1 :
名無しさん@ピンキー:
職人さんどーんとこい!!
2 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 16:44:38 ID:NORlPsBi
イイネ!
しかし自分で何か書くという気概が感じられない!
3 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 17:31:39 ID:s4ZoLjCG
前スレいつの間にか落ちたんだよな…
前スレでいくつか投下していた者です。
何か思い付いたら書きますね。
スレ立て乙です。
いつの間にか前スレが落ちてて悲しかったよ…。
映画も公開される事だし、少しでも人が集まればいいな。
うぁー良スレっぽ!
居着く事にしますv
6 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 16:42:32 ID:1Ozs/nmC
up
7 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 18:54:23 ID:6d3agn+7
期待age
好きドラマキタww
このドラマおもしろくて好きでした。
このドラマ今でも好きだ
DVD揃えるつもり
wktk
神降臨期待age
奈緒子…
(*´д`*)ハァハァ
上田…
(*´д`*)ハァハァ
兄ぃーーーーー
(*´д`*)ハァハァ
ほっしゅ
神降臨期待hage
矢部hage
20 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 11:23:01 ID:Jc4iGyVn
災あげ
うわーTRICKスレあったのか
リアルタイムで見てビデオレンタルもした程大好きだよ
自分も居着かせて頂きます
22 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 22:24:11 ID:vVGs1nra
23 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 22:40:07 ID:YVMmQG2e
阿部ちゃんと仲間ちゃんリアルに結婚してほしいな。
仲間「胸大きくなんないなぁー…」
阿部「俺がもんでやろうか?」
仲間「伸びるからイヤ。」
>>1さん乙
そういえば劇場版トリックいつ公開でしたっけ..
絶対観る!!DVDも絶対買う!!!
またDVD見直しておこうか。
26 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 02:10:55 ID:F2eBOIpC
自分も上田×山田を書きたいが如何せん文才がなぁ(´・Д・`)=зテラカナシス
阿部「もうちょっと小さくならんか…」
仲間「私がちょん切ってあげますよ」
阿部「なんてこと言うんだ!you!!」
>>24さんの見てたら思いついた…スマン
>>23 本当に結婚したらしたで新聞には「リアルTRICK あの上田と山田が――!!」ってなりそうだw
記者会見では
記者「阿部さんはドラマ内では巨根とされていますが、実際は?」
阿部「いやぁ・・・・ご想像にお任せしますよ」
記者「そんなー!仲間さんは体験されてどう思われましたか?」
仲間「阿部さんは・・・・上田さんに適役な方でしたよ」
阿部「ちょ!仲間さん・・そこは言うのは反則でしょ」
山田「うるさいぞ!上田」
上田「youだって貧にゅ・・もがっ」
司会「はい、以上を持ちまして阿部寛と仲間由紀恵の婚約発表を終わらせていただきます」
ってなってくれたら嬉しい。
むしろ伝説となってくれ
ああっ…とても書きたいのに妄想力がなくて書けん><。
何度も書こうと思うんですが…
まあ初心者だし…(´;_;`)
>>29 ・・・まあ、そういわずにガンガレ!
今日、映画に行ったらポスターが!6月なんだよね、楽しみだなあ(*´д`*)ハァハァ
映画6月10日かぁ。
これでss作者さんが出てきたら嬉しいね
32 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 21:36:37 ID:W/0sJWP+
貧乳あげ
そうだね。
hosyu
この前の新作スペシャル見てて妄想膨らんだので、
マターリss書いてみたいと思ってます。
※奈緒子がユニットバスに水攻めになった後くらいからと思って下さい…
…戦いを終え、心身ともに疲労困憊した上田は、
「疲れをとるにはやっぱり風呂だろう!」
と、『火星』の小屋へ向かった。
あそこに行けばユニットバスもあるしという安易な考え方だった。
小屋に入り、とりあえず服を脱いだ。テーブルの上に脱いだ衣類を畳んで積み上げる。
全裸になった上田は、『加瀬』の肖像の視線に恥かしさを覚えながらもユニットバスのドアに手をかけた。
…何だか、嫌な予感がした。
「…まさか」
と、勢いよくドアを開ける。
そこに横たわる、びしょ濡れの奈緒子。
「you!おい…っ」
思わず駆け寄る。青ざめて、まるで溺れたような姿。
まさか、山田が『溺れる者は藁をも掴む』のトリックに気付いて、同じ方法で命を狙われたというのか?
恐る恐る、顔に触れる。
───冷たい。
慌てて首の、頸動脈に触れると、弱々しいながらも脈はあるようだ。
良かった、死んではいない。
そう思うと一気に安心した。
一瞬だけ、山田の葬式で大泣きする姿がよぎった自分が恥ずかしくなり、同時に腹立たしさが込み上げてきた。
よくよく考えたら、なんて間抜けなんだろう。裸でオロオロしていたなんて。
38 :
つづき:2006/04/04(火) 00:38:38 ID:Ce5x/LH0
「まったく、こんな所で何やってんだ…」
上田は、立ち上がると高い位置から奈緒子を見下ろした。
溺れて気絶しているだけで、命に別条はないようだか、どんだけ水を浴びたのか、奈緒子は本当にズブ濡れだった。
ブラウスは水を吸って肌にまとわりつき、スカートは恥ずかしい程足に張り付いていた。
いつもロングスカートの奈緒子の足など見たことがなかったが、シルエットを見た感じでは、程よい肉付の綺麗な形をしている。
いつも真っ直ぐでサラサラな髪も乱れ、露が滴り、それが首筋を流れて鎖骨のお皿に溜まっていた。
真っ白なブラウスは濡れたことによりうっすらと透け、中の様子が擦りガラスを通したように見える。
───よく山田の部屋で目にする、見慣れた…下着。
そう意識した途端、ハッと我に返った。
そして気付いてしまった。
───今自分は、完全に山田を女として見ていた、初めて。
∧_∧
( ・∀・)ワクワク
oノ∧つ⊂)
( ( ・∀・)ドキドキ
∪( ∪ ∪
と__)__)
40 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 10:26:37 ID:jruBIWB5
42 :
つづき:2006/04/04(火) 23:17:45 ID:Ce5x/LH0
自分がこんな貧乳女に何を考えているんだとうろたえながらも、視線は奈緒子から離せない。意識する程、奈緒子の薄く透けて見える下着が際立って見える。
その部分を見ないようにしても、今度はスカートが張り付いてあらわになった太股が目に入る。
体の、上田自身のコンプレックスでもあるその部分に血が上るのを感じた。
「おぅっ」
───このままではいけない。
そうだ。
山田がこんな所でこんな格好してるのが悪いのだ。そこに運悪く俺が入って来てしまっただけだ。俺は悪くないぞ。俺は悪くない俺は…
そう、自分に言い聞かせながら上田は冷静になろうと深呼吸した。奈緒子をとにかくユニットバスから運び出す為、奈緒子を抱き起こそうと体を近付ける。
「おい、遅いぞ上田」
43 :
つづき:2006/04/04(火) 23:41:05 ID:Ce5x/LH0
本気でビクッとなる。
目を閉じたまま、奈緒子が喋った。
「…貴様、気絶したフリか。汚いぞ」
上田は平静を装い言い換えした。内心はバクバクしていた。奈緒子が目を開けたら、全裸の自分は完璧に変質者か犯罪者である。
…しかし、奈緒子の言葉は後が続かなかった。
───こいつ、寝言か?
未だ無言の奈緒子。上田の推測どおり、やはり寝言のようだ。先程より、少し顔色が良くなっている。声を出して呼吸したせいだろう。
しかし、間一髪と言うべきか奈緒子がまだ気がついていないおかげで上田血祭りは免れたようだ。
しかし、無性に腹立たしい。
俺が今、どんな思いでお前と対峙しているか分かっているのか?しかも全裸で。
対決で疲れて風呂に入ろうと思ったのになんて仕打ちだ。この貧乳女め。
「うるさいぞ」
「おぅっ!?」
…また目を閉じている。
「貴様、俺を馬鹿にしてるな……」
奈緒子の寝言など日常茶飯事だか、状況が状況だけにこの一言に上田はキレてしまった。
考えてみれば、いつも俺はこいつに馬鹿にされていた。ちょっと手品が出来るからっていつも偉そうにして。かわいげがないやつだ。そもそも憎らしさと悔しさと、いろんなものが疲労困憊の体に込み上げてきた。
狭いユニットバスの中、二人だけ。
この密室とも呼べる空間に男女が二人。
無防備に横たわる、びしょ濡れの奈緒子。
ふぅーっと息を吐き、奈緒子を見下ろす。
「山田。もし寝てるフリなら、今のうちに起きて謝れば許してやる」
───無言。
「フフフ、俺がその気になられば、お前なんかどうにでもできるんだぞ…」
不敵な笑みを浮かべ上田が呟く。
奈緒子の、徐々に温かくなって来た頬に触れた。あどけなさの残る頬の輪郭を大きな手がなぞって行く。
「山田〜、起きないと」
むぎゅっ。
頬を軽くつねってみた。口角が引っ張られて、まるで笑っているような顔。
それでも奈緒子はまだ目を閉じている。完全に気付いていない。
神ガキタヨ
46 :
書いてるひと:2006/04/05(水) 00:38:07 ID:F7RKFBLW
そもそも、ってなんだろう…
ごめん、マターリ書くから。
おやすみなさい…
ネ申が降臨しました。
48 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 17:28:43 ID:lBZve1Xu
ネ申〜〜〜〜!!
兄ぃー髪じゃ
神がおいでなすった。
ありがたく読ませていただきますけん
50 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 23:34:16 ID:kpMQ9XW5
51 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 12:26:29 ID:THUztRap
早く、早く、続きを・・・!!!!
52 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 19:38:25 ID:Vokd4kCH
神〜マターリもいいがそろそろ……
石原復帰祈願あげ
キクチとかいらね
間違った…アゲ
55 :
つづき:2006/04/07(金) 00:42:15 ID:374dypYO
すみません、出来れば下げてお願いします…
お昼過ぎにまとめて書きますのでお楽しみに。
昼過ぎか・・楽しみに待ってます!
>>つづきさん
待ってます!
58 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 12:33:50 ID:aY3hPdcH
ワクワク……ワクワク
59 :
つづき:2006/04/07(金) 13:46:41 ID:374dypYO
「山田ぁ、起きないのか?」
挑発するような声で問う。
眼鏡の奥の瞳がギラギラと血走っていた。上田のタガが外れた。
横たわる奈緒子の、濡れて張り付いて服の裾に手が伸びた。大きな手がスカートの中からブラウスをズルリと引き上げる。
上田の息が荒くなっていく。
それと同時に、裸だというのに寒さも忘れた体が熱を帯びて、充血していった。
奈緒子の、頬よりももっと透き通るように白い腹部が覗く。焦らすようにゆっくりと肌があらわになっていく。その奥に上田の手が滑り込んだ。
固く粗い手触りの布の下に、柔らかい肉の感触。
「…ぉう」
思わず声を漏らす。
上田にとっても、奈緒子にとっても恐らく初めての経験であろう。必要以上に想像していた以上に、それは刺激的な瞬間だった。
一気に上田は熱くなった。
手の中のものを確かめるように、力を込める。下着まで冷たくなっていたがその中から体温が伝わってくる。貧弱だが女性らしい柔らかさ。もって触ってみたくなる。
「…山田、こんなことされて、まだ目を覚まさないのかお前は」
興奮に息を荒げながら奈緒子の表情をうかがう。
気を失っている様子はまるで眠りの森の姫。
自分の置かれている状況を知らずに、安らかに目を閉じている。
『かわいそうな姫。
悪い魔法使いが糸ぐるまの針を刺そうとしているのに気がつかない。』
60 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 13:51:57 ID:MORtsTgY
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━
61 :
つづき:2006/04/07(金) 14:12:39 ID:374dypYO
上田は欲張りにもさらにブラを捲り上げ、直に奈緒子の胸に触れた。柔らかい肉の中央に突起を感じて、それが何か分かると、いよいよ上田は張り詰めた。
硬く痛い程に充血した自分の部分を、もう片方の手で触れる。脈打ち、天を仰ぐように反り返ってた。
上田は奈緒子の胸をいたぶりながら、自分を慰め始めた。
片方の手では慣れた自分のものを感じながら、もう片方の手ではまったく新たな経験をしている。冷静になんてなれたかった。夢中になっていた。
柔らかい肉をなぶりながら、手のひらを刺激している突起を、軽く指で転がしてみた。
「…ん」
奈緒子が吐息を漏らした。
「…感じているのか?」
さらに突起に触れる。
眉間に皺を寄せ、嫌がるように頭を動かした。さっきまでとは様子が違った。明らかに反応していた。
頭に血が上った。
手の、動きが速くなる。
62 :
つづき:2006/04/07(金) 14:36:56 ID:374dypYO
これ以上、触っていては山田が目を覚ましかねないと思ったのか、上田は服の中から手を引き抜いた。
そして今度は両の手で、服を捲り上げた。
奈緒子の、両胸が上田の目に晒された。
少女のような、微やかな胸だ。白い肌は上田に触られた部分だけが少し赤みを帯びていた。それが純粋なものを卑猥に見せていた。
上田はゆっくりと胸に顔を寄せると、舌を出した。
舌先で、奈緒子の乳首に触れた。
ドクンッ
体を電流が流れるような感覚が走った。一気に達してしまいそうになり、上田は体を引いた。
口の中で、さっき舌に感じた感触を味わう。ゾクゾクした。さらに体が充血していくのが分かった。
口元に怪しい笑みが浮かんでいた。
63 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 14:51:21 ID:MORtsTgY
64 :
つづき:2006/04/07(金) 15:03:19 ID:374dypYO
上田は奈緒子の膝を立たせると、びしょ濡れのスカートを捲り始めた。上半身よりも下半身はさらに水気を含んでいた。布が擦れる度にビチャビチャと音がする。
ズルズルとスカートが大腿まで捲り上げられる。初めてみた奈緒子の足は白く、すらりとしていた。水滴が滑らかな肌を濡らしてなまめかしくみえる。上田はさらにスカートを押し上げた。
腰の辺りまでスカートを捲ると、奈緒子の下半身があらわにされた。
白い肌に無垢で慎ましい、白い下着を着けていた。上田も見覚えのあるような質素なレースの付いたパンティー。それだけ見ても特に何も感じなかったか、身に着ける事でそれは卑猥なものとなって上田を興奮させた。
生地はすっかり水を吸って肌に張り付き、薄い布が奈緒子の秘めた部分を隠しているだけ。
「あぁ…」
あまりの興奮に思わず声を漏らした。
今の自分を客観視したら…そう考えると恐ろしくなった。だから今はただ夢中になっていた。もうこの手の中の欲望は押さえが効かなかった。
ネ申だのみ。
「あぁ…」 は、 「おぉ…」 にしてくれ!
>>63 GJ
66 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 15:45:23 ID:aY3hPdcH
神が…キタァァア〜〜(´∀`)
67 :
書いてるひと:2006/04/07(金) 15:53:19 ID:374dypYO
神キタ━*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*━!!!!!!
そして、ぜひともお勧めしたいものが・・それは、テキストエディタ!
これさえあれば、リアルで打たなくていいし、編集も楽々デスヨ!
69 :
65:2006/04/07(金) 16:29:48 ID:8gzBnOYT
今までの人生で、何度と無く”ネ申だのみ”したが、
願い事を利いてくれた”ネ申”は、はじめてだ!
感動!!
70 :
書いてるひと:2006/04/07(金) 16:49:20 ID:374dypYO
>>68 それはどうやればいいんですか?
まとめて書けるなら、その方がよいので…
ケータイからなので見づらかったらごめんなさい。
71 :
68:2006/04/07(金) 17:27:20 ID:ZmcAa4Vj
パソのフリーソフトです。これにまとめて書いて、一回分ずつコピーして貼り付けをくりかえせば良い。
携帯でもあるかどうかは、ちょっとわからないです。
携帯からか〜、大変だろう。
激しくGJ!!
フレンドリー神、頑張って書いてくれ。
73 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 22:17:48 ID:aY3hPdcH
フレーフレー神!!
今日も続きくるといいな、ワクワク♪
とても乙です。続きが楽しみ。
この話を境に神職人がいっぱいくるといいな。
76 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 14:29:53 ID:YMQC/ZGM
神よcome on!!!
77 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 23:03:17 ID:GnUn6NKh
age
78 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 22:35:31 ID:BvMkNbO7
続きが読みたいよー。
期待
80 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 07:47:31 ID:uHfSfV05
wktk
81 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 09:36:46 ID:ihKO51bl
ネ申よ!
放送も週1だったので、せめて週1回はお願いします。
また、携帯でアレだけの文章を入力したのだから、エディターなどと言わず、
Win標準のメモ帳があれば、ネ申なら鬼に金棒のハズ。
ガンガってクレ。
ひょっとしたら、神は携帯しか持っていない人なんでは・・?
と、ちょい思うこのごろ・・
携帯だけだったら、あて先無しの未送信メールに話を打ち込むって
手もあるよ。自分もそうして未送信メールいくつも用意してから
コピペで連投する時があるし。
もう、みんな神に早く書いてもらおうと思って必死w
wktkしながらマターリ待とうぜ。
85 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 18:50:38 ID:5J5kYRjn
ぉっ…おう
?スレ違いかもしれませんが、某局の大河ドラマで、
生やんと仲間さんが同じフレームの中にいると、
もうどうしても、矢部×山田が思い浮かんで、テカテカです・・・。
88 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 23:01:07 ID:/G3JDZMT
よく共演してるよね
お二人。
ヅラ×貧乳×巨根とかいいかも
セタ×山田とか
神、どうしちゃったの…くすん(;´・ω・`)
神忙しいのかな…どんとこい超常現象あげるから来て欲しい
最後に神が来てから、もうじき2週間ですね・・
92 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 18:56:29 ID:89oxt3Yh
あぁ…もう二週間か…
クワッパ!!
執筆放棄多いよなあ…
95 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 18:39:30 ID:aomgRhvL
贅沢言うウンじゃない!
サンショクゴハンヲタベタイナンテ・・・・・・・・・
割り込みでいいので、他の職人さん書いてくれないかな…
このまま映画公開まで待つの、ツライ!
ID見て気付いたが、
>>96は他スレで神職人の人では?
もし違ってなかったら、こっちでもあんなの書いてくれんかのう?ウエヤマで!
いや、職人から言うと、萌え=SS書ける、ではないものなのですよ
>>90 上田さんが余計なこと言うから来なくなっちゃったじゃないですか!
このバカ上田っ!
>>99 Why?俺のせいか山田!!
そうやってお前はすーぐ人のせいにしやがる
フンッ まったく…だから貧乳なんだ
僕なら職人さんを生き返らせることが出来ますよ
もどーれー もどーれー
職人さん もどーれ〜〜〜〜〜〜!!
私なんか、新しい神を呼べますよ!
かも〜ん かも〜ん あらたなるかみかも〜ん!!
…あれ?何故か矢部さんの髪の毛が3本増えてしまいました…orz
良スレだ
しかし書き手がいないという哀しさ(´・ω・`)
石原×山田キボン
105 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 17:34:13 ID:eJDMeR/o
ほしゅ
今日の昼から再放送やってたー!
映画予告編で上田が「キスしてやる」とか言ってたような・・・
トリック好きだけど…書くとなったらムズいよ〜。
弛いノリに小ネタに意地っ張りなツンツンカップリング。
ジュブゼ〜ムッ!
>>107 うん。あれは萌える。
上『キスしてやる…』
山『えっ!?』
↓
顔を近づけていく上山(まったくロマンチックじゃない雰囲気)
戸惑った顔してる奈緒子がすごいかわいい
111 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 15:09:48 ID:9wMHTZZX
↑
同感!!!
ついでに保守
くわっぱ!
映画公開まで一ヶ月きりましたのう・・
114 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 16:21:15 ID:psStNYEt
今日の深夜は再放送ですな
名前: ma#hyena
E-mail: sage
内容:
「youくらい寸胴なら、ハハ、収まるかと思って。」
最近中年女性をターゲットにして流行っているというオカマ占い師
「世田谷の母」の調査の為にチープホテルを手配した上田。
ところが。
「同室?それもこんな狭いベッドが一つ?た、耐えられん!!ヒジョーに厳しい!!」
「ふ。相変わらずお前の発する言葉は古い。古いぞ山田」
「煩い!巨根!!」
そうだ。私はこの巨根とよりにもよってこの巨根と朝まですごさねばならないのだ。
今日の持参金は―――?がま口を開ける。
「…じゅ、13円」
リアルに無い。覗き込んだ上田がニヒルに笑っている。
「情けない。」
「黙れ!」
上田は口端を片方だけ吊上げたむかつく顔でベッドへ腰を下ろした。
そこに画鋲があればいいのに。もってたらしかけてやる。
「あ、そうだ」
「…な、何ですか上田さん」
上田は徐に枕の真上に掛かっている安っぽい水彩画をひっくり返す。
そこに、御札。
「話によるとだな、ここは自殺者が多いそうだ。フン、だからどうしたという話だが…
天井から血まみれの女や男がうじゃうじゃ沸くそうだぞ。奴さんのお払い済みだそうだ。どうだ剥がして見るか?」
「やや、やめろ馬鹿!!」
「あのオカマはインチキだ。依って此処に霊等は存在しないし、ましてや端からそんなもの
存在せん。接がしても問題無し、イザ!」
「ぎゃあああ!!」
上田にしがみついて筋肉質な腕にぶらさがる。へらへら笑いながら上田は無駄に長い腕を上へ掲げる。
「小学生か!!ばかたれ!!」
私が叫んだと同時に、不可抗力で絵は落下、私は上田へ覆いかぶさってしまった。
「な、何だ…ご、強姦はやめろ、犯罪だ。」
「違う馬鹿!!絵が落ちたはずみで…ああ、御札が」
見るも無残に御札は真っ二つ。素材が悪かったのか。
「youどけ!ヘビー過ぎる…軽く、米俵が二…」
「失敬な!…ん?んん?」
掌をまさぐらせてみると、そこに堅くて大きい物が当たる。
「な、なんだこれはぁああ!!」
まさしく、例のブツだ。
「おうっ、…せ、生体反応に一々関心を示すな。まあたしかにだ、お前の指摘する通り
ここ一週間ほどコレの調子がおかしくてな」
「だ、だからどうした!」
シーツがくしゃくしゃに乱れる。
「少々ばかり見境が無いというわけだ」
飛び退いて、後ずさりした私に、上田が、膝をすって近付いてくるような気がする。
***ここまで***
書いて見ますた。
もっとうまい職人さんに続きキボン
深夜再放送?!ウハーwww
>>115 漏れ
弾かれたからクッキー設定したんだが
コピペしたらこうなったスマソ
神キテ━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!
「 やめろ!止めて下さい!!上田さん!!! 」
喰らわせた心算の膝蹴りは、あっさりと避けられて宙を切った。
今まで見せられた事の無いぎらついた目と、薄く笑んだ唇に全身が本能的に慄く。冷や汗がブラウスの中を伝う
感覚が酷く、気持ちが悪い。
「 貧乳でも構いはしないと言っているのに。それッ。」
「 うわッ!?」
まずい、と思った次の瞬間足首を獲られ、其の侭引き摺り寄せられる。流石普段から出所不明の拳法を操っているだけは
有るな、と感心している場合ではない。
このままでは寄りによってこんな偏屈男に守り通した女の操を奪われてしまう。
「 どーした山田。縄抜けマジックならぬ天才抜けマジックを見せてみたまえ。さもなくば――」
無骨な手が、ワゴンセールのスカートを捲り上げてゆく。じわじわと、侵食される気分だ。
「 色気の無いパンツが見える事になるぞ?」
「 と、とり憑かれてでもいるのかっ!!正気に戻れ!!」
「 下らん。生物学的見地から見れば、この天才は動物的本能に駆り立てられ、こうして目の前の貧乳の雌山田を
致し方なく襲っているというわけだな。何、万が一受精したところでこの優秀な遺伝子だ。文句無かろう。」
「 こ、この詭弁は間違いなく上田!この阿呆!大有りだ!!」
強がっては見ても、負けは決定的だ。身体の震えは絡みついた掌から確り伝わっているに違いない。
上田の指が、”そこ”に触れた時に、それは決定的になった。
「 ――やっ…!!」
脳髄に烈しい刺激が襲い、太股から力が抜けて行く。一番敏感な部分を擦られて、続く嬌声を噛み殺しても、
最早遅かった。痺れる様な低音の、絶望的な勝利宣言が、頭上に――響く。
「 チェックメイト 」
119 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:11:19 ID:OkcugNfL
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━
ネ申待ち
上田の手が、心臓の鼓動を速くさせる。
男特有のゴツゴツした、それでいて見事に長い指が私の体温を高めて行く。
もうやめてくれ――発熱しそうだ。
「 て、て、手慣れ!!」
「 れ、レ、レイプ?」
「 ええい!――し、しりとりじゃ、ない!!」
惚けた声の調子は変わらないが、指先は厭くまで的確で残酷だ。脱がせないのは上田の趣味なのか、
サイドから中指で下着の薄い布地を捲り上げて、中指の先で執拗に刺激してくる。
時折、最も敏感な中央を、わざと突付いてくる。
「 YOU、レースの黒とは!ブラックとは!!中々卑猥な下着を履いているな。まさか、こうなる事を計算済みか?」
「 う、上田さんの、か、勝手な思い込みです!!」
「 その割には、オレの一言で随分濡らしてくれるな。」
ヌルヌルと体液で濡れそぼった指を目の前へ突きつけられて、思わず顔に血が上った。
「 タコ。まるでタコだ 」
「 オレの手にやけに絡み付いてくる”この部分”も、独立した生き物に思えるな 」
「 なぁ、何か応えたまえ、山田。」
「 ――ンッ…ううう…」
応じられる訳が無い。
ずるっ、と湿った音を立てて、膣内に太い指がいきなり侵入してきたのだ。
「 オイオイ。…お前は、…」
「 あ、うう… 」
「 どこまで無意識に、…誘うんだ 」
指が、ゆっくりと往復し始める。体温はヒートアップする。
鏡台に映し出された自分の姿を、初めて確認すると、上田が意図的にこの位置へ自分を持って来たと認識した。
鏡の中の上田が、ゆるりと笑った。
「 山田、今、締まったぞ。」
ぬぷり、と、太い指が抜かれる。
局部が何時になくじりじりと痺れている。熱の冷め遣らぬ其処へ、もう一つの異質な熱が押し当てられる。
脈打つのが手に取るように分かる、怖い、こんなに怖いのは初めてだ。
荒い息遣いが頭の後ろで聞こえる。
「 狭そうだな、ここは 」
鏡面世界に、間抜けな上田に良く似た悪魔が映る。
悪魔は私の中へぬるぬると這入って来る。
私の薄っぺらな膜は、脆く儚く鮮血を伴ってぶつぶつと音を立てて崩れた。
>>114 どこの地域でつか?
漏れんとこ深夜やらないみたい…<TRICK
関東ではやってるよー
痛い、痛い、痛い、痛い。
上田の体温が介入してくる。熱い。何て熱いんだろう。
引き裂かれるような痛みと、自分のうめき声と、上田のうめき声で
悪夢でも見ているような感覚に陥る。
上田が私の髪をくしゃくしゃに掴む。汗が顔に滴り落ちてきて、鬱陶しい。
気が遠くなるぐらい、痛い、でも、その倍以上に、気持ちいい――――
「 空だ、とも書くように、体内は、狭そうに思えても、案外、入れる、物だな 」
苦しそうに上田が何か言っている。テノールの心地良い響きが、ずくずくと深奥に響く。
「 しかしながら、YOUの中はキツ過ぎる…。そんなに、オレのモノが好きか?食い千切られんばかりだ… 」
「 君は狡い。いつも何かの形でオレを虐める。だから今夜はオレが虐めてやろう」
「 虐めるという目的下において、YOUが処女で良かった。山田 」
獰猛な光を、眼鏡越しの瞳が湛える。私は腰をしっかりと固定されて、背面座位の体勢で貫かれ続ける。
湿った音がやけに響く室内で反響して、私の耳に鮮明に届くのを上田は知っている。
知っていて、こんなにも加虐的な微笑を浮べているのだ。普段は直ぐ気絶するくせに、こんな時は、見た目通りだ…。
「 うあっ、あうっ、うっ、うっ、」
ずっ、ずっ、と力強く突かれる度に、勝手に声が漏れてしまう。上田は恍惚とした表情で、尚も私をえぐる。
私の中にある みだらななにか が引きずり出されてしまいそうだ。それ以上、水音を立てるな。
「 感じているのなら素直にそう、言え、山田、奈緒子。 」
「 な、まえ、よぶ、なぁっ… 」
「 ああ、明白だったな。――ココはふしだら過ぎる。」
上田の声の刹那後、ずぶっ、と、自分でも分からない部分に先端が食い込んだ時、頭が真っ白になった。
「 ひ――んん、んああッ…!! 」
何時だったか、ブランコから放り出されたあの落下感に酷く似た感覚だった。
>>123 キリおめ!
漏れ東京だけど…何時でつか?
>>123 O| ̄|_
駄目だ。地上波だったとしたら番組表見たが漏れんとこでは視れない
地上派じゃないとしてどっちにしても視れない…。ヽ(`Д´)ノウワァァァン
>>126 あ、10chで 視 れ るw誤爆スマソ
小躍りしますた
128 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 05:29:34 ID:ZRmnJ/rB
(*´Д`)age
続きを禿キボン!(´・ω・`)<無職人タソ早くー!
公式に再放送情報ありますよー
昨日の再放送の「天罰を下す子供」を見ていたら、
大道寺につかり、あの場にある色々な道具を使って
あんなことされる奈緒子を想像して…(*´Д`)
>>131 なに!?あの親爺にあーんなことやこーんなことをされたというのか!?
爺ィめ、羨ましい…
「 山田。気絶か?まったく根性の無い。」「 おい起きろ。まだオレはイッていないんだ。ベストをつくせ!」
「 ダメだ、すっかり気を失っている。遣りすぎたか。」「 こりゃ明日の調査は望めないな…。」
――上田の胸の下で、果てた。
上田自身は私のナカにいまだ居座り、ダイレクトに血流をどくどくと伝えてくる。
私は突き放す気力もなく、グッタリと弛緩した。
「 YOU、おい、山田奈緒子、しっかりしろ。」
「 うう、一体、なんのつもりだ…処女、かえせ… 」
「 おうっ。」
「 もう上田さんになんか協力しません…世田谷のオカマなんかさくっと無視して帰ってやる!」
ぐすぐすとみっともなく、引き寄せたブラウスで顔を拭う。
「 悪かった。 」
上田の真剣な声が、胸につまる。
大きな腕が、抱き締めてきた。この手は、腕はいつだって、私の身心をがんじがらめにしてしまう。
「 ――お化けがそんなに怖いですか。…ホテトルでも呼べば良いじゃなかったですか。」
息を大きく吸い込んで一気に吐き出した言葉は、甘い余韻にまだすこし震えている。
「 誰でもいい訳じゃない、YOUの―― 」
「 ―私、好きなんです、」
「 え 」
「 上田さんが」
「 だから、あまり期待させないで 」
嗚呼、涙がまた。
嗚呼、触れられた黒髪を切ってしまいたい。
−−−−−−−−−− 続く −−−−−−−−−−−
>>128-129 スマソ。箱根旅してまつた(ノ´∀`*)
>>130 チェックしてきます。d
>>131-132 み ま す た
_ト ̄|○ダメダヨ、シンヤニ、シバリハ…
てかあのガキはさり気に服に針とか書いてて
思いっきりハリー少年コスで藁。
石原の「ありがとうございます!」が健在で禿笑。
あ、禿って矢部さんのことじゃないですよ
この声はとても卑怯だ、と常々思っていた。そして今も思っている。
低く、錆を含んでなおかつ甘い声には、それだけで殺される思いだ。
――コレはトリックだ。
でなかったらここに縫い付けられ、玩具にされ続ける事等無いはずなんだ。
「 どうして、上田さんが、怒ってるんです 」
痛いほど抱きしめられて、ゴツゴツと角張った上田の骨が当る部分がきりきりと軋む。
何故か私を叱責した唇が、優しく、肌蹴た肌に触れていく。首筋に、胸に――それでいてどうして、唇には触れてくれない。
赤鬼みたいな真っ赤な顔で俯いたまま、私の目を見据えては呉れない。
私の黒髪を時々指で梳いて、頻りに胸元へ顔を埋める。
響く水音が恥ずかしくて、耳を塞ごうとする腕をがっちりと捉えられる。
大きな容積が胎内を穿っては抜かれ、悉く毒を以って侵食していく。
ぬるぬると体液同士が混ざり合い、潤滑剤の役目を果たして、もう私の入り口は痛まない。
その代わりに貪欲な熱を帯びて震えている。行き来される度に、吐息が漏れて、
考えた台詞が考えた先から霧散してゆく。
喘いでも喘いでも、懇願しても上田は止まってくれない。触れ合った肉体がどうしようもなく熱くて、朦朧と夢の様なのに、
唾を嚥下しても癒されないカラカラの喉の痛みが、確かに現実だと思わせる。
「 山田 ―――― 」
上田の顔が歪んで、――破裂音を伴って私の理性が裂かれる。白い閃光が、辺りを包む。
気を失う瞬間、上田が何か言った気がした。
「 ハッ。大方それはYOUの欲求不満が生み出した幻覚だ。YOUは昨日の夜人の奢りでビールジョッキとカルビの皿を山ほど重ねて、
それからホテルについたなり一人でベッドを占領し、寝た。それはもう聞くに堪えない鼾と寝言を伴ってな!
お陰で視ろ!このオレの隈を!! 」
次郎号をゆさゆさ揺らして、『世田谷の母』のおわすビルへ向かう道程、延々と上田は喋っている。
確かに、目覚めてみれば、ホテルについて水彩画の裏の御札の話題に触れた辺りから記憶は曖昧だ。
確認をしてみたが、お札は破れてさえいなかった。
ただほんの少し、位置が変わっていたのだが、寝相が寝相だから蹴ってしまったとか。言及しないことにした。
「 …うーん。…でも凄くリアルだったんですよ。本当に、本当ですか? 」
「 だからオレは貧乳はお断りだと前々から言っているだろう、この馬鹿め 」
「 ば、馬鹿って何ですか。だいたいシングルベットってところがそもそも誤解を生むんですよっ! 」
「 にゃっ! 」
次郎号が急停車して、運転手は暫く驚いたような顔でこっちを見詰める。それから、何だか少し紅くなって
ふん、とだけ言った。
上田はその日しきりにポケットの中で何かの紙をくしゃくしゃやっていたのだが、どうやらスーツのズボンと
一緒にガムの包み紙を洗ってしまったらしい。
まったく、粗忽者だ。
−−−−−−−−−− 終了。ここまで読んでくれた方、乙&GJ −−−−−−−−−−−
>>115 待たずに終了ゴメソ
既にプロトタイプは出来ている石×山を書きたいのですが
果たして需要あるのかな…
GJ!!二人の会話がドラマの雰囲気が出ていて、素晴らしー!
>>137 重複スレ立てて落ち込み厨。<京極堂板
d、神に見えるよ…(´;ω;`)ウッ…
139 :
137:2006/05/16(火) 22:50:41 ID:tq175Rjf
見てきました。爆笑!
失敗は誰でもする。人間だもの…
byみつを
早く立ち直って!続編をキボン!
>>139 どうやら漏れの検索機能は壊れているよ…
頭の方の…(´-`)
石原軍団は挙げてもいいんだろうか・・・広島弁すっごい濃いんだが・・・
とりあえず、がんがってみます。
無職人さん乙です!
萌え転がりました。
>>141 dです(ノ´∀`*)
只今上山ベースの広島編を書き直ししているのですが
う ま く い か ん・・・
山田奈緒子がわしンところに来るたぁ正直思うていなかった。
兄ぃ差し置いて、わし。なんでわしなんじゃろう?
そもそも兄ぃとのコンビは随分前に解消されてしもうたし、こいつとの繋がりももうのぅなった筈やのに。
ともかく、事の発端は上田教授大せんせと大喧嘩したっちゅうことじゃった。
わしとしちゃぁ普段あがぁにも回数をこなしとるんにたいがいなれんのか、とも思うところじゃ。
顔も見とぉない、言うとった。
おれの狭いアパートまで来る言いよったけぇ、流石にそれは困るけぇ急遽手配したレンタカー(日産社)にこのワンレン馬鹿を乗せた。
「 い、石原。…お、お前、変なことはするなよ。」
「 あほか!誰がわれなんかにセクハラするか!真剣な顔して「相談があるんですぅ〜」じゃゆぅから付き合うちゃっとるんに何じゃ、その言いようは。」
「 そ、そ、そんな言い方はしてない!分りにくいから標準語でお願いします。」
田舎道をぐるぐる回ってもう一時間にもなるじゃろうか。中々山田は話を始めん。
呼び出された時にゃぁ夕方の五時ごろじゃったのが色々有ってすっかりとっぷり12時を回っとる。悩みがあるっちゅうのに食欲ばっかし旺盛で、
牛角じゃぁ人の金で大盛りライス三杯おかわりしよった。
こうして夜道をぐるぐる徘徊しゃぁじめてから、核心を何も言わん山田に流石にとさかに来て、
わしは脱色でパリパリのオールバックの垂れ下がった前髪を片手でいじりながらつらつら文句を言うた。
「 お前な、たいがい上田先生と何が有って、わしにどうして欲しいか言え!もうこんな時間じゃ、おれも一応男じゃ。ムラムラせんわけでもなぁで。
か言ぅてわれなんかに手を出すんは癪なんじゃ!早ぉ言え!そんで帰れ!!」
「 そのー・・・ 」
「 何じゃ!」
「 …やっぱり良い。 」
そーゆやぁきょうび警察による強姦事件が二、三件在ったなあ。車の中ゆうんは、結構危ない。
どこへでも連れてゆけるし、ある意味一番の密室じゃけ。
「 もう、ええ。降りろや。家の近ぉまでは送ってったるから 」
現職の警察なら尚更、そんな事はできん。それ以前にこんな姿、誰かに見られでもしたら何ゆわれるか。
ハンドル切りを間違えそうじゃ。
「 フェラ、だ 」
「 あ? 」
「 フェラチオを教えろと言ってるんだ! 」
「 は?はぁ?はぁああ??! 」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
とりあえずここまで上がってます。
見る人いるのかな・・・
|д゚)ジー
ノシ
続き待ってるよ!
(▼ω▼)ジーー
見とるけん!!
>>144-145 が、がんがwkっうぇ(。A 。 )
京●の方にも手を出す昨今。誤爆しないといいが・・・
二度誤爆したら吊って来ます<重複・誤爆
頭をしたたかにハンドルへぶつけて、ファーーー、と、クラクションが間抜けに鳴り響く。
「 フェ、フェラチオってわれ・・・そがなこと教えられるか! 」
何を言い出すかて思やぁ。こいつはほんもんの阿呆じゃ!
「 まさかわれ、兄ぃにもそがなこと頼んだんじゃなかろうな? 」
「 頼んで、断られました 」
ファーーーーーーー
「 近所迷惑だぞ、石原!」
「 誰のせいじゃ呆け!! 」
狭い路を迂回し、人気の無い小さな公園の路肩へハザードを着けて車を停める。本来じゃったら職質対象の不審車両ばりばりじゃが
其処はイザとなりゃぁ国家権力、職権乱用じゃ。
「 ・・・教えてくれるんですか!?くれないんですか!?」
「 ・・・なんでわれにわしがそがなことを教えにゃいけんのだ?・・・そこらへんの男に頼めや。」
すると山田は自信満々の笑みでこちらを指す。
「 そうそうそこらへんの・・・わしかい! 」
「 頼むっ!一生のお願いだ!このまま上田にお子様言われて引き下がるわけにはいかんのだ! 」
「 な・・・」
――結局、センセか。何じゃ、痴話げんかかしょーもない。
それでも、何か、胸んとこがチクッとしよった。何じゃ、この年で。
「 まぁ、ええが、わしゃやる時はスパルタじゃけぇな、後で泣きを見てもしらんぞ!」
「 合点承知。どーんとこーい!! 」
とことん、色気の無い女じゃのう、コイツは・・・・。
運転席のシートを後部座席のぎりぎりまで倒して、そこへ寝そべる。
「 潜れや。」
「 ――ン?ど、何処に? 」
「 察し悪いのォ、足元じゃ、足元。 」
「 ああ、成る程。そこへ潜ってこう、・・・こーする訳か。」
手で、男のブツをしごく真似を無表情にしくさる。――これじゃ、センセも堪らんな。そもそもわしはコイツで勃つかどうか・・・。
――胸もいっつもいっっっつも貧乳貧乳言われてる位じゃけ、寄せて上げてもA´って所かも分らんなぁ・・・。
そがなことを思うとると、山田はいつン間にかわしの足元できしゃっと体勢を整えとった。
然しこうして、暗がりで見る女は中々好きじゃ。長くてしっとりしてそな黒髪がサラサラ肌の出とるとこへ掛るのがぞくぞくして来よった。
「 開けぇや、チャック。」
「 ――えっ、わ、私が? 」
「 早ぅ。・・・はい、ごー、よォん、さぁん、にぃ・・・ 」
「 あー、はいはいはいはい 」
安値で買っただけ在って質の悪いジッパーに手間取って上田は情け無ぅ眉を寄せとる。フックを外し、意地悪なチャックが漸く開いて、
草臥れた豹柄のトランクスが現れると、山田は開口一番、
「 趣味わるっ 」
「 じゃかましィ。・・・それも下せ。 」
今度はじっくりと待っちゃる。戸惑った表情があどけのうて、中々可愛い。――いかん、勃ってきよった。
「 うわっ 」
下した途端に飛び出すけえ無理も無い。また暫く固まって、やけにまじめげな顔してわしのモンを摘んでくる。
「 センセと比べたらそりゃ違うかもしれんが、中々じゃろ。――ほら、咥え。 」
躊躇いがちに近付いてきよる唇の赤さが、これ以上無く猥らに見えた。
今日はこれで終わりかな。無職人様、乙でござります。
>>149 見守ってくださりましたか・・・アリガト!(´▽`)
過疎化と思っていたら100ゲトされていたり
見たかった番組がSS書いてる間に終ってたり色々ボロボロです。
それでは又・・・ノシ
かなり続きが楽しみじゃけぇのぉおおおおおお
奈緒子が・・奈緒子が・・・(*´Д`)
>>151 結局眠れま戦
どこかにチャットはありませんか。_| ̄|○<ナオコカデタッター
誤爆、逝って来ます
ナオコカテ て
裏筋へ親指が宛がわれ、亀頭に人差し指の腹が少し当って――こんなにやわく握られただけで、もう、いかん。
見下ろすと、薄紅色のブラウスの隙間からこじんまりした谷間が丁度見えて、これがまたいかん。
唇が、一物のすんでのところで、ぴたりと止まる。
「 ――なん? 」
「 こ、これから如何すれば良いんだ? 」
「 何じゃ、しごき方もしらんのんか。まさかお前先生に遣らせてばっかでマグロになっとるんと違うんか?可哀想じゃのーセンセ。
ま――…付き合うとる女がコレじゃあのぉ。」
「 上田と付き合ってなんかいないぞ!それに―― 」
「 おんなじ事じゃ。 」
付き合っても居らんのに情事に耽っとるんじゃろか。淫らな妄想が頭を擡げて、サオに拍車を掛けてきよる。だけど相変わらずセンセの名前が出ると、
変に胃の辺りがむず痒い。何じゃ、わしは。
「 ゆっくり、カリ――その、窪んどるとこに指掛けて、しごいて。 」
「 うむ。 」
わしは、どうやら浮かれとるんか、妙な浮遊感に苛まれよる。考えないかん事と、考えとる事が別個になって、都合のええ方に合わせて、
体は酒に酔うたみたいに高揚する。
山田の頭を掴んで、少し引き寄せる。触れた髪は、ゾクッとするほど柔らかくて、滑らかで、ええ匂いがした。
細い指が段々大胆になって、扱く速さが増してきた。もう、慣れよったのかと思って、快感に堪え性無く瞑りかけた眼を開くと、
既に先走りが垂れたとこへ口を着けるのを躊躇って、真っ赤に染めよった顔が在った。
――脳味噌に、電流が走る。
「 ――ええい、教えろ言うたんはお前じゃろがい、こうじゃ、こう 」
絡む事を知らん黒髪の房を掴んで、卑猥に勃起した自分のモンを含ませる。動揺したんか、ぬるっ、と口の中を蠢いた小さな舌の動きが、
不意打ちに裏筋を撫ぜていくけぇ、爆発寸前のサオが、危うくぶちまけそうになった。そう何発も往けるほど雄雄しい自信なんぞ無い。
「 んーッ、んーっ、んーっ!! 」
「 何じゃ、噛むなよ。…全く。――ちいと、動くぞ。」
苦しそうな顔をして固まっとる山田を見かねて、ゆっくり腰を動かす。勢い余って喉の奥へ行かんように、浅く、浅く。
白い肌の、頬と耳がどんどん赤らんで、額には薄ら汗をかき始めるそんで、綺麗なカーブを描いた眉が寄って――深い色の瞳孔が、潤む。
黒と白とのモノトーンの中に、唇が紅く――。
「 あ――く、…ええぞ、山田 」
「 ひょ、ひょっほ、まっへ…―― 」
「 ちょっと、待ってって――気持ちいいのんを、待てるか 」
「 ――苦し―― 」
汗ばんで着たシャツのボタンを片手で開けて、降りて来た己の堅い金髪を掻き上げて、その間も両目でしっかり、この女の顔を眺めてやる。
綺麗なもんを穢すっちゅうのは、男の浪漫や、と兄ぃが言うとったのを思い出す。
こいつのクチん中を初めて侵すのがわしのモンやと思うと、たまらずぞくぞくする。
こんな綺麗な顔に、わしのモンが掛かるのか。
――上田センセかて、こがな顔、見たこと無いんじゃもんの…
口元が笑う。恍惚感と罪悪感が、先へ先へとわしの背中を押して、急き立てる。疼きが酷い。このまま、この女を、抱いてしまおうか
−−−−−−−−−− 続くけんのぉ! −−−−−−−−−−−
>>無職人さん、眠れたんかいのぉおぉ。
続きが楽しみじゃぁぁ。あの奈緒子がぁ(*´Д`)
>>155 眠れんかったから朝まで此処のチャットに居たんじゃぁぁあぁ
>>155は眠れたんかいのぉぉ。
萌え語りしたくとも、相手が居なかったから一人で叫んでいたさ。
ランランルー
すげえぇぇGJ!
萌え死ぬ‥!職人様ありがとうー!
>>無職人さん、不眠症大丈夫かいのぉ。ちと心配じゃわぁ。
おいらは、ぐっすり眠らしてもろおた。
つづき、書いとる最中じゃったら、体に気をつけてのぉぉ
「 はむ、…うう、――んっ、ん… 」
飲み込むのをためらっとるのか、唾液と体液が入り混じって、綺麗な顔を汚していく。頭とモノが繋がったみたいに、ぼおっとして、
自分が何をされとるんかも分らん位に痺れて気持ちがいい。
もう掛かると痒うなる前髪を掻き上げる余裕すらも無ぉて、汗が流れるままに乱れてゆく。
「 ――ん、んっ?! 」
襟の隙間から両手を差し込んで、ブラの上からちいさい胸を揉みしだく。掴む先から弾力の在る肉は零れて、
揉むたびに嬌声は熱を帯びて、口内から顔から、味わっとる全てが火照る。
布越しでも、はっきり乳首が浮き立ってくるんが解る。そこを突付くと、また、甘い声を零す。耳から伝わる快感に、眼が眩む。
ピリピリ太股が震えて、白濁液が根元まで一気に、込み上げてくる――
「 だ、…駄目だ、出そうじゃ――く…っ… 」
此処のところずっと女気が無く、久々に色香に中てらりゃあ当然、我慢は利く筈も無く、ビクッ、と、大きく震えて、山田の口内へ
どくどくと精液を注ぎこんだ。
「 ――ん…ぐ、」
ティッシュか何かを取り出そうとして、口内へ出されたモノを含んだまま、山田が慌てる。漸く見つかった足元のティッシュに手を伸ばそうとするんを、
先に拾い上げて、後部座席へぽいと放り捨てる。山田の顔が、泣きそうに引き攣って、こっちを睨む。
「 飲むんじゃ。――遠足はお家帰るまでが遠足。フェラは、精液飲むまでがフェラじゃ。」
「 ふぁい… 」
泣きそうな顔の侭、ごくりと音を立てて、口の中のモンを全て喉へ流し込む。――直ぐに、一層眉を顰めて何度もゴホゴホと色気無く咳き込むものの、
自らの出したものを飲ませた征服感が、背中を駆けた――。
「 ――生、臭い――苦い、喉が、焼ける… 」
「 ……唾のめ。少しは、マシんなるぞ。 」
「 飲み物を寄越せ、…アイスティーが飲みたい。500mlのだ! 」
「 おォ、何でも、遣るけぇ――待たんかい。…ちぃと、疲れた。 」
――この女は、どうやらわしのくされた感情の介入を許さん。いっぺん降りようともせず、後部座席へ身を乗り出して、「にゃっ!」だのといなげな声を上げる。
「 イテテ…おい、石原、くっさ…後ろ、くっさぁ… 」
「 そりゃわしの匂いじゃ無いけぇの、レンタカー屋に文句言え!あ、後、そのティッシュ持ちいのうとすんなよ。」
懐へ無理やり仕舞おうとする仕草を見逃さんとぉに指摘すると、チッ、と舌打ちが聞こえてきた。
まるで、なぁんも無かった様に、山田は明るい。其れが、物凄くわしには口惜しかった。
後部座席からもっぺん戻ってきて、助手席へ座る。山田は口の周りを忙しゅう拭きもって、こっちをちらちらと伺いよる。
「 何じゃ。早ぅ、コンビ二行けってか。もうちぃと休ませ――」
「 …良かったか?」
「 ――ん?何?」
「 良かったかって聞いてんだ! 」
ゴツッ、と額へ目掛けて手刀が飛んできた。
「 ありが――……だぁっ、違う。……き、気持ちよかったかって、聞いてんのんか?」
「 それ以外に何を聞くんだ!匂いの元か!足の匂いがしたぞ!嗅げ、お前も―― 」
「 誰が嗅ぐか! ――き、気持ちようなかったら射精せんわ、ボケ」
「 そうか。じゃあ、奥義を伝授してもらったご褒美だ!眼を瞑って歯を食いしばれーー!! 」
「 な。何じゃぁ!何で殴られんといかんのじゃ!?…くそ、男は度胸、来いやァ!! 」
――眼を瞑って、歯を食いしばって、でも――頬にはなんも痛みは無ぅて、只、柔らかい感触が在って、そして、直ぐに其れは無ぅなった。
「 じゃあな。紅茶はまたの機会に奢らせてやる。ここから私の家は近いんだ! 」
山田が、少し扉の鉤を開けるのんに苦戦した後、ひらひら掌を振りながら、住宅街の明かりの見えるほうへ、帰っていった。
わしは、仁侠映画の受け売りの、演じた言葉でしか、アイツと向き合えはしない。気付いてしまった感情は、姿が見えなくなった頃に、胸を焦がす。
「 ――クソ、好きに、なっちまった。」
ハンドルにうつ伏せて、願わくばこの鼓動が早く消えますように、と、叶わん願いを馳せた。
>>157-158 &見てくれてた全ての名無しにGJ
漸く完結です(ノ´∀`*)
何か石原が妙に乙女ジャマイカとか書き終ると色々恥ずかしいのですが
上山ベースの石原モノは難しいが好きじゃのぉおおと。
それでは次の投下があるまでひっそりと名無しの林へ紛れるよ…
激しく萌えたけんのぉおお!
乙です!
>>無職人さん.・゜゜・⊂((〃/⊥\.〃))⊃・゜゜・.おツでした。
石原の気持ち切ないのぉぉ
今日借りてきたトリックで矢山にも火がついたけんのぉぉぉ
兄ぃとはええコンビじゃとおもうのぉぉぉぉ
わしが
「YOU…あの、ソープ付き剃刀のCM、中々だな。見してもらった。」
「物理学と関係ないじゃないですか!あれは私じゃない!」
「それに、…朝専用のコーヒーも、俺はしっかりと飲んでいるぞ」
「いい加減にしろ!上田!」
お騒がせしてます、無職です。
リアルも混ざったエロパロでも可…?
>>165 無職人はわしじゃけえのぉ!
それともVIPの無職かのう。どっちにしても無職じゃのぅ
とにかくそれ上げてくれんかいのぉ(*´д`*)
ウハww無職人様達バンザイ!!
みんな無職なのかw
そういう自分も無職だが。
無職人さん、GJでした!
皆職に困ってるのか…
萌えを売れるんならもうけられるんじゃけぇのぉ!
170 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 19:55:48 ID:XgusYhe6
石原萌えた…!GJです!
しかしあの車は矢部の物なんかのぉ。石原の物なんかのぉ。無職人さんは警察か、兄いの物前提なんかのぉ。
誰か教えてくれんと今夜眠れんけぇのお!
石原「あ〜!もう帰れ帰れ!わしゃなか卵の肉うどん食いに行くんじゃ!」
山田「わ、私も行くぞ!」
石原「あ?そら食うんは勝手じゃが、おまえ、金あるんか?」
山田「ある!ここに!」
石原「ほ〜‥ってアホか、そりゃわしの財布じゃ!」
山田「さぁ行くぞ!すぐ行くぞ!」
石原「待たんかわれ〜〜!」
そしてまんまとなか卵デートに興じる二人であった‥
親子丼にがっついてる山田w
チキンラーメンも、がっついてほしすw
174 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 03:24:50 ID:TWzinycW
奈緒子モエスWWW
なか卯デートウハw
財布するのも巧みそうだ…
車で行くのか、徒歩か…見た目どおり車上狙ry
無職人タソに黒門島あたりの話を禿キボン
無職人タソに黒門島の話をキボン!
連投スマン(;´Д`)
179 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 20:56:34 ID:TWzinycW
トリックの映画っていつ公開?
公開まで後何日だナウシカ!
映画は6/10日だと思う
>>176 了解じゃけえのぉ!
車はあれじゃ…多分警視庁のもんじゃと思うがのぉ!
あの安スーツじゃけぇ、間違いない!
今日昼にTRICKやってたんだが、石原出なかった‥
東大出の奴とで萌えようと思ったがどうにも‥。
>>182 同感。しかし…
見忘れた漏れよりましだ…_| ̄|○
ツタヤ行ったらトリックほとんど借りられてるってどういうことだ!!
劇場版で萌えたからいいけどな。
「 アイシテイマス タカラハ イラナイ 」
劇場版2が楽しみじゃけぇのぉ!
早く投下できない己に( ゚д゚)、ペッ
奈緒子レイープ物が読みたいよママン
レイプですと!相手は誰だ!?ヽ(*`Д´*)ノ
――日本科技大の一角の研究室。上田の部屋。相変わらず散らかっている。何故か呼び出された私は、
以前遭遇したようなシチュエーションでオレンジジュースを飲み、何だか、火照っている。
「 上田さん…オレンジジュースに何入れたんです!」
「 YOU。"カリボネ"だよ。――ほら、前に君のお母さんの故郷…ポケ門島で…」
「 黒門島!!」
「 そう、その黒門島の、媚薬効果のある植物だよ。エキスだがね。」
「 い、一体どうやって飲ませたんですか!!」
――上田がにやっと笑って、事務椅子のキャスターを転がし、私の脇へ来る。
「 YOU――君は以前、僕のグラスと君のグラスを交換することにより、まんまと媚薬を逃れたな。だが今度は違う。
あらかじめ君がこっそりグラスを入れ替えることを予想し、僕は前もって僕のほうのグラスに媚薬を入れておいた…ふふ、
どうだこの応用力!!正に君は、僕がオレンジジュースを出せば入れ替えなければいけないという、パブロフの犬的な行動を
取ってしまったと言うわけだよ!ふふ、ふふふ!!」
上田は例のごとく勝ち誇ったような笑顔を浮かべている。懲りない巨根だ。
「 はあ、それで?どういう目的で私に媚薬を飲ませたんです。まさか――」
「 勘違いするな?僕ぁ決して君目当てという訳じゃない…只、あれは男性にしか今のところ試してない。つまり、
あの媚薬が女性に効くかどうか、ちゃんと立証しなければ、イザというときに失敗に終るかもしれない… 」
「 上田さん。犯罪です。」
眉を顰めてそう言い切ってやると、上田は次の言い訳に苦しんで、ああ、だのううんだの言って宙を見ている。
「 …ま、と、とりあえず効果を、き、聞こうじゃないか。今度こそどうだい。その…俺を見て、胸がどきどきしたり、
息が苦しかったり、肌が上気するかい?」
「 はあ、まあ 」
「 よしっ!成功だ!!」
上田は、イエス!とガッツポーズを取る。この野郎、本当に犯罪者だ。
「 矢部さん呼びますよ。」
上田の携帯を机上からスると、上田が素早く私の手首を捉える。
「 YOU――お前、不特定多数にヤられたいのか?そう言う趣味か?」
「 馬鹿いうな!お前をしょっぴいて貰うんだ!御用だ!こいつめこいつめ!」
手当たり次第にバッグの中身を投げつけてやる。最近何故か送られてきた『桂』印の文鎮も投げつける。
――ごつっ。
「 ――おうっ 」
「 あ、『桂』文鎮がヒット。」
「 ところで、…お前も飲んだだろ!上田!」
「 何故解る。…まさかYOU、…やっぱり俺の心が読 」
「 違います。…上田さん、多分、二分の一の確立に賭けるの厭だったんじゃないですか?万が一私がすり替えなかったら、
上田さんが飲むことになりますもんね?上田さんは必ず私にすり替えるチャンスを与える――その間、私の行動は見えない。
だからすり替えられても替えられなくても、私がオレンジジュースを飲むという選択をしたら確実に媚薬入りを選ぶよう、
入れておいた… 」
上田は、一瞬例の度肝を抜かれた顔になり、直ぐにまた薄っぺらい笑顔を浮かべる。
「 当りだ。中々やるな。その通り…だが確立論以前に、君がジュースを飲まないわけがない!」
「 ――チッ。でも…後で吐き出したら上田さんは飲まずに済むじゃないですか。なんで飲み込んだんです。 」
「 勿体無いことをするとな、家のお婆ちゃまもお母様も怒るんだよ!!」
「 マザコン。」
口を金魚みたくもぐもぐさせて、上田が言葉に詰っている。私の勝ちだ。
「 ――では、帰ります。」
「 …ま、待ってくれ。」
手首を掴まれた。以前よりも強い力だ。鍛えたな、上田。――と、そんな悠長にここに居ると、こやつの暴走に負けて
巨根にヤられてしまう。それは非常にまずい。なぜなら私は処――
いや、そういえば『世田谷の母』の一件で、ちょっと疑わしくなっていたんだった。うっ、不味い。もうそろそろ
足が動かなくなってきた。何だか上田から、逃げたくなくなってくる…
「 YOUだってもうその気なんだろう?――なあ、ヤらないか?どうせ、もうお互い処女でも童貞でも無いし…」
「 やっぱりあの時私のこと犯しただろう!!おーまわーりさ―― んぐっ!!」
「 馬鹿!…う、うっかり人が来たらどうするんだ。…ああ、そういう趣味なのか。ふふふ…それならそれで」
ち、違う違う!必死で首を震うのだが、何故か私よりも多くオレンジジュースを飲んでいた、というか飲み干していた
馬鹿な上田は、どうやら完全に媚薬が回ってしまったようで、…ああ、そこが、あんなになって…
「 そうだよ。YOUと俺とは、既に通じ合った仲じゃないか。何度同じ夜を共にした?え?
――ああほら、既にお母さんの認可も頂いてる。前にも言ったと思うがこの優ぅーー秀ぅーーな遺伝子を後世に残さない手は無いぞ。
ほーらほら、こんなに胸が高鳴ってるじゃないか。――矢張りYOUも女だな…貧乳だが。」
口を塞いでいたでかい掌が、ワンピースの肩を撫でてくる。私は、触れてきた掌に咄嗟にびくっと震えた。
「 う、うるさい――貧乳は…余計、だ 」
「 な、…な、何をやっとるねん、センセェは…」
「 こ、これは踏みこまないかんのじゃないけぇのぉ、兄ぃ… 」
ショックで矢部のズラが落ちかかっているのを気付くことなく、どこか口惜しそうに石原は櫛を噛んでいる。
事件の調査にと訪れたのが、研究室の扉の前へ立った途端、中からはいかがわしい会話が聞こえてきて、
矢部は石原に思い切り倒れこみ、その拍子にズラもずれたという訳である。
「 何や、常軌を逸してへんか?――石原君、君、見て来て。」
「 わ、わしですかぃ?そ、それはちょっと…」
「 はよ行かんかい!犯されてまうぞ!…お前、ちょっと好きやろ。あの女の事。」
「 何言うとるんじゃ兄ぃぃ…い、行けんけぇの、わし。行けんけぇの。無理じゃて、わし、行ったら、わしも、わしも――混ざってしまいそうじゃけぇのv」
どこかお茶目に石原が言うと――矢部の怒りの鉄拳が、石原の顔にぶち当たった。
「 とりあえず様子、見守っとこ。」
矢部は昂ぶる自分を押さえつつ、倒れた石原を椅子に中の様子の覗き見を始めた―――
−−−−−−−−−− 続 −−−−−−−−−−−
三部構成です。続きは明日以降に…ノシ
>>無職人さん、今日は寝れてるんかしら。
奈緒子がピンチ!!な上に、矢部石原が出てきたのはGJっす!!
上田のジュースも、本当にありそうでワロタwwスゲーでした!
「 おおぅ、…こ、これは、うっ…凄い、物凄い、効果だ… 」
――由々しき事態だ。エントロピーの法則だ。エントロピーの法則とは、つまり、熱は発生源a点から到達点b点の一方にしか流れ得ない事を表わしている…
――簡単に言えば、今俺の生命の素は、睾丸から尿道を経て、亀頭に達さんとしているという訳だ…
――こんなことはあっても、併し俺は学者だ、こんなまやかしには負けたりはしない!!
――そう、断じて…!!断じて、今ここで山田…奈緒子さんを抱くのは、過ちでは、無く…うっ、いかんいかん!何て罪作りな!
俺のファロス――男根は、今や天を突かん勢いでエネルギーの膨張を始めてゆく。宇宙物理学で例えるならば…
大質量星は俺のこの、ナニ。、さしずめ今の状態と云うのは、超新星爆発の過程――その寿命を終えた恒星、および惑星が
自らの重力を支えきれずに崩壊し、爆発――ブラックホールとなり、周りの全てを飲み込む…
「 全部、うっ、聞こえて…あんっ、ますよ…うっ…上田、さん 」
「 ブラックホールは寧ろ、うっ――…君の、方か。ふっ、ふふふ、くくくく…。縛ろうか?君が僕の戒めを解けないようにする
アルゴリズムは既に僕の脳内で叩き出されている…君には無理だろう。」
「 アルゴリズム…体操?…いつもここから…?」
俺はいつもは着けないスーツのネクタイをポケットから取り出し、先ず、山田の手首上にネクタイをバッテン型に重ねる。
下のネクタイの端を上のネクタイの端に巻き付けて引っ張る。ネクタイの端を持つ手が左右変わる。
そのまま、こま結びの要領で余った端の部分をバッテン型に重ねて、今度も下になったネクタイの端。ここは左手の端を上の端に巻き付ける。
これで引っ張れば、引っ張るほど硬く締まる結び方になる――。偶数回交わったからだ。
立て結びで少々不恰好だがこれでいい。これは消防隊員がカーテン脱出の際によく使う結び方だ。
山田は必死に引っ張る。馬鹿め。
「 す、隙間が、無い…。馬鹿上田!!貴様のやっている事は全てごりっとお見通しなんだ――!!」
「 お見通しって、見通した所で何の問題解決になる?ふっ、ぶわーぁかぁ! 」
「 なっ…ば、バンナソカナ…!上田さん。逃げないから、ね?これ、外してください…v 」
「 脱出マジックでもしてみればどうだ?YOU…腐っても美人マジシャンだろう。」
「 エヘヘへ!」
――媚薬の効果でなんとなく褒めてしまった。さて、この先はどうしたものか…まあ収まるべきところに収まるのが物理学の常、
いや、延いては人生の常という物だが、媚薬だけの熱膨大では少し寂しい気もする。
「 ――前戯。ふふ、文化的な男女の営みには不可欠だ!」
「 口に出てるぞ、上田!」
「 そんなことより、YOU、そろそろ…我慢の限界じゃないか?ん?」
貧しい乳と書いて貧乳に手を伸ばす。――ウェイト!!ちょっと待て。大きくなってないか?これも媚薬の効果か…
艶々とキューティクルが照り、平安貴族の様な直毛の黒髪が、金木犀の様な甘い香をふわりと漂わせる。
見下ろした唇は薔薇の様に赤く色めき、象牙のような肌は何処までも艶やか…これが、山田だと――…?
もう辛抱堪らん!リビドーが…ジームクント・フロイトよ、リビドーを昇華させたまえ…!
「 あっ…や、やめろ上田…ち、乳を揉むな…!」
「 おおう…図らずも俺が君に投与した媚薬は、興奮によって血行の促進を促し、性的な興奮により女性ホルモンを活発にし、
君の乳房を膨張させているぞ…OH、グレイト… 」
視覚・聴覚・嗅覚・触覚――五感のうち四つが興奮に拍車を掛け、視床下部の命令により自律神経、副交感神経の働きが起こる――海綿体の欠陥は拡張と収縮を繰り返し、
さらに熱の移動を激しくさせる。後は熱をb点からc点へ移動させてやらなければならない。すなわち、放出か、自然消沈か…
「 何と柔らかい胸か!――く、君も中々好き物だな、え?おい。カマトトぶりやがって!」
「 竈…?竈馬?別に虫ぶったつもりは無いぞ!い…言いがかりだ!」
「 はん…素直じゃない。どうだ…俺の掌はな、日々の鍛錬により非常に、緩急をつける、という行動において特に優秀に働く。――ふふ、まあそれが
図らずも性戯に一役買ってしまった。…天才はこれだから困る。」
指先の末端神経までもが脈々と波打ち、軟い胸肉が掌の作用により伸縮するその度に、電光石火のスピードで情報を脳という複雑なコンピュータで解析し、
それを俺の快感に置き換えて、マイ・サンに作用する。
「 う――…ん…やめ、て…上田さ… 」
甘い声も然り――こんな声は未だ聞いたことが無い。俺が常日頃練習として使っている教材の女優などとは比較にならん。艶かしい。艶かしすぎて犯罪だ…!!
乳腺の刺激により山田の乳首は勃起し、薄いワンピースの生地から垣間見え――ん?まさか…
「 YOU…ノーブラ… 」
「 えっ…どうして解ったんですか。」
「 ――ふふふっ…君、胸元を見てみろ。…立ってるじゃないか… 」
矢張りか。俺が囁くと、山田は胸元を見下ろし、驚愕の表情で再び俺を見上げる。腕を戒められている状態で隠せるわけも無く、
もがもがと陸上へ打ち上げられ哀れに空気を求める魚のごとく俺の腕の中で暴れる。
「 かわいいやつめ…最初からそのつもりだったのか。強情っぱり! 」
突起にそっと指先を触れてやる。途端、山田は身をくねらせる。気持ちいいのか。気持ちいいんだきっと。健気に首を震っているのを見ると、
また俺は考えていることが口に出ているらしい。
一挙一動全て可愛らしく思えて仕様が無い。俺は、椅子と山田を引っ張り、二つの椅子を連結させたところへ彼女を横たえる。
―― 一方外では、石原が眼を覚まし、隙間から矢部と聞き耳と覗き見を交代していた。
「 うおおお!…た、大変じゃけぇの兄ぃ…!! 」
「 何だ。何だ石原君。伝えなさい!すべからく明確に伝えなさい! 」
興奮した矢部と石原の顔はすっかり紅潮し、文字通りの出歯亀と化している。
「 報告しますけぇのぉ、…ねぇちゃんが、先生に…ああ…あがな事や、ああああ…こがな事を、さ、されちょるんじゃのぅ。
…ああ。あああ!!ああああああ!! 」
石原は嬉し口惜し、夢路いとし君恋しといった状態で最早正確な報告どころではなく、スーツの袖口を噛んでむせび泣いている。
「 見せなさい!交代しなさい!石原君!!上司命令や石原君!! 」
結局どかぬ石原の顎の下から、矢部は中の様子を引き続き見る。上田が、山田を椅子へ押し倒し、にやにやとスケベ顔をひけらかして
彼女の細い足の間に割り込んでいる。
「 あ、あはぁあああ!!な、なんちゅう…話の流れを聞いとると、これは強姦じゃよ、兄ぃ 」
「 石原。…お前、口は堅いな?…堅いよな。」
「 兄ぃ、だまっとったらわしらも犯罪者じゃけぇのぉ!わしゃあやっぱり助けに行くけぇの!わしゃあ、人の道に『はずれる』ようなこと… 」
「 ――どわりゃァ!! 」
石原の腹部に、今度は肘が入り、うっと呻いて崩れ落ちた。
「 先生、あんた…その貧乳にナニをす…んんん?! 」
矢部はわが目を疑った。上田が、山田のワンピースの肩を、ゆっくりと下してゆく。すると、とても貧乳とはいえない、豊かなバストラインが、
遠目から明らかになっていく。
「 う、嘘やろ…お、おい石原。石原? 」
石原はすっかり伸びていた。
−−−−−−−−−− 続 −−−−−−−−−−−
残り一話。突乳…もとい矢部と石原が突入するのか、しないのか…
物理学の知識が皆無に等しいので、怪しいところは目を瞑ってください。
ハァ(*´д`)ハァ
うおおお〜〜〜ぉ!!無職人さん!GJ!
あんた、いつもながらいー仕事してるよ。
無理せず最後までガンガッテ下さい!
197 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 16:10:14 ID:fA11yATZ
超GJ!!!!!!1 続き早くPLZ
「 おお、おおぅ。――YOU中々、良〜い身体だ…。ふぅ、暑い…。俺も脱ぐか…」
上田は私のワンピースの上を中途半端に脱がして置いたまま、眼鏡を外して汗だくの顔を拭う。そして、
いつも着崩しているシャツの前を全て外して前を開け、恐らく自宅マンションの筋トレマシーンで鍛えられた肉体を披露する。
「 見ろ。…これが肉体美というヤツだ。」
上田は少々露出狂の気があるのではないのか。しかし不思議に、只その裸体は恥ずかしいだけでなく、割れた腹筋とか、盛り上がった胸筋とか、
男性的な部分にどうしても眼が行ってしまう。――なんだろう、凄く魅力的に、感じてしまってる。
「 み、見たくありません――うん?…こ、この甘い匂い…上田さん、から…?」
爽やかな匂いだが、次には息の詰るような――甘い毒の様な香りが上田の肌から匂い立つ。私は厭な予感がして、なるべく呼吸を穏やかに保つ。
「 ああ。女性だけに効く匂いらしくてね…俺には全く分らないんだが。西洋薄荷――つまりペパーミントと、ローズマリー。それに、
カリボネをほんのちょっと調合してねェ…そうかそうか、そんなに効果が…ふふふ 」
――姑息な上田の笑顔。こういう時は自慢話じゃなきゃウソを吐いている。
「 どうせ…しっかり、調べてんだろうが…お前っ 」
「 はっ、まあ良いじゃないか…ところでどうした〜山田奈緒子。語調に覇気が無いぞ?」
「 うるさい…ほどけ、ネクタイ。――私は…帰るんだぁあ! 」
――ぎしっと椅子が軋みを上げて、上田の体重を乗せる。
「 やだね!――現に君は無抵抗に俺に捕まってるじゃないか。あっさり縛られたり…本当はこういうのが趣味だという明白な証拠だ!いい加減素直に認めないと、
本来なら余り気が進まないが君の後生のため少々乱暴な行動も止むを得ない。まったく君は何度も言うように論理的に物を考えたまえよ。今無駄な抵抗をしたところで
君に助けが入らない限り君は俺の思うが侭だ。俺の言うことを素直に聞いて、大人しくしていた方が身の為だと俺は思うがねうっ――…」
私の力を振り絞った見事な蹴りが、いきり立った上田の巨根に見事にヒット。やりぃ!――少し可哀想な気もするが、仕方ない。
「 これぞ、奈緒子キック。 」
上田は悶絶している。チャンス、奈緒子。動け!立ち上がれ!!
『 技名先に言えや! 』
『 あ、兄ィ。突入前にバレますけぇの…』
『 せやかて、普通ヒーローとかヒロインっちゅうもんは、先に技の名前言ってから繰り出せへんか?』
『 ゲームとかや、ないですけぇのぉ 』
こ、この声は、矢部石原コンビじゃないか!呼ぶまでも無く。あいつ等は一体何をしてるんだこんなとこで!そう言えばいつから聞かれてるんだろう…
助け――否、今となってはこんな格好だし、助けを呼びたくないナンバー1と2だ…!!
足が動いた。地面に靴の爪先がついた、後はふんばって起き上がるだけだ…!!がんばれ奈緒子!ファイトだ奈緒子!
「 ――貴っ様…もう、許さん。」
上田が臨戦態勢に戻った。目がヤバイ。…こ、これは間違いなく犯られる。体面など構ってられない!
「 う、うわああああっ…!助けろ!矢部!石原!」
『 あ、バレた。兄ィ、今じゃ!突撃じゃ!先生ーー!!開けてくれんかいのぉーーー!』
『 せやかてお前…ここ、これ以上開けられへんで?ちょ、先生ぇ〜、開けてください〜。それ以上は犯罪ですよ〜。
思いとどまってください〜。現行犯逮捕ですよ〜。』
扉はぎしぎしと鳴り、矢部コンビの侵入を許さない。
「 上田さん…一体、何を…?」
「 あいつ等なら入ってこられないさ。…この天才物理学者の俺が、扉に錠を掛けずに君を此処へ呼び寄せたと思うか?前もって
ここに少々特殊な鍵を取り付けておいたのさ。内からも外からも、俺の持つたった一本の鍵以外では明けられないようにな。」
「 なぬ!? 」
「 愛し合う男女の邪魔は、誰にも許さないと、こういう訳だな。ふふふ。」
「 愛し合ってないって…!」
致命的だ。完璧に気付かなかった。上田を睨むと、眼鏡を取りさった双眸は、鋭く、まるで肉食動物のようだ。
「 さーて…YOU。よくもやってくれたな。――君には拷問を与えよう。」
「 ごう、もん?水戸黄門… 」
上田は馬鹿にしたように笑うと、ズボンのポケットから歯磨き粉のような白いチューブを取り出して、キャップを外し始めた。
「 これはね、卵胞ホルモンの『エチニルエストラジオール』を配合したジェルでな…ま、簡単に言えばね、膣内の圧縮性を高める、という効果を生み出すんだ。
これがどういうことか分るか?山田。」
「 ――…只でさえ巨根のお前に突かれて苦しいのを、さらに、苦しめって事か。――うう、くっ…こんなの、いやっ――」
「 大丈夫。もうYOUの膣内は開発済みの上、媚薬の効果で圧迫による痛みなど麻痺した筈。無くなったも同然…ほら、足をもっと開いて。 」
上田は私の足を割って、スカートを捲り上げ、下着の中へ強引にチューブを突っ込ませる。
「 うっ、冷た… 」
「 直ぐに熱くなるさ――…ほら、そろそろ。」
「 ひ、…イヤッ…やだ、やだ、上田さ… 」
チューブの先を直接孔の周りに塗りつけてくる――最初は冷たいのが、段々、段々、じわじわと温かみを帯びてきて、
やがてぴりぴりと粘膜を責めて来る。
「 弄って欲しくなってきたんだろ。分ってるんだぜ?YOU。」
「 何がですか――別に、な、んとも… 」
――もう、もう、駄目だ。色んな感覚が交錯して、もう、何が何だか分らない。
――上田の声がゾクゾクする、もう何をされても構わない。
「 YOUはな、嘘を吐く時、俺の顔から眼を逸らすんだ…瞳孔が揺れるのを見せないためだろう。それは特に、恥ずかしかったり、好意を覚えたときには
凄く分り易いんだ。今も、そうだ。感じていないなんて、嘘を、吐くな――」
「 本当です!こんなの、嘘!媚薬で与えられた快感なんてにせものです!最低!馬鹿巨根!脳味噌の所在地は股間!! 」
上田が、冷たく笑う。
「 本当に馬鹿だなYOUは――そもそも性的快感こそが、脳味噌の作り出した偽りの感覚なんだよ…
文化を手に入れた我々は、生殖本能というよりも寧ろ快楽目的でセックスを行うようになった…――いいかい?視床下部自律神経系副交感神経が出す
恐怖をつかさどる物質、アドレナリン。怒りをつかさどる物質、ノルアドレナリン――恋愛感情も大抵これらの微妙な量の違いで起こるんだ。
シナプス次第だよ!いいかい、脳内麻薬の作用なんだ。我々の興奮や怒りや悲しみなんかはな――
つまりYOUのこの感覚だって本物――気にせずこの感覚を、本物だと、思えば良い…」
腰をくねらせて抵抗しても、上田の強靭な腕が、私を安々と押さえつける。下着が、ビリビリと裂かれて、恐怖の余りに叫ぼうと開けた口へ、
下着の布がぐいぐいと押し込まれる。
「 ふえらはん!ひゃめへ!!―――!!!」
――お願い…入ってこないで…!
「 そこまでじゃああコルァ!! 」
「 よっしゃあコラァお前!いくらせんせでも今回ばかりは黙っちゃおれんぞぉ!!」
バキッ!と、扉の破れる音とともに、刑事二人が割り込んでくる。
「 …あ。…それ、それは、反則でしょうお二人… 」
――ん?確かあの媚薬。上田さんのほうがより多く飲んだはずじゃ。男にも、反応する筈が…ああ、矢部相変わらず
髪型がおかしいな。石原、時代遅れの仁侠映画みたい…――
「 センセ、お縄です。いくらなんでもちょおコレは。我々も、ケーサツですし。」
「 ま、まっふぇくらはい! 」
「 うおっ!ねー、ねーちゃん、胸出てる!! 」
私は、口に詰め込まれていたパンツをぷっと吐き出して、上田を見る。
「 お前、飲んでなかったのか!!だ、だましたな! 」
「 ふ…それどころかYOUのジュースにも、言ってきたりとも媚薬など入ってはいない。つまり、お前と俺とは同意の上のセックス。
ああ、矢部刑事。疑うならこの女の血液を抜いて調べてもらってもいいですが?」
「 そ、其処までおっしゃるなら疑いませんが… 」
――何?じゃあ私のこの高揚感は何だ?しかも、上田だけに。
「 …え、じゃあ、乳がこう、ちょっと大きゅうなったんは、どういう事なんじゃけぇのぉ?」
石原が胸の前でボイン、の動作をやってみせると、矢部の鉄拳が再び飛んだ。
「 じゃ、せんせ、しっつれいしますわ〜」
本日三回目にノびた石原の足を掴んで、矢部はとっとと退散していった。本当に何の用だったんだろう。
二人の刑事が帰った後、私は何故かそのままの格好で縛られたまま、椅子に横たわっていた。
「 山田、YOUが反応したのは俺のコロンだよ。――あと、YOUの其処に塗ったのは本物だ。だから、血液検査じゃ出ない。」
勝利の二文字を顔に浮かべて、上田がにんまりと笑む。あ、悪党め…!!
「 ぶわぁーかぁ!へへへ、ざまあみろ。其処でずーっともじもじしているが良い。気が向いたら、シてやってもいい。」
「 煩い煩い!!犯罪者!!マッドサイエンスティスト!!」
「 俺は天才物理学教授。――英語力の無いやつめ。それを言うならジーニアスファイジシストだ。」
「 ――くっそぉ…この、ボサボサ頭の臆病で泣き虫なマザコンの巨根の…んっ… 」
「 …見守ってやろうじゃねェか。お前が堕ちるまで? 」
この上なく助平な顔のはずが、やがて暮れて行く夕暮れの中で、この男が妙に―――
どうやら私の舵は完全に、この男に握られてしまったようだ。
−−−−−−−−−− 終 −−−−−−−−−−−
後日談
「 いやー、兄ィ…わし、いかん。このまま帰られへん。」
「 お前もかー?いやー、俺もやねん。…このままじゃぁよう帰れん。」
「 ほんなら、あの店、どうじゃろうのぉ!ほら、駅前に出来たあの店! 」
『”大奥、蜜の乱”』
如何わしい店に向かう二人の刑事は、どこか前かがみに駐車場へ向かうのであった…
fin
言ってきたりとも→一滴たりとも
かみーかみかみかみー!!!
カミさまだー、カミさまがいるぞーー
>>無職人サマ乙です。すげぇぇぇですよ。髪認定っす
YOU、髪だよ
208 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 00:33:56 ID:zLMS36yx
石原『兄者、か、神じゃ!神がおるけぇのぉ!』石原『生えてへんぞ』
私は毛根からしっかり生えてますよー
黒門島モノ・レイプ…これでよかったんでしょうか(ノ´∀`*)ポ
ちなみに実は上田を血液検査するとしっかり媚薬出てきます。
矢部と石原の行ったのはソープです。
堕ちた奈緒子を書きたかったんだけど恥ずかしいよママー|彡サッ
GJでした。奈緒子カワイイ
ギンガレッドなのに弱いなあ石原…ウフフフ
未遂?完遂??
番宣もしっかり押さえてて、
「大奥」の絵島生島も楽しみです。
>>211の言いたい事がよくわからん…
行為はご想像にお任せ系だとオモ。漏れはヤらせた…
よすぎだすヽ(´∀`)ノ
劇場版1の後とかのssもいいなー…(*´д`*)
結局奈緒子は住まいをどうしたんだろうか
いまさらだがGJ!
双子の霊能力殺人の後のシチュでSSキボン
今日、山田の父親役などで有名なファンファン大佐が亡くなられました。
黙祷………。
218 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/30(火) 00:05:08 ID:GDRJIgct
今日の月9にお見合い相手として菊地が出ましたよ
>>217 岡田真澄さん亡くなったんだ〜と、なにげにTVを見ていたが、
山田のオヤジじゃん!
大変な事だったんだ。
お悔やみ申し上げます。
お父さんジュヴゼーム!(;Д;)ノシ
ご冥福をお祈りいたします。
ファンファン…ゆっくり休んで…
そうだった…(;_;)
自分も何気にニュース見てたけど、山田のお父さんか…
†…ご冥福をお祈りいたします…†
さて明日は新作スペサルなわけだが
>>225 4日21時からテレ朝でTRICK新作スペシャルを放映するっぽい。
予告を見る限りだと宇宙人とか水攻めとかの話の再放送かな。
自分も昨日知った。
トンクスww
見てみるかなぁ
228 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 20:03:38 ID:2qm8NDnr
本日すぺさる放送記念・良スレあげ
229 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 22:17:38 ID:1TkN9sX8
スペサル見てるかーw
>>37の髪の再降臨を待っているのは俺だけではないはず
231 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 23:28:11 ID:WPwhdwQz
234 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 21:19:37 ID:cM/ENUrB
保守
上田(ぉおう…(;´Д`)ハァハァ)
上田(ぉおぉぉう…山田…(;´Д`)ハァハァ)
山田「何してるんですか?上田さん、そんな所触って」
上田「Д゚;)ッ…おう!?ハァハァ…ゆ、You!」
山田「?」
上田「どぴゅぴゅ」
おぅ…(*´Д`)ハァハァ
嗚呼、待ちきれないっっ!
劇場板2、キスシーンキスシーン!!!
…まだ疑ってるけどさー。
明日から映画だよー!イヤッホォォォゥウ!!
ウホホホー♪
映画見てきたww
メッチャ萌えたけどネタバレはまだ駄目なんだよね?
>>239 あー、いいなぁー!
しかも萌えですか、萌えましたかっ。
聞きたいけど、楽しみに取っておいた方がいいのか…迷う…。
とりあえずお前らは見間違えじゃなかったよ
トリック自体は簡単だったから萌え目当てじゃない人はつまんなかったかも
そして出だしのヒヨコのかわいさは異常
レイトショーで行ってきた!
最初の卵の中身にまずワロタ…かわええ。
キスシーン!キスシーン!!
一度はガッカリした後に、また萌えた!!
個人的に「佐和子様のお気持ち」の中身が気になる
動物だよね?動いてたし
分かるところがあるのか?アレ。
いつになったら劇場版2 を元にしたSS解禁なんだろう?
あの後で「昨夜はお楽しみでしたね」ネタが出来ると思うのに〜
というか劇場版その後SSが出そうだなw
上田「俺もはじめてなんだ」
あれは童貞告白だよな?w
番宣にも使われてるけど山田が割烹着きて芋持ってるカット、
位置といい手の置き方といい、あれはわざとなのか
何に見えるの?
上田教授のコンプレックス
なるほど、トン
でもシルエットで見るかぎり芋以上のサイズだよな
潜水シーンの時、ついつい見てしまったけど…あれ、あそこ(パンツ)になんか詰めてたんだよね?
そうじゃなかったら…w
つめてなきゃやばいってw
ほしゅ
山田(仲間)は上田(阿部)の尻を見てしまった噂があるが、ホントか?
ホント。映画雑誌のインタビューで言ってた
撮影での演出として阿部が水泳中尻を出したのを仲間と堀北が見てたっていう
阿部さんと仲間さん、劇場版2がきっかけで急接近とか聞いたんだが本当?
急接近が本当かどうかは知らないが、映画の番宣でマジックを使って
出演者をだますってのTVでやってたけど、そこで二人がカードマジックで
手を重ねてカードをにぎらされてたとき、自分がかなり萌えたのは事実!
彼女の白魚のようなたおやかな美しい手に無骨で大きな彼の手が…
なんか阿部さんがみょーに照れてたような気がするんだが、
実際はどーなんだろう?本当だったら、かなり面白い!
261 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 21:14:39 ID:+9Hi38B4
>>260 同じく、あの手を重ねるところは禿しく萌えた!!!!!
あれだけは、テ〇朝、GJ!!!!!!
「怪」のい部屋で同じ箱に隠れた二人に萌えたヤツはおらんのか?
やむ落ちで箱の中で巨根に押されて山田が「上田!押すな!」
とか言ってないか今から期待している
山田がボートに空気いれてるとこ擬似フェラっぽかっt
ほ〜ぉ。
宣伝のキスしてやる!も良かったけど、
そんなに萌えどころがあるとは!
これは、映画見に行くべきかな?
あたぼーよ!見に行けこのやろー!
映画みてきましたー。連チャンで観たレオナルド村のヴィンチさんの
暗号よりも、面白かった。
あの後は妄想のし甲斐がありますなぁ
オマイラ!今日は映画(パート1)が放送されるぞ!
>>267 ジュヴゼーッンム
マジ助かった
山田が刑事らの風呂覗くんだった
劇場版は1から、いろんな所がモジャモジャしてたんだ・・・
劇場版2は劇場で見たので、TVでモジャモジャヲ見て、ああ前からなんだと
妙に納得し、ジックリ本編を見て楽しんでます
270 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 00:13:15 ID:WfymZVRB
トリックは劇場版で終わっちゃうの?
続きは深夜ですかね?w
272 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 17:52:37 ID:TNcDlxq9
映画見てきました。
仲間タンと阿部ちゃんイイコンビだよなあ。
「結婚できないんじゃない。しないんだ」
新番組の阿部ちゃんの台詞が、上田の言い訳にしか聞こえな〜い。
ジュブゼ〜ムッ!
ズバリ「結婚できない男」フジ火曜7/4夜10:00
ちょっ上田先生wwwwwwwww
映画見てきた
妄想ふくれて仕方ないんだがコレ
書きたいんだが、やっぱ多少のネタバレは否めない
それでも良ければ書いてみる
ちなみに手元に資料がないのと、大したエロは書けないので、お茶を濁す形になったら申し訳ない
ネタバレおっけえええ!!!
きたああああ!!!
初日に観たぜええええええええええええええええええええええええ
ネタバレばっちこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉい
キタワ――ヽ(´∀`)ノ(ノ´∀`)ノ(ノ´∀)ノ(ノ´)ヽ( )ノヽ(∀`ヽ)ヽ(´∀`ヽ)ヽ(´∀`)ノ ――ヒャホ――ぃ
取り合えず勢いで後日談風前編を書いてみた
なるべくバレを無くしてみたら、どっかに転がってそうなシチュになってしまいましたがorz
携帯からなので読み辛かったらごめんなさい
そもそも事の発端が何だったのか。
もう思い出す事も嫌になる。と言うか面倒臭い。馬鹿馬鹿しい。
上田の馬鹿のせいでしち面倒臭い事件に巻き込まれ、帰ってきた時には家が無かった。
そう。私の住み家である池田荘はまっさらな更地になっていたのだ。
「で、どうして私が、まかないをしなきゃならないんですか?」
買い物を終えた私はリビングに座る上田を睨みつける。
上田は私の事なんて切られた小指の爪ほども気にせずに、ザッと広げた新聞記事を目を細めて読んでいた。
「しかも買い物まで全部私に任せて。重いんですよ、牛乳パックって」
腹立ち紛れにわざとリビングのテーブルにこれみよがしに牛乳パックが三本──勿論上田の要望だ──入ったビニール袋を置くと、上田はチラと私を見上げフンと小さく鼻を鳴らした。
「愚問だな。住む場所がなくなったYOUを泊めてやったのは誰だ?君がどぉぉぉぉぉしても部屋を貸してくれと言うから、俺はわざわざYOUを泊めてやったんじゃないか。
しかし、君の所業はどうだ。昨夜は快くベッドを貸しはしたが、YOUのイビキと寝言のせいで俺は寝不足気味。
さらに。住む場所が見付かるまでと言っていたが、君の収入じゃあすぐに見付かるとも思えない。家賃も払えないとあれば、最低限の家事ぐらいはして貰わなくては。
ギブ・アンド・テイク。世の中は全てこれで成り立っているんだ。分かるか?山田奈緒子」
ぐだぐだとお得意の理屈を述べた上田は、勝ち誇ったように鼻の穴を膨らませると再び新聞に目を通し始めた。
「何がギブ・アンド・テイクだ。お前のせいで私が何回死に掛けたと思ってるんだ?それぐらい当たり前だろうが」
私は苦々しい表情で暫く上田を睨みつけていたが上田はやはり何処吹く風。
目を細めたりわざとらしく頷いたりして、家庭欄を真剣に読み耽っている。
まともに相手をして貰えないのは明白で、私は大きな溜め息を吐くと重いビニール袋を持ち直してキッチンへと向かった。
昨日私が上田のベッドを借りて、上田は床に転がるはめになったのは確かだが、これはじゃんけんで勝ち取った正当な戦利品だ。
買い物だって買い物リストと必要最低限のお金しか渡されなかったから、余計な物なんて何一つ買っていない。いや、買えなかった。
なのに、何故ここまで腹の立つ理屈を聞かされなきゃならないんだ?
私が何か悪い事をしたとでも言うのか?
確かに上田の言う事は一理ある。
だけど、だからって、こんな家政婦の真似事みたいな事までしなきゃならないなんて、世の中は何処か間違っているんじゃないか?
苛々をぶつけるようにキャベツをザクザク切っていた私だが、その背中にさらにムカつく上田の声が聞こえた。
「食事の支度が終わったら風呂の準備だ。ワイシャツにアイロンもな」
くそっ。食事に毒でも仕込んでやろうか、こいつは。
貧乏性が染み付いた私の作ったご飯を食べ終えた上田は、少しばかり膨れたようにも見える胃を擦りながら風呂へと向かって行った。
無論、食べている間も「味が薄い」だの「切り方が雑」だの文句を溢していたが、皿は舐め取ったかのように綺麗に空になっている。
当然ながら洗い物も私の担当。風呂場から聞こえてきた上田の悲鳴をBGMに、私は鼻唄混じりに皿を洗った。
風呂の温度は軽く五十度を越えているはず。ざまあみろ。
洗い物を終えた私は勝手知ったる何とやらで、リビングのソファを占領してテレビのリモコンを手に取った。
そこに飛び込んできたのはタオルを腰に巻き付けただけの姿の上田だった。
「あら、どうしたんですか?上田さん」
「どうしたんですか?じゃないだろう、山田!YOU、あの風呂の温度は何だ!?危うく俺の大事な息子が火傷でただれて使い物にならなくなる所だっただろうが!」
わざとらしいまでににっこりと笑う私とは対照的に、鬼の様な形相の上田は私からリモコンを引ったくる。
ブッツリとテレビの電源を切るとリモコンをソファに投げ捨て、上田は恥ずかしげもなく仁王立ちになった。
身長のある上田とソファに座る私。
必然的に私の視界はタオル一杯な結果になる。
「ちょ…上田さんっ、前!ソレ!!」
「YOUは俺に何か恨みでもあるのか?今の現状のいったい何が不満だと言うんだ?俺は君に部屋を提供した。ベッドも、食事もだ。
なのに君は俺の健康を気遣う食事を作るでもなく、あまつさえあんな恐ろしい熱湯風呂に俺を入れ殺害を企てた。コレが恨みによる所業と言わずして何と言おう!」
「殺害は企ててません。って上田、タオルっ!」
「確かに、超優秀で天才的な頭脳と日本技術科学大学助教授の肩書きを持つ俺の事をやっかむ気持ちは分からなくもない。だからと言って俺を陥れようとしても、YOUが貧乳で貧乏で職なしである事実は代わりない。
これは紛れもない事実なのだよ」
目の遣り場に困る私の事などお構いなしに、上田は腰に手を当ててひたすら馬鹿な事をとうとうと語る。
その間にもタオルがゆっくりとズリ落ちそうになっているのに、上田はやっぱり気付かない。
コンプレックスであるはずのその物体は徐々にその姿を露わにされようとしている。
──って言うかドサクサに紛れて貧乳って言うな。この巨根。
「良いか山田。俺がYOUをこの部屋に泊めたのは純粋に困っている君の、お・か・あ・さ・ん・に、君を頼むと言われたからだ。その俺を陥れると言う事は、すなわち、君のお母さんを、図らずも絶望の縁に追い遣る結果になるんだぞ?
もし俺がこの世からいなくなれば、YOUは住む場所を失い一生泥草にまみれた生活を強いられる事になる。そうなれば君のお母さんは君の事を心配するあまり、心労に倒れるかも知れない。
あの時君が俺を殺さなければ。そう思うあまり自殺を図ろうとするかも知れない。YOUはそんなにも親不孝者だったのか?違うだろ!?」
──お前が死ぬのは勝手だが、人の親を勝手に殺すな!
何度そう言ってやろうと思ったか。
しかし目の前のタオルは今にもヒラリと舞い落ちそう。
とにかくコレを先に何とかしなくては。
瞬時に頭の中で算段を組み立てた私は、尚も何かを言い募ろうとする上田のタオルに狙いを定めた。
ガッチリ掴んで腰に押し付けてやればタオルが落ちる事もないだろう。
そうなれば上田だって、少しは現状を認識出来るに違いない。
だが私の算段は、いともあっさりと崩された。
私が手を伸ばした瞬間。
「おぉうっ!」
「ふにゃっ!」
私の手に驚いた上田が、思わず腰を引いたのだ。
──ハラリ
私の手に残されたのは少し湿ったタオルが一枚。
そして目の前には。
例の巨大な物体。
「ううううう上田っ!!馬鹿っ!何てモノを見せるんだ貴様っ!」
「ゆゆゆYOUの方こそ、一体何を考えてるんだっ!!」
どもった回数で互いの動揺が伺えるだろう。
上田から視線を外しながら私は必死になってバシバシとタオルを振り回す。その度に上田にタオルが襲い掛るが、私にそんな事を気にする余裕はない。
「馬鹿っ!変態っ!!巨根っ!!!」
「ちょっ、YOUっ、待てっ」
「馬鹿者っ!お嫁に行けなくなったら貴様のせいだ!!」
「おうっ!」
上田の方を見る余裕もなく私はひたすらタオルを振り回す。
しかし、不意に何か重い物が引っ掛かった感触に、私はタオルを振り回す事が出来なくなった。
薄目を開けて上田の方を──ただし下半身でなく上半身を──見ると、私が振り回していたタオルは、しっかりと上田の手に握られていた。
そうだ。こいつは何処で習ったんだか知らないが、それなりに腕が立つんだった。
私の振り回すタオルの五枚や十枚、掴む事なんて造作もない。
「山田」
「な…何だ上田。その手を──」
「YOUはそんな趣味があったのか?」
「ハ?」
相変わらず話が唐突に飛ぶ男だ。
って言うか、妙にこっちに近付いてないか?
「人の性的嗜好をどうこう言うつもりはない。だが俺には、残念ながらYOUの趣味に添えるような感性は持ち併せていない。どちらかと言えば、攻められるよりも攻める方が好みとも言える」
「な…何の話を──」
じりじりと後退さる私だが、間違いなく上田はその距離を詰めている。
逃げ場もなく肘掛けに背中がぶつかった瞬間、ギシリとソファが悲鳴をあげた。
上田がソファに足を掛けたのだ。
「あまり冗談が過ぎると俺も黙っていられないぞ?」
「だから何の話をしている!近付くな、こらっ!」
「何の…?…それこそ愚問だな」
フッと薄っぺらい笑みを浮かべた上田がグィとタオルを引き寄せた。
いまだタオルを握ったままだった私は、当然ながら上田に引き寄せられる結果となった。
「YOUがタオルでぶった殆んどが、俺の息子──すなわち男根に当たっていたのだよ。これがどう言う事か分かるか?」
トンとぶつかった上田の胸板から、ほのかに石鹸の匂いが漂う。
タオルから手を離すのも忘れ、私は自分の頭の中が混乱し始めたのを自覚した。
私を抱きとめた上田の手がサラリと私の髪を梳いた。
「刺激を与えられれば何らかの反応を示すのは生物としては当然。自然の摂理。俺の場合も例外ではない」
「っ?……ちょ…ちょっと待て上田!正気か!?」
嫌な予感に慌てた私は上田を見上げる。
首筋から顎のライン。いつだって私はこの高さで上田を見ていたのだから、今更取り立てて変わった所はない。
あるとすれば、間近で感じる上田の体温がいつもより少し熱いのと、洗い立ての石鹸の匂いが無性に鼻の奥をくすぐる事ぐらいだ。
上田はタオルから手を離す事もなく、いつもの笑みを浮かべて視線だけで私を見下ろした。
「無論理性は残っている。俺とて見境なく盛る獣のような馬鹿げた真似をするつもりはない」
「な…なら──」
「だが」
不意に圧力が掛る。
自然な流れに逆らう事も出来なかった私は、上田に抱きとめられた姿勢のままソファに押し倒された。
「ギブ・アンド・テイク。この言葉の意味が分かるな、山田奈緒子」
「っ……!」
「目には目を、歯には歯を。偉大なるハンムラビ法典にもそう記されている。俺が受けた刺激の分、俺が君に刺激を返す事は当然だ」
私に体重を掛けぬよう少し体を起こした上田は、至って冷静な口調で言った。
──あぁ…やっぱり。
嫌な予感が当たった事に私は背筋が震える思いだった。
こんな予感なら当たらない方が良かった。
至近距離で私を見つめる上田から私は目を逸らす事が出来ない。
いつもぐしゃぐしゃな髪はお風呂上がりのせいか湿っていて、少しくたりとなっていた。
──それにしたって……あのカミソリキスの時と言い今と言い、どうしてこうムードもヘッタクレもないんだろう。
もっともアレはほんの僅かな時間で、唇が当たったかどうかも今となっては記憶にないんだけど。
大体、タオル如きで反応を示す上田のモノがオカシイんじゃないか。
なんて。
下らない事を考えている間にも、上田の顔は近付いてくる。
喉の奥はぴったりと張り付いていて、一言だって口にする事は出来ないし、体は硬直しきって身動き一つ取れない。
唯一動くのは瞼だけ。
──あぁ……多くは望まない。せめてシャワーを浴びてベッドの上でムードのある音楽かなんかを聞きながらが良かった…。
そんな事を考えながら目を閉じた私の唇に、柔らかな感触が触れた。
取り合えず前編のみ
後編は日曜ぐらいになります
|ω・`) ゴメンネ コンナ所デ切ッテゴメンネ
|)ノシ 頑張ッテ 続キ書クケド アンマリ期待シナイデネ
>>280 GJ!
生殺しプレーキターーーっ!!
期待しちゃうぞ、コノヤロー!
このまま突っ走ってくれーーぇ!!
wktkして待ってるよ!
>>280 GJ!です。
wktkしながら続き待ってます。
280さんも、上田も、ベストをつくしてがんがって下さい。
ktkr!
すっげいいところで生殺し〜
焦らしプレイだ!
雰囲気出ててすごくおもしろいんで続きも待ってますぞー
>>280 GJ!GJ!!
ハンムラビ法典を引き合いに出すあたり凄く上田w
そういえば今夜のとんねるずのみなさんのおかげでしたで
何度もタカさんが山田の真似をしていたのがモエス
GJ!!期待してます、待ってますよって。
朝からよいものをありがとう…!!
GJGJGJ!!!!
God Job!!!
続き期待してます!
一応書き上げてみましたが、かなり温い上にキャラ違い
上山がバカップルになってしまいましたorz
取り合えず後編投下行きます
息が出来ない。胸が苦しい。心臓が耳元でガンガンとうるさい。
こんなにうるさかったら、上田にまで聞こえてしまうじゃないか。
それとも上田も耳の奥がうるさいんだろうか。
押し付けられた唇からは微かにミントの匂いがする。たぶん風呂に入った時に、一緒に歯を磨いたんだろう。
いつもは屁理屈ばっかり紡ぎ出す唇は、マシュマロみたいに柔らかい。
なのにしっかりと私の唇を捕えていて、私はいつの間にかぎゅっとタオルを握り締めていた。
そんな私の手に上田の手が重なる。ただそれだけの事なのに、私の肩が大きく震えた。
どれ程そうしていただろうか。
呼吸を忘れていた私はあまりの息苦しさに、声にもならない声を発した。
それに気付いた上田が唇を離す。
まるで陸に揚げられた魚のようにパクパクと口を動かしながら新鮮な空気を吸い込むと、上田は楽しそうにニヤリと笑って乱れた私の髪を梳いた。
「う…上田さん…ちょっとタンマ」
「何だ今更」
「本当にヤる気なんですか?大体、貧乳は上田さんの好みじゃなかったんじゃ…」
悪あがきと言われても構わない。このまま無し崩し的にヤられるなんて、私のプライドが許さない。
顔を真っ赤にしながら、それでも必死になって逃げ道を探る私だったが、上田は少し眉を上げて面白い物を見るような目つきで私を見下ろした。
「確かに、YOUのような貧しい乳、すなわち貧乳を相手にしようと思う男は、世の中広しと言えどもそうはいないだろう」
──っ……わざわざ強調するな、馬鹿上田。
「だがな。俺は特別巨乳が好きと言う訳ではない。どうせヤるなら大きいに越した事はないが、胸の大きさのみに固執するほど度量が狭い訳でもないんだ。
それにYOUは俺のコンプレックスを目の当たりにした。ならば今度は俺がYOUのコンプレックスを見る番じゃないか」
「そ…そんな滅茶苦茶なっ!」
不敵な笑みを見せる上田の手が私のブラウスに掛る。意外にも手際良くボタンを外され、私には抵抗する暇もない。
ただただ馬鹿みたいに口先だけで抵抗しても、体が硬直したように動かないんだから仕方ない。
ボタンを全て外した上田はブラウスの前をはだけさせると、品定めでもするかのように私の体を見下ろした。
タオルで体を隠そうとしたが、それより早く上田の手が私の手を掴む。
馬乗りになった上田の視線が痛い。
「ふむ」
「な…何ですかっ」
言いたい事があるならはっきり言えば良いだろうが。
上田は暫く私の体を見つめていたが、やがていつもの人を馬鹿にしたような笑みのままきっぱりと言った。
「想像以上に小さいな」
「う、うるさいっ!!」
いちいち腹の立つ男だ。
ぎゃあぎゃあとわめいてやろうかと思ったが、上田の視線の強さに私は開き掛けた口を閉じた。
眼力、と言うんだろうか。
常日頃は馬鹿な事しか言わない男だが、時々酷く真面目な表情になる時がある。そんな時の上田の眼差しには、何故か強い力が宿る。
大抵の場合は馬鹿げた事にしか興味を示さないその眼差しは、今は真っ直ぐに私に向けられていた。
「まぁ大した問題にはならんだろう。重要なのは感度だからな」
「かっ…!?」
恥ずかしい事をさらりと告げた上田は私の胸元に唇を落とす。
熱い感覚に思わず息を飲むと、下着に隠されたままの胸が大きく上下に震えた。
肩紐に沿って上田の唇が移動する。
柔らかな唇の隙間から少し舌を出して、そっと私の体を這って行く。
ぬるりとした感触が鎖骨から首筋へと移動する。それは耳に触れると再びゆっくりと下へと降りる。
初めて受ける熱い感覚に、喉の奥は再びぴったりと張り付いた。
息を飲む。声が出ない。
溜め息の連続にも似た行為の隙間から、息を吸おうと必死になってあえぐ。
いつの間にか上田の手は私の手から離れ、背中とソファの隙間に差し込まれていた。
音もなくホックを外し下着がずらされる。
上田が胸の頂点を口に含むと、湿った感触と共にピチャリと微かな水音が聞こえた。
「──ひっ…!」
思わず漏れた声は、今まで私ですら聞いた事のないような声。
薄らと開けた目で上田を見ると、上田は楽しそうに目を細めた。
固くなった体を解すように、上田の唇が、舌が、私の体をくまなく這う。
触れられた箇所が熱を帯びる。それと同時に腰の辺りがもぞもぞして、私の喉は細かく震える。思考回路は霞が掛り、恥ずかしいと思う間もなく声が溢れた。
「やぅ…あっ。う…えだ…っ」
「感度はなかなか良好のようだな。貧相なのは胸だけでウェストのラインなどはそそる物がないとは言えん。人間誰しも取り柄があると言う事か」
こんな時でも上田の減らず口は相変わらずだ。
頭も動きも鈍った私の腕からブラウスと下着を取り去りながら、誰にともなくブツブツと呟く。
くしゃくしゃになったタオルのせいで私の両腕から衣服が外れる事はなかったが、そんな事は些細な事とばかりに再び上田の舌が私の体を這った。
持ち上げられた手首にブラウスが絡み付いて鬱陶しい。
掴んでいるタオルを手放せば済む話なのに、今の私にはそんな事すら考える余裕はない。
上田の両手が胸に触れる。
大きな手にすっぽりと収まるその姿を見ていたくなくて私は顔を逸らした。
「腐っても胸、か。寄せれば多少は胸らしく見えるな」
くっ…!人が気にしてる事を平気でズバズバと口にしやがって、この変態!
やんわりと私の胸を弄ぶ上田の言葉が耳に入る。
だけど悔しい事に負け惜しみすら口に出来ない。
「良かったな山田。生物の構造上、大きな物は小さくする事は不可能に近いが、小さな物を大きくする事は無理ではない。こうして俺が揉めば、この貧乳も少しはマシになるかも知れんぞ」
「う…っ…ん、うるさいっ!…そんな、んあっ…揉むな…っ!!」
これを快感と呼ぶのも悔しいが、上田の手は的確に私の熱を高めていく。時折胸を吸い上げては、楽しそうに笑う上田の声が聞こえた。
喉が乾く。空気が乾燥している訳じゃないのに、呼吸をすると熱い空気が肺に流れ込む。
──違う。空気が熱いんじゃない。私の体が熱いんだ。
いつの間に掻いたのか、汗が私の額を伝う。張り付いた髪が鬱陶しくて首を捻ると、上田の舌が首筋に滑り込んだ。
「う…上田さんっ!」
声と呼吸の隙間を縫って何とか声を絞り出す。
今まで見た事がないほどに間近で私を見上げる上田に、私は懇願するような想いで言葉を紡いだ。
「も…もう良いんじゃないですか?さっきのは…私が、悪かったって事で……」
この熱から逃れられるなら、土下座したって構わない。
そう考えた私の言葉に、上田は暫し無言のままで手の動きを止めた。
「何の事だ?」
──こんちくしょう!!
ニヤリと笑った上田の表情は悪戯小僧を通り越して悪魔の表情。
私の胸から手を滑らせスカートに手を掛けた上田は、軽々と私の腰を抱き上げた。
「YOUの胸が如何にコンプレックスの固まりなのかは分かったが、まだ肝心な事は分かっていない。すなわち、どれほど刺激に敏感か、と言う点についてだ。これは俺に取って非常に興味深い事象なのだよ。
俺のコンプレックスであるこの部分は、刺激に対して実に素直に反応するが、誰もがそうだとは限らない。
そしてYOU、君のコンプレックスである所の貧乳が何処まで刺激に対して敏感であるかは、此処を探るまでは正確に知る事は出来ない。つまりはそう言う事だ」
下着ごとスカートをずり下ろしながら、上田は訳の分からない理屈をこねる。
あまりの馬鹿さ加減に抵抗するのも忘れた私の部分に上田の指が触れた。
一際強い刺激に私の体は勝手に反応する。
ビクンと体を震わせた私を見て、上田は至って冷静な様子で──それが装っているだけなのかどうか、最早私には分からないが──ゆっくりと指を滑らせた。
感触か。水音か。もしくはその両方か。
楽しんででもいるかのように、規則正しく指で私の箇所を指で弄りながら、上田は私の足を割り開いて行く。
ふくらはぎや太股に唇を這わせながら、視線は一点を見据えて揺らぐ事はない。
恥ずかしさのあまり目を閉じてタオルを持つ手で口許を覆う。
──そう言えばこのタオル、上田さんの腰に付けられてたやつだっけ。
頭の片隅で冷静な自分が呟いたけれど、だからどうした、ともう一人の自分が呟いて冷静な私を追い出した。
タオルを口いっぱいに噛み締める。必死になって声を抑えようとするけれど、喉の奥から沸き上がる本能は──上田の言葉を借りるなら──実に素直に熱い吐息を吐き出した。
頭の中が白く侵食されて行く。
体の中にゆっくりと挿入される指の感触。
いつもはうるさいぐらい饒舌な上田は、この行為に没頭しているのか、ぴたりと口を閉ざしている。
それが酷く怖くて、でもその原因が私にあると自覚するのも嫌で、私はただ目を閉じて与えられる刺激だけに集中していた。
「YOU」
──もう嫌だ。こんな行為も、上田も嫌いだ。
「YOUっ」
──こんな悪い冗談みたいな、弄ぶようなヤり方なんて酷すぎる。
「おい、山田っ」
──ヤるなら早くヤれば良い。体の痛みなんて、心の痛みに比べれば大した事なんてない筈だ。
「山田奈緒子っ!」
ハッと目を開けると、上田の顔が近くにあった。
いつだって何を考えているのか掴めない男は、酷く心配そうな表情で私を見下ろしている。
──あぁ…頼むから、そんな顔をするな。……お願いだから、悪人面で性格の曲がった上田さんのままでいて下さい。
──そうしてくれれば、上田さんを悪者にして、私は、自分が馬鹿な女だったと思えるのに。
──今そんな表情を見せるのはずるいじゃないですか。
「…卑怯ですよ……上田さんは…」
泣きたいような、そうでないような。みぞおちの辺りにぐるぐると嫌な感情が渦巻く。
人の顔を見るのが、こんなに辛いと思ったのは始めてだった。
上田に私の真意が伝わる訳がない。
伝わって欲しいとも思わない。
いつもみたいに私を罵って、小馬鹿にした笑みで、ぐだぐだと下らない理屈を並べ立ててくれれば良い。
そうすればきっと、私も今までと同じように上田の事を馬鹿に出来る。
それがいつもの私達じゃないか。
なのに。
上田の手が、私の髪を梳いた。
頭を殴るでもなく、髪をぐしゃぐしゃにするでもなく、馬鹿にした様子なんて虫刺されの痕ほどもなく、上田の手は私の髪を梳いていた。
頬に。胸に。唇が落とされる。
腰に。足に。ついばむ様な動きで、何度も何度も。
──この男は卑怯だ。
今まで何度も思った事を私は改めて確信する。
肝心な言葉もフォローする素振りもない。
佐和子に捕まりそうになった時だって、自分と美佐子さんが助かる為だけに、私を佐和子に引き渡した男じゃないか。
──あぁ……今更か。
熱い固まりが触れる。
考えなくてもそれが何なのか、私には良く分かっている。
来るであろう痛みに備えて奥歯をぎゅっと噛み締める。
額に唇が落とされ薄く瞼を押し上げると、酷く優しい笑みを浮かべた上田の眼差しが私を捕えていた。
結局の所、本当の馬鹿は私だ。
馬鹿だ巨根だと上田を罵りはしていたが、私自身が一番馬鹿なんだ。
行為の後、体を清めようと温いシャワーを浴びながら、私は一人ぼんやりとしていた。
体を取り巻く熱も、胸の奥にうずいていた感情も、今はなりを潜めてもう何処にもない。
もうもうと湯気が立ち昇る風呂場は視界が悪く、シャンプーやボディソープのボトルの文字も見えない。
「……大馬鹿者だな、本当に」
洗面器に湯船のお湯を汲み入れて呟いた私は、それまでの気持ちを切り替えるように、勢い良くお湯を被った。
上田に罠を仕掛けていた事を忘れていた私の悲鳴に上田がほくそ笑んでいたのは、また、別の話である。
終了です
ホント勢いだけで突っ走ってたら、ハーレクィン小説以下の代物に……orz
上田の長台詞は書いてて面白かったんですが、奈緒子が普通の女になっちまいました
すんません、精進します
他神の到来を待ちつつ名無しに戻ります
前回感想を下さった皆様、有り難う御座いました
309 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 06:34:50 ID:Jld4r2yY
職人さんありがとう!
切なくなったよ
素敵でした!拍手!
YOU!って言うの文章で書かれてるの見るとおもしろいなw
ハンムラビ法典....目には目を歯には歯をですけど
やったらやりかえせという意味の法典ではないんで...
上田さんも学者だからそれくらい知ってるかと...
ちょっとそこが...
萎えるようなこと言ってスンマセン orz
>>312 こちらの勉強不足でしたねorz
物を書くなら言葉の意味を知らなきゃいけませんから
ご指摘有り難う御座います
>>312 まあ、いいんじゃね?
上田の専門は物理だし、上田だからトンチンカンなこと行ってても違和感ナス。
職人様乙!
GJでした!
またのお越しを期待します!
グッジョブ!!ь(ビシッ)
…ん、でもね、その…、あの巨根がちゃんと入ったのかどうか、奈緒子がアレで酷い目にあわなかったのかどうか、むっちゃ、気になるんですケド……。
同じく気になるヅラ…
アニィ乙じゃぁ
>>318 これはちゃんと頭から生えてるんですよ?
「ユーにとってマジックとは何だ?」
「その質問は、ほんとうに、上田さんが知りたい質問ですか?」
「ああ」
「嘘だ! また、なんか厄介ごとに巻き込もうとしてるんだろう? くだらない質問するな」
「ユーには、尊敬する人なんていないんだろうな?」
「……いますよ。ハリー・フーディーニ」
(この答えはウソ。彼女は、自分以上に凄いマジシャンなどいないと思っている。誰であろうと小バカにしている)
「ユーがこの世でもっとも大切なものは?」
「家族と友人」
(これもウソ。そもそも友人などいないし、彼女にとってお金以上に大切なものなど何もない。
お金のためなら上田にドロップキックを食らわしても全然心など痛まないし、
亀さえいてくれれば、一人でいることに孤独など感じたことはないのだ)
●ファンレター
・奈緒子さんのマジックは最高です。ますますガンバッテください。(沖縄そば屋)
・悪いけど、辞めてもらうよ。そう、そうだ! 馘だ!(花やしき)
・キモチワルイヨ、あんたの顔!(バングラデシュ人)
・毎日10回は競争させられます……。(ハムスター)
・見るだけで眠くなる手品、特に亀を出すヤツが嫌いだ。(暗黒舞踏家)
・これは督促状だ。明日までに、滞納している家賃99か月分を払え!(池田荘家主)
・イイ気になってんじゃねーぞ、貧乳!(警部補)
・ジュテーム。(日本科学技術大学教授)
「上田さんにとって科学って何ですか?」
「その質問は、ほんとうに、ユーが知りたい質問なのか?」
「そ、そうですよ」
「うそ言うなよ。また、金の無心に来たんだろ? くだらない質問するな」
「尊敬している人は誰ですか?」
「ピーター・ノース」
(この答えはウソ。彼は、自分以上に凄い男などいないと思っている。どんな男であろうと小バカにしている)
「この世でもっとも大切なものは何ですか?」
「真理」
(これもウソ。彼にとって地位と名誉以上に大切なものなど何もない。
地位と名誉のために山田を幾ら利用しようと全然心など痛まないが、
あまりに巨根であるため、独りで「練習」するしかないことには孤独を感じている)
●ファンレター
・『なぜベス』最高です。ますますガンバッテください。(学習研究社)
・古本屋の百円コーナーで買いました。サインください。(小学一年生)
・気持ち悪いよ、あんたの×××!(隣で用を足してる人)
・毎日10回は読み返しています。(日本科学技術大学教授)
・自信たっぷりの笑顔、見るだけでムカつく。特にヘアーが嫌いだ。(日本科学技術大学学生)
・これは呪いの手紙です。呪いを解くには、山田奈緒子が滞納している家賃99か月分を代わりに支払うこと。(匿名)
・イイ気になってんじゃねーぞ、童貞!(警部補)
・なぜベストを尽くさないのか?(自称超天才マジシャン)
「あにぃ。あにぃにとって正義ちゃ何じゃけーの〜?」
「石原。もうちょい後ろにさがってくれるか? そう、その位置でいい。フン!」
「げはー!!」
「この儂が正義じゃ、ボケ! くだらない質問するな」
「……あ、あにぃが、尊敬している人は誰じゃの?」
「警視総監」
(この答えはウソ。彼は、キャリアなど、現場のことは何もわかっていないと小バカにしている。
事件を解決するのは、デスクワークではなく、足でかせいだ地道な捜査なのだと思っている。
もっとも、自分でする気はさらさらない)
「あにぃが、この世でもっとも大切なものは何じゃけの?」
「平和と秩序」
(これもウソ。彼にとって頭髪以上に大切なものなど何もない。
髪を生やすためならどんな犯罪者と手を組んでも全然心など痛まないし、
孤独を感じるのは風呂場でヅラを外すときだけなのだ)
●ファンレター
・矢部さんの捜査は最高です。ますますハゲんでください。(フリオ・ズレータ)
・辞表を書け。いや、むしろこの世界から消えろ。(公安課長)
・ずれてますよ、あんたのアタマ!(村人一同)
・毎日10回は尻拭いをさせられます。(同僚)
・見るだけでムカつくヅラ、特にモミアゲが嫌いだ。(ユル・ブリンナー)
・これは奇跡のボールです。毎日99回ヘディングをすれば髪が生えてきますよ。(ジネディーヌ・ジダン)
・ちゃんと捜査しろ、税金泥棒!(自称超天才マジシャン)
・ずれ〜ろ、ずれ〜ろ……。(日本科学技術大学教授)
ちょwww露伴wwwww
しかし山田しっくりくるな
ちょwwwwズレータwwwww
露伴乙!露伴好きなんでドキッとした
ちょwwwエロパロじゃねえwwwww
だがGJwwwww
にゃー
クワッパ!
河童→矢部
330 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 21:02:14 ID:OApVWyLQ
映画でカミソリキス→同居か?になったわりには神降臨が少ないな。
萌えに萌えても、腕におぼえがなくて。
トリックキャラをらしく書くのは難しいよぅ。
そろそろネタバレもいいのでは?職人さん降臨待ち。
自分が書いたとしたら…キャラが壊れそうだ
いや書きたいけど壊れそうだ
書いてみなくては分からない。
ただできるのは、ベストを尽くすこと。
335 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 23:56:18 ID:e6/6ymAF
なぜベストを尽くさないのか!
壁|∀`●)降臨を待ってるよ
なぜベストを尽さないのか!?>>ALL
「俺も、はじめてだったんだよ。…責任をとれ、山田奈緒子!ああ、心配するな。お前のお母さんからは、お前の事を『ヨロシク』と任されている。まあ、俺は嫌なんだか、そこまで言うなら仕方なく『ヨロシク』してやろうじゃないか。ふん、感謝しろよ」
「うるさい!馬鹿上田!とっとと私の上から退け!」
とりあえず、妄想してみた。今はこれが精一杯。
そろそろまとめサイトに保管キボン
携帯から見れる仕様で…
阿部ちゃんを見ると
ここのパロを思い出してエローンな気分になってしまうよorz
寛の、服のフィット感がエロいよな
妙にフェロモンが漂う男だ
秋葉原人について一言
↓
兄ぃを頼む…!
>>296>何度もタカさんが山田の真似をしていた
kwsk!!お願いします!
344 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 21:36:03 ID:ln71nDsw
ほしゅ
なんだ・・・神いないのか:::
すいません、俺書いて良いですか。
神になれんかもしれんが。
過疎ってるので勝手に投下します。神マジで来てくれ。
文章はごちゃごちゃとまどろっこしいですが、すいません・・・・
一緒に。生活。を。初めて。えっと。2、・・・・1ヶ月と29日。そしておそらく18時間、になる。
そんな事を上田は自宅のユニットバスに入りながら考えていた。
風呂の温度は丁度良いぐらい。ようやく風呂についている給湯器の使い方を覚えたのかあの山田め。
最初はどうなることかと思ったが。・・・それだけ彼女がこの生活に慣れたということか。
洗濯機も使えるようになった(なんと山田の家には全自動洗濯機がなかった!)
電子レンジも使えるようになった(なんと山田の家には電子レンジもなかった!)
ビデオデッキも使えるようになった(使わした覚えはないのに人のビデオに水戸黄門録りやがって!)
飯も作れるようになった。(意外とあいつは料理を作れた、大方 おかあさんのおかげである)
今では当たり前の用にバイトに行っては家に帰ってくる。
バイトがクビになっても家に居て家事をしたりテレビを見たりして呑気にすごしている。
まるで妻、のような振る舞い
348 :
347:2006/08/01(火) 21:51:39 ID:MkkpYM0O
・・・・妻か。
とか思いつつも ないのだ。
本当に、 ないのだ
触れることが。
男女が夜にするせ、性行為もなければき、キスもない、手を繋いだことも!
買い物は一緒に行ったりする。インチキ霊能力者を倒すのもいつも通りで
で、でもそれ以上だ。これではただのルームメイト扱いだ。
俺は少なからず、いや少し、・・・針の穴ぐらい あ、あいつに好意はある。
好きだと思う、将来を見据えて け、結婚したいとは思ってる。子供も欲しい。
せ、SEXもしたいとは思う。あいつと。
「・・・独白でなに照れてんだ。ガキじゃあるまいし・・・」
349 :
347:2006/08/01(火) 21:52:23 ID:MkkpYM0O
『上田、なにぶつぶつ言ってるんだ』
び、びくっ
ジャバッ、
突如聞こえた声に(タイミングが良さ過ぎた)俺は軽いパニックを起こしそうになって
風呂に0.1秒ほど溺れそうになった。落ち着け、落ち着くんだ俺
「ゆ、youか・・・なんだいきなり。覗きに来たのか?」
『・・・馬鹿かお前は。服。服をベットの上に置き忘れてたから持ってきただけです。
そしてたら上田さんがぶつぶつ行ってたんで。』
「ぶつぶつだと?」
『はい、なんか るーぅむ?メイトとか針の穴がどーとか・・・自覚してなかったのか?』
バッシャーン!!
350 :
347:2006/08/01(火) 21:58:12 ID:MkkpYM0O
『上田さん!?』
「い、いやなんでもないッ!なんでもない!!」
『?』
思った事を俺は完全に口に出していたのか。・・・え、ちょっと待て。
「ゆ、you俺が言ってた事は全部聞こえていたのか?」
『え?ああ、いえ。声が風呂の中からの所為でかで反響してて聞き取り難かったので。
叫ぶ声とかは聞こえましたよ』
・・・一安心。ルームメイトは叫んでいたのか。針の穴も。いやそれは横に置いて。
『まぁいいや、じゃあ私行くんで。のぼせるなよ。』
山田のシルエットが浴室のガラスから消えた。
ほら。この通り。何もない。(今の会話でなにがあるんだ、という突っ込みは無視する)
351 :
347:2006/08/01(火) 21:59:05 ID:MkkpYM0O
「you出たぞ」
長い黒髪のシルエットがこっちに振り返る。
「おう、出たか。お前遅いんだよ毎回。男の癖に」
「お前が早すぎるんだろ。女の癖に。子供みたいに5分で出てきて」
「五月蝿い!私はそれぐらいで充分なんだ。」
山田が俺の横を通り抜けて浴室へと向かった。
・・・会話は同居中の恋人っぽい。ぽいが、
矢張り一緒に暮らすのだから風呂も一緒に入るのが普通ではないだろうか・・・?
352 :
347:2006/08/01(火) 22:07:14 ID:MkkpYM0O
すまん、348ミスってた。
× でもそれ以上
○ でもそれだけ以上だ。
まじすまん。
353 :
347:2006/08/01(火) 22:08:38 ID:MkkpYM0O
「いや、それは早すぎるだろ」
自分に自分で突っ込みつつ、冷蔵庫のドアを開ける。
・・・・ドアポケットに入れておいた牛乳がない。
ばっ、とテーブルを見る。 そこには牛乳パック。
手に取ってみる、・・・・軽い。
「あいつ・・・」
俺がどれだけ風呂上がりの牛乳を楽しみにしているのかわかってんのか!
・・・この前も勝手に飲みやがって!最近、牛乳は高いんだぞ!しかも高いのに需要がないからってらくのう農家では
真新しい、おいしい牛乳が捨てられていくんだぞ!毎日!毎日!あいつ分かってるのか!
これは怒らなければ。同居してるとはいえ、ルールというものはある。
そのまま、俺は浴室に向かった。もうあいつの事だから出ているだろう。
354 :
347:2006/08/01(火) 22:12:15 ID:MkkpYM0O
ばん! 浴室のドアを開ける。中で服を着替えているのだろう。
(この前浴室の前で体を拭くから床がびしょびしょになるのを怒ったばっかりだ。浴室の中で拭くように俺は言った。
以後床は濡れなくなった。これはちゃんと聞いたのだ)
「おい山」
見てしまった。
355 :
347:2006/08/01(火) 22:13:19 ID:MkkpYM0O
まぁあとの続きは予想できると思うが・・・(文才を誰かくれ)
今日ここまで。
最後にこんな駄文ですまん。神来てくれ。
いえいえ、GJですよ!
駄文じゃないよ、神文だよ
「いいかね? 神など存在しない」
「いや、これは頭から直に生えているもんでして……」
「そっちの話じゃあナイですよ、矢部さん。……いずれにせよ」
「とにかく存在しないんです。確かに、神頼みするしかない、というような状況は存在す
るでしょう。ですが、そんなときでも私は、こう自分に問い掛けてみるんです。そう……」
「なぜチョッキを着てこなかったのか?」
「違う! 『なぜベストを尽くさないのか?』だ!! このことばを呟くたび、どんなに絶
望的な状況にあっても、私のこころにはメラメラと闘志が……」
「そのまえに大概、気絶してる。……あ、亀に餌やるのわすれてきた」
わーい!投下待ってました!
十分だよ!!何を見たんだろう…貧乳??
微乳・・・いや美乳か?
>>354 書いてみたいけどエロは無理だからなあ・・・職人さんいらっしゃい!じゃなくていらっしゃってください!!
363 :
347:2006/08/02(水) 23:48:55 ID:e0YZ1l41
某エロブログで「仲間由紀恵きわどいセクシー画像!」
というのがあり好奇心でそれを見てみると
どーみてもTRICK新作エピのずぶ濡れ山田の画像だった。哀しくなった。
おまいら褒めてくれて有難う。・゚・(ノД`)・゚・。
遅くなったがいきます
364 :
347:2006/08/02(水) 23:49:27 ID:e0YZ1l41
「う、うわっ!?上田!!?」
ばたんッ 浴室のドアを思い切り閉めた。なのに手を挟んだ。痛かった
見えた
見えた
やっぱり貧乳だった。
365 :
347:2006/08/02(水) 23:50:19 ID:e0YZ1l41
「ゆ、you!お前、なんで風呂場にいるんだ!」
『風呂に入ってるからでしょうが!』
ああ、そうかそうだよな。落ち着け落ち着くんだ。
同居しているのだから、こういうハプニングもいつかはあるに決まってるじゃないか
一瞬の事だったが、脳裏に映像が焼き付いている。
彼女は髪を洗っていた。浴室用のイスに座って髪をじゃぶじゃぶと。
白い肌が湯気でほんのり赤く染まって
黒髪が湿っていて
顔も上気して艶っぽい
それに あれほど小さいとは思わなかった、胸。
それから下は見えなかった。
どうしてそこまではっきりと覚えているか?
答えは簡単だ、俺の記憶力がとてつもなく素晴らしく優秀だからだ。
366 :
347:2006/08/02(水) 23:51:08 ID:e0YZ1l41
『上田、お前好い加減手を抜いたらどうだ』
「・・・・」
乱暴に挟まった左手を引っこ抜く。少々痛かった。
『で、なんなんだ?急に」
な、こいつ気にしてないのか?
「な、なに言ってるんだyouは」
『いやなんか今すごい形相でこっち来たじゃないですか』
「あ、ああ・・・なんでもない」
『・・・覗きか』
「違うッ」
『?じゃあ別にいいですけど・・・
あ、そうだ丁度良かった』
「・・・なんだ」
『悪いんですけどリンスが切れました。取ってくれ』
・・・・は?
367 :
347:2006/08/02(水) 23:51:45 ID:e0YZ1l41
なんだこれは。昔懐かしのラブコメ漫画的イベントか。
なんで都合よく、こんな時に
いやいやなんだこんな時って俺は別になにもないだろうが
こういう事だっていつかは在ることだ、暮らしてるのだから
なにもない、なにもない。ナチュラルにナチュラルに。自然にハハハ
『上田さん、あんまり髪ないのにリンス使いすぎなんですよ』
「し、失礼なこれはちゃんとカットして」
『分かりましたとりあえず早くしてください』
屈んで浴室の真横に設置してある洗面台の下の棚からリンスを出す。
・・・・無理矢理奴に買わされた高いリンス。
368 :
347:2006/08/03(木) 00:01:23 ID:e0YZ1l41
「ほら」
手だけドアに突っ込んで袋ごと渡す。
手が触れた。触れたその手は熱い、そして湿っている。
そしてストンと重みがなくなった。
「じゃあ、行くからなッ」
「ああ、どう・・・・ちょっと待ってください」
・・・・。
「なんだ」
「手が湿って袋開けられないんですけど。」
「何?それぐらい出来るだろ」
「出来ませんよ、シャンプーで手ぬるぬるしてるし」
「じゃあ洗えよ」
「上田さん今、手乾いてますよね。開けてください」
「自分で」
「できるならしてる」
「・・・」
369 :
347:2006/08/03(木) 00:02:23 ID:e0YZ1l41
ドアに背を向けた状態でドアに手を突っ込む。
「ほら」
「違いますよもっと手近づけて」
「youが手を伸ばせ」
「のばしてます」
「立ちあがればいいだろうが」
「あ、そうそうもう少しこっちです」
「・・・」
一歩、後ろに下がり浴室内部に近づく。
非常にまどろっこしい行為だが、山田の裸を見るわけにはいかない。
(奴はあまり気にしてなさそうだが。恥を知れ!)
むにゅ
370 :
347:2006/08/03(木) 00:04:52 ID:/jEqbgly
今日はここまで。多分また明日。
っーかいつエロに入るんだ俺。駄文の上、長くてすまん
むにゅって何だむにゅって!触ったのか上田!!どうなんだ!!
…ああ、興奮し過ぎて我を忘れそうになった。GJです!
続きが気になるー。
372 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 01:09:19 ID:V9nShcjk
神キタワァ・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η・゜゚・*:.。..。.:*・゜
続きは今日か!?待ってるから!!
久しぶりと投稿でものすごくうれしい!
お待ちしておりました・・・347様
むにゅ
…ハアハア
楽しみ〜!!続き、夜かなぁ〜
夜?夜に再開なの??
待ってるぞ!!347!!!
うわぁぁぁぁ!!いつ再開なんだぁぁぁぁぁ!!!
おまいらもちつけww
といいながら、早く再開して欲しい自分がいる
382 :
347:2006/08/03(木) 19:17:46 ID:/jEqbgly
夜中、寝る前に気づく。
二人が持ってるリンスってつめかえ用の奴な?
家は最近いつもそれ使ってるから
つい表記するの忘れてた(;´∀`)
・・・・慣れって恐ろしい
しかし其れを考えて寝たのかTRICKの夢を見た。
どっか見晴らしの良いマンションで山田が洗濯物取り込んでる夢だった。
何故。(ちなみにマジな話である)
じゃあ、やります。
383 :
347:2006/08/03(木) 19:18:24 ID:/jEqbgly
手を突っ込んで、ビニール制の袋を受け取ろうとして
手は柔らかな感触を感じた。だから握った。
むにゅ。
「ちょ、何処触ってるんですか!!」
!?
慌てて手を離す。感触がじんわり手に残っていた。生々しく
何処を触ったんだ。俺の手。何を触った!?マイハンド!!
腕か!?む、胸か!?真逆、太もも?
384 :
347:2006/08/03(木) 19:20:39 ID:/jEqbgly
「もう・・・こっちです」
手首が掴まれる。汗を掻いたのか風呂に入ってる所為なのか
じんわりと温かい手。細い手。
「はい、掴んでください」
ビニールのつるつるとした感触を確かめて握る
そのまま手を引いてリンスの詰め替えパックを取り出した。
落ち着け。
385 :
347:2006/08/03(木) 19:23:54 ID:/jEqbgly
渡されたビニールは湿っていたものの何度か試して切り口から袋を開けた。
「ほら」
後ろを向いて渡しては、中身を零してしまうので
今度はドアに向かい合って手を差し込む。
磨りガラスにうっすらと山田のシルエットが浮かんでいる。
つい、さっき見た裸を思い出して意味もなく目をそらす
「あ、有難う御座います」
「じゃ、じゃあ行くからなッ」
「どうぞ」
386 :
347:2006/08/03(木) 19:24:41 ID:/jEqbgly
「出たぞ」
石鹸の匂い、とでもいうべきか 清潔そうな匂いが
ふっとその場に立ちこめた。
なのに俺は先ほど風呂に入ったというのに汗を掻いている。
100%こいつの所為である。
同居させるんじゃなかった。こんな事なら。
でももう遅い、そして追い出すにも もう夜も遅い。
夜も遅い。
・・・・・いや何を考えてるんだ俺は
387 :
347:2006/08/03(木) 19:25:58 ID:/jEqbgly
ゴメン・・ミスった。(´・ω・`)1行抜けてた
それから数分後。
「出たぞ」
石鹸の匂い、とでもいうべきか 清潔そうな匂いが
ふっとその場に立ちこめた。
なのに俺は先ほど風呂に入ったというのに汗を掻いている。
100%こいつの所為である。
同居させるんじゃなかった。こんな事なら。
でももう遅い、そして追い出すにも もう夜も遅い。
夜も遅い。
・・・・・いや何を考えてるんだ俺は
388 :
347:2006/08/03(木) 19:26:37 ID:/jEqbgly
山田が冷蔵庫を開けた。
「あーもう牛乳ないじゃないですか!」
「youが勝手に飲んだんだろ!俺の分!」
はっ、そうだ最初はこれを怒る為に俺は浴室に向かったのだ
もう少しで本来の目的を忘れる為だった。
「だいたい君は俺がわざわざ住ませてやってるのに
遠慮というものを知れ!あとルールもだ」
「何言ってるんですか!上田さんのものは私のものです!」
・・・それは山田のものは俺のものだという事だろうか。
「youのものは?」
「私のものです」
「お前はジャイ○ンか!」
「あーあー、牛乳飲みたかったのに」
「全く」
「明日買いにいかないと。」
389 :
347:2006/08/03(木) 19:30:16 ID:/jEqbgly
ぴく。 ・・・当たり前か。一緒に暮らしてるのだから
何度も 何度も自分で繰り返していたフレーズをまた繰り返す。
当たり前だ。一緒に暮らしているのだから。
明日も来る。追い出してもどうせまた帰ってくる
(だって奴は家がない。しかも多分長野に帰る旅費もない。
俺がバイト代を毎月、生活費として徴収しているからだ。バイト代が元々安いから全然足りないが。)
という事は矢張り明日も此処に居るのだ。俺と暮らす。
そして彼女の中では明日買い物に行くのだ。俺と。(そして多分車に乗って)
「上田さん?」
390 :
347:2006/08/03(木) 19:32:46 ID:/jEqbgly
「上田さん?」
「おーい、上田」
山田の声がやんわりと何処からか聞こえる。
そうか、当たり前だよな。暮らして
「おい上田!」
不意にその声が至近距離で聞こえた気がして顔を上げた
「ッ!」
顔がすぐ此処。顔のすぐそば。
彼女が俺をを覗き込んでいた
もう 限界だ と 思った。
どきどき
今日はココで終わり!?
393 :
347:2006/08/03(木) 20:52:28 ID:/jEqbgly
顔が近い。近すぎる。
覗き込まれていて至近距離。
座っている今の状態から少しでも腰を浮かせれば唇はくっつくであろう。
もっと浮かせれば、額がぶつかる。
「うえだ?」
ただ一緒に暮らすだけではこんな事は絶対ない。
なんとなくぼんやりそう思った。
394 :
347:2006/08/03(木) 20:54:01 ID:/jEqbgly
そして
そして
腰を浮かせて
「・・・――ッ!」
395 :
347:2006/08/03(木) 20:56:01 ID:/jEqbgly
目を開ける。唇は重なっていた。
山田は目を白黒としている。失敬な!でも当たり前か。
唇を離す。
「、ッ!?な、何するんですかっ!!きゅ、急にっ!」
「・・・じゃあ急じゃなかったらいいのか?」
「そ、そういう事じゃ!」
彼女の顔は真っ赤である。
そして逃げ腰。
396 :
347:2006/08/03(木) 20:58:20 ID:/jEqbgly
分かっている。
今、自分が彼女にとってはおかしく見える事も。
今、自分がこれから彼女に何をしたいのかも。
理解している
でも――最早やめられない。
彼女の肩を掴んで立ち上がり、くるっと体を捻り彼女を今まで座っていたソファーに押し倒した。
分かっている。
俺は山田奈緒子が好きなのだ。
397 :
347:2006/08/03(木) 21:00:42 ID:/jEqbgly
「う、上田ッ さっきから一体何を・・・っ!」
「youが悪いんだ」
「何が!」
「普通、男女が一緒に暮らして何も起きない訳ないだろ」
「・・・お前、過ちは嫌いじゃなかったのか」
「ほう、言うじゃないか」
もう一度口づけた
「・・ッ」
彼女が俺の腕を掴んで爪を立てる。
不思議と痛みを感じなかった。
398 :
347:2006/08/03(木) 21:03:10 ID:/jEqbgly
「っ・・・はっ・・」
彼女の唇は温かく、ほのかに石鹸の匂いがして。
何度も口付けては離してまた唇を貪る。
舌も入れて口腔を掻き回して
罪悪感も感じなかった
何故今までしなかったのだろうか、と思うぐらいだった。
唇の端から垂れた唾液をそのまま唇でなぞり 顎に、舌を這わす。そのまま下に。
ふむ・・・・
そして欲に身を任せる。
399 :
347:2006/08/03(木) 21:05:17 ID:/jEqbgly
「う、上田」
彼女が着ているTシャツの裾を左手で。
「や、なっ」
白い肌が見えた。触るとじっとりと汗を掻いている。
右手を滑らす。みぞおちからゆっくりと。そっと
「や、うえ」
Tシャツの下からだんだん胸があらわになってきた。
「・・・思った通りだ」
そうぼやいた。
見えた胸。やや小さい。微々たる量という訳ではないが矢張り小さい。
肌は白く。中心部は淡い桃色。色づいて。
掌にすっぽりとはまった
400 :
347:2006/08/03(木) 21:10:55 ID:/jEqbgly
「、う 上田ッ!!!」
急に響いた大きな声。
視線を白く可愛い胸から山田の顔にずらす。
山田の顔は紅潮していた
「なんだ、やめて欲しいのか?」
「・・・・いえ」
「それは出来ない・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
401 :
347:2006/08/03(木) 21:11:27 ID:/jEqbgly
・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?
・・・・虚を突くということはこういう事だ。あと、驚くと目が飛び出るというのも。いや出ないけど。
目の前の女は今 何を言った?空耳か?いやいや落ち着け落ち着け俺!聞き違いだろ!
「は?ってそんな真面目な顔しなくても」
「・・・あ、当たり前だろ!お前この状況分かって・・・!」
「じゃあするなよ」
その通りである。
402 :
347:2006/08/03(木) 21:14:08 ID:/jEqbgly
「で、でもべ、別にいいですよ?だ、抱いても」
・・・・やっぱり今日という日はなんなのだろうか
ドッキリか?矢張りラブコメなのか?
あああああああああ錯乱してきた。
「い、い、い、いいと は?」
「取りあえず落ち着け」
彼女が冷静な目で言った。
今更だがムードなんて最早ない。ぶち壊れた。
403 :
347:2006/08/03(木) 21:16:55 ID:/jEqbgly
「な、なんで」
「だって今更です、よね」
「今更って」
「いつかこうなるとは思ってたし」
「こうなるって」
「だから覚悟は出来てたんです、さっきのはびっくりしましたけど」
「さ、さっきって」
「だーー!自分で考えてください!」
彼女は顔を赤らめて俺から視線を外す。
えーっとつまりOKなのか?
404 :
347:2006/08/03(木) 21:21:37 ID:/jEqbgly
「だ、抱いていいのか?」
「・・・自分で考えてください」
「本当に」
「執拗いです」
「すまん、」
「あ、で、でも」
びくッ
「するならここは嫌です」
正直 突如展開が変わった気がする。
言葉も足りてない気もする。
彼女はいつかこうなる事を予測していたのか?あ、そうだって言っていたな
俺が襲う事も理解してたのか?あ、今更だろって言っていた
つまり(執拗いようだが)いいのか?
405 :
347:2006/08/03(木) 21:27:21 ID:/jEqbgly
頭がくらくらしている。
矢張り少しこの状況に信じられなくて彼女に口づけた。
受け入れられた。抵抗なんて微塵もなかった。
「いいのか?」
「いいって言ってるだろがこのスケベ」
「だっておま」
「執拗いんですって堂々巡りしてます!待ってたんですよ!」
「・・・・・は」
「そ、そのお前が手出してくるの!」
急転直下。180度回転したような展開。
「う、上田さんが好きです」
気絶するかと思った。
406 :
347:2006/08/03(木) 21:30:08 ID:/jEqbgly
「だから、その。いいんです」
恥じらうように山田が、奈緒子が言った。
・・・だったら何を躊躇う事がある?男を見せろ何故ベストを尽くさないのか?どんと来い!
「you・・・」
抱きしめた
「好きだ」
407 :
347:2006/08/03(木) 21:32:37 ID:/jEqbgly
今日はここまで。
・・・・俺うだうだしすぎだろ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
明日からやっとエロに入る。シンプルにエロ。
・・・・・調子乗ってだらだらすいません_| ̄|○ il||li
明日を楽しみにしてるよ!!
GJ!GJ!
明日が楽しみだー!!
GJGJGJ!!
グッジョォォォォォォォブ!
413 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 00:46:49 ID:+uBPQYie
久々に萌えた(*´Д`)
明日も楽しみにしてるよ!
414 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 01:44:43 ID:aT/d5lN8
ブラボーwww
今日で完結かなぁー
あー楽しみぃぃぃぃ!!!
わくわく
なんじゃこりゃあああああ!!
ワシの、ワシの知らん間にこんな熱い力が…
347のペースでいいよ!ガンバ!!
期待!
そろそろかなぁ〜
久々のwktk!続きも期待してますよ。
423 :
347:2006/08/04(金) 20:03:18 ID:+pygvTyL
お待たせ。多分今日で完結するかな
ぶっちゃけ、次書きたい話があるんだけど
これ終わったら書いて良いかな?
ああ、あと書き忘れてた。女性って風呂上がりはノーブラだ。
本当にいつも支援ありがd。・゚・(ノ∀`)・゚・。
424 :
347:2006/08/04(金) 20:03:54 ID:+pygvTyL
「ん・・・はぁっ・・・」
寝室に入ってベットに山田が倒れ込んだ瞬間、理性は飛んだ
嬉しいじゃないか
嫌われていた、いやそれよりも彼女が自分の事を何とも思っていないと思っていた。
なのに、お前は俺を好きという
嬉しいじゃないか
何を躊躇う必要がある?
この行為もちゃんと了承の上で。
本当に、嬉しいじゃないか
「奈緒子・・」
口づける。唇の感触は確かにある。ほのかに温かい
夢なんかじゃない。これは現実だ。
425 :
347:2006/08/04(金) 20:04:43 ID:+pygvTyL
口づけたまま、舌を絡ませながら
ツツーと手を体に這わせる。薄いTシャツ越しから直に体温を感じる。
小さな膨らみを布越しに触ってみる
「ンッ・・・」
口の端から声が漏れている。妙に水分を含んでいてそれだけでくらくらする
両手を服の下に差し込んで脱がせにかかる。
426 :
347:2006/08/04(金) 20:05:17 ID:+pygvTyL
「や、・・・あんまり見ないでください・・」
山田が顔を逸らす。その顔は紅潮してる。
服の下の裸体は綺麗だった。こんなに細かったのか。さっきも見たけれど
そして所々、首筋が赤く染まっている。
またそこに口づけて、きつく吸ったりして 首筋以外にも。鎖骨にも、胸の谷間にも
「・・ッ・・」
胸の中心部に手を当てて、ゆっくりと揉む。小さいが柔らかい。
まぁこれから大きくしていけばいいだろう。時間はある、なんたって一緒に暮らしてるのだから!
口を左胸に持っていく
「ッ!・・・」
じっくりと丁寧に 舐めた
桃色に染まったそれは次第に尖って来ていた。
427 :
347:2006/08/04(金) 20:05:52 ID:+pygvTyL
口で含んで、舌でなぞる
周りから徐徐に尖った中心部まで
少ししょっぱい。
口の中でころころと転がす
「・・ッ、あ・・ッ・・・」
中心部をやや丹念に舐めると山田の声も上がる。それが余計興奮を促す
片方の胸を揉んでいた右手を下腹部に持っていく。
「んッ・・・」
スカートに手を突っ込んだ。そのまま捲る
キター!!
429 :
347:2006/08/04(金) 20:06:28 ID:+pygvTyL
スカートの裾もまくり上げる。
口を乳房から離した。唾液で糸が引く
「おお・・・」
スカートの下を見てやはり感嘆をあげる
すらりとした細い足。そそる。
山田は恥ずかしそうに顔を逸らしてくねって体を投げ出している。
色っぽいと思った。どんな女性よりも。
襲いたい、貪りつくしたい。もっと。もっと。今よりも
スカートのホックも外して脱がした。
彼女は今、下着一枚という姿である。
足、太ももに顔を埋めた
わくわく
431 :
347:2006/08/04(金) 20:09:07 ID:+pygvTyL
「ん、・・んぅっ・・・!」
太ももの内側に何度も口付けする。赤い痕を付けていく。
そして段々一番敏感な部分へ
じっと、見てみるともうそこは充分湿っていた。
布が一部分濡れている
ふっ、と息を吹きかけてみた。
「んッ!」
やっぱり此処が一番刺激が強いのだろう
布越しに人差し指でなぞってみる。
「やッ・・」
円を書いてみる
「ああッ・・!」
今度は縦になぞってみる
「・・んあぁ・・」
面白い。
432 :
347:2006/08/04(金) 20:09:45 ID:+pygvTyL
「・・・もう、びしょびしょじゃないか」
息を吹きかけながら指でなぞりながら言ってみる
「や、そッ、 れ はぁあんッ 言わないで くださ・・・んッ!」
指が突起に当たった。これは・・そうか。これが。
くっくっく、と喉の奥で笑いたくなる。
突起に指を当ててぐりぐり弄る
「や、なんか・・そこ、 へんッ・・・!」
彼女はもう息絶え絶えだ。
そっとそこに口付けして
最後まで身につけていた下着も剥ぐ
433 :
347:2006/08/04(金) 20:13:12 ID:+pygvTyL
生でそこを見た。少しグロテスクだ。
今までモザイク越し、薄消しの映像で見たことはあったが
リアルで見たのは初めてだ。
濡れているのが生々しく分かった。
そこにまた口を付けて 舐めてみる。
「んあぁっぁ・・・やぁ・・!汚・・・いっ・・・!」
そんな言葉とは裏腹に彼女の中から愛液がどろりと零れだしている。次から次に。
総て舐め取ってしまいたい。夢中で口づける。
ぴちゃぴちゃ、と水音がする
434 :
347:2006/08/04(金) 20:16:03 ID:+pygvTyL
「んんっ・・・!・・・だ、だめぇ・・ッ・・」
じゅるじゅると吸う。溢れて来ている。
さっき発見した突起にも口づけて、舌を尖らせて舐める。
「・・・あ、ああんッ」
こんな声も出るのか。
レロレロと表現するぐらい舐めて舐めて舐め倒す。
その度に声が上がる、
一旦口を外して改めて見直した。
・・・膣内はやや狭い気がする・・・入るだろうか。
指を一本差し込んでみた。
「ふぁッ・・い痛ッ・・・」
「痛いか」
435 :
347:2006/08/04(金) 20:20:31 ID:+pygvTyL
指をゆっくり差し込んで、抜いてみる。そしてまた差し込んで
酷く締め付けてくる。
「指を千切る気か?君は」
「う、ウルサイ・・・!」
からかうと威勢の良い声が返ってくる。
指を2本にしてみる。ズブリ
「あッ・・・!」
最初に比べたら広がってくるだろう。相変わらず狭く締め付けてくるけれど
指を出し入れするスピードを早くした。
厭らしい水音がする
「ああっ、ああん!ああ・・・」
それに合わせて声も上がる。
俺自身の息も荒い。もう限界は近い。
ズボンの下はぱんぱんに膨らんでいる。
入るだろうか、取りあえずやってみるしかない。
436 :
347:2006/08/04(金) 20:24:11 ID:+pygvTyL
「ゆ、youは処女か?」
「う、うる・・・ああんッ・・・!あ、当たり前で・・・っ」
にやりと笑う。(でもそうじゃなかったらかなり落ち込んでいただろう。)
「じゃあ、入れるぞ・・・いいな?」
山田は何度も頷いた。
ごそごそ、 ズボンを脱いで穿いているブリーフも脱いでモノを取り出す。
それはもう完璧に反り立っている
ぐい、と今まで指を入れていて少し道が出来た穴に先端部分を当て、ゆっくりと侵入していく。
今日は最後まで行くんだよね!?
438 :
347:2006/08/04(金) 20:31:53 ID:+pygvTyL
ぐいぐいとゆっくりゆっくりと進んでいく
「お、おおき・・・ッ・・・き、きつっ・・」
「仕方ないだろう。それは・・・」
さっきまで充分湿らしたからか、愛液の所為で滑らかにモノは入っていく。
それでも中は酷く締め付けてくる。
息がつい漏れる
軽く壁に当たった。
439 :
347:2006/08/04(金) 20:32:45 ID:+pygvTyL
「you・・・いいか?」
そこで止まり、ただ顔を見つめる
彼女はもう涙目だ。でも痛いのはきっとこれからだろう。
膜を破るのだから
「い、いいです」
熱の篭もった視線が俺を下から見上げる。愛しい、愛しすぎる
彼女の体に被さって、抱きしめて、口づけて
一気に入れた
イイ!!
441 :
347:2006/08/04(金) 20:35:54 ID:+pygvTyL
「はぁッ・・痛いっ・・・・!!」
肩に回された手が、俺の背中に爪を立てる。相当な力だ。それだけ痛いのだろう
彼女はぼろぼろと涙を流す。
罪悪感が少し生まれる。
それでもこんなところでやめたくなかった。実際山田の腕はしっかりと俺にしがみついている。
やめるわけにもいかない。
「大丈夫か」
「・・・ん・・はい・・・大丈夫です」
「痛いだろう」
「それは・・・でも、大丈夫です・・・」
「すまない」
「べ、べつにいい・・・ですッ・・だって上田さん、こうしたかったんだ、ろ・・・
だから、いい・・んです・・」
どきどき
443 :
347:2006/08/04(金) 20:39:22 ID:+pygvTyL
愛しい、いじらしい、幸せだ
そんな言葉が脳内でぐるぐると回る
「・・このあと・・動く・・んですよね」
「ああ」
「もう、大丈夫・・・ですからっ・・・」
泣いて赤くなった目が俺を真っ直ぐに見た
悪い、と呟いた
彼女の腕の力が緩くなる
腰を浮かした
そして膣から一気に引いて また 差し込んだ
444 :
347:2006/08/04(金) 20:42:38 ID:+pygvTyL
「んはぁっ!」
甘い声、脳にダイレクトで伝わる快感、病み付きになるようで
抜いて また差し込んで
徐徐にペースを上げる
「奈緒子・・ッ」
「はぁんっ・・・!」
抜いて差して差して抜いて
腰の動きが早くなる早くなる早くなる
理性も欲も総てタカが外れたみたいで
もう無我夢中で
なにがなんだか分からなくて
ただ快感に身を任せて
愛しさで溢れきって
抱いて抱いて、抱いて
445 :
347:2006/08/04(金) 20:45:43 ID:+pygvTyL
快楽はすぐそこだ
次第に中もスムーズに動き始めている
汗が肌を纏わりつく
口付けをする、強く抱きしめる
腰を動かす
何度も何度も
「う、うえださ・・・んっ・・」
「なお、こ・・っ」
パンパン、と音が聞こえたような気がした
快楽は高まって高まって極限まで、高まって
そして達した。
446 :
347:2006/08/04(金) 20:49:29 ID:+pygvTyL
抱いていた彼女の体も弓なりに反ってそして力が抜けた
体がだるい。ものすごい疲労感だ
中から引き抜く。
とろ、と中から白く濁ったものと透明な液体が溢れてくる
そのまま肩で息をして荒い息を吐く奈緒子の横に倒れ込んだ
体に汗で纏わりつくシャツが気持ち悪い。それでも達成感、幸福感はある。満たされていると思った。
447 :
347:2006/08/04(金) 20:52:41 ID:+pygvTyL
「・・・ゆぅ、・・・you・・・」
うわごとのように呟く
「・・な、んですか」
「・・・もう大丈夫か」
「・・ま、 まだ痛いです・・・けど」
「・・けど?」
「・・・つ かれました」
「・・ああ・・・それは俺もだ」
「・・・you」
「・・・はい」
「・・そ その良かったのか?俺で」
「・・・う上田さん意外には抱かれたく・・・ないですよ
う 上田だから! ・・・いいんです・・・」
不覚にも泣きそうになった。鼻の奥がツーンとする
448 :
347:2006/08/04(金) 20:56:26 ID:+pygvTyL
もう、なんとこの感情をなんと表せればいいのだろう。
愛しい恋しい・・多分そこらへんなんだろう
離したくない愛してる・・その通りだ
まぁそれもゆっくりと考えればいいだろう。だって暮らしているのだから一緒に!幸せだ!
449 :
347:2006/08/04(金) 20:58:04 ID:+pygvTyL
「・・・ああ、そういえば・・」
「・・・なんですか」
「・・ヒニン、しなかったな・・・すまん」
「・・ああ、別に・・・いいですよ」
「・・・なんで」
「・・・だってこれからも一緒に暮らすじゃないですか
別に、いいですよね・・・貴方なら堕ろせなんて言わないでしょ」
「当たり前だ!」
くすくすと奈緒子が笑う
「・・・だから、いいんですってば。」
「そうか。愛してる」
「・・私もですよ・・・とりあえず」
「・・何だ?」
「・・・シャワー浴びません?あ、あと牛乳も飲みたいです」
「そうだな、浴びたら買いに行くか」
「はい。一緒に行きます」
END
おお!!よかったよぉぉ!!
451 :
347:2006/08/04(金) 21:00:41 ID:+pygvTyL
二日連続でバーボン逝 き そ う に な っ た
待たせてすまん・・・orz
こんな変な甘い?甘っちょろい話に付き合ってくれて有難うございました
漢字ミスとか、漢字ミスとか漢字ミスとかあった気がするし
文才もない俺の文を読んでくれてありがとう。。・゚・(ノД`)・゚・。
なぁ明日また違う話書いていいかな?(調子に乗るなヽ( ・∀・)ノ┌┛ガッΣ(ノ`Д´)ノ)
452 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 21:03:14 ID:qp6wpLyL
お待ちしてるお
おおっ来てたのか!
待ってるよ!!明日もよろしく!
455 :
347:2006/08/04(金) 21:29:00 ID:+pygvTyL
皆温かいので明日からも俺がんばるよ・・・!
ちなみに俺上田×山田しか書けない。・゚・(ノД`)・゚・。
予告(前スレでやってたからやってみたかった・・)
「天才物理学者上田です」
「超天才マジシャン山田です」
「それにしてもyouの感度は良かったな・・」
「五月蝿い!縛って埋めますよ!
あ、そういえばそれで思いましたけど明日投稿する予定の話ですが」
「ああまだ執筆してないらしいけどな・・・ってなんで縛るで思い出すんだ」
「えっと明日からは私視点で」
「ほぉ」
「鬼畜で」
「ほぉ!」
「私攻めです」
「ほ・・・・おおぅ!?」
「私攻めです」
「ゆ、you・・・そんな、大胆な」
「・・・嘘です」
「え!?」
「それでは明日、キーワードは「跪いて足を舐めな!」です
お楽しみに!」
「ゆ、youいつの間にそんなプレイを覚えたんだ」
>>347 GJっっっ!!!
ただ惜しいのは。←コレが、あったり無かったりするところ。
ちょっと気になったので、意識してくれると嬉しい。
だが何にしても良い物読ませてもらったよ、ありがとう。
明日も楽しみにしてる。
素敵だ! 予告もキテるし!
山田攻めも、本気で読みたいかも!
ありがとう♪
GJGJ!!
読み終わった後嬉しくなってしまったwww
また楽しみにしてるよ!
本物の神ヅラ…!
楽しみだなぁ〜
また別の話を書いてくれるの!?
やったー
今日書いてくれるの??
463 :
347:2006/08/05(土) 19:49:35 ID:uBEosGLA
こんばんわー
また今日から宜しく御願いしますー。
本当に応援してくれてありがとう。
あとこの話は前回と全く繋がってないです。
できる限り鬼畜を目指したい・・・予定
>>456 忠告ありがd。これから色々気をつけるよ!
>>457 山田攻め・・・今回は違うが、これ終わったら書くかも・・・?
464 :
347:2006/08/05(土) 19:51:29 ID:uBEosGLA
その日上田は酔っていたんだと思う。・・・多分。
465 :
347:2006/08/05(土) 19:52:15 ID:uBEosGLA
私と上田さんはソファーに座ってテレビを見ていた。
食事も風呂が終わりあとは眠るだけ。
ちびちびと上田はビール、私はお茶を飲んでいる。
少しだけ私は違和感を抱いていた。
なんか、なんでだろう、なんでだ!?
今日は上田が触ってくるのだ。
最初(30分ぐらい前)は抵抗してた、そっと手が近づいてきたら避けていた。
でも今はもう、攻防戦に疲れてきつつある。
手が大きい。
466 :
347:2006/08/05(土) 19:53:14 ID:uBEosGLA
「もう、なんですか、さっきから」
上田の手は今私の髪に触れていた。髪が痛むだろうがっ。
「・・・ん・・・いや別になんでもない」
「嘘付け。」
「いいだろうが別に」
よくない、全く良くない
「それに、触るのだって初めてじゃないだろ」
「初めてって・・・」
抱きつかれた事はある。抱きついたことも・・・ある。
キスは数回した。
でも断じて言う、一線を越えたことはまだない。
まぁ同居しているのだが、これは理由がちゃんとした理由があるのだ。
私が居候させて貰って(こう書くと上田が偉そうなのでムカツクのだが)いるのだ。
467 :
347:2006/08/05(土) 19:55:03 ID:uBEosGLA
「それにしてはyou髪が濡れているな、明日寝癖が悪くなるぞ」
「別にいいですよ」
「お前な、女だろ」
「・・・そうですけど」
「身嗜みには気をつけろ」
「上田さんに言われたくないです」
髪が梳かれる
「だから、なんで触るんだ!」
「別に?触りたくなったから触るだけだ。さらさらしてるからな」
「威張って言うな。私の髪だろ」
「シャンプーとかは家のを使ってるだろうが」
「そうですけど」
ばっ、髪を振り払う。
468 :
347:2006/08/05(土) 19:56:32 ID:uBEosGLA
「とりあえず私寝るんで。」
私はそう宣言して立ち上がった。背を向けてリビングから離れようとする
きっと上田は酔ってる。今日は近寄らない方がいいだろう。
ここの所、家に帰ってくるの遅かったし。疲れてるんだろう。
疲れたら人間、アルコールが回りやすいのは私でも知っている。
「――待て」
手が引かれた
「なんですか、もう」
「もう少しいいじゃないか」
「執拗い!寝ます」
怒って振り向いた。口付けされた。
469 :
347:2006/08/05(土) 19:58:22 ID:uBEosGLA
どん! 渾身の力を入れてその大きな体を押し返す。
「う、え、だー!お前巫山戯るのもいい加減にしろ!」
別にキスに動じてるわけではない。でもなんとなく厭な気はする。
「別に巫山戯てはないさ。」
目の前に立ちはだかる。何故か上田がやけに大きく見える。ええい!でもっそんな事知らない。
私は寝るんだ!
「・・・ただ、少しおかしいかもしれない」
「うん、おかしいです」
・・・真逆こいつ媚薬でも飲んでるんじゃないか?
こんな上田・・・そう、あれはいつだったか上田の研究室に連れられた日・・・そこで媚薬を飲んだ上田の反応に似てる。
か・・・カリボネだったか?
そうだ。あの時も迫られた。
470 :
347:2006/08/05(土) 19:58:55 ID:uBEosGLA
まぁ・・・それはさておき。
「じゃ、そういう事で」
じりじりと後ろ足で後退する。
「そういう事でって、逃げる気か」
「今日の上田さんおかしいです!」
「だから、自分でも少しおかしいと言ってるじゃないか」
「そうか・・・自覚してるなら自分でどうにかしろ!」
「それは無理かもしれないな」
「な、」
また唇が重なった。
いーかげんにしてくれ。とりあえずにげ、――!?
471 :
347:2006/08/05(土) 20:01:02 ID:uBEosGLA
「ちょっ、どこにキスしてるんですか!」
上田の唇は、私の唇から横に移動し始めていた。しかも軽く吸われてる。
ちょ、まて
ちょっと、まて
ちょっと、待ってくれ
頭の中で警報が鳴り始める。やばいぞ、やばい!
「いや、上田、やめッ!」
恥ずかしくて言葉がとぎれとぎれになる。
472 :
347:2006/08/05(土) 20:02:49 ID:uBEosGLA
「ほう、そんな声も出すのか・・・」
「そんな事ほざいてる場合か!離せ・・・!」
唇が耳たぶをなぞり、口に咥えられた。
「ぎゃーっ!」
思わず口から出た色気のない叫び声に、上田の行動がぴたりと止まった。
ふっ、助かった・・・
って手や肩は 以前がっちりと掴まれているのだが・・・
473 :
347:2006/08/05(土) 20:05:18 ID:uBEosGLA
「you・・・それはないだろ」
「う、五月蝿い!取りあえず離れろ!離せ!叫ぶぞ!」
顔を真っ赤にして叫んだ、
すっと、手が離れていった。
ふぅ・・・
「悪かった・・」
「分かったなら、いいです」
「だから」
「はい?」
上田の普通では有り得ないような行動(もじもじ、とでも言うのか?)に ただ怪訝さを感じる
474 :
347:2006/08/05(土) 20:06:13 ID:uBEosGLA
「だから、本当に今のは悪かった、・・・するならちゃんと聞かないとな」
「何が」
「you、俺は君とセック」
「わーっ!言うな聞くな!!馬鹿上田!!」
「you・・・」
きっ、と上田を睨み付ける
「何を企んでる貴様」
「何も企んでないさ。欲情しただけだ」
「よ、・・・よくじょうって・・・・」
「俺はyouが好きだ。」
475 :
347:2006/08/05(土) 20:06:45 ID:uBEosGLA
真面目な顔して上田が言いやがった。
・・・・・・げ。
「きゅ、急に何言いやがるんですか!」
「you口調が、」
「そんな事はどうでもいい!
何突然言うんですか。ああ、分かった!分かったから上田・・・酔ってるんだな。」
「酔ってないさ別に。」
「あてになるかぁっ!もう目を醒まして」
「だから」
不意に顔に影が差した。
「意識ははっきりしている、俺は君が好きだ。駄目か?」
なぜなら う えだ、が私の顔を覗き込んでいるからだ。顔は近い。近すぎる。このままではまたキスされる。
476 :
347:2006/08/05(土) 20:07:32 ID:uBEosGLA
ずっ、後ずさって 咄嗟にソファーの上に乗り上がった。
上田はじりじり近寄ってくる。ゾンビの如く。
「ち、近寄るな」
「youが逃げるからじゃないか」
「頼む来るな」
「別になにもしないさ」
ああ、まるでこれでは怪物から逃げ纏う美女の図じゃないか!
・・・・駄目だ、此処で貞操を奪うわけには!
477 :
347:2006/08/05(土) 20:10:12 ID:uBEosGLA
「・・・・・ふぅ」
しかし・・・目の前で上田は肩の力を抜いた。
「悪かった。そこまで怯えるならいい」
上田は私から目をそらす。
たす、かった・・・?
目の前の上田は打ちひしがれている。
「you、でも俺が君を好きな事は確かだから」
上田が私に背を向けたままそうぽつり、と漏らした。
「じゃあ、ちゃんと寝ろよ。今日は冷えるからな」
上田はうなだれてリビングを出ようとした。
「・・・ちょっと待ってください」
気づいたら言っていた。自分自身何を言うつもりなのか明確に分かってないのに。
478 :
347:2006/08/05(土) 20:11:57 ID:uBEosGLA
「何だ?」
上田がこっちを向いた・・・なんだろう、心なし嬉しそうに見えるのだが・・・
私はどっかりとソファーに座る。
「べ、別にいいですよ」
私は一気に言う。
そこまでの覚悟があるのだが。
「本当かッ!?」
上田の目が輝く・・・・・・・・・・・・・・こいつ・・・さっきの切なそうな行動って演技だったんじゃ・・・
・・・なんかむかついてきた。
479 :
347:2006/08/05(土) 20:13:13 ID:uBEosGLA
「で、でも条件があります」
まぁ・・・でも”良い”と言ってしまってしまったものは仕方ない。・・・・・・・いやでも、撤回しようかな・・・
「条件?」
上田が私に近づいてくる
「だから近づくなって、オイ!」
「ああ、すまん。で、なんだ条件って?」
「・・私が出した条件に従ってくれたら、・・・いいです」
「つまり・・・ヤらせてくれると?」
「うにゃッ!生々しい事を言うな!」
なんてことを言うんだこいつは!
私は右足を上田の前にでんっ、と置いた。
「私を・・・抱きたいなら、――ここに跪いて足を舐めてください。」
・・・・ふっ、勝った。
480 :
347:2006/08/05(土) 20:15:55 ID:uBEosGLA
今日ここまでっすー。長くてごめんよ
俺このままだと絶対いつかバーボン逝く・・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
それではまた明日ー
お疲れ〜!!
GJでした!
体気をつけてまた明日がんばってください。
いえいえ。明日も楽しみだね!!
乙です!
続きはまったり待つんで、体調にはお気をつけて〜
神乙・゚・(ノД`)・゚・。
お疲れ様です〜。
マジで「足をお舐め」くるとは思わなかった〜。w
487 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 17:34:00 ID:T/+zZd2n
さて、舐めるのか!?
早くこないかな〜
489 :
347:2006/08/06(日) 19:02:40 ID:oN9jevZH
お待たせ。
誤字・・・もう昨日の俺一杯一杯だったんだな・・・
>>478 × そこまでの覚悟があるのだが。
○ そこまでの覚悟があるのなら。
・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
490 :
347:2006/08/06(日) 19:03:36 ID:oN9jevZH
私はふん、と鼻を鳴らした。
さぁこの手はどうだ!
さっきまでの嬉しそうな顔から一転、上田は硬直している
勿論 今、私が言った言葉の意味はちゃんと理解している。
馬鹿な癖に人一倍、いや人よりも数十倍プライドの高い上田が従うはずはない。
こんな命令に従うなんて屈辱的だろう。
跪け!って言ってるんだし。
この馬鹿上田が私に頭を垂れる事などないのだ、絶対!
あっはっは!
さぁ寝ようっと。
「じゃあ、こ」
口を開いた。瞬間
491 :
347:2006/08/06(日) 19:04:40 ID:oN9jevZH
「・・・なんだ、そんな事か」
「・・・・・はい?」
上田がとても凶悪そうな顔をして笑った。
そして足首を掴まれる
え。
そのまま上田の唇が足の甲に吸い付いた
「――!」
492 :
347:2006/08/06(日) 19:05:18 ID:oN9jevZH
なんだろう、この光景は。
絶対こんな事在るわけないと思っていた。
上田が私の前に跪いて、足を舐める。
ひれ伏している。私の言うことに従っている。
言うんじゃなかった、後悔は頭の中で渦を巻いている
「・・・っ」
そうこう考えている間にも上田の口は私の右足を這っている。
がっちりとその足を掴んでいる、大きな手が痛い。
舌先から与えられる刺激がくすぐったい。
「ちょ、うえだっ」
抵抗の声を出してみても目の前の男はびくともしない。
今度は丁寧に足の指を一本ずつ舐め始めた。
493 :
347:2006/08/06(日) 19:07:02 ID:oN9jevZH
「うえだ・・・」
親指
「うえださん、って」
人差し指
「聞いて・・・」
中指
「ちょっと・・・」
薬指
「やめんかーーー!!」
左足で跪いた上田の肩を蹴った
それに上田は驚いたんだろう、小指に歯が軽く食い込んだ。
494 :
347:2006/08/06(日) 19:07:42 ID:oN9jevZH
「・・・you痛いじゃないか」
上田の口が足から離れて、右足が解放される。
すとん、とやっと足が地につく
「五月蝿い、真に受けるな!」
「これが条件だと聞いたが」
「そ、それはじょ、冗談で!」
とん 右首の丁度 真横に手を置かれる
「約束は約束だ、you」
上田の影がすっぽりと私に覆い被さった。
やばい、この目は・・・・マジだ。
495 :
347:2006/08/06(日) 19:08:31 ID:oN9jevZH
「ちょ、上田ッ」
頬にたくさん口付けされる。ちゅう、ちゅうと音が鳴る。恥ずかしい
そして上田の手は私が来ているパジャマのボタンを一つずつ外していく。
逃げられない・・・上田の体重が私の体にかかってくる。ああっ!押し倒されている。
「上田、やめ・・・っ」
必死に手で上田の体を押し返す。ぎゅうっと、ぎゅぅーーっと。
しばらく(でもきっと1分にも満たなかったのだろう)すると両手とも掴まれた。
「抵抗するなら、こうだ」
上田は私の体に体重を掛けたまま 片手でソファーに掛っていたタオルを取った。
あ、私がさっき髪拭いてたやつだ・・。
・・・・って、真逆おいッ
そのタオルで手首をぎゅっと結ばれた。きつく。
496 :
347:2006/08/06(日) 19:09:02 ID:oN9jevZH
「上田ッ!」
結ばれて動きの取れなくなった腕をそのまま、頭の上に持って行かされる。
伸びの体制のような、いや万歳の体制かな・・・って、違ッ!そんな事を考えてる場合じゃないっ!
考えるんだ、考えるんだ奈緒子!こいつから逃れる方法を・・ってッ!?
首筋にキスを落とされた。
手は胸の膨らみを直に触っている。
パジャマの前はもうはだけられていた。
チッ、チッと肌が吸われている。
くすぐったいような、痛いような、痺れるような感覚
口から思わず息が漏れる
目をぎゅっ、と瞑ってみた。
497 :
347:2006/08/06(日) 19:10:14 ID:oN9jevZH
今日ここまで、少なくてごめん。・゚・(ノД`)・゚・。
347、乙ね。明日も頼むよ!
あーあ
乙!がんがれ!
乙!明日もヨロ!
乙!
最近毎日楽しみにしてるよw
む、足をお舐めから縛りプレイまで…!GJ!ь
激しく乙!
ガンガレ!
505 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 05:37:36 ID:sqoIoGHh
よかったよ!!
506 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 10:15:34 ID:V0FXwS3w
今夜が楽しみぃ――――!!
507 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 11:08:26 ID:YfPpemC+
わくわく
508 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 16:48:16 ID:2by36B3F
どきどき
509 :
347:2006/08/07(月) 18:25:34 ID:X3I78H1R
今日で終わらしたい・・・
山田視点にこだわったから上田の動きが分からないかも・・・
510 :
347:2006/08/07(月) 18:27:48 ID:X3I78H1R
目をぎゅっ、と瞑ってみると
暗闇が広がった。
そうしていても、ちっ、ちっと肌は吸われて痺れる
大きい手は胸をとうとう揉み出した。
・・・・駄目だ。
暗闇では反対に敏感になる!
目を開けた。勿論状況なんて変わってない
「・・っ・・・あ・・」
口から声は漏れる。恥ずかしい。
上田は私を貪り続けてる
511 :
347:2006/08/07(月) 18:28:57 ID:X3I78H1R
やめて欲しい。やめて欲しい。やめて欲しい!
「・・・・や・・・っ」
上田の指先が、胸の中心部をなぞる。
触れたところから刺激を感じる。びりびりと。
でも、クセになるような気がして
なんか私 変だ・・・!
「・・ひやっ!・・・」
右胸が湿った。
生暖かくて柔らかいモノが胸をなぞる。
・・・これは、舌だ
「んんっ・・っはぁっ」
頭の芯がじんわりとしびれてくる。
もう体中痺れたように。
やめて欲しい。やめて欲しい
512 :
347:2006/08/07(月) 18:30:30 ID:X3I78H1R
「う、上田・・・は・・ぁん!」
何故か自然に涙が出てくる。
こんな声を自然に出してしまう自分が恥ずかしい
上田の歯が胸に甘噛みを始める
痛い・・・!
もうなにされてるのか分からないっ・・・
「・・・っ!?」
と、思ってたのに 感覚はちゃんと感じた
初めての感覚とでもいうのか
上田はどこに口づけている?腹?
それでも絶え間なく左胸は揉まれたままで、いちいち意識が遠のきそうになる
「・・・んぅっ・・」
首筋が次第にじっとりと汗を掻き始める。気持ち悪い
513 :
347:2006/08/07(月) 18:31:09 ID:X3I78H1R
「・・ひゃっ!」
少し汗を掻いた足に、しかも今まで誰にも触られなかった太ももを掴まれた。
薄い布で作られたパジャマのズボンが徐徐に脱がされていく
あ、そうだ足!足は自由だ!
私は足をがっちりと閉じた、と思った・・・でも駄目だった。
・・・・足の間に上田の顔がある。
それははっきりと思った。
髪の毛がちくちくして痛い
514 :
347:2006/08/07(月) 18:32:39 ID:X3I78H1R
「・・・抵抗するなと、言ったはずだが」
その声が聞こえたか否や、突然 意識が飛ぶような痺れがはしった
「はぁああんっ!」
な なんだ これぇっ・・・!?
「すごい反応だ」
ぴん
「んあああっ!」
また・・・!
「ここがやっぱり良いみたいだな」
すっ、と下着を着けていた筈の部分が外気に触れた。
きっと脱がされたんだろう。大事な部分が見られてる・・・恥ずかしい・・・!
515 :
347:2006/08/07(月) 18:34:33 ID:X3I78H1R
私はぎゅっと唇を噛み締めた。が、すぐ体中の力が抜けていく
快感だけを感じる。意識がいちいち飛びそうな。
胸で感じたよりも数倍、数十倍の痺れが脳をダイレクトに駆けめぐる。
上田は一体私の体に何しているというのか。
目線を下にさげても足の間に、上田の頭があるのが見えるだけ。
恥ずかしい・・・
抵抗したくても両足とも、上田にがっちり掴まれて、手が足に食い込んでいる
「っ、はぁ・・・ん・・ん・・んっ」
口からは言葉にならない言葉の切れ端 切れ端が漏れる。
516 :
347:2006/08/07(月) 18:35:19 ID:X3I78H1R
こんなこと言っても誰にもこの感覚など伝わらないであろう。
胸だってまだ揉まれ続けているのだ。
これは夢じゃないのか。
夢なのだろうか。
と思って気を紛らわそうとしても、上田から与えられる感覚でまたすぐ飛びそうになる。
517 :
347:2006/08/07(月) 18:36:02 ID:X3I78H1R
ずぷっ
中に痛みがはしった。
「痛っ・・・!」
な、何だ!?
中に、何かがずんずんと入ってくる
そしてひゅっと抜けた
そしてまた、侵入してくる。
こ、これは・・・上田の指?
518 :
347:2006/08/07(月) 18:37:03 ID:X3I78H1R
「・・・こんなに溢れて・・・・」
上田の声が聞こえる。
指?が入っては抜けて。
さっきから出し入れされるペースが早まってる気がする。
もう口からは変な声しかでない
冷静になにもかも考えられない。
上田から与えられる刺激だけが今も私にとってすべてだ。
「フッ、youはやらしいな」
・・・そんな事言わないで欲しい
もっともっとしてほしい、とすら思った。もう・・・・・駄目だ。
519 :
347:2006/08/07(月) 18:38:56 ID:X3I78H1R
くちゅくちゅ と水音がする。
これはきっと私が立てる音なんだろ
生まれて20数年経つけど自分がこうなるなんて知らなかった
私は女で上田は男なんだ。
今更ながら気づいた。
「you・・・」
上田がじっと動きを止めて私の顔を覗き込む。
「・・・な、なんだ・・・」
「もう限界だ、――挿れていいか」
真面目な瞳が私を貫いた。
・・・私の中でなにかが高ぶっている。ああ、もう私も――限界なんだろ。
こくん、と頷いた。
520 :
347:2006/08/07(月) 18:39:39 ID:X3I78H1R
上田がしっかりとした手で私を抱きかかえて
フローリングに体を横たえた。
今までの柔らかい皮の感触から、今度は冷たい板の感触を感じる
薄い布に(私はまだパジャマを着たままだ。)背中の汗がじっとりと染みる。
「行くぞ。」
521 :
347:2006/08/07(月) 18:41:54 ID:X3I78H1R
「ああっ!」
思わず叫んだ。
一気にぐいぐいと、さっきの指よりもきつく、太いモノが中に入ってくる。
「ぐ・・・」
「・・・っ・・・・!」
きつい、きつい、入らない 裂けそうだ・・・っ!
なのにそれは乱暴にどんどん入ってくる。
耐えようと掌に爪を食い込ませる。本当はしがみつきたい・・・腕が拘束されてるので何も掴めない
「う・・・」
上田の動きが一拍止まって そのままぐいっと勢いを付けて本格的に 入ってきた
522 :
347:2006/08/07(月) 18:44:38 ID:X3I78H1R
う・・・・痛いっつつつつつつ!!!
頭の中が真っ白になるような痛みが走った
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
痛みだけがはっきりと頭を支配する。
爪が食い込んで爪先がわずかに湿った。血でも出たんだろうか
痛い、痛い・・・!
涙で目がぼやける。
そんな事はどうでもいい、痛い・・・!苦しい、息が詰まりそうだっ!!
523 :
347:2006/08/07(月) 18:45:54 ID:X3I78H1R
「・・・ほう、処女だったか」
上田の声が遠くで聞こえる
当たり前だろうがっ!
何を悠長なっ
「血が出ている」
当たり前だろうが!こっちは痛いんだ!
「何か言いたそうだな」
上田の顔がこっちを向いた。(でも涙でぼやけていて表情までは分からない)
早く抜いて欲しい、こんなに痛いとは思わなかった!
524 :
347:2006/08/07(月) 18:47:41 ID:X3I78H1R
上田の顔が私に近づいて ひた、と目に当てられた。
そして耳元に囁かれる。
「――動くぞ」
嫌だっ!
そう思っても駄目だった。
すっ、と中を占めていたモノが抜けた。一瞬楽になる。息が出来た。
だけどそれもつかの間
「あああっ!!!」
痛いっ!
525 :
347:2006/08/07(月) 18:49:06 ID:X3I78H1R
ぼろぼろと涙が頬を伝う。
べとりと、汗でくっついたフローリングが背中を擦れる。
上田が口で口を塞ぐ。
息が出来ないのに苦しい・・・!
口からは汗なのだろう、塩辛い味がする。
「山田・・・」
唇が離れる度に上田はそう言う。
無茶苦茶だ。無茶苦茶に求められている。すべては上田の言い様に。
おかしい、さっきは私の前に跪いていた筈なのに
痛みと快感、痺れと苦痛、息苦しさと塩味で私も目茶苦茶だ。
上田は何度も入っては出てを繰返し続けている
526 :
347:2006/08/07(月) 18:50:37 ID:X3I78H1R
もう なに が なん だ か
息が上がる
苦しさもよくわからない
痛みもわからない
呼吸の仕方すら分からない
高ぶる。
何かが高ぶる。
何かが弾けそうで
何かが
何かが
ぱん、 と 一瞬、総てがクリアに見えた
527 :
347:2006/08/07(月) 18:53:19 ID:X3I78H1R
「あああああっ!!!」
そう、例えるなら頭に電流が駆けめぐったような。
高いところから落ちるような
総てが静止したような
わからない
ふぅ、と息を一気に吐き出した。
いつの間にか上田の動きは止まっていた。そして腹に熱い液体が掛っていた。
528 :
347:2006/08/07(月) 18:55:54 ID:X3I78H1R
頭の中がぼぅっとしている。
暫くするとしゅる、という音が聞こえた
「・・ああ血が出ているな」
「・・・だれ の、所為 だ・・・とっ!」
「悪かった。」
上田が口づけて来た。
どっと、疲労感が押し寄せてきた
何処かで上田が私の名前を呼んだ気がした
529 :
347:2006/08/07(月) 18:58:52 ID:X3I78H1R
・・・・ぅ
・・・・・ゆ う
・・・・・おいっ、youっ!
・・目がぱちと開いた。
最初に見えたのは白い天井で。
・・・あ、ここ・・・上田の部屋だ・・・
530 :
347:2006/08/07(月) 19:00:32 ID:X3I78H1R
体を起こそうとすると、途端激痛が走った。
「痛ッ!」
「・・ああ、余り動かない方がいいだろう」
ばたんと、力を抜いてまた横になる。
ここは上田の寝室だ。
・・なんでいるんだっけ
昨日・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・うえだぁ・・」
思い出した。
531 :
347:2006/08/07(月) 19:05:00 ID:X3I78H1R
「なんだ」
「な、ん、てっ無茶をお前はするんだ!」
ッ!叫ぶとまた激痛がはしる
「・・・てて」
「大丈夫か?」
上田が私を覗き込む。
・・・大丈夫ってこいつ・・・スカした顔して・・・!
涙目で睨む
「そんな顔されても俺は別に悪くないだろう」
「・・・手縛ったクセに」
「抵抗するからだ」
「・・・私が了承してないのに動きやがって」
「動かないと気持ちよくないだろ」
「痛かったんだぞっ!馬鹿っ!!!」
・・・・う゛!
「you、学習しろよ」
532 :
347:2006/08/07(月) 19:09:43 ID:X3I78H1R
「とりあえず、体は拭いておいたから」
「・・・どうも」
「しかも、あの後気絶したyouをはわざわざ運んでやったんだぞ」
「・・・当たり前だ」
「少しは感謝しろ」
「・・・その前に抱かせてやった私に感謝しろ」
「そうか」
上田がベット近づいて、私の足がある方に頭を突っ込んだ。
「!」
533 :
347:2006/08/07(月) 19:12:12 ID:X3I78H1R
ぺろ、左足が舐められる。
ぞわ〜〜と一気に鳥肌が立った。
「う、上田!」
がばっ、と上田が顔をシーツから出してこっちを見た。
「なぁ、you・・・足を舐めたら抱かせてくれるんだよな?」
・・・・・・・・・・・・・え。
私は硬直する。
ただ目の前で上田が凶悪な笑みをたたえて私を見ていた。
END
534 :
347:2006/08/07(月) 19:14:41 ID:X3I78H1R
・・・・・・・終わった・・・_| ̄|○ il||li
鬼畜なのか。ああ、自分これは鬼畜ものなのか。どうなんだ・・・
取りあえず終わらせてほっとしましたよ・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
この後はどうしたらいい?ネタなら他にも考えてるけど。
535 :
前スレ750:2006/08/07(月) 19:28:11 ID:NZBDyvMl
>>337 別スレができてるの知らなかった。新しいSS増えてるね。
あんまり時間ないけどぼちぼちまとめたい。
携帯で見られるようにするってのがまたハードル高い。
フレームはずせばOKなのか?
536 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 19:29:33 ID:T0z5Ta6p
どんどん書いてぇ〜
>>535 携帯対応のブログにしたらいいんジャマイカ?
山田の足は水虫魚の目ではなかったのか
539 :
前スレ750:2006/08/07(月) 22:09:42 ID:NZBDyvMl
>>537 ブログで思ったように記事を並べるって意外とめんどうジャマイカ?
神ありがとう…!
God Job!
乙華麗!
ネタがあればどんどん書いて〜
543 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 05:25:08 ID:sQ+0OqE/
最近、職人さんが少ないので、できたら書いてくだい><
ぜひ書いてください
ネタがあったらどんどん書いてよ!!
遠慮しなくていいとオモ
ネタがあるのなら、ネタが尽きるまで描いてください><
ぜひ、書いてくださいm(_ _)m
つまんねーから次の職人来いよ
おもしろいので、ぜひぜひ書いてください神!!
>>549 次の職人さんがなかなか来ないんだよ。347さんが来るまで何週間も停滞状態だったから、347さんに感謝しないと。
だから347さん、書いて〜!!
上にあった石原山田に禿げしく萌えたハアハア
ここ良スレですな
今度は女がする前戯を学ぶシチュで髪に、いや神にオナガイしたい
わし文才が皆無じゃけん
>>347さんグッジョブ!!お疲れ様ですv次の待ってます。
あの・・・347さんが案を『出し切ったら』私が書いても良いですか?
>>553 いやいや遠慮せずに書き始めればいいと思うよ。
>>551 どうでもいいが、メ欄がsageでなくsagwになってるのは
わざとなのかミスなのか
ミスだろEの隣はWだし
専ブラでも入れときゃそんなミスはしないんだけどな
遠慮しないではじめていいと思うよ
遠慮しないでいいと思う
書いて〜是非書いて〜
553じゃないけど書いてみたいなーと思っている
だがあまりの暑さで脳が動かない
卵ときゅうりのかき氷片手に書いてくれ
562 :
347:2006/08/09(水) 12:40:03 ID:eOjHp8ek
>>549 分かった。やめるね
おまいらファイトォ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*!!!☆
そんな…楽しみに待ってたのに…
えぇぇぇ――――!!書いてよぉ〜
夏厨に惑わされなくても。
私は超楽しみにしてたから、マッテルよ
誰かかいてよ…
何か希望シチュありますか?
山田×上田
571 :
347:2006/08/10(木) 22:52:24 ID:GagZDnfB
おまいらの優しさに泣きそうになった。
山田攻め考えてあるけど・・・・
どうしたらいい?つまんねー話だけど
正座してwktk
347よ書くしかないだろ。
いや嘘ですおねがいします書いてください
>>571 オマイの文章は好きだが、誘い受けは正直ウザイ。
投下したければ黙って投下汁。
土下座してwktk
土下座してwktk
578 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 15:33:13 ID:7zIcdTMa
>>571 なぜベストを尽くさないのか!!
自信を持ってど〜んと投下するべし!!!
山田「上田さん347みたいな人どう思います?」
上田「ちょ〜きもい!」
山田「今時風ですね。じゃあ私からも一言。なんで私がそんなことする必要がある!?イメージダウンになるからヤメロ!!」
書くなら書く!!
347よ
戻ってこい
戻ってこ〜〜い
今までの職人さんからインスピレーションをもらい、
恥ずかしながら初挑戦してみました…
SSとはいえ、小説らしきモノを書くのも初めてなので
かなり痛いと思いますが、駄作もスレの賑わいということで
ひとつ笑ってスルーしてくださいまし。
583 :
582:2006/08/12(土) 13:56:21 ID:qCRJ/Aa3
もうすぐ1時か……
タクシーの後部座席にぐったりと身を沈めながら、車内のデジタル時計に目を遣る。
今夜の上田次郎は優雅な午前様だ。
そうだよ。何しろテレビに雑誌に引っ張りだこの俺なんだ。そろそろ専用の送迎付けてくれなきゃな。
――まあ、テレビに呼ばれたのも三ヶ月振りではあるが。
今日は「徹底検証! 今そこにある超常現象」なんて陳腐なタイトルの特番の収録だった。
上田はゲストとして一席を与えられたのだが、何しろ、2時間番組の収録だというのに
4時間近くもスタジオ詰めだったのだ。
この番組、司会者はその道じゃかなりの場数を踏んでいる有名タレントが起用されていたが、
その補佐で進行を務める女子アナウンサーというのが曲者で、ろくに原稿を読んで来ていないのか
度々トチる。それが何度も続くと、ゲストのバラエティータレント達も突っ込んで笑いを取る気も失せて
ダレた空気が蔓延する。そんな調子で延々とカメラを回し続けた収録だった。
そして、やっとスタジオから解放されたと思いきや、すかさず番組スタッフが擦り寄ってきて
「先生お疲れ様でした。ぜひこの後……」などと誘導され車に乗せられ、赤坂のレストランに連れ込まれる。
美味い料理なら一人でじっくり味わいたいというのに、スタッフが二人がかかりで機関銃のように喋りまくり、
「先生、今日の番組の数字次第じゃシリーズ化も計画されてますんで是非!」
などと口説きにかかった。バラエティー専門タレントならいくらでも確保できるのだろうが、
ある程度の肩書きと知名度のある識者を繋ぎとめておくのは難しいのかもしれない。
上田のように仕事を選ばず、どんな空気の現場にも対応できそうなタイプは重宝せねばという算段だろう。
とにかく高いワインが次々と注がれ、よく分からないうちにカラオケにも連れていかれ、
すっかりハイな状態で最後、タクシーに乗せられたのであった。
584 :
582:2006/08/12(土) 13:57:43 ID:qCRJ/Aa3
しかし疲れたな。
テレビの現場なんてつまらんもんだ。司会の女子アナと若い女性タレントが露出の高い服を着てくれてるから
まだ耐えられる……て、おい、飲ませすぎだよあいつら……
しかし、最近の若い女性というのは、よくあんな下着みたいな服で人前に出られるもんだ。
髪も真っ赤や金に染めたりグルグル巻きにしたり、化粧も間近で見るとありゃ化けモンだよな。
いや俺も二年くらい前までは、海外の金髪ギャルが出演するビデオをよく取り寄せていたものだが……ておい、
今夜はアルコールによって俺の優秀な頭脳が冒されているようだ。
そのせいで、今日のケバケバしい女性タレント達の姿じゃなく、なぜか真っ直ぐな黒髪が艶めいて瞼に浮かんでくる。
シャンプーのCMみたいに、サラリとその髪をなびかせて振り向いた姿は――
585 :
582:2006/08/12(土) 13:59:17 ID:qCRJ/Aa3
あいつはどうしてるだろうか。
いよいよあのボロアパートから完全に撤退命令が下され、あいつはヘラヘラ笑いながら
荷物を抱えて俺のマンションに現れた。
しかし俺は、一晩だけ泊めてやった後に、金を渡してあいつを追い出したのだった。
大家と再度交渉するか、新しい住居をなんとか探させるつもりだ。
とても耐えられん。あの無防備な寝顔には。
助手であり相棒とも呼べる間柄であったが、俺の中でその関係がどんどん変化してきた。
妹では決してない。ペットとも違う。
あの容姿に女を感じたことはほぼ皆無だ。どこに魅力があるのか、どう検証しても答えが導き出せない。
ただ、傍にいてほしいというだけだ。
それだけ認めたら少し気が楽になったような気がする。
しかし、だ。
あいつは一体どういうつもりで俺のマンションに来た?
俺も男だ。一つ屋根の下に女がいて平静でいられると思うのか。
いくら温厚で器の大きい俺だからと言って、あまり簡単に懐に飛び込んでこられても困る。
これまで一緒にあれこれやってきた仲間を傷付けたくはない。
だが、いくら冷静かつ怜悧な頭脳を持ってしても、生理現象を司るのは全く別の感情のようで……
それを表に出さないうちに手を打つことにしたのだった。
586 :
582:2006/08/12(土) 14:00:54 ID:qCRJ/Aa3
渋滞でなかなか進まないタクシーの座席で、数日前の展開を振り返りながら上田は目を閉じた。
瞼の裏には、普段の3割増しほど美しくなっている奈緒子が笑顔を向けている。
今度はいつ俺の前に現れるだろうか?
奈緒子がどこに住むことになるのか検討もつかないが、以前みたいに気楽に訪ねて行けるのか、
とても想像がつかなかった。
やっとマンションに到着した。静かに霧雨が降っている。
なんとか真っ直ぐに歩けるし、だいぶ頭もハッキリしてきた。これならちゃんと身繕いしてベッドに入れるだろう。
そして、エレベーターから降りると――
「おい、You!」
俺の部屋の前に、あいつがしゃがみ込んでいたのだ。
慌てて駆け寄ると、ゆっくり目を上げた。僅かに濡れた髪がしっとりと顔を覆っている。
「上田さん…今日はずいぶん遅いじゃないですか」
膝を抱えたまま、微かに笑って呟く。なんか、いつもより随分おとなしいじゃないか。
「何やってんだ? 濡れてるじゃないか。とりあえず入れ」
まだ9月だし、肩や髪が少し雨をくぐった程度の濡れ方だったが、何だかひどく寒そうに見えて
何も考えずに部屋に通した。あいつ、山田は黙ってリビングの真ん中に立っている。
いつもの調子なら勝手にズカズカと入ってソファに転がりそうなものだが、まさか遠慮してるのか?
とりあえずタオルを渡して座らせる。山田は湿ったカーディガンを脱ぎ、
ノースリーブのワンピースの肩にタオルを掛けた。
587 :
582:2006/08/12(土) 14:02:15 ID:qCRJ/Aa3
「で、その荷物を見ると、やっぱりダメだったんだな」
数日前と全く同じ状況だ。あの時はもっと堂々とやって来たのだが。
「すみません。せっかく上田さんがカンパしてくれたのに」
「おい、くれてやった訳じゃないぞ。ちゃんと返してもらうからな」
「わかってますよ…」
クスリと笑う。しかしさっきと同じで、いつもの元気というか図々しさがない。
山田は肩に掛けたタオルの端をギュッと握り、座り直した。
「私、長野に帰りますから」
「ほう……」
一瞬、胸に何かが刺さったような気分になった。しかし頭は冷静に働いている。
「奇術師なんてヤクザな仕事で食ってける訳ないよな。それで、尻尾巻いて逃げる事にしたのか」
「何とでも言ってください」
すかさず言い返してきたが、視線は斜め下に落ちたままだ。
何かあったのか? とりあえず、口を開くのを待った。
「私、もう疲れちゃったんですよ。奇術師とか、適当なバイトで何とか食べていく生活の事じゃなくて。
今まで色んなゴタゴタに巻き込まれて、それはそれで結構楽しかったけど……」
山田はタオルを肩から外し、膝の上で再び握り直すと、真っすぐ俺に目を向けた。
「もう、上田さんを黒門島に関わらせるわけにはいきません」
588 :
582:2006/08/12(土) 14:03:24 ID:qCRJ/Aa3
黒門島って…、何だそれ、もう解決したことじゃないのか」
「私がこうして生きている限りは、きっとまた奴らが現れるはずです。あの島が完全に絶えるまで。
だから、東京にいるわけにはいかないんです」
「何だよ、ちょっと前までここに居座るつもりだったんだろうが」
山田はまた目を逸らした。膝のタオルは最早グチャグチャに弄ばれている。
「だって、同居なんて、やっぱり変じゃないですか……」
ようやくそこに気付いたのか。俺も男だってことに。まあいい。
「長野に帰ったって奴らは追って来るだろう? Youみたいなのでも働こうと思えば何とかなるだろうし、
住む場所さえ確保できれば東京のほうが…いや、別に止めるわけじゃないが」
酔いは醒めてきたのに、また脈拍数が増加してきたようだ。おかしい。
「だから! 上田さんはもう関係ないんです。――でも、近くにいたらやっぱり……
そういうことですから、今夜だけ泊めてください。明日の朝、長野に出発しますから」
また普段の突っかかるような調子が出てきたと思ったら、ソファの上で膝を抱えて丸くなった。
このままじゃ埒があかないな。
俺を危険な目に遭わせたくはないということか。だが、それは単なる義理なのか?
確かめておかなくてはならない。
数日前には出なかった、何か説明のつかない力が沸々と身体に湧いてきた。
アルコールがもたらす作用だな。――まあいい。今夜はなんていうか、特別だ。
589 :
582:2006/08/12(土) 14:06:42 ID:qCRJ/Aa3
ダラダラしてすみません…
最後までいけるかわからないけど、何とかやってみます
m(_ _)m
590 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 15:15:55 ID:LjyahDwe
ガンガレガンガレ
GJGJ!
>これまで一緒にあれこれやってきた仲間を傷付けたくはない。
一瞬仲間さんのことかと思ったYO
592 :
582:2006/08/12(土) 17:09:54 ID:W5anxEfq
お励ましに感謝しつつ、続きに入ります。
593 :
582:2006/08/12(土) 17:11:47 ID:W5anxEfq
上田は座っていたソファから立ち上がると、ふいに奈緒子のすぐ傍に腰掛けた。
腕を回し、思わずビクリとして姿勢を崩した奈緒子の肩を抱いた。
ノースリーブの肩は思った以上に華奢で、掌にすっぽりと収まってしまう。
「上田さ…?!」
驚いて顔を上げた奈緒子の唇に、上田は自分のそれを重ねた。
――よし。俺だってこの位は軽いんだぞ。
一気に心拍数が跳ね上がった心臓を落ち着かせるために、精一杯、平静を装ってみる。
駄目だ。
上田は唇を離すと、そのまま奈緒子を両腕の中にすっぽりと収めた。
「ちょ……な、何する…!」
もがく奈緒子を更にギュッと抱き締めると、腕の中で段々とおとなしくなってきた。
静かに腕を外し、奈緒子の目を覗き込む。二人とも顔が紅潮していた。
「…わかってました。ホントはここから離れられない、いや、離れたくないってことが」
ポツリと呟く。上田の心臓はサンバの如く踊り始めている。
「でもこの間、上田さんを怒らせちゃったみたいだし、やっぱり…」
「誰も怒ってなどいない!」
再び、上田はガバリと抱き締めた。
「Youがあまりにもその、無神経というか……お、俺の気持ちを分かっていないからだ!」
今や真っ赤になり、動揺しきった顔を見られないように、奈緒子の頭を自分の胸にうずめた。
「ちょ、苦しい!」
今度はしっかりと抵抗して身体を離し、奈緒子は上田に向き合って座り直した。
594 :
582:2006/08/12(土) 17:12:39 ID:W5anxEfq
「だって、うちの親のプロポーズの台詞を使うなんて、からかってるだけだと思うじゃないですか」
な…? あの時、かなり真面目に伝えたはずなんだが……
そうか、こいつの女としての鈍さを甘く見ていたな。
いや、今はそんな事も全てが愛おしく思える。実に不思議だ。
上田は徐々に鼓動が落ち着いてくるのを感じた。ふっと笑みを漏らす。
「You、あの黒門島での最後に、お互い言いたいことを書いて交換したよな。せっかくだ。
今夜はお互い、相手に向けて書いた言葉に応えようじゃないか。で、俺の言葉には応えてくれるか?」
「え……」
「君が俺に書いた言葉は覚えているか?」
「…何だっけ?」
「なぜ、ベストを尽くさないのか。まあ意味も無かったんだろうが、今夜はこういう事にしておこう」
上田はサッと立ち上がり、あっという間に奈緒子を抱えて歩き出した。
「な…おい、意味が分からない!」
慌てる奈緒子を無視し、そのままリビングを横切り寝室に入ると、ベッドの上に静かに下ろした。
「俺は君に対してベストを尽くす。――奈緒子、こういうことだ」
上田はジャケットをサッと脱ぎ捨て、静かに奈緒子の上に覆い被さった。
595 :
582:2006/08/12(土) 17:13:45 ID:W5anxEfq
奈緒子の長い髪を掻きあげる。絹みたいで気持ちがいい。
こんなに間近で見つめるのは初めてだが、これは化粧しているんだろうか?
透き通るように白い肌が赤く染まり、普段は二重のくっきりした瞳が、今は軽く充血して潤んでいる。
「上田さん……」
微かに震える声が俺を誘う。こっちも初めてで不安だが、なに、予習は重ねてきている。
いやいや、そんな事はもうどうでもいいんだ。
幸い、ワンピースは前でボタンを留めるデザインなので、簡単に上から一つずつ外していく。
淡いブルーの服に合わせたのか、青い小花をあしらったブラジャーが顔を覗かせた。
奈緒子は何か言いたげに目を見開いていたが、やがてふーっと大きく息をついた。
覚悟を決めたのか。
上田はボタンを丁寧に全部外すと、ワンピースを奈緒子の身体から抜き取り、ベッドの脇に落とした。
ブラとショーツだけの姿になり、一瞬怯えた表情を浮かべた奈緒子を両手一杯に抱き締める。
596 :
582:2006/08/12(土) 17:14:42 ID:W5anxEfq
キスをする。今度は舌を入れてみた。
奈緒子も抵抗せず、おずおずと舌で応えようとするので、何とか絡ませるのに成功した。
そのまま、ブラの上からゆっくりと胸を揉み始める。
そしてブラの中に手を滑らせ、既に固くなった突起に触れた。
「あっ……いや…」
それまで、力んで強張っていた奈緒子の身体がビクンと跳ねた。
その反応が何だか嬉しくて、小さいが張りのある膨らみを掌で包み込みつつ、何度も指で突起をいじった。
「あっ、ああっ……」
こんなに可愛い声が出せるのか。もっと聞いていたい。
最初に肌に触れた時には、まるで陶器のように少しひんやりとした身体であったが、
上田に胸を弄られ、身を捩っているうちにしっとりと汗ばみ、上気してきた。
少しでも身を離すのが惜しい気持ちで、上田は急いでシャツと下を全部脱ぎ、再び奈緒子を包み込んだ。
なめらかな肌が直に吸い付いてくるようだ。
「ああ……奈緒子…」
名前で呼ぶのも初めてだが、最早、恥ずかしいなどと余計な事は頭にない。
左腕で奈緒子の背中を掻き抱き、胸の膨らみに顔を埋めて舌を使ってみた。
すかさず、右手をショーツの中に差し入れる。
中指で茂みを辿ると、一層高い声をあげ、身体が小刻みに揺れた。
597 :
582:2006/08/12(土) 17:15:40 ID:W5anxEfq
「やっぱり、こんなに濡れてるんだな…」
「な……余計なこと言わないでください!」
まっかっかの顔を上げて抗議する。いつもの奈緒子の調子を取り戻そうとしているのか、
逆に、今までは考えられもしなかった姿の生々しさが引き立つ。
上田は奈緒子の両足首を掴み、ゆっくりと開いた。
片方の膝を抱え込み、顔は胸に埋めて舌で乳首を転がし、空いた手で中心部に指を這わせる。
「あふぅ……!」
熱くなった花弁からは、とろりとした液体が次々と溢れてくる。
シーツがびしょ濡れだなこれは。次からはバスタオルでも敷いておかなくては。
ふいに、そんなどうでもいい事が頭を過ぎった。
そうだ。きっと「次」があるはず。俺は今、幸せだ――
598 :
582:2006/08/12(土) 17:21:41 ID:W5anxEfq
とりあえず、今日はもう限界です……><
妙な所で切ってすみません。ラストはもうちょっと待ってください。
奈緒子らしさの描写って難しいですね。
本編で上田に対しては、なんだかんだ言って丁寧語が多いと思うので、
今回はそういうムードの彼女ということで脳内補完願います。
お疲れ様〜!無理しないでね!
ラストがんがれ
暑さにめげつつ俺も書いた
が上田がどうみても別人
クーラーの存在しないアパートに戻ってくると部屋にはいつものように日本科技大学の教授が座っていた。
ほとんど乾いた下着類が押しやられた洗濯紐には万国旗が翻り、窓際には紙で作った花がいくつもとめられている。
上田は頭には赤と緑の厚紙製のとんがり帽子、首にはこの暑い最中に金ぴかのモールを幾重にも巻いていた。
「ハッピ〜〜ッ、バ〜〜スデ〜〜〜!」
手にしたクラッカーの紐を引き、彼は白く輝く歯を見せた。
奈緒子は今更もう驚いた表情などみじんも見せなかった。
疲れた風情で足元に本日ゲットのパンの耳の袋を置く。
「なにやってるんですか上田さん」
上田は新しいクラッカーをとりあげ、またぽんとはじかせた。
「見ればわかるだろう。ハッピーバースデー」
「どう見てもクリスマスだ。やめろ暑くるしい」
上田の前にはケーキの箱や大きな鳥腿の照り焼き、シャンメリーなどが並んでいる。
それらをちらちらと気にしながら奈緒子は座った。
「何企んでるのか知らないけど、私の誕生日は今日じゃないですよ」
「なぜ貧乳、かつ水虫、かつ魚の目のyouの誕生日などを祝ってやる必要がある?そんな呪われた日なんかじゃない!今日はな、俺の誕生日だ」
「そうだっけ?」
「知らないのか。なんという認識不足だ」
上田は偉そうにとんがり帽子を揺らせた。
「ノーベル賞獲得の暁には、この上田次郎の生まれた日が国民の祝日に制定される可能性は非常に高いというのに」
「絶対にされませんから」
上田はまたクラッカーを取り上げて鳴らした。
「はははっ。誕生パーティーは楽しいなぁ」
「ちょっと待て。なんで私の部屋でやる?」
「you!」
びしっと上田は奈緒子の鼻先を指差した。
「余計な事を考えるな。常在餓鬼道のyouの前に食パン以外の高カロリーの食べ物が存在する、その奇跡だけに目を向けるんだ」
「つまり祝ってくれる友達がただの一人もいないんだな。まあいい、仕方ないから祝ってやる」
奈緒子は照りも美しく輝く腿肉に熱い視線を向けた。
「…でかい!奮発したな、上田。……誕生パーティーは楽しいなぁ、えへへへっ!」
「よし乾杯だ!」
上田はシャンメリーをグラスに注ぎ、奈緒子に渡した。
「上田次郎次期名誉教授のますますのご発展とご活躍を祈って!」
「明日にでも上田とのこの腐れ縁がさくっと切れますように」
二人はグラスを干した。
奈緒子は急いでグラスを置き、腿肉に手を延ばした。
上田のことである。いつ気が変わらないとも限らない。
「じゃ、遠慮なく!」
「待て!」
上田がその指先をクラッカーで抑えつけた。
「その前に、出してもらおうか」
「何をですか」
奈緒子の視線は一直線に腿肉だけに向かっている。
上田はにんまりと眼鏡の奥のつぶらな目を細めた。
「誕生パーティーで要求するものといえば、誕生日のプレゼントと相場は決まっているだろう」
「せこっ。いつも世話をしてやっているこの私から貢ぎ物をとるというのか、上田?水臭い奴だ……なっ、私たちの仲じゃないか」
「我々の間にそんな仲など存在しない!」
上田は腿肉を押しやり、奈緒子の指をつかみあげた。
「youがプレゼントはおろか普段二百円以上の持ち合わせすらない事は百も承知だ。大丈夫だ、今回は持ち合わせているもので勘弁してやる」
「亀とハムスターは譲らないぞ!」
「誰があんな生き物など!俺の狙いはな、山田」
上田は奈緒子の目の前にぐいと顔を近づけた。
聞き取りにくい低音が鼓膜をくすぐった。
「youだ」
「え?」
眉間に皺を寄せた奈緒子はまじまじと間近の上田の顔を眺めた。
その間にせこせこと膝で移動した上田は卓をおしやって腿肉を遠ざけてしまった。
「you……わかっているんだ、最初に出会った瞬間からyouが俺の事を密かに慕い、貧乳、いや、胸をいためているという事はな」
声は言いくるめるような騙くらかすような甘い響きを帯びている。
「う、上田。何を言っているんだ。何か悪いものでも食ったのか……にゃっ!?」
大きな手がそっと胸に這い上がってきたことに気付き、奈緒子は頬を赤らめた。
「さ、ささ触るなっ」
「恥ずかしがる事などあるものか。youの救いのない貧乳ぶりに関しては熟知しているから隠す必要もない。しかも男女間の行為のあらゆる資料を予習済みのこの俺だ。処女を捧げるにこれ以上の相手はいないぞ、山田奈緒子!」
「誰が処女だっ」
奈緒子は急いで身を捩ろうとしたが相手は通信教育で空手を極めるという非常識を体現する上田次郎である。
素早く腕を捻られてあっさり畳面に押し伏せられてしまった。
「ん〜〜〜、いい匂いだ……you……リンスは何を使っている…?」
頬に乱れた黒髪の匂いをうっとりと嗅いでいる上田の表情と台詞に、奈緒子は不吉な既視感を覚えた。
「はっ……う、上田っ!?まさか、お前は例の怪し気なあれを服んで…」
「うむ、例のポ○モン島の媚薬成分をちょっとな。youのような貧乳を襲うにはやはりクスリの力が必要だ」
「ポ○モンじゃない。黒門島だ!」
「ふっふっふ……」
上田が笑い出した。
「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ」
「意味もなく長々と笑うなっ」
「長く笑いたくもなるじゃないか……さっき、youも媚薬を服んだんだぞ。油断したな…」
「え」
奈緒子の顔から血の気がひく。
今しがた乾杯したシャンメリーに違いない。楽しい誕生パーティーにかこつけて、なんという卑劣漢か。
「上田!放せ、そこからおりろ」
「超即効性の媚薬だ。どうだ〜、ドキドキしてきただろう…?」
「う」
上田の指がやけに不器用に奈緒子のブラウスの胸元を探った。釦をうまく外せないようだった。
「……うむ、急いではずすんだ、山田!」
「なんで私が?」
「強がるな……ほ〜ら、youも、すっかり…目が潤んでいるじゃないか」
それはお前だろうと言いかけて、奈緒子は頬が熱い事に気がついた。
それどころかやたらでかい上田の重い躯がぴったり密着した部分も熱い。特に股間のあたりが熱い。
「い、いやだ。やめろ、上田」
「こうして間近で見ると…いや…わかっはていたが、よく見ると……可愛いぞ、 you」
奈緒子は耳を疑い、自分の正気を疑い、最後にはやはり上田の狂気に烙印を押す事にした。
それにしてもおかしい。いつもならこのあたりでツッコミが入るのだ。
ハルかジャーミーあたりが乱入してきてくれないだろうか。
いや、今日は愛のハイキングに行くとかで池田荘の大家達は朝早く出かけたっきりだ。
なんという事だろう。
奈緒子が混乱している間に上田はブラウスの前面突破に成功し、ブラから豊胸パッドを抜き始めた。
「いちま〜い……にま〜〜い……なんだ、今日は控えめだな」
「うるさいっ!!!……しっかりしてくださいよ上田さん!こんな事して、あとで後悔するぞっ」
「あとで悔やむから後悔と書く…はじめから後悔など、したくてもできないぞ、山田奈緒子」
「ううっ」
へらず口に正直に怯んだすきに上田の顔が迫って来た。このままでは唇を奪われる。
「やめ」
唇に重くて熱い感触。キスされてしまった。
しかも台詞の途中で開けていた口に、あっというまに上田が舌を入れて来た。
「んんっ、ん……」
絡んでくる舌を避け、奈緒子は必死の力で首を振り、上田の顎を押し上げた。
「…き、キスする時にはとんがり帽子や眼鏡は外せと学校で習わなかったのかぼけ男っ」
「わかった」
上田は実に素直に帽子と眼鏡を外し、部屋の彼方に力一杯放り投げた。
かちゃんという音がしたから水槽にでも当たって大破したらしかった。
「さあ、これで何の障害もないぞ、you!」
言うがはやいか上田は馬鹿力で奈緒子の躯を締め上げた。
実はまだモールが首にかかっているのだが二人とも忘れている。
「もう逃げられないぞ、男なら潔く諦めろ」
「女だ!」
「ん〜〜〜、やわらかい…youは華奢だな……ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふ」
「それはもういいから、上田……あの、そういえば矢部さんが今すぐ交番に来るようにって言ってましたよ!」
「なにを見え透いた。今の俺たちの間に警察が介入するような問題などないだろう」
「このままじゃ矢部さんがこなくちゃいけない事態になるんですよ!お、お前、この股間は一体……」
奈緒子はもじもじと脚を動かしてなんとか上田の腰から離れようとしたがあまりにもぴったりとくっついているのでそれは不可能だった。
脚が少なくとも三本はあるような感触である。
「そんな凶器で私を突くというのか上田。立派な人殺しになってしまうぞ」
「……そ、そのための媚薬じゃないか」
上田は怯んだが、気を取り直したように首を振った。
「きっとメイビー大丈夫だ……youのふるさと、ポケモン島の植物を信じよう!」
「上田、伏せ字を忘れ…」
再び唇を塞がれ、無念ながらも奈緒子は言葉をやめざるを得なかった。
一人でこまめに練習を積んで来ただけあってかどうかはわからないが、上田のキスは巧かった。
性急というわけではなくゆるゆると焦らすように唾液を送り込みながら口腔内を舐め回す。
がっちり押さえ込まれているから身動きできない。
舌の輪郭をなぞるように上田の舌が行き来し、初めて味わう感触なのにその柔らかさに思わずうっとりしてしまって奈緒子は赤面した。
彼女はじたばたと上田の長身の下で身を揉んだ。
「ん、ん〜〜、ん〜〜〜〜っ」
現在進行中の行為の即時中止と発言の許可を訴えたが上田は顔を離さなかった。
とろとろと混ざった熱い液体と共に上田の口の中に舌をとられ、奈緒子も唸ることすらできなくなった。
上も下も縁も余さず舐め回されてしまった。もう彼女の舌は上田の味と動きしか感じない。
ようやく顔が離れ、奈緒子は喘ぎながら酸素を貪った。
「はあっ、はっ、はっ……!」
「どうだ……“ナポレオン”の茎を一分間に一ダース結べる俺の舌技は」
「そ、そんな練習を地道にしてたのか、一人で?」
妙に早い鼓動に奈緒子は不安を覚える。媚薬が効いてきたのかもしれない。
眼鏡を外した上田の顔が優しく、しかも精悍にみえるのだ。理由はそれしかなかろう。
「あ」
開いたブラウスとブラの紐を肩からむしりとり、上田が顔を伏せてきた。
「やっ、やめろ!……あっ、あん…!」
ブラ本体を押し上げ、ぺろりとむきだしの乳首を舐められて奈緒子は悲鳴をあげた。
悲鳴の中にかすかに嬌声のおもむきが滲んでいることに気付く。
本人は真っ赤になり、上田は喜んだようだった。
「ふっふっふ……効いてきた……効いてきたな」
「いやぁ…やめ、あっ、あっ!さ、触るなぁ……!」
奈緒子の豊かでない膨らみは上田の掌にすっぽりと収まり、おとなしく自在に捏ねられている。
「素敵だ、貧乳とはいえど…柔らかくて滑らかだ……おおぅ、感動だ……」
奈緒子は急いで腕をつっぱろうとしたがやはり力では叶わない。
背を仰け反らせて肩を竦めるていると上田は勘違いし、乳房を優しく揉みつつ奈緒子の耳朶に囁いて来た。
「そう腰を押し付けずとも。急ぐな…こうしてゆっくりとyouをほぐして…」
「違うっ!!!!あっ、あん、だめっ、ばか上田…!きゃっ!?」
奈緒子は上田のもう片方の手が長いスカートを捲り上げて膝を割った事に気付いた。
「その反応、その表情、その喘ぎ。可愛い、可愛いぞ山田!……辛抱たまらん…い、いざ…!!」
「今急ぐなって言ったじゃん!?いやっ!上田のそれ、それって無理だから!絶対無理!!」
「無理ではない!無理を通せば道理が引っ込むものだっ」
「や、やっぱり無理なんじゃないかぁ!!!」
上田はもじもじと身を揺らし、ズボンとブリーフをおろした。
鼻息荒く奈緒子にのしかかり、大きな手で奈緒子の下着を引き下ろす。
「やめろっ!この巨根!強姦魔!おまわりさあ〜ん!!」
「黙るんだ、力を抜いて…」
元々人の言うことをきかない男だが一層頭に(いや股間に)血が集まっているためか更に聞く耳をもっていない様子である。
「力を抜いていないと、下手をすると少なくとも全治二週間以上の怪我をするぞ…」
びくっとして奈緒子は急いで力を抜いた。
確かに、脚に感じるこの大きさのものを無理にねじ込まれては大怪我をしかねない気がした。
上田は優しい微笑を唇に浮かべた。
「協力する気になったんだな、you」
違います、自衛のためだと言いかけ、奈緒子は喘いで上田の腕にしがみついた。
さっきからの刺激でささやかに自分のそこが濡れている事に気付いて彼女はまた赤面したが、それよりなにより、上田がぐいと直に押し付けてきたものの大きさに度肝を抜かれている。
「う、うそだ……!」
散々上田を苛めるネタにしてきた巨根ではあるが、実際に挿入される立場になると、どう考えても凶器である。
「なにが?」
上田は気もそぞろに該当箇所に男根の先端をおしあて、潜らせようとしている。
その先端がうまく潜らない。
上田がやたら押し付けているのもあるが、奈緒子がそれを受け入れるほどにたっぷりとは濡れていないからである。
「ま、待って!いきなり巨根じゃなくて、せめて指、そう、上田、指でしっかり馴らしてから…!」
「you…好きものだな…」
「断じて違うっ!は、はじめてなんだ…無理だ、そんなの。お願い、上田さん…」
最後はほとんど泣き声になっていたが、奈緒子は恥ずかしいと思う余裕などどこにも持ち合わせてはいなかった。
死ぬか生きるかの境目である。
上田はかすかに赤くなったようだった。
「はじめて……そ、そうか。やはりな。そうか…前戯が足りないという事か…」
「前戯とか言うな!」
「しかし…こちらはもう…うっ…」
上田は奈緒子の秘所に先端を押しつけ、必死の形相でむやみと腰を揺らした。
「そんな余裕は、もうどこにも」
「やめろってばっ!裂ける!」
「や、山田っ…ここは、す、スリッと我慢、してくれっ」
「いやだ!」
奈緒子は上田を避けようとできるだけ膝を曲げ、おもいきりその躯を挟んだ腿を締め付けた。
ただでさえ大きな巨根の先端が、奈緒子の滑らかな腿できゅっと挟まれ、みっちりと締め上げられた。
上田は叫んだ。
「おおぅっっ!」
「きゃあっ」
開いたままの奈緒子の股間を熱く濡らして、巨根の先端から大量の白濁液が迸った。
「なっ、なんという事を!上田、とめろっ」
「と、とまらんっ、とまらんのだっ……おぅおぉ…」
それは力強く脈打ちながら何度も何度もどくどくと出て、奈緒子の股間どころか腿や畳面や下腹を覆ったままのスカートまでしとどに濡らしたあげく、徐々に勢いを失い、しばらくしてからようやく止まった。
「………はあっ、はあっ、はあっ。……きっ…気持ちよかった…!」
「いやだああ。ばか上田!間抜け!巨根!い、いれてなくてもこういう事すると妊娠したりするんだぞ!」
「男女間のどんな性行為にもその可能性はあるが…」
上田は気怠気などんよりとした目つきで奈緒子を眺めた。
「you…良かったぞ」
「なにが良かっただ、勝手に盛り上がって一人でイったくせに。お上に訴えてやるからな、覚悟しろ上田!」
奈緒子は急いで力の抜けた上田の手をはねのけた。
這うようにしてタンスまでいき、タオルを取り出してあたふたと身についた精液を拭う。
「ああ、気持ち悪い!スカートのクリーニング代出してくださいよ、上田さん!」
「訴えるって、なにを?」
呑気な事を言っている上田に奈緒子はタオルを投げつけた。
「わ、私を強姦したじゃないか」
「入れてない」
「入れなくても同じ事だ、このばか!未遂でも立派な犯罪行為だぞ!媚薬飲ませたじゃないか」
「媚薬?」
上田は首をかしげてタオルを手にした。
「なにをもってそんな誹謗中傷を」
「え」
奈緒子は動きをとめた。
「あの時の植物はとっくに枯れてしまったし、もう手元にはない。当然だろ」
「で、でもあんなにドキドキ…」
「それはきっと」
上田はにやっとした。下半身丸出しなので間抜けな笑顔である。
「俺に抱かれるのが嬉しかったからじゃないのか。目が完全に潤んでいたぞ……素直になれよ、you」
奈緒子は上田を睨みつけ、頬を染めると唇を噛んだ。
「……さっさとズボンはいてくださいよ」
*
上田は下半身を拭き、ブリーフをはき、ズボンに足を通しながらまだ喋っている。
「さっきのyouの要求だが…」
「えっ、なに?」
奈緒子はびくっとして長い黒髪に縁取られた顔をあげた。畳を拭いている最中だ。
「上田次郎のこの長い指で、youの躯に、前戯を。もっとたっぷり、ねっちり、溢れるほどにして欲しいと」
「い、いやらしい言い方をするな、上田!あれは、ただ…」
「考慮すべき改善点だ。今度…旨い郷土料理が食べ放題の温泉に連れていってやろうか」
「温泉?」
奈緒子の手からタオルを奪い取り、上田は鳥の照り焼きを握らせた。
「そうだ…『豊乳の湯』という秘湯のある村の収入役と、先日、ふとしたことで知り合ってな…」
いやな予感がして眉をよせた奈緒子に、上田はさらにケーキの箱を押し付けた。
「これもやる。なあ、一緒に行こうじゃないか」
奈緒子は肉とケーキの箱だけはしっかと抱えて立ち上がった。
「まさか、また変な事件に私を巻き込む気ですか!?」
「変な事件だなどと人聞きの悪い。ただな、収入役の言うことには」
「言うな語るな!」
奈緒子は急いで室内の万国旗や紙の花をむしり取った。
「今思い出したけど、お、お前の誕生日は11月だったはずだ。まだ8月だぞ」
上田は壊れた眼鏡をひろいあげながら呟いた。
「やっと気付くとは。愚かな」
「ええい黙らっしゃい。私を、た、食べ放題と豊乳の秘湯で釣ろうたって、そ、そうはいかないぞ!」
「それにくわえて不世出の天才物理学者上田次郎とのめくるめく夜」
「め、めくるめかなくてもいい!絶対に行かない!行かないったら行かない!!」
「仕方ないな」
上田は亀の水槽を持ち上げた。
「あっ!」
「この生き物の命が惜しくば、明日の正午に日本科技大の裏の駐車場まで来い!次郎号で待ってるぞ!」
「ゆ、誘拐だ!おまわりさ〜ん!!」
「ふははっ、あいにく亀には誘拐罪は適用されない!ではっ」
そのまま上田はびよ〜んと長い手足を振り回して奈緒子の妨害をかいくぐり、部屋の外に飛び出していってしまった。
あとには奈緒子の叫びが虚しく響くのみである。
「待て、上田!!スカートのクリーニング代置いていけーーーーー!!」
*
ところであの男にいわゆる素股プレイをされた事に彼女が気付くのはいつの日だろうか。
おわり
(キタ---(゚∀゚)---!! キタ---(゚∀゚)---!!
随所随所で麦茶吹いたw
二人らしくてスゲェ萌えますた
GJ!(゚∀゚)
萌えつつも、うまいなあと感心して、また萌えて。
言うことないです神!!ありがとうヅラ!!!
随所の小ネタが素敵です!
いちま〜い、に〜ま〜いのパッドに吹いた。
よかったです!乙!
GJ!!
最高っす
ちょwwww吹いたwwwwwww
萌えるけど笑えるwww
DJ!
らしく書くのが上手ですねー!あんまりリアルなんでビックリしました!
今夜来るかな?
すごい、最高だ!もう巨根がズル剥けて大感動だ!
なんか過疎ってしまってるよ〜
622 :
582:2006/08/14(月) 21:17:48 ID:dCHsIE14
いつも奈緒子の前では「天才物理学者」としての顔を保つよう心掛けている上田であるが、
実はかなり純情なロマンチストというか、早い話がいい年齢こいての童貞男だ。
長い時間をかけて少しずつ惹かれてきた女が、いま自分の前にすべてをさらけ出しているという状況。
奈緒子を丸ごと食べてしまいたいほどの心境である。
したがって、もう前戯にかける余裕も消えた。
「よし、行くぞ…!」
急に体勢を整えた上田に、奈緒子はギクリとした。
そりゃ、セックスとはドコにナニを入れるかという位の知識はあるものの、ここまでハッキリ
「突入宣言」をされると急に不安な思いが湧いてくる。
「う、上田さん…そんな大きいの……あり得ないっての…」
奈緒子の両股の間に入り、今や全て脱ぎ去った上田の「大きな根っこ」が天井に向かってそそり立っている。
あれだけネタにされてきた実物を初めて目の前に突きつけられ、先程までの蕩けるような快感も引きそうになった。
上田はがっしりと奈緒子の上半身を抱き、その巨根を花弁の入り口に当てた。
思わず、固く目を瞑った奈緒子に再び深い口付けをする。
「You……奈緒子。これから一緒に暮らそう。ずっと一緒だ」
623 :
582:2006/08/14(月) 21:19:23 ID:dCHsIE14
「えっ……」
目を見開いた瞬間、張り裂けるような衝撃が走った。
「はあぁぁっ…!」
息も出来ない。覆い被さっている背中にギュッと指を食い込ませる。
上田の頭の中も今や真っ白である。
茂みの奥は堪らないほど窮屈で、懸命に進入を試みる矛先に絡みつく。今すぐ果ててもいいと思うほど
強い快感にノックアウトされそうだ。
「い…痛いか? まだ奥まで行ってないが、これでもいいかもしれん…」
「ど、どうせ痛いんだから…さっさとやっちゃって下さい…」
喘ぐ奈緒子を力を込めて抱き締める。そうか、ピークを超えれば少し楽になるかもな。
ベストを尽くせ!!
一気に腰を進ませ、膣の一番奥に先端が届いた。
「ああぁぁぁっっ!」
奈緒子は歯を食いしばる。上田はそのままの状態で奈緒子の上半身を包み込んだ。
二人とも大きく息をつき、少しずつ強張った身体の力が抜けてきた。
やがて上田は上体を起こすと、ゆっくり腰を動かし始める。
「あぁ……あぁん!」
最初は苦痛で歪んでいた奈緒子の表情が変化してきた。固く瞑った瞼が開かれ、瞳がこぼれそうなほど潤んでいる。
上気した頬に半開きの唇から、悩ましく艶のある喘ぎ声が漏れ続けた。
上田の腰の動きがどんどん速くなるにつれて、奈緒子の声も高くかすれてくる。
巨根が何度も何度も子宮を突き上げ、痛みの中から何ともいえない疼きが奈緒子を襲い、翻弄されつつあった。
「……!!!」
声にならない叫びで上田が果てる。奈緒子の白い裸体も大きく弓なりに反った。
624 :
582:2006/08/14(月) 21:20:26 ID:dCHsIE14
目が覚めた。
いつものベッドに横たわっている自分……まさか…まさか?!
ガバッと起き上がったものの、思考回路はまだ起動しないようだ。
ふいにドアがパッと開く。
「おっはようございます! 朝はコレッ!!」
両手に缶コーヒーを1本ずつ掲げ、奈緒子が満面の笑みを浮かべて立っていた。
……夢じゃなかったんだ……。
何だあいつ、人より先にサッサと起きやがって。
えらくサッパリと――可愛い顔しやがって。
「そういや、お前にちょっと似てる女優が宣伝やってるよな」
「知ってますよー。だから冷蔵庫に一杯買い置きしてあるんでしょ?」
〜 Fin 〜
625 :
582:2006/08/14(月) 21:35:38 ID:dCHsIE14
お目汚しの長い駄文でスミマセンでした…
途中で神がお越しになったので、よけい恥ずかしさがうpして
裸足で逃げ出したくなりましたが、
温かいお励ましを下さった方に感謝です。
黒門島パートみたいなシリアス調が好きな自分なんで、
下手に手をつけたら、ただのベタ甘小説以下に…www
626 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 03:08:42 ID:1x/44stW
Good Job ですた
627 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 03:37:11 ID:15ONA5VM
>>582 通りすがりの者ですが、GJです!
笑えたし、萌えました。
奈緒子輪姦ものが読みたいといってみる
>>582 奈緒子に似てる女優wがCMしてる缶コーヒーを大量買いしちゃう上田がワロス&モエス
こういう小ネタっていいなあ。
なんか良いトリック小説書いてるHP知ってる人いる?
知っててもここでは晒せんだろう…
kkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkっかああああああああああああああああああああああああああsssssssssssssssssssっそおおおおおおおおおおおおおおおお
知ってるけど教えない
というかもう存在していないような気がするなあのHP
俺も御ひいきにしてるサイトあるけどここじゃね・・・
637 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 22:35:32 ID:mUw72Hvv
言えんなあ…
特に裏ありのとこは
まあ、この話題は終わりってことで…
探せばありますから各自でさがしましょう。
深刻な人不足
出口……
ほにゃああぁ―――!!
ブラジル……
↓
うおぅほ〜〜〜!!
ホント。仲がいいのに、悪いんだから…。
俺の大好きだったサイトが閉鎖されてしまった。誰だよアンチ野郎!!!!
ガキのサイトじゃん…
>>645もしかして俺のいきつけと同じとこ・・・?
神カモン!!
神様1号の助手が通ります。
暇だから書こうかな・・・
やっぱやめた
過疎りすぎだろ…orz
涙がでてくるよ…
過疎なので埋め。
今回は生憎前編だけ。
「さて、この上田次郎の大活躍で今回も無事に事件が解決したわけだが…」
「ふざけるな!私が全部解いたんだ。いつものように気絶し続けだったくせに」
鄙びた温泉郷である。
川沿いの小道を湯上がりの男女が歩いていた。
ぼさぼさ頭でのっぽの日本科技大教授物理学者上田次郎、そして自称超天才美人マジシャン山田奈緒子の凸凹コンビだ。
上田は眼鏡が新品で浴衣姿だという事以外はいつもと変わらないが、奈緒子のほうは風情がかなり違う。
いつもは垂らしたままの長い黒髪は珍しくも巻き上げ、襟首に覗くうなじが白く初々しい。
浴衣だから貧乳も目立たず、そこはかとない無作為の色気などが珍しくも醸し出されているのである。
さっきから上田が高い位置からちらちらと覗き込んだり並ぶ角度を変えたりしたりしているが無理もなかろう。
「……あれは気絶じゃないっ。天才の頭脳にはこまめかつ断続的な休息が必要なんだと何度言えばyouは……」
「それより、上田さん」
奈緒子はきっと上田の顔を見上げた。
「ここに私を連れて来た、その条件を忘れてるんじゃないでしょうね?」
「ちゃんと亀は返したはずだ…」
彼女はぶんぶんと首を振った。
「当然ですよ!そうじゃなくて……」
「温泉には今浸かっただろう」
上田はちらりと奈緒子の胸もとに疑惑の視線をやった。
「果たして豊乳効果が現れているのかどうか、君の場合はなはだ疑問だがな…」
「う、うるさいうるさい!そうじゃない、事件解決の暁には豪華絢爛美味絶佳のご馳走の食べ放題って…」
「それは宿屋が用意してくれる」
上田の眼鏡越しの目がにやりと笑った。
「もう一つの条件も忘れてはいないぞ、you。『めくるめく夜』………。楽しみにしていたまえ」
「なっ」
奈緒子は立ちすくみ、真っ赤になった。
上田はデリカシーの片鱗も見せず喋り続けた。
「you…ここへ着いてから三日たつが、その間俺が何も手出ししなかったので随分気を揉んでいたようだな」
「ち、ちがっ」
「この上田次郎が依頼も果たさずしてただれた夜に溺れるなどと、そんな不誠実なことをするわけがないだろう。この日を待っていたんだよ、はっはっは」
奈緒子が綺麗な顔をうつむけ、微妙に口角をあげて呟いた。
「そりゃ、夜な夜な気絶してるんだから手は出せませんよね?」
「おほん!おほん!」
上田は大きな咳払いをし、奈緒子を睨みつけた。
「気絶じゃないと言っただろう」
「ふん」
奈緒子は鼻を鳴らしてさっさと足を速めようとした。浴衣の裾がふくらはぎに絡む。
「もうっ、歩きにくい…」
浴衣の裾をひきあげようとしてふと気付き、上目遣いにみると案の定上田が踝のあたりを凝視している。
「……you、そういえば素足は珍しいな」
鼻の下がのびていた。
奈緒子は赤くなると裾から手をはなし、現状で可能な限り足を速めた。
「待てよ、おいっ!」
後から上田が追いかけてくる。
*
宿屋の用意した夕食はこれまた珍しくもまっとうなものだった。
よくよくみるとお約束のように虫料理とかトルティーヤとか珍味とか怪し気なメニューが紛れ込んではいたのだがそれを除くと田舎旅館の典型的なお食事である。
奈緒子は食べた。上田の前の皿まで奪い取って食べた。
上田が(間違いのないように言っておくが、上田が、だ)やたら楽しみにしている『そのあとの事』に不安を覚えていないわけではないが目の前に豪華げな食べ物が置かれるとつい何もかもを忘れ、手が勝手に動いてしまうのである。
貧乏とは悲しいものだ。
逆に、上田は心ここにあらずといった様子だった。
次々に強奪されていくご馳走に気付かず、奈緒子をみながらご飯ばかりを食べている。
程せずして全ての皿と大きなおひつが空になり、やがて入って来た仲居が膳を下げ、机を移動し始めた。
ふっくらとした布団が二組並べて延べられた。
挨拶をして出て行く仲居。
静まり返った部屋には布団を横に奈緒子と上田。
上田はついと立っていき、埃を追い出すために仲居が開けていた窓を念入りに閉めた。
応接セットとの間の障子もぴっちりと閉じ、ぎくしゃくと振り向いた。
「さ、さあ。じゃあ……もう夜も遅いし…」
「上田さん」
奈緒子が口を開いた。
ぱっと立ち上がる。
「私、冷えちゃったんで……もう一度温泉行ってきます!」
奈緒子の後ろ姿に上田はタックルをかけた。
「待てっ」
その勢いにもんどりうって奈緒子は転び、上田の重みに引きずられて布団の端っこを潰した。
「やめろ上田っ、ま、まだ、私……そ、そう!歯磨き、歯磨きをしてないんだ、虫歯になったら困る!」
「そ、そうか。それもそうだな」
上田は急いで身を退き、奈緒子を立ち上がらせた。
部屋には備え付けの洗面所がある。
二人は並んで歯磨きをし、うがいをし、タオルで口元をふいた。
上田は眼鏡を外して台に置いた。
鏡の中の奈緒子に視線をあわせ、言った。
「……ほかに何かしておきたいことは?」
「………」
奈緒子は顔を歪めた。
それは、亀を人質にとられたとはいうものの結局ついてきてしまったのだし今更逃げるわけにもいかないのだろうが、それでもあれだ。
奈緒子としては上田とそういう事をするのは気が進まないのである。
率直に言えば怖い。
上田はひどい巨根なのだ。
普通に「ご立派」とかいうレベルじゃないのは先日の一件でよくよくわかっている。
「ひとつ聞きたいことがあるんですけど」
奈緒子は思い切って切り出した。
「何だ?」
上田は狭い洗面所で向き直った。
「あの……」
奈緒子は言い渋り、上田が喉の奥で唸ったので仕方なく続けた。
「……ほかに、誰か、いい相手はいないんですか?」
「何?」
「相手ですよ、相手。……どうして私が、上田さんの相手をしてあげなくちゃいけないんですか?」
「…………それは」
上田は視線を逸らした。
「上田さんいつも私のことめちゃくちゃに言ってるじゃないですか。貧乳だとかインチキだとか貧乏だとかジャジャ馬だとか。上田さんって教授でエリートで優秀なんでしょ、私とじゃ釣り合いが……」
奈緒子は必死にそう言った。
「それに、私は……その……くっ………。しょ、処女……なんですよ、処女。絶対に無理ですよ。頼むから他を当たってくれ」
「ふ、ふん。やはり処女か……youのほうこそ、俺に相手をしてもらわない限り処女を捨てる機会なんか二度とこないぞ」
「こなくても全然困りません」
「負け惜しみを」
上田はゆらりと奈緒子ににじり寄った。
「大丈夫だ……この前のようにすぐ果てずにすむよう、食事の前にトイレで……処理しておいた。youは何も心配しないで俺に任せていればいいんだ……」
「処理………」
眉を寄せて奈緒子は考え込み、やっと思い当たったのか真っ赤になった。
「バカ!バカ上田!何してたんだ、寄るなっ」
「さあ、目を閉じて……」
「うっ、……こ、こうしましょう!上田さん!」
奈緒子は上田に肩を掴まれ、引き寄せられながら忙しく考えを巡らせた。
「私がいつか処女じゃなくなって、こ、こどもとかたくさん産んで、上田さんでも大丈夫なサイズになった時にお情けで一回だけ、相手してあげます!ね?これなら大丈夫かもしれませんよ?」
「バカか、youは!」
上田の怒号が耳元に轟き、奈緒子は重低音の衝撃に目を閉じた。
「単純なサイズの問題じゃない!別の男に抱かれた後だと?そんなの耐えられるか」
「いや、この際、単純にサイズって重要…んん…っ」
上田の台詞の後半に奈緒子が気付いたのは問答無用で唇を塞がれてからだった。
(他の男の後は耐えられないって……??え……)
奈緒子は赤くなった。
どういう事だ。
歯磨き粉の味と匂いは別として上田はキスだけはやっぱり上手だった。
くにゅくにゅと奈緒子の舌を柔らかくこね回し、官能的に舐めながら熱い息を押し込んでくる。
「……ん……」
喉の奥に唾液を流し込まれてぴくんとした奈緒子の躯を上田は抱え直した。
頭を指先でほぐす。
まとめてあった素直な黒髪が流れ落ちた。
いつもの奈緒子の匂いとは違う香り(つまり温泉備え付けのリンスだろう)が広がっていく。
「you」
上田は奈緒子の耳元に囁いた。
「言わないとわからないのか……やっぱりバカだな」
「お、お前にバカなんて言われる……筋合いはない……」
上田の指が浴衣の紐を探っている。
奈緒子は唇の端に溢れた上田の(か自分のか、それとも混ざっているのかわからない)唾液を、辛うじてあげた指で拭った。
いつの間にか自分の瞼がかなり下がっているのに気付く。
きっととろんとした目になっているに違いない。奈緒子は恥ずかしさに頬を上気させた。
「拭くな」
上田が片目をすがめて睨んだ。
「だって」
「拭かなくても可愛い」
「上田さん……?」
抱きすくめられて奈緒子はもじもじと腰をよじった。浴衣越しのおなかの中央に硬いものが堂々と当たっている。
「あの、あの……痛いじゃないか。離れて」
「素直じゃない君にはどうせ言葉で言ったってわからない」
上田は奈緒子の頼みを無視した。
「犬のしつけと同じだ。直にその場で躯に教えてやるしかないんだ」
「な、何を教えるって……」
「どうして俺が、本来の好みとは正反対のyouのような貧乳で強情で愚かで貧乏な女をこの行為の相手に選んだか、その理由をだ。……知りたいだろう?」
「………」
思わず奈緒子は頷いていた。
「はっはっは……だろう?そうだろう」
上田は無精髭を歪ませ、唇の端に、ひどく癪に障る笑みを浮かべた。
「じゃあ、戻るぞ」
「え」
「せっかく仲居さんが親切に布団を用意してくださっているんだ。使わなければ申し訳ないじゃないか!」
「……………」
*
せっかく仲居さんが親切に用意してくださった布団を圧し潰し、上田は奈緒子を放り出すとすぐにのしかかってきた。
「上田!重い、どけろ……!」
「少しは我慢しようとか、この重みが嬉しいとか思わないのか?youは」
上田が案外真面目な顔で呟いた。
「思うもんか。本当に、どこまでも無駄に大きいんだから。……このウドの大木め」
顔を赤くして奈緒子が罵ると、上田はまた奇妙な笑みを浮かべた。
「どこまでも素直じゃないな…」
そのまま顔が迫ってくる。
奈緒子が先日気付かざるを得なかった、ぎょろぎょろだけど澄んだ綺麗な目。ひきしまった頬。
真剣な目。
「う、上田さん。キスはだめ」
奈緒子の抵抗は役に立たなかった。
「だめか。じゃあしてやる」
上田は呟き、奈緒子の後頭部を布団に沈めた。
続きは明日以降。保守替りにどうぞ
先日なにがあったのさ?
GJ!続き楽しみにしてる
>>658 お前はスレ内の作品を全部読んで来いと
GJ!!!貫通をたのしみにしているw
まあつまらんかった
GJです。
なかなか二人の雰囲気出てるね。
>>661 おまいは一遍でも書いたことあんのか。
GJ!GJ!
GJ!
過疎でも毎日のぞいててヨカタ。
神が降臨したようだ!!
続きに期待。
ちは。あっさりと後編。
奈緒子は慌てて目を閉じた。
キスされると心が乱れるのがいやなのだと訴えたいのだが、言えばすぐに心が乱れるその理由を教えろと理屈っぽい上田は追求してくるだろう。
気持ちいいから、と正直に言えば常日頃から無意味なまでに自信過剰なこの巨根男がどれだけつけあがる事か。
想像するだに恐ろしい事態である。
奈緒子は唇もしっかと閉じた。
問題は舌だ、と彼女はこれまで数度交わした(奪われた?)上田とのキスから得た教訓を思い返した。
唇だけの接触ならばおそらく亀とするのと同じ事。
サクランボの茎を一分間に何本だか、結べるのだと自慢している上田の舌技さえ封印すればキスに夢中になって流される事はないだろう。
唇が触れた。触れるか触れないかの温もりが小さな唇の輪郭を辿って移動した。
男の肺深くからの吐息があたたかく表面を潤し、微細な湿気の感触にほぐれた下唇を優しく挟まれた。
「……ン」
震えた肩を宥めるように掌が包む。顔の角度を刻み、上田は肘を奈緒子の躯の両側につき直した。
(…なんで)
奈緒子はそっと瞼をあげかけ、慌てて閉じ直した。
同様に瞼を閉じた上田の顔が覆い被さっている。
でかいだけに存在感は凄まじいが、実際にはそんなに体重をかけられてはいないようだった。
唇の圧力も押し付けがましくはない。
どちらかというと軽くて、淡くて、優しい感触…ぞくっとして奈緒子は喘いだ。
唇を塞がれているために、喘ぎはこもって消えた。
(なんで……な、中を舐められてないのに気持ちいいんだ…っ)
湿度どころではない潤沢な水気が敏感になった唇を撫でる。
舌先が触れている。二度、三度と窺うように唇の狭間をつつかれた。
じれったいほど微細な快感がそのたびに唇の表面にぴりぴりとはしった。
(…あ…)
思わずほどいた唇の隙間から、奈緒子は抵抗なく上田の舌を受け入れてしまった。
*
開いてしまうともはや自分自身への言い訳がきかなかった。
(上田なのに……こ、こいつは上田……バカ上田……!!)
奈緒子は自分の腕が勝手に伸び上がろうとするのを見た。
ほの暗い場所から光を求めるツタのように、上にいる男の脇腹に絡み付いていく。
上田の肩を脇の下から抱いて、奈緒子はようやく解放された口を大きく開いた。
酸素を貪りながら相手を見上げる。
「う、…うえ、だ…」
上田は薄く目を開き、組み敷いた彼女を見下ろした。
その頭の後ろ、天井の照明が煌煌と輝いていることに奈緒子は気付いた。
潤みかけていた目がわずかに見開いた。
「でんき…電気、点いてる。恥ずかしい」
上田は面倒くさそうに大きな目を細めた。威圧するように奈緒子を見据える。
奈緒子の腕を絡ませたまま、上田の躯が少し離れた。
温もりが消えた事に寂しさを感じた奈緒子は動揺し、動揺したことにさらに動揺して赤くなった。
敷布の上に黒髪を散らせて息を弾ませている奈緒子の浴衣の襟を、上田はそっと掴んだ。
「見られても困らないだろう…………………………………今さら」
奈緒子は上田を睨んだ。
上田は言い訳のように呟いた。
「ああ、なんだ、その。俺は一概に貧しい乳がどうしても絶対に憎いというわけじゃないんだぞ。…まあ、その、youの胸に限っては」
「やっぱり小さいって今思ったろ」
襟をひっぱり、はだけさせながら上田は頬をゆるめて笑った。
「そっちこそ。……やっぱりでかいと思ってるだろ」
奈緒子はぷいと横を向いた。腿に問題の例のものがあたっている。
奈緒子は囁いた。
声は真剣な緊張をまとっていた。
「…本当にできると思いますか、上田さん」
「黙ってろよ……奈緒子」
奈緒子はびくりとわなないて上田をまっすぐ見上げた。
「な、なおこ?」
「………奈緒子。奈緒子奈緒子なおこなおこなおこなおこ、奈緒子」
「いやがらせか?やめろっ」
顔を真っ赤にした奈緒子は悲鳴のような音をたてて大きく息を吸い込んだ。
するするとくびれを辿り、裾を割って入り込んだ掌が彼女の下着の上から腰の曲線を撫で擦っている。
「ンッ、あ、ちょっと…!」
身をくねらせ、奈緒子は上田の躯を両の掌で掴んだ。
「どこ触って…あっ……」
「触らなくちゃ濡らせないじゃないか」
「!」
がくんと一瞬のけぞり、奈緒子は上田の肩にしがみついた。
下着の前に上田が手をいれ、密やかにおさまっている茂みを撫ではじめた。
「んにゃっ…」
「………」
*
眉をひそめ、唇から押し殺した喘ぎを漏らした奈緒子の表情に色気を感じたらしい。
上田は彼女の横顔を覗き込んだ。
奈緒子は気付いていない。
茂みを梳くように立ち入ってくる指先に集中力を奪われている。
撫でられただけでも腰から力が抜けそうだった。
特に、上田の指先が最後に軽く通り過ぎる場所への感触が躯の芯に直接響く。
彼女は唇を歪め、息をこぼした。
甘いその響きは普段の奈緒子には全く似つかわしくなく、耳元にそれを聞いた上田は口を薄く開いた。
顔を見直す。やっぱり奈緒子である。
だが、どこかが違っていた。
猫の喉を撫でる要領で彼女の茂みを再び撫でた。
「んっ…」
はっきりと反応を返し、奈緒子の細い肩が浴衣の影で震えた。
それに勇気を得た上田はどんどん掌を先に押し込んでいく。
茂みの下ですんなりとはじまっている狭間。
そのやわらかな感触の中に上田は指先を沈めた。
できるだけそっとしたつもりだったが、奈緒子の躯が胸の下で跳ねた。
「ああっ!上田さん…」
「大丈夫だ、you…ん、これかな…」
(ええと、このふっくらしたあたりが大陰唇、この内側が小陰唇…してみるときっとこのあたりにクリトリスが…いや、もっと上か…?)
虚しく一人溜め込んできた女性器に関する基礎知識を脳内で総動員する上田だったが、実際に奈緒子を抱いて敏感に反応を返す躯を探っていると各部の正しい名称などはどうでもよくなってきた。
やわらかい茂みをかきわけ、撫で擦り、割れ目に指を潜らせ、ぷくりと小さく感じる粒を優しく優しくそそのかしていく。
奈緒子はさっきからろくな言葉も口にせず、上田に抱きついて上気した顔を耐えるように小さく振っていた。
そんな彼女が可愛くてしかたない。
つぷ、と不思議な感触が指先に伝わった。
肌とは全く違う。濡れた襞が指先を包み込み、待っていたように蠢いた。
奥に吸い込まれるようである。
「いや、いやっ、あ、はぁっ…!」
「おおぅ…」
指先にぬるりと温かい粘液が絡んだ。うろたえたのか、奈緒子が腰を一瞬押し付けてきた。
「ゃん!」
すぐに慌てて飛び退こうとした奈緒子は悲鳴に近い喘ぎをあげた。
上田が中指の第一関節まで押し込んでさらにゆっくりと肉壁を撫で始めたからだ。
「う、っ、上田さん…上田さんっ」
「おうっ」
上田は力強く応え、奈緒子の細い胴をもう片腕で抱きしめた。
「任せておけ、you!とてもいい反応だ…性交…いや、成功間違いなしだ!」
「い、今、何を言い直し……あはあん…っ」
往復するように指を動かされ、奈緒子は未だに浴衣に包まれたままの腰をかすかに振った。
処女のぎこちなさ満載にしても相当に悩ましい風情だった。
「いやあ、だ、め…な、なか…触らないで…」
「奈緒子」
上田は片腕を彼女の谷間に沿わせたまま上半身を押し付けた。
潤んだ目で見返した奈緒子に一瞬視線を絡めると顔を伏せ、襟の奥の肌に吸い付いた。
ちいさなおわんを伏せたようなそのささやかな膨らみの頂点には、淡紅色の突起が尖っていた。
「!」
奈緒子はのけぞり、深まった上田の指の感触にまたびくりと腰を波打たせた。
「んっ、はん、はっ……う、あ…!」
中指に添えて、人差し指を増援に送り込む。拒もうと緊張する膣口をほぐしながら優しくなぞる。
指先を重ねるように、慎重に奈緒子を刺激する。
もっと蕩けさせるよう。
自分を無事に最後まで受け入れてくれるよう。
*
くちゅ、ちゅ。
ちゅぶっ……。
二本の指先を交差させるように彼女の内側をかき混ぜて擦り立てる。
隙をみて三本目の指先も潜り込ませた。
「んー!」
奈緒子がびくりとしたが耳元で「可愛い、可愛い」と囁くと潤んだ目を向けて頬を染めた。
「こわい」
「大丈夫」
奥はもっとキツいのだろうしほんの入り口だけの感触だが、ここまではすっかり蕩けているようだ。
上田はゆっくり円を描くように束ねた指を動かした。あまり奥には突き入れないように注意している。
「やだ、やっ…あん、あぁっ、はん!」
奈緒子は拒否めいた声を発しながら上田の肩やら首筋に腕を廻してすがりついてきた。
熱い粘液と隙間なく絡み付いてくる襞の柔らかさに包まれた上田の指先は溶けそうだ。
上田は奈緒子を肩で布団に押しつけ、顔をあげた。
露に上気しつくした顔の中に半ば閉じかけている目が上田の視線を捕えた。
反対に、こちらは開いたままの唇が甘い吐息をついた。
「はあ、はっ……えだ…さん…」
上田はその目の前に、彼女の下着から引き抜いた手をゆっくり掲げた。
まとわりついて光を弾くとろみが付け根を越えて掌まで輝いている指を見た瞬間、奈緒子が呻いて顔を背けた。
「ふっ……ほぉら、こんなにどろどろでぬるぬるでぐちゃぐちゃだっ。なんていやらしくて淫らなんだ!この、you!」
「こっ…この、…はあっ…、へ、変態っ!どすけべっ!!」
奈緒子は普段の片鱗を取り戻しかけて喘いだ。
「どすけべか……」
上田は妙に安心した。
「この際、否定はしない」
なめらかな尻と湿った下着の間に掌を差し入れる。果物の皮でも剥くようにするりと脱がせた。
「あ……」
奈緒子は絶句した。
上田が膝をこじ開けるのを、そむけた顔を真っ赤にして辛抱している。
いい加減皺だらけになった敷布の上で上田はじっくりと奈緒子のその場所を観察した。
そこはけなげに濡れ、上田の指を確かになんとか三本受け入れたはずだが、こうして見てみると指とは全く別ものの男根が収まるとはどうも思えなかった。常人のならばともかく。
「…………」
眉を寄せて思案している上田に、奈緒子がおずおずと小さな声をかけた。
「……上田…さん?……」
「ん?」
「なに見てるんだ。恥ずかしいから、あまり…」
「おう………なあ、you」
「…?」
「こんな目にあってもいいくらい……俺のことを好きなのか?」
「……………黙れっ!…く、くるなら早く来い、上田!」
彼女は真っ赤を通り越した深紅色に頬を染め上げ、叫んだ。
なぜかその目には潤みだけでない涙の輝きがみえたような気がして、上田は慌てた。
細い腰を両手で掴み、彼女の太腿を躯で押し広げた。
「お、おう!じゃあ、これから挿入するぞ。力を抜け、いいか…深呼吸するんだ……十…九…」
「だ、黙って来い」
奈緒子は小さく囁き、両腕を広げ、指先が白くなるほど強く敷布団を握った。
「八…七……だから、力抜いとけって。どうせなら俺にしがみつくとか…六…」
「ぬ、抜いてます。そのカウントダウン、やめてくださいってば、緊張する!」
上田は苦笑した。
「おう」
奈緒子の腰を持ち上げ、とうに準備のできていた先端を押しあてる。
溢れるほどに濡れそぼっている谷間に、男根の先がつるりと収まった。
奈緒子は驚いたように目を見開いて肩を竦めた。
「って、えっ、そんな、あ、ちょっと待……!!!」
「……い、いけそうか……?」
亀頭の鰓周辺までをなんとか濡れた場所に押し込み、上田は感動に喘いだ。
「ゆ、you。入ってる。入ってるぞ」
「は、入っているんですか?もう?」
奈緒子の顔がぱっと明るくなった。
「なんだ、ちょっと…きついけど…これなら楽勝ですよ、上田さん!脅かしといて、いやだな、もう!」
「そうか!楽勝か!」
上田も目を輝かせた。
「じゃあ、もうちょっと…いくぞ…」
腰にゆっくりと力を込めた。奈緒子の腰を布団にじりじりと沈めていく。
「って、ええっ!?」
奈緒子の声が緊張で裏返った。
「あの、今ので全部じゃ」
「全部?はっ!ちょっと手を貸せ」
上田は片手を離し、奈緒子の手首をとった。
繋がろうとしている場所に引き寄せ、興奮で筋が浮き上がっている竿を触らせる。
「これが、ほとんど入る(はずだ)」
「うそっ」
「何が嘘だ…大丈夫、大丈夫だ…」
「さ、さっきから言ってる『大丈夫』の根拠ってどこですか!?」
「愛だ!」
角度よし。ペースよし。上田は奈緒子の腰を揺すり上げた。
「待…」
逃げられないよう彼女の片方の腿に体重をかけ、ゆっくりと押し込んでいく。
ぬめぬめとした、だがとてもきつい彼女の中に。
耳元で奈緒子が息を呑んだ。
「ふ…っ……は、……あ、あっ、ああ、………あああああああああああぁぁっ!!!!!」
最後は絶叫に近かった。
「い、痛いか……」
上田は侵入の快感の続行をなんとか諦め、腰を止めた。
永遠と思えるくらいの間をおいて、奈緒子の限界まで仰向いていた喉がようやく少し戻った。
「……はっ、……上田…!……いっ、……今、腰がっ、『みしっ』て……きしんで」
「大丈夫だ!それはな、you、処女膜が……」
「で、でも、ほんとに……!」
上田は掴んでいる掌で奈緒子の腰を撫でた。
かなり細いが、まさか巨根の挿入で壊れるなどという事は。
「………やめるか」
上田は呟いた。
奈緒子はその言葉に衝撃を受けたようだった。
「えっ。や、やめるんですか?」
「だって、youが壊れてしまってはもともこもないじゃないか」
「大丈夫、大丈夫だから…今の、気のせいだと思うから…」
奈緒子が涙声になっている事に上田は気付いた。泣きたいのは上田のほうだ。
「いや、そんな、youにだけ無理をさせるわけには…また後日、改めて少しずつ……」
「う、上田の弱虫。すけべのくせに。少しずつなんて……何度もこんな思いさせるつもりか」
「………」
上田は涙をいっぱいにためた奈緒子の瞳を覗き込んだ。
「……死にそうになる前に、言えよ」
奈緒子はこくんと頷いた。布団から手を離し、上田の首に腕を巻き付けた。
「あの……こうしてて、……いいですか」
「おう」
上田も彼女の腰から手を離し、すんなりした背中を抱きしめた。
奈緒子の腿に足を絡ませ、わずかに腰をすすめる。
う…、と奈緒子が喉の奥でうめく。
暴力的な質量に驚いた彼女の躯が自分を押し返そうとするかたい感触を味わいながら、上田はさらに力をじっくりと込めた。
「あふっ……」
奈緒子が押し殺した声を漏らす。その頬をとらえ、唇を吸う。
なめらかな素肌を撫で、彼女の全身を宥めながら腰をさらに沈ませる。
「ん………っ……ふ、あ……んく……」
こんなゆっくりとした挿入は珍しいのではなかろうか。
上田は興奮となにがしかの切なさとの裏側でそう思った。
動いていないのに気持ちいい。ただ、挿れているだけなのに。
奈緒子の中は熱くて蕩けていて、ひどくキツくて上田を拒むようでいながらまとわりついてもっと奥に誘っているようだった。男根の造形のあらゆる箇所に絡み付く襞、隙間なくまといつく肉の壁。
たぶん、彼女の女の場所は初めて迎えた男をこうして記憶しているのだろう。
ゆっくりと進む。
抱いた彼女の胸が浅い呼吸でせわしない。
上田は奈緒子の太腿を少し引き上げた。
白いはずの奈緒子の肌が、どこもかしこもほんのりと染まっていた。
「あ…」
かすかにのけぞる背中を抱き、もっと奥に進んだ。奥に、奥に。行き着けるところまで。
自分の形だけを、奈緒子に覚えていてもらいたいと思った。
もうどうしても動けない、という場所まで到達し、上田は満足して大きな吐息を落とした。
「……もういいぞ、you」
「………ああぁ…」
奈緒子が全身の力を抜いた。あれほど言ったのにひどく緊張していたらしい。
「上田さん……」
力つきたような息を漏らした。
「すごく…くっついちゃいましたね」
「そうだな」
上田はぴったりと密着した腰を確かめるように揺らした。
「……動くなって」
奈緒子が呻く。
「おう」
急いで上田は頷いた。脈打つ場所から、可能な限り意識を逸らす。
なかなか難しいが、奈緒子の負担を思うと当分は動けまい。
繋がったまま、しばらく上田は黙っていた。
一人きりの修練ならば重ねてきた上田だが、刺激的な摩擦がない行為でもこれほど気持ちいいとは。
やはり実際に経験してみないとわからない事も世の中には多々あるという事か。
動かなくても、奈緒子の鼓動と温もりだけで満足と幸福感がふつふつと沸いてくる。
「……上田さん」
奈緒子が艶かしい口調で呼んだ。
「なんだ?……奈緒…」
上田は顔をあげた。その額をぺちっ!と叩かれた。
「…いつまでのっかってるんですか…?…すっごく重いんですけど……」
「……情緒のない女だな、youは!」
口を尖らせた上田の頬を奈緒子が両手で挟んだ。
柔らかい唇が触れ、それはすぐに触れ合いに発展し、上田は奈緒子の手を掴むと布団に押し付けた。
「…余計な事をするんじゃない。我慢できなくなるだろう」
「だから……」
奈緒子が早口に言った。
「早く……終わらせればいいじゃないですか。我慢なんて、上田には似合わないぞ」
「youはこうしていたくないのか?」
「………さっきから……」
奈緒子は目を伏せた。
「ずっと、腰、…微妙に揺らしてるぞ、上田。痛いし」
「………おぅ……」
上田も気付いた。
どうもひどく気持ちいいと思ったら姑息にも躯が自分勝手に快楽を追求しようとしていたとは。
「誤解しないで欲しい。これは俺の理性と慈愛の司っている現象じゃない。本能が勝手に…!」
「でもそうしたいんだな?」
奈緒子は頬を染めた。
「…したいようにしていいぞ。どうせここまできたんだから、同じ事だ」
「えっ…だが…」
上田が目を見開くと奈緒子はますます頬の色を濃くした。
「バカ。う、上田さんがそうやって遠慮とかしてると………気持ち悪いんですよ」
「気持ち悪いって…」
「……上田さんに……」
奈緒子は居場所がないような様子で身を縮めた。
「……私とするととっても気持ちいいって……思って欲しいんですよ。…言わせるな、このタコが」
「……奈緒子」
「呼ぶな」
「奈緒子」
「やめろって」
「奈緒子…!」
「あっ……!」
滑らかには動けなかった。
奈緒子のほうは破瓜直後でもあり、いくら直前に『処理』していたとしても上田もまともな性交は初めてで、しかも並外れた巨根である。
スムーズな行為になるはずもなく、ぎくしゃくとした喘ぎと呻きと吐息との混乱した時間が過ぎた。
「奈緒子」
汗びっしょりになった上田が顔をあげると、奈緒子は歪ませていた唇をなんとか微笑の形に整えてくれた。
「上田さん……い、いい、ですか……っ…?」
あまりにも彼女が愛しくて上田は泣きそうになった。
「お、おう!い、いい。すごくいいよ」
「良かった…あ、上田…っ」
奈緒子は骨を砕かれんばかりの力で抱きすくめられた。
上田の体重のほとんどが奈緒子を圧し潰し、布団に腰を押し付けられる。
「あああっ」
奈緒子は細い悲鳴をあげた。
もの凄い勢いで狭い場所から上田の男根が無理矢理に引き抜かれるのがわかった。
破瓜とたび重なる往復に耐えていた奈緒子の躯にその負担はかなりのもので、彼女は苦しさにのけぞった。
もがいた腕を引き寄せられた。しっかりと上田が抱きしめてくれた。
嬉しさにすがりつくと、密着した下腹部で何かが大きく振動した。
「…んんっ…」
臍の上あたりまで噴き上がってきた熱湯のようなものに熱さに驚きながら、奈緒子は上田にさらに抱きついた。
「……上田さんっ」
「おおぉう……!んっ、…はあっ、は……ああ…!」
彼が達した事は独特の臭いからも明らかだった。
そっと彼の躯に手を伸ばすと脈打つたびに欲望をまだ吐き出している男根が触れ、精液だけではなく濡れそぼったそのつるりとした感触に奈緒子は真っ赤になった。
「………」
荒い息を整えていた上田がふと顔をあげた。
大きな目が心配そうに光っている。
「う、あーーー……だ、大丈夫か、you………」
奈緒子は腰を慎重にくねらせてみた。
下腹部をおさえてもみる。
内部が鈍く重く痛むけど、壊れているという感覚ではない。
「………大丈夫……か?」
奈緒子は笑った。
一番怖れていたところを辛うじて無事に通過できたという開放感が胸にこみあげてくる。
「そうか…」
上田が心底ほっとしたように呟いた。
「じゃあちょっと休めば……あと一度くらいは……大丈夫だな」
「今日はもう無理だけど、またいつか…しても…いいですよ」
二人同時に囁き、一緒に黙り込んだ。
それぞれ、だんだん頬が赤くなっていく。
「………今日はもう無理?」
「あと一度って今からか」
まだ黙り込んだ。
「でも君はどんなひどい目にあってもいいくらい俺を愛しているんじゃ」
「お前はやっぱりそういう奴だ、上田っ」
奈緒子は上田の体液が飛び散った敷布を掴んで憤然と立ち上がった。
足元がよろけてふらりとしたのを見て急いで伸ばした上田の腕を振り払う。
「これだって、早く洗っておかなきゃ綺麗にとれないんだぞ!あっ、そういえば…!」
奈緒子は乱れた滑らかな髪の間から上田を睨んだ。
「こ、この間のスカート。上田さんがあんな事したからしみになってもう捨てなきゃいけなくなっちゃったんですよ。どうしてくれるんですか。これもクリーニング代を出さなかったお前が悪い」
上田は眉を寄せて真剣に考え込んだ。
「スカート………?…なんのことだ」
「もう忘れたのか!」
奈緒子は色っぽい姿のまま地団駄を踏んだ。
「you。腿に血が伝わっ…はっ!それは」
「言うなっ」
奈緒子は急いで上田の精液付き敷布を躯に巻き付けた。
「急いで洗濯しなきゃ!」
「洗濯なんかあとでいいじゃないか。それより、you、……こっちにおいで」
上田は布団に寝転がって両腕を開いた。
人の話を聞いていないにも程がある。
奈緒子は苛々し、がらっと洗面所へのふすまを開いた。
「お、お前なんか、いつまでもいつまでも一人で練習していれば良かったんだ!今夜私にまた触ろうとしたら殺すからな」
「you……さっきまであんなに優しかったのに…」
上田は傷付いたような表情を作った。
「やはり君の狙いは……俺の躯だけだったのか………?」
「それはお前だ!」
「愛されていると思ったのに」
「それは私の台詞だ!」
「はっはっは。……いいから飛び込んで来い!この胸に!」
「人の話を聞けっ!!!」
*
温泉郷の夜がしんしんと更けていく。
奈緒子と上田の不毛な痴話漫才は鄙びた和風旅館に延々と響き渡るのであった。
…迷惑な話である。
おわり
良かった!!!!
このまま2回戦にいくのか?上田!
>>668-676 エロSSに対してこういう感想は変かもしれないが、素直に面白かった
GJ!
やっべぇ・・・・・
相当 GJ!
まさしく神だよ GJ!!!
また何か書いて欲しい。
奈緒子のツンデレが可愛くて萌えまくり。
上田もツンデレだけど。
二人の根本にあるツンデレ同士の恋愛の醍醐味を堪能させてもらいました。
ゴッドジョブ!
ツンデレエロも萌えたし話も面白かった
また無印の1話から見ようかな
いやあ面白&萌えでした!
この方は前回の作品も神でしたよねー!エロとギャグの配分…というか、照れてシリアスにはなりきれない?みたいな感じが原作ぽくて、ほんと大ファンです!
デレGJ!!!!!!
んにゃっ がカワユス
GJGJGJ!!
深夜にひとり萌え尽くした
うぉおおおぅ!GJGJGJGJ!!エロなのになんてかわゆいんだ。いっそ2人ともかわゆい勢いだぞ。
>>654 山田をおかずに白米をお櫃一杯食う上田に
笑った
いいね!
687 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 16:34:28 ID:blI8iwD3
グッジョブ!!
二人のやり取りが有り得る感じでイイネ!
リアルに初めて同士のエッチって、結構こんな感じだよね。
エロ小説系は初Hでも簡単に女がイッちゃうのが多いけど、
実際なかなか最後まで入らないし、やられる側の心境は拷問に近いw
688 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 18:06:54 ID:CfStkRAf
文章レベル低い
689 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 18:26:40 ID:zujnb8MU
688 お前の頭のレベルの方が低い。
690 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 19:42:52 ID:C1qytG9+
まあ確かにアレだが・・・・
面白かったよ〜萌えた!!
また書いてくれると嬉しいなw
面白かった〜
TRICKらしさとエロのバランスが絶妙!
こんなに素晴らしい話をかける方は滅多にいない。
神を非難できる神経が理解不能。
スルーできなくてごめん。
神おつかれ!
>>688は何処にいても空気読めないタイプだろうね。
少なくともココで求められてるのは、ただの間怠っこい小説文じゃなく
いかに上田&奈緒子の空気感をリアルに出した上でエロさを追求した作品なんで。
書き手にとっては結構難題じゃ?
それを、職人さん達それぞれの味で上手くまとめてると思う。
今後も大いに期待!!
面白かったけどトリックらしさっていうのは感じなかったな職人には悪いが
そうかな。いかにも言いそうなセリフ回しや、やりそうな行動描写が多くて、
ああトリックを愛してる書き手さんだなと感じたけど。
うだうだのたまってるやつら、テメーで書いてみやがれw
698 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 08:14:51 ID:UkZpnvon
「ちょ・・・や・・め・・んぁぁぁ」
はぁはぁ、今山田に種付けしました。
はぁはぁ、き・・気持ちよかったぁ
久々にトリックを見直した結果、脳内萌え祭りのままに投下しましたがこれでエロ的なネタは終了。
読んでくれた人ありがとう。楽しかったです。
温泉郷から戻って来てひと月が過ぎた。
相も変わらず花やしきや地元商店街にて客を消したり笑い者にされたりしながら、腸天才美人マジシャン山田奈緒子は、心穏やかでない日々を過ごしていた。
身辺に黒門島の気配が!──とかいういつもの最終回的展開ではない。
ではないが、奈緒子の心身を脅かすに充分な日々がこのひと月というもの続いているのである。
原因は上田だ。
生まれついてのひどい巨根を嘆く姿がつい哀れになり、何かの間違いでうっかり相手をしてやったのが悪かった。
不惑に近い年齢で初めて開かれた人並みの性行為の世界にすっかり嵌ったらしい上田次郎は、あれからというもの奈緒子に、照喜名か秋葉が乗り移ったかのような行動をたびたび見せるようになったのである。
いや、照喜名や秋葉レベルならいい。彼らは奈緒子に手出しはしないからだ。
アパートに戻れば奈緒子の部屋で勝手に人の茶を啜っているのは……いつもと同じか。
道を歩いている時なども、最近なぜだか偶然次郎号が通りかかる確率が増えたような気がする。
「パンの耳が袋に三つか、大漁だな。you、重いだろう?送ってやる。ほら乗れ!ほら!」
断ろうにも腕を引っ張られ、強引に車内に拉致される。すでに誘拐の域である。
あるいは、弱々しい声で「…もしかしたら俺は数十年後に死ぬかもしれない」と訴える電話が深夜にかかってくる。
早く死ねと言って電話を切ると「なぜ心配して来ないんだ!」と訪ねてきたでかい図体に押し倒される。
こんな日々が、ひと月。
奈緒子ならずとも心穏やかに過ごすにはキビしい毎日である。
*
そして今奈緒子は、日本科学技術大学上田教授の研究室にて、ごたついた大きな机に某有名老舗和菓子店の紙袋を叩き付けていた。
どうせなにかの罠だから来たくはなかったのだが、上田が今朝電話でどうしてもとある場所に手みやげに持って行く都合があるから必要なんだと泣きついてきたのである。
お駄賃は十万円だと口走るので奈緒子はついその金額に目がくらんだのだ。
誰が貧しい彼女を責められよう。
「羊羹だ。売れっ子マジシャンがこの忙しいのにわざわざ仕事を抜けて買ってきてやったんだぞ、ありがたく思え」
上田は読んでいた学術誌を置き、目の前に差し出された奈緒子の掌を見た。
「なんだ?」
「お駄賃ははずむって言ったじゃないか、上田」
「言ったっけ」
「言った!」
上田はごそごそとあちこちのポケットを探り、一枚の五百円硬貨を取り出した。
奈緒子は憤慨し、掌を激しく上下に打ち振った。
「十万円!じゅ、じゅーまんえん!!」
「残りの九万九千五百円は後日改めてという事で…どうだ…」
「…当然、利息はつけるんですよね?」
「…いいだろう」
「じゃあ、トイチで」
「おいっ」
上田は五百円玉を摘んだまま椅子をひき、立ち上がった。
思わずびくりと胸をそらした奈緒子にむけ、制止するようにもう片方の手をあげる。
「まて…よかろう。それより、まず確実にここにある現金を手渡してやる。欲しいだろう……動くなよ、you…」
「………」
じりじりと奈緒子は後ずさろうとした。
はげしくいやな予感がする。
本当は即座に逃げたいが銀色の硬貨の魅惑的な輝きからなかなか目が離せない。
貧乏とはつくづく悲しいものだ。
奈緒子はちらりと横目で、入り口ドアまでの距離を測った。
幸いなことに、無闇に大きな机が二人の間にはある。
この大男が周囲を回り込んでくるまでの時間を利用すれば、きっと…。
いきなり上田が椅子を背後に蹴倒し、長い脚で机に飛びあがった。
雑誌、紀要、学生のレポート、学内のお知らせの類がマ○リックスの静止画像のように空中に散乱した。
まさかそう来るとは思わなかった奈緒子は口を開け、目を見開いた。
それが命取りになり、次の瞬間には床に飛び降りた上田に肩をがっちり確保されてしまっている。
ひげ面がにやりと笑った。
「youを捕まえるのは本当に簡単だな」
「こ、この…!やっぱり罠かっ」
「罠だなどと人聞きの悪い事を……」
上田は五百円玉をズボンのポケットにしまいこむと、奈緒子をひょいと脇に抱えた。
「しかも自分のポケットか!」
上田はじたばたしている奈緒子に斜め高みから眼鏡越しの変なウィンクを寄越した。
「後でyouにやる」
「後…」
何の後だ、と尋ねる気も奈緒子はなくした。
──どうせ上田の目的はアレにきまっている。
部屋の中央に鎮座する立派な来客用のソファに座らされた奈緒子は、隣に並んで腰掛けた上田の腕を掴んで揺さぶった。
「……今日の講義は。仕事はどうした、上田!」
「大人気の『一般教養・物理』は上田教授の御都合により残念ながら休講だ。既に掲示もされている。安心しろ…」
給料ドロボーとは上田のような人間を指す言葉だろう。
「youをおびき…いや、呼んだのはな、朗報があるからだ」
「ヨーホー…?」
「わざとか。朗報だ、朗報!」
上田はベストの下の胸ポケットから大事そうに小さな箱を取り出した。
目の前に突き出されたそれを奈緒子は観察した。
マッチ箱にしては大きい。
目立つロゴなども無い。上品というか、地味な色合いの、特徴のない箱である。
そして箱には、異様にうまい亀甲縛りで赤いリボンがかけてある。
「…………」
上田にはマジシャンである奈緒子に間抜けなトリックで挑んでくる無謀な癖があるのだが、これもそうか。
この怪しい箱にもなにか仕掛けがあるのだろうか。
「なんですか、これ」
奈緒子はうさんくさそうにリボンをつまみ上げた。
上田はニヤリとひげ面を綻ばせた。
「俺はな。あの温泉から戻ってからすぐ歯医者に行ったんだ。完璧な歯を維持するための、恒例の虫歯チェックにな…」
「はあ?」
いきなり話がとんだので奈緒子は眉をよせた。
「診断結果はもちろんパーフェクトだったよ。当然だ!幼稚園の虫歯デーで習得した技術に独自の論理的改良をくわえた次郎スペシャルブラッシングをずっと施しているからな!そうだ、そういえば、あまりの白さに歯医者が感動して…」
「上田!」
上田は奈緒子に視線を戻した。
「……開けてごらん」
奈緒子の眉間に皺がよった。
「歯医者の話は?」
上田はふっと笑い、ソファに深く腰掛けて膝に肘をついた。
「昨夜、マンションにやっと届いたんだ。youへの……プレゼントだ」
「え…」
奈緒子は、目を少し見開いた。
驚きとも羞らいともつかぬ繊細な表情が生まれ、揺れた。
「上田さんから……?」
「でも……」
奈緒子はリボンを弄った。
頬がほんのりと染まっている。
「そ、その…だな、以前から、お母様にも君の事は頼まれているしな」
上田は早口で言った。
「上田さん…」
「遠慮はなしだ。……俺の気持ちだ」
「…………」
黒髪を揺らし、奈緒子は不安げに上田の横顔を見つめた。
上田は、こちらも照れくさ気にひとつ咳払いをし、虚空をみつめた。
「……黙って受け取ってくれればいい」
「………」
奈緒子はソファにきちんと座り直し、複雑な結び目に苦戦しながらようやくリボンをほどいた。
震える指で箱をそっと開ける。
中には個別包装された男性用避妊具がぎっしりと鎮座していた。
「…やっぱりこれだ!!!」
奈緒子は叫んで膝から箱をたたき落とした。
「何をする!わざわざ特別注文した貴重な品なんだぞ!」
「上田っ!お前、こ、こんなもの私にプレゼントするってどういう気だ」
「歯医者で見てたんだよ、雑誌を。『週間純情女性』だ。俺は普段は女性誌には興味はないんだが、表紙の小特集見出しが『満足してる?彼とのセックス』というやつで…」
「か、彼!?上田、お前、私の、か、か、彼のつもりでい」
「俺はもちろんその特集を熟読した。トータル8回、今でも空で暗唱できるほどにな。それで……最後の匿名座談会に書いてあったんだ……
A恵『なんのかのいって一番最低なのは、避妊しない男よね』
B子『ほんと。バカなエロビデオの見過ぎだっつの。膣外射精してるから大丈夫とか言ってさ、そんなんで100%避妊できるわけねーだろ!死ね!自分のペニス引き延ばして噛んで死ね!』って……」
裏声で座談会を復唱し終えた上田は肩を落とした。
可憐な誌名とは裏腹にかなりアグレッシブな小特集だったらしい。
「………そういうわけだ」
「いや、だから……」
奈緒子は赤くなりながら床に転がっている箱を指差した。
「わ、私にくれなくても……上田が使えば、い、いいじゃないか…」
「you」
上田は哀れっぽい犬のような目つきになった。
「……どうせなら俺はyouにもこれの付け方をマスターしてもらって、優しく、youの手で……そ、装着プレイをしたいんだよ!」
「おいっ!」
「そういうわけなんだ……」
上田は顔を伏せた。
眼鏡をはずし、テーブルに置く。
あがった顔は爽やかで、なにかが綺麗に吹っ切れたようだった。
「わかったか?じゃあこれから一緒に特訓するぞ!」
「おいっ!!!!」
奈緒子は急いでよけようとしたが大男の動きの方が早かった。
ソファに押し倒されつつ奈緒子は必死で彼の注意を喚起しようとした。
「こ、ここ大学ですよ!だれかが入ってくるに決まって……」
「関係者には明後日まで出張だと通知している。あー、留守中は業者が来て改装する予定だから立ち入り禁止だともな…はっはっは、何の心配もいらないんだよ、ハニー」
石頭のくせに上田はこういうみみっちくこまやかな悪知恵だけは働く男なのだ。
奈緒子は赤くなった。
「なにがハニーだ、バカっ!」
上田は奈緒子の耳に唇を近づけ、低い声で囁いた。
「……照れるなって!」
「照れてるんじゃない、なんだかこのあたりにブツブツが出てきました」
奈緒子は粟立った腕を上田の前にかざして見せた。
「それは俺の声に君の躯が感じているんだ……我ながら罪なセクシーボイスだ……」
「……上田さん、あの」
「なんだい、ハニー」
上田は優しい顔で笑ってみせた──つもりだろうがかなり気色の悪い笑みである。下心が透けているからだ。
奈緒子は真剣に忠告した。
「上田さん、変ですよ。いえ……元々すごく変でしたけど、最近、もっと変ですよ。病院に行ったほうがいいと思います」
「そうか。変か」
いつもなら「失敬な!」と怒るはずの上田の笑顔は微動だにしなかった。
「そうかもしれないな。…全て君のせいだ」
もしジュースを飲んでいたら噴出させていたに違いない。
餅ならばむせた拍子に喉につまらせ、奈緒子の勇気ある○乳生涯は終焉を迎えていたかもしれない。
奈緒子は目を白黒させた。
「う、うえだ……?」
「君も最近おかしいぞ。いつもは素直じゃないくせに、例えば三日前のyouはどうだ……」
上田はうっとりと続けた。
「あの夜、youはいきなり俺のマンションを訪ねてきた……」
「上田さんが三十回以上連続で電話してきたからですよ。近所迷惑だから二度とするな」
「よっぽど俺に逢いたかったんだろう。目を輝かせ、頬を紅潮させ、息をきらせて…」
「だって、最後の電話で松坂牛の特大ステーキを焼いてるって言うから」
「ドアを開けるやいなや俺にとびついてきて…」
「そこ!『に』じゃない!『が』だっただろう!!」
「その場で……まいったよ、はっはっは、俺とした事が…youがあんまり可愛い声をあげるから……」
奈緒子は真っ赤になり、脳内世界にどっぷり浸かって喋り続ける上田の頬をつまみあげた。
「しっかりしろ上田っ!も、戻ってこい!!」
「おおぅ……」
上田はずれた眼鏡をなおしつつ、目の焦点をあわせ、奈緒子を見た。
咳払いをする。
「……ともかく、そういう事なんだ」
「なにが!?」
「君、最近…」
上田は小さな声で言った。
「とてつもなく感じてるだろう。え?」
奈緒子は固まった。
「youが俺を避けるのも、俺との行為に感じている自分を認めたくないからだ………」
「……………」
上田はニヤニヤしながら固まった奈緒子の手をとった。
「二言めには巨根巨根と、あんなに厭がってたのに……なあ!!」
「くっ………!!!」
奈緒子はあまりの屈辱にぶるぶる震え始めた。
「い、厭だって…言ってるのに…お前が何回も何回も、す、するから……!」
「素直になれよ。この照れ屋め!」
上田は奈緒子を抱きすくめてきた。
ギシッとソファが不吉な音をたてる。
「それでいいんだ!感じて、感じて感じて感じ抜いて、『上田様が私の全てです!』と俺の足に縋り付いて泣け!!」
「そっ、そんな恥ずかしい台詞は死んでも言わないぞ!放せ、上田!」
「はっはっは!安心しろ、you……すぐに言いたくなるから」
彼は奈緒子の服の釦を探し始めた。
「やめろってば。……この、や、やりたいだけの、バカ上田め!」
上田がふと手をとめた。
「奈緒子……」
びくっとして奈緒子は上田を見た。
どうも、たまに上田がそちらの名前を呼びたがるのにはいつまでたっても慣れなかった。
「『やりたいだけ』ならyouなんかじゃなくて、もっと胸も性格もどーんと豊かな女性を選ぶとは思わないのか?」
「上田っ!」
「これだから論理的な思考のできない人間は困るんだ。──俺はyouを抱きたいんだよ。たくさん、たくさんな」
あまりにも直球の言葉に、奈緒子は呼吸を忘れて再度固まった。
上田が微笑した。
その笑顔は、なぜか今回奈緒子にはあまり気色悪くは思えなかった。
おかしくなっているのは上田だけではなくて、奈緒子のほうなのかもしれない。
「つまり、『ジュブゼーム』……という事だ」
奈緒子を抱き寄せ、彼は小さく呟いた。
「それ、言うなってば!」
ぞくぞくっとした奈緒子は上田にしがみついた。
「もう何回も言ったと思うが」
「でも、こんなとき、言わないで。ずるいです。それ…プロポーズの」
「ふん。だから言ってるんだ、愚かな女だ…ジュブゼーム。ジュブゼーム……」
「やめて。やめて、上田さん……!!」
腕ではなく背筋を粟だたせているものは奈緒子が快感以上に認めたくないものだった。
歓喜に近い高揚。
身勝手な弱虫の上田ごときに囁かれるその特別な言葉でこのような感情を味わうなどもってのほかである。
これ以上溺れたくない。
上田に溺れたくない。
こんな変人で傲慢な勘違い男に引っ掻き回されず、亀やハムスターとともにもとどおり、穏やかに美しく大人気天才美人マジシャン(自称)として……奈緒子は愕然とした。
元通りの生活。
無神経な大男に煩わされることのない生活。
永遠に上田次郎のいない日々。
それがもはや想像できなくなっている自分に気付いたのである。
まあ、その、性生活は別としても。
目に勝手に涙が盛り上がってきた。
しゃくりあげるように息を押し殺した奈緒子に、上田は不審の目を向けた。
「you…?」
「上田のバカ!」
一声叫び、奈緒子は上田を睨んだ。
「なんなんですか、自分ばっかり。一人で言いたい放題ぺらぺら喋りやがって。この、この」
「天才教授」
「天…変人教授!言いにくい事全部先に言うなんて、ずるいぞ!この」
「高額所得者」
「高が…きゅ、給料ドロボー!…私、わたし、どうすればいいんですか?上田さんばっかり……!この」
「いい男。……いいか。you、もう言わなくていい。何も言わなくていいんだ」
「いいおと……え?」
奈緒子の滑らかな頬を上田の指が愛しむようにゆっくりと撫でた。
「口先でなんと罵ろうと、君が俺の事を以前にも増して慕っているのはわかっている。当然だ。今や俺はyouの献身的な奉仕により唯一の弱点が解消され、いささかの瑕瑾も見当たらない輝かしいまでに完全な存在──言わば『スーパー次郎』になったんだからな…」
「……やっぱり『巨根で童貞』がものすごいコンプレックスだったんだな、上田……エヘヘヘ!」
「うるさいな!」
上田は怒鳴り、顔を近づけて奈緒子の唇を塞いだ。
「………………」
「………………」
顔をはなし、彼は奈緒子に囁いた。
「練習が済んだら、長野に行くぞ」
「……え?長野?」
奈緒子の服が釦のないカットソーであることにようやく気付いたらしい上田は頷いた。
「だから君に羊羹を買ってきてもらったんだ。お母様、お好きだったろう。あの羊羹」
「どうして長野?」
「……挨拶だよ」
「なんの挨……」
「……一緒に来ればわかる」
上田は目を泳がせ、カットソーの裾に手を突っ込んだ。
「それに、youにはほかにもプレゼントがあるんだからな」
「……どんな?…ん…っ」
「……………」
「…………お、い?」
「……九万九千五百円をチャラにするなら教えてやってもいいが」
「上田っ!」
*
上田教授の講義はそれからもごく時たま意味もなく休講になる事があったのだが、それはまた後の話である。
おわり
706 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 10:32:26 ID:vTeWmkYm
今までで一番トリックっぽくとイイ!!!!
最高だぁっ!!
ぜひ続きを!!
うわー、続き激読みたい!GJです!
二回目以降も成功したのか…装着プレイに禿藁。
よかったっす!!
やっぱり、仲間由紀恵と阿部寛って最強だよな・・
対談・・・・・仲間由紀恵と山田奈緒子?
>>699-705 すごく面白かった
次郎スペシャルブラッシングとか、いかにも原作でも言いそうで笑える
神よ…第二部を我らにあたえたもぉれ…
GJ!!! すごい。このスレ最高だ。
714 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 00:46:36 ID:hCJ706Qs
もう、涙でるほど感動したよ・・・!!神よ!続編をいつまでも待ち続ける!!!
715 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 13:24:09 ID:B2Zl23O7
お前らみたいなヒッキーは、
ずっとオナニーしかできねーんだよ
俺はもう、山田奈緒子に種付けしたけど
お前らは一生無理だよ
716 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 13:40:48 ID:KZa9cOQ9
つまんない!
tsumannnai!
717 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 18:27:00 ID:hCJ706Qs
715はリアル童貞
GJ!!!
装着プレイ…激しく読みたいwww
720 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/04(月) 00:44:28 ID:YDxcFJG/
涙が出るほど感動&笑ったw続き見たい!
新しい職人様もオマチシテマスー!
722 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/04(月) 01:16:19 ID:seQQHLPT
続きじゃなくてもまた何か思いついたら是非お願いします。
もはやただのエロパロスレを超越した。
愛と笑いのエロパロスレだ!
またDVD見たくなった…。
上田の部屋で健康器具を間違って使用しつつ笑っている山田萌
726 :
前スレ750:2006/09/05(火) 14:29:02 ID:MVS+GGgY
乙です
いろいろ読み返してみたがいいですなぁ
うはwww携帯新入りにとっては神!
ありがたく読みます(*・∀・)
まとめGJ!
読んでなかったやつもあって助かります
てか「私の本命」切なすぎ・・・やっぱ上山最高だわ
ここはエロ限定?
ここはエロパロスレです。
常に餓えてる感じだ
エロありでもなしでもトリックの話読めるだけで幸せだ
里見さんの話良かったな>まとめ
じゃあ小説スレ立てれば?
エロかエロじゃないか曖昧なんだけど
神待ちの合間に短いの書きました。
「いち…に…さん…し…ちょうど、一週間か」
指を折る手がぱたりと畳に落ちた。
一週間、バイトと家の往復だけの生活だ。
つまりは一週間会っていないということだ。
…あの男に。
「一週間だって…はぁ…
会い…会いた…い?…や…会いたくなんかない!!
ただ家賃の支払いが…それに非常食もなくなってきたから、それだけ…」
誰にも話せない、誰かに話したいこと。
奈緒子は俯き、写真の中の父親に語りかける。
「あのね、お父さん…私ね、好きな人ができたんだけど…」
「なんだって?」
「!?」
驚いて振り返ると、声の主はあの男だった。
上田次郎。
「おまえいつから…!今の話聞いてたのか」
「今の話?天才上田教授のことが好きなんです愛しているんです、とお父様に報告していたことか」
上田がニヤリとしながら奈緒子に近づく。
奈緒子は真っ赤になり座布団で顔を隠した。
「ばっ馬鹿…そんなこと言ってない!!!違う違う消えろお前!」
「そうか、今流行りのツンデレというやつか?YOUは」
「なんだツンドラって?」
「…まぁいい」
奈緒子の抱える座布団を取り上げ、上田はいそいそとお茶の準備をし始める。
お茶うけは、上田の好物のわらび餅だった。
「いただきます」
いつもなら勝手に手をのばすわらび餅を、奈緒子はぼうっと見つめていた。
上田の唇に触れ、消えゆくわらび餅。
その視線に気付いた上田が、少し考えてニヤリと笑う。
「…あの時と同じように、してほしいのか?」
「あの時ってなんだ?」
「ほら…『キスしてやる』」
「!…っ…」
あの時。
キスをする振りをして、口で剃刀の刃の受け渡しをした時のこと。
つまり、口移しでわらび餅をくれるということだろうか。
馬鹿じゃないのか、こいつは。
頭がくらくらする。
心臓がもたない。
「…ん」
上田はわらび餅をひとつくわえ、奈緒子の肩を抱いた。
「ちょっ…うえだ…」
強引ではないはずなのに抗えず、口をひらく。
唇がほんの一瞬、触れた。
口の中を、ひやりと甘い感触が伝う。
「…うまいだろ?高いんだから味わって食べなさい」
「……ん」
上田は奈緒子がわらび餅を飲み込むのを待ち、 最後のひとつを手にする。
見せ付けるように口にほうり込み、わらび餅をくわえたまま器用に告げた。
「…食べたかったら、奪ってみろ」
挑戦的な笑みが奈緒子を誘う。
「…上田。『キスしてやる』」
奈緒子は上田の首根っこをひっつかんで、思い切り唇に食らいついた。
「…っ…ふ…」
「…んん」
キスに慣れない二人は、ぴちゃぴちゃと音を立ててお互いを求める。
わらび餅の冷たさと舌の熱さが溶け合う、甘いキス。
ロマンチックではないような気がしたが、二人は満たされた気持ちだった。
END
GJ!
>ロマンチックではないような気がしたが、二人は満たされた気持ちだった。
しかしスイッチが入ってしまった上田の詳細きぼんぬ
おおう!
わらび餅食いたくなった。
わらび餅って、萌えアイテムだったのか!
仲間由紀恵と阿部寛だからいいんだ!!何だここ!!GJ!!
>>734GJGJ!!今までの小説の中で一番俺の好み!
741 :
新人:2006/09/10(日) 17:26:02 ID:TyTy+Wcm
最近俺の家に、山田がよく来る。
「上田さん、ちょっとシャワー浴びてきますね」
「you、よく人の家で遠慮をせずに、そんな事が言えるな」
「まあ、いいじゃないですか。タオル新しいのあるか?」
「ない!」
「じゃあ、このタオル使いますよ」
「勝手に使え!」
「じゃっ遠慮なく」
まったく、あの女は・・・
髪が長いから、シャンプーもリンスも、かなり減るんだよな
「あぁーサッパリした。
はいこれ、ありがとうございました」
山田が、冷蔵庫をあさっている。まぁ、いつもの事だ。
風呂場に行き、服を脱ぎいつものように、
頭を洗い始めるすると、昨日よりかなりシャンプーの容器が軽くなっている
「山田め、また、たっぷりと使いやがって
高かったんだぞ、このシャンプー」
体を洗い終え、ふと思う
そういえば、このタオル山田がつかってそのままだよな
い・・いかん、あんな貧乳が使ったタオルなど、どうって事ない
「おぅぅ!?」
気がつくと、俺のグレイトボーイ(男根)は、MAXゲージになっていた。
「い・・いかん」
俺のグレイトボーイ(男根)は並外れたサイズ・・
しかも、MAXゲージとなると、隠すことが出来なくなる
「上田さーん、夕飯できましたよ」
「お・・おう、わかった」
しばらく、様子を見る・・・
5分後
742 :
新人:2006/09/10(日) 17:27:10 ID:TyTy+Wcm
「だ・・だめだ、ぜんぜんおさまる気配がない
たのむグレイトボーイよ言う事を聞いてくれ」
「上田さーん早くしないと、ごはんさめちゃいますよ」
「お・・おう、わっかってる」
ど・・どうしよう、このままじゃ山田に誤解されるそ・・そうだ
上田は、風呂場から出ると自分の部屋に行き、
山田のアパートの、大家さんの写真を見た。
すると、グレイトボーイ(男根)はおさまった。
「上田ー、早くしないと先食べちゃうぞ」
「うるさい、だいたいyouはそんなにせっかちだから
胸の成長が追いつかないんだ」
「う・・上田さんだってノロノロしてるから
そんなに大きくなったんでしょ」
2人は言い争いをしていたが、
夕飯を食べ終わるころには、仲直りしていた。
−−−−−−−−−−続く−−−−−−−−−−−−
743 :
新人:2006/09/10(日) 17:43:39 ID:TyTy+Wcm
その夜、
「上田さん、わたしもう寝ますね」
「俺も今寝ようと思っていたとこだ」
「それじゃ、上田さん、おやすみなさい」
「おやすみ・・・おっとその前にyou」
「なんですか?」
「この、サルぐわを、してくれないか」
「な・・なにかんがえてるんですか?
わたし、そんな趣味はありません」
「ち・・ちがうんだ、youの寝言がうるさいからだ」
「もう、ほっといてください」
そういうと、山田は、ベットにもぐりこんでしまった。
仕方ないので俺も寝た。
上田は、夢を見た・・・
「うぅ・・・さ・・寒いここはどこなんだ?ん・・雪?」
「上田さん寒いんですか?」
「当たり前だ。雪が降っているんだぞ!
それに今は、夏なのに」
「そうですか、寒いんですか・・・」
「???youどうした?」
「だったら私が暖めてあげます」
バサバサっと、山田は服を脱ぎ上田に抱きついた。
そして山田が上田の服もぬがした。
そこで目が覚めた。
744 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 19:06:58 ID:bie3vTG2
拙い文章だ。
745 :
新人:2006/09/10(日) 19:48:22 ID:TyTy+Wcm
すみません。
それでは中断させていただきます
>744さん
適切な指示ありがとうございます
サルぐわ(猿ぐつわ?)の間違いが気になって冷めてしまったorz
あと上田、風呂場なんだからとりあえずその場で一回抜きゃおさまるだろうに、って思ったの俺だけ?
747 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 23:15:48 ID:8T14AFz9
まぁ、いいじゃないか。
見れるだけアリガタイし
せっかくそこまで書いたのに…
もったいないオバケでるよ
気にしないでカモンカモン!!
750 :
新人:2006/09/11(月) 07:30:16 ID:XK64h8ST
皆さんありがとうございます。
なんせ、初めて書くんで・・・
初めてでも何でもいいからsage推奨・・・じゃないのか
どんとこーい。
752 :
新人:2006/09/11(月) 14:09:54 ID:XK64h8ST
では・・・
「おうぅ?」
起きようとしたが、体が動かない、ベッドに何かで、縛られているようだ。
「こ・・これはいったいどうばっているんだ?ん・・ベルト?」
そこには、山田がいた
「上田さん、それ私が縛ったんですよ」
「おう? ユ・・you、ナニすんだ、早くほどけ」
「いやです。上田さんいつもいつも馬鹿にするから、ちょっとお仕置きですよ
オホホホホホホホ」
さすがの上田も、手足をベルトでがんじがらめにされ
外すことができない。
「じゃ、上田さんちょっとロウソクと、皮ベルト買ってきますね
サイフ借りますね」
「お・・おいyouちょ・・ちょっと待て」
「いってきまーす」
バタン
行ってしまった・・・どうしよう、このままではあの女に・・ん・・・・?
あれは、宝女村にいたクワガタなぜココに・・・まぁいい
「たのむyouそのアゴでこのベルトを切ってくれ」
しかし、クワガタは聞く様子がない、
−−−−−−−−−−−続く−−−−−−−−−−−
753 :
新人:2006/09/11(月) 14:14:05 ID:XK64h8ST
ミスごめん
×「こ・・これはいったいどうばっているんだ?ん・・ベルト?」
○ 「こ・・これはいったいどうなっているんだ?ん・・ベルト?」
754 :
新人:2006/09/11(月) 14:40:05 ID:XK64h8ST
「上田さん、買って来ましたよー」
「い・・いったい何処でそんな物を、かってくるんだ?」
「秘密です・・・エヘヘヘヘヘヘ」
「いったい、いくらしたんだ」
「ぜんぶで1万円、ついでに私の服も買っちゃいました」
「なぁ・・youほんとにするのか?そんなSMチックなことを」
「えーっとライターライターあった」
くそーあの女め、このベルトさえ外れればな
「騒がれると困るので、このさるぐつわをつけますね、よいしょ」
「や・・やめろyou!熱でもあるぅふがふが」
山田は、ロウソクに火をつけた、固体のロウが、火によって液体になる。
「まずはこの服をっと」
そう言うと、山田は上田の服を脱がした。
山田に裸を見られると、下半身がはんが、反応し始めた。
「う・・上田さん、こういうことが、好きだったんですか」
「ムゴフゴ・・・・・・フガァーーーー!?」
ロウソクの先端から液体がたれ、上田の太ももにたれついた
755 :
新人:2006/09/11(月) 14:54:49 ID:XK64h8ST
山田は、満面の笑みを浮かべた。
相変わらず。可愛くない笑顔だ・・・
「次は何処にしようかな? ここだ」
「ウゥーーーーン!!!!!」
「やっばり猿ぐつわは、じゃまですね。とりましょう」
「おぅ・・・はぁはぁ、なぜ外すきになったんだ?」
「キス出来ないでしょ」
そういうと軽く上田にキスするとまたいじめ始めた
山田はしばらく上田をいじめると、飽きてしまったらしく
部屋に戻ってしまった。もちろん上田を縛ったまま。
「や・・山田め・・・・ベルトを外さずに行きやがって
一晩中このままでは、健康に悪い、なんとしてでも外さねば」
756 :
新人:2006/09/11(月) 15:02:00 ID:XK64h8ST
ちょっと休憩します、
まだ続くのでヨロシクお願いします
757 :
新人:2006/09/11(月) 15:20:43 ID:XK64h8ST
上田はライターを見つけた、山田はがロウソクに火をつける時に
使ったものだ
「よし、これを使って・・あちち・・おうぅぅ
気をつけなければ、よし」
見事に、ベルトを焼き切った。
「よし、山田めよくもやってくれたなこれで反撃ができる
あんなことや・・・・こんな事・・・・・
おうぅ!?いかんもう大きくなっている」
上田は一発白い欲望を出すと、山田の部屋に向かった
今回は短くてすみません
次回から上田の反撃が始まります。
アドバイス
中の人は黙ったが良い。
お、続きがある。ヨカッタヨカッタ
新人さん、とりあえずsageようぜ
誤字多数注意!
761 :
新人:2006/09/11(月) 18:10:27 ID:XK64h8ST
sageってこれでいいんですか?
わかりませんのでおしえていただけますか?
762 :
新人:2006/09/11(月) 18:33:46 ID:XK64h8ST
>>760すみません疲れているもので
以後気をつけます
部屋にはいると無防備な姿で寝ている山田がいた。
相変らず意味不明な、寝言を言っている。
「これでよしっと、おい!you起きろ・・おい!」
「ん・・・上・・田・さん・・・え!?な・・何で?
しっかりと縛ったはずなのにどうして?」
「俺には、youと違って本物の超能力があるんだ」
「うそつけ」
「そんなことより、さっきの仕返しに今度はyouを縛ってやった
今度は俺がyouを犯してやる」
上田は、全裸になり、山田に近寄った
「く・・くるなこの巨根・・・えーい」
ドカ
上田は、山田に急所を蹴り上げられてしまった。
「ぅおおぅぅぅ・・・・・お・・・俺としたことが、足を縛り忘れていた」
「はっはっは、この馬鹿上田め」
上田は、急所の痛みが取れると、片手でおちんちんを守りながら、
山田に近寄った。山田も足だけでは、守りきれず、
その足も縛られてしまった。
763 :
新人:2006/09/11(月) 18:54:30 ID:XK64h8ST
「くそ、この巨根!やめろよるな」
「さてと、まずはこのじゃまな衣服を、とってしまおう」
「や・・やめて下さい、上・・だ・さん
さっきのことは謝りま・・す・から」
上田は、山田の服をきれいに脱がした。
ブラとパンティーもむしりとた
「you・・・思ったより少し大きいな・・」
「うるさい!! 馬鹿上田!!」
山田の全裸を見た、初めて生で見た女性の裸のおかげで、
上田のティムポは、爆発寸前だった
「はじめは・・・顔射をしてみよう・・」
「ちょ・・や・・やめて下さい」
「おぅぅ!?」
どぴゅぴゅぅ
「きゃぁー、き・・汚い・・何これ生臭い」
「おぅぅ、まだ仕返しは終わらないぞ」
764 :
新人:2006/09/11(月) 19:29:33 ID:XK64h8ST
「次は、よしこれだ」
そう言うと、上田は山田の胸をもみ始めた
「ん・・やめ・・てくだ・・・さいよ・訴え・・・ますよ」
「youは、素直じゃないな、やめろと言っても、下はヌレヌレだぞ」
「ヌレヌレって言うな・・・ん・・そこはやめ・・・ひっ」
上田は山田の、大切な部分に指を入れた。
「ひ・・あん」
「どうだ気持ち良いか?気持ち良いだろ、さぁ気持ち良いと言ってしまえ」
「気・・持ちよ・・・・くな・・んか・な・い・・ひ・・あ・・あ」
「you声が裏返っているぞ、ん?
ほーう、やはり処女だったか(よかった)」
「う・・うるさい・・・童貞」
上田は、山田の口に、その巨大な肉棒を無理やり押し込んだ。
「んんーー・・」
「おうぅおぅき・・気持ちいい」
上田は、腰を上下に動かした。
「んん!?」
次の瞬間山田の口に、大量の白濁液が注ぎ込まれた。
山田は、はき出そうとしたが、上田のティムポに押さえつけられて
はき出せない、上田のティムポからは、汁がまだまだ出てくる
「んんー!!(やだ!? おどのおくに流れ込んでくる)」
「おぅぅぅ、しっかり飲むんだぞ」
「げほげほ、はぁはぁ・・こんなもの飲ませるな」
「youに、選択のよちはない」
× 宝女村
○ 宝女子村
DVD見たばっかだから気になったw
沢山書いて精進してねv
766 :
新人:2006/09/11(月) 20:09:02 ID:XK64h8ST
「上田さん、も・・もういいでしょ許してくださいよ」
「まだだ」
「え?」
「まだyouの処女を奪ってない」
「そ・・そんなことするんですか?」
「当たり前だ」
上田は、山田の秘所に亀頭をあてた
「ん・・・い・・入れるんならさっさとしてください」
「い・・いくぞ・・・・」
「あ・・きゃああああああああああ」
「おぅぅぅ、す・・すばらしい・・・・こ・・この瞬間から
俺とyouは、処女でも童貞でもなくなった」
「い・・痛い 早く・・抜い・・てく・・ださい」
「はぁ・・はぁ・・・ユ・・・you」
激しく腰を動かす
そして・・・
上田は山田の中に無数の小さなおたまじゃくしを、はなった
「はぁはぁ、良かった、良かったぞ奈緒子」
「そうですね、次郎さん」
「え??今、なんていった?」
「そうですね、って言いました」
「違う!そのあとだ」
「次郎さんって言いましたけど、なにかへんですか?」
「だっていつもは、上田とよんでるじゃないかなのに」
「ですから、これから私、名字が変わるんです。上田に、
だめですか?」
「い・・いや、ぜんぜんだめなんかじゃない」
「ならこれからよろしくお願いします。次郎さん」
「じゃあ何で、嫌がったり、あんなお仕置きをしたんだ」
「だって処女だったんですから、自分から誘うわけにはいきませんし
次郎さんなら、お仕置きすれば、反撃することぐらい、わかりますよ。だからライターをおいてったんです」
「そうだったのか、明日お母さんに、挨拶行かなければな」
「式のときは、でっかいケーキが食べたい」
「ウエディングケーキは、でっかいに決まってんだろ」
「そうでしたっけ?えへへへへへへへ」
「相変らず、下手な笑いだな」
−−−−−−−−−−−終わり−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どうもよんでいただいた皆様ありがとうございました
767 :
新人:2006/09/11(月) 20:13:54 ID:XK64h8ST
皆様のお返事やリクエストさえあれば
書きたいと思いますが、いかがですか?
死ね
769 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 22:14:44 ID:ASbfdubM
書いてv
明日から二週間ほどネットができなくなるので
同日投下で大変申し訳ないんだが、後ろのほうに置いとくね。
ほのかな硫黄臭。
涼やかな夜気にたなびく湯気……温泉だ。
それも確実に強羅。
いつの日にか愛する女性とともに入るとかねてから誓っていた、定宿のプライベート露天風呂に間違いない。
閑雅な照明に、湯が満々と揺れている。
膝の上には濡れたおくれ毛をうなじに落とした、一糸纏わぬ──。
なぜ山田奈緒子なのか。
上田は、唐突に放り込まれた、ひどくしっとりとしたこの情景にとまどっていた。
奈緒子の唇が動く。小さい呟きが水音に紛れた。
「…上田さん。ちゃんと座ってるの、難しいんですけど」
この宿の源泉は濁り湯だから、透明度はかなり低い。
従って湯の下は定かには見通せないのだが、上田の腿には丸みを帯びた滑らかな尻の感触がある。
奈緒子は、湯の中でふらつく躯を安定させるためか、絶えず身じろぎしていた。
そのたびに触れあう場所から戦慄に似た快感が背筋に走り、上田の躯を熱くさせている。
高めに感じる湯温のせいもあるのだろうか。
うっすらと淡紅色に染まった奈緒子は目を疑うくらい綺麗で、とても普段の彼女とは…。
上田は湯気に曇る眼鏡を外し、急いで指先をこすりあわせた。
眼鏡のレンズは常にクリアに保つべきものだからだ。それ以外の理由などない。
決して、湯の上にみえる部分だけでも目に焼き付けたいなどというヨコシマな意図からではない。
なぜ自分が眼鏡をしたまま温泉に入っているのか、そのあたりの経過も判然としないが、まあいいだろう。
すっきりとした眉。
潤み加減の大きな瞳。
口角がちょっと色っぽいかたちにあがった可憐な唇に、肩から流れる細い鎖骨の影。
上田を見上げてくるまっすぐな視線。
いつもの勝ち気さが、恥ずかし気でどこか憂いを刷いた表情のせいか、珍しくも影をひそめている。
大体、誘ったら──多分誘ったんだろう、この場面までの記憶がどこかに行ってしまったが──誘われるまま膝に乗ってくるなんて反則だ。
いつもなら絶対に断られるはずなのに。
「上田さん」
すぐ耳元でまた声がして、上田の鼓動がひとつ跳ぶ。
硫黄とは全く違う甘い香が湯気に混じっていることに気付く。
奈緒子の髪と肌と吐息の──彼女の匂いだ。
「どうしてずっと黙ってるんですか……何か、いつもみたいにバカな事、言ってくださいよ」
濁り湯の中で、上田の胸に奈緒子の肩が何度も当たっている。
腕も、肘も、腰も腿も。
操られるように手が動き、湯の中で彼女の腕を掴んだ。
ふわふわしている彼女を安定させるためだ。他意はない。断じて。
深い色の瞳に吸い込まれそうだ。
「……唇を…合わせるべきなのか。そうだ、勿論だ。心理学的見地からみても、行動の選択確率はこの場合…」
「何でそうなるんだ。それより、………恥ずかしいくらい…勃ってますね」
「う、うるさいっ」
思いきって奈緒子に視線をまともにあてる。
見つめられて羞恥をあらわにし、震えた彼女の睫の長さを確認する。
……そうだ。
彼女の憎まれ口など、どうせ照れ隠しに決まってる。
なんとなればさっきから、ずっとうっすら開いて彼を待っているような桜色の唇。
ほとんど自動的に躯が傾いて奈緒子を追いつめた。
「上田さん…」
慌てたような小さな彼女の囁き。
「とめるつもりだとすれば、遅い。人をからかうんじゃない。……そんな目で、俺を見るな」
唇が合った。
ほどけるように上田の愛撫を受け入れるしっとりとした唇。
ためらいがちに廻された細い腕を頭の後ろに感じ、上田は奮い立った。
──勿論、厭なんかじゃないにきまってる。奈緒子も、自──いや。
「……ん、ふ…上……田、さ…」
「……」
ふいに、質さなければならないような気がして、上田は唇をわずかに離す。
「どうしたんだ、you……今日はなんだかおかしいぞ」
奈緒子は潤みきった瞳を開け、上田の顎を指でおさえた。
「……上田さんの事だから、誘ってる振りしてどうせ、最後には逃げるんだろうって思ったんですよ…驚かせてやろうと思って」
「俺に逃げてほしかったのか」
彼女は赤くなった。
もじもじと肩を竦める。
「……でも、上田さん……今まではずっとそうだったじゃないですか。計算狂っちゃいました」
表情も口調も声も唇も、上田に触れる彼女の肌触りも、あまりにもあれだ。その。
……『魅惑的』。
…山田奈緒子が?
心臓が異様なまでに高鳴っている。
湯当たりか。それとも不整脈か。
今度精密検査を受けなければ…だが、とりあえずなによりも、問題はこの状況だ。
「……この!」
彼女を押さえ込む。
「あっ!」
華奢で柔らかい躯。
滑らかなかたちのいい手。
「お前、本当に山田なのか?俺を騙してるんじゃないのか。正体をあらわすんだ、宇宙人め!」
「ほ、本当に私です!なに疑ってんだ、上田」
「いいか、これは普段の俺たちでは絶対に起こり得ない状況なんだよ。そうじゃないか? 展開にリアリティというものが全くない。youが仕組んだ何かの罠かもしれない、あるいはyouが別人で──」
奈緒子はさらに赤くなった。
「そ、そういえば…って、それってどういう理屈なんだ?」
上田はじりじりと、抱え込んだ奈緒子の躯を湯の表面まで持ち上げようとした。
「待て。どれどれ、胸は──ふっ、やっぱりこの世で三本の指に入るほどのド貧乳か。確かに山田のようだが……」
「上田!はなせ」
奈緒子は真っ赤になり、逃れようとして身を捩っている。
湯でいっそうなめらかになった肌理こまかな肌が上田の躯を官能的に擦りまくる。
なんという強烈な刺激だろう。
「山田……!」
豊かな理性までもが、根こそぎ全て削りとられていく気がする。
恐るべし、温泉スキンシップ。
上田は大きく息を吸い込んだ。
「貧乳の問題はいつもの事だからまあ良しとしよう。この際だ、どさくさに紛れて言っておく…………俺は、ああ、俺は、youのことが……す……す、す、すす……す…」
奈緒子の目が切な気に揺れた。
「どうでもよくは……上田…」
「口を挟むんじゃない!こんな時ぐらい黙れよ全く……す、す、好きだ………ああ、あ、あ、…あ、あ愛してる、かもしれない」
「……わざとらしくどもるな、嘘くさい」
「本当に、だ。youのためなら、この命──」
上田の口を顎から滑らせた指でおさえ、奈緒子は目を伏せて恥ずかし気に呟いた。
「そんな事言う奴は上田じゃない。そっちこそ、偽物だろ……!」
ああ、こいつは本物の山田だ、と上田は深く安堵した。
「なんなら、四桁の四則演算で俺であることを証明してやってもいいぞ」
「や……やっぱり上田か。そんなバカな事──」
「………山田」
「………え?」
「こんな時ぐらい真面目に聞けよ」
「こんな時ぐらいって……ものすごく異様なシチュエーションじゃないか、これ」
「黙れ!!!……返事は?」
「……………ハイ…」
「……好きなんだ」
「………上田……」
完璧だ。
上田の胸は達成感に膨れ上がった。
夜空に向かって拳を突き上げたい思いで一杯だ。
あまりの状況に混乱し、多少ぎくしゃくはしたが、急転直下のこの鮮やかな結末はどうだ。
上田はこれまであえて膝にのせた全裸の女性に求愛した事などなかったが、はからずも今回初めての試みであっさりと成功してしまった。
再認識するまでもなく、それもこれも上田が天才だからである。
山田奈緒子のようなひねくれた女までもを素直にさせてしまう、溢れ迸る底なしの才能と魅力が自分でもそら恐ろしいくらいだ。
「上田……さん…」
「……you」
見つめ合い、どちらともなく再び唇を重ねた。
なんという自然で美しい流れだろう。
言葉をいくら発しても、この喜びを完全に表現させる役にはたたない。
もどかしい。
どうすれば彼女に、この高揚感を伝えることができるのだろう。
奈緒子の指は上田の髪深く潜りこみ、上田の腕は奈緒子の躯に巻き付いた。
唇で首すじを覆うと、奈緒子が鼓動を跳ばしたのがわかった。
もしかしたら、跳んだのは上田の鼓動のほうかもしれないが。
掌全体に伝わってくる腰の艶かしい曲線。
囁き混じりに抑制をほどきはじめた彼女の吐息。
奈緒子の腿を押している、わかりやすい上田の反応。
……これは恥ずかしい事じゃない。
健康な成人男性としての当然の反応だ。
上田は頷く。
湯を通してかすかにみえる、ほの赤い乳房の先が可憐に尖っている。
奈緒子は、上田の肩に上気した頬を伏せてきた。
「上田さん……あ…」
大き過ぎる男根はいい予感に張りきって敏感になり、ぴくぴくと揺れ、たぶん湯などよりもはるかに熱く蕩けているはずの、奈緒子の躯の中に早く納まりたがっている。
彼女の華奢な背に腕を廻して引き寄せる。
湯が騒ぐ。
「you…もっとこっちに……来いよ」
もっと早くこうして触れ合えることができていれば、これまで遠回りしなくてすんだのだろうか。
昂る感情のまま上田は奈緒子の尻の肉に指をおいた。
抱き寄せ、奈緒子の胸の間に顔を埋める。
貧乳貧乳と苛めてきたが、ふわりと柔らかな肉がきちんと頬をおさえこむ。
綺麗な胸じゃないかとちらりと思った。
こうしていると、とても気持ちがいい。
細くひきしまった胴を確保し、舌を出して乳房を舐めた。
濡れた肉を震わせるように唇で挟み、くっきりと浮かんだ乳首を音をたてて吸う。
「あ、いやっ……上田……」
「好きだ……こいよ、早く、腰をあげて…」
浅く早い呼吸音が湯気を撹拌して響く。
自分のだと気付くが恥ずかしくもないし自己嫌悪も感じない。
歯止めが効かなくなっていく。
壁が失われていく。
なにかがどんどん壊れていく。
無理もないだろう。
……な女を抱いてるんだから。
すんなりした白い腿を腰の横に導く。
「……俺の腰を挟むんだ。そうだよ、上手だ…」
「こんな格好……恥ずかしい、上田…」
なにが恥ずかしい。
どんな動画教材の女優よりも俺をそそっているじゃないか。
ためらっている脚を引き寄せ、腰を掴む。
湯とは全く別の温かさに先端が触れる。
力をこめて彼女の腰を引きずり降ろす。
狭い肉の強烈な抵抗感。奈緒子の指が上田の肩を握りしめる。
「んっ………ぁ…う、ん…!」
深く深く、潜り込んでいく感覚。
「you…!」
蕩けた彼女の細い躯は苦労しながらなんとか上田を通過させていく。
のけぞるように身を揉み、奈緒子が呻く。
「あぁあ!」
苦痛だけとは思えない確かな艶が、血流でざわめいている上田の鼓膜を震わせる。
「あ、あ、っ……こんなに…深すぎて……やぁ……」
背筋を撫でる甘い声。
「んっ…んんっ…あ……上田さん…いや、あ、…上田さんっ…」
上田の顔の横でわなないている彼女の白い顔。
眉をよせ、綺麗な目を潤ませ、薄く開いた唇の隙間に喘ぐ舌がちらりと踊った。
「山田……」
勝手に腰が動き始める。
二人の周囲で、じゃぼっと湯が一斉に騒ぎ立てた。
「んっ、ん…ああっ、いや、あ…っ」
「や、山田っ!!」
奈緒子は柔らかな頬を上田の耳に擦り付け、振り落とされるのを怖れるかのように背に腕を廻してきた。
思わず爪をたてたのか、鋭い痛みが一瞬走る。
だがそれは興奮しきった上田に何らダメージを与えるものではなかった。
「あああっ、あっ、あはぁ、ああ!あ!…」
奈緒子の腿が上田の腰を、動きに合わせて締め付ける。
くねる躯は、もしもこんなに深く繋がっていなければ上田の腕から今にも抜けそうだ。
「いやぁ、上田、上田、さんっ…私…、わたし…!」
奈緒子が喘いで身をよじるたびに、その胎内で隙間なく上田に絡まりついた熱い複雑な肉襞が、きゅうきゅうと奥にむかって誘うように絞り抜く。
ほとんど拷問のような強烈な悦楽に上田は呻いた。
「おおぅ、youっ!……は、反応が良すぎるぞ!」
「あん、バカっ…上田のせいだっ……こ、こんなに…なっちゃったの…あああ、だめっ!」
こんなに感じているなんて、彼女もそれなりに──いや、かなりこの行為に馴染んできたのか……。
馴染む……?
だが、いつ奈緒子を抱いただろう。
上田にはその、記念すべき最初の開拓行為の記憶がない。
最初どころかその後の楽しかるべき発展途上の日々の覚えもない。
ないったらない。
ゼロだ。
「何だと……ばんなそかな!…ん…おぅ……なんで……」
「あっ、んっ!…ふぁっ!…上田、上田さん、ごめ、んなさい…もう、私…もう…っ…」
重要極まりないはずの記憶の欠落にたじろぐがそれも一瞬だ。
奈緒子の、限界を訴えるたまらなく色っぽい動きにすぐに上田は集中する。
腕の中、目の前に、彼の名を愛しげに呼びながら艶やかな声をあげている彼女がいる。
ああ、それで充分じゃないか?
彼女が自分の傍らに居る。
それだけで。
「上田さん!上田さん!!ああっ、一緒に、ね、いっしょ、に!ああ、もう……」
「そ、そんなにいいのか、you。イくんだな?…お、俺も、もう…っ」
「う、…上田さん、好き……あ、あぁあーーーーーっ………!!」
奈緒子が躯を震わせる。
紅潮し、色づいた躯が上田の胸板に擦り付けられ、細い指が首を抱き、耳朶に触れ、やわらかい唇が。
「…あ…あああぁ……や、ぅ…っ」
抱きしめると、彼女が跳ねる動きにあわせて濁り湯が揺れ動く。
奈緒子の脚が、強く上田の腰を締めつける。
「you……!!」
繋がった場所が何度も何度も、痙攣してうねり、ほどけ、彼をきつく搾りあげた。
耐えかねた上田は……。
*
「………おおうっ!?」
跳ね起きた上田は、ずれ落ちかけていた眼鏡を顔から引きむしった。
ぼんやりとした視界に見えるのは、机一面に散乱した書類。
転がったグラス。
つけっぱなしの卓上ライト。
見慣れた自分の研究室である。
「………………」
思い出した。
溜まっていたレポートの採点をやり遂げるため、昨夜はいつものインチキ事件を解決して帰京したその足で大学に戻り、そのまま───眠ってしまっていたらしい。
上田は眼鏡をかけ直し、時計を見た。
午前三時二十三分──なんという半端な時間だ。
「ん…?」
上田は頬に涎が垂れていることに気付き、慌てて掌で拭った。
身じろぎすると股間に違和感…。
下着の内側の、このなんともいえず気色の悪い感触は。
「シット!」
上田は腰を引き気味に立ち上がった。
……山田奈緒子と事件解決に出かけたあとには時々こういう事がある。
理由は単純──地方に泊まる場合には、経費削減のため彼女と同室で過ごすはめになるからだ。
乱暴者で強欲で愚かな貧乳といえども一応女、それを傍らにおいていつもの崇高なる『練習』はできない。
事件が長びくと当然溜まってしまう。
溜まったものは定期的に放出したほうがいいに決まっているのだが、処理できなければこうやって自動的に排出されることもある。
生理的な現象だから仕方ないのだ。
だが、仕方ない事とはいえ中学生じゃあるまいし、いい年をして…というこの微妙な情けなさは何だろう。
上田は苛々しながらロッカーを開けた。
淫らな夢を見ていたような気がする。
温泉にいて──奈緒子がいた。
上田としては、出て来てほしいわけではないのに彼女が勝手に出て来たのだ。
温泉だから、彼女は服を着ていなかった。
だからといってあんな貧乳を見たところで全然嬉しくなんかない。なのに。
温泉だから、無論自分も服を着ていなかった。そして奈緒子と……。
………膝に乗ってくるから、だから……湯が……熱くて……。
確かそういう夢だった。そうだ、そういう夢だった。
なんという事だ。
その結果がこれか。
「なぜだ。なぜあんな夢を!……屈辱だ」
腰回りにバスタオルを巻き、紙袋に下着をつっこむ上田の手は震えている。
「この俺が。大学教授で天才物理学者のこの上田次郎様がだ。あんな貧乏で貧相な女で…どういう間違いだ!」
うろうろと所在なげに室内を彷徨った上田の視線が電話にとまった。
「くそ。夢に出てきたぐらいでいい気になってんじゃねぇぞ……山田…叩き起こしてやる」
理不尽で身勝手な怒りに燃え、慣れた指さばきで電話番号を押した。
いい加減短縮にしたほうが早いのはわかっているが、なんとなく癪に障るので未だに設定していない。
長い長い呼び出し音。
「……早く出ろよ!」
どうせいぎたなくあられもない格好でとんでもない場所に転がっているに違いない。
どんな男も裸足で逃げ出すような、色気皆無の寝言を唸りながらだ。
あの恐るべき寝相と寝言でせっかくの可愛い寝顔も──いや、誰があんな女。
自分以外の誰が……夢とはいえあんな無礼な女の相手をしてやる男など、他にいるものか。
上田は歯ぎしりをした。
『──もしもし』
平板な声が電話線のむこうから伝わってきた。
幸せな惰眠をとりあげられ、不機嫌の絶頂である事は、ゾンビの呻きめいた響きで容易に想像できる。
「俺だ! you、貴様…さっき俺の夢に出てきただろう、え?どういう了見だ」
『やっぱりお前か…。今何時だと…さっ、三時半!?おいっ、上田!』
「ふん、ごまかすなよ。よりによってあんなみだらな格好で。……全裸。全裸だぞyou。恥を知れ、恥を」
『ちょっと待て。………はい?』
「いいか、言っておくが俺はな、夢ならばともかくだ…現実にはあのスペシャルな露天風呂にyouのような愚かで心も胸も貧しい女を連れ込みはしない。ましてやだ」
『おい。落ち着け、上田』
「うるさいぞ、山田の分際で。黙ってろ! ましてやだな、いいか。いくら全裸の君が膝に乗り、俺を誘惑してきてもだ」
『……』
「対面座位で交わったり、さらにさらに両手を岩場につかせた上で背後からyouを泣かせたりなどという気持ちのい…、じゃないっ!! ふしだらで非理性的な猥褻行為は、この俺に限っては、絶対!ネバー!断固!!ニヒト!!!」
『……』
「おい!聞いてるのか!?」
『上田さん』
「何だ」
『今後私の半径二十メートル以内に近づいてきたら殺しますから。いいな』
ぶっつりと電話が切れた。
延々と続く待機音を聞きながら、上田はようやく我に戻った。
「…………」
石像と化して立ち尽くす。
俺は今何を言った。
……全部ぶちかましてしまった、のか?
あの夢の内容を。──奈緒子に。
「……ウェィト!」
四十センチほど垂直に飛び上がり、上田は両手で受話器を雑巾搾りにしぼりあげた。
「違う!誤解するな、you!今のは全部俺の間違……いや、君の聞き間違いだ!」
冷たく響き続ける待機音。
「聞けってっ! youーーー!!!」
*
バカは死ななきゃ治らないらしいが、上田のバカは死んだとしても治る見込みはあるのだろうか。
おわり
GJ
>『今後私の半径二十メートル以内に近づいてたら殺しますから。いいな』
に激藁
You、GJですw
とばっちりで叩き起こされた山田、カワイソスwww
782 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 00:47:54 ID:5C2tAKzQ
やっぱウエヤマは可愛くていーね。ここはどの話もエロが綺麗だね(・∀・)イイ!!
素晴らしい! GJ!!
目に浮かぶような温泉の情景にハァハァだ!
GJ
変なことを言ったお詫びに、奈緒子を温泉に釣れていって…
夢と同じような状況になって━━━━
みたいなのがあったら更に萌えるw
続ききぼん。2週間後降臨期待
GJGJ!
夢オチだろうと読めつつも、温泉の描写が秀逸で萌えましたw
↑と同じく、リアルに山田を温泉へ連れていき、
ジワジワ落としていく続編を熱烈キボン
786 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 07:33:08 ID:TFpiagKL
ウエヤマかわいいよウエヤマ
自分も執筆中。
今週中には完成予定です。
萌えたww
↑同じく続きキボン
>787
wktkしながら待ってます。
恐るべし、温泉スキンシップ…!萌えすぎた…!
わらび餅プレイさん、正座してお待ちしてます。
待ってました!温泉GJ!
いつもながら神!
仲間タンはガチで阿部ちゃんと付き合ってたらいいのにな
わらび餅さんくるかなあ
>>792お似合いだもんな。
上の小説に釣られてわらび餅食ったけどこれもち自体は味しないな。
種類によって違うもん?でもきな粉つけたらおいしかったw
わらび餅ってのは、きな粉なりなんなり付けて食うもんだろ
最近は黒蜜わらびも流行りだね
797 :
わらび男:2006/09/16(土) 21:37:43 ID:f4d/enm3
すみません、仕事が思いの外忙しくてあまり書き進まず…
地道に書きますのでマターリお待ちください(´・ω・`)
うお!わらび男さん焦らせてゴメン!
マターリ書いてくれ〜
わらび男w
800ゲト
のついでに質問。話割ってスマソ
ちょっと出しゃばる内容だけど。
最近このスレを見付けてまとめとかみたんだが、
前スレの蜜柑とか続きは書く予定がないんだろうか?
だったらリレーじゃないけど他の誰かが書くっていうのはいけないか?
そんでもって俺でよければ続きのようなものを書いてみたい。
すばらしい作品を蜜柑のまま終わらせとくのはモッタイナス
でも元々の職人様が考えたオチとは違うかもしれない。つまらなくなるかもしれない。
とりあえず皆さんを満足できるようなものを書けたらなって思う。
どうだろうか?回答おながいします(._.)
>>800 いいんじゃないかなー。
前スレの蜜柑てもう2年くらいそのままだ。
てか、読みたい
書いて!にもう1票
なんでゆずのアイコンが…と思っていたんだがちょうど一昨日「これって未完ってことで蜜柑じゃね?」と気付いたところだ>まとめ
そのくらいたってれば書き手も完結させる気ないだろうし
書いてもいいんじゃないかと思ってみる
>>800 ぜひお願いします神!
未完のままだとモヤモヤして気持ち悪いしw
昨日第一期のトリックを見て萌えてみた。
ウエヤマが初々しくてかわいいなw
死体を発見してパニックの奈緒子をなだめる上田(*´Д`)ハァハァ
上田が死んだと思って取り乱す奈緒子(*´Д`)ハァハァ
その手をひいて走る矢部(*´Д`)ハァハァ
今じゃありえないようなシチュエーションだらけだ(*´Д`)ハァハァ
>>804パニックの奈緒子をなだめる上田
激萌えだったwww
うは、早くもコメントが来てるし。サンクス!
んじゃ書いてみようかな。携帯房だから早くは更新出来無いけど、頑張るお。
とりあえず作品選んで欲しいかな。迷って自分で選べないから一番票が多いやつを最初に消化してみるよ。
というわけで待ってます〜
確かに1ってトリックらしさが一番出てるなー。
3はまたポケモン話出てるし、何より最終回が…な。ハァハァ
>>805 そのエピソード、見てないな。
こんな感じだと予想……
上田:う……うろたえるんじゃあないッ! ドイツ軍人はうろたえないッ!
山田:おまえが一番うろたえてるぞ、上田!
808 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 01:33:49 ID:QxMaEFrs
>>807 それが、初期の二人は反応が一般人っぽいんだ…w
死体見て「いやぁぁぁ!」って言ってる奈緒子を
よしよし大丈夫だからな、みたいに(台詞聞こえない)普通に気遣ってる上田。
>>807母の泉見てね。
俺は遠距離殺人の回で、上田がトラックにひかれそうな奈緒子を颯爽と助けたシーンがなんかすごい好き。
>>808 上田が正面から奈緒子の肩を掴んでなだめている・・・
劇場版2を見て帰宅して、母の泉を観た。
その普通さ加減に改めて驚いた
普通じゃないはずなのに・・・
「ボクは、それほど許婚というわけじゃないんだ」
「上田さん、許婚なんですか?」
遠隔殺人はジャンケンするウエヤマも萌えたw
2だけど
時間の穴の話のやむ落の奈緒子の表情がいいんだよなぁ
蘊蓄を語りながら自作おむすびを貪ってるあからさまに怪しい上田につっこみも入れず、なんとも嬉しそうにその姿を見つめておる。
そうなんか。奈緒子の中の人がおもしろがってるんだな。いいよ脳内で変換するからw
マーベラス
816 :
800:2006/09/21(木) 03:49:07 ID:/Z3TU5Kw
書きました。題は湯あたりです。
文書くのになれてなくて、なかなかうまくいきませんでしたが、なんとか書きました。
二人が交互に物語ってたので、その流れを変えないようにやってみたつもりです。
また奈緒子が処女じゃないってやつには戸惑いました。
俺的には、レ○プもしくは金無さに身体を売ったのか?(奈緒子はそんなキャラじゃないけど)と思ったけど、あえて理由は言わせませんでした。
処女でも膜が無い人も居るし…とにかく、話で一番重要な部分で終わってるのが辛かったorz
267氏…勝手にやっちゃってすみません。
いいわけはこの辺で。とりあえず読んでやってください。
817 :
800:2006/09/21(木) 03:59:29 ID:/Z3TU5Kw
続・湯あたり1
やっぱりやきもちじゃないか。
プライドも高いんだな、身長も高いだけあって。
「上田さん、私のこと信じられないんですか?」
「いや、そういうわけじゃない。断じて…」
眉間に皺を寄せて口端を下げている。なんだかもう泣きそうな表情だ。
バカみたいに強がっちゃってる。
もう…上田さんったらしょうがないんだから…。
言いたくはなかったけど、仕方ないや。
私は上田さんを押し倒して、騎乗位になる。
「いいですか?私は過去に一度だけセックスをしました。誰とどういう形でってのは言いたくないし思い出したくないことです。察してください」
いきなり俺を倒してきたかと思いきや、察しろだと?
山田は俺をバカにしてる。
「寝言なんか納得できるかよ!」
「こんの…上田のバカっ!」
怒鳴られたかと思えば、右頬がじんじんと痛かった。
そして山田は俺に泣き崩れた。
って、俺何かしたか?
上田のバカ!いくらなんでも追求していいこととないこともわからないのか?
わからずや!鈍感!!最低!!!巨根!!!!
「出来るのであれば…上田さんに初めてをあげたかった…のに」
あはは、なんか涙が出てきた。なんていうか…
───上田さんの気持ちに答えられなくてくやしい…。
「でもキスは…上田さんが初めてですよ。それに…んっ…にゃぁ…ああっ!」
私は腰を自分で振った。慣れないことでゆっくりと、慎重に。
「自分でこう…動くのはぁあっ、初めて…あぅっ!はぁ」
上田のが奥に当たって気持ち良い。腰を振る速さが気付かないうちに速くなった。
恥じらいも、自然と消えた。
818 :
800:2006/09/21(木) 04:08:24 ID:/Z3TU5Kw
続・湯あたり2
「山田…?」
目の前で、泣きながら腰を振っているのは山田なのか?
彼女を傷つけた。罪悪感が俺に重くのし掛かる。
山田は俺を好きだと言っている。でも相手の名前をはっきり言わないのは嫌だ。
しかし、話を聞けばこうして気持ちが通いあってのセックスは初めてだという。
──俺が欲張りなのか。
キスだけでも初めてならそれだけでも嬉しい。
「YOU、すまない…」
体を起こして彼女を抱き締めた。
宙を舞う蝶を捕まえるように、優しく。
逃がさないように。
その小さな身体を包み込む。
「おい、泣くな…奈緒子。だから女性の涙は苦手なんだよ…。もうYOUを責めたりなんかしないから、な?な?」
耳元で甘く低い声で発す言葉が、私の思考回路や体を痺れさせる。
名字でなく名前で呼ばれて、背筋がゾクッとした。
声だけでも感じてしまう。
本来のセックスがこんなに気持ち良いのかと考えただけで、私は上田さんの存在を改めて大きなものだと感じた。
「上田さん…気持ちよかったですか?」
「ああ。でもまだ足りないぞ?」
上田さんはニヤリと怪しい笑みを溢しては、両手で私の足を抱えて腰を振り始めた。
「あ!あっ!あ…あうっ!!」
あまりの激しさに呼吸ができない。息が苦しくなり天を仰いで空気を求めた。
私は今どんな姿を上田さんに見せているのだろう?
819 :
800:2006/09/21(木) 04:18:10 ID:/Z3TU5Kw
続・湯あたり3
俺の目の前にいる山田は淫らな姿だった。
膣はモノを再びきゅうきゅうと美味しそうに締め付け、
だらしがなく空いた口からは、甲高く掠れるような喘ぎ声と、唾液が漏れていた。
おまけに俺の動きにあわせて、腰を振ってくる。
「っあ…くふぅ!…ンン!うえだッ…ひぁ!!」
きっと山田がこんな姿を見せたのは俺以外居ないのだろう。
ずっとこいつと一緒に居たわけだが、ちっとも色っぽくなんてなかったんだからな。
「やめっ!あ…ああっ!」
「っく…奈緒子…」
考えているうちに興奮が高まり、たまらず押し倒して自分の勢いに山田を突いた。
動く度に汗が山田の胸にぽたぽたと飛びかかりながら、
打ち付け合う肌の音が、部屋に響いた。
私を揺さぶる激しさにもう頭の思考回路がショートしそうだ。
「や…まだ…、好きだ。好きなんだ…っ」
上田の表情が辛そうだ。
そんな切ない顔をしながら好きだと言われると私も辛い。
私も好きです、上田さん。
ああ…今上田に抱かれてる。そう改めて感じる。
上田のモノが私を突くと気持ちよくて声が出てしまう。
目の前が霞む…下半身が痙攣するかのように震え始めた。
なんだろう…早くこの感覚から抜け出したくって、上田を求めたくなる。
820 :
800:2006/09/21(木) 04:28:25 ID:/Z3TU5Kw
続・湯あたり4
「うえださ…、も…とっ!ああぁ…もっ…とぉ!!」
もう、上田さん以外何も見えなくなった。
でもなんだか上田さんも消えちゃいそうで、恐くなった。
限界が近いのだろうか。
膣の締め付けが頻繁になってきた。
それと同時に山田が俺を求めてきた。
……可愛い。いつもの態度とは大違いすぎて気持ち悪いくらいだ。
とはいえ、俺ももう射精してしまいそうだ。
あまりにも女性の中は気持ち良い。想像を超えていた。計算外だった。
俺としたことが。
もう少しこの快楽に酔いしれたかったが…たぶんこれが最後になることは無いのだから諦めよう。
あまり激しくしても山田が辛いだろうしな。
「あ…あッ──!!!」
俺は限界だと気を緩めた。
その瞬間、山田の中に勢いよく精液を注いだ…
山田…いや奈緒子、遅くて悪かった。はっきり好きだと言えたら、もっと早くこの時を迎えられただろうか────
いきなり上田さんが私の上に覆い被さってきたかと思いきや、私の中に何か熱いものが流れ込んだ。
それに私は気を捕らわれた。そして目の前が真っ白になった。
何か、抑えていた何かが弾けたような感覚だった。
「ぇ?ふぁ…あ!あぅ…やぁ…あつぃ…んぁあああーっっ!!!」
821 :
800:2006/09/21(木) 04:39:38 ID:/Z3TU5Kw
続・湯あたり5
解き放たれた感覚に全身から力が抜けた。
体にまとわりつく空気が、やけに冷たく感じて気持ち良い。
ピクピクと身を小刻みに震わせ余韻に浸りながら、私はそのまま意識を失った。
上田さん、こんな私を抱いてくれてありがとう。
感じたってこのことですか?
こんな気持ちは初めてです────
「にゃ……、お腹空いたぁ…でも…カメ喰うなぁ!……っ!?」
私は変な夢を見て、はっと目が覚めた。
目の前にペットである二匹の亀が出てきて、思わず食べそうになる夢だった。
友達を食べるなんて冷や汗物だ。
「…!」
青いシーツの海にぽつんと裸の私。
ああ…この部屋上田さんの部屋だったっけ(一度しか来たこと無いからうろ覚えだけど)。
今何時かと見れば夕方だった。昨日の今日で私はぐっすり寝てしまっていたらしい。
となると、今頃上田さんは大学から出る頃かな?
「おかえりって言ってあげなきゃな。えへへへ!」
あと、上田さんが帰ってきたら住まわせてって頼んでみようっと!
強引的におしまい。かも。
以下、勝手にやむ落ち
「膣は処女でないなら、こっちならどうなんだ?まだ処女だろ」
「こら上田!お前ちゃっかりドコ触ってるんだ!」
「YOU、こっちも気持ち良いらしいぞ?」
「まぁ確かに経験は無いですが。…っておい!触るなっ!」
くだらなく終わる。
>816
前作の非処女云々ってのは私的には思わずつられてでまかせ言っちゃったんじゃないかと思って読んでた
でも解釈はそれぞれだしこれはこれで可だと思う。パロだし
お疲れさま!次のも楽しみにしてます
>>816 GJ!蜜柑でモヤモヤしてたんでスッキリしたよ
やむ落ちで萌えたのは内緒です
元ネタが分からんのでなんとも言えん
自PC復活で投下
827 :
鎖 1:2006/09/22(金) 05:07:47 ID:4lEgzwJl
「それじゃ奈緒子。お母さん、明日はお昼食べて帰るから」
台所に声をかけ、山田里見は框から小さな風呂敷包みを取り上げた。
「お気をつけて。お母さん」
「あら、上田さん。お見送りなんてよろしいのに」
玄関先までのそのそとついて出てきた大男に里見は微笑んだ。
「ほんとに、慌ただしくてすみません。…『大事なお話』はまた明日戻ってから、ゆっくり、じっくり、たっぷりとうかがいますので」
「あ、いえ」
上田次郎は恐縮したように小腰を屈めた。
鴨居に遮られていた視界に、土間に立つ里見の笑顔が入る。
「突然伺った僕が悪いんですから、お気になさらず。どうぞお友達の皆さんと楽しんできてください」
「ありがとうございます。…滅多にない機会なものですから、積もる話を一晩中語り合おうねって…、もう、楽しみで。じゃ、先生、申し訳ありませんけど、留守中よろしくお願いいたします」
丁寧に頭を下げる里見に上田は愛想よく頷いた。
「勿論です。後の事はどーんとお任せください! 行ってらっしゃい、お母…」
「どけ上田!……お母さん!」
『どーんと』で反射的に拳を振りあげかけた上田の大きな図体を押しのけ、後ろから奈緒子が飛び出してきた。
里見に借りた割烹着で濡れた手を拭いている。夕食の支度をしていたのだ。
靴下の上から下駄をひっかけ、土間の隅の暗がりまでぐいぐいと里見の袂を引っ張った。
「どうしたのよ、奈緒子」
里見のけげんな顔に、奈緒子は声を潜めて囁いた。
「お母さんってば、どうして私じゃなくて上田に…」
「奈緒子」
途端に鋭くなった里見の目に奈緒子はびくっとし、渋々言い直す。
「…上田さんに留守番任せるの。おかしいでしょ」
「そうかもしれないけど。…あなたよりよっぽど頼りになりそうじゃない」
「ええっ?」
「だって、空手がお強いっていうし、何でもよくご存じだし、男の人だから力持ちだし」
里見はけろっと数え上げ、むくれている奈緒子の背中に片手を置いて引き寄せ、顔を近づけた。
「……それより奈緒子。お母さん、なんだかわかっちゃった。上田さんの『大事なお話』の中身」
「…えっ」
奈緒子はぎょっと母を見た。里見は含み笑いをしている。
「うふふ。だって今日の上田さん、すっごくおかしいんだもの…誰だってわかるわよ」
「……そう…だっけ」
奈緒子は里見の微笑から視線を逸らしつつ上田の様子を回想した。
門から玄関に向かう間ずっと、同じ側の手足を揃えて交互に動かしていた上田。
里見にお辞儀を繰り返し、そのたびに玄関梁に額をぶつけている上田。
上がり框で足を踏み外し、豪快に土間へと転がり落ちる上田。
勧められた座布団と間違えて、手土産の羊羹の紙袋に座る上田。
熱いお茶を一気にあおり、舌に火傷を負った上田。
開口一番、現代物理学の歴史と展望、自分の研究テーマの社会的意義及び高尚さについての演説をはじめた上田。
一時間以上もそれを続けた挙げ句、里見に外出の約束があると知ると脱力して畳に崩れ落ちた上田…。
奈緒子は口元を歪めた。
何故こうもナチュラルに怪しい行動ばかり繰り出すのだ。
828 :
鎖 2:2006/09/22(金) 05:08:34 ID:4lEgzwJl
「……う、上田さんはいつでもおかしいんだけどね……エヘヘヘ!」
「お母さんは賛成よ、奈緒子」
ごまかし笑いの途中で奈緒子の顔はひきつった。
じっと里見が見ている。
「上田さんなら安心してあなたを任せられるの。あの人はきっとあなたのための、強い鎖になってくれる」
「………鎖……?」
奈緒子は里見にいぶかしげな視線を返した。
「…山田─いや、奈緒子─さん。お母さんと何のお話だ?」
上がり框から上田がそわそわと声をかけてきた。
里見は目に微笑を翻し、奈緒子に一層顔を近づけた。
「大丈夫。あの人の傍にいなさい」
「…………お母さん」
「……………」
「…そんなのどうし」
「なーんて言うとどうせ奈緒子は文句を言うのよね。『そんなのどうしてお母さんにわかるのよ』って」
里見は喉の奥で笑った。
「でもね、わかるんだから仕方ないじゃない。……私は、奈緒子のお母さんなんだから」
むっと奈緒子は唇を結んだ。頬が上気していくのがわかる。
見透かされた不愉快からではない。
どうしようもなく気恥ずかしくて照れくさくて──温かい。
「おい山田!…あのですね、お母さん?…そこでひそひそと、何をお話……」
上田がつま先立ちをして躯を半身にし、こちらに耳を傾けているのがわかった。
「うるさいぞ上田。聞き耳を立てるな!」
奈緒子は染まった顔をあげ、里見の肩を掴んで押した。
「お、遅くなるわよ、お母さん。お泊まり会──楽しみにしてたんでしょ」
里見は押し出されながらふふっと笑った。
「ええ。でもね、お母さん明日の午後もとっても楽しみ。ねえ奈緒子、上田さん、明日はちゃんと──」
「お母さん、ほら。急がなきゃ」
框で上田が焦っている。
「あ、あのですねお母さん!今、僕の名を…」
「黙れ上田」
里見の躯を敷居から押し出し、奈緒子は家の内を振り返った。
上田が眼鏡の奥の目をぎょろりと光らせて声を潜めた。
「おい、…何の話をしてたんだよ」
「……暗闇虫」
「嘘つけ!今確かに俺の」
「それより、もうすぐ晩ご飯だから。お前は荷物を片付けてろ。上田、駆け足!」
号令をかけ、奈緒子は戸締まりをしようと敷居に向きなおってのけぞった。
里見がニヤニヤして立っている。
「まっ、まだいたの、お母さん」
「あらあ、ごめんなさいね。やっぱり小雨が降りそうだから、傘持って行こうかなと思って」
奈緒子は急いで傘立てから一本抜き出し、母に手渡した。
「はい。これでいい?」
829 :
鎖 3:2006/09/22(金) 05:09:19 ID:4lEgzwJl
「ねえ奈緒子」
傘を掴みながら、ずいと里見が身を寄せた。奈緒子は思わず後ずさった。
「あのね──お母さんの前だからって、いつまでもそんなふうに照れてちゃだめなんじゃないの」
「…はい?」
「たまには愛情をこめて優しく接してあげなきゃ。釣られた魚だってねえ、厭になって逃げちゃうんだから」
「釣…ちがう違う!あのねお母さん、どっちかっていうとそれは上田…上田さんのほうが…!」
奈緒子は慌てて背後を確認した。
上田は奥に去ったらしく、もういない。
「奈緒子」
奈緒子のしどろもどろの抗議は無視し、里見が声を潜めた。
「まさか、上田さんと二人っきりの時もその調子なんじゃないでしょうね。男の人ってね、奈緒子が思ってるほど──」
「う、うるさいっ。余計な心配しなくていいの!早く行け!」
引き戸を閉じて里見の高笑いをしめだし、奈緒子は頬を強く抑えた。
「おい、you」
奥から上田が呼ぶ声がする。
「布団はどこに敷けばいいんだ!?君の部屋、どこだ」
抑えた頬が熱い。発熱したわけではない。
奈緒子は呻いた。
「…まったく、もう…!」
*
夕食のカップ焼きそば大盛りを食べ終わり、上田に五右衛門風呂を沸かす任務を与え、箸や湯のみを洗い終え──奈緒子は座敷にへたり込んだ。
疲れた。
多事多端な一日だった。
朝は科技大の研究室で上田がプレゼントしてくれた特注品の装着技術の習得にかかりきり、昼は長野に向かって違法なスピードで爆走する次郎号の助手席に座りっぱなし。
実家に着いてみれば意気地なしの上田の挙動不審に心臓を悪くし、さらに『ごりっとお見通し』の里見にからかわれ──。
「……明日も…かあ……」
奈緒子は割烹着をのろのろと脱ぎ、座卓に突っ伏した。
廊下に体重ののった足音がする。
「おい。風呂沸いたぞ。ああ…焚き口暗くて怖…いや、もういつでも」
「んー。お先にどうぞ、上田さん……」
沈黙。
奈緒子はそっと顔をあげた。髪の隙間越しに、上田がこっちを見ているのがわかる。
「何?」
「……寂しいから、一緒に入らないか?」
「あのねっ」
奈緒子は躯を起こした。手間のかかる男だ。
「子どもじゃないんだから、お風呂ぐらい一人で入ってくださいよ」
上田は傷付いたように眼鏡の奥で目を見張った。
「you。こんな経験はないか。風呂場で屈みこんで髪を洗っているんだ。すると誰もいないはずなのに背後からじーっと…見知らぬ誰かが覗き込んでいる気配がする時が」
「変質者か」
「違う!」
「上田さんを覗く人なんていませんって。それじゃ」
奈緒子は立ち上がり、座敷を出た。上田が後からついてくる。
「おい、じゃ、じゃあ、脱衣所の前で俺があがるまで待っててくれよ。それならいいだろう?」
「上田、お前…」
奈緒子はちらっと振り向いた。自然に頬が緩む。
「本当に、怖いんだな…」
上田の目に一瞬焦りが浮かんだ。
「違う。ただ、さっき覗いてみたんだが、ここの風呂場は広大すぎる。迷子になりそうで、だな」
「なるわけないじゃん」
「遭難したらどうするんだ!youは世界の物理学会に取り返しのつかない損失を与えることになるんだぞ!」
「そんな事になったら、矢部さんに電話して捜索隊を出してもらいます。早く行けって」
830 :
鎖 4:2006/09/22(金) 05:10:08 ID:4lEgzwJl
「だがな、you」
ぐずぐず言う上田に、奈緒子はふと顔をあげた。
高い位置にあるびくついた表情を見上げる。
「上田さん」
「ん?」
「──部屋で待ってますから」
上田が立ち止まった。口が忙しく開閉した。
何かに似ている…瀕死の金魚にそっくりだ。
「…you…?」
奈緒子は声をやや小さくして、続けた。
「だから早く先に、お風呂に入ってさっぱりとしてきてほしいんです」
上田のぱくぱくがやんだ。
口を閉じ、じっと奈緒子を凝視している。
彼女は声をもっと潜めた。
「…ね。わかった?」
上田が拳を握りしめたのが見えた。
肘の内側にくっきりと血管が浮かんでいる。
「わ、わかった…完璧にな。待ってろ、you!」
そのまま着替えも持たず廊下を走り去る上田教授の後ろ姿は、カール・ルイス並にフォームが決まっていた。
*
「ふ。──ゾウリムシ」
見送りながら奈緒子は溜め息をついた。
案の定角を曲がりきれず、廊下の果てで柱に激突する音がした。
上田は建築物にぶつかり慣れているから放っておいても平気だろう。
「風呂の順番を待ってるって意味に決まってるじゃん、ターコ。何想像してるんだ。弱虫。巨根。ドスケベ。バカっ」
毒づきながら荷物を整理しに部屋へと向かう。
からりとふすまを開き、中を一瞥した奈緒子の膝から力が抜けた。
「……………」
部屋の中央に二組の布団がある。上田が敷いたに違いない。
ぴったりくっつき、重なりあった縁が盛り上がって見える。
枕はもっとひどい。
完全に積み重なり、笑天の座布団四枚並みの厚さになっている。
「どうやってこれに頭を置く気だ、上田っ」
奈緒子は急いで布団をずりずりと引き離した。
「な、なんでこんなに元気なんだ、あいつ?……今日は、もう…わっ!ああっ、だめだ、思い出すな私!!」
研究室で上田に苛められた今朝の出来事を思い出しかけ、奈緒子は焦って頭を振った。
最近上田はおかしいのだ。
常に発情している。奈緒子に向ける視線にしばしば濃い色気が滲んでいる。
それは確かにもともとぶっつり、ではない、むっつりスケベな男だったかもしれないが、今まで何年も一緒にいて、さほど上田に男を感じたことはなかったのに──奈緒子はふいに赤くなった。
もともとおかしかった上田がもっとおかしくなったのは、およそ一ヶ月前からだ。
正確に言うと奈緒子と寝てからということになる。
そして、奈緒子が上田にひどく男臭さを感じるようになったのも同じ頃。
つまり、上田に抱かれてから。
上田の発情をいちいち感じ取るということは、奈緒子もその手の雰囲気に敏感になっているという事であり…。
831 :
鎖 5:2006/09/22(金) 05:11:32 ID:4lEgzwJl
「わ、私も上田と同類でスケベって事か!?イヤだ!!」
「何がだ、you?」
背後で腹に響く声が湧き、奈緒子は本当に飛び上がった。
「きゃあっ!いやっ!う、上田だあ!」
「ゴジラか俺は!」
上田は一喝し、廊下から部屋に入り込んできた。
あの激突から復活し、超スピードでもう風呂に入って出てきたらしい。
当然裸であり、下半身はささやかな応急処置のつもりか前に普通サイズのタオルをあてがっているのみである。
奈緒子は思わず悲鳴をあげた。
「危険すぎだ上田!…か…風邪ひきますよ!」
上田はニヤリとひげ面を歪ませた。
「心配ない。ちゃんと布団で待機するから」
「えっ」
「なんだ?なんでこんなに離れたんだ、おかしいな、ネズミか……ほら、you。早く風呂に行けよ」
上田は言葉通り裸で布団に潜り込み、眼鏡を外して枕元に置くと、やがて隙間から手を伸ばしてはらりとタオルを放り投げた。
「今度は、俺がyouを待っていてやるからな」
「……上田さん」
奈緒子は枕の上でニコニコしている上田の顔を複雑な表情で見つめた。
上田の、奈緒子を信じ切って輝いている優しく純粋でスケベな笑顔が……
……バカすぎて、切ない。
奈緒子は溢れそうな涙をこらえつつ、手早く着替えを用意した。
ふすまを開けた彼女の背に、布団から上田の声がかけられた。
「灯りは消しておこうか、you?」
奈緒子は手をとめ、しばらくしてから振り返った。
「いいえ、つけておいてください」
「……」
上田が肘をついてむくりと起き上がった。
「いつも恥ずかしがるじゃないか君は。いいのか?」
奈緒子はあっさり頷いた。
「はい」
上田は信じられないという視線で奈緒子を観察している。
素直な表情は消えていた。
彼女の操るトリックに騙されまいと構えている時の、猜疑に満ちた視線だ。
「着替えるのに必要だから?」
「いいえ」
奈緒子は首を振った。長い髪が揺れ動く。
「新作手品の練習をするとか?」
「なんで、今そんな事しなくちゃいけないんですか」
奈緒子はゆっくり俯いた。
その顔はほとんど隠れてしまったが、紅潮している事だけは上田にもわかったかもしれない。
「上田さんに──い──いい事してあげますから。…待っててください」
ふすまが軽い音をたてて閉まった。
「…………おおぅ」
身じろぎしなかった上田は、胸をおさえながらようやく布団に倒れこんだ。
*
「うわあ、もう!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいっ……」
奈緒子は早口で呟きながら洗い場で、ごしごしと躯を洗った。
上田の入ったあとだから、あたりには一面濛々と湯気と石鹸の匂いがこもっている。
あまりに早く出て来たから一瞬嘘かと思ったが、してみると上田はきちんと躯は洗ったようである。
スケベ心は何事をも可能にするらしい。
832 :
鎖 6:2006/09/22(金) 05:12:07 ID:4lEgzwJl
「あんな事、なんでわざわざ!…」
洗い髪をタオルでまとめ、奈緒子は顔を赤らめて五右衛門風呂に飛び込んだ。
「上田…、嬉しそうだったな」
一等星のごとく輝いた上田のでかい目がフラッシュバックし、奈緒子は慌てて首を振った。
「ううっ」
優しくしろなんて、里見が余計な事を言うからだ。
「どうして、お母さんって上田のこと気に入ってるんだろ…」
奈緒子にはそれが、今ひとつよくわからない。
世間の親は娘の相手として、上田次郎のような男を果たして歓迎するものだろうか。
一見柔らかい人当たりだが、ちょっとつきあってみればその怪しさはすぐわかるだろうに──。
里見が上田に見ている本質や、ましてや自分ほど上田と深くつきあった人間はいないという事実を真剣に感じとっていない奈緒子には、それが不審でならなかった。
大学教授で、将来を嘱望されている(らしい)物理学者で、肩書きだけは立派だが──その肩書きだってたとえば、奈緒子の幼馴染みで医師である瀬戸などとそう違いがあるとは思えない。
しかも同世代の瀬戸に対し、上田は奈緒子より一回りも年上なのだ。
だが里見は娘への瀬戸のアプローチは無視していたし、瀬戸が自分を『お母さん』と呼ぶ事も厭がっていたようである。
なぜか上田がそう呼ぶのだけは最初から平然と受け入れていたが。
「上田って非常識じゃん。一度会っただけの相手の部屋で下着を取り込むし、変な事件に連れまわすし」
奈緒子は呟いた。
「器は小さいし、無神経だし自惚れ屋だし惚れっぽいし、無駄にでかいしいじめっ子だし、役立たずだし気絶するし」
数えていると止まらなくなってきた。
「いらない本押し付けるし、カメラ目線の写真飾ってるナルシストだし、危なくなったら一人で逃げるし…!」
──そのくせ黒門島みたいな辺鄙な島まで奈緒子を助けにきてくれた。
黒門島だけじゃない。名前も知らないような孤島にも。
自分を見失っていた奈緒子を、自分のいる世界につなぎ止めるために。
「………上田」
奈緒子は肩を竦め、顎までを湯に沈めた。
上田はたぶんさっきのまま、素直に布団に潜って待っているのだろう(素っ裸で)。
奈緒子の言葉に胸をわくわくさせて、期待して、ふたりで抱き合うのを楽しみにしている。
奈緒子が来ればすぐに引き寄せる事だろう(発情期だからだ)。
そして、自分は…自分は、自分も……。
ぞくりとした躯を両腕でおさえ、呟いた。
「上田さん……。って、え、ええっ?」
唇から滑りでた声の甘さに奈緒子は赤くなり、それをかき消すように急いでばちゃばちゃと湯を跳ね上げた。
「いやだ、私やっぱり変だ!」
上田次郎と抱き合えることが躯が震えるくらい嬉しいなんて。
「……ん……っんんん!ん…ん、んにゃーーーっ!」
夜更けの風呂場に飛沫の音と奇声が響く。
端からみるとただの可哀相な子であるが、幸い誰も見てはいなかった。
*
833 :
鎖 7:2006/09/22(金) 05:12:52 ID:4lEgzwJl
そっとふすまを滑らせる。
布団の端で上田の頭があがった。甲羅に隠れた亀のようだ。
「おう。遅かったじゃ、ってyou!」
上田が布団をはねのけて上半身を起こした。
その愕然とした表情から、奈緒子はさっと目を逸らした。
「な、なんですか。──黙れ。何も言うな」
奈緒子は急いでふすまを閉めた。
他に誰もいないとわかってはいても、やっぱり恥ずかしい。
素早く布団に近づき、端を掴むと一気に上田の傍らに滑り込む。
腕を伸ばして、慌ただしく枕元を探っている上田の手をびしっと抑えた。
「眼鏡は駄目!」
「you、風呂場からここまでその格好で来たのか!俺ですらタオルで局部を」
「局部って言うな。……き、着てますよ」
奈緒子は唇を尖らせ、蚊の鳴くような声で呟いた。
「これ……心の綺麗な人にしか見えないパジャマなんですよ」
「嘘つけ!パンツもか?」
「ぱ、パンツも…ですよ」
「ふうん」
上田は腕から彼女の指をほどき、するりと再び布団に潜った。
「それが……『いい事』か?」
奈緒子はこくこくと頷いた。恥ずかしさのあまり目が潤んでいるのが自分でもわかった。
(ば、ばかばか!!これじゃ、もしかしなくても…ただの露出狂だ!)
自分につっこんでいるうちに額にこつんと当たったものを感じ、顔をあげる。
寄り目になった上田が、奈緒子の額に額をくっつけていた。
「……サービスなのか?」
「うっ」
奈緒子は涙目になりそうなのをこらえ、またこくこくと頷いた。
「you……」
上田は黙った。
「………」
「………」
「………上田、さん?」
「じゃあ、なんで布団に隠れるんだよ!甘い。まだまだまだまだだだだ!覚悟が足りんわ」
「うっ」
奈緒子は声を詰まらせ、至近距離から罵声を浴びせる上田を恨みがまし気に見た。
「せっ、せめてここまでの努力を認めてください、親方!」
「だれが親方だ!──これだけじゃないんだろ。え?」
「えっ」
一転して猫撫で声になった上田の台詞に赤くなる。
「透明パジャマだよ。最後まで続けるんだろうな、当然」
奈緒子は肩で息をするように喘いだ。
「上田さん、の……意地悪っ!!」
上田はにやにやしながら額を離した。
「ほら、山田奈緒子くん。どうやるんだ、自分で脱ぐか?」
「………じゃあ」
奈緒子は頬を赤らめたまま小さく囁いた。静かに仰向けになる。
「ふ、布団。剥がして、いいですよ」
「よし」
上田はがばっと起き上がり、躊躇の素振りを見せずに布団を奈緒子から撥ね除けた。
「あっ…」
ぴくんと震えた躯から布団をおしやり、上田は肘をついて奈緒子の耳に囁いた。
「you。眼鏡かけてよく見てもいい?」
奈緒子はまたぴくんと震えた。
「………え、でも」
「嘘だよバーカ」
上田は上機嫌だった。その声の抑揚だけでも、興奮しているのがよくわかる。
834 :
鎖 8:2006/09/22(金) 05:13:30 ID:4lEgzwJl
躯の上をさらりと大きな掌が動き、奈緒子は慌てて首をあげた。
「──脱がせてやる」
「じ、自分で、脱げますよ」
「ええっ?心が綺麗な人間にしか見えないんだろ。youに見えてるわけがないだろうが、このたわけが!」
「お前だって心の中は真っ黒じゃないか!」
「いや、見える。見えるぞ、ボタンが…………一個」
「少なっ!」
「ものすごくでっかいボタンなんだよ!」
「そんな変なパジャマないって。ご、五個くらいはついてますよ、普通」
上田は眉間に縦じわをよせ、奈緒子の上気した顔を見た。
「いいよ。じゃあ、そういう事にしておいてやる」
背中に腕がくぐり、奈緒子は肩を引きおこされた。
その後ろに枕をあてがい、上田はにやっと笑った。
「うまく脱がしてやるから、見てろよ」
奈緒子の喉に指をおく。鎖骨にそって滑らせ、彼は呟いた。
「襟はこのあたりまでか…ちょっとひっぱるぞ」
「上田…んっ!」
ぼさぼさの髪が急に近づき、反射的に奈緒子は目を閉じた。
顔を振って開けた視界に、大きくないふくらみの半ばに押し付けられた上田の舌が映る。
明るい照明の下、濡れた赤みの影の肌の白さが眩しかった。
「そこ、ちょっとどころじゃっ…あ、ああ」
舌先が蠢く。軌跡の通りに肌が艶かしくぬめった。
「ひゃ…」
上田は舌先を柔らかく筆のように曲げ、曲線に沿って滑らせている。
舌が弾むたびに、舌打ちのような軽い水音が漏れた。
「あっ……」
じゅん、と躯の内側に滴りを感じて奈緒子はかすかに背中を震わせた。
「ひあ…あ」
上田が見せている情景は勿論いつも彼がしている事なのだが、それを彼女がまともに目にしたのは初めてだった。
恥ずかしくて顔をそむけたり、瞼を閉じたりしていたから。
あの感覚はこんな風に得ていたのだと知った瞬間、奈緒子は耐え難い違和感を覚えた。
上田が。
上田が自分に、こんな事。
濡れた肌がひろがっていく。敏感な肌の上に、さらに舌が踊る。
ちくちくとしたひげの感触を押しつけ、上田が乳房の先端を口で覆った。
間近の視界は上田の髪で隠れたが、広い肩が押し上がり、彼の躯が奈緒子の上にかぶさるのがわかった。
「はあ、あっ、…あ、はあっ……」
大きな躯の下でひどく細く見えるくびれた胴に、無駄のない筋肉をうねらせた腕が絡んでいく。
「ああ、あ、上、田…っ、さ、…ああぁ!」
痛い。吸われてる。乳房の先に舌が絡んで、強く、弱く、優しく、そして激しく。
抱かれてる。温かな強い腕で、つよく、つよく、つよく。
大きな掌がふくらみを圧し潰して捏ね上げる。
温かい。痛い。恥ずかしい。気持ちいい……!
視界が狭まった。
次々と弾けていく感覚に集中するあまり、瞼を開いている事が難しくなっている。
閉じる直前、自分の腿がゆっくりと起きあがり、上田の腰にすりつけられていくのが見えた。
跳ね回っている感覚が触れた全ての場所に集まり、奈緒子は夢中で反対側の腿を開いた。
「う、ああっ、あんっ!!」
蕩けそうな両脚の間。触ってほしくてたまらないところ。
吸われる胸から躯の芯まで、サイダーの泡のように連なっている鈍い快感。
835 :
鎖 9:2006/09/22(金) 05:14:21 ID:4lEgzwJl
「……おい。おい、youっ!」
くぐもった声に奈緒子は目を見開いた。
目の前に、頭を抱え込まれてもがいている上田がいた。
慌てて腕の力をほどく。
「うおうっ…」
上田が大きな息を吐き、顔をあげた。
窒息寸前だったにしてはその大きな目の潤みは涙によるものではなさそうだった。
ほとんどサディスティックなまでに活き活きした微笑を浮かべ、上田は奈緒子の手首を握った。
「パンツどころか、パジャマまですっかり濡れてるぞ。どうするんだ、一体」
そのひきしまった腹に頼りなくこすりつけられている自分の腰を見て、奈緒子は気絶しそうな羞恥に頬をさっと染めた。
「ボタンも外さないうちからいっやらしい声で喘ぎやがって…やめろよな」
わざと苛めていること確実の物言いである。
目元まで赤くなった奈緒子は上田に叫んだ。
「上田、お前!……今、実はものすごく楽しんでるだろ」
「当たりだ!」
上田は歯をむき出すようにして笑った。
「まあ、こんなにぐっちょぐちょじゃ、見えない布きれももう要らねぇな。脱げよ!はっはっは!!」
「そんな台詞で爽やかに笑うな!」
掌でもみくちゃに体中を擦られて、奈緒子は身を竦めながら上田を睨んだ。
だがその視線にてんで迫力などないことは、上田の楽しそうな目でわかる。
「──で」
上田が急に表情と手を抑えた。
「どうしたい?」
「え」
奈緒子はかすかに首を傾げた。
「どうって」
上田は唇をへの字に曲げ、ゆっくりと密着した腹を波打たせた。
奈緒子の躯がびくりとのけぞり、不意をつかれて声をあげる。
「あ、ふぁ…ああっ……!」
「ふん……や、やらしいな。すっかり準備できてるって事か。聞くまでもないが…」
ふいに、奈緒子の耳元で上田の声が深みと甘さを増した。
「……欲しくない?」
「ん…ん」
「……言えばすぐに挿れてやってもいい。どうだ…?」
くねっている奈緒子の腿と上田の躯に挟まれて脈打っている、大きな男根。
提案にみせかけてはいるが、そうしたいのは彼も同じだろう。
「んん……そんな、事、い、言わない!」
奈緒子は乱れる息の下から気力を振り絞り、きっぱりと言った。
「ま、まだ……!」
「どうしてだよ」
上田は不満げに片方の眉をあげ、躯を持ちあげた。腹ではなく、まともに腰と腰が触れた。
はしたなく濡れた腿の間にぬるりと上田の先端を押し込まれた奈緒子は全身を桃色に染めた。
「あっ、ああっ!」
「……おおぅ……。ふっ…ほぉ〜ら…まだ…入ってないぞ〜……い、言っちゃえば、楽になるぞ〜…」
嬲りながらも、上田の息が荒くなってくる。
ぬるり、ぬるりと腿の内側を刻まれ、敏感な粒の周辺を太い幹で擦られながら、奈緒子は必死に言葉を続けようとした。
「んんーっ、ああん……く…っ………やめ、ろ上田っ!まだ、『いい事』、あるんだ!」
836 :
鎖 10:2006/09/22(金) 05:16:27 ID:4lEgzwJl
上田が動きを止めた。
「どんな──『いい事』だ?」
奈緒子は腕をあげ、彼の手を振りほどく。
乱れて顔にかかった髪を指で掻きあげ、息を整えながら上田を見た。
「まだしてあげた事が無──」
「フェラチオか!」
上田の反応のあまりの早さに、奈緒子は溶けかかっていた思考とは別に、内心五メートルくらい引いた。
「ふぇ…ふぇ………っ、そ、そう………えっと…そういうの…」
「今か?youが?そのクチで?」
「………い、厭?」
「頼む!!」
即答した上田は奈緒子を抱き締めると、そわそわと彼女の上から滑り降りた。
「立ったほうが?それとも横に──」
「上田」
奈緒子は小さな声で呟く。
「そんなにしてほしかったのか」
「男ならば当然だ!だが──youは厭がるかもしれない。噛みつくかもしれない。無理強いはできない。だからずっと俺は──」
「こ、この一ヶ月、ずっと無理させまくってたじゃないか!」
「それとこれはまた違うんだよ!」
奈緒子は興奮して喋り続ける上田の肩をそっと抑えた。
仰向けになった上田の腹に腕を置き、動きを制御する。腰の傍らに膝をついた。
「だったら、もっと早くしてあげればよかった……自分から言い出すの、恥ずかしくて」
「そうか。……いい子だな……you」
上田は、俯こうとする彼女の髪をそっと払った。
やわらかな頬が染まる。
「…あ、あの…見てるつもりなんですか。この…変態」
「見たいよ。君がしてくれる『いい事』には希少価値がある──やっぱり、眼鏡かけちゃだめか?」
「だっ、駄目!」
上田は笑った。
肘をついた上田の視線を厭というほど感じながら、奈緒子は俯いた。
つい、と近づくと長いなめらかな髪が上田の腹をくすぐって流れた。
途端に大きく揺れ動いた男根に軽く頬を叩かれる。
「にゃっ!」
「すまん。つい」
目の前でまじまじと見るのは、今朝の装着特訓時に続いて二度目だが──思わず奈緒子の唇を吐息が割る。
「ほんと…………………………おっきいですよね。これ」
「…しみじみと言うんじゃない」
上田のほうもそこはかとなく恥ずかしいらしい。声がわずかにうわずっていた。
「ここ、濡れてますね…雫が……ここ、先のとこ…どんどん盛り上がってて」
「実況するな…うっ!」
「んっ」
ぱくっといきなり銜えられた上田が声を裏返した。
「お、ぉおぅ……!」
銜えてはみたものの息苦しくなって、奈緒子はすぐに口からつるりと放した。
「あまり、美味しく……ない」
「……」
上田はツッコミを忘れ、奈緒子の口元をみつめていた。
無意識の反応なのか、ぎこちなく自分で自分の唇を舐めたのがおかしかった。
奈緒子がその動きを真似して唇を舐めるのを見て、上田の頬がかすかに赤くなる。
「上田さん」
なぜか、胸苦しくなるほど唐突に、上田のことを可愛いと思った。
837 :
鎖 11:2006/09/22(金) 05:17:29 ID:4lEgzwJl
重量感のある男根の根元に指をのばし、できるだけ優しく絡み付かせた。
もう片手も添え、両方の指で幹を包む。
「………you」
かすれた声。
奈緒子は上田に視線を向けたまま静かに顔をさげていき、唇をかすかに開いた。
ねばつく先端の雫で潤滑させながら何度か舌をその味に馴らし、思い切って滑り込ませる。
「おおっ…」
息を飲んだ上田が腰を浮かせかけた。そのはずみですっぽりと亀頭部分をくわえこんだ。
口腔一杯に含んだ先端の、肉のわかれた溝の部分を舌先でなぞる。
「う、あ…はあっ」
上田が呻いた。それ以上うまくなぞれず、舌を動かす余地がない事に気付く。
くぱっ、と音をたてて奈緒子が口を離すと、唇から透明の糸がゆっくりと落ちた。
それを凝視する上田の顔が歪んでいた。
今にも泣き出しそうな、あるいは今にも怒り出しそうな眉をしている。
「上田さん」
奈緒子は、涎のように唇を汚したその液体を舌先で舐めとった。
「もっと?」
「……………」
いたたまれない風情で上田の目が瞬き、彼はそれでも頷いた。
「……」
奈緒子は微笑んだ。
視線を外し、先端のつるつるした面から穴の周囲へと軽く舌を滑らせる。
どうすればいいかを熟知しているわけではなかったが、なんとなくわかった。
こうしてあげれば、きっと──気持ちいい、はず。
びくりと手の中で幹が震えた。
深く考えず、奈緒子は優しく指を動かし始めた。
撫でるように。包むように。揉みこむように。
するするとすべる、太い芯を護る薄皮に指をあてて摩擦する。
摩擦すればするほど上田の息は荒くなった。
舐めるだけではなく、少しだけ先端を舌先で吸ってみる。
吸うたびにじわじわと新しい雫が湧き出してくる。張り出した鰓をなぞり、舌を幹に滑らせた。
血管が浮き出した幹はグロテスクなほど太い。
顔をこすりつけるようにして、逃げようとする皮を舌で抑える。
先端から垂れた雫と唾液が混じってぴちゃぴちゃと音をたてる。
流れ落ちそうなそれを舌先で掬い上げ、喉を鳴らして呑み込んだ。
「you……」
上田が呟く。また裏返りかけたその声に、怒りや不快の気配がまるでない事に奈緒子は安心した。
垂れ下がって邪魔な髪を耳に掻きあげる。こもっていた熱気が逃げていく。
「おう」
大きな吐息。
焦げ付くような温度の視線が直接顔に突き刺さったが、もう奈緒子は気にしないことにした。
「んん」
顔を傾け、先端にキスをする。唇を半ば開き、柔らかい内側でちゅ、ちゅっと潤しながら肩をさげていく。
さげられなくなると躯をくねらせ、まともに、先端までを一気に舐め上げた。
「はあっ…」
熱い吐息を亀頭にぶつけ、びくりと震えた先端から、またどっと溢れ出した雫の連なりをちゅるちゅると吸いとる。
とてもいやらしい事をしていると自分でも思うが、なぜかやめられない。
変な味で、変な舌触りだが、でも上田のものなのだ。
震えている。奈緒子の愛撫に張り切って雫を溢れさせているのが、とても可愛くて愛おしい。
もっと喜ばせてあげたい。もっと。
838 :
鎖 12:2006/09/22(金) 05:18:17 ID:4lEgzwJl
奈緒子の視線が、根もとから茂みの奥に落ちる。
自然に片手が滑り込み、細い指先を茂みに潜り込ませた。
「……っ!おい」
不意をつかれた上田の喘ぎが頭上で漏れ、びくりと男根が揺れる。
挟むように顎をこすりつけ、その幹をおしのける。
むにゅり、と掴んだものを柔らかく持ち上げた。
厚ぼったくてひっかかるような感触だ。重みがある。
女の躯にはないその奇妙な手触りが珍しくて思わずもう一度揉んでみた。
握りしめると内部でむにゅむにゅと滑って逃げていくふたつの玉の感触。
「…遊ぶな」
上田が呻くように、小さな声で言った。
奈緒子の顎の下ですべりやすい薄い皮の中の芯が絶え間なく動いている。
我慢できなくて揺れ始めた彼の腰を片方の肩でおさえつけ、奈緒子は陰嚢から手を放した。
顎をあげ、また落ちてきた髪を振り払う。邪魔だ。
上田の腹に長くしなやかな髪が音を立てて叩き付けられ、さらさらとすべり落ちる。
解放されてもびくともせずに屹立したままの幹を握りしめた。
かなりの刺激を与えても彼が痛がらないことは既に覚えた。
さっきから躯の芯にくすぶっている苛立ちをほどくように、奈緒子は小さく喘いだ。
いつも、上田は、これで奈緒子の躯の中をどう掻き回していただろう。
「ん」
奈緒子の汗と唾液と、溢れる雫で濡れた大きな幹。
急かされているような気持ちのまま、指ではなくなかば掌に包み込み、上下に擦り立てていく。
少しずつ。だんだん、早く。
奈緒子の腰が同調するようにくねり、彼女は整った顔を少し歪めた。
物足りない。
寂しい。もっと、こうじゃなくて。もっと。
奈緒子は顎を大きく開いてその先端を呑み込んだ。
柔らかな口腔をこすりつけ、衝動のままに舌でしゃぶり、張り出した鰓をならすように甘噛みし、穴に舌先を尖らせて掘り立てて…。
「やめろ。こら、you!」
ぐいと肩をひかれた。
少し虚ろになった瞳で奈緒子が見上げると、上田の顔は真っ赤だった。
「おいっ!巧すぎるぞ!初めてのくせに。……い、今、危うく」
「んっ」
奈緒子は肩で息をしながら、せっぱつまった声を出した。
「あん…」
腰を浮かせてもじもじと小さくくねらせる。
「上田さん、私」
「…………」
「やだ…」
白い腿の内側につややかに伝っている流れに上田の視線が吸い付いた。
「はぁ…っ…私、いやらしい……っ…!」
奈緒子は呟いて上田の胸にしがみついた。
頬のみならず、耳朶や首筋まで赤く染めている。
「だめ…いや……こ、これ……いっ……い、挿れてくださいっ」
「え?」
「見てるだけじゃ厭……お願い、ああ…」
「お…?」
度肝を抜かれた上田の間抜けな声に、奈緒子は焦れて叫んだ。
「さっき、さっき言った!言えばすぐ、って…」
839 :
鎖 13:2006/09/22(金) 05:18:51 ID:4lEgzwJl
「…………you……。ぐ、ぐふっ!」
いきなり噴き出した上田に、奈緒子はなじるような視線をあげた。
「上田っ!」
「すまない。あまりにも──くくっ……ん。ちゃんと言えたじゃないか」
「……」
奈緒子はかすかな吐息をつき、上田から腕を離した。身をくねらせるように肘をつく。
腿と腿が封じ合うように擦りあわされている。
自分の意志ではやめられない。
「わかったよ」
上田は荒い息を隠すようにニヤリと頬の線を崩した。
「俺もyouも、もう余裕がない。そうだろ」
こくんと奈緒子は頷いた。
乱れて半端に崩れ寄った掛け布団を蹴飛ばし、上田は彼女を仰向けに横たえた。
枕をとって奈緒子の腰の下にさしこむ。
「何してる…んですか」
すっかり情欲に染まった美しい双眸で奈緒子が見上げた。
「このほうがyouの負担が少ないと思う。…おいで」
彼女の腕をとり、軽く膝を曲げさせた脚の間に躯を割り入れ、上田は短く呼吸を整えた。
奈緒子も深く吐息をつき、意識して全身から力を抜く。
どんなに蕩けていようと、何度も彼に抱かれていようと、受け入れる瞬間にはまだかすかな恐怖がつきまとう。
理由は単純、冗談のような巨根だからだ。
一方上田は上田で、乱暴に入ると奈緒子を壊すのではないかという怖れを抱いているようだった。
だから彼はいつも様子を探るように、最初はできるだけゆっくりと入ってくる。
柔らかな接触。
潤いきり、滑りやすくなっている谷間を押し分け、温かな先端がぬめり込んだ。
「……あ、…く…っ」
「奈緒子」
「は、あ……あ…」
細い躯がのけぞる。
熱くて寂しい熟した芯を、堅くて大きな上田の肉が騙しながら押し開き、埋めていく。
少し怖いような、ずっしりとした充実に躯が震える。
「んっ、ああ、あっ、……上田さん…っ」
奈緒子は甘い声で口走り、胸を波打たせるようにして上田の首を抱き締めた。
「本当に……どうした…you」
上田の喘ぎが耳元で揺れている。
奈緒子は囁いた。
「き、…嫌いにならないで、ください…ん、んっあ…もっと…」
「なあ、どうしたんだよ」
「わたし、上田さんの事」
「……知ってる」
上田が挿入を止めて顔をかすかにあげた。
「上田さんが、知ってる以上……なんです……ん…」
奈緒子はじっとしていられないという風情で腰をくねらせた。
「どうした、んですか………んん…まだ…大丈夫、ですよ…?」
「バカ。わざと止めてるんだ」
「い、意地悪!」
「バーカ。…さっきから、可愛すぎるんだよこのジャジャ馬め!………ん?おおっ!」
上田が急に身動きした。腰を退こうとしている。
奈緒子は急いで大きな躯に抱きついた。
「離れないで」
「you、違う、あれだよ…うっかりしてた。つけないと──」
奈緒子はかぶりを振った。脚を上田の腰に絡める。
「そんなのいらない!お願い、このまま、きてください」
840 :
鎖 14:2006/09/22(金) 05:20:01 ID:4lEgzwJl
「どういう…意味だ?」
上田の顔にどっちつかずのためらいが浮かんだ。
奈緒子は潤んだ目をひたとその目にあてた。
「私……私、このままがいい。上田さんのこと、本当の最後まで全部欲しい。…いやですか」
「だが……せっかく、特訓もして──」
冷静さを装い、低くなったその声にどうしようもなく滲む欲望を感じ取った奈緒子はかすかに口角をあげた。
「上田さん……厭なんですか?」
囁き、自分から、彼をいれたままの腰をなまめかしくくねらせる。
──なろうと思えば、いくらでも自分はそうなれるのだという事が奈緒子にはわかった。
上田のあいまいな顔つきが変わった。
じっと奈緒子を見下ろした。
「──you」
膝の裏を掌で持ち上げられ、ぐい、と上田が近づく。重みに腰の下の枕が潰れる。
奈緒子は脚を可能な限りひろげた。
上田の目を見上げる。
同じ熱を共有している目。理性をすっかり投げ捨てた目。共犯者の。
間をおかず、半端に埋まっていたものが動き出す。
それはいやというほどの存在感を伝えながら侵入し、奥まで届き、奈緒子は歓喜の吐息を漏らしかけた。
脚をさらに持ち上げられた。
潤んでぼやけた視界に、自分のくるぶしが上田の肩に位置にあるのが見えた。
「…んんっ!」
頭の先まで突き抜けた衝撃に一瞬呼吸を忘れた。
奈緒子は喘ぎ、夢中で腕をのばした。
指の間に繊細な彼女のものとは全く違う丈夫で長い指が絡まり、手首がしなった。
勢いのまま手の甲をシーツに埋め込まれる。
躯が波打つ。
彼女を満たしていたものが引き抜かれ、悲鳴をあげるとまたそれが打ち込まれる。
血がざわめく。
「はっ…あっ……んん!…あ、あっ!…あっ!あっ!あっ!」
急激に変化した事態に対処しようと全身をアドレナリンが巡っている。躯の内側が大きくうねる。
勢いにずりあがる全身をひき戻され、また押し上げられ、脳裏で細い光が閃いている。
揺れる足首を上田が強く掴んだ。
解放された手に触れた柔らかいものを、奈緒子は咄嗟に掴む。布団かもしれない。
どこかに連れていかれそうだ。奈緒子の腰は沈み、また浮きあがった。
足首から滑ってきた掌が膝を鷲掴み、思いきり引っ張られた。
大きな躯がぶつかってくる。密着した胸と膣口が男の容赦のない重みを伝えてきた。
何よりもその温もりが愛しかった。
布団を捨て、奈緒子は上田の躯にしがみついた。
押し上げられ、掻き回される激しいリズムに合わせるように腰を突き上げる。
動かずにはいられなかった。これでじっとしているなんて、絶対に無理だ。
「はあっ、く、あ…ゆ、youっ」
上田が呻き、腰を抱いた彼の指がやわらかな肌を掴み、食い込んだ。
奈緒子の動きをとめようとしているのか、それとも抑えつけてさらに快感を得ようとしているのかはわからない。
「んっ!あっ!あっ!はぁん!…だめ…っ」
自由を奪われてじれったく押さえ込まれ、その腰の奥に圧縮をはじめた快感に、奈緒子の視界がじわりと歪んだ。
841 :
鎖 15:2006/09/22(金) 05:20:34 ID:4lEgzwJl
──気持ちいい。
上田さん、そんなに、して、しないで、して、して、して。
とっても、気持ち、いい……。
「上田さん」
奈緒子は囁いた。
上田はもう返事をしなかった。奈緒子の名を呼びながら、夢中で彼女を抉っている。
聞こえなくてもかまわない。
貪る上田に奈緒子は途切れ途切れに囁き続けた。
「お願い──放さないで──」
絶え間なく流れ込んでくるジグソーのように切れ切れの上田の断片。
「離れないで──」
まさぐる長い指。奈緒子のくびすじに擦り付けられる頬、荒々しい息遣い。
耳朶に触れる唇。髪。肌にざらつく顎のひげ。熱い舌、奈緒子の尻を掴んで引き寄せる大きな掌。
上田の匂い。深く刻まれた眉間の皺。力強い腕。喘ぎ。打ち付けられる分厚い腰、奈緒子を圧し潰す胸。
溶け合いそうな鼓動。上田の、うわずった声。
「奈緒子」
もう奈緒子の躯のあちこちが痙攣を始めている。
ただ上田のための器でいるだけの事がどうしてこんなに気持ちいいのか。
「ずっと、一緒に、いたい………!」
「いる。君と、一緒に、いる」
壊れてしまうその寸前、奈緒子は上田を見上げた。
少しだけ苦しそうにすがめられた、大きな目。
熱に潤んだその目には奈緒子の同じ目が映っていた。
───スキ。
「上田さんっ───!!」
奈緒子は背中をしならせて、細く叫んだ。
限界を越えそうに矯められていた圧力が突然に失せた。息ができない。
奈緒子を抱きすくめる、上田の腕の強さだけが彼女を繋ぎ止める鎖だった。
足元がぐにゃりと歪み、一気に押し上げられる衝撃。
「あっ……あ、ああぁああっ!!上田さんっ、うえださん……!!」
その激しさに恐怖を感じ、奈緒子は最後の力を振り絞って上田に躯を擦りつけた。
「奈緒子!」
上田の声が鼓膜を圧し、じいんと痺れた余韻が彼女の不安を麻痺させる。
いきなり無限に広がった世界。
快楽と呼ぶにはあまりにも暴力的な爆発。
「く、あ、んんっ、んっ、んーーーーーーーーーっ………!」
悲鳴だった。
くぐもったその声が、拡散していく快感につれ瞬く間に艶をまぶした呻きに変わっていく。
奈緒子の奥に、躯の一番奥に、上田の重い塊が弾けて、うねって、もっと奥まで潜ろうとして。
見えるはずがないのに、行き場のないその場所で溢れようとするその濁流が見えた気がした。
「…ふぅ…ん、んんぅ…っあ………」
かき抱かれた腰から伸びた奈緒子の足が、男が脈打つ間隔を反映してつつましやかに震えている。
「はぁ…あん……あぁん……」
虚ろに声を漏らし、躯を甘く波打たせ、奈緒子はゆっくりと上田の腕に崩れ落ちた。
842 :
鎖 16:2006/09/22(金) 05:21:23 ID:4lEgzwJl
*
頬から髪が払われた。
上田の、興奮の余韻を色濃く残した呼吸音と鼓動。
汗にまみれ、上気した肌の上を、深い声が滑っていく。
「行為自体は体位も持続時間も普段とそう変わらないはずなんだ。だが」
奈緒子はけだるく瞼をあげた。
傍らに上田がいる。腰に奈緒子の片脚が白く絡まったままだ。
まだ繋がっていることを躯で悟り、奈緒子はさっと頬を染めた。
乱れてうねった髪の下に上田の肩を敷いている──躯の上からは降りてくれたらしい。
下半身は薄い膜がかかっているように痺れ、頭がぼんやりしている。──今、何時なんだろう。
「さっきの射精時における強烈なオーガズムはだ。やはり性行為の本来の目的である生殖活動をだな、相互了解の下行っているという感動と共鳴が一種の…おおぅ」
上田の声が乱れた。
「まただ。絶妙なうねりのベクトルが……you…俺を涸らす気なのか?」
「知りませんよ。こら、動くな!……このスケベ」
勝手に上田を刺激しているらしい躯についてはどうしようもないので諦めて、奈緒子は小さく罵った。
上田が片手をしっかり握ってくれている事に今更ながらに気がつく。
「今まで君の中でゆっくり過ごしたことがなかったからな。もったいないじゃないか」
「……」
「…あのな」
「……」
「素晴らしかったよ。youのいやらしくも情熱的かつ巧みなフェ──」
「い、いちいち言うんじゃないっ」
真っ赤になった奈緒子の目尻から、ふいに潤みが伝った。
髪の張り付いたこめかみに道をつくり、シーツにこぼれ落ちていく。
「お、おい!──悪かった!すぐに抜くから、泣くんじゃない!」
「待って!」
奈緒子は急いで握った手に力を込めた。
「違います。厭だからじゃありません。……上田さん、知ってるくせに」
「しかしな」
上田は照れくさ気に咳払いした。
「…そ、そうだ。こうしてると辛いか?その、俺のはちょっと…いや、かなり…」
奈緒子は上田の胸に頬をつけた。
「──いいえ」
口ごもった。
素面では、心身ともに疲弊しきったこんな時にしか言えない台詞だ。
「……私上田さんのこと、ほんとに、とても…大事なんです。だから、大丈夫」
「……you」
髪に唇が触れた気配。深い優しい声。
こみあげてきた多幸感に耐えきれず、奈緒子は目を伏せた。
843 :
鎖 17:2006/09/22(金) 05:22:00 ID:4lEgzwJl
頬に触れた別の感触をちらりと見る。
上田がもう一方の手にタオルを掴み、涙のあとを拭いてくれていた。
「……あの」
「ん?」
「このタオル……まさか風呂場から持ってきてたやつじゃ」
「ああ、そうだが」
奈緒子は急いで顔を振り、タオルから遠ざかった。
「ちょ…っ!!なんてことするんですか。人の顔に!」
上田は複雑な表情になり、奈緒子を見た。
「俺の事が大好きで、フェラチオもセックスも遺伝子を受け入れるのも大丈夫なのに?矛盾してるんじゃないか」
「そ」
奈緒子は赤くなった。
「そういう問題じゃないっ」
「どうして。俺はyouのパンツで顔を拭いても平気だぞ」
「拭かないの!」
奈緒子は上田の胸に顔を擦りつけて表情を隠した。
どうして上田は、こうなんだろう。
大真面目のバカで無神経ではた迷惑で──もひとつついでに間抜けだけど──でもほんのちょっとだけ……。
上田がかすかに身じろぎし、奈緒子の耳に小さな声で囁いた。
「それからな」
「もういいから黙れ」
「頼まれなくても俺はyouと一緒にいる。これも安心してていいんだぞ」
「…だから、誰も……そんな心配なんか、してません…よ」
「いや。だが、さっき──」
「…………」
奈緒子は顔をあげ、恥ずかし気に微笑んだ。
「………」
上田が一瞬、見蕩れるかのように目を細めたのがおかしかった。
「あの。とっても眠いんです。少しだけ、眠ってもいいですか」
「おう」
「…あ、そうだ。そろそろ抜け、上田」
「…わかってるよ!」
「エヘヘ…」
すっと瞼が落ちた。
疲労困憊した躯はすぐにゆるやかに螺旋を描いて落ちていく。
下に。今度はとてもやわらかくて、深く優しい安堵の中に。
「……君も、ずっと、ここに居るんだぞ。you──」
遠い上田の声が子守唄のように彼女の鼓動を和らげた。
「上田さん……」
大事な人。
傍にいたい。互いの命が終わる日までずっと。
叶う事なら、ずっと。
*
844 :
鎖 18:2006/09/22(金) 05:36:02 ID:4lEgzwJl
はっきりしなかった昨日の天気が嘘のようだ。
陽射しが玄関口の際を明るく光らせている。差し込むその角度は高い。
土間に立ち、里見は玄関の鍵を掌の中で踊らせた。
いつもの習慣で一応でも持っておいてよかった──いくら呼ばわっても奈緒子は現れなかったから。
表に若草色のパブリカがあったから、どこかに買い物やドライブに出ているというわけでもなさそうだし。
旧友たちとの会合は楽しかった。
だがもうひとつの楽しみで今朝からは落ち着かず、結局少しだけ早めに戻ってきたのだが。
「奈緒子?」
上がり框から奥のほうに、そっともう一度呼びかけてみる。
いつも書道教室に使っている奥の座敷もしんと静まり返っていて人がいる気配はない。
「おかしいわ…」
台所に入っても、そこにも誰もいなかった。
水切り籠や流し台の水気はすっかり切れ、この数時間来使用した形跡もない。
里見は腕を組んだ。眉があがる。
「……」
唇が納得を示してかすかにほころんだ。
ちら、と廊下を見た彼女は腕をほどいた代わりに肩を竦め、そちらに踏み出そうとはしなかった。
風呂敷を開きつつ、面白そうに独り言を呟いたのみである。
「教室が始まるまでに起きて来てくれるといいんだけど。……エヘへへ!」
*
上田次郎は里見に『大事な話』を無事できたのか。
そしてそれはその午後か、あるいはそれともまた全然別の日だったのか。
よく考えずともそれは、当事者と関係者以外には激しくどうでもいい話だろう。
おわり
連投規制にひっかかったんじゃけえのう。反省ドットコム。
神ktkr!!!!!
えろなのに朝からすっげぇ幸せになれました!ありがとう
私も連れ合い大事にしよう。
>>826-844 GJ! 何度でも言うぞGJ!
エロとストーリー、どちらも美味しく頂きました
上田、里見、奈緒子の会話がリアル!
エロもいいけど、風呂を怖がる上田に萌えたw
GJGJGJ!!!!
里見お母さまイイね。
野際さんの笑顔が浮かぶよ。
超GJ!
話も実用性も素晴らしいの一言ですた!
すげー!!神ktkr!
思いっきりGJ!愛のあるエロ萌えましたwww
852 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 09:17:28 ID:qQpKtx33
良かったです。またお暇だったらなんか投下して下さると嬉しいです
最高GJGJ!!
奈緒子かわいいよww
>853
そこの君、あの貧乳で生意気な小娘がかわいいだなんて
一度目の検査をしてもらったほうがいいんじゃないか?ん?
あんな女をかわいいと思うようじゃ君の人生お先まっくらじゃないのか?
この上田次郎が君に忠告してあげてるんだ。君は光栄だぞ!!
トリック3最終話観たんだよ先日
最後の砂浜シーンは何度観ても感動するわ
上田と山田が好きじゃあーーーーーーー!!!
>>856 砂浜に座り込んでる奈緒子の背後から「…YOU」って囁くのが無駄にイイ声w
何度目かの「ジュヴゼーーーーム!」で仲間さんが素で吹いてるっぽいのが可愛い。
あの「you」の微妙なイントネーションで
たった一言にものすごいいろんなものが詰まってるように聞こえる
あのシーンは本当にいいね
あの「ユー」はとても優しい呼び掛けだと思う
それでいてやっぱりちょっと自意識過剰で勘違いな性格の雰囲気もある
すごく上田らしい
キャラ本人に上田らしいっていうのもなんなんだけどなw
わらび男さん忙しいの続いてる?
のんびり待ってるのでいつでもどうぞ〜
860 :
わらび男:2006/09/28(木) 20:45:09 ID:BKJu64Ex
のぞきに来たら自分の名前があって焦ったw
やっと完成しますた。が、わらびもちキスの続編ではないです。
まったく別のシチュエーションで書きました。
誤字チェックしてから投下しますね。
携帯厨のため投下に時間かかると思います…スマソ
861 :
わらび男:2006/09/28(木) 20:48:45 ID:BKJu64Ex
私の名前は山田奈緒子。
実力派の天才美人マジシャンだ。
今夜は各国の著名人が集まるパーティーでマジックを披露した後、上田と二人で食事をすることになった。
特に珍しいことじゃない。
なぜならこいつには友達がいないからだ!
うひゃひゃ!
しかたなく甘味処でデザートまで付き合ってやった後、上田の提案で、テレビでも見ながらお茶を飲もうということになった。
場所は、上田のマンション。の、…なんでわざわざ寝室なんだ。
テレビはベッドの前に設置されている。
必然的にベッドに並んで腰掛けることになった。
…なんとも思ってません。
私は、ね。
今日の上田はやけに大人しい。
会話らしい会話もなく、私はテレビを見続けていた。
ちなみに上田はテレビを見ずに、ずっと私を見ている。
ギラギラしたねちっこい視線と激しい鼻息が気持ち悪い。
今日の上田、なにか変じゃないだろうか。
落ち着かなかったり、ニヤニヤしたり…いつものことか。
でもなんだか嫌な予感がする。さっさと帰ろう!
「じゃあ上田さん、私明日も大事なマジックショーがあるんでそろそろ…」
「ウエイト!!」
立ち上がって玄関に向かおうとすると、上田のでかい図体が立ちはだかった。
避けようとすると無駄に軽いフットワークで邪魔される。
「…上田!」
「今日はYOUにいい知らせがあってね、それで特別にプライベートルームに招待したんだよ。
さぁ!なんだと思う?」
いつも以上に気持ち悪い笑顔だ。
自然と上田を睨んでしまう。
こういうときはあれだ、また私に助けを求めるつもりだろう。
862 :
わらび男:2006/09/28(木) 20:50:54 ID:BKJu64Ex
「いい知らせ…って…
上田さんが私に全財産を渡して消えるとか。
…どろん!」
えへへへへっ!と言い放ってやった。
上田が眉をしかめて鼻で笑う。
「答えはNOだ。実はな…」
きた!やっぱりな!
どうせまた変な謎解きだか調査だか研究だか取材だかに付き合わされるんだ。
断っても結局、脅迫されてついていく、もしくは拉致されることになる。
初めて会ったときから、お決まりのパターンだ。
「おとこわりだ!」
「なんだ嫌なのか。せっかくその貧しい胸が育つ方法を教えてやろうと思ったのに、残念だな」
「…はい?」
裏があるに決まってる。
こいつは自分にメリットがないことはしないからだ。
上田はズボンの中から一冊の分厚い本を取り出し、私に突き付けた。
「どこに入れてんだ!」
「ふふふ…アメリカの有名な学者が考えたエクササイズが最近日本に上陸してね、通信教育で修得したんだよ。
このテキストの1ページ目を読んでみなさい。
じっくりと、ぶっつりと」
本を開くと、胡散臭い笑顔の男女が並んでいる。
ピンク色の文字と怪しい書体で書かれた文章を読み上げた。
「…『私たちが推奨するラブエキサイティングワンダーエクササイズとは!
ラブエクササイズ、つまり俗にいうセックスを、一段と有意義に』…?ってこれ!!」
863 :
わらび男:2006/09/28(木) 20:52:57 ID:BKJu64Ex
顔を上げるやいなや、上田の無駄にでかい図体が目の前に迫っていた。
驚く間もなくベッドに追いやられ、押し倒されてしまう。
両腕を押さえ付けられ、身動きがとれない。
「何のつもりだ!上田!」
「エクササイズだよ…YOUぅ…ゆ〜ぅ…」
「近い近い顔が!」
上田の息が鼻と口に激しく吹き付けてきて苦しい。
でも上田さん…いい匂いがする…。
ってこれはさっき食べた焼肉の匂いだ!
しっかり奈緒子!
顔を必死に背けながら蹴りを入れようとした。
が、足が上がらない。
上田の片足が私の両足のあいだにあるせいで、スカートが押さえ付けられている。
「うう上田!放せ!」
「知識を得ただけでは身につけたことにならないからな…実践だよ。実践」
変態学者に何か反論したい。
でもおかしい、頭が回らない。
気になっているのは、わざとか偶然かしらないが、上田の膝が微妙に私の股間に触れていることだ。
もがけばもがくほど、変な刺激が体に走って落ち着かない。
「上田、とりあえず足をどけろ。話はそれからだ」
「Why?どうした?」
上田は足を退けなかった。
それどころか僅かな振動を与え始める。
体がむず痒い、奇妙な感覚。
864 :
わらび男:2006/09/28(木) 20:56:50 ID:BKJu64Ex
「ちょっ…上田?」
「YOUは教材より反応が鈍いな…テキスト12ページのカズヨさんはもう少し目をとろんとさせていたはずだ」
その一言でカチンときた。
頭がすっかり覚醒する。
…この馬鹿上田め。教材どおりにいくと思っていたら大間違いだ!
「そう確か12頁の6行目だ…羞恥心を煽り、抵抗を…」
「んーにゃーっ!!!」
上田がブツブツ言っている隙をついて、思い切り頭突きしてやった。
「おおうっ!」
ベッドから転げ落ちた上田を見下ろし、乱れたスカートを整えた。
うまく当たったのだろうか、口を切ったらしく涙目で震えている。
形勢逆転だ。
「上田…泣いているのか」
「うっ…ふっ…ふっふっふ…YOUに常識は通じないんだったな…」
上田がよろよろと立ち上がり、口端に滲んだ血をぬぐった。
「なんで上田さんと私がこんなことしなきゃならないんですか。
このテキストにも書いてありますよ。
セックスは、愛し合う二人が愛を確かめ合う行為だって。ほらここ…に」
不意にテキストをめくる手を掴まれた。
なんでこいつは一々触りたがるんだ。
振りほどこうと腕を振り回すと、テキストを奪われる。
「君は俺を愛してるだろう?
見てればわかるんだよ」
「…………はい?」
なんでこうなるんだ!
…不覚だ、一生の不覚だ。
認めてやらない、絶対絶対絶対絶対…
「YOUなんとか言ったらどうなんだ?」
「う…上田さんはずるい、いつも!」
「なに?」
「…知らない!馬鹿上田!」
悔しくてしかたない。
上田はずるい。
『俺を愛してはいけない』とか、『好きなのか?俺が』とか…『ジュヴゼーム』とか。
いつもいつもいつもいつもはっきり言わない。
でも、私だって『好きなら好きってわかりやすく言え』なんて言いたくないんだ。
「わ…わかったYOU、な、こうしよう。
何も言わなくていいから、嫌ならまた拒めばいい。な?」
「全っ然よくないんですけど」
上田がぎこちない手つきで私の顔の角度を固定し、唇を近づけてくる。
865 :
わらび男:2006/09/28(木) 21:01:40 ID:BKJu64Ex
…べつにこの行為が嫌なわけじゃない。
素直にならない上田と、意地っ張りな自分に腹がたつだけだ。
唇が触れそうになると同時に、体が再びベッドに倒された。
見つめ合ったまま、沈黙の中に吐息だけが響く。
「ちょっと…キスしたいなら早くしてくださいよ、恥ずかしいじゃないですか」
「拒まれると思っていたんだ…予定と違う」
「…馬鹿上田」
上田の体に両腕を回し、引き寄せる。
上田と密着するのも、こんなに近くで顔を見るのも、なんだかんだでけっこうある。
初めてじゃない。
それなのに、上田の心臓はひどくうるさく鳴っている。
「はい上田さん、どうぞ?」
「…YOUの扱いはいつもマニュアル通りにいかない」
「いまさら何照れてるんだ」
「照れてるのはYOUだ」
「………もういい!」
この変な体勢のまま押し問答してても仕方ない。
弱虫上田は、私から動かないと何もできないんだから。
「上田、私がいいと言うまで目を閉じていなさい!」
「は、はい」
まったく、しょうがない上田だな。
上田の顔に手を添えて、ゆっくり近付けた。。
目を閉じ、息を整えて。
上田の唇に、私の唇を重ねた。
頭は固いくせに、唇は柔らかいんだな。
上田が確かめるように、何度も私の唇を啄む。
テレビで見るような長いキスじゃなく、唇がほんの少し触れるだけのキスが何度も続いた。
少し口を開けてみると、驚いたように一瞬キスが止み、しばらくして再び唇が触れた。
薄く開いた口に、上田さんの柔らかな舌が入ってくる。
「ふ…は…」
ゆっくり動く上田さんの舌を、自然と追い掛けていた。
熱くて、でも優しい動き。
ふと目を開けてみると、上田さんと目が合った。
「!?っ、ふんん…ぅ…!」
何度か上田の体を殴ると、唇が離れた。
離れる瞬間に唇に糸が引いたのがとてつもなく恥ずかしい。
866 :
わらび男:2006/09/28(木) 21:08:15 ID:BKJu64Ex
「なっなんだYOU!空気を読め!」
「なんで目を開けたんですか!」
「YOUが急に口を開けたから…この期に及んで寝たのかと思って反射的に開いたんだよ」
んなわけないだろ!と突っ込みたかった。
が、突っ込まれたのはこっちのほうだった。
…上田さんの指が、私の口の中に。
「う…ぅえら…ひゃん?」
「…いい顔じゃないか、YOU」
上田の声が優しくて恥ずかしい。
口内を掻き回す指先を舌でなぞった。
ピチャ、と音がたつ度、上田が嬉しそうに笑う。
…単純な奴だ。
「…ん…?」
何か硬いものが足に当たった。
視線を巡らすと、上田の股間のこん棒がズボンを破りそうな勢いで立ち上がっている。
私は不覚にも、嬉しくなってしまった。
以前はおかずの足しにもならないと言われた私の体で、上田が喜んでいるのだから。
上田は嘘をつけない。
目を見れば上田の気持ちはすぐにわかる。
口の中から上田の指を抜き取り、ぺろっと嘗めてやった。
「上田さん…、いいですよ、脱がせても」
「お、おおう」
そっと抱き起こされ、上田が指先を震わせながら、ゆっくり服に手をかけたと思うと…私は全裸だった。
「早っ!!!」
「なるほど…長い髪で貧乳を隠すことができるんだな。
YOUなかなか策士だな」
「…お前ほんとに変態だな」
露になった胸にさらさらと触れている自分の髪を、上田に見せ付けるように掻き上げた。
上田がこっちを見て固まる。
…私は…何をしてるんだ。
顔が熱くなり、枕で胸を隠して俯いた。
「それは…挑発か?」
「…いえ、これはべつに…」
言い切る前に上田が枕を放り投げ、胸に手を延ばしてきた。
鼻息を荒げ、楽しそうに両手で撫で廻している。
「んにゃっ!ぅにゃー…!上田さんっ!」
「心配はいらないぞYOU、俺は貧乳向けのエクササイズを学んでおいたからな…
俺は天才かつ心優しい人間だ。
YOUのような貧乳の処女を扱った資料を探しに探し、忙しい合間を縫って研究を重ね…ついにここまできた。
今こうして俺は、物理の知識を駆使して痛みを和らげるようにYOUの貧乳を、この平らな貧乳を、谷間が見当たらない貧乳を」
「上田。少し黙れ」
867 :
わらび男:2006/09/28(木) 21:12:25 ID:BKJu64Ex
物理学と関係があるのかわからないが、痛むことも少なく心地いい感覚が続く。
さすが、通信教育で空手を学んだ変人だ。
上田の指先が肌に触れるたび、喉がきゅっと苦しくなる。
「で。どうなんだ?」
「…どうだっ…て言われても…ん、んっ」
わかってるくせに。
上田が手を止め、ニヤニヤ笑いながら唇を舐めた。
キスするのかと重いきや、唇は耳元を捉らえる。
吐息や舌の感触がが直接脳まで届く気がして、頭が痺れる。
「ん、くっ…ふんんっ」
舌先が耳と首筋をはい回り、指先は足の付け根をそろそろと撫で回している。
なんだか体の奥が熱い。
もどかしくなって、上田さんの腕を掴んだ。
「なんだ…言えよYOU」
「…っ…んん…」
くらくらする白い世界に、上田の低い声が響く。
足を小さく擦り合わせると、上田はでかい目をさらに大きく見開いた。
「ちょっと待ってなさい、いろいろと準備があるから」
上田が慌ただしく部屋を出ていった。
…準備ってなんだろう?
今更シャワーでも浴びるっていうのか。
数分後、服を脱ぎ散らかしながら寝室に飛び込んできた上田は、手の平ほどの大きさの袋を私に差し出した。
「なんだ…これ」
「見たことないのか?避妊具、コンドームだよ」
「コンドーム!?…ってこんなに大きいか?」
「俺に合うサイズがなくてな…取り寄せに苦労したぜ!ハッハッハ」
そうだ。
セックスって最終的には、この巨根が私の体の中に入るってことじゃないのか。
今まで何度も死にかけたけど、本格的に死を覚悟するべきかもしれない。
「おっ…かなり濡れてるじゃないか、処女のくせに。
シーツがこんなにぐっしょり…」
「それは上田の汗だ」
気まずそうに咳ばらいをし、上田は避妊具を装着しはじめた。
あまり見たくはない光景だが、ついその大きさが気になってしまう。
一言で言えば、でかい。巨根とかいうレベルじゃない。
ちょっと逃げたくなった。
868 :
わらび男:2006/09/28(木) 21:33:02 ID:BKJu64Ex
「装着完了…YOUはどんな具合になってるんだ?」
上田が私の両足を掴み、がばっと開いた。
恥ずかしがる暇もない。
上田は躊躇もなく私のあの場所を弄り回してきた。
くちゅくちゅと音が響き、変な声が勝手に出てしまう。
「ちょっと!待…いたっ…ぁ…ふっ、あ…ぁん」
「おもしろい…ふふふ」
なんだか敏感な場所があるらしく、そこばかり執拗に撫でられる。
痛いような苦しいような感触で、体が勝手に跳ねた。
「ぁ、あっ…やぁ…んぁっ!」
見られていることが恥ずかしく、目をきつくつむった。
私が声をあげるたびに、上田が笑うのが聞こえて腹立たしい。
「ふぁ、あぁ…っ…や…中…が、変…っ」
中のほうが熱くてむず痒くて、液体が溢れてくるのがわかる。
上田が指先を中に入れようとしている。
ぬるぬると入口で焦らされ、もどかしい。
「んっ、ん、やだぁっ…」
無意識に腰を浮かせ、指先を受け入れようと動いた。
体がおかしくなるのは、全部上田のせいだ。
「ん、入れてほしいか…ほら、どうだ」
ズブズブと指が入ってくる。
体は快楽を求めるのに、いざ入れられると痛かった。
上田さんの指が、私の中でうごめく。
痛いのに、嬉しい。
「…痛…い…んん…あぁ…」
「…ハハハ…指がぐちゃぐちゃだ」
「ん…んーっ…」
869 :
わらび男:2006/09/28(木) 21:54:16 ID:BKJu64Ex
指が抜かれ、何か別のものが当てられた。
まさか、まさかこの感触は。
そっと目を開くと、上田の巨根が入口に添えられている。
体の準備はいい具合らしいが、まだ心の準備ができていない。
「…やだ…待ってください…私…」
「怖いか。
力を抜けば大丈夫だ…この角度なら、つるっと…するっと…スリット…だ」
力を抜けって言われても無理だ。
歯を食いしばり、シーツにしがみつく。
上田さんのモノが中に入ろうとするたび、滑って敏感な部分を擦った。
「……ぁ…う、あぅんっ…」
「よしここだな!スリット!裂けてー!」
「さ、裂くなっ…ふぁっ…ん!」
体の力が一瞬抜けた隙に、押し広げられたそこに異物感を覚えた。
どうやら、入ったらしい。
意外と大丈夫じゃないか。
これくらいの痛みならなんとかなりそうだ。
「…おっおおう…見ろ、先端が入った…今のはYOUの体の緊張をほぐすためのっ…呪文、だ」
「うっ、嘘…これだけじゃないのか…あっ、痛いいいっ」
これ以上入らないと思ったのに、巨根はじわじわと侵入する。
セックスってこんなもんなのか。
もう気持ちよくない。
ただひたすら…痛い。
痛い痛いと呻く私を見る上田は、笑顔だった。
このサド…。
「…ふぬっ…ふんっ!こうやって!少しずつな!」
「いっ…たい!も…上田、ストップ…死ぬっ」
上田の耳には届いていないらしい。
角度とか湿度とか言いながら、遠慮なしにずんずん突いてくる。
この自己中!人で無し!巨根ー!
「YOU頑張ったじゃないか、あと少しだ!」
「…ん…う…」
あぁ、私はもう死ぬのか。
三途の川が見えた気がする。
870 :
わらび男:2006/09/28(木) 21:58:08 ID:BKJu64Ex
上田が一瞬腰を引き、力強く打ち付けてきた。
体をこれまで以上の激痛が走り、涙が溢れる。
「……ひっ…ぃやあぁあ!!!」
がくんと高いところから落ちたような感覚になった。
頭が真っ白になっていく。
「よ…し、全部入っ…た!…YOU?
どうした、まさか気絶したのか?
おい!YOUーーーーー!!」
体を揺すられていることしか感じない。
遠退いていく意識の中、上田の絶叫が部屋にこだましていた。
871 :
わらび男:2006/09/28(木) 21:59:07 ID:BKJu64Ex
翌日。
陽射しの眩しさに目が覚めると、上田が隣で寝息を立てていた。
「あれ?…あれからどうしたんだっけ?
う……痛ぁ…」
体が…特にあのあたりが、激しく痛い。
私、柄にもなく気絶したのか。
どうなったのか覚えていないが、シーツの赤い染みやごみ箱のティッシュの山を見て何となく事態を察した。
無事に…とは言えないが、事を終えたのだろう。
恥ずかしくなってベッドに潜ろうとすると、いつの間にか起きていた上田と目が合う。
上田はベッドから体を起こし、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「おはよう、奈緒子。体の調子はどうだ!」
「体?最悪です。…名前で呼ばないでください」
「照れるなって、奈緒子!」
「やめい!」
「嫌だね。俺は嫌がるYOUが一番好きだからな」
え。
…今、好きって言った?
上田も自分の言ったことに気付いたのか、眼鏡をかけようとしていた手が止まっている。
「…上田さん、今」
「YOUの嫌がるところを見たり嫌がることを言ったり…そういった行為が好きだと言ったんだよ。
風呂を沸かしてくる」
上田はぎくしゃくと部屋を出ていった。
やっぱりサド男だ。
「まぁ…、いいか」
寝返りをうつと、あのテキストが落ちていた。
よく見れば、『貧乳』の項目には赤いマーカーで書き込みがぎっしり書いてある。
私のために勉強したって、嘘じゃなかったんだな。
「ほんとに…馬鹿だよなぁ…私も上田も…」
告白もセックスも、順番はどうだっていいか。
この腐れ縁が切れることは、絶対にないのだろうから。
私たちらしく、変なペースでいい。
いつかお前から好きって言わせてやる。
覚悟してくださいね、大好きな上田さん。
END
872 :
わらび男:2006/09/28(木) 22:04:43 ID:BKJu64Ex
ちょこちょこ直してたら投下に1時間もかかってしまった。スマソ
最近、黒門島絡みの暗い話(ブラック石原×山田の予定)を考えついたので、
またいつか投下させていただきたいと思います。
では名無しに戻ります ノシ
ドローン
うおおおお、わらび男さん!!!あんたやっぱり本当の神さまだ!!
>頭は固いくせに、唇は柔らかいんだな。
これにハゲしく萌えた・・・・orz
ポケ〇ン島話も、箱を開けては閉めてながら待ってますw
GJ!
>「おっ…かなり濡れてるじゃないか、処女のくせに。
>シーツがこんなにぐっしょり…」
>「それは上田の汗だ」
ここでワラタ
面白い!良かったです!
携帯投下乙でした
しかし…上田、貧乳貧乳貧乳って連発…
へこむぞorz
ここは神だらけの素晴らしいスレですね
面白かったです
ポケモン島話も完成したら読みたひ(・∀・)
奈緒子の「あなたに会えてよかった」っていうシーンってどの回にあるの?
>878
最初のシリーズの第9話。
>>879 そうなんだ…見たはずなのに記憶がない。
アリガトン
「上田さん、ドーテイだったんですか?」
「ドーテイじゃない!」
「彼女とか、いたことあるんですか?」
「今は、……いないよ」
「じゃあ、独りで慰めてるんだ?」
「え、いや…」
「いいじゃないですか、みんなやってることなんだから。自慰するのは悪いことじゃないですよ。上田さんも毎日、独りで慰めてるんでしょ!」
「ま、毎日してるわけじゃない……」
「みんなー、上田教授はオナニーしまくりですよー!」
「……し、しまくりじゃない!」
「上田さん、巨根だったんですか?」
「いや、そんなに巨根というわけじゃないんだ!」
「挿入とか、できたことあるんですか?」
「…………ないよ」
「じゃあ、自分で慰めてるんだ?」
「え、いや…」
「いいじゃないですか、みんなやってることなんだから。自慰するのは悪いことじゃないですよ。上田さんも自分で慰めることあるんでしょ!」
「そりゃ、しないわけじゃないが……」
「みんなー、上田教授はセルフ・フェラしまくりですよー!」
「……し、しまくりじゃない!」
「矢部さん、ハゲですよね?」
「ハ、ハゲちゃうわ!」
「髪の毛、生えてたことあるんですか?」
「今も、頭皮から直にふっさふさに生えてるっちゅーねん!」
「じゃあ、埋め込んでるんだ?」
「え、いや…」
「いいじゃないですか、みんなやることになるんだから。増毛は悪いことじゃないですよ。矢部さんももっと増毛したいんですよね」
「そりゃ、したくないわけやないが……」
「みんなー、矢部刑事は頭髪偽装しまくりですよー!」
「……し、しまくりちゃうわ!」
なにこの3部作wwwワロスwww
これの改変元ネタってなんだっけ?
886 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 17:58:31 ID:qbI964gz
能登じゃないの
小ネタ
「あ…あっ、あ……こら、やめろってば。…深いの、厭…」
「奈緒子……」
「あんっ…」
「感じてるのか」
「…あん…ああ…っ…えっ?…か、感じて、なんか…ない」
「……ない?」
「ない!なんなんだ、部屋入るなりいきなり!」
「飛行機には個室がない。トイレは狭すぎる。俺はyouの寝顔を見ながらずっと悶々としてたんだよ!」
「でも床って…ベッド!せめてベッド!」
「じゃあ、youのここはどうしてこんなにヌルヌルでヒクヒクしてるんだ…」
「んん…っあ……やだ、指、動かすな…」
「深いとこは厭なんだろ」
「だからって…あっ、そこは…」
「奈緒子」
「んふぁ…あ…」
「いい声だ」
「はぁん」
「可愛いな」
「あ、あっ…あ、いや、だめ、そこ」
「本当にイヤなのか」
「あん、あ…あ……え?」
「厭か…?ここは…」
「んっ。バ、バカ上田っ。やめろって」
「……だろ?ハハハッ、思った通りだ」
「なんですか…そ、その嬉しそうな顔」
「ここ、気持ちいいんだろ?」
「ふぁっ……んん…そんな、事…」
「バーカ。バレバレだ」
「……ん…にゃあぁ」
「Gスポット。有名な性感帯のひとつだ」
「あ、ああん、あぁ、あん…っう、ああ…やだぁ」
「くくっ…ほらな!youの場合、ここだ、ここ。わかるか?」
「ひ、にゃっ、やぁん!」
「どうだ、どうなんだ?…いいのか。良くないのか、どっちだ、you」
「ばかぁっ!き、嫌いだ、上田、お前なんかっ…あ、あああっ…!」
「おっと…」
「あ、ひ…っ……」
「……」
「んん」
「……」
「……う、上田?」
「ん」
「……どうしたの」
「何が」
「何って…」
「ああ。もっと刺激して欲しいのか?断る」
「…こ、ことわ…る?」
「新婚初夜だぞ。さくさくと進行させてたまるか、じっくりしっぽりねっとりとだな…」
「初夜って。ちょっと待て。お前、まだ昼間…」
「日本時間では夜だ。そうだ、初夜なんだからな。youもまだ開発されてない新妻らしく振る舞うんだ……バカめ。おねだりなんてするんじゃない!」
「か、開発したのお前だろっ!この……」
「…問題出してくれないか?」
「問題?」
「ほら、あれ。四桁の四則演算」
「なんでそんな事っ」
「冷静にならなきゃな。ほら、you」
「………こんなのやだっ!変人!巨根!自己中!」
「なに怒ってるんだよ」
「新婚旅行で暗算とかしてる新婚さんなんていないぞ!」
「そうか?」
「当然じゃないか」
「そうかな」
「だって、こんな……あっ」
「ふふ」
「…!…お、お前っ!わざとやってるんだな?そうなんだなっ?」
「可愛いな…」
「…上…んっ…」
「……」
「……ふ…」
「……」
「……んぁ」
「……」
「………うう」
「ふっ。ふっ、ふっふっふ…」
「…な、に…?」
「さっきから、きゅうきゅうって。凄く締まってる。床、好きか?」
「…バカっ!バカ、バカっ!!」
「愛してるよ」
「…………」
「何固まってるんだ」
「………う、うえだ。いきなりそういう事言うのやめろ」
「どうして。状況に相応しい言葉じゃないか」
「本心で言わなきゃ、意味ない…」
「本心だよ」
「………………」
「……だから、どうして固まるんだ、そこで。youは!」
「……だって」
「愛してちゃいけないのか。悪いか?」
「そんな…こと、ない…です」
「………」
「でも、…は、恥ずかしい…じゃないか…床だし」
「ベッドならいいのか。じゃあ潤んだ目で見るなよ。そういう目で訴えられたら言いたくなっちゃうだろ。我慢しろ」
「なにも…訴えてないんですけど」
「嘘つけ」
「……やん…あ、上田…」
「………」
「…んん…あ」
「可愛いよ……なあ、奈緒子」
「……」
「youは言ってくれないのか」
「…え…」
「愛してるって」
「…あ、あい…?」
「それにな、もう『上田』ってのはおかしいぞ。youだってもう山田じゃない」
「…そういえば、そうですね」
「上田同士で上田と呼び合うのは不合理じゃないか」
「…ですね」
「他の呼び方がいい」
「……ジロ…とか?」
「犬か、俺は!ここはやっぱり、『次郎さん』だろ」
「…次郎、さん…?」
「………エヘヘヘ!」
「…な、なに?」
「もう一度。今度はゆっくり発音してくれないか……」
「………恥ずかしい。ゆ、床でこんな事するのやめよう!な、上田」
「いいから、ほら」
「…次郎…さん」
「続けて言うんだよ。スムーズに、ほら、練習だ」
「次郎さん次郎さん」
「違う!さっきのようにだな、ほら、もっと情感をこめて!」
「……うるさい奴だな…」
「照れるな!こうだよ。いいか、リスン…『次郎さぁん』…」
「そ、そんな声出すな!くねくねするなっ!」
「アンドリピート!忠実にな!」
「……じ………次郎…さ…ぁ…ん」
「………奈緒子っ!!」
「あ、ああっ…!や、やあ、やめろっ!苦しい、死ぬっ」
「可愛いぞ、可愛いぞ、you!」
「いやだ、やだ、ああっ、突くな!」
「駄目だ、もう我慢できない」
「やあんっ…!そんな、強過ぎ…!だめ、だめっ、あっ、あ」
「奈緒子。奈緒子」
「んあ、あふ、あっ、あっ…ゆ、床でイくのは、厭っ!」
RRRRRRRRR
「はあっ、はあっ……………ハロー」
「で、電話…こんな時に、とるなあっ…!」
「静かにしてろよ!……もしもし?国際コレクト?OK」
『こんばんはー。センセ、矢部です』
「矢部さん?」
「や、矢部っ?なんで!」
「シーッ。すぐに切る…待ってろよ、そこで」
『上田センセ?』
「矢部さん。何か?…おいっ!こっそり足を閉じるんじゃない!俺が戻るまで待てって!!」
「なに言ってるんですか!床で一人で足広げてたら間抜けじゃん」
「くそっ……もしもし、矢部さん!何の用なんですか」
『いやー、新婚旅行先にお電話するのは気が引けたんですけどね、どーしても!どーしてもと、この、石原が…何じゃい。自分は言うてない?黙れっ。……あー、失礼しました。実は今我々、センセたちのご結婚を祝って二次会というか、飲み会してましてね』
「はあ。…おい、you。何起きあがってるんだよ。待てってば」
「なんで床で寝転がってなくちゃいけないんですか?恥ずかしいじゃないですか!」
「もしもし。矢部さんっ!それで?」
『センセとご一緒させていただいた懐かしいあれこれの事件の思い出話しとりましたんですがぁ、絶対センセもあの女、
いや、失礼、奈緒子さんも、どっちも相当の奥手、まああの小娘の場合奥手というよりはセンセのような物好きがおらんかったとまあ、あ、失礼。
まあ、そういうわけで肝心のアレの首尾はどうなるんやろ?いう話になりましてね』
「矢部さん、酔ってますね」
「ああっ!すごい、テレビで時代劇やってる!見ろ、上田!」
「おいっ!youっ!」
『いや、ワシは酔ってません。酔ってま、せんっ! 酔ってませんけどね、この、で、つい賭けたわけです』
「……何をですか。こら!you、真剣に見るんじゃない!」
「上田さん、だってこれ変ですよ。字幕出てますよ、英語で。邪道ですね」
『巨根貧乳の新婚さんが、今ヤってるかどうか…何邪魔しとんじゃい、石原ぁっ!放せ、放さんかい!』
『兄ィ!いくらなんでも本人に訊くのは失礼じゃけえ!…!ありがとうございますっ』
『矢部さん、あの、いくらなんでも深夜にご迷惑かもしれないしもうそのへんでやめといたほうがいいかなー?なんてですね、僕は』
『じゃかしいわ秋葉っ!時差、っちゅうもんがあるの知らんのかお前。今あっちは朝やぞ、ええか、ハワイいうたら憧れの超メジャー観光地やからな、オプショナルツアーが山のように組んであるに違いないわ。
いっくら初夜でがっついとってもセンセは理屈捏ねで物見高いええ格好しいの童貞やからな。こんな時間からあの貧乳をベッドに連れ込んどる余裕があるはずが、ないっ!』
『あー、矢部君。じゃあ何故今現在上田先生がお部屋で電話に出てらっしゃるのか、そのあたりを冷静に考えてみたまえよ。理性教養溢れる優秀な学者でも下半身に人格などないという単純な事実が凡人の君には理解できないのかな』
『なんじゃあ菊池!大体なんでお前がここにおるんや。ワシ呼んでへんぞ。お前らか』
『矢部さん、あの、僕は呼んでませんよ!違います』
「ワシでもないけえの、兄ィ!」
『僕にはわかるんだよ、同じエリートとして上田先生のお気持ちが。先生、聞こえますか。遠慮なくどんどん励んでくださいね、お土産はマカダミアンナッツがいいな」
『ええですかセンセ!とにかく今ヤったらいけません、わかりますか。ワシの千円がこいつにとられるかどうかの境目ですから!ええですね、夜まで待ってください!ええですね?いっくらハネムーンや言うてもよりによってあんな貧乳相手にですね」
『やっぱまずいけえ、兄ィ〜〜〜〜っ!』
ブツ。ツーーーーーーー。
「あいつら、何失礼な賭けしてるんだ!丸聞こえだっての!無礼千万な奴らだなっ。なあ、上田!」
「………ふーっ」
「…上田?」
「……さ、気を取り直して…おい。上田じゃないだろ」
「あ」
「ほら、次郎さん」
「じ、次郎さん…」
「……可愛いなぁ…you…」
「………おい」
「………」
「無理に気分盛り上げようとしてないか?」
「…………」
「潔くやめましょうよ」
「やめるだと……?」
「ほら、なんか…その…その気がすっかりなくなったし」
「………」
「上田さんも…、ほら、小さく…はないけど、さっきよりは…」
「………」
「だから、また後で」
「……………」
「ね。だからズボンはけ」
「……………やだよ」
「上田」
「ほんの少し挿れただけじゃないか。このままじゃ生殺しなんだよ!youは平気なのか!?疼いてるんじゃないのか!?」
「平気です。なんかこう、あいつらの声で根こそぎ醒めたっていうか」
「……」
「それとも菊池に儲けさせてやりたいのか?」
「……………」
「…ねえ、後で…ね?」
「矢部さんが儲かるだけじゃないか」
「申告しなきゃわかりませんよ」
「…じゃあ今やっても同じだろ?なあ、you」
「駄目!」
「…………」
「さ、上田さん。さっきガイドの人が言ってたじゃないですか。ここのホテルのバイキング、結構いけるって。行きます?」
「………」
「上田?」
「………」
「…泣いてるのか」
「………」
「………」
「違う」
「あ。泣いてる」
おわり
GJwウエヤマかわいいなw
矢部石原菊池秋葉が揃った図ってかなり濃いな…
すごい。セリフだけなのにちゃんと状況がわかる!!
面白かったです。GJ!
グッドなジョブじゃけえのぉ!のぉ!
グッドジョブじゃ言い表せんのお!兄イ!
意味わからん
楽しかった!
ヅラねたなくてもやっぱ矢部は矢部ですね
ここ読んでて思ったんだけど、山田の中身の人が本当にキレイだから
萌えるんだなと。オイラ、最近功名がツージーもかかさず見ちゃってるんだよね・・ェヘヘヘ( ゚∀゚)
上田山田は超絶美男美女だよなあ
その二人がへっぽこい事をするからますますたまらん
おかげで妄想もとまらん
矢部は保護者目線で奈緒子を見てるような気がする。
大人の余裕みたいな。
言い合いとかしてても最終的には『あいつはムキになって馬鹿だなぁ、しょうがないなぁ』みたいに思ってそう。
ただの妄想だな('A`)
903 :
小ネタ。:2006/10/05(木) 09:14:00 ID:uZcY2KDr
「YOU何してるんだ、人のパソコンで」
「今朝母からこんな手紙が来たんです」
「何?『素敵な掲示板を見つけたので、奈緒子も参考に見ておきなさい。URLは…』
「で、うちにはパソコンがないので借りにきました。
この…ゆーあーるえる?はどこに入力するんだ」
「バーカ。ここだよ、ここ。
これは…【貧乳】TRICKでエロパロ【巨根】?
短い小説が書かれてるようだな」
「…嫌な予感がする」
「お、おおう…YOUこれを読んでみろ」
「………なんだこれは!
ふ、不愉快だな」
「おおう…おぉう」
「押すな、上田!」
ばんなそかな
>>903 GJ
そしてお手本にしようとするが上手くいかず、凹む上田・・・
前回の初体験話とは全く関係無し。以下次号。
妄想がとまらない。助けてくれ。
山田奈緒子。
乱暴者で大食いで、性格にも根性にも対人関係にも経済状態にも常に問題を抱える、人を人とも思わない強欲でくそ生意気な貧乳へっぽこ奇術師だ。
顔立ちは、まあ二目と見られぬという程悪くはないほうだろう。
奴が口を閉じている時に眼鏡を外してよくよく見れば、そして一万歩ほど譲れば、美人といって言えなくもない。
俺は世界一頭が良くしかも百人中百人が振り返るほどのいい男というのみならず、鷹揚かつ心の広い人格者だ。
そこまでは渋々認めてやってもいい。
それにこいつは、動物の本能を発揮して驚くほどの頭のひらめきを見せることもたまにある。
勿論俺の足元にも及ばないし、まあ、そもそもひらめくこと自体ごく稀なのだが。
そうだ、山田が持ってるもので役に立つといえばそのひらめきくらいしかないだろう。
だからこそ俺はこいつを身近に置いてとことん利用──じゃなかった、食事を奢ってやったり、家賃の払いをしてやったり、温泉に連れ出してやったり、亀とネズミしか友達のいないこいつに物理学の定理を説明してやったりするのだ。
ボランティアだ。
それ以外に何がある。
ただあまりに身近すぎて、俺は山田が女だという点をついうっかり忘れていた。
俺たちは時折依頼される事件の解決のため、一緒に旅に出ることがある。
いちいちこいつを連れていきたくなどないのだが、まあ助手という事にしてやっているからな。
同じ部屋に泊まり──経費削減のためだ、私費だから──布団を並べて健やかに眠る。
おそらく世界で一番か二番目に寝言と寝相のひどい山田だが、慣れとは恐ろしいものだ。
最初のうちこそ気になって一睡もできず体調を悪くしたものだが、今では特には気にならない。
無論ふしだらな関係を結ぶ事など一切ない。
俺はベリージェントルな名門大学教授だ。
並の男なら相手がいくら貧乳でもついムラムラとして手を出してしまうシチュエーションだろうが、俺に限ってそのような過ちは起こさない。
なぜなら俺は過ちは嫌いだからだ。
男女が結ばれる理由としてはありふれすぎて夢がない。
女性と躯を重ねるには、まずそこに愛がなければいけない。
それがこれまで俺が童貞──いや、女性を抱く機会を自ら捨て去ってきた理由なのだ。
もちろんこれまで、到底隠しきれない俺の魅力に抗えず、物陰から熱い視線を送ってきた美しい女性は数多い。
だが俺はためらいもせず彼女らにお引き取り願ってきた──彼女らに告白の機会を与えぬまま。
それもこれも、男女関係における理想の結びつきを、俺は決して妥協したくなかったからだ。
決して、実はもてないからとか性行為に不適切な大きさの器官を所有するとか経験皆無ゆえに馬鹿にされるかもしれないのが我慢できないとかそういったやむにやまれぬ理由からではない。
*
夜中にふいに目が覚めた。
山田の寝言のせいだ──いつもなら全く気にならないはずなのに、今日の寝言はおかしかった。
いつもの時代劇シリーズじゃない。
山田の寝言の常連は助さん角さんやうっかり八兵衛、暴れん坊将軍などだが、今夜の彼女の寝言には──。
「んー……上田……」
俺か?
珍しいな。こいつの寝言では久しぶりに聞くような気がする。
以前、次郎号の助手席で寝言に俺の巨──くそ、どうせ今回もろくな夢は見てないに違いない。
俺は躯の向きをかえ、山田の顔を見た。
まだ枕のあたりにあるだけ今日の寝相はまともじゃないか。
山田の眉間には皺が寄っていて、なんだか苦しそうな寝顔だった。
「上田……危ない」
なんの夢を見ているんだ?
寝言に返事をしてはいけないらしいが、好奇心にかられて俺はつい声をかけた。
「you?」
「死ぬな…上田。だめだ」
俺が死にかけている夢か。
案の定だ、山田め。
たとえ山田の夢でも自分が危険な目に陥っていると思うと気分が悪い。
俺は軌道修正のため、言葉を続けた。
「大丈夫だyou。俺は無敵だ、死ぬわけがない」
「上田……上田……」
山田がいい加減に閉めていたカーテンの隙間越しに漏れる月光に彼女の頬が濡れている。
ん?
いや、濡れているのは月光にじゃなくて──。
「……泣いてんのか?」
「いやだ、上田…」
俺は枕元の眼鏡をとり、眠りながら泣いている山田の顔を観察した。
眉間の皺は別として、涙の伝う頬は白く、震える唇は愛らしい。泣いているからそう見えるのか?
「おい」
手を延ばし、指先で軽く頬をはたく。
「you」
「私をおいていくな」
「…え?」
山田の唇から漏れたのは普段のこいつから絶対に聞くことなどない、殊勝な台詞だった。
「ひとりにするな……上田……」
「……」
ひとり…だから、どういう夢を見ているんだ、山田。
俺は起き上がり、身を屈めた。
「山田?」
「上田……死なないで……」
温かい息が顎にかかった。
だから、死んでないって。
寝言とはいえ、縁起でもない事を口走るんじゃない!
俺は顔をよせ、さらに山田に近づいた。
奴の耳に覆い被さった長い髪をぐしゃぐしゃと掻きあげ、あらわれた耳朶に小さく怒鳴る。
「泣くな!俺はちゃんと──」
ぐらっときて俺は急いで肘をつく。
温かくて柔らかいものが俺の肩に巻きついている。
や──山田?
「上田、上田さん…」
これが他の女性なら、俺は誘惑されているのではと瞬時に考えた事だろう。
だが、コレは山田だ。
抱きつかれても、俺は絶対にその時点では不届きな気持ちになどなってはいなかった。
「山田!しっかりしろ!」
とりあえずこいつが見ている変な夢から起こしてやる事が先決だ。
そう考えた俺は山田のかぼそい躯を──俺が恵んでやる食事以外は普段からろくに食ってないからだ──わし掴みにして揺さぶった。
「起きろ、おい」
力一杯がくがく揺さぶると、山田が小さな息を吸った。
大きな目がゆっくり開き──俺を認めてさらに大きくなった。
「う──えだ……?」
「そうだ、youは…」
言葉を続けようとした俺の頸すじに猛烈な手刀が叩きこまれた。
俺はそのまま布団に顔をめり込ませる勢いで沈みかけた。この体勢から、すごいスナップだ。
やるな、山田──そう思ったのは二瞬くらい後で、打撃の凄まじさにその瞬間、目の前に火花のようなものが散った。
「ぐおっ!」
「なにしてる上田っ!」
涙目で見上げると、山田が貧弱な胸元をかき寄せながら──何もしてないぞ!──俺を睨みつけている。
「な、なんでそんなに近づい──まさかお前──」
「違う!」
親切で起こしてやったのに、なんという理不尽な言われようだ。
俺は頸を抑え、よろよろと顔を振った。あ。眼鏡がどこかに飛んでいる。
ようやく状況への怒りが湧き、俺は説明の気力を取り戻した。
「…誤解するんじゃない。youが泣いているから、図らずも起こしてやろうとしただけだ!」
「泣いて?」
山田が手をあげ、ぱっと自分の頬を触った。
涙が伝っている事に気付いた彼女の頬が月光の下でも染まったのがわかった。
「泣いて──ないっ!」
山田は小さく叫び、俺の肩を押しやった。
「とっとと戻れ上田!」
「待てよ」
俺は起き上がった。嘘付け、泣いているのは明白なんだ。
いつもの事だが、俺を殴ったことへの謝罪の言葉ひとつもないのか?
起き上がった俺から山田が微妙に顔を背けた。
怒っているのがわかるらしい。
「何言ってるんだ。泣いてるじゃねぇか」
「うるさい」
「怖い夢見てたのか」
「え」
山田は虚をつかれたように目を伏せた。
「……別に…たいした夢じゃ…」
「俺が出てただろ。死ぬな上田とかひとりにするな上田とかおいてくな上田とか言ってたぞ」
「なっ……!」
山田がまた赤くなった。
「え、どんな夢なんだよ。俺が死ぬのが泣くほど辛いのか?ハハッ」
「……」
山田は顔をあげ、憮然として俺を睨みつけた。心底嫌そうな表情だった。
大した意味もなく、俺はふいにからかいたくなった。
「好きなのか、俺が」
本当に意味は無かったんだ。
今までも同じようにからかった事が何度もあって、そのたびに山田は無視したりムキになったり…。
そういうの、面白いじゃないか。だろう?
「………」
山田は肩を揺らせた。何か言いかけ、それを抑えるように呼吸を整えている。
「……………」
……間が長くないか。無視する時の反応とも違うし、変だぞ、山田。
俺は不安になって山田の顔を覗き込んだ。
山田は、ぱっと髪を打ち振り、布団に埋めるように顔を背けた。
頬を隠して添えた細い指が震え、その指もさらさらと流れ落ちた髪が覆い隠していく。
「……you?」
なにかいけない事をしたような気がして、俺は小声で囁いた。
これは、そう、触っちゃいけないものに触ってそれを落っことしてしまった時の気持ちに似ている。どういうわけだ。
「ど、どうした」
「………」
山田は顔もあげずにイヤイヤをするように肩を竦めた。
「なあ、どうしたんだよ。気分でも悪いのか」
「………バカ上田っ」
山田がいきなり顔をあげたので、近づけていた俺の顎にきれいに頭突きがヒットした。
「…ふッ!」
さっきの二倍増しの花火が宙を舞い、悶絶した俺は山田の上に倒れ込んだ。
舌を噛まなかったのが奇跡だ。
きっと俺の日頃の聖人君子のような言動を天が見ていて、咄嗟に庇護をもたらしたに違いない。
図らずも人徳を証明する結果となってしまったが、それにしてもさっきから山田の振る舞いは極悪非道じゃないか。
「な、ななな!どけろ上田!」
しかも、倒れた俺の躯をぎゅうぎゅうと、山田は鬼のような形相で押しやろうとする。
やめろ、痛い!顎はよせ!
俺は溢れる涙をふいている暇もなく、来襲する山田の手を撃退せざるを得なかった。
「you!俺を殺す気かっ」
「お前が襲うからだ!放せ!」
「襲ってない!誰がyouのような貧乳を──」
「やめろ!…あ」
むに。
自分の目が見開くのがわかった。恐る恐る手を見る。
山田のパンチを封じ込もうとして指を鈎状に広げた俺の右手の下に、山田の胸があった。
下……というか、中、というか…つまり、乳を握っているんだよな、これは。
貧乳と本人も認め、俺を含む周囲の人間も固くそう信じていただけに、掴めるだけの質量がちゃんとあった事に俺は呆然とした。
山田も驚いたような隙だらけの顔で、掴まれた自分の胸を眺めている。
いや、掴めるか掴めないか、そういう点はどうでもよくて、そうじゃなくて。
俺は、山田の乳を揉んでしまったのか。
なんという……なんというか……なんか…気持ちい───違う!!
俺の人生の予定表にはないぞ!山田の乳を…って、ああ、なんだこれ……この感触…って、おい!?
俺が呆れて見守る中、右手の指はゆっくりと縮まった。
腹の減った尺取り虫並の緩慢な動きだったが、その目的とするところは伝わってきた感触で明らかだ。
俺は──俺は、揉んでるのか。山田の胸を。貧乳を。
むにゅむにゅとした魅惑的な、指がどこまでも──ってほど容量はないに決まってるが──溶け込んでいきそうな、優しくて柔らかな感触。
初めてだ。こんな手触りのものが世の中にはあったのか。
なんて、なんて気持ちいいんだ。
「……おおぅ」
思わず漏らした声に、山田が我を取り戻した。
「上田っ!」
「あ」
俺は慌てて右手を退こうとした。
退こうとしたんだよ。
誰にも信じてもらえなくてもいいが、俺は確かに一度はやめようとしたんだ。
そしたら、今度は左手が──。
「上田っ…」
山田が身を捩っている。怒ったふうに眉をしかめて、でもなんだか変な顔で。
唇が小さく震えていて、でも困ったような、現実が信じられないとでも言うような不思議な表情で、山田は俺を見た。
「…………」
誰かが唾を呑み込む音が響いた。山田か?
いや、俺だ。
左手の指が勝手に…いや、正直に言う。
俺はまたさっきの感触を味わいたくて、そう、ついうっかり──全然正直じゃないじゃないか。
俺は、俺は……。
「you。教えてくれ」
気付けば俺は山田の耳に囁いていた。
「女って、なんとも思ってない男の名を寝言に呼びながら抱きついて泣くものなのか?」
山田は目をうろうろと泳がせ、俺の質問を無視した。
「さ、触るなってば」
「ただ触ってるんじゃない。……揉んでるんだ」
「もっと悪いじゃん!」
だよな。
こうやって胸揉んでちゃいけないよな。
山田だって、ソレ相応に可愛くて、嫁入り前の、妙齢の女性……なんだし……。
「上田。鼻血出てる」
山田の冷静な声で俺は我にかえった。
「嘘だろ!?」
「嘘」
「………」
小さな溜め息がして、山田が困ったように、両手で俺の左手首を掴んだ。
「だから、そんなに揉むなってば…痛い」
「…す、すまん、だが……」
「………」
「………」
何か言わなければと俺は思ったが、何を言えばいいのかわからなかった。
仕方なく、俺は頭に浮かんだわずかな言葉を──なんでだ、いつもはいくらでも出てくるのに、たったこれだけなのか──呟いた。
「キスしてもいいか?」
華奢な肩が突っ張った。
……って。
待て、今俺は何と言った。
キ、キス?
山田に?山田と?むしろ山田だから──というよりも、おい。
おいおい、落ち着けよ次郎。な、落ち着け。
ちょっと待てって。
この胸の高鳴りはなんだ。喉から心臓が飛び出そうだ。息が苦しい。
キス。キス。キス。
し、したい。
山田にキスしたい。
ばんなそかな。どういうトリックだ!
回りくどく肯定してしまった己の欲望に衝撃を受け、俺はまじまじと綺麗な顔を眺めた。
そうだ、今ここにきて俺は認める。
山田は女としてもかなり綺麗な顔を持っている。
初めてこいつが研究室に現れたときから俺はちゃんと知っていた。
なんで認めようとしなかったか──こんなはめになるのが嫌だったからに決まってるじゃないか。
普段から互いに利用しあってる相手と、もっとややこしい関係になりたがる奴がいるものか。
しかもこいつはくそ生意気で、天才の俺を尊敬ひとつせずいつも小馬鹿にしてくる奴で──。
山田の、呆然と見開いていた目がまたもやきょろきょろと何かを探すように泳いだ。
その目は俺の視線に捕まり、頬が染まり、唇が震えた。
そして彼女は子どものような表情を浮かべた。
どうすればいいのかさっぱりわからない、とでも言いた気な不安げな。
こんな顔をさせてしまった。
「……」
「上…」
籠った声がばかに心もとなかった。
山田の唇は柔らかかった。
不器用に押し付けた俺の唇を受け止めて、かすかに弾む。
しっとりと、温かく震えていた。
甘いような、とてもいい匂いが鼻孔をくすぐる。
これは──吐息か?
それとも髪や肌の匂いなのか?
「ん…ふ…」
ぴったりと合った唇に、俺ははむはむと力を入れた。
伝わってくる柔らかさに背筋がぞくぞくする。
ただくっついているだけでは物足りない。だが、いきなり舌を入れたり──待てよ。
舌、入れたいのか、俺は。
混乱して唇を離し、俺は山田を睨みつけた。
山田は上気した顔で俺を見上げた。
目が、涙とは別に、潤んでいるように見えたのは気のせいだろうか。
たぶん、しばらく俺は山田を見つめていたのだと思う。長い時間だった。
山田は何も言わずに、じっと俺の凝視を受けていた。
いつもは身動きできなくたって殴ろうとするのにな。
たぶん、そのせいだ。
俺は顔をさげた。月光をはじいてつややかに流れる髪に沿って。
びくんと肩を竦める山田の耳のあたりに俺は囁いた。
「you」
なぜなら、これも正直に言うが、その時にはもう、もっと山田に触れたくて仕方なかったからだ。
キスはうっとりするほど気持ち良かったけど、これだけじゃ物足りない。
欲が深いと自分でも思う。
だが、ああ、そうだ。
たぶん、その場で触れなければ死んでしまいそうな気がするほど、俺は山田に近づきたかった。
「you…?」
山田が身じろぎした。そのわずかな動きが、切ないぐらい躯に響いた。
「もう一度」
「……駄目」
「どうして」
俺の口調は懇願めいていたに違いない。山田が可哀相なものを見る目で俺を見た。
「どうしてって…決まってるじゃないか。だって、上田となんて」
「そうだよ。youとだ」
「む、胸揉んだりキスしたりするような…」
山田は消え入るような声で語尾を濁した。
「you。人間関係は常に固定されているわけじゃない。刻々と変化するものなんだ」
なんでこいつは焦らすんだ。
キスさせておいて。
「わかった!……セックスしたいだけだろ、お前。欲情したんだ!」
いきなり山田が決めつけた。
「…そうかもしれない」
俺はできるだけ正直に答えた。
そうさ、セックスはいつだってしたかった。
ただ、こんな相手に恵まれなかったんだ。
「ええっ?…そ、そうかも…って上田、お前」
山田の目が急に曇った。
声に勢いがなくなり、目尻にじわりと涙が浮かび上がっていくのがつぶさにわかった。
俺は不思議でたまらなかった。
山田はこんなにわかりやすい奴だったか?
「……じゃあ別に私でなくてもいいんじゃないですか」
山田の涙目に不穏な光が灯った。
「最低ですよ……したいだけだなんて」
おい。
「しかもそれを面とむかって言えるのか。私、そんなふうに上田さんに思われてるんですか?」
何怒ってるんだ…?
しかも俺はまだ何も言ってないじゃないか。
「そんなにしたいならどこかそういう場所に行け!止めないからっ」
何だと。
俺をどういう男だと思ってるんだ。
「俺は、金を払えばできるセックスがしたいわけじゃない」
きっと山田が睨みつけた。
「私ならタダってわけですか」
「…………」
時々、人を怒らせる事にかけては山田は天才だと思う事がある。
「いたっ」
(それでも手加減して)腕を捻り上げると、山田は大げさな悲鳴をあげた。
「…痛いじゃないか、上田!」
「わかったよ、youはそんな安い女じゃない」
俺の声は氷のように冷たかった。怒りのために加減できなかったのだ。
「金を払えばいいんだな。いくらだ」
「…………」
山田の綺麗な目が極限まで開いた。
「家賃半年分。いや、一年分でどうだ?」
「上…」
「なんだよ、その目は」
「お金って」
「巨根がいやなのか?安心しろ、迷惑料も上乗せしてやる」
「違……」
「もっと高いのか?……ああ、そうか。どうせ処女だよな、you」
山田は震えていた。
その原因は怒りとか羞恥じゃなく、俺の態度と言葉にあるのは明らかだったがここまでこじれてくるともう俺にはどうしようもなかった。
こんなのは厭だ。厭なのに。
俺はとてつもなくバカな事を言っている。
「じゃあその特別料金も含めて家賃二年分。文句はないな」
「い」
俺は山田の言葉を奪った。
彼女の唇が漏らす拒絶がいちいちナイフのように胸を刺す。
今夜初めて触れた唇を舌でこじ開けた。
出会ってからこのかたほとんど俺への罵詈讒謗しか漏らしてこなかった唇はなかなか開こうとしなかったが、鼻を摘んでしばらくするとその抵抗もやんだ。
でもこの柔らかな唇と舌は一度は紡いでくれたはずなのだ、あなたに会えて良かったと。
山田にとって俺は何だ。
ただの知り合いではない事は確かだが、そう言った時の彼女の心に確たる男女間の感情があったとも思えない。
友達ではなく、兄妹でもなく、恋人でも敵でもない、なにか微妙な関係。
なのに俺は今、彼女の認めたその特別で不思議な地位を自ら投げ捨てようとしている。
実際に行為をしようがしまいが、こんな事してちゃもう駄目だろう。
山田の躯は小さくてどこもかしこも華奢だった。
必死で抵抗しているのだろうが、俺とは力も体格も差がありすぎる。
腕をまとめて手首を掴み、頭の上に押し上げてから、頭突きを警戒して顔をあげた。
脚も腿で押さえ込んだ。
もうあとは、どうしようと俺の思うがままだ。
くそ生意気なこいつを手に入れるのは、こんなに簡単な事なのか。
……躯だけならな。
「やめて…嘘だろ、冗談だよな、上田…」
そんなに怯えた顔をするな、山田。
youはいつも俺の嘘なんかすぐにわかると言ってたじゃないか。
本当に金で買われそうだと思っているのか。
なぜだ。
こんな安っぽくて情けないいやがらせを真に受けてるのか。
俺をそこまで最低の男だと思っているのか?
君は本当は本当に本当の馬鹿だったのか。…まあ、人の事は言えないな。
山田ばかりを責められない。
もしこれが他人事なら、きっと俺は俺たちのこの状況を、ひどく滑稽だと考えた事だろう。
だが、悲しかった。
俺はこれまでで一番山田に近づきながら、一番寂しい気持ちだった。
「う、上田。今ならまだボコボコに殴るだけで許してやらなくもない…放せ!」
「いやだ」
俺は意固地になっている。自分でもわかる。だが山田への嫌がらせをやめられない。
「俺はyouが欲しいんだ。欲しかったんだ、今気がついた」
「それ、全部そっちの都合じゃん!」
山田の、強気にきりっと睨みつけた目がその影で死ぬほど怯えている。
俺にはわかる。
本当に、最低だ──俺は笑った。
こんな時、悪役に相応しいほかの反応があったら教えてもらいたいものだ。
「何がおかしいんだ、上田」
「だっておかしいじゃないか。youも笑えよ、ハハハ、ハッハッハ!」
ひとしきり笑い、それから俺は黙り込んだ。
すんなりとした細身の躯も、怯えた目も、強がる視線も、なぜこんなに俺を追いつめるんだろう。
「……you」
「やめて」
怒りよりも、悲しみを滲ませた声。
俺だって悲しいよ、山田。
どうしてこうなるんだ。
義務を果たすような気持ちで俺は彼女の唇を指先で確かめた。
柔らかくて温かくて、でもこわばっている。
細い腕は、寝ぼけていたさっきのように俺を抱き締めてはくれなかった。
山田の温もりが欲しかった。
でもキスはもうできない。
握っていた手首を放した。
たぶん指の形に赤くなっているかもしれない、それだけの力で掴んでいたから。
「……?」
山田がとまどった気配がした。
俺は端っこにずれていた布団の端を掴み、彼女の上に引っ張り上げた。
ぽんぽん、と襟もとを乱暴に叩いた。
「──馬鹿め。冗談だよ」
「!」
「真に受ける奴がいるか。馬鹿だ馬鹿だと思ってたが本当に馬鹿だな」
「……」
山田の表情がこわばった。
怒ったんだな。
怒るよな。
……どうでもいいや。
「冗談で……キス、したのか」
低く、山田が言った。氷どころか、液体ヘリウム並の、凍り付きそうな声だった。
俺は肩を竦めた。
「おう」
「じょ、冗談で、押し倒したのか」
「……そうだ」
平手じゃなくて拳が来るな、確実に。
俺は、震えている山田の唇を眺めながらそう思った。
「冗談で、ほ……欲しい、って言ったのか!」
「………悪かったな。もう、寝ろ」
「………」
山田はわなわな震えながら、俺を見上げた。
目いっぱいに涙が溢れて、いまにもこぼれ落ちそうだった。
俺は無表情のまま、そんな山田を見下ろしていた。
溜め息をつき、俺が視線を外すと彼女は布団を押しやった。
「帰る!」
「山田?」
「お前となんか一緒にいたくない。顔も見たくない。帰る」
「おい」
俺はあっけにとられた。
「今からか?」
もう深夜だというのにこれから帰るってのか?電車もバスもない田舎だぞ。
「歩いて帰る」
山田は部屋の片隅のトランクに跳びついた。
「危ないだろう。どうしても帰るっていうのなら……送るよ」
「いらない」
山田は手当たり次第トランクにそのへんのものを放り込み、ハンガーにかかっていたカーディガンをむしり取った。
蓋もきちんとしめてないトランクを抱え、ずんずんと畳を踏みならし、戸口に突進していく。
「おい──」
思わず手を伸ばした俺に、山田はきっと振り向いた。
「死んじゃえ、バカ上田!!」
一声叫ぶと、さよならも言わずに山田はふすまを開け、飛び出していってしまった。
「……………」
自業自得って言うだろう?
その時の俺はまさに、この言葉にどっぷり全身浸かっていたに違いない。
とても長く思えたけど、頭を振って我を取り戻すまでの時間はきっと二・三秒くらいのものだっただろう。
まだ間に合うかもしれない。
もう間に合わないかもしれない。
だが、このままじゃ。
「──you!」
俺は、座敷机の上からキーをつかみ取り、跳ね起きた。
つづく
いつもながらGJ
続きマダー?
いつもGJです
◆QKZh6v4e9w氏の書くウエヤマ大好きだ。
>>妄想がとまらない。助けてくれ。
止めなくていいから、次スレまで末永くその妄想たちを持ち越してください
> 「じゃあその特別料金も含めて家賃二年分。文句はないな」
奈緒子の家賃の二年分って全然大した額ではないような。
>>906 ええっ、つづく なのかー
っと思わず叫びたくなるGJ!
続き待ってるよー妄想の続く限りがんがんいってくれ。
ここもまた志半ばでDAT落ちするんじゃないかと思ったけど
次スレ、いけるかなー
めちゃくちゃGJ!!!!うるっときたよ
エロいだけじゃなくて、ストーリーおもしろい!
正座してつづきまってます
昨夜できた分を投下しときます。あと一回で完了予定。
この連休中に終えたいとは思いますが、他に投下したい人がいらっしゃったら俺に遠慮なくご投下お願いします。
吹っ飛んだ眼鏡を探すのに意外に手間取り、宿屋の外に出たときには山田の姿はとうに消えていた。
俺は左右を見回した──あいつ、どっちに行った!?
とりあえず来た方向から探すのが筋だろう。
俺は、宿屋の庭でひっそり控えていた若草色の愛車に駆け寄った。
「行くぞ、次郎号!」
狭いベンチシートに滑り込み、イグニッションをまわす。
エンジン音を響かせ、俺はパブリカを発進させた。
最初、俺はそんなに心配してはいなかった。
山田がどんなに怒りくるっていても所詮は女の足だ。車に勝てるわけないじゃないか。
だが、次郎号を走らせているうちに俺の眉間の皺は徐々に深まっていった。
ライトに照らされた夜の田舎道に、山田の姿はどこにもない。
七百メートルほどいったところで俺は諦めた。
山田はいない。こっちじゃない。
反対側から山を越えたのだろうか?
俺は宿屋まで戻り、逆に次郎号を走らせた。
だがそちらにも山田の姿はない。
宿屋の前には道は一本だけだ。この道のどこかに絶対に山田はいるはずなのに。
諦めきれない俺はもう一度最初の方角に車を向けた。
どこかに隠れてるんじゃないかと思い当たったのだ。
薮とか。電柱とか納屋とか。大きな木とか。
ゆっくりと流しながら、疑り深く道の端を調べていく。
宿屋から三百メートルほどの開けた地点で俺は怪しい地蔵を発見した。
本物の地蔵の横に、ちょこんと、トランクを抱えて目を閉じて──長い髪で色白の──馬鹿か、あいつは。
物陰伝いにこそこそ歩いていたところ戻ってきたパブリカを見つけ、逃げ場がなくて咄嗟に固まったに違いない。
「おい!」
次郎号を急停車させ、俺が飛び出すと山田は性懲りもなく逃げようとした。
「待てよ!」
コンパスなら俺のほうが長い。十メートルほど追跡したところで片手を伸ばし、首根っこを余裕でふん捕まえた。
山田はトランクを振り回して暴れようとする。
「放せ上田!…絶対に戻らないぞ!」
そのトランクをたたき落とした。
「な、ななな」
目を白黒させている山田の肩を掴む。
ヘッドライトの逆光で俺の顔は影になって、山田にはよく見えないに違いない。
眩しそうな山田の顔は困惑の表情を浮かべたままだった。
「…悪かった」
「………」
「あんな事はもうしない。だから一緒に戻──」
山田が、ぎっと音をたてそうな凄い迫力で俺を睨んだ。
仕方なく、俺は言い直す。
「──大きい駅まで送ってやるから、乗れよ。歩いてたら朝までかかるぞ。な」
「………」
「タヌキが出るぞ。ニホンカモシカやクマもいるかもしれない。危険だ」
「…クマは……いやだ」
「だろう」
山田は俯き、肩を揺らせ、ぎこちなく俺の手を払った。
「……上田」
山田がぽつりと呟いた。
「ん」
「本当に反省してるのか?」
「…おう」
俺は少しほっとして頷いた。山田は一応口は利いてくれるつもりのようだ。
「もう二度と、冗談でああいう事はしないな?」
「しない」
トランクを拾い上げ、俺は山田を促した。
「さあ──」
即座に奪い取られた。
「持てます」
「……」
俺は夜空を見上げた。月が涼やかに照っている。
二人で次郎号に乗り込み、俺はハンドルを握った。
この時間に動いているような電車が入っている駅なんて、ここからじゃ急いでも二時間はかかるだろう。
気のせいかもしれないが、トランクをしっかりと抱えた山田と俺の間の空間はいつもより広い。
いや、たぶん気のせいじゃない。
山田の横顔はまっすぐ前方に向けられて、完全には怒りが解けてない事を示している。
長いドライブになりそうだった。
*
「…you」
「………」
「しりとり、しないか」
「………」
「しりとり」
「………」
単調なエンジン音をぽつぽつ破るのは時折俺のかける声だけだ。
山田は黙りこくっている。重苦しい雰囲気に、俺は溜め息をついてまた運転に専念した。
自業自得という言葉をまた苦々しく噛み締める。
こうなるんじゃないかと思ったんだ。
だからややこしい関係になることを、きっと俺は無意識のうちに避けていたのかもしれない。
──以前のような気楽な間柄に戻れれば一番いいのだが、それも甘い期待かもしれない。
だが、スッキリしない事がある。これくらいは確認してもいいだろう。
「you」
「……」
「さっきから考えてたんだ」
「……」
「君がみた夢なんだがな…」
「…?」
「黒門島がらみなんじゃないか?」
「!」
激しい動揺の気配が伝わってきた。俺は少し満足し、シートに座り直した。
「そうだと思ったよ。君が変になるのは大体あの島のせいだ」
「……どうでもいいじゃないですか」
声は細かった。
「上田さんには関係ないですよ」
「関係あるだろ」
「ないんですよ。全然」
「おい…」
俺は横目で山田を睨む。全然関係ないってのはないんじゃないか──俺はこいつを、わざわざあの島から。
山田の横顔は半分髪の毛で隠れていて、よく見えなかった。
「…上田さんは関わっちゃだめです」
「そういう夢だったのか?」
「………」
「とっくに関わってるじゃないか、いろいろ」
「………」
「教えろよ。どんな夢だったんだ?」
「……私……」
山田の声は小さくて、聞こえにくかった。
「待て」
俺はハンドルをまわして、次郎号を路肩に止めた。
エンジンを切ると、対向車も滅多に通らない深夜の車内はしんと静まり返った。
「…どんな夢だったんだ」
俺はハンドルに手をかけ、前方に視線をむけたまま山田に呼びかけた。
「どうしてそんなに知りたいんだ、上田……物好きだな」
山田の声は相変わらず小さい。
俺は頷いた。
「当然だろ。常に探究心を忘れないのが優秀な学者の条件だ」
違う。君の事が知りたいだけだ。
「今更遠慮すんな、なにかの役にたつかもしれないぞ。言ってみろ、ん?」
山田は苦笑した。
「役に立ちませんよ」
「今まではちゃんと君の役に立ったじゃないか」
「……役に立っちゃ、いけないんですよ」
俺は首を巡らせ、山田を見た。
トランクを抱えた腕、ぎゅっと取っ手を掴んだ指。
「言わないと車出さねえぞ。どんな夢だ」
「………」
「you。ここで夜明かしする気か?」
「………」
山田はふぅっと、糸が切れた人形のような動きで座席に背を預けた。
「…聞いたら、上田さん、怒りますよ」
「怒るかどうか聞かなきゃわかんねえだろ」
「怒りますって」
「どうせ死ぬんだろ、俺が」
「……」
山田はのろのろと顔をこっちに向けた。
「…湖に」
俺はその視線を受け止めた。
「私と上田さんがいるんです」
「………」
「私はかがみ込んでて……」
「………」
「上田さんを、抱きしめてます」
「………」
「上田さん、死にそうなんです」
「………」
「私、泣いてて…死なないでって、叫んでて……」
「………」
「でも上田さん、だんだん静かになっていって……」
「………」
「ふっと顔をあげたら、……小さい女の子がいるんです」
「………」
「髪が、長くて。……私。小さな頃の、私が」
「………」
「私が、いて……」
「………」
「…お父さん……みたいに……っ…厭…!!」
山田の膝からトランクが半端に滑り落ちた。頭を抱え、山田は細く叫んだ。
「いやっ!!」
「山田!」
トランクを引っ張り出して後部座席に放り、俺は身を揉む山田を抑えつけた。
「山田」
「やだ、やだ!やだっ!」
山田は首を振り、俺が傍にいることに気付くとますます怯えた目になった。
「上田さん」
涙でいっぱいのこいつの目を、今夜俺は何度みることになるんだろうか。
「上田さん、私に近づいちゃだめですよ。絶対、だめです」
──だからか。
「馬鹿だな、君は……夢は夢だろ」
「……」
山田は目を見開いて俺を凝視した。涙がぽろぽろとこぼれ落ちて行く。
「で、でも、私は、上田さんと一緒にいちゃいけないんです。厭なんです。上田さんが──」
「物理学の権威で大学教授の俺が、youは馬鹿だって言ってんだよ!」
俺は山田を怒鳴りつけた。
久々に、本気で腹が立っていた。
「youが言ってるのは『確定済みの未来』なのか?そんなもの、この世にあるはずがない」
「………」
山田の目にどんどん新しい涙が盛り上がっていく。
底なしの馬鹿だな、こいつ。
「未来なんて、いくらでも変わっていくもんだろう。いや、変えていくものだ。俺はyouの思い通りにはならないぞ」
「………」
「大間違いなんだよ。youは過去だけに囚われて、俺を見ようとしていない」
「……上田」
「怯えて一生過ごす気か。馬鹿すぎて呆れたよ、youは馬鹿だ。馬鹿め。この馬鹿めっ!」
「ば」
山田の頬に一瞬朱が走った。
「…ば、馬鹿ばか言うなっ」
「反論できないだろう、どうだ馬鹿」
「上田っ」
殴り掛かってきた山田の腕を、俺は掴んだ。
「好きだ」
息をのみ、瞬時に山田は固まった。
「……youもだろ」
「!」
動揺しまくっている山田の目がおかしくて、俺は思わず笑い出しそうになったが我慢した。
また悪質な冗談だと思われたらたまらないじゃないか。
「それでも、俺たちは一緒にいちゃいけないのか。you」
「………」
山田は口をぱくぱくし、俺の目から視線を外して鼻や顎のあたりに彷徨わせた。
「いいな、you、俺は君の傍でしつこく生きてやるぞ」
「駄目なんです!私、私と一緒にいたら──」
「俺は幸せになれる」
「………」
「百五十まで長生きして、俺より二十年ぐらい早く死ぬyouの臨終の枕元で嘲笑ってやる。バァーッカ、ってな!」
山田の綺麗な目。
「だから、逃げるな」
「………上田」
山田の唇の端が歪んだ。笑おうとして、泣いてやがる。
「どこまでも、自分の都合だけじゃないか……」
「そうだよ。悪いか」
「私の都合はどうなるんだ」
「youの都合なんか聞いてねえよ」
「ひど…」
「なあ、知ってるか。……youの泣いてる顔、可愛いぞ」
狭いベンチシートで山田の躯を助手席のガラスに押しつけた。
すぐに俺は──いや、俺たちは、キスに夢中になった。
本当に好きな女とキスした事あるか?
俺は、今までキスっていうのは単なる段階なんだろうと思っていた。
キスという単独の行為が厳然としてあって、そこを通過して次の段階に行くためのステップだと。
仕方ないじゃないか、童貞なんだから。
でも、実際に山田と交わしたその時のキスはステップなんかじゃなかった。
それは渾然と入り交じった欲望と相手を想う感情の証明手段で、ほとんど性行為そのものだった。
キスする場所は唇だけじゃなくて、髪も頬も瞼も鼻もこめかみも耳も、首も顎も、うなじのきわも、手も指も爪も──とにかく、触れられるところに全部だ、そうでもしないと気が済まなかった。
山田の躯をまさぐって、ほかに出ている場所がないか俺は必死で探した。
邪魔だ、服が邪魔だ。
それにこのシートは狭すぎる。
はあはあと息を荒げながら、俺は顔をあげた。目の前のガラスが曇っていた。
俺の顎のひげに、山田がキスしている。
可愛いんだ。もう離したくない、俺のものにしたい。こいつとセックスしたい。
「──山田!」
俺は山田の腕を解き、運転席に戻った。
「行くぞ。youも探せ」
「何を?」
山田はシートの端っこに張り付いたまま、乱れた髪をかきあげ、小さな声で訊ねた。
その恥ずかしそうな響きに俺は笑った。
「ラブホテル」
宿屋に戻るという選択肢は頭になかった。それには遠くまで来すぎている。
俺はシートベルトもつけずに、次郎号を急発進させた。
この愛車をこれほど早く走らせた事は数えるほどしかないだろう。
田舎道はいつのまにかよくある田舎の郊外に変わっていて、一番先に目についたネオンの下に垂れているビニールカーテンの中に、俺はパブリカを滑り込ませた。
「急げ、山田!」
「鍵、上田。鍵!」
助手席から山田を引きずりだし、次郎号を施錠しておいて俺はあたりを見回した。
ラブホテルは初めてだから──よくわからない。とりあえず目をひくパネルに大股に近づいてみる。
様々な装飾の部屋の写真が輝いている。どうやら、この中から選べるようだ。
「どれにする。好きなの選べよ」
「そ、そんなの……どれでも同じですよ」
俺は山田を見た。……くそっ、可愛過ぎないか、こいつ。
「俺もそう思う」
パネルを確認もしないで俺はついているボタンを押した。
音声指示の通りに金を入れると静かに銀色のカードキーが滑りでてきた。──便利だな。
「205だ。山田、来い」
「はい」
俺と山田はきびきびと──というか、せかせかと近くのエレベーターに駆け寄った。
足踏みしたいような気分だった。
205号の部屋は、なんていうのか、やたらに赤い部屋だった。
扉は赤、カーペットも赤。カーテンも赤、サイドテーブルも電話も灰皿も赤、ベッドカバーも赤。
磨りガラスの向こうの浴槽も赤、トイレの便器もペーパーホルダーも赤。……徹底してるな。
俺の隣で山田が呟いた。
「……テレビの二時間ドラマとかで、いかにも最初の殺人事件が起こりそうな部屋ですね」
「同感だ。山田」
「はい」
「風呂に入りたいか?」
「……い、いいです」
山田は俯いてまっかになった。
「寝る前に、入ったし」
「よし!」
俺は山田にかがみ込んだ。背と膝に腕をまわし、ぶんと音がしそうな勢いで抱き上げ、部屋の奥に突進した。
「上田…」
一緒にベッドにもつれ込んだ。
邪魔な服を剥ぎ取ろうとして──俺はふと指をとめた。
何かが気になる。
俺は頭をあげ、赤いサイドボードをもう一度ちらりと見て、何が視界にひっかかったかを確認した。
「…………おおぅ」
馬鹿だ、俺は。
「………」
一瞬黙っていようかと考えたが、そんなわけに…いくわけないか。
俺は渋々、山田の耳に囁いた。
「you」
「ん…」
山田から、くらくらするようないい匂いがする。
ボタンを外した襟の奥からだ。これは、こいつの躯の匂いだったのか。
「思い出した。その……。あれだ。コンドーム……用意してきてない」
「………今言うか、それ」
「そこにも置いてあるけど。…その、俺は、普通のじゃ駄目なんだ」
山田が紅潮した可愛い顔を俺にあげ、ぼそっと呟いた。
「巨根って、ホント大変だな」
「………」
反論…できないな。
俺は長い溜め息をついた。肺の底まで吐き出したかった。
これだけ盛り上がっておいて、このオチか。つくづく俺は童貞とおさらばしにくい人間らしい。
「すまん」
腕をつき、起き上がろうとして、俺は首にまわされた山田の腕に気がついた。
「バカっていう奴がバカだって、上田いつも言うけど、ほんとなんだ…」
「you?」
俺の鼓動が急に一拍とんだ。
体中がかあっと熱くなる。
待て。まてまて。
何期待してるんだ、次郎。
山田は赤くなった顔を俺の胸にすりつけて、ものすごく聞こえにくい声で──。
「とっくに覚悟してるぞ。でなきゃそこの灰皿で、上田さんを殴って逃げてます」
「ゆ、you?」
「いいって言ってんです!…上田さんがいやなら、いいけど」
「に、妊娠してもいいのか?」
「…いいですよ」
「俺の子だぞ」
「そうでなかったら、怖いだろ」
「妊娠したら産まなくちゃいけないんだぞ」
「普通はそうですね」
「お、俺と絶対に結婚しなくちゃいけなくなるぞ?」
「それはこっちの台詞だ」
「俺はいい」
「私もですよ」
「後悔しないか」
「そっちこそ」
「逃げたくなっても、知らないぞ」
「百五十まで一緒にいてくれる……んでしょ」
「違う。youの寿命は百三十歳だ」
「………」
「………」
「…百三十歳で、いいですよ」
山田はそっと顔をあげ、とても優しい目で笑った。
ああ。
俺もこいつも、本物のバカだ。
俺は、綺麗で温かなこいつを見つめた。
どうすればいい。どうすればいい。
どうすれば、この気持ちを伝えられるんだ。
山田の頬を撫でる俺の指は小さく震えていた。
つづく
うわ!すげぇおあずけorz
いつもながらGJです!!!
ああああああ萌えすぎて発狂しそうだぁぁあ
GJ…GJすぎる
続き楽しみに待ってます!!
あんたが神じゃあ〜〜〜〜ドットコム!
はやく!早く続きを!!
寝ずの番だぞYOU!こら寝るな!
なんて素敵なラブストーリー
つづき期待GJ!
百三十歳ワラタwwwwwwwwww
もーすげーGJ!!!!!!!!!!!!!
ナチュラルにキスしてるウエヤマいいな(*´Д`)
すげー可愛い
容量よ持ってくれ
皆さん、妄想話を最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました。
*
俺は山田の服を脱がそうと奮闘した。
彼女の腕や手が邪魔でなかなかはかどらない。
別に山田が抵抗してるわけじゃない。俺のベストやシャツを引っ張っているのだ。
「上田…ひっぱるなってば」
「ひっぱってるのはyouだ。……おい、このボタン、おかしいぞ」
「そこからは飾りボタンになってるんです……それより、袖、抜いて」
「そんな暇あるか」
スカートのホックまでは外したが、ブラウスの内側の滑らかな肌を撫で回すのに俺は夢中になってしまった。
「上田。くすぐったい…」
触って、抱きしめて、触れて、探って、キスをして。
「you…」
──本当に、全然進まない。
キスの最中に舌を絡めようとすると、山田が途切れ途切れに指摘した。
「…か、顔すごく赤い、上田。……んっ──熟れ過ぎの……トマトかイチゴみたいっ……」
「ふん、人の事言えるのか。……youは……ほら、鯉のぼりの二匹目いるだろ、……丁度あれの色に」
「…訂正……ふぁっ…っ、は、あ……上田の顔、クマと相撲をとってる金太郎みたいな」
「youこそ、ほら、いたろ、ジャングル大帝に出てくるマントヒヒの──ん……って、やめないか。そろそろ」
「………」
山田は照れたように睫を伏せた。
「楽しいよ。すごく楽しいけど、you、覚悟したんじゃないのか、おい。ちゃんと真面目にセックスしよう。真面目に」
「うにゃあっ」
山田は小さく奇声を漏らして俺の腕の中で躯を縮めた。顔が、もう本当に真っ赤だった。
「上田っ!…私を、そんな目で見るなっ」
「こんな目か」
「上田のその目って、すごく恥ずかしい」
「……だからどんな目なんだ!!」
──つきあいの長いのも考えものだ。
まさかここまできて乗りツッコミが始まるとは思わなかった。
というよりも、山田はどうも俺に大事にされる事に慣れてないんじゃないかという気がする。
普段苛め過ぎてるって事なのか。すまない山田。
「…よし、わかった、各自服を脱ぐ。いいな、you」
「なにがどうわかったんですか?」
「急げ」
──こうなったら裸になってしまえばいいんだ。
極めてシンプルな思考に立ち至った俺はがばっと起き上がり、山田に背を向けると服を脱ぎはじめた。
「上田──」
後ろで不安げに山田が呼びかけている。
「あの。全部…?」
「当然だろ。全部だっ」
「………」
黙々と服を脱ぎながら耳をそばだてていると、しばらくしてからかすかに衣擦れの音がたちはじめた。
「………」
途端に胸が高鳴って、俺はようやく、たまらなく恥ずかしくなった。
シャツも下着も脱ぎ捨てベルトを抜いてズボンを降ろし、最後の一枚をのろのろと脱いで、俺はそれを見下ろした。
…………山田、怯えないだろうか。
やっぱりやめるとか、怖いからあっちに行けとか言わないよな。
いや、いいよな。
大丈夫だよな。
こいつはきっと、受け入れてくれるよな──。
──そう自問自答しつつ、なぜか動けない俺の背後に、いい匂いが近づいたのがわかった。
「上田」
心臓が跳ね上がった。
「………」
腰掛けているベッドがゆらりと揺れる。すぐ後ろに、山田がいる。
俺は俯き、呑み込みにくい唾を無理矢理呑み込んだ。
「………」
山田は何も言わずに、俺が振り向くのを待っているようだった。
「………」
振り向くだけだ。俺も山田も何も着てない、ただ振り向いて抱き締めるだけでいい。
だが。
……人並みでないモノをこれほど真剣に恨めしく思った事はなかった。
「上田……?」
山田の声が、小さくもう一度囁いた。
「………」
腹をくくれ、次郎。
これで駄目なら──仕方ないってだけの事だ。
ベストだ。ベストを尽くすんだ。
「you──」
俺はぎこちなく振り向いた。そしてそのまま口を開けて馬鹿みたいに固まった。
本当にすっぱだかの山田がいた。
赤いベッドカバーの上にいるから降りたての雪みたいに真っ白に見えた。
長い髪が肩から流れ落ちていて、唇と胸の先だけ柔らかいピンク色で、綺麗で眩しくて色っぽくて──これ、山田か?
「や、ま、だ…?」
喉の奥から声を絞り出し、俺は思わずベッドに乗り上がった。
山田の顔が俯いて、視線が俺の股間に流れた。
「……」
頬がぽっと赤くなり、山田ははにかんだように肩を竦めた。
それだけだった。
「…you」
なにかの反応を待ってしばらく黙っていた俺は思い切って声をかけた。
「………気持ち悪くないか?」
山田はまた赤くなった。
「コレ」
山田はもっと赤くなり、かすかに首を振った。
「………」
「……上田」
唇が動いた。
「ん?」
「胸……変?」
「え」
すっかり忘れていた。俺は艶やかな髪で半分隠れた山田の胸に目をこらした。
グラビアでみかける豊かな巨乳とは別次元のささやかさだが、でも俺は綺麗で可愛いと思う。
ちゃんと掴めるんだしな──充分だろう。
なにより、それは好きな女の胸だった。
「そんな事ない。俺は…好きだよ」
「……上田のも、変じゃないと…思います」
山田はほっとしたように微笑した。きっと、俺に胸を見せるのがものすごく不安だっただろう。
恥ずかしそうで、困ったようで、でもとても可愛かった。
…コレの平均的な大きさも知らないくせに、何言ってんだろう、こいつは。
だけど、俺も、本当に嬉しかった。
もしかしたら俺は、その瞬間安堵のあまり気絶でもしたんだろうか。
次の記憶が途切れている。
気がついたら俺は彼女を押し倒していた。
赤い波みたいなベッドカバーの中の白い雪。
そのくせ全然冷たくなんかない、温かくて熱い肌。
触る。
遮るもののないどこまでも滑らかな華奢な躯。
触った。抱きしめて、躯中に触れて、握って、躯をこすりつけて、キスをして、舐めた。
誰も邪魔しない。抵抗もしない。遠慮なんかしなくていい。俺の山田。
俺の背中を抱く腕、髪の中に差し込まれる指、脇腹に触れる腿。
「ん……ん…」
染まった頬にキスをして、かすれた吐息を混じり合わせる。
「上田さん…」
小さな山田の声。もっと呼んでくれ。もっと。
鼓動。いい匂い。キスしたい。全部味わいたい。俺の、俺の──。
そうだ。本当に、夢のように甘い甘い時間だった。
ただ、大きな問題があった──俺は童貞。
自分ではあらゆるシミュレーションを重ねてきていたつもりだが、実戦では経験皆無。
そして、更に大きな問題もあった。山田のほうは処女。
シミュレーションはどうだかしらないが、勿論男を受け入れたことなんて全くない。
……わかるだろう?
つまり、そんな夢みたいな甘くて穏やかな時間はそうそう長くは続かないという事だ。
*
「you……youっ」
もっと抱きしめて、もっと愛撫したいのに、堪えきれなくて俺はついに山田に囁きかけた。
「い、挿れていいか。だめだ。もう我慢できない、早く入りたい」
「……上田さん」
山田はぼんやりと潤んだ目で俺を見た。
白い首すじにも喉にも鎖骨のあたりにも、思いっきり強く赤い痕がついている。
俺が無闇にキスしたからだ。
「you、いいよな」
許可を得ているんじゃなくて、それは確認だった。
俺はせっぱつまっていた。
大きすぎるモノはぱんぱんに膨れ上がってドクンドクン脈打ってて、今にも背筋に…そのだな。
そういう、情けない事だけにはなりたくなかった。初めてで、挿れる前に果てるなんて事は。
今考えたらバカみたいなプライドなんだが。
山田は少し緊張した顔になって、それから微笑みたいなものを唇に浮かべた。
廻した腕に力をいれ、俺の頬にキスしてくれた。
「はい」
はい。
はい。
はい。
エコーみたいにその言葉が頭に渦巻いて、俺は激しく呼吸した。
理性なんて介在しない。するわけがない。
俺は、初めて好きな女の中に入るただの幸福なオスだった。
俺は彼女の脚を掴んだ。
「あ…」
ちょっと怯えた声がしたが、労ってる余裕があまりなくて、俺はぎこちなく声をかけただけだった。
「you、力抜いて」
「…はい」
ひどく熱いモノを支えて、俺は彼女を組み敷いた。脚を広げて、恥ずかしそうな山田が俺を見た。
柔らかい茂みを指でかき分けた。
そこがとっくにかなり濡れている事を、俺は知っていた。
押し当てて──力をこめる。
ここでいいはずだよな。
さっき、俺の指の先はちゃんと入ったよな。
「んん」
耳元で山田が呻いた。まだそんなに痛そうじゃ無い。
大丈夫だ。きっと、大丈夫だ。
心臓がばっくんばっくんうるさかった。
耳が血流かなにかでざわめいていた。
俺の先もすっかり濡れていて、最初は、それは心配するよりもはるかに簡単に思えた。
でも──。
腕の中で、山田の躯がびくんと跳ねた。
「…んっ…あ!!」
「…おう!」
少し固い感じの狭い入り口からぬるっと彼女の中の粘膜に包まれて俺は喘いだ。
気持ちいい。気持ちよすぎる。…このままか。こいつの中は、このまま、こんな感じなのか。
女って、なんて気持ちいいんだろう。
俺はすっかり嬉しくなり、少し落ち着きを取り戻して顔をあげた。
雪みたいな山田の胸は激しく波打っていて、彼女は綺麗な目をぎゅっと閉じてしまっている。
「you」
潤んだ瞳を見たくて、俺は小さく声をかけた。
「あ…」
山田ははっとしたように目を開けた。俺と視線があうとその目はかすかに優しくなった。
「上田さん」
「…………好きだよ」
山田の目はもっと優しくなった。髪の中の山田の指が愛撫するように動いた。
俺は腰をぐいと入れた。
すごくキツいけど、このまま、もっともっと奥まで──いきなり髪を思い切りひっぱられた。
「いてぇ!……おい…you?」
「あ、あああっ…うう…ん……っ……」
腕の中の山田の躯がのたうつようにくねっていた。目と唇が大きく開いている。
「あっ……ん…ん、あっ」
……俺が動く速度と連動しているのに気付いた。
「you」
「あん…う、動かないで……待って……まって」
「痛いのか」
山田のこめかみのあたりにうっすらと脂汗が浮いているのに、俺はその時初めて気付いた。
「………むっちゃくちゃ…い、痛い…です」
「は、早く言えよ!」
何でぎりぎりまで我慢してんだ。
俺にはわかんないんだよ。
「……死にそう…」
「死ぬな!」
俺はうろたえながら、山田の細い躯を抱きしめた。
抜かなくちゃいけない。早く。山田が、死んでしまう。
なのに──。
「おおぅ…っ」
なんだよ。
なんでこんなに気持ちいいんだよ。背すじを何かが行き来している。
それに合わせて腰に力が入る。
ああ、駄目だ──俺にはもう目標が見えてしまった、すぐそこにすげえゴールが見えている。
きっとその瞬間は今までで最大級に気持ちいいに違いない。
それがわかる。くっきりわかる。……なんて浅ましいんだ、俺。
俺は山田の中で強く前後に動いてしまっている。
「や、山田。しっかりしろ…ああ、うあ……おう……」
「だからっ、動くなぁああああっ」
「すまん。すまん、you!……すまん!!」
「いや、ああ、ああっ、ああっ──待てってばっ、上田っ…」
白い、山田の綺麗な躯。上気し尽くした彼女の顔。
ほとんど泣き声の彼女の喘ぎ。
混乱して興奮して獣みたいな、俺の呼吸音。
もしかして、修羅場って、ああいうのを言うんじゃないのか。
「イく。出る。you。youっ……!」
俺は叩き付けるような勢いで射精した。
気持ちよかった。もう最高に。
躯の中身が全部彼女の中に流れ込んでいく濃厚な射精は、想像したことのないくらいの快感だった。
ただ出るんじゃなくて……なんていうんだ。
山田の中に全部預ける感じ。そう、俺の体温をそのまま彼女に押し付ける感じだ。
で、最後まで押し付けられた山田は。
「ふ……あああああああああ……死ぬ……死んじゃう……だめ………」
変な声を漏らして、俺の腕の中でがっくりのけぞってしまった。
「や、山田っ!?死ぬなっ!しっかり、しっかりしろ!」
その躯を前後左右に揺さぶる俺。──彼女から、平均よりもはるかにでかいまだ固さを残したモノを抜かないままで。
気付かなかったんだよ、本当だ。
仕方ないとは思わないか。
だが、未だにあの時の俺の仕打ちを、山田はなんだか密かに恨んでいるらしい。
女ってのは──まあ、無理もないか…。
*
そんなふうに後々ちくちく俺に初体験のときの不満を漏らす事になる山田は、宿屋に戻る次郎号の中では、だけど怒っていなかった。
「………」
「………」
互いに特別な話は何もしなかったが、彼女は時々ちらちらとこっちを見ていた。
俺も時々横目で彼女を眺めた。
ちょっと目の周りのむくんだ、かすかに赤い、可愛い顔を。
……コンビニのあるうちに、二人分の栄養ドリンクでも買って行くか。
月はもう山の影に薄れている。
もうすぐ夜明けが来るんだろう。
*
長い話になった。
誰にも見せない、両手でのタイピング練習のための覚え書きだが、その後の話も付け加えておいたほうがいいかもしれない。まとまりってものがあるからな、何事にもベストは尽くすのが俺という人間だ。
上田奈緒子は相変わらず乱暴者で大食いで、性格にも根性にも対人関係にも常に問題を抱える、人を人とも思わない強欲でくそ生意気な貧乳へっぽこ奇術師だ。
顔立ちは、まあ栄養状態が良くなったためかわりと見られるようになったかな。
奴が口を閉じている時に見れば、美人といって言えなくもない。
俺は今でも世界一頭が良くしかも千人中千人が振り返るほどのいい男で、鷹揚かつ心の広い人格者だ。
俺の子どもが昨年産まれた。もうちゃんとつかまり歩きができるんだ。
このあいだ、初めて「ぱぱちゅき」と口走った。
俺に似て頭がいいんだろう。あいつに似たのは、幸いにも顔だちくらいか。
俺は元山田の上田奈緒子を身近に置いて前にも増してとことん利用──じゃなかった、相変わらず食事を奢ってやったり、食事を作らせたり、家賃の払いをしてやったり、子どもの面倒を見させたり。
…えーと、それから風呂を洗ったり、温泉に連れ出してやったり、亀とネズミしか友達のいないこいつに物理学の定理を説明してやったりしている。
ボランティアだ。
それ以外に何がある。
ただあまりに身近すぎて、俺は元山田を今でも客観的に見ることができない。
可愛いぞ。初めて会ったときからずっとな。
おわり
朝からGJ!お疲れ様です
あんたすげーよ!!本当にありがとう!!
GGGGGGGJ
乙でした!!!
上田が書いて(打って)いたのかw
すげー萌える。
ぜひまた投下してください!!
うわあああああ、もう萌えすぎてモニターの前でニヤニヤクネクネしちゃったよ!!
最中の会話もまた二人らしくて、
>>945のエピローグっつーか締めまで秀逸
ごめん、上手く言葉がでてこないけど、ひたすらGJと伝えたい!
顔立ちが山田似ってことは女の子か?
GJ!GJ!
GJ
〆もよかった!!!!!!!!!
まさにGJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
GJ!!
もう、萌えすぎてDVDレンタルしてきちゃったよ
また書いてください 乙でした!!!
本当に小説よんで泣いちまったwまじでGJ!!感動をありがとう!!
で、次スレどーするよ?立てようか?
次スレきぼう。職人さんいらっしゃるしまたーり待ちたい。
これは投稿しづらい雰囲気…
もう950越えてるしあとは雑談や小ネタで埋めて
次スレで新しく待ちの姿勢でのんびりと…ってな感じかな
12月には劇場版2のDVDも出るし
楽しみ楽しみ
まとめサイトの管理人さん、いつもお疲れさまです
958 :
954:2006/10/11(水) 00:32:52 ID:Q3P6cvzl
>958
乙です。こんな感じでいいんじゃないかな
また〜りモードのスレだし
DVD、特典楽しみだな
>>958 乙!
ここは即落ちとかないのかな?
新しいスレになんか書いておかないとダメ?
ジャーミー君×大家さん のSSお願いしまつ。
できるだけ埋めとこ
<episode01 母の泉>
廊下に出、自室のドアノブに手をかけて上田はようやく気がついた。
ブリーフ一枚。
助教授ともあろう者が露な姿で公共の場所を闊歩するなど、絶対にあってはならない珍事だ。
上田はすぐにとってかえした。幸い誰もあたりには居ない。
ドアをどんどんと拳で叩く。
「おい!僕だ!君の部屋に服を忘れてしまった、返してくれないか」
「上田さん。ちょ、ちょっと……静かにしてください!」
慌てた風情で奈緒子が叱り、ドアの隙間から服を押し出そうとする。
「まさかここで着替えろというのか?部屋の中に入れてくれよ」
「なんで!…さっさと自分の部屋に戻って、着替えればいいじゃないですか」
なぜか奈緒子は怒っているようだった。
シャワーを先に使われた事を怒っているのかもしれない。子どもっぽい女である。
上田は訴えた。
「冷たい事言うなよ。ほら、僕と君の仲じゃないか」
「そんな仲はカケラだってありませんよ」
「ふん。君だって期待したんだろ?シャワーを許したからにはもしかしたらそのままそうなっても不思議じゃないと」
「何口走ってるんですか、…ちょっと!まさかそんな事期待してたんですか、上田さん」
「してないよ、してないけど君がどうしてもと強く望むなら仕方ないと──入れてくれよ」
「絶対入れません!っていうか入ってこないでくださいってば!コラッ!!」
ドアを挟んで押し問答をしている二人の様子を、教団のおばさんたちが遠くからうさんくさげに見守っていた。
<episode02 宝女子村>
「ふん、大した事はない」
首無し死体の剥き出しの股間を確かめた上田は、余裕の表情を浮かべた。
「うわぁ…」
奈緒子が微妙な表情で上田を遠巻きにしている。
「なんだ、you」
「大した事ないって、じゃあ、それ以上って事ですか?…上田さん、人間ですか?」
「し、失敬な。これは小さいよ。普通はもっと、こう……太くて、長いんだ」
「その手つきはやめてください。上田さんの言う『普通』って、もしかして自分のが基準なんですか」
「そういう事を言ってるんじゃない。男の事なんか何も知らないくせに生意気だな君は」
判断に迷う表情で上田の股間のあたりをちらと眺め、奈緒子が小さく呟いた。
「うーん。……やっぱり矢部さんに見せてもらっとけばよかったなあ」
「なに?矢部さんのを見たのか」
「見てませんよ。申し込んでみたんですけど、断られました」
「申し込……!」
電光の勢いで振り向いた上田の頭を猛スピードで妄想が駆け巡った。
奈緒子はぎょっとした顔で二三歩退いた。
「上田さん?」
「……you」
「………」
「今後また同じような事件が起こった時のために……み、見ておくか…?」
「死ね!上田!」
随分仲良くなったものである(違)。
<episode03 遠隔殺人>
後味の悪い事件終了後、しょげている奈緒子を美味しいリングイネを食べさせる店に連れていってやろうとしたのに、上田の誘いはあっさりと断られた。
「食事をご馳走になったら、私、寝てしまうかもしれませんから」
上田の表情はかすかにこわばった。
「…失敬な!俺をそんな男だと思っているのか。
食事を奢り、その後バーで君を酔わせ、『次郎さん私気分が…』『わかった。少し休もう』と連れ込んだホテルで亀甲縛りにしたり、
宝女子村では案外胸があったように見えたがあれは本物か偽装だったのかこの際じっくり確かめてみたがっているというような、そんな男だと。バカを言うな!俺はそんなふしだらな人間じゃない」
「上田。いつもそんな事ばかり考えているのか。……そういえば冒頭からセックスの話ばっかしてたし、もしかして発情期なんじゃないですか」
「違う!…俺は極めてストイックかつハートフルな人間だ。今回だって暴走するトラックから格好よく君を助けたじゃないか」
「あれは…まあ、感謝してますよ」
奈緒子の台詞に、上田の顔は和らいだ。
「だろ?なのに君はすぐさま俺の腕を振りほどき、走り去るトラックに捨て台詞を──」
奈緒子がふと眉をしかめて首を傾げた。
「──あの時。上田さん、感謝のあまり抱きついてもらえるかもとか期待したでしょ」
「何?」
「すぐに離してくれなかったから、何なんだこいつって咄嗟に思ったんですけど」
「馬鹿な事言うんじゃない。君の思い過ごし、いや、自意識過剰だよ」
「本当ですか?」
「ああ。轢かれかけた直後だっていうのに、それどころじゃないはずだろう?」
奈緒子は少し赤くなり、バツの悪そうな表情を浮かべた。
肩にさらさらと長い髪をすべらせて、彼女は頭を軽く下げた。
「…ごめんなさい。そうですよね、考え過ぎでした」
「いや。そんなささいな事、気にしなくていいよ」
上田は爽やかに笑った。
図星だった。
<episode04 千里眼>
「いやがらせですか?」
奈緒子の眉は今日も激しく寄っていた。
「何がだ」
箸を割りながら上田は奈緒子の表情が固まるのを見て楽しんだ。
「この弁当ですよ」
「弁当がどうかしたか」
奈緒子は箸を上田の弁当に向けた。
「なんでそっちだけ卵もウインナーも入ってるんですか!私の、目玉焼きしかないじゃないですか」
「フフフ、当たり前じゃないか」
上田は上機嫌だった。巨根弁当に貧乳弁当。奈緒子が厭がる顔が楽しくてたまらない(セクハラである)。
「こっちによこせ。そのウインナー!」
「……ちょっと待てよ」
ふいに不安になった。奈緒子は、この弁当の意匠に気付いていないのではないだろうか。
「……どう思う、この弁当?」
「上田さんばっかり豪華ですね。悲しいです。…とか言うと思ったら大間違いだ!」
奈緒子は素早く手を伸ばし、箸でウインナーをぶすっと突き刺した。
「おうっ…」
思わず股間を抑えた上田から弁当を奪い取り、急いで食べ始める奈緒子。
「お、おいっ。それ、俺の食べかけだぞ!…歯形が…」
「食べちゃったもの勝ちです!上田さんには目玉焼きのほうあげますから」
「………」
なぜか嬉しい上田だった。
<episode05 黒門島>
どこまでも目に染み通るような青く美しい海。はてしない空。
白く眩い砂浜で、上田と奈緒子は途方に暮れていた。
「この島が沈むまで、残り二時間か…」
「何落ち着いてるんだ上田!」
「無駄なエネルギーを消耗するくらい馬鹿げた事はないぞ、you。それより最後まで諦めず、脱出方法を考えろ」
奈緒子が溜め息をついた。
「あーあ。死ぬ前にもう一度、焼き肉、お腹一杯食べてみたかったなあ…」
「最後の願いが焼き肉か…哀れだな」
上田の嘲笑に奈緒子はむかついた様子で顔をあげた。
「そういう上田さんは何なんですか」
「ん?」
「やり残したこととか、思い残した事はないんですか」
「……あるよ」
「可哀相ですねー。叶わないまま上田さん死んでいくんですねー。エヘヘへッ」
自分の事は棚に上げてここぞとばかり言い募る奈緒子に、上田は厭わし気な視線を向けた。
「ふん。俺の願いはな、叶えようと思えば今ここででも簡単に叶うんだ」
「え。何なんです、その願いって」
詰め寄る奈緒子から顔をそむけて上田はぼそぼそと呟いた。
「聞かなくていい」
「気になるじゃないですか。上田、言っちゃえ」
「言わん」
「言え!」
「駄目だ!」
「ケチ!このゾーリムシ!巨根!」
「貧乳!インチキ奇術師!貧乏神!」
──結局どうやって助かったか、それは髪、いや神のみぞ知る。
案外埋まらないものだという事がわかった…
神様が来てる(゚∀゚)!!
いつも萌えをありがとう…
あああ
最初のトリックから見直したくなってきたー!
美味しいSSありがとう
972 :
上田:2006/10/12(木) 19:11:26 ID:VrbGD9d+
「お前たち・・・
よくこんなことが思いつくな・・・・・
・・・仕方がないな最後に俺が、真実を教えてやる」
「このスレを見ていると、俺から迫っているようだが大体は
あの貧乳女が、俺に迫ってくるんだよ」
「上田さん・・・今夜は、帰りたくないんです」
みたいなこといって
12時ぐらいになると
「上田さん、寒いんで一緒に寝ませんか?」
「まぁ、いいが変なことするんじゃないぞYOU」
ってな感じにだ
いいか、そこんとこ覚えておいてほしい。
上田さん、おでこにウソって書いてありますよ
>>962 うーん、まあなんというか、あれだ。
怖いもの見たさ・・・?
正直投下しまくっている気がするので
妄想は尽きないのですがこれでしばらく控えます。
ジェントル上田が好きな人は今回の話は読まないでください。
空中に香りを漂わせながら、長い髪が散った。
抑えたルームライトに照らされた美しい艶が輝いている。
髪が落下していく滑らかな頬は染まり、唇が半ば開いたままで浅く早い呼吸を繰り返す。
吐息のたびにかすれて混じる喘ぎは、だが拭いきれない羞らいを映してとても小さい。
「あっ、…あっ」
うねりのたびに楕円の軌跡を描く白い肩はうっすらと汗ばみ、細い鎖骨に沿って赤い痕が点々と灯っていた。
休みなく、ふるふると揺れるささやかな薄桃色の乳房。
鮮やかな先端はぴんと尖り、何度もまぶされた唾液で輝いてみえる。
「んっ、あん、あっ」
細くひきしまった腹がくねり、続く腰が、逃げようとしてそれも叶わずぴくぴくと跳ねた。
「ううん、あっ、あっ…ああ、あっ」
太腿にぴったりと密着した尻が前後左右に揺さぶられている。
しっかり掴んだ上田の指が、柔らかな肌に食い込んで離れない。
繋がっている場所から、たっぷりと粘液を孕んだ躯が食み合う卑猥な音がする。
上田の腿は、溢れ、滴り落ちる奈緒子の蜜でてらてらと濡れていた。
奈緒子は顎を仰け反らせ、深く吐息を吐き出した。
「はあぁあ…!」
「you」
耳朶に荒々しい男の声がぶつかる。
はあはあと呼吸を貪りながら、奈緒子はようやく目を開いた。
間近の上田の目に合った焦点がわずかにぶれ、恍惚に潤んでいる。
「上、田っ、さ、ん…あっ…」
「なあ、イイか?ん?」
「あん、あっ」
「声出していいんだ。もっと」
「あっ…はっ、は、ああっ」
上田の肩に廻した手に、奈緒子は力を入れた。
眉が苦し気に寄り、喘ぎは艶っぽさを増していく。
尻を引き締めて奈緒子の躯を突き上げながら、上田はその甘い声に聞き惚れていた。
汗ばんだ首から肩へ、そして背中へと彼女の細い指が落ち着きなく彷徨っている。
白くて熱い躯の奥深く収まったモノは摩擦と抵抗と強烈な締めつけの悦楽に震えていて、そろそろ危ない状態だ。
すっぽりと腕の中に抱いた彼女の重みと温もりの愛らしさ。
目の前で喘いでいる、綺麗な顔。表情のささいな変化だってつぶさに見てとれる。
今夜ようやく奈緒子に許してもらったこの交わりかたに彼はすっかり満足していた。
恥ずかしがったり照れたりでなかなかうんと言わなかったが、一度言わせてしまえばこっちのものである。
「you……」
動きをおさえて、キスをする。
「んん……ん…」
奈緒子は自分から唇をほどき、上田の唇を貪ってきた。
(お、おおぅ!…積極的じゃないか、you!)
柔らかな舌を絡めた極上のキスに上田は酔った。
やはり冒険は必要だ。
『いつもの』も充分かつ非常にいいものだが、こうして新しい挑戦に二人で挑むのはなんと楽しい事だろうか。
「ん……you」
「……ぷ…あ…」
ようやく離れた唇を、奈緒子は軽く歪めた。
上田がリズミカルな突き上げを再開している。
「あん、あ、ああん………やだ…上田さん…」
「そうか。この体位、好きか?俺もだ」
「ち、違っ、そうじゃなくて…あっ、あっ…」
「わかってる。俺の顔が見えて、嬉しいんだろ」
「んっ……ばかぁ…」
くねくねと奈緒子の躯はふらつき、既にあまり呂律が廻ってない。
「だ、だめ。もうだめ…私、もう、上田……」
「馬鹿言うなよ、you。もっとだ」
「……もっと…?」
奈緒子の目がとろんと上田を見た。
「来月まで、できないんだぞ」
「でも」
上田はぴたりと動きを止めた。
初めて躯を重ねた時よりもはるかに、堪える要領は心得ている。
今夜はできるだけ長い時間彼女を楽しみたい。
明日の夜から二週間の予定でアメリカの学会に出席する。
奈緒子も連れていきたかったのだが、彼女にも都合というものがある。
珍しく今回は馘にならず続いている花やしきのバイト中なので、無碍に連れて行くわけにも──。
「っ……」
奈緒子が、とても困った顔になった。
躯が波打ち、上田のモノをきゅうっとしめつけたが、それに続く新しい波を見失ったらしく、彼女は喘いだ。
「あ…あの、……………上田…さん…」
腰を掴んだ腕を持ち上げ、躯を捻る。
巨根が、蜜を滴らせて抵抗しながら彼女の狭い胎内から抜き出された。
移った彼女の体温は、湯気のたちそうな熱さだった。
「ん……!」
それだけでも相当強烈な快感なのか、奈緒子のすんなりした背筋がぴくぴく震えた。
「ん、ああ…あっ…」
「まだイくんじゃないぞ、you」
上田は囁いた。
物事には機会というものがある。機会はとらえるべきだ──滅多にない機会なら、特に。
すっかり行為に溺れている状態の奈緒子と、もっと試したい事がある。
今の彼女なら拒絶はしないだろう。
いつもよりは。
口に出す愚はおかさず、上田は奈緒子の華奢な躯をそっと、うつぶせにベッドに横たえた。
座位で愛し合っていたのでシーツにはまだそれほど温もりが移ってはいない。
ひんやりとしたその上等のリネンの感触がまた心地よかった。
「上田……?あ」
背中に被さると、奈緒子の声は安堵を示した。
いきなり離れたのが不安だったらしい。
「上田さん」
肩をひねって、彼の腕に掌を触れようとする仕草が可愛い。
上田は、彼女の白い背中一面にひろがったしなやかな髪を指で集め、片側に流した。
露になったうなじにキスを始めると、奈緒子は首を縮めるようにして反応した。
「ん…」
キスは染みのない背中の肌に移り、肩甲骨のくっきりとした窪みに舌を這わせ、ラインにそって続いた。
「んん」
腰がくねった。
腹の下に掌を滑り込ませ、上田はなにげなくといった軽さでぐいと彼女の腰をひきおこした。キスは続けている。
「ん……」
腰椎あたりの肌を吸った上田が膝でたち、両腕で彼女の腰を挟み込むと奈緒子はぎょっとしたような声を出した。
「う、上田?」
「遅い。いいだろ、you」
掌で腿の裏を押し込み、さらに腰を高く掲げさせる。
「いいだろって、……何っ?」
「このままヤっても」
「って、にゃっ、ちょっと、あの…!」
上田はさっさと身を屈め、奈緒子の肘を押さえ込んだ。
「おおぅ、グレート……濡れてんなぁ、you…」
固すぎるほど屹立したモノは、支えずともすんなりと奈緒子の茂みをかき分けてお馴染みの場所に到達した。
「ん。ここだ」
「ええっ」
ようやく奈緒子が糖度を下げて危機感を露にした声を発した。
「こ、こんな格好で!?」
「そう。…ずっとやってみたかったんだよ。だけどほら、youの躯がよく慣れてからでないと、可哀相だろ」
「……可哀相?」
「凄く奥まで感じるんだそうだ」
「ええっ!?奥って、でもいつもあの…それって…あっ、ちょっと、やめ」
「大丈夫だ。さっきのでも大丈夫なんだから」
適当な事を口走りながら、上田は腰に力を入れた。
「あああっ!」
「ん…っ…おう…」
捏ね回されて熟れた隘路に、大きすぎる男根がずぶずぶと入っていく。
奈緒子はぎゅっとシーツを握りしめ、その直後声にならない喘ぎを漏らした。
「…!!上田…さ…っ…」
のけぞった背を眺めながら、上田は先端に突き当たる柔らかで強靭な反応をじっくりと味わった。
いつもキツいが、体勢のせいか、更に更にキツい。
「うっ…ふ…」
「んー…っ…ん、や、やあぁ…」
「…奈緒子」
わずかに引き抜き、肩の力を抜きかけた奈緒子の腰を上田は掴む。
「いくぞ」
「えっ、あ、きゃあっ!」
ずん、と突き込まれて奈緒子は思わず悲鳴を漏らした。
一瞬頭の中が空白になるほどの衝撃だった。
上田との行為にはかなり馴れてきたはずだったが、今のが快感か痛みかすら判断できない。
それほどに強い刺激。
「あ、ひ、あん…あっ……」
微妙に屈した部分を、強い力で抉られて無理矢理に従わされていく。
「you。おうぅ…youっ…!」
背にぽつりとぬるい水が落ちた。彼の躯から滴った汗だろうか。
いつもは優しくて情熱的だと思っていた上田の動きが、急に獣のそれに思えて奈緒子は怯んだ。
「あっ、ああ…」
奈緒子は腰をくねらせた。
なんとか自由になろうとするが、あまりにも動きが力強くて自分の意のままには動けない。
「…んううっ!」
また一番奥にねじ込まれた。シーツに食い込んでいた奈緒子の指は力を失い、肩からベッドに崩れ落ちた。
……崩れ落ちてしまってから気がついた。
この体勢だと、ますます彼をしめつける事になり、苦しい。
戻ろうとして、戻れなかった。尻だけを高く掲げた奈緒子に、上田がのしかかってきている。
鼓動のたびに脈打つ、深く深く繋がった部分。
「…ん…あ、…あん、…んっ……」
「──気持ち、いいか?」
上田の甘い声がした。その瞬間、彼の中の毒の存在を奈緒子は信じた。
「ああぁっ!」
声が裏返る。押される強さに、体勢を保つのが難しい。
「いや、あっあっ…あ、待ってぇ…っ」
上田が掻き回し、押しつけるたびに、ねじ込まれたわずかな空気がぷじゅっ、じゅぷ、と恥ずかしい音をたてる。
「あっ、あっ、ん…!」
柔らかくひきしまった尻の肉が、男の腹や腿と叩き合って妙に乾いたリズムを響かせていた。
びくん、と奈緒子は可能な限り躯を縮めた。
気が転倒しそうなほど恥ずかしい感触。
上田が、繋がっている部分の上の、尻の穴のあたりに親指の腹を当てている。
温かい。
「やだっ!!さ、触るな、触らないでっ」
羞恥のあまり奈緒子の唇は歪んだ。
上田は無視して、ゆるやかに指で円を描くように優しく擦っている。
「いや、いやっ!いやだってば!」
「可愛いな」
「………!」
もう、気絶してしまいたかった。奈緒子は呻いた。
「こ、殺すからな、上田、あとで絶対」
上田は押し当てた指にさらに力を加えてきた。
「あっ、いや!き、汚いでしょっ」
奈緒子の怒りはすぐに崩れ、たまらない羞恥心だけが剥き出しになった。恥ずかしさで壊れそうだった。
「指入れていい?」
「駄目っ」
奈緒子は叫んだ。
「そんな変態だったなんて、し、しらな…ああん!」
「……わかった、今日はここまで」
上田がまた腰を突き入れてきた。
とりあえず指が離れたことに安堵し、奈緒子は躯中の力が抜けそうな気持ちだった。
揺さぶられることすら許してしまいたくなる。
「あ…あ…っ、あ」
激しい動きを受け止める負担で腰が痛みはじめた。
「う、上田っ……変…!あの、」
「変じゃない」
「嘘」
「君を、全部、確認しておきたいだけだ」
背を覆っていた上田の熱が離れる。
根こそぎ引き抜きそうな勢いで上田が腰を退いた。
肩を掴まれ、奈緒子は躯を仰向けにかえされた。
「こっちを向いて」
上田のしかけてきた事は厭わしくて怖いはずのに、奈緒子の心は彼の目と躯の温もりに途端に溶けてしまう。
好きでたまらない。何をされても。
「奈緒子」
「ん…っ、…あっ…」
頬に置かれた上田の大きな手に触れた。指を絡め、涙目で見つめる。
上田はすぐにもう片方の腕で奈緒子の腿を抱え上げ、蕩けた場所に押し入って来た。
「ああっ…」
「──奈緒子。奈緒子…」
よくわからない。上田のそれが破壊衝動だかSM趣味だか、奈緒子にはどうでもいい。
うわごとのように呟かれる上田の言葉を分析している余裕はなかった。
掻き回され、突かれる奥に、じんわりと痺れるような強い快感がある。
躯が浮き上がりそうだった。
そのたびに漂白されそうになる思考。
まさか自分が、こんな激しい行為で感じる事ができるとは思わなかった。
「んあっ…あっ…はあん…あん、あぁん…!」
彼女の喘ぎはとうの昔に悲鳴ではなくなっていた。
「奈緒子」
尻にもシーツにも、かすかにピンク色に染まった蜜がとろとろとまとわりついている。
奈緒子の躯の中はうねってひくつき、限界が近い事を正直に白状していた。
「ああん…!い、いや…死んじゃう…し、死んじゃう、だめ…!」
「…ふっ…ん、んはっ……い、いいぞ。我慢しなくて、いい」
「上田…っ…」
奈緒子の背が強くのけぞった。
声はとても小さかった。
「あっ…」
熱い奈緒子の内側で何度も何度も熱くキツくしめあげられ、上田は呻いた。
「イく…」
「き、来て…!」
無我夢中で腰を柔らかくくねらせている奈緒子の姿も視界からかすむくらいの猛烈な射精欲がこみあげ、既に耐えることもできず、上田はそれをそのまま解放した。
なぜか、彼女の細い躯の内側で射精するたびに、なにかとてもいけない事をしているようなかすかな背徳感を覚える。
なのに極上の快感と興奮で躯中が震える。
「…奈緒子」
何度も気をそらして極限まで我慢したためか、それとも思う存分楽しんだせいか、直後に上田を襲った疲労は凄まじかった。
*
「…上田。上田?」
「……ん……」
「大丈夫?」
「…ん」
重い躯を預けたまま動かなくなった上田の耳に、奈緒子は染まった頬を寄せて囁いた。
「上田……?」
「…………疲れた」
奈緒子はますます赤くなった。
「…あ…当たり前だ」
「……」
「……」
上田はようやく頭をもたげ、掌をあげて奈緒子の顎を捕まえた。
「キス…」
「?」
「してくれ。動くのが面倒なんだ」
「お、お前…」
ぶつぶつ言いながら、それでも奈緒子はちゅっと小さなキスを上田の頬にした。
「フフフ…」
上田が頬を緩めるのを見て奈緒子は赤くなり、眉を寄せた。
「何」
「あとで、俺を殺すんじゃなかったのかよ」
「……う、うう、うるさいっ」
奈緒子はますます眉を顰めて上田の胸を押した。
「喉、乾かないか、you…」
「さっさと水でも牛乳でも、飲みに行けばいいじゃないですか」
「冷たいな…持って来」
「動けません!」
「………」
上田は渋々躯を退いて、奈緒子の上から降りた。
奈緒子は身を起こそうとして呻いた。
「……いたっ…」
「おい?大丈夫か」
「…おなか、いたいです」
「……そうか」
「腰も」
「……すまん」
「だから、上田。水もってこい」
「わかったよ」
上田は頭を振りながら起き上がった。
水を持ってこいと言ったのに、上田が提げて来たのは牛乳パックだった。
注いだコップを渡しながら、上田が言った。
「you」
「ありがとう…」
「どの格好のが好きだった?」
奈緒子は思わず牛乳を噴き出しかけた。
「ふっ!ごほ、ごほっ……ど、……どれって?」
牛乳パックから直飲みし、上田は口を手の甲で拭った。
「やってる時の体位」
「お、お前…そんな事、聞きますか?普通」
「普通聞くんじゃないか?次に活かしたいからな」
真面目な顔で見つめてくるので、奈緒子は急いでコップを傾け、自分の表情を隠した。
「…………………最後…の」
「正常位?」
「……」
「そうか。うん、俺もだ」
「嘘つけ!」
「嘘じゃない」
「その前もやたらに興奮してたじゃないですか!どうなる事かと思いました」
「違うって。youの好みのリサーチ。そう、リサーチだよ」
「じゃあ、お尻に指いれようとしたのは」
「……いや、あれは別にそんなに変な事じゃ…」
「そんな人だなんて、知りませんでした」
上田は視線を泳がせた。
「だって最初からあんな事したら、you、逃げてるだろ……」
「………計画的か」
「人聞きの悪い事を」
「事実じゃないか!この悪人!」
「………」
奈緒子の追求をごまかすように、上田は勢い良く牛乳を呷った。
そして空のパックをサイドテーブルに置き、奈緒子をじっと見据えた。
「──白状すると、実はだな、他にもじっくりと研究してみたい事例がまだまだ沢山あるんだよ。松葉崩し、帆掛け船、駅弁──体位だけじゃないぞ、亀甲縛り、ピンポン、鞭、ローソク、ヌンチャク…」
「な」
開き直った上田の目は、待ち望んだ昆虫採集にこれから向かう少年のように、きらきらと輝いていた。
「俺を深く愛しているyouなら、喜んで一緒に協力してくれる。いや、協力してくれるに違いない!……ほら、今夜いろいろ許してくれただろ、凄く嬉しかった」
さりげなく、奈緒子ににじり寄ってくる。
「ななな」
甘い、本人にはたぶんわかっていない、毒を含んだ囁き。
「you、愛してるよ……なあ、休んだらもう一度……」
後ずさり過ぎてベッドの端から落ちそうになった奈緒子の腕を、危ういところで上田が掴んだ。
「危ない!大丈夫か?」
「放せ上田!──私、帰ります。帰るっ」
「ええ!?…明日、午後までバイトないんだろ。そう言ってたじゃないか」
「そういう問題じゃない。とにかく帰る」
「なんでだよ?you!」
「自分の胸に聞け!」
「送るよ」
「来るな」
*
上田次郎はかなりの確率で脳内に歪んだ夢を飼っている。
彼氏にする際には、いくら注意してもしすぎることはない。
それでもうっかり好きになってしまった場合───潔く諦める事。
後の祭り
じゃなかった、
おわり
乙!!
控えるなんて言わないでもっと書いてくれー
GJGJGJGJGJGJGJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
GJ! 控えんでいいから続きキボンヌ。
頭がイイやつは知的好奇心が旺盛だから、きっと色々試したかったんだろうなあ。
上田に負ける奈緒子が好きだー
GJ&乙!
妄想のある限りやっちゃってください
上田は童貞歴が長いから、やりたい事ためこんでそうだな
いつもながら神ですな…萌えをありがとう。
2週間の海外出張から帰国後の激しいのを期待。
もしくは出張中堪えきれずに
国際電話でむにゃむにゃとか…
山田奈緒子。
貧乳、貧乏、貧相の三貧マジシャン。……ふふふ、我ながらうまいこと書くな。
この天才的な頭脳は日常においても芸術的表現を無意識に……
あれ、何を書くんだったっけ。
そうそう、山田奈緒子だ。
もう出会ってから何年だ?
確かあいつが超能力だとかいっていんちきマジックを使い
金を騙し取ろうとしたところをふんじばって捕まえたのが2000年7月7日だ。
……とするともう六年にもなるのか。
先日まで延々(年々酷くなっていった)貧乏暮らしを続けた挙句、
池田荘の建て替えの為に部屋を追い出され、この広く、立派な、
俺の住まいの一角を貸し与えてやっている。
というのに賃貸料は一切払おうとしない。
仕方がないから代わりに家事をやらせているが、掃除、洗濯はともかく
料理の腕自体に問題はないのに壊滅的な味オンチ。
奴に常人の味覚を身に付けさせるべく三ツ星シェフ並みの腕を持つ俺が
時々料理を教えてやっているが、出来た料理を満面の笑みで完食するくせに
口から出るのは「まずい」「まずい」の……。
また話がずれた。
そう、山田奈緒子だ。
妙な奴だ。俺が女性に期待するもの全てにおいて
欠けている(もしくは貧しい)、「女」。
あんまりにも見事に俺の中の女の条件を損ないすぎているので
一緒に暮らしていてもまるでロマンも何も無い。
がさつ。無神経。思いやりのかけらもない。
図太く、しぶとく、執念深い。
少しは弱さでもあればまだ可愛げもあるが
貧乏以外にあの山田が弱く見えたことは今まで……――。
――……いや。
あいつはポ○モン、じゃなかった黒門島絡みのことになると、
極端に強情に、刺々しくなる。
いつもの山田を蹴ろうが殴ろうが曲がらない鉄板のような女とすると、
突き刺すように細いが、叩けば崩れる石でできた針だ。
そういう時、しょうがなく助けの手を差し伸べてやる時、
酷くあいつが弱く見える。
いつも俺を馬鹿にし罵倒している山田が
只でさえ小さいのに、もっと小さく見える。
もしも。もしもの話だ。
例えばキスなり抱きしめるなりすれば
俺たちの関係は簡単に変わるんじゃないだろうかと思うことがある。
普通に只の男と女になって、セックスもしたり
(俺のものが入るかどうかは大問題だが)。
結婚したり子どもが産まれたり。もしもの話だ。
もしかすると、そんな日が何時か来るのかもしれない。
そんな予感の欠片すら漂っていない現状が
嬉しいのか悲しいのかよく分からないが。
……まぁいいか。
帰ってきて誰かがいるのは結構、悪くない。
まぁそれが山田だろうがつぶれたような顔のパグ犬だろうが
どっちだってかまわないが、誰かがいるというのは、悪くない。
そういえば明日はあいつが料理するんだった。
一体どんなもの食わされるんだか……。
>>つぶれたような顔のパグ犬だろうが
あいつかwww
え、これで終わり…?
上田センセ!
日記形式ってことは…
続きは新スレでってことかのう、兄ィ?
期待埋め(^▽^)/
最近の良作投下、有難いねー
次スレも期待!wktk
1000ならトリック続編決定。
そして続編で上田と山田のラブシーンktkr
まだいけるのか?