【ポップンギタドラ】★音ゲーエロ小説2★【IIDXDDR】

このエントリーをはてなブックマークに追加
593名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 23:36:37 ID:x2Vxw7/R
>>592
気にするな! 引き続き全裸で待ってる

神崎姉の名前何になるんだろうな…そもそも次のアルカで出てくれるのか
年末進行だからまた投稿イラストのみになりそうな気もするが
594名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 16:17:21 ID:WWB8wWyY
圧縮回避保守
595名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 14:16:44 ID:hJilhFRm
保守十六連打
596名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 21:57:07 ID:hUDPlWpC
神崎長女の名前判明記念カキコ
紗矢だそーで。神崎父・弦士が迎え入れた養女で神崎兄弟の二番目らしい
超ヤンデレで義妹で士朗キケンむしろエリカ超危険
597 ◆xdgBsiroro :2009/01/29(木) 16:02:04 ID:DO/Me3m4
うむ見てきた
姉じゃなくて涙目
それでもなんとかしよう
598名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 16:35:59 ID:LiVZD8qB
がんばれしろろがんばれ超頑張れ
待ってる
599名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 02:00:40 ID:7LK47iNK
ふと思ったがトゥーリの面子には上だの下だのちゃんとついてるんだろうか
やつらは10人より増えも減りもせず15歳以上は生きられないという解釈なら
果たして第二次性徴や性欲なんてものがあるのかも怪しい訳だが
連れ去られたマルクトが調査目的であれやこれやされてても美味しいと思った
もちろん文明人らしく教育を受けクカルと家庭を持っててもよし
自殺しなくてはならないができないと思い知って精神崩壊したところを人形のように犯されてもよし
600◇xdgBsiroro:2009/02/03(火) 05:07:23 ID:Igemlpiz
>>598
頑張らせて頂きます。

先にちまちまやっていた過去ログの大幅更新が済んだのでこちらから報告。
http://ganymade.obunko.com/
去年までの作品を収録し、見やすく、使いやすくしてみました。
プラス、整理中に>>68からの達磨×ツガルで、>>375->>376の間のレスが
抜け落ちている事が判明+データも残って無いので不完全な状態

ということで、別の機会に真ん中くらいから書き直した分をあげてあります。
読んだ事ある方とない方がいるかと思いますが、ない方は是非暇潰ししてみて下さい。
他の作者様であげた分の手直しがしたい方などいましたら、倉庫に送り先を書いてあります
のでそこからメールで送ってもらえたら対応します。あまり無い事だと思いますし、
あくまで「最初からちゃんとした物をスレに投稿すべき」なので自分も今回限りにしたいところですが。
601 ◆xdgBsiroro :2009/02/03(火) 05:08:28 ID:Igemlpiz
いい加減ボケてきてんのかな
602名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 00:46:33 ID:06FKByiZ
おお更新乙です
ボケってw
603名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 23:04:31 ID:SsQ0UosU
いい加減ヤバいと思うんだ。
604名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 23:30:17 ID:SsQ0UosU
スマソ
ageちまった…
なぜSが消えてるんだ…
605名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 13:03:27 ID:Dd9TMdYD
B.BONE、T.BONE、Q.BONE、BABY.BONE辺りの話はここに…ないか
Bの中身が金髪美少女っていう話を信じてるんだ。
昔どっかのサイトで小説見た覚えもあるんだが…
606名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 13:49:23 ID:Wyezkn0V
ほっしゅ
607名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 17:06:53 ID:3fK4wAlM
保守
608名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 13:21:21 ID:K/70WLNg
人いないな。
age
609名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 18:59:04 ID:X3BqNmVk
保守
610名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 12:13:58 ID:pvMqTPlt
保守ついでに。


はあ。はあ。はあ。
息切れしながら、酸素不足に顔を赤くさせつつも走って。走って。
家に入って、どたばたと部屋に戻り、鍵を掛けた。

「はぁ、はぁ、……はぁ〜〜……」

浴衣そのままの格好で、崩れ落ちる様にベッドに倒れ込む。
今日は本当にすごい日だった。あの人と、一緒にお祭りに行った。
「迷わない様に」って……その……手を、繋いでもらっちゃった。
すごく熱くて、しっかりしたあの人の手のひら。
握ってるだけで、心臓がばくばく言って、顔も真っ赤っ赤で……こっちも、熱くなってた。

「だめ……もう……だめえ……」

浴衣を脱ぐのも億劫で、帯の下の下半身の部分を捲る。
下着は既にびしょ濡れだった。そこを、あの人が握ってくれた方の手で、ゆっくりなぞった。

「ッ……!」

あの人に触られてる気がして、いつもより熱くて、一心不乱にそこを弄った。

わたあめ食べ合いっこした。一緒に花火も見た。その時、………体、寄せてもそのままでいてくれた。

「んっ、あっ、あぁっ、うっ」

好き。好きです。大好きです。あなたのことが。
でも、きっとあなたは気付いてないでしょう。私から言う勇気もありません。

でも、好きなんです。

「すきっ、すきぃっ! ずきなの……っ」

ふにゃふにゃな声を出しながら、強く下着を押す。
足から上ってきたじんじんが、腰を通って背中にまでびりびりする。

「あっ、あっ、あっ! すきぃ! だいすき……ッ!!」

一層指を強く押し込み、なにかがのぼってくる様な感覚のあと、
足をひくひくさせて頭のなかが真っ白になっちゃう波に乗った。

「はあっ、はあっ、はあっ……」

落ち着かない呼吸を繰り返しながら、私は既にびしょびしょになってしまった、
あの人に繋いでもらった手に、そっと口付けた。
そして、けだるい体をベッドで転がしながら、

「お風呂……入らなきゃ」

と、しみじみ思ったのでした。



千夏は天然でえろい子、異論は認める
611名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 12:22:55 ID:q4uO/uwX
保守
612名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 23:23:22 ID:flZ4vWEx
Driven Shooterの女性キャラ二人の百合はまだか保守
最初見た時紫のクリムゾン・ヴァイパーかと思ったよ
613名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 20:44:42 ID:W1Tp/VeI
古いスレを救う会
614名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 01:15:57 ID:FF7I87IN
救ってくれ
615名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 22:32:34 ID:FzUBkQz0
保守
616名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 01:48:46 ID:ALZALi5E
ピンクもっさり×ルルたん と言おうと思ったが流石にロリペド過ぎてアウトだな
617名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 22:36:02 ID:zFxqPAn3
マルクトかわいいよマルクト
618名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 23:57:04 ID:459iKQ9F
モニモニにハァハァ
619名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 16:16:10 ID:foqGDr0h
懐かしいね
620名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 11:18:33 ID:rGq+N9Br
保管庫死んだ?(´・ω・`)
621名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:46:46 ID:yTgXMIpu
パソコンのデータを整理してたら未完成のSSが出てきたので、
少し加筆して完成させました。折角なので投下しようと思います。

元ネタはギタドラの「タラッタダンス」という曲なんですが、知らない人も多いと思ったので、
クリップと設定のリンクを貼っておきます。

クリップ
ttp://www.youtube.com/watch?v=In5lQkSeBWg
設定
ttp://www.konami.jp/am/gfdm/gfdmv/music/03_12/music_12.html
※ページを開くと音が出ます。

SSを呼んで下さる人は、参考に見てみて下さい。

NGは『festoso』です。
622『festoso』:2009/09/07(月) 01:47:38 ID:yTgXMIpu
 わたしには、この学校へ転入してきた時から気になる男の子がいる。
その子は、明るくて元気で、でも誰とでも仲良く出来る優しい人。
クラスでは、いつでも友達の輪の中心にいてみんなを楽しませるムードメーカー。
スポーツ、それもサッカーが得意で、休み時間になると特に仲の良い友達と
グラウンドを駆け回る姿がよく目に入った。
お昼の給食では友達と競争してるみたいによく食べているけど、
タマネギが苦手らしくていつもお皿の脇の方に除けては、先生に注意されている。
…ほかにも沢山。
その子を目で追っていると、色んな事が分かってくる。
性格とか特技とか、食べ物の好き嫌いとか。
始めはちょっと気になるなって程度だったけど、彼の事を一つ、また一つと
知っていく内に、わたしの中の気持ちも一つ、また一つと少しずつ大きくなって
いくのが分かった。
今ではもう、無意識に彼へと目を向けたり、彼の気を引こうと話題を探しては
必死に話し掛けたり、そして面と向かって話をすると顔が勝手に熱くなったり。
それ位に、彼への気持ちは大きくなっていた。
彼について知っている事も随分といっぱいになったけれど、本当に知りたい事が
まだ分からなかった。
それは、彼の気持ち。
どんな女の子が好きなの?
今、好きの女の子はいるの?
いるとしたら、それは誰?
勿論、そんな事本人に直接聞くなんて、出来る筈が無い。
どれだけ鈍感でもそんな事を聞かれれば、わたしの気持ちに気付いてしまう。
今はまだ、告白する勇気も、気持ちを知られる度胸も無いから。
だから、「きっかけ」が欲しい。
どんな些細な事でも良い。
勇気の湧く、私の気持ちに希望の持てる様な、彼の気持ちの欠片、それが知りたい。
彼―――ハルオくんの、気持ちの欠片が。
623『festoso』:2009/09/07(月) 01:48:01 ID:yTgXMIpu



 オレンジ色の太陽が、ゆっくりと地平線の裏へと帰っていく夕方の五時。
この日は、わたしやハルオくん、レイ君やナツキ――この二人はわたし達の
クラスメイトなんだけど、この二人を含めた仲の良い友達で公園に集まって、
フォークダンスの練習をしていた。
今は、後片付けをして帰ろう、としている所。
実は、近い内にわたし達の学校では運動会が開かれる予定になっていて、
そのプログラムの最後にキャンプファイヤーを囲んでフォークダンスの踊る、
というものが盛り込まれているので、折角だから練習してみようか、という事で
こうして日が暮れるまで二人一組になって頑張っていたと言うわけだ。
わたしの相手は、――ハルオくんで、ナツキはレイ君とペアを組んで練習した。
正直、上手く踊れていたかなんて全然分からなかった。
だって、ダンスをしている間はずっと、…手を握りっぱなしで、それで、緊張して
いたから…。
それが顔に出ない様に、一生懸命笑顔を――いや、楽しかったから笑顔になっていた
というのもあるけど、とにかく、顔にはハルオくんを意識している事を
出さないように努めた……つもり。
でも、確かに緊張もしたけど、楽しかったし、…嬉しかったというのも本当だ。
…好きな男の子と、一緒に踊れたんだから。
もしかして、言いだしっぺのナツキがわたしに気を利かせてくれたのかも知れない。
わたしの事は彼女には言ってないのだけど、…こういう事には妙に鋭い所があるから。
そのくせ、自分の事となると全然気が廻らなくなっちゃうのだから、
親友のわたしとしてはちょっと心配だ。
…まあ、ナツキの事はとりあえず置いておいて。
624『festoso』:2009/09/07(月) 01:48:30 ID:yTgXMIpu



わたしとハルオくんとで後片付けをしていると、ナツキが
「私達、これから用があるから先に帰るね」
と一言告げただけで、他の五人を引き連れて…というか引っ張って、
早々に退散してしまった。
有無を言わさずに帰られて、公園にはわたしとハルオくんの二人だけになる。
…本当にありがとうナツキ。
でも、あとはただ帰るだけだし、わたしの家とハルオくんの家は公園からだと
全く正反対に位置してるから、出来る事といったら別れの挨拶ぐらいしかない…。
本当は少しでもここに留まりたいけど、それはそれで不自然になってしまうから、
「…それじゃ、ハルオくん。また、明日ね…」
「ああ、それじゃな!」
渋々と挨拶をして、出口へと歩いて向かおうと、一歩を踏み出した。
625『festoso』:2009/09/07(月) 01:48:58 ID:yTgXMIpu




 途端。
「……痛っ!」
右の足首へ、鋭い痛みが走った。
思わず、その場に座り込んでしまう。
「お、おい。大丈夫か?」
慌てて、ハルオくんが駆けつけてくる。
靴を脱いで痛みを感じた方へ目を向けると、右足の付け根が赤く腫れていた。
知らない内に挫いてしまったのかも知れない。
「あちゃ、痛そうだな…。ちょっと待ってて。救急箱の中に湿布があった筈だから
ちょっと取ってくるよ。…無理に動かすなよ?」
患部を覗き込んで痛々しそうに眉を顰めながらわたしにそう告げると、
少し離れた所に置いてあった救急箱から湿布と包帯を持ってきて、
手当てをし始めた。
「…あ。い、いいよいいよ! その、じ、自分で出来るから…!」
「何言ってんだ。無理に動かすなって言っただろ。それに、人が手当てした方が
上手くいくんだから……ほら、動くなって!」
わたしは基本的に押しに弱い。そこまで言われると、断れなくなってしまう。
…そういうしている内に、手当てが終わってしまった。
普段からよく体を動かして傷を作っているからか、とても手馴れたものだった。
「よし、これでいいな」
包帯の端を蝶々結びで止めて、ハルオくんがそう言った。
「…あ、ありがとう」
間近にハルオくんがいると、意識してついどもり気味になってしまう。
「…ああ。それじゃ、ほら」
今度はわたしに背を向けて屈み、後ろ手を差し出してきた。
626『festoso』:2009/09/07(月) 01:49:20 ID:yTgXMIpu

これって…。
「そんな足じゃまともに歩けないだろ。……家まで負ぶって送ってってやるよ」
――やっぱり、そうだった。
「そ、そんな、いいって。大丈夫だよ。それに、家も反対方向――」
「バカ。こんな時に、家も何もあるかよ……それに、無理して悪化したら
どうするんだ。いいから、…乗りな」
繰り返すけど、わたしは押しに弱い。強めの口調にわたしは、
「…うん」
顔を赤くしながら、ただ、頷くしかなかった。
…でも。
こんな風に機敏に人を気遣ってあげられる子だから。
こんな風に人に優しくしてあげられる子だから。
わたしは、ハルオくんの事が好きになった。
それを、改めて確認する事が出来た。
そしてそれによって、わたしの気持ちが益々膨らんでいくのを感じていたのだった。
…ああ、顔が熱い……。
627『festoso』:2009/09/07(月) 01:49:40 ID:yTgXMIpu




 公園でナツキ達と別れた時から、大分日も沈んできた。
わたしはハルオくんに、…おんぶされながら、
長い影の先にある家へと至る途中の道を辿っていた。
「…………」
…さっきから、胸の動悸が全然収まらない。
どきどきしていたのは踊っていた時もそうだったんだけど、
今はその時よりももっと速く、強く打ち続けている。
もしかしたら、ハルオくんに聞こえてしまっているかも知れない…。
「…………」
気を紛らわせる為に、わたしから見えるハルオくんの後姿に注意を向けてみた。
わたしを支えている、ハルオくんの背中。
お父さんのと比べれば、幾分小さいのは当たり前だけど、
それでも男の子だからなのか、わたしからしてみれば随分と逞しくて、
頼りになりそうな感じがした。
それに、背中に触れている腕から伝わる柔らかい温かさは、まるで
ハルオくんの優しさをそのまま体温に表したものの様にも思える。
(わたし以外の女の子を、おんぶした事ってあるのかな…)
…ハルオくんがクラスの女の子をおんぶしながら楽しそうに話している
場面を想像すると、たちまち胸の奥が、ちくりと痛んだ。
「…………」
「…………」
それにしても、さっきからずっとこの調子。
公園を出てから、わたし達は一言も言葉を交わしていなかった。
わたしは、こんな状況で気軽に口が開くほど肝が据わってないから、
話し掛けたくても気が縮んでしまう。
でも、ハルオくんは一体どうしたんだろう。
こんな押し黙ったままのハルオくんを見るのは、初めてかも知れない。
628『festoso』:2009/09/07(月) 01:50:02 ID:yTgXMIpu

「………なぁ」
と、思っていると。
不意に、ハルオくんが話し掛けてきた。
でも……気の所為かも知れないけど、その声が何だか、震えている様な、
怯えている様な、…とにかく、いつも耳にしているそれとは
少し調子が違う気がした。
「ごめんな」
「…え、ど、どうして?」
何の脈絡も無く謝られて、戸惑ってしまうわたし。
わたし別に、ハルオくんに謝られる様な事、された覚えは………まさか。
もしかして、どこかでわたしの気持ちに気付いて、それをごめんって、事じゃ…。
そんな、まだわたし何もしてないのに……でも、まさか。まさ―――
「――足さ、怪我したのって、ダンスしてる時無理して俺の動きに合わせて、
捻ったりしたんだろ。だから、ごめんな」
……わたしの早とちりだったみたい。
それもそうだ。考えてみればいきなりそんな話持ち出すなんて不自然だし。
一人でオロオロして、…バカみたい。
「そ、そんな、謝らないで。わたしが上手く動けなかったのが
いけなかったんだから。それにわたしの方こそ、ごめんなさい……わたしが相手じゃ
練習にならなかったでしょ…?」
「そんな事ないよ。それに、俺は……」
「?」
「…………」
「……ハルオ…くん…?」
629『festoso』:2009/09/07(月) 01:50:22 ID:yTgXMIpu




 やっぱり、ハルオくんの様子が、少し変だ。
話し掛けてきた時の声色もそうだったけど。
もしかして、ハルオくんも何処か具合が悪いんじゃ…。
そんな事を考えていると、ハルオくんが深呼吸を一回して、口を開いた。
「…俺は、その……コハルと踊れただけで、嬉しかったからさ…」
「………え?」
「…実はさ、俺……踊りの練習なんて、どうでも良かったんだよ。
公園にも来る気はなかったんだ。……相手がコハルじゃなければ…」
え? え? あれ?
何だか、何処かで聞いた様な話なんだけど、いまいちピンと来ない。
ハルオくんが、一体何を言いたいのか。
混乱気味の頭の中で、ちょっと考えを整理してみる。
えっと、
ハルオくんは、わたしと踊れて嬉しかったらしい。
ダンスの相手がわたしじゃなかったら、練習には来ないつもりだった、らしい…。
……そ、それって、もしかして。
でも、そんな都合のいい話が――
「――この際だから言っちゃうけど、俺、コハルの事が……」
「…………」
630『festoso』:2009/09/07(月) 01:50:43 ID:yTgXMIpu



気持ちの欠片どころじゃない。
本心を丸ごと知ってしまった。
…信じられない。
絶対に、わたしの片思いだと思ってたのに。
だって、クラスにはわたしより可愛い子なんていっぱいいるし、
性格だって個性が薄いし、人に自慢できるような取り柄もないし…。
でも、この空気はそうだとしか―――

勝手に先走っちゃってるわたしは、ハルオくんの肩に乗せてる掌に汗を滲ませて、
顔をタコみたいに真っ赤にさせながら、その、次の言葉をじっと待った。
「………………」
「………………」
「……………………」
「……………………」
631『festoso』:2009/09/07(月) 01:51:09 ID:yTgXMIpu




 …そうこうしている内に、私の家に着いてしまった。
なのに。
ハルオくんの口から、一向に肝心の言葉が出てこない。
いつもは堂々として、なんでもハキハキ物を言うハルオくんでも、
こういう事を言うには、凄い勇気がいるものなのかも知れない。
(…しょうがないか。わたしだって、告白なんて怖くて出来そうにないもの…)
『やっぱり何でもない』
そうはぐらかされ、帰ってしまうかと思った、その時だった。
「……す、好きだ! コハルが、…転校してきた時から、ずっと、好きだった!」
632『festoso』:2009/09/07(月) 01:54:48 ID:yTgXMIpu




 「………あ」
生まれて初めて、告白された。
好きだって、言ってくれた。
しかも、わたしが片思いだと思い込んでいた相手から、…好きな人から、
好きだって言われた。
顔だけじゃなくて、今は体中が熱い。
きっと、全身真っ赤になってるだろう。
「……嬉しい」
「……え?」
ハルオくんの本当の気持ちを受けて、わたしの口が勝手に言葉を紡いでいく。
「…絶対に、片思いだと思ってたのに」
「…そ、それじゃ」
「……わたしも、好きだよ。ハルオくんのコト…」
「……コ、コハル…」
相手の気持ちを知った上での事だからなのかも知れないけど。
激しく打ち続ける動悸とは裏腹に、心の内はとても穏やかだった。
「……本当に?」
「…うん。ホント…だよ」
「……本当の本当に?」
「ホントのホントに、だよ」
何回も、本当に? 本当に? と聞き返してくるハルオくん。
わたしの方こそ、ホントにハルオくんがわたしの事を好きなのかを聞き返したい気分だ。
それ位にわたしもハルオくんも、「この事」を素直に信じられないでいる。
だって、ずっと好きだった相手にいざ告白したら、あっさりと「そうしそうあい」に
なっちゃんたんだから。
マンガやドラマなら、二人がくっつくまでに色んな事が起こって、
それこそ一筋縄じゃいかない大恋愛に発展するのに…。
現実では、わたし達の様な成り方が普通なのかな。
633『festoso』:2009/09/07(月) 01:55:11 ID:yTgXMIpu


 「…俺も、自分ばっかりが好きだと思ってた…」
「うん。…一緒だったね、わたしと」
わたしはハルオくんの言葉に思わず照れ笑いを見せた。ハルオくんは
恥ずかしそうに頬をぽりぽりと掻きながら、視線を横に逸らしてしまった。
ホントに、両思いなんだ。わたし達…。
何度もその事を確認して、わたしは少し、勇気を出してみた。
「ねぇっ、ハ、ハルオくん」
「ん? ど、どうした? コハル」
「ま、まぶたの所にゴミがついてるよ? ちょっと、目、瞑って? と、取ってあげる」
「え、あ、う、うん」
突然、関係ない事を言われて戸惑ってたけど、ハルオくんは頷いて、少し角ばった目を閉じた。
わたしは、向かい合ってるハルオくんのすぐ目の前に立つと意を決して、
「―――ちゅっ」
ハルオくんの胸に両手を置いて、真っ直ぐに閉じられた唇にほんの一瞬、わたしの唇を重ねた。
「!!」
わたしが顔を離すと同時に、ハルオくんが驚いて閉じていた目を開いた。
「コ、コハル…」
「あぁ…ドキドキしたぁ。その、イヤだった、かな…?」
告白してすぐにこんな事をして、気持ち悪がられないかと、少し怖かったけど。
「そんな、イヤじゃないよ! その、ビックリしたけど、嬉しかった」
「…ホント?」
「ホントだよ!」
「よかった…」
やっぱり、ハルオくんは優しかった。
「ファーストキス、ハルオくんに貰って欲しくてウソついちゃった。…ごめんね」
「ううん。その、コハル」
ハルオくんが少し強い顔でわたしを呼ぶ。わたしはその凛々しい表情に胸の動悸を
激しくしながら、返事を返した。
「なに? ハルオくん」
「…もう一回、してもいいか?」
「う、うん。いいよ……んっ」
わたしは目を瞑って顔を少しだけ上げると、暫くして、今度はハルオくんからキスしてきた。
634『festoso』:2009/09/07(月) 01:55:54 ID:yTgXMIpu


 「……んっ、うん、ふぅっん、ふっ…」
わたしの両肩に手を置いて、ハルオくんが何度もわたしの唇に押し当ててくる。
さっきわたしからした「それ」より少し大胆なキスにドキドキしながら、
わたしはハルオくんを精一杯受け止めていく。
「…んぅ、ちゅっ、ちゅぅ、んっふぅ、ちゅっ…」
ただ押し当てるだけのキスから少しずつ、吸い付くような、ついばむ様なキスに変わってきた。
唇が重なるごとに胸の奥の方が熱くなってくる。
気が付くと、わたしの方からもハルオくんの動きを真似して、ハルオくんの
唇に吸い付き始めていた。
635『festoso』:2009/09/07(月) 01:56:17 ID:yTgXMIpu
「…はっ、んちゅっ、んっ、はっ、んっちゅぅ、ちゅっ、はぁ…」
段々と、わたしとハルオくんの動きが激しくなっているような、気がした。
さっきよりももっと胸がドキドキして、息が荒くなっていくのを、感じた。
「…はぁ、はぁ…んっ、ちゅっ、ちゅっ、んはっ、ちゅぅ、ちゅちゅっ、ふぅっ…」
なんだろう。
とっても、イケナイ事をしてるような気がする。でも、とっても気持ちいい。
ハルオくんと…好きな男の子とこんな事してるって思うと、どんどんとハルオくんが
好きになっていく。もっと、こうしていたい。
「…はぁ、コ…ハル、ちゅっ、んっ、好きだ…っ、ちゅぅぅ…」
「んぅ、ちゅぅ、わたし、も…ちゅぅ、好き、はぁ、ちゅっ、大好きっ、ハルオくんっ、ふぁ…」
ハルオくんがわたしの事を好きって言ってくれる。
わたしも、自然とハルオくんへの気持ちが口から勝手にこぼれてくる。
口から「好き」という言葉が漏れるほど、胸が苦しくなる。
胸の中にハルオくんへの気持ちがいっぱい詰まって、今にも張り裂けそうだった。
636『festoso』:2009/09/07(月) 01:56:45 ID:yTgXMIpu
そのうち、わたしは自分でも意識せずに、ハルオくんの唇を舌先でトントンッと叩くと、
ハルオくんの首に腕を巻きつけて、同時に口の中に舌を入れていた。
「…ふぅん、ちゅるっ、はっ、ちゅっ、んぁ、ちゅぅ、ちゅぅ…」
自分でも、どうしてこんな事を知っているのか分からない。
ただ、もっと深くハルオくんと一緒になりたいと思ったら、こうしていただけだった。
ハルオくんはいきなりの事を驚いて体をビクッと震わせたけど、
すぐにわたしの舌に自分の舌を絡めてきて、わたしの体に脇の横から腕を回して、
わたしの体が潰れそうなほど強く抱き締めてきた。
「ちゅぶっ、ちゅっ、ふぁ、ちゅばっ、ちゅぅ、はぁ、ちゅぅぅ」
わたしの舌とハルオくんの舌が繋がった口の間で行ったり来たりする。ぬるぬると絡みながら。
少しざらざらしたハルオくんの舌がわたしの口の中をなぞって、戻っていく。
わたしはそれを追いかけて、今度はわたしの舌がハルオくんの口の中を動いて回る。
「ちゅる、ちゅばっ、はぁ、ぅ…んっ、ちゅ、ちゅぶぶっ、はっ、ちゅぅ、ぷっ、…ふぁぁ…」

 わたしとハルオくんは周りに人がいないのをいい事に、舌の付け根が疲れて動かなくなるまで、
唇を吸いあって、相手への想いを深め合っていった。
637『festoso』:2009/09/07(月) 01:57:16 ID:yTgXMIpu




 しばらくした後。
長い長いキスが終わる頃には、時計の針が一本の線の形を作っていた。
わたし達はしばらく互いを見つめながらぼぅ、としていたけど、
ハルオくんが思い出したように慌て始めた。
話を聞いたら、ハルオくんの家は門限がこの時間で、早く帰らないとすごく怒られるらしい。
本当はもっと一緒にいたかったんだけど、ハルオくんがそのせいで怒られるのは
わたしもイヤだったから、引き止める事はしないで、そのまま見送る事にした。

 「本当にごめんな、足の事。今日は無理しないで、休んでくれよ」
「うん、大丈夫。ハルオくんが手当てしてくれたから今は痛みも殆ど無いし、気にしないで」
重ねてわたしの事を気遣ってくれるハルオくんの優しさが、お互いの気持ちを
確かめた後だと、尚更胸の奥に染み込んでくるみたいに心地よかった。
638『festoso』:2009/09/07(月) 01:57:38 ID:yTgXMIpu


「あのさ、コハル」
「?」
「今更だけど、運動会の最後のフォークダンス、俺と踊ってほしいんだ!…ダメか?」
「そんな。いいに決まってるよ!…わたしはその、ハルオくんの、こ、ここ、恋人、でしょ?」
「!……ああ! そうだよな。ごめん、変な事聞いて」
「ふふっ」
「へへっ……それじゃ、また明日、学校でな、コハル!」
「うん、また明日、ハルオくん」
639『festoso』:2009/09/07(月) 01:58:13 ID:yTgXMIpu



 公園でみんなと別れた時はきれいなオレンジ色だった空も、
今は太陽が殆ど山の陰に隠れて、辺りはうっすらと暗くなり始めていた。
後ろを振り向きながら、わたしに手を振って家へと走って帰っていくハルオくんを
見送りながら、わたしは今日一日の出来事を振り返りながら、幸せをかみ締めていた。

 これから、ハルオくんと二人で何が出来るだろう。
運動会、文化祭、遠足、他にも色々。
学校行事だけじゃない。
一緒に学校の宿題をしたり、休みの日には二人で遊びに行ったり。
それに、今日みたいな事も…。
考え始めると、どんどんと楽しい場面が浮かんでくる。
とにかく、明日が待ち遠しくてたまらない。
早く学校へ行って、ハルオくんに会いたかった。
640『festoso』:2009/09/07(月) 01:58:35 ID:yTgXMIpu



 ハルオくんの姿が完全に見えなくなった頃、わたしは小さな声で呟いた。

「…大好きだよ。ハルオくん…」

彼への想いを全部、この言葉に詰め込んで――――



                             END
641621:2009/09/07(月) 02:01:55 ID:yTgXMIpu
これで終わりです。
完全に自分の趣味で書いたものなので、
楽しんで貰える人は少ないかもしれませんが、
もし気に止まったら読んでやって下さい。
感想なども頂けたら泣いて喜びます。
それでは。
642名無しさん@ピンキー
GOODJOB!