1 :
ストーリー:
ここは東京都M市。
主人公・玉山謙次は都内の大学に通う青年。
高校の頃から貧弱な外見と中途半端な性格で彼女はおろか、女友達すら
いなかった。
4月になり、謙次は2年生になる。
「2年になって、そろそろ自由時間も増えてくるし、バイトでもしようかな…」
ある日、そう思い立った謙次はスーパーの早朝アルバイトを申し込んでみた。
アルバイトの面接当日…
なんと、謙次は緊張のためか、いきなり寝坊してしまう。
あわてて家を飛び出す謙次。
だがこの日、彼はハーレムへの第一歩を踏み出していたのだった…
2 :
キャラ設定1:2005/10/02(日) 19:32:10 ID:G2OD6YR+
玉山謙次(たまやま・けんじ)
年齢/性別:19歳/男
身長/体重:162cm/50kg
キャラ解説:
本作の主人公。童貞。チビで小心者、おまけに瓶底眼鏡でヲタク。
現在に至るまでまったく女の子とまともに付き合ったことがない。
行動力が高めなところだけが取り得。
芝川いずみ(しばかわ・いずみ)
年齢/性別:22歳/女
身長/体重:167cm/53kg
スリーサイズ:84/58/87
キャラ解説:
スーパーで2年前から働いているフリーター。比較的お洒落な方で、髪を金髪に
染めている。常にポジティブで周囲を引っ張っていく、お姉さん的存在である。
ちょっと学歴コンプレックスがある。
村上小百合(むらかみ・さゆり)
年齢/性別:19歳/女
身長/体重:176cm/56kg
スリーサイズ:86/59/83
キャラ解説:
謙次と同い年だが、別の大学の女の子。非常に気が強く男勝りで、
いじめっ子気質がある。体格が良く、中学から運動部に所属していたためか、
力も強い。謙次に対してやたらとぶつかってくる。
長島鶴羽(ながしま・つるは)
年齢/性別:19歳/女
身長/体重:165cm/57kg
スリーサイズ:95/61/89
キャラ解説:
小百合と同じ大学の女の子。小百合とは高校生からの付き合いで親友である。
全体的にむっちりした体格の為か、体にコンプレックスを持っていて
男性恐怖症である。実は金持ちのお嬢様。
3 :
キャラ設定2:2005/10/02(日) 19:32:43 ID:G2OD6YR+
成田美沙(なりた・みさ)
年齢/性別:20歳/女
身長/体重:154cm/42kg
スリーサイズ:78/56/80
キャラ解説:
小百合と同じ大学の女の子。小百合たちとは大学で知り合った。
スーパーの品出しのバイトは一年の頃、別の店でやったことがあり、
小百合たちにバイトを勧めたのも彼女である。常に冷静で、口数は少ないが
テキパキと仕事をこなす。かなりの童顔で、中学生に間違えられることもある。
八重原翠(やえはら・みどり)
年齢/性別:16歳/女
身長/体重:186cm/66kg
スリーサイズ:???/60/85
キャラ解説:
謎の多い少女。高校は一年生の途中で退学したらしい。
いずみとは仲がよく、もうかれこれ半年以上一緒に働いている。
内向的な性格で、服装もあまり派手なのを好まず、スカートを穿かない。
身長と胸が大きい(B100cm以上との噂)のを気にしているようである。
井上さん(いのうえさん)
年齢/性別:29歳/男
身長/体重:182cm/69kg
キャラ解説:
スーパーで5年以上も前から朝から晩まで働いている、まさにベテラン。
ヒョロっとしたお兄さんで、仕事を丁寧に教えてくれるいい先輩だが、
話題がないのが欠点。口癖は「今日も荷物が多いですね」
4 :
キャラ設定3:2005/10/02(日) 19:33:26 ID:G2OD6YR+
中山(なかやま)
年齢/性別:52歳/男
身長/体重:161cm/62kg
キャラ解説:
途中から登場するパートのおやじ。仕事で失敗してリストラされ、
妻子にも逃げられる。各地を転々としてこのスーパーに辿り着いた。
バーコードヘアーで容姿も醜く、性格もまた歪んでいる。
河野さん(こうのさん)
年齢/性別:27歳/男
身長/体重:173cm/64kg
キャラ解説:
スーパーの正社員で、謙次たちが担当するフロアのマネージャーである。
若いが妻子持ちで、仕事の能力も人間性も高い。
ナルシストなのが珠に傷で、いつもラジカセで大好きな「神田川」を流している。
課長(かちょう)
年齢/性別:45歳/男
身長/体重:169cm/67kg
キャラ解説:
食品課全体を取り仕切るエラい人。飄々とした河野さんに比べて生真面目な
性格で、仕事の進み具合が悪いときっちり注意する。
5 :
サンプル1:2005/10/02(日) 19:34:10 ID:G2OD6YR+
エレベータの扉が閉まると同時に、俺は何とも形容しがたい感覚に襲われた。
柔らかい。尻?そう、これは女の子の尻だ。
少しばかり高い位置にあるそれは密室の中で俺の股間を、確実に圧迫していた。
(まずいっ! まだ相手は気付いていないようだ…どうにか抑えなくてはっ!)
しかし、警戒したところでどうにかなる本能ではない。
股間の中はたちまち膨張し、ついに剛直となって女の子の右臀部にぶつかった…!
「……っ」
どうやら気付かれたらしい!
「…? どうしたの?鶴羽」
それがお尻の子の名前なのだろうか…俺の横に立っている背の高い子が
微かに声を上げた友人に声をかけた、その時である。
ズルルッ ギシッ
尚も膨張を続ける股間が、そのままズレてお尻の中心に突き刺さったのだ!
「…んんっ………くっ!……」
「鶴羽? ……! あっ、こいつぅ!」
同時に背の高い子が気付いたらしい。俺は何もできなくなり、とりあえず
無視を決め込んだ。
早く…目的の階に着いてくれッ!
エレベータの位置を確認しようと前に向き直った瞬間……
それはほぼ同時だった。ばったりと、前の子と目が合ってしまったのである。
ツインテールのその子は、あのお尻の肉感とは思えないほど清楚で……可憐だった。
ジリリリリリ………
数日振りの目覚ましの音が俺しかいない部屋に鳴り響いたのは、
面接開始の30分前だった。
何てことだ!面接から遅刻って、「俺はやる気ねえよ」って言ってるようなもの!
飲用水の「ぶどう水」も飲まずに、俺は昨日と同じ服装で家を飛び出した。
6 :
サンプル2:2005/10/02(日) 19:34:49 ID:G2OD6YR+
スーパーの最寄り駅に着いたのは、約束の時刻の5分前。
スーパーに着いた時は、開店を知らせる音楽が鳴るのとほぼ同時だった。
目標は最上階。しかし、エレベータの前は人だかりで一杯だった。
(何で、面接の開始が開店時刻と同じなんだよおお!!)
そう叫びたい気持ちになったところで、エレベータが開いたが…
俺が乗る前にブザーが鳴り、ギリギリで第一陣には乗れなかった。
横に若い女性が並んだ。片方は背が高い。俺より頭半分くらい大きいんじゃないか?
彼女達ももしや… そんな事を考えていると本日二本目のエレベータが開いた。
大勢の第二陣とともになだれこむ……そして…
……
「ぐうっ!!」
俺の鳩尾に強烈な一撃が叩き込まれた。お尻の…もといツインールの子である。
一瞬でも、ギャルゲーの主人公のような気分になっていた自分を恨んだ。
そうだ。俺の顔は…
思案を巡らせているうちに、股間が突如圧迫された。というのは、
前の子が体を捻ったからである。体勢を立て直すつもりなのだろう。
ところがそう上手くいかないのが世の中であるようだ。
ーーー〜四階、婦人服売り場です〜ーーー
その声と共に訪れた衝撃! 前のツインテールはあろうことか元の体勢から
180度体を捻ってしまい、俺は胸に柔らかな二つの感触を覚えた。
かなりの巨乳である。エレベータの中で尻と乳房の両方を味わうなんて、
余程の変態さんぐらいしかこの世におるまい。
……そんな事を考える間もないうちに、再び股間が膨張を始めた!
セミロングのスカート越しとはいえ、当然の如くそれは相手の秘部近くをつつく!
(しまったっ!)
「……くうっ……あっ…!……く…小百合、わたし降りるね…」
俺を突き放すようにして、彼女は他の客たちと共にエレベータを降りた。
「待ってよ!」
小百合と呼ばれた長身の女が後を追うように出ようとする。
(ふぅ、助かった)
そう思った瞬間、俺の肩に強く、食い込むものがあった。長身女の腕である。
「あんた、逃げられると思ってないよね?」
凄い形相で俺を睨む。大人しく彼女に引っ張られることにした。
ここで下手に抵抗でもしたら…ましてや奥様方が多い昼時だ。
痴漢にも仕立てられて、警察沙汰になる危険もある。
ズルズル…
しかし、本当に引っ張られるとは、困ったものだ。
7 :
サンプル3:2005/10/02(日) 19:35:35 ID:G2OD6YR+
大きいのが小百合、尻の方が鶴羽という名前らしい。
それがこれまでの会話で分かったことだった。
途中からは鶴羽の方も俺を引っ張るのに協力したこともあって、
俺をフロアの角のコピーコーナーまで見事なほどスムーズに運んだ。
目的地に着くと、突如小百合が俺を壁側に放った
「ぐあぁっ!」
かなりの衝撃が後頭部に走り、俺はへたりこんだ。
相手はここの地理に初めから詳しいようで、人気のないこの場所を選んだようだ。
「おい、お前」
しかし、このデカ女はサドっ気が強そうだな。趣味悪いぜ…
「お前だよ、このチビ眼鏡!」
おっと、どうやら女王様の詰問が始まったらしい。
「何だよ」
「鶴羽に…この子に何をしたんだよ、あたしに言ってみろ?
正直に言うまで逃げられると思うんじゃないぞ」
「別に…何もしちゃいねえって」
「嘘つき!わたしに……その…嫌らしいことしたくせに!」
後ろで見ていた鶴羽が口を開いた。こういう時女ってのは性質が悪い。
「あれは…お前が丁度俺の前に立って…その…込んできたからああなったんだ
……まあ、要は運が悪かったって事だよ」
「ああ?じゃあお前、夜中に道で痴漢に襲われても、通勤電車で触られても、
みんな運が悪いって言えるってのかよ!」
声を一段と張り上げる小百合の、茶髪のボブヘアが揺れる。
(ちくしょう…これじゃあ墓穴じゃねえか…ん?)
俺は今、床に座っている。目の前には小百合。彼女が穿いているのはミニスカート。
…つまり、パンツも丸見えだ。ピンクか…見た目によらず可愛いの穿いてるんだな。
よく見ると、長身の小百合は綺麗な足をしている。太股からつま先にかけての
健康的な色、そして張りが、俺の今の鬱屈を晴らしていた。
「どうしたんだ?答えろ……って……い…み、見るなっ!この変態!!」
「うわああぁぁぁ!」
慌てて目を逸らした時はもう遅かった。小百合の鋭い蹴りが、一撃、また一撃と
確実に入っていく!その度にスカートをめくれ上がらせながら…
「鶴羽、あんたもやったら?」
朦朧とした意識の中、俺の目の前に鶴羽が近づいてくるのが見えた。
そして両手分ぐらいはありそうなバストを揺らしながら頬に数発平手打ちをかます…
最後に股間に重い衝撃を受けたところで、俺の意識は途絶えたのである…
面接は、結局30分遅れということで、こっ酷く怒られながら終了した。
という訳で、>>2-
>>4のキャラを使ってエロパロを作るというのが
このスレのルールです。
皆で妄想を膨らませてどんどん書いていきましょう。
という話だったのさ(AA略
一生一人で書いてろオナニー野郎
キャラが作者のオナニー全開で、魅力を感じない。
ここまで細かくキャラ設定でがんじがらめにするんなら、
作者が書けばいいんじゃないの?
>>1 久々にワロタので、新キャラをプレゼントしちゃる。
がんばって書きなさい。
村上慶子(むらかみ・けいこ)
年齢/性別:46歳/女
身長/体重:162cm/51kg
スリーサイズ:85/63/88
キャラ解説:
村上小百合の母親。早くに夫を亡くし、女手一つで小百合を育ててきた。
しかし小百合が成長した今では、何となく暇を持て余している模様。
趣味はガーデニング。
村上吉江(むらかみ・よしえ)
年齢/性別:74歳/女
身長/体重:154cm/50kg
スリーサイズ:81/69/83
キャラ解説:
村上慶子の母親。夫を亡くして働きに出ている慶子の代わりに、小百合の世話をしてきた昔気質のおばあちゃん。
もうかなりの高齢だが、本人はまだまだ女を捨てていない模様。
村上源次郎(むらかみ・げんじろう)
年齢/性別:76歳/男
身長/体重:171cm/68kg
キャラ解説:
吉江の夫で、慶子の父親。小百合にとっては祖父に当たる。
ここは
>>1に小説を献上するスレだってことか?
アホ過ぎるなw
月代理念(つきしろ・りねん)
年齢/性別:32歳/女
身長/体重:153cm/39kg
スリーサイズ:72/60/75
キャラ解説:
閉店まぎわに値下がりした品を狙って買いにくる。
多少子供っぽく胸もあまり大きくない体型に激しいコンプレックスを持っており、
引っ込み思案だが、奥手どころかイケメンが「襲ってくれる」状況に激しく憧れている。
語尾「〜である」をはじめとする古風な言葉づかいをすることから、育ちはいいらしい。
本宮幸利(もとみや・ゆきとし)
年齢/性別:18歳/男
身長/体重:159cm/40kg
キャラ解説:
スーパーで共にバイトすることになる高校生。
陰湿でろくに人と話せもしないが、モテモテのコミケ人気作家に憧れるオタクで、
周りの女性が全員自分に惚れているというハーレム漫画的妄想を半分信じる電波が入っており、
謙次を一方的にライバル視し、さまざまな妨害を企てる。
強盗(ごうとう)
キャラ解説:
強盗だ! ・・・おう!
16 :
咲く裸大戦編:2005/10/04(火) 02:46:26 ID:YhWngCa4
花坂大和(はなさか・やまと)
年齢/性別:20歳/男
身長/体重:174cm/62kg
キャラ解説:
主人公。和の心を愛する呉服屋の息子。自身も常に着物を着ている。
彼のタイプのは和服の似合う女の子だけのはずだった、のだが…。
山桜深咲(やまざくら・みさき)
年齢/性別:17歳/女
身長/体重:154cm/43kg
スリーサイズ:74/53/77
キャラ解説:
芯の強い大和撫子的少女。日本人体型で、控えめな性格の一人っ子。
大和の妹のような存在。大和に淡い恋心を抱いている。和服を着ることが多い。
染井吉乃(そめい・よしの)
年齢/性別:19歳/女
身長/体重:168cm/56kg
スリーサイズ:89/65/93
キャラ解説:
大和と深咲の間に割って入った帰国子女。深咲と正反対の控えめでない体。
父親の経営する会社で和服を取り扱う事になり、大和の所で住み込みで働きだす。
深咲のことを妹のように可愛がるが、それがまた深咲には気に食わない。
実家に弟あり。
キャラ19人!!!!!
人数多すぎwwwwwwwwwww
もしかして……。
壮大な何かの始まりに立ち会ってるのか、俺は。
沈みそうだけど
このスレの使用法:
自分で作った脳内キャラ設定を書き、自分でSSを書いたりする。
作者以外でも気に入った設定があればそれをつかって書けばいい。
そうここは「公開オナニースレ」!!
「バモラー!バモラー!」
謎の呪文を唱えながらガニマタで迫ってくる村上慶子の大群、
今更ながら股間が濡れているのに気づく、
どうやらいつの間にか失禁してしまったらしいが、どのみち現状では大した問題でもない。
まったくもって馬鹿馬鹿しい、そもそも自分が村上慶子軍と戦う理由など何処にも無いのだ。
それでも現実に相対し、どうやら殺しあわねばならないらしい。
昨日までは「課長」という呼称だけで全てが表現されていたような自分がだ、
あまりの状況におかしくて笑いだしそうになる、しかし今笑えば部下は意味を誤解するだろう。
それだけは避けねばならない、と心の何処かに残っているらしい正気とやらが警告する
「食品課全員に告ぐ!前方の村上麗子軍団に号令後突撃!別命あるまで白兵戦闘を続行!」
誰かが勇ましく叫んでいるのを他人事のように聞く、
課長はそれが自分が出した声だとは全く気づいていない。
「突撃ぃぃい!!」
手を振り下ろすと同時に駆け出す。
まず一番近い村上麗子に体当たりの勢いで腹に刀を突き刺す、
ズニャリとした嫌な感触が手に残るが気にしている余裕は無い。
そのまま蹴り飛ばしながら腹から刀を引き抜き、
抜いた勢いのまま更に右横の村上麗子の腹を狙い刀を振りぬく。
思いのほか角度がついていたらしい、腹ではなく喉を切り裂く結果になる。
噴き出した血が体を濡らし、地面を染める。その熱さに高揚すら覚えながら次の獲物を探す。
と、自分と同じく血塗れで、手には六尺棒を持った男が目に入る。
「河野、状況は?」
「玉山、芝川、八重は戦死いたしました!現有兵力十三名!敵兵力およそ六十!」
「そうか、退却はできると思うか?」
河野は苦笑し、答える。
「それはなかなか難問ですな、現状はどう贔屓目に見ても孤立無援しかも」
「包囲されかけている、戦力比は・・・考えるだけ空しいか、確かにこのままでは包囲殲滅されるだろうな」
「はい、一部が混戦のため敵の火砲は使われていませんが、それも時間の問題かと」
「ここまでだな、総員集合!」
血塗れの食品課員が集まってくる。河野が報告したより更に二名減った十一名しか居ない。
「成田と八重は?戦死か?」
「はい、いいえもっとも突出していたので完全に包囲されたのかと」
「そうか、助ける事は出来ない」
「総員で再び突撃すれば救出は可能かと判断します」
「それで今度は少なくとも五人は死ぬ。河野、お前は算数もできないのか?」
場違いな嗜虐心を覚えた自分を恥ながら言葉を続ける。
「完全に包囲される前に左翼を突破後、離脱。落伍した者は構うな、これは命令だ」
「「はっ!」」
十一人の声が唱和する
「では血路を開くぞ、突撃ぃぃ!!」
贓物の匂いも血の染みもない清潔で無慈悲な書類には
食品課、生還八名、死亡十名とだけ記されていた。
>>1様の期待に沿えるよう非才無能の身にながら努力いたしました
まあ削除依頼出てるけどな
27 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 23:09:17 ID:eI34u7DG
つーか、
>>1は何処に消えたんだ?
せっかくSS書いてもらったのに
「課長、僕は貴方が好きでした。貴方のようになりたいとずっと思っていました」
「私もお前のことは嫌いじゃ無かったよ」
優しげに響く課長の声を振り払うように、謙次は首を振る。
「でも、でも!僕は貴方が許せません。貴方は食品課の皆を裏切った!」
「それはお前の意見だ、私は自分で選んだ道を進んだに過ぎない」
咥えた煙草にマッチで火をつけながら課長は優しく答える。
「そうかもしれません!でも貴方の行動で全てが狂ったんです!」
「自惚れるな、人間に他人の人生を変えるほどの力は無い」
「一つの例外を除いて、でしょ?」
謙次は突き出した左拳を軽く握り、右足を引き重心を落とす。
「ほう」
煙を吐きながら、課長は楽しげに答える。
「お前に私が殺せるのか?」
「ええ、今から貴方を殺します」
あからさまな構えを見せた此方に対して課長は煙草を咥えたままの自然体で対峙する。
元より技量差は天と地どころではない、
それこそ目をつぶっていても課長はあっさりと此方を殴殺できるだろう。
ならば、持てる全てを叩きつけるのみ。
足が地面を蹴る音と反動を何処か遠くで感じながら、一瞬で課長の目の前に詰め寄る。
詰め寄った勢いのまま突き出された右拳が課長の顔面を捉える瞬間、課長は消えている。
消えたなら後ろに決まっている、その場で回転し肘を背後に叩きつける。
熱した鉄棒を差し込まれたような、凄まじい痛みが腹に突き刺さる。
吐き気をこらえるどころではない、反吐をぶちまけながら転がり距離をとり、立ち上がる。
反吐はまだ止まらない、呼吸も戻らない、そんな此方の状況を無視して、
課長は一足飛びで目の前に出現する、そのまま二本抜き手が右目に飛んでくる。
顔を逸らす暇も、手で受ける時間もない、なすすべなく右目をえぐられる。
「ひぎぃぃ!!」
自分でも情けなくなるぐらいの悲鳴を上がる。
更に致命的な一撃を加えようと踏み込む課長に、
左手で腰からスローイングナイフを抜きざまに切りつける。
完全に死角からの攻撃だったはずだが、一歩下がり避けられる。
その瞬間を見逃さず、踏み込むと同時に右拳をそのまま顔面に叩き込む。
が、当然のように左腕で払われる。
課長が崩れ落ちる。
課長の左腕には謙次が右拳に握りこんでいた寸鉄が刺さっていた。
「徒手空拳の相手に、武器を使い、挙句に毒か」
「はい、僕の勝ちです」
謙次の反吐は何時の間にか止まっていた。代わりに無くなった右目が酷く痛みだす。
「・・・そうだな、お前の勝ちだ」
課長は殆ど灰になっていた煙草を吐き捨てる。
謙次は新しい煙草を課長に咥えさせてやり、火をつける。
「すまんな」
「課長、後悔はしてないんですか?」
「していないな」
「クソ親父」
自然に言ってから謙次は衝撃を受ける、
何時からこの課長が自分の中では「父親」であったのだろうか。
「馬鹿息子」
謙次の衝撃を知ってか知らずか、課長もやはり自然に答える。
そして、昔のような愛想笑いを浮かべて言った。
「じゃあ、ま、食品課の皆に宜しく、な」
「はい、課長」
血と涙が混ざった液体を拭いながら、謙次は食品課の皆の下へ歩き出した。
近年稀に見る素晴らしい
>>1様のスレを落とすまいと
再び努力いたしました
ネタ投下:
バイトをはじめて半年後のこと…
謙次はバイトのためにベッドから起き上がったときに妙な違和感を感じた。
(胸が重い・・・)
ふと自分の胸を見やると、2つの大きな頂きが・・・・・・・・・・・
という、女性化ネタで考えてるところで仕事が入ってギブアップ
37 :
36:2005/10/06(木) 20:26:49 ID:WLl9A8kR
「玉山さん、それでご依頼というのは」
我が友人、花坂大和は依頼人、玉山謙次に座布団を勧めながらそう言った。
さっきまでアヘンをくゆらせていたとは思えない、知性の輝きがその目に宿っていた。
客間に通された玉山氏は、部屋の乱雑さに圧倒されながらも、おずおずと座った。
部屋には大和の趣味である化学実験の道具、バイオリン、そして彼がこれまで扱った事件のファイルがうずたかく積まれている。
「……はい、実は」
「あなたは、アフガニスタンにおられましたか」
突然そう切り出され、玉山氏は心のそこから驚いたようだった。
私といえば、我が友人が時々わずらう、自らの知性をひけらかさずにはいられない「病気」に苦笑する。
「た、確かに私は去年までアフガニスタンにおりました……それは」
「あなたが女王陛下の軽騎兵隊におられて、名誉の負傷のためこちらに戻られた事はよく分かっています」
だが、大和は当然のように笑いながら、そう続けたものだから、完全に玉山氏は言葉を失ったようだった。
「……どうして、分かったのです」
「簡単な事ですよ」
そういうと、大和は煙草盆を引き寄せ、キセルを一服つけた。
質の良い上物の煙草の香りが、部屋いっぱいに広がる。
「あなたの指には日焼けの跡があります。ちょうど指輪をしていたであろう位置にね。
それに、あなたの被っておられた帽子、あれはアフガンのタジク人たちが愛用するものです」
「では、負傷というのは」
「あなたは座布団を勧められたとき、困惑した顔をなさった。そして、片方の足をかばうようにして座られた。
だからです」
「で、では何故私が騎兵隊の出身とわかったのです」
大和は我慢できない、というように大声で笑った。
「ズボンの内股に接ぎを当てておられるからです。普段から馬に乗る人でなければ、そんなズボンで人を訪ねないものですよ」
玉山氏はもう降参した、というように両手を上げた。
38 :
36:2005/10/06(木) 20:27:05 ID:WLl9A8kR
「やはり、あなたを訪ねて良かった。大和さん、あなたが当代随一の名探偵という噂は…」
「本題に、入りましょう」
玉山氏の言葉を片手で遮ると、大和はそううながした。
そう言われると、玉山氏はぽつりぽつりと話し始めた。
三週間前の事です。
私はアフガニスタンから帰国して仕事を探しておりました。
ええ……軍人恩給だけでは生きていけないものですからね。
しかし、足が不自由ではなかなか仕事が見つかりません。
私には頼るべき兄弟も、親戚もいないもので、ほとほと困り果てていたのですよ。
ところが、です。
ある日私の郵便受けに一通のチラシが入っていたのです。
それは、ある総合雑貨店が働き手を募集しているというものでした。
それが、驚くほど私にぴったりだったのですよ。
年が若く、童貞で、背が低く、眼鏡をしていて、いわゆる「ヲタク」である……
まさに私のためにあるような条件でした。
私は喜んでこの総合雑貨店を訪ねました。給料も、私の望む額でしたから。
私はすぐに採用され、雑貨店の食品課で働く事になりました。
それは、ほんとうに全くすばらしい職場でしたよ!
給料も破格なら、同僚たちが、またすばらしかったのです。
女性ですよ。
それも皆若く、魅力的な女性たちばかりが働いているのです。
それも、皆私に好意を持っているように見えました。
いえ、私だって自分が人並み以下の外見の持ち主である事は知っていますよ。
でも、本当にそうだったのです。
私はいつも女性たちにちやほやされていました。
仕事が終わっても、やれお茶だ、芝居だと、私と一緒に遊びに行きたがるのです。
まるで天国でしたよ……!
39 :
36:2005/10/06(木) 20:27:22 ID:WLl9A8kR
ところが、です。
昨日私が勇んで職場に行くと、店にはシャッターが下りていて、こんな張り紙がしてあったのです。
『赤毛スーパーは解散しました』
「……とまあ、こんな次第でして。私は何も損をしていないのですが、何か薄気味悪いものですから。
ぜひ花坂大和氏に調べていただこうと……」
「ふうむ」
大和はキセルを置き、玉山氏の目をじっと見つめた。
「興味深い、大変興味深い事件ですな!」
「それでは……!」
「ええ、ぜひ調べさせてください」
「ありがとう、ありがとう。もし何か分かったら、ここに連絡してください」
玉山氏は立ち上がり、名刺を渡すと、私と大和に力強く握手をして帰っていった。
「さてと、深咲くん」
大和はそういうと、またいつもの窓際に座りなおした。
「これは大変不可思議な事件だよ!」
「そうかな」
私にはそうは思えなかった。スーパーの倒産などよくある事だったからである。
「……君は、いつになったら科学的思考を身につけるんだろうね」
大和はそれ以上私に説明せず、黙って煙草をくゆらせた。
あの、怪奇な事件はこのようにしてはじまったのだ………
40 :
36:2005/10/06(木) 20:28:25 ID:WLl9A8kR
30分で書いてみた。勝手に
>>16のキャラを使った。
今は反省してない。
41 :
16:2005/10/06(木) 21:28:44 ID:os/LogiQ
呉服屋の息子は面の顔、その実は名探偵ときたか。
深咲の喋りなのに「だったからである」ってのは変だが
感動した。
>>34 2作品目もGJだ!
しかし、なんか格好良いな、あんたの文体。
>>36 赤毛スーパーテラワロス。
何気に名スレの予感
ちょっとまてぇ!?
>>21-23って…皇国ですかもしかして!?
何となくだがそう感じたw
暖かいご意見ありがとうございます
>>44 おお、皇国は俺の大好きなラノベです
内容は似せたわけではないですが、似てるかもしれませんね。
玉山はいつものように食品課のドアを開けると・・・そこはパラダイスだった!
「「抱いてぇ〜〜〜〜!!」」
食品課の女性たちが玉山に殺到してくる。
真っ先に玉山に飛びついたのは芝川いずみだった。
そのまま玉山の腰にしがみ付きながら叫ぶ。
「ああ!玉山くん、お願い私を抱いて!早くぅ!」
「っちょ、芝川さん!?」
思わず押しどけようとするが、手が動かない。
それもそのはず、右手には村上小百合が、左手には長島鶴羽がすがり付いていた。
「玉山!あたし実はずっと前からお前の事を愛していたんだ!」
「玉山さん!私なんて生まれる前から貴方の事が好きでした!」
「なんだと!?じゃああたしは生まれる前の前だ!」
「私はやっぱり生まれる前の前からでした!」
二人は玉山の手を固めたままギャアギャアと意味不明の口論を始める。
「ちょっと!これは何かの新しいイジメですか!?」
「玉山くん、大丈夫?」
「ああ!?成田さん!皆が変なんです!って何で服脱いでるんですか!?」
「ふふ、分かってるでしょ?」
普段の冷静な顔とは似ても似つかない妖艶な微笑を浮かべながら、
成田美沙は服を一枚、また一枚と脱いでいく。
「まともな人は!?まともな人は!?・・・八重原さんは!?」
最後の頼みの綱の女性を探すが、見つからない。
「八重原なら、さっき『玉山さんが空から降ってくる』とか呟きながら屋上に行ったぞ」
「いやですわね、キ○ガイは」
口論を一時中断して村上小百合が答えれば、中島鶴羽も合の手を入れる。
もう駄目かと玉山が覚悟を決めかけたとき、
入り口のドアを蹴り開けて課長が乱入してきた。
「玉山!大丈夫か!」
「課長!!助けてください!」
「何も言うな、全部分かっている。オラ!どけこのメス豚ども!!」
課長は何の遠慮も手加減も無く、女性陣を殴り、蹴り飛ばす。
ギャ!とかグフォ!とか後味の悪い悲鳴を上げながら女性陣が次々と倒れていく。
「課長!今ほど貴方をカッコイイと思ったことはありません!」
課長はそうだろうと言うように鷹揚に首を振る。
「さあ玉山!俺と裸で男同士の話をしようじゃないか!」
「・・・はぁ?」
「ハッハッハ!照れるな!男の唐辛子、磨いてナンボよ!!」
「ギャァアアアァァァアァ!!」
玉山の悲鳴がご町内に響き渡った。
頭上から響く、まるで地震の様な足音。今なら公園に住む蟻の気持ちが理解できそうだ。
「なあ玉山。このシェルターもいつまで持つんだろうか……」
玉山の隣に立つ井上さんが尋ねる。歴戦の勇士と呼ばれている彼すらも恐怖を覚えているのか。
地上を我が物顔に歩いている「それ」は、発見者の名を取り、芝川いずみと呼ばれた。
数年前、食品課に降り立った芝川は逃げ惑う人間を喰らい、今も確実に数を増やし続けているらしい。
「どうでしょうね……随分痛んでいるし、次の襲撃にも耐えれるかどうか…」
新入りの玉山はまるでそれが他人事のように返事をする。
「おい、今から課長閣下の演説が始まるぞ。急いで講堂に集まれとさ」
二人を呼びに来た男は中山。彼もまた歴戦の勇士として名が知れ渡っている男だ。
講堂へ入ると、演壇には課長が立ち、その隣では護衛の河野さんが目をぎらぎらさせている。
「……つまりだ!諸君等は芝川などに負ける筈は無いのだ!誇り高き食品課として…」
食品課指揮官である課長はいつもと同じ調子で演説を続けている。
だが、異変が起きたのは演説も終わりかけた頃の事だった。
「………だからして、本日こそ芝川の本体への攻撃を成功させ…」
「ぎゃっ!?」
課長の勇ましい演説を中断させたのは、何の前触れも無く、突然響いた短い悲鳴だった。
皆が悲鳴の聞こえた方向に視線を向けると、滑稽な形に歪んだ村上慶子が彼らの瞳に映る。
最も早く「それ」の存在に気付いたのは後列に座っていた本宮幸利だった。
「し、芝川だぁぁ!!芝川が侵入し……」
彼の言葉はそこで途切れる。次の瞬間には村上と同じように醜い肉塊に姿を変えられていた。
ほんの数秒前まで本宮だった肉塊に張り付いている芝川へ向けて、誰かが一発だけ銃を撃った。
それを皮切りに他の数百人も引き金を引き、瞬時に講堂は悲鳴と銃声に満ちた戦場へと姿を変える。
「うわっ!!!こ、こっちに来るなッ!くるなぁぁ!!」
「玉山っ!落ち着け!落ち着いてこっちに来るんだ!」
他の者とともに混乱状態に陥りつつ銃を乱射していた玉山に井上さんが叫ぶ。
玉山はその誘導に従い、人並みをかき分け、演壇下まで移動した。
そこに居たのは課長、河野さん、中山、強盗、井上さん、成田美沙。全員が武装している。
「いいか玉山。あの芝川は第二形態に進化しているようだ。つまり………」
「我が食品課に勝ち目は無い」
井上さんが言葉を濁した部分を、課長自身が補う。
「…だが、だからといってここから逃げるわけにもいかんでしょう」
「そ、そうよ!あんなものに振る白旗なんて無いわ!」
「強盗だ!・・・おうっ!」
課長の言葉に続くのは機関銃を抱えた河野さん。それに同意する成田と強盗の言葉だ。
既に死ぬ覚悟を決めたかのような言葉に驚いたのか、中山が目を見開きながら叫ぶ。
「じ、冗談じゃねぇ!!俺は死にたくない!死にたくないんだぁぁ!!」
「あっ!な、中山さんっ!?ちょっと待って…」
最も近くに居た玉山は慌てて中山を止めようとしたが、課長が肩を掴み、それを静止した。
そして数秒後、演壇下には中山の悲鳴だけが帰ってくる。
「……我々も行かねばな。我々がのうのうと生きていれば、死んでも死にきれまい」
課長の言葉を聞き、その場に居る全員が小さく頷き、各々の銃を手にする。
普段は他人を笑わせてばかりいる強盗すらも、真剣な表情で自動小銃を構えていた。
「では諸君!食品課の誇りを賭けて、最後の抵抗を見せてやろうじゃないか!突撃だ!!」
数年後、食品課は依然として芝川のものでありそれに反対する人間は一人もいなかった。
かつて反対派として命を散らした者達の名を知る人間も、一人もいなかった。
暇つぶしがてら、40分で書いた。
GJ
何故か良スレのヨカン!
強盗のキャラの良さに笑った
ところでエロマダー?
書き込み無いよ!何やってんの!
59 :
36:2005/10/10(月) 14:21:57 ID:TDidhe1c
すまん。
「赤毛連盟」のあらすじが思い出せずかけない。
もう無理やりエロに持ってくかぁ? 16さんスマソ
>>59 赤毛連盟 あらすぢ
銀行強盗の為に地下トンネルを掘りたい強盗たち。
「おう!この質屋のあたりから 堀 泰三!」
「でも幾らなんでも地下で穴掘ったら家主にばれちゃうのでわ?」
「ガイシュツ(←なぜか変換できない)させればいいジャン」
「どうやって?」
「・・・ソウイエバ髪、赤いよね質屋のオヤヂ」
キュピーン
かくして強盗はトンネル掘りの邪魔をされないよう、善良な質屋のオヤぢを店から追い出す為に
「赤毛人を産め、増やせ、リッチに汁!」をモットーにする架空団体『赤毛連盟』を設立、昼間の数時間の間、
オヤジをヨソに用意した事務所で『ブリタニカ百科事典をひたすらコピらせる』というアルバイトで釘付けにすることに成功、
とうとう銀行の地下金庫までのトンネルを掘りぬくことに成功したのだった。
だが、バレてつかまった。スゴイぞコカイン中毒者!というおはなし。
阿片もやってて阿片窟にも出入りするような奴だけどな
まあ、あの時代は紳士の嗜みだよな
シャーロキアンはオタクの鑑であると思う今日この頃
62 :
36:2005/10/10(月) 21:35:39 ID:uiAywKkB
>>60 サンクス。
でもスマソ。「赤毛連盟」でググったらネット上で全文読めた(青空文庫に収録されてんだね。あれ)
というわけで頑張って続き書きます。
もう一度だけ16さんにスマソと言っておく。キャラ目茶苦茶にして申し訳なし。
てかマイクロフト兄さんなんかモロにデブヲタヒッキーぢゃんw
彼らは控えめにいっても善戦したといってよかった。
だが、早暁より開始された芝川や村上たちの集団を相手にしての戦いは、すでにその帰趨が決しようとしていた。
「ここまでですな」
河野が慣れた手つきで突撃銃MP44の弾倉を交換しながらいった。そのまま、流れるような動作で塹壕を越えて接近しようとする長島を掃射する。長島は脳漿と臓腑を撒き散らしながら、塹壕の向こうに消え去った。
それが最後の攻勢だったらしく、芝川たちは死体を残して自軍の陣地へ引き上げはじめた。態勢を整え、再び攻撃するつもりらしい。
「うむ。みんな、良くやってくれた」
課長は数人になってしまった部下たちを見まわした。無数に思える敵の攻勢をここまで跳ね除けた食品課の精鋭たち。だが、次の攻勢を支える力はもうなかった。
と、課長の顔にかろうじて貼り付いていた笑みが凍った。
陣地から少し離れた狙撃兵用の蛸壺で、下品な冗談と妻子に逃げられた愚痴で部隊を和ませていた中山が、村上一家の死体に囲まれて息絶えていた。最後には弾薬が尽きたのか、刀身の折れた軍刀を、自らの喉笛を噛み破った村上吉江の背中に突き立てていた。
「玉山君」
課長は震える手で配給の安煙草に火をつけ、不味そうに煙を吐き出した後、強い声でバイトの玉山を呼びつけた。慌てて彼の元に駆けつけてきた小柄な少年に紙片を渡す。
「これは我が課の戦闘報告書だ。なんとしても本社にたどり着き、確実に食品部長へ届けてくれたまえ。その後は部長の指示に従うように……行け!!」
「了解しました!」
泣きそうな顔になった玉山を、叱りつけるような口調で伝令に送り出す。
「もう少しましな煙草を特配して貰えるように、事務方に言っておけよ」
後方へ向かおうした玉山に、いつもは無口な井上が珍しく冗談をいうと、生き残った課員たちは一斉にゲラゲラと笑った。その声を背に玉山は走り出した。
玉山が本社への道をたどり始めてから数分後、陣地のある方角から銃声と怒号、そして絶叫が響き渡りはじめた。
最年少の彼を逃がすため、課長が自分に報告書を託したのだと判っていた玉山は、目から悔し涙を溢れさせた。
「たどり着いてやる! 絶対にたどり着いて報告してやる!!」
玉山は背後の地獄を振り返ることなく、男泣きに泣きながら走りつづけた。
>>1さんの素晴らしい設定に感動して、手が勝手に動いてしまいました。
GJ!
なんか戦争もの多いな
67 :
36:2005/10/11(火) 00:49:04 ID:IGZ4xGrQ
>>37からの続き
玉山氏が帰っちゃったら、大和は突然無口になった。
え、お前は誰かですって?
私は山桜深咲。前回までとは口調が違うけれど気にしないで。
あと、私たちがいるのは日本なのかベーカー街なのか、それとも米花町なのかなんて詮索しないで。
色々とこっちにも都合があるの。
それはともかく、出かけるのかと思ったら、また新しい煙草をキセルに詰め始めたから、大和が当分出かけないって事は分かった。
大和は考え事をするときいつも突然黙る。
私は邪魔しないよう、台所でお茶でも入れる事にした。
大和の好きなほうじ茶を煎れ、急須と湯飲みを持って部屋に帰ると、大和はいつもの窓際にはいなかった。
「大和、どこにいるの?」
そう言って私が探すと、大和は隣の和室で見つかった。
PCの前に座って、なにやら調べ物をしている。
私はその隣に立って、横からPCのモニタを覗き込んだ。
「うわっ……」
思わずうめき声を上げてしまった。
そこには、なんだかよく分からないけばけばしい格好をしたアニメ調の女の子のイラストが描かれていた。
にょ、とかにゃ、とか、よく分からない語尾で台詞が書いてある。
すぐさま、オタク、っていう言葉が脳裏に浮かんだ。
「大和、こんなのが趣味だったの?」
「まさか」
大和は笑うと、黙って私が持ってきた湯飲みに茶を注ぎ、一口飲んだ。
「これは、玉山氏のサイト……いや、正確に言うと、彼が主催者をしているサークルのサイトだよ」
「なんでそんなものがある事を知ってるの?」
私の質問に、大和はまた軽く笑った。
「名刺に書いてあった。とにかく、この事件は彼が鍵だからね。まず依頼者のことをよく知らなければ」
大和から渡された名刺を見る。
「……『総合地球防衛企業・萌え燃えシスターズの皐月ちゃんに萌え狂う会、代表取締役、玉山謙次』
うへぇ……」
また私はうめき声を上げてしまった。
なんでこんな人が「女王陛下の軽騎兵隊」すなわちクイーンズ・ハッサー連隊にいたのか、理解できない。
68 :
36:2005/10/11(火) 00:49:40 ID:IGZ4xGrQ
私の感想を無視して、大和はサイトを閲覧し続けている。
そこには萌え燃えシスターズというアニメ?のあらすじとか、イラストコーナーとか、サークル員の自己紹介とか、サークルの活動とかが載っていた。
「ふむ、ふむ。なるほど……」
大和はその一つ一つを熱心に見ている。私はまた邪魔しないように、大和の後ろにちょこんと正座して、彼が満足するのを待った。
「よし、それでは出かけようか」
そう言って大和は立ち上がり、半纏を羽織ると玄関へ向かった。
「シティ(中心街)を通っていくつもりだから、途中で食事でもしようか。通りでリキシャを拾うとするか」
いよいよ私たちのいるところが謎時空になってきたな、と思いながら、私は大和の半歩後ろを着いていく。
足袋がすべる音が静かに響いた。
「あら、お出かけ?」
「ええ、吉野さん。夕食までには戻りますよ」
大家の吉野さんが、自分の部屋から顔を出して私たちに挨拶した。
アニメ版の大家さんと同じ19歳だけれど、この人は未亡人じゃないし、スーパーカーを操って郵便飛行機を追いかけたりはしない。
「すいませんが、お店のほうは頼みます」
「はいはい」
大和のもう一つの職業、つまり呉服商も、実質吉野さんが切り盛りしている。大和が趣味の探偵業に精を出しているからだ。
「深咲ちゃん、大和くんの邪魔しちゃ駄目よ?」
そう言って私の頭を撫でようとしたから、私はすり抜けるようにしてその手を避けた。
どうも私はこの人が苦手だ。
「それでは、行ってきます」
大和は草履に無造作に足を突っ込み、さっさと出て行った。慌てて私も後を追う。
通りで人力車を広い、シティの近くサックスコバーグ広場で降りた。
大和はしばらくあたりを見回していた。どうやら何かを探しているらしい。
「うむ、こっちだ」
やがて大和は探していた物を見つけたのか、歩き始める。
そこは小さな長屋だった。大路へと開いた門をくぐり、そのすぐ横にある家の玄関を叩く。
出てきたのは、小柄な男だった。
頭に野球帽を被り、薄汚いトレーナー姿だ。
「すまないが、ここからストランド街にはどういったらいいのか、教えて欲しい」
「……」
男は黙っている。怯えたような目で私たちを見つめているが、それが逆に不気味だった。
「…………前の道をまっすぐ行って……最初の角……いや、次の……そこを右……」
聞き取りにくい声でぶつぶつと男が説明し始めた。つっかえつっかえ話す上、よく間違えるので分かりにくい。
しばらくその説明を聞いてから、大和は快活な声でそれを遮った。
「よく分かった。ありがとう」
そう礼を言うと、大和は男の返事も待たず歩き出した。私は大和の非礼に驚き、男に軽く頭を下げてから大和を追った。
69 :
36:2005/10/11(火) 00:50:15 ID:IGZ4xGrQ
「彼の顔に見覚えはないかね」
「さあ」
振り返りながら、私は答える。そう言われても、全然見知らぬ男だった。
「彼は、玉山氏のサークル員だよ。サイトに写真があっただろう。最近入ったばかりだ。名前は本宮幸利」
「へえ」
「名前など問題ではない。僕は彼の手と服を見に来たのだ」
「それで、成果は?」
「深咲くん、今は観察する時間だ。観察を終えてから、それを元に推理を組み立てる。それが科学的思考というものだよ」
大通りを歩きながら、私たちは話し続けた。
「あの男、かなり愚鈍だ。しかもここ長らくの間、人と口を聞いた事もないようだ。とくに、女性はね。君を見たときのうろたえようと来たら!」
大和はおかしそうに手を揉み合わせながら笑った。
私を上目遣いに嘗め回すように見ていたので大層気分が悪かったが、そういうことだったのか。
私は納得した。
本宮氏(彼に氏とつけるのは不愉快だけれど、これは親のしつけの成果なので不本意ながらこう記す)との面会を終えて、私たちはカフェーに入った。
サンドイッチと焼きたてのスコーン、それに紅茶で力をつけると、大和は私の顔を見て言った。
「さて、と。僕はこれから少々寄る用事がある。時間がかかると思うから、先に帰ってくれたまえ」
「分かったわ……けれど、私にはさっぱり分からない。なぜ玉山氏のサークル員の顔なんか見に行ったの?」
「今から、重大……でもないが、ある犯罪が行われようとしている。それを確かめるために行ったのだ。
ところで……今日は、何日だったかな?」
大和がそう言って意地悪そうに笑った。彼が日付を忘れることなどめったにない。これは事件を解くためのヒントなのだろう。
私はあとでゆっくり考えてみようと思った。
「12月27日ね」
「それでは、明日、この場所に来て欲しい。君の助けが必要になる」
「分かったわ」
渡された紙片を見て、私はぎょっとした。
そこには「東京ビッグサイト」と書かれていた。
70 :
36:2005/10/11(火) 00:50:35 ID:IGZ4xGrQ
その日は結局私が起きている間、大和は帰ってこなかった。
次の日目を覚ますと、既に大和の布団は空っぽで(念のために言っておくけれど、私と大和は離れた別の部屋で寝ている)、すでに出かけたようだった。
吉野さんが作ってくれた朝食を食べ、私は「ゆりか○め」に揺られて指定された時間に東京ビッグサイトに到着した。
「深咲くん」
待ち合わせはサークル入場口だった。大和は既にそこに来ており、玉山氏と私の知らない男性とそこに立っていた。
「こちらは、コミック○ーケット運営スタッフで、凸川氏」
「始めまして」
私が頭を下げると、向坂氏も丁寧に頭を下げた。たぶんこの人もオタクなんだろうけれど、昨日の本宮氏や玉山氏と違って社会常識があるようだった。
うわ、私ったら暴言。
「それで……今日ここにいれば、全てが分かるのですね?」
「もちろんですとも、玉山さん」
大和はそう自信たっぷりにうなづいた。
「しかし……私はそろそろ自分のサークルスペースの準備をしないと……」
玉山氏が困惑したような、少し怒ったような声で言った。しかし、大和は平然とそれを聞き流している。
「それについてはご安心を。それに、今はあなたに是非いていただかないと困るのです。ねえ凸川さん」
「そうですな、この中で、奴等の顔を知っているのは玉山氏だけなのですから」
凸川氏は重々しくうなづくと、玉山氏の手を固く握った。
「お願いします。コ○ケの平和、いや同人界の平和のために!」
なんのことだか私にはさっぱり分からなかったが、凸川氏の熱心な姿勢に促されたのか、玉山氏はうなづいた。
「分かりました」
「それでは、そろそろ隠れましょうか。サークル入場も始まることですし」
大和がそう言うと、凸川氏と玉山氏は山のように詰まれた宅急便の箱の影に隠れた。
「深咲くんは僕のそばにいたまえ」
私は大和といっしょに、少し離れたところにあった段ボールの影にしゃがみこんだ。
71 :
36:2005/10/11(火) 00:51:09 ID:IGZ4xGrQ
「そろそろ説明してくれない? 私にはさっぱり分からないわ」
「いいかい、深咲くん」
大和は謎解きをするときの得意げな顔をしながら、私に向かってささやいた。
「玉山氏のようなオタクは、普段決して普通の女性にちやほやなどされないものだよ。それは君も分かるだろう?」
大和の言葉は説得力があった。同じ女性としても、玉山氏をちやほやしたという、赤毛スーパーの女性たちは謎の存在だったから。
「では、なぜそんなことをしたのか? 人が別の人間をちやほやする理由は大きく言えば二つしかない。
権力と、金だ。では、オタクと権力は関係があるのかと言われれば、それはありえない。
では金だよ。しかも、今日はまさにオタクと金が密接に関わる、コ○ケの日じゃないか!」
「でも、それとスーパーがどういう関係があるの?」
そこだ、と言って大和はひとつうなづいて見せた。
「玉山氏が言っていただろう。女性たちは彼と遊びに行きたがったと。
……実は昨日君と別れてから、私は玉山氏に会いに行ったのだ。あることを確認しにね。
そして、その足でコ○ケの運営スタッフに会いに行ったので、遅くなったというわけだよ」
「確認って、何を?」
「簡単なことさ。玉山氏に聞いたのさ、『女性たちにサークルチケットを渡しませんでしたか?』と」
「サークルチケット?」
私は聞きなれない言葉を聞いて反問する。
「簡単に言えば、コ○ケに出るサークルの人間のためのチケットだ。これを持っていれば一般入場より先に入れる。
当然の事だが、サークルの人たちは買い手である一般入場者より先に来て準備をするのだからね」
「それで、玉山氏は渡していたの?」
「その通りだ。彼は求められるまま、女性たちにチケットを渡していた。
幸いというか、彼のサークルはなかなか大手だし、人数も多いから、余分なチケットをたくさん持っていたから」
私には閃くものがあった。
「つまり、女性たちはコ○ケに早く入りたいから、玉山氏をちやほやした……と言うわけね?」
「その通り。もっと言えば、彼女たちの目的は『開場前行列』さ」
また分からない言葉が出てきた。私の困惑を察したのか、大和は先に説明を始めてくれた。
「サークルチケットで普通の人より先に中に入り、欲しい同人誌を買うためにあらかじめサークルブースに並んでおくのさ。
そして、スタートしたと同時に欲しい同人誌を買う。……もちろん反則行為だがね」
「なぜ、一般の女性たちがそんなことを?」
「おそらく彼女らはテンバイヤー、いや、テンバイヤーに雇われた購入要員なのだ。
テンバイヤーとは人気の高い同人誌を買いあさり、ネットオークションなどで高値で転売する人間の事だよ」
なるほど、オタクと金が結びつくとはこういう事か。私は(分かりたくもなかったが)やっと得心がいった。
しかし、そう言われても私にはまだ分からない事があった。
「では、なぜ本宮氏に会いに?」
「彼の手と服を見に行くため。そう言っただろう? 彼の手にはペンダコも、インクの汚れもなかった。
服は薄汚いけれど、トーンの切りくずもついてないし、長時間座っていたような擦り切れた跡もなかった。
つまり、彼はマンガを描かない人種なのだ」
「でも、それが……」
「しっ、来たようだよ」
72 :
36:2005/10/11(火) 00:51:41 ID:IGZ4xGrQ
大和の声に、私はサークル入場口の方に目をやった。
一人の女性がチケットを入場スタッフに見せ、入ろうとしているところだった。
大和が玉山氏の方を見ると、玉山氏は驚愕の視線でその女性を見つめていた。
(彼女が?)
大和は無言で玉山氏にそう尋ねていた。玉山氏がうなづく。
それを見て、凸川氏は他のスタッフに合図を送った。
すると、入場スタッフは有無を言わせぬ態度でその女性を両側から取り押さえる。
突然の事に、反論する暇も無く女性はスタッフ控えの方に連れて行かれてしまった。
後で聞いたところによると、それは赤毛スーパーの元店員・芝川いずみだった。
その後も続々と赤毛スーパーの店員がやってきては静かにコ○ケスタッフに拘束されていった。
村上小百合、長島鶴羽、成田美沙、八重原翠……合計五人の女性が、転売団の一味として捕らえられた。
そして、最後に姿を現したのは、本宮幸利である。
彼は既に顔が割れていたので、サークルチケットを差し出したところで取り押さえられた。
彼が捕まったのを見て、私と大和、玉山氏と凸川氏はようやく窮屈な箱の影から出る事が出来た。
「さてみなさん、悪質なテンバイヤー、屋居場典(やいば・てん)氏をご紹介しよう!」
大和がそう宣言したとき、この事件は幕を下ろした。
「……つまり、屋居場は大もうけを狙ったのだ。
これまで一人でサークルに潜り込んではチケットを騙し取ってきたが、それを6人でやれば、もっと儲かるとね」
「だから、たくさんのサークルチケットを仕入れるため、オタクをだますため赤毛スーパーを作った、というわけね」
「どうやら玉山氏以外にもだまされたサークル主はたくさんいたらしい。今日一日で多くのテンバイヤーとその手下が確認された。
赤毛スーパーは複数のサークル主をだましていたようだね」
後付けだなあ、とか、偽のスーパーをでっち上げるお金と手間はどこから来たのかしら、と一瞬思ったけれど、
この世界の創造神が怒っているようなので黙っておいた。
それはともかく、私には最後まで解けない謎があった。
73 :
36:2005/10/11(火) 00:52:03 ID:IGZ4xGrQ
思い切って私はそれを大和にぶつけてみた。
「ところで、『私の助けが必要になる』って言ってたけれど、結局私の出番はなかったようね……?」
例の相棒のお医者さんなら、リボルバーとステッキで戦うところだけれど。
私の質問を聞いて、大和は面白そうに笑い声を上げた。
「何を言っているんだい。これから君は大忙しさ。何しろ、玉山氏のサークルを手伝うんだから」
「……え?」
私の顔が凍りつく。
「何しろ、屋居場が捕まって玉山氏のサークルは一人欠員を出したわけだ。
もちろんそのために大きな悪が未然に防がれたが、この結果をもたらしたのは私たちなんだからね」
「え、え、えええええええええええ!!!!」
そんなむちゃくちゃな理屈、と思ったが、大和は平然としている。
私たちの会話を聞いていた玉山氏が、ええい、もう呼び捨てでいいや、玉山が口を挟んできた。
「なるほど! 確かに深咲さんの格好なら、シスターズ隊長神無ちゃんの和服モードのコスプレに見えます!」
「ちょ、ちょっと待ったぁー!!」
なんだその和服モードって! 私の和服姿をそ、そんな目で……そんな目で見るなあ!
「というわけだよ、深咲くん。私は早起きしたので疲れた。先に帰って休む事にするよ」
「こらぁぁぁぁあああああ!!! 待て、大和ぉぉおおおおおお!!!!」
私の絶叫を無視して大和はさっさと帰ってしまう。
「それじゃあ、今日一日よろしくお願いしますね、深咲さん!」
私の手の上に、どさっと本の束が乗せられた。
アニメ調の女の子が、なにやらピンク色のモザイクがかった物に囲まれ、白濁液をぶちまけられている表紙。
私はその場で気を失い、倒れた。
(名探偵花坂大和の冒険・「赤毛スーパー」、終わり)
74 :
36:2005/10/11(火) 00:55:20 ID:IGZ4xGrQ
最初に>>16さん、オタクのみなさん(って俺もだけどさ)、コミケスタッフに謝っておく。
ごめんなさい。この物語は実在の人物・団体その他とは何の関係もありません。
とくにコミケは行った事も無く、「げんしけん」と「全日本妹選手権」だけで仕入れた知識で書いた。
実際と違っていてもスルー推奨。
最後に、すばらしい設定を作ってくださった>>1さん。ごめんなさい。
今度はちゃんとエロを書きます。
GJ!
ちょっと誤字が残念でしたが、とても読みやすかったです。
>とくにコミケは行った事も無く、「げんしけん」と「全日本妹選手権」だけで仕入れた知識で書いた。
実際と違っていてもスルー推奨。
俺はコミケに二回サークル参加したけど、大体そんな感じだったと思います。
違和感は特になかったですね。
>今度はちゃんとエロを書きます。
ここは素晴らしい職人さんが多くいらっしゃるようですが、そうですね、
エロが足りない気がするので思いっきり期待しております。
「気に食わん」
課長は食品課(現在は事実上兵站課であるが)に戻ってくるなり呟く。
「何がですか?」
課長が何について文句を言っているのか、概ね察しながら井上は尋ねる。
「今度正式に予算が下りることになった大型無人誘導兵器だ」
「ああ、あれですか」
予想通りの課長の答えに井上は内心満足しながら問い返す。
「『後方から無人で敵国都市部への打撃を可能とす』でしたか、
あれの何が気にいらないので?」
「銃弾も飛んでこない、臓腑や糞尿の匂いもしない、
小奇麗な部屋でボタンを押せば人が死ぬというところが特にだ」
課長は一息に言って苦いものを飲み込んだような顔で続ける。
「そんな物を使ってみろ、そのうち定時になったら帰るのが当たり前だと思う兵が出てくるぞ」
「ありそうな話ですな、戦争をしながら戦場を知らないお偉方の間では特に」
「下らん、銃弾が飛び交う度に悲鳴が上がり、砲弾が着弾するたびに人体と泥が飛び散る。
そして臓腑と血と糞尿の混じった匂いが立ち込める、
腐った泥のような戦場、我々の好きな戦争とはそういうものだろう?」
「貴方に合わせると私まで戦争好きにされてしまいますな」
満更でもない表情で井上は続ける。
「しかし、まあ悪い話ばかりではありませんよ、少なくとも兵の死傷者は激減するかと」
「君は私を馬鹿だと思っているのかね?」
「はい、いいえ滅相もありません」
場違いな課長の迫力につい下士官言葉になってしまう。
「此方が使えば敵も似たような物を使うだろう、その結果どうなる?
兵が死ぬ代わりに民間に被害が増えるだけだ、違うか?」
「仰る通りで」
「いや待てよ、そう悲観したものではないか、
両国が無人兵器を都市部に向かって撃ちまくればどうなる?」
何か面白い事でも思いついたように、課長は楽しげな顔で自問自答する。
「雨霰と両国の都市部に降り注ぐ無尽兵器、地獄の様相を呈する都市と
裏腹に最も安全な前線・・・と、なかなか素敵じゃないか、なあ!」
「はあ、しかしやはりそれでも我々は戦争が出来ない訳ですが」
「そうか、それは困るな」
心底気落ちした顔で考えこむ課長に井上は親しみを覚える。
こういう一面があるから課長は部下に人気があるのだろうと考えながら口を開く。
「なあに、安心してください課長、我々の好きな戦争はまだ無くなりはしませんよ」
「そうだな、もし無くなる様なら必要な状況を作り出せば良いだけだ」
課長は気を取り直した顔でサラリと途轍もなく危険な事を口走る。
「はい、では課長本日一二〇〇より演習が入っています」
「よし、では一つ戦争の練習と洒落込むか」
井上が開いたドアから課長は出陣した。
素晴らしい設定を作ってくださった
>>1様に愛を込めて書きました
なるべくエロくしたつもりですが、どうでしょう?
多量の放射性物質を含んだ塵に半ば隠された太陽が、熱線で焼かれた廃墟をうろつく男たちの姿を弱々しく照らしていた。
男たちは皆、宇宙服を思わせる防護衣を着用していた。そうでもしなければ、短時間で致死量の放射線に被曝してしまうからだ。
「今日はGU−2D地区を捜索する」
ヘルメットの無線から課長の声が響くと、男たちは一斉に不満気な呻きを漏らした。
全世界を襲った全面核戦争。奇跡的に生き残った少数の人類は地下に作られたシェルターに居住し、かつての文明遺産を消費しながら、細々と生活していた。
彼らもまた、そういったシェルターの住人で、男たちの属する食品課の任務は、廃墟の中を探索して汚染度の低い食料品を入手することだった。
「しかし、あの地区は……」
「わかっておる。危険だといいたいのであろう? しかし、我がシェルターの食糧備蓄率もまた危険なのだ」
河野の意見具申を忌々しげに課長が遮る。彼にもGU−2D地区における探索の危険性は充分に理解できていた。
だが、他の地区で入手できる食料の数では、シェルターの人口を支えきれないのだった。このままでは、半年足らずのうちに餓死者が出るだろう。課長は同期の総務課長にこっそりと伝えられていた。
「了解。大物を当てて、さっさと帰りましょう」
河野が明るい口調でいった。河野が皆に聞かせるためにあえて質問したことに気づいた課長は、僅かに苦笑を浮かべると、部下たちが押しているものと同じ台車を押しながら、瓦礫の中を歩き出した。
異変が起こったのは、男たちが瓦礫の底から量販店の缶詰棚を発見し、台車に積み込んでいる時だった。
腹に響く地鳴りと共に、倉庫近くのクレーターから体調40mにもなる村上慶子が姿を見せた。
「強盗だ! ・・・おう!」
瓦礫の外周で監視していた強盗が警告の叫びを発するや、手にしたAK−74を村上慶子に向けて乱射し始める。
しかし、弾丸は村上慶子の強靭な皮膚に阻まれてかすり傷ひとつ負わせることができなかった。村上慶子は自分を攻撃した強盗を睨み、足で踏みつけようとする。
「強盗だ! ・・・おう!」
恐怖で麻痺した強盗が村上慶子の巨大な足に潰され、破裂音と共に赤い染みに変わった。
「各自、応戦せよ。目を狙え」
冷静に課長が命令を発する。パニックを起こしかけていた男たちは我に返り、各々が所持している雑多な銃器を村上慶子のどんよりと濁った黄色い目に向けた。
「ぐぎゃ、グギャアッ!」
眼球に次々と命中する銃弾に、村上慶子が苦痛の声を上げる。
慌てて顔を両手で覆った村上慶子が、ウッウッと呻き始めた。やがて、グゲッと胸の悪くなるような音と共に、村上慶子の口から体長50cm程の村上小百合が無数に吐き出された。
村上小百合は、村上慶子の胃袋に寄生している共生動物だ。
村上慶子が摂取できない細かな食物を摂取し、村上慶子の胃で排泄することで宿主に栄養を与え、自身は安全な隠れ家を提供されていた。
「うわあっ」
村上小百合が吐き出された場所に一番近かった本宮が、数十体の村上小百合に飛びつかれて悲鳴を上げた。必死に身をよじり、村上小百合を剥がそうとするが、次から次へと襲いかかってくる村上小百合を相手にしては、その努力もむなしかった。
村上小百合は鉛の織り込まれた防護衣をやすやすと噛み破り、本宮の身体をその鋭い牙で喰らい始めていた。
「いやだ!! いやだ!! 神様ァ」
自分の体内に顔を潜り込ませた村上小百合を引き抜こうする本宮の手も、別の村上小百合に食べちぎられてしまう。
地面に倒れた本宮の絶叫が途絶え、無線からは胸の悪くなるような咀嚼音だけが響いていた。
「撤退せよ!!」
課長の切羽詰った声が響くや、男たちは缶詰がのせられた台車を放り出し、一目散にシェルターへの道を走り始めた。
本宮や強盗の死体を貪るのに忙しい村上慶子と村上小百合は、他の男たちの動向には目もくれなかった。
命からがらGU−2D地区を脱し、シェルター近くの廃ビルにたどり着いた課員たちはようやく足を止めて、その場にしゃがみこんだ。
「おい、シェルターが!!」
廃ビルの外壁に背をもたれさせ、何気なくシェルターのある場所を眺めていた中山が叫んだ。
「なんてこった」
無口な井上が絶望に呻く。芝川や八重原、それに成田といった怪物たちがシェルターの扉を強力な唾液で溶かそうとしていた。
「シェルターを守るんだ!!」
課長に命令されるまでもなく、疲れ果てた男たちは弾薬を使い果たした自動小銃を棍棒のように構え、突撃を開始した……。
>>1さんの優秀な設定を僅かでも活用できていれば幸甚です。
は様、64様GJです!
でも私の股間のたぎりはまだ納まりません…
もっとエロいのキボンヌです…
GJ
俺も同じくエロいのキボンヌ
83 :
36:2005/10/13(木) 15:47:57 ID:jZwb6AwP
僕が赤毛スーパーのバイトに受かったと聞いて、大学の知り合いがこんなことを言った。
「あそこはまるでハーレムだぜ……あそこに行けば途方もない…」
そう言っていやらしく笑うもんだから、僕はこれ以上ないってくらい期待して、バイトの初出勤日を迎えたんだ。
****
ハーレム。それは世界中の男の憧れだった。
「ハーレムに行けば、もう何も恐れることはない。途方もないセックスが約束されている」
僕はそう信じて育った。
初めての赤毛スーパーに出勤した時の事は、今でも鮮明に覚えている。
125番通りと7番街の交差点で、見上げるような大男の黒人警官が、交通整理をしていた。
「この俺の指図が見えないとは言わせないぜ」とでも言わんばかりだった。
私は感動した。白人を思い通りに歩かせているのだから。
――ヒキヲタ・玉山謙次の手記より
って、なんで俺はNYにいるんだ――――――――――――――――――――!?
(終わり)
元ネタ↓
映像の世紀のガイドライン 第四集
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/gline/1110685789/
84 :
36:2005/10/13(木) 15:48:55 ID:jZwb6AwP
ハーレム物を書いてみました。お粗末。
>>1様、いかがでしょう?
>>36様gjです
しかし何度見てもあらゆるジャンルを内包し活かし切る
>>1様の設定の深遠さには感服するばかりです
>>36さんも「は」さんも素晴らしい。
これも皆
>>1さんの優秀な設定のおかげです。
実力は素晴らしい
エロがないのが残念ですね
88 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 20:08:32 ID:LuYop4cD
続編作るならこの新キャラも入れてやれ。
野宮美華(のみや みけ)
年齢/性別:21歳/女
身長/体重:165cm/48kg
スリーサイズ:78/59/81
キャラ解説:
バイトで生計を立てている女流美少女系同人作家。
作風は華奢な美少女同士の百合モノと時代に逆行。
自分より下手な描き手を見ると、アドバイスと称したいじめまがいの
指摘をしまくる。指摘攻撃で筆を折った同人作家は数知れず…
しかも、自分より上手く売れてる作家には媚びを売るスネ夫のような性格。
続編作るならこの新キャラも入れてやれ。
天野ミサキ
年齢/性別:14歳/女
身長/体重:165cm/48kg
スリーサイズ:78/58/80
委員長
クラスメートと百合。
また新キャラキター!
91 :
51:2005/10/14(金) 23:39:32 ID:qnZXdt/P
キャラまとめ
>2-4、>12、>15-16、>88-89
作品まとめ
>5-7(偉大なる1神)
>21-23、>30-33、>46-48、>76-78(は氏)
>37-49、>67-73、>83(36氏)
>51-54(我が駄作)
>64、>80(64氏)
ちょっとまとめ
93 :
36:2005/10/16(日) 22:25:41 ID:8RhYO6kh
せっかく
>>1さまにSSを捧げているのに、読んでくださってないとしたらショックだ。
きっと見てらっしゃいますよ
これほど素晴らしいスレを立てた
>>1様ですから
全くです。
>>1さんがこのスレを見捨てるはずがありません。
君達はよくやっているなw
全くニダ
良スレですね。
99 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 22:22:58 ID:3nAbJril
ですね
まさに欲望の渦だな
100ゲットォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おまえらクオリティタカスクリニックwww
Yes,クオリティタカスクリニックwww
103 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 16:49:11 ID:cD8D2xyQ
>>1はこのスレが落ちるまで、エロパロ板を覗くたびに微妙な気分になるのかなぁ
釣りだったら面白いんだけど、ストーリー、キャラ設定、サンプル、ときてるしなあ…
さっきこのスレ見つけてちょっと書いてみたんですけど。
手を伸ばす。取れないだろうと、半分以上諦めてはいるが、それでも手を伸ばしてみる。
倉庫には踏み台が本来なら置いてあるのだが、今日に限って、謙次のシフトのときに限って、いつも狙ったようになくなっていた。
「くっ………ううっ……くぅっっ…………」
指先に軽くだが触れているのが、何とも言えずどかしい。
いっそ誰かを呼ぼうともは思ったが、いまのシフトには確か、他には女の子しかいないはずだ。
いくらなんでも『高いところにある物が取れないので、どうか代わりに取ってほしい』などと言えるほど、謙次もまだ男をやめてない。
かなり低空飛行ではあるが、一応プライドは持っている。
「ううっ……くくっ…………うっ………おっ!?」
ちょっと瓶に引っかかった。指の第二関節ぐらいではあるが、瓶がぐらぐらとしている。
微かだが謙次の前に希望が見えてきた。
このまま情けなく無様に、そしてまるで言い訳みたいに、誰かがやって来るまで、背伸びをしてなくても済みそうである。
しかしそれでは面白くない人間が、そろそろ頃合だろうとグッドタイミングでやって来て、こっそり足音を忍ばせて後ろに立ったのに、
必死な謙次はまったく気づいてはいなかった。
「ぬくっ……くぅううっ……………もう……ちょい………がん………むぶっ!?」
“ガンッ”
瓶底眼鏡が棚にぶつかる。
謙次は突然の後ろからの圧力に、情けなく無様に、何の抵抗も出来ずに押し付けられてしまった。
「な〜〜んだよおまえ、男のクセにこんなのも取れねえのかよ。言ってくれりゃおチビな謙次くんの代わりに、あたしが取ってやるのに」
そう言った女の子はにやにやと余裕な顔で、しっかりと両手で瓶を掴みながら、胸で謙次を棚に押し付けている。
ここまで書いて他のレスを読んでみたら、何か空気読めてない気がしてきた。
>>1の要求への答え方としては一番正しい
が、空気は読み損ねていると思う
やっぱり空気を読み損ねてたみたいですが、保守代わりにとりあえず書けたとこまで投下させていただきます。
旋毛を見下ろす小百合の身長は176cmもあり、女性にしてはかなり高い方だ。
そして謙次の方はといえば162cmしかなく、男性としては、わざわざ明記するまでもなく、かなり小さい部類だろう。
これといって運動らしい運動も、まったくといっていいほどしたことがないので、バリバリの体育会系である小百合を押し返す力なぞ、
ひょろひょろのモヤシ系である謙次にあるわけもない。
「そう言やさぁ、こういう状況もおまえの言葉を借りると、運が悪いってことなんだろ?」
不安定で落ちそうな瓶を更に棚の奥、謙次の手がとても届かないところに置くと、小百合は笑みを深くして小さな身体を掻き抱く。
「わっ!? わわっ!? や、やめろ馬鹿っ!!」
客観的に格好だけを見るならば、二人の体格差からいっても、痴漢に襲われてる女の子に見えなくもない。
それは男女ともに、とても不本意だろうが。
「抱きつかれて嬉しいくせに……。おまえみたいなやつ、ガキの頃もいったけなぁ。やめろやめろ、て言いながら擦り寄ってくんだよ」
謙次の肩に顎を乗せて、瓶底眼鏡の隙間から覗く顔を観察しつつ、小百合は手を胸元へと這わせる。
そのにやにやとした表情はいまや完全に、獲物を前にした猫科の動物のものになっていた。
「払いのけようとしてるみたいだけど、ふりなんだろ、どうせ。じゃなかったら、男が女押し退けられないなんて、可笑しいもんな」
微かに。小百合本人にも気づかぬほど微かに。その声には苛立ちが含まれていた。
しかしもちろんそんなことは、本当の本気で小百合を押し退けられない謙次には気づきようはずがない。
耳朶に吹きかけられる吐息のくすぐったさに、妙な声を出さないのが精いっぱいである。
それに身体を揺すったりすると、ぐにゅぐにゅと、背中が堪らなく柔らかい。股間に物凄いスピードで血液が収束されていく。
こんなものが小百合にバレたりすれば、どんな言い訳も通用しない。
だが。
ダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだ〜〜〜〜っ!!
と。
心の中で謙次は連呼しているものの、身体の酔っ払いみたいな揺れは止まらず、股間は硬さと大きさを増していくばかりだった。
「おっ!? おおっ!?」
そしてそれを加速させようとする意図でもあるかのように、小百合の指先はするりと、店のエプロンを潜り、その上シャツのボタンまで
外して、謙次の素肌に直に触れてくる。
因みにこれは、どうでもいいことではあるが、物心ついてからこれほど謙次が。女性に触れられたことはない。
謙次本人は認めないだろうが、その驚愕の声の中には、多分に歓喜も含まれていた。
小百合の手はすりすりと、母親が愛しい幼子に薬でも塗るみたいに、それでいて妖しげに蠢いている。
ここまで。また書けたら投下させていただきます。
>>108 おおっ、いつの間に!!
これからも空気読まずにどんどん書いてください!!
期待します!
110 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 13:48:30 ID:gJPeg9F7
まったくです。漏れも期待して待ってます
111 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 08:07:34 ID:Q+0xvEJx
エロパロ板初age!
音参与
113 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 23:52:30 ID:iFfo5khi
とりあえず一言言わせて貰うが、
粘着荒らしの、は ◆tIlvZAggWcと64 ◆sSexeNL/oE は首を吊って氏ねや
今回はエロなしです。
よく自分の事は自分が一番よく知っているというが、あれは一体どこの誰が言い出したんだろうか。
俺もそうだと思ってはいたのだが、19年も生きてきて、いまさら玉山謙次という人間に、こんなサプライズがあるとは驚かされたね。
休憩時間。
テーブルを囲んでくつろいでいるメンツは、頼れるお姉さんの芝川いずみさん、同じく頼れる兄貴の井上さん(下の名前は知らん)、
そしてお茶を行儀良く啜っている俺。
「なんだと……するとなにかね? きみはあんな義理人情を欠いた金満チームのファン、ということかい?」
「そういう評され方は好きじゃありませんが、まぁ、そういうことですかね」
両手を顎の下で組んで、目を細めながら訊いてくる芝川さんに、内心のびびりを悟られぬ様にと、俺は一歩も引かずに答える。
こんなシチュエーションは、玉山謙次という人間にはとても珍しいことだ。
争いごとは例え口だけであっても、弱いのであまりしないし、男女限らず強面の人には全面降伏が、情けないことにモットーである。
芝川さんは顔の造りこそ優しい感じはするが、その髪は金髪のうえに、手には煙草まで装備していて、パッと見はヤンキー。
食物連鎖でいえば、間違いなく俺の上位にいる存在だが、ライオンを前にしながらラビットは逃げなかった。
しかしどうしてこんな風に、芝川さんと対決モードになっているかといえば、実際のところは俺は体育会系でもなければアウトドア派
でもないので、自身ではあんまりやったりはしないのだが、観戦だったらスポーツは好きだったりする。
どうも芝川さんも俺と同じタイプだったみたいだ。
まだ緊張してるだろう新米アルバイターに、リラックスでもさせ様としたのか、休憩時間に軽く話しを振ってきたのだが。
「あのチームはやり方が汚い。選手を育てるということをしない。金さえあればなんでも出来ると思ってる」
この芝川さんにとってはどうでもいいだろう発言が、心の底で眠っていた俺の真っ赤な熱い魂に火を点けたね。
「でもどこかのチームだって似た様なもんでしょ? 目立たない様にやってる分、どうしたってセコい印象がありますよ」
綺麗に揃えた細い眉が、ぴくりっ、と微かにだが動いたのを、俺ははっきりとこの目で見た。
俺の愛するチームを頭ごなしに嫌うのは、大概あのチームのファンだろうと当たりをつけていたが、物の見事にビンゴみたいである。
大体特定のチーム名を出してないのに反応するのは、普段から言われているからだ。
眉が動いたのが動かぬ証拠というやつである。
「ふん。別に目立たない様にしてるわけじゃない。あのチームが不必要に目立ちすぎるだけだ。もっともそれが狙いだろうがね」
「それのどこがいけないんですか? プロなんだから目立ってなんぼでしょ? 見てる人に夢を与える商売なんですから」
「夢? 夢だって? それはそんな軽々しく使って良い言葉じゃないよ、玉山謙次くん」
そこまで言ってから芝川さんは一拍おく様に、ふぅ〜〜っと、煙草の煙を盛大に吐き出した。
芝川いずみさん。人に対してどうなのかは、実際のところまだよくわからないが、青い水の星に対しては間違いなく優しくない。
「するとスター選手に追い出されたあの生え抜きの選手は、きみの言葉を借りれば悪夢を見たというわけかい?」
「うぐっ!?」
痛いところをぐさりと突かれた。俺もあの選手が好きだっただけに、芝川さんの言葉が深く胸に突き刺さる。
「で、でもそれは、その、実力の世界でもあるわけで、残念だけど……仕方ないことだと…………」
「なるほど。たしかにそうだ。きっときみや私では想像もつかないくらいの、厳しい実力の世界だろう。…………なるほど」
そう言ってから芝川さんは煙草のフィルターを咥え、すぅーーっと、ニコチンを深く吸い込むと、またふぅ〜〜っと、長く吐き出した。
馬鹿でもわかる。
これがカウンターアタックの予備動作だということくらい。
「だが」
ほら来た。
「追い出したスター選手が実力を示したなら、まだ納得もいくだろうが、大した活躍も出来ずに一年で移籍されては踏んだり蹴ったりだ」
「ぐぅっ!?」
これも事実だし、俺もそう思うからなにも言い返せない。
次いでにこれが遇の音ってやつかと、俺は妙なところで感心した。昔の人は巧いこと言うな。
「それに――」
「話しが盛り上がってるとこ悪いけど」
戦意喪失寸前の俺に、ここぞとばかり追い討ちを掛け様とした芝川さんを、やんわりとした、でも無視できない声で井上さんが遮る。
まるで審判を見る様な目で、俺と芝川さんが見ると、井上さんはくいくいっと、なんだか上のほうを指していた。
「そろそろ代わってあげないと。村上さんも長島さんも、慣れない仕事なんだし。二人を指導してる河野さんも大変だろうからね」
壁掛けの時計を見ると、休憩時間はもう終わりだ。
「ちょいとヒートアップしちゃったかな。急いでいってあげないと」
芝川さんが指の先で煙草の火を押し消しながら立ち上がる。
格好良い仕草だけど、熱くはないんだろうか? 俺も昔、煙草を吸いもしないのに憧れてやってみたが、涙が出るほどメチャ熱かった。
「おいおい玉山くん。なにをぼ〜〜っとしてるんだい? 急がないと小百合ちゃんに怒られるぞ」
まだ座ったままの俺の頭を、芝川さんはぽんっと軽く叩くと、颯爽と、後姿まで格好良く休憩室を出ていく。
やることなすこと本当にビシッと決まってる。確実に俺より男前だった。
「気に入られたみたいだね、玉山くん」
芝川さんの姿が見えなくなってもぼ〜〜っとしていたら、今度はぽんぽんと肩を叩かれた。もちろん井上さんだ。
こっちもタイプは違うが十分な男っ前。スーパーの休憩室で使うには勿体無いくらいの、さわやか南国スマイルで微笑んでいる。
きっとこの人は俺より人生を楽しんでいるはずだ。
「そう……でしょうか?」
「僕はそう思うけどね。言い返したのが良かったんじゃない? きみそういうタイプには見えないし」
ギャップってやつなのかな? まぁ本人だって驚くくらいなんだから、他人が、おっ!?、と思ってもそりゃおかしくはないか。
ふ〜〜ん。この昭和初期の漫画みたいな瓶底眼鏡が、生まれてから随分と長い付き合いだけど、対人関係で初めて役に立った気がした。
「彼女は誰にでも人当たりはいいんだけど、あういう風にしゃべってるのは、少なくとも僕は見たことないよ」
「そう……ですかかね?」
いかん。俺は慌てて席を立つ。
頬の筋肉がぴくぴくっしてきた。顔が確実にニヤけてきている。……どうも俺と井上さんの相性は最高みたいだ。
乗せるのが巧い井上さんと乗せられるのが巧い俺。井上さんがもし詐欺師だったら、俺は絶対にスカスカの羽毛布団を買ってる。
「さてと、暴力女に文句言われたくないし、早くいってやるかな」
説明口調で俺が振り返ると、うん、正直こうなるかなって予想はしていた。
こんなにオイシイことだけで済むなんて、この俺の人生であるわきゃないもん。それは自信を持って言える。
そんなにデカいスーパーでもない。なのに悠長に話し込みすぎた。
芝川さんとタッチした人間が休憩室に来るのには、それはもう十二分以上の時間があるだろう。村上小百合さん休憩室にご到着。
「……自分のことだって思うのは、実は認めてるからなんだぜ」
言ってみた。どうせ結果は一緒なんだから、とりあえず言うだけは言ってみた。……言わなきゃ良かった。
そいつの目線はどう考えても、例え背伸びをしても、俺より二つ以上、下手をすれば三つは高い。
スパイクを打つバレーボールの選手みたいに、思いっきり振りかぶっている。俺は眼球を傷つけない様にと、ぎゅっと目蓋を閉じた。
パシ〜〜ンッ!!
今回はここまで。
>>117の続き
気持ちはわからなくもない。
出会いが出会いだ。
それでなくても男性恐怖症っぽい彼女。俺に対する印象はおそらく最悪のものだろう。
でもさぁ、いくらなんでもそりゃないんじゃないの?
俺は現在なにをしてるかといえば、バイト先のスーパーに通勤中なわけだが、そのおよそ3m程前を歩いているのが。
噂の彼女、長島鶴羽だ。
こうやって俺が彼女の後ろを歩いているのは、偶然、とはいえない。
なにしろ同じバイトの同じシフトで動いているのだ。
だったら通勤時間も同じになるのは、例え望んでなくとも仕方ないことだろう。
それなのに長島さんはさっきから、まるで夜道で不審者に尾けられてでもいるかの様に、しきりにチラチラと後ろを警戒していた。
痴漢の次はストーカー扱いとは、彼女に俺がどういう人間と思われているのか、それだけでもう誰にでもわかるだろう。
しかし、なんだかやり切れない。
いつも一緒にいる相棒の暴力女はともかく、長島さんとは不幸な事故を水に流して、色々な意味で仲良くやっていきたかったのだが。
「はぁ……」
すでに仕事をする前から、随分と疲れたため息が出てしまう。
こりゃ無理だ。
あれは犯罪者を見る目だもの。そのくらいは女に縁のない俺だって、そりゃあ特大てんこ盛りの自信を持って言えるね。
「はぁ……」
言えてどうするって感じだけどさ。
だけどそれならそれで、お友達にはなれそうにないならば、せめて目の保養だけでもさせて貰おうかな。
まあ、こんなセコいこと考えてるから、この歳になってもいまだ女友達が、ただの一人もいないことはわかってるんだけど。
いくらわかってたって目がいってしまうのが、霊長類ヒト科オスの悲しい習性だ。
長島さんの可愛らしいツインテールから、目線をススッと下にやると、大きな桃が右に左にとジューシーな肉感たっぷりで揺れている。
スーパーで売られていたら、俺は一も二もなく買うね。いや買い占めるね。
なんたってスカートに包まれていても、はっきりと形がわかってしまうくらいの巨桃だもの。
むしゃぶりついたらきっと美味いだろう。
「……やべぇ」
想像力豊かすぎるぞ俺。妄想でヨダレが垂れてしまった。
流石に19年間鍛えただけあって、一生拝むことのないだろう長島さんのお尻が、ハイビジョンばりの映像で頭に浮かび上がってる。
しかし道端でヨダレを拭ってるこの姿、痴漢だストーカーだと思われても、なんか仕方ない気がしてきた。
と。
そんな自己反省なんだかどうなんだかよくわからん、益体のないことを考えつつ、長島さんの丸いお尻を鑑賞し続けていたらば。
バッ!!
「!?」
いままでにない勢いで振り向かれた。キッと音がするくらい俺を睨んでいる。怪しいなぁ、を通り越して、それはもう憤怒の形相だ。
……でもそんな顔も可愛い。
多分俺のエロい視線に気づいたんだろうけど、女性のこういうときの勘みたいなもんは本当に感心させられる。
360度死角無しって感じだ。
長島さんが立ち止まっているので、自然と俺の足も止まっているが、見つめ合う二人の間にはロマンスの予感は微塵もない。
逆にいま彼女の引き結んでいる唇が、俺に愛の言葉を囁いたりしたら、とりあえず速攻で脳外科に行くね。
「…………」
だが幸い俺の脳の働きは正常だったみたいで、長島さんは勿論愛の言葉などは囁いてくれず、また前を向くと黙々と歩き出した。
う〜〜ん残念。
などとは決して思ってない。
俺もまた歩き始めた。心なしかさっきよりも、いや明らかに、長島さんの歩くスピードが早い気がする。
まぁ気がするもなにも確実に早いが、それがいけなかったのかどうなのか、長島さん、運動神経の方ははあまり良くないみたいだ。
こんなの初めて。
「きゃっ!?」
むっちりとした右足が左足に絡まって、可愛い悲鳴を上げながら前方へとダイブ。……ある意味では芸術だと思う。
とはいえ俺だってその身体を張った芸術を、完成まで悠長に見ていたわけではない。
「おっと!?」
地面に向かって熱烈なキスをしようとしてる長島さん。
ダッシュで駆け寄った俺は、わしっと、シャツの背中を俺は慌てて掴んだ。その際に。
「ぐうぇ!?」
なにか聴いてはいけない声を聴いた気もするが、記憶からは即座に消してやるのが、この場合は優しさというものだろう。
どんなに可愛くても長島鶴羽だって人間だ。そりゃあ首が絞まれば、カエルみたいな声も出すさ。
「あ……ありがとう」
それに引き寄せた俺の腕の中で、ひとしきりケホケホした後、小さな可愛い声で礼を言ってくれてるんだから、全てノープロブレムだ。
本当に軽く腕を廻しているだけなのに、長島さんのボリュームのある身体はえらく気持ちい。
「女の子なんだから気をつけなよ」
しかし俺はさり気なくもなんともないが、長島さんの柔らかさから身体を離した。
似た様な体勢になったのが原因で、長島さんと相棒の暴力女ににフクロにされたのは、まだまだ記憶に新しくて生々しい。
なんせ再現でもするみたいに、股間には急ピッチで血液が集まりだしてる。
せっかくちょっぴしとはいえポイントを獲得したのに、こんな自分では制御の利かないエロ本能の為にオジャンにされたら堪らん。
「あ、あの……ごめんなさい」
うん。なんとか巧く誤魔化せたな。
何故謝られているのかはよくわからんが、声のトーンからして悪い感じじゃない。
「おいっ!! おまぇ鶴羽になにしてんだよっ!!」
こいつと比べてみれば良くわかる。ってかどこから湧いて出たんだよ。どこかで出待ちでもしてたんじゃねぇだろうな?
知り合ってからそう時間は経ってないが、この暴力女、毎度毎度いいタイミングで出てきやがるぜ。
「なんもしてないっての。長島さん、ややこしいのが来たから俺先行くわ。また後で」
「……うん」
「ん? んん……あれ? ちょっと……あれ?」
露骨に毛嫌いしていた俺が話しかけたのに、長島さんが気軽に返事を返したものだから、なんだか暴力女は戸惑った様な顔をしていた。
今回はここまで。コメントくれた方どうもありがとうございます。
サンプルだけではキャラが把握出来なかったので、もうしばらくこんな感じで書こうと思います。
>>119-121 イィィィヤッホゥゥゥイ!!
抜きかけました! 正直
>>1のよりも上手いと思います!
その調子で抜けるSSを頼むぜッ!!
>>121の続き
瞬きすら忘れて見つめ合う二人に、言葉などという不粋なものはいらなかった。
そんなものがなくとも、固く固く手を握り合った二人の思いは、絶対的に、圧倒的に、そして暴力的に通じ合っている。
腕相撲。
お互いに、こいつには死んでも負けたくねぇ、と思っているはずだ。
なんせ腕が悲鳴を上げる様にぷるぷるしてるのに、毛細血管がブチギレても構わないって感じで、ひたすら全パワーを解放している。
膠着状態に陥ってから、そろそろ2、いや3分といったところか。
こうなると勝負を分けるのは力ではない。意地と意地のぶつかりあいだ。
しかし暴力女こと村上小百合は、私にはまだ余裕があるんだよ、とでも言いたいのか、にやりと、俺を挑発するみたいに笑いやがる。
あなたはアホですか。
そんなものがとっくにあるわけがないのは、不承不承、アイコンタクトで通じ合っちゃってる俺には丸わかりだってのに。
でもむかついたのでこっちも、にやりと、とびっきりのスマイルを返してやったね。
まぁ煙草をぷかぷかと吹かしながら、なにも言わず勝負を眺めてる芝川さんからすれば、多分二人揃って馬鹿に見えてるんだろうけど。
だがそうやって馬鹿の観察をしてるのも飽きたらしい。
「謙次くん、きみさぁ……」
いま口を開いてしまったら声と一緒に力まで漏れそうなので、俺はよく見てないとわからないくらいに小さく顎を引く。
顔は村上へと向けたまま、目だけを動かして芝川さんを見ると、なんだかにやにやしていた。
「チューはしたことあるかい?」
バァンッ!!
「あっ!?」
一瞬。ほんの一瞬だけ力の抜けてしまった俺の手は、村上の手によってテーブルに豪快に叩きつけられた。
すげぇ痛ぇよ。
「おっ? 小百合ちゃんの勝ちだね」
口をパクパクさせている俺に当然気づいているくせに、芝川さんは紫煙を吐き出しながら、わざとらしくと見えてないふりをする。
咥えている煙草がまるで精神状態でも表す様に、子気味良く満足そうにふりふりと振られていた。
「ふ〜〜ん。ま、そりゃそうだろうな。おまえみたいなむっつりスケベのチビに、そりゃキスの経験なんてありっこないもんな」
こっちは激戦を終えた右手をぷらぷらさせながら、村上が勝ち誇った様な顔で俺を見てる。うん……いやまぁ実際勝ったんだけどね。
「女を押し倒すだけの腕力も、謙次くんにはなさそうだし」
カチンッ
「するとなんですか村上さん? あなたそんな激しい口吸いをしてらっしゃるんですか? まるで発情期のアニマルですな」
図星を突かれるのが人間一番腹が立つ。
喰らえとばかりに、俺は右ストレート覚悟でセクハラ口撃を敢行したが、返ってきたのは黄金の拳ではなく意外な反応だった。
「なっ!?」
わっかりやすいなぁ〜〜こいつ。
村上のやつはこれしきで、俺にしてみればジャブみたいなセクハラアタックなのに、顔どころか見事に耳まで真っ赤かになってやがる。
あの最悪の出会いからそろそろ一週間。
初めて。本当に初めて。この女が可愛いと思ってしまった。
「ってかなんですか奥さん。あ〜〜たもしかして、ハードなケモノプレーが好みなのですか? どうなんです奥さん? ん? ん?」
このときの俺は確実に調子に乗ってたね。
隙を作った自分が悪いとはいえ、腕相撲で女に負けちゃった鬱憤もあったし。なんか我ながらセコいプライドだ。……そりゃ負けるわ。
「えっ!? あ、いや、そんな、えっと…………あの…………」
しかしこんなシドロモドロの村上を、俺はおっさんみたいに嫌らしく口撃しながらぴんっときたね。
ここまであたふたしてくれりゃ、余程鈍くなければ誰でもくるだろうけどさ。
「ところで奥さん。あ〜〜た、一体どちらで初接吻などを、ブチュ〜〜ッとなさりましたか? 出来るだけ具体的にお願いします」
「ぐっ!? えっ!? あ、ああ〜〜、その、え〜〜あ〜〜っと……ど、どこだったけっかな〜〜? ああ〜〜〜〜」
ポンッ
俺は優しく優しく聖人みたいに微笑みながら、当てのない記憶を探っている村上の肩に手を置いた。
もう十分堪能させてもらったからいいや。 俺は優しさライセンスを持ってるから、これくらいで許してやるぜ小百合ちゃん。
「おまえもキスしたことねぇだろ?」
そう言って俺は同志に向かって、親指をびっと立てると片目をつぶって見せた。
ええ、もちろんその後メチャメチャに殴られましたよ。そりゃそうですよ。ボコボコでしたわい。
でもそうして殴られながらも、いつもの様に決して痛みだけではなく、俺は確実に甘美で新鮮な感覚も味わっていた。
羞恥心で顔を赤らめている女に叩かれるのが、こんなにも気持ちいいとは、知ってはいけない世界を知ってしまった気がする。
チラッと捉えた目の端では芝川さんが、腹を抱えてケタケタと大爆笑していた。
今回はここまで。
レスくださってる方いつもありがとうございます。次くらいからは入れられたら、エロを少しずつ入れていこうと思います。
125 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 00:13:32 ID:3JJ/HxgD
GJGJ!!
正直読み始めた頃は小百合を襲う展開を望んでいたがそんなことどうでもよくなってきた
かわええぞ小百合
>>123-124 ツンデレキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!!
なんだかんだで玉山君は一人ずつ攻略しちゃってる訳ね。
GJ
>>124の続き
「うぅんん……うう……んっ?」
目を開けて最初に目にしたのは、見知らぬ天井だった。
自分の部屋でないのは確実。
なにせ天井がべらぼうに高かったし、まだ酒が効いてるのかもしれないが、それにしたって俺の部屋にロフトなんてものはない。
結論としては現在、俺は他人の部屋で寝てるということになる。
うん。我ながら寝起きにしては頭の回転が速い。
さてそれじゃどうして人様のお部屋で寝てるのか、切れる頭でちょいと思い出してみるかな。
まずはえ〜〜っと、ああそうだそうだ、新米バイトの研修終了記念で、井上さんと芝川さんの先導でカラオケに行ったんだ。
女の子とそんなとこに行ったことのなかった俺は、妙にハイテンションになって、ビールをカッパカッパと呑みながら怒涛の勢いで、
さくらんぼを五回ほど連チャンで熱唱したのははっきり覚えてる。
流石に最後の方は、もう一回っ!! とは誰一人言ってくれなかったけ。
それから俺の強い希望によって王様ゲームをやって、危うくファーストキスの相手が井上さんになりそうになって、それから…………。
「あれ? あれれ? んん……そこまで……みたいだな……ふむ…………」
なんか嫌なとこで記憶が途切れてるな。
でもまぁ、初めては夜の公園で大好きな人に捧げたいの、などと乙女ちっくなことは思わないが、あのまましてたらトラウマもんだ。
回避できてたみたいだから良しとしよう。
とりあえず純潔は守られたみたいで、ほっと胸を撫で下ろした俺が、ころんっと右に寝返りを打つと。
「……Oh,GOOD」
両親どころか親戚一同全て含めても、先祖七代遡っても、俺の身体には一滴たりとも、西洋の血など流れちゃいないだろう。
なのに物凄く流麗な発音。
素晴らしい映像が瓶底眼鏡を障子の様に易々と通過して、網膜へとイチローのレーザービームみたいに飛び込んできた。
判定はもちろんアウト。
あの日あのときあの場所で見たのと、同じものなのかはちょっとわからない。でもその印象だけはまるっきり同じものだった。
……可愛い。
背中を向けているが、誰だかはすぐにわかる。
女としては大柄な身体を、子供みたいに小さく丸めて寝てるのは、生涯で俺を最も殴った人間として名を残すだろう、村上小百合だ。
ブラボーなお尻を包んでるピンクのパンツは、よれて豪快に谷間に喰い込んでいる。
ほとんどティーバッグ状態だった。
その魅惑のお尻が手を伸ばせば、どころか、カメの様に首を伸ばすだけで、キスできそうなほど近くにある。
「…………」
許してほしいとは言わない。でもわかってほしい。男として生まれたからには、誰だって考えずにはいられないはずだ。
そして玉山謙次という人間には、行動力だけは無闇やたらにある。……困ったことに。
「…………」
多分酔いもまだまだ全然残ってた。後から考えればそう思う。
こんなことして起きちゃったらどうしようとか、そのときの俺はまるで考えていなかった。いや正確には考えられなかった、だな。
「…………」
おそらくいまの俺の顔は、いつもよりも輪を掛けて、さらに間抜けなものになってるだろう。
鏡を見なくともそれはわかっているが、どうしても口はタコみたいに窄まり、ゆっくりと村上のお尻にキスするのを止められなかった。
ちゅッ
「んぅ……」
村上の身体が少しだけくすぐったそうに身じろぎする。
そして俺の脳内には、ガツンッと、ハンマーでぶっ叩かれた様な衝撃が走った。
この日を、この気持ちを、俺は一生忘れないだろう。自叙伝を書くチャンスがあったら、絶対に一章分を割くこと疑いなしだ。
だがしかし。
「いやいや……待て待て……これではまだまだ取材不足だな、うん、もっと綿密に調査しなくては」
誰も聴いちゃいないのにわざわざ声に出したりしたのは、やはりどこか後ろめたいとこがあったんだと思う。
でもこれで自分を正当化する建前は完了だ。
素面だったら、うそ〜〜ん!!、と叫ばずにはいられない理屈で納得出来ちゃうあたり、間違いなく百パー俺は酔っている。
アルコール最高。
舌をんべぇと出すと、俺は犬の様にハァハァと呼吸を荒くしながら、再び村上のお尻へと顔を近づけた。
しかしなんというかこう、人として大事なものを失くしてしまった気がする。
いまの俺はどこに出しても恥ずかしくない立派な変態だ。
まぁそれを自覚したところで、踏み越えてしまったラインを、いまさら戻る気なんてさらさらないんだけどね。
ぺちゃ……
「んンッ」
毛髪で刷けるみたいにそっと一舐めすると、村上の身体はさっきよりも大きく反応を寄越して返した。
白い肌がぶるっと粟立つ。
舌が刷けるたびに村上のお尻は小さく細かく震え、もぞもぞとする動きはとても扇情的で、視覚でも俺を愉しませてくれる。
なにかいまなら、バター犬の気持ちがわからなくもない。
「んッ……ふぅん……ンンッ……くぅッ………んンッ…………」
汗をかいているのか、少し村上の肌はしょっぱくて、それが益々俺を夢中にさせる。
ぬめぬめとした唾液の航跡を引きながら、俺は丁寧に丁寧に、震える双臀を隅々まで嘗めくり回した。
ただこれはちょっとやりすぎたかな、とは思う。
ちゅ〜〜〜〜ッ
「んぁッ!?」
思いっきり吸い付いてしまった。
ちゅぽんッ!!
コミカルな音を立ててお尻から唇を離すと、綺麗に紅く紅く、白い肌にくっきりとキスマークが付いている。
マーキングってわけじゃないが、ちっぽけな自尊心が満たされた俺は、にやり、と微笑んだ次の瞬間になってやっと気づいたね。
しまった。証拠が残っちゃったよ。
だが、どうしよう、なんて思ったのも一瞬だ。
「……まぁ……いっかな」
自分のお尻なんてなかなか見るもんじゃないし、銭湯にでもいかなきゃバレやしないだろう。
しかしそうやって勝手に、うんうん、と頷いてると、やはり真空吸引はやりすぎだったのか、村上がちょっとだけ身体を起こそうした。
いかんっ!!
俺は光速で身体の向きを右から左にスイッチする。
ぐにゅ〜〜ん
「……Oh,YES」
一体全体なにがYESなのかは、口走った俺にもよくわからない。
だがしかし、右の手のひらを受け止めた極上のクッション、その柔らかさを讃える言葉が、咄嗟にはそれしか出てはこなかった。
いまを持っても誰の部屋なのかてんでわからないが、どうもみんなで雑魚寝をしてるらしい。
たゆんたゆんしている右手の着地場所は、皆まで言わなくともわかるとは思うが、ツインテールのむっちりボディ、長島鶴羽だった。
滅茶苦茶中途半端ですが今回はここまで。レスくださる方いつもどうもです。次の投下は場面転換なしの続きになると思います。
エロに突入!?
あんたスゲェよ…
続きが待ち遠しいぜ
GJGJ!
続きキボン!
ハァハァ漏れも小百合のシリにキスしたい
GJ!! 続き待っております
漏れも漏れも!! キスしたーい!
>>129の続き
幸せそうな顔をして、安らかな寝息を立てている。
心臓もトックントックンと、正常に動いていて、健康状態にはなんの問題もなさそうだ。良かった良かった。
むしろ問題があるのは、ドンドコドンドコと、激しいビートを刻んでいる俺の心臓の方だろう。
背後の気配がもそもそと動くたびに生きた心地がしない。
村上が目を覚ましたら、始まってもいないのに、俺の全てが終わりだ。
お尻をべったりと濡らしている唾液は、まだまったく乾いてないし、精神の安定でも図りたいのか、それともただのエロ本能なのか、
俺の右手は雑誌の知識そのままに、この期に及んでも綺麗な円を描きながら、長島さんのでかいおっぱいを揺らし続けている。
状況証拠と現行犯の愉快な愉快な二本立て。
これではどんな言い訳も通用しまい。惨劇再びでフクロにされた後、国家権力に突き出されること請け合いだ。
だけどそんな嫌すぎる未来が見え隠れしているのに。
ああ、なんかすげぇぷるぷるの、特大プリン喰いたくなってきたなぁ
などと考えちゃってるのはいっそ天晴れで、俺は自分で自分を褒めてやりたいくらいだった。一回死んだ方がいいかもしんない。
「んん……むぅ…………んん………すぅすぅ………………」
しかし日頃の行いは確実に悪かったが幸いなことに、俺の死刑執行人村上小百合は目を覚まさず、夢の世界へと戻ってくれたみたいだ。
やれやれ助かったぜ。心の広い神様に感謝。
「…………」
でもさ、うん、まぁ文句なんて言える立場じゃないんだけど、神様、あんたこれじゃいくらなんでも玉山謙次の採点甘すぎるよ。
だからこんなことを懲りずにしちゃうんだ。
にゅむにゅむ……にゅむ……にゅむ…………にゅむにゅむ………………
おっぱいに宛がっているだけだった手のひら、その指先がちょっとずつちょっとずつ沈み込んでいく。
ブラジャーなんてものをしているので、本来の柔らかさは幾分損なわれているのだろうが、俺はその光景に正直感動してしまった。
自分の手で女の子の、それも可愛い女の子のおっぱいを揉んでいる。
もみもみと揉みしだいている。
風俗は抵抗があったので行ったことはない。
だから電車やエレベーターで偶然に触れたのを抜かせば、これが俺のおっぱいファーストタッチだった。
この日を、この気持ちを、俺は一生忘れないだろう。自叙伝を書くチャンスがあったら、絶対に一章分を割くこと疑いなしだ。
知ってたかい? 昨日までの俺。
おっぱいってぇのはさ、柔らかいだけじゃないんだぜ。
ちょっとでも乱暴に揉んだりすると、まるで抗議でもするみたいに、指先を跳ね返そうとする強い弾力があるんだ。
「ううッ………くぅんッ……んンッ………ん……うッ…うッ………あッ…………んぅッ!!」
まぁソフトにソフトに揉まなきゃいけないのは、もちろんわかってはいるんだけど、メチャクチャにしてやりたいって叫ぶんだよ。
聴こえるんだ。
痛いくらいにジーパンを突き上げて、パンツの中でギンギンに、血液が沸騰しそうなほど滾ってるやつの声が。
逆らえないね。そもそもそんな気すら起きない。いまなら釘が打てる自信がある。
男はオオ〜〜カミ〜〜。
もう完全にスイッチが入っちゃてたね。
エコーかかっちゃってるもの。気づいたら、むっくりと身体を起こして正座しながら、長島さんのシャツの裾を握っちゃってたもの。
やっぱりさ、人間、現状に満足したら駄目だと思うわけよ。
服の上から触ったら、次は直に触りたいって考えるのは、うん、男として自然なことですやん?
「い、いきます」
なんか裏返っちゃってる声で気合を入れると、俺はそろりそろりと、慎重に細心の注意を払いながらシャツを捲り上げていく。
ここまでコンセントレーションを高めたのは久しぶりだ。
まず覗いたのは当然だが白いおなか。
どうも長島さんはダイエット中らしくて、昼飯を抜いているのは俺も知っていたが、残念ながらその成果はまだあんまり出てない。
だがそんなちょっと、ぷにっ、と感があるおなかも、本人に言ったら嫌な顔をされそうだが、俺にはなんだかとってもプリティだった。
そしてそしてさらに捲っていくと、チラッと、白い布きれが微かに見える。
「…………」
まるで登山家の気分だ。
どうしてシャツを捲くるのか? そこに生乳があるからだ。by玉山謙次。……山を愛する皆さん……ごめんなさい。
心の中で謝りつつ、辛抱堪らなくなった俺は、長島さんのシャツを一気に捲り上げる。
あまり洒落っ気のないブラジャーに包まれている、ふんわりと大きなふくらみは、俺の征服欲を掻き立てずにはいられなかった。
そして一枚脱がしただけで格段のパワーアップをしている。
「……フリーザ」
そのあまりにあまりな衝撃に、もう自分でなにを言ってるのかよくわからない。明日は脳外科に行こうと思います。
まぁそれはそれとして、俺は長島さんのおっぱいの、真の姿、最後の変身を拝むべく、背中のホックは外せないのでずり上げる為に、
シルクだかなんだかその素材はわからないが、妙に手触りのいいブラジャーに手を掛けた。
ごくっ
「お、おしっ!!」
生唾を呑みこみ、いざっ、と気合を入れてずり上げ様とした俺の動きは、しかし最強戦士に食い止められてしまう。
「オッスっ!! オラ悟空」
「だ、だれだっ!?」
いや、別に訊くまでもなく誰だかわかってはいたけど、明らかに悪役の俺は慌てて仰ぎ見る。
そこにはもちろん地球育ちのサイア人ではなくて、ビールの缶を片手にロフトからひょっこり顔を出して、愉しそうににこやかな笑みを
浮かべている芝川いずみさんだった。
今回はここまで。コメントくださった方どうもありがとうございます。次くらいでこの場面は終了したいと思います。
uoooooooooooooooooooo!!!!
ついに抜いたよ!
GJ
はいぃぃぃぃ!!
げ、現行犯!!?
>>1さんのキャラクター造詣に感銘を受けました。
早速、インスパイヤさせていただき、白子の魔術師が活躍する話を考えました。
------------------------------------------------------------------
玉山謙次はすかさず腰に佩いた黒の剣を引き抜いた。
彼と分かち難い絆で結ばれた地獄の剣−芝川いずみ−は久々の獲物を前に歓喜の啜り泣きにも似唸りを上げる。
芝川いずみを手にした玉山謙次は<光の帝国>たるスーパーの末裔に似合いの酷薄な笑みを浮かべると、
守護魔神課長を讃える古の鬨の声が上げ、M市諸国で呼ばわれる白き狼のごとく襲い掛かった。
「課長!課長!血と魂を御身に!」
芝川いずみは巧みに中山の防御をかいくぐると、肩口から胸骨までを切り下げ、断末魔の悲鳴とともに魂をすすりだす。
「ああ!魂が!魂が吸われていく!玉山謙次よ、頼む!その剣を抜いてくれ!」
「生憎だが、その望みは断らせていただく。
芝川いずみよ、待ち焦がれた魂だ。存分に吸うが良い。
中山よ。貴公の魂は我が守護魔神課長に捧げられ、芝川いずみの糧となり、そして私の魂の餓えを癒してくれるのだ」
穢れた魂とはいえ、玉山謙次は芝川いずみを通して十分な活力が身に染み渡るのを感じ、
さらに、復讐心をも満足させてくれる感触を十二分に味わった。
141 :
GJ!w:2005/12/07(水) 14:20:20 ID:ZUnLP6Ak
こんなところで何してるんですかムアコックさん!
142 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 14:51:12 ID:DWJrnOFH
きたいあげ
144 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 20:06:32 ID:8X6vP/q3
agfe
145 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 07:48:26 ID:6QBzcpON
age
146 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 17:10:52 ID:17lIiyqm
期待あげ
147 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 04:41:50 ID:Psx/5nj/
afe
もう皆飽きたのかな?
149 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 00:13:43 ID:DSSFUk++
こいや!
151 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 05:09:48 ID:fzYbQfaX
じゃあ期待してみようか
>88
野宮は同人作家だ。野宮は自分より下手な描き手を見かけると
指摘をせずにいられない。
自分はつるぺたロリ好きでそればっかり描いてるくせに
同じようなロリ描きでかつ売れない同人作家を見ると
「豊乳美少女絵の抜ける本を作れ」と相手の描きたいモノを無視した
人道に反するアドバイスをする。
(お前が言うな!お前が!!←云われた作家の心の声)
しかし、超売れっ子プロエロ原画ーの○○さんが通るやいなや
態度を変え「○○センセ〜v先日出たゲームプレイしました〜v」
しなをつくりすり寄るが心の中には卑屈な感情を持っている。
(フン、バレーボールみたいな下品なおぱーいしか描けないくせに。
今に私のスレンダー曲線で描かれるキレカワエロを流行らせてみせるから。
そして○○、あんたを地べたにはいつくばらせてみせるわ。)
野宮は弱いモノいじめしか出来ないくせに野心家なのである。
>88の野宮と>15の月代は歳は離れているが、
お互いのサイトを通して知り合った同人仲間である。
野宮は百合、月代は男女エロを描(書)いているが、
共通点は「炉利好き」である。
オフで何度も顔を合わせたこともある。
マクドナルドの禁煙席に何時間も居座り、延々と
自分の興味のある話しかしないのである。
(野宮は猫耳をつけた鞠見てキャラの百合絡みについて、
月代はいじめられっ子の小学生女児が、イケメン悪魔に
助けられて愛が芽生える話など)勿論お互い相づちは打ってはいるが、
聞いちゃいねえ。
ちなみに野宮は月代の描く絵(キックオフを彷彿させる目)が嫌いで、
得意の指摘攻撃をするのだが、月代は知ってか知らずか、これまた
得意の自キャラ設定語りで切り返してるのである。
154 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 01:30:23 ID:AkFPtLcP
で、このスレとどう関係があるの?
156 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 12:09:49 ID:t2LOhZUo
終わらんよ!!
屁をこいてあげよう
……ぷぅ
158 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 16:10:37 ID:S0wnkNS1
もっとがんばれ
age
野宮美華の正体って宮飲み屋とかいう猫耳おっさんだろ?