( ∴)攻殻機動隊でエロ2nd GIG(∴ )

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1サイトー
(∴)ノさんっはい!
しょうさのほうまんな〜ばすとあんどひっぷ♪
ヽ(∴)人(∴)人(∴)人(∴)人(∴)人(∴)ノ
前スレ http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1089470674/l50
2草薙素子:2006/01/04(水) 22:06:07 ID:gH98KAVr
>>1
よくやった
3荒巻:2006/01/04(水) 23:24:30 ID:9RM1ajTc
>>1よくやったサイトー。引き続き現スレの監視を続けろ。
パズは総理の護衛に、少佐とバトーは全裸で現スレの保守、
イシカワ、ボーマはスレが落ちそうになった時の、トグサは職人のバックアップに回れ、
何かあった時の為に萌えキャラとしてタチコマを連れて行け!
これは再優先事項だ!
4タチコマンズ:2006/01/05(木) 02:23:49 ID:SU3RldJ1
( ∴)ノシ サイトーさんサイコー!
( ∴)ノシ( ∴)ノシ( ∴)ノシ 僕ら萌えキャラー!
5名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 15:11:32 ID:/pRpNdpc
即死回避もとこ
6名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 23:04:42 ID:4Pp/+NS1

268 名前:メロン名無しさん 投稿日:2005/12/24(土) 18:44 ID:???0
人形遣いから「融合しないか?」と誘われて
「人工知能とケコーンというのも悪くないわね」とネットの海に入ってみたら、



       人形遣いは実は10人(10人格)いて輪姦状態の素子


即死回避ついでにエロネタになりそうなものを拾ってきた
7名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 02:11:01 ID:i2wJMXxw
立ったばかりなんだしマターリ逝こうや。

そんな俺には印刷所の締め切りが迫ってる上に
ゴーストが囁かない・・・。
8名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 11:37:17 ID:xxw5SNGb
作家気取りの同人描きが…プッ
9名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:43:22 ID:EjA7d55x
保管庫ってまだ作られて無いよな?
この案件の調査は、是非九課にお願いしたい
10草薙素子:2006/01/06(金) 23:53:51 ID:/ZGzKXAX
人は大切な言葉を紡ぐとき、いつだって極上の作家になるわ…
たとえそれが拙く子供じみていても、愛着が湧けば万万歳じゃない?


ところで前スレの一致団結っぷり。
すごかったなあ(´д`;)ハァハァ

職人さん方、アニマクスでの再放映も始まったことですし
新たな萌えを投下してみてくださいノシ
11名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:11:30 ID:DTdouf6Z
九世→素子←葵
みたいな各シリーズラスボスとの3Pとかはないのか…

クッ、萌えるのはヴィジュアルだけか?
12名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:17:45 ID:2OZGE4MP
前スレ読みに行って感動した(*´д`)
( ∴)ノシ( ∴)ノシ( ∴)ノシ ミンナイイヤツダー
13名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 07:00:46 ID:yheMfwQK
ここはイノセンスネタもおkなのか?
14名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 11:27:56 ID:Mwe9rhAt
素子ってレズだよね?
セフレの彼女いっぱいいそうだよ
15名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 15:37:14 ID:XaFBvZtw
>>11
3Pはともかくヴィジュアル的に萌える組み合わせ
16名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 19:16:27 ID:DTdouf6Z
素子はバイセクシャル。
原作には男性との朝チュンも描かれておりますよ
ただ、女のセフレはいますよね…ナースとかww

九素葵ヴィジュアル賛同ありがとう
近いうちに、男二人に弄ばれてる少佐書きます!
17名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 21:50:20 ID:m0jKK7hu
ビジュアル重視ならオペ子+少佐+プロトでもいいな。
18名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 23:05:42 ID:ENvrUauF
少佐に瞬殺されてエンドw
19名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 23:54:53 ID:p5lV8M+g
なにかしらきちんと言葉を交わしたりの関わりがあるから萌えます九素葵…

小生意気な天才少年と、初恋の相手だった寡黙な男…… ウフッ(´∀`)
ところでクゼって顔に神経が通ってないんですね。もう笑うことはないのかー

前スレが落ちたぽい…あああ素敵なバト素やオペ素などイパーイがあたのに……
どなたかよろしければ保管庫…
20名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 03:29:16 ID:jMoVCX3d
>19
とりあえず29でヒットしたから、要るなら取っとくが良いと思うぞ
ttp://makimo.to/2ch/bbspink-sakura03_eroparo/1089/1089470674.html
21名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 11:37:25 ID:KwqIpJ1C
有賀さつき(*´∀`人)
22名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 19:01:00 ID:kycjzYRd
リントロなる言葉を聞いて少佐はツンデレよりリントロなのではと夢想。
しかし、誰の前でトロになるか思いつかず・・・。
クゼの前では結構トロっぽかったがなぁ。
23名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 19:42:29 ID:2TDjzqNU
>>22で、リントロとはどーゆー意味なんだ?
24名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 20:28:51 ID:kycjzYRd
某所より転用。
>リントロ…普段は凛としてるのに二人きりだとトロットロに甘えん坊だというツンデレの亜種。
>ツンデレのツンは炉でも何でも可だが、リントロのリンは颯爽としたお姉さんで無ければならないので
>難易度が高いとされている。
25名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 20:52:19 ID:KwqIpJ1C
リントロ…なんかビントロみたいww

颯爽としたクールビューティーが特定の人物の前だとトロンとしてしまう…
「きみはペット」のスミレちゃんみたいな。
26名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 21:38:00 ID:2TDjzqNU
なら少佐はリントロでもツンデレでもなく
孤高のクールビューティー以外の何物でもないのでは?ww
トロになるとしたらランちゃんかくるたんだろ。ww
27名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 03:27:29 ID:s2dZjeIV
少佐、「ヌードバーでヤケ酒だ」とか言ってたけど、あれって9課のヤロウ共に合わせてやってるんじゃなくて、
自分もヌードバーで女の子の裸見て、十分ハァハァ出来るって事ですかね…w
28タチコマ:2006/01/10(火) 03:38:35 ID:Vs8A37bn
(∴)ノと〜ぜんでしょ〜
29名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 13:36:18 ID:/Ef1gFHs
そしてヌードバーで一番モテるの、絶対少佐なんだよな…(*´д`)
30名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 15:29:35 ID:s2dZjeIV
少佐の初体験は男だろうか女だろうか
31名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 16:55:46 ID:3qhG0X1c
初体験と言う言葉の定義によると思うが。

単に処女喪失と言うなら、擬体化したのが早かったから無い筈







それ以外は知らん
32名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 17:25:57 ID:s2dZjeIV
初めて実際にやった時の事だよっ
33名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 17:29:58 ID:aZQfRc4m
>30
両方とくんずほぐれつ。
34名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 17:43:16 ID:H3nnK62s
義体化する前は少女だったから、
少佐は生身での人肌の歓びを知らないのだな。
35名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 05:14:42 ID:ymbStff+
>34
それで追求してあんなことに
36名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 13:11:58 ID:QHJWbMub
>>34
(∴)ノ♪美しい人生よ〜限り無い歓びよ〜この胸のときめきを〜少佐にぃ〜♪


モトクォー!!!!
37前スレでバトー×タチコマ書いてた奴:2006/01/12(木) 00:26:51 ID:eO0dqL0t
保守がてらにシロマサ漫画の女性主人公を勝手に考察。

尾崎レオナ(ドミニオン)
妥協を許さぬ正義の僕。悪あるところにポリスあり。
フツーに、男よりもボナパルト(豆戦車)の方に気をかけてる様子。
ボナパルトぶっ壊されて泣いちゃうところは可愛いけれど、やっぱエロカワイイというよりカッコカワイイ。
無印じゃアルにモーションかけてる描写があったけど、コンフリクト編では男の影がまったく見えず。

セスカ(オリオン)
激しくロネル少佐LOVE。どれくらいかっていうと、愛するロネル様の為なら
銀河征服だってしちゃいます。(邪神に取り憑かれてだけど)
最後に恋が成就して(しかも相思相愛だった!)、一番ラッキーなヒト。

デュナン(林檎種)
実は自分、このヒトは女性主人公のなかでは一番の萌キャラでないかと思ってる。
ブリアレオスという作者設定の公式な恋人がいるからだが、廃墟で二人きりの時に、
さも新婚夫婦のような風景出してくれたり(きっと冗談半分で、裸エプロンとかやったに違いない)、
ブリにランドメイトねだったり、嫌われたくなくて必死だったり、
二人いっしょに寄り添いながら一つのベッドで朝を迎えたりと、ハートマークが飛び交いそうな程
ブリアレオスにギガラブスな様を見せ付けてくれる。
ブラックマジックは読んどらんからよう解らん。


そして知るヒトぞ知る、我らが少佐。
レズシーンとか最もエロ描写が多い御方。アニメでも漫画以上にムチムチ度と露出度が……
とりあえずS.A.C.少佐のムッチムチのヒップに顔をうずめたいです。(ムチ尻スキーな自分)

それはそうと、原作少佐はエロカワイく、S.A.C.少佐はエロカコイイとの意見をよく聞くが、
自分はその逆で、原作少佐こそエロカコヨく、S.A.C.少佐はエロカワイイと思うのだが。(どうでも良いか)
38名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 17:11:20 ID:t5cs3leS
>>37の考察読んでたら、
デュナンとブリオのエロって読んでみたくなった…スレ違いだけど



どーゆーエロなのか想像がつかんのだが orz
39名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 19:50:48 ID:DwI1F3YB
股間のギミックも経費で落としてたり>ブリオ
40名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 23:14:19 ID:LLs7W2wm
前スレで斎素書かれてらした方の続編を心待ちにしてたのは漏れだけじゃないよね
41前スレでサイ素書いてた奴:2006/01/14(土) 01:05:30 ID:UBcOz2gr
>40
期待していただけるのはありがたいけど
自分の書いてるサイ素は基本的に単発であって
続編を求められても書かない方針です。
ごめんなさい。
42ゴーダ:2006/01/18(水) 15:45:41 ID:XhK6/L22
…………っ……………………………………ウッ………!!


…おっといかん………………………思ったより早かったな…。
43素子:2006/01/18(水) 23:09:56 ID:NqLRWdFA
>42
セックスウイルスに感染したか?
電脳インフルエンザに気を付けろ。

見舞い代わりにタミフルソフトを送ってやる。
中身はうちの課長のヌード画像だ。

副作用で脳が焼かれることがある。
裸で庁舎内を走り回ることもあるから、
くれぐれも気をつけてくれ。
44名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 20:44:07 ID:ikq8rXhg
普通にクゼVS素子が読みたい
美男美女のお似合いカップルの身も心もトロトロのセックスする素子。
それを知って激しいじぇらすぃ〜のバトー。
ベタベタですがw
45名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 07:02:39 ID:1/CuibXw
>>44
そんな素子のことを知ったバトーが半ば強引に少佐とやってしまう
やや泥沼展開とか。あーでも素子は嫌がらないか。むしろ面白がりそうだな。
46名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 09:55:29 ID:U6aMF9DO
>>45バトーに力任せに押し倒された後に皮肉たっぷりの甘い声で
「…サディストだな」とか言いそう。
47名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 16:51:25 ID:KOGq8EOd
萌え〜
48名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 17:10:39 ID:KOGq8EOd
クゼと素子のラブシーンは絵になりすぎて、嫌みなくらいでバトーの嫉妬も最高潮
そんなバトーが見てるのをしって、
ワザと、普段の姿からは考えられない女っぽい喘ぎ声をあげて見せて、煽る素子(笑)
49名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 04:33:43 ID:6tyAosdR
>>48それ何て昼ドラ?w
50名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 05:02:50 ID:i3pM66WT
この3人だと昼ドラになってもしかたあんめ〜w
51名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 11:03:57 ID:KrBRExXr
クゼ「素子さん」
素子「いけません、ヒデオさん。
   わたしは、警官。あなたはテロリスト。
   所詮、わたしたちの間には、隔てる壁があまりにも高すぎる」
クゼ「かまうものか。
   愛があれば、俺たちの間の壁など、簡単に越えてみせる」
素子「ヒデオさん」

  がっしりと抱き合う二人。
  お互いがお互いを求めあい、激しく乱れる素子。
素子「ヒデオさん、ヒデオさん、愛してます。壊れてしまっても構わない」

その頃、車のモニターの前
バトー「ぬおおおおお〜、むぉとこ〜!!!
   なんて顔してやがるんだ」

タチコマA「人間は、少しでも優位な遺伝子を残すべく、恋愛という感情によって相手を選別し、
     その上で生殖活動を行う。
     要するに、人間はそれを愛の行為と呼ぶのですね〜。な〜るほど。
     って、バト〜さん、バト〜さ〜ん。
     ……聞こえてない?」
タチコマB「これは、いわゆる、嫉妬に狂った状況とやらでは?」
タチコマC「嫉妬、ということは、バトーさんは、少佐に特別な感情を抱いていた、というコトですか」
タチコマA「そんな〜。僕たちのバトーさんは、僕たちのものだよ〜」
タチコマB「やだやだ〜。バト〜さん、大好きなのに〜」
タチコマC「今日から、少佐と絶交しない?」
タチコマA「さんせ〜。なんか、僕、少佐のコト、なんとなく嫌いになってきた」
タチコマC「あの、これって、僕たちも、嫉妬しているってことだよね」
タチコマA「でも、でも、バト〜さんは僕たちのものなんだもん」



52名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 15:50:11 ID:i3pM66WT
笑いましたGJ!うまいW

しかし、
素子「ヒデオさん、ヒデオさん、愛してます。壊れてしまっても構わない」
に、なぜか文学のかほりを感じ、萌えましたW

その後、嫉妬に狂ったタチコマンズにまわされるバトーどうぞ。
53名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 21:21:54 ID:uHFXItAD
あれだ、タチコマンズが電脳上で全員ミキちゃんの姿になって、バトーをあの手この手で責めるわけだ。
54名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 22:24:46 ID:4Ju5mlE2
バトー攻める(責める?)なら犬のほうがよさそうな気が
55名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 23:32:18 ID:xqXMS1+b
>54
Σ( ̄□ ̄)!読みたいのか?
それで抜けるのか?
56名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 23:57:40 ID:U9Zkbo5v
もしアオイとクゼが9課に入ったら…

57名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 01:29:12 ID:+37XdlIY
クゼが入ったら、バトーがいたたまれなくなってやめそう…w
58名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 01:35:46 ID:UJJ67RQi
バトーさんが辞めたら、タチコマも集団で辞めそう。
59名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 02:34:27 ID:PYQr9f1i
>51の昼ドラ、総理は必ずチェックしてそうだな。
一週間取り溜めて週末に見る、みたいな。
茅葺「この二人どうなっちゃうのかしら(ハラハラ」
60名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 04:25:02 ID:+37XdlIY
アオイとクゼが9課に入ったら、
クゼと素子のオフィスラブがつつがなく進行し、
バトーは背格好が似てるアオイに手をつける事になる…
61名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 18:09:58 ID:hyrNSYp9
ウホッ展開は勘弁してくらはい。まあ、アオイたんは可愛いけどね。
年上のお姉さま×少年ということで少佐と。
62名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 22:00:44 ID:n9ZNJYZN
そして余ったバトーはオペ子と
63名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 05:09:06 ID:Uj898lWd
オペ子壊れちゃう
64名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 05:13:39 ID:Uj898lWd
バトーの大砲は少佐じゃないと受け止めきれん
65名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 13:08:56 ID:dss40LxO
バトーちんこついてない
66名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 22:38:23 ID:5cFY9NGu
じゃあアレか、あの時の43サンチ砲は着脱可のアタッチメントか。
67名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 23:28:15 ID:rSXaUG/d
茅葺 「プロト、プロトは居るかしら」
プロト「はい、総理」
茅葺 「今日は中国大使との昼食会だったんだけど、例の件は手配してくれたのかしら」
プロト「は、どの件でございましたか」
茅葺 「もう、使えない人ね。例の昼ドラ『純愛のテロリズム』に決まっているでしょう。
    荒巻課長が、護衛を兼ねた雑用係にでもお使いくださいといって、
    あなたを差し向けてくださったのだけど、普通のメイドロイドのほうが使えるわね」

 茅葺は、プロトに向き直った
茅葺 「さあ、土下座して、『申し訳ありません、女王様』とおっしゃい」
プロト「女王様……、ですか}
茅葺 「この日本において、いまや私に逆らえる権力はありません。
    その私が、この日本国の女王でなくて、誰を女王と呼べるの。
   さあ、早くおやりなさい」
プロト「も……、申し訳ありません、女王様」
 プロトは土下座した。
 茅葺は、這いつくばるプロトの背中を、ピンヒールで小突いた。
茅葺 「この生体アイボ。さあ、この国の女王様は誰?」
プロト「総理でございます」
茅葺 「この国の、三軍の総指揮権を持つのは誰?」
プロト「総理でございます」
茅葺 「いいこと、私の言葉は、この国の意志なのです。
    私の欲するところが、この国の欲するところなのです。
    私は、この国の、じょ〜おうなのですから」
68名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 00:37:51 ID:rRwNyW2g
宝塚・・・?
69名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 02:35:19 ID:+yjwiwus
女王な総理イイ!
ぜひとも叱られたひ・・・
70名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 03:18:46 ID:bGFHWq2X
素子「嫌味のひとつも言わないなんて課長らしくないわ。相手が女だったから?」
   (課長も美人には弱いのかしら。でも、実年齢より15才も若く義体を設計するなんて、
   常人にはとても出来ない)

荒巻「罵詈雑言をぶつける相手は彼女ではあるまい。
   それに口にしかけた嫌味を呑み込んで腹を壊したという話も聞かんしな」
   (わしの秘密に気づくなよ、気づくんじゃないぞ……)

素子「でもああいうトップは厄介なんじゃない?
    飼い犬には必ず首輪をつけたがる手合いよ」

荒巻(ドキッ!! いや、気づいてはいるまい、気づいては(汗))

素子 「それに今度の突入命令にしても、自分の責任は回避して課長から上手い解決策を引き出したと考えられなくもないし」
    (あら、課長、少し心拍数が上がっているわ。やっぱり、まんざらでもないのかしら。カワイイ)

荒巻 (冷静に、冷静に。)
    「確かに連合与党が担ぎ出したただのお飾りではないようだが。とりあえず今は9課再建を素直に喜ぼうじゃないか」
    (しかし、ゆうべ総理にヒールで踏まれたが痛むな)

素子「そうね」
    (そういえば、課長、心なしか歩き方が変だったわ。腰でも痛めたのかしら)

荒巻 (ふう、どうにかやり過ごせたようだな。
     しかし、ゆうべの総理のプレイはすごかった。
     私の首に首輪をつけて、
     『おまえは所詮政府の犬。警察なんて、所詮飼い犬の集団にしかすぎないわ。
     ご褒美(9課の再建)が欲しかったら、3回廻って、ワンと鳴いて、それから私の足の指をお嘗め』
     なんて仰った。それから、おもむろに靴をお脱ぎになり、そのヒールで私の尻を……)

素子 (あら、何となく遠い目をしているわ。
    それに、口元も半開きになっている。
    アルツハイマーなのかしら。一度、赤服たちに話をしておいたほうがよさそうね) 
71名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 03:24:05 ID:bGFHWq2X
訂正
>(しかし、ゆうべ総理にヒールで踏まれたが痛むな)

→ (しかし、ゆうべ総理にヒールで踏まれた腰が痛むな)


 小話、ミスるなんて………orz
72名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 08:09:30 ID:7Qwo2uxq
一晩の内に総理ネタが二つも・・・総理スキーにはたまらんですよGJ!

以前「鞭片手に高倉を足げにする総理」の画像があったが
それを地で逝く女王っぷりですな(*´Д`)ハァハァ
73名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 10:19:27 ID:xfXahH8f
総理の声で再生されたよw
またあの女王様な声がいいんだよなハァハァ
74名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 21:15:42 ID:ATaACTXa
>>31
義体化前は処女とかじゃなくて、
義体を変える度にその体は処女(新品)
がいいなーって思う。
75名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 17:47:46 ID:bUXgycg7
>>74
「このボディではあなたが初めてよ」みたいな感じで?
・・・個人の趣味によるかもね。
76名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 19:00:18 ID:GPx+7VP2
風俗の呼び込みによくあるよ
「本日は素子ちゃんまだ処女だよー!」ってやつ
77名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 07:14:27 ID:EblUttXc
義体を変える度に九課の誰かを犯る少佐
78名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 12:47:51 ID:jPjwzy3m
同じ女に二度犯られるパズ。
79名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 13:44:03 ID:5Y+n9AT9
>78
パズ「俺は同じ女とは・・・二度は・・・グスン」
少佐「前に寝たときとは違う義体だっていってるでしょ。(タバコプカー」
パズ「そういう問題じゃねぇよ!無理やり押し倒しやがって!ウワアアアン!」

こういう情景が目に浮かんだよ、なんとなく。
80名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 21:10:36 ID:ZOqrbw9U
>78-79
何嫌スレやってるんですか。
81サイ素バレンタインネタ前編1/2:2006/02/03(金) 03:10:01 ID:Bjaie1Fy
「また自閉モードにしてたでしょ?」
そういって俺のセイフハウスに買い物袋を持った少佐が乗り込んできたのは5分ほど前だ。
旧市街の高級マンションの一室、上の部屋にお偉いさんだかその愛人だかが
住んでいるらしく、それなりに家賃のかかる部屋の一つだ。
「なんで来た?」
「そう怖い顔することないでしょ・・・近所で買い物してたらたまたまあんたを見つけたから」
「つけたのか・・・。」
「まあね。それにしてもいいところ住んでるわね、あんたみたいなタイプって安宿渡り歩くか
女の部屋転々とするかって感じだけど。」
「それはパズの十八番だ。それよりも、理由はなんなんだ?
プライベートの詮索にしてはやりすぎだぜ。」
少佐は黙って食器棚を漁り出す。目当てのものを取り出しキッチンへ運ぶ。
「なぁ・・・まさか俺の部屋でワイン飲むためだけに来たわけじゃないよな?」
少佐は買い物袋から真空パックのチーズと蒼いワインボトルを取り出し
呑む気まんまんで準備を始めている。
82サイ素バレンタインネタ前編2/2:2006/02/03(金) 03:12:05 ID:Bjaie1Fy
「ほんっとうにいい部屋よねぇ。目の前の川挟んで駅はあるしカフェはあるし・・・
あのカフェ、行った事ある?」
「朝メシ喰いに・・・というかそれを聞きに来たんだろ?」
「半分は、ね。」
その半分は今は聞かないことにして俺は話を進める。
「少佐も知ってるだろうがあそこはヨーロッパ系の組織のベッドだ。
俺がそれを知ったのは最近だがな。」
「へえ?」
「元同僚がいたんだ。もっとも奴は二月前に福岡でヘマやったみたいで
それ以来会ってない。」
「米帝と接触してる可能性は?」
「旧市街は茅葺総理の地元。どちらかといえば親中派の先生が多いから
CIAは目立つ行動がとれない。」
「ミスしたら後ろ盾どころか、つるし上げくらいかねない、か。
ねぇ、ワインオープナーある?」
「シンクのすぐ隣の引き出しに・・・って、本当にここで呑む気か?」
「いいじゃない、オフなんだし。」
少佐はコルク栓を引き抜き悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「せっかくのバレンタインなんだし。」

ヽ(;´Д`)ノ つづきはまたこんどぉ
83名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 06:50:05 ID:5f2TTaSW
積極的な少佐イイ!!!
84名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 09:35:08 ID:hATDwgAs
バレンタイン……さも、見てきたかのように進駐軍の話を語りだす少佐?
85名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 19:11:19 ID:DZd2xFa2
ちょっと照れ屋さんなサイトー萌え。
86名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 20:15:47 ID:xqwMhUce
マンソン下の電柱の影にバトーさんがいたようだが?
87名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 22:39:47 ID:DZd2xFa2
電柱に隠れきれなくて丸見えなバトーさん萌え。

ところで、携帯でスレ検索できなくなったんで、一回上げさせてね。
88名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 23:54:14 ID:h36QGK+o
サイトー、素子とやったなんてバレたら、バトーに抹殺されるんじゃあ…
89名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 00:43:19 ID:YVD6VPXD
そうか。 ヽ( ∴)ノシ
だから、サイトーさんは、必死に話を逸らして、
場が変な雰囲気にならないように必死に頑張っているんだね。
 ヽ( ∴)ノシ
「あんたな・・・少しはここがどこか考えろよ。」
「分かってるわよ、あんたの部屋でしょ。」
黒いハイネックのノースリーブシャツにスラックスという、相変わらず色気のない格好の
少佐がソファーで沈没していた。
少佐はワインを2本もこの部屋に持ち込んでいた。一本目が空になった時点で
俺は2杯飲まされ、今は俺が一滴も飲んでない二本目が半分空になっている。
「・・・動けないわ。」
けだるそうな声で少佐は言う。
「起きろよ。」
「いやよ、ベッド運んで。」
「馬鹿言え。あんた持ち上げたら左腕が取れるぜ。」
「失礼なやつね・・・。」
口元に不機嫌さをにじませながら少佐は俺を睨む。
限りなく素の表情だ。
「あいつの前でそういうことは言えよ少佐。泣いて喜ぶから。」
「あいつ・・・ああ、バトーね。」
彼女だって気付いているだろう。あの大男が海を請う鯨のように、
自分に思いを寄せていることくらい。
ただ、彼女にとってそれがありがたいことであるかどうかは
俺にはわかりかねる事だ。
「なぁ・・・あんまり聞きたくないが、わかっていて今日俺の所に来たのか?」
あまり口にしたくない話題だ。
「さぁね?別にこういうことは職場に持ち込む気はないし。今日は個人的に
ここに来た。それだけよ。」
「でも、あいつはそこまでドライじゃないぞ。」
馬鹿がつくぐらい正直で、自分の感情を隠すことが下手で。
少佐への感情だって自分では隠しているつもりだろうが
バレバレにもほどがあるくらいだ。
「バトーが怖い?」
「そりゃあもう。」
「ふぅ・・・ん。もう一杯ちょうだい。」
そう言ってグラスを差し出す。こぼすなよ、と釘をさしながらワインを注ぐ。
「バレなきゃいいんじゃない?」
その目には好奇と物欲しさが見える。
「何が?」
「私がここにいること、私がこれからしようとしてることが・・・。」
「あんたとの付き合いはそれなりに長いが、こういう面があるとは知らなかったな。」
「・・・嘘つきね。」
そういって少佐は起き上がり、ワインを含んだ口唇を俺の顔に近づけてきた・・・。

 ('(゚∀゚∩ つづくよ!
92名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 02:52:31 ID:Vmxsi5IZ
きゃーつづきつづき!エロイおねえさん少佐たまらん!
93名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 10:59:28 ID:MTa27Ac7
逃げ腰なサイトーさん ラブリー。

電柱からバズーカのぞいてるような悪寒。
94名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 19:23:28 ID:WJM1e3UP
サイトーの命もあとわずかだなw
※サイトー君はいつものシャツ(前開きっぱ)にピタパンですお。

少佐は座っている俺の膝に乗り、顔を近づけて来た。
口内に生暖かいワインと少佐の舌が流れ込んでくる。
口からこぼれたワインが1.2滴、顎を伝い落ちる。
「あら、もったいないわね。」
少佐はそうわざとらしく言って、鎖骨辺りまで落ちたワインの雫を舐め取る。
「随分鍛えてるみたいだけど・・・いつまでも維持できるものじゃないわよ。」
そう言って俺の胸元に直に手を置く。
「まさか全身義体化の説得に来たのか?」
「前に説得した時にそれはあきらめたわ。」
「あれから何年になる?」
「10年・・・。」
少佐の右手がシャツに侵入し、俺の左肩に触れる。
「恨んでる?」
「あんたの下で働くことの代償だとしたら、安かったかもしれないな・・・。
不思議な感じだ・・・。本当はあそこで死んでたはずなのに、今は
捨てた祖国で俺を殺すはずだった女に、ワインを口移しで飲まされてさ。」
「あんた、酔うとそんなにいらないことしゃべる男だったのね?」
「酔わせたのは誰だよ?」
「・・・サイトー。」
少佐が俺の腹筋の線を指でなぞる。
「少佐、その下は触るな。」
「偉くなったわね。私に命令する気?」
少佐はシャツに潜らせた左手で背筋を撫で上げる。
「っ・・・・!」
「生身だと不便ねぇ。性感帯も隠せない。」
少佐の目はあの時の、サディスティックな目だ。
「ずるいな・・・あんたは。」
「何のこと?」
知らないわけがない。あの日の刷り込みで、俺がその目に逆らえないことを。
俺に何か特別な命令をする時は、必ずそういう目をするくせに。
「次のキスが終わったら、ベッドに行きましょう?」
そう言って少佐はまた顔を近づけてきた・・・。

 まだつづく・・・ヽ(´A`)ノ
97名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 01:31:52 ID:2BCS2/0K
わーぎゃーやっちゃて少佐!やっちゃって〜!
逆らえないサイトー激萌え〜〜!
少佐カコイイ〜〜!
98名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 01:56:21 ID:9b7hVqze
サディストだなw
99サイ素バレンタインネタ閑話休題編:2006/02/06(月) 01:39:51 ID:vRb/Wn49
本部ダイヴルームにて
パズ「何イラついてるんだバトー」
バトー「少佐が旧市街のマンションに入ってからもう一時間も出てこないんだよ(イライラ」
パズ「ここか・・・与党幹部がここで二号さん囲ってるはずだが。」
バトー「最新の報告書ではサイトーの自前のセイフハウスが入ってるとさ。」
パズ「サイトーの?」
バトー「そう、サイトーの!」
パズ「・・・バトー、気持ちは分からんでもないが」
バトー「こんな日に独身女が!単身で!独り身の男の部屋ってことはだなぁ!!」
パズ「落ち着け、相手はサイトーだぞ。」
バトー「これが落ち着いてっ・・・てサイトー?」
パズ「そうだ。あいつに少佐を押し倒す度胸があると思うか?」
バトー「・・・そうだな、サイトーだもんな。」
パズ「だからお前が考えているような間違いは、まず無い。」
バトー「そうだよなぁっ、考えるだけ損ってこったなっ。」
パズ(ただし、少佐が押し倒すなら話は別だが・・・)
バトー「俺、タチコマの様子見てくるわ。」
パズ(言わぬが花ってこともあるよな・・・。)

 続きは明日書きます(´・ω・`)
100名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 05:14:54 ID:yXeJs8U0
バトーさん素直でかわいい
涙を誘う…
101名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 10:13:28 ID:QXSHPYmk
>99
×パズ(ただし、少佐が押し倒すなら話は別だが・・・)
○バトー以外(ただし、少佐が押し倒すなら話は別だが・・・)
102名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 21:23:41 ID:Ewe75p1l
どう考えたって、押し倒すのは「少佐」だろ!
言わぬが花でつねw
103名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 01:50:54 ID:K4qmbDmM
なぜか、タチコマが突撃するのを想像した。
104名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 05:11:42 ID:lHnWSTEI
人型タチコマを考えてみた。
バトーさんが惚れるほどの外見にしようと思ったら声より大人になっちゃった。
http://mumuten06.cocolog-nifty.com/photos/uproda/batosaan.jpg
少佐は寝室に入ると、何の抵抗もなく自ら衣服を脱いだ。
通常の量産型義体とは似て非なる義体・・・、
過酷なミッションのためにチューニングが繰り返された義体だ。
ほとんど彼女のオリジナルといっても過言ではない。
俺も少佐に促されてシャツを脱ぐ。
「そのドッグタグ、何かのお守り?」
ベッドに腰掛け、腕時計を外しながら少佐が問い掛ける。
「弾除けだよ。こいつをぶら下げてると被弾しないらしい。」
「でもあの時はもろに喰らってたじゃない?」
「あの時は下げてなかった。」
「そう。」
少佐の伸ばした右腕を取り、一緒にベッドに横になる。
少佐の腕が、俺の首に巻きつく。
生身の女と寸分違わぬ背中の感触、首筋から仄かに薫る潮と薔薇の香り。
「初めて義手つけた時は二度と左手で女の体撫でられないって嘆いたもんだよ。」
「あの頃の競技用義手は装飾用を兼ねてなかったからね。
それにしてもティーンエイジャーみたいな発想ね。」
「男ってのはそういうもんだよ。
年中発情してた時期を過ぎてもそういう思考をふと思い出すのさ。」
「バトーを見てるとよく分かるわ、それ。」
「あいつは極端だがな。・・・たまに羨ましく思う。」
そこまで聞くと、少佐はそれ以上はしゃべらせまいとしたのか
俺の顔を両手で覆い、唇をふさいだ。
厚めの、ぽってりとした唇の感触。
指すべりのよい肩甲骨を伝い、俺の手が少佐の脇の下へ、そして
人工筋肉とは違う、やわらかい物に触れる。
その手触りが気持ちよくて、何度も手の中で弄ぶ。
その先端を軽くつまむと少佐はわざとらしく声を上げた。
俺の顔を覆っていた少佐の手が、首筋に、胸板に、脇腹に降りていく。
「せっかちだな・・・。」
「随分待たされたもの。」
そう言って少佐はズボンの前に手をかける。
ファスナーが開き、ブリーフ越しに指先を感じる。
「なぁに?あれだけ渋ってたのにしっかりしてるわねぇ。」
「あんたの裸見て勃たないなんて失礼だからな。」
「言ってくれるわね。」
スクスク笑いながら少佐はブリーフの中に指を侵入させてくる。
ブリーフから俺の股座の銃身を引っ張り出して、珍しいおもちゃでも見るかのように
しげしげと見つめる。その視線が、さらに俺を高めた。
少佐は体勢を替え、その重量感溢れる尻を俺の顔に向けてきた。
合い舐めをするつもりらしい。
せっかくの機会なのでこちらも観察させていただくことにする。
数年前まで高価でオプション扱いだった人工性器だ。
最高機密の粋を集めたともいえる少佐の義体のギミックの中で
もっとも繊細で、豪華に出来た器官。
義体年齢からすると少し若すぎるとも思える、淡い色の器官を
右の中指と人差し指で開く。
職人がとんだ凝り性だったらしく、バイオ素材で作られたそれは
本物以上に本物らしかった。
少佐は少佐で、取り出したものを口で弄び始める。
どこで覚えてきたのか、時折素人娘のようにわざと歯を立てる。
「おい、噛み千切るつもりじゃないだろうな?」
「ん?代用品もあるんだし、そういうプレイでもいいんじゃない?」
「やめてくれ、そういうこと言われると縮んじまう。」
「そうなの?さっきより硬くなってるみたいだけど?」
そういってまた軽く歯を立てる。
「やっぱり、マゾヒストだったのね。」
「味覚的刺激で勃ってるのもあるんだぜ。」
そういって目の前にある器官に舌を突っ込む。
口の中に人工的な苦味と酸味が広がる。
こういう物を作る時には、いったいどこからサンプルを
引っ張ってくるのだろう?
「むふっ・・・うぅ・・・ん」
少佐は加えたまま、啼き声を上げる。
舌で特に硬くなった一点を責めると、その背中を緊張で反り返らせる。
趣味の悪い作りだ。左の中指一本入れただけなのに、かなりきつい。
抜き差しするほどに、潤みが増す。

 前半戦終了、後半戦につづきます・・・。
108名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 15:45:17 ID:4F2zW7IQ
>>104
ちょwwテラカワイスw
巨乳萌え

サイ素キタコレ後半戦期待大ガンガレ
109名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 23:07:47 ID:J7zI5o8Z
義体描写が良いですね。
脳内サイトーは余計な事ばっかり考えてるような?
110名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 01:45:54 ID:rBwJ45GZ
わあ〜少佐のアソコの描写が美味しそうだ〜
ジューシーそうで(*´Д`)ハァハァ
111名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 14:14:42 ID:0ayDiP89

  ヽ、メ、〉      r〜〜ー-、__      ___________________________
  ∠イ\)      ムヘ._     ノ      |
   ⊥_      ┣=レヘ、_ 了     | 
-‐''「 _  ̄`' ┐  ム  _..-┴へ    <だから、オペ子同士のレズエロ同人を出せと言ってるんだ!
  | |r、  ̄ ̄`l Uヽ レ⌒',    ヽ.    | 
  (三  |`iー、  | ト、_ソ   }     ヽ   |
  | |`'ー、_ `'ー-‐'    .イ      `、   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | |   `ー、    ∠.-ヽ      ',
__l___l____ l`lー‐'´____l.       |
蘭の様な器官が俺の唾液と分泌液でエナメルのような光沢を帯びる。
下を弄り始めてからの少佐の反応は、先ほどまでのわざとらしさは消えていた。
体勢を替え、少佐の体をベッドに横たえてさせて、その横にポジションを取る。
「えらく感じてるようだが、触覚域のMMでもいじったか?」
「この前使ったイコライザ・・・ぁ・・・まだ返してなかったからかも・・・。」
「少佐の女友達の「試作品」か、やるなぁ。」
「調子にのるなよ・・・サイトォ・・・ひゃっ」
やっとこなれてきた箇所にもう一本指を突っ込む。
前よりもスムーズに入りはしたが、やはりきつい。
「こら・・・中でねじるなぁ」
回転を加えながら侵入する指。
反応する少佐の声と液体の音が部屋に響く。
「あ・・・だっだめだっ・・・やぁ」
さっきまでの態度との落差が面白くてさらに責める。
「あんたもそういう顔するんだな。酔っている所為か?」
「・・・ばか。」
再び少佐と唇を重ねる。突っ込んだままの指が締め付けられる。
粘り気のある音・・・。口元からか、それとも少佐の下半身からかもわからない。
やっとで顔を離すと少佐の上目遣い眼差しが痛い。
「サイトー・・・そろそろよこせ。」
意を解した俺は少佐の足を開かせ、その間に体を入れる。
ズボンをずり下げ、得物をあてがうとゆっくりと少佐の中に
侵徹させていく。
「はぁ・・・あ・・・ぅん」
少佐が溜息とも喘ぎともつかない声を発する。
じらすわけではなかったが、ゆっくりと腰を動かす。
少佐の中は固めのゼリーを割って入ったようだ。
「じらすなっ・・・もっと動け。」
「少佐・・・。」
少佐に促され、小刻みに腰を動かし始める。
揺れる少佐の体を組み敷いて。
下半身からくる刺激と視覚的な刺激でだんだんトランス状態に
なっていくのがわかる。
「少佐・・・俺・・・」
「ここまでやっ・・・て・・・その名前で・・・・呼ぶなっ」
嗤っている?
いままで抱いた女の中で一つになっている時に嗤う女はいなかった。
むしろ顔を歪めていて、それが感じている顔だと思っていた。
じゃあ何故少佐は嗤っているんだ?
時折見せるサディステックな微笑み。
そうか、彼女は・・・
「いいっ!いいぞサイトー!そのまま・・・」
決して俺の愛撫で感じていたわけではないのかもしれない。
究極のサディストとは・・・
「もっ・・・もと・・・こぉ」
己が陵辱される姿に興奮を覚える、マゾヒストでありナルシストだ。
114サイ素バレンタインネタモロ出し爆睡編:2006/02/09(木) 04:04:56 ID:STQ2Z8PA
目が覚めると日付はとっくにかわっていて
俺の腕の中にいるはずの少佐はいなかった。
ずり下がったまんまのズボンをはきなおす。
開けっ放しの寝室のドアをくぐり、廊下に出る。
リビングのほうに目をやると、空いたワイングラスが二つ目に入る。
とりあえず、擬似記憶をかまされた可能性が少ないことは理解して
浴室に足を運ぶ。
どちらにしろ、夢みたいな体験であったことにはかわりはない。
頭から冷水を浴びれば、嫌でも現実に戻れるのだから。
115サイ素バレンタインネタ〆:2006/02/09(木) 04:06:59 ID:STQ2Z8PA
2月15日の朝。
オフィスに出勤してきた草薙にパズが近づく。
「少佐、出勤早々わるいが頼みがある。」
そういって包みを渡す。
「なにこれ?」
包みの中にはラッピングされた小さな箱。
「これをバトーに渡してくれ、「一日遅れた」って言って・・・。」
「これ、ポセイドンのサイボーグ用チョコ?なんで私が・・・」
「・・・今日がサイトーの命日になるぞ、渡さないと。」
「・・・ああ、バレてたのね。」
「もろバレだ馬鹿。なんで昨日いないんだよあんたは。」
「だってあいつの視線痛いんだもの。特にああいう日は。」
「バトーとサイトーがかち合う前に渡せよ。ボーマが選りすぐって買ってきたんだからな。」
「やるだけやってみるわよ。」
こうして9課始まって以来の最悪の痴話喧嘩は回避されたという・・・。

 これで終わりです。長々とお付き合いありがとうございました。
116名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 08:20:04 ID:e6nWiy59
GJ!
少佐がエロかわいい・・・
117名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 15:28:30 ID:5ADYO4jy
GJ乙!!!!
オチがワロスww
118名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 18:33:55 ID:Z/EYTjrk
GJ!!!!
チョコを選んでるボーマを想像してワロス
119名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 18:35:54 ID:TMqMbQ5S
GJ!!!
良かったよ!
ボーマが買ってきたチョコ…ワロスww
120名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 23:29:41 ID:lu/WFqTm
GJ!!!
ボーマめ、以外と気が利くな。
121名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 00:33:41 ID:/IXricaN
122名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 05:26:50 ID:V4E/czdG
>>115
おもしろかったよー
ありがとう!少佐エロイかわいい〜〜
もっと長くやってるとこ 見たかった!
123クゼ×アオイ×素子 1 :2006/02/12(日) 15:19:30 ID:lb1v1/WP

<……至高性には数多くの形態がある。
つまり、それがただひとりの人間に凝縮されていることは、
ごく希でしかなく、常に多少とも拡散したものなのだ。
至高な者をとりまいている者たちはふつうその至高性を共有しているが、
至高性は本質的には、個人の生を全般的に保証するため
死の危惧が尊重されている諸限界を、受け入れる事を拒むことなのである。
殺戮は、至高な生の回帰を保証する唯一の手段ではないが、
至高性はつねに、死を前にしておぼえずにはいられない諸感情の否定に結びついている。
至高性は、少なくとも一定の条件内では、殺戮の禁令を侵害する力を要請する。
それはまた、死への冒険をも要請する。
至高性は、性格の力づよさを介して、死の事実と結びついたあらゆる欠如性の清算と、
奥深い戦慄への無頓着さとを、強制するものなのである。
至高の世界、あるいは聖なる世界は、実用性の世界に対立するものとして、
実際には死の領域であるが、それは欠如性の領域ではない。
至高な人間の観点からすれば、欠如性と欠如としての死の表象とは、
逆に実用性の世界、すなわち従属性に結びついたものなのだ。……

すなわち、あなたを至高の存在として認識した大衆、
あなたのサーバーにリンクし、貴方の信念と、あなたの行動と、
あなたの存在そのものを、至高の者として崇拝し、
あなたと行動の記憶を共有する者たちの存在こそが、
施政者にとって対する脅威となる事を認識していなかったとは云わせない。
その集合体としての個人を保証するために、集合体における至高者、
つまりあなたの存在を脅かす者、排除しようという勢力に対して、
死を前にして当然起こりうる恐怖の感情を、至高者に依存する集団を守るという大儀の下に、
自己犠牲、あるいは、冒険への高揚感という感情への転換をもって排斥し、
そして、排除する側に対する殺戮の禁令が侵害されたという事。
あなたの罪だ。
僕は、あなたに問いたい。
あなたが出島難民のカリスマとして君臨したこと。
ぼくだって、<笑い男>というサイバーテロのカリスマの威を被って、
ネットの中で寓意の存在として大衆の思想誘導を計ったことはあるけれど、
どうして貴方は、武器を取った。
あなたほどのカリスマなら、武器など取らずとも、いくらでもサイバーテロを仕掛けられたんじゃないですか。
崇拝者の中には、僕程度のハッカーぐらい、いくらでも居たでしょうに、
どうして、最も最悪の結果を招く方法を取ったのですか?>
124クゼ×アオイ×素子 2 :2006/02/12(日) 15:20:13 ID:lb1v1/WP
「これは、あなたが出したものね」
草薙素子は、プリントアウトされたメールを差し出した。
少年は、顔を上げ、伸びすぎた前髪の奥から瞳を覗かせた。
「失われた勇者に残された道は、神に祭り上げられる事、かな。
 彼の本音を聞きたかったのに、ついに返事が来なかった。
 貴方が僕に用があるなんて、どうしたんですか」
少年の現在のアルバイト先である設計事務所のオフィスは閑散として、
CAD図面を出力する旧型の大型プリンターの音だけがうるさい。
「あなたも、こういった処で働けるようになったのね」
「いえ、僕がここの上の階に部屋を借りたら、顔見知りになったここの所長さんが、
連休中にこのプリンターが故障して困っていたので、修理してあげたら、
暇な日だけでいいから電話番にって雇ってくれたんです。
 僕の部屋に行きましょう。ランチの時間は、部屋に戻っていいんです」

 出島事件の後、9課は総理の命令により、
CIAのマイクロマシンによって半ば破壊された救世の電脳サーバーを再構築し、
データのサルベージを遂行した。
 しかし、サルベージできたのは3割に過ぎず、事態の詳細な報告書を作成しようにも、
あまりにもデータが足りない。
 草薙素子が、サルベージされたデータの中から、そのメールを見つけだし、
こうして本人の前に現れたのは、彼のハッカーとしての手腕と、
その嗜好に一縷の望みを抱いたからであった。
「我々は、あの事件に関する詳細な報告書の提出を求められている。
その報告書を政府がどう利用するかを推測するのは、我々の仕事の範疇ではない。
でも、わたし自身の意見を言わせてもらうならば、彼を神様にはしたくない」
 少年は、素子の言葉に口元を綻ばせた。
「この日本という国は、為政者に憤怒して乱を起こし、成敗された魂を、
神として崇める習慣がある。
それは、為政者の側が、成敗された敵対者に対して敬意を払うことによって、
云ってみれば、乱が起きた原因である政治不信に対しての理解を示す
パフォーマンスを演じる事ができる。
云うまでもない菅原道真や将門公、赤穂浪士のように。
この国は、そうやって、テロリズムを英雄扱いする事により、
不平分子を上座に置き、大衆に崇めさせることによって、問題をすり替え、
事を収めてきた民族なのです。
あなたの意向など全く斟酌されず、世論と、言論操作する側は、
被差別側の英雄を放っておきはしない。
彼の経歴、彼の詳細。テロリズムに至る道筋の思想と境遇の変遷。
そういったものをいちいち取り上げ、ワイドショーでお茶の間レベルで事件の背景に迫る。
世論に生じる事件への理解。
今回は、出島と周辺住民以外、目に見える被害があったわけではないし、
米帝が乗り出してきたことだって、機密事項にされているはず。
救世に同情の念を集めるのはそれほど難しくないだろう。
マスコミはみんな、彼の過去を知ろうと躍起になっている。
でも、彼の過去は、簡単に入手できる状況にはない」
125クゼ×アオイ×素子 3 :2006/02/12(日) 15:21:27 ID:lb1v1/WP
 手持ち無沙汰なのか、少年の手は、素子に渡されたメールを片手で弄んでいた。
 アイスティのグラスは、うっすらと汗をかき、氷が小さく音を立てた。
 素子は、無意識に向けていた視線を少年の手元から戻した。
 ベッドひとつと、三段ボックスひとつ分の本、
ホームセンターで売っている一番安価なタイプのテーブルと椅子。
 そして無造作に置かれたノートパソコンと作りつけのクローゼット。
 生活に必要な最低限の暮らし。
「彼は軍でも特に秘密にされてきた部隊に所属していたわ。
それに、現在の名が本来の名前とも限らない。
素性が厳重に秘匿されていたとしても、何の不思議もないでしょう?」
 素子は、アイスティには手も触れず、少年の気配を観察した。
「それは、あるでしょうね。
ですが、本当に、それだけですか?」
 少年の手の中にある紙片が、いつのまにか正方形に整えられている。
「公費義体補助法による無償提供義体。
その対象者である事が、経歴の秘匿の理由ではないのですか」
 公費義体補助法。
 義体は、本来、事故や先天性の奇形による障害者のために推進されてきた技術であった。
 電子技術の発達により、義手・義足もコンピューター化され、
そのオペレーションのために、神経伝達組織の情報を体内に埋め込んだ
マイクロチップによってコントロールしたことが、現在の義体と電脳に結びついている。
 だが、技術革新が進むにつれ、それらの価格は膨大に跳ね上がり、
当事者である低所得層の身障者がその義体を導入する事を困難にしていた。
 通常は、自立した生活を営むことのできる最低限度の機能をもつ義体を、
当該世帯の年間所得の一定基準額で貸与する制度である。
 さらに、公費による生活補助が受けられない者に対して、無償義体認可証が発行された 
義体開発メーカーは、無償義体認可証を発行された者に対して、
モニターとして義体開発に協力することを条件に、
該当企業より無償で義体を貸与されることができるという制度である。
 当然、開発途上の義体であり、事故、不具合のリスク、
あるいは機密保持のための生活圏の制限などはあるものの、
メンテナンスを初めとする一切の経費も含めて全くの無償、
加えて、機密保持のための就労制限などによりモニター料まで支払われる場合もあり、
身よりのないもの、社会保険料の未払いにより社会保障を受けられない者にとっては、
決して悪いものではない。

126クゼ×アオイ×素子 4 :2006/02/12(日) 15:22:13 ID:lb1v1/WP
「わたしの義体が無償認可義体とでも?」
「最新鋭戦闘機二機分の高性能義体。とても個人で所有できるものではない。
その維持費だって、馬鹿にならないはずだ」
「私は公僕だわ。
仕事に使用する義体を、国家から提供されて、何の不思議もないでしょう。
彼だって、同じようなものだわ。」
 少年は、右手を顎にあて、少し考えるような表情をした。
 空いたもう片方の手は、相変わらず紙片をいじり続ける。
「あなたも、彼も、幼少の頃に家族を失っている。
そして、二人とも重大な事故に遭い、全身の義体化を余儀なくされた。
一時期、同じ病棟に暮らしながら、その後、お互いがお互いの消息を知る事は
できなかった。
 そう、あなたは、彼と同じ飛行機に乗り合わせ、そして、事故が起き、
その事故でお互いの家族を失い天涯孤独となった。
マスコミは、その衝撃的な事故と、奇跡的に生き残ったあなた方のことを、
連日で報道していた。
そして、身よりのないあなた方を、競合する二つの義体開発企業が引き取った。
あなた方に対する処遇を正当化するために、後付けで出来た制度、ですよね」
 素子は、言葉を失った。
 少年の表情に、これまで見たこともない、大人の男の気配が過ぎった。
 少年は、弄んでいた紙片を素子に差し出した。
「あなたが、僕のところに来たのは正解です。
あなたの捜し物は、ここにある」
 素子の前のグラスの側に、白い折り鶴が転がっていた。

127クゼ×アオイ×素子 5:2006/02/12(日) 15:23:08 ID:lb1v1/WP
「そう……、そういう事なの。
彼があの時、出島難民に対して行おうとしていたことを、
あなたは、彼を対象に行ったわけね。
……あなた自身を記憶のバックアップ装置にして」
「ぼくは、彼の攻勢防壁を抜け、
当初は普通にネット上のサーバーに彼のゴーストごと記憶をバックアップした。
でも、彼のゴーストがぼくの確保したサーバー上で再生できるものか、自信がなかった。
でも、確認している時間はない。
だから、僕は、ぼくの特異性を利用して、僕の脳殻内に彼のゴーストを焼き付けた」
「大胆なことをするものだわ。
一つの脳殻に、二つのゴースト。
普通の人間なら、精神崩壊を起こしかねないし、
彼の攻勢防壁を突破した時点で、あなた自身の脳を焼きかねない」
「この前の件で調査済みとは思いますが、僕は、広汎性電脳殻適応障害です。
電脳閉殻症の至近に位置づけられるが、電脳閉殻症ではない。
ネットとの同化欲求は、電脳閉殻症と何ら変わるところはないが、
社会通念との接点も持ち合わせている。
しかし、自分自身のゴーストとしての意識が稀薄である事。
自己のゴーストが稀薄であるがゆえに、他人のゴーストに同化し、
他人のゴーストを自分のゴーストと自分の脳殻に誤認させることができる。
だから、僕があなたほど強くなくても、あなたと記憶の並列化を行うことができた」
「それで、今のあなたは、あなた自身なの?
それとも……」
「会いたいですか?
僕は、あなたの記憶も持っている。
そして、僕の記憶を彼と共有したことで、彼もまた、
あなたの気持ちを確認してしまった」
少年の顔が曇った。玩具を無くして佇むような子供の顔。
「アオイ。わたしはただ、仕事で……」
 素子は、言葉を繕った。
 本心では、少年の指摘を肯定しながら、同時に少年が自分に抱く激情も知っていたゆえに。
 
128クゼ×アオイ×素子 6:2006/02/12(日) 15:26:17 ID:lb1v1/WP
 次の瞬間、少年の顔から翳りが消えた。
 素子は、それまで手を付けなかったグラスに手を伸ばした。
 一気に半分ほど飲み、そしてテーブルに戻した。
 アオイが折った折り鶴の片翼が、グラスの水滴で濡れてしまった。
「再会できるとは思わなかったわ。
 アオイはどうしたの」
 少年本人では作り得ない、おだやかな、ゆとりさえある大人の表情に視線を向けた。
「自らのゴーストの殻に籠もってしまった。
 表面の意識に俺を引き上げてね」
「それで、お前は本当に<救世英雄>のゴーストなの?
 それとも、アオイがお前の記憶と同化して、
 アオイのゴーストが作り上げた疑似人格なの?」
「それは、俺自身が判断できる問題じゃない。
 疑似人格と俺が判定すれば、俺は俺の存在を否定する事になる。
 少なくとも、俺は今、ここにいる。
 見た目はこの前とは違うが、俺は何度も義体と顔を変えてきた。
 少々若すぎる外見になってしまったが、とりたてて違和感はない。
 いや、生身の身体は初めてだな。
 非力すぎる感覚が奇妙だが、それは俺が遠い昔に失ったものだ」
 少年の顔をしたその男は、まっすぐに少佐を見据えた。
「そうね。あなたは、この子よりもっと純粋で、素直ないい子だったわ」
「彼のなかにサルベージされたお陰で、俺はあの時に失った全てのものを、
 取り戻したような気分になる。
 これは、俺のものではないのにな」
「私たちは生き残った。でも、実は、あの時に既に実体を失ってしまった。
 私たちが、義体になる事を選択したのが正しかったのか否かは、もう分からない。
 そして、装換を繰り返すうちに、自分の姿にも固執できなくなってしまった」
「でも、俺たちには、俺たち自身が選択する道はなかったし、
 そして、この結果を導くだけの前例も無かった」
 男の語る言葉、素子の語る言葉、どちらがどちらの口をして語られてもおかしくはない。
 二人は同じ人生を歩まされた、双子のようなものだ。
 そのゴーストが、自分の求めてきた片割れの魂だと確認したいという欲求が、
このとき、どちらから湧き起こったのか。
 メランコリック。
 そう、そのときの感情を言葉にするなら。
 素子の中で、最も遠いところにあるその言葉なら、ふさわしいかもしれない。


129クゼ×アオイ×素子 7:2006/02/12(日) 15:27:06 ID:lb1v1/WP
「お前は、わたしを探してくれたの?」
「もちろん。俺の出来る範囲でね。
だが、俺は、ある時点で、俺個人である事をやめた。
その時、俺は俺自身にある過去への郷愁も捨てた」
「それは、あまり熱心に探さなかった、という意味の範疇に分類していいのかしら?」
素子は、感情の揺らぎを押し隠すように、わざと皮肉ってみる。
「さあな」
 男は、そっと素子の身体に腕を廻した。
 素子のメランコリックな気持ちを悟られたのか、それとも、
男自身、その感情にとらわれたのか。
 あの時もそうだった。
 瓦礫の下、タチコマたちが米艦の核ミサイル発射口が開かれたことを中継してきた。
 この世の終わりを覚悟しながら、遠い記憶の自分を、彼の中に見いだしたのだと思った。
 彼と抱きあいながら、初恋の思いのまま、逝けたらいいと思っていた。
 素子も、少年の背中に腕を廻した。
 あの時の強化義体のがっしりした逞しい感触とは違う。
 そして唇が重ねられたのは、ごく自然な流れであった。
「おまえが、アオイに興味を持ったのは、なぜ?」
 そう質問したのは、流される感情を自分の理性につなぎ止めておきたかったから。
「今どきのテロリストに、ハッカーはつきものだろう」
 キスの合間に彼が答える。
「そうね。質問がまずかったかしら。
 何時から、アオイに接触したの」
 重ねたお互いの身体に満ちる欲望を、焦らしながら弄ぶ。
 いつの間にか、素子の胸元ははだけられ、張りのある美しい丸みがのぞく。
「例のメールがすべてだ」
「嘘」
 素子は、乳首に吸い付かれ、小さく喘いだ。
「利息の切り捨てられた単位から小銭を集めようなんて事を、
まともな大人が思いつくかしら。
 そして、それを可能にするためには、最高水準に設計されている様々な銀行の様々な
方式の攻勢防壁をくぐり抜け、銀行のサーバー自体に直接アクセスする必要があるわ。
アオイは、受産施設で攻勢防壁の設計の経験がある。
 設計者なら、抜け道も知っていて当然だし、納品してからプログラムを改竄されていても、
魔法の呪文に答えるようなバグを仕込むことなんて、朝飯前。
 うちも欲しかった人材ですもの。あなたが目を付けても、おかしくはない」
 
130クゼ×アオイ×素子 8:2006/02/12(日) 15:29:05 ID:lb1v1/WP
 身体を重ねているだけで、官能が刺激されていく。
「最初に俺に関心をもったのは、あいつのほうさ。
 俺は、彼を、俺にアクセスするあまたの賛同者と同じように、
彼に出来る仕事を依頼したに過ぎない。
 ただ、仕事の内容上、サーバーを介した通信手段ではなく、
対面して、有線でお互いの思考を繋いだこともある。
 そのときに、あいつは俺の中に、あいつの求める何かへの答えがあると思ったのだろう」
「それは、何?」
「ヒントは恐怖と生存本能。
 それ以上は、やつの口から聞き出せばいいだろう?」
 もう、救世は答えなかった。
 素子を開いて、埋没していくその行為が全てであった。
 彼の手が、素子の背中を辿り、素子の手が、彼の感覚を刺激する場所を探っている。
 目を閉じてその少年の手の感触に身を任せていると、
少年と少女の姿のまま、抱き合っている錯覚に陥る。
 初恋へのノスタルジーと、今の孤独感。
少年の中に居る男は、寂寥の思いを抱いて戦場に立っていたはずだ。
 いくつも、いくつも、心と体に傷を負い、義体の換装を余儀なくされる度ごとに、
元々の自分が遠くなっていく感覚を抱きながら、生きていたのだとすれば、
この抱擁の時間は、遠き自分を引き寄せる事に他ならない。
 涙の枯れた素子の瞳のかわりに、秘所は男の愛撫に泣き濡れていた。
 男を愛しているのか、それとも、失われた少女の自分を求めて泣いているのか、
もう素子には分からない。
「大好きだったの」
 もっとも感じる部分を嘗め上げられ、舌先でくすぐられ、
 痺れる快楽に素子は、そう洩らした。
 その声に答えるように、男は素子を包み込み、きつく抱きしめた。
 相手の心臓の鼓動と、自分の鼓動。
 官能に、周囲の騒音は静寂と化し、ただ自分と、彼との世界が、そこにあった。
131クゼ×アオイ×素子 9:2006/02/12(日) 15:32:12 ID:lb1v1/WP
 素子は、唐突に思い出した。
 この感覚。
 死を覚悟した時の、恐怖の鼓動。
 あの時、彼は、緊急アラームの鳴る機内で、
とっさに座席のベルトを締める事すら出来ずに立ちつくす少女の私を、
ギュッと抱きしめた。
 その瞬間、足下が揺らぎ、私たちは、座席の足の下に倒れ込んだ。
 その後の激しい重力や、機体の揺れのなかで、あまりにもきっちり、、
座席の足に手足を絡ませるような格好で入り込んだ私たちは、
身じろぎひとつ許されない状態だった。
 それが幸いして、ベルトを付けていなかったにもかかわらず、
機内で上下に叩きつけられることもなく、墜落の衝撃で潰れた機体のなかで、
座席に保護され、深刻な外傷を負いながらも、致命傷を避ける事が出来た。
 激しく揺さぶられながら、なお、心臓の鼓動がやけに大きく聞こえた。
 長い眠りのあと、目覚めたときには失っていた記憶。
 堰を切って流れ出すあの記憶。
 いままで一度として思い出さなかったのは、それがあまりにも死に接近していたが為に、
精神の保護のために、素子の頭脳が行った自己防衛の手段。
 今まで、生きるための何かを求めてさすらっているような気がしていた。
 求めていたものは、あのとき自分を守ってくれた少年の腕。
 救世に抱かれながら、素子は、オリジナルの少女の心と体の記憶がまだゴーストに
焼き付いていることを認識する。
 そして、また、動きを止め、素子を胸に抱きしめ続けるこの男もまた、
事故の記憶を蘇らせたのか。
「生きていて、良かった」
 彼の言葉が、耳に届いた。
 そして、生きていることを確認するように、二人はまた行為に埋没していく。
 子供の頃の名を、彼が呼んだ。
 何と答えていいのかわからないまま、彼を導き、迎え入れ、その感覚を甘受する。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 人はなぜ、失われた過去へのノスタルジーに抵抗する事ができないのか。
 意識の奥に引きこもりながら、少年はその様子を観察していた。
 少年と脳殻を共有する男の記憶の中で、少女の頃の素子の姿が再現される。
 記憶の中の素子は、事故の前で、可憐に笑っている。
 その記憶に重ねながら、男は、現在の素子を抱いている。
 過去への郷愁がさらに快楽を呼び起こし、そして素子もそれに流されている、
 あるいは、彼よりももっと郷愁を求めているようにも見える。
 少年は、ノスタルジーを感じるほど、長い人生を送ってはいない。
 素子と共有し、救世と共有した記憶のなかにあるノスタルジー。
 それは、決して少年が共感できるものではありえない。
 だが、次の瞬間、唐突に現れたパニックと恐怖。
 少年に訪れるであろう緩慢な死とは対局にあるかもしれないが、
死に対する恐怖と、その向こうから帰ってきた者たちの意識を、少年は知りたかったのだ。
132クゼ×アオイ×素子 10:2006/02/12(日) 15:34:33 ID:lb1v1/WP
 少年は、午後の仕事に取り掛かった。
 あと3枚、CAD図面の出力が残っている。
 帰り際に、素子に訪ねられた。
「なぜ、彼をサルベージしたの?」
「オリジナルの不在がオリジナル無きコピーを作り出してしまうからですよ。
彼はカリスマで在り続けてはならない。
 かれは、ネットの中に存在しつづけ、変質していくことで、
模倣者は模倣を継続できなくなる。
 存在しつづけていくことで、彼は、神である状態を維持できなくなり、
神は人のなかに紛れてしまう。
 そのことで、模倣者は模倣する意味を失い、そして反乱の象徴は、
その役割を担うことが不可能となる。
 そして、あなたの中の<彼>は、もう、以前の彼と存在を異にしてしまったように。
 ………ちがいますか?」
「そうね。
恐怖心へのパニックを初恋の高鳴りだと勘違いしていた事に気づいたわ。
あなたのやりたい事は、つまり、それだけ?」
「そう。笑い男は、もう一度、笑うかもしれません。
 神を、人の世界に戻すために。
 彼の情報を、コピーしていきますか?」
「その必要は無い。
 あなたが捉えたという彼のゴーストは、単なるあなたの思いこみや、
 潜在的に抱えていた多重人格傾向ゆえの妄想で無いという確証がないから」
 少年の中に、先ほどの睦言の感覚が残っている。
 素子に愛されたいと願う少年の思いには、それが残酷な仕打ちに思えた。
 素子を抱いた記憶があるのに、それは自分であって自分ではない。
 彼と自分とが違うものである事に気づいてしまった。
 その事が、少年を、どのように変化させていくのだろう。
 彼を受け入れ、自分と並列化して、自分と彼との境界を失っていくのだろうか。
 それとも、存在の異質を認識し、自己の中で矛盾を抱えたまま崩壊への道を辿るのか。
 果たして、自分の選択が正しかったのか、もう判断できなかった。
 この選択へと導いた、真の理由。
 それは、電脳硬化症が進行して後の、自分の存在の可能性を求めての実験でもあったから。
「死への憧憬、それは、生存への恐怖を抱く矮小な自分が導き出したものであり、
そして、死の恐怖は、生きることへのエゴとの葛藤であるとは思いませんか。
 生きる事に対してどん欲である事が、本来人間に与えられた本能なら、
それがいかなる矛盾をはらむとしても、僕は最後にそれに賭けたい」
 素子は少年を抱き寄せ、長い長いキスをした。
「本当のところは、それか?
 自覚症状が出始めているのだろう。
 とりあえず、明日、病院へ行け。くだらない話はその後で聞いてやる」
 素子が階段を下りてゆく。
 男は、少年の意識の深いところに住んでいる。
 
−−おわり−−

133名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 22:06:06 ID:v3fUO3NH
GJ!!!
すごいよ…言葉もでない。
2ndの後日談として設定がすばらしい。
134名無しさん@ピンキー:2006/02/13(月) 05:50:22 ID:mJd/YnXM
GJ
読みながら脳内にI doが流れた
135名無しさん@ピンキー:2006/02/13(月) 17:50:21 ID:mdZQEDDM
うわぁ、GJ
きちっとプロットを立ててかいてるんだなぁ。
修行の旅に逝くよ俺・・・。
136雨その1:2006/02/16(木) 21:20:20 ID:vJ+h8I5U
梅雨にはまだ早いが、雨は激しく降っている。
旧市街に繋がる倉庫街への道を抜ける曲り角に、その女は立っていた。
白いノースリーブ、薄紫のスカートにトレンチコートを羽織り、
傘も持たずに暗い夜空を眺めている。
一見すると普通のOLのような見えるが、堅気の雰囲気がしない。
服装からしても娼婦では無い様だ。

雨は益々激しくなる。
男は、女の肩越しに傘を差しかけた。
「濡れるぜ」
女はゆっくりと男の方を振り返った。
「雨宿りしていくか?俺の部屋は直ぐそこだが…」
「そうね…」

「ありがとう、暖まったわ」
バスルームの扉が開き、女が出てきた。
バスローブ姿に、乾ききらない髪をタオルで拭きながら暖炉の前に座る…。
「飲むか?」
男はホットウイスキーのグラスを渡した。
「ありがとう」
「物騒だな、こんな夜更けに女ひとりで…」
「人を探しに来たのよ。久し振りに帰国したから迷ったのかな」
「外地に居たのか?」
「そうよ、メキシコ」
「メキシコ?あんた、報道関係か?それともまさか、軍属?」
「そのまさかよ。その前は北端に駐留して、そのまま派遣されたのよ」
「軍属か…そうは見えないな。俺も北端に居た事がある。北端と言えば…」
「根室上陸作戦よ、その少し前から居たの」
「奇遇だな、俺も同じ頃だ。最も俺は前線よりも情報収集だったがな。
凄腕のハッカーがいて、そいつから色々貰ったな。名前はなんだったか…?」
「クロルデン」
「そう、クロルデン。元内閣報道庁の…あんた、あの男を知ってるなんて、
見かけによらず裏世界には相当通じてるようだな」
「そうじゃないわ、私はただの下士官よ。上からの命令に従ったまで。軍はもう辞めたのよ。
 クロルデン…人形好きの気持ち悪い奴…腕は買うけどね」

女はグラスに口をつけ、ゆっくりとウイスキーを飲み干した。
「この部屋、あなたの趣味?随分古風ね」
「俺の趣味じゃ無い。前の持ち主さ。ここには滅多に来ないから、そのままさ」
男の部屋は、古風なビルの5階にあった。
部屋は些かアンティークな造りになっている。
備え付けの家具も時代がかかった木製ばかりで、大理石造りの暖炉まであった。
男の仮宿で滅多に使わないとはいえ、豪華な造りである。

「この暖炉…火はホログラム?」
「今時、街中で薪なんか焚けないぜ。もちろん作り物さ」
 女は火に向かって、両手で包むような仕草をみせた。
「本物の火に見えるわ、よく出来てるわね」
 女は作り物の炎の動きに合わせて、ピアノでも弾くよう指を動かした。

(外見と違って子供っぽいな…電脳戦に強い優秀な女指揮官…
「少佐」とか呼ばれているという奴の事を話してたな、クロルデンの野郎が。
 こいつかと思ったが、違うようだな)

女は指を動かす仕草を止めない。
(何が楽しいか…)
137雨その2:2006/02/16(木) 21:22:06 ID:vJ+h8I5U
深夜…雨は激しさを増していく。
女は相変わらず映像の炎を相手に指遊びをしていた。
女の白い指先が炎に絡まり、横顔は赤い光に照らされていた。

(見たところ、汎用型の全身義体のようだが…)

「あんた、全身義体だろ?よく動く指だな」
「今は良い制御ソフトが色々あるのよ。最も義体化したのは子供の頃だけど」
「それにしても、相当な義体使いだなあんた。それだけ滑らかに動く指は初めて見た」
「軍にいたんでしょ?全身義体なんて珍しくもないわ。あなたも一部を義体化してるみたいね」
「ああ、珍しくもないね。それでも、俺が入隊した頃は生身の奴も結構いた。義体化は金がかかる。
 生身の奴が義体化するのは、負傷した時だけだった」

(嫌な思い出だ…)

男は、北端に居た頃義体化した。
敵方に潜入した時、半死半生の目に合ったのだ。
原因は味方の裏切りだった。
電脳化はしていたものの、それまでの男は生身に拘っていた。
物心ついた時には、この世の人で無かった両親…
他に兄弟も親戚も無い男にとって、自らの肉体だけが唯一の記憶だったからだ。
生身に拘る男は、抱く女さえ生身に拘っていた。
それが命と引き換えに、己の肉体の一部を義体化した。
肉体の一部をを失う…過酷なリハビリ以上の辛さだった。
回復した男は、そのまま軍を退役してしまった。

男は昔を思いながら、女の横顔を見つめていた。
作り物であるはずの女の指先は、相変わらず滑らかな動きを見せ、
生きている以上の艶かしさを湛えている。
「全身義体の女が、そんなに珍しい?」
「いや…」男は、言葉に詰まる…。

暫くの沈黙の後、不意に女の口から言葉が出た…
「全身義体の女を抱いた事はある?」
男を見つめる女の眼差しは不敵に満ちているように見えた。
「いや…無い…一度も…」
不敵に満ちた眼差しは、やがて優しい誘いの眼差しへと変わっていた。
「じゃあ、試してみる?私と…」

男は返事に躊躇した…女には慣れている筈の自分…何を恐れているのか解らなかった。
同時に抗い難い甘い誘い…いつしか男は、白い指先の動きに捉えられていた。

女の生乾きの髪の毛を伝い、ひとしずくの水滴が女の頬を濡らす。
男は、女の首に掛けられたタオルに手を伸ばし、そっと水滴を拭った。
返事の代わりに、男は女と唇を重ねた。

つづく
138名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 21:37:43 ID:Q6DPUynD
うひょっ
なんか少佐がかわいい!
139名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 07:17:36 ID:Y3VgTg7Y
キタコレ
オチがきになる
140雨その3:2006/02/17(金) 20:40:22 ID:f77TvLDz
男は女の触感膜を確かめるように、唇を吸い続ける。
女の唇の触感膜は、生身のそれと殆ど変わりは無い。
長いキスを交わしながら、男の手はパスローブの胸元を割り、膨らみに触れた。
そのままの体勢で、男は毛足の長い豪華な絨毯の上に女を横たえた。

男は先程感じた恐れが嘘のように、慣れた手付きでゆっくりとバスローブを剥がしていく。
はだけた胸元から、待ちかねたように屹立する乳首を口に含み、今度は乳首の触感膜を確かめていく。
「…んっ、あっ…」女は小さな喘ぎを漏らした。
その声に刺戟を受けた男は、序々に力を籠めて強く吸い続ける。
その行為に応えるように、女の喘ぎは益々激しくなっていく。
男の手は、滑る様に下へと伸ばされ女の秘所を捉えていく。
やがて、ゆっくりと開かれ、静かに指が差込まれていく。
「…あっ、アッ…ん」声にならない声を上げ、女は身を捩る。
男は開かれた秘所にゆっくりと舌を差込んでいく。
酒の所為なのか、心持ち熱く感じた…。
男は十分な潤いを感じた所で、自分自身を埋没させていった。
緩やかな動きは、序々に大きな動きへと移行し、女の喘ぎと男に動きは大きく一つに揺れていた。

(いつもと同じだ…俺は、何をあんなに恐れていたのだろう?)

大きな動きが絶頂に達すると思われた時、女は急に反転し体勢を変えた。
「ん?」その女の動きに、男は少し動揺した。
女は男を誘った時と同じ、不敵な微笑みを浮かべて男の上にいた。
(上に来るのか?まあ、いいだろう…)

男の胸を両手で押さえつけた女は、ゆっくりと腰を動かし始めた…。
「あっあ?」声にならない声を上げるのは、今度は男の番だった。
女の腰は緩やかに動きながら、秘所の奥では肉襞の一つ一つが男に肉に絡まっていた。
強弱を繰返しながら、肉の一つ一つを攻め立ててきた。
腰の動きと肉襞の動き…二つの快感が男を同時に襲ってきた。
「お、あ、止め…」
男は、経験した事の無い逃れ難い感触に堪らなくなり、女の動きに恐怖さえ感じていた。
一時止めようと、男は女の名前を…呼ぼうにも名前さえ聞いていない。
優秀な義体使いである女は、易々と二つの動きを繰返してくる。

暖炉の炎を背にした女は、敵を追い詰める残酷な兵士の様に赤い瞳で見つめている。
その顔は、勝利の歓喜にすら満ちている様に見える。
男は絶頂に達する所まできていた。

(俺は、このまま…のか?)
141雨上がり:2006/02/17(金) 20:42:31 ID:f77TvLDz
男は焦っていた。
形成不利を逆転すべく反転し、女を押さえ込んだ。
女の唇を自分の唇で塞ぎ、女に少しの動きも許さず、激しい動きを繰返した。
獣の様だった女の表情は変わり、静かにその動きに身を任せた。

やがて、絶頂に達し、すべてが解き放たれた時…
男は女の胸に崩れるように顔をうずめた。
荒い男の息が平静を取り戻してくると、女の秘所に差込まれたままの物は、
少しずつ確実に膨らみを取り戻していく。
女は少し驚いた表情を見せたものの、男の首に腕を絡めそのまま唇を重ねた。

永い永い夜は、降り続く雨の様に幾度も営みを繰返した…。
夜も白々と明け始める頃、最初に音を上げたのは男の方だった。
もう、女を押し返す力も無く、ただ空しく天井を見つめていた…。

「気に入ったわ」女は少しの疲れも見せていなかった。
その涼しい表情に、男は何故か悔しさを感じていた。
男は最後のプライドを賭けて、お決まりの台詞を呟いた。

「悪いが、俺は同じ女と二度寝る事は無い…」

「ん?」女は、呆れた様な表情を見せ笑い転げた。
「違うわ、そういう意味じゃなくて…もういいわ、言わないわよ…今はね」

(何故笑う?)

男の自尊心は傷つき、同時に羞恥と悲しみが少しだけ広がった…。
「雨、止んだみたいね。行くわ」
男は思わず女の腕を掴んだ。
それは、自分でも予測しない…今迄、どの女にもとった事の無い行動だった。
「同じ女とは、二度寝ないんでしょ?」
女はあっさり腕を振りほどくと、色気の無い仕草で身支度を整えた。
「服も乾いたし、迎えも来た様だし…雨宿り、ありがとう」
そう言い残すと、コートを羽織りさっさと部屋を出て行った。
カーテン越しに外を覗くと、通りに出た女の横に一台の黒い車が止まった。
女は助手席に乗込むと、そのまま行ってしまった。
言いようの無い疲れを感じて、男はそのまま泥の様に眠ってしまった…。
目覚めた時には、日付が変わっていた。


苦い思い出を忘れかけた、初秋の夕暮れ。
久し振りに旧市街に向かう男の背中に、声をかける人がいた。
男が振り返ると、いつかの女が立っていた。
女はサングラスを外しながら言った。
「覚えてる?」
懐かしい顔を見た時、苦い思いが広がった。
「あんたか。言っただろう、俺は…」
「同じ女と二度寝ない、だったわね。そうじゃなくて、仕事の話で来たのよ」
「仕事の話?」
「言ったでしょ、あなたを気に入ったって」

女から離れた所に、あの日、女を迎えに来た黒い車が停まっていた。
運転席から、片目の男が刺すような視線を向けている。

(目つきの悪い男だ…どうせ、ろくな話じゃあるまい)
142雨再び…公安9課:2006/02/17(金) 20:45:22 ID:f77TvLDz
新聞を広げたまま、男は雨を眺めていた。
「暇そうだな…」
いつの間にか、女は部屋に戻ってきていた。
「髪が濡れてる。また、屋上へ行ったのか…この雨の中を飛んだり跳たり、相変わらずだな」
「トレーニングと言いなさい。それに小雨よ、あんたもたまにはやったら?」
「お断りする」
男は、女の方へタオルを投げた。
「ありがとう」
女はタオルを広げ、濡れた髪を拭きながら言った。
「タオルを借りるのは二度目だな…」
女は、思い出したように微笑んだ。
「今日は先にあがるわ、あとよろしく」
女はタオルを首にかけたまま、部屋から出て行った。

男は煙草に火をつけ、窓の外を眺めていた。

「なんだぁー、湿気たツラして!女の事でも考えていたか?」
義眼の大男と所帯持ちの刑事上がりのお帰りだった。

「女?ああ、そうだな…考えていたかもしれない…」
「いいねぇ〜聞いたかおい!」
「ダンナ、止めなさいって、帰ってくる早々…声、デカイって」

男は義眼の大男の気持ちを知っている。
少しすまない気持ちになった…。

「お先に」
男は静かに出て行った。

「なんだぁー、デートか?」
「だから、ダンナ、タチコマの所へ行こう!羨ましがらないでさ!」
「なんだとぉー!なんで、タチコマなんだよ?筋トレと言え」

男はエレベーターに乗込み、地下駐車場へと向かう。
地下駐車場の扉を開けた時…当然、「少佐殿」の姿は無い。
多少の期待を秘めてはいたが…。
「ガキだな、俺は…」
男は苦笑いを浮かべ、新しい煙草に火をつけた。
煙草を咥えたまま車に乗込み、地下駐車場を後にした。

=終わり=

前スレのサイ素さんの話が気に入っていたので、雨上がりにパズをスカウトに行く所は、
設定をお借りしてしまいました。無断借用申し訳ありません。
143名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 03:44:33 ID:PkiAH6aG
GJ
144名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 15:23:36 ID:1U0Qummm
GJ
少佐がパズの全身義体童貞をうばった訳ね(・∀・)ニヤニヤ
145名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 09:00:50 ID:fbS+fySL
やっと携帯から書けるようになったお。





アオイ×クゼ×素子と素子×パズ書いた人GJゥゥウ!!!!

アオイ×クゼ×素子、何回も読み返しては鳥肌が立ちました!!
発想力と知識の深さとそれを纏めあげる職人さんに脱帽です!

素子×パズ、少佐に翻弄されるパズがイイ(・∀・)!!
二つともGJでした!!
146名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 23:39:51 ID:oj0stcvx
わ、わたしクゼ→素子←アオイを最初に提案したものですが・・・・・
GJ・・・・・!もっぺん読んできます。神様ありがとう!
147名無しさん@ピンキー:2006/03/03(金) 13:09:12 ID:lctup496
パズ×少佐、
むちゃセックス強い少佐カクイ〜〜!
少佐、自分がスカウトする時は一応みな一度は味見するんだろうかwwww
148名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 01:06:45 ID:gnkPoKkS
ぱずやさいとーはともかくいしかわたんも…?

とぐさくんも…?
149名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 01:36:34 ID:gQeQ79Xr
ぼーまくんもいますよ。

少佐は「体力てすと」してるんだと思う。
公安は体が資本ですから…と、きれいごとを言ってみるw

原作1巻読む限りじゃ、趣味だとしか…。
150名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 20:20:48 ID:PsL0IS9f
ゴーストインザシェルでバトーが素子に
「自分の(脳を抜き取った)体を見たんだろ?」
って言っているシーンがあるんだけど
いつから幼少期に全身義体という設定になったの?
151名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 20:50:38 ID:gQeQ79Xr
>>150
1st第8話「恵まれし者たち」からじゃない?
バトーがトグサに話してる。
あと2ndの「草迷宮」もそれらしい話。
152名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 01:30:18 ID:vu9L/zsQ
原作2巻の回想シーンに10歳ぐらいの少佐らしき義体が出てくるよ。
153名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 20:23:00 ID:xozetDLF
あれって回想シーンだったんだ…。
素子が子供型のデコット使ってるのかと思ってた。
なんかすっきり。

それより、原作って難しいしちょっとえろいと思わん?
嫌いじゃないけど、初めて見た時びびった。
2巻とか触手だし、修正有りだし。
でも少佐のそういう同人誌あったら読みたい、少し。
154名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 22:49:14 ID:4nVOeelO
原作はなんちゅーか、シロマサのリビドーが溢れまくり?
唐突に汁まみれで何じゃこりゃ、と思ったな・・・
155名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 23:58:24 ID:GQ++BaPQ
そこがいい
156153:2006/03/06(月) 13:32:24 ID:X/9ND3vA
>>154
唐突すぎ…。
そんな描写があると思ってみてないからびびった。
さらに言うと、私が1巻読んでる時、隣に母親がいた。
気づかれてないと思うけど。

>>155
ちょっと笑った。
157名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 14:50:01 ID:8WxDyBWS
>>156
汁まみれは、バトーの淡々とした反応に笑った記憶がw
158名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 19:40:37 ID:TmkGVYHD
草迷宮の回で、女友達とお茶してる少佐のシーンで、
友達に「今夜はひさしぶりにクルタンも呼んで三人でぶっとばない!?」って言われてるけど、
あれってやっぱり3Pのお誘い?原作みたいな…
アニメの少佐があの原作ばりの汁まみれ3Pしてると思うと、すげ〜(;´Д`)'`ァ'`ァ
159名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 21:22:13 ID:CRvuiiVy
想像してごらん。
そしてその妄想の産物をここに書き込むんだ。
160名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 21:54:00 ID:A6I1u9e6
1stにもあったね。
くるたんとランちゃんが、なぜかぐっすり眠ってる所。
原作読んでなかったから、意味が解らなかったw
161名無しさん@ピンキー:2006/03/09(木) 00:26:00 ID:WBz2Dnxb
でも良く見ると、くるたん裸エプみたいなの着てるんだよねww
162総理女王様シリーズ:2006/03/10(金) 01:06:13 ID:sgoPgxTz

バレンタインデーの事である。
「プロト、プロトは居るかしら」
「はい、こちらに、総理女王様」
プロトは前に進み出て、片足を付いて礼をした。
女王に対する礼である。
「いつも、良く働いてくれるわね。
これは、私からのバレンタインデーのプレゼント」
茅葺は、ふんぞり返って座っている総理の椅子で、
靴を履いたまま、その靴をプロトの鼻先に差し出した。
「は?」
プロトはキョトンとしていた。
茅葺のエルメス製のエナメルの靴が、茶色につやつやと輝いている。
「さあ、遠慮なくお嘗めなさい」
茅葺が婉然と微笑む。
「あら、どうしたの?
新品の靴に、溶かしたチョコレートをコーティングさせたのよ。
どうぞお召し上がりなさい。おっほっほ」
プロトは、大人しく従うしかなかった。
「まあ、可愛いワンちゃんだこと」

そして、ホワイトデー。
「プロト、プロトは居るかしら」
いつも通りの茅葺の声である。
「はい、こちらに」
プロトがおずおずと進み出た。
「あなたからのホワイトデーを、楽しみにしていたのよ」
「ええ、総理。お返しの準備は万端ですわ。
わたしも、この日を楽しみにしておりました」
プロトの背後から、素子が現れた。
「あら、隊長さん。
お返しは、あなた自身という事かしら」
その時である。
「待て、少佐、早まってはならん」
荒巻が室内に飛び込んできた。
だが、素子はすでに、総理に対して銃口を向けていた。
「止めないでください、課長。この馬鹿女、誰かが成敗しなくては……」
「そんな事をすれば、総理の防衛システムが反応してしまう」
「いえ……遅いわ」
茅葺の身体が小刻みに震えていた。
そして、その背中から不気味な機械が、まるで意志をもつもののように、成長を始めた。
カラカラ、カラカラと音を立てて金属の円筒状のものが椅子の下に転がりはじめた。
地対空ミサイルである。
「総理………」
荒巻が走り寄る。
「あんたらも、苦しまんで逝けるといいけどね」
茅葺の表情が変わった。

最終兵器「総理」
日本は、総理自らが日本を守る………

163名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 03:55:33 ID:ro2CCk/h
久々の総理ネタキタ━━(・∀・)━━!!
と思ったらえらいシュールなオチですな
164名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 04:46:32 ID:WkQo9xJ8
茅葺ちせwww
165名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 12:51:43 ID:fKLnJmKn
シリーズってことは続くのか?
166名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 21:29:49 ID:TVEWBr7t
>>164
ちょwwおまえww
167名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 00:14:05 ID:Jb++Q2+j
シリーズ化してねw
待ってるから
168名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 02:02:28 ID:klwxF31R
素子×くるたんを書いてみましたが、エロ濃度はレベル1程度です。
原作好きな人には申し訳ないけど。
それでもよければどうぞ↓
169素子×くるたん1:2006/03/12(日) 02:11:51 ID:klwxF31R
「はい、どうぞ」
「ありがと…」
 冷たいカクテルグラスを受取ると、素子は少しだけ口をつけた。
「めずらしいわね、オフじゃないんでしょ?お酒じゃ無いほうが良かった?」
「うん…明日も仕事よ。ごめんね、急に来ちゃって…真直ぐ帰りたくない気分…かな?
 夜勤明けなんでしょ、疲れてるんじゃない?」
「大丈夫よ、私は。せっかく久し振りに会えたのに、ランちゃん残念ね」
「仕事じゃ仕方ないわよ。私、最近付き合い悪かったから…」
「ほんと!付き合い悪いもとこ…でも、忙しかったりする?」
「そうね…いつもの事だけど」

素子は、くるたんのクイーンサイズのベッドの真ん中に腰掛け、ぼんやりとグラスを見つめていた。
白いキャミソール姿のくるたんは、素子の顔を覗き込み、いたずらっぽく笑った。
「疲れてるんじゃ、だめね〜」
「なにが、だめなの?」
「フフッ、わかってるでしょ?」
「なんの事かしら…」
「久し振りに会ったのに、意地悪ね!」
「だから、なぁに?」
くるたんは顔を近づけ、そっと耳元で囁いた。
「…だから、お約束…」
「約束?なにかしたかな?」
「したでしょ…『今度、埋め合わせする』って」
「あーぁ、アレね…」
「思い出した?焦らすの上手いわねぇ」
「あーぁ、覚えてるわ…それでいつもの『エンドルノ』?それとも新作いく?」
「そうね…体感ソフトもいいけど、もうあきちゃったかな…」
「我がままね…くるたん。じゃ、何にする?」
「そうね、せっかく二人きりなんだし…ランちゃんもいないし、この際…『そのまま』でいく?」
「エッ?」
くるたんの積極性に、素子は少し驚いた。
ランと比べると、どちらかと言えば受身なくるたんにしてはめずらしい事だと思った。
「いつもと違うわね…どうしたの?」
「いいでしょ、たまには…ダメ?」
「別に構わないけど、彼氏はいいの?」
「今日は夜勤よ、私と入れ違いなの。だから、大丈夫!」
「大丈夫って…なんだか、悪い…」
「平気よ、気にしないで!」
「平気って…アッ…」
くるたんは素子の首に腕を絡めると、半ば強引に素子を押し倒し唇を奪った。
「ちょっと、くる…」
戸惑いながら、素子はくるたんを受け止めた。
170素子×くるたん2:2006/03/12(日) 02:12:55 ID:klwxF31R
くるたんの唇は、甘いカクテルの残り香が漂っていた。
素子は残り香を楽しみながら、ゆっくりと舌を絡めていった。
手探りでお互いの服を剥ぎ取りながら体を弄り合うと、丸みのある柔らかい部分に触れた。
「あぁ〜もとこの胸、大きすぎよ。
 私も今度は、もっとおっきな胸にしようかな…
 もとこやランちゃんみたいに…」
「今のままで、十分可愛いわよ…フフッ」
「そう?…ぅ…くぅん…」
素子は掌でくるたんの乳房を包み込むと、指先で乳首を転がしながら、その柔らかな感触を楽しんだ。
もう片方の指先は、乳房の輪郭をなぞりながら、ゆっくり下へいく…。
辿り着いた小鳥の嘴のような部分を指先で突いてみる。
「アッ…あ…くぅ…ぅ…」
「相変わらず、可愛い声ね。フフッ…仔犬みたい…」
「なによ…仔犬って…あ、ぅくぅ…くぅ…」
素子は、細く長い指先を奥へと差し込んでみる。
「あっ…くっ!」
くるたんの体が少し反り返る…。
素子は、もう一本指を差し込んでみる。
「あっ!くっ…くぅ、くぅっ」
更にもう一本指を…
「あ…あぁ…くぅ、くぅ、あぁう!」
素子は甘い蜜酒に絡まった指先を体の奥でゆっくりと動かして、くるたんの反応を楽しんだ。
「フフッ、可愛い…くるたん」
「なによ…あぁん…自分ばっかり…楽しんで…くっ…くぅ」

くるたんは、うっすらと目を開いた。
目の前にあった素子の乳首をそっと咥えてみた。
歯をたてないように柔らかい唇で咥えると、行き成り『きゅっ』と吸った。
「あっ!」素子の体が、ピクッと反応した。
「お返しよ…どぉ?フフ…」
171素子×くるたん3:2006/03/12(日) 02:14:30 ID:klwxF31R
くるたんは、するりと素子の秘所に指をすべりこませた。
「だあれ?『彼氏に悪い』とか言ってたひとは?なによ、これ?」
ねっとりとした蜂蜜のような感触を確かめながら、するすると指先を回してみる。
「あ…アッ、そんな事…あ、あ、うぅ…言った?」
「久しぶりなんでしょもとこ、こんな事するの…それとも、新しい彼がいるとか?」
「あっ、ア…内緒よ、そんな事…あ…言えないわ…」
「ふうん、ひみつなのね…知られちゃまずい人なの?
 かわいい…もとこ…フフッ」
二人は仔猫がじゃれ合うように、久し振りの感触を楽しんだ。
素子は、くちゅくちゅと音を立てる部分に指を差し込んだまま、耳朶から首筋へ舌を這わせ、
くるたんは、素子の乳首を柔らかく咥えたまま、時々きゅっと吸った。
「くぅふん…あぅ…ん」
「ア…あぅ…あ…」
「ダメ…もう…くぅっ、くぅ」
「ア…ん…私も…ダメかも…」

「ぐぅ!」
くるたんの動きが一瞬止まった…。
素子は、薄目を開けてくるたんを見た。
口を半開きにし、目は空ろなまま視線を固定させている。
「くるたん?」
「もとこ…私…うっ…ぐっ…」
くるたんは、行き成り素子に馬乗りになった。
「モトコ、モット…イイコト…スル…」
(その声?)
くるたんは素子の首に手をかけると、一気に力を籠めた。
「ぐっ!く、くるたん?」
女に似つかわしくない力で、素子の首をきつく締め上げる。
「くっ!」
締め上げる腕を振り解こうと、素子はもがいた。
漸く腕を振り解くと、くるたんを突き飛ばした。
突き飛ばされたくるたんは、床に転げ落ちた。

「イタイ…ナニスルノ?」

「猿芝居はその位にしたら…」

「モトコ…?」

「お前は誰?」

「フフッ…」
172素子×くるたん4:2006/03/12(日) 02:17:08 ID:klwxF31R
「手荒い歓迎だな…」

聞き覚えのある男の声だった。

「久し振りだな、プルトニウム移送の時以来か…」
「その声…内庁の…ゴーダね」
「ほう、覚えていてくれたのか…光栄だな」
「忘れようが無いでしょう。何の用?」
「フッ…お楽しみの最中か?邪魔をして悪かったな。
 君の事は色々と調査済みだ。
 九課の過去の事件を追っていて、この女性が浮かんだ。
 彼女をハッキングしたら、この有様だ。
 極めて特殊な嗜好の持ち主だとは聞いていたが、些か面食らったよ」
「そう…ご丁寧な挨拶、ありがと…でも、首を絞めるなんてやり過ぎよ」
「その程度でどうかなるような女じゃあるまい?違うかね」
「それも調査済み?よく解っているようね」
「君は極めて優秀な指揮官の様だが、関心しない趣味だ。
 人間性に問題があると言ってもいいだろう。
 公僕には相応しくない。
 上司が上司なら、部下も部下だ。
 やたら正義漢ぶる男や女性関係の派手な男を抱えていては、機動力も発揮し難いだろう」
「ああ、うちの連中を嵌めたのは、やっぱり内庁の仕業?
 たいした被害じゃないわ、プライベートには関知しない主義なのよ」
「関知しない主義にしては、部下同様、君も脇が甘いようだな」
「御礼に言わせていただくわ、こちらもあなたの事は調査済みよ」
「ほう、それで君の私への評価は?」

173素子×くるたん5:2006/03/12(日) 02:19:04 ID:klwxF31R
「『合田一人』…元『大日本技研プロジェクトチーム社員』
 現『内閣情報庁戦略影響調査会議代表補佐官』だったわね。
 今はともかく…旧大日本技研の調査は手間が掛かったわよ。
 現社員、元社員…色々当たったけど、殆どの人があなたを覚えていない。
 特に女性社員…印象が薄かったようね。
 その中で、あなたについて興味深い話をしてくれた人が居たわ」

「その人は、あなたと同じチームに居た元同僚よ。
 あなた…極端な『女性嫌い』だったようね。
 もちろん、男に興味が有るからでは無い。
 その人が言うには、あなたからは『女性嫌悪』で有りながら、、
 『対女性への強烈な興味』を感じる気がすると…恐れていたわ、あなたの事を」

「極端な『女性嫌悪』の場合、実は女性への強い憧れや欲求を持っている者が多い。
 欲求が膨らめば『強烈な性的刺戟』を求め、刺戟を求めすぎる余り『犯罪』に走る者もいる。
 数は多くないけど、全く無いとも言い切れないわね。
 大抵の人は理性が働くから、己の憧れや欲求を隠す…
 又は抑制する為に正反対の行動をとる場合がある。
 あなたの場合『嫌悪』と言う行動に出て、本当の自分を見せない…違う?」

「あなたは、事故後、己の姿形が変わった事でゴーストも変わったと言った。
 そうかもしれない…。
 ならば何故、この子を選んで自らゴーストハックしたの?
 この程度の仕事なら、あなたの部下に任せればいいはずだわ。
 それに、この子はあなたが最も嫌悪する存在『女性』よ。
 嫌悪しながらも、強く求めているように思えるわ。
 それも歪んだ形でね…。
 あなたの本質…ゴーストは何も変わってはいない。
 姿形が変わった事で、女性を近づける理由は無くなったかもしれないけどね」

「面白い話だ、それが私に対する分析かね?
 くだらん、やはり女だ…短絡思考だな。
 確かに私は女性が好きでは無い。
 君や茅葺のような、女と言う存在が好きでは無い。
 女は感情的だ。理性など働かん生き物だ。
 おまえの様な女が『公安』だと?茅葺の様な女が『総理』だと?
 笑わせる…国家を動かす立場に女は不要だ。
 故に私は女を必要としない。
 国家を動かす私の様な人間には、不要な者だと解らないのか?」

「しかし…」

ゴーダは、素子の体に視線を移した。
目の前には、一糸纏わぬ素子の姿が有った。
嘗め回すような視線で、ゆっくりと素子の体を観賞した。


174素子×くるたん6:2006/03/12(日) 02:20:35 ID:klwxF31R
「君の肢体は、なかなか魅力的だ…さすが軍仕様の高性能義体だ。
 実に美しい!私の外部記憶装置に保存して、時々楽しむのも良いかな…フッ」
「私の体は、記憶と共に国家の器材よ。勝手にやればいいわ。
 気に入らなければ、義体も記憶も乗り換えるまでよ」
「そうだ、もっと好い事を思いついたぞ。
 この女性と共有した記憶を君に惚れているらしいあの男に送ってやるか…。
 それもまた一興だ…奴は涙を流して喜ぶだろう…フフッ」

素子の胸の奥深く…小さな針先で突かれたような痛みが走った。

「平静を装っていても、『目は口ほどに物を言い』だな。
 君も奴を憎からずと言った所か…物好きな事だ。
 安心したまえ、そんなつまらん事はしない。
 この女性にも迷惑をかけた。記憶は消しておこう」
「そう、意外にフェミニストなのね、見直したわ」 
「漸く私の優しさを解ってくれたようだな。
 私の優しさで、奴も涙を流さずに済む訳だ…少し残念な気もするが。
 さて、君の戯言に付き合っている暇はない、失礼する」
「戯言ついでに言っておくわ。
 サディストを気取ったマゾヒスト程、見苦しいものは無いって事を…」

ゴーダからの返事は無く、くるたんの体は開放された。
開放された体は意識を失ったまま、床に転がった。
175素子×くるたん7:2006/03/12(日) 02:21:22 ID:klwxF31R
「ん…もとこ…私、寝ちゃったの?」
「夜勤明けで、疲れてるんじゃない…フフッ」
「からだが…重い…あたまも、痛いみたい」
「大丈夫?眠りなさい…疲れてるのよ」
「ん…ねぇ、もとこ…約束は?」
「約束って!ねぇ、くるたん…」
「約束したでしょ…忘れたの?まだ、何もしてもらってないわ」
「ん〜ん、、、、、とにかく、少しだけ眠って」
「わかった…少しだけ眠るわ」
素子は、くるたんの額に優しくキスをした。
「おやすみ、もとこ」
「おやすみなさい、くるたん」

くるたんの寝顔を確かめて、素子はベッドサイドの灯りをそっと消した。
176名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 06:56:09 ID:PJ9MSM7c
GJ!!!!!!
後半シリアス展開良すぎ
177名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 15:16:06 ID:cyE1O7XX
くるたんかわえ〜
いいなあ甘いレズwwww
じゃれてるエッチがエロイ

でも、ゴーダにゴーストハックされてたってことは…
途中じゃれてたのはゴーダなの?ねえゴーダなの!?
178名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 12:16:04 ID:fWl+aRtg
うはっすげぇ!!
悪趣味過ぎだよゴーダ…。
でもすっげえゴーダらしいと思ってしまった、GJ!!
179名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 01:26:04 ID:lS6DW/yI
ゴーダは童貞でシヌしかないわ
180名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 03:14:04 ID:oSgtQHrb
>>179ゴーダ「かく言う私の右手も素子と言う名前でね。」
181名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 15:34:48 ID:c93Haey6
>>180
ちょwwwゴーダキモスwwww
182名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 17:00:53 ID:tajEyitm
>>181
ゴーダ「キモイかね?それではもっとキモくしてやろう…左手の名はくるたん」
183名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 17:19:35 ID:bhBEW9Mc
それがお前の言う3Pか
184名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 18:23:33 ID:5znryiew
右手の本当の名は



サトウ・スズキ
185名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:23:07 ID:V340cqN0
ワタナベ・タナカもお忘れなくw
186名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:30:41 ID:2MTsjXvI
あの二人って義体なのかな。そろってキモすぎる
187名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 01:20:07 ID:wdnP1WhG
あんなキモイ義体を好んで選ぶにはなにか意図がw
オギヤハギみたいな…
188名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 02:20:09 ID:h+Gj6+iy
一応「平均的な日本人」と思われる容姿の義体に
入ってるつもりなんだと思うよ。
CIAの活動内容から察するに。

少佐も一応目立たないように義体は
量産型をベースにしてるんだよね。
ってことは結構安値であんなナイスバデーが
手に入る・・・かな?(中身は別として
189名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 03:44:14 ID:NTgWvpPe
>>188
スタイル悪かったら売れないだろうしね
ああ、ダイエットしなくて済むように義体に入りたい…
190名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 04:02:48 ID:J9XiUq7F
1stのED少佐の背中を目標にダイエットしてる女知ってる。ww
191名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 18:37:11 ID:V340cqN0
>>190
ワロスwww
192名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 22:46:59 ID:m7MtGuO9
ダイエット達成したら紹介してw
193名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 03:02:47 ID:hNB9PMYo
うぜ〜
194名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 18:59:10 ID:LpA4CjFi
1stEDの少佐の背中は細すぎ…GISの少佐が良い。
光学迷彩のところが好き。
なんかえろい。
195名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 00:58:46 ID:uLsdLTDH
>>194
うんうん、GISは肉感的でえろ〜い
196名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 01:44:49 ID:2UvOe9Bf
原作、映画、地上波比較して、今はGISの少佐の顔が一番気に入ってる。
はかなげでエロくて(・∀・)イイ!!
バトーがイノセンスみたいになるのもよくわかるw
原作はエロくてカコイイ!
地上波はエロ足りないけど、カコヨクて可愛い!
197名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 00:32:17 ID:g29ziGTt
たまにはageとく
198名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 08:50:39 ID:os3J7U/j
http://www.melonbooks.com/goods.php?num=1198
http://www.melonbooks.com/goods.php?num=1277
少佐がクゼや合田に強姦、調教されてしまってるで
199名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 18:40:34 ID:XSBFWMk6
>198
そのサークルの作品、グチャグチャ過ぎて好きじゃないなぁ
総理が出てくると聞いて買おうとしたけど芸風に躊躇して
買うのやめたよ・・・
200名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 20:00:11 ID:ZAntnH/b
201名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 21:21:55 ID:g29ziGTt
>>200
これ、イノセンススレにあったやつと同じ?
雰囲気でてる。
孤城落日…。
202名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 01:00:32 ID:rQ0KBYam
素子の義体の中身は超高級品だから、こんな捨て方はされないよ
203名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 22:24:53 ID:MFtDRgOg
でも、この雰囲気はとてもいいね。
204名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 11:35:17 ID:WJIfvqpG
いいか?
男の精液かけられまくりかと思うと吐き気がする
205攻殻inホスクラ1:2006/03/32(土) 23:58:33 ID:dLQyWo2h
「なあ、少佐…本当に必要なのか?」
「何が…」
「こ、これさ…なんで俺なんだ?トグサやサイトーじゃダメなのか?」
「生身や義体化率の低い者には無理だ。解っているだろう、何か不満でも?」
「いや…仕事なら仕方ねえが…」
「解ってないな、いつものいかつい体で行けるような所だとでも?」
「そりゃそうだが…」
「不満なようね…フフッ…なかなか可愛いわよ」
「可愛いなんて言われて、うれしい奴がいるのかね…わからねぇ…」

素子とバトーは、ある場所に向かう途中だった。
しかし、いつもの捜査とは少しだけ事情が違っていた。
「パーティーって言ったって、この前の田所の時と一緒だろ?」
「ああ、あれはアンドロイドが相手だったから…今日のは違うわ。ゲストは全員『女性限定』
 相手をしてくれるのは、サイボーグの男性…しかも選りすぐりの美男ばかりらしいわ」

『女性限定の秘密パーティー』…ある会員制高級ホストクラブが主催する、会員もしくは会員からの紹介者だけを限定とした
極めて秘密めいた集まりだった。
 二人は、この秘密の集まりにゲストとして出席する為に、ある場所へと向かっていた。
そして素子の命令により、バトーは慣れない女性型義体に入るように言われたのである。
 バトーの為に用意された義体は、いつもの高性能仕様では無いが高級量産型に近いものだった。
量産型とはいえ、その外見は極めて美しく精巧に造られ、栗色の巻き髪、大きな瞳に長い睫毛、赤い唇に白い肌…
ひと目で『愛玩用』を兼ねていると解るものだった。
 その体に深いスリットの入ったシルクサテンのピンクのドレス、銀のサンダルにシルバーフォックスのストールを纏うと、
同じデザインの黒いドレスを着た素子もよりも、若く可愛らしくさえ見えるのだった。

「それで、例の物の在り処は?」
「クラブのオーナーは、例の不審死を遂げた政治家の私設秘書兼ボディーガードだった男よ。
 その政治家は田所のパーティーにも出席していたわ。
 薬島前幹事長最後の隠匿資金は、おそらくそのオーナーの元にある」
「前幹事長の最後にして最大の資金か…」

(しかし、居心地が悪い…)

バトーは女性型の義体に換装した事よりも、先程からの素子の視線を意識していた。
素子は楽しそうに、意味深な瞳でバトーを見つめていた。
「少佐、そうジロジロ見るのはやめてくれねぇか…」
「あら、ごめん。あんまり可愛いんで見とれてたわ、フフッ」

(勘違いしてやがるぜ…)

車はあるビルの前に停まった。
「ここよ。解ってると思うけど、なるべく女らしく振舞うよ」
「了解…」
206攻殻inホスクラ2:2006/03/32(土) 23:59:21 ID:dLQyWo2h
なんの変哲もないビルの地下へ降りると、薄暗い入り口に申し訳程度の店の名が刻まれていた。
ドアを開けると、黒服が近寄って来て二人を迎えた。
「いらっしゃいませ」素子は招待状を手渡した。
《なかなかよく似合うなパズ。お前を先行させたのは正解だった》
《それは皮肉か?オーナーはまだ現れていない》
《なかなか盛況だな。それで、例の物の在り処は?》
《店の奥にオーナーの私室がある。そこは従業員も立入禁止だ。
 時々、気に入った客を連れ込んでいるようだが、あるとすればそこだな》
《それから、オーナーがサイボーグである事は報告したが、どうやら奴は強化型らしい》
《強化型?面白いんじゃない》
《油断するなよ。強化型サイボーグとやり合えば、あんたやバトーでも危ないぜ》
《俺がやられるって言うのか?》
《バトーか…気がつかなかった…なかなかの美人だな…フフ》
《おまえに褒められてもうれしくない…》
《オーナー以外の男は普通の全身義体だが、十分注意しろよ》

二人は薄暗いフロアの奥へと進んだ。
平凡なビルの外観とは裏腹に、中は広々とし華美な内装に彩られていた。
ボックス席は薄い帳に覆われ、囁くような男女の声と秘密めいた行為に蠢く姿が透けて見えた。
二人はフロアで一番良い席に案内された。

《おい、いい待遇じゃないか…どんな手を使った?》
《ああ、あの招待状が効いたみたいね…課長から茅葺総理の伝手で、よく知ってるでしょう?
 総理と親しい野党の大物女性代議士の紹介よ。オーナーに近づくには、まず上客を装わなくちゃね》
《あのバアさんもここの会員か?人は見かけによらないな…》
《あの代議士は、議員になる前からここの会員らしいわ。
 野党議員とはいえ、大手企業の創業者一族だから、古参会員だとしても不思議じゃないわね。
 ここは、最初亡くなった代議士の親族企業が経営していたのよ。その頃からの大切なお客らしいわ。
 最も、代議士自身は最近ご無沙汰みたいね。
 今は党の要職についてるし、立場上拙いんじゃない?
 選挙対策もあるだろうし、昔の汚点は消しておく必要があるのよ。
 前政権の亡霊を払拭したい総理の利害と一致したのね》
《立場上拙けりゃ、こんな所に出入りしなきゃいい。結局俺らが尻拭いかよ…》
《フロアの連中見たでしょ?テレビなんかで見たことのある顔がいくつもあったわ。
 地位と名誉とお金…それを失うかもしれないスリル…持たざる者への優越感…
 そんなものと引き換えに、連中も死ぬ気で遊んでるのよ》
《情けねえ…この前の田所の時といい、これが「日本の奇跡」後の姿かよ…》
《こんな場所は昔からあったわ。大戦後に限った事じゃないでしょう…随分拘るのね。
 快楽追求に否定的なら、総理のように座禅でも組んでみる?
 それとも、いっそ坊さんにでもなって悟りを開いてみるとか…フフッ》
《それもおっかねぇ…まだ彼岸には行きたくねえよ》

《少佐、「対象」が到着しましたよ》

所轄と共に表を見張るトグサからの連絡だった。
《了解、サイトーはタチコマと共にビル1階に通じる裏口を封鎖しろ》
《イシカワとボーマはそのまま待機》
207攻殻inホスクラ3:2006/04/02(日) 00:01:19 ID:dLQyWo2h
「対象」がフロアに姿を現した。
フロアのボックスをゆっくりと回りながら会釈を繰返していた。
《あれが、オーナーか…意外と若いわね。オーナーって言うからもっとギラギラした男を想像してたけど、うちのプロトに似た感じかな?》
《プロトは、あんな作り物の愛想笑いはしねえよ》

「いらっしゃいませ。はじめまして、オーナーのリョウです」
「こんばんわ、噂通り素敵な方ね。こちらへどうぞ」
「こちらこそ、先生のご紹介でこんな美しいお二人をお迎えできるなんて光栄です」

リョウは素子の隣りに座り、バトーの横には若い美形のホストが座った。
「お名前を伺っても?」
「もとこよ、彼女は、妹の…らんです」
「お飲物お持ちしましょうか、何がよろしいですか?」
「そうね、クリュグでもいただこうかしら…」

テーブルにシャンパンが運ばれ、一堂は乾杯した。
他愛の無い話が続き、時間が経つにつれリョウは大胆にも素子の腰に手を回し、
もう片方の手を素子の指に絡めた。
時折素子の耳元で何かを囁くと、それに応えて素子はくすりと笑った。
バトーはといえば、若いホストからなるべく体を離し、ホストの話に時々頷くものの視線を逸らしうつむいてばかりいた。
若いホストはバトーの肩に手を回し、体をピタリと寄せながら顔を覗き込むようにして言った。
「お姉さんと違って内気なんですね…可愛いな」

《おまえさんと違って内気だとよ…耐えられねぇな少佐、どうする?》
《仕事でしょ?上手くやりなさい…フフッ》

そのまま怠惰な時間だけが過ぎていった…。

《膠着状態だな…こちらから仕掛けてみるか…》
《どうやって?》
《とりあえず、オーナーの部屋に移動する必要があるな。
 バトー、これから化粧室に移動しろ、次の指示があるまで待機。隣の男も一緒に連れて行け》
《トイレかよ〜了解。この男も「待機」か?》
《ああ、解ってるだろう…》

バトーは立ち上がり、フロアを見回した。
「お客様、何かお探しですが?」
「と、、、と、あ…化粧室はどこかしら?お化粧直ししたいの」
「ご案内しますよ、こちらです」
若いホストは、バトーの手を引いて出て行った。
208攻殻inホスクラ4:2006/04/02(日) 00:03:29 ID:dLQyWo2h
ホストとバトーは、店の奥に続く薄暗い廊下を歩いて行った。
「ここですよ、どうぞ」
ホストは化粧室の扉を開け、バトーは中に入り扉を閉めた。
扉はすぐに開き、バトーはホストに告げた。
「電気、消えてるわ。スイッチはどこ?暗い所は苦手なの…」
「ああ、変ですね…失礼して私が灯りを」

化粧室は広く、手前のパウダールームの壁には金の縁取りがされた丸い鏡が並び、籐製の椅子が置かれ
奥の扉がトイレという造りになっていた。
暗闇の中にホストが入ると、彼女はその背中にしがみついた。
「怖いんですか?大丈夫ですよ、すぐに灯りを点けますから」
ホストは手探りでスイッチを探した。
「暗闇の中にこれだけの鏡が並ぶって、怖いですよね…」
背中にしがみつく手は、強く握られたようだった。
「怖がらせました?ほんとに可愛いですよね。お客様の悪口を言うのもなんですが…うち来る人といったら、
 地位やお金はあっても、なんですかね…まあ、あなたみたいな人はいないな…」
ホストはスイッチの場所を見つけると電源をオンにし、振り向きざまに彼女を抱きしめた。
そのまま鏡台に彼女の体を押し付けて、激しくキスをした。
彼女の体は、小刻みに震えていた。
「怖いですか?それでも、初めてじゃないんでしょ?大丈夫…優しくしますから…」
ホストは彼女の体を強く抱きしめて、キスを繰返した。
ドレスの肩紐を肩からはずして、そこへ片手を差込み乳房を愛撫した。
「あっ…」と小さな声を出して体を離そうとする彼女をきつく抱きしめて、背中のファスナーに手をかけた。
「イヤ…やぁ…」彼女は抵抗し、男の腕から逃れようともがいた。
「じっとしていれば怖くないって…何故そんなに嫌がるのかな?
 こんな店に来るって事は、そのつもりだったんでしょ?」

「クッ…あんた、今どんな『夢』見てる?」
「はあっ?」二人きりのはずなのに、背中から声が聞こえた。
驚いたホストが振り向くと、そこには自分の腕の中にいるはずの『彼女』が立っていた。
「な、なんで?」視線を戻すと、いるはずの『彼女』は消えていた。
「優しくしてもらって悪いが、目は盗ませてもらった。しばらく休んでてくれや」
ホストは首にゴースト錠をかけられ、気を失ってしまった。

《少佐、男は待機させたぜ。いつでもOK》

(∴)ノ つづく
209タチコマンズ:2006/04/02(日) 01:42:44 ID:O+3bmcK9
ぼ、ぼくらのバト〜さんが〜〜〜

やい、何をするんだい!!!>>208

ドキドキしちゃうじゃないか〜〜〜〜〜。
(でも、ちょびっと、期待 はぁと)
210名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 01:52:19 ID:5akJ/RpM
いわゆるTSってやつですね。
しかもいつもはマッチョなバトーさんだから余計に萌えるとゆーか・・・
211名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 09:52:21 ID:ACkEauL0
面白い設定だ〜w
続きたのしみです!
少佐にちょっといじって欲しいwwww
212名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 18:56:58 ID:gBk4YekP
>>211
後半はシリアス展開で終わらせる予定だったので、
それじゃ、ラストをちょっとだけいじります。
213名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 22:37:08 ID:47FnIdZj
うはっ>>208、続くのかよ!アレで終わりでもアリだったが、
書きたい事書けよなー、俺はふんどし一丁で待ってる。
214名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 10:22:01 ID:svkLn9lV
もろ趣味です。感謝。当然…期待してますわ。パンツいっちょで待つ。
215名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 10:38:58 ID:6O3wOb3Z
>>208
GJ
面白い
216攻殻inホスクラ5:2006/04/03(月) 21:13:23 ID:vSujsp4J
「遅いわね…」
「妹さん?心配ですか…心配する事はありませんよ、うちの化粧室は広いですから」
「広いってどういう意味かしら?」
「妹さんも子供じゃないと言う事ですよ。それよりも、もっと広い所へ行きませんか?」

(自分から仕掛けてきたか…下心?それとも罠?…どちらにしろ乗ってみるしかないな)

「広い所って何?」
「この奥に私の部屋があるんです。私が気に入った『特別な人』しか招待しないんですが…」
「そこへ行けば何があると?何か楽しい事でも?」
「フッ…そうやって焦らせるんですか…大人ですね」
「で、私は何人目の『特別な人』なのかしら?」
「強気だな…あなたには、かなわない…そんな所がとても素敵です。
 では、改めてお願いしますよ。一緒に奥へ行きませんか?」

素子は、何も言わずに自分の片手をリョウの片手に重ねた。
リョウは素子の手を取ると、そのまま奥へと向かった。

《少佐…なんだか、楽しそうですね…》トグサの溜息が聞こえた。
《トグサ、余計な事は言うな。生きて家に帰れなくなるぞ》イシカワの声がした。
《楽しそうに見えるか?それじゃ、初めからおまえを選べば良かったなトグサ》
《いえ、少佐…そんなつもりじゃ…俺にはとても無理です》
《フフッ、解っている。おまえには最も向かない仕事だ》

二人は薄暗い廊下を進んで行った。

《イシカワ、部屋の構造を報告しろ》
《出入り口は一ヵ所、部屋は普通の構造だか、
扉と通路前面の壁は耐サイボーグ用になっている…セキュリティの為だろう》
《自動扉、オートロックシステム…一度閉めたら外からは開けられない。袋になるぜ、丸腰だろ?》
《それは問題無い。オートロックは解除できるか?》
《思ったよりも配線システムが複雑だな…時間がかかるかもしれない》
《5分で解除できるか?》《5分か…厳しいな》《7分やる。ボーマ手伝え》
《私は、その間資金の場所を特定する。解除されたら、バトーはここへ突入しろ》
《バトーが突入を開始した時点で、パズとトグサは所轄と共にフロアを制圧。
 従業員は逮捕、客は保護しろ。サイトーはタチコマと共に裏から逃げる者を足止めしろ》
《少佐、女型義体のバトーひとりで大丈夫なのか?タチコマを援護に回せ、強化型なんだろう》
《狭い通路にタチコマは無理だ。心配するな、考えがある》

「ここですよ、どうぞ」
217攻殻inホスクラ6:2006/04/03(月) 21:15:18 ID:vSujsp4J
扉が開き、二人は部屋に入った。
部屋は、茶系に真紅の絨毯が敷かれた落ち着いた内装だった。
大理石のテーブルには、赤い薔薇の花束が飾れられていた。
素子は長椅子に腰を下ろすと、手渡されたワイングラスを受取り部屋の中を見回した。

(応接セット以外は家具も無い。例の物はどこだ…)

「何か、この部屋に不都合でも?」
「あ…いいえ、向こうと違ってシンプルな部屋ね」
「ああ、シンプルでも金はかけてますよ」
「あなたと同じって事?」
「さあ…どうでしょう…」

リョウは素子の横に腰掛けると、肩を抱き腰に手を回し自分の方へ引き寄せキスをした。
そして、力を緩めずに自分の体に素子の胸を押し付けるように抱きしめた。

(外見と違ってすごい力だ…強化型か…油断すれば確実にやられるな…)

「苦しいわ…力をゆるめてくれない…」
「ああ、つい…」
リョウは体を離すと両手で素子の顔を包み込み、今度は優しくキスをした。

《イシカワ、解除は?》
《まだだ、5分も経っちゃいねえよ。少佐、今のうち奴に擬似記憶でも噛ませたらどうだ?》
《そんなものが通じる相手だと思う?一応、感覚器官は切ってある》

リョウは、唇と舌先を使って首筋を愛撫しながら、剥き出しになった鎖骨に舌を這わせてきた。
「あ…くふっ…」舌先は鎖骨の輪郭をなぞり、背中の方に移動した。
素子を膝の上に抱きかかえると、大きく開いた背中に舌先を這わせながら、
黒いドレスのファスナーをゆっくりと下した。
「綺麗な背中ですね…とても滑らかだ…」
リョウは、開いたドレスの隙間に両手を入れると、素子の丸みのある乳房を包み込んだ。
「はあぁ…あっ…」両手は素子の乳房を激しく愛撫し、素子は喘ぎながら体を反らした。
素子は自分の太腿の下で固く膨らむリョウ自身の物を感じていた。
(まずい…)

感覚器官を切る…それは、神経ネットに接続するマイクロマシンへの電気信号を制御する事だ。
感覚を完全に遮断すれば、雲をつかむような感触でしかなくなる。
感覚を切る事はこのような捜査には有効な手段ではあるが、致命的な外傷を負っても気がつかない事や
毒ガス等の危険を探知する事ができないといった、命のリスクを抱える事に繋がる。
素子は最低限の触感だけを残していたが、到底『感じること』は出来なかった。
その為、過剰なまでの『演技』で応えるしかなかった。

リョウは、乳房を愛撫していた片手をドレスの深いスリットに滑り込ませた。
柔らかい指先の感触は太腿を伝い、素子の秘所を探り当てた。
指先が生き物の様にショーツの隙間を割り、ぬらぬらとした部分を弄ぶ…。
「くっ…あ、あっ…はぁ…」
リョウの膝の上に抱きしめられたまま、素子は体を捩り身悶えした。

218攻殻inホスクラ7:2006/04/03(月) 21:16:31 ID:vSujsp4J
愛してもいない見知らぬ男の背後からの愛撫…
それはただ「点と線」が交錯し合うだけの不快感を伴う無機質な感触だった。
快楽とは違う異様な感覚に包まれる…素子の脳裏を一瞬霞める部下達の顔…
自分を見つめているはずの「視線」を意識する…
頭を振ってその視線を打ち消す…
「あ…あぁ…あっ…」「あっ…うぅ…」

(このまま解除が遅れたら?…私はこいつに…)

緊張と不安が素子の体を駆け巡る…

(状況に飲み込まれたら、殺られる…)

素子は気を取り直し、ずれた感情を少しずつ理性の方へ引き戻そうとしていた。

現場の9課は沈黙していた。
トグサ以外は、戦場と言う特殊な状況を経験した者ばかりである。
上官への信頼、仕事への使命感…それは揺ぎ無いものであった。
しかし、映像を通す訳では無い音声のみの状況…もちろん、自閉モードにする事は許されない。
演技とはいえ、上官の過剰な迄の生々しさは、有る種の重苦しさを感じさせ皆を無口にした。
その声は、快楽よりも「苦痛」の叫びに聞こえるようだった。
それでも今は自分の意識を理性に繋ぎ止め、状況を静観するしか無かった。

そして、理性では納得しているものの、感情ではやり切れなさを覚えている者がここにいる。
理性と感情の狭間でなす術も無く、セブロを片手に突入に備え、ただ扉の前に佇むしかなかった。
219攻殻inホスクラ8:2006/04/03(月) 21:18:07 ID:vSujsp4J
「いい声ですね…だけど、あなたにはあまり好かれてないようだな」
「何が…」
「フフ…無理しなくてもいいですよ。感覚器官を制御してるんでしょう?」
「何の事…」
「感じたふりをされたのは初めてですよ。
 声でイクふりをしても、体のあちこちが硬いな…すぐに解りましたよ。
 それとも、自分の痴態を仲間に見られるのは苦痛ですか?公安9課の草薙素子さん…」
「名前を!」
瞬間、素子はリョウの一撃を喰らい壁に叩きつけられた。
壁は衝撃で音を立てて大きく崩れ、叩きつけられた素子の体は床に転がった。
その衝撃で素子は眩暈を覚えた。

《おい、バレちまった!イシカワ、解除はまだできねえのか!》
《落ち着け、あと少しかかる!》
《おい、少佐!返事しろ!》

素子は朦朧とする意識の中で、リョウの足元がゆっくりと自分に近づくのが解った。
リョウが素子の前にしゃがんだ時、首筋に鈍い感触を覚えた。
「探し物はこれでしょう?」
素子の目の前に差し出された物…それは金塊だった。
「これが薬島前幹事長の隠し資金ですよ」
素子は崩れた壁の方へ目を向けた。
目にした物は、壁の中にぎっしりと積上げられた、まばゆい光の塊だった。
素子は、差し出された金塊の製造番号を見極めた。
《ボーマ、製造番号を国税のデータと照合しろ…》
《国税の手配番号と一致した。前幹事長の物に間違いない。少佐大丈夫か?やけにノイズが多いが…》
《ノイズ?…》

「大丈夫ですか?少しやり過ぎたかな…手を貸しましょうか?」
素子は自分で立とうと試みたが、四肢は全く動かなかった。
(動かない!何故だ?)
「フ…手足が動きませんか?」
「おまえ…私に何をした…」
「電脳麻薬ですよ。感覚器官を切った事が災いしましたね…
薬を打たれた事に気が付かなかったでしょう。
安心して下さい、通常の半分の量にしてあります。
意識まで失ってしまったら、私の話を聞く事も出来ないから」
「おまえの話?何を聞けと言うの…」
「私は、これを亡くなった先生から預かりました。預かったと言うよりは自分の物にしたんです。
 先生には消えていただきましたが…」
「金塊に目が眩んで横領と言うわけ?」
「横領?こんな物はどうでもいいんです…これはあなたを誘き寄せるための手段に過ぎない」
「私を誘き寄せる?」
「ええ、私の目的は最初からあなた自身です。
 私の本名は『ソーマリョウスケ』と言うんですよ」
「ソーマ?…相馬…亨…」
「思い出しましたか?私は、あなたが殺した相馬亨のもうひとりの息子なんです」

(∴)ノつづく
220名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 03:55:43 ID:Cg/DfgVW
うおっ、そう来たか…………。









今後の展開、すっげえ期待してます。
221名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 13:29:10 ID:RwtUCwnT
ソーマなんて嫌な敵来ちゃったー!!
きゃー
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +
 と__)__) +
222名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 18:18:14 ID:c2bHemtn
      ,.-ー,,、
     /@'ノ_.ヾ)      グッジョブ!
     /C’" _ゞ))
    ノ_(( `ー, (;(   n
    ;/ )) ., ヽ:)  /ミ)
   / ((  ヽ_ ))//
   / -、.)⌒' ソ./
~~~~~~~`jii〉  ~ 〈 ~~~~~~~~~~
223攻殻inホスクラ9:2006/04/04(火) 19:57:46 ID:D3yEzn/6
「親父は、あなたに殺される瞬間の映像を自分の外部記憶装置に保存したんです。
 私は、随分と後になってそれを見つけました。
 何のメッセージもありませんでしたがね…
 おそらく、誰かがあなたに復讐してくれる事を期待したんでしょう。
 最初私は、あなたの名前も組織も解らなかった。
 ところが、先生に同行した田所会長の例のパーティーで偶然あなたに会ったんです。
 ひと目で解りましたよ。あなたは会長と一緒だった…
 白いドレス、とてもよく似合ってましたよ。
 その後会長が逮捕され、裏であなた方公安9課が動いていたと言う事を先生から聞いて、
 あなたの名前と組織を知ったんです」
「それで、復讐と言うわけ?」
「復讐?さあ、どうでしょうね…あなたもご存知の通り、親父はテロリストとしては二流です。
 私は愛人の子なので一緒に暮らした事も無い…なんの尊敬も情愛もありません。
 親父が殺し損ねた女を私が殺す…それも復讐と言えるかもしれませんね、親父とあなたへの」
「それだけの理由で、随分手の込んだ事をするのね」
「憎まれ口を叩いてる余裕があるんですか?体の痛み、そろそろ感じるんじゃありませんか?
 神経系統に繋がるマイクロマシンを制御してたんでしょう?
 薬にやられて、それも出来なくなってるはずだ」

素子の体をじわじわと痛みの感覚が襲ってくる…。
「安心してください。制御できなくても、逆に薬の作用で痛みは幾分やわらぐでしょうから。
 フッ…そんなに睨まないでください、まだ逃げる元気はありそうですね」
リョウは立ち上がり、素子を見下ろした。
「さて、逃がさないようにするにはどうしましょうか?」
リョウは、素子の足首に自分の靴底を置いた。
「足を折る…有効な手段だと思いませんか?」
その瞬間、鈍い音を立てて足の骨は砕かれた。
「くっ…」激痛が全身を貫いたが、素子はかろうじて痛みに耐えた。
「なかなか良い音ですね、人工骨格はチタン製ですか…」

《イシカワ、もうすぐ7分経つぞ…解除はどうなった…》
《もうすぐだ。少佐、タチコマを出動させろ!一階の床をぶちぬけば直ぐだろう!》
《必要無い…こいつは、私が捕まえる…》
《意地を張るな!おまえ、そんな体でまだ勝算があるってのか?》
《勝算は…ある》

そう言い切る素子に、イシカワは沈黙するしか無かった。
224攻殻inホスクラ10:2006/04/04(火) 19:59:54 ID:D3yEzn/6
「足を折られても悲鳴ひとつあげないのか…驚いたな…
 あの執念深い親父がやられるはずだ。それもいつまで持つかな…」
リョウは懐からナイフを取り出した。
刃先をピタピタと掌に当てながら、素子の胸の中心にナイフの先端を当てた。
「さっきは復讐かもしれないと言いましたが、やはり、あなた自身に興味があったのかもしれません。
 あなたの苦しむ姿を見たかっただけなのかも…異常ですね…血がそうさせるのかな…」
ナイフの刃は、素子の黒いドレスを一直線に切り裂いた。
露わになった乳房に刃先を持っていくと、先端を乳首にあて輪郭をくすぐった。
冷たい刃の感触は、素子の背筋を凍らせるには十分だった。
刃先は、乳房から裸体の中心を捉えて、胸から腹、そして臍下に移動して行きピタリと止められた。

リョウは素子の目の前に自分の顔を近づけ、片手で素子の頬を撫でながら囁いた。
「このナイフは少々特殊な物なんです。硬い脳殻でも簡単に突き刺せますよ。
 さあ、どうします?どうせなら、命乞いでもしてみますか?…」

「離れろ…」

素子の言葉に、リョウの目は大きく開かれた。

「聞こえなかったのか…私から離れろ…」

「命乞いもイヤか…嫌われたな…それじゃ、あなたの望み通りに…」

ナイフの先端は素子の額に向けられた。
「さよなら素子さん。心残りがあるとすれば、あなたを最後まで味わえなかった事かな…」
リョウは、素子目がけてナイフを振り下ろした。

(∴)ノつづく…次で、多分ラストの予定
225名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 20:05:48 ID:Cg/DfgVW
まさにまて次号!!
リアルタイムで職人GJ!!!
(∴)ノ頑張れ僕らのバト子さん!
226名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 23:33:49 ID:kn+QidSM
どどどうなっちゃうんだろう
すっごいワクワク
227攻殻inホスクラ11:2006/04/05(水) 20:11:20 ID:gsE0KbsI
《少佐!ロックは解除した!》

イシカワが叫ぶより早く、バトーは部屋へ突入した。
「素子!おい、素子!」
そこでバトーが目にしたものは、切り裂かれたドレスと、額から血を流し横たわる素子の姿だった。
そして、部屋の中のどこにもリョウの姿は無かった。
「どこだ!どこに行きやがった!」
叫んだ瞬間、バトーは背後に激痛を感じ床にねじ伏せられた。
「プロなら背後にも気を付けろよ」
「貴様!素子に何をした!」
「何をしただと?自分の目で見ただろう?殺ったのさ…」
「離しやがれ!貴様を許さねえ!」
「やれやれ、向こうで大人しくしていればいいものを…余程、命を粗末にしたいらしいな。
 女の力で、俺に勝てるとでも思っていたのか?
 そんなに死にたければ、おまえも彼女の元に送ってやろう」
リョウは、ナイフの先端をバトーに向けた。
「フフッ…可愛いお嬢ちゃん、さようなら」

「ウッ…」
ナイフを振り上げた瞬間、リョウの体は痙攣し硬直した。
「な…何故?…」
かろうじて振り返ると、背後に死んだはずの素子の姿があった。
「お、女がふたり…」
「少佐…光学迷彩…リモート義体だったのか…あれは…」
「ああ、おまえが突入したと同時に一緒に中へ入った。手の内が解らなかったからな」
首にゴースト錠を掛けられたリョウは、硬直し体を微かに震わせていた。
「バトー、こいつを連行しろ!」
228攻殻inホスクラ12:2006/04/05(水) 20:12:28 ID:gsE0KbsI
「立て!」バトーは、襟首をつかんでリョウを立ち上がらせた。
リョウはバトーに引き立てられ、よろよろと前へ進んだ。
そして、立ち止まり素子の方を僅かに振り返った。
その顔は、微かな笑みを浮かべていた。
「バトー!離れろ!」
素子が叫んだ瞬間、部屋は爆音に包まれた。
間一髪、バトーは素子の体を覆い床に伏せた。
「こいつ…自爆しやがった」

《少佐!大丈夫ですか!》
《トグサか、そっちは大丈夫か?》
《衝撃は大したことありませんでしたが、客が騒いでいます》
《耐サイボーグ用扉が効いたようだな…所轄と一緒に客を非難させろ、こちらは大丈夫だ》
《サイトー、裏はどうだ?》
《男を二人ばかり足止めした。少佐、無事か?》
《ああ、なんともない》

「道連れか…思ったほどの火薬の量じゃなかったな。見ろ、頭は残ってる」
「構造解析に回せそうだな…なんとも言えないが…」

《課長、私よ。任務終了、残念ながら「対象」は自爆したわ。
 頭は無事だから鑑識に回して。それから、幹事長の資金は見つかったわ。所轄に手配して》
《ご苦労、本部に戻れ》

「バトー、腕が…やられたのか」
「ああ、取れちまったな」
「おまえ…自分が普通の義体だという事を忘れていたのか…一歩間違えば命まで失う…」
「ああ、自分が女だって事をすっかり忘れてたぜ。
 心配無い、元の体に戻ればいいさ…痛みもねえよ」
「すまない…私のミスだ…おまえにケガをさせるつもりは…
 私を庇う必要など…無かった…」
「なんて顔してやがる?おまえのそんな顔は見たくもねえ…仕事だと言ったのはおまえだろう。
 仕事なら何でもやるさ、女になってもかまわねえよ」
「フッ…そう…」
「だが、俺は、おまえがこんな奴にやられる姿は二度と見たくねえ…」
「ん…そうね…立てるか?足もやられたんだろう?」
「どうもしねえよ、大丈夫だ」
「上まで肩を貸そう、つかまれ」
「いいよ、ひとりで行ける」
「遠慮するな。上に着くまでだ。表に出たらタチコマにおまえを渡す」
それ以上は何も言わず、バトーは大人しく素子の肩につかまった。

立ち上がったバトーは、折れたサンダルのヒールに足をとられ、よろめいた。
素子は、両手で倒れかかる体を支えた。
「ハイヒールってのは、歩きにくくていけねぇ…」
折れたヒールを確かめてバトーが顔を上げた時…触れ合う程の距離に素子の顔があった。
バトーはドキリとした。素子の瞳が、真直ぐ自分を見つめていたからである。
そのまま身動きひとつ出来ずにいると、素子は目を閉じ、ゆっくりと自分の唇をバトーの唇に重ねた。
バトーは高鳴る胸の鼓動に翻弄され、目を閉じる事も、素子を抱きしめる事も出来ずにいた。
初めて感じる、素子の唇の感触を確かめる事も忘れていた。
ただ、真近で見る素子の顔とその長い睫毛を見つめていた…。
ゆっくりと唇を離した時…素子はたったひと言、バトーに告げた。

「ありがとう…」
229攻殻inホスクラ13:2006/04/05(水) 20:14:07 ID:gsE0KbsI
胸の高鳴りを抑えられないまま、バトーは次に言うべき言葉をさがした。
何か気の利いた言葉を言う必要がある。
パズやトグサなら、こんな時なんと言うのだろう…?
そんな焦りはやる気持ちは、まったく見当違いなひと言を発してしまった。

「その…なんだ…やけに、優しいじゃねえか…おまえらしくない…」

『おまえらしくない…』

そのひと言を聞いた時、素子はムッとした…そして、それは失望に変わった。
「わかってないわね…」
素子は少し目を伏せ、顔を上げた時にはいつもの「上官」の顔に戻っていた。
「つかまって!さっさと上に行くわよ!」

(な、、、なんだ?)

バトーには解らなかった。
「優しい」と言ったはずなのに、彼女が何に怒っているのか理解出来ずにいた。
バトーは勘違いしていた。
パズやトグサなら…こんな時、何も言わずに相手の瞳をじっと見つめ、
キスのひとつでもして優しく抱きしめ、想いを手にしてしまうだろう。
恋する女に言葉は要らない。
今夜もバトーは失意を抱えたまま、愛犬の待つ部屋でひとり寝るしか無くなったのである。
そう…傍らにいたはずの彼女は消えてしまったのだから…。

満開の桜の花は、一瞬の風で散ってしまう。
束の間の夢…それは終わってしまった。

素子とバトーは、気まずい思いのままひと言も口をきかずに出口に向かった。
素子が少なからず悲しみの色を浮かべている事など、バトーは気づくはずも無い。

二人はリョウの頭の横へ来た時、その歩みを止めた。
「少佐、こいつ手加減したんじゃねえのか…おまえを殺す事をためらって…」
「そんな事どうだっていいわよ、関係ないわ」

素子は、しばらくリョウの頭を見つめていた。
やがて、床に落ちていた赤い薔薇を一本拾うと頭の横へそっと投げた。
「死出の花か…」
「さよならテロリストの息子。おまえと会う事は二度と無い…」

(∴)ノシ おわり
230名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 22:50:45 ID:u3nCCHKW


                ∩
                ( ⌒)     ∩_ _
               /,. ノ     i .,,E)
              ./ /"    / /" .
    _n  グッジョブ!! ./ /_、_   / ノ'
   ( l    _、_   / / ,_ノ` )/ /_、_    グッジョブ!!
    \ \ ( <_,` )(       /( ,_ノ` )      n
      ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ     |  ̄     \    ( E)
        /    /   \   ヽフ    / ヽ ヽ_//

231名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 00:29:24 ID:i9W9Oh9/
キタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!

バトーさんはタチコマ並に女性の心が分かって無いところが
かわいいーw
232名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 14:10:15 ID:b98Kkol0
バト子を、少佐に犯して欲しかったのに〜〜〜〜!
233名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 14:15:24 ID:SfLm3LWp
同感。...でも書いてくれただけ感謝。後は脳内で補完しまつ。
234名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 18:21:53 ID:i9W9Oh9/
>>233
脳内補完したらここに書いてよ
記憶の並列化しよう(∴)ノ

235名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 19:45:19 ID:8mMSvygC
申し訳無い…
そこまで書こうかとは思ったけど…力尽きた。
誰か他の職人さんが幸せにしてやってくれ。
236名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 16:06:28 ID:2MjGgrZi
おもろかった
ありがとう
237名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 18:22:01 ID:bh/K4/K2
職人乙!!
面白かったよ!!
238235:2006/04/07(金) 18:36:12 ID:21CD8iAw
しつこいようだが、忙しかったのは理由にならないけど。
確かにバト子をもう少し生かした方が良かった。
それで、攻殻と同じパラレルワールドで別バージョンを妄想してたら、
書きたくなってきた!
勝手にしろと言われるだろうが、好きで書いてるんでw
素子×くるたん書いた時のように長くは無いが、脳内補完程度には書きたい。
少し時間をくれ。
239名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 21:38:43 ID:bh/K4/K2
>>238
書きたきゃ勝手に書け。











俺はヒョウ柄のふんどしで待ってるぜ。
240名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 01:15:56 ID:b2lgu0w6
くるたんも君だったのか
楽しませてくれてありがとよ!
241名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 01:39:45 ID:eWxhFkMn
このスレGJ。いいところ見付けた
元ネタが元ネタだからか、エロだけじゃないんだな
ハァハァ
242パラレルinホスクラ12:2006/04/08(土) 22:37:19 ID:Q9luzAIt
《課長、私よ。任務終了、残念ながら「対象」は自爆したわ。
 頭は無事だから鑑識に回して。それから、幹事長の資金は見つかったわ。所轄に手配して》
《ご苦労、本部に戻れ》

「バトー、腕が…やられたのか」
「ああ、取れちまったな」
「おまえ…自分が普通の義体だという事を忘れていたのか…一歩間違えば命まで失う…」
「ああ、自分が女だって事をすっかり忘れてたぜ。
 心配無い、元の体に戻ればいいさ…痛みもねえよ」
「すまない…私のミスだ…おまえにケガをさせるつもりは…
 私を庇う必要など…無かった…」
「なんて顔してやがる?おまえのそんな顔は見たくもねえ…仕事だと言ったのはおまえだろう。
 仕事なら何でもやるさ、女になってもかまわねえよ」
「フッ…そう…」
「だが、俺は、おまえがこんな奴にやられる姿は二度と見たくねえ…」
「ん…そうね…立てるか?足もやられたんだろう?」
「どうもしねえよ、大丈夫だ」
「上まで肩を貸そう、つかまれ」
「いいよ、ひとりで行ける」
「遠慮するな。上に着くまでだ。表に出たらタチコマにおまえを渡す」
それ以上は何も言わず、バトーは大人しく素子の肩につかまった。

立ち上がったバトーは、折れたサンダルのヒールに足をとられ、よろめいた。
素子は、両手で倒れかかる体を支えた。
「ハイヒールってのは、歩きにくくていけねぇ…」
バトーは床に座り込んで、折れたヒールを確かめた。
「クッ…フフッ…」
「何が、可笑しい?」
「ん…見れば見るほど可愛いなと思って…フフ」
「またそれか…妙な目つきはやめてくれ……少佐、ひとつ聞いてもいいか…」
「何?」
「あれは、誰の事だ?」
「あれ?あれって何よ」
「言ってただろうが…妹の、なんとかとか…」
(らん…)
素子は涼しい顔で言った。「ただの友達の名前よ…」
「ただの友達ね…」

バトーは黙り込んだ。
いつか見た、オープンカフェで例の女友達と一緒にいた素子。
相馬に襲われた時、部屋にいたという一課の部長の話。
(それがどうした?)それくらいの気持ちしかなかった自分と今の自分…


243パラレルinホスクラ13:2006/04/08(土) 22:38:57 ID:Q9luzAIt
素子は、バトーの仕草を見つめていた。
絨毯の上に足を広げて座り、ドレスの裾の乱れも気にせず、足を折り曲げヒールと格闘している。
それは、小さな子供が玩具で遊ぶような不器用な手つきだった
「片手じゃやりにくいわね。じっとしてて」
素子はバトーの足元にしゃがむと、ヒールを元の位置に戻そうとしていた。

「やけに、優しいじゃねえか…それは俺が『女』でいるからか…」
「バトー…」素子は顔を上げて、バトーを見つめた。
「やけに突っ込むな…何が言いたい?」
「お、俺は別に何も…」

言い終わらないうちに、素子は自分の唇でバトーの唇を塞いだ。
「何をすねてる?」
バトーは目を開いたまま身を硬くした…味わう間も無い初めて触れた彼女の唇の感触…
「可愛い声に『俺』は似合わないわ…」
「お、、、おい!」
素子は真直ぐにバトーを見つめたまま、その片手はドレスの胸元から乳房に手をかけられていた。
素子が乳房を強く握った時、その日初めて自分の「女の体」を意識した。
素子はバトーを床に横たえると、例の意味深な瞳でバトーを見つめドレスの肩紐をずらした。
露わになった豊かな乳房に、素子の唇が吸い付く。
(よせ……)声が出ない。
素子の舌先が、乳房の敏感な部分をゆっくりと刺戟していく。
「女の体」を誰よりも良く知っている「女」である素子。
「う……」思わず洩らしそうになる声を抑えて、バトーは素子の頭の中に話しかける。

《よせ…素子…誰か来たら…》
《誰か…誰が…》
《だから……所轄や…鑑識が…もうすぐ来る…ここへ…》
《だから何……かまわないわ…》

それ以上は言葉が続かない…素子の気持ちが解らない。
男である「自分」を見ているのか?自分の「女の体」だけを弄んでいるのか?
愛されてもいないのに、相手に惑わされてしまう「女」の気持ち…バトーはそんな錯覚に陥りそうになった。
それでも体の方は素直に反応してしまう。
バトーは、自分の内股の奥を伝う熱い物を感じた。
(やばい…)
「くっ…」バトーは素子が与える快感にかろうじて耐え、声を押さえ込んだ。
それも、いつまで続くか解らない。
感覚器官を切ればいい…それさえ思いつかない。
バトーは自分を見失いつつあった。
244パラレルinホスクラ14:2006/04/08(土) 22:42:15 ID:Q9luzAIt
バトーは自分を抑えきれなくなっていた。
ふと、素子の動きは止まり、その瞳はバトーを見つめた。
そして再び、バトーの頭の中に囁いた。
《答えてなかったわね…》
《何が…》
《女だから…優しいのかと言う事…》
《ああ…聞いたか…そんな事を》
《聞きたい?…》
《ああ……いや、今は言うな!頼む!》
《何故?…》
《頼む…その…今はまずい!…いつからいたんだ…所轄が》
《所轄?》

素子が扉の方を振り向くと、そこには呆けたように立ちすくむ所轄警察と鑑識達が立っていた。
彼らには、電脳通信で会話する二人の姿は、奇妙な女同士の見つめ合いにしか見えなかった。
しかも、部屋に漂う妙な雰囲気に押されてしまい、声をかける事も出来なかったのだ。
「ご苦労」素子は、何事も無かったようにスッと立ち上がった。
「お、おつかれさまです」所轄警官は、素子に敬礼した。
「あとはよろしく頼むわ」

「大丈夫ですか?」
若い警官が、バトーの肩に自分のジャンパーをかけた。
ドレス姿の女性を見て、客と勘違いしている様子だった。
大切な物でも扱うように、はだけた胸元を自分の服で覆ってくれた。
彼の眼差しは心なしか熱く、バトーの胸の谷間と白い肌を見つめると少し目を逸らした。
(気の毒に…こいつも勘違いしてるのか…)
いつもなら『すまねえ』と言うところだろうが、何故か「ありがとう」と返事をしてしまった。
若い生真面目そうな警官は、美しい彼女のひと言に胸を高鳴らせた。
「い、いいえ。ケガは大丈夫ですか…」
「それはうちの捜査官だ。心配無い、少し負傷したので私が連れていく。バトー、立てるか?」
「ああ…」バトーは、立ち上がった。
「すまない、これは借りて行く。後で必ず所轄に戻しておく」
「はい…」
『バトー』…そんな名前の女はいない。彼の想いは一瞬で崩れた。

《少佐も人が悪い…わざわざ名前を呼ぶ事は無いだろう》
《余裕だな、来た時とは大違いだ》
《可愛そうに、あの若いヤツ…しかし、なんだ…「美人」ってのは優しくしてもらえるもんだな。
 俺は女で良かったと、今日初めて思ったぜ》
《フフッ…そんなに気に入ったのなら、ずっとそのままでいればいい。止めはしないわ。
 ただし、現場からは外す》
《おい、冗談も通じねえのか…》

245パラレルinホスクラ15:2006/04/08(土) 22:43:02 ID:Q9luzAIt
バトーに肩を貸し、二人は薄暗い階段を上った。
「おい、さっきは何を言いかけた」
「さっき?ああ…あれね。聞きたいの?」
「別に…どうでもいい…」
「そう……何を言うつもりだったのかしら…ただ…」
「ただ?」
「そうね、私にとってバトーはバトーでしか無いと言うつもりだった…かしら。
 答えになってないわね…」

(何故、あんな事をした?)
そう聞いてみたかった……それは聞かずにおく事にした。

地上の明かりが見えてきた。
「タチコマも、おまえの無事な姿を見たら喜ぶだろう」

その後タチコマ達が、はしゃぎながら記憶を並列化した事は言うまでもない。

(∴)ノおわり
246名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 08:48:15 ID:dU5Pj/og
キタヨコレ(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)キチャッタヨ!!

受けバトー可愛い
並列化したタチコマのはしゃぎっぷりも目に浮かぶ
おもしろい作品を読めて嬉しかった
247名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 11:39:55 ID:akFH3mKP
うひゃー、バトーさん可愛いーw
え、見せて見せて〜
( ∴)ハ(∴ )

こんな場面を妄想したw
248名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 15:53:25 ID:4CkvRv6N
すまんかったね、何回も。
平行世界の出来事で、どっちのラストもありにしてくれ。
タチコマの可愛い会話…書いてみたいのに、一番の苦手分野。
みんなみたいに書きたい…タチコマの会話。
バカのひとつ覚えのシリアス展開ばかりでスマソ
249名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 19:25:58 ID:wp8zUqQA
濡れてるバトーがどんだけ、頭真っ白になってるかと思うとおかしいW

少佐が手出した理由は、多分、
「ちょっとイタズラしたくなっちゃった♪」
んだろうなあ〜〜〜〜〜〜〜
250名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 13:14:48 ID:lJubOqYN
パズ「サイトー、…首に掛けてるそのドッグタグは何か意味はあるのか?」
サイトー「ああ……………(長い沈黙)左手と左目の完装の記念ってとこだ。」
パズ「意外だな、お前がそんなとこにこだわるとは」
サイトー「……………………(回想中)まぁな。」

(回想)
少佐「左手左目が完装した今、貴様は本日をもって私のドーベルマンだ!
…これを首に下げろ。
常に私の指示を待ち、常に従え、いいな!」
サイトー「少佐…………っ!」




そんな若い頃が俺にもありました。(byサイトー)
251名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 13:57:14 ID:Oh8Pe8cs
>>250
いいなぁ
少佐とサイトーの主従関係っていい具合にしっくりくるな、GJ
252名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 19:53:53 ID:XAqAINho
サイトー、寡黙な分だけ、
いろいろ心には熱いものを秘めてそうだW
253名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 20:01:57 ID:Gh6Yn6wR
GJ!!
カコイイ!!!
254250:2006/04/13(木) 23:51:55 ID:lJubOqYN
あ…、ギャグで書いたつもりだったんだけどありがと。
ずっとドーベルマンを人間にするとちょうどサイトーみたいなもんかな
と思ってた人間にとっちゃあの回はある意味ネ申すぎて爆笑。
255名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 00:51:22 ID:yhaOFdjY
おまえいい腕してるな
今から私の犬になれ!
256名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 06:42:29 ID:r1nAZiB/
つまり
少佐→女王様
サイトー→M男
という構図ですね
257名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 00:04:06 ID:W21q9jBW
「どうしたんだ?バトー。お前に私が押し倒せるわけが無いだろ」
「・・・・確かにな。全身擬体の重い体が抵抗すりゃ、俺のほうが押し倒されちまう」
「そうだ。良く分かってるじゃないか。それに、仮に押し倒せたとしても・・・」
「俺に少佐は襲えない」
「襲いたかったのか?バトー」
「そ、そんなんじゃねえ!もういい、帰るぞ、俺は」
「そうか・・・・・・・・・残念だな」

少佐の最後のつぶやきはバトーの耳には届かなかったとさ・・・。
258名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 01:17:17 ID:KSWENB5q
> 「そうか・・・・・・・・・残念だな」

「それじゃ、遠慮なく…」
「うわああぁぁ、何をする!!!むぉとこおおぉぉぉ〜〜〜!!!」


259名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 23:40:43 ID:ilM357MT
バトーだってほぼ全身義体なんだから重さでは負けないんじゃないのか?
260名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 22:47:08 ID:NAxR3ve2
バト子の話じゃないの?
261名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 12:12:58 ID:Dryh1cre
そういえばこのスレ、バト素、素バト少ないな
職人さんお願いします
262名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 14:13:10 ID:F2Z1orrF
(∴)ノ
バトーさんはいざという時アガりすぎて出来なさそうだよね〜。
263名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 21:31:52 ID:0pz+yqDt
アガリすぎてできないだろうけど、
クゼが入ればがんばるだろう。
誰かバト素クゼで書かないか?
264名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 23:35:03 ID:3YP+J9dm
>バト素クゼ
なんかパラレルでスラップスティックなコメディーしか
思いつかないなぁ・・・
265名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 00:16:36 ID:E89EIyZE
>>264
それもいいな
眉間にシワよせてるクゼがどうなるか見てみたい
266名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:23:08 ID:fz2HkWfa
>>264
いいとこ見せようとして空回りするバトーさんも見てみたい
267名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 10:21:46 ID:EZ6kLZAJ
>>264じゃないけど

後ろから座位でバトー、
座って素子、
前からクゼで
主導権を握ろうと頑張るも素子のすぐ後ろのクゼとご対面してしまうので

気が散ってあからさまにカッカしてるバトー
冷静に服を脱がせていくマイペースなクゼ
二人に挟まれて
「まるで仲裁役ね…この二人じゃちっともブッ飛べないわ」
とくるたんにぼやいてる少佐の姿を想像した。
268名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 16:02:41 ID:6/vXMR6K
もおぉぉぉぉぉとこおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ(´Π`;
269名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 03:33:24 ID:1/ohvKwW
このスレを読んでいると、バトーが可哀相でならない・・・。本編でバトーLOVEが語られますようにw
270名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 06:15:24 ID:ZsPHlFDd
もおぉぉぉぉぉとこおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ(´Π`;
271名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 07:49:19 ID:875uTMwf
原作では、オンラインの恋人の中身が
本当は老人かどうかも分からない位の
恋愛べただからな
272名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 16:44:42 ID:1/ohvKwW
1stみてるけど、9課の別ビルセーフハウスで、
最後バトーが少佐の腰に手を回して・・・フェードアウト・・・。


さぁ、誰か作ってくれ^^
273名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 17:43:50 ID:rR0JtFD/
バトーの脳核は少佐のチッスで充分焼き切れます^^
274名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 19:27:17 ID:3VlM+6eA
>>272
それ、前スレで誰か書いてたと思う
275名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 22:00:43 ID:1/ohvKwW
なんだってー!!!(AA。過去ログ漁ってくる(AA
276名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 23:15:40 ID:3VlM+6eA
275が、過去ログを探しに行ってる間に普通のバト素ですが、置いときます。
やや、オカルト風になってしまったが…orz
277電脳空間1:2006/04/25(火) 23:16:46 ID:3VlM+6eA
「少佐、いくら『2501』でも、勝手に覗くのはやめてくれねえか…」
「久し振りね。何を見てるのかと思ったら、旧式なアダルトサイト?
 物好きね。今はもっと実体験と変わらないサイバースペースがいくらでもあるでしょう」
「そんなもんは俺の勝手だろ」
「そうね。そんなサイトが残ってるって事は、同好の士がいるって事だもの。
 やめるの?悪かったわ」
「もう、いい」バトーは、傍らのビールを一気に飲み干した。
「久し振りにそこへ行ってみようかと思ったら、バトーの部屋には生きた犬しかいないのね。
 それじゃ、行けないわ」
「来なくていい。さっさとマトリックスの向こう側にでも帰りな」
「怒ってるのね…それじゃ、バトーがこちらへ来ればいいわ」
「遠慮するぜ。彼岸の向こう側へ行くには、まだ早い」
「上部構造へシフトしなければ大丈夫よ。普通に、電脳空間へダイブしてらっしゃい。
 面白い物を見せてあげるわ」

『面白い物…』そう聞くと心が動く。どうせ暇なのだ、行ってみようかという気になる。

「どこへダイブすりゃいいんだ…」
「来るのね。ゲートを開けて待ってるわ」

バトーはとりあえずダイブした。「おい、少佐。アクセスラインを示せよ」
そう言うと、目の前に侵入ゲートが出現した。「入っても大丈夫なんだろうな…」
返事はなかったが、思い切って進んでみる事にする。
ゲートをくぐったが、トラップは何もないようだ。
誘導ラインに導かれ、目指す所は、はるか彼方のドーム状になった光だった。
そこへ近づくと、バトーは光の中心に吸い込まれるように消えた。

電脳空間を抜けたつもりはなかったが、そこは薄暗い湿ったジャングルのような場所だった。
「なんだ、これは?妙な場所に出ちまったな」
「来たのね。ここよ」
278電脳空間2:2006/04/25(火) 23:17:32 ID:3VlM+6eA
「少佐…どこにいる?姿が見えねえな」
「側にいるわよ。とりあえず、実体化するわ」
バトーの目の前に現れたのは、少女型義体でもなく人形でもない『草薙素子』本人の姿だった。
その姿を見るのは、自分でも覚えていないほど昔だったような気がした。
「ここはどこだ?妙にリアルだ…」
「あなたの記憶野を借りたのよ。懐かしいでしょ?ここは、あなたの記憶で出来た空間よ」
「それでか…覚えのある場所だと思ったぜ」
「ここはある集団のサイバードームよ」
「ある集団?それはなんだ?」
「スターバト・マーテル」
「スターバト・マーテル?夢見がちな頭のおかしな連中が集う場所だろ…聞いた事はあるが。
 おまえ、なんでこんな所に関わってる?」
「別に関わってる訳じゃないわ。単にあなたを呼ぶには都合がいい場所だったからよ。
 記憶を実体化にするには都合のいい場所…ついでに願望もね」
「願望?誰の願望だ?」
「面白い物を見せると言ったでしょう。あなた自身の願望以外、何がある?」
「つまらねえ冗談だな。見たいのはおまえ自身の願望じゃないのか?ついて来るんじゃなかった」
「願望は記憶され、叶わなければ蓄積される…言ったでしょう?この空間はあなたの記憶で出来てるのよ。
 私の実体はあなたの記憶を借りたものよ」
その事にはふれずおこうと思っていたが、実は素子は何も着ていないのだ。
そして、自分自身も何も着ていない…

(妙だ……まさか…ハッキングされてるんじゃねえのか…スターバトなんとかの連中に?)

「フフッ…ハッキングを疑ってるのね。あなたの考えてる事は良く解るわ」
「おまえは肉体を捨てて、意識だけの存在になる事を望んだんだろう?
 なのに、何故いまさら実体を借りる?
 おまえが少佐だとは、どうしても思えねえ。おれはダイブを抜ける」
「そうね…そう望んだのは確かだわ。肉体を捨てる事で心の葛藤は無くなった…
 それでも、時々、実体になってみたくなる」
「勝手にしろ。おまえの話は聞きたく無い。俺をからかって楽しいか?」
「からかう?そんなつもりは無かったわ」
「おまえの考えてる事は解らねえよ…」
「ダイブを抜けるの?せっかく来たのに?」
「俺に声をかけるな」
ダイブを抜けて、元の場所へ帰るつもりだった。
なのに、何故か…抜け出す事ができない。
「フフ…抜け出せない?結局、ここにいる事を望んでるのね」
279電脳空間3:2006/04/25(火) 23:18:11 ID:3VlM+6eA
「願望……その次は何?…実現かしら…」
「実現?俺がどんな望みを持ってると言うんだ。ますます気に入らねえ」
「記憶野に詰め込まれた願望が実体を作るわ。ほら、そうなってる」

背中の感触が冷たい…自分は今、薄暗い森の中で土の上に仰向けになっている。
ここはどこだ?いつか戦いに行った南米か?
イメージだけの空間なのに、生臭い湿気、ぬるい水、すえた植物の臭いまでしてきそうだ。
素子の姿が見えない…

「おい、どこにいった?」
「ここよ。目の前にいるじゃない…」

素子はバトーの体のすぐ上に、空気の様に平行に浮いていた。
「湿ったジャングルの中に、幽霊みたいに裸で浮いてるおまえが俺の願望って訳か…笑わせるぜ」
「イヤなら、服を着てるところでも想像したら?」
「余計なお世話だ。おまえがイヤじゃないなら、全然かまわねえよ。
 おまえが貶したアダルトサイトより、よっぽどマシだろ」
「フッ…あんなものと比べるなんて、失礼な事を言うのね。相変わらず口が悪いわ」
「気紛れでこんな所へ呼び出す、おまえよりマシだ」
何か言う度に、浮いている素子の体はバトーの体をかすめてゆれる。
二つの乳房が、自分の体をかすめてゆれている…
妙な感触だ。背中の中心がゾクゾクしてくる。
唯の映像のはずだ。肉が触れ合う感触があるはずは無いのに…
「おい、いい加減で離れろよ」
「そう…機嫌が悪そうだから、帰るわ」

『帰る』その言葉に反応した訳じゃ無かったはずだ。
280電脳空間4:2006/04/25(火) 23:18:56 ID:3VlM+6eA
「帰っちまったのか…」

体は冷たい土の上で身動きができない。
自分の体が沈んでいくような感覚だ。
来る日も来る日も戦いに明け暮れた日々を思い出す。
(あのまま死じまってたら、俺は今頃、あの冷たい土の中だ。
 「死にたくねえ」あの頃は、毎日そう思ったもんだ…)

「今度は何を思い出してるの?」素子の声だけが聞こえる。
「おまえ…帰ったんじゃなかったのか…」
「バトーの思念が私をここへ繋いだみたいね。帰れなかったわ」
「記憶の次は思念かよ。適当な所だな、ここは。誰も引き止めちゃいねえから、勝手にしろよ」
「そうね、勝手にするわ…ところで、土の中は気持ちいい?まるで生き埋めね」
「なんでこんな事になっちまうんだよ…」
「死を覚悟した瞬間のイメージね。そこから出たかったら、もっと強く念じなきゃ…死にたくないって。
 それとも無理?今のあなたには?生きながら、世捨て人の様に暮らすバトーには…」
「世捨て人か…酷い事を言う…仕事はちゃんとやってるぜ」
「仕事?フフ…仕事ねえ…」
世捨て人だと?……その原因が誰にあると思ってる。
それを知ってて、俺を愚弄するのか?
「手を貸してあげるわ。生きた世界に戻れるようにね」
「生きた世界だと?何をする?」
「実現よ……」

(あれはいつの事だった?)

南米のジャングルで敵方に急襲された。
味方は散り散りになり、辺りは阿鼻叫喚に包まれた。
被弾した者の悲鳴、叫び声、血飛沫が飛び、頭を吹き飛ばされた死体が転がる。
敵方のアームスーツが森の中を不気味に蠢き、獲物を探している。
アームスーツを目にした者達は恐怖に凍りついた。
誰かが叫ぶ「おしまいだ!俺は死ぬ!死んじまう!」
「お前ら落ち着け!しっかり逃げろ!生き残れ!女も抱けねえぞ!」

(あれは伍長の声だったか…思い出せない…)

敵の追撃を避け、どうやってあの森を抜けたのか…今となっては思い出せない。

気がついたら、自分の体の上に素子がいる。
自分の胸に耳をあて、心臓の鼓動でも聞いているような格好で身動きひとつしない。
「戦った時の事を思い出してたのね…死にたくはなかった…そうでしょう」
「あぁ…生きて帰りたかったさ…」
バトーは素子の体を強く抱きしめた。
281電脳空間5:2006/04/25(火) 23:19:34 ID:3VlM+6eA
自分の体が宙に浮いている…
どこまでも白い…真っ白な空間…何の音も聞こえない…白光色の空間が広がっているばかりだ。
今度は自分の体が浮いている…どうなってる…あの世に来ちまったのか…
素子が自分の膝の上にいる。
その身に自分の肉体の一部を咥え込んだまま、一緒に宙を浮いている。
(なにが……どうなってる……)
(違う…もっとよ……もっと…まだ、浅いわ…)
(なにがどう違う…)
(解らないの……もっと奥よ……私の……)
素子の白い両腕が首に絡み付くと、夢中でその乳房に吸い付いた。
その体の奥深くを…何度も熱く硬く突き上げる。
(もっとよ…足りないわ…足りない……)
言われるままに、何度も何度も繰り返し突き上げる。
素子の体は、貫かれたまま、激しく身を捩り喘ぐ。
内股からあふれる熱い物が、自分の体を序々に濡らしていくのが解る。
(もっと奥まで来て……たまらないわ……)
頭の中は真っ白だ…(どうすればいい……もっとか…)
(解らない…解らないの……もっと…私を突き上げて……)
体が熱い…体の奥が熱い…おまえの体の奥が熱い。
(もっと…もっとよ……ね…奥まで来て…)
熱い……熱すぎる……それでも、まだ足りないと言うのか…
(もっとよ…私の……来て…ね……ねえ…)
意識を失いそうだ……おまえの体の奥に吸い込まれそうだ…それでも…やめる事ができない。
(ダメだ…もたない……もう…いきそうだ…)
(やめないで…まだよ…あ…ぁ…あ…まだよ…)
痺れる様な感覚が脳殻を駆け巡る…息が…苦しい…
(息がつまりそうだ…息が…出来ない…素子…)
(だめよ……だめ…あ…ぁ…止めないで…もうすぐ…あ…あぁっ…う…ぅ…ぐっ!)
(もう…ダメだ!…素子……)

一瞬、二人の視線が絡み合った。
素子は、バトーの唇を強く吸った。
その瞬間、白光色の空間が散り散りに砕け散った。
282電脳空間6:2006/04/25(火) 23:20:16 ID:3VlM+6eA
「おい、大丈夫か?気分はどうだ?」
「ああ、悪くは無い…少し動揺しただけだ。現実との境目が本当に解らなくなっちまった…」
「とりあえず、証言者のデータを元に作った仮想空間だ。本物のサイバースペースはこれ以上だろう。
 おい…本当に大丈夫か?…やけに…」
「実を言うと予想以上だった。仕事だって事をすっかり忘れてた…普通の仮想空間とは違う。
 帰れなくなっちまった奴らが大勢いるってのも、あながち嘘じゃ無いんだろ」
「そうか…それで、どうする?トグサには見せるのか?」
「いや、あいつには見せない方がいい。刺戟が強すぎる」
「そうだな。所帯持ちにはそれがいい。必要以上の夢を見させる事もないだろ」
「あいつには、俺からよく説明しておく」
「本当におまえを繋いじまって良かったのか?敵の出方を知る為とはいえ、少々やり過ぎたか…」
「いや、気にするな。俺から申し出た事だ。もう、なんとも無い」
「どこへ行く?」
「トグサの所だ。捜査の前に話し合う必要があるからな」
「後で、一緒に連れて来い。気やすめかもしれんが、一応防壁を組み直してやる」
「ああ、頼む…」
バトーはダイブルームから出て行った。

イシカワは煙草を取り出し火をつけた。
(スターバト・マーテル…快楽信仰集団か……行方不明の軍関係と政府関係の捜索…
 楽じゃねえな…自分の夢ん中に迷い込んじまうかもしれないなんて酷な話だ。
 二人がしくじったらどうするつもりだ?オヤジは……
 そしたら、次はパズとボーマか。それでダメなら俺とサイトーか…かなわねえな…
 まてよ、アズマもいたな……奴にはまだ早いか…)

「少佐がいればな…なんて事は無い仕事だったんだが…愚痴っても始まらねえな…」

少し気になる事があった。
仮想空間に繋がれたバトーが、うめく様に小さくつぶやいた言葉…『2501』
あれは『プロジェクト2501』の事だったのか?
あいつはどんな夢を見ていた?…人形使いに取り付かれている訳じゃあるまい。
いや、気にするのはやめよう…バトーなら上手くやるはずだ。

終わり
283名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 23:44:02 ID:Bd3OnRGf
GJ
すげぇ面白かった
284名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 00:24:32 ID:wFGWLfkD
よかったよ、ありがとう。なんかもう、切ねえな、おい。
285名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 02:46:22 ID:w98unXRx
いやっ………






いい話をありがとう…!
しかしちょっとコメントしづらいな。
切なくて。
286名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 23:05:26 ID:iMLhCKdq
トグサ&妻をベースにバトー、素子、タチコマが絡むのを妄想してみた。
攻殻見初めてまだ3ヶ月だから、ちょっと世界とは離れたところもあるかもしれないけど、
まあ読んでくれ・・・。

ーベッドの上でー

((そっちに異常は無いか?タチコマ))
((はい〜♪今のところはぁ♪))
((そうか、引き続き監視を続けてくれ))
((了解〜♪))
((いいのかよ?こんなことして・・・))
((他に良い手が無いのだからしょうがないだろう?))
((そりゃそうだが、なんだかなあ・・・仲間を欺いてるのが俺の信条に合わねえんだよ。
  こりゃトグサのプライバシーの侵害だぜ))
((だが、命には代えられない。そうだろ?バトー))
((だったら、本人に殺害予告を知らせてから張り込んでも良かったじゃねえのか?
 秘密裏に行うなんてよ・・・))
((トグサには家族がいるし、守るべきものがある。その守るべきものが危険にさらされていて、
  トグサ一人では守りきれなかったら?しかも公安9課に来たばっかりにそんな目に会う。
  やりきれないだろ?それじゃあ))
((まあ、だからこそ、俺と少佐がこうして非番にも関わらずトグサ家の屋根裏に忍び込んでいるわけだな?))
((そうだ・・・。殺害予告まであと2時間。気を抜くなよ、バトー))
((分かってる))
287名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 23:13:59 ID:iMLhCKdq
一週間前、9課の課長、荒巻宛てに一通の手紙が届いた。
ーー本庁から公安9課へ鞍替えした裏切り者に制裁を!
       裏切り者は果たして最愛の細君を○月○日の午前0時に命を狙う者から守りきれるかな?ーー
「タダの愉快犯の可能性もあるが、一応少佐に相談を。と思ってな・・・」
「これはトグサを指していると思う?」
「多分な、他にはいまい。丁度その日はお前とバトーが非番だったな?」
「ええ」
「トグサの細君が失われる前に犯人を確保。これがその日の任務だ」
「突然すぎるわ。もう予定を入れちゃったのに」
「君達がやらなければ、トグサはココにはいられなくなるぞ?妻を亡くしたショックで精神崩壊を来たしてな。
 そうなったら、トグサを本庁から引き抜いたのが元凶だとは思わんのかね?」
「良心に訴えかける言い方だこと・・・。分かったわ、引き受ける。
 私だって、有能な部下をみすみす失うことはしたくないし・・・」
「よろしく頼む・・・。それからこのことはトグサの耳に入れないほうが良いだろう。
 家族に9課にいることを隠しきれなくなる可能性があるからだ」
「わかってる・・・」
288名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 23:20:18 ID:iMLhCKdq
((で・・・、俺も巻き込まれてここにいるわけだ。これがなけりゃあ今頃は愛犬とベッドの中だってえのによ))
((トグサがどうかなったら辛いのはお前も一緒だろ?仲間のためだ。辛抱してくれ))
((へいへい、少佐は生身の部下にはお優しい事で・・・))
((お前にも優しいじゃないか))
((冗談!・・・俺が狙われてもまもらねえ癖に))
((お前本人だったら・・・な))
((ほらみろ))
((しかし、お前の最愛の人だったら話は違う。今回のように非番でも出向いたさ))
((最愛の人ねえ・・・。っておいおい、トグサの奴、子供寝かしつけたら奥さんと寝室に・・・まさか))
((無謀だな。殺人鬼が狙ってるかも知れないのに、丸腰になるなんて))
((やっぱり、言っといたほうが良かったんじゃねえの?・・・これじゃあまるで覗き犯だ、俺達))
((興奮するなよ))
((誰が!))
((目を離すな。どこに殺人鬼が潜んでいるか分からん))
((くっ・・・!少佐が変なこというからじゃねえか・・・))
((少佐あ〜♪))
((なんだ?))
((トグサ君って今、奥さんとなにしてるんですかぁ?♪))
289草薙素子:2006/04/26(水) 23:28:49 ID:g1dcZvQj
よし!初投稿にしては良くやったぞ!投下5分後にレスしてやる。
どーせなら続きを書け!トグサと奥さんのえろえろを〜〜。
それがエロ攻殻機動隊だ!
290名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 23:32:04 ID:iMLhCKdq
((ああ、セックスだ))
((ばっ!・・・タチコマに変なことおしえんなよ、少佐))
((セックスぅ?それって何々〜?♪))
((もともとは子孫を残すために成熟した雄と雌が行う行為だ。人間のはちょっと違う時もあるがな))
((そうなんだ〜♪ねえねえ、なんでトグサ君たちセックスであんな変な声出してるのぉ〜?♪))
((ああ、あれは喘いでいるのさ))
((少佐!))
((喘ぐ?♪))
((気持ちが良くて・・・快感で思わず声が出てしまうのさ。恐怖で悲鳴を上げるのと同じだ))
((そうなんだぁ。でも、快感ってなんですか?快楽殺人の快楽とは違うんですよねえ?♪))
((そうか、感覚ってのはタチコマに難しいかもな。痛いや熱いと同じで感覚としてそういうものがあるんだ))
((そうなんですかぁ。じゃあ、今トグサ君は快感って言う感覚を感じて、喘いでいるわけですね♪))
((まあ、そういうことだな))
((全く、こんなことトグサに知られたら・・・))
((ねえねえ、少佐〜♪少佐はセックスして子孫を残したことあるんですか?♪))
((お、おい、タチコマ。任務に集中しろ!))
((ない。・・・私には子宮が無いからな。卵巣も))
((なーんだ、そうなんだあ♪それじゃあ、セックスしないんですね?♪))
291名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 00:18:35 ID:pZkTLfc5
(・∀・)イイ!!!
GJ!!!ワロス〜少佐に「せっくすしないんですね?♪」って聞けるのは
タチコマくらいだなw
292名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 00:27:38 ID:jYy6Q2y5
((いや、人間のセックスは子孫を残すためだけにするのではないからな))
((そうですか。じゃあ、セックスしてるんですね。少佐♪))
((おい、タチコマぁ!雑談はいい加減ソレくらいにしとけよぉ!!))
((・・・なんで怒ってるんですか?バトーさん♪))
((クスっ、さあな・・・))

((少佐あ!!♪))
((!どうした?))
((トグサ君の体の一部が奥さんの中に入ってますよぉ!コレは一体・・・?♪))
((なんだよ!そんなこと聞くなよ、タチコマぁ!))
((バトー、落ち着け。タチコマに新たな分野の知識を与えるチャンスだ。
 これから先、性犯罪を担当することになったら基礎知識が無ければ処理できん))
((・・・けっ!それにトグサ夫妻を使うのか?・・・悪趣味だな、少佐))
((他にまっとうなサンプルがないだろう?それともお前、サンプルになるか?))
((冗談じゃないぜ。少佐こそなったらどうだ?))
((残念だが私は、一対一の愛し方は向いていないからな。トグサのように))
((なんだよそれ、いつも相手は複数か?))
((ふふ、知りたい?))
293名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 00:34:55 ID:pZkTLfc5
> ((ふふ、知りたい?))
知りたい!教えて!
294名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 00:44:37 ID:jYy6Q2y5
((・・・・。べつにぃ、恐ろしすぎて夢に出るかも知れねえからな))
((ねえねえ、どういうことなんですか?なんで入れてるの?♪))
((あれがセックスの本質だからだ。男性の性器を女性の性器に入れる。そうする事で子孫を残しやすくするんだ))
((ふーん、性器ってなんですかぁ?♪))
((バトー、見せてやれ))
((なっ!冗談じゃねえぜ。こんなところで出せるかよ?!))
((でも、もうズボンの上からでも分かるくらい大きいじゃないか?トグサ夫妻を見て))
((うっ!トグサから目をそらすなって言っておいて、少佐こそ逸らすなよ!))
((そらしてなどいない。そういう感じがしただけだ。・・・どうした?図星か?))
((うるせな!ほっとけ・・・))
((フムフム・・・。これが男性の性器って奴なんですね?♪))
((見るなよ!タチコマ))
((・・・なんで怒ってるんですか?バトーさん♪))
((くすっ、さあな・・・))
295名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 00:55:37 ID:jYy6Q2y5
((そろそろ0時か・・・タチコマ、変わったことは無いか?))
((はい〜♪トグサさんの家を中心に半径500mでとくに人影は見当たりません))
((愉快犯だったんじゃねえの?))
((・・・なら良いが))
((まったくぅ〜。貴重な休みを無駄に過ごしちまったぜ・・・))
((その言葉は0時になっても何も起こらなかったら言え))
((・・・へいへい))
((ねえねえ、少佐♪))
((なんだ?タチコマ))
((セックスって、一対一でやるもんなんですかぁ?♪))
((概ねはな・・・例外もあるけど))
((トグサ君は今3人でしてるの?♪))
((は?何を言っている。トグサは奥さんと二人でしかしていないだろう?))
((うーん、肉眼ではそうなんですけどぉ♪こうして、高性能サーモグラフィーで見るとですねぇ♪))
((お、おいコレは少佐!?))
((トグサ君の下に奥さんでしょう?で、その下に・・・もう一人いますけどぉ?♪))
((ベッドの下か!殺人鬼はベッドの下に潜んでいるんだ!))
((どうすんだよ!?もう時間が無いぞ!))
296名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 01:05:57 ID:jYy6Q2y5
((くっ!止む終えん!トグサ!トグサ!!))

((・・・はい、こちらトグサ。緊急ですか?少佐。そうでなかったら今立て込んでいるので・・・))
((その緊急だ!今すぐベッドから降りろ!奥さんと共にだ))
((そりゃまた一体なんで・・・?))
((殺人鬼がベッドの下に潜んでいるからだ!詳しい説明は後でするから
 とにかく奥さんに理由をつけてベッドから二人で降りるんだ!))
((なんだって・・・?!了解!!))

「あんっ・・・どうしたの?急に」
「・・・・駅弁しようか?久しぶりに」
「ええ〜?あれするとすぐにイッちゃうでしょ?二人とも・・・」
「いいじゃないか、たまには。一気に燃え上がる激しいプレイも・・・。さ、おいで・・・」

((よし!これから光学迷彩を着てそっちへ降りる。犯人を確保したらトグサは奥さんと共に部屋を出て行け
  いいか、奥さんにも犯人にも気づかれるなよ!?))
((了解!・・・ったく、なんなんだよ、もう・・・))
297名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 01:11:42 ID:jYy6Q2y5
「あんっ!あんっ!奥まで来てるぅ〜!」
「はあっ!・・・いいよ、最高だ・・・」

((ヒューヒュー、お暑いねえ・・・))
((なんだ?バトーもいるのかぁ?・・・ほっとけよ、全く・・・))
((いい?私が下へ潜るわ。犯人の口を塞いだらバトーは凶器を取り上げで両腕を拘束。
  トグサ夫妻が部屋を出た後に、私ごとベッド下から引っ張り出して))
((了解っ!))
((行くぞ!))

「もがっ!・・・・・・・」
「・・・・・・ねえ、なんか変な声しなかった?」
「・・・さあ?俺には聞こえなかったけどぉ?」
「そう?・・・ねえ、私もう駄目ぇ・・・」
「くっ・・・俺もだもう、イキそう・・・。やっぱこの体位はすごいな・・・」
「うんっ!はあっ!ああっ!いくいくぅ〜〜!!」
「くっ、うあっ!!」
298名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 01:27:32 ID:jYy6Q2y5
((犯人を確保))
((了解・・・。たはは、イクところまで見られちまったよ・・・))
((ねえねえバトーさん!あのトグサ君の奥さんから出ている白い液体。採取して分析しますか?♪))
((んあ?・・・いや、あれはいい。どうせ分析してもろくなもん出て来やしないからな・・))
((なっ・・・ひどいなあその言い方))
((よし、トグサ。奥さんをつれてココを出ろ。撤収する))
((了解))

「なんか、喉かわいたなあ。お前はどうだ?」
「そうねえ、少しだけね。今夜は激しすぎたかも・・・」
「じゃあ、一緒に飲み物取りに行こうよ」
「ええ、どうしたの?いつもなら勝手に自分で行っちゃうじゃない」
「・・・今夜は特別ってことさ。特別一緒にいたい・・・」
「まあ、そうなの?うふふ」

((よし、部屋を出たな。タチコマ!))
((はい〜♪))
((ハッチを開けろ。犯人をこのまま乗せて外へ出る))
((了解〜♪))
299名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 01:28:07 ID:jYy6Q2y5
まだ続きますが、眠いので続きはまた今度・・・。
では、皆さんおやすみなさい
300名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 03:48:51 ID:uRbNokzN
p://volac.net/aup/img/aup1438.jpg
301名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 06:49:15 ID:EDzvfSDY
ちょ続き早く
想像していたよりも面白い
302名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 10:20:49 ID:yMdkHaD5
トグサカワイソス。(;´ω`)
303名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 10:52:23 ID:h83KM+X4
304>>298 の続きよん♪:2006/04/27(木) 13:21:37 ID:58tX2GO0
((よし、戻るぞ。トグサ、犯人は確保した。これから私たちは家を出る。
  お楽しみのところすまなかったな。理由は後日、課長に説明させる。))
((了解・・・。もうまともに少佐たちとは顔合わせらんねえよ・・・))
((良いものを見させてもらったぞ〜。いいおかずになりそうだ))
((お前は黙ってろよ、バトー!))
((それから、物理的&通信的に家のセキュリティを上げることをお勧めする))
((了解・・・。ありがとう少佐、バトー))
((僕を忘れてもらっちゃ困りますよ〜〜♪))
((そうだったな、ありがとう。タチコマ))
((どういたしましてぇ〜♪))
((では行くぞ!))
((了解〜♪))

「じゃあ、戻ろうか?」
「ええ、あっ・・・」
「愛してる」
「どうしたの?急に・・・」
「いや、なんとなく言いたくなって・・・」
「そう。私も、愛しているわ・・・」
305名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 13:30:29 ID:58tX2GO0
((課長。トグサの件、無事に犯人を確保した。これからタチコマに入れてそちらへ送る。
  あとは事情聴取でも、拷問でもしてくれ・・))
((了解。ご苦労だったな、少佐、バトー))

少佐はタチコマに9課へ戻ることを指示して、タチコマとは別れた。
(やっと、ここでナレーション出たよ・・・)
その後、二人はバーへ行って一杯引っ掛けている。

「それにしても、激しかったよなあ、トグサ夫妻のセックス。思い出して何度でも使えそうだ」
「悪趣味だな、バトー」
「元はといえば、少佐があんな作戦を立てたからだろう?悪趣味なのは少佐さ」
「ふふ、そうかも知れんな・・・」
「結局、トグサ本人に知られちまったし、・・・顔合わせ辛くなるな。実際」
「そうか?夫婦で仲の良いことは歓迎すべきことではないか」
「それと実際に濡れ場を見られることとは話が違うってーの!
 ・・・まったくデリカシーが無いな、少佐。一体どんな神経してるんだ?」
「さあな・・・。自分でも良く分からん」
306名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 13:39:34 ID:58tX2GO0
「自分でもわからん。って・・・、だから平気で足やら尻やら出してるのかよ」
「・・・だが実際、トグサ夫妻のセックスを見て、興奮したし、良かったと思っている」
「なっ・・・!そんなこと今俺の前で言うなよ・・・」
「愛し合うというのはああいうことを言うのだな?一対一でしっかりと向き合って・・・」
「ふっ、したことねえのかよ?少佐」
「ああ」
「!!?」
「セックスはあるが、トグサ夫妻のようなセックスはしたことが無い」
「・・・そういうことかよ、びっくりしたぜ」
「バトーはあるのか?」
「・・・・・・・・・・さあな。遠い昔の記憶だ。あの頃は相手をどう見ていたのかも、曖昧だぜ」
「記憶の混乱か?」
「ちげえよ!・・・自分自身がどう相手を思っていたのか当時でも分からなかったってことさ」
「そうか・・・」
「少佐はどうなんだよ?・・・セックスの相手のこと、どう思ってるんだ?」
「さあな・・・。相手が私を誘い、セックスをする事で喜んでいるから、相手になっているというだけのことだ」
「・・・それじゃあ、相手のことを別に本気で好きじゃなくても、してるのか?」
「トグサ夫妻を見て自分と違うと感じたのだから、そうだろうな」
307名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 13:49:09 ID:58tX2GO0
「・・・うらやましいのか?トグサたちのことが」
「・・・正直な」
「・・・・。そうか」
「快感だけじゃないだろ?あの二人のセックスの中身は。それが知りたい」
「そうか・・・。だが、それは所帯を持って初めて分かることなのかもしれねえぜ」
「・・・・・・・・・バトーはどうなんだ?」
「は?!」
「うらやましいとは思わなかったのか?あの二人が」
「ま、まあな・・・・。だが、今の俺には到底手に入らないものだし、うらやましがってもなあ・・・」
「・・・・・・・これからベッドへ行かないか?」
「・・・・・・・・・・・はぁ?!少佐、そ、それって・・・!」
「トグサたちのセックスを見て、興奮していたのはお前だけじゃないってことだ」
「せ、折角のお誘いだが、遠慮しとくよ。俺には少佐を満足させる自信が無いし、
 第一、少佐が欲しがってるのがトグサたちみたいな愛だとしたら、
 なおさら、俺には与えてやる自信がない・・・。それにこれからの業務に差し支えそうだし・・・」
「臆病者だな」
「なんだってぇ?!」
「なあに、終わったら記憶を焼き切れば良い。トグサのセックスの記憶も一緒にな」
308名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 13:54:09 ID:58tX2GO0
「そりゃあ、まあそうだが・・・」
「うじうじするな。男らしく無いぞ」
「こんな時だけ性別を持ち出すなよ!」
「ほら、行くぞ!」
「どこでするんだよ!?」
「適当にホテルをあらう」
「あらうって、聞き込みじゃねえんだから・・・、おいこら、なんでこんな時だけこんなに力出すんだよ!
 腕がちぎれちまうだろうが!」
「嫌ならつべこべ言わずに来い!」
「分かった!分かったから放せよ・・・」

そのまま素子にズルズルと引っ張られて店を出るバトー。
その後、二人は徒歩でホテルのある一室に納まった。
309名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 14:20:26 ID:58tX2GO0
「・・・で、いきなり俺のをつかみ出して咥えるのか?・・・くだらねえ」
「何がくだらないのだ?セックスは性器を刺激して結合するのがメインではないか」
「・・・それがくだらねえってんだよ!大体なんだよ、服も脱がねえでいきなりソコだけ出すなんてよ。
 お前はトグサ夫妻の何を見てたんだよ?!」
「お前意外は皆これで嬉しがってたぞ?」
「そりゃあ、体だけ求めているんならな。・・・でも少佐、あんた、それじゃ嫌だから俺を誘ったんだろ?」
「そうだが・・・」
「じゃあ、俺の言うとおりにするんだ。いいか?」
「そういう命令口調は好きじゃない」
「自分は命令口調なくせに!・・・とにかく、今までは少佐が主導権を握っていたんだろうが、
 今回は俺が握らさせてもらう。それが駄目なら俺は降りるぞ〜」
「・・・・・仕方が無い。良いだろう、好きにしろ」
「あと、さっきの馬鹿力は出すなよ?俺の体がいくつあっても足りねえ・・・」
「分かった。なあ、バトー・・・」
「ん?なんだ?」
「私にも出来るのか?・・・その、生身のトグサたちの様に・・・」
「・・・・・・さあな」
「・・・・・・・・」
310名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 14:42:18 ID:58tX2GO0
「・・・俺は生身のセックスを知らないからなんとも言えねえが、
 その人を好きならば生身も儀体も変わらねえと思ってる。性器が擬体だろうと。だ・・・」
「そうか・・・」
「・・・少佐、あんた。もしかして、ずっとそのことを・・・?」
「・・・・。バトーの性器は生身なんだな?」
「そうだ・・・。ココを儀体化したって、何にもならねえからな。コンプレックも無いし」
「それは良かったな・・・」
「少佐も、感じるなよ。コンプレックスなんて・・・。その性器で沢山の相手をイカせたんだろう?」
「そうだ。だが・・・」
「だったら、名器じゃねえか。名器に生身も儀体も関係ない」
「そうか・・・。儀体交換の度に変わるがな」
「・・・本当は名器も何も関係ない。今の少佐の体の性器。ソレが今の俺にとっては大切なんだ」
「・・・・詩人だな。バトー」
「そうかぁ?でも、そう感じたのなら、その詩を読ませたのは、あんただよ。草薙素子・・・」
「バトー・・・」
「おしゃべりはもう良いか?・・・・良かったら、俺の服を脱がせてくれないか?一枚一枚丁寧に・・・。
 俺も少佐の服を脱がす・・・」
「分かったわ・・・」
311名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 14:55:15 ID:58tX2GO0
こうして、二人のセックスは始まった。
服を脱がしていくたびに、素子の知らないバトーの体が露わになってくる。
部分儀体のバトーは素子と違って儀体と生身の境目がはっきりとしていた。
戦場の傷跡もいくつか刻まれたままになっている。
二人がお互いに全ての服を脱がし終わり、裸で見詰め合った後、
バトーはベッドの上に仰向けで寝転んだ。
素子もバトーの胸に頭をおいて、ベッドの上に横になる。

トクントクントクン・・・

バトーの胸に押し当てられた素子の耳にバトーの心拍が聞こえる。

「バトーの心臓って、儀体だっけ?」
「・・・・・そんなことは考えるな。儀体も生身も関係ない」
「そうかしら?重要だと思うけど」
「いや、重要じゃないさ。そんなくだらないこだわりを持っているからセックスが空しいんだ」
「・・・・・なんだか、今夜はバトーと私の立場が逆転しているようだな」
「・・・・それもたまにはいいだろう?どうせ記憶を焼ききるんだ。いつもと違った少佐を見たい」
「じゃあ、あんたも見せるのよ・・・?」
「勿論だ。今は上司も部下も関係ない。儀体も生身も関係ない。タダの男と女。それでいいだろう?」
「ああ、いいだろう・・・」
312名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 15:03:31 ID:58tX2GO0
素子が了解すると、すぐにバトーは素子を抱きしめた。、

「目をつぶって・・・素子」

素子が目をつぶると、バトーは素子の唇にキスをする。
ディープではなくフレンチで、優しく優しく何度もキスをする。
素子はソレを黙って受け止めた。

「案外、優しいな、バトー・・・」
「そうだ、俺は優しい。ベッドの上ではな・・・。そういうギャップでも感じるもんだ」
「確かにそうだな。トグサもベッドの上では9課の顔とは違っていた」
「・・・・・・他の男の名前を出すなよ。萎える」
「ごめん・・・」
「案外、素直だな・・・。今、そのギャップに感じたぞ・・・」
「ふふっ、そうか・・・」

バトーはもう一度素子にキスをして、髪を優しく撫でた。そのまま指を耳に這わせる。
313名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 15:09:23 ID:58tX2GO0
「あっ!」

ヒクン

素子は耳に感じる奇妙な感覚から思わず頭を動かして遠ざけた。

「ここが感じるのか?」
「さあな?触られたことなど無いから分からない」
「他に性感帯は?」
「さあな、性器意外は知らないが・・・」
「・・・ホントに今まで性器だけのセックスだったのか?」
「ああ、そうだが・・・」
「はあ・・・こりゃ、参ったな。確かに性欲の処理にはもってこいの相手だろうが、くだらねえ・・・」
「くだらないのか?今までの私のセックスは・・・」
「あ、いや、言い過ぎた。すまん」
「いや、はっきりと指摘してくれたほうが成長する。私の今までしてきたセックスはくだらないのか?」
「・・・俺の目から見ればな。だが、他の人から見れば違うだろう。
 ・・・でも、おちこむなよぉ?!これから好みの濃厚なセックスを味あわせてやるんだからな」
「ああ、期待しているぞ、バトー」
「くっ、何気にプレッシャーだぜ・・・」
314名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 15:19:24 ID:58tX2GO0
それから、バトーは素子の全身をくまなく愛撫した。
ところどころで素子が感じたような声を上げると、ソコを重点的に時間をかけたり、
もう一度戻っては愛撫した。
そして、素子はだんだんと素直に声を上げるようになり、肌が上気して頬が赤みを帯びて艶やかになった。
そろそろ、挿入を思わせる愛撫が終わると、バトーは儀体用ローションを素子の性器に塗りたくった。

「おい、そろそろ入れるぞ。腰抜けてねえか?」
「ああ、大丈夫だ。来てくれ・・・」

バトーの性器は怒張し、素子の愛撫を受けなくても十分挿入が可能な段階まで膨らんでいた。
だが、バトーは素子の返事を聞いて、挿入を断念する。
その理由は、素子がまだ冷静だったからだ。
愛撫にある程度良く感じてはいるものの、まだまだバトーを全身全霊で求めるまでは行っていない。
それがバトーにとっては不満だった。
そして、もう一つ、バトーが挿入をためらう理由は・・・・。
バトーはもう一度素子を抱きしめてキスをした。
315名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 15:32:13 ID:58tX2GO0
「・・・どうした?バトー・・・」
「・・・・やめよう、少佐。これで終わりだ・・・」
「!?なぜだ・・・?バトー!」
「理由は無い。止めたいと思ったからだ」
「そんな・・・もうそんなに大きくなってるじゃないか?!なのに・・・何故だ?!」
「何故だろうな。入れたくねえんだよ、俺は少佐の中には」
「乗りかけた船じゃないか!今更、そんなことは許さないぞ!」

突然の中断に取り乱す素子。
その必死さはもうバトーを欲していても立ってもいられないという様子だった。
だが、バトーはそんな普段と違う素子のギャップを愛しく思うが、それでもなお、挿入する気は起こらない。
とうとう、ベッドから立ち上がって服を着出すバトー。
そんなバトーの後姿を見て素子は空しさで胸が張り裂けそうだった。
涙が出るのなら泣いていただろう・・・。
316名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 15:36:25 ID:58tX2GO0
「何故だ、バトー。ここで終わりでも良いから理由を言え!」
「・・・・・・そんなこと、言わなくても良いだろう?それとも、力ずくで挿入するか?
 少佐のパワーなら可能だ」
「・・・私は挿入する事実よりも、理由が聞きたいのだ。お前の中にある」
「じゃあ、ハッキングして来いよ。本音知ったらぶっ飛ぶぞぉ?」
「望むところだ!繋ぐぞ!バトー」

バトーが素子に対して後ろを向いていたのが幸いした。
素子は難なく自分のコードをバトーに繋ぐ。

(そうだ、それで良いんだ・・・。俺の口から嘘か真か分からない言葉を語らせるよりも、
 ハッキングして本音を探ってくれ・・・)

バトーはおとなしく応じた。
そして、素子がそこで感じたバトーの本音。それは・・・
317名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 15:43:03 ID:h83KM+X4
 
318名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 16:04:28 ID:nph+WMBq
記憶を焼き切るってぇ?
冗談じゃないぜ、折角、少佐とココまでの関係になったのに。
それに、お互いが愛しあってそのうえ満足するセックスってのは
一度や二度体を合わせたからって得られるもんじゃない。
トグサと奥さんのセックスがあんなに燃えていて素敵なのは
何年も一緒に居て、お互いの好き嫌いを全て把握しているから出来るんだ。
少佐が今まで経験したセックスよりも、今のは幾分マシかもしれねえが、
それでも、行きずりと変わらねえ、一度限りのセックスだ。
コレが終わって、少佐が希望するセックスが出来たと思ってくれるか?・・・答えは否だ。
俺も結局、他の相手と同じ、自分の下心で頭ン中が一杯に満たされちまってるんだ。
少佐を愛して思いやるセックスなんて出来やしねえんだ。
一度限りだと思えば欲が出てきちまう。
今、自分が一生で一番気持ちよい経験をしたいと思っちまう。
それって違うだろう?・・・トグサとは程遠いだろう?
だから、もう止めるんだ。俺に少佐は抱けねえ。
興味本位で手を出しちまったが、ことの重大さに正直、後悔している。
すまねえな、少佐。・・・俺には無理だ。
やっぱりトグサに言ってから張り込むべきだったな、そうじゃなきゃこんなことにはならなかった。
319名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 16:18:21 ID:nph+WMBq
全てを把握した素子はバトーからコードを抜いた。

「・・・終わったか?少佐」
「ああ・・・」
「いっそのこと、このまま記憶焼き切っておくか?」

素子の方を振り向き、淋しげに微笑むバトー。
素子はたまらなくなって、バトーの背中に抱きついた。

「ちょ・・!どうしたんだ一体・・・?」
「・・・・・・ありがとう、バトー・・・」
「・・・・感謝されるようなことなんてこれっぽっちもしてねえけどな?」
「記憶を焼き切るのは止めだ。一度きりの関係も・・・」
「?そりゃまたどうして?」
「そうしなけりゃ、私の希望するセックスには届かないのだろう?」
「なっ・・・?!それじゃあ、仕事に支障が・・・」
「構わん。どうせ、私とバトーの仲だ。仕事上も良いパートナーで・・・」
「そうとはおもわねえがな、俺は・・・」
320名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 18:49:06 ID:ksbD5tnF
GJ!!!(・∀・)イイ!!
楽しいだけかの話かと思ったら、最後はふか〜いな。
感心したよ。昨日の夜からよくがんばった!!!
今日はコレ読むのを楽しみに帰って来たんだ。
また、書いてくれ。
321名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 19:37:24 ID:xcGyaQx9
あ、ごめん、まだ続きがあるんだ。今ちょっと仕事で手が放せなくて・・・。
続きは22時以降に書きます。
322名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 20:39:31 ID:2K/0l/79
GJ おもしろすぎる
323名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 20:40:35 ID:2K/0l/79
GJ 続きが楽しみだ
324名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 23:00:17 ID:k1gbHYUu
「とにかく、入れろ。駄目なら力づくでも入れてやる・・・」
「力づくでかあ?!・・・おっかねえな」
「じゃあ、優しく続きをしてくれ。早く・・・」
「わがままな女だなあ・・・。こんな奴に普段使われているのかと思うとゾッとするぜ・・・」
「どっちなんだ?優しくか?それとも、力づくでか・・・?」
「・・・そりゃ、優しいのが良いだろ、誰だって。マッチョな少佐は見慣れちまってる・・・」
「そうか、それは良かった・・・」
「じゃあ、横になって」
「ああ・・・」

そして、二人は続きを始めた。
既に体の火照りは納まってしまっている。
もう一度体を熱くするには最初からまた体を馴染ませなければいけなかったが、
そんなことはお互いタフな二人。
決して難しいことではなかった。
325名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 23:07:53 ID:k1gbHYUu
「もうそろそろかぁ?少佐」
「くふっ・・・。うまいなバトーは。何でこんなに感じさせることが出来るんだ?」
「さあな・・・。強いて言えば、いつもと違ったギャップに
 少佐のほうが感化されちまってるからじゃねえの?」
「そうなのかな?ふうっ・・・!あ、よせ、ソコは駄目だっ・・・!」

バトーは素子の性器の敏感な突起を舌で刺激した。
素子は分かりやすく腰をうねらせる。
快感から逃れようと腰を引くが、バトーは逃がしはしなかった。

「駄目だ、バトー!そこを刺激されると脳にノイズが走るっ!ああっ・・・!」
「えらく感じてるじゃねえか・・・初めてじゃないんだろ?」
「あっ!初めてだ!だからこんなに取り乱すんじゃないか!だから止めろ・・!」
「・・・マジかよ?一体今までどんなセックスしてきたんだ。
 相手を喜ばせるだけだったのかあ?」
「知らない!だが、こんなことはされたことが無い!だから止めるんだ!ああっ・・・
 脳にノイズが・・・!おかしくなっちまう!あああ!」
326名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 23:16:51 ID:k1gbHYUu
「・・・これが快感ってやつだ。あんた、タチコマにさっきちゃんと講義していたのに
 自分でそれが分かっていなかったんだな」
「うんっ・・・・はあっ・・・!こんな激しい快感なんて・・・」
「入れて欲しいんだろ?・・・だったら、耐えろ」
「分かった・・・ああっ!」

バトーが舌を動かすたびに素子の腰が敏感にうねる。
バトーと一つになりたいという欲求が、素子を強烈な快感のノイズに耐えさせた。

「よし、これくらいで、十分だろう・・・」

バトーが素子を解放する。
素子はすでに快感に耐える事で体力を消耗し、グッタリとなっていた。

(これほどしてもまだイカないなんて、流石は少佐。タフだな・・・。
 しかし、今の少佐はなんて・・・色っぽいんだ)
327名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 23:26:23 ID:k1gbHYUu
いつもと違って、グッタリと倒れこむ今の素子の姿は、ただ一人の裸の女だった。
散々快感を与えられて、後はおとなしくバトーが中に来るのを待っている。
そんな素直な存在に気づいた時、バトーは愛しさに胸が打ち震えた。
もう一度ローションを素子の性器に塗りたくる。
バトーは素子をベッドに仰向けに寝せて、足をM字に開かせた。
暖色のライトに間接的に照らされて、素子の性器がツルツルと柔らかく光る。
その股の間から、バトーを静かに待つ上気した女の顔。
日常とのあまりのギャップに一瞬、素子かどうかを疑ってしまう。

「入れるぞ・・・?」
「ああ、もう、待てない。早く来てくれ・・・」
「そう、せかすなよ・・・。えっと、コンドームは・・・?」
「いらん。妊娠しない体だし、この儀体に変えてから誰ともセックスしていないから
 性病も心配ない」
「そうか・・・。じゃあ、遠慮なく、入れさせてもらうぜ・・・」

早く。とねだる割りにはじっとバトーの来るのを待っている素子に、
バトーはゆっくりと自分の性器を差し込んだ。
328名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 23:47:42 ID:5jBi+Rcx
くわ!!!
目を見開いて、続きを待ってます!
329名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:02:53 ID:PNAtp9c4
「くあっ・・・!くふう・・・」
「うんっ・・・。気持ちいいぜ、素子の中。・・・最高だ」
「そうか、それは良かったっ!・・・ああっ・・・!」
「・・・気持ちいいか?」
「ああ・・・気持ち・・いい」
「だが、まだ足りないな。そうやって自分を保っていられるうちはまだだ・・・」
「なっ・・・何をするバトー!」

バトーの腰の動きが早く、激しくなった。
それに伴って素子の喘ぎ声が悲鳴めいたものに変わる。
何度も何度も打ち付ける快感の波に素子は我を失いそうになっていた。

(こんなことは、初めてだ・・・。場数はバトーよりも踏んでいると思ったが・・・)

素子が普段するセックスは与えるセックス。
だが、今は立場が全く逆で、一方的に与えられるセックスになっていた。
そんなセックスは経験が無い。
いつもは素子が相手を刺激し、上に乗って腰を振る。
すると相手はすぐにイってしまう。
そんな短時間でタダ、繋がって出すだけのセックスのみしか、素子は経験が無かった。
330名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:21:51 ID:UzTo8D4F
今は違う。
今の素子はバトーの与えてくれる快感を戸惑いながらもただ、受け入れていた。
自分ではコントロールできない快感。
自分では予想のできない快感。
何度も訪れるその快感の中で素子は限界が近かった。
バトーもまた、普段と違う受身の素子に愛しさを感じて、
快感に酔いしれ、限界が近かった。

「駄目だ、バトー!頭の中がノイズで真っ白になっちまうっ!」
「・・・それはオーガズムが近いっていうことじゃねえのか?」
「そんなことは知らん。そんな経験はないっ・・・くうっ・・・!」
「だったら、今ここで経験するんだな。俺が先にイッちまったらすまねえが・・・」
「ああっ!嫌だ!体を離さないで、バトー!ずっと抱きしめていてっ!」
「分かった。・・・ずっと抱きしめていてやる。だから、安心して達するんだ・・・」
「はあっ!嫌だ。怖い・・・バトー・・・」
「大丈夫だ。ずっと抱きしめていてやる。だから・・・」
「ああああああっ!」
「ううっ・・・・!」
331名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:28:45 ID:UzTo8D4F
二人はほぼ同時に達した。
二人の体が大きく跳ね上がる。
繋がっているところを中心に、痙攣が始まる。
素子は自分をしっかりと抱きしめていてくれるバトーの背中に
爪を立てながら必死にしがみついていた。
荒い息。
濡れる肌。
潤む瞳。
早い鼓動。
もう、お互いがお互いの体の中にめり込んで融合してしまったような錯覚を感じる。
暫くそのまま二人は固まって息が整うのを待った。

「・・・おい。大丈夫か?少佐」

バトーがゆっくりと体を離すと、素子は目を閉じたまま、ピクリとの動かない。
心配になって体をゆする。
332名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:36:30 ID:UzTo8D4F
「おい!少佐っ・・・!」
「大丈夫だ、バトー。ただ、目を開けるのが面倒くさいだけだ」
「面倒って・・・。ああ、そうかよ!心配なんてするんじゃなかった」
「なんというか・・・とても眠い・・・」
「・・・そうだろうな。あれだけ動いて叫んだんだからな。ぷっ」
「・・・やっぱり記憶を焼き切るか?」
「じょ!冗談はよしてくれ!そんなもったいないこと・・・」
「もったいないか・・・。そうだな・・・ふわあ・・・」
「おい、少佐。そのまま寝ちまうのか?ベッド一つしかねえぞここ」
「もう駄目だ、動けない・・・」
「・・・しかたねえな。じゃあ俺は帰るとするわ・・・」
「犬の世話があるからか?」
「いや、愛犬は人に預けた。今日の任務がこんなあっさり
 終わるとは思っていなかったもんでな」
「じゃあ、一晩ここにいろ」
「ここにって・・・俺の寝るところは?!」
「一緒に寝れば良いだろう?」
「一緒にって・・・。明日まで引きずる気か?この関係を」
333名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:38:57 ID:D6dcPc/N
2回戦まだぁ〜?
334名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:44:10 ID:UzTo8D4F
「駄目か?」
「・・・・・駄目じゃねえけど・・・」
「一緒にいてくれと・・・。そうささやいているんだ。私のゴーストが」
「・・・・・・・俺のゴーストもささやいているぜぇ。
 このまま腰が抜けた少佐を一人でほおって置くな。ってな」
「抜けてなどいない」
「わからねえぜぇ?明日の朝立たなくなってるかもな。腰が・・・」
「変なことを言うな。もう寝るぞ・・・」
「へいへい・・・。それじゃ、俺も・・・」
「・・・何をしているんだ?放せ」
「何って・・・。素子を抱きしめたまま寝たい。
 って、俺のゴーストがささやいているもんでな・・・」
「そうか、なら仕方が無い・・・・・・ZZZzzzz」
「寝るの早いな少佐・・・」
「ZZZZzzzz」
「お休み、素子・・・」

バトーは腕の中で眠る素子の額に軽くキスをして、目を閉じた。

終わり
335名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 00:48:11 ID:D6dcPc/N
GJ!!!お疲れでした。
原作素子を思い出してしまった。
336名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 01:07:21 ID:UzTo8D4F
おまけ

((少佐!バトー!応答しろ。少佐!バトー!))
「うん・・・?」
((なによ・・?))
((今何時だとおもっとるんだ!?馬鹿者!))
「えっ・・・?!!!バトー!起きろ!バトー!」
「なんだよ?もう少し寝かせろよぉ・・・」
「出勤時間を10分も過ぎてるぞバトー!」
「!!!なんだってぇ?!」
((バトー!バトー!はまだ応答しないのか?!))
((すいません、課長・・・寝過ごしまして・・・))
((何をやってるんだ二人とも!トグサの件でご苦労だったが、
  寝れないほど遅い任務じゃなかっただろうが!))
((すいません、今行きます・・・))
「って、もう出るのかよ少佐!支度早いな・・・」
「二人で出勤は流石にまずいでしょう?先行くわね・・・」
「おい!まてよ!おいったら〜・・・」
337名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 01:12:20 ID:UzTo8D4F
おまけのおまけ

「ねえねえ僕、昨日トグサ君のセックス見ちゃったんだ〜♪」
「えー?セックスって何々〜♪」
「快感で喘いで、男性の性器を女性の性器に入れて〜。
 終わると白い液体が出てくるの♪」
「う〜ん、全然想像できないよ。記憶を共有しても良いかい?♪」
「いいよ〜♪」
「・・・・・・・・・・・・。なるほど!セックスってこういうものなのかぁ。
 それにしても僕、トグサ君の裸を初めて見たよ。バトーさんに劣って無いねぇ〜♪」
「え?何々?トグサ君の裸?僕も見たい〜。ついでにセックスってのも知りたいな♪」
「よし、じゃあ、記憶を共有しようか?♪」
「ありがとう〜♪」

こうして、トグサ夫妻は立派にタチコマにセックスに関するサンプルになったのでした・・・。
338名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 01:14:04 ID:UzTo8D4F
これで本当におしまいです。
書いてて楽しかったけど、今の私にはもうこれ以上のものは書けない・・・。
本当むずかしいな〜。攻殻の世界って、未だに専門用語を正しく理解して無いし・・・。
読んでくれた人ありがとうございました。
339名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 01:32:37 ID:TLwCQXcv
おもしろかったです。新鮮なかんじだわ。GJ!
340名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 02:09:56 ID:UMf0ANh1
攻殻の中で純真をかいま見たな。あーいう電脳世界だと、愛とか暖かみを感じられないよな。
そこで、感じられると、すげーーーーーいぃいいって思うよ。

あの時代って、孤独感は今の数倍も大きくなってるんだろうな。
341名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 10:55:29 ID:T1MDr+tr
>>338
乙でした。GJ!!
342名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 22:24:39 ID:w30oN1Tg
良作ありがとう
電車の中で読んでておっきしました
白い液体が出てくる=避妊してないトグサ夫婦!!
343名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 00:07:26 ID:V/RjL4EW
3人目クル━━━━━━(゚A゚;)━━━━━━ !!!!!
344名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 12:27:49 ID:vSTt6VTt
>>338
GJ!!
ほんとに素晴らしい作品をありがとう、ありがとう…!!!
345名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 12:49:07 ID:dGz5z8Ce
ZZZzzzzで和んだ
GJ!
346388:2006/04/29(土) 18:59:25 ID:rhekc6ML
みなさん、ありがとう。
攻殻機動が映画2本みただけで
テレビはただ今アニマックスで1stも2ndも見ている途中です。
だから、つじつま合わないところが出てくるのを覚悟で書きましたw
実は、この話の続きの妄想がすでに頭の中に・・・・。
まとまったら書きに来ます。
347名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 19:59:52 ID:uOjXFufD
続き待ってる
348名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 21:24:27 ID:vSTt6VTt
>>346
ファンになりました(∩∀`*)ワクテカして待ってるよ〜!
349名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 00:52:41 ID:g3J6H3Ev
>388
テレビシリーズ見終わった後に是非。
350388:2006/05/02(火) 21:31:21 ID:wFcDJIXp
テレビ見終わって無いけど、続編が書きたくてしかたがないよー!
って事で、書いちゃいます・・・・。

ーーベッドの上で2−−

あれから2ヶ月ぶりの素子からの誘いに、
バトーは弾む心を無表情で隠し抑えながら
ホテルの一室にたどり着いた。
インターホンを鳴らすと、中から鍵が開いた。
ドアノブを回して扉を開く・・・。

「定刻どおりね・・・」
「ああ・・・」

先ほどまで9課で顔をあわせていた時とは全く心情が違う。
服も、顔も、全てが同じなのにも関わらず、何故か別人に見える。
素子に招き入れられて、ベッドに二人で腰掛けるや否や、
バトーは抑えきれない衝動に忠実に素子を押し倒した・・・。
351388:2006/05/02(火) 21:39:24 ID:wFcDJIXp
「そうがっつくな、 バトー・・・」
「そういうお前だって、がっついてるじゃねえかよ」
「バトーに影響されているだけだ」
「そうかぁ?その割りには積極的じゃねえか?」

好きとも、愛しているとも言わず。
二人はただただ、自分の欲求に素直に体を動かすのだった。
コレがまだ2度目の情事だとはいえ、初めてのときよりは明らかにお互いが慣れている。
この前の快感を思い出すようにバトーは攻め、素子は受身に徹底した。

「あっ・・・・・もう駄目だバトー!」
「俺も・・・そろそろ限界だ・・・」
「バ、バトー・・・・!」
「分かってるよ。抱きしめていてやるから・・・」
「はあああっ!」
「ううっ・・・!」

そして二人はまた、ほぼ同時に絶頂を迎えることが出来た。
352388:2006/05/02(火) 21:49:32 ID:wFcDJIXp
ことが終わって、二人は渇いた喉をウィスキーの水割りで潤した。
バトーは腰にタオルを巻いているが、素子は裸のまま顔を付き合わせる。

「やはり、バトーは他の人とは違うな。何が優れているのかは分からんが、
 他の人とセックスをしても、これほどまで感じることは不可能だった」

素子がバトーに笑顔を向けてつぶやく。
多分、素子は褒めるために言ったのだろうと思うが、バトーにはそう聞こえなかった。 
いきなり不機嫌な顔になる。

「どういうことだ?それ・・・」
「どういうことって、言葉どおりだが。何か・・・?」
「お前、あれから他の奴とも・・・セックスしたのか?」
「そうだが、なにか・・・?」

残酷な言葉を素子は平気な顔で答えた。
さらにバトーの顔がゆがむ。
353388:2006/05/02(火) 22:00:43 ID:wFcDJIXp
バトーは立ち上がり、服を着始めた。

「バトー?今夜は宿泊の予定で借りているのだが」
「うるせえ!お前一人で泊まって行けよ」
「何を不機嫌になっているのだ?バトー。添い寝してくれ」
「なっ・・・やなこった!たとえ、少佐のゴーストが囁いていようが、
 俺は今夜帰る。そう決めたんだよ・・・」
「そう・・・」

素子はバトーの意志が固いことを悟ると、もうバトーを止めることはしなかった。
バトーはコートを羽織ると、靴を履きながら素子にこう言った。

「少佐、俺はもうあんたとはベッドを共にはしない。
 セックスを楽しみたいだけなら、他の奴とお気軽に楽しめ。
 俺はもう少佐のお守りは真っ平だ」
「しかし、他の奴とは私の理想としているセックスにたどり着けそうも無い。
 私にはバトー、あなたが必要だ・・・」
354388:2006/05/02(火) 22:08:23 ID:wFcDJIXp
関係修復を求める素子の言葉をバトーは一笑した。

「沢山の相手がいるのに、あんたは何を俺に求めているんだ?
 俺を囲っておきたいだけなんだろう?
 セックスフレンドは一人でも多いほうが良いからよぉ」
「それは違う。私は・・・!」
「トグサ夫妻のようなセックスがしたい。ってかぁ?
 だったら、お前、トグサと寝たらどうだ?」
「・・・・・・・・」
「とにかく俺はもうこんなことこりごりだ。勝手にやってくんな・・・」

素子がバトーの左肩を力いっぱいに掴む。
しかし、バトーは自分の左肩の人口スキンが破れ、
感覚神経を切り忘れたが為に激痛が走るのも構わず、ホテルの部屋を後にした。
355388:2006/05/02(火) 22:41:21 ID:wFcDJIXp
バトーはホテルをでてから暫くいらだっていたが、
自宅に帰る頃には少し心が落ち着いていた。
自宅のドアを開ける。
バウバウ!
愛犬がバトーに飛びついてきた。食事を用意していったはずだが、
器はきれいに嘗め尽くされており、まだ足りないとせがんでくる。

「へいへい、分かったよ。全くよく食うなあ・・・。一缶じゃすでに足りないのかぁ?」
ハッハッハッ・・・・
「まて!まだだ・・・・・。・・・・よし!」
ガツガツガツ・・・・

バトーが合図をすると愛犬は一心不乱に食事にありついた。
そのまま休むことなく食べ続け、余分によそった一缶を食い尽くすと、
満足そうに自分のベッドに潜っていった。

「おいおい・・・せめて撫でさせろよ。飼い主だぞぉ?俺は・・・」

文句を言いながら、既に眠り始めた丸まっている背中を撫でた。
356388:2006/05/02(火) 22:47:10 ID:wFcDJIXp
バトーは暫く撫でていたが、愛犬が眠って無反応だから飽きてしまい、
ウィスキーをロックで造り、ソファに座った。

「まったく、お前と言い、少佐と言い・・・勝手すぎるぜ。
 スタンドプレイってやつか?これが」

ため息を一つつき、ウィスキーを口に運ぶ。

(なんだか、疲れたな。このままここで眠ってしまおうか?
 シャワーは明日浴びれば良い・・・)

飲みかけのウィスキーを一人用の丸いテーブルにおいて、バトーは目を閉じた。
357388:2006/05/02(火) 22:52:18 ID:wFcDJIXp
((バトー!助けてくれ!少佐の様子がおかしい!
 止められるのは旦那しかいない!助けて!))

突然の通信に閉じていた目が開く。

((トグサか?!どうした!?))
((わからない!だが、少佐に襲われている!助けてくれ、旦那!))
((どこだ?!))
((9課の俺のデスク近くだ!うわ!少佐なにを・・・・ピ ガー・・・ツーツー))

「あの馬鹿やろうっ・・・!!」

バトーはコートを手に取り、全力走でマンションを飛び出し、車に飛び乗った。
358名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 22:53:58 ID:CWMzi6pb
(゚∀゚*)ワクワク
359388:2006/05/02(火) 23:00:46 ID:wFcDJIXp
((トグサ!?トグサ!応答しろ!・・・・少佐?少佐!?))

バトーは車を飛ばしながら話しかけるが、二人からの応答は無い。

「このくそったれが・・・」

バトーは頭に血が上り、荒々しく運転をしながら、
車の中で顔をゆがませ、そうつぶやいていた。
9課まではエレベーターを待つ時間を考えると階段を走っていった方が早く感じられた。
バトーはトグサと素子がいる場所を目指して階段を駆け上がった。
流石に鍛えられた肉体と儀体はいえ、9課のフロアまで一気に上ると酸素が不足する。
肺の酸素再利用率を最大限に上げ、バトーはなんとか9課までたどり着いた。
360388:2006/05/02(火) 23:35:08 ID:wFcDJIXp
トグサの言っていた場所まで行き、バトーが目にしたもの。それは・・・
コードで電脳がつながれたトグサと素子。
トグサは多分、素子によって運動神経を遮断されているのだろう。
素子に押し倒される形で全く動かず、無表情で瞬きもしていない。
そして素子は一糸まとわぬ姿でトグサのシャツのボタンをはずしている最中だった。
その光景を見てバトーの電脳が一瞬にしてオバーヒートしたのは言うまでも無い。
二人に走り寄ると、すぐさま素子のわき腹を横から蹴り飛ばした。
不意打ちの形で蹴りを極められた素子は
ほぼ無抵抗のまま宙を舞い、3〜4bはなれた床に着地した。
その衝撃でトグサからコードが外れ、トグサに自由が戻る。
トグサは”参ったな・・・”という表情を、
やっと自分に統制が戻った運動神経から表情筋を動かす事で作った。
そして、ゆっくりと起き上がる。

「大丈夫か?トグサ・・・」
「ああ、旦那、ありがとう・・・」
361388:2006/05/02(火) 23:51:10 ID:wFcDJIXp
トグサはバトーに助けられて立ち上がり、二人はすぐさま素子をみた。

「邪魔をするな。バトー・・・」

自分のしたことを全く反省していない様子の素子に
バトーは走り寄って両肩を掴み、力いっぱい床に押し倒した。
素子は多分よけれただろうがソレをせず、無抵抗だった。

「少佐!あんたトグサの家庭を崩壊させる気かよ!?なに考えてんだ!」
「・・・大丈夫だ。ことが済めば記憶を焼き切るつもりだった」
「ぐっ・・・そういう問題じゃねえだろうが!くそったれ!
 あんたには貞操概念が無いのかよ?!だから誰とでもセックスできるのかよ?!」
「元はといえばバトーがそう言ったのだろう?トグサと寝ろと・・・」
「アレを真に受ける奴がいるかよ!言葉のあやだろうがぁ!」
362名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 00:03:33 ID:a4AA/IZ/
(・∀・)ドキドキ
363388:2006/05/03(水) 00:23:30 ID:uqByjOhj
二人の痴話げんかを聞きながら、
トグサは冷静に素子にはずされたシャツのボタンをはめていた。
二人の会話からなんとなく、なぜこうなったのか意図が見えてくる。

(ははーん、旦那は少佐に惚れてるな?
 それで、少佐の性の乱れっぷりが許せないっってことか?
 面白い話が聞けそうだ。このまま待っていよう・・・)

トグサは椅子に座って高みの見物をしゃれこんだ。

「バトーはもう私とベッドを共にしないと言った。
 だから、私が誰と何をしようとお前には関係の無いことだ。違うか?」
(なんだよ、二人はもう、そういう関係だったのかよ・・・)
「そ、そうだが・・・」
「私はトグサがどのように妻を抱くのか知りたかっただけだ。
 だから、電脳に視覚情報を操作して、自分を妻だと見せかけ、抱かれる予定だった」
(なんだって?!うーん、それは良いチャンスを逃したかもしれないなぁ・・・)
364388:2006/05/03(水) 00:32:49 ID:uqByjOhj
「だから、その考えがおかしいんだよ!」
「おかしい?バトーだって、電脳ファックくらいしたことがあるだろう?
 それを体でやって何が悪いんだ?
 体を繋げることも、電脳を繋げることも同じことだろ?」
「同じなわけないだろう?!俺が他の女を体で抱いても良いってのかよ!?」
(あ、それいっちゃ駄目だよ旦那・・・)
「別に構わないが・・・」
(ほらな・・・。そりゃ、少佐はそうだろうな)
「けっ・・・勝手にしやがれ・・・」
(あーあ、旦那すねちゃったよ・・・。って、おい、勝手にされたら困るんだよ!
 俺、女房の顔をちゃんと見れなくなっちゃうだろ!今でさえあんなことがあって、
 まともに見れるか自信ないのに・・・)
「だとよ、トグサ。続きをするぞ」
「ま、待ってくださいよ少佐。大体なんで俺なんです?
 パズとかサイトーとか、もっとうまそうな奴はいるのに・・・」
「・・・少佐はなぁ、あの時見た、お前と奥さんのセックスが
 記憶に残っていて仕方が無いんだとよぉ。だから、レクチャー頼むわ。
 俺はもう知らん!」 
365名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 01:55:22 ID:a4AA/IZ/
バトーの恋の行方…気になる…(゚Д゚)
366388:2006/05/03(水) 02:36:00 ID:uqByjOhj
「あ、ちょっと待ってよ旦那!今帰られたら困るって!」

立ち去ろうとするバトーをトグサがしがみついて引き止めた。

「続きをするぞ。トグサ」
「勘弁してくださいよ、少佐。俺には女房裏切る度胸無いですって・・・」
「なあに、大丈夫だ。事が終われば記憶は焼き切る」
「そんなこといわれてもなあ・・・。
 そういや、何であの時の俺達のことが少佐の記憶に残っているんですか?」
「・・・・・・・・。さあな」
「さあなって・・・旦那は?知らないの?」
「知るわけねえだろ。本人じゃないんだから」
「強いて言えば、お互いがお互いをしっかりと見つめ合っていたことが印象に残っている。
 ということか?私は今ソレを目指しているんだ」
「目指してるって・・・。少佐、もしかして俺達が毎回いつも
 あんな良い関係でいると勘違いしていませんか?」
「違うのか?」
367388:2006/05/03(水) 02:37:09 ID:uqByjOhj
今夜はこの辺で・・・。
明日の夜に書きに来ます。多分。
368名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 05:29:00 ID:/X7Ieg3I
キタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!
待ちますマス
369名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 08:53:35 ID:LT5Pm6zB
(゚∀゚*)ワクワクドキドキ
370名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 11:04:53 ID:SYmQMoBo
ウェットなんだかドライなんだかわからない少佐ダネ
GJ
371名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 22:37:00 ID:a4AA/IZ/
続き待ってまぁす!
372388:2006/05/03(水) 22:47:23 ID:bZUB0F6R
不思議そうな素子の顔がまるで少女のように見え、
トグサは思わず微笑んだ。

「違いますよ、全然。あれは偶然良かっただけですって。
 女房とはまあ、付き合いが長いので4桁はしていると思うけど、
 あの時のように、お互いが十分満足がいった経験は2桁どまりかなぁ?
 そんなんですよ、俺達はいつも・・・」
「ソレは本当か?」
「ええ、まあ・・・。俺が疲れて立つこともできずに女房を悲しませたりとか、
 逆に俺がイかなくて女房が痛がったりとか・・・。あの時の様なことは稀です。
 結構努力が要るんだよね、少佐と違ってお互い一人と決めてるからさぁ」
「そうか・・」
「ま、だからこそ、独身の人が出逢えない稀なことが素晴らしかったりもするんだけど」
「何故結婚なんて面倒なことをした?それをしなけりゃ自由に相手を選べる」
373388:2006/05/03(水) 23:00:19 ID:bZUB0F6R
「あ、そんなところまで突っ込んじゃいます?
 ・・・結婚なんてしないほうが良いっすよ。
 相手が女房に限られちゃって、電脳ファックでも罪悪感が出ちゃうし。
 仕事で帰れなかったり帰宅が遅かったりすると、不倫を疑われるし・・・。
 少佐を見て”警備会社に何で」女がいるのよ!?”って言われたこともあるしさぁ。
 帰ってきたら子供はまとわりついてくるし、休日もゆっくり自分のペースで休めないし、
 給料のほとんどを生活費と養育費に取られて、自由に使える金も無いし・・・」
「・・・悲惨だな」
「それでも、俺は妻と結婚し、子供をもうけ、共に生活することを選んだ。
 結婚なんかに捕らわれず同棲したり、子供も保育者に預けて生活しているカップルは
 ゴマンといるのに関わらずね・・・」
「それは何故だ?」
「さあ?分かりませんよ。
 もちろんこうなることは予想していましたよ?俺だって女房だって脳無しじゃないから。
 言うなれば・・・まあ生身の脳がたっぷりと残っている俺が言うのもおかしいけど
 囁いたんです、俺のゴーストが」
 
374388:2006/05/03(水) 23:12:29 ID:bZUB0F6R
「けっ・・・くだらねえ」
「そりゃないよ、旦那。真剣に話したのにさぁ」
「・・・・話してくれてありがとう」
「いえいえ、本当結婚しないほうが良いですよ、少佐。苦労するだけだ。
 でも、だからこそ、得るものもある。
 いつも俺の帰りを待っている人がいるという幸福感。
 必ず最後に最愛の人に死を看取ってもらえるという幸福感。
 この二つは特にね・・・」
「・・・帰るわ・・・バトー・・・」

素子はバトーの手を抜け出て立ち上がり、ドアに向かった。

「・・・なんだよ、トグサと続きをするんじゃなかったのかぁ?」
「気が変わったのよ。帰って電脳麻薬で飛ぶことにするわ。
 そっちの方がトグサを相手にするよりも楽しそうだから」
「おいおい、明日の勤務に差し支えるまで行くなよ?」
「分かってる。じゃあね、トグサ・・・」
「お疲れでした〜」

部屋を出て行く二人をトグサは見送った。
375388:2006/05/03(水) 23:26:16 ID:bZUB0F6R
>>374 「素子はバトーの手を抜け出て立ち上がり、ドアに向かった」の一文は無しです。
     バトーはもう素子を放して立ち去ろうとしていたんだよね、そういや・・・

夜の廊下を素子とバトーは無言で歩いて出口に向かっていた。
素子はトグサの話を聞いてどう思ったのだろうか?物憂い表情をしている。
沈黙に耐え切れなくなったバトーが話し始める。

「・・・・。少佐、服はどこに置いてきた?裸のまま帰る気か?」
「さっきの部屋だ。持ってくるのを忘れた」
「はあ?!・・・・忘れねえだろ、普通・・・」
「仕方が無いだろ?忘れたんだから。それに取りに行く気は無いぞ
 トグサが私がまた襲いに来たのかとおびえるから」
「・・・・けっ、しかたねえな・・・」

バトーは自分のコートを脱ぎ、素子の肩にかけた。
素子が自分の肩に置かれたバトーの手に手を重ねる。
376388:2006/05/03(水) 23:35:47 ID:bZUB0F6R
「・・・・借りが出来たな」

微笑む素子。
その笑顔を見てバトーは少しホッとした。

「・・・・その借りは払ってもらうぜ、これからな・・・」
「?どういうことだ?」
「俺も気が変わったんだ。これから少佐には俺とベッドを共にしてもらう」
「・・・・・本気か?バトー」

驚いてバトーの目を見る素子。
バトーは目を逸らし、うつむいた。

「・・・・これからトグサみたいにうまくイかねえセックスをするぞ、素子・・・」
「ふっ、・・・望むところだ」
377388:2006/05/03(水) 23:47:08 ID:bZUB0F6R
照れ隠しに、素子から顔を背けて話すバトーに
素子は少し愛しさを感じた。
そして、二人はバトーの車に乗ってバトーの部屋に向かっていた。

「なあ、少佐。何であの時、トグサの話を聞いて気が変わったんだ?」
「・・・・・・トグサがあまりにも悲惨な立場だと知ったからだ。
 そのうえ私が苦しめることもあるまい・・・」
「そういうことかよ・・・。俺はてっきり・・・。いや、なんでもない」
「なんだ?話せ」
「・・・・・・・・てっきり、求めていることを見つけられたからかと思ったぜ。
 だからわざわざトグサと関係を持つこともないと・・・」
「まあな・・・。全てではないが、断片は見つけた感じだ」
「そうか・・・・。よし、着いたぞ〜」
378388:2006/05/03(水) 23:59:37 ID:bZUB0F6R
車を降りて、バトーの部屋へと向かう。
途中、エレベータで素子がバトーの首に腕を絡ませてキスを迫ってきたが、
バトーは無表情でそれを丁重に払いのけた。
部屋のドアを開け、素子を誘い入れる。
素子は部屋の中央に鎮座して眠っているバトーの愛犬をすぐに見つけた。

「犬を飼っていたんだったな、そういえば」
「そうさ。あ、おい、触るなよ少佐。起きちまうだろ?」
「そうか、すまん・・・。で、どうする気だ?うまく行かないセックスとは」
「はあ、あれは言葉のあやだろうが。
 始めからうまく行かないようにセックスする奴なんていねえよ。
 全く、少佐はなんでこう素直に言葉を取るのかねえ?」

飽きれ顔のバトーに素子は動じずに答える。
379388:2006/05/04(木) 00:04:21 ID:H3m3zy3V
「相手がお前だからだ。バトー」
「は?・・・なんだよそれ」
「プライベートでお前の口から出た言葉は全て本音だと私は思っていた。
 だから、素直に取っていた。・・・でも、そうじゃないと今夜分かったわ」
「・・・そうさ、本音なんてそうそう話すもんじゃねえ。だろう?」
「では、”もう私とはベッドを共にしない”と言う言葉も、
 言葉のあやか?・・・それとも本音か?」
「・・・・・そんなことは自分で考えろ」
「そう・・・」

バトーの答えになっていない答えに、素子は少し悲しげにうつむいた。
そして、その態度がバトーの心を打った。

「・・・言葉のあやだよ!分かったら、こっちに来い!」
「・・・ああ」

ぶっきらぼうなバトーの胸に素子は微笑みながら抱きしめられに行った。

380388:2006/05/04(木) 00:28:36 ID:H3m3zy3V
また眠くなってきたよ、ママン・・・。
アニマックス見て起きてたら書きにきますが、多分続きは明日・・・。
381名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 00:40:00 ID:ovvHFbI+
あ〜ッ!いい所で続いちゃうのね〜!気になるーゥ!
待ってます(・∀・)ノ
382名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 06:31:38 ID:CO2I0xnn
待ちます待ちます(*´Д`)
383名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 17:58:59 ID:Z2tUzHKM
384388:2006/05/04(木) 22:21:26 ID:JHGuJ3iN
もう二度とバトーには抱かれることは無いと思っていた素子は
この機会を大いに楽しむために、感覚器官を最大まで上げた。
コレは感覚全般に対して敏感になるので、触覚だけではなく
痛みや熱さなどの感覚も鋭くなってしまう。
なので、普段は行う必要もないので避けていたのだが、
今回はバトーを信頼し、ソレを行った。
予想通りにバトーは本当に優しく素子を愛撫する。
バトーの唇や指が性感帯ではない場所に触れても、素子は快感に酔いしれた。

「くふうっ・・・・ああっ!」
「やけに良い声で鳴くじゃねえかよ。ん?」
「いいっ!・・・いいぞ、バトー・・・」
「そんなに良いのか?そいつは嬉しいね・・・」
「あんっ!あんっ!・・・」
(かわいいぜ、素子・・・。このギャップがたまらねえな・・・)
385388:2006/05/04(木) 23:42:14 ID:I1A2HYfB
バトーは自分の腕の中で体をうねらせる素子にすこしサディスティックな感情を覚えた。
そのうちにお互いの準備が出来ると、素子はローションを自分から性器に塗りたくった。
バトーはその積極的な様子を見て、少しいじめてみたくなった。

「・・・本当はトグサと使う予定だったんだっけかあ?コレ」
「・・・なんのことだ?バトー」
「とぼけやがってぇ。俺が行かなかったらトグサは離婚してたぜぇ?
 自分のことしか頭にない勝手な女は暴走しないようにしないとなぁ」
「?!何をする?バトー!」

バトーは予備に買っておいた犬用の首輪を素子の両腕にくくりつけて動きを封じた。
感覚過敏になっている素子は抵抗すると数倍の痛みを感じてしまうために
バトーのされるがままとなった。
386388:2006/05/04(木) 23:55:15 ID:I1A2HYfB
両腕を後ろでくくりつけられた素子はベッドに横たわることしかできない。

「このサディストめ・・・」

悔しそうに自分を見つめる素子の姿をバトーは満足げに見下ろした。

「大丈夫だ。痛いことはしねえよ。このまま繋がってみたら
 どんな反応するかと思ってなぁ。じゃ、入れるぜ・・・」
「コレを外せ!・・・・うんっ、あ・・・」

間髪を要れずに足を広げて入って来たバトーの性器に素子の快感は一気に高まった。
表情は官能的になり、声が漏れる。

「少佐、もしかしてマゾかぁ?良い声出してるぜぇ?」
「うっ・・・ああっ!止めろバトー!んっ・・・」
387388:2006/05/05(金) 00:02:40 ID:sP7iMstb
バトーは素子を正常位で楽しんだ後に一度抜き、抱きかかえて対面で再び繋がった。
バトーの股間に素子の全体重がかかり、その圧迫感がますます二人を喜ばせた。
しかし、感じて喘ぐ素子の様子にバトーは違和感を感じ始める。

(こいつ・・・俺のことなんて一度も見てくれねえな・・・。
 目を閉じたり、明後日の方向を見てやがる。どういうことだ?)

それは初めて繋がったその時から感じていた違和感。
たとえ目が合ったとしても素子はうつろにバトーを見ているだけだった。
それはバトーをしっかりと見つめていないということ。
お互いが見つめ合ってはいないということ。

(知りてえが、このまま真正面から行けば、電脳が焼かれるな・・・。
 よし、この手で行くか・・・)
388388:2006/05/05(金) 00:07:49 ID:sP7iMstb
バトーは素子を一旦体から離し、ベッドにうつぶせにした。
そのままバックから素子に挿入する。

「はあはあ・・・素子・・・。セックス中に相手の感覚を共有したことはあるか?」
「そういえば無いな・・・。はあはあ・・・」
「俺の感じている感覚を電脳を通じてそちらに送る。俺の感覚を味わえ・・・」
「くうっ!・・・今のままでも十分気持ちが良いのだが」
「それじゃあ、他の奴と変わらんだろ?俺は差別化が欲しいんだ・・・。繋ぐぞ」
「ああ・・・・」

バトーはこの方法であっさりと素子の電脳にコードを繋ぐことに成功した。
389388:2006/05/05(金) 00:20:17 ID:sP7iMstb
(さあて・・・。ダミーで俺の感覚を素子に送ってやるか。
 おっ、声が一段とでかくなったな、成功だ。
 では、除かせてもらうぞ、少佐。あんたのセックスに関する記憶をよ・・・)

バトーは素子の網の目様に張り巡らされたシナプス電極の間を縫って自我を移動させた。
今は快感と信頼関係によって素子は気が付いていない。
だが、バレれば自分の電脳全てが焼き切られるだろう。
それだけ危ない橋を渡ってまで、バトーは素子の心を除きたかった。
素子が本当は誰を求めているのか。
そしてソレは自分で代用が不可能な存在なのかを見極めるために・・・。
390388:2006/05/05(金) 00:26:04 ID:sP7iMstb
(コレが少佐の経験者か。かなり多いな。おっ!女もいるのか。
 こりゃ相当好き者だな。俺一人に絞らせたら体がもたねえかもな・・・。
 これは、トグサ夫妻の記憶か。鮮明だな、よっぽど印象に残ってるんだろうな。
 ん?恥ずかしいな、コレは俺との初夜か。でもトグサのとは鮮明さが・・・。
 そんな程度かよ、がっかりだな。初めてイかせてやったのによぉ。
 さて、・・・誰だ?この中で少佐の思い人は。
 そんなに切ねえ記憶は無いようだが・・・。
 おっと、これ以上はゴーストに近づきすぎる。
 確実にばれるぞ、危ない危ない。
 ん・・・・・?これは・・!)

バトーはそこであるものを目にした。
それはゴーストを司る記憶がこちら(タダの記憶)に薄皮一枚を隔てて存在し、
透けて見えているものだった。
391388:2006/05/05(金) 00:32:12 ID:sP7iMstb
(これが、少佐の思い人かよ・・・)

バトーはそのゴーストを司る記憶に存在している男の顔を見て唖然とした。
その男の名は クゼ ヒデオ
素子の初恋の人であり、この世界からは遠い世界にいる人物。
バトーはそれを見届けると、素子からコードを引き抜いた。

「はあはあ・・・とても刺激的だったぞ。バトー」
「・・・・・・・・」
「バトー?どうした」
「いや、何でもねえ・・・」

バトーは自分を奮い立たせて続きをやろうと思ったが、
体は正直で、だんだんと元気を失っていった。
392名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 01:36:45 ID:7nn2tPuj
どうなる!?切ないバトーの恋心…
393388:2006/05/05(金) 01:57:07 ID:sP7iMstb
また眠気が・・・。
明日はお泊りするので続きはあさっていこうです。
短くてすいません

394名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 02:10:40 ID:7nn2tPuj
GJ! 続き待ってます…!
395名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 08:40:58 ID:0KhLZKl+
クゼきちゃったァ――(゚∀゚)――!!!
396名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 15:20:26 ID:VzQDD4Um
アオイ<呼びました?
登場キボンウw
397名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 17:04:00 ID:Y5mn3/lG
で何故セフレナース2×素子の3Pが来ない!
原作の記述だとどうも4Pの予定だったらしいが・・・
398名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 17:42:02 ID:DfB/Q0aI
いつぞやクゼ入りアオイ×素子を書いた人のSSで
俺はアオイ入りクゼ×素子を脳内補完している。
399名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 21:27:29 ID:KFW10T2Z
>>398
( ∴)人( ∴)人( ∵)ノシ その思考並列化したいな〜
400名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 22:22:33 ID:9mOy/+HD
いい加減そろそろ数字コテ辞めたら?
401名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 03:48:15 ID:Z2x9hj9v
>>400
それは388にコテハンで投下せずに名無しに戻れと言っているのか?
それとも数字コテじゃなくてちゃんとしたコテハンを使えという意味か?
どっちにも取れるんだが。
402名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 10:35:47 ID:PS52n1HL
うん。私も意味がわかんないと思った。
403名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 20:29:43 ID:TkNstbkx
私も同意見だった。
404名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 01:16:35 ID:7o7NOWez
他の職人さん投下してる最中に悪いけど、セーフハウスネタって
まだ、需要ある?
前スレで書いている人がいるんで、正直迷ってる
まだ、できあがったわけじゃないけど
405名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 01:41:06 ID:atcJ9EkK
好きな物を好きなように書くのが良いところ。」
406名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 02:07:48 ID:7o7NOWez
>>405
了解
407名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 02:13:47 ID:QxcR/ge4
みなさんドンドン投下しちゃって〜!待ってます(・∀・)ノ
388タソの続きも気になるよ〜(σ・∀・)σ
408名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 02:54:50 ID:bM23pBze
ナースマダー
409388:2006/05/07(日) 22:20:12 ID:09zecLgm
(畜生!相手が死人だったら勝ち目なんてあるはずねえ・・・)

すっかり戦意喪失したバトーは素子から首輪を外した。
自由を得た素子はバトーに向き直り、そこで体の変化を知る。
素子は無表情のままバトーに尋ねた。

「バトー・・・何故だ?」
「すまねえな、素子」
「そんなことはいい。何故だ?」
「さあな?」
「・・・・飽きたのか?もう」
「ばっ!馬鹿言うんじゃねえよ!飽きるわけねえだろ。たった3回で・・・」
「そうか・・・」
「結局予告どおりになっちまったな」
「そうだな。だが、それだけトグサたちに近づいたと解釈も出来なくは無い」
410388:2006/05/07(日) 22:29:39 ID:09zecLgm
(トグサたちには一生かかっても近づけねえんだよ、素子。
 なぜなら、お前がゴーストの内側から欲している相手は・・・俺じゃない)

バトーはその言葉を自分と素子の保身の為に飲み込んだ。
言ってもどうにもならないことだから、そんなことは議論したって無意味だから。
なんとも言えない悔しさがバトーの電脳を包み、そのはけ口を探るように
バトーは自分の右側に横たわっている素子を強く抱きしめた。

「バトー?」
「泊まっていくか?素子」
「ああ、そうしよう・・」

素子もバトーを慰めるように抱き返す。
411388:2006/05/07(日) 22:38:30 ID:09zecLgm
確かに素子の体を抱きしめているのは自分なのに、
今、素子を独占しているのは自分なのに、
バトーは少しも満足できない。
その不一致にバトーは困惑していた。

「・・・・・・素子。・・・・・・いや、なんでもねえ」
「なんだ?言ってみろ」
(もう他の奴とセックスするな、俺に独占させろ。なんて言えるわけねえ。
 言ったって答えは知れている・・・)
「いいだろう。バトー意外とはセックスはしない」
「は!」
(なんだ?!俺、今何も言ってねえぞ・・・)
「聞こえなかったか?いいぞ、私を独占しても」
「な、何言ってやがる!」
「違うのか?そう考えたのかと思ったが」
412388:2006/05/07(日) 22:47:44 ID:09zecLgm
「少佐!あんたまさか!?」
「有線をするリスクくらいは重々承知だろう?枝をつけられても文句は言えまい」
「・・・・・・・・このやろう・・・・」
「お互い様だ。お前も私の中を覗いていた」
「・・・・素子、全部知ってて・・・」
「そうだ。変な情報に触れようなら構わず脳を焼き切る予定だったが、
 お前は本当にセックスの部分しか覗かなかったな。馬鹿正直な奴だ・・・」
「うるせえ!たちが悪いぞ少佐、知ってて俺を泳がすなんてよ!」
「興味があったんだ。バトーが私の何を見たがっているのか・・・。
 そうしたらセックスの分野ばかりを探っていた。なんだか不思議な気分だったわ」
「・・・・・」
「コレはどう解釈したら良いのかしら?バトー・・・」
「分かってるんだろ?だったら聞くな・・・」
413388:2006/05/07(日) 22:54:34 ID:09zecLgm
素子はクスリと笑い、そっぽを向いて顔をあわせようとしないバトーの左頬に手を置いた。
そしてこちらを向かせる。

「バトーもう一度言う。他の奴とはもうセックスはしない。
 私を独占しても良いぞ。嫌か?」
「・・・・・・・仕方がねえな。少佐の命令だ遂行するしかねえだろう?」
「ありがとう」
「早く寝ろ。明日の業務に差し支える」
「ああ、お休み、バトー・・・」
「お休み。素子・・」

二人はキスをして、目を閉じた。
バトーが眠りの門をくぐりそうになった時、素子はつぶやいた。
414388:2006/05/07(日) 22:57:22 ID:09zecLgm
「クゼのことは心配ない。そのうちタダの記憶になる日が来るだろう・・・」
「・・・そうか」
「そして、お前が私の一番の・・・・・・・ZZZZZzzzzzz」

最後の言葉はバトーには聞き取れなかったが
バトーは満足した気持ちで眠りに落ちて言った。

おしまい
415名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:17:15 ID:mz9yhCn8
GJ!
416名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:08:12 ID:POxRYe6X
自分にとっては紙媒体の外部記憶装置無しには全く理解出来ないSSだな…
だがGJだ。

どうだ?数字コテでも名無しでも構わないが
萌えや燃えが続く限りここのスレの職人になる気はないかね?
417名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:23:29 ID:xOzlQjJB
388さん、GJでした。
攻殻本に載ってる四こま漫画的で面白かったです。
前よりまとまりいいのは、勉強したからかな?
418名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:33:21 ID:8hRikChe
GJ!!
バトーが大好きだから、せつなくてたまらなかった… でも最後はハッピーエンドで良かった…
。・゚・(ノД`)・゚・。
419名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 13:54:37 ID:2zFgxMzl
ほんと、バトーはいじりがいがあるキャラだよな!!!持つカレー
420名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:31:22 ID:ahwy0CIt
GJ!
欲を言うならばもっと少佐の言葉遣いをファースト寄りにしてくれ!
421名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 07:37:40 ID:a8MFKop3
久世×素子マダー?
422名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 17:46:08 ID:LySOf2Sq
目の前でツナギのホックをはずして「やらないか?」と微笑む少佐が見たい
423名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 18:47:57 ID:mhY5lEt1
>>422
荒巻スチルカノフ「ウポッ」
424名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 18:59:18 ID:qH2BxBOt
課長をガンガン責めまくって
いろんな意味で昇天させる少佐が見たいW
425名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 20:47:44 ID:9tEGgH6X
>>422見たい見たい。
426名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:24:21 ID:AOK+U77t
ワタスも見たい!
427名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:28:53 ID:a8MFKop3
俺も見たい!
428名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:50:36 ID:J6zTVSjM
ちょっと待ってろ。
429個別主義者聖戦機構 1:2006/05/11(木) 01:23:34 ID:1yYujDSz
 草薙素子が少年を訪ねたのは、目も眩む日差しの強い午後だった。
 真昼の光線は、そびえる白亜の巨塔の輪郭を暈かし、真夏の陰影を際立たせる。
 素子は、乗り付けたバイクから降りると、レーシングスーツの襟元を緩めた。
 義体とはいえ、今日の温度にはいささか不快感を覚える。
 しかし、病院のドアをひとたびくぐれば、快適な空調が外の暑さを忘れさせてくれた。
 国立人工補助器官医療センター。
 義体および人造臓器、電脳の使用者専用の機関である。
 素子が案内板に手を触れると、無線通信で病棟の詳細案内図が電脳内に示される。
 迷う事無く目的の病室の前に立つ。
 「どうぞ」
 ノックしたわけでもないのに、室内から声がした。
 「具合はどう?」
 素子が病室に入ると、少年は上体を起こし、分厚いハートカバーの本を膝に乗せていた。
 「嬉しいな。あなたが見舞いに来てくれるなんて」
 「そう?
 検査入院を嫌がって、親から逃げ回っていた子供の事なんて、全然興味はないけど。
 それにしても、今日は暑苦しいわね」
 素子は、わざと少年を煽るように、目の前でツナギのホックをはずし、胸元の谷間を露わにした。
 露骨に誘うような微笑で、少年を見つめる。
 「この前の言いつけを守ったご褒美に、キスでもしてあげましょうか」
 素子は囁いた。
 「からかうのは止めてくださいよ。
 僕はもう、年上のお姉さんを追いかけるのは止めたんです。
 年相応の思いに目覚めてしまったんです。
 ……知っていて、来たんでしょう?」
 少年は、素子の胸元に一瞥もくれず、冷ややかに問い返す。
 「そう。別に見舞いに来たわけじゃない。
 仕事上のことだ。
 少々、尋ねたい事がある。」

                       −−続く−−
 
430429:2006/05/11(木) 01:33:35 ID:1yYujDSz
久々に投下します。
テロリスト×電脳オタク×雌ゴリラ他を書いた者です。
読んで下さった方、ありがとうございます。

今までこのスレに投下したいくつかの話がごちゃ混ぜになったネタが浮かんでいたのですが、
この度、書き出しにいいネタを頂いたので、
とりあえず書き始めることにします。
次回の投下は、ある程度話が纏まってからにしますので、
誠にスミマセンが、お待ちください。
ソーリ×ハゲ課長の時のような事は、もう無いように努力します。
話がオリジナルから逸れてしまうかもしれませんが、世界観が合わないと感じた方は、どうぞスルーしてください。

スレが荒れるといけませんので、以後は批判的・好意的を問わず、レスを頂いても一切返答はいたしません。
どうぞご容赦を。
431名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 05:38:12 ID:vnMlgpZy
わ〜〜〜〜〜い!超楽しみ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
相変わらず流麗な文だな!
がんばってくれ!期待してるぞ!少佐おねえたま(;´Д`)'`ァ'`ァ
432名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 05:39:52 ID:klykObFH
>>429ちょ、雌ゴリラ言うなw

じゃあ俺はそれまで
9課メンバーが>>422の少佐に迫られたらどうなるか考えてみる。
433名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 07:34:18 ID:VzwpUL2D
楽しみだー!少佐殿ハアハア(*´Д`)
434名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 11:43:36 ID:VPe63TJz
>>432
並列化させて〜〜♪
435名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 18:08:13 ID:enbt0iyY
422だが採用されるとは予想していなかった。今は感謝の気持ちでいっぱいです。

>>429
全裸で待っているからマイペースでゆるりとやって下さい。
436名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 20:01:35 ID:Ml2YGWF9
ツナギのホックが出てきたね!
続き楽しみにしてます。
437名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:12:18 ID:K5qvBDK1
ハートカバーに吹いた。
438429:2006/05/13(土) 12:59:03 ID:2hKq676A

一応、最後までいきましたけど、ちょっと頭と作品を冷やしたいので、
その間、

http://makimo.to/2ch/bbspink-sakura03_eroparo/1089/1089470674.html

の>901〜905を読んでおいていただけたら幸いです。
続きというか、エロSSとしては、今度のやつが本編なんです。

では、今夜、投下しに来ますね。
439個別主義者聖戦機構 1:2006/05/13(土) 16:07:20 ID:2hKq676A
 草薙素子が少年を訪ねたのは、目も眩む日差しの強い午後だった。
 真昼の光線は、そびえる白亜の巨塔の輪郭を暈かし、陰影を際立たせる。
 素子は、乗り付けたバイクから降りると、レーシングスーツの襟元を緩めた。
 義体とはいえ、今日の温度にはいささか不快感を覚える。
 しかし、病院のドアをひとたびくぐれば、快適な空調が外の暑さを忘れさせてくれた。
 国立人工補助器官医療センター。
 義体および人造臓器、電脳の使用者専用の機関である。
 素子が案内板に手を触れると、無線通信で病棟の詳細案内図が電脳内に示される。
 迷う事無く目的の病室の前に立つ。
 「どうぞ」
 ノックしたわけでもないのに、室内から声がした。
 「具合はどう?」
 素子が病室に入ると、少年は上体を起こし、大きなハート描かれたハードカバーのの本を膝に乗せていた。
 「あら、恋愛本?
 珍しいことだわ。これでひと雨来てくれないかしらね」
 「嬉しいな。あなたが見舞いに来てくれるなんて」
 「そう?
 検査入院を嫌がって、親から逃げ回っていた子供の事なんて、全然興味はないけど。
 それにしても、今日は暑苦しいわね」
 素子は、わざと少年を煽るように、目の前でツナギのホックをはずし、胸元の谷間を露わにした。
 露骨に誘うような微笑で、少年を見つめる。
 「この前の言いつけを守ったご褒美に、キスでもしてあげましょうか」
 素子は囁いた。
 「からかうのは止めてくださいよ。
 僕はもう、年上のお姉さんを追いかけるのは止めたんです。
 年相応の思いに目覚めてしまったんです。
 ……知っていて、来たんでしょう?」
 少年は、素子の胸元に一瞥もくれず、冷ややかに問い返す。
 「そう。別に見舞いに来たわけじゃない。
 仕事上のことだ。
 少々、尋ねたい事がある」
 素子は、ベッドの横に置かれた椅子に腰掛け、早速本題に入った。
 
440個別主義者聖戦機構 2:2006/05/13(土) 16:08:23 ID:2hKq676A
 「ハリウッド女優のアレックス・グラスを知っているな?
 どういう経緯か、詳しくは知らないが、日本の若者と来週隠密デートしたいそうだ。
 その相手というのは、お前だな、アオイ」
 「ええ、僕ですよ。
 ネットショップモールでバイトしていた時に、
非電脳タイプの日本語会話支援ソフトを探しに来て、僕がネット上で接客しました。
 そこで気に入られて、挨拶程度のメールを時折やり取りしていたんですが、
電脳硬化症で余命1年と云ったら、同情してくれたのか、
日本での映画の仕事中に、一度デートしてもらえる事になったんです」
 「そりゃ、究極の口説き文句だな。ベーブルースに会った少年以来の幸運だ。
 一年以内に死ななかったら、単なる詐欺師だな。
 そう言えば、雲の上のセレブ美人と、引きこもりのネットオタクの恋愛なんて、
大戦前流行した映画に無かったか?」
 素子の言葉に、少年は普段の冷めた表情をやや強ばらせた。
 「怒ったのか?可愛い奴だ」
 「それにしても、なぜ9課が彼女の警護に?」
 「昨夜、国際反米機構に属する南米の過激ゲリラ組織から、彼女に対して
殺害予告が出ている。
 彼女は、例の南米動乱の時に米帝に介入された地域の出身だ。
 戦争被災者として、米国移住を許可され、女優としてデビューした。
 映画はそこそこ当たり、昨年、米軍士官学校を舞台とした映画に出演した。
 反戦派への露骨な米軍のイメージ戦略だったが、その事で、反米勢力の
逆鱗に触れ、彼女を売国奴と断罪し、処刑するとの声明を出してきた」
 「それで、テロリストのあぶり出しを兼ねて、少佐が出てきた訳か。
 それなら、僕がパパラッチたちの目くらまし工作を仕掛けるまでも無く、
少佐が手配してくれるわけだ」
 「仕方あるまい。女優のデートを公表されるのは別に構わんが、
おまえは、ウチのシークレットだ。外部に漏れるのはまずい」
 付けっぱなしのテレビが、ニュースを伝えている。
 <……茅葺総理は、東アジア遊説にあたって、
日米安保協定に代わる新たな防衛策として、東アジア防衛機構の構想を
草案しており中国訪問に際し、草案への中国政府の協力を要請する考えで
ある事を明らかにしました。
 親中派の茅葺首相の動向に対し、アメリカのアーノルド国防長官は従来の
日米安保協定を優先すべきであり、この度の中国側への要請は、
日米の良好な信頼関係に大きく影を落とすものだと示唆しました。
 次のニュースです…>
441個別主義者聖戦機構3:2006/05/13(土) 16:11:07 ID:2hKq676A
 素子は、デートのコースのプランを少年と打ち合わせ、というより、
あらかじめ警護がしやすいように組んだプランを了承させ、帰って行った。
 少年が、少し眠ろうと横になると、ゴーストを共有するクゼからの意識が
入ってきた。
 <彼女は、帰ったのか?>
 <あなたがネットに潜っている間にね。
 それで、組織に接触できたの?>
 <お前には云わない。少佐に枝を付けられたら、全てが台無しだ。
 9課がお前に接触している間は、俺はゴーストの殻に潜る>
 <了解。僕は、心おきなく、恋愛ゲームに没頭するよ。
 少佐、嫉妬してくれないかな、それこそ本望なのに……>
 <あの女に、そんな感情は期待するな>
 <どっちにしろ、僕は少し休む。『僕』を使いたければ、どうぞ>
 <今はいい。それより、例のものの構築、急いでくれるか?>
 
 首相官邸第二応接室。
 「それでは、首席に宜しくお伝え下さい」
 キリリとした、ワインのスーツに身を包んだ茅葺は、中国外務次官を見送った。
 「プロトさん、プロトさんは居るかしら」
 茅葺が踵を返すと、チョコレートブラウンのハイヒールが大理石の床で微かに
音を立てる。
 「はい、ここに控えております」
 プロトは、執務室に扉一枚で隔てられた事務官待機室より現れ、
深く敬礼した。
 「荒巻課長に至急お会いしたいの。
 今度の遊説の件で、気がかりな事があるのだけど、相談に乗って頂きたいと、
伝えてちょうだい」
 鏡のように研き上げられた官邸の床に、蜂のようなボディラインが映り込む。
 茅葺は、プロトが暫し荒巻に電脳通話している間、その端正な横顔を見つめていた。
 バイオロイドなのだという。至近で見ると、生身の人間とは全く見分けが付かないのに、少し距離を置くと、
何処かしらマネキンのように見える瞬間がある。
 それは、彼があくまで、自己進化型AIをもつアンドロイドであり、詰まるところ、
人間なら誰にでもある<雑念>というものが存在しないゆえの事らしいと、以前荒巻から聞かされていたことを思い出した。
 人のゴーストを、もし彼のボディに入れることができるなら、バイオロイドでも、人間と全く見分けがつかなくなるのだろうか。
 「課長は今、こちらに向かっている途上です。あと10分ほどで到着致しますが」
 「ちょうどいいわ。
 秘書官、荒巻課長とビジネスランチといきたいのだけど、会食の予定は入っていなかったかしら」
 「はい、在りません。ただ、午後より梅雨災害の被災地への訪問予定があり、13時10分には、屋上のヘリポートより
で出発していただきます」
 「わかりました。ランチの手配を宜しく頼むわ」
 茅葺は、応接用のソファに腰掛けた。

442個別主義者聖戦機構4:2006/05/13(土) 16:12:08 ID:2hKq676A
 白亜のホテルのプールサイド。
 バトーは、スチール椅子に座って、円形のテーブルに置かれたアイスティを
一口飲んだ。
 プールの向こう側に、ブロンドにエキゾチックな肌の色をした女が、
水着グラビアの撮影をしている。この頃、義体でもないのに、生身であれほどの
完璧な肢体をした女は、スクリーンでは皆無だ。
 護衛対象の女優、アレックス・グラスである。
 今日のようなネットリとした、夏の蒸し暑さは、嫌な記憶を蘇らせる。
 バトーは、今朝、寝覚めの前に見た、濃い緑と、鮮やかな南国の花のイメージ
にとらわれていた。
 そうだ、あんな色の肌だった。
 胸を過ぎるのは、青い空を写す見開かれた大きな瞳の少女。
 女優のボディは、形良く完成された体型をしていたが、バトーの知る少女は、
戦乱による貧困で、年齢よりもやや貧弱。
 そして、バトーの手に一瞬だけ触れた膨らみかけた胸の感触が、その後の
凄惨な姿ゆえに悲しかった。
 今でも、時折思い出す。
 愚かな善意が招いた深い後悔と怒り。
 素子と行動を共にし、全身全霊でその背後を守る事に没頭しても、
魂の奥に時々ふと沸き上がるそれを、バトーは今も押さえがたい思いでいる。
 何よりも、自分が小銭を与えなければ………
 本当に、今度の仕事は嫌な仕事だった。
 素子は、このバトーのトラウマを知っていて、あえて彼にこの仕事を
割り振ったのか?

 <……バトー、今、会議が終わった。雑用を片づけて、そっちに向かう>
 素子からの電脳通話だった。
 <お姫様は、今、撮影中だ。私服警官が一応建物内をチェックしたが、現在のところ、
怪しいものは発見されていない。
 早く来てくれ。もう眠くて仕方がない>
 <昨夜からだからな。あと一時間で交代するから、それまで頑張って>
 <了解。それで、会議の内容は?>
 <総理は、今度の遊説先に持ち込む新防衛構想についての
アメリカからの介入を危惧しておられる、という話だ。
 内調からの報告では、CIAの工作員が数名、都内に乗り込んでいるらしい。
 彼らは本国との接触で枝をつけられる危険を回避するために、
最新装備を持ち込んだようだ。
 コードネームは「テオドラ」。
 諜報活動支援指揮サーバー。
 どんな形態なのかは、現在のところ不明。
 こっちの仕事は、今のところ内調への協力要請だから、トグサとサイトーに割り振った。
 「テオドラ」の件は、イシカワに一任してある。
 あっちで事態が動き始めたら、私も応援に向かう手筈だ>
 <了解。なら、俺、仕事終わっても待機なわけね>
 <そういう事だ。犬の世話以外に何か用でもあるなら、早めに教えろ>
443個別主義者聖戦機構5:2006/05/13(土) 16:16:39 ID:2hKq676A
 素子は、高速道路を降りて、海沿いの国道にルートを取った。
 「きれ〜い。アオイ、あれは、何デスカ?」
 日本人から見れば、充分に大人びた横顔だが、その声のはしゃぎっぷりは、
まだまだ少女っぽさが残っている。アオイの選んだ日本語支援システムは、
女優と相性が良かったのか、女優の日本語はかなり上手いようだ。
 「あれは、魚の養殖生け簀です。今日は天気が良くて、本当に良かった」
 後部座席で、美人にすり寄られながら、嬉しそうで、どことなくぎこちない少年
の姿をバックミラーに映し、素子は口元に笑みを浮かべる。
 可愛いんだか、生意気なんだか、まるで弟を見守る姉のような気分になっている
自分が可笑しい。
 アオイは、自動車免許を持っていない。
 女優は、日本国内での運転許可を得ていない。
 運転手をつけてやるのは、アオイも居心地が悪かろうと、自分が運転手を買って
出たが、アオイの内心は穏やかではあるまい。
 護衛にも好都合だから、アオイも仕方ないとは了解しているだろう。
 「でも、ガードのおばさんがアオイと知りあいなんて、すごい。
 あ、しまった。この場合は、年上の女性のことは、お姉さんデスカ、
おばさんでイインデスカ」
 「この場合はお姉さんだよ」
 「私、未婚女性のことをお姉さん、既婚女性の事をおばさん、と思って
いましたが」
 「素子さんは、独身女性だよ。既婚女性でも、三、四十代に見える人の事は、
お姉さんを使ったほうが無難だよ」
 「わかりました、アオイ。ごめんなさい、モトコさん」
 だが、素子は今のアレックスの言動に、少女らしい悪意を感じた。
 「いえ、いいのよ、ブロンドさん」
 もし、素子にアレックスが妬いているのだとしたら、少年は一歩前進という
ところだろう。少年が自立への道を歩むのなら、多少の援助は惜しまない。
 だから、素子も皮肉で返した。
 
 「あのね、アオイ」
 アレックスは、甘い声でアオイに腕を絡める。
 そして、アオイの耳元でヒソヒソと囁き、アオイは目を丸くした。
 そして、ミラーの中の少女は素子に勝ち誇ったような表情を向けた。
 高慢で、我が儘女優という姿を演じても、その内心のピュアな心が覗く、
その一瞬に、素子さえ魅了されそうだ。
 ミラーの中で、アオイは、素子の視線を気にしながら、おどおどした態度で
女優の身体に手を回し、そして口づけた。
 やったね、と嬉しかったのは、素子だった。
 そして、わざとらしく、咳払い。
 アオイは慌てて座り直し、素子は笑い声を抑えるのに苦労していた。

444個別主義者聖戦機構6:2006/05/13(土) 16:17:30 ID:2hKq676A
 身体を重ね、口づけをかわしただけで、少年の身体は欲望に素直に反応する。
 アレックスは、少年の息づきはじめたものを膝の間に挟み、さらにアオイの口
づけを求めた。
 腕の中で、硬く尖る粒を感じ、片手で全体を包み込み、尖る粒を中指と薬指で
挟む。
 少年の繊細な手に余る乳房を揉みしだきながら、もう片方の乳首に舌を這わせ
る頃には、アレックスの肩からバスローブが落ちていて、シネマレビューに宝石
の裸体とも表現された美しい背中のラインが露わになる。
 その宝石を抱いているのを意識した少年は、自分の中にも男らしい支配欲が
湧き出すのを感じる。
 純粋に、その美しい身体で感じたい。
 素子を求める情熱とは違う、至極単純な性欲。
 手順を踏むのももどかしくなり、少年は少女が充分に濡れているのを確認すると、
早速挿入した。
 アレックスが小さく声を上げた。
 「ごめん、痛い?」
 アレックスは、嫌々をした。
 「ううん、続けて。入っているのが気持ちいいの……」
 「誰を思って、逝くの?」
 少年が訊いた。
 「私のゴーストよりも、大切なひとよ……
 やっと、会えたの……」
 アレックスの瞳から、大きな涙が落ちるのと、少年が達するのは殆ど同時だった。
 「感情を押さえるのは、辛かったね」
 少年は、その涙を吸い取り、また口づけをした。
 「僕は、キミを時間の許す限り守るよ。
 だから、キミは、思う存分、好きにやればいい」
 アレックスは、少年にしがみつき、そして、さらに求めた。
 少年は、アレックスのうなじ、背中の稜線、腰のラインを丹念に愛撫し、
アレックスは、少年の、再び頭をもたげ始めたものを銜える。
 そのまま、少年を上目づかいに見上げると、少年はそのあまりのエロさに
動揺し、痛いまでの怒張を感じる。
 「ダメだよ、アレックス。
 それ以上…、したら…、またいく……」
 「いってよ。飲んであげる」
 アレックスは、嫌らしくそれを嘗め上げる。
 その時、少年は少佐に電脳回線を開いた。
 <……少佐、凄く、いい……>
 
 唐突にアオイからの電脳回線が開いたので、
 ソファでくつろいでいた素子は跳ね起きた。
 しかし、内容は睦言の実況。
 <この、馬鹿ガキ。電脳硬化症が悪化する前に脳を焼き切って欲しいか?>
 素子は、回線を切って、頭を抱え込んだ。
445個別主義者聖戦機構7:2006/05/13(土) 16:18:19 ID:2hKq676A
 バトーは、その日も女優の警護だった。
 女優は、バトーなど所詮眼中にないのか、殆ど視線さえ向けない。
 もちろん、最低限の言葉さえない。
 必要な事はいつも、マネージャーを通じて、バトーに伝えられる。
 特に、その女優に興味があるわけでもないが、せっかく仕事で側にいられるの
だから、せめて日常の挨拶程度の交流は欲しい。
 だが、無視だ。
 トグサから、色紙を頼まれている。
 奥さんへの土産なんだろうが、今の調子では、差し出すタイミングさえ
つかめない。

 「見た目より、ずっと子供だわ、彼女。
 ごつい男の人が怖いだけよ。
 それとも、出身が出身だから、レンジャーあがりのその風貌に恐怖心があるのかも。
 色紙は、私が預かるわ」
 素子の指摘は、充分納得出来る。
 なら、トグサにこの仕事を振れよ、とぼやきたくなった。
 
 数日行動を共にして分かったこと。
 そのゴージャスな風貌に似合わず、女優は時折純朴な仕草をする。
 我がままを装いながら、周りの人間の状況をキチンと把握して、それなりに
気遣える。
 そして、電脳化すらしておらず、電子情報は一切を携帯端末で行っている事。
 バトーの記憶の中の少女が、今生きているとするなら、ちょうどあんな感じだろ
うか。
 小生意気で、憎まれ口をたたきながら、実は優しい。
 バトーは、どんなに無視されても、女優の姿から視線を外さなかったのは、
仕事だから、だけではなかったのかもしれない。
 「ねえ、見て、見て、アオイからメール来たの〜」
 仲良くなったスタッフの一人に、嬉しそうに話しかける彼女の微笑は、
やはり万人を魅了するに値する美しさであった。
446個別主義者聖戦機構8:2006/05/13(土) 16:19:23 ID:2hKq676A
 「総理、総理」
 内閣官房が、慌ただしく執務室に駆け込んできた。
 「どうしたのです」
 茅葺は、半袖のサマーセーターにオーガンジーのジャケット、白いパンツという
休日の装いだった。
 休日ではあったが、外遊ともなれば、いろいろと打ち合わせる事、事前に勉強
しておく事項も多い。
 特に、茅葺のように、お飾りなどと陰口をたたかれる立場であれば、隙を見せ
まいと勤勉にもなる。
 「政調会長にスキャンダルです。
 先日公費指定認可になったENC製義体OSに絡み、金銭の授受があったので
はないかとの疑惑が、夕方の『特集報道』で取り上げられるようです」
 「えっ」
 茅葺は、声を上げた。
 米国主導の現在の防衛構想を、日中の協調を軸にする東アジア防衛機構へとシフト
させようというこの時期に、茅葺の派閥の中核でもある政調会長にスキャンダルが
起きれば、一気に親米派の派閥が勢力を盛り返す。
 三ヶ月後に参院選を控えたこの時期、茅葺側の苦戦は目に見えている。
 「何とかならないかしら」
 「いまさら、放送局には圧力をかけられません。
 下手に動けば、かえってマスコミに疑惑報道の種を与えてしまうでしょう」
 「そう、そうね。まずは、事実関係の確認からだわ。
 政調会長をはじめ、党幹部を大至急収集して。
 それから、プロトさん、プロトさんは、荒巻課長をお呼びして」
 官邸内は、慌ただしさに包まれる。
 
 ネットの向こうから帰ってきたクゼに、アオイは云った。
 <チャットサーバー、構築済みだよ。
 管理者側のパスワードとIDは指定の通り。
 サーバータイトルは『EMI』。
 壁紙は笑い男スマイルで作った。
 まさか、今頃本物がこんなの立ち上げるとは誰も思わないだろうね>
 <ご苦労。しばらく沈んでいてくれるか。
 間もなく『皇后』からドキュメントがダウンロードされる。
 一気に確保したサーバーにupしたら、作戦準備は完了だ>
 <わかった。成功を祈るよ>
 <成功させないとな。必ず>
 アオイは脳殻の中に沈み、全身の支配をクゼに与えた。
 <これは聖戦だ。米帝の傲慢な政策に対する報復である>
 クゼは、アオイの電脳を掌握した。
 クゼは再びネット内にダイブ、国際反米機構のサーバーにアクセスすると、
チャットサーバーのアドレスを公開した。
 そして、自分は、アオイが構築したサーバーに入ると、サイトをオープンにした。
 クゼの名前が世界中に配信される。
 死んだはずのカリスマの許に、また人が集まってくる。
 
 
447個別主義者聖戦機構9:2006/05/13(土) 16:20:16 ID:2hKq676A
 バトーは、レストランの隣りの席で、マネージャーと食事する女優を二人
見守っていた。
 素子は、総理周辺のスキャンダルについて、CIAの工作ありとして、
捜査に取り掛かっている。
 <それで、イシカワ、そっちの経過は?>
 <『テオドラ』の手がかりが、まったくつかめない。
 海外にアクセスしているサーバーを片っ端から監視しているが、本当に存在
するのかさえ怪しいところだ。
 少佐は、とりあえずワタナベ・タナカを追跡している>
 <ワタナベ・タナカだと?
 じゃ、サトウ・スズキも来ているのか>
 <内調は、確認していないが、恐らく、な>


 <アレックスよりサトウさんへ
 いつも応援してくれて、ありがとうございます。
 タナカさんは、美人のお姉さんに追っかけられているのですか?
 羨ましい限りです。
 これからも、応援宜しくお願いします。
 新作映画 「電脳男」にヒロインとして出演します。
 今、日本で撮影中なんですよ。
 公開されたら、是非見てください。
          アレックス・グラス>
 サトウ・スズキは、過剰にデコレートされた携帯端末のメールを見た。
 「テオドラより、指令だ。
 公安9課の主力指揮官が、我々向けに投入されたようだ。
 とりあえず、ワタナベ・タナカの逃走経路を確保しつつ、我々は引き続き、
茅葺派のスキャンダル工作を続行する。
 以後は、公安9課の動向に注意せよ」
 
 
448個別主義者聖戦機構10:2006/05/13(土) 16:20:56 ID:2hKq676A
 茅葺は、私邸の応接室に荒巻を呼んだ。
 「荒巻課長、例の件の真偽について、私は危ぶんでいたのですけど。
 もし失敗した場合の火消しの件は、用意できているのかしら」
 「ええ、ご心配無く。
 これまでの9課の実績を、どうぞご信頼ください」
 「それにしても、あなたがわたしの私怨に荷担してくださるなんてね」
 「私は、不正を憎むだけです。
 人間が、ただ生きたい、普通に慎ましく暮らしたいという最低限の権利を、
奪う者が許せないだけです」
 「子供たちへのご褒美の件、研究所に手配てくれたのね。
 現物は、もう彼の許に届いているかしら。遅れたら、可哀相な事になるわ」
 「既に、相手に引き渡してあります。
 ご心配なく。彼は自己流ではありますが、優秀な技術者です。
 こちらで万全に手配しておけば、あとは彼ひとりで、どうにかするでしょう」
 茅葺は、荒巻の手を取った。
 そして、その手に頬を寄せ、云った。
 「いつも、この手に助けられている。
 私は、なんて幸せ者なのかしら」
 茅葺は、いつもよりも光沢のある口紅をつけ、やや艶っぽい視線で荒巻を見つめた。
 「総理、それでは私の勤務の終わった後、帰宅する途上で今一度こちらを見回ら
せていただきます。
 …何かあるといけませんので」
 荒巻は、丁重に茅葺の手をふりほどくと、深く頭をさげた。
 「それでは、これで」
 「よろしくね、荒巻課長」
 
449個別主義者聖戦機構11:2006/05/13(土) 16:21:58 ID:2hKq676A
 茅葺派のスキャンダルが流れてから、二日が過ぎていた。
 連日、メディアはその事を大きく取り上げたが、政調会長は無実を主張しつづけた。
 その日の午後のワイドショーで、金銭授受の現場のビデオがスクープされたが、
今度はそのビデオが合成であるとの反論があり、事態はさらに混迷の度を深めていた。

 CIAのほうに投入された素子に代わって、ボーマが女優のガードに加わることに
なったが、女優は、ボーマにはむしろ好感を持ったようで、冗談さえ言い合う仲に
なっていた。
 ボーマと交代したのは夕刻だった。
 バトーは、以前、素子が指摘したレンジャー上がりだから恐怖心がある、という
言葉で自分を納得させてきたが、ボーマとも仲良くなったという事に、大人げなくも
不快感を覚えていた。
 <おれ、あの娘になんかしたかな〜>
 電脳回線でバトーのぼやきを聞かされる素子も、もはや慰めの言葉が無い。
 <……いえ、違うわ、バトー>
 素子は、不意にある事に思い当たった。
 <無視しているわけじゃないのかも。
 無視しなければ、ならないのかも……>
 その言葉を残して、素子は回線を切った。
 素子には、何かが分かったのかもしれない。

 <イシカワ、至急、調べて欲しい事がある。
 女優アレックス・グラスのマネージャーの経歴。
 こちらで確保しているCIAの諜報員ファイルから、顔の照合を頼む>
 「今どき、電脳回線ではなく、携帯端末からメールだと?」
 素子の気持ちの中で、ずっと引っかかっていたものだった。
 あの日本語は、一朝一夕のものじゃない。
 電脳タイプの支援ソフトを使って、相当期間練習したものだ。
 「バトー、お前を無視していたんじゃない。お前だけを、見ていたんだ……」
 素子の鋼の魂が、揺れた。
 素子の推理が正しければ、その痛みも不条理も、誰よりも素子が知っている。
 だとすれば、少年と女優の悪巧みの裏にあるものは何だ。
 少年は一人じゃない。
 あの中には、筋金入りの戦士、クゼがいる。
 もし、少年がCIAの諜報活動の片棒を担がされているのなら、クゼが黙っている
わけがない。あのワタナベを追いかけて二日、クゼなら、とっくに気づいていい頃
なのに、全然接触して来ない。
 電脳回線を少年に繋いでみる。
 だが、少年はスタンドアロンにしているようで、外部からの接触を全く受け付け
ようとしない。
 仕方がないので、素子は、少年が出入りしている掲示板サーバーにアクセスした。
 膨大なスレッドが渦を巻いている。
 <【笑い男】チャットEMIについて語るスレぱーと15【出島事件】>
 素子は、スレの一つに注目した。
 『チャットEMI』
 見渡せば、そのチャットサーバーに関するスレが乱立している。
 素子は、スレをザーッと一巡した。
 少年の企みに、クゼも一枚噛んでいるのか?
 誰と誰が敵で、誰に誰が仕掛けているのか。
 全く見えない。
 草薙素子の慧眼でさえ、たやすく見通すことのできない陰謀の所在は確かであった。
450個別主義者聖戦機構12:2006/05/13(土) 16:23:48 ID:2hKq676A
 女優のマネージャーが唐突に席を立った。
 そして、バトーの許に来ると云った。
 「クライアントからの急な呼び出しなんだ。
 悪いんだが、今日はメイドが休みを取っていて、僕が行くと彼女一人になる。
 今から他のスタッフを呼び出すけれど、到着するのに少しかかるだろう。
 しばらく、相手をしてやってくれ」
 彼は言い捨てると、そそくさと走り去った。
「つまらないの。
 今日はアオイからのメールも来ないし。食事も美味しくないわ」
 女優は、初めてまともに視線をバトーに向けた。
 こぼれそうな、大きな瞳だった。
 その瞳には、青い空が似合うのだろうと思った。
 「部屋に帰るから、送って」
 女優は席を立つと、至極素っ気ない態度で、ツンツンしながら前を歩く。
 絶対に振り返らない。
 その決意は、そのキリキリとした歩きに現れていた。
 「どうして、そんなに俺の事、嫌うんだ」
 バトーはストレートに云った。
 その事が彼女を怒らせたのか、彼女はさらに歩調を早める。
 展望エレベーターに乗った。
 そこでも、彼女はガラス張りの夜景を見つめながら、バトーの方を振り返らず、
無言のままだった。
451個別主義者聖戦機構13:2006/05/13(土) 16:24:51 ID:2hKq676A
 「ねえ、俺が何かしたなら、云ってよ。謝るからさ」
 エレベーターが止まると、バトーが周囲を確認して、女優に合図した。
 バトーは、先を歩き、女優の部屋を空け、先に入室してから簡単に室内を点検した。
 女優が入ってきたので、バトーは部屋を出ようと閉じかけたドアに手をかけた。
 「待って」
 女優が、バトーの背中に抱きついた。
 バトーは思わず凍り付いた。
 女優は震えていた。
 「バトーさん………」
 それは、スペイン訛りの響きだった。
 声の質こそ違うが、耳に焼き付いた呼び方だった。
 「そんな、そんな事があるのか?」
 振り向いたバトーが見た女優の顔は、涙で化粧も台無しだった。
 「会いたかった。ずっと」
 バトーは、あまりの事に、言葉を失っていた。
 「私、全身義体化したの」
 だが、その姿は、どう見ても生身だった。
 「どうしても、会いたくて、どうしても、伝えたくて……」
 女優は、いや、少女は、バトーの胸にすがり泣いた。
 「ありがとう、バトーさん。あのお金、本当に助かった。
 だから、あのあとにあった事なんて、忘れて。
 バトーさんのせいじゃない………」
 「グラ……シェラ……」
 バトーは、その名を呼んだ。
 熱帯に咲く一輪の花にも似た少女の名。
 「生きて、いたのか?」
 バトーは、少女を抱き返した。
 その存在を、確かめるように。
 「あ、嫌だ。
 せっかく大好きなバトーさんに会ったのに、私ったら、なんて酷い顔」
 鏡に映った自分を見て、少女がバスルームに走り去った。
 「行かないでよ、バトーさん」
 バトーは、それが本当に現実なのか、それとも夢なのか確証もないまま、立ちつ
くしてた。

452個別主義者聖戦機構14:2006/05/13(土) 16:25:48 ID:2hKq676A
 <皇后より、勇者へ。
 予定時刻に作戦開始>
 クゼがその信号を受け止めた時、素子のアクセスに気が付いた。
 電脳空間でのイメージ体で降りてくる。
 <チャットサーバーか。
 一見、出会い系サイトの偽装をしているが、凄いアクセス数だな。
 よくサーバーを支えられる>
 <僕が構築したからね>
 アオイがやってくるのが見えた。
 <やば、見つかったの?>
 <ああ、頭のいいお姉さんだからな>
 <こっちのサルベージ準備は完了した>
 <なら、時間待ちだな>
 <敵から補足される前に落ちる>
 ふたりの男の会話は、素子に筒抜けである。
 最早、隠す必要を感じていないのかもしれない。
 アオイが落ち、素子はクゼに向き合った。
 <お前、テオドラの正体、気づいたんだろう>
 クゼは云った。
 <痛みを分かち合う者として、放っておけるか?>
 クゼも、電脳内のイメージ体を構築して、少佐の前に立った。
 <死を越える痛みに耐えた上に、死よりも過酷な使命を与えられ、
それでもなお、耐えろと云うか?>
 クゼの向ける表情に、素子は目を逸らせなかった。
 <オレは、許せなかったんだ。その事が>
 クゼは、イメージの素子を抱き締めた。
 クゼに抱かれながら、バトーの事を思った。
 瞳のない、その頭を抱いて、彼のために涙を流してやりたいと思った。
453個別主義者聖戦機構15:2006/05/13(土) 16:26:31 ID:2hKq676A
 「バトーさん、ねえ、約束よ」
 バトーは少女に抱きつかれ、困惑していた。
 彼女が生きていたのは嬉しい。
 だが、本当にその日が来るのは想定外だった。
 「あのあと、私、米軍の医療センターに送られたの。
 最初はハイドロコイド・ポッドに入れられて、人工皮膚を移植する予定だった
んだけど、全身の壊死が酷かったの。
 土壌細菌から、感染症も併発していて、取りあえず脳殻を残して電脳化して、
そのあと全身義体の手術をしたわ。
 義体と相性が悪くて、何度も換装して。
 私を使って南米施策の成功をアピールする計画があったから、義体は次から
次へと取り替えられて、最終的には、まだ世界的に承認を得ていないバイオロ
イドに脳殻を埋め込む手術をしたわ。
 アオイに会ったのは、電脳硬化症の患者会のサイト。
 町で生き残った私の弟も、地雷を踏んで義体化したんだけど、運悪く電脳硬化症
になったの。
 だから、私もCIAの仕事が来たときに、弟を、医療センターに入れる条件を
提示されて、私は受けるしか無かった。
 弟を助けるためには、私をこんな身体にした米帝でも、頼るしかなかったの。
 それから、せめてバトーさんに抱いてもらおうと思ったの。
 可愛いって、云って欲しかったの」
 少女の告白に、バトーはただ抱きしめてやる事しか出来なかった。
 頷く事も、返す言葉も見つからない。
 「私の脳殻には、CIAの生体サーバーが入っていて、数時間おきに、衛星回線
で私にアクセスして来るの。
 本当は、私のゴーストは戦術指令システムに組み込まれていて、本来は切り離せ
ないものなんだけど、アオイが、システム上に擬似ゴーストを構築して、その中に
別の攻勢防壁を組み立てて、その中に私の本当のゴーストを切り離して閉じこめて
くれたの。
 だけど、それももう終わるわ」
 そして、バトーの電脳に、少女の電脳から意識が流れ込んだ。
 <機密漏洩がばれたら、脳を焼かれて、死ぬの>
 バトーに、選ぶ権限は無かった。
 少女をベッドに寝かせ、口づけた。
 素子にもしてやらない、特別なキスだ。
 「バトーさん……このまま、死にたい」
454個別主義者聖戦機構16:2006/05/13(土) 16:27:28 ID:2hKq676A
 クゼは、ライブラリーに保管してあるドキュメントを、ダウンロードページに張
り付けた。
 先日公開されたテレビの映像を、役者を使って撮影し、映像処理している一連の
映像だった。それを持って、サトウ・スズキが雑誌記者に接触している。
 <つまり、先日の映像の証拠能力が無いという事なら、このビデオの証拠能力も
無くなるわね>
 <今回は、それでいいんだ。こっちのビデオに証拠能力が無いというなら、同様
に最初のビデオにも証拠能力は無い>
 <それで、わたしは、このままCIAに乗り込む準備をしていいのかしら>
 <それは9課が決める事だ。オレの知ったことじゃない>
 <ついでに、こいつもアップしておくかな>
 <何?>
 <諜報戦術支援サーバー『テオドラ』の仕様書及び開発メモ。
 あのガキ、早く9課で何とかしないと、テロリストよりよっぽど危険だな。
 一つ間違うと、本当に病気の進行より先に、そのうちどっかの防壁に引っか
かって、脳を焼かれる危険がある。
 9課で飼えないなら、牢屋にでも放りこんどけ。
 あいつを惜しむならな。
 もっとも、お前が嘘でも、耳元で愛の囁きを吹き込めば、喜んで言いなりに
なるだろうな>
 <お前が先に、私にそうしてくれるなら、喜んで引き受けるが。
 宿主を失うのはお前だから>
 素子がクゼに云った。
 <オレは、何にも属さない。個別主義者だからな>
 
455個別主義者聖戦機構17:2006/05/13(土) 16:28:43 ID:2hKq676A
 少女の身体が、バトーの身体の上で弓なりに反り、体内に収めたものの与える
刺激に揺れていた。 
 汗ばむ胸元はツンと硬く尖り、大きく膨らんで快感に震える。
 少女は自分で乳首をいぢりながら、声を上げていた。
 「嬉しい、バトーさんっ、はあっ、はあっ」
 バトーは、はじけるような少女の肢体にきつく締め上げられ、達するのを堪える
のに必死だった。
 また、オレはこの娘を失う夢に苛まれるのか?
 バトーは思った。
 少女は、唐突に電脳回線をアオイに開いた。
 <アオイ、見て……、凄く嬉しい。
 バトーさんを思って、逝くの。
 バトーさんの、腕のなかで逝くの>
 その刹那、少女の全身が震えた。
 「バトーさんっ!!」
 少女の身体を電流が突き抜けるように、ガクガクと震えた。
 <よかったね、アレックス。バトーさんの腕で逝けるんだ。
 だが、僕はキミを回収する。脳を焼かれる前にね>
 少女は、攻勢防壁を突破し、彼女のゴーストまで降りてくるアオイの気配を感じた。
 衛星回線が、強引に彼女の脳殻に侵入してこようとする。
 アオイは、少女のゴーストを自作のサルベージシステムがバックアップしていく間、
脳殻の自己破壊システムの作動信号の到達を少しでも送らせようと、必死で擬装プ
ログラムを噛ましていく。アオイとて、作業を一歩間違えば、同時に脳を焼かれる
だろう。
 だが、彼女の脳殻で始まった激しい攻防戦にバトーはまったく気づかず、彼女と
同時に果てていた。

 少女の身体を、バトーが抱きしめる。
 そして、少女に口づけする。
 少女は、力無く微笑んだ。
 「バトーさん、大好き。愛しているわ………」
 その時、少女の瞳が大きく見開かれ、ブルブルと大きく震えだした。
 「バトーさぁん、わたし、しあわ………」
 その言葉が、最後だった。
 少女の身体は、命を絶たれていた。
 
456個別主義者聖戦機構18:2006/05/13(土) 16:29:28 ID:2hKq676A
 <おい、バトー、バトー>
 素子は、現場に急行しながら、バトーに電脳通話した。
 しかし、全く応じない。
 「バトー!!」
 バトーは、素子を待ちかまえていたように襟首を掴んだ。
 「素子、奴らはどこだ。
 サトウとワタナベはどこだ」
 <課長、バトー、暴走しますが、止めますか?>
 <この件は、総理も了承している事だ。CIAの工作活動は、我が国への内政干渉、及び日米安保協定における両国の信頼関係に対する、大きな背反行為である。
 よって、至急、国内におけるCIA活動の中核と思われるサトウ、及びワタナベ
を確保、事実関係の確認を必要とする。
 よって9課、総力をもってCIA確保を遂行すべし。
 尚、技術班を応援に向かわせた。彼らが『テオドラ』回収の任にあたる>
 <了解。>
 「バトー、いいかしら。
 あの二人を殺しても、この事件の本当の問題を解決することにはならない。
 本当の敵は、米帝の国家戦略。
 いい、これは、米帝の国際的軍事介入に対して、釘をさすことのできる大きな
事件なのよ。
 くれぐれも、暴走はしないで」
 「それぐらい、オレも馬鹿じゃねえ。
 だが、半殺しにするぐらいは許せ」
 上空に、ティルトローターがホバリングしている音が響く。
 「赤服が来たな。
 バトー、行くぞ」
 バトーは、着衣を整えてベッドに横たえた女優の亡骸を見た。
 「可愛いな、グラ……シェラ…」
 声にならない言葉だった。

457個別主義者聖戦機構19:2006/05/13(土) 16:30:17 ID:2hKq676A
 クゼのチャットサーバーから流出したCIAの映像と作戦司令書は、瞬く間に
全世界に流出した。
 「テオドラ」に関する一連の資料は、加えて、「マルコ事件」及び、南米のP
KFにおける虐殺事件を明るみにし、『テオドラ』と女優『アレックス・グラス』
の関係こそ伏せられていたが、事件の被害少女がやむを得ない義体化のあと、
義体開発の実験体にされ、そして最終的にCIAの戦術兵器として運用されたと
いう内容から、全世界に衝撃を与え、米国への国際世論の非難の砲火を呼んだ。
 出所のチャットサーバーは、流出から3時間後に突然ダウン。
 アドレスも不明のまま、沈黙した。
 だが、そのサーバーのシンボルである笑い男マークに、出島事件すら笑い男の
演出か、という噂がネットで囁かれ、当然、笑い男の名を借りた匿名の存在、
あるいは、犯人はクゼの名を借りた笑い男という説、諸説出るうちに、
クゼの名も、笑い男の名も、どちらもネットのカリスマから伝説へと、
変わっていくのだろう。

 「外遊、お疲れ様でした」
 官邸の執務席で、暫しの珈琲タイムを楽しむ茅葺に、荒巻は語りかけた。
 「東アジアは、東洋人の手で守るべきであると、首席も賛同してくれたわ。
 今後の、私の影響力も、これで確固たるものになる。
 お礼を云うわ、荒巻課長」
 「恐縮です。が、それは、子供らに云うべきです」
 「そうね。一度、彼に会ってみたいものね」
 「では、いずれ適当な時期を見繕っておきます」
458個別主義者聖戦機構20:2006/05/13(土) 16:31:04 ID:2hKq676A
 少年は、月に一度の村井ワクチンの投与のため、医療センターに短期入院していた。
 「マスター、他にご用はございませんか?」
 「そうだね。来客用に何か飲み物でも買ってきてくれる?アレックス」
 少年は、窓の下を歩く人影をみつけ、公費メンテナンスの認証を受けた介護
アンドロイドに云った。
 黒いドレスに白いエプロン。正当なるメイド姿である。
 「はい、マスター」
 アンドロイドは、深々と礼をすると、病室を出て行った。

 素子は、廊下で、介護アンドロイドとすれ違い、そして、アオイの病室に入る。
 「悪趣味な事をする。あれは、前にお前の部屋にあったセクサロイドだろう」
 「ニートの僕に、ちゃんとした介護アンドロイドを買うお金があると思うの?」
 「中身は元女優だな」
 「うん。荒巻課長の彼女が、お礼ってくれたんだ。プロト氏と同じ人造脳殻。
 一応、取り付けは9課の技術部がやってくれたんだけど、気づかなかった?」
 「CIAをハッキングした話、私を飛び越えて、課長のところに持って行く
なんてね。
 それにしても、あの娘、私の顔知ってるくせに、会釈ひとつしなかったわ」
 「妬き餅やきなんだ。バトーさんと仲がいいから、少佐が嫌いなんだって。
 でも、この事、バトーさんには内緒にしてね」
 「だが、これで僕にも希望が出来た。
 どうやら、国立電脳研究所にチームを組むらしいよ。電脳障害への新たな対処
法の一つとして。倫理的にいろいろだけど。協力要請された」
 「就職できるときに、しておいたほうが良くない?」
 「障害年金下りてるし、べつにいい。組織に所属すると、いろいろ後で面倒だし」
 「なら、国家保安法に抵触した容疑で、逮捕しようか」
 「僕なら、その気になれば逃げ切れる」
 「なぜ、彼女をバトーに引き会わせた。他にも手はあるだろう?」
 「バトーさんのあなたへ思いを、少しでも他に逸らしたかった。」
 「これだけの事をしておいて、理由はたったそれだけか」
 「誰よりも、あなたを愛している自信はある。
 あなたの目を、僕に向けさせるなら、世界大戦だって起こしてやります」
 「仕方ない。刑法第二編第四章の国交に関する罪に基づく私戦予備罪の容疑を
適用せざるを得ないな。93条1項の規定によれば、外国に対して私的に戦闘行為
をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処せられ
る。
 今すぐ適用して欲しく無ければ、いい加減、寝言は云うな」

                          
459個別主義者聖戦機構21:2006/05/13(土) 16:32:41 ID:2hKq676A
 数日後。
 「大使館に逃げ込まれたら、仕方ないわね。
 外務省の折衝に任せるしかないわ」
 「そうだな。オレたちは、しくじった」
 バトーは憎々しげに云った。
 「ねえ、バトー」
 昼休みのオフィスに残ったのは二人だけ。
 「ネットの海は広いわ。
 彷徨ってみたら、案外死んだと思っていた人の幽霊に会ったりするかもしれない
わよ」
 素子は出て行った。
 「生きてる、かもしれないって事か?」
 バトーの呟きに応える存在はいなかった。

                        −−おわり−−
460個別主義者聖戦機構5.5:2006/05/13(土) 16:41:02 ID:2hKq676A

途中、1スレ落ちました。追加します。
>443と>444の間に以下が入ります

================================

 「アオイ、ふふっ、あなた、大好き」
 アレックスが云った。
 バスローブ一枚に、ホテルのベッドに美少女と二人。などというのは、勿論、
アオイには初めての事だが、素子の前での、奥手の少年の様子はない。
 「少佐に、見せつけたいな」
 アレックスの肩を抱きながら、その耳許で囁いた。
 「私も、賛成。オバサンに見せつけたいの。
 若さには勝てないって」
 「それじゃ、電脳回線、途中で少佐に開いていい?」
 「もちろん。9課の主力を引きつけるのが私の仕事。
 あなたも、しっかり手伝ってね」
 まるで、女教師に悪戯を仕掛ける小学生のような表情で見つめ合い、二人は舌を
絡めあった。

 アレックスは、その夜、素子に頼んで、デートの最後に食事したホテルに泊まる
と言い出した。
 素子は、マネージャーに連絡を取り、アレックスが飲み過ぎて具合が悪いので、
このまま泊まらせるという事にした。マネージャーは、翌日は午後から仕事が
入っているので、くれぐれもその二時間前までに戻るようにと素子に念を押した。
 勿論、素子・アレックスのツインとアオイ用のシングルに部屋を割り振った。
 だが、当然、アレックスの我が儘で、ツインにはアオイが、シングルには素子
が泊まる事になり、素子はアオイに何かあったら、直ちに素子に電脳通話する事
を言い聞かせた。

461名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 16:55:40 ID:2hKq676A
肝心なところ、ミスった。orz

462名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 16:56:51 ID:uYXI9puS
すげー、番外編で一本つくっても全然遜色ない内容だ
お疲れ様、面白かったです
463名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 18:08:58 ID:s1FWPDKx
アオイかわええ
464名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:44:13 ID:Gfta9q4P
すごい!!!お疲れ様でした。
バトーさんと少女の話はよく覚えてるよ。
とても印象的で好きな話だったからね。
あれがこうなろうとは・・・・
バトーさん大好きな自分には、ちょっとせつない…
465名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 21:14:10 ID:hSurC/2F
アオイが素子をすごい好きという設定が個人的にすごい好きだ

バトーさんと女の子の話がまさかこういう形になるとは思ってなかった
切なくて良いね・・!お疲れ様でした。
466名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 21:23:29 ID:V/cMh4u8
独特でええなあ(*´д`*)
クゼ+アオイのゴースト同居設定がかなり好きなんだが
467名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 23:53:12 ID:lIXGBT5U
とても深く作り込まれた内容でした。すごくおもしろかったです。お疲れ様でした
468名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 00:12:40 ID:ELD7coPQ
っていうか、鬼畜米帝?
469名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 00:14:18 ID:4ZetlmuQ
クオリティたかす!
470名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:09:07 ID:mUSZQttQ
おもろかったです
アオイがいいキャラだ
バトーさんがかわいそうだったけど、こういう話好きだなぁ
471名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:53:53 ID:rF/hruNd
ggg
472名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 13:54:45 ID:3Lm92Y9B
久世×素子待ってます 永遠に待ってます
473名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 08:01:49 ID:fvEfWYOx
>>429
とても楽しめました。ありがとう。作りこまれた設定だがそれぞれたまらんな。
また、気が向いたらよろしくお願いします。
しかしバトーさんったらせつなさみだれうち
474名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 09:12:51 ID:qrRTfXf0
少佐〜ツナギホック外して迫るだけ迫っといて先に進んでナイヨー。
475名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 08:15:45 ID:D6yIczVM
クゼと少佐がポーカーフェイスで乳繰合うが、結局は顔に出てしまう少佐を妄想しとく
476アオイ:2006/05/16(火) 10:19:08 ID:YQvcQ5yX
それって、顔sあ?
ボクもぉ〜!
477名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 05:35:12 ID:kiPEgfMI
しょ、少佐ぁ〜(*´Д`)ハアハア
478名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 06:33:58 ID:7SRz9pbE
479名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 17:01:38 ID:RzjOwIv6
たまにはしどけない姿の少佐が見たいな
480クゼを思い出してオセンチだとしたら:2006/05/17(水) 18:01:30 ID:Rx2J2GYj
ロックグラス片手に深夜のダイブルームに来て
ダイブ中のイシカワの背中にしどけなくもたれ掛かる少佐。
今日に限って体内プラントは使っていないらしい。
背中からはしっとりと少佐の濡れた髪の感触が伝わってくる。
そんな少佐をそのままにさせて置くイシカワ。
見ていた人工磯サイトは読み飛ばし始めていた。

放っておかれたイシカワにもたれたまましばらくして少佐はデスクのシーバスに手を伸ばす。
少佐からシーバスを遠ざけるイシカワ。

「…付き合い悪いのね」
「背中の赤ん坊のお守りの最中だからな。」


(∴)ノ オチマイ-
481名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:16:17 ID:e2L5z59I
どうせなら続きを!!!
482クゼ×素子inネット:2006/05/17(水) 22:39:33 ID:BXRh51fC
素子が駆けつけた時、クゼは既に意識も心拍も消失していた。
素子はMMをクゼに投与していた奴の頭を蹴り飛ばして失神させ、
直後、クゼの電脳に有線を繋いだ。

約10分後
ようやくバトーが現場に駆けつけると、
そこにはクゼの傍らに有線を繋げたまま目を閉じて座っている素子がいた。

「少佐・・・」

バトーの呼びかけに素子は反応しない。

「おい、少佐!」

バトーは素子の肩に手をかけ、揺さぶった。
そこで素子はゆっくりと瞳を開いた。
483クゼ×素子inネット:2006/05/17(水) 22:48:11 ID:BXRh51fC
「少佐・・・?」
「真っ白だ・・・。何も見えない。何も感じない。
 今までこいつに繋いでいたはずの難民たちの気配さえもない。
 シナプスの電気信号のひとかけらも感じない。真っ白だ、こいつの脳は・・・」

次々と9課のメンバーが現場に到着するが、
素子とバトーとクゼの様子を確認すると、
動くことも言葉を発することも出来ず、ただ周りを囲んで立ち尽くした。

最後に現れたのは荒巻だった。
彼も他のメンバーと同様に一瞬立ち尽くしたが、すぐにクゼに歩み寄り、
思慮深い表情でクゼの半開きの瞼を手で覆って閉じさせた。

「少佐、彼を休ませる場所へ連れて行くぞ。有線を抜け」
「・・・・・・」

荒巻の一言に素子は素直に従った。
484クゼ×素子inネット:2006/05/17(水) 22:55:45 ID:BXRh51fC
クゼの遺体を見送った後、荒巻はメンバーに指示を出した。

「皆、ご苦労だった。今日はゆっくりと休むが良い。
 今回の報告書は膨大な情報処理を必要とするだろうから
 期限は一週間だ。それでも出来るだけ早く提出するように・・・」
「・・・・・・・課長、ちょっといいかしら?」

皆が頷き解散していく中、素子は荒巻を呼び出し、耳打ちをした。

「なんだ?・・・・そんな条件を飲めというのか?!」
「お願いするわ」

驚く荒巻とは裏腹に、素子は毅然とした態度を取っている。
荒巻は暫く悩んだ末、

「良かろう。では、明日に報告書を出せるというのだな?」
「ええ、出すわ。必ずね」

素子の条件を飲んだ。
485クゼ×素子inネット:2006/05/17(水) 23:11:53 ID:BXRh51fC
「で・・・、少佐は休暇中なのか?今」
「そういうことだ」

バトーとイシカワがパソコンでネット接続をしている素子の横で話をしている。
素子が荒巻に出した条件。それは、
報告書を提出したその日から、自分の今年度にもらえる全ての休暇を
得ることだった。
その日数は42日。
約束どおりに翌日報告書を提出し、受理された素子は42日間の長期休暇を手にした。

「でもよお、これって・・・休暇っていえるのか?」
「さあな?我らのお姫様は何を考えてるんだか・・・」
「何時からだ?この状態でいるの」
「ん?そうだなあ・・・俺が来たときにはもう座っていたから、かれこれ・・・32時間」
「げええ!マジかよ?・・・少佐、大丈夫か?ショートするぞ、こんなんだと」
「うるさい、分かっている。切りの良いところで中止するさ。
 それよりも、バトー、イシカワ。自分の報告書の心配をしたらどうだ?」
486クゼ×素子inネット:2006/05/17(水) 23:22:25 ID:BXRh51fC
「う・・・うるせえな!分かってるよ、そんなことぐれえ!」
「まあ、熱くなるなよ。少佐のことだ、ちゃんとセーブするさ。
 さ、俺達も報告書の作成だ・・・」
「ふう・・・苦手なんだよなあ、タイピングするの・・・」

バトーはイシカワになだめられ、自分のデスクに戻っていった。
イシカワも少佐の後姿を一瞬振り向いて確認したが、何も言わずにその場を去った。

その後、素子は適度に休憩を取りながら、ネットに接続を続けた。
1週間、2週間、3週間・・・。
素子はハウスに帰ることをせず、ひたすら時間をネットに費やした。
席を離れるのは食事とシャワー、トイレの時だけ。
あとはひたすらネットで何かを探し続けている状態だった。
報告書を仕上げ、手の開いているメンバーが代わる代わる様子を見に来た。
487クゼ×素子inネット:2006/05/17(水) 23:32:53 ID:BXRh51fC
心配そうに見守るトグサ。
チラッと見てすぐに立ち去るイシカワ。
そっと差し入れを置いていくボーマ。
無言で隣の席に座り、タバコを一服してから去るパズ。
ポーカーフェイスで見つめるサイトー。
止めようとして一喝され、すごすごと去っていくバトー。
全く姿を表さない荒巻を除いて、毎日9課の誰かが素子を訪れた。

時には机に突っ伏したまま眠っている素子を見つけると
掛け物をかけたり、抱いて仮眠室に運んでくれる人も居た。
488クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 00:12:31 ID:wfywEduZ
そんな皆の優しさに支えられながら、素子はネットの海を漂い、探し続けた。
4週間、5週間・・・。
流石にココまで来ると疲れもたまってくる。
効率が明らかに悪くなっていくことを実感し、時間が無い為に焦る・・・。
そして、休憩を取って起きると時間を無駄に過ごしたと後悔する。
そんな状態の素子の元へ、バトーがやってきた。
そして、いつも通りに素子に中止を促す。

「おい、少佐あ。何を探しているかわからねえが、ココまで探しても見つからないなら
 もう無いんだよ。諦めて、もっとほかの事に休暇を使え」

時間が無いと焦っている素子にとって、この言葉は起爆剤となった。
素子はネットを中断し、立ち上がると、バトーに向き合った。
睨みを効かせる素子の瞳にバトーはたじろぐ。

「おい、少佐。一体どうしちまったんだ?」
「・・・・・・バトー。お前は自分が無くしたものを必死に探した記憶はあるか?」
「そりゃ、あるさ・・・」
489クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 00:19:31 ID:wfywEduZ
続きはまた明日・・・。おやすみなさい
490名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:33:09 ID:iUAzembm
続き、楽しみにしてます!
491名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 07:34:31 ID:ngXtpzkf
続き楽しみにしてますよ!
ワクテカして待ってますよぉー!!!
492名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 08:40:13 ID:bZknT17E
>>480
しどけない少佐いいねぇ。場景が目に浮かぶよ

>>489
生まれたままの姿で待機しときます。
493クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 21:30:16 ID:oIuM4T7d
「それで?すぐに見つからなかった時は諦めたのか?」
「そりゃガキの頃は時間の許す限りそれを探していたさ。
 でもよお、そのうち、コレだけ探しても無いんだから・・・。
 って区切りがつけられるようになっていったさ。少佐は違うのか?」
「私だって、区切りをつけることは出来る。今回の区切りは休暇の終了だ。
 ソレまでは必死に探させてもらう」
「そんなにまでして見つけたいものなら、一人で探さずに、俺やイシカワ、ボーマに
 協力してもらったらどうなんだ?俺達は仲間だろ?」

バトーの問いかけに素子は一瞬目を伏せたが、すぐに立ち直った。

「結構よ。どうしても一人で探し出したいの。ソレを・・・」

バトーはその素子の憂いた表情に勘を走らせる。

「ソレってのは・・・クゼだろ?・・・・」
494クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 21:37:53 ID:oIuM4T7d
「さあね・・・?」

素子は微笑みでバトーをかわし、ネットに再び接続する体制をとった。
バトーはダイブする素子の後ろで叫んだ。

「俺達はお前が思っているほど役立たずじゃねえぞ!
 参っちまってるお前を、休ませたり、受け入れたりする器ぐらい持っているんだ。
 チームワークを乱して一人で突っ走るなよ馬鹿野郎!」
「・・・・・・・・・分かっている。休暇が終われば元通り。いつもの私に戻るわ。
 だから、今は勝手を許して頂戴・・・」

素子はバトーの言葉には揺らぐことの無い意志の強さを声で示した。
495クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 21:46:58 ID:oIuM4T7d
素子の長期休暇があと3日と迫ったその日。
素子はついに捜し求めていたソレに突き当たった。
攻勢防壁の網をかいくぐり、自分の攻勢防壁を切るというリスクを犯して
素子はソレへとたどり着いた。

「・・・・クゼか?」

素子の声に緊張と興奮が感じられる。

「そうだ・・・。良くココまでたどり着けたな。相当の時間を費やしただろう?
 ご苦労だった」

呼びかける声の主が素子だと分かると、クゼは自分の生前の姿を作り上げた。
素子も自分の姿を表現する。
無限に広がるネットの海の中で二人はお互いを再び見つめることが出来た。
クゼは自分の防壁を表現した頑丈なよろいや服を着ていたが、
素子は既に裸でいた。
クゼもすぐさま脱ぐ。
496クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 21:54:36 ID:oIuM4T7d
そして、二人は自分と外界とをつなぐ回線を遮断した。
すると真っ白な風景が広がった。
どこまで行っても何も無い無の世界。
自分と相手の二人意外は全く信号が入ってこない世界。
光も闇も影も無い世界。
二人以外は
無音で無臭で無圧で無味で無温で無視で無痛で無感覚な世界。

そこで二人、お互いだけをキャッチする。
二人は暫く見つめ合い、そして、右手を繋いだ。
497クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 22:02:24 ID:oIuM4T7d
クゼがすぐに右手を引き寄せ、素子を懐に取り込む。
クゼの胸は体温が感じられた。
その体温が愛しくて切なくて・・・。

「思ったよりも再開が早かったな・・・」
「ああ、長期休暇をとってずっと探していたんだ」
「そうか、どうりで・・・」
「探していたんだ。・・・必死に探していたんだ」
「そうか・・・ありがとう」

辛いのは探すほうなのか、待つほうなのか分からないが。
再開したときの幸福はその辛さをすべて消し去っていくほどだった。
素子はクゼの胸の中で少し泣いた後、顔を見上げて微笑んだ。
その笑顔はあの幼いときの少女の笑顔そのものだったので、クゼは少し驚いた顔をした。
498クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 22:22:26 ID:oIuM4T7d
そして、二人は初めて口付けを交わした。
ゆっくりと・・・。
儀体では感じることの出来ない体温や唾液や息づかいまでもが
ここでは鮮明に感じられた。
ここまで恍惚感に溢れたキスを誰が経験しただろうか?
幼い記憶の初恋の人、死んだ相手に再会し、交わしたキスはこの上ない代物だった。

もう二人を止めることは出来なかった。
クゼの唇が首筋、胸元へと降りていく。
クゼにとっては素子が初めての女性の体。
それに関する情報だけはありふれていたが、
やはり実践と積まないと余裕の無さやぎこちなさが手に取るように分かってしまう。
素子はそんなクゼを経験者として優しく導いた。
499クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 22:28:40 ID:oIuM4T7d
「すまぬ、どうすれば良いか・・・」
「いいわ。とても心地が良いもの・・・」
「だが・・・」
「いいの、快感だけじゃ物足りないから。
 ・・・私が欲しいのはあなたの胸の心地よさ。これだけで充分よ・・・」
「そうか・・・」

抱きしめあい、くすぐりあい、舐めあい、探りあった。
ここでは体力の消耗が無いので時間の感覚は無視しても良い。
いくらでも満足がいくまで二人はお互いの体を感じた。
この時間がずっと永遠に続けば良い。邪魔者はいない。ずっとこのまま・・・。
二人はそう思っていた。
500クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 22:38:00 ID:oIuM4T7d
「おい、イシカワぁ!どういうことだコレは!」
「まあ、おちつけバトー。無理に引き抜くと少佐の人格は
 永遠にネットから帰って来れなくなる。今は待つことしか・・・」
「待つったっても、もう丸一日このまんまじゃねえか!」
「帰る気がないのか?少佐は・・・っと、そんなに睨まないでよ旦那・・・。
 それにネットに繋ぎっぱなしって今までもあったでしょ?
 なんでここで大騒ぎ?休暇が終わるから?」
「確かに、今までも繋ぎっぱなしはあった。だが、外部の呼びかけには反応していた。
 今回は・・・」
「そんな深くまで潜っちまったってことか・・・」
「そういうことだ」
「深く潜ると、なにか不都合でも?」
「何にも知らないんだな!この馬鹿トグサが!」
「旦那、ひでえな、その言い方・・・」
「深く潜りすぎると、こちらが勝手にネットを遮断して助け出すのが不可能なんだ。
 自力で帰ってくるしか出来ない」
「じゃあ、少佐はこのまま?」
「だから、さっきからそう言ってるだろうがあ!」
501クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 22:48:13 ID:oIuM4T7d
ダイブしたままの素子を囲んで9課の皆が話し合っている。
素子の休暇は明日の0時をもって終了するのだが、午後8時になっても戻ってこない。
それでいささか焦り出している状態だ。
それでも他のメンバーは冷静なのだが、
バトーは一人でいてもたってもいられない様子だった。
結局、イシカワが午後11時になっても戻ってこないなら自分がダイブする
という計画を立て、もう少し待つことになった。
それぞれが持ち場に解散するが。
タダ一人、バトーだけは持ち場のイシカワと共にその場にとどまった。

「落ち着け、バトー。少佐だって馬鹿じゃないさ・・・」
「しかし、あの精神状態は異常だったろ?あれで探し物を見つけてしまったら
 少佐はきっと帰ってこねえ・・・」
「・・・俺は探し者への思いよりも、少佐の9課への愛を信じるよ・・・」
「俺もそう思いたいが・・・」

椅子に座り、頭を抱えるバトーの肩をイシカワがポンと叩いた。
502クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 22:57:24 ID:oIuM4T7d
「素子・・・」
「いいわ、来て・・・」

クゼは戸惑いながらも素子の中に入り込んだ。
他の部分よりも幾分体温が高く感じられるソレは優しくクゼを包み込む。
快感?そんなものは素子にとってはどうでも良かった。
快感は誰でも与えてくれる。
しかし、この幸福感はクゼ以外、誰にも素子に与えることなど出来ないのだから・・・。
最初は戸惑っていたクゼも、素子の反応に安心し始めると、
自分の快感に素直に体を動かした。
何度でもイケば良い。
何度でも出来るのだから。
実際、何度も繋がった。何度も達した。
何度も相手を愛しいと思った。
何度も、相手を確認した。本当に自分はクゼと愛し合っているんだと・・・。
503クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 23:05:57 ID:oIuM4T7d
「もう10時半か・・・。そろそろ用意するかなぁ?」
「どうするんだ?」
「手がかりはこの開いている画面だな・・・。ココから少佐の居場所を探る。
 有線を通してね・・・」
「有線って・・・それじゃあ!少佐の攻勢防壁に・・・」
「大丈夫だ。俺だって伊達にこの分野を極めちゃいねえよ・・・。ボーマ」
「へーい」
「11時までまだ時間がある。最終調整するぞ」
「全く・・・敵に対してのプログラムを少佐に対して使うことになるとはなあ・・・」
「そういうこともあるさ・・・。よし、コレを俺の電脳に移してくれ・・・」
「止めてくれよぉ?イシカワまで戻って来れないなんて痛手は・・・」
「メスゴリラを失うくらいなら、俺も一緒にってか・・・。良いなそれ。名台詞だ」
「おいおい・・・」

イシカワとボーマは11時に向けて着々と準備を進めていた。
504クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 23:16:16 ID:oIuM4T7d
「もう、お前を失いたくない・・・。ずっとこのまま一緒に・・・」

素子はクゼの胸でつぶやいた。

「・・・らしくないと思うが?現実世界に帰るつもりなのかとてっきり・・・」
「現実世界も大切だ。だが・・・失いたくないんだ。お前をもう・・・」
「俺一人のためにここに留まると?」
「・・・おかしいかしら?」
「・・・そうだな。まるで恋愛にのめりこんだ、ただの少女のような台詞だ」
「そう・・・。そうね、恋愛しか能が無い女のようね。今の私」
「俺が死ななかったら、それでも君は全てを投げ打って俺と共に居たか?
 9課を捨てて・・・」
「さあね?分からないわ。でも、あなたは死んでしまった。
 そして、二度と会えないと思ったら会えた。もう離さないと思うのが当然でしょ?」
「確かにな・・・。でも、らしくない」
「らしくない思うのは、私を仕事の鬼だと思っているからでしょう?違うのに・・・」
「そうか、知らなかったな」
505クゼ×素子inネット:2006/05/18(木) 23:28:09 ID:oIuM4T7d
クゼの胸は心地よかった。
ここに居れば仕事に追われることも無い。
全身儀体の自分と生身の人間を比べて嫌気がさすことも無い。
クゼという理解者の胸の中で、お互いだけを見つめて、ただ二人きり。
それは久しぶりの安心感だった。
クゼは素子を離すことなく、しっかりと胸に抱きとめていた。
拒絶されることの無い幸福。
守られているという勇気。
9課のことが脳裏の片隅にはあったが、意図的に無意識に追いやっていた。
506クゼ×素子inネット:2006/05/19(金) 00:01:25 ID:oIuM4T7d
「ふう・・・眠り姫は起きなかったか・・・」

11時をまわって、イシカワはため息をついた。

「気をつけてな・・・」
「課長。これって戻ってこれなかったら殉職扱いになりますかね?」
「うむ・・・。そんなことは考えて欲しくないが、万が一の時は私が責任を持つ」
「了解!俺に何かあったら・・・。このフロッピーをボーマに・・・。お前が跡を継げ」
「・・・・・・お気をつけて」

そして、イシカワは素子の居場所を探るたびに出た。
507クゼ×素子inネット:2006/05/19(金) 00:08:27 ID:cBAfA/5Z
「・・・・・・・」
「どうした?」
「・・・・・おかしいわね。外部のネットは遮断しているはずなのに・・・」
「なにかあった?」
「誰かが私に繋いだような違和感が・・・。でもたどり着くことは不可能ね。
 ここは誰もたどり着けない。何十もの防壁が取り囲んでいるんだもの」
「そうだな・・・」
「ねえ、慣れた?もう」
「そうだな。慣れたというよりも馴染んだといった方が的確だ」
「そう、嬉しいわ」

素子はこの状況にとても満足していた。
そして再び体を重ねる。
と、その時だった。
508クゼ×素子inネット:2006/05/19(金) 00:15:09 ID:cBAfA/5Z
「あ!・・・・なに?雑音が・・・」
「素子?」
「嫌よ、帰りたくない!何故なの?ここまで潜ってくるなんて・・・」

それはイシカワの意識だった。イシカワは出来うる限り素子の近くまで潜り、
そこから何度も呼びかけを行っていた。

「・・・・・・・・やはり、君は現実世界で必要とされているみたいだな」
「嫌よ!帰りたくない!私を離さないで・・・」
「命の危険も顧みずに君を取り戻しに来るなんて、良い仲間じゃないか」
「嫌よ!私だって命を賭けてあなたを探したんだもの!邪魔をするな!イシカワ」

素子がイシカワに攻撃を仕掛ける。
現実世界ではイシカワが痛みにうめいていた。

「畜生!どうなってるっていうんだ!おい、少佐!帰ってこい、でないとイシカワも・・・!」
「ちょっと旦那、そんな力技・・・」
509クゼ×素子inネット:2006/05/19(金) 00:20:22 ID:cBAfA/5Z
バトーは素子の体を揺さぶった。
無反応の素子の体を叩いたり、揺すって何度も刺激する。

「くっ!・・・今度は誰?!」
「ほら、こんなに君には仲間が居る。寂しくなんて無いだろ?」
「私にはあなたがいないと駄目なの・・・。ずっと寂しかったの。
 もうこんな思いはしたくない・・・」
「らしくないな・・・。大丈夫、また会えるさ。上で待っている」
「嫌よ!待つんだ、クゼ!」
「君だけにパスを教えるよ。これで幾分は来易くなるはずだ」
「待って!待ってよ!私も行くわ!クゼー!」

素子の叫びもむなしく、クゼは素子から回線を切った。
510クゼ×素子inネット:2006/05/19(金) 00:23:42 ID:cBAfA/5Z
真っ白な空間に自分だけが浮かんでいる。
他は誰もいない。
ただ、イシカワやバトーが自分を呼ぶ声がした。
クゼはもういない。
そして、自分を必要としてくれる人の呼び声。

「仕方ないわね・・・。戻るとするか」

素子はため息をつき、回線を繋いだ。

「少佐!大丈夫か!?」

すぐにイシカワと合流をする。

「大げさね。一体何を騒いでいるんだ?」

そして平然とした顔でイシカワに嫌味を言った。
511クゼ×素子inネット:2006/05/19(金) 00:27:19 ID:cBAfA/5Z
そして、そのまま二人でネットの海から現実世界へと浮上した。

「少佐!少佐!」
「おい、こっちも戻ったぞ〜!」
「ふう・・・。二人とも無事帰還ですか・・・」
「良かった、どうなることかと・・・」

それぞれの安堵のコメントに素子は

「何をそんなに騒いでいる?私が戻らないとでも思ったのか?
 休暇が終われが元に戻ると言ってなかったか?バトー」

と、ひねくれた言葉を発したのだった。

終わり
512名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 00:36:41 ID:zzWNE7oS
GJ!!
遅くまでお疲れ様でした
9課のみんなは優しいんだな
513名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 00:44:29 ID:9PrwreSZ
みんなに優しくされる素子に嫉妬。
GJ!
514クゼ×素子inネット(実は388):2006/05/19(金) 00:54:40 ID:cBAfA/5Z
全然エロくなくってごめんなさいね〜。
全身儀体のセックスって難しいんだもの、
ネット上にすればと思ったが・・・。それでもエロく無かったorz
515名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 05:39:06 ID:+m+nF2MG
GJ!
もう思い残す事はない。安らかに逝きます…(´∀`)
516名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 06:44:53 ID:JfibUz+k
うおうGJ!
このままネット融合しちゃったらどうしようかと思った。
パズが少佐の傍で一服するシーン好きだな。
517名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 16:18:56 ID:e76I9Sck
こっそり差し入れを置いていくボーマさんが素敵
518名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 16:45:40 ID:1ck60F0Z
GJ
クゼに手ほどきする少佐…ハァハァ
519名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 08:51:22 ID:HtI5Rewg
待機
520名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 10:16:20 ID:Kmn4ekfH
たまには男らしく攻めまくってるバトーさんが見たい…。
521名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 17:26:52 ID:gKZlfFFU
>>520
バト素ネタ温めてるんだけど
今日明日と予定が入ってるんで
月曜あたり落としまふ。
522名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 21:24:54 ID:suo4S6Do
>>520>>521
1レス小ネタを落としてくかもかもしんないからその時間辺りは遠慮しますね。
523名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 21:26:09 ID:RRcZv5c1
>>521
じゃ、その後予約ね←ゴメン、こんな事書くと他の人がやりにくいね。取消!
出来上がったらうpします。
524名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 21:35:17 ID:RRcZv5c1
>>522
自分も時間には配慮しますよ
よろしく
525名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 00:29:53 ID:jTD/Uhkq
ネタもとは、ここも含めた攻殻関連スレの雑談からです。
バカ馬鹿しい話が嫌いな人は、スルーして下さい。
526もとくるらん+?1:2006/05/21(日) 00:31:22 ID:jTD/Uhkq
それは、公安9課が『笑い男事件』に忙殺されていた頃、
語るにはあまりにも愚かな、ある一部の9課メンバー達の物語である・・・

「ねぇ〜で、結局、あの女医さんってだれだったの?ニセ医者?」
「そんなものよ…気にしないで…」
「警察のお仕事って、そんなにたいへんなの?」
「そうね…ああいう奴が来るし…忘れて…」

マトリに襲われた草薙素子は、くるたん立会いのもと新しい義体に換装した。
その際、マトリの残党「サノー」に襲われたが、アオイの助けにより危機を乗り越え、
無事新しい義体に換装する事が出来た。
そして二人はくるたんの運転する車で病院を後にした。

くるたんはマンションの玄関前に車を停めた。
「ついたわよ、もとこ」
「ん?ここはあなたのマンション…?どうして?」
「いいでしょ、お茶いっぱいくらい…ダメ?そのあと、ちゃんと送って行くから」
「そうね、付き添い頼んだのは私だし…じゃ、お茶だけ」
「ふふ…きっと来てくれると思ってた!」

素子とくるたんは、マンションの玄関を抜け部屋へと向かった。
エレベーターを降り、廊下を歩きながら、くるたんは素子の腕に纏わりついた。
「もとこの新しい義体……う〜ん…ドキドキ!すりすりしてもいい?」
「ダメよ…誰か来たらどうするの?まだ、明るいでしょ?」
「そぉ…がっかり…でもね……」
「でも何?」
「きっと部屋に来たら、もとこ、驚くとおもう…」
「私が?何かあるの?」
「ふふふ…な・い・しょ」
くるたんは、部屋の鍵を開けた。
「さっ、どうぞ。ひさしぶりでしょ?」

527もとくるらん+?2:2006/05/21(日) 00:32:08 ID:jTD/Uhkq
「おかえりーーー!素子、くるたん!」
「らん・・・何故、あなたが・・・?」
「フフン、待ってたのよね。二人の帰りを」
「フーン…そう言う事…おかしいとは思ったのよね」
「おこらないで、、、もとこ、、、」
「怒ってないけど、あきれるわね……」
「固い事言わないで!せっかく、新しい義体になったお祝いをしよう思ったのに」
「どんなお祝いか聞いてみたいわね。まったく…」
「聞いてみたい?これよ」
らんちゃんは、バッグの中から黒いソフトを取り出した。

「どう?これ?聞いたら驚くわよ」
「何それ?いつもの『体感ソフト』でしょ…それがどうしたの?」
「もとこ、おこってないって言ったけど、、、おこってるみたい、、、」
「聞いて!これは新作『エンドルノ3』よ。
 友達から特別仕様にしてもらったスペシャルバージョンよ!」
「・・・何も言う事ないわね・・・」
「そうでしょ?驚いて何も言えない?」
「1も2も改良版も、全部同じだったでしょ?今さら……
 とにかく、今日は有給取れなかったの。外出扱いになってるのよ。また今度ね」
「えぇーーー!!!・・・かえっちゃうの?もとこ・・・」

素子は背中を向け、ドアに向かって歩き出した。
ドアの前には、らんちゃんが立ち塞がった。
「帰るの?そう簡単に帰れると思って?素子の新しい義体をそう簡単に他人に渡せないわ。
 たとえバーチャル世界の体験でも、最初の権利は私達のものよ。ねっ、くるたん」
「もとこ・・・ごめんね・・・」
「あっっーーー!」
くるたんは、素子の背後から首に何かをジャックインした。
素子は、気を失って床に倒れた……
528もとくるらん+?3:2006/05/21(日) 00:33:00 ID:jTD/Uhkq
「う……う……」
「気がついた?もとこ?」
「ウッ……どこからそんな物を……それ、ヤミで売ってるおもちゃのゴースト錠ね……」
「ご、、、ごめんなさい、、、だいじょうぶ?…」
「……大丈夫なわけないでしょ?何考えてるのよ、二人とも……」
「フフン、最初から私達の言う事を聞いていれば、こんな事しなくて済んだのよ。
 まっ、買ってきたおもちゃはひとつじゃ無いんだけど…」
「らんちゃんってば…そんなこと今言うと、もとこ、おこっちゃう〜〜」

目を覚ました素子は辺りを見回した。
そこは一面、ピンク色に染まった空間だった。
その雲の上の様な空間に、三人は生まれたままの姿で浮いていた。

「なあに?この趣味の悪い、わいせつなピンク色は?どこかの仮想空間?」
「これ?エンドルノ3にインプットされたプログラムよ。きれいなピンクじゃない?
 私達三人にはピッタリよ。ねぇ、そう思わない?くるたん」
「私?わたしは、もとこがいればいいわ」
「ん・・・調子狂う言い方ね。まあいいわ。ところで、素子…あきらめはついた?」
「つかない……と、言いたい所だけど……あきらめた……まだ、少し時間はあるわ」
「ほんと?やっぱり、素子も好きねぇ〜〜」
「……一緒にしないで……」
「このプログラムはね。皮膚触素域を×5から倍に上げるのよ。ピンク色はオプションよ。
 この色そのものに催淫効果と増感域を上げる効果があるから、クスリを使わなくても大丈夫よ。
 前のヤツより、もっと実体に近い感覚を自然に体感できるわ。
 探査デバイスも事前にキャッチできるから、警告が出たらすぐプログラムを終了すればいい。
 違法でも、もう怖がる必要は無いわ」
「探査デバイス?今のヤツを知らないの……まあ、いいわ……」
「今のやつって…なんのこと?」
「いいのよ、くるたん……あなたは心配しなくても……捕まる訳じゃないから……」
「何よ?はっきりしない言い方ね。まあいいわ。さあ、お祝いしましょ。誰から始める?」
「じゃ、わたし。もとこの初めてのキッスをもらいまーす♪」

くるたんは、素子の首に腕を回した。
「きょうは、わたしたちがサービスするからね!も・と・こ♪」

ぷちゅ・・・・「う〜ん…あたらしい義体の感触がする!いいわぁ……」
529もとくるらん+?4:2006/05/21(日) 00:34:49 ID:jTD/Uhkq
「じゃ、次は私ね!」
らんちゃんは、はりきって素子を押し倒した。
「あん……いきなりじゃ痛いじゃない……お祝いなら、もっと優しく扱って!」
「ア…ごめん!でも、何だか好い気持ちになってきたんじゃない?」

仮想空間の中のピンク色は、雲の上にいる様にふわふわとしている…
そのピンク色の雲が、体全体に纏わりついてくる。
何で作られているのだろうか?この雲の上にいると気持ちが妙な具合だ。

「あ…なんだか変な気分……この上にいるだけで、気持ちがふわふわになりそう…
 それに何だか良い香りが……」
「このふわふわの上にいるだけで、感覚を刺激できるのよ…気持ち好いかしら?」
「ええ…とっても…はぁぁ…あぁ…ふぅ…」
「それじゃ、その気になってきた所で…私は×××に、初めてのキッス♪」

ちゅぷっ・・ちゅ・・ちゅ・・「ひゃっ!!!イヤ〜あぁ〜あああ〜」

らんちゃんは、素子の太腿を押し開くと彼女の秘所に舌を這わせてきた。
「イヤ!あ〜あぁぁぁ〜あふぁっ〜あ・あ・あ」
「素子ったら!嫌がって割には、こんなに……ぺちょぺちょだわ……あきれた…
 でも、やっぱり『新品』は……フフフ……イケルわね!」
「ひどいわ〜らん…その言い方!この、、あん、、、相変わらず激しいわね〜」

くちゅ・・ぷちゅ・・ちゅぷ・・「や〜、、あ〜ぁぁん〜はぁん」

さすがらんちゃん!舌使いは相変わらず見事だった。
クネクネしたその舌は、まるで軟体動物の様に素子の秘所を這い回った。
素子は早くも絶頂に達しそうになった。

530もとくるらん+?5:2006/05/21(日) 00:35:55 ID:jTD/Uhkq
「らんちゃんてっば……最初からソコ?すきねぇ……でも、わたしは……」
くるたんは、素子の乳房をぎゅっとにぎった。
「やっぱり……わたしがいちばん好きなのは……ここ……」

きゅっ・・くちゅ・・くちゅ・・「ひっ!!あ、イイ〜〜あぁあ、そこ!そこぉぉぉ!」

「あいかわらず、おおきいわねぇ……ここのピンクにまけないくらい、ふわふわ〜〜くふぅん♪」
「あっ・・あぅ・・ダメよ、、、くるたん、、、そんなに吸っちゃ……」
「ん?痛かった?じゃ、もう少しやさしく……し・て・あ・げ・る…」

くちゅん・・ちゅっ・・きゅっ・・「あぁん〜ああ〜いっ〜、、あぁ、ああ…」

くるたんもらんちゃんに負けていなかった。
ナース仕込みの優しさで、素子の乳房を包み込む様にさわっていく。

ピンク色の雲に包まれ、二人の使い手に翻弄される素子は恍惚となっていった。
くるたんは、素子の耳元で囁いた……らんちゃんは、相変わらず夢中で秘所を弄んでいる。
「もとこ……気持ちいい?」
「ん…とっても…気持ちいいわ…くふっ…」
「さわってるわたしも気持ちいいわ〜〜もとこの胸って、いつも…とてもすべすべよね…
 そうね……男のひとが、もとこの胸にさわったら…こんないい気持ちになるのよね…」
「あん……くるたん……今、そんな事……」

「きっとその人は……し・あ・わ・せ!だと、思わない?…ウフッ!」

「ダメ……くるたん…そんな話しちゃ……あん…あぁ…はぁはぁあぁ…」

「はっあぁあ…」「ねぇ、もとこ…わたしにもして!」「ずるい!二人とも!私も入れて!」
「あ〜ああぁぁ、いい!いいわ!」「いやぁん!や…や…あぁぁぁ」「はっはっはぁはっ」
「ひっはぁ!!イクわ!いきおそーーーよーー!!!」「まだ、ダメぇ〜〜」「やぁぁん」

その時である。

Boooooーーーーー!!!

「ケイコク・・・タンサデバイス・・・ハッケンシマシタ・・・
 プログラムハ・・・キョウセイ・・・シュウリョウ・・・サレマス」

プログラムは呆気なく終了した…。
531もとくるらん+?6:2006/05/21(日) 00:37:18 ID:jTD/Uhkq
「探査デバイス?あーーー見つかったわ!」

突然、プログラムは終了した。
ピンク色の仮想空間は消え、三人はくるたんの大きなベッドの上にいた。

「あん…終わっちゃったわ…つまんない……」
「まだ、わたし……いってないわ……」
「多分、その体感ソフトは二度と使えないわ。プログラム自体が破壊されたはずよ」
「えっ?どう言う事?これ、終了しただけじゃないの?」
「新しい探査デバイスはね、たとえネットに接続しない仮想空間でも発見可能よ。
 違法ソフトを見つければ、すぐに遅効性ウィルスを送ってプログラムを破壊するの。
 近頃は違法ソフトの使用者が多いから、罰金検挙より即時プログラムを破壊する方が効率的なのよ。
 まあ、少しは楽しめるけどね」
「そんなのひどい!せっかく手に入れたのに…」
「あきらめなさい…もともと違法でしょ?」
「体の火照りをどうしてくれるの〜〜ああ、ムズムズするうぅぅ!」
「わたしも……おなじ……くすん」
「フフフ……ちょっと待って!通信が入ってる」

連絡は荒巻課長からだった。
「少佐……今どこにいる?予定時刻はとうに過ぎている」
「か、、、課長……え、ちょっと私用で……」
「労災と言う事で多少は大目に見よう。しかし、超過1時間は少しやり過ぎだな」
「えっ…もう…そんなに…」
「おまえは、公僕であるという自覚が足りないようだな。
 笑い男事件のさなかである事を忘れたのか?すぐ戻れ!命令だ」
「課長……今日は友達の車で移動したから、足が無いわ…」
「なに?仕方のないヤツだ……場所はどこだ?迎えを寄越す」
「あ・り・が・と!課長!」
「あきれたヤツだ……猫撫で声はわしに通用せん!視線誘導も同じだ!」
「そうね…課長の好みは、知的な美人だもの」
「余計な事は言わんでいい。いいか?迎えが来るまで絶対にそこを動くな!」

532もとくるらん+?7:2006/05/21(日) 00:37:58 ID:jTD/Uhkq
「みなさい…怒られちゃった…ボーナスの査定が近いのよ、どうしてくれるの?」
「なによいまさら…自分だって…ぬれぬれのぺちょぺちょだったクセに…」
「なんですって!なにが『新品』の味がイケルよ!私はモノじゃないわ!」
「それでも、自分も楽しんだんでしょ?お祝いしてあげたかっただけよ」
「なにがお祝いよ!自分が一番楽しみたかったんでしょ?イク、いくーって楽しんでたのは誰よ?」
「知らないわよ!そんなとこまで、いちいちうるさいわね!」
「やめて……ふたりとも……低レベルな会話……あっ?チャイムが鳴ってる」

くるたんは、玄関のセキュリティパネルに近づいた。
そこには、くるたんの見知らぬ男が立っていた。
 
「ねぇもとこ、この人知ってる?もとこを迎えに来たんですって」
「ん?ん、、、これは?何故こいつが?」
「この男の人、警察のひと?」
「どんな男よ?私にも見せて」
「課長……こいつを迎えに寄越すなんて…案外、怒ってなかったのね♪」
「あらー、案外いい男じゃない!私の好みかも…」
「えぇ〜〜おじさんじゃない〜〜でも、アッチの方は強そうね…」

素子は、セキュリティパネルを見つめたまま、腕を組んで考えた。
それは当然、良からぬ思いつきだった。

「ねぇ……二人とも……まだ、物足りないわよね……」
「当然でしょ!早くなんとかしてぇぇ!!!」
「フフフ…せっかくお祝いしてもらったのに、怒ったりして悪かったわ。
 お詫びに、私から二人にお返ししようかな…」
「して!して!してぇぇぇ!!!」
「まかせて……おい、私だ。△△号室まで上がって来い」
533もとくるらん+?8:2006/05/21(日) 00:38:33 ID:jTD/Uhkq
「イシカワ、少佐はまだか?」
「えっ?迎えには行きましたが……まだですか?」
「誰を迎えにやった?トグサか?バトーか?」
「トグサとバトーは、瀬良野邸を見張りに。
 サイトーとボーマは、例のマトリの女を取り調べてますぜ」
「何?それでは、おまえが行かせた迎えとは…」

「パズですが?何か不都合でも?」

荒巻は眉間にシワをよせ、難しい顔をしてイシカワをにらんだ。
「不都合だと?当たり前だ!誰もいないのなら、何故オペレーターを使わない?」
「ですが課長、少佐の女友達ってのは例のアレですぜ。オペレーターじゃまずいかと…」
「おまえ…何年、少佐の下で働いてる?」
「ええっと…よく覚えちゃいねえもんで…あれは前の大戦から数えて…」
「類は友を呼ぶと言う諺を知らんのか?」
「へっ?じゃ、例の女友達っては少佐と同じ嗜好……」

「もういい…そもそも、何故取り調べの人選をサイトーとボーマにした?」
「あのマトリの女、結構シブとい女で……にらみの利くサイトーの方がいいかと…
 ボーマはもちろん、なだめ役で…」
「ボーマのなだめ役はいい、それは正解だ。正しい選択といえるだろう。
 だが、あの手の女にサイトーは逆効果だ」
「逆効果?そりゃまたなんで?」
「女でも、相手はマトリにいた程のプロだ。
 サイトーの様な男をぶつければ、必ずプロ対プロの闘争心をむき出しにする。
 それよりも、同じプロならパズをぶつけるべきだったな…
 あの手の女には、奴の『優しさ』とやらの方が効果的だ」

「課長…今更ですが、申し訳ありません…」
「過ぎた事は仕方が無い。少佐とパズは戻り次第、私の所へ出頭するように伝えろ。
 少佐は賞与10パーセントカット、パズは5パーセント、そしてお前は評価を落とす」
「課長!そんな殺生な〜」
「泣き言を言うな!公安に判断ミスは許されない。それが命取りになる場合もある」
「命取りって……そんな大げさな事じゃ……」
「あきらめろ…まあ、考え様によってはパズも気の毒だが…」
「気の毒?…それが5パーセントと10パーセントの違いですかい?」
「危険手当だ。無事に戻って来れるといいが…パズ…」
「危険手当?・・・」
534もとくるらん+?9:2006/05/21(日) 00:39:57 ID:jTD/Uhkq
荒巻とイシカワが帰りを待つ間、くるたんのマンションでは・・・・

「ハァ、、ハァ、、ハァ・・・おい、まだヤルのか・・・」
「えーーーっ!!もう終わり?信じられない!!まだ3回目よ。
 私好みかと思ったけど、とんだ見当違いだったわね……」
「わたしもよ♪まだまだ足りないわぁ〜〜もとこ…この人…顔だけね」
「おい、、、勝手な事を言うな!あんた達には3回でも、俺は二人の相手をしてるんだ!
 全身義体の女を二人も相手してみろ、、、死ぬぞ・・・・」
「フフフ……二人とも……もういい加減にしたらどう?十分でしょ?
 そろそろ休憩したら?私の部下をあまりいじめないで……」
 
《少佐ーッ!!あんたな!!何がいじめないでだ!!》
《なんだ……暗号通信なんか送って……》
《あんたがお茶でも飲んでいけと言うから、こんな事にーっ!!》
《イヤなら断れば良かったじゃないか…泣き言を言うな…おまえを喜ばせるつもりだったんだ》
《これのどこがだ?断ったら、ボーナスの査定がなんとかと言って、脅しただろーが!!》
《どの道、ボーナスの査定は課長次第…もう無理ね…こんなに遅くなっちゃ…》
《と、、、とにかく、、、水の一杯でも、、、見てるだけのあんたは楽しいだろうが、、、》
《了解…》

「ねえ…のどが乾かない?くるたん、何かある?」
「じゃ、カクテルでも。わたしものどが、かわいちゃった」
「うーんと強いヤツにしてよね。この人と違って〜」
「くるたん、この人にも何かあげて」
「はーい♪らんちゃん、手伝って」

くるたんとらんちゃんは、言葉とは裏腹に、やや満足げにキッチンへ行った。
残された素子とパズ……パズはベッドの上に仰向けにひっくり返っていた。

「パズ、休むのはまだ早い。私はまだだ…」
「冗談は止めてくれ…俺を殺す気か…ハァ、、もう、体がもたない、、ハァ、、いくら俺でも…」
「冗談?冗談ですめばいいがな…」
 素子は、ベッドの上のパズに近づくと萎えた物を軽く握った。
「わっ!!!何をする!!!」
「悪かったわ…ほんとに冗談よ…フフフ」

535もとくるらん+?10:2006/05/21(日) 00:40:59 ID:jTD/Uhkq
「少佐……その、あんたは何故…見てるだけなんだ…」
「部下にセクハラする訳にはいかないでしょ。
 と、言うのは嘘で……現実で3対1……こんなシチュエーションは余り好きじゃないの」
「意外だな……彼女達との関係を考えると…」
「彼女達とは、擬似感覚だけの関係よ。リアルならゴメンだわ、たとえ男でも。
 それは彼女達も一緒よ。二人とも現実世界の恋人は別にいるわ。
 もっとも、今日は体感ソフトが壊れたんで、
 満たされない擬似欲求が、同じバーチャル感覚なおまえに向けられたんだろう」
「俺がバーチャル感覚だと?」
「類は友を呼ぶとは良く言ったものだわ。彼女達独特の感性で、すぐ気づいたようだけど…
 おまえは体感ソフトは使わない。何故なら、恋愛におけるシチュエーションは擬似で良くても、
 アノ感覚だけは『本物嗜好』……そこが、おまえと彼女達との違いだわ。
 それでもおまえの『本物嗜好』は、擬似感覚の部分を現実に投影したものに過ぎないのよ」
「……返す言葉が無い……」
「まあ、おまえ独特の優しさとやらの美学があるんだろうけど、その対象にされた女性の方じゃ、
 たまらないわよね…フフフ」
「いいさ……どうせこの部屋の中じゃ、役立たず扱いだ……何とでも言えよ」
「怒った?おまえを責めてるんじゃないわ…自戒を込めて言ったのよ」
「自戒な……自戒するくらいなら、9課を辞めて尼さんにでもなりな」
「尼さん?…そうね、それもいいかも…その時は、おまえも一緒に来い」
「断る!!!」
「あーら、残念ね。でもね、自戒は本当よ。だって……」
 素子は微笑みを浮かべ、パズの耳元で囁いた。

「せっかくの新しい義体…大事にしたいの…」

パズの顔に、触れ合うほど接近してきた素子の顔は、妙に色っぽい・・・それに、案外可愛い・・・
その顔を見たパズは、これだけ素子に酷い目に遭わされたにもかかわらず、
それを忘れ、愚かにも、また良からぬ事を妄想してしまった。

「少佐…前言は取り消す。あんたにその気があるなら…あと1回くらい、なんとかなるぜ…
 前から興味はあった…ホンネを言えばな…俺じゃダメか?新しい義体の最初の相手…」
「最初がおまえじゃ悲しいわ…それに1回?やっぱりダメね」
「そうか…やはり1回じゃダメか…
 それなら潔くあきらめる。俺の言った事は忘れてくれ。少し残念だが…
 心はいつも初めて……そんな昔の歌があったな……あんたには、絶対!似合わないと思うが。
 だが、義体処女は大切にとっておけ。本当に好きな奴が現れるまで」
「そうするわ。せっかくの高性能仕様だもの…おまえらしくない忠告だな…フフッ」
「ところで少佐…頼む!彼女達を止めてくれ!もう、これ以上は〜〜」
「了解!保障の限りじゃないけどね…やってみるわ。
 でも……あまり期待するな…フフフッ」

素子の義体処女の相手……それはまた後の話となる。
その日がそう遠くない事を、今の素子は知らなかった。
536おまけ:2006/05/21(日) 00:41:38 ID:jTD/Uhkq
素子の軽い説得により、パズはこれ以上の奉仕をする事を許された。
強いカクテルに酔ったくるたんとらんちゃんの「もう、どーでもいいわよ〜」の
軽いひと言で二人は開放された。
疲れ切ったパズは、運転もままならず、素子にハンドルを渡し助手席に沈み込んでしまった。

9課に戻った二人を待っていたものは、
恨みがましく二人を睨むイシカワと、鬼の形相をした荒巻だった。
素子とパズは荒巻の厳しい叱責を受け、その場で賞与カットを言い渡された。
(あーら、予想通りだわ〜想定の範囲よ〜)と涼しい顔をしている素子とは対照的に、
精神的にも肉体的にも経済的にもダメージを受けたパズは、その後、長く立ち直る事が出来なかった。
そして、海坊主による9課襲撃の日を迎えてしまうのである。
辛うじて皆と逃げ出したものの、心身共に弱った身体の所為で簡単に捕まってしまった・・・

その後、公安9課は再結成され、パズは久し振りに素子と顔を合わせた。
素子の顔を見たパズは、その動物的な勘で鋭く悟った。
(何かが違う…そうか、大事にするとかなんとか言っておきながら、少佐のヤツ!!・・・
 早速我慢できなかったらしい・・・ところで、相手は誰だ?)
その時パズの目の前に、あるひとりの男の姿があった。
素子とその男の微妙な間の取り方に、すぐにピン!ときたのである。

(あいつか・・・間違いない!そう囁くのさ、俺のゴーストが・・・)

その方面の勘に関しては、9課の中でパズの右に出る者はいなかった。

(しかし、なんで俺はダメであいつならいいんだ?何が違うと言うのか?)

潔くあきらめるとは言ったものの、当然面白くなかった。
パズは考えた……そして、ある独りよがりな結論を導き出した。

(そうか……あいつは「元レンジャー」…体力だけは俺と違って人一倍!敗因はそこにある!)

自分の出した結論に満足したパズは、新たな出会いを求めて、今宵も街を彷徨うのである。

パズは知っているのだろうか?
「あいつ」と「俺」の差を?
「あいつ」に有って「俺」には無いもの…それは、パズも昔は持っていただろうあるもの…

『純愛』……その人のためなら一身を犠牲にする事もいとわない、ひたむきな愛情

パズはとっくに、そのピュアな気持ちを失っていた。
決定的な敗因はそこにあったのだが……。

後にパズは、失ったものを思い出させるような決定的な出来事に遭遇するのだが、
それはもっと先の話である。

おわり(∴)ノシ
537536:2006/05/21(日) 00:44:36 ID:jTD/Uhkq
少佐の義体処女の話は、来週投下します。
ふざけた話には、しない予定です・・・
538草薙素子:2006/05/21(日) 06:35:09 ID:pCHko1mm
おまえ、いい腕をしているな。今日からこの板の職人になれ!
539名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 06:59:43 ID:dPyCqzi3
>536
GJだ!
なんか、職人増えてうれしいぞ。
540名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 10:33:05 ID:UT4HSbfh
GJ!!
楽しかったよ!
>>521>>522
ふんどし一丁で待ってるぜ。
541名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 18:26:26 ID:i7Hv3VgZ
>>536
アンタ最高だー!
モニタの前でビール吹いたよ。続き超楽しみにしてる
542名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 20:16:46 ID:HWeItN/V
>>536ウホッいい仕事!!
ヘタレたパズも>>536もお疲れ様っしたー!!
543名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 22:44:41 ID:dPyCqzi3
笑い男総集編観賞中。
アオイ、かわいいぞ、アオイ。
544名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 00:00:51 ID:JFRSf3mO
少佐とアオイの絡みが好きだ
545名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 01:02:31 ID:MeXaWpxZ
クゼ×素子
アオイ×素子
バトー×素子

これが王道だよね
546バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 04:25:29 ID:j4aCsYS6
521で予告したバト素ネタです。月曜日中に蹴り付けるつもりですんでヨロシク

「久々のお誘いだな、オイ。」
9課の無期限活動停止解除から数時間後
バトーは草薙のセーフハウスにいた。
「お祝いも兼ねて、ね。」
二人があの日最後に転がり込んだ部屋。
オフィス街の高層ビルの最上階にあるペントハウスだ。
「で、どうだった?新総理ってのは。」
「ただのお飾りではないって感じね。結構政治思考は高い人かもよ?」
草薙が「人」と称するのならそれなりの評価を持ってのことだろう。
そう解釈したバトーはフムと軽く頷きつつ思慮深げな顔をした、が
「パズなんかは男で苦労してそうな顔だ、とか言ってたけどな。」
その口から出たのは少し下世話な台詞だった。
あの好色一代男なら言いかねんな、と思いつつ
新総理・茅葺よう子の顔を思い浮かべる。
「・・・言えてるかもね。好いてくる男のタイプも一筋縄じゃなさそうだし。」
先の上司の顔を思い出す。
「愛」というより「情」という感じではあったが、思い当たる節はありそうだ。
547バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 04:28:24 ID:j4aCsYS6
バトーはクッションの山にどっかり座り、草薙から冷えた缶ビールを受け取る。
我が家の如く落ち着くバトーと向かい合うように、草薙も缶ビール片手にクッションに座る。
「本当に久しぶりね。こうやって向かい合って飲むなんて。」
「最近バタバタしすぎてたしな、これから落ち着くかも分からんがな。」
「そうね・・・。」
こうやって向かい合いながら缶ビールをチビリチビリやるというのが
いつからか二人きりで飲む時のスタイルになった。
色気もそっけもない飲み方だが、お互いの性なのだろう。
「そういえばイシカワから・・・」
草薙の口から発せられた名前にバトーの背筋は凍りつく。
「あー!あれか?!演技だよ!演技!あれ位はやった方がいいだろ?」
かの遣り取りを思い出しバトーの背中に嫌な感覚が流れる。
もう汗をかくことも忘れた体のはずなのに。
「私は別に、イシカワから送られてきた映像についての釈明を
求めた訳ではないわよ。・・・なるほど、演技ねぇ。」
自分の浅はかさに憤りを感じつつも、それを何所に
ぶつけていいのか分からないバトーの表情は迷走する。
「・・・俺って成長してないね。」
もう笑うしかなかった。ずぶ濡れになった犬のような
情けない面を一生懸命笑顔にしようとする。
「そう?」
クスリと草薙が笑う。アルコールが入ってる所為か
普段は拝む事の出来ない、非常にリラックスした表情だ。
「初めて一緒に一晩明かしたときもそういう情けない顔してたわね。」
「ああ・・・あん時な。」
548バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 04:32:15 ID:j4aCsYS6
ちょっとしたミスでふさぎこんでいた若かりし日々にバトーは思いを馳せる。
「あの晩の直後は最高に浮かれてたな。あンのクソ生意気な女士官を
ついにわが腕にってさ。
その後イシカワにトンでもない事実を知らされて再び奈落の底に
突き落とされたがな。」
「トンでもない事実?」
「あのメスゴリラは自分の部下は全員味見してる、ってさ。
あんときゃ少佐と寝た男を片っ端からどついて回ろうかと思ったぜ。」
「それ実行したの?」
「余りの数の多さと問題の多さに実行は取りやめたさ。
若かりし頃の俺だって無謀って言葉は知ってたんだ。
それに今は・・・」
そう言いながらバトーは身を乗り出し草薙に乗りかかる。
草薙もそれを止めるでもなく受け入れる。
自分の臀部とクッションの間に入ってくる
そのごつい掌の感触を楽しみながら・・・。
「この尻を他の野郎より多く揉むことを実行することにしてんのさ。」
程好く弾力に富んだ熱をその掌いっぱいに感じ取り
バトーは太い笑みを浮かべる。
「サディストだな・・・。」
草薙はバトーよりもそれらしい笑みを浮かべ
バトーの太い首にその細腕を回した。

トリアエズココマデー(∴)ノシ
549名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 13:55:39 ID:/ga7qzn/
がんばれ、僕らのバトーさん!
続き待ってるよ〜。
550名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 17:10:55 ID:2Ah4k1ae
おお!アクティブなバトーだ!
いいねいいね〜、キャラのギャップ感じないよ。
職人期待age
551バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 22:04:21 ID:bXSKYTsE
互いに顔を近づけ唇をあわせようとするが
バトーは直前に制止し、上体を起こす。
自ら身に付けていた長袖Tシャツを脱ぎ捨て
その分厚い胸板と太い腕を露にする。
「あきれたわね。見るからに違法改造も
いいところの筋繊維数じゃない?」
「あんまり増やすつもりはなかったがな。
この前のメンテでデータ出したらまた増やされた。」
ほぼ全身を義体化してるからこそできる所業だ。
「無茶な義体の使い方してるからよ。
ラボの方は面白いデータが取れるもんだから
喜んでスペック上げてるんでしょうけどね。」
これも公費を湯水の如く使うことの出来る
ポジションにいればこそ成しえることだ。
「荒事は嫌いなんだけどな。」
そう言ってまた太い笑みを浮かべ
草薙の背中にその腕を回しながら
草薙の唇を己のそれで塞ごうとする。
「・・・嘘つき。」
塞がれる直前に草薙はそう吐き捨てた。
バトーは白いボディスーツのシームを
太い指でなぞり、脇腹から腰へ左手を
落としていく。
草薙のボディのくびれに吸い付くように
掌を這わせ、その脚を被うレザーの
スラックスの中に侵入させていく。
552バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 22:05:37 ID:bXSKYTsE
気配を察した草薙は重ね合わせた
唇を猫のような薄い舌で割り
バトーの口内に滑らせた。
柔らかく、湿りを帯びた音が聞こえ始める。
(めんどくさい服着やがって・・・)
右手でやっと背中のファスナーを探り当て
一気に引き降ろす。
細かいものがこすれる短い音とともに
ボディスーツの背の真中にに裂け目ができ
バトーの右手の指先は滑らかなものに触れた。
綿ビロードのような、草薙の義体を覆う表皮。
ボディスーツを脱がしながら草薙の唇から
自分の唇を離し、その鼻先を草薙の鎖骨の間の
窪みに押し当てる。
表皮から微かに薫る、硝煙の香り。
どうしてこの肌に触れるたびに、この匂いを嗅ぐたびに
こうも俺は狂わされるんだ?
その大きな両手で草薙の乳房を被いながら自問する。
抱くたびに、違う義体であってもおかしくない女なのに。
バトーはその牡牛のように厚い舌を草薙の胸元に這わす。
その感触に反応した草薙は短い声をあげ、身をよじった。
その声はしばらくの間バトーの人工鼓膜から離れなかった。

次の投下で終わります〜シバシマッテネ
553名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 22:57:49 ID:3aNDGdwm
>>552
待ってるから、その間にお風呂行ってきます(∴)ノ
554バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 23:35:30 ID:lDo1emqL
「ちょっと・・・まだなの?」
数十分後、草薙はかなり「出来上がって」いた。
バトーの太い指を二本も難なくそのタイトな箇所
に受け入れられるほどに。
「もう少し楽しませろや・・・」
そう言ってバトーはニヤつきながら草薙の肢体を眺める。
熱い潤みの中で指を動かすたびに美しい肢体は
感応し、啼き声と共に揺らめく。
「いい声だぜ、少佐。」
「あんた最近維持が悪いわよ。」
顔を紅潮させた草薙の目は少し潤んでいた。
バトーは草薙の耳元に顔を寄せ、囁き始める。
「そんなに欲しいか?ん?最近堪えが足りんなぁ少佐。」
囁くたびに草薙の内部が戦慄く。
「・・・バカ」
久々の羞恥に草薙が返せる精一杯の言葉だった。
彼女の性格故の言葉にバトーは理解を示す。
「そうか・・・汚い言葉を使う悪い子にはお仕置きが一番だな。」
そう言って散らばったクッションの上に草薙を四つん這いにさせる。
「あっ・・・ちょっと!」
実にいい眺めだ。草薙の双臀を眼下に捕らえる。
「なによ・・・スパンキングでもするつもり?」
減らず口を叩き強がる草薙が一層愛らしく感じられる。
バトーは自分のスラックスを膝まで下ろし
中で威きり立っていた分身を晒す。
555バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 23:36:55 ID:lDo1emqL
「夜は長いぞ、素子。」
「ファーストネームでよばな・・・っ」
草薙が皆まで言い切らぬ内にその溶けきった
箇所に分身を捻り込む。
「あ・・・はいっ・・・て」
「おう、奥の方までしっかりとな。」
卑猥な音と草薙の声、バトーのリズミカルな息使いが
部屋に響く。
「ダメッ!もう・・・イッ・・・ぁぅ」
長い前戯で感度の高まりすぎた草薙は
あっけなく果てた。
「どうした?もう終わりか?」
「〜!」
声にならない抗議を視線をバトーに投げかける。
「そうだよなぁ。こんなので腹いっぱいになる少佐殿じゃねぇもんな。」
そういってバトーは再び草薙の腰を掴む。
「え?そんな続けてっ・・・あン!」
再び腰を振り始めたバトーを相手に、草薙はこの後
4回絶頂を迎えることになる・・・。
556バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 23:37:54 ID:lDo1emqL
自身に溜まっていた精を草薙の中に散々吐き出した後
バトーはクッションの山に埋没していた。
その義眼から寝ているかどうかは判別はつきづらいが
呼吸は寝息のようである。
その傍らで缶に残ったビールを飲みながら、ふと考える。
ここまで感覚を全開にしてセックスする相手が何人いるだろう?
裏が取れていて半ばビジネスライクに付き合ってる
くるたんとらんちゃん、くらいか。
パズやサイトーらが相手でも途中までは感覚を切って
相手の反応を傍観してる冷めた自分がいる。
しかし、安心して最初から感覚を全開にしているのが
バトーというのも、なんとなく解せない。
朝がくればまた同僚として別々の車に乗って別々のルートで
オフィスに向かう。
「朝がくるまで・・・か。」
そうつぶやいて草薙はビールを飲みほし、バトーの
腕に寄り添った。
朝が来て、目を覚ました彼女は何をするのだろう?
557バト素 2nd GIG1.5話?:2006/05/22(月) 23:39:56 ID:lDo1emqL
その数日後、訓練所で教官として候補生に目を配る
バトーがいた。
そこに一人の短髪の男が近づいてくる。候補生のアズマだ。
「教官、一つ聞いていいスか?」
「ん?なによ?」
「噂でサ、9課の女隊長は自分の部下は全員味見してるって
聞いたんだけど本当?」
しばらくの沈黙の後、バトーは堪えきれなくなった笑いを
周囲にぶちまけた。
アズマはきょとんとして困惑の表情を浮かべるしかなかった。
「真実を知りたきゃかんばって9課に入ってくれたまえアズマ君。」
「え・・・ハァ。」
結局バトーも本当に草薙が部下全員と寝てたなんてこと
確認した事が無かったし、知りたくも無かった。
真実は神ならぬ、草薙のゴーストのみが知っている・・・はずだ。

オワリデース(∴)ノシ
558名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 23:55:29 ID:3aNDGdwm
GJ!
アズマ君「かんばって」!
559名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 23:58:21 ID:sFk1cP3z
GJ!!イイ!!
男らしいバトーをありがとう!!
大塚ボイスに変換して(;´Д`)ハァハァしてしまいました…
560名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 00:07:56 ID:UTpZ+5IG
GJ!
パズとサイトーとは寝てるのね、少佐・・・。
561名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 02:39:36 ID:H6XYKkt+
>>552
GぅぅぅっJぉぉぉぉぉBう!!!!!!
いえーす!いえーす!!いえーっっっっす!!!!
そしてあざーーーーーーっす!!!!
562名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 06:31:52 ID:gNzuq3nh
GJ!
パズとサイトーならまだ寝てるとこ想像できるけど、全員ってことはボーマも…wwwww
5631.5話?書いたヤシ:2006/05/23(火) 11:55:25 ID:X6Kh2KXZ
>>560
以前パズネタとサイトーネタをこのスレで書いたので
この二人の名前を出したのですよ。
564名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 12:11:48 ID:Z26L5zqT
そういえばボーマってそういう浮いた話って想像つきにくいよね
過去も軍で爆発物扱ってたってことぐらいしか分らないし
565名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 13:18:39 ID:jZNPyZvW
ボー間は童貞なんじゃなかった?
個別の11人ウィルス発祥したわけだし。
566名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 13:33:41 ID:U1xHfpKr
頻繁にこの手の話は出るけど
個別の11人ウイルス発症の最終条件は
義 体 化 以 前 に 童 貞 だ っ た
であって単なる童貞ではないよ。
そのうちボマがいい目見る話も書くからさ
言わないでやってよ・・・チョトカワイソス
567名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 13:50:04 ID:H6XYKkt+
バトー、トグサはもちろん荒巻、サイトー、パズ、タチコマは
それぞれ何かしら個別にエピソードが語られてる回があるけど
ボーマ、イシカワはそんな回無いからなあ、絡みよう無いんじゃないか?
568名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 14:17:46 ID:L/Ytnl4A
でも、イシカワさんは書けるよ。多分書けるよ。
569名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 14:27:01 ID:H6XYKkt+
>>568書いておくんなまし。
あと少し前イシカワと少佐でちょろっと書いた人も続き書かないかなー。
570名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 18:53:36 ID:j3JgjtIW
ボーマネタを一度試みた事はある。
需要なさそうなんでやめたけど。
571名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 19:01:00 ID:WORr+WKF
>>570
お相手は少佐ですか…?(オソルオソル…)
572名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 19:31:46 ID:j3JgjtIW
>>571
もちろん、少佐の方が面白い
少佐がせまる→オチがある結末
ラブ※しか思いつかなかったけど
573名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 22:24:37 ID:Kz1z7YlH
>>572 少佐が迫る→ボーマが童貞のため何をしたら良いか分からず
     →少佐がっかり。しかし、それもボーマの良いところだと解釈
     →ボーマを解放
     まで、脳内で妄想したw
574名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 23:59:31 ID:j3JgjtIW
>>573
童貞からみは当たってるよw
それしか思いつかんw
575名無しさん@ピンキー:2006/05/24(水) 00:31:41 ID:0F7zxSYS
バト×素 で1stのセーフハウスで怪我したバトーと素子の妄想がちょっと出来た。

「うっ・・・やっぱり痛えな。おい・・・」
「何故、感覚神経を遮断しない?」
「馬鹿野郎。遮断したら快感も感じられなくなるだろうが」
「そうか、そうだな。では・・・」
「おい、なんで有線するんだ?変なこと考えてるんじゃねえだろうなぁ?」
「感覚を共有するぞ。痛みは半減。快感は2倍。悪い話じゃないだろう?」
「そりゃあまあそうだが、でも、そんなことしたら少佐も痛みを・・・」
「かまわん。痛みをこっちによこせ。全て共有しよう、今は一緒だ。バトー・・・」

いまはここで終わり。
もう少しして詳細まで考えたらまた書きに来る。
576名無しさん@ピンキー:2006/05/24(水) 01:33:05 ID:dc5qyN41
ワクワク(・∀・)ノ
577名無しさん@ピンキー:2006/05/25(木) 12:21:18 ID:9Iu2JFhX
クゼ素…(;´Д`)
578名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 01:24:08 ID:qRxABFVr
バト素続きまだかなあ〜(・∀・)ワクワク
タチコマ(バトー専用機)のAI(ゴースト?)がなぜか女性型擬体に入っちゃって、バトーと…
ってのを妄想してみた(笑)
579彗星記念 はぁと:2006/05/26(金) 01:42:46 ID:eU8KfQz/
 「うっ、クゼ……」
 素子の顔が、苦悶にも似た喘ぎと共に歪む。
 「感じているなら、素直にそう云え」
 クゼは素子の背中を抱き、片腕を回して両手の自由を奪い、
もう片方の手は、素子の敏感な割れ目をショーツの上から巧みに刺激する。
 光沢のあるクローゼットに映る素子の姿は、制服の乱れた襟元から、乳房が僅かに覗き、
めくれ上がるタイトスカートの下に差し込まれた男の指が、
レースの上をなぞるのを嫌がりながらも、膝が緩みつつあるのを押さえ切れぬ風情で、
スカーレットの色の下着に、僅かに暗赤色に染まっている部分が嫌らしい。
 「膝が笑っているよ。
 堪えるつもりなら、拒絶するつもりなら、態度で表せばいいのに、素直じゃない。
 オレをふりほどくぐらい、その気になれば簡単なはずだ」
 耳元で囁かれるその声に、背筋がゾクゾクする。
 素子は、声が艶めいてしまうのを押さえるのに必死だ。
 「誰が、テロリストなどに…はぁぅっ……」
 だが、全身がクゼを求めていた。
 その指で秘部をもっとなで回してほしい、指を入れて、クチュクチュと音を立てて欲しい。
 「見てごらん、少佐、アレがキミだ」
 クローゼットに映るのは、乱れて顔を上気させた素子と、
 冷たく能面のような表情のクゼ。
 「したいなら、したいって云えばいいのに」
 クゼの指が、ショーツの中に入って、先のほうがほんの少し、素子の中に入ってきた。
 素子のプライドがぐらつく。
 その、指が欲しいと思った。もっと深く入って欲しいと、思わず身体を進めてしまった。
 「いっ………、いい……いや、だめだ、そんな、ああっ!!」
 「無理する事はない。夜は長いよ。ゆっくり楽しもう」
 
 
580名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 01:47:29 ID:eU8KfQz/
だめだ、
こんなの、クゼ×素じゃない。

ビリビリビリ(原稿用紙を破る音)

んじゃ、また!!!
581名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 04:04:36 ID:1cAet/rA
>>580
いや気持ちはわからないでもないけれど、、サディストか
気が向いたらまたお願いします。
582名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 06:14:07 ID:7+VsZgU+
>>580
ウワアアアア!!!!!!!!・゚・(ノД<。)・゚・
もったいない!!!続きを書いてくださいよ!!!
583名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 09:42:34 ID:a5qVC82b
>>579投下する前にチラシの裏に書け、はっきり言って生殺しだ。
584名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 19:24:09 ID:yCoD982R
他の人の話を豚切りするわけにもいかんし・・・
待機しかないか・・・
585名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 19:59:59 ID:I7e3+D2K
>>584 名前欄で区別つくから良いんじゃね?
     てか、書いてくれ
586名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 20:03:09 ID:8FBvtoSy
>584
投下した奴が神。
豚切られてダメになるなら、所詮それまでの作品。
人間の時間は短い。
時間を惜しめ。
587名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 20:35:17 ID:+mkf02Rw
せっかくのクゼ素なのにうわあぁん(ノД`)
神よおぉぉ!!!!
588名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 21:55:43 ID:yCoD982R
>>585>>586
じゃ、最終チェック入れたら投下する
時間はわからんけど
クゼ素は惜しいな。続ければ良かったのに
589536:2006/05/26(金) 22:42:18 ID:yCoD982R
もとくるらんの続きです。
タイトルを「義体処女」にしようと思ったけど、やめておく。
普通に「セーフハウス」にしておきます。
前スレの話とは重ならないように注意したけど、どうしても一箇所似ているセリフがあった。
迷ったけど、設定が違うのでこのままにしておきます。
前から一度やってみたかった「心理描写展開」にしたんで、エロ以外の部分が多い。
苦手な人はスルーして下さい。

590セーフハウス1:2006/05/26(金) 22:45:16 ID:yCoD982R
「疲れたでしょう…横になって」
素子は自分のベッドルームにバトーを案内し、ベッドサイドの灯りを点けた。
素子のベッド……多少の遠慮はあるものの、バトーはベッドに横になった。
横たわるとベッドのシーツから甘い香りが漂ってきた。
素子は反対側に回り、体を横たえた。
「お、おい!…横で寝るのか?」
「いけない?これだけ離れてても?」
「おまえがここに寝るなら、俺はソファーに行く」
「イヤなら私が行くわ。ケガをしてる人間をソファーに寝せられないでしょ」
「女をソファーで寝かせられるか…俺が行く」
「ここは私の部屋よ。言う通りにしてもらうわ」
素子はさっさとソファーに横になり、目を閉じてしまった。
言い出したら聞かない……大人しく従うしかなかった。

どれくらいの時が経った事だろう。
部屋は静まり返り、時を刻む時計の音だけが微かに聞こえていた。
体は疲れているはずなのになかなか眠れない。
9課のビルを急襲された事、セーフハウスに時計を取りに行った事、アームスーツに襲われた事。
そして……自分を助ける為に犠牲になったタチコマ達の事……僅かな間に全てが変わってしまった。
それでも心地良い毛布の温もりに包まれると、知らず知らずの内に眠気を感じていた。
浅い眠りの中、寝返りをうつとベッドの反対側に素子の背中があった。

(い、いつの間に?)

素子が寝返りをうち、自分の方を向いた……その瞳は閉じられる事は無く自分を見つめていた。
「起きてたの……眠れない?…」
「おまえ…いつの間にここへ…」
「ソファーじゃ眠れなかったわ。大丈夫よ、気にしないで休んで…」
素子は目を閉じ背中を向けてしまった。
バトーは、仕方なく背中を向けて寝る他なかった。
再び部屋は静寂を取り戻した。

591セーフハウス2:2006/05/26(金) 22:45:56 ID:yCoD982R
二人は背中を向けたままベッドの両端に寝ていた。
バトーは、背中越し感じる素子の気配になかなか眠る事が出来ない。
しばらくすると、思い出した様に素子は口を開いた。
「バトー…まだ、起きてる?」
「ああ、起きてるぜ」
「明日の事、何も決めて無かったわね」
「ああ、そうだったな…明日はどうする?」
「とりあえず、義体を新しく換装する必要があるわね」
「奴らが探してるからな……もう、ヤミでやるしかねえのか…」
「北端へ行ってみない?」
「北端?択捉経済特区か……確かにあそこなら外国人も多い。人目にはつきにくい」
「あそこなら、まだ根室の時の顔が利くわ。ヤミに行かなくても大丈夫よ」
「義体を変えて……それからどうする?いつまでも隠れちゃいられないだろう…」
「択捉からユーラシアへ渡るつもりよ…バトーはどうする?」
「俺か…俺は……どうするかな……」
「一緒に行ってみない?」
「どこへ?…」
「ユーラシアよ。行き先が決まってないなら一緒に行ってみない?」
「ユーラシアか……それも悪くはねえな……
おまえと会ったのがメキシコで、次は地球の反対側か…」
「最後の旅行は、いつだったか覚えてる?」
「旅行か……そんな記憶はねえな…軍に居た頃は派遣されるか移動するだけ。
9課に居た頃も変わりはねえ。公安は旅行が制限されるからな…
許可無しじゃ好きな所に行けやしない。それは、おまえも同じだろう?」
「そうね…同じ様なものだわ。プライベートな旅行なんて記憶に無い」
「所詮、どこへ行ってもカゴの鳥って訳か…」
「そのカゴも今は無い…どうする?」
「俺が一緒でもかまわないのか?」
「誰に遠慮する必要もないわ。決まりね」
「ああ…」
(ユーラシアへ行く・・・)それは二人には夢の様な話だった。
592セーフハウス3:2006/05/26(金) 22:47:02 ID:yCoD982R
「バトー…追われる事に不安を感じてる?」
「俺か…おまえはどうだ…奴らの事…」
「少しね……無事、空港に辿り着ける保障は何も無いわ」
「不安を感じて無いと言えば嘘になる。怖いのは俺も一緒だ」
「9課で捕まっていないのは私達だけ…不安を感じて普通だわ…」
「おまえほどの女でもか…生き延びる道を探せと言ったのはおまえ自身のはずだ」
「私だって、石で出来てるわけじゃないわ…」
「そうだ…そうだったな……それでも…」
「それでも?…何?」
「奴らが追って来たら俺が止めてやる。おまえは振り返らずにひとりで逃げろ」
「私ひとりで北端へ行けと………ひとりで行って何をしろと?」
「生き延びればいい…ひとりで好きな所へ行けよ」

それ以上の言葉は続かず、二人はまた沈黙してしまった。
そして再び、お互いに背中を向けてしまった。

「まだ、起きてる…?」
「ああ……眠れそうに無い……」
「バトー…バトーは、不安を感じた時はどうする?」
「俺か…さあ、考えた事もねえな……おまえはどうする?」
「さあ…どうするかしら……人は死ぬほどの不安を感じた時、それを消す為にお互いの温もりを確かめあうそうよ。
 お互いの肌を合わせ、お互いの生きている証を確かめる…」
「生きている証?…誰とだ?」
「身近にいる者……違う?」

(返事に困る・・・)

バトーはとりあえず沈黙してその場を取り繕うつもりだった。
部屋の空気は張り詰めている・・・バトーは素子に何も言えずにいた。

「……何故、私を抱かないの?……これだけ近くにいて……」
「……不安を解消する為だけの相手ならごめんだ……
身近にいる者…それなら…俺じゃなくても…たとえば…9課の奴ら…」
「9課の話なんてしていない…誰でもいいと?……誰でもいい訳じゃない」

薄暗がりの中、二人はゆっくりと相手の方を向き、何も言わずにお互いを見つめた。
それは長い沈黙だった。
ベッドサイドの小さな灯りだけが二人を照らしていた。
593セーフハウス4:2006/05/26(金) 22:47:53 ID:yCoD982R
素子は思い出していた。バトーと初めて会った日の事を・・・
(レンジャー上がりの武骨な男。使えそうだけど、短気な奴だわ)
それくらいの印象しか無かったのに、何故、自分は9課に誘ったのか?
課長以外は、皆自分の部下でしか無かった。
誰もが自分に一目置き、命令の如何を問わず逆らう者などひとりも無かった。そう、バトー以外は…
捜査方針を巡ってやり合った事など、一度や二度では無かった。
冷静に対応しても直情に自分の意見を主張する。
ついには自分も感情を露わに大きな声を出し、その度に誰かが二人を止めた。
顔も見たくない……やり難い相手……そう思った事もあった。

(自分はいつ話した?・・・時計の事を・・・)

あの日、9課のビルを抜け出す時……ふいに時計の事を持ち出した…冷静を装いながらも心は動揺した。
その後、危険を承知で自分のセーフハウスに時計を取りに戻った。
そこでアームスーツと戦うバトーとタチコマを見た時……何が起こっているのか瞬時に理解した。
バトーは自分の時計の為に、あれほど可愛がっていたタチコマ達を失ってしまった。
バトーを慕っていたタチコマ達……死なせてしまったのは自分だ。
そして、時計は自分の手元に戻ってきた。

バトーは思い出していた。素子と初めて会った日の事を・・・
(伍長だと?伍長って誰の事だ?この女の事か…笑わせるぜ)
メキシコでの戦術核の移送。相手は伍長、自分は上等兵。当然向こうは上官だ。
特殊任務とはいえ、各国入り混じった即席チーム。少し我慢すればすぐ終わる。
(生意気そうな、こんな女と口なんぞきくものか!)
実際、サイトーに襲われた日まで口をきく事も無かった。
それなのに何故、自分は9課に入ったのか?
年上のイシカワを部下に持ち、サイトー程の腕を持つ者さえ片目と片腕を潰した上で従わせる。
自分の思う「女」の範疇に入る事など無かった。そう、決して入る事は…

(なのに何故、自分は時計を取りに行った?)

身の危険を顧みず、自分の行動故にタチコマ達まで失う羽目になってしまった。
「タチコマ達の死」……「後悔」……それはそんな簡単な言葉で表せるような気持ちじゃ無かった。
タチコマ達を死なせてしまったのは自分だ……それでも取り戻したかった。
そして、その時計は素子に渡す事ができた。

594セーフハウス5:2006/05/26(金) 22:49:05 ID:yCoD982R
「誰でもいい?……私が誰の物になっても構わない?」

それは素子からの直球だった……そして、バトーはその直球を投げ返す事が出来ずにいた。
「困らせる様な事を言うな……」精一杯の返球のつもりだった。
「困らせる…?そう…困らせる様な事なのね……」
「俺は……」
「それとも……私を抱くのが怖い?追跡の不安より?」
ある意味そうかもしれない……それでも明日一緒にいられる保障など何も無い。
片腕の自分が北端に辿り着くまで、素子を守りきれるかどうかも解らない。
北端に行く事が出来なければ、海の向こうへ渡る夢もこの部屋で消えてしまうだろう。
「何を言っても意味が無い?」
9課も壊滅した今、自分を自制する必要は無い。誰の目を気にする必要も無かった。
バトーはそれでも、二人を遮る見えない壁を乗り越える事をためらった。

素子はバトーに近づき、いきなり自分の唇をバトーの唇に重ねた。
「私を失ってもいい?」
いいはずが無い……命がけで取り戻した素子の大切な外部記憶装置『時計』
決して失っていいはずは無かった。

「一緒に行ってくれる?」
「ああ……一緒に行く……約束する」

自分の言ったひと言に、堰が切れたようにバトーは遮る壁を乗り越えた。
そして、素子の体を力強く抱きしめた……初めて体中で感じた素子の感触。
幾夜も思い描き、悩み、憧れた女……手に入れる事など叶わないはずだった。
思いが現実になった瞬間……それなのに片腕で思うように抱けない自分がもどかしい。
二人は抱き合い、長い口づけを交わした。
自分に触れる素子の唇…バトーは唇を重ねるだけで気が遠くなりそうだった。

「くふっ……フフッ…」
「何が可笑しい?」
「……息が…出来ないわ……」
「……そうか……」

唇を離した二人は、お互いに着ている物を脱ぎ捨て生まれたままの姿を重ねた。
595セーフハウス6:2006/05/26(金) 22:50:04 ID:yCoD982R
二人は裸のままもつれ合い、お互いの感触を確かめた。
バトーは素子の体をベッドに押し付けると、片手で柔らかな乳房をゆっくりと愛撫した。
バトーの唇は初めて触れる体の輪郭を確かめる様に、耳を…首筋を…肩を…指を…
そして、唇は爪の先にまで優しく触れた。

素子は瞳を閉じ、自分の体を柔らかく移動して行く唇の感触に酔っていた。
自分の乳房を…乳首を……そして、腰の辺りを優しく愛撫して行く……
いつもの手馴れた相手達とは違う……その優しい感触を体中で受け止めていた。
激しい快楽を与えてくれた相手ならいくらでもいる。
それでも、これほど自分を優しく扱ってくれる相手に出会った事は無かった。

「フフ…」……(武骨なヤツだと思ってたけど…)
「な…何だ?今度は何が可笑しい?」
「何でも無いわ……続けて……」

長く9課で一緒に過ごし、バトーの事は他の誰より良く知っているつもりだった。
結局それは「つもり」で、自分は何かを見過ごしていたのだ。
唇は腰の辺りから太腿を伝い、その内側に埋もれた物を目にした時、動きを止めた。
その動きは暫く止まったまま、何かを躊躇している様だった。

「何故やめるの…」
「あ……いや……」
「何を迷ってるの……好きにしていいのよ……」

バトーがその埋もれた物を押し開き、ピンク色の突起を目にした時、胸は早鐘を打つ様に高鳴った。
そして、ゆっくりと呼吸を整えると……そのピンク色を目指して唇を近づけた。
596セーフハウス7:2006/05/26(金) 22:51:22 ID:yCoD982R
ざらりとした舌の感触が小さな突起を刺激する。
「あっ・・」
小さな喘ぎ声を上げ、素子の体がピクッと反り返る。
その反応に、一瞬バトーの体は緊張した。
整えたはずの呼吸が、また荒い息遣いに変わる。
心を静めようとしても、初めて聞いた素子の喘ぎに息が止まりそうだった。
気を取り直して、もう一度その部分に唇を近づけ優しく吸ってみた。
「はぁっ・・あん!」
バトーは素子の内股を大きく開いた。
素子は両膝を立てバトーの体を導き易くすると、バトーは素子の太腿に片手を置き内股の間に顔をうずめた。
そのピンク色の部分に唇を寄せると舌先でそっとそれに触れた。
「あっ・・あぁ・・あぁぁ・・」
バトーが舌先を使ってその部分を優しく刺激していくと、素子喘ぎは序々に大きくなっていく……
「あ・・あぅ・・・あ、あ、あ・・・」
バトーは、大切な壊れ物を扱う様に優しく舌を絡めていった。
素子の秘所から流れ落ちた熱い液体が白いシーツを濡らし、そのままじわじわと広がっていく……
「あぅ・・あ・・あ!はぁ・・あん・・はぁ・・あっ!いやぁっ!!」

(いや・・・)

確かにそう聞こえた…バトーは荒い息遣いのまま動きを止めてしまった。
バトーはそこから体を離すと、そっと素子の顔を覗き込んだ。
目にした素子の顔は、苦痛に歪んで瞳を閉じている様に見えた……
「いやなのか?……気が変わったのなら……おまえがどうしてもいやなら、無理強いはしない…」
素子は、バトーの突然の言葉に閉じていた瞳を開いた。
「あ……違う……」
「違う?……」
「……違う……違うわ……馬鹿ね……いきそうだったからじゃない……だから、いやって……」
「あ……あぁ…」
「勘違い?……フッ……フフ…フフフ…」
「ぅ…俺は…てっきり…クッ…クク…」

フフフ…クスクス…クッ…ククク…フフフ……

小さな灯りの中に二人の笑い声だけが広がっていった。
バトーは、自分の勘違いがひどく可笑しかった。
お互いに初めてと言う訳でも無いのに、素子の言葉に一喜一憂してしまう。
この部屋に入った時から有った妙なわだかまりは、二人の笑い声が一瞬にして消し去ってしまった。
素子はバトーの首に腕を回すと、耳元でこう囁いた。
「ほんとに馬鹿ね……言うわけないじゃない……イヤなんて……
 それに、今さらやめるなんて言っても……許さない…」
「おまえらしい……フフフ…」
597セーフハウス8:2006/05/26(金) 22:52:47 ID:yCoD982R
囁く様な笑い声は、二人の身も心も解き放ち、昔から馴れ親しんだ恋人同士の様にお互いの体を引き寄せた。
バトーは素子を見つめると、片手で彼女の頬に触れた。
素子は自分の頬に触れた手の方を向くと、唯一残った片腕を愛しむ様に唇をそっと寄せた。
唇はそのまま指先から手に、そして腕へと柔らかく移動して行き、
バトーの首筋を撫で上げると、再び二人は唇を重ねた。
二人は舌を絡め合い、バトーの片手は素子の張りのある形の良い乳房を愛撫した。
滑らかな乳房の皮膚触素は、バトーの掌に吸い付く様な感触だった。
あまりに滑らかな感触に、バトーは夢中で乳房を愛撫した。
素子はその愛撫を受けながら唇を交わし、舌を絡め、その左手はバトーの下腹部に降りていった。
硬くそそり立つ物にそっと片手をかけると、白く細い指先はそれを根元から上に向かってスッと引き上げた。

「きて・・・」

それが素子からの合図になり、バトーは自分の物を素子の秘所にゆっくりと沈めた。
「あ・・あぁっ!」
熱く硬い物が素子の体を押し開く…
「あぁ、、あ、はぁぁ、、あーぁっ・・・」
体の中で生き物の様に蠢く物に素子は揺さぶられる…
「くっ・・あぁ・あ・あ・あ・はぁ・」
バトーは激しい息遣いを繰り返し、ねっとりと絡みつく内側の感触に捉えられ、
何度も何度も内側の奥深くを突き、痺れる様な感覚を味わっていた。
二人の意識はただ一箇所に集中し、絡み合い……唇を吸い……喘ぎ続けた。

「あ・あ・あ、、、もう、、あ・あ・あぁ・・」

素子の体が大きく反り返り、その爪がバトーの背中に深く食い込んだ。

「くっ、、あ・あ・うっ、、あぁぁぁ!あーぁっーあ・あ・あ!!」

その激しい喘ぎにバトーの我慢は限界を越え、彼女の体の奥深い部分にすべてを放った。
自分の体の奥底に熱い広がりを感じ、素子の体は力を失ってしまった。
バトーは素子の体に崩れる様に沈んだ。
二人はまだ繋がったまま、再びお互いを見つめ合い熱い唇を重ねた。
598セーフハウス9:2006/05/26(金) 22:53:42 ID:yCoD982R
流れる水の音が聞こえる・・・
バトーは、シャワールームの扉を見つめていた。
あの扉の向こう側に、自分がついさっきまで抱いていた体がある。
あれから二度…三度……求め合うままに体を重ねた。
扉を透かし、素子が裸体を洗っている姿が浮いてくる・・・
それはもう知らない体では無く知っている体なのだ。
バトーの意識は現実と夢想の中間にあった。

水音は止み、バスローブを纏った素子がシャワールームの扉を後ろ手に閉じた。
ベッドに近づくと毛布を捲り、バトーの隣りに体を横たえた。
甘いボディソープの香りがベッドの上に広がった。
素子の放つ香りは、ベッドのシーツから微かに漂う甘い香りと同じだった。
「落ち着いた?…」
「ああ…少しな…」
「課長や…みんな…どうしてると思う?……」
「さあな……無事ならいいが……」
「祈るしかないわね……居所も解らない……」
「今頃…飯も食わせてもらえないで、取調べを受けてるのか……」
「感じてるの?……罪悪感を……」
「当たり前だ。捕まってる仲間の事を考えるとな……
 あいつらは冷たい牢の中……なのに俺達は…ここにいる……」
「言葉が無いわ……逃げようとしてる今……」
「とりあえず、命までは取られちゃいねえだろう……
 奴らはそこまで無茶はしねえと思うが…捕まった方が安全ってわけか……」

そこまで言うと、バトーは自分の言葉に不吉な予感を覚えた。
明日逃げる・・・もちろん、自分が体を張ってでも素子を守るつもりでいる。
それでも自分が先にやられてしまったら、その後素子はどうなるのだろう?

(いや、それよりも・・・素子が先にやられてしまったら?)

自分の様な雑魚は見逃しても、公安9課の実質的指揮官であった素子を見逃すとは思えない。
間違い無く、中心的存在であった彼女を狙って来るはずだ。
他の者の命は見逃しても、素子の命は確実に狙われる。
そうでなくても海坊主は表向き存在しない組織……暗殺など容易いものなのだ。
その事は素子自身がよく解っているはずだ。
だから、あれほど自分を求めてきたのか?

想いを手に入れた瞬間、バトーは新たな不安を手にした事に初めて気づいた。
目の前が暗く沈んでいく様な思いだった……
不安な気持ちのまま素子の方へ視線を移すと、素子の瞳は真直ぐに自分を見つめていた。

「……約束……忘れないで……」

素子はそれだけ言うとバトーの胸に顔をうずめてしまった。
(暖かい……)素子は、もう何の不安も怖れも感じてはいなかった。
バトーは、素子の温もりを感じながらただ抱き返す事しか出来ず、
「ああ…必ず……」
心に不安を抱いたまま、そう返事をするしかなかった。

間もなく夜が明ける。
温もりに包まれ、素子だけは深い眠りに落ちていった。
599セーフハウス10:2006/05/26(金) 22:54:29 ID:yCoD982R
会議を終え、バトーと素子は古びた市街地の石畳をホテルへ向かって歩いていた。
陽は傾き、寒風吹き荒ぶ街中は、どれだけ義体の温度調節を行っても体の芯まで冷えてくる。

(面白くない・・・・)

バトーは腹の底から怒りを感じていた。
内調のつまらない嫌がらせの為、短い間とはいえ、9課の主力二人までもこんな異国の地に追いやってしまう。
しかも「国際混成対テロチーム」の選んだ作戦は、新人にやらせる様な退屈な「監視作戦」
(俺達はこのまま、内調の後塵を拝するしか無いのか・・・)
遣り切れない感情は、バトーを無口にしていた。
肩を並べて歩きながら、ふいに素子が口を開いた。

「結局……仕事絡みになったわね……」
「仕事絡み?…何の話だ?」
「忘れたの?……まだ、一年も経ってないのに……旅行の話よ……」
「あ……あぁ…忘れちゃいないさ……」
「ほんと?…あやしいわね……フフフ…」
「あやしいだと?…何もあやしくなんかない……覚えてるさ…」

(覚えてたのか・・・)

考えてみれば素子と二人きりで話すのは久し振りだった。
あのセーフハウスでの一夜以来、仕事に忙殺される二人にゆっくり話す機会など無かった。
公安9課は再結成され、タチコマ達も何もかもが元通りになった。
それはそれで嬉しかった。
それでも元通りにならない物がひとつだけあった。
ある「疑念」が、二人の間に再び壁を築いてしまっていた。
内調の嫌がらせが生んだ皮肉な結果とは言え、
今を逃せば、いつまた二人で話しをする機会など有るか無いかも解らない。
バトーは思い切って自分の「疑念」をぶつけてみる事にした。

「聞いてもいいか?」
「何を?」
「聞きにくいんだが……おまえ……あの晩…その…ずっとリモート義体だったのか?…」
「あ……あぁ……あの晩ね……さあ、もう前の事だから…よく…覚えてないわ…」
「……俺には一年も経ってないのにで、自分には前の事か……」
「………」

素子からの返事は何も無かった。
(聞かなければ良かった・・・)
バトーは、軽はずみな自分の言葉を激しく後悔した。
600セーフハウス10:2006/05/26(金) 22:55:19 ID:yCoD982R
『リモート義体』……結局素子はそれで助かった。

あの瞬間、素子を失った衝撃に襲われ、そして彼女を再び取り戻した。
喜びと安堵を感じながらも、時間の経過と共に遣り切れなさを拭う事は出来なかった。
リモート義体……それを知った時、あの夜の事がデコイを掴まされた様な空しい気持ちになった。
(おまえはリモート義体のまま、一緒に行くつもりだったのか?行ける訳がないだろう)
(約束を忘れるな・・・確かに言ったはずだ。守るつもりは無かったのか?)
その払拭し切れない感情が、二人の間に自然に距離を置く事になっていた。

灰色の空からは今にも雪が舞い降りてきそうだ。
それでも歩みを早める事は無く、二人はゆっくりと歩いて行った。

「知ってる?昔、この街を囲むように壁があった事を」
「ベルリンの壁だろ?習ったさ……冷戦構造下の悲劇……
 イデオロギーの対立ってのは、今も昔も何も変わっちゃいねえな。
 その壁を越えようとして大勢の犠牲者が出たんだ」
「命を懸けて壁を越えようとした人達……どんな気持ちだったのかしら……
 自由を求めて?…別れた家族に会う為に?…それとも……
 やめておく……当事者で無い者が語るべきじゃ無かったわね、浅はかだったわ」
「何故そんな話をする?」
「なんとなくね……城壁の門が残ってたでしょう?壁の前に有ったとかいう……」
「ブランデンブルク門の事か?あれはプロイセンの時代から有ったそうだ。
 この街が東西に分かれていた頃は通行禁止だったはずだ。
 今じゃ、通行も自由。立派な観光名所になってるそうだぜ」
「そう……」
「何だ?行ってみたかったのか?」
「場所は何処かなと思っただけよ…」
「確か、ホテルのロビーに案内図があったはずだ。
 何なら仕事が終われば一緒に………あぁ……無理だったな…任務中の自由行動は禁止。
 任務終了後は、その日のうちに出国しろとの命令だったな」
「そうだったわね…」
「所詮、俺達の旅には仕事絡みが一番似合うって事だろう…」
「そのようね……」

バトーは考えていた。
あの日の逃避行が成功すれば、この街へ来ることもあったのだろうか?
そして、高く聳え立つブランデンブルクを二人で見上げる事があっただろうか?
公安9課に戻った時から、それは見果てぬ夢になってしまった。

「いつか…またこの街に来れると思う?仕事じゃなくて……」
「さあな……時間があれば……先の事は何もわからねえな……」

灰色の空から、ゆっくりと雪が舞い降りてきた。
素子は空を見上げ、降る雪を見つめた。
雪は明日の朝まで降り続くのだろうか・・・
601セーフハウス11:2006/05/26(金) 22:56:46 ID:yCoD982R
(やっぱり、思ってたのね・・・)

あの時、素子はシャワーを浴びながら考えていた。
(一緒に逃げる約束は、しなければ良かったかもしれない・・・)
明日逃げ延びる確率はゼロに等しい……多勢に無勢……しかも、バトーは片腕だ。
いつもの機動力は期待出来ない。有効な武器も無い。味方もいない。
それでも自分の守る為なら命を投げ出すだろう……時計を取りに行った時の様に。
バトーを待つものは、ただ『死』のみ・・・それは自分の本意では無い。
タチコマ達の二の舞にさせてはならない・・・どうする?

結局、バトーの言葉がすべてを決めた・・・『捕まった方が安全ってわけか』
奴らの狙いは、公安9課の実質的指揮官であった『自分の命』
自分を仕留める事が出来れば、バトーは、拘束されても命は助かる確率は高い。
但しそれは「抵抗しなければ」という条件付だが……。
敵方に投降する事を勧めても、バトーがそれを受け入れる事は決して無いだろう。

バトーを決して死なせない・・・そして、自分も生き延びる。

考えた末に「リモート義体」になり、囮になる事を選択した。
敵はおそらく「暗殺」という手段を使って、自分を消すだろう。
自分が先に消えれば、バトーは然したる抵抗もせずに拘束される可能性はある。
それは、約束を反故する事になるのだけれど・・・

事は自分の思惑通りに運んだ。
あのまま逃げようと思えば、ひとりだけ自由を手にする事は出来ただろう。
それをするつもりは全く無かった。
公安9課が再結成された後も、バトーはその事にひと言も触れなかった。
バトーなら解ってくれるはず・・・その考えが甘かった事は否めない。
それでも言い訳する気持ちは無かった。
自分の性格を考えれば、それは出来ない。するつもりも無い。
今さら言い訳して何になる?事実は何も変わらない。
バトーを守る為とはいえ、何も告げずに約束を破ったのは他ならぬ自分なのだから。

あの時、自分がバトーに言った事・・・「約束……忘れないで」
それは、自分自身に言い聞かせた言葉でもあったのだ。
602セーフハウス12:2006/05/26(金) 22:57:31 ID:yCoD982R
通りを過ぎてあの角を曲がれば、宿泊先のホテルが見えてくるはずだ。
「明日も降るのかしら…いくら義体の温度調節をしても寒いわね…」

それは建物の角を曲がる瞬間の出来事だった。
「あ……」
バトーは素子の肩に手を回し、自分の方に引き寄せた。
その腕の感触は、あの夜の片腕の感触と同じだった。
「なぁに?随分優しいじゃない?」
「別に優しいわけじゃない……寒いって言うからだ」
「そう?フフ……」
素子は可笑しかった。そして、バトーがやりたいようにさせておこうと思った。
(怒ってるはずなのに……)
それでも、自分の言葉に一喜一憂するところは、あの夜と全く同じだった。
二人は肩を寄せ合いながら、あの夜と同じ様にお互いの温もりを感じながら歩いた。
そして、ホテルの玄関まであとわずかの場所まで来ていた。
吹き降ろす風は益々冷たくなり、二人の頬を打った。

「覚えないって言ったけど……あの晩は………じゃ…無かった……」
「何だ?風の音で良く聞こえない…」
「リモート義体じゃ無かった……」

(リモート義体じゃ無い・・・)

確かにそう聞こえた……バトーは何も言えなかった。

「雪になりそうね…明日からの監視任務…気の短いバトーに務まるかしら?」
「わかっちゃいねえな。『地道な監視任務』これこそが最も俺に向くのさ。戦闘と同じ位にな。
 『天使の羽根』の犯行は、必ず阻止する」
「そう……そこまで言うなら期待してるわ」
603セーフハウス13:2006/05/26(金) 22:58:30 ID:yCoD982R
フロントで鍵を受取る時、素子は、ロビーの壁に掛けられた案内図にちらりと目をやった。
『Brandenburger Tor』の文字は直ぐ視界に入った。

(馬鹿ね……行けるわけないじゃない……何考えてるのよ…)

監視任務中の自由行動は禁止…ここは日本じゃない。
異国の諜報機関の人間が自由に出歩く事を当局は望まない。
同盟国への協力体制で入国しても、一挙一動は、必ず「監視」されている。
敵国ほどではないにせよ、同盟国の中においてさえ、自分達を「監視対象」として見張る者は存在する。
それは緩やかな監視であっても、荷物は運んでくれたベルボーイが、鍵を渡すフロントの男が、
ロビーで新聞を広げる客が…皆、それらの者で無いとは言い切れない。
会議場からホテルに戻る動向をモニターで監視し、バトーが自分の肩に手を回した事さえ逐一報告されるだろう。

公安9課に戻ったその日から、自分はまたカゴの鳥になってしまった。
それは自国においても異国へ来ても、何も変わらない現実だった。
仕事に不満がある訳じゃない。どんな危険な状況においても正面から対峙してきたつもりだ。
それでも時々解らなくなる・・・自分は何をしているのだろう?
組織を離れる事に怖れは無い。義体と記憶を国家に返納すればいいだけの事だ。
その時、自分の脳殻は構造解析にかけられ、機械的に記憶を選別されるだけに過ぎない。
そして、僅かな私的記憶と生身の脳と新しい義体を与えられる事になるだろう。
『国家機密』……公安9課に関する記憶はすべて消去及び回収され、
回収された記憶は、国家の膨大なデータベースに組み込まれる事になる。
あのセーフハウスでの一夜など、同じ公安に所属する者同士の単なる記憶の断片として、
消去される方に回るだろう・・・それは自分もバトーも変わらない。同じ結末を迎えるだけだ。
怖れと不安を感じながらも自由になったあの瞬間・・・・・想いと共にそれは消えてしまうのだ・・・

「なんだ……具合でも悪いのか?」
「なんでもない……それじゃ、夕食の時にね」

不機嫌な顔を見せドアのロックを解除すると、素子は部屋に入り扉を閉めた。
「なんだあいつ急に……変なヤツだ……」
バトーは少し気にはなったが、不機嫌の理由を聞いても答えてくれる様な女じゃない。
不機嫌の理由を問い質したところで、返ってくる言葉は大体予測がつく。

「うるさいわね!生理中なのよ!」

どうせ、こんなところだろう・・・
604セーフハウス14:2006/05/26(金) 22:59:26 ID:yCoD982R
バトーはベッドの灯りの下で、読めもしないドイツ語の雑誌を眺めていた。
雑誌を膝に置いたまま、素子がいるはずの隣りの部屋の壁を見た。
夕食の時に変わった様子は無かった…いつも通りの「少佐」の顔だ。
周囲に聞かれても構わない程度の話をして部屋に戻った。
時々、素子が何を考えているのか解らない。

灯りを消しベッドに潜ると、再び素子の部屋の壁を見つめた。
今頃素子は、あの夜と同じ様に小さな寝息をたてて眠っているのだろうか?
壁を見つめていると、シャワールームの向こう側に素子の裸体を想像した事を思い出す。
自分が抱いたあの裸体・・・あれは紛れも無く『時計』を嵌めた方の物だった。
彼女の外部記憶装置が『時計』なら、
自分の外部記憶装置は、いつの間にか『素子自身』になっていた。
あまり考えたくは無かったが、いずれは、素子も自分も公安9課を去る日が必ず来る。
その時、記憶は選別され、9課の記憶は消されるだろう。
素子の『時計』は残っても、自分自身の外部記憶『草薙素子』の事は、
どれだけ覚えている事が出来るだろうか?
それとも、ゴースト障壁の向こう側に、誰にも見られる事無く残るのか?
それは、その日が来なければ解らない。

(それでもいいさ……今は……おまえを見守る……俺にはそれしか出来ない……)

『セーフハウスの一夜の出来事』・・・それは、バトーのゴーストの奥深くに眠っている。



深夜・・・夜中に自分を呼ぶ声がした。

目を覚まし辺りを見回してみても、ただ窓を打つ風の音しか聞こえない。
「なんだよ……気のせいか?……明日早いってのに、たまらねえな…この寒さ……」
バトーは再び、眠りに落ちた・・・



 
《バトー・・・まだ、起きてる?・・・》


おわり(∴)ノシ
605名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 23:00:50 ID:yCoD982R
通し番・・・間違えた・・・スマソ
606名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 00:21:00 ID:WMTtEUlm
>>589-604
2nd地上波OP曲聴きながら聴いたせいか
すんげー切なくなった・・・GJ
607606:2006/05/27(土) 00:23:07 ID:WMTtEUlm
すまん「聴いた」じゃなくて「読んだ」だ
逝って来る・・・
608名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 00:28:00 ID:b9BjEUUZ
Gj!こういうのを待ってた!
少佐もバトーが好きで、でも、9課にいるから感情を押し殺しているっていう・・・。
トグサが感情的になった時「そこが新米だってのよ」って言ったとおり、
素子はバトーへの感情を殺していると
そう信じたイーーー!
609名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 00:53:18 ID:cOK5ZNPH
神GJ!
610名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 11:16:07 ID:vxJJYRtI
素子にはバトーよりクゼを愛して欲しいと思う奴はいないのか!?(*´Д`)
611名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 12:29:30 ID:SeT4Dfuy
ノシ
612名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 12:59:29 ID:J+TxwlWc
つまり
タチコマ→バトー→素子→クゼ→革命
613名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 14:37:48 ID:ia11FLOJ
セーフハウスGJーー!!!

私は何でかクゼが嫌い。バトーとラブラブの方がうれしい。
614セーフハウス書いた奴:2006/05/27(土) 14:54:49 ID:5mTc3HwX
>>610
これを言う人はいるだろうと思ったから、これだけは書いておく。
少佐がクゼを折鶴少年ではと認識するのは、「天使の詩」の後の「相対の連鎖」からだ。
「天使の詩」時点での少佐の揺れる心境で、後へ伏線を張っているつもり。
二人の男の間で揺れるというのは、よくある話だろう。
「生死を共にした相手」と「初恋の相手」だから、難しいところだなw
たかが素人SSかもしれないけど、本編設定は大事にしたいと思ってる。
どちらを限定して選んでるわけじゃないよ。





615名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 14:54:53 ID:oqkIOOXG
自分の心と体の不一致を理由にして
テロをやらかしてるかと思うと
青臭い正義感よかよっぽど
タチ悪いんでないかと思ってしまう。
いくら初恋の人でもちょっとなぁ・・・
616名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 15:38:02 ID:ia11FLOJ
>>615
なんか分かる。
617名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 19:45:56 ID:eguZ49dU
クゼは知恵を持った悪ガキか…
618名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 21:02:17 ID:EchuFpPo
>>610
禿しくノシ 1st見てもここ来ようとまでは思わなんだのに
てかクゼも好きだがクゼの前での乙女な少佐が好きだ
奇跡的に生き残った名前も知らない二人が年を経て全く違う立場(テロリストと警官)として劇的に再開って萌えずにはいられまい

まぁクゼがあの少年だったらの話だがw

>>615
まぁそれだけではないとも思うんだけど
クゼの精神の成長は多分義体化した時に止まってるんだろうなんとなく
ウィルス感染の条件の『童貞』って『純粋さ』てことだと解釈したからそういう子供っぽさがあって当然かなと



619名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 19:50:32 ID:Tym1dzFS
クゼ素ね。
そのうち書きたい話だけど、完成形のようなすばらしい話があるから迷うな。
読み手としては、前スレの時のような脇キャラ物を読みたいけど…この前のイシカワの話は良かった。
需要があれば、書いてもいいな。
620名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 22:42:00 ID:AfhFFaWc
書きたいなら、書けばいいけど、アレ書きたい、これも書きたいって、
ここでぼやかれると、他の書き手が書きにくいと思うよ。
脳内でひらめいたぐらいの段階なら、できる頃にはダブると思うと、
引っ込んじゃうから。
621名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 22:45:12 ID:AfhFFaWc
>619
絡んでゴメンね。
生理中なの。
622名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 23:11:58 ID:Tym1dzFS
>>621
ぼやいてつもりは無かったけどねw
自分が悪かったよ。
もう言わない。
623名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 00:19:00 ID:84r+8qct
マターリ行こうぜ!
624名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 00:26:42 ID:BBr/HNTM
マターリ行きなさい!
625名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 00:27:11 ID:EUm+d6r0
だが、ひらめいただけの段階で投下はやめてくれ
626名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 12:50:48 ID:KVvESJLy
>>619イシカワはエロよりエロ手前の方がエロいと思う。
627名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 17:17:58 ID:QLGecv3C
バトー→素子がいつもクローズアップされちゃってるけど
9課のメンバーが全員素子に惚れていると仮定すると・・・。
アニメが違う視点で見えてきませんか?!
(勿論トグサも例外なく惚れている)
そしてエロも書きやすくなってきませんか?!
628名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 20:16:01 ID:KVvESJLy
イシカワのSSなんてあったっけ?
629名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 20:55:37 ID:y5wRLD7L
おセンチ少佐と子守は勘弁イシカワの話かな
630名無しさん@ピンキー:2006/05/30(火) 01:43:18 ID:zqp1laeQ
前スレにあったバトー×擬人化タチコマの続きを熱烈希望・・・
631名無しさん@ピンキー:2006/05/30(火) 15:12:19 ID:50zEvvIb
まじで?!
擬人化タチコマ出てきたらもう最強じゃん!?
バトーがためらいながらその可愛さにだんだんメロメロになっていくって・・・
最高ジャン!?
632名無しさん@ピンキー:2006/05/30(火) 16:44:43 ID:wnj2Oolh
●持ち以外の人でログ持ってなくて前スレ見られない人はこちらで

【草薙】攻殻機動隊のエロ【素子】
http://makimo.to/2ch/bbspink-sakura03_eroparo/1089/1089470674.html
633名無しさん@ピンキー:2006/06/01(木) 06:35:29 ID:/maQmNFh
携帯だから見られない…
634名無しさん@ピンキー:2006/06/01(木) 18:27:20 ID:WZJl4ezi
ファイルシーク等は試したのか
635名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 07:28:52 ID:gXyiaGY2
>>634
ファイルシークって何?
無知でスマソ
636名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 14:59:19 ID:eydWuQlo
投下初めてな上に小説も初めてなんですが…
バトー×擬人化タチコマを置いていきます。
しかも携帯からなので読みにくいかもしれません。
時間に余裕があって初心者でも構わないよって方見てください。
面白くなかったらごめんなさい。
637初体験バト×タチ1:2006/06/02(金) 15:02:08 ID:eydWuQlo
バトーはいつものように缶ビールのふたを空け、座椅子にどっかと深く腰かけた。
最近はさして大事件もなく、このようにゆっくりと夜を過ごせている。
すっかりくつろいでいる所で不意に…トン、トン… ドアを叩く音がした。
めったに来客などない。誰か来るとしたら自分の居場所が分かる9課のメンバーか?
しかし、電脳通信もなく自宅を訪れるなんて何事だろうか…
またトン、トン…
バトーはゆっくりと玄関のドアに近づき、充分に警戒しながら覗き穴から外の様子を伺った。
「…誰だぁ…こりゃあ?」
638初体験バト×タチ2:2006/06/02(金) 15:06:08 ID:eydWuQlo
穴の向こうには、若い女性が一人立ってキョロキョロしていた。
明らかに挙動不審…しかし、黒いロングヘアーで大きな瞳のとびきりの美人であった。
「…こんな美人な知り合いはいねぇぞ…」…何かの罠か?
しかしとりあえず、ドアを開けてみようとバトーは考えた。
いざという時の為に右手に銃を構えながら、ゆっくりとドアを開けた…
…カチャ…。
「お前は誰だ…?」銃をしっかり構え開かれたドア越しにバトーは女性に尋ねる。
女性は銃を目にした途端、ひどく慌てだした。
「うわぁぁ!ちょ…ちょと待ってっっ!ばっばっバトーさぁぁん!」
女性はさっと細い両手を上にあげ、降参のポーズをとった。
なんかどっかで聞いたような口調…「な、なんだぁ?お前…」
バトーは銃を持った手をおろしたが、開いた口がふさがらずにいた。
「えっへっへ〜ぇ。バトーさぁん…。」
女性は人差し指と人差し指を合わせながら、体をくねらせモジモジとしていた。
美しい容姿に全く似つかわしくない、言葉使いに行動…
しかし、バトーがよく聞き慣れた口調であった。
「…た、タチコマかぁあぁ??」「ぴぃぃんぽぉん。…遊びに来ちゃった〜あ。」
とりあえず、…タチコマらしい。バトーは女性を部屋に入れた。
女性はバトーの座椅子の隣にあるベッドへ浅く座り、落ち着きなくキョロキョロと部屋を見回していた。
639初体験バト×タチ3:2006/06/02(金) 15:11:08 ID:eydWuQlo
「お前、そのいでたちは何なんだよ??説明してくれよ」
「あのね〜…」タチコマはいきさつを説明し始めた。
どうやら、個性が生まれ始めたタチコマのAIを女性型義体に埋め込み、
スパイ活動や情報収集をさせてはどうか、という少佐の苦肉の策であるらししい。
「…でねっ。でね。とりあえず今日は、スパイ任務に就くために最も必要な技術をバトーさんに教えてもらいに来たんだ。」
「少佐のやつ、またとんでもないことを思いついたもんだ。
で、なんだぁ?技術〜?戦闘ならもうお手のもんだろうが。」
「違うよ。バトーさん!少佐曰わく、この技術は男を惑わせて最も効率的
かつ血を流すこともなく、情報を得ることができる基本的な技術なんだって。」
「…ほぅ?」
バトーは何だかイヤな予感がした…。
タチコマはいかにも楽しそうに美しい黒い瞳をキラキラさせている。
「僕にこれを教えるには僕らと仲良しなバトーさんが一番適任だって、少佐が。
ウフフ〜。うっれしいなぁ。」
「ま、まさか…」
「えっへん。セェッックスだって〜!!へっへ〜ん」
得意げなタチコマを尻目にバトーはげんなりとため息をついた。
バトーのイヤな予感は的中したのであった…。
640初体験バト×タチ4:2006/06/02(金) 15:23:33 ID:eydWuQlo
少佐のやつ。からかってんのかよ〜!
そこへ、バトーの電脳にアクセスがあった。
『バトー、どう?』少佐だ。少し楽しんでいるといった雰囲気だ。
『どうって、お前なぁ!』『状況はタチコマから説明があったと思うけど。
そういうわけだから、あなたが一番適任なのよ。
わざわざあなたの好きそうな美人にしてあげたから、よろしく。
これも上官命令よ。しっかりやりなさい!』『お、おいっ!少佐ぁ!』
プッツリと通信は途絶えてしまった。
さて、バトーの自室にはバトーと黒髪の美女二人きり…。
美女は20歳そこそこであろうか。胸の大きく開いたシンプルな黒いドレスを身に付けている。
バトーは彼女を見つめて考えこんでいる。
そりゃあ、この女を抱くのはいいが…中身はタチコマだぞぉ…。はぁ…。
彼女の方はというと、ワクワクした様子でベッドの上で手足をバタバタさせたり、ゴロゴロ横になったりしている。
「バトーさん。早く早くぅ!」美女が手招きしてベッドから自分を呼んでいる。
「…お前さぁ、セックスって分かってんのかあ?」
「分かってますとも!ちゃああんとセックスに関する資料は確認済みだよ。
バトーさんと気持ち良くなれるなんてうっれしいな!」
641初体験バト×タチ5:2006/06/02(金) 15:31:31 ID:eydWuQlo
彼女はニッコリと微笑むとベッドからすくっと立ち上がり、座椅子に座るバトーの足の間に立った。
「バトーさん。私キレイでしょう?」今までと違った艶っぽい口調で彼女は言った。
どうやらちゃんと口調も学習してきたらしい。
バトーの目前で彼女の白くて美しい豊満な乳房が揺れた。
香水だろうか。バトーの鼻腔を甘美な香りがくすぐった。
「あぁ。キレイだ…」
バトーは覚悟を決めたのか、座椅子の脇のテーブルに置かれていた残っていたビールを一気に飲み干し、
その大きな手で彼女の黒髪を撫でた。
「私。本当に初めてだから、実は少し怖いの…
だって、最初は痛むのでしょう?」
彼女はかがんでその大きな瞳でバトーの顔を下から覗きこんだ。
バトーはその様にドキリとした。
中身はタチコマとは言え、外見はしおらしい女性である。
それにもう長いこと女を抱いていない。バトーの胸は高鳴りを覚えた。
642初体験バト×タチ6:2006/06/02(金) 16:09:31 ID:eydWuQlo
「大丈夫だよ。優しくしてやるから。それにお前は俺のことを好きなんだろう?」
バトーは彼女の頬を両手で優しく包んで呟いた。
「えぇ。大好き。」彼女もまたその細い指先をバトーの頬にあてた。
「じゃあ大丈夫だ。好きな相手に触られると女は感じるんだ。気持ちよくなれるぞ。」
バトーは彼女を引き寄せ優しく口づけた。
…んん…
バトーは厚い舌で彼女の唇を割って入り歯の奥の所まで侵入した。
彼女もその厚い舌に自らの舌を絡ませ答えた。
バトーは彼女の唇を甘く噛んだり、舌を吸ったりして楽しんだ。
そして、ゆっくりと顔を離した。「どうだ?」
「何だかわかんないけど…僕…すごくドキドキしてるよ…バトーさん。」
「そうか。俺もだ…。…たがお前、喋り方戻ってるぞ。」
「あっ。…私、すごくドキドキしてるわ。です…。」
「ハハハッ。」二人はおかしくなって微笑みあった。
バトーは口づけを楽しみながら、右手で彼女の背中をまさぐった。
ドレスのチャックを探し当てるとゆっくりと引き下ろした。
ドレスの肩紐がスルリと落ち、白く美しい二つの乳房が露わになった。
バトーは両手でゆっくりと優しく撫でるように乳房に触れた。
…んっ…
彼女から甘美な吐息が漏れた。
643初体験バト×タチ7:2006/06/02(金) 16:13:12 ID:eydWuQlo
バトーは両方の乳房のピンク色の突起を親指と人差し指で優しく摘んだ。
…あぁっ…
その瞬間彼女はのけぞってバトーから唇を離した。
その顔は赤く上気していた。
はぁ…はぁ…
バトーはその表情に満足したように突起を弄び続けた。
「…うぅ…ん…バトーさぁん…あっ…」
バトーはその硬くなってしまった突起を唇に含んだ。
「…あぁ…ん…」
「お前いい声出すじゃねぇか…俺も興奮してきたぜ…」
両方の突起を丁寧に愛撫した後、右の乳房をしゃぶりながら
左手で彼女のドレスを取り払い彼女はショーツ一枚の姿となった。
バトーは言った。「…次はセックスの一連の行為の中で一番女が男を喜ばせるヤツをやってもらおうか。」
彼女は乱れていた息を整えた後少し考えて分かった、
とばかりにキラキラした瞳で答えた。「…ふぇらちお??」
首を傾げながら彼女は言った。バトーは彼女が可愛くて可愛くてたまらない気持ちになった。
「おぅ。じゃあちょっとそこに跪いてみろよ。」
彼女はバトーに寄りかかっていた体を離してバトーの開かれた足の間に跪いてバトーを見上げた。
「こう?」
ショーツ一枚の美しい女性が自分の目の前に跪いている状況にバトーは興奮していた。
「あぁ。いいぞ…」
644初体験バト×タチ8:2006/06/02(金) 16:25:33 ID:eydWuQlo
バトーはベルトを外し、ズボンとトランクスを取り去り、
上着も脱いで全裸になった。
すでに怒張した自身が彼女の目の前にそそり立っていた。
「歯をたてないように、しゃぶるんだぞ。
舌と手も使ってな。特に裏の筋を念入りに舐めてくれよ。」
彼女はコクンと頷いて舌でバトー自身に触れた。
まず先をチロチロと舐めてから、下から上へ裏筋をゆっくりと舐めあげた。
「う…」バトーから思わず声が漏れた。
彼女は嬉しそうにバトー自身全体を口に含みながら上目遣いでバトーを見つめた。
「可愛いじゃねぇか…」
髪を優しく撫でられながら、彼女は一生懸命に、
たまに落ちてくる前髪を左手でかきあげながら、バトーに奉仕を続けた。
「お前、巧いじゃないか。他の男の奉仕をさせるのはもったいねぇな。」
彼女は舐めながら言った。
「大好きなバトーさんに…気持ちよくなってもらいたいから…んっ…んっ…」
彼女はバトー自身を下から上へ何度も吸い上げたり、手で上下させたりした。
バトー自身はますます硬度を増し、彼女の唾液と自身の先から少しずつ垂れている液体とでテラテラと輝きをましていた。
バトーはもう今すぐにでも挿入したい気持ちを抑えた。
さすがに疲れてきたのか、彼女はバトー自身から唇を離した。
「…バトーさん、どうかなぁ?」また上目遣いでニコリと微笑んでバトーに尋ねた。
「あぁ。いい気持ちだ。もういいぞ。」
645初体験バト×タチ9:2006/06/02(金) 16:28:23 ID:eydWuQlo
そういうとバトーは彼女の体を抱き上げ、ゆっくりとベッドの上へ横たえた。
「よし。次はお前は感じたまま声を出せばいいぞ。気持ちよくしてやるからな。」
「楽しみだわ…バトーさん…」ウフフと彼女は微笑んだ。
バトーは彼女の白く伸びた足を大きく開いた。
まだショーツをつけている彼女の秘部はもうびっくりするほど濡れていた。
「もうぐっしょりじゃねぇか…」
「何だか、熱くって…私どうなるのかしら…」
彼女は不安げにバトーに尋ねた。
「大丈夫だよ。じらして悪かったな。」
バトーの太い指がショーツの上からゆっくりと割れ目をなぞった。
「はぁ… 何だかバトーさんが欲しくたまらない…」
バトーはショーツの隙間に指を侵入させた。
中はぐっしょりと湿り気を帯びていた。
中指で割れ目をなぞりながら人差し指で小さな蕾に触れた。
「あぁ…ん…」
646初体験バト×タチ10:2006/06/02(金) 16:36:24 ID:eydWuQlo
ビクンと彼女がのけぞった。
バトーは我慢ができなくなり、彼女のショーツを急いで脱がして、その秘部にしゃぶりついた。
「…やぁ…あ…あん…バ…バトーさ…ん」
舌を裂け目に侵入させ、唇で花びらを包んだ。
指先では蕾をつまみ、もてあそんだ。
彼女の歓喜の声はだんだんと大きくなっていく。
「はぁ…はぁ…ダメぇ…」
バトーはその声にますます興奮を高めた。そして、蕾を軽く噛んでみた。
「…はぁぁあんっ…」
彼女は体をよじりながら感覚の全てをバトーに支配されているような気になった。
「もう…はぁ…ダメっっ…!」
彼女の蜜壺からだらしなく液体が溢れだし、
白い太腿とシーツの上にダラダラと垂れていった。
「…タチコマぁ…?」
バトーは奉仕をやめ彼女の顔を覗きこんだ。
彼女は潤んだ瞳でこちらを見つめていた。
激しく肩で息をしている。
647初体験バト×タチ11:2006/06/02(金) 16:38:42 ID:eydWuQlo
「…嬉しい…バトーさん…私にもゴーストが…」
彼女の瞳から涙が溢れだしていた。
バトーは思わず彼女を抱きしめていた。
力強く抱きしめた。
「いくぞ…」
「…きて…バトーさん…」
バトーはゆっくりとペニスを挿入した。
正常位で彼女の表情を確認しながら、バトーはゆっくりと腰を動かした。
「いいか?」
「すごく…いい…気持ち…いいよぉ…」
彼女は涙声で答えた。
両手で乳房を揉みしだきながら、だんだんとペースを速めていった。
「あっ…あっ…あっ…あっ…」
「はぁ…はぁ…はぁ…タチコマぁ…」
「バトー…さぁんっ…ぁあ…」
648初体験バト×タチ12:2006/06/02(金) 16:40:30 ID:eydWuQlo
充分に愛撫された二人の性器が絶頂を迎えるのにそう時間はかからなかった。
そして、二人は揃って絶頂を迎え、果てた。
繋がったまま、二人はことばもなく抱き合った。
バトーの電脳に囁きが聞こえた。

『私、バトーさんのことだけは何があっても忘れない。』

終わり
649名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 22:08:09 ID:+t44s3oO
(∴)ノ スバラシイ!!!
堪能致しました・・・
650名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 22:11:15 ID:dhcvSmlD
タチコマたんカワユス・・・・(*´Д`*)
いつ「わーいわーい^^ばとーさんのが入ったー^^b」とか
「バトー君のペニスは勃起時14.2cm、成人男性より大きめだねー^^」
みたいな無邪気モードに入るのかとドキドキしちゃった。
651名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 23:10:27 ID:GJRVwq+N
バトタチテラ萌エス(*´▽`)タチコマはやっぱり攻殻の最萌えキャラでつね。
個人的には一人称は『ボク』だったらもっと萌えたかも。
ボクっ娘タチコマ。
652名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 00:26:36 ID:xI1fC4wz
いいのだが、ばとーのちんぽは機械なのかどうか気になった。
653名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 00:47:27 ID:pxram/2z
バトーさんのちんぽが最新鋭のハイパーバイブレーターだったら・・・・(*´Д`*)
654名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 06:52:32 ID:tFV5kma4
GJ!

>>651
おまいは俺か
655名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 08:29:23 ID:xZQ0ztY1
同じビジュアルなのに微妙に知的そうなのから好奇心旺盛なのまで
ベッドで9人の擬人化ボクっ子タチコマがバトーを囲んで
(∴)ノ「バトーさ〜ん次はボクの番だよ〜」
(∴)ノ「ああ〜ズルいズルい〜次はボクの番だよ〜」
(∴)ノ「ねえキミ〜今のセックス並列化させてよ〜」
ヽ(∴)ノ「ふぉぉぉぉお〜!バトーさんすごいすご〜い!!」


バトー「少佐ぁ!イシカワぁ!腹抱えて笑ってねえでこの状態何とかしろやぁ!!」
656名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 09:02:11 ID:ck+SqsWc
>>655
ワロスw
657名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 08:31:55 ID:BnzaE87+
テラワロスwwww
658バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/04(日) 23:39:44 ID:9zh1jasR
タチコマ×バトーの流れに便乗!

それはクゼが死んで暫くたったある日の午後。
大きな事件が無く、ノンビリとした雰囲気の9課に素子がある少女をつれて現れた。

「新しいメンバーを紹介する!」
「新しいメンバーって・・・もしかして・・・」
「このお譲ちゃんかよ?」
「そうだが?なにか?」
「何か?って・・・こんな子供に俺達の仕事が勤まるわけが・・・」
「ないよなあ?」

9課メンバーが顔を見合わせる。
ソレを一掃するかのようにその少女は声を出した。
659バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/04(日) 23:40:54 ID:9zh1jasR
今夜はこの辺で寝るよ。また書くよ、バイバイ
660名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 01:00:13 ID:KNDkiRFn
S3の予告を見るかぎりGIGのラストであのまま少佐は失踪した気がすんだけどなぁ
661名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 02:48:53 ID:F9YDVGyA
さーねぇ、一番ありそうな展開だけに捻ってホスィ。
てかそう臭わす気まんまんのプロダクション紹介がやらしいな
9課の規模が拡大しすぎて9課の原型が希薄化ってまんまな受け取り方だめかねぇ。
ってすまん、だんだんスレチですな。エロエロしなきゃ。
662名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 02:23:56 ID:QB4h1VUV
S3ではやはり少佐は9課にいない可能性が高いと思う。
そして女が職場を離れるとすれば、やはりケコーン。
新シリーズでは、職場復帰を促す為9課の面々が寿退社した少佐の新居を訪ねる。
するとそこには裸エプロンの新妻素子タンが旦那と行為の真っ最中!


ってのはどうだ?
663名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 02:31:03 ID:u34Aoxex
SAGE
664名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 02:44:20 ID:wbKVGHbS
>>662
何故かその旦那は死んだはずのクゼで、そこに踏み込んだバトーが『むぉ(ry




ダメだ…自分じゃワンパターンになる…てかもうお約束?w
665名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 04:54:09 ID:TpdsMlVK
少佐とトグサが見たいのだがどうか
逃げるトグサ、追う少佐とか結局少佐が攻めになりそうだが…
666イシカワ×素子:2006/06/06(火) 11:18:26 ID:l1L/Ihgb
ちょっと前にイシカワさんの話題が出てたので投下させてください。
ただのエロで下手くそですが、暇な方みてやってください。

勤務時間の定刻はとっくに過ぎていたが、イシカワはいつものようにダイブルームにいた。「あら、やっぱりいたわね。」素子はイシカワの後ろで立っていた。「…少佐か。どうした?」答えは無く、ゆっくりと素子の手がイシカワの首と頭に絡みついてきた。
667イシカワ×素子:2006/06/06(火) 11:21:54 ID:l1L/Ihgb
「あん?どうしたんだぁ…?」
「…たまには部下とスキンシップもいいんじゃないかしら…と思ってね…」甘えたような声で素子は言った。
「お前、こういうことはバトーにしてやれよ。泣いて喜ぶぞぉ。」
「…バトーはいいの。」
ちょっと拗ねた口調で素子は言った。
「困ったやつだな…」
イシカワは椅子に座ったまま素子の方に振り向いた。
素子はイシカワの首に手をかけて、目を閉じゆっくりとイシカワの唇に自分の唇を重ねた。
軽く口づけたあとイシカワは言った。
「誰か来たらどうすんだ?」
「誰も来ないわよ…」
再び素子はイシカワに口づけ、その舌をイシカワの閉じた唇に無理やり侵入させた。
イシカワは素子にされるがまま、従った。
静まり返ったダイブルームに二人の唾液の絡み合う音だけが響いていた。
「欲求不満か?」「…そうかもね。フフ…。」
「確かにこういう刺激も悪くはないかもな…」そう言うと、
今まで素子のされるがままだったイシカワが突然立ち上がり、
素子をリクライニングシートへ押し倒した。…!
イシカワの不意の行動に素子は抵抗することもできなかった。
イシカワは慣れた手つきでそのシートを倒し、荒々しく素子のジャケットを脱がせた。
「意外にサディストなのね。知らなかったわ。」
668イシカワ×素子:2006/06/06(火) 11:26:11 ID:l1L/Ihgb
「そうか?じゃあ今から教えてやるよ。今更逃げるのは無しだぜぇ。少佐。」
イシカワはニヤつきながら、素子の両乳房をボディスーツの上から激しく揉みしだいた。
「…痛…!ちょっと…もう少し優しくし…ぁあっ!」
「んん?どうしたぁ?少佐ぁ。こうなることを望んで来たんだろう?
たまには男に屈服させられるのもいいんじゃないか?」
「…あなたがこんなマッチョだったなんてね…」
素子はいつものセックスとは違うイシカワの荒々しい愛撫に、意外にも興奮を覚え始めていた。
「いつもの馬鹿力は出すなよ。」
イシカワはそう言うと、傍らに放置されていたケーブルの束を取り、素子の両手を頭上で縛り上げた。
「ちょっと…!」
普段は味わうことのない辱めに素子は股関に熱いモノがじんわりと湧き出てくるのを感じた。
イシカワは素子のボディスーツを引きずり下ろし、白い乳房を露わにさせた。
そして両脚を大きく開かせた。
「やらしい格好してるぞ。少佐…」
そう言うとイシカワは素子の白い左乳房にしゃぶりつき、左手では右の乳首をつまみあげた。
あぁあっ…!…んんっ…!
そして右手を素子のハイレグのスーツの内部へ侵入させた。
669イシカワ×素子:2006/06/06(火) 11:38:29 ID:l1L/Ihgb
内部はすでに湿り気を帯びており、イシカワがその割れ目をなぞるとまた生温かい液体が溢れ出してきた。
あ…ん。
「いやらしい女だなぁ。グチョグチョだぞ?」
イシカワは右手を引き抜くと素子の愛液にまみれた指を舌で舐めあげた。
素子は羞恥心によりますます股関が熱くなるのを感じた。
イシカワぁ…。
再びイシカワは右手を侵入させ、指を二本、素子の熱くなった膣へ挿入した。
素子のそこは楽にイシカワの二本の指を飲み込んだ。
くちゅ…くちゅ…ぴちゃ…ぐちゅ…
イシカワの指は素子の内部をグチュグチュと掻き回した。
「少佐ぁ。バトーはいつもここをどうやっていじるんだぁ?」
「ぁ…はぁ…バトーとはそんな…んじゃないわ……よ…っ…」
は…あ…ん…ぁあっ…
素子はイシカワの尋問に答えるのもやっとだった。
素子はのけぞりながら必死に快感に耐えた。
それからイシカワの指は素子の内側のざらついた部分を何度も何度も執拗にこすり、突いてきた。
670イシカワ×素子:2006/06/06(火) 11:41:02 ID:l1L/Ihgb
…!
はぁあ…ー!
素子はイシカワの指先に完全に支配されていた。
イシカワは荒い息づかいで快感に悶える素子を眺めていた。
素子の感覚を支配していることに男としての優越感を感じているのか、いやらしく笑みを浮かべている。
あぁーーっ!…やぁん…だめ…っ!あぁあ…
イシカワの執拗な愛撫に素子はなすすべもなく、呆気なく果ててしまった。
はぁ…はぁ…はぁ…
「ん〜?少佐ぁ。そりゃあないぜ。お楽しみはこれからだぞぉ!」
イシカワがスラックスのチャックを下ろし、いきり立ったモノを出そうとしたその瞬間…。
突然ダイブルームのドアが開いたのだ。ガチャン…
「!!」
671イシカワ×素子:2006/06/06(火) 11:45:59 ID:l1L/Ihgb
二人は慌ててドアの方に目を向けた。
そこには事態を全く呑み込むことができずに呆然と立ち尽くすトグサがいた。
トグサの目前には腕を縛られ、乳房を露わにし脚を広げた少佐に、モノを出そうとしているイシカワがいるのである。
無理もない。
「…あ。いや。…すっすみませんでしたっ!!」
ガチャン!!
「おい。見られたぞ…」
…次に別の男の声が聞こえた。
「おい。トグサ〜。少佐いたんだろ?その報告書、今日までに少佐の所感を記入してもらわなきゃいけないんだろ?
…おい?どうした?何かあったのか?」
男の声がどんどん近づいてくる。
「…い、いや!ダメだ!旦那!…ほ、ほら今日は今から一杯やろう!報告書はもういいから!ほらっ旦那!」
「ん?なんかお前おかしいぞ?どうしたって言うんだ?」
「バトーまで来やがった。俺はバトーにブチ殺されるのだけはゴメンだ!
少佐、この続きはバトーに頼んでくれよ!」
イシカワは着衣を整えそそくさとダイブルームから去っていってしまった。
「ちょっとっ!イシカワっ!」
素子はまだ火照りの収まらない体で急いでケーブルを引きちぎり、乳房をボディスーツに収めた。
672イシカワ×素子:2006/06/06(火) 11:48:26 ID:l1L/Ihgb
その瞬間にバトーがダイブルームのドアを開けた。
ガチャン!!
「あら、バトーお疲れ様。」
そこにはいつも通りの少佐がいた。
「なんだー。やっぱり少佐いるじゃねぇか。トグサのやつ一体どうしたんだ?」
「さぁね…?」
しかしバトーはその部屋に漂う異様な雰囲気を感じとった。
よく見ると少佐も少々息づかいが荒いし、頬も微かに紅づいている。
バトーには今までこの部屋で何が起こっていたのか知る由もなかったが…
なんだか艶っぽい少佐に一人胸の鼓動の高鳴りを感じていた。
終わり。

…くだらなくてすみませんでした!
673名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 17:14:55 ID:pcdAcjpm
寸止め乙
674名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 17:17:18 ID:ITBxnVDO
GJ
675名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 17:56:03 ID:t1xogotM
トグサとバトーさんカワイソスwww
それで665に繋がったら面白いな
676バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 21:03:07 ID:B4202V+Q
「やだな〜、小さいからって見くびらないでくださいよ♪
 バトーさん!会いたかったです♪」

少女が独特の手の振り方をしながら話しだした。
その様子を見た9課のメンバーは・・・

「この声」
「この話し方」
「この手の動き」
「そしてバトーが好き」
「こいつってもしかして・・・」
「少佐!」
「そう、タチコマよ」
「でも、タチコマのAIは衛星に乗っていて・・・この前、自爆したんじゃあ?」

 
677バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 21:12:10 ID:B4202V+Q
「そう、だから、これは博士の手元に残っていたAIに手を加えたもの。
 今、技術部の方で新しいタチコマの雛形を作っているの。
 今度は今までどおりの衛星搭載AIに加えて、補助AIを本体に組み込む計画よ。
 そして、これはその補助AIを私のリモート儀体に埋め込んだもの。
 衛星搭載AIとおなじみの青いボディが出来るまでの一時的な逃げ場でしかないけれど、
 それでも、AIチップだけで存在するよりもましでしょ?」
「そういうことで〜す。皆さん短い間だけど、ヒトガタの僕を可愛がってね〜♪」
「そういうことかあ」
「こんな可愛いお譲ちゃんの体に入りやがって、憎いな、この」
「やあん!そんなところ触らないでくださいよ、イシカワさ〜ん♪」

嬉しそうにタチコマを取り囲む9課メンバーの中、
バトーはタダ一人、複雑な顔をしている。

「一応9課のメンバーの顔と名前、日本語を基準とした言語、
 日常生活動作はインプット済みだけど、経験と教え方次第で
 知識は上がっていくから好きなように使ってくれ。
 どうせ衛星搭載AIが完成した時点でその知識や記憶は篩いにかけられるからな」
678バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 21:18:18 ID:B4202V+Q
「なるほどねえ、また記憶を消されちまうってよ。
 上の人間も残酷だねえ・・・」

バトーがポツリと嫌味を言ったが、素子をそれをわざと聞き流し、身を翻した。

「では、皆、よろしく頼む・・・」

そして、タチコマをその場に残して部屋を出て行った。
残されたメンバーはタチコマに何を教え込もうかと相談を始める。

「俺と一緒にパチンコでも打つか?」
「いや、俺と一緒に射撃訓練だ」
「俺と一緒に夜の繁華街を・・・」
「そりゃ流石にやばいだろ?見た目は少女だぞぉ?」
「俺の家に来て子供と遊ぶとか?」
「俺とピザ屋でも・・・」

679バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 21:25:46 ID:B4202V+Q
皆が帰って来たタチコマを自分の得意分野へと誘う中、
バトーは一人、口を開かずに腕を組んで考え込んでいる様子だった。
それをトグサが察知する。

「旦那、どうしたの?タチコマつれてどこか行きたくは・・・ないのか?」
「・・・・・・そうさなあ、俺にはタチコマつれて経験値上げに
 いける場所なんて思いつかねえしな・・・」
「なぁに言ってるんだよ、バトー。そう硬く考えるな。楽しめりゃあ良いんだ。
 どうせ、俺について行っても、パチンコの記憶なんて消されちまう・・・」
「だな、・・・おれのピザ屋の記憶も・・・」
「繁華街は後々ためになるかもしれん」
「射撃も・・・どうせプログラミングすりゃあ頭にはいっちまう程度の知識だ、
 消されるだろう」
「子供と遊んでも・・・・・・何にもならんだろうしな・・・」

どうせ自分たちと思い出を作ってもタチコマの記憶が消される。
その可能性を考えると、一気にメンバーのテンションは落ちた。
680バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 21:33:01 ID:B4202V+Q
「そうかあ〜〜。どんなに楽しい経験しても、どのみち僕の記憶は消されちゃうんだ・・・」

タチコマは残念そうに下を向いた。
その瞳には儀体特有の瞳を潤すオイルが涙のように溜まっている。
そのウルウルとした瞳に皆が言葉を失ったその時、バトーが口を開く。

「タチコマは、何がやりたいんだ?」
「え?!僕ですかぁ〜?僕は・・・・はて?何がやりたいんだろう?」

バトーの問いかけにタチコマは目を上に向けて考え込む動作をした。
その愛らしさに突然、場の雰囲気が和む。

「はは・・・まあ、堅っ苦しく考えてもどうせ時間が過ぎていくだけだしなぁ・・・」
「くじでも引いて日替わりでタチコマと行動を共にしますかぁ?」
「お、それいいね。そうしよう」

途端にくじが作られる。

「では、恨みっこ無しで・・・」
「せーのっ!」

皆がいっせいにくじを引き上げた。
681バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 21:40:41 ID:B4202V+Q
くじの結果、パズ、イシカワ、ボーマ、トグサ、サイトー、最後にバトーの順で
タチコマと行動を共にすることになった。

「夜の繁華街は犯罪だぞ?パズ」
「・・・分かっている。任せろ。・・・行くぞ、タチコマ」
「わーい♪何を経験できるのかなぁ?♪」

パズはそう言って、まだ昼の明るい時間帯にタチコマをつれて部屋を出て行った。
そして、その日から順番にタチコマは回されて・・・。
とうとう最終日、バトーと行動を共にすることになった。
サイトーからタチコマを引き受ける。

「じゃあな、楽しんでこいよ・・・」
「おう・・・」

短い挨拶を終えて、バトーは素子の面影を持つタチコマと連れて町へと繰り出した。
682バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 21:44:50 ID:B4202V+Q
「バトーさんバトーさん」
「なんだ?」
「腕組みしても、いいですかぁ?♪」
「う、腕組みだあ!?」
「駄目〜?折角パズさんに教えてもらったのにぃ〜」
「・・・・・・・パズの奴・・・。いいぜ、組んでも・・・」
「やったぁ!♪」

タチコマがバトーの左腕に両手を絡ませる。
中身がタチコマといえども、外見は素子に良く似た少女。
そんな存在に腕組みをされるのだからバトーの気持ちが揺らがないはずが無かった。
体を硬くしながらギクシャクと町を歩く。
途中、映画館で面白そうな映画をやっているのが目に付いた。
683バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 22:26:15 ID:xKH9wA+U
「入ってみるか?タチコマ」
「はーい!よろこんでぇ♪」
「・・・なんだぁ?その話し方・・・」
「ボーマ君と入った焼肉やさんの店員が言ってたんですよ♪
 本当、ボーマ君は良く食べる食べる・・・。
 儀体化してるから未消化のまま出すしかないのに、逆にそれを楽しむみたいに・・・」
「はは、そうか。ボーマは大食漢かあ。しらなんだ。他には?
 トグサやイシカワ、サイトーの奴らから得た面白い情報はなにかあるか?」
「そうですねぇ・・・。トグサ君の家ではおいしい肉じゃがの作り方を知りました。
 イシカワさんは出やすいパチンコの台の見方。サイトーさんにはお祭りで
 景品沢山取ってもらちゃったんだ〜♪」
「ほーう、なるほどねえ・・・。可愛がられてたなあ、タチコマ」
「はい〜、思い出が沢山出来ました。たとえ消されちゃっても、本望です」
「そうか・・・」

記憶を消されても構わないと楽しそうに言うタチコマにバトーは言葉を失った。
それは覚悟のようにも聞こえ、諦めのようにも聞こえ・・・。
684バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 22:35:09 ID:xKH9wA+U
「バトーさん?」
「・・・・・・・・・・・・」

バトーとタチコマは映画館の前で見詰め合ったまま、動けなくなった。

「バトーさん、映画見ないんですかぁ?」
「あ・・・・そうだったな。入ろう」
「はい。楽しみだなあ〜」

タチコマの呼びかけにバトーは吾に返り、タチコマをつれて映画館に消えた。
685バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/06(火) 23:29:56 ID:xKH9wA+U
2時間後、映画館からバトーとタチコマが現れた。

「なかなか面白かったな?タチコマ」
「はい。僕の中に無い言葉も出てきましたが、大体は理解できました」
「さてと・・・もう夕方か。これからどうする?」
「はいはーい!僕、バトーさんの家に行きたいです♪」
「俺の家だとぉ?・・・・大したもん、ねえぞ」
「大丈夫ですよお。バトーさんと一緒なら僕、どこでも天国♪」
「天国ねえ、・・・そいや、お前、天国いけた?自爆した時」
「うーん、それは内緒♪」
「なんだよ、教えろよ・・・」
「駄目です。教えたら楽しみがなくなっちゃうでしょ?死ぬ」
「まあ、そうだがよお・・・」
「いいんです、死んだ時に自分で体験してください」

バトーは残念そうにたちこまを連れてセーフハウスの一つへと向かった。
686名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 00:19:12 ID:Ge7Ofj9U
 ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +
 と__)__) +

セクロスマダーーー??
687バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 00:28:13 ID:hXQcxBj2
ごめん、ここで寝ます。
続きはまた・・・・明日(?)
688名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 01:07:33 ID:o/zJ99pM
タチコマ…切ねぇ…
689名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 05:45:43 ID:3Ue0Pbue
タチコマテラカワユスww
690バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 13:15:50 ID:IJYo6d0X
歩き初めるとすぐにタチコマはバトーに遅れを取るようになった。

「どうしたぁ?タチコマ」
「うーん、昨日サイトーさんに景品で取ってもらった靴が足の表皮を削って・・・。
 感覚神経の切り方を少佐に教えてもらってないから、痛くて〜!
 なんで人間は二足歩行なんてしてるの?僕達みたいに4本でタイヤがついてたほうが
 移動は楽なのに〜」
「そうさなあ・・・。人間が人間たる不思議の一つだな、そりゃ」

バトーがタチコマの足元を見ると、ヒールがあるサンダルを穿いているため
足のかかとと外側の皮膚がずるむけていた。

「こりゃ・・・痛そうだな。よし!タチコマ。俺に乗れ」
「へ?」

バトーはタチコマに背を向けてしゃがんだ。それをタチコマは理解できずに棒立ちしている。

「おんぶだよ。おんぶ!・・・そんな言葉は頭に入ってねえか?」
「おんぶ・・・?おーーー!おんぶとは、トグサ君が娘さんを確かおんぶしてました〜♪」
「そう、多分ソレだよ。さ、こい・・・」
「ハイ♪」

タチコマは嬉しそうにバトーの背中に背負われた。
691バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 13:25:32 ID:IJYo6d0X
タチコマを背負うをバトーはすぐにサンダルを足からはがした。
その体制のまま、街を歩く。

「なんか変な気分だなあ〜♪生前は僕がバトーさんを乗せていたのに・・・」
「生前か・・・。確かに生前は俺達沢山タチコマに乗せてもらったな。
 それに危ないところも助けられた。本当にありがとう。感謝してるよ」
「へへ〜♪感謝されちゃった〜♪どういたしまして」
「・・・・・・・なあ、タチコマあ。2度も死んで、また俺達の都合で現世に戻されて、
 迷惑じゃねえか?」
「うーん、そうですねえ・・・・。僕達は生身の人間と違って、痛みや苦しみを感じないし、
 家族もいないから・・・。まあ、トグサ君よりは楽に死んだって自信はありますね!」
「ふっ・・・そうか」
「それに、死んでたのを呼び戻されるのは、どこの管轄になるのかちょっと恐怖ですけど
 決まって9課専属になれるみたいだから嬉しいです」
「なるほどねえ・・」
「それにまたバトーさんに会えた〜!わーい!って思います」
「・・・・・・・・・・」
「あ・・・・・・・・。雨が降ってきちゃいましたね・・・錆びないかなあ?この儀体」
692バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 13:38:18 ID:IJYo6d0X
「おっと、そうだな。少佐の借り物だし・・・。よし、走るぞ。ちゃんとつかまってろよ!」
「了解〜♪」

バトーは雨が降りしきる街中を小走りに移動した。
バトーのセーフハウスは路地裏にあった。
日の光が差すことも難しいほど薄暗い路地裏の扉を開けると、
2DKの簡素な部屋が二人を迎えた。

「わおー!庶民的〜♪年代物ですね〜」
「もっと豪華なところも良かったんだがな、タチコマ古いの好きだろ?」
「はい〜!ここ気に入ったなあ!畳なんてヒトガタじゃないと上がれないし・・・」
「はは、確かにタイヤじゃ沈んで駄目だ・・・。濡れたろ?タチコマ。
 服脱いで儀体を良く拭いておけ。体温を奪われて次第に寒くなるぞ」
「了解〜♪」

バトーからバスタオルを受け取ると、タチコマはすぐさま服も下着も脱ぎ捨てて
裸になった。その儀体は12〜13歳の少女を模しているのだろう、
成人と子供の中間、胸はほんの少しふくらみがみられ、尻の肉付きも中途半端だ。
バトーはその思春期素子の裸を目の当たりにして焦り、目をそらす。
693バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 13:49:11 ID:IJYo6d0X
「馬鹿野郎!早くタオルを巻け!風邪ひいちまうだろうが?」
「あ、了解〜♪・・・・・・コレで良いですか?バトーさん」
「ん?ぐあ!違う!そうじゃない!腰に巻いてどうすんだよ!胸のところで巻くんだ!」
「でも、バトーさん、腰でまいてるじゃないですか?」
「俺は男だから良いんだよ!女は胸も隠さなきゃ駄目なんだ」
「へー、バトーさんにしては珍しく差別的発言だなあ?」
「差別とかそんなんじゃなくてだなあ・・・。ほら、こうだ。このまま巻いてろよ」
「うーん、納得しないけど、了解〜」
「ふう・・・・・」

タオルをしっかりと巻いたタチコマの姿を確認すると、バトーはやっと気が抜けた。
濡れてしまったタチコマの服を室内に干して、たたみに二人で座る。

「仕方ねえ、今日はここでお泊りだ・・・。服が乾くまでな」
「わーい!バトーさんちにお泊りお泊り!」

バトーの気苦労とは対照的にはしゃぐタチコマ。
バトーは年代物の箪笥から自分のワイシャツを引き出して、タチコマに手渡した。

694バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 13:58:34 ID:IJYo6d0X
「でかいが、パジャマにはなる・・・。コレを着ろ」
「うん!」
「ばっ!待てよ!後ろ向いてるからその間に・・・」

タオルを無防備に脱ぎ捨てるタチコマ。バトーは慌てて後ろを向いた。

「終わったカー?」
「うーん、うーん、これどうやって留めるのぉ?帯あるんですか?」
「・・・・・ボタン初めてなのかよ・・・・」

バトーはため息を一つつき、タチコマに向き直った。
そして、目を伏せながらボタンを一つ一つ留める。
シャツの間から胸や性器がちらちらと見え、そのたびにバトーの心臓は高鳴った。

(これはタチコマだ。少佐じゃねえ!
 それに少女に興奮するなんて・・・しっかりしろ、俺!)

バトーは自分の興奮をおかしいものだと言い聞かせ、自分の中に閉じ込めた。
695バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 14:26:23 ID:IJYo6d0X
バトーも服を着て、落ち着く頃。
雨も助けて日が落ち、辺りはすでに暗くなっていた。

「やることねえな・・・。テレビもねえし・・・」
「寝ましょうか?バトーさん」
「いいのか?そんなんで」
「バトーさんと一緒ならどこでも天国です!
 それに、早く寝た分早く起きれば良いのでは〜?」
「そうだな、じゃあ、寝るか・・・」
「はい〜♪」

布団を敷いて、バトーが横になると、タチコマがすかさずぴったりと横に張り付いて
腕を組んできた。

「ばっ!・・・・離れろよ、タチコマぁ!」
「なんで〜?バトーさんと一緒に寝るってこういうことじゃないの〜?
 パズさんとはこうやって寝たよぉ?」
「・・・・・・・・バズの野郎。・・・・・・・いいぜ、ぴったりとくっついてくれ」

パズの話を聞いて気が変わったバトーはタチコマをかたわらに寝せた。

(パズの野郎!まさか食って無いだろうな?)

一つの不安が頭をよぎる。幸せそうに笑顔で自分を見るタチコマにバトーは探りを入れたくなった。

「タチコマぁ?パズはこうやって寝た後、お前に何かしたか?」
「いいえ♪草原でこうやって
696バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 14:36:43 ID:IJYo6d0X
「いいえ♪草原でこうやって寝転んだだけですけど」
「草原で・・・・。ばっ!ソレを早くいわねえか!?」
「なんでぇ〜?なんでバトーさん怒ってるノン?」

タチコマは全く理解できないといった風だった

「・・・・・やっぱ、離れろ・・・」
「何でぇ〜?!人間って気まぐれだなあ。これだから使われる機械たちは
 嫌になるんですよ!僕だって、本当は・・・・帰ってきたくなかったんだ・・・・」
「・・・・・・・・・タチコマ・・・・・・・」
「でも、バトーさんには会いたかったから・・・。帰ってきたらきたで、
 記憶を篩いにかけるだなんて、僕にとっては全部意味のある記憶なのに
 自分勝手だなあ本当に、人間は・・・・」
「悪かったな、タチコマ・・・・」

バトーは涙を流して訴えるタチコマを優しく抱きしめた。
しかし、その胸の鼓動は早く打っていた。
697バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 16:06:16 ID:97oDDqZB
「泣くな、タチコマ。俺が悪かった・・・・だからもう・・・」
「バトーさんも少佐と同じで僕の気持ち何も分かって無いんだ〜!」
「・・・・・・・そうだな。俺はなにもお前の気持ちを考えてなかった。俺が悪かったよ。
 くっついていてもいい。このまま寝よう・・・」
「うん・・・・。ねえバトーさん・・・・・」
「ん?」

タチコマは泣きやみ、バトーを見上げる。
そして、タチコマの唇がバトーの唇に触れた。
バトーは慌てて体を引く

「!!っ・・・・な、何を・・・タチコマぁ・・・!?」
「分かってますよ。キスでしょぉ?さっきの映画で見ましたもん。
 好きな人に対する愛情表現!」
「それはそうだが・・・」
「僕はバトーさんが好きだから、キスしたんです。おかしく無いでしょ?」
「そうだけど、でも・・・・・・」
698名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 20:13:12 ID:/8o7FOFf
よ、予告は?
699バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 21:37:37 ID:6O7eSp5e
ごめん、急用で離れてたから予告できなかった。
では続き〜。

タチコマの純粋な告白を受けて、いつもは感謝の言葉を軽く言えるバトーだったが、
素子の姿でキスをされてしまっては平常心ではいられない。
バトーは自分の唇に残る素子の感触の余韻に浸っていた。

「バトーさん?バトーさんってばあ!」
「んあ!・・・・あ、すまねえ。ちょっとボーッとしてた」
「もう一度キスしても良いですか?♪」
「ばっ!馬鹿言うんじゃねえよ・・・・!」
「駄目〜?なんでぇ?」
「・・・・・・・・理性が飛んじまうからな」
「理性が飛ぶ?・・・・・・うひひ、見てみたいなあ、理性が飛んだバトーさん。
 ねえ、バトーさん〜キスしよ〜♪」
「ちょ!やめろタチコマ!・・・・・」

バトーが身を翻してよけるよりも早く、タチコマはバトーの唇を奪った。
700バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 21:48:28 ID:6O7eSp5e
(駄目だ、何を考えているんだ俺は・・・・・こんなこと、あってはならないことだ・・・)

バトーは葛藤をしながらも、キスをしながらタチコマを下に組み敷いた。
現在の日本でも1少女との性交渉は法に触れる。
しかし、成人が少女に儀体を入れ替えることもできるので
罰則の対象を、ゴーストの年齢が18歳未満である者と性交渉した場合
に法改正がなされた。
それでも、未成年の儀体を性愛の対象に見ることはきわめて少数派であるし、
たとえ相手がAIのタチコマであっても少女の素子とことを終えてしまったら
やはり、罪悪感を感じざるを得ないことはバトーには百も承知だった。のだが・・・。

「バトーさん・・・、僕嬉しい・・・。バトーさんは僕を愛してくれているのですね?」
「あ、いや・・・」
「だって、だって、愛していなきゃ、こんなことってしないんでしょ?」
「まあ、・・・そうだが・・」
「じゃあ、セックスしましょう、これから」
「はあ?!お前どこからそんな単語を・・・」

タチコマの脳にインプットされている情報は、セックス=愛し合うものどうしが行うこと。
とだけある。そのため、バトーの複雑な気持ちなんてタチコマには全く知る由も無かった。
701バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:04:47 ID:6O7eSp5e
「僕はバトーさんのことが、好きで好きで、愛していて、切なくて、仕方が無いんです。
 だから、僕はバトーさんを受け入れたくて仕方が無いんです・・・」
「・・・・・・・・」

(惑わされるなよ。これはタチコマが自分の脳にある情報から
 愛の告白の例文を適当につむぎ出して言っていることなんだ。
 AIが人間に恋をするなんてありえねえ・・・だろ?)

タチコマを押し倒したまま固まるバトー。
上目づかいの潤んだ瞳でタチコマは言った。

「バトーさん、どうですかあ?僕、こんなこと、バトーさんにしか言いませんよぉ。
 僕、バトーさんと一つになりたいです。大好きですバトーさん・・・・・」

プツン
バトーの理性がその一言で切れた。
バトーからタチコマにキスをし、そのまま先ほど自分が着せたパジャマを
荒々しく脱がせる。
702バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:14:07 ID:6O7eSp5e
「バトーさん!バトーさん!・・・・」
「・・・・・・・・・」

バトーに首筋や、胸元にキスをされ、タチコマは歓喜の声を上げた。
バトーはタチコマのその姿から、まるで素子の処女を奪うような錯覚に陥り、
それがますます自分をヒートアップさせていることを強引に気づかないでおいた。

「あっ!・・・・・はあん!こ、こんな言語はインプットされていないのに〜!
 変な声が出ちゃいます〜ああん!」
「・・・・・・大丈夫だ、気持ちが良いってちゃんと俺に伝わってる・・・」
「そうなんですか?うんっ・・・・・バトーさん!バトーさぁん!」
「タチコマ!・・・こんな俺を好きでいてくれてありがとうな・・・」
「うん!大好きです、バトーさん!嬉しい、嬉しいよお・・・・あんっ!」

少女素子の姿を借りたタチコマの可愛らしさに、バトーの心は夢中になっていた。
どうせ、消される記憶。どうせ、かりそめの姿。
しかし、この時、このチャンスをモノに出来ずに、何が人生だろうか?
無駄なものなんて何も無い。この二人の今が無駄だというのなら、
所詮、人間は死ぬ運命。
死んで全てが消えるなら、人生全てが無駄となるのではないだろうか?
703バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:20:30 ID:6O7eSp5e
バトーの愛撫はタチコマの体の隅々を巡った。
そして、挿入の時・・・・・・・・。

「言っとくが、最初は痛いぜ、きっと」
「はい、分かってます。でも、見たところバトーさんのサイズは標準やや大きめでしょ?
 僕のは小さ目とは行っても、思春期のサイズだし、入らないことは無いかと・・・」
「いや、入っても、快感は得られないかもしれないってことだ。それでも、いいのか?」
「はい〜。僕はバトーさんと一つになることに意義があるんですもの。
 だから、来てください!」

バトーの緊張とは全く逆に、タチコマは笑顔でバトーに体を開いた。
バトーはゆっくりとタチコマの中に体を沈めていく。
一瞬、タチコマの表情が苦痛にゆがんだ。

「・・・・・痛いだろ?」
「はい、ちょっと・・・」
「無理すんなよ?・・・止めとくか?」
704バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:28:17 ID:6O7eSp5e
本当はバトーの中にまだ、罪悪感があった。

(ここに居るタチコマを俺は愛しく思うが、それはこの少佐の姿のせいじゃねえのか?
 タチコマがあの青色の機体でも、俺はこんな感情をタチコマに感じるか?
 ・・・・・俺はタダ単に、タチコマの気持ちを利用して、
 自分の少佐への征服欲を満たそうってのが本音じゃねえのか?
 錯覚なのを承知して、少佐の処女を奪ってやったぞ!という、征服欲を・・・)

しかし、タチコマはそんなバトーの気持ちなど全く知らず、
相変わらず自分の気持ちをぶつけてきた。

「ここで終わりだなんて・・・・。そんなの嫌だよう・・・。
 お願いです、バトーさん、僕が痛がっても無理やり入れてください。
 僕、痛くても幸せです。とてもとても幸せですから・・・」
「タチコマあ・・・・・・・」

純粋なタチコマの懇願に、バトーが応じないはずは無い。

(今夜は自分を二の次にして、タチコマの気持ちを満たしてやることに
 徹しても悪くはないだろうよ・・・)
705バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:33:54 ID:6O7eSp5e
覚悟を決めたバトーは再びタチコマに体を沈めた。

「ああっ・・・・!っつ・・・・・。嬉しい、嬉しいよお、バトーさん・・・」
「タチコマ・・・・・。好きだ。愛している・・・・」
「・・・・バトーさん」

バトーの愛の告白を聞いてタチコマの瞳から涙があふれ出る。

「僕も好きです・・・バトーさん・・・・。好き、大好き・・・。
 僕、ヒトガタになれて良かったなあ・・・・」
「タチコマぁ・・・・!」

バトーが全てタチコマの中に収まった時、二人はぴったりと
腕を体に絡めて抱きしめあっていた。
愛する者との処女喪失の喜び。
タチコマはそれを全身全霊で感じていた。
706バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:44:42 ID:6O7eSp5e
結局、今回のセックスはそこで終わった。
タチコマは快感を得ることが出来ず、
バトーも射精をすることは出来なかった。
しかし、なんともいえない満足感が二人の中にはあった。
繋がりあったまま、バトーが小さくなるまでぴったりと抱きしめあった。
そのあとはバトーの胸の中にタチコマが収まり、二人とも眠った。
朝日が二人を迎える頃には、二人の間に変な独占欲など発生せず、
笑顔で挨拶を交わし、9課へと向かった。
そして、そこで素子に出会う。

「丁度良かったわ、バトー。タチコマのボディが完成したの。
 私のリモート儀体からAIを移植するわ。記憶の選別に付き合って」
「・・・・・・・・なあ、少佐、記憶別に消さなくても良いんじゃねえの?
 情報量なんてネットに接続すれば無限にあるんだし・・・」
「でも、無駄な記憶があると必要な新しい情報を取り込みにくくなるのよ。
 だから、必要なの」
「無駄な記憶なんて、こいつの中には存在しねえ。
 あるのは思い出だけよぉ。な?タチコマ」
「・・・・・・思い出と記憶。どう違うのかしら?」
707バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:52:53 ID:6O7eSp5e
理解に苦しむといった表情の素子にバトーは自信満々に答えた。

「そりゃあ、ゴーストに囁きかけるかどうかの違いだろ?」
「!?この子にゴーストがあると?!・・・ヒトガタだから肩入れしちゃったのね、バトー」
「ちげえよ!・・・全く石頭・・・。こんな奴が上司とは・・・」
「もう良いですよ、バトーさん・・・」
「よくねえ!お前は9課の中でも一番の働きもんなのに、
 AIだからって軽く見られ過ぎなんだよ!いいか?少佐、
 俺達はそれなりにタチコマに役に立つ思い出を作ってやったつもりだ。
 無駄な記憶なんてコレッポっちもねえ。だから、記憶を消すのは止めるんだ」
「熱いわね、バトー。でも、これは上官命令よ」
「へんっ!こんな石頭な上官なんて、こっちから願い下げだ・・・!
 タチコマの記憶を消すのなら、俺は9課を抜けるぜ。さあ、よく考えろ、上官さん」
「・・・・・・・・・ふう、分かった分かった・・・。バトーがそこまで言うのなら止めるわ」

素子は根負けし、ため息をついてその場を去ろうとした。
ホッとするバトーとタチコマ。
その時、素子が振り返ってこう投げかけた。
708バトー×タチコマ(コドモトコ):2006/06/07(水) 22:55:22 ID:6O7eSp5e
「そういえば、前回、今回とタチコマを生き返らせたとき、
 全く何も情報をインプットしていない状態なのに、覚醒直後に
 バトーさんはどこ?!とあなたを探していたわ・・・。
 これって・・・ゴーストの囁きってものかしらね?」

ソレを聞いてバトーはタチコマを見つめる。

「・・・・・・・・・タチコマ・・・・・・・・・」

タチコマは何も言わずにバトーに微笑んだ。


終わり。
709名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 23:08:50 ID:r5djyMo/
タチコマの唄が聞こえたよ。タチコマ可愛いよタチコマあぁタチコマ
710バトー×タチコマ(またもや388):2006/06/07(水) 23:14:33 ID:6O7eSp5e
いやあ、長い上にエロが少なくてごめん。
皆タチコマ萌えできたかな〜?
711名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 23:38:53 ID:ePd5fPpr
GJ
泣いた
・゜・(つД`)・゜・
712名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 01:32:08 ID:Go05UEj/
記憶喪失の戦士な主・クゼと巨乳美女戦士な(性)奴隷素子で中の人が同じの某エロゲのパロディーを妄想

713名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 02:12:40 ID:cRfglT6z
勃ちコマ
714名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 03:15:13 ID:Clj4Efna
よかったです。出せばいいってもんじゃないねー。
だんだん開発されてくタチコマを想像。。。
715名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 07:51:23 ID:7OjL/oRl
切ないよ…タチコマぁ・゚・(つД`)・゚・
716名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:06:13 ID:MFZ6qZas
コマネチと似てね?
717名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 07:28:07 ID:y/vmKIue
>>712
そのゲームなんてタイトル?w(*´д`)ハァハァ
718名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 07:36:51 ID:PRILZwTm
タチコマの歌ってAI戦隊?
それじゃバトーが戦意喪失しそう。
でもかわいいけどw。
719名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 08:54:33 ID:o1V+rtJQ
>>717
アニメの方のキャストだけどなー
おかげでキャラスレの前スレスレタイに『メスゴリラ』って入ってたw
720名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:36:22 ID:0p/E/bTV
手掌腱膜テラモエスwwwwww
721名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:37:09 ID:0p/E/bTV
失礼
誤爆だ
722名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 05:41:45 ID:A6Alo1k+
感覚器官は全てスイッチが入っているのに指一本動かせずに
やられて悶える大佐が見たいのに相手も状況も思い浮かばない
うわぁぁぁもやもやする!!
723名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 05:53:42 ID:A6Alo1k+
大佐って誰だよ俺…
724名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 09:54:09 ID:vI5MAI9C
>>722
個人的イメージだと相手はアオイかな。それかイシカワ。大穴でプロト。
725名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 10:14:43 ID:vFdjD5Ec
プロトだったら、少佐に逆ハックかまされて、欲望の餌食。
あ、ちょっといいかも。
妄想してくる。
726名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 18:21:51 ID:aiejDif9
ワクテカして待ってるよ〜!
727388:2006/06/17(土) 00:02:38 ID:nXbs5uQQ
レンジャー時代に受けた傷で実は不能のバトーを
素子が慰める話しを構想中なんだけどさ。
これって障がい者差別になっちゃうか心配・・・。
攻殻のパロでなくても良いって話だし、需要があるなら書きますので、
皆様の意見をください。
728名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 01:26:30 ID:Gibcx8RF
注意書きありでおkだと思うんだが、どうだろう。

あ、俺には需要アリノシ
729名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 15:47:33 ID:pmGxWBlh
大げさな前置きとコテの個人主張ウザイから要らないと思う
まぁ個人的にはその話自体要らないけど
730名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 18:40:46 ID:oMJRNkuj
別に差別にはならんと思う
私は読みたいかな。
731名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 18:43:38 ID:tlJH+N9G
素子  「バトー」

バトー 「ん、どうした?」

素子  「とりあえず私のおっぱい揉んどけ」

バトー 「うはwwwwwおkwwwwwwww」
732名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 18:51:27 ID:/i0e/Qly
揉まれながら鼻ほじってそうだなwww
733名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 22:05:55 ID:SGnH31Lt
タイトルだけで注意書きはいらないな
それじゃ投下
734ボーマの災難1:2006/06/17(土) 22:07:08 ID:SGnH31Lt
=新浜警察病院のある一室=

草薙素子の代わりにダイブしたボーマは『個別の11人』に感染してしまった―――
検査入院は続いているが、それはボーマにとって久々の安息の日々でもあった。
そしてある日、その安息の日々を奪う者がボーマの見舞いに訪れた・・・

「ボーマ、具合はどうだ?見舞いに来てやったぞ」
「少佐か?すまない、忙しい時に仕事に穴を開けてしまって。あさってには退院できそうだ」
「仕事の事は気にするな。私の代わりにダイブして感染したんだ。ゆっくり休んでろ。ウイルスの発症因子は、今、イシカワが調べてる」
「そうか。じゃ、遠慮なくゆっくりさせてもらうよ」
「ほら、見舞いを持ってきてやったぞ。受取れ」
素子は、いかにも高級そうな箱をボーマに渡した。「すごいな!中身はメロンか?有名な高級店のものじゃないか!」
「おまえもピザばっかり食ってないで、たまには天然ビタミンのイイヤツでも補給しろ」
「ありがとう、うれしいな」――――ボーマは、その箱を大事そうにベッド脇の棚に置いた。
「なんだ?今、食べないのか?」「少佐・・・メロンってヤツは、食べ頃の日にちがあるんだ。ちゃんと箱に書いてあるだろ?」
「そうなのか?普段、サイボーグ食ばっかり食べてるから、知らなかったぞ」
「案外、何も知らないんだな――――ほら、○月△日が食べ頃って書いてあるだろ?」
「ほんとだな・・・今日はダメなのか・・・まっ、メロンはダメでも、私は『食べ頃』だがな♪」
「ウッ!ゴホゴホ・・・・」―――素子の言葉に、ボーマはイヤな予感を覚えた。

(笑えない冗談だ。危ないな・・・少佐が優しい時は、要注意だ!襲われたら抵抗しようが無い・・・
 しかし、少佐の自信には参ったな・・・何が『私は食べ頃』だ。少佐が軍にいた頃は、確か俺より階級は上だったはずだ。
 俺の年齢を考えれば『食べ頃』の筈が無い・・そうさ、絶対だ!―――義体でごまかしてはいるが・・・)

「おまえのゴーストが、今、何か囁かなかったか?」
「気のせいだ!俺にハッキングでもしてるのか?イヤな人だな」
「フーン、気のせいか・・・」
「少佐・・・その、そろそろ帰ったほうが良くないか?みんなが心配するだろ?」
「いま来たばかりじゃないか。それに、誰が『メスゴリラ』とおまえ達が呼ぶ私の心配をする?」
「その、、バトーとか・・・」「直球だなおまえも!新しい嫉妬か?笑わせる・・・ククク」

(まずい!!ますます深みにハマッてしまった・・・なんとかしなくては・・・)

「少佐、俺は忙しいんだ。医者から安静にしておくように言われている。それに、読みかけの本もある」
ボーマはそう言うと、なるべく素子と目を合わせずに傍らの本を手に取った。
そして、本をなるべく自分の顔に近づけ、徹底的に草薙素子を無視しておこうと心に決めた。

―――それは、素子への無駄な抵抗の始まりでもあった。
735ボーマの災難2:2006/06/17(土) 22:08:16 ID:SGnH31Lt
素子は、ボーマの言葉を無視して傍らの椅子に腰掛けるとベッドの端に頬杖をついた。
「いまどき、紙媒体なんか読んでるのか?珍しいな。
 それで何を読んでるんだ?――ギブスン?・・ニューロマンサーか?おまえも渋い趣味だな」
「まだいたのか・・・早く帰ったほうが・・・」
「おまえならギブスンなど読まずに、恋愛小説でも読んだほうが良くないか?たいした経験もないんだろ?」
「あのな・・・・何を読もうと俺の勝手だろ?今さら恋愛小説なんか読まなくても、それなりの経験はあるよ」
「ウソをつけ!経験は無いと顔に書いてある」
「いいやあるよ・・・多くはないがな。経験が無かったのは義体化以前の話だよ」
「そうなのか?せっかく私が・・・」
「少佐ーっ!!―――それ以上は言うなよ。とにかく、もう帰ったほうがいいよ。忙しいんだろ?」
「なんだかおまえに嫌われてるようだな・・・わかった、もう帰る事にする」
「そうか・・・(ホッ)・・・わかってくれたのか」
「ああ、それじゃな」

素子が大人しく立ち上がったと思ったその瞬間――――ぶちゅっ!!!・・・「うっ、、ぐぐぐ、、しょ、しょーーぉさあぁぁ!!、、」
「怒るなよ・・キスぐらいいいだろ?ボーマ。舌は入れて無い・・・」
素子は、少しすねた様に・・・そして、少し甘える様な視線でボーマを見つめた。
「あ、、あぁ、、まぁ、、」「私の代わりにケガをして、ほんとに悪かったと思ってるんだ・・・」
「あ、、ああ、、じゃ、おわびのキッスって、、ことで、、了解した、、」
「そうか、おまえはいいヤツだな。それじゃな、じゃまをして悪かった」
素子はボーマに向ってバイバイの仕草をして出て行った。
ボーマも素子にバイバイと手を振ると、素子が確かに部屋から出て行った事を確認した。

(疲れた・・・なんとか、いきなりのキスだけで乗り切れたな・・・危なかった・・・今日はもう読書はやめて、ひと眠りしよう)

ボーマは本を棚に戻すと布団をかぶって眠ろうとした。そして、素子の事をほんの少し思い出した。

(俺、少佐にむごい事言ったかな・・・せっかく見舞いに来てくれたのに、追い出すような事をして悪かったな・・・
 メロンまでもらったのにさ・・・)

とりあえず、考えたところで済んだ事は仕方がない―――そう気を取り直して、眠るつもりだった。
眠るつもりだったのだが・・・ボーマに安らかな眠りが訪れる事は無かった。
736ボーマの災難3:2006/06/17(土) 22:09:21 ID:SGnH31Lt
ギシッ――ミシッ――ズッ―――・・・・

(う、う〜〜うぅん、、くるし〜〜疲れてるのか?〜〜やけに体が重いな〜〜)

疲れてるのか・・・布団をかぶって寝ていたボーマは、息苦しさの余り布団の外に顔を出した。
そして、そこにいたのは・・・ボーマの恐怖は再び始まった―――
 
「う・う・・う――――っっっ?????」
「目が覚めたか?ボーマ?」「し、しょ、しょーーさぁ〜〜どこにいる・・・」「おまえの腹の上」
「ちょ、、腹の上って、、、ハラって、、、なんでェェーーーー?」
「なかなか乗り心地がいいな。まるで相撲取りかレスラーの上にいるようだぞ。やはり男は全身義体に限るな。
 トグサやサイトーじゃ、私が上に乗っただけで骨折する」
「そんな事は聞いてない!!!帰ったはずだろ?なんでここにいるんだよぉ、、、」
「悪いなボーマ。さっきのキスで、すっかりその気になってしまった」
「なるなぁあーーー!!!なるなよぉぉぉぉぉ〜〜頼むからさぁぁ〜〜」
「せっかくのメロンがダメだったんで、私を進呈しようと思う・・・遠慮せずにとっておけ」
「いらん!いらん!いらん!」「何も遠慮する事はない」「するかぁぁあーーーーっ!!」

ボーマに跨った素子は、ボーマの顔に自分の顔を近づけ囁いた。
「おまえも解らないヤツだな・・・せっかくの私の好意だというのに・・・」
「だから、近づくなって!少佐の、、少佐の、、胸、、胸が〜〜ぁあ〜〜」「胸がなんだ?」
「あたるって!俺の体に!!少佐のデカすぎる胸がぁあーー!!義体に対して大きすぎるだろぉ〜どんな、オプションつけてるんだ!」
「胸か?私は汎用型だ。普通サイズだ」「ウソつけぇぇーーー!!離れろ、離れてぐれぇぇぇーーー!!」
「おまえ・・イヤがってはいるが・・・」―――素子は、片手をボーマの下半身にずらした―――
「ちゃんと反応してるじゃないか――可愛いヤツめ♪」
「ちがうぅ!!!男ならその気が無くても普通のことだぁぁーーーっ!!」
「その気が無いだと?」・・・・一瞬、素子の顔色が変わった。

(しまった!!!怒らせたか?)

「その気が無いか・・・ならば、貴様をその気にさせてやるまでだ。覚悟しろ(ニヤリ)」
「うわ、、しょうさ、、何をする、、」―――ぶちゅううぅ!!!―――素子の熱い唇が、再びボーマの唇を襲った。
737ボーマの災難4:2006/06/17(土) 22:10:08 ID:SGnH31Lt
「ううぅ、、、ぐぐぐ、、うぐ、、」―――(た、、たすけを、、助けを呼ばなければ、、、)

素子に唇を塞がれたボーマはかろうじて片手を伸ばし、その手をナースコールのボタンめがけて伸ばした。

ガッ―――――――!!!!!!

「て、、手が、、動かない!!ま、まさか?ゴーストハック???」
「ムダだ・・・抵抗はやめろ・・・」「しょぉ〜〜さぁ〜〜ほんとにハッキングしてるのかぁあああ?」
「ああ、そうだ。抵抗するおまえが悪い。男らしくあきらめろ」
「あきらめきれるかぁぁああーーー!!やめてくれ、少佐、、やめて、、見舞いに来たんだろ?なんで、こんな事するんだよぉ〜〜」
「見舞いに来たからこそ、イイ気持ちにさせてやろうというのに・・・わからんヤツだな」
「少しもいい気持ちじゃない!怖いだけだ!やめてくれ・・・なあ、頼むから・・・」
「貴様・・・まだ言うか?上官命令に逆らえばどうなるか、軍属だったおまえになら解るはず・・・」
「どうなると言うんだ?」「――軍法会議―――この言葉を聞けば、おまえの心は打ち震えるはずだ。違うか?」
「ウッ!―――それは・・・」「フフフ・・やはりな・・」
「いいや!騙されないぞ!日本の自衛軍に軍法会議は存在しない!それに、今の俺は警察官だぁあ!」
「何?そこまで読むとは、貴様、只者じゃないな・・・ならば、やはり力づくか・・・」

シュル―――シュル―――スルッ――・・・

「入院着とは便利な物だな。ヒモを引くだけで面白い・・・フフフ・・・」
「少佐ーっ!ズボンには手をかけるな!手を引けーー引けと言うのにーー!!」
「ズボンとはこれの事か?これもヒモを引けばいいんだな」

スッ―――シュル―――パラリ――・・・

「フフフ・・・簡単にむけてしまったぞ・・・それでは・・・」
「しょ、しょうさ・・・俺に断る権利は残されていないのか?・・・」
「ああ、ようやく解ったようだな。はっきり言おう―――残されていない――――」
「そ、、そんな、、、」

ズッ―――ズ・ズ・ズ―――ズブッ・ズ・ズ―――・・・

「うぎゃぁぁあああーーーー!!!」「あふん♪あふっ♪あふっ♪いいわぁ〜」
「いかん!少佐!こし、、腰をふるなぁああーーー!!振るなと言うのにぃイイーー!!」
「ぼ〜まぁあ〜、こんな時は、、あふっ、、少佐じゃなくてぇ、、名前を呼べ、、、」
「な、あ?あーぁーーわ、わ、わすれたぁ〜〜」「も・と・こ♪もとこと呼べ」
「あぁ〜〜呼ぶから、もうヤメれ、、もとこ、、」「声がちいさぁーいぃ!!」

「む、、む、、むぉとこおおおおぉおおおおぉおぉぉぉーーーー!!!」

=暗転=
738ボーマの災難5:2006/06/17(土) 22:10:48 ID:SGnH31Lt
「ううぅん、うううぅん〜〜」「ボーマっ!ボーマっ!どうした?」
「うぅ、、う?少佐?俺・・・?」「おまえ、大丈夫か?怖い夢でも見たのか?」
「俺・・・どうして?」「おまえが『個別の11人』に感染したと聞いたから、来てみれば・・・」
「個別の11人?―――じゃ、俺はあのままここへ?」
「見舞いに来てみれば、おまえの様子が変じゃないか・・・本当になんともないのか?」「あ、、ああ、、多分」
「わざわざ、見舞いまで買って来たんだぞ。ほら、受取れ」―――素子は、ボーマの目の前に箱を差し出した。
「少佐・・・それって、メロンじゃないのか?」「何故わかった?私の心を読むのか?」
「・・・いらん・・・」「ボーマ?・・・」「・・・いらん・・・」「ボーマ?どうした?」
「近寄るな少佐・・・俺に・・・」「ボーマ?・・・」「・・・・・」「返事をしろ!ボーマ―――っ!」

「イヤだ、、イヤだあーーーあっ!」――――ちゅっ!―――「うっ・・う・・う・・」

素子は動揺するボーマを抱きしめると、その唇に熱いキスをした――――
「正気にもどったか?ボーマ?ん?」「少佐・・・俺・・・」
「フフン、戻ったようだな。経験の浅いおまえは知らんだろうが、キスには『目覚め』の効果がある。
 いまの一発は利いただろ?どうだ?」
「あぁ・・・利いたようだ」「良かったな。他のヤツには言うなよ」「ああ、了解・・・」
「いまのうちにゆっくり休んでおけ。復帰したらしっかり働いてもらうからな」「ああ、すまない・・・」
「ああ、それからこれも持ってきたんだ。おまえ、こんな本が好きだろ?」
「あ、ああ・・・好きだ」
「フン、いまどき、紙媒体なんか読んでるのはウチじゃおまえくらいだ。9課にいればサイバーパンクなんぞ読む必要はないがな。
 元気になったら・・・」「元気になったら?・・・なんだ?」「恋愛小説でも読んでおけ。それじゃな」
素子は、バイバイの仕草をすると部屋から出て行った。
ボーマもバイバイと手を振ると、素子が部屋から出て行くのを確かめた―――そして、素子は二度と戻る事は無かった。

ボーマは素子が持ってきた本のタイトルを眺めた―――ギブスンの本は、実はもう全部読んでるんだが・・・
せっかくの少佐の好意・・・なにも言わずにメロンと共にありがたく受取っておこう。

(しかし、予知夢だったのか?妄想だったのか?それとも『個別の11人』の所為なのか?
 ――― 予知夢にしては、些か違う形での実現だったな・・・惜しい事をしのたかも・・・いや、これでいいんだ・・・)

恐怖から開放されたボーマは、再び安らかな眠りを取り戻した。

おわり
739ボーマの災難:2006/06/17(土) 22:19:44 ID:SGnH31Lt
↑ ×惜しい事をしのたかも
   ○惜しい事をしたのかも ・・・だ。すまん
740名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 00:17:33 ID:bTT3HU/Y
ボーマ萌え
741名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 11:49:20 ID:w92nc9Q6
ボーマテラカワイス
742名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 15:40:28 ID:E0GSnCmS
ワロスで面白かったww
743名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 01:40:06 ID:pf5X7X5V
新ネタ期待してage
744名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 22:47:24 ID:zzhiILAO
神の光臨を待ちつつ保守
745無断天才:2006/06/28(水) 21:22:41 ID:yVF9jc3C
ttp://up.2chan.net/q/res/862990.htm

バトーさんの妄想。
746名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 16:22:15 ID:dxucZtc1
俺の中での最強のカップルそれは・・・

バトー×トグサ子 !!

萌えすぎちゃってもう駄目ね・・・。
801じゃないよ?トグサが女だったらのもしも設定。
もうね、相思相愛って感じじゃない?
747名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 18:19:40 ID:Lv103Rk8
下らん

オペ子3人の奉仕の前ではそんな物は価値はない
748名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 18:47:20 ID:NpbGAcmB
>>747
はげどう
749名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 19:30:35 ID:aShhRQDH
>746
はっぱにカエレ
750名無しさん@ピンキー:2006/06/30(金) 06:42:31 ID:zRxiyb9J
自分は分からんでもないな。バトー×イシカワ子でもいけるかもしれん。
でも女体化に興味ないから、そこまで関心はわかない。
751名無しさん@ピンキー:2006/06/30(金) 13:38:56 ID:AeAXnTB9
女体化とかキモすぎる
752名無しさん@ピンキー:2006/06/30(金) 13:47:43 ID:mdLIDndN

ここで、女体化相当のネタやるなら、素子のドリーム少女化だろうなw
753名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 00:57:48 ID:S/CYqE/Q
デコット、ゴーストハック、ダイブ、etc
少女化するのにいちいちパラレルワールド作る必要がなくて便利。
754名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 07:17:06 ID:RINMR+S7
少佐や総理でSMキボン
755最終兵器総理女王:2006/07/05(水) 00:50:48 ID:+9I/y4g7
 「プロト、プロトはいないの?」
 今日も、総理官邸に、日本国の女主人の声が響く。
 「はい、ここに」
 生体アンドロイドのプロトは、待機していた隣室よりすすみ出た。
 「今日は、こんなものが手にはいったの。
 どこぞの奇特な天才ハッカー少年が、彼女をゴーストハックして、
ウィルスを咬まして、ここに放り出していってくれたようだわ」
 床に、一人の女が転がっている。
 「少佐…」
 「あら、よく見たら、この娘、あなたの上司の隊長さんじゃないの。
 若すぎの義体に換装しているものだから、誰かと思ったわ。
 予算委員会の審議も飽きたし、今日はこれで遊びましょうか」
 若すぎ義体としては、当の総理も大差なかろうと思うが、プロトは総理に従うよりほか、無かった。
 「はい、総理」
 「止めなさい。はっきり、女王様とお呼びなさい、プロト」
 「失礼致しました、女王様」
 プロトは、床にはいつくばるように礼をした。
 茅葺は、いつの間にか、ゴールドのピンヒールのパンプスに履き替え、
蜂のようにキツキツにボンテージした皮のタイトスカートとビスチェを身につけている。
 その時、素子が呻きながら目覚めた。
 「あら、わたし、どうしたの?」
 彼女らしからぬ、可憐な声である。
 「えっと、ここは何処なの〜。」
 甘ったるいしゃべり方である。
 「おばさん、誰?」
 茅葺に向かって云った。
 「あら、はっきり云ってくれるじゃないの。困った子だわね。
 プロト、お仕置きをします。彼女と有線にしなさい」
 プロトは、それに従った。
756最終兵器総理女王:2006/07/05(水) 01:20:37 ID:+9I/y4g7
 
 「なに〜、この人。髪長すぎでダサダサ。
 お人形みたいで変。
 せっかくだから、あたしが三つ編みにしてあげるわ」
 素子は、プロトの髪をいじくり、三つ編みを始めた。
 「プロト、とりあえず、彼女を組み敷いて、お仕置きをしなさい」
 プロトは云われた通り、素子を組み敷こうとした。
 「うっ、ダメです、そうり…重すぎ…ます。
 体重で100キロ超えてますから、もしこれで何かやろうとしたら、
 官邸、壊れます」
 プロトは訴えた。
 「仕方ないわね。飾っとくしかないのかしら」
 総理の野望は潰えた。

 しかし、その時、日本上空を北朝鮮の戦闘機が領空侵犯した。
 総理に衛星回線から、直接警戒信号が発令される。
 「ちょうどイライラしていたところ」
 総理の背中がガチャガチャいった。
 「うちの庭に、勝手にはいるな〜」
 総理は天上を突き抜け、上空に高く舞い上がった。
 次の瞬間、北朝鮮機は姿を消した。
757名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 01:47:47 ID:IjQ3Qu0p
シュールだ…(素敵
758名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 08:46:10 ID:3ndyRGlT
よりによって、今日北朝鮮ネタですか?
759名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 19:38:16 ID:AqPP32ew
女王様シリーズの人か?久し振りだな。
760名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 21:31:35 ID:Ddf3EoG7
761サイトー素子:2006/07/05(水) 23:48:55 ID:xbQ9TWba
サイトーx素子投下します。

夜中に俺はいきなり、たたき起こされた
そして、下着姿の少佐に圧し掛かられている
「サイトー、良い筋トレになるだろう!」
頼む、少佐、肩車はやめてくれ
巨乳で後頭部を押すのもやめてくれ
俺の首がへし折れる
こんなんで五十肩になっちまうのは嫌だ
「さあ、スクワット1000回だ!ああっ…スリスリ、いいっ…!」
しかも、股間を俺の首筋ですりつけるのはやめてくれ
立ってられん
しかもあんた酒臭い
こんな訓練ははじめてだ
少佐が俺の肩に子泣きジジイのように乗りかかって、俺は、再びスクワットを命令された。
「首が、折れ、折れる…やめてくれ、少佐っ!」
酔っ払いの上官に命令されてしまった俺は律儀に体をかがめようとするが、
「重い、本気で重い!」
「失礼な。私はたいして重くないぞ、サイトー」
少佐が尻をばんばん上下させて首筋で暴れるので死にそうだった。
「私の命令がきけんのかぁっ、お前と汗をかきにきたんだぞ」
「なんで俺の家に来るんだよ…っ!」
「気持ち良い頭が、あたるぅ」
「や、やめろ…胸を後頭部に当てるのはもう、やめてくれ」
「揺れるぞ、サイトー」
「当たり前だろ」
一体何の訓練なんだ、夜中に敵に急襲されて小泣きジジイのまま屈伸をする模擬戦闘か?
でかい胸が頭に当たって、少佐の股間が首に、首に…
股間でこすれた少佐の紐パンがずれ、ている…
762サイトー素子:2006/07/05(水) 23:50:42 ID:xbQ9TWba
「少佐、筋トレどころじゃない。こんな遊びはバトーでやってくれ」
「お前、せっかく私が来てやったのに」
目を両手で覆われた俺は目の前が真っ暗になった。
そして吐息を額にかけられ、俺の肩に乗ったまま前屈みになって鼻を舐められた。
やがて、少佐は
「喰い殺すぞぉサイトー」
と叫び更に体を密着させてきた。
そして、鼻を齧られた俺は、彼女を振り落とそうとしたが、勢いあまって
両肩と背後から跨いでいる少佐ごと後ろのベッドに倒れこんでしまった。
「うわ、サイトー何をするんだ」
太ももが両頬に沈んで少佐の股座に俺は頭を密着させたままダウンした。
首が、痺れて、動けん
「サイトー…お前、汗びっしょりだな…ん…では、休憩…」
――遊ぶんじゃねえよ
この酔っ払い
「おい、起きろよ…少佐」
首の痺れに悩まされながら起きて、振り返ると彼女は寝ていた。
自分のドッグタグが少佐の胸元にかかっている。いつのまにか盗まれたらしい。
下着姿とはいえ、大股開きで両手をだらしなく広げ、眠りこけている。
「なんだよ、色気のない様だな」
だが、局部を包む下着の片方の紐が解けかけており、少々、目のやり場には困る。
それにしても、夜討ちの様に、大胆な格好で来られたものの、
この女が何を考えてここに来たのかは不明だ。
763サイトー素子:2006/07/05(水) 23:52:40 ID:xbQ9TWba
だが、その時通信が…
(サイトーさん♪)
タチコマだ
(サイトーさん、サイトーさん!少佐は?)
(何だ、緊急か?)
(僕、いつまで待機してたらいいんですか?)
(どこにいるんだ)
(サイトーさんの真上です)
(……!)
よく見ると、光学迷彩のタチコマが一機、部屋の天井に張り付いていた。
(なんでいるんだ。ここは俺の部屋だ!)
(少佐がサイトーさんの好みを調べたいというから僕、後学のために連行されました。
ついでに少佐をポッドに入れて配送しました。
下着姿で外にはでられなかったとのことで)
(こんな露出の激しい格好で何が好みだ…酒飲んで、下らんことおもいついたんだろう)
(でもぉ、僕だって「Mとは何か」という任務に興味あったし!)
(酔っ払いには従わん主張もしろ!プライベートの詮索につきあうんじゃねえ、
撃ち殺しちまうぞ)
(それにしてもサイトーさん、心拍数がずっと高いけど大丈夫ですか?)
(………)
(なんだか、血流がすごいですよ)
(…………)
(その汗、大丈夫ですか?)
(ああ、ほっとけ)
(でも困ったなあ、僕いつになったら仕事開始なんだろう)
(仕事って何だ?)
(オオーーーーーーーーーーーーッ!コ、コレはっ!)
ふかしていた煙草を俺は落としそうになった。
タチコマが歓心したように、歓声をあげて納得しているのだ。
(経験値があがるぞぉー、スゴイぃ!)
(いきなりなんだ?)
(それ、セックスのあとの煙草プフォーって、やつですね!
サイトーさん、でもセックスしてないから事前プフォーっですか?
そんなんアリですかぁ)
(くだらん知識を…)
(おかしいな、人間はマニュアルどうりにセックスしないんだ…)
(……)
764サイトー素子:2006/07/05(水) 23:56:00 ID:xbQ9TWba
(うーん、やはり何事も例外はあるってことかな。
それとも、例外的にMはセックスする前に煙草プフォーなんですか?)
(もう、帰れ…)
(駄目ですよ。僕だって少佐に言い渡された任務があるんですし)
俺は枕元に隠していた銃を持ち出し、タチコマに威嚇した。
(ヒエー、怖いです、サイトーさん!僕だって任務果たさなくちゃいけないのに!)
(夜中に人の部屋にあがりこんで何が任務だ、明日はオフなんだよ。
貴様の出る幕はねえ!)
(あー、ひっどいなぁ、人間ってすぐ怒るんだから。なんでサイトーさんが怒るのぉ?)
(まだいたか)
(少佐といるこの映像、バトーさんに送ろうかな)
(…待て)
(ハーイ、待ちます)
二本目の煙草を灰皿に潰して、俺はタチコマに尋ねた。
(…で、任務ってなんだ?)
(少佐、寝てるし、まあいいや。ハイ、コレです♪)
紙きれに手書きの字…
二種類のミミズののたくったような文字が書き連ねてあった。
(くるたんさんと少佐の字です。まず1番、Mとは何か…あ、これはボクに
向かって簡易説明した時のメモで関係ないから省略です)
以下、タチコマへの指令がつらつらと、書き連ねてあった。
酔っ払って書いたのだろうが、あまりに汚い字で俺には解読不能だった。
(で、要点として、僕が実際サポートするのは、これを手渡すことです!♪)
(ほお、どうするんだ、それ…)
(人間って変ですね、こんなスケスケのうっすいパンツなんて機能としては
体に悪いと思うんですが)
女モノの下着なんか俺に手渡すな…
(で、どうしろと?)
(ええと、こっちがブラジャーで、こっちがパンツです。着替えさせてください)
(………)
(それから少佐の命令を聞いて奉仕してください。
それができたらくるたんさんに少佐をお送りして僕は任務完了です)
(…………)
765サイトー素子:2006/07/05(水) 23:59:38 ID:xbQ9TWba
(あ、どこ行くんですかサイトーさん!)
(くだらんから、シャワー浴びて表で一杯ひっかけてくる)
(そおぉんなぁ、少佐が寝ちゃったから起こしてなんとかしてくださいよぉ)
俺はシャワーを浴び、深呼吸しながら気を引き締めていった。
浴室から出ると、タチコマはまだいた。
眠りこけている少佐の横で、グラスや酒を用意している。
(タチコマ、一応聞くが、何してるんだ?)
(あ、サイトーさん、少佐が酒、酒ってうなるもんですから用意してるんですよお)
ため息が…こぼれた。
夢の中でも飲み足りないのかよ、この女は…
寒かろうとかぶせてやったベッドのカバーも上着も少佐の
寝相のおかげでシーツに到るまで皺がよっている。
まったく…
(おい、タチコマ)
(ハイ!やる気になりましたか?サイトーさん!)
「うぅん、サイトー…酒、よこせ」

(続く、また次にでも)
766名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:15:17 ID:b5vbv4uv
ワロスwww
早く、続き!!
767名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 03:08:13 ID:UI9k0ij3
>>765 ちょ、おま…ワロタ!
768名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 12:15:31 ID:QwZiQk6C
エロワロスwww
769名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 13:05:03 ID:E5gVHIGN
おもしろい!!
770名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 13:12:45 ID:DnXrjT/p
煙草プフォーのところで吹いてしまった。
続き楽しみにしてます。
771名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 20:18:41 ID:IJU36t9/
サイトーがMつーのは基本設定になってるなww
でもそれがいい。
772名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 18:16:20 ID:Tu89jvm3
ワロスwwwwwwwwwww
ネ申だなww
773名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:59:23 ID:OVuPE6Zi
サイトーかわいw
774名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:17:25 ID:3KUpIrRQ
煙草プフォー超吹いたwww
早く!早く続きを!!
775名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 01:44:30 ID:aICcwPER
しょっぱなのサイトーに笑いタチコマとの会話に茶吹いた
776サイトー素子:2006/07/14(金) 01:35:45 ID:wXNJlRMA
>>765の続き サイトー素子

少佐に酒を注いだグラスを手渡したタチコマは、俺に向かってこう伝えた。
(あの、少佐が朦朧としているのでボク、さっき、推測で手渡したんですが)
(何がだ)
(サイトーさんは、やっぱり、その…刃物なんですか?
生身だったら危険じゃないでしょうか)
何の話かさっぱりわからねえ
こいつは俺をどう認識してやがるんだ。
それに追い討ちをかけるようにまた、言ってくる。
(だから道具ですよ、サイトーさんは縄とか鞭とかが好きなんですか?それともロウ――)
(もう、黙ってろ)
話に収集がつかなくなった苛立ちで、俺は部屋を出て行こうとドアに手をかけたが、
その時…体が硬直したような金縛りにあった。
―――何だ、手が動かねえ…この感覚はまさか!
「逃がさんぞ…サイトー……」
「少佐、俺にハッキングするな!」
「まあ、聞け…ん、しかし…よく効く酒だな…薄めても体内プラントで
なかなか消費されんとは、タチコマ、おかわり…もってこい」
「了解しました。でも少佐、いくら新造酒濃縮剤とはいえ、
酒量が通常の致死量200倍でも平気だなんて驚きです」
「サイトーの家の酒は口直しに丁度いいわね、やっぱり普通のお酒が一番」
「いい加減にしろよ、てめえら」
はしゃぐタチコマに睨みを返した俺に、少佐がナイフを投げてきた。
耳すれすれのところで逸れて、刃先が壁に突き刺さる。
777サイトー素子:2006/07/14(金) 01:37:44 ID:wXNJlRMA
次いで、行動解除となった俺は、緩やかな動きを取り戻して
少佐のほうをかろうじて向くが、彼女は俺に向かって歩み寄りながらこう言ってきた。
「サイトー、私は今からお前とセックスをしようと思う」
「よせよ、部下いびりなんて」
「自前のランジェリーだぞ、気に食わんのか?」
「真顔で言われてもな…」
「お前とだったら、実際の接触のほうがよかろうと判断したのだ」
「…情緒ねえな」
考えるだけ無駄だがな
「それも、そうね…あんたが目合わしてくれないのは困るわね」
そのまま、寄ってきた少佐は立ち尽くす俺の目の前で、下着の乱れを正した。
違法まがいの酒から正気にもどりかけたのか、
少しはそのあたりの羞恥心が芽生えたのには感謝するが…
まともに纏っていても、露出の高い下着姿であるのは変わりなかったので、
あまり意味がない。
続いた会話にも、変わらず情緒の欠片もねえ
もっとも、この女にそんなものは、はなから俺も必要とは思わなかったが
「じつは先日、私はバトーと電通でセックスをしている最中、
バトーの脳内活性領域を解析しようとハッキングをかけた」
「…すげえ性癖だな」
「想像上の産物をどう再現しているのか見たかったという単純な興味でやったんだ。
そして…そこで知りえたバトーのセックスに対する執念ともいえるようなエネルギー
賦活化は1週間にわたる戦闘、作戦においてのパフォーマンスを全体的に向上させていた」
何を言わんとするのか、あらかた俺は想像しかけてしまった。
「肉体的に何ら接触していないというのに、やっていると想像しただけで、
バトーの脳があれほど未知の世界に溢れていようとは思わなかった。
そこで、私はあの現象を俗物的な言い回しだが、セックスによる戦闘能力向上効果と評価した」
少佐が諾々と話しているので俺は無言になりかけた。
だが、意識下で、止めにかかるタイミングを忘れずにはいられなかった。
778サイトー素子:2006/07/14(金) 01:42:39 ID:wXNJlRMA
「つまりだ、バトーはセックスで戦闘能力があがるらしい」
「やめろ、少佐。それ以上言うな」
俺をあいつのカテゴリーに照らし合わせるな
「だが、バトーの現象は一個体の結果にすぎん定性的な表現型だ。
しかも、あいつは殆ど全てがサイボーグ、私と何かの相乗効果が加わっただけ
なのかもしれんという線も捨てきれない」
俺は片手で煙たがるしぐさを返した。
だが、少佐は肉迫した勢いで言い寄ってくる
紺の前髪が揺れて、俺の鼻に当たるほど近づかれる。
酒混じりではあったが、甘い匂いと豊満な胸が俺に対して向けられてくる。
「そこでだ、サイトー!」
「少佐、俺は生身だし、あんたらのような趣味も持ち合わせていない」
電通での嗜癖なんかねえよ
「あら、…みくびらないでよ…私はこうして、お前の所にきたんだから」
少佐のしなやかな指が、俺の首に絡んでくる。
まずい
さっきから、妙な感じではめられているように動きがとれねえ
「少佐、これ…ハッキングか?」
「どうかしら。生の体…相手にするのに、私なりに考えてきたんだから、それにね…」
何かを言いかけた彼女は、俺の首に両手を回して、
覗き込むような角度でいたずらに見つめてきた。
視界の淵にいるタチコマは、実況を言語化して送ってくる。
(ハッキングにナイフ投げ!
そして性の議論…総じてサイトーさんが魅了されている!)
違えよ
(コレがいわゆる、前戯とかいうやつですかっ!
予想外の展開でボク、情報処理が追いつきません)
「サイトー、キスして…」
779サイトー素子:2006/07/14(金) 01:45:52 ID:wXNJlRMA
多分、ハッキングなんてかかってねえよ
さからえないだけだ
目、あわせたら最後じゃねえか
誘うような仕草で、甘い声をして唇を近づけてくる少佐の背中に、
次第に俺は手を回してしまう。
ハッキングのせいだと自分で思い込んだが、
(少佐、ボク今のこの映像を皆と共有して議論したいです!)
「ああ、かまわんぞ、勝手に送」
なんとか、我に帰った俺は少佐の口を両手で塞いだ。
「はにを、ふる、ふぁイトぉー…っ」
「冗談じゃねえよ、少佐、ばらまかせるな。興ざめだ」
タチコマの行動と俺に対する認識要素を撤回させろと、
しばらく少佐ともみあいになった。
だが、不意に相手の柔らかい部分に手が触れて当たり、
「ああぁん…っ!」
胸を掴んでしまった拍子に出た少佐の声で、
幾分力の抜けた隙の俺に向かって…余裕で彼女は飛びついてきた。
飛び込まれた勢いで、俺は後ろのクローゼットで頭と背中を打つ。
背中ごしに板にひびがはいったのを知りつつ、切迫してくる彼女の重みに耐え切れず、
俺はようやく女の顔にまともに目をあわした。
「ねえ、キスして…」
「なんて女だ…あんたは」
「ようやく目を、合わせてくれたわね」
この暴力的な振る舞いに、俺はいささか抗議した。
開ききっていったクローゼットの中の服がばらばらと
重なり落ちた先へ、…全身義体の女ともども俺は背中から倒れこんだ。
次いで、舌先の重なり合いをそのまま続けてしまった。
「ん、…サイトー」
「少、佐…」
熱い少佐の舌と口の中で絡み合った。
待ちわびたようなキスや少佐のくぐもった声に、俺も勢いを増していき、
口腔内でせめぎあう。
780サイトー素子:2006/07/14(金) 01:50:26 ID:wXNJlRMA
少佐を抱きとめ、意外と両手の中に納まるその腰の細さを知りながら、
息もつけない口付けともいえぬ舌の舐めあいからようやく離れ…
「少佐、タチコマを下がらせろよ…」
「なあに、見られてたらできないってワケ?」
いまひとつ譲れなかった状況だけは、主張をやめなかった。
「フリークスみたいなやつらの餌食はごめんだな。
こんなんじゃ、戦闘能力向上には貢献できねえ」
「真実を追究したがる者は二つもいらないっていうのね…まあいいわ」
くすくすと笑いながら、彼女はタチコマを表で待機させる指示を下した。
渋々出て行ったタチコマを確認した頃、
「まるで、子供をおっぱらったみたいな状況ね」
現実味のない台詞を言い残して、ベッドの上に移動した少佐は酒を飲ませろと命令する。
グラスを渡そうとする俺に、彼女は小さく微笑した。
「いやよ、そんなの」
ベッドに腰掛けている少佐の横で、受け取ろうとしない杯を、
俺が代わりに飲んで彼女の口へと運んでいく。
ぬるぬるとしたゆるやかな液があふれて伝い、
飲み干せない分量の酒は少佐の胸や腹部をつたって濡らし、垂れていく。
二度、同じ行為のキスも続けば、少佐の体に伝う酒はふき取ら
なければならないほどに湿っていった。
潤んだ体に通る酒量の色は、薄暗い明かりですら輝いていた。
だが、矜持をくじくような矛先をそこで俺は向けられる。
「舐めろ…サイトー」
全身がゾッとするような命令が俺の頭に響いた。

次で、終わる。
781名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 06:48:18 ID:/Xg6XfIQ
イイヨイイヨー!!!!
続きを楽しみにしている!
782『Diptera』:2006/07/14(金) 12:58:28 ID:9i+HcuQY
多分皆同意見だろうとは思うが、ナイフ投げで魅了されるサイトーが萌えキャラだ。
783名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 20:17:30 ID:DZ3sfZv0
自覚のないMていいな!
784名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 09:46:31 ID:4hUig7n3
>>次で、終わる。
ってのが「サイトーの次の行動で結末が決まってしまう」事かと思った。
785名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 15:02:49 ID:FcjI7QBI
【サイトー!そいつをよこせッー!の由来】

反政府軍に扮したサイトーが少佐の部隊と追突
 ↓
「私の部下になれ」 「なれば命を助けていただけるんですね」などの
会話を経て全裸に。
 ↓
指でアナルをほじくられ、「汚い穴だわね」などと罵られる
 ↓
オペ子のフェラチオで「アッー アッー!」と悶える
 ↓
少佐に局部を見せながら2人のオペ子に尻の穴を見せる。「気持ちいい!」と悶えながら
男性自身を勃起させる。このあと、オペ子の一人がコンドームをつけ、サイトーに背後から
挿入。「アッ、アッ、アッ、アッ!」とサイトーは勃起させながら声をあげる。
 ↓
少佐も加わり4Pが始まる。ヤラれるばかりだったサイトーが一転、攻勢に出て、
少佐を下にして犯し始める。小刻みに腰を振りながら、「アッー、アッー、イク!」
と叫んで、サイトーも少佐の腹に勢い良く射精。
あとケツに棒差し込んで 3回まわって「ワン」と吠えたらしい。
786サイトー素子:2006/07/16(日) 10:04:06 ID:p9cIWsuQ
>>780続き。今回で終わりです。(ちょっと長くてすいません)

――挿入話、真夜中の機械たち
タチコマ1「少佐もサイトーさんも自閉モードで質問できないからボク達で検証するしかないよ」
タチコマ2「二人で寝るから朝まで待ってろって言ってたけど、睡眠に入ってあれで終わりなの?」
タチコマ3「部屋のどこをスキャンしても木馬も鎖もなかったんだろ?」
タチコマ4「なんだよー。使えないな、そのファイル。ボーマ君間違えて渡したんじゃない?」
タチコマ5「イシカワさんはぼくらにはこれで十分だって笑ってたけど」
タチコマ6「結局、何がセックスだったのさ。資料にでてる男女はただ
『セックスすごかったね♪』って言って裸でタバコ吸ってるだけだよ」
タチコマ7「何がすごかったんだろ?ボーマ君がボソボソ言ってた『男の人と女の人の
大事な所をくっつけるんだ』ってやつの再現は?ぼくらはそれが見たかったんじゃないか」
タツコマ8「ボクが類推するに、口と口のくっつけっこじゃない?」
タチコマ9「そうなの?」
タチコマ8「だって、あれで終わったんでしょ」
タチコマ1「そうかあ…ファイルの中の男女も必ず少佐とサイトーさんのしてた
口のくっつけあいをどこかでしているね」
タチコマ3「この鞭持った女の人なんて、男の人へ“ごほうびにキスしてあげる”って言ってるし」
タチコマ7「口が男女の貴重なセックス領域だったのかあ。少佐が無駄口たたくなって
よく言うのはそのせい?何かのもったないメタファー?」
タチコマ5「待てよ皆、結論はまだ早くないか?重要な部分が抜けてるぞ」
タチコマ4「そうだよ、ボーマ君のつぶやいた『ばらまきたいものがあるから女の人に
ばらまくんだ』って何のこと。何をばらまくのさ」
787サイトー素子:2006/07/16(日) 10:05:42 ID:p9cIWsuQ
タチコマ2「ウィルスとか」
タチコマ9「ええ〜、そりゃすごいなぁ」
タチコマ5「おかしくない?じゃあトグサ君、毎日奥さんや子供の写真にキスして
ウィルスばらまいてるの?」
タチコマ7「奥さんと子供にトグサウィルス注入?なんじゃそりゃ」
タチコマ3「トグサ君、毎日写真とセックスしてるってこと?対象が子供にもおよぶもんなの?」
タチコマ9「見境ないね〜それ」
タチコマ1「ちょっと待ってよ。なんかコンピューターウィルスは違うと思うよ」
タチコマ6「まあ待て、ボクらの資料を整理すると…
男の人にありとあらゆる痛めつけ行為をした女の人のSM前戯という名前の映像と、
ベッドにもぐっている男女がでてきたところから始まる『せっくす、すごかったね』と
言い煙草プフォーする映像、そしてどちらにも見られる共通の、唇に対する接着行為」
タチコマ8「その中のどこに『男の人と女の人の大事な所をくっつける』と
『ばらまく』っていうのがあるんだろう」
タチコマ5「ねえねえ、ボク今思いついたんだけど。唇で何かをばらまけるもんなの?」
タチコマ2「せいぜい唾液でしょ、糸とか吐く虫いるけどさ」
タチコマ1「もしかして、何かを媒介することができるものが存在するのでは?」
タチコマ4「わかった!お酒だよ」
タチコマ9「どゆこと?」
タチコマ4「少佐はしきりに酒よこせって言ってたじゃないか!」
タチコマ9「サイトーさんのお酒が欲しかったってこと?」
タチコマ3「特定の男の人のお酒を欲しがったっていう意味?」
788サイトー素子:2006/07/16(日) 10:07:00 ID:p9cIWsuQ
タチコマ5「なるほど!しかも、くるたんさんの家にいる時ですら、少佐は何らかの
濃縮したお酒を自ら飲み干すほど飢えていたというわけで」
タチコマ7「あちゃー、そういうことかァー」
タチコマ1「ボクがお酒渡してもまだ、飲み足りないって言ってたのはサイトーさんのお酒が欲しかったからなんだ」
タチコマ6「つまりセックスとは、関心があるけど痛めつけてしまう特定の男の人に対して、
女の人が唇でお酒を欲しがるためにするSM行為ということかぁ」
タチコマ一同「プロト君、どう思う?」
プロト「えっと、……」
789サイトー素子:2006/07/16(日) 10:08:05 ID:p9cIWsuQ


――転じて、サイトーの部屋

―――唯一、残ってる右手も、冷たいのには慣れたがな。特に今のこの指が
「何よ。黙っちゃって…」
右手で少佐の額の髪を梳くと、意外に面差しが嬉しそうに見えた。
光のせいか?
「別に、なんでもねえよ」
一瞬でも、何を俺は期待したんだろう。
この女がいつも、嘲るような笑みを浮かべるのは見慣れたはずだったが…
俺は少佐を、そのまま自然に組み敷いた。
そして、望み通りに遊ばれてやる。
さからえないだけの理由と思い込んで…
横倒しに、眺めた豊満な胸に指を当てていく。
流れる水滴に這わせた指の跡で舌を進めると、彼女はほんの少し揺れ動いた。
「ん、…あっ…」
感覚器官が細かな所まで生きている印だ。
この体が酒の杯なら、俺が今舐めてるものは、誰もが、なかなか拝める代物じゃない。
何しろ抜群の才覚と運動神経を持つ、屈指の義体使いの持ち主が、
吸わせてくれる肌の味なのだから―――
そう思えば転がされる甲斐もあるかと、自身に皮肉る。
取り払った布に隠れていた乳首が染まって、徐々に起き上がってくる。
「サイトー、…ァッ!」
その感触を舌で得ると、彼女は俺の両肩を撫でてきた。
790サイトー素子:2006/07/16(日) 10:25:35 ID:p9cIWsuQ
「いいかげん、返せよ…」
「何、を…はあ…ぁ」
「首にかけてる俺のそれ…」
いつのまにか俺の首から盗んだドッグタグだ。少佐の首にかかってる。
「あらぁ、怒ってるの?ふふ…ン」
「勝手に盗るな」
「ちょうだいっ…」
物欲しそうに、片手につまんだ少佐は歯でそれを齧っていた。
「おい…――――!」
一瞬、喉に唾が流れ込んだ。
齧るその舌先が、唾液を含んで滑らかに揺らしているのが、まざまざと見える。
骨のない、軟体動物のような赤い舌が襞のように雫をたらしている。
「…やらねえよ」
そんな少佐の顔を見て、俺はかえって真面目に答えてしまう。
「欲しいわ…」
「しつこいぞ」
「前も、同じこと、…っ……聞いたわねえ」
俺が触った部分から、体はびくびくと細やかに揺れるくせに、
彼女は嬉しそうに取り上げたものを口で転がして遊んでいる。
ジャムのついた瓶の蓋でもしゃぶるかのようなしぐさをする。
その様子が、視界としては何かの本能を俺にあまりにたきつけてくるので、
どうしようもなくなり、
俺は思わず、自分の生身の指の先を少佐の口元に及ばせた。
「なあに、くれるの…?」
「やらねえよ…絶対」
わざわざ、残された生身の手の方…
しかも、商売道具の右手の指を運んだのに意図はなかった。
むしろ必然のように動いた。
俺が引き金を引く指を、少佐は齧っていたドッグタグを放して、代わりに唇で甘く噛む。
彼女の唾液と歯の宛がう音…いやらしく、淫らだ。
ひとつ、またひとつと…あの滑らかな舌に濡れる。
噛み千切られるかもしれないその感覚が、ゾクゾクした。
791 サイト-素子:2006/07/16(日) 10:27:32 ID:p9cIWsuQ
この女と最初に寝た時は、左目も左腕も動きが思うように取れなかった頃で、
ぎこちの悪い思いを抱えてすごした夜だった。
加えて、俺はさほど相手を心底、溺れるほど抱くこともなかった。
金を払って、その場で買う。
そんなことしか繰り返していなかったせいで、
どんな娼婦や場末の女にも愛情の欠片も注げなかった。
時々、面倒くさいほど向こうが愛情をよこせと言ってくるのがいたが、
適当に抱くだけ抱いて放ったらかして、逆に罵られるほどだったと思う。
スコープ越しに敵を見て、引いてきた引き金を操るその指に何のためらいも、
罪悪感も持たなかったようなものと同じだ。
なのに、この冷えた指先が少佐の口と舌で熱くなっているのに…
ただ、それだけのことなのに、体の芯から武者震いのような何かがこみ上げてくる。
「ん、…サイ、トー…」
左腕に力を入れて乗り出し、少佐の顔を覗き込んだ。
長い睫と湿った額…
あの瞬間だ。
俺を見る、まばたきひとつしないその表情…
どうやって殺そうかと、お互い探りあった唯一の記憶を思い出す。
この瞬間が、俺の人生では得られなかった最高の熱さを引き起こしてくれる。
彼女の口元から指をゆっくり出して、その名残を埋めるように俺は少佐と唇を重ねた。
もしかしたら、こっち側だけが踊らされているだけなのかもしれない。
過去の記憶でぬかるみに足を突っ込んで抜けられないでいる自身を見て、
少佐は嘲笑しているかもしれない。
命の代わりに獲得した、物珍しいエピソードに踊らされているだけだと自分でも考えた。
少佐の腕が俺の首にぴったりと回りつき、俺らは蹂躙しあうような口付けに及ぶ。
獣じみた交わりだ。
滑らかな繋ぎ合いと、淫猥な唾液の音があふれだす。
息遣いも荒くなり、ようやくお互いを放すと、
「そうね、久しぶりね…お前とこうするの」
少佐は紅潮した頬で俺に答えた。
792 サイト-素子:2006/07/16(日) 10:29:31 ID:p9cIWsuQ
俺は、そこで改めて全部脱いで、少佐の上に押し倒すような勢いで愛撫を始めた。
濡れた胸、首、うなじに…脱がした全裸の女の柔らかい肌が俺の中で声をあげる。
きゅっと乳首をつまむと少佐が身をよじる女の仕草をする。
「あぅ、あん…あ…っ」
義体から染み出る少佐の汗とアルコールの匂いが混じる。
舐めろと言われた範囲もとっくに超えて、俺は少佐の両脚の奥に舌を運ぶ。
「あ、ふぅ…んあ、ん…」
酸いた汁を引き出してから、少佐が温めた俺の指先が中をよじる。
生きた、俺の指が彼女の内部にぬるぬるとはまる。
「そこ、あ…サ、イトー…はっ…ぁ…アッ…もっと、ゆっくり…しろ」
「なんだよ、生娘ぶりやがって…」
「あ、…あ、イイッ…」
俺は性急に求めてる。
捨てた女も、撃ち殺してきた見知らぬ相手達にも、食いつなぐ為に頼っていた雇い主にも…
関わった人間の誰にも降り注ぐこともなかった、俺を構成するゴーストという
得体の知れない胸騒ぎの高鳴りで、この女を求めてる。
俺が俺でなくなったら、いつでも殺しにこいっていうほど挑み、
どこかでそれが女への狂想心として訴えている。
戦いたいのでもなく、鎖に繋いで飼い殺しにするなと訴えているのでもない。
更に、もっと、ぞくぞくするような思いをさせろと叫び、求め
魂の歓びを、お前と一緒にすごさせろと戦慄いている。
どこまでも、原型をとどめない…えも知れぬ獰猛な本能が存在しているらしい。
「早く、…あっ…もう、…溢れ、て…中に来い、サ…イトー…」
躊躇いもなく欲しいまま、少佐が見つめる状態の中、俺は自身を繋げていった。
「いい、ぞ…ああ…っ!」
「少、佐…」
ベッドが強く揺れる。
内部に溶け込んだ俺の一部が、貪欲に動いていった。
持ち上げた張りのいい女の両脚が、汗ばんで滑りそうなほど俺らは振れた。
骨の芯までとろける感触で、俺は締まりのいい彼女の内襞になだれ込む。
イメージに思い返す、さっきの少佐の舌使いや赤い色、俺を悦ばせる甘美な声…
どれもが脳天をえぐるほどに心地いい。
793 サイト-素子:2006/07/16(日) 10:30:44 ID:p9cIWsuQ
「もっと、奥に…アァン!」
言われるまでもない。
大きな乳房が震え、求め合う激しさが益々、募っていく。
義体と交わる行為が、これほど美味いと思ったのは初めてだ。
恍惚となった頂点を極めて、声も体も悦に浸る少佐を前に俺は一度のぼせ上がった。
「あ、ぅ…サイトー…今度は、私を上にしろっ!」
「ああ…」
時間が過ぎて、次の波に到達しようと行ったのは、少佐を跨がせて俺の膝に乗せた形だった。
少佐は艶やかに、そして激しく腰を使って俺をぞくぞくさせる。
「はあん、ああっ!」
俺も、絶妙なまでの深さではまっちまって、
けだもののような猛々しさで夢中になる。
「少佐、…少、佐」
目前で揺れる大きな果実のような彼女の胸に、顔を埋めたまま達していった。
どうにもたまっていた願望をぶつけあうような印象を残すという
熱烈なセックスをして、ずっと俺らは盛っていった。
何度も抱き合い、求め合い、嬲ったり…息が切れるほどいろんな形で肌を重ねた。


794 サイト-素子:2006/07/16(日) 10:32:24 ID:p9cIWsuQ

あれから呆れるほど、お互いの体で遊んだ後、長い夜も半ばを過ぎていったのを
意識しだしたことから、ようやく俺らは落ち着いた。
相変わらず俺のドッグタグを自分の首にぶらさげたままの少佐が、
指先でそれを転がしながら見つめていた。
そして、後ろに座る俺の胸にもたれかかっていた。
じっと、それを見つめながら彼女はつぶやく。
「―――俺が俺でなくなったら…か」
「あ?」
「言うようになったじゃない。…ふふ、ちゃんと殺しにいってあげるわよ」
「…俺にハッキングするなっていってるだろ」
「指がつめたくならないように、部下に気を配ってるだけよ」
「人が寝てるのを、夜中にたたき起こしてよく言うぜ」
左手に持っていた灰皿に灰を落として、
忌々しげに吸い出す俺の顔を見るため、斜めに振り向いた彼女は声をだして笑う。
持たれている俺の背中の枕に振動が伝わるほどだ。
「笑うなって」
「私がタチコマ連れてるもんだから、何か大事だと思って、
言うこと聞いてたあんたのおかしな姿ったらねえ」
「あいつに余計なこと教えてんじゃねえよ」
「あれって絶対、何かのプレイだと思いこんでるわ。あの子達、議論好きだもの」
「記憶、ふるいにかけて消しちまえ」
「さあ、どうしようかしらね」
体重をかけてもたれかかってきた少佐の肩に、一度手を置いた俺は
そのまま片手をまわして彼女を引き寄せた。
お互い沈黙のままだが、こういう事後の馴れ合いは、
実に久しぶりの感触だったのを思い出す。
近くにある、少佐の髪の香りが甘い。
少佐は、嫌がる風でもなく俺の体に柔らかい背中の肌をそのままじっと預けてきた。
自分には存在しない、俺の心臓の音を聞くように、目を閉じて耳を傾けていた。
だが、尋ねるべきことがある。
灰皿にまた灰を落とした俺はそのまま、吸う前に声をだしてしまう。
「何しにきたんだよ、結局…」
「好みが調べたかっただけよ」
「嘘つけ」
「まあ…ほんとは、確認しにきただけ」
「………」
795 サイト-素子:2006/07/16(日) 10:39:45 ID:p9cIWsuQ
咥えたまま煙を吐き出した俺の煙草を、少佐は指でかすめとって自分で吸う。
「私の言う事をちゃんときいてくれる男がいるかどうかをね…」
「一人はいるじゃねえか、9課に長いつきあいなのが」
「あれは別…」
「あいつ、落ち込むぜ」
「大丈夫よ」
煙を吹いた彼女は、左手に抱えた俺の灰皿に灰を置として、苦いと言い放った。
次に、吸い口を俺の口に差し込んで戻すと、俺の顔をしばらく片手で触っていた。
左の目の調子が悪くはないのを確認すると、ドッグタグに視線を落としてそっと呟く。
「ねえ…やっぱりこれ、くれない?」
相も変わらず、また言ってくる。
あの、ただの金属片には俺なりのこだわりがあるのでやれんと言ったが、
「じゃあ、条件付きで貰うわ」
しれっと、そう述べていた。
「うん、そうするわ。それがいい…」
「勝手に何言ってんだよ。そろそろ返せよ」
「いいじゃない、別に」
「一方的に決めんじゃねえ」
「お前が死んだら私が貰う」
「…………」
「だったらいいでしょ?」
「…さあな」
「どうなのよ?」
遠くを見るふりで俺は苦いと言われた煙をふかした。
死ぬまでには考えとくさ、と心の中でひとつだけ唱えると…
少佐は、聞こえたような顔で笑みを浮かべていた。
「一杯、飲みたいわね」
そう言った少佐と一緒にいたその夜、俺は少々酒量が増えた。
796 サイト-素子:2006/07/16(日) 10:44:12 ID:p9cIWsuQ


―――朝
「帰るわよ、待たせたわね」
「少佐ぁ、お酒もらえましたか?」
「酒?ああ、あれから飲んではいたけど」
「良かったですねえ!下着もちゃんと手渡したのに着替えてるし」
「まあね」
後日、
「イシカワ…、ボーマはタチコマに質問されて何を渡したんだ?」
「マイブームの断片らしい。別に、本番は張ってねえって」
「ちゃんとした知識を、教えてあげたほうがいいのかしら、あの子達に…」
「ああ?AIには必要ねえだろ」
「何かにつけ、からかわれてるトグサの巻き添えは気の毒ね」
終わり

(最初にあがりすぎた。ほんとすんません。。)
797名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 15:15:32 ID:LWYnh9W4
>>796
前にもサイトー書いた人?
そうなら、嬉しい。サイトーを書かせたら、このスレであんたの右に出る職人はいない。
間違いなく神職人だ。また、書いてくれ。
798名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 19:15:47 ID:XKH0b3GV
>>797そーゆー褒め方はカドが立つばかりか左に出ようとする者まで出現するのでやめれ。
799名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 21:04:06 ID:z79YSqEd
久々に2nd14話見直したくなった。 神超GJ!
800名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 22:00:12 ID:4gmwb2t8
「2ちゃんねるは回転しそのモーメントにあたる「時間」に従って進行している・・・・・
 より存在する為
 より安定を求め・・・・・複雑多様化しつつ 時にはそれを捨てる*・・・・・
 (*たとえば板削除とか。)

 スレが複雑化しつつDAT落ちする機能を持ち
 閲覧者が毎日代謝し入れ替わりつつ老化するのも
 新スレを建てる時に大量の経験情報を追いやってテンプレだけを残すのも
 周期的に板やスレが荒れるのも
 皆システムの硬化・・・・・破局に対する防御機能だ・・・・・」

「荒らしや厨房を肯定する考え方だわ」

「君が「善悪」について語るとは・・・・・そのような細部は本題ではないが―――
 2ちゃんねる的に言うと管理者側が荒らし・厨房を一掃しない理由がここにある
 2ちゃんねるの住人は祭りという言葉でリスクを肯定している・・・・・

 もしレスが1001以上続いたら?
 住人が入れ替わらずに知識や経験を積み重ねたら?
 いずれの場合も身動きできなくなって破局するだろう・・・・・」
801名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 07:35:41 ID:wl59GSn1
>>796
神超GJ━━━━━!!!!!!!!!!
また書いてくれ!!!!!!!!
802名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 00:51:49 ID:aX/+2W5c
>>796
素晴らしかったです
キャラが生き生きしてるの本当にすてき
803名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:01:52 ID:eDkFmXF/
あげるか…
804名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 13:15:22 ID:66oBknnS
職人サンマダー?
805バト素:2006/08/01(火) 17:07:19 ID:ydhvHeL7
仕事前のバトーから
(ハァハァ、ハァハァ、も、もとこぉ〜・・・ハアハア、いい乳だっ)
素子:(もう、バトー、変な電通よこさないで)
「ようしトグサぁ、タチコマ!犯人確保行くぞお〜!」
「はいはい、旦那」

現場のバトー
「お前あっちから回り込め、撃たれるなよトグサ」
「了解」
(ハァハァハァハァハア、すげえ、もとこの中すっげぇ)

追うバトー
「そっちに逃げたぞ、旦那」
「まかせろ!今日の俺は一味違うぜ」
(い、いいかあぁ?感じるかあ、もおっとこおぉ〜ハァハァハファ〜ッ!!!)

「ふう〜、今日の仕事もたいしたことなかったぜ」
「旦那の蹴りすげえ、さすがだな」
素子:(よし、逮捕したな。終了!)
(あ、切、切るな、ハァハァハァ、もぉ、もぉっとぉっこぉ〜もっとしようぜえっ!!)
タチコマ:(少佐の命令で、一日相手してたの実は僕です・・・ごめんね、バトーさん)
「よくやった、トグサ、タチコマ!次も頼むわよ」  終
806名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 18:18:49 ID:lmu9/hkq
>>805
ワロタ。
807名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 21:03:44 ID:21wxE/sd
>805
この手の一発ギャグが決まると最高だよね〜。
タチコマ、GJ!!!
808名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 23:15:44 ID:geAc3V8M
IDが攻殻っぽいかもてst
809名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 23:16:28 ID:geAc3V8M
すまん全然だったorz
810名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 22:11:03 ID:auaTzc8W
ネタスレより

タチコマ「少佐、おはようございまーす。昨日の合コンどうでした?」
少佐  「ああ、本庁婦警との合コンか。楽しかったぞ」
タチコマ「少佐、留守番した者には、おみやげをもらうという権利が発生するのでは?」
少佐  「なんだ?みやげが欲しいのか?」
タチコマ「そうでーーーす♪」
少佐  「みやげ話ならいくらでもしてやるぞ。ほら、繋げ」
タチコマ「はーーーい♪・・・およ・・うぉおおおおおーーーーすごーーい!!!
     経験値が上がりそう〜〜これが、百合というヤツですね」
少佐  「気が済んだか?うん?タチコマ?フリーズしてる・・・知らないっと」

少佐が去った後、柱の影からバトーさんが現れた。
バトー 「おい、タチコマ。目ェ覚ませや」
タチコマ「うぅん・・・バトーさぁん・・・言われた通りにみやげ話もらいましたぁ」
バトー 「よし!すぐに、俺と並列化しろ!」
タチコマ「えぇーーーっ!最初から、そのつもりで!」
バトー 「あたりまえだろ?俺が有線させろって言ったって、少佐がしてくれる訳がねえ」
タチコマ「バトーさん・・・せこい・・・」
バトー 「早く、繋げ!」
バトーは、無理やりタチコマに有線しようとした。

ブチッツ!!! 
タチコマのケーブルは、いきなり現れたボーマの電脳に繋がった。

バトー 「うおおおーーーなんだ、いきなり!!!」
タチコマ「ぼーまくん?なんでェ〜?」
ボーマ 「ウホッ、ウホッ!!!スゲエェェエエエーーーもとこおぉおおおおーーー!!!」
バトー 「ボーマっ!!!テメェ、ゆるさねェ〜〜その記憶をこっちによこせ!!!」
バトーとボーマは、タチコマのケーブルを争って殴り合いを始めた。
タチコマ「バトーさあぁん!ぼーまくぅうん!ヤメテェ〜〜」

そこへ、サイトーが現れた。
サイトーは、しばらく二人の殴り合いを見ていたが、落ちているケーブルを拾ってタチコマに有線した。

サイトー「うっ!素子!・・・萌え・・・」

811名無しさん@ピンキー
3回転送すると発症するウイルスとか持ってそうだなw