すみません。エロくないし、変な一行が入ってしまいました。
ちょっと神の咆哮浴びてきます。
>>726 GJ!続き…手に入れたグラスノをインストールしたミシャを期待してるっ!!
それから日本世界一キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!くぁwせdrftgyふじこlp;@
>エロくないし
わかってるなら(ry
>>724 日本世界一キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!くぁwせdrftgyふじこlp;@
確信犯めっ
でも俺も嬉しいから(ry
>>725 ついにミシャktkr!
続きオボンヌ!!
(もう言い訳ができない。長い。そして、エロも少ない。でも、レベルが進むまでには
何とかやってみるつもりです。なるべくお付き合い下されれば幸いです)
レベル4
「いてっ!」
ライナーたちは地上からやや浮いた位置から地面に落ちた。騎士ライナーの上にミシャ、
オリカ、シュレリアの順でなだれ込む。
「いてててて!重い!痛い!!早くどいてくれよ!」
「重いって失礼だな!あたしそんなに体重ないもん」
「わたしのせいだっていうの?オリカは色々と食べすぎなのよ!」
オリカとミシャが言い争いを始めようとしたが、ライナーが叫んでアピールした。
「どうでも良いから早くどいてくれー!」
「どうでも良くなんかないよ!」
そう拘ろうとしたオリカだが、一人しりもちをつき、二転くらいしてやっと起き上がった
シュレリアがそれを嗜める。
「まあまあ、とにかくどいてあげてください。そのままではライナーが可哀想ですよ」
促された二人がどいたことで、やっとライナーは起き上がることができた。
「ふ〜、酷い目に遭った。アヤタネの奴め・・・」
ライナーはとりあえず怒りの矛先を避けるため、話題を変えることにした。
「この階層にはアヤタネはこれないのでしょうか?」
シュレリアがライナーに訊ねた。
「さあ?良く分からないけど、別に来れないということはないと思います。あいつを避け
ているわけではないし」
「それにしても変な世界ね」
ミシャが周囲を見渡して言った。
そこは殆ど荒野だった。それでいて、何だか子供の落書きみたいな木や草が生えていた
り、池のような、沼のようなものまである。
「あ、変なのがいる」
オリカに言われるのは心外だろうが、事実変な生き物がいた。カエルのような、おたま
じゃくしのような、妙な形の生き物が池から空に飛び込んだ。
ここにいると変な感覚になる。朝が夜のようだし、昔が今さっきのことのように思える。
「あ、何かこの感覚に覚えがあると思ったら、あの童謡に似ているんだ」
オリカが思い出したように言った。
「童謡って?」
「あたしが子供の頃良く歌っていた唄だよ。ちゃんとした奴じゃないけど、色々物事を
逆転させる詩なんだ」
オリカはそういって歌ってみせた。
「昔々の今さっき。兵隊ぞろぞろ二、三人。モクモク曇った晴れの日に、めくら婆さんに
見つかって、足なし爺に蹴飛ばされ、糸こんにゃくで首吊って、豆腐の欠片で足切った♪」
「何それ?」
ミシャが呆れて言った。
「遥か昔の遊び歌ですね。私も同じようなものをデータとして持ってますよ」
シュレリアは特に感慨もなく、淡々と言った。
「今日は朝から夜だった。からりと晴れた雨の日に、遠い南の北極に、若い女の爺さんが
黒い白馬にまたがって、前へ前へとバックした♪」
「まだあるよ、昔々のつい最近、その日は朝から夜だった♪」
「ああ、もう良いってば。頭が変になりそう」
ミシャは耐え切れず、オリカを止めた。
「それで、その歌とこの世界に何の関係があるの?」
「分からないけど、ライナーの中の変な部分がここに強烈に出てるんじゃない?」
「オリカに言われると凄く傷つくな」
騎士ライナーは溜息をついた。
「ここにいても仕方がないですから、とりあえず他の場所に行きましょう」
シュレリアがそういって先へ進もうとするのをオリカが止めた。
「駄目だよ、シュレリア様は超絶方向音痴なんだから。先導なんかしようとしたら、遭難確定だよ」
「お、オリカ。そういうことはオブラートに包んで、」
「そうですね。失礼しました。じゃあ、オリカさんが案内してくれます?」
シュレリアはいつもの笑顔で応じた。
「任せて!そうだな〜、ライナーが逃げたのはきっとあっちだよ」
さっさと歩き出すオリカに戦々恐々としながら、一行は歩き出した。
「それで、オリカ。こっちだという根拠はあるのか?」
「別にないよ。何となくだよ」
「おいおい・・・」
それでも暫く歩くと道が開け、一つの村に到達した。どうやら、カルル村をベースにしているらしい。
「ほら、着いた」
「何だか腑に落ちないが、まあいいか」
村に入ろうとする一行を待ち構えている人物がいた。
「ラードルフ!」
「遅かったな。待ちくたびれたぞ」
ラードルフはやれやれという顔をしてみせた。
「あなたはライナーの中のラードルフなの?」
ミシャが訊ねるとラードルフはうなずいて見せた。
「そういうことだ。俺はガイド役さ。そういう役割しかないんだがね」
ラードルフは少し被害妄想入っているらしい。
「そんな!ラードルフのことは皆、充分頼りにしてるよ」
「別にフォローしなくても良いよ。俺はいじけてなんかいないから。それより、前の階層
のライナーを探しに来たんだろ。それならタワーガーディアンに立てこもっているから早
めに何とかしてくれ」
「そうなのか。それじゃあ、行こう!」
騎士ライナーが駆け出そうとしたが、何故かミシャが動かない。
「う。あそこに登るの?」
「そうだよ。何だよ、今更。これまでにも散々登ったじゃないか」
「あ〜そうか、ミシャちゃん、高所恐怖症だもんね。何で今まで平気だったんだろ」
「平気なわけじゃないわよ!ただ、話題になってないだけで」
「下で待ってるか?」
「いいえ!行くわ!!」
というわけで、普通の人間でも恐いんじゃないかという梯子を登って上にたどり着いた。
その瞬間、いきなり銃弾の洗礼を受けることとなった。
「どわわわわ。何なんだ、いきなり」
「いいから早く登ってよ!」
まだ途中にいるミシャにせっつかれて、ライナーは銃撃の前に身を晒すことになった。
かろうじて、安全な場所に避難する。
「あそこを見てください」
シュレリアが指を指すところを見ると、そこに様々な銃器を抱えたライナーがいた。
さしずめ、武装ライナーといったところか。
「また子供なのね」
ミシャがいうように、そのライナーは子供だった。ただし、レベル2で会ったライナー
ほど小さくはない。大体、13、14歳くらいだろうか。
店の屋根に登って、奥の方でバリケードを張っている。
「近寄るんじゃねえ!!ぶっ飛ばすぞ!」
武装ライナーは啖呵を切った。
「ライナーもああいう時期があったのね」
「秘密基地とか作って遊んでそうだよね」
「おいおい。そんな場合じゃないだろ」
騎士ライナーが嘆息するように、このままでは近づくこともできない。
「どうします?作戦を練り直しますか」
シュレリアがそういうのをオリカが否定した。
「あたしに任せて」
何だか、やけに積極的なオリカである。
「どうするつもりだ?」
「いいから、見てて」
オリカはウインクをして、ライナーの前に立つと、両手を広げて進み出した。
「近寄るな!」
「撃たないで、ライナー。何にもしないから」
オリカは武装ライナーに微笑みかけて、少しずつ歩き始めた。彼女は今、コスチューム
も着ていない。スタンダードのままだ。
「大丈夫かしら」
ミシャは心配そうに見つめている。
「きっと、オリカさんは何かの確信があるのですよ」
シュレリアはオリカを信じているようだ。
オリカはある程度進み出ると、ちょうど真ん中辺りで立ち止まった。
するといきなりしなをつけて、胸を強調するようなポーズを取った。そのまま武装ライ
ナーにウインクする。更に今度は座り込んで、足を斜めに組んで、スカートの中を見せる
ような仕草をした。
「何やってんだ、あいつ」
「・・・お色気攻撃?」
オリカは大真面目なのだろうが、傍目にはからかっているようにしか見えない。
ズガガガガン。
案の定、銃撃が再開されて、オリカは逃げ帰ってきた。
「おかしいな。結構自信があったんだけど。ライナーって不感症?」
「何だよ!それ」
「オリカじゃ子供っぽ過ぎるのよ。わたしがお手本を見せてあげる」
そういって立ち上がったミシャだったが、結果は同じだった。オリカよりは色っぽさを
作ることはできたのだが、そもそもこの作戦は正しいのだろうか。
と、シュレリアが立ち上がった。
「まさか、シュレリア様?」
「大丈夫。私に任せてください」
シュレリアまでもが妙な作戦の実行をするのかと思われたが、そうではなかった。シュ
レリアはオリカたちと同じように進み出た後、武装ライナーに向けて語りかけた。
「ライナー。そうやって恐がるのは止めて。武器を持って相手と対するなんて、あなたら
しくないわ。冷静に話合いましょう」
「うるせえ!子供みたいな奴に言われたくないやい!!」
シュレリアは戻ってきた後、皆に背を向け、膝を抱えて肩を落とした。
「あ、あの。シュレリア様・・・?」
「どーせ、私なんか。子供みたいって。子供じゃなくて、みたいだなんて。やっぱり私は
中途半端なんだわ・・・」
小さな声で、ぶつぶつ言い出した。銃撃されるより深い傷を与えたらしい。
「これじゃ、埒が明かないわね」
「実力行使、するか?」
力ずくで相手を取り押さえようかと考え出したとき、異変が起きた。
爆音が上がり、激しい銃撃と武装ライナーの叫ぶ声が聞こえる。見るとそこにはリンケ
ージを着たシュレリアが武装ライナーと戦っているところだった。
「シュレリア様!!」
驚いたライナーたちだったが、彼らの後ろから声がした。
「わ、私じゃないですよ」
「シュレリア様が二人いる?」
リンケージを着たシュレリアは淡々と攻撃を続けている。その姿は冷厳で、絶対的な威
圧感を持っていた。
「詠唱、開始します」
最大火力で武装ライナーを攻撃するため、シュレリアはELMA−DSを召喚し始めた。
「まずい、止めないと!」
攻撃を止めさせようとしたライナーたちだったが、別の場所から邪魔が入った。
「させないわよ」
「うわああああ」
ライナーたちの上から巨大な木が降ってきた。その圧倒的な存在感に一瞬身を硬直させ
てしまい、かわすことができなかった。
どっか〜ん☆
木の根の間に挟まれてしまったライナーたちの前に、小柄な人物が現れた。
「あ、あなたは」
「ミシャ!?」
そこにいたのはマジカルシャワーを着たミシャだった。勿論、ちびミシャである。
「あなたたちに邪魔はさせない。さあ、聴きなさい!」
ちびミシャは凱亜爆砕を歌い始めた。身動きできないライナーたちの頭上に徐々に巨大
なハンマーが作られていく。
「ちょっと、待ってくれ!何だってミシャまで敵になるんだ?」
「わたしにも分からないわよ!」
混乱するライナーたちを後方で、シュレリアが何とか木から抜け出していた。こちらは
スタンダードのシュレリアである。
「何とかしないと・・・」
煙に紛れて、こっそりと裏から回り込もうとしたシュレリアだったが、その先に別の人
物が控えていた。
「お、オリカさん?」
オリカはしゃがみこんだまま、地面をいじいじしている。
「あ、あの。どうしました?」
恐る恐る近づこうとしたシュレリアだが、オリカは上目遣いにこちらを向いた後、そっ
ぽを向いて、今度は地面に「の」の字を書き始めた。
「シュレリア様!違う。それ、あたしじゃない!」
背後を振り返ると、そこには相変わらず木に挟まったままのオリカの姿があった。
「え?」
咄嗟に避けようとしたシュレリアだったが遅かった。
「ライナーの甲斐性なしーーー!!!」
声の塊が振ってきて、シュレリアを吹っ飛ばした。
「行くわよ〜、それ!!」
一方、ちびミシャはバーストした凱亜爆砕を今正に振り下ろそうとしていた。
「させるもんですか!」
やや遅れながら同じく詩を歌っていたミシャが、魔法に魔法をぶつけて相殺させる。衝
撃が周囲に走り、ちびミシャは後退した。その隙にオリカがオリカ一号を呼び出して、そのパンチで木を取り除いた。
「これは、どういうことなんだ」
立ち上がった騎士ライナーの前に、ちびミシャ、オリカ、シュレリアが立ちふさがった。
リンケージごしにシュレリアの声が響き渡る。
「ライナー。邪魔は許しません。この場を引かなければ攻撃します」
「あたし、ライナーと戦いたくないよ・・・」
オリカが後ろの方で小さく言った。
「お前たちは何者だ?ウイルスがシュレリア様たちに化けているのか?」
「そうじゃないわよ」
ちびミシャが前に進み出た。
「わたしはライナーの思い描くミシャ。オリカやシュレリア様も同じよ」
「どうやら、そのようです」
やっと立ち上がったシュレリアがオリカの肩に支えられながら、ライナーの下へ歩み寄る。
「彼女たちはライナーのイメージや記憶を下に生み出された私たちの分身。恐らく、アヤタネの言っていた大変なことというのはこのことでしょう」
「そう。わたしたちはライナーの理想像ってわけ」
ちびミシャが得意そうに言った。
「わたしたちはライナーが望む通りの姿を見せるのよ。強さも性格も、想いもね。あなた
たちはこの世界では偽者なのよ」
「仮面を脱いだら威厳の欠片もなくなったお子様とは違う」
機械的な声が冷酷に告げる。
「調子に乗って、度のキツイキャラを生み出してる誰かさんとも違う」
陰のあるオリカが言い放った。
「そんな・・・」
ミシャが絶句した。
「度のキツイ誰かさんって誰のこと?」
オリカはややピントがずれている。
「お前たちの目的は何だ?俺たちを倒すことじゃないのか?」
「今は違う。私たちの使命は前の階層から来たライナーを排除し、吸収させることだ」
「吸収って?」
はっとしたライナーが武装ライナーを探そうとしたが、瓦礫に紛れてその姿が見えない。
「あいつを助けないと!」
「邪魔をする気ですか?」
冷厳なシュレリアが騎士ライナーをロックオンする。
「ミシャ!オリカ!シュレリア様!!」
騎士ライナーは三人に呼びかけたが、返事はない。
「どうしたんです?あいつを助けないと!!」
「助けると言っても、所詮は女嫌いなライナーでしょ?そりゃ、その気もなくなるわよ」
ちびミシャが言った。
「そうだよ。それに、ライナーが理想とするあたしたちに叶うわけがないって気づいたんでしょ」
陰のあるオリカが言う。
「あなたもここで消え、吸収されるが良い」
冷厳なるシュレリアはELMA−DSを召喚して、ライナーを攻撃した。
「うわああああああああ!!!」
爆風。
騎士ライナーのいた場所は何もなくなった。
「さあ、予定通り、もう一人のライナーも消しましょう」
シュレリアたちは立ち去ろうとする。
「待ちなさい」
本当のシュレリアが止める。
「何?今更何の用が・・・」
振り返ったシュレリアはミシャとオリカに支えられた騎士ライナーを見て、言葉を止めた。
「そう。あの攻撃を防ぐとはね」
「わたしたちに勝てる気でいるの?」
ちびミシャが不敵に笑った。
「偽者のくせに」
陰気なオリカはやっぱり口が悪い。
「偽者はあんたたちの方でしょう?」
ミシャが自信を持っていった。
「昔のあたしたちなら、躊躇したかも知れない」
オリカが続ける。
「でも、私たちはもうそんなことで揺らいだりしません。ライナーと私たちの絆はその程
度のものではないのだから」
「伊達にこれまで長い旅を続けてきたんじゃないんだから!」
「最後までわたしたちに付き合ってダイブしてくれたライナーをこんなところで見捨てる筈がないわ」
「その証拠を見せてあげましょう」
三人は騎士ライナーを守るようにして立つと変身を始めた。
「この世にライナーがいる限り」
「この世に詩がある限り」
「華麗なる愛を謳って見せます。シンガーエンジェルズ推参!!」
「(言えない。俺には絶対に言えない・・・)つーか、少し違うんじゃないのか?」
変身した彼女達は、オリカはマルローネ、ミシャはエルフィール、シュレリアはリイタ
のコスチュームに変わっていた。シンガーエンジェルというにはキャラが違う。
「いいのよ、別に。これはライナーがわたしたちの最後までダイブした証なんだから」
現実のミシャも何故かコスチュームに合わせてちびになっていたが、その辺は精神世界
だからアリなのだろう。
「くっ!」
リンケージのシュレリアは体勢を整え、詩を歌い始めた。残りの二人もそれに倣う。
シャドウと華とスラッシュソードが召喚される。
「遅いわね」
ミシャは遅れて歌い始めたが、バーストスピードは先に歌い始めた三人よりも早かった。
あっという間に黒い天使が召喚され、その力は極限まで高められる。
「疾風迅雷!!」
「セラフィフライア!!」
オリカも同時に魔法を発動し、白と黒の雷が融合された稲妻が詠唱中の三人を襲った。
未完成の魔法ごと吹っ飛ばし、完全に無力化する。
「ライナー!止めを」
シュレリアの呼びかけで、エナジーフィルの守護を受けた騎士ライナーが次々と三人を
切りつけ、彼女達は消えていった。ライナーの心の中に戻ったのである。
「あっけないものね。所詮は偽物ってとこかしら」
「あの私たちはどうやら、過去の私たちのようでしたからね。詩魔法自体も弱いものばかりでしたし」
「ねえ、それより、中坊ライナーは?」
武装ライナーを中坊呼ばわりにするのはオリカである。
「あ、そうだ。早く助けださないと」
騎士ライナーは瓦礫に飛び込んで、ライナーを探した。女嫌いで武装していて、中坊ら
しいが、放ってはおけない。
三人のRTたちも協力してやっと瓦礫に埋もれた中坊ライナーを見つけたが、彼は虫の息だった。
「早く回復魔法を!」
「うん」
オリカがライフシャワーを唱えたが、変化がなかった。ミシャの極楽金丹でも同様である。
「どういうこと?」
「これは・・・」
シュレリアが中坊ライナーの頬に触れて確かめる。
「生命力がないという問題ではないようですね。どうやら、ウイルスに感染されているようです」
「何だって?じゃあ、パージャを・・・」
「いえ。パージャで分離して倒す、という方法は取れません。この子の中にいるウイルス
はごく小さなものなので、私たちが攻撃しても無駄です。また、再生と複製能力が高く、
一匹や二匹倒しても意味がないのです」
「この子、体温がどんどん下がってるわよ」
ミシャが心配そうに言う。
「寒いなら、ミシャちゃんの氷護とか、あたしのフレイメアで何とかならないの?」
「属性攻撃とは違いますから。この子の身体を温めつつ、回復魔法とウイルス除去のために
直接この子の中に詩を送り込むしかありません」
シュレリアは目をつぶって考え込んだ。
「それじゃあ、宿屋にでも連れて行こう」
騎士ライナーの提案で、一行は宿屋に移った。
「このままこのライナーが消えたらどうなるの?」
ミシャが疑問を口にした。
「それは・・・俺が倒して吸収するというわけとは違うから、多分ウイルスに感染して
いる別の俺に吸収されるんだろう。その場合、こいつは完全に俺の中から分離してしまう」
「つまり?」
「結果的には“女嫌い”だという部分に対する外的な干渉を全て受け付けなくなるだろうな。
それは俺が後でこいつを吸収したライナーを倒しても変わらない。俺の精神的な構造の中
に女嫌いを強い形で抱え込むことになる。それも歪んだ状態で」
「じゃあ、早く何とかしないと!」
オリカが焦っていった。
目をつぶってずっと考え込んでいたシュレリアがやっと言葉を発した。
「方法はあります」
「本当ですか?」
「本当?」
ミシャとオリカが同時に言う。
「それには、ミシャとオリカさんの協力が必要です」
「俺も手伝います!」
「いえ、ライナーにできることはありません」
シュレリアは断言した。
「ただ、この方法は、あの、ちょっと、」
「あたし、何でもやる!ライナーのためだもん!」
「わたしもよ」
「お、俺にできることがないってどういうことですか?」
シュレリアはライナーを無視して、オリカとミシャに向き直った。
「この方法は、ちょっと、恥ずかしいですよ?」
「え?」
「どういうこと?」
シュレリアは意を決して言った。
「このライナーの中のウイルスを消すには、単に分離するだけでなく、同時に倒す必要が
あります。それから、弱った身体を回復させ、温める必要もあるのです。それらを全て同
時にやりつつ、完全に全身に回った全てのウイルスが消滅するまで続ける必要があります。
それには私たちが交代で、詩を歌い続ける必要があります。ここは精神世界なので、その
詩についてはある程度応用が利くのですが、イメージのこともありますし、最も効果的に
ライナーの身体に詩を浸透させ、温めるにはあることをしなければなりません」
シュレリアは回りくどい言い方をする。
「それでどうするんですか?」
「シュレリア様!」
「あの、それはつまり・・・」
シュレリアはぼそぼそといった。
「聞こえないよ。もっと大きな声で・・・」
オリカが焦れて促した。
「は、裸に、」
「え?」
「裸になって、ライナーと抱き合って、温めるんです」
シュレリアはやっと聞こえるくらいの大きさで言った。
「は?」
「雪山とかで、やるじゃないですか。あのベタな感じで何ですけど。私たちレーヴァテイ
ルは音が起源の生命体ですから、特に精神体は完全に音の波長が常に身体を覆っています。
詩を歌うことで、身体全体から音が生まれるわけです。だから、全身を患部に当てて、直
接詩を送り込むことで、より強くその効力を発揮することができるのです。ライナーの中
の状態を確認しやすいですし、また、温めるというイメージも保ちやすいんです。お二人
が嫌なら、私だけでも・・・」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!何を言ってるんですか??」
騎士ライナーはもう完全に取り乱していた。
「幸い、相手はまだ完全には大人でないわけですし」
「いや、でも、それは、」
「命がかかっているわけですし」
「あくまでも精神世界でのことで、本当に裸で重なるわけじゃないのよね」
ミシャがちょっと顔を赤らめていった。
「み、ミシャまで?いや、待てよ」
「そうだね。ライナー自身は意識を失っているみたいだし。それに、この方法なら、ライ
ナーの女嫌いな部分もなくなるんじゃないかな」
オリカも反対はしないようだ。
「待てって!いいじゃないか。こいつがいなくなったって、ちょっと女に対して苦手意識
があるとか、鈍いとか、その程度のことだろ?」
「ライナーは黙ってて!」
ミシャがぴしゃりと言った。
「これはもう、ライナーだけの問題じゃないの」
オリカがきっぱりと言う。
「じゃあ、決まりですね」
シュレリアはほっとしたように言った。
「一刻の猶予もないですから、すぐに始めましょう。ライナーは外で待っててください。
まだ、この階層のライナーの人格もいますし、警戒はしておいた方が良いでしょう。必ず、
このライナーは助けます。だから、あなたは私たちを守るという使命を守ってください」
シュレリアはそう騎士ライナーに有無を言わせぬ調子で言うと、ライナーを締め出した。
ライナーは混乱した頭で暫く唸っていたが、仕方なく、表に出て、頭を抱え込むのだった。
さあ、そんな感じで次回は未だにレベル4だ。少なくとも前半はなるべくエロくするが、どう展開するかは分からねええええええ。
>>740 GJ、次回も期待だな。うはwwwwwwwwwおkwwwwwww
全部書いてから投下するのは無理?
果たしてこれはエロパロに投下すべきものなのか
キャラスレでもらった阻止とかアホなことしてるのが原因か
>>740 乙。超乙。
>>742 あんまりケチケチしたこと言いなさんな。
じきにエロくなる言ってんだから見守ろうや。
ちうか気に入らないなら自分で熱いパトスを投下するのもアリですぜ。
RPG最萌トーナメント
http://www.geocities.jp/rpgsaimoe/index.html アルトネリコのプレイヤーは絶対数が少ないので本命以外のキャラにも支援頼む.
3/24 第7組 スピカ・ニール
3/24 第8組 亜耶乃(アヤノ)・ライザー・エルデューク
3/25 第10組 メイメイ
3/26 第11組 クレア・ブランチ
3/26 第12組 波摩(はま)
3/27 第13組 クルシェ・エレンディア
3/28 第16組 シュレリア
3/30 第19組 彌紗(ミシャ)・アルトセルク・リューン
3/30 第19組 リルラ・ロス・レーテル
3/31 第22組 オリカ・ネストミール
ライナー、初出勤の日。
ライナー「いよいよ、今日から俺もエレミアの騎士に・・・! あ、シュレリア様。」
シュレリア「よく聞けクソ虫ども! 貴様らは騎士団入りを希望した史上最低の存在だ。
いままで育ててくれた家族、共に過ごしてきた友人は貴様らに裏切られたわけだ。
クソの役にも立たないクソ虫どもが今ここにいる。
だが──
見込みのあるクソ虫どもだ。
私はシュレリア。 本日をもって貴様らのボスとなる。おめでとう諸君。
ようこそエレミアの騎士団へ」
ライナー「・・・。」
ここでライナー(女体化)×オリカだ
アルトネリコ この世の果てで終わり続ける少女
アルトネリコ この世の終わりで果て続ける少女
ミシャに逆レイプされるライナーまだー
アルトネリコ この少女の終わりで続ける果て世
レベル4続き
宿屋の一室。
三人のレーヴァテイルに貞操を奪われようとしている厨房(13、14歳)ライナー、もとい、ライナーを救うべく、その裸身を露わにしようとしている健気な三人のレーヴァテイル。
オリカはバブルパッション、ミシャはYシャツ姿、シュレリアは比較的脱ぎやすいと
いうことで、サマーブリーズに着替えていた。
ライナーには毛布がかけられていて、すでに上着やズボンは脱がされている。女性が怖
くて、武装していたライナーは身体中に様々な武器を仕込んでいたが、今はパンツ一枚
以外、何も身につけていない。
彼が女嫌いになった理由にはレベル2でのことが少なからず糸を引いているのではない
かと思われるが、それに薄々気づいているのは外で待つ騎士ライナーのみである。
「いいですか」
シュレリアが顔を赤らめたままオリカとミシャに語りかけた。
「これは私一人で何とかできる問題ではありません。あなたたち一人でも駄目です。三人
が協力して、初めてこのライナーを救うことができます。だから、なるべく私情を捨てて、
お互いに自分の仕事をこなしましょう。一人で無理をしないように。ライナーの中のウイ
ルスは複数で、強力ですから、消耗したら交代するようにしてください。多分、一回りく
らいでは完全に回復させられないと思いますから」
シュレリアは前掛けを外し、ファスナーを下ろし始める。
「まず私がライナーの状態を確認しつつ、有効な詩を紡ぎますから、二人はそれを参考に
してください」
自分以外の誰かがライナーを抱くという展開には少なからず嫉妬心が生まれるものだが、
それはこの際、耐えるしかない。あくまでもライナーを救うためである。それに、ライナ
ーがやや低い年齢の姿だというのが救いである。
一番手がシュレリアというのはこの中で一番、対ウイルス戦の経験者だからである。変
に揉めるよりはと、ミシャは自ら最後の順番を選択した。忍耐力が一番あるということも
あるし、しんがりを務めるにはそれなりに能力も必要だ。
シュレリアは下着姿になると、おずおずと毛布の中に潜り込み、ライナーの隣に寄った。
毛布の中で、下着を脱いで、その後、やや躊躇してからライナーのパンツも脱ぎ下ろした。
全身に回ったウイルスを除去するためにやむを得ない処置として。
隣で眠っているライナーは年齢が幼い為に、シュレリアと同じくらいの身長だった。
レアードの息子であるライナーを知ったのは随分昔からだが、それでもその頃はやんちゃ
な坊やと言った印象で、特に関わりがあるわけでもなく、顔見知りという程度のものだった。
管理者としての彼女はあらゆる者と距離を置き、常に中立をはかっていたので、ライナー
自身からしても遠い存在だったろう。そんな彼が騎士見習いとして入隊して、エレミアの
騎士となるまでにはまだ数年を要する。
彼女からすれば、人間は物凄い勢いで成長する。この男の子が僅か数年で、あの青年に
成長するのだから、人間とは凄い生き物だ。自分は千年近く生きても殆ど変わりがないと言うのに。
シュレリアは羞恥に顔を赤らめながら、そして自分の心臓の鼓動の早さを自覚しながら、
ライナーを抱きしめた。その身体は驚くほど冷たく、命の火が消えようとしているのは明
らかだった。精神的な死も、何らかの形で肉体に影響を及ぼすことを考えれば、やはり一
刻の猶予もない。
彼女は全身で(ミシャやオリカの視線を意識しないように)、集中してライナーの身
体をまさぐり、その内部に巣食っているウイルスをスキャンした。いまや、ウイルスはラ
イナーの精神構造体を分解し、それらを栄養源にして増殖している。
大体の感触をつかんだ後、紡ぐべき詩を構築する。彼女自身、精神体なので、それは容
易い。もっとも、この詩は現実世界で使えるようなものではないが。
シュレリアはライナーの頭を自分の胸に当てながら、歌い始めた。詩は彼女の喉や口か
らだけでなく、全身から波動として現れ、ライナーの中へ浸透する。
ウイルスを排除しつつ、ライナーの回復力を改善させるのだ。冷たく、生気の感じられ
ない部分を探しては自分の身体を接触させて、その部分を癒した。ライナーの身体は次第
に温まり始めていたが、その代わりシュレリア自身の力が奪われていく。
自身が倒れれば、今度は自分がウイルスに浸食される。ある程度の頃合を見て、オリカ
と引き継ぐ必要がある。だが、ライナーと裸で抱き合っているということが、彼女にとって
例えようのない幸福感を与えていたので、中々その気になれない。
「シュレリア様」
オリカに声をかけられて、シュレリアははっとした。
「シュレリア様、顔が青いですよ」
いつの間にか彼女はかなり力を消耗していた。唇は震え、詩の力も十分に発揮できない。
「ごめんなさい、オリカさん。後は宜しくお願いします」
シュレリアはやっとライナーから身を離して、毛布から抜け出した。今度は自分自身が
回復する必要がある。
「任せて」
オリカはどきどきしながら、毛布に潜り込み、中でバスタオルを外した。最初の頃より
はやや赤みを帯びてきたライナーの顔だが、未だその身体は冷たいままだった。レベル2
で子供のライナーとお風呂に入ったものの、あれは完全に幼かったので、こちらが恥ずか
しいということはなかったが、今回は違う。
途中で目を覚まさなければ良いが、と思いつつ、オリカはゆっくりとライナーを抱きし
めた。小さな身体だが、ところどころごつごつしている。ついつい身体の内部のことより
も、外側のことを気にしてしまうのを抑える。
ウイルスの状態をスキャンして、オリカも詩を歌い始めた。
時折、身体を動かして、自分の肌とライナーの肌が密着するようにする。興奮と羞恥で
目が回りそうだったが、何とか抑えた。気のせいか、以前にもライナーと密着したような
気がする。その時は自分も随分積極的だったようだが、少なくともライナーも自分も裸で
はなかった。
自分が裸なだけでなく、相手も裸だというのが気恥ずかしさを増進させる。裸でただ抱
き合っていることの方が、よっぽど恥ずかしいし、何だか直接的だ。気を紛らわそうとし
ても、オリカはライナーのあの部分が気になって仕方がなかった。
直接手をやって触ってみたいとか、見てみたいという欲求をかろうじて避けているので、
オリカの詩の集中力はやや欠いたものになる。
で、オリカもミシャに言われるまで、自分自身の状態を把握することができなかった。
気づいた時にはかなりの力を消耗していたのだ。
「わたしが代わるわ」
「うん。お願い」
ミシャに交代した。
ミシャは毛布に入る前に、Yシャツを脱いだ。待っている間に覚悟は決まっていたし、
やっと自分の番が来たという思いもある。
毛布の中で下着も脱ぐと、すぐにライナーの身体を抱き寄せた。
やっとこうすることができた。そんな安心感が彼女を包んだ。
ライナーは大分温かみを帯びていたが、まだ自分で体温を作り出せるほどには回復して
いないらしい。ミシャはライナーを抱きながら、ライナーの匂いを感じ、思わずライナー
の頭にキスをした。
それを見ていた二人が声を上げたが、気にしない。
ミシャは詩を歌い始めた。今まで歌ってきたどんな詩よりも想いを込めて。レーヴァテ
イルの使う歌は攻撃や癒しの詩が主だが、状態を変化させることのできるものは少ない。
相手を魅了する詩があれば良いのに、などと考えたことは何度もある。
そんな方法でライナーの心をつなぎとめても仕方がないのだが、ついそう思ってしまう
のは仕方がない。ただ、そんなものがあったら、多分、オリカやシュレリアと歌合戦をす
る羽目になるだろうが。
「う・・」
「ライナー?」
今まで昏睡状態だったライナーに初めて反応があった。
シュレリアとオリカもライナーの側に顔を寄せて確認する。
「まだ、意識は戻りそうにないわね。でも、大分回復したみたい」
ミシャがほっとして言ったが、シュレリアは注意を促した。
「回復しかけが一番、危ないのです。ウイルスの方も改めて攻撃を再開するでしょう」
その言葉に気を引き締め直したミシャは改めてライナーを強く抱きしめた。確かに内部
のウイルスの数は減少しているようだが、その動きが活発になっている。
ミシャは歌いながら、ライナーの身体に触れた。首筋から背中に手を当てて、ウイルス
が活性化している部分を探す。今まで浅い息しかしていなかったライナーが、次第にはっ
きりとした呼吸をし始めていた。
息が首筋にかかって、ミシャは段々と変な気分になってくる。
ともすれば、淫らな気分になりそうな自分を抑え、あくまでもウイルスをスキャンして
退治することに集中する。もし、この部屋に二人っきりだったら、正直抑えられたか、自信がない。
「ミシャ、気をつけて。多分、ウイルスはその内、私たちの詩を邪魔しようとする筈よ」
シュレリアが注意を促した。
その言葉通り、ウイルスの動きに変化があった。それに応じるようにライナーの身体も
動き出す。最初はみじろぎする程度だったが、詩を嫌がるようにミシャから離れようとし出す。
ミシャはそれを押さえつけながら、歌わなければならなかった。横から抱いているだけ
だと離れてしまうので、太ももでライナーの身体を挟んで上に乗る。
更に胸を押し当て、上半身の動きも封じる。
「やっ」
思わず声を上げてしまったのは、ライナーが手でミシャの身体を押しのけようとしたか
らだ。その際、ライナーの手がミシャの胸に触れた。
始めのうちは暴れるだけだったライナーの動きは、次第に目的を持っていく。ウイルス
の目的は詩を止めさせることだ。ライナーをどう動かせば、詩が止まるかを学習していく。
「あ」
思わず反応する身体を、声を抑えて、何とか詩を続けていたミシャだが、ライナーの手
が意志を持つように動き出したのには耐えられなくなった。
「ん、うんっ」
「やだ、ライナー」
ライナーの手がミシャの胸をもみ始めたときには、実はライナーの意識が戻っているの
ではないかと思ったくらいだ。
その光景を見ているオリカやシュレリアも平静ではいられなかった。止めさせたいとは
思うが、そうもいかない。ただ、互いに身体の芯から湧き上がる何かを感じる。
「ん、はあ」
歌い続け、動き回るライナーを押さえ、ライナーの手の動きを耐え続けることで、ミシャの
精神力はあっという間に消耗してしまう。ミシャはこの後の展開に不安を感じながら、
毛布をのけて、這い出した。
「シュレリア様。ウイルスを完全に消滅させるのに、後どれくらいかかるんですか?」
「分かりません。まだ暫くかかりそうですが・・・」
シュレリアも先のことを考えて、不安になった。問題はウイルスの学習能力だ。今は
まだ、身体を離そうと抵抗するのと、胸を少し触る程度だが、こちらの反応に合わせ、
その手段を変えてくるとすると・・・
それでも、シュレリアは再び、ライナーを抱いて詩を歌い始めた。
「う、ふぅん」
ライナーはすぐにシュレリアの胸を触り始めた。最初は乱暴にまさぐるだけだったが、
その力を強くしたり、優しくしたりして、こちらの反応、詩に対する集中力が切れる隙を
つこうとする。
「いやっ」
ライナーがシュレリアの乳首をいじり始めた。反応があるとなると、執拗にそこを攻め
始めるから始末が悪い。
声を上げないように、歌い続けるようにするが、どうしても集中力が途切れてしまう。
ライナーはシュレリアの身体中を探るように手を移動した。背中や首筋、脇腹などから
お尻の方にも手が回ったが、シュレリアは耐えた。触れられたとき、余計な反応をしなけ
れば、それと気づかれはしない。
むしろ、それとなく、こちらが誘導してしまえば良いのだが・・・
「あっ!」
ライナーの手が、あの部分に触れたときは、思わず声が出てしまった。
最初は撫でられるだけだったのだが、次第に指を使って、一つずつ確かめるようになぞ
っていく。その度に、シュレリアは小刻みに反応しては小さく声を漏らした。
手で抗うべきなのかも知れないが、そうすると結局、歌うことよりもただ、抵抗するだ
けで、時間が過ぎてしまう。相手の攻撃に耐えながら、こちらも攻撃を続けるしかないの
だ。相手の学習能力が高いか、こちらのウイルス駆除力が高いかの勝負である。
シュレリアは強く意志を持って、詩を続けた。ライナーの手の攻撃は次第に激しく、巧
妙になり、また、シュレリアの弱点を学習していく。シュレリアは完全に濡れていたが、
よく耐えた。この状態でオリカと代わるのはどうにも悔しかったが、それでも仕方がない。
「オリカさん、お願いします」
シュレリアは喘いで言った。
オリカは返事ができなかった。
さっきから、ミシャやシュレリアが責められてるのを見て、頭の中がおかしくなりそう
だった。嫉妬する思いもあるし、自分の番が来て欲しくないような、それでいて来て欲しい
ような、そんな混乱した思いだった。
それでもシュレリアに促されて、毛布に入り、ライナーを抱く。
ふとんの中は湿っていて、湿気が中にこもっている感じが嫌だった。ライナーは早速、
オリカの豊満な胸をもみ始めた。覚悟してはいたが、思わず声が出てしまう。
「あん、んっ・・ん」
どうせ触られるなら、普通の年齢のライナーの方が良かっただろうか。中学生くらいの
ライナーでは少し物足りない。
いや、そういうことではないのだ。あくまでもこれはウイルス退治なのだから、気にせ
ず歌わねばならない。
しかし、オリカは閃いた。
一方的に攻撃されるだけだから、駄目なのだ。攻撃は最大の防御なり。
オリカは馬乗りになるとまず、ウイルスが多くいる場所をスキャンした。まず見つかっ
たのはライナーの腕の付け根の辺りである。
「よ〜し」
オリカはその部分に口を近づけて、キスをするように詩を歌った。その効果はてきめん
で、より強力に詩の効果を発揮する。
「ちょっと、オリカ!何やってるのよ!」
ミシャが思わず声を上げたが、オリカは身振りでその意図を示した。あくまでもウイルスを倒すためである。
オリカの攻撃で、ライナーの動きが一時的に止まった。オリカはウイルスの集結箇所を
探しては、直接詩を当てて、集中的に攻撃をしていく。
しかし、追い詰められたウイルスは更にライナーの身体を動かして、反撃に出た。
詩を歌うわけでもないのに、手だけでなく、ライナーの口を使って、オリカの身体に触れ始めたのだ。
オリカの行動を真似しただけなのだろうが、結果的には相手に新たな手口を与えたことになってしまう。
「いや、やっ、や、やだ」
胸を両手で優しく揉まれた後、乳首を舌でなめられて、オリカは思わず攻撃の手を緩め
てしまう。守勢だったライナーは攻勢に転じ、今度は激しく胸をもみ、しゃぶり始める。
更にその手がオリカのあの部分に触れ、シュレリアで学習した手際の良さで、巧妙な攻
撃を再開した。オリカは思わず腰を上げ、腕を払おうと抗ったが、それは逆効果だった。
相手が嫌がる部分こそが弱点なわけだから、ライナーの手は更にその力を強めた。
ライナーの精神体が13、14の年齢で構成されていたのでまだ良かったが、そうでな
ければとっくに組み伏せられていただろう。
ライナーは右手でオリカの下半身を攻めながら、左手でオリカの頭を引き寄せた。
「ひゃあうぅ!」
その際、首筋に指が触れて、オリカは全身に鳥肌を立てた。
ウイルスはその反応を見逃さない。即座に首に腕をからめ押さえつけると、首筋を中心にキス攻撃を始めた。
反射的に立ち上がろうと腰を下ろしたところで、すかさず指を入れられてしまう。すっ
かり塗れそぼったオリカはその指を容易く受け入れてしまった。
「ひぃやぁやややああああああ!!!」
抗いようがなくなったところで、首筋から鎖骨の辺りへと唇と舌が這い、オリカはその
快感に我を失いかけた。もうこのまま、されるがままに身を委ねたい。
自ら、腰を動かそうとするのに抗って、オリカは何とか意志を取り戻す。
「ごめん、ミシャちゃん。あたし、もう歌えない」
必死の思いで、涙ながらに懇願する。
「分かった。どいて」
ミシャがオリカに代わった。
ミシャはシュレリアやオリカの様子を見て、戦略を練っていた。
確かに、単に守勢に回っているだけでは駄目だが、あまり攻めすぎるとやぶ蛇になる。
まず、ミシャはこれまで通り、ライナーの身体を抱きしめてから、詩を歌った。ライナ
ーは詩を止めさせる為に、ミシャの身体に舌を這わせ、撫で回し、触れ、いじり回した。
「あ、ぁん。うん。ん、あはぁ」
時々、声を上げたが、ミシャは耐え続けた。彼女は耐えることには定評がある。オリカ
よりも、シュレリアよりもずっと忍耐力があるのだ。
シュレリアは感度がありすぎるし、オリカには弱点がある。ミシャ自身、感じないわけ
ではないが、彼女は自分の中の快楽や感情をコントロールする術をよくわきまえているの
である。
ライナーの指がミシャの中に入って、中をかき回そうとする。ライナーの年齢が幸いし
てその指の長さがあまりなかったのが良かった。その拙さが時に武器になることもあった
が、ミシャ自身も開発されていないので、痛みがそれを紛らわせた。
ミシャは受けに回りながら、時折反撃に出た。オリカを倣って、ウイルスをスキャンし
ては、直接詩を当てることで消滅させる。ウイルスが分散したら、身体中を包むようにし
て詩を歌うなど、全て相手の動きに合わせて対応した。
効果的な対応で、弱体化して最後の抵抗をしていたウイルスは次々に陥落した。
殆どのウイルスが消滅したことを確認して、ミシャは一息ついた。その時。
ミシャは下腹部に反応を感じて、心拍数を上げた。
「え?・・と」
ミシャが動揺しながら少し身を起こしたとき、ライナーがうっすらと目を開けた。
「ライナー!」
オリカが声を上げて、側に寄った。ライナーの目はまだ焦点が定まっていなかったが、
呼びかけに反応があった。
「大丈夫ですか?ライナー」
シュレリアも側に寄り、ライナーの手を取った。
「お、オリカ?ミシャ・・・シュレリア様・・・」
弱々しく声を出す。
「あなたはウイルスに感染していたのです。まだ動いてはいけませんよ」
「あたしたちのこと分かるの?」
「分か・る・・」
ライナーの息は荒く、弱い。無理に身体を動かしていたので、ライナー自身の力も消耗しているのだ。
「ライナー。もう少し我慢してね。完全にウイルスを追い出すから」
ミシャは動揺を隠しながら笑顔で言った。
「ライナー。まだ女性が怖いですか」
シュレリアは優しく聞いた。
「いえ。もう怖くないです・・・俺の為に、皆が必死になって助けようとしてくれたのが
分かりましたから・・・凄く、温かいし、柔らかくて、気持ち良かったです・・・」
そのセリフがむしろ一番恥ずかしかった三人だった。
「んっ」
ミシャが悲鳴を上げた。ライナーの手がまた動き始めたからだ。
「ちょっと、ライナー、どさくさに紛れて、」
しかし、ライナーはあまり反応をしなかった。
「まだ、身体の感覚が、戻ら・・ない」
再び意識を失いかけるライナーを見て、シュレリアははっとした。
「まだ、完全にウイルスが除去されていません。撲滅しないと」
それから急に赤くなって、ミシャにおずおずと尋ねた。
「あの、ミシャ。ライナーの身体に変化はありますか?」
「ひえ!?え、えええと」
ミシャは慌ててしまい、どう答えれば良いか分からなくなった。ただ、その反応が答を示してもいた。
「・・・変化があるんですね。でしたら、詰めの段階に入る必要があります」
シュレリアは消え入りそうな声で言った。
「変化?詰めの段階って、何のこと?」
オリカは状況が分からない。
「つまりですね。ライナーの体内に溜まったウイルスの残党と死骸を体外に放出する必要
があるのです。回復しかかっているライナーにはその準備ができている筈なのですが」
「え?ライナーが吐きそうだってこと?それともトイレとか??」
オリカはまだ分かっていない。
「そうではなくて、その、特殊な形で、溜まっているので、出してあげないと」
「そ、それって。もしかして、わたしたちの中にってことですか?」
「ち、違います!そんなことをしたら、今度は私たちがウイルスに汚染されちゃうじゃな
いですか。そうではなくて、その、別の方法で」
「何?ミシャちゃんとシュレリア様だけで。あたしにもちゃんと分かるように教えてよ」
オリカはやっぱり分かっていない。
「私の口からは・・・ミシャ、説明してあげて」
「わたしの口からですか!!?」
真っ赤になったミシャだが、暫く逡巡した後、オリカに問い詰められてようやくぼそぼそと説明し始めた。
「聞こえないよ」
他に誰もいないのに、ミシャはオリカに顔を寄せて、耳打ちした。
「やだ、ミシャちゃん。耳に息吹きかけないで・・・え?どういう・・えええええええ!!!」
ようやく事情が分かったオリカも顔を真っ赤にして、両手で顔を隠した。
「躊躇している場合ではないですよ。また、ウイルスが盛り返してくるかも知れませんし。
今度は、三人がかりでやりましょう。全力で一気にかたをつけます」
ミシャはためらいながらも身体をずらし、自分とライナーにかかっていた毛布をどかした。
ライナーの身体が露わになり、先ほどからミシャの下腹部に当たっていたものがお披露目された。
「可愛い・・」
オリカが思わず口にする。
それはまだ赤かった。
「あの、手で、するんですか?」
「私にも良く分かりませんけど、データによれば、手とか、口とか、胸とか、それから、
足とかも使うらしいです。この場合はウイルスの除去が目的ですから、手で触れて、後は
詩で何とかなると思います」
「口でしたりするの?」
オリカは未知の領域の知識を得て、訳も分からず興奮した。
「あ、飲んだりしたら、駄目ですよ。表面に触れるくらいなら、ウイルスが進入すること
はありませんけど、体内に取り込んだりしたら、また大変なことになりますから」
「とりあえず、誰がやるの?」
ミシャはもう覚悟を決めていた。
「一度くらいだと全部は出ないでしょうから、何回か試す必要があると思います。それか
ら、残りの二人は体内に詩を送り込むことになります。一人は身体を当てて、もう一人は
口から・・・」
つまり、一人は人工呼吸、一人が身体を押さえつつ肌を合わせ、もう一人は毒を吸い出すと、
そういうわけだ。それらを同時に、完全にウイルスが消えるまで繰り返す。
問題は順番だった。一体誰が、最初に何をやるのか。
感情が入ると決まらないので、合理的に判断することになった。経験のなさは全員一緒
なので、知識だけはあるシュレリアが統括する意味も含めて真ん中。一番度胸があるオリ
カが下。体力が回復しきっていないが、歌い続けることには自信があるミシャが上になった。
何とか体勢も決めて(どんな体勢やねん)、ウイルス駆除を開始する。
ミシャがライナーに口づけをして身体の内部に詩を送り込み、シュレリアは歌いながら
ライナーを抱き、オリカが隙間から手を伸ばし直接刺激する。
「やだ。可愛い。どうすれば良いの?」
「とりあえず、手でウイルスの反応あるところを確かめて、刺激してください。口でする
かしないかは個人の判断に任せますから」
シュレリアの指示に従って、始めは恐る恐るだったオリカの手の動きも適切になってきた。
「凄い。どんどん固くなってくよ〜」
感情が昂ぶったオリカは我慢しきれなくなって、舌を這わせ始めた。詩を歌うことも忘
れてはいないが、しなくても良いことまでし始める。
すでにミシャは唇を合わせるだけでなく、舌を入れていた。貪るようにキスを続ける。
反射的にライナーも反応しているがそれに物足りなさを感じ、ライナーの手を引き寄せて、
自分の胸を触らせる。
シュレリアも二人に乗せられて興奮していた。何度も繰り返し身体をこすり合わせて、身体中にキスをする。
レーヴァテイルの精神は深い部分でつながっているのだが、ここで塔を経由しないリン
クが生まれようとしていた。裸の精神が共鳴し合い、詩を通じて互いの感情や感覚まで共有し出す。
三人はもはや一つの生き物のように同じ意志と感覚と感情を一致させていた。
「ひあ!!」
唐突にライナーが放出して、オリカは悲鳴を上げた。彼女の顔に白濁した液体がべっと
りとかかった。この中で何億というウイルスが死滅しているのだ。
「うわぁ。凄い。ねばねばしてるよ〜」
メシジュースみたいだと思ったが、飲んではいけないらしい。
「代わりましょう」
今度はシュレリアが上、オリカが真ん中、ミシャが下を担当する。
放出したばかりなのに、ライナーはそそり立ったままだ。
ミシャはまず汚れたそれを舌で舐め上げて、綺麗にした。飲み込んではいけないので吐
き捨てるのだが、ふいに奇妙な欲求が湧き上がるのを何とか抑える。
声は喉から、そして腹から出るので、唇を動かす必要はそれほどないが、詩と舌の動き
を両立させるのは普通難しい。それを難なくこなすのはレーヴァテイル天性のものかも知
れない。唇や舌の動きがそのまま詩になり、身体全体がリズムを刻む。
シュレリアは遠慮がちにライナーの口を吸っていた。彼女はどこか陶酔しながら、キス
を重ねる。時々、ライナーの頭を撫でたり、軽く頬をつねったり、じっとその顔を見つめ
たりする。
オリカはライナーの手を自分の中に導いていじらせていた。もう一方の手は自分の胸や
首筋を触らせ、その快楽の波に合わせて詩を歌い続ける。もう無意味に自分を抑制したり
しない。自分の感覚と詩は完全に同期していて、乱れることがない。
程なくして、ライナーが果てたので、また交代する。
オリカがライナーにキスをして、ミシャが身体を押し付ける。シュレリアはゆっくりと
ライナーに舌を這わせながら、これまでにもまして美しい歌声を奏でていた。
この頃になると、三人の意識や自我はほとんど失われていた。彼女達はライナーを慈し
み、癒し、浄化していくだけの道具のようにも感じられる。勿論、そんなことはなく、彼
女達は自分の意思で行動しているし、例えようのない悦びをも感じている。
しかし、ライナー自身の意識は殆どないままで、全てが終わった後、彼が目覚めたとし
ても彼は何も覚えていないだろう。ただ、深層心理に刻まれるだけだ。
三度目の放出が終わった後は、三人は順番とか位置とかに関係なく動き始めた。それぞ
れが思い思いの行動をしたが、それらは調和と友愛の旋律を奏でるのだった。シュレリア
とミシャが一緒になめ、ミシャとオリカで挟み、オリカとシュレリアが詩を歌う。三人で
奏でるシンフォニー。
そして、完全にライナーの中からウイルスが除去されだ。
「終わりました・・・」
「ああ、もう。自分が何をやったのか覚えてない」
「何か、変な習慣ができそうな気がするよ」
三人とも服を着ることも忘れて仰向けに倒れた。
「これってもう、したのと変わりないですよね」
シュレリアが息を切らせて言う。つーか、ある意味逆レイプじゃん?
「ライナーのことだから、何も覚えてないですよ、きっと」
さすがはミシャである。よく分かっている。
「でも、すっごい中途半端な気がするんだけど・・・」
オリカは欲求不満が溜まったようだ。
暫く休んで、起き上がったが、ライナーは眠ったままだ。その寝顔は病人のようだ。
「これって大丈夫なの?」
オリカがシュレリアに聞いた。
「仕方ありませよ。病気も同然だったんですから。それに、多分ライナーは相当苦痛だった筈です」
「え?ああいうのって気持ち良いんじゃないですか?」
ミシャが驚いた。
「いえ、その、現実ではそうなんでしょうけど、これはあくまでも治療ですから。私たち
と触れてる部分は癒しがあった筈ですが、放出する瞬間は痛みを伴ったと思います」
「それってトラウマになるんじゃ・・・」
「それは多分、大丈夫です。全部克服していましたから」
「そういえば、外のライナーはどうしてるんだろう?」
オリカの言葉で他の二人も思い出す。かなりの時間(精神世界での体感時間だが)が過ぎている筈である。
「何か、会うのが凄く気恥ずかしいんだけど」
ミシャが顔を赤くして頭を振った。
「服を着て、呼びに行きますか。待ちくたびれているかも知れません」
シュレリアがスタンダードに着替えて、気を整えた。オリカとミシャもそれに倣う。
宿屋を出ると、騎士ライナーは剣の稽古をしていた。
「おっ、やっと終わったんですか」
ライナーは剣を振るのを止めて、振り返った。顔を合わせるのが気まずくて、三人は微妙に目を逸らす。
「あいつは?」
「中で寝てるわ」
「じゃあ、目が覚めたら合体してこの階層のライナー探しに行きましょう」
「え?合体って??」
オリカが妙に反応する。
「いや、人格を統合しておくだけだけど。パラダイムシフトってわけじゃないけど、この
先はある程度力が必要だから」
シュレリアが返事をしようとしたとき、背後で爆発が起きた。シュレリアもミシャもオ
リカも爆風で飛ばされ、前のめりに倒れる。
宿屋が木っ端微塵に吹っ飛んだのだ。地面の底から炎が上がり、大地が巨大なあぎとと化す。
ライナーは三人を助け起こしながら、穿たれた穴を覗き込んだ。それは地の底から抉られた穴だった。
「なんてこった」
「ねえ!あの子は?」
ミシャが叫ぶ。中学時代のライナーがいた部屋は今はもうない。
突如世界が揺れ動き、暴走を始めた。
「駄目だ。この階層は崩れる。この穴に飛び込もう」
「どういうことなんです?」
シュレリアが説明を求めた。
「下の階層。多分、レベル8の俺が攻撃してきたんだ。レベル3の俺とそれからレベル4
の俺もやられたんだろう。階層の支柱を失ったことで、世界が崩壊しているんだ」
「それじゃあ、何とかしないと!」
「だから、この穴に飛び込むんです。これはレベル5にも通じている。せめてレベル5を味
方につけないと、あいつには勝てない」
「あいつって?」
「今は説明している暇はない。行こう」
ライナーは三人のレーヴァテイルを促して、先に穴へ飛び込ませた。
「ちくしょう。ウイルスのせいで、あいつが覚醒することになるなんて」
ライナーは一人歯軋りをして、悔しがった後、意を決して彼女たちの後を追った。
(次回はエロくないよ)
txtでうpするとか無理なん?
いちおー感想としては状況説明ばっかで山場がない(ように思える)からひたすら平坦な感じ
ここまでオリ設定全開だともうついていけません
ホントごめん
長いな。
サイトでも作れば?
これはこれで俺は好きダナ。こういうのもまた良し。
ミシャメインならなんでもいい俺
762氏gj!
OVAは酷い
オリカのパンツ以外見るべきところがないなんて……
フェイマもラードを詩で支援するだけでストーリーに一切絡まない
レベル5
ライナーたちはかろうじてレベル5に降り立った。
レベル8から通じる穴は、間の階層全てを貫いていたのだ。
「折角、あの子を助けたのに!」
ミシャが悔しそうに言う。
「また、ウイルスに汚染されちゃうの?」
あれだけ苦労してやっと退治したのに、水の泡である。オリカは身体の奥から熱くなるものを感じた。
「一つだけ、幸いなのは女嫌いな部分を直せた後ということですね」
シュレリアも脱力していたが、何とかそう言った。
「女嫌い、直ったんですか?」
ライナーが意外そうな顔で言ったので、三人は思いっきり焦った。
「た、多分ね。大丈夫だと思うの」
「それなら、そいつらを取り込んだレベル8を倒せれば何とかなると思うんだけど」
ライナーは珍しく自信なさそうだった。
「ライナー。レベル8って?」
シュレリアは気になっていることを聞いた。
「簡単に言えば、エスです。イドの化け物。全ての欲求であり、生存本能の根源ですよ。
ちなみに俺は超自我の代表格みたいなものなのですが、それ程力はありません。レベル8
はそれだけでなく、タナトスまで持っている。あいつに目覚められると俺はどうなるか分からない」
シュレリアは目を見開いて驚いた。
「ライナー?あなたがそんな難しい言葉知っているなんて、何だか夢を見てるようです」
「注目すべき点はそこじゃないんですけどね」
ライナーは苦笑した。
「井戸の化け物って?カエルか何かがいるの?」
オリカだけは分かっていない。ベタな聞き間違いで勝手な想像をする。
「馬鹿ね。そうじゃないわよ。人間の心の中の構成をいうの」
ミシャは説明しようとしたが、オリカに分かる形で伝える自信がなくなり、黙り込んだ。
「んーよく分からないけど、要するに悪魔ライナーってこと?」
「まあ、それが一番単純で分かりやすいかな」
ライナーは笑って答えた。ただし、天使ライナーは存在しない。それはこの騎士ライナ
ーのことを指す。だから、対比させるなら、レベル8はドラゴンのようなものだと言える。
「とにかく、俺はレベル1と2の力しか持っていない。あいつは恐らくレベル3と4を取
り込んだ。だから、せめて俺はレベル5と7を味方につけたいんだ」
「階層の人格って深いほど強いんじゃないの?」
オリカは不思議そうに聞いた。
「人間の場合は必ずしもそうではないんだ。それに何だかんだといっても、有意識と無意
識の間には結構な力の差がある。そのバランスを取るのが自我なんだけど、それはお互い
の引っ張り合いで決まるしなぁ」
「本当に、どうしてあなたがそんなことを話せるのか、不思議でしょうがないですね」
シュレリアは結構拘る。
「レベル6は?」
ミシャはさっきのライナーの話で抜けている階層の人格について、質問した。
「あー、レベル6はどっちかって言うと、レベル8よりだから、元々勘定に入れていないんだ」
ライナーは申し訳なさそうに言う。
「それじゃあ、すぐに行動しましょう。かなり時間をロスしましたから」
シュレリアがリーダシップを発揮して言った。
階層を貫く崖となっている部分から離れ、歩き始める。この世界は星空に覆われていて、
やけに星が綺麗だった。元々、ソル・シエールは星がよく見える。
「何だか、ロマンチックだなぁ」
オリカが嬉しそうに言った。
「ホントね。暗闇は好きじゃないけど、これだけ星が瞬いてくれていれば、寂しくないわね」
ミシャも空を見上げていった。
「文明の停滞期には汚れた空が天を覆い、ろくに星も見れなかったと聞きます。その代わり、
地上に星が瞬いたという話ですが、皮肉なものですね」
シュレリアは感慨深げに呟いた。
「ところで、ライナー。この階層のライナーはどんな人格なんですか?」
「そうそう。レベル4のライナーとも会ってないわね」
「う〜ん」
ライナーは暫く黙って何かを探るように唸った。
「どうやら、この階層のライナーは力の象徴みたいですね」
「力の象徴って?」
「俺の精神の中で、主に力を担当する人格です。夢見がちで、考えなしに行動する奴」
「あはは。それってライナーそのままじゃん」
「オリカ・・・」
「ライナーはロマンチストなんですよ」
シュレリアは笑顔でフォローした。
「レベル4の俺は現実主義者で主に知恵を担当します」
「今のライナーも結構頭良いと思うけど?」
「知識と知恵は違うんだよ。俺は情報と論理を持っているだけで、新しいものを組み立てる能力がないから」
「へえ」
オリカも感心してみせた。
「レベル2や3のライナーとはタイプが違うんですね」
「あいつらは過去の記憶がメインですからね。人格によって管理する記憶の領域が違うん
ですよ。だから、人格の死は記憶の消滅だし、記憶を失うということは人格の欠如を意味します」
ただ、記憶の管理者は交代することもある。人格と記憶は密接に関連しているが、そう
でない自由な部分もあるのだ。
町の明かりが見え出した。最近できたばかりの町のようだが新しい。基本はネモを元にしているらしい。
「よう。ライナー」
町の入り口で待っている男がいた。
「ジャック!」
「よく来たな。待ってたぜ」
ライナーはジャックに駆け寄ったが、ジャックはライナーを素通りして三人娘の下へ向った。
「待っていましたよ。お嬢さん方。ミシャ、相変わらず美しいな。オリカ、お前、本当に
そそる身体してるな。シュレリア様。疲れていませんか?良かったら、これから景色の良
いレストランで食事でも・・・」
「おい!ジャック。何だよ、俺を待っていたんじゃないのかよ」
「うるさいな。お前なんか待ってねえよ。さっさとここのライナーでも探しに行けよ」
「このアル兄はらしいわね」
「最初は空気が重いとか、幼いとか言ってたくせに」
「折角の申し出ですけど、私たちはやることがありますから」
シュレリアは丁重に断りを入れた。
「あーあ、やっぱ駄目かよ。全く、何でライナーばっかり・・・」
ジャックはぶつぶつ言い出した。
「何で、ジャックはそんなに意地が悪いんだ?」
「意地が悪いのはお前の方だろ、ライナー?どうして俺がレベル5なんだ!」
「結構深いところだと思うけど、不服なの?」
ミシャが不思議そうに聞いた。
「深さなんて関係ないんだよ。俺だってあの世界で楽しくやりたいのに!ライナー!俺をレベル6に連れてけ!!」
「レベル6って・・・?」
シュレリアの問いを適当に誤魔化し、ライナーは別の話題を振った。
「ジャックにはリルラがいるじゃないか」
「冗談じゃねぇ!あんな子供っぽいの」
「それにしてもリルラって歳いくつなの?」
オリカが訊ねた。
「アル兄がイム・フェーナを出たのが、6年前でしょ。その頃から知り合ってたわけだから・・・」
「成長すれば、結構な美人になるかも知れませんよ」
シュレリアが適当なことを言う。
「うん?でもなあ、それまでがなぁ」
ジャックは悩み始めた。
「そんなことより、この階層の人格がいるところに案内してくれよ」
「只じゃ教えられねえな」
ジャックは手を差し出した。
「何が欲しいんだ?」
「ミシャかオリカのどっちかくれ」
ガツン!
ミシャの鉄拳攻撃が決まった。
「わ、分かったよ。冗談だって。俺はライナーの中のジャックなんだから、逆らうわけないだろ!」
ジャックは涙目で町外れを指差した。
「この階層のライナーはあの町外れにある廃屋に住んでいる。せいぜい頑張りな。あいつ
は気合で青い獣を斬るような奴だからな」
ジャックはそう言って去ってしまった。
「結構強いってこと?」
「唸れ疾風!を生み出すくらいだからな・・・」
気合で何とかしようと修行した結果だ。
ジャックに言われた通り、廃屋へ向った。そこは昔の道場のようなところだった。何や
ら厳しい門構えと屋敷の雰囲気だ。広い庭は荒れ放題で、妙な器具や壊れた岩などが散乱
している。そして、それ以外に驚くものが転がっていた。
「これって・・・」
ミシャが戦慄した様子で言った。
「ウイルス・・・だよね」
オリカも息を呑んで、ライナーの肩にしがみ付いた。
そこには何百というウイルスの死骸の山が積み上げられていたのだ。
「どういうことです?」
シュレリアが警戒しながら、周囲を見渡した。
ライナーは壊れた建物の中に大声で呼びかけた。
「いるんだろ!出て来い!!」
物音がして、何者かが現れた。それは装束のようなものを着たライナーだった。
さしずめ、武闘家ライナーといったところか。
「よお。来たかライナー」
鷹揚とした様子で、気さくに呼びかけた。特に敵意などは感じられない。
「シュレリア様たちも来たんですか。大変だったでしょう」
「これはお前がやったのか?」
騎士ライナーは憮然として言った。
「ああ、そうだ。つい先日大量に発生しだしてな。雑魚なんだが、弱すぎて逆に面倒にな
ったから親玉もまとめて倒してやった。それからは平和なもんだ」
武闘家ライナーはあくびをかみ殺した。
「凄い・・・」
「大したものね」
オリカとミシャが感心して言う。
「それじゃあ、あなたは別にウイルスに感染しているわけではないのですね」
シュレリアは武闘家ライナーに確認した。
「ああ。俺がこんな連中にやられるわけがない」
さすがに自信に満ちている。心なしか体つきも普通のライナーより逞しい気がする。
「お前に頼みがある」
騎士ライナーは仕方なくといった感じで切り出した。
「この世界、俺の精神は今ウイルスに汚染されている。それだけならまだしも、あいつが目覚めちまったんだ」
「ああ、レベル8のことか」
「そうだ。そいつを倒すのにお前も協力して欲しい」
「嫌だね」
武闘家ライナーはにべもなく断った。
「やっぱりか」
「え?」
「どうして?」
オリカとミシャが納得できないという感じで問うた。
「こいつは強いけれど、協調性とか、助け合いということを考えない奴なんだ」
騎士ライナーは吐き捨てるように言った。
「当然だろ。俺は一人で充分強いし、誰かの為に何かをするつもりもない。ウイルスだろ
うが、レベル8だろうが、恐れるものは何もない。一人きままに、そして自由に生きるの
が一番だ。他人なんか、面倒なだけだろ」
「ライナーの中にもこういう人格がいたなんて・・・」
シュレリアも驚いている。
「どうしても協力しないというんだな」
「ああ。協力して欲しいなら、力ずくで来い」
武闘家ライナーは不敵に笑う。
「そんな。自分同士で戦うなんて」
「仕方がない。ミシャ、シュレリア様もオリカも下がっていてくれ」
騎士ライナーは剣を抜いて構えた。
「戦うなら、私たちも」
「これは俺の戦いです。邪魔しないでください」
騎士ライナーは譲らなかった。
「てやあああああ」
気合と共に剣を振りかぶって騎士ライナーが間合いを詰めた。武闘家ライナーは低く剣
をかわすと、そのまま足払いをする。
騎士ライナーは反転してそれをかわし、至近距離からインパルスを放った。
「唸れ疾風!!」
カマイタチの刃が武闘家ライナーを襲う。
「そよ風だな」
武闘家ライナーはせせら笑った。
「唸れ旋風!!!」
武闘家ライナーは寸前で騎士ライナーの剣と風の斬撃をかわすと、頬を切りながら、
カウンターで拳を撃った。拳を中心に旋風が巻き起こり、騎士ライナーの防御を弾いて、
その身体を吹っ飛ばす。
騎士ライナーはそのまま建物の壁が壊れるほど叩き込まれ、反動で前のめりに倒れた。
「ライナー!」
オリカの悲鳴が上がる。
「あはははは。お前の技は全部、俺が生み出したものだぜ?現実世界の俺がまだ扱えない
技でさえ、俺はすでに持っているんだ。助け合わなきゃ戦うこともできない弱っちいお前
なんかが相手になると思ったか?」
武闘家ライナーは追撃もしないで高笑いをしてみせる。
「ち、ちくしょう」
ダメージで身動きのできない騎士ライナーと武闘家ライナーの間にシュレリアが割って入った。
「これ以上はさせません」
「シュレリア様!これは、俺の戦いです。邪魔しないでください!」
騎士ライナーは強く叫んだ。
「ライナー、勘違いしないで下さい」
シュレリアは厳しく言った。
「あなたの存在意義は何です?」
「俺の、存在意義?」
オリカとミシャも倒れたライナーの下へ駆け寄った。
「あなたの存在意義は“誰かを守ること”でしょう?そんなあなたがどうして一人で戦う
のですか?自分独りを守る事しかできない相手と戦うのに、どうしてあなたまで一人で戦
おうとするのです。私たちはライナーと共に。そしてあなたも私たちと共にあるのではないですか?」
シュレリアは悔し涙を流しながら諭した。