フィール「レオン、アルミラが変だ!!」
カイン「フィール兄ちゃぁぁぁぁぁん」
ピクミン「フィールお兄様!」
ジュジュ「フ、フィール…お兄ちゃ、ん…?」
>>951 (*´ω`)いいなぁ〜
ガルム「ふぃ〜るにぃにぃ///」
>>839のその後
ヴィティス×ジュジュ投下します。
前編です。
注意:凌辱(?)
二人は水の階層を移動していた。
遠くから大量の水が流れ落ちる音が聞こえる。いたるところに小さな流れがあり、通路で
すら岩壁から水が染み出している。これだけの水があるのに淀むことなく流れてゆくのは、
彼らの神――水神が取り込んでいるからだろうか。それとも元々水源が水の神で、ここ
には二人も知らない細かな水路が存在するのか。
そんな事を考えながらジュジュはヴィティスの後を付いて歩いていた。濡れた壁を指先で
たどりながら、薄明るい迷路を進む。
ところどころざわめいているのは岩棚の下にしもべ達がいるからだろう。
任務を終えてからこっち、沈黙を守っていた男が口を開いた。
「ガルムに聞いたよ」
「な、何をよ…」
前方を向いたままの彼にジュジュは思わず問いかけたが、何のことかは見当がついていた。
あれは何日前の話だったか。
「小娘」
「なによ、犬っころ」
「ふん、その口の悪さは何とかならないのか。…まあいい」
ガルムはあえて文句を言わず話を続けようとした。
「レオンの事なのだが…」
「…!……あいつが何?何か言ってたの!?」
思い出したくも無い出来事に、顔つきが険しくなる。
獰猛な獣のように笑う男に唇を奪われたのだ。もちろん彼女はそのことを誰にも言って
いなかったが、現場を誰かに見られていたことに気付かなかった。
彼女の表情に怪訝そうな顔をしたものの、二人の間にあったことなど知らない彼はさっさと
用件を話してしまうことにした。
「何か、というほどの事ではないのだが」
ガルムはこういったことを話すのは好きではないし、相手が相手だ。疎ましがられるのは
覚悟の上である。それでも彼は年長者として気付いたことは言っておくべきだと考えて
いた。
…しかしなんと話せば良いものか。
まさかレオンがいきなり無体なことをするとは思われないが――その程度には大人だと
信用しているが――男女の間には時々思いも寄らないことが起きる。この少女ではうまく
男をあしらえないだろうことを考えると、やはり一言いっておいた方がよい。決まった相手が
いるのだから。
「だから……、ぬぅ……個人的な事情に口を挟むつもりは無いのだが…」
「煮え切らない話し方するわね、はっきり言いなさいよ!」
ジュジュは不愉快な記憶と言いよどむ彼に苛立ちが増す一方だ。
「レオンは貴様が最近妙に女の気配をさせているので気になっているらしい」
「……は?」
「俺はこういう話は得意ではないのだが、まぁそういうことだ。わかったな?気をつける
ように」
それだけやっと言うと、ガルムはそそくさと去っていった。
「………」
ジュジュはいつものように彼を馬鹿にすることさえ忘れていた。
気をつけるべき相手には既に手を出されてしまった。まぁ仕返しも少しはしたが。だいたい
今の彼の言い方には具体的なところが無く、何に(これは主にレオンに対してだろうが)、
どう、気をつければいいのかまったく分からない。女の気配、と言われたことに最初は自分
が女らしくなったのかと口元を緩めたが、そういう印象を与えた原因に考えを巡らせると、
思わず両手をぎゅっと握り締める。
一つ、思い当たることがあった。
男が足を止め振り返る。首をかしげて彼女を眺めると、面白そうに尋ねた。
「君の変化か…私が原因かな」
わざわざヴィティスに言うような事ではないだろうが、ガルムは風紀が乱れる等、そういう
ことを心配したのかもしれない。そのなかにはジュジュへの配慮があったのだが、もちろん
彼女には伝わらなかった。
ジュジュには余計なことを告げ口して、という感想しかない。
「あたしがそんなこと、知るわけないでしょっ!」
彼が色めいた話をする時はいつもきつく返してしまう。照れ隠しなどと言うわけではなく
話を誤魔化したいのだろうが、今まで上手くいったためしがない。ヴィティスには彼女の
反応を楽しんでいる節があり、それがまた彼女を苛立たせた。
「他の男をひきつけるのは問題だな。どうしようか?」
「知らないってば!あんたが原因なんでしょ、だったらあんたが何とかすれば!?」
「そうだな…では君が他の男に誘惑されても目を向けたりしないよう、私に夢中にさせる
ことにしようか」
「ちょっ……、何それ、別に他の男なんか見ないから必要ないわよ。おかしな発想するの
やめてくれない?」
また変なことをされるかと焦って返事をする。
そうかな、と自分の肩ほどしかない少女を見つめて思い出したように呟いた。
「それにしてはレオンに随分と情熱的なキスをしていたようだが」
ぎくり、とヴィティスを見上げる体が硬直する。さっきの台詞を言った手前、なんだか後ろめ
たいようだ。
「!――見てた、の…?」
彼はすましている。表面上は、ではあるが。
「ああ」
「どこから…」
「もちろん最初からだ」
「えぇ!?じゃ、止めてくれれば良かったじゃない!そしたらあんな――」
いつもあたしを自分の物みたいに扱うくせに、と彼女は心の中で文句を言った。他の男
が手を出すのを黙って見てるなんて、と。しかし口に出せば彼の良いように解釈されて
しまうだろう。
「あんな…何かな?」
薄紫の瞳はまっすぐに彼女を見ている。
あんなことをしなくて済んだのに。
こっちからしてやったのは意趣返しだったんだから。
あの時のレオンの恍惚とした表情!
あたしなんかに気持ちよくさせられて、馬鹿みたい。
ざまみろだわ!
「…んなこと、しなくて済んだのに…」
そっぽを向いて答える彼女の頬は朱に染まり、まるで拗ねているようだった。
「呼ばれれば止めていた。関係の無い者がいきなりやってきて口を挟むのは無粋だろう」
「呼べばって…そんなこと出来るわけないじゃない!」
そこにいない男の名を呼ぶなどと、二人の関係を暴露するようなものだ。それに口を
塞がれて一体どうして声を出すことが出来よう。
「まぁ、そうだろうな」
「あんたねぇ、ふざけてるの!?……あたしだってしたくてしたわけじゃ、無いんだから
ね……」
最後は呟くようだった。ヴィティスに義理立てするわけではないが、あんなところを見られて
バツが悪いのだろう。
「ジュジュ」
壁に手をかけ寄りかかるような姿勢に、狭い通路のこと、たちまち彼女は進路を塞がれて
しまった。
「…何よ」
「私はその『したくてしたわけじゃない事』を君にしてもらったことが無いのだが、それに
ついてはどう思う?」
つまらなそうな声にジュジュは思わず目を見開いた。何を言っているのだ、とその表情が
語っている。
「どうもなにも、あれはレオンに嫌がらせにしたことよ!?嫌がらせ!!」
「その割りに彼は陶然とした表情をしていたが」
「だって…それはだって…ほら、あいつ、あんな顔して馬鹿みたいだったでしょ…?
あははは、は…」
ヴィティスは無言で彼女を見つめている。
「…っていうか……う、うるさいわねっ!自分もして欲しいならそう言ったらどうなのよ!」
話を逸らそうとしつつも逸らせなかったので、いつもの調子で怒鳴ってしまった。こう言えば
それ以上は求めないだろう、と思ったのだ。しかし。
「して欲しいな」
「えっ?」
思わず聞き返す。返ってきた予想外の答え。
「もう一度言おう。そのレオンにした嫌がらせを、私にもしてみたまえ。彼にですらああ
なのだから、私へならもっと文句があるんじゃないのか?遠慮は無用だ」
「なっ…」
なんだか偉そうだが、ありていに言えば口付けをおねだりされているのだ。
向こうはいたって真面目な顔をしているが、彼女はたちまち下を向いてしまう。自分から
言わせたくせに妙な照れから顔が熱くなる。
「私にもしたいだろう?」
その声には楽しげな響きがあった。
「し、したいだろうって…あんた……」
本当にしたいのは口付けじゃなくて嫌がらせなのだと、分かっていてこういう話し方をする。
ずるい男だ。
「………目、瞑りなさいよ…」
どうせこうなったら彼の言うことを聞くしかないのだ。
自分が言い出した事なんだからとジュジュは諦めるような気持ちで、まっすぐ自分を
見つめてくるヴィティスを睨みつけるようにして言った。
彼は素直に指示に従い目を閉じる。
ジュジュは背の高い彼の胸元を掴むと、自分のほうへゆっくりと引き寄せた。そして唇が
触れた刹那、離れてしまう。彼女からするのは初めてだから、とは理由になるのか。ひどく
緊張しているせいで呼吸を抑えるのがやっとだった。
目をそっと開いて彼を見れば穏やかな顔で微笑んでいる。
ジュジュは視線を左右に彷徨わせた。これで勘弁してくれないかしら、とその表情が訴えて
いる。
しかし大きな手がふわりとジュジュの顔に触れ、親指が頬を撫でた。続きを催促しているの
だろう。
もう一度目を閉ざすように言うと、再びついばむように口付ける。離れた唇に角度を変え
て何度も触れた後、やっと彼の内側へと入っていった。
「ん……」
レオンの時の様にぐいぐい進められないのは何故だろう。とても遠慮がちな自分の舌の
動きに彼女は困惑した。
ヴィティスの方は自分から行動を起こす気が無いようで、小さな舌が自分の口内を動く
のをじっと感じているだけだ。
歯茎をいくと歯並びが良いのが分かる。
性格が歯並びにも出てるんだわ、とジュジュは舌を這わせながら考えていた。
自分の意思でやっている訳ではないのに頑張ってしまうのは、彼女の性格だからしょうが
ない。こんなものかと思われるのが悔しいのだ。その結果彼が喜ぶとしても。
「ふ……っ、ちゅ……ぅん…」
入り口をゆっくりと感じてから彼の舌に絡ませた。
ヴィティスも最初はおとなしくしていたが彼女が舌の裏をなぞっていくとそれに合わせて
応えるように動いた。彼女をやさしく包み、吸い、焦らすように舌先で触れる。
ジュジュは自分に快感をもたらそうとする彼の動きに眉をひそめた。傍から見ればそれこそ
陶然としているように見えただろう。
そっと目を開くと彼の視線もまたこちらを窺っていた様で。
「…!」
彼女は顔を紅くして彼の目を隠した。両手で瞼を覆って見えないようにする。
ずっと彼女の表情を眺めていたのだろうか。
「お、終わり…」
彼との間に距離を置きつつ隠した手を外す。
言う通りにしたので満足したかと思えば、彼の目は何故か冷たい光を宿していた。
彼の手が顔の横に浮いていた彼女の腕をとると、信じられないような力で握り締める。
「やっ…いった…!何すんのよ、これでいいんでしょ!?」
いきなりの暴力に彼を非難するが、彼は何故責められるだろう、といった顔だ。
「違うだろう?君はレオンにこうしていた筈だ」
感情のこもってない声で答えると、痛いほどの力でジュジュの顎を掴み口付けた。彼女の
抵抗を簡単に押しのけて舌を侵入させる。先ほどの彼女に合わせるのと違って、一心に
欲望をぶつけてくるような動きだ。彼の舌はそれのみで一つの生物のように自在に動き
彼女を翻弄した。
ジュジュは混乱とヴィティスの口付けの激しさに、合わせて動く余裕も無かった。彼の突然の
変貌にひたすら引きずられている。舌を引き寄せるように吸われて苦しいのか、胸を押して
逃れようとした。しかしそんな抵抗にも意味はなく、合間に苦しそうに息をつくのがやっと
だった。
「んっ…!んん――ッ!」
絡め取られた舌を噛まれ、ジュジュが悲鳴をあげた。それは甘噛みなどという優しいもの
ではなく、切れてこそいなかったがそう思うほどの痛み。
彼の力が緩んだのに慌てて体を離す。
「な…なに?怖い顔、してる……」
「そうかな?」
そういってヴィティスは自分の顎を撫でる。なんでもないような顔をしているが、いつも通り
なのが余計に彼のおかしさを際立たせていた。
明らかにいつもと違う行為に、自分で気付かないはずがない。
「そんなことはない」
ジュジュは彼の思惑が分からず頭を振った。さっき微笑んでいたのは見間違いだったの
だろうか。何を考えているのか分からないというのはいつものことだが、こんな風に人を
脅えさせるようなことは無い。怒っているのでなければなんだと言うのだ。
彼女の黒い瞳は彼を凝視している。さっきと何処が違うのか、なぜいきなりこんな態度を
取るのか読み取ろうとしているのだろう。しかしその心の底にあるのは彼に対する恐れ。
ほんの少しの身動きにも大げさに反応しそうな程の。それにぎりぎりのところで立ち
向かっていた。
底冷えのする目、その表情は知らない人のようだ、とそう思った瞬間に気付いた。
無表情な人物はその内面に嵐を抱えていても普段とあまり変わらないので分かりにくい。
「ねぇ、イライラしてるの?」
らしくないわ、と思って問いかける彼女の目には涙が滲んでいた。視界がぼやけるのに、
目元を拭う。
緊張と、恐怖。
それがこの場を支配している。
涙をはらってもまた湧いてきてその向こうで彼の口元がゆがむのが見えた。
「その位はわかるのか」
答える声は場にそぐわず面白そうで、彼女の体を強張らせる。ジュジュの手を取り引き
寄せると、再びの口付け。今度はあっさりと離れ、言葉を継いだ。
「だが、それだけだ」
「なんで……」
「話す必要はない」
思っていた通りの回答。
付き合いはそれなりに長いし、他の御使いたちよりは彼のことも知っている。それでも何を
考えているかまでは彼女には分からなかった。こんな風に接するからには、彼女に原因が
あるのだろうが、もう問い質す気力もない。
それでも会話を拒否するような態度に腹が立って、彼の胸を軽く突き飛ばした。何をしても
押し倒されて彼の気が済むまで抱かれる事に変わりはないのに。
しかしそこで彼のとった行動はまたも彼女を驚かせた。
「きゃ…い、痛い痛いっ…――やめてよっ!!」
背を壁に押し付け逃げ場を奪うと、ヴィティスは桃色の髪に手を伸ばし、仰け反るほど強く
後ろに引っ張った。
それは気を逸らして隙を作る為では無い、ただ痛めつけるだけの力、痛めつけたいだけ
なのだと、彼女は直ぐに悟った。あまりに容赦なく引くので髪の毛がブチブチと抜ける感触
がする。耐えられず、ジュジュは彼の力が加わる方へと体を傾けた。
「…っ、やだ、やめて!…ねぇ…言うこと聞くから……こんな風にするの、止してよ」
涙を流しての懇願にも、何の感慨もわかないらしい。それどころか口角を上げて楽しげに
彼女を眺めている。
「何か勘違いしているようだが、私は言うことを聞かせたいわけではない。君に思い知ら
せたいだけだ。――こんな風に」
髪を引き下げ、ジュジュを無理やり上向かせると彼女の頬に舌を這わせた。それは愛撫
ではない、仕置きのための行為。そう彼の様子が語っている。耳へとゆくと、やはりそこ
へも噛み付き、彼女の悲鳴を引き出した。
「い…!…ったぁ……やだ………もう、離してっ」
あまりの痛みに耐えかねて手を振り回せばあっけなく捕まれ、またも頭を吊り上げる。髪が
抜ける感覚におののきながら、彼女はまるで手綱で操られているみたいだと感じていた。
思いのままに操る為の、誘導する為の。
彼女を見ると誘導、などという生易しいものでは無いと思われたが。
悲鳴を聞きたくないのか口を塞ぎねっとりと絡ませる。気が済むまで彼女を貪ってから
首筋へと動いていった。彼のあとには赤いしるしが残り、隠せるところに、という配慮は
まったく感じられない。
彼女の視界に薄金色の頭頂部が映る。
舌が胸元までゆくとヴィティスは服を一気に引き下ろした。華奢な体に相応しいふくらみが
露になる。
服に手を掛けられて、分かっていても緊張するのか彼女の肩が縮こまる。
彼はむき出しになった胸へ手を伸ばすと、そのやわらかさを確認するように揉み上げる。
なんとなく、程の存在感だった先端もたちまち硬さを帯びていき、ヴィティスのひんやりとした
指先がそこをやさしく弄んだ。
「…ふ……ぅんっ…」
時折漏れる声には、抵抗している女のものとは思えない響きがある。彼女は小さな手を彼の
手に重ねてその動きを制限しようとしたが、やはりそれは叶わなかった。
「―――っ!」
また、突然の痛み。
大きな手は彼女の胸をぎゅう、と握りしめるようにつかんでいる。絞るように。
耐えるジュジュの肩は、はぁはぁ、と短く息をつくのに上下しているが、その吐息も遠くの
轟音に混じって消えてしまう。
その手が緩んだかと思えば今度は、胸に押されるような感触。爪を立てたのだろう、と思う
間もなく斜めに痛みが走った。血が出たかもしれないが、涙に滲んで見えないからか彼女も
あえて目を向けなかった。
片手が大腿へと降りてゆき、外から中へとやさしく撫でている。彼の唇は、先ほどしたように
今度は胸に、舐めて、吸って、甘噛みをして。いやな予感が外れるのを祈れば、やはり
きつく噛み付かれた。それは相当に痛く、本当に食い千切られるかと思うほど。
今のヴィティスの様子に本気でそれを心配して、注意を引くように肩を叩く。
「やだ…っ」
小さな声に歯を立てるのをやめると、彼は再び音を立ててその肌に吸い付いた。
恐怖にぎゅっと目を閉じ涙を流しながら、彼女は今までの認識に誤りがあったことを感じて
いた。男の強引さとはこれ程のものだったのかと。
彼との関係はもともと強制から始まった事だったが、それでも随分手加減されていたらしい。
本当に有無を言わせないとはこういうことなのだ。女には決して抗えない力。暴力。そして
これ以上の抵抗すれば間違いなく殴られるんだろうと恐怖を呼び起こし、諦めさせる。
自分の意思なんか無いものにされてしまう恐怖。
ヴィティスは彼女の手を自分の胸元へと導いた。
小さな手はその意味を既に知っている。微かに震える指ではなかなかおぼつかないが、
やっとのことで肩へと連なる紐を解くと襟を緩め、上着を肩から後ろへとすべり落とした。
宙に舞う水分を含んでいたためか、足元でずしりと重たげな音がする。
965 :
953:2007/08/05(日) 09:51:01 ID:+oQeaNjD
すみません、連投規制(?)されました。
ちょっと時間がないので前半の残りは夜にあげます。
太腿を撫でていた手が脚の付け根へと動いた。
「ひゃ……!」
いきなり服をよけて侵入する手に声が上がる。
彼は閉じようとする脚に膝を入れて阻み、指は中の状態を確認するようにかき回した。
「ふむ…」
「……ん、……ふっ…やだぁ」
「いつもより濡れているな…」
「――っ!」
ジュジュが羞恥に顔を歪める。
彼にはそれがなんとも気持ち良く感じられた。
「君は乱暴にされるのが好きだったのか」
「ち、ちがっ……!」
言葉で、手で辱められ細い腰が震えている。
ヴィティスはずり落ちそうになる体をもう一方の手で支え、自身の体ごと更に強く壁に押し
付けた。
「あ…!――っや、やめてよ、こんなところで……んぅっ」
下腹部に押し付けられる硬くなったものに慌て、今さらの苦情を出すがやはり聞き入れ
られる事は無かった。
彼は問答をするのが面倒なのか、彼女の口を塞いでしまう。
「…ちゅ……っ…っはぁ、っ…」
彼が更に身動きすると敏感な部分に熱いものが触れた。そこは彼の欲望にひくひくと反応し、
ジュジュは恥ずかしさから目をきつく瞑る。
ヴィティスは彼女の体を挑発するかのように、口付けを繰り返しながら彼女の入り口を
犯した。焦らすように触れ、ひだをめくるようにしては離れる彼のものに、太腿につ、と蜜が
こぼれる。
「ぅぅ……っく、ひっく…ん…あぁ…ふぁ…っ…ちゅ…」。
紅い唇から泣き声の合間に喘ぎ声が漏れる。
どんなに嫌がり抵抗しても、彼の手に反応する体には説得力が無いだろう。それがどんなに
惨めで情けないことか。
これまで数え切れないほど二人は体を重ねてきたが、彼の強引に動く手はいつも丁重に
ジュジュを扱っていた。やんわりと退路を断ち、彼女の抵抗をすり抜けて、やさしい手つきで
開かせてゆく。なのに今同じ男に味わわされているのは言いようの無い絶望感。それでも
この先にいつもの感覚が待っているのだろうか。
彼女はもう自分の体のことすら分からなくなっていた。
ヴィティスはというと、彼には珍しく終始口の端をあげ満足そうな顔をしている。それは
彼女を支配している、という嗜虐的なものから来る表情だった。
自身を密着させたまま両の手で彼女の腿を撫でるとそのまま持ち上げる。互いの秘部を
隔てるものがそこから溢れる粘液のみとなって、ゆっくりと重なり一つのかたちになった。
「きゃ…!…っやだ、ヴィティス!こんな、…こ…なの…やだ…っ……!!」
抱え上げたまま挿入され、和姦ではありえない強引さに彼女は改めて恐怖を感じた。
「やめて、や……怖い…、ねぇ!」
前後を彼と壁に阻まれ、横にしか逃げ道は無い。落ちて怪我をしてもいいと体を傾け逃れ
ようとしたが、彼はそれを許さなかった。
「は…はっ……んんっ……っく、はな…してぇ……」
脚をしっかりと抱え込み突き上げる動きに、彼女は更に涙する。
それは恐怖からか、悲しみからか、それとも強引な愛撫から徐々に感じ始めていた快感
からか。
彼は涙の理由などどうでもよく、ただ身の内にある凶暴な衝動を発散させたかった。
『ねぇ、イライラしてるの?』
ヴィティスは抽迭を繰り返しながら、さっき言われた言葉を回想していた。
そう、苛立っている。
彼女に?
レオンに?
自分の感情がこうもままならないものだとは。
彼女の脅える表情に、えもいわれぬ悦びが湧き上がる。辱め、貶め、屈辱の果てに堕ちて
ゆく姿が見たかった。彼女の瞳は固く閉ざされ、もう私を映してはいない。映っていれば、
どれほど意地の悪い顔をしているだろうと思う。だが。
花開かせたのは私。
ならば。
枯らせるにせよ、踏みにじるにせよ――それをするのは私以外であってはならないはずだ。
他者が欲しい儘にするなど許せるはずがない。
その思いが彼の動きを一層強いものにする。
「くっ……!あまり、締め付けるな…」
「――っ!」
彼女は頭を振って答える。今の状態では何を能動的にするのも無理なのだ。
不安定な体勢から縋り付いてくるジュジュの手に力が入るのを知り、ヴィティスは自身を、
彼女を頂点へ連れて行くためさらに腰を叩きつけた。
「あ…っ……ぁあ!…や…っ…」
最奥を突かれ、彼女の腰が動く。その瞬間が近づいたのか、背を反らすといよいよ体内の
彼を圧迫した。男の肩のあたりで揺れる顔は悦びとも苦しみともつかない表情をしている。
「…いい顔だ」
口角を上げ聞こえていないだろう耳元で囁くと、彼はうずまく感情をほとばしらせた。
〜つづく〜
たびたび申し訳…全部上げれたので
残りはそのうちに。
ジュジュ(被害者)でこれなんだからレオン(加害者)はどんな恐ろしい目に遭うんだろうかw
ガクブルとwktkが止まらないまま全裸待機
保守
>>954の
ヴィティス×ジュジュの続き投下します。ちょっと長いです…。
ヴィティスは彼女の体も満足するのを感じてからようやく脚を下ろしてやった。
「ひっ、く……ふっ……うぅ……」
彼女は男の肩に手を掛けたまま、縋るように泣いていた。脚はがくがくと震え、崩れ落ちそう
になる。先ほどの行為がいつも強気な少女にどれだけ恐怖を与えたのか分かろうというものだ。
彼はそんな彼女の腰を抱きしめると、下から覗き込むように何度も口付けをした。今度は
噛み付くようなことはせず、やさしく、宥めるように。
「ん…っ」
暫くの間そんな風にされ、ジュジュも彼の様子に少し安心したようだった。唇が離れた後、
手の甲で頬の流れを拭いながらまだ潤む瞳で彼を見やる。
「ヴィティス…」
「何だ」
答える彼は、もうさっきのような怖い目つきはしていない。
「ぅ…すん……い、痛いのは…怖いの、も…ひっく…いやなんだってば……」
しゃくりあげるのに涙がまたひと筋こぼれ、細い指でそれをはらった。
脚を温かいものが伝っていく。ヴィティスから彼女に向けられた感情のしずくだ。
「……」
彼はジュジュの手をとると濡れた指先を口に含み、微かな塩味を味わった。心細そうに震える
背中を大きな手が撫でたが、それも色めいたものではなく彼女を慰める為のもの。
本人にもそれが分かって、安心からまたも涙が溢れた。
「ふ……うっ……っく…えぇ…ん」
「もう泣くな」
「だ、って…」
ヴィティスはいつまでも涙の止まらない顔を袖でごしごしと拭う。
「んっ…」
「さっき言ったことを覚えているか?」
「え…?」
「何でもしてくれるのだったか」
「――!……ぅ、うん」
よく憶えていないが確かにそんな事を言った気がした。何を要求されるのだろう、と不安に
なりながら先ほどの彼が怖くて素直に返事をする。
『何でも』とは言っていなかったのだが、そのことに彼女は気が付かなかった。
そうか、では、と低い声が心地よく響く。
「口でしてもらおうか」
「………」
ジュジュは目をぱちくりさせた。
やがてその意味に気付くと、顔は蒼くなり、次いで真っ赤に染まる。
「ぇ…え!?…く、くっ、口で?く、口でなんて…そ…んなの、したことないし…無理……!」
「……ここはしたことがある、といわれなくて喜ぶべきか?」
「そういう問題じゃ、なくって…」
混乱する頭で彼の冗談に真剣に言い返した。思ってもみない要請に驚き、いつの間にか涙は
止まっていて、かわりに彼女の口からはあぁ、とかうぅ、とか唸り声とも思える声がもれた。
いつの間にかヴィティスとの位置が入れ替わり、彼が壁に背を向けている。
「まさか前言撤回するようなことはないだろう?」
させてくれないくせに、とジュジュは心の底から恨みに思った。
ジュジュは腰に回された手が緩むのに、ずるずると膝をつく。
困ったような顔で横を向いていたが、えいやっと気合を入れるように一度目を閉じ、開くと
正面を向いた。しかしこれほど間近にするのは初めてだったので、目の前にあるものを見た
途端、手で顔を覆って床へしゃがみ込んでしまう。
「む、無理……!やっぱり、出来ない…」
この期に及んでらしくもない気弱さで泣き言をいう。
骨ばった手が彼女の頬に触れると、そこは火傷をしそうなほどに熱かった。
「怖がることは無い。これは君の髪を引っ張ったりしないし、噛み付いたりもしない。」
彼女の耳には遠まわしに、さっさとしないとさっきと同じ目に遭わせるぞ、と言っている
ように聞こえた。
しかしそれでも決心がつかないようだ。
ヴィティスは目を隠す彼女の手を取ると、己のものへと導いてやる。目をかたく瞑っていても、
指先に伝わるその感触に彼女はびく、と反応してしまう。大きな手はそのまま彼女の手ごと
自身を包み込むようにした。
既に1度したばかりだからか、上を向いていてもそれほどの硬さはない。だが彼女にはそんな
ことも分からなかった。
「ジュジュ」
「う…うん?」
「目を開いてちゃんと見たまえ」
彼の台詞に恐る恐る目を開くが、薄目に見るのが精一杯、やはりすぐに目を閉じてしまう。
手を彼に預けたまま下を向いてしまった。相当に恥ずかしいのだろう。
ヴィティスはそれを分かっていて、あえて彼女に答えにくいことを聞いた。
「どんな感じがする?」
「なっ………そんなこと…聞かないでよ…」
「何故。君の感想を聞きたいんだが……もっと全体を触ってみるといい」
そう言いながら彼女の手を彼の先端へと動かした。
細い指を案内しながら更に彼は尋ねる。
「どうかな?」
彼女は目を閉じたまま、その感触を確かめた。
「ぁ……あの、なんか、か……ぃ」
「聞こえないな」
「かっ、かわいい感じ、が…する……」
ジュジュの指先にあるそれは、柔らかく、ぷっくりとしていて彼女は言われるままにその
印象を語ったが、言ったあとで自分の発言に赤面した。何を言っているのよ、と心の中で
独りごちる。
「そうか」
ヴィティスの声には笑いが混じっていた。
「ではそのかわいいものにキスをしてくれないか」
「キ…!?」
思わず彼を見上げる。
「そう、こんなに上を向いて君を求めているんだ。さっきしてくれたように…出来るだろう?」
出来るか、と問われれば出来ると答えるのが本当だろうが、さすがにこの場面では彼女も
即答しかねた。
「……というか、始めないと終りが来ない。君がそれでいいならかまわないが」
彼女を諦めさせるものとして、これ以上の後押しはなかっただろう。
ジュジュは深呼吸をすると再び目を閉じて、自分が手を添えている部分に顔を寄せた。
人差し指で彼の先端をなぞり、位置を確認しながら慎重に唇を落とす。触れたものは手で
感じたよりも熱く、彼女に生きる者の生命力を感じさせた。
自然と目を開き自分がこれから慰めるものを見つめれば、彼の肌の色と違って生々しい色を
しており、それに彼女は気後れした。
男の欲望が具体的な形となって目に映るのは、それを発散させられる性として、どうしても
怖いものだと感じるのだ。
心細げにヴィティスに視線を送ると彼はどうするか、と彼女を試すような目で見ている。
目を戻し脳裏に彼の言葉を反芻しながら、彼女は先程より屹立したものに口付け、やさしく
吸いついた。それに伴い頂点にちらちらと舌が触れる。
「ン…ん…ちゅ…っ…」
いつの間にか彼女の髪にヴィティスの手が降りてきて、そっと撫でていた。
堪らない、といった感情を抑えるように小さく助言をする。
「先端を、もっと…そう、押し開くように……」
「…んっ……っちゅ…」
鈴口のあたりを言われたように、慣れない舌使いで刺激し、それでも彼のものにじわじわと
快感を与えてゆく。勝手が分らないので本当にキスをする時のように、とだけ念じて舌を
動かしているのが彼にはよく分かった。
「上手だ…」
手を伸べて、根元の部分へと彼女の手を置いた。
どうするのか徐々に分かって来たのだろう。誘われるままに彼女はそこを掌でやさしく揉み、
空いた手はそそり立つところに添わせて撫でている。
舌はだんだん下へと降りて来て、かさの部分をその溝に合わせて舌の先でなぞった。
時折彼の体が動き、口に含んだものも硬くなってゆく。
ヴィティスは彼女に助言をしながら、すっかり壁に体を預けてしまっていた。それだけ彼女の
もたらす快感に集中しているのだろう。
「―――ッ!」
甘やかな感触の中、歯を立てられたのに思わず彼は眉をしかめた。わざとでは無かったようで、
ジュジュはその反応に吃驚したような目で男を見上げている。
「なるべく…歯は立てないように」
「え…あっ、ご、ごめんね……」
それは彼女が考えていたよりはるかに敏感だったようで、慌てて謝った。その後は歯が
ぶつからないようにと唇を器用に使っている。
指示に従って一心に奉仕をする姿が、たどたどしくも懸命な舌使いが彼を昂ぶらせた。
「っは……!」
唾液を絡ませ、すでに口全体で彼を愛撫していた彼女はそれに思わず顔をあげる。
彼はいいところでの中断に、彼女の頬に触れながら声をかけた。
「ジュジュ、まだだ。もっと…」
「だ、だって……あの、あんまり………ぉ、おおきく、なるから…」
手の甲を唇にあて小声で恥ずかしそうに言い訳する彼女に、上から溜息をつく。
しかしそれは否定的なものではなかった。
「君と話をしていると、時々からかわれているのではないかと感じるよ」
「な、なによそれ」
「いや、わからないのならいい―――続けてくれ」
首を振り答えるも目を開きはしない。
「んぅ、……ちゅ…っ」
「少し苦しいかも知れないが、…そうだ、奥まで……っ!」
目を閉じて彼女の唇や舌の動きを感じている彼は、普段ジュジュを抱いている時よりも表情が
豊かだった。眉をひそめるようにするのを、少女は頭を前後させながら珍しそうに見やる。
口腔の動きに反応し、彼女の口の中のものがいよいよ張り詰めていく。絶頂が近いのだろう。
ヴィティスのほうも自身が限界を迎えるのを感じて、逃げないように彼女の頭を引きつけた。
「―――っ!」
「んっ!」
頭を押さえるように引きつけられ、口中を白濁したもので犯されて、ジュジュは思わず顔を
あげた。唇に手をやり、口内に満ちたものをどうすればいいのか、と彼に目で問う。
ヴィティスは答えるかわりに屈みこむと、その唇をはさむようについばんだ。
「んん……っ、っく…けほっ」
接近する彼の顔に体が引き攣り思わず飲み込んでしまう。おかしな風に嚥下したのでけほけほ
とむせてしまった。
彼は背をさすってやると、顔を寄せ、また唇を重ねてくる。
精を放ったばかりの口に躊躇いなく舌を侵入させ、絡ませてくるのには彼女のほうが驚いた。
「ちゅ……ん…、……はぁ…っ…」
ざらついた舌が紅い唇を舐める。
「どんな味がした?」
「えと…にがっぽい……ってそんなことばっかり聞かないでよっ!ばかっ!」
ジュジュは反射的に答えかけ、その内容に気付いて慌てて怒鳴りつけた。
彼は頬を染める少女を面白そうに眺めている。
「自分でわかるでしょ?キ……したんだから……」
「まあ、あまり美味しいものとは言えないようだ」
「じ、自分、の…って、あんまり口にしたくないと思うけど」
「そうか?人に強いておいて自分は嫌がる、という方が私には理解しかねる」
答えると、彼は特に気にする風でもなくまた彼女の舌に絡みついた。
肩に置かれた彼の手の力が強くなってゆく。
ヴィティスは華奢な体を下に敷くと、今度は口で胸を弄った。
時折ちゅく、と水音が聞こえる。
「……っ…」
「ジュジュ」
「……なに…」
「随分汗をかいているな」
彼の指が胸の谷間からへそへと下がってゆく。
当然だろう。任務から帰る途中だったのに加えて、既に一度絶頂を味わわされている。それに
彼に対する恐怖とそこから来る冷や汗。かくなと言うほうが無茶だ。
「あんたのせい、でしょ…?」
声に勢いが無いのは、無意識にも怒らせないように、と思っているからだろう。
しかし改めて言われるとやはり恥ずかしいようで、彼女は体を硬くする。
ヴィティスはそんなことには構わず彼女の両手をまとめて頭の上においやると、二の腕に舌を
這わせた。白く柔らかなそこにもたちまち跡を残してゆく。
それが腋下へと向かっているのに気付き、ジュジュは慌てて声をあげた。
「ちょっと、やだ……そんなところ…止めてよ!」
汗をかけば最もにおうところだ。そこに顔を近づけられるのは、恥ずかしい以外の何もの
でもない。しかも汗をかいてるうんぬんの話をしたばかりだというのに。
だが彼は躊躇すること無くそこへも舌をやると、すっかり湿りを舐めとってしまった。頭を
上げ、唇を舐めると耳まで真っ赤になったジュジュを見て、満足そうに目を細める。
「塩分を取りすぎたかな…。甘いものが欲しい」
思わず目を閉じてしまうほどに接近して囁き、彼女の唇をついばんだ。
胸の感触を楽しみながら服と長靴を慣れた手つきで脱がせてゆく。その指はすっかり彼女の
肌になじんでいて、既に何の違和感もない。
「私もさすがに熱いな」
呟くと、ヴィティスは上体を起こし服を脱ぎ始めた。
それを口を開けて見ていたジュジュは、途中で気づいたように目を逸らす。
均整の取れた体にはしなやかに、バランス良く筋肉がついている。広い肩幅とあいまって
抱きしめられればどれほど頼りがいのありそうな体だろう。
「戻る前に水を浴びよう」
途端、彼女の体が宙に浮いた。
「え…?きゃっ!?」
急に力強い腕に体をすくわれ、彼女は手で裸身を隠すようにした。
水を浴びること自体は賛成だが、裸で抱えて歩かれるのは恥ずかしいのだろう。落ち着かな
そうに周囲と彼とを交互に見る。
ヴィティスは彼女を横抱きにして先にある小さな空間へと向かった。
そこは水のオルドによって先へと続く通路は水で満たされている。水面の揺らめきが上方に
幻想的な模様を映しだしていた。
彼は水際を右に回ると、階段状に水底へと下がっているところへと向かった。そこから彼女を
抱えたままざぶん、と水に浸かる。
ジュジュの脚を離し立たせると、彼女の肩まで覆う水も彼の胸にはやっと届く位にしかなら
ない。
水はあまりにも澄んでいて互いの体をありのままにうつした。
それが恥ずかしくてジュジュはさりげなく、彼から離れるように泳いでいった。
「気持ちいいな」
「う、うん。そうね」
彼は一度頭まで水に潜ると、滴り張り付く前髪をかきあげた。
「………」
「何だ?」
ヴィティスは自分の顔を見つめる彼女に、当然の疑問を投げかけた。
「…それ、なにつけてるんだろ、って思って」
「?」
「か、み、の、け、よっ」
「髪?」
下がる前髪をつまんで聞き返す。
「これが何か?」
「雨の日の任務の時も全然乱れなかったのに、ちゃんと水に浸かればそうなるんだなぁって
思って。……そ、それだけよっ」
ジュジュはどうでもいい話をした、と言うようにまた背を向けてばしゃばしゃと水をかいた。
彼女はあまり泳ぎが上手くないようだ。
「ささやかな疑問というなら私にもあるが…」
「何よ」
「アルミラ……彼女の服はどうなっているのだろうかと常々不思議でならない」
「はぁー?」
「あの大きな胸がきちんとした形を保っているのはあの服の仕組みかな、と。見たところ
君と彼女の服は同じような素材で出来ているようだが。ふむ…やはりあれほど大きな胸では
自力でどうにかするのは無理だろうな…」
最後はほとんど独り言だ。
その顔に飛沫がかかった。見れば真っ赤な顔でジュジュが彼を睨みつけている。
「どうせあたしは胸ちいさいわよっ!」
どうやら彼の台詞は彼女のコンプレックスを刺激したらしい。
もう一度彼に水をかけると、水辺に向かってのろのろばしゃばしゃと泳ぎだした。一息に
水から上がろうと岩に膝をかけた瞬間、後ろから残りの足を引っ張られる。
「きゃ…!」
上半身が岩の上にはり付くような姿勢になった。腰から下がかろうじて水中に隠れている。
「ちょっと、止めてよ。まったく人のことバカにして…あたし先に帰る!」
「そう感じるのは君が気にしているからだろう?私は君と彼女を比べるつもりはない」
なおも岩に這い上がろうとする腕を、彼は後ろから覆いかぶさるように押さえつけた。
「いや、私の言い方が遠まわしに過ぎたな。何が言いたかったのかというと、君も年頃なの
だからそれなりの服を身に付けたほうがいいのではないか、という事だ」
「……?意味が分かんないわ。手、離してよ」
「君は下着を付けていないだろう?君のあの服はまるで人の視線から裸を隠すためだけの物の
ようだ。アルミラの服がどうなっているかは知らないが――やはり胸を支える部分は骨でも
入っているのか――彼女のように体形を保つには、それなりのものを身につける努力というか、
対応が必要だ」
ジュジュは女性の体形の維持について滔々と語るヴィティスを、気持ち悪いものを見るような
目で眺めた。
「なによ、それ………それがあんたに何か関係あるの?」
「君の体のこと、という点でおおいに関係あると思う」
頷くヴィティスに彼女は冷たかった。
彼に背を向けたまま斜めに後ろを見て言い返す。
「あたしの体の事は適当にするから放っておいてよ」
信じらんない、変態、などとぶつぶつ言っている様子はもうすっかりいつもの彼女だった。
先に強姦まがいの抱かれ方をして怯えていた少女には見えない。
「放っておけないから言っているのだがね……大きなお世話だというのは承知の上だよ」
「別にあんたに心配してもらう必要ないわ。…そうよ、だいたいおばさんみたいにでっかく
なるわけじゃないし」
言っているうちにまた腹が立ってきたらしい。
「大きい胸が好きならあたしなんか構ってないでおばさんのところ行きなさいよ!あたしの
成長待ってたって、どうせあんなに大きくなりませんからね!」
彼はその言葉に嘆息した。
ジュジュの濡れたうなじに、それはくすぐったく、冷たい風となってかすめる。
「君はいつまでたっても人の話をちゃんと聞かないな……君が後悔しないように、と思って
いるだけだよ。どうして君を誰かと比べる必要がある?私は君の体に不満など無いというのに。
君が気にする部分だって」
彼女の体を完全に水中に引き戻すと、彼の手は腰からなだらかな胸、その頂上へと指でなぞる
ように触れていった。半ば硬くなった処をこする様につまむ。
「やっ…」
後ろから包み込むようにされて彼女の体がすくんだ。
「こうしてちゃんとこの手に応えるならそれ以上の要求は無い」
片手はそのまま胸をやさしく揉みあげ、もう片手はへそのあたりを通って脚へと向う。
「かわいい体だ」
手が大腿の内側へと回る。強弱をつけて撫でれば陥落させるのは簡単だろう。
「それに抱くたび、いやらしくなっていく」
「や、だ……ばかっ…」
「………」
ヴィティスは一度手を離すと、急に岩の上へとその軽い体を抱え上げた。自身も追って水
から上がる。
「これでは人目を引くのもしょうがないか」
脚を崩して座り込んでる彼女に、分かるような分からないようなことを呟くと、頬に張り付く
濡れた髪を後ろへと除けてやった。冷えて血の気の引いた白い頬をそっと撫でる。
彼の手はどう触ればどう感じるかを知り尽くしているようで、指のもたらす温度と微かな感触
は再び彼女の鼓動を駆け足にした。
ヴィティスは向かい合うようにしている彼女の右手をとると反対側へとまわし、斜めに、押し
倒すように自分へ背を向けさせた。体を起こさないよう肩に手をおき、うなじに唇を落とす。
「…っ……」
少女は生温かいものの這う感触に吐息を漏らした。
冷えた体に彼の唇の感触は薄かったが、その熱さだけは十分に伝わってくる。
ヴィティスは首筋に口付けては少し動き、また口付けてと、だんだんと背中へ下がりながら、
彼女を腹這いになるほどに地面に押し付けていった。
腕は抵抗しないよう、いつの間にか後ろ手に捕まえている。
唇の触れた場所はどこも赤くなっていて、彼女の所有者が誰であるかを主張しているようだ。
彼の唇は腰のあたりまで来て、ようやく彼女を解放した。
遠くから見れば、背中一面が真っ赤に染まって見えるほどの口付けの跡。愛しむようにそこを
撫でると上半身を後ろから抱えるように起こし、また舌が首筋を這う。
「…ぁ…っ…」
それは耳の後ろへ、中へとじったりと移動していき、彼女は身じろぎするのを抑えられ
なかった。
「もう一度、しようか」
「え…」
次の瞬間には男の顔が真上に見えて、仰向けにされたのに気付いた。彼はいつも滑らかに
体勢を移行させるので、彼女が気付いた時には逃れられない状況になっていることが多い。
相手に見えるように、彼女にもヴィティスの素肌が見えていて、それはこの上なく気恥ずかし
かった。
唇を重ねる中、水滴が彼の髪から垂れて彼女に落ちる。それはもう彼の体温で温まっている
のか冷たくはなかった。
胸にある彼の指がジュジュの胸を斜めにゆくのは、自分が苛立ちまぎれに付けた傷をなぞって
いるからだろう。赤くひかれた線を何度も舌で舐めればその先端はいよいよ自己を主張した。
太腿の内側を、際までなぞり上げれば細い脚に力が入り、その指先までがぴんと伸びる。
茂みに隠された花弁は濡れていて、蜜を求めてくる者を待っているようだ。
彼は粘液を指に絡めるように、ゆっくりと動かした。
「…っ……ぁぁ……」
「もっと激しいほうがいいんだろう?」
「ぇえ…?……!んっ、あぁ………っ!」
思わず聞き返すと、彼は手の動きで答えを返した。彼女の眉をひそめるのに合わせて秘所を
責める。既に彼女の弱点を知り尽くしているので、肝心な部分からずらすことを忘れない。
硬さを持った突起も同時に指で捻り、押し潰すようにしながら彼女を快楽の淵へと誘った。
途中指を増やせば圧迫感が増し、掻き回すほどに締め付けてくる。
普段より敏感な反応を示す体に彼は興味深そうだ。
「今日は随分と感じやすいな」
耳に息を吹きかける。
「!……っうるさ、ぃ……ふぁ…っ」
局部にある手が、ぴたりと閉じた部分を開くように動いた。
空気に晒されるその感覚にジュジュの体が動き、肩が彼の顔をはらう。
「や……ん、んんっ…!」
脚をばたつかせようにも彼が上にいるためもじもじとしか動けない。
「嫌…?何故。溢れているのが自分でも分かるだろう?」
そう言ってわざと音をたてさせる。
彼女も自身の体のこと、言われなくてもそれは感じていただろう。
くちゅ、と下方から聞こえる音に彼女は唇を噛んだ。肩は震え、懇願するような目は潤んで
いる。それでもヴィティスは手を休めることなく彼女の秘所を弄った。
暫くしてやっと気が済んだのか手を止めると、蜜を纏った指を見せ付けるように目の前に
持っていく。
「体は素直だ」
囁くと噛んで紅く染まった彼女の唇に、濡れた人差し指でめくるように触れる。
「――!」
ジュジュはその行動の意味する所を察し、一瞬目に戸惑いの色を浮かべるが、おとなしく
彼の指を受け入れた。
「ちゅっ……ちゅ……んぅ…」
蜜で濡れた指を丁寧に舐めれば、また下半身がとろとろと熱くなるのを感じる。
しかし彼がいよいよ膝を割って入ると、思い出したように声を上げた。
「ぁ………まって!」
彼は返事をしない。
「ねぇ…、誰か、通るかも……」
「今更だな」
最初の自分の強引さを忘れているような発言だ。
「ここは涼しくて気持ちがいい。明るいし、君の反応が目に見える……それにすぐ水を使える
のがいい」
ジュジュは真面目な顔でそんな事を言う彼に赤面した。
しかしうろうろしているのがしもべ達だけとは限らない。
「でも……」
「普通はこんなところには滅多に用が無いはずだ」
そう、二人もここを近道として使っていただけなのだ。
「それにもし見られても、男女が睦み合っていたら邪魔するようなことはしないだろう」
「む……!?」
『睦み合う』なんて二人の関係には不似合いな言葉だ。恋人同士にこそ相応しい。
彼女はいつも自身を苛んでいる言葉を思い出した。
「あたしとあんたはそんな…んじゃ、ない」
「何?」
その言葉にヴィティスはわざとらしく眉をひそめた。
「では私たちが今しているのは何だろう」
「…っ!」
ジュジュの脚を開いて彼が侵入してくる。
思わず彼女は脚を閉じて締め出そうとしたが、もちろん彼がそれを甘んじて受けるはずも
なかった。
彼は細い脚のふくらはぎのあたりを持ち、自身の肩に乗せてしまうとそのままさらに深く
彼女の中へと入ってゆく。
「やだ…!はなして…っ」
自分の局部を晒すような姿に彼女は懸命に脚を下げようとしたが、脚を抱き込むように
回された腕がそれを拒んだ。
ヴィティスは彼女の顔を見詰めたままゆっくりと秘奥を目指して進んでゆく。
「うっ……ふ、ぁあ…」
堪え切れずもれる喘ぎが恥ずかしいのか、彼女の首筋までが赤くなる。
だんだんと体が温まってきているのが目に見えて、彼は斜めに跡の残る胸元を撫でた。すでに
全体が汗でしっとりと濡れている。
「質問の答えは?きちんと答えられたら脚を離してあげよう」
「ばかぁ…! っ―――!ヴィ…ティス…っあぁ!」
間違いを指摘するように彼は腰の動きを速める。しかし最後まで追い詰めるような事はせずに
ぎりぎりで運動を緩くすると再び問いかけた。
ジュジュは苦しさの中から睨みつけるように答える。それは自分では口に出したくない、耳に
するのも嫌な言葉だった。
「性欲処理、っ……で、しょ?」
その言葉に上にいる男の体が止まる。
「あんたの……言葉、忘れたことない、もの…」
言って彼女は思わず目を伏せた。
貫かれる感触よりもなお心に痛みをもたらすその言葉への苦しみが、彼女の目から形となって
溢れた。ぽろぽろとこぼれる涙に体が揺れる。
過去の言葉に何度彼女は傷ついたのだろうか。この先何度も思い出しては悲しみに震えるのか。
ヴィティスはゆっくりと脚を離してやると、彼女の瞼に口付けた。
「泣くな」
「―――っ……平気よ、こんなの、ただの水だもの」
ジュジュは今更に強がりを言って顔を拭う。
彼はその手を退かせると涙の跡に何度も舌を這わせた。まるでその痕跡を消そうとするかの
ように。
「愛しあっていると…そう思えば気にならないだろう?」
「ありえない状況を思い込むなんて器用なマネ、あたしには出来ないわ……んっ」
触れるだけの口付け。彼は腕の中の少女を見つめると腰をゆっくりと落としていった。
彼の手に、掴まえている体の、わずかに浮くのが伝わってくる。
手を二人の繋がっているところへ伸ばし、小さな蕾を指で転がすように弄れば甘い声で啼いた。
「ふ…っあ……!ぁあん…」
ヴィティスは彼女を快感の波に流してしまいたかった。余計な事を考えられなくなるほどに。
深く口付け、胸を焦らすように弄べばジュジュの喘ぎにいよいよ女の本能が混じり、彼を扇情
する。
「あっ…ぁぁ……ん、…や…ぁ」
軽い体をしっかりと捕まえての強弱のある突き上げ。
彼女はその感覚に耐えられずに背を反らす。
揺さぶられながら意識の遠くで、耳朶を軽く噛まれた気がした。
「 」
頭の奥が真っ白に爆ぜる瞬間に何か囁かれたと思ったのは、気のせいだったのだろう。
『好きだ』
だが彼女はそれが気のせいだと分かっていても、思わずにはいられなかった。
さっきの今で慰めとすぐに分かるような事を言うところが、あんたは馬鹿なのよ。
そういう情緒的な部分が、やっぱりいまいちずれてるのよね、可笑しいの…。
「ちょっと……」
「何かな?」
ヴィティスは先に水からあがると通路のほうへ行き、二人分の服をもって戻ってきた。自分の
上着を飾る布を外すと、固く絞って水中の彼女に手渡してやる。
彼女はそれに短く礼を言って後ろを向くように指図した。
「う、上着…貸しな、……貸し、てよ…」
長靴から上着まで着終えた彼女は顔を赤らめ、睨みつけるようにしている。その表情の理由が
恥ずかしさから来るものだ、というだけで彼に可愛いと思わせた。
口付けの跡が丸見えの状態ではさすがに歩けないらしい。確かに近くによると背中の一面が
赤くなっている理由は一目瞭然だ。
ヴィティスはそんな様子のジュジュを顎を反らして眺めた。
「私としては敢えてそのまま帰ってほしいところだが…」
素直に上着を脱ぐと細い肩に掛けてやる。やはり大分大きい。
「ありがと……」
袖に腕を通すと指先がかろうじて出るくらい。裾も足首まで隠そうかと言うほどだ。
「しかし、冷たいだろう?」
彼の上着は水分を吸って、すっかり冷えてしまっていた。
「だけどガルムにでも見られたら面倒だし…」
「彼なりに君を心配しているのだろう」
「なにそれ……っていうか、原因作ってるのはいつだってあんたなんだから!そうよ、何で
そんな風に傍観者みたいな感想を言うわけ!?ちょっとは事態を改善させたらどうなの?」
彼はジュジュの台詞に頷いている。
「そうだな…この際我々の関係を公表しようか。それが一番手っ取り早い。きっと皆納得して、
それ以上煩く言わないだろう……君に手を出すような者もいなくなると思うが、どうか」
「どうか、ですって!?馬鹿ばっかり言ってぇ…そんなこと、出来るわけないでしょ!もっと
真面目に考えてよね!ヴィティスのばか、ばか、ばかっ!!」
包み込むように握ってくる手を振り払うと、彼女はずんずんと先に行ってしまった。服の裾を
はためかせ、勢いよく歩いてゆく。
それを眺める自分の顔が微笑んでいるのに気付き、彼は溜息をついた。
〜おしまい〜
長々と読んでいただきありがとうございました。
なな何か起きてみたら投下されてるんですが。
GJです!ジュジュの反応に(*´Д`)ハァハァ
朝からええもん読ませていただきました。
GJ!超絶自己厨鬼畜(誉め言葉)だなヴの人w
やはりワガママっ子揃いの現OZをまとめるには、それ以上にアレでなきゃ駄目なんだなw
次スレ立てた方がいいかな?これじゃGJもままならんのでは?
立てて
新スレも立てたので心おきなくゴッジョブするぜ。
>974-990 ぐっっじょぉーーーーぶ!!ツンデレの妙味を魅せてもらった!
ってゆーか、あんたのSS読んででジュジュが好きになった。可愛いもんだね小娘も。
また何か書いたら来てくれよな!
でもその時は数字コテハンだけでも付けてくれると、GJもしやすいぜw