えぇぇぇ
そのまま妄想でエロ入るんじゃないのー!?
いや誤爆じゃないっすね
まだ完成してないのに勘違って投下してしまいましたんでむしろ暴発です
まだ半分くらい残ってるんでそれを仕上げ次第続きます
>>824 これで完成品投下しなかったら、誘い受け確定な。
などとプレッシャーをかけてみる。
>>825 ならば俺も便乗してゾーンプレスをかけてみる。
誘い受けで何もしない奴は最低だからな
最近住人がコワス。
男はみんな野獣なんだよ
年頃になったら気をつけなきゃダメなのさ
みんなでZoCに取り込もう?
あの使徒だけは〜大丈夫だなんて〜♪
年頃っつーかもういい歳…
いや、何でもない。
>>15-17 エロ初書き(統夜×カティア)
>>26-28,108-112
北国の春(キョウスケ×エクセレン、前スレから続き)
>>84-99 無題(アイビス×イルイ)
>>102-103,520-523
ヴィレリョウネタ(ヴィレッタ×リョウト)
>>166-167,170,183,185,190,193,198,204,207,209
エロティカル?パニック(J乱交)
>>217-221,245-248,319-324
統夜とメルアのとある日常(統夜×メルア)
>>252-254,258-262,267-271,278-282,284-288,330-335
BGMは…(アラド×チームTD、前スレから続き)
テニア人気ないな。一括だけか
まあロボゲ板のスレのレス数見れば人気ないって分かうわなにをするやっめくぁせdrftgyふじこ
テニアといったらイデのインパクトが強すぎるわ
「ラァァァァイ!!」に続く伝説と言っても過言ではない
イデは知ってるんだが、「ラァァァァイ」って何?
スパロボエロパロの1スレ目を読めばわかる
メメメ=性欲を持て余す
ぐりにゃー=妄想鼻血娘
石鹸=イデ発動
あれ?
842 :
ガムリン:2005/11/28(月) 23:33:09 ID:dZV4jkHN
ゼオラとアラドって子供出来ないのかな?
ティス物かデスピニス物が少ないと感じる此の頃。
>>843 スクールで子宮とか切除されちゃってるんじゃないか?
PT動かすための備品みたいなもん作ってるのに生理とかで体調に浮き沈みあると問題ってことで
>>842 お前新シャアにもいなかったか。SEEDの扱いふざけんなスレに
>>841 誰かテニアの絵をかいてくれないかねえ?イデ発動もふくめて
>846
メルアとカティアは挿し絵で描いてたね
テニアのSSの人とは違う人みたいだが・・・ってイデ発動も描くのかYO!
SS保管庫が出来たらイデ発動もちゃんと残して欲しいとおもったり
一つ質問
ここって転載はおk?昔書いたやつがCDに保存されてて、落とした板はもうなくなってるんだけど
>>850 ところで、ちとド忘れしてしまったんだが、
ニルファの時のアラドのテーマって、「ACE ATTACKER ver.W」と、あと一つ何だったっけ。
どーしても思い出せなくてな。
>>851 それなら、このスレのトリを飾ってみるか?
WILD FLAGじゃなかったか。ただしFRAGだったかFLAGだったかは思い出せない
>>848 そんなスレ持って来てどうしようって言うんだよ…2ch設定とバンプレの設定の区別もつかないのか?
公式にアラゼオが子供生めるって設定があってそれに基づいてのスレなら謝るが
甘いな・・・・エロパロ板で物を言うのは設定の正しさなんかじゃあ決してない。
最後の勝つのはエロさなんだよ!!
リンク先はロボゲ板なんだが…
謝るとか何言ってんのこいつ?
ケンカ売りてえだけなら他所でよれよ。
わざわざ食いつく必要もないだろうに。
つまり真実は
>>856にあるということだ。
デスピニス物キボン
862 :
851:2005/11/29(火) 23:57:36 ID:wgph2p+8
>>851です
誤植チェックして0時から投下します。内容は
イルム×リン
スパロボ要素0%
Fでもαでもどっちの設定でもいけるけどたぶんその中間くらい
たぶんツンデレ
苦手、その他の方はスルーお願いします
しんしんしんしん…宙を舞う白い雪が降り、アスファルトを白く覆う。
空を見上げれば、分厚い雪雲が空を隠し、灰色の絵の具を空一面に広げたように、暗い空が広がり、そこから真っ白な雪の粉が、ふわり、ふわりと舞い落ちてきていた。
「……寒い……」
放っておけばどんどんと肩や頭に積もる雪を払い落とし、白い息と共にぽそっと呟いた。
腕時計の示す時間と、離れた場所に見えるデジタルの大時計が表示する時間を照らし合わせながら、リン・マオは小さくため息をつく。待ち合わせの時間は過ぎ、現在、40分の待ちぼうけであった。
「…遅い……」
ここに来てから何回目かのその呟きを漏らし、リンはベンチに座りながら、組んでいた足を組み替えた。待たされることは珍しいことではない。というか、毎回待たされているような気がする…。それも、五分や十分の遅刻ではない。それも毎度のことだった。
「……来なければ良かった…」
呟いてから、ならば今から帰れば良いのに、と自分に心の中で言ってみる。
頭の中ではその意見に激しく賛成しているのだが、どういうわけか、ベンチに落ち着けた自分の尻は持ち上がらなかった。それも毎度のことだ。
(イルムのやつ…来たら殴る……いや、来なくても殴るが…)
そんなことを思いながら、頭の中に待ち人の顔が浮かび上がる。笑っている男…いい加減で、言い訳がうまくて、浮気性で…良いところなんか一つもない。なんで私はあんな奴を待っているんだ…こんな寒い場所で待たされて…まったく、良い迷惑だ!
そんなことを考えて目を閉じる。そう思うなら待たなければ良いのに、という意見が頭の片隅で上がるが、それは無視しておく。そんな意見を聞いていれば、今ここで雪に埋もれつつ待ちぼうけを食らっている、今の自分の面子が無いからだ。
「……ハァ……」
考えることもなんだか馬鹿らしい。そう思って、浅く嘆息する。毎回毎回、同じことを考えているのだから、そう思うのも当然かもしれない。
時計は約束の時間から50分が過ぎたことを告げていた。
いい加減寒い、せめて暖を取れる場所に移ろう。そう思って目を開いた、その瞬間、開いたはずの視界が何故かもう一度ブラックアウトした。
と、同時に、ひんやりとした手の感触が目の周りに伝わってくる。つまり、背後から目隠しをされたということだった。
「………遅すぎる…」
リンは突然の事にも慌てなかった。リンには、目隠しをした手の持ち主が誰か、その手が自分の顔を覆った瞬間に理解できていたからだ。こんなことをするのは、自分の生涯でたった一人しか知らない。
「走ってきたんだがな…悪いな、ちょっと遅れた」
軽いフランクな口調に、どこか落ち着きを乗せた独特の声が背後から聞こえてくる。聞きなれた、男の声だった。
「ちょっとだと?お前の基準では54分はちょっとで済むのか?」
なるべく口調を刺々しくしすることに努めながら、目を覆っている比較的大きな手を払い、再び開けた視界を背後に移す。
「そんなに経ってたか?きっと俺の腕時計が壊れてたんだな」
背後には、まったく悪びれた様子の無い笑みを浮かべた男がいた。男は、払われた手を無遠慮に、リンを背後から抱くように回す。
「イルム……同じ言い訳を…何回目だ?使うのは…」
さらに不機嫌な声色で、横目でジロッと背後の男を睨んでやる。特に気をつけなくとも、口調は刺々しくなってくれた。
「何度聞いても良い言い訳だろ?」
おどけた様に切り返してくる相手に、もはや怒りではなく呆れたため息がこみ上げてくる。
「……帰る……」
「お、今日はリンに部屋に行っても良いのか?」
「……どう解釈すればそういう答えになる…」
リンの不機嫌さや、自分の遅刻など歯牙にもかけず、相変わらず後ろから抱きしめてくる男に、深い深いため息が漏れる。
自分でもわかっているのだ、この男を本気で振り払うには、自分も本気にならなければならないことは。そして、自分にその気が無いことも…認めたくは無いが、わかっていた。
とりあえず後ろから回された腕を解き、リンはスッとベンチから立ち上がった。
腕を解かれたことに、特に腹を立てた様子も、気を悪くした様子も無く、背後の男、イルムは、薄い微笑のままリンを見ている。
「……今日は一つ決めていたことがる」
そうリンが言うと、イルムは「ん?」と、軽く問い返す。くるっと振り向き、イルムと向き合うと、リンはまっすぐに、自分より頭一つほど背の高い相手を見遣った。
「…お前が来たら殴るつもりだった」
そう、至極真面目な口調で告げる。いや、リンに不真面目な口調で言えと言うほうが無理であろう。とにかく、すべてにおいて、普通の男なら焦る出すほど、真面目な雰囲気のまま告げたのだった。
「痛くしないでくれよ?お前のパンチは腰に来るんでな」
しかしイルムは、何でもないジョークを返すように、そう応えた。
こんな反応だろう、と、リンは大方の予測は付いていた。いや、わかっていたと言うほうが正しいだろう。こういうときのイルムの反応など、リンにとっては当然のように分かりきったことなのだ。
ぐっと拳を固め、軽く腰溜めに構えるリン。そんなリンの様子を、今だ薄い微笑のまま見遣るイルム。傍から見れば、まさにこれから修羅場であろうと考えられるような、そんな構図なのだが、しかし…二人にとっては違っていた。
「……ハァ……」
嘆息一つ、そして拳を下ろす。
「もういい……馬鹿らしくなった…」
そう嘆息するリンを、わかっていた、と言わんばかりの笑顔でイルムが見下ろす。そんなイルムの表情に多少の腹立たしさを感じるが、まぁそれもいつものことだった。
「付き合ってやるから、さっさと行くぞ…」
そうそっけなく告げて踵を返す。
そして歩き出そうとしたリンを、今度はイルムが呼び止めた。
「ああ、ちょい待ち」
「……?」
怪訝そうな表情で振り返り、イルムを見返すリン。そんなリンに歩み寄りながら、イルムはにっこりと笑いかけた。
「いやな、実は俺もここに来るときに考えてたことがあるんだよ」
そのイルムの言葉の意味が見えず、リンは小首をかしげて眉を寄せる。
いつの間にかイルムは、リンとの距離を間近まで詰めていた。
「何だ?」
傍にあるイルムの顔を見上げながらリンが尋ねる。そんなリンをにっこり笑ったまま見下ろし、イルムは言った…。
「今日、ここに来て、リンが怒ってりゃ…リンにキスする…ってな」
そう告げたが早いか、リンはその体をぐいっと抱き寄せられ、イルムと唇を重ねていた。
「っん……!?」
驚きのあまり間の抜けた呻きを漏らし、一瞬身を強張らせる。唐突に唇を奪われた驚きに、頭が一瞬停止した。そして、一拍遅れで、今の状況を理解した。
もぎ放して突き飛ばそうか、そう考えたもうその時には、イルムの唇と顔は、リンから離れていて、そのタイミングも巧く外された。気が付けば、全部イルムの思い通りになっていて、その腕の中で抱かれている自分しかいなかった。
「…お前……は……」
怒るにもその機会を掴めなかった、何とも形容しがたい表情のまま、イルムを睨む。しかし、その眼光にも慣れたものと、イルムは笑ってその視線を受け流した。
「ん?ディープなやつが良かったか?」
「ば、馬鹿を言うな!」
頬を朱に染めて叫び返す。
気が付けばからかわれ、イルムの思い通りに操られている。
本当に…悔しくなるぐらい、女の扱いが巧い男だ……。
そう思った次の瞬間、イルムはリンの体からスッと離れた。
「さ、行こうぜ。予約した時間に遅れちまう」
そう言いながら軽い笑いと共に歩き出しているイルムを、リンはしばし呆然と見つめ、ハッと我に返る。
「…遅れるのはお前の遅刻のせいだ!」
そうイルムの背中に叫びながら、リンは小走りでイルムの後を追った。
こういうときだけは、まったく行動が読めない。リンはそう胸中で呟き、歩きながら無造作に差し出されたイルムの手を掴んでいた……。
「んっ……ふ…ぅん…っ」
熱い吐息と共に漏れる、ぴちゃっ、ぴちゃという舌が絡まるたびに響く淫猥な音が耳を掠める度に、体が火照る様な気がする。顔は既に真っ赤になり、耳の先までかぁっと燃えているような熱を感じる。
イルムの舌はリンの口内に入り込んでからというもの、巧みとしか言い様がない動きで、リンの頭をとろけさせていた。
30分ほど前に、イルムとリンは予約してあったレストランを出た。時間は何とか間に合い、食事をすることができた。
イルムに任せたレストランで出された食事は、まぁまぁだった。
特に有名な店と言うわけではなく、こじんまりとした感じの良い小綺麗な店舗に、いかにも歴史がありそうな内装、そして品の良い雰囲気を感じさせた調度類など、おおよそ、リンの趣味に合っていると言っても過言ではなかった。
「お前が好きそうな店を選んだんだよ」
そう言ってイルムは歯を見せて笑っていたが、実際はどうなのか、リンには想像できなかった。
イルムはそういう部分はしたたかで、苦労や失敗はおくびも見せない。リン自身、イルムと付き合い出してからというもの、イルムのそういった部分は見たことが無かった。
「リン…俺の部屋来るか?」
考え事をしていたリンは、その一言で我に返る。
「え?」
思わず問い返してしまったが、イルムの言ったことは覚えていた。
「良いワインがあるんだよ、これが。お前にも飲ませたくてな」
ニッと笑いながら、そう言ってリンの肩を抱くイルム。リンは肩を抱かれることに少々体を小さくするように肩を竦める。
「……本当にそれだけなのか?」
それだけの筈は無いのだが、恒例というか、決まり文句というか…とにかく、いつも通りの半眼と、無愛想な口調でイルムに尋ね返す。
「ん?他に何があるってんだ?」
薄く笑いながら、意地悪げに顔を覗き込むイルムに、リンは思わず閉口して顔を赤くした。
「そ、それは………」
「ん〜?なんだよ、言ってみな、リン」
明らかに面白がっている。いや、喜んでいる…?おそらくは両方だろう。
リンは頬が赤くなったことを自覚し、悟られまいと気丈に振舞った。
「フンッ……自分の煩悩だらけの頭に聞いてみろ…」
スタスタとイルムの腕から逃れて先に歩き出す。イルムは苦笑しながら、しつこく腕を回しては来ず、リンの後を歩き出した。
数分間、無言の時間が続く。先に沈黙に耐えられなくなったのは、やはりリンの方だった。
「……白か?」
突然リンが放った言葉に、イルムがきょとんとした顔で立ち止まる。
リンはイルムとほぼ同時に立ち止まり、ゆっくりと振り返ると、なるべく落ち着いて、何事も無いように振舞おうと心がけながら、口を開いた。
「そのワインは…白か?」
顔は、やはり赤くなっていただろう。頬がかぁっとしているのが、冷たい外気のせいでより顕著にわかるのだ。
イルムは、そんなリンの様子にしばらく目をぱちぱちとさせていたが、やがて薄く微笑むと、歩み寄りながら口を開いた。
「いいや、赤だよ……今のお前のほっぺたみたいなな」
「ば、馬鹿…!」
リンは、頬を本当に赤ワインのように染めながら、口をへの字に結んだ。
イルムの部屋についてからは、特に何事も無いように時間は進んだ。
性格がそうさせるのか、はたまた女への見栄なのか、イルムの部屋は洒落ているの一言に尽きた。何度か来たことはあるが、何時来ても部屋の中は片付いていて、家具や壁紙、照明にいたるまで、まったく隙が無かった。
これがもう少しみっともない、だらしの無い部屋であるなら、リンにも少しは余裕が持てるのだが、イルムはそういう面においては完璧な男だった。
「何してるんだ?座れよ」
キッチンからワインとグラスを持って戻ってきたイルムに言われて、リンはコートを脱いでハンガーにかけ、イルムの座っているソファーに腰掛ける。もちろん、少し距離を置くことは言うまでも無い。
「こいつは年代物でな、フランスの…」
そう語り出し、グラスにワインを注ぐイルム。大抵の女なら、うっとりと耳を傾け、そんなイルムに見とれてしまうだろう。
実際、リン自身も、例外という訳ではなかった。正直、感心するほど気が付くこの男は、自分を度々ドキドキさせる。ただ、生来の負けん気の強い性格と、昔からの男嫌いのせいで、普通の女性よりも素直にそんな気分に浸れないだけだった。
雄弁にワインについて語るイルムをぼーっと見つめる。確かに女好きで、見境が無い。しかしがっついているわけではなく、あくまでも紳士的で、そして高い教養をうかがわせる博識ぶりや、女をエスコートし、喜ばせる術に長けているところ。
そして、憎らしいぐらいに…完璧な男であること……。
何故、この男は自分を選んだのか……今でも分からなかった。
イルムは今でも、女性と見れば挨拶代わりに口説き、そのたびにリンを怒らせている。懲りない男なのか、その癖はまったく直らない。
だが、不思議と…リンのほうも、度々イルムの女癖の悪さには閉口してきたはずなのに、彼と本気で別れ話をしたことは無かった。何故か…その理由は…
「リン?どうした?」
気が付けば、イルムの顔がすぐ傍にあった。
「へ?い、いや、なんでもない」
思わず体を後ろに退き、そう答える。イルムは「そうか?」と苦笑しながら、覗き込んでいた顔を引き、姿勢を戻す。
心拍数の跳ね上がった心臓を落ち着けながら、リンはワイングラスを手に取った。
「乾杯…」
それを見ていたイルムが、そう言いながら横から自分のグラスを差し出す。
「…………」
リンは何も言わずに、そのグラスに自分の持っていたグラスを当てた。キンッとガラスの触れ合う小気味の良い音が響き、中のワインが波立ち、揺れる。
それからしばらく、イルムとリンは他愛の無い談笑を交わした。お互いの仕事の話、友人から聞いたおかしな話題、見たい映画の話…
ワインの減り方も、時間の流れ方も、ゆっくりと流れていく。そんな時間だった。
だいぶ酒も進み、リンの頬が桜色に染まってきた。そんな頃合だった。
「リン…」
会話の切れ目に、イルムが不意に口を開く。
「ん?」
グラスに口をつけ、ゆっくりとワインを飲み下しながら、リンはイルムに視線だけを向ける。
「キスして良いか?」
「っ!!?」
イルムの不意打ちに思わずむせ返り、リンはワインを口から放してケホケホと咳き込んだ。
「バッ…!」
馬鹿なことを言うな、そう言おうとした、が…イルムの腕が、それよりも早くリンを抱きしめていた。
気が付けば、最初にあけた距離は、いつの間にか詰められていたらしい。酒が入っていたとはいえ、リンにまったく気付かせなかったイルムのさり気なさに思わず舌を巻いた。
「イ…ルム……」
何故だ…拒む力が無い……適度に鍛えられ、普段なら大抵の男にも負けない腕力を持っていたはずの腕は、カタカタと震え、グラスを落とさないようにするので精一杯だった。
イルムはゆっくりとリンの姿勢を自分と同じに直すと、リンの顎を、下からくっと指で押し上げる。上を向かされたリンは、視界に飛び込んできたイルムの眼差しに瞳が合った瞬間、体の芯から震えが来たような気がした。
寒気にも似た…熱い震えだった…。
イルムのキスは、まずは優しげなキスから始まり、だんだんと唇を貪る様に、熱が入り出す。唇を絡め、熱く漏れる吐息がお互いの顔に触れると、リンは目を閉じて頬を赤くし、イルムはそんなリンを見て目を細めて笑った。
「ふぁ…ぁん…ぅ…」
リンがそれまでは強張らせていた体の力を徐々に抜き出したのを敏感に察すると、満を持した、と言うように、その歯と歯の間を割り入り、イルムの舌はリンの口の中へと侵入を果たした。
「んぅ…ふぅ…っ……ふぅんっ…」
リンはイルムの舌を口内で感じると、顎が震えるのを自覚しながらも、イルムの舌を噛み切らないだろうかと、そればかりを心配しながら、体の奥から湧き上がる震えに耐えた。
「んっ……リン…可愛いな…」
口を離してのイルムの第一声。ありきたりでチープな台詞だ。だが、今のリンの顔を赤くするには十分な効果があった。
照れ隠しに顔を背けるリンにクスリと笑うと、イルムは一度ぎゅぅっとリンの体を抱きしめた。
「ぁ……」
抱きしめられたリンから小さな声が漏れる。けして柔なわけではない。だが、思いのほか細いその体を強く抱きしめると、細身の女にありがちな軋むような硬さは無く、抱く腕に沿って、しなる様な感触を腕に伝えてくる。
イルムがリンを抱擁するのは、この感触がたまらなく好きだったからだ。鍛えることで均整に整えられた抜群のプロポーションが生み出す、リンだけが持つ感触だった。
「イル…ム……」
その感触を楽しんでいたイルムに、リンが不意に声をかける。
「ん?どうした?」
ゆっくりと顔を上げる。リンは、本当に赤ワインのように顔を真っ赤にしながら、じっとイルムを見つめていた。
イルムと視線が合うと、リンはその視線を逸らす。そして、小さく呟いた。
「……ベッド…が…いい……」
掠れるほど小さく、短い言葉。聞き逃してしまいそうなほどわずかな声。だが、イルムはけして聞き逃さない。それはいつもの、気の強いリンが出す、OKの証だからだった。
ベッドに移り、イルムとリンは再び抱き合った。もう、リンに拒む様子は無く、イルムも、格好をつけたクールさは捨て、お互いに熱っぽい抱擁を続け、何度も唇を重ねていた。
「んぅ…っん…は……っん…」
舌をイルムの舌に嬲られ、唾液を何度も吸われ、また自分も飲み下す。酒気を帯びたリンの口内は甘ったるく、それでいて燃えているように熱かった。
「っん……ちゅ……ん…」
ゆっくりと絡めていた舌を開放し、唇を離す。絡み合っていた舌から、糸を引く唾液が、ぴんと張られた鋼線のように、薄明かりの寝室の照明に輝いていた。
「ふぁ……っ……」
唇が自由になったリンは、ゆっくりと乱れた呼吸を直そうと深く息をする。
が、しかし、イルムの指がそれを阻止した。
スッとイルムの人差し指の指先が、リンのうなじを滑る。
「ひぁっ…ぅ…」
不意に走った指の感触が、反射的にリンの体を竦ませた。イルムが知っている、リンの数少ない弱点の一つ。そして、毎回最初に責める場所でもあった。
「リンのここは、マジで敏感すぎないか?」
口調に少し楽しむような色が混じるのを自覚しつつ、何度も指を滑らせながらイルムが囁く。
リンはそのたびに小さな喘ぎを上げながら、体を小刻みに跳ねさせていた。
「い…イルムが……何…度も……っぁ…する…から……ぁぁっ」
くすぐったさと、じくじくとした甘い疼きが交互に訪れ、リンの頭を翻弄する。
けして絶頂までは導けない…しかし、緩い刺激でもない…。ある意味、拷問のような快感だ。
「俺の所為か?リンが好きなだけだろ?」
イルムが指の動きを止めないまま言う。
「っぁぁ……んっ…ぅ…違…っ…」
リンは必死に否定しようと口を開く。しかし、イルムの指によって導き出される喘ぎに、まともな言葉が出てこない。
「否定できるか?こんなに可愛い声で鳴いてるのにさ…」
「っ………」
そう言われると口を噤むしかなくなる。
相変わらず、こういうときは主導権はイルムのものだ。いつまで経っても、セックスという営み自体に慣れることができないリンには、この時間の主導権を握るのは不可能だった。
イルムの指がリンのうなじから離れる。と、その次の瞬間、ねっとりと濡れた感触が、うなじの上を這った。
「っ!!ぁぁああっ」
思わず叫びに近い喘ぎを上げてしまう。理解不能の感覚に、一瞬、頭が真っ白になった。
ざらついた、ナメクジのような軟体動物が這うような感触。イルムの舌が、リンのうなじを舐め上げたのだった。
うなじを舐められ、体をびくつかせるリンに思わず顔をほころばし、イルムはリンを後ろから抱きすくめた。
背後から暖かなイルムの吐息が首筋を掠め、それだけでゾクゾクとした震えが沸き起こる。それに加えて、ゆっくりとした動きで、舌がうなじの上を這いまわる。気が遠くなりそうな感覚に、リンは足の先までびくつかせていた。
と、不意にイルムの指が動き、鎖骨の辺りからリンが着ていたセーターの生地を押さえ、すぅっと指が下に降りていく。意味はすぐに知れた。
「はぅんっ…!」
舌がうなじを舐め上げた次の瞬間、イルムの指はリンの胸の上をスッと撫で通っていた。
「っぅ…!」
指が通り抜けると、短く呻き、リンがビクンッと体を揺する。その理由はイルムにもすぐに分かった。下着を通し、セーター生地越しにも分かるほど、固くなり、熱くなった…その突起の所為だった。
「ほら、リン…もう勃ってる」
イルムは耳元でそう囁くと、今度はピンポイントでその上を指で撫でた。