【異形化】人外への変身スレ【蟲化】

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538名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 01:47:07 ID:aqkzdJIH
【続・女王蟲(補遺2)】

 前肢で叢をかき分け、姿を現した紅色の秘裂を、舌でなぞる。
「んっ……」
 銀髪の女剣士が、かすかに声を上げた。
 シルウィンは眼を細め、ぴちゃ、ぴちゃと音を立て、獲物とした女の秘部をねぶり上げる。
 秘裂からわずかに覗いていた紅色の肉襞は、いまは舌で抉られて、その淫靡な全容を晒させられていた。
 肉の莢から半ば顔を出した充血した陰核は、文字通り紅玉(ルビー)のようだ。
 前肢の先で軽くつつくと、女剣士は切なげな吐息を漏らす。
 眉をしかめたまま、どんな淫夢の中にいるのか。
「あなたが《女王》になってくれたら……私は、あなたの婢(はしため)に堕ちてしまうかも。でも、
それでも構わない。あなたが、その腕に……《蟲》のようになってしまう腕に、私を抱いてくれるなら。
早く、そうしてほしい。早く、そうなってほしい。だから……私は、あなたを穢して、あなたを《女王》に
堕としてしまうの……」
 シルウィンは《蟲》の胴体を起こした。
 白くなめらかな腹の下、鉛色の《蟲》の体節をめくり上げると、そこに人間そっくりの女性器が現れる。
 桃色の濡れ光ったその部分は、しかし、これから始まる「儀式」では、何の役目も果たさない。
「んっ……」
 シルウィンは眼をつむり、小さく呻く。
 すると――女性器と、めくり上げられた体節の隙間から、鉛色の新たな器官が姿を現した。
 幾つも重なった莢から、新たな莢が現れるかたちで、粘液質の糸を引きながら、それは見る間に長く伸び。
 人間の男根ほどの長さとなった。先端の亀頭こそないものの、つけ根からの太さも、男根と大差ない。
 シルウィンは、女剣士の肩に前肢をかけ、もう一度、唇を重ねた。
 それから、《蟲》の胴体に生まれた男根状の器官の先を、相手の秘部に押し当てた。
539名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 01:48:26 ID:aqkzdJIH
【続・女王蟲(補遺3)】

 びくんと、《蟲》の胴体を突き上げる。
 あらかじめ唾液で濡らされてもいた女剣士のその部分に、粘液に包まれた器官が、ずぶりと突き立った。
「……はぅ……」
 シルウィンは、男が性交時にするように――
《蟲》の胴体を屈伸させて、銀髪の女剣士の胎内に突き入れた器官を、何度も何度も突き上げた。
「……んっ……、あ……、くぅ……」
 女剣士が声を漏らす。そして――うっすらと眼を開けた。
「あ……」
 女剣士の身体を突き上げ続けながら、眼が合ってしまったシルウィンは、動揺する。
 あり得ないはずのことだった。《女王》の絶大な魔力で施した《安息》の魔法だったのだ。
 いや――違う。これはたぶん、魔法をかけたときに迷いがあったから。
 本当は、眠らせたままでは「したく」なかったのだ。相手の意思に関わりのないやり方ではなく。
 かつて愛した「彼」との関係がそうであったように、「彼女」にも、自分を受け入れてほしかったのだ。
 絶対あり得ないはずのことだけど。《女王》になったあとならともかく。
 人間のままの彼女が、《蟲》の――バケモノの自分を、受け入れてくれるなんて。
 その結果、彼女自身までがバケモノになってしまうというのに。
「ごめんなさい……」
 シルウィンは相手の頬に口づけした。涙がこみ上げてきた。
 謝ったところで許されるはずもないけど――人間の彼女からは。
 だから、早く相手を《蟲》に変えてしまって、そして許しを得なければならない。
 その身に起きていることを知った女剣士の口から出るのは、恐怖の叫び、それとも罵り、何であろうか?
 先代の《女王》に「犯された」ときの自分は、ひたすら救いを求めて泣き叫ぶばかりだったけど。
540名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 01:49:22 ID:aqkzdJIH
【続・女王蟲(補遺4)】

 だが――銀髪の女剣士の口から出たのは、それこそあり得ないはずの言葉だった。
「いい、から……」
 シルウィンは泣き濡れた眼を瞠り、相手の顔を見る。
 女剣士は――リュニは、微笑んでいた。
 そう、あり得ないはずのことだったのだ。
「あのとき」、本当はリュニは眼を覚まさなかった。《安息》の魔法は完璧だった。
 しかも、シルウィンが自分の名を教えたのは、リュニが《脱皮》したあとのことだ。
 それなのに、これから《卵》を産みつけられようとしている、まだ人間のままの彼女は、言ったのだった。
「……シルウィン、愛してる……」
 
 
 ――どびゅっ!
 
 
「……シルウィン、この、バカッ!」
 ――べちっ!
「……ぶぎゃっ!?」
 鼻の頭に痛みを感じ、シルウィンは、眼を覚ました。
 眼の前には、怒りに燃えた銀髪の元「女剣士」――リュニの顔。
 何故だか白くてどろどろしたものを顔中に塗りたくっていて。
「……どうしたの、リュニ、その顔……?」
「どうしたの、じゃないっ!」
541名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 01:50:20 ID:aqkzdJIH
【続・女王蟲(補遺5)】

 もう一発、前肢でひっぱたかれた。
「ぎゃんっ! 痛いってばっ!」
「くっそー、どうせならゲンコツ喰らわせてやりたいのに、不便な『手』だ……」
 リュニは自分の《蟲》になってしまった前肢を忌々しげに睨む。
 シルウィンは、まだ事情が理解できず、恐る恐るリュニにたずねた。
「あのー、リュニさん? 私、何かあなた様を怒らせるようなこと、しましたでしょうか……?」
「その、臍の下に生えてる立派なモノは何? 朝ダチして、ついでに夢精までして、いったい何なの!」
「あ……」
 シルウィンは、自分の《蟲》の胴体――第一体節のすぐ下から屹立した男根状の器官を見下ろして、
「えっと……《産卵管》です。てへっ?」
 小首かしげて可愛らしく笑ってみせた。
「てへっ、じゃねーよ!」
 リュニは三発目の「張り手」ならぬ「張り前肢」をシルウィンの鼻面に喰らわせた。
「みぎゃっ!?」
「じゃあ、何? あたしの顔にぶっかけてくれたのが、《女王蟲》の《卵》ってわけ? あたしに《卵》
を産みつけたときって、そのチンポみたいなものをブチ込んで中出ししたって、そういうわけね?」
「そんな身も蓋もない言い方……。まあ、事実としては、その通りなんですけど……」
「こっちは何も聞かされてないからさ。さっき起きてみたら、隣で寝てるあんたの腹に妙なモノが生えてて、
何かと思って顔を近づけたら、いきなり『どびゅっ』って……」
「それ、リュニ、警戒心なさすぎだと思う。生えてる位置的にも形状的にも、そういうモノでしょ、これって」
「っつーか、あたしの身体にも生えてんのかよ、そんなグロいのが……」
 リュニは、しかめ面で自分の《蟲》の胴体を見下ろす。
542名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 01:51:38 ID:aqkzdJIH
【続・女王蟲(補遺6)】

「えっと、獲物を前にして興奮したときとかじゃないと、伸びてこないんじゃないかと思う。私も、
よくわかってないけど。リュニに《卵》を産みつけてあげようと思ったときは、自然と伸びたけど。
いまも、そのときのことを夢で見ていて、それで伸びたと思うんだけど……」
 説明するシルウィンに、リュニは、にやりとした。
「獲物って……たとえば、《女王蟲》同士でもアリなわけ?」
「……え?」
「たとえば、さっきの顔面大放出のお返しに、あたしもあんたにブチ込んでやろうとか、できるのかしら?」
「さあ……」
 ひきつった笑顔で、シルウィンは首を振る。リュニは、にやにや笑いながらシルウィンに這い寄って、
「どうすればいい? あんたを犯すところを想像しながら、下っ腹に力を入れてみたりすればいいかしら?」
 すると――リュニの《蟲》の胴体の第一体節がめくれ上がり、本当に《産卵管》が生えてきてしまった。
「あっ、す、すごい……あたしにも、こんな立派なのが……」
「す、すごいけど……やめましょ、リュニ、ねえ……? 《女王蟲》がもう一度、《卵》を産みつけられたら、
どんなことになるのか……」
「だいじょうぶ、ちゃんと外で出してあげるから。愛してるわ、シルウィンちゃん」
「いやっ、嬉しいけど……やっぱだめっ、そんな、ああっ……!」
 
 
 こうして――二匹の《女王蟲》は、新たな愛のかたちに目覚めるのであった。
 ちなみに、勢い余ってお互い「中出し」したところ、二匹とも再度の《脱皮》で前肢が六本に増えた。
 いままでにも増して、しっかりと抱き合えるようになったので、結果的には万々歳なのであった。
【終わり】
543名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 02:18:37 ID:syRPpGTQ
ワラタww
544名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 02:18:39 ID:DiVc1QAq
>>537-542
終電で帰ってきたらちょうどリアルタイムktkr
シルウィンの夢精w+攻めに転じるリュニが最高

「当分は何も書けない」とかかれていたのに…
素晴らしいものをありがとうございますー
545名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 05:21:46 ID:ZsXiimZC
なんというバカップルw
間違いない貴方は神!

妙に和んでしまったw
546537:2007/02/20(火) 08:37:53 ID:aqkzdJIH
スレの流れが、どっかに行きかけてたので……

>>543
どもです

>>544
終電ですか。仕事? 飲み会? それとも、デェト? どちらにしろご苦労様です

>>545
ばかですよねえ、この二匹(笑
まあ彼らだけで愉しんでる分には、狩られてしまう男性《冒険者》の犠牲も出ずに、いいのではないでしょうか……
547名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 03:43:57 ID:nWTcU6AQ
そろそろべるぜばぶもよみたい
548名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 11:59:46 ID:q6HbpeDn
悪落ち好きな俺と悪落ち嫌いな俺がベルゼブブの続きについて戦ってます。
549名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 04:52:49 ID:7Y3tCgZI
やはり、正義の蝿僧侶として戦ってほしいかな。
550名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 14:38:07 ID:MBPpnvGD
いや、悪落ちがいい
551名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 16:26:46 ID:b9IAsmR+
いや蠅のままでジェラールと駆落ちがいい
552名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 02:03:09 ID:H3MPtlHv
価値観まで根こそぎ変わっちまうのが良い
553名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 14:28:51 ID:BZXZdk9u
デビルメイクライの地下水路のステージをしてて
ベルセルブブについて妄想してしまったのは俺だけでいい
554名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 00:00:57 ID:cDHRz2wg
>>537
ある意味において正しい百合小説ですな
555537:2007/02/27(火) 06:10:08 ID:RmDEcW2w
>>554
どもです
ある意味?? どの意味でしょうか(^^;

ユリというと「だーてぃーぺあ」を思い出すなあ
それも安彦良和じゃなく土器手司キャラで……
556名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 21:37:53 ID:QsT8HMTb
保守
557554:2007/03/05(月) 20:52:02 ID:MCMFSOSQ
>>555
蟲化小説が主題で百合は副次的なものだと思っていたものですから、気に障られたら済みません。
558537:2007/03/06(火) 17:29:17 ID:KQghjdr7
>>554
いやいや気に障るなんてそんな(汗
こちらこそすまんです m(_ _)m

ベルゼブブ先生は、まだご多忙中かのぅ……
559名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 19:34:55 ID:5S24h2gn
保守
560名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 19:02:44 ID:mwzL5d5M
保守。ベルセブブに期待。
女王蟲にも期待。
561名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 01:10:38 ID:iJcgOGiI
ベルゼブブって俺の少年時代ではベルゼバブと発音したもんだが
そんなことはどーでもいい
はよこい
562名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 00:01:42 ID:JaJ6BLzy
うちの町内だとバアル・ゼブス・ベルゼビュートって発音するぜ
563『ベルゼブブの娘』 ◆eJPIfaQmes :2007/03/20(火) 07:30:17 ID:9SedZIHq
「ジェ、ジェラール……」
ユベールが大きく後退する。その顔が見る見る青ざめていく。
「……今日はずいぶん早起きね」
「嫌な胸騒ぎがしてな。それにコゼットが妙だったから、話を聞き出した」
緊張したイヴォンヌの声音に、ジェラールはひどく素っ気なく答える。
視線を巡らせると、複眼の片隅、ジェラールが潜んでいた茂みに、モーニングスターを
抱えたコゼットが立ち竦んでいるのを見つけた。
彼女もイヴォンヌたちの計画に一枚噛んでいてジェラールの足止めを任されていたの
だろうか。それとも協力はしないけど止めもしないしジェラールも関わらせないという
つもりだったのか。
わたしと目が合ったのに気づいたのか、幼い僧侶はわたしから激しく顔を背けた。
「でもな、口で聞かされただけじゃ信じられなかった。だからここへ来た時、三人が
睨み合って話を始めたところだったんだが、様子を見させてもらってた」
そこで口を閉ざすと、重い沈黙が場に横たわる。

イヴォンヌが焦れたように口を開いた。
「……で、裁判長様、判決は何?」
「二人には街を去って欲しい。コゼットにも冒険者は廃業して教会に戻ってもらう」
「そ、それだけでいいのか?」
「フローランスへの詫びに、有り金と装備は置いていってくれ。受肉はただじゃない」
ジェラールの付け足した言葉に、浮かれそうになっていたユベールが顔をしかめた。
「正気なの? 私たちが抜けたらパーティ崩壊よ。仕事はどうするの?」
嘲るようにイヴォンヌが笑いかけてきた。
「しばらくは休業するさ。フローランスが元に戻ったところで新たにパーティを
組み直す」
「その間に魔物が街を襲ったりしたら?」
「近隣の村の連中に力を借りる。あいつらとはずっと、困った時はお互い様でやって
これたからな。仲間を殺して売りさばこうとするお前たちより、レベルは低くても
よほど頼りになるよ」
ジェラールの即答。プライドの高い魔女は、一瞬唇をきつく噛んだ。
「へえ、大した自信ね。斧振り回すしか能のない戦士が偉そうに」
「敵を殺すしか能がないってことなら、魔法使いも大差ないだろう?」
さっきからジェラールの口調には強い皮肉が混じっている。わたしが初めて聞く声。
彼は、本気で怒っていた。
564 ◆eJPIfaQmes :2007/03/20(火) 07:51:21 ID:9SedZIHq
二ヶ月半ぶり、というか今年初めて……。待っているとおっしゃってくださった皆様、
お待たせしてすみませんでした。
仕事で苦戦した後は確定申告で手間取って、ここ一ヶ月ほど散々でしたが、
どうにか余裕が出てきました。

>女王蟲の方
続編もとても素敵でした。悲嘆と明るさの入り混じった描き方がすごく好きです。
565名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 17:43:03 ID:euCIAGZD
>>563,564
おお、ご苦労様です。
パーティー崩壊……となると、フローランスの後釜の娘がどう出るかですなあ
なにげにジェラールに横恋慕して黒いところを剥き出しにするのでないかと不安が(汗

確定申告……て、自営業の方ですか?(^^;
サラリーマンでも確定申告すると税金が戻ってくるケースもあるみたいですがね
家を買ったりした場合などは
566名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 18:47:40 ID:ttp1teEx
やったーベルゼブブ
>>564
まじ乙です
このジェラールにならフローラを取られていい
567名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 00:41:16 ID:RL6ngrjy
>>564
毎回クオリティが凄くて・・・。
本当に乙です、続きものんびり待っていますね。
ご無理なさらずにー。
568名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 15:36:18 ID:OF8tuYBB
>>564
ずいぶんお仕事いそがしそーですなー
がんばってくらはい
569名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 21:40:00 ID:TUKTcPz1
ベルゼブブとか蝿って聞くとひみつの犬神コココちゃんの平井セスしか思い浮かばない。
570名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 00:42:58 ID:2DLuT0Bg
せっちゃんー。
571『ベルゼブブの娘』 ◆eJPIfaQmes :2007/03/26(月) 13:37:47 ID:Sj3CSmJo
いつもと違うであろう(わたしが知らないこの半年も、たぶん彼は温和な性格だった
と思う)ジェラールの反応。
それに対し、最初は気圧されていたイヴォンヌだが、次第に不快感が高まってきたのか、
不意に目を細めると言った。
「調子に乗るのもほどほどにした方がいいんじゃない? この場であなたをついでに
始末しても、私たちには不都合がないのよ?」
「俺を『ついでに始末』できるほど、お前さんたちが強いとは知らなかったな」
誇示するように、斧を構え直す。片手で振るうには少し大きすぎるが、ジェラールの
右手にはいかにもしっくりと来る、使い込まれた斧。左腕には大きな盾。
……けれど、わたしもよく知るそれらには、魔法技術の加工は施されていない。飛来する
魔法を防いだり、複数の敵を同時に無力化するような術はない。
「言ってくれるわね」
睨み合う二人の間で緊張が高まっていく。両者の間に位置して棒立ちのユベールも、
わたしたちから離れた場所に立つコゼットも、わたしも、誰も迂闊に動けないような
プレッシャー。
と、イヴォンヌが言葉を発した。
「ユベール、あなた金と剣を巻き上げられたら困るわよね? ジェラールは借金までは
引き受けてくれそうにないし」
「あ、ああ……」
ユベールが剣先を上げるのを見て、魔女は視線を転じる。
「コゼット、その化け物蠅、あなたの目にはどう映るかしら? あの清楚で気高かった
フローランスが、そんな醜い浅ましい姿になっておめおめ私たちに救いを求めるなんて、
想像できる?」
「…………」
まだまだ子供にしか見えないコゼットは、嫌々をするように首を振る。だがそのまま
その場にしゃがみ込んでしまった。
572名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 17:19:09 ID:b8Ibspdy
>>571
おお、続きがキターッ!

ご苦労様です m(_ _)m
573名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 17:30:34 ID:PhNX1rNN
>>571
もうその世界に引き込まれそうです
乙です、続き期待してます
574『ベルゼブブの娘』 ◆eJPIfaQmes :2007/03/28(水) 10:54:15 ID:bwYETMKZ
続けて、イヴォンヌの言葉はジェラールへ。
「ジェラール、あなたはどうなの? そんな、ベルゼブブにどんな細工がされてるか
わからない化け物蠅を庇って私たちと戦うなんて、無意味で馬鹿げたことじゃない?」
イヴォンヌの指摘に、わたしは動揺する。
あの高位の悪魔、蠅の王がわたしに何らかの仕掛けをしていたら? この声のような
ありがたいものとは別の、いざという時に身近な誰かに危害を加えるような習性でも
植え付けられていたら?
自分の陥った泥沼の深さ。それを意識すると不安と恐怖に駆られ、身が縮むような
感覚に囚われる。
ついジェラールに視線を集中する。わたしに背中を向けたままのジェラール。
「俺には難しい理屈はわからんが」
戦士はゆっくりと言葉を紡いだ。
「単なる疑いが、まだ何も悪事を働いたわけじゃないフローランスを殺す理由になると、
助けを求めて俺たちにすがってきたフローランスをなぶり殺しにする理由になると、
お前らは本気で思っているのか?」
……蠅の身体では涙を流せないことを痛感した。

ユベールが顔をしかめる向こうで、イヴォンヌが呆れたように溜め息をつく。
「……とんだ偽善者ね。あなたのそういうところ、昔から嫌いだったわ」
「ならさっさと見切りをつければ良かったんだ。この地方での高収入や勲章なんて一切
諦めて、都に出て名の通った超一流のパーティに入れるよう努力すれば、な」
ジェラールの声に嘲笑が混じった。
「打算に徹することもできずに憎まれ口を叩くのは、一番醜いぞ」
魔女の顔が、一瞬憤怒に激しく歪む。
「ユベール! フローランスを!」
一声叫ぶとともに自らは後ろへ大きく飛び退り、呪文の詠唱を開始した。
575名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 21:01:10 ID:FS17uVPP
>>574
続きキターッ!!
眼を離せない展開っす
576名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 22:13:19 ID:By3qSx3E
保守!!
577名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 23:25:05 ID:JVbNLH6o
>>569
セスいいよな。
つーかコココちゃんってこのスレ住人にとってどうなの?
俺にとってはバイブルだが
578名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 01:20:15 ID:7jeRbkwV
>>577
俺も俺も。
579名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 00:59:41 ID:m0Q9UtB6
>>563 >>571 >>574
キテター! いつもながらのGJぶりGJ!
続き楽しみに待ってるっす
580名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 03:47:26 ID:7LB9Mjll
保守
581名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:51:02 ID:NWA20vR0
hosyu
582名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 20:25:58 ID:Ie7CF16Z
wktk
583名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 19:05:31 ID:OKrs5NjD
wkt
584名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 05:58:55 ID:RExKMn0K
先週(4/12発売号)のヤンジャンの孔雀王が、それっぽい話だったな
下半身が蟲状のイザナミが怪物を産み落としてるの
585名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 19:37:19 ID:aQsYuO+P
孔雀王は割りと怪物変身が多いからいいよね
586名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 20:18:26 ID:DI7BQxSW
蠅待ち
587名無しさん@ピンキー
ブーン