607 :
紅葉 3/9:2006/07/03(月) 21:56:07 ID:XnyriqCd
朝鳥が閑いた。
まだ闇が深い。しかし燃え上がるかの如く、一筋の陽光が窓辺に歪む。
その片鱗が届く寝台で、同様に染められた朱脚が内に折れた。
「はッ……、はぁっ…あぁぁ―っ……!!」
水を撒かれたような敷布団を巻き込み、細身の少女は身を捩る。
「お姉ぇが苦しいでしょ、じゃれ付くのはやめなさい。毛繕いでもしてもらってるつもり?」
巻き舌気味の声がそう言うと、姉の腰を叩いた。
娘は蕾への口づけを浅くする。
(あぁ …こ、こんな…)
灯が唇を噛みしめた。
「ぴんと伸ばしておくよう言ったでしょ」
早苗は吐き捨て、寝台に脚を投げだす。
まるで洗練された関節技のように、それは灯の足に重なり、捉えてしまう。
膝裏に締まった足首を咥えたまま、幼い躯は蹲踞のように腰を沈めた。
「う・・・・くぅ・あ・・」
腰が床から抜かれる衝撃。
灯の両脚は逆V字に引き絞られる。
その狭間へ、姉の舌が襲った。
剥けきった包皮を追いやり、肉芽の先でとぐろを巻く。
味蕾の微細な起伏に擦り立てられる。
蛞蝓にくるまれ、一気に啜りあげられる。
聡里の垂らす唾液とは粘度の違う、ひどくどろっとしたものが、ごく薄い筋を成していた。
608 :
紅葉 4/9:2006/07/03(月) 21:56:48 ID:XnyriqCd
「あぁ、は、ぁ…う、ああ゛……っ!!」
面白いほど腰が跳ねる。しかし脚は動かない。
麗しい白肌に溝が走り、肉が波打つ。
そこにどれほどの力が巡るのかと計らずにおれないほど、少女の下部は猥雑な蠢きを醸した。
「みっともない。脚に青スジ立てて暴れる娘なんて、見た事ないよ。
おまけに、それがあそこを舐められてるからだなんて…。」
汗ばむ太股に足首を抱えなおしつつ、早苗は眼前に伸びる美脚を撫でさすった。
鳥肌をこするたび、その節部が切なげにうねる。
犬掻きの邪魔をされたような形で、仕方なく腰を上下に揺りつつ、
少女は咳き込みが途切れるのを待った。
今込められるだけの眼力を宿し、二匹の獣を睨めつける。
「こ…こんな事ばっかり、して!絶対ロクな大人にならないわ、あなたた…ち」
言い終わる瞬間、少女は息を呑んでいた。
蕾を噛む聡里も、その違和感に気付いて目を見張る。
(あたし…な、何言ってるの?こんな奴らに…!)
あなたたち。
口が滑ったのでは断じてない。
塗り重ねられた悦楽、極限の状況下で揺さぶられ続けた脳髄。
心の奥底に、消えるには手間のかかる鎖が音を立てていた。
早苗はいよいよ歳に合わない醜笑を湛え、灯を覗き込む。
気丈な少女の目に、はじめて真正面からぽろぽろと涙が溢れた。
「大丈夫。おまえほど惨めにはならないよ 」
唇を震わせる灯を、それでもまだ、聡里が黙って眺めている。
喜ぶでもなく、しかし、哀しみも窺えずに。
609 :
紅葉 5/9:2006/07/03(月) 21:57:58 ID:XnyriqCd
両親の憐れみの視線を受けながら、灯は外へと連れ出された。
まだ一面を闇が覆っており、遠いビルの屋上からわずかに後光が覗く。
少女の格好は惨めなものだった。
今の今まで腕を縛り続けたカットソーを纏うのみ。
何度も限界を超える力に引き絞られ、それはくたびれたブラインドのように生肌を巡る。
家を出て間もなく、常識外れの格好を目にした警官が3人に歩み寄ってきた。
正直なところ、灯はそれに救いを感じた。
悪夢に終止符が打たれる幻想を抱いた。
しかし彼らは灯の顔を一瞥し、胸元から手配書を取り出すや、蔑んだ顔で目を逸らす。
成長期の瑞々しい肢体を堪能しつつ、傍観を決め込んだのである。
警視正の娘という肩書きが、少女に垂らされた糸を断ち切った。
まばらな人ごみを横目に、早苗は商店街に足を向ける。
この辺りの子供は誰もが馴染みの通りだ。
空を仰げる透明なアーケードに覆われ、天候の良い日には観光名所としても人が集う。
その通りのひとつ、今や潰れて誰も入ることない店舗に、早苗は傍らの少女を登らせた。
強い口調で叱咤され、灯は渋々と足を掲げて壁をよじ登り始める。
実に半円近くを描く脚の付け根に、早苗が指を添えた。
濡れた淡いを探り当て、別の手から長大な玩具を捻り込む。
「ッあ…」
それはまだ振動もしていなかった。
だが突然の充足に腰が砕け、少女は体を曲げたままずるっと崩れかける。
粗相でもしたかのように、影へ立て続けに雫が吸い込まれた。
610 :
紅葉 6/9:2006/07/03(月) 21:58:43 ID:XnyriqCd
アーケードに乗ると、自分の体重で板の軋む音が聞こえる。
下方では朝市の準備で多くの人が動いており、耳の良い者はすぐに異常を察した。
驚いた事だろう。
水族館で見る水中通路のように、人が円柱型の屋根に立っているのだ。
素晴らしく恵まれた肢体。
朝露と靄ではっきりとは見えないが、輪郭だけの浮き出た人魚は、
直に見る女体よりも様々な雑念を喚起した。
足元に冷たい雫を踏みしめ、じんじんと疼く腹奥に閉口しつつ、灯は半身を起こした
太股にひんやりと硝子の冷たさが張り付いている。
俯いていたかったが、顔見知りに見られては生き恥だ。
眩しさに目を細めてみた眼前に、灯はどくん、と胸が鳴った。
遠くには群青がわだかまり、それが自分に向け橙色に。
そして自分の頭上には、山々の紅葉よりも鮮やかな朱が、空から見た町並みを染め上げている。
画伯の風景画に溶け込んだようであった。
足元は冷たく、湖面を歩くように錯覚させる。
しかし、自分が向かうよう命じられたのは、その仄暗い場所に向けてだった。
アーケードを歩ききった先に、自分の通った中学校がある。
そこまで行けば、部室に備えられたマッサージ機に括りつけ、嫌というほど絶頂を迎えさせるという。
それもまた苦痛を伴うだろうと分かっていた。
しかし、先程のたった一度の本音が、灯の心に止めを刺そうとしている。
抗うのがどうしようもなく気だるいのだ。 早く楽になりたい。
611 :
紅葉 7/9:2006/07/03(月) 21:59:27 ID:XnyriqCd
足元に視線を感じつつ、哀れな獲物は静かに歩を進めた。
股関節を前後させるたび、食い込んだ極太の余りが太股を擦る。当然、中も抉りあげる。
何度も達しそうになるのを堪えながら、灯は周囲を見渡した。
木造の長屋、太陽電池で壁面を鎧った高層のビルディング。
地上から離れた景色に、気分は更に高揚していく。
ただ…探したい物だけは見つからない。
それは自宅ではなく、目的地の学校でもありはしなかった。
どこか大切な場所。いつも思い描いていた場所。
「……あれ……?」
少女の歩みが、止まった。
――探しているのは誰の家?
その答えが出せたのは、遥か昔のことだった。
時間にしては一日も経っていないだろう。
しかしその想い出は、普段の一週間前にあった出来事より霞掛かっていた。
「あの子って、だれだっけ……」
その時、鮮やかに見えた眼下は、まるで煉獄に映った。
足元の冷えが剣山のようだ。
脚がふらつき、もつれ、吐き気がした。
その場にへなへなと座り込む。
今までとは桁違いに危険な息遣いがはじまった。
人でも殺めたかのように動悸が止まらない。呼吸が整わない。
612 :
紅葉 8/9:2006/07/03(月) 22:00:05 ID:XnyriqCd
柔な箇所に刺さった角が、やがて凄まじい動力で稼動し始める。
はやく行け、そう幼い主が命じているのだ。
咥えきれない部分が硝子と擦れ、恐ろしい不快音を立て始める。
完全に腰が抜けてしまい、立つ事ができない。
手を使って止めたいが、縛られすぎて筋が逝ったか、だらりと垂れ下がって動かせない。
自重でめりめりと深く潜っていく角は、久しく触れられなかった膣奥を乱暴に叩く。
飛び回る羽虫のような動きが、Gスポットと呼ばれる箇所を舐めつける。
少女の拡散した意識が、全てそこへ集中した。
「やめて、やめてぇ!とめてえーーーーーーーーっ!!!!」
とうとう人目も憚らず、あらん限りの絶叫を搾り出す。
それがどうしようもなく心地良かった。崩壊の快感が気道を巡る。
崩れた正座のような姿勢で、それはもうヒトの反応ではなかった。
背筋を反らせ、成す術なく臓腑を揺さぶられ、子宮を奮わせる。
溜めに溜めた意地が崩れながら頭を溶かす。
汁の噴き零れる音を股下に聞き、下からはどれほど惨めに見えているかと自嘲した。
「もぉゆるひてください…ごめんなさい、ゆるしへ、ゆるしてくらさひ…!!!」
喋る事にも意識を向けられず、最後の自我で許しを請う。
体中から汗がふきだし、アーケードの雨露に混じった。
「カリスマ格闘家の森嶋灯も、これで終わりね。たった一晩じゃない…くだらない」
早苗は欠伸交じりに手元のスイッチを最大まで起動し、叫び声が一際甲高くなる通りを後にした。
聡里は…その時はじめて、瞬きよりも長く目を閉じる。
敬愛する上級生を、視界から消し去った。
613 :
紅葉 9/9:2006/07/03(月) 22:00:53 ID:XnyriqCd
数日後、その少女を見たちなみは、背筋が寒くなるのを感じた。
完全に薬が入っている。
目は虚ろというより飛んでおり、許容量をゆうに超える快楽を味わったのは明らかだった。
以前は人を見る目が威圧的であったが、今は泣き濡れたような瞳で甘えてくる。
「ごめんなさい。止められたのに…こんな気持ちになるって分かってたのに。
最期まで、見ちゃいました」
目を深く隈どった聡里も不気味だった。
ちなみは少し躊躇った後、その頭を胸に沈ませてやる。
「先輩がすきでした。いじめられてるのが楽しかった。私、へんな子なんです。
生きるのが嫌になったのは…いじめられてたからじゃなくて…先輩がもう……」
そこからは嗚咽だった。
ふくよかな胸に安心して涙し、やがて寝息を立てる。
ちなみは不幸な娘達を背負うと、丁寧に身を清めはじめた。
「御免ねちびちゃん。栗毛ちゃん壊れちゃったね…。これでもう、お互い後はないよね」
誰に言うでもなく呟き、少女は灯の細い躯を引き寄せた。
色々な思いが巡っていた。
今は亡き母、自分の身を求め、命を絶とうとした父。
もう会えないほど、遠くに感じる弟…。
学園祭前夜。
翌日、全ての人間の命運が分かれる夜だった。
続く
615 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 21:58:10 ID:KRajIDyB
404さん、前スレからずっと読ませてもらってます。
いよいよ大詰めですね。なんだか感無量です・・・
616 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 19:50:20 ID:lhBvhWHj
次で終わっちゃうんですね…
始めから読んでいた身としては寂しい限りです
できればまた戻ってきてくださいね!
腹責めもぜひ取り入れてください><
期待age..._〆(゚▽゚*)
619 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 15:23:53 ID:M0quw0It
ageてないし・・・・orz
早杉るよ・・・。
「どこへ…行ったの…?」
顔面を困惑で引き攣らせながら、ちなみはリカに問いかけた。
リカはその麗目も狼狽するのだと改めて知り、嘲笑気味に顔を逸らす。
美鈴がいない――。
リカの隣に、足首を縛られて座っている筈なのに。
テーブルには食事が手をつけられず残されている、しかし灯の携帯が見当たらない。
コンテストが終わり、仕上げに県警へ同行させるつもりだった。
万一今出て行かれては、コンテストが終わる前に彼らは動き出すかもしれない。
少女は控え室へ急いだ。
或いは彼女の娘が、自分を出し抜いたのか。
「美鈴さんねえ、逃げ出しちゃったんですよ。整形さんと一緒に軟禁してたんですけどね。
まああんな人ひとり逃げ出したところで、どうって事ないですけどぉ。
与えられた食事にすら手をつけずに、一体どこ行ったんですかね?」
できるだけ焦りを出さずに、あくまで優位を演出して探りを入れる。
だが結花の反応は薄かった。
事前にショックな事があったのか、泣き腫らした目で虚ろにちなみを見上げている。
結花でもない、なら一体…。
その時、ひとりの女が脳裏に浮かんだ。
その人物は、胸のすく香水を纏い、ヒールを打ち鳴らし、ころころと飴を舐め転がす。
振り返らずとも、その尊大な態度が窺えた。華凛など比にならない沈着さだ。
結花の前でも冷笑を隠さないところを見ると、化けの皮は脱ぎ捨てたか。
「そろそろ、一次審査が始まりますよぅ。皆さん、…覚悟はいいですね?」
ちなみは自分に言い聞かせ、貴子の懐をすり抜ける。
双方、言葉は交わさない。
貴子は変わらず、甘美そうに舌先で紅い塊りを弄んでいた。
舞台裏の鏡に独り向かい、ちなみは暗い心を鎮める。
――母さん、今からあたしの初舞台だよ。練習もちゃんとしたし、人の目だって怖くない。
でも…なんでかな。これが…最後になりそうな気がするよ……
その頃結花は、控え室で他の出場者に嬲られていた。
それは彼女にとって幸運であった。
女優の娘が始めて衆目を集める舞踊は、それほどに競争手の自信を剥奪するものだったからだ。
橙と朱に染め上げられた、優美ながらも目に心地よい生地が風を孕む。
脚を高々と掲げる体躯のしなやかさ、すらりと伸びた手足が急角度で止まるバランス。
その自信に溢れた顔もまた、彼女の魅力を象っている。
淫靡な催しを期待する観客達は、高鳴りが下半身から胸へすり上がるのを感じていた。
結花の心細げな演技とは対象的な、実に清清しい才能だ。
反響は少女が思った程度に沸き起こる。
そう、コンテストは全てが想定通りに進んだ。
結花なら勝ち上がること…これは、他の候補者を選んだ時から解かっていた。
美貌やスタイルは並み以上でも、特長がなくつまらない者ばかりだ。
貴子によって培われた性技で、リカを人形のように繰ることも。
結花が灯と激しく求め合うことも計算通りだ。
正直、その結花が灯を目醒めさせた事と、それを見る観客達の静けさだけは想定外だった。
だが冷静に考えれば、それすらも少女の計画を後押しする嬉しい誤算だ。
最終的には、どちらが勝っても同じだった。
結花という新勢力に多大な関心が寄せられた以上、権力の残滓に駆られた審査などに意味はない。
ただ一つの問題…その歪みが、どこへ向かうのかを除いて。
機動隊の群がりに圧され、屋敷の扉が軋みを上げる。
「裏口も囲まれてるよ。もうダメ…!!」
テラスから下を見た美弥子が、力なく膝を折った。
“希代の組織的少年犯罪“の主犯格達には、一様に慟哭の兆しが窺える。
人脈が圧倒的に不足していた。『舐めすぎて』いた。
相手は長い間、国内外の密売組織を牛耳ってきた夫婦だ。
次々と名も知らぬ資産家が、ちなみの不利になる虚言を警察に報じた。
あまりにも急な事に、ちなみにも為す術はなかった。
「先輩。ボク、どんなことがあっても着いてくよ」
菜奈美も、もはや肩の震えが止められない。
ちなみは優しく微笑みかけ、その頭を撫でてやる。
菜奈美の嬉しそうな顔は、次の瞬間、苦悶のそれに変わった。
ちなみの掌が、細い腹部を抉っている。
「――おっ…ぅ」
どさりと地に伏す音を聞いた美弥子も、同時に自分の丹田に腕が生える瞬間を焼き付けた。
空気のパンを食べたように気道が固まり、顎から意識が抜けていく。
格闘に馴染んだ少女は、最後に後ずさる華凛の横へ回り込む。
素早く手首を極め、紐をその肩に通していく。
「お前、まさか…!」
「手配されてるのはあたし一人よ。あんた達は脅されて、今こうして捨てられた」
ようやく主張しはじめた丘を搾り出し、ちなみは唇をぺろりと舐めた。
「おめでと。今日からは自由よ」
強気な瞳を覗き、亜麻色の髪を撫で上げ、その額に口付けをする。
恐れ知らずの瞳からぽたぽたと、涙が零れた。
華凛が泣くのは、初めて貴子に抱かれ、その運命が傾ぎ始めて以来だった。
「・・・・・!! ・ ・ …堪忍、な…。堪忍な…かんにんな…。」
遠くで、厚い扉の砕かれる音が響いた。
裁判所を出てすぐ黒いワゴンに乗せられ、少女は塀の中に送りこまれる。
未だ義務教育も終えぬ身ながら、司法は彼女を服役させた。
後ろ手に冷たい手枷を嵌めこまれ、素足で長い廊下を連れ回される。
冬をまじかに控えた空気は凍りつき、来た道に白い息を残す。
扉をいくつも通り抜け、看守の足が止まったのは、独房だった。
排泄器がひとつ、洗面台がひとつ。
奇妙な点を上げれば、そこはやけに広く、床はタイル張りで排水溝が多い。
まるで何かが動き回ったり、水浸しになる事態が想定されているかのように。
手枷が外された代わりに、冷や汗に湿る体が拘束服に巻き取られた。
肩後ろで交差させた手を、白い帆布ごとベルトで縛り上げる。
厳しい拘束を手首の皮枷が更に戒め、少女の肩の筋肉が悲鳴をあげた。
「く…あぁっ!」
看守はわずかに頬を緩めた後、彼女が下半身に纏う鼠色の囚人服を取り去った。
理想的な白い生脚に、同性ながら息を呑む音が聞こえる。
下には何も着けぬまま、少女は壁に括りつけられた。
拘束服の前をはだけ、看守は手袋を嵌める。
手にしたビンからオイルを垂らすと、水飴のように手の中で遊ばせ、
少女のたわわに実った膨らみへ擦りこんでゆく。
冷たくも熱くも感じるヌメりが拘束服の間を伝いおち、下流の渓谷をも潤ませた。
「…ぁ、はぅ……!」
胸を執拗に揉みしだかれ、思わず声を漏らす。
そうした種の刺激は、少女にとって久々だった。
たちまち高潮する頬を眺め、看守は満足そうに囁く。
「見かけ以上だな…どうせなら、昇天するまで導きたいものだ」
手袋を脱ぐ傍ら、彼女は残った温みを少女の陰核にすりつけ、2度ほど鳴かせて独房を後にした。
そのまま、8時間ほどが経っただろうか。
暗い独房の中、少女は貴子の恐ろしさをひしひしと身に覚えていた。
胸の蕾が、淡みの突起が、まるで糸で搾り出されたように軋む。
白房はパンのように膨張した感覚となり、太股の狭間が奇妙に蠢く。
ここ数日、貴子はそれは容赦なくこの身を責め立てていた。
木馬に縛り据えたまま2穴に振動基を打ち込まれ、地下クラブの衆人環視のもと半日放り置かれた。
結花を脅している時でさえ、胎内には羽音が舞っていた。
そのことで敏感な性感がますます目覚めさせられた時に、この放置。
胸から立ち昇り鼻腔をくすぐるオイルは、毎日胃の底から味わっているもの。
今や完全に、それが性欲のスイッチになっていた。
かろうじて地につく脚を産まれたての子馬のように蠢かし、霞がかった頭で扉を睨む。
白馬の王子でなくてもいい、野蛮な獣でいい。
ただ、どうかなりそうに漂う不安定さを、なんとか鎮めてもらいたかった。
「あらあら…。ずいぶん辛そうね、ちなみちゃん」
憎らしい声がやっと響いた。
光あふれる方に佇む貴子は、後ろに何人もの少女を引き連れている。
皆が皆、くすんだ水色の囚人服に身を包んでいた。
中には明らかに中学生と見える娘もいる。
「うわぁ…可愛い子だねぇ」
縛り付けられたちなみを見て、娘達は驚嘆を隠せなかった。
その美脚といい、端麗な顔立ちといい、さらさらと揺れる黒髪といい。
目の前にいるにも関わらず、ブラウン管やスクリーンの向こうにいるのかと錯覚してしまう。
「じゃあお前達、言った通りに始めて良いわよ」
貴子が飴を噛み砕いて合図すると、娘達は独房に雪崩れ込んできた。
一人目の娘は少女の後ろに回り、吸い付くような胸のふくらみを握りつぶす。
妊娠時のように張り詰めた媚肉は、ひどい痛みと目の醒めるような快感を巡らせた。
「あ…ぁう…ん」
細身の胸骨から剥がれそうに捏ね回され、それだけで気味悪く達しそうだった。
「乱暴に握るだけじゃ駄目よ。この娘には、女性ホルモンを摂らせているから…」
貴子は娘の手を払いのけ、上気した膨らみの頂点よりやや上に指を走らせた。
そこにはうっすらと血管のような筋が見える。
「興奮すると、乳腺が浮き出るのよ」
その線を浮き立たすように扱かれ、少女は悲鳴に近い声をあげた。
「気持ちいい?貴方の感度は凄いものね。…なら、ここも大変でしょう」
思わず堅く閉じた脚を、伝う蜜を掬うように小奇麗な指が撫であげる。
源泉へ数度挨拶を交わし、一気に滑り込んでいく。
「―――っ……!!」
二つ重なった長い嘴は、肉体の覚悟より速く奥深くへ突き立った。
その嘴を鉤状に曲げ、小刻みに力強く震えさせる。
指先が中を広げてほぐし、爪がこりこりこりこりと腫れた膣壁を抉る。
細胞のひとつひとつをこそぎ取り、女の神経を新たに高めていく。
「う…うぁああああ!!!や、やめっやめてーーー!!い、いっちゃう!!
やああ、やあ、い、いくっ!!やら、いく、ぅぎゃうぅぅううぅ…いっ…ー―!!!!!」
貴子の本気の指技を受け、ちなみは即座に泣きを入れた。
「ほら、膣内はどろどろじゃない。何回逝くの?ちなみちゃん!」
今まで焦らされていたことが遠い過去に消え、何度も何度も潮を噴き、
粗相をしたように下に水溜りが出来ていく。
他の者が言葉を失って見守る中、貴子は執拗に手首を繰った。
手首すべてをねじ込もうかというように拳は柔唇を押し広げ、少女の卵巣の中身を掻きだし続ける。
上体を拘束されて被虐に狂う少女は、片足を肩ほどに、今一本も床上に吊り上げて身悶えた。
宙に浮いた事で腹筋が軋み、絶え間ない絶頂でさらに鉛のように鈍る。
「どう、少しは態度を改める気になった?」
変わらず指を繰りながら、貴子は敵意を隠さずに語る。
「素直にごめんなさいをすれば、貴方の美貌だもの、家畜程度には扱ってやるわ」
その言葉ほど信用ならないものはない。
プライドと猜疑心の塊のような女だ、一度姦計に嵌められた相手を傍には置くまい。
少女は、叫び続けて溜まった唾液を、思い切り貴子に吐き掛ける。
「冗談じゃないわ!殺したいなら殺しなさいよ、色責めするならどうぞ!
あんたなんかに頭下げるのは、いい加減うんざりよっ!!」
最も美しい少女の吐いた唾液は、しかし、貴子の表情に愉悦しか与えはしない。
強気に言い放って息を整えているのか、それとも虚勢を悔やむのか。
ちなみのこけた肩が震えている。
「ええ、構わないわよ。だって貴方が許しを請うのは、私じゃないもの。」
貴子はまた、新たな飴玉を転がし始めた。頬を汚す唾液すら舐めとり、口内に取り込む。
次の瞬間、ちなみは後孔に痛みを感じ、思わず背を仰け反らせた。
ひりひりと痛むチューブが肉壁と連結し、何かが流れ込んでいる。
「あ、熱いっー…!!」
あまりにも強烈な痛痒だった。一瞬で目が見開かれ、涙が滲む。
「ふふ。粘膜の弱い貴方には敢えてしなかった、多分一生しないはずだった、塩化マグネシウム溶液よ。
一番強烈な浣腸とも言われているわ。あんまり我慢して溜めておくと、狂うわよ」
少女の張りのある肌から、その毛穴という毛穴から、氷の粒のような汗が噴きだした。
赤灼の胎児を産むように、直腸が、S字詰腸が鳴動する。
(い…いやだ、こんなの、だめ…!耐えられない…!!)
それが一人の娘の発した、素直なこころだった。
「貴方が一度詫びた相手に、一ヶ月の刑期軽減が約束されてるの。
皆ここで朽ちたくなんてないから、同情なんて期待しちゃだめよ」
その言葉を聞き終える前に、数知れぬ少女囚が細い体を取り囲む。
蛇のような牙を持つ指が肉芽をかじり取り、達し切って敏感な膣内に、十近くもがこそぎ入る…。
※ ※ ※ ※
ここに一冊の本がある。
百合嶺を語るにあたって、欠かす事はできない。
種別としては創作となっている。
それは、一人の少女が、学園の新生に影ながら携わる話だ。
当時世間では、折りしも一人の少女が非難の対象とされていた。
絶対悪として疑いを持つ者はなく、一部擁護する少女達が出るも、数の力で黙らされた。
やがて糾弾が下火になり、便乗して騒ぐ輩が忘れかけた頃。
この本は、何処からともなく世間に浸透していった。
実に素直な文体だったからだろう。
真に語るべきを熟知したような、気高くも得心を誘う言葉で呟かれていた。
聞けば、著者は言語障害があるという。
だからこそ、その言葉は特別な意味を持つのだろうか。
とにかくも、その小説により世間の考えは変わった。
法的な証拠となる物ではないが、別の可能性を知らしめるには充分だった。
またその記述には、すでに抹消された事実の鍵となるものも多い。
作中の証言者達も、皆が名を変えた実在の人物である事が発覚した。
ともすると筆者は、主犯者が画策を巡らすより遥か前から、この準備を整えていたのだろうか。
事件から半年後の原夫妻の裁判は、それは壮絶なものだった。
そこには愛が渦巻いていた。姉妹愛、親子愛、友情。それらが歪な形を取り、夫妻を襲う。
塗りつぶされた事実は、いざ捜査してみると粗末な出来で、
裁判中にも次から次へ新たな罪状が並べ立てられていった。
それらの重圧に耐え切れず、原貴子は最後にはヒトとも獣ともつかぬ唸りを上げ、
尋問台をひっくり返した。
以前そこへ立った少女とは、まるで器が違う。
それは、この世でもっとも醜い舞台であった。
※ ※ ※
刑務所から出てきたちなみは、両脇を看守と優しそうな女医に支えられ、
それでも足元がおぼつかなかった。
懸命にこっちへ向かおうとする気概はあっても、真っ直ぐ進めない。
ついには半身をおり、女医に抱えられたままその胸で嘔吐してしまった。
その女医は、嫌な顔ひとつしないで、優しくちなみの頭をなで、丁寧な言葉でなぜか礼を言っていた。
ようやくちなみは僕の前に立った。
初めて彼女と向き合ったときを思い出す。
この時のために手術をした。カウンセリングも受けて、声がだせる条件は揃った。
春の柔らかい日差しで、辺りは小麦色に光っている。
不思議と、声が出ない不安は、なかった。
『 好きだ 』
はじめて聴く、これが僕の声。意外に落ち着いている。
空に浮かぶ雲は、いつか見たよりもくっきりと目に映る。
ちなみははじめ、反応しなかった。
そのオニキスの様な目がふいに上がり、僕を捉える。
いつの間にか、僕の背は彼女を追い越していた。
「………おそいのよ」
彼女はうつむく、その影に光が零れていく。
「…いいたいこと、あるなら、はっきりいいなって…ったの、いつよ…。
…ばか…!!」
僕は、女の肩を抱き寄せた。
あんなに大きかった背中が、今ではしっかりと、腕の中で守ることができる。
「ヒコー、はやく来なさいよー!はじまっちゃうって!!」
シースルーのカーディガンを翻して、ちなみは石畳を跳ね回る。
いつになっても、あの体力にはついていけない。
「パパが元気ないとつまらないよ、ねぇ良彦?」
先月5歳になった愛息子に頬擦りしつつ、ちなみは僕の手を引いた。
今日は百合嶺女学院の学園祭だ。
新生百合嶺の創立から10年が立ち、一つの節目として先代生徒会長の講演が行われる。
結花は、今は経済界に大きな影響力を持つ大物のはずだ。
特にこの学院では、もう気安く声を掛けられる存在じゃない。
でもその見た目は、変わらずどこか幼げに見える。
「ちびちゃん、凄い頼りがいありそうになったね。」
最前列に腰掛けながら、ちなみはしみじみと呟いた。
母親探しに灯さんの病院の手配など、ちなみは結花に対しては変に丸くなる。
いよいよ講演も終わりかけた頃だ。
結花が、突然こっちを示した。
「皆さん。新生百合峰の最大の功労者は、実は、私などではありません。
私は、この学園のために、自らの全てを捧げたひとを知っています。
――桐生ちなみさん、どうぞ。舞台へお越しください!」
ちなみは、呆気にとられていた。
綺麗な顔に戸惑いを浮かべて、照れながら僕に悪戯っぽく笑った。
万来の拍手に迎えられ、ちなみは至高の舞台に上がる。
暖かい手の平に振られて泣く彼女の頬は、紅葉のように紅く染まっていた。
終わり
631 :
404:2006/07/12(水) 02:02:26 ID:GQNPobMx
これで楽艶祭の話はすべて終了です。
長い間お付き合い下さった方、レスくれた方には本当に感謝です。
スレ1.5個分を一人で使い切ったのはさすがにやりすぎたかと思うので、
しばらくROM専になろうと思ってます。
またいいネタがあったら短編でも書くかもしれませんが…。
色々勉強になったっす。
長い間、有難うございました!!!
ああ・・・
良い物語でした・・・
前作から紅葉まで、このラストの為の物語だったんですね。
404さん、本当にお疲れ様でした!
随分と長い間、ずっとこのスレを覗くのを楽しみにしてました。
エロと物語がここまでバランスした大長編、やり過ぎだなんてとんでもないです。
本当に、本当に、ありがとうございました!!!!
633 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 17:29:32 ID:LrcWppzs
禿GJ!!!!!!! 。・゚・(ノД`)・゚・。
最後に出てきた女医さんって椿先生だよね。
なんかみんな収まるところに収まってホッとしたw
404氏、ありがとう!
これからも遠慮しないでどんどん投下してください!
GJ!
しまった。ティッシュ足りない。
上からも下からも汁が・・・・
404さん今までGJ!!
じっくり休んで、また書きに戻ってきてくださいね(`・ω・)
638 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 17:50:45 ID:vDvrgK7u
職人さんのために保守
あと紅葉のまとめサイトみたいなのほしいきもする
_ ∩
( ゚∀゚)彡 グッジョブ!グッジョブ!
( ⊂彡
休日の午後。ヴィントの一画。
建物の影に隠れて前方の様子を窺うトモエの後ろ姿を眺めつつ、ミーヤはおずおずと口を開いた。
「トモエちゃん。もうやめた方がいいと思うな…」
限りなく控えめに発せられたその声に、トモエはゆっくりと振り返る。
「…誰が人間やめた方がいいですって?」
「ひぃっ?!いい言ってない!言ってないよそんなこと、一言も!」
邪悪な諸々を全身から立ち昇らせて目を光らせる様を目の当たりにしたミーヤは、哀れなほどに顔を引きつらせて首を横に振った。
トモエはつまらなそうに鼻で息をつくと、すぐに前へと向き直ってしまう。
ミーヤはまだなお首をぶるぶるやりながら、
「ほ、ほんとだよ?!そんなこと言ってないし思ってないよ?!」
「わかったから黙りなさい。鬱陶しい」
吐き捨てるように言うトモエだが、しかしミーヤはぶわぁと涙を浮かべると、風さえ起こる勢いで頭を下げた。
「ごめんなさい実はちょっと思ってたの!ごめんなさいごめんなさい!」
「…何を無駄に白状してるの、あなた。逆に清々しいわ」
「人間やめた方がいいどころか、もうとっくに人外の魔物だなんて思っててごめんなさい!許してトモエちゃん!」
パーン、という銃声にも似た肌を打つ音が響いた。
「ぶつわよ」
「…もうぶたれた上にさりげなく蹴りまで入れられたけど、すみませんでした」
赤くなった頬と鈍い痛みの残るスネを押さえて、ミーヤは震えながら謝罪した。
「でも、やっぱりやめた方がいいんじゃないかな…。シズルお姉さまを尾行してたなんて、バレたらどんなことになるか…」
「尾行だなんて人聞きの悪いことを言わないで貰えるかしら」
前方およそ三十メートル。穏やかな立ち居振る舞いで歩みを進めるシズルの後ろ姿を、トモエは食い入るように凝視する。
「私はただシズルお姉さまを視姦…じゃなかった、お出かけするシズルお姉さまに何らかの危険が及ばないよう、こうして影ながら視姦…じゃなかった、見守っているだけよ」
「本音がだだ漏れしてるじゃない…!しかもこの場合、シズルお姉さまに及んでる危険っていうのは間違いなくトモエちゃんのことだよ…?!」
「黙りなさいサンドバ…じゃなかったミーヤ。いいからあなたはおとなしく私についてくればいいの」
「サ、サンドバッグ? サンドバッグって言いかけたよね、今?」
「…! シズルお姉さまがバックステージに入られたわ!何を買われるおつもりなのかしら…」
胸元を押さえてハァハァと息を乱すトモエを見つめて、ミーヤは微かに眉を寄せた。
トモエがずっとシズルを想い続けているのは知っている。
ゆえにこういった、彼女にとって至福極まりないであろう時間になぜ自分を付き合わせるのか、ミーヤは不可解で仕方がなかった。
無論ミーヤとてシズルには少なからず憧れを抱いてはいるが、それはトモエの持つ感情には遠く及ばない薄っぺらい代物である。
このようなストーカーまがい(などとは死んでも言えないが)の行為に付き合わされても楽しいはずがなく、むしろ、バレたらどうなるのかという一点に胃が痛むだけだ。
(…誘いに来てくれた時は、嬉しかったけど)
たまの休日。何の前触れもなく部屋にやって来たトモエに、有無を言わさず連れ出された。
困惑しながらも、心のどこかで彼女と一緒に過ごす休日に胸を弾ませていた。
(バカみたい)
こうして近くに居ながらも、トモエの瞳に映るのは決して自分ではなく、遠く離れたシズルの姿。
わかりきっていたはずの事実が、なぜかひどく堪えた。
「…あ、あの」
伸ばした手を一度引っ込めかけて、きゅっと拳を握り締める。
しばし視線を彷徨わせた後、遠慮がちに再び伸ばした手でトモエの背中に触れようとするが、
「出ていらしたわ!」
紙袋をぶら下げて出てきたシズルを見るやいなや、トモエは神の速さで一つ前の建物の影に移動した。
「……」
所在無さげに宙を漂う、ミーヤの手。
「私、行くね。トモエちゃん」
俯いて、自嘲気味の笑顔で呟くと、ミーヤは踵を返した。
これ以上ここにいたところで、どんな協力が出来るわけでもない。それどころか、鈍くさい自分がトモエの足枷になる恐れの方が多大にある。
ならば早くこの場から立ち去るしか、選択肢はなかった。
「シズルお姉さま、あのように満面の笑顔で…。一体何を―――あ、何か落とされたわ!紙袋から落ちたあれは…に、人形?!学園長の人形?!どういうことミーヤ!説明なさい!」
鬼の形相で振り返ったトモエの前に、ミーヤの姿はなく。
「……」
トモエは心底不快そうに、目を細くした。
◇
雑踏に紛れて行く当てもないままにフラフラしていたミーヤは、なんとはなしに辿り着いた噴水の前でぼんやりと佇んでいた。
今現在の自分の心境とは対照的に淀みなく流れる水を、ただただじっと見つめる。
と、不意に誰かの手に肩を叩かれた。
「…!」
ほんの一瞬、期待に満ちた顔で振り返るも、華やいだ表情はすぐに落胆のそれに変わる。
「何してんの。暇ならどっか遊び行こうよ」
見知らぬ顔の若い男。胡散臭いほどに人懐っこい笑顔を浮かべて、ミーヤをじっと見つめている。
映りたい瞳はこれではない。
けれど、このまま学園に帰る気にはなれなかったし、かといってトモエの元に戻るのも憚られた。
「…別にいいけど」
淡々と答えると、男の手がミーヤの肩に回された。促されるままに足を踏み出そうとした、その時。
「――あぁ、いた。ミーヤさんったら、どこに行ってしまわれたのかと思ったわ」
「…っ!」
虚飾に彩られた声に、心臓が波打つ。
恐る恐る背後を振り返ると、にっこり微笑んだトモエがそこにいた。
「この場合、迷子になったのは私の方かしら? ふふ、なんだか子供みたいね。ごめんなさい、ミーヤさん」
「う、うん…」
半ば引きつった笑みを浮かべ、ミーヤは男の手をすり抜けた。チッ、という舌打ちの音を背中に聞きながら、のろのろとトモエの元に近付く。
笑顔のトモエはミーヤの手を両手で包むように握ると、その耳に顔を寄せた。
「おとなしくしているよう言ったはずだけど……反抗期かしら、ミーヤさん?」
「ち、違っ…!」
びくりと肩を震わせるミーヤの台詞を最後まで聞くことなく、トモエは掴んだ手を強引に引っ張って、人気のない路地裏へと彼女を連れ込んだ。
離した手でミーヤを突き飛ばし、壁際へと追い詰める。逃げられないよう両腕の柵で囲み、怯える彼女を影で覆うと、
「そんなに苛められたいなら、お望みどおりしてあげるわ」
低い声で言い放った。
「ま、待って!なんで怒ってるの?!だって、あのまま私がいたって、トモエちゃんの邪魔になるだけじゃない!」
「黙りなさい」
顎を掴み、恐怖に歪む顔を壁に押し付ける。
「わ、私、何かいけないことした?!」
「いけないことは、これからするの」
心底楽しげにつり上がる、形の良い唇。ミーヤの喉からくぐもった悲鳴が漏れた。
「ね、ねぇ…!あ、謝るから!お、お願い、お願いします!許し…」
懇願しながらすがりつくも、ひゅっとトモエの手がしなり、その甲がミーヤの頬を激しく打った。
「黙りなさいって言ってるでしょう?煩いのよ、さっきからキャンキャンと」
「……」
真っ赤になった頬を押さえることも忘れ、呆然と項垂れるミーヤ。限界まで溜まっていた涙がぼろぼろと零れ落ち、乱れた髪が顔に張り付く。
「ミーヤさん」
一転して穏やかな声色、穏やかな笑みで、トモエはミーヤの頬を撫でた。
髪を梳いてやりつつ、涙に濡れた瞳を見つめる。
「許してほしい?」
「……」
こくり、とミーヤは頷いた。トモエはにっこりと優しげに微笑むと、
「絶対許さない」
くつくつと楽しげに肩を震わせて、吐息混じりの声を耳に吹きかけた。
ゆっくりじわじわと降ろした手を、ミーヤのスカートの中に忍び込ませる。
「や…!」
びくっと全身を強張らせるミーヤに、ほんのわずかな間だけ手を止めるトモエ。
笑みを深めると同時に、その場所に指を這わせた。
「…っ! んぅ…!」
眉根を寄せ、ミーヤは口元を押さえる。薄く開かれた瞳と研ぎ澄まされた耳に否応なく突きつけられるは、すぐ側に溢れる休日の雑踏。
「ひ、人、がっ…!」
「人が来るかも? 大丈夫よ、あなたが声さえ出さなかったら」
言いながら、わざわざ最も敏感な部分を爪で引っ掻いた。
「っあ…!」
押し殺した声と乱れた呼吸が、真昼の城下にこだまする。
―――やがて、ぐったりしたミーヤがずるずると壁を伝い、その場に崩れ落ちると。
「あなたは私の玩具なのよ。もしまた、勝手に私の側を離れたりしたら…」
ぼそりと呟いたトモエは、弛緩したミーヤの身体をぎゅっと抱き締める。
「二度と直らないように壊してやるから」
その表情に先刻までの余裕に満ちた笑顔はなく。
薄れた意識の中、ミーヤが掠れた声で「ごめんなさい」と漏らした。
↑これ某所のSSだよな?
勝手に転載しちゃいかんだろw
容量ヤバス
最後の書き込み
ъ(゚Д゚)グッジョブ!!
648 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 10:32:26 ID:jd/lMxxA
ほ
へ
650 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 19:57:47 ID:UfsOZZ0B
職人さんのためにほす
651 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 04:23:10 ID:PXr5BBu+
age
652 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 18:41:39 ID:noTQYCj2
ほしゅるぜ
そろそろ新スレ立てて欲しいと思っていたり。
乙
656 :
名無しさん@ピンキー:
何のための新スレ?
ここじゃだめなの?