけですが、SS行きたいと思います。
どうも。
711もう一人の入団者:2006/06/23(金) 19:42:28 ID:uynunoH/
 俺が宇宙人やら未来人やら、はたまた超能力者が、
この世に存在するはずがないと思っていたのは、
もう遠い昔のような気がする今日この頃。

 今やものすごく身近にそういう存在がいるのだから、
信じざるを得ない。
もちろん、俺だって本当は平凡な日常を楽しみたい
一般男子校公正なわけで、そんなの信じたくはないっつーのが本当のところ。

 しかし、そんな少しの望みというか願望というか、
どちらでもいいがそうであってほしいという考えを
ぶち壊すやろうがまた現れた。
712名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:45:18 ID:1ZEK45UL
>>710
投下はありがたいが、とりあえずsageてくれ
713もう一人の入団者:2006/06/23(金) 19:51:10 ID:uynunoH/
 俺がいつもどおり教室に入り、
今日も勉学にいそしもうかと準備しようとしたところ、
教室にものすごい勢いで駆け込んできた女に、
一気に廊下まで引きずり戻された。
 相変わらずの馬鹿力と勢いだなと感心しつつ、
俺はまず聞いてみた。
「今度は何だ、ハルヒ」

 この女、涼宮ハルヒが朝からこういうテンションだと、
必ず俺が疲れる。そういう流れになっている。
「聞いてよキョン!また来たのよ、なぞの転校生が!」
 こいつは部室で見せる満面スマイルを、今日は珍しく朝から見せている。
しかし、先ほども言ったように、こいつがテンション高いと俺がつかれ、
そしてこいつがこういう表情を見せても疲れる。
方程式のような状態である。
714名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:52:09 ID:uynunoH/
sageって?
715名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:54:52 ID:uynunoH/
OK。
すまん。
716名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:56:04 ID:EDNna12l
メール欄に半角小文字てsage
つかそんなのもわからないのに2ch来るな
半世紀ROMってこい
717名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 19:56:10 ID:SOzTC679
オリキャラか…
大丈夫かな?
718名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:02:51 ID:pz7YsB8h
キョン×坂中
719もう一人の入団者:2006/06/23(金) 20:04:12 ID:uynunoH/
 ところで、話を戻してやろう。
「今回はどの変がなぞなんだ?」
俺の疑問に対して、ハルヒは猛烈な勢いで回答する。
「もう謎も謎よ!出身地、年齢、体重、身長、国籍、
どこの高校か着たかとか、すべてが分からないんだって。
どう思う?」
 相変わらずお前の頭がおかしいと思う。
「国籍はともかく、年は分かるだろ。15か16なんだろ?」
「そうとも限らないわ。もしかしたら、年齢を偽っているのかも。」
 どこぞのスパイじゃあるまいし、なぜ年齢を査証する必要がある。
「だから国籍不明なんじゃない。」
 それはお前が勝手に考えたんだろ、ハルヒ。

 そうこうしているうちにチャイムがなり、俺は急いで教室に戻り、
準備をした。
 ハルヒのやつ、自分はしっかり準備し終わってやがる。
俺にもそれくらいの時間をくれ。5分とは言わん。3分でいい。
720もう一人の入団者:2006/06/23(金) 20:16:07 ID:uynunoH/
 いつものようにホームルームが始まり、授業が始まるのかと思いきや、
担任の岡部がこういった。
「今日は転校生を紹介する」と。
そうか、このクラスに転入か。ハルヒはそこらへん何も言わなかったからな。
などと思えなかった。

 クラス全員(ハルヒを除く)が耳を疑った。突然すぎる。
昨日まではそんな前振りなんてまるでなかった。
しかし、俺はこれに似た、よく似た感じを覚えている。

朝倉涼子の転校

 俺の脳裏にあの恐怖がよみがえる。
できれば二度とあんな思いしたくない。思い出したくもない。
あんな俺に命の危険が伴うような体験はごめんだ。
 まあしかし、必ずしもそうとは言えん。そう思いたい。
そんな俺の考えなど知らず、転校生は入ってきた。

 男だった。体つきは非常にしっかりしており、がっちりとしている。
顔はどこにでもいそうなやつで、髪は短め。
しかし一番気になったのは目だった。
 まるで、死人がよみがえったかのように、目は死んでいた。
「伊藤徹です。よろしく」
その男はそういった。
721もう一人の入団者:2006/06/23(金) 20:17:27 ID:uynunoH/
今はここまでです。
また今度続きを書きます。
722名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:21:00 ID:qqhE3+TZ
>>721
そのオリキャラは話に関わって……くるわな。タイトルからして。

でも、そういうオリキャラ小説は、一般的に嫌われる方向にある事を知っておいて欲しい。
ただの厨キャラ、作者キャラは異常に萎える。
723名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:22:42 ID:9ix8/E20
次が正念場ですね、伊藤さんのキャラがたちますように
724名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:26:26 ID:qqhE3+TZ
>>723
でも、立たせ過ぎは最悪。立たな過ぎは唯の空気キャラ。

適度なキャラの立ち方。及び、NGワードを設定推奨。

本人から見たら唯のオリキャラかも知れないけど、他人から見れば、
自分をその世界に出したいが為のオナニーと変わらないからね。オリキャラが嫌われる由縁。
725名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:32:19 ID:X9Wxi2OD
>>719
書き手には頑張って欲しいが、まず落ち着け。
かなり雑な感じがする。
「査証→詐称」「着た→来た」
漢字に変換すべきなのにカナのままとか、もう少し見直してからアップした方がいいよ。
726名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:34:19 ID:GybMgn8J

埋めついでに。
半分ハルヒの中の人ネタ。
読みたくない人はEメール欄に「ぽか」と入れておいてください



 「なあハルヒ、お前は家に帰ってからはいつもどんな事してるんだ?」
 「あらキョン、アンタ可憐な乙女の私生活が知りたいわけ?」

俺の目の届く範囲に可憐な乙女は存在しない。

 「ここにいるじゃないのよキョン!」
 「何だと、お前はいつから可憐な乙女に変身したんだ」
 「何よもうこのバカキョン!
  良いわ、今夜あんたの所行くから首洗って待ってなさい」
 
そう言うとハルヒはスタコラサッサと帰っていってしまった。

 「・・・・・・俺のところに何しに来るんだ?」
727名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:34:42 ID:a3ZVrTSf
オリキャラは添えるだけ
728名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:35:00 ID:GybMgn8J
━━━━━

夕食を食べ終わった俺は部屋へと戻る。

 「そういやハルヒが来るとか言ってたが結局来ないじゃないか」
 「キョンくん、ハルにゃん来るのー?」
 「ああ帰り道にそう言ってた、でも結局来ないようだな」
 「あーら、あたしならここよ」
 「何!?」

いきなり俺の後ろからハルヒの声がした。
俺と妹が振り向くとそこにはハルヒ・・・

―――ではない金髪の女の子が立っていた。

その女の子は黒尽くめの衣装に身を包み、さらに背中からはコウモリのような羽が生えていた。 
しかも本物のコウモリを連れている。

 「誰なんだお前は、声はハルヒそっくりだが」
 「当たり前じゃない、同じ声なんだから」
 「はあ?」
 「あたしはパキラ、吸血鬼よ
  あたし太陽の光に弱いから昼間は普通の人間に姿を変えて高校生やってるわけ
  夜はこうやって吸血鬼に戻ってイケメンの男の子の血を頂いてるの」
 「なるほど大体理解した、だがお前が探しているイケメンの男の子はここには居ないぞ」
 「キョン!アンタよアンタ!アンタのことよ!」
 「キョンくん、『いけめん』ってなにー」
 「そんな言葉まだ知る必要ありません! てかハルヒ、じゃなかった、パキラにとって俺はイケメンなのか?」
 「ええこれ以上に無い位に、・・・って事でキョンの血を頂くわよ、
  ああ、別に大丈夫よ、コップ一杯程度くらいだから
  ちゃんと首洗って待ってたでしょうね」

なるほど、首洗って待っとけと言うのはそういう意味だったのか。

 「キョン、ちょっと痛いけど大丈夫だから」
 「痛いとはどれくらい痛いんだ」
 「そうね、アリに噛まれる位かしら、だから大丈夫よ
  ずっと夢だったの、キョンの血を飲む事」
 「ああわかった、わかったからとりあえず少しだけにしておいてくれよ」
 「だから言ったじゃないのコップ一杯だって、ではいただきまーす!」
 「・・・・・・んっ・・・」
  
自称吸血鬼が俺の首に噛み付いた。

 「だいじょうぶー?キョンくん」
 「ああ別に大丈夫だぞー」
 「美味しいわ、キョンの血、アンタ食生活は良いようね」
 「お褒めに預かりどーも」
 「んーー、ごく・・・ ごく・・・」

そんなわざとらしい音たてて飲まなくても良いだろう吸血鬼さんよ。
729名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:36:02 ID:GybMgn8J



 「あー美味しかったわ、ご馳走様」
 「満足したか」
 「ええもう大満足よ、最近ろくな男の血を吸ってなかったから」
 「なるほどハルヒが夜に何してるのかよーく解った」
 「だから今はハルヒじゃなくてパキラ!
  ではキョン、そのまま夜の営みに入るわよ」
 「な、何だと?! しかも妹の前で!」
 「ちょうど良いじゃない、保健体育の実技よ
  妹ちゃん、ちゃんと見ておきなさい」
 「うん、わかったー」
 「見なくて良い!まだわからなくて良い!お前は外に出てろー!」
 「いやだー」

その夜俺は妹の前でパキラと激しい性のバトルを繰り広げた。


翌朝目を覚ますとベッドの横にはハルヒが可愛い寝息をたてていた。

【終】

※パキラ…まじぽかに出てくる吸血鬼。ハルヒと中の人が同じ。

以上。まじぽか見たことない人すまん
730名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:38:33 ID:GybMgn8J
題名忘れ。
「涼宮ハルヒのぽか〜ん」で
731名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:38:57 ID:vYDLKYc6
706ですが古泉でなく「小泉」でお願いします。だれかお願いします
732名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:40:37 ID:1ZEK45UL
なんつーか、次スレ立てるのが早すぎたんだな、きっと
733名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:42:31 ID:vYDLKYc6
たしかにはやすぎますね。
まぁ、いかんとは思わないけど
734名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:45:23 ID:6Ft3dUN+
>>733
何も言わず去ってくれないか?
ここ21禁なんだ
735名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:54:28 ID:asIBSD+X
アニメは好きだが
アニメ厨は嫌いだ
つーか、二度と来ないで欲しい
736名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:55:24 ID:3mwWNKP1
腐女子はよそでやってくれ。
検索よけでもしてさ、どっかサイトでほそぼそとオナニーしててくれ
737名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:56:29 ID:rV9YwEos
数字板があるのに、ここで801をリクする度胸はすばらしいと思った。
738名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:58:46 ID:BuLbGeld
あげてやる!
739名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:04:34 ID:1ZEK45UL
何か埋め代わりの小ネタないかなとディスクを漁ってみたら、9-143で投下したやつのメモが出てきた。
それを、そのまま投下してみる。といっても、泣いた赤鬼そのまんまなんだけど。
エロも捻りもなくてすまん。もう一つの泣いた赤鬼ってことで、許してくれ。


駅前のマンションに、長門さんが一人で住んでいました。
長門さんはキョンくんと仲良くしたいと考えて、自分のことを正直にキョンくんに話しました。
でも、キョンくんは、長門さんの話を電波だと言って信じてくれませんでした。
長門さんは悔しさで自棄になり、いつも本ばかり読んでいました。

そこへ、朝倉さんが訪ねてきました。
朝倉さんは、わけを聞いて、長門さんのために次のようなことを考えてあげました。

朝倉さんがキョンくんの命を狙う。そこへ長門さんが出てきて、朝倉さんを懲らしめる。
そうすれば、キョンくんも長門さんが良い宇宙人で、自分の味方だと思うだろう、と言うのでした。

長門さんは、それはあなたに申し訳ない、それに、人が、人とは違うわたしを信じてくれるもの
なのだろうか、わたしは人と付き合っていけるのだろうか、そう不安そうに訊ねました。
朝倉さんは、ドース・ヴェナビリの例もあるし大丈夫よ、とそう言って、キョンくんに手紙を出し、
彼を呼び出してしまいました。

計画は成功して、キョンくんは長門さんを命の恩人として、大切に思うようになりました。
長門さんは、キョンくんと仲良くなれたことを、とても嬉しく思っていました。
しかし、日が経つにつれて気になってくることがありました。
それは、あの日以来、朝倉さんと連絡が取れなくなってしまったことです。

長門さんは、朝倉さんを懲らしめるとき、情報結合の解除を行う振りをして、
朝倉さんを空間転送していたのです。朝倉さんは、現在時空のカナダにいるはずでした。

長門さんは、情報統合思念体に朝倉さんの現状を問い合わせることにしました。
すると、朝倉さんは、自身の申請により情報結合の解除を実施したと聞かされました。

朝倉さんは、自己情報連結解除を行う前、長門さん宛てにメッセージを残していたそうです。

『長門さん、キョンくんと仲良く暮らしてください。もし、わたしの存在が彼に知れると、
あなたも悪い宇宙人だと思われてしまいます。わたしは、情報結合を解除して、ただの
情報素子に戻りますが、あなたのことはいつまでも忘れません。さようなら』

長門さんは、黙ってそれを読みました。何度も何度も読みました。
そして、自分の部屋のリビングで、コタツ兼用テーブルに顔を伏せると、
しくしくと涙を流して泣きました。

 ◇ ◇

今日は節分だ。
長門が紙製の鬼のお面を、ひっそりと手に取り、自分の頭に付けたとき、
こんな妄想が、朝比奈さんボイスで俺の頭の中を駆け抜けた。くっ、泣けるじゃないか。
くそ、ハルヒが泣いた赤鬼の話なんぞするからだ。

まさか、朝倉って実は良いヤツだったのか? いーや、そんなことないよな?
な? そうだよな? 長門? な、何だその遠くを見るような目は。
740名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:06:44 ID:vYDLKYc6
私の度胸はすごいですね。
ということで小泉さんとキョンのssをお願いします。
たぶん、こんな感じ。

「私は感動した」
「誰ですか。あなた」
「感動した」
「よくわかりませんが俺も感動しました」
「郵政民営化しよう」
「長門にお願いすれば一発だと思いますよ」
741名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:06:45 ID:KlipzKz+
つーかね、あえてもう一度>>731明言してのける見上げた根性の持ち主だから。
742名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:10:58 ID:yYI1k9As
>>741
荒らしは無視でいいでしょ。
743名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:11:19 ID:vYDLKYc6
誰かお願いします〜。
744名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:11:54 ID:ogpK63YA

          〃^  ̄  ̄ '´ ̄ヽ、
            //. /   ヽヽ   ハ
        ノ八/, '/从 | 从ヽハ 人
         〃 {_{`レリ Vヽノリ| l   リ  >>739
         {ハ人●    ● レ|、ハ||  とても良い出来だと思う。  
          | 从 ⊃ _ ⊂⊃|ノ |ri
        /⌒ヽ. |ヘ        j| /⌒i
      \ /::::>レ>、 __, イァリ   /
.        /:::::/ / ヘ:::|三/::{ヘ、__∧
       `ヽ<     ヾ:∨:::/ヾ:::彡
745小ネタ:2006/06/23(金) 21:30:08 ID:SjIBttr/

「朝比奈さん」
「なんですか? キョンくん」
その日、部室には俺と朝比奈さん、長門の三人しかいなかった。
ハルヒは早退、古泉は今日は忙しいらしく、部室には顔を出さなかった。
つまり何か非現実的なことを問いかけるのに、絶好の機会というわけだ。

「あのですね、朝比奈さんは日本語を話してますよね」
「え? ええ、そうです」
「朝比奈さんの母語は日本語なんですか?」
俺の質問に、朝比奈さんは困ったような顔をする。
「えっと、そうであるとも言えますし、そうではないとも言えます」
今度は困るのは俺の番だ。禅問答みたいなことを言われても、どうすればいいんだ。

助け舟を出してくれたのは、長門だった。
「時間の経過とともに人間の言語には変化が生じるのが常」
淡々と告げる。ら抜きとかさ入れとか、あれか。
「そう。朝比奈みくるの母語は日本語ではあるが、その日本語とあなたが日本語だと思っている言語は別物」
「そうなんですか?」
朝比奈さんに振ると、うなずいてくれた。
「あたしにとってこの時代の言葉は、ええと、キョンくんに置き換えると明治時代ぐらいの言葉に感じます」
明治時代ということは、なんとか理解できるぐらいかな?
「ええ。実は言葉というものは、それほど変わらないんです。情報量と拡散速度の総和に比例して鈍化していきます」
理屈はわからないが、そうらしい。
「でもやっぱり違う点もあるので、翻訳機のようなものに補助してもらってるんです」
「そんな便利なもの、いつできるんですか?」
朝比奈さんの話し方に違和感など感じたことはない。
もしそんなものが存在するなら、英語の勉強なんかする必要ないぞ。
「ごめんなさい、禁則事項です。だから英語はちゃんと勉強しないとダメです」
諭されてしまった。しかも俺の考えてることまでバレるとは。
朝比奈さんは口をかわいらしく尖らすと、
「だってあたしも勉強してるんですよ、英語。禁則事項を使えばすぐなのに」
朝比奈さんには朝比奈さんなりの悩みがあるらしい。
「ほかの科目は楽しいんです。でも英語だけは、やる気が出なくて」
きっとライターを持ってるのに、火を起こすために落雷を待ってる気分なんだろうな。
「英語なんて無くなればいいのに。あっ、これ嘘です。誤変換されちゃいました」
ぺろっと舌を出して取り繕う朝比奈さんだったが、俺は嘘ってのが絶対嘘だと思った。
誤変換とかそういう次元ではなく、目が笑ってなかったからだ。
言葉より目で意思疎通してくる長門は、案外正しいのかもしれない。
746小ネタ:2006/06/23(金) 21:31:13 ID:SjIBttr/

「長門」
「なに」
「長門にとって日本語ってのは、なんなんだ?」
これも気になる。
長門は少し間を置いて、答えてきた。
「ヒトという生き物が使う言語のうちの一種類」
安物の辞書に載ってそうな定義だな、それ。
「つまり、長門にとって日本語も英語も変わらないってことか?」
「そう、基本的には」
基本的でしかないのか。
「ヒトが生き物として同種である以上、どの言語も根底は同じ」
「そうか?」
長門はこくっ、とうなずき俺の疑問に答える。
「そうでなければ、あなたが他言語を理解することはできないはず」
「それなら、俺にだってもっと英語がわかってもよさそうなもんだが」
「それは言語が後天的資質だから。一般的には十四歳を過ぎると、母語話者になる資格を失う」
「後天的資質?」
それにしては、大半の人間は不自由なく言葉を話せているじゃないか。
「ヒトは生まれながらにして言語を司る機能を持ち合わせているが、発動条件がある」
だんだん小難しい話になってきた気がする。
「ある一定年齢までに五感のいずれかを介して、言語に触れ、それを継続すること。これが条件」
「つまり、俺は英語に触れる時間が少ないからわからんというわけだな?」
「そう。もっと勉強することが肝要。あなたの場合すでに十四歳を過ぎているから、学習するしかない」
うぐっ、すごくつまらない結論に落ち着いてしまった。結局、勉強か。

「『学習』の本来の意味は、真似て、慣れること。能力ではなく、反復」
俺をじっと見つめたまま、長門は言葉を継いだ。
「言語そのものは、それほど難しいものではない。十分解析可能」
長門の瞳に俺が映っている。
「複雑に感じるのは、双方間の意味解釈に齟齬が生じるため。環境の相違と言ってもいい」
長門が覗く俺の瞳にも、長門は自分の姿を見ているのだろうか。
「いまわたしが発言していることをあなたがどう受け取っているか、わたしにはわからない」
瞳が少し物憂げに揺らいだ。
「わたしに解析できないのは」

「人の、心」
747名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:33:11 ID:qaFhCat8
>>739
オチがよかったよ。
748どっかの627:2006/06/23(金) 21:37:15 ID:01E/PyvN
VIPの総合見てて鶴屋さん大人気でみくるちゃん(´・ω・`)カワイソス
状態なので思わず書いた・・・タイトルにも別に深い意味はないです(ノ∀`)

注意:みくるちゃん萌えの方は見ないほうがいいかも
後エロはないです
749どっかの627:2006/06/23(金) 21:38:03 ID:01E/PyvN
朝比奈みくる黒化計画

やあ、どうも古泉一樹と申します。
誰もいないので本来の性格でも良かったのですが、
混乱を招きそうなのでSOS団時のこの仮の性格で語りますね。
僕が持っている力については皆さんは知っていると思いますが、
キョン氏にも言っていないことがひとつあります。
それは相手の考えが読めるという能力です。
キョン氏には涼宮さんのだけはわかるっとは言ったでしょうか。
実をいうと涼宮さんだけではなくほぼ全ての人の考えが読めるのです。
これは言ってしまうと色々と人付き合いに支障が出るので今まで黙ってたわけです。
ほぼ全てというのは長門さんみたいな方は心にシールドを張っているようで読めないのですよ。
いつもの説明癖が出てしまってすみませんね。
涼宮さんとキョン氏は心の中でまで素直でなおいのはなんとかしてもらいたいですよ。
ツンデレというのもいいのかもしれませんが、そろそろ素直になってはどうでしょう。
話が変な方向に向いているようなのでここら辺で戻しますね。
ここからが本題です。まぁここまで言えば分かる人はいるとは思いますが。
SOS団の残りの1人朝比奈みくるについてです。
キョン氏には一度遠まわしで言っては見たのですが、やはりあの猫かぶりに騙されているようです。
普段彼女が心の中でどんなことを考えているか・・。
少し前に僕の能力に気がついたようで、他に誰もいないときには愚痴まで聞かされています。
その一部ですが今夜はここで言わせてもらいます。
最近どうも某板某スレで鶴屋さんが、人気のようで嫉妬の塊になっているようです。
ああ、そうそう鶴屋さんの普段考えている事ですが、あの人は表も裏も一緒という清々しい人ですよ。
・・・どうやらここまでのようですね。見つかってしまったようです。
「あのぅ、古泉君?こんなところでなにしてるんですか?」
セリフも笑顔もいつもどおりですが・・目と声が笑っていません。
それではみなさん。また生きていたらお会いしたいと思いま(ザーーーープツン
750685:2006/06/23(金) 21:38:37 ID:6ROXP4iV
>>739 こんなピュアに解釈を見せられると俺は死にたくなりますよ泣
751名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:43:00 ID:O3Nps4Cc
>>745-746
これはいい!短いがとても面白かった
長門の最後のセリフがキュンキュンするね
752名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:45:41 ID:tpfFsJPb
>>691尿はスカトロじゃないんだが。
753名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:46:31 ID:hDpB+Ri0
>>749
無茶しやがって(AA略
754名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:46:54 ID:qqhE3+TZ
>>746
最後の、「人の、心」に脳汁でっぱなし。

「貴方の、心」 とかだと明らかに狙ってて萎えたと思うが。
755名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:50:09 ID:qqhE3+TZ
>>752
ヒント:一般人(耐性の無い人間)から見たら、どちらも同じ。異常な行為。

辞書には確か、自分や他人の排泄物を食すなどして、性的快感を得る事 云々書いてあった気がするし。
もし、スカトロじゃなくとも、興味ない人がスカトロと間違えても仕方無いはず。
756685:2006/06/23(金) 21:56:01 ID:6ROXP4iV
SMのだしとしてよく使わない?SMが主題なつもりだったんだけど
757名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:57:58 ID:KlipzKz+
>>739
>>745-746
埋め段階に入ってもこういうホロっとさせられる良作が出てくることがあるから、
きちんと埋まるまで追う必要があるんだよなあ…いい仕事乙です。
758名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 22:07:01 ID:vYDLKYc6
とりあえず上げてとくか
759名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 22:16:41 ID:qqhE3+TZ
【荒らしに注意してください】【荒らしに注意してください】


【レス抽出】
対象スレ: 【涼宮ハルヒ】谷川流 the 15章【学校を出よう!】
キーワード: vYDLKYc6


72 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/06/23(金) 21:21:28 ID:vYDLKYc6
ハルヒってなんでわがままでしょうかね?

80 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/06/23(金) 22:08:35 ID:vYDLKYc6
僕はage厨ですから言うだけ無駄ですよ。
つーか、下げる上げるは書き手が決めることです。


命令されることではありませんよ。うっふんww



【見掛けてもスルーで】【見掛けてもスルーで】
760名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 22:19:13 ID:yYI1k9As
>書き手?
761名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 22:24:15 ID:jDvv4d5K
これで21以上と言うんだから嘆かわしいもんだ。
762名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 22:27:52 ID:rV9YwEos
NGID指定ですっきり。これ最強。
763名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 22:41:44 ID:F1rqx+Kg
>>760
SSを書く人、じゃなくて
スレに書き込む人、じゃないかな。
764名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 22:49:23 ID:yYI1k9As
>>763
なるほど。てっきり697とかで(SS)書き手きど(ryかよ!?
とか思ったんですがそりゃあ違いますよねw

>>761
違うでしょう。とかいってまたageてくるとリア高ですな。
765名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 23:05:44 ID:vYDLKYc6
  
766名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 23:18:50 ID:qFakdzFS
>>749
古泉!!応答しろ!!古泉!!
767名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 23:28:49 ID:EkpCEsK9
 __,, -‐'"                          \_
____________                  ~"'ー、_
::::::::::::::::::::::::::::::::/ l  |  |  ∧ヽ、_                    ~"'ー、_
:::::::::::::::::::::::::::::::|./l ∧ ヘ ̄|~"T.ト、\__                    ~
"'‐、::::::::::::::::::::::|.lヽ | l\ l/i ̄ヘ l ヽ lヽ`イ ̄lヘ,Tト-、_
   ~''-、:::::::::::::::` ヘl ` |ヽpノl `  ``  pノl /ヘ! ∧ T-、_  _,,,, -―‐'"
        ~''ー―''"~'| |  l __ ̄    ,    ̄〃l /| ヽl   ̄
            ヽlヽ_>'::::ヽ    __   ‐'!:::''<レ 
                く"~:::::::::::::|、_   '  _//:::::::::::::::~>    
              ヽ:::::::::::::::ヽ!、T'ー-‐"|/l'/:::::::::::::::::/     
                  ヽ:::::::::::::::∀    ト/::::::::::::::/         ……梅……。   
                __> -、_\  /_/::::::::ヒ'_            
              /::::::::::::~"::::|:::::::::`l-‐r'":::::|:::-':::::::::::::'-、         
            /   :::::::::::::::::::~"フ"/Tヘヘ''"~::::::::::::::::::  ヽ             
768名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 23:29:50 ID:tseqfZZF
          / /" `ヽ ヽ  \ 
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{`ヽ   ノ リ| l │ i| 
         レ!小l●    ● 从 |、i|  <めがっさ埋めるにょろ!
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│   
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
769名無しさん@ピンキー
                           __
                       , ' ´ ̄´     `丶、
                     /   rヘ=,,≠==、、  ` 、
                     〃l  ハl`ヽ       )   ヽ
                     リ l l ゝ      ,,,,从 l  l
                      (l∨ ⌒ヽ   ´   〃 }  l
                       l |   r ‐ - 、⌒ヽ/ l) │ めがっさ埋め〜
                        ,'| |   l   /   / /   |
                      ,'.| | \` ー '  _ / /    !
         _          , -| | - l ` ー < / /    |
 r―――-、-''、 ` ー--‐'' ̄`ー''´  |.│∠  /  / / ヽ   !
   ̄ { `   ヾ }           { | /≠ミ/  ,'  ,'    l  |
    ヾ____ノ ノ    ` ー-____.l | l   /  / /    │ │
        ` ー----‐‐ ̄   / / | l  /   ./ /    │  .l
                     / /  ! l , '   / / {    |  ヽ
                 / /   | l_ . //  ! /|     |   ヽ
                   / /   / ̄ ` ーl   !ー− ヽ  |   ヽ
                / /  /三    i  ! }       }  ヽ ヽ
               / , '  /ーrォrォ - |   |/      l   ヽ ヽ
              /   l  /   | |│| │  !ー┬〜' ´ ヽ   ヽ ヽ
             /  │ / | .│| .| !  ! l |   ヽ    ヽ   ヽ \
            /    | ,'  l  | | | |  | l│   ヽ     ヽ   ヽ. \
           /     !/   !.  | | │|  l ! !     ヽ     ヽ   ヽ  \
          /     /   /  `'  `'   ! .l ゝ     ヽ     ヽ    \ \