【僕の事】かしましSS総合第2期【女の子にして】

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1名無しさん@ピンキー
ここは「かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜」のエロパロスレです。
※エロ無しのSSも全然OK。

●アニメ公式
ttp://kasimasi.com/
ttp://www.tv-tokyo.co.jp/contents/kasimasi/index.html

●お約束
・気に入らないカップリングがあっても文句を言わない
・誹謗、中傷は厳禁です
・グロ/猟奇系などは投下前に警告をお願いします
●初めてのSS投下の方
・SSは、メモパッドなどに書きまとめてから投下が吉。
・1レス分は40字×50行を目安にするとcool。
・名前欄にはタイトルと通しナンバーも入れるとカコイイ!です。
●前スレ
【はずむ明日太】かしまし【女人禁制】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1138798391/
2名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 13:00:25 ID:GZ9Gm8KU
     ,、‐'''''''''ヽ、
   /:::::;;-‐-、:::ヽ             _,,,,,,,_
    l::::::l  _,,、-‐"iiiiiilllllllllllliiiiiiiー-ゞ:::::::::::ヽ,
   ヽ::`/: : : : iiiiiilllll||llllliiiiii: : : :ヽイ~`ヽ:::::::i/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.    /;,..-‐、: : : : : l|l: : : : : : : : : : : : : \ ノ:::::}| やったね! トラトラトラのしまじろうが>>2ゲットだよ!
    /: /: : : : :`.: : : : : : : : :/´ ̄\ : : : : : ヽ:::ノ | みんな、たまにははやくねてみよう! はやおきはさんもんのとくだよ!
.   !: : : :iflllli、: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : :.!  |
   |: : : :llllf l: : : : : : : : : : :.iflllli、: : : : :<iii|  |>1ちゃんへ いいすれっどをたてたね! これからもがんばろう!
   |: : : :|llll |: : : : : : : : : : .llllf l: : : : : : : : :.| |>3ちゃんへ こんどは>>2をとれるようにがんばろう!
   |: : : :.!lllll!' : : : : : : : : : : |llll |: : : : : : : : :i<>4くんへ まじれすしようかどうしようかまよったのかな?
  /: : : : :    ○    : : .!lllll!' : : : : : : : :.i  |>5ちゃんへ おまえみたいなばかはおとなになってもやくにたたないからはやくしのう!
 ̄|: : :"  ,,,,,,,,,,,,,|____    : : : : : : : :.<iii/   |>6くんへ がきのうちはなんでもゆるされるとおもったらおおまちがいだよ!
. /!.:   |:::::/    ̄''''''''l ヽ: : : : :-─/─  |>7ちゃんへ もういいいからしね!
   ヽ   ヽ/        ノ    : : :ヽ/    |>8いこうのみんなへ いつかはしぬんだからはやめにけいけんするのもじんせいだよ!
    \  \,,_    _,,,/     : /\    \____________________________________
      `''‐、、__  ̄ ̄   __,,,、-‐"
.    //:::::/ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ノ::::/\
.  / /:::::/  ` ̄ ̄ ̄/:::::/.  \
3名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 13:17:12 ID:ztZh8ViQ
.      /       /      //     /: l   ヽ   \     ヽ
      // /      /  :/ :/ :l    l :. |    l    l      l
.     /イ /   /  :/  :/ .:,|...:|:..    :| i:.: |:..    !    !      l
    /,' |:./   /  .:.| .:.:/ 〃!.:.:|:.:.  .:.| !:.:!:.:l:..  .|:.!:.  l        !
    |! |:l:    |  .:.:j:._.;/¬ナ:T:寸:.:.  .:.:| l:┼!f.t:.-:l、!:.:l:. |:   l  |
    l! |:    |  :.∧:.:.|ヽ:.!__八:.ヽ:.. :.:.:| !:.:! リ l:.:. j:.「`!ヽ:j:.|   |  |
.     {. |:.:|:   :|  :.l ,ィ 竓≠ミ、 ヾ:.:.:..:.:. l ヽゝァ=竓女、j:.:/l:.|::   |  |
       l:.:|:.: :.:i   :.|〃7::::::::ゝ._}゙  \:.:.:.!   〃::::::::(__,ハ://:;'|::   l  .!|
        ! |::. ハ:.:..::l/ {ンヽー´゚リ    \|  {ンヽー´゚リ Y:/ /:.  ,′ :|!
      ヽ:ハ.:.  :.\:!  ゞ‐=一'        ゞ‐=‐-'   /:.:. /    |l
       ヾ:丶...:.:.:!ヽ ..::::::::::::::::.    /     .::::::::::::::::::::. /:.:.:/.: .:.: | ヽ
        /:./ \:.:ヽ                       /:.:/:.:.:.:. .:./.::j\ヽ
         /:ノ|:.l:.:.::`个                       ´ /://:.:.:.:/|:./  ヾ
      〃  ヽメ:.:.:.:八         v´  _フ       / ァ´:.:/.:.:.:/ 〃
        r<| |\:.:|l:.\                    / |/ |:.:./`>、 2期目になっても、僕は僕だよ!
      /|  :| |  ヾ!ヾヽ> 、            ,.イ/::::"::::::j;ノ / /\
     /  !  | |     :::ヽ/外t 、   _   ィ≦:::::/:::::::::::::   / /  /\
    / !   l  ヽヽ     :::::\::ヽ:::::::::::::::::::::::::::: /:::::::::::   / /  /.  \
.   /  .|   .l  ヽ丶       :::::\ ::::::::::::::::::::: /:::::::::    / / ,/     ヽ
   |   |   ヽ  \\       :::\:::::::::::::/       / / ,/       |
4名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 14:16:43 ID:RTIHmxWX
>>1さん
乙カレー
5名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 14:20:19 ID:mknQ/SRF
i    //   .: ! .//   ..;':   .::.  ::..     ヽ     \
、   //  ..:/.::i ..:i j   .:/:  ..::;'::. /!:::.  :. :.  i       ヽ
丶 ,'./  .::/.::/!.:」;:-─:f':‐--.:_/!::.::/ j::::.   ;': :::.  i
:.   !;'i  ..:.:;' .:「 !:ハ:. .::/!:. .::::/`::>'、 ノ::::  /j;..:::;:. j ::.    :.
::.:. i|」  ::.::!.:::! |! j:..:.:/;':..:.::/ .;/´ 〉;'::: /'´j!`:ト、/:.::::.  : :.
:.:::/´H:. :::::!.::| ゞノ.:::/_|,;∠_ /  //.::/ ,/ /:./l`i:.:.:.  : .:::.
.:::i  |_l::. :::::|、:l   ==" ̄`ヾミ    ノ/  / /ノ ,ノ.:!:::::  :.:::::
:::.:、 ´ 丶:..:::!ヾ!               _、く  /.:!.j:::::  :/!:::
ヽ::丶` ._ヽ:::| ヽ  ヽヽヽヽ丶      ̄  ヾ、/.:/ノ!.::  //::
  \::ゝ .__,ヾ                 i  、 、 、 /ノ !/::./レ'::/
  _};」 ‐-丶        ,、      ノ     '/  ノ/:: //   
'´        `ヽ       ゝ丶 ..___      ,' /'|:::::::/ | 新スレ、オツカレー!
            '       ` ー-‐'´    ノ    !:::::::::. |
           i\               ,. ´     |:::::::::. |
              i  丶 ._     _,.  ´       |:::::::::: |
           i     フニ.二_            |:::::::::: |
6名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 15:16:01 ID:sXfHbD+U
1乙
大儀であったぞ…褒めてつかわす
7名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 15:17:13 ID:cKEioKz3
ここはエロパロスレか?
カキコしていいか?
8>>7:2006/03/18(土) 15:49:17 ID:cKEioKz3
やめとこおう。
9名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 15:59:30 ID:b9waa7QP
    …何?この人 >7        /          `ヽ
                      /   ,イ   :i 、 ヽ
.     --―‐- 、           / 〃 /:/:|ヽ  .:j,ィ':丁:.T:.:i
  /::_ -―┴‐- 、ヽ           /:/ l | l ム_!八:.:.{/ハ_ jl:. .:j .:|.
 /,'∠ -‐  ̄ ̄`ヽヽ::'.        | ! ! !/{ l:.l `ヽ:ノ´ ・ ̄ l:.lj:.
/./::レ::ノ:;:イ:人j/∧ヘ`fハ        l !ヽ.',ヽ ´ ̄・     ̄ ゙̄ リ.,':.
〃:::l/´  ̄`    ゙̄Yl:jノ     ー=、. ヽ ヽ八 ̄ ̄       /:./
{:::{:ハ  (::::)    (:::) !リl        ヾ.   |j:.ヘ            ノイ::
ヽ:`ハ        ムイ       ,ノ  ルヘ ゝ、    ( つ /∨
;;ノ:ノ::ノ   _    /:/:},. -―-.、 〃       Wx> v-r-- ´  ゙ー
'::/::/:>、  ‐‐'  ,ィj:f: 〃ノ人ヾ::::ヽl { , -―‐-v-‐-、ヽ ヘ
:'::(イヘ ` ーァ' ´::ノ:リY:::(┬)-(┬)::!゙Y ノX从メ ハ ̄ヽヽ/ ヽ_  , -‐‐
::ヽヽVヽ  〆ー彡 ':人l::{  _  リ:! {ルニ・ ・ニ!)′ /|‐.、 `  /
.)::}::} ヽ丈 ヾt-、::ヽ .代ト.-rイ"´ `'ヘ´ rっ ノ  /  .|::::::\/::::::
/ノ/  {B   / }:::ノ ,.イヽ- -,ゞ、   `アー<>l ゙ヽ  l::::::::::::::::::::::
V::{  /ソ   l /'" l ∧  ̄∧! l    /ヘ`水゙ー|  |  \::::::::::/
 ヾ_, /ソ   }/  │|  `Y´ │|.   |:ヽ!~ `¨|  |    `介´
10名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 17:21:54 ID:8G5xGuS5
1さん乙 
それでは前スレのかたがた到着する前に
エロなし&短めの奴を投稿させてもらいます。
11『帰り道』 1/3:2006/03/18(土) 17:22:56 ID:8G5xGuS5
 いつも通りに、本屋やCDショップでも冷やかしながら帰ろうとする俺に
声をかけてきた奴がいる。
「おーい、明日太。一緒に帰ろう」
 はずむだ。
「あぁ、いいけど。昼休みの時、今日も部の当番だって言ってなかったっけ」
 はずむは、何故だか意味ありげに笑いながら言う。
「うん、ちょっと急だけどね、今日は当番代わってもらったんだ」
「珍しいな」 
 いつもは当番でなくても『左端のバラの葉の色がおかしい』だの『右から2番目の
アネモネが心配』だの言っては花達に会いに行かない日は、まず無いというのに。
「へへ、実はね」
 はずむがちょいちょいと手招きし、耳を貸せという仕草をする。俺は腰をかがめ、
耳を傾ける。
「実はね・・・後輩の美里ちゃんがね、武田先輩が卒業する前に自分の気持ちを伝えて
おきたいんだって、今さっき言われてね」
「・・・へぇ」
「だから、美里ちゃんと代わってあげたんだよ」
「ふぅん・・・」
「武田先輩ってね、いつもお花に優しい、いい人だし、笑顔も素敵なんだ。美里ちゃんも
そんな先輩の事をいつも目で追っててね、健気な子なんだよ。上手くいくといいなぁ」
 俺は、はずむが嬉しそうに先輩の話をするのが気に食わないんだろうか。それとも、
俺の知らない人たちの話を楽しそうにしてるのが嫌なんだろうか、よくわからないけど。
 聞いてるうちになんだか無償に腹が立ってくる。俺は思いついた嫌味を口にする。
「変わったな、はずむは」
「え?」
「男の頃のはずむは、そんな色恋沙汰に嬉しそうにきゃあきゃあ騒いだりなんかしなかっ
たんじゃないか」
「そ、そうかな」
 はずむは俺から、一歩離れ、手を後ろに組み、顔をうつむかせる。
12『帰り道』 2/3:2006/03/18(土) 17:23:57 ID:8G5xGuS5
 俺もまた、はずむから視線をそらす。わかってる、これは邪推だ。はずむは恋の噂話を
したいんじゃなくて、純粋に人の幸せを祈ってるだけだ。俺の知ってる昔からのはずむ
と、ちっとも変わらずに。
 だから、俺はすぐに謝った。顔は合わせないままで。
「わりぃ、意地悪言った。嘘だよ、変わったりなんかしてないよ、お前はいつもどおりだ」
「本当に?」
 はずむが俺の胸倉を掴み、自分の方に引き寄せる。
 背丈も、力の差も、今は大きいけれど、それでも、俺が不意をつかれたのと、はずむが
目一杯背伸びをしてきたのとで、二人の距離が近づく。
 まるで、キスする寸前の恋人同士ぐらいの距離に。
 俺の鼻をくすぐる髪の香りに目を閉じてしまいそうになる前に、俺は強引に飛びのく。
 驚くはずむに気の利いた台詞の一つも浮かばない事に苛立つ。頭をかきむしる。
「あぁ、もう、なんか最近、面倒くせえよ。いっそ、自分が女になったほうがましなくらいだ!」
 我ながらとんでもない事を言う。けど、もしそうなら、今みたいに、はずむとの距離に戸惑う
こともなかったろうし、 少なくとも、最近定まりつつあるポジション――三人娘と、はずむが
楽しげにしてるのを切なく眺める――からは逃れられただろう。
 物思いに沈み込みそうになる自分を無理に切り替え、明るい調子ではずむに言う。
「まぁ、俺が女だったら、モテナイ街道まっしぐらだろうけどな」
 適当にオチをつけるつもりで。と、いきなり、はずむはファイティングポーズのように両手を
握り締め、俺に向かって、凄い勢いで反論した。
「そんなことないよ!!明日太はいい奴だもん!誰かが明日太のいい所きっと見つけてくれてたって!」
「お、おい、ちょっと、待て」
 俺の困惑に気づきもせずに、堰を切ったように、はずむがしゃべりだす。
「ごめんね、僕、最近、とまりちゃん達と遊んでばかりで。明日太って、意外に傷つきやすくて、寂し
がりやなのに、愚痴だってたまってたはずなのに、僕、自分の事でいっぱいいっぱいになっちゃてて、
傍にいてあげられてなくて・・・ごめんね」 
 はずむは一息に言ってしまうと、両手はそのままで、かくんと首を落とす。心底すまなそうに。
 今は異性同士だってのに言う台詞じゃねぇだろ、そんなツッコミを入れたくなるのをこらえ、
俺はただ言う。軽く、はずむの頭を撫ぜながら。
「気にすんなよ。でも、ありがとよ」
13『帰り道』 3/3:2006/03/18(土) 17:24:43 ID:8G5xGuS5
 そのまま髪をくしゃくしゃとしてやる、あれ?
「お前、髪の毛のサラサラ度、増してないか」
「あぁ『女の子なんだから私のと同じシャンプーとコンディショナー使いなさい』ってお母さんが。
それに、洗った後、乾かす時もやり方があってね・・・」
 心なしか得意げに解説を続けようとするはずむを遮り、俺は言う。
「あぁ、はい、はい・・・やっぱ、俺には女は無理だ」
「うん、明日太には男の子が似合ってるよ」
「――じゃあ、お前はどうなんだよ」
 スカートを翻らせこちらに向かって笑いかけながら答える。
「今は、まだわかんないや」
 その髪は夕焼けに照らされ、金色で・・・
 子供の頃にふざけて作った事がある、シロツメクサの冠がさぞかし似合うだろう。
 そんなことを俺はぼんやり考えていた。
14名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 17:55:47 ID:qleVsEWs
>>10
これぞまさにSSって感じ!
本編の合間に挟んでもすごく自然で、読後感が心地いいです!

はずむの「今は、まだわかんないや」って台詞に、女の子は嫌じゃないけど
男の子の自分も懐かしく感じている、みたいな心情を見て取れました

個人的にエロは別にいらないので、こういうオリジナルに深みを与えるような
補完SSっぽいのが沢山投下されると嬉しいです
15名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 19:35:10 ID:RTIHmxWX
恋愛の結果としてのエロなら、あっても問題ないと思う。
二人が愛し合ってそういう風になるのは自然な事だし。
むしろ、原作では難しいエロ成分を補完するのをエロパロとしては目指して
欲しいな…
14さんのいうような、補完SSももちろんあってしかるべきだとは思います。
16名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 19:55:28 ID:uDgR1NYF
GJ!
GJなんだが、そろそろ百合分がホシス
明日太ネタは正直食傷気味…
17名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 20:36:44 ID:MqxyUe+h
>10
簡潔にまとまった日常の1シーン、いいですねー!
はずむの中性っぷりが新鮮で。
次作も期待させてもらいます。

>16
人が作ってくれたものを、美味しいねって喜んでいる輪にあって、横でこういう、
つまらない事をわざわざ言える自分の感性を省みた方がいいよ
18名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 20:41:49 ID:qleVsEWs
GJとしか言えない椰子に限って職人にリク乱発する事実
19名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:00:26 ID:JvDjjypc
ジャンプウSSマダ━??( ・∀・)ノ□⌒☆チンチン
20名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:16:26 ID:ZD7s+nqy
はずむ×やす菜きぼん
21名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:26:51 ID:uIRS0ZmJ
すまん、明日太×やす菜しかない
22名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:34:33 ID:qleVsEWs
>>18
訂正

×GJとしか言えない椰子
○GJしか言えない椰子

>>19>>20
揚げ足取り?単なる茶化し?
23名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:37:29 ID:uDgR1NYF
案の定の反論レスか。このスレ、荒らし耐性なさすぎじゃないか?
人の多い場所はとかく狙われがちだから、注意した方がいいぞ。
24名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:38:06 ID:F0wY174J
131氏マダー??( ・∀・)ノ□⌒☆チンチン
25名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:40:15 ID:modJhuzy
SS書きの控え室に晒すような奴がいるくらいだからな
26名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:46:08 ID:ZD7s+nqy
何故、私が茶化しなの?
27名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:49:37 ID:Q8Hj/vNR
控え室のアレ、ジサクジエン臭もするよな
28名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 22:40:24 ID:b1W8C2Id
           /              丶、                | :::.:. :. : :
           /                 \              | :::.:. :. : :
         /         丶::.. ヽ:. \:.   ヽ         │:::.:. :. : :
.        /   / /::l   \.:::ヽ:::_;.ゝ:-::ヽ::.   ':,         | :::.:. :. : :
        l   / { ::i::',::.  ::::ヽ:ィ:´!ヽ_jk;_:: l!::.    ハ        | :::.:. :. : :
        !    ! .:|l :::!::ハ::.. :::: !:|ヾ!ィ'_);;; ヽ:!|::.!|_::.. l l           | .。oO(殺伐としてきたなぁー)
          |   :! |::::|l :::!:;ィヘ::. ::::::!:l  ゝ._;;ノ | :!|! } :.l |       │:::.:. :. : :
          |   :! |::::ヽX::ハ_k_ミヽ、jリ    ー'´ !:リ! ハ:::. l       │:::.:. :. : :
          |   :!八::/ヾ:〃_);;ヽ      "  .j/ レ:::ヾ::l       │:::.:. :. : :
          |l  ::ヽ ヽ:ヽ{!ゝ._;;ノ,    ヽ      }:! .:!|゙ヾ        | :::.:. :. : :
          |l ::! ::::ヽ:: ヽ\   ´      _    ハ/リ         | :::.:. :. : :
         リ ::!::.:ヽ::\父,、        ´     ,イ::ノ            | :::.:. :. : :
       人:::!ヽ:::\: \゙f> 、_      _ / ヽ-、______ | :::.:. :. : :
        ヾミ、 \ヽ丶:::`ヾ :x::::、ヽ  ̄      `!    |::| |::::::::::: | :::.:. :. : :
              ヽ  `ヾ ヽ:八{ ヾ:`ヘ       /    |::| |::::::::::: | :::.:. :. : :
                     〃入.      /  _, -‐┴ト! ::::::::: | :::.:. :. : :
                    ノ    ̄`'''‐=く__/ _    } :::::::::| :::.:. :. : :
                  /ヾヽ    , ィ‐<f' V     〈__ ::::::: | :::.:. :. : :
29名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 22:42:59 ID:qleVsEWs
>>26
そういうつもりじゃなかったんならすまん

確かに>>23の言うとおり、ちょっと過敏すぎたかもな
俺自身好きな傾向匂わせるレスしてるし

何にしても職人さん達、自分のペースで好きな展開を
読み手に気負いせずに書いてください
30名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 22:57:39 ID:m+fdcCpv
前スレはタイトルが良くなかったな。
明日太相手じゃ、ちょっと近寄れないよ。
31名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 22:58:53 ID:ofa1ryzz
>29
素直クールで素敵ですよ、あなたは
32名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 23:44:18 ID:eWWwQzrv
保管庫のリンク。
まだ前スレのSS全部を保管し終えてないみたいです。
ttp://kashimashihokan.hp.infoseek.co.jp/
33名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 23:46:22 ID:NIb+HIH+
>>30
スレタイを言うなら
かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜
にしないと
34名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 00:07:44 ID:BiyMghOk
お忘れの方も多いと思いますが、『男の友情って?』のPART4です。
書き終えてからまとめて投下しようとしてたんですが、すごく分量が増えそうなんで、小出しにさせてもらおうかなと・・・。
即死回避を兼ねて、少し投下させて頂きます。
35『男の友情って?PART4』(1):2006/03/19(日) 00:14:13 ID:w58NOjRv
 もう薄闇がはずむの部屋を覆っている。
 小さなブラウン管の投光が視界を青暗く照らし、俺を見上げるは
ずむの頬を映えさせた。
 白く、なめらかでやわらかな顔。
 それはつい春先までの、俺の見知ったはずむと同じ顔はずなのに
どこが違うのだろう。今はもう、女のコにしか見えない。
 潤んだ瞳は俺を上目がちに見つめている。
 俺の奥を覗き込むように、俺の目の、その向こうに何かを見つめ
ているようだった。
 おもむろに、はずむは背に回した腕を解き、俺の胸に両手を当て
た。
「あす、た……」
 喉に絡んだように声を搾り、言う。
「僕のドキドキも、感じて…?」
 そしてはずむは、俺の右手をとり、自分の鼓動に導く。
 俺の掌が、はずむの胸に着地する。
 薄手のワンピース越しにブラジャーの手触り。
 布越しにも、ふんわり柔らかく、丸くて、暖かい形。
 俺は意外なほど、冷静に女の胸を意識していた。
 親友の、はずむ。
 俺の手の中のはずむ。
 早鐘の鼓動は、俺のものと共鳴していく。
 意識が遊離していく。
 はずむも、そうなのかな。
 はずむは、上気してる俺の頬を両手で包む。
 俺ははずむの後ろ髪を両手で包む。
 シルクってこんな感じなのだろうか。なめらかで清純な手触り。
 異性の髪。女のコの髪。撫で付けてあげたい可憐さで溢れている。
 こんな真近で見る、はずむの顔。
 そして、俺の頬に添えられた、はずむの指。
 それは、か細く、熱い。
 瞬きも忘れて見つめあう時間が過ぎてゆく。俺たちの距離が縮ま
っていく。
 はずむが囁く。
「…明日太、……キス、したこと、ある?」
 はずむの声が、吐息のように俺をくすぐる。
「まだ、…ないよ」
「そう……」
 俺は答えに、はずむは大きな目を少し細めて微笑む。
「初めてのキスは……、僕が、もらって、いいよね…?」
 誰か分からない、俺が答えた。
「…あぁ……、教えて、くれるか…?」
 はずむが、俺の顔を引き寄せていく。
 刹那の瞬間を、俺たちは共有し、目を閉じた。
36『男の友情って?PART4』(2):2006/03/19(日) 00:15:30 ID:w58NOjRv
 俺の唇が、しっとりと柔らかく覆われていく。
 合わされ、触れ合うそれは、初めて感じる感覚を醒ましていく。
 指先で知るものとはまるで違う、繊細な知覚。
 ほんの軽く、押し付けてるだけで体温が混じり合っていく。
 唇で感じる、唇の感触。
 はずむの、唇。
 吐息が、俺の頬を伝う。
 甘く、熱く、微かに俺をくすぐる。
 はずむの息が、短く律を刻んで頬を撫でる。
 俺は唇で、はずむの鼓動を感じていた。
 それは、俺の胸の高鳴りと同じだった。
 幾瞬かの後、ついとはずむはキスを途切る。
 互いに薄く開いた瞳が交わる。
 ふたたび瞳は接近し、また自ら暗闇に堕ちていく。
 今度は強く。
 はずむは俺を。
 俺ははずむを。
 唇から広がる世界が俺たちの知りえるすべてのように。
 この手に抱いてるはずむのちいさな顔だけが、寄り添い預けられ
た身体の重みだけが、俺が確信できる世界だった。
 それに揺らぎを与えていったのははずむ。
 弄ぶように、唇を離しては、軽く、時に強く押しつけてくる。
 はずむの吐息が加速していくのが分かる。
 そして、はずむの吐息に酔わされた俺も、息が上がっていく。
 交わる唇に、湿り気が増えていくのが分かる。
 はずむの掌は俺の頬を包んだまま、俺の挙動を封じ、思うように
俺を感じ、唇を味わっているようだ。。
 時折、くちゅりとリップノイズが耳をくすぐり、鼓動が跳ねる。
 渇ききっていた口腔は、湧き出る唾液で満たされてくる。
 はずむもそうなのだろうか。
 唇の間隙から、潤む。
 はずむの唇がぬるぬると滑りだして、唇の薄皮が粘膜に変わる。
 俺は唇で、はずむの唇をついばむように動かした。
 ぬるついた上唇を、下唇を、微かにはさみこむよう感触を確かめる。
 はずむの、ちいさく少し薄めの唇の肉感を味わう。
 ぴくり、とはずむは反応し、そして俺の動きに応じる。
 ぴちゃ、ち…ぴちゃり…、ちゅ……ち、ちゅ……
 耳下をなでる、密やかな湿潤の音。
 向きを変え、場所を変え、互いに、小さく唇を咥え、滑らす。
 …ん、ハッ…んンン、…はっ、……ん、ふっ……ふ、ぁン………
 吐息を搾るのが、俺なのかはずむなのかは、もう分からなかった。
 俺の意識ははずむの唇に奪われていた。
37『男の友情って?PART4』(3):2006/03/19(日) 00:17:38 ID:w58NOjRv
 ふと、それが遠ざかる。
 目を閉じた暗闇の中で、はずむの唇がいなくなる。
 目を開けると、はずむが、陶然とした表情で俺の唇を見つめている。
「いっぱいキスしちゃってるよね、僕たち……?」
 はずむが、小さく、潰れそうにつぶやく。
「…明日太のファーストキス、えっちにしちゃって、ごめんなさい……」
 俺ははずむの髪を撫でる。
「はずむのキス、嬉しいんだ、俺……」
 はずむは無言で、俺の首に腕を回し、抱きつく。夏のワンピース
の胸に、俺の顔を掻き抱く。
 想像以上に柔らかく、ふくよかな女性の胸。ほんのりとした汗の
匂いが体臭に混じり、延髄を麻痺させるようだった。
「明日太を、もっと感じて、いいの……?」
 かすれた声は、情動を抑えられない響き。
 はずむの心臓が連打を刻んでいる。
「はずむを、感じさせて…欲しい」
 俺の血を沸騰させていく。
「はずむをみんな、教えてくれる……かい?」
 腕を緩め、はずむが俺を見る。
 はにかんだ笑顔は、愛しげに俺に捧げられた。
「僕を知って……。そして、僕にも教えて……」
 少し開いた唇のまま、俺たちはそれを重ねあった。
 もう、禁忌もなく、唇を吸う。
 溢れる唾液を、唇の狭間で混ぜ合い、すすり合う。
 …ちゅっ、ん、ちゅるっ……ちゅ、ちぅ…ち…ちゅる……っ
 甘い。
 はずむの吐息を俺が吸い込む。
 それすら甘いアムリタのようで、俺は酔わされていく。
「んン…、ふ、はァァ……ン」
 はずむは、唇を休め、大きく息を継いだ。
 そして目を閉じたまま、少し舌を覗かせる。そのまま、ついと、
喉を反らせるように、可憐に唇を捧げる。目の下が少し赤い。
 震えている。怖いのか、はずむ。
 俺ははずむの表情を味わいながら、舌でそれらをなぞる。
 たっぷりと唾液を含んだはずむの唇に、その狭間に、舌先を這
わしていく。
 自分の行為に怯え、縮こまったはずむの唇と舌先を、ほぐし癒
すように舐めあげる。
 俺とはずむの唾液が混じり合い、溢れて喉元を伝う。
 ちゅっ、ぢゅる……
 はずむの、それを啜り上げる音が響いた。
38前スレの131:2006/03/19(日) 00:33:36 ID:w58NOjRv
今夜は以上っす。
純愛系はエロに至るまでの過程が大変で…・゚・(ノД`)
バレンタインの話も、せっかくなんでエロに至るネタを含ませつつ投下させてくださいね。
39名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 00:38:39 ID:rYpIHQ/u
相変わらずGJ!だ。素晴らしい!
バレンタインの話も含め続き期待
40名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 02:33:38 ID:HNziQl/r
前スレ131氏、待ってました!GJです。
確かにこの作品のキャラ達ってそっち方向への誘導難しそう。
…だというのにバレンタイン話もエロ方向ですかw
両方期待してます。
41名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 02:39:43 ID:RrVf4g5P
吐血する勢いでGJです!ウッヒョー!
42名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 03:35:32 ID:HFaA6nV5
職人さん乙!
43名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 04:57:45 ID:SDH8GaS0
読んでてドキドキした…GJ!
44名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 07:58:50 ID:fS1TFTr5
>131氏
「初めてのキスは…、僕が、もらって、いいよね…」
というところで、総毛立った。
いつも思うけど、言わせるセリフが巧すぎ!
45名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 09:03:36 ID:IbKUcEJ5
キスしてるだけなのに、おっきした…。
前スレ131氏が、こんな濃厚なのを投下してくるなんて正直、想定外だったよ。
そんな失礼な事思ったのオレだけかw
46名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 10:53:15 ID:FUruAvN4
王道のはずむ×やす菜のラブラブ展開が欲しいところ
47名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 11:15:42 ID:LZhLeanZ
はずむがもうちょっと♂っぽければな…。
百合は百合スレに期待したほうが良さそうだな。
48名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 11:20:27 ID:FUruAvN4
>>47
百合スレって何?
レズ・百合萌え板はTS禁止でしょ
49名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 11:25:32 ID:naSwwCTo
ドロドロに犯されたはずむを、癒すような3Pレズとかなら書けそう
50名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 12:03:35 ID:wCQCmcGG
はずむとやす菜が、ドロドロに犯された後で、傷を舐め合うようにレズ、というのなら書いてる 
51名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 12:21:36 ID:DESG6ecG
そんなのいりません
52名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 12:25:11 ID:xaaUOb/M
犯される前に、とまりとやす菜とあゆきがボコボコにするんでしょ。
その後、やす菜・とまりとの3Pになだれ込む。
あゆきは後でじっくりノロケを聞きだす、と。
53名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 12:25:31 ID:T8bifnLv
>>50
俺は欲しいな
警告、NGワードつきでひとつ頼みますわ
54名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 13:33:59 ID:pC5v1Q/I
レイプとかはスレの空気に合わないし、求める住人もほとんどいない現状を理解しろって
55名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 13:57:30 ID:SDH8GaS0
自分も好きじゃないけど、総合と銘打ってる以上はNGワードか警告付きで
載せてもいいんじゃないかな…
わざわざスレ立ててもそれだけじゃ持たんだろうし。
56名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 14:13:07 ID:Q5alIjJ4
何が一番イランかと言うと






明日太
57名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 14:20:41 ID:ORUZs1fZ
男相手とかはかしましの空気に合わないし、求める住人もほとんどいないってことだな。
58名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 14:31:59 ID:/poNoF5X
正直言うと明日太はキモくて…
前スレはスレタイがキモくて近寄れなかった。
59名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 14:38:40 ID:YWn9CdZ0
また湧いてきたのか('A`)ホントアキネエナ
6050:2006/03/19(日) 14:53:09 ID:+lWv9HSe
>53
了解した。
とりあえず、やす菜が餌食になるまでを書いたら投下する。
時間をくれ
61名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 14:58:19 ID:d6S+8G1C
スレタイがアレだったから敬遠してた人多そうだな。
62名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 15:16:16 ID:CuyxPtTm
よっぽどやる気無しな、なら投下しなきゃいいのにという作品以外は、なんでもあり。
だよな、確か。
で、グロとか、レイプみたいなのは皆にわかるように前置きして投下。

って、なんだ、>>1に全部書いてあんじゃんw
63名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 15:23:22 ID:NexK9IQX
男相手も警告必要だろうな。
64名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 15:39:42 ID:QTTj79Zs
レズは禁止だな。
レズスキーにエサを与える事になるからな。
レズ物は百合板のかしましスレが本来の場所だしな
65名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 15:56:30 ID:yY/vzzMA
レイプは警告なしでしょ?
前スレで、次スレのテンプレに入れないのか?というレスがスルーされてたし  
66名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 16:03:05 ID:fKdmgdny
書く気も無い人たちで騒ぎ立てるのは止めときなさいって。
警告みたいなのは結局、作者の人の良識にゆだねなきゃならないわけだし。
67名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 16:09:55 ID:bYD0+NI+
結局男相手は警告必須ということか
68名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 17:13:20 ID:K2+oXJ9s
   ( ゚д゚)
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_>56>57> 58>61>63>67って

   (゚д゚ )
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 

69名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 17:35:17 ID:ccnDC7M8
また男スキーが出没中
70名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 17:51:11 ID:tw4w/Nnf
   ( ゚д゚)
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ >69って

   (゚д゚ )
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ ホントアキネエナ、レズスキー…
71名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 18:25:40 ID:rYpIHQ/u
さて、久しぶりにマジレスするか…
>>1にも書いてあるが、気に入らないカップリングがあっても文句を言わない
はずむ×とまり、はずむ×やす菜、はずむ×明日太、はずむ×あゆき、とまり×やす菜
もしくは宇宙人×先生だろうが何でもOK。気に入らなければスルーしろ
明日太がどうしても駄目でスルー出来ない方は
http://kashimashihokan.hp.infoseek.co.jp/で明日太絡み以外をどうぞ
最後に荒らしの低脳ウジムシ野郎はとっととお家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってろ

長文スマンかった…
72名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 18:42:23 ID:FnP59j1k
おーっとここで男スキーをスルー!
          _
         r'::::::::i
          トーf/__
       /  イ| 、ヽ
       //_〉 l_l i_ノ、
 \\ (_ニノ 〉____〉〉 〉
       /    } /             ,_-‐、
      /\/,ー 'ヾ          i"_Y 〈i
      〈  < /              ゝ^-'"
      \i"ヽ、  \\     //
      ├ i\i カ      ,、
       |_,,i ノ_ソ    )     ゝ
73名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 18:42:44 ID:thZxXvsW
そうだな、もうアホの相手はやめてスルーで
74名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:08:12 ID:KclcmwJK
だから荒らし耐性がないんだよ、このスレは。
荒らしや頭の悪いレスは全てスルーしろ。一切の皮肉も反論も返すな。
良スレを潰したくないなら何としてもこれを死守すること。
あと、俺へのレスも要らないからな。

というわけで、何事もなく雑談開始↓
75名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:17:49 ID:g/fefTZM
ゆきまる姐さんの完全オリジナルかしましとやらを読みたいぜ。
76名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:26:39 ID:RrVf4g5P
とりあえず、はずむは俺の嫁。
77名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:35:33 ID:svfNlX8l
今後、某のことは↓のスレで。3年以上も出没し続けている相手です。
撃退しようとしても難しく、むしろ逆効果です。

強制女性化小説ない? 議論スレPart3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141035852/
> 議論・雑談スレという事になってますが、実態は本スレを荒らし続ける
> 粘着レズ好き嵐、レズスキーの隔離所になっています
78名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:41:56 ID:llKNPO8s
おーっともう一度男スキーをスルー!
          _
         r'::::::::i
          トーf/__
       /  イ| 、ヽ
       //_〉 l_l i_ノ、
 \\ (_ニノ 〉____〉〉 〉
       /    } /             ,_-‐、
      /\/,ー 'ヾ          i"_Y 〈i
      〈  < /              ゝ^-'"
      \i"ヽ、  \\     //
      ├ i\i カ      ,、
       |_,,i ノ_ソ    )     ゝ
79名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:53:50 ID:YwfBsw3+
パスを捕れないAAにしか見えん
80名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:55:34 ID:QwklAmQ7
それじゃ、はずむと明日太がセックスするSSでも書くか
81名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 19:56:39 ID:FscvM2V4
はずむ×男はあまり見たくない
82名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 20:06:26 ID:E92ZJvTy
じゃ、俺ははずむが誰とも知らない男とSEXするSSを書こう。
83名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 23:37:12 ID:aytgGfCx
9話で「両方とも喰べていいのよ」で
はずむが二人とも喰ってしまうのを期待したのは俺だけじゃないはず。
84名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 23:53:49 ID:HDSQAMQu
>>83

(;´Д`)ハアハア
ttp://rainbow.sakuratan.com/data/img/rainbow1391.jpg
誰かこのイラストに文をつけてくれれば
85名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 00:52:23 ID:RtvTs9/0
このスレの荒れっぷりは一体・・・

ところでまだ男はずむ×とまりはまだ書いてもいいんだよね?
>56>57> 58>61>63>67が勝手に頭悪い事言ってるだけだよね?
86名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 01:01:31 ID:9R6JD7rK
>>1のお約束が全てです
87保管の人:2006/03/20(月) 02:36:38 ID:aucJ1hDc
近いうちに保管庫の掲示板作るからてきとうにつかってくれ
88名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 07:06:03 ID:nW5JwPMg
保管庫管理人氏、乙であります!
89名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 12:15:28 ID:qsClhBPE
更新、乙です。
前スレ、かなりのSSが投下されてましたな。
今後も賑わって欲しいです。
90名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 21:18:36 ID:3Fk2O3In
85の方が頭悪く見える件について
91名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 22:54:49 ID:ucvQHJnh
頭が悪いかどうかは別として、
正しいのは>>1
92名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 23:11:06 ID:iIJO52K1
   ( ゚д゚)
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ SAGEって…

   ( ゚д゚ )
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
93名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 23:36:56 ID:kCo86WJw
保管庫のURLキボヌ
94保管の人:2006/03/20(月) 23:50:18 ID:aucJ1hDc
掲示板作りました。適当に遊んでやってください
95名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 23:58:02 ID:uxw+Ntni
まあ、男相手は警告が必要だろう。
96名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 00:07:48 ID:lFzw3sgK
>93
>>32
97名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 15:56:54 ID:6E/hyrxo
はずむ×男だとどうにもやおいっぽくみえるんだよな。
かしましに関しちゃ男と絡ませる場合は警告が必要な気がする。
98名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 16:12:49 ID:gNlC+MGt
男はずむ×女はずむのSS希望
99名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 16:25:33 ID:Dw69Tzyj
はずむ×フェルマー太きぼん
100名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 16:47:16 ID:ylGlRQfz
はずむ「みんな!しこしこしてる?」
101名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 17:22:12 ID:6JraZQgE
アニメのはずむに萌えなくなってきた。何か感じ悪い。
ここのSSとか、アニメのイメージで読んでたら合わなくなった気がする。
102名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 17:43:02 ID:PTG9ALlH
すみません。エロなし。ムダに長い9/9でよければ。前スレ945と同じようなノリです。
まあ、同じ人が書いてますから。
103お姫様は誰の手に(1/9):2006/03/21(火) 17:43:55 ID:PTG9ALlH
高校生活の思い出、といえば文化祭。なぜなら、体育祭は原作本編でやられちゃってるからだ。
こういうのは言ってしまった者勝ちである。
・・・
彼らのクラスの出し物は演劇「眠れる森の美女」だ。
高校生の演目にしては子供じみているようだが、体育館の壇上では迫真の演技が繰り広げられている。

はずむ君は、お姫様ベッドの上でふりふりのドレスを着て、すやすやと就寝中だ。
厳密には、就寝中の演技をしている最中だ。
あでやかなピンクのドレスと、安らかな寝顔は、見る者(大多数の男性と一部の女性)の心を釘付けにしてやまない。
一方、とまり嬢は、白タイツの王子様スタイルで、宝石のちりばめられた剣(ほんとは木刀)を振り回し大活躍中。
主に女子生徒から、黄色い声援がとんでいる。
魔女の手下を容赦なく(=クラスメイトの男子を手加減なく)ばったばったと切り倒していく。
お姫様と王子様の間に立ちはだかるのは、悪い魔女、やす菜嬢。
黒いローブに三角帽で、薄い笑いを浮かべた彼女はその美貌と相まって、失礼ながらたいそう恐ろしい。
恐ろしいが美しい。彼女に踏まれたいと思う男子生徒の数が増えるのもやむを得ない。

「魔女め!姫を返してもらおうっ!」
「ふんっ!若造が笑わせますっ!返して欲しくば力ずくで来たらどうかしら?」
「すやすや〜」
「上等っ!くたばりやがれっ!!」
先生、王子様にしては言葉遣いが悪いと思います。

「身の程を知らない王子様に、私の魔法をお見せいたしましょう。くくく。恐怖に震え上がるがいいわ」
懐から赤いリンゴを取り出した魔女は、ぼそぼそと呪文?を唱える。
みるみるしなびていき、赤茶けた芯を残すのみとなるリンゴ。
「ふふふ。どう、これが私の魔法よ。恐れ入ったでしょう。練習、大変だったわ。口からカードも出せましてよ」
「ぐっ。恐るべき魔女の呪い。だがしかし、その程度のことはあたしにだってできるっ!」
「すやすや〜」
懐からスチャっとリンゴを出す王子様。片手でぐわしと握ったかと思えば、そのまま握り込んでいく。
ぼたぼたと果汁を振りまき、潰れていくリンゴ。
「ふっ」
「……体力バカ」
「なんだとーっ!」
「すやすや〜」
なんだか、やす菜嬢が黒すぎる気もするが、これは台本どおりの進行なのであって、
平素の彼女はいたって穏やかな淑女であることを断っておく。平素のとまり嬢も、とまり嬢はこんなもんか。
ついでに断っておけば、台本はあゆき嬢カスタマイズ。
あゆき嬢は本公演の監督、演出、金銭管理までを一手に引き受けており、さらには神官役まで担っている。
才女、ここに極まれり。もちろん、この都合良すぎる配役を見ればわかるように、彼女の真の業務は“暗躍”だ。

「さあ、あたしの愛する姫を、返してもらおうかっ!」
「渡すわけにはいきませんっ!私だって、姫様を愛しているのですっ!」
「すやすや〜」
「なっ、何を世迷い事を!ならば、なぜ姫に呪いをかけ、眠らせたりするんだ!」
「呪いなんかかけてませんっ!ただちょ〜っと、姫様の可愛らしい寝顔を拝見したいなぁ〜と思いまして」
“きゃっ”とかいいながら、頬染める悪い魔女。ちょっと可愛くなったぞ。
「寝てる間に何をしたっ!」
「まだ何もしてませんっ!」
「キスとかしただろっ!」
「今日はしてませんっ!」
「昨日はしたのかっ!」
「すやすや〜二人とも、台本、違ってるよ(ぼそっと)〜すやすや〜」
脱線気味の愛の狩人(テンション高め)の進路を修正するお姫様。寝てるだけが仕事じゃない。
激突する両者、台本どおり。ほっと一息お姫様。
「と、とにかくっ、愛する人をかけて、いざ尋常に勝負だっ!」
「ふんっ、望むところですっ!返り討ちにしてくれますわっ!」
「でやーっ!」
「だーっ!」
「すやすや〜」
104お姫様は誰の手に(2/9):2006/03/21(火) 17:44:41 ID:PTG9ALlH
話は文化祭、数週間前にさかのぼる。
「ぷぅ、オネニーサマ、なんですかこれ〜」
はずむの自室の机の上に投げ出されていた台本に気がついたジャン・プウは、取り上げてはずむの前に持ってきた。
「あぁ、これはね、文化祭の演劇の台本だよ」
「文化祭?」
「学校のお祭りで、みんなでお店をしたり、演劇をしたりするんだ」
「お祭り〜、ジャン・プウも行きたいです〜」
「うん、文化祭は学外の人もたくさんくるから、見にくるといいよ」
「やったーっ!」
「で、配役は決定したのか?」

さりげなく出現し、さりげなく会話に入る宇宙仁。はずむもいちいち驚かない。
副担任でもある宇宙仁だが、彼は配役決めのとき、職員会議で席を外していたのだ。

「……僕がお姫様」
「ぷぅ〜!オネニーサマ、お姫様っ!」
「ふむ」
台本を手にした宇宙仁。パラパラとめくっていく。

「『眠れる森の美女:配役は以下の通り』。
 『お姫様:笑顔の可愛い赤毛のお姫様。中性的な魅力を辺り構わず振りまくボクっ娘』。
 『王子様:小さな体にみなぎるパワー。童顔なのに横柄な口調、並み居る敵をなぎ払うぞ』。
 『魔女:黒髪の美少女。普段はあまり笑わないが、静かな微笑みは見る者が吸い込まれるよう』。
 これは、摩利あゆきが書いたのか?」
「うん、あゆきちゃんもひどいよね〜。これじゃ僕らにやれって言ってるようなもんだよ」
「ふむ」
考え込む宇宙仁。どうせまた恋愛が進行するとかしないとか気にしているに違いない。
「オネニーサマ、『眠れる森の美女』ってどんなお話なんですか〜?」
「えっとねぇ。昔ある国にお姫様がいて、魔女の呪いでずっと眠り続けてしまうんだ。
 で、その話を聞いた王子様が、魔女を倒してお姫様に口付けをすると、
 お姫様が目を覚まして、二人は幸せに暮らしました、っていうお話。なんだけど」
「けど?」

言いよどむはずむ。首をかしげるジャン・プウ。はずむは説明を再開する。
「あゆきちゃんの台本じゃ、少しアレンジされてて、魔女は本当はお姫様のことが好きで、
 王子様とお姫様の奪い合いになってしまう。
 魔女が本当にお姫様を好きなだけだったとわかった王子様は、魔女と仲直りをして、
 三人で幸せに暮らしました、ってお話になってる」
「ハッピーエンドですね」
「……そう、だね」
笑顔で聞いてくるジャン・プウに、かげりのある顔で返事をするはずむ。

「どうした?気に入らないのか?」
「そ、そんなことはないよ。ないけど」
「現実ではそう都合良くは行かないと?」
「別にそんなつもりじゃ!」
「よいではないか。所詮は架空の物語。気にすることもあるまい」
「……うん」
あゆきちゃんはいったいどういうつもりなんだろうか。面と向かって聞きにくい。
僕たちの関係に、僕に、何かを示唆するつもりなのか、それとも、単に面白がっているだけなのか。
105お姫様は誰の手に(3/9):2006/03/21(火) 17:45:27 ID:PTG9ALlH
今日の放課後は立ち稽古。お姫様と魔女が初めて出会うシーンだ。
あゆきの事務的な声が響く。
「スタート」

お姫様役のはずむは、お城の花園で、花を摘む。楽しげに。歌うように。
ふらりと現れる老婆姿のやす菜。漆黒のローブにつつまれて、その素顔はよく見えない。
「どちら様ですか?」
無邪気な姫は、警戒心というものがない。しわがれた声で老婆は喋る。
「……可愛らしいお姫様、私がこの一面の花園のすべての花を枯らしてしまったら、どうなさいます?」
「それはとても悲しいことですが、どうしてそのようなことをなさるのですか?」
「私は見ての通りの老婆。もう幾ばくもないでしょう。ただし、この花どもの命と引き替えにすれば、
 私は生き長らえることができます」
「そうですか……ではこの花をお使い下さい。お婆様のお命には変えられません」
「ありがとう」
言うが早いか、老婆は花に手をかざすと、一面の花々はすべて枯れてしまう。
「おぉ、若返った、若返った。また来てもよろしいですか」
確かに、老婆の肌は少しだけ若返ったようにも見える。
「ええ、お婆様のために、花を咲かせておきましょう」

その日から姫は、来る日も来る日も庭の花の世話をする。種を植え、水をやり、肥料を与え、雑草を抜く。
城の庭師は止めさせようとするが、姫は約束だからと譲らない。
そうして花が咲くと、また老婆がやってくる。手をかざすと、花は枯れ、老婆はまた少し若返る。
「また来てもよろしいですか」
「ええ、花を咲かせておきましょう」
姫の日常は変わらない。繰り返し繰り返し、花を育てていくだけの毎日。
花の咲く頃になると、老婆は訪れ、花を枯らせていく。そして姫は花を育てる。

巡り行く季節は何度目だろうか、また花が咲き、老婆が現れる。
「お婆様、お待ちしていましたよ。ご覧ください、こんなにもきれいに花が咲いています」
「……」
「花が枯れるのを見るのは、悲しいことですが、お婆様のお命には変えられません。
 どうなさいました?お婆様」
老婆は手をかざす。が、花は枯れない。
姫が不思議に思っていると、老婆は初めてローブをとる。
老婆だったのは昔の話。そこにいるのは美しい少女だ。

「ありがとう。私のために花を育ててくれて、ありがとう。
 ごめんなさい。私のせいで花を枯らせてしまって、ごめんなさい」
彼女は確かに魔女であったが、彼女は確かに涙を流していた。
「お婆様、若返ったのですね。それはよかった」
姫は頬を流れる魔女の涙をそっとぬぐう。「ありがとう」と「ごめんなさい」を繰り返す魔女。
彼女に寄り添い、抱きしめる姫。魔女は言う。
「また来てもよろしいですか。今度はただ、姫様にお会いするために」
「ええ、僕たち、お友達になりましょう」

「カット」
あゆきの事務的な声が響く。
やす菜はまだ、はずむにしがみついて泣いている。やす菜の嗚咽が時折響くだけで、教室内は静まりかえっている。
「ありがとう……ごめんなさい……ありがとう……」
「……やす菜ちゃん、もう、終わったよ」
「……ぐすっ……ご、ごめんなさい、私ったら」
「やす菜ちゃん、本当の女優さんみたいだったよ」
「そ、そんなことないわ」
やす菜は照れたように顔をそらす。向いた顔の先にいるのは、監督のあゆき。
まだ濡れた瞳で彼女をのぞき込むが、眼鏡の奥にある瞳が何を考えているのかまでは、わからない。
106お姫様は誰の手に(4/9):2006/03/21(火) 17:46:18 ID:PTG9ALlH
一芝居終えたはずむとやす菜は、教室の隅で並んで座っている。
今度はとまり扮する王子様が、魔女の手下の軍団と立ち回りをするシーンだ。
ちなみにすっかり忘れていたが、明日太もこのショッカー軍団の一員である。
(王子様役に立候補するも、大差で敗れた)
王子様の見せ場のシーンであるはずだが、とまりの顔は硬い。
先程まで、はずむとやす菜のシーンを見ていたからだ。胸の奥がチリチリする。
いや、あれは、はずむとやす菜ではなくて、姫と魔女のシーンだ。
そう思うことにするし、実際その通りだ。誰にも否定はできまい。否定できるとすれば……。

立ち回り中にそんなことを考えていたので、剣を落としてしまった。あゆきの声がとぶ。
「カット」
「す、すまん」
「当日まであまり時間がないのよ。もう少し集中してもらえるかしら?」
誰のせいだと口に出して反論したかったが、ぐっとこらえる。
今は余計なことを考えても仕方がない。頭を切りかえて、このショッカー軍団の相手に専念しなければ。

“敵を倒すこと”に専念したとまりは、なかなか、すごい。
剣道などしていなかったにしては、華麗な剣さばきを見せる。子供の頃のチャンバラごっこの成果か。
だとすれば、主たる被害者であったはずむに感謝すべきだろう。
もっとも、とまりの優れているのは剣さばきだけではない。
反射神経、動体視力、持続する運動量、さながら野性の肉食獣のように、獲物を捕らえ、屠っていく。
気がついたら最後の一人を殴り飛ばしていた。

「とまりちゃん、かっこいいっ!」
声がする方を見ると、はずむが大はしゃぎで声援を上げている。
少しは面目を躍如できたようだ。自分はあまり考えない方がいいらしい。
「このくらい、朝飯前さ」
“なんでもない”といった仕草をしながら、はずむの側に歩み寄る。
片膝を付いて、はずむの手を取り軽く口付け。
「姫、必ずお救いしてみます。なんてな」
「と、とまりちゃん……」
頬を真っ赤に染めるはずむ。廊下から見学していた後輩達(とまり親衛隊)から黄色い声が上がる。
隣に座っているやす菜の手が強ばったように握られたのが横目に見えたが、気にしない気にしない。
ただ、今はとまりの死角にいるあゆきが“盛り上がってきたわね”って顔をして、
にやりとほくそ笑んでいることは、気にした方がよいとは思う。

ちなみにすっかり忘れていたが、ショッカー軍団の最後の一人、とまりに殴り飛ばされた明日太は、
まだ気絶中である。
107お姫様は誰の手に(5/9):2006/03/21(火) 17:47:01 ID:PTG9ALlH
「役者はすべて揃った。準備はすべて整った。ふふ、今、舞台の幕が上がるわ」
机に両肘を付いて腕を組み、その上に顎をのせて(あーつまり、どこぞの司令っぽく)、あゆきは声を発した。
空は晴天、流れる風も涼やかに、絶好の文化祭日和である。
あゆき監督は司令らしく、体育館の薄暗い照明室で時を待つ。

「あゆきのやつ、どこ行ったんだ?」
舞台の上演は午後からだ。午前中、はずむ達は連れだって、模擬店巡りに精を出していた。
一人あゆきが行方不明だが、薄暗い部屋でほくそ笑むのに忙しいので仕方ない。
気を抜くと、テンションの上がったジャン・プウが重力を無視しようとする。
地面にとどめておくために、はずむが腕を組んで確保しておく。傍目にはラブラブカップルだ。
焼きそば、たこ焼き、縁日メニュー、クイズにゲームにバンドのライブ、
歩き疲れて入った喫茶店はメイド喫茶だったりも……。

楽しい時間は早く過ぎ、戦いの幕は上がる。あゆきはそろそろ腕がしびれた。
体育館の舞台裏に集う役者達。開演のブザーが鳴り響く。実は幕を上げるのもあゆきの仕事。
ぽちっとな。あゆきさん、効果音が古いです。

幕が上がって最初に登場するのは、お姫様と王子様だ。
だが、はずむととまりではない。幼少時の二人ということで、子役を手配してある。
クラスメイトの弟妹たちから選りすぐった、あどけない小学生低学年。
舌っ足らずな演技が、見る者の心をくすぐる。
“どこまでも、あざとくなれなければ、舞台は成功しない”とはあゆき監督の談。
「ぼく、おおきくなったら、おうじさまとけっこんする〜」
「おまえ、おひめさまなんだから、ぼくっていうなよ〜」
お花畑の真ん中で、きゃいきゃいと語らう幼児二人。
隣国の王子は、程なく自分の国に帰らねばならない。幼い二人に訪れる別れ。
「えっぐ、やくそく、だからね。おおきくなったら、おとなになったら……」
「あぁ、やくそくだ。おとなになったら、けっこんしよう」

第二幕。ここで成長した姫となり、はずむに切り替わる。魔女やす菜と出会うシーンだ。
その後魔女は、足繁く姫の元を訪れ、見る間に二人は仲の良い親友へとなっていく。
練習の成果か、舞台は順調に進んでいく。

第三幕。姫の周りの環境が、慌ただしくなっていく。
当時の王朝政治の慣習に漏れず、姫に政略結婚の話題が上りだしたのだ。
相手は当の幼なじみの王子様なのだが、当人達はその事実を知らない。
直接会えばわかりもしようが、政略結婚とは、出会う前に決まってしまうものなのだ。

「姫様、最近お顔の色が優れませんが、どうかなさいました?」
魔法で姫の侍女になりすました魔女、今では姫様にべったりで、始終一緒に過ごしている。
「実は僕、もうすぐ結婚しなくちゃならないかもしれないんだ」
「えっ!それは、おめでとうございます!」
「でも、あんまり乗り気じゃないんだなぁ」
「どうしてですか?相手は気だての良い王子様なのでしょう?」
「そうなんだろうけど、嫁いでこの国から離れたら、君とも会えなくなるし」
「ご心配いりません。その程度はどうとでも」
「そうなの?」
「えぇ。だてに魔女を名乗ってはおりませんわ」
「わ〜い、よかった〜」
魔女の両手を掴んで、ぶんぶん振るお姫様。魔女さん、てれてれ。
が、しかし振動は続かない。
「どうしました?」
「実はね、僕、小さい頃に一緒に遊んだ王子様がいて、その人と結婚の約束をしたんだよね」
「そのお方のことが忘れられないのですか?」
「顔は覚えてるんだけどね。どこの国の誰だったかまでは、覚えてないんだよ」
「……私にお任せ下さい。きっとそのお方を捜してご覧に入れましょう」
「ほんとっ!」
またしても、魔女の両手をつかんでぶんぶん振るお姫様。魔女さん、ちょっと複雑。
108お姫様は誰の手に(6/9):2006/03/21(火) 17:48:29 ID:PTG9ALlH
ここからは、絵に描いたような不幸の転落劇。
魔女はといえば、姫のために幼なじみを捜してやりたいし、自分にはその力もあるのだが、
見つけた幼なじみに姫の想いがとられやしないかと不安になる。
狭量だというなかれ。長い年月孤独に生きてきたのだ。姫様が自分に向けてくれる笑顔だけが救いなのだ。
そんな心持ちで魔法を使ったものだから、案の定失敗する。そして見つかる。
衛兵達に、突き付けられる剣の先。騒ぎを聞きつけ、止めに入るお姫様。

放してください。この人は違うんです。僕の友だちなんです。僕の大切な友だちなんです。
僕のために魔法を使おうとしたんです。悪い人ではないんです。とても優しい人なんです。僕の大事な人なんです。

魔女、姫様のこんな声を聴きながら死ねるなら、自分は望外の幸せ者だと思ったり。
がしかし、そんな殊勝な態度も、姫に疑いがかかった時点で一転する。
「姫には呪いがかけられておる。呪いがとけるまで幽閉するしかあるまい。とけなければそれまでだ」
魔女、ブチ切れ。いや、お城を半壊させつつも、誰も殺さず強制睡眠にとどめたところを見ると、
プチ切れぐらいで我慢したよう。
我慢したとはいえ、感情の高ぶりに制御が効かず、姫様までもすやすやと眠らせてしまった。
しまった、が、命に別状はない。目が覚めるのをゆっくり待てばよいだろう。私には時間がある。
愛しい姫様がくれた大事な時間だが、目が覚めるのはさほど先の話ではない。一月もかからないだろう。
その間、姫様の寝顔を見つめて過ごすのも悪くない。ちょっとぐらいなら触ってもいいかしら。

第四幕。平穏は長くは続かない。魔女っこ大暴走のニュースは隣国の王子の元にも届いていた。
顔も見たことのない姫だけれども、討伐に行くのが筋だろう。
だいいちそんな物騒な話、先手を打って潰しておくのが正しい国の主のすること。
王子の父君であらせられる王様には、もちろんこれを機会に隣国乗っ取りの腹づもり。
でも、ムダに正義感の強い王子には黙っておく。これが正しい父のあり方。

日がな一日姫様の寝顔を鑑賞してはうふふ、ぷにぷに〜とか言っていた魔女っこさん。
とはいえ仕事はちゃんとする。自分が希代の極悪魔女として、討伐対象になっているとの情報を傍受。
降りかかる火の粉は払わねばならない。強制睡眠中の衛兵達を操って、ショッカー軍団急製造。
姫様も、その気になれば操り人形にできるのだが、それができないのが、惚れた弱みということか。
何より、ここまでするのも、ひとえに姫様の安全のため。自分一人ならどうとでもなるが、
いくら睡眠中に命の別状がないとはいえ、姫様のまわりでバタバタされては危ないことこの上ない。

かくて戦闘の火ぶたは切って落とされる。聞けば総大将は隣国の王子様とのこと。
そんなボンボンに、世の苦渋の大半を舐め尽くしてきた私が負けるわけがない。
しかし、ボンボンは野生児だった。敵ながら惚れ惚れするような動きで、ショッカー軍団を倒していく。
そして舞台は冒頭へ。姫様をかけて、王子と魔女の一騎打ち。
「愛する人をかけて、いざ尋常に勝負だっ!」
「望むところですっ!返り討ちにしてくれますわっ!」
今まさに王子の剣と、魔女の杖が交差しようというときに、
「ふぁあぁあぁ〜」
少々気の抜けたあくびが聞こえてきた。
「「姫様、お目覚めになられたのですか」」
重なる声、息ぴったり。目があって、双方嫌そうに目をそらす。
「お〜は〜よ〜う」
数秒前までの緊迫した雰囲気はどこへやら。気の抜けた空気が一帯を支配する。これが王家の力か。
「姫、助けに参りましたぞっ!」
「姫様、危のうございます。下がっていてくださいっ!」
「あ、王子様だ!探してきてくれたんだね。ありがとう!」
「は?」
「え?」
「うん?」
固まる空気。皆、相手が何を言っているのかわからない。
魔女、姫様を指さし、その指を王子へ。「王子様?」「うん!幼なじみの!」
王子、姫様を指さし、その指を魔女へ。「ありがとう?」「うん!大切な友人だよ!」
魔女、王子を指さして、「幼なじみ?」
王子、姫様を見て、激しく首を縦に振る。「驚いた。幼なじみだ」
王子、魔女を指さして、「友人?」
魔女、姫様を見て、優しく首を縦に振る。「姫様にそう思っていただけるだけで、幸せです」
王子と魔女、姫様を見て、「「あの、詳しく説明してもらいたいんですが」」
109お姫様は誰の手に(7/9):2006/03/21(火) 17:49:11 ID:PTG9ALlH
上演時間の関係もあり、「かくかくしかじか」という台詞だけで説明を完了するお姫様。楽でいいやね。
「なるほど、かくかくしかじかということか」
「そうだったの。かくかくしかじかということだったのね」
なんじゃそりゃ。
舞台の終わりは近づいてきた。これで、王子様が魔女と和解し、三人一緒に暮らしましょう。
それはいいそうしましょう。やったーハッピーエンドだね。となる予定。
王子様が発言する。
「それでは、三人一緒に……」
「それはできません」
「「「えっ」」」
聞こえるはずのない声がした。見るとあゆきが神官の衣装を着て、舞台に立っている。そんなの台本にないぞ?
予定外の進行に驚き固まる三人を尻目に、あゆきは舞台の中央に進む。
「私も先程目覚めました。お話も聞かせていただきました。
 王子と魔女が、それぞれ姫様を心から愛していることを喜ばしく思います。ですが」
(おい、あゆき、何言ってる。こんなの台本にないぞ!)
(あゆきさん、これはいったい?)
(あゆきちゃん、どういうこと?)
小声で突然の闖入者を問いただす三人。だが、あゆきの語りは止まらない。
「ですが、王子と魔女は住む世界が違います。姫様、あなたは選ばなければならない」
「なっ、何言ってんだ、あゆ……神官っ!」
「神官さん、それはいったいどういうことかしら」
「……どうして」
「理由など、さして意味はないと思いますが。そうですね、
 魔女は魔女の国へ、姫を連れて帰らなければならない、とでもすればいいでしょう」
「おまえ、勝手に決めるなよっ!」
「そうよ、私はどこにいても姫様と一緒なら、それで幸せだわっ!」
「……わかりませんか。考えるなら、三人一緒にいることの意味の方を考えてみてください」
「そ、それは……」
押し黙る三人。それはそうだ。考えるまでもないこと。否、今まで考えないようにしてきたこと。
三人一緒の時間など、長くは続かない。いずれ今日この日のように、姫をかけて争う日が来る。
そして、それは遠い日の話ではないだろう。むしろ、今まで小競り合い程度ですんでいたのが不思議なほどだ。
はずむには、私/あたしだけを見てもらいたい。
思い出せ、二人は王子と魔女。先程まで熾烈な戦いを繰り広げていたではないか。

「……そうね。今ここで、はっきりさせなければならないことなのかもね」
「……そうだな。今ここで、決着を付けるべきなのかもな」
「ふ、二人とも、何言ってるのさっ!」
「やす菜っ!今ここでおまえを倒し、はずむをあたしのものにするっ!恨むなよっ!」
「とまりさん!今ここであなたを倒し、はずむくんを私だけのものにする!負けないわっ!」
「や、やめてよ二人とも」
「はずむは黙ってろ!/はずむくんは口を挟まないで!」
はずむを挟んでにらみ合う両者。間でおろおろするばかりのはずむ。
やや後方から、ほくそ笑むあゆき。
やっとここまできた。演劇という環境を用意し、二人が思いをぶちまける場を調えた。
だいたい二人とも、他人に優しすぎるのだ。普通にしていては、ここまで真情を吐露してくれない。
とまりは比較的のせやすいので心配していなかったが、やす菜の方は正直あまり自信がなかった。
だが、舞台の上、そして架空の設定とはいえ、とまりと張り合える魔法の力、
やす菜は魔女役に完全に同調している。迫真の演技?真に迫っているわけではない。
「魔女/やす菜には、姫/はずむしか、心を許せる人がいない」真実そのものではないか。
さあ、ガチンコで雌雄を決するがいい。その方がすっきりする。
あなたたちにドロドロした修羅場は似合わない。修羅場は、正真正銘の戦いであるべきだ。
ついでに言えば、魔法の力はあながち架空の設定ではない。勝負は五分と五分といっていい。
筋書きにない第五幕。目には見えない幕が上がる。
110お姫様は誰の手に(8/9):2006/03/21(火) 17:50:03 ID:PTG9ALlH
「やす菜、悪いが腕力勝負でおまえに勝ち目はない。あきらめろ」
「あらとまりさん、忘れましたの?私は魔法使いですのよ?」
「手品じゃあたしには勝てない」
「そうね。でも私にはこの杖があります」
やす菜は思い出す。直前になってあゆきから、やはり危ないから使用を控えようと言われたのだ。
なるほど。このために持たせたのか。あゆきのシナリオにまんまとハマっていることには不満を感じるが、
ここまで来たら引き返せないし、今、自分はとまりと戦いたい。
戦って勝ち、はずむを手に入れる。なんてわかりやすい。
うじうじと悩んでいた昨日までが嘘みたいに晴れ晴れとした気分だ。
「いでよ、いかづちっ!」
ガラにもない台詞を景気よく叫び、手元のスイッチを押す。バリバリと空気を引き裂く音と共に、電撃が走った。
あゆきがやす菜に持たせた杖は、威力を最小に抑えたスタンガンが入っている特注製だ。
最小とはいえ、電撃に触れれば、かなりビリビリくる。
「……ちょっ、まじかよ」
「……す、すごいわ」
「うわーん、ふたりともやめて〜」
とまりは冷静に間合いを測る。確かにあの電撃はまずそうだ。気絶まではしないだろうが、行動は制限されるだろう。
しかし、扱っているのはやす菜だ。反射速度、それに応える筋肉、どちらもあたしの方が上。
電撃をかいくぐって回り込めば、あたしの勝ちだ。
とまりとて、やす菜自身を木刀で叩くつもりはない。むしろ腕力に自信がある分、自身の力の行使には慎重だ。
もちろん、負けるつもりもない。あの杖を叩き落とせれば、それでいい。
とまりにはわかっている。これは一種のデモンストレーションで、何が解決するわけでもない。
腕力ではずむが手に入るなんて、そんなバカげた話があるか。
しかし、やす菜との関係は変わるような気がする。変わりつつある気がする。
それが証拠に、今、やす菜の顔は本当に嬉しそうだ。一歩引いた愛想笑いや、寂しげな笑顔ではなく、
晴れ晴れとした笑顔をしている。あたしはそういうやつが好きだ。
慎重に間合いをつめる。あと二歩、一歩。

「でやーっ!」
「だーっ!」
同時に走り出す二人。今度は演技ではなく、真に繰り広げられる衝突。スローモーションで世界が進む。
とまりの予想では、こちらがもう一歩進んだところでやす菜は電撃を出す。
そこをかわしつつ、木刀を杖に振り下ろし……

「やめてー!!」

間に飛び込んできたピンクのフリフリドレス。はずむかっ!はずむくん!だめっ、間に合わないっ!!

「ボカッ」「ビリビリビリ〜」「……ぐふっ」

壇上中央にいた誰かがばたりと倒れ、砂煙が舞い上がる。静寂の中、視界が晴れてくる。
哀れ、木刀の一撃と電撃を受け、倒れているのははずむだ。惚けていた二人だが、あわてて駆け寄る。
「はずむっ!大丈夫かっ!!」
「はずむくんっ!しっかりしてっ!!」
「……い、痛い、それに、ビリビリする……」
涙目だが、気絶はしなかったようだ。ほっと胸をなで下ろす。
「おまえ、跳び込んでくるなよ、危ないだろ」
「ごめんなさい、はずむくん。でも、途中で止められなくて」
「……だって、二人がけんかするのは、とめなくちゃと思って……。
 はっ、そうだ。二人とも大丈夫?どこも怪我してない?」
「自分の心配しろって」
「はずむくん、私は大丈夫よ。はずむくんこそ、大丈夫?」
「う、うん」
「はずむ、せっかくのドレスがぼろぼろだぞ」
「え、わ、ほんとだ」
「……くすっ」
「……はっはっはっ」
「えっ?えっ?……あ、あはははは」
笑い出す三人。
111お姫様は誰の手に(9/9):2006/03/21(火) 17:51:09 ID:PTG9ALlH
壇上で笑っている三人。その笑顔は晴れやかだ。しかし皆さん、何か忘れてやしませんか?
そこは壇上なのですよ?
「はい。そこまでです」
しれっとした顔で登場するあゆき。
「なあ、あゆき」
「神官」
「あっ、そうか」
すっかり忘れていた役どころを思い出させる。しかしもう劇はぐだぐだだ。どうやって幕を下ろすのか。

神官は王子様と魔女に視線をやる。
「お二人とも、私の言いたいことがわかっていただけましたか」
顔を見合わせる二人。
「えぇ」
「なんとなくはな」
口では上手く表現しにくい。三人仲良くやっていくのが無理なことはわかっている。
ただ、これから先、どういう結末になろうとも、二人は互いを、心底憎むことにはならないだろうと思った。
今だけのことかもしれない。こうやって笑っているときだから、そう思うだけなのかもしれない。
ただ、今日戦いあい、そして笑いあったことを、あたしは/私は、ずっと忘れないと、そう思うのだ。

「そうですか。わかっていただけましたか。では、失礼して」
あゆきは穏やかな微笑みを浮かべ、はずむの首根っこを掴んで引きずっていく。
「あれ?あれれ?あゆきちゃん?」
「姫様、もうおわかりでしょう。あの二人は姫様に危害を加えるばかりです。
 姫様はこの神官である私めが、幸せにしてさしあげますわ」
「は?」
「え?」
ずるずると引きずられるはずむ姫。ずんずんと進んでいく神官あゆき。舞台の袖へ。
同じような顔でぽかんと口を開けたまま、それを見送るバカ二人。
下りていく幕。これにて閉幕。

開いた口がふさがらないのは観客だ。
途中までは筋立てどおり進んでいたような気がするが、いったいどこからどうなったんだ?
自分たちは文化祭の出し物の演劇を見に来たんだよな?
パチパチパチ。
誰もが惚けている空間で、一人の少女が拍手をしている。
「ぷぅ〜、とっても面白かったです〜」
ああそうね、なんだか面白かったような気がしないでもないよね。緊張感だけはヒシヒシと伝わってきたし。
まばらな拍手が起こる。カーテンコールの幕が上がる。
先程までノリノリだった演者たち三人は、一転、えらく気恥ずかしそうだ。
三人揃って手を繋いで、照れくさそうにお辞儀をする。
まだ初々しい少女達。まあ、なんとなく熱演だったような気がする。拍手が大きくなる。
顔を上げた三人、真ん中がお姫様、両隣に王子様と魔女。
王子様と魔女は、お姫様の方を向いたかと思うと、よりそって、その両頬に軽く口付け。
ますます真っ赤になるお姫様。割れんばかりの拍手。再び幕。
舞台は無事にはけましたとさ。
・・・
「はっ、あゆきはどこへいきやがった?」
彼女の真の業務は暗躍だと言ったでしょう。とっくに逃走を図っていますよ。
「ふっ、私は舞台に上がらない女」
上がってんじゃん。
「私は暗躍する女」
それは正しい。
ちゃんちゃん。
112名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 19:25:24 ID:f9FDO2Uf
>>102
ノリが軽くて読みやすく、特徴ある文体がいい感じです!
ただ若返った魔女がお姫様に泣きつく場面は、結構考えさせられたかも
いろんな意味で寓意的なお話ですね、乙!
113名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 19:28:46 ID:rwxl0G46
四巻の巻末におまけにつければ良いと思うよ。
お疲れ様。
114名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 20:09:32 ID:/wCumvQN
いやはやGJでした。歯切れが良くていい感じ。設定も面白いし。
それにしても、某スレで質問してたのはアンタだったわけですかw
115102:2006/03/21(火) 21:20:51 ID:PTG9ALlH
>>112-114
長丁場お疲れさまでした。ドロドロの愛憎劇は本編にお任せ?して、男らしく、拳と拳で語ってもらいました。
はずむ君はおろおろするばかりですが、ほら、今回はお姫様ですから、致し方なしと言うことで。
>>114 ば、ばれた!いや、えろ〜いのを書くのは苦手なんですが、ちょっと疑問をぶつけてみたり。
116名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 02:24:18 ID:IHMfBajA
面白かった。スレ趣旨とははずれるかもだが、
これからもお願いしたい。
117名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 03:03:28 ID:BTLWOl0V
こういうほのぼのとしたのは読みやすくて好きです。
話の流れもスムーズで飽きさせないとこがGJ!でした。
また次回作を楽しみに待ってます。
118おしべとめしべ−01:2006/03/22(水) 06:34:14 ID:r9XZBv/Y
「はぁ?一体どういう事だ??」
俺は多少面食らいながら、夜空に映し出された
UFOから投影される映像を凝視していたが
「はずむ君は異星人の手で女性化してしまったのよ。」
あゆきはこの異常な事態にも動じず、冷静に起きている
状況を口にしたが、俺にはまだ事実だとは言う実感は
無いと言うより仮に事実だとしても受け入れ難かった。

なにより、はずむは俺の親友だ。
あいつが女になったら、俺はどうやって
あいつに付き合っていけばいけば良い?
俺は多少面食らいながら、
「おい山頂へ急ぐぞ。」
あゆきを促し、とまりと神泉が先に着いているであろう
山頂広場目指して外灯の明かりを頼りに遊歩道を
駆けだす。


「はぁはぁっ・・。」
息が切れそうになりながら、やっと山頂の広場に着いたが、
「こっち来んな!!」
とまりは俺の姿を見るなり、大声で叫びやがる。
俺も多少頭に血を上るのを覚えながら返した。
「馬鹿野郎!親友の一大事になんてこと言いやがる。ごほっ。」
まだ呼吸が整ってないせいか、咳き込むと、はずむらしき人影が
「とまりちゃん、ぼくは良いから」と言うが
「だめだ、はずむ。」
俺が心配しているにのにも関わらず
とまりが静止する。

「・・・私が確認してこようか?」
俺と同じく、まだ息の荒いあゆきが言うので、
任せる事にして、とまり達の影の中に入ったあゆきが状況を伝えて来た。

「間違いないわ、胸もあるし、声も変わってて女性化
してる。ただ問題なのは全裸状態なのよ・・・。」

確かに男の裸なら、とまりや神泉は逃げ出すだろう。
あゆきはクールに観察するかもしれんが・・・。
「判った。おい、はずむ大丈夫か?」
はずむに状態を訪ねる
「ぼくは大丈夫だけど、少し寒い。」
聞き覚えのある口調だが、トーンの高い声。
そして俺は、親友が女性化してしまったことを現実として認識した。





119118:2006/03/22(水) 06:47:58 ID:r9XZBv/Y
取りあえず冒頭部分投下します。
アニメ版準拠ですが、何かお気づきの点
ございましたら、ご指摘ください。
120名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 07:12:18 ID:f8FlGSQC
ちょっと駆け足過ぎるかな
状況の展開が速い
一文一文をもうちょい短くするといいと思う

映像はなんとか頭に浮かぶけどね


まあ、なるべくなら様子見の小出し投下は避けたほうがいい
あんまり分量少ないと、読んでる側も物足りないからね
121名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 07:19:25 ID:LxO1a+Cs
別にヘンではないよ。続きがかく、続きがあるのなら投下してクレ
話はそれからだと。
122名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 13:09:33 ID:u9WRC86g
131氏マダー?
123かくれんぼ:2006/03/22(水) 14:17:41 ID:T5381+Nk
とまり『久しぶりにさ、みんなでかくれんぼしようぜ。』
とまり『隠れられる校内は2階、三階だけ。んじゃ、隠れるの苦手なアタシが鬼になるからみんな隠れて』
明日太『絶対見つからないからな。(ふははは・・はずむと・・』
(明日太の妄想・・はずむ『隠れる場所が見つからないよ。明日太・・一緒にいてもいい?』
明日太『むは!はずむ!もはや俺たちは友情を超えてしまったなww』
あゆき『明日太、いいから早く隠れるわよ。』
はずむ『え〜っとどこにしようかなぁ・・。』
やす菜『(はずむを見つめながら)はずむ君、一緒に隠れない?』
はずむ『一人一人のほうが見つかっても有利だし、やす菜ちゃんはやす菜ちゃんで・・』
やす菜『私、ほとんど見つからない場所知ってるから・・、お願い。』
はずむ『う〜ん、わかったよ。そこが、ドコか知りたいし。』

やす菜『こっち・・。普段、掃除はされているけど、ここならあまり気付かれないと思うの。』
はずむ『ここって・・。生徒相談室・・。そういえば、あまり入ったことないかも』
やす菜『体育館のステージにある机と同じのがあるから、潜り込めば入り口からは見えない。いけそうでしょ?』
はずむ『やす菜ちゃん、隠れ場見つけるの得意だね。ボク、全然分かんないし。』
やす菜『ふふwだから誘ったの。はずむ君が鬼になったら、キツそうだから。』
はずむ『そうだと思う^^;なんか一人も見つからないままおわりそう。』

とまり『5.4.3.2.1.0。いくぞぉ!みんな隠れたよなぁ!?よし、開始!』
とまり『まず、1組から三組の教室調べるか。・・・お、教卓、教師の机が怪しんだよなぁ・・いるかなぁ』
明日太『う・・やべっ・・。なんでさっそく来るんだよ・・!みつかりませんように・・ように!(ガタンッ』
とまり『ん。へっへ〜ん。さっそくバカがいるねぇ。はい、明日太見つけたぞ。』
明日太『あぁ!何でお前は俺ばかりを先に!!ちくしょおおおお!』
とまり『本当に運がないよな、明日太は。昔から変わってないし。さ、次行こうぜ。』

とまりは二組、三組と調べて回った。しかし誰もいなかった。
つづいて理科室を調べたが誰もいなかった。
そして、社会科教室を調べている。

とまり『意外と難しいとこに隠れてるな。こりゃ厄介ごとだ。』
明日太『はずむはどこにいったんだろうな。あいつ、すぐ見つかると思ってたが。』
とまり『そうだな。(・・はずむは一人のはずがない。絶対・・やす菜のやつといる。』
とまり『あ、あゆき見つけたぞ。やっぱり、あゆきは見つかりにくいわ。でも、今回は手を抜いたな?』
あゆき『ふ。そうね。がんばったって仕方ないし。あんたの目的は、・・でしょ?』
とまり『い・・いいから、さっさと調べていくぞ!制限時間まで後20分しかないからな、』

124名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 17:08:04 ID:wuNFMn50
ん?投下終了なのか?
雑談するぞ?
125名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 18:15:31 ID:AU6ELF8h
131氏のバレンタインの話、続きが気になってしょうがないのに、上のHの続きも読みたい件について
126名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 21:58:53 ID:bDziGMuV
やす菜SSエロなしを投下してもいいですかね?
127名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 22:02:24 ID:L/uzqC13
>>126
なすべき事をなすんだ
128名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 22:19:28 ID:l9oRlazn
したらば、投下致します。
129『青いスクリーン』(1/5):2006/03/22(水) 22:20:39 ID:l9oRlazn
「神泉は、高校を卒業したらやりたい事って、あるか?」
隣に腰掛けている男の人が話しかけてきた。
はずむくん達との待ち合わせに現れたのだから、それが曽呂君だとは判っていた。
他のみんなが来るまでまだ、小一時間あった。
集合時間を間違えた訳じゃない。
好きな人を、待って過ごす時間を楽しみたかったから、たっぷり一時間前にここに着い
たのに…。
五分もしない内にこの人がやって来てしまった。
以降、想像もしていなかったツーショットを過ごしている。
なんて、無意味な時間なんだろう。
…ふぅ
いけないのは分かっていても、出てしまうため息。
それを、どう聞き留めたのか、彼が私に話題を振ってきたのだ。
こんな退屈も、私にとっては世界の半分以上を占める、どうでもいい事のひとつに過ぎ
ない。
むしろ、こういう会話こそがわずらわしかった。
「曽呂君はどうなの?」
辛うじて彼の方を向いて問い返す事が出来た。
愛想のない声は、自分にも届いている。
「俺か?」
彼の声が、特徴もなく漠然と耳に聞こえた。いつもの事だけど、一対一だと余計に気持
ちが悪くなる。
 私は、始まったばかりの会話を早く終わらせてしまいたかった。
 コクコクと頷いて、返事を促した。ちょっとした演技を交えるのは、いつもしている社交
辞令だった。
 飄然と彼が口を開いた。
「俺は、ヒマラヤへ行く」
 何の関心もないはずだった彼の答えは、私の耳朶を打ち据えた。
「え…?」
 思わず、聞き返した。何…?どこに行くって?
「マナスルに登る…」
 割れ響き、聞こえる声。何に、登るって…?
「ヒマラヤを越えていくツルの群れを、この目で見たいんだ」
 最後の言葉が、鮮明に聞こえた。
『……を、この目で見たいんだ』
 男の人の声が耳に届く…。
 それは衝撃だったはずなのに、私は彼の言葉の意味に気を取られていた。
「ヒマラヤ…?マナ…スルって?」
 ヒマラヤって、やっぱりヒマラヤ山脈…、の事よね?
「ヒマラヤにはさ、8000Mを越える山が14あって、そのひとつがマナスル。標高8
163M。世界8番目に高い山だ。日本人が初登頂したんだぜ!」
 同じ歳の男の子が考えてる事。そんなの、今までどうでもよかったのに。
「それを、登るの!?曽呂くんが?」
 世界で8番目に高い山…?微妙な数字が、生々しかった。
「ああ、絶対に登る」
 断言する声が、はっきりと耳に届いた。
 ハイキングで鹿縞山に登るのとは訳が違うはずだ。岩と氷雪に閉ざされた峰々の連なり
が、私の想像の限界だった。
「見たいんだ、この目で。アネハズルのヒマラヤ越えを」
 アネハヅルの、ヒマラヤごえ……
 心に掛かる響きだった。
130『青いスクリーン』(2/5):2006/03/22(水) 22:21:24 ID:l9oRlazn
「アネハヅルって、…鳥の鶴の事?鶴が、ヒマラヤ山脈に住んでるの?」
 知らず、問い返している。不思議な好奇心が私の中に芽生えていた。
 彼はそっと首を振る。そして、私の知らない世界の話を始めた。
「アネハヅルは、冬を越すためにモンゴル高原からインドに渡るんだ。その時、ヒマラヤ
山脈を越えていく集団がある。一口に山を越えるっていっても相手は8000M級の峰々
だ。俺達のいる対流圏は高度10000Mまでで、その上はジェット機の飛ぶ成層圏。つ
まり、あいつらは自分の羽で成層圏まで翔けのぼって、山を飛び越えていくんだ!」
 彼も興に乗ってきたのか、身を乗り出してくる。私もつられて前のめりになる。
「アネハヅルは、世界で一番小さい鶴なんだ。羽を広げても4,50センチしかない」
「え?そんなに小さいの!?」
 鶴なんて、タンチョウヅルみたいに大きい鳥ばかりだと、思ってた。
「その小さな翼だけが、この世界で、一番高い空を飛ぶことが出来るんだ」
 世界で一番高い空。それを飛んでいく、小さな翼の鳥達…。
 曽呂くんの声が輪郭を伴って聞こえてくる。私の脳裏にスクリーンが広がっていく。
 それはまだ、ぼんやりと青い空色のウォールペーパー。
 でも…。
「マナスル周辺はアネハヅルの飛行ルートなんだ。麓で天候のいい日を待って、彼らのチ
ャレンジは始まる。上昇気流に乗ってマナスルの峰を越えようとするんだ。でも、気流の
加減は一定じゃない。山頂を越えられなくて山肌に流れたり、下降気流に巻き込まれたり
して、何度も失敗する。その中で、気流に巻き込まれて落ちていったり、もう飛び立てな
くなって力尽きるものもでるんだ…」
 曇る声。私の眉にも翳が下りる。
「でも、諦めない。失敗の数だけチャレンジを繰り返す。そして、その時はやってくる!
マナスルの山麓から吹き上がる強烈な上昇気流に小さな翼を乗せ、あいつらは神々の座を
次々と越えていくんだ…!!」
 握りしめたこぶしに気付く。汗を握っているのは、暑さのせいだけじゃない。
「俺達の見上げる空は、きっと宇宙まで続くくらい青く穏やかに広がっていて風もない。
そこに何かきらきらと舞う銀粉のような光の帯が流れていく…。白い氷雪の稜線の向こう
側の、まだ遠い南の空へあいつらは輝きを残して翔け去っていく…」
 曽呂くんの言葉が、私のスクリーンに、見たはずのない光景を映し出していく。
 蒼穹の、畏怖さえ覚える空は星の世界さえ覗かせている。
 連なる神々の白い頂の、遥か彼方を煌めく光の粒子が流れ去っていく。
 時の刻みが失われていく、この世在らざる荘厳…。 
 彼は、私の心を彼方の世界に連れ去っていた。
 私の目は、陶然とそのスクリーンに見入っていたのかも知れない。
 それを、曽呂くんの声が引き戻した。
「…ごめん、調子のって話し過ぎた、かな…?」
 ぼりぼりと頭を掻きながら、彼がすまなそうな呟く。
「悪ィ…。つまんなかったよな、神泉の知らねえ話を長々と聞かされても…」
 私が意識を飛ばして茫然としているのを、あきれ呆けているように思ったのか。
少し俯いた彼は寂しそうに、ごちた。
「ううぅん!?そんなことない!!すごいっ!すごく面白いわ!私、びっくりするくらい
聞き入っちゃってた!?」
 本心だった。
 こんなにも、ひとの話に傾倒したことは無かった。
 …それも、男の人の話しに耳を傾けて、我を忘れて?
「どうして、こんなお話しが出来るの?いつからこんなこと考えているの?」
 らしくない程、饒舌になっている。
 知りたかった。
 私の知らない世界を、もっと知りたいと思っていた。
 どうでもよかった世界が、光の帯びているのに気付いた。
 曽呂くんのいる世界に、私は手を伸ばそうとしているの?
「もっと、知りたいわ!」
 驚く顔が分かる。分かる!定まらない焦点の向こうの、戸惑うようなびっくりしたよう
な表情を感じ取れる!?
「私に、教えて…!?」
131『青いスクリーン』(3/5):2006/03/22(水) 22:22:23 ID:l9oRlazn
 いつのまにか、にじり寄り、鼻が触れるほどに顔を近づけてしまっていた。
 一瞬固まった後、曽呂くんはジタバタと大げさに跳び退いた。真っ赤になってる。
「ババババ、バカ!近づきすぎだろ!?はずむらに見られたらどーすんだよ!?」
「…あら?」
 息がかかったのに気付き、口元を押さえる。
 意外と、純情。それに私までつられて頬が熱くなる。
「ガキの頃、テレビで見たんだ。青と白が、俺達とは違う世界だって教えてくれてた。な
にせ夢にみるくらい衝撃だったんだ」
 私から二人分ほど離れて腰掛け、そっぽ向きながら話し出す。
「もう一度見たくて、ずっとビデオとか探していて、でも見つかんなくってさ。じゃあ自
分で見に行くしかないって思って。それで登山とか、始めたんだ。…笑うだろ?」
「…ううん。すごく純粋な動機」
 転がり出る言葉。絶対、お世辞とかおべっかとかじゃない。
「きっと恥ずかしい事、言っちまってるな…。俺ってバカ野郎だろ?神泉なんかが真剣に
聞いてくれてると思うと、嬉しなって調子のってる…」
 照れて、又頭を掻いている。癖、なんだな……
 仕草が妙に、可愛らしくて可笑しくて、頬がほころんでくる。
 男のひとって、ちいさな子供みたいに変わるんだ。
「そんな事、ないよ。曽呂くんのお話、すごく楽しい。私もマナスルを越えていく鶴たち、
見てみたい…。宇宙まで見渡せる空って、どんなに素敵なんだろ……」
 想いを馳せる時は、いつもひとりだった。
 本心を、こんなふうに見せた相手が曽呂くんだったなんて、不思議だ。
「神泉も見たいか…?」
 そんなの、決まってる。私の中のスクリーンには、もう何も映ってない…
「うん、見たいよ。でも、ムリだよね…」
 私にヒマラヤ登山なんて、出来ッこない。鹿縞山に登るのだって精一杯なんだもん。
「じゃ、見せてやる」
 …え? 
「実はこの前、ついに手に入れたんだよ〜〜!!しかも、ハイビジョン対応ぉー!!」
 すっくと立ち上がって右の拳を脇に引く。小さなガッツポーズ。
「俺さ、実はずっと怖かったんだよ〜〜!だってほら、小さい頃の思い出って美化しすぎ
ててさ、あとでガックリ…なんて事あるじゃないか!?いざ見ちゃって、もしそんな幻滅
味わうことになったら、俺の半生は一体なんだったんだってホラ、びびっちまってよー」
 一気に捲くし立てる。
 呆気に取られている私に向き直ると、にぱっと笑った。
 笑顔。きっと、とびきりの笑顔。歯の白さだけが鮮明に見える。
 もう、私は驚かなかった。
「でもでも、見るしかねーじゃん?で、はずむンちのでっけーテレビ借りて見たんだよ。
俺んトコのテレビ、ショボいのしかなくてさ、ちょっとでもイイ条件で見たかったしさ。
いやあぁぁぁーー、あの感動は甦ったねーーーー!!!ハイビジョン、ばんざ〜い!!」
 ホントに万歳三唱してる。心から嬉しそうな素振りは、私の胸に暖かい何かを沸き立た
せた。
「じゃあ、はずむくんもこの話、知ってるのね?」
 はずむくん、いつも曽呂くんとこんな話していたんだ。…ずるい、聞いてない。
「うんにゃ」
 首を傾げるように私を向いて言う。
「…え?えー、どうして?知らないの?だってはずむくんと見たんでしょう?」
「…んー。…その時はずむのやつ、二階の自分の部屋でゲームしてた…」
 はずむくん、最低…。
 思わず顔に手を当てしまった。……男同士の付き合いって、ある意味うらやましい。
132『青いスクリーン』(4/5):2006/03/22(水) 22:24:05 ID:l9oRlazn
「そういう訳だ、神泉も見てくれるか?俺の目指してる場所を、さ!」
「うんっ!!見せて欲しいっ!!」
 自分でも、驚くほど大きな声。
 思わず、口に手を当ててしまった。
「ふふ、いい声だぜ、神泉!」
 曽呂くんは、満足そうに言う。
 私はポッと耳が熱くなってしまった。恥ずかしい…?
「よし!じゃ今晩でも、はずむに預けとく!あいつントコで一緒に見ろよ!」
「えええぇぇ!?そんな…?はずむくん、迷惑するんじゃ…!?」
 ちっちっちっと、人差し指をフリフリしつつ曽呂くんが悪戯っぽく言う。
「好きなコが、さ!二人っきりで、自分の家で一緒にビデオ見てくれるんだぜ?何をどう
断る理由があんだよ?」
 はずむくんが、好きなコ…?。そんなふうに曽呂くんは見ていてくれた…?
 不意打ちよ、そんなこというの…
 じわりと込み上げってくるものを押さえつけようと立ち上がる。
 ふいっと、背中を向けてしまう。顔を見られるのが怖かった。
「あ?ご、ごめん、へ、ヘンな言い方だったかな?ははっ、デリカシーなかったかなー?」 
 曽呂くんが慌ててる。私の肩にそっと手を置こうとした。
 びくりと身体が跳ねる。私自身もその反応に驚いてしまう。心臓まで跳ね上がる。
 曽呂くんの手が怯えたように遠ざかる。
 ど、どうしよう…!?絶対、誤解させてしまった。
 こんな、こんなこと…、曽呂くん、違う、違うの……!?
 引き攣れる喉から、必死で弁明の声を絞り出そうとした。
 ……その、時。
「おーーーい!やす菜ちゃあぁぁぁ〜〜ん!明日太ぁぁ〜〜!!どーーしたのーーっっ!?」
 はずむくんの声だ!
「くぅおぉぉらぁぁぁーーーーっ!!あすたあぁぁーっ!やす菜に何してるぅぅーーー!?」
 来栖さんの声も!?
「どおうわああぁぁぁ!?」
 グシャグシャッバキッボキボキッッ…
 振り向くと同時に、曽呂くんが派手な騒音を道連れにベンチの向こうの植え込みに突っ込
んでいった。
 来栖さんの飛び蹴りをまともに浴びてしまったみたいだった。
「やす菜!大丈夫か?」
 すっくと立ち上がった来栖さんは、何故か私の身を案じてくれるが、それどころじゃな
かった。
「曽呂くんっ!!大丈夫っっ!?」
「とまりちゃん!?いきなりやりすぎだよぉーー!!」
 私とはずむくんは、折れた植え込みの木に絡みつかれた曽呂くんを助けあげる。
「あいっ、痛っててて……。ったく、いきなりなにすんだよ、とまりの奴…」
 シャツが少し破れてほつれてるみたいだけど、見たところ血が出てるとかの怪我は無さ
そう。ほっと、息をつく。
133『青いスクリーン』(5/5):2006/03/22(水) 22:24:49 ID:l9oRlazn
「お前がやす菜をいじめてたんじゃなかったのか?」
 来栖さんは腕組みしたまま、座り込んだ曽呂くんを見下ろしてる。
「違うの。あ、あの急に立ち上がったんで、そ、そう、ちょっと立ちくらみして…。そ
れを曽呂くんが見て、びっくりさせちゃったみたいで…」
 あ、我ながら上手い事、言えたかもしれない。
「そ、そうなんだ。…そんな俺になんて事を!?とまりいぃぃ〜〜っっ!?」
「何だ、そうか。明日太、誤解受けるような真似、すんなよな。」
 笑っちゃうくらい、悪びれてない。
 曽呂くんが、ガウガウと来栖さんに噛み付きにいく。来栖さんと鬼ゴッコになる。
 よかった、色んな意味で大丈夫みたいだ。
 壊さずに、すんだ…。
「やす菜ちゃん、嬉しそう?」
 はずむくんが、私の顔を覗き込んでにっこり笑う。
「うん、私ね、曽呂くんと話したの、楽しかったから」
「そう?」
 はずむくんも、嬉しそうに微笑む。
「明日太って、いいヤツでしょっ?」
 もう分かる。はずむくんが、曽呂くんと親友になった事。
「…うん」
 顔を見合わせ、ふふっと笑い合った。
 大声を出しながら追いかけっこしてる曽呂くんと来栖さん。
 並んでその二人を見てる私とはずむくん。
 感じる。心が熱を帯びているのを。
 私は、変わっていける。
 予感じゃない。
 これは、…そう、確信。
「早いわね」
 後ろから、摩利さんが声をかけてくる。
「とまりちゃぁぁ〜〜ん!あゆきちゃん、来たよー!」
 はずむくんが呼ぶ。
 私も…
「曽呂く〜〜〜ん!!もう、行くわよ〜〜〜〜!」
 摩利さんがヘンな顔してる。
 来栖さんは呆気にとられた顔で立ち止まる。その拍子に曽呂くんに頭をポカンと叩かれ
ちゃったのに、私の顔を眺めてる。
 曽呂くんは・・・、親指を立てて私に見せてる。
 ニカッと笑ったみたいだった。
 夏の始まった空は、青かった。
 この青は何を映していくんだろう。
 目を背けてた、たくさんの世界。
 それを、教えてくれた人。
 もう、ただの壁紙じゃない。
 それはスクリーン。
 光の粒は集まって、いつかきっと、綺麗に写し出せる。
 夏の風が、髪をさらう。
 はずむくんの香りはやわらかだった。
134『追伸 青いスクリーン』:2006/03/22(水) 22:27:27 ID:l9oRlazn
 夜になって、はずむくんから電話があった。
「あの、さ、やす菜ちゃん、明日さ・・・、時間あるかな?」
 ピンと来た。
「うん、大丈夫よ。なぁに?」
 タネを知ってるのに、ドキドキする。
「良かったらなんだけど、・・・明日ウチに来ない?やす菜ちゃんが好きそうなビデオ、あ
るんだけど・・・一緒に見ないかなぁって・・・」
 一生懸命、はずむくんが誘ってくれてる。
 胸から湧き上がってくる嬉しさを噛み締めながら、さりげなく答えようとする私。
「うん、見ましょ。お菓子持っていくわね」
 もう、踊り出しそう。
「うんうん!!じゃ、お昼過ぎくらいでいいかなっ?」
 はずむくんの、はずんだ声。ふふっ♪
「分かったわ。出る前に電話するわね」
「うん!じゃあ待ってるからっ!それじゃ、おやすみなさい!」
「おやすみなさい・・・、はずむくん」
 切れた電話のなごりを惜しむ。
 色々あった今日が終わろうとしている。
 でも、明日も楽しいイベントが待っている。
 机の上の写真立てを手にとって眺める。
 海で、みんなで撮った写真。
 はずむくんと、私と、来栖さん、摩利さん。
 途端、胸が、きゅっと縮こまる。
 本当は、もう一人写っていた。
 曽呂くん・・・。
 切り取ったのは、私だ。
 私に切り取られた曽呂くんは、そのままクズ入れに捨てられた。
 だから、もう海の思い出に、曽呂くんはいなくなっていた。
 あの日も彼は、笑っていた。
 今日と同じ、私に笑いかけてくれていたのに・・・。
 手にした写真立てに、力がこもる。
 ふるふると震えている。
 ・・・・・・私って、ひどい女だ。
 下唇を噛む。
 曽呂くんは、ずっと私を気に掛けてくれていたのに…。
 今も、私とはずむくんを包んでくれているのに…。
『・・・を越えていくツルの群れを、この目で見たいんだ』
 そう言った彼の声は、私の耳に鮮烈に響き渡った。
『あぁ、絶対に登る』
 絶対の意思が詰まった言葉が聴こえた。
 あれが男の人の声?あれは曽呂くん自身の声?
 彼の笑顔やびっくりした顔、白い歯のイメージが、確かに私の中に流れ込んできた。
 薄暗い影法師の向こう側から、光の粒のように。
 はずむくんとは違う…。それには気付いている。
 でも彼に、いい声だ神泉って言われて…。
 赤くなってしまった私がいた。
 何故?恥ずかしかった…?
 曽呂くんの事、知りたかった。
 彼が描いて見せた、マナスルを越えていくる鶴は確かに私の脳裏に存在した。
 曽呂くんに会いたかった。
 会って、もっと声を聞き、その表情を感じたかった。
 今日の日が、かげろうのように消えてしまうのは嫌だった。
 あの時感じた曽呂くんを、私に刻んで置きたかった。
 彼を欠いた海の写真を見る。
 それは空虚で、もう私に単純な喜びをもたらしはしなかった。
 写真立てを倒して、机を立つ。
 電灯消し、ベッドに入って目を閉じる。
 はずむくんの家には、曽呂くんも誘って行きたいな…。
 夢へ落ちる境界で、そんな事を思ってた。
135名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 22:39:50 ID:l9oRlazn
以上です。
やす菜が男を認識できるようになるのが、やす菜トゥルーENDと思いつつ。
やす菜にとって、はずむは藁なのか、蜘蛛の糸なのか、どちらなんでしょうかね?
136名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 22:56:37 ID:L/uzqC13
知るか
137名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 23:16:23 ID:q/aJMdjq
>>135
じんわりと来るね
138名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 23:35:59 ID:EyAZXlMe
もちろん男が認識できて、さらにはずむと結ばれるのがやす菜トゥルーEND違いないけどね。
やす菜にとって、世界で一番大切な人、かけがいの人、命をかけても惜しくない人といったところか。

アニメではやす菜が一番明日太に優しく見えるのは、はずむへのセクハラを知らないためだと私的に考えてる
139名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 23:49:10 ID:ooJbXtNq
ID:L/uzqC13はツンデレ
140名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 23:49:58 ID:fELyLE7Y
>>135
大変よろしゅうございました。
いまんとこは藁から蜘蛛の糸へって展開になりそうですなあ
141名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:03:40 ID:Av4VngLX
>>135
これまたいい明日太だぁね
やす菜にはいつかこんな風に明日太と接せるようになって欲しいよ

山頂の描写も綺麗だし、文章力高いです。また読んでみたい、乙!


書き手が増えてきてるみたいだし、SSのバリエーションが広がっていい感じでつね
142名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:28:39 ID:+6vcDBbF
言葉にならない。
きれいな文章。
アニメのやす菜が、明日太を身内のように受け入れてるのを補完してくれるイメージ。
心置きなく、今夜の11話を楽しめます。
143名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:39:18 ID:QrPIG1dW
あかほり原作よりもこのスレの神々の原作の方が断然良いと思う
144名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:41:53 ID:ZvtSp+ij
145名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 01:04:55 ID:qu8hUODV
> 本当は、もう一人写っていた。
> 曽呂くん・・・。
> 切り取ったのは、私だ。
> 私に切り取られた曽呂くんは、そのままクズ入れに捨てられた。
> だから、もう海の思い出に、曽呂くんはいなくなっていた。

やす菜はこんな事しませんて
146名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 01:13:09 ID:mLIi3eVG
>>136
文章が滑らかだからGJなのは分かるんだけどさなんつーか…
やす菜のキャラに違和感感じるのはオレだけ?なんかしっくり来ないというか…
まぁきっとオレだけなんだろうから聞き流しておくれ
147名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 01:20:13 ID:kNMkdpkb
やす菜の口調、心理描写は意外と難しいかもしれない。
それにしても新しい世界を垣間見た気はする、GJ!
148名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 06:20:18 ID:9Bw44Y/6
はずむキュンはいい子なんだよ!
149名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 10:13:11 ID:w5bWB/GN
>135
これこそGJと言うにふさわしい!
やす菜のキャラの解釈が、みんな違うんだろうな。
やす菜はアニメも漫画も小説もキャラが違うけど、漫画16話なんかを見ると周囲には割と冷徹に心閉ざしてそう。
ただ賛否分かれても、単純にこのSSに引き込まれて読んでしまった人は少なくないと思う。
150名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 10:23:48 ID:u0z18KFY
男が見えないと男の存在を無視するは違うだろ
151名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 10:36:26 ID:k2mRjgtE
やす菜に明日太という二大難物キャラの絡みを描いて、この程度の不平不満で治まってるのが、このSSの力量なのだろうな、実際。
152名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 10:48:24 ID:FaOBJWpZ
こんなやす菜・明日太なんてありえねえ〜
153名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 11:40:10 ID:0sulY4es
粘着が一人で否定してるな。
>135のSSに心動いた自分が許せないのかい?
154名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 15:23:05 ID:f4eMvufc
つか153は批判されるのが許せないのかって。
155名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 15:56:10 ID:oD6R10AD
ツンデレはもういいから
156名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 16:13:28 ID:u0z18KFY
連載でエロに持ち込むんだったらデレにもなろうけどな。
157名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 16:42:33 ID:xZfTPacm
>>135
GJ!明日太カコイイ、と思ってたら結局蹴り飛ばされるのねw

ヒマラヤ越えするアネハズルに興味持ったので調べてみた。
ツルのヒマラヤ越えを考える
ttp://animals.web.infoseek.co.jp/fowl/demoisellecrane.html
アネハヅル
ttp://www.cc.toin.ac.jp/tech/elec/ft25/turu.htm
良い写真が見つからなかったけど、この白い点がアネハヅルだそうだ…
ttp://spaceinfo.jaxa.jp/spacef/cosmic/materials/advanced/chapter1/1_1/images/fig1_1_1_10.jpg
158名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 18:01:24 ID:vOJR3vgb
姉歯…、ズル……。
159名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 18:30:04 ID:F0KM+VcC
NHKのヤツを見た事あるな。
確かにきれいな映像だったぞ。
ライブで見たらスゲーだろうな。
160名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 19:00:36 ID:jBpD5K+2
        , ':::/:::::::::::i:::::::::::、:::::::::\.│最初は嘘やったんです勝つための…
       /:::::/::::/::::!::::l::::::!::::::ヽ:::::::l ::::|重度の精神病なら相手は遠慮して
       ,':::::::{::::::!、/::::ハノヽハノ\::|、:::|まともに攻めて来んようになる
        {::::::::!:::::!,,,=≠'''" "'''''≠=ミ `}|まさかだましきるつもりはなかった
       `、:::ヽ从 ィテか   イテぅ ,':::|それが初めてまともに信じられてしもた
       /`::::::l  ゝ≠ソ   ゝ≠ソ !:::|好きでも身を引く勇気をもった相手やった
        /::/:::::::}      、     ,':::|     とまりやった
       /:::,':::::,'::ハ     , ‐、     {:::::|そしてとまりが去って私は逆転勝ちした
      i:::/l:{:::::{::::::ヽ、, '  ニニ}   ,{::::::|自分の中で正当化された…
     {::{ {:ゝ:r':::::::::::::|  ニニ}_ ィ l::::::|私にははずむくんより優先するものはないからです
     ヽハ:;:'::::::/::::::::|  ヽソ    l:::::::|その日から私に変なアンチがついた
    /::::r'::::::::__;;;;;;- |    }    ヾ::::|このスレのみなさんもかも知れませんね…
161名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 19:23:45 ID:SSrR0ZKJ
ここはエロなしが基本になりつつあるからな。
エロ目的の新参者には水が合わんのだろう。
やさしくスルーしてやろうや
162名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 20:39:16 ID:pW8I0YCx
昨日のかしまし酷かった……
とまりは噛ませ犬確定
それを考えると胸が張り裂けそうになる。
だからSSを書けなくなった……orz
163名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 20:50:49 ID:r15RWe/5
>>162
波乱がなければその後の幸福感もないんだよ
落ちるところまで落として持ち上げるのは恋愛アニメの王道
164名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 22:09:23 ID:59L2+B86
やす菜の眼にはずむ達が映るようになって、元通り。
「私たちの戦いはこれからよっ!!」って感じで一部完になりそうな悪寒 >アニメ
165名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 22:24:47 ID:G5gKiKVS
やす菜がおばあちゃんのとこに引っ越して、とまりは鬱入って、結局

明日太が漁夫の利するんじゃネーノ?
166名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 22:41:27 ID:kK/OmDS4
あゆきさんが破綻してたよな、とまりに肩入れしてさ。 >アニメ
ゆっくり選べだの、あなたの羽がちぎれて傷つきませんようにだの言ってたのに。
あゆきは、どちらも選ばないはずむすら許容できるとキャラであって欲しかった。
167名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 23:13:32 ID:/q7/OUbO
131氏、マダァ(´・ω・`)っ/凵⌒☆チンチン
168名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 23:29:25 ID:DRfideXy
是非とも131氏にはいくとことまで行って欲しいです。
169名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 23:45:27 ID:0wMBUL/E
135氏の文章って、131氏に似てない…?
170名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 01:23:29 ID:FU9MFad2
保管庫管理人さん、前スレ>>735>>673>>522を保管し終わったら
お手数ですが書き込み下さい、埋めちゃいますので
171名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 03:52:35 ID:7vLZLoXU
ちょw
前スレ潰れた・・・
172名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 12:04:19 ID:S/7AuGj6
あゆきさんは自分は舞台に上がらないで見てるだけで満足と言いつつ
無意識にライバルを排除して美味しいところを最後にいただくタイプ

173名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 12:35:49 ID:baVWaQEd
>>172
いや、戴こうとする獲物も結局死んでしまうという、
場を荒らすだけの破壊神。
チョウチョ捕まえたら指でつまみ殺すタイプ。

だから、分をわきまえて傍観者に徹してるべき。
174名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 13:00:47 ID:FU9MFad2
>>171
あと6レスだったのに、なんか気持ち悪いな
あと保管庫管理人さん、乙です
グロ注意のやつはスルーされてたけど、仕方ないか
175名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 13:02:59 ID:bxxieeDZ
あゆき、えらい言われ様(´・ω・`)
ここはひとつSSで盛り上げねば(`・ω・´)
とかいいつつ、多分、全然関係ない奴、近日、投下します。
176名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 14:31:53 ID:S/7AuGj6
あゆきさんのはずむきゅん凌辱SSマダァァァァァ?

拉致監禁とかしそうだ。
177名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 15:07:04 ID:3qR2Gmqe
>>171
保守しようかとは思ったけどさ、
一度誰かが書き込むとそのまま1000まで行っちまいそうで出来なかった…。
17810:2006/03/24(金) 21:33:22 ID:0dxFs7at
前スレ終わりで予告してた『はずむ』ものいきます。
『その日の夜は』 
179『その日の夜は』1/4:2006/03/24(金) 21:34:13 ID:0dxFs7at
「・・・・・・はずむ、ちょっと、はずむっ!聞いてるんか?」
 お母さんに呼ばれて、慌てて、顔を上げる。
「え、何、お母さん」
 呆れ顔で、僕に言う。
「何や、上の空やねぇ、この子は。ぼんやりして・・・お風呂沸いてるから、お父さん帰っ
てくる前に入ったほうがええんと違う?」
 急いで立ち上がる。
「うん、入る、入る」

 脱衣所にある、洗面台の鏡。ちらっと、自分の顔を見る。
 まるで生まれてきてから今までずっと、そうだったように、ごく自然な女の子の顔。
 僕はついっと目を逸らす。
 本当は、こんな自分を見るのはまだ慣れてない。

 全身を洗い、お湯につかる。
 チャプーン。ちゃんと肩までつかる。目を閉じる。
 疾風のように様々な出来事が駆け抜けた今日を思い出す。
 やす菜ちゃんの秘密。キス――初恋の人との、ファーストキス。
 幸せの絶頂のはずなのに。今の僕は男じゃなくて、女の子の身体で。
 キスは、とまりちゃんに見られちゃって、それで僕は――。
 喜びと悲しみとイライラと――ぐるぐると頭の中、まとまらずに、只、回る。
 バターにでもなりそうだ。いっそのこと、なってしまえばいいんだ。また昔とは違う、
別の僕に。
 ブク、ブク、ブク、ブク――頭まですっかり湯船に沈めてしまう。考え事をする時の
僕の癖、これは変わらないみたいだ――プハァ。
 湯船から顔を出す。指でそっと唇に触れる、今も残る柔らかな感触。 
 右手で濡れた前髪をかきあげる。肘に自分の胸が触れる。視線を下に向ける。
 おんなのこのからだ、ふたつのふくらみ。
 やす菜ちゃんの体もこんなに柔らかなのだろうか、唇だけでなく、彼女の胸も。
 両手で自分の胸を包み込み、そうっと、力を加える。
 思いが届いたら、やす菜ちゃんが振り向いてくれたら、僕はそれから、どうしたかった
んだっけ。彼女とお話して、デートして、触れあって、抱きしめて、 それから・・・・・・。
 無意識のうちに、自分の胸を愛撫する。人差し指が乳首をかする。
「あ・・・・・・ん!」
 思わず、声が出てしまう。
 何、女の子ってこんなに感じやすいの?それとも、僕がえっちな事を考えてたから?
胸だけでこんなに感じちゃうんだったら、ここはきっと、もっと・・・・・・。
 指が股間へとおそるおそる伸びる、と。
「はずむぅ、いつまでお風呂入ってんの、寝てるんとちゃうやろなぁ」
 お母さんの声。僕は少し慌てて返事する。
「うん、もうあがるから」
 僕、どうする気だったんだろう。わかっているくせに、自問する。 
180『その日の夜は』2/4:2006/03/24(金) 21:35:24 ID:0dxFs7at
 お風呂から上がり、早々にお母さんに声をかける。
「今日は、疲れてるから、もう寝るね、おやすみ」
「そうみたいやね、おやすみ」
 ベッドに寝転がり、布団をかぶってみる。だけど。 
 さっきのもやもやが晴れない。パジャマの裾から手を入れ、胸に触れる。僕は寝るとき
にブラジャーはつけないから、直に乳房に触ることになる。
 柔らかで、それでいて力を加えれば、弾力を持って、指を押し返す。不思議な感触。
 乳房が受ける感覚よりも、指先が受ける感触の方が、より気持ちよく、僕はその動きを
夢中になって繰り返す。
 段々、乳首が尖っていくのを自覚する。
「・・・ここ、さっき」
 先端を、わざと指でこすりあげる。
「あぅ・・・ん!」
 乳首から全身に電流が走るように刺激を受ける。でも、もっと感じたい・・・。何度も、
何度も。
「ん・・・ん、ふぅ・・・」
 あそこが、女の子の部分が熱を持っていく。ここ、どうなっちゃってるんだろう。我慢
できずにパジャマのズボンに手を差し込む。下着に指を潜り込ませる。割れ目があって、
もうちょっと下。
 ここが、女の子だけの・・・入り口の手前の襞に触れる・・・あ・・・指先にぬるっとした感触。
少し、べとついて、まるで、これが体液であることを主張するみたいに。膣を守るはずの襞
まで湿らせる。
「うそ、こんなに濡れちゃうんだ・・・」
 このままじゃ、下着、よごれちゃいそうだ。
 僕は横向けに寝なおして、パジャマと、下着を腰をねじりながら、半分だけ脱ぐ。
「拭かないと」
 そう呟きながらも、指は探索を続ける。中指が割れ目を探り、潜り込んでいく。そうし
て、控えめな突起を見つけだす。押してみる。
「・・・・・・!」
 感じすぎる。気持ちいいのを通り越して痛みすらある。ここって、きっと敏感で刺激
が強すぎちゃ駄目なんだ。
 僕は柔らかな襞のところに指を移す。襞を撫ぜてみる。ゆっくりと伝わる快感、奥から、
愛液が湧き上がる。指をぬらす。
「あ・・・・・・うぅ・・・・・・」
 からだが、あつい。おかしくなっちゃいそう。
「・・・駄目、こんな事、もう、やめなきゃ」
 声に出して自分に言い聞かせる。
 それなのに、指は自身への愛撫を止めようとしない。むしろ、より感じるところを探そう
とこまやかな動きを見せる。 
 優しく、慎重になで上げながら襞から上の突起へとゆっくり移る。期待に全身が熱くなる。
 突起の内側を、クリトリスを指の腹で優しくなでる。体が勝手にピクンと動く。
「ん・・・ふぅ・・・あ」
 こんな快感、はじめて。頭の中までじんじんする。
「あ、駄目、駄目なのに・・・」
181『その日の夜は』3/4:2006/03/24(金) 21:36:16 ID:0dxFs7at
 女の子なのに、こんなえっちな事している自分。
 神聖な女の子という存在を、こんなやり方で汚している自分。
 気持ちよさに抗えない自分。
 罪悪感もまた、快楽の一部へとすり替わっていく。
「はぁ・・・・・・ん」
 触れるか触れないかの微妙な感覚が僕の背中を震わせる。
 自身の指に支配されてる僕の体。
「あ、すごい、気持ちいい、ここって、こんなに、感じちゃうんだ、クリ・・・のところ」
 もどかしくなり、下着と一緒にパジャマのズボンをすっかり、脱いでしまい、それから
仰向けになる。 
 ふと今、自分がしている格好に気づく。
 アダルトDVDのとは随分やり方が違ってる。あれは人に見せるためのものだもんね。
 でも、きっと今の僕のも、僕のおまんこも、DVDのお姉さんと同じに、ぐちょぐちょに濡
れて、いやらしく、赤く充血した色を見せてるんだ。何か入れてほしそうになってるんだ。
 あ、そうか・・・・・・。
「・・・・・・指ぐらいなら入っちゃうんだよね」
 お母さんから、タンポンを見せてもらったのを思い出す。
『生理ん時にどうしても海とか行かなあかん時とかな』
『えぇ、こんなの入れて大丈夫なの、あの、しょ、処女の・・・とか』
『どうもないよ。全然ちゃうやろ男の子のとは』
『う、うん、まぁ』
 人差し指と薬指で、ぬるぬると濡れる入り口の襞を開き、慎重に中指を入れていく。
生き物の柔らかさを持つ膣へと。指を飲み込むように、僕の中がうごめく。 
「あ、う・・・ん」
 あ、熱くて・・・やわらかいんだ・・・ここで、指を動かしたらどうなっちゃうんだろう、あぁ
でも、やっぱり・・・・・・。 
 新たな快感を知ってしまいそうで、自分の指に吸い付く感触も怖くて、指を引き抜く。
「や・・・っあ!」
 抜くときすら、指は快感を自分に与えていく。
 ここに入れる行為を求めてたんだ、男の頃の僕は。好きな人のこの敏感な個所を、自分の
凶暴な物体で、貫くことを。擦りあげて、白濁した欲望を吐き出すことを。
 今の僕は・・・入れてほしい・・・のかな。
 指がまた陰唇への愛撫をはじめる。そこをぬちゅぬちゅいわせながら、愛液が伝って、太
ももやお尻の辺までべとべとになっているのにも構わないで。
182『その日の夜は』4/4:2006/03/24(金) 21:36:57 ID:0dxFs7at
「とまりちゃんも、あゆきちゃんも、やす菜ちゃんも・・・」
 同じ物を持ってるんだよね。この快感を知ることのできる生殖器を。
 あぁ、駄目、そんなこと、考えたら。
 脳裏に浮かんでしまう。今の僕と同じように、頬を上気させ、乱れる彼女達の姿。
「駄目だよぉ・・・・・・こんな時に考えちゃったら・・・」
 今まで、身近な人をおかずになんかした事なかったのに。僕の妄想が止まらない。
 とまりちゃんも、こんな風に乱れちゃうのかな。
 あゆきちゃんだって、やっぱり気持ちよくて、同じ様に止まらなくなっちゃうのかな。
 やす菜ちゃんは、なにで感じるの?自分の指?それとも男の僕の・・・・・・。
「考えちゃ、駄目なのに、汚しちゃうのにぃ・・・・・・」
 僕の指は動きつづける。左手は右胸を愛撫しながら、人差し指で乳首をいじり、そして右
手の中指は今、知りえる限りの、自分が最も感じる個所を擦りつづける。愛液をそこに塗り
たくりながら。体が勝手に小刻みに震える。
 もっと…もう、とまらない・・・。小さく、荒い息が漏れる。
「・・・っあ・・・これって、ん・・・ん、」
 もう、ちょっとで、僕・・・いっちゃいそう・・・・・・あ・・・なんか・・・来ちゃう。
「・・・・・・!あ。ん・・・!」
 膣の中が熱くなる。子宮まで震えているようなイク感じ。
――女の子って、おなかの中から快感が伝わって来るんだ・・・。それから、痺れるように、
末端にまで、絶頂感が届いていく。
「っふぅ・・・ん・・・・・・はぁ・・・」
 聞きなれない、切なく、あえぐ声が耳に届く。自分の声だった。

 濡れた個所をぬぐう。ティッシュ、お母さんに見つかる前に処分したほうがいいのかな、
男の時のと同じように。
 体を胎児のように丸める。結局、僕は何の結論も出せないんだ。こんな行為に逃げ込んで
しまって。倦怠感と嫌悪感に包まれて。それでも、その疲れは僕を眠りへといざなう。
 ゆっくりと眠りに落ちていく自分を感じる。
 今日見る夢の中で、僕は女の子のままなんだろうか、それとも・・・・・・。
18310:2006/03/24(金) 21:40:31 ID:0dxFs7at
投稿させていただきました。かしましのエロ物って妙に難しいです。
184名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 21:46:29 ID:pdVEh9OQ
乙!こういうの待ってた!
185名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 22:32:39 ID:ZgDusguU
はずむたんの「女の子」としての初めてのひとりえっち、、、
今までありそうでなかったSS、、、

  ∧_∧
 ( ;´∀`) おっきしたおw
 人 Y /
 ( ヽ し
 (_)_)

186名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 22:57:12 ID:PTvvUAws
ずっと待っていた。この時を……
連想ゲームっぽい思考がそれらしくて良いですな。GJ!!
187名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 23:15:13 ID:VwhhxG9K
>>183
うむ。
おっきした
188名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 00:31:31 ID:m33pC8Nl
はずむクンはオマンコやオカズなんてヒワイな単語言わないもん!
189名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 00:56:09 ID:EGZp3t6c
アダルトDVDって単語が出てきてしょんぼり
時間軸的には5話の後なんだろうけど、これを11話の後と仮定すると
よけいしょんぼり
190名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 02:26:16 ID:mAeLPrVn
11話のことは今は忘れろ、な。

おとこのこだったときのはずむキュンも、
周囲にはHなの苦手とふりまきつつも、内では健全(?)に
妄想たくましかったんだな、と思うとおっきした(゚∀゚)
191名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 06:28:40 ID:FEW8hv5t
>10
マジ、神です。
今後ともよろしくお願いします。
19210:2006/03/25(土) 07:04:34 ID:B4NWKz6e
ある程度のしもねたは、全部、明日太に仕込まれたということで。
DVDもきっと一人でじゃなくて、明日太が「知り合いから借りたんだ!一緒に見ようぜ!」
とか言って見た記憶が元なんでしょう。>とりあえず、元凶は全て明日太に追いやっとく

直接的な言葉が出てくるのは、高ぶっちゃって、ぼかす表現をする余裕が、はずむの中に
なくなっちゃったためです。
男時代もオナニーしても一回一回ごとに「僕は何て事を」とか言って頭抱えてそうな気はします。
19310:2006/03/25(土) 07:05:58 ID:B4NWKz6e
読んでくれたかたがた本当にありがとう。また、書けたら書きます。
194名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 07:21:25 ID:yOOmgt9v
>>183
おおぉぉ!
昨夜、神が舞い降りていたのか!?
オニャノコ一人Hで、感じている描写をこんなにスマートにやらしく書けるなんて、スバラスィー!
195名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 08:18:24 ID:pcrBIewj
GJ!
196名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 09:25:40 ID:ucLcT6Af
>>10
GodJob!
はずむキュンはオナニーなんかしない!エロいものなんか興味ない!という妄想の人、多いんだなーと。
俺は、17歳男子らしくHに興味津々なのに、恥ずかしい照れくさいって感じの方がいいな。
♀になって性欲↓しても、Hな興味を無理矢理抑え込もうとして逆に悶々としてる、とか。
197名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 09:43:46 ID:e4L4iGXT
>196
もれなく同意
198名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 13:04:05 ID:GaALylsG
>>196
まぁ、それが普通だろうな
199名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 13:17:38 ID:9wc9Q6+r
ここって20歳にならないと来れないんじゃなかったっけ?
と,些細な疑問を抱く17歳の漏れが来ましたよ
200名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 13:41:58 ID:1dxJtxIC
精神年齢が21歳未満の方は来てはいけない
201名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 13:48:26 ID:/rpPLqTj
それから、原作原理主義の人はここは合わないかもね…
あと、>>1をしっかり読めと。
202名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 13:52:14 ID:vPOHf1KM
はずむはオナーニもしたことないだろうな。
エロいの嫌いだって言ってたし、高校生でもやったことない奴いるし。
まあ、SSの世界ではそんなの無視でw
203名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 14:02:23 ID:rzkNVJwy
>はずむはオナーニもしたことないだろうな。
>エロいの嫌いだって言ってたし、

どこの妄想ですか?
204名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 14:41:36 ID:yRY6xO8F
>>203
アニメの一話だかで言ってなかったっけ
205名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 17:40:10 ID:+CfstFkj
?どうだったろうか?>204
録画消したから分からん。
漫画と小説にはなかった。
検証モトム
206名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 18:27:43 ID:9wc9Q6+r
確か,
フラれて傷ついたはずむを慰めようとアスタがエロ本を買った。
しかし,とまりに見つかりぶっ飛ばされた
ような気がする
207名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 18:28:36 ID:9sXh9Nh+
エッチな事が嫌いでオナニーした事がない17歳男子か。

悪いけど、確実に精神を病んでいる人ですよ、それ…。
208名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 19:51:18 ID:2DRew7Y0
はずむの台詞じゃなかったような…>204
209名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 19:56:07 ID:pWCf61oJ
あゆきだろ
210名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 20:37:34 ID:EGZp3t6c
あゆき「なんでいきなりこんなもの?はずむ君、こういうの嫌いでしょう」

おなにーしたことないとは言ってないけど、未経験のほうが個人的にはイイ
211名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 20:44:04 ID:EGZp3t6c
アニメ1話で、明日太がはずむの振られた傷癒すために用意した
グラビア写真集見つけた時の台詞ね>210
212名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 20:49:25 ID:9xOzSHQG
あゆきに決め付けられて、はずむ哀れ…。
きっと、見たかったろうに
213名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 21:18:58 ID:yx6J2xCc
本物かしましで言えば、はずむは明日太を性愛対象にはしないって。
現在では、あゆきどころかクリオネフィギア以下。
友人とは言えず単なる顔見知り、ってところか。
214名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 23:19:55 ID:1+OeV7ro
しかし、ここはエロパロ板なのでした
215名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 23:30:07 ID:C0PXStd/
131氏…、続きマダァ…? グスン(ノд`)
216名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 00:31:05 ID:Ed5d8Ted
はずむ価値観

やす菜=とまり>>>>>>>>>>あゆき>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>明日太
 
 恋人扱い                親友扱い         クリオネフィギアはこの辺り            モブキャラ扱い
217名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 00:39:16 ID:kH7xqFAW
早く破瓜の痛みに耐えるはずむキュンを!131氏!
218名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 02:16:26 ID:3zFJn4g8
つまりあゆきは
「はずむきゅんはうんこしないよ?」派なんだろ?
腐女子にありがちな思考ですな。
219名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 04:05:37 ID:mdzhPH8A
あゆきはな、
はずむが二次元にしか興味が無い事を知ってるから、
三次元のエロ本を持ってきた明日太にそう言ったんだよ。
220名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 06:37:19 ID:onAOF7Bt
はずむキュンのほっぺたにキスしたい
221前スレ496:2006/03/26(日) 10:58:21 ID:XA/dCp1A
書けたので投下します。
終わり方が微妙なのは仕様です。
私の文才の無さを恨んでください。

ちなみに場面は前回の話で部活中に倒れた後の場面です。
222とまりの決意:2006/03/26(日) 11:00:26 ID:XA/dCp1A
「眠れるわけ無いだろ……」
はずむにあんな事を言われたのに。

「とまりちゃんの事なんて考えてられないよ!!」

頭から離れないはずむの言葉。

―――そうだ。あたしはなんて馬鹿な事をしたんだろう。
やす菜の事を何も知らないで,一人で抜け駆けして……
その結果やす菜を裏切った。
しかもその上,はずむを諦め切れなくて……

こんな最低な女,はずむに嫌われるのも当然だ。

とまりちゃんの事なんて考えてられないよ!
とまりちゃんの事なんて考えてられないよ!
とまりちゃんの事なんて考えてられないよ!

壊れたラジカセの様に何度もあの言葉が脳内再生される。

せっかくやっと自分の気持ちに気付いたのに……
素直になれたのに……

「胸に止め金を打ち付けないと本当に胸が張り裂けてしまう」
昔,何かの本で読んだ気がする。
まさに今,その通りだ。

はずむの側にいたい。
やす菜じゃなくてあたしを見て欲しい。

……そんなの傲慢すぎる。

恋する乙女を夢見る,なんて言うけれど,
実際の恋する乙女は,傲慢で,貪欲で,何も見えてない,最低人間なのだ。
こうなる位なら恋する乙女にならず,夢だけを見ていたかった。
223とまりの決意:2006/03/26(日) 11:01:33 ID:XA/dCp1A
「舞台に上がるのは大変な事」だって分かってた。
分かっているとは言っても,どこかで甘く見ていたんだ。
大変なんてもんじゃない。
あたしの精神の許容範囲を遥かに超越している。
こんなに辛いなら舞台に上がらなければ良かった。
いいよな,上がる事をしなかった奴は。
本当羨ましいよ。

大体,はずむの奴がこんなに優柔不断だからいけないんだ。
さっさとあたしじゃなくてやす菜を選ぶってはっきり言えばいいんだ。
答えは分かりきっているのに,中途半端に優しくしやがって。
そんな中途半端な優しさより,あたしを捨てるその残酷さのほうがマシ……

逆恨みなんて見苦しいよな……
はずむだって辛いんだ。
あたしを切り捨てるなんて,優しいはずむにとってどんなに酷な事か……

元はと言えばあたしの勘違いが原因なんだ。
なのにはずむやあゆきを逆恨みして……

なんではずむなんかを好きになっちゃったんだろう?
こんな思いをするなら好きにならなければ良かった………
224とまりの決意:2006/03/26(日) 11:03:22 ID:XA/dCp1A
もしはずむがあたしを選んだら……?
そうなれば幸せだ。
でも……やす菜は……?

抜け駆けなんて卑怯な手を使ってはずむを手に入れたあたしの事,どう思うだろう?
絶対憎むだろうな……
下手したら刺されるかもしれない。

そうなったら……それでいいと思う。
刺されたっておかしくない。
全てあたしが悪いんだから。
こんなあたしが幸せを手に入れるなんて……そんなの……

そうだ。
そんなことあり得ない。
あたしだって嫌だ。
卑怯な手を使って勝つなんてあたしのポリシーが許さない。
それなら潔く負けた方がいい。


ああ!!もう!!
ちまちまと細かい事考えるなんて性にあわないんだよ!

あたしも舞台を降りる……
それでいい。それでいいんだ。
そうすればはずむもやす菜も幸せになれる。
……それが一番だ。
あたしなんか,幸せにならなくていい。
幸せになる資格なんかない。
それでいい。それでいいんだ……


とまりは溢れ出る涙を堪えようとする。
しかし,涙はとまりの意思に反して止まるどころか,とめど無く溢れ出してきた。
225名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 11:24:09 ID:XA/dCp1A
以上です。
書いてて非常に辛かったです。
とまりがかわいそうで……
226名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 11:59:42 ID:nErm8iMW
        /              `ヽ 、
       /       :.丶 、 :.:.ヽ:.ヽ:.:丶\ヽ     >前スレ496、
.      //  /.:i!.:::l :、:. .:::::\ヽ:..:ハ:::.ヽ::..ハ::.\\     胸、貸せ……
     //  l l ::l ::::l j_ヽ:::..::-弋ヽ:`ト、:::ヽ::::',::::::\\
     /'l .:!.::|.::l .:;レ::イ゙ヽ\ ーィ'_f:坏`ヽ::::ヽ::!:::::::. 丶丶ー  _
      !l |.::|!.:|: ハ :::;ィf坏    ゝ:::_ソ  k:::::::\::::::::... 丶      二ニニ ==ー-
      !l l:::l!::l:::::ハ ヘソ:::_ソ    ´:::::::  ! ):::.. .\:::::::::...\
    ヾハ::ヾ:ヽ :: ト、 ´::::::  ヽ      レヘ::::::::::.. 丶:::::::::...` ー-
      ヽヘ::\ ム      t=    / ::ヽ:::::::::::::... ヽ、::::::::::........... ̄   ―‐―=
         トヘ,_丶       /{ヽ::::::::\:::::::::::::::....... ー──── -   __
            ! ',:.八ヽ:≧x‐- - '.:.:.:.:{:::ヽ::::::::::\:::::::::::::::::: ー──-...._ :::::ヾ....`
          l \::ヽヽ、:::}: : : : : : : : `ーrァ‐‐x、__丶:::::::::::::::::......:::::::::::::`丶、::::::::::::
           l .:.:.:ヽ::\`ヽ、: : : : -―: //  f   ヽ::、::::::::::::::::::::........::::::::::::\:::::::
           l\.:.::>rくヽ、::..`ヽ __:....//  : |      Y:::::::,..イ::::::::::::.....\  ::::\::
           ヽイ || \` ‐= _ ̄ ̄_ ー――=三   二ニ=-::::: \
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             |  /    「  | /´ヽ: : : : : : :ヽ: : :     V::ヽ::::::::::::.:.:.\
             | {  <´\|  | <__/: : : : : : : : ヽ: : :    V:::::\:::::::::::::.:.:
            l l: : : : \/  ̄ : : : : : : : : : : : : : |ヽ : : :    V::::::::\:::::::::::::.:.:
227名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 13:37:00 ID:w7oi372a
下準備は良しって感じですな。
はずむきゅんを自分だけの物にするのは、どうしたら良いかはわかるな?
とまりんよ。
228名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 02:32:31 ID:c7098/QN
職人さん、乙!
ただ一つ、壊れたラジカセは今の子知らんだろうなあ・・・・
229名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 03:43:57 ID:TPnuRlQl
ピンク板だから無問題で通じるだろ
230名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 03:47:10 ID:fjHiyO/B
ラジカセ自体は見たことは無いですが、壊れたラジカセのように云々は
よく使われる慣用句なので、ラジカセ自体を知らなくても問題ありません。
231名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 04:10:50 ID:TPnuRlQl
ああ、とまりがラジカセを知らないんじゃないかってことか、>228
232名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 07:58:57 ID:aKIVjlmT
オレが厨房だったときは徳永英明とか聞いてたな
壊れかけのRadio
233名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 11:53:12 ID:k13TXk+5
MDは壊れても聴けなくなるだけです。
繰り返されません(´・ω・)
234名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 15:04:25 ID:1xJkcyqS
今回やす菜(´・ω・) カワイソス
235名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 20:02:14 ID:/bciYkUH
アニメはもう終わるけど、TSの設定が生かされないから、はずむのキャラがだんだんと弱くなってしまったな。
スラップスティック学園ラブコメが見たかった… 
236名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 22:27:10 ID:1xZ8VdEL
やす菜があんな目にあったのは直接的にはとまりのせいだろうが
やはり花田脚本の暴走の結果ということにしたい。
237名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 00:05:02 ID:CNo5S2F2
叩かれて画像がぼやけるやす菜。
壊れたテレビみたいだな
238名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 00:11:19 ID:qoVMYC21
>>237
反対側から叩けばおk
239名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 00:18:11 ID:kDLUCjgO
「やす菜、ごめん」
「えっ?」
「お前の目が誰も見えなくなったの、あたしのせいなんだろ?
罪滅ぼしにもならないが、あたしを好きにしてくれ!
殴りたければ殴ってくれ、殺したければ・・・」
「とまりちゃん・・・それじゃあ、目をつぶって」
「わかった・・・」
ちゅっ
「んん!!」
「確かにわたしにはあなたの姿は見えない。でも
こうすれば・・・あなたを感じることができる」
「やす菜・・・」
「もっとあなたを、感じさせて・・・」
ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぷ
「うっ、ふう」
にゅる、にゅる、にちゃ
「あっ、そこはやめ」
「好きにしていいんでしょ?」
「それは・・・その、あああっ」
「ふふ・・・可愛いわとまりちゃん」
240名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 00:21:42 ID:VaXLpe12
とまりが突っ走り過ぎってのもあるが、やす菜自身にも問題はあるよな。
思い通りにならないものは見えなくなるという妙ちくりんな病気だが、
これは精神的幼さに起因していると考えられなくもないわけで。
まぁ、一番ダメダメなのはここまで来ても結論を下せないはずむだけど。
241102:2006/03/28(火) 02:28:23 ID:vTovnF+M
どもです。アニメの鬱展開にめげず、ジャン・プウメインで14レス分も書いてしまいました。
エロなし、ひたすらほのぼのという、人を選ぶ展開の上、
かしましなのに、boy meets girlを書いてしまってすみません。
中学生に戻った気持ちで読んでいただけると幸いです。
とりあえず前半だけ。お付き合いいただけるようなら後半も。いかがなもんでしょ?
242少年と宇宙船(1/14):2006/03/28(火) 02:29:10 ID:vTovnF+M
「うわぁーーー!!」
午後11時過ぎ、来栖邸に絶叫が響いた。よくあることなので、近隣住民は気にもしない。
たいてい声の主は長女のとまりだ。よそ様のことながら、嫁のもらい手があるのか心配になる。
しかし、口調は横柄でも、裏表なく明朗快活なところが彼女の良いところ。
それがわからないような男なら、こちらから願い下げだ、ってご近所代表のお父さん、
あなた、とまりちゃんのお父さんじゃないですから。

しかし、今日の絶叫の主は弟のかけるの方であった。
寝入りばなを起こされた姉は、弟の部屋に抗議(という名の制裁)に行く。
ノックもせずにドアを開け、
「うるせーっ!何時だと思ってるっ!」
「ねねねねね姉ちゃん!ででででで出た、出たんだっ!」
「はぁ?出たって何が?」
「わかんないっ!今、窓の外をすーっと、人が通ったんだ!幽霊?宇宙人?超能力者か!?」
「……何を寝ぼけてんだか……」
「寝ぼけてないっ!この目で確かに見たんだって!……そうだ!宇宙人だ!」
「ったく、なんでわかんだよ?」
「だって、はずむのところに来たじゃないか!はずむを女にしちゃったじゃないか!?」
とまりはすっかり忘れていた。いや、あの宇宙人の二人組のことではなく、
宇宙人を目撃した人間が、驚き、あわてふためくことにだ。
しかし、彼らの存在は秘密にするように宇宙仁から頼まれているし、マスコミ騒ぎはもうウンザリだ。
ここはシラを切っておくべきか。弟を信用しないわけではないが、説明するのめんどくさいし。

弟は興奮冷めやらないまま言葉を続ける。
「女の宇宙人だったな。年格好は、えーと、姉ちゃんぐらいか。けっこう、可愛かったような気がする」
しめた、この線で行くか。
「ほほ〜う、かけるもお年頃になったんだなぁ。姉ちゃんは嬉しく、そしてちょっと淋しいぞ」
「なんで、そんなにニヤニヤすんだよ?」
「おまえが見たのは、可愛い美少女だったんだろう?」
「そ、そうだよ。悪いかよ?」
「いやいや、それでこそ青少年。いろいろたまってるんだな〜。ちゃんとスッキリさせてるか?」
「なっ、何言ってんだっ!」
「そうだ、姉ちゃんが手伝ってやろうか?あたしは弟思いの姉だなぁ」
「もう出てけっ!!」
「へいへい。せっかく姉ちゃんがおまえの欲望のはけ口になってやろうって言ってるのに、罰当たりな弟だ」
「洗濯板に興奮なんかしねーよ!」
「……言ったな」
どこからか、ゴゴゴゴゴゴという音が聞こえる。
「あ、いや、姉ちゃん?俺が話したいのはそんなことではなくて……」
「おまえはあたしを怒らせた」
「ひーっ!」

チュンチュンとスズメの鳴き声が聞こえる。かけるはベッドの上で目を覚ました。
糸の切れた操り人形のように、関節をあちこちに曲げたまま寝ていたようで、あちこちが痛い。
ここまで寝相が悪かったのは初めてだ。そういえば、昨夜はいつ布団に入ったっけか?
何かがあった気がするが、よく思い出せない。
時計を見ると、もう遅刻寸前の時間だ。やばい。考え事は後回しだ。
大急ぎで着替えて、部屋を飛び出し、朝食をかき込む。姉は朝練のため、先に出ている。
姉?そういえば昨日、姉ちゃんにひどい目に遭わされたような……。
しかし、悲しいかな、かける君、姉にひどい目に遭わされるのは、いつものこと。
あれは一昨日だったか先週だったかと、記憶がごっちゃになっている。
可哀想な弟に、幸あれ……。
243少年と宇宙船(2/14):2006/03/28(火) 02:30:36 ID:vTovnF+M
話は前日にさかのぼる。ここは大佛邸、午後6時。
夕食前にはずむが宿題を片付けていると、ジャン・プウが跳び込んできた。
「ぷぅ!オネニーサマ!これ見てください!」
抱きつかれつつも、目の前に出されたものを確認するはずむ。
「『惑星自由行動免許証』?」
おすまし顔のジャン・プウの写真入りで、一見、普通の車の免許証のように見える。
氏名の欄に「ジャン・プウ」種類は「地球」だ。それにしても、なぜ日本語。
「それがあれば、私の同行がなくても、単独で外出できるということだ」
現れた宇宙仁が解説する。なるほど。この前は無免許だったのでダメだったということか。
「えっへん、いーっぱい、勉強したんです!」
胸を反らせるジャン・プウ。
この免許を取得するためには、対象惑星の基本的な法律や慣習、倫理など、いわゆる常識を備えている必要がある。
裏を返せば「常識がない子は、勝手に出歩いちゃダメ」ってことだ。
「じゃあ、今度、一緒にお買い物に行こうか?」
「ぷぅ!やったー!お出かけですー!」
平日、日中のジャン・プウは、今まで宇宙仁に同行して学校にいくか、家でお留守番するしかなかった。
宇宙仁はああみえて、けっこう忙しい。行事ごとには一緒に参加するので困らないが、
なんにもない日は、暇をもてあますことが多かったのだ。
外界には、宇宙仁に同行するのとはまた違った出来事があり、彼女の好奇心を満足させるに違いない。
ジャン・プウが楽しいのであれば、はずむも嬉しい。
ついでにいうと、ジャン・プウが常識を身につけてくれたというのも、嬉しいことだ。(やや失礼)
「ジャン・プウ、わかっていると思うが、一応念を押しておくぞ。
 免許があるとはいえ、私が同行していないときは、君の力は制限される。本人の意思にかかわらずだ」
横からはずむが口を挟む。
「じゃあ、空も飛べなくなるの?」
「いや、この規則は、誤って地球人に危害を加えたりしないためのもので、
 制限されるのは物理的な力のみだ。こう見えて彼女は、人一人ぐらいなら軽く投げ飛ばせる」
「そ、そうだったんだ……」
「ぷぅ〜、ジャン・プウはそんなことしません〜」
「したくてもできてない、ということだ。制限時の君は、地球人の平均的な少女の腕力しか出せない」
「トマリンくらい?」
「もうちょっと弱いんじゃないかな〜」
とまりは地球平均より、少しばかりぬきんでているとはずむは思う。
「でも、それじゃ危なくない?」
平均的な腕力しかないのでは、事故に遭ったり、不良に絡まれたときにどうするのか?
「君だって平均的な腕力で、街に出歩いているだろう?
 視覚操作や飛行は可能なままだから、君よりよほど安全だ」
確かにそうだ。なら飛行も制限してもらった方が、目立たなくていいと思うが、
その点についてはジャン・プウの常識に期待しよう。
「それと、地球人の前では『ぷぅ』と言わないように」
「ぷぅ〜、どうしてですか?」
「不審がられる」

同日午後11時。寝静まったはずむの部屋の窓が静かに開く。
「ぷぅ〜、一回やってみたかったんです〜」
彼女は、夜のお散歩一人バージョンというものをしてみたかった。
オネニーサマたちと一緒に遊ぶのは楽しい。
マスターに同行するのも、楽しいというほどではないが、退屈でもない。
が、一人気ままに赴くままに散歩をする、というのをしてみたかった、と、そういうことだ。
月明かりの元、だれもいない夜の街を見下ろしながら、一人空を飛ぶ。

で、案の定?視覚操作を忘れて、ご近所の男子中学生に目撃されることになる。
244少年と宇宙船(3/14):2006/03/28(火) 02:31:35 ID:vTovnF+M
かけるの気分は沈んでいた。何故だか体がだるい。少し痛い気もする。
気分転換にと思い、放課後、街に繰り出してみたが、気分は晴れない。
と、前方にどこかで見かけた少女を発見する。

ピンクのワンピース、長くてきれいな髪、姉やクラスの女子とは違う女性らしい曲線。涼しげな横顔。
かけるは全てを思い出す。昨夜の宇宙人だ!
着てるものこそ違う(昨夜はもっと、いかにも宇宙人みたいなコスチュームだった)が、間違いない。
ついでに姉にボコられたことも思い出したが、今はそれどころではない。
かけるは、とっさに近くの看板の裏に隠れた。物陰から、慎重にターゲットの動向を確認する。
彼女はじっと一点を見ている。ゲームセンターの店先にある、クレーンゲームだ。
その中のぬいぐるみを凝視している。
宇宙人のくせに、ぬいぐるみが欲しいのか?それとも宇宙人じゃない?いやいや、あれは絶対そうだった。
しばらく見ていたが、宇宙人は動かない。動かない。あ、指をくわえた。

かけるはため息をつく。あの少女が宇宙人かどうかはともかく、ぬいぐるみをほしがっているのは明白だ。
金がないのか、取るのに自信がないのか。
あんなに物欲しそうな顔をされると、見ているこちらがいらいらする。
そう、来栖かけるは来栖とまりの実弟。姉弟揃って、男気溢れるナイスガイなのだ。

「そこの姉ちゃん、さっきからずっと見てるけど、どうしたんだよ?」
初対面の少女にその口の利き方はないと思うが、来栖家で育てば自然とそうなる。
「ぷぅ」
「ぷぅ?」
「あ、あのね、あのぬいぐるみがほしいんです」
そう言って、ゲーム機の中のウサギのぬいぐるみを指さす。
「やればいいじゃん?金持ってないのか?」
「ううん。お金は持ってる。でも、やり方がわからないの」
今時この手のゲームのやり方がわからないなんて、いったいどこのお嬢様だ?
いや、宇宙人であれば自然か。宇宙人確率5%アップ。
「ちょっとどいてな。やってみせてやるよ」
そういって彼女とゲーム機の筐体との間に割り込むと、硬貨を投入する。
中学生はムダな出費をしたくないものだが、けちくさい男は俺は嫌いだ。
「まず、金を入れる。そして、このボタンを押す。押すとアームが手前に動く。今度はこちらのボタン。
 押すと左に動く。欲しいぬいぐるみの上で、最後のボタン。うまくいけば、アームがぬいぐるみを……
 って、ちっ、失敗か。角度が悪いな。こいつは難しいぜ」
美少女の前でいいところを見せられなかった男子中学生、言い訳が少し多弁だが、温かい目で見てやって欲しい。
かけるの挙動をじっと見つめていた少女は、ぽつりと一言。
「よくわかったです」
「ま、やり方がわかったところで、うまくいくとは限らないけどな」
かけるが知った口をきいている間に、少女は取り出したがま口財布から硬貨を投入し、ボタンを押していく。
寸分狂わず、ウサギの上で停止するアーム。ゴトゴトと音がして、ウサギが顔を出す。
「ぷぅ!やったですー!」
取り出したウサギに笑顔で頬ずりする少女。かわいい。いやいや、何言ってる俺。
「へ、へぇー、やるじゃん、あんた」
「これも、えー、えっと、名前」
「俺の名前?かける。来栖かける」
「クルス、カケル?」
「そう」
「クルス……んー?まいっか」
なにがいいんだ、と思ったら、
「カケルのおかげですー!」
と言われながら抱きつかれた。男子中学生にそれはきつい。
「な、な、な、離せって!何考えてんだ!」
「カケルにお礼の気持ちを」
「そんなもんはいらん」
「ぷぅ〜、そんなぁ〜」
「ふっ、礼はいらないぜ、お嬢さん」
245少年と宇宙船(4/14):2006/03/28(火) 02:32:28 ID:vTovnF+M
ちょっとだけ言ってみたかった台詞。でも少女は聞いてない。また硬貨を突っ込んでいる。
少し切ない気持ちになっていたら、今度はキツネのぬいぐるみが落ちてきた。
この姉ちゃん、すごいな。二連続で成功か。
「はい」
取り出したキツネをかけるに突き出す少女。
「え?」
「お礼」
「いらねーよ」
「でも、そっくり」
「何が?」
「カケルとキツネさん」
「そっか?」
かけるはしげしげとキツネを眺める。似てる、のか?
まあいいや、ぬいぐるみ収集なんて趣味はないが、記念にもらっておくか。キツネを受け取る。
「サンキュー。えっと、姉ちゃん、名前は?」
「ジャン・プウの名前は、ジャン・プウです!」
どうしよう、頭の悪そうな台詞が返ってきた。
宇宙人……だと思いたいが、冷静に考えれば、日本語がある程度話せる外国人と思うのが自然だろう。
そう考えれば、ぬいぐるみの取り方を知らないのも、今までの会話が年相応に感じられないのも説明が付く。

“ジャン・プウ”。変な名前だ。しかし外人なのだから仕方ない。
“かける”という名前だって、どこぞの外国では変な意味かもしれない。
「ジャン・プウは最近日本に来たのか?」
「何で知ってるですか?」
「いや、だって外人さんだろ?」
「ガイジン?……そうです。ジャン・プウ、ガイジンさん」
「最近来た割には、日本語上手いよな」
「日本語は初めから喋れますよ?」
ん?なんかおかしい。やはりまだ日本語わかってないのかも。
かけるがそんなことを考えていると、ジャン・プウはじっと店内を見つめている。
「入ってみるか?やり方教えてやるよ」
言ってから、かけるは後悔する。また抱きつかれた。
でも、本当はちょっと嬉しい男子中学生のナイーブなハートを温かく見守ってやってほしい。

ジャン・プウはたいしたものだ。ゲームの説明を簡単にしてやるだけで、次々とクリアしていく。
本当はゲーマーじゃないのか、とも思ったが、“見るもの聞くもの初めてで興奮してます”って
顔をしてるので、純粋に反射神経がいいのだろう。さすが外人?
いかにもやり込んでますって感じのゲーマー兄ちゃん(小太り)を叩きのめしたところで、
彼女は店内のヒーローになっていた。ヒロインか。俺は英語は苦手だ。

英雄になった時点で敵はいなくなる。それは遊技の時間の終了だ。
そとはすっかり夕暮れ空。子供は家に帰る時間。俺は子供じゃねぇ。
「ぷぅ〜!今日はとっても楽しかったです〜」
「そだな」
ジャン・プウは興奮すると「ぷぅ」という。なんだか自制しているようなので、
日本では恥ずかしい台詞だとは認識しているようだ。自制しきれてないけどね。
面白いので放っておく。
「カケル、また、遊びましょ」
そう言って、かけるが手にしていたキツネをそっとなでる。意図せず触れ合う手と手。少し照れる。
「あ、ああ、機会があればな」
「うん!カケル、じゃあねっ!」
言うが早いか、ジャン・プウは駆け出していく。
跳ねるように走り去る彼女の後ろ姿を、惚けたように見ていたかけるだが、
連絡先を聞いてもないし、聞かれてもないことを思い出した。
声をかけようと思ったが、彼女の背中はもう小さい。
今から走って追いかけていき、連絡先を尋ねることもできるだろうが、なんだか気後れする。
ジャン・プウが振り返って、かけるにぶんぶんと手を振る。もう声は聞こえない。
かけるは、黙って手を振り替えすだけにとどめた。
246少年と宇宙船(5/14):2006/03/28(火) 02:33:20 ID:vTovnF+M
翌日、土曜日、午後1時。
かけるは自室でぼんやりとしていた。昨日の少女を思い出す。
かけるが考えるべきことは、彼女が宇宙人かどうか、のはずだが、思い出すのは、彼女の笑顔ばかりだ。
抱きつかれたときの暖かさ、柔らかさ……。いかんいかん。何を考えてる俺は。

「カーケールー、あそびましょー」
……どうして彼女の声が聞こえるのか、どうして彼女がうちの玄関先にいるのか、
どうして彼女はそんな小学生みたいな誘い方をするのか。
転げるように階段を駆け下り、玄関を開ける。
少女は当然のように目の前にいて、にこにこと笑顔を振りまいている。
「カケル、遊びに来たです!」
「……3つ、聞きたいことがある」
「なんでもどうぞ?」
「まず、なんでうちがわかった?」
「だって、カケル、トマリンの弟でしょ?」
姉の知り合いか。だったらそう言え。
「次、なんで呼び鈴を鳴らさない?」
「あっ、忘れてました。失敗、失敗」
忘れるなよ。
「最後……何して、遊ぶよ?」
「お外に行きましょー!」
「……そだな、いい天気だしな」
見上げた空は青く、雲一つない。

行き交う男どもが皆振り返るような美少女と、俺は、公園でキャッチボールをしている。
どうなのよ、他にすることあるんじゃないのかよ、とも思うが、
ジャン・プウはいたって楽しそうだ。ならいいか。
初めのうちは、へっぴり腰の女投げだったが、みるみるうちに上達していく。
球速は少女のそれだが、コントロールは正確だ。こいつ、やはりできる。
そういえば、小さい頃はこうやって姉とキャッチボールをしたものだ。
さすがに今はもうしないが。姉と遊ばなくなってから、もうどれだけ経つか。
不意によみがえった記憶に、球筋が乱れ、ジャン・プウの頭上高くにボールを放ってしまった。
「あ、わりぃ」
軽々とジャンプし、ボールをミットに収めるジャン・プウ。
さすがに驚いた。羽でも生えているのか?そういえば彼女は。
「ちょっと休憩しないか?」
「ぷぅー、ジャン・プウはまだまだ元気ですよ?」
「まあまあ、とばしすぎると続かないぞ。喉も渇いたろ?」
いいながら、自販機の方へ向かうかける。振り返ってジャン・プウに尋ねる。
「何飲むよー?」
「えーっと、見てから考えるですー」
走り寄るジャン・プウ。二人で自販機の前へ。
ジャン・プウは自販機が珍しいのか、しきりに首をかしげている。
「これがいいです!」
なぜこのいい天気に、あたたか〜いお汁粉を選ぶのだこの女は。

二人公園のベンチに腰掛ける。気にした風もなく、くぴくぴとお汁粉を飲んでいくジャン・プウ。
「そう言えば、姉ちゃんと知り合いだったんだな」
「ぷぅ、トマリンはお友達です〜」
「同じクラス?」
「えっとですねぇ。ジャン・プウがクラスメイトなんじゃなくて、オネニ、じゃなかった、
 ジャン・プウのゲシュク先の人が、トマリンと同じクラスなんです」
「あー、ホームステイってやつね」
「うん、そうそう」
「じゃあ、けっこう近所に住んでるんだ?」
「カケルのうちから、すぐそこですよ」
「そっか」
なんだ。近所に住んでるのか。なんとなく、安心する。
247少年と宇宙船(6/14):2006/03/28(火) 02:34:16 ID:vTovnF+M
ふと見ると、ジャン・プウはかけるの胸元をじーっと見ている。
「ん?何か付いてるか?」
食べこぼしでも付けてきたかと心配になって、かけるは自分の胸元をのぞき込む。
「カケルはやっぱり、トマリンの弟だから、おっぱいがないんですかね?」
「はぁ?そりゃ男だからないに決まってるだろ?」
「でも、お顔がそっくりだし、トマリンもあんまりおっぱいないから、同じなのかな、と思って」
「それ、姉ちゃんの前で言うなよ?殺されっぞ?」
「そう?気をつけるです」
ジャン・プウは気にしていないようだが、おっぱいおっぱいと連呼されると気恥ずかしい。
それにしても変なことを聞く。日本人だろうが外人だろうが、男に胸がないのは当然だろう。
「触ってみてもいい?」
「何を?」
「カケルのおっぱい」
「はあ?」
なぜおっぱいにこだわるのだ?普通逆だろ?い、いや、別に俺は女性の胸を触りたいなどとは……。
「いい?」
かけるは思案する。男ならここでどう返答するべきなのか?
恥ずかしがって拒否する?それじゃ女みたいだ。どんと構える?それって男らしいか?
「……まあ、好きにしろ」
言うが早いか、かけるの胸を揉むジャン・プウ。
「揉むなっ!」
触ってもいいとは言ったが、揉んでいいとは言ってない。
胸から手を離したものの、感触を反芻するように虚空で手を開閉させるジャン・プウ。
そしてちょっと不満げな顔。
「うーん、やっぱり、おっぱいは大きい方がいいですね」
「男の胸が大きかったら怖いだろ」
「うーん、そうかなあ?ほら」
といって、かけるの手を取り、自分の胸に押し当てるジャン・プウ。
かけるの顔が沸騰する。
「ななななな!」
「どう?」
「どどどどど!」
「気持ちよくない?」
「ききききき!」
「カケル、変ですよ?」
「変なのはおまえだっ!」
ようやくまともな発言ができたかける。あわてて手を振り払う。
「女は男にむやみに胸とか触らせるもんじゃねー!」
倫理派、かける。
「そうなの?」
「そうだっ!」
「そっか。気をつけるです」
「……」
全く何を考えているのかわからない。あまり考えたくないが、
“うふふ、かける君、おねーさんといいことしましょ”みたいなことを思っているわけではなさそうだ。
本気できょとんとしている。これが、異文化コミュニケーションというやつか。心臓に悪い。
「うーん、やっぱりおっぱいは、ふかふかしてる方がいいと思うけどな〜」
「……」
そりゃ俺もそう思うけどよ。あんたがいう台詞じゃないだろ。
初めて触った異性の胸の感触を思い出すかける。柔らかくて温かい。顔が紅潮する。
248少年と宇宙船(7/14):2006/03/28(火) 02:35:27 ID:vTovnF+M
「ったく、いままでどんな国に住んできたんだ?」
かけるは外国のことはよく知らないが、映画などでは挨拶代わりにキスとかしている。
胸を揉むのが挨拶の国なんて聞いたことないけどな。
「ジャン・プウがいた国ですか?そうですね、ここと比べると、静かなところです。
 人も機械も、この国よりたくさんあるけど、みーんな静かです。ジャン・プウも、静かでした」
そう言って空を見上げるジャン・プウ。まるでその向こうに故郷があるかのよう。
静かなあんたを想像できない、と言おうと思ったが、彼女の姿が目に映り、言葉を飲み込む。
空の一点を見つめる彼女の横顔は、とても静かだ。そこに感情をみいだすことはできない。
静かで、美しく、だがなぜか、悲しくなる横顔だ。
「故郷では、楽しくなかったのか?それとも懐かしいとか、帰りたいとか?」
顔を向けないままジャン・プウは答える。
「そうですね。楽しくもなかったし、つまらなくもない、嬉しくもないし、悲しくもなかったです」
「そっか。こっちは楽しいか?」
ジャン・プウは振り返り、かけるを見る。笑顔で答える。
「はい!」
かけるは答えに満足する。

その後もジャン・プウは、ちょくちょくかけるのうちに遊びに来る。
天気がよければ、二人で出かける。
ジャン・プウはたいてい、何を見ても珍しがるので、かけるはちょっとした日本ガイドだ。
が、不満はない。彼女といるのは楽しい。
ガイドといっても、観光名所を案内するわけではない。案内しようにもこの街に名所などないが。
案内するのは何気ない街の日常だ。
商店街に並ぶ店を一つ一つ説明する。八百屋、美容室、本屋にレンタルビデオショップ。
あぁそっちは成人コーナー。入っちゃダメって、どうして?どうしても。
目的も決めずに街を歩く。公園を抜け、学校を眺め、派出所の前を過ぎ、川沿いの道を歩く。
沈む夕日を二人で眺める。カケル、どうしてバカやろー?いや、夕日にはそう叫ぶもんなんだって。
かけるは少し猫背でぶらぶらと歩く。ジャン・プウはスキップしながら飛ぶように歩く。

雨の日は二人、部屋で本を読む。かけるはもっぱらマンガ、ジャン・プウは何でも。
やはり日本独自の風習に弱いらしい。読んでいた本に書いてあったのだろう、
「カケル、ぶぶづけって何?」
「お茶漬けのことらしい。京都でぶぶづけを出されたら『もう帰れ』ってことなんだとさ」
「ふ〜ん。難しいんですね。『もう帰って』って言えばいいのにね」
「だよな」

そうそう、ニヤニヤした顔の姉がお菓子をもって、部屋を訪れたこともあった。
ニヤニヤした顔の姉は、ニヤニヤしたままお盆に載ったお菓子をおくと、
ニヤニヤと「ごゆっくり〜」といいながら去っていった。
言いたいことがあるならハッキリ言えっての。いや、やっぱり言わなくていい。
「ぶぶづけじゃなくて良かったですね」
「え?ああ、そうだな」
「トマリン、嬉しそうでしたね。何かいいことあったのかな?」
「いや、あれは面白がってるだけだ」
「何が面白いの?」
「……俺にもわからん」

前の日に夜更かしして、ついウトウトとしてしまうことがあった。
気がついたら公園のベンチで、ジャン・プウに膝枕されてしまっていた。
彼女はかけるの頭をなでている。優しい顔でこちらを見下ろす。
恥ずかしい……けど、このままでいいや。
このままがいいや。
249102:2006/03/28(火) 02:39:44 ID:vTovnF+M
それでは僕はジャン・プウとお休みします。皆様もお休みなさい。
250名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 06:06:16 ID:GXdEMKSr
はずむキュンが突然男の子に戻って、やす菜やとまりを犯りまくるというシチュエーション
薬の効果で一日限定!
251名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 07:58:52 ID:5V7BTNWy
宇宙仁のちからでち○ぽはやしたはずむきゅんきぼんぬ
252名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 08:02:57 ID:QGLEEdQ9
>102
グッド!
ライトで楽しいです。
地の文が話しかけてくるのに違和感があるかなー。
この展開なら、かける君もエロに持ち込める?
その辺り、wktk
253名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 11:58:48 ID:PEbsA6lv
>>241
GJ!ジャン・プウの日常、楽しくて本編の息抜きにもいいやね。
可及的速やかに続きの投下希望。
254名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 13:59:29 ID:WPCI/nML
>>249
面白かったです。
こういう意外なカップリングってやっぱり良いですね、まさに二次創作の醍醐味というか。
255名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 15:13:10 ID:qCDHC3se
>>249
GJ!…なんだけど一人称と三人称が入り乱れてるのは正直どうかと。
まぁそれを個性と言ってしまえばそれまでなんだろうけどさ。
256名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 15:15:13 ID:k3Uh0M8v
>>249
ちょwwwwGJwwww
以前ジャンプウSSをキボンしてた者です(`・ω・´)
 
早く続きキボン(*´Д`*)
257名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 16:12:38 ID:AKlHkafU
この板において、エロなしがデフォとは特異な作品だ。
しかもスレの流れも早いし。
ここは、アニメ板や漫画板の住人の出張所なんかな?
258名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 20:20:13 ID:ceNGENvE
102氏GJ!!
ジャンプウだとエロなしのほうがいいな
259102:2006/03/29(水) 00:30:09 ID:NCHz75e8
>>252-258
どもです。お疲れさまでした。三人称→一人称シフトは、「マリア様がみてる」方式なんですが、
バランス悪いと違和感に繋がるようで、なかなか難しいみたいですね。
実は書き上げた後なので、以下、このままどうぞ。
エロはなしといいますか、なんといいますか、もしよければ最後の台詞までお付き合い下さい。
260少年と宇宙船(8/14):2006/03/29(水) 00:31:22 ID:NCHz75e8
そんな日がしばらく続くと、だいたいお互いの生活サイクルがわかってくる。
例えば、ジャン・プウは、遊びに来た次の日は来ない。
淋しい反面、かけるにはかけるの生活もある。つってもブラブラするぐらいだけど。
商店街でジャン・プウを見かける。今日はついてるみたいだ。
「おーい、ジャン・プウー!」
「ぷぅ、カケルですー!」
ジャン・プウが手を振る。かけるは、ジャン・プウの方へ駆け寄る。
「偶然だな。なにしてんの?」
「今、お買い物中で、人を待ってるです」
「へー」
待ち合わせているのは、ホームステイ先の人だろうか。であれば姉の友人ということになる。
「ジャン・プウちゃん、お待たせー」
女性の声が聞こえた。この声は聞いたことがあるような。
「オネニーサマ、こっちですー」
「オネニーサマ?」
ジャン・プウは女性の方に駆け寄り、抱きつく。かけるの方に向き直り、
「はいっ!ジャン・プウの一番大好きなオネニーサマですー!」
腕を組まれたまま、苦笑してこちらを見る女性。少し驚いた顔に変わる。
「かける、くん?」
こいつ、大佛はずむじゃねえか。

女性の顔を認識した瞬間、かけるは走り出していた。
不審に思ったジャン・プウがかけるの名を呼ぶが、耳に入らない。
なぜ自分が逃げなければならないのか。彼女はあいつのことをなんと言った。
あいつは大佛はずむだ。女になってからは、遠目にしか姿を見たことがなかったが、間違いない。
もともと女みたいなやつだったからな。ほとんど変わりない。
そうだ。おれはあいつが嫌いだ。あいつはガキの頃から姉とよく一緒にいた。
はずむはいつも姉ちゃんにべったりで、姉ちゃんはいつもはずむにべったりで、俺は。
だいたい姉ちゃんの本当の弟は俺の方だってのに。
まあいい、それはいい、ガキの頃の話だ。俺はもう姉の後ろをついて回ってはいない。
あいつはガキの頃のまま、ガキのまま、姉ちゃんにべったりしてればいい。
そう思っていた。ついさっきまでそう思っていた。あいつのことなんてどうでもよかった。
それなのに、ジャン・プウはなんて言った?
“オネニーサマ”?
ははは、あいつを表現するのにふさわしい。確かにあいつは“オネニーサマ”だ。
“ジャン・プウの一番大好きな”
やめろっ!……聞きたく、ない……やめて……くれ……

そうか、ジャン・プウのホームステイ先は、あいつの家か。
うちの近所で姉ちゃんのクラスメート。どうして今まで気づかなかったんだろうな。
今となってはどうでもいいことだけどな。
ジャン・プウは、彼女は、大佛はずむのことが、一番、大好きだということも。

翌日。玄関先からジャン・プウの声が聞こえる。相変わらず小学生みたいに俺を誘いに来る。
俺は居留守を決め込む。耳を塞ぐ。聞きたくはない。
声はしばらく聞こえ、やがて聞こえなくなる。

自分でも何をしているのだろうと思う。情けない。
耳の奥に残った彼女の声は、彼女の笑顔を思い出させる。
一緒に遊んだ。一緒にいろんなところを見て回った。いろんな彼女を見た。
彼女はいつも楽しそうで、世界の幸せを全部持っているかのようで、
一番幸せそうだったときの彼女は―――
“ジャン・プウの一番大好きなオネニーサマですー!”

大佛はずむに満面の笑顔で抱きついた彼女を思い出す。
大きく息を吐く。そういうことだ。もうわかっていることだというのに。
261少年と宇宙船(9/14):2006/03/29(水) 00:32:31 ID:NCHz75e8
夕食後に姉が明日の予定を突き付けてきた。別に予定は何もないが、何かをしたい気分でもない。
部活の友人達と山にキャンプに行くから、荷物持ちとしてついてこいと言うのだ。なんで俺が。
「まあ、そういうなよ。気分転換にもなるだろ?」
なんだ、お見通しか。ここ数日ふさぎ込んでいたから、バレバレということか。
姉の気遣いを受け入れることにする。
気分が晴れるかどうかは疑問だが、体を動かしている間は、余計なことも考えまい。

翌日。早朝から駅で待ち合わせ。姉の友人達が集まってくる。
用意した食材より、人数が少ないようだが、後から遅れてくるとのこと。待ってやればいいのに。
「あたしたちは先に行って、テントの用意とかをしとかないとな」
それはそうだが。
電車で1時間、バス1時間、徒歩1時間。ようやくキャンプ場に到着。
気遣いであっても、荷物持ちであるのは事実であり、腰が痛い。
一休みするまもなく、力仕事を押しつけられる。男手が俺一人とはいえ、人使いが荒すぎないか?
姉とテント設営をしていると(もっぱら姉は指図するだけだが)、後発組が到着したようだ。
談笑する声が聞こえて、何気なく振り返った。
「カケル、ひっさしぶりですー!」
「こんにちは、かけるくん」
ジャン・プウとはずむだ。なんで、部活の友人じゃ……。はめられたのか。
姉の方をにらむ。姉は、俺のことなど意に介さずに、二人に話しかける。
「はずむ、ジャン・プウ、よくきたな。疲れなかったか?」
「ジャン・プウは平気ですー!」
「はは、僕はちょっと疲れたかな」
「カケル、最近おうちにいなかったけど、どこに行ってたですか?」
「別にどこでもいーだろ」
ぶっきらぼうな返事を返す。訪れる静寂。
「さ、さあ、夕食の準備しないとな〜。二人とも手伝ってくれ。かけるはテントの続きだ」
とりあえず今は、顔見せだけですませてくれるらしい。二人を見ていたくなくて、背を向ける。
「うん、じゃあ、いこうか」
「えっ、でも」
「まーいいからいいから」
とまりに背中を押されて、ジャン・プウはその場を離れる。

かけるが作業を続けていると、はずむが一人こちらに戻ってきた。
「頑張ってるね」
「それはどうも」
「うーん、昔はよく一緒に遊んだのに、男の子は大きくなっちゃうと、つれないよね」
「あんただって、ちょっと前まで男だっただろうが」
「それはまあ、そうなんだけどさ」
「……」
「ジャン・プウちゃん、寂しがってたよ」
「……」
「最近急に、かける君が遊んでくれなくなった、って」
「……」
「どうしちゃったのかな」
「……別にどうも。ジャン・プウだって、俺といるよりあんたといる方がいいだろう?」
「そんなことないと思うけどな〜」
「……おれはあんたのそういうところが嫌いだ。世界の誰からも愛されて当然だと思ってる。
 あんたは、当たり前のようにもらって、もらえなかった人間のことなんて考えもしない」
「手厳しいね」
「事実だろ」
「君も、もらったものがあるはずだよ?」
「あんたに、かっさらわれなければな」
「そんなことはないよ。君はとまりちゃんやジャン・プウちゃんから、いろんなものをもらったはずだよ。
 そしてそれは僕には、いや、誰にも奪うことはできない」
「あんたがそれを言うのか!」
「だって、事実でしょ」
はずむは、笑顔でこちらを見ている。少し、変わったと思う。男の頃の方がもっとメソメソしていた。
「あんたと話すことはない」
「そうだね。僕と話すことはないよね」
262少年と宇宙船(10/14):2006/03/29(水) 00:34:03 ID:NCHz75e8
「はーい、集合ー!」
姉の声が響く。仕方ないので輪に加わる。
「料理班以外の人は、たき火に使う枯れ木を集めてきてくださーい」
集合したメンバーは、三々五々、森の中に入っていく。俺も一人、それに続く。
「あんまり奥までいくなよー」

枯れ木というのは、すぐに集まるかと思ったが、そうでもないらしい。
どの木も湿っている。前日雨でも降ったのだろうか。
気がつけば、だいぶん奥まで来てしまった。
そろそろ引き返した方がいいかと思い、振り返る。その先にはジャン・プウがいた。
森の中、対峙することになる。ジャン・プウは少し困ったような顔でこちらを見ている。
そんな顔をさせているのは、俺なのか。
「カケル、どうしてそんなに怒ってるですか」
「別に怒ってなんかない」
「怒ってるじゃない」
「怒ってないって!」
「ほら怒った!」
彼女に背を向けて歩き始める。彼女は追ってくる。走り出す。彼女も走る。
森の中は走りにくい。お互い全力疾走だろうが、そう距離は離れない。
「きゃっ!」
振り返るとジャン・プウが顔から地面に突っ伏していた。
木の根に足を取られでもしたのだろう。どうした、いつもはもっと……。
「うええ〜」
顔を上げたジャン・プウ。涙目、頬に泥。あぁあぁ、美少女が台無しだ。
なんだか自分のしてることがバカらしい。ジャン・プウに歩み寄り手を差し出す。
「ほら、立てよ」
しばらく逡巡していたジャン・プウだが、その手を取る。
立たせてやり、服についた土を払う。そして、二人、倒木に腰掛ける。
「……」
「あのさ」
「うん」
二人は向き合うでもなく、同じ方向を向いたままだ。
「俺さ……ジャン・プウのこと、好きだったんだ」
「うん、ジャン・プウも、カケルのこと好き」
「そっか……ありがと。でも、おまえ、はずむのことが好きだろ?」
「二人とも好きじゃダメ?」
「まーいいけどさ、どっちが一番、って聞かれたらどうする?」
「カケルは二番は嫌い?」
「そーだな。俺は、俺が一番好きな人には、一番好きになってもらいたいな」
「……両方一番はダメ?」
腕を上げ、背を伸ばし、空を仰ぐ。
「どーだろうな。よくわかんねーや」
「ごめんなさい、ジャン・プウ、どっちが一番とか、決められない」
背を曲げ、体を起こし、彼女の方を見る。
「あーうん、いいよ。いいんだ。そーゆーもんかもしれないし。
 俺の方こそ、悪かったな。態度悪くて」
彼女も俺の方を見る。彼女と目が合う。
「カケルは、ジャン・プウのこと、好きだった」
「ああ」
「今も、好き?」
また、背を伸ばし、空を仰ぐ。
「そうだな、よくわかんねー、自分のことなのにな」
「そう」
地面を見る彼女。

静かな森の中、二人でいる。二人でいるのは久しぶりだ。
嬉しく、悲しく、でも落ち着いていられる。森の中だからだろうか。
しばらく会話もなく、木々のざわめきの音だけを二人聞いていた。
「そろそろ日が暮れそうだ。戻ろうか」
「うん」
263少年と宇宙船(11/14):2006/03/29(水) 00:35:11 ID:NCHz75e8
しまった。山では日が暮れるのが早いというのを実感した。辺りはすっかり暗くなってしまった。
携帯を取り出すが、圏外で繋がらない。
かけるはジャン・プウの手を引いて、二人、山を下りる。来た道である自信はない。
ときおり、後ろにいるジャン・プウが指示を出す。
「カケル、こっちだと思う」
あてもないのでそれに従う。行き止まりや上りにはならない。ジャン・プウは、勘もいいらしい。
が、下りといっても急斜面に出る。
「ちょっと、厳しそうだな」
「でも、ここを降りたら早く着けると思う」
ここまで来たら、彼女の勘を信じよう。うなずいて、ゆっくりと足をかけていく。
「カケル!そっちはダメ!」
ジャン・プウがいきなり声を上げる。えっと思って振り返ろうとするが、
足は一歩を踏み出していた。地面の感触がとたんに曖昧になり、かけるは体のバランスを崩す。
「カケル!」
ジャン・プウの手が伸びる。ジャン・プウに手を伸ばす。
二人の手が握られたとき、足下の地面が崩れ、二人、斜面を転げ落ちる。
天地がひっくり返って、何が何だかわからない。ジャン・プウが俺の体を抱きしめる。

何かに体を包まれている。とても暖かい。これは……。
意識がはっきりしていく。俺は、ジャン・プウに抱きしめられている。
ジャン・プウは大木を背にして、意識がない。
斜面を転げ落ち、この大木に衝突しようとしたのを、ジャン・プウが体を入れ替え、かけるをかばったのだ。
「ジャン・プウっ!ジャン・プウっ!!」
ジャン・プウは目を覚まさない。彼女の肩を掴んで、体を揺する。
「ジャン・プウっ!起きてくれっ!」
「……ん、カケル?」
ホッと胸をなで下ろす。
「起きれるか?痛いところはないか?」
「……痛いところはないですが、起きるのはムリみたいです」
打ち所が悪かったのか、痛みはなくても動けないのか。
「すまない。俺のせいで」
「カケルのせいではないです。カケルが無事でよかったです」
「……ありがとう、ジャン・プウ。おかげで、俺はまだ歩ける。
 さ、背中に負ぶされ、担いでいくから」
ジャン・プウを担ごうとするが、右足に痛みが走り、いくらも進めない。焦る。
「カケル、今のカケルに、ジャン・プウを担いで歩くのはムリです」
「ムリなもんか」
「ちょっと、お話しましょう。そこの木の根元で下ろしてください」
目の前を指さす。話している時間も惜しいが、焦っても仕方がない。言われたとおりにする。
「本当はカケルには内緒にしておきたかったけど、ジャン・プウのヒミツを大公開です」
「はあ?今そんなこといってる場合じゃないだろ?」
「大事な話です。それに女の子の大事なヒミツですよ。男の子は聞かないと損です」
さすがにそんな話をしている場合ではないのだが、彼女は真剣だ。先を促す。
「カケル、そばに来てください」
「お、おう」
彼女のすぐそばまで近づく。
「カケル、愛してるって言ってください」
「なんでさ!」
「お願い!」
「わ、わかった。あ、愛してるよ、うん」
「もっと真剣に」
なんでこんな状況で愛を告白せねばならんのだ。
ジャン・プウを見つめる。彼女はいたって真剣だ。彼女の顔を、彼女の目を見る。
泥だらけになっても、わずかに差し込む月明かりだけでも、彼女の美しさは変わることがない。
かけるはジャン・プウを愛していると思う。
「愛してる、ジャン・プウ」
「ありがとう、カケル」
二人の距離は縮まり、唇が重なる。
264少年と宇宙船(12/14):2006/03/29(水) 00:36:28 ID:NCHz75e8
とたん、かけるの頭の中に振動が走った。今のはなんだ?
(カケル、聞こえますか?)
「ああ、聞こえる、けど」
返事をしてから異変に気づく。ジャン・プウの声が、頭の中に直接響いてくる。これは、いったい……。
(意識を繋ぎました。ジャン・プウにはカケルの考えてることがわかるし、カケルの見るものが見えます)
「な、何を言って……」
(そう、ジャン・プウが宇宙人だから、そんなことができます。キスしたのもそのためです)
「だ、だったら……」
(はじめて男の子とキスするんですから、ちゃんと「愛してる」って言ってもらいたかったのです)
考えること考えること、ジャン・プウに先回りされる。なるほど、これが繋がっているということか。
ジャン・プウが宇宙人。初めて会った頃はそうであることを期待していた。だが、今は……。
(カケル、この状態、あんまりいいことじゃありません。でも、カケルにお願いがあって、こうしました)
「わかった。なんだ」
彼女が宇宙人であること、意識が繋がっていること、とりあえず後回しだ。彼女には何か考えがあるようだ。
(ジャン・プウ、普段はいつでも、母船を呼べます。母船と繋がっているからです。
 でも、さっきの衝撃で接続が切れてしまいました。再接続には認証が必要です。
 認証は目視で行います。母船は通常、位相転移で地球人に発見されないようになっていますが、
 ジャン・プウからの接続が途絶えたので、目視可能な状態に移行しているはずです)
どうしよう。ジャン・プウが難しいことを喋っている。少々驚きだ。
(ぷぅ!ジャン・プウだって、難しい台詞ぐらい喋れます)
すみません。先を続けてください。
(木々がなければ空の真上に星が見えるはずです。それが母船です。
 今、カケルとジャン・プウは視界を共有しているので、カケルが母船を見れば、認証可能です)
夜空を見上げる。うっそうと茂る木々のせいで、星は見えない。
「母船の見える位置まで移動すればいいんだな?」
(はい。朝になれば、カケル一人で山を下りてもらうことも十分可能だと思います。
 ただ……ジャン・プウには、あまり時間がありません。
 母船との接続が切れたままでは、生体維持に問題が出ます)
「生体維持に問題って……」
(ジャン・プウは頑丈なので、体は平気です。けど、認証できずに期限が切れると、
 ジャン・プウが地球に来てからの感情がフラッシュされます。
 カケルへの気持ち、オネニーサマへの気持ち、トマリンへの気持ち、みんな、忘れてしまいます)
忘れる……俺のことをジャン・プウが忘れてしまう……。
ジャン・プウに、俺のことを覚えていてもらいたい。
俺のことを好きだといってくれた彼女の気持ちを、なくしてしまうのは、嫌だ。
「期限っていうのはいつまでだ?」
(多分、明日の朝まで)
のんびり朝を待つわけにはいかない。が、まだ日が暮れてから、いくらも時間は経っていないはずだ。
一晩歩き回れば、星空を見れる場所に出ることぐらいはできるはず。
木に登れればよいのだが、この足ではてっぺんまではムリだ。歩くしかない。
「この交信は離れてもできるのか?」
「距離が離れると弱くなります。その分、強く思ってください。ジャン・プウのことを、強く」
「わかった。ジャン・プウは待っていてくれ。行ってくる」
彼女に背を向けて、歩き出す。
(ジャン・プウ、このあたりの詳細な地形データを持っていませんが、概略は把握してます。
 それで母船が見える保証にはなりませんが、そのまままっすぐ進んでいってください)
了解した。彼女を担いで歩くのはムリかもしれないが、自分一人ならまだ歩ける。
いや、彼女が重いといいたいわけじゃない。
(……なに考えてるですか)
いかん、この状態は危険だ。余計なことは考えられない。
(そうです。エッチなこととか考えてもつつぬけですからねー)
言うなよ!考えないようにしてたのにー!
(わわわ、カケルの中のジャン・プウ、服を脱ぎ始めましたよ?)
非常にまずい。星、星を探すんだろ、俺は!
(うあー、はー、ひゃー、か、カケルは、ジャン・プウにこんなことがしたかったんですね)
そうじゃない、そうじゃないんだが、そうじゃないことを否定もできない!
(言ってくれればよかったのに)
言えるかっ!
(まあ、エッチなことはほどほどにして、母船を見つけてくださいね〜)
……そうですね。
265少年と宇宙船(13/14):2006/03/29(水) 00:38:20 ID:NCHz75e8
しばらく、時折空を見上げながら、木々の間を縫って進む。
体が思うように動かないのと、暗くて周りがよく見えないこともあり、あまり進めた気がしない。
しかし、ある程度は距離が離れたのだろう。ジャン・プウの声が頭に響くことはなくなった。
彼女を強く思えば、彼女は応えてくれるのだろうが、まだ目的を果たしていない。
今は、前進することに専念すべきだ。
とはいえ、倒木をまたぎながらも、頭に自然と浮かぶのはジャン・プウのことばかりだ。
宇宙人だったジャン・プウ。俺も間抜けだ。彼女ははずむの家にホームステイしていた。
それだけで彼女が宇宙人である可能性は十分高いじゃないか。
しかし、あのとき俺はそこまで考えが回らなかった。そんなことよりも気が滅入ることがあった。
自然に笑みがこぼれる。
俺は、彼女が宇宙人かどうかより、彼女が俺を好きかどうかの方が気になってしょうがなかったんだ。
今さら彼女が宇宙人かどうかを気にしてるなんて、おかしな話だ。
進みながら、木の幹に手をかける。ジャン・プウに触れたときのことを思い出す。
彼女の手、彼女の胸、彼女の膝。どれも柔らかくて温かくて、安心して、同時にドキドキした。
俺にとって、彼女は普通の女の子だ。いや、少し変わった口癖を持つ、かなりイケてる美少女だ。
それ以外は、さして気にする必要はない。
今気にすべきことは、彼女の感情がなくなってしまうかもしれないこと。進まなければ。

どれくらい時間が経ったか。息は上がり、歩みは遅い。こんなことでどうする。
時間がないのだ。急がなくては。
ここまで、木々の縫い目が切れるところはなかった。
運が悪いのか、たいして移動できていないのか、そもそも山とはこんなものなのか。
絶望に押しつぶされそうになる自分を必至に叱責し、前に進む。

木の根につまずいて、顔から地面に倒れ込む。
自分の意識にかかわらず、体中の力が抜ける。もう進めないのか。情けなさで目の前が真っ暗になる。
首だけを起こす。世界は漆黒だ……いや、違う。少し先に、月明かりが差し込んでいるのが見えた。
進め。光の下へ。這ってでもいいから。

深い森の中、ぽっかりと木々の開けた場所に出た。ここにだけ、月の光が差し込める。
中央まで進み、仰向けに寝ころぶ。頭上に星空。どの星が母船かは俺にはわからない。
大きく息を吸い、叫ぶ。
「ジャン・プウっ!!」

返事はない。
「ジャン・プウっ!ジャン・プウっ!!返事をしてくれっ!」
声を限りに、繰り返し彼女の名を呼ぶ。彼女を思う。彼女の返事を求める。
どうした、距離が離れて届かないのか、それとも期限が来たのか?まだ夜明けにはなっていないのに!
「ジャン・プウっ!!」
どうした、俺が見ている星空、おまえには見えていないのか?
夜空の中に輝く星の中に、おまえの母船があるんじゃないのか?
ジャン・プウ、届いてくれ。俺が見ているもの。俺の気持ち。届いてくれ。

意識がぼんやりしてくる。絶望しているのか、俺は。涙だけがあふれる。

夜空を見ているような気がする。一つの星を見ているような気がする。
その星が、ゆっくりと大きくなっていく。星が、落ちてくる。
よく、わからない、なんでそんなものをみるのか。
星は、落ちてくる。大きくなる。星の光があたりを照らす。
まばゆい一面の光。その中央に影が差す。人の形の影。

「ぷぅ!」

逆光でよく見えない人影が、空から手を差し出してくる。
よく見えない?そんなことはない。よく見える。
彼女は初めて見たときの格好だ。いかにも宇宙人らしいコスチューム、
ふわふわと宙に浮いているところも、初めて見たときと同じだ。
違うのは、今はこちらに向いて、手を差し伸べていること。
見える笑顔、頬には涙。まばゆい光の中の天使に、俺も手を伸ばす。
繋がった―――
266少年と宇宙船(14/14):2006/03/29(水) 00:39:44 ID:NCHz75e8
「ジャン・プウっ!」
体を起こしてから気づく。ここはどこだ?
「ここは病室で、おまえは怪我人だ」
声のする方を見る。姉ちゃんがこちらを見ている。あたりを見回す。他には誰もいない。
「ジャン・プウは?」
「おまえはそれしか言えんのか?ったく、心配ばかりかけやがって」
「姉ちゃん、ジャン・プウはどこだっ?」
「……ジャン・プウは……そろそろじゃないか?」
「え?」
「ぷぅ!」
何もない空間から、いきなりジャン・プウが出現し、かけるに抱きついた。
「うわぁっ、あれ?」
「ぷぅ!カケル、感動の再会なのに、どうしてそんなに驚いてるんですか?」
「い、いや、いきなり出てきたら驚くだろ?」
「そっか、ごめんです。カケルが起きたらすぐに会いたくて、転送して来ちゃいました」
ジャン・プウにしてみれば、ずっと側にいたかったが、今回はかなり無理をした。
本当なら母船で待機しているべきなのだが、修復プログラムを中断し、文字通り飛んできたのだ。
おとなしくしている方が治りは早いが、今ばかりはそうもいかなかった。

かけるの横にはジャン・プウがいる。かけるは彼女を一番大切な存在だと思う。
それはジャン・プウが宇宙人であっても変わらないし、ジャン・プウがはずむを好きでも変わらない。
「ありがとう、カケル」
「まだ何も言ってないけど……って、もしかして、まだ繋がってる?」
よそよそしく目をそらすジャン・プウ。
「えへへ」(そのようです)
だったら、最後、俺が呼んだときに返事してくれればよかったのに。あのときは、もうダメかと思った。
(ごめんなさい。カケルの声は届いたんですが、こちらの声を届けることができなくて)
そうか。ジャン・プウは確かに来てくれた。今も俺のことを覚えててくれてる。それで十分だよな。
(カケル……)
「おうおう二人で見つめ合って、お熱いことだね〜」
確かに黙って見つめ合っていれば、そう誤解されるのも仕方ない。あながち誤解でもないが。
「はい!カケルとジャン・プウはアツアツです〜」
ジャン・プウは、かけるを抱きしめ、頬ずりをする。ちょっ、む、胸も当たってるし。
「わわわっ」
ジャン・プウは飛び退き、急にもじもじし出す。顔が真っ赤だ。
「か、カケルの……えっち」
ちょっ、ちょっと待て。姉ちゃんも目の前にいるんだ。そんなにエッチなことは考えてない。
胸が当たった、ということで、ジャン・プウの胸を触ったときのことを思い出したくらいだ。
(そ、それがえっちだっていうんです)
触らせたのは、そっちじゃねーか!あんときは、全く気にしてなかったくせに!
(い、今はえっちだと思うんです!)
「お?どうした?かけるにエッチなことをされたのか?」
姉の声に、ジャン・プウはワタワタと走り出し、病室のドアから出て行った。
「おい、ジャン・プウ!?」
と思ったら、首だけをこちらに出して、
「カケル、二・三日経ったらまた来ます」(そのときには接続も切れてると思います)
そ、そうか。確かにその方がお互い慌てなくてすむな。
「じゃあね。カケル」
「お、おう、またな。ジャン・プウ」
「……エッチなことは、カケルが大人になってからね」
真っ赤な顔してそう言うと、バタバタと走り去っていく。姉のいる前でなんてことを言ってくれるんだ。
「そうかそうか、このー、うらやましい奴めー」
姉にヘッドロックを決められる。痛いが、あまり感じない。
俺は子供じゃない、と言いたいが、俺はまだまだ子供らしい。
彼女を守れるくらいの大人にならないとな。そのときまでは、いろいろお預けだ。

「しかしよいのか少年、相手は宇宙人どころか宇宙船だぞ」
「愛があれば、人種とか性別とか関係ありません。ねぇはずむ君。私達も大人の愛を育みましょう♪」
「や、やす菜ちゃん、出番がなかったからって暴走しないで〜」
ちゃんちゃん。
267102:2006/03/29(水) 00:44:40 ID:NCHz75e8
えぇと、一番最初に決めたのは、ジャン・プウの最後の台詞です。そのための14/14でした。
ではでは。
268名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 00:59:58 ID:QE2T0tAo
GJ!楽しめたよ
269名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 01:05:57 ID:vTUTWXnk
GJ!
はずむが少し変だったが、難しい事を言うジャンプウが見れたのでキニシナイ
270名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 01:29:38 ID:yQezdxR5
>>267
人称云々は気にならなかったですよ
というか、最後まですらすら読めるテンポが秀逸
装飾の過不足も少なく、読みやすさに関しては今までで一番!
これだけのクオリティのSSをブランク無しに投下できるなんて憧れちゃいます
エロなし上等、これからもがんばってください、GJ&乙!!
271名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 08:37:29 ID:p4m5gnzX
ジャンプウでエロパロとは恐れ入った
272名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 09:53:48 ID:QXa69iWH
>>102
(`・ω・´)キタコレ
やっぱジャンプウは(・∀・)イイ
かけるとのやりとりが非常に萌えました
できればまたジャンプウSSキボンです
273名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 12:28:01 ID:lmNVDnhe
はずむも変だが、やす菜なんかまるで違うと思うが
274名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 12:28:22 ID:Jyejvs9y
アニメ、やす菜が♂も見えるようになった上で、はずむは誰とも付き合わないENDにならねーかな…
275名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 15:47:59 ID:uG6Q2tH0
>>266
なんかこのやす菜は変
276名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 17:38:25 ID:Rig8Xi9W
それぞれの心の中にそれぞれのキャラがいるんだよ
277名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 18:38:16 ID:psict3sS
多数派を演じてるジサクジエンの厨が一匹いるのさ。
278前スレ496:2006/03/29(水) 19:09:10 ID:9unHf5/g
前回投下したやつの続きが書けました。
とりあえずH有りです。

279とまりの決意・後編:2006/03/29(水) 19:10:59 ID:9unHf5/g
(でも……はずむの事……
考えるだけなら自由だよな……)

自分の唇を指でなぞりながら,確かに薄れて行くはずむの唇の感触を思い出していた。


(もう一度……キスしたい。
とびきり甘くて優しいキスを……)

想像……それは時として自分の意思を越えて溢れ出すもの……
とまりも例外ではない。
はずむの事を考え始めると,脳がフル回転を始め止まらなくなっていった。
考えれば考えるほど止まらない。
はずむへの想いも,妄想も……

気付いた頃にはとまりはブルマの中に手を入れ,湿り気を帯びる茂みを優しくなぞっていた。

「んっ!!」
ベッドの上で体が大きく跳ねる。

(ヤバいかな……)
バレてしまうのではないか,とまりの脳裏に僅かな不安が過ぎる。
しかし今は夏休みだ。
保健の先生は外出中,外を通る人も少ない。
とりあえず,バレることは無さそうだ。


とまりは行為を続ける事にした。
280とまりの決意・後編:2006/03/29(水) 19:12:06 ID:9unHf5/g
(はずむ……)
最愛の人の名を呟きながら自分の秘部をまさぐる。
はずむの事を考えると必然的にあの事を思い出してしまい,空しくなる。寂しくなる。
そんな事,お構いなしと言わんばかりに手の動きは強まるばかりだった。



あんなに酷いことをしたのに今こんな事をしているという背徳感,さらに自分の欲望に抗え切れないという情けなさ,自分の思い通りにならないというやるせなさにとまりは押し潰されそうだった。

(こんな時,はずむがいたら……
優しく抱き寄せて……くれるかな?
抱かれて甘い言葉で囁かれたい。
髪を優しく撫でてもらいたい。

――「とまりちゃん……かわいいね。」
「もうこんなにして……とまりちゃんのえっち」――)

はずむに大事な部分を撫でらていれる……
そう考えると決壊したダムのように蜜が溢れ出す。

(………現実逃避か?
そんな事,あたしとは無縁な事だと思ってた。
弱い人間のする事だと思ってた。
そうか……あたしは弱いんだな……)


自分は全てに立ち向かえるほど強くない,
とまりは逆に開き直り,撫でるだけでは飽きてしまった割れ目の中に指を潜り込ませた。
281とまりの決意・後編:2006/03/29(水) 19:13:25 ID:9unHf5/g
割れ目の中のわずかな突起を見つけ,指で軽く弄ぶ。
「くっ……」
すると全身を駆け巡る電気がとまりを襲った。
(ダメだ……気持ちよすぎる……)
指を横にずらし,内壁を上下に撫でる
「あ……」
強くはないが,さっきとは別の感触がとまりの指の動きを早めた。


(あたしの体……綺麗かな?
はずむは受け入れてくれるかな?)

「綺麗だよ……とまりちゃん……」
うっとりと自分に見惚れるはずむ。
それで,はずむにこうされたら……

「ああっ!!」
そうやって想像するだけで迫り来る刺激の強さが一気に跳ね上がった。


はずむを思いだすと心が途鉄も無く痛む。
今すぐにこんな事止めたい。
それなのに指の動きは遅くなるどころか加速する一方だ。

欲望という檻に捉えられ,絶望という現実から逃れられない……
とまりにとって,これは拷問だった。。

「あ……う……」
愛液と同様に涙も止まらなくなって来た。

早く絶頂してしまいたい。
その焦燥感がとまりを更なる快楽へ導く。

「はぁ……」
絶望と快楽が織り混ざった溜め息を漏らしながら指を更に奥へ進める。

ぴくり,ぴくり,と一定時間ごとにとまりの体が震え出した。
282とまりの決意・後編:2006/03/29(水) 19:14:45 ID:9unHf5/g
指を奥に入れては出し,入れては出し……
何度も繰り返しながら微かな突起を刺激する。
決して自分の物になる事は無い,愛しい人を思い返しながら……

(ダメだ……もう……いきそうだ……)

そう思った瞬間,愛液が滝の様に溢れ出した。
「ああああっ!!」

欲望の檻から開放され,安心しきったとまりは深い深い眠りに落ちていった。



「とまりちゃん……起きて」
自分の名を呼ぶ聞き慣れた,安心する声がする。
「はずむ……」
「とまりちゃんてば,全然起きないんだもん。
心配したよ……」
「どうして……ここに?」
今日は部活は無いはず。
なのに,何故?
当たり前の疑問をぶつける。
「とまりちゃんに,僕の想いを伝えに来たんだ。」
「そんなの……」
答えは分かっている。
聞きたくもない。
「僕は……とまりちゃんが好きなんだ」
「はあ?」
信じられない。
まさか自分が……

とまりの思考を遮る様にはずむはとまりを抱き締める。
「はずむ……」

向こうで誰かが見つめている……
やす菜だ。
「嘘つき……」
やす菜はそう言い残し,走り去って行った。
「あ!やす菜ちゃん!」
はずむもそれを追いかける。
283とまりの決意・後編:2006/03/29(水) 19:15:25 ID:9unHf5/g
「おい……はずむ……」
「とまりちゃんのことなんて考えてられないよ!!!!!」



とまりはそこで飛び起きた。
(なんて夢だよ……ちくしょう……)

全てを忘れようとしながら,自分の顔に残る涙の跡を拭う。

(はずむ……はずむ……)
拭っても拭っても涙の跡は消えない。

諦めたのか涙はそのままで,ベッドから降りた。

時間はまだ部活中だが,とてもじゃないが続けられる状況ではない。

(帰るか……)

重い足を引き摺りながら教室へ向かった。


とまりは気付かなかったが保健室には花瓶があった。
花瓶には2本の花が挿してある。
一輪の清楚で可憐な白百合がとても綺麗に咲き誇っていた。

しかし,もう一つの白百合は萎れていた。
花を咲かせる事も無い,蕾のままで……

284前スレ496:2006/03/29(水) 19:17:46 ID:9unHf5/g
連投規制テラウザス

個人的にオチが微妙。
てか,駄文で申し訳ありません。

とりあえず,12話が放送される前に投下できてよかったです。
285名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 19:20:16 ID:cpritcan
GJですよー!
286名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 23:50:37 ID:bdq8jOG4
とまりが精神的に弱いのは皆の承知事項
287102:2006/03/30(木) 00:18:34 ID:WqCk8ALl
>>268-277
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
今回のはずむとやす菜については、進行のための存在
(というかオチのための存在ですが)なので、ご寛容のほどを。
「こんなジャン・プウもかわいいなぁ」と思っていただけたなら、
当方としては目的を達したかと。ではでは。

288名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 00:33:21 ID:g/n0g9e+
とまりんかわええねGJ!!
289名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 03:08:46 ID:cnqqqY2J
とまりちゃん、あのね







(省略されました・・全てを聞くには梅雨空のイルクーツクと書き込んでください)
290名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 03:20:14 ID:ph7/QDIf
……明日太が豪快に寝取ってくれないかな
はずむを女のコとして調…教育するのは俺の使命だ
とかゆって
291名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 04:09:50 ID:FA+kzOQc
>>290
あゆき、とまり、ジャン・プウの3人がかりで
明日太は明日の朝日を拝めないでしょう。
292名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 05:46:06 ID:jOVaPSqH
3人がかりで明日太を責めるのですか。
とまりは竿を弄くったり口に含んだりする実行役
あゆきは悶える明日太を罵る姐さん役
プウはオネニーサマのぷうぷうぷうぷうぷう!
293名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 07:07:58 ID:9WGAkyLz
>>290
まさに131氏の明日太が寝取っている最中じゃないか!
…続きマダー?
294名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 10:36:20 ID:87RTVdt5
アニメ最終回は、色々とSS補完できそうでよかったよ>あのね
295名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 09:12:41 ID:HvXZqrWx
>>290-293
もうなんて言うか明日太氏ね
はずむの代わりに明日太氏ね
296名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 10:52:32 ID:kXOo09S3
ああ、そうか。明日太×やす菜の障害もなくなったんだな >アニメ
皆が待ち望んだ明日太総攻めシチュキタコレ
29710:2006/03/31(金) 11:03:59 ID:+XejOwGf
思いつき、やっつけネタですが、1レス分なので、ご容赦を。
本当は宇宙人さんとはずむの薄エロに持ち込むはずだったんだが・・・それはまた今度
298ネーミングセンス:2006/03/31(金) 11:05:11 ID:+XejOwGf
「よし、今日の検査はこれで終了だ」
「ふぅ、終わった」
 はずむは頭にかぶった装置をはずしながら、かねてよりの疑問を口にする。
「ところでさ、宇宙人さんの名前って本当はなんていうの?」
 宇宙仁(偽名)は顎に手を当て、少し、思案するような仕草をしてから言った。
「本名はね、地球人には発音しづらいと思うが・・・それに君の言うところの名前ではなく、私に
あるのは識別コードだけだからね」
「じゃあ、アルファベットの羅列みたいなもの?」
「そうだ、おかげで同姓同名だのいうややこしいことはない、つまり『吉田秋○って漫画だけ
じゃなくて、ドラマの脚本も書いてたんだ』などという誤解はないわけだ」
「あの・・・ま、いいや。でも、そんなコード名じゃ、他の人と話する時、面倒じゃない?」
「まめに会う仲であれば自然に覚えるものだ、それに意外に困らないものだよ、他者を認識し
切れなくても。私達は普段カードを身に付けていて、必要な情報はそれらを黙ってスキャンすれ
ばいいことになっているし」
 はずむが思わず独り言を呟く。
「『固有名詞が、必要のない世界』か、なんか、寂しいな」
 それに宇宙仁が答える。
「ふむ、物のネーミングか。個と個の区別という意味だけでなく、心情の面でも君たちは、意外に
大事にしているということなのかな、それで私の『宇宙仁』という名にも君は変な顔をしたと」
「え・・・と、多分そうだと思うけど」
 深く考えていたわけでもなかったが、否定する必要もない、そんなはずむの適当な返事に大いに
うなづきながら弁を続ける。
「恐らく、同種の他者との関わりが希薄になると共に、名前を付けるという行為に重要性を失い、
安易に走ってしまうんだろうな、例えば寄○獣のエイリアン達のように」
「・・・時々マニアックですよね、宇宙人さん」
「サンプル採集地に問題があったかな、一応、常識的な知識のはずなんだが」
「いや、全然」
・・・・・・採集地について、すごく聞きたいような気もするけど・・・そんな誘惑を振り切って、
はずむは、ふと思い出したことを言う。  
「あ、でも、ジャン・プゥはかわいい名前だと思います」
「それは、山に落ちていた漫画雑誌の名前から自分で考えたそうだよ、それがよかったのかな?」
「・・・聞かなかったことにしていいですか」
299名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 11:20:13 ID:qIOwE5Nr
>298
チョロっとワロタw
300名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 11:50:33 ID:GrCJPG0Y
>>298
ワロタw そんな元ネタなのかよw ジャン・プゥ カワイソス
宇宙人のマニアックさとか所々にネタちりばめられてたけど、
名前を付ける、個の識別といったことを扱うシリアスな話なのかと思ったらw
せっかく↓こーゆー判りにくいような判りやすいようなネタレス用意してたのにー
とまり「名前を呼んで」
はずむ「名前をあげる」
301名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 15:14:13 ID:8z+CbzhY
10さんの書くはずむキュンて、何だかかわええなー (*´∀`)
302前スレ131:2006/03/31(金) 22:23:53 ID:nRCnjhp3
『男の友情って?PART4』の続き、投下させてもらいます。
303『男の友情って?PART4』(4):2006/03/31(金) 22:26:24 ID:nRCnjhp3
 俺の中で何かが堰を切る。
 はずむの唇を強く吸った。
 はずむの口腔から、唾液を吸い取り、音を立てて飲み下す。
 湧き出る泉に口をつけ、息の限り吸い続ける。
 俺の舌先は、はずむの唇を掻き分けて、中に侵入する。
 はずむの舌が俺を出迎え、抱擁してくる。
「ん、んんっ…、ん!…ふぅ…んふぅぅぅ……」
 はずむの吐息が熱い。そしてその大半は俺の胸に流れ込んでくる。
 ちゅっ、ちゅぱっ…、ちゅちゅっ…んちゅっ…
 はずむの舌を吸い取り、その舌先を唇で咥えて引き出す。
 俺の口腔に引き込んだはずむの舌を、思うさま味わう。
 いじわるなはずむは、隙を見ては舌を戻そうとする。
 逃がしたくない俺は、より唇を開き、舌を突き出す。
 舌が逃げ込んだ、はずむの口腔を荒っぽく探り、吸い、なぞり上げる。はずむの唇の裏
を、歯を、歯の裏にも舌先を這わしながら、はずむの唾液をちゅるりとすする。
「んふぅぅぅ……!」
 はずむの指が俺の肩を掴む。立てた爪がランニングシャツからのぞいた肌に刺さる。心
地よい痛みだった。
 ビクビクッとはずむが身を震わせる。
 はずむが、俺を感じている。
 俺の舌に口中を舐め上げられ、吸い上げられる唾液の奔流さえもはずむの粘膜を刺激し
ていく。
 分かるさ。
 俺も、同じだもの。
 ようやく、捕まえたはずむの舌を再び咥え、歯で軽く噛みこんで俺の中に連れ込む。俺
の舌に奉仕させ、その報酬に俺の唾液をたっぷりとはずむの口に移してやる。
「ん…、んくっ……、ん…ふぅ……」
 はずむが目を細めて飲み干す。
 何度目かを繰り返すと、はずむが俺を追い立て始めた。
 深く舌を差し入れ、俺を絡め取り、吸い上げる。
 俺が抵抗すると、はずむは息を荒げ、遮二無二に舌を伸ばす。
 俺が舌を許すと、安心したようにゆっくりと味わってくる。
 歯で甘噛みし、舌先をちろちろと交わらせ、唇に咥える。
 ちうちうと、小さな音を立てて、俺の舌を吸う。
 俺の舌を、まるで乳首のように吸い上げる。
 放っておくと、いつまでも吸っていそうだった。
 俺の上昇した血圧は、もう、次のステージを求めている。
「え…?あ、…ん」
 唇を離すと、はずむは少し不満げだったが、俺の意志を感じた様子で、頬を紅潮させて
小さく頷いた。
304『男の友情って?PART4』(5):2006/03/31(金) 22:27:19 ID:nRCnjhp3
 俺がランニングを脱ぎ捨てるのを、はずむは見ている。
 ジーンズのボタンを外し、汗でごわついたそれを膝下まで下ろす。
 片方ずつ裾から足首を抜き取って投げ捨てると、俺はボクサーパンツだけになった。
 半裸の俺の身体を、はずむは眺めていた。
 目を細めて、少し俯き加減に目線を向けている。
「はずむ…」
 俺が小さく声をかけるとはずむは顔を背け、ワンピースの背中に両手を回した。ホック
を外し、ファスナーを下げようとして、はずむの手が止まる。
 どうやら引っ掛かけてしまったみたいだ。
「ン…、あ、れ…、どう…?ん……!」
 焦るってるのか、見えない背中を必死で覗き込み、ファスナーと掴み合いを始めようと
する。
「見せてみな」
 俺ははずむの背後に屈みこみ、手をそっと払う。
 はずむがぴくりと硬直する。が、一瞬だった。
 無言で、たらりと腕を下ろす。
 はずむの背に寄り添うような形で、俺はファスナーの噛み込みを解く。
 そして、はずむの許可もとらずに、ゆっくり引き下ろした。
 ジィィィィ・・・・・・・・・
 白い肩が、背が、ほの暗い部屋に晒されていく。
 なめらかで、張りつめたような薄い肌が、艶やかに光を映えている。
 はずむは交差させた両手を胸に当てるように抱き、小刻みに震えている。
 薄緑色のブラジャーの背を通り、ファスナーを終いまで下げ終わる。
 すらりと流れる背筋のラインが、腰のあたりまでくっきりと見えた。
 綺麗だった・・・。
 俺は呼吸さえも忘れている。
 ブラウン管の青い光が、震えるはずむの白い背中を照らす。
 引き寄せられるように、その肌に掌を落とす。
 はずむがビクッと背を反らした。
 ふるふると震えるはずむの肌は柔らかく、俺の手にしっとりと馴染んでいく。
 少し手を滑らせてみると、するっと肌が流れる。
 掌に残るのは女の肉が秘める質感。
 少し浮き上がった肩甲骨の周りから、腰の方へ撫で下ろしていく。
「ん、ぁぁっ…」
 ひくっ…と、はずむが震える。
 掌を通ってくる、はずむの肌の感触に延髄の奥が熱くなる。
 俺ははずむの肩に手を伸ばす。ワンピースの袖と、肌の間に手を入れ、肩を抜いていく。
 そろりと袖口が、肩から腕に落ちていく。
 はずむは、そっと腕を抜きとり、そのまま自分の胸を緩く抱きしめる。
 もう、はずむの背中は、全て露わになっていた。
 ブラジャーだけを身につけたはずむの背中は、しなやかで、ほの白く、艶かしかった。
 薄手のワンピースは、腰のくびれ辺りで力なく纏まっている。
 脇から腰のくびれにかけてを、両側から掌に包む。
「ふぁっ……」
 はずむは、息を呑むように反応する。
 絹越しのようななめらかさが心地良い。
 俺は目を閉じて掌の感覚に心を集める。はずむの肌の感触をじっくり味わう。
 俺の手がはずむの両脇を、腰骨の辺りまで撫で下ろしては、すり上げていく。
「あっ、ぁぁっ、ぁぁぁ……あぁぁぁぁ……」
 俺の動きに反応しては、はずむは、小さく声をあげる。
 そのか細い声が、俺の後頭部の奥を白熱させていく。
 もう、自分の欲求を抑えることはできなかった。
305『男の友情って?PART4』(6):2006/03/31(金) 22:30:25 ID:nRCnjhp3
 はずむを背中から抱くような位置のまま、後ろからブラジャーに包まれた、はずむの乳
房に両手を忍ばせた。
 下から包むように乳房に掌をあてる。
「はぅっ!?」
 はずむは背を丸めるように、その身を大きく震わせた。
 はずむの乳房は、ぼってりと柔らかい質量を俺の手に落とす。
 少し硬いブラジャーの布越しにも、怯えているのが分かった。
「あ、明日…太…、僕…恥ずかしい……」
 俺は黙ったまま、掌にのせた乳房の丸く柔らかな質感を味わう。
 指先だけをくねらせ、乳肉を撫で上げる。肉が指に乗っかかるように馴染む。
 胸の頂点は、意識して避けた。
 そして、下乳を少し上下させ、揺らす。乳房が形を変え、弾んだ。
「あ、あ、あぅぅ、あぅっ!」
 はずむが小さく声をあげる。
 俺の手は、はずむの乳房をブラジャーのようにくるみ上げている。
 背後からすくい上げた乳房が、手の中で踊っている。
 まろい下乳が、手の上で跳ねると、たぷんと重い乳房の量感を味わえた。
「ぁッ、ぁッ、ぁッ、ぁッ………」
 乳房が跳ね上がるリズムに合わせて、はずむの声も連なっていく。
 俺も、掌の中の感覚が増幅され、息が熱くなる。
 想像以上に柔らかで…、丸くて、大きくて、……熱い。
 初めての、女の乳房…。その感触に溺れそうになっている。
 ふぅぅ、はぁ…、ふぅぅ……
 いつしか、俺も熱い息を洩らしている。息苦しい。
 それは、はずむのうなじをくすぐり、弄っているはずだった。
 俺ははずむの身体を引き寄せ、自分の胸を、はずむの素肌の背に重ねた。
「あ、ああぁ……ぁ…」
 はずむも熱い息を吐き出す。
 全身ではずむの身体を味わう。
 すり合わせた肌が、お互いの体温を伝える。
 はずむのまろやかな身体は汗ばんでいて、俺の肌と馴染んだ。
 より深い密着が、俺達の触感を昂ぶらせる。
「明日…太…」
 俺の腕は、豊かな乳房の下に回り、それを支え上げるようにはずむを後ろから抱きしめ
ている。
 捕らえられたはずむは、俺の腕にそっと両手を沿えて呟いた。
「明日太の手が、熱いん、だ……。それが、僕の中に染み込んで、奥の方で広がっていく
みたいで……、いたたまれないよぅ……」
 消え入りそうな、不安げな声は甘い響きを伴って、俺の耳をくすぐる。
 俺のモノはすでに熱く屹立しきっている。
 それはすでに、はずむの身体に触れている。
 …いや、押し付けられている。
 俺のソレははずむの腰の辺りで、その肉づきを味わいつつ、ヒクついている。
 はずむも、気付いている。
 俺の男が、自分に向けられているのを。
306『男の友情って?PART4』(7):2006/03/31(金) 22:31:28 ID:nRCnjhp3
「嫌じゃ…ない、か……?」
 つまらない問い。
 でも、俺は、俺に自信がなかった。
 ただ、はずむに拒絶される瞬間だけが、……怖かった。
「……もっと僕のからだで、……明日太の事、感じさせて……」
 うつむいて、こぼすような言葉だった。
 言葉をなくして、俺ははずむを抱く腕に力を込める。
 はずむと、一緒になりたかった。
 ひとつのものになって、色んなものを共有したかった。
「俺も、はずむのひとつひとつを感じていいよな…?」
 甘い、はずむの肌は、今だ小刻みに震え続けている。
「俺を、お前の中に入れてくれるか…?」
 はずむは、首をひねるようにして、俺に顔を向けた。
 濡れそぼる、黒目がちな大きな瞳。それを、ついと伏せて答える。
「僕の事、明日太はずっと覚えていてくれるから、…今は、僕が僕の事、忘れちゃっても、
大丈夫だよね……?」
 もう、沈黙の時間は過ぎ去る。
「お前も、俺も、忘れたりなんか、しないさ」
 はずむに言いたかった事。
「消えたり、しない」
 伝わって欲しかった事。
「どっかに行っちまったり、…しないさ」
 はずむのうなじを流れる後ろ髪に、顔をうずめる。
 体温に醸された、はずむの芳香に包まれる。
 はずむが背に手を回し、両腕を俺の首に絡めた。
「…うん。」
 俺を逆しまに見上げる眼は、愛しげな微笑を伴って送られていた。
 はずむが腕に力が入れる。俺の顔を引き寄せる。
 眼を閉じて迎え入れる唇。重なる吐息。
 はずむの震えは、いつしか止んでいた。
 細く、薄い、可憐な背中を胸に抱いてる。
 はずむの両手は俺の首に絡み、俺の右手ははずむの腹を、左手は脇を撫でる。
 お互いの唾液を舌先で交換する。
 唇を離す瞬間を、互いが薄目でとらえる。
 下唇が、糸を引いた。青白い光に映え、光る。
 俺は左手を、はずむの脇を撫で上げるように動かした。
 はずむのブラジャーの紐に、親指をくぐらせる。そのまま肩口まで滑らせると、肩紐が
するりと抜け落ちる。
 はずむのなめらかな腹の手触りを名残りに、右手を脇から肩へ流す。はずむの豊満な乳
房を吊っていたストリングが外される。
「…はずむ、ホックを、外してくれ」
 自分で扉を開かせるように、はずむにうながす。
 はずむは無言で、俺に絡めた腕を解き、上半身を少し屈めて背に手を回した。
 慣れた手つきが、あっさりとホックを外す。緩んだブラジャーを脇で支えつつ、こぼれ
かける乳房をはずむは右腕で支え、庇った。
 後ろ髪から覗く、耳たぶが真っ赤だった。
 俺はその耳に口元を近づけて、そっと舌先で突付いた。
「ひゃうっ…!?」
 はずむがびくりと震え、艶かしく鳴いた。
 かまわず俺は囁く。
「はずむの胸、……見せてくれ」
307名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 22:53:22 ID:uJLw2l+A
GJ!
308前スレ131:2006/03/31(金) 23:09:01 ID:2OD5PdlY
本日はこれまで。ちょろっとですみません。
明日太語りは、しばらく官能小説モードですんで、ご了承のほど。
破瓜の痛みに耐えるはずむキュン、早く投下したい…(´・ω・`)
309名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 23:47:11 ID:4BCZXQ0r
やっとこのスレも活気を取り戻してきたな
310名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 00:05:00 ID:GrCJPG0Y
GJ! …て、ここでおあずけか orz
続きお待ちしてますー
311名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 00:41:02 ID:bvSX2rpv
131氏GJです!毎度のことながら文章力がうまいなぁ・・・・きっといろんな事に感心を持てる感性豊な方なんですね・・・すごい


ところでどうやらゲームの方はあすたエンドもあるみたいなのだけど、いったいどういう終りかたなのだろう
友達エンドみたいなのでなくて恋愛!っていうエンドなら買いたいんだけど・・・
312名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 04:24:55 ID:BYsY5Sm3
明日太EDがあるなら買わない。
かしまし、そしてガール・ミーツ・ガールが台無しじゃん。
313名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 04:30:44 ID:za3VnC/K
第2期は明日太主人公という話しもある
女として生きていくことを決意したはずむキュンが男の子と恋をしてしまうストーリー
314名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 04:32:53 ID:BYsY5Sm3
釣りはいらないから
315名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 06:19:29 ID:WnQiVA9C
今日は4/1
316名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 06:55:42 ID:udXdEYeG
131氏、GJです〜!
しっとりエロをこんなに長尺で書かれると、はずむもろとも焦らされてしまう(*´Д`)
317名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 15:04:36 ID:ITr9rHjS
随分と寂れたな…
オレしかいない予感
318名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 15:35:47 ID:t7Qs6p4l
ノシ
アニメ終わったからか?
319名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 16:04:05 ID:FPBNVmRG
アニメの終了は大きいかもな。自分の場合は、ネタはあるからまだ投稿するけどね。
320名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 17:15:58 ID:lalIeAPf
ノシノシ
是非投稿して下さい。アニメ終わったからって人が居なくなるのはサビシス。
131氏の続きも待ってます…。
321名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 18:04:07 ID:KnYFer19
みんなアニメへの不満を本スレでぶちまけるのに忙しいんだよ
322名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 18:32:03 ID:JU4aRPVM
書き手としては、あの最終回はありがたい。
何ルートの誰エンドでも有りだからな。
欝展開抜けで、Hなハチャメチャラブコメとか書けそうだし。
…それって、従来のばかほりテイストか
323名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 19:23:49 ID:Qw4gkyRr
いや,元々SSって何でもありじゃん
どう終わろうが関係無くない?
324名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 21:15:07 ID:9q1d0sqh
>>323 322氏じゃないけど。
そりゃそうなんだけど、やっぱり後日談まであって誰と誰がこの先どうなって、
まできっちり描写されてしまうと書きにくいってのはあるかと。
325名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 22:20:57 ID:jGF8FANi
>>302
ちょっとぉ
男相手なら警告くらいは入れてくださいな。
326名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 22:43:06 ID:FdsFlZGt
うえぇぇ
読んでしまった
327名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 22:54:52 ID:OUH1vhHw
>>325>>326
お前らはタイトルも読めないメクラか?
131氏に失礼だろ。
328名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 22:59:40 ID:FdsFlZGt
友情と言いながらHシーンまで入れるから
329名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:04:54 ID:QUsFxY7D
それじゃ、明日太と俺をNGワードにしといたら。
あ、宇宙人もNGにしといてね、近日落とすから。
330名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:07:09 ID:IyB+0e9n
はずむもNGにしておかないといけませんね。
331名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:19:47 ID:vX8LwBph
このスレはやす菜ととまりのラブラブ専用スレになりますた。
332名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:26:24 ID:QUsFxY7D
と、いうエイプリルフールネタ(つまんね)
333名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:30:16 ID:LXWsxkfc
「男」もNGワードにしとけよ!
あと、「とまり」と「やす菜」もNGに追加頼むわ。
その辺の男か明日太と確実にセクロスするから 
334名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:32:34 ID:Qw4gkyRr
とりあえず>>327
荒らしに反応するな
今は春厨が大量発生してるだけだから

テンプレに荒らしは徹底的にスルーってのいれといた方がよかったな
335名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:51:58 ID:Yq37NBcH
ガールミーツガールなんだからもうちょい百合ネタが欲しいってのも分かるよ。
だからって警告しろとまでは言わないけどさ。
ただ、明日太はもうお腹いっぱいというか…。所詮はギャグ要員だし、それで延々とやられても、ねぇ。
明日太に感情移入しやすいとか女同士は絡ませにくいとか色々あるだろうけど、
そろそろ新しい展開を見てみたいというのが正直なところ。
同意は得られないかもしれないが、少なくともオレはそう思う。

ま、書きたい人間が書きたいように書くのが一番。読み手はただ待つばかりだな。
336名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 23:56:15 ID:vX8LwBph
つーか、もろ変態な明日太は一番感情移入しにくい。
337名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 00:03:53 ID:tlrYIjCY
>>1を理解してないレスは、すべてレズスキーの自演だよ。
本スレではレスが埋もれてしまうからファビョッてるのさw
最近カキコの少ないここだと、自分のレスが5レスに1つくらいあって、
多数派みたいに見えるから粘着してるだけ。
その辺に落ちてる犬のフンか、吐き捨ててあるガムと思って透明あぼーんしましょう。
338名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 00:24:49 ID:Notx1U7N
>335
おまいさんの言いたい事は何度も聞いて分かった。だからもう言うな。

君の故郷はここ↓だろ?
レズ・百合萌え板 かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1101732877/

かしましのレズSS隆盛へ向け、啓蒙活動に励んでくれ。
339名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 00:38:40 ID:HOVjLXKt
337 338の荒らしはどうしよもないな。
NGワード設定でスルーしましよう。
自分が正しいと思って馬鹿やってるだけ。
340名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 00:49:17 ID:QtIFexEo
>339
QED証明終了
341名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 00:53:45 ID:V0RrV0/U
どうしよもないのは>>339
何時も同じパターンでまるわかり。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141035852/
ここから出てくるなと。
342名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 14:03:07 ID:nN5sX7kx
>335>336
おう、待ってて!今、はずむと宇宙人の書いてるから!
343名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 16:29:13 ID:52DTnutK
>>337>>338>>400>>401
何こいつ?
かつてかしましスレにコピペ貼りまくった荒らしがまた出没したのか。
もうID変更でスレ消費するの止めてくれないか。
344102:2006/04/03(月) 05:03:06 ID:d3EOv1jY
正直、自分の中であのENDをどう解釈してよいやら…。
別にENDがどうだろうと好きに書けばいいんですが、解釈しないと前に進めないというかなんというか。
“読んでもらいたい”よりも“書かねばならない”が優先するのはどうかとも思うのですが、よろしければ。

えっと、例によってエロなし。オリキャラ、しかも続き物と、ハードル高いですが、
そんなややこしい話でもないので、お付き合いのほどを。
345ひまわりは咲き誇る(1/4):2006/04/03(月) 05:03:54 ID:d3EOv1jY
初めての方、初めまして。二度目の方、ご無沙汰いたしております。
私、鹿縞高校1年、胡蘭(こらん)まもりといいます。
オリキャラです。オリキャラは嫌いな人もいるかもしれませんが、だってしょうがないじゃないですか!
私はとまり先輩が好きなんです!愛しています!!(机を殴打)
……こほん……早々の逆ギレ、すみません。今日は私の悩みを聞いてください。

簡単に私のことを説明します。
私はとまり先輩に恋い焦がれる一年後輩の恋する乙女で、
「とまり先輩に振られたりもしたけれど、私は元気です」って感じです。
今日も飽きずに先輩を追い回します。以上。
と言いますか、親切な方がまとめサイトを作成いただいておりますので、
ttp://kashimashihokan.hp.infoseek.co.jp/946.html
もしよろしければ参照下さい。まあ、読まなくても、特に困らない気はします。

では本題に入ります。最近、とまり先輩の様子がおかしいんです。
あの一件以来、私は先輩と自然にお話しするようになりました。
といっても、先輩を私が追い回しては、逃げられる毎日なわけですが。
おかしいといっても、目に見えた違いはありません。
先輩は、いつも笑顔で、楽しそうで、幸せそうで。
でも、今の先輩は、なんだか少し無理をしているような、空元気なような、そんな気がするんです。
私の思い違いかもしれません。先輩は相変わらず、大佛さんたちと仲良くやっているようですし、
何か悲しくなるような出来事があったようなことはなさそうです。
もちろん、私の知らないところで、なにかあったのかもしれませんが……。

いえ、先輩の気分が沈んでいるのなら、少しでも元気づけてあげたい。
先輩が嬉しくても悲しくても、先輩のお役に立ちたいという私の気持ちに変わりはありはしないのです。
さっそく、明日にでも、デートにお誘いしてみましょう。

「映画?」
放課後になり、部活に出ようとしている先輩を捕まえて、用件を切り出します。
「はいっ!先輩、週末は私と一緒に映画を見に行きませんかっ!」
「……そうだな、たまにはそういうのもいいかもな」
「えっ?」
「なんだよ、誘ってきたおまえの方がびっくりするなよ」
「あっ、いえ、てっきり断られるとばかり思っていましたので」
「……時間は?」
「えっ?」
「だから、待ち合わせの時間だよ」
「はい。10時でいかがでしょう?」
「わかった。じゃあ、土曜の10時に駅前に集合な?」
「はいっ!」

眠れないまま、土曜の朝はやってきました。先輩とデート。
嬉しいのですが、いったいどういう風の吹き回しでしょう?
今まで何度お誘いしても、かわされてばかりだったのに。
先輩にもついに、私の熱意が伝わったということでしょうか?
期待しすぎるのも良くはないとはわかっているのですが、この鼓動を抑えることができません。

翌朝。気合いが入りすぎない程度によそ行きの服を着てきた私に対して、
先輩はいかにも動きやすそうな、シャツにホットパンツといういでたちです。
ま、眩しい、太ももが、眩しいですっ!

二人で映画館の看板を見上げます。
「で、どっち観るんだよ」
看板は二つ。右が恋愛映画、左が、えーっとこれはカンフーアクションですか。
先輩は私に尋ねてきますが、視線は左を向いたままです。
はぁ……。私としては甘い恋愛ものを観て、いい感じになったところで
先輩とラブラブと決め込みたいところですが、致し方ありません。
「左の方にしませんか?」
「だよな。こっちの方が面白そうだ」
346ひまわりは咲き誇る(2/4):2006/04/03(月) 05:05:04 ID:d3EOv1jY
「あちょーっ!てやーっ!」
「おいおい、スカート、スカート」
「しっ、失礼しました」
いけません。私の方が夢中になってしまいました。

映画館を後にした私達は、ハンバーガーショップで、ランチを取ります。
映画の感想に話が弾みます。先輩、私にも格闘技ってできますかね?
いや、おまえは止めとけ。どうしてですか?どうしてもだ。なぜでしょう?

食後はウィンドーショッピング。
私がよく行く店で、先輩に似合うような可愛らしいワンピースを見つけたのですが、先輩は渋い表情です。
「どうしても、着なくちゃダメか?」
「是非にっ!」
「こういうヒラヒラしたのって、あたしには似合わないんじゃないかと」
「いいえっ!そんなことはありませんっ!」
先輩はご自分のことをよく理解されていない部分があります。
今のラフな格好も決まっていますが、可愛らしい衣装も、とてもよく似合うはずです。
背中を押して、むりやり試着室に押し込めます。

ピンクのフリフリワンピースを着て、居心地悪そうに出てきた先輩。
「やっぱ、あたしには似合ってねーだろ?」
「……先輩、か、かわいすぎ……」
「お、おい?って、鼻血、鼻血でてるぞっ!」

急遽、喫茶店で休憩します。私は延髄を軽く叩きながら。恥ずかしい。
「しっかし、鼻血は出さないだろう、普通」
「それだけ先輩が可愛かったんですっ!」
「そっ、そうか」
「はっ、はい」
二人、赤くなってうつむいてしまいます。

夕暮れの公園を二人で歩きます。一日はもう終わり。今日は本当に楽しかった。
「先輩、少しそこで座りませんか?」
二人で暮れゆく夕陽を眺めたくて、そんな提案をしました。
「そうだな」
「では、私はそこでお茶を買ってきますから、先に座って待っていてください」
「わりいな」

私は少し離れたところにある自販機で、紅茶を二つ買い、先輩が座っているベンチを目指します。
先輩は私に気づかず、夕陽を眺めています。美しい横顔。
でも、目には涙?
先輩は、夕陽を見つめたまま、泣いていました。ただ、目から涙を流していました。
私は確信します。やはり、先輩には。

「泣いていらっしゃるのですか?」
「いや、夕陽が目にしみただけだ」
「今時そんなせりふ、誰も言わないと思いますけど」
涙をぬぐっている先輩の横に座ります。私も夕暮れを眺めます。きれいな夕陽です。

「大佛はずむと、何かあったのではないですか?」
「どうしてそう思う?」
「先輩を泣かせる人間がいるとしたら、それは大佛はずむ以外にはありえません」
「そうか。そうだな」
「私がお見かけした範囲では、仲良くやっておられると思っていましたが」
「そりゃ、そうだろう。あいつとは幼なじみだからな」
「……それ以上ではなくなったと?」
「あぁ、振られちまったよ。あいつはやす菜を選んだ」
そうですか。そしてあなたは、あの二人を祝福し、自分はただの幼なじみに戻り、
空元気の笑顔で、横にいるというのですか。
なんて、不器用な人。
347ひまわりは咲き誇る(3/4):2006/04/03(月) 05:05:48 ID:d3EOv1jY
「……そうだな、はずむにも振られたし、おまえと付き合うことにするかな」
願ってもないチャンスです。最も落としやすい女は、振られたての女。
兄の雑誌に、そんなことが書いてありました。
私は、先輩を見つめます。先輩も私の方を見つめています。

私は、思いっきり先輩の頬に平手を打ってしまいます。
「なっ」
「見損なわないでくださいっ!」

何をしているのでしょう。私は。弱った先輩につけ込むのではないのですか?
「私は大佛はずむの代わりではありませんし、
 私の愛する先輩は、そんな弱音を吐くような人ではありませんっ!
 私の、私の好きな先輩は、もっと、もっと……」
「……もっと、なんだよ」
「もっと、強くて、優しくて、正しくて……」
「正義の味方じゃないんだから」
「ご自分を騙すようなまねはしない方ですっ!」
「買いかぶりすぎだよ」

私は先輩をグーで殴りました。グーです。平手打ちに続いてグーです。もう終わりです。
「……痛てっ」
「先輩は、先輩は、大佛はずむのことが好きなんでしょう!
 わたしにあきらめないと言ったのは嘘ですか?」
「そんなこと言われても、振られたんだぞ。どうしようもないだろう?」

先輩の声が1オクターブ下がります。それでも私は止めることができません。
「どうせっ!どうせ先輩のことだから、ご自分から身を引いたのでしょう!?」
「なんでわかるんだよ?」
「わかりますとも!先輩はバカで不器用だから、自分が身を引けば丸く収まるとか、
 そんな甘っちょろいことを考えたに決まっていますっ!」
「ひどい言われようだな」

先輩のあきれたような口調にハッとしました。いくらなんでも、失礼すぎました。
「すみません……でも、そうなんでしょう?」
「いや、謝るのは私の方だ。すまなかった。おまえに失礼なことを言っちまった。
 そうだな。今でも私ははずむが好きだ。自分に嘘はつけないな」
「先輩……」
「おまえに殴られて、気がついたよ。ありがとう」
「そんな、ごめんなさい、先輩、痛くないですか?」

先輩の頬を見ます。少し赤くなっています。私はなんてことをしてしまったのでしょう。
「こんなの、気にすることないさ」
頬をさすりながら先輩が微笑みます。
「でもさ、あたしのことをバカだの不器用だの言ってくれたけど、
 おまえも相当にバカで不器用だと思うぞ」
「……私もそう思います」
「はっ、あははは」
「えへへ」

夕陽はとうに沈んでしまいました。先輩が私の肩を抱き寄せます。
私は、先輩の胸の中で、笑って、そして、泣きました。
先輩は私の頭をなでながら、笑って、そして、泣いています。

夜空に星が浮かぶようになって、私は先輩の胸から顔を上げます。
先輩は私の顔を見て、にやりと笑います。
「おまえ、顔、涙でぐちゃぐちゃだぞ」
「先輩もすごいことになってますよ」
「そうか」
二人、くすくすと笑いあいます。
348ひまわりは咲き誇る(4/4):2006/04/03(月) 05:06:51 ID:d3EOv1jY
涙も涸れました。私達は、いつもの私達です。
「先輩、これからどうなさるのですか?
 先程は勢いでああ言ってしまいましたが、こんなにも先輩を想う後輩のひたむきな愛情に
 心を打たれて、本当に愛しているのは私だと気づいてくださってもよいのですよ?」
「……おまえなぁ。いろいろ台無しだぞ?」

あきれたような口調の先輩。でも、
「言えることは言っておこうかと思いまして」
「そうだな。おまえと同じで、言えることは言っておこうと思う。
 明日、はずむとやす菜に、ちゃんと言う」

先輩は、いつもの先輩です。まっすぐと前を見つめています。私は問います。
「『大佛さんを今も愛している』と?」
「ああ、それと、『二人とも、幸せになれ』ってさ」
「そんな」
「おっと、勘違いしないでくれよ?あたしははずむのことを好きだけど、
 あの二人が幸せになってくれるなら、それも心から願うことなんだ」
「お人好し」
「おまえに言われたくはない。おまえに」

確かに、今日の私の行動ではお人好しと思われてもしょうがありません。
「そうだな。先のことはわからない。明日そんなことをいってしまうと、
 せっかく丸く収まったものを、かき乱してしまうかもしれない。
 やす菜からはずむを奪ってしまうかもしれないし、
 逆に、はずむに避けられてしまうかもしれない。
 可能性だけなら、はずむとは本当に幼なじみに戻って、誰か他の人と恋をするかもしれない」
「えぇと、私との恋は?」
「可能性だけならな。おまえがあたしの一番になったら、ちゃんとそう言うよ」
「そのときまで私が、先輩の方を向いている保証はありませんよ?」
「そのときはおまえを追い回してやるから、覚悟しろ」

先輩に追い回される私を想像します。なんだか全然ピンときませんが、それはそれで楽しそうです。
「楽しみに待っていますね。では、そろそろ帰りましょうか?」
「そうだな。もう日も暮れた。帰るか」

二人、夜空の星を見上げます。
先のことはわかりません。これから、私にも先輩にも、そして全ての女の子には、
悲しいことや、つらいことが起こるのでしょう。
それでも、楽しいことや嬉しいことも、また、なくなりません。
私達は、いろいろ乗り越えて、笑いあって生きていきましょう。それこそ、姦しいくらいに。
349102:2006/04/03(月) 05:17:13 ID:d3EOv1jY
12話でのとまりの決意を、私は否定するつもりもありませんし、
そんな彼女だからこそ、私はとまりを愛してやまないのですが、
だからこそ、ENDロールと共に流れるとまりの笑顔が、つらくて悲しくて。
私は結局、終わりを引き延ばそうとしているだけかもしれません。
それはエゴでしかないとは思いますが、私がとまりととまりファンに捧げられるものは、
こういうものしかないので。
350名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 07:38:56 ID:Oovh+/Hn
>102氏
読ませていただいた。
気の強いとまりが泣くと可愛いGJ!
個人的には、とまりは高校卒業後、普通に彼氏が出来てって感じの未来かなー?
はずむとは生涯親友路線で
351名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 08:45:17 ID:UKrPQMbv
>102さん とっても、女の子で男前な(←両方誉め言葉)とまり。乙です。

個人的な妄想エンド(それから○年後)
ウエディングドレスで式場を走るはずむ「わぁ、遅刻しちゃう」
後を追うとまり、こちらもウエディングドレス「もう、はずむがグズグズしてるから」
はずむ「あうー、ごめん、とまりちゃん」
とまり「あぁ、もう、何にも始まらないうちから、泣かない!」
式場の入り口に到達。そこには、やす菜。同様にウェディングドレス。
やす菜「さぁ、行きましょ」
ドアを開けると、三人の男の人、顔はよく見えない。それぞれがそれぞれの男性の手を
とり、式場の奥へと歩んでいく。
参列している人たちの拍手。中には号泣するはずむ父や、あゆき、そして明日太(は可哀想か?)
の姿。
式場の庭で記念撮影。三人一緒に。
はずむ「皆も写ろう!」で、あゆき達も来て皆で写真をとってエンド。
352名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 11:54:35 ID:YgwcfaaI
>>349
まもりちゃんGJ!
とまりファンの一人としてありがたく読ませていただきました。
補完ありがとー つД`)・゚・。・゚゚・*:.。

>>351
ちゃんとふくらませて1本のSSにするんだ! と焚きつけてみるw
353名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 20:03:25 ID:mUaR77t0
>351
>それぞれがそれぞれの男性の手をとり、式場の奥へと
読み手にも、ものすごい勢いで寝取られ感がw
354名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 22:15:45 ID:aYV1ZJ5+
>>351
男の人は余計だと思ふ。
ここは、はずむ、やす菜、とまりの3人の重婚AND同性婚でいいと思う。
どうせ結婚式はイベントであり儀式なんだから。
法律的には不可能でも、形式であっても同性、3重婚ウェディングベルをやる意義はある。
355名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 23:25:41 ID:YgS+S6MB
かしましは女が女を好きになる話じゃないしな。
「女の子になってもわたしは彼が好きです…」という女の子達の恋の行方は…?だから。
(世界が見えるようになった)やす菜ととまりも、はずむが男に戻ったら喜ぶのは確実。
だから、かしましは百合好きから敬遠されてるんだよな。
356102:2006/04/04(火) 00:59:17 ID:YmUXcc7q
みなさまありがとうございました。
>>351 さんにはそれから○年後までつけてもらって、こんなに嬉しいことはありません。
これからはまた、お気楽〜なものが書ければいいなと思っています。
ではでは、アニメ・ゲーム・コミックスのとまりちゃんと、はずむ君たちが
幸せになることを願いまして。
357名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 01:13:00 ID:ovAhedgx
>>355
アニメスタッフは、はずむが女であっても男であっても愛情が成り立つ
性別を超えた純愛を描いたと明言してますよ。
だからやす菜・とまりは男に戻っても「はずむ(君)が喜ぶなら嬉しい」という程度でしょう。
単に百合という訳でなく、性別を超えた愛、そこが百合と違う
TSの王道というべき愛の絆ですよ。
だから>>351は女同士で結婚式を行わないと。
形式というか心のケジメとしての儀式でいいじゃないですか。
あやかし忍伝とかプリティタフみたいな。
358名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 01:35:18 ID:aodY1SzN
1より。
> ●お約束
> ・気に入らないカップリングがあっても文句を言わない
359名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 02:33:09 ID:ovAhedgx
では自分で焼き直しで

かほる「ついにこの日が来たんね。はずむ、すごく綺麗よ」
徹「ウッ、ウウッ。やっぱりはずむお嫁にいっちゃやだ〜お父さんとこのまま駆け落ち・・・」

ゴスッ、ドカッ

かほる「大丈夫、お父さんも本当は祝福してくれているから」

例の音楽をバックにウエディングドレスのはずむが進む。
真っ赤なじゅうたんが道のように真っ直ぐにひかれている。
俗にいうバージンロード。
その両脇には長椅子が並んでいて、
あゆき・明日太・並子先生、さらに徹を縛り付けたかほるがいる。

明日太「はずむがお嫁さんかよ…しかも神泉までお嫁さん…うーむ」
あゆき「こういう形の結びつきに慣れていないだけ。
    ヨーロッパでは女同士の結婚式だって普通にあるものよ」


そして、バージンロードの向こう、祭壇の上には、
神父様と、ウエディングドレスに身を包んだやす菜がはずむが行くのを待っていた。

「汝、富める時も貧しき時も、健やかなる時も病める時も…」

やす菜「はずむ君…とまりちゃんはとうとう来なかったね…」
はずむ「うん…」
顔を落とした二人、そこに息を切らして駆けつけてくる
後姿の女性、二つに結んだ髪が揺れている。

「お前達幸せになれよ。不幸になったら承知しないからな」

3人の視線が絡み合いEND
360名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 07:22:38 ID:5XM2Upmi
>「はずむ(君)が喜ぶなら嬉しい」程度でしょう
いや、とまりは確実に大喜びだろ。
361名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 13:25:21 ID:LyWegs1p
ばかほりの科してた「女の子の自分を受け入れ悩まない」という縛りだけは、本当に余計だったな。
362名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 14:16:52 ID:nLwMHXV1
はずむキュンもいつの日かパパの手を放れて、結婚しちゃう時が来るんだな

パパ「せめて初夜だけでも私が」
はずむ「お父さん嫌!やめて!お母さん助けて!お母さん!」
363名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 16:53:20 ID:gHKaagGS
元・息子の写真集とか出しかねない親父だ
364名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 17:11:55 ID:zZg+dPg4
あかほりの作り方「女の子と恋愛し、男を相手にしない」はすごく良かったな。
365名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 18:57:46 ID:10zvWiBc
>361
とは言え、結局その縛りも中途半端に解かれてる罠。
三巻のはずむはボーイズ色が強いし。
366名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 21:28:15 ID:KX2Yv6Q2
はずむは筋肉質のイケメンだったんだよな。
♂時代のはずむを想像し辛い
367名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 21:56:59 ID:THcOPf90
はずむ兄貴 か
368名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 22:05:23 ID:iX/yTbaI
はずむは総受けだから、誘われるままにセクロスを妄想。
369名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 22:19:50 ID:VyiZNcWH
>366
男時代はずむ>見た目はそうでもないけど、脱いだら意外に引き締まってる系では。
           多分、体重も非現実的な感じで(もちろん勝手な憶測)
370名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 22:20:51 ID:GDgeDjI/
はずむそのまま、明日太→♀の方がTS物としては面白かったんじゃないか、と思えてくるのが怖い (;´д`)
371名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 22:57:42 ID:KXDkbhJX
先生!TSってどういう意味ですか!?
372名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 23:01:32 ID:+NI9kqm3
>>361
この作品はTSがメインじゃないから。
373名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 23:31:17 ID:cG43tkLf
>372
当初はそうだったに違いない。
今はあかほりもつまらん事を言ったと思ってるだろ。   
374名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 23:32:30 ID:2aQ/mKgt
>372
でも、結局は>365 な感じは否めなそう。

しかし、いくら悩まないっていっても、家の中でもスカートってのはうそくさい。
絵的な問題だろうけどね。

TSはトランス セクシュアル:性同一性障害 だっけかな。
でも、漫画とかのジャンル的には単に性転換物という意味合いだと思う。
375名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 00:45:38 ID:rCDkVq+2
TSって単純に「性転換」って意味だと思ってたわ
376名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 04:56:12 ID:z97T6t1z
>>372
この物語は
「好きな人が女の子になってしまっても、私は(あたしは)はずむ(君)が好きです」
のヒロインによる物語ですよ。
377名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 10:45:46 ID:4ANS1uVa
三巻読んだが、はずむ運命因子移植成功後も、♂ボディに戻せない理由がよく分からん。
誰かと運命をともにするんだからOKと思うがなー?
378名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 10:47:11 ID:WUacaOfL
>>377
よく読めって
379名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 11:33:20 ID:/ElbQQG/
↑理解できてないヤシ
380名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 11:55:02 ID:A7gjw7cW
一番の馬鹿は379って事でいいのカナ?

381名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 12:00:56 ID:/1CATUNk
だってーうちゅーじんがそーいってたしー>378、380
 
382名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 13:03:35 ID:f5Xb+Boq
まあ、そもそも説明不十分で理屈もよく分からないから>運命因子
玉虫色の展開を狙ってそう。
はずむが生きのびたら、結局男に戻る戻らないという話になったりしてな
383名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 13:27:53 ID:kY6r1Rpw
かしましの世界に理屈を求めるのは無理
384名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 18:04:07 ID:LTWBffUc
かしましゲームおもしれぇ!!
何あのナース服、挑発してんの?
コスチュームモードではずむきゅんいじってたらいつの間にか3時間とか過ぎてましたよ全く

つー訳で、湯ノ山村でいっぱい遊んであのねENDの傷も癒えたので
ぼちぼちSS投下しようと思います
エロなしです、注意
385『とまりバイシクルっ!』:2006/04/05(水) 18:05:56 ID:LTWBffUc
1.

八月一日。ミンミンゼミも騒がしく鳴く、夏真っ盛りといった快晴。
あたしはいつもの四人と一緒に、エアコンのがんがんに効いた喫茶店でお茶をしながらだべっていた。
「だから言ってやったんだよ、お前はいっぺんサバンナでも行って、本物のチーターの走りを見て来い、ってさ」
「あはっ、なにそれ、そんなの見たって全然参考にならないよぉっ」
「要は気合の問題なんだよっ。それくらいの気持ちじゃなきゃ、大会じゃ勝てないってことさ」
愚痴っぽい話に一息つけて、すっかり汗をかいてるグラスのストローをすする。
ほのかに甘いアイスコーヒーが、渇いたのどを潤おしていく。
「お待たせしましたー」
「あ、来たっ」
ウェイトレスのお姉さんが、向かい側に座るはずむの前にチョコレートパフェを置いて立ち去る。
幸せそうにパフェをもくもくし始めるはずむの顔を見ながら、あたしは気だるそうな声で続ける。
「なんつーかさ、もうちょっと根性のあるヤツがいないと、先輩としては安心して後を任せらんないっつーかさー」
「ふふっ……でもとまりさんって、運動神経いいから、普通の人とは感覚が合わないのかも」
フォークでベリーのパイを突っつきながら、斜向かいのやす菜がおかしそうに言う。
「そおかぁ?っつか、いまいち褒められてる気がしないな、それ……」
「まあ確かに、お前が走ってるトコって、何かの動物っつうか、野生のオオカミに育てられたって言われても納得でき」
後ろの席にいた明日太を黙らせて、テーブルのほうに向き直ると、パフェと格闘していたはずむが久し振りに口を開いた。
「でもさっ、僕、アフリカとかアマゾンとかに生えてる熱帯植物って、一回見てみたいかも」
「……お前はなんの話してるんだよ……」
「え、え?とまりちゃん、サバンナの話、してたから……」
「はずむ君、ずっとパフェに夢中だったものね」
「すごい……もうクリームしか残ってない……」
3分で空になったパフェのグラスを見ながら、あゆきとやす菜がため息をつく。
「はぁ……女になってからホント、遠慮ないよな、お前……」
「え?ええ?」
こっちの呆れ顔の理由を、まるでわかってないはずむ。
説明を求める目を無視して、あたしがストローをくわえたところで、やす菜が両手の先を合わせながら話を切り出した。
「あ、植物で思い出したんだけど。今度みんなで、サイクリングに行かないっ?」
「ぶっ!!」
思わずコーヒーを吹きそうになる。けほけほいってるあたしの背中を、隣のあゆきが無言でさすってくる。
「……どしたの?とまりちゃん……」
「と、とまりさん?」
「へ、へーきへーき……ちょっと、むせただけだから……で、な、なんだって?サイクリング……?」
なるべく平静を装いながら訊き返す。気を取り直して、やす菜が具体的なところを説明し始める。
「ええ。先月、隣町に出来た自然公園。そこに植物園があるんだけど、サイクリングコースが一緒になってて、結構広いんですって」
「わあっ、植物園っ?いいね、僕、行ってみたいなっ」
「ふふ、はずむ君、きっとそういうの好きだろうなって思って」
「いいなー……きっと日本じゃ見られないような珍しいお花とか、いっぱいあるんだろうなー……僕、鉢植えに収まるくらいの可愛い花も好きだけど、ラフレシアみたいな派手で大きいのも、いつかお世話してみたいな」
「私も、食虫植物が動く様子、一度間近で見てみたいわ」
「……植物園を……自転車で、か……」
386『とまりバイシクルっ!』:2006/04/05(水) 18:07:41 ID:LTWBffUc
テンションの低いあたしの一言に、はずむがはっとしてこっちを見る。
まずい、こいつのことだから、きっと……。
「そ、そっか、とまりちゃんは――」
「や、やす菜っ!それってっ、いつ行こうと思ってるんだっ?」
はずむの声にかぶせるように、慌ててやす菜に質問を振る。
「え?……ええっと、私は休み中なら、いつでもいいけど……」
「そ、そか……で、でもさーっ、やっぱサイクリングってなると、入園料とか自転車の貸出料とか、色々出費がかさむよなー」
「それは……まあ……少しは……」
頭の後ろに手をやって、怪しまれないように自然な感じで笑う。
「そーかー、い、いやー、実は今月、財布の中身がピンチでさーっ。だから、今回はあたし、パスするわー、ははっ、はー」
「今月はピンチって、まだ八月は始まったばかりでしょう」
「うっ…………いや、その、ちょっと今、新しいシューズが欲しいかなーって、小遣い、貯めてて……」
「それなら今月は止めにして……来月の祝日とかにしましょうか。みんなで行ったほうが楽しいし……」
やす菜が気を遣うようにして、逃げ道を塞いでくる。
あたしをハブるっていう選択肢が、嬉しいことに、やす菜の頭の中には無いようだ。
「あ……いや…………………………は、はずむっ!」
必死に頭を巡らせた末、あたしはテーブルを乗り出して、プレッシャーを与えるようにはずむに顔を寄せる。
「な、なにっ?とまりちゃんっ」
「お前、今すぐにでも植物園、行ってみたいよなぁっ!?今月中に光合成したての酸素吸わないと、発作で死んじまうよなっ!?」
「そ、そんな病気持ってる人……どこ探したっていないよ……」
あたしの熱気に気圧されつつも、はずむが弱々しくツッコんでくる。
そんな指摘をものともせずに、あたしは有無を言わせぬ勢いででたらめに喋る。
「でもほらっ、お前さっき熱帯植物見たいとか言ってたじゃんっ、今は夏だしそこ行きゃそういうの絶対置いてあるはずだし、つーか今行かないと秋になって枯れちまって見れなくなるぞっ!?」
「そういうのは、多分、ビニールハウスで――」
「あーっ!!あたし、今年から花粉症にかかってたんだったっ!花とか近づいたら多分、く、くしゃみぃっ、止まんないわぁっ!うんっ!」
「……とまりちゃん……………………そっか、それなら、仕方ないよね」
はずむが一旦口をつぐんだかと思うと、冷静な口調でそんなことを言った。
お、押し切った……かな?
「じゃあ、僕とやす菜ちゃんとあゆきちゃんと、三人で行こう。早くお花、見てみたいし……一週間後の火曜日で、どうかな?」
はずむが今回の参加メンバーに決定を下し、詳しい日程を提案する。どうやらこっちの言いたいことは、伝わったみたいだ。
「日にちはそれでいいけど……やっぱりお出掛けするの、別の所にしましょうか……?」
気持ちあごを引いてこっちを見ながら、やす菜が伺いを立てるように言う。
口を出そうとしたあたしに代わって、はずむがさらっとやす菜の意見を流す。
「いいのいいの。僕、早くそこ、行ってみたいし。とまりちゃんなら一人でほっといても、一日中トレーニングとかしてるよ」
「……お前から見て、あたしには陸上しかないのかよ……」
ここでごねてまた話を戻すわけにもいかず、頭を抱えて怒りを押し殺していると、あゆきがふっと湧いたように、疑問を口にした。
「とまりの事はそれでいいけど。はずむ君、早く植物園、行きたいんでしょう?一週間後なんて言わずに、明日でもいいのよ?」
? そういやそうだな。なんでわざわざ一週間後なんかにしたんだ?
あゆきの指摘に、はずむが少し慌てながら答える。
「あ、えとねっ、ほら……滅多に見られないような植物を見に行くってなると、それなりに観察のための準備が必要かなって、それで……」
「ふうん…………園芸の研究に余念が無いのね…………まあ、集合時間とかその辺りの細かいところは、また後日打ち合わせましょうか」
それで納得したのか、あゆきはそれっきりまた、いつもの引率者モードに戻った。
まあ、とりあえず、なんだ。
なんとかバレずに、済んだみたいだ。
387『とまりバイシクルっ!』:2006/04/05(水) 18:08:56 ID:LTWBffUc
    *    *    *    *    *    *
「私、ちょっとお買い物してから帰るから、ここで……」
「私も用事があるから、一緒に失礼するわ」
「そか。じゃあ、また明日にでも、な」
「またね、やす菜ちゃん、あゆきちゃん」
喫茶店の前で二人と別れて、あたしははずむと肩を並べて、家までの道を歩き始めた。
五時を過ぎても日はまだ明るく、カラスの鳴き声も遠くからしか聞こえない。
夕飯の買出しでにぎわう商店街を抜けて、静かな住宅地に入ったところで、あたしははずむにそれとなく礼を言った。
「あのさ…………さっき、ありがとな。気ぃつかってくれて」
「ん?……うん……僕こそ、ごめんね。とまりちゃん、乗れなかったんだよね、自転車」
「…………あれっきり、ほっぽったままだからな……」
そう。
実はあたしは、自転車に乗れないのだった。
最後にペダルを踏んだのが、小1の入学間もない時。
近くの公園で練習中に、盛大にコケて、膝を擦り剥いて。
親やはずむに言わせれば、その後なだめつけるのに相当大変だったらしい。
転んだ時の映像が、子供心にちょっとしたトラウマになったようで、しばらくは自転車を見るのも嫌がっていたそうだ。
「ふふっ、とまりちゃん、すごかったよねえ。普段は全然泣かなかったのに、あのときだけはお日様に助けを呼ぶみたいにして、わんわん言ってた」
「なぁっ!な、なんでお前って、そんな変なことばっか覚えてんだよっ!」
「『しろいめだまがこっちみてる〜』って、僕の背中に隠れながら、ライト指差して。あはっ、思い出してきちゃったっ、あははっ、ふふはっ」
「ぅうっ、うるさいっ!!笑うなっ!!」
人にアルバムを見られるような、そんな恥ずかしさに耐え切れず、飛び掛かってぷにぷにの頬を横にぐにーっと引っ張る。
「あふぁふぁっ、ふぁっ、いふぁっ、いふぁいよ、とまりひゃんっ、あはっ、はふぁはっ」
「うるさいっ!へらへらした目でこっちみんなっ!」
「ふぁはっ、はっ、だっひぇ、とまりひゃん、かおあひゃふなっひぇう、あはっ、はっ」
くううっ! はずむのヤツ、完全にあのときのあたしを見る目だっ!
顔の筋肉が下に引っ張られてるせいで、恵比寿様みたいに目尻が垂れる。それが余計にバカにされてるみたいだ。
あたしが執拗に頬をこねくり回すと、やっと降参したのか、はずむが軽く両手を挙げた。
「あふぁふぁっ!ごふぇんごふぇん、ふぉう、ふぁらふぁないふぁらっ!ふぉう、うるひへっへふぁっ!あはふぁっ、ふぁはっ!」
「めちゃくちゃ笑ってるじゃねーかっ!……くそ、もういいっ、これ以上おたふく顔になられたら、こっちの気が滅入りそうだ……」
もち肌の感触をちょっと名残惜しく手離すと、はずむは赤くなった頬を気にしながら、へらへら顔のまま言った。
「あはっ……でもさ、とまりちゃん、なんでさっきほんとのこと言わなかったの?自転車乗れないって、そんなに恥ずかしいことじゃないと思うけど」
「あたしはお前みたいにのーてんきじゃないんだよっ。つか、もう高校生だぞっ?恥ずかしいに決まってるだろっ」
そうだ。この歳になってそんなこと、人に言えやしない。
というか、中学の頃に一度、クラスの男子の何人かにバレて、からかわれたことだってあるんだ。
もちろんその時はきっちり土下座して謝らせたけど、もうあんな恥をかくのはゴメンだった。
そんなわけで、あたしが自転車に乗れないことを知ってるのは、あたしの周りでは家族とはずむ、それからはずむんちのおばさんだけだ。
あゆきにだって、今でもひた隠しにしている。
388『とまりバイシクルっ!』:2006/04/05(水) 18:10:20 ID:LTWBffUc
「やす菜ちゃんもあゆきちゃんも、そんなことで笑ったりしないと思うけど……」
「わかってるよ、そんなこと……でも、なんていうか、その…………い、言えないもんは、言えないんだよっ!」
無理矢理押し返すようにそう言って、止まっていた足を動かそうとしたところで、はずむが藪から棒に高い声を上げた。
「だったらさっ、みんなに内緒で、明日から自転車の練習しようよっ!」
「なっ、ぅええっ!?」
急な誘いに、素っ頓狂な声を上げて振り返るあたし。
こっちの吃驚もなんのその、はずむが胸の前で両手の指を合わせながら、一人でお構いなしに話を進めていく。
「ほんと言うとね、僕のほうは最初からそのつもりだったんだ。植物園は早く行ってみたいけど、やっぱりとまりちゃんがいないと静かすぎてさみしいし……
 僕が一緒について猛特訓すれば、とまりちゃんなら一週間で自転車、乗れるようになるよね?場所は……飛舞川(ひまいがわ)の河川敷がいいかな、あそこ地面、草だし」
「ちょ、ちょっと待てっ、あたしは別に行かなくてもいいってば!つか、勝手に話決めんなっ!」
こっちの承諾も得ずに計画を練っているはずむに、慌てて顔を寄せる。
少し体を引き気味にして、はずむがそれでもあたしをやり込めにくる。
「でも、とまりちゃんが自転車に乗れるようになれば、みんなで一緒に、ちょっと遠出したりもできるし……」
「いいってばっ!並んで自転車なんか漕ぐより、あたしは走ったほうが速いんだよっ!」
「……自分でそこまで言っちゃうと、僕もちょっと、対応に困っちゃうかな……」
と、はずむの苦笑いが、不意に屈託のないものに変わる。
「でも、やっぱり僕、とまりちゃんと一緒にお花、見に行きたいよ。とまりちゃんと黄色のコオニユリが並ぶと、すっごく映えるんだよ」
「――――――っ!!」
至近距離でそんなことを言われて。完璧に不意打ちだった。
心臓が一瞬に爆発して、思わずばっ、と距離を取る。
背中を向けてしゃがみ込んだまま、熱くなった耳を冷ますのに必死になる。
な、なんだってこいつはっ、こういうはずかしくなるようなこと、へーきでっ……!
「ほんと、とまりちゃんが後ろに立つと、色の深みが引き立つっていうのかな。対極的な雰囲気が、いっそう華やかさを際立たせるっていうか。とまりちゃんのおさげ、おしべに似てるし」
いや、まてよあたしっ!はずむに花が似合うなんて言われたの、小3の時に「猫じゃらし振り回してるとこかっこいい」って言われて以来じゃないか……!
「あ、でも、ヒマワリの横に立ってもらっても、体がちっちゃい分、花が大きく見えていいよねっ」
やっぱりここは、花を摘んでる姿とか見せて、普段眠ってる女っぽさをアピールするチャンスかぁっ……?
「………………や、やる」
「え?なに?とまりちゃんっ」
すくっと立ち上がったあたしに、はずむが犬みたいな顔で聞き返してくる。
あたしははずむの顔を上目遣いで見つめながら、めちゃくちゃ淑女っぽく明日からの練習のエスコートを申し込んだ。
「自転車っ!練習っ、してみるっ!!」
「……き、気合が入ってるのはわかったから……そんなににらまないで、とまりちゃん……」
389名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 18:15:00 ID:LTWBffUc
以上です
アニメの最終回ではとまりちゃん自転車乗ってたけど
脳内で設定改竄してるからなんともないぜ!

続きは近いうちに投下できたらいいですよね
390前スレ406:2006/04/05(水) 18:17:36 ID:LTWBffUc
名前書き忘れた、>>384-389は前スレの406です
391名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 18:27:40 ID:UrYbXRAy
久々の御登場!
投下、乙であります(`Д´)ゝ
392名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 20:27:40 ID:BPcbsTa5
好きな人との秘密特訓!?とまりにはスポコンが良く似合いそうだ。
続き、楽しみにしてます。
393名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 21:52:24 ID:DShxhUov
>>377、こんな感じ?

とりあえずやす菜ルート

宇宙仁「喜べ。大佛はずむに、神泉やす菜の運命因子を移植するのに成功したようだ」
はずむ「じゃ、じゃあ、僕はやす菜ちゃんとずっと一緒にいられるの!」
やす菜「ホント…、本当に?うれしい…!(泣)」
宇宙仁「…ところで、神泉やす菜の運命因子に寄り添った今なら、大佛はずむの肉体を、運命因子の尽きている男性体に戻す事が可能なのだが」
はずむ「えぇ!ホントに!?僕、男の子に戻れるのっ!?」
宇宙仁「うむ。理論的には、だ。元・少年」
やす菜「…よ、よかったわね、はずむ君!」
宇宙仁「ただ、それには君達ふたりが、それを心から強く願う事が必要だ」
はずむ「男の子に戻れるなら、僕、やす菜ちゃんにウエディングドレスを着せてあげられる…(泣)」
やす菜「(えー…、はずむ君が男の子に戻っちゃったら、見えなくなるかも知れないし、…何か嫌だな)」
 運命因子の乖離。
 はずむ、あぼーん    ……END
394名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 22:21:32 ID:BPcbsTa5
リアルにありそな設定…>393
395名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 23:08:41 ID:qcpObUsQ
>>384
GJ!
自転車乗れないことバレないかうろたえるとまりんカワイスw
湯ノ山村イキタス…時間ナサス… まぁ1度とまりんでクリアしてるけどねw
396名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 00:15:05 ID:WktmdQHn
>>384
非常によかった。うんうん、やっぱりとまりんはこうじゃないとね。
「かわいい」と言ってもらいたいために、手のひらを返したようにやる気になるとまりちゃんが、
すでにえらい可愛いのだと言うことを力説したい。続き待ってます。
397名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 07:16:55 ID:apZV9ZBz
>393
やす菜を選ぶとBADENDみたいだ。
398名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 08:03:01 ID:PnAKqcWj
漫画とまりは最初からフェイドアウトで台詞すらありません。
399名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 13:13:53 ID:9UugBA1+
はずむ「とまりちゃん一緒に帰ろう」
とまり「あ…あたし部活あるから」

はずむ「とまりちゃん一緒に食べよう」
とまり「…」(何も言わず出て行く)

はずむ「とまりちゃんどこ行ったんだろ」

顔を合わすのを避け早足で帰る 

とまりを選ぶ事はできずフラグは立ちません。
漫画はこんな感じかな。
400名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 14:48:55 ID:VjuxmFsZ
>397
やす菜が男を見えないままだと、TRUEENDではないだろ。
でも、はずむの寿命の件でうやむやにスルーされそうな気がする
401名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 20:06:13 ID:QPMIL5n4
>>400
その論法だとはずむを明日太とくっつけるのもハッピーエンドじゃないなw
402名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 21:38:07 ID:jHEnTY0F
>>401
いやいや、はずむが孕むと運命因子云々の問題が
華麗にスルーされて(この板的にも)ハッピーエンド。
…これじゃ、まんまあかほりクオリティだな(笑)
403名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 21:53:40 ID:KTJcdoDK
はずむが、運命因子が尽きた挙句に女にされてしまったのは、やす菜の呪い、とか言い出す超展開を希望
404名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 21:55:18 ID:HUlHAlJf
それ、どう考えてもアンハッピーエンド
ということだから、ちゃんとしたはずむ×やす菜の話が見たい。
405名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 23:44:29 ID:aoqlu7Ji
やす菜は需要無いみたいだしな。
職人さんも、投下しても叩かれるだけ損だと感じてそう
406名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:00:10 ID:w0u+DpTz
(゜Д゜) ハア??
ここで一番希望が多いのが
はずむ×やす菜に見えるんだが。
407名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:01:23 ID:vmSzLMFx
(゜Д゜) ハア??
ここで一番投下が多いのが
明日太×はずむに見えるんだが。
408名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:07:15 ID:w0u+DpTz
>>407
需要と供給は違うの
判りますか?
409名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:09:54 ID:DVTlbXAm
ためしに>>393を改変

とまりルート

宇宙仁「喜べ。大佛はずむに、来栖とまりの運命因子を移植するのに成功したようだ」
はずむ「じゃ、じゃあ、僕はとまりちゃんとずっと一緒にいられるの!」
とまり「ホント…、本当なのか!?はずむ…!(号泣)」
宇宙仁「…ところで、来栖とまりの運命因子に寄り添った今なら、大佛はずむの肉体を、運命因子の尽きている男性体に戻す事が可能なのだが」
はずむ「えぇ!ホントに!?僕、男の子に戻れるのっ!?」
宇宙仁「うむ。理論的には、だ。元・少年」
とまり「はずむが男に戻れるって・・・!?」
宇宙仁「ただ、それには君達ふたりが、それを心から強く願う事が必要だ」
はずむ「男の子に戻れるなら、僕、お婿さんになれる・・・!とまりちゃんにウエディングドレスを着せてあげられるよ・・・(泣)」
とまり「はずむっ!よかった、・・・本当に、よかった・・・(泣)」
 運命因子は紡がれていく。    ……END

とまりだと、全然問題ないな・・・。

410名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:39:45 ID:Pt6wEGWy
供給がない理由→書きたいと思う人がいないから
>>135氏のやす菜SSとか良かったのに、叩かれてたし。
次作をリクすれば、はずむ×やす菜とかも書いてくれたかも知れないのに ('A`)ホントバカガ…
411名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:51:29 ID:3RSXnoD3
>>410
おいおい(笑
>>135はどう見ても明日太とやす菜の話
スレ最初からリクエストがあったのはあくまで
はずむ×やす菜でしょ。('A`)一体どうしたら理解できるのか…
412名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 04:06:10 ID:aWIu1xzv
俺ははずむと明日太の話を見に来てるよ
本編でありえない組み合わせだからこそ気になるw
413名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 04:23:53 ID:g3RVlOOz
本編未見でエロパロでしか、かしましを知らない俺が来ましたよ
414名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 07:10:55 ID:Npjm9VT4
>>411の自供により、はずむ×やす菜のSS投下が、今後も絶望視される件で
415名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 08:46:36 ID:TtzNyFoK
よく分からないが
>>410>>414がはずむ×やす菜SSを貶めたいのはよく分かった。
416名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 09:30:48 ID:PzXIaoiP
414は皮肉だろうけど410は割とフォローしてくれてる意見だと思う。

マジレスで言うと、やす菜は割にはずむに優遇されてるっぽいから、そんなに、書かなくてもいいか
と思ってしまう所と、妙にキャラを動かしづらい所があって、ネタが出づらい。>個人的意見
故に、他の職人さんも、他の人たちとの絡みが多くなるんじゃないかなと思うんだけど。
135氏なんか、かなり頑張ってたと思うが。これが135氏のとっかかりと、なったかもしれないのに。
職人の皆さんは、基本的に「これを書きたい!」が中心と思われるので、いちいち騒がれても、うざいとしか
思われない。黙って待つか、黙って去るかをお勧めする。
417名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 11:53:01 ID:EyMyZfxx
>416に同意
418名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 12:28:33 ID:RkXw5ih6
実を言うと135氏のSSを読んで、「男に関心を持ち始めた自分」ははずむを裏切っているのではないかと葛藤するやす菜と、それを優しく包むはずむとの夜…などを妄想してた。
135氏におねだりしてたら、もしかしたら書いてくれたかも知れないと、今さらオモタ >416
419本スレ316:2006/04/07(金) 16:46:54 ID:AHW6EHSb
かしまし13話予想を書いたところ、
ここで大丈夫と言われたので、これから7レスほど投下します。
420アニメ13話はこんな感じ?(1/6):2006/04/07(金) 16:47:27 ID:AHW6EHSb
Scene1:あゆきの疑問

あゆきは1つの疑問を抱えていた。
『あたしには、自分の足がある』
そう言って微笑んだとまり。
(12話エピローグ:みんなでお弁当のシーン)
あの日からとまりははずむ君とやす菜の恋仲を心から応援するようになった。

『お前しか、いないんだ…』
あんなに苦しんだのに…
そして、今でもはずむ君を想う気持ちは変わってないと思うのに、どうして…?

秋の長くなってきた日差しが校舎の廊下を鮮やかに染め上げていく夕刻、
そこで偶然やす菜と出逢った。

「あっ、摩利さん、こんにちは」
「こんにちは。ちょっとここでお話、いいかしら」
「…?」

私はやす菜に先ほど考えていたことを伝えた。

「わたしも、ちょうどそのことであなたとお話したかったところなの」

        『お前ははずむに側に居てほしい…だろ?』
            『やす菜ちゃん、大好きだよ』

「あの時とまりちゃんとはずむ君は、
 わたしのことを親身になって心配してくれた」
「……」
「そして、ふたりの想いを受け入れることができた私は、世界が見えるようになって」

          『ずっと、信じてたのに…どうして?』

「いろいろと大変なこともあったけど、
 それを乗り越えた今のわたしの気持ちは、
 きっと肝試しをした日、摩利さんとお話したときと変わらずに
 ここにあるんじゃないかな、って思うの」

    『はずむ君のこと、きっと来栖さんも本気で好きだから、……
      わたしと同じ気持ちの人がそばに居るんだ、って。』

「やす菜は、とまりを…」
「ええ…でも、それだけじゃないの」
421アニメ13話はこんな感じ?(2/6):2006/04/07(金) 16:48:41 ID:AHW6EHSb
Scene2:『はずむ君、あのね…』

ある日の下校時。

「よう、一緒に…」
「ごめんねとまりちゃん、やす菜ちゃんと園芸する約束してるんだ」
「ん、じゃあな」

「おまたせ、はずむ君」
「行こう、やす菜ちゃん」

「はずむ君」
「…?」
「あのね」

やす菜ちゃんはそう言って微笑んだ。
僕もつられて笑顔で返そうとしたんだけど…

「わたしね、はずむ君にとまりちゃんとの関係をより戻してほしいと思ってるの。
 それだけじゃない…、恋仲になってほしいとさえ思ってる」
「えっ…」
「別に…わたしに自信が無いとか、誰かから何か聞かれたとか
 そういうのじゃないから、落ち着いて聞いてね。
 わたしが、ほんとうにはずむ君のことを想ってのお話なの。」
「やす菜ちゃん…」

「わたしははずむ君が告白してくれた前の日に、とまりちゃんとお話したの。」

        『あたしより、ずっとずっと必要なんだよ』
             『ありがとう…、でも…』

「あの時、とまりちゃんははずむ君を譲ると言ってくれた。
 でも…わたしはそれをそのままに受け入れることができなかった。」

「とまりちゃんも、はずむ君のことを誰よりも大好きだから」

             『嫌、行っちゃやだ…』

「…っ」
「まだ、時間はたくさんあるから、
 少しずつでいいから考えててね。はずむ君」
422アニメ13話はこんな感じ?(3/6):2006/04/07(金) 16:49:20 ID:AHW6EHSb
Intermisson:きっかけ

(ほかに誰もいない部屋で一人悩むはずむ。
 夜もすっかり更けた刻、はずむの家にとまりが訪れる)

「こんばんは、はずむ」
「とまりちゃん、どうしたの?」
「はずむからやす菜に、これを渡してもらおうと思って、な」

それはあの時無くしたと思っていた、クリオネのストラップの下半分。

「とまりちゃん、どうして、これを…」
「合宿の帰りに、駅のホームで見つけたんだ。
 家に帰ったときなくしてしまってたけど、部屋掃除したら出てきてさ」
「うん、わかった。ありがとう」

受け取ったストラップのかけらを見つめる。
僕はこの前のやす菜ちゃんの言葉を思い出していた。

   『とまりちゃんも、はずむ君のことを誰よりも大好きだから』

これが、とまりちゃんの、気持ちなら…。

「あの、とまりちゃん!」
「ああ、やす菜と仲良く、な」
「あっ…うん…」

そのままとまりちゃんは帰っていった。
とまりちゃんに何か声を掛けようと思ったけど…
さっきのとまりちゃんの笑顔に、僕は返す言葉が出てこなかったんだ。

※※※

机から同じく渡しそびれていたストラップの上半分を取り出し、
今まで思い出そうとしなかった、
とまりちゃんと一日遊んだ日のことをふりかえってみる。

               『男だろ!』
          『やす菜が、待ってる…』

あの時とまりちゃんの後押しがなかったら、やす菜ちゃんも僕も…
そう思うととても怖くなった。

「とまりちゃん…」

僕は、とまりちゃんの僕とやす菜ちゃんを大事に思っている気持ちに触れ、
声を押し殺して泣いた。

「やす菜ちゃんが言いたかったことって…わかったよ」
423アニメ13話はこんな感じ?(4/6):2006/04/07(金) 16:49:54 ID:AHW6EHSb
Scene3:誓い

(昼下がり、屋上で植物の世話をしているはずむとやす菜)

僕はやす菜ちゃんに、とまりちゃんがあの日最後に
後押しをしてくれたことを話した。
そして僕が持っていた、とまりちゃんが持ってきてくれた
ストラップを手渡した。

「僕も、わかったんだ。
 とまりちゃんが、あの時後押ししてくれなかったら、
 僕もやす菜ちゃんも一生取り返しのつかないことになっていたんだ。
 そう思うと、僕は…」
「うん、わたしもはずむ君と同じ気持ち。…そして」

やす菜ちゃんは立ち上がり、両手で僕の目の前にストラップを差し出した。

「これがはずむ君の気持ち、そしてこれがとまりちゃんの気持ち、
 ふたりの気持ちが無かったらきっと今のわたしは
 ここに居なかったんだろうな、って思ってる」

僕も立ち上がって、やす菜ちゃんの両手を僕の手で包み込んだ。

「優柔不断で、いつも何も決められなかった僕だって、
 最後に何もかも失ってしまってどうにかなってたんだ。
 だから、とまりちゃんに一生をかけてでも、
 この気持ちを返していきたい、って…
 思ってて…、でも、僕は…」

僕は泣いていた。
これはとまりちゃんへの感謝の涙?
それともやす菜ちゃんへの涙…?

「はずむ君は、その気持ちをそのままとまりちゃんに伝えてあげて。
 わたしは、ずっと…いつまでもはずむ君の心とともにあるから」
「僕も…、はじめて出会ったときからずっと…やす菜ちゃん、大好きだよ」

僕とやす菜ちゃんは、初めてお互いが好きになったこの屋上で、
いつまでも、この気持ちが変わらずに居つづけると誓いの口づけを交わした。

「はずむ君、約束だよ」
「うん、やす菜ちゃんの気持ち、受け取ったよ」
424アニメ13話はこんな感じ?(5/6):2006/04/07(金) 16:51:56 ID:AHW6EHSb
Scene4:「とまりちゃん、あのね」

僕はとまりちゃんを河原へと誘った。
僕たちの言葉を伝えるために。

「とまりちゃん、僕とやす菜ちゃんのお願いを聞いてほしいんだ」
「何だよ…やぶからぼうに」
「えっとね、真面目な話なんだ」
「ああ、わかった」

背筋を伸ばして向き合ったとまりちゃんに、
僕はいったん深呼吸して、告げた。

「僕は、とまりちゃんのおムコさんになる!」
「あっ…!」

僕は戸惑うとまりちゃんの横を抜け、河原の向こう岸まで渡りきった。

「とまりちゃん」
「……」
「あのね」

「僕とやす菜ちゃんで決めたんだ。
 とまりちゃんを、ずっと、ずーっと幸せにしてあげるって」
「えっ……
 どうして、はずむ…それに、やす菜まで…」
「僕はあの時ここでとまりちゃんの後押しがなかったら、
 僕もやす菜ちゃんもどうしようもないことになってたんだ。
 昨日とまりちゃんがストラップを渡してくれたとき、僕気づいたんだ。
 とまりちゃんが、僕もやす菜ちゃんもずっと想いつづけてくれてたことを」

「はずむ…、あたしはそんな大層な人間なんかじゃないんだ。
 あの日最後まで、はずむに後悔させるようなことを言って困らせていたんだ。
 だから、あたしは…あたしなんてっ!」
「とまりちゃん!」
「……」
「とまりちゃんは…いや、僕だって、最後の最後までどうしようもなく
 迷ってたんだ。それを言ったら、おんなじだよ」
「…おんなじ、か」

「やす菜ちゃんは、僕ととまりちゃんがこのままの関係で居て欲しくない
 って言ったんだ。後ろめたさとか、そういうのじゃなくて
 僕ととまりちゃんへの感謝の気持ちを、どんなふうに返していきたいかを
 ずっと考えてた。その上でふたりで出した答えなんだ」
「でも、あたしは…もう、思い出にするって、決めたんだ」

「ねぇ、僕があの時そこでとまりちゃんに言ったこと、覚えてる?」

        『僕にとって、とまりちゃんは大切な人なんだ。
     ずっと側に居て、ずっと一緒に居てほしい人なんだ…。』
425アニメ13話はこんな感じ?(6/6):2006/04/07(金) 16:52:50 ID:AHW6EHSb
「僕は、幼なじみとか、親友とか、恋人とか、男とか、女とか…
 それ以上のすっごく大きな気持ちで
 とまりちゃんのことを見ることができて、それで大好きって思った。
 僕は、ずっとずっととまりちゃんが必要なんだ。
 だから、僕をとまりちゃんのおムコさんにしてほしい!」

顔をあげるとまりの目には、水鏡に映して男の子だったはずむの姿が見えた。

「だから…お願いとまりちゃん、ここに…来てほしいよ…」

僕は声をすすり上げて泣いていた。
とまりちゃんが飛び石を渡って僕の元へやって来る。

「あたしだって、やす菜にはずむを取られてしまいそうに感じて、
 悔しくて、寂しかった。はずむが女の姿になってしまっても、
 昔好きだったはずむのままで居てくれていて、それで大好きになった。
 あたしだって、ずっとはずむに救われていたんだ」
「…僕、今とっても嬉しい。
 とまりちゃんのためになれることができてて、ほんとうに嬉しい」
「好きだ、はずむ。
 あたしを、はずむのおヨメさんにしてくれ」
「うんっ!」

僕たちは、遠い昔から何度も思い出を分かち合ったこの川岸で、
二度目の長いキスを交わした。

「はずむ君ととまり、本当にこれで良かったの?」
「ええ、今ならわたしは、はずむ君ととまりちゃんのことを心から応援できる。
 わたしをこの世界に導いてくれた、大好きなふたりのことを。」

Fin.
426アニメ13話はこんな感じ?:2006/04/07(金) 16:54:17 ID:AHW6EHSb
Outline:あらすじ

 とまりの願いを聞き、はずむの告白を受け入れたやす菜は世界が見えるようになった。(12話)
しかしやす菜は、とまりに再び同じ舞台に戻ってもらいたいと考えるようになる。(Scene1)
その考えをやす菜の口より告げられ、はずむは一人悩みつづける(Scene2)。そんなある日、
とまりははずむの家に訪れ、やす菜に渡してほしいとクリオネストラップの下半分を渡す。
その瞬間はずむは一つの事実を感じ取るのだった。(Intermission)

 はずむはよき理解者のとまりと一日過ごしたことでやす菜を救うことができたこと、
そして決断を後押ししてくれたことに気づき、とまりの心やさしさに涙する。
翌日、はずむはやす菜に自分の持っていたストラップの上半分との2つを渡し、
とまりの心温かさに感謝した2人はとまりを迎え入れることを決め誓いのキスをする。(Scene3)

 とまりのおムコさんになると告白するはずむ。さらに河原の飛び石を渡る。
とまりははずむの心境の変化に戸惑いながらもはずむから続けてやす菜の意思を
告げられ、2人の想いは同じと知ったとまりははずむの元へと渡り、
あの時叶わなかったキスをする。
そこにやす菜とあゆきが現れ、2人の恋のはじまりを祝福した。(Scene4)

-------
Comment:コメント

ぶっちゃけてこんな最終話見てみたいなーと思いつつ、2期とか意識せずに
あくまでもアニメ6話〜12話の複線を拾いつつ作ってみた。

・肝試しの回のあゆきとやす菜の会話
・2つに割れたクリオネストラップ
・やす菜ととまりが初めて親友になれた日のこと
・とまりのはずむへの想いとその奥に隠された本当の気持ち

が、アニメ13話で語られる主な複線になるんじゃないかと勝手に予想。

はじめての連続&改行規制にとまどった(;´Д`)
最後に、SS書いたこと無いので文章力無くてスミマセン。
ここまで読んでいたたき本当にありがとうございましたm(_ _)mペコリ
427名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 17:22:41 ID:TtzNyFoK
あのー、これではやす菜とはずむの仲は?
最後にやす菜を選んだのはやす菜の想いが勝っていたからだろうし
428名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 17:30:09 ID:h0HAdaqC
やす菜儲は12話で終わったことにしておけばイイジャン
429名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 18:39:51 ID:zMkqPQTb
>426 読みやすかったですよ。これを機にSS書きに目覚めてみるのも乙かと。

感想>いや、何かね、もう、無茶苦茶ありえそうな展開だなと。

結局、本当に芯が強い子は、一人で歩かされる、みたいな→あゆき(本当は違うと思うんだけど、アニメ的にはきっとそういう設定)、やす菜
今までは守られてきたから、今度は僕が守るんだみたいな→とまり

ふと思ったけど、アニメ版と漫画版で「あー、そっちはやす菜にしたんだ、じゃ、こっちはとまりね」などと話し合いがしてあったらやだな。ま、ないだろうけど。
430名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 18:41:44 ID:oUPfXXVO
>426
熱い思いは伝わりました。
尺が短い気がするんで、別れを決めるまでのやす菜の葛藤と、やす菜からの別れの意味を理解出来ずに思い悩むはずむのシーンが欲しいかな。
>427
最後にやす菜を選んだのは同情心から。
なぜなら監督が公式に宣っている。
431名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 19:50:41 ID:aHw4+doZ
はずむが最後にとまりとデートしたのも同情心だろ。
432名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 19:51:33 ID:aHw4+doZ
つーかやす菜が別れる理由なんて何一つないじゃん。
433名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 19:55:49 ID:h0HAdaqC
アニメ版なら、他の男性も見えるようになった>カコイイ男性(明日太)に一目惚れ>はずむくん、あのね・・・

って超展開くらいは普通にありそうですが
434名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 20:39:40 ID:uOE4Pq9Q
男が見えるようになったやす菜は、はずむを神聖視する理由が無くなる。
こうなるとやす菜も、はずむに縋りつく必要もないしな。
新しい道を選ぶ展開がスマートです。
てか、ガチでそうなる。
435名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 20:41:42 ID:IzajjEfX
作品発表するときって、コテハン名乗ったらウザイ?
436名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 20:47:11 ID:NxSqYHiW
はいはいワロス
だいだいにしてやす菜が
どれほどはずむを好きなのかもう一度見直してみたら?
437名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 20:51:31 ID:iKCHrpsM
「何故男にも関わらずはずむだけが見えたのか」
ここを理解してないのに解った振りしてる奴が多くて困る
438名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 21:33:07 ID:UjjYfTyK
はずむがどちらかを選ぶってなら話は分かるが、
選ばれる側のとまりとやすなが勝手に協定だの譲るだのって意味がわからん。
ま、こうなってしまうのもはずむの優柔不断のせいなんだろうけどさ。
そもそもはずむには自分の意思とか主体性とかいうものはないのかね。
甘えてるようにしか思えんよ。少しは自分でけじめつけてみろっての。
439名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 21:39:44 ID:GF88q352
アニメをYOUTUBEで見ただけなんだろうな >レの人
440名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 21:45:35 ID:ayDO+YhQ
> ●お約束
> ・気に入らないカップリングがあっても文句を言わない

>>426
乙です。本スレで話出てから待ってたよw
クリオネストラップ、ホームに落ちてたのをとまりが見てる描写があったのに、
その後出てこなくてあれっと思ってたんだけど、13話で使うってのありそうだなぁ。
441名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 22:23:00 ID:Zg3Fg7zc
アニメスレにあったが13話はこれでいいよ


やす菜「あのね、はずむ君との間に赤ちゃんできたの」

はずむ「あのね、僕に子供できたんだ」

とまり「・・・(本当にできるなんて)はずむは父親なのか?母親なのか?」

(とまりの台詞から推測すると、かしましワールドは女同士で子供ができるヴァンドレッド方式なんだろう)
442名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 22:31:52 ID:h0HAdaqC
子供は木からできるんじゃないの?
443名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 22:52:00 ID:m9VDs0rR
コウノトリさんがセックスをするんだよ
444426:2006/04/07(金) 23:07:30 ID:AHW6EHSb
読んでくださった方ありがとうございます。

>>429
アニメのあゆきは6話の牛乳パックを握りつぶすシーンから完全に別キャラになってますよね。
漫画版は、いま連載中のエピソードが終わっても数年続きそうな勢いがあるので、
誰ENDの話し合いはまだかなーっと。

>>430
あらすじを書いて、それをSSまで広げるのにボキャブラリーが無く苦しみました(;´Д`)
やす菜の描写が足りないのは単に本人の理解不足です。スイマセン。
やす菜は別れたわけでなく、3人共にかけがえのない親友で居続けるようになれた、
『女3人寄ればかしましい』展開で書いていったんですが、これも説明不足でしたね。

>>437
アニメ12話プロローグで語ってもらいたいところでしたね。アニメ放映中に
はずむとやす菜それぞれの初恋エピソードがとうとう語られることが無かったので、
あえて確信犯的に外しています。
アニメ13話で補足されるとファンにとって嬉しいことですね。

>>440
本スレから出張乙です。
肝試しの回のあゆきとやす菜の話や、今回盛り込もうとして置く場所が見つからなかった
夏祭り回の、やす菜に着物を合わせてもらうとまりのシーンも、
アニメ13話で取り上げてもらいたいところですね。

どなたかやす菜スキーの方、>>426 のあらすじを改変して
やす菜ENDの展開を考えてみてください。
まぁ書いた本人もぶっちゃけて、やす菜の「あのね」のシーンはプリムラが
咲いているから、はずむの「あのね」シーン以降だろう?と感じつつも
つい勢いで書ききってしまった所があるんで。
445名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 00:25:39 ID:BywCOLT8
かしまし13話予想スレはここですか?
446名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 02:19:05 ID:FHEhDLfv
プリムラっていうとさ、どうも亜沙先輩がでてくるんだよね
447名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 09:52:48 ID:U6ONKVxW
制服半袖の時期に咲かないでしょ>プリムラ
448名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 11:39:00 ID:OaUv5MSF
>435
いや、別に。
俺的にはレス番号も一種のコテハン扱いで読んでるし。○○○番さんの新作か、といった形で。
全体の意見はわからないが。
449名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 11:59:27 ID:HOw32mbb
常駐して定期的に投下してくれるんなら、コテ有りでいいと思う。
そういやここは数字コテの職人方ばかりだな
450435:2006/04/08(土) 12:52:45 ID:n2kNFyTH
>>448
今、13話のシナリオみたいなものを書いてるのがあるんだけど、あれやこれや書いてたら結構な量になりそうな予感がしてて、
全部投下するとどれくらいになるのか検討もつかないんだよね・・・・
まあ、まだ最初の部分を修正しつつ書いてるんだけど。


>>449
んじゃコテハン使ってみるかな・・・・
451名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 14:06:00 ID:sKRiHBPu
やす菜あのね「私、外国へ行くの…」
はずむあのね「僕、やす菜ちゃんの所へ行く事にしたよ」
その国は同性婚が認められている。
ウエディングドレスのふたりが手をつなぎ、扉の向こうの光に包まれたヴァージンロードへ歩き出してエンド。
だったら最低
452名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 14:43:35 ID:7Jr9DGLT
たかだか高校生の恋愛で結婚とかあまりにも幼稚すぎだよな。
大体にして、この年頃の恋愛なんてせいぜいもって数年だし。
これだけあーだこーだやってても、いずれは仲違いして消滅ですよ。

無粋だな、俺w
453名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 14:57:53 ID:H0HNCxYH
>>450
連載じゃないけど、ちょっとずつ定期的に書き込むのもありだし、
一気に書き上げてからそのテキストファイルを適当なアップロダにUpして、
ここへはそのリンクと説明文だけ書き込むって手もあるよ。
まぁなんだ。とにかく思いのままに書いてくれw 待ってるよ。
454435:2006/04/08(土) 16:04:34 ID:n2kNFyTH
>>453
おっし!わかった!とりあえずもう少し書いて、それからここにうpしてみよう!
455名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 08:46:48 ID:3cI7p/ZX
はずむの破瓜の血を啜りたい。
456名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 08:58:19 ID:nStrmrBC
ハァハァスレに帰って、御存分にどうぞ
457名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 09:57:27 ID:e5BFfuQn
>452
ちと、スレ違いだが、映画「耳をすませば」を思い出した。
「日本に戻ってきたら結婚しよう!」「うん!」「やったぁ!」お前ら、その年で・・・付き合って、間も
ないというのに・・・

でも、仲違いまでは言わなくてもいいんじゃないかな、と。     甘いな、俺w
458名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 16:26:50 ID:xX14FSQA
はずむキュンは女のままでいいよ
僕と結婚するんだから
459名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 18:10:04 ID:FQbjz3vm
じゃ、458の妻となったはずむはオレと不倫
460名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 19:36:18 ID:3cI7p/ZX
>458か>459とはずむとの間に生まれた娘とはずむで親子丼するからいいよ。
461名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 20:39:26 ID:KCfKtSqy
その模様をビデオに隠し撮って、はずむを脅迫するのは俺な 
462名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 20:47:23 ID:Mh3VmH0U
>>461を脅迫罪で警察にチクるのは俺
463名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 21:50:33 ID:kdew1atx
脅迫されて売春を強要されたはずむが、取らされた初めての客は俺という事で   
464450こと、荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/09(日) 22:16:08 ID:BDLfT9nA
〜前書き〜

なんだかスレの空気が荒れてますねぇ。
皆さん始めまして。実況ではちょくちょくやってますが、荒巻とぬこといいます。
SSを書いたのは初めてなので、文章がおかしなところなどあるかもしれませんが、
あまり責めないで下さいね・・・
このSSは、13話がこんな話だったらいいなと思って書いてます。
そんなわけで(どんな訳だよ(`3´)シ(ノ=゚ω゚)ノ)燃料投下したいと思います。
やっと冒頭の部分が書き終えたのでこれから連載していきたいと思います。
長くなると思いますが、よければ暇つぶしにでもお付き合いください。
では、どぞーヽ( ・∀・)ノ

タイトル:「やす菜の心が開くとき・・・」(1/4)

プロローグ:「告知」

   0

 あれから4ヶ月。
 はずむがやす菜に「大好きだよ」と告白したあの日から、二人はお互いの愛を
確かめあうかのように、毎日を過ごしていた。
 同じ音楽を聴き、同じ草花の香りを楽しみ、同じ映画を鑑賞し、同じ時を過ごし、
同じ空気を吸う・・・・・
 まるで、二人の間に失われていた時間(とき)を一刻も早く取り戻すように・・・。
 二人はお互いを気遣っていた。はずむは優しさでやす菜を包み、やす菜はそんなはずむの
愛を全て受け入れていた。
 そんな二人の姿を、とまり、あゆき、明日太の3人は優しく、暖かく見守っていた。
不器用な二人の恋を楽しむかのように・・・・・。
 やわらかい時間(とき)が二人の間に流れていた。やす菜は、その一つ一つ過ぎ去っていく
時間(とき)を、ゆっくり心に刻みこんでいた。

 しかし、はずむの笑顔を見る度、やす菜の心には一抹の不安が込み上げていた。
「このままはずむ君と二人で生きていけるのは嬉しいけど、本当に
これでよかったのかな・・・・・」
 目が見えるようになったとはいえ、原因のわからない難病を彼女が患っていたのは
事実である。
 だが、彼女にとって、はずむの存在が大きな支えとなっているのをやす菜は痛いほど
理解していた。
 もしもはずむの存在が自分の心からから消えてしまった時、果たしてまたあの恐怖が
彼女の目に蘇って来るのかと考えると、彼女ははずむからの愛を素直に受け入れることが
躊躇われていた。
465荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/09(日) 22:22:21 ID:BDLfT9nA
タイトル:「やす菜の心が開くとき・・・」(2/4)

   1

 やす菜はいつものように、部屋でフォトスタンドを眺めていた。中には夏にみんなで海へ
行ったときの写真がスナップされていて、あの日の面影を残していた。
 ’コンコン’
 軽快なノックの音が静かな部屋に響き渡る。
「やす菜?ちょっといいかしら?」
 やす菜の母親の声が、扉の向こうから聞こえてきた。
「なぁに?お母さん。」 
 机に突っ伏していたやす菜は、ムクリと起き上がり、扉に向かって答えた。
 扉が開き、母がやす菜の元にやってくる。
「リビングに来てくれる?」
「どうしたの?」 
 不思議そうな瞳で母親を見る。
「ちょっと話があるの。」
「わかった。」
 やす菜は部屋の扉を閉め、母親の後に付いて階段を下り、リビングの扉をくぐった。
 テーブルの椅子にはやす菜の父が座っており、その隣に母が椅子を引いて座った。
 二人とも少し不安げな表情をしている。
「やす菜、ちょっと座って?」
 母が促す。
「どうしたの?」
 やす菜は聞きながらテーブルに収められていた椅子を手前に引き、
椅子に腰を下ろす。
 母が一息をつき、話しはじめた。
「お父さんと話したんだけど、あれから症状は出てないの?」
 母がやす菜の顔を覗き込む。
「わたしはもう大丈夫。お父さんの顔もお母さんの顔も、他の人達の表情もわかるわ。」 
やす菜は屈託の無い笑顔で母の問いかけに答える。
「そうか、それならいいんだけどな。」 
 父がその答えに安堵の表情を浮かべるが、すぐにまた不安な表情を見せた。
「実はな、やす菜。この間、医者から連絡があってね、やす菜の病気の経過と今後について、
話があるから来てくれないかと言われてるんだ。」
「どうして?わたしはもう大丈夫よ?」 
 やす菜は一瞬、表情を曇らせたが、また笑顔になり、答えた。
「医者が言うには、今のお前が見えているのは一過性のものかもしれないと言われてな、
とりあえずもう一度症状を確認したいと言われたんだ、どうだろう?病気の完治を確認する
ためにも、病院に行って先生に診てもらうのは?」
 父がやはり不安げな表情で見ている。
「そう・・・、そうよね、わかった。」 やす菜は一瞬、動揺をおぼえたが、すぐに笑顔で答えた。
466荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/09(日) 22:25:16 ID:BDLfT9nA
タイトル:「やす菜の心が開くとき・・・」(3/4)

   2

 翌日、学校が終わったやす菜は、はずむ達と別れ、その足で主治医の元を訪れた。
 受付を済ませ、待合室で待っていると、看護士がやす菜の名前を呼んだ。
 主治医は、いつものように、やす菜の目の状態を診察し、問診を行なうと
「しばらく待合室でまってて下さい」と言い、電話をとり誰かと話をし始める。
 待合室に戻ると、やす菜の母親が来ていた。暫く待つと、看護士がやって来た。
 別室に案内されると、主治医の他にもう一人、男性が居た。紺色のスーツの上に白衣を
纏っている。
 主治医からその白衣の男性の紹介を受けた、どうやら心理学の担当らしい。
 その男性は席を立つと、窓辺に視線をやり、話し始めた。
「神泉さんもご存知の通り、失認障害は、高次脳障害の一つで、後頭葉の外傷による
ものだと言われています。が、神泉さんの場合特にこれといった大きな事故も無く、
昔から男性の判別ができなかったという症状は非常に稀であり、現在までに症例が
報告されていません。」 
 ここまで言い終えると、白衣の男性は一呼吸し、更に話し進める。
「今現在、神泉さんの症状は改善されていますが、この先、またこの症状が発作的に
起きる確立も低くはありません。」
「えっ!?」
 やす菜はその男性の言葉に動揺した、やす菜の脳裏にまた、あの日の恐怖が蘇る。
 白衣の男性は続けて話し始める。
「これはわたくしが、簡単に立てた仮説ですが、神泉さんの場合先天的な物が考えられます。
生まれつき後頭葉の一部分が未発達であり、それが原因で男性の認識ができなかった・・・
これは、幼少の頃から続いていると言う点で、発達の段階に達していないとわたくしは
考えていますが、最近になって神泉さんの症状が突然、回復した。
一体どういうことか・・・・・」
 白衣の男性は、一瞬間をおくと、更に話を続ける。
「これはお母さんに伺ったのですが、最近、神泉さんの身に何か
心を動かされるような出来事があったと聞いています。できればそのことをお話して
いただきたいのですが・・・・?」
 やす菜は一瞬戸惑った、はずむとのことを他人に話してよいものだろうかと。
 白衣の男性はそのやす菜の表情を読み取ったかのように背中越しに一言付け加えた。
「勿論、我々医者には守秘義務というものがあります、あなたの発言を我々が公開する
ことも無い、ようするにここだけの話です。」
 その言葉を聞きやす菜は安堵の表情を浮かべ、今までの出来事を話し始めた。
はずむとのこと、とまりとのこと、ほかにもあゆきや明日太のことも話した。
467荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/09(日) 22:29:29 ID:BDLfT9nA
タイトル:「やす菜の心が開くとき・・・」(4/4)

「なるほど・・・・・」
 白衣の男性はそう言い放つとしばらく考え込み、おもむろに口を開いた。
「神泉さんの話を聞いて確信がもてました。」
 白衣の男性は、窓辺に向けていた視線を戻し、やす菜の正面の席に座ると、
やす菜の瞳を見つめ、話し続けた。
「神泉やす菜さん・・・・・あなたのこの症状は、あなたが「他人との関わりを持とう」という
意識を保つことで克服できるかもしれません。神泉さんが人とのかかわり、例えば友情、
恋愛など他人と深く結びつきたいと願う時、その症状が改善され、認識ができる様になる。
しかし、今のままではその友達や恋人に頼って生きていくことになります、それでは
本当の意味での完治にはなりません。これは少々荒療治かもしれませんが・・・」
 白衣の男性は言葉を止め、一瞬目線をそらしたが、すぐにやす菜の瞳をもう一度見つめ、
話しはじめた。
「今の生活環境を刷新してみてはどうでしょうか?」
 白衣の男性がそう言い切ると、しばらく無言の空気が部屋を包む
「どういう・・・ことですか?」やす菜は掌を握り、躊躇いながらも白衣の男に問いかける、
 白衣の男性は続けて話す。
「方法は幾つかあります、例えば引越し、ホームステイ等。神泉さんが新しい生活環境に
”自ら”身を置き、適合しようとするための努力がこの症状の克服の鍵になるとわたくしは
考えています。」
「わたしが・・・」
 やす菜は言葉に詰まった。無理もない、今まで考えたことも無かったことである。
「もちろん無理にとは言いませんよ、これはあくまでやす菜さんが”自ら”行動を
起こさなければ意味を成さなくなります。誰かに依存せず、”自らの意思”で新しい
環境、新しい生活社会を築くのです、そしてその環境変化に不自由なく溶け込めたとき、
神泉さんの症状は克服され、二度とあらわれることは無いとわたくしは考えて
おります。」
 やす菜は自分の膝におかれたこぶしを見つめていた。
 白衣の男性は言い終えるとやす菜の瞳から視線をそらし、立ち上って、窓際に視線を向けた。
 無言の緊張感が部屋を支配するが、白衣の男性が付け加えるように言う。
「今すぐにとは言いません・・・・・これはとても重大なことなので、ご両親と相談し、
よく考えてから決めてください。」
 白衣の男性はそう言い終えると、「それでは・・・」とあいさつをし、主治医とやす菜の母親に
一礼して部屋の扉を開け、出て行った。
 扉は静かに閉まり、また元の静けさを取り戻す。
 その静けさをかき消すように、主治医は母親に語りかけた。
「この問題はやす菜さんの心の問題になってきています。思春期に入り、多感な時期ですから、
やす菜さんの心を育むという点で旦那さんともよく話した上で結論を出してください。
なぁに、きっとやす菜さんなら大丈夫ですよ。」
 主治医はやす菜の気持ちを察したのか、笑顔で話した。
 時計が、18:30のチャイムを鳴らした。「ではそろそろ・・・」と主治医がやす菜と母親に促す。
 母親がやす菜の肩に手をやり、「帰りましょう」と優しい声でやす菜につぶやくと
 やす菜はコクリと頷き、黙り込んだまま立ち上がって、主治医が開けた扉をくぐった。
 廊下で主治医に一礼をすると、やす菜と母親は病院の正面に停まっていたタクシーに乗り、
帰っていった・・・・・。
468荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/09(日) 22:40:24 ID:BDLfT9nA
とりあえず、今日はここまでです。
しかし、ここまで書くのに一週間弱掛かりました・・・_| ̄|○
また続きが書きあがったら載せたいと思います・・・。
469名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 00:48:41 ID:et3MXfbz
>>468
やす菜って、父親から食べかけの食パンひったくるほどおしゃまな
女の子なんだぜと思いつつも、この初々しい感じもまたいいですね。
引き続きの投稿期待してます。
470名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 00:57:30 ID:Cu6DPi4e
乙です。続き、待ってます。
今見えてるのに、荒療治して悪化したらどうすんだ?とか思うが、バカ医者なら言い出しそうだ
471名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 02:29:45 ID:62eqNZjy
なるほど。こういう理由ならやすなが身を引くのも分かるかも。
やすなの病気の根本は甘えや逃げにあるんじゃないかと睨んでたけど、
やっぱりそれを克服しないと人間としての成長が見えないもんな。
同じことがはずむにも言えるわけだが、こっちはどうまとめてくれるのか。

続き期待してます。
472名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 07:04:31 ID:Fj89AJKx
by the way, はずむキュンってオナニーするんだろうか?
473名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 08:14:30 ID:rztaZnmf
するわけないだろ。だから♂の時は毎日夢精してたんだ。
474名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 09:17:41 ID:zpaIGhTH
>468
荒療治がすぎるぞ、医者。
といっても、今回のテーマはやす菜の生き方がテーマっぽいので、医者についての突っ込みは
控えておきます。彼女がどう、世の中と向き合っていくのか楽しみです。
もしかして、他の人たちのこれからも描かれていくんでしょうか、のんびり、待ってます。

オナニー話は上の方でちょいでてたんで、それ読んでから、話題にしたらいいのでは。
475名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 10:24:40 ID:mdsdH0OT
>やすなの病気の根本は甘えや逃げにあるんじゃないかと睨んでたけど、
>やっぱりそれを克服しないと人間としての成長が見えないもんな。

無意味かもしれんが突っ込んでおこう。
昔は癲癇や喘息も甘えだとか弱い心が原因だとか
ふざけた事ぬかした差別がまかり通っていたが、これはそんな差別そのものだな。

>誰かに依存せず、

いったいぜんたい、この都会で他人と
全く関わらず暮らしている人間がどこにいると言うのかな。
山の中で一人で暮らしているんじゃないんだ。
食べ物買うのにスーパー行けば店員がいる。
その商品運ぶトラック運転手がいる。
工場で加工した人がいる。

そんな事言ってる医者だって、数え切れないほどたくさんの人と
直接間接に関わりあいをもっているからこそ、生活ができる。
それでやす菜のことを依存だとかぬかす人は何様のつもりなんだか。

>神泉さんが新しい生活環境に
>”自ら”身を置き、適合しようとするための努力がこの症状の克服の鍵になるとわたくしは
>考えています。

やす菜はもう既にはずむグループに入る事で
『新しい生活環境に ”自ら”身を置き、適合しようとするための努力』
をとっくに行っている。

『”自らの意思”で新しい
環境、新しい生活社会を築くのです、そしてその環境変化に不自由なく溶け込めたとき、
神泉さんの症状は克服され、二度とあらわれることは無いとわたくしは考えて
おります』

はずむグループに入る事でその克服をした現在では
やす菜に症状が金輪際起こらないという訳ですな。
476名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 12:34:45 ID:c1zKvGNv
なんかはずむがやす菜を選んだ現実から
いまだに逃避して受け止められない人間がいるみたいだね。
だからやす菜をなんとしても変な偏見で貶めたくてたまらないんだ。

実際にはとまりの方こそ、
その名の通りで過去の想いに囚われたままで
昔から彼女の時間は止まったまま。
過去に逃避して過去に依存しているのはとまりなのにね。
477名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 12:45:55 ID:ntV18BnR
>475
お前、すごいな
じゃ、何でとまりに殴られて女まで見えなくなり、はずむに告られて男まで見えるようになったのか、解説頼む 
478名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 12:52:51 ID:c1zKvGNv
>>477
花田の超展開愛の奇跡
479名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 13:13:56 ID:c1zKvGNv
そもそも、両思いになったのに、
今から愛情が無くなるなんて考える事自体が不自然なんだけど。
480名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 13:17:24 ID:62eqNZjy
>>475
すごく釣り臭いが一応反論。

生まれつき持ってる病気ってのは体質的なものがあるから、そう簡単に治せるものではない。
けど、それを言い訳にして自分を甘やかす奴が案外多いんだな、これが。
こんなこと言えるのは、俺自身がそうだったから。ま、今もそうかも知れないけど。
治らないからと言って、ふて腐れたり甘えたりしていては何も始まらない。
一生ついて回る問題だ。だからこそ、正面から向き合っていかなきゃいけないんだよ。

今回、やすなははずむに選んでもらえたから病気が改善した。
だが、これはやすなが成長したのではなくたまたま都合のいい状況に転がっただけだ。
この先なんかトラブって喧嘩でもしたらまた元の症状に戻る。
では、根本的な解決は何なのか。それは、やすな自身の精神的な自立にある。
人との関わりを絶つでもなく、かと言って誰かに甘えるでもなく、
いっぱしの人間として、自分にも他人にも対等に向き合うことだ。

依存と友情(愛情)は別物だし、孤立と自立もまた似て非なるもの。
それが分かれば、>>475ももう少し大人に近付けるよ。
481名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 13:27:36 ID:c1zKvGNv
>>480
あなたの方がよっぽど釣りくさいが。

だからやす菜も別に甘えてる訳ではないだろう。
根本的な解決?
プロスポーツ選手はヒザ、ヒジ、腰、エトセトラエトセトラ・・・
こういった故障は年中行事みたいなものなんだ。
釣りじゃないとしたら全てのプロスポーツ選手はプロを止めなければいけないな。

だいだいにして>>480はやす菜がはずむと離れることで
かえって悪化したらどう責任とる気なんだ?
ま、有り得ない過程をしても仕方ないけど。

依存も執着も愛着も、それら全てを飲み込むことによって
愛情は成り立つことが分かれば>>480も少し成長できるよ。
482名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 14:31:45 ID:62eqNZjy
なんで怪我でプロをやめなきゃいけないのかよく意味がわからないが、
スポーツ選手で言うんなら、身長や才能を言い訳にしていては大成しないってのはあるかもね。
己の短所を見つめようとせず、誰かに頼ったり成り行きに任せているようでは一流にはなれない。
大事なのは、苦しさや面倒さから逃げずに駄目な箇所を直そうという気概。
もしくは、その悪い部分を他の良い部分で補おうという心意気だ。
失敗を恐れていては、最低限現状維持するのが精一杯。
仮に挑戦に失敗したとしても、人間としてずっとは大きく成長できるよ。

支え合うことや認め合うことは、依存や執着とは違うんだけどな。
依存というのは、自分が相手と同等のレベルになっていない時のことを言うし、
執着や愛着というのは本人の勝手な我が侭でしかない。
そういう関係は、愛情というよりも利害の一致といった方が近いかも知れないな。

やすなには、今の自分でははずむにふさわしくないという葛藤があるんだろう。
はずむのために自分はは一体何を返してやれるのか。
それ以前に、自分ははずむに好いてもらう資格はあるのか。
ここら辺をすっきりさせたいって気持ちが、きっとあるんじゃないかな。
483名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 14:43:57 ID:nVLt5BSt
例えて言うならガンの治療で、愛の絆で苦しい治療にも耐えられて
全快してハッピーエンド、なのに
ガンは再発する怖れがあるのだ、と無理矢理いちゃもん付けてる感じだな。
物語的には全快した時点でもうハッピーエンドなのに
その諦めの悪さはなんなんだろうか?

そして11話と12話ではずむから離れようとしたやす菜のどこに
依存心や甘えがあるのか説明してほしいものだ。

>やすなには、今の自分でははずむにふさわしくないという葛藤があるんだろう。
>はずむのために自分はは一体何を返してやれるのか。
>それ以前に、自分ははずむに好いてもらう資格はあるのか。
>ここら辺をすっきりさせたいって気持ちが、きっとあるんじゃないかな。

それはあなたの妄想です。

ただあなたは、はずむとやす菜の愛の絆を認めたくない
それは依存だ、甘えだと、出鱈目満載の抗議をしているだけに見える。
現実を認められない単なる我侭に見えます
484名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 15:07:06 ID:bIaC7Zbf
はずむを通してでなくちゃ世界が見れないのは不安定すぎるから、もっと視野を広げるべきだ
といいたいんだと思う。医者の提案は乱暴だと思うけど。そういう主義の医者なんでしょう。
483氏。別に皆さん、はずむとやす菜がくっついてること文句言ってるわけじゃないと思うよ。
その辺で刀を納めてもらわないと、きりが無い。

荒巻とぬこ氏>気にせず、思うがまま書くのがよいと思います。
485名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 15:15:22 ID:AlcIIC3R
オレははずむキュンが大好きだ!
486名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 15:58:30 ID:BK/susxB
乱暴というより、スタートラインから逆方向を向いてるようなもので…

>はずむを通してでなくちゃ世界が見れないのは不安定すぎるから、もっと視野を広げるべきだ

そうじゃなく、はずむとの愛がきっかけで世界が見えるようになった。
あくまで原因であって全てではないのですって。

頼ってる、とかなんとか訳わからん。
恋人とか夫婦なんて、多かれ少なかれお互い頼りにして生活しているのにさ。

専業主婦は
夫は妻の家事に依存
妻は夫の稼ぎに依存
とか言い出すのか?
487名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 16:00:43 ID:rjzz0L9y
> ●お約束
> ・気に入らないカップリングがあっても文句を言わない
> ・誹謗、中傷は厳禁です
自分解釈or公式設定以外は認めないならこういう二次創作系の所に来ない方が良いと思うが…
いわば「自分の妄想ストーリー」を書くのが「二次創作」なんだがら、根本的に相容れないと思う。
…次スレからテンプレに「他人の妄想に文句を言わない」も追加するか?

てか、なんでエロパロスレで本スレみたいな考察してるんだw
488名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 16:11:57 ID:QYHcUas4
とまりを悪く言ってやすなの評価を上げようとする
これやすな厨の証拠。12話ではずむとハッピーエンドを迎えたんだからいいだろう。
このスレを荒らすな
キャラスレに帰れ

大体ここは個人の妄想を披露するスレだ。
自分の妄想している事と違うからって批判するのはおかしい。
>>1にあるように、どんな内容でも文句を言うべきではない。

>荒巻とぬこ氏
やすな厨の荒らしなんかに屈せず頑張ってくれ
489名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 16:18:57 ID:Pqkbr42R
とまり厨こそやす菜にしつこく攻撃してるのだろうに。
12話でとまりの出番がたくさんあったのだからもういいだろうに。
荒らすな、とまりスレに帰れ。
490名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 16:33:21 ID:QYHcUas4
おお釣れた
こんな簡単にすぐに釣れるなんて
本当、やすな厨の低能なんだな

さて、とまりスレに帰るか
491名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 16:34:51 ID:QYHcUas4
連投スマソ
×やすな厨の
○やすな厨って
492名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 17:30:38 ID:ArZXa6HY
>>490
俺「釣り」とか「釣り師」っていうのは、

 釣り師 ↓     .
           /| ←竿
     ○  /  |
.    (Vヽ/    |
    <>     |
゙'゙":"''"''':'';;':,':;.:.,.,__|_________
             |
  餌(疑似餌)→.§ >゚++< 〜
                 の組み合わせだと思ってたんだけど、

最近自称釣り師がダイレクトで自分の本音を攻撃されて「釣れた!」とか
言ってるの多いよね。
 これは、どっちかというと、



          ,〜〜〜〜〜〜 、
|\     ( 釣れたよ〜・・・)
|  \    `〜〜〜v〜〜〜´
し   \
゙'゙":"''"''':'';;':,':;.:.,.,  ヽ○ノ
          ~~~~~|~~~~~~~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ト>゚++<
              ノ)

かと思うんだけど、どうよ?
493名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 17:31:28 ID:62eqNZjy
>>483
12話ではああいう形になったが、今後二人の関係に何か不和が起これば、
またやすなの病状が悪化するだろうってのは想像に容易いよな?
一時的に治まったように見えても、それで万事解決にはならない。
人間関係でいざこざ起こすたびに再発してるようじゃ、一時の気休めにしかならないよ。
当然、本人にだってその恐怖心はいつまでもつきまとうだろう。
今はこれでいいかも知れない。でも、またいつか見えなくなるんじゃ――って。

だからこそ、はずむがいなくてもやっていけるようにならないと。
恋人との縁の切れ目が人生の切れ目みたいな、弱っちい人間じゃ駄目なんだよ。
はずむにしたって、同情心が先に立てばいずれは付き合うのが辛くなってくる。
対等な立場にないと、いい関係なんか築けっこないんだから。
別に離れろと言ってるんじゃないよ。はずむなしでも生きて行ける、
「自立」した人間に成長することがやすなには必要だってだけで。
嫌なものから逃げてちゃいけない。それを乗り越えこそ、本当の幸せがある。
これが、はずむに「依存」するなということの意味かな。

12話で終わりと見るか、その先を見据えるか。違いはそこみたいやね。

あと何を勘違いしてんのか知らないが、
俺は別にとまり派でもなければやすなを叩きたいわけでもないから。
やすなに関して言ったことは、実は大半の人間にも当てはまる。
耳に痛いのはよく分かるよ。かく言う俺だってまだまだ甘ちゃんだしなw
494名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 17:36:55 ID:09IbtnRG
個人的には最終話予想はここでやって欲しくない
本編に深く立ち入るだけに、ご覧の通り、確実に荒れる

アニメ2スレから出張してきたらしいけど、
ごめん、あっちに投下してやって>>450さん
ここって本スレほど荒らし耐性ないみたいなんだわ
495名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 17:47:45 ID:ArZXa6HY
人間関係でいざこざ起きて、悪化なんて滅多におきるものではないさ。
だいたいガンの治療の例で分からないの?
症状悪化ばかり考えていたのでは話にならない。

>同情心が先に立てばいずれは付き合うのが辛くなってくる。
>対等な立場にないと、いい関係なんか築けっこないんだから。

アホくさ。
同情心が先にたってるなんて、やす菜に偏見ばかり先にたってる
ものの見方しかできないようではこの先思いやられる。
そして何故はずむとやす菜が対等な関係でないと断言できるんだ?
あなたのその傲慢な見方こそが問題だと思う。

>はずむなしでも生きて行ける、
>「自立」した人間に成長することがやすなには必要だってだけで。

だから「自立」した人間って何じゃらほい。
恋人とか夫婦は自立してないとか言うのか?

>嫌なものから逃げてちゃいけない。それを乗り越えこそ、本当の幸せがある。
>これが、はずむに「依存」するなということの意味かな。

やす菜のどこが逃げてる人間だと小一時間(ry
11話で絶望を味わったけれど、すぐに「立ち直り
(ある意味加害者の)とまりと仲直りまでしているやす菜のどこが逃げてる?
496名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 18:26:02 ID:OCUNq2Hq
やす菜とはずむの関係に偏見フィルター全開の62eqNZjyはスルーして
きちんとしたはずむ×やす菜SSを期待しましょう。
497名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 19:37:40 ID:PSEy+sVr
レズスキー、8時間にも及ぶ自作自演、乙
498名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 20:40:36 ID:YSOAWeN+
エロパロに考察は求めてないんで
カプ論かましたい奴は余所でやってくれ
499名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 21:08:55 ID:vp9fiGyB
全部レの人の火病だと、大半の住人は認識してるさ。
新規の職人さんは気にせず投下してください。
500名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 21:18:38 ID:UQgZt8vv
はずむキュンが早く俺の子供を産んでくれるといいな…
501名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 21:28:43 ID:QYHcUas4
漏れは>>492>>495に言いたい事がある。
けれどこのスレを荒らしたくない。
本スレで行こうぜ
502名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 23:39:18 ID:eHkIVMmf
どっかで見た事あるな。
明日太厨の降臨か。
503名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 23:57:31 ID:ARAXIUTb
流れを読まず明日太×はずむキボン
504名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 00:07:37 ID:m1NjFj53
いつぞやの明日太厨が乱入して喚いていたようだが
そんなの気にせず話を続けます
505名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 00:46:14 ID:uZ0Fckw1
131氏マダー?
506名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 01:11:14 ID:DmodAy0L
アイラブユーから始めよう!
507惑星地球滞在報告No.2149(1/2):2006/04/11(火) 01:30:40 ID:dAngJ6Kq
惑星地球滞在報告No.2149 報告者:宇宙仁(地球人名)

私は地球人の感情の調査を目的として活動している。
主たる観察対象は「大佛はずむ」(以降「対象H」)である。
現在、対象Hの恋愛感情は「来栖とまり」(同対象T)と「神泉やす菜」(同対象Y)の2方向に向けられている。
また対象T,Yとも、対象Hへの同感情を持つことが確認されている。

さて、本日夜間、興味深い現象が予期される。対象H宅に対象Tが宿泊するのだ。
対象Yは母方の実家に帰省中であり、ジャン・プウ(同助手J)には本日私と同行するように指示済みである。
“愛するもの同士が二人きり一つ屋根の下”(正確には同室だが、地球上の慣習的表現に従う)、
私は、綿密かつ詳細な観察を行う必要があると判断した。

・観察結果
観察結果を時系列ごとに以下に示す。

・16:20
対象T、対象H宅到着。対象T,Hは対象Hの自室で談笑。

・18:14
対象Hの家族と共に夕食。当然、助手Jと共に同席する。とんかつが美味であることを確認。
対象Hが対象Tにおかずを一品提供。地球言語でいう“餌付け”であると推測する。
対象Hと会話「ねぇ、今日、眼鏡がいつもと違わない?」「気にするな」
今日の眼鏡は観察用の特殊仕様である。

・20:33
対象T,H順に入浴。愛し合う二人は入浴も共にすることを提案するが、却下される。
対象Tは激昂していたが、対象Hに先に入るよう薦められると、とたん残念がる。実に興味深い。
「ま、まあ、今ははずむも女なんだし、別に構わないんだけどさ」

・21:40
自室で宿題。会話は少ない。
対象Tは、対象Hの横顔を頻繁に盗み見る。何かを期待している様子に見える。
「はずむ、今日は、その、え、え、え」「何?」「鉛筆貸してくれ」「?うん」

・23:10
同室で就寝。対象Tは対象Hと一つの布団に入ることを渋っていたが、
対象Hと助手Jが常に同衾していることを知ると、態度が軟化。布団に潜り込む。
「とまりちゃんと一緒に寝るのって、子供の頃以来だね」
「や、や、やらしいことするなよ!」
「しないよ〜」
508惑星地球滞在報告No.2149(2/2):2006/04/11(火) 01:31:43 ID:dAngJ6Kq
・23:45
対象Tの目が開き、上半身だけ体を起こす。
暗がりの中、対象Hの寝顔をじっと見る。微笑んで、対象Hの髪をなでる。
なでる対象が髪から頬、頬から唇へと移動。非常に楽しそうである。
「はっずむ、はっずむ、今日は、はっずむとベッドイン〜♪」
ハッとして、頭を横に振る。ぼそりと独り言。
「何考えてんだ、あたし」
対象Tの視点は、対象Hの胸部へと移る。凝視しつつ、自分の胸に手を当てる。
ため息。自分の胸の平坦さに落胆しているようだ。
対象T、今度は対象Hの胸へと手を伸ばす。人差し指で頭頂部を押下。
ぽよん、と胸がたわむ。ちょっと面白くなってきたようで、リトライ。
ほよよん。ぽよよんぽよん。ぽぽぽぽよんよん。ぽよんむにむに。ぽよむにぽよむに。
「いや〜、あたしの胸じゃこうはいかないからな〜……ってアホか……」
しばらく凹む対象T、感触を反芻するかのように手のひらを開閉する。
対象T、今度は吸い寄せられるように、対象Hの寝顔をのぞき込む。
近づく唇と唇。10cm……5cm…2cm1cm。唇が密着する寸前、顔を引く対象T。
「いや、寝てる相手にこういうことをするのはよくないな」
「起きてるからいいのに」
「そっか、起きてるならいいか、……ってえー!!」
「とまりちゃん、夜中に大声出しちゃいけないよ」
むくりと体を起こす対象H、いぶかしむように視線を向ける対象T。
「……いつから起きてた?」
「はっずむ〜って歌い出したとこから」
「ぐあぁぁああ……最初からじゃねーか!……い、いっそ殺して……」
「ねぇとまりちゃん、続きは?」
「おまえはあの歌の続きを聞きたいってのか!
 あんな、作詞作曲唄とまり様に続きなんてあるわけね〜!!」
「いや、そっちじゃなくて」
きょとんとした顔の対象T、ようやく対象Hの言わんとすることを理解する。
とたん、耳まで真っ赤。深呼吸。
「つ、続き、してもいいのか?」
「やさしくしてね」
「フッ、バカだな、おまえにやさしくしなかったことなんか、ないだろ?」
手を相手の顎に添え、顔を引き寄せる。今度は確実に重なる唇。
「はずむ、かわいいよ」
「とまりちゃんはカッコイイね」
「……るせー」
彼女の口をふさぐように、また唇を重ねる。
509名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 01:33:13 ID:qQ9D+SIV
とまり厨だか明日太厨かは知らないが
中傷してきてもその魅力は少しも色あせない
はずむ×やす菜をキボン
510惑星地球滞在報告No.2149(おまけ):2006/04/11(火) 01:33:51 ID:dAngJ6Kq
と、この時点で日付が変わってしまった。以降の報告については、No.2150を参照いただきたい。

・・・

あはは。すんません。続きは各自妄想してください。
511名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 01:40:46 ID:bhYhL1H1
>>510
面白かった。いいよいいよ。
512名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 01:56:04 ID:ynJTFjY3
>>510
宇宙人視点での描写ってのがうまいなぁ。
とまりんカワイスw てか、起きるだろ普通w
513名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 08:58:31 ID:J4a4HoJo
とまりんの方が♂→♀になった子みたいでカワイイ
514名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 12:32:47 ID:q/ueAags
はずむ、誘い受けGjだね。
515名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 12:46:31 ID:z1w9fWV+
はずむ「おっぱいさわって」
516名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 15:24:50 ID:V1XQ8T+A
↑見て、131氏に寸止めされてたのを思い出した。
 
517名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 18:35:48 ID:7BOQFW7V
はずむがいなくてもやっていける。はずむがいればより幸せになれるというのが理想で
はずむがいないと幸せになれないというのが依存している状態なのでは?

と上の流れを見て思いますた。はい独り言です
518名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 18:43:22 ID:qQ9D+SIV
>>517
はずむがやす菜と仲良くしてるのを見て
ずっと落ち込んでばかりだったとまりは
明らかにはずむに依存しているですね。
519名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 18:48:04 ID:Uw+JvY5q
↑が一般的かつ普遍的な認識と思う、ヒトリゴト
520名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 19:42:56 ID:hjEj3pmt
現在漫画でもとまりは行動不能なまでにどん底だし
精神的に弱っちくてはずむに依存しすぎる
とまりは「自立」する必要があるってことかな。
521名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 20:24:41 ID:klvlakVd
そういうのはチラシ裏にでも書いとけ
このスレはSSとそれに対する応援・感想を述べるスレだ
522519:2006/04/11(火) 22:01:25 ID:nTykMiK4
あ、これ>>517へのレスです。
>518はレズスキーのアホが割り込んできたんです。ほんとジャマ…
>520なんて、賛同意見があったと思って調子こいてるしw ( ´,_ゝ`)プッ

523名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 22:56:29 ID:ZO4TxcCT
>521の言うと通りなんですけど、多分その応援・感想が少なくなりつつあるんだと思う。
SSが投下されても、最近レの人とかの叩き中傷が5レス中2つとかだったりしてない?
荒しレスが目立つから、うれしくて粘着してるんだろうな。
自分がマジョリティであると、錯覚できるから。
もう、中傷非難のレスは透明あぼーんしようぜ…。
俺は、職人さん達の熱いSSを読みたいし、短くとも読ませてもらったとレスする事にするわ
524名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 00:10:42 ID:z+j8KDzt
すごく男(略のうざい嵐が目立つだけど。
男(略がもう馬鹿馬鹿しいほど見え見えなのにまだ分かってないらしい。
↑なんかもう関係bなくやっていけばいい。
525510:2006/04/12(水) 00:12:32 ID:RXB0S1Bu
みなさんどうもでした。実は102でした。まあ、その、軽く息抜きということで。
僕自身はやす菜が苦手なので、やす菜書きさんには頑張ってもらいたいと思います。
せっかくのかしましSSスレですしね。
僕のようなお気楽系はともかく、シリアスものや、“13話”ものになると、各人の主義主張とぶつかることもあるでしょうが、
そこはそれ、一つの可能性、"if"として捉えていただければと思います。ではでは。
526名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 00:23:26 ID:7DdLOWke
特定アジアの方ですか?レの人>524
527名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 00:29:41 ID:94YmLWTD
102さんはコミカル物が上手いですね。
あゆきも動かしてホシース
>526
目を合わせないよーに!
528名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 00:30:49 ID:qxskPtev
>525
いいんですけど男(略だかなんか知らないけど、やす菜への誹謗がしつこいんですよね。
このような迷惑な奴なんか吹き飛ばすSSつくりたいけど、それまで荒らし続けるのだと思うと切ないですよ。
529名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 00:43:18 ID:Pwx3zBtD
レズスキーだのと電波満載のレスするのは
あちこちをコピペで荒らした
男(略の荒らしですから気にしないで次いきましょう。
530名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 00:49:54 ID:OWNM6AUk
↑レズスキー
531名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 01:08:03 ID:XYnrlRGN
>526>530  
              ,. -、
            _.,,/-....._ヽ
         ,.-=7..:.:.:.:,:lー、::ヽ...、
         〃 /:::/:/lj`_ `;:::l`、.、
         //  ク:l(::フ  l:.::j l::::l  l i
       ,' ;'  ゝl −`l =L):!  .! l   ID切り替え独り言禁止!
       i l     (\..|_」、-,'ニ、   l .!
      ,! l  _,/_ゝ. \/  .}   l l
.     l ,!   (/  _,>、 ´ヽ /    l l
532名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 02:54:14 ID:gi4gjRyV
便利な言葉だな「禁止」
533名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 14:00:10 ID:q/DRpaV+
えろいのが読みたいなぁ
534名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 20:19:26 ID:zvxLDVQq
やっと男スキー静かになったね。
ずっとこの静けさが続くといいけど。
荒らすためにキャラ中傷しているからどうにもならん。
535前スレ496:2006/04/12(水) 21:11:32 ID:JXLnZ0en
「あれ?とまりちゃん、お尻についてるの何?」
「こ……これは……その…」
とまりのお尻には、フサフサした柔らかそうな尻尾があった。
「とにかく、絶対触るなよ。いいな。」
触るなと言われれば触りたくなるのが人情である。
はずむはまよわずに
尻尾に触れた途端、とまりの体から力が抜けたように床に倒れ込んだ。
「あはは、面白〜い」
「はずむ……後で覚えとけ」
「ふふっ、やれるもんならやってみろ〜♪」調子に乗ってもっと尻尾に触れる。
「ひゃん!」
とまりのからだが大きくバウンドする。
「もっとやってあげるね。」
「あぁっ……ダメ……んっ!」
更に気持ち良くなったのか、頭から犬耳が飛び出してきた。
「何これ……この耳かわいい〜〜」
「やめろ!耳はダメ!絶対ダメ……」
はずむは聞く耳持たず、とまりの耳に触れた。
「ひゃぅん!!」
「ここってそんにに弱いんだ……」
「は…はずむ……やめ……ぁん」

536前スレ496:2006/04/12(水) 21:13:21 ID:JXLnZ0en
以上です。
うたわれるものとかいぬかみを見ていたらなんとなく思い付いただけです。
続きはみなさんでご想像ください
537名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 22:33:24 ID:+89D1VFD
     )、._人_人__,.イ.、._人_人_人
   < 男スキーが荒らしてるんじゃ!>
    ⌒ v'⌒ヽr -、_  ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // ///:: <   _,ノ`' 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ   ,へ、        /^i
///// /::::   (y ○)`ヽ) ( ´(y ○)    ;;|  | \〉`ヽ-―ー--< 〈\ |
// //,|:::     ( ( /    ヽ) )+     ;|  7   , -- 、, --- 、  ヽ
/ // |:::     +  ) )|~ ̄ ̄~.|( (       ;;;| /  /  \、i, ,ノ    ヽ  ヽ
/// :|::       ( (||||! i: |||! !| |) )      ;;;| |  (-=・=-  -=・=-  )  | もちつけレズスキー! もうばれてる!
////|::::    +   U | |||| !! !!||| :U   ;;; ;;;| /  <  / ▼ ヽ   >   、http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141035852/
////|:::::       | |!!||l ll|| !! !!| |    ;;;;;;|く彡彡  (_/\__)  ミミミ ヽ
// / ヽ:::::       | ! || | ||!!|    ;;;;;;/⌒⌒⌒\  (___ノ      ミミ彳ヘ
// // ゝ:::::::: :   | `ー----−' |__// / / /⊂)   ヽ--  ___/   \
538名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 22:51:36 ID:X6jSbRBc
                , -‐─  、
              _, - '       `ー-、
          /j         ',   `ヽ、
         / イ  /   /   i  |   ',  ヽ
        / / l  l /  ハ  //|  | ト、 | l ト ',
      /  :/  ', l l /-レ'j/ イ /_リ‐ヽ:| l l リ
     /  :/   ,-、l レ' ━━  |/ ━━ノイ人',
      / ::/    ',ヽヽ|///    /// /  ',',
     / :/     `-'' ,     r──┐rt'´Y´',´i
   / :/        _ト、 l| ̄ ̄ ̄ ̄i_jヽ | ノヽi ̄ ̄{|
   / ::/       , -/、, -:l|        `´       {|
  / :/      //`7 / :l|       続  4   {|
. / :/       l   / / :l|       き   9   {|
 l :/       |   | | ::l|        書   6 {|
 レ        ト   ヽヽ :l|       い   氏   {ト、
. jj        lヽ フ/´ヾl|       て       {ト、j
/i         l ヽノ  j :l|       !       {| |ヽ
l |         l     l:::l|                {| | ',
l |         」     l::::l|                {| |Mj
.',|         }      l :l|                {|
         /     j  ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ∠___r'      |
.        /____j.       ',
       ノ____/_______j
       //    |   |  \ \ \
539荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/13(木) 00:13:40 ID:0HMwePEI
私の作品がなんか波紋を呼んでるみたいですね。
まぁ、人それぞれ考えることは様々だと思います。
ボクは、それで良いと思ってます。
>>484>>488さん、応援ありがとうございます。
>>494さん、とりあえず向こうには誰かさんが、コピペしてくれたのですが
どうしましょうかね。
なんだか、こっちでいいみたいな気がしますが・・・

とりあえずそんなわけで。・・・(だからどんなわけやね〜ん!(`3´)シ(ノ=゚ω゚)ノ)
みなさんお待たせしました。「やす菜の心が開く時・・・」連載2回目、
投下したいと思います。また暇つぶしにでも読んでやってください。
では、どぞーヽ(´ー`)ノ

第一章:「葛藤」(1/4)

   1

 暗い部屋の中でアロマテラピーの炎がゆらりと揺らめいている。
 机に座って、フォトスタンドを眺めながら私は、あの男の人の言葉を頭の中でゆっくり
繰り返していた。
------新しい環境に”自らの意思で”身を置き、適合しようとするための努力が
この症状の克服の鍵・・・-------
 私の意思で生活を変える・・・これがどんな意味を持っているのか、私はすぐに
理解できた。
 でもそんなこと、今まで考えたこともなかった。
 物心ついた頃も、普通に男性が見えてなくて、自分の父親の顔さえわからなかったから、
これは一生続くものだと思ってた・・・。
 でも、はずむ君が私の前に現れたことで、世界が変わった・・・。
 私ははずむ君なしでは生きていけない・・・
 生活を変えるということは、はずむ君とお別れしなきゃいけない。
 お別れ・・・・・
「嫌!絶対!!はずむ君と別れるなんて・・・・・」
 私は頭を振った、髪の毛がバシッと顔に当たる。
 はずむ君は私の全て・・・それなのに、別れるなんて到底考えられない・・・・・
 目頭から雫が流れた、ポロポロと零れ落ちる雫は、フォトスタンドの表面を濡らしていく。
 でも、はずむ君から離れないと、またいつ何処であの恐怖が蘇るかわからない・・・
 わたしは、田舎の駅の出来事を思い出した、とまりちゃんがはずむ君にキスをして
いたあの時のこと・・・・・
 あの時、とまりちゃんが裏切ったと思った瞬間、私の目はとまりちゃんもはずむ君も
見えなくなっていった。
 怖い・・・あの見えなくなる瞬間が、私の頭の中で何度も繰り返される・・・
「わ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
 私は声を上げて机に泣き崩れた。
 涙が止まらない・・・こころの底からあふれ出てくる何かが、私の瞳を熱くし、
雫となって私の頬を伝う・・・どんどん・・・どんどん・・・とめどなくあふれ出てくる・・・。
 私の頬を伝ってフォトスタンドに流れていく。スナップのはずむ君が滲んでいく・・・。
「はずむ君っ・・・私はっ・・・私はっ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
540荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/13(木) 00:14:24 ID:0HMwePEI
第一章:「葛藤」(2/4)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ どれくらい時間が経っただろうか?
 気が付くと私は、泣き崩れたまま眠ってしまったみたいだ。
月明かりが部屋の窓に射し込み、机の上の鏡は、月明かりに照らされる私の腫れた目を
映し出していた。
 私はゆっくり立ち上がると、部屋を出てリビングに続く階段を下りていった。
 台所に入ると明かりをつけ、水道の蛇口を捻り、勢いよく流れ出す水で腫れた目を
冷やす。
 冷たい水は、気持ちよかった。私の心のわだかまりまで、洗い流してくれてるようだ。
 水道の蛇口を絞り、明かりを消して自分の部屋へと戻る。
 部屋の扉を開け、後ろ手で閉めるとそのままベッドに倒れこんだ。
 今日、はずむ君にこんな顔で、こんな気持ちで会うことが出来るのだろうか?
 きっと暗い顔をして会えば、はずむ君のことだから心配するだろうな・・・
 あの困ったような、今にも泣き出しそうな顔で私の目を見つめるんだろうな・・・
 なるべく顔に出ないようにしなきゃ・・・私が大きく一つ溜息をつくと、心地よい
眠気がやってきて、それに流されていくように私は眠りに入った・・・・・。

   2

 目覚まし時計が6;30を伝える。その音に少し、憂鬱な思いを持ちながら私は
起き上がった。体が少し重い・・・。
 パジャマのボタンを外しながら、今日はどうやってはずむ君と顔をあわせればいいのか
考えていた。まだ別れると決めたわけでもないのに、何故か心の奥底に重い何かが
渦を巻いている。
 制服に着替え終わった私は、かばんを手に取り、重い足取りのまま階段を下りた。
「おはよう・・・」
 リビングにあるテーブルの席に着くと、母が台所から優しい口調で朝の挨拶をして
くれた。
 テーブルには、トースト、スクランブルエッグ、ポテトサラダ等が綺麗に盛り付け
られていた。
 どれもおいしそうだったけど、昨日のことを考えると、とても喉を通りそうにない・・・
 それでも私は、マグカップにそそがれたホットミルクを一口口に含み、トーストを
かじった。
 こんな重い気持ちの朝食は久しぶりで、はずむ君と出会う前は毎朝こんな感じだった。
 気が付くと、時計は7:00を知らせていた。食事もそこそこに、洗面台に向かった。
 洗面台の鏡の裏の自分の歯ブラシに、歯磨き粉をつけ歯を磨きながら、私は今日
はずむ君とどんな風に接すればいいのか考えていた。だが、結論は出ないまま口を濯ぎ、
顔を洗って、鏡を覗いた。そこには暗い顔をしたもう一人の私が映っている。こんな顔じゃ
はずむ君に心配をかけてしまう・・・
 私は笑顔にしてみた、やっぱり元気がない私が映る。
「こんなんじゃはずむ君に心配かけちゃう・・・」
 そうつぶやくと、洗面台のお湯を水に変え、パシャッっと顔にかけた。
 冷たい水が、私の気を引き締めてくれた。タオルで顔を拭き「ヨシ!」と心でつぶやく。
 リビングに戻ってかばんと、昨日作っておいたお弁当を手に取ると、いつもより大きい声で
「いってきます!」と母に挨拶した。
「いってらっしゃい」優しい母の声を背に受けて、玄関の扉を勢いよく開け、バス停まで
走った。
 晩夏の風が私の頬をくすぐる、夏の終わり、秋の気配が幽かに漂う風・・・
 いつもならはずむ君のことで頭がいっぱいだった私は、今日はじめてうつりゆく季節
の変化に気づいた。夏服では、少し肌寒かった。
541荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/13(木) 00:15:18 ID:0HMwePEI
第一章:「葛藤」(3/4)


 教室に着くと、かばんを机にかけ、私はいつものように窓からはずむ君たちが来るのを
見ていた。もう何日も続けていることなのに、今日はなんだか切ない・・・
「あ・・・」
 校門をくぐるはずむ君を見つけた私は、うれしくなった。いつもと変わらない登校
風景なのに、なんだかとても新鮮に感じた。
 昇降口に入っていくはずむ君を目で追いながら、私ははずむ君になんて声をかけたら
いいだろうと考えていた。
 いつもなら昨日あった出来事や、夜のテレビの内容、今日学校が終わったらどうするとか、
他愛の無い話で盛り上がるのに、昨日は帰ってからずっと部屋にこもっていたから、
話題が見つからない・・・
 あれこれ考えてるうちに、教室の扉が開き、とまりちゃん、はずむ君、摩利さん、
明日太さんの順に教室に入ってきた。私は一度、窓辺に視線を向け「ヨシッ」と
つぶやくと、振り返って「おはよ〜!」と言いながら4人に向かって歩き出した。
とりあえず、今日はこの気持ちに気づかれないようにする為に・・・
「おはよ〜やす菜ちゃん!」はずむ君はいつものように人懐っこい笑顔で答えてくれる。
「お〜す!やす菜」とまりちゃんも変わらずに私の挨拶に笑顔で答えてくれる。
「おはよう」明日太さんもいつもと変わらない返事で挨拶してくれる。
「・・・今日は一段と元気ね」摩利さんの言葉に、ちょっとドキッとした。
「そ・・・そんなことないわ」なるべく動揺しないように、気をつけたつもりだった。
 それでも摩利さんの瞳の圧迫感に、私は心が見透かされたように思えた。
 「ねぇ、はずむ君・・・」私はその圧迫感から逃げるようにはずむ君に視線を向け、
なるべく気づかれないようにいろいろ話題を振った。
 朝、あれだけ何を喋ろうかと考えていたのに、いざとなると何かと話題は出てきた。
 あれやこれやと話してるうちにチャイムがホームルームの時間を告げる。
 私は「またあとでね」と手を振り、自分の席に着いた。
 それと同時に教室の扉が開き、並子先生が入ってきていつものように出席を取る。
 いつもと変わらない、この朝の風景。この風景も変えなければいけないのだろうか・・・
 私はまた、いつの間にか机の上で握られた拳を見つめていた。
「・・・やす菜さん?神泉やす菜さん?」
「はっはい!」私は思いつめるあまり、並子先生が私の名前を呼んでる事に気づか
なかった。
「大丈夫?」
「だ・・・大丈夫です・・・」
 なんともいえない恥ずかしさが私の周りに漂い耳が熱くなるのがわかった。
 斜め後ろのはずむ君をチラッとみると、やっぱりこっちを見ていた。こころなしか
心配しているように見える。
 私は軽く微笑み返し、前を向いた。
 そして、(今日はあのことは考えないようにしよう・・・)
 心の中で小さな誓いを立てた・・・。
542荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/13(木) 00:16:18 ID:0HMwePEI
第一章:「葛藤」(4/4)

   3

 4時間目も無事終わり、昼休み。いつものようにみんなでお弁当を広げて食べる。
 私は、はずむ君やとまりちゃんにおかずの取替えっこをしたりして、楽しく昼食を
済ませた。
 5時間目の準備をした後、お手洗いに行こうと席を離れようとしたところに、摩利さん
がやってきた。
「やす菜?今日の放課後、ちょっと付き合ってくれない?」
 その言葉に何故かドキッとした、心臓の鼓動が早くなるのを感じて、今朝の一言が
思い浮かぶ。
「なぁに?」私が聞き返すと、
「ちょっと話があるの、学校じゃちょっとね・・・」
「いいわ、私今日部活があるから終わった後でもいい?」
「わたしも、部活があるからそれじゃ5:00に校門の前で待ち合わせましょう。」
「わかった。」
 勤めて平静を保ちながら話したつもりだったが、摩利さんは私に微笑むと、自分の
席へ戻っていった。
 私ははずむ君を誘って、お手洗いに向かった。
 教室に戻る途中の廊下で、今朝の摩利さんの視線が思い出される。なんでもない一言
だったが、意表を突かれたような気がした。
「やす菜ちゃん大丈夫?」
 はずむ君の綺麗な瞳が私の瞳を覗き込んだ。いつもと変わらない笑顔で・・・
「ううん・・・大丈夫よ?」私はその大きな瞳に元気付けられるように答えた。
「今日のやす菜ちゃん変だよ?なんかボーっとしてて、心ここにあらずって感じで・・・」
「そんなことありませ〜ん」私は面白おかしく答え、プイっと視線をそらす。
「そうかなぁ〜?」はずむ君が疑うような視線でまた私を見る。
「あ〜、そんな風にしてみるんだったら・・・こうしてやる!」
 私は、はずむ君のわき腹をこちょこちょとくすぐった。はずむ君はこの攻撃に滅法
弱いらしく、
「あははははははっ!やっやめて!ひゃひゃひゃひゃひゃっ!」
「この!この!どうだ!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃっ!!ごめっ!ごめん!ひゃひゃひゃっ!もうっ!しないから!
うひゃひゃ!許して!!」
 はずむ君は笑い転げながら必死に謝った。
「よ〜し、そこまで言うんだったら・・・」と言いながら私が攻撃の手を緩めた次の瞬間!
「隙あり!」はずむ君は私のわき腹をすかさずくすぐった。
「ひ〜!ひ〜!ごめん!ごめんなさい!許してぇ〜!」私もこの攻撃にはたまらない。
 その時、始業のチャイムが鳴り、私とはずむ君は笑いながら教室へと走っていった。
 私達が教室に入ると同時に、教科担当の先生が入ってきた。
「こら〜!遅刻だぞ〜!」
「ごめんなさ〜い」私たちは口を揃えて謝りながら、それぞれの座席に戻ろうとした時、
「元気になってよかった」
 はずむ君が耳元でそっと囁いた。
 振り返ると、はずむ君はもう自分の座席の椅子を引いていた。
 私も急いで自分の席について一息つくと、はずむ君の方を見た。てへっと笑いながら
小さく手を振ってくれた。
 私も笑顔で小さく手を振り返し、机の上の教科書に手をかける。
 いつもはずむ君と一緒だと自然と笑顔が出ていたけど、こんなに声を出して笑った
のは久しぶりだった。
 心地よい爽快感が、私の心の中の迷いを流してくれたようだった・・・。


・・・・・第二章に続く・・・・・
543荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/13(木) 00:27:39 ID:0HMwePEI
とりあえず今日はここまでです。
最近、これを書くのが日課になってます、
仕事そっちのけで書いてる自分がちょとハズカシス・・・・orz
書いてる途中でやっちゃったことがありまして・・・・
季節展開が晩夏から早秋なのにアニメの12話は、夏の終わり。
でも、冒頭は4ヵ月後・・・失敗しました・・・・どんな時間軸だよ・・・・(汗)
書き始めたのは、アニメが終了した直後だったので、そっから計算してやったんですけどね・・・
そこのところはあんまり突っ込まないで下さい・・・m(__)m
それじゃ、また溜まったら書き込みしたいと思います。
544名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 02:49:16 ID:rMbv3YKl
続き待ってたよ。やす菜とはずむのいちゃつく(?)シーン大変楽しませてもらいました!
もっと、もとい次を楽しみにしています。
545名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 05:59:45 ID:VPkwdCBM
保守ぬるぽ
546名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 07:39:08 ID:G7OFh2Q3
保管庫の管理人さん、どうしちゃったんだろ
忙しいのかな?

547名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 12:03:21 ID:4egDwWfv
>>543
くすぐりっこ(*´д`*)ハァハァ……じゃなくて、続きGJ!
細かい日常描写がうまいと思う。歯磨きとか朝食メニューとか。
この辺手を抜くとリアル感消えちゃうんだよな。
続き待ってます。
548名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 12:13:34 ID:nF0C8JKk
>荒巻氏
世界が広がったから知ることの出来る苦しさ、幸せ、自身の強さ、弱さ、
やす菜はどう、答えを出してくんでしょうね。その過程にみんながどう関わってくかも楽しみです。
549>>330こと荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/13(木) 12:20:21 ID:oG0uAkLT
>>836-838
亀レスですが、んじゃ投下はやめときます。
変わりにアドレス張っとくんで、暇つぶしにでも見に来て下さい。
【僕の事】かしましSS総合第2期【女の子にして】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142653904/539-543
550荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/13(木) 12:20:56 ID:oG0uAkLT
誤爆ッた・・・・_| ̄|○
551名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 23:46:28 ID:50HlqHHj
>>549-550
あせった。ここに書かないわけじゃないですよね。楽しみにしてます。
552名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 08:57:07 ID:qvnSVFih
何この過疎っぷり……
捕手age
553名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 21:08:27 ID:kixA7ytH
不条理に叩かれた職人方が去って行ったのが大きいと思われ
554名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 22:05:19 ID:qvnSVFih
まだ未完の作品も多いってのに……
荒らしとはいえ、叩かれていい気分になるわけ無いよなあ
とりあえず、ROMってる香具師はなんでもいいから書き込んで欲しい
このスレを落としたくないから

555名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 01:50:31 ID:GFkk0Ctu
>>535
耳いいね

はずむキュン=犬耳
やす菜=猫耳
とまりん=犬耳

かな

>荒巻っち
90分間ひたすらくすぐり続けるAV思い出したよ
556荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/15(土) 14:50:20 ID:suDr5hlm
んじゃ落とさないように書き込みするか・・・・

>>544>>547
特に意識はしなかったのですが、女子高生ってこういうなんでもないいちゃつきって
よくやってるんで入れてみました。
日常描写に関して、時間経過を補足するという点で非常に重要だと思っています。
日常の何気ない生活の中で、各キャラがどんな風に思っているのかを文字にすることによって、
読みながら頭の中で創造しやすいようになりますしね。

>>551
すいません・・・_| ̄|○
本スレに行って聞いた時に間違いました。
勿論続きができたら随時投下していきます。

>>555
どんなAVですか!(`3´)シヽ(゚∀。)ノアヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
557名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 21:20:10 ID:uAWpcGCF
あのね
558名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 23:44:17 ID:POGf/yzC
131氏のカムバックを待っているのは、すでにオレしかいない予感
559名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 00:52:52 ID:Zg2xAn9n
んなこたない。
ワクテカしながら待ってるさ!
560名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 01:47:33 ID:5+D33kX6
俺も待ってる…!
561名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 02:16:17 ID:/Zw7if90
131氏に限らず、投下をwktkで待ってる
562前スレ496:2006/04/16(日) 03:10:00 ID:6rX/eIhE
途中ですがとりあえず投下
563前スレ496:2006/04/16(日) 03:11:26 ID:6rX/eIhE
午後の授業が終わり、クラス中が喧騒に包まれる。
会話の内容のほとんどが放課後の予定についてだ。
とまりとはずむも例外では無い。
「はずむはもう帰るのか?」
「そのつもりだけど……」
「ならちょっと待っててくれないか?
部活のミーティングがあるんだ。すぐ終わる。」
「わかった。じゃあ校門でね」
「おう!」


あれから1時間が過ぎた。
「やべぇ…遅くなっちまった……」
この寒空の中、1時間も待つのはかなりしんどい。
“それでもはずむは待っている”
そんな確信がとまりにはあった。
(帰りにパフェでも奢ってやるか。
あたしはマンゴーにしよっと。はずむは……チョコかな?……フフッ)
はずむの喜ぶ顔が目に浮かぶ。
そんなはずむの顔が早く見たくてとまりは足を急がせた。
564君をつれて:2006/04/16(日) 03:12:39 ID:6rX/eIhE
しかし、とまりが校門に辿り着いた時にははずむはいなかった。
「やっぱり帰っちまったか?」
いや、そんなはずはない。
はずむはそういう奴だ。
とまりは自分に言い聞かせ、少し待つ事にした。

―――来ない
あれから20分は立つ。
下駄箱の靴を確認したが、靴はまだあった。
帰ってはいない。

……なら何処に?

まさかの事を考えると不安は募るばかりだった。

ちょうどそのとき、クラスメイトがこちらに向かって来た。
「とまりじゃない。何してるの?」
「はずむ見なかったか?」
「はずむ君?……ああ、そういえば体育倉庫に男子と一緒に行ったような……」
不安がとまりの脳裏を過ぎる。
「……それはいつだ?」
「30分位前かな?」
「わかった」
「ちょっと……とまりっ!」
クラスメイトの話を聞くや否や全速力で体育倉庫に向かった。
(まさか……そんなことあるわけが……)
あるわけが無い、そう祈りながら体育倉庫に向かって全力で走り出した。
565君をつれて:2006/04/16(日) 03:13:30 ID:6rX/eIhE




「おい、腕を縛れ」
「暴れないよう抑えとけよ」
そのころ、はずむは男子数人に囲まれ身動きがとれなくなっていた。
「嫌だ!やめて!」
「静かにしろ!」
男がはずむの口をふさぐ。
抵抗も空しく、はずむの体は完全に自由を奪われてしまった。
「よし、まずは上を脱がせろ。」
男の一人がはずむにてをのばす。

男達がはずむに手を出そうとしたその時だった。
「お前らはずむに何してるんだ!」
「げっ!来栖……」
「とまりちゃん!!」「はずむ!!!お前ら……」
とまりは助走をつけ、男の一人に飛び掛かった。
「よくもはずむを!!」
「うおっ!」
倒れ込んだ男に馬乗りになり、渾身の一撃を食らわせようと大きく振りかぶった。
しかし渾身の一撃は後ろにいた男の手によって捕らえられてしまった。
「しまっ……ぐふっ!」
「とまりちゃん!!」
とまりは後ろにいた男に殴り飛ばされた。
「お前はすっこんでろ!」
男達はとまりを取り囲み、抑えつけた。
「やめろ…やめろ!!」
必死に暴れて抵抗する。
「こいつもヤっちゃおうぜ」
「ふざけんな!」
とまりの激しい抵抗に痺れを切らし、一人が思いっきりとまりを蹴飛ばした。
「がはっ!」

とまりが倒れたのをいい事に男達は一斉にとまりを蹴り始める。
「やめて!!とまりちゃんが!!」
しばらくするととまりが動かなくなった。

「とまりちゃん!大丈夫?」
はずむが呼び掛けても反応は無かった。
「とまりちゃん!とまりちゃん!」
566君をつれて:2006/04/16(日) 03:14:23 ID:6rX/eIhE
「さて……本番と行くか。」
男達がはずむを取り囲み、服を脱がそうとする。
「や…めろ……」
その時、とまりが叫んだ。
「うるせえな。黙ってろよ。」
とまりは痛む体に鞭打ち、覚悟を決めるように言った。
「はずむのかわりにあたしがやってやる!
 だから……お願いだから……はずむには手を出すな!」

「……そういう事なら望み通りにしてやる」
男は少し考え込み、言った。
「そんな……とまりちゃん……」
「心配すんな。平気だから」

男はとまりのショーツを引きずり下ろし、躊躇う事なく自分の肉棒を押し込んだ。
「ひぐっ………あ……つっ!!」
今までに体験したことがない激痛がとまりを襲う。
「お前、処女だったのか。
こいつはいい。」
男はとまりを気遣う事なく欲望のままに動く。
「くっ……ぎっ……」
男が動く度にとまりの口から甘美とは遠くかけ離れた声が漏れる。
「や……やめ……」
とまりは目に涙を浮かべ、痛みに必死に堪えていた。
「やめていいのか?やめたらあいつが大変なことになるぞ?」
「っ……」
せめて声を上げれば少しは痛みも和らぐ。
しかしとまりにそれは許されなかった。
「ああ……もうイきそうだ……」
「ひ……ぐ……」
男は快楽を求め、さらに激しく動く。
その度にとまりが声にならない悲鳴を上げた。
それから間もなくして、男の体が大きくのけ反った。
「うおおっ!出る!」
「ああっ……熱……熱い!」
とまりの膣内を熱い液体が満たす。
その反面、やっと開放されたと思うと少し楽になった。
567君をつれて:2006/04/16(日) 03:16:03 ID:6rX/eIhE
「おい、まだおわりじゃないぞ」
次の男がとまりを後ろから抱き上げ、休む暇も与えずに挿入した。
「あっ!」
そしてとまりの腰を掴み、体を上下に無理やり動かす。
「ぐっ……」
まだまだ終わることはない・・・
とまりは絶望に打ちひしがれた。

「我慢できねぇ!おい、こいつをくわえろ!」
男がとまりを無理やり起こし、熱き肉棒をとまりの目の前に差し出す。
――思いっきり噛み付いてやろう、とまりはそう考えていた。
「おっと……噛み付いたりしたらあいつも犯すからな」
……読まれていた。
とまりは精一杯の抵抗として思いっきり睨み付ける。
「そう怖い顔すんなって。
お前の望み通りやってるんだからよ。」
その時、とまりの口の中に肉棒が挿入された。
「うぇっ」
とまりは驚き、思わず歯を立ててしまった。
「つっ……バカ野郎!
もっと優しくやれよ!」
男は激怒し、とまりの頬を殴った。
「ぅ……」
「次ヘマしたらはずむも犯すからな」
無理やり犯されている痛みに耐えながら上手く肉棒をしゃぶらないといけない。
さもないとはずむが犯されてしまう。
焦燥感が募り、とまりは精神的にかなり弱っていた。


「おおっ!」
前の男が叫び、精液をとまりの口の中にぶちまけた。
「ゲホッ、ゲホッ」
とまりは突然のできごとに驚き、思わず咳き込んだ。
「バカ!吐くな。飲めよ!」
男がとまりの口を塞いだ。
とまりは行き場の失った精液をのみこむ。
「うぅ…苦い……」
しばらくすると後ろの男も絶頂をむかえた。
そしてとまりは力尽き、再び床に倒れ込んだ。

「おい、まだ終わりじゃねぇよ」
再び男がとまりを引き摺り起こした。

――これはまだまだ終わりそうに無い
とまりは諦めたのか、全く動かくなっていた。

568君をつれて:2006/04/16(日) 03:16:58 ID:6rX/eIhE
あれからどれだけ過ぎただろうか。
何度男達を絶頂させたかわからない。
男達を次々と絶頂させていくうちに痛みが段々と快楽に変わっていく。
とまりもまた何度絶頂したのかわからない。
しかし限界はとうの昔に過ぎていたのは間違いなかった。


男達は満足したのか、とまりを突き放した。
「なかなかよかったぜ。」
そしてはずむを解放し引き上げていった。



「とまりちゃん!!」
はずむはぐったりと横たわるとまりに急いで駆け寄った。
「ごめんね……ごめんね……」
好きな人が目の前で強姦されているのに何もできず震え上がっていただけ。
何も出来なかったのは恐ろしさのためだけではない。
何よりも自分優先。
さらに好きな人が犯されている光景に見とれていた、というのもある。
しかも、その人は自分の身代わりになってくれたのだ。
なんて情けないんだろう。
自分が許せない。
はずむは自分を精一杯罵った。


「ごめんね……ごめんね……」
はずむが動かないとまりを抱きしめ、何度も同じ言葉を狂った様に繰り返した。
「は……ずむ……」
とまりが微かに反応を示す。
「とまりちゃん……?」
とまりが目に一杯の涙を浮かべ、はずむを見上げる。
「はずむっ・・・わあああん」
とまりははずむの胸に顔を埋め、大声を上げて泣き叫んだ。

人前で滅多に涙を流さないとまりが大声で泣いている。
当然だろう。
あんな事をされて平気でいられる訳が無い。
はずむはとまりをどうにか慰めようと、とまりを抱き締めた。
「ありがとう……ごめんね……」
「はずむ……」
とまりは顔を上げ、必死に涙を堪えようとしていた。
しかし涙は止まらない。
とまりのその姿がとてもいじらしく見えた。
569君をつれて:2006/04/16(日) 03:17:56 ID:6rX/eIhE
目の前の可愛らしい少女を自分のものにしたい……
抱くだけでは物足りない。
はずむはとまりが犯されている間、そんな事を考えていた。
それがどんなに酷い事かわかっていながらも。

そして、この時はずむの理性が壊れた。
「とまりちゃん……ごめんね!」
はずむはとまりの頬に手を掛け、唇を塞いだ。
「んん!!」
とまりは突然の出来事に驚き逃れようとする。
しかしはずむはそれを許そうとはせず、舌をとまりの口の中に押し込んだ。
570前スレ496:2006/04/16(日) 03:26:36 ID:6rX/eIhE
今のところは以上です。

思うような文が全く書けなくて執筆が進まないのが現状です。
それに散々推敲した挙句でこの程度しか書けない自分が情けなくて投下を躊躇いました。
しかしまあ、枯葉も山の賑わいって事でちょっとでもこのスレが活気を取り戻してくれると幸いです。


あと、>前スレ231氏
皆さんお忘れのようですが、私は応援してます。
がんばってください。
571名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 11:07:14 ID:9KBL0kfx
う〜ん
572:2006/04/16(日) 15:05:05 ID:RLZgmUy0
>>570
まあ、このスレがエロパロだから、内容はしょうがないとして
もうちょっと各キャラの踏み込んだ感情の表現を描いて欲しいですね。
陵辱ものならもっとこう、とまりの自我が崩れ壊されていく様と
それを、何も出来ないで見るしか出来なかったはずむの感情をじわりじわりと
描いた方が、読み手として感情移入が出来易いんじゃないかなと・・・
あと行為に及んでいる時の男子の行動や、それに伴うとまりの反応も、
もっとリアルにどろどろに描く方が作品としての完成度は高いんじゃないでしょうか?
573名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 15:45:31 ID:7Uw1kA7J
リクに応えてくれた496氏へ、心からGJ!
574名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 04:35:47 ID:mq04VUoS
はずむんを監視してる宇宙人がそのまま放置しておくわけないから

宇宙人とジャンプウは留守とかもう故郷へ帰っていったとか一文で付け加えあったら良かったと思います。
なにはともあれTHX乙
575名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 08:04:17 ID:Xo4SidSv
>>570
正直微妙
576名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 08:17:52 ID:QCyvo7eo
例え美少女でも処女はきついという感想を持ってしまった
俺って変?
577名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 10:44:51 ID:aWqkOt17
何がきついの?
しまり?
578名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 12:26:59 ID:+CMUfXt7
奪うものが多ければ多いほど、光るのが凌辱モノ。
想い人あり、処女、は基本です。
579名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 15:07:58 ID:mrd2ENb9
陵辱?凌辱?どっちが正しいの?
580名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 16:19:23 ID:CA9+tMdB
>>579
意味はどちらも一緒。
581名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 16:35:27 ID:FgqCZsg5
ここ、リョジョークSSもokだったん?
582名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 20:25:29 ID:FzPAbLSM
>>581
特に禁止されてはいないんじゃないかな。
ただ、猟奇系同様、事前警告出してくれると嬉しい人はいるかも知れない。
583名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 20:27:11 ID:OD3E/tzj
>>581
要事前警告
584前スレ496:2006/04/17(月) 20:55:01 ID:/r2GfYE1
コメントありがとうございます。
書いてる自分でも酷い文だと思ったのですが、とりあえず投下。
ダメな点を指摘してもらって書き直そうかと思ってました。
実際指摘されても全くいい文章は思い浮かばず。
某アニメのセリフを借りれば
「物語を二つ生み出したら才能が尽きてしまった」
って所です。
正直、加筆修正どころか続きを書けるかどうかもわかりません。
まあこんな駄文の続きなんてどうでもいいでしょう。
一種の荒らしかなんかと思ってください。
もしくは脳内補完を推奨します。

一応いっておきますけど、みなさんの評価のせいで∬を書く気をなくしたわけではありません。

神々方の帰還をROMりながらお祈りしてます。
585名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 20:56:11 ID:bdySb8/9
>563以下くらいのに、警告なんかいらんよ。
警告だNGワードだって、いちいち騒ぐバカを生むだけだ。
読みかけて嫌な感じがしたら、自主的に回避すればいい。
職人に配慮を強要すると、荒しに口実を与える事になるぞ
58610:2006/04/17(月) 22:20:38 ID:lXiWt1Tx
はずむ&宇宙人さんのお話
多少エロあり&展開と落ちは微妙かもな

以上を覚悟していただいたうえで
『ふれあい』
587『ふれあい』 1/8:2006/04/17(月) 22:21:19 ID:lXiWt1Tx
 シュイーン、ピー、ピー
 はずむの頭にかぶせられた調査用の機器が終了を意味する音を響かせる。
 いつものボディスーツに身を包んだ彼は、はずむに言った。
「もう外していい」
「はい。ふぅ、一寸疲れたかな」
 デート直後のデータが欲しいという彼の要望を受け、今日のはずむは部屋着に着替える間
もなくブラウスにフレアスカートという、幾分おしゃれをした格好だった。だから余計に疲
れたのかもしれない。
 はずむの独り言にすかさず反応して言う。手を口に当てながら。
「いつもすまないねぇ。ゴホゴホ」
 はずむもたまには付き合いよく、のってみる。
「おとっつあん、それは言わない約束でしょ」
 彼は中指で眼鏡のブリッジを上げる仕草をしながら尋ねる。
「面白いのかね、それは」
 はずむは腕組みして、怒ったというジェスチャーを見せながら言う。
「ひどいなー。せっかく宇宙人さんのノリに合わせたのに。結構、宇宙人さんて僕のこと、から
かって遊ぶんだよね。本当は、感情の動きがないなんて嘘なんでしょ」
 無表情なままで、はずむの方を向き、答える。
「君たちの表情や行動のパターンをトレースしているだけだ。それらしい真似事でしかない。
あと20年もすれば、地球人の作るロボットでもこれくらいの芸当は見せられるだろう」
 その言葉を聞き、はずむは何とはなしに気まずくなり、別の話題を出してみる。
「宇宙人さんて、すごいよね。星の未来を救うために、こんな凄く遠い星まで来ちゃってさ。上手
くいったらさ、英雄だよね」
「それはどうかな」
「え?でも、存亡の危機なんでしょ。皆、不安に思ってたりするんでしょ」
「大概は現状を粛々と受けいれている。種の保存が本能だというのなら、我々は本能がすでに壊れ
ているという結論から。周りの生態系に被害を与えぬよう、静かに滅びるのが最期の勤めだと」
「そんな・・・宇宙人さん以外にだっていたでしょ、このままじゃいけないって言う人が」
 彼は胡座をかき、腕を組んだ格好で淡々と話す。 
「ただ、異を唱えるだけの者は、再教育を受ける。規律を乱す者とみなして。私は計画を持って皆
に説明し、予算を得ることが出来た。だから、ここにいる。幸運かどうかはわからないが」
 はずむは、ますます居たたまれない気持ちになる。
「あの、ごめん」
「謝る必要はない、私は事実を述べただけだ」
「それでも・・・」 
 はずむは、正座のままでにじり寄ると、彼の膝に手を置きながら言う。 
「僕は自分が無神経なことをいったと思うから・・・」
「同情というものかね」
 ピクッとはずむの肩が動く。図星を指されて、はずむは俯く。
 その様子を見咎めるでもなく、彼は言う。
「相手の気持ちを推測したうえで、よりよい行動を選択する。感情を持つ者達が円滑なコミュニケー
ションを取るために重要なものなのだろう、それに関する適切な反応は…『ノープロブレム』でいい
のかな」
588 『ふれあい』 2/8:2006/04/17(月) 22:22:11 ID:lXiWt1Tx
 思わず、顔を上げると、そこにはいつもと変わらない彼がいた。はずむは少し笑んで言う。
「はは『ターミネーター2』みたいだ。…ねぇ、僕、結構、宇宙人さんに救われてるのかな。そりゃ、
こんな身体になっちゃったのは宇宙人さんのせいだけどさ。宇宙人さんや、ジャン・プウがいて、賑や
かな毎日は結構楽しめるようになってきたし――」
 間を置き、はずむは続ける。
「――何よりさ、やす菜ちゃんの事…宇宙人さんに言われなかったら、僕はきっといつまでも、気づけな
いでいたと思うし……うん」
 はずむは一つ大きく頷くと、彼に言う。迷いの無い言い方で。
「宇宙人さん、何かあったら言ってくれていいから。僕に出来る事だったら、何でも協力するよ。宇宙
人さんも同情とか、友情とかややこしい考えなんかしなくていいからさ」
 彼は顎に手を当て、考える格好をする。
「何でもと言ったね・・・ならば今日は、特別に調査を続けさせてもらおう」
「うん、いいよ、ヘルメットかぶればいいんでしょ」
「・・・いや」
 彼ははずむの両手首を掴み、ゆっくりとはずむを押し倒しながら言った。
「フィールドワークだ」
 あまりのことに、抵抗も、大声をあげることも出来ない。声を震わせながらも、やっと言えたの
は冗談めかした言葉だった。
「ま、また、宇宙人さんたら、僕を驚かせようとして・・・」
 はずむの上に、のしかかりながら言う。
「そう思われては調査にならない・・・それでは、こうしよう」
 ブゥーン。どこからか音がする。
「え、嘘・・・」
 ボディスーツがコスチュームチェンジする。
 下はジーンズに、上は何も身につけない素肌のままで。
 はずむの両腕は床に押し付けられる。
「少しは雰囲気が出ているかね」
「・・・冗談がきつすぎるよ・・・宇宙人さん・・・」
 はずむの手首から手を離し、そのまま両肘を床につける。二人の距離がなお近くなる。
 冷静な声がはずむの耳に届く。
「入手したいデータがある。直に触れ合うことによる、心の動きの観察。何のフィルターも通さず、
私自身によって・・・今の君にあるのは、専ら恐怖かもしれないが。君は抵抗してもいい。正直な心の動
きを、感情を知りたいのだ」
 そのままの姿勢を崩さないはずむに、彼は続けて言う。
「必要なデータではあったのだが、これに関しては、了解を得るのは難しいと保留していた。しかし、
君は何でも協力すると言った」
589『 ふれあい』 3/8:2006/04/17(月) 22:22:56 ID:lXiWt1Tx
 彼には判断しきれない、複雑な表情のはずむを見つめる。
 それでも、はずむは動かないでいる。少し疑問の色を混ぜながら、彼は言う。
「逃げないのか」
 はずむは静かな声で、むしろ、いたわりの表情すら見せて答える。
「今の宇宙人さん、とても寂しそうに見える」
 彼もまた穏やかな声で問う。
「また『同情』かね」
 はずむは首を横に振る。
「わからない、けど・・・」
 宇宙人さんは自分に感情は殆どないと言った――じゃあ、何でその瞳は。
 はずむは言う。
「そんな目で見つめられたら・・・動けない、そんな、悲しい色の瞳で見つめられたら」
 だから、はずむは目を逸らそうとした。けれど、それは叶わなかった。
 両頬をしっかり、包み込むように抑えられていたから。
 観念したように、そのまま、言葉を続ける。 
「感情がないって宇宙人さんは言うけど、僕にはどうしても、そう思えないんだ」
 彼は、はずむの澄んだ瞳を見つめたままで言う。
「私が異端の者だから、かもな」
「え?」
「科学者の資質を持ちながら、星から飛び出すことを、いわゆる冒険を求めた。そんな奴は私ぐ
らいだったということだ」
 はずむは無意識のうちに、自分の頬に触れている手の上に自分の手をゆっくりと重ねる。
 そして、目を閉じながら、彼のことを思う。  
 この人はどれだけの間、独りだったのだろう。遥か彼方からここに来るまでの宇宙船の中。
 違う。きっと、もっと前から。人が生き物であるために、恐らく抗い続け、主張し続け…この人は
自分の星の中ですら独りだったんだ。
 はずむは呟く。
「手から、宇宙人さんの孤独が伝わってくるみたいだ」
「・・・それは不思議だな。不快感を受けているということかね、もう、離れたい?」
 はずむは目を開け、それから愛しいものを見るように、目を細める。
「ううん、違う。出来る限り、宇宙人さんの気持ちを受け止めたいって思ってる・・・僕なんかでよかっ
たら…このままで…いいよ」
 嘘でも、強がりでもなく、自然にはずむは告げることが出来た。
590『ふれあい』 4/8:2006/04/17(月) 22:23:39 ID:lXiWt1Tx
 小首をかしげて、彼は問う。
「調査を続けてもいいということか」
「うん。でも、その代わり――」
 はずむは、包み込むような笑顔を見せると、右手を彼のほうに伸ばした。
 そうして、彼の頬に触れながら言う。
「今だけ、『そら』さんって呼んでもいい?」
「――名前はそんなに重要なのか」
 はずむはそっと、彼の頬を撫ぜる。
「うん。いつだって、出会いの次は呼びかけていく事から始まるんだよ、きっと」
「――それは貴重な意見だな、元・・・」
 言いかけていた彼の唇をはずむの右手の人差し指がおさえる。
「元少年じゃなくて・・・はずむって呼んでくれなきゃ、駄目だよ」
 彼は、了承のうなずきをしてから、言う。
「はずむ」
「はい」
 相も変わらない真顔で彼は尋ねる。
「それで、君は私にどこまで調査を許してくれるのかね」
「・・・そんなの聞かないで」
 またも、彼は首を傾げて言う。
「君の考えは推測しかねる。とりあえず、ブラウスぐらいは脱いでもらいたい」
 ただの依頼のはずなのに、はずむには自分の心を試されているような気がした。だから、答える。
「は・・・い」
 震える指で、ボタンを外そうとするはずむの手を彼はとどめる。
「やはり、私がしよう、恋人同士はそうするのだろ?それに私は協力してもらう立場だ、これぐらいは
サービスするべきだろう」
 はずむは、襟の開いたブラウスの胸元に向かって首筋を撫ぜられ、思わず吐息を漏らす。
「ん、ふぅ・・・感情がないなんて、嘘みたいだ・・・宇宙さん」 
「君の期待に応えられているということか」
 丁寧にはずむのブラウスのボタンを外していく。ふと、思い出したように、彼は言う。
「そういえば、女性のブラウスのあわせが男と逆なのは、脱がされやすいためだと聞いたが」
「もう・・・どこからの情報ですか」 
 はずむは軽く、頬を膨らませて見せ、怒ったふりをする。
 彼は気にもせず、ボタンをすっかり外し、前をはだけさせる。雪白い素肌の部分。
 何気ない感じで彼は、はずむのわき腹をなぞる。無造作ながらも、緩やかな手つきに、つい、はずむ
は声をあげてしまう。
「あ!…う……ん」
 露わになったブラジャー。それは、はずむに似つかわしい、控えめなフリルつきの淡いグリーンで・・・。
「フロントホック?こればかりは、やはり・・・誰かに脱がされるのをみこして」
「ち、違うって!僕がぶきっちょにブラつけてるのをみかねて、とまりちゃん達がプレゼントしてくれ
たんだよ、本当に」
「ふむ」
591『ふれあい』 5/8:2006/04/17(月) 22:24:17 ID:lXiWt1Tx
 彼がホックの部分をつまむと、パチンと小さな音を立て、あっさり外れる。窮屈そうにしていた乳房が
解放される。瞬間、はずむは少し怯えたように背筋をビクリとさせる。
 はずむの胸は仰向けに寝ていてもあまり、左右にこぼれたりせず、綺麗な、理想的なふくらみを保って
いる。そこに触れる前に、彼ははずむに生真面目な顔で意見する。
「胸を包み、形を整えるというより、抑えつけられていたように見えたが、適切な大きさのものを使うべ
きではないかと思うのだが」
 まさか、そんなところに目が行くの?と、はずむはすっかり虚を突かれる。思わずしどろもどろになり
ながらも律儀に答える。
「あ、えーと、最近、前より大きくなったみたいで、でも、とまりちゃん、気づいてなかったみたいで。
前のサイズのくれて・・・でも、とまりちゃんには、おっきくなったから付けられない、なんて言えなくて」
 もじもじとしながら話を続けるはずむを尻目に、彼ははずむの胸を、何気ない感じで掴む。
「あ、痛っ。胸は優しくしてくれなきゃ、やだ」
「強かったかね?さほどの力は入っていなかったはずだが。これも、成長期だからかね」
「そうかも。最近、ちょっとの刺激で痛いんだよ」
「来栖とまりには知られたくなかったから、黙ってた?」
「わからないけど…そうなのかな」
 そう答えながらも、はずむは思う。
 僕は、何を知られたくないんだろう。
 自分が確実に、女の子の階段を上っていることに?
 実は、とまりちゃんとのカップ差が2以上になる、後ろめたさからかもしれないけど…説明しづらいか
ら、はずむは心の中だけにとどめておいた。
「胸への刺激が嫌か。それならば、下半身のほうかな」
「え、ひゃ…ん!」
 彼の右手がはずむのふくらはぎから膝の裏辺までを撫ぜる。
 驚きの声を上げる、はずむの反応に彼はわずかに両眉を上げる仕草を見せ、それから、呟く。
「スカートがこういう形なのはこうして、男の手を招き入れるためではないのかな」
 呆れたようにはずむは言う。
「そんなはず、ないでしょ」
「確かに、私は違うことを知っている。だが、はずむはどうかね。スカートの中への不思議な引力を感じた
事はあると思われるが」
「い、引力って」
「比喩的な言い方だったか。つまり、はずむがこうしてみたいと思ったことはないのか」
 彼の繊細な指先が、はずむの太腿をゆっくりと撫で上げていく。
「それは・・・」
「はずむがが愛しく思う女性達の隠された部分に…手を這わせたいと」
「そんなこと…」
 答えられないはずむを見て、彼はあっさりと話題を転換させる。
「それでは、質問を変えよう」  
 ただし、より、答えにくい質問に。
「君は自身の身体をどう扱っているのかね?」
592『ふれあい』 6/8:2006/04/17(月) 22:25:07 ID:lXiWt1Tx
 下着に手が届きかけた彼の右手はわざと核心を避けるかのように、胸に移り、はずむの乳房を包み
こみ、揉み始める。
 はずむは、自身でも気づかぬうちにしていた期待を外されたのと、代わりに感じる刺激に、ため息を
つく。そして、彼の質問に心を乱される。
「あ、ふぅ……え…どうって…」
 彼の愛撫は優しく、柔らかく、しかし、確かな刺激をはずむの乳房に与えていく。
 さりげない人差し指での乳首への刺激に、はずむは思わず背を反らす。彼が問う。
「この、豊かな乳房が自分のものになって。どのように触れてみた?」
「ん…あぅ…そんな…」
「異性の裸への興味は、ごく自然なものなのだろう?私がいないときを狙って、鏡の前でスカートを
そっとたくし上げたことはないのかね。自身の指が、その茂みに触れたことは。あるいはその先の…」
 はずむは、彼の囁きを聞かなくて済むよう、ぎゅっと目をつぶり、両手で自分の耳をふさぐ。
「…うー、何で今日の宇宙さんは、こんな事ばかり言うの」
 彼ははずむの手首を掴むと、たわいもなく、はずむの手をはがした。
 そうして、彼は囁きをはずむの耳に流し込む。
「エッチな事を言われるのは嫌いかね」
「・・・・・・」
 彼の目を見て小さく頷くはずむに、彼は言う。
「エッチな事が嫌いな人なんて、本当はいないはずだ・・・・・・何故なら君たち地球人は、こうして立派
に種を繋いでいけているのだから」
「そんなの・・・詭弁だよ・・・」
 彼は左手を離し、再び太腿への愛撫を始めながら言う。
「恐らくは。でも本当に重要なのは、そういうことを言われて、動揺しているはずむ、君自身につい
てだ。目をこんなに潤ませて、頬を紅潮させて・・・呼吸が荒くなってるのは怒っているだけではないの
だろう?」
 彼の中指が下着の上からはずむの割れ目をなぞる。
「ほう、下着まで。まだ直接、触れていないうちから」
 涙目になりながら、はずむは喘ぐように言う。
「はぁ・・・あ・・・や、お願い・・・言わないで」
 優しい愛撫だからだけでなく、言葉でのなぶりからも、興奮していく自分に、はずむは気づく。
「下着は、下の方も脱いだほうがいいだろう、明らかに湿度を増している」
 はずむの耳元で、息がかかるくらいの距離で、彼は囁く。はずむの下着に指を掛けながら。
「…うん、脱がしてもらってもいいかな、宇宙さん」
 はずむは力が入らないのと、身を委ねてしまいたい気持ちから、彼に、そう告げる。
「協力してもらえるのなら」
 はずむは黙ったままで、少し、腰を浮かす。
 ゆっくりと、脱がされていく。膝まで下着をずらされ、ぺたんとお尻を床につける。はずむの下着は
始めに、左足から脱げ、次に右足の、心持ち水平に伸ばされたつま先を通り抜ける。
 ファサ。下着が床に落ちるかすかな音が、はずむには聞こえた。
 いまや何も着けていない、その個所は外気に直接触れる。ひやりとする感覚に自分がどれだけ感じ、濡
れてしまっているかを思い知らされる。
「恥ずかしくなったのか?」
 上手い返答も浮かばずに、はずむはただ、彼から目をそらすように俯き、返事をする。
「え…と…うん」
593『ふれあい』 7/8:2006/04/17(月) 22:25:45 ID:lXiWt1Tx
 彼は、人差し指ではずむの尻の割れ目をなぞりながら言う。 
「尻のほうにまで液が伝っている…ここまで、濡れてしまうものなのか。皆、ここまでなるものなのかね」
 はずむは、自分で気づいているとはいえ、彼に指摘され、なおいっそう恥ずかしくなる。
 同様を悟られぬように、ぶっきらぼうな言い方になる。
「そんなの、知らない」
「他の子に聞いた事はない?」
「当たり前でしょ!」
 恥ずかしさをごまかすように、はずむの語調は強くなる。
「これならば、男性器も潤滑に挿入できるだろう」
「宇宙さん。だ、だめだよ」
 はずむのあせる声にまるで頓着せず、彼は言う。
「ふむ、指を入れてみようか…」
「え……あ!」
 ぬるりと、抵抗なく、中指が入っていく。むしろ待ち構えていたように中がうごめく。
「宇宙さん…だめだよ…」
 同じ言葉を、はずむは繰り返す。
「異物が侵入するのは、気持ち悪い?」
 軽く、指を出し入れさせながら、彼は聞く。
 ぶんぶんと激しくはずむは首を横に振る。
「違う…気持ちいい…だから…怖い…」 
「もう少し、強くしてみようか」
 彼は指の動きを早める。そして、膣内で指を軽く動かしてみる。その動きに喜びの呼応をするかのよう
に、はずむの中は更にうごめきの度を増す。 
「あん!そ…ん…な。うそ…もっと、感じちゃう……」
 くちゅ、くちゅ、くちゅ。
 直に膣内を刺激する指の気持ちよさも勿論だが、指を出し入れする、淫猥な、湿った音もまた、はずむを
耳から刺激する。彼が耳元で何か囁いた
「…今、君はもっと…して欲しいと思っている……」
 近くのはずの彼の声が、何故か遠くに聞こえる。
 もっとして欲しい?と、尋ねられているのか、それとも、して欲しいのだろうと、断言されているのか
すらも、はずむには判断できなくなっている。
 半ば、喘ぎ声になりながらも、はずむは何とか彼に言う。
「や、だめ、……気持ち…いいけど……このまま、こんなにされちゃったら…ん、ん」 
 今までに感じたことの無い快感が、内から段々に高まってきているのに気づく。
 これがきっと、女の子だけの快感。
 僕、このまま、女の子にさせられちゃうのかな…そんなの…そんなのって……。 
 もう、何も考えられなくなっちゃうよ…。
 はずむは力も入らず、せめての抗いも、身体をくねらせるぐらいだ。しかし、それは、まるで自分の
快感を彼に伝えているようにも、次のステージに彼を誘い込んでいるようにも見えた。
594『ふれあい』 8/8:2006/04/17(月) 22:26:53 ID:lXiWt1Tx
「あぅ…あ、あ、あ…」
 もう、駄目、許して、もう、もう、女の子になっちゃう…。
 はずむは何かに耐えるように目をつぶる、目尻にうっすらと、涙を伝わらせながら。そして…。
 ……え?
 しばらくは、続くかと思われた愛撫が止む。
 はずむが目を開けると、彼が上から顔を覗き込んでいるのが見えた。はずむには彼が、自分のことを心配
げに見つめているように思えた。 
「女性になってまだ間もない時点で、ここまでされるのは、すこし、負担が大きかっただろうか」
 無感情なはずの彼の声が、はずむの耳に不思議と優しく響く。
 彼は、自然の流れであるかのように、そっと抱きしめる。はずむの豊かな胸が、彼の胸板に押さえつけ
られる。あるいは彼にとって、初めて感じる刺激だったかもしれない。彼は呟く。
「君の暖かさは伝わってくるのにな。何で私はこんなにも冷たいままなんだろう」
 はずむもまた、彼の広い背中へ手をまわし、呟く。
「・・・そんな事、ない。宇宙さんのぬくもりだって、ちゃんと、それに・・・・・・」
 こうして抱き合っていれば、二人の体温はいつか重なるから、そんな思いを言葉には出さずに、はずむ
はただ、しっかりと彼を掻き抱く。
 彼は自分の指ではずむの髪をそっと梳く、何度も。手触りを楽しんでいるだけなのか、あるいは、わず
かでも、はずむを愛しく思う気持ちが芽生えたのか、本人すら知る由も無く。
「宇宙さん、僕…」
 はずむは、自身の気持ちに戸惑う。一体、自分は何を言うつもりなんだろう、僕、本気なのかな。それで
も、言葉は止まらない。
 愛撫の、抱擁の、その先を望む言葉。
「…そんなふうに優しくされたら、僕、もう・・・もう、我慢でき…」
 ピピー、ピピー、ピピー
 体勢はそのままで彼が言う。
「そろそろ、時間だ」
「え?」
「ジャン・プウのデータ整理と自己修復が終わる頃なのだが。それとも、このままジャン・プウの前で
続けるかね」
「そ…そんなわけないでしょ!」
はずむは慌てて、彼を押しのけると、改めて、自分の乱れた姿に気づく。
「あ、み、見ちゃ駄目だからね」
 今更なことを言い、背中を向け、衣服を身に着けるはずむに彼は声を掛ける。
「また、研究させてもらってもいいかね」
「――いやです」
 はずむの返答に少し、間があく。
「それは『いやよいやよも、何とやら』という意味と判断していいのだろうか」
「・・・そらさんのいじわる」
 背中を向けられたままでも、彼にははずむの顔が赤くなっているのがわかった。耳の先まで赤くなって
いたから。
 そんな様子を眺めながら、何故だかわからないまま、彼は自然と唇の両端を上げていた。
595名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 23:05:20 ID:R/ji8nLP
>>586
絶妙
宇宙人のキャラクターを、ここまで掘り下げるとは!
エッチもなんというか、すごくはずむっぽい!

>10さんの作品って、独特の雰囲気ありますよね
読んでて引き込まれるやら溜め息出るやら
もっと色んなの読んでみたいです、乙&GJ!!
596名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 00:23:51 ID:SsKPbokP
GJ!宇宙仁ネタは数が少ないから新鮮でよかった。

ただ「、」の多さがちょっと気になったかも。
なんていうか、読んでてテンポが悪いんだよね。
出来れば無駄に区切らないで欲しかった。
597名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 01:38:26 ID:5XO/Leie
>10
GJ
598名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 01:49:18 ID:sIERZf3k
>>10
面白かったです。
599名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 02:37:12 ID:iG2C0pSe
>>586
GJ! 新鮮な、本編じゃあり得なかった、今までなかった組み合わせなのにすげー自然だ。
宇宙人さんのセリフ回しとか難しそうなんだが、違和感無いんだよなぁ。うますぎ。
次回作も楽しみにしてます。
600名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 07:02:33 ID:5U8ynXFs
>10さんの書くはずむくんは、相変わらずかわええなー
601名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 08:30:59 ID:5XO/Leie
あのね
602名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 11:03:54 ID:kKp9aZ8U
真昼間からおっきした
603名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 18:33:34 ID:FQlFPUAp
乙!
604名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 23:47:10 ID:c6xOJTVl
続きいきますね
605『とまりバイシクルっ!』:2006/04/18(火) 23:47:50 ID:c6xOJTVl
2.

翌日、八月二日。天気は昨日と同じく晴れ。
あたしははずむと連れ立って、昔よく遊んでいた近所の河川敷に足を運んだ。
河川敷と言っても、間を流れる川自体はそんなに広くないし、堤防の高さもマンション2階分程度。
せいぜいキャッチボールが出来るくらいの、こじんまりとした場所だ。
土手を下りて、草っぱらの真ん中辺りまで進むと、はずむは自転車のスタンドを立ててから、ほうっと一息ついた。
今日のはずむはいつもと違って、というか、以前に戻ったと言うべきか、動きやすそうなラフな恰好をしていた。
大き目の白いプリントTシャツに、いかにもアウトウェアっぽい黒のカーゴパンツ。
着るものが違うとこうも雰囲気が変わるのか、さっき玄関から出てきたときは、一瞬男の頃のはずむと見間違えてしまった。
胸のプリントの犬の顔が、横に間抜けっぽく伸びてるのが、やっぱりなんか悔しいけど……。
ハンドルに手をかけていたはずむが、横目に犬とにらめっこしていたあたしを振り返る。
「じゃ、始めようか」
「っ、お、おうっ」
はずむは自転車の右隣に回ると、あたしにグリップを持つよう促す。
家にあたしの乗れそうな自転車が無かったので、練習に使うのははずむのチャリだ。
気を利かせたのか、サドルはあらかじめ低く調整してあった。むかつく。
足元は一面草のじゅうたんなので、転んでもそうそう怪我はしないだろう。
この位置からだと、進行方向には川をまたぐ橋が掛かっている。
一旦手汗をパンツの裾で拭って、T字のハンドルに手をかける。
スタンドを足でかしゃんと蹴って、それからサドルにゆっくりと腰掛ける。
右のペダルに足を置くと、いつの間にか後ろに移動していたはずむが、普段通りの声で言った。
「とまりちゃん、準備いい?」
「おぉっ!い、いつでもっ、かかってこいっ!」
出てきた返事は、はずむとは正反対な上ずった声だった。
「いや……とまりちゃんがペダル、漕いでくれないとさ……」
「あ、あたしがっ、漕ぐのかっ!」
そ、そっか。自転車ってのは、人が後ろから押して走るもんじゃ、ないよな。
まずいっ……あたし、思ったより緊張してるっ……?
「僕は自転車の後ろ支えてるだけだから……だいじょうぶ、離さないから安心して」
「ま、まかせたっ!」
顔は前を向いたまま、はずむに信頼のサインを送って、唇をぎゅっと噛む。
なに。こんなの、要はペダルを蹴飛ばした分だけ、速く長く前に進むってこと。
シンプルで、楽なもんじゃないか。
ゴムの感触を確かめるように、一度グリップを握り直してから、心の中でおしっ、と気合を入れた。
「出るぞお、はずむーっ!!」
吼えるように叫んで、正面をびしっと見据える。
「とまりちゃん、どうぞっ!」
はずむの合図と同時に、右足に全体重をかけて。
それからペダルを、思いっきり踏んづけるっ!
「でぇええええええええええええええええええええええええいっ!!!」



ガシャコーン



「………………………………………………………………………………ぁ、ぁれっ?」
景色がぴったり90度、左に傾いている。
右手には雑草。左手には自転車が、覆いかぶさるように倒れていた。
「……は、はずむっ?どこっ?」
「…………とまりちゃん…………力、入れすぎだよ……」
自転車を押しのけるようにして首をひねると、視界の隅に頭を抱えたはずむの姿が見えた。
606『とまりバイシクルっ!』:2006/04/18(火) 23:49:00 ID:c6xOJTVl
    *    *    *    *    *    *
「……いい?とまりちゃんっ。片っぽのペダルだけ一生懸命漕いでたって、
 さっきみたいに転んじゃうだけなんだよ?左右のペダルをリズムよく踏めば、力なんて
入れなくたって前には進むの。わかる?」
「………………はぃ…………」
「それととまりちゃん、ペダルを蹴るものだと思ってない?
 蹴るんじゃなくて、交互に回すの。さっき見てたらとまりちゃん、右のペダルを後ろに
蹴り上げてたでしょ?あんなことしたら足が絡まって、転んじゃうのも当然だよ」
「はぃ…………はぃぃ……」
開始早々、あたしが派手にコケてしまったものだから、はずむは慣れるより習えの方針に変えたらしい。
じっと待ってる自転車の横で、あたしとはずむが向かい合っている。
立ったまま、身振りを交えて一方的に説教するはずむに、あたしは正座しながらただただ頷くばかりだった。
「大事なのはリズムとバランス。右足が一番下までいったら、今度は左足。
 左足が下までついたら、次は右。ね?簡単でしょ?最初のうちは頭の中で、
1・2・1・2って、かけ声掛けてみなよ。ねっ?」
「……わかりやすい説明、ありがとうございます……」
こっちを見ながらハキハキ喋るはずむと、下を向いてもそもそするあたし。
気のせいか、はずむがいつもよりでっかく見える……。
「だいじょうぶ。誰だって最初のうちは、いっぱい転ぶものだし。だから、ね?少しずつやってこう?ね?」
はずむの顔に怒りの色はない。
むしろあたしが理解しやすいようにと、懇切丁寧に教えてくれている。
でもそれが、あんまりにも小さい子供を相手にしているみたいな口調なので、こっちとしてはなんか、へこむ。
「……このまま一週間後まで乗れないままだったら、すごい、みじめだよな……」
「だいじょぶだってば。とまりちゃん、勘がいいし、すぐにコツ掴んじゃうって」
「だといいんだけどさ……」
「ほぉらっ。早く続き、やろうっ?」
いじいじしてるあたしの手を、強引に引っ張って立たせるはずむ。
うな垂れながらはずむに連行されて、導かれるまま自転車のグリップに手をかける。
「はい、サドル座って。やり方はわかったんだから、後は数さえこなせば乗れるようになるよ」
「そうだな…………うんっ。とにかく、漕いで漕いで漕ぎまくるかっ。悩むのはそれからだよなっ」
「そうそう!とまりちゃんは体動かしてたほうが、ずっと似合ってるよ!あんまり考え込んでても、知恵熱出ちゃうだけだって!」
「……いっつも思うけど、ホントお前って、一言多いよな……」
下がったモチベーションを引き上げるように、右足で自転車をまたぐ。
後ろで荷台を支えながら、はずむが念を押してくる。
「いい?右・左・右・左、だよ?」
「う、ん……」
曖昧にそう返事をして、確認するように足元を見る。
右のペダルが下りているのを、逆向きに漕いで調節して。
「じゃ……いくぞ」
「うん。押さえてる」
おっかなびっくり、右足に力を込めていく。
「う……ぁ……っと……」
ふらふらと頼りない自転車を、必死で操る。
右、左、右、左。
頭の中で繰り返し唱えながら、足で小さな円をゆっくりと描く。
「そう…………そうそうっ、うまいよ、とまりちゃんっ」
スピードはのろいものの、何とか前には進んでいるようだ。
タイヤが地面を這っていくのを確認しながら、真下のペダルに意識を集中する。
右、左、右左、右左。
「あっ……とっ、とまりちゃんっ、そっちはっ」
コツを掴んだのか、足を回すスピードが自然と速くなってきた。
右左、右左、右左右左右左右左。
「とまりちゃ、前っ見て――――と、とまりちゃんっ!スピードっ、速いよっ!」
チェーンの音も釣られるように高くなって、何とも爽快な気分になってくる。
右左右左右左右左右左右左右左右左右左右左。
漕いだ分だけ、すいすい進む。それが楽しくて、ペダルを回すのに夢中になる。
さっきみたいに転ぶような気配も無いし、この調子なら、今日中に乗りこなせ――

「まってっ!!とまりちゃっ、追いつけ――――あ」
607『とまりバイシクルっ!』:2006/04/18(火) 23:51:22 ID:c6xOJTVl
ぐわん、と。
車体がいきなり、右に大きく傾く。
「へぇっ」
間抜けな声に一瞬遅れて、ペダルから視線を逸らすと眼前に雑草が迫ってってうええっ!?
た、たたたたたっ、倒れるぅっ!?
「なっ、ふわぁあっ!?」
咄嗟に繰り出す取り舵いっぱい、勢い余って左に急カーブ、無理矢理な操縦にバランスはガタガタで、今度は左にぐあんと傾いたのを、強引にハンドルを切ることで右にっ!
「わ、わ、わっ、わわあっ!!」
ペダルのことなんか、もうすっかり頭から離れていた。
今は暴れ馬みたいに動く自転車を、言うことを聞かせるので手一杯だ。
でも、いくらハンドルを振り回したところで、タイヤはヘビみたいな跡を残していくだけだった。
その上がむしゃらに漕ぎまくったせいで、スピードが馬鹿みたいに出てる。
猛烈な勢いでぐねぐねし続ける自転車に、頭はもうパニック状態だった。
「うわ〜〜〜〜〜〜んっ!!はずむ〜〜〜〜っ!!とめてくれぇ〜〜〜〜〜っ!!」
「とまりちゃんっ!!前っ!!前っ!!」
「へええっ!?」
見ると、川をまたぐ石橋の、その基礎の柱の部分が、前方10メートル先くらいまでに迫っていた。
「ふわあっ!!やばぁっ!!」
あたしが危険を認めた途端、意思を持ったように、柱目掛けて疾走し始めるはずむ号。
磁石に引き寄せられた鉄くずのごとき正確さで、一直線に突っ込んでいく。
「うわああっ!!なんでっ!?なんでぇ〜〜っ!?」
ていうかこいつっ、特攻する気満々だぁっ!!
さっき真っ直ぐ走らせようとしたときは、全然言うこと聞かなかったくせにっ!?
こいつはひょっとして、持ち主の積年の恨みがもたらした一大復讐劇なのかぁっ!?
「ふわ〜〜〜んっ!ごめんなさいっ、ごめんなさ〜〜〜いっ!!」
「とまりちゃんっ!?誰に謝ってるのっ!?というか、空なんか仰いでないで前見て〜!!」
遠くからはずむの声が聞こえる……。
きっとあたしが散っていく様を見ながら、後ろで高笑いしてるに違いない……。
うあ〜んっ!!もう嫌いなピーマン無理矢理押しつけたり、借りたノートに落書きしたり、昔大事に育ててた花引っこ抜いたのも謝るからゆるして〜って、壁がっ、かべがぁ〜〜〜っ!!
「ぶ、ぶつかるぅ〜〜〜っ!?」
もうっ、だめだぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!?
「とまりちゃんっ!!ブレーキっ!!」
「!?」
近くからした声に、脊髄反射。
全身全霊を込めて両手を握り締める。
その力がワイヤーを通じて、タイヤに金切り声を上げさせる。
「っ!!」
車体が前につんのめる。
全身を強い衝撃が襲って、自転車の後輪がふわりと浮く。
体が一瞬滞空して、まるでサーカスのアクロバットみたいだった。
狙ってやったらカッコいいんだろうけど、悲しいことに、後はこのまま背中から投げ出されるだけだった。
当然、受身なんか取れそうにない。
スローモーションで視界を通り過ぎていく、地面の雑草たち。
「――――――やば」
腰がサドルから離れて、自転車との接点がハンドルを掴んだ腕だけになる。
まずいな。これはヘタしたら、打ち身じゃすまないかも――

「ハンドルっ!!離してっ!!」

はずむの声が、真横から聞こえた。
「――――――――」
何の躊躇も疑いもなく、握り込んでいたグリップを手放す。
完全に重力から解き放たれて、体がぽーんと放物線を描き出す。
慣性が働いたのか、空中でくるんと1回転して、体が前に向き直る。
横あいから、一つの影が飛び込んでくる。
――――あれ。
目の前に、はずむ。

「とまりちゃんっ!!」
608『とまりバイシクルっ!』:2006/04/18(火) 23:52:32 ID:c6xOJTVl
……………………

「…………………………………………い……ててて……」
え…………と……。
これって……どうなったんだ?
地面に投げ出されたみたいだけど、なんか、体が締め付けられるような感じがして、ちょっと苦しい。
やわらかいんだか硬いんだか分からないものが、頭を包み込むようにがっちりロックしている。
それにさっきから重たいものが、上にのし掛かってるような……。
知らないうちに閉じていたまぶたを、ゆっくりと開く。
「………………………………………………………………ぅわっ」
目の前で、間抜けな犬の顔がドアップで、でんとこちらを睨んでいた。
周りが薄暗くてはっきりとは見えないけど、確かコレって、はずむのTシャツの……。
「………………ん………………あ…………っ!とまりちゃんっ!!」
体を覆っていた物体が、がばっと離れる。
遠ざかる犬のアホ面。
視界がひらけて、橋の影に仰向けで寝転がってることに気づく。
で。
目の先30センチには、はずむの顔があった。
「……っ!なっ、はず…………はずむっ!?」
「とまりちゃんっ、だいじょうぶっ!?」
はずむが嘘みたいに真剣な顔つきで、あたしの身を案じてくる。
「ケガはっ!?どこか擦り剥いたりとか、捻挫とかっ、そういうの、ないっ!?」
「ぅ…………あう……………………えと……」
ちょっと、まてよ……。
こんなに近く顔寄せられちゃ…………どこ見ていいのか、わかんないよ……。
「どこか痛むっ?ねえっ、とまりちゃんっ?」
「い、いや…………あの、だ、だいじょぶ、だから…………その……」
はずむの眼差しに耐えられなくなって、思わず顔を横に背けてしまう。視線の先に、はずむの腕が入る。
Tシャツの袖から伸びた腕は、にゅっとこっちに突き出ていて、あたしの顔の両わきにどんと鎮座している。
……これって…………見ようによっては、はずむに押し倒されてるみたいな――
「あ、ぅっ…………ばっ、バカぁっ!!いつまで乗っかってんだよっ!さ、さっさと、どけってばぁっ!!」
「あ…………ごっ、ごめんっ」
慌ててはずむがひょいと跳ねのく。
それから、草っぱらに膝をついたまま、右手をこっちに差し出してきた。
ふてくされた様な顔でその手を取って、あたしもむくりと上体を起こす。
日陰にいるっていうのに、顔がもの凄く熱い。
「ケガ、無かったみたいだね……よかったぁ……」
「…………おまえが……その…………かばって、くれたのか……」
服にまとわり付いた雑草を払いながら、今更そんなことに気づく。
「え……あ、うん…………間に合ってほんと、よかったよ」
はずむはどうやら、あたしが暴走してるところを、後ろから走って追いかけてきてくれたらしい。
自転車から放り出されたあたしを、間一髪で受け止めて、クッション代わりになってくれたみたいだ。
見ると、少し距離を置いた所に、あたしの乗っていたチャリがぽつんと寝そべっていた。
衝撃を抑えるために、はずむがあたしを抱えたまま、地面をきりもみして転がり回ったんだと思う。
609『とまりバイシクルっ!』:2006/04/18(火) 23:54:43 ID:c6xOJTVl
「……おまえにしては、なんつーか……ずいぶんと、冷静だったよな……」
「あははっ。自分でも、よく覚えてないんだけどね」
「ていうか、よく追いついたな……足、遅いくせに、さ……」
「うん、夢中で走ってたら、いつの間にか――――痛ッ」
はずむがびくっと体を折る。
捻挫したのか、さっきまでのにへら顔を崩して、右足首を押さえ始める。
「はずむっ?どうしたっ……捻ったのかっ!?」
「ん……えへへ……平気、これくらいなら…………つ」
いつもみたいにやせ我慢をするはずむ。
立ち上がってみせようとして、案の定、ガクッと膝を落とす。
「バカっ、無理すんなよっ!」
ケガ一つ無いあたしは、はずむに先回りして立ち上がると、はずむの隣に肩を並べた。
「ほらっ。肩、掴まれよっ」
「うん……ありがと、とまりちゃん…………えへへ、結局とまりちゃんに、迷惑かけちゃったね。ダメだなぁ、僕」
「……どんくさいのに、無茶なんかするから……」
はずむの腕を自分の肩に掛けながら、毒づく様に言う。
ホント、あたしのことなんか、庇ったりして……。
「……でも、とまりちゃんにケガさせるわけに、いかなかったから」
皮肉が通じてないのか、はずむはお得意の無邪気な笑顔をあたしに寄せる。
それから、少しだけ自慢するみたいな口振りで、言った。

「とまりちゃんの脚は、宝物だから。たまには僕がとまりちゃんのこと、守ってあげないとね?」
「っ………………ぅ……」
はずむの顔が、急に男らしく見えて。
心臓が、ドキッとした。
「…………きょっ、今日はもう、帰るぞっ」
肩を寄せ合ってるのがこっ恥ずかしくなってきて、誤魔化すように、わざとぶっきらぼうに言う。
「え……ううん、僕のことなら大丈夫っ……だから」
「バカ言えっ。そんな足で、あたしの後ろついてこれるわけないだろっ」
「……でも…………練習、もっとしないと……」
「……またさっきみたいなことになったらさ…………こっちが安心して、その……飛び込んで、いけないだろ……」
「…………そっか。これじゃあ危なっかしくて、後ろ、任せられないよね」
ふふっと笑って、はずむの腕があたしの首に、しっかりと回った。
倒れていた自転車を上まで運んでから、戻ってはずむに寄り添って、土手を登る。
待たせておいた自転車にはずむを座らせて。
それから、言いそびれそうになったことを、うやむやにならないうちに切り出した。
「…………帰ったらさ。テーピング、してやるよ」
「……うん。ごめんね」
「おまえが謝ることないだろっ。あたしのほうが、その…………助けて、もらったんだからさ……」
はずむの目が、じっとこっちを見てる。
流石に、はずむの目を見ながら言うってのは、出来そうになくて。
地面の石ころに、ぷいっと目を落とす。
それから、濁すような小さな声で。
「……だからさ、その…………あっ、ありがとな。助けて、くれて……さ」
一言言うのに、随分時間がかかったように思うけど。
ようやく素直な気持ちが、口から出てきた。
「………………………………えへっ」
610前スレ406:2006/04/19(水) 00:13:35 ID:aPTSLCoh
以上です
名前また忘れてた

一応まだ続くつもりです
611名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 00:25:37 ID:FPirVjiR
リアルに読ませて戴きました。
次回エロに続く!で、よろしいのですか?wktk
61210:2006/04/19(水) 01:11:32 ID:7RjDTuuZ
>610
青春してますな。「お婿さん」の時のはずむのように男の子してるところがまた良い感じですね。
どんな展開になっていくのか、楽しみに待ってます。

>「ふれあい」読んでくださった皆様
感想、ご指摘ありがとう!
読みやすく、キャラが生きたお話を書いていけるように精進させていただきます。
613名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 02:09:00 ID:PEeMbUbH
>>610
自転車の続きキテタ!!
GJ! いつもと立場逆転してるのが面白いな。
子供の頃同じように自転車の練習したの思い出したよ…
614名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 14:24:31 ID:hh9ANTta
乙!最初パロディーかと思ったらしかりエロだったのでうっかり地雷を踏んだ気持ちw
615名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 19:42:25 ID:UIUmRpdL
意味不明だが、中傷のつもり?>614
616名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 23:25:51 ID:LybX353h
( ´∀`)σ)∀`) メヲアワスナッテ…>615
617荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 14:01:50 ID:QsCyOWhx
ども、荒巻とぬこです。
やっとこさ第二章書きあがりました。
この第二章を書くにあたり、原作や、アニメ、小説を何回も読み返しました。
とりあえずそんなわけで(ええ加減にしなさい!>(`3´)シ(ノ=゚ω゚)ノ)
渾身の第二章、どぞー。

前回までのあらすじ・・・
両親に勧められ目の病気の確認のため医者に行ったやす菜はそこで、再発の恐れがあり
生活環境を変えれば克服できるかもしれないと告知される。
ショックを受けたやす菜は悲しみ落ち込むが、このままではまたあの恐怖が蘇ると悩む。
翌日、学校でははずむに昨日の事を悟られまいと必死に動揺を隠すが、はずむの友達、
摩利あゆきはやす菜の心の変化に気づいていた・・・

やす菜の心が開く時:第二章「迷い」(1/6)

  1

 放課後、校門の前で摩利さんを待っていた。いつもなら、はずむ君と一緒に
とまりちゃんや明日太さん達と帰るはずだけど、今日は摩利さんとの約束があるから
一緒には帰れない。
 しばらくすると摩利さんがやってきた。
「おまたせ、じゃ行きましょうか」
 摩利さんはニコッと微笑むと先立って歩き出す。
 私は、摩利さんと並んで歩いた、なんだか自分が緊張してるように思え、残暑の残る
夕暮れともあいまって、背中に一雫が流れるのを感じた。
 暫く歩くと、ファミリーレストランが視界に入る。いつも5人で雑談するのによく
使うファミレスだ。
「あそこに入りましょう」
 そう言うと摩利さんは、中の様子を伺いながら、扉を開ける。
 私は後について中に入った。
 窓際のテーブルの席に腰を下ろし、二人でドリンクバーを注文する。
「何飲む?」
「えーと、アイスティーで・・・」
「レモンとミルクは?」
「それじゃ、レモンで」
「ちょっと待っててね」
 摩利さんは席を立つと、ドリンクバーで私のアイスティーと、自分のアイスコーヒー
をとりに行った。
 窓際の席は夕焼けの西日を浴びて少し暖かく、ちょっと寒い室内に心地よい
安心感を与えてくれた。
「おまたせ」
 摩利さんはアイスティーが注がれたグラスと、アイスコーヒーの注がれたグラス、
レモンスライスの乗った小皿をトレイに乗せて戻ってきた。
「ありがとう」
 私はトレイの上に置かれたグラスを自分の手元に取置くと、傍らにあったレモン
スライスをグラスの中に落とし、ストローで掻き回した。ほのかなレモンの香りと氷の
擦れあう音色が私の耳と鼻をくすぐる。
 摩利さんはグラスに刺されたストローに一口つけると、優しい口調で話しはじめた。
「今日、私が誘ったのは、ちょっとあなたのことが気になったの。」
 メガネの奥から覗かせる視線は、優しい視線だった、しかし、私の瞳をしっかりと
捉えている。
「わたしの気のせいだったら悪く思わないでね、昨日帰った後、何かあったのかと
思って・・・」
 摩利さんの鋭い洞察力は確実に私の変化を捉えてた。
 暫く無言の後、私はアイスティーを一口飲み込んで、口を開いた。
「摩利さんて、なんでも見抜けるのね、摩利さんの前では隠し事はできないわね」
「じゃあ、やっぱり何かあったのね。差し支えなければ話してくれないかな・・・」
 そう言うと、摩利さんはアイスコーヒーを一口飲む。
「いつかは誰かに相談するつもりだったから、ちょうどよかった。実はね・・・」
618荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 14:02:33 ID:QsCyOWhx
やす菜の心が開く時:第二章「迷い」(2/6)

   2

「そう・・・・・」
 摩利さんは私の話を一通り聞き終えると、そう言ってグラスの氷をストローでつついた。
 窓辺に視線を送ると、もう夕日は山の裾野に隠れていた。
 淡いスカイラインがとても綺麗に山際に映え、晩夏の夕暮れはなんだか切ない気分に
させる。
「それで今朝から元気がなかったのね。」
「やっぱりそう見えたかな?はずむ君に気づかれないようにしようと思ってたんだけど、
難しいね。」
 私は、自分のアイスティーを一口飲み、溜息をついた。
「で?まだ答えは出てそうにないけど・・・どうするつもりなの?」
「どうしようか・・・迷ってる・・・・・やっぱりはずむ君のおかげで・・・
はずむ君がわたしのこと「好き」って言ってくれたから見えるようになったけど・・・」
 言葉が詰まる。
 暫く沈黙が二人の間に流れた。摩利さんがアイスコーヒーを一口飲み、話を切り出す。
「ここが正念場ね・・・」
 メガネの奥の瞳が、真剣な眼差しに変わり、わたしの瞳を見つめる。
「はずむは、あなたととまりに対して答えを出し、大きく成長した。とても切なくて、
とても辛い選択だったけど、はずむははずむなりに考えた結果、今がある。あなたも
何かしらの答えを出さないと、あなた自身成長しないんじゃないかしら・・・」
「私が・・・・・成長する・・・」摩利さんの言葉を繰り返す。
「そう、あなたの選択次第では、あなたが大きく羽ばたき、未知の世界へと足を踏み
入れ、大きく成長するのか。そのまま羽ばたくことなく、地上でそっと生きつづける
のか。選択を誤ると、あなたの今後の生き方にも響いてくるわね。」
「私の・・・生き方・・・」
「今のあなたは、はずむに頼って生きているのかもしれないわね。でも、いつかは別れの
時が来るかもしれない・・・もし、その時がきたらあなたはどうするつもり?」
「えっ!?どういうこと?」わたしはドキッとして、目を見開いた。
「あなたもはずむも、長い目でみれば幸せに生きていける、でも長く、お互いの人生が
関与した分、情が移っていざ別れが来た時、現実を捉えられなくなって、もしかしたら
あなたの症状が再発するかもしれない・・・」
 私の脳裏にまたあの日の恐怖が蘇った。
「それは絶対嫌!」
 私は、摩利さんの言葉に即答した。摩利さんがちょっと驚いている。
「私は・・・私はもう・・・、あのときみたいに何も見えなくなるのは嫌なの・・・
絶対・・・」
 私の目には涙が溢れていた、とめどなく溢れる涙が頬を伝ってポトポトとテーブルに
零れる。
「ちょっときつく言い過ぎたわね・・・」
 そう言うと、摩利さんはポケットからハンカチを取り出し、私のほうに差し出した。
「ありがとう・・・」
 私はそのハンカチを受け取ると、自分の涙を拭った。
「ごめんなさい・・・」
 私は自分が取り乱してしまったことに、物凄く罪悪感を感じた。
「いいの、謝るのは私のほうよ・・・ごめんね」
 そう言うと摩利さんは優しく微笑んでくれた。
619荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 14:03:16 ID:QsCyOWhx
やす菜の心が開く時:第二章「迷い」(3/6)


 また沈黙が私達の間に訪れた、摩利さんの言葉の一つ一つには確かに重みがあった。
 私は自分が気づかない間に、はずむ君に頼っていたのかもしれない・・・
 そう思うと、はずむ君に私は、重いものを背負わせているような気がして
ならなかった・・・
 わたしがはずむ君の重荷になってる・・・
 そんなことを考えると、ひどく罪悪感めいたものが私の頭の中に漂いはじめた。
 その時、あの日のことが思い出された。祖母の家に引っ越す時のあの駅前の絶望感・・・
 その罪悪感と、あの時の絶望感が頭の中で妙に調和している。
 私は、アイスティーを一口飲むと、グラスの氷をつつきながら、あの時のことを話し
はじめた。 
「わたしね・・・はずむ君が告白してくれる前、祖母の家に引っ越すところだった
の・・・」
「え?」
 摩利さんの目が驚きに変わった。
「本当はあの時、はずむ君と別れて、一人で生きていこうと思ったの。私は、この病気と
一生付き合っていかなくちゃいけなかったから、誰とも顔をあわせることが無い田舎に
行こうと思った。もうこの病気が治ることは無いと思ったから・・・」
 また一口アイスティー飲む、摩利さんもアイスコーヒーを一口飲みながら、真剣に
聞いてくれている。
「あの時私は現実から逃げようとしていたの。何もかも忘れて、一人で生きていこうと
思ったの。思えばあの時は自分の人生に絶望してたのかもしれない・・・
でも、駅まで行ったとき、はずむ君が現れて、私のことを好きだと言ってくれたときに、
世界が見えるようになったの。
あの時はずむ君が私に対して出してくれた答えは私を救ってくれたの・・・」
 私はアイスティーを一口で飲み干す、空のグラスの氷はカラカラと音色を立ててる。
「やす菜・・・そんなことがあったのか・・・」
 摩利さんもアイスコーヒーを飲み干した。
「でも、その話を聞くとあなたは一度、とても大きな決断をしたのね・・・」
 摩利さんは優しい口調でそう言ってくれた。
「うん・・・、とても辛い決断だった・・・だけど、その決断は間違っていた。私は
はずむ君があの時、私に「そばにいて欲しい」って言ってくれたから、間違いに気づく
ことが出来た・・・」
「ねぇやす菜・・・そんな大きな決断が出来るんだったら、今度のことも、きっと
乗り越えられるんじゃない?」
「そうかな・・・」
「結論はともかくとして、その時あなたは自分の人生を左右する大きな決断を、
自分で答えを出してるんだから、あなた自身にはその力があるってことでしょ?」
「うん・・・」
「だったら、自分が正しいと思う方向に行けばいいんじゃない?もっと自分に自身を
持って。」
「そうなんだけど・・・」
 私はまた黙り込んでいた、摩利さんの励ましに私は答えたかった、でももう一つの
問題が頭をもたげていた。
 そんな私の様子を見て、摩利さんは気分を変える様にこう切り出した。
「何か食べましょうか?私、おなかすいてきちゃった。」
 いたずらっぽく微笑みながらそう言うと、傍らにあったメニューを取り出し、
私のほうに差し出す。
「今夜はとことん付き合うわ、まずは腹ごしらえしなきゃ」
 私は、一瞬唖然としたけど、摩利さんのその笑顔を見たらなんだか元気が出てきた。
 気が付くと、時計の針は午後7:00を回っていた。
「そうね、私もお腹空いちゃった」
 そう言って私は、摩利さんから笑顔でメニューを受け取り、選び始めた。
620荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 14:04:06 ID:QsCyOWhx
やす菜の心が開く時:第二章「迷い」(4/6)

   3

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご注文は以上でしょうか?」
「ハイ」
「では暫くお待ちくださいませ。失礼します。」
 注文を一通り終えた私は、二人のドリンクが空になってることに気づいた。
「摩利さん、なに飲む?」
「そうね・・・紅茶にしようかな?ちょっと寒くなってきたから・・・」
「わかったわ、ちょっと待っててね。」
 そういうと私は空のグラス二つをトレイに乗せ、ドリンクバーに向かった。
 夕食時を迎えた店内を見渡すと、いつの間にか満席に近い状態だった。
 あちこちで賑やかな笑い声が聞こえる。
親子連れやカップル、大学生の団体や、近所の主婦らしき人達など客層は多様だった。
 ドリンクバーも2〜3人並んでおり、私はその列に並ぶ。
 やがて順番が来ると、使用済みの棚に使ったグラスを置き、二人分の新しい
ポットとカップとソーサーをトレイに乗せ、二つのポットに紅茶のティーバッグを入れて、
熱いお湯を注いだ。
 ソーサーにカップを逆さまにして乗せ、ティースプーンとレモンスライスと
ミルクポーションを二人分取り、トレイを持って自分の席に向かった。
「おまたせ」
 テーブルに戻ると、二人分のシルバーがセットされていた。
「ありがとう」
 摩利さんがポットとソーサーを自分の手元に置いて、紅茶を注ぎ始める。
 私も同じく紅茶を注ぎ、淡いダージリンの香りの中に、レモンスライスを落として、
一口飲む。
 ダージリンとレモンの香りが辺りに立ちこむ。
 摩利さんは注がれた紅茶にミルクポーションをあけ、ティースプーンで掻き回すと、
一口飲んだ。
「それで?まだ何かあるのね?」
 カップをソーサーに置きながら、摩利さんがわたしに尋ねる。
「うん・・・、とまりちゃんのことなんだけど、最近なんだかとまりちゃんに対して、
申し訳ないなぁーって思ってしまうことがあるの・・・」
 私は、浮かべられたレモンスライスをティースプーンでつつきながら話した。
「それは、いつ頃から?」
「いつって言われるとわからないんだけど・・・ごく最近で、本当にちょっとした時に
なんだけどね・・・なんだかとまりちゃんが、私に気を使ってるように思えて・・・」
 私は、紅茶を一口飲んで、ソーサーに置く。
「症状が出てる頃は、私は心を閉ざしてた。だから周りの人達の表情なんて見えなかった
から気にも留めてなかったんだけど、改善して周りが見えるようになってくると、周りの
人達がどんな風に思ってるか、なんとなく表情でわかるようになってきたの。
でもその周りの人達の表情と比べると、とまりちゃんはいつも遠慮がちな笑顔だったり、
ちょっと困った顔だったり・・・」
 私はまた一口カップを口につける。
「確かにはずむ君は私を選んでくれた。でもそれでとまりちゃんがはずむ君や私に対して
遠慮してるように思えてならないの・・・」
「そう・・・」
 摩利さんが答え、私が溜息をつくと、タイミングよく料理が運ばれてきた。
 私が注文したキーマカレーにツナサラダにコンソメスープが目の前に置かれ、摩利さん
が注文した鳥のから揚げみぞれ和えにご飯と味噌汁と漬物が摩利さんの前に並べられた。 
 テーブルの上は華やかな賑わいをかもしだし、私のお腹の蟲がグーグーと音を
鳴らしてる。
「それじゃ、頂きましょうか?」
「そうね、いただきま〜す」
 私達は、暴れてるお腹の蟲を満足させるため、食事を始めた。
621荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 14:04:44 ID:QsCyOWhx
やす菜の心が開く時:第二章「迷い」(5/6)


「ごちそうさま〜」
「ごちそうさまでした」
 綺麗にたいらげられたお皿だけが、テーブルに残る。
 何か飲みたくなった私は立ち上がり、摩利さんに聞いた。
「ドリンク何飲む?」
「それじゃ、コーヒーお願いね。」
 私はドリンクバーに向かい、摩利さんのコーヒーと、私もコーヒーをと思い、新しい
カップに取り分けた。ブレンドの深い香りを伴った湯気が立ち上る。
 席に戻ると、摩利さんは誰かにメールしてるようで、携帯をいじっている。
 私は摩利さんの前にコーヒーを差し出す。
「ありがとう、それで、なんのはなしだったっけ?」
 摩利さんは差し出されたコーヒーを一口飲むとそう言った。
「とまりちゃんのことね」
 座席に腰を下ろしながら、私はさっきの話の続きを促す。
 いつの間にかテーブルの皿はなくなっていた、私がドリンクをとりに行ってた間に
下げられたらしい。
「ああ、いつもと雰囲気が違うってことね・・・そうね・・・」
 摩利さんは暫く考え込むと、おもむろに窓の外を見つめながら口を開いた。
「じつはね・・・はずむがあなたに対して答えを出す少し前に、河原ではずむととまりを
見かけたのよ・・・」
「え・・・・・?」
「それでね・・・暫く様子を見てたんだけど・・・はずむはとまりをその場に残して
あなたの元に向かったんだと思う。夕暮れの河原で一人残されたとまりを私はほおって
置けなかったわ・・・」
「・・・・・」
 私は少なからずショックを受けた、私の元に来る前にそんなことがあったなんて・・・
はずむ君はそんなこと一言も言わなかったし、とまりちゃんも次の日は普通に接して
くれていたから・・・知らなかった・・・。
「その時ね、はずむがとまりの元を去って行った後、とまりはなんていったと思う?」
「・・・なんて・・・言ったの?」
622荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 14:05:26 ID:QsCyOWhx
やす菜の心が開く時:第二章「迷い」(6/6)


「”あたしには、自分の足がある”・・・」

「・・・・・」
「私はその言葉を聞いて・・・涙を流したわ・・・」
 私は、摩利さんのその言葉を聞いたとたん、込み上げてくる何かを抑えきれずに、涙を流して
いた。
 多分、その時の摩利さんと同じ気持ちを感じたのだろう。
 ぽろぽろと零れる雫が、私の握られた拳を濡らす。
 私は、自分のハンカチを取り出し、目頭を拭った。
 摩利さんが続けて話す。
「とまりはとまりで、はずむに未練を残さないようにしてるんだと思う・・・・・
あの子は気が強くて男(漢)みたいだけど、やっぱり女の子だから、そういう弱い部分
も持ってるわ。とまりは、自分があなたやはずむに関わると、まだあきらめきれない部分が
でて来るから、そういう態度で付き合ってるんだと思うけど・・・」
 摩利さんは視線をコーヒーに落とすと、カップを手で包みながら一口の飲む。
 私は、暫く考えて、話しはじめた。
「私ね・・・はずむ君のことで、とまりちゃんに遠慮して欲しくは無いと思ってた。
卑怯かもしれないけど、みんなといるはずむ君のあの笑顔は、やっぱりとまりちゃんや
摩利さんたちみんながいないと見れない・・・・・私は最初、その笑顔を独り占めしたい
と思ってた・・・
けど、今の摩利さんの話を聞いて少し後悔してる・・・・・
 自分の事を選んでくれてから、とまりちゃんの事なんて全然考えてなかった。
 よく考えればはずむ君が私に対して出した答えの裏にはそういうことが
あって当たり前よね・・・」
「確かにそうね・・・誰かが幸せになる影には、誰かが必ず傷つく・・・
幸せになってる人には、傷ついてる人の心はわからない・・・今のやす菜と
はずむは幸せかもしれないけど、その影にはとまりが傷ついてるってわけか・・・
少なくとも、はずむはこのことを知ってるんわけだけどね・・・」
 摩利さんがコーヒーを一口飲もうとした時、摩利さんの携帯が鳴った。
「ちょっとごめんね・・・」
 そう言うと、摩利さんは席を立ち、入り口の方に向かった。
 壁にかけてある時計に視線を送ると、針は午後8:20を少し過ぎており、店内は先程の
混雑とは打って変わって静けさを取り戻していた。
 ・・・・・私はなんて愚かなんだろう・・・自責の念が心に渦を巻き始めていた。
 そんなことを考えてるうち、摩利さんが戻ってきた。
「おまたせ、で、やす菜はとまりに対してこれからどう接していこうと思ってるの?」
「それは・・・ちょっとわからないな・・・実際とまりちゃんが傷ついてるのは確か
だけど・・・でもそれに触れたところで私がどうしようと、とまりちゃんは今まで以上に
気を使うだろうと思うし・・・」
「でもいつかは越えなきゃいけないんじゃない?やす菜もそうだけど、とまりも
現実を受け止めようと必死なんだと思う・・・そんなとまりと友達として付き合って
いくには、やっぱりとまりに直接話した方がいいと思うけど・・・・・?」
「やっぱりそうかなぁ・・・」
「それじゃとまりと直接話してみる?」
「え?」
 摩利さんはそう言うと、私の後ろに向かって手を上げた。
 私が後ろを振り向くと、そこにはとまりちゃんが・・・
「やす菜・・・・・」
「え!?とまりちゃん!?」

・・・・・・・・・・第三章に続く・・・・・・・・・・
623名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 14:07:00 ID:uWEH86zC
リアルタイムktkrwwww
 
GJどすぇ
624荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 14:12:37 ID:QsCyOWhx
今回はかなり悩みました、書いては消して書いては消してを繰り返し、
何回も読み直しては、手直しを入れて、やす菜がどんな風に感じているのか、
あゆきだったらやす菜に対してどのような言葉をかけるのか・・・・
多少あゆきの言動に冷たい部分があるかもしれませんが、やす菜はそれを正直に
受け止めてくれると思って書きました。

第三章も今、かなり悩んで書いてます。次回の投下はちょっと時間が掛かるかもしれませんが
頑張りますんでみなさん気長に待ってくださいね。
625名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 16:33:20 ID:3i0RulRr
>>624
今回もGJです。相変わらずさりげない行動描写がお見事で。
二人がファミレスで注文してるメニューがキャラのイメージ通りなんだよなぁ。
あ、あとちょい気になったんだけど、
あゆき→はずむって「はずむくん」じゃなかったっけ?
やす菜→とまりも「来栖さん」だった気が。
他にも1,2カ所セリフの言い回しにキャラとして違和感があるものが。
まぁ、どれも重箱の隅なんだけど、他が良いから勿体ない気がしてね。
第三章も期待してます。
626名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 18:55:24 ID:kxtFN85D
労作、乙です!
第3章では曽呂君から明日太さんになった背景をkwsk
627名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 19:03:56 ID:ZOndHdQt
話そのものは興味深いと思うんだが、
キャラの名前や呼び方がいい加減なのはどうしたもんかと…
次回で挽回してもらいたいところですな
628荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 19:26:17 ID:gJqfAp7a
キャラの呼び名について、ご指摘ありがとうございます。
補足として・・・

まず、あゆき→はずむに関しては、ほぼ僕なりのイメージです(汗)。確かに、あゆきははずむを君付け
で呼んでますが、あゆきの公式でのキャラ設定が”はずむ・やす菜・とまりの日常を映画や舞台の
ように見て楽しんでる”というところから、登場人物を”君”や”さん”付けで呼ぶのはおかしいと思い
あえて呼び捨てにさせて頂きました。

次に、やす菜→とまりに関してですが、これはアニメ11話Bパート最後”鹿縞山でとまりとやす菜が
仲直りする”シーンで、最後に「とまりちゃん」とやす菜が言っており、
このSSの設定がアニメ13話の予想から始まったことを踏まえると、そこから日常で「とまりちゃん」と
呼んでる方が自然だろうと思いこうなりました。
629荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/20(木) 19:48:53 ID:gJqfAp7a
ちなみにやす菜の曽呂君→明日太さんになったのは12話のEDテロップバックで明日太の顔が認識出来て
初めて見たときの感想を明日太に言ってるカットと、今までの4人+1人から5人の友達グループになったと認識
出来るところから明日太さんと呼ぶのが自然だろうと思いこうなりました。

そうなると、摩利さんになるのはおかしいんじゃないかという意見も出てきますが、これに関しては
最初「あゆきさん」で書いていました。ただ、あゆきのキャラ設定上”大人の雰囲気を持ってる女子高生”
ということを踏まえて考えた結果、あゆきは摩利さんのまま使いました。

まぁこうして補足説明を入れないとわからない部分が多すぎるという事自体、自分の文才のなさと
原作やアニメ、小説がちゃんと頭の中に入ってないことが露呈されてるわけなので
次回からは気をつけて直していきたいと思います・・・・スミマセン(´・ω・`)
630名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 20:27:19 ID:oaiTnVGz
ファーストネームにさん付けって、新婚の新妻みたいで萌える
631名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 21:53:38 ID:3i0RulRr
>>628
あーすまん。考察・解釈の結果で意識して変えてたのね。
それなら全然OKです。余計なこと言ってスマンカッタ。
そして「明日太さん」モエスw
632名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 22:15:06 ID:4syISrhH
乙です。
細やかな描写がきっちり彼女ららしさにあってて、よいです。
焦らずにゆっくり連載してください。
633名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 03:46:26 ID:fPWoB4dO
GJ!でも、エロなしですね
634名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 06:47:00 ID:Umd4xbPA
13話がエロ満載だったら驚く
635名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 01:01:46 ID:/kqHQBfC
とぬこ氏乙&GJです。
呼び名がかわってる意味はなんとなく読んでてわかりました。
はずむと付き合うことによって、はずむ達のグループに入ったわけだからいつまでも名字にさん付けでは
よそよそしい感じが残ってしまいますからね。 5人が仲がいい友達ならファーストネームで呼ぶのが自然だと思いますよ。
他にも時間の移り変りの描写が丁寧且つ繊細で、読んでると頭の中で絵が浮かびます。
特にスカイラインの部分は素晴らしい表現だと思いました。
ドラマの撮影とかではよく専門用語で使われてますよね?もしかしてその関係の仕事してたんでしょうか?
最後のとまりが出てくるシーンは、あゆき・・・やってくれたよ・・・と笑いました。
しかしあゆきの私生活や感情表現は原作やアニメ等は少ししかでてないから、書き手にとってはイメージで
膨らましていかなければならない大変なキャラなのに、敢えてあゆきを相談役に持ってきて、こうも自然に描
けるのは はっきり言って凄いと思います。次回の第三章期待してますよ〜。
636名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 10:39:28 ID:+1w9kU9E
愛してるよとまりん
63710:2006/04/23(日) 21:05:26 ID:LQuUbWVR
あゆきのお話。エロなしで。

コミック三巻ラストの話以降の時間設定のお話です。
『アイノカタチ』
638『アイノカタチ』1/3:2006/04/23(日) 21:06:22 ID:LQuUbWVR
 私は、ゆっくり、ゆっくり、落下していく。
 ここはきっと夢の中。
 確か穴に落ちたのだ。
 何かを追いかけて。
 珍しい。
 私が何かを追いかけていたなんて。
 見つめることが、主義で生き方で全てのつもりの私が。
 落下する先を見やる。
 闇。底知れぬ闇。
 本当にこんな所にあるのだろうか。
 自分を曲げてまで求めた何かが。
 私が落ちたであろう上空へ顔を向ける。
 遥か向こうに、ぼんやりとした光が射しているのが見える。
 やわらかな光。私は誰かさんの笑顔を思い出す。
 おかしい。追いかけていたつもりが、いつのまに追い越してしまったのだろう。
 私は光の方へ手を伸ばしかけ、やめる。
 ほんのわずかな後悔といつもの諦め。

 そうして私は夢から覚める。

「――これのせいか、今日の夢」
 枕元の二冊の本を手に取る。『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』。
「それにしたって、私がアリス?」
 似合わない事この上ない。
 アリスはやっぱり、はずむ君がふさわしい。賑やかな毎日、皆に翻弄されて。
 私はチェシャ猫。周囲を眺めやり、ニヤニヤ笑いだけが残せればいい。
 
 休日だけど学校に行く。
 約束の本を携えて。昇降口から階段に向かう。
 自分の教室のある階も通り越し、上へ、屋上へ。
 重い扉を開けると、青空の下に緑が広がる。
 緑の中に人影。まるで一枚の絵でもあるかのように植物達と調和する人。
 植物達とのおしゃべりに忙しいその人に、私は声をかける。
 さりげない笑顔を添えながら。
「はずむ君、持ってきたわよ。読みたいって言ってた2冊」
 対して、本を受け取ったはずむ君は目いっぱいの笑顔を見せる。
「ありがとう!あゆきちゃん」
 表紙を見て、懐かしそうな表情で呟く。
「僕の持ってたのと同じ装丁だ」
「持ってた?」
本を抱きかかえるようにして、こちらに向かって苦笑混じりに話す。
「捨てちゃったんだ。小6の時さ『アリスは女の子の本だから、もう読まない』とか言っちゃって。
赤毛のアンとかも。勿体無いことしちゃったなぁ」
「『アン』もあるわよ」
「本当?じゃ明日また貸して」
 最近のはずむ君は積極的だ。本の事もそうだし、料理も編物も。思い出作りも。
 自分に残された時間がわずかだと宇宙人に知らされた日から。
 毎日を精一杯に。未練を残さないために。
639『アイノカタチ』2/3:2006/04/23(日) 21:08:08 ID:LQuUbWVR
 はずむ君が本のページをパラパラとめくる。その手を止め、呟く。
「――彼が目を覚ませば、お前はパチンと消えちまう」
「『鏡の国のアリス』、赤の王の夢のくだりね」
「うん。この辺読んでると何だか目眩がしちゃって。一寸ぞっとするっていうか。今の自分が誰かの
夢だったらとかさ」
「私――はずむ君の夢だったらいい」
 ふと、もらしてしまった私の本音。慌てたりせず、いつものように冷静にフォローする。
「はずむ君だったら、きっと私の事だって悪いようにはしないでしょ?」
 からかうような笑顔すら浮かべながら。
 はずむ君がぽつんと言う。
「駄目だよ。そんなの」
 私の戸惑い顔も目に入らず、はずむ君は続ける。 
「僕が夢から覚めてしまったら…僕が夢を見れなくなったらどうするのさ!」
 自分の気持ちの動きを隠そうともせずに。
 真剣な顔で、私のことを真正面から見つめてくる。
 目尻から涙がこぼれていく。
 はずむ君はそんな自分に気づいて、焦った様子で俯き涙をぬぐう。
「あ、れ。ご、ごめんね。なんか変に高ぶっちゃってさ。秋だからかな、はは」
 失敗したな。はずむ君が動揺することぐらい、いつもの自分だったらすぐに気づけたはずなのに。
自分の思っていた以上に、私も平静じゃ無かったって事か。
 激しい感情の高ぶりのせいで、涙はなかなか止まりそうにもなかった。
 はずむ君の傍に近寄って、私は言う。
「ごめんね、変なこと言って」
「僕こそごめん。勝手に暴走して泣き出して。あゆきちゃんを困らせて。嫌だな、こんな自分」
 言いながら、両方の手のひらで涙を拭い続ける。
 私はもう一歩だけ近づいて、はずむ君の頭を優しく撫ぜる。
「そんなこと言わないで。あなたはそのままでいいから」
 頭を優しくぽんぽんと叩いてあげる。
 弟を慈しむ姉のように。 
 だいぶ落ち着いてきたはずむ君が、それでも下を向いて顔を抑えたままで私に言う。
「ねぇあゆきちゃん。前言ってた事、覚えてるかな」
「何だったかしら」
「肝試しの夜にさ『私は見てるだけでいい』って」
 ドクン。自分の鼓動が聞こえた。はずむ君しか知らない私の信念。
 あの時の私が出来た精一杯のはずむ君への告白。
 動揺を悟られないように、必要以上にポーカーフェイスで答える。
「あれね。どうしたの突然」
 はずむ君が顔を上げる。目の周りをまだ赤くして。はずむ君が口を開く。
「僕ね、見つめる事がそのままの愛だってこともあると思うんだ」
 分かってくれるんだ、はずむ君は。
 私の秘めた思いまではずむ君が知ることはないだろう。自分が選んだ道だ、後悔はない。
 それでも言葉が届いた事、その嬉しさで私の感情は激しく揺さぶられる。
 この人の前で泣いてしまえたら、どんなに楽だろう。ありえない仮定。自分の心の呟き。
 
 ええ、そうよ。見続ける事は私なりの愛のカタチ。

「でもさ」 
 少しためらう表情を見せてから、言葉を続ける。 
「それは幸せなだけじゃないでしょ」
「え?」
640『アイノカタチ』3/3:2006/04/23(日) 21:09:05 ID:LQuUbWVR
「逃げる事も終わらせる事も出来ないんでしょ、その恋は」
 非難ではなくて、深い思いやりから出た言葉。
 だから余計に心に鋭く刺さる。
「そうよ。いけない?」
 踏み込んで来てくれたはずむ君を拒絶するように。意地悪な私。
 私は髪をかきあげ、背中を向ける。
 きっと、はずむ君は落胆した顔をしているだろう。それを見たくなかったから。
「いけないよ」
 私の背に向かって、はずむ君が言い切る。驚いて振り返る。
 両の拳を握り締め、まっすぐ私のほうを見つめている。
「辛いのは駄目だよ。あゆきちゃんが辛いままなのは――僕が嫌なんだ」
 はずむ君の未練には私の事も入ってたのか…嬉しいなんて思ったらいけないのに。
「でもね。いつまでも、見続けたりなんかしないかもよ?意外にすぐに冷めたり、風化しちゃったり――」
「あゆきちゃんがそんな人を好きになるなんて思えない」
 いつものどこか押しの弱いはずむ君じゃない。
 私は私で『そんなの買いかぶりよ』と笑ってごまかすことが出来ないでいる。
はずむ君は知らない。生き延びる方法がある事を。次来る冬も春もこの世界にある事が出来るのを。
 しかも、そのことを私達が伝えることもできないのだ。
 はずむ君が知っているのは自分の運命因子の事だけ。
『今すぐ言って!あなたが共に生きたい人の名前を。お願い』
 私は叫んでしまいたい衝動をこらえる。 
 違う、そうではない、私が今すべきなのは。
 はずむ君は私の幸せを願ってくれた。
 それなら。自分の本当の願いは何だろう。私は目を閉じる。
「……どうしたの?」
 不安げなはずむ君の声がすぐ近くに聞こえる。
 あった、出来る事。私はゆっくりと目を開けて言う。
「じゃあ、こうしない?」
 私は普段通りの余裕のある笑顔を浮かべてみせる。
「はずむ君がとまりとやす菜への気持ちをはっきりさせて、選んであげる。そうしてくれたら、私もやめ
てもいいわよ『見つめるだけ』」 
「僕の…気持ち」 
 急に問題が自分のことに移り、はずむ君は戸惑う。
「自分勝手ね、私。変わらないでいいと言ったのに。その端から『決めてあげて』なんて」
「二人のために?」
 エゴイストな自分と迷いなくはずむを慕うとまりとやす菜の姿を私は心に思い浮かべる。
 そして答える。微笑んで。
「ええ、そうよ」 
 はずむ君には聞こえない小さな声でそっと呟く。 
「そうしてくれたら、次の恋を見つけてみせるから、きっと」
   
 あなたが羽ばたく姿を私はまだ見つめていたいから。
 そのためだったら、自分の生き方なんていくらだって変えてあげるから。
 お願い。奇跡を起こして。  
 そんなはずむ君を見届けられたら、私も歩いて行ける。そんな確信を持って。
64110:2006/04/23(日) 21:09:38 ID:LQuUbWVR
 以上。
 あゆきメイン、はじめに思ってた以上に書くの難しかったです。
642前スレ406:2006/04/24(月) 04:40:38 ID:izyS9ByD
>>641
相変わらずうまいな・・・戦慄すら覚えますよ・・・
かしましという作品を深いところまで読み込んでいるからこそ
これ程までの「らしさ」とか深さが出てくるんでしょうね
>10さんの作品を読むたびに自省しっぱなしですよ

同じ書き手としてすごく尊敬しております
(あえて名前出したのはそのことをどうしても知ってほしかったからですが)
こっちが凹む程の作品、これからもお願いします〜、GJ!
643名無しさん@ピンキー:2006/04/24(月) 11:36:41 ID:fqDpOZNX
>>641
GJ! あゆきメインのお話はあまり見かけないので嬉しい。
自分のためには積極的に動くことなく、心情が明らかになることも少ない、
そんな彼女メインの話ってちょっと考えただけでも難しそうなのですが、さすがです。

そういえばここで漫画版のSSというのも珍しいかな?
事前告知付きなら漫画版や小説板、ゲーム版前提のSSがあってもいいですよね。
644名無しさん@ピンキー:2006/04/24(月) 15:02:05 ID:S88Z7L5z
>641
GJ!とっても良い作品を読ませてもらいましたよ〜
64510:2006/04/24(月) 22:33:17 ID:Ar2+xr8+
「ぐっじょぶ」ありがとうございます。また、頑張ります。
>前スレ406さん
顔真っ赤にしてのたうち回るはずむのAA(あるかはわかりませんが)貼り付けたい気分です。
とんでもないです。前スレの皆々様の作品を見たからこそ、なんか自分でも書こうと思い立った
ぐらいで、前スレの406さんの最降臨とか131さんの続きとか496さんの処女作の続編とか
色々楽しみしてるんですよ、本当に。
>643>644
ありがとうございます。あゆきはまだ書ききれた感がなく、また、何か書けたらいいな、と。
646名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 01:22:16 ID:YoGRpbr/
神!
647名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 07:06:22 ID:5PmHwiwh
保管庫更新、乙ですー。
ちらちらと過去作を立ち読み。
バレンタインの続きが気になってしょうがない。
続き、ってまだ投下されてないっけ?
648名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 08:00:23 ID:OhM2eBD1
649名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 08:02:43 ID:OhM2eBD1
ゴメン
誤爆
650名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 08:18:38 ID:OhM2eBD1
ゴメン
誤爆
651名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 08:23:17 ID:L6dxjUV9
マダ>647
131氏が投下するたびにレが粘着して荒らしてたから、身を引いてしまったのかもな
652名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 12:26:00 ID:X1e2+wnO
とりあえずあらし系の話題は今は蒸し返さないでおこうよ。
>643
アニメに限定はされてないし、告知があればよいと思う。漫画とアニメで随分違うからね、かしましの場合。
小説までは持ってるけど、ゲームになるとマイナーかもな。
俺なんかファンブックと電撃での知識しかないや>ゲーム情報
653名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 12:58:22 ID:X9mm6Nyl
ずっと漫画版のイメージだったぞ、オレw 
654名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 14:53:40 ID:w+NWMo8l
一応人は居るんだね
655名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 16:45:41 ID:WcWsJW6t
>>10
>496さんの処女作の続編とか
色々楽しみしてるんですよ、本当に。

釣りですか?もしくは人違いですよね?

自分で読んでて嫌になるアレの続きが気になるんですか?
仮に気になるのでしたら、ご自分で脳内補完してもらおうと思っていたのですが・・・
656名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 16:46:34 ID:WcWsJW6t
>>655は前スレ496です
657名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 17:40:34 ID:w+NWMo8l
釣りって言い方はひどいなw

まあ嗜好なんて人それぞれでしょう
少なくとも>10氏には高評価だったと

とりあえず前スレ496さんの好きなように書いて、それをここに投下して頂ければ
一住人としては幸せになれます
658名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 17:41:22 ID:w+NWMo8l
好きなようにっていうか「好きなものを」ですね
65910:2006/04/25(火) 21:02:29 ID:9uNjSUrH
>前スレ496氏
先に謝っときます。496氏のは「男はずむととまり」のを言いたかった。保管庫見て勘違いしてました。

不器用な二人てのを見るのが好きなんで。正確に言うと、番外編かな。二人が結ばれる前の空気のを
読んでみたいような。エロのあるなしを問わず、ゆったりとしたペースのやつを。
水のかけっこのとことか好きでしたし。

勝手なこと言ってますが、別に「これ書け」じゃなくて「なんかこんなの書きたい」が出てきたら、書いて
やってくれたら嬉しいです。
660名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 21:07:40 ID:whevB1Kz
>655の件だが…
いいか、俺の推測だぞ!?
とまりバーグの話じゃないと思う>10さんのいうSS 
661名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 10:53:20 ID:FPs4egNW
久しぶりにエロパロにきた。かしましスレもがんばってるみたいだね。
とりあえーず 保管庫のリンクを見に逝ってくる
662名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 11:52:24 ID:6XrGkHL0
>>647
保管庫の中のそれぞれのリンクところどころ間違ってない?
663名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 14:58:09 ID:NWklE0OL
>662
タイトルを違ってたりとか、職人方の名乗ってる数字コテハンと作者名とが合ってないとか、気になる点はある。
でもまあ善意で提供されてる訳だから、ムリは言いにくいよなぁ
664名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 17:19:08 ID:sAX0gNmp
とぬこ氏のSSは名前だけで、中身は404と他の人のになってるよねwwww
まあしょうがないか・・・・まだこのスレの上の方行けば見れるし・・・・
665名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 19:54:26 ID:LnvDfRPg
保管庫なんてあったのか初めて知った
DVD届いたよ
666荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/26(水) 23:59:36 ID:3VJz3ymB
ども、夜分にお邪魔します、荒巻とぬこです。
さて、やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」が書きあがりましたので投下させていただきたいと
思います。
前回ありました指摘を修正させていただきました、これで問題ないと思います。
キャラの台詞回しうんぬんに関してはご勘弁ください。

それから今回は結構な長文になってしまいました。
ですので通しナンバーは今回は数えるのが面倒なので割愛させていただきたいと思います。
それではごゆっくりとお読みください。
ではどぞーヽ(´ー`)ノ
667荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:00:08 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

第三章「嫉妬」

   1

「ふぅー!」
 水道の冷たい水が、火照った顔を冷やしてくれる。あたしはいつものように部活を
終えて、校庭の隅にある水道場で顔を洗っていた。
 校舎の時計は下校を促すチャイムを鳴らしてる、時間は午後4:45分。
 太陽は西に傾きかけ、オレンジ色が青空と交わり始める頃だ。
「せんぱーい!先着替えますよー!」
「ああー!いまいくー!」
 あたしは水道の蛇口を絞りながら後輩の呼びかけにそう答えると、首に掛けてた
タオルで顔を拭きながら、部室に向かう。その時、校門の前にやす菜がいるのが
見えた。
(あいつ、今日もはずむと帰るのかな・・・)
 そんなことがふと頭をよぎって直ぐに
「あああああ!も〜!あたしってウザイ!」
 振り切るように首を横に振りながら、私は部室に向かって走り出す。
 部室の更衣室では後輩達が既に着替え終わり、おしゃべりに花が咲いていた。
「せんぱい遅いですよ〜」
「わりぃ、ちょっと忘れ物したからな」
「今日これからどうします〜?」
「そうだな〜カラオケでも行くか〜?」
「さんせ〜!みんなも行くでしょ?」
「う〜ん!」
「いくいく〜!」
「おまえら元気だな〜」
 あたしは背中のジッパーを上げると、脱いだ体操着をカバンに詰め込みそう言った。
「それじゃ〜出るぞ〜」
 もたもたしてる後輩達の尻を叩きつつ、あたしは壁に掛けてあった部室の鍵を取り、
出口の扉を開け、後輩達を出口に促す。
 外に出ると扉を閉めて、
「鍵置いてくるからちょっと待ってな〜」
 あたしは走って職員室に行くと、顧問の先生に鍵を渡し、急いで後輩達の元に
向かった。
 校門では後輩達がまた下らない話しに笑い転げていた。
「待たせたな、んじゃ行くか」
 駅前にあたし達が足を向けたと同時にあたしの目は、やす菜とあゆきの姿を捉えた。
(はずむじゃないのか・・・ん?あゆき?)
 あたしは珍しい組み合わせにその場に立ち止まった、それを見かねた後輩の一人が、
「先輩!何ボーっとしてるんですか?行きますよ?」
「あ・・・ああ」
「どうかしたんですか?」
「いや・・・なんでもないよ、さーて今日は何歌うかな〜」
 めずらしい組み合わせに気になりつつも、後輩に促されたあたしはその場を離れ、
駅の方向に向かった。
668荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:00:40 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

 夕方の鹿縞本町駅は、帰宅や買い物の人達で賑やかだ。この駅はJRの他に、二つの
私鉄が相互乗り入れをしていて、ここから西方向にあるベッドタウンから、東方向に
ある都心に向かうための巨大なターミナル駅になっている。
 駅前には渋谷や新宿に負けないくらいのビルが沢山建っていて、遊ぶのには困らない
立地だ。
 その一つの5階建てのカラオケ店のビルにあたし達は入った。
そのビルは全部のフロアーがそのお店になっていて、1フロアーに10以上のボックス
が並ぶ。
 後輩が受付を済まし、エレベーターに乗り込み目的の階に向かう。
「あ〜あ、いつもの部屋取れなかったな〜」
「しょうがないよ、今日混んでるし」
「おまえDAM好きだよな〜」
「先輩だって好きじゃないですか〜」
 そんなことを話しているうちに、エレベーターは3階に着いた。
 扉が開き、降りると個室がずらーっと並ぶ、一番奥の部屋があたしたちが使う部屋に
なってるらしい。
 ドアを開け、席につくと早々、ドリンクを頼む。
「先輩何飲みます?」
「あたしはとりあえずオレンジジュースでいいや」
「あたしウーロン茶」
「あたしコーラ!」
 それぞれが好きな飲み物を言い、インターフォンで注文すると、早速曲選びに入る。
 あたしはいつもの曲を探し、早速打ち込んだ。
「せんぱいはや〜い」
「おまえらがもたもたしてるからだ!歌うぞ〜」
 軽快なイントロが流れあたしは振りつきで歌い始める。
 後輩達は、手元にあったタンバリンや、マラカス等でリズムに合わせて合いの手を
入れ盛り上げていた。
 あたしの歌が終わると、後輩達は拍手喝采だ。
 あたしはこの瞬間が好きだった。
「とまりせんぱい上手いよね〜。」
「うんうん!歌手みた〜い!」
「おまえら、お世辞はいいからどんどん打ち込めよ〜」
「んじゃ次私歌いま〜す!」

 こんな毎日が続いている・・・あたしははずむがやす菜と付き合い始めてから、
毎日笑顔を絶やさないようにしていた。
 ちょっとでも気を緩めると、あの河原の出来事が頭の中をよぎるからだ。
 あたしとはずむはあの日、お互いのとるべき道を決めた。
 はずむはやす菜を選び、あたしはあたしの道を歩んでいく・・・
 つらい選択だったけど、もう誰にも変えられない。
 あたしははずむが選んだ選択を責めることは出来ない。
 はずむがそれで幸せだと思えるんだったら・・・あたしははずむを応援するしかない。
 自分で決めたことに後悔したくはないと思っていた・・・
669荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:01:11 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

   2

 気が付くと時計の針は午後7:00を回っていた。
「そろそろ帰るか〜」
「ええ〜まだ歌いた〜い」
「明日朝連あるんだから早く帰って寝ないと朝起きれないぞ〜」
「しょうがないですね〜それじゃ帰るとしますか」
「は〜い」
 室内を簡単に片付けると、あたし達は個室を出てエレベーターで一階へと降りる。
 受付で割り勘にした後、外に出て後輩達と別れ、あたしは家の方角に向かって歩を
進めた。
 夜の鹿縞本町駅は夜とは思えないほど明るい。
 あたしは連なっている店のウィンドウを眺めながら、商店街を歩いていた。
 いつもならはずむやあゆき、やす菜に明日太がいるけど、最近は一人で帰ることが
多くなった。
 ふと、空を見上げると、きれいな満月が夜空に浮かび上がっている。
「なんだかなぁ〜」
 私は一言つぶやいて、心の中の何かが抜けていることに気づいた。
 この空虚感はなんなんだろうか・・・以前のあたしはこんなんじゃ無かった。
「はずむ・・・」
 やはりはずむのことなんだろうな・・・あたしの中から抜けたはずむの存在の大きさ
にあたしはまた、切なくなった。
 いつまでもこんな気持ちでは、またはずむに・・・
「あああああ!!も〜!!」
 あたしは頭を横に振った、もう何度こんなことを繰り返してるんだろう・・・
 自分の情けなさに虫唾が走る。
「よし!走るか!!」
 あたしは勢いよく足を出すと、自分の家に向かって走り出した。
 冷たい風があたしの体を吹き抜ける。
あたしはぐんぐんスピードを増し、商店街を抜け、住宅地へと入っていった。
 次の角を曲がればあたしの家・・・そう思った時、車が急ブレーキをかけたときの
ように両足を踏ん張り、靴の裏底が「キュッ」と鳴り前につんのめりながらも止まった。
 あたしの家に行くにははずむの家の前を通らなければならないことに気づく・・・
 どうしよう・・・遠回りしようか・・・
670荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:01:42 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「アホくさ!なんであたしがいちいち緊張しなくちゃいけないんだ!」
 あたしは自分の不甲斐なさに呆れた。
 馬鹿馬鹿しい、いつものように普通に帰ればいいんだ。
 何を意識することがある?
「ふつうに帰ればいいんだ!普通に!」
 あたしは足を前に出そうとした、だが足は思うように前に進まない。
「意識なんかするな!」
 そうつぶやくと、やっとこさ歩き出した。
 一歩一歩地面の感触を試すように歩を進める。
 路地の角を曲がると、はずむの家が2,3軒先にある、なるべく意識をしないように
更に歩を進めると、大佛家の前に差し掛かる。
 あたしは生唾をゴクリと飲み込み歩を進める。
 と、その時、庭から聞きなれた声が聞こえた・・・はずむの声だ!
 あたしの心臓が強く鼓動を打つ、ドキドキバクバク・・・心臓が口から飛び出して
きそうだ。
 大佛家の塀は低く作ってあるから、普通に歩けばあたしの上半身は丸見えだ・・・
 普通に・・・普通に・・・
「あ!とまりちゃん!」
「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
 あたしは心臓が口から飛び出したかと思った、やっぱりはずむは庭にいた。
「とまりちゃん今帰り?」
「おおお前こそ!こここんなよよよ夜にななな何やってんだ!?」
「え?何って、庭の手入れだよ?」
「そそ・・・そうか・・・」
「どうしたの?大丈夫?」
「だだだだだだいじょうぶぶぶ・・・・」
「ほんとに?」
 はずむが顔を近づける、距離は30cmぐらいだろうか、あたしは顔全体が耳まで
火照っているのを感じた。
「じじじじ・・・じゃぁな!」
「あ・・・とまりちゃん・・・」
 あたしははずむの声を背に受けながら、そう言って自分の家に向かって走り出した。
 ・・・ばかばかばか!なんで居るんだよ!
 心の中で叫びながら、猛ダッシュで家に走り、勢いよく家の扉を開けた。
「がちゃ!!バタン!!!」
「はぁっはぁっはぁ・・・・・」
 家の扉にへばりつきながら、息を荒げて吐く。
「とまり〜?帰ったの〜?」
 奥でかあさんが呼びかけてきた。
「ああ〜ただいま〜!」
 あたしはそう答えると、駆け足で階段を上がり、自分の部屋へと入った。
 部屋の扉を後ろ手でそっと閉めると、カバンを机に置き、ベッドに倒れこんだ・・・
「はぁ〜〜〜〜・・・・な〜んか意識しちゃうんだよなぁ〜・・・・・」
 心の中ではやっぱりまだ未練タラタラなんだろうか、普通にはずむと居ることさえ
できない・・・
「どうしたらいいんだろうな〜・・・」
 寝返りを打つと天井を見つめながら、あたしは悩んでいた。
 こんなことで悩むなんて思っても見ないことだった。
 普通に接していればいいのだが、心の奥底で何かがあたしを辱めてるような感じが
ある。
 朝の登校の時は、あゆきや明日太がいるからまだ誤魔化せるが、さっきのように
二人っきりになるとどうしても誤魔化しきれない・・・
671荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:02:14 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

「とまり〜お風呂に入っちゃいなさ〜い」
「は〜い」
 あたしは返事をすると、ヒョイッと起き上がり乱暴に制服を脱いでハンガーにかけ、
新しいTシャツと短パンに着替え、制服のポケットから携帯を取り出し短パンのポケット
に押し込み、カバンから汗ばんだ体操着とブルマ、箪笥から新しいブラとショーツを
出すと、脱衣所に向かった。
 扉を開けるとお風呂場の湿気が脱衣所に充満してて、ムッとした空気があたしを包み
込んだ。
 着ている服を全て脱ぐと、ふと鏡の中のあたしと目が合う。
 一糸纏わぬ裸体は自分で何度も見ているけど、改めて見ると恥ずかしさが込み上げて
くる。
「さっさと入るか・・・」
 ボソッと鏡の中のあたしが呟いて風呂場の扉を開けた。
 湯船のお湯で体を流し、バスマットの上に膝をペタンとつけて座る。
 ツインテールを結わいてたゴムを外すと、サラッと髪の毛が肩に乗る。
 洗い場の鏡に映るあたしを見ながら、シャンプーのボトルのポンプを押すと、中から
にゅっとシャンプーが出てきた。
 それを手に取り、ツインテールの結わいていたところを重点的に洗う。
 結わいていたところは癖がついてるし、陸上部の練習で砂や汗を含んでいて汚れが
溜まってしまうからだ。
 髪全体にシャンプーを泡立てると、シャワーのお湯を調節して髪についた泡を洗い流す。
「あちちちち・・・・・・」
 いつものことだが、うちのシャワーは調節が難しい。
 一旦冷水が出て、そのあと間髪入れずに熱湯が出る。
 子供の頃はずむと一緒にお風呂で遊んでて、これでやけどをしたことがあったっけ。
 そんなことを思い出しつつ、適温になったお湯で髪の毛についた泡を洗い流したあと、
リンスを手に取り、髪全体に馴染ませながら両手で刷り込む。
 リンスのついた髪の毛を頭のてっぺんで団子にすると、壁に掛けてあったボディー
タオルをとり、ボディーシャンプーのポンプを数回押し中から出てきた液体をボディー
タオルで泡立て、体を洗い始める。
 左腕から順に、右腕、首、脇の下、胸、お腹、背中、太もも、スネ、足の裏、指の間。
最後に・・・・・・・・・・・体をすべて洗い終わったあたしは頭のお団子を解くと、
シャワーの湯を調節し、リンスを洗い流しながら体についた泡を一緒に流す。
 その後軽く洗顔をして髪の毛を纏めてタオルで包むと、湯船に浸かる。
「ふぅ〜」
 湯船に肩まで浸かり昼間使った足の筋肉を解しながら、窓を開けて夜空を見上げる。
 満月の明るい月光が風呂場の中にまで差し込んで、幻想的な景色をかもしだす。
「はずむ・・・」
 河原のところで別れたあの日から、あたしは事あるごとにはずむの事を考えていた。
 朝、迎えに行く時もちょっとうれしかったり、学校でも気が付くとはずむを見つめて
いたり・・・
 でもやす菜といるはずむをみると、途端になんだか機嫌を悪くする自分がいた。
 まぁこれは前からそうだったけど、あの日以来二人の輪に入ることを自分から拒む
ようにしているし、入ったところでお邪魔虫になりたくないっていうのもあるけど・・・
 やっぱり二人でいるところを見るとなんとなく心の中に蟠りが渦を巻く。
 この気持ちはなんなんだろうか・・・
「そろそろでるか・・・」
 ボソッとつぶやくと勢いよく立ち上がった。
 ザバァ〜っと音を立てたお湯は湯船の中で波立って、雫がポタポタとあたしの体から
湯船に零れていく。
 脱衣所に戻り洗面台の棚の中の洗い立てのバスタオルを取り出すと、あたしは体を
拭いて用意しておいたショーツとブラを着け、短パンとTシャツを着て、頭に巻いた
タオルを洗濯籠にほおり込んで、髪の毛を拭きながらリビングに向かう。
672荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:03:05 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

「腹減った〜」
 そう言いながらリビングに入ると、かあさんがあたしの夕飯の準備をしてくれていた。
「あんた帰るの遅いから先に食べちゃったわよ?」
 かあさんが食卓にあたしのおかずを運びながら言った。
「後輩達とカラオケいってたからなぁ〜」
「遊ぶのもいいけど、ちゃんと勉強してるんでしょ〜ね〜?」
「ハイハイ・・・わかってますよ・・・」
「ねぇちゃん頭悪いもんね〜」
 リビングのソファーに座ってTVゲームをやっていた弟が横から口を挟む。
「お前ほど悪くないけどな」
「そうかな〜?ねぇちゃん体力馬鹿じゃなかったっけ?」
「ハイハイ、頭だけじゃなくて体力も無いやつに言われたかありませんな」
「なんだと〜!」
「やるか〜!」
「こらっ!!姉弟喧嘩はやめなさい!とまりもさっさと食べる!」
「・・・は〜い」
 あたしと弟はいつもこんな感じだ。
 食卓にはから揚げと、魚の煮付け、コールスローに、ご飯に味噌汁が置かれていた。
「いただきま〜す」
 昼間走りまくってお腹ぺこぺこだったあたしは勢いよく食べ始める。
「ゆっくり食べなさいよ?」
「にゅん、(もぐもぐもぐ)にゃかってぇにゅ(もぐもぐもぐもぐもぐもぐ)」
 食べながら喋ると何言ってんだかわからん。
 あたしはかあさんの作るから揚げが好きだ。
 作り方はわからないけど、肉にタレがよく染み込んでいて中の肉はいつも柔らかい。
 それでいて外は皮がパリッと揚がっていて、噛むとカリカリと音がする。
 あたしはその歯ごたえが大好きで、よくかあさんにから揚げを作ってもらってる。
 いつもから揚げばっかり食べているから
「魚や野菜もちゃんと食べなさい」
「にゃかってぇにゅってぇ(もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ)」
 いつも言われてる・・・
「おかわり〜」
「はいはい」
 あたしが空になった茶碗を差し出すと、かあさんはそれを受け取ってお釜を開け
ご飯を半分よそってくれる。
 味噌汁のお椀を手に取り、一口すすると母さんが茶碗に盛られたご飯の量を見せた。
「これぐらい?」
「うん、ありがと」
 かあさんから茶碗をうけとり、今度は魚に手をつけた。
 魚の煮付けも中々美味だ。
 いつもあらかじめ小骨はとってあるから大きな中骨をとるだけで、骨だけの魚が簡単
に作れる。
 あたしは骨だけになった魚を皿の端っこに崩れないようにそっとおき、魚の身を
つまんで煮付けたタレをつけて、ご飯にのせて食べる。
 食事も終盤に差し掛かったところでかあさんが、
「そう言えばさっき脱衣所で携帯鳴ってたわよ?」
「へ?そう・・・全然気づかなかった、誰だろ?」
 箸の先を銜えながら短パンのポケットから携帯を取り出しパカッと開くと新着メール
が来ていた。
 受信欄には「摩利あゆき」の文字、カーソルを持っていき確定ボタンを押して開くと
本文が表示される
673荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:03:46 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

 Recept:2006/09/** 19:40
 From:摩利あゆき
 Subject:無題
 _________________________________________________________________
 
 いつものファミレスにいる。今から出てこれないか?
 連絡待つ。

                あゆき

         ----END----


「こんな時間からか・・・」
 テレビの上のデジタル時計を見ると、ちょうど午後8:00を知らせていた。
 20分前くらいに入ったメールだ。
「なんだろう?」
 不思議に思いつつも、ご飯をかきこみ味噌汁を一気飲みしてから
「ごちそうさま〜、ちょっとでかけてくる」
「こんな時間に何処に行くの?」
「あゆきと茶だ」
「気をつけてね」
「は〜い」
 そう言ってあたしは自分の部屋に戻り、カーディガンを着てその上にジャージを
羽織り、ポケットに財布と携帯を入れ玄関に向かった。
 扉を開けると、少し肌寒い風が吹き込んでくる。
 鹿縞市は東京都心からはちょっと離れていて四方に山が連なってるせいか都心よりも
2〜3℃気温が低く、昼間は暑くても夜は結構寒い。
 玄関脇に止めてあった自転車のスタンドを右足で蹴ると、左足をペダルに掛けながら
右足で蹴りだし、サドルにお尻を乗っけて勢いよく漕ぎ出す。
 夜空を見上げると満月がぽっかりと浮かんで、いつもなら薄暗くて痴漢でも出て
きそうな路地を明るく照らし出してくれている。
 あたしは月の明るさと自転車のライトの明かりを頼りに、あゆきの待つファミレスに
急いだ。
 
674荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:05:19 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」
 
   3

「そういえば、”連絡待つ”って書いてあったっけ・・・」
 あたしはポケットから携帯を取り出して、着信履歴からあゆきの番号に掛けた。
「(ッチャッチャッチャカ しみじみぃ〜飲めばぁ〜しみじみぃぃとぉ〜ぉぉぉぉ〜♪
想い・・・ガチャ・・)摩利です」
 いつも思うんだがこのメロディーコールは何とかならんのだろうか・・・
「あっあゆきか?とまりだけど、今自転車でそっちに向かってる。」
「そう、何分くらいで着きそう?」
「ん〜5分くらいかな?」
「わかったわ、わたしたちは一番奥のボックスにいるから、じゃ。
(プッップープープー)」
 伝えるだけ伝えて電話はすぐに切れた。
「おっおい・・・ちぇっ!なんだよ・・・ん?わたしたち?他に誰かいるのか?」
 あゆきの最後の言葉を気にしつつもあたしは自転車の漕ぐ足に力を入れた。
 暫く走るとファミレスの明かりが見えてきた。
 あたしは漕ぐ強さを弱めファミレスの駐輪場に自転車を滑り込ませる。
 スタンドを立てて自転車を置き、後輪のサドルの下辺りにある輪になった鍵を掛けて
キーを抜くと、入り口の方へと回った。
 ファミレスの扉を開けると入店のチャイムが鳴り、店員が「いらっしゃいませー」と
声をかけてくる。
「いらっしゃいませ、お客様は何名様ですか?」
「あ、すいません待ち合わせなんですけど、中見てもいいですか?」
「はい、どうぞ」
 レジ前を通り過ぎ、あゆきを探して店内をきょろきょろと見渡すと入り口から一番奥
の離れた席にあゆきはいた。
「お!いたいた・・・ん?向かいに座ってるのは・・・やす菜?」
 急ぎ足であゆき達のいるボックス席に向かうと、あゆきはこちらに気づいたのか
手を上げた。
 それと同時に向かいの席に座っていた女性が振り返る。
「やす菜・・・・・」
「え!?とまりさん!?」
 そこにはやっぱりやす菜が座っていた、驚いた表情であたしを見ている。
「とまりさん・・・どうして?」
「え!?どうしてって・・・あゆきが・・・あゆき!これはいったい・・・」
 あたしとやす菜はそろってあゆきを見ると、あゆきは真剣な眼差しであたしたちを
見ている。
「とりあえず・・・座ったら?」
 あゆきはそれがごく自然の成り行きのように、自分の座ってるシートをポンポンと
軽く叩いた。
 あゆきが立ち上がりあたしをシートの奥の席に導くと、あたしはあゆきの言われるが
ままその隣にやす菜と対峙するように座った。
 頃合を見計らったかのように、ウェイトレスがメニューとお水を持ってきた。
「いらっしゃいませ」
「あ、すいませんドリンクバーで・・・」
「かしこまりました。あちらにグラスとカップがありますのでご自由にどうぞ。」
「はい・・・」
 そういって店員はテーブルの端っこにあったチェックを持っていった。
675荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:06:35 ID:3VJz3ymB
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

「あゆき!どういうことか説明してくれないか?」
「どうって・・・やす菜があなたと話したいんですって」
「やす菜が?」
「ええ、そうよ・・・そうよね?」
「え?あ・・・わたしは・・・」
「それならそうと言ってくれよ〜、あーびっくりした・・・」
「とりあえず何飲むのかしら?」
「ああ、んじゃオレンジジュース」
「やす菜は?」
「え・・・あ、じゃあ紅茶で・・・」
「レモンでいい?」
「うん」
「それじゃ持ってくるわね」
 そういうとあゆきはそそくさとドリンクバーに向かった、その後姿はなんとなく
楽しんでいるように見えるのはあたしだけだろうか?
「んで?話ってなに?」
「え?あ・・・あの・・・・・」
 やす菜はそのまま黙り込んで俯いていた。
 あたしはなんとなく不機嫌だった、それがなぜかといわれるとやす菜がいるところに
何故あたしが呼ばれたのかという理由しか見当たらない。
 それにはずむのことを聞かれてもあたしが答えるよりはずむに直接聞けばいいと
答えるつもりだった。
「おまたせ」
 そうこうしてるうちにあゆきがドリンクバーから戻ってきた。
 それぞれの飲み物を配り終え、店員からどこかで受け取ったチェックをチェック立て
に差し込むと、あゆきはあたしの隣に座って自分のコーヒーを一口飲んだ。
「話は進んでる?」
「いや、まだなんだけどな、やす菜がだまりこんじゃってさ」
「やす菜?どうしたの?」
「え?・・・あ、あの・・・」
 やす菜は目をおろおろさせながらあゆきの方をみた、あゆきはやす菜のその態度に
半ば呆れたように言った。
「いずれは話さなきゃいけないんだからいい機会じゃない?」
「そうよね・・・わかった。とまりさん・・・」
 さっきまでおろおろしてたやす菜の瞳は、まっすぐな視線であたしを見つめた。
 その眼差しにあたしは真剣なものを感じ、オレンジジュースを一口吸ってあたしも
やす菜の瞳を見つめた。
「おっ・・・おう」
「実はね、私がはずむくんと付き合いだしてからだと思うんだけど、なんだかあなたに
避けられてるような気がしてならないの・・・気のせいだって思いたいけど・・・
どうしてもそう思ってしまうときがある・・・」
 あたしはやす菜の話を聞いてちょっとドキッとした。
「もちろん、摩利さんや曽呂君といるときはそんなこと感じないけど、あたしと
はずむ君が二人でいる時にあなたは時々、何でもないのにその場から離れたりしてる
でしょ?どうしてかなと思って・・・・・」
「そ・・・それは・・・」
 あたしはやす菜の瞳から視線を外した。
 まさかそんな質問がくるとは微塵も思ってなかったからだ。
 まさに不意打ちとはこのことを言うのだろう、今度はあたしが俯いている。
 やす菜は自分の前に置かれた紅茶をポットからカップに注いでいた。
676荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:07:36 ID:YW1EQbhV
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

「そりゃーさ・・・邪魔したくないじゃん?ほら・・・やっぱり二人は付き合ってるん
だからさ・・・その〜・・・お邪魔かな〜なんて思ったりしてさ・・・?」
「とまり・・・前と同じね・・・」
「へ?」
 一言そういうとあゆきはまたコーヒーを一口飲んだ。
「あなた、以前もそんなことあったわね・・・」
「な・・・なんのことだか・・・」
「とぼけても無駄ね」
「はい・・・」
 あゆきの畳み掛けるような責めの言葉にあたしはぐうの音も出せず、素直に認める
しかなかった。
 そんなあたしたちのやり取りを見て、やす菜がクスっと笑った。
「なっ、何が可笑しいんだよ!」
「ごめん、ごめんね。ちょっと二人のやり取りが可笑しくって・・・」
「ったく!」
 あたしはオレンジジュースのストローを引っこ抜いてジュースを一気飲みした。
「ごめんね、怒らないで聞いてくれるかな・・・私ね、全てが見えるようになってから
はずむ君やみんなに感謝してるの。」
「それははずむのお陰だろーが」
「それもそうだけど、それからの生活が・・・毎日新鮮で物凄くうれしいの。」
「そりゃーよござんしたね」
「とまり、その辺でやめたら?」
「はい・・・」
 ふてくされた様にやす菜に答えてるのを、あゆきが呆れたようにたしなめる。
 あたしは姿勢を正してやす菜の話を聞くことにした。
「それでね、はずむ君も物凄く大切な人だけど、とまりさんや摩利さんや曽呂君も同じ
くらい大切に想ってる。」
「うん」
「でもね・・・どんなに大切に想っていても、私とはずむ君が付き合うことで、とまり
さんが辛い思いをするのはほおって置けないの・・・」
「・・・・・・・・・・」
「だからね、とまりさんにははずむ君のそばにいてほしいの。私ははずむ君のみんなと
いる笑顔が見たい・・・最初は、その笑顔を独り占めしたいと言った時もあった。でも
それを私がとまりさんから奪うことは出来ない・・・奪っちゃいけないと思っているの。
私はみんなと同じ楽しい時間を共有したい・・・ただそれだけなの・・・」
 やす菜はそういい終えるとカップに注がれた紅茶を一口飲んだ。
 あたしはなんだか自分の置かれてる立場に惨めなものを感じ、俯いてしまった。
677荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:08:38 ID:YW1EQbhV
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

 暫く沈黙が三人の間に流れる、その沈黙にあたしはだんだん追い詰められてるような
錯覚に陥り、目には涙が浮かんでいた。
「・・・・・そんなの・・・ただの我侭じゃないか・・・」
「え!?」
 やす菜は手に持ったカップを落としそうになるが、慌てて両手で支えると驚いた表情で
あたしを見た。
 あたしは目に涙をいっぱい溜め、絞るような震える声で言う。
「だって・・・はずむの傍にいてくれって・・・都合が良すぎるだろ・・・あたしだって
・・・はずむのこと・・・何度も・・・何度もあきらめようと・・・思って・・・努力
してんのに・・・はずむの笑顔を見る度・・・あきらめきれなくて・・・」
 目に溜められていた涙はいつのまにか溢れ出ていた、涙は頬を伝ってあたしの手元
に落ちていく。
 顔を上げ、あたしはやす菜の目を睨み付けた。
「あたしにどんな顔をしてはずむといろって言うんだよ!!」
「ごめん・・・そんなつもりじゃ・・・」
「んじゃどんなつもりなんだよ!!」
 やす菜は下を向いてしまった。
「お前達を応援しようと思って・・・あたしは・・・自分の足で歩いていこうって決心
したのに・・・これじゃ・・・あんまりだよ・・・」
 あたしはその言葉を搾り出すように言うと、また下を向いて自分の手を見つめた。
 できればその場から逃げ出したかったが、あゆきが隣に座ってるから出るに出れない。
 目頭からは相変わらず、涙がポロポロと零れていた。
「ちょっと・・・いいかしら?」
 あゆきがコーヒーカップを揺らしながら、沈黙の空気を破るように話した。
「とまり、あなたそれでいいの?」
「何がだよ?」
「やす菜は自分の気持ちを正直に話した、とまりの答えはそれでいいの?」
「べ・・・べつにそうとは思わないけど・・・」
「なら正直に自分の気持ちを話したらいいんじゃない?」
「・・・・・」
 あたしはしばらく考えて、ジャージの裾で涙を拭うと、あゆきのその言葉に覚悟を
決めた。
「やす菜・・・・・」
「はい」
 やす菜は真剣な眼差しであたしの瞳を見つめた、あたしも負けじとやす菜の瞳を見つ
め返す。
「あたしは今でもはずむのことが好きだ」
「うん。」
「だからお前に嫉妬してる、はずむが選んだ相手だからどうもこうもないけど・・・
あたしはやす菜以上にはずむのことが好きだ!!」
「うん」
「だから・・・これ以上は何も言えん!」
 あたしは一息で言い切った、なんだか心の蟠りが薄れていくように思えた。
678荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:09:25 ID:YW1EQbhV
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

「ありがとう・・・」
 やす菜の真剣な眼差しは一変して、ぱぁっと花が咲いたように笑顔になった。
「へ?」
「とまりさんの口から本当の気持ちが聞けてうれしかった。私ね、ずっととまりさんの
こと誤解してた・・・私とはずむ君のことでとまりさんがはずむ君の事を諦めていたら、
私はとまりさんと友達として付き合えなくなるから・・・だからとまりさんがはずむ君
のことをまだ好きでいてくれてうれしい。だってこれからもとまりさんと友達として・・・
ライバルとして付き合っていけるもの」
「ライバルったっておまえら付き合ってるだろうが!」
「うん・・・だけど・・・」
「なんだ?」
「ううん、なんでもない。あ〜なんかすっきりした〜!」
「やす菜?それでいいの?」
 あゆきがコーヒーを飲み干して言った。
「うん。摩利さんありがとう!」
 あたしはきょとんとしていたが、やす菜の笑顔を見ているとなんだか自分が馬鹿々々
しくなって、なんでこんなことでウジウジしてたんだろうと恥ずかしさが込み上げて
きた。
 あたしがはずむを今でも好きなことに変わりは無い、昔から持っていた想いはそう
簡単に変えられる物じゃないんだから、自分の気持ちが再認識できた感じだった。
「とまりは?それでいい?」
 あゆきが優しい笑顔であたしに問いかける。
「そうだな〜、なんだか心の蟠りが取れた感じってとこかな?」
「そう。二人とも思い残すことはないわね?」
「うん!」
「ああ」
「それじゃ〜何か飲みましょうか」
「あたしオレンジジュース」
「私はまだ残ってるから大丈夫」
「それじゃとってくるわね」
 あゆきはそう言うと、ドリンクバーに向かった。
679荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:12:23 ID:YW1EQbhV
やす菜の心が開く時:第三章「嫉妬」

   4

 あたし達は会計を済ませ、ファミレスの扉をくぐると外は意外と寒かった。
「もうこんなに寒いのね・・・」
 そう言うとやす菜は身震いをしながら、カバンからカーディガンを取り出して片腕を袖に通す。
「もうすぐ秋だもんな」
 自転車の鍵を解きながら、あたしはスタンドを右足で蹴った。
「それじゃ帰りましょうか」
 あゆきもカバンからカーディガンを取り出し、袖を通した。
 携帯の時計を見ると、もう22:00を超えていた。
 やす菜はあたし達と反対方向だからここで別れることになる。
「この時間じゃバス走ってないだろ?」
「大丈夫、タクシーで帰るから」
「そう、気をつけてね」
「うん、二人とも今日はありがとう」
「別にいいよ、気にスンナ」
「それじゃぁまた明日」
「そいじゃ〜な」
「またね」
 やす菜はそう言って手を振ると、ちょうど通りかかったタクシーをつかまえ乗り込み、帰っていった。
 自転車を押しながら、あたし達は家路に向かって歩を進め始める。
「ひゃ〜金持ちだな〜」
「しょうがないでしょ?やす菜は家が遠いんだし、ご両親も仕事で帰るの遅いんだから」
「それじゃ〜帰っても一人か?」
「さすがにこの時間はもう家にいるんじゃない?さっき携帯で家に帰るコール
してたし」
「あゆき・・・帰るコールはちょっと古いんじゃないか?」
 いったいあゆきの頭の中は何年前なのだろうか?
「そうかしら?」
「古いって・・・何年前のCMだよ・・・」
「忘れたわ」
「それにしても今日はびっくりしたな〜」
「ふふふ、やっぱり?」
「やっぱりじゃないよ・・・まぁやす菜があたしに対してどんな感情を持ってるのか
わかったような気がしたし、蟠りが取れたような感じだし・・・」
「とまりの本心も決まったんじゃない?」
「そ・・・そりゃ〜そうだけど・・・」
 あたしは顔が熱くなるのを感じた。
「だけど・・・この先どうするのかしら・・・やす菜・・・」
「そういえば今日校門でお前ら見かけたけど、あれからずっとあのファミレスにいたのか?」
「そうよ、ちょっと色々話しこんでて」
「いったいあの時間まで何を話してたんだか・・・」
「・・・今はまだ言えないわね」
「そうか。あゆきがそう判断するんならしょうがないな」
「わるいわね」
「いいよ別に・・・」
 そんな会話をしてるうちに分かれ道に来た。
 あゆきはここで別の道に分かれる。
「それじゃまた明日な〜」
「ええまた明日」
 あたし達は分かれると、それぞれの家路に向かい歩き出した。
 はずむの家の前に差し掛かると、立ち止まり、あたしははずむの部屋を見上げた。
 もう寝てるんだろうか、明かりは消えていてひっそりと静まり返っていた。
「はずむ・・・今でも好きだ・・・いつか・・・きっと・・・」
 いつもと変わらない月明かりがあたしの足元を優しく照らし出してくれてる。
 あたしはそうつぶやくと、心持ち明るい気分で家路へと向かって歩き出した・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・第四章に続く・・・・・・・・・・
680荒巻とぬこ・・・ ◆eri.libsVY :2006/04/27(木) 00:17:22 ID:YW1EQbhV
今回はここまでです。
ほんと長くてすいません・・・・12レスにも及んでしまいました・・・・・_| ̄|○
第四章も鋭意製作中です、また出来上がりましたら投下したいと思います。
ほんとすいません・・・・
681名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 12:03:23 ID:sacSjOlR
>>680
GJです。お風呂とか食事とか、やっぱうまいなぁ。からあげ食いたくなったw
とまりの食べ方が「ばっかり食べ」なところが彼女らしい。
あと、あゆきさん…あんた一体幾つなんだよw
そのメロディーコールに「帰るコール」発言てw
でもこういうところでもあゆきのキャラをうまく補足してるんだよな。ほんとうまい。
長さは気にならなかった。むしろもっと続(ry
682名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 21:43:31 ID:+impzBMh
悩んでるだけにむしろパワフルな行為にに走るとまりが非常にらしいですね。
ライバル的友情復活おめ  な感じで。
683名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 22:40:03 ID:BiUQ9SW0
人少ないね・・・
684名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 22:47:04 ID:1Mejmo1k
>>680
こういう女の子描写好きです。続きを楽しみにお待ちしてま〜す♪
685名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:18:49 ID:goXZ9+Fd
>>680
正直読んでてたるかった。
今回の内容なら、前半部分はばっさり切り捨てても良かったんじゃないだろうか。
日常的な描写はたまにやるからいいんであって、毎度やっちゃうと冗長になりがち。
ぜい肉が多いとそれだけ話が見にくくなる。そこは注意した方がいいかも。

批判的に聞こえるかも知れないけど、続きにはちゃんと期待してる。
どう完結させるのか、楽しみにしてますよ。
686名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 07:12:58 ID:TS9dnIqA
残念ながら、展開の面白味がない。
日常シーンを描くのに終始してて、逆にキャラが動いてない感あり。
自分が考えた13話、としてるなら思い切って話を進めるべきと思う。
687名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 13:38:05 ID:Jo+fA68l
>>685
>>686
批評と批判は違います。
ちゃんと批評している人(それも2人も)いることにびっくり。
>>680は、いい読み手に恵まれています。
ぜひ、奮起していいもの書いてください。
688名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 08:12:56 ID:gioYNJv2
>>685->>686
>>556で本人が

>日常描写に関して、時間経過を補足するという点で非常に重要だと思っています。
日常の何気ない生活の中で、各キャラがどんな風に思っているのかを文字にすることによって、
読みながら頭の中で創造しやすいようになりますしね。

と言ってるように、日常シーンに重きを置いて書いてるんだと思う。
とぬこ氏は日常描写の描き方が細部にまで亘っているから読み手にとってこれほど分かり易く、
画が想像しやすい書き手は中々貴重。
こういうシーンを減らされるとそれは只の文章を書き連ねているだけであって
読み手をいかに作品に引き込ませるのかが重要なポイントだと思う。

特に二章〜三章は時間経過を意識して描かれているから、とまりの家庭での日常シーンを全て省くと
タイムラグを起こしてしまうし、とまり目線で描かれているから

部活後→学校帰りの寄り道→その後のとまりの行動→家での日常→あゆきに呼び出されファミレスに向かう→ファミレスでばったり

って流れはごく自然な流れだし、その行動の中でとまりがどんなことを思ってるのかも三章全体のテーマになるわけだから
そこは手抜きせずに書いて欲しいと思う。

とぬこ氏へ
意見は人それぞれだし、俺は少なくともエロパロに置いとくにはもったいない作品を読ませていただいていると思います。
でも批評されることは決してネガティブなものではないし、むしろこの作品に最大の興味を持ってるからこそだと思います。
第四章も楽しみにしてます、頑張ってください!!
689名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 08:29:59 ID:FAb56rWz
乙!
690名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 09:05:57 ID:pjzTtQwy
甲!
691名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 10:42:35 ID:TTM3DTC+
丙!
692名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 10:50:53 ID:kNVVgz7+
>>688
いや、日常描写をするなと言ってるんじゃなくて、
やり過ぎはくどいと指摘してるだけじゃないかと。
カラオケに行ったなら、そこでの後輩たちとの絡みだけを書けばいいんであって、
ビルがどうとかエレベーターがどうとかは別にどうでもいいことだし、
風呂に入ったなら、そこですべきは心情描写であって、
何を脱いで何を着てとかいちいちこまめに書く必要性もないし。
要所要所に絞って書かないと、それこそただ行動を書き連ねただけになっちゃうから。

ま、どちらの意見を受け止めるかはとぬこ氏次第ですよ。所詮は一名無しの戯れ言ですから。
693名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 11:13:35 ID:xvc8F3V3
「どっちも食べていいのよ」

 マジレスで。皆さん茶化した意見じゃないからとりあえず受け止めてみて、参考にしたら
いいんじゃないかな。最終的にはご本人の書きたいものを見失わなければよいのではない
かと思います。
694名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 12:03:43 ID:7aCeincJ
お〜い山田く〜ん、>>693に座布団一枚!

それでは次のかた、どぞー
695名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 12:36:55 ID:Twn3m8Xs
>>692
風呂の部分はこのスレがエロパロだからじゃね?
だってあまりにも生々しくって想像しながら呼んでたら(ry/////////////
696名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 14:30:09 ID:yOwNCn2d
10さんにとまりオナニーをリクしてぇ 
697名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 19:16:09 ID:TTM3DTC+
ふたなりはずむ×ふたなりとまりって需要ある?
698名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 19:51:40 ID:I3Q3k99B
ない、と思う
699名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 20:20:27 ID:AMRyi2pB
男の友情って? の、ツヅキマダカナ・・・・(・w・
700131:2006/04/29(土) 20:41:58 ID:ZOZpz5S9
>699
全然途中までしか書けてないのです、実は。
それでよろししければ投下します。
701名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 21:16:08 ID:AMRyi2pB
まままままままマジッスカ(・w・;
いや作者さんが納得いくカタチで投下してくれればそれで結構ですので
いくらでも待ちますよ。執筆ガンガッテ下さい <__>
702名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 23:33:33 ID:ej7OBZEn
131様へ
どうかバレンタイン&ホワイトデーも忘れないでいて下さい
703名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 00:27:39 ID:kXucdyGO
>>700
このスレを見限ったわけではないということが分かっただけでもう、ね
スレ温めるのは俺たちに任せて納得のいくまで推敲するんだ!
待ってるから!
704名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 08:37:30 ID:VcIIjdlJ
神!
705名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 11:06:30 ID:bCi08Xnr
紙!
706名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 11:13:12 ID:M9kti678
便所の
707名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 11:15:29 ID:bCi08Xnr

せぼん
708名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 12:23:35 ID:49moCGPj
もう430KBか、早いな。800台で書き込めなくなるかもしれないなー。
ぼつぼつテンプレの改訂案をまとめておいた方がいいかもね
709名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 12:35:22 ID:bCi08Xnr
テンプレにss書きのリスト付けてみたら?
710名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 13:53:14 ID:vgSjR+ZG
>709
どうするの?
711名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 14:18:06 ID:MRDx0roH
>>710
執筆中の作者名と作品名とそのあらすじのっけておくとか・・・・
あらすじは入れなくてもいいけど・・・・
712名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 15:07:41 ID:oOmNk7KN
とりあえず作ってみれ>711
713名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 16:08:08 ID:mbJobnNB
>>708
テンプレに「漫画版やゲーム版のSSも事前告知付きならOK」ってことと、
「かしましの元作品(アニメ等)自体の考察や批評は本スレで」ってのを
追加した方がいいと思うのだけどどうでしょう?
714名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 16:46:34 ID:Hmr4F9Fw
SS総合を唱ってるということで、事前告知とかの縛りは無しでOKじゃね?>漫画、ゲーム
前書きに記載推奨くらいで。
あと、かしましという作品そのものについての批評、考察はアニメ2板の本スレにてどうぞって事か?
個人的にはどっちでもいいかな…
715名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 17:00:36 ID:vH5Nc0wO
前書きに記載推奨項目作るんなら、
・カプ名
・エロ有無
・アニメ、漫画、ゲームどの舞台か
・凌辱、鬼畜、猟奇の警告
くらいはいるのかな?
716名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 18:59:49 ID:kXucdyGO
>>715
小説版のこと忘れないでやって・・
717名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 20:09:49 ID:d4CvC6ug
タイトルはこんなのはどうだろ

【あのね……】かしましSS総合 第3期【大好きだよ】
小説版からの引用です
718名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 20:11:52 ID:mbJobnNB
>>715
さすがに上二つは要らないと思われ。
あと3つ目もアニメのSSなら記入不要でいいんじゃないかな?アニメがデフォってことで。
ともかく書き手の負担は極力へらしてあげないと。
719名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 20:14:06 ID:kXucdyGO
つか書き手の良識に委ねるもんなんじゃないのこういうのって
720名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 20:29:51 ID:GJNaNDRj
誘導先リンクと、煽り荒しの徹底スルーの文言はテンプレに入れて欲しい。
721名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 09:00:42 ID:LVIrxaPG
テンプレ案、まとめるとこんな感じ。
ちょこっと遊んでます。

【あのね……】かしましSS総合 第3期【大好きだよ】

ここは「かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜」のエロパロスレです。
エロ無しのSSも全然OK!アニメ、漫画、小説、ゲーム何でもござれ!であります。

●アニメ公式
ttp://kasimasi.com/
ttp://www.tv-tokyo.co.jp/contents/kasimasi/index.html

●お約束
・気に入らないカップリングがあっても文句を言わない。
・気に入らないシチュエーションでも文句を言わない。
・誹謗、中傷は厳禁です。煽りや荒しのレスがあったら徹底スルーが原則です。
 ミザル(つд⊂)イワザル(;゚ω゚)キカザル(∩ ゚д゚)で、透明あぼーん致しましょう。
・陵辱,鬼畜,グロ/猟奇などは投下前に警告をお願いします。

●スレ違いの方、ご案内〜
・かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜への作品批評や考察はこちらへ↓
 ■アニメ2板
 かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜♀55♀
 http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1146379297/
・女×女カップリング至上主義の人、及びレズスキー氏はこちらへ↓
 ■レズ・百合萌え板
 かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜
 http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1101732877/
・かしましのTS設定への意見,談義をご希望の方、及びレズスキー氏はこちらへ↓
 ■エロパロ板
 強制女性化小説ない? 議論スレPart3
 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141035852/

●初めてのSS投下の方は
・SSは、メモパッドなどに書きまとめてから投下が吉。
・1レス分は40字×50行を目安にするとcool。
・名前欄にはタイトルと通しナンバーも入れるとカコイイ!です。
・前書きでのお知らせは、投下時のたしなみです。

●保管庫
http://kashimashihokan.hp.infoseek.co.jp/
※保管庫管理人氏、乙であります!(`Д´)ゝ

●過去スレ
【僕の事】かしましSS総合第2期【女の子にして】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142653904/
【はずむ明日太】かしまし【女人禁制】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1138798391/

補足よろ
722名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 09:41:57 ID:UM1gFeBD
>721
非常にグッドだと思いました
723名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 14:08:25 ID:WUeu55J9
>>721
SS投下の方の名前欄はこれからHN(PN)方式にした方がいいと思われ・・・・
題名や、通しナンバーは本文に載せたほうがいいんで内科医?
724名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 14:49:50 ID:JjtYxjtS
乙だ>721
えらくあっさりまとまったな
725名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 20:53:42 ID:m/wJ876d
メール欄て何文字まで書けるの?
メール欄にハン、タイトル、通しNoまで書いてるスレってあるような
726名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 22:12:09 ID:VyU7MeFJ
題とナンバーが本文にあったら鬱陶しくないかな。
727名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 00:12:53 ID:07OpO3Im
>>726に同意
題は本文でもいいとおもうが
728名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 07:11:24 ID:t1Ll2Oqo
よそを巡回してて思うけど、メール欄にタイトル/通しNoが一番スカッとしてるかな。
ハンドル名は前書き後書きに記載でいいんじゃない?
携帯で見てたり、一気に読めないで続きを探す時とか、メール欄に情報がある方が正直嬉しい
729名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 07:37:28 ID:QnvSc2Ts
>>727
名前欄には名前、メール欄には通しナンバー(00/00)
題名は本文の一行目でいいんじゃね?
730名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 08:57:30 ID:wnH1vtJr
名前欄にタイトル/通しNoの方が色付きだし、反転するし目立つよー。
負担でなければ、これらはレス毎に付けて欲しいな。
731名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 11:12:39 ID:r6zsHcfY
まてまて、職人様に書式強制して負担を増やすのはよろしくないよ。
投下がかぶったときにどの書き込みが一つの作品かを見分けられれば(どこかにタイトルかコテが入ってれば)
後は職人様にお任せで良いんじゃないかな。
732名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 12:22:38 ID:DojSsI8B
基本はテンプレで、あとは職人方がスマートだと思うやり方にまかせましょ。
733名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 16:45:02 ID:Afl4HfQc
すっかり引っ越し準備出来てるみたいだけど、新スレは480KB超えくらいで?
まだまだSSの3本や4本は投下可能だね 
734131:2006/05/02(火) 22:54:43 ID:BfHhDP0C
『バレンタイン&ホワイトデー』の続きです。継続してエロなしSSです。
はずむたちが高1の冬の話、ということではずむは♂であります。
イメージは漫画ベースで
735バレンタイン&ホワイトデー(5)/131:2006/05/02(火) 22:56:20 ID:BfHhDP0C
「はずむくんに、ふられちゃった?」
 冗談めかして言ったはずだったが、とまりはビクリと肩をふるわせただけで黙りこくっ
たままだった。
 あゆきはとまりの後をついて歩く。
 部活の後、昼休みの顛末を聞こうと待ち構えていた。
 午後の授業に、とんでもなく遅れてきた理由が気になっていた。
 あの時のとまりの目に、泣きはれた後が見えたから。
 それ以来、ずっと俯いている。
 正門の横で待ち伏せし、通り過ぎるとまりの横についても、声を掛けるまであゆきに気
付かなかった。
 顔を覗き込むが、その目は虚ろ。突っつくと、泣きそうな横顔だった。
 あゆきは自分の家へ戻る道を曲がらず、そのまま、とまりに連いて歩く。
 昼間晴れてた分、日が落ちると冷え込んでくる。
 冷える手にほうっと息を吹きかける。
 白い吐息が、少しだけ指先の痺れをぬぐってくれる。
 すぐ前を歩くとまりも、時折白い息を流している。
 小さなとまりの背中に、長いおさげ髪がしょんぼりと揺れてた。
 どうしようか
 昼休みに、はずむくんと何かあったんだろう。
 ――でも、このブルーさは、どう?
 はずむくんに、はげしく振られた?
 …ありえないんだけどなぁ
 前、後ろ、つかず離れずの間で、無言で歩く。
 夜が迫り始め、街灯に明かりが灯りつつあった。
「なんで、ついてくるんだよ」
 とまりが、ぼそりと吐き出す。
「あら、私の帰り道にとまりが歩いてるんでしょ?」
 あゆきは、するりと答える。
「あゆきンち、あっちだろ」
 とまりは前を向いたまま、通り過ぎた道の行き先を指差す。
「こっちでいいのよ」
 とりすまし答えるあゆきへ、苛立ちを爆発させるようにとまりが大声をあげた。 
「なんなんだよッもう!お前のまぜっ返しにいちいち付き合ってられるか――っ!」
 とまりは振り向きもせず駆け出していく。
 あゆきも後を追うが、たちまち突き放されてしまう。
 2つ先、3つ先の角を曲がっても、とまりの姿は見えなかった。
 あぁ、ウチまでダッシュされちゃったかな……?
 詰まりそうな息を堪えながら5つ目の角に届いたあゆきは、足を止めた。
 こんなに走ったの、どれだけ振りだろう。
 鼓動の爆発が呼吸を妨げて、苦しい。
 ぜいぜいと息を整えるまで、しばらくかかった。
 ようやく顔を上げられる。
 とまりが、待っていた。
 気恥ずかしそうにおさげをいじってる。ちょっと頬が赤かった。
 寒さのせいばかりじゃ、ないみたいだった。
「時間、よかったらさ、…帰りにファミレス寄らないか?」
 ヘンに大きな声で、あゆきを誘う。
「いいわよ、今日はヒマだったの。喉も渇いてるし」
 膝に手をついたまま、まだ荒い息を呑み込みながら、あゆきは答えた。
 久しぶりに顔が合う。
 目と目を互いに覗き込んだようになり、ふたりとも一瞬固まるが、すぐほぐれる。何と
なく口元がにやけてしまう。
 そして、今度はふたり肩を並べて歩き出した。
 いま来た道を、駅前まで歩いて戻る。
 とっぷりと陽は暮れてしまったが、そんなことどうでもいい。
 今からは、親友との時間だったから。
736バレンタイン&ホワイトデー(6)/131:2006/05/02(火) 22:57:32 ID:BfHhDP0C
 とまりの初めてのバレンタインは、目標に辿り着く前に墜落した感があった。
 あゆきにとって、とまりを煽った事を差し引いても、気不味い話だった。
「ガーデニングの部長さん、本当に泣いてたの?」
 振られて泣いてたのかも知れないけど、いくらはずむくんでも、振った女を胸で泣かせ
た挙句、肩まで抱いたりするだろうか?
「うん…、涙ぬぐってたから、さ」
 俯いた感じでとまりが答える。
「ふーん…」
 朝、昇降口ではチョコを渡していた彼女には、そんな思い詰めた感じはなかったと思う。
 じゃ、手紙は?とまりにああは言ったけど、ラブレターを渡した雰囲気でもなかった。
 はずむがOK出すのを見越した余裕…?
 あゆきは、一人言のように首を振る。
 彼女はそんな自身たっぷりのタイプじゃなかったように思う。控えめで、男子のモーシ
ョンに躊躇しそうな感じ。男絡みの噂も聞かない。
 あゆきはコーヒーを啜った。カップを戻すと、皿がかちゃりと鳴った。
 沈黙。
 とまりが、また煮詰まっていってる。
 気の強いとまりが、こんなふうになってるのを、はずむくんは知ってるのかしら…
 あゆきは、無性にはずむをなじりたかった。
 頭では分かる。筋の違う話だ。仮にはずむが、誰を選ぼうと誰と付き合おうと、あゆき
が苦言するのはおかしい。
 分かっているから、あゆきには出来ない。
 他の女の子のように、感情のまま、はずむを問い詰めるなんて無理だった。
「はずむくんに渡すチョコは、どうしたの?」
 ふっと、聞いてしまって後悔する。今日はこんなしくじりが多かった。
「…部活の前に、捨てた。潰れてたから」
 その時の悔しさを思い出したのか、とまりは震えていた。
「…ごめんなさい」
 ずずっと鼻をすするとまり。店内にはバレンタインよろしく、ラブソングばかりが流れ
ていた。
「でもさっ!!」
 急にとまりは顔をあげて声を上げる。
「別にあたしが振られたとかって訳じゃないんだからさっ!渡してないんだしっ!そもそ
も義理ってやつだし!!」
 明るさを搾り出した声で、とまりは続ける。
「逆にさ、見なかった事にしてやらないと、はずむの事だからせっかくの彼女が出来るチ
ャンスをダメにしそうだしなっ!バ、ババックアップしてやらないと…!?」
 顔が泣き笑いに近かった。
 かわいい子…と、あゆきは思った。胸が締まる。
「いいの…?はずむくんと過ごす時間、減っちゃうのよ…」
 ぽつりとこぼしたあゆきの言葉に、とまりが固まる。
「私は、嫌だな」
 続いた言葉に、とまりは目を見開いた。
 そっぽ向いてるあゆきを見つめた。
「私、何とかするから」
 とまりが目を剥いた。
「何とかって…。何をどうすんだよ…。やめとけよ…」
 はずむがあの人とつき合うことに決めたのなら、自分達はそれを祝福してあげなくちゃ…
 でないと、あたしは、はずむの中からはじき出されてしまう。
 そんなとまりの怯えを、あゆきは敢然と言い放った。
「嫌よ。だってこのままじゃ、私も一緒に居辛いじゃない?はずむくんと」
 ぽかんと口を開けて、あゆきの顔を見ているとまりに続ける。
「ホワイトデーまでは、私の言う通りに振舞ってくれるわね、とまり?」
 にっこりと微笑みかける。
 怖い展開が待ってそうだったが、とまりはその言を拒む気は、もうなかった。
 はずむが遠ざかっていく、取り残されるような寂寥に覆われていた気持ちが、急速に薄
まっていくのが分かった。
 親友の、眼鏡越しに見つめる目が優しかったからだった。
737名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 23:05:43 ID:BzJoqe0L
超えた?
738バレンタイン&ホワイトデー(7)/131:2006/05/02(火) 23:13:20 ID:BfHhDP0C
 はずむは気付いていなかった。
 登下校時や昼休みに、とまりが顔を見せないのを変に感じていたが、そんなに気にして
はいなかった。
 部活が忙しかったから、みんなと放課後を過ごす事もなかった。
 おかしな空気を感じたのは、むしろ明日太やあゆきに対してだった。
 ――なんか、隠している。
 そのおかしな挙動と、疎遠なとまりとの関連にキナ臭さを感じ、何とかしなきゃと焦り
出した時には、もう2月終わりかけていた。
「僕さ……、なんか、したっけ…?」
 とりあえず帰り道、はずむは明日太に疑問をぶつけた。
 そもそも、明日太と帰る事自体も久しぶりだった。
 …そして、今日もとまりの顔を見る事無く、終わろうとしていた。
 自分に何か原因があるんじゃないのか…?そんな予感はあった。
「ん…、どーだったかな…?」
 曖昧な、明日太の態度が、ますますはずむの進退を窮する。
「とまりちゃん、避けてるよね…?」
 恐る恐る、口に出してみる。
「…あぁ、避けてるよな…」
 ばっさりと同意され、はずむはどんよりとした気分が加速していくのを感じた。
 何を、怒らせてしまったんだろう?
 こうなると、とまりは長引くのをはずむは知っている。
 何せ、理由も聞けず、言い分も聞いてもらえないから。
 はあああぁぁぁ…………
 心底、ため息が出る。
「助けてよ、明日太…」
 明日太の横顔は、何か言いたそうだった。
「心当たり、ない?あゆきちゃんまでよそよそしいし…どうすりゃいいの?」
 頼りなげなはずむの物言いに、明日太は改めて口ごもる。
 親友の苦境だ、一肌脱ぐしかねえよな…
 そんな決心をした風に、明日太は自分の疑問をはずむにぶつけた。
「お前、とまりからチョコ、もらった?」
 はずむの頬が、ボッと着火する。
「なななな、何いってんの!?とまりちゃんがそんなの、くれる訳ないじゃんっ!!」
 首と手も、もげる程振り回し、懸命に否定する。
「じゃ、誰からチョコ、もらった?」
「ばっ、バババっバカッ!誰からって!?そんなの、言える訳ないだろ!!」
 半分、逆上しかかっている。
「あ、そ。じゃ俺も知らね」
 では我関せず、といった風に明日太は会話を切る。ぷいっとはずむから顔を逸らす。
「あ〜〜、もう!どういう事ぉ〜!?言うよ、見捨てないでよ!?…えと、誰だったけ、
3年の山口さんでしょ、湊川さんに、2年の水上さんに…えー……」
 弱り切ったはずむは、個人情報を次々に口にする。
「…いいかげんにしろよ、てめえ。…もう、知らん!」
 黙って聞いていれば、何人からもらってやがるんだ、コンニャロッ!?
 明日太は駆け出し、腹立ち紛れにはずむを置き去りにする。
「え、ええ―――!?なんだよ、言えっていったの、明日太だろ――!?」
739バレンタイン&ホワイトデー(8)/131:2006/05/02(火) 23:15:43 ID:BfHhDP0C
 追いすがるはずむは、急に立ち止まった明日太の背中に追突する。
 目の奥に火花が散った。
「痛ったぁ〜〜…!?なんなんだよ!もぉ―――っっ!」 
 鼻をぶつけたはずむは、仕返しに明日太の尻をボコッと膝で蹴り上げた。
 明日太からは逆襲ではなく、呟きが返ってきた。
「お前さ、あの美人の部長さんから、チョコ貰ったんじゃねーの?」
 背中を向けたままの明日太は、尻を撫でながらぼそりと問いかける。
「ん?あぁ…、うん。貰ったけど」
 鼻を押さえて涙を堪えながら、はずむは答えた。
 明日太が振り返る。
「ホントはこんなの聞いちゃいけないんだろうけどさ、…それって、告白込みで?」
 マジメな顔で覗き込んでくる明日太の質問に、はずむは動揺した。
「え?え?あはっ、あははははっ!?」
 笑って誤魔化せる雰囲気でも、状況でもなかった。
 そもそも相談を持ちかけたのは、はずむ自身なのだ。
 じっと、はずむを見据えている明日太の視線は有無を言わせない感じだった。
「……いろいろ、あったんだけどさ、…うん」
 そう言って俯いたはずむにも、なんとなく明日太の言わんとする事態が把握されつつ
あった。
 あの日、実際いろいろあったのだ。
 それは、今も続いていて、まだしばらく続きそうだった。
 とまりも春の大会に向けて練習漬けの日々を送っていることもあり、はずむはとまりと
の時間を取れないのがもどかしかった。
「あの日の昼休み、とまりがお前を探して走り回ってたんだけど、…会った?」
 会ってない。初耳だった。
「部室に行った事、教えたんだけどな」
 はずむは心臓が跳ね上がるのを感じた。
「お前がさ、…部長さんと何かしてたの、見られたんじゃねーの?」
 頭をぼりぼり掻きながら、言い辛そうに明日太が核心に迫る。
 多分、そう、だ…
 あれを見られていたとしたら、何を思われているか想像に難くない。
 そこに明日太がとどめの一言を告げた。
「実は俺な…、とまりが、チョコ買ってるの、見ちゃったんだよな…」
 はずむは硬直した。
――そんな……!?
740131:2006/05/02(火) 23:22:32 ID:BfHhDP0C
カキコ規制にかかると迷惑かけますから、、ここまでの投下にさせてもらいます。
ブツ切りですみません。
あと2回ほどの投下でこのSSは終わらせますんで、そのうち又スレ汚しをば…。
741名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 00:21:13 ID:79RiOFR9
>>740
ちょっとあゆきのキャラやはずむの口調が違うような・・
まあそれも味とも言えますけどね
とまりちゃんがどうこの後どう挽回するのか
wktkしながら待ってます!

あと、はずむ君が密かにモテモテだったのは
設定資料集見れば想像に難くないと思うw
742名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 00:41:39 ID:jrDxrEy/
131氏、待ってました!
自分はVer131あゆき萌えなんで無問題だなー!
はずむも男時代な感じが良いなーとw
早急に続き希望!
743名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 01:20:06 ID:tSya0SSO
>>740
待ってましたー
あゆきプロデュースでとまりの逆襲作戦?、いったいどうなるのか楽しみだw
…そうか…男はずむももモテたのね。 色んな意味で明日太カワイソスw
744名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 04:37:30 ID:Mp+kFb0t
あゆきってキャラの捉え方が難しいんだよね
漫画読んでないといまいちわからない子だ
他のキャラはアニメのままなんだけど
745名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 06:18:44 ID:osobPDUh
いやあ…このあゆきは良い!萌えですよー!
キャラ同士のカラミ方も良い。生き生きしてますね。
746名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 10:41:20 ID:/38wJgXj
各キャラとも雪○テイストを感じるなー。ファンブックのコメントのイメージがあふれてくるみたいで。
あゆきなんてマジ最高だぁね。
明日太とか陽の目を見ないキャラが動いてるのが楽しいし、GJです!
ぜひツンのやす菜も出してほしいです
747名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 06:58:25 ID:OL5uws/r
森雪?
748名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 10:46:26 ID:hsTZhAoE
749名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 10:57:03 ID:ZFJwHWat
ついにこのスレからメジャーデビュー者が!
750名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 15:46:16 ID:uUFEcc1K
>だまされたと思って

吹いた
751名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 17:48:32 ID:+U8NVotZ
>>749
登録すれば誰でもコメント書き込めるみたいよ?
752名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 22:29:27 ID:S1nSoUXm
さて、明日太ととまりネタでも考えてみようかの。
753名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 23:37:02 ID:Ol82wX+w
さて、宇宙仁と明日太と大佛徹の濃〜いネタでも考えてみようかな。
754名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 00:20:17 ID:OUeeqVkZ
おいおい、やす菜も入れてやれよ>753
755名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 00:58:03 ID:03q9NhoW
このスレは職人が集まるときは集まって、いないときは過疎るのな。
職人さんは出来たら即投下じゃなくて少し流れを酌んで投下してもらう

というのはどうだろう?

756名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 01:06:27 ID:1/a8IIzL
スレ移動の端境だから、流れを酌んで投下を見送ってんじゃね?
757名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 02:52:05 ID:wkFiZDqa
とまりんが夢に出来てた
758102:2006/05/05(金) 05:24:45 ID:Wj2U2D2M
えっと、102です。短めのお気楽バカもの。いつも通り、えろくはないよ。
ま、他の皆さんの長編の間に、息抜きにでも。では。
759取調室ではカツ丼を(1/4):2006/05/05(金) 05:25:54 ID:Wj2U2D2M
土曜日の午後、私は愛犬フェルマータを連れて、近所の公園を散歩中でした。
穏やかな風、木々のざわめきだけが聞こえる静けさを満喫していたときです。

「ぷぅ!ヤスナンですっ!」
……あぁ、ジャン・プウちゃん……その呼び方は恥ずかしいから止めて……
放っておくと連呼されそうなので、慌てて声の主を捜します。
いました。少し遠くから手をぶんぶん振っています。
横に男性がいます。よく見えませんが、隣にいると言うことは、宇宙先生でしょう。
「ぷ〜ぅ、ヤスナン〜!」
これ以上名前を呼ばれる前に、手を振り返し、彼女たちの方に向かいます。
ジャン・プウちゃんも、こちらに走りよってくるのが見えます。

「ぷぅ!わんちゃん〜」
ジャン・プウちゃんの視線は私よりもフェルマータの方に釘付けで、彼をなで回します。
というかこすり回しています。フェルマータ、がんばれっ。
「ジャン・プウちゃん、今日はどうしたの?」
「わんわん〜」
「いやなに、ただの散歩だ」
質問を犬語で返したジャン・プウちゃんの代わりに、宇宙先生が答えてくれました。
宇宙人でもただの散歩なんてするんですね。

今日のジャン・プウちゃんは、いつもの宇宙人らしいコスチュームではなくて、白いワンピースを着ています。
こうしていると普通の少女にしか見えません。しかもかなり可愛らしいです。
言動も愛らしいですし、微笑ましいですね。
「ふむ」
フェルマータの前足を両手で握ってぶんぶん振り回し、
「あくしゅあくしゅ〜」などと言っているジャン・プウちゃんを眺めていた宇宙先生は、
「やす菜君、よければジャン・プウの相手をしてくれないか。私は急用ができた」
「はあ。それは構いませんが……」
言うが早いか消えてしまいました。
なんだか体よく監督役を押しつけられた気がしますが、かえって好都合です。
ジャン・プウちゃんにはかねがね聞いてみたいことがありました。
フェルマータの肉球を確認しているジャン・プウちゃんに声をかけます。
「ねぇ、ジャン・プウちゃん、よかった私の家に来ない?すぐ近くなの」
「ぷぅ!」

ジャン・プウちゃんを私の部屋に通し、お茶を用意します。
彼女はフェルマータがいたく気に入ったらしく、まだなでています。
フェルマータも彼女が気に入ったようで、好きにさせています。
時々思うのですが、フェルマータは可愛い子には甘いです。面食いなのかしら?
さて、そろそろ本題に入りましょう。

「ジャン・プウちゃんは、はずむ君と一緒のお部屋で暮らしているのよね?」
「ぷぅ〜。ジャン・プウとオネニーサマは、一つ屋根の下、ラブラブですから〜」
……そう、ラブラブなの……
確かにジャン・プウちゃんは、はずむ君と一緒にいるときは、
たいていべったりとくっついています。
正直、少し羨ましいのですが、妬けるということはありません。
はずむ君はジャン・プウちゃんを妹であるかのように接するので、むしろ微笑ましいくらいです。
私もジャン・プウちゃんがするように、はずむ君に甘えてみたいですが、
なかなか勇気が出せません。というか、私がはずむ君に
「ぷぅ!オネニーサマ、だっこしてください〜」
なんて言おうものなら、はずむ君が凍り付いてしまうでしょう。
どうしてジャン・プウちゃんなら微笑ましくて、私なら凍てつく波動になるのか、
自分でもよくわかりません。なぜなのでしょう。なぜなの……。
いえ、今はそんなことを気にしている場合ではありません。気を取り直して、質問を続けます。
760取調室ではカツ丼を(2/4):2006/05/05(金) 05:26:50 ID:Wj2U2D2M
「はずむ君とジャン・プウちゃんは、お家では、どんな風に過ごしているのかな?」
そう、今日の目的は、ジャン・プウちゃんからはずむ君の日々の暮らしを聞き出すことにあります。
はずむ君が自分のお家でどのような暮らしを送っているのか、
好きな人のことならなんでも知りたい、これが恋する乙女心でしょう。

「オネニーサマですか〜?えーっと、オネニーサマが学校から帰ってくると、
 まず、『オネニーサマ、お帰りなさいですぅ』っていいながら、ほっぺをすりすりします」
そうです。彼女は頬ずりが大好きです。私もされたことがあります。
はぁ。私もはずむ君に頬ずり、してみたいかも。
私の頬を通して伝わってくるはずむ君のぬくもり……。

「その後は晩ご飯まで、お花のお世話か、宿題をしますね。
 お花のお世話は、ジャン・プウも手伝いますっ!宿題は手伝いませんっ!」
「うんうん」
「で、晩ご飯を食べます。オネニーサマのママサマの料理は、いつもとってもおいしいですっ」
「そうなの」
「食べ終わったら、お風呂に入ります」
「はずむ君から先に入るの?」
「ぷぅ?ヤスナン、何言ってるですか?一緒に入るに決まってます」
「え゛っ?」
……お、お風呂。こ、この子は、は、はずむ君と、一緒にお風呂に入っているというの?
も、もしかして、お風呂の中で、背中の流しあいっこでもしているというの?
でもでも、まさかそこまでは……
「お風呂では、おっぱいをフニフニしあいます」
フニフニっ!フニフニってなにっ!?まさかフニフニって、あのフニフニなの!?し、しかし……
「……フニフニって?」
「ぷぅ?だからこう、フニフニ〜っと」
あぁ、今、私はジャン・プウちゃんに胸を揉まれています。しかも両手でフニフニと。
そうね。フニフニと言えば、普通はそうよね……。心が涙を……。
というか、ちょっと気持ちよく……は、いやいや。
ジャン・プウちゃんに胸を揉まれながらも、私は続けます。
「はずむ君もジャン・プウちゃんのをフニフニするの?」
「はいっ!それはもうフニフニと」
はずむ君……そう、そうなのはずむ君……言ってくれれば、言ってくれれば私だって!
「おっぱいをフニフニするのは気持ちいいですよね?
 でも最近、フニフニされるのも、気持ちいいってわかったんです」
そうね、今も私、あなたにフニフニされてちょっと気持ちいいもの……。
「ジャン・プウはオネニーサマに気持ちよくなってもらいたくて、
 いっしょうけんめいフニフニします。心を込めてフニフニします。
 オネニーサマは初めのうちはくすぐったがるんですけど、
 しだいに気持ちよくなっていくみたいです。
 オネニーサマのお目々がトロンとしてきて、ジャン・プウのおっぱいをフニフニしてくれます。
 これがまた気持ちいいのです」
あぁ、私だって、はずむ君をフニフニしてみたい……
「それで、続きはどうするの?」
761取調室ではカツ丼を(3/4):2006/05/05(金) 05:28:37 ID:Wj2U2D2M
「その後は、お互いの背中を流しあいっこして、二人でお風呂につかって
 『うぃ〜』っていいますよ?」
……あっ、そう。なんだ、拍子抜けなのね。
このままいくところまでいってしまうのかと思ったら……。
でもそうね。よく考えたらこの二人、それ以上のことって知らないんじゃないかしら。
はずむ君に、この先に広がる快楽の一つ一つを丁寧に教えてあげたい……。

「お風呂から上がったら、二人で牛乳を飲んで、お休みします。
 もちろんいっしょのお布団ですっ!」
えぇ……それは以前はずむ君がうっかりばらしてしまったのを聞いたことがあります。
ばらしたというか、授業中にうたた寝をしていたはずむ君を休み時間になったので
起こそうとしたときに、ついふらふらと頬を撫でてしまったんです。
そうしたら、はずむ君は起きるには起きたんですけど、
「ん〜、朝?ジャン・プウちゃん?」
などとおっしゃるので、
「ふふふ、はずむ君、朝はジャン・プウちゃんに起こしてもらっているの?」
と笑顔で尋ねてみたんですけど、急にはずむ君はワタワタしだして、
「ああああのね、いつもジャン・プウちゃんに起こしてもらっているわけじゃなくて、
 一緒に寝てるから、ジャン・プウちゃんが先に起きたときは……って、
 そうじゃなくて、あのそのこのこれはつまりなんていうか」
その後のはずむ君のしどろもどろなせりふはよく覚えていないのですが、
仲のよい姉妹よろしく、一つのベッドでお休みしているということはわかりました。

「おふとんに入って、電気を消してからしばらくは、オネニーサマはジャン・プウに、
 いろんなお話をしてくれるです。学校のこと、お花のこと、お友達のこと、
 あっ、ヤスナンのこともいっぱい話してくれましたよ。
 ヤスナンは、綺麗で美人で、ヤスナンの奏でる音楽が、とても優しいこと。
 それを聞くとお花さん達が、元気になること。オネニーサマも元気になること」

「……はずむ君」
嬉しい。はずむ君が私を思い出してくれる夜があるということ。
私の演奏を優しいと言ってくれていること。
何もできない私だけれど、はずむ君を少しでも元気づけることができるということ。
嬉しくて、少し涙が出てきそうです。

「そのうち、おしゃべりすることがなくなってきます」
「お休みするのね」
「いいえ、夜はこれからですよ?」
「は?」
「まず、ちゅーをします」
「……えっと、お休みなさいのキス?」
「恋人どおしのキスです。オネニーサマの舌とジャン・プウの舌が絡み合って、
 お互いの唾液をむさぼり合うです」
……この幼い少女から「絡み合う」とか「むさぼり合う」といった発言がなされたようですが、
気のせい、かしら?
「キスをしながら、お互いのパジャマと下着を脱がせていきます。
 オネニーサマがジャン・プウの――を――してくれるので、
 ジャン・プウもオネニーサマの――を――してあげちゃいます。
 とーっても気持ちよくって、オネニーサマの――を――しながら、――で――が――」
少女の無邪気な声は赤裸々に事実を告白してくれているようですが、
私の頭はそれを理解することを拒否しているようです。
は、はずむ君……。わ、私というものがありながら、こ、こんな無邪気な子相手に、欲望の限りを……

ぴんぽーん

玄関のチャイムの音で我に返ります。来客の相手などをしている状況ではないのですが、
しかたありません。やむなく階下に降り、玄関のドアを開けます。
「やす菜ちゃん、こんにちは。ジャン・プウちゃんを迎えにきたよ」
762取調室ではカツ丼を(4/4):2006/05/05(金) 05:30:08 ID:Wj2U2D2M
ドアの先にははずむ君が立っていました。あらあら、これは好都合です。

「いらっしゃい、はずむ君。よかったら、上がってお茶でも飲んでいかない?」
「いいの?」
「ちょっとはずむ君に聞きたいこともあるし」
「じゃあ、遠慮なく」




その後、はずむの姿を見た物は誰もいなかった。




「そんなことないよ〜。僕は生きてるよ〜」
「うわっ!おまえ、はずむかっ!?なんでそんなげっそり痩せてんだ?」
ちゃんちゃん。
763102:2006/05/05(金) 05:32:47 ID:Wj2U2D2M
例によって失礼しました。まあ、息抜きですよ息抜き。ではでは。
764名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 06:25:23 ID:FJnKKVbh
>>763
とても面白かったです。
でも、ジャン・プウの衝撃の告白で理性のトンだ
やす菜がはずむを毒牙(?)にかけるところを
『貴重なデーターが取れた』と言いながら
観察する宇宙先生をオチにもっていくと
良かった気がします。
765名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 10:42:33 ID:tVAJ+XEb
       ァ゙``´゙~7
        イ ミ゙゙^゙゙Y
       ヾ( "ヮノ うへえへえへ〜>763
         {iつとi
766名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 11:21:01 ID:lsKUbKs3
GJ!面白いなぁ!
コメディタッチで独特のノリが良かったです。
767名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 11:38:10 ID:t2gavFHX
職人さんGJ!
768名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 13:40:13 ID:nCTpnV6Z
明日太かわいいよ明日太
769名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 15:15:14 ID:03q9NhoW
>102氏
GJです

ところで触手は警告したほうがいい?
770名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 17:10:28 ID:HrVLdQ4k
触手はグロ系と思われます
771102:2006/05/05(金) 21:59:26 ID:GddO9yhs
どうもです。皆様お疲れ様でした。
>>764
確かにそうかも〜。まあ、やす菜邸で何があったかは、各自ご想像下さいませ。
>>769
そのあたり迷いますよね。ここはエロパロ板(僕もすっかり忘れてますが)ですので、
別にいいような気もするのですが、“きつい”内容だとダメな人はダメでしょうから。
あげ始める前に、「エロ。触手もの」とでも書いたレスを入れておけばよいのではないかと。
772名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 00:42:12 ID:qMZY/MNB
警告とか、大層に考える事はないでしょ。
どういう感じのSSかを、前書きでちょろっと触れればいいだけ。
そこら辺は職人さんのバランス感覚におまかせです。
773名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 02:21:58 ID:DqyhSd26
個人的には内容がグロくなければ構わないと思うけど、一応冒頭で一文入れておいた
方がいいかもね。
774名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 07:00:31 ID:UTPimzAO
>759
いい感じにはじけてて、面白かった
775名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 07:05:33 ID:W0We+rSz
でもまあ、投下されたSSは結局読んでしまうのが住人の性
776名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 07:57:37 ID:s5ZRPdR2
大王の続きで、ボロボロのとまりが、雨の中を拾ってくれた男性に自傷行為的に抱かれてしまう話、などはいかがでしょか。
スレの空気に合わなそうか
777名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 09:03:40 ID:7Az/Qg4p
最初に、はずむのお父さん×やす菜
次に、はずむのお父さん×あゆき
そして、はずむのお父さん×とまり
最後に、はずむのお父さん×はずむきゅん
こんな感じで全員孕ませ、お父さんハーレムエンドを
778名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 10:51:03 ID:5nkP1fzK
↑書けよw>777
779名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 14:13:48 ID:4EetlazI
エロ有りの潜在需要は多そうなんだけど、そこに至るシチュエーションが思いつかん。
780名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 14:59:54 ID:qKmbQL9h
>>779

>>777


てか、>>776、スレの空気に合うとか合わないとかよくわからん
書きたいなら書いてほしい。
ここの住民はエロを求めてここに来たのにエロ率が異様に低いという罠。
エロはどんなシチュであれとても需要が高いと思われ
781名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 15:23:03 ID:xzTWDCMz
>777はシチュエーションじゃなくてカップリングだろうが
782名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 16:16:36 ID:eJB78i2/
ある夜、はずむは夢を見た
男に戻った自分がとまりを抱いている‥‥そんな夢だった
しかし夢は夢
夢から覚めたはずむを待っていたのは「女の子になってしまった自分」という
覆すことの出来ない現実であった
783名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 16:19:24 ID:At3cGP2g
>>780
>スレの空気に合うとか合わないとかよくわからん
俺は分かるけどな。実際、>>777などは早速茶化してるし。
>>776の本気度は知らんが、スレが荒れる原因を作りたくないから意見を聞いてるんだろ?
基地外の中傷レスばかりが目立つのは避けたいのは誰しもある
784名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 18:08:33 ID:bDeHJNys
まあ何でもかんでも投下されりゃいいってもんじゃないよな
785名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 18:10:49 ID:cswvASBt
そして誰もいなくなった
786名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 18:24:10 ID:MehD/0ap
GW終わってしばらく立てば厨もいなくなるだろ
SSの投下はしばらく止めた方がいいな>職人

あと,
>何でもかんでも投下されればいいってもんじゃないよな
黄金厨は消えろ
ここ最近,なかなかSS投下されない状況が続いているのでどんなものでも有り難いはず
787名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 18:32:47 ID:bDeHJNys
>>786
とりあえずここのスレ最初っから読み直してみればいいと思うよ
788名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 19:07:11 ID:MehD/0ap
どうして?
何か変な事言ったかな?
789名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 20:12:35 ID:yr51F11a
至極真っ当なことしか言ってないよ>786
>784,786は日本語が使えないだけ
790名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 20:56:55 ID:4yo5EAd7
まあ、どちらの言い分もわかるけどねぇ。
このスレで限定されるべきは「かしましのSSかどうか」であって、
それ以上の制限を付けるのは、明確性に欠けるし、何より投稿数が減るだけ。
しかし、実際、エッジの効いたSSで、荒れる可能性があることも否定はできない。
(できた文章は、ほんと人の心をぺしゃんこにすることもあるからねぇ)
現実的には、「前文にお断りでも入れましょう。ダメそうな人は回避してね」とするぐらいしかない。
それにどこまで効果があるかは、確かにわからないけど・・・。
ま、GWもそろそろ終わりですし、事前に問うてくる >>776 さんが、あまり
とまりちゃんにひどいことをするとも思えないので、投下いただくのがよいのではないかと思うのですが。
791名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 20:57:32 ID:TbFagfgg
ごめん、>>784,787のアンカー−ミスだったね。↑
792776:2006/05/06(土) 21:25:23 ID:6/ADmzdL
申し訳ないです。かえってお騒がせしている様で。
まだ書いてるとこなんですが>>790さんに言われるような「ひどいこと」のレベルを図りかねて前述の質問をしまして。
ラブラブな感じのSSが多いので、とまりの初めてが知らない男性と…というシチュ自体がひどいのかなーとビビッてます。

793790:2006/05/06(土) 21:44:23 ID:4yo5EAd7
>>792 さん、あいまいでごめんです。
このあたり、微妙ですよね。個人的にはエッチするくらいなら別にいいじゃんと思うんですが、
「泣きわめくとまりちゃんをむりやり――その後ぐったりして動かなくなる」とかなると、
ちょっとキツいかな。でも、他のエロパロスレではちょくちょくありますしね。
念のためGW終わる月曜まで待ってみます?
ま、今回「事前協議」もしたわけですし、そんなに問題にはならないのではないかと。
794名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 21:48:42 ID:WoYea6Qk
>>792
寝取られるのが大好きなので、よろしければそういう方向性だと非常に嬉しいです。

拾ってくれた男性が、実ははずむの父だったりすると最高なのですが…
そうなったら30回くらい使うかも
795名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 21:56:40 ID:kLsg/Ke8
それくらいだったら前書き置いときゃ何の問題もないと思うけど
前スレじゃあとまりは生首にされてたしなw
投下したいならする。やめた方がいいと思うならやめる
子供じゃないんだから自分で判断して決めてくださいな
796名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 22:30:52 ID:bDeHJNys
>>788
スレが閑古鳥になってた原因を考えてみろってこと

俺の言いたいのは職人がどれだけ苦労して作ったSSでも
スレにとっては投下された物の一つでしかないってことだ
一本のSSが原因でスレが荒れてそのせいで他の大勢の職人がいなくなったら元も子もない
実際スレが荒れた途端に姿消す職人は結構多いもんだ

まあ>>776氏はそこまで空気読めない人じゃなさそうだし
今回は大丈夫だと思うけどね
797名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 22:35:54 ID:jF8pSAqX
>795
あなたも含めて気を遣ってる人に、そんなにツンツンしてはいけませんよ
798名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 22:43:49 ID:ymj/S6+F
>796
良識ある人と思って尋ねる。
俺はあまり絡む気はないが>>784の発言の意図が分からない。
具体的にどのSSで荒れたと感じ、その理由をどう考えたのか、答えられるなら教えて欲しい。
799名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 22:49:16 ID:bDeHJNys
>>798
具体的にSSの名前出したらそれこそ荒れると思うんだけど
まあ荒れたのはそのSSが原因だと俺は思ってるけど、
過疎ったのはそのSSのせいではないかもね
時期が時期だったし
800名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 23:25:22 ID:x1x1tdJB
>799
微妙なこと言うね。
俺は、ここのSSに荒れる原因は無いと思ってる。
いいから出してみろよ、そのSS名。ここの住人なら荒らされた歴史は知ってるんだぜ?
中傷してきた歴史がばれるから言えないだけなんじゃないの?
801名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 23:35:13 ID:4yo5EAd7
えっと、第三者ですが、もうほどほどにしません?この私の書き込みも含めて、本来の主旨と外れるものですし。
投下がないならないで、「こんなのが読みたい」とか、かしましがらみの雑談とかにしましょうよ。
802名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 23:50:13 ID:MehD/0ap
じゃあ,はずむきゅんがとまりちゃんとやす菜ちゃんを取り込んで完全体になって格闘大会を開くストーリーキボン
803名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 00:10:43 ID:b5lk0y4g
そこまではっちゃけんでも
804名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 00:14:49 ID:ApdAX7AV
ボソッ
性欲を抑えきれなくなった明日太がはずむを犯す
はずむも最初は嫌がっていたが徐々に女の快感を覚えるようになる
快感におぼれるはずむであったが何か満たされない自分に気付く
改めて自分が本当に好きなのはやす菜やとまりであることを再確認するはずむであった。
(その後、はずむがぺ二パンをこっそりと購入したのは内緒である)

ってのはどうだろ?俺は読みたいな。
805名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 00:42:22 ID:Zjcro92S
4〜6行目は読みたいかも>804
806名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 00:51:30 ID:bg2YBcm/
もう普通にバカエロでもいいんじゃないかと。

とまり「あたしたち、はずむの幸せのために一生懸命奉仕するって決めたんだ」
はずむ「え?奉仕って何?」
やす菜「すごーく気持ちいいことよ。だから、はずむくん、ちょっとだけ体を預けてくれないかしら?」
はずむ「や、やす菜ちゃん!?とまりちゃん!?ちょ、ちょっと……あ〜れ〜」

みたいな感じでw
807名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 03:33:14 ID:/Pzahl4H
>>802
こうか?

はずむ「とまりちゃん!みつけたよ!」
あゆき「とまりが危ないわ!」
明日太「はっ!」
あゆき「何をするの!?」
明日太「見たくないか?完全体とやらにになったはずむの姿を!」
あゆき「明日太には悪いけれどさせないわ。あんな未来はもうたくさんよ!」

あゆき「ああ!とまりが・・・」
はずむ「ははは!手に入れたぞこの力!」
明日太「うおおおお!食らえ!ファイナルフラッーーーーーーーシュ!!!」
はずむ「ぐおおおおお・・・」
明日太「ハッ、何が完全体だ!笑わせやがって」
はずむ「なんちゃって。」
明日太「なにぃ!」
はずむ「ふふふ・・・ボクにピッコロの遺伝子が入ってることを忘れたの?」
明日太「くっ・・・」
はずむ「昔、地球には天下一武闘会という格闘大会が開かれていたそうじゃないか。 
    一週間後にそれを開催する。・・・・そうだね。はずむゲームとでも名づけようか」
    
808名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 04:36:53 ID:ApdAX7AV
やす菜、吸収済ですか?
はずむにピッコロの遺伝子ですか?
明日太とあゆき、親子ですか?
ワロタ
809名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 10:29:21 ID:DSWP5szd
480KBに到達しました。
SSの投下もしにくいだろうから、新スレ立ててぼちぼち引越ししますか?
810名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 11:34:51 ID:DSWP5szd
立てました
【あのね…】かしましSS総合 第3期【大好きだよ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1146969247/
811名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 11:37:37 ID:HqPgUTVb
めがっさ乙>810
812名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 11:51:03 ID:h73hMEG3
新スレ立てたのか
乙です
813名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:24:51 ID:YJsN7VbE
何kbで落ちるの?
あとこのスレは埋める?
814名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:52:17 ID:AtkUBSP/
19KBほどで書き込みできなくなる。
誘導もあるから、急いで埋めずに雑談でいいんじゃない?
住人の求めるエロシチュのリサーチとか。
かしましはエロに持ってくのが辛いと職人方が言ってた覚えがあるし、そんな妄想書いとけば誰かが拾ってくれるかもしれん
815名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 17:30:35 ID:Bojhma5x
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,__     | 次スレも良スレになりますように。
    /  ./\    \_______________
  /  ./( ・ ).\       o〇      ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ .(´ー`) ,\   ∧∧        |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄  (,,  ) ナモナモ   |;;;;::iii|
  || || || ||./,,, |ゝ iii~   ⊂ ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 (  ,,)〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
816名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:09:15 ID:YJsN7VbE
とりあえずはずむゲームの続きキボン
817名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:59:27 ID:J15KGRGJ
やってないんで分かんない
818G−む:2006/05/08(月) 02:06:26 ID:tUvVaWAS
かけ乃はどうしてもレズにしかみえない
819名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:55:28 ID:/0pblWxH
次スレも本スレも心地よく過疎ってます
820名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 21:32:51 ID:y+3bP8RZ
>>819
わざわざそんなこと書く位なら、君がなにか書いて投下してみたらいいと思うんだがどうだろう。
次スレでも職人さんの点呼とる様なことしてるし……
821名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 22:49:37 ID:/0pblWxH
>>820
このスレも次スレも潰れない様に,という意味でかきこんだ。

ちなみに漏れには文章を書く才能はない。
そういう>>820が書いたらどうよ?
822名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 22:55:45 ID:yTZoVMWh
 l::::::::::::::::::|_!::lヽ:::::::::ハ::::::::::::::::::::::::::::::::i、::! ノ
  !:::::::::::::::::l-‐ェ!;ト ヽ:::::l ´!:::::::::::::::::::::::::::::l ` ヽ   幺ク 亡 月 |  ┼‐ .|] |]
  l:::::::::::::::::「(;;;)ヽ、__、::レ'´l:::::::::/l、:::::::::::::l   /   小巴 三l三. ヽ_ノ / こ o o
  !:::::::::/l:::l__,,,rタ"゙、;!)、__!::::/ノ 〉、::::::::l   \   職人さんが一人もいない事に
   l::::/ lヽ!    _ _   l;/´  ! >、::l   / SSを書いて投下できない自分に
  ノノlヽ、_!    r――‐┐   /_ノ:::|  /        絶望した!!
    l::::::>、   レ,二二ェ!  /i:::::::::::l   ̄ ̄|_     /ヽ、  /\   /\    /
    l:::/ /::ヽ、 `ー-―-' ,ィ'::::!\:::::l    (ヽ、//\/   \/   \/   \/
    レ' ム-''´lヽ、  _,,./! ゙ヾ!__ヽ!    ヽ´ヽ、ヽ  >819
            !   ̄     レ;'´  |  (,ゝ、 \ ヽ l、
        /| _,,.-/´  ;; .,,,-!  ヽ、 ヽ、 | | ! l
       / 斤'"〇 /´    ,;;:''" _,l_   ヽ ヽ/  l | l
      /; l、」_,,/     '' ゙;;/  ヽ、   〉  `ヽ  l/
      /!,r''´!/  /     ';,/"゙''':;,,,,;;'' \ /     ,!
    / l ,;;  |l  /`'';, ,,   /   ,;;''"゙''   l     /
823名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:31:21 ID:l+uX63tU
かしましって、女性ファンが少ないと言われてるがどうなんだろ?
ここの住人(職人さんを含め)には、女の人結構いそうに思うけど
824名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:58:18 ID:xSOlE82H
プウ「もう止めようです……オネニーサマ
   ジャン・プウは気付いてしまったです。
   オネニーサマではジャン・プウに敵わないです。」
はずむ「何を言っているの?ジャン・プウちゃん」
プウ「ジャン・プウは怒ると
   自分でも抑えられないくらいの力がだせるです。」
はずむ「僕はどうしても君を怒らせてみたくなった。ハアッ!」
プウ「だから言ってるです。ジャンプウには利かないです。」
はずむ「くっ……ならば……いけっ!はずむジュニアたちよ!」
プウ「ああっ!」
はずむ「どう?あの明日太やあゆきちゃんで互角だよ?
   あのままじゃ傷ついた並子先生も危ないかもね」
プウ「………」
はずむパパ「誰かを守るために闘うのは間違いじゃない……」
はずむ「パパ……まだ生きてたの?」
グシャ
プウ「もう怒ったです!許さないです!」

はずむ「は……はずむジュニアが一瞬で……」
プウ「これでわかったですか?」
はずむ「くそぉ!!!!なら地球とともに自爆してやる!
   ちょっとでも衝撃を与えてごらん。
   その瞬間地球は壊滅するから!」
プウ「くっ……」
並子「私が行きましょう!
  私がはずむ君をどこか別の場所に瞬間移動させます。」
プウ「それじゃあ……なみこんは……」
並子「それではみなさん……さようなら……」

並子,はずむと共に消滅

はずむ「全くの偶然だったけど……僕は核があれば何度でも再生できるんだ」
プウ「なら核ごと吹っ飛ばすまでですう!」


あゆき「まずいわ……ジャン・プウが押されている……」
明日太「ハアァッ!」はずむ「うおっ……しまっ………」
プウ「いっけぇ!!ですぅ!」
はずむ「まさか……そんな……ちくしょう……
   ちくしょう……ちくしょおおおおおおお!!!」

とりあえずなんとなく続き
・・・まあこのスレの住民は興味なさそうですけどw
825名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:59:04 ID:mxz0e8K1
少ないどころか一人もいねー
826824:2006/05/09(火) 01:01:39 ID:mxz0e8K1
しまった、リロードしてなかった。>>824>>823宛てで
827826≠824:2006/05/09(火) 01:05:30 ID:mxz0e8K1
ごめん。>>826は間違い。
×しまった、リロードしてなかった。>>824>>823宛てで
○しまった、リロードしてなかった。>>825>>823宛てで

もう宿題して寝る
828名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 01:15:46 ID:ZgFp4B7x
ノシ
829名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 09:21:44 ID:Rxia0GCP
まだ保管庫の方SS拾いきれてないみたいだな
補完し終わるまでは埋まらず落とさずで維持しておこうか
前スレみたいなことにならないように
830820:2006/05/09(火) 23:37:15 ID:MXCQCs7s
>>821
そう思うなら余計に職人さんの催促になるような事は書かない方が良い。
職人さん達が不快に思ったら終わりだからね。
あと残念ながら自分も文才無いな。特にこういうタイプの作品のは。
だからおとなしく投下を待ってるし、投下されたら極力感想を付けるようにしてる。
それがこの手のスレのお約束だと思うよ。
長文&余計な話すまんかった。以降次スレでおとなしく投下待ちする。
831名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 19:29:11 ID:GPVF4WtS
新旧両スレとも凍りついてるよ…
832名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 13:02:13 ID:useC9Ovs
とりあえずこっちのスレ埋めたら?
833名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 13:38:21 ID:5KAcZ5eM
埋めないで可能な限り保守、でしょ?
ログ消えちゃうじゃん
834名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 19:22:41 ID:/EAOgRTb
>>833
保管庫の管理人さんが全部保管できたら埋めるのか?
835名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 22:38:43 ID:OlP8pA6Q
とりあえず、そういうことで
836名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 10:23:23 ID:nKiNuMuI
管理人氏がまだここにいるかも分からないけどな 
837名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 10:29:15 ID:hIE0bjLE
今見たら更新されてたよー
管理人様、多謝!
838名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 22:35:32 ID:loaFGIOt
管理人さん,超乙
前回更新した時は乙って言えなくて申し訳無いです。
今後もよろしくお願いします。
839名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 00:50:46 ID:j35nUZED
管理人さん、乙〜
840名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 11:03:02 ID:kcdmYEU+
じゃ梅ついでに自分好みのシチュについて語り合おうか
次スレにも職人が再来してるしまだまだ捨てたもんじゃない
841名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 19:26:04 ID:UfNwEIu+
じゃ密かに>>776のシチュに期待を表明
842名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:32:40 ID:feEm9+wP
はずむが筆下ろしされるのを
*SSスレの皆様へ
ども、荒巻です。
二週間前、パソコンの調子が悪くなり色々多方面に渡って問題解決のため奮闘してました。
結果、リカバリしないと無理だという結論に達し、バックアップを取る作業に入ろうと準備をしていた矢先の一週間前・・・

Windowsが起動しなくなりました・・・_| ̄|○

原因はW32の一部のファイルが以前から破損、読み込みエラーが発生して立ち上げるたびに自動修復されていたのですが
それがとうとう修復不能に・・・
というわけで、勘の良い方ならもうおわかりだと思いますが今連載中のSSもすべて失いました・・・
第四章とそれから少しまで書き上げていたのですが、それも水の泡・・・

リカバリ後、すべてのシステムの再構築とアプリケーションの再設定にファイルの作成で時間を費やされ、
今も作業中であります。
「やす菜の・・・」もプロロ〜グ〜第三章まではこのスレの上部からコピペ取得したので問題なく修復できましたが、
第四章はプロットは固まっていますが作業の合間を見て記憶を頼りに書き出しております。
出来上がりましたら投下しますので、今しばらくお待ちください・・・

教訓:普段から バックアップは とりましょう
                                          荒巻とぬこ
844名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 11:00:00 ID:QgawMhNw
お気の毒です。
続編じっくり待たしてもらいます。
ってか、明日は我が身かもしれん… 
845名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 12:09:06 ID:B8nopl8j
HDD交換しといた方がいい
その状況ならデータも高い確率で救出できる
846名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 13:20:41 ID:HRQ83kQZ
>>843
あせらずに待ってます。
847名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 13:29:41 ID:Se5udtm4
>>843
それはなんとも災難な。そういうのがあるとモチベーションが低下しちゃうんだよなぁ…
お待ちしてますので、ゆっくり執筆なさってください。

>>845氏も言ってますが、新HDD購入、そちらにOSをインストールして、
セカンダリとして旧HDDを増設する、なんてやり方をすると復旧しやすいですね。
今回のような、物理的なHDDの故障じゃない場合は特に。
あと、同じHDDでもOSの入ってるドライブと自作データのあるドライブを分けておくといいかもしれません。
C:にWindowsやアプリ類、D:にSS、文章ファイル、デジカメ写真、etc... って感じで。
これならC:をフォーマットしてもデータ残るので。   …考え方古いかもしれないけどw
848名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 13:58:48 ID:RDp/7e+B
容量10Kも無いな
ならさっさと埋めるか
849名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 15:15:44 ID:5dhaxJLW
待って!
10氏の『アイノカタチ』がうっかり取りこぼされてる!

つーわけで管理人さん、お手数ですが保管してさしあげて
850名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 17:21:08 ID:bIV10EZO
次スレにコピペすりゃいんじゃね?
851名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 18:26:34 ID:sxp++Kxl
>>849
まとめ

著者:荒巻とぬこ氏
タイトル:やす菜の心が開くとき
プロローグ>>464-467
第一章>>539-542

10氏
タイトル:アイノカタチ
>>638-640

他にあるようでしたら補足しませう。
852名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 21:37:12 ID:hT5wP7l4
タイトル間違いとかも割とあるぞ
853名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 14:56:09 ID:9vHHSCLG
保管完了した模様です
管理人さん乙!
854名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 15:09:27 ID:gcT7a7cQ
んじゃこころおきなくうめ
855名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 19:26:06 ID:cNbYO/cm
管理人さん,乙です。
わがままばかりですみませんでした
856名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 20:13:51 ID:tfgiIyJl
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      ヽ:ハ.:.  :.\:!  ゞ‐=一'        ゞ‐=‐-'   /:.:. /    |l
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      〃  ヽメ:.:.:.:八         v´  _フ       / ァ´:.:/.:.:.:/ 〃
        r<| |\:.:|l:.\                    / |/ |:.:./`>、 管理人さん、ありがと。
      /|  :| |  ヾ!ヾヽ> 、            ,.イ/::::"::::::j;ノ / /\
     /  !  | |     :::ヽ/外t 、   _   ィ≦:::::/:::::::::::::   / /  /\
    / !   l  ヽヽ     :::::\::ヽ:::::::::::::::::::::::::::: /:::::::::::   / /  /.  \
.   /  .|   .l  ヽ丶       :::::\ ::::::::::::::::::::: /:::::::::    / / ,/     ヽ
   |   |   ヽ  \\       :::\:::::::::::::/       / / ,/       |
857名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 20:26:24 ID:CNS57oQD
生め
858名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:01:19 ID:9vHHSCLG
               , -‐   ¨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `   、
                /                     \
            /                    \
           /                          丶
             /                          ヽ
         /           /  ヽ  ヽ  \:.  ヽ   ',
         ,′             / /   l ::  l l :. .ヽ:. .l :',  ハ
         l           / / .::;: l::::  l | ヽ. :.ハ:. .:l .:::l:: ハ
         |   |   /  ./:! .::| ..::l::..:|:::: :l::j:.. レ::‐:ト:..|!::. l:. ::l:|
         | .:  |   |  .:!.:|:: j|; -‐ト:::|:::: ..:l:ハ::! :::/!::/゙l:::..l:: ::l:|
         | ::  |   |:  ::|:.:l:´:l :::/ ::/!:::::/リ j/__/_j/| :l:::/!:::/リ
         |::::.:.::..| :: ::. l: :::l:::l::八.::/'´  !::/ '  〃 ̄` /:;'::/ !:/
         l:::l::!:::.| :::.:::. l::.::::!::| ,.ィ==ミ j/     ::::::'イ;ィ 〃
          j ::!:!:::::! ::::::::.ハ:::::N 〃       ヽ      イ:::|       また次スレでね
        ノ'イ/!:::ハ!:::::::::::::ヽ:::{   .::::::::      ′     小:!
         " V!:::ヘ::::::::::: 弋ヽ          _     ,厶ハi
             X::|l\:{W"ヘ、       ̄    ,.イ/ル′
              /: : : :{.: :(.: : : : : :> ,..._     / '´
          / : : : : :ヽ、:`ヽ、 : : : : : /丁 ̄
            /   : : : : :`ヽ: :\: : ノ }.│
            l      : : : : : :>、゙ー´ / ヘ
         l: :    _       `ー′ ハ
           l: : : : . :             { ヘ
         ,': : l: /: :         ヽ   ハ.  ',
       /: : : |/: : :         }  (ヽハ  }
        /:.:..: : |: : : :        /: ' 〈` ^,} /
        / :..:..:../: : : :         /:/: :  Vンl,/
859名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:05:56 ID:yul+uzot
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はずむの緑化活動により、このスレは無事埋まりました
860名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:07:53 ID:yul+uzot
   おーみーずーをーのーむぞー♪
    たーくーさーんーのーむーぞー♪
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はずむの緑化活動により、このスレは無事埋まりました
861名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:08:55 ID:SvSg4joO
まだだ、まだ終わらんよ!
862今度こそっ:2006/05/17(水) 00:12:31 ID:yul+uzot
   おーみーずーをーのーむぞー♪
    たーくーさーんーのーむーぞー♪
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はずむの緑化活動により、このスレは無事埋まりました
863名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:16:26 ID:nyKLOUKW
あぼんぬ
864名無しさん@ピンキー
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  |::/|:::;。l o ` '- 、_, 、 _  ヽ_,-:::::::/   /:/リ:::::l::|:::l
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    l/l:::/ l,ゝ、l              l   O/`´:::/|::/ '
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    /    ,.- ' \ /\/ .r二ヽ  〃 /\
    |::ヽ /     `ヽ ヽ/'´   ヽ'/    ヽ
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