>>541 wktkでまってるよ〜
最近ここも本スレも賑わいがな…
ま、発売後一月たったし。
でも未だに離れることなく張り付いてるよ。
だからこそ、投下は激しくウレシス!!
>>541 ドッキドキでお待ちします
姉上の文章すごくキレイだったから濡れ場にも激しく期待
544 :
538:2005/11/01(火) 23:19:44 ID:F894e42l
こんばんわ。前に姉上←カイコゼ投下予告した者です。
書き進めてみたら、微妙にカイコゼではなくなってきました…^^;
蓋を開けてみれば、カインタソの「性の目覚めと暴走」というか、青きエロスというか。
カインの性と苦悩を書くつもりが「僕カインなのにやや黒め、ややお馬鹿風味」になってしまいましたorz
会話とカインの独白での進行。テヌキデスマソ。ちょっぴりコゼが可哀想かも。
ガッチュンはないので、微エロ…かな?
危険を感じた姉上方は、スルーでお願いします。
やたら長くなりそうだったので、ひとまず一部投下します。
では、心の広い姉上方、お付き合いください。
どうして貴方なのだろう……
どんなに願ったところで、貴方は…決して僕のものになりはしないというのに。
他のどんな誰よりも、世界で一番近い存在の貴方なのに。
貴方にとっての僕は、世界中の誰よりも近くて、でもこれ以上決して近づくことのない、一番遠い存在。
決して交わることのない、貴方と僕の距離。
それなのにどうして…こんなにも僕は、貴方を求めてやまないのだろう。
心が…想いがちぎれて、気が狂いそうなほどなのに僕は…貴方を……
―――「ねぇ、カインたら!聞いてるの?」
目の前には、僕の顔を覗き込んで拗ねてみせる、可愛い年下の従妹。
「あ……ごめん。聞いてなかった…」
「えーっ!もう。今日はせっかく一緒にいられるのに!さっきから変よ?」
「ごめん…ちょっと考え事してて…」
「ひどいわ、コゼットよりも大切な考え事なんてあるのかしら?!」
「本当にごめん……」
くるくるとよく表情が変わる愛らしい顔に、ふわふわ輝く金色の巻毛。
付きまとうように慕ってくる、春の妖精のような君を愛せたら。
きっと君も僕も、幸せだったかもしれないのに。
どうして、僕は…。
・・・思えば今日は、朝からついていなかった。
********************************************************************************************
「姉上おはよう。さあ行こうか。」
「おはようカイン、今日も一日頑張りましょうね。…では行きましょうか。」
微笑み合う。優しい時間。僕と貴方の、かけがえのない瞬間。
それだけで僕の頼りない一日が、どんなに輝いて見えるか、貴方は知ってる?
――と、不意に誰かがドアをノックする。
悪戯に微笑む少女が脳裏に浮かび、僕はまた嫌な予感が的中することを知る。
「コゼットですわ。入ってもよろしいかしら?」
「あら、コゼット。どうしたのかしら?…はい、どうぞ。」
「カイン!こんなところにいたのね!」
嘘だ。知っていてやって来たくせに。
「ああ…おはよう、コゼット。」
素っ気無く言うと、僕はさりげなく姉上の手を取る。邪魔なんだよな。見てわからないかな。
「今日は私がカインに付き添うわ!行きましょうカイン!…ねぇお姉さま、いいでしょ?」
ほら来た。冗談じゃない。せっかくの姉上との時間を、誰が無駄にするもんか。
「いや、いいよ。ごめんね、今日は姉上と約束してるから…」
「あらカイン、たまには行ってらっしゃい?コゼットもせっかく誘ってくれているのだし」
思わぬ報復に眩暈がする。やめてくれ。何てこと言い出すんだ貴方は。
「コゼット、お願いしてもいいかしら?」
「本当?お姉さま!!」
「でも…」
必死に目で訴える。姉上、僕は行きたくないんだよ。
「私とはいつでも行けるでしょう?私以外の人とも仲良くするのは必要なことよ。」
そう言って、邪気のない顔で微笑む。通じてない……双子でも無理か、やっぱり。
ずるいよ貴方は。僕が逆らえないことをわかっていて、そんな顔するんだね?
「わかった……でも、約束して。僕が戻るまで待ってるって…」
「ええ、待ってるわ。だから頑張って来てね。」
「じゃあ行きましょ、カイン!それでは行って参りますわね、お姉さま。」
姉上は僕と離れても平気なの?
「フフッ、行ってらっしゃい。」
…駄目だ。笑ってるし。手なんか振っちゃって…可愛いんだけど。
「ねえカイン、今日はジーク様のところでお勉強なのよね?」
「ああ…そうだね。」
後ろ髪引かれる僕を全く意に介さずに、屈託のない様子で、王宮の渡り廊下を歩く従妹。
嬉しそうに僕の腕を取るこの可愛い侵入者が、心底憎いわけじゃない。
そうは言っても、眩しく頬を染める顔は一時、微笑みの裏側に隠す僕の黒い感情を、嫌でも浮彫にして、
もっと僕を憂鬱にさせる。
…これで何度目だろう。そういえば視察だって、ここしばらくは行っていないような。
あの人は……姉上は、僕を避けているんだろうか?
―――「…ところで、前回お出しした宿題の論文はお持ちいただけましたか?」
「あっ…いけない、忘れてきた。急いで取ってくるよ。」
「カイン様、それでは次回でも…」
「あら、それならコゼットが…」
「いいんだ、すぐ戻るよ。」
せっかく書いたからというよりも、それを口実に…戻ってちょっと、姉上に会って来よう。
そんな魂胆など知りもせず、やや呆気に取られたジークとコゼットを無視して、足早に部屋を出た。
わざとじゃないけど、今度からこれは使える手かもしれないね。ふふっ。
急いで目的の物を持ち出すと、姉上の部屋の扉を叩く。
「姉上、僕だよ。ちょっと忘れ物して・・・」
――――――あれ?静かだ。
「姉上?……いないの?」
扉の向こうに、求める人の姿はなかった。狭くはないが、十分見通せる部屋。
隠れているのかも…と念のため、寝台の下やクローゼットの中、バルコニーも確かめてはみたけれど。
「いない……どうして…?」
待っていると言っていたのに、一体どこへ?あれは、嘘だったの?
「僕…姉上に嫌われるようなこと、何かしたのかな…?」
呟いた声が思いのほか、自分でも情けなくて、涙が出そうになる。
主のいない寝台に飛び込むようにして、枕に顔を埋めた。
「あ…ね…うえ…っ」
涙で濡れた枕から、甘い匂いを一杯に吸い込む。
貴方の残り香。女の人の匂い。ここでいつも、貴方は眠っているんだね…。
「姉上の体も…あんななのかな?」
以前、アストラッドとジークによる特別授業の資料で見た、女性の裸身図が思い浮かんだ。
白くて、柔らかくて、清らかで温かいもの、気持ちいいものだって言ってたっけ。
………。
目を閉じると、切ないような、堪らない気分が込み上げてくる。
頭の奥がぼうっと熱くなって、苦しくて思わず体を起こした。
「あ…れ?何これ…?」
自分の体の変化に気付いて吃驚する。
服の中で窮屈そうに張り詰めている…僕の下半身。
服を擦り下げて途方にくれる。
女性にはない、男性特有の『性器』というものであるらしいこれは、見たことのない状態に変化していた。
……そうか、これが。
予備知識として聞いてはいたが、実際自分の身に起こると、なんだか不思議だ。
「でも…」
確かに、女性と体を合わせる際に必用な事象だとは言っていたけれど、今はその時ではないし…。
このような場合、どうしたら良いかは聞いていなかった。
どうしよう。早く元に戻さなくては。
慌てて手で、元通りの位置に直そうと押さえつける。
なのに何度やっても、跳ね上がった形のまま、むなしく手で擦っていくばかりだ。
「早く…戻さないと…こんなところ…もし姉上に見られたら……あ…?!」
擦れているものが、僕の意思に反して更に大きく怒張し、跳ね上がっていた。
「何で…?僕…姉上のこと考えただけなのに……あっ…っ…」
僕の手の中のこれが、体中の血が集まったみたいに、激しく脈打っている。
思わず握ると、まるで反応するように、ピリピリと体の奥からざわめく。
なんだろう?…これって…なんだか…気持ちいいみたいだ…。
勝手に手の動きが早くなる。姉上を思い出して腰を動かすと、もっと気持ちよくなる感じがした。
「はあ…はぁ…っ…気持ち…いいっ……姉上姉上…あね…うえ…っ…あぁ……うっ!!」
どくんッ!―――
背筋をビクビクッと衝動が駆け抜けると、極限の快感が僕を貫いた。
「はぁ……汚し…ちゃっ…た」
一瞬の、激しい快感の後は、すっかり力を失った僕の中心部と、そこから迸った熱の滴。
寝台に飛び散らせてしまった、初めて見る白いそれが、姉上自身を汚してしまったようで…。
情けなさと申し訳なさと罪悪感と……なんともむなしい気持ちしか残らなかった。
後悔をかき消すように、丁寧に懐紙で拭き取る。
細心の注意を払って、何事もなかったようにしなくては。
「もう、行かなきゃね…。」
一抹の不安を残しながら、僕はそそくさと部屋を後にする。
………最悪だ。
穢れを洗い流すように、庭園の噴水に両手を浸す。ひんやりとして気持ちがいい。
「気持ちがいい…か。」
かあっ、と頬が熱くなる。…僕は病気なんだろうか?姉上のことを考えながら、一人であんな事…。
なんとなく禁忌な事であるように思えて、誰かに相談する気にもなれない。
「はあ……」
ひとまずジークの部屋に戻ろうと、振り返ったその時。
「あ!……姉上!!」
あんなところにいた!思わず駆け寄ろうとして、隣にいる人物が目に入る。
―――エドガー・ジペルディ。
五つ年上の僕らの従兄で、コゼットの兄。王位継承権第二位であり、それ相応の器もある男。
お互い相容れない存在であるにも関わらず、プライドの高い彼が、僕の補佐を勤めるとは皮肉だけど。
何かと不穏な噂、ことに女性に関して眉を顰める内容の多い彼が、よりによって何故今、姉上と一緒なの?
「カイン、こんなところで何をしているの……?まだ、勉強の時間のはずじゃ…」
「姉上は……?何をしていたの?部屋に…いたはずじゃなかったの?」
自分でもあからさまな程、不機嫌を露にして問い返す。姉上は…初めて目にする、こんな僕に驚いたのだろう。
「え?……私は…」
まるで助けを求めるようにエドガーを見る。大方、無理を言って連れて来られたに違いないが、そんなことどうだっていい。
姉上の態度も、この男も、すべてが不愉快だった。
従兄とはいえ、今まで特別親しい訳でもなかったはずなのに。
一体どういうつもりで一緒にいるの?姉上は、僕よりもそいつの方がいいの?
が、次々に溢れ出てくる醜い感情の中で、はっと気付く。
僕には……そんなこと言う資格なんて…ない。
『弟』だものね。姉上を咎める権利なんて、僕にはないんだ。だけど…僕は…。
「…カイン?」
僕を覗き込む姉上の顔と、快感と共に僕が放った飛沫とが、頭の中で重なって、いたたまれなくなった。
「……っ」
「…あ!カイン、待って!」
ごめん、待てないよ姉上…。
咄嗟の事に、呆れたようなエドガーの声が背中で聞こえたが、無視して走り去る。もう、ここにはいたくなかった。
―――「…ということからも解るように、このような場合のレトリックは……どうなさいました?カイン様。」
「えっ?…あ、いや…なんでもないよ。」
「ですが、さきほどお戻りになられてから、少しお疲れのご様子ですが…。」
「そんなことはない。すまなかった。続けよう。」
「いえ、今日はここまでといたしましょう。…焦らなくて大丈夫ですよ。次回また、頑張りましょう。」
「そうか…。では、またねジーク。」
「はい。コゼット様もお疲れ様でした。」
「…え…終りましたの?…ふわぁぁ…っと。じゃあ、行きましょカイン。」
「あ…カイン様。姫は次回、ご一緒にお見えになりますか?」
「姉上?…さあ、どうだろうね?知らないよ。じゃあね、ジーク。」
「カイン様……」
ジークの声も素直に聞けないほど、僕は余裕がなくなっていた。
***************************************************************************************************
結局…あれから一日、なんとなく顔を合わるのが嫌で、姉上を一度も見ていない。
夜になっても気分は晴れないまま、なかなか寝付けそうになかった。
今頃どうしてるのかな?
僕が…汚してしまった寝台で眠ってるのかな……。ごめんね。
姉上。
生まれる前からずっと一緒だった、僕の半身。
僕は男で、貴方は女。
「一生の間にめぐり会う、心から愛せる異性…か」
僕は貴方を、自分のものにしたいのかな?触れてみたいのかな?
……わからない。
でも…貴方の傍にいたい。
「だけど、貴方は僕の姉上で、家族だから、恋とは…違うんだって…」
血を分けて生まれてきた、ただそれだけの理由で僕は、貴方の前で一人の男であることも許されない。
僕たちは、永遠に重なり合うことのない人生を生きていく。
……嫌だ、そんなの。姉弟なんて実感もないのに。
思い出せることなんて何一つない、真っ白な記憶。
その空白の中にいた僕は、貴方のことをどう思っていたんだろう?
そして、貴方は……
ぼんやり浮かんだ姉上の面影に溺れながら、僕はいつの間にか眠りについていた。
〜第一章終わり〜
549 :
538:2005/11/01(火) 23:31:03 ID:F894e42l
以上でございます。
読んでいただけた方ありがとうございました!
回想や場所が移動してたりやらで、ゴチャゴチャわかりにくかったかもしれません…orz
続きがあるようなないような…。誤字脱字あったらすみません。
お目汚しご無礼しました!
いいねいいね〜!!
ご馳走様でした!
第一章ということは続きもあるのかな?
首を長くして待ってます!
551 :
538:2005/11/01(火) 23:43:45 ID:F894e42l
おわっ!
早速のレスありがとうございます!!ドキドキドキ
続き…実はありまして、三日間の設定で妄想しておりました…
書いてみたらやたら長く、そしてカインがコゼに対してもっと黒くなりすぎて
頭が収拾つかなくなったので……w
どうも自分、好きなキャラは黒くしてしまうようで(*'д`*)(リオウの前科あり
できたら日を改めてチャレンジさせて頂きます。
重ね重ね、ありがとうございました!つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
>>544 思春期のカイン可愛いなぁ…GJ!です。
続き楽しみにしてますね。
しかし、このスレのお陰で未だに萌え持続中…
GJGJGJ!
発展途上中のカインかわいいよ。
個人的にブラックなキャラ大好きだから、続きも楽しみにしてるよ〜
544姉上のSS、Wikiに保管させていただきましたが
何だか見づらいことに……orz
誰かWikiに詳しい姉上か544姉上ご本人様
うまい事編集お願いします。
ホントニスマンカッタ……・゚・(ノд`)・゚・
555 :
502:2005/11/02(水) 20:08:02 ID:9I75eePs
Wikiに保管して頂いた姉上、ありがとうございます。
本人ですら放置しようかと考えていたくらい長い文なのにお手数おかけしました。
文字化け部分は見栄えが悪いので別の単語に差し替えておきました。
(あとは放置ですが…)
一応、ご報告まで
556 :
538:2005/11/02(水) 22:15:45 ID:ZC/GBxx8
>>554の姉上
こちらこそお手数おかけしましてすみません!dでした!!
今Wikiの方、直して参りました。
ついでにうp用に詰め詰めにしてたので、改行やらまとめてみました。
少しは見やすくなったかな?あと、気になってた部分を所々修正してあります。
>>552>>553 お褒め頂きありがとうございます(*'ω`*)
しかし、カインタン可愛いのもここまで?かもしれません。
この後、鬼度がアップしちゃってどうしたものかと…まだチェリーなのに_| ̄|○
>>555 あれだけ書き上げたパワーと文章力と萌が、すごい!GJ!
(・・・上手い人の後のうpで気が引けましたがw)
私もパラレルwktkで待ってますYO!エロも期待してます(*´Д`) '`ァ'`ァ
557 :
556:2005/11/02(水) 22:20:30 ID:ZC/GBxx8
558 :
代償まえがき:2005/11/09(水) 03:43:00 ID:l/Be/THf
深夜にふと書きたくなって、エドガー×姉上仕上げました。
エドガーに最初に乱暴にされた夜を、私なりに書いてみました。
姉上が可哀想な感じなので、苦手な方はスルーしてください。
559 :
代償:2005/11/09(水) 03:46:03 ID:l/Be/THf
それは、不幸な事故だったのだ――
姫は、逝去した両親のことを思うたび、胸がつぶれる思いをしていた。
誰が悪いわけでもなかった。ほんの少し、運が悪かっただけなのだ。
ローデンクランツの国王と王妃、そして双子の弟が事故に遭い、死んだ。
誰にも予測できない、馬車の事故だった。
ひとり遺された姫に王位権はなく、従兄弟のエドガーと姫が結婚すれば、
間違いなく国は軍事国家としての方向を歩むことになる…頭は切れるが野戦的なエドガーのことだ。
平和な国を望んでいた国王の意思を、ここで曲げるわけにはいかない――
「よいですね、姫」
典医のジークは、嵐の夜にそう言って、弟カインそっくりのクローンを姫に見せた。
「このような時のためにと、国王に言われ、私が造ったものです」
カインに生き写しのそれを見て、言葉もない姫に、ジークは辛そうに言った。
「亡くなったのは国王と王妃のみ。カイン様は奇跡的に命を取り留められた――そういうことにしてあります。
今眠っているカイン様を、時期国王として、私たちが教育するのです。
これは、誰にも知られてはならないこと。無論、このカイン様にもです。
姫、あなたにはできますか? このカイン様も、間違いなく、あなたの弟君なのです。
カイン様を、このローデンクランツの国王として育て上げること、私と約束してくださいますか」
姫はうなずいた。
この先、自分の選択によっては、国が滅ぶかもしれない、禁断の約束。
このカインを王にすることが、自分の役目なのだ。そのためならば、自分は何でもしよう。カインのために、自分の全てを捧げよう。そう誓った。
だから。
「あのカインはなんなのだ? 何故、即位式をここまで遅らせる必要がある?」
カインの教育係として選ばれた何人かの男性の中のエドガーにそう言われたとき、
姫は身を堅くし、自身を強く保たなくてはならなかったのだ。
エドガーは、記憶の一切をなくしたというカインに、帝王学を教える係りだった。
本物のカインが生きていた頃も、エドガーはカインをあまりよく思っていない素振りを何度か見せていたので尚の事、
カインと姫が顔を見せるたびに、嫌そうな顔を隠しもしなかった。
姫は記憶をなくしたと信じ込まされているカインの傍を、片時も離れず、そんなエドガーに怯えるカインの手を、そっと握っていた。
だが何度か式典や来客があるたびに、カインは失敗を繰り返し、そのたびにエドガーが手助けをして事なきを得る機会が多かった。
エドガーの不信感は、その都度たまっていたのだろう。
ある夜、自室に戻る途中の姫に声をかけたエドガーは、単刀直入に聞いた。
黄金色の髪を揺らせ、自信に満ち溢れた野性の王は、姫をがんじがらめにし、逃げることを許さない。
姫はどうすればいいかわからぬまま、エドガーの自室へと入り、エドガーがいかにカインに不審を抱いているかを長々と聞かされ、
このままではカインに即位は任せられないとまで言われ、途方に暮れていた。
不幸な事故だったのだ――
もういない両親のことを悔やんでも仕方がない。姫もカインの補佐として、王女としての教養はある。
エドガーには劣るかもしれないが、何とかうまい言い訳を、動揺する頭の中でひねりだそうとしていた。
「俺にこれ以上、カインのことを詮索されたくないか?」
うつむき、唇を噛み締めている姫の頭上で、嘲笑と共にエドガーの言葉が降って来た。
咄嗟に顔をあげ、姫はドレスの裾を両手でぎゅっとつかむ。
「カインは、記憶がないのよ。あなたもわかるでしょう? 今のカインに即位を任せられないから、
こうしてあなたたちに協力してもらっているの。今はまだ頼りないけれど、きっとお父様のような立派な国王となる。
だからお願いよ、カインの成長を妨げるような真似は――」
そこまで言うと、エドガーは柳眉をひそめ、口をはさんだ。
「ならば、条件がある」
「え…?」
目を丸くした姫に、エドガーはにやりと笑って見せた。
「俺の女になれ」
「……なん、ですって…?」
560 :
代償:2005/11/09(水) 03:47:08 ID:l/Be/THf
「可愛い弟のために、毎日献身的に付き添っている、お優しい姉上のことだ。それくらい訳もないだろう?
光栄に思え。俺は価値のある女しか抱かぬ」
エドガーが何を言っているのかわからなかった。
何故、こんな話を彼が持ちかけるのか見当もつかない。いつもの戯れにしては、彼の目は怪しい輝きに彩られ、まっすぐに姫を見つめている。
咄嗟に後ろに下がる姫の距離を、エドガーは一歩進んで元に戻した。
驚愕と怯えの走る姫の瞳は、近づいてくる傲慢な男の顔を、石の様に見ていることしかできない。
「さあ、どうする? …姫」
「エドガー…あなたは…」
「…俺は」
姫のアーモンド色した艶やかな髪を、エドガーは指に絡ませて、軽く引っ張った。
「俺は、おまえの返事をここで聞く。別にどちらでも構わん。早く決めろ」
視界がぼやけ、顔が熱くなる。こんな男だとは思わなかったと、悔しくて哀しくて、涙が零れた。
エドガーは自信家で、自分を出すことが苦手な姫を、幼少の頃、からかっては遊んでいた。
ダンスの相手をしたときだって、うまく踊れない姫を笑うような男だった。
それでも、こんな汚らわしい条件を持ち出すような男ではないと、何故か信じていた。
顔をゆがめて泣く姫を見て、エドガーは指に絡めた姫の髪を、もう一度引いた。
「泣けば、俺の許しが得られると思っているのか? もう子供ではないんだ。さあ」
姫はしゃくりあげながら、カインのことを思った。
――私しか、カインを護ってあげることはできない。
エドガーが本格的に動き出せば、カインの正体がばれてしまうかもしれないのだ。
例えば突然襲われて、怪我でも負うことになれば、たちまちわかってしまう。
カインの身体は、異様に治癒能力が高い。みるみる塞がる傷口に驚くのは、カイン本人も含めてだ。
そうなったらおしまいになる。今までしてきたことが、全て無駄になる。
――エドガーの気が変わらないうちに、決断しなくちゃ…!
561 :
代償:2005/11/09(水) 03:49:31 ID:l/Be/THf
姫は涙を拭った。
決意した途端、膝が小刻みに震えだす。本当にエドガーは、約束を護ってくれるだろうか。
考えている暇はない。ああ、けれど、震える体は、言うことを聞かない。
「…わかったわ。カインのことを、これ以上詮索しないというなら」
「ほう。さすがだな。そこまで弟のことを思っているとは」
エドガーは笑って、姫の髪を離したかと思えば、いきなり姫の頬をつかみ、引き寄せた。
「ん…っ!」
まだ、心の準備も何もないまま、唇を塞がれた。目を閉じる時間さえなかった。
吐息ごと奪われ、呆然とエドガーの緑の瞳を見つめる。わずかにエドガーの瞳がゆるみ、一瞬顔が離れた。
「エド…っ!」
抗議の声を上げようとすれば、また同じように塞がれる。黙っていろと言うように、後頭部に回ったエドガーの手に力がこもる。
息苦しくて、両手でエドガーの腕をつかむ。だがエドガーはぴくりとも動かず、姫の唇に舌を差し入れてきた。
後頭部にあった手がそのまま下におりて、姫の質素なドレスをはがしにかかる。
「はぁ…っ、あ、いや…っ!」
「親が死んでから、おまえは明るい服を着なくなってしまったな…」
顔を離し、逃げようとする姫を腕の中に閉じ込めたままで、エドガーは遠くを見るような眼差しで、紺色の姫のドレスを下に落す。
「いやっ、放してっ!」
全裸になった姫を抱え上げ、エドガーはベッドの上に姫を降ろす。
「親を忘れることもできず、カインのために働き続け…挙句、弟のために身体まで売るとは…
せっかく王家に生まれたというのに、おまえは不幸だな」
暴れる姫の両腕を頭上でつなぎとめ、エドガーはそんな姫を一瞬痛ましい目で見た。姫は羞恥と怒りに顔を染め、エドガーを睨む。
「安心しろ。…悪いようにはしない」
酷く優しい声だった。
姫が抵抗をやめ、弱々しくエドガーを見上げると、エドガーは何故か穏やかに微笑んで、もう一度、ゆっくりと唇を重ねた。
エドガーの大きな手が、姫の肌をゆっくりと這って行く。その手が乳房の周りを覆うようになると、恥ずかしさのあまりその手を上から押さえた。
「いや…、エドガー、早く済ませてしまいたいわ。あまり触らないで…っ」
エドガーは囁くような声で笑った。
「初めての癖に、生意気なことを言うな。蝶よ花よと謳われた王女の肌だ。存分に見て、味わいたい…」
「んっ」
言い終えたエドガーは、乳房の頂に吸い付いた。言いようのない甘い痺れが、姫の頭に渦を巻いて、はぜる。
「見ろ。俺に触れてもらって、ここは喜んでいるぞ?」
ちろりと舌で転がしてやれば、頂はつんと立ち上がり、その存在をエドガーに見せ付けた。姫はそれを信じたくないと、目を閉じて頭を振る。
「今まで誰にも触れさせたことはないおまえの肌…、象牙のようになめらかで、この闇の中でも輝くようだ…美しい…」
「ふ…っ、あっ!」
片方の手でやわやわと乳房を弄び、エドガーはそうつぶやきながら、頂を転がしていた舌を滑らすように、柔らかな腹部へと移動を始める。
鳥肌が立つようなものが、姫を襲った。
「これからおまえに教えてやろう…俺が与えるものだ…いいな…?」
音を立てて、姫の肌に吸い付きながら、エドガーは掠れた声で言った。姫はぞくぞくと肌を粟立たせながら、ぼんやりとその声を遠い所で聞く。
一番大事な部分が、先ほどからうずいて止まらなかった。腰が妙に浮いてしまいそうになって、何とか我慢している。
これを悟られたらおしまいだと、最後の理性が叫んでいた。
「ふふ…そう力むことはない。俺が触れているのだ。感じないわけがない…」
太ももを撫で回し、姫が嬌声を上げるのを楽しみながら、エドガーはその奥の秘所が濡れていることを確認し、笑みを浮かべた。
「ここだ…おまえのここに、これから俺が入るんだ…」
「ひやあああっ!」
くちゅりと音がしたと同時に、何かが入ったのを感じた。柔らかな疼きと、それを超える痛みに、姫は目を見開いて叫ぶ。
「だから力むなと言っただろう? 俺に全て任せておけ」
562 :
代償:2005/11/09(水) 03:51:38 ID:l/Be/THf
エドガーは指を引き抜き、立ち上がって服を脱いだ。剣や武道で鍛えた身体が、姫の涙で滲んだ視界の中にくっきりと映る。
美術の彫刻のように均整のとれた美しい身体だとぼんやりと思った。力強い腕の太さや、割れた腹筋が徐々に近づいてくる。
美しいと戯れに言われたが、それはこの男のために用意された言葉だ。そんなことを思った。
「姫…」
愛しげに名を呼び、上唇を挟むようにエドガーの唇が触れた。濡れた唇が、離れたとき銀の糸を引くと、エドガーは少し笑って、もう一度深く口付けた。
「忘れるな…おまえを初めて抱くのは、俺だ…」
耳元で、吐息と共に囁かれれば、姫の意識が飛んでいく。知らずにエドガーの逞しい背に両腕を回すと、
エドガーは一瞬動きを止め、それから姫の膝を割って、勢い良く自身を突き入れた。
「…あ……っ!!」
ふわふわと漂っていた姫の意識が、身を引き裂く痛みに瞬時に身体に戻った。
「やめてっ! やめて、エドガー! 痛い…!」
「今更やめることなどできん…ああっ、おまえの中…ん、すごく、いいぞ…!」
エドガーが動くたびに、例えようのない激痛が姫を襲った。息もできないと口を大きく開け、姫は泣き叫んだが、エドガーは止まらなかった。
「いや、いやああっ!」
「すぐ…に、よくなる…! おまえは…熱い…!」
膝をつかみ、エドガーの腰がえぐるように入ってくる。めりめりと身体が壊れてしまいそうで、姫は終わりが来るのをひたすら待つしかなかった。
「いい…こんな…のは、初めてだ…!」
「あっ、あ、あ…! い…た…!」
悦びに恍惚となるエドガーの動きに、知らず姫の口から声が漏れる。痛いのは変わらないが、確実に何か別のものが、混じろうとしている。
「…出す…ぞ…!」
エドガーが歯を食いしばり、腰の動きを一段と速めた。姫は耐え切れない感情の海に流されて、大きくのけぞる。
「……く…!」
ひときわ大きく腰を突き出すと、エドガーは腰を痙攣させ、中に全てをたたきつけた。
「あ……あぁ…!」
熱いものを感じて、姫は四肢を投げ出す。
エドガーは息を切らせ、目を見開いたまま茫然としている姫の頬を撫ぜた。
「おまえ…すごくよかった…こんなに感度がいい女を抱いたのは、初めてだ、嘘ではない…」
エドガーの言葉にも、姫は反応できなかった。ぼんやりと見慣れぬ天井を見ながら、湧き上がる涙が止まらない。
563 :
代償:2005/11/09(水) 03:53:33 ID:l/Be/THf
「姫…」
「…エドガー…」
泣きながら、姫はエドガーを見つめた。
「これで、カインのこと…」
「…!」
その言葉に、エドガーはかっと目を開き、姫の肩をつかむ。
「痛…!」
「おまえは…!」
エドガーの手をつかみ、はがそうとしても、その手はがっちりと姫の肩から離れず、小刻みに震えていた。
「…約束だったな…いいだろう。カインの件については、忘れてやる」
「……ありがとう……」
やがて低い声でそう言ったエドガーの言葉に、姫は安堵して、ほっと息を吐く。
エドガーはそれを睨みつけ、乱暴に姫の肩を放し、起き上がった。
「ただし、わかっているな」
「…はい」
あちこちが痛くて、ぎこちなく起き上がる姫に向かって、エドガーは吐き捨てるように言った。
「俺が呼んだら、すぐに来い。昼でも夜でも、いつでもだ」
「でも…昼間は、カインの」
「おまえはいつまでカインに付き添っているつもりだ? カインは男だ。いつまでも女のお前を頼っているようでは、国王になどなれんだろう」
「……そうね…」
それを聞き、しょんぼりと肩を落とすと、エドガーは乱暴に姫の顎をつかんで、上を向くようにする。
「おまえは俺のものになった。カインのことなど考えるな!」
「何を…!」
「いいな!」
脅すように声を荒げ、顎から手を放すと、エドガーは服を着、不安そうにこちらを見ている姫を見下ろした。
「今夜は俺の部屋で寝ろ。…今日はもう、おまえを乱暴にしない」
「でも、エドガーは…?」
「俺はいいから、寝ろ」
「うん…」
姫はごそごそとベッドの中に入った。エドガーは大きく息を吐くと、姫に言った。
「俺から離れられないようにしてやるからな、覚悟しておけ」
そう言って、部屋から出て行った。
残された姫は、痛む身体を抱きしめて、がたがたと震えだす。
カインのためと、エドガーに抱かれてしまった。
これから何度、こんな夜が来るのだろう。いや、エドガーは時間など気にせず自分を呼ぶと言ったのだ。この地獄から抜け出すことは、エドガー次第なのだ。
何故、エドガーがこんなことをしたのかわからない。
だが自分の存在が、エドガーの目をカインからそらすことができるのならば、耐えなくてはならないのだ。
カインのために。
造られたカインに、大きすぎる使命を与えている自分が受けるべき報いなのだと思おう。
だから、泣くのは今日までだ。
明日から、何もなかったような顔をして、カインの傍らで彼を支えなくては。やることはたくさんある。
姫は無理やり自分の気持ちを落ち着けると、ゆっくりと眠りに落ちて行った。
――それは、不幸な事故だったのだ…
そうだ、不幸な…
終わり
564 :
代償あとがき:2005/11/09(水) 03:56:16 ID:l/Be/THf
愛ある描写にしようとしたのですが、やっぱりこの段階では無理でした。
ゲームでの姉上は、ゲーム上仕方ないとは言え、あっさりしてんなーだったので、葛藤を書いてみました。
それでは失礼します!
565 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/09(水) 12:41:55 ID:tpwwSIQ4
乙age
薔薇×姉上、グッジョブ!
ゲームに忠実に書かれているけどゲームの薔薇よりいいなとオモタ。
細かいとこまで補完させてもらった感じ。
ネタがあったらまた光臨してください。
>>558姉上、GJ!!
薔薇のちょっとした嫉妬っぽいのに(*´д`)
ゲームのあっさり部分の補完ができました。
薔薇がきてたーーーーーー
GJGJ!!
ゲームではほんと描写足りなさ杉。
しっかり補完させてもらえました!
ご馳走様デスタ!
ところで……
いまもう、474KBまできてるんだけど、次スレの心配はいかがなもの?
1000まで書き込めないのか?無知スマソ
確か500KBまでだったような…
だから、この手の長文投下スレは、1000前に書き込み不可になるよ。
そうなの?!
近日投下予定だったんだけどどうしよう…
長くはないけどもし、次スレあるならちょっと待ったほうがいいかな?
573 :
572:2005/11/13(日) 02:45:32 ID:DGYBdpJi
とかいいつつも、次スレあるかどうかもわからんので、待ちきれずに投下。
カインEDルート即位式後の設定の話です。
エロ無し。ギャグというか、おフザケというか。シリアスではありません。
嫌い・苦手な方はスルーお願いします。
深夜ジークの部屋を訪ねたカインの悩みに、ジークが赤くなったり青くなったり。
ジーク視点・語り進行です。
キャラがやや別人っぽくても、たまにはこんなのあってもいいと思われる姉上方
よろしければご覧下さい。
ある夜のこと。
私の部屋の扉を叩く音がいたしました。
―――コンコン。
「はい?…どなたです?」
「ジーク、僕だ…カインだ。」
「カイン様?!」
このような時間に国王陛下直々とは何事か?!と、私はいささか胸騒ぎのする思いがして、
あわてて扉に向かいました。
「カイン様…こんな夜分に、どうなさったのです?」
「すまないジーク、ちょっと話があって…入ってもいいかな?」
「はい、もちろん構いませんが…。すみません、そろそろ休もうかと思っておりましたので、
こんな格好で失礼を……。」
あわてて夜着の前を閉めなおし上着を纏うと、カイン様は、
「あ…ごめん、こんな時間に来た僕が悪いのだから、気にしないで。」
と、国王らしからぬ(と言っては失礼ですが)優しいお言葉で、かえって恐縮しておられるようでした。
「なにぶん散らかっておりますが、どうぞお入りください。いまお茶をお入れしますから。」
中にお招きすると、カイン様は、まるで初めてやって来た子供のように、何故か落ち着きのない様子で
私の部屋を見回し、ソファにお掛けになられました。
「これが女性の部屋ならば、ずいぶん甘美な状況でございましょうね。」
茶器を用意しながら、微笑ましい思いがして頬が緩む私の背中の向こうで、まるで調子の違うカイン様の、
やや重く緊張を含んだお声がいたしました。
「いや…実は、話というのは、その…ことなんだ。」
そのこと?
一体どのことでございましょう?
女性のこと…今ここにいるのは私、男ですね。まあそれはそれとして。
わざわざ深夜に部屋を訪れる状況…とはつまり、あんなことやこんなことや甘美なことをしたい為、
(アストラッドの受け売りですよ!)だとして…。
そのこととは『アノ事』でございますか!?
しばし考え、私ははたとある可能性を思いついて、背中に一筋汗が流れました。
まさかまさかうちのこに限って…etcなどの各ご家庭に良くあるような、親御さん方の
心の叫びに似た気持ち&(貞操の)危機感が、次々と私の内に湧き上がってくるようでした。
…いやたしかに、浮いた話の一つもない私に、実はそっちの方がお好きなのでは?などという、
風の噂を聞いたこともございます。
ですが、ですが、ですがっ!
カイン様に問いかけようと恐る恐る振り返り、目の前にその姿を見つけた時は、私も心臓が止まるかと
思うほどの驚きでした。
「っ!?」
「ジーク…こんなこと、他の誰にも相談できないんだ…。聞いてくれる?」
思いつめた様に私を見つめるカイン様の表情は、とても真剣でございました。
私は気持ちを落ち着かせようと、少し息を整えて、カイン様に向かいました。
例えどんなお話でも、真剣に、誠実にお聞きし、お答えしなければならない。
いかにそれが、驚くべき内容であったとしても。
それが私ジークの、典医として、カイン様の生みの親として(これは言ってはいけませんでしたね)、
そして男としての責任だと!…そう心して伺いました。
「僕は…他に……女性を愛することは出来ないんだ。」
きた!ああ、とうとうその禁断の一言を言ってしまわれたのですねカイン様…!
だがしかし、典医たるもの、ここでうろたえてはなりません。
努めて冷静に、なるべく遠まわしに気付く心遣いをしなくては。
そして出来ることなら、早いうちに軌道修正して差し上げるのです!ええ、私が!
「何故なのですか?その…女性の体を愛する方法(ああ恥ずかしい)は、アストラッドとも特別授業で
お勉強いたしましたし。まだなにかわからないところでも?」
「いや、そうじゃくて、僕が言いたいのは…気持ちの問題なんだ。」
「気持ち…というと?」
ああやはり女性よりも…?聞くのが少し怖いような気がいたします。
でもここでカイン様の心の内を明らかにすることも、きっと愛の授業(いつからでしたか?)の一環でございますね。
「前に言っていたよね。一生に一度心から愛せる人とめぐり合い、恋に落ちた二人が結婚するって。」
「はい、確かに。愛を誓い合い結婚した二人が、共に生涯を支え、家族を持ち、幸せを得るのです。」
「うん……でも、それが無理な場合は?」
「無理とは……何故、そのようにお思いになるのです?…女性に魅力をお感じになれな…」
「駄目なんだ、どうしても!僕が他の…女性をどうしても愛せないから…。だから僕は…誰とも結婚しない!」
「ちょ…ちょっと待って下さいカイン様!突然何をおっしゃいます?落ち着いて下さい!」
「僕は落ち着いてるよ。僕は一生、誰とも結婚するつもりもない。だから…世継ぎも残せないと思うんだ。
それでこの国の将来的に、この先どうしたら良いか、相談に来たんだけど…。」
なんということでしょう!
カイン様ご自身の、色事のお好みの悩みを伺うつもりが(私が早合点していただけですが)、かような重大発言を
お聞きすることになろうとは!
いけません!!
それではせっかくのハインツ様の御遺志も!あの恥ずかしい授業も!すべてが水の泡になってしまいます。
なにより私が丹精こめた秘術の数々が…もとい、あの生まれたての雛のようだったカイン様をここまでご立派に、
無事に即位されるまで支え続けていらした姫が、嘆かれるご様子が目に浮かびます。
せめて形だけでもご結婚を、そして子作りだけでもしていただかなくては!
「決め付けてしまわれるのは良くありません。カイン様がおっしゃるのは気持ちの問題でございましょう?
でしたら一度、その…何と言いますか…女性のお体を…お試しになられてはいかかでございますか?!
何事も経験でございます。お気持ちも変わってくるかもしれませんし、その…自信もお付きになるのでは?
それでも無理とおっしゃるなら…その時は、私が…責任を持って…た、たっ…対処を…」
ああ!私としたことが、何ということを口走っているのでしょうか…。
恥ずかしさのあまり声まで裏返ってしまいましたが、これもすべてカイン様および、王家繁栄のため。
耐え忍びましょう。ええ、そうですとも。
ですが、返ってきたカイン様の答えは意外なものでした。
「ああ、そっちの方は大丈夫。というより、全然問題なかったよ。思ったより上手く出来たかも。」
あろうことか、にっこり満足げに、何故か頬を染めて微笑んでいらっしゃいます。
そのご様子には、なんだか余裕すら漂っておられるようにも見えます。
「え?それは…?」
ひょっとして既にもう実践済み……ということなのでございますかカイン様?
え!?
いつの間に?!
おそらく、豆鉄砲でも喰らったハトのようになっているであろう私に、尚もカイン様は、瞳を輝かせ、
喜びに満ち溢れてお話になります。
「恥ずかしかったけど…嬉しかったよ。いろいろと教わった事も役に立ったし。あんなに触れ合うことが
…良いことだとは思わなかったな。ひとつになるって気持…」
「ああああカイン様!生々しいお話は結構です!…って、それはその、つまり女性と…ということですか?」
そういえば、先ほどからやたらと『他の』女性…、と強調されていらしたような…?
「何言ってるの?あたりまえじゃないか。おかしなこと言うな、ジークは。あはははっ。」
……ああ、そうでした。私としたことが迂闊でございました。
異性と愛し合うとはお教えしていても、同性が愛し合うことがあるなどと授業でお話ししたことなどは、
ただの一度もなかったのです。
だとすれば、純真無垢なカイン様には、男と男が…などとは想像もつかないこと。
…私の取り越し苦労でございましたか。そうですか。
などと胸を撫で下ろし(それにしても、あのカイン様がとうとう…)、まるで父親の気分で感慨に浸っていると、
突如疑問が浮かんでまいりました。
はて、カイン様のお相手とは?
「カイン様……不躾なようですが、どなたか心に想う女性がおありなのですか?」
「うん…実はそうなんだ。ジークすごいね、どうしてわかったの?」
この場合わからない方がある意味すごいと思われますよ、カイン様…。
「コホン…それはともかく、体と体で愛し合っ…いえ、結ばれたお相手は…そのお方でございますか?」
言葉を選びながら、なんとなく聞く方も恥ずかしく…。しかし重要なことですので確認しなければ…。
「いやだな、決まってるじゃないか。愛し合っているから、二人がひとつになるのだろう?」
再び余裕のカイン様が、さらりと言ってのけられます。
経験とは、こうも人を変えるものなのでしょうか。
「まあその…おっしゃる通りなのですが。それでしたら、何が問題なのでございますか?」
「いくら愛し合っていても、どうにもならない壁があるんだ…。」
「カイン様…」
ははあ。これはひょっとして、身分違いの恋ということでしょうか?だから悩んでおられる、と…なるほど。
でしたら、ここは私が一肌脱ぎましょう!私とて、カイン様の父親のようなものでございますし!
「私に出来ることであれば、いくらでも力をお貸ししましょう。いろいろと方法が見つかるかもしれませんよ。」
「ジークは何も知らないから…。無理だよ、絶対に。」
随分と信用がない言われようでございますね、カイン様…。少しジーク(パパ)は傷つきましたよ…。
ですが、ここでめげてはいられません。カイン様のためにも!
「それはそうですが、何も教えていただけないのでしたら、お話の伺いようもございませんよ?」
「そうか…うん、そうだね。ごめん、ジーク。僕は世継ぎのことだけ話を聞いてもらえればいいかと思って…」
「ご結婚のことも大事ですよ。カイン様が想う方とそうしたいのならば、そうできるようにお手伝いしたいと
私は思っております。」
「ありがとう、ジーク。なんだかジークなら、どうにか出来そうな気がしてきたよ。」
「ふふっ、それはどうでしょうか。ちなみに、どんな方なのです?カイン様ほどの方が、心惹かれ魅了された、
その幸運な女性とは…?さぞかし麗しく、素敵な方なのでしょうね。」
やはり、従妹のコゼット様?身近な年の近い女性といえばそれぐらい…あとは、何方の令嬢でしょうか?ふふふ。
「うん。…その人はね、美しくて、とても優しくて、誰にでも好かれていて、心が綺麗で、思いやりがあって、
僕の為にいつも一生懸命になってくれるんだ。何もわからなかった僕に、少しずついろんなことを教えてくれて、
いつでも一番近くで支えて、見守ってくれる。それが、どんなに心強かったか…。」
心に想う方のことを、はにかみながら、柔らかい微笑みで、幸せそうに語られてゆくカイン様…。
なのに…何故か私の心には、一抹の不安がゆっくりと芽生え、渦巻いていくのでした。
「彼女が微笑んでくれるのが嬉しくて、その笑顔を見ていると、僕も頑張れるし、なんだか元気になれるんだ。
毎日部屋に迎えに行くのがとても楽しみだったから、一緒にいられない日は淋しくて…。そんな時我侭を言って
困らせたりもしたけれど、彼女はちっとも怒らないんだ。そんな彼女が、たまらなく可愛く思えてきて、
心に住みついて、頭から離れなくて、僕と同じ色の瞳に見つめられるだけで、なんだか胸がどきどきして、
いつも彼女の姿を目で追って、声が聞きたくて、傍にいたくて、あの髪に触れてみたくて、抱きしめたくて、
口づけしたくて、僕だけのものにしたくて、肌に…」
「カ…カイン様、少し落ち着きましょう…」
いや、むしろ私が落ち着かないと…仮にも私は齢100余年(少しサバを読みました///)の年長者なのですから…。
「ああ、ごめん。つい夢中になって…。でも彼女は、やっと見つけた僕の宝物なんだ。彼女さえいれば、
僕は他に何にもいらない。全てを失ってもいい。一生、互いしかないと決めたんだよ。」
同じ色の瞳の女性。
……なんということでございましょう。
名前こそおっしゃいませんが、カイン様が口にした女性はおそらく『あの方』以外に、私には考えようがございません。
そして『あの方』ならば、結婚出来ない理由は正に一目瞭然、皆目不可能、至極当然と言わざるを得ません。
まさかこんなことが起こるなんて!
ハインツ様…ジークは、よもや夢にも思いませんでした。
「真実の恋は一つなんだろう?例え好きでも、結婚できない場合は?他の誰かと結婚なんかしても、絶対に愛せないし
そんな世継ぎなんて欲しくない。結婚って、自分に嘘ついてまですることなのか?だったら僕は結婚なんてしない!」
おおカイン様、お気は確かでございますか…。
私には…刺激が強すぎて、いまだ信じらぬ気持ちで一杯です。
あああ、ハインツ様…一体私はどうしたら良いのでしょう?
やはり私のしたことは間違いだったのでしょうか?
『あの方』が…生まれたままの姿で、カイン様と甘い吐息に溢れて睦み合い、あんなことやこんなことを…(鼻血)。
はッ!…私としたことが、なんと淫猥な妄想を!
…ですがどうやらお二人が、一線を越えられてしまったのは事実な訳で…(眩暈)。
確かにカイン様はカイン様であってカイン様でなく(なんとややこしい)、厳密に言えば実のカイン様とは違うとも…。
これではハインツ様のご遺志が…しかし直系の血が交わり子が生まれると思えば、それはそれで一石二鳥…?
否々!そんな神をも恐れぬ行為、誰が許しましょう!?(今更私が言えたことではありませんが)
人道的にも…というよりも医学的には…いや道徳的に…とりわけ宗教的に…世間体がぁ…されどお世継ぎは……
「ジーク?ジーク、聞いてる?どうしたの、一人でブツブツ言って…」
「……カイン様、その女性というのは…」
「ああ、駄目だよ。それはジークにも教えられない。気持ちを隠すなんて嫌だけど、いつどこで人の噂になって、
僕たちが引き裂かれてしまうかわからないからね。これは…生涯秘密の恋なんだ。」
内緒にしていらしたおつもりでしたか、カイン様…。
忍ぶれど色に出にけり(というかバレバレ)でございますよ。
「畏れながら、カイン様、このお話を伺ったのは、私だけでございましょうか?」
「そうだけど…。本当はアストラッドの所にも寄ったんだけど、なんだか取り込み中みたいだったから…」
…私は二番手でしたか。
始めに「他の誰にも相談できない」と伺ったのは、私の空耳でしたでしょうか?
まあ、いずれにせよ、アストラッドが取り込み中(どうせコトの最中でいらしたのでしょう)だったのは幸い…。
勘の良い方ですから、上手いこと誘導尋問かなにかで、カイン様のお相手を見抜くことなど容易いはず。
彼は口は堅いでしょうけれど、ついうっかり寝物語に、口さがないご婦人の耳にでも、要らぬ情報が入らない
とも限りませんし…。(コトの後は、男は饒舌になるものですからね!)
「カイン様、お約束していただけませんか?このお話は私ジーク以外、他の誰にも決して口外されないと。」
「あ、ああ。でも…」
「でもも何もございません。これは重要な問題ですが、むやみやたら、様々な人に意見を求める事ではないのです。
どうかこの問題は、私の胸の内だけに。慎重に時間を掛けて考えさせていただきます。ですから……」
「そう…なのか。わかった。ありがとう…ジークに相談して良かった。ちょっと気持ちが軽くなったみたいだ。」
お礼などおっしゃらないで下さいカイン様!
なんだか騙しているようで申し訳ない思いがいたします。
口外して欲しくない一心で言ってみただけで、私とて何の名案も浮かばないのです…。
「それはそうと…ひとつ重要なことを忘れておりましたが、カイン様はそのお方と一生…その…愛し合っていかれる
おつもりですか?その方も、同じお気持ちで…?」
「ああ、もちろん。例え誰にも許されなくたって、僕は彼女を一生守り続けるし、彼女もずっと僕の傍にいてくれると
約束してくれた。辛いだろうけど、何があっても……ジークにだって、邪魔はさせないよ。」
それほどまでに…カイン様と『あの方』の決心は固いのですね。
私は、無理にでもお止めするべきなのでしょうか。
それともこのまま、黙って見過ごすべきなのでしょうか…。
「…ならば、もしその方との間に、カイン様のお子がお出来になったら、どうなさるおつもりですか?」
「あ…!それは…考えてなかったかも…」
「たとえ結婚しなくとも、男女が体を合わせるということは、そういうことも起こりえるのですよ。」
「そうか……では、その子を世継ぎにすればいい。僕の子供なら問題ないのだろう?その方が僕も嬉しいし。」
「カイン様……そんな単純なことではございません!妻のいない国王のお世継ぎなど、皆に…世間になんと言って
説明するのですか!?だいいちその女性が、周囲の目にどう映るか…」
『あの方』が好奇の目に晒されるかと思うと、私にはとても耐えられません…。
「駄目かな…いい考えだと思うんだけど…。ジークなら、何とかできるんじゃないかな?」
「カイン様は私を買い被りすぎです……はあ。これからは避妊の方法なども、いろいろ検討しなければなりませんね。」
「ひ…にん?何それ?」
「女性と愛を交わし合う時に、妊娠しないようにするための処置です。お世継ぎを作られることを第一に考えて
おりましたので、敢えてお話していなかったのですが、私も詳しく調べませんと…」
「なんだ、やっぱりジークはいろいろと知ってるんじゃないか。じゃあ、後のことは、全部ジークに任せるよ。」
「はっ?!カイン様、私はあくまでも一時的な対処法の例として…」
お二人のそのようなご関係を、私は堂々と認めたわけではありませんよ!!カイン様!
「だけどジークになら、僕が思いもつかないような、いい考えが浮かぶ気がする。だから…駄目かな?」
「う…カイン様それは…確かに私は典医として、出来るだけのことはするつもりでおりましたが…」
「ね。だったらいいだろう?あー、良かった。これで安心して眠れるよ。そろそろ寝ないと、明日は視察が
あるからね。姉上と二人で港に行くんだ。ほんとはもっと遠くの方がいいんだけど、それは次の長い休みまで
お預け。ふふっ。…じゃあね、おやすみジーク。良い夢を!」
「あっ、カイン様!お話はまだ…」
―――パタン。
入れかけのお茶と、なかば呆気にとられたままの私を残し、カイン様はなにやら、来た時とはまるで逆に、
上機嫌でご自分の部屋へ戻って行かれました。
これは……どうしたものでしょう…。
今夜だけで、カイン様の色事のお悩みから、果ては国家最大機密級の禁忌に発展しようとは…。
しかも……明日は視察でございますか。お二人で。楽しそうでよろしいことで。
私はこんど『あの方』にお会いしたら、一体どんな顔をすればよいのでしょう。
もちろん、何も知らない風を装わなければならないのでしょうが、果たして平静を保てるか…自信がございません。
後悔と迷いと、失恋の胸の痛みが、ゴチャゴチャと混乱して、何か考えようにも頭が回りません。
嗚呼ハインツ様…私たちが生み出したカイン様は、あなたのご遺志通り、立派に国王として即位されましたが、
それと同時に私に、大きな悩みの種をもたらして下さったようでございます…。
こんな大それたこと、とても私一人で抱えるには耐え難く、かといって誰に相談できるでもなく、ただただ
ため息のみが、むなしく通り過ぎて行きます。
私はこれから、どれだけの眠れぬ夜をすごさねばならないのでしょうか…。
ハインツ様…どうかお見守りください。
私はまだ当分…この国から離れられそうにございません……。
私がジペルディ家の方々の存在を思い出したのは、それからしばらく後のことでございました。
〜END〜
以上でございました。お読みいただいた方ありがとうございました。
稚拙な文・改行で読みづらいと思いますがすみません。
敬語とか謙譲語とか、たぶんいろいろ間違ってると思います。ごめんなさい。
このスレのあるうちに「カイン様〜第二章」をうpしたかったけど、
こっちが先になりました。サイト持ちじゃないのでこのスレはありがたかったです。
>>579 ジークの慌てっぷりがカワエエ(*´Д`)ハァハァ
しかも、さりげなく姫に失恋したとあるのが
姫←ジーク好きな私にとっては大変美味しかったですw
恋は盲目状態のカインに今後も振り回されるに違いない〜
すっごく面白かったよ!
>>579 GJGJ!!
テラワロス!ながらテラ萌え〜。もちろん典医に。
テンポよくてほんとに楽しかったですyo!
本当に典医はやられキャラっすね〜
そんな典医が最高にはぁはぁ…
>579
すんごい面白かったです!
ジークと言えばパパ属性でむっつりで姫スキー!
だと勝手に思っているのですが、見事に表現なされてますw
話のテンポとか言葉回しが絶妙でGJGJですた。
この作品の続きはないんでしょうか?
ところで次スレいかがいたしましょうか?姉上方。
できれば次スレ欲しいです…。
ROM専ですけど、ここに投下される作品は
どれも読み応えがあっていつも楽しみにしているので。
次スレ立てるのはマンセーなんだけど、30レス入れるだけの
ねたがあるかどうかで……即死はこまるっす。
>>580>>581>>582 ありがとうございます!こちらこそ姉上たちの優しい言葉に超萌です(*´∀`*)
夜中にムラムラっとして一気に仕上げたのですが、書いてる時すごく楽しかったので、
喜んでもらえて嬉しく思います。
ジークの人格壊しすぎかと心配だったのですが…萌えて頂けたのは嬉しい予想外でしたw
単発の話なので続きは考えてなかったですが『カイン様のヰタ〜』のカインと同じ子ですので、
そちらの方で続きがあるかも…です。(スレがまだあれば…)
それから一つお詫びが…過去ログ確かめないでうpっちゃったので
>>265の姉上とタイトル被っちゃいましたorz・・・すみません。
586 :
585:2005/11/14(月) 01:32:59 ID:Y+AVz8ak
すいません↑のバカは579でございました…
誰のレスだかわからんじゃんか…orz
アク禁やっと解除…
>585
姉上GJ!
カインとジークが無茶苦茶可愛い。楽しませて貰いましたよw
それにしても姉上、多作にして早筆ですね。
カインの続編も読みたいので新スレ立てたいけど、自分じゃ無理だ…orz
誰かお願いします。
>584
各人の読みたい内容でも、今までの感想でも、何でも、
とにかく1行レスしていけば30くらい埋まるんじゃなかろうか?
すみません。ただいま
579姉上のSSを保管庫に保管中なのですが…
タイトルは「悩める典医の夜は更けて」ですが、
カップリングはカイン×姉上ですよね。
ジークとカイン、どちらの所に入れるべきでしょうか。
話の主役はジークなので、
一応ジークのところに保管しました。
マズかったら訂正orツッコミお願いします。
てか容量的に書き込めなくなる寸前なので次スレ立ててくる。