零総合 漆 

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747水面ハッピーデイズ (前編3/4) 樹月編:2006/07/31(月) 20:13:23 ID:Dhh/g7NM
 彼女と初めて出会ったのは、今から数ヶ月前の事だ。
 そのとき僕は、いつものように引きこもってゲーム三昧で、突然現れた彼女のことを、ゲームの世
界から飛び出してきたキャラクターか何かと誤解したものだった。冴えない少年と無邪気な美少女が
一つ屋根の下で織り成すありがちなラブコメディを夢想したりもした。
 しかし、現実はそううまく運ぶものではなく、水面さんは時間になれば自分の家に帰ってしまった
し、そもそも五歳そこらの少女に恋愛感情を抱くわけでもなく、彼女との奇妙な友人関係はただ、だ
らだらと続くばかりだった。
 さっきも言った通り、僕を取り巻く人々はみんなばらばらになってしまった。一人でいるのが好き
な僕でも、テレビを切った後の妙な静寂に孤独を実感したりもしていたし、だから近頃はこうして一
方的に遊びに来る水面さんの来訪を、気が付けば心のどこかで待ち望んでいるということが多々あった。

(とはいえ、十二時間……)
 悪気があってやったことではないだろうし、元はといえばこまめにセーブしていなかった僕が悪いのだ。
 自分を納得させようとしていると、ドンドンと、またもや扉を叩く音がして、僕は顔を上げた。
「いつき、なにハゲちらかしてんだ、だれかきたぞ」
「はい……ぐすっ」
 水面さんが僕の腕を引いて持ち上げる。
 それにしても最近、来客が多いな。この間もどこか紗重に似た雰囲気の女がいきなりやってきて、
僕の写真を撮っていったが。
「樹月、いるか!?」
 蔵の外から聞き覚えのある声がした。睦月の声だ。
 睦月とも面識のある水面さんが「おう、むつきか! いるぞー!」と僕の代わりに返事をする。
「あっ、水面さん、いらしてたんスか? ご無沙汰してます」
 勝手に扉を開け、蔵に入ってきた睦月が水面さんに頭を下げた。
「おまえからたずねてくるなんてめずらしいな、どうした?」
 すっかり自分の家みたいだ、と僕が思っていると、睦月がハッと顔色を変えた。
「そ、そうだ樹月、それどころじゃないんだ! 久しぶりに家に帰ってみたら……」
 どういうわけか、ひどく動揺した様子の睦月が唇を震わせながら、その信じられない一言を発した。
「どこを探しても……千歳がいないんだ……」
748水面ハッピーデイズ (前編4/4) 水面編:2006/07/31(月) 20:14:48 ID:Dhh/g7NM
「な、なんだってー!(AA略」
 とばかりに、いつきは、めをみひらいた。
「睦月! 僕の可愛い千歳タンを放ったらかして、一体どこで何をしていた!?」
 かみのけをまきちらしながら、つめよるいつき。
「何って、決まってるだろう! 八重ちゃんのライブを追って全国を駆け巡ってたんだ!」
むつきが、むねをはっていう。
 やえってたしか、このあいだ、わたしたちがライブをのっとった、ひむろていのおばさんじゃなかっ
たっけ? そのとしで、じゅくじょしゅみは、どうかとおもう、とおもっていると、わたしのめのま
えでは、なにやらわくわくするこうけいがひろがっていた。
「チッ……アイドルオタが……」
「なんだと、このシスコン野郎!」
 いつきのむなぐらをつかむ、むつき。
「やんのかコラ」
 まけじとにらみかえす、いつき。
「上等じゃねーか、表に出ろ!」
 みにくい『きょうだいげんか』のはじまりに、わたしは「いいぞ、やれやれ!」と、はやしたてて
いたが、ふと、いつきたちのかいわにでてきた、ききおぼえのあるなまえに『いわかん』をかんじ、
くびをかしげた。
(ちとせ……?)
 ちとせって、あのちとせか?
 そういえば、あいつ、みなかみむらのしゅっしんだって、まえにいってたようなきがする。ということは……?
「おい、ふたりともよせ! ちとせのいばしょなら、わたしがしってる!」
 わたしがあいだにわってはいると、ふたりは「え?」とかおをみあわせた。
「まじスか、どうして水面さんが?」「水面さん、千歳タンはどこに!?」
 つめよってくるふたりのてをひいて、わたしははしった。
 いいひまつぶしになりそうだ。
749名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 20:53:50 ID:e3KtxDZR
これは・・・・・・wktkがとまらない!
750名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 21:08:39 ID:tKMuWnuK
次も期待してるよ!

                 ハ_ハ  
               ('(゚∀゚∩ してるよ!
                ヽ  〈 
                 ヽヽ_)

751名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 23:49:15 ID:Ta8HSHMk
き・・・ザザ・・・続きを・・・ザザ・・・
752名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 12:59:34 ID:Kry9+wDH
み…ザ…澪…ザザ…ぁ…ザザ…あっ…ザザザザ……ザザザ…あぁん…ザザ…澪ぉ…ザ…続けて…
753名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 06:04:41 ID:/oUpd9rR
ザワザワザワ…
754水面ハッピーデイズ (後編1/6) 睦月編:2006/08/03(木) 03:45:54 ID:f3xP1+lH
 辿り着いた先は、蔵からそう遠くない場所にある、逢坂家の前だった。水面さんが急に手を引いて
走り出すものだから、僕はともかく、普段あまり運動をしない樹月は突然始まった短距離走に疲れて
しまったらしく、ぜえぜえと苦しそうに肩で息をしている。
「ここにいるんスか? この家、真澄さんたちの家になったんじゃ……」
 逢坂家改め槇村家を見上げる僕。大償に巻き込まれた真澄さんと美也子さんがこの村に住むように
なってから、一年と少しが経っていた。兄妹三人で引越しの手伝いにやってきたのも、ずいぶん前の
ことにように感じる。
「ここはとおるだけだ。ますみとみやこには、はなしをとおしてあるからあんしんしろ」
 そう言って水面さんは、自分の部屋に友人を招き入れるみたいに玄関を開けて「どーぞ」と僕たち
の背中を押した。
「ずいぶん様子が変わったな」
 玄関を見回しながら樹月が呟く。
 彼の言う通り、以前お邪魔したときと同じ家とはとても思えなかった。
 ボロボロだった床板はライトブラウンのフローリングに変えられていて、薄汚れていた土壁は綺麗
な白い壁紙で覆われている。足元に目をやれば真澄さんたちの物なのだろう、いくつかの靴がきちん
と並べられているし、そこから覗ける着物の間は綺麗に片付けられ、今はキッチンとして使われてい
るのか、冷蔵庫や食器棚が並んでいた。
「こっちだ」
 奥に続く戸を開けると、かつて立派な囲炉裏があったはずの部屋も同じようにリフォームされてい
て、もはや「囲炉裏の間」などとは呼べなくなっていた。間接照明や観葉植物などが置かれていて、
どこかのモデルルームみたいな様相だ。
「やあ、樹月くんに睦月くん」
 部屋に見とれていると、僕たちの来訪に気がついた真澄さんがソファから立ち上がって手を広げた。
その隣には美也子さんの姿もある。
「お久しぶりです、真澄さん、美也子さん」
 殺し屋1に出てくる人みたいに顔中キズだらけの二人は、僕たちを暖かく迎えてくれた。
「今コーヒー淹れるから、適当に座っててね」
 美也子さんがキッチンの方へ走っていく。僕たちは空いていたソファに座らせてもらった。
755水面ハッピーデイズ (後編2/6) 睦月編:2006/08/03(木) 03:46:26 ID:f3xP1+lH
「どうスか? 村の生活には慣れました?」
「ああ、おかげさまで。村の皆さんもよくしてくれるしね」
 嬉しそうな顔で語る真澄さん。
「田舎暮らしは真澄さんと私の夢だったから。こんなに早く叶うなんて思わなかったわ」
 お盆にコーヒーとお菓子を載せ、キッチンから戻ってきた美也子さんもそれに続く。
「おあついなー、ふたりともしあわせそうでなによりだ!」
 コーヒーを受け取った水面さんが足をぱたぱたさせながら言う。僕は彼女の言う通りだと思った。
 
 将来は、こんな風に普通の家庭を持つのもいいかもしれない。
(真澄さんみたいにカッコよくなって、八重ちゃんをお嫁さんに迎えて、それから……)
 と、幸せな将来を想像する僕の肩を樹月が叩く。
「……おいテメー、何くつろいでやがんだ」
 そして樹月は、儀式のときとは比べ物にならないほどの力で僕の首を絞め始めた。ガリガリのくせ
に、千歳のこととなると、戸愚呂120%みたいになるのが樹月の悪い癖だった。
 ちなみに戸愚呂120%とは昨年無事に週刊少年ジャンプ誌上での連載を終えた、優柔不断な少年
と妖怪たちとのちょっとエッチな学園生活を描いたラブコメ漫画のことである。
「わ、わるい……ちょっと悪ノリし過ぎた……」
 顔がどんどんファンシーな色に変わっていく僕。
 その後、真澄さんたちが止めてくれたので、僕はなんとか一命を取り留めることができた。

「お騒がせしました、また来ます」
 二人に頭を下げ、まだコーヒーを飲み足りなさそうな水面さんの腕を引っ張ると、僕たちは先へ進
むことにした。僕は双子御子として、やるべきことはやったのだ。絞殺されるのは一度でいい。
 さて、「お邪魔しました」とは言ったものの、水面さんの案内によると、僕たちの目的地は槇村家
のさらに奥にあるらしい。
 廊下を途中で曲がると、右手奥に引き戸が見える。その前までやってくると、先頭を歩いていた水
面さんが立ち止まって、いつになく真剣な表情を僕たちの方へ向けた。
「このとびらからくぜけにはいるんだが……ふたりとも、きをひきしめろ。ここからさきはあんぜん
をほしょうできない」
「ど、どういうことスか?」
「……くぜのやしきは『だんしきんせい』なんだ」
756水面ハッピーデイズ (後編3/6) 睦月編:2006/08/03(木) 03:47:04 ID:f3xP1+lH
 水面さんの話は恐ろしいものだった。
 古くからのしきたりにより男子の立ち入りを禁じられた久世家。そこに入り込んだ男は皆、手のた
くさん生えた老婆に追い回され、やがて恐怖と疲労で動けなくなったところに、鋭く研がれたナタを
振り下ろされるのだという。
「マジッスか、それ……」
「まじ。わたしのともだちのあにきが、じっさいにころされた」
 水面さんが肩を抱いて体を震わせる。
 ジェイソンじゃあるまいし、と僕は思ったが、樹月は水面さんの話など気にする様子もなく「早く
行きましょう、急がないと僕の千歳タンが……」と相変わらずだった。
「まあ、おとなしくしてればみつからないだろ。ババアのへやとははんたいのほうこうだしな」
「はぁ……」
 どうやらその老婆とは、久世家の当主さんのことらしかった。

 書物蔵を抜けると、神社の境内のような広い場所へ出た。ずいぶん見通しのきく場所だったので、
僕たちはスニーキングミッション中の人みたいに壁に背をつけながら、遠回りして進むことにした。
端から見れば滑稽な姿だっただろう。
 そして結局、何事もなく屋敷の入り口に到達したときには「水面さんの話、冗談だよな」「男子禁
制なんて今時流行らないよな」などという共通認識が僕と樹月の間で生まれていて、水面さんはそれ
が気に入らないのか、扉を開ける前に「ここからが『しょうねんば』だぞ」と再度僕たちを脅かしていた。

 箱庭を囲むように廊下が続いている。先導する水面さんは向かって右の廊下に向かって、物音を立
てないように歩き始めた。
 廊下の途中、膝の高さくらいの小さな扉の前で水面さんは止まった。扉には「HISAME'S ROOM」と
いう木製の可愛らしいプレートが掛かっていたが、どういうわけかマジックで大きく×がつけられて
おり、その横に汚い字で「↑この先、黒澤邸」と書かれていた。
「みなかみむらのとはべつだから、しんぱいしなくていいぞ」
 屈んで扉を開けながら水面さんが言った。

 扉を抜けた先は細く暗い通路になっていた。水面さん、僕、樹月の順で這うようにして進む。
「ここをぬけたら、れいのいえだ」
 皆神村と同じように、久世家はその黒澤怜さんという人の家とも繋がっており、この縦に横にと伸
びた黴臭い通路が近道になっているらしい。
「本当にこの先に千歳タンがいるんですか?」
 後ろの方から樹月が尋ねると、パンツ丸見えの水面さんは「いいから、だまってついてこい」とお
尻をぷりぷりさせながら怒っていた。
757水面ハッピーデイズ (後編4/6) 睦月編:2006/08/03(木) 03:47:42 ID:f3xP1+lH
「ついたぞ」
 最奥にあった引き戸を開けると一転、そこはごく普通の洋室だった。
「うわ! 誰!?」
 部屋には水面さんと同じ巫女服に身を包んだ三人の少女たちがいて、僕たちの方に驚きの表情を向
けて目をぱちくりさせている。
「おのこだ! 氷雨ちゃん、おのこがいるよ!」
 そのうちの一人が顔を真っ赤にして「どうしよう!」と、ベッドに腰掛けていた髪の長い少女の袖
を掴んだ。まさか女の子たちの部屋だとは思わなかったので、驚いたのは僕たちも同じだった。
「どういうつもり? 男連れて屋敷の中通ってきたわけ? 当主様に見つかったらどうすんの?」
 髪の長い少女が水面さんを睨みつけながら矢継ぎ早に問う。水面さんは「わるいわるい」と少しも
悪びれた様子もなく頭を掻いて、彼女からの質問には一切答えずに僕たちの紹介に入った。
「しろいほうがいつき、くろいほうがむつきだ」
 分かりやすい紹介の仕方だと思った。
 どうも、と頭を下げる僕と樹月。
「こっちはひさめと、しぐれと、あまね。わたしのともだちだ」
 続けて水面さんが仲間の少女たちを紹介してくれた。

「…………」
 微妙な沈黙が部屋に漂う。
 氷雨と呼ばれた少女は吊り上がった目で僕たちのことを睨んでいるし、時雨と雨音という子はこそ
こそとこっちの方を窺っている。女の子の部屋だと知っていればノックのひとつくらいできたのにと、
少し申し訳なく思っていると、相変わらずあっけらかんとした水面さんが、
「ちとせ、きてるか?」
 氷雨と呼んだ子に訊ねた。
「……なんなの?」
 それには答えず、僕たちの方に顔を向ける少女。表情を読み取るに「この人たちはなんなの?」的
なことを言いたいらしい。
「僕らは千歳の兄で、水面さんからここに千歳がいるって聞いてやってきたんだけど……」
 樹月が説明すると、「ぷっ、水面さんだって」時雨というショートヘアの女の子が吹き出した。
 水面さんは水面さんではないか。何がおかしいのだろう。
「くくっ、水面も偉くなったもんだね」
 氷雨と呼ばれた少女も笑いを堪えている。まったく意味がわからない。
「うるせーなー。……ちとせ、きてんだろ? あわせてやってくれ」
 何を照れているのか水面さんが頬をぽりぽり掻きながら尋ねると、氷雨という少女は「下にいるか
ら、勝手に会いに行けば?」と部屋の入り口の方を見やった。
758水面ハッピーデイズ (後編5/6) 睦月編:2006/08/03(木) 03:48:30 ID:f3xP1+lH
「千歳タン! どこにいるんだ!」
 樹月が走り出したので、僕は少女たちにもう一度頭を下げ、急いでその後を追った。水面さんも後
から着いてくる。
「いよいよ、かんどうのさいかいだな」
「はい、水面さんのおかげッス」
 僕が千歳がいなくなったことに気付いてから、数時間も経たないうちに解決してしまった。
 やはり水面さんは頼れる僕らのリーダーだ。

 千歳はそこにいた。
 久しぶりに会った妹は以前より少し大人っぽくなっていて、都会の暮らしは女をこうも変えるの
かと、樹月ほどシスコンではない僕も見とれてしまうほどだった。
「いつきお兄ちゃん! どうしてここに……?」
「お前がいなくなったって聞いたから、水面さんに連れてきてもらったんだよ」
 固く抱き合う二人。
 一方、突然現れた僕たちに戸惑いを隠せないでいたこの家の住人とお客さん(?)たちは揃って
僕たちの方を見ていたが、水面さんが先手を打って事情を説明してくれたので、さっきみたいに気
まずい空気になることはなかった。
「むつきお兄ちゃんも、ひさしぶりだね」
「あんまり心配かけるなよ。それで、今はこの人たちにお世話になってるのか?」
 訊ねる僕に千歳は「うん!」と大きく頷くと、僕たちと同じ双子だろう、少女たちの方に駆け寄っ
て、その間に入った。
「みおお姉ちゃんと、まゆお姉ちゃんだよ」
 僕や樹月とそう年は変わらないようにも見える。
 向き直り、彼女たちに挨拶をしようとして――そして、僕は言葉を失った。
 詰まる息。高鳴る鼓動。
「?」
 首を傾げる彼女。
「どうかしました?」
 純粋無垢な子犬のような瞳を向ける彼女。
「う、美しい……」
 無意識について出た言葉に、僕は慌てて口を覆った。
「……えっ?」
「いやっ、あの……その……」
 しどろもどろになった僕の目の前に立つ彼女。
 どうやら僕は、恋に落ちてしまったようだ。
 この気持ちを伝えなくては。
 そんな思いだけが、僕の口をフル回転させていた。
「み、澪さんとおっしゃるんですかっ! うちの千歳がいつもお世話になっております!」
「はぁ……」
「自分は皆神村は立花家の出身、立花睦月という者ッス! どうか、どうか自分とお付き合いして欲
しいッス!」
 腰を四十五度に曲げ、手を差し出し、返事を待つ僕。
「…………」
 彼女はしばらく沈黙したあと、聖女のような笑顔で言った。
「無理ッス」
759水面ハッピーデイズ (後編6/6) 水面編:2006/08/03(木) 03:49:16 ID:f3xP1+lH
 いつきにまけないくらい、かみがしろくなったむつきが、まゆにひきづられていくのをみおくった
あと、「村には帰ってこないのか?」いつきがちとせにたずねた。
 ちとせはちょっとかんがえるようなそぶりをみせてから、
「うん……ちとせ、もう少しここにいたい」とだけいった。
 わたしはてっきり、いつきのことだから、むりやりにでもちとせをつれて、むらにかえっていって
しまうんじゃないかとおもっていたのだが、いがいにもいつきは「そうか。まぁ、これからはいつで
も会いに来れるしな」とあっさりみとめてやっていた。
「それじゃあ僕は村に戻ります、お邪魔しました。これからも千歳をよろしくお願いします」
 いつきがばかていねいに、あたまをさげる。
「水面さんも、今日は本当にありがとうございました」
「おう。ひとりでかえれるか?」
 ついでだったので、ひさめのへやまでおくってやることにした。

「は? あいつ澪にコクったの? いきなり?」
「ああ、そっこうでふられてたけど。たぶんあいつ、やえとみおをかさねてるんだ」
 いつきがかえったあと、わたしはことのてんまつをみんなにはなしていた。
「でも八重さんって旦那さんいたよね……? 有名な人だよ、民俗学者の宗方なんとかって……」
 あまねがはなしているのは、ひむろていのやえのほうだ。『じくう』がねじれているから、やろう
とおもえば、くぜのやしきをかいして、ふたりのやえとあうこともできるのだ。
「ためしに、むつきをひむろていにつれていって、あわせてみるか?」
「やめといた方がいいんじゃないかな。多分それ、タイムパラドックスっていうのが起きるよ」
「あんたわかって使ってんの、それ?」
 そんなたわいもないはなしをしていると、とびらをのっくするおとがきこえた。
「はーい」
 ひさめがへんじをする。
「あの……みなもちゃん、まだいるかな?」
 はいってきたのは、ちとせだった。
「どうした?」
「おれいが言いたくて。ちとせ、まさかお兄ちゃんたちに会えるなんておもってなかったから。本当
にありがとう、みなもちゃん」
「お、おう……」
 わたしはべつに、ちとせのためにやったわけじゃない。
 だいたいわたしは、まえからちとせのことがきにくわなかったのだ。
 いつきたちをつれてきたのは、ただのひまつぶし。
 それいがいのなにものでもないんだから、きゅうにれいなんかいわれても、へんとうにこまる。
「何照れてんの、水面」
 ひさめがにやにやしながら、わたしのほうをみている。
「あはは、赤くなっちゃって、可愛いとこあるじゃん」
 しぐれはあいかわらずばかなことをいっている。 
「さすが『水面さん』……だね」
 ついにあまねまでちょうしにのりだすしまつ。
「うるさいうるさーい!」
 わたしはひさしぶりに『しせいぎ』をとりだすと、てはじめにあまねからうがってやることにした。
760名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 13:03:54 ID:ZA6u3AKn
いつきとむつきヘタレだなwww
761名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 13:54:16 ID:8jk4Pr2z
ただいま 485kb です!
502kbで スレが凍結されますので
  気をつけてね!



しかし、昨晩ふと究極超人あ〜るを読み返したら、
ナリハラ博士さえいれば
零三作の悲劇は全て解決するんじゃないかと思えてきた。
762名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 14:44:31 ID:6MiAy+HX
後編キテター!!ぐぐぐぐGJ!!!!
763名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 02:57:58 ID:7249BPYD
しばらく見ない間にこんなに進んでいるとは・・・・・
良作が多いですね!GJっす!

夏なんで、零の季節!
ってことでちょい小ネタを久々に投下させてくださいw
4D零をやったらまた書きたくなったんですw
764名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 02:59:31 ID:7249BPYD

「ねえ、澪。こんな番組面白いの?」

澪の隣に座って同じテレビの画面に目を向けている繭が尋ねる。

「え?………………面白いよ!……………ほら、お姉ちゃん、古畑出てきたよ!」

「……………」

一際テンションの高い澪とは対照的につまらなそうに画面を見続ける繭。

「え〜………先生!納得行く説明お聞かせ願いますか?……………」

(また物真似やってるよw………この子ったら……………)

繭は全く似ていない物真似を楽しそうにやらかす澪を愛しそうに横目で見つめていた。

……………

「ねえ、澪。もうすぐ誕生日だね。」

番組も終わり、それまで気を使ってか話しかけなかった繭が唐突に話を振った。

「そうだね〜、後3日だよね私達……………はぁ〜………もう17か〜…………」

澪は間近に迫ったバースディに複雑な思いからか溜息を一つ吐く。

「ねぇ、澪は何が欲しいの!」

繭は先程までとは打って変わって目を輝かせ、澪に迫らんばかりの勢いである。

「う……………何?お姉ちゃん……………」

・・・・・・・・・・・・・・・・

「お、お姉ちゃんこそ、何が欲しいのよ…………?」

すぐには思いつかず、繭の妖しい目から逃れようと澪はとっさにきりかえす。

「え?……私?…………あるよ!」

更に妖しい色を帯びる繭の目……………

「な、何かな?……………」

最早完全に引いている澪。
765名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 03:01:15 ID:7249BPYD

「じゃあさ、澪。お互い、せーの!で欲しい物言おうか!?」

相変わらす目を妖しく輝かせたままの繭。

「わ、分かったわ…………うん。決まった。いいよ、お姉ちゃん。」

澪は10秒程考え込み、欲しい物を見つけることが出来たようだ。

「じゃ、行くよ!」

コクリと頷く澪。

「せ〜の!」

「PSP!」「みお!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はぁ!!?」

己の耳が馬鹿になっていることを祈る澪…………

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「そ、そっか……あれ?……お姉ちゃん、そんなにフィギュアスケート好きだったっけ?
私が見ててもあまり興味なさそうだったよね?……た、確かに私達と同年代で私もすごい可愛いと
思うk」

「それは! ま お!!」

視線を逸らして話続ける澪の言葉を最後まで聞かずに繭は突っ込みを入れる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「そ……そっか…………そんなの欲しいって言われても無理だもんね……でも、今売ってるのかな?……
私はよくCMやってたあの頃もそんなに飲んでなかったけど……お姉ちゃんは好きだったのね?…………
何かあの粉溶かして飲む系統の奴あんま好きになれないんだよね…………ほら、何か薬を思いだしt」

「それは! み ろ!!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

沈黙……

「全く……何でそんなの私が欲しがるのよ!…………一文字ずつなら当たってるよ……澪」

頬を俄かに染め恥ずかしそうに澪を見つめる繭…………

(うぇwwきめぇwwww)
766名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 03:02:40 ID:7249BPYD

「…………えっと………………ま・・・ろ? 麻呂!?……あはは……は…………」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「絶対言うと思ったわよ!!!もう許さない!!」

そう言い放つと、すかさず澪に襲い掛かる繭。

「ちょ!…………そんなの無理だってば!ってかまだ誕生日じゃないし!!!
やめてってば!!!お姉ちゃん!!」

澪は自分の胸にひたすら顔を埋めようとする繭を必死になって押し返す。

「もう駄目!止まんない!!澪が全部悪いんだからぁ!!!」

澪の体を繭の両手が撫で回す…………

「きゃ!……もう、ほんとにやめてってば!…………怒るよ!お姉ちゃん!!
…………この!!…………えい!!」

ボスッ……

澪のボディブローが隙だらけの繭に直撃……

「ぃや!……ごめん!……お姉ちゃん!!…………強くやり過ぎたかも…………大丈夫だった……?」

お腹を押さえて蹲る繭を心配そうに見つめる澪……

「……………………うぅ……………………ぼはぁ!!……」

「ちょ!…………大丈夫!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「…………退かぬ!……媚びぬ!!…………省みぬ!!!!!」

「とぉ!!」

再び、勢い良く澪に飛びつく繭。

「ちょwwwまじやめれ!!ってか誰だよ!!wwお前!!ww」

…………………………………………………………

母親が不在の天倉家ではこのようなやり取りが誕生日まで三日三晩続いたそうです…………


---------------------------お終い-------------------------------
767名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 03:04:12 ID:7249BPYD
う〜ん・・・・
今のこのスレの流れとは大きく食い違うような感じですがw
まあ、夏なんで許してくださいww

ではまたですノシ
768名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 05:10:13 ID:OCo1igK+
古畑の真似する澪に萌え死んだ
GJ!
769名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 06:19:01 ID:yPrcQvMb
乙!!
このスレに足りなかったのは萌えだったことに気付きました。GJ!
770名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 02:08:40 ID:kDBRkdbA
じゃれ合いかw結局仲良いのなこの姉妹wwwWWw
最終的にはなんだかんだで蝶EDみたいに
澪が繭の事犯してやって欲しいなw 「オカシテ・・・」

771名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 12:13:50 ID:O2TPWFzN
>>766
ワロタw乙ww
772名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 13:52:04 ID:j+GpnjWE
神たちGJ!!もはやギャグばかりだな。俺は好きだがwww
773名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 21:40:28 ID:kuXkGU6Y
アホ繭はやっぱ良いな
774名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 22:23:39 ID:9fT6LZ10
SS投下〜澪〜


「澪が休みの日に部屋に篭ってるの珍しいね。」

「うわ!……お姉ちゃん勝手に入って来ないでよ!」

突然の背後からの声に体を跳ねさせる澪。

「別にいいじゃないの。女同士だし…それより何してるの?PC触ってるなんて珍しいね。」

「え?…そうかな?………………えへへ、
今ね、私と怜さんのちょっと危ない関係を題材にしたSSが出来上がったから投下しようと思ってた所w」

「#・・・・・(あんの年増野郎!私の澪に……)………どれどれ?
『怜さんは、そう言って私の額にそっと唇を……』………………
ふん!・・・・随分青臭いこと書いてるわね〜」

一文を読んで勝ち誇った様に言い放つ繭。

「何よ!青いって!…私はお姉ちゃんみたいに変態じゃないの!!」

「だ、誰が変態ですって……………
ま、まあいいわ………………………
それで私はどこで澪と絡むの?」

「はあ!?………………そんなシーンないよ!ってかそもそもお姉ちゃん出てこないしw」

ブチッ!

グシャ!!!

繭の正拳がモニターに叩き込まれる。

「うわ!!何すんのよ!お姉ちゃん!!叔父さんに買って貰ったばっかりなのに!!」

「別にいいわ!そんなの……直接犯った方が手っ取り早いし!」

すかさず襲い掛かる繭。

「うわ!離せ!!こら!やっぱ!変態じゃん!!!wwwww」

「だが!それが良い!!!」

「わけ分からんw……ってかお前は2chのやり過ぎだ!!!www……いや!触んないで!!……っ!」
775名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 22:25:19 ID:9fT6LZ10
SS投下〜繭〜


「ふふ……出来たわ…」

モニターを見つめ怪しい笑みを浮かべている繭…

「おねえちゃん!」

「きゃ!……澪、いつの間に居たのよ!?……びっくりした〜……」

「ま〜た相変わらずパソコン弄って……天気も良いんだし、買い物にでも行こうよ!……ね?
ってかこの間から何書いてんの?そんなに熱心に…」

「ふふっ……私と澪のめくるめく熱いラブSSが完成したとこよ!」

「#・・・・・・・(病気だ……こいつ……)……ちょっと見せて…
『私の指使いに応えるように体を痙攣させ必至になって抱き返してくる澪……』……」

ブチッ!

グシャ!!!

澪の後ろ回し蹴りがモニターに叩き込まれる!

「ちょっと!!何てことすんのよ!ようやく完成したとこなのに!!
ってか澪!!速すぎて見えなかったわ!!」

「おね〜えちゃ〜ん!!………こういうことやめてって言ったでしょ!!ほんとに怒るよ!!
そんな破廉恥なもの!公共の掲示板に書いたら捕まるわよ!!断固阻止!!」

「ふっ……澪……このメモリースティックな〜んだ?w」

繭がポケットの中からそれを取り出すや否やすかさず澪はひったくる。

ガキッ!グシャ!

「こんなもの!こうしてやる!」

「あっ……澪何てことを!…………
ふふっ……ククク!………それで勝ったつもりか!!?
見るが良い!!!」

バッ!

立ち上がり着ていた上着を鮮やかに脱ぎ払う繭……
マシンガンの弾のように繭の体に巻き付いている無数のメモリースティック!

「きーーーっ!!………もう!!!お姉ちゃんを消去した方が良さそうね!!!
この!!」

澪は両手を使い本気で実の姉の首を締め上げる。

「ぐぇ………あ………………あぁ………みお………………儀式のつづくぅふぇ………
………さぃ……………こぅ………………………みょ………………っと………………」

「だ、だめだ………………こいつだけは………………………orz」
776名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 22:28:36 ID:9fT6LZ10
SS投下〜深紅〜


自室の椅子に座りモニターを見つめる深紅に背後から忍び寄る怪しい影…

「み〜く〜♪」

「きゃ!……」

「あら〜…可愛い反応ね〜…深紅。」

「も〜う、脅かさないでくださいよ怜さん!…心臓止まるかと思いましたよ!
入ってくるのは構いませんけど!後ろからそうやって抱きつくの止めてください!」

「え〜!だって、深紅の後姿が可愛くって〜、何かこうフラフラっとね…」

「はあ〜………と、とにかく!抱きつくのは止めてください!」

「はいはい……覚えとくわ。
それより深紅、休日まで仕事なんてしなくていいのよ〜!
あら……でも写真の編集じゃないみたいね……何してるの?」

「ふふ……今ですね、私と……その……真冬兄さんのビューティフルメモリーSSを
書き上げたんで、投下しようかなって……」

グシャッ!

前触れなくモニターに叩きこまれる怜の踵落とし。

「きゃ!……何てことするんですか!?……怜さん!」

「いや………私以外に頬を染める深紅なんて見たくないわ!
かっとなってやった!………今も反省していない!………
ってかそんなもの投下しても誰も見たくないわよ………」

「言ってる意味が分からないですよ!………酷いです………せっかく……
…書いた………のに………ひぐっ……うぅ……」

怜を睨む量目に涙が溢れ出す。

「ああ、もう分かったわよ!深紅………泣かないで!」

「だって………うぅ……」

「代わりに、需要が山ほどある題材のSSのネタを私が深紅に提供するから…」

「えっ……そ、そんなのあるんですか?……」

「ふふっ……ええ……あるわよ深紅……とっても良いネタが……」

「ほんとですか!?……って……何です…か?………その…目は?……まさか!」

引きつった表情を浮かべる深紅と、獲物を捕食する猫科の目をぎらつかせる怜・・・

「あったり〜!ふふっこれから起こる事をネタにして書けば良いSSが出来るわよ!深紅!」

「ちょっと!……止めて下さい!!……ひゃっ……そんなとこ舐め……あっ…」
777名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 22:30:19 ID:9fT6LZ10

SS投下〜怜〜


コンコン

「怜さん、ちょっとお話したいことが…開けても宜しいですか?」

部屋の中から返事はない…

「怜さん、すいません。入りますね…」

「怜さ……」

怜は机にうつ伏せになって眠っている…

(昨日遅かったですもんね……)

休憩中の邪魔をしまいと部屋を出ようと思う深紅だが、怜の露出した両肩が目に止まる。

「怜さん……そんな格好じゃ風邪ひきますよ……」

深紅は寝ている怜の背後から肩越しにそっとストールを羽織ってやる。

「……ぅん……」

「あっ……ごめんなさい……怜さん………起こしてしまいましたね………」

「………ぁあ、深紅………寝ちゃったみたいね………」

「風邪引きますよ………怜さん、ベットでお休みになった方が良いですよ………」

「ありがと深紅、でも、ようやく完成したのよねぇ…」

「え?何がですか?」

「ふふ……私と優雨の再会を題材にしたSSよ。」

「怜さん…………もう、すっかり吹っ切れましたね。でも、掲示板に書くのはちょっと………」

「いいのよ………別に軽い気持ちで書いたもんだしね………」
778名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 22:32:10 ID:9fT6LZ10

「そうですか………ちょっと良いですか?………………………
『反魂の儀………………それは亡くなった者を今一度現世へと連れ戻す禁断の術………
その代償に生きている者の命を捧げなければいけない………………
(優雨に会いたい………)
私は、その一心で河の上に孤独に浮かべられた小船に気絶した深紅を寝かせると、
勢い良く………………』」

グシャ!!

深紅の放った強力な霊気に机の上のPCが陥没する………

「ちょっ!………深紅!何てことするのよ!!これには色々仕事関係のデータとかたくさん入ってるのよ!!」

怜はそう言うと椅子から立ち上がり深紅の方を振り向く。

………………………………………………………

「何か文句ありますか?怜さん?」

腕を組み、瞬き一つせず怜の目を見つめる深紅。

「………いや………そ、その………このPCには………………大事な………………いぇ………………何もないです………」

蛇に睨まれた蛙のように縮こまり再び席に着く怜。

「そうですか………それじゃ、早く晩御飯の支度してください。」

「!!!」

再び勢い良く立ち上がる怜。

「ちょっと!!………………今日は深紅が………当番の日…………………じゃ………………ないで………しょうか?………」

先程と体勢をまったく変えずに、ただ無言で怜の顔を見上げる深紅。

「………はい…………すぐに作ります………」

冷や汗を浮かべキッチンへと逃げていく怜であった………
779名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 22:34:37 ID:9fT6LZ10
一気に投下しない方が良かったかな………
連投スマソ………
一応全部同一作品のつもりで書いたんでw

投下しといてこんなこと言うのも何だが、次スレはどうするんでしょうか?
780名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 23:07:35 ID:iTTipzBU
残り5kだから君が立てると吉。
781名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 23:20:13 ID:9fT6LZ10
零総合 捌

でいいよな?
行ってくるノシ
782名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 23:27:41 ID:9fT6LZ10
次スレ

零総合 捌

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1154874319/


前に連投で埋めちゃったことあったから、今回も投下後容量みて冷や汗かいたw
783名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 23:38:19 ID:CyOBmoMK
立て乙ナリ

今紅蝶やってたんだけど、朽ち木で寝てる時以外のお姉ちゃんのフェイタルフレームってどこかなぁ?
黒澤家中庭階段とかで試してたけどうまくパ○ツが写らんのですよ
784名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 02:19:26 ID:RTOog7Ve
繭のパンツなら冒頭の逢坂家の階段でも十分撮れるけど、
確か桐生家前の階段がフェイタル。色んなコスで試すべし。
お姉ちゃん可愛いよお姉ちゃん
785名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 20:17:18 ID:2jMYrj9t
サンクス

今終盤のセーブデータないから進めないとなぁ
786名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 18:25:51 ID:TWvAkAcG
>>782
なんか、零総合 別って見えて、避難所かなんかかと思ってしまった。
787あほぅ ◆0prV3.f55M :2006/08/09(水) 01:41:22 ID:mnAGiliU
何か、逢坂家のどっかでバグ?で真下からの角度になって繭のパンツ丸見えになったことある。
………白でしたw
788名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 22:47:42 ID:SSzQRuUz
789名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 23:10:08 ID:74+39vYH
保守だよ、と。
790名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 02:19:36 ID:WFQ5n98m
791名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 00:23:14 ID:j2TOYmme
792名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 01:09:43 ID:cASt/01V
おねえちゃん

おねえちゃん

魔王が今

坊を掴んで

逃げてく
793名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 18:37:14 ID:pkfbKSb9
棒掴んで逃げられたら痛そうだ。
794クスリ(1):2006/08/20(日) 23:01:16 ID:DYsm3R2W
「澪、これ飲んで。」
「なにこれ?」
「栄養ドリンク?」
「なんで疑問形なの?」
「多分まずくはない。はず。」
「はず? あ、でも最近夏バテで元気でないから、飲んでみようかな。」
「どうぞ。」
(くーっ)
「どう?」
「あ、別にまずくない。」
「効いた?」
「そんなすぐわかんないよw」
「うーん。じゃあね。えい。」
繭、襟元の開いた夏服で、胸元ちら。
「どう?」
「いや、どうっていっても。相変わらず、色白だね、おねえちゃん。」
「だめか……。」
「あれ? いっちゃうの? ごちそうさま、おねえちゃん!」
795クスリ(2):2006/08/20(日) 23:01:46 ID:DYsm3R2W
その夜。
ぎしっ。ベッドのきしむ音で目を覚ます繭。
「うーん……。って、うわっ!」
「わあっ!」
「え? あ、澪!?」
「ご、ごめん! そんなおどろかすつもりなかったんだけど。」
「ど、どうしたの?」
「なんか気持ち悪いんだよ……。」
「え。だ、だいじょうぶ?」
「なんかあっつい……。」
「暑いよね。エアコン入れようか?」
「うん。あ、いや、そういうのじゃなくて。」
「いや、あたしも暑いし。入れるよ。」
(ピ。ヴーン……。低い唸りを立て始めるエアコン)
「窓、閉めるね。」
「うん……。」
(からから……。パタン。)
「すぐ、涼しくなるよ。」
「うーん。だめ。」
(こて。繭のベッドに横になる澪。)
「気持ち悪い? おなかとか痛い?」
「それは大丈夫……。でものど渇いた。」
「あ、じゃ、なんか持ってくるよ。待ってて。」
部屋を出て、階段を降り、一階に下りる。暗闇の中で台所まで行き、
冷蔵庫を開けた。庫内の明かりの中で、麦茶のボトルを探し当て、グラスに注ぐ。
二人分を用意して、繭は急いで階上に戻った。
796クスリ(3)
「みおー? 麦茶だよー?」
そう言って部屋に戻ったとき、繭はちょっとドキッとした。
澪がベッドの上で、繭のタオルケットを抱きしめるような格好で横になっていた。
その呼吸は荒い。
(……あれ? もしかして?)
このときになって、ようやく、澪の不調の原因に思い至った。
(まさかあの薬のせい……?)
あわててグラスを机の上に置き、澪の体に手をかけた。
瞬間的に、熱い、と感じる。
「澪? み、お! やだ、しっかりして?」
「あ、だめ、ほんっとあっつい。やー、もー……。」
ごろ、と寝返りを打った澪の胸元を見て、繭の体温が上がった。
パジャマの胸のボタンが、胸元をはるかにとおりすぎて、
へそのちょっと上まで外れている。
ごくっ。つばを飲み込むと、その音が我ながらせっそうなく響いたような気がした。
開いたパジャマの隙間から、澪の白い肌が見えた。ブラは、していない。
思わず引き込まれる。勢い、覗き込む体勢になった。
が、さらに。
「うー。気持ち悪いー。」
澪の手が動いて、上から覗き込む繭の体に回された。
「え、なになに。ちょっと、あぶな……。」
あがらう間もなく、体を引き寄せられる。
ぐるっと視界が周って、天井の照明が光の筋になって流れた。
そして。