2⊂(゚ロ゚⊂⌒`つ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
参!
4様
今夜祭りが始まる神スレはここですか?
19日 22:00-23:00 ピンキリ氏 ---
>>549 「秋」「月」「怪談」で、短めの話
20日 00:00-00:05 郭泰源氏 ---
>>544 「アカく染まる夕暮れのアキ」
20日 00:30-00:30 トマソン氏 ---
>>546 誕生日ネタ
20日 01:00-01:00 さくしゃ氏 ---
>>526 「祭り」「お月見」
20日 07:00-07:00 アカボシ氏 ---
>>557 お題「一周年」で
20日 12:00-12:00 ナット氏 ---
>>456 一応妹&家庭教師コラボの予定
20日 19:00-19:00 ドミンゴ氏 ---
>>584 記念日
20日 20:00-20:00 72氏 ---
>>460 お題にあっているかどうかはご勘弁を。(一応秋をテーマに考えてますが…)
20日 22:00-22:30 541氏 ---
>>581 「リョーコ20歳/一周年」
20日 23:00-23:00 白帯侍氏 ---
>>561 お題は「誕生日」でミサキもの
妹は思春期は、キャラの区別がつかない
シンジ×アキのラブラブ誕生日・・・
白帯侍氏・・・いつか期待してはいけないでしょうか?
ageておく
sageてないかも
11 :
72:2005/09/20(火) 20:12:48 ID:kIMUIhg+
職人の皆さまGJ&お疲れ様です。
それでは予告どおり投下させていただきます。
一応「秋」をテーマにできたようなできてないような。
いやもう今回のは小ネタなんで、他の職人の方々のと比べると投下するのに気が引けるんですが…。
気を取り直して、では投下。タイトルは「秋の味覚」で。
12 :
72:2005/09/20(火) 20:14:36 ID:kIMUIhg+
「世の中はすっかり秋ねえ…」
「…そうですね、あっという間に涼しくなっちゃって…」
「ところで秋といえば何かしら、城島くん」
「…スポーツの秋とか、読書の秋とか…いろいろありますね…ふぅ」
「そうね。でも秋といったらやっぱり」
「…食欲の秋ですか?」
「その通り!『天高く、馬肥ゆる秋』ね。本当に秋は何でも美味しい季節よねえ」
「……そうですね。…んっ…」
「それで、秋の味覚の代表格と言えば何かな?城島くん」
「秋刀魚とか、リンゴとか…いろいろあると…うぐっ…」
「そう、でも秋の味覚の王様といったら松茸だと思うのよ、私は」
「松茸かあ…俺も一度食べて見たいですね…丸ごと一本のやつ…ふあ…」
「松茸狩りって一度行ってみたいわよね。でも時間とお金がなかなか都合がつかなくてね…」
「…それで?…くっ…」
「…というわけでお手ごろなところで松茸狩りをしようと思ったわけよ。」
「…なるほど、ようやくこの事態が理解できました…
…って俺のムスコしゃぶってキノコ狩りって、なんじゃそりゃあぁぁぁっ!!」
「…ずいぶんと長いノリツッコミだったわね。」
13 :
72:2005/09/20(火) 20:15:57 ID:kIMUIhg+
「だ、だって…誰だって混乱しますよ…いきなり呼び出されて何も言わずにズボン下ろされて…
こ、こんな風に…うわっ…」
"ちゅぷり…ぺろ…"
「ふう…結構立派なモノ持ってるじゃない…毎日のオナニーで
鍛え上げた成果かしら?」
「うるせえ!」
「あら、そんな生意気な口聞いてると…こうよ?」
"ぬちゅ…ちろ…ちろ…つつぅ…"
「ふ…うあぁ…う、そ、そこは…裏筋はやめて…」
「わかった?年上にはちゃんと敬語を使わないと。」
「はい…わかり…う…うあぁっ!!」
"びゅっ……どくっ…どくっ…"
「…あら、もう出しちゃったの?…ちょっと早いわよ。」
「ふへえぇ…」
「あの…先生…もう帰らせてください…うっ…」
「(無視)…いやー、若いっていいわねえ。
さっき一回射精したくせに、もう大きくなってるじゃない…」
「あ…いや…これは…不可抗力っていうか…」
「…さてと。城島くん、ちょっと横になってくれない?上に乗るから」
「へ?…え…まさか…」
「ふふ、フェラだけで終わると思った?甘いわね、城島くん」
「あ、あの…」
「据え膳喰わぬば女の恥ってね♪」
「それは女じゃなくて男でしょうが!!」
「まあ、いいからいいから。まだ童貞なんでしょ?しっかり私がリードしてあげるから、ね?(にっこり)」
(わああ…これは…逆レイプとでも言うのか?
…このまま流されていいのかよ、俺?…ん…隣から…?)
14 :
72:2005/09/20(火) 20:17:27 ID:kIMUIhg+
"…ぁぁ…やめて…くださぃぃ…"
"…心配イリマセン、スグニ気持チヨクナリマース…"
"いやぁぁぁ……"
「あの…隣の化学室からも、変な声が聞こえるんすけど」
「…ああ、きっとマリア先生ね。彼女も秋の味覚を楽しみたいんだって。
女子生徒相手にクリト…クリ拾い…とか言ってたかしら?」
「うわ、ひでえ下ネタ」
「そんなことよりも、それっ」
"どさっ"
「ぐはっ…(う、馬乗りに…)」
「さてと…はじめようかしら♪」
(ああもう、誰でもいいから来てくれえ…)
"コンコン…"
「あら、誰かしら?」
(た、助かった…?)
「…あのー、小宮山先生いますか?」
(へ…この声って…?)
「ああ、入ってもいいわよ。」
(…いや、おい…まさか…ちょ…)
15 :
72:2005/09/20(火) 20:18:46 ID:kIMUIhg+
「しつれいしまーす♪あ、お兄ちゃん♪」
「カ、カナミ…なんでここに?」
「ああ、私が呼んだのよ。つ・い・でに」
「何ぃーっ!!つーか何のついでだ!!」
「えへ、お兄ちゃんの童貞喪失と聞いて、いてもたってもいられず
ビデオカメラ片手にやってきました!」
「あ、アホーッ!!」
「さあ役者もそろったし、もう逃げられないわよ、城島くん?」
(さ、最悪だ…)
"ピ…ピピッ…ジーッ…"
「…これでよしと。先生、カメラの準備OKです!!」
「さあ、童貞喪失の瞬間よ!!」
「お兄ちゃん、がんばって!応援してるよ♪」
「何をだコンチクショウ!!…ああ…もう…誰か…助けてぇ…(泣)」
こうして城島シンジは妹の目の前で童貞を失った。
そして隣の教室でも、ほぼ同時にマリアに処女を奪われたいたいけな少女がいたのだが…
…その話はまあいいか。
(おしまい)
16 :
72:2005/09/20(火) 20:20:09 ID:kIMUIhg+
終了です。お目汚し失礼しました。
ほぼ会話と擬音だけのネタですが、文章入れたほうが良かったかも…。
まあ今回のネタは、「キノコ狩り」と「クリ拾い」
この二つが言いたかっただけです、くだらんネタですみません。
それではまた。引き続き祭りをお楽しみください。
あと古田氏、更新お疲れ様です。次回の更新はかなり大変だとは思いますが、頑張って下さい。
GJ!
長いと思われた祭もあと2作を残すのみか
あっという間だったなあ
祭りも終盤、9人目で登板します。
タイトル:リョーコ20歳/一周年
舞台:単行本2巻「032 天野ミサキ」
内容:アイ&リョーコ、エロ寸止め、ギャグ少々
§リョーコ20歳/一周年
今日は家庭教師のアルバイトの日。
生徒達が待つ小久保家へ向っていたアイとリョーコは、
前方に下校中の小久保マサヒコの後姿を見つけた。駆け
寄って声をかけようとするアイを、リョーコは後ろから
腕を掴んで制した。
「待ってアイ。
マサのやつ、見慣れない女の子を連れてる」
「あ、本当ですね。邪魔したら悪いかな」
「フフフ面白そうだから、このまま尾行するわよ」
リョーコは、マサヒコの連れをじっくり観察する。
その眼は、まるで獲物を狙うライオンのようだ。
(ふーん、栗色の髪で、背はマサと同じぐらいか。
うわー、胸大きいじゃん。
マサは、おっぱい星人?)
哀れな獲物達は尾行者には気付かず、やがて小久保家の
二つ真向いの家に入っていた。
「先輩、この家はミサキちゃんの……」
「いよいよ面白くなってきたわ。いくわよ、アイ!」
「え、家の中にですか」
「生徒に対する理解を深めるのは家庭教師の務めよ!」
リョーコは無茶な理屈でアイを説き伏せ、天野家に突入
する。躊躇していたアイも後に続く。下世話な興味の前
に、良心は脆くも消え去った。
そして、女子大生家庭教師二人は、中学生男女三人によ
る甘酸っぱい青春の一コマを、扉の影から覗き見ること
になった。
¶
二時間後、駅前通りにて。
バイトを終えて小久保家から退出した家庭教師二人は、
先刻の覗き…もとい生徒理解の成果を話題にしていた。
「"委員長"から"天野"って、マサの鈍チンめ」
「ププ、ミサキちゃん、スネてかわいかったですね」
「まったく、ああいう態度はイライラするわ」
「え?」
「勉強は出来るけど、あの娘はバカよ!
欲しいものはさっさと掴み取らないと、
後で後悔することになるのに」
リョーコの突然のマジギレに、ドンビキのアイ。
「ちょっと先輩、そんなにキレなくても……」
「アイ、あんたもよ。半天然で、ぼんやり生きてると、
そのうち痛い目に合うわよ」
矛先が自分に向けられたアイは、あわてて話題転換を試
みる。
「そ、そういえば、そろそろ一年になりますね」
「は?何のこと」
「やだなー、先輩と出会ったことですよ。
ちょうど去年の今頃のことでしたよね」
リョーコに向けて、にっこり微笑むアイ。さらに辛辣な
言葉を続けようとしていたリョーコだったが、気勢を削
がれた。アイの方は、さらになだめにかかる。
「そうだ、私達が出合ってから一周年。
これを祝って、これから飲みにいきましょうよ」
「あんたは出会う人毎にお祝いするわけ?」
「え、先輩だけですよ。
先輩は私にとって特別な人だから」
リョーコは、不覚にもアイの言葉にぐっと来てしまう。
悪女を気取っているが、ストレートに気持ちをぶつけて
くる相手には弱いのである。だが、素直になれない彼女
はボケに走る。
「アイからアイの告白を受けちゃったよ。
そういうことなら、抱いてあげようか」
「ええっーーー、そんなつもりじゃなくてですね、
私は純粋に女同士で…って、アレ?
あ、や、や、やっぱり、無理です。
私、男の人とも経験ないのに、
いくら先輩とはいえ、心の準備がーっ」
くだらないオヤジギャグに、アイはマジボケを返す。
(ククク、あんたは面白いわ)
「冗談よ、アイ」
「はぁー。で、お祝いどうします?」
リョーコの返事を待つアイの目は、純朴な子犬のようだ
った。そんな目で見られては、これ以上ボケて逃げるこ
とは出来ない。
(アイから一本取ったし、素直に好意を受けておくか。
追い討ちの策も思いついたし)
「わかったわアイ、豪華ディナーでお祝いしよう」
「やった」
「あんたの奢りで」
「えっ」
アイ撃沈。
リョーコは勝利の味を噛み締めた。
2004年4月中旬。
濱中アイ19歳、処女で半天然。性格は素直そのもの。
中村リョーコ20歳、恋愛経験豊富。身勝手で享楽的。
一見、相性が悪そうな二人だが、当人同士は妙に馬が合
った。リョーコはまだ自覚していないが、彼女の毒気を
アイの存在がすこしづつ中和し始めていた。
¶
「「カムパーイ」」
奮発してイタリアンレストランに入った二人は、ワイン
グラスを合わせて、一周年を祝った。
お祝いとなればグラスの中身はシャンパンにしたかった
のだが、アイの財布と相談の結果、ハウスワインとなっ
た。それをグラス半分あおったリョーコが口を開いた。
「もう一年になるのね。初めて声をかけたとき、あんた
何て言ったか覚えてる?」
「もー、勘弁してくださいよ。
大学生活も一人暮らしも初めてで何も判らず、とても
不安だったんですよ。
アルバイトも決めていなかったから家計も苦しくて、
とても悩んでいたし」
「たしかに悩んでいたみたいだから、つい声をかけたん
だけどさー。普通、初対面の相手に聞くか?
『学食の特盛と大盛りの量の違い』
なんて」
「切実な問題だったんですっ!」
アイの真剣な表情に、リョーコは思わず吹きだした。
脇では、ウェイターが料理の皿をテーブルに並べ、二人
のグラスにワインを注ぎ足していった。
¶
「アイ、夕方の話の続きなんだけどさー。
もう少ししっかりしないとだめよ。
危なっかしくって見てられないわ」
「モグ、モグ、モグ」
カツオのカルパッチョと生ハムを同時攻略中のアイに、
返事ができる道理がなかった。もとより返事を期待して
いない説教モードのリョーコは、構わずに続ける。
「周囲の危険に対する警戒心が無さ過ぎだよ。
あんたも今年で二十歳なんだからさー、
成人としての自覚を持ち、自立した大人を目指し…
あ、コラ、私の分も残しておいてよ!」
シーザーサラダの山を、丸ごと取り皿に持っていこうと
していたアイは、悲しそうな目でリョーコを見た。
「あーーー、OK。それはアンタにあげるよ」
「バク、バク、バク」
リョーコは、申し訳程度に残った生ハムを、フォークで
すくいながら話を続けた。
「えーと、どこまで話したっけ。あー、成人か。
あんた、来年正月には成人式だろ。
これからは自分の行動に責任をもち、近付いてくるや
つは、全員詐欺師か性犯罪者だと思うくらいの用心深
さじゃないと、今に酷い目に遭うわよ」
サラダを片付け、口が空いたアイが反論する。
「そんなの寂しいですよ。
世の中に、悪い人なんてそんなにいません。
先輩も、マサヒコ君達も、大学の友達も、私の周りは
良い人ばかりだし」
「ぐわー、この底抜けのお人好し。
一度酷い目に遭わないと判らないようね」
「そうなったら、先輩が助けてくれますよね」
「お、おう」
逆手をとられたリョーコの負け。説教は不発だった。
¶
リョーコ行き付けカクテルバーにて。
「先輩、さっきの店の料理、最高でしたね」
アイは、イカスミパスタと鶏の香草焼きの味を頭の中で
反芻していた。リョーコは、ナッツを噛み砕くと、ジン
トニックで喉に流し込む。
「最高の料理とやらは、あんたがほとんど平らげてしま
って、私はろくに食べてないぞ」
「先輩は飲んでばかりで、食べないんですもの」
「あのなあー」
(アイのやつ、調子に乗ってる。
ここらでガツンとやって凹ましてやらないと)
「アイ、あんた男を作る気ないの?」
「な、な、な」
「実は百合?」
「違いますっ」
「じゃあ、どうして?」
「今は、大学もバイトも楽しいし、
彼氏がいなくても平気かなーって」
「ふーん、では処女のまま成人式を迎えるんだ?」
「そうなりますねー」
「ねえ、私に任せてみない?」
「へ、何をですか」
「あんたの『夜の成人式』」
「は?」
出鱈目な思い付きだったが、酔っ払ったリョーコには、
それが素晴らしいアイデアに思えた。
アイの処女喪失を、リョーコの指導監督のもとで執り行
うという、実に鬼畜な計画であった。
¶
意味を理解していないアイを放置し、リョーコは店内を
見渡す。行き付けの店なので、見知った顔がすぐに見つ
かった。
リョーコはカウンター席を離れ、テーブル席へ向う。
そこには、若いサラリーマン風の二人連れが談笑してい
た。
「こんばんわ」
「お、リョーコちゃんか」
「それ、頂戴」
リョーコはついと手を伸ばし、男が手にしていたショッ
トグラスを奪い取ると、中の透明な液体を喉に流し込ん
だ。思ったより強い酒だった。
「グ、ゴホッ、ゴホッ。何これ?」
「ウオッカだ」
「キツイだけで、味も香りもないじゃん」
「そういう酒なんだ」
「こんなお酒は嫌いよ」
「人の酒を飲んでおいて、ケチつけるな」
彼らは、近くにあるスポーツジムの常連である。
週に一度、ジムで汗を流すことにしているリョーコは、
ジムやこの店で、彼らとちょくちょく顔をあわせたが、
単なる顔見知りで、特に親しい間柄ではない。
彼らが今夜の相手として相応しいかどうか、リョーコは
吟味した。
(悪党じゃないし、ルックスもまあまあ。
筋トレマニアだけあって肉体も申し分なし。
よし合格)
リョーコは、カウンター席のアイに手を振った。
アイが無邪気に手を振り返す。
「あの娘、私の友達なんだけど。どう思う?」
「どうって、かわいい娘だね」
「抱いてみたいと思う?」
「そりゃ、まあ」
「OK。これから、あの娘に紹介するから、
今夜中に口説き落としてよ。私も協力する」
リョーコのぽん引きトークが炸裂。しかし、美味しい話
には必ず裏がある。サラリーマン二名は危険を感じて警
戒した。
「おいおい、なんのつもりだ」
「あの娘、彼氏にふられたばかりで寂しいのよ」
嘘も方便。
「あ、でも、そのことは絶対言っちゃだめよ。
そして、何があっても関係は今夜一晩限り。
誓える?」
とても都合の良い条件に思わず頷く男達。
彼らはあっという間にリョーコの計画に組み込まれた。
事態はリョーコの思惑通りに進みはじめる。
¶
「「あははは」」
泥酔し、ホテルの一室になだれ込んだ男女4人は、かな
りハイになっていた。男性陣は、期待に股間を膨らませ
ている。なんとなく2組に分かれてベッドサイドに腰掛
ける。
「リョーコちゃん、ベッドの上では負けないぞ」
「ばーか、全戦、私の一本勝ちだからね」
「アイちゃんかわいいね。下着もかわいい系かな?」
「え、ヤダーァ」
リョーコはベッドに倒れ込み、男と長いキスの最中。
一方のアイは、ぼんやりと男に脚を触らせていたが、
胸元に手がかかった辺りで酔いが吹き飛んだ。
「ちょ、ちょっとヤメてください」
「お、恥じらいプレイ。いいね」
「本当に、マジでダメ!」
「それはないよ。なあ、いいだろ。優しくするからさ」
「本当に、ごめんなさい」
「ここまで来て、それはないだろ!」
男はアイを無理矢理ベッドへ押し倒す。優しくすると言
ったばかりなのに。アイは思わず悲鳴を上げた。
横で男と絡んでいたリョーコと目が合った。
¶
「先輩、やっぱり私できません。ムリです」
「アイ、覚悟を決めなよ」
「ムリなものは、ムリです」
男達をベッドの上に残して、バスルームの中で相談する
アイとリョーコ。
「あんたの相手、なかなかイイ男じゃない」
「相手が誰でも、こんなの嫌です」
「いつまでも処女を抱えていると、重くなるわよ。
ここらで散らしてしまった方が楽だって。
怖がらなくても大丈夫。私が傍についてるしさ」
「絶対に嫌!」
周囲に流されるタイプ、と思われているアイだが、
意外に頑固である。貞操の危機だから当然であるが。
(やっぱ、処女に4Pはきついか)
奥手なアイは、これぐらいの強引なきっかけがないと、
大人の女に脱皮できないのではないか。そして、手荒く
扱われて初体験で傷つくことがないように、経験豊富な
自分が見守り、性の悦びに導いてあげなくては。
リョーコなりに考えてのセッティングだった。しかし、
残念ながらリョーコの常識は世間の非常識。リョーコが
処女を失う立場なら問題を感じなかったろうが、世間的
な良識を備えた常識人のアイにとっては大問題である。
今夜のリョーコの頭脳は、酒に焼かれてそのあたりの判
断ができていなかった。
酒に浸かった頭からは腐ったアイデアが湧き出る。
「アイ、男に一人帰ってもらって、3Pならどう?」
「嫌です」
では次のアイデア。
「ならばノーマルに2P。私は見てるだけにする」
「そういう問題じゃありません!」
これならどうだ。
「んじゃ、二人とも帰して、わたしがバイブで」
「いい加減にしてください!」
次々出される腐った提案に、さすがのアイも怒った。
万策尽きたリョーコはついに『濱中アイ、夜の成人式』
計画を断念した。
「でも、どうするよ。この状況〜」
「知りません」
リョーコは煙草を一服、収拾策を考える。
またもや腐ったアイデアが浮かぶ。
しかし、今夜のリョーコにはそれが名案に思えた。
「んーーーよし、これでいこう」
リョーコはバスルームを飛び出す。
男達はお預けされた犬のように、ベッドの上にきちんと
座って待っていた。
「アイは、そこで見てなさい」
リョーコは衣服を脱ぎ捨て、高らかに宣言する。
「坊や達、私が二人同時に相手をしてあげるわ」
¶
翌朝、コーヒーショップにて。
「アイ、どうだった?」
「……」
アイは耳の先まで真っ赤になって下を向いた。
かぶり付き席で生の3Pを見学したのだ、男性経験のな
いアイには刺激が強すぎた。まともにリョーコの顔を見
ることも出来ない。
昨夜はノリノリのリョーコだったが、一夜明けてアイの
ぎこちない態度に接し、はっと我に返って愕然とした。
(やり過ぎた。バカか私は)
猛烈な後悔と自己嫌悪。
「アイ、ゴメン。本当にごめんなさい」
アイは俯いたまま無言である。
「アイ、私のこと軽蔑した?」
不安そうにアイの返事を待つリョーコ。
その様子に何かを感じとったアイは、初めて顔をあげて
リョーコを真正面から見据えた。
「先輩は、いつも私のことをからかって、
頭にくることもありますけど。
昨夜も酷い目にあいましたけど。
でも、先輩は、最後は必ず私を守ってくれますから。
昨夜も最後は私に手出しさせないように体を張って…
私、そういうの、わかりますから。
ちょっと、癪に障るけど、
やっぱり、先輩は私にとって特別な人です」
アイはリョーコの手をとって両手で握り締めた。
リョーコは嬉しくて泣き出しそうだった。
「アイ、ありがとう」
ちょっと涙声。リョーコの目は潤んでいた。
でも、ここで泣いたら女がすたる、と考えてしまうとこ
ろがリョーコらしい。
「アイ、私達、出会えて良かったね」
「はい」
「一周年のお祝い、生涯の思い出になるね」
「はい」
「来年も、お祝いやるわよ」
「はい!」
「二周年のお祝いはどんな趣向にしようか。SM?」
「そっちは結構ですっ」
これで良し。リョーコは満足して煙草を一服した。
(……アイ、私を泣かそうなんて十年早いわよ)
(END)
以上、投下完了です。
二十歳のリョーコは、キャラが立っていて扱い易い。
アイの方は、どう動くのが彼女らしいか悩みました。
お祭りなので、雰囲気を明るくしようとギャグを入れて
みたのですが、成功しましたやら。
時間切れと構成の都合で3Pシーンの描写はカットしま
した。エロくなくて申し訳ない。
では、クローザーの白帯侍氏にマウンドを譲ります。
541氏ロングリリーフGJ!
祭のfinaleが見えてまいりました
あとは抑えの白氏の投下を待つのみ
34 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:21:54 ID:5AOTELdX
こんばんわ白帯侍です
作品が仕上がるかどうか微妙だったのでこの時間帯にしたのですが
まさか最後を飾ることになるとは(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
と、その前に。ひとまずお詫びを述べさせてもらいます
予告でエロ描写を入れるとかいったくせに今回入れてません
本当に申し訳ないですが次の作品で、ということで勘弁してください
祭りの最後を飾るには力不足かと思いますが目を通して頂ければ幸いです
タイトルは「ホントにホシイモノ」
では投下します
GGGGGGGGGGJJJJJJJJJJ!!!!!
ちくしょう、なんていい話なんだ!
あんたは一体なんなんだーッ!!この神様!
36 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:22:42 ID:5AOTELdX
いつからだろう、自分に正直でいられなくなったのは。
小さい頃、周りの子よりもの分かりが良かったので
よく大人から偉いと褒められていた。
幼かった私にとって、その言葉は非常に甘美だった。
私はそれを誇らしく思って、常に『良い子』であり続けようとした。
しかし、どこでだろう。優等生でいることが誇らしくなくなったのは。
『ミサキちゃんを見習いなさい』
『じゃあ・・・ミサキちゃん。あなたなら解けるでしょう』
『天野に任せれば大丈夫だな』
いつのまにか私の思いは優等生でいたい、ではなく
優等生でいなければならない、というものに変化してしまった。
そのせいで様々な我慢を強いられたり、欲しいものを諦めてしまうということがしばしばあった。
しかし別にそれを苦に思ったことはない。
そこまで執着するようなものなんてほとんど存在しないのだから。
だから、よく人に『欲しいものとかないの?』と聞かれる。
欲しいものは、ある。———ひとつだけ。
物心ついたときから想い続けてきたもの。
とても近い場所にいるというのに、いまだに・・・・いや、これからも手に入れられるか分からないもの。
それは全くの偶然だった。
放課後、ミサキは委員長の仕事をし終え、家路に就くべく教室に向かっていた。
教室の近くまでくるとなにやら男子の話し声が聞こえる。
何人かの生徒が残っているのだろう。
ミサキは教室の中に入ろうとした。が、中にいる1人の男子の言葉に足を止めてしまった。
「なぁ、小久保ってさ。結局誰と付き合ってるんだ?」
ミサキはその言葉に驚いて思わず教室の外に隠れた。
思わぬ話題に胸の鼓動が高まった。
「誰って・・・お前なぁ」
ミサキの鼓動はその声を聞いて更に鼓動のピッチを上げる。
(中に、マサ君もいる・・・)
自分の想い人の・・・小久保マサヒコの声だ。
ここで立ち去ってしまうことも出来た。
しばらくしてから戻ってくれば、話題も変わっているだろう。
しかしマサヒコの存在がミサキをこの場に押しとどめさせた。
実際、マサヒコと付き合ってる女性はいない。
よくマサヒコと行動を共にするミサキはそれを知っている。
が、彼女の心中にはある思いがあった。
もしかしたら、誰が好きなのかは分かるかもしれない・・・
ミサキは中の声を聞き逃さないよう、神経を集中させて耳を澄ました。
37 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:23:30 ID:5AOTELdX
「的山だろ。普通なんでもない男子にあんなにベッタリするか?」
「いや、若田部だって。若田部、他の男子にあんな態度とらねぇもん」
「わからんぜ。もしかしたら小久保の家庭教師って可能性も。
前学校来たときに見たけど、なんかただの生徒と教師って感じじゃなかったぞ?」
口々に予想を言い合う男子たち。
「バーカ。全員そんなんじゃないっての。ただの友達。
先生もあくまで先生でしかないよ」
その予想をなんとでもないというように簡単に一蹴してしまうマサヒコ。
これを聞いて、ミサキはいくらか安堵した。
彼女がいないことはともかく、マサヒコが誰かに好意を寄せているかというのは
正直測りきれていなかった。
だがマサヒコの口調からは少なくとも妙な感じは感じ取れない。
(私はどうなのかな・・・・)
ミサキがそう思っていると、中の1人が口を開いた。
「じゃあ普通に考えて天野だよなぁ〜」
!!?
「うんうん」
「やっぱそっちかぁ・・・・」
1人の言葉に残りの2人も同意する。これにはミサキも中にいるマサヒコも動揺した。
「なっ!?お前らさっきまで違うこと言ってただろ!」
「一応他の可能性無いかなって思って言ってみただけだよ。
つーかクラスのヤツもほとんどこう思ってると思うぞ」
ミサキは自分の顔が熱くなってきたのを感じた。今の顔は人に見せられるもんじゃない。
「前から仲良かったけど、最近名前で呼び合うようになったじゃん」
「それに前よりも親しみアップ、って感じするし」
「つーかさ、『小久保君』から『マサ君』って・・・こんなに変わって何も無いはずないだろ?』
「そ、それは・・・」
言葉に詰まるマサヒコ。
事の顛末を説明してしまうと、今度はミサキが家に泊まりにきたということが知られてしまう。
何も無かったとはいえ、この話をすれば誤解を与えることは間違いない。
そんな理由が存在したのだが男子たちはそれを知るはずも無く。
彼らはマサヒコの反応から、彼の図星をついたと思い込んだ。
「もう吐いちまえよ。天野とは、ど・う・な・ん・だ・よ?」
更に強く問い詰められるマサヒコ。
ここまできて妙な言い訳は利かないだろう。
彼の言葉を聞こうと中の男子と、ミサキが耳を立てた。
「ミサキは・・・その・・・・幼馴染み、だから・・・」
(あ・・・・)
マサヒコの言葉を聞いてミサキは心に暗いものに覆われていくのを感じた。
胸の動悸も元に、いや、心なしか先ほどよりも静かになっていく。
はぁ〜〜〜?と中の男子たちが呆れている。
ミサキは黙ってその場を立ち去った。
38 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:24:15 ID:5AOTELdX
しばらくしてから教室に戻るとそこには誰の姿も無かった。
ミサキは自分の通学鞄を持って1人家路につく。
家までの道中、彼女は先ほどの教室での会話を思い出していた。
『ミサキは・・・その・・・・幼馴染み、だから・・・』
幼馴染み。
この言葉にミサキは、言いようの無い不安を覚えた。
今まではこの立場が他の娘よりも有利なものであると思っていた。
常に彼の近くにいれて、彼のことを誰よりも理解できる立場だったから。
だが、本当にそうなのだろうか?
むしろ幼馴染みという名目は、私たちの関係を縛り付けているんではないだろうか。
友達以上、恋人未満という関係に。
ミサキは目を細め正面に見える夕日を見つめた。
夕日の赤が、やたらと寂しく見えた。
「ミサキちゃん来週の日曜日、誕生日だよね?」
次の日の昼、ミサキが昼食を食べ終わった直後に
リンコとアヤナがやってきて急にそう切り出した。
そう言えばそうだった。自分の誕生日だというのにすっかり忘れていた。
「うん、そうだけど」
「あのね、もしその日用事なかったらアヤナちゃんの家で誕生日パーティーやらない?」
リンコがとろけそうな笑顔をしながら話す。
「嬉しいけど、若田部さんの家に迷惑かけるんじゃ」
「その点は心配しないで。月曜日も祭日だからみんな泊りがけで家空けるから」
ミサキが心配事を全部言い終える前にそれを一蹴するアヤナ。
どうやら用意周到らしい。
「ん、それじゃお言葉に甘えて」
ミサキがOKを出すと二人とも安堵の表情を浮かべた。
「よかった〜。断られたらどうしようって思ってたよ〜」
「もうお姉様と濱中先生、それと小久保君にも話してたから」
アヤナの口から想いを寄せている少年の名前が出てきてドキッとする。
ミサキは動揺を顔に出さずに会話を続けたが心中穏やかではなかった。
マサヒコが自分の誕生日を祝いにくる。
そんなことがあったのはいつ以来であろうか。
まだ小学校にも上がらない頃に家族ぐるみでパーティーをした、という記憶しかない。
(マサ君が私を祝ってくれる・・・)
それを思うと嬉しさと、少しの悲しみが心から湧き上がってきた。
マサヒコが来てくれるのは素直に嬉しい。
だが彼は、私を幼馴染みとして祝うのだ。
それ以上でも、それ以下でもない、ただの幼馴染みとして。
39 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:24:49 ID:5AOTELdX
土曜日、ミサキはリンコと街へと来ていた。
リンコがミサキに、誕生日のプレゼントを選ぶから一緒に来てくれと誘ってきたのだ。
普通そういうのは本人に聞かないのでは、とミサキは思ったが、
リンコのことだ、本人が喜ぶものを買ってあげたいという思いからの行動なのだろう、と思い
こうしてプレゼント選びに付き合っているのであった。
リンコと一緒にアクセサリー店に入り、何か良いものがないかと物色する。
(あ、これ可愛い・・・)
シンプルなオープンハートのネックレスを手にとって眺める。
(これにしようかな・・・・)
そう思ってミサキは値札を見る。が、ミサキはそれを見て仰天した。
(うわぁ、高い・・・)
とてもじゃないがリンコに買ってもらうのは悪い。
「何か気に入ったものはありましたか?」
するとそこに店員が愛想のいい笑顔を浮かべてやってきた。
「あ、いや、その〜・・・・」
ミサキはそそくさとネックレスを元の場所に戻して引きつった笑みを浮かべる。
「こちらですか?」
「あの・・・み、見てただけです」
ミサキはそう答えて逃げるようにしてその場から立ち去った。
店の中をうろついていると、別々にものを見ていたリンコがいた。
「何か良いもの見つかった?」
「ん〜〜、まだ探してるとこ」
「なんでも好きなもの選んでね。値段も気にしなくてもいいから」
「え?でも・・・・」
そうは言われても高価なものを頼むのは憚られる。
ミサキが逡巡の表情を見せると、リンコは得意げに胸を張った。
「大丈夫だよ。前に中村先生がね、言ってたの。
『アンタくらいの器量あれば、すぐに稼げる仕事あるから』って」
(何言ってるのよ、あの人は・・・・)
純粋無垢な少女の言葉にミサキは軽い眩暈を覚えた。
そんなことさせる気が欠片もないくせに
そういう下品なことを言うのだから困ったものである。
ミサキは大切な友人が身を汚さないためにも
手ごろな値段のブレスを持ってリンコとレジへと向かったのであった。
店を出た後2人でいろいろな店を冷やかしながら歩く。
そして少し疲れたのでカフェに入ってケーキを2人で食べることに。
ケーキをほお張るリンコはとても幸せそうだ。
「今日ね、ホントはアヤナちゃんも誘ったんだけどね」
ケーキを食べ終えたリンコは飲み物を頂きながら話を始めた。
「自分は別に用意するからって断られちゃった」
「そうだったんだ。でもリンちゃんが今日誘ってくれて嬉しかったよ」
ミサキが感謝の気持ちを述べると、リンコは本当に嬉しそうに微笑んだ。
40 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:25:28 ID:5AOTELdX
ミサキもケーキを食べ終えてジュースを口にする。
そして何気なく店の先に視線を向けた。
休日だけあって、街はたくさんの人で賑わっている。
カップルもちらほらと見受けられた。
人の群れをボーっと見ていると、ミサキがよく見知った人物が視界に映った。
(若田部さんだ)
なにやら手に袋が提げられている。どうやら買い物に来てるようだ。
1人で来てるのかなと思っていると、後ろから誰かが小走りで近づいきて彼女の隣に並んだ。
その人物を見てミサキの目は大きく見開かれる。
(マサ君・・・?)
そう。それはアヤナの倍以上の買い物袋を手にしたマサヒコの姿だった。
何か不平をアヤナに漏らしているようだ。彼女はそれに意地悪な微笑で答えていた。
2人の雰囲気は街中を闊歩しているカップル達のそれだった。
軽い眩暈が彼女を襲う。
だんだんと風景が色を失っていく。喧騒も次第に小さくなっていく。
そして私の心も・・・
・・・ちゃ・・・・・・サ・・ちゃん・・・・ミサ・・・ちゃん・・・・
「ミサキちゃんってば!」
名前を呼ばれるのに気付いてミサキはハッとした。正面には心配そうなリンコの顔。
街は相変わらずの機械的な色彩を取り戻し、喧騒もミサキの耳に戻ってきた。
「どうしたの?急に顔色悪くなったけど」
「大丈夫・・・ちょっとボーっとしてただけ・・・」
無理矢理笑みを作って答える。リンコはまだ心配そうな顔をしている。
ミサキがまた外に目を向けるともうそこに彼らの姿は無かった。
だがミサキの脳裏には、マサヒコとアヤナの姿がしっかりと焼きついていた。
誕生日パーティー当日。
ミサキは若田部家の玄関の前で立ちすくんでいた。
約束の時間はもう少し過ぎている。外も大分暗くなってきた。
中に入ればマサヒコと・・・アヤナが待っているだろう。いつも通りの態度で。
正直ミサキは2人の前で平静を保っていられる自信が無かった。
彼らは私に内緒で付き合っているのだろうか。私が傷つかないように。
だとしたら昨日の仕打ちは残酷すぎる。
あれならいっそ、知らせてくれた方が気が楽だったのに・・・・
と、不意に目の前のドアが開いた。
「! ミサキ今来たのか」
中から現れたのは今会いたくない人物の1人、小久保マサヒコだった。
「マサ君?」
「迎えに行けって言われたんだけど・・・まぁ中に入れよ」
屈託の無い笑みを浮かべるマサヒコ。ミサキの胸に鈍い痛みが走る。
ミサキはマサヒコに促されるままに中へと足を進めた。
41 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:26:38 ID:5AOTELdX
パーティーは実に充実したものになった。
アイはほとんどの料理を食べ、リョーコは下ネタを飛ばし。
リンコはドジをやり、アヤナは何故かミサキに勝負を仕掛けたりして。
マサヒコは相変わらずそれらをフォローしたりツッコみを入れたりしていた。
「ミサキちゃん誕生日おめでとう!」
手に皿を持ったままアイがミサキのところにやってきた。
「ありがとうございます。アイ先生」
にっこりと微笑むミサキ。アイに褒められるのは、何故か嬉しかった。
「これであんたも一つ大人になったわけね。どうよ?これを機に大人の階段も上っちゃえば?」
つられるようにリョーコがやってきた。ほんのりと顔が朱に染まっている。
「マサに『マサ君、あなたを頂戴!』ってさ、押し倒しちゃうってのは?」
アクションをつけて説明をするリョーコ。どうやら結構酔っているらしい。
「先輩、何やってるんですか!ミサキちゃん気にしないで・・・・」
苦笑いしながらミサキを見やる。そこでアイは思わず言葉を噤んだ。
いつものミサキなら呆れた顔を浮かべていただろう。
彼女はただ微笑を浮かべていた。それは、とても悲しげなものに見えた。
「ミサキ・・・ちゃん?」
「え、何ですか?」
ミサキはアイに顔を向ける。そこにはすでに悲しみの色は残っていなかった。
(気のせい、だったのかしら?)
「いや、あの・・・楽しんでね?」
「??? はい」
それだけ言って、アイはリョーコを引っ張ってミサキの所から遠ざかっていった。
ミサキはパーティーを心から楽しんだ。
皆が自分を祝ってくれることに言いようの無い感謝の気持ちが溢れてくる。
しかし度々、ふと意識がマサヒコとアヤナに向かってしまうことがあった。
2人の様子は別におかしいところは無い。いつも通りだ。
しかし不意に昨日の事がフラッシュバックし、その度に彼らのことを確認してしまうのだ。
マサヒコとアヤナ。
彼らはこの場にいるというのに———とてつもなく遠くにいるように感じられた。
パーティー開始から数時間後、自然と宴の幕は下りた。
マサヒコ、ミサキ、アヤナはパーティーの片づけをしている。
アイとリョーコは酔い潰れて、ソファーの上ですやすやと吐息をたてていた。
リンコはやたらと眠そうにしていたので、先に部屋で休んでもらうことにした。
ミサキとアヤナは黙々とそこらに散らばっているものを掃除する。
マサヒコはキッチンで1人食器を洗っている。
アヤナと2人っきり。今なら・・・・聞けるかもしれない。
「若田部さん・・・・」
「何?」
働く手を休めてアヤナが答える。
「昨日・・・どこに行ってたの?」
「どうしてそんなこと聞くの?」
質問に質問で返される。当然の反応だ。
質問の真意がどこにあるのか分からないのだから。
ミサキは一瞬たじろいだが、決意を固めて口を開く。
「昨日ね、リンちゃんと街に買い物にいったんだ。
そのとき私・・・若田部さん見かけたの」
42 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:28:13 ID:5AOTELdX
「あっ・・・」
ミサキの言葉を聞いてアヤナは小さな声を漏らす。
どうやらミサキが聞きたいことを悟ったらしい。
「天野さん、私とちょっと来てくれる?」
「え?どうして・・・・」
アヤナはミサキの言葉も聞かずに、そのままリビングを出て行ってしまう。
慌ててミサキは彼女の後を追った。
アヤナは階段を上っていき、廊下の一番奥にある部屋に入っていった。
ミサキは戸惑いながらその部屋に足を踏み入れた。
そこはベッドと少しのインテリアがあるだけのシンプルな部屋だった。
おそらく来客専用の寝室なのだろう。
ベッドに腰を下ろすアヤナ。
彼女は自分の隣をポンポンと叩く。どうやら隣に座れということらしい。
ミサキはおずおずとアヤナの隣に腰を下ろした。
「さっきの質問だけど」
ミサキが座ったことを確認してアヤナは口を開く。
「昨日は小久保君と買い物に行っていたわ」
ストレートに事実だけを述べるアヤナ。妙な言い回しをしないところが彼女らしい。
(やっぱり・・・・)
改めて事実を突きつけられてミサキは頭を垂れる。
目の前が真っ暗になっていく感覚に襲われる。
自分は彼をずっと思い続けていたのに・・・・
・・・・・一体、誰が悪かったのだろう?
自分の思いに気付いてくれないマサヒコ?
マサヒコを奪っていったアヤナ?
いや、違う。
想うだけでいつまでも踏み込んでいけずにいた自分の責任だ。
ミサキは自分の行動をいくら後悔してもしきれなかった。
「天野さん、どうしてそんなに落ち込むの?」
ハッとして顔を上げる。そこにはどこか侮蔑の色を含んだアヤナの顔があった。
「あなた達はただの幼馴染みでしょう。私が小久保君と何をしようと勝手じゃない」
アヤナの言ったことは全くの正論だった。
確かにただの『幼馴染み』が口を出すことじゃない。
でも・・・・
それでも・・・・
「小久保君だって・・・」
「私はっ!」
アヤナの言葉を遮るミサキ。アヤナはミサキを睨み付ける。
「・・・・何よ」
「私は・・・・・マサ君のことが好きなの」
ミサキは小さな声で、しかしはっきりとした口調で思いを告げる。
思えば他人に気持ちを打ち明けるのは初めてのことだった。
「マサ君が好き。誰よりも・・・若田部さんよりも」
キッとアヤナを見据えながら、ミサキははっきりと自分の気持ちを口にした。
そう、誰にも負けない。このことだけは、絶対に譲れない。
それに対してアヤナは、目を背けずに自分を睨み付ける少女を睨み返す。
まるでミサキの真剣さを推し量るように。
何秒かの沈黙。その場の空気は極限まで張り詰めている。
43 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:30:01 ID:5AOTELdX
と、アヤナの顔に突然微笑が浮かんだ。ピリピリしていた空気も霧散していく。
「その気持ち、彼にもぶつけてみなさいよ」
えっ・・・・
アヤナは先ほどとは打って変わって、優しい口調でミサキに語りかける。
「もっと自分に自信を持ちなさい。あなたは私の、ライバルなんだから」
そう言ってすくっと立ち上がるアヤナ。
ポケットから一枚の折りたたまれた紙を取り出してミサキに渡す。
「ここで待ってなさい」
それだけ言ってアヤナはさっさと出て行ってしまった。
ばたんと閉められるドア。ミサキは1人だけ部屋に置き去りにされてしまった。
ミサキは彼女の出て行ったドアをポカンと眺める。
一体なんだったのであろう?状況が全く理解できない。
さっきまで対峙していた彼女の変わりよう。
自分を応援しているかのような口ぶり。
そして、“成功したら開くように”と書かれた一枚の紙。
一体なにがどうなっているのかミサキにはサッパリだった。
何分くらい待っただろうか。あれこれとミサキが思考を巡らせていると不意にドアが開いた。
中に入ってきたのは———マサヒコだった。
「マサ・・・君?」
驚きで目が見開かれる。どうして彼がここに・・・・
マサヒコはドアを閉めてミサキの前にやってきた。
彼はおもむろに何かの袋を取り出して、それをミサキの目の前に差し出す。
おずおずとそれを受け取るミサキ。手に取った袋を開けて中を見る。
「これ・・・・」
「誕生日プレゼント。ミサキ、誕生日おめでとう」
それは・・・昨日ミサキが欲しいと思っていたオープンハートのネックレスだった。
「どうして・・・」
「若田部にな、プレゼント選びに付き合ってもらったんだ。女の意見ってのが欲しかったから。
それで昨日ぶらぶらしてたら、お前と的山があの店の中から出てきてさ。
それで店員さんに『さっき出て行った娘、何か欲しがってませんでしたか』って聞いたらそれだったわけ」
照れくさそうにマサヒコは頬を掻く。
「でも、何でそんなこと聞いたの?もう欲しいもの買ったかもしれないのに・・・」
それは当然の疑問だった。普通そんなことを聞くはずが無い。
するとマサヒコはさも当然のような口ぶりでそれに答えた。
「お前、昔から他人に遠慮するようなとこあっただろ?
だから本当に欲しいもの買っていったのかな、って思ったんだ。
まぁ結構値は張ったけど・・・せっかくの誕生日だからな。
お前が欲しいもの、プレゼントしたかったんだ」
言った言葉の恥ずかしさに気付いたのだろうか。
最後のほうはおどけた口調で語るマサヒコ。
ミサキは・・・温かいものが心の奥から湧き上がってくるのを感じた。
自分だけが幼馴染みじゃない。彼も、私の幼馴染みなんだ。
私だけが彼のことを知っているわけじゃない。彼も、私のことを知っている。
私だけが彼のことを大切に思ってるんじゃない。私も・・・彼に大切に思われている。
そう思うとミサキの心を覆っていた暗いものがすぅ、と無くなっていった。
今なら・・・・長年できなかったことができるような気がした。
『もっと自分に自信を持ちなさい』
(ありがと、若田部さん)
44 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:31:05 ID:5AOTELdX
「マサ君、ちょっと屈んで」
妙な要求をするミサキ。マサヒコは怪訝顔をしながら身を掲げた。
「なんだよミサ・・・・・・っ!!」
不思議と恥ずかしさはなかった。
ミサキは顔を突き出してマサヒコの唇に自分の唇を重ねた。
触れるだけの、短いキス。
離れるとミサキの目の前には呆然としたマサヒコがいた。
ただただ・・・・彼への愛しさだけが胸に満たされていた。
「私、マサ君のことが好き。この世の誰よりも」
意外なほどすんなり、それを言葉にすることが出来た。
だがその響きには、誰にも揺るがせない真剣な想いが込められていた。
ただの誇張なんかじゃない。小さい頃から温め続けてきた言葉。
「マサ君はどう?やっぱりただの・・・・幼馴染み?」
少女の言葉に少年は息を呑む。逡巡の色を見せて視線をミサキから逸らす。
「正直に言って。さっきのは、私のありのままの気持ちだから。
だからマサ君、あなたも真剣に答えて。どんな答えでも構わないから」
この言葉に偽りは無かった。
自分の気持ちを素直に伝えたのだ。どんな答えでも受け止められる。
ミサキの心には強い何かが宿っていた。
彼女の真剣な想いを受け、視線をさ迷わせていたマサヒコの顔がミサキに向けられた。
その瞳に刹那の逡巡があった。だがそれは次の瞬間、固い決意を抱いたものになった。
「俺な・・・・正直お前の気持ち、薄々気付いてた。でも俺は気付かない振りしてた。
それはミサキの気持ちが迷惑ってわけじゃなくて・・・・
幼馴染みっていう関係を壊したくなかったからなんだ」
ミサキはマサヒコの告白に黙って耳を傾けた。彼の嘘偽りの無い真摯な気持ちを。
「今のみんなと過ごせる時間が・・・少し疲れたりもするけど・・・・・すっごい居心地よくて。
だからいつまでもこんな関係が続けばいいと思ってたんだ」
「だから、私の気持ちも?」
「ああ。でもそれは、結局は逃げなんだよな。
いつまでも続く関係なんかあるはず無いのにな。
それにお前との関係も・・・・」
自嘲を含んだ笑みを浮かべるマサヒコ。
「俺もお前が好きだ。濱中先生でも、若田部でも的山でもなく、お前だけが。
ずっと自分の気持ちに気付かない振りしてたけど・・・今は、素直にそう思える」
マサヒコはミサキの背中に腕を廻す。
ミサキもそれをしっかりと抱きしめ返した。
ミサキの瞳から自然と涙が零れて彼女自身と、彼女を抱きしめるマサヒコの頬を濡らした。
「ホントに・・・私でいいんだよね?」
「バカ。お前じゃなきゃ駄目なんだよ」
更に強く抱きしめるマサヒコ。この温もりがどこかに行ってしまわないように。
「一番、欲しかったもの・・・やっと・・・・手に入った・・・・」
そう、やっと。
そしてこれからはずっと手放すことも無い。
2人きりの部屋でミサキとマサヒコはただただ抱きしめあった。
お互いが抱いていた気持ちは、抱きしめる腕の力からひしひしと伝わっていた。
45 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:31:50 ID:5AOTELdX
「あ・・・・」
抱き合っている最中、ミサキはあることを思い出した。
「ん、何?」
マサヒコはミサキから離れて不思議そうな顔を彼女に向けた。
ミサキはアヤナから貰っていた紙のことを思い出したのだ。
「これ、若田部さんから」
アヤナから貰った紙をマサヒコの前に差し出す。
「成功したら開くように・・・何だコレ?」
「きっと私たちのことだと思うけど・・・・ね、開けてみよう」
「俺も見てもいいのか?」
ミサキが貰ったものなのに、いきなり一緒に見てもいいものなのだろうか、と
マサヒコは思ったのだが、構わずミサキは折られた紙を開いていった。
その中身はどうやら手紙——ほんの4,5行だったが——のようだった。
2人でそれに目を通す。
それを同時に読み終える。だが、どちらも何も反応を起こさない。
しばらくするとマサヒコ・ミサキの両名の肩が小刻みと震えだして・・・・
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・プッ・・・・・・」
「・・フフ・・・・」
「くくく・・・」
「「アッハッハッハッハッハ!!」」
突然笑い出す2人。先ほどの雰囲気はどこへやら。
「わ、若田部が・・・ぷっ・・・こ、こんなこと書くなんてな」
「笑っちゃ・・・フフ・・・わ、悪いよ・・・・」
耐え切れずに再び笑い出す2人。目尻に涙まで浮かんでいる。
「まるで中村先生だな」
「ちょっと思ってもみなかった。だから『成功したら』だったんだ」
しばらく馬鹿笑いをしてから、2人そろって息を整えた。
向かい合う2人。自然と顔が緩む。
「でも、若田部もこう言ってるからな」
「うん。せっかくだから、お言葉に甘えさせてもらおう♪」
そうして彼らは自然に唇を重ねて、抱き合ったままベッドに倒れこんだ。
投げ捨てられた手紙が、開いたまま床にはらりと落ちた。
“私からのプレゼント。
貴方たちに客室貸切の権利を与えます。どうぞご自由に!
p.s. そこ防音はしっかりしてるはずだから・・・その・・・気にしないでね?
更にp.s. あとシーツは・・・・私が交換するから・・・って何言わせてるのよ!
だから何も気にするなってこと!”
46 :
白帯侍:2005/09/20(火) 23:39:14 ID:5AOTELdX
以上、投下終了します
急いで仕上げたのでおかしな所があるかと思いますがどうかスルーして下さい
当初はエロ入れるつもりだったのですが今のオチを書いた後、
この後エロ書くのもなぁ、と思ったのでこのような形で投下することになりました
>>8 リクエストありがとうございます。そのネタも候補にあったので近いうちに書いてみたいと思います
本スレの方でもいろいろ問題になりました今回の祭りでしたが
取り合えずこれを持ちましてフィナーレということにさせてもらいます
それでは、このスレの職人さん、住人の皆様。
これからもこのスレを盛り上げていきましょう!
GJ! 白帯侍氏ナイスピッチング!
有終の美ってやつですね
GGGGGGGGGGJJJJJJJJJJ!!
何この神様祭り。
感動した!!
これで祭りも終わりかぁ……
有終の美かw
完封勝利
GJ!
50 :
郭泰源:2005/09/20(火) 23:49:21 ID:ahZlKCTr
>>白氏
GGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!
ラストに相応しい、余韻のあるSSでした。悲しくも美しい、最高で最後の三尺玉でした!
これはエロ無しのほうが爽やかで良かったですわ、マジで。
ちょっとハプニングもあった祭りだったですけど、すっげえ楽しかったです。
住民の皆様&職人各氏に大感謝。
51 :
さくしゃ:2005/09/20(火) 23:58:40 ID:TD/ZUpWd
>>白氏
もう超GJでした!!
郭氏の言う通り、最高で最後の三尺玉でした!
途中、ハプニングもありましたが、すごい楽しい祭りでした。住民の皆様、職人様の皆様、そして古田氏のおかげで、こんな楽しい祭りになったと思います。
全ての住民様&職人様に、超感謝。
これにて「第1回 妹・濱中エロパロスレ オールスター感謝祭」を終了とする。
第2回の開催をお楽しみに
と、勝手に閉じてみるw
作者の皆様おつかれさまでした。あと、古田氏も頑張ってください。
何なんだろうこの充実感は・・
54 :
72:2005/09/21(水) 00:08:42 ID:gy+n7nBN
白帯侍氏乙&GJです。情景の描写が流石です。
そして職人の皆様本当にお疲れ様です。
それにしても凄いスレですよね、ここは。
それでは今後も、まったりいきましょう。
55 :
トマソン:2005/09/21(水) 00:16:48 ID:BP+JuPJq
いやいやいや本当にすごいスレですね。
皆さんお疲れ様でした。
あまりのペースに、古田氏が保管庫更新の報告をするタイミングを逸しています(オイ)
私も本当に楽しめました。そんなにしょっちゅう出来ることではありませんが、
一年に一回くらいはいいですね。
で、そこで空気を読まずに訂正をお願いしたりして。
:古田殿
保管庫に入れる際、一つ訂正をお願いします。
前スレの>641
「ノイノリのアイとリンコが煽る。」 −> 「ノリノリ……」
まあ書かずもがなの間違いですが、こういうのがあると気になるもんで……m(__)m
本スレの方の反応見て実は結構へこんでたけど
祭りを終えてみて改めてここの住人でよかったと思えたよ
本当に職人の皆様、GJです!!お疲れ様でした!!
職人の皆様どうも乙です
GJでした!
アイとリョーコの話良すぎる
おつかれさまでしたm(_ _)m
楽しかったのでまた是非やってください
祭り参加者の皆さんも職人の方々も、激しくGJでした!!
リアルタイムで読めなかったよorz
乙カレカツカレ納豆カレー
夕暮れの駅に響く「痴女だー!」の声に
走り出したアノ時…
小説としての完成度が高ければ、
無理してまでエロを入れる必要はありませんね。
とにかくGJ!!
63 :
祭り報告会:2005/09/21(水) 10:46:42 ID:ey4lMABk
反省点も強いて出しておこうぜ
本スレは全年齢対応板だし、告知はまずかっただろう
エロパロに嫌悪感持ってる人もそっちにはいるわけだしな
それ以外にはとくに無いと思う
職人さんたちお疲れさま!
65 :
アカボシ:2005/09/21(水) 14:07:52 ID:Dv/eVstD
こんにちは、アカボシです。新スレ立ってるの気付かなかった…orz
祭りの後の空気っていいですね。
職人の方々、住人の皆様、GJ&乙です。
古田氏、保管庫更新お疲れ様でした。今回の大量投下で
大変でしょうが、何卒よろしくお願いします。
住人の皆様、職人の方々、古田氏、そして氏家先生に激しく感謝です。
とりあえず今回の祭りの成功を祝って、乾杯!
∫ ∬ ∫∫
つ旦旦旦旦旦旦
66 :
祭り一行感想:2005/09/21(水) 15:48:20 ID:ey4lMABk
>>63 言いだしっぺとして感想をカキコ
ピンキリ氏『「秋」「月」「怪談」』・・・・・・・・・・佐々岡の独り語り面白過ぎ。笑いを堪えながら読んだ
郭泰源氏「アカく染まる夕暮れのアキ」・・・会話が妙にリアルでエロ恥ずかしくてハアハアした。いつもながら台詞の付け方が秀逸だ
トマソン氏「10年前からのプレゼント」・・・・待望のミサキ GOOD ENDその1。ミサキの心理描写に激しく萌えた
さくしゃ氏 「繋がった心」・・・・・・・・・・・・・・・ミサキGOOD ENDその2。原作の一編を読んでいる感じだ
アカボシ氏「後の祭り」・・・・・・・・・・・・・・・・・なんて下品なんだ(褒め言葉。)妹キャラ総出演パーティで楽しく読めた
ナット氏「1日限りの家庭教師」・・・・・・・・・・マサヒロって誰?内容は微妙だけどアイが可愛く描かれていて満足した。次回作に期待だ
ドミンゴ氏『デュエル』・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにこの極エロ野球拳。リョーコ、おまえはキャバクラ嬢か。腹抱えて笑った
72氏「秋の味覚」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言葉遊びに徹していてイイ。大作揃いの中でほっと一息ついて読めた
541氏「リョーコ20歳/一周年」・・・・・・・・・感動場面をネタでぶち壊すリョーコの照れに萌え。エロがないけど良い話だ
白帯侍氏「ホントにホシイモノ」・・・・・・・・・・ミサキGOOD ENDその3。ラストの展開が強引だけど、ミサキのいじらしさに萌えた
今回10作もあるからなぁ
5作くらいならこの企画に乗ってたかもしれないけど・・・
俺はただ皆様GJ!と叫びたいわけなんです、はい
寝る間も惜しんで読んじまったぜ…職人さん達感動を有難う
「おいカズヤ、進路どうするつもりだ? お前、受験勉強を全くやってないよな?」
「ふ、愚問だなシンジ。卒業後は上京するに決まってるだろ?」
「は、上京?」
「ああ! 目指すは宇宙一のAV男優だぜ!!(ハアハア)」
「そ、そうか・・・。まあ、合ってるかもな・・・」
カズヤはヤリたいからってAV男優なるっていうイメージじゃないんだよなぁ
具体的にはうまく言えないけど…
カズヤならAV撮影のアシさんだな
カズヤ「念願のAV製作会社に雇ってもらえたのはいいんだけどよ…」
シンジ「何だ、これで給料貰えるうえにナマ本番まで見れてサイコー、とか言ってたじゃないか」
カズヤ「それが…サイコーはサイコーでも採光係でさ、重い鏡を裏側で支えるだけで、ちっとも撮影が見れない」
シンジ「そ、そうなのか」
カズヤ「まあ、ナマ声だけでも俺は十分だけどな、うへへ」
72 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 21:06:58 ID:5QpoqCuq
祭りの後の静けさ
ドミンゴ氏の野球拳編の続きを待ってる俺ガイル
出しすぎで萎えたのかね?
そりゃまだ前スレはしっかり機能してるからな。
そっち埋めなきゃこっちは静かなままだろ
75 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 22:24:30 ID:swrr8nV+
しまった!祭りの続きはこっちにあったのか!?
職人の皆様、超絶悶絶GJでした!!
「しっかし、本当にお前ら二人は似てるよな」
「え、私とエーコちゃんのこと?」
「ああ。容姿、性格、嗜好。全く同じじゃねーか。ドッペルゲンガーってやつじゃないのか? いや、マジで」
「失礼な! 私とカナちゃんとでは決定的に違う点があるんだよ?」
「へぇ、どこだよ?」
「ズバリ! カナちゃんはシンちゃんと結婚できないけど、私はできる! 従兄妹だからね!」
「っ!! そ、そうだったわ…。く、悔しい…」
「そんな…。まさかエーコ、あなたもシンジさんのことを…!?」
「ええーっ!? 何なの二人ともその表情? こ、怖っ!!」
関川エーコ、十三歳。不用意な発言で彼女は敵をふたり作ってしまったとさ。
シンジ裏山!
一体何人に想われてんだお前は
エロパロ補正込みで考えるなら、カナミ、マナカ、アキ、カオル、空回りの人、チカ、エーコ、今岡、小宮山……まあ、相手が居ない人全員か。
空回りの人なんて可哀想な呼び方してあげないで!
シンジは
カナミ、アキ、ミホ、チカ、今岡に想われてる
「きんぴらごぼうを作ってみました…。アイ先生、味見をお願いしてもいいですか?」
「もっちろん! いただきまーす!(パクリ)」
「ど、どうですか?」
「・・・・・・」
「…アイ先生?」
「…思い出が…汚されちゃった…」
「え?」
「もう…私…二度と…きんぴらごぼうを食べられないよぅ…」
「ほ、本気で泣いてるーっ!?」
続きが気になる
83 :
ドミンゴ:2005/09/23(金) 23:25:01 ID:GGoglRjb
話の腰を折って申し訳ありません。
前スレのSS、「デュエル」の続きを、日付が変わったら投下したいと思います。
84 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 23:35:10 ID:+DplvvAN
待ってるよー(*´Д`)ハァハァ
85 :
ドミンゴ:2005/09/24(土) 00:06:33 ID:nR4F3r8P
それでは「デュエル」続きいかせてもらいます。
それをリョーコに質問したならば、鏡を見ろ、そんなありがたい答えが頂戴できること請け合いだ。
「ミサキだって揉んであげればすぐに大きくなるよ、それよりもサービスはもう終わり、いい? これで貸し借りはなしだかんね?」
はて? 何か貸したものはあっただろうか?
マサヒコはクエスチョンマークを盛大に頭の上に浮遊させる。
中村リョーコ先生は下ネタには鋭いのに、こういうことにはとんと鈍い生徒に、しかしそこが好感が持てる生徒に微笑で答えた。
「ミサキのカワイイ乳首をゴチになったから、アヤナのオッパイ触らせてあげたの、おわかり? ではそんなわけで九回戦――――」
こういうのも義理堅いというべきなのかどうかは(そもそもミサキとアヤナの身体だし)、非常に意見が分かれるところではあるが、
散々にゅむにゅむ、否、全然にゅむにゅむし足りない手を振り上げて
「ジャ〜〜〜〜ンケ〜〜〜〜ン、ポンッ!!」
フライング気味に叫んじゃってるマサヒコには、その是非を問う資格は勿論ない。あるわきゃない。
「よしっ!!」
もう臆面もなくガッポーズを取っちゃてるんだから、うん、そりゃまぁあるわきゃない。
勝敗はいうまでもなく、パーとグーでマサヒコの勝利。
ミサキのお尻にぴたりと密着している勃起の硬度が、またドクンドクンと血液を収束させて増していった。
そろそろ釘が打てるかもしれない。
「ははっ 気合入ってんねマサヒコ、思春期のオッパイパワーを舐めてたよ、それじゃ勝者の権利を堪能してちょうだい」
アヤナのシャツの裾が、予想通りではあるが、やはりそろりそろりと、マサヒコを煽るように捲くられていく。
まずは白いオナカがチラリと覗いて、なんだか可愛らしく感じてしまうオヘソを通り、そこで一旦ぴたりとリョーコの手が止まった。
「………………………………………」
マサヒコは無言でリョーコを見る。
「おっとと、睨むな睨むな、せっかちは女の子に嫌われるよ」
さっきからリョーコは酒の杯はすすんでいるが、各種取り揃えたおつまみには一切手をつけてない。
酒の肴は完全に目の前の、いちいち反応してくれる童貞少年だった。
86 :
ドミンゴ:2005/09/24(土) 00:07:39 ID:nR4F3r8P
「仕方ないなぁ…………ちょっとだけよン♪」
舞台の幔幕みたいに、ゆっくりゆっくりとシャツの裾が捲られ、たがまたすぐに、ぴたりとリョーコの手の動きは止まったりする。
しかしそれで、マサヒコがリョーコを睨むかというと、全然まったくそんなことはなかった。
“ごくん……”
まだ目立たない喉仏が、生唾を呑み込んで大きく上下する。
柔らかい肉がその箇所に集中しているだろうことは、下半分を見せていただいただけでも、それが誰の目であっても一目瞭然だった。
ふっくらとした二つの大きな肉まんが、食べて、と誘っているような、そんなあって欲しい幻聴にマサヒコは襲われる。
そして頃合と見たのか、リョーコが手の動きを再開すると、それはとてつもなく可憐な姿を現した。
食い合わせとしては苺大福があるのだから、こんなのも当然ありだろう。腹を壊そうがなんだろが男、もとい漢なら喰うね。マジで。
肉まんの上にはちょこんと、甘そうなサクランボが鎮座していた。
「………………………………………」
ふらふらと吸い寄せられるようにマサヒコは、間抜けに口唇を開いてサクランボへと顔を近づけていく――――のを、
“バシッ!!”
「ぶぐっ!?」
リョーコに琴欧州ばりの見事な張り手で押し返されてしまう。
「乙女の清らかなサクランボは、そんなに安かないんですよお客さん、味見がしたかったら、もうちっと勝ってくださいよ」
場末の温泉街にいる呼び込みのように、でへへっ、とちょっとだけ赤くなった鼻を撫でるマサヒコを見ながら、リョーコはいまにも
笑い出しそうである。
そしてそんな風にお姉さまの酒の肴にされてるマサヒコはといえば、
「………………………………………」
てことはつまり勝ち続ければ、サクランボの味が愉しめるということなんだろうか?
チラッとだけ見た幼馴染のものよりも、弱冠色素の濃い紅いサクランボを魅つめながら、そんなことをメチャメチャ真剣に考えてた。
「さてと、やっぱしここは区切りの十回戦だから、勝っときたいよね」
右手をリョーコが振り上げる。
それを見て、区切りどころか全部勝ちたいマサヒコも、ゆっくりとおもむろに右手を振り上げた。
乾坤一擲の大一番。
「ジャ〜〜〜〜ンケ〜〜〜〜ン――――」
二人の手が同時に振り下ろされる。
マサヒコの目が一瞬、ギラリ、と光ったのをリョーコは確かに見た。
87 :
ドミンゴ:2005/09/24(土) 00:08:40 ID:nR4F3r8P
「ポンッ!!」
出した手はグーとチョキ。勝敗が決しガクリと力なく肩を落としたのは、
「…………あんたさぁ、なんの為に目なんか光らせたわけ?」
「…………気のせいでしょ…………おれそんな人間辞めなきゃいけないような、びっくりな特技はないですよ」
マサヒコである。
「まぁいいや、じゃあマサヒコの手で、幼馴染のちょっぴしだけど成長して女の子になった身体を、じっくりと拝ませて貰おうかな」
その言い回しにマサヒコは俯いていた顔を上げ、そしてそのまますぐに、腕の中にいる少女に視線を下ろした。
すやすやと安心しきって、気持ち良さそうな寝息を立ててる。
いまになってやっとこさマサヒコは気づいた。勝っても負けても、参加することに意義があることに。スポーツマンシップ万歳。
そんなわけのわからんことを考えながら、わしっ、と力一杯ミサキのシャツの裾を掴むとそろそろと捲り上げ――――ようとはした。
リョーコがさっきアヤナのシャツを捲ったときのように、余裕を持って、がっついてるのを見透かされぬようゆっくり捲ろうとしたが、
思春期の男の子にそんなことが出来るわけもない。
気持ちを表すみたいに勢い込んで、一気にマサヒコは幼馴染のシャツを捲り上げてしまう。
「………………………………………」
そしてマサヒコは声を失った。
手で覆ったらすっぽりと隠れてしまうような小さなふくらみ、その頂でツンとその身を尖らせている乳首に魅入る。
アヤナと比べてやはりミサキは、どちらかといえば色素が薄い方なのかもしれない。
その淡い桜色の乳首はふるふると儚げに震えて、男の保護欲と嗜虐心、相反しているはずの二つの感情を同時に刺激してくる。
「微乳は美乳…………なんちって」
いよいよ酔いがお脳の方にも回ってきたんだろう。
そうじゃなきゃ言えない、言ってはいけないリョーコのハイブロウなギャグのおかげで、マサヒコはちょっとだけ冷静になれた。
そのカッカッカッカッと熱くなりまくっていた体温を下げてくれたリョーコは、見るとマサヒコのズボンをなんだかガサゴソしている。
「記念に撮ってあげるよ」
言って後ろのポッケから携帯を取り出すと、リョーコはカメラモードにして構えた。
「えっ!?」
“カシャッ”
マサヒコがなにかを言う前に、シャッターを切る小気味いい音がする。
「はい、顔は写してないけど、絶対に人には見られないようにね、この画像はあんただけが見れる、最高の夜のオカズだよ」
渡された携帯の画面にはしっかりと、乳首を硬くしこらせているのまでもはっきりわかる、小さく可憐なふくらみが鮮明に写っていた。
88 :
ドミンゴ:2005/09/24(土) 00:09:40 ID:nR4F3r8P
リョーコを見ると惚れちゃいそうに男前な表情で、グッと格好よろしく親指を立ててらっしゃる。
取っときな。
マサヒコにはそんな声が聞こえた。
これが…………これがアイコンタクトなのですか? 目と目で通じ合う、というやつなのですか? 確かにう〜〜〜〜ん色っぽい。
ならばとそんな静かな歌詞を浮かべながら、マサヒコは目だけでリョーコに想いを伝えてみる。
するとリョーコは、うんうん、と頷いてからウインクを一つして、アヤナを仰け反らせるみたいにしながら背中を押した。
ただでさえ大きな乳房が、マサヒコに向かって迫ってくる。
「うおぅ!?」
ミサキとアヤナ。
どちらのふくらみが良いかは、それぞれの嗜好によって好みが分かれるところだが、迫力という一点だけならば圧倒的だろう。
その説明の要らないボリューム満点の圧力に、マサヒコも思わず仰け反ってしまった。
「へいっカメラマン、ショット・プリーズ」
リョーコに声を掛けられなければ、うわぁ〜〜っと、その迫力に呑まれまくって、アヤナのオッパイを見つめたまま固まってたろう。
しかしマサヒコはその声にはっとなると、プロ意識に(勝手に)目覚めて携帯を構えた。
ベストショットを求めて、携帯の画面を食い入るように見る。見る。とにかく見る。ひたすら見る。飽きずに見る。じっと見る。
そしてわかったことが一つ。
「………………………………………」
マサヒコはカメラを通してその大きなオッパイを見ながら、まるでエッチなビデオを見ているような感覚になったりした。
直に自分の目で見た方が勿論良いに決まっているのだが、そういうビデオをあまり見たことのないマサヒコには新鮮な発見である。
はぁはぁと荒い息で、
“カシャッ”
とシャッターを押すと、マサヒコはこの日この夜撮った画像を、一生の宝にすると固く心に誓った。
ミサキとアヤナを早速画像で見比べて見る。
どちらもセクシーでキュート。どっちが好きなの? そんな感じで甲乙つけがたい。
わかっているのは自分一人になったならば、マサヒコは細かく画面を大きなふくらみと小さなふくらみで行き来しながら、自家発電に
勤しんでいることだろうことだけである。
リョーコはそれがわかっているのかいないのか(多分わかってる)“ニッ”と微笑むと、
「そいではではでは…………はりきって十一回戦いっちゃおうか? ジャ〜〜〜〜ンケ〜〜〜〜ン、ポンッ!!」
新たなる戦いの――――いや、まぁ別にそんな大層なもんではないが、それはそれとして、とりあえず開始を告げた。
今回はここまで。しっかし長いなぁ。このままだと三十回戦いくかもしれません。
ドミンゴ氏gjです!!!
ドミンゴ氏GJ。
三十回戦いくのが先か、二人が目を覚ましてマサがあの世へいくのが先かw
というか二人を剥き終ったら、天然コンビも剥くつもりかw
うわーーー、寝なくて良かった!
何気にスレ覗いたら神が降りてらっしゃいましたよ。
え、まだ続くのですか。どこまでいっちゃうんでしょうか。
つーかすでに収拾がつかん事態になっとるし、オチが楽しみ(いや怖い)
超GJ
まさに神ほんとに神
枝豆をつまみに、ウーロンハイを片手に微酔い気分になりながら読みましたよ!!
う〜んGJ!!俺も思い切り酔っ払ってこーゆー状況に陥りたいわーw
>>90 エロ遊戯王達があと2回戦もやれば、先発二人に剥くところは残ってないわけだし、
色々と行為に及ぶオプションを使っても、三十回戦なら残りの二名も本人達も余裕で全裸ですな。
携帯の秘蔵写真コレクションは凄いことになりそう。
夢オチなんて安易な手は避けてほしいけど、話の着地点をどうするのが興味津々。
う〜ん面白い
趣がある作品だ
そういえば古田氏の保管庫にあったミセリ氏作の連載モノ
あれ中々よかったなあ
天晴れ!
これぞ本当のエロパロディw
>>95 あれいいよな。あれとトモコト氏のアヤナ婚約シリーズは個人的にスレ史上最高作品候補筆頭だ
それだけに続きがどちらも楽しみなんだが…
まさか俺が埋めたとは
『氏家板初心者でもよくわかる作家研究』の第二回目そろそろキボン
一回目の郭神と並んでこのスレの隆盛の基礎を作ったドミンゴ神か518神
もしくはすべての始まりとなった82神あたりが適切な人選ではないかと思ったり
遅ればせながら祭り全SS読んだ漏れ。
全ての神にスタンディング・マスターベーション!
ピンキリ氏『「秋」「月」「怪談」』・・・・いつもながらの変化球。エロ+笑いで新境地開発の感あり
郭泰源氏「アカく染まる夕暮れのアキ」・・・いつもながら高値安定。これはまたも連作の匂いがスル
トマソン氏「10年前からのプレゼント」・・・ミサキがカワユクテ激萌え
さくしゃ氏「繋がった心」・・・・・・・・・さくしゃ氏はエロ苦手?ここ最近登場した若手の中では文章は頭ひとつ抜けて上手いんだけど
確かに上手いんだけど・・・そろそろエロ読みたいかも
ボシ氏「後の祭り」・・・・・・・・・・・・で、こういうSSならアカボシ氏。ギャグの入れ方は抜群に上手し。
ナット氏「1日限りの家庭教師」・・・・・・目の付け所がよかっただけにまとめ不足の感じがちょっとさみしい。
ナット氏らしく女の子の描き方はかわいいんだが
ドミンゴ氏「デュエル」・・・・・・・・・・完結しないところがドミンゴ氏(爆笑)連載継続中なのもドミンゴ氏(曝)
冗談はおいて、久々にドミンゴ氏らしさ全開のSSなので楽しみにしてる
72氏「秋の味覚」・・・・・・・・・・・・・72氏らしく安定した出来。も少し遊んでも良かったかも。
541氏「リョーコ20歳/一周年」・・・・・・リョーコにこだわる541氏らしさ全開の作品。先輩後輩コンビの女の友情に涙
白帯侍氏「ホントにホシイモノ」・・・・・・ミサキかわいいよミサキ。エロあってもなくてもいい感じ。
最後に企画立ち上げの郭泰源氏に敬礼!
ノレl_
/⌒_チ∠、_,、 __
/:^:ン´ヽ /:ヽ:.ヽ:}:.:.:ハ
j:::::::| l / /イヽ:_:ノ:.:.!:.ー':.:l
ハ::ト:リ } ヽトr':.:.:.:.:.〈:.:.:.::.:.:.l
` ├i^ー'´|:j:.:.:.:.:rーヘ、.:.:.:.:.l
j i′ lV:.:.:.:{ ヽi:.ヽ:l、
| | _,小:.ー_;} }、:.:.:.:.:ー.、
_rー' j _ 三{:Y:.-:^ー.、 ヽ,ヽ:.:.:.:;: >、
`三三三三 ヽヽ:.:.:_jー 、三ー-へ ノ{
 ̄ ヽィハト、 { 三ニ} ヽ
ノ } ^ ー'
ー ´
バックがお好きなようで
103 :
ナット:2005/09/24(土) 22:10:12 ID:DM5uOaHA
祭りのときのは時間があまりとれず、しかもなれないことに挑戦しようとしたのでぼろぼろでした。
せっかくボケとツッコミ用意できたのにorz
それと気付いたこと。
自分は長編より小ネタのほうがあっているということ。
ということでマナカ自慰もの
タイトル「官能小説作家の自慰」
「『・・・・・・は男の激しい責めによって、オルガスムスに達してしまった。』っと」
原稿用紙最後の行まで書き、今まで書いた奴に乗せる。
本日8枚目の原稿だ。
「ふ〜〜、ちょっと休みましょうか。」
背もたれに体重をかけ、両腕を上げ硬直していた筋肉を伸ばす。
一旦席を離れ、飲み物を取りに行く。
お湯を沸かし、ティーパックのはいったカップへと注ぐ。
ティーパックといえど、紅茶本来の芳しい香りが感度のよい鼻を楽しませる。
ミルク、砂糖を加え、皿へと乗せ部屋へと運ぶ。
再び椅子に腰掛け、ゆったりとちょっと甘めなミルクティーを堪能する。
今日は調子がよい。ペンがよく進む。ネタが溢れてくるようであった。
カップを一旦机の上に置き、今日書いた原稿を見直す。
いつもは誤字脱字の確認のためだが、今日は無意識にペンが走り、内容をよく覚えていないため、読み返してみる。
自分でも驚くほどよく出来上がっている。
そしていつもよりエッチシーンが濃厚に描かれている。健康な男性なら勃起は間違いなく、さらに自慰を始めるであろう。
「私、こんなのを・・・・」
自分で書いたものだが、その内容に興奮し、血圧が上昇し、体が熱くなる。
何枚か読んでいるうちに自分が無意識に、もどかしそうに腿をもじもじさせていたのに気付いた。
欲情している。 体が、性的快感を求めている。
再び原稿用紙を重ね、ベッドへと寝そべる。
シャツを捲り上げ、わき腹あたりをすぅっと撫でる。
「ふっ、ん・・・・」
きめの細かい肌の表面を、自らの体温を帯びた細く、しなやかな指がなぞる。
小説のネタのため、自らの体を使っていろいろやっているうち、自らの性感帯を見つけていった。
わき腹もそのひとつである。
くすぐったいような、気持ちいいような微妙な感覚が、撫でるたびに体を駆け巡る。
「はぁ・・・ ふ、ん・・・・・・」
手は次第にわき腹から胸へと移っていく。
ブラをはずし、胸をあらわにさせる。
大きくは無いが、ぷにぷにとした適度な軟らかさを持つマナカの胸。
指が軽く沈み込むぐらいの力で揉み解す。
「あっ、 あふ・・・ はぁ・・・」
わき腹を撫でていたときよりも少々強い刺激。
次第に激しく、力強くなっていく。
シャツの裾を咥え、溺れてしまいそうな快感に耐える。
「ふっ、んっ、 んっ・・・・」
人差し指と親指で乳首を軽く摘む
「んんっ!! んっ!」
体がビクッと反応する。
今までより明らかに強力な刺激が体に伝わり、脊髄反射で体が動く。
それでも本能が、今までの経験が気持ちよさを欲し指を動かす。
何度も何度も硬くなった乳首をこり、こりっと指で軽くつぶすように転がす。
「あっ、ふっ、んっ!」
痙攣しているかのように体をびくつかせ、快感を堪能する。
次第にイキたいという欲求が募ってきて、決定的な刺激を求める。
マナカは空いているほうの手を残された下着へと運ぶ。
貞操帯をはずし、パンティの上から自らの女性器をなぞるように指を動かす。
「はうっ、 んっ・・・」
布の上からでも解るほど、秘所は濡れていた。
そしてその湿り気を帯びた布越しに膣口、クリトリスをなぶる。
「ひあっ! あっ、ふっ・・・」
自らの粘り気のある液によるぬるっとした感触、布の少々ざらついた感触、そしてそれを押し付ける自らの指の腹の軟らかさ。
それらがひとつとなり、まるで快感神経の塊になったように感じるクリトリスを転がす。
「あ、ふっ、んっ・・・ はっ ひふぃ・・・」
脳の細胞を焼き切るかのような感覚だが、イクには至らない。
より強い刺激を体が知っている。それを感じるまではイけない。
指を一旦離す。布を染みてきた愛液が指に触れ、離すときに糸を引いていた。
スカートと下着を脱ぎ捨てる。
何もなくなってしまい、あらわになった秘所に再び指を運ぶ。
クリトリスの上に中指を着地させ。ゆっくりとスライドさせてゆき、膣口でとまる。
ここでくっと力をいれ、指のマナカの中へと埋め込ませる。
「ひっ、 っく・・・」
処女の膣内は狭く、指がはいってきて、それにより広げられるとき、少し痛みが走る。
そして中指の第一関節と第二関節の間あたりまで侵入させ、ゆっくりと入れたり出したりする。
「はっ、 んっ・・ ひっ・・・」
出し入れするたび愛液が、ク・・・チュ・・・ チュ・・ とぬめりのある淫らな音を奏でる。
何度も出し入れしているうちに、膣も慣れてきて、痛みもより強い気持ちよさへと変わっていく。
指の動きが次第に早くなっていく。
「あっ、ひっ、あっ、ああっ!」
体がビクッ、ビクッと何度も痙攣する。
何かがこみ上げてきて、絶頂へと加速する。
クチャックチュッグチュ・・・・・
指の動きも無意識に速くなる。
「はっ、ひっ・・ イク・・・ イク!!」
体が一層激しく痙攣する。頭が真っ白になっていき、意識が飛ぶ。
「ふぁ、ああぁあぁあぁあぁぁぁぁぁぁ・・・ッッッッッ!!!」
ぐっと腿を閉じ、丸くなるかのような姿勢で大きく痙攣し、枕をぎゅっと抱きしめる。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
そのまましばらく絶頂の余韻に浸る。
全身の力を抜き、姿勢を崩す。
手を押さえるかのように腿を閉じたため、手にべったりと吹き出た愛液がまとわりついていた。
まだ頭がぽ〜〜っとするなか、その手についている愛液を舐め取っていく。
突然はっとしたかと思うと、おもむろにメモ帳を取り出した。
「『女は手についた淫らな液をいやらしく舐め取った。』 ネタにできますね、これ。」
マナカはメモ帳をしまうと、服を着て、汗、愛液を洗い流すべく風呂場へと向かった。
以上です。
あまり考えてないので小説はどうなったとかは無視です。
書いといてなんだけど、もうちょっと普段とのギャップ出せたら萌えだったかな
>>103-107 ナット氏の新作キター、GJです。
実は
>>66で一行感想書いたの俺です。期待していた新作が来て、すげー嬉しいです。
マナカの無機質なエロさが上手く出てます。
>>101 一行感想キター、通しで読み通すと時間かかるのに乙であります。
ミサキとアヤナが69でどちらが先に逝くか勝負せんかな
'"´ `` 、
` .、
\
/l /| /゙、 ,、 \
/.| / | / ヽ| \ 、`ヘ
/``|/- 、 | / -イ‐''"l ヽ \
. / l/ |/ ' | |
. ゙、  ̄ ̄  ̄ ̄ |. ,、 |
lゞ、 ノ/| ヽ |
. ヘ \ //'|' `' ________
、ヽ ____ " | /
`゙ l ___j ノ < 勝負せんかい
-、、,, _,. '´ \
`/、| l'" ̄ ̄´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
-、/ 'ヽ、,、
``゙ ー '' "´ > 、
`‐-、 __ ,,. - '" `\
`、
112 :
新参者:2005/09/25(日) 14:17:27 ID:wPrKJZc/
御世話になります。
ものすごく久々ですが、投下させていただきます。
前に書いた「マサヒコ×カナミ」の続きです。
忘れて見える方や、知らない方もみえると思いますが、
この話の中では、世界を飛び越えて、マサヒコとカナミが付き合ってることになっています。
そういうのが許せない方はスルーして下さい。
今まで、名前欄にタイトル入れてましたが、今回から、古田氏の提言の通りにします。
タイトル:「男はみんな狼なのよ」
でお願いします。
113 :
新参者:2005/09/25(日) 14:17:58 ID:wPrKJZc/
ぴちゃ…… ぴちゃ……
「はぁっ…う…ん…」
部屋の中に、唾液の爆ぜる音と、少女の悶える声とが入り混じって響き渡る。
「あ…ダメ…やぁ…んっ…」
少女はベッドの縁に腰掛けた状態で、背を反らせるようにして悶えていた。
そして、軽く開かれた少女の両股の間に蹲っている人影が一つ。
「ふふ…『ダメ』なんて言いながら…ココはしっかり濡れてきていますよ…」
そこに居たのは、少女と同じくらいの年齢の少年であった。
そして、少女はショーツを下ろされ、スカートは捲り上げられた状態で、
少年の目の前に少女の可憐な女性器を曝け出していた。
「やぁ…そんなこと…ないもん…」
少女は恥ずかしげに赤らめた顔を背ける。
少年が指し示す『ココ』とは、彼女の女性器のこと。
彼を自分の部屋に入れた直後からずっと、彼の舌によって執拗に責められ続けている。
「そんなことありますよ…だって、ホラ…」
少年はそう言うと、自分の両手の親指を少女の陰唇の両端に当てた。
そして、そのままグイッと力を込める。
「あっ…開いちゃダメぇ…」
少女の言葉は無視され、少年の指の力で彼女の大陰部は左右に開かれ、
可憐なピンクの小陰唇が露わになった。
「…ホラ…ココから…内側から溢れてくるのが見えますよ…カナミさん…」
今度の『ココ』は、少年の目の前でヒクヒクと震える少女の膣口。
そこには、透明な液体が身体の内側から滲み出て、雫のように留まっているのが見えた。
「あぅ…ダ…ダメ…待ってよ、マサくん…」
少女は再び自分の性器に近付いてくる少年の頭を手で制しようとした。
しかし、既に女の弱点を押さえられているため、うまく力が入らない。
「いいえ…待ちませんよ…」
そして、少年は難なく少女の膣口に到達すると、舌で女性器の雫を掬い取った。
「うぁっ…はっ……」
その瞬間、少女の肩がピクリと震えた。
「ふふふ…」
少年は少女の反応を堪能すると、今度は続け様に少女の膣口辺りに吸い付いていった。
チュバッ!チュバッ!と淫猥な音を立てながら、少女の小陰唇が少年の口に引っ張られる。
「うっ…あぁっ…ダメ…ぇ…」
その行為が繰り返されるたび、何度も何度も少女の背筋に電流が走る。
少年の口の動きに合わせるかのように、彼女の肩がビクッ!ビクッ!と細かく上下していた。
「ぁあ…美味いですよ…カナミさんのココ…どんどん溢れてくる…」
少年の行動は止まらない。更にエスカレートしていきそうであった。
「…待ってよ…マサくん…もうすぐ、お兄ちゃんが帰ってきちゃう…」
潤んだような目で懇願する少女。
その言葉に、少年の動きが止まる。
「…良いじゃないですか…その時は、見せ付けてあげましょうよ…」
そう言った少年の目には、僅かに冷たい光が宿る。
「そんな…ダメだよぅ…」
「…良いんですよ…むしろそうしたい…見せ付けてやりたいんだ…」
「そんな…なんで…」
「…前々から、気に入らなかったんですよ、二人の関係が…カナミさんは、何かというと『お兄ちゃん』『お兄ちゃん』って…」
「…だって…それは…」
「ホラ…そんなことはいいから、もっと足開いてくださいよ」
少年はそう言うと、少女の性器に押し当てていた指を離し、内側から彼女の両太股を掴んで、
強引に股を開かせた。
「あぁぅ…」
114 :
新参者:2005/09/25(日) 14:18:32 ID:wPrKJZc/
少女の名前は城島カナミ。
少年の名前は小久保マサヒコ。
付き合い始めて直ぐに一線を越えた二人。
その後、性欲旺盛な年頃であるマサヒコは、事あるごとにカナミの身体を求めてきた。
今日、初めて自分の部屋にマサヒコを入れたカナミであったが、
それまでおとなしかったマサヒコの態度は豹変し、いきなりカナミをベッドに押し倒した。
一度身体を許すと男は変わる。
マサヒコの様子はその典型のようであった。
「ふふ…カナミさんは、身体柔らかいですね…よく見えますよ…」
マサヒコによって、限界まで開脚させられたカナミ。
部屋の明りの中、カナミの股間が大きくはっきりと曝け出される。
「やぁぁ…恥ずかしいよ…」
しかし、隠すことはできない。
手で隠そうとしても、マサヒコの力で振り払われてしまう。
「…いいですね…股関節の柔らかい女性は、中で感じやすいと聞きますよ…」
そう言うと、その『中』を示すかのように、マサヒコの尖らせた舌がカナミの膣口に割り入ってきた。
「あっ…ぅあっ…」
突然の異物感。
カナミの肩がビクビクッと揺れる。
生暖かい感触が、ニュルリとカナミの膣内に侵入してきた。
「ふぅ…んん…」
自分ではない別の意思を持ったものが、身体の中に入り込んでくる。
ゾクゾクとした悪寒が背筋を通り抜け、カナミは小さく身震いした。
「ダメ…だめぇぇ…」
しかし、マサヒコはカナミの制止も聞かず、何度も何度も舌の出し入れを繰り返す。
膣内の浅い位置を這い回られ、段々と奥の方から欲求が高まってくる。
「ふふふ…もっと奥を触って欲しいんじゃないですか?」
舌を抜き出したマサヒコは、カナミの反応を楽しむように見つめている。
軽く笑みを湛えたその表情から、カナミは全てを見透かされているように感じた。
「そ…そんなこと……」
それでも、ここで認めてしまっては、後は良いようにされてしまうだけ。
カナミは言葉だけでも抵抗しようと試みる
が、
「ぅあっ…」
再び異物感。
「そんなこと…ありますよ…ほら、もう中の方までジットリと濡れてますよ…」
マサヒコが揃えた二本の指を、カナミの膣内に挿入してきたのだ。
舌よりも奥まで届く指先が、カナミの膣壁の感触を確かめるように動いている。
カナミの背中を、ゾクゾクッ!と先程よりも大きく速い波が駆け抜けていく。
そして、
「あっ!…んんん…」
胎内に迫り来る波に押されて、一度ブルッと身震いしたかと思うと、
カナミは座った姿勢のまま背筋を強張らせた。
「あ…ひょっとして、堪えきれずに軽くイッちゃいましたか?」
そして、その様子は逐一マサヒコに見られている。
「わかりましたよ…今、俺の指もキュッと締め付けられて…」
「い…言わないでぇ…」
堅く目を閉じ、ハァハァと荒れる呼吸を必死で押さえながら、カナミは何とか留まろうとしている。
しかし、マサヒコの指は、イッた直後の敏感になっている膣内で動き続ける。
頑張って堪えようとしても、カナミの頬は上気し、意識がぼぅっと虚ろになっていく。
カナミの体温が上がっていく。
115 :
新参者:2005/09/25(日) 14:19:28 ID:wPrKJZc/
「カナミさん…どうです?もう挿れて欲しいでしょう?」
マサヒコの問いかけに、言葉無くブンブンと首を横に振るカナミ。
「ほら、そんな我慢しなくてもいいじゃないですか…したいんでしょう?…セックス…」
カナミはもう答えることはできない。
口を噤んで、細かく首を横に振る。
「……セックスしたいって言って下さい…」
しかし、尚も執拗に膣内で動き続けるマサヒコの指。
膣内の上を撫で、下を撫で。
奥に入り、抜き出し。
そして、親指が軽く陰核に触れる。
二本の指の間を開いて、膣口を拡げる。
・
・
・
マサヒコの指による責めは、カナミが首を縦に振るまで続けられた。
116 :
新参者:2005/09/25(日) 14:20:50 ID:wPrKJZc/
「大丈夫ですって…早く済ませますから。 お兄さんが帰ってくるまでに…なるべくね…」
そう言いながら、マサヒコは手早くズボンを下ろし、トランクスに手を掛けた。
そして、マサヒコゆっくりとトランクスも下ろしてゆくと、
すでにはちきれんばかりに勃起したペニスが姿を現した。
「うぅ…はぁ…」
一方で、カナミは気だるげにベッドに横たわったまま動けないでいた。
両足はベッドの縁から力無く投げ出したまま、目を瞑って息を整えている。
舌と指とで執拗に弄られたカナミの女性器は熱を帯びて全体がピンクに浮き上がり、
膣口は呼吸をするようにヒクヒクと収縮を繰り返している。
「早く終わらせよう…ホントに」
「え?」
「いや、何でもない…」
イカされて身体中の力が抜けてしまったかのようなカナミ。
そのカナミの上に覆い被さるようにマサヒコは抱きついてきた。
「うわ…もうビチョビチョじゃないですか…」
そう言って、自分のペニスの先を、カナミのヒクつく膣口に擦り付ける。
「うぅ…そんなこと言わないでよぅ…」
しかし、マサヒコはお構い無しに、硬くなったペニスの先端でカナミの膣口を弄る。
「ふぅ…んっ…」
ペニスの先端の熱を感じ、カナミの肩がピクリと揺れる。
マサヒコのペニスはカナミのワレメを穿つように数回往復し、
自らの亀頭を覆うようにカナミの愛液を塗りつけていった。
そして、狙いをつけるように、膣口の上でペニスを止めると、
ゆっくりとカナミの腰に手を回した。
「いきますよ…」
マサヒコの言葉に、カナミが唇をキュッと引き締める。
直後に、カナミの腰を掴むマサヒコの手に力が込められ、
マサヒコの腰が進み始めるのに伴って、硬いペニスがゆっくりと挿入されていく。
「うっ…ふぅぅぅ…」
マサヒコのペニスが、カナミの膣壁を押し拡げていく。
自分とは違う体温が身体の中に入り込んでくる感覚に、カナミの腰がピクピクと無意識に震える。
マサヒコのペニスは、一息には入ってこず、ジリジリと進み、半分ほど入ったところで引き返し始めた。
そして、また挿入し、やはり半分ほどで引き返していく。
「やっ…やぁぁ…そんな、入口ばっかりぃ…」
膣内の浅いところでペニスの抽送が繰り返される。
マサヒコのペニスが引き返す度に、硬くなったカリ首が膣襞を引っ掻き、中身を引き出されるような感触が走る。
浅いところで繰り返されるため、膣口の周りが何度も引き出され、捲れてしまうような刺激が伝わってくる。
「それじゃぁ、もっと力抜いて下さいよ。じゃないと、奥まで入りませんよ…」
「そ、そんなこと言ったって…」
まだ経験の少ないカナミは、自分の膣圧など充分にコントロールできない。
そればかりか、事前に指で弄られたためか、カナミの膣内はいつもより敏感になっており、
少しペニスが触れただけでも充分に感じ、勝手に収縮してしまう。
「…できないんだったら、もっと自分から腰を振って、俺を受け入れて下さいよ…」
「そんなぁ…」
「…じゃないと、奥まで入っていきませんよ…」
「……わかった…」
カナミはそう言うと、僅かに腰を浮かせ、震える手でベッドのシーツをキュッと握った。
そして、マサヒコが腰を動かすのに合わせるように、上に、下に腰を揺らして、
自分の方からもマサヒコに寄って行こうと努力する。
「うっ…ふぐぅ…んっ…」
右へ、左へと、カナミの陰唇の形が歪む。
腰を動かす度に、二人の結合部からはカナミの愛液が滲み出て、シーツの上に滴り落ちていく。
奥の方の膣壁が、マサヒコのペニスによってグリグリと拡げられ、カナミの背筋にはビリビリと電流が走り、
カナミの腰は何度も崩れ落ちそうになる。
117 :
新参者:2005/09/25(日) 14:22:02 ID:wPrKJZc/
それでもカナミは唇をキュッと結んで、懸命に腰を動かし、マサヒコをその身に受け入れていった。
「ふっ…うっ…あっ!」
やがて、カナミの身体がビクッと一度跳ねたかと思うと、そのまま動かなくなった。
そして、カナミの腰を掴んでいるマサヒコの腕に、カナミの体重が圧し掛かってくる。
「ふふふ…根元まで入りましたよ…ここが、カナミさんの奥ですね…」
マサヒコの腕に体重が掛かってきたのは、カナミの力が抜けてしまった証拠。
ペニスの先端に、今まで割り開いてきた膣壁とは異質の、少々固い肉壁が擦れる。
「あっ!…そこだめ…そこダメなのぉ…」
硬いペニスの先端が、カナミの膣奥、つまり子宮口に到達し、ジリジリと擦り上げている。
「ふふ…そうですか、ここが、カナミさんの「ダメ」なポイントですか…」
カナミの様子を見るにつけ、マサヒコはむしろ更に強くペニスを膣奥に押し当てた。
そればかりか、カナミの腰に当てていた手を離し、そのままカナミお背中に回して、
覆い被さるように強く抱きついてきた。
「うっ…あぁあ!」
おかげでカナミの膣内で、更にペニスが喰い込んでくる。
そして、マサヒコはそのまま小刻みに、子宮口から付かず離れずなほどに本当に小刻みに腰を動かし始めた。
「はっ…うぅ…あぁっ…うぅん…」
肉壁が擦れるクチュクチュという音に混じって、カナミの口から声が漏れ出す。
「はぁっ…ぅあっ…あぁぁ…」
カナミの声は高く、淫猥な響きを持っていた。
我慢しようとしても、自然と漏れ出してしまう声。
「お…オチンチンが、ポイントから外れてくれないぃ…」
絞りだすような声と共に、カナミの腰が痙攣する。
キュゥッと膣襞が締まり、中に収まったマサヒコのペニスを圧迫する。
「あぁっ…くっ…またイッてしまったようですね…」
急激な膣圧に、マサヒコも顔を歪める。
「…凄く敏感になってますね…でも、まだですよ…」
キュゥキュゥと繰り返しくる膣圧、しかし、まだ射精には至らない。
マサヒコはまだカナミを責め立てる。
カナミの背中に回した腕に力を込め、カナミの上半身を無理矢理持ち上げる。
そして、カナミの背中に沿って腕を動かし、尻の辺りをガッシリと掴んだ。
「ほら!カナミさん、俺の身体に腕を回して!じゃないと、落ちちゃいますよ!」
そう言うとマサヒコは、カナミの動作を待たずにカナミの身体ごと立ち上がった。
「うぁぁっ!ま…待ってぇ…」
振り落とされそうになる。
カナミは震える手で懸命にマサヒコにしがみ付いた。
「うっ…重…」
いわゆる『駅弁状態』にもっていったマサヒコは、そのままの体勢で、腰を揺らす。
「うぁぁ!ダメぇ…つっ…潰れちゃう…」
カナミ自身の体重が、膣内でマサヒコのペニスをさらに喰い込ませていく。
子宮全体が押し上げられ、硬いペニスに貫かれてしまいそうに感じる。
「うぅっ…あっ…くぅ…」
マサヒコは、慣れない動きながらも、何度も何度も腰を揺らしてくる。
カナミは足も絡めて、懸命にマサヒコにすがり付いた。
そうでなければ、本当に貫かれてしまう。
子宮口に喰い込んだペニスは、カナミのポイントから一瞬たりとも離れずに揺れ続けている。
そして、タップリと揺すられた後、
「ふぅ、きつ…」
マサヒコはベッドへと座り込んだ。
「あぐぅ!…」
座り込む瞬間、ペニスがグイッとめり込んできて、カナミの声が漏れる。
最初の時と比べると、ちょうどマサヒコとカナミの位置が入れ替わったことになった。
118 :
新参者:2005/09/25(日) 14:22:38 ID:wPrKJZc/
マサヒコの身体を挟んでいるが、ようやく地上へと戻ったカナミ。
マサヒコの方に手を載せて、なんとか自分の身体を支えようとした。
そうやって、ペニスの喰い込みから少しでも逃れようとするのだった。
「うわ…カナミさん、凄いですね…もう完全に本気汁でてますよ…これ」
マサヒコがそう言って、二人の結合部の周りを指で拭うと、彼の指には白く泡立った体液が纏わり付いた。
「いやぁぁ…う…」
そして、それをカナミに示すように、カナミの口の中に押し込んでくる。
滑りを帯びた舌触り。
カナミは自分自身のいやらしい体液を味わい、自分が今、女として感じていることを思い知らされる。
そして、もう一度、マサヒコのペニスがピクンと動いたところで、またカナミの眉間に皺が寄っていった。
「うっく…また、イッてしまったんですか?凄い締まりです…よ…」
捻れるように絞られる膣壁。
マサヒコの射精感を促していく。
「良いですね…イクときにしゃぶりついてくる…のは、とても具合が良いんですよ…」
マサヒコの表情から段々と余裕が失せていく。
「こ…これなら、射精のしがいもあります…」
そう言った瞬間、カナミの膣内で、マサヒコのペニスがムクリと僅かに膨れた。
「え?…な…中で…出すの…」
カナミに唇が震える。
その表情には、怖れが表れている。
「あ、当たり前じゃないですか…中出ししないなんて、セックスじゃありません…」
そう言って、マサヒコはカナミの腰をグイッと引き付けた。
「だ…ダメ…中は…ダメ…」
ビクビクと拡縮を始めた亀頭に、危機感を感じ、カナミはマサヒコの身体を引き剥がそうとした。
しかし、もはや腕に力が入らない。
しかも、マサヒコはカナミの尻をガッシリと掴んだまま逃がそうとしない。
「うぅっ…そんなジタバタしないで下さい!」
そして、マサヒコは更にそのまま身を反転させ、カナミをベッドに押し倒す。
そしてまた覆い被さるように抱き付き、カナミの動きを封じた。
「ダメ…ダメ…ダメぇぇ!!」
カナミの膣内で、マサヒコのペニスがビクビクと震える。
その動きは、射精が近付いていることをカナミに伝え、ゾクゾクと背筋に悪寒が走る。
「うぅっ!…も…もう出る…」
マサヒコの呻きと共に、カナミの膣内で彼の亀頭がムクリと膨らんだ。
「ダメェっ!今日は危険日なのぉっ!!」
泣くような声でカナミが叫んだ。
119 :
新参者:2005/09/25(日) 14:23:30 ID:wPrKJZc/
「えぇええええええっ!!」
次の瞬間、声を上げたのはマサヒコの方だった。
そして同時に、弾かれたようにその身をカナミから離した。
そのままベッドの上にへたりこむマサヒコ。
急激に膣内から抜き出されたペニスがビクビクと震えながらシーツの上に横たわる。
「あぁん……もぉ!…なんで抜いちゃうのぉ…」
ゆっくりと上体を起こすカナミ。
泣いているようだった先程までとは打って変わって、随分と軽い口調である。
「だ…だって、き、危険日って…」
むしろ今度はマサヒコの方が顔を蒼くしていた。
「もー、アドリブだよアドリブ!……それくらいわかってよね」
「えー、そんなぁ…」
「ほら、せっかくマナカちゃんがシナリオ書いてくれたんだから、最後までちゃんとやろうよ」
そう言って、へたりこんでいるマサヒコの腰の上に跨ってくるカナミ。
「えぇぇ…」
戸惑うマサヒコをよそに、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「えーと、じゃぁ、『「中で出すの?」と恐る恐る尋ねる』の辺りからね…」
そして、張り詰めたままでいるマサヒコのペニスを摘むと、自分の膣口に当てる。
「あぁっ!い…今触っちゃ…あぁぁ…」
切羽詰った表情のマサヒコ。
しかし、カナミはお構い無しにペニスをその身に埋めていく。
「えーと…『な…中で…」
「うぅぅっ!!」
カナミがセリフを言い終わる前に、マサヒコが苦しげな呻きを上げる。
同時に、ペニスがドクンと脈打ち、先端が開放される。
「え!?…ウソ…出ちゃった?!…」
胎内に粘着質の熱い感触が広がっていく。
カナミが視線を下ろし、二人の結合部を覗き込むと、そこでは僅かに露出したマサヒコのペニスの根元がビクンビクンと断続的に震えており、
白濁した液体が微かに滲み出ていた。
「うぅっ…うっ…うっ…と、止まらない…」
肩を震わせながら射精を続けるマサヒコ。
「も…もぉー…違うよ…全然違うよぉ…」
ブンブンと両手を縦に振りながら抗議するカナミ。
一方で、カナミも精液が流れ込んでくる感触に震え、身を悶えさせる。
予期せぬタイミングで膣内射精されたため、熱と波が、あとから押し寄せるように下腹部を襲っていた。
「うっ…ハァ…はぁ…」
腰を震わせて、最後まで搾り出したマサヒコ。
カナミはそんなマサヒコを、困ったような表情で見つめていた。
「もぉー…マサくんってば、台無しだよー」
そして、マサヒコの射精が終わったことを確認すると、静かに身体を引いてペニスを抜き出す。
「はぁ…く…そんなこと言っても…もう破裂寸前だったんですよ…はぁ…」
マラソンの後、運動場にへたり込んでいるような体勢で息を整えるマサヒコ。
自分自身の精液で包まれたペニスは、力を失って、シーツの上にペタリと寝そべっている。
カナミは怒っているような、困っているような表情のまま、ベッド脇のケースから数枚のティッシュを取り出し、
自らの性器を拭っている。
「それにね、マサくんってば、セリフが全部棒読みだよー。恥ずかしがってちゃ楽しめないよ…」
そう言って、台本を取り出すカナミ。
それは、何故かきちんとオフセットで製本までされていた。
「そんな…体勢的にきついんですから…セリフ覚えてきただけでも評価して下さいよ…」
3日前に急に台本を渡され、「覚えてきてね」とだけ言われたマサヒコ。
とりあえず、言われたことはちゃんとこなす男、小久保マサヒコであった。
(大体…なんでこんなことやってんだ俺…)
そして、今更ながら、根本的な疑問に辿り着いた。
120 :
新参者:2005/09/25(日) 14:24:47 ID:wPrKJZc/
「でも…せっかくマナカちゃんが書いてくれたんだから、もう少し気分出して欲しいなー」
(その『マナカちゃん』って人はきっと変態に違いない…)
などと、そろそろ落ち着いてきたマサヒコが考えをめぐらせていると、
不意に、カナミが自分の顔をマサヒコの股間に近づけてきた。
「えっ?…何するんですか…あっ……」
「えへへー、ちゃんとキレイにしたげる…」
そう言って、カナミは精液に包まれて白濁したままのマサヒコのペニスを、パクッと口に含んだ。
そして、一息に根元までを口に中に入れると、唇をキュッと締め付け、一気に顔を引いていく。
さながらそこに纏わり付いた精液をこそぎ落とすように、ゆっくりとその一連の動作を繰り返す。
「あっ…そんな…うぅっ…」
しかし、その行動は、同時にマサヒコのペニスにとって大きな刺激となり、マサヒコの中でまた劣情が催し始める。
「んっ…」
口の中でムクムクと膨らみ始めたマサヒコのペニスに、閉じていた目を見開くカナミ。
「ふふふ…さすがマサくん…もう一回くらい軽いね…」
一旦口を離し、再び勃起し始めたマサヒコのペニスの具合を確かめるように、コスコスと手で弄るカナミ。
そのまま亀頭の先を摘み、持ち上げて裏スジを露出させると、尖らせた舌先をそこに這わせた。
「くぅっ…それは…弱いです…」
もうカナミにはマサヒコの弱い部分がわかってきていた。
カナミのポイントを突いた舌技によって、マサヒコのペニスはあっというまに張り詰めていく。
「ふふ…」
その張り詰めていく様子を満足気に見つめるカナミ。
「…じゃぁねー、さっきの続きから…」
そう言ってマサヒコに背中を向けると、状態をシーツの上に伏せ、マサヒコに向かって尻を突き出したような体勢を取る。
「うぅっ…」
おかげで、マサヒコの方からは、カナミの恥ずかしい部分が丸見えになってしまう。
尻を突き出した格好だと、尻溝が開かれ、尻穴が露出し、何もしなくても陰唇が開いて見える。
先程ティッシュで拭っていたが、露出した膣口の中には、白い塊が残って、少し顔を覗かせていた。
「……ねぇー…早くしてよ…さすがにちょっと恥ずかしい…」
マサヒコからは見えないが、カナミはちょっと顔を赤らめながら言った。
と言ってもこの体勢をやめないのがカナミだった。
羞恥心よりも好奇心の方が勝っている。
「えーと…続きって…どんなのでしたっけ?」
実は、マサヒコの中では覚えてきたシナリオは飛んでしまっていた。
それでなくとも、この辺りまで来ると少々飛ばし気味で読んでいたかも知れない。
「えー…忘れちゃったのー…」
「はい…すみません…」
「あのね、私のアナルに指を突っ込みながら、獣のように後ろから犯すんだよ」
「えっ…アナルって!?…」
などと聞き返しながらも、マサヒコにはその言葉の意味はわかっていた。(昔教えられた)
ただ、無意識に認めたくなかったのかもしれない。
「…ココだよ」
しかし、カナミは恥ずかしげも無く、手を回して指でクニッと指し示してきた。
『ココ』と言った瞬間、マサヒコが認めたくないその部分がキュッと動いたように見える。
「えーーー…と……それは、さすがにちょっとマニアックな…」
躊躇するマサヒコ。
カナミはずっと伏せた体勢のまま待ち構えているが、一向にマサヒコの手が来ない。
「ふー…」
やがて、一息つくと、ゆっくりと上体を起こすカナミ。
「……そうかー…マサくんは、私の汚いお尻の穴なんて触りたくないんだ…」
そう言って、寂しげに目を伏せる。
「…せっかく、キレイに洗浄してあるのになぁ…」
そして、両手で顔を覆う。
(あっ…これは、ネタだな…)
ちょっと大袈裟に見えるカナミの動作に、マサヒコはそのことを理解した。
だんだんと、マサヒコのカナミの性格をわかりつつある。
121 :
新参者:2005/09/25(日) 14:25:29 ID:wPrKJZc/
「おーーい!!ただいまー! カーナミーどこー?」
そんな折、不意に玄関の方から男性の声が響く。
「あっ!お兄ちゃん帰ってきた」
「えぇーーー!そこはシナリオじゃなかったんですか!」
「うんっ!」
顔面蒼白のマサヒコに対してあっけらかんと返すカナミ。
すばやくショーツに足を通し、腰まで上げ、イスに掛けていたシャツを取り上げる。
あらかじめ予測していたのか、落ち着いてテキパキとした動作だ。
「えぇっ!?ちょ…やばいですよ…」
すでにスカートに足を通し始めたカナミに対して、裸のままただうろたえるだけのマサヒコ。
トントンと階段を上る音が響いてくる。
「んーーと、じゃぁね、その辺でダッチハズバンドの振りしてるとか?ほら、TVでよくあるじゃない?」
そういって、部屋の隅を指差すカナミ。
「あるあr…ねぇよ!」
ガチャリ
カナミの部屋の扉が開き、兄のシンジが顔を覗かせる。
「ん?誰かいるのか?なんか声がしたけど…」
「んーん、違うよ、AV見てたから、その音じゃない?」
「がっ!お…おまえなぁ…」
シンジは呆れたような顔をして、自分の部屋へと向かっていく。
(えぇー!それでごまかせちゃうんだ…)
と、押入れの中で息を殺しながら、マサヒコは思った。
(どーやって、帰ったら良いんだ?…)
おしまい
122 :
新参者:2005/09/25(日) 14:27:52 ID:wPrKJZc/
以上です。
小ネタ気味ですね。
この後、マサヒコは何故か周到に用意されたいた縄バシゴで脱出しました。
えぇ、何故か用意されていました。
一応、マサカナ3もある予定です。
また、よろしくお願いします。
新参者氏キター!お待ちしておりましたGJ!
やっぱエロしよろしおますなぁ
GJ〜〜先走り汁でた
>マサカナ3
某双子に見えたのは俺だけか
マナカナの百合も見たいおれは逝きですか、そうですか
いまさらだが新参者氏の「まさか…な…」はマサ×カナにかけてたのか?
131 :
乖離:2005/09/26(月) 00:05:22 ID:3UuVozmq
お邪魔いたします
壮大な祭りの後の箸休めと言う感じで、二度目の投稿をさせていただきます
一応初投稿作の続きなのですが、気にせずにご鑑賞ください
タイトルは 『耽溺』 でお願いします
132 :
乖離:2005/09/26(月) 00:06:25 ID:3UuVozmq
その日は、もう9月も残り少ないのに、まだ夏の残りが色濃い日だった
教室に入ると、ちょうど彼女は帰る支度をしていた
「天野さん、委員会もう終わったの?」
「あ、若田部さん。 うん、今日は大した連絡事項もなかったし」
私の声に振り向いた天野さんは、どことなく嬉しそうだ
がらっ・・
ちょうど計ったように教室の扉が開いて、入ってきたのは彼
こちらの方を見て、ちょっと決まり悪そうなのは、私の気のせいじゃない
「あ、マサ君、今帰るとこ?」
「あ、うん そうだけど・・」
ああ、そうか、だから嬉しそうだったんだ天野さん
じゃあ、次に彼女が何て言うか、賭けてもいい
「じゃあ、今日は一緒に帰ろうか?」
ほら、やっぱり
小久保君のカバンがまだ教室にあったから、今日は一緒に帰れると思って嬉しそうだったんだ
彼女はある意味とっても分かりやすい子だ。
私も彼女のそういうところには、むしろ好感を持っている
「ああ いいよ 」
少し照れたように彼も答える
私の前で、そう答えるのに多少照れているようだ
「仲いいわね 相変わらず」
ちょっとからかう様に口にしてみる
「え? やだ そんなんじゃなくて、ねえ? マサ君」
ばんばん!!と彼の背中をかなり強烈に叩きながら天野さんは照れている
最近二人の間でお互いの呼び名が変わった
何が『そんなんじゃない』のか、全く、本当に誰が見ても分かりやすい
中村のお姉さまが、この二人をからかいたくなるのもわかる気がする
「そうだよ からかうなって、若田部」
「別に? からかってなんかいないわよ」
私は笑みを浮かべて二人を見る
天野さんは、私の笑みを単なる冷やかしと受け取ったのだろう
照れて決まり悪そうな顔をしながらまんざらでもないようだ
彼は・・・・私の心の内を理解しているのだろうか?
当惑した表情、私は彼の表情を見るのが嫌いじゃない
意地の悪い笑みを浮かべながら、私はまだ生々しい記憶を反芻していた・・・・
133 :
乖離:2005/09/26(月) 00:10:01 ID:IZh+1laG
少し前、私は彼・小久保マサヒコを女子トイレに呼び出していた
「じゃあ、始めましょうか? ふふっ、学校でするのは初めてよね」
「な、なあ若田部、やっぱりこんなの・・・」
彼の答えを無視して、後ろから彼に抱きつく
今日もいっぱいしてあげよう
ちぃぃぃ・・・・・・・
背中から手を回して、彼のズボンの前のファスナーを下ろしていく
「男の人が女性の服を脱がすときも、こんなどきどきするのかしらね」
「知らないって、そんなこと」
「脱がしたこと無いんだ? 天野さんとか」
「あるわけないだろ」
彼の反応を楽しみながら、ファスナーを下ろした事を確かめる
ぐにゅ・・・・
口を開けた窓から指を入れて、私は彼のモノをズボンの中から取り出して手に取る
「あ・・・ふぅ・・」
彼が思わず声を漏らす
ちょっと間の抜けた感じがして少しおかしい
「あら・・・意外と元気ないのね 男子っていつでもHな事で頭がいっぱいなんじゃないの?」
「いつでもそういうわけじゃないよ」
むに・・・・・
彼の背中に体を更に押し付けて、いやでも胸のふくらみを意識させる
自分でも驚くような露骨に品の無い行為だと思う
でも、彼の体が熱く反応するのが判って、あのゾクゾクする感じが湧いてくるのがわかる
「誰か来るのが心配なの? 放課後にこのトイレに来る人は殆どいないわよ」
この階は、美術や家庭科の実習室しかない
先生達も教務会議でいないのは確認済みだ
「でも・・・やっぱりもしばれたら・・」
「今更、やめるの? やめたくないわよね? 少なくとも私はやめたくないわよ」
私の手の中で、最初は萎縮していた彼のモノが硬さをどんどん増していってるのがわかる
「こういうのって、普通は男の方が言うのかしらね」
134 :
乖離:2005/09/26(月) 00:11:37 ID:IZh+1laG
しゅくしゅく・・・・・
女子トイレの個室の中で、しばらく私の手が彼の茎に沿って往復する静かな音だけがしている
「ね、気持ちいい? こんなになってるわよ」
我ながら何て安っぽい表現のセリフかな、とも思う
でもこんな露骨な言葉の方が余計ゾクゾクする感覚を強く味わえるのも確かだ
「う・・・わ、若田部、やめ・・」
彼の声・・・
これが一番私をおかしくするような気がする
彼の羞恥と快感の入り混じった声
「止めて欲しいの? だったら私を突き飛ばしでもして出て行けばいいじゃない」
ぎゅ・・・茎を握り締める右の手に、少し力を増して
左手は彼の体の上をあちこち撫で回す
すっかり硬くなったモノの先から染み出した、露のぬるっとした感触が
前後に往復する私の手にもはっきり伝わる
「ほら、もうだめ? いつでもいいわよ」
強く握り締めた手の動きを速めて、彼の息遣いが荒くなるのに耳をすましながら
私自身の鼓動も今まで感じたことの無いくらい高まるのを感じていた
「うっ・・・あ・・・」
低く、くぐもった声で短くうめくと、彼のモノは私の手の中で激しく膨らんで脈打った
びちゃっ!・・・・びちゃ・・・・・
ほとばしった精は、最初のほとばしりは勢いよく、二度目はやや弱く壁に降りかかった
びゅくん・・・びゅく・・・
手の中で脈打ちながら、三度目以降は、個室の床にこぼれ落ちる
「はあ・・・はあ・・・・」
彼の口からこぼれるのは吐息だけで、なかなか言葉が出てこないようだ
でも、私は彼のその言葉にならない声だけで、あのぞくぞくする感じで満たされるのを感じていた
「ふふっ・・・・すごいわね、こんないっぱい それに、この前より早かったみたいね」
「・・・・・」
彼はすぐに答えない
もう息も落ちついたはずなのに
「学校の中で、余計ドキドキしちゃったから?」
「・・・そんなことない」
「そう? 私はした・・・すごく」
彼はまた答えない
その当惑した表情も、私の気分を高揚させてくれる
135 :
乖離:2005/09/26(月) 00:12:55 ID:IZh+1laG
「きれいにしてあげましょうか?」
「え? いいよ、いい」
慌てて傍らのトイレットペーパーを引き出して、自分の出したもので
汚れた股間を、彼は慌ててぬぐった
「ねえ、こうするともっといやらしい感じがしない?」
さっきまで彼を弄んでいたを顔の前にかざしてみた
こびりついた白濁ごと、指をなめてみせる
「よせよ、そんなこと」
「そう? 男性なら喜ぶかと思って」
口の中に気持ちの悪い食感と臭い、味が一度に広まる
我ながら、何てことをしてるのだろう
「後始末は私がしておくから、あなたは先に出て」
「いいのか?」
服を直した彼が心配そうに尋ねた
「いつまでも二人でいるより、その方がいいと思うけど」
「そうだな」
妙に神妙な顔つきで聞いているのがおかしな感じがする
「教室に一緒のタイミングで戻らないようにしてね」
「あ、ああ」
人の気配が無いのを確かめて、彼は足音をできるだけ立てないように
女子トイレを出て行った
私は、手にこびりついたものだけを洗い流し、後から教室に戻った
ちょっと前まであんな事をしてたなんて、彼女は想像もつかないだろう
天野さんの嬉しそうな表情を見ながら私の中に、濁った感情が湧くのを感じていた
別に優越感というわけではないと思う
私は小久保君の事が好きなのか、それとも、率直にいってしまえば性欲の対象としてだけ見ているのか
自分でもそれはわからないからだ
彼は私の笑みをどう受け取ったのだろう
当惑した彼の表情に、私はついさっきの行為を思い出して鼓動が速くなるのを感じていた
「じゃあ、また明日ね」
「うん、若田部さん、さよなら〜」
「またな、若田部」
普段通りのさりげない挨拶を交わして、でも天野さんには気づかれないように早足で私は帰途を急いだ
家に着くや、私は二人が交わす行為を想像しながら、余韻にほてった自分の体を慰めるのに
没頭せずにはいられなかった
136 :
乖離:2005/09/26(月) 00:15:06 ID:IZh+1laG
次の日、女子トイレの壁に着いた精液の跡の話は、生徒の間にたちまち広まっていた
私が、あの個室をそのままにしておいたから
『なんで、あのままにしておいたんだ?』
そう聞きたそうな顔でこちらを見ている
予想通り、彼の当惑した表情が見られて、思わず口元がゆるんでしまった
まさか、あなたの困った顔が見たいから、だとは気が付かないでしょうね
「外部の人間かなあ?」
「やっぱ、生徒じゃないのか、ウチの」
「気持ち悪いね〜」
こんな話題になれば、そろそろ天野さんが言い出すわね
「淫猥! やめてよ、もうそんな話」
ほら言った
本当の事知ったら、彼女はどんな反応するのかな
言ってみたい気もしなくはないんだけど・・・・
「出た、委員長の決めゼリフ」
「何が決めゼリフよ、そんな話止めてって言ってるの。マサ君も何とか言ってやってよ」
男子の一人がからかうように言うと、彼女はすかさず小久保君に話を振った
おかげで、ますます彼のばつの悪そうな表情が見られるね
「ねえ、アヤナちゃん?」
「な、何よ? 急に声かけるからびっくりするじゃない」
的山さんにはいつもペースを狂わされる
でも、この唐突さも結構嫌いじゃなかったりするけれど
「いつもなら一緒に『風紀が乱れてるわ』とか言うよね? 何で今日は言わないの?」
「別に・・・やったのが生徒と決まったわけじゃないでしょ? ねえ、小久保君?」
「え? あ、うん、そう・・・そうだな、うん」
彼はちょっと恨みがましそうにこっちを見ている
今度はどんな表情させてあげようか
やめられない・・・・私は小久保マサヒコに溺れてるんだ
当分やめられそうにない、この癖は
思わず口元に笑みが浮かんでしまうのが自分でもわかる
今も、彼が私のその笑みに、気づいたような気がした・・・・
137 :
乖離:2005/09/26(月) 00:21:43 ID:IZh+1laG
以上です
初めに「アヤナ×マサヒコ」との内容の告知を忘れていました
終わってから書いても遅いですが、申し訳ありません
常連の職人の方々とは比較するのもおこがましいですが
皆様の批評をお待ちしています
GJ!!!!!!!
シリーズにしてほしいです!!!!
痴女はイィ
超GJ!! 素敵な淫猥ぶりだと思いますよwww
続きを激しく希望します。
つーか…忙しくて見れなかった二週間に、ここまでスレが進んで、祭まであったなんて…
俺は行き遅れですか、そうですか……orz
141 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/26(月) 02:16:15 ID:bI+LYstE
エロエロ祭じゃあ〜!
祭はまだまだ、続いているぜっ!!
スマソ!興奮してあげちゃた…
なんか今までにないタイプで(・∀・)イイ!!
なんかエロイのキターーーーーーーーー!!!!!!
シリーズ化きぼんorz
GJ!セックスシーンはナシなのにエロイ、というか官能的だ
他神にない異彩な感じなので次作も楽しみです
新参者氏、乖離氏GJ!
ここはいろんな作風の職人がいていいトコですな!
剥離さんへ
SS読ませていただきました。いいですねぇ。マサヒコに対しては愛情もあるんだろうけど、同時に性欲の捌け口にもなっていて
それに自分自身で戸惑いながらも、自分に輪をかけて戸惑っているマサヒコを見て、ぞくぞくしているアヤナ。大変GJ!!でした。
これは勝手にわたしが思っているだけですが、公園で裸になっているのを、マサヒコ以外に目撃されてたら、アヤナは逃げたと思います。
あくまで愛情も性欲も、ベクトルはマサヒコのみに向かっているのが、切なくて妖しくて読んでてぞくぞくします。
マサヒコとミサキを見て想うことも、どこか諦めが入っているみたいに感じられて、そんなところも読んでいて物悲しくていいです。
でも誰にも言えない秘密を、ミサキには言えない秘密を、アヤナとマサヒコは共有しているという、そこにもまたぞくぞくしたりしてw
なにか言いたいこと纏めきれずに、長々と感想書いちゃいましたが、次回の投下をお待ちしております。
乖離、GJ!!!!!
句点を使わない独特のスタイルですね。
・淡々とした文体
・空行による間のとりかた
・ブレのないアヤナ視点
こういうところが上手いなあ。
前回の「衝動」が起、今回の「耽溺」が承とすると、次回は転でしょうか。
ストーリがどう転がっていくか楽しみです。
うへ、呼び捨てにしてしまった。
> 乖離氏 GJ!!!!!
であります。
151 :
乖離:2005/09/26(月) 19:58:57 ID:IZh+1laG
お邪魔いたします
会社から帰ってアクセスしてみたらレスがいっぱいあるので
正直嬉しかったり、ちょっとビビったりしています
シリーズ化などと大それたことは申しませんが
非才ながら何とか脳にムチ打って続きは書いてみたいと思います
感想を書いていただいた皆様、ありがとうございました
重ねて御礼申し上げます
152 :
ペピトーン:2005/09/26(月) 23:13:28 ID:gBVGCRdW
こんばんは。しばらくネットをつなげることが出来なくなってしまうので
当分の間作品の投下が出来なくなってしまいました。まだ出来るうちに
この時期のネタをひとつ。最早言うまでも無く小ネタですが。
タイトルは「その手があったか」
153 :
ペピトーン:2005/09/26(月) 23:14:18 ID:gBVGCRdW
学校帰りの廊下でシンジとカズヤが話しながら歩いている。カズヤはニヤニヤしながら
シンジに話しかける。大体、ろくでもないことを思いついた時の表情である。
「どうだ?シンジ、我ながらいいアイデアだろ?」
「しかし、よくやるよ…」
「いいか、これは一年に一回のチャンスなんだぞ!」
シンジの呆れ顔をよそにカズヤはさらに力説する。
「明日からは幕張女子学園、あさってからは榴ヶ岡女子高に水道橋女子大…(以下略)。
学園祭ってのはな、俺たち男子が堂々と女の園に入れるチャンスなんだぜ。
そこで手当たり次第に女の子に声をかけまくる、うーっ、今から楽しみでしょうがないぜ」
「しかしよく思いついたもんだな」
「実はな、以前女子高の子に声をかけようとして後をつけていったら校門の入口のところで
警備員が出てきて、ここから部外者は入れませんって門前払い食っちゃったんだよ。
でも学園祭の期間中はその心配なし!」
(ホント、懲りないヤツだな…)
毎度毎度無残な結果に終わっているにも関わらず、ナンパに対するカズヤの並々ならぬ
情熱に只々感心するシンジであった。
(その手がありましタか…)
偶然通りかかったマリアがこれはグッドアイデアと言わんばかりに舌なめずりしながら
ふたりの会話に聞き耳を立てていたのであった。
154 :
ペピトーン:2005/09/26(月) 23:15:46 ID:gBVGCRdW
以上です。なお、以前手がけていた長編はほぼ完成していますので、
ネットがつながる環境になり次第投下したいと思います。
それでは皆さんしばらくさようなら。
>>ペピトーン神
!!!!なんて中途半端な……(*´д`*)アアッ…
続編がないと(カズヤのナンパ失敗&マリアの強姦モノ)満足できませんがな!!!!
>>62 そこまでは言えないさ。ぶっちゃけ、エロ無しでもいいやってのは小説としての完成度が必要なわけさ。
正直、エロ無しでも許せるくらいの完成度を誇るのは518神やトマソン神、
笑いと意外性のアカボシ神や八木裕神とピンキリ神、ドエロな新参者神やドミンゴ神、
エロ&完成度のバランスの良さなら(さらに圧倒的な投稿数を誇る)郭神とタイプは異なるのさ。
>ペピトーン氏
GJ、続きをお待ちしております
>>155 エロも萌えも、色んな話が読めるところがこのスレのいいところだな
ここの職人様たちって、自分のサイト持ってるのかな?
158 :
郭泰源:2005/09/27(火) 21:52:15 ID:Hg1dhYHZ0
どうも。今岡×シンジのエロSS考えてたのに完全に手詰まり状態になった郭です。
で、箸休め程度に書いてたSSが先に出来ちゃったので、投下します。
NGワードは「オリジナルキャラ」「エロ無し」です。では、投下。
159 :
郭泰源:2005/09/27(火) 21:53:16 ID:Hg1dhYHZ0
「よ〜〜っす、迎えに来たわよん♪」
「せんせえ!」
「お姉様――!」
「こんにちは〜〜あれ?マサヒコ君は??」
「それが…マサ君なんでも用があるとかで、急いで帰ったんですけど?」
「あちゃ〜、いれちがいかあ…」
「そっか…マサの奴は童貞だから尿道と挿れる穴を…」
「そのいれ違いじゃありません!!にしても珍しいね、マサヒコ君がそんな急いで帰るの」
「そうなんですよ!最近はスグに帰っちゃうんです。今日は委員会の日でもないから
私も不思議に思って『何の用なの?』って聞いたんですけど、マサ君歯切れが悪くって…」
キラ――ン☆、と中村のメガネが光り、にやり、と思わせぶりな笑みが浮かぶ。
「……いいの?ミサキ…」
「え?」
「それは…私の直感からすると、ほぼ100%浮気よ!」
「「「「ええええええ!」」」」
「てゆーか、まだミサキちゃんとマサヒコ君付き合ってな…」
「ままま、まだとかはこの際どうでもいいんです!本当ですか?中村先生!!」
「男が理由を言いたがらずに一緒に帰るのを嫌がる…それはズバリ!
心にヤマシイことがある証拠!すなわち…他に女が出来たと見て間違いないわね!!」
ビシッ、とミサキを指さして決めのポーズをつくる中村。男女のコトに関しては
(いろんな意味で)百戦錬磨の猛者である彼女の発言に、4人は沈黙した。
「あれ?でも…今日は家庭教師の日ですよね?そんな日にわざわざ女の子と会いますか?」
「ふふん…甘いわね、アヤナ。男と女の逢瀬ってのはねえ、短い時間の方が
逆に燃え上がったりするものよ。今頃は一回戦が終わってる頃かも?」
「そそそ、そんなッ!」
放課後の教室に絶叫が響く…しかし他に生徒がいないとは言え、学校でする類の話題ではない。
「ま…論より証拠よ。今から浮気男の首根っこを押さえに行きましょうか」
「?」
「マサの家に行けば、今頃アイツ、一発終わった後のツヤツヤした顔で待ってるはずよ。
奴にナニも言わなくていいの?ミサキ、アヤナ、アイ、リン?」
「行きましょう、中村先生!」
「先輩!早く!」
脱兎のごとき勢いで駆け出す4人。中村はそんな彼女たちの様子をニヤニヤと眺めていた。
£
「あらら?どうしたの、4人してそんな血相変えて…」
「おばさま、ままま、マサ君はッ!」「マサヒコ君はッ!」「小久保君は!」
「???いや、部屋にいるわよ?…あ、ゴメン。私今から買い物に行くけど、
アイツの部屋に先客がいるんで、よろしくね?」
「せせせせ先客!」
「女ね…間違いないわ。…もうお母様も公認の仲なんて…」
ボソッ、と呟く中村。
「「「「おじゃまします!」」」」
4人はすさまじい勢いで小久保邸にあがると階段を駆け上がっていった。
「…リョーコちゃん、なんかあの子たちを焚きつけたでしょ?」
「あらら〜さすがにお母様にはバレてますか?」
「ま、いいけど…あんまりウチの息子を虐めないでやってね?ニブチンだけど悪気はないんだから…」
「はい…努力いたします」
そう言ってぺろっ、と舌を出して頭を下げる中村。マサヒコママは苦笑して小久保邸を後にした。
£
―――そして舞台は再び転換してマサヒコの部屋の前。息を切らして集結する4人。
「@p6はぁぁぁ――っ、ぜえ、ぜえ!」
「$"%ぜえ、ぜえ、じゃ、じゃあいきますよ?みなさん!…ま・さ・く・ん!!!!」
"コンコン"
4人を代表してミサキは叩きつけるように荒っぽく、ドアをノックした。
「?あれ?ミサキ…な、なんで…お前が…」
§
160 :
郭泰源:2005/09/27(火) 21:54:54 ID:Hg1dhYHZ0
ドアの向こうでは、焦ったようなマサヒコの声が聞こえた。
4人は確信を持って顔を見合わせると…強引に、ドアを開けた。
"バンッ!"
「マサヒコ君!」「マサ君!」「小久保君!」「うわきもの――!!!」
…そしてそこには…
「??????な、なんなの?いきなりアンタら?」
「ふぇ〜〜〜ん、マサにいたん、こわい!」
マサヒコの膝元に座り、おびえた目をしてそう言ったのは…少女と言うより、
幼女と言った方が適切な―――まだあどけない顔をした女の子だった。
「「「「????????」」」」
言葉を失って固まる4人。――そして、今回の元凶、中村がのっそりと姿を現した。
「あら〜〜〜〜マサ、アンタってやっぱロリコンだったのね?」
「はは、はあああ?」
「だって年上の美女にも同級生の美少女にも平気な顔してたのは、
幼女にしか欲情しないからだったんでしょ?今のアンタの姿はそれを雄弁に物語って…」
「そ、そんなッ!ひどいよマサ君…うわあああああ」
「…やっぱり男は獣よおおおおお」
「お兄ちゃんにもそのケはあったけど…まさか小久保君まで…」
「こくぼく〜ん、そうなんだ〜?」
「………いいから、俺の話を聞け」
£
マサヒコの話によれば――彼の膝元で警戒心丸出しの表情をしている少女の名は、松中タカコ。
マサヒコママの妹、松中シズの娘…すなわち、マサヒコにとって従妹にあたる人物だという。
先週、シングル・マザーであるシズに突然の仕事で海外出張が入ったため、
やむなくタカコを小久保家に預かってもらったというのがコトの真相らしい。
£
「な〜んだ、そんなコトだったの?小久保君もそうならそうと言ってくれれば…」
「…有無を言わさずに怒鳴りこんできたのはどこのどいつだ?」
「!あ!そう言えばマサ君、私もしかしたらこの子に昔会ってるかも…」
「だろうな。ミサキは会ってるかもな…」
「??マサにいたん、なんなの?このひとたち…」
「ああ…俺の…ともだちだよ」
「ふ〜〜ん…マサにいたんの…ともだち…」
少し警戒を解いて…女性陣を見つめるタカコ。
―――年齢は4歳ぐらいだろうか?従妹というだけあって、マサヒコに少し面影の似た……
可愛い女の子だった。薄く形の整った唇や涼しげな目元は、どこか大人びた印象を見る人に与えた。
「…でもさ、マサ?いくら従妹どうしだとはいえ、仲良すぎない?
さっきからずっとその子アンタに抱きつくみたいにして動かないじゃない」
「それはアンタらが脅かすからだろうが!」
「ゴメンね…大丈夫だよ?タカコちゃん…」
子供好きのアヤナがなんとかタカコの警戒を解こうと手を広げて近づくが…。
「ふぇえ〜ん、マサにいたん…あのおねえちゃん、かおがこわい…」
撃沈。
「ひさしぶりだね、タカコちゃん…私のこと、覚えてるカナ?」
今度はミサキが満面の(作り)笑顔で近づくも…
「ええ〜〜ん、マサにいたん…あのおねえちゃん、せなかからへんなひかりがでてる…」
闘気を隠せず、撃沈。
「タ〜カ〜コちゃ〜〜ん、あ〜そ〜ぼ〜〜〜」
「………うん…」
すとん、とマサヒコの膝元から降りると――タカコは素直にリンコの側へと近づいていった。
そのまま、ふたりは楽しそうに遊び始めた。
「…リンちゃんって動物好きだからやっぱり子供にもなつかれるんですかね?」
「いや、ただ単に精神年齢が近いだけかもしれないわよ?」
小声で好き勝手なことを話す女子大生ふたりはお気楽なものだが、
ミサキ&アヤナのコンビは心中結構傷ついていたりして。
§
161 :
郭泰源:2005/09/27(火) 21:57:38 ID:Hg1dhYHZ0
マサヒコは苦笑しながらリンコとタカコの遊ぶ中に混じった。
「タカちゃん、ホラ、あんまりはしゃぐと…」
(…小久保君って子供好きなんだ…私と結婚したりしたら良い旦那様に…!?
ってやだ、私何考えてんのよ!べべべ別に、私は小久保君のことなんか…)
予想以上のマサヒコの良いお兄さんぶりに、ちょっと萌え状態のアヤナ。
「ふ〜〜〜〜ん、しかし…そうね…」
「どうしたんですか?先輩?」
「いや、意外にリンとマサってこう見るとお似合いっていうか…若夫婦みたいな感じじゃない?」
「あ…そう言えば…」
「ふふ〜、小久保君がお父さんで私がお母さん、それでタカコちゃんが子供ですかあ?」
にこにこと微笑みながら、的山さんいきなりの天然爆弾炸裂。
そしてそれを恨めしげに見るアヤナ&ミサキだったが…
「や!」
タカコが、突然むずがりはじめた。
「ど、どうしたの?タカコちゃん?」
「や!マサにいたんはわたしとけっこんするの!」
「え?」
「そうだよね、にいたん?」
「…うん…」
なんとなく照れくさげに、マサヒコはタカコの頭を撫でながら答えた。
「マサ…やっぱりアンタ…ロリ…」
「だから、子供の言うことなんだから…」
そう言うマサヒコの後ろで凄まじい闘気を放つ少女の名は、もはや言うまでもないだろう。
(子供の言うことでも…子供の頃の約束でも…それを…ずっと忘れない人間は…いるのに)
ミサキの心の中では、激しい炎が燃えさかっていた。
"ピンポ〜〜ン"
「ん?お母様かしらね、帰られたのかしら…」
「お〜〜〜い、タ〜〜カ〜〜コ〜〜!」
「!おかあたん!」
タカコが小走りにみんなの間を走り抜けると、階段へと向かった。
「コラ、タカちゃん…慌てると、コケるぞ…」
心配げにその後ろを追うマサヒコ。他の女性陣もなんとなくその後を追った。
「ありがとうね〜〜、マー君。うちのチビを預かってくれて…」
「いや、いいんですよ、シズ姉さん…」
玄関に現れたのは…20代後半とおぼしき、長身の美人。
くだんの人物、マサヒコママの妹にしてタカコの母親・松中シズである。
かっかっかっ、と豪快に笑うと、足下に駆け寄ってきたタカコを抱きかかえた。
「あ、お久しぶりです!シズさん…」
「あ〜ら、お久しぶりねえ、ミサキちゃん…にしても…マー君、相変わらず君モテるのね〜」
「!?!な、そんなことありませんて。からかわないで…」
「じゃあ君の後ろにいる可愛い女の子たちはなんなのかな〜♪」
「あのね、おかあたん。マサにいたんのおともだちなの」
「なるほど。セックスフレンドってわけ…もが?」
無言でシズの口を抑えるマサヒコ。
「タカちゃんの教育に悪影響を与えるような発言は控えてください」
「も〜う、相変わらず冗談の分らないコねえ…お姉ちゃんの息子とは思えないわ…」
「父親の教育が良かったんです」
……どうやらマサヒコは子供の頃からツッコミ役として英才教育を施されてきたらしい。
「あれ?そういやお姉ちゃんは?」
「あ…なんか駅前に買い物に行くって…」
「あちゃ――!入れ違いかあ…って言っても穴の挿れ違いじゃないのよ?」
「…俺子供だからわかんないんですけど…」
(どこかで聞いたような…)
後ろの5人は既視感に包まれながらふたりの会話を聞いていた。
「冗談はさておき。悪いけど今日はここでゴメン。ちょっとね、急ぎの用事が入っちゃって…」
§
162 :
郭泰源:2005/09/27(火) 21:59:38 ID:Hg1dhYHZ0
「え?いや、せめて一緒に夕飯くらい…」
「ゴメン!お姉ちゃんにもし駅前で会えたら謝っておくからさ。それじゃあ、マー君、ありがとうね!」
急いでその場を立ち去ろうとするシズだったが、タカコがいやいや、と首を振った。
「ん?どうしたの、タカコ?」
「や!まだかえらない!タカコ、マサにいたんにまだばいばいしてないもん!」
「あ〜、ゴメンね…じゃあほい、マー君?」
「あ…はい」
シズからタカコがマサヒコに手渡される。
「じゃあね、ばいばい…マサにいたん」
少し寂しげな表情で、タカコが言った。
「うん、ばいばい、タカちゃん…え?」
"ちゅっ"
そしてゆっくりと…タカコは、マサヒコにキスをした。
「ぜったいわすれないでね?マサにいたんは、タカコとけっこんするんだよ?」
「あはははは…そうか、従兄妹なら結婚できるんだな!よろしく頼むよ、マー君!!」
呆然と固まっているマサヒコをよそに、シズはやたら楽しげに笑うと、タカコを彼の手から戻した。
「じゃ、マー君、15年後を楽しみにね〜〜〜♪私を見ても分るだろうけど、
タカコはなかなかの美人になると思うよ〜?後ろで怖い顔してる子たちに負けないくらいのね〜〜♪」
「…え?」
シズの言葉で我に返ったマサヒコが後ろを振り向くと、そこには………
「じゃあ…マサヒコ君?」
「みっちりと」
「今日の勉強を」
「はじめましょうか?」
「…あの、今日はもう時間も遅いですし…その、また後日ということには…」
「「「「「いっくわけないでしょうが!」」」」
鬼の形相をしたまま、4人がガシッ、とマサヒコの両手両腕をつかんだ。
「あああ!た、助けて………!!!」
断末魔の叫び声をあげるマサヒコ。そして……
(ああ…なんてかわいそうなマサ……ま、助けないんだけど)
物陰から、心底愉快そうに眺めている女性がいたのは、言うまでもないだろう。
END
163 :
郭泰源:2005/09/27(火) 22:00:22 ID:Hg1dhYHZ0
以上。んんんん…なんだかもう少しなんとかならんかったかなあ、って感じですか。
次回はなるだけ早くエロ入りで………
タイトル:「ちいさなこいのうた」
でお願いします>>古田氏
郭氏乙&GJ!
マサ、モテモテ君ですな
郭氏GJ!
今岡とシンジのSSも楽しみにしてます
てか、意外にも今岡とシンジの話はこれがスレでも初じゃないですか?
保管庫に一作品だけあった希ガス
>郭氏
GJ!! もうちょい連載続けば、本当にありそうな話でしたねwww
感服致しますよホント。
>>165 前にもあったと思うけど…
>郭氏
GJ!!
原作に交じっていたとしても、絶対に気付かないほどの完成度ですな。
郭泰源氏GJ!!
>>165 前にアカボシ氏が書いてた。
>165,169
ピンキリ氏だな
保管庫は今、落ちてるっぽいが
171 :
トマソン:2005/09/28(水) 20:53:44 ID:+U/h7lYO
トマソンです。
乖離氏、GJ! 「かいり」氏でよいのでしょうか?
女性一人称、それも内心語りでこれだけ長いのはなかなかないですよ。
一つ、別の女性の視点でも描いてみてはいかがでしょうか?
ペピトーン氏、乙です。ネットがつながってからの猛爆撃に激しく期待してます。
郭氏、乙&GJです。いつもながら、本当にすごい創造力ですね。
というかタカコちゃん可愛い(*´∀`)
さて、岩瀬ショーコを題材に一本書いてみたので、投下します。
本番あり。レイプと思いきや……。
これ以上はネタバレなので、黙っときます。
では投下。
172 :
トマソン:2005/09/28(水) 20:54:40 ID:+U/h7lYO
コツ、コツ、コツ……。
ある日の夕方。薄闇があたりを包む中、軽やかな足音が人気のない道に響き、一人の
少女が歩道を歩いていた。
整った顔立ちの美しい女の子だ。ごく地味な濃い色のトレーナーとロングスカートを
身に纏い、豊かな漆黒のロングヘアがそよ風にたなびいている。
彼女の名は岩瀬ショーコ。彼女は今、紅白百合女学院の教師である彼とのデートに向け、
いつもの待ち合わせの場所に向かっているところだった。
(……それにしても、もう少しおしゃれしたいな……ご主人様ったら、『女は外見じゃ
ない』って言って派手な格好は好きじゃないし、『白以外萌えねー』とか言って、可愛
いパンツも駄目だし……)
飾り気のない自分の服装に目をやってため息をつき、内心愚痴りながらも、彼女の心
は今日のデートを楽しみにして、軽やかに弾んでいる。ウキウキした心が外見に現れ、
ショーコはなんとも幸せそうな表情で歩を進めていた。
(今日はどんなプレイかな? そろばん攻めか、目隠し散歩か、アナル開発か、それと
も……)
思考内容は外見に似ない過激なものだったりするが。
173 :
トマソン:2005/09/28(水) 20:58:18 ID:+U/h7lYO
寂しい町並みのなか、ショーコが古ぼけたビルの前を通過しようとしたそのとき。
黒づくめでストッキングを頭にかぶった男が、物陰から音もなくショーコの後ろに
躍り出し、軽く、しかし狙いすまして握りこぶしをショーコの丹田に入れた。
「ぐふっ……」
ショーコの息が詰まる。男はくの字に折れ曲がった少女の体を、道からは見えない
位置にあるビルの非常階段の踊り場に、力任せに引きずりこむと、素早くズボンの
ポケットから手ぬぐいを取り出し、ショーコの両腕を後ろ手に縛り、乱暴に押し倒して
その上にどっかりと馬乗りになった。
ショーコは何が起こったか、すぐには分からなかった。突然腹に痛みが走り、しゃが
みかけたところを、誰かの腕によって強引に狭いところに引きずりこまれ、両腕が背中
に回され自由に動かなくなる。床に突き飛ばされたところで痛みをこらえて目を開くと、
黒づくめの男が仰向けになった自分に馬乗りになっている!
(……ち、痴漢?!)
「た、助け……むうーっ、むーっ……」
腹の痛みをこらえて大声を上げようとしたショーコの口を、男の手のひらが乱暴に
押さえる。爪が少女の美しい顔に食い込み、その頬に血が滲んだ。男の腕がハンカチを
取り出すと、強引にショーコの口に押し込み、その上から別の手ぬぐいで簡単に猿轡を
噛ませた。
「む、むーっ……」
悲鳴を上げようにも、くぐもった声がわずかに出るばかりだ。
男は自分の声を聞かれたくないのか、物も言わずにショーコのトレーナーの裾を乱暴
につかみ、上に持ち上げていく。ショーコの真っ白な素肌が、可愛らしい臍の辺りから
薄闇の中にあらわになっていく。さらに布地をめくり上げられると、これまた白い清楚
なブラジャーが、刺繍のなされたカップまで、すっかり男の視線に晒された。
「ん、むーっ……」
ショーコは嫌悪と屈辱に身をよじり、足をばたばたさせたが、馬乗りになった男の体
を退かせることも、後ろ手に縛り上げられた両手を自由にすることもかなわなかった。
男の手が、そっと脇腹を撫で回し、次第次第に乳房めがけてずり上がっていく。
「ん、んーっ……」
(いや、いやぁ! 私の体は、ご主人様のもの……こんなヤツに……)
腹から胸へなで上げてくる男の手に、ショーコは全身が総毛立つ思いだったが、抗う
すべもなく、その肌で愛撫を受け止めるよりなかった。
男の掌がブラジャーに到達し、カップの上から揉みしだく。しばらく布越しに弾力を
楽しむと、豊かな隆起を覆う両方のカップをそっと上にずり上げた。真っ白な、柔らか
く張った乳房がぷるんと弾け出て、その先端に息づくブラウンの乳首に、男の指が伸び
た。そっと触れ、やさしく撫で回す。
「む、むむむ……」
ショーコは顔を背け、必死で身をもがき、悲鳴を上げようとするが、くぐもった声が
漏れるばかりだった。
男の掌が乳房全体をつかみ、揉み上げた。吸い付くようなきめの細かい肌が男の指の
動きに従ってやわやわと形を変える。豊かな肉をひねり上げられ、指の間から覗いた
小さめの乳首に、荒い息をつく男がそっと顔を近づけ、舌を伸ばした。
(い、いや……どうして、ストッキングをかぶってるくせに舌なんか……)
敏感なところに舌が触れた感触に、ショーコは嫌悪をこらえて男を見ると、なんと、
男が頭にかぶったストッキングには、ご丁寧にも目と口のところだけ穴が開いている。
男の舌がそっと乳首をつつき、ついで口に含むとゆっくりと舐り回した。
「ん、むーっ……」
彼氏によって十分に開発されたショーコの体である。身をよじり、体を走る性感に
耐えようとするが、もうその肉体は点火しつつあった。
174 :
トマソン:2005/09/28(水) 21:00:58 ID:+U/h7lYO
存分にショーコの乳房を楽しんだ男が顔を上げた時には、白磁の乳房はたっぷり揉み
こまれ、すっかり桜色に上気していた。散々舌で弄ばれた両の乳首は、男の唾液を塗り
付けられ、てらてらと光り、かすかに勃起している。
男はどこからかラバー製の足枷を取り出すと、まずショーコの右足首に回して、マジ
ックテープで締め付ける。ついでラバーの紐を非常階段の手すりに引っ掛け、ぐいと
引っ張って縛り付ける。ショーコの右脚は持ち上げられた形で固定された。
「む、むーっ……」
何をされるか悟ってもがくショーコの左足首を捕まえると、男は同様に反対側の手す
りに縛り付けた。
左右の両足をそれぞれ足枷に固定され、ショーコの下半身は、足首を引っ張り上げ
られた状態でYの字に開いた。重力に従って、柔らかな生地のスカートがするりと落ち、
つややかな膝小僧から、パンストを履いていない太腿の付け根、純白のショーツの下端
までが男の視線にあらわになってしまった。
「む、むむーっ……」
両脚は開いて固定され、後ろ手に縛られて体重をかけられ続けた両腕はもう痺れてい
る。ショーコはなすすべもなくその美しい体を差し出したポーズで、屈辱と羞恥にあえ
ぎ、来るべき陵辱を予想して身を固くした。
男はそんなショーコを小気味よさそうに眺め、舌なめずりをしながら、少女の下半身
に手を伸ばしていった。
175 :
トマソン:2005/09/28(水) 21:03:49 ID:+U/h7lYO
左右に開かれた、すらりと伸びた少女の脚にそっと男の掌が触れる。暖かく吸い付く
ような感触を楽しみつつ太腿の内側を撫で回し、じらすように少しづつ少しづつ、太腿
をさかのぼっていった。
「う、むうー……」
(いやぁ! やめてぇ!)
ショーコは身もだえしたが、抵抗のすべはない。必死で脚を閉じ合わせようともがき、
ひくひくと痙攣する太腿が、さらに男の獣欲を刺激した。
やがて男の手が太腿の付け根に到達し、まつわりつくスカートを思い切り捲り上げた。
それまで下端がわずかに覗いていただけだった白い飾り気のないショーツが、上のライ
ンまで、すっかり男の視線に晒される。
「う、むーっ……」
(いや、いやぁ、そこは……ご主人様、ご主人様ぁ……助けて……)
男の指がそっと、ショーツの微妙なところに触れ、ショーコは体をピクンと震わせた。
続いて、布一枚を通して、指が女の芯をなぞり、弄び始める。
「むっ! むーっ!」
心ならずも愛撫を受け止めつつ、彼女はあることを思い出し、血の気が引いた。つい
先日の彼とのプレイで、彼女の下の毛はすっかり剃られ、かつては黒々とした縮れっ毛
に覆われていたそこは、覆うものとてなくなっているのだ。
(い、いや……見られちゃう……)
ショーコのつぶらな瞳から、涙が一筋、頬を伝って流れた。
そんな嫌悪をよそに、ショーコの体は愛撫を受け続け、女の反応を開始していた。
「はぁ……はぁ……」
男は、眼前に広がる蠱惑的な眺めと女体が示す反応に興奮を高め、荒い息をついて
いる。その指はもはや何の遠慮もなくショーツ越しに女体をおもちゃにし、媚肉に刺激
を加え続けた。
割れ目のあたりを縦になぞり、閉じた貝を押し開き、その内側をそっと撫でる。軽く
指を押し出すと、媚肉にくぼみが出来、その中に布地ごと指が食い込む。
やがてショーツには、ぽつんとシミが出来た。それを見て取った男はさらに勢いを得
て、指を蠢かせ続ける。白い布切れが濡れそぼり、すっかり開いた媚肉に貼り付いて、
淫靡な形までがはっきり見てわかるようになったころ、ようやく男は指を止めた。
176 :
トマソン:2005/09/28(水) 21:05:50 ID:+U/h7lYO
ポケットから男はカッターナイフを取り出した。カチリと刃を伸ばすと、ショーコの
女の部分を覆い隠すショーツの布地をつまみ上げる。
「むっ…むーっ……」
ショーコは激しい反応を示し身をもがくが、男はためらわずに肌とショーツの間に刃
を差込み、ゆっくりと切り裂いていった。
(いや、いやぁ……ああ……)
ショーコの抵抗も空しく、秘奥を覆う最後の一枚はあっという間にボロ切れと化し、
男の手に移った。
ショーコのそこは、つい先日のプレイで、普通ならいくらかはそこを隠してくれるは
ずの女らしい翳りを失っていた。覆うものとて何もない、蠱惑的な媚肉が、ギラついた
男の視線に余すところなく晒される。ショーツ越しに散々愛撫され続けたそこは、もう
すっかり愛液をたたえて開きかけ、濃いピンク色の中身が覗いている。
最近黒ずんでいることを気にかけているショーコだが、そこは女子高生の体、わずか
に色が濃くなっているものの、まだまだ綺麗なものだった。
(ああ……見られてる……)
男の燃えるような視線が自分の体に注がれていることを、ショーコははっきり認識
していた。男は片手で携帯電話を取り出し、もう一方の手を伸ばすと、まるでVサイン
のように二本の指でそっと女の秘貝を押し開く。左右に開いた大陰唇の間から、愛液を
たたえてテラテラと光る襞々がのぞいた。
カシャッ! フラッシュがピカッと光り、携帯電話の液晶に、無残なポーズを取らさ
れたショーコの秘奥を男の指が思い切り開いているさまが、ありのままに写し出された。
「むむーっ……」
シャッター音に気づいたショーコはあまりの屈辱に身を震わせた。だが、本番はまだ
これからであることも、彼女には十分に分かっていた。
177 :
トマソン:2005/09/28(水) 21:08:31 ID:+U/h7lYO
男が再び女の体に手を伸ばし、その指がクリトリスを探り当て、ごく軽く触れた。
その瞬間、電流が体を走り、ショーコはピクンと身を震わせた。
「ん、んーっ……」
男はそこを優しく、あくまで優しく撫で回した。ついで、そっと皮を剥くと顔を近づ
け、ごく可愛らしい突起を優しく一舐めしてやる。
「むーっ!」
女の体が跳ね上がった。
その激しい反応に、男はもう一度舌を伸ばす。つつく。左右に舐る。
そのたびに女の体は跳ね上がり、くぐもった声が猿轡の間から漏れた。
女体の全てを晒し、クリトリスを舐められてあえぐショーコの姿に、男はもうたまら
なくなり、ズボンのベルトに手をかけた。
かちゃりとバックルを外し、膝までズボンを下ろす。トランクスの切れ目からいきり
立って天を向いた一物を引っ張り出した。
美しい顔をそむけ、頬を伝う涙をぬぐうことも出来ずにいる女の裸身をもう一度、
とっくりと眺め、ごくりと生唾を飲み込む。
これでもかと開いた少女の体に、男は熱く燃えたぎるそれをあてがった。
それと気づいたショーコは必死に腰をもがき、最後の抵抗を示すが、どうすることも
出来なかった。
(ああ……いよいよ犯される!)
荒い息をつきながら、男がゆっくりと腰を前に出す。十分に開発された少女の体に、
男根がにゅるりと侵入していった。
「むーっ!」
(これは……このおちんちんは……)
その瞬間、ショーコは全てを悟った。
178 :
トマソン:2005/09/28(水) 21:10:47 ID:+U/h7lYO
男は少女の膣に肉棒を奥まで突き立てると、どっぷりと身を沈め、熱くきつく締め
付けてくる女の体をじっくりと楽しんだ。再び、豊かな乳房に腕を伸ばして揉みしだき、
ゆっくりと腰を前後させ始める。
軽く引くと、女の体の中の襞々の全てが、肉棒を逃がすまいと絡み付いてくる。
「むーっ……」
カリで内側をこすられ、猿轡を噛まされた美少女が苦しい息使いのなか、たまらない
吐息を漏らした。ゆっくりと、だが断固として腰を突き出すと、奥まで収まったところ
で柔らかいものに先端がコツンとあたり、女の体がピクンと震える。
熱い肉棒を咥え込まされたショーコはなんとか逃れようと必死に腰をもがくが、それ
も全くの徒労に終わり、男の欲しいままに陵辱され続けた。
やがて子宮から全身に流れる快感に降伏したか、少女が自らもじもじと腰を振り始め
たところで、男は手を伸ばし、ショーコの猿轡を外してやった。
ようやく呼吸が自由になったショーコだが、その口から出るのはもう、悲鳴でも助け
を求める声でもなかった。
「はぁ、はぁ、いや、いや、……ご主人様ぁ!」
言葉の内容は拒否のそれながら、快感に歓ぶ女の声だった。
男が腰の速度を次第に上げていく。腰と腰がぶつかる音が響き、とろとろに溶けた
女の体を男の肉棒がかき混ぜる、淫靡な音までが耳に届いた。そんな音も、二人の興奮
をいやが上にも高めていく。
「ああ、うあっ……ああーっ! ご主人様ぁっ!」
「お、おおう……で、出る……」
女の体がピンと反りかえり、ひときわ大きな、甘い声が漏れる。男もまた体を硬直さ
せ、その肉棒がドクンドクンと蠢動し、ショーコの体内に熱い欲望の汁が弾けた。
リアルタイム支援
180 :
トマソン:2005/09/28(水) 21:14:26 ID:+U/h7lYO
荒い息をつき、しばらくショーコの体を抱きしめていた男は、ようやく体を起こし
てショーコの両脚の束縛を解き、腕を後ろ手に縛った手ぬぐいもほどいてやった。
「ショーコ……」
行為の間中、体重がかかった腕は痺れていたが、その腕をショーコはなんとか動かし
て、男が頭にかぶったストッキングを引き抜くと、男の腕の中に身を投げ、その胸を
ぽかぽかと叩いた。
「ば、馬鹿っ……本当に、怖かったんだから……もう、オーデコロンまで変えて……」
もうお分かりだろう、その男は、紅白百合女学院に勤める例の彼氏。ショーコはその
胸にすがりつき、すすり泣いた。
「う……ぐすっ……ひっく……」
「本気のレイププレイを楽しみたくてな……いつ、俺だと分かった?」
「挿れられた瞬間に分かったわ……ぐすっ……だって、あんな上手な注射、ご主人様し
か出来ないもんね……」
「ショーコ……」
そっと男の腕が少女の体に回る。
「ぐす……馬鹿……馬鹿ぁ……ご主人様ぁ……」
それまでも散々泣いたはずなのに、いまだ涸れていなかったのだろう、つぶらな瞳
から、堰を切ったように涙が流れだした。
「その割りには、その後も本気でもがいていたじゃないか?」
ショーコは涙を流しながらも、悪戯っぽい目を男に向ける。
「だって、そうでなくちゃレイププレイにならないでしょ?」
彼は苦笑いすると、ショーコの体を力いっぱい抱きしめた。
「あん……」
男と女の唇がそっと合わさり、男の舌が女の口腔に侵入し、その舌を絡め取った。
二人はひとしきり、ぴちゃぴちゃと舌を絡め合わせた。やがて唇を離すと、男の目が
まっすぐにショーコの瞳を覗き込んだ。
「ショーコ……お前は、本当にいい女だよ……。」
「……どうだった? 本気のレイププレイは……?」
「……燃えたよ……最高だった……よし次は、野外露出アナルプレイだ。そこの手すり
に手をついて、尻を出せ」
「……はい、ご主人様」
非常階段の手すりの上、道路から丸見えの場所に少女の上気した顔がのぞいている。
バックから貫かれたショーコは異様に艶やかな表情を浮かべ、目を閉じ、口を開いて
甘い声を漏らし続けた。
その後ろに立った男性と共に、彼女は再び絶頂に上り詰めていった。
道路に人影がないのが唯一残念だった。
181 :
トマソン:2005/09/28(水) 21:15:04 ID:+U/h7lYO
以上です。
本気で襲われてみたら彼氏だった、レイプと思いきやプレイだったという、かなーり
グダグダなオチですが、書いてる間はそれなりにハァハァ出来ました。
岩瀬ショーコは、変態でなければものすごい美人なんですけどねえ。
というか、彼氏にとっては実際にものすごくいい女なんでしょうね。
タイトルは「二人のスタイル」で。
トマソン氏、GJです!!
だからこの二人どこまで変態なんだと小一時間(ry
これもひとつの愛の形なんですかね…
…あ、トマソン氏GJです。
岩瀬談って相当珍しいですね
たしかこれ入れても2作ぐらいしかない GJ
リアルタイム支援って
支援になとるんでありますか?
186 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/29(木) 02:54:36 ID:ddevufCK
トマソン氏、GJ!!
アイのスカトロタイムリーは来ない
アイ・アヤナ・ミサキの浣腸羞恥責め物が読みたい。とても読みたい。と、リクエスト。おねがいしまち。
>>188 三人とも便秘初体験してマサママに相談、なぜか風呂場で浣腸されてるトコにマサ帰宅て感じか?
トマソン氏GJ!
さてスカ系ですが今まで敬遠されていたけど、ここはスレの新たな地平を切り開くということでぜひキボン
読みたくない人が多いだろうが、それはスルー法を使って回避してもらうということで
神様方、少数派の希望もぜひ聞き届けてやってくれますまいか
未来の話でマサヒコはミサキと同棲しながらもリンコと浮気をしている、そしてアヤナは芸能界に入っている。ちなみにマサヒコは未来にいたるまでの記憶がない。
これってどの神の作品でしたっけ?
ミセリ氏だな。
>>191 ミセリ神のだ
未完なのが惜しまれるが、
展開といい文章といい、スレでも1、2を争う出来の傑作だと個人的に思っている
>192
>193
スマンな、ありがとう
未完なのか…orz
アナル調教か・・・ついに
今週の最後のコマ、アイのリラックスした顔……
決壊した?
私的SSベスト5
5.昔語り(ピンキリ神)
4.若田部スタイル(ドミンゴ神)
3.約束成就の始まり(82神)
2. ずっとずっと…もっともっと(郭神)
1.ミサキ×マサヒコ×アヤナ(518神)
連作、未完作品は除外
>>197 あんまりそういう事書くと、他の職人様のやる気を削ぐ可能性があるから控えめに
そうだそうだ!
200 :
乖離:2005/09/30(金) 00:58:02 ID:C+d+xMdi
お邪魔いたします
3度目のチャレンジと言う事で書き込ませていただきます
内容は「アヤナ×マサ」で 一応今回も前回の投稿の続きですが
参照いただかなくても大丈夫とは思います
タイトルは「錯綜」としておきます
トマソン氏へ
ちなみに読み方は「かいり」で結構です ^^;
201 :
乖離:2005/09/30(金) 01:01:06 ID:C+d+xMdi
その日の放課後、私は図書館のドアをくぐっていた
「あ、アヤナちゃん、さっそく課題の調べ物?」
受付の的山さんが、座ったまま私の方を向いた
「ええ、にしても人がいないのね」
「うん、本当にみんな本読まないよ〜」
見回してみても私たち以外、本当に人がいない
図書委員の顧問の先生も、普段は閉館時間の時にくるだけだ
「この5年間の社会環境の変遷、って随分漠然としたテーマよね」
社会科の授業の課題だが、どんなテーマに絞るかは個人の自由だった
クラスの男子の中には阪神タイガースの変遷をテーマに選んだ子もいたくらいだ
先生は苦笑していたが、やる気はあるようなので許可したのだろう
「アヤナちゃんは何を調べるの?」
「そうね、とりあえず新聞の縮刷版ってあるでしょう? あれを見て何かテーマを探そうかなって」
「あ、それならあっちの一番奥だよ ちょうど五年分までは棚に並んでるから」
的山さんが嬉しそうに答える
せっかく何処に何があるか覚えても、それを生かす機会が無いって、つまらなそうに言っていたっけ
でも、本当は私も知っている
それが一番奥の、人の目が届かない所にあることを
がらっ・・・・・
またドアが開いて、二人目の利用者がやって来た
「あ、小久保君もなんだ〜 やっぱり調べ物?」
利用者が倍増して的山さんは、ますます嬉しそうだ
「うん、ほら、昔の新聞をまとめたやつあっただろ? あれ見て、よさそうなの決めようと思ってさ」
「あ、そうなんだ? アヤナちゃんもそれ見て決めるって言ってるよ」
「そうなんだ?」
彼が私の方を向いて尋ねる
「そうよ 小久保君に真似されちゃったわね」
「真似じゃないだろ」
ちょっとむっとした表情でやり返してくる
202 :
乖離:2005/09/30(金) 01:02:48 ID:C+d+xMdi
「あ、新聞のやつはあっちの一番奥だよ、小久保君」
さっき言った事を的山さんがまた口にする
本当に毎回暇で、説明したくて仕方なかったみたいね
「じゃあ、早速見てみるか」
的山さんの指差した方に彼は足を踏み出す
私も、仕方ないわね、という素振りで後に続いた
「あ、人の目が届かないからって、おかしな事しちゃ駄目だよ、二人とも」
「!? お前、またメガネに変な事吹き込まれたろ?」
背中の方から聞こえた声に彼は振り向かずに答える
ちょっと声のトーンが変わったみたいだ
長い書架の端まで行って曲がると、部屋の隅に少し付け足したようなスペースがある
そこに縦に長い棚が付け足され、新聞の縮刷版はそこにきっちりと収められていた
ここは完全に物陰になり、すぐそばまで来ないと本当に人がいるのは見えない
「じゃあ、一番古いのから・・・」
上の方にある2000年の号に彼が手を伸ばす
その手を私は制するようにつかんだ
「本当に調べ物しに来たの? 小久保君」
「少しはした方がいいんじゃないのか」
「あなた、結構役者よね 偶然のふり、結構上手だったじゃない」
彼の問いかけを無視した私の言葉に彼は気まずそうな表情を見せる
そう、二人で示し合わせてここで落ち合う事にしていたのだ
いや、示し合わせたというよりは、彼は私の指示に従って行動したと言った方が真実に近いと思う
何のためかは言うまでもない
彼との行為を楽しむのに、ここはうってつけの場所だと思ったからだ
「なあ、本当にするのか? 向こうに的山がいるんだぞ」
「だったら来なければいいのに、ねえ? わざわざお芝居までして、しっかり来ちゃってる」
私の言葉に、彼はまたいつもの困惑の表情を浮かべる
何度見ても飽きない、彼のこの表情
私の顔にはついつい笑みが浮かんでしまう
今日は的山さんが当番なのは勿論知っていた
ひょっとしたら躊躇するかも、とは思ったけど、結局彼はこうして私の前にいる
203 :
乖離:2005/09/30(金) 01:05:03 ID:C+d+xMdi
「トイレとかとは違うだろ? こんなところでなんて」
「そうね、今までと同じようにはいかないわね」
ぎゅ・・・・
彼の手を更に強く握る
とく・・・とく・・・とく・・・・
彼の脈を感じる
段々と早くなってるような気がする
「今日は、あなたがして」
高揚する気分を抑えながら、淡々と命じるような口調で彼に懇願した
「俺がって・・・」
「ここで出すわけにはいかないでしょ? この前みたいに、あのどろどろした熱いの、いっぱい」
「よせよ、そんな事言うの」
彼がさすがにちょっと顔をしかめた
勿論、私もわざと露骨な言い回しをしたのだけど、彼はそこまで気づいているのだろうか
「だから、今日はあなたがして 」
念を押すように、手に力を入れてもう一度同じことを口にする
それでも彼にはまだためらいがあるようだ
ぐっ・・・
彼の手をそのまま自分の方へ引き寄せる
そのまま、その手を下に向け、スカートのすそから中へ導きいれた
「あ・・・その・・」
彼のうろたえた様な言葉には構わず、そのまま内股のあたりを撫でさせる
少し汗ばんだ彼の手の温かさがじかに伝わってくる
私はゆっくりと、彼の手を掴んでいた自分の手を離す
彼の手はそれでも私の脚に触れたままだ
「若田部・・・」
「する気になったみたいね? いいわよ、もっとあなたのしたいようにしても」
「いや、したいようにって言われても」
彼の手はためらうように、私の太股のあたりでうろうろしている
それだけでも私の鼓動は今まで感じた事がないくらい高まっているけど
「もっと上・・・」
「え?」
彼が聞き返す
何を言ったか聞こえなかったはずが無い
あくまで確認のはずだ
「もっと上・・触って、こんな風に」
一度は離した彼の腕を掴むと、そのまま上に押し上げる
彼の指が、下着越しに私の一番敏感な部分に押し当てられた
204 :
乖離:2005/09/30(金) 01:07:15 ID:C+d+xMdi
彼の手のひらの上に自分の手を重ねて動かす
彼の指が、私の肉の裂け目に沿って前後に往復する
「ん・・・あ・・・・」
思わず声がもれてしまう
こんなまだるっこしい刺激でさえ、背筋をぞくぞくするものが駆け抜ける
自分でもいやらしい声だな、と思ってしまう
「若田部、もうやめよう、な?」
彼の言葉を無視して、私は彼の指を自分のショーツに押し付け動かし続ける
彼の指、傍でみると結構細くてきれいだと思っていたけど、やっぱり男の指だ
じかにこうして触れると、やっぱり芯の方から太くできてる気がする
「やめない・・・やめるなんて許さないわよ」
「でも」
「どうしてもやめるなら、このまま的山さんを呼ぶわ」
彼はそれ以上答えなかった
そして、自分の意思で、ぎごちなくはあったけれど、その手を動かし始めた
くにゅ・・・・
割れ目の上の肉の芽に、彼の指の腹が刺激を伝える
自分でするのとさして変わりは無いはずなのに、私の体がその刺激を
普段の何倍にもむき出しで感じているように思えた
「ねえ、二人とも順調かな〜? 何か手伝わなくていい?」
いきなり的山さんの声が耳に飛び込んできた
彼の体が、文字通りびくん、と思わず反応してしまったのが分かった
「ああ、大丈夫だ 何か手伝ってほしいときは呼ぶから」
「そうなんだ〜? アヤナちゃん、小久保君におかしな事されてない〜?」
「大丈夫よ、でも何かあったら助けに来てね」
距離を置いて、私たちは大きな声でやりとりをする
言葉だけ聞いてると、なんて間抜けなやり取りなんだろう
「ん・・・はあ・・・」
普段と逆の立場で、私の方がちゃんと言葉が出ない
でも、何とか息を整えて、小久保君に語りかける
「ねえ、本当に的山さん呼びましょうか・・?」
「何言ってんだ」
「だって、おかしな事されちゃってるわよ、私」
205 :
乖離:2005/09/30(金) 01:09:29 ID:C+d+xMdi
ぐに・・・
その瞬間に彼の指に力がこもって、強い刺激が肉芽に伝わる
「んあっ!・・・・」
「ごめん、痛かったか?」
私の瞬間的な反応に彼も慌てたようだ
強気に転じられないところが、彼らしい
だからこそ小久保マサヒコなのだろう
「本当に的山さん来ちゃうわよ、もっと上手にしないと」
「だって若田部があんな声」
「今度は直にしてみて」
「じかに、って・・・?」
「分からないなら、また手取り足取りで教えないと駄目かしら?」
ごくん・・・・・
本当に音を立てて唾を飲み込むと、彼は黙ってうなづいた
彼の手はショーツの上側からすべるように、その中に潜り込んでくる
手のひらが陰毛をならすように密着し、指が割れ目に沿って被さるように触れる
くにゅ・・ぐにゅ・・・・
初めは遠慮がちに、でもやがて大胆に指がうごめいて
私の体の固く閉じていた入り口をほぐしていく
自分の理性も、その徐々にゆるんでいく口からだらしなくこぼれて行くような気がする
彼もほとんど言葉を口にしなくなった
ただ手だけが彼の意思そのもののように、なまめかしく蠢いている
「ねえ・・・今、ショーツの中、どうなってるか言ってみて」
彼は答えない
ただ、彼の手が触れているところからは、ぬめった触感が伝わる
私の体の中から、彼を受け入れる意思を示している
「あなたの指、入れてみて・・・そのまま」
「若田部、いいのか?」
「うん・・・簡単でしょ? 指一本曲げてみるだけでしょう」
つぷ・・・・
彼が指の一本を曲げて、その先を私の入り口にあてがうのがわかる
206 :
乖離:2005/09/30(金) 01:10:58 ID:C+d+xMdi
「・・・・」
つぷぅ・・ちゅぷぷ・・・
彼は目線だけを向けると、そのまま指を中へ突き入れて来た
予想以上に? いや、私の期待した通りにすんなりと
彼の指が私に中に上向きに埋まって行く
「っ・・・・ん・・・んあっ・・・」
本当に言葉にならない、うめくように声がもれて
他人の一部が自分の中に入ってくるのを私は感じていた
自分の指とは比較にならない、この不安定なで渦巻くような感覚
ちゅく・・・ちゅく・・・・
潤った通り道を彼の指が往復する
結局、やる気になってるじゃないの、小久保マサヒコ君
ちょっと上気した彼の、夢中になった表情
あの当惑したときの表情とも違う、もちろん普段の淡々としたそれとも違う
「あ・・・・はあ・・・・・」
本当に声しか出ない
両手で彼の肩につかまり、なすがままの状態に自分を置いてみる
彼の意識はただ私の中に出入りする自分の指だけに集中しているようだ
ちゅぷ・・じゅぷ・・・
卑猥な感触と共に、彼の指が私の中をかき混ぜて
「若田部・・すごいな、お前・・・」
彼のその言葉だけで、私の中で我慢していたものが一気に堰を切って流れ出す
背筋を下から上に痺れるような感覚が走り抜ける
「・・・・・っ!」
ぎゅううっ
彼の肩を掴む手に力が入って、気が付けば体が崩れそうになるのを必死にこらえていた
びくっ、びくっ・・・・・・
私の体が震えるのを感じて、慌てて彼は指の動きを止める
「ご、ごめん、大丈夫か?」
あ、何かいつもの彼に戻ってしまったみたいだ
ばつが悪そうに心配する彼の表情、これも嫌いじゃなかったりはするけど
ぬるっとした感覚を残して、彼が指を抜いて、手を下着の中から取り出す
指先がいやらしくてらっているのがはっきり分かった
「すごいいやらしいわね、それ」
「でもこれは、若田部、お前の・・・」
「あなたがしたのよ、小久保君、それは」
「・・・・・・」
そう、その困ったような表情
それが見られるんなら、もっといくらでも好きなようにさせてあげる
今日は、加えて今まで見た事のなかったカオも見られたし
207 :
乖離:2005/09/30(金) 01:13:34 ID:C+d+xMdi
「ねえ、まだ調べ物してるの二人とも?」
ぱたぱたと音をさせて的山さんが近づいてくる
「ああ大体終わったよ」
彼は咄嗟に手を後ろに組んで、そ知らぬ顔で答える
今日は彼の役者振りが見られて、何か楽しい気分だ
「ふ〜〜ん、じゃあテーマは何にしたの?」
「え? それは秘密だ、まだ」
調べてないんだから答えられるわけが無いわよね
役者としてはまだまだかな
「私はもう決めたわよ 幼稚園・保育園を取り巻く環境の変遷、こんな感じで」
「へ〜、さすがアヤナちゃんだね 小久保君見習うべき」
もともと興味があって調べていた事を口にしただけなのだけど
これで、その場は誤魔化せたと言う事でいいわね
ずるいぞ、と言いたそうな顔で彼がこっちを見ている
恨みがましい表情も、これはこれでいいかも、と思ってしまう
「じゃあ、俺は先帰るよ」
カバンを手に取ると、彼はそそくさと図書館を後にする
かえってわざとらしい様な気もするけど、まあこんなものかな
「じゃあね〜、小久保君」
的山さんは彼に声をかけると、受付の帳票の片づけを始めた
私もそろそろ帰ることにしよう
208 :
乖離:2005/09/30(金) 01:15:02 ID:C+d+xMdi
「じゃあ私も帰るわね、的山さん また明日」
「あ、ちょっと待ってアヤナちゃん」
その呼びかけに私が振り返ると、彼女は後片付けをしながら尋ねてきた
「ねえ・・・いつからあんな事してるの?」
言葉がすぐに出てこなかった
「・・・何の事?」
「あの辺って、周りからも見えないけど、逆に近くまで誰か来ても見えないんだよ」
かちゃ・・・
彼女は帳票を棚にしまうと鍵をかけた
ちょっと古めかしい形の鍵の音だけが妙にはっきり耳に響く
「あなたはどうしたいの? 的山さん」
「どうしたいとかじゃないよ ただどうしてって思ったから」
私の問いかけに彼女はこちらを見ずに答える
「私がしたいから、っていう答じゃだめなのかしら?」
「・・・・・よく分かんない、でも・・」
彼女の動揺が言葉の端から伝わってくる
小久保君の前では何食わぬ顔をしていたのに
彼女の方が役者としてはずっと上手だったわけね
「次の当番の日はいつなの? その時に教えてあげるわ、あなたの知りたい事」
私は何でこんな事を口にしているのだろう
人に知られちゃいけない秘密のはずだったのに、何故だろう、気持ちが昂ってくるのが分かる
どこかで、こうなることを望んでいたのだろうか
自然と私の口元に笑みが浮かんでいた・・・・・
209 :
乖離:2005/09/30(金) 01:18:57 ID:C+d+xMdi
以上です
いただいた感想を自分なりに取り入れてみたつもりではありますが
ご要望に沿えたかどうか、内心恐々としております
皆様の率直な批評をお願いいたします
GGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!
3P?次は3Pですか?
新たな展開に期待して待ちます(;´Д`)ハァハァ
GJ。
続編に激しく期待。当然3Pだよな?
>>乖離氏
リアルタイムで見させていただきましたwww
次回はリンコ調教編でしょうか?
間の取り方も問題ないですし、文章も満足してます。
ただ、私見ですが地の文の背景描写が少なめな気がします。
次回最高に楽しみにしてますね
知ってる的山に必死に役作りしているマサヒコ萌GJ
ああ・・・乖離氏のお話は相変わらず官能的だ GJ
乖離氏あなたは天才だ
216 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 01:46:40 ID:MQxvHs1L
乖離氏あなたは神様だ!
氏家スレの神職人様だ!!
マンセー傾向もあれだが乖離氏の作品おもしろいな‥‥
次回も期待してますよ
最近投下してない職人の方々の新作が来てくれることも期待してます
うわーマサ萌えだわー
GJどぁー
これは新しいエース候補の誕生ですね
転章きました、GJ 素晴らしい。
背景描写の減少は、一人称視点としては行為中の視野狭窄感が出ていて良かったかと。
このシリーズ、同じ場面をリンコ視点やマサヒコ視点でSSを仕立ててみても面白いかも。
以前に72氏がリンコ×カズヤでやった「とある夏の日の日記」みたいな感じで。
最近ここ見始めてばっかの人間です
このスレの職人さん素晴らしすぎですわ
今は保管庫の作品をじっくり読んでる最中ですが・・・
なんつーか素晴らしいスレに出会えて良かった(*´д`*)
乖離氏、GJ です。
前の2作品では、ストーリーラインに沿って、キャラが無駄なく動いていましたが、
今回は、少し勝手に動いているように感じました。
物語としては、今回のは俄然面白いのだけど、
文章としては、前回までのきっちり計算された流れの方が良かったな。
剥離さんへ
SS読ませていただきました。今回も大変GJ!!でした。
定番といえば定番、王道といえば王道すぎる展開なんですが、図書室では隠れてエッチするのが思春期の男女の正しい姿だと思いますw
それとリンコの剥離さん仕様のキャラ付け、作中のアヤナ同様に読んでいる自分も“えっ!?”となり、意外性があってよかったです。
まったく無警戒の伏兵というか、ボケボケ天然お子様キャラだと思ってたのが、不意打ちですからドッキリ感が増したと思います。
エロシーンはしぶしぶ、あくまでしぶしぶ状況に流されてるんだ、そんな建前があるだろうマサヒコがだんだんと女の子の身体に触れて
好奇心と性欲を抑えきれなくなっていく描写に、またそれを愉しんでぞくぞくしながら、拙い指戯に震えるアヤナにかなり萌えました。
それとこれは私個人の意見なんですが、3Pとかリンコ調教とかにはいかず、物陰でただ覗かせて、清い瞳に汚れている自分を見られて
ぞくぞく燃え上がるみたいな、エッチに他者が参加とかなるとちょっと違うかな? なんて勝手に思ったりしてます。
生意気言ってお気を悪くされたら大変申し訳ありません。次回の投下もぞくぞくと期待しながらお待ちしております。
長々と情景や思考、心象、比喩を語られるよりかは
乖離氏の文はすっきりしててハァハァできてイイと思うわけですよ
(そういう書き方の職人さんが悪いと言っているわけではありませんので、悪しからず)
淡々と進みつつも、それが興奮を引き出してくれてナイスなわけです
で、これだけ返レスがついているということは
その分「おもしろかった、エロかった」と認められたわけですから
乖離氏は自信を持って続きを投下してください
乖離氏には“第二の郭氏”もしくは“郭氏の後継者”ね称号を
差し上げたいくらい、私個人としては評価してます
こんな神スレがあると他のエロパロスレに行く気が無くなるから困るぜ
氏家スレは、職人が去っても、また大型新人の職人が来る…
なぜ氏家スレに神職人が集まるだろうか…?
本当に此処はレベル高い。
もしかしてミセリ神はもう来ないのか?
なら、ミセリ神と近い感じの神が引き継ぐのはどうだろうか?
いつか戻ってくるかもしれない。
それに「似てない」「ミセリ神の方が良かった」などと荒れる原因になる。
そのままにしておくのがいいよ。
いつでも帰ってこれるように整えておくってのも大切なのさ。
大切なのはミサキの貞操
ミサキへ
つ「貞操帯」
古田殿
某コテハンです。いつも更新乙です。
このスレの盛況も、古田氏のリードあってこそ。
いまさらですが、
妹保管庫にある687氏「夏といえば」ですが、マサヒコxアヤナなので
濱中保管庫のほうに入れるべきかと。
次の機会にでも、移動してくださるとありがたいです。
保管庫の古田氏ならびに数々の職人の方々
激しくGJです
昨日から読み始めたんですがいい作品のオンパレードだわ量が半端じゃないわでたまりません
気に入った作品は読み直す事もあるだろうししばらくは読み耽る事になりそうです
>>224 しかし”第二の郭氏” ”郭氏の後継者”ってあんた(曝)
エース郭氏をマンセーしてるのか乖離氏をマンセーしてるのか。
いなくなった神?メリー神、ミセリ神は惜しい。いつかはもっこり登場してくれるさ。そうシンジてるのさ。
しかしいつも感心するのは郭神の投球回数だな。藤川もかくやの大車輪。保管庫読んでてオモータけどもうすぐ50本だぜ。
それで毎回美味くなってるのがまたな。棒スクランスレから流れてきた漏れからすると正直この人異常なんじゃないかと思ふ。
・・・・・・・いや、いい意味でだけど
JFKですか
乖離氏GJ!
アヤナのマサを動揺させる台詞や言い回しが巧いと思った。
そしてまさかリンコが・・・という続きが気になる展開に巧くもっていったのがよかった。
しかし祭りが終わったというのにまだまだ盛り上がってるなw
そうか、なるほど、サッカーで言うところのブラジルみたいなもんだな
放っといても次から次からクラッキが沸いてくるぜ
239 :
264:2005/10/01(土) 02:00:04 ID:sRPeax8w
お久しぶりです。264と申します。
忙しい間に祭があったようで、完全に乗り遅れた感丸出しです。orz
さて、乖離氏がべらぼうに卑猥なアヤナを書いているので、
私の方はしばらくお休みさせていただきますね。
今回は、今週号にインスパイヤされたものですが、何にせよ文章が下手で下手で…
それでも構わないってやさしい方はどうぞ。
NGワードは、『性格崩壊気味マサヒコ』『微エロ』『低クオリティ』です。それでは投下↓
240 :
264:2005/10/01(土) 02:00:45 ID:sRPeax8w
ども。小久保マサヒコです。
何故だか急に濱中先生に呼ばれました。何の用でしょうか?
「ま‥マサヒコ君!! お願い早く私の家に来てっ!!」
「な‥何ですか!? 落ち着いて話を…」
「はっ‥早くき‥ブッ…ツー、ツー…」
携帯から聞こえた先生の声は危機迫ったものでした。
俺は今、丁度本屋の帰りで近いので、一応行くことにしましょう。
……何で落ち着いていられるかって?
うーん‥一言で言うと、あの人のことだから
またロクな事にでも巻き込まれたんだろと思ったから。
ゴキブリで呼ばれた時は、流石に呆れました。一応…俺、受験生ですよ?
ええ‥勿論叱りましたとも。これぐらいの事で呼ぶな!!ってね。
泣かれましたよ。しかも号泣。いつの間にか俺が悪者になってました。
しかも、タイミングの悪さに定評のある中村先生がその後来たから大変。
…問答無用でパロスペシャル食らいました。数日経った今でも肩が痛いです。
容赦ねぇよ‥アイツ。
…さて、そんなこんなで先生の家の玄関に到着です。
最近体を動かしてないので、階段で息が上がってました。恥ずかしい。
トントン。ドアを叩きます。
…はんのうがない。ただのしかばねのようだ。
241 :
264:2005/10/01(土) 02:01:27 ID:sRPeax8w
なんて冗談冗談。でも、本当に反応がありません。
「せんせ〜い! 来ましたよ〜」
何回か言いましたが、それでも反応がありません。留守でしょうか?
仕方がないので、こちらから電話をかけてみました。
プルルルルル……ガチャ。
「…はい!! ま、マサヒコ君!?」
…でた。テンション高っ。
「来ましたけど…何で出ないんですか?」
「‥ちょっとワケ有りでね…。カギは開いてるはずよ?」
…はぁ? ホントだ。開いてるよ。一人暮らしのわりに不用心だなぁ。
「入っていいんですか?」
「うん!?」
?? 今‥スゲェ悲鳴が電話と奥から聞こえたよ?
「ど‥どうしたんですか?」
「はっ‥早く!!」
ただ事じゃない。先生ヤバいわ。もしかしたら人命に関わるかもしれない。
「先生!!」
靴を乱暴に脱ぎ捨て、声の主を探す。
「ここか!?」
そして、あるドアを開けた。
「‥先生?」
「……やっちゃった…」
いたよ。確かに先生いたよ。
…返せ。俺の心配を返せ。
「…また……ですか?」
「……ハイ」
…ヤレヤレだ。また『トイレにハマって』やがる。
これって、何ていうディスティニー? もう俺、ため息しか出ないよ…。
こんな業務には経費すら出ないんだ。
242 :
264:2005/10/01(土) 02:02:08 ID:sRPeax8w
「…んで、また助けて欲しいと?」
「…うん」
「声が必死だったのは、漏れそうだったからだと」
「…うん」
いい大人が何してんだよ…。2回目だよ? 2回目。
「…ヤッパリ、ダイエットは成功したのよ!!」
…もう、突っ込むほどのエネルギーもございません。泣きたいよ。
「んじゃ…また」
帰ります。時間は無駄に出来ないよね? 『時は金なり』って、ことわざもあることだし。
「あっ‥待って!! このままじゃ私…肉便器になっちゃうよォ…」
…前も言ったな。しかも…前よりも質悪いし。
「はぁ…んじゃ、この前みたいに引っ張りますよ?」
やさしいなぁ…俺。学んでないだけか?
「おねがぁい!!」
…仕方ない。やるか。
目‥血走ってるし。相当ガマンしてたな…この人。
本は廊下置いて、手握ってと…よし。
「じゃあ‥いきますよ? せぇのっ!!」
「わっ!? つ‥強いよっ!!」
そんなこと言われても、もう遅いです。手遅れってヤツです。
ドシン!!という音と共に、俺は廊下に倒れました。予想以上に頭打ってパニクってます。
濱中先生は、そんな苦しむ俺の腹の上で安堵の表情をしています。
「抜けたぁ……あ゛っ…」
?? …何を間抜けな声をあげているのでしょう?
243 :
264:2005/10/01(土) 02:03:28 ID:sRPeax8w
何…固まっているのですか? 顔引きつってるし。
………? 何か、温かいよ? あれ? 人肌ってこんなに温かかったかな?
………………まさかね?
「…先生?」
「………………ゴメン」
……ええ。分かってましたよ。認めたくないから聞いただけです。
アンタ…あれだ。俺は便器じゃない。小久保マサヒコだ。
さっきから耳に入っていた滝の音は、そういう事だったのですか。
「マサヒコ君…ゴメっ……うっ…ボントにゴメン…」
先生…アンタが泣くなよ。俺の方が泣きたいんだ。
心は悲しみの雨でびっしょり。
体は先生の尿でびっしょり。
ずぶ濡れだ…ハハハ。
「なんて言えばいいか……グスッ…」
ごめんなさいで済むレベルなのか? これは。
「…とりあえず、着替えてくるね」
…出来たら、俺の服の替えもお願いします。
「……うっ‥うっ…」
ふぅ…やっとどいてくr…
「!!!?」
「…どうしたの?」
どど‥どうしたのって…ぱぱぱぱぱパンツみみみ見えてる!!!
しししかも、漏らしたせいで透けてるっ!!!!
何か黒いのが見えてるよ? あれ何?
『あれですか? あれは陰毛です。』
ありがとうジム(←錯乱中の為、不明)。あれが陰毛なんだね?
244 :
264:2005/10/01(土) 02:04:34 ID:sRPeax8w
「…どうしたの? マサヒコ君‥変だよ?」
アンタのせいで変なんだよ!!
ああああああ!! 動くな! 余計に目に入る!! やめっ!?
……マズい……勃った。
「…え? 本当にどうしたの? もしかして、どこか打った?」
…打ってはおりませんが、腫れ上がっている箇所はございます。
「あっ!? 腰の方? だったら、足の方に退くね?」
!!!!!!??? やっ‥止めてっ!! これ以上刺激したら僕、意識がとんじゃうよ!!
「そんなに首振って…よっぽど痛かったんだね? 今退くから‥よいしょ」
そっちじゃねぇええええええええええええええええええええ!!!!
ぐにゅっ
「あっ……」
「ま…マサヒコ君? 急に真っ白になったけど、大丈夫?」
………僕…汚れました。
先生の柔肉が僕の臨海寸前の原発に優しくのしかかって来ました。詰みです。
はい…僕には無理です。耐えられませんでした。大丈夫なワケがありません。
上半身は尿で、下半身はどう見ても自らの過ちで汚れています。
横目で見たら、本も尿まみれでした。
先生は困惑した眼差しを僕に向けていますが、もうすぐ軽蔑の眼差しに変わるでしょう。
………以上、現場の小久保マサヒコがお送り致しました。
245 :
264:2005/10/01(土) 02:13:15 ID:sRPeax8w
以上です。
低品質でごめんなさい。今の精一杯です。
あ…石は投げないで……。
テーマは「無に還りたい」でお願い致します。
>古田氏
保管庫お疲れ様です。これからもよろしくお願い致します。
>他の職人様方
素晴らしい作品ばかりで感動を通り越して畏怖の念さえ覚えます。
神よ!我にもう少し文才を与えたまえ!!
では、また ノシ
246 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 02:25:34 ID:gu6YakYa
264氏、乙です。
マサヒコ、気の毒ww
ちょwwwワロスwwwwww
264氏これはレベル高いと思うよw乙です
「マサが…マサが勃ったー!!」
ハイジも喜んでます GJ!!
マサ・・・・
264氏GJ!!
随分お久しぶりな気がしますな。全然クオリティ低くないですよ
これからも作品投下よろしくお願いします
>>264 グジョーヴ
地の文がおもしれぇー
,. -――- _
/ ` 、
// / /l ,、 ヽ ヽ
/イ /l_/_, | ハ /| |i l
/ / /、_ . l / `ー/‐| /i |i l ________
| // -‐` V 、-‐ | ./| i| l /
C |/lj /ハ `>‐、| /‐、i/ < (ry
o i l ,- 、____ `ー'ノ 3 ノ \
/>、 、_ _ ) _, く  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/, // ` ‐- 、 _,. -‐ '´ |i ヽ
/ /i' / ̄ }) ー' ニ ({ ̄ ヽ|i|i |l
l//ノ }:::`ー--‐{ l| ヽ |
ゞ/ r '::::::::::::::::::::ヽ /;l `
/ |::::::::::::::::::::::::::::| l |
、 ノ:::::::::::::::::::::::::::::| l|
ー' |::::::::::::::::::::::::::::::::l、_ ノ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
252 :
乖離:2005/10/01(土) 19:01:33 ID:zBO8Vphh
お邪魔いたします
今回も、レスをいただいた皆様、ありがとうございました
過分なお言葉には恐縮する次第ですが
御指摘の方はしっかり受け止めて次回は直したいと思っています
次がいつ書けるのか、正直自分でもわかりませんが
感想をいただいた皆様が失望しないよう
また脳に鞭打ってみようと思う次第です
>>252 エロイやつらが集まってるエロパロスで
そんなマジメにならんでもいいんじゃないかとw
254 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 22:13:56 ID:gu6YakYa
>>乖離氏、
続きを期待して待ってます!ハァハァ…
770氏の「城島カナミ19才の夏」が、実話臭いと思うのは俺の気のせいでせうか?
痴女はイイ
卑猥よ
ナイス卑猥
今岡×マサ見たい
シチュエーションが全くわからんが
260 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:37:45 ID:sxmSY/hb
こんばんわ、白帯侍です
今回はちょっと未来モノを投下したいと思います
少し続き物にするつもりなので今回はかなり微妙なものになっております
エロもまた入っていませんし・・・orz
長い目で見ていただければ幸いです
タイトルは「Warp」。それでは投下
261 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:38:25 ID:sxmSY/hb
“ピンポーン”
安っぽいチャイムの音が部屋に鳴り響いた。
時計の針は夜の10時を示している。
誰かは知らないが少なくとも勧誘などではないだろう。
男はのそりと立ち上がって、ドアの方へと足を進めた。
床にはゴミやら雑誌やらが散乱していて、とても人が住んでるとは思えない有様だ。
が、男はいつもの通りの足の踏み場を利用し、すいすいとドアの前に辿り着く。
「はいはい、どちらさん?」
カギを開け、ドアの向こうに誰がいるのかも確認せずにノブを引いた。
「ん」
ドアを開けた向こう。そには———女が立っていた。
女は夜中だというのにサングラスをかけ、ニット帽を目深にかぶっていた。
その不審な女がなにやら手に袋を掲げて玄関の前で突っ立ていた。
(うわ・・・すご・・・)
最初は袋と女の顔に向けられていた男の視線は下に移動し、その胸部で止まった。
カーディガンの上からでも、女の豊満なバストがことさらに強調されていた。
男はしばらく呆然としてその場に立ち尽くす。
「ねぇちょっと!」
男の反応の無さに女は非難の声をあげた。
それを聞いて、男は正気を取り戻し、また女の顔に視線を戻す。
「あの・・・・どちら様?」
声の調子からすると強気な女性らしいということが感じ取れたが、誰かというのは思い出せない。
女に覚えが無かった男は、そのまま疑問を投げかけた。
それに女はがっかりしたように深いため息をつく。
「酷いわね・・・これなら分かる?小久保君」
そう言って、女はサングラスとニット帽を外して、男———小久保マサヒコに向き直る。
(あ・・・・)
記憶が、フラッシュバックしながら蘇る。
整った顔立ち。
(勝負よ!!)
気の強そうな目。
(責任取ってくれるんでしょーね!?)
背まで伸びている亜麻色のロングヘアー。
(馬鹿・・・)
そして・・・・どこか勝ち誇っているように見える微笑。
(それじゃあね、小久保君)
マサヒコはこの女のことをはっきりと思い出した。
「わか・・・たべ・・・・?」
マサヒコの言葉に女———若田部アヤナは改めて満足そうに笑みを浮かべた。
262 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:39:37 ID:sxmSY/hb
「本当に汚い部屋ね。よくここで生活できるわ」
「人間適応できればなんとかやっていけるもんだぞ」
「もう大学生なんだから。こんなことまで親御さんに面倒見てもらうわけにもいかないでしょ」
「はいはい、以後気をつけます」
アヤナの苦言に、マサヒコは飄々と言葉を返す。手はいそいそと動いて散らばるゴミを片付けている。
2人は背中を向け合って、マサヒコの部屋の清掃に励んでいた。
突然の、しかも予想だにしていなかった来客に、マサヒコは軽くパニック状態だった。
いつ日本に?何故ここに?聞きたいことがどんどん浮かぶ。
が、彼女は戸惑うマサヒコの横を通り抜けて、『こんな部屋に私をあげる気!?』とのたまった。
それで何故か部屋の掃除をするということに至ったわけなのだ。
(いくら流されやすいからっていって、これは無いよな・・・)
手を動かしながらそんなことを考える。流れのままに生きるマサヒコだったが、この状況は芳しいものではない気がした。
掃除が終わるまでは話は切り出せないだろうと思い、マサヒコは深く息をついた。
「あ・・・」
「ん?」
突然声を上げたアヤナの方にマサヒコは目をやる。
しばらく黙っていたアヤナはゆっくりと振り返った。
マサヒコを視界に捕らえると、彼女は意地の悪い笑みを浮かべて。
「な、なんだよ」
妙な気配にマサヒコは身構える。
「これ、な〜んだ?」
アヤナが手にしているもの。それはマサヒコが度々お世話になる成年、もとい性年向け雑誌だった。
「なっ!何をするだァーーーッ!!」
アヤナの目の前を一陣の風が通り抜ける。
彼女が手にしていた本は、いつのまにかマサヒコの手の中へと移っていた。
「それにこれも」
「そぉぉぉぉい!!」
次にアヤナが手にしたDVD(内容は言わずもがな)も、これまたフリッカージャブのようなものを使って奪い取る。
「フフフ♪小久保君もこういうのに興味持つようになったのね〜」
マサヒコを見て楽しそうに笑うアヤナ。
マサヒコは堪らずばつの悪い顔を浮かべた。
女性に、しかも中学時代の同級生であるアヤナに見られた。
当時の彼を知るものにこれを知られるというのは、マサヒコにとってかなりのダメージとなった。
「あの頃は女に興味なし、って感じだったのに。やっぱり男の子ね〜」
「・・・・お前が原因でもあるんだぞ」
263 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:40:41 ID:sxmSY/hb
言ってしまってから、マサヒコはしまったと後悔した。
攻撃されっぱなしだったのが癪だったので言葉を返したものの、完全に言葉の選択ミスだった。
アヤナはマサヒコの言葉に息を呑む。それから気まずそうに視線を彼からそむけた。
時計が時間を刻む音だけが部屋に響く。マサヒコが下宿している一室は重苦しい空気に包まれる。
「掃除の続き、するか」
気まずい雰囲気に耐え切れず、マサヒコは作業を始めることを促す。
「・・・うん」
アヤナはそれだけ返事をして、目を合わさずにくるりと後ろを振り返った。
マサヒコはアヤナを数秒見つめ、また作業に戻った。
それから2人は掃除が終わるまで会話も交わさずに作業に取り掛かった。
その間マサヒコの脳裏には先ほどのアヤナの後姿が焼きついていた。
彼女の背中は、中学時代に最後に彼女を見送ったときの、小さな背中によく似ていた。
部屋の片づけが終わり、2人はテーブル越しに向き合って座った。
テーブルの上ではマサヒコが淹れたインスタントコーヒーの湯気が立ち昇っている。
「安ものだけど文句言うなよ。普段ならこんなの出さないんだから」
「フフフ、ありがとう」
マサヒコの言葉に微笑を返すアヤナ。
その笑みはとても自然なものだった。どうやら先ほどのことは、もう気にしていないといった感じだ。
(それにしても・・・・)
綺麗になったな、とマサヒコは素直に思った。
先ほどは彼女の特徴でアヤナだと判断したが、目の前にいる女は中学時代の彼女とはやはり違っていた。
顔立ちが大人っぽくなり、うまく言い表せないがいわゆる「大人の女」の雰囲気を醸し出している。
今はさぞかし言い寄る男がいるだろうな、とマサヒコは思った。
「いくつか聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「答えられる範囲ならね」
アヤナはコーヒーを一口すする。テーブルにカップを置いたのを見てマサヒコは話を始めた。
「いつ帰ってきたんだ?」
「今日のお昼頃」
「どうやってここの住所を?」
「天野さんに挨拶しに行ったときにあなたの家にも寄ったの。
そしたら小久保君、もう家にいないって言うじゃない。
それであなたのお母さんに聞いたら、快くここの住所を教えてくれたってわけ」
「帰ってきたその日に挨拶に来るなんて律儀なヤツだな」
「お土産そんなに長持ちしないものだから。それに・・・・」
そこでアヤナは言葉を切る。
彼女は何かを言おうとする素振りを見せたが、結局その言葉を口にすることはなかった。
264 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:42:04 ID:sxmSY/hb
「なんでもない・・・気にしないで」
無理矢理に笑みをつくって話を終わらせる。
それにマサヒコは苦笑で答えるしかなかった。
「で、どれくらいこっちにいるんだ?」
アヤナが気まずそうにしていたので、すかさずマサヒコは次の話題を振る。
マサヒコの気遣いに気付いて、アヤナは申し訳ないような表情を浮かべた。
だがそれは刹那の時間で、次の瞬間にはいつもの微笑が戻っていた。
「私、もうあっちの方には帰らないの」
「じゃあ若田部の家族が戻ってきたってことか」
高校だけ向こうで暮らすということだったのだろう、とマサヒコは頭の中で解釈する。
が、彼女は目を瞑って首を横に振った。
「私だけよ。どうしても日本に戻りたいって言って来たの。はっきり言えば軽く勘当された、ってことになるのかな」
「え・・・・」
マサヒコは思わず目を見開いてアヤナを凝視した。
優等生であった彼女が勘当されたなどとは、思ってもいなかった。
「何か・・・向こうであったのか?」
「そんなに深刻な顔しないでよ。ただの私のわがまま。
昔、私保母さんになりたいって話したことあるわよね。
あっちの高校卒業するときに父にね、そのことを初めて話したの」
コーヒーをまたアヤナは一口すする。彼女の口元には自嘲的な笑みが浮かんでいた。
「そしたらもう大激怒。もう自分の中では娘の将来決めてたんでしょうね。
お前は誰々の息子と見合いして幸せになれ、って言うの。
それで頭にきてね。思いっきり啖呵きって飛び出してきたのよ。
『そんなことしてもらわなくても幸せになれるわよ』・・・ってね」
言いたいことを言って、ふぅと息をつくアヤナ。コーヒーをまた口に含む。
アヤナの言葉に流石のマサヒコも唖然とした。
さらりと言っているが実際はかなりの修羅場だっただろう。
それなのに目の前の女は、何とでもないようにそれを言ってのけていた。
とてもじゃないが真似なんか出来るものじゃない。
(でも・・・・)
マサヒコは思わず苦笑を漏らした。
それに気付いたアヤナは非難めいた上目遣いでマサヒコを睨み付ける。
「な、何がおかしいのよ!!」
「いやさ・・・お前らしいな、って思って」
「はぁ?これが私らしい?あなた、どういう風に私を見てたのよ」
ジト目でアヤナはマサヒコを睨み付ける。
マサヒコはそれがおかしくて1人でケタケタと笑う。
不機嫌顔だったアヤナも、マサヒコの姿を見て次第に笑い声を上げ始めた。
(変わってないな・・・)
そう、変わっていない。
日本を離れても、いくら大人になろうとも、やはり彼女は若田部アヤナその人だ。
アヤナが変わらずに目の前にいると思うと、自然と心が温かくなった。
春の強い風がまだ吹く夜。2人の男女は夜中だというにも関わらず、思いきり笑い合った。
265 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:43:33 ID:sxmSY/hb
「あら、もうこんな時間」
楽しい時間というのはすぐに過ぎるもので。時計に目をやると、すでに日付が変わってしまっていた。
隣人もいるというのに随分と騒いだな、とマサヒコは心の中で少し反省する。
「じゃあそろそろお暇するわ」
アヤナは立ち上がって玄関の方へ向かう。
もうゴミが散乱していないので真っ直ぐ玄関の方へと進んでいった。
「おい、お前帰ってきたばっかなのにどこで寝るんだよ」
慌てて出て行こうとするアヤナを、マサヒコは引き止めた。
若田部家は今知り合いに預けられているので、訪ねていけば泊めてくれるかもしれない。
しかしアヤナのことだ。勘当された自宅には意地でも行かないだろう。
第一こんな夜中に1人で出て行かせるような神経を、マサヒコは持ち合わせていなかった。
「迷惑じゃないならさ。俺の部屋泊まっていけよ」
思っていたことをさらりと言うマサヒコ。アヤナはギョッとした顔でマサヒコを見る。
(あ、やば・・・・)
今頃になって自分の不用意さにマサヒコは気付く。
(これって、めちゃくちゃ勘違いされたんじゃ・・・)
自分で言っておきながら自分の言葉に混乱する。
「あの!今のはそういう意味じゃなくてだな!?なんだったら俺が出て行くし!!」
部屋の主が出て行ってどうするのだろうと思うが、マサヒコはそんなことを気にする余裕も無い。
慌てふためくマサヒコを見て、アヤナは思わず吹き出した。
「ハハハハハ!こ、小久保君・・・あ、焦りすぎよ・・・フフフ・・」
おかしそうに目を細めるアヤナ。マサヒコは思わずそれに見とれてしまう。
「部屋が見つかるまではホテルに泊まるつもりだから」
「で、でも・・・やっぱり夜道を歩くってのは・・・じゃあさ、俺そのホテルまで送るよ!」
「家ならともかく、ホテルまで送るってあんまり聞かないわね」
「かもしないけど・・・もうこんな時間だしな、女が1人で歩くのは危ないって」
依然として引かないマサヒコ。意外に頑固な男だ。
アヤナはジーンズのポケットから黒い機械を取り出して、マサヒコの前にかざした。
「大丈夫。護身用にコレ持ってるから」
スイッチらしき所を彼女のしなやかな指が押す。
次の瞬間、マサヒコの目の前にバチバチッと青白い光と火花が散った。
「ひっ!!」
「ほらね。これ当てられるとどんな大男でも一発昇天。試してみる?」
「積極的に遠慮します!!」
出来る限りの力を込めて辞退する。
(昇天って・・・普通の人間なら文字通りになるんじゃ・・・)
アヤナの準備の良さにマサヒコはもう何も言うことができなくなった。
いろいろ世話を焼いてみたものの、こう悉くかわされると極まりが悪い。
(なんか下心あったヤツが引き止めるのに失敗した、って感じだな・・・)
あまりの自分の情けなさにマサヒコは肩を落とした。
266 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:44:27 ID:sxmSY/hb
「そういえば」
項垂れていたマサヒコは顔を上げてアヤナの顔を見た。
彼女はマサヒコのほうを見ないで視線を宙にさ迷わせていた。
「何?」
「小久保君。あなた今彼女いる?」
明日の天気でも尋ねるかのような何気ない質問の仕方。
実際は彼女なんていなかったのだが、素直にそれを口にするのは恥ずかしいと思われた。
マサヒコはアヤナの言葉に肯定して返してやろうとした。
「そ、それくらい・・・」
が、マサヒコはアヤナを見て思わず言葉を呑んだ。
視線をさ迷わせていたアヤナの瞳がマサヒコに向けられる。
表情こそ何気ないといった感じだったが、彼女の目は明らかにその表情に相応しくないものだった。
アヤナのこんな目をみるのは、マサヒコにとって、2度目のことだった。
行き場所がない捨て犬が見せるような・・・すがるような眼差し。
「・・・いないよ」
マサヒコは動揺を悟られまいと出来るだけしれっと、
そしてこれが本当のことだと分かってもらえるように、真摯な思いを込めて言葉を口にした。
アヤナの眼差しは真っ直ぐとマサヒコの瞳に注がれる。
まるで、マサヒコの真意を確かめるように。
マサヒコも自分の言葉に偽りがないことを分かってもらうために
目を逸らさずにアヤナの目を見つめ返した。
その時間は実際には数秒だというのに、2人の時間を埋めるようとするような、とても濃密な時間に感じられた。
しばらくしてからアヤナの方から視線を逸らした。心なしか顔が赤いように見える。
「なんか顔立ちも男っぽくなったし変わったな〜、って思ったけど」
そこで言葉を切って、アヤナはマサヒコを見つめる。
その瞳には、もう弱々しい光は灯っていない。
「そんなことなかった。昔のままの・・・小久保君ね」
「 !!! 」
アヤナは背伸びをして、マサヒコの唇にそっとキスをした。
触れるだけの、しかし想いが注ぎ込まれていくような口付け。
アヤナはマサヒコから離れて、今日見せた中での最高の笑顔を浮かべた。
267 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:44:57 ID:sxmSY/hb
「フフフ♪アメリカ風のさよなら」
呆然として立ち尽くすマサヒコ。頭の配線が完全にショートしてしまっているようだ。
そんなマサヒコに、アヤナは得意げな笑みを浮かべて手を振る。
「今日は楽しかったわ。それじゃ、また」
そう別れを告げて、アヤナは足取り軽く帰っていった。
その場には、放心したマサヒコだけが残された。
春のまだ少し冷たい風が街を通り抜ける。
その寒さでマサヒコはようやく正気を取り戻した。
『昔のままの・・・小久保君ね』
唇には未だにアヤナの柔らかい唇の感触が残っている。
マサヒコの鼓動は今さらながら、速いピッチを刻み始めた。
(アメリカ風さよなら、ってか・・・)
思わず苦笑を漏らす。まったく、いいように遊ばれてる。
「う〜〜さみ〜〜〜・・・」
強い風に吹き付けられて、マサヒコは身を震わせる。
たまらず部屋の中に戻った。ドアを閉めて、鍵をかける。
テーブルの方に歩いていき、2つのカップを手にする。
全く手を付けていないカップと空っぽになったカップ。
(よっぽど動揺してたのかな、俺)
苦笑を浮かべ流し台に立つ。
中身を捨てようかどうか迷ったが、結局マサヒコは冷め切ったコーヒーを口にした。
「まずっ・・・・」
一口飲んで思わず顔をしかめる。半分くらいまで飲み込んで、残りは流しへと捨てた。
2つの空になったカップを流し台に置く。それを見てマサヒコは、別れ際にアヤナが口にした言葉を思い出した。
「それじゃ、また・・・か」
マサヒコの顔には———困ったような、嬉しいような、複雑な笑みが浮かんでいた。
268 :
白帯侍:2005/10/03(月) 03:51:03 ID:sxmSY/hb
以上です
まぁマサヒコ×アヤナの未来モノなんですが・・・
微妙な描写がありますが、次の投下ではっきりさせるつもりです
以前次はシンジ×アキの誕生日ものを書くと言ったんですが
思うように書けずに一時断念してます・・・orz
とりあえずしばらくこっちを書くつもりなのでどうかご容赦ください
白帯侍氏乙です
リアルタイムで読ませていただきました
爽やかな終わり方でいいですね
続きが非常に楽しみです
シンジ×アキ作品もマターリと楽しみにしておきます
最後に一言
「なっ!何をするだァーーーッ!!」に噴いたw
深夜に爆笑する羽目になるとは('A`)
>白帯侍氏
未来物は作者の想像力がかなり影響すると思うので、続き楽しみです。
アヤナかわいいよアヤナ
GJっす!
正直、早く続きが読みたいですが、焦らずにじっくり自分のペースで完成させて下さいな。
もう一個GJ!
272 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 15:56:51 ID:gWoZ3sdm
すっげぇ!ここまで来るとエロパロではなく感動大作だ。初めて見たけど感動!
273 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 16:07:11 ID:gWoZ3sdm
なんか自分も純愛エロパロを作りたくなったな。マサパパ×リョーコとか、妥当な所でアキ×金城とか、どうかな?
>>273 初めから変化球は難しいかも…オーソドックスが一番良いと思うよ
祭りを始め、郭氏と若手職人さんの話のレベルが異様に高い件について
277 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:26:35 ID:gWoZ3sdm
皆さんのレベルにおよびませんが描いて見ました。褒めていただければエロ込みの続編はあるかも。タイトルは「兄と妹と」
278 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:27:19 ID:gWoZ3sdm
時間を持て余している昼、チャイムが鳴った。
「シンジ、良い物持ってきたから一緒に見ようぜ!」
いきなり家にやってきた訪問者は玄関を開けるなり恍惚な表情で俺を見ている。
「カズヤ、今度は何だ?またエレベーターガールシリーズとかアナル責めシリーズとかか?」
表情を見ただけで大体用件は解った。
「バカヤロウ!お前の為にすごいの借りてきたんだぞ。まっ家にあがらせてくれよ。」
そう言うとカズヤは有無を言わさずに勝手に入って行った。
「しょうがね〜な、付き合ってやるよ♪」
と言いながらも嬉しそうに部屋に足をすすめた。
279 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:28:11 ID:gWoZ3sdm
部屋に入るなりカズヤは歌を口ずさみながらビデオデッキにビデオを入れた。
「で、今度はどんなやつなんだよ?カズヤがすごいって言うからには本当に凄いんだろうけど。」
するとカズヤはこっちを向いて
「ま〜、ま〜題名を見たら解るって。」
そう言うとニヤリと笑って顔をデッキの方に戻した。「では、再生しますか。シンジ、リモコンは?」
「テーブルの上にあるだろ。音量下げろよ!カナミは今はいないけど、いつ帰ってくるか解らないんだからな。」
「了解♪」
そう言うとカズヤはリモコンを手にし、音量を下げ、そして再生を押した。
280 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:28:53 ID:gWoZ3sdm
再生を押した事を告げるかのように画面は暗くなる。そして明るくなると一緒に題名が現れた。
「近親相姦、兄と妹…、カズヤ!」
「落ち着けよ、驚くのも抜くのもまだ早いぜ」
そう言いながらカズヤは笑って画面を見ていた。シンジは嫌がらせの為に持ってきたのかと思ったが、カズヤの驚くのはまだ早いと言う言葉がどういう意味なのか解らないので黙って見ることにした。
画面はどこかの一軒家を映している。そしてカメラは中に入って行く。するとカメラに後ろ姿の女性が映しだされた、
「お兄ちゃん、お帰り。」そう言うと女性はこっちを向いた。
281 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:29:37 ID:gWoZ3sdm
「…カナミ?」
画面に映しだされた女性は妹のカナミと間違えるほどうりふたつだった。
「驚いただろ?俺もビデオ屋で一つ一つ吟味してたら見つけたんだ。」
そしてずっと画面を見つめるとお兄ちゃんと呼ばれる人が現れた。
「これは、俺?」
「男優もシンジにうりふたつだよな。偶然とはいえすごいな。」
そう言ってニヤニヤしながら画面を見つめている。シンジも変な気分になりながらも画面を見つめた。
そして行為が初まった。シンジのそっくりさんの男と、カナミのそっくりさんの女がキスをし、そして男の手は女の胸に触れる。
282 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:30:23 ID:gWoZ3sdm
男は女の服を脱がしながら愛おしい物を見るかのように見つめあい、胸に吸い込まれていった。
段々とエスカレートしていく行為に普通なら興奮して行くのだろうが、シンジにはまるで妹との行為を見ているようでなんとも表しようのない感じになっていった。
「ただいま〜!」
玄関から大きな、いつも聞いている声が聞こえてくる。
「カナミが帰って来た!カズヤ、早くビデオを停めろ!」
「あれっ?俺リモコンどこに置いたっけ。」
そんなやり取りをしている内に足音はシンジの部屋に近付き、ドアが開く。ビデオは停まらずに再生されていた。
283 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:31:04 ID:gWoZ3sdm
「お兄ちゃん、オナニーばかりしてると味薄くなる……」
いつものように軽い下ネタを言いながら部屋に入ってきたカナミは吸い込まれるように画面にくぎづけになった。
「あっ、これはカズヤが持ってきたやつで、勝手に再生してたんだ、…カズヤ勝手に俺の部屋でエロビみるなよ!」
「…、悪い悪い、シンジが部屋にいないからやる事無いから勝手にエロビ見てた」
リモコンが見つからないのでシンジは急いでデッキの方で停止した。いつもならカナミが下ネタで場を和ますのだが、まったく口を開かない。誰の目から見ても明らかに空気が重い。
284 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:31:47 ID:gWoZ3sdm
「あっシンジ、俺今岡にノート借りたままだから返しに行かないと、じゃカナミちゃんお邪魔しました」
そう言うとカズヤは逃げるように出て行った。俺も逃げたいという願望に襲われている時、カナミが口を開いた。
「んじゃお兄ちゃん今日のオカズは私でいい?」
シンジは困惑した。状態が状態なだけに、いつもの下ネタか、それともマジか。だが本気だといけないので。
「今日は俺が作るからカナミは休んでろ。」
と言ってシンジはキッチンに向かった。
シンジのいなくなった部屋の中で
「意気地無し」
とカナミは下を向いて呟いた。
285 :
ライズ:2005/10/03(月) 18:34:18 ID:gWoZ3sdm
終わりです。頭の中ではこの後のストーリーを作ったんですけど膨大な量になりますんで。ここで止めておきます。エロはないんですいません。この先ならあるんですけど
>ライズ氏
職人仲間入りおめでとう
読み手の想像をかき立てるのもまた職人技の一つですよ?
品質なんて書いていればその内勝手に上がっていきますから…
気にしないで…GJ!
287 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 18:59:44 ID:cEI8W/NS
白帯侍氏、ライズ氏、乙です。
続編はぜひ、エロ有りでお願いします。
とりあえずsageてお願いします。
とりあえずマン拓て゛お願いします。
とりあえずある程度は纏めての投下をお願い致します。
291 :
郭泰源:2005/10/03(月) 20:58:34 ID:CtP3QZj+
てな流れをぶったぎりですいませんが、シンジ×ナツミの前編を。
ただし…またも前フリのみです…ああ、我ながら何というか…その。
乖離氏という、これぞエロパロSS!というものを読んでしまうと、
我ながら文章はまどろっこしいわ、回りクドイわで、ちょっと落ち込みますね。
NGワードは、「未完」「エロ無し」です。では、投下。
292 :
郭泰源:2005/10/03(月) 20:59:29 ID:CtP3QZj+
(…ふう…)
今岡ナツミは、その日何度目かのため息をついた。
(…なんだか…飽きちゃったっていうか…ダレちゃったっていうか…)
夏休みも終盤――――
予備校と図書館の往復でひと夏を終えようとしていることに、彼女は空しい思いを抱いていた。
元々しっかり者で頑張り屋のナツミ。成績も常に学年上位であり、
夏休み前にはとある大学の推薦枠での受験を勧められたこともあった。
それでも彼女は憧れである後楽園大学に正面から挑むつもりで―――
この夏は受験生として過ごすことを決意し、それなりに成果もあがってきたところだった。
……しかし今は……ちょっとしたスランプというか、ブルーな気分に陥ってしまっていた。
(…城島くんは…今頃、なにをしてるんだろう…)
ふと、ナツミは同じクラスの城島シンジの顔を思い浮かべていた。
同じ風紀委員で席が近いということもあり、シンジとナツミは一緒にいることが多かった。
性格的にもウマが合うというのか、異性として意識せずにいられる友人として付き合ってきた。
…………少なくとも周囲からはそう見られている、はずだった。
(…城島くん…)
だが、随分前から……ナツミは、シンジのことをはっきりと異性として意識していたのだった。
さっぱりとした性格と腕力の強さからそうは見られないが、実は恋に臆病なナツミ。
これまでも何度か自分の思いをシンジに伝えようとしたのだが……
そのたびにシンジの悪友・新井カズヤに邪魔をされたり、
シンジがニブチンなため気付かれなかったりでことごとく失敗し、
ふたりの仲は友人状態のままというのが実際のところだった。
(…城島君も進学志望なんだよね…なら、『一緒に勉強しない?』とか…言えるわけないかあ…)
ふ―――っ、ともう一つため息をついた後、ナツミは机の上につっぷした。
(あ〜〜〜〜、もう!こんな日は気分転換に…)
がば、と跳ね起きて携帯電話を取り出し、誰かにかけて話をすると……
ナツミは、急いで出かける準備を始めた。
£
暑かった。8月最後の週にしては、猛烈な暑さだった。
「もう…びっくりしちゃったよ、ナツミ?いきなり『遊びにいかない?』って…」
「ごめ〜〜ん、キョウコ…でもさ、夏休みの最後くらいちょっと遊びたくって…」
久しぶりに受験勉強以外の用事で町に出るナツミは、それでもうきうきとした気分だった。
ふたりでたわいもない友人の噂話などをしながらしばらく駅に向かって歩くと、
キャミソールから出た肩の皮膚がちりちりと陽に焼けるような感覚がした。
(今年は…海にもどこにもいかなかったし…)
普段活発な自分でも珍しいと思えるほど、真っ白な肌をしていた。
(来年…大学に合格したら…城島君と、海に行ったりとか…できたらいいナ…)
そんなことを考えながら、ふとショーウィンドウのガラスに映った自分の姿に目をとめた。
(スタイルは…我ながら結構良い方だと思うし…目だって大きいし…悪くないと思うんだけどな…)
なぜか思うことはそればかりになってしまうナツミ。彼女も思春期なのである。
「?どうしたの、ナツミ?」
「ううん、ゴメン。なんでもない…あ、あれ?!」
ふと目をやると、家を出る前からずっと気にかかっていた当の人物であるシンジが、
なにをするでもなく店の壁にもたれかかってボ――ッとしているのを見つけた。
(わ…わわわ、じょ、城島君?)
あまりの偶然のイタズラに、一瞬固まるナツミ。
「あ!城島君じゃん!お〜〜〜い、城島く〜〜ん!」
友人のキョウコもシンジの姿に気付き、彼に向かって手を振り始めた。
(ちょ、ちょっと待って!!!)
内心慌てふためくナツミだが、シンジは声に気付いて彼女達の姿を認めると、
小さく微笑んで手を振りながら近くまで歩いてきた。
「よ――っす、久しぶりだな…」
「ひ、ひさしぶり…城島君」
「久しぶり〜、城島君。誰かと待ち合わせ?あ!もしかして…で・え・と・とか?」
(キョウコ、ああ、アンタ!)
§
293 :
郭泰源:2005/10/03(月) 21:00:32 ID:CtP3QZj+
冗談ぽく聞くキョウコにまたも慌てるナツミだが、シンジは苦笑して答えた。
「いや、だったらいいんだけどね…実際のトコロは妹達のおもりっつーか…」
「遅れてゴメ〜〜〜ン!お兄ちゃん!あれ?あ!お久しぶりです、先輩!」
「こ、こんにちは、カナミちゃん…」
「カナミおせえよ…あれ?他のみんなは?」
「今来るよ!お〜〜い、エーコちゃん、チカちゃん、こっちだよ〜!」
カナミ・エーコ・チカと次々に登場し、あっという間にシンジは女の子に囲まれてしまうのであった。
「わ!カナミちゃんそっくり…」
「初めまして!シンちゃんとカナちゃんの従妹、エーコです!」
「エーコの友達で、チカです…」
城島兄弟の従妹だというエーコは、カナミに似た元気の良い可愛い子だった。
その友達のチカも、清楚な感じのするなかなかの美少女だった。
(城島君は…いつもこんな可愛い子たちに囲まれてるんだ…)
別に毎日囲まれているわけではないのだが…なぜかそう思って胸が痛くなるナツミ。
しばらく話していると、見覚えのある金髪でショートヘアーの少女がシンジたちに近づいてきた。
「カナミ、遅れてゴメ〜〜ン!あ、お兄さん!それに先輩?」
「ああ、矢野ちゃん…悪いね、いつも付き合わせて…」
「そんなことないですよ!私もちょうど予定無くてヒマだったし」
シンジとアキは、親しげに話し始めた。
(1年の矢野さん…だっけ?城島君と仲良いよね、学校でもよく話してるし…)
そんなシンジ達の様子を見ながら、
(……城島君は、やっぱりいいナ…)
と思うナツミ。優しく穏和で人と争わない性格のせいか、
シンジの周りには男女を問わず人が集まることが多かった。
あの変態・カズヤのことも、問題教師・小宮山のことも、
呆れながらも普通に付き合っているのはシンジくらいのものだった。
(……城島君は、誰にでも優しいけど……)
たまには、自分のことを――自分のことだけを――見て欲しい、
とナツミは乙女チックなことを思っていた。
「アキちゃん、今日は下のお手入れ大丈夫?最近剃毛プレイに凝ってるんでまだなら私に…」
「させるかあッ!!!キチンとしてきたわあッ!」
「ふたりとも頼むから町中でそういう発言は…あと水着セクハラ発言も今日は無しだぜ?」
そんなナツミの思いを勿論知らないシンジはいつものとおりツッコミ役をこなしていた。
「あれ?もしかして城島君達、海とか行くの?」
「いや、近場で済まそうと思ってね。市民プールにでも行こうかなって…」
「ふ〜〜〜ん?ねえ、私たちもご一緒させてもらってもいい?」
「き、キョウコ!」
「いいじゃん…どうせこの後計画らしい計画も無かったんだし」
「別にいいけど…でも、いきなり一緒って、水着とかはどーすんの?」
「市民プールだよね?じゃ、先に行ってて!私たちも水着取りに行って後で追いつくし!」
「ああ、わかった……じゃあ後で…」
シンジ達は先に駅に向かい、ナツミ達は急遽水着を取りに帰ることになった。
「キョウコ!あんたなんでいきなり…」
「いいじゃん。気になってるんでしょ?城島君のこと」
「!!!な、なんで知ってるの!」
「はははは!正直だよね、ナツミは。アンタの様子見てれば気付くって、そんなの。
今日は新井君も一緒じゃないし、上手くいけば距離を縮めるチャンスかもよ?」
「う…」
図星である。実はナツミ自身もシンジと一緒に行けたらいいな、と思っていたのだ。
「それにナツミ今年は全然焼けてないじゃん?今日は暑いしさ、
夏の最後の思い出作りにちょうどいいじゃん!さ、水着取りに帰ろ!」
ちょっとトロそうな外見に反して、意外に強引なキョウコ。
「う、うん…わかった…そうだよね、夏の…最後なんだし…」
自分自身に言い訳をしながら、ナツミは自宅まで水着を取りに帰るのだった―――
§
294 :
郭泰源:2005/10/03(月) 21:03:25 ID:CtP3QZj+
「さっきメールあってさ。ウォータースライダーのあたりだって、城島君」
「う、うん…」
去りゆく夏を惜しむのか、ただ単に猛暑のためか、市民プールはかなりの人出だった。
(えっと…派手じゃないよね?これくらい…)
散々迷ったあげく、ブルーを基本色としたペイズリー柄のツーピースの水着を選んだナツミ。
「なに不安そうなカオしてるの…ナツミはスタイル良いよ?自信持ちなって!」
彼女の迷いを和らげようとするかのように、ぱん、とキョウコはナツミの肩を叩いた。
「うん…ありがとう、キョウコ…」
「あ!城島君見っけ!お〜〜〜い、じょ〜うじ〜まく〜ん!」
両手にソフトクリーム、それにビニール袋を肘にかけて歩いていたシンジは、
少し情けなさそうな顔をしてその声に答えた。
「よっす…思ったより早かったね、ふたりとも」
「うん…それは…みんなの分?」
「ああ…ははは、これじゃおもりっていうか、俺ほとんどパシリだよな」
「ふふ…そんなことないよ。相変わらず良いお兄ちゃんじゃない」
腕いっぱいにアイスを抱えているシンジの姿はどことなくユーモラスだった。
「えっと…ふたりともアイスモナカで良かった?」
「え?あたし達の分も買っておいてくれたの?」
「いや、買ってから気付いたんだけどさ。お前らが遅かったら溶けちゃうかも、
とか思ったんだけど。でも今会えたし、ちょうど良かったみたいだな」
「わ〜〜い、気前いいね!城島君!」
少しおおげさな仕草で、キョウコが喜びの声をあげた。
(こういう、完璧じゃなくて、優しいところが…)
シンジの良いところだな、とナツミは思った。ちょっと間抜けな感じだから、
無理している感じも、押しつけがましい感じもせず―――
相手は自然なうちに、その好意を受入れてしまう。
「じゃ、じゃあさ。悪いから、せめて私アイス持つね?」
「ああ…わりいな…あっちの方でみんな待ってるから…」
少しぎこちなくだが…ナツミは、シンジからアイスの入ったビニール袋を受け取った。
キョウコはニヤニヤとそんな彼女のことを見つめている。
「あ、おにいちゃ〜〜〜〜ん!」
しばらくすると、シンジ達を見つけたカナミが手を振って呼んだ。
「コラ、カナミ。だから外ではあんまりそう呼ぶなって…」
「じゃあ、ごしゅじんさ………」
「「もっと悪いわああ!!」」
アキとシンジのWツッコミが炸裂したところで、全員一休みしてアイスを食べ始めた。無論、
「あ!カナちゃん、そっちの美味しそうだね!」
「じゃあ、食べてみる?」
"ぴちゃ…""ぷちゅ…"
と、従姉妹ふたりのWフェラボケが一回あったのは言うまでもない。
(小声で)「だからわざわざボケられる可能性の少ないアイスモナカを多めに買ってきたのに…」
(小声で)「す、すいませんお兄さん…なにも考えずについカナミにキャンディーを渡してしまって…」
ひそひそと話すアキとシンジ。そんな姿を見て、闘気を燃やす少女がひとり。
「アキさん!」
「わ!び、びっくりした!なに?チカちゃん?」
「向こうで…少し話があるんですが、よろしいですか?」
「?べ、別にいいけど…」
二人は、どこかへと歩いていった。
「ほ〜らね?ナツミ」
「どうしたの?キョウコ」
「ぼやぼやしてると…城島君、危ないかもだよ?」
「え?ど、どういう意味よ」
「あの子…チカちゃんだっけ?城島君のこと、多分好きだよ?それにあの矢野って子も…」
§
295 :
郭泰源:2005/10/03(月) 21:05:44 ID:CtP3QZj+
今回はここまで。
ナツミはアヤナよりライトな女の子って感じで好きなんですけど。あと彼女と良く一緒に登場する、
タレ目っぽい女の子は2巻26pで「キョウコ」って呼ばれてますよね。
作者は絶対名前も忘れてる(笑)でしょうが、結構可愛いんでちょっとキャラを立たせてみました。
以下、早めに続きを書き上げる予定で(こればっかや)。
今岡ー
(;´Д`)ハァハァ
郭氏GJ!
シンジ×今岡は、ありそうなのになさそうなのですごく新鮮です!
>郭氏
続きが読めないっす!!
楽しみな作品がまた一つ増えましたよwww
へぇ…あの子キョウコって言うんですか。俺の心に、どストライクですよwwwwww
久しぶりの今岡キター!
郭泰源氏GJ!!
300 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 22:08:32 ID:gWoZ3sdm
今岡じゃ〜!今岡祭じゃ〜!
今岡はツンデレ
302 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 22:17:20 ID:gWoZ3sdm
しかしライズさんや敦泰源さんの読んでると、カズヤ悪魔のような扱い(´〜`;)この不遇な少年を誰か救ってくれい
カズヤはドMだから良いんです
カズヤにとっては至高の扱いだと思うよ
カズヤは超越者だから ダメージを快感に変えることができるんだ!
郭氏GJ!
シンジ×今岡(・∀・)イイ!!!
(*´Д`)ハァハァ
カズヤ「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ」
シンジ「出た!カズヤの一秒間に10回のレイプ発言!」
郭氏GJ!
今岡ってずっとシンジのこと城島君って呼んでましたっけ?
以前シンジ君と呼んでたことがあるようなないような…気のせいかしらん
1巻2巻ではシンジ君と呼んでたけど
4巻以降は城島君って呼んでるよ
今週ナツミたんカズヤといい感じじゃね?
て思ったりして
露出家庭教師濱中アイマダですか
マサヒコの必殺性豪斗人シリーズはマダですか
アキのツッコミ指南〜生き残る道-マホ編-〜マダですか
あ−露出かーそういうのもそそるなー
濱中女性キャラで変態として開花しそうなのは誰だろう?
まあ、神の御心次第でいくらでも可能性はあるわけだが。
中村−露出
316 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 12:28:00 ID:Qlm5s8Rg
ここはあえて露出に目覚めたアキを
317 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 13:38:33 ID:Qlm5s8Rg
アキ「お兄さん、おかしてください」
シンジ「では遠慮なく」
アキ「キャ〜、犯される」的なベタベタな世にも恐ろしい淫乱な夜の宴が見たいな。
マサヒコが正解する度アイタンが露出 していく・・・
マサヒコが正解する度にアイが衣類を脱ぎ露出 していく。。
シン「ええではないか〜ええではないか〜」
アキ「あ〜れ〜お兄さ〜ん くるくる〜」
的なもんキボンヌ
321 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 16:48:51 ID:Qlm5s8Rg
マナカ「今日はクリトリスイクですよ!」
シンジ「イカせてみせようホトトギス」
ここは注文と職人の多い料理店ですね
職人が有能だから皆が甘えている状態
デレばかりではなく、ツンも必要だな。
325 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 17:56:25 ID:Qlm5s8Rg
ツンとは…
今岡「この変態!あんたなんかじゃ城島君とは比べものならないわよ」
カズヤ「デヘヘ、もっと言って、言葉責め最高!」
みないな事かな?
古田氏、更新乙です。
古田氏いつも更新乙!
328 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 20:09:38 ID:Qlm5s8Rg
シンジにバージンささげる為にエーコとチカでHの練習をするというストーリー。もえない?
329 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 20:12:52 ID:Qlm5s8Rg
オチ的に叶さんと一緒にならね( ̄▽ ̄;)
330 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 23:40:29 ID:Qlm5s8Rg
っていうかアブノーマルな匂いが(´Д`)レズレズだ〜い好き。双頭ディルドーとか
>>330 なら…その妄想力を筆に託してみないか?
つ[ペニバン]
シンジ×今岡×カズヤの輪姦モノキボン
334 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 00:27:13 ID:Z723soUJ
331
いやいや、俺携帯だから作品作ってもどう投稿すればいいかわからないしさ
とりあえずメールとして作って、本文をコピーして張ればいいジャマイカ。
あと、sageようぜ。
>>334 俺も携帯ですが?
とりあえず、メモ帳に書き込むんだ。そこからがスタート。
書き終わったら、書き込むところの本行の欄に、
メモ帳に書いたヤツをコピペして貼り付け、投稿。
流れは…こんなだ。よかったら参考にでもしてくれ
337 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 00:51:03 ID:Z723soUJ
すごく初歩的な事を聞いちゃうけどSegeって何?後何文字以内とかってある?
初心者か?
書き込むところにメール欄があるだろ?
そこにsageと書くんだ
制限は…携帯メモ帳クラスなら特にないはず……ああ、連投規制は注意ね。
1レスに1分弱の間隔をあけてくれ
初心者板にいって覚えてきてからのほうがよくね?
340 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 01:14:11 ID:Z723soUJ
参考になりました。
ちなみにそのsageを使えとどうなるのかがよく解らないんだけど\(^^:;)
sageはマナーだと思ってもらいたい
sageを入れない奴は喧嘩売ってると思われちまう場所が多いしな
三日ROMって雰囲気掴んでもらおう
sageはマナーというか、常時スレが上にあると
荒らしがくる可能性があるからな
捕捉しといたほうがよさげなんで一応書いとくかw
この場合の「ROM」ってのは「読むだけ」って意味ねw
雰囲気を良くつかんでねw
確かに。他のとこだったら半年ROMれとか言われるだろうな
346 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 02:49:48 ID:Z723soUJ
皆さん色々と教えていただいて有難うございませ。マジで感謝です。
あ〜、感謝の気持ちを述べてくれるのはいいのだが取り合えずsageてみたら、と言いたい
まぁまぁ。その内解ってくれるさ。
つ旦旦
茶でも飲んでマターリするべし。
>>348 疲れたから貰いますね…
>>346 頑張って!! 応援するから
このスレの人々は紳士だなぁ…
スマンが誰か教えてくれ。
ミサキが死んじまったSSをまた読みたいんだが、タイトルを忘れたんで誰か教えて下さい。
REGNA氏の「それ行け『アレ』捜索隊!」だな。
正式タイトルは
「今もあなたを感じれる」
それより、保管庫にエロ無し、エロ有りの表示が欲しいね。
エロ作品を捜すの大変だお(^_^;
いいからハヤテスレから出てくんなよ、嫌われもん。
あっちでもバカ丸出し発言ばっかで顰蹙買いまくってたな、カス野郎。
>>352 スルーできないのも荒らし
場を和ませるレス
↓↓
痴女はイイ!
卑猥!!
ウラガン、あの卑猥をキシリア様に届けてくれ
あれはいいものだ!
風紀が乱れてるわ!
風紀とは乱すために存在するもの
核心を突いちゃダメでしょ、いけない子ね。
360 :
トマソン:2005/10/05(水) 21:54:05 ID:iNsD7tsr
トマソンです。
古田氏、いつも乙です。
今回は、マサヒコがアヤナの別荘へ夏合宿に出かけた後の小久保家のお話。
とくれば、カップリングはマサパパxマサママ。
メイドコスプレ&剃毛プレイ(マテ) でひとつ。
では投下。
361 :
トマソン:2005/10/05(水) 21:55:14 ID:iNsD7tsr
「それじゃ、行ってきます」
ある夏休みの早朝。大きなバッグを抱えた小久保マサヒコは、自宅を出て、若田部
家の別荘で行われる合宿へ向かった。
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
マサママはいつものように暖かく彼を送り出した。ドアの向こうに姿を消した息子の
背中を、その父親である夫の若かりし頃とつい比べてしまう。
(あのコも、だんだん男らしくなってきたかしらねえ……)
玄関のドアが閉じ、息子の足音が遠ざかっていくと、入れ替わりのように、彼女の
夫が起き出してきた。
「おはようございます、父さん」
「おはよう母さん」
朝食の席についたマサパパは食卓を見渡す。並ぶのはトーストにベーコンエッグ、
簡単なサラダにコーヒー。あたりにうまそうな香りが漂っている。
えてして単純な料理ほど、腕の差が出るものだ。
……いつもながら、妻の料理はうまい……。
満足そうに朝食を味わう夫に、マサママが話しかけた。
「今日はマサヒコが合宿で泊まりなの」
「ふーん、遊びじゃなかったのか。ま、成績は上がっているし、いいんだが……。
あいつは妙に女の子に囲まれているし、おかしな事件を起こさなきゃいいが」
夫の言葉に、マサママが悪戯っぽい目で夫を見つめた。
「あら、うらやましいの?」
「ごふっ。ば、馬鹿を言うなよ」
思わずコーヒーにむせるマサパパであった。
「うふふ……ねえあなた、今夜はマサヒコは外泊……」
マサママ、超色っぽい目を発動。いつのまにか呼び方も『父さん』が『あなた』に
なっている。
「だから、今夜は早く帰ってらして」
その誘うような瞳と艶やかな微笑みに、マサパパは思わず背中がぞくっとした。妻か
ら視線を離せず、ゴクリと唾を飲み込む。その咽喉の動きをマサママは見て取った。
「あ……今、生唾を飲んだわね。うふふ」
「……かなわんな、母さんには……」
朝食が済むと、洗顔と身づくろいを済ませ、ワイシャツ姿のマサパパはカバンを手に
立ち上がった。その後に従い、マサママも玄関へ見送りに出る。
息子が居る日はさすがにしないが、いない日は……。
「それじゃ行ってくるよ」
靴を履いたマサパパが振り向いた刹那、軽く二人の唇が接触した。
「……行ってらっしゃい」
最寄りの駅に向かうマサパパ、かすかに顔を赤らめているのはご愛嬌である。
362 :
トマソン:2005/10/05(水) 21:56:48 ID:iNsD7tsr
日も暮れたころ。そろそろ気の早い秋の虫が鳴き始めたようだ。
(ふう……今日はそれほどきつくなくて良かった)
マサパパは彼としては早い時間に自宅に帰りついたところだった。多忙なサラリー
マン生活だが、仕事のペースに多少の自由は効く。少しは体力を残して帰宅できる幸運
に感謝しつつ、玄関の戸を開けた。
(今夜は夫婦水入らずか。女房が妙な格好をしてなきゃいいが……)
この不安は見事に的中した。
「ただいま〜」
家に入り、ドアを閉めて家の中を向いたところで、マサパパは固まってしまった。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
玄関で彼を迎えたのは、メイド服に身を包み、頭には可愛らしいカチューシャまで
つけた、愛する妻。
「あ〜……た、ただいま……」
フリフリのエプロンドレス姿に見とれ、思わず声がかすれたりして。
「お食事になさいますか? お風呂の用意も整っておりますが」
「……おまえ……えーと……は後にして……まず風呂に入ってそれからメシにしよう」
「承知いたしました、ご主人様」
おかしな格好をたしなめるつもりだったが、所詮、口ではかなわないことは分かって
いる。妻のノリに調子を合わせた結果、なにやら誤解されそうな答えになったが、とも
あれリカバリーは成功だ。
それにしても、『おまえ』の一言に、メイド服に身を包んだマサママが嬉しそうな
表情を見せたように見えたのは気のせいだろうか。
マサパパは疲れた体を風呂で癒した。湯気が漂う風呂場で体を洗い、なみなみとたた
えられた湯に身を沈めると、ザアーッとバスタブからお湯があふれる。
(ふう……いい湯だ……それにしても、今日のあいつは異様に艶っぽいんだが……)
脳裏に浮かぶのは、やはりメイド服姿の妻のこと。これから来る夜のことを考えると、
下半身が勝手に蠢動を始めてしまう。マサパパもまだまだ若い。
そのとき、すりガラスの向こうに白いエプロンと思しき姿が映った。お湯につかる夫
に、風呂場のドア越しに妻からの声がかかる。
「お湯加減はいかがでしょうか?」
「ああ、いい湯だ」
「よろしければ、お背中をお流し」
「!? あ、いや、その……」
風呂につかりながら鼻血が出そうになるマサパパであった。
「うふふ……では、お食事を整えますね、着替えはこちらに置いておきますので」
清潔な下着と浴衣を残して、妻は脱衣所を出て行く。
(いくらなんでもこりゃ、たまらないんだが……でも、惜しいことをしたかな?)
ちょっと後悔するマサパパであった。
363 :
トマソン:2005/10/05(水) 21:57:52 ID:iNsD7tsr
風呂から上がり、妻の心づくしの料理に舌鼓を打って夕食を済ませたマサパパ。
小さな事件は、夫が晩酌にビールを頼んだときに起こった。
シュパッ!
勢い良く瓶の蓋を開け、お盆にコップとビール瓶を載せて、しずしずと食卓に歩いて
きたマサママ。がっしりした木製の椅子の脚に、不運にも足の指を軽くぶつけた。
たいした痛みではないが、体がわずかによろめく。
「あっ……」
お盆に立てたビール瓶が傾き、泡だらけの褐色の液体が夫の浴衣の肩にかかった。
「冷たっ……」
「あ、あああっ! 申し訳ありません、ご主人様……」
急いで、布巾でわずかに濡れた浴衣の肩をぬぐう。
「あの、お召し変えを……」
「いや構わん、それより、怪我はないか?」
ぶつけた妻のつま先を見る夫の目は、相方の女性を真剣に気遣う目だった。妻は心配
してくれる夫に嬉しくなったが、さすがというべきか、役を忘れはしない。
「ご主人様、お気遣いは嬉しゅうございます……でも、どうかこの粗相に罰をお与え
くださいませ」
マサママ、なりきってます。
「いや、その……」
たまらず、たしなめようと妻の方を向くマサパパだったが、潤んだ瞳に心を鷲掴みに
され、止める言葉も言い出せなくなってしまった。
「ご主人様……」
メイド姿の女が、心底罰を望んでいるかのような瞳で男の目を見つめる。
その瞳に魅入られた男に、悪魔のささやきが舞い降りた。罰を思いついたのだ。
「……よし。それなら後で罰をくれてやる。今は晩酌の相手をしてくれ」
「はい、ご主人様」
妻は夫の隣に淑やかに座った。ビールがなくなってゆくにつれ、二人の顔がほんのり
と染まってゆくのは、アルコールのせいか、それともこの後への期待のせいだろうか?
「それにしても、いいメイドぶりだな」
「ありがとうございます、ご主人様のしつけのお陰でございます」
マサパパ、思わず地の感想が出る。
「……いや、しつけも何も、母さんが自ら……」
マサママがぎゅっとマサパパの尻をつねった。
「いてっ!」
「嫌ですわご主人様、そんなことおっしゃらないでくださいまし」
役者ぶりはやはり、マサママが一枚上手のようだ。
364 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:00:09 ID:iNsD7tsr
晩酌も済んだところで、洗い物をしている妻を片目に、マサパパは洗面所に行って
何かを用意した。続いて寝室へ向かい、綺麗にベッドメイクされたベッドに腰掛けて
妻を待つ。
やがて、メイド服姿の妻がしずしずと部屋に入ってきた。
「ご主人様、お待たせいたしました」
マサパパも気分が乗ってきた、というよりもうノリノリだ。
「……まず、粗相の罰だったな」
「はい、ご主人様……」
ベッドに腰掛けた夫は、嘗めるような視線で前に立ち尽くす妻を見つめる。審判を
待って、体を硬くする妻。その目はかすかにおびえをたたえている。が、それ以上の
期待を含んでいるように見えるのは気のせいだろうか。
夫は妻にシェービングクリームと剃刀を示した。
「罰として……お前のあそこの毛を剃る」
マサママはたまらず息を飲んだ。
「ご、ご主人様、それは……恥ずかしゅうございます……」
「お前自身の粗相に対する罰だ。おとなしく言うことを聞きなさい」
「ああ……は、はい……」
「さあ、下半身だけ脱いで、ベッドに大の字になるんだ」
そう言ってマサパパはベッドサイドの椅子に移った。
「……はい、ご主人様……」
彼女はスカートの下には、太腿までの純白のストッキングとこれまた純白のショーツ
を着けていた。マサママは顔を赤らめつつも、夫の視線を意識しながらストッキングを
脱ぐ。じらすようにゆっくりと、ちらちらと太腿が覗くように、しかしその上までは
見えないくらいに動きを調節するあたりは女の芸だ。
ストッキングを抜き取ると、続いてスカートの中に手を差し込んでショーツをゆっく
りと降ろした。白い布切れを足首まで下ろしてしまうと、またしても太腿までは見える
ように、その上は見えないように右足を上げ、ショーツから足首を抜く。ついで左足を
同様に抜いてしまうと、脱ぎたてのショーツを夫に示し、サイドテーブルにそっと置く。
マサママはおずおずとベッドに乗り、夫に下半身を向けて横になった。
「ああ……」
羞恥をこめてひとつ息をつくと、手足を広げ、大の字になった。
見た目はストッキングを脱いだだけの普通のメイド服姿だが、あとは膝下までを隠す
スカートをめくれば、女の下半身を隠すものは何もなくなる。
365 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:01:55 ID:iNsD7tsr
無防備に大の字に横たわった妻の姿を、夫はとっくりと眺めた。
「うむ、いい姿だ。自分でめくってみなさい」
「で、でもご主人様……恥ずかしゅうございます……」
「男の手にめくられるほうが良いのかい?」
「あああっ……自分で……いたします……」
蚊の鳴くような声で、妻が答える。
「よし。ゆっくり、ゆっくりな……」
「ああ……」
そっと女の手がスカートの裾をつまんだ。羞恥に身を固くし、顔を赤らめた女が、
自らじわじわと紺色の布地を持ち上げていく。
左右に開かれた脚が、膝、太腿と、次第々々に素肌を現していった。
食い入るように見つめる夫の息も、少しづつ荒くなっていく。
真っ白な肌をかすかに上気させた、むっちりと締まった太腿がだんだんと上まで明ら
かになっていく。太腿の内側は羞恥に震えていた。それがやがて付け根まで覗いたが、
それでも夫は手を止めることを許さない。スカートがさらに持ち上げられていくと、
ついに成熟した女の秘奥が、夫の視線に晒され始めた。
「おっ、見えてきたぞ……」
「あああ……ご主人様、どうかご勘弁を……」
「まだまだ、もっと持ち上げて……そうだ、そのまま持っていろよ」
「ああ……」
とうとう、かわいらしい臍が見えるほどまでスカートがすっかりめくり上げられると、
マサパパは蠱惑的な眺めをしばらく楽しんだ。恥ずかしさに震える女を小気味よげに
眺める。
「……よしよし、いい眺めだ……」
すらりと伸びた両脚は左右に大きく開かれ、ベッドの上に投げ出されている。その
付け根に息づく愛する妻のそこは、漆黒の恥毛と白磁の太腿が見事なコントラストを
形成し、下ばえの下には薄い褐色の媚肉がひそやかに息づいていた。
見事なまでに自分の精を吸い取って生い茂る、漆黒の縮れた毛。これを剃り落とした
ら、一体どんな眺めになるだろう?
「ああ……ご主人様、恥ずかしい……どうか、早く……」
「そうか、早く剃ってほしいか」
「えっ……ああっ、そうでは……」
夫はシェービングクリームと剃刀を手に、妻に近づいていった。
366 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:04:59 ID:iNsD7tsr
マサパパはスプレー式のシェービングクリームを手のひらに出すと、目の前にこれで
もかと広がった女の翳に、そっと塗りつけていった。
「ああ……あっ……」
微妙に冷たいぬめりが、陰毛にまとわりついていく。普段から無駄毛の手入れはして
あるので、剃り落とすのは秘めやかに息づく割れ目の上と周囲だけだ。そのあたり一帯
に男の指がクリームを塗りつけ、縮れた毛を撫で付けて揃える。
女の腰の下にタオルを敷くと、男の手が剃刀を持った。
「動くなよ。暴れると、大事なところに傷がつくぞ」
サリッ。サリッ。
剃刀がゆっくりと慎重に動くにつれ、そこを頼りなげに覆う縮れた毛は失われていき、
クリームと共にあるものは剃刀に貼り付き、あるものはタオルの上に落ちていった。
「ああああっ……」
あまりの羞恥と喪失感に、女がたまらず声を上げる。物心ついて以来、頼りなげでは
あってもずっとそこを守ってくれていた女らしい黒みを、今まさに剃り落とされている
のだ。それも、愛する夫の手によって。
もう残りはわずかだ。じっくり丁寧に剃るべく、夫はそこに顔を近づける。黒いかぎ
ろいをほとんど失ったそこに男の吐息がかかり、妙な涼しさに妻は身を震わせた。
「ううっ……ご主人様、早く……」
夫はそっと、注意深く剃刀を動かし続けた。とうとう周囲の産毛までが綺麗に剃られ
てしまうと、そこにはもう、幼女のように可愛らしい、それでいて熟れた女の柔肉が
あるばかりだった。
至近距離に顔を近づけ、じっくりと目を楽しませる。
「……あの、ご主人様、お済み……ですか?」
マサパパははっとなった。剃りたてのそこをかぶりつきで眺めて、思わず陶然と
なっていたのだ。今にも指を伸ばして触れるところだった。
「うむ、済んだよ」
ごくりと熱いつばを飲み込み、そこから離れた。たっぷり目を楽しませはしたし、
もう股間は熱くいきり立っていたが、この女体を味わうのはもう少し後のことだ。
夫はタオルと剃刀を持って脚の間から離れた。妻は恥ずかしそうに脚を固く閉じ合わ
せたが、陰毛を失った今、閉じ合わせるだけでは割れ目を隠せなかった。スカートを
下ろし、初めて大きく息をつく。
「ああ……恥ずかしゅうございました、ご主人様……」
「よし、よく頑張ったな……」
「……はい、罰していただき、ありがとうございます……」
身を起こし、ベッドに座ってペコリと頭を下げる妻がたまらなく愛しくなり、夫は
その隣に座った。
「罰は終わった。次の仕事は……」
「……? はい、なんなりと……」
「夜伽だ。二人で一緒に気持ちよくなるんだぞ」
「……はい……喜んで……」
367 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:07:18 ID:iNsD7tsr
マサパパはそっと、隣に座る妻の肩を抱いた。顔をこちらに向かせ、そっと唇を合わ
せる。
「ん……」
たっぷりと時間をかけてのバードキス。
そうしている間にも、妻の体に回った男の腕は肩口を優しく撫でている。もう一方の
腕は、エプロンドレス越しに豊かな乳房の量感を楽しんでいた。
マサママの腕もまた夫の腰に回り、その背中をそっと撫で回していた。それが浴衣越
しに絶妙な愛撫となり、男の背中をぞくぞくさせた。
やがて二人は唇を離した。
「向こうを向いて……」
マサパパは妻に背中を向けさせると、メイド服の背中のファスナーをゆっくりと下ろ
した。開いた隙間から、遠慮なく腕を侵入させると、わきの下を回ってブラジャーの
カップに両腕が回る。
「ん、ああっ……」
マサママは逆らわなかった。両腕をだらんとたらして、目を閉じ、背後から愛撫を
加えてくる夫のなすがままに乳房を任せ、時折甘い声を漏らす。
カップ越しに豊かな肉を揉んでいた掌が、やがてそっとカップを上にずらすと、
メイド服の中で、乳房がぷるんとはじけ出た。夫の手が、柔らかく張った隆起をじかに
揉みしだき始める。
「あんっ……」
メイド服の胸の中に蠢く夫の手が、はっきりとその輪郭を布地に浮き上がらせている。
男の手が、今度は優しく乳首を指で嬲り回した。指先にまとわりつく、なんとなく
どろっとした液体は、もちろん母乳である。
(あとでじっくり、この母乳を味わってやろう……)
マサパパはいくら乳房を攻めても飽きなかった。
「ああっ……ご、ご主人様……これでは、私だけ気持ちよくなってしまいます……」
「いいんだ、しばらく私の愛撫を受けてくれ」
「は、はい……」
「腕から服を抜いて、上半身を脱ぐんだ」
「……はい……」
露出の少ない、腕までを覆い隠したエプロンドレスは、女の協力なしに脱がすのは一
苦労だ。夫は一旦ドレスから腕を抜き、妻に脱ぐように命じた。
背中のファスナーはもう全開だったが、マサママは恥じらいを失わず、おずおずと
腕を片方ずつドレスから抜く。ブラのカップはもう隆起からは外されてしまっていたが、
背中に手を回してブラジャーのホックをプチンと外し、そっと肩から抜いて、傍らの
ベッドに上に置く。、
あとは胸を覆う布地を下に落とせば上半身は裸だが、そこでマサママはじらすように、
しばらく躊躇ってみせる。顔を上気させ、恥ずかしげに夫の顔を上目使いで見つめた。
夫のほうがたまらなくなり、手を伸ばして胸にまとわりつくエプロンドレスの布地を
思い切り下に引きずり降ろした。胸の盛り上がりに引っかかっていた、紺色と白の布が
腹部にまで落ち、豊かな乳房がはじけ出た。
「あっ……」
たまらず、両腕で胸を隠す。そこでついに、マサパパは妻をベッドに押し倒した。
368 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:10:41 ID:iNsD7tsr
「あ……」
押し倒された女の体に、夫がそっとのしかかる。もう一度唇を合わせ、もう何の遠慮
もなしに舌を差し入れた。ぴちゃぴちゃと、二人の舌が絡む音が響く。
「むーっ……んんっ……」
そうしているうちに、両の乳房を覆い隠した妻の腕を、優しく夫の腕がどかせ、バン
ザイのように首の左右に置いた。隠すものを失った乳房に、再び激しい愛撫を加える。
吸い付くような肌を楽しみつつ、掌で撫でまわす。全体を揉みしだき、弾力を楽しむ。
ついで指先で先端に息づく薄い色の乳首をつつき、転がし、嬲った。
「んーっ……」
ディープキスの最中とあって妻は甘い声も出せず、愛撫を受け止め続けた。
ようやく口を離した二人の唇の間に、唾液が糸を引いた。
「はぁ、はぁ、あ、あん……」
ようやく自由になったマサママの唇は、大きく息をついて、甘い声を漏らし始めた。
夫の唇は、髪の毛に隠れた妻の耳たぶを探り出した。舌を伸ばして耳たぶの縁をなめ
てやる。柔らかい耳たぶを軽く噛んでやると、軽く目を閉じた妻の口から、思わず声が
漏れた。
「あっ……ご主人様……あっ……」
続いて夫の唇は妻の首筋に移った。ところ構わずキスの雨を降らせ、弱そうなところ
に舌を伸ばしてちょろちょろとくすぐってやる。いやいやをするように体をよじり、
ますます甘い息を漏らす妻の反応に、マサパパの興奮はさらに高まっていった。
体を少し下にずらすと、マサパパの視界に妻の乳房が一杯に広がった。この量感で
この年齢になってもいささかも垂れていない、それどころか、仰向けに寝ていても
ほとんど扁平になったと感じさせない、魔法のような豊かな隆起である。たっぷりと
揉まれ桜色に上気した柔らかい膨らみと、散々嬲られてつんと立った可愛らしい乳首。
たまらずマサパパは、先端に息づく可愛らしい乳首にむしゃぶりついた。舌でつつき、
舐ったかと思うと、一旦退却し、舌を乳首の周りに円を描いて滑らせ、じらしながら
乳首に近づく、そうかと思えば突然しゃぶりつき、激しく乳首を吸う。
長男を生んで十五年、妻は、なんという素晴らしい乳房を保っていることか!
「あっ、あっ……はぁん……」
夫は妻が漏らす甘い声を楽しみつつ、分泌されてきたどろっとした白い液体を一滴も
こぼすまいと舌で嘗めとった。
(十五年ほど前は子供専用の飲み物だったが、今は……今は、俺のものだ……)
夫は妻の母乳をたっぷりと味わった。
369 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:12:43 ID:iNsD7tsr
ようやくにして乳房に満足したか、マサパパは体を起こして、長々と横たわった妻の
下半身に目をやった。
彼女が纏うエプロンドレスは上半身はすっかり落ち、腰の周りにまとわりつくばかり
だった。下半身は普通にスカートに覆われているが、その中の下着は既になく、今は
サイドテーブルの上に置いてある。そして、その奥をひそやかに覆って息づいていた
黒い翳は、先ほど自らの手で丁寧に剃り落としたところだった。
妻は激しい愛撫が止まったことに、目を開け、訴えるような瞳で夫を見ている。
「そのまま、そのまま……」
夫は妻の膝辺りの隣に腰を下ろすと、そっと手を伸ばし、スカートの裾をつまんだ。
「あ……」
なにをされるか、悟った妻が羞恥のあまり身もだえしたが、構わずにゆっくりとめく
り上げていく。
ついさっきも女自身の手でめくらせ、何もかも見たのだったが、改めて自分の手で
スカートをまくり上げ、ぴっちりと閉じた太腿が少しずつあらわになっていくさまは、
また新たな色気が匂い立つようでたまらなく扇情的だった。
じっくりと時間をかけて、裾が持ち上げられていく。やがて眼前に、茂みを失った
女の媚肉が現れ、夫は歓声を上げた。
「おお……」
「ああ……恥ずかしい……」
あまりの羞恥に、妻は顔を両手で隠してしまった。
陰りのないそこは、ぴっちりと脚を閉じていても、もう縦の筋がはっきり見て取れる。
マサパパは無理に脚を開かせようとはせず、つややかな膝小僧をそっと撫でる。
ついで吸い付くような肌を楽しみつつ、妻の太腿を撫で上げていった。
「あ……あっ……」
そしてついに女の秘裂に到達するかというところで、じらすように退却し、再び太腿
を撫で回す。そしてまた近づく。
「あん、あっ……」
愛撫を受け止める太腿がぴくぴくと震えた。
白磁の太腿の間に息づく、まだ縦筋一本にしか見えない花びら。マサパパはやはり
そこに視線を吸い寄せられた。一指も触れていない箇所だったが、その中身はもう
とろとろに溶けているに違いなかった。
370 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:15:38 ID:iNsD7tsr
二人とも、もうたまらなくなっていた。
「ご、ご主人様……もう駄目です……お願いです、私にもご奉仕させてください……」
「そうだな……よし、服を脱いで、横になれ」
「はい、ご主人様……」
マサママは体のほてりに耐えて立ち上がった。ベルトをゆるめると、腰の周りにまと
わりついていたエプロンドレスがストンと落ちる。彼女はとうとう、一糸まとわぬ全裸
になった。
マサパパもまた浴衣を脱ぎ、天を向いて屹立した男のシンボルを苦心してかわしつつ、
トランクスを下ろした。
妻がその体をベッドに横たえるのを確認し、マサパパは、体の向きを逆にしてのしか
かり、妻の股間に顔を近づけた。
「あっ……」
ちょうどシックスナインの体勢で妻を組み敷くと、優しく両腕で妻の脚を押し開く。
目の前に、陰毛を失って覆うものとてない、女の秘奥が一杯に広がった。
「赤ん坊みたいだ……可愛い」
軽く言葉で攻めてやると、今まで触れなかったそこに、ゆっくりと指を伸ばした。
「これだけ可愛がったから、ここはもうトロトロになっているんじゃないか?」
縦に走る溝を優しくなぞる。
「あああっ……」
やはりその中はもう、熱く溶けていた。
指が蠢くにつれ、あっという間に褐色の大陰唇が開き、赤く熟した中身があらわに
なった。中に溜まっていた樹液が溢れ、つーっと垂れていく。
何をしても敏感な反応を返してくる熟れた女の体にマサパパはうっとりとなり、指を
侵入させようとしたそのとき、妻が反撃に移った。目の前にある夫の男根を手で握り、
舌を伸ばす。この体勢だと、舌を出してちろちろと嘗めれば、そこが裏筋だった。
「うっ……」
「ご主人様……ご主人様も、気持ちよくなってくださいまし」
妻は顔を起こすと、怒張して血管を浮かび上がらせている目の前の男のシンボルに
むしゃぶりついた。
「う、うおっ……」
柔らかい女の舌が、男のそれを嘗め回した。カリの内側、裏筋、ところ構わず激しい
愛撫がマサパパの一物を襲う。
(ううっ……負けていられるか……)
マサパパは目の前に広がる女体を指で押し開いた。股間から体に流れる電流に必死に
耐えつつ、そっと舌を伸ばす。
女の体がビクッと震える。男の舌が体内に侵入し、襞々を嘗め回してゆく。
クリトリスをそっと指で舐られ、女の体が跳ね上がった。
「むうーっ!」
男根を口に含んでいてはくぐもった声しか出せないが、ピクンと体を震わせる激しい
反応が、女体に流れる電流を物語っていた。
マサママも負けじと、舌で男の先端の割れ目をなぞりまわした。
「うおっ……」
マサパパもまた体に流れる電流に昇天しそうになったが、なんとかこらえて、皮を
剥いたクリトリスにそっと舌を伸ばす。
「むうーっ!」
「うううっ!」
二人のくぐもった声が同時に響いた。
371 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:18:02 ID:iNsD7tsr
二人はどちらからともなく、シックスナインの体勢での攻め合いを止めた。この熱い
夜には、口淫では物足りない。
体を起こしたマサパパは荒い息をつきつつ体の向きを変えた。サイドテープルに用意
したコンドームを手にすると、マサママがそれを止める。
「……ご主人様……今日はまず安全な日でございます……どうかつけずに……」
「いや、でも……」
「それに、出来たら出来たでようございます……」
顔を真っ赤にして、生でと訴えかける女に、男が逆らえるはずもなかった。
「……そうだな、おいしい母乳も十分に出るしな」
マサパパはつんと妻の乳首をつついた。
「あん……いやですわ、ご主人様……」
夫は妻の両脚を割って腰を落ち着けると、改めて女体にのしかかっていった。
「……行くよ……」
「ご主人様……どうか、お情けをくださいまし……」
もうどちらの体もすっかり上気していた。男の一物は、ピンと天を向いて屹立した
うえ、女の唾液を塗りつけられててらてらと光っていた。先端からはもう先走り汁が
漏れている。
女の花弁は恥ずかしく開いて、赤く熟れた襞々を覗かせている。愛液は溢れ、男の
唾液と混じってシーツまでぬめりを垂らしていた。
「あ、あああーっ……」
男の肉棒が熟れた女の体に突き立てられ、ずぶずぶと挿入されていく。待ち望んで
いた結合に、妻の口から悦びの声がほとばしった。
二人はお互いの体に腕を回し、全身を密着させた。それをさらに強めるかのように、
力をこめて抱きしめ合う。
「おおおうっ……」
女の体を熱く燃えたペニスで奥まで貫いたところで、男の腰はようやく前進を止めた。
ついで欲望のままに前後運動を開始する。子宮まで届けとばかり力強く突いては、
ゆっくりと引いて膣の内側をカリで思う存分にこすり、女の激しい反応を引き出した。
女の体もまた熱く溶け、咥え込んだ肉棒を吸い付くかのように締め付けていた。男の
突きを受け止めては息も絶え絶えに体を震わせ、それが引かれる時には、逃がすまいと
襞々が絡みつく。段差に内側をこすられ、体を流れる電流。さらなる快感を求め、女は
自ら腰を動かし始めた。
全身から汗を吹き出しながら、二人は快感のままに腰を振った。
腰と腰がぶつかり合う音、粘膜が絡み合う淫靡な音が部屋に響く。
散々前戯を楽しんだ末の挿入、おまけに久しぶりの生である。挿入前に既に絶頂寸前
だった二人は、あっという間に昇り詰めていった。
最後の一撃とばかりに男が突き出した熱い男根が、女の体に最後の大波を引き起こす。
「あ、あっ、あああああーっ!」
「お、おおうっ……」
二人の体が硬直した。女の体に突き立てられたそれが断末魔のように蠢動し、ピュッ
ピュッと白濁した液体が噴き出す。
妻は闇のなかをどこまでも落ちていくような感覚の中、熱い男の精が体内の一番奥に
ぶちまけられたことをはっきり感じていた。
372 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:20:48 ID:iNsD7tsr
どさりと、夫の体が妻の体の横に仰向けになった。隣に横たわる妻の肩を軽く抱いて
やると、あとは荒い息をついて脱力する。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
妻もまた、荒い息をついて体から力を抜いていた。二人はたった今達した絶頂からの
緩やかな回復に身を任せ、余韻に浸った。
(……それにしても……)
妻の体内にあらん限りの精を注ぎ込んだ男は、隣に横たわっている妻に目を向けた。
目の前の妻は……俺が愛する女性は、どうしてこう若々しいのだろう?
もう三十台も後半に入ったのだが、ストレートのセミロングの黒髪はしっとりと輝き、
体のラインもほとんど崩れていない。肌にしても、家事をこなす両手の肌はさすがに
多少荒れているが、それ以外の部位はあくまでもすべすべの、肌理の細かい肌だ。
腕を妻の腰に回し、そっと脇腹を撫でると、吸い付くような手触りが返ってくる。
マサパパは感に堪えぬようにつぶやいた。
「……お前は……いくつになっても、若々しいな……」
「あん……ありがとうございます、ご主人様……その秘訣は……」
マサママはまだ上気した顔に艶やかな笑顔を浮かべ、夫を見つめた。
「恋をすること、ですわ」
「……恋?」
「左様でございます。『誰に』なんて野暮なこと、聞かないくださいましね?」
妻は体を起こすと、そっと夫の体に覆いかぶさった。トロンとした瞳が、至近距離
から愛する夫の目を覗き込む。豊かな乳房は男の胸に押し付けられ、弾力が男の触覚を
くすぐった。甘い吐息がマサパパの顔にかかり、女の片手が頬を優しく弄ぶように撫で
回す。もう一方の手はようやく静まったばかりの男根に伸び、まさぐり始めた。
「うっ……」
ついさっき爆発してしおれたペニスに愛撫を加えられ、マサパパの口からたまらず
声が漏れる。加えて、熱くほてった熟れた女の肌が、今度は女が上に乗って、男の汗ば
んだ全身に密着した。
「さっきは、私ばかり気持ち良くなってしまいました」
「いや、俺も……ううっ……」
だんだんと股間をまさぐる妻の手が攻勢を強め、マサパパの言葉は最後まで続かない。
「ですから、今度は私にご奉仕させてくださいましね……」
「いやでも、明日も……うっ……」
「明日は土曜日ですわ……」
絶妙な愛撫に、たまらず夫の下半身がむくりと鎌口をもたげる。
それが二回戦開始の合図となった。
二人は再び愛欲の淵に身を投げ、どこまでも沈んでいった。
373 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:21:58 ID:iNsD7tsr
翌日の朝。さわやかな日差しが窓から食卓にふりそそぐ。
朝食を囲むのは、艶やかな、輝くような肌をした幸せそうなマサママと、少々やつれ
た感じのマサパパである。
「夕べは燃えたわね〜……でも父さん、本当に剃るなんて、びっくりしたわ……」
「嫌がらなかった癖に……それに、恥ずかしがるお前も、可愛らしかったぞ」
マサパパはやつれてはいても、昨夜のプレイを満喫した満足感を感じていた。
「いやだ、そんなこと……」
真っ赤になったマサママ。本当に可愛い。
「……ところで、あ・な・た」
「ん?」
いきなりあなたと呼ばれたマサパパ。妻の艶っぽい笑顔と妖しい視線に、またしても
背筋がぞくっとした。
「スースーして、妙に涼しいの……今夜も、暖めてね?」
……ということはもしかして、生えそろうまで毎晩なのか。
(……俺の体、もつかな……)
嬉しくも不安なマサパパであった。
374 :
トマソン:2005/10/05(水) 22:24:44 ID:iNsD7tsr
以上です。
いやもう長い長い。疲れました。
前戯はねっとり、挿入後はあっさり味なのも相変わらずの私の癖ですな。
少々登場人物が少ないのが気になりますが、この展開で乱入させる人もいないし。
カーテンの向こうにカメラを構えた中村リョーコ……はアリかもしれませんが、
合宿に行ってるはずだしなあ。
マサパパはメイド服がお気に入りという原作のネタ。
前作「二人のスタイル」で書いたショーコの剃毛ネタ。
それにピンキリ氏の「幸せ者」にも影響を受けての連想で出来たお話でした。
:ピンキリ氏、感謝です。
それにしてもマサママを剃毛とは、我ながら無茶してますな。
マサママ好きの方々、済みません。
ショーコネタを書いて以来、どうも何を考えても変態っぽくなるのですが。
これはもしかして、つまるところ私が変態に(ry
タイトルは「水入らずの夜」で。
GJです!!
この二人の血をひくマサが覚醒したら…ガクガクブルブル( ̄Д ̄;)
うははは、面白れーーーGJでした。
マサパパ、中年なのに天を向いて屹立できちゃうの?ママン、母乳出ちゃうの?
とか若干引っかかるところがあったけど、なり切りメイドプレイ最高でした。
漏れがマサパパなら、剃毛の後は寝酒の用意をさせて間を取るんだが、若いなパパ。
濃厚〜〜〜〜〜〜GJ!っす
トマソン氏超GJ!
ほぼリアルタイムリーディングさせてもらいました!
最初のほうの、
“超色っぽい目を発動。いつのまにか呼び方も『父さん』が『あなた』になっている”
のあたりで早くも脳をやられました。ママンエロス激エロス
こーゆー細かい部分でエロを感じさせてくれるあたりさすがです
そのあともコスプレ!ご主人さま!剃り!母乳!中出しィィ!でハァハァしました!
もう一回、GJ!
ニヤニヤしちゃうほどGJ!
初読みフォ〜!
アヤナが週何回オナニーしてるか
いやーたまりませんなー
こうもねっとり淫猥な作品は久方ぶりです。
エロもろ!
トマソン氏、GJですぞ!
ノーパン中村とパイパンママン。次は何だ?
プレーオフに日本シリーズ、まだまだ祭りは継続中ですぜ
ここの神々は氏家マンガにちなんで野球選手のコテだけど、
やっぱり郭神やドミンゴ神はドラゴンズ、アカボシ神はタイガースファンなのだろうか?
トマソン氏ハァハァGJ!
ところでスレ初心者にもわかる(ry
の第二弾はまだなのかいのう
518氏をはじめトマソン氏、ドミンゴ氏、新参者氏と重鎮どころをぜひ
郭氏のときのような独特の解説をまじえて紹介して欲しいのう
384 :
ドミンゴ:2005/10/06(木) 18:22:26 ID:pgj9V2Ik
特に好きな球団とかは無いんですが、あえて言うなら、いくらお金を使っても勝てないどこかの球団が好きですかね?
何でその戦力でその順位なの? そんなミステリアスな在京球団が好き。
負けますかね普通、シーズン前は勝ち馬に乗ったつもりだったのに、競馬中継だったら一回も画面に映らず終わってますよ。
このコメントを読んだファンの方がお気を悪くされたらすいません。おかげでちょっとファンキーな髪型になる羽目になったので。
それでは随分と愚痴が長くなりましたが「デュエル」
>>88の続きです。
「!?」
互いに出した手はグー。
ジャンケンをしていれば珍しくもなんともないことではあるが、ここにキテのようやくのあいこに、マサヒコはちょっとびっくりする。
「あいこでしょ!!」
またしてもあいこ。
「しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! 」
どうもループに入ってしまったみたいだ。
動いたら負けるというやつで、手の変えどきが結構難しい。根性の見せどころであり、対戦相手との腹の探り合いだ。
だから。
「オーケーッ!!」
そうなったら。マサヒコは指をチョキチョキしている。リョーコに勝てるわけがなかった。
しかししかしの、だがしかし、小久保さん家のマサヒコくんには、あんまりガッカリといった感じもない。
マサヒコにはこの素敵なゲームの、仕掛けはもうわかっているのだ。
勝とうが負けようが、ミサキかアヤナ、どちらかが脱いでくれるという仕掛けは。
事例に照らし合わせるなら、ここはミサキが脱ぐはめになるんだろう。
それを思う度にマサヒコの良心はズキズキと痛み、そして更にその奥にあるなにかがドキドキして、トドメに下半身はムラムラした。
「さてと、どうしようかねぇ? このままスカート捲っちゃってもいいんだけど、脱がすだけってのも厭きてきたしなぁ」
「えっ!?」
今晩はかなりマサヒコは、この驚きを表す声を連発してはいるが、これはその中でも、大きくはないが最上級のものだったろう。
短いフレーズの中にマサヒコが、色んなものを内包した会心の、そして痛恨の声だった。
385 :
ドミンゴ:2005/10/06(木) 18:23:38 ID:pgj9V2Ik
勿論そんなことはリョーコサイドからは、ひたすらどうでもいいことではあるが、マサヒコサイドからしたら心の叫びである。
これで終わりかもという、不安、を通り越してもう、恐怖といっていい感情が襲い掛かってきていた。
「うん? ふふふっ 安心したまえよ少年、打ち切りはないからさ でもそうだなぁ…………ああ、じゃさ、こんなのはどうかな?」
そこまで言ってリョーコは勿体つけるように一拍置いて身を乗り出す。マサヒコも引き込まれるように思わず身を乗り出した。
リョーコとマサヒコ。
二人の距離が吐息が吹きかかるほどに、唇が触れそうなほどに近くなる。
「あっ!?」
それに気づいたマサヒコは、顔を慌てて身を引こうとするが、
“グッ……”
それは出来そうもなかった。いつの間にかマサヒコの首に、リョーコの腕が親しげに廻されている。
“チュッ”
冷たいメガネのフレームが、チョン、と軽くだがマサヒコの目尻の辺りに触れた。唇にも………………すごく柔らかいものが触れた。
「…………えっ!?」
考えなくともなにをされたかなど、年頃ならば誰でもわかる。でも年頃だからこそ、それだけでマサヒコの思考は軽く飛んでいた。
「マサヒコ、一応訊いておくけどさぁ、これがファーストキスだったり?」
「いえ………………そんなことは…………全然………………まったく…………ありません…………のだ」
事の成否はこれだけで十二分。
そもそもマサヒコにはミサキのような、どこに出しても可愛い幼馴染がいるにもかかわらず、いまだにその距離は出会ったときから
ほぼ変わってないのである。
こんな神様が用意してくれた絶好のシュチュエーションを活かせないやつが、他にそんなチャンスを作る甲斐性があるわけもない。
「てなわけでさ、これからマサヒコが負けたら、あたしは一つずつマサヒコの初めて貰ってくから、そこんとこよろしく」
どんなわけだよっ!!
声には出さずにツッコミを入れながら、マサヒコは自分の初めてを、細かく熱心に数えてみたりしていた。
わかりきった結論ではあるが、数え出したらきりがない。
「はい、そいじゃ相互理解を深めたところで、十二回戦、ジャ〜〜〜〜ンケ〜〜〜〜ン、ポンッ!!」
出した手ははチョキとパー。
ブイサイン。田舎の子供みたいな、テレビカメラを前にしたみたいな、マサヒコ勝利のブイサイン。ブイブイブイ、ビクトリーッ!!
386 :
ドミンゴ:2005/10/06(木) 18:24:47 ID:pgj9V2Ik
しかしそれで、いっしし、と嫌らしく笑ったのはリョーコの方だ。
オーケストラのタクトでも振るうように、指先をフイと上げてから、ツイと下ろして、アヤナのスカートの裾を軽く摘む。
リョーコはチョイチョイと、マサヒコを反応を窺かのように、からかうかのようにしている。
「捲ったらさ、ここも、マサヒコくらいの歳だったら、一番見たいでしょう女の子の秘密のアソコも……………………撮っちゃう?」
最後のワードはなぜか、誰も訊いている心配もないのに、なぜかリョーコは小声だった。
だがその囁くみたいな声は、じんわりと、そして確実にマサヒコの心を、まだ土俵際でギリギリ頑張っているモラルを侵食していく。
でもまだ、でもまだ往生際悪く頑張ってはいるのだ。
マサヒコは悪魔の囁きに、少年らしく健気に、そして無駄な抵抗を試みる。
「そこまでいったらもう犯罪では?」
「ここまでやったらもう犯罪だよ?」
リョーコのカウンター一閃。
ああそうか…………ああ…………うん、そうだよな…………なるほどそうだよな………………。
マサヒコのあるかないかの勝負を賭けて、前に出てきたモラルを一刀両断。
惚れ惚れするような切れ味。
思春期のどこかある潔癖症な心を、痛みを与えて折るのではなく、妖刀中村リョーコ、本人にもわからぬほど鮮やかに切って捨てた。
今回はここまで。
ジャンケンばっかりで三十回戦はマンネリになって仕舞うので、どうにかならないかと思ってるんですが。う〜〜〜〜ん。
スレ初心者にもわかる。わたしも紹介して戴けるんでしたら、頻繁に故障・登板間隔が長い、戒めにもこの二つを是非入れてくださいw
トマソンさんへ 剃毛プレイがど真ん中ストレートで心の琴線に触れました。そうかこれがあったかって感じでした。大変GJでした。
生殺しイャン
マサヒコはリョーコに食われてしまうのか??
トマソン氏、乙〜
劇中のマサヒコといっしょに、文章のテンションも上がってきてますね。
先はまだ長そうだけど、この異常なハイテンションがさらにエスカレートするのでしょうか。
次回を楽しみに待ってます。
じゃ、マサヒコがしゃぶられてたの?
アヤナとミサキの3サイズ、というか2サイズってどのくらいなの?
中学生なのにアヤナの数値は凄いことになってそうだけど。
ドミンゴ氏GJ!
>>390 濱中4コマの時の3サイズ勝負で
「ウエストまで測ったところで天野さんが泣き出したのでこの勝負は無効になりました」
その時点での2サイズのトータルが若田部145、天野127
さあ、計算のお時間ですよ皆さん!
W60と考えてもB85
もう少し細いと仮定したらBは86〜88か?
身長や体格から考えてD以上は確実だな
グホッ!鼻血が…
ロンハーで青木さやかが浜辺のおにゃのこのウエストを測るコーナー見る限りW50台は相当細い娘(ガリガリの域)しかいなかった。
ましてや巨乳、長身となるといくら見た目が細くても60以上はガチ。
逆に貧乳、155p程度なら細ければ50台になる。
以上のことから察するに
アヤナ:B83W62
ミサキ:B73‐74W53‐54
と予想してみる。
ちなみに背伸びしただけでシャツのボタンが弾け飛ぶアキはB85だったっけ?
って深夜に何くだらないこと真面目に考察してるんだ俺はorz
深夜だからこそだろw
396 :
乖離:2005/10/07(金) 01:46:26 ID:AeVJuyae
お邪魔いたします
また「アヤナ×マサヒコ」で続きを書き込ませていただきます
タイトルは『横溢』でお願いします
397 :
乖離:2005/10/07(金) 01:47:20 ID:AeVJuyae
ぱらぱら・・・・・
こぼれ落ちた餌に気付いた金魚たちが水面に顔を出す
朝、彼が祭りの夜に取ってくれた金魚に餌をやるのは一日の最初の日課だ
口をぱくぱくさせて餌を食べる金魚を、上から眺める
「あんまり夢中になって食べ過ぎちゃだめよ」
私の言葉が分かるはずもなく、金魚たちは一心不乱に餌を食べている
他の事は目に入らないのだろう
私も、彼と二人のときはこんな感じじゃないのだろうか
他の事は一切目に入らない・・・・
ちゃぷっ
ちょっと手を入れると簡単に金魚は掬えた
私の手のひらの上でぱたぱたと跳ねている
「ふふっ、ごめんね」
すぐ水槽に戻してやると、一回りしてまた餌を食べ始める
やっぱり、私もこんなかな
「アヤナ、学校行く時間じゃないのか?」
私がいつも決まった時間に出かけるのを知っている兄が声をかけてきた
そうだった、そろそろ出かけなきゃ・・・
今日は的山さんの図書館の当番の日だ
398 :
乖離:2005/10/07(金) 01:48:12 ID:AeVJuyae
あの図書館の出来事のあった次の日以降も、的山さんは別に普段と変わらないように見えた
私も、だから敢えてそれには触れなかった
普段通りに他愛のない話に興じ、一緒にお弁当を食べたり、放課後に寄り道したりもした
小久保君や天野さんとも一緒に
別に私は芝居をしてたわけじゃない
こうやって平凡で、愉快に過ごす日常が私の殆どを占めている
それも本当の私だし、でも小久保君との行為に我を忘れるのもやっぱり私だ
放課後、予定の通りに私は図書館に足を運んだ
「あ、アヤナちゃん」
嬉しそうに的山さんが振り向いた
「今日もやっぱり人来ないよ〜、さびしいよ〜」
「そうみたいね」
私も苦笑いしながら、長机を挟んで、彼女の向かい側に腰を下ろす
机の上には本が積んであり、その傍らには短冊に切られた紙と糊が置いてある
他にも、小皿やら筆やら何やら色々なものがあった
「何、これ?」
私は短冊の一つを指でつまむとひらひらさせながら尋ねる
「へへ〜、今日は本の修理の日 破れてたり、はがれてたりしてる本を直すのです」
「この短冊も?」
よく見ると短冊は向こう側が透けそうな薄い紙だった
「そう、それ和紙なんだよ セロハンテープよりも、そういうのを糊で貼った方が長もちするんだって」
彼女は楽しそうに糊を小皿の上に出すと、お湯で溶いている
短冊に薄めた糊を塗ると、破れたページを貼り合わせていく
「先生にお願いして買ってもらいました〜」
「そうなんだ、私も手伝いましょうか?」
「いいの?」
「いいのよ、別に帰っても予定も無いから」
399 :
乖離:2005/10/07(金) 01:49:20 ID:AeVJuyae
自分でも紙を手に取り、破れ方に合わせて切って張り合わせる
糊を吸った和紙は殆ど透明になって、下の字ははっきりと見える
「ありがと〜、やっぱり一人だと寂しいしね〜」
「それに、先週の約束もあるしね」
「・・・・え? 何だっけ、それ?」
間を置いて彼女が尋ね返してきた
正直ダメね、とぼけているのがバレバレ
小久保君の前ではなかなかの役者だったけど、今は残念ながらかなり大根だ
「自分から聞いてきた事を忘れちゃったのかしら? 」
「・・・・え〜、ほんと何だっけ あはは・・」
いつもの天然ぶりはどこへ行ったのだろう、下手な芝居はむしろこっちが気恥ずかしい
あまりいじめたら可哀想かな
「いいわ、教えてあげる 聞けば思い出すわよ、きっと」
本の余白の落書きに消しゴムをかけながら、私は8月の終わりの雨の夜の事を語り始めた
抑えきれない欲求に衝き動かされた露出の行為の事
そしてその日、その行為を彼に見つかってしまった事
「でもね、小久保君に見つかったとき、私は逃げようとか思わなかった」
自分自身に確かめるように、私は的山さんに語りかけた
そう、誰かに私は見て欲しかったんだ、自分を
自分の、人に見られたくないような面も、姿も、何もかも受け入れてくれる人に
「でも、これじゃあ、あなたの質問への答えには不十分よね どうやって始まったか、まだ全部話してないもの」
自分自身の言葉にぞくぞくしながら、私の意識はあの時の記憶の中に遡行していった
400 :
乖離:2005/10/07(金) 01:50:37 ID:AeVJuyae
公園のトイレの中、唯一自分の体を覆うレインコートを脱ぎ捨てた私は彼の前にひざまづいていた
する・・・・・
彼のズボンを下着ごと、引き下ろしてしまう
「あ・・・」
彼は慌てて前をおさえる
脱がすまでは抵抗しなかったくせに
私は、また立ち上がって彼の眼前で手を後ろに組んでみる
彼の視界から私の体を隠すものは何もない
「隠さないで」
私の強い口調に少し気圧されたようにも見える
少し彼は後ずさりした
「あなたも見たんだから、私も見る権利はあるわよね?」
「だって、それはお前が・・・」
「それとも、これじゃまだ足りないのかしら?」
片脚を上げて、便座の上に置いてみる
彼の前で、恥ずかしい所までさらけ出すように
「若田部・・・」
「これでも? もっとよく見えるようにしないと駄目?」
「分かった、分かったからもうやめてくれ」
彼は観念したように、自分の前を隠していた手をどける
少なくとも私の行動は,、彼が手の下で隠していたものを奮い立たせるだけの効果はあったみたいだ
401 :
乖離:2005/10/07(金) 01:51:51 ID:AeVJuyae
「小久保君もやっぱり男の子なんだ 」
脚を便座から下ろすと、私ははばかることなく彼の体を観察した
張り詰めて上を向いた彼のそれは、私の視線に反応してときどきぴくりと動く
初めて目にする男性の生理現象を、憚ることなく私は観察していた
「なあ、もういいだろ?」
彼はたまらずに私の方から目線をそらしながら言う
羞恥の表情に私はぞくぞくする物が自分の中に湧いてくるのを感じていた
「まだだめよ、少なくとも私がこうしているうちは」
「もう勘弁してくれよ」
もっと彼の困った顔が見てみたい
まだまだここでやめるわけにはいかない
「ねえ、どうしてほしい? 小久保君」
「別に、してほしいことなんてないよ」
強がってはいるけどそんな格好で説得力ないわよね
「そう、欲がないのね」
口元がゆるむのが自分でも分かる
私の頭の中に次の考えが浮かぶのと、それを口にするのはほぼ同時だった
402 :
乖離:2005/10/07(金) 01:53:25 ID:AeVJuyae
「じゃあ、自分でしてみせて」
「え?」
何でこれ以上そんなことしなきゃいけないんだ? って顔をしてる
まあ、当然よね
でも私は納まらない、まだ物足りない
「私がこんな事してるのもあなたのせいよ だから、してみせて」
「だから何だよ、それ・・・・さっきからどんな理屈だよ」
「どうもこうもないの あなたのせいなんだからって、言ってるでしょう」
私の中の自己完結した理屈に彼は当惑したままだ
でも、それまで逸らしていた目線を私の方に向けて口を開いた
「わかった、やるよ 何かよくわからないけど、それでお前の気が済むんなら・・・・でもその代わり」
「その代わり・・・何かしら」
「もう、さっきみたいな事するのやめてくれ いつ危ない目に会うか分からないだろ」
「うん、分かったから・・・・してみせて、早く」
彼は私の方に正面から向き直る
右の手で、上を向いたそれを握り締めて見せた
その強張りに合わせて、彼は自分の手を前後に動かす
更に私の視線に反応しているのか、その最中にも大きさを増しているようにも思えた
「少し,脚開いてみせてくれ」
開き直ったように彼が口にした
どうせ恥ずかしいなら、と思い切って口にしてみたのかもしれない
私には拒む理由は無かった
「こう・・?」
揃えて立っていた脚を少し開いてみる
彼の視線が私の体の下の方に注がれるのを感じてしまう
「うん、そう・・・」
彼はそれきり黙って、ただ手を動かしている
でも、彼の息を吐く音の間隔が短くなるのははっきりわかる
私はただ、彼によく見えるように心持ち体を反るようにして
ただ、視線を浴びる事に高揚を感じていた
胸のふくらみの先に張り詰めるような感覚を覚える
今触れられたら、私はどんな反応をしてしまうだろう
体中の感覚が研ぎ澄まされていくような気がしていた
403 :
乖離:2005/10/07(金) 01:55:03 ID:AeVJuyae
「ん・・・あ」
少し彼の口元がゆるんだように見えた次の瞬間
彼の先端から堰を切ったように熱い飛沫がほとばしる
熱いそれは、私の下半身にふりかかり、体にまとわりつくようにゆっくりと下に垂れ落ちていく
「ああ・・・・」
体に伝わるその熱さだけで、私は脚ががくがくと震えた
その青臭い匂いに、嫌悪感と紙一重の興奮が沸いてくるのも感じていた
「すごいね・・・」
彼の方に近づき、体にそのネバつくものをこびりつかせたままで
彼のものが目線の高さに来るようにしゃがみこむ
まじまじと、目の前のそれを穴の開きそうなくらいに見つめた
「よ、よせよ」
彼の言葉に構わず、たった今精をほとばしらせたばかりのものを手にとってみる
包むように手に取ると、すごい熱く感じるそれに沿って動かしてみた
「うあ・・・」
彼がうめくのと同時に、さっきあれ程熱いものを吐き出したそれは
私の手の中で激しく脈打って、また床に白濁を振り撒いた
「はあ・・・はあ・・・・」
彼は肩を上下させながら、激しく息をつく
手を離すと、私はまた立ち上がって、彼の前に正対する
苦しそうな息を整えながら彼は私に語りかけてきた
「約束だからな? もうあんな事しないでくれよ」
真剣な表情
そうね、もうあの危ない遊び、する必要はないものね
だってこれからは・・・
私は、黙って頷いた
404 :
乖離:2005/10/07(金) 01:56:20 ID:AeVJuyae
彼はあたふたとズボンをたくし上げてベルトを締める
外からは、まだ強く雨が降り注ぐ音が聞こえている
「お前も、早くコート着てくれよ」
彼がまた私の方から目をそらす
さっきまで夢中になって見てたくせに
「その前に・・・ねえ、携帯持ってる?」
「あるけど? 」
「撮って」
「何をだ?」
要領を得なかった彼が聞き返してきた
「決まってるでしょ、私」
私は彼の目の前に歩みを進めた
「頼むからもう勘弁してくれ これ以上されたら、俺本当に我慢できなくなる」
「だったら早く撮ってよ でも、我慢できなくなったらどんな事をするのかしら? 小久保君は」
かしゃ・・・
彼は答える代わりに慌てて携帯をかざすようにこちらへ向けて、私の姿を収める
「ちゃんと全身入るように撮ってね それと消しちゃダメよ、絶対」
まだ、彼の迸りがべとべとと体にまとわりついている
もし我慢できなくなったら、彼はこれを私の中に注ぎ込むんだ、きっと
私はレインコートを羽織り、外へ一歩踏み出した
「まだ、雨やんでないぞ」
「だからよ 雨が降ってるからコートを着ててもおかしくないのよ」
「うん・・そうだな」
「またね・・・後でそれ私の携帯に送っておいて」
彼の返事を待たずに私は公園を後にして家へ向かった
途中で何人かの人にはすれ違ったとは思うけど
さっきまでの事を思い出しながら上の空だったと思う
いや、それだけじゃなくて、これから先への期待の方が多かったかもしれない
405 :
乖離:2005/10/07(金) 01:57:23 ID:AeVJuyae
雨に打たれながらレインコート一枚の私は家の門をくぐった
予定通り、まだ誰も帰っていない
レインコートの下は雨と汗で湿度の塊だった
脱ぎ捨てて、小久保君の前と同じ生まれたままの姿になる
解放されて外気に触れた体には、まだ彼の青臭い匂いが残っていた
すれ違う人には気づかれなかっただろうか
別に気づかれても構わないことではあるけれど
そのままバスルームで熱いシャワーを浴びた
体に付着した粘り気は、あっという間に溶けて流れ落ちた
そして丹念に、水滴が伝う自分の体をまさぐるように洗っていく
ここも・・ここも・・・彼が見ていた
目をそらしたりもしてはいたけど、でもしっかり目に焼きついたはずだ
くちゅ・・・
敏感な部分を指でなぞってみる
あの時、彼にもっと見てほしかった
私の体の恥ずかしいところも、熱く煮詰まったようなカラダの中まで
鏡に映った自分の体を見ながら、さっきまでの出来事を思い返す
彼の姿を滑稽だとも思ったけど、自分はどうだったのだろう
裸のままで、理不尽な言葉を吐いて悦に入っていた私も
はたから見れば、相当間が抜けていたように思える
「何やってるんだろ、私・・・・」
思わずひきつった笑い声が漏れる
シャワーを浴びながらしばらく、私は自分の行為のおかしさを笑っていた・・・
406 :
乖離:2005/10/07(金) 01:58:35 ID:AeVJuyae
一つ一つ、丹念に記憶を辿りながら、言葉を選んで私はあの日の事を的山さんに語った
今、改めて気づいた 自分を曝け出すのは心地いい
何も体だけじゃない,心の内を曝け出すのも負けないくらいぞくぞくする
記憶の反芻は、私の気分を高揚もさせていた
今、私はどんな表情をしているのだろう? 眼前の的山さん以外には分からない
近くに鏡がないのが残念に思う
「どうかしら? これで一応あなたの疑問には答えたことになる?」
的山さんはすぐには答えずに、黙々と破れたページを貼り合わせている
「いつから『あんなこと』をしてるのか、分かったわよね?」
「ねえ、本当なの? アヤナちゃんの言う事、まだ信じられないよ」
目線は本の上に置いたまま彼女が答えた
「うん、ごめんね、本当はみんな嘘なの」
「あ、そうなんだやっぱり 先週のアレも私の聞き違えかなんかだよね」
結構往生際が悪いんだ、的山さん
どう聞き違えをするのか、問い詰めてあげたいけど
「そんなわけないでしょう 全部本当よ 」
「ううん、嘘だよね?」
ぶるるる・・・・・・ぶるるる・・・・
唐突に的山さんの携帯が震動する
「的山さん、出ていいわよ」
「え?でも今は」
「いいから出て」
慌てて携帯を手に取った彼女はメールの差出人を見て怪訝そうな顔をする
「アヤナちゃん?」
彼女の操作の手が止まる
私が気取られないように、たった今送信したのだ
407 :
乖離:2005/10/07(金) 02:00:01 ID:AeVJuyae
「どうしたの? 開いてみて」
「やだ・・・」
「そうすれば嘘だって分かるわよ」
「うん・・・」
かち・・・・彼女の親指が小さく動いた
待ち受けの画面に出たのは、あの日彼に撮ってもらった画像
「嘘だって言ったのに」
「嘘だって言ったのが嘘なのよ」
ちょっとしてやったりの表情で私は笑う
「小さくて分かりづらいかもしれないけど、お腹より下、彼のがいっぱいこびりついてるの・・・」
携帯を持った的山さんの親指が、空を切るように動いている
「分かるかしら?」
間をおいて、もう一度確認する
「彼に見られるの、すごいぞくぞくしたの 本当よ」
「うん・・・・」
「体中・・・胸も、恥ずかしいところも全部」
「もうやめようよ」
「彼がいった時、ぶるぶるって私も体が震えたのよ」
かちっ・・・・
的山さんが携帯の電源を切る音が聞こえた
「それからは、もう露出狂みたいな真似はやめたわ 小久保君と約束したから」
「でも・・・」
「その代わり、小久保君を気持ちよくしてあげたの」
そう、それからは私は彼との行為の虜になった
彼を呼び出して、二人だけの秘密の時間を過すようになるのに時間はかからなかったから
408 :
乖離:2005/10/07(金) 02:01:37 ID:AeVJuyae
「もう一度、その公園で夜に会ったりとか そんな頻繁にはできないけどね」
「学校でも? まさかこの前の女子トイレのあれもなのかな・・・」
「どうかしら 想像に任せるわね 多分外れていないとは思うけど」
「アヤナちゃん・・・」
的山さんは、一度だけこっちを向いて目線を合わせてきた
でも、またすぐに本の上に視線を落として話し続けた
「なんで? こんな事聞いたら、もうアヤナちゃんや小久保君と友達でいられないよ」
「どうして? 私の事嫌いになった?」
「そうじゃなくて、だって・・・」
「私は、的山さん好きよ 小久保君も、天野さんも・・・」
「だったら・・」
「濱中先生も、そしてお姉さまも、みんな大事な人達、私の」
「だったら、どうしてあんなことするの? こんな事言うの? わかんないよ」
ぱたん・・・・
糊の乾いた本を閉じると脇に積んで、私も次の本にとりかかる
「でもね、やめられないの 時々どうしても我慢できなくなるの」
「どうして?」
「だって、あんな気持ちいい事、他じゃ味わえないもの 小久保君じゃないと」
「やっぱりわかんない」
「小久保君を見てると楽しいの ううん、楽しいっていうよりたまらない、って言うか」
「わかんないってば」
がらっ・・・・
その時、唐突に図書室の扉が開いて入って来たのは意外な人だった
409 :
乖離:2005/10/07(金) 02:02:24 ID:AeVJuyae
「あれ、どうした? 電気も付けないで作業してたのか?」
入って来たのは豊田先生だった
確かに気がつけば、夕日が的山さんの顔をオレンジ色に照らしている
もう日が大分短くなってきていたんだ
「先生、図書委員の担当でしたっけ?」
先生の方を向くと、私の目にも直接夕日のオレンジが飛び込んでくる
「いや、西口先生が用事で外出したから代わりに閉館の施錠の時に行ってくれって頼まれてな」
じゃらっと音をさせて鍵の束を先生はこちらに見せた
机の上に積み重なった本を見て先生はちょっと驚いたようだ
「今日一日でこれだけ直したのか 随分頑張ったな よし、後片付けは俺も手伝うよ」
電気のスイッチを入れると、先生は修理の終わった本をまとめて抱えあげる
3人でかかると後片付はあっという間に終わった
「でも何だな、今日は小久保が一緒じゃないのか? こんな時は必ず手伝いに来そうなもんだが」
「じゃあ、今度は小久保君も呼ぼうね お手伝い2号決まり〜」
何かもう普段の的山さんに戻っている
この辺が彼女の分からないところであり、ちょっと羨ましくもあるところだ
「さあ、すぐ暗くなるから早く帰れよ」
「は〜い、リョーコ先生にもよろしく言っておきま〜す」
「いや、それは言わなくていい・・・・」
先生のちょっと苦々しげな表情に思わず口元がゆるんでしまった
何でお姉さまの話になると、あんなにびくびくするんだろう
豊田先生に挨拶をすると、私たちは校門の前まで並んで歩いた
410 :
乖離:2005/10/07(金) 02:03:25 ID:AeVJuyae
「じゃあ、また明日ね、アヤナちゃん」
「ええ、また明日」
分かれようとしたときに彼女がこっちを振り返った
「ねえ、どうすればわかるようになるのかな アヤナちゃんの気持ち」
「無理して分かろうなんてしなくていいわよ 的山さんは的山さん、私は私なんだから」
ちょっと冷たい言い方だったかな
でも自分でさえも、自分の事がよく分からなくなる時だってある
まして他人に分かってというのは虫がいいだろうとさえ思う
「うん、でもアヤナちゃんのいる方に渡れば、私にも分かるようになるのかな」
「え?」
私が次の言葉を言う前に彼女は走り出していた
「だから分からないって言ってるじゃない・・・」
彼女が走り去る方向に背を向けて、私は帰宅の途についた
陰鬱な、それでいて何か冷静ではいられなくなるような予感を覚えながら
411 :
乖離:2005/10/07(金) 02:07:16 ID:AeVJuyae
以上です
初め考えていたよりずっと長くなってしまいました
延々と書き込んでしまって厚かましい限りですが、ご容赦ください
皆さんの忌憚の無いご意見がいただければ幸いです
リアルキ・キ・キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
GJです!!!
つづき期待しております!!
まぁなんだ・・・・
禿げあがって永久脱毛するぐらいGJ!!
リアタイで読ませてもらったが…
すげえ、とにかくすげえ、GJという言葉では足りなすぎる
格付けは禁止条項だが、あえて言わせてもらう
今まで多くの職人さんがいたが、エースと呼ばれるのは郭神ただ一人だけだった
だが、たった今から、郭神と乖離神の二大エース時代に突入した!
間違いない!
乖離氏GJ
凄い官能的だ
>>394 5巻辺りではB85だったけど6巻で「ブラのサイズが合わなくなった」と言っているから
それ以上、恐らく87〜90はあるのでは
GJでーす
金魚を手で掬うシーンが印象的だった。無邪気な残酷さにドッキリしました。
今回で結末編かと思ったら、まだまだ続くのですね。
純粋にストーリーの続きを読みたいです。
>>414 分かってるとはいえ、やっぱ格付けはあんまやんないほうがいいべな
自分の心の中でひっそりとすべきよ
なにはともあれ乖離氏GJです
濃厚な描写かつ初作品ということで新参者氏初登場を思い出すけど
乖離氏は全体的にダークな雰囲気と精神的な描写が多い気がするね
脳内に情景が浮かびやすい
これから他の人物が登場するのか、色々と展開が楽しみです
氏家スレに出会えた自分は、最高に幸せを感じます…
トマソン氏…ドミンゴ氏、
乖離氏…お疲れ様です!
GJ!!
本当に、素晴らしい作品を投下してくれて本当にありがとう!!
もう…感動した!!
∧_∧∧__∧
_ ( ´∀`(・∀・ )__ タマラン
|≡( )( )≡|
`┳(__)(__)(__)(__)━┳
,..,.┴,...,...,...,....,....,....., ┴,,,,..
剥離さんへ
SS読ませていただきました。今回も大変GJ!!でした。
図書室でのアヤナとリンコのやり取り、テンポが良いですし言葉遊びのチョイスに所々にやりとさせられました。
そのシーンの締め方も豊田先生が来たとき、オレンジ色の夕日と積まれている本の山、細かい描写をしなくともそれだけで様子を表して、
巧いなぁ、と素直に感心させられました。
マサヒコに携帯で画像を撮らせたのもそうですが、リンコに対する告白も「これであなたはわたしを脅迫する資格を得た」そんな感じで
勿論二人はするわけないですが、こういうのもアヤナはぞくぞくしてるんだろうなぁ、勝手に思ってわたしもぞくぞくしましたw
心の露出という言葉、物凄く良かったです。
この流れだとどうもリンコのエロシーンもありそうですが、単純に何も知らない無垢な娘を毒牙にかけるというのではなく、ちゃんと
リンコの真摯な心情が描かれているのが良いです。
本当に馬鹿といってもいい程の、泣きそうになるくらい友達想いの女の子。道連れにしてしまった罪悪感でまたぞくぞくするアヤナw
それと今回の詰問(てとこまでいってませんが)みたいなのは、話がすすんだらリョーコバージョンでも読んでみたいです。
「もうこんなのはやめな」「昔の自分を見てるみたいだからですか?」「…………かもね」こんなのがあったら自分的には最高です。
またまた長く書いちゃいましたが、剥離さんの作品は長く読みたいです。次回の投下もお待ちしております。
>>414格付けは・・・イクナイ!!!!
でも住人が郭氏=エースって当たり前みたいに言ってるのも実は格付けだと思う(や、非難してるわけぢゃなく)
氏の貢献度考えたら当たり前かもしれんが。・。・。・郭氏がいなかったら今頃まだ5時間目くらい鴨な。
カナミの顔面騎乗位に欲情したシンジが、カナミを襲い、生本番、中出し、妊娠させてしまうところまで書いて良いですか?
ちなみに、決め台詞は、
「お兄ちゃんが…ホントに私のこと好きなら…いいよ…」
>>422 投下の際にNGワードを伝えてくれてれば
いいと思うよ
422氏、ぜひ投下をお願いします。
てか読みたい!!
>>422 シンジ×カナミは王道で(・∀・)イイ!!!
最近勢いがまた増したなー
エロ分もゲージアップしてきたし
良き哉良き哉
≫420
『剥離氏』じゃなくて『乖離氏』だってば
≫428さん 訂正どうもです。
乖離さん お気を悪くされてたら申し訳ない。
シンジ×カナミは王道なのに意外と少ない
ぜふぃ
アヤナの兄とアヤナの近親相姦もありそうでない
アイと豊田先生の絡みを見たいです。
職人さん是非!
>>420 相変わらず、言いたいことを全部言ってくれる椰子だw
乖離さんのアヤナはMなのかSなのか…MSとでも思っておくか。
>>435 MS…モビルスーツ?
ちなみに君のIDもそんな感じだな>XMFMbWaI
ターンとか機動新世紀とかモビルファイターとか羽とか
…ぜんぜん関係ない話でスマンがw
剥離氏、ただただ、GJ!
氏家マンガを毎週楽しみにしているのと同じくらい
剥離氏のSSを楽しみにしています!
剥離(間違い)=「はくり」
乖離(正解)=「かいり」
ちゃんと確認しないとね♪
440 :
437:2005/10/08(土) 12:37:37 ID:MJexNd/b
Σ(゚д゚lll) ツラレテマチガエタ・・・・・・・・・・・y=-( ゚д゚)・∵
次間違えたら雨降っている公園で全裸な
全裸な アヤナですか
濃い陰毛の下からわずかに覗くリョーコの小陰唇は、
ピンク色に輝いていた。三浦はそれを率直に賛美した。
「中村さん、とても綺麗よ」
三浦は舌を突き出し、リョーコの腿の内側をゆっくり舐
め上げていく。三浦の目の前でリョーコの陰唇はヒクヒ
クと震えていた。リョーコは堪らず哀願する。
「先生、じらさないで」
「どうして欲しいの、中村さん」
「くっ、判ってるでしょ」
「はっきり言葉にするのよ、中村さん」
「そんな恥ずかしいこと、言えない!」
その言葉が三浦の中の何かに触れたらしい。
リョーコへの愛撫を止めると、背を向けてしまった。
「恥ずかしい?そんな気持ちは捨ててしまいなさい。
セックスに恥ずかしいことなんて何もないわ。
自分の欲望に正直になりなさい」
三浦は背を向けたまま立ち上がり、着衣を脱ぎ捨てた。
「世間を気にして、常識に縛られ、無難に生きる。
そんなくだらない人生は御免よ。」
ブラを外し、ショーツを膝まで降ろした三浦はリョーコ
に向き直って言った。
「見なさい、これが本当の私よ。
恥ずかしいところなんてないわ」
リョーコはその姿を見て、驚き、息をのんだ。
¶
三浦の体は、成熟した女そのものだった。
丸みのある肩、ゆったりとした乳房、やわらかい曲線の
腰まわり、どっしりとした安定感のある尻、張りのある
太もも。
どれも今のリョーコには欠けている属性である。
だが、彼女が驚いたのはそれらはではない。
「先生、それ、痛くないの?」
三浦は、乳首を貫通したリングを指で弾いた。
「最初は痛かったわよ。でも今は全然」
「下の方も?」
三浦のヘソには、亜鈴型のピアスが留まっていた。
その先端球には細い鎖が繋がれ、下に垂れていた。
三浦がその鎖を引くと、鎖の下端に繋がれたクリトリス
フッドが引き上げられ、包皮の下の陰核が晒された。
「こっちも全然よ。毎日の手入れは大変だけどね」
「どうして、そんなことをするの」
「しるし。私が私であるための印」
「わからない」
「大人になればわかるわ」
リョーコには理解できなかった。
そもそも、どうしてこんな状況になったのかが理解でき
ない。放課後の音楽準備室で、全裸の女教師と対峙する
下半身裸の自分。だが、いまさら後戻りはできない、恥
らうことも許されない。そのことだけは判った。
「先生、私の体、見てください」
リョーコはそう告げると、スカーフを解き、制服の上着
を脱いだ。続いてブラを外し、目の前の三浦と対等な姿
になった。そうすることが、全てをさらけ出した三浦に
対する礼儀だと思ったのだ。
¶
「綺麗、本当に綺麗よ。中村さん」
リョーコの裸身は、繊細な美を放っていた。
薄暗い室内に浮かび上がる透明感のある白い肌。
細い両肩から上胸に伸びる鎖骨の陰影、大きくはないが
形の良い乳房、贅肉のない締まった腰まわり、未発達な
腰骨からすらりと伸びる筋肉質の脚。
成熟した女の体になる前の、儚い美しさだった。
三浦の手がリョーコの乳房に伸びてきて、乳輪に沿って
優しく愛撫を始める。リョーコは、ゾクゾクする感覚に
陶然となった。
「先生、下も、下も触って」
「はっきり言葉にすれば触ってあげる」
リョーコは覚悟を決めて、その言葉を口にする。
「私のクリトリス、触ってください」
三浦の指は乳房を離れて下に向った。かわりに三浦の口
が乳首に触れてくる。舌先で乳首を転がされ、リョーコ
は快感に軽くのけぞった。
「あらあら、感じ易いのね。次はお望みのところよ」
三浦の指先がヘソを通過し、さらに下ってゆく。
リョーコは、期待に鼓動が高まってゆくのを感じた。
¶
「アッ、う」
三浦の指先がついに目標に到達した瞬間、リョーコは押
し殺したうめき声を上げた。陰核を包皮の上から擦られ
る度に電流が走ったように体が震える。
(こ、こんなにイイなんて…)
いままでのオナニーで味わった快楽とは次元が違ってい
た。周囲から何もかも消えて、これのことしか考えられ
ない、そんな状態だった。もっと欲しい、もっと。
「ハア、ハァ、直接、さわってください」
三浦は、リョーコの陰核を覆う包皮をめくりあげた。
充血して膨らんだ肉芽が現われる。
「中村さん、貴方のクリ、大きいわ」
「…」
リョーコは赤面して顔をそむけた。
「まだ恥ずかしいと思っているのね、
そんな子にはお仕置きよ」
三浦は、リョーコの陰核を摘んで捻り上げる。
リョーコは激痛と強烈な快感に悲鳴を上げた。
「ひぃぃぃ」
「さあ、言いなさい。『私のクリトリスは大きい』」
「ぃいい、わ、たしの…」
「ほらほら、早く言わないともっと痛いわよ」
「私のクリ…トリス…大きぃ」
「もう一度」
「私の、クリトリスは、大きい!」
「よくできました。これはご褒美よ」
三浦はリョーコの陰核にキスを与え、舌先で転がす。
倍増した刺激に、リョーコの理性は完全に吹き飛んだ。
さかりのついた猫のように、リョーコは大声で鳴いた。
〜エピローグ
すっかり日が暮れて暗くなった学校の廊下を、リョーコ
はとぼとぼと歩いていた。先程までの三浦との経験をど
う扱ったらいいのか、途方にくれていた。
三浦はリョーコに口止めはしなかった。リョーコが口外
すれば、彼女が教職を続けられないことは確実だった。
だが、三浦は平然として言った。口外したければ好きに
すればいい、自分が望んでしたことの責任はとると。
はっきりとは言わなかったが、三浦が手をだした女生徒
はリョーコ以外にもいるようだった。
若くて美人で性格も良い、非の打ち所がない女性が、実
は性器にピアスを刺して女生徒と淫行を繰り返す、それ
を恥じず後悔もしない。その二面性がリョーコには恐ろ
しかった。そして、そんな三浦の破滅的な生き方に惹か
れ始めている自分が怖かった。
優等生を演じる裏で夜遊びを繰り返す。今のリョーコの
二面性はこの程度で収まっているが、自分もいつか三浦
のようになるのではないか。いや、それ以上のものに。
(三浦先生には、二度と近付かない)
リョーコはそう決心した。
(END)
以上です。
これを書くために、ボディピアスについて真面目に調べ
ました。予想以上に奥が深い世界でした。三浦先生には
インナーラビアも付けてもらおうと思いましたが、日常
生活に支障がありそうなのでやめました。
三浦先生は、ヘンタイっぽい女性として設定したのです
が、書いているうちに意外にカッコイイ女になってしま
いました。今回限りでは惜しいので再登場予定です。
(´-`).。oO (アイの陰毛を剃り上げる痴女は現われないか...)
オレ、オレσ(゜∀゜)
;' ':;,, ,;'':;,
;' ':;,.,.,.,.,.,,,;' ';,
,:' \ : :、
,:' <O> ,,. 、<O> ::::::::',
:' :::::i.
i (_人_) :::::i ボクなら剃るよ
: :::::i
`:,、 ::::::::: /
リョーコ14歳、GJでした。
これで終わりか〜 少し寂しいかな〜
中村って、元から性に対してキテレツな性格だったのか、
豊田とかに調教されてああなったのか、どうなんだろうか。
456 :
郭泰源:2005/10/08(土) 22:56:57 ID:iY0Cau9f
ああ……またも私の悪癖、ダラダラ病が………。
我ながら、なげえんじゃあ!!!!!!!!!!!!!と叫び出したくなります。NGワードはまたもエロ無し(苦笑)
エロ有りの後半は今週中に…できたらいいなと…(下柳投手風)。
>>294の続き……ほでは、投下。
457 :
郭泰源:2005/10/08(土) 22:57:44 ID:iY0Cau9f
「!!キョウコも…そう思う?」
「ウン…ナツミと話してるとき、城島君すごく自然に笑ってて良い感じだな、
って思ってたけど…矢野さんと話してるときも、そんな顔してるんだよね…」
「…」
「それに…あのふたり、すごく仲が良いっていうか…気が合う感じじゃない?」
ナツミはちら、とシンジを見た。またエーコとカナミがなにかボケたのだろう、
呆れた表情でシンジはなにやらふたりにツッコんでいた。
「だからさ、…ナツミ?」
キョウコがナツミの耳元で囁くように言った。
「な、なに?」
「今なら…チャンスだよ?チカちゃんも、矢野さんもいないし……
城島君を誘ってさ、本心を聞き出さない?」
「ほ、本心って…でも…」
「もう!普段は平気なくせに、変なところでオクテなんだから……
しょうがないなあ…えい!ねえねえ、城島く〜〜〜ん?」
ためらうナツミをやや強引におしのけると、キョウコはシンジに声をかけた。
「ん?なに?木佐貫」
「あっちのさ、ウォータースライダーってもう乗った?」
「?いや、まだだけど?」
「じゃあさ〜〜、あたし達と一緒に行かない?」
「別に…いいけど?カナミたちは、どうする?」
するとキョウコはシンジから見えない角度でカナミの方に片目をつむると、
小さく片手で拝むような仕草をした。
「…私たちはさっき行ったからいいよ。ね、エーコちゃん?」
「そうだね、じゃあカナちゃん、あっちで泳ごっか?」
キョウコに小さくウィンクを返すと、カナミはエーコとふたりで歩いていった。
「キョウコ…あんたカナミちゃんと知り合いだったの?」
小声でナツミがキョウコに聞いた。
「へへ…中学のとき同じ図書委員だったりして、少し顔は知ってるって程度だけどね。
でもま、面白いコだよ、あの子は…」
「?なにふたりで話してんの?」
「なんでもな・い・の!城島君、じゃいこっか?確かあれさ、有料だったからお金忘れずにね?」
強引にナツミとシンジの背中を押すようにして、キョウコはふたりを並んで歩かせた。
「…そう言えばさ、進学志望だったよね、城島君。どう?はかどってる?」
「ん?ああ…ま、ボチボチだよ」
「今年の夏は暑かったけど、勉強ばっかりで遊びに行けなくてつまんなかったナ…」
「はは…それでも今岡はいいじゃんか。俺なんてどこの大学でもマジで危ないんだからさ」
(でも…最後に城島君と一緒に遊びに行けて…)
本当に良かった、と思いながらボーッと歩いていたナツミの腕を突然シンジが引っ張った。
「え!?」
「危ないぞ、今岡…」
ナツミの足もとを、3歳くらいの小さな男の子が駆けてきてぶつかるところだった。
「あ…ありがとう、城島君」
シンジの意外な力強さに少し戸惑い、少しときめくナツミ。
「運動神経良いのに珍しいな、今岡?」
「あ?あれ?加藤先生じゃない?」
「ほら、イチロー?走ると危ないって…すいませんね…あれ?
あ、今岡さんに、城島君、それに木佐貫さん!」
男の子を追ってきたのは、小笠原高校の国語教師・加藤だった。
「あ…お久しぶりです、加藤先生」
「お久しぶり…あらあら、両手に花ね?城島君たら」
にっこりと微笑む加藤。清楚な美人教師と評判で男子生徒の間でもファンの多い彼女だが、
水着姿も一児の母とは思えぬなかなかのナイスバディである。
(ちなみに設定ではB87W56H88でしたね……3巻P10参照)
「そ、そんなんじゃ…からかわないで下さいよ、先生」
§
458 :
郭泰源:2005/10/08(土) 22:58:26 ID:iY0Cau9f
思わず照れてしまうシンジだが、キョウコは先ほどの男の子を興味津々の表情で見つめている。
「あの〜この子、もしかして加藤先生のお子さんですか?」
「ああ…そうなの。ゴメンなさいね、あと少しで危ないところだったわよね。
ほら…ゴメンナサイしなさい、イチロー?」
「はい。ごめんなしゃい…」
加藤の言葉に頭をさげ、素直に謝るイチロー。母親に似た、なかなか可愛い少年である。
「今日は家族で来たんですか、先生?」
「いえ、主人が休みとれなくてね。マリア先生と小宮山先生と来たんだけど…」
そう言ったままなぜか口をつぐむ加藤。
「……イチロー君に、なるべく悪影響を与えぬよう、ふたりから離れたと…」
「城島君、そんな本当のことをはっきりと……」
「先生、今本当のことって言っちゃってますけど…」
「!あ!」
苦笑しあう4人。確かに子を持つ親としてはあまり積極的に会わせたくないコンビではある。
「ママ、ぼくアイスがたべたい……」
「はいはい、わかりました。今度は慌てないでね?……じゃあ、私たちはここで…」
「あ、ハイ…さようなら、先生」
笑顔でシンジ達に別れを告げると、加藤はイチロー君と手をつないで去っていった。
シンジは小さく微笑みながらその姿を見送っていた。
「…ふ〜〜ん、城島君はお姉様好きなんだ〜〜?」
「な?なに言ってるんだよ、木佐貫」
「だってさ、加藤先生のこと今ニヤニヤしながら見てたもんね…ねえ、ナツミ?」
「…………エロい」
「!今岡まで…ち、違うんだって!その…いや、確かに加藤先生ってキレイだし、
俺もいいなって思ってたのはそうなんだけど…今のは違うんだよ、マジで」
「な・に・が・どう違うのかな〜〜〜♪」
なぜか妙に楽しげにシンジを責めるキョウコ。
「うん…その、子供さんと一緒にいる加藤先生ってさ、すごく優しげで…
なんだかお母さん、って顔してただろ?…ああゆうの、いいなって思ってさ…」
(そう言えば…城島君の家は今…)
そうだった。シンジの家は今、カナミとふたりきりだったのだ。
(城島君がカナミちゃんのことを…ちょっと過保護なくらいに可愛がってるのも…多分)
両親が不在であることを彼なりに心配してのことなのだろう。
だから……家庭というものへの思いが強いから……
加藤の母性的で優しげな笑顔に惹かれてしまうのだろう、とナツミは思った。
「ふ〜〜ん、城島君はマザコンのわけだ?」
「…なあ木佐貫、それって加藤先生に失礼じゃ…」
「ねえ、城島君って…もしかして結婚願望強かったりして?」
「え?」
突然のナツミの発言に驚くシンジだが…顔を赤くしながらも答えた。
「ん……結婚願望っていうのかはわかんないけど…ああいうの、いいなっては思うけどね」
「……可愛い…」
思わず、小声でナツミは呟いていた。
「ん?なんか言った?今岡」
「な、なんでもないの!」
「ねえナツミ?もしかして母性本能刺激されちゃった?」
小声でキョウコが聞く。
「だ、だから!なんでもないったらあ!」
今度はナツミが真っ赤になる番だった。
その後もまたキョウコがふたりをからかったりしながら……
やっとのこと、3人はウォータースライダーに到着した。
「……最近新しく出来たって話だけど…結構な高さだな……へえ」
シンジが見上げながら、呟いた。
「あ!ごめ〜〜〜ん!ここまで来て忘れてたけど…私、高所恐怖症だったのね?
てなわけでふたりで行ってきて!」
§
459 :
郭泰源:2005/10/08(土) 22:59:04 ID:iY0Cau9f
「は?」
「きょ、キョウコ!なんで今になって…」
呆気にとられるシンジと、抗議するナツミだったが、
キョウコは両耳を手で押さえて聞こえないふりをしたままニヤニヤ笑っている。
「キョウコ!あんた聞こえないフリしても…」
「……まあしょうがねえよ、今岡……木佐貫が行きたくないっつってんだから…」
「で、でも…」
「で…今岡、どうする?行く?止める?ウォータースライダー…」
「………………………………………………………行く…」
たっぷり迷った挙げ句、結局そう答えるナツミであった。
「じゃあねえ〜〜〜〜♪おふたりのご帰還を、待ってますよ〜〜〜〜♪♪」
「あんたはうるさい!」
「………なあ今岡、木佐貫ってあんなキャラだったっけ?」
キョウコの祝福(?)を受けながら、ふたりは受付へと向かった。
今日の人手にしては意外なほど空いていて、5分も待たずにシンジ達の番になった。
「はい、いらっしゃいませ!こちらでは浮き輪を使って降りて頂くことになりますがよろしいですね?」
「あ、はあ…」
アルバイトなのだろう、妙に元気な受付係の女の子に気のない返事をするシンジ。
「では一人用と二人用、どちらをお選びですか?」
「?一人用と…二人用?」
「はい!二人用は少し大きめの浮き輪になっております!
ちなみにこちらは特にカップルのみなさまにご好評を頂いております!」
((「カップル」って今時あんた……))
恐らくそういうマニュアルなのだろうが……女の子の言葉にふたりとも心の中でツッコミを入れていた。
「えっと…どうする?今岡?」
「あ、あの…私、その…えっと…」
「?じゃあ、一人用ふた…」
「あ!あれ?城島君?そう言えばこれさ、二人用の方が料金割安じゃん?
二人用にしようよ!そっちの方が絶対お得だって!」
焦ったナツミが叫ぶようにそう言った。
「?…今岡がそう言うなら…いいけど?」
二人用の浮き輪を選び、とりあえずシンジが会計を済ました。
「はい、ありがとうございます!それではこちらが二人用の浮き輪です!
これからご使用法をお教えしますので、こちらへどうぞ!」
(ありがとうキョウコ、こういうコトだったのね…)
先ほどの悪態はどこへやら、一転友人のおせっかいに感謝するナツミであった。
浮き輪と言っても大人二人用は結構な大きさで、小さなゴムボートほどの大きさがあった。
ひととおり乗り方などの説明を受けた後、シンジが浮き輪を背負い、
ナツミがそれを後ろから押す格好でふたりはウォータースライダーの階段を上っていった。
「ゴメンね…城島君、重くない?」
「いや、大丈夫だよ。思ったより全然軽いから」
「……ねえ城島君?」
「ん?なに?」
「城島君は……神宮大学が第一志望だっけ?」
「ああ…っても今の俺の成績じゃダメモトだけどな」
「じゃあ……もし合格したら……一人暮らしなんだね……この町を…出て行くんだね」
「ま、合格すれば、だけどね」
「………寂しく……ないかな?」
「?……ああ、カナミなら大丈夫だよ。来年はオフクロとオヤジ、帰ってくるって話だから…」
ナツミの必死な問いかけも、カナミのことだと誤解してしまうニブチン王シンジ。
(違う……違うの……私の…言いたいことは…)
自分の言いたいことがシンジに伝わらず、かといってそれ以上直接的な言葉を
口にすることも出来ず……ナツミはその場で泣きたくなってしまうのだった。
「そう言えば、今岡は後楽園大学志望だよな?」
「う、うん」
§
460 :
郭泰源:2005/10/08(土) 22:59:56 ID:iY0Cau9f
「そっか、地元に残るんだな。高校生活…あと少しでみんなそれぞれ別々か…」
「で、でも…私は…私は…」
言えなかった。普段の強い彼女が信じられないほど…迷っていた。
「?どうした、今岡?………あ!まさかお前まで実は高いところが苦手とか?」
思わず振り返ろうとするシンジだが……。
「う、ううん…そんなに…苦手ってほどでも…ないから、大丈夫」
(ダメだ…今だから…こんな顔、城島君に見せたくない…)
慌ててうつむき、顔を隠してしまうナツミ。
「?なら…いいけど?」
ふたりは、それからひたすら無言で階段を上り………最上階に着いた。
「へえ…しかし、やっぱり上から見ると高いな、今岡?」
「う…うん…」
「よっしゃ!次の次が俺らの番だな…ふう、はは…結構気合い入っちゃうな、こういうの」
「うん…ねえ?城島君……」
ナツミはそれまで静かにしていたのだが…意を決し、シンジに近づくと、手を握った。
「??え?い、今岡?」
「……確かに高いところは苦手じゃないけど、そんな得意ってわけでもないんだ。
だから…手を握ってもらっててもいい?城島君?」
「あ…ああ…別に、それくらい…いいけどさ…」
シンジもナツミも、顔を赤くしたまま自分たちの番が来るのを待っていた。
(…?やっぱこえーんじゃねーの、今岡?でも…なんだか今日のコイツ、妙に女っぽいっていうか…)
(城島君の手…おっきい…)
いくつもの思いを秘めながら…ふたりは、無言で待ち時間を過ごしていた。
「はい、それでは次の方どうぞ……」
シンジたちの番が来た。ふたりはぎこちなく、手をつないだまま…浮き輪の上に乗った。
「じゃあ…行くよ?今岡…」
「う、ウン…」
聞きようによっては結構卑猥な会話をして、ふたりは出発した。
"ざアアアアアア………"
「?A%!=きゃ、キャアアアアアアアア!!!!」
「わ、わ'&%¥UZわわわああ???」
予想外の…と言うか、予想を遙かに上回るスピードと迫力だった。思わず絶叫するふたり。
"ざぱあああああああああああ・・・・・・・"
「きゃああ!じょ、城島君!城島君!」
「だ、大丈夫…だッて、い、今岡!」
ふたりは手を離さぬよう、しっかり握りあって滑り落ちていった。
時間にすれば一瞬なのだが…ふたりにはとてつもなく長い時間に感じられていた
"ざぱああああッ!!!!!!!!!!!!!"
やっとのこと、浮き輪ごとプールに突っ込んだふたり。
「わああああん!城島く〜〜〜〜ん!!!!!」
浮き輪の中で完全にパニくったナツミはシンジに抱きついてしまっていた。
「=0I&$?い、今岡、ホラ、だだあだ、大丈夫だって……おい……」
あまりにナツミが混乱してしまったため、先に我に返ったシンジ。
(ってかお前、あの…む、胸が思いっきり…その…)
アキほどではないものの、ナツミもなかなかのヴォリュームの持ち主なわけで。
(てゆーか…ありがとう、木佐貫…いや、そうじゃなくてえ!)
「落ち着けって、今岡!ホラ、もう大丈夫だから……」
「あ?あれ?あQ$"#、ご、ゴメン!!!城島君!」
やっと我に返ったナツミは顔を真っ赤にしてすさまじいスピードでシンジから離れるのであった。
「…大丈夫みたいだけどさ、今岡?そんな勢いで離れられるとさすがに俺も傷つくんだけど…」
「…あの…その、ゴメン」
すっかりしょげかえってしまうナツミ。そんな彼女を苦笑して見ると、
シンジはその頭の上に手のひらを乗せてポンポン、と軽く叩いた。
「はは…でも今岡でも慌てるんだな…女の子っぽくて可愛かったぜ?」
「?……あ!ちょっと城島君!それって私のこと、普段どう思ってるってコト?」
§
461 :
郭泰源:2005/10/08(土) 23:02:35 ID:iY0Cau9f
「わ!怒んなって!冗談だよ、冗談…」
そう言って身を守るふりをするシンジ。ふたりはしばし見つめ合い、苦笑するのだった。
「ねえねえ城島君!じゃあもう一回いかない?」
「へ?って今岡、お前さっき散々…」
「このまんまじゃ悔しいの!行くよ、城島君!」
それまでの固さがほぐれ、すっかりいつもどおりのふたりに戻ったようだ。
2度目からはスピードにも慣れたナツミは、最初の絶叫とは違う嬌声をあげながらも
シンジの手をしっかりと握り、その感触を忘れないように……愛おしんだ。
―――結局それからふたりは3回もウォータースライダーを楽しんだのだった。
「おい…今岡…さすがに4回も乗ることはなかったんじゃないか?」
「へへ…でも楽しかったね〜〜〜!城島君!」
すっかりご満悦のナツミと、少々お疲れ気味のシンジであった。
「ま、これがこの夏最後だと思えば…いい思い出か…」
浮き輪にプカプカ乗ったまま、何の気無しにシンジが呟いた。
「……ねえ、城島君?」
「ん?なに?」
「あのさ…えっと…今週はさ、まだまだ暑いって天気予報が言ってたよ?」
「?……ああ、残暑は厳しいって話だよな?」
「まださ、夏は…終わったわけじゃないよ?海だって…まだ行けると思うけど…」
「??いや、そりゃそうだけど…カナミや他の子も予定が入ってるし、
カズヤや俺の周りの連中もさすがにもう…」
「だから…えっと…」
ナツミが顔を真っ赤にしたまま、シンジの手を強く握りしめる。
「!?な、なに?今岡?」
「今年は結局私もまだ海に行ってないんだよね…一緒に…海、行かない?」
「へ?」
突然の提案に呆気にとられるシンジだが…ナツミは潤んだ目で見つめてきている。
(なななな?へ?え?ちょっと今岡、それいきなりは反則、ってかボークだって…)
クラスでカズヤをしばき倒している普段の彼女からは想像もつかないほどの色っぽさだった。
「………私とふたりじゃ………ダメ?城島……くん………」
ぎゅっ、と再びシンジの手を握りしめるナツミ。仕草・表情・セリフ・タメ具合、全て完璧である。
「いや……行き、ます」
当然、それに逆らえるはずもないシンジはうなずき返すしかなかった。
£
「お帰りなさ〜〜〜〜〜〜い♪♪♪どうだった……あれ?」
首尾を確認しようと、戻ってきたナツミたちに声をかけたキョウコだったが……
ふたりの上気した顔色を見て、何があったのかを一瞬にして理解した。
ニヤニヤしながらナツミに近づくと、耳元で囁いた。
「お・め・で・と!これは完全に落ちましたね〜〜、今岡選手?で、今日の決まり手は?」
「だ・だからあ…えっと…でも、ありがとう、キョウコ…」
弁解しようとするも、キョウコの表情を見てそれが無駄だと悟り、
結局素直に感謝の言葉を口にするしかないナツミであった。
「あのなあ…木佐貫……」
そんなふたりの様子を見て、疲れたような表情を浮かべるシンジだったが……。
「それじゃ、お邪魔しないように退散しま〜〜〜〜ス!先に向こう行ってるね〜〜?」
キョウコは最後まで彼の言葉を聞かず、その場を去ってしまうのだった。
「ゴメンね、城島君。なんか今日あの子変なテンションで…」
「まあ……振り回されんのには慣れてるんだけどさ」
そう言って苦笑するシンジ………確かにね。
「あの……それで城島君?さっきの約束だけど…」
「ああ…他の奴らには絶対バレないようにな?後で何言われるか…」
「う、ウン……じゃあ、火曜日に駅前で…」
「あ、ああ…火曜日に、駅前で…」
ぎこちなくも改めて予定を確認するふたり。
その日はカナミ達と合流し、しばらく遊んだ後に帰路についたのだった――――
§
462 :
郭泰源:2005/10/08(土) 23:03:26 ID:iY0Cau9f
「わあ!広〜〜い!!でも………今日は人いないね?城島君」
「そうだな…まあ、8月31日だし…学生は夏休みの宿題とか課題に必死になってる頃だしな」
「その口調、城島君は大丈夫なんだ?」
「いや…実はあれから必死で終わらせた」
苦笑して答えるシンジ。8月最後の日の海辺は予想外にガラガラで………
ふたりはどこか妙な居心地の悪さを感じながら、並んで歩いていた。
「じゃあ…あっちの着替え場所でね?」
「あ、ああ…」
(この前は……あんまりそんな感じにもならなかったけど……今日はふたりっきりだし……)
ナツミは今回、ちょっと大胆なフラワー柄の紐ビキニを持ってきたのだった。
(本当はこれ、パレオもあるんだけど…)
今日はとにかく押して押して押しまくると決めてきたナツミは、完全に勝負に出るつもりだった。
「お待たせ〜〜、城島君!」
「ああ…俺もさっき……?え?」
ナツミの水着姿に思わず息をのんでしまうシンジ。
(この前で十分その…今岡のスタイルの良さは…堪能、じゃなくて分ってたつもりだったけど…)
豊かな胸にくびれたウェスト、それに細すぎず太すぎずふっくらと適度に肉付きの良い太腿―――
悪友・カズヤがひたすらセクハラ発言を繰り返し、
彼女につきまとっている理由を今更ながらシンジは理解した。
「あの……城島君…?目線がエッチなんだけど…」
非難すると言うよりは、もじもじと恥じらいの表情を浮かべ……
ナツミがちょっと抗議するような口調でシンジに言った。
「@!わ、悪い……いや、今岡がなんていうか…すっげえキレイだったもんだから…」
「?!!!もう!やだ!水着姿ならこの前も見てたくせに…」
「だってあのときは人もたくさんいたし……ま、まあそれはいいからさ、行こうぜ、今岡?」
「………ウン……」
なんとなく、うまくごまかされたような気もしたものの、
ナツミは大人しくシンジの言葉に従い、ふたりは荷物を持って砂浜に出た。
「ふ〜〜〜〜う、久しぶりだな、この…潮の匂い…」
(カナミならここでひとボケ有るところだけど…ああ、ツッコミの心配をしないですむって幸せ…)
シンジは、別の充足感にも満たされながら思いっきり海の香りを吸い込んだ。
「そうだね…私も…久しぶりかも」
「はあ…去年は何回も来たんだけど、今年はこれが初海だもんな、俺」
「………カナミちゃんと?」
「え?あ、そ、そう…だけど…」
(絶対…矢野さんや、黒田さんとかとも…一緒に来てるよね)
実は彼女たちだけじゃないんです、今岡姉さん………まあそれはさておき。
レジャーシートを敷き、パラソルを立てると、ふたりは軽く準備運動をした後に顔を見合わせた。
「よっし!じゃあ行こうか、今岡?」
「…ゴメン…ちょっとその前に…お願いしてイイ?城島君?」
「?なんだよ、今岡?」
「あの…日焼け止め、塗ってもらってもいい?」
「……@#Lえ?日焼け止めって…その…あれ?」
「うん…まだ塗ってなかったんだ…お願い…」
うるうるとした目で見つめるナツミ。……まあ男としては願ったり叶ったりな状況な訳で。
「う…うん…」
と、うなずくしかないシンジであった。
「今日は人少ないし……ここ、岩場の陰だから他の人には見えないし…じゃあ…お願い、城島君」
顔を赤くしてサンオイルをシンジに手渡し、レジャーシートの上にうつぶせになると…
"するッ……"
ナツミは、水着の紐を外した。
(お…おお…この、見えそうで見えない感じが…その…エロい…)
脇下でつぶされたような形になって広がる、ナツミの豊満なバストに思わずシンジは欲情した。
「…ねえ、城島君?」
「あ!ご、ゴメン今岡…じゃ、じゃあ…」
§
463 :
郭泰源:2005/10/08(土) 23:04:16 ID:iY0Cau9f
以上、今回はここまで。一応もう後半のストーリーは頭の中にあるんで、月曜頑張ります。
あ、遅くなった。GJGJです>>乖離氏&541氏
ちなみにガキの頃に袴田捕手に頭を撫でられて以来のロッテファンです
>>382氏
………わかる方少ないでしょうねえ…川崎球場時代のことなんて……。
郭泰源氏(o^-')bグッジョブ
しかしまあ、なんというところで寸止めを(*´Д`)ハァハァ
郭氏GJ!
続き楽しみにしてます!しかし最近、本当にノッてますねぇ♪
>川崎球場
甲子園のあと一球、西ノ宮の泥臭さ、藤井寺、大阪、日生のヤジ、
神宮の傘、そして川崎の【劇場】…
甲子園と神宮は兎も角、その他は全て夢の跡ですよ…ああ、古きかな懐かしきかな
466 :
郭泰源:2005/10/08(土) 23:35:36 ID:iY0Cau9f
分ってくれる方もいましたか(苦笑)
>藤井寺、大阪、日生のヤジ、
いや〜〜、昔藤井寺で
「ゴラァ、高柳ぃ〜〜〜、お前近鉄特急より遅いどぉ〜〜〜〜!!!」
ってヤジを聞いたのを思い出しました。
川崎名物一列ウェーブ
郭氏GJGJ!
今岡、楽しみに待ってます!
>ヤジ
幼い頃親戚に連れていかれた大阪球場、
その南海対ロッテ戦で隣のおっさんが
「落合!ガム噛み飽きたやろ!たこ焼きおごったるさかい来年ウチに来いや!」
と叫んでたのを覚えてる(試合内容なんて忘れてるのに)
郭泰源氏GJ!!
良い所で寸止め・・orz
470 :
乖離:2005/10/09(日) 00:02:08 ID:hogPTwfs
お邪魔いたします
感想をいただいた皆様、いつもながらありがとうございます
ことに420=429さん、いつも熱い感想をいただいて恐縮です
名前の間違いはキニシナイ、ということで
>>郭泰源氏
スタンドが解体される前の川崎球場は私にも思い出深い所です
と言ってもロッテは既に千葉へ去り、専らアメフトに使われていた頃ですが
ここは売ってる食べ物が安くて美味かったので、一日に何試合もあるようなときは
うどん、お好み焼き、焼肉弁当などをアイ先生のように次々と買っては
スタンドでのんびり食べながら観戦したものでした
それと、昔ラジオで藤井寺の試合を聞いていたら
ヒーローインタビューの時に、観客席のオッサンの
「ええど〜、栗橋!」と言う声がモロに聞こえたのを思い出しました
471 :
郭泰源:2005/10/09(日) 00:11:39 ID:5i44zyPL
雑談連投ですいません
>>乖離氏
元川崎市民にとっては懐かしい話題ですねえ……
オヤジと一緒にロッテ戦を見た後に食べるラーメンが大好きでした。
良く選手も食べに来てて、荘投手、園川投手、佐藤健(後に兼)内野手、岡部外野手と会ったことありますが
皆さんきさくでイイ人でしたね……(だから小川投手の事件は悲しかったな……)
その後大阪は住吉区に移り住んだんですが、バリのパ・リーグファンやったオヤジに連れられてった
藤井寺も懐かしい……
当時の弱小近鉄クリーンナップと言えば栗橋・淡口・羽田………ああ…泣きたくなってきた……
川崎球場といえば、忘れもしない19881019のロッテ‐近鉄のダブルヘッダー。
南海ファンだった漏れも、あの日だけはにわか近鉄ファンになった。
473 :
乖離:2005/10/09(日) 00:30:29 ID:hogPTwfs
引き続きお邪魔いたします
郭泰源氏はパ・リーグファンと成るべき星の下にあったのですね
え〜、脳ミソを引っ掻き回して話を考えていますと、時々変な発想が沸いてきたりします
それをまとめたら一つお話ができたのでアップしてみようと思いました
内容は『エロ無し』『コラボ』『おバカ』と言う事で
474 :
乖離:2005/10/09(日) 00:31:16 ID:hogPTwfs
私は的山リンコ
どこにでもいる普通の中学三年生です
・・・・と自分では思ってるんだけど周りの人からはよく『天然』って言われます
う〜〜ん、そうなのかなあ
ちょっと悩んだりもします
忘れ物が多い事とか、遅刻が多い事とか
15歳は悩み多き年頃です
そんなときは気分転換に愛犬ナナコを連れて公園に散歩に行きます
公園で元気に駆け回るナナコを見ていると私も元気が出てきます
わうわう・・・
あれ? ナナコが何か見つけたみたい
地面に落ちている黒い物を舐めたり咬んだりしています
「何だろうこれ?」
私はそれを拾い上げて手に取りました
今まで見たことのない不思議な物です
革か何かでできてるみたい
「ああ、すみません それは私のものなんです」
急に背中から声をかけられてびっくり
振り向くと、そこには私より少し年上っぽい女の人が立っていました
「これ、お姉さんのですか?」
「はい、拾って下さったんですね、ありがとうございます」
お姉さんがそういうので、私はその謎の品物を手渡しました
475 :
乖離:2005/10/09(日) 00:32:23 ID:hogPTwfs
「私はマナカと申します この魔法の貞操帯を落として困っていたのです」
「え? 魔法のていそうたい?」
「はい、これが無いと私は元の世界へ帰れないところでした」
ちょっとツリ目な顔立ちがアヤナちゃんに似てるかなあ、このお姉さん
でも、胸が私と同じくらいしか無いみたい
それに言ってることが何だかよく分からないや
ひょっとして、アブナイ人ってやつなのかなあ、美人なのに可哀想
「あの・・・今、貴女は何か失礼な事を考えていませんか? 」
「え、そんな事ない、そんな事ないですよ〜」
思わず必死に否定しちゃった、だってちょっと怖かったし
「では、私はそろそろ元の世界に戻らなくてはなりません」
そう言うと、マナカというお姉さんはスカートの中に手を入れて穿いていたブルマを足元から抜き取りました
そして代わりに「ていそうたい」の穴に足を通してたくし上げました
そうかあ、これって穿くものだったんだ
でも、どうしてこんな物を落としたんだろう・・・・・?
「何かちょっと濡れてるような気がしますが、まあ見つかったからよしとしましょう」
実はナナコのよだれがいっぱい付いちゃってます
でも知らぬが仏、ってことわざもあるし、言わない方がお互いの為だと思いました
「そう言えば、まだお名前を伺っていませんでしたね」
「あ、は〜い 私は的山リンコっていいます 中学三年生です」
「そうですか、ところであなたはその年でもまだ魔法を信じられますか?」
やっぱりアブナイ人かなあ、このお姉さん
476 :
乖離:2005/10/09(日) 00:33:20 ID:hogPTwfs
「う〜〜ん、サンタさんはともかく、この年で魔法ってちょっと恥ずかしいかも」
「ちょっとカチンと来る発言でしたが、ともあれ貴女にはまだピュアな心が残っているようですね」
「はい 天然と書いてピュアと読む、ってリョーコ先生に言われました」
「まあ、そういう瑣末な事象はどうでもいいです あなたにはお礼をしないといけませんね」
わ、何だかよくわからないけど御礼がもらえるんだ
このお姉さん、貧乳でアブナイ人みたいだけどいい人かも
「何か貴女の笑顔の下にはいよいよ失礼な物を感じるのですが、とりあえず置いておいて」
マナカさんはさっき脱いだブルマを私に手渡しました
「これは魔法のブルマです 家に帰ったら、これを穿いて鏡の前で大人のVサインのポーズを取ってみてください」
「大人のVサイン? それ何ですか?」
「口で言うより実際にやって見せた方が早いですね」
そう言うとお姉さんは私の前で「大人のVサイン」をやってみてくれました
正直とても恥ずかしいと思いました
「こうすれば、きっと素敵な事が起こるはずですよ これがお礼です」
「は〜い、他人の穿いていた物を身に着けて『大股開く』のはちょっと抵抗あるけどやってみま〜す」
「またちょっとムカツキましたが、貴女のその素直な心なら、きっと魔法の扉を開くことができるはずです」
そう言うとお姉さんは地面に木の枝で、不思議な模様を描きだしました
「それじゃあ、リンコさんさようなら 『キンタマナシデハイキテイケナ〜イ』」
変な呪文?を唱えると地面の円から不思議な光が立ち上ってお姉さんの体を包みました
「わ? わ?」
光が消えるとお姉さんの姿はそこにはありませんでした
「消えちゃった 本当に魔法?」
私はブルマを握り締めると、ナナコを連れて急いで家に駆け出しました
お姉さんが言ったこと試してみなくちゃ、早く・・・
477 :
乖離:2005/10/09(日) 00:34:15 ID:hogPTwfs
「あ、リンコちゃ〜ん」
その時、私を呼び止める声が・・・
振り向くとそこにはアイ先生がいました
「ちょうどよかった、喫茶黄金鷲のビッグチョコレートパフェ、一緒に食べに行かない?」
「え、 アイ先生、しばらく甘いものは我慢してるんじゃ? 」
「ちょうどバイト代も入ったし、ダイエットも上手くいったの もちろん、私のおごりだから、ね?」
そんな事したら、せっかくのダイエットも水の泡になっちゃうような気もするけど
でも、この際気にしない事にしました
せっかくのアイ先生のおごりだし
「わ〜い、きっとこれがいい事なんだ 魔法の力ってすごいなあ」
「魔法? あれ、どうしてリンコちゃんブルマなんて握り締めてるの?」
あ、そう言えば・・・・まあいいや、それよりチョコパフェだよ
そうして私はブルマをポケットに押し込んでしまいました
そして、お母さんがお洗濯のときに私の服のポケットにブルマが入ってるのに気が付くまで
私はこの日の事をすっかり忘れていたのでした
つづく・・・かも
478 :
乖離:2005/10/09(日) 00:38:01 ID:hogPTwfs
以上です
『喫茶黄金鷲のビッグチョコレートパフェ』は
ピンキリ氏のSS「イメージトレーニング・トレーニング」
の中に出て来たフレーズを使わせていただきました
どうかご容赦の程を・・・
皆様のご感想は・・・・・よろしければお願いいたします
479 :
乖離:2005/10/09(日) 00:39:03 ID:hogPTwfs
あ、タイトルはベタベタですが 『ひみつのリンコちゃん』で・・・・
リンコカワイスマナカワロスww
乖離氏GJ!ぜひ続きを!
リンコとマナカの絡みが独特で、不思議空間に迷い込んだ気分…
しかも魔法という新分野まで突入
リンコが魔法に目覚めたら、天然なぶん大変なことになりそう
いろんな可能性が感じられる作品でした
乖離氏、GJです!
乖離氏………
乖離氏に、パ〇プンテの呪文も受けたようなSS投下しましたが…、能の状態は大丈夫ですか?w
でも、面白かったですよ♪乙です
乖離氏のアヤナ官能的なSS、期待して待ってますよ
うわーたくさんきてる
リョーコ14歳の方、話作りの為に真面目に調べたのはすごいな
しかもしっかり反映されてて納得
郭氏は相変わらず話作りがうまい
なんか安心する
乖離氏乙
今までの作品とのギャップに終始振り回された感が‥‥
今回のは箸休め的な気分
今岡がキ タ (゚∀゚)
郭泰源氏、乖離氏共に乙です
今岡かわいいよ今岡(*´д`*)
郭泰源氏=アヤナ・シール(小)
剥離氏=リンコ・シール(大)
を、上げてもイイ気分だな。
だから「乖離氏」なんだって…
なんでそう剥がしたがるんだw
…ざわ…ざわ
489 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 21:26:02 ID:lLZhUUvC
『剥離』と呼ぶ奴は釣りか荒らしw
なんとなくで「はくり」って読んじゃって、それを変換してるだけでしょ。
ちゃんと確認しようぜw
「剥離氏」と「乖離氏」を間違えないように。
お兄さんとの約束だぞ!!
>>492 ダッチワイフを使用しているお兄さんですか?
マナカ〜(´Д`)
可愛すぎる!さ〜皆で叫ぼう!ビバ、貧乳!!
495 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 00:53:09 ID:gtczlSUY
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
さて、本来なら「アイのカタチ」の続きを投下しなければならないところですが、
ここは一度お休みさせてもらって、別の話を投下したいと思います。
「アイのカタチ」の続きは、また後日ということでよろしくお願いします。
スルー対象ワードは、「リョーコ×セイジ」「猫耳」「コスプレ」です。
題は「ご主人様と奴隷の幸せな関係エピソード3・忘れえぬ性癖」です。
では投下↓
496 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 00:54:08 ID:gtczlSUY
「ふう……」
羽虫が二、三匹程戯れている街灯の下を、
豊田セイジはゆっくりとした足取りで、自宅のマンション目指して歩いていた。
別に、秋の月を眺めながらのんびり帰ろう、などと風情のあることを実行していたわけではない。
とても疲れている、足が重い。単純にそれだけのことだった。
何しろ、ここのところ残業が続いている。
体育祭と文化祭の準備、生徒の受験対策、それにサッカー部の練習も見なければならない。
忙しいことこの上ないのだ。
特に受験対策は気を使う。何しろ高校受験の時期まで残り半年をきったのだから。
大詰めの進路相談の他、各高校の出題傾向調べ、生徒ひとりひとりの科目別得意不得意の把握と補強等々、
やってもやっても片付かない(当たり前だが)。
セイジ自身にとっても初の担当の三年生だし、なんとか全員を志望の学校に行かせてやりたいと思う。
元々なりたいと望んでなった職業だし、手を抜くことなんて出来ない。
結構、セイジはここら辺り『熱い教師』なのだ。
そしてその熱さゆえに、疲れを無視して、より多くの疲れを溜め込んでしまうのだが。
497 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 00:55:03 ID:gtczlSUY
「またコンビニで弁当か……な」
セイジはコンビニエンスストアの前で足を止めた。
入り口のドアに向かいかけ、そしてやめた。
腹は空いている。だが食欲が沸かない。
昼から何も食べてないのだから、健康な成人男性なら空腹を覚える頃合なのだが……。
(やっぱり、相当疲れてるのかな、俺)
首をひとつ振ると、セイジはそこから立ち去った。
胃袋は空っぽなのに、そこに何かを詰め込みたいという欲求が起こらないというのは、
心身ともにかなりの疲れが溜まっている証拠だ。
無理してでも放り込むべきなのだろうが、セイジはあえてそれをしなかった。
食うべきだ、という理性よりも、食いたくない、という感情に従ったのだ。
食いたくないから食いたくない。
今はただ、自宅に戻ってシャワーを浴びて、ベッドで休みたい。
幸い明日は休日だ、一日ゆっくり寝て過ごせば、また食欲も少しは戻るさ……。
(俺も老けたな……)
セイジはため息をついた。
高校から大学時代は、昼夜ぶっ続けで遊んでも、翌日にはケロリとしていたものだ。
それが若さだ、と言えばそれまでだが……。
確かに、疲労の蓄積が回復分を明らかに上回るようになってきている。
(二十五歳を境目に無茶がきかなくなるという話、親父から聞かされたっけ)
セイジはもう一回、ため息をついた。
二十五歳体力の境目説、学生当時は信じていなかったが、今なら何となくわかる気がした。
それはきっと加齢のせいだけではないのだろう。働いているということも関わっているはずだった。
社会人になるということは、自分に責任を持つということだ。
のほほんと遊びまわっていた学生時代とは違い、心身にかかる負担が重くなるのだ。
(俺も今年で二十六、四捨五入すれば三十だ)
セイジの仕事は教師。
自分ひとりだけではない。多くの教え子の人生にも、責任を持つべき立場なのだ。
激職、と言っても差し支えないであろう。
「やりがいのある仕事は人生に張りをもたらすが、同時にその分だけ時を奪っていく……か」
父はそうも言っていた。
それも、何となくわかる。わかる気がする。
だからと言って立ち止まるわけにはいかない。
やるべきことは、やらねばならない。
自分のために、そして自分に関わる多くの人のために。
セイジは空を見上げた。
黒い天、小さな真珠のような星、チェシャ猫の口のような三日月。
秋の夜風が、セイジの頬をすうっと撫でるように吹き抜けていく。
「……」
疲れた体が、少しだけ回復したように感じた。
きっと気のせいだろう。だが、気のせいでもいい。
「よし」
歩調を少し、セイジは速めた。
疲れた疲れたとぐだぐだぐちぐち考えていてもしょうがない。
家へ帰る、シャワーを浴びる、そして寝る。
明日のために。そのまた次の日のために。
それでいい、それでいいのだ。きっと、多分。
498 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 00:56:04 ID:gtczlSUY
セイジがエレベーターから降りると、通路の向こうからマンションの管理人が歩いてくるのが見えた。
マンションの管理人は、六十過ぎの、眼鏡をかけた小太りの男性だ。頭髪に白いものが多く混じり、実年齢より老けてみえる。
「こんばんわ」
セイジはいつもより、やや大きめの声で挨拶をした。
「ああ、こんばんわ」
管理人はムスッとした表情で言葉を返し、そのままセイジの横を通り過ぎようとした。
別に腹をたてているわけではないのは、セイジにはわかっている。いつもこんな感じの、無愛想な人なのだ。
実際は住人の面倒を何くれとなく見てくれる、世話好きの老人だったりする。
「ああ……そうだ、豊田さん」
横を通り、一歩進んだところで、管理人は思い出したようにセイジに声をかけた。
「え?」
セイジは振り向いた。
「まさかとは思うんだけど……豊田さん、猫なんて飼ってないですよね?」
「え、ええ?」
セイジは驚いたように口を丸く開けた。
このマンションはペット禁止なのだが、当然、彼自身飼ったことはおろか部屋の中に人間以外の動物を入れたこともない。
「猫なんて飼ってないですけど……?」
管理人は眼鏡の角度を直すと、「ふむ」と息を吐き出すように言い、頷いた。
「いや、豊田さんがルールを破るような人だとは思ってはいませんけど」
「……確かです、飼っていません。でも、また何故ですか?」
セイジは尋ね返した。
身に覚えはまったく無い。
「豊田さんのお隣の亀山さんの奥さんがね、さっき私のところに来て言ったんですよ」
「はぁ」
「何か猫の鳴き声がする、って……。亀山さんの右隣は源五郎丸さんだけど、あそこは先日から入院しておられるし」
「……はぁ」
「それで、左隣は豊田さんの部屋なわけで、もしかしてと思って……」
「いえいえいえ、それはありません。猫なんて本当に飼ってませんよ。何なら、部屋を見てもらってもいいですけれど……」
セイジは首を左右に振った。
猫の声がした、と言われても、事実として飼っていないのだから、身は潔白だ。
「ああ、いえ別に結構ですよ。さっきも言いましたが、豊田さんがそんな人だとは思ってないですから」
失礼しましたな、おそらく、野良猫でも迷いこんだんでしょう……、と最後にそう言って、
管理人はエレベーターの方へと歩いていった。
セイジはその後姿を見送った後、周囲をぐるりと見回した。
マンションのいつもの廊下に、いつのも自分の部屋のドア。
猫の気配はどこにも感じられない。
「……野良猫ってことか」
セイジは鞄から鍵を取り出し、ロックを外そうと鍵穴に差し込んだ。
その瞬間。
499 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 00:57:36 ID:gtczlSUY
にゃ〜お……
「……!」
セイジは鞄をドサリと落とした。
そして、再度周囲に目をやった。
やはり、猫らしき生き物の姿は無い。
しかし……。
にゃ〜……
「な、こ、これは」
微か、本当に注意していなければ気がつかない程微かだが、
間違いなく猫の鳴き声だった。
にゃ〜……
「い、いったいどこから……」
右、いない。左、いない。上、いない。下、いない。後ろ、いない。
前……。
にゃ……
「って、えええええ?」
にゃ、にゃ〜……
「お、お、お、俺の部屋ぁ!?」
セイジは鞄を拾うと、ロックを外し、勢いよく部屋の中へと飛び込んだ。
まず玄関の灯りを点けるが、そこに猫はいない。
いないのだが。
にゃ〜……
聞こえる。聞こえてくるのだ。
セイジは耳をそばだてた。
にゃ〜お……
(近い……)
この先だ。居間だ、居間から聞こえてくる。
にゃ〜……
ゴクリ、とセイジは唾を飲み込んだ。
摺り足で床を進み、居間に入り、そして……灯りのスイッチを押した。
「っ………………るは………………ぁぁ〜」
蛙が踏まれても、これ程情けない声は出さないであろう。
セイジはヘナヘナと、糸が切れた操り人形のような動きで、膝と手を床についた。
彼の目に飛び込んできたもの、それは―――
ソファですやすやと寝息をたてる中村リョーコと、
その体の上で「早くご飯ちょうだいよー」とばかりに、にゃーにゃー鳴きながら前足を押し付けている、
一匹の小さな小さな仔猫だった。
500 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 00:59:06 ID:gtczlSUY
◆ ◆
「……んぐ、んぐ……ぷはーっ、あーウマい!」
親父臭い台詞を親父臭い口調で言い、リョーコは空になったビール缶を唇から離した。
「もう一本、と。……あれ?セイジ、アンタは飲まないの?」
新しい缶ビールに手を伸ばしつつ、罪の意識の欠片も無い、あっけらかんとした喋り方のリョーコ。
その横では、仔猫がお皿に注がれたミルクをペロペロと舐めている。
「……余計なお世話だ」
「何をムスッとしてんのよ、カルシウム足りてないんじゃないの?」
「うるせー」
「そんなんじゃ早く老けるわよ?」
「うるせーうるせー」
「ハゲるわよ?」
「うるせーうるせー、うるせー」
セイジは吐き捨てるように言うと、テーブルの上に乱立した缶ビールを取り、
乱暴な手つきで開けると、一気にあおった。
同時に、空いている方の手で、ネクタイを引っ張って取り去ると、ソファの向こう目掛けて放り投げた。
「……まったく、お前って奴は……!」
缶ビールの林に囲まれるように、テーブルの机の上にはひとつの鍵があった。
どこのものでもない、この部屋の鍵だ。
正確に言えば、合鍵だ。
無論、セイジは作った覚えはない。
作ったのは、目の前で幸せそうにビールを飲んでいる、眼鏡のロングヘアーの女だ。
「れっきとした犯罪だぞ、これ」
「何よ、別に誰にもバレてないんだし、アンタが黙ってりゃ済むことよ」
つい一ヶ月程前のこと、セイジは自宅の鍵を無くした。
どれだけ探しても出てこなかった。
管理人にお願いして、新しいのを作ってもらおうかと思った矢先、ひょっこりと見つかった。
居間のテレビの上の、小物入れの中にあったのだ。
そこは何度も探したはずなのに、見落としていたのか?
セイジは不審に思ったが、鍵が出てきたので、よしとしておいた。
ところがどっこいしょ。
真実はお釈迦様でもわかるめえ、である。
【一ヶ月程前のこと、セイジは自宅の鍵を無くした】
↓
一ヶ月程前、リョーコが押しかけてきて宴会になった際、
リョーコがいらん考えを起こして黙って盗っていった。
【どれだけ探しても出てこなかった】
↓
当たり前、リョーコが持っていたのだから。
【新しいのを作ってもらおうかと思った矢先、ひょっこりと見つかった】
↓
リョーコ、合鍵作成終了。
大学の帰りに立ち寄り、合鍵で開くことを確認後、盗った鍵を小物入れの中へポイッ。
【セイジは不審に思ったが、鍵が出てきたので、よしとしておいた】
↓
よしとしておいてはいけなかった。
鍵そのものを取り替えるくらいの処置をしておくべきだった。
今日、セイジが帰ってくる前にバスケットに入れた仔猫を持って密かに侵入、
セイジの帰りを待っているうちに眠気を覚え、ついウトウトとソファーで寝入ってしまった。
で、仔猫は腹を空かせてバスケットから這い出ると、リョーコに向かってにゃあにゃあとエサをねだった。
しかしリョーコは図太くも起きなかった。
仔猫は仔猫でなんとかエサを貰おうと、ずっと鳴き続けて……。
つまりそれが、お隣さんが聞いた【謎の猫の声】の正体だったわけだ。
501 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:00:46 ID:gtczlSUY
「……まったく、野良猫は野良猫でもここまで大きな野良猫だとは思わなかった」
「んー?このコのこと?」
リョーコはミルクを舐め終わった仔猫を、そっと抱え上げると胸に引き寄せた。
仔猫はいい気なもので、満腹になったら今度は自分が眠くなったのか、口を大きく開けてあくびなんぞをしている。
そして抱えられるまま、リョーコの胸の間に顔をを挟むように埋めた。どうやら、本気で寝るつもりらしい。
その仕草は可愛らしいと言えば可愛らしいが、セイジの目からはどうにも遠慮無しの行動に見えた。
仔猫に罪は無いのだから、セイジが不機嫌な故にそう見えてしまうのだろうが……。
「このコは野良猫じゃないよ。それに、大きいってどういうことよ?こんなに小さいのに」
アルコールが多量に入っているせいではないだろうが、
鋭敏なリョーコには珍しく、セイジの皮肉が理解出来ないようだった。
「だいたい、何で仔猫なんぞを俺のところに持ってきたんだ」
小宴会が始まってから一時間弱、未だリョーコはその理由をセイジに語っていなかった。
どうせロクなもんじゃない、とセイジは睨んでいる。
リョーコはせっかちな面もあるので、切羽詰った事情があるとすればさっさと話し始めているはずだ。
それに、困っているのなら仔猫をほったらかしてのうのうと昼寝なんぞするわけがない。
「あー、このコ、明日一日でいいから預かってほしいのよ」
リョーコは抱いた仔猫の頭を優しく撫でた。
反応しないところを見ると、すでに眠ってしまったようだ。
「何で」
「このコ、大学の友達のとこで生まれたコなのよ」
「おい、だから何でだと聞いてるんだが」
「それで引き取り手を友人一同で探すことになって、このコの担当が私なのよね」
「……いや、俺はそいつを預からにゃならん理由を聞いてるんだが」
「貰ってくれる人は見つかったんだけど、渡すのが明後日で」
「お前、人の話を」
「でも私、明日ちょっと用事があるのよねー」
「コラ、リョーコ!」
「そういうわけで、明日一日、このコを預かってくんない?」
「……」
セイジはがっくりと肩を落とした。
断りたいが、断れない。
「嫌だ、帰れ」と言っても、リョーコが素直に諦めるわけがないのは、過去の経験から十分にわかっている。
だがそれでも、マンションの規約を盾にセイジは一応反論をしてみた。
「……このマンションはペット持ち込み禁止なんだ。見つかったら、俺の立場が無い」
「見つからなきゃいいのよ」
肩だけでなく、セイジは首をガクリと落とした。
予想通りと言えば、予想通りの答えだ。
もうこうなると、どう足掻いてもひっくり返すことは出来ない。
502 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:02:00 ID:gtczlSUY
「私もタダで預かってもらおうとは思ってないわよ」
リョーコは仔猫をそっと、タオルを敷いたバスケットの中へと移した。
仔猫は一瞬体をピクリと動かしたが、目は覚まさなかった。
この猫も、結構図太い性格なのかもしれない。
「へっへーん」
リョーコはバスケットを居間の隅へと置くと、今度は廊下からスポーツバッグを引っ張り出してきた。
セイジは帰ってきた時に気づかなかったが、どうやらそれもリョーコが持ってきたものらしい。
「いいモノを持ってきたのよ」
ゴソゴソとリョーコがバッグの中から取り出したもの、それは。
「……何だ、これは」
「何だ、じゃないわよ」
セーラー服の上下、そして、猫耳と、尻尾付きの女性物の下着だった。
「アンタ、猫耳好きだったでしょ?」
セイジはテーブルに突っ伏した。ビール缶が何本か絨毯の上へと落ちる。
「……お前……そう言えば的山に……」
リョーコが的山リンコに余計なことを吹き込んだおかげで、
つい先日、またセイジの性癖が教え子にバレたところだった。
「ちょっと洗面所借りるわね、着替えてくるから」
「ちょ、おま、着替えてくるってどういうことだ」
リョーコはにまっと笑うと、人差し指でセイジの鼻先をちょんと突付いた。
「決まってんじゃない」
ゴクリ、とセイジは唾を飲み込んだ。
「まさか……」
「仔猫を預かってくれるお礼に……今夜は、たっぷりご奉仕するにゃん☆」
グラリ、とセイジの視界が傾いた。
無意識に、体が真横に倒れていたのだ。
「……」
洗面所へと消えていくリョーコの背中を見つつ、セイジは思った。
(もう、何もかも捨てて……遠いところへ逃げてぇ……)
503 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:03:51 ID:gtczlSUY
「じゃーん、どぉ?」
「……」
セイジの目の前には、セーラー服に猫耳、猫尻尾を着けたリョーコが立っている。
「……」
「オイコラ、何か感想言いなさいよ」
言えなかった。言う元気が無かった。
疲れて帰ってきて、リョーコと仔猫の件でさらに疲れて、そしてまたこれから色々と疲れるのだ。
もはや回避不可能な夜のために、出来る限り体力は温存しておきたかった。
例え、短い言葉をしゃべるだけだとしても。
「この格好するのも久しぶりなんだから、ホレ、もうちょい感激してくれてもいいんじゃない?」
誰が感激なんぞするもんかよ、とセイジは思った。
現役バリバリの女子高生が同じ格好をしたのなら、それなりに幼い色気が出るのかもしれないが、
身長170p、モデル体系、体の丈に明らかにあっていないセーラー服(上も下も短すぎる)、
これではまるでその手の怪しいクラブかサロン、もしくはAVだ。
「勃起してこない?」
「……露骨に言うな」
グッとこない、と言えばそれは嘘になる。
実際、猫耳好きだし、セーラー服とそれを着けたリョーコは妖艶極まりない。
性欲を感じないわけがない。
だが、それでも。
何とか最後の抵抗を―――
「あ、いけないいけない、忘れてたわ」
「……?」
まだ、この上何かあるというのだろうか。
「『にゃ』を語尾につけるの、忘れてたにゃ。これを言わないと、セイジ興奮しないんだっけね……っと、ないんだにゃ」
「……」
セイジは抵抗を完全に諦めた。
リョーコさん、やる気まんまん。
仔猫は実はダシで、これが目的だったんじゃないかとさえ思えてくる。
「本当は猫手猫足も用意したかったんだけどね……。さて、それじゃ、いくにゃーん」
リョーコはペロリ、と舌なめずりをすると、スボンの上からセイジの股間に手をあて、まさぐると、ファスナーを下ろした。
「ご奉仕、するにゃ」
「う……」
リョーコに咥えられるのを感じ、セイジは小さく呻いた。
そして、部屋の隅のバスケットを見、次に天井を見上げた。
(……長い夜になりそうだなぁ……)
もう一度、セイジはバスケットに視線を移した。
その中では、仔猫が幸せな夢と一緒に眠っているだろう。
何とも、羨ましい。
「あは、大きくなってきたにゃ」
ホント、羨ましい……。
504 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:05:29 ID:gtczlSUY
「む……はむ……れろぉ……」
セイジの腹の下で頭を揺らすリョーコ。
嫌だ嫌だと言ってはいても、こうされるともう男というのはどうにもならない。
それに。
「むふ……もうそろそろいい具合かにゃー」
リョーコの頭が揺れるということは、猫耳も揺れるというわけで。
四つんばいの姿勢、ミニスカートの間から見える尻尾もまたふにふにと動いてるわけで。
数年前の記憶も蘇ってくるわけで。
性癖というものは、変わらないから性癖というのであって……。
「う、リョ、リョーコちょっと……タンマ!」
卓越した舌技、そして視覚的な挑発、
セイジのそれは、いつもより早く爆発を迎えようとしていた。
ついでに言うと、疲れている時ほど、男性のイチモツというものは敏感になり易いものだ。
「ね……ぷ……っ、いいにゃ……一発、先に出しとく……にゃ」
「ちょ、ま、リョーコ、おま……う、うわっ!」
セイジはリョーコの頭に手をかけ、離そうとした。
だが、リョーコはそれ以上の力で吸い付いてきた。
「……くぅ、っ!」
「……にゅ……っ!」
セイジは今日一発目の精を、リョーコの口に放った。いや、放ってしまった。
いやいや、放出させられてしまった。
「む……うん……」
リョーコはセイジの股間から顔を上げた。
両手を唇の前に持ってくると、舌と突き出し、口の中に溜まったセイジの精をとろりと吐き出した。
「けほ……っ」
さすがにむせたようだが、それだけで終わるような可愛らしい女では、リョーコはない。
「あはは……疲れてるわりには、濃いし量多いじゃない?」
リョーコの口の端から、口内の精液の残滓がつーっと垂れていく。
猫耳、サイズ小のセーラー服、妖しい微笑み、精液の跡。
「う……っ」
セイジは顔を逸らした。
何という扇情的な光景だろうか。
今さっき精を放ったばかりだというのに、またモノに血液が集まりそうで……。
「って、オイ!」
リョーコが圧し掛かってくるのを感じて、セイジは後ずさろうとした。
が、失敗した。
普段の力なら、圧倒的に男であるセイジの方が強い。
だが、何故かこういう時はセイジはリョーコを振りほどくことが出来ないのだ。
出会ってつきあい始めた最初の頃は、セイジが力任せにリョーコを組み敷いたこともあったのだが。
「うふふ」
リョーコは左手と精液に濡れた唇とを使い、セイジのYシャツのボタンを下からひとつずつ外していく。
また、その動きもどこか猫っぽさを思わせるものだった。
「ふへぇ……」
セイジの頭の中で、何かが弾けた。
いや、もー全部放り出した、と言ったほうが正しいか。
疲れていようが何だろうが、セイジの男の男の部分が黙っていなかった。
505 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:07:53 ID:gtczlSUY
「はにゃ」
リョーコはボタンから唇を離し、視線を下方に向けた。
乳房に、何かツンツンと当たっている。
そこには、また元気を取り戻しつつある、セイジのモノがあった。
「あはは……オッケーオッケー、いい感じじゃん……っと、感じにゃん」
リョーコは再びボタン外しに取り掛かった。
右手をセイジのモノに添えて、優しく擦り上げるのも忘れない。
「……にゃは、セイジ……さっきから私ばっかり動いてるじゃない……にゃ」
半分(いや八割がた)無理矢理襲ってきたようなもんなのに、何を言ってやがる……とセイジは思ったが、
それは口に出さず、代わりに両手をリョーコの腰に回し、こねくるように撫でまわした。
「あん」
色っぽい声をあげ、リョーコは身を少し捻った。
「あ……」
リョーコはちょうどセイジのYシャツの一番上のボタンに歯をかけていたのだが、
捻ったのと同時にプチンと糸が切てしまった。
「むうん……っ」
リョーコは口をもごもごと動かすと、絨毯に向けて、ぷっとそのボタンを吹き出した。
精液と唾液に濡れたボタンは、絨毯の上を転がって、仔猫が眠っているバスケットに当たった。
「リョーコ……」
「あ……ぅ、セイジィ……」
セイジはスカートの中に手を差し込むと、下着の上からお尻を揉んだ。
そして次に尻尾を掴むと、それを引っ張った。
「あぅん」
リョーコが腰をわずかに浮かせた。
その隙に、セイジはリョーコの首筋にキスをし、尻尾を持つ手に力を入れた。
「セイジ、あんまり引っ張ると、尻尾がちぎれちゃうにゃ」
セイジは尻尾から手を離した。
セイジからは見えないが、リョーコのスカートの中では、下着がズレているに違いなかった。
「や……にゃ……」
今度は、胸に手をまわし、持ち上げるような形で揉みあげた。
「セイジ……ああん……」
「リョーコ……」
リョーコが悩ましげな表情をした。
セイジには、一緒に耳がピコピコと動いた気がした。
あくまで気がしただけで、本物でない耳が動くわけがない。
「む……」
「はむ……」
セイジはリョーコに唇を重ねた。
まだ自分の精液が付着しているはずだったが、気にはならなかった。
506 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:09:00 ID:gtczlSUY
「むぅ」
「ん……」
セイジは右手で両方の胸を交互に、掴むように揉み、左手でスカートの中の秘部を下着越しに撫ぜていった。
セイジの手がリョーコの敏感な部分に当たる度に、リョーコがビクリと身を震わせる。
「は……ん」
「リョーコ……っ」
セイジは、左手の指先に湿り気を感じた。
その湿りは、明らかに汗とは違うものだった。
「はぁ……セイジ……にゃあ」
自身もかなり興奮しているというのに、あくまで「にゃ」を語尾から外さないリョーコ。
ここまで徹底していれば、たいしたものだ。
「うふ……お互い、準備オッケーみたいにゃ?」
「ああ……」
セイジは手を止めた。
リョーコは体を起こすと、セイジの顔をそっと両手で包み、ニイッと笑った。
「で、どうする?セーラー服、脱いだほうがいいにゃ?」
「……」
リョーコの問いに、セイジは無言で答えた。
「あははっ、そんなわけ、ないよにゃー♪」
猫耳は頭についているから猫耳なのである。
セーラー服は着ているからこそセーラー服なのである。
猫耳とセーラー服、一緒にあるからこそ、価値があるのである。
初めてリョーコに猫耳プレイを要求した時、セイジはそうリョーコに言って説得?した。
「ああ……」
セイジはリョーコをひょいと抱え上げると、寝室へと移動した。
そしてリョーコをベッドに乱暴に投げ出し、乗りかかっていった。
が、リョーコが直前でそれを制止した。
「セイジ……」
「ん?」
「これ……にゃ」
リョーコがスカートのポケットから取り出したのは、コンドームだった。
「……お前、これ……」
「にゃはは」
ご丁寧に、そのコンドームの柄までもが、ファンシーな猫絵柄。
セイジは息をひとつ吐くと、それを着けた。
そしてスカートをたくしあげ、下着をそっとずらした。
「来て……にゃ」
「……ああ」
まったく、性癖というものは、変わらないから性癖というのだ―――
507 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:10:44 ID:gtczlSUY
「あん、にゃ、にゃあ、セイジィ、セイジ……くにゃ、あ!」
この手のプレイは、完全に成りきることにミソがある。
理性が飛びそうなこの状況下で、あくまでもリョーコは「にゃ」をやめなかった。
「う……くっ」
「にゃ、にゃあ、ああ、にゃあぁ」
その動きの激しさに、リョーコの頭の猫耳が取れそうになった。
セイジはそれを押さえると、もう一度着け直させた。
ここまで来たら、もう徹底的にプレイに集中しなければいけない。
「うにゃあああ……」
リョーコがぶるぶると肩、そして首を震わせた。
顔が朱に染まっている。頂点が近いのだろう。
それは、セイジも同じだった。
「リョーコ……!」
「セイジ……ぃ!」
セイジは腰の動きを速めた。
リョーコも、それに合わせるように体を揺すった。
「うっ……!」
「くっ……にゃ……っ!」
リョーコが顎を逸らし、セイジはより強く腰を押し付けた。
絶頂は、ほぼ二人同時にやってきた。
508 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:12:43 ID:gtczlSUY
「はぁぁあ……」
セイジはベッドに腰掛けると、肺の底まで搾り出すように、大きく息を吐いた。
「痛てて……」
腰という部分は、疲れがもっとも溜まり易く、尚且つダイレクトに来るところである。
ここ数日の仕事で、少し痛めていたのだが、今のプレイでさらにダメージを蓄積させてしまった。
湿布ですめばいいが、下手をすると整体なり何なりのお世話にならないといけないかもしれない。
「……」
チラリ、と肩越しにセイジはリョーコを見た。
リョーコは、床の上でお行儀悪く胡坐なんぞをかきながら、
さっきセイジが精を出したコンドームの口を縛っている。
(リョーコのことだから、これで終わりというわけにはいかんだろうな……)
間違いなく、二回戦三回戦があるはずだった。
「セイジー」
さぁ、来た来た。
「な、なんにゃ?」
「……何でアンタが猫語になってるのよ」
「い、いや、別に……」
リョーコはニシシと笑うと、四つんばいになって、猫のような動きでセイジの方へと寄ってきた。
「まさか……これで終わりなんてこと、ないにゃ?」
「……」
やっぱりか。
セイジはがっくりと肩を落とした。
「セイジ、これ見てにゃー」
「?」
リョーコは、尻尾付きの下着をセイジの目の前に持ち上げ、
尻尾の部分を持つと、鎖鎌のようにふるふると振り回した。
「な……何だよ」
「これで……にゃ」
「こ、これで?」
「私の手……縛ってみたく、にゃあい?」
「はへ?」
それはつまり、緊縛プレイをしてみないか、という提案だった。
しかも紐も縄でもなく、猫尻尾(下着付き)で。
(いや、いやいやいや)
セイジは首を左右に振った。
「か、勘弁してくれリョーコ。さっきも言ったけど、俺疲れてて……」
「あら、でもこっちは疲れてないみたいだけどにゃ」
「はへえ?」
セイジは己の股間を見た。
何と、そこには見事に屹立したアレが―――
「あ、あれれ?」
猫尻尾での緊縛プレイというものを、ちょっと想像しただけで、分身が固く大きくなってしまったのだ。
「はーい、やる気まんまんにゃーん」
「いや、ちょっと待って、これは何かの間違い」
「黙るにゃー」
「え、ええええああああ」
……まこと、性癖というものは、変わらないから性癖というのだ。
◆ ◆
509 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:14:10 ID:gtczlSUY
にゃあ
「……」
にゃあ
「……」
にゃあ
「……ん、あ?」
にゃあ!
「む……は、な、何だ……?」
セイジは身をゆっくりと起こした。
そして、周囲を見回した。
自分がいるのはベッドの上。
時計の表示は午前9:08。
窓から差し込む、朝の光。
にゃあ!
「へ……?」
声はベッドの脇からだった。
にゃあ〜
「……」
セイジは首を伸ばし、声の元を見た。
そこには、仔猫がカリカリとべっどを引っかきながら、自分を見上げていた。
『飯よこせ』と言わんばかりに。
「あいててて……」
セイジは腰と頭を押さえながら、キッチンへと移動した。
その足元を、にゃあにゃあと鳴きながら仔猫がまとわりつく。
「うるさいよ、お前……遠慮無しに……」
セイジは仔猫を睨みつけ、足の指先でちょいとつついた。
だが、仔猫は堪えた様子もなく、セイジの顔を見て『にゃあ!』と鳴いた。
「お前……」
セイジは肩をすくめた。
きっと、生まれてから虐められたことが無いのだろう。人間様を怖がらない。
思えば、昨日も悪びれもせずミルクを貰い、堂々と眠っていた。
生まれつきの性格もあるかもしれない。
まるで、どこかの誰かのようだ。
「わかったよ……ちょっと待ってろ、“コリョーコ”」
小さいリョーコで、小リョーコ、コリョーコ。
何ともまずいネーミングセンスだが、そこはそれ、別にセイジが飼うわけではない。
510 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:15:19 ID:gtczlSUY
『セイジへ
昨日も言ったけど、外せない用事があるので、今日一日、あのコを預かってほしいにゃ
夕方には迎えに行くにゃ
とりあえず、菓子パンとあのコ用のミルク、朝のうちに買ってきておいてあげたにゃ
洗濯もしておいてあげたにゃ(干しておいたにゃ)
それじゃよろしくにゃ〜
リョーコよりにゃ』
「何が『にゃ』だ、あいつめ」
セイジはテーブルの上に置いてあったメモを丸めると、ゴミ箱目掛けて放り投げた。
メモがあった場所の横には、コンビニの袋がある。
メモにもあった、菓子パンとミルクが入っているのだろう。
にゃあ!
「わかったわかった、今すぐやるから少し黙ってろ、コリョーコ」
セイジは袋の中から、パックのミルクを取り出した。
「やれやれ……」
とにかく、今日一日、どこにも外出せずに部屋にいるしかない。
回覧板も宅配便も、何とか誤魔化して、乗り切るだけだ。
猫がいるとバレたら、えらいことになってしまう。
十分に気をつける必要がある。
「ふぅ……」
セイジは窓を見た。
外は晴れ、何とも過ごし易そうないい天気だ。
公園にでも出かけて、芝生の上で昼寝でもしたら、きっと気持ちいいだろう。
しかし、そうもいかない。
511 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:16:22 ID:gtczlSUY
にゃあ!
「……はぁ」
食糧はあるし、洗濯もリョーコがしておいてくれた。
無理に家から出る必要は無い。
部外者の侵入を回避しつつ、猫の世話をするだけだ。
しかし、これでは疲れを取るどころか、逆に溜めることになりかねない。
にゃあー!
「……」
長い一日になりそうだった。
猫のことばかりに頭がいって、セイジは気づいていなかった。
ベランダで秋風にはためく洗濯物、シャツ、ズボン、タオル。
……そして、セーラー服と猫耳、猫尻尾(下着付き)。
にゃあ〜
「うるさいよ、気づかれたらどうするんだ……ミルク舐めてる時くらい、静かにしろコリョーコ」
にゃあにゃあ〜
「とにかく、静かにしろよ……バレたら、またマンションの住人に何言われるか……」
コリョーコをたしなめつつ、菓子パンにかぶりつくセイジ。
その背後、ベランダでひらひらと、風に乗って踊るセーラー服、猫耳、猫尻尾―――
F I N
512 :
ピンキリ:2005/10/10(月) 01:17:26 ID:gtczlSUY
以上です。
最後、もう少し上手くまとめられたかもしれません。
管理人が回覧板を持って訪ねてきてセイジ大慌て、というオチも考えたのですが、
猫耳と猫尻尾をオチに使いたかったのでこんな形になりました。
それに、本番もちょっと淡白過ぎたかも……申し訳ありません。精進します。
では、また。
乙
ピンキリ氏、GJっす!
いいねー、猫いいっすね〜。
「アイのカタチ」の方も焦らなくていいですから頑張って書き上げてください!
最後にもう一回、
GJっ!!
リアルタイムですた
う〜ん、話中ではセイジがお疲れでしたが、ピンキリ氏ももしかして疲れがたまってませんか?
以前に比べて、何か変化球のキレが落ちているような…いや、不躾でもうしわけないですが…
というわけで、乙ですた
俺には、ピンキリ氏の話は、以前よりもうまくなっている印象。
リアルな書き込み( ´∀`)σ)Д`)
518 :
ナット:2005/10/10(月) 14:26:56 ID:OkdRO+ZS
職人方々、ならび保管庫の吉田様、いつもご苦労様です。
自分としてはちょっと長めな間がありましたが、長いのを書いていたわけではありませんでした・・・
で、久々にネタが思いついたので投下します。(いつものように短いですが)
今回のは
序章−前編━アヤナエンド
ミサキエンド
その他エンド
で考えてます。
と、言うことで
タイトル「ユレルキモチ」序章
「ねえ、小久保君」
「なんだ?若田部?」
「今日、うちに寄って行ってくれない?」
6限目の授業が終わり、みんなが帰りの支度をしているころ、アヤナはマサヒコに声を掛けた。
「別に、いいけど。」
この日はアイが来る予定も無く、一人で勉強する予定であった。
机の中にしまってある教科書類をカバンへと入れ、アヤナと教室を出た。
学校からアヤナの家への5分間、2人はほとんど言葉を交わさなかった。
と言うより、マサヒコが話しかけても、アヤナは「ウン」や「そうね」などの一言で終わってしまっていた。
その表情は何か思い耽り、上の空、何か考えているようであった。
若田部邸へつき、マサヒコはアヤナの部屋へと案内された。
広さにしては家全体がやたら静かである。
この日もアヤナ以外の家族は誰も居ないようだ。
次第に足音が近づいてきて、扉を開けた。
アヤナは紅茶を持って、マサヒコへと振舞った。
もともと部屋に満ちていた女の子の甘いような匂いに紅茶の香りが混ざり合った。
マサヒコは紅茶を口へと運んだ。紅茶特有の風味が口いっぱいに広がる。
「うまいな、この紅茶」
「そう、ありがとう」
やはり返事ひとつで会話が止まってしまう。
マサヒコはもう一口紅茶を口へ運び、再び話しかけた。
「なんで今日俺を来させたの?」
「・・・・・・」
沈黙が続く。アヤナはうつむいてしまっていたが、マサヒコはそんな姿を、見つめ続けた。
数分の沈黙のすえ、ようやくアヤナは顔を上げた。
「あなたの好きな人って、誰?」
「えっ!!」
その発言にマサヒコは持っていたカップを落としそうになった。
「やっぱり天野さん?」
マサヒコの頭にミサキの姿が映る。
今まで考えたことが無かった。たしかに自分の周りには女性が取り巻いている。
しかし誰一人恋愛の対象としてみたことが無かった。
だがミサキはどうか。ただの幼馴染なだけなのだろうか。
考えたことが無かった。だがミサキが居ないということも考えたことが無かった。
昔から一緒に遊んで、高校までずっと学校が一緒で。確かに家庭教師をつける前、やや疎遠だったこともある。
だが今は同じクラスで毎日あって、一緒に勉強して、時には共にはしゃぎ、昔のように一緒に居ることが多い。
また、ミサキをライバル視し、中村を崇拝する若田部も最近一緒に居ることが多い。
2年の時の夏休み以来、仲がよくなった。
みんなと接するうちに最初のうち感じていた性格の角も最近はずいぶんと丸くなった。
そうしているうちにアヤナへ好意にも似た感情があるのは確かである。
『俺が好きなのは・・・』
「やっぱり、彼女なのね・・・」
マサヒコが沈黙していたらアヤナが口を開いた。
「え、い、いや・・ その・・・」
マサヒコは口をこもらせた。アヤナの問いかけに否定するか、しないか。
ミサキのことを好きなのかそうでないのか。
「・・・私、彼女といろいろ勝負してきたわ。
テストも、金魚すくいも・・・
そして今は、あなた争奪戦。」
アヤナはマサヒコの顔を見つめた。
マサヒコの心臓はドクンと大きな脈を打った。そして鼓動が高鳴っていく。
「あなただって天野さんの気持ち、気付いているでしょ?」
マサヒコ自身、そのことにはうすうす感じていた。また自分自身もミサキをそう思いはじめていた。
だからアヤナの問いかけに即答できなかったのだろう。
マサヒコの中にひとつの答えが出始めていた。
『俺が好きなのは、』
その思いが固まろうとしていたとき、アヤナの言葉は続いた。
「けど、この勝負、絶対負けたくないの。
私だって、あなたのこと・・・ こんなに男の人のこと思ったあなたが初めてで・・・
彼女に比べてあなたと過ごした時間の長さにハンデがあるのは分かってる。
でも私は、あなたの事が好きなの!」
アヤナは顔を真っ赤にし、目に涙を浮かべていた。
ミサキのマサヒコに対する気持ち、またマサヒコがミサキの事をどう見ているか。
アヤナはそういうのを分かりながら、今日マサヒコをどんな気持ちで家へと呼んだのか。
再び気持ちが揺れ動く。先程決めかけていた答えは、また崩れ始めた。
小さいころから一緒に居たが、遠まわしにしか気持ちを伝えないミサキか、
出会ってからの時間はミサキに比べ短いが、面を向いてはっきりと気持ちを伝えたアヤナか。
いままでの人生においてこれほど悩んだことがあっただろうか。
マサヒコは自分の優柔不断さに腹が立った。
「・・・・若田部、すまない」
「えっ・・・・」
『すまない』この言葉が告白をした人にどれだけ悲しさを与えるのだろう。
彼は天野さんを取った。
そう頭が理解し、ワンテンポ遅れて頬に涙が伝う。
「うっ・・・ うう・・・・」
「ちょ、若田部!」
部屋を出て行ってしまいそうだったアヤナの手をマサヒコは懸命に掴んだ。
「離してよ!」
「若田部!違うんだ!」
「なにが!」
「さっきのすまないはそういう意味じゃないんだ。
その、なんていうか、気持ちの整理を付けたいから1週間だけ時間がほしいんだ。」
アヤナは言葉を理解し、その場にへたり込んだ。
「・・・ひっく、ひっく」
一度流れ出した涙はなかなか止まらない。マサヒコはアヤナにハンカチを手渡した。
渡されたはんかちで涙をぬぐった。
「・・・一週間」
「え。」
「待てるの、一週間だけだからね。」
「ああ、それまでに気持ち、決めてくるよ。」
「それまでこのハンカチ、私が預かっとく。」
そういいアヤナはぎゅっと握った。
「それじゃ、またな」
「ん」
部屋を出て行くマサヒコをアヤナは軽く手を振り見送った。
522 :
ナット:2005/10/10(月) 14:32:14 ID:OkdRO+ZS
以上です。
なんとなくエロゲーな雰囲気でやって生きたいと思います。
前編では他のキャラのフラグ立てようかなと(w
そして各キャラ最後はエッチ→エピローグで
ナット氏乙!! 期待してます!!
あと吉田氏→古田氏です(;^_^A
ナット氏、乙
ちょっと気になったんだが、
> 高校までずっと学校が一緒で。
中学では?
525 :
ナット:2005/10/10(月) 15:03:19 ID:OkdRO+ZS
>>523.524
指摘どうも。何やってんだろ、俺。
以後気をつけます
GJっ!
こういう流れ好きだ。
大好きだー!!
527 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:01:02 ID:Nw0XJvno
はい、どうも郭です。
>>462の続き。長い……ひたすら長い……
これでも結構削ったんですけどねえ…なんて言うか……
もうね、ネタさえ有れば分量は無駄に書けるんですよ。
最近は上手くそれを削ぎ落とすコトの方が大変で。
短い良作書ける72氏、75氏、ピンキリ氏とか尊敬してますよ、マジで。
あと独特の簡潔な文体がすばらしい518氏、乖離氏もね。
はあああ……ま、面倒なかたはエロシーンだけ抽出して読んでください(苦笑)
では、投下。
528 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:02:06 ID:Nw0XJvno
"つる〜〜〜〜"
シンジはサンオイルを手に取ると、ナツミの背中に振り落とした。
「あっ……」
「ご、ごめん今岡……冷たかった?」
「ううん…冷たくは…ないけど」
「えっと……手で…広げればいいんだよな?」
「う、ウン…お願い……」
"ぺちゃ…ぺた…つる〜〜〜〜"
(い、今岡…この前より少し焼けたのかな?……でも、ちょっと赤みかかって…な、なんだか…
色っぽいかも…それに…今岡の肌って、やらかくてすべすべで……さわり心地いいな…)
まあ、この状態で邪念を抱くなと言うのは男として酷な訳で。
(あん……あ……城島君のさわりかた……気持いいかも…)
当然、彼女にとってもこんな風に男性にさわられるのは初めてな訳で。
「ん…………ねえ?城島君?」
「な、なに?」
「あの…背中だけじゃなくて…腰とか、太腿とか…足にも塗って欲しいんだけど…」
「!……ああ…そ、そりゃあいいんだけど…い、いいの?」
「ウン…お願い、城島君……」
シンジのおずおずとしたソフトタッチが逆に良かったのか、完全に潤んでしまった目を向けるナツミ。
(?!……ってオイ、今岡…ち、ちょっと…)
こうなってしまえばシンジなどライオンの前の子鹿である。
「そ、それじゃ…」
"つるっ……ぬる〜〜〜〜、ぺた…"
シンジのタッチは続くが……その手が、下降して脇腹のあたりに触れた瞬間、
「ん………ダメ…あ!…ひゃん!」
ナツミはなんとも艶やかな、うわずった声を上げてしまっていた。
「!ゴメン今岡!くすぐったかった?」
「あの…ゴメンなさい、城島君…私、おなかのそこらへん弱いみたいで…」
「ゴメン……もっと丁寧にするから…」
「ウン…お願いします」
"ぬる…つる…ぺた〜〜〜〜"
(うわ……今岡のふともも……可愛い…)
少しピンク色に色づいた、新鮮な牡蠣のようにぷるり、とした弾力を持つ
ナツミの肢体の感触に夢中になるシンジ。
(あ…ん…男の人にこんな風にさわられるの初めてだし…それが…城島君なんて…
どうしよう…私、ヘンな気持ちに……)
"くぷっ………"
「あ!!!」
「!?ど、どうした?今岡?」
「ご、ゴメンなさい城島君…も、もう塗れたと思うし、い、いいから……」
(ヤダ…私……)
ナツミは、自分の股間からなにか……熱い液体が分泌されたことに驚いて声を上げたのだった。
(嘘…私…今……感じ…ちゃったの?)
まだそれほどではないが……自分の股間がほんの少し湿ってしまったという事実に対し、
ナツミは罪悪感と―――未知なる快感への、わずかな好奇心を抱いてしまっていた。
(まだ……城島君に、ちょっとさわられただけなのに…私…濡れちゃった……)
シンジの方はもはやどうにもならない状態で。
(やべ…やべって……落ち着け、俺……ああ…もう完全に勃っちゃってるよ、コイツは…)
……それはまあ、エライことになってしまっていた。
「な、なあ今岡?落ち着いてから海に入ろうか?
なんだか俺、もうちょっとのんびりしたいっていうか………」
「う、ウン…そうだね…わ、私ももう少し落ち着きたいかも」
ビキニの紐を結び、のろのろと体を起こすナツミ。別の意味で大いに落ち着きたいふたりであった。
「……」
「………」
§
529 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:03:05 ID:Nw0XJvno
微妙な間がしばらく続いた後……ようやく下半身が収まり始めたシンジが口を開いた。
「ふ〜〜〜ッ、どう?そろそろ…今岡?」
「う、ウン…そうね。私も落ち着いたから…」
ふたりとも、先ほどの興奮が完全に醒めた訳ではないのだが…
それでも、いつまでもこのまま座っている訳にもいかず、やっと海へと向かった。
「今岡……確か、泳ぐのは得意だったよな?」
「うん、女子としては泳げる方だと思うけど?」
「じゃあさ、あそこのブロックみたいなとこまで泳いでみない?」
「?結構遠いよね……大丈夫かな?」
「もしかして泳げても足着かないとこだと泳げない人?今岡?」
「……あんまり足の下が見えないのは、好きじゃないかも…」
「いるんだよな、そういう人。でも今日はさ、俺が一緒だから…言ってみない?
前からあそこさ、行ってみたいなって思ってたんだ」
(……城島君、珍しく男の子っぽい顔になってる……可愛い…)
普段の落ち着いた、大人びた顔ではなく――無邪気な表情を見せるシンジに、
思わず微笑みながらナツミはうなずいてしまっていた。
「いいけど…もし怖くなったら…助けてね?」
「もちろん!じゃ、行こうぜ!」
ふたりは、仲良く並んで海に入ると……競い合うように、目的地まで泳いでいった。
「…もう、このあたりで足の下見えないね……」
「あ…やっぱ怖い?今岡…」
(本当は怖くないし、思ったより気持ちいいんだけど…)
「ウン…ちょっとだけ。だから城島君?…手、握ってもらってもいい?」
「?別に……いいけど?」
シンジが手を伸ばし、ナツミはその手を嬉しそうに取ると、ぎゅっ、と握った。
(へへ……海の中だから…城島君の手、すごくあったかい…)
「よし…じゃあ、あと少しだから…」
ふたりは、しっかりと手を握ったあと…ゆっくりと、並んで護岸ブロックまで泳いでいった。
「わあ…海の温度ってもうこのあたりで少し下がるんだね…」
「そうだな…ちょっと冷たいかもな…よっと、お先するぜ?今岡」
シンジが先に到着し、ブロックの上に飛び乗った。
「ホラ………」
そしてまだ海の中のナツミに手を差し出す。
(………どうしよう…すっごく…嬉しい…)
思わず顔がニヤけてしまうのを必死で抑えながら……
ナツミはシンジの手を受け止め、ブロックの上に引き上げられるのだった。
「わあ……眺めいいね……城島君……」
「砂浜から見るより…確かにずっといいな?」
広さにしたら8畳程度といったところだろうか?長方形のブロックの上には、
シンジたち以外誰もおらず……ふたりっきりの空間になっていた。
「疲れた?今岡」
「ううん…気持いいくらい……」
(……このまま、城島君と…ずっとずっとふたりっきりでも…いいくらい……)
静かだった。浜風が潮の匂いを運び、グリーン色の海がふたりの周りを支配していた。
ナツミはこの世界にシンジとふたりだけでいるような……そんな思いで、水平線を見つめていた。
(……好きなひとと…こんな風にふたりっきりって……幸せ……)
「今岡……」
シンジがじっとナツミを見つめた。
(@!L%な…なに、この真剣な表情は…もしかして…城島君…)
「帰ったらさ、なにか食いたいもん、ある?」
―――そしてそんなナツミの乙女チックな妄想を瞬時にしてぶち壊す男がひとり。
「……おでんが食べたい…」
「そっか。じゃあ、もう少ししたら行こうか?」
(この様子じゃあ……ここまで来ても私の気持ちなんて気付いてないんだろうナ〜〜)
心の中で溜息をひとつついてしまうナツミであった。
§
530 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:03:50 ID:Nw0XJvno
「おでんだよね?俺あっちで買ってくるから……」
「ウン…お願い」
よほど空腹だったのか、小走りで売店へと向かうシンジ。
(……でも城島君が帰ってくるまでヒマだな…あ!そうだ!お城つくろ!)
※関係ないけど、しかし女の子ってのはなぜ海に行くと必ず城を作りたがるんですかね?
――――場面は変わって同じ海浜。女性がふたり、歩いていた。
「かぁあああ―――っ、全然人がいねえ――!男もいねえ―――っ!」
「あの……先輩、確かに人は少ないですけど……恥ずかしいんで大声で叫ぶのはやめて下さい」
「なに言ってんの!こんなピチピチの水着美女ふたりが歩いてるのに、
誰一人声をかけないとは何事だああああああ!海と言えばナンパだろうが―――ッ!」
「だからやめて下さいってば!先輩!」
"先輩"と呼ばれている方は漆黒のロングヘアーを後ろにまとめ、
目にも鮮やかな真っ赤なビキニを着たスタイル抜群の長身の美人。
呼んでいる方は少しタレ目気味の童顔で、こちらもなかなかのスタイルの可愛い子である。
……まあそれが中村とアイなのは今更読者に説明する必要もないのだが……
「くそッ……さすがに8月最後の日じゃあこんなモンか…私としたことが失敗したな…
せっかくアイのヴァージン喪失計画を綿密に立ててきたのに…。
こんなだったらマサたちを連れてきて、からかい倒した方がまだマシ……ん?」
「先輩……そんなことを、考えてたんですか………?」
ドスの効いた低音で聞くアイ。正直、結構怖い。
「や、やあねえ!冗談よ、冗談!でもね、アイ?
夏の海と言えば男女の出会いの場であることはこれもまた真実なのよ?」
「はあ…そうなんですか…」
あっさりアイが丸め込まれるのも、いつものふたりの光景であった。
「しっかし本当に誰も………ん?」
中村の目が、売店へと歩いてくるシンジの姿をとらえた。
(身長は……175ってところか?年は……高校生ぐらい?
顔立ちもまあまあ、性格も見た感じ良さそうだし…なにより、ちょっとマサに似た感じ…)
恐るべし、中村。その目はジャングルで獲物を見つけた肉食動物のように、
シンジの正確なデータを頭に打ち込んでいた。
「あの……先輩?」
「ねえ、アイ?私ちょっと喉乾いちゃった……ビール買いに行かない?」
「?別に…いいですけど?」
£
「ごめ〜〜〜ん、君、ちょっといい?」
「は?」
売店でナツミのおでんと自分の分の焼きそば、それにたこ焼きなどを注文し、
何をするでもなくボーっと待っていたシンジは、声をかけられて間抜けな声をあげた。
「あのさ〜〜〜、ぶっちゃけ今女ふたりでヒマしてたわけ。ちょっと一緒に遊ばない?」
(???俺の…こと?)
周りにはシンジと彼女たち以外誰もいないので当然だが……
不思議そうにシンジは周りを見渡してしまっていた。
「そ・う!君のことだって!ねえ〜遊ぼ〜〜〜よ〜〜!!」
「ち、ちょっと先輩…」
(ええっと…コレっていわゆる…逆ナンって…やつ?)
大正解。
(そりゃあ……普段なら…ありがたく、ってとこなんだけど…)
町で会えば、二人とも十分に振り返ってしまうほどの美人だった。しかし―――
(ん?あれ?片方、誰かに……あ!わかった!小宮山先生に!)
そう、あの変態教師・小宮山に似ていた。なぜか慌ててしまうシンジ。
(俺なら…どっちかと言えば、もう一人のほうが……)
小宮山似の方を必死で止めている方は――ちょっと幼い感じがするものの、
真面目で清純そうな感じの可愛い子だった。
§
531 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:04:47 ID:Nw0XJvno
「さっきも言ったでしょ?夏・海・ロストヴァージンって言えば、女の子の三種の神器だって!」
「そんなこと言ってませんし、聞いたこともありません!」
(……ああ…なんだこの既視感は…せっかくの俺の穏やかな夏休み最後の日が…)
それ以上そこにいるとなぜかいつものパターンにハマってしまいそうで、
シンジは食べ物を受け取るとコソコソと逃げ出していた。
「だいたいアンタはいつも!そんなことだからいつまでたっても処女なんでしょうが!」
「ひどい……ひどいです!先輩!」
「まったく……アレ?」
中村が気付いた頃には、シンジはとっくの昔に姿を消したあとだった。
「ちっ……せっかくなかなかの上玉だったのに…」
「でも…さっきの子、少しマサヒコ君に似てましたね……」
ちょっと遠い目をするアイ。
「……ねえ…アイ?アンタやっぱりマジでマサのこと…」
「!"?&そ、そんなんじゃありま……」
「まあ…止めはしないよ。でも奴はニブチンでモテ男でおまけに年下っていう難物だから、
結構大変な恋だとは思うけど?」
「ぐ………」
言葉につまるアイ。
「ま、この話は終わりにしとく?せっかくの海だから、ちょっと遊んでいこうか…」
「はい…先輩…」
しょんぼりしたアイを励ますように、中村がそう言うとふたりはどこかへ消えていった……
£
「……結構遅かったね?城島君?」
「ああ…ご、ゴメン…混んでてさ」
「?こんなに人少ないのに?」
「い、いや…その、売店の周りだけ人がいたんだよ、…ホラ、お昼どきだし」
まさか逆ナンされてましたとは言えないシンジ。
「?まあいいけど…おでんちょうだい?」
「あ、ああ…はい…」
ナツミの横に腰をおろし、シンジはやっと落ち着いた気分になった。
(はああ……しっかしなんだったんだ、あのふたりは……)
「城島君、なんだか疲れてる?」
「※%!いヤ!は、はは、さっき泳いだのが今頃きたのかな…あはははは…」
「?」
シンジの態度に妙な感じを受けながら…ナツミは、おでんを食べ始めた。
(わあ……風が気持いい……それに…城島君とふたりでゴハン…)
なんとなく…シンジが食べる横顔を、ちらちらと見ながらドキドキしてしまうナツミであった。
(ふふ…男の子の食べる顔って、可愛いな…やっぱり城島君のこと……
好きなんだな、私。でも………まだ、好きだって言ってない…今日は…)
「?どうした、今岡?もしかして焼きそば食いたい?」
「………違う」
シンジ君、本日2度目のムードぶち壊し。
「今岡、しかし立派な城つくったな?ガキの頃とかこういうの良く作ったけど……」
「………城島君がなかなか帰ってこなかったからね………」
(!?あれ……今岡…怒ってる?)
「じゃ、じゃあさ!これ食ったらビーチボールで遊ばないか?」
「………うん………」
ちょっと不機嫌そうに答えるナツミだが……
「え〜〜〜い♪ア〜〜〜ターーーック!!」
「おお!ちょ、ちょい今岡!」
「へへ…だらしないゾー?城島君!」
運動神経抜群のスポーツ少女・ナツミである。
始まってしまえば、上機嫌でシンジと遊びまくるのであった。
「そーーーーれ!もういっちょ〜〜〜!!!」
――――楽しげにふたりは体を動かし、やがて日が暮れようとしていた。
§
532 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:05:40 ID:Nw0XJvno
「………すごいね、城島君」
「ああ…………」
その日の夕暮れは――ただの日常なのかもしれないが――とてつもなく大きくて、キレイだった。
「海辺に家とか建てたら……毎日こんな夕暮れ見れるのかな……」
「ねえ……城島君、この前も聞いたけど…家庭を持つとか……そんなこと、考えたりする?」
「?ああ……たまにそんなこと考えたりもするけど…それどころじゃないよ、
だってその前に彼女もいないんだし」
「ねえ……それ……私じゃ、ダメ?」
「え?」
「私が…いるよ、小久保君」
ナツミがじっとシンジを見つめた。そう、今日一日シンジとずっと一緒にいて気付いたこと……
(私は…城島君が好き。たとえ……進路が違っても…別々になんて、なりたくない…)
「今岡……でも、カズヤはいつもはあんなにオチャラケたこと言ってるけどさ、
本当は…マジでお前に惚れてるんだぜ?」
「……知ってる」
気付いていた。セクハラ・変態・最低発言の数々を繰り返してきたカズヤが、
本当は自分のことを―――誰よりも、好きでいてくれることを。
子供っぽい気持ちの裏返しで――自分に、つきまとっていたことを。
「俺……俺、ズルかもしれないけど…カズヤとも今岡とも友達で……いたいから……」
「イヤだよ…城島君」
「………」
「カズヤの気持ちはね、私も……気付いてたんだ。でも……残酷かもしれないけど……
私を好きになってくれる人と、私が好きになる人は……違うの……」
「今岡……俺……」
「嫌い?城島君は、私の……こと」
「……嫌いなわけ、ないだろ?だけど……」
「私は……好き。もう……どうにもならないくらい…あなたが、好き」
「今岡………」
"ちゅ……"
シンジはそのまま…ぎこちなく、ナツミと唇を重ねた。
夕暮れの海のひんやりとした匂いと、ナツミの少し甘い香りが混じって……鼻腔をくすぐった。
「わかんねえな……」
少ししてシンジが唇を離すと、苦笑しながら首をひねって言った。
「……なにが?」
「……なんで、俺なんだ?今岡くらい美人で明るくて頭良けりゃさ、
言い寄ってくる男なんていくらでもいただろ?」
「………女の子に、一番しちゃいけない質問だよ、それ」
「?そうなのか…わりい」
「ふふっ…私ね、これでも確かに結構モテるんだよ?でも、しょうがないじゃん。
城島君のことを好きになっちゃったんだから」
「…ありがとう。ま、それが一番わかんねーんだけど…」
「そういう…鈍くて、優しくて…ちょっと冷たいところかな?好きになったのは」
「ほとんどほめてねーぞ、ソレ…」
もう一回苦笑するシンジ。
「ねえ…城島君?少しだけど…花火持ってきたんだ…しない?」
「……準備いいな、今岡は」
「へへ…ライターもあるし、水はさっき飲みほした紙コップに入れとけばいいよね?さ、やろ!」
気がつけば、日はすっかり暮れてしまっていた。少し寒いので……水着から、服に着替えた。
"ぱちぱち…パチ…"
花火の光が、ふたりの横顔を照らしていた。
「……」
「………」
ふたりは、かがんだまま…無言で花火の光を見つめていた。
「今岡……明日から、学校だな…」
なんとなく、会話の糸口を見つけ出せなかったシンジがやっと口を開いた。
§
533 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:06:43 ID:Nw0XJvno
「うん………」
「明日から……多分、今までの俺たちとはちょっと違うかもしれないけど…
でもさ、その……みんなに内緒ってわけじゃないけど…」
「ふふ…わかってるよ?それに受験生だもんね、一応私たち。…そんなにチャラチャラできないよ」
「うん……」
"パチ…ぱち"
最後の花火の火種が落ちた。ふたりは、星と月の明かりしかない夜の中で――
また、無言で見つめ合っていた。
「……そろそろ帰る?今岡?」
「………」
……なにも答えずにシンジを見つめていたナツミだったが、ゆっくり近づくと……
"ちゅ…"
強引に、唇を重ねた。
「ねえ……城島君」
「……なに?」
"ぐっ……"
ナツミはシンジの手を取ると―――キャミワンピの中へと、導き入れた。
「い、今岡?」
「…………」
なおも無言のまま……さらに奥へとシンジの手を誘うナツミ。
"ふにゅ……"
「え?ええ?」
ナツミは、下着をつけていなかった。シンジの指からは、
しっとりと汗ばんだナツミの肌の感触と……柔らかな、乳房の感触がダイレクトに伝わってきた。
「今岡…お前…」
「夏の…最後の…ふたりの…高校生最後の夏なんだよ?城島君」
「……」
「私……思い出が、欲しいの……」
そう言って、ナツミはシンジに抱きついてきた。
「今岡…でも…こんなところで……」
「いい…私…城島君なら…今、ここでも……あの…それでね、城島君?」
「な、なに?」
「えっと…決まり文句かもしれないけど…は、初めてなので…優しく、お願いします」
「!!!は、はい!こ、こちらこそ……よろしく!」
「じゃ……あっちの岩陰で……」
日中もガラガラだったが、既に砂浜ではふたり以外の人影をみつけることが困難なほどだった。
それでもふたりは、周りから見えないよう岩場へと手をつないで移動した。
"ちゅっ…ちゅ……"
岩場の陰に着き、何度も何度も唇を貪るような激しいキスを繰り返すふたり。
「今岡………」
シンジは、震える指をキャミワンピの裾の中へと入れ、太腿をくすぐるように……撫でた。
「はあ…んっ…」
敏感に、愛撫に応えてしまうナツミ。
"す……"
シンジの指が、すこしづつ上昇する。
"じゅり……"
(!今岡、お前…下も…)
指に触れた陰毛の感触に驚くシンジだが、ナツミは悪戯っぽく微笑むと、ぺろり、と舌を出した。
「へへ……ヤる気満々って感じで…引いちゃった?城島君?」
「……いや、そんなことも…ないんだけどさ……」
(むしろその……逆にソソられるっつーか……えっと…OKってことだよな?)
"ぐに…ぐに…する…"
「あ……ふ………」
シンジはナツミのそこの周りの肉を揉みほぐすように…
ときに、裂け目のあたりを軽くこするように…愛撫を続けた。
§
534 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:07:42 ID:Nw0XJvno
"くちゅ……"
「あ!」
(………もしかして…もう濡れてる?今岡……)
指を、ナツミの中に入れた。そこは……明らかに、ねっとりとした蜜が溢れ出していた。
"つちゅ…くちゅ…"
軽く円を描くように……かきまぜるシンジ。
「ん……ねえ……じょうじ…あん…城島…くぅん…」
「な、なに?」
「あの……そろそろ…レジャーシート敷いて……それで……脱がせて……」
「あ、ああ…」
ナツミの言葉通りレジャーシートを敷き、腰を置くふたり。再び見つめ合い、抱き合った。
シンジはそのままキャミワンピのストラップをずらし……ゆっくりと、ナツミを裸にした。
"ふる……"
(うわ……その、なんていうか……)
星の光に照らされたナツミの裸体を食い入るように見るシンジ。
―――美しかった。ただ大きい、というのではないまん丸な美乳、
そして少し大きめの乳輪にアンバランスな小粒の乳首。
思っていたよりもずっと細い肩からなだらかな曲線を描く二の腕、それにきゅっと締まったウェスト。
腰回りはそこから連続しているとは思えないほど、ふくよかだった。
日焼け止めは塗ったものの、ほんのりと日焼けしたところから……
真っ白な乳房や陰部が光を受け、浮き出るようにシンジの目には映っていた。
「あの…城島君も……脱いで……」
「あ、ああ…ゴメン」
そのまま呆然としていたが、ナツミの声にやっと我に帰るシンジ。
Tシャツを脱ぎ、短パンとトランクスを脱ぎ捨てると……再びゆっくりと唇を重ねた。
"ちゅ…ちゅ"
お互いの髪や耳たぶをいじりながら……唾液を吸い出すようなキスを続けるふたり。
「今岡……」
シンジが、ナツミの首筋に舌を這わせた。
「あ?……きゃん…」
「まだ……俺、言ってなかったよな?好きだ……付き合って……下さい」
「?は、はい!……でもこんなときになって言うなんて……
もう…絶対断れるわけないじゃん……反則だよ、城島君……」
「……まあ、確かにな」
くすくすと、笑いあうふたり。ひとしきり笑うのを終えると、シンジは顔を伏せ、
ナツミの乳房と肩の間にある小さなくぼみに唇を押し当て、強く吸った。
「あ…ダメ…やめて、城島君…そんなことしたら…あとになって残っちゃう……」
「しるし、だよ……今岡」
「……しるし?」
「俺の……恋人だっていう……今日、ふたりがそうなったていう……しるし」
「………」
シンジの言葉を聞くと、ナツミはそのまま沈黙した。
"ちゅ………ちゅぱっ…"
シンジがやっとそこから唇を離すと、そこは赤い唇の形が残っていた。
そのままシンジはナツミの乳房に手を触れた。
「あ!……いた………」
「?ゴメン…強かった?」
「ううん…ちょっと日焼けのあとがね、動いて…ひりっとしたっていうか……」
「あ…そっか。なるたけ……そっと、優しくするな?」
「う…うん…」
"ちゅ……ふにゅ……"
乳房にキスをしたまま、ゆっくりと、優しく揉むシンジ。思ったよりそれはずっとひんやりとしていた。
ナツミは身体をよじると、シンジの首に腕を巻き付けて唇を求めてきた。
"ちゅ…"
シンジはキスをしながら、太腿のつけ根へと指を滑らせた。
§
535 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:08:55 ID:Nw0XJvno
シンジの指の動きにあわせ、びくんっ、とナツミの腰が跳ねた。
「ふ―――っ、はぁ………ん」
ナツミは首に巻き付けた腕に力を込め、苦しそうに息を吐いた。
「今岡……力、抜いて……」
"ちゅる〜〜〜〜"
シンジは舌をゆっくりと乳房から腹へ………臍へと這わせながら移動させていった。
「はぁ―――ぁ、ん……んんぅ……」
深い息を吐きながら、シンジの愛撫に応えるナツミ。
"ちゅっ"
「!きゃ……きゃあッ!!!」
脇腹に軽く一回キスをすると、ナツミは悶えながら鋭い叫び声をあげた。
「へへ……ココ弱いんだよな、今岡は……」
「もう……意地悪しないでよォ………城島君」
「わりい…あんまり今岡が可愛いから、ついちょっとイタズラしたくなって……」
とろん、とした目で抗議するナツミに謝ったシンジは、再びナツミの腹に舌をつけると……
彼女の最も深い……そこへと舌を移動させようとした。
「あ……そこ……ダメ……」
慌てて両手で隠そうとするナツミだが、シンジは無言で顔をそこへと突っ込んだ。
「ダメだよォ……汚いよ……そんなとこ……」
「大丈夫………まかせて……」
シンジは目の前に広がるナツミの陰部を至近距離で眺めた。
黒々とした陰毛が生え揃っていた。今日のちょっと大胆な水着を着るためだったのだろう、
丁寧に逆三角形に整えられたその生え際は、逆に卑猥な妄想にシンジを駆り立てた。
(ここ……今岡…風呂とかで…剃ったのかな…)
妙にリアルにその場面を思い浮かべたシンジは、ごくり、と生唾を飲むと
より顔を近づけ、陰毛をかき分けた。ほんの少し……甘酸っぱい匂いがした。
「だ、ダメ…それ以上は…恥ずかしい…」
真下の裂け目はぴっちりと閉じられ、さきほどの指撫による蜜がこぼれたあとがあった。
"くにゅ……"
「あ!」
シンジが両の人差し指で、ナツミのこぶりな陰唇をそっと左右におし広げた。
夜の闇の中でも、そこは可愛らしいピンク色をたたえていた。
柔肉の内側は少し光沢を帯び……奥には、小さな花弁に囲まれた悩ましい膣口があった。
"ちゅ…ちゅるっ……"
たまらず、吸い寄せられるようにシンジがそこに舌を這わせる。
「!はあッ……やめ……ダメ……城島君……」
ナツミが拒絶の声をあげ、きゅっと内腿でシンジの頭を押さえつけるが、
ナツミのそこはぷるぷるとシンジの口撫に応えるように細かく震えていた。
そして淡く――汗と脂の入り交じった、こもったような香りがさらに強くシンジの嗅覚を刺激する。
ゆっくりと裂け目に沿って舌を這わせると、そこからあたたかな蜜が溢れ出てくるのがわかった。
少し……酸味があった。
"くちゅ…ぷっちゅ…"
シンジは夢中になってナツミのそこを舐め続けた。
「ん………ふわぁ……」
もう彼女も小さな呻き声をあげるだけで拒む様子はない。
"とろ……"
ナツミのそこからは、後から後から蜜がわき出してきた。
"ぐぷッ!……くちゅ、ちゅく"
「きゃ?きゃあッ………」
シンジは思いっきり舌を伸ばし、中に舌を入れて舐め回し始めた。
驚いたような声をあげ、思わず腰を浮かせるナツミだが、
シンジは舌で中をかきまわし、ゆっくりと内側の両襞を沿わせるように舐め続けた。
「は―――ふぅっ……んっあ……ああああん…」
ほとんど泣き出してしまっているナツミだが、シンジからは見えない。
"つ〜〜〜〜〜〜〜〜"
§
536 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:10:36 ID:Nw0XJvno
そのままゆっくりと舌を裂け目の上部にある、包皮の出っ張りへと移動させた。
「ふあ!ああ…………」
その下には、ツヤツヤとしたややおおぶりなクリトリスが既にツンと勃起して顔をのぞかせていた。
"つちゅるっ……じゅる…ぷる"
「!??ああッ……やめ………そこは!だ、ダメぇぇぇ!」
シンジは最初そこを舌の先で転がすように舐めた後……音をたてるように吸いだした。
ぶるぶる、と全身を震わせてシンジの口撫に反応してしまうナツミ。
「可愛いし……キレイだよ、今岡…………」
"ちゅ……とろぉ〜〜、ちゅ……"
シンジはひたすらそこを舐め続けた。熱い蜜は枯れることがないように流れ続け、
いつの間にか少し白っぽい、粘り気を持ったものに変り始めていた。
(……?あ……!あ!ダメ…ダメ)
「んッ……じょ、城島君…ちょっとやめて…私…私…」
なにかの予兆を感じ、慌ててシンジに声をかけるナツミだったが、
シンジはその声にまるで反応しようともせずに舐め続けている。
"ちゅっつ…ちゅる……"
「お願い……もう……私……ち、ちょっと…あ!!!!ふぁあん…わぁああッん!!」
"ぷしゅッ………"
ナツミのそこから、大量の液体が溢れ、跳ね飛び出してきた。
"ぴゅ……ぷッ…ぴゅしゅっ…"
たっぷりとそれを顔に浴び、シンジは驚いてその体勢のまま固まってしまっていた。
(え…ええ?コレってもしかして……潮吹きって奴?)
AVで既に散々予習済みだが、初めて生で見る女体の反応に感動するシンジ。
「あ……あ……ヤダ…ごめんなさい、城島君……」
「?って、な、なにが?」
「だって私…今……城島君の顔に………私…お、おしっこ…かけちゃった…」
潮でべとべとになったシンジの顔を見て、顔を真っ赤にして謝るナツミ。
どうやら彼女にはそうしたことに対する知識があまりないようだ。
(可愛い………)
普段の強くてしっかり者の彼女からは想像がつかないほど顔を赤くして恥じらい、
照れながら謝るナツミを、シンジはどうしようもなく愛おしく感じてしまっていた。
"ぎゅっ"
「じょ、城島君?」
シンジが、ナツミのからだをしっかりと抱きしめた。
「おしっこじゃ……ないぜ、コレ。匂いもちょっと違うし」
「え?」
「まあ一説によるとそれとほとんど一緒の成分だとか言う人もいるらしいけど。
女の人の体質にもよるんだけど、その……気持ち良くなってイッちゃうと、
さっきみたいにああいう液体を漏らしちゃう人もいるらしいんだよね…」
「!じゃあ…私……これから城島君とエッチするたびにあんな風に漏らしちゃうの?」
「……いや、それは……わからないけど……」
「ふうん……でもやけに詳しいよね、城島君」
ちょっと疑わしげな目を向けるナツミ。
「……言っとくけど俺も童貞ですよ。耳学問、耳学問……」
なんとなく拗ねたような、不機嫌そうな表情のナツミだが、そこはそれ、
先ほどのしおらしい彼女を見てしまったシンジにとっては逆に可愛く思えたり。
「今岡?」
「…なに?」
「あのさ、そろそろ…いいかな?」
「!」
シンジの指が指し示したのは、既に勃起しきったペニスだった。
「……う、ウン……あの……優しく、だよ?忘れないでね?」
「わかった…じゃ……今岡、肩の力抜いて……」
「はい……」
ナツミの脚を開き、シンジは下半身を割り込ませていった。
§
537 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:11:31 ID:Nw0XJvno
既に先走り汁で鈍く光るペニスの先端を、先ほどの愛撫で既にべとべとになっている
ナツミの裂け目の先端にちょこん、と触れさせて軽くこする。
"くにゅ……"
「「ふ……ふぅ――――」」
ふたりはなぜか同時に、覚悟を決めるかのように深く息を吸い込み……大きく息を吐いた。
「じゃ…じゃあ…いくよ?」
「う…うん。来て…城島君……」
わずかに、ナツミが身体を強ばらせた。シンジは……何度かためらいながら、
彼女のぬくもりと感触を確かめるように……ゆっくり……入っていった。
「ひあッ!ああッ!」
まだ浅い進入だが………涙を流し、悲鳴をあげるナツミ。
(えっと……確か処女のときはゆっくりより…一気に挿入するほうが良いって話だけど…)
……どこからそんな知識を身につけたのか(まあ言うまでもないだろうが)、
記憶をたどってそう思うものの、目の前で苦痛に顔を歪めているナツミのことを見てしまえば、
それを実行する勇気などシンジには無いわけで。
「えっと……大丈夫?今岡?」
「う……痛い。裂けちゃいそうなくらい痛いけど……なんとか……だい、じょう、ぶ……」
(表情は……全然大丈夫じゃないんだが……)
ナツミの様子を心配するシンジだが、いまさら中断することなど生理的にできるはずもなく。
「あのさ……ちょっとこのままで……いようか」
「う…ウン…お願い……」
"さぁぁぁぁ……"
ふたりの耳には、静かな潮騒の音が響いていた。
(……!?わァ……すごい星空……)
涙を流しながら痛みに耐えていたナツミだが、ふと目を開けると……
そこには、満天の星空が広がっていた。
(城島君だけじゃなくて……私……夜空の星にも抱かれてるみたい……)
日中に思ったことを―――ナツミは、思い出していた。
(………痛いけど……ずっと……このまま城島君と抱き合っていたい……)
少しずつ…少しずつ、自分の体温があがり、火照ってくるようにナツミは感じていた。
「……今岡?」
「あ……ゴメン、城島君……もう、大丈夫……一緒に……いこ?」
まだ涙を目尻に少し残しながら……にっこりと、ナツミが笑った。
(今岡……可愛い……)
"ちゅ……"
シンジは、一回ついばむようなキスをしたあと……そっと、挿入を再開していった。
"ぐ…ずるぅっ〜〜〜〜〜"
膣口が押し広がり、シンジのペニスは亀頭から予想外にスムーズに呑み込まれていった。
「!ア……うぅん……」
ナツミは小さく呻き声をあげ、顔をのけぞらせて眉を思いっきりしかめた。
「もう…大丈夫?」
「う、ウン…多分。まだ痛いけど……さっきみたいに……
カラダをまっぷたつにされるみたいな痛みじゃ……ない……」
(さっきは……そんなに痛かったんだ……)
心が痛むシンジだが、その原因は間違いなく自分にあるわけで。
(でも……俺……もっと……今岡とつながりたい)
シンジは罪の意識にかられながらも、根元までペニスを押し込んだ。
"ず……ずぶぅ……"
「入った……今岡……入ったよ……」
「……本当?」
「うん……今岡と俺……つながってる……」
ナツミも……おずおずとだが、両手を回してシンジにしがみついてきた。
ナツミの中は熱く、ぐいぐいとシンジのペニスを締め付けていた。
(うあ……気持いい……こんな……感じなんだ……)
シンジは腰を動かすことも忘れ、ナツミの中の感触に酔いしれていた。
§
538 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:13:42 ID:Nw0XJvno
「あの……城島君?」
「あ……ああ、じゃ、じゃあ…動くよ?今岡」
「ウン……」
"ずッ……ぐずッツ……じゅずッ"
(あ……ああ……すげえ……今岡の中……すげえ…やらかくて…)
「く……う―――ッ、うう……」
ナツミは小さく堪え忍ぶような声を漏らし、甘い息を吐いていた。
"く…ちゅ、くちゅ…ずッ"
小刻みにシンジが動くたび、ふたりのつながったところから淫らに湿った音が漏れる。
"む…ふにゅ……"
シンジはそれまでよりもう少し、からだをナツミに押しつけた。
柔らかな乳房の弾力を自分の肌に感じ、思わずそのまま乳首に口づけていた。
"ちゅるッ……こり…"
吸い付き、それからたっぷりと唾液を含んでから甘く噛んだ。
「ひ……ひゃ…ああッ!」
すっかり上気し、薄桃色になった肌を波打たせるようにナツミは喘いだ。
"くちゅ!…りゅ…ぬ〜〜〜っ、ぐちゅ!"
シンジのピストン運動はもう遠慮の無いものになっていた。陰毛と陰毛がこすれ、絡まる。
そしてナツミの中は、きゅっきゅっと収縮しながらペニスを心地よく締め付けていた。
「あ……うッ……あの…今岡、俺……もう……」
「!……じょ、城島君……ゴメン、最後は……外で……」
「う…うん、分ってる……」
「それで……あの……悪いんだけど……」
ナツミが、ひどく恥ずかしそうに……口ごもった。
「どうした…?今岡?」
「あの……男の子の……最後って、どんな風だか…見てみたいの……出るところ……見せて?」
「?!?え?」
……知識は無いとは言え、好奇心はそれなりに有るらしい。
「わ…わかった……でも、そんなたいそうなモンじゃ……」
「おねがいね……城島……あッ…くん…」
"ぐ…ぬぷ〜〜〜ッ、ずッ!"
「あ……ああッ、出る…出るぅッ!!!今岡あ!!」
"ずるッ"
シンジはペニスをナツミの中から引き抜くと……彼女の胸あたりまでそれを持ってゆき、
思いっきり射精した。
"ぶッ……どプッ……"
(ううむ……AV男優ってこういう気持ちなのかしら……)
……考えることはそれか、シンジ。
(わ……こんななんだ……)
"ぴゅっ……びゅる……"
ナツミは、自分の乳房の上に吐き出される、青い精を……興味津々で見守っていた。
"ぬる……"
そのうちの一筋を、ナツミは指でたどって集めた。
「お、おい今岡?」
「ふうん……これが、本物の『せいし』なんだね……あったかくて…ぬるぬるして…
白く濁ってて…へえ……」
指についた精液をちゅるちゅると弄ぶナツミ。その様子を見ながら、なぜか気まずくなるシンジ。
"ぺろ……"
「い、今岡!」
ナツミが、突然それをぺろり、と舐めた。
「!にっが〜〜い!これ、まずいね……」
「……そうなの?」
「?自分のって飲んだこと無いんだ?」
「飲むかああああああ!」
ナツミにも実はボケ役の素質があることを発見したシンジであった。
§
539 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:14:30 ID:Nw0XJvno
「ふう……じゃあ、そろそろ帰ろうか?終電なくなっちゃうぜ……」
身支度を整えたふたりがようやく立ち上がった。
「そうだね……ふふ、し・ん・じ・君!」
「?突然どうした、今岡?」
「そう言えばさ、昔は名前で呼んでたんだよね、君のこと……
今日からまた名前に戻すよ?」
「?……別に……いいけど……」
「そ・れ・と!彼氏と彼女なんだから、腕組んで帰ろ?シンジ君!」
「……?それも……別に、いいけど?」
幸せいっぱいのナツミと、相変わらず激ニブのシンジだったが……。
「ひゅ――ッ、見せつけてくれたねぇ……オタクら……」
岩陰から、人相の悪い3人組が現れた。
「なかなか激しかったけど……次は、ボクらも楽しませてくれるかな?お嬢さん」
ヘラヘラと笑いながら、一人がナイフを取り出す。
――――だが、シンジとナツミは表情を動かさないままだ。
いや、シンジはなぜか心配そうな表情を浮かべると、その男達に向かって言った。
「……悪いことは言わない。諦めて今すぐここから逃げた方がいいぞ?」
「ぶッ!はははは、正義の味方のつもりかよ、彼氏?」
「ぎゃはははは、お前、ビビってワケのわからない……え?」
爆笑していた男は、信じられないものを見た。
女が、突然音もなく忍び寄ると……
"ゴ……………ブンッ!!!!!!!!!!!!!"
仲間の一人の顎に、凄まじい早さでアッパーカットをお見舞いしたのだ。
そして文字通り弾け飛ぶように、その男は何メートルも向こうに転がっていった。
「せっかくの…初体験だったのに……最高の……思い出になるはずだったのに……」
"ゴゴゴゴゴゴ………"
女の背中からは、男達が今まで感じたこともないくらいの圧迫感が炎のように吹き上がっていた。
「お〜〜〜い、今岡ぁ〜〜〜〜〜、そいつらはカズヤと違って、
ふつうに死ぬと思うから、あんまりやりすぎると過剰防衛に………」
のんびりとナツミにシンジが声をかけた頃には時既に遅く……。
二人目が、ナツミの強烈なボディブローを喰らって崩れ落ちようとするときだった。
「が……がは……」
"ズバアアアアン!!!!!!!!!!!!!"
そのまま、容赦無くナツミのスマッシュが男の顔面めがけて打ち落とされた。
「@あ………あ………」
完全に白目を剥いた男は、砂浜に頭から杭のようにして打ち込まれていった。
「ひ!ひいいいいいッ!化け物……た、助けて……」
完全に戦意を喪失した最後の男は、武器のナイフも放り投げて逃げ始めた。
「逃がすかァァァァァァァァァ!」
完全に武神と化したナツミは、夜空を跳ぶようなとてつもないスピードで男を追いかけていった。
「まあ……浮気だけは、絶対に厳禁ってことだよな………てゆーか、確実に死ぬし」
シンジは……なぜかごく普通の表情で呟いていた。
£
次の日、この砂浜で頭を残して全身を埋められ、瀕死の重傷を負った三人が発見された。
地元でも札付きの不良として知られていた三人だったが、発見当時は錯乱しており、
「悪魔が……鬼神が………襲ってきた……」
「女の姿をした……化け物が……」
「死ぬ………」
と、なにがあったのかさっぱり分らないことをうわごとのように繰り返していたという。
………当然、その犯人は発見されることはなかった。
END
540 :
郭泰源:2005/10/10(月) 22:15:51 ID:Nw0XJvno
以上……ああああ、一人で34KBも使ってるし!!!
今度は短めで実用性の高いの目指します。……できたらいいな……。
タイトル:「もう一つのサマータイム・ブルース」でお願いします。>>古田捕手。
郭泰源氏GJ!!
オチにワロスw
いや長くても良いと思うのは私だけかな? ナツミ良いねぇ〜 なにはともかくGJでした。
作品が面白ければ長くても全然苦にならない、というかむしろ楽しめますよ
とにかく郭氏GJ!!
ナツミ可愛いしオチも笑わせてもらいましたwww
郭氏GJ!!
今岡カワイス&コワスw
荒さがしみたいで誠に申し訳ないのですが…
>>「私が…いるよ、小久保君」
今岡、今日一番の勝負どころで痛恨のエラーをかましております
それでもGJ!!!!!!!!!!
545 :
郭泰源:2005/10/10(月) 23:03:44 ID:Nw0XJvno
>>544氏
のわわわわあ―――ッ!!!!
ご指摘のとおり。ああ…完全なエラーです。修正願います>>古田氏
小久保君→城島君
(土下座)
郭氏GJです
今岡かわいいよ今岡(*´д`*)
郭氏ナイスピッチGJ!
今岡ァァァァァー!
548 :
誰かわかる?:2005/10/11(火) 00:25:38 ID:rXS/o+nl
カズヤ「今岡をモチーフに愛の詩を綴りたいにゃー」
夢の中で嬢ちゃんに いろんな事をしたい 夢を見た
じゃが 嬢ちゃんは 追いかけても 追いかけても
通常のザクの 3倍のスピードで 迎撃してくる
目覚めると隣には仏頂シンジ 飯を食いつつこう言うの
『お前ってどうやったら死ぬんだ?』
ミサキを目薬飲ませて眠らせた後、座薬入れて縛った上で放置したい
>>古田氏
更新、お疲れ様です。
>>ナット氏
アヤナが凄く可愛く感じた作品…良かったですGJ!!早く続き読みたいですね。
>>郭泰源氏
お疲れ様でした。
じっくり読ませていただきました、GJ!です。
特に、今岡の初体験シーンは感動しました!最高。
アイとリョーコ登場シーンですが…俺は、無い方が良かったかなと思いました。此処のシーンで間延びした感じがしました。
最後のオチ、今岡の怒りが炸裂で不良を再起不能したシーンがもうワロタw
新作を楽しみにお待ちしています。
↑
>83 117(´_ゝ`) 2005/09/20(火) 13:22:20 ID:Ujhx23ew
>エロパロだけど、エロが全然ありませんからw
>普通の妄想SSつまんねーよww
>リアル房だらけだな氏家スレはw
本スレやハヤテスレでここの悪口言いまくってる馬鹿が来ましたよ
ここの住人は優しいし誰も言わないだろうから一応言っておくよ
雰囲気悪くなるからもう来んな、クソ野郎
朝までかかってまとめて読んだ今日仕事休みの俺が来ましたよ
>乖離氏
リンコカワイス!マナカもいい味ですGJ!
>ピンキリ氏
お疲れかもだけどテンション保って頑張ってくださいGJ!
>ナット氏
アヤナとマサの今後にドキドキGJ!
>郭泰源氏
さすが!今岡いいよ今岡GJ!
郭氏GJ!!!!なんだけど、せっかくだから感想も書こう。
あいかわらずクオリティは高いけど、今回は特に伏線を張りすぎてて
読みながら少し疲れました。具体的にはナツミが脇腹をくすぐったがるところとか、
ナツミがシンジとふたりっきりになって感動する部分とか。
うまく言えないけどいくつものSSをつなげた感じがして。まとまり感が書けているような気がスル。
そろそろ肩の力を抜いた郭氏のSSを読みたいところ。
>もうね、ネタさえ有れば分量は無駄に書けるんですよ。
>最近は上手くそれを削ぎ落とすコトの方が大変で。
前職人の憧れですよ、それを郭氏が書くと嫌みにならないw
保管庫数えたら一年で40SS書いてる=ほぼ週一書いてる
エロマンガの原作者として食ってけますよw読者リクエストもすぐ答えるしw
伏線ありで次回はキョウコとカズヤでキボンヌ
そこで4P
古田氏保管庫更新乙です!
今週号はもはやこのスレのための回としか思えん。
性感帯テラエロス
氏家、518氏から拝借してそう・・・
ナイナイ
・・・と断言もできない。
だって否定する要素もないし。
性感帯がくるとはな……重宝されますな
アヤナ 耳
リンコ へそ
ミサキ 首筋
アイ 内腿
リョーコ 豆
しかし中村先生、豆って…。豆か〜。さすが少年漫画
少年誌でそこを意味する言葉をかける氏家って・・・・
つまり神と
痴女
氏家ト全あってのこのスレなんだから神には違いない
酔っ払って寝ている今岡をレイプすカズヤマダー
569 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:10:14 ID:T5viEu4Q
こんばんわ、白帯侍です
前回のマサヒコ×アヤナの続きです
エロも入れてみましたが正直かなり微妙です。もっと勉強しなければいけませんね
目を通していただいたら幸いです
それでは「Warp 夢と現と」、投下します
570 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:11:13 ID:T5viEu4Q
(それ以上は・・・・言わないで)
何でだよ・・・
(はあ・・はぁ・・・ん・・・ありがと・・・)
何がだよ・・・
(今日は来て良かった・・・それじゃあね、小久保君)
これで終わりなのかよ・・・若田部・・・
目を開けると、しみがよく目立つ天井があった。
むくりと上半身だけを起こす。
普段はまた少し眠りにつくのだが、先ほど見てた夢のせいか、そんな考えは微塵もおきなかった。
(随分久しぶりだな、この夢見るの)
やはり昨夜若田部が来たせいか、とマサヒコは思った。
「それにしても・・・元気だな、お前も」
自分の下腹部に山があるのを感じて、マサヒコは苦笑した。
あんな夢だったのに・・・まだまだ俺も若いってことか。
ベッドの中で男として当然の生理現象が治まるのを待つ。
股間の怒張が静まると、マサヒコはシャワーを浴びるべく、タオルを持って浴室へと向かった。
熱いシャワーを頭からかぶる。
寝起きのだるい身体に、だんだんと熱が広がっていく。
いつもは眠気を覚ますためにやっていることなので
もう眠気がないマサヒコにとって、ただ熱い思いをするためだけの行為だった。
ほとんど惰性でやっていることに気付いたマサヒコは、自嘲気味な笑みを浮かべる。
今思えば、高校生でいた頃もある意味同じようなものだったのかもしれない。
学校に行き、勉学に励み、友人とくだらないことで笑い合い、そして疲れた身体を休めるために眠る。
毎日同じ事を繰り返す日々。
それが悪かったわけではない。
仲の良い友人もいたし、落ちぶれることもなかった。
それなりに満足できる生活をしていた。
しかし・・・・中学時代の頃を思うと、途端に高校での出来事は実に空疎なものだった。
中学の頃の1日1日は、良くも悪くも毎日満たされていた。
アイがいて、ミサキがいて、リョーコ、リンコがいて。
そして・・・・
蛇口をひねってお湯を止める。
自分の身体から汗と一緒に、夢の余韻まで流れていったような気がした。
571 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:11:56 ID:T5viEu4Q
遠い昔の記憶。
実際は3年ほどでしかないのに、マサヒコはあの時のことを思い出すときは古い映画を見ているような気分になった。
あの頃は、良かった。
こういう表現を使うと年寄りくさいなと彼は思ったが、やはりそう思わずにはいられなかった。
それなりに、いや、かなりドタバタしていて毎日疲れが溜まったが、同時に毎日が充実していた。
いつまでもあの居心地がいいあの時間が続くと思っていた。
しかし、そんなことは叶うはずもない。
人はそれぞれ違う道を歩いている。
自分たちの出会いもその道が少しの間交わっていただけにすぎない。
だから別れが来るというのは必然のことだった。
あの日の別れも、数ある別れのうちの一つだった。
あれはアヤナの渡米まであと数日、といった日であった。
「小久保君、私を抱きなさい」
部屋に入るやいなや、開口一番に少女はそう告げた。
ベッドに寝転がりながら本を読んでたマサヒコは思わずベッドから転がり落ちる。
(あいつら・・・・・)
マサヒコの脳裏に自分達の家庭教師である女性の顔が浮かぶ。
マサヒコは一度大きく息を吐いて、扉の前に仁王立ちするアヤナを見た。
「何からツッコめば言いのやら・・・」
「!! い、いきなり、突っ込むって!馬鹿っ!!」
マサヒコの言葉に勘違いした少女は顔を赤らめながら目を背ける。
「ちちちち違うっ!!そーいう意味じゃない!!」
予想外の反応にマサヒコはひどくうろたえる。
「じゃあどういう意味だっていうのよ」
自分の言葉がおかしいとは思わないのかとマサヒコは言おうとしたが、
プライドの高い彼女がこのような発言を聞けば激昂するのではと考え直し、取り合えずその言葉を飲み込んだ。
「中村先生に何言われたんだよ」
「はぁ?どうしてここでお姉様の名前が出てくるのよ」
「だっていきなりそんな・・・・」
「いきなり?じゃあ前もって私を抱け、とでも言えばよかった?」
「そういうことじゃ・・・・」
「何か文句があるならはっきり言いなさいよ」
マサヒコの気遣い空しく、アヤナはひどくご立腹だ。
そんなアヤナにマサヒコはただ閉口することしか出来なかった。
572 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:14:14 ID:T5viEu4Q
「もう!はっきりしないわね」
マサヒコの煮え切らない態度に怒ったアヤナは、上着に手を掛けようとした。
はっとしたマサヒコは、慌てて立上がりその手を掴んだ。
「ちょっ、何してんだよ!?」
「何よ!男のくせに意気地ないわね!」
「む・・・」
なんとか彼女を宥めようとしていたマサヒコだが、流石にちょっとカチンときた。
大体何故いきなりこんなことになったんだ?
自分はこの少女に罵られなければいけないんだ?
理不尽だと思う気持ちが身体を熱くした。
「きゃっ!」
マサヒコはアヤナの肩をつかみ、壁の方へ押し付けた。
アヤナはマサヒコの手から逃れようとするが、男の力に敵うはずもない。
少しでも自分が男で、こんなことも出来るということを思い知らせてやりたかった。
マサヒコは一度大きく息を吐く。今度はこっちが問い詰める番だ。
「お前な・・・」
のど元まで言葉が上がってくる。
が、その言葉は舌の上で転がって、外に出ることなくそこで消えた。
マサヒコは今日初めてまともに見た彼女の瞳を見た。呼吸が無意識に止まる。
マサヒコの動悸は、少しずつ高くなっていった。
「若田部・・・」
(それがさっきあんなこと言ってたやつの目かよ・・・)
複雑な思いが入り混じっている目だった。
不安、哀愁、怯え、懇願。
いつも彼女の目に宿っている力強さは見る影もなかった。
「ごめん・・・」
マサヒコはどうしようもない罪悪感に苛まれ、アヤナの肩を放した。
やたらと胸が痛む。この場にいるのが苦しい。
アヤナは怒鳴ることもなく、泣き喚くこともなく、ただ彼を弱々しい眼差しでにらみ続けていた。
シャワーを浴び終えたマサヒコは、腰にバスタオルを巻いて居間へ入っていった。
誰も部屋にはいないのだが、隠すところは隠さないのと落ち着かない。
冷蔵庫から半分程中身が残っているミネラルウォーターを取り出して、一気に呷る。
火照った身体に、キンキンに冷えた水が流れ込んだ。
喉を通っていく冷たさが心地いい。
マサヒコはペットボトルはあっという間に空になった。
そこらに放り捨てようかとしたが、止めた。折角掃除したのだからいきなりそれは無い。
573 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:15:25 ID:T5viEu4Q
仕方ないので、ペットボトル専用のゴミ袋があるキッチンに向かうことにした。
ついでに朝食のパンをトースターに突っ込む。
キッチンに来ると、ふと、昨日使われたコーヒーカップが目に入ってきた。
カップの数は二つ。
それを一つ手にとって眺める。
改めて、昨日アヤナがこの部屋に居たのだということを実感した。
もしかしたらアレも夢の中の一場面なんじゃないか、という気持ちも心の何処かにあった。
昨夜のことが夢ではないことを確認して思わず胸をなでおろした。
あれが夢だったら。未だに彼女の夢を見ていたとしたら・・・・滑稽すぎるから。
当時マサヒコはアヤナに対して、密かに友情とは違った特別な感情を抱いていた。
最初はアヤナに正直良い印象を持っていなかった。
プライドが高い、何かと対抗意識を燃やす(これはミサキに対してだが)、よく殴る。
何かと自分に問題が降りかかってくるので、事なかれ主義のマサヒコにとってはまさに天敵だった。
しかし時間が経つにつれ、アヤナの様々な顔を見ることができた。
どこか抜けてるところもあって、意外と面倒見がよくて、何事も一生懸命取り組んで。
最初はよそよそしかった態度も少しずつ解れていって
ただのクラスメイトから大切な友人に関係も変化していった。
思えば、もうその頃からアヤナに淡い想いを抱いていたのかもしれない。
ミサキやリンコも大切な友人であったが、アヤナへの想いは、それらとは何かが違っていた。
ふと向けられる微笑や髪を掻き揚げる仕草を見ると、不意に胸にもやもやしたものが生まれた。
しかし恋愛に疎かったマサヒコ。
これが恋だということに初めて気付いたのは、アヤナが訪問してきたときだった。
アヤナの言葉に何故あれほど心動かされたのか。
鈍感な少年はこの時やっと自分の想いに気付いたのだ。
彼女に抱いているもの。
それは友情などではない。
あんなにも荒々しくて、こんなにも胸が痛むあの気持ちが、友情のはずないではないか、と。
「俺、前とそんなことするのが嫌ってわけじゃないんだ。むしろ‥‥嬉しいかもしれない」
最初に沈黙を破ったのはマサヒコだった。
アヤナは何も答えない。ただマサヒコをまっすぐ見据えている。
彼はこれはチャンスだと思い、マサヒコは一度大きく深呼吸を取り、真っ直ぐ彼女を見つめた。
574 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:16:00 ID:T5viEu4Q
「でも女の初めてってのは・・・その、大事なものだろ?
大体俺じゃあお前と全然釣り合わないし・・・・もう一回考えてみろよ」
彼女のことを気遣って言ってみたものの、なんとも情けない台詞だった。
アヤナに意気地がないと言われたのも当然だ。
しかしマサヒコはそれにめげることなく、言葉を紡ぐ。
「安易にそんなことして、お前にさ、後悔して欲しくないんだ。だって俺・・・」
(そこで止まるなよ。一気にいけ!)
臆病な自分に発破をかける。
「だって俺、お前のことがっ」
「小久保君・・・」
「っ!?」
アヤナの小さな声。しかし彼女の言葉は彼を止めるには十分すぎた。
「それ以上は・・・・言わないで」
「若田部・・・」
「辛く・・・・・なるから」
独り言のように呟くアヤナ。彼女に似合わない悲痛な響きだった。
「もう一回考えろ?何も考えてないはず・・・ないじゃない。もう何回も考えたわ」
言葉こそいつもの彼女のそれだが、口調には悲壮感が漂っていた。
「私、あと少しで日本から離れるけど・・・・・
初めては・・・・小久保君がいいと思ったのよ。他の誰でもない、あなたが。
後悔なんてするわけないじゃない。あなたとの思い出、作っていきたいの。
私の最後のわがまま、聞いてくれる?」
声自体はあまり大きくなかったが、そこに込められた想いは紛れもなく本物であった。
マサヒコは何も言わないでアヤナを抱きしめた。何度も何度も髪をすくように撫でた。
(放っておけるわけ・・・ないじゃないかよ)
今の彼女はか弱すぎる。それこそ、放っておいたら折れてしまうほど。
アヤナは抱きしめられたことに初めは戸惑ったが、それからマサヒコの肩に顔を押し付け、彼の背中に手を廻した。
じんわりと肩の辺りが湿ってきたのを感じる。
マサヒコは女ってこんなに細いんだな、と心の中で思いながらずっと彼女の髪を撫で続けた。
「もういいか?」
「・・・・ええ」
少女の控えめな声で少年は振り返る。
ベッドには纏わぬ姿でアヤナは横たわっていた。
マサヒコは思わず息を呑む。
今まで何かに見惚れるということなどなかった。
しかし彼は今、目の前にいる少女の裸身に目を奪われていた。
肌は陶器のように滑らかで、触れるのが躊躇われてしまうほどで。
服越しからでも強調されていた二つの果実は、大きさだけではなく、しっかりとした弾力があることを感じさせた。
肉付きも丁度良く、正に理想のプロポーションというのに相応しかった。
575 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:16:46 ID:T5viEu4Q
「あんまりじろじろ見てないで!早くきてよ・・・」
「あっ・・・わ、悪いっ」
アヤナの恥ずかしそうな声を聞いてマサヒコの意識が戻ってきた。
マサヒコはベッドの上に上がってアヤナと向かい合う。
が、向き合ってみたもののこういう事は初めての二人。
黙って向かい合うのも恥ずかしくて、お互い目線を逸らす。
「何からすればいいんだ?」
「わ、分からないわよ!あなたがしたいこと、したらいいでしょ・・・」
(誘っておいてその言い草かよ・・・)
恥ずかしながりながらも、いつもの語気が彼女に戻っていることに気付いたマサヒコは苦笑を浮かべた。
ようやくマサヒコ自身もいつものペースを取り戻す。
(したいこと、か・・・)
少し思考を巡らせると、それは案外すぐに思いついた。
「 !!? 」
マサヒコは身を乗り出して、彼女の唇に自分のそれを重ねる。
想像していたよりもずっと柔らかい彼女の唇にマサヒコは軽い驚きと感動を覚えた。
マサヒコはそれに何度も自分の唇を落とす。
顔を離すと、さっき見たときよりも遥かに赤くなっているアヤナの顔があった。
「い、いきなり何してるのよっ・・・!」
「やりたいこと。キスもしてないのにいきなり本番なんてないだろ」
マサヒコの言葉にアヤナの顔は更に朱に染まった。
自分の言葉や行動で動揺している彼女を見ると、心の奥から止め処ない愛しさが湧き上がってきた。
「ならせめて・・・んっ!・・・」
言葉を途中で遮って唇を塞ぐ。
舌を口内に入れ、執拗に彼女の逃げる舌を追う。
最初は抵抗を見せていた彼女だが、途中でそれを諦め、自らも彼の舌に自分のそれを絡ませてきた。
「ふぅん・・・・はぁ・・・・・んっ!」
カーテンを閉め切った薄暗い部屋に、濃厚な口付けから紡がれるピチャピチャという濡れた音と
時折洩れる荒い息遣いが響く。
「っはぁ・・・・せめて、何?」
唇をもぎ離して、マサヒコは意地の悪い笑みを浮かべた。
「もう・・いいわよ・・・馬鹿ぁ・・・」
荒い息をつく少女は焦点の合ってない視線を彼に向けて悪態をついた。
576 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:17:31 ID:T5viEu4Q
マサヒコは次に、目の前にある大きな乳房に手を這わせた。
「・・んん・・・」
(うわ・・・何だこの柔らかさ・・・しかも・・・)
マサヒコは少女の乳房の柔らかさと、手にとても収まりきらない大きさに驚きを隠せなかった。
弾力もある彼女の果実は、いくら形を変えようと力を込めるのを止めれば
元の形に戻ろうと彼の掌を押し返してきた。
彼女の胸に夢中になったマサヒコはもう片方の乳房にしゃぶりついた。
「ふぁああっ!!」
アヤナはマサヒコの突然の行動に一際高い声を上げる。
淡いピンク色をした突起に舌を這わせるたびにアヤナは陸に上げられた魚のように身を跳ねさせた。
「こく・・あぁっ!・・ぼ・・くん・・・もう・・おかしく・・なるぅ・・」
目元にうっすらと涙を浮かべるアヤナ。その雫をマサヒコは舌で舐め取った。
「じゃあ止めようか」
「え・・・?」
マサヒコはそう言って、手で乳房を弄ぶのを止める。彼女の顔が一気に翳った。
(こういう若田部見るのも楽しいな)
アヤナの普段だったら絶対に人に見せない表情。
それを自分しか見ることができないだと思うと、妙に気持ちが高ぶった。
「嘘だよ。そんな顔するな。次はこっち」
マサヒコはそう言うと、茂みの下にある花弁に指を這わせた。
「もうこんなに濡れてるぞ。胸苛められて感じたのか?」
「そ、そんなこと・・・ひゃあっ!!」
強がる彼女の裂け目に指を一本入れ、中を探るように中で動かした。
「すっげぇな・・・・この中・・・・」
彼女の中は、愛液で潤い、マサヒコの指をすぐさま濡らした。
「ふぁぁあ・・・・んん・・・・あぁぁあっ!!そこは・・・・だめっ」
マサヒコの愛撫にアヤナは実に素直に反応する。
優しく弄ると快感を我慢するように低い声を漏らし、少し刺激を加えると一際高い声を上げて身を震わせる。
(可愛すぎるって・・・)
アヤナの快感に身を捩じらせる姿はひどく扇情的で。
それは、まだ冷静だったマサヒコの感情を大きく煽った。
自分の股間が、熱と硬さを帯びている感じは随分前からあったが、そろそろ限界だった。
「若田部・・・・そろそろいいか?」
「え・・・?」
顔を上気させている彼女は掠れた声を出して首を傾げる。
「これ」
マサヒコはパンツ越しからでも分かるくらい怒張している自分の分身を、指差してみせた。
「・・・・うん。小久保君のも、見せて」
マサヒコは立ち上がってパンツを脱いで、それをベッドの下へと捨てる。
天に向かって屹立するマサヒコの男根がアヤナの前に露わになった。
アヤナは目を逸らさずじ〜っとそれを見つめた。
「あんまりじろじろ見るなよ」
「ごめんなさい。でも・・・」
そう言うが彼女は尚も目線を逸らさない。
577 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:18:27 ID:T5viEu4Q
「???」
だんだんと恥ずかしさより訝しく思う気持ちが生まれてきた。
「でも、なんだよ?」
「・・・・本当は大きくなるんだな〜、って」
「は?」
「前にお姉様が『マサはアソコが大きくならない病気なのよ』って泣いてたから・・・・」
そういうとアヤナは恥ずかしそうに目を逸らした。
(あの眼鏡は脳が腐ってるんじゃないか?)
フツフツと怒りが湧き上がってくる。あとで仕返し決定だな、とマサヒコは密かに決意した。
「あんな人の言うことなんか信用するな。大体・・・」
「大体?」
「もしそんな病気でもさ。今のお前見たらそんなの関係なくこうなる」
我ながらなんて恥ずかしい台詞だと思った。
言われた張本人なんてもう茹蛸だ。
(コホン・・・気を取り直して)
「じゃあ、いくぞ」
「うん・・・・」
アヤナの返事を聞いて、マサヒコはアヤナの入り口に自分の陰茎をあてがう。
「あっ・・・・」
そして、ゆっくりとマスヒコはアヤナの中へ腰を沈めた。
「っ!!・・・くぅ・・・・」
男のモノの侵入を拒むようにアヤナの内部は強くマサヒコの男根を締め付ける。
何とか根元まで自分のモノを挿入したマサヒコはアヤナの唇にキスを落とした。
「大丈夫か?」
「ん・・・・はあ・・・・へ・・・いき・・・」
アヤナは唇をきつくかみ締めて、辛そうに顔を歪めていた。
予想以上の痛みだったのだろう。頬には涙が伝っている。
「ちょっとの間の我慢だ。そんなに・・・・時間かからないと思うから」
アヤナの締め付けは処女特有の非常に強いもので、マサヒコに予想だにしなかった快感を与えていた。
マサヒコはアヤナを気遣うように、ゆっくりと腰を動かし始める。
腰を引くたび彼女の柔らかい肉壁が、マサヒコの男根を引きちぎるくらいの強さで締め付けてきた。
「く・・・・んんっ・・・・ふぁあ・・・」
アヤナはマサヒコの動くたびに、痛みからくる呻き声を漏らす。
痛みに耐える彼女のいじらしさに、マサヒコの興奮は更に高まっていく。
彼女を気遣っていたマサヒコの動きも、次第に激しくなっていって、腰を打ち付ける音が響くようになった。
(やべぇ・・・・)
まだ入れて少しの時間しか経っていないというのに、マサヒコはすでに自分の限界を感じ始めた。
「わかたべ・・・・・俺、もう・・・・駄目かも」
「んぁあ!・・・・いい・・・よ・・・・はぁ・・・きて・・・・」
アヤナはうっすらと目を開けてマサヒコを見つめる。
辛そうな顔を浮かべて、マサヒコの首に腕を廻した。
578 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:19:23 ID:T5viEu4Q
(もうちょっと我慢してくれよ)
もう限界というのは男としては情けない、と思う気持ちもあったが、
マサヒコは今回に限っては早く情事を終えられることに安心した。
彼女の辛い思いをするのは、マサヒコにとっても同じくらい辛い。
頭の片隅でそんなことを考えながら、快感の最後の階段を上りつめるため、腰の動きを速める。
肉と肉が擦り合い、クチュクチュと濡れた音が大きくなる。
「ああっ・・・・あぁあ・・・んあぁ・・・・!」
「若田部っ・・・・あ、ああっ!!」
アヤナを最後に深く貫いて、マサヒコは白い欲望を一気に吐き出した。
「中に・・・・小久保君、のが・・・・出てる・・・・」
アヤナは荒く息をつきながら、独り言のようにうっとりと呟いた。
マサヒコはそのままアヤナの上に倒れこむ。そうして彼女と何回目かのキスを交わした。
「はあ・・はぁ・・・ん・・・ありがと・・・」
アヤナからもマサヒコに唇を重ねる。彼女の目元にはまた泪が浮かんでいた。
二人は繋がったまま、しばらくの間抱きしめ合った。
離れ離れになる前に出来るだけ、相手の温もりを感じていたかった。
「っつ〜〜・・・・・」
情事の後、服を着て帰る仕度をしていたアヤナは苦痛に顔を歪めた。
「大丈夫か?」
「まだ少し痛むけど・・・・・平気」
無理に作られた笑顔がマサヒコに向けられる。少し痛む程度とは到底見えなかった。
が、マサヒコは彼女の気持ちを汲んで一言、そうか、とだけ呟いた。
「漫画か何かで見たけどやっぱり嘘ね。最初は痛いだけ」
「う・・・・・ごめん」
「小久保君が謝ることじゃないわよ」
「いや、もっとうまくやれてれば少し違ったかもしれないし」
ばつが悪そうにマサヒコは頬を掻く。
彼女の初めてがこのようなものだったことに、少なからず罪悪感を感じる。
アヤナはマサヒコに苦笑いを浮かべて彼に近づき、額にちゅっと唇を押し当てる。
「若田部・・・・」
「こういう初めての方が記憶に残るわよ。いかにも二人とも若かった、って感じじゃない?」
アヤナの穏やかな微笑みにマサヒコはなんとか笑みを作ってみせた。
(もうそんな切り替えもできるのか)
やっぱりアヤナは強いな、と思った。いや、女が強いと言うべきべきか。
「じゃあそろそろ帰るわ。あ、見送りはいいから」
アヤナは振り向いてドアの方に向かおうとする。
マサヒコは咄嗟に手を出そうとしたが、彼女の手をつかむ直前に止めた。
今のマサヒコには、彼女を黙って見送ることしか出来なかった。
彼女はドアを開けて、部屋を出て行く。扉を閉める前にマサヒコにもう一度微笑んでみせた。
「今日は来て良かった・・・それじゃあね、小久保君」
579 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:20:33 ID:T5viEu4Q
・・・・バタン
静かな音を立てて、扉が閉められた。
マサヒコはしばらくそのドアを見つめる。そして窓際に立って、家の外を見やった。
家から、アヤナが出て行くのが見えた。
彼女はそれから一度も振り返らないできびきびと歩いている。
彼女の足元から、夕日に照らされて出来た長い影が伸びていた。
毅然としてアヤナは歩いているというのに、影はとても心許ないように見える。
マサヒコはただぼんやりと、その影を見えなくなるまで眺め続けていた。
数日後のアヤナの送別会の日。
アヤナはその場に現れることはなかった。
皆がアヤナがやって来るのを待っていた時、彼女から一人一人へ別れの言葉が綴られたメールが送られてきた。
マサヒコには『いろいろ迷惑かけてごめんなさい』とだけ書かれたメールが来た。
あまりにも突然なことだったので、ミサキとリンコはそのことをひどく悲しがった。
しかし、マサヒコはこのことに少しは驚いたが、ある意味彼女らしいなと心の中で思った。
彼女は、みんなが思っている程、強くはない。
きっと別れ際の自分の姿を見せたくなかったのだろう。
マサヒコはあの時見上げた空を今でもよく覚えている。
あの日の空は、どこまでも高く、どこまでも青かった。
チーーーーンッ
トースターが出来上がった音で、現実に意識が戻された。
マサヒコはカップを置いて、まだ捨てていなかったペットボトルをゴミ箱へと投げ捨てた。
マサヒコはトースターから少し焦げた食パンを取り出し、それにガブリと噛み付く。
口の中でパンを咀嚼する。美味くも不味くもない。いつもの朝の味だ。
マサヒコはパンを味わいながら、アヤナのことを思った。
突然のアヤナの帰国。そして再会。
月日は確かに自分たちを変えた。
マサヒコ自身はもちろん、アヤナも数年前とは醸し出している雰囲気というのが違う。
が、昨日この場にあった雰囲気は・・・・あの頃のままのようだった。
懐かしさ・・・・とはまた少し違う気がする。
空白の年月を感じさせない、どこまでも自然な時間だった。
580 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:21:23 ID:T5viEu4Q
アヤナは、また来ると言っていた。
もしかしたら・・・・あの時止めてしまった時間が、また動き出そうとしているのかもしれない。
次に彼女が来たら、自分はどんな顔で彼女に会うのだろうか・・・・
ピンポ〜〜ン
思考はその間抜けな響きに中断された。
(・・・・・誰だよ)
マサヒコは大きく息をついて椅子に腰を降ろした。
とてもじゃないが出る気にはなれない。
(まぁそのうち帰るだろ)
ここは寝ていると思わせることにしようと決め、マサヒコは残りのパンを一気に口の中につめた。
ピンポ〜〜ン
(んぐんぐんぐ・・・・)
ピンポ〜〜ン
(んぐ・・・・)
ピンポ〜〜ン ピンポ〜〜ン
(ふ〜〜〜〜・・・・・)
ピンポピンポピンポ〜〜〜ン
「うるせぇ・・・・・」
マサヒコは悟った。こいつは俺が出るまで絶対に帰ってくれない。
深いため息を一度ついて、マサヒコは渋々玄関のほうに向かった。
(ったく・・・・誰だよ。こんな朝早くから・・・・)
マサヒコはドアの前に立った。チャイムは未だに鳴り続けている。
下らない勧誘だったらガツンと言ってやろうと心に決めた。
マサヒコは勢いよくドアのノブを引いた。
「こんな朝から一体・・・」
「遅いっっ!!!」
「〜〜〜〜っ!!」
咆哮一喝。
文句を言おうとしたが、凄まじい剣幕に逆に返り討ちにあった。
ドアの向こうには、不機嫌な様子を露にしている女が、腕を組んで仁王立ちしていた。
581 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:21:57 ID:T5viEu4Q
「・・・・・朝から何だ、若田部」
「また来るって言ったでしょ?」
「昨日の今日だぞ。普通こんなにすぐ来るか?」
「いつ来ようが私の勝手でしょ・・・・・・それと」
「あ?」
スパーーーン!!
マサヒは頬にいきなり熱さを感じる。
なんとも気持ちの良い音を立て、アヤナのスナップの効いた平手がマサヒコの頬を打った。
「〜〜〜っってぇぇ!!何するんだよいきなり!?」
「さっさと着替えてきなさい。まさか私の目の前で着替えるつもり?」
ズキズキする頬を押さえて、自分の今の格好を確認する。
腰にはバスタオルが一枚。それ以外の衣服を着ている感じがしない。
つまりマサヒコはほとんど裸でアヤナに向かい合っていたわけで。
「早くしてよ。あと5秒で部屋に戻らなかったらコレで・・・」
「今すぐ着替えてきますっ!!」
バッグから取り出された黒光りするスタンガンを確認するや否や、マサヒコは部屋の中にすぐさま引き返していった。
急いで下着を引っ張り出して足を通す。適当なシャツに腕を通し、ジャージを穿く。
ドアの前に立ってもう一度自分の格好を確認する。
・・・・・・よし。取り合えず殴られる心配はなさそうだ。
「次に来たら、ってか・・・・何も変わんないっての・・・」
そう、何も変わらない。今ここにいるのは、あの頃のままの関係の2人だった。
それを喜んでいいのか残念に思えばいいのか分からない。
分かるのは、取り合えず気性の荒いお嬢様の相手をしなければいけないということだけだ。
マサヒコはドアを開けて首だけ外へ出す。
そして、なるべく素っ気無く、外で待つアヤナへと言葉を投げかけた。
「入れよ。不味いコーヒーなら、出してやる」
582 :
白帯侍:2005/10/12(水) 22:26:27 ID:T5viEu4Q
投下終了・・・
改めて自分の表現力の無さに絶望しています・・・orz
やっぱり日々精進しなければ・・・・
まだいくらか続きますが、どうか生ぬるい目で見守ってください
リアルタイムで〜す
GJ〜
今後の展開にきたいします
GJ! 焦らず、じっくりと書き続けてください
585 :
郭泰源:2005/10/12(水) 22:45:37 ID:5IPPvB6O
白氏GJ!
投下ごとに上手くなってると思いますよ?
なんだか氏のマサヒコは男の子っぽくて可愛いですな(笑)
今週号を見て思いついたんでとりあえず導入部投下。……って白氏とアヤナかぶり。
……NGワードは……「未完」「エロ未満」かな?
586 :
郭泰源:2005/10/12(水) 22:47:36 ID:5IPPvB6O
「はい、それでは今日の復習行きましょうか」
「………ちょっと待て、その前に答えろ。
俺の受ける英稜は面接がないから練習なんてする必要がないし、
それになんで今日に限ってアンタが俺と若田部の勉強を見ることになってるんだ?
濱中先生に的山とミサキを押しつけて……」
「非常に説明的な質問ありがとう。ま、アレは熱い内に挿れろということわざもあるように……」
「ないッ!」
「……うるさい男ねえ…今回の話の発端がアヤナだったわけだから、
アヤナんちでやるってことよ。本スレでもアヤナの登場が少ないって先々週から話題に……」
「そっちこそバリバリ説明的なんだが……」
「ま、そんなわけで本編第105話の続編ね。で、アヤナ?」
「はい?お姉様…」
「さっそくだけど…ちょっとこっち来て」
「はい?」
"すッ…さわ、さわ…"
「きゃッ!ひゃあッ!!」
「ふ〜ん、耳の裏は確かに弱いみたいね」
「おおおお、お姉様!」
「で、アヤナ?さっきマサにさわられたのとどっちが感じた?」
「?R!%え、え?」
「その顔じゃ……マサの方が良かったのね?」
「!そ、そんなことは……」
「恥ずかしがることはないのよ?アヤナ。女の子なら仕方がないことなの。
異性の、それも気になっている男に性感帯をさわられれば………」
「!ち、違います!私は…小久保君のことなんて…」
"……しゅッ、しゅっ"
何も言わずかがみこむと、中村はキュロットのポケットから真っ赤な縄を取り出し、
アヤナの足首を素早く、だがキツめに縛った。
「!!!お姉様!」
驚くアヤナだが――中村はにやり、と笑うとさらに彼女の手をとり、
左右の手のひらをぺたり、と合わさせた。
"ぱちん"
そして手錠を小さくしたような拘束道具を取り出すと、アヤナの両の親指を固定した。
「人間のカラダって不思議なもんでね、たかだか親指と足首をこんな風にするだけで
自由に身動きできなくなるの。どう?アヤナ?動けないでしょう?」
「!!」
中村の言うとおりだった。もがき、身体をよじっても……歩き出すことさえ出来ない。
"どすんッ!!"
そのまま、思わず尻餅をついて倒れるアヤナ。
「あらら…大丈夫?ゴメンね?アヤナ」
「い、いえ…大丈夫…ですけど…」
突然の出来事に自分を拘束した張本人である中村がかがんでそばに寄ってきても、
なぜかアヤナは怒ることさえできずに呆然としていた。
「よいしょっ、と……じゃあマサ、さっきみたいにアヤナの耳の裏をさわりな」
アヤナのからだを軽く起こさせると、いきなりとんでもないことを言い出す中村。
「!で、できるわけが…」
「さわるの!!いい?弱点克服こそが人生の勝ち組への第一歩よ……
それにもしアンタがしないんなら…アヤナにもっと恥ずかしいコトしちゃうかも〜〜♪」
そう言いながら中村は楽しげにアヤナのセーラー服のボタンに手をかけようとする。
「そんな!イヤ…恥ずかしいです……お願いです…やめて下さい、お姉様…」
「さ、男ならさっさとおやんなさい。一回だけでいいから」
「………ものすごい矛盾を感じるが…俺が一回すれば、それでいいんだな?」
「そうそう〜〜〜♪良い子ね、マサは」
「若田部……こうなったらこの人、とまんねえから。一回だけ…わりい……」
「………」
§
587 :
郭泰源:2005/10/12(水) 22:48:39 ID:5IPPvB6O
顔を赤くして、アヤナはマサヒコと目を合わさぬように無言のまま横を向いた。。
"……すぅッ…"
「あ!!!ひゃッ!!!」
「マサ…それじゃ弱いね。もっと……何度もさわるの。アヤナの髪をかきまぜるみたいに」
「アンタ、一回だけって…」
「いいから。さもないと……」
「……これで終わりだぞ?ゴメンな、若田部。少し我慢して……」
"すッ……さわッ……"
「きゃ!きゃん!!あ!ひゃあアアァッ!」
「…どう?アヤナ…私のときと…どっちが気持ちよかった?」
(!……どっちって……そんなの……そんなのッ…)
「マサの方が良かったんでしょ?」
「おい、いい加減俺たちをからかうのをやめろよ。もういいだろ?俺、帰るぜ……」
「んふふふ〜〜♪これを見てもそんなコト言えるのかな〜〜♪マサ♪」
"ふぁさ……"
「!!!!!+`@な、いきなりアンタなにを!」
「い、イヤァァァァッ!」
中村がいきなりアヤナのスカートをまくりあげた。慌てるマサヒコと驚くアヤナだが……
無理矢理に中村はアヤナのスカートの中に右手をつっこんだ。
「ふふふ……ショーツのうえからでもわかるわ……アヤナ、あんた濡れちゃったでしょ?」
「!!!!!!!!!!!!!そ、そんなこと……」
「さっきも言ったけど、恥ずかしがるコトじゃないの。
むしろ女の子としては喜ぶべきことよ?それが証拠に……ホラ……」
"しゅふ……"
「!!!あ…あン……い、いや……」
「私が少しさわっただけでこんな可愛い声あげて……どう?マサ……アヤナのこんな姿を見て」
「なに考えてるんだアンタは!おい、若田部がかわいそうだしもうやめ……」
「止めても……いいの?アヤナ」
「!!!!」
「アンタの本当の気持ちは……私じゃなくて、マサにもっとさわって欲しいんじゃないの?」
「!……そ、そんなことは……」
「アメリカに行く前にやり残したことがあるって、アンタ前私に言ってたよね?
それってさ、マサのことだろ?正直アンタ達見てるとイライラするんだよね。
好きな男にさわられて、感じて、濡れて、なにが悪いの?」
「…………」
無言のままうつむくアヤナ。
「あのなあ、マジで俺も若田部もそんな気持ちは……」
「黙っててくれる?ニブチンの童貞君は。私はね、はっきりさせたいだけ。
アヤナ、言いなさい。どうなの?このままアメリカに行っちゃっていいの?」
(私は…私は…………)
屈辱と羞恥に震えながら……しかし、アヤナは中村の言葉を否定できずにいた。
"ぷちゅ………"
「!!ひッ、ひいやぁッ!!」
中村が、アヤナの耳たぶを軽く口に含んだ。たまらず、甲高い声をあげるアヤナ。
「さあ、言うのよ、アヤナ。………この前、私に……胸やあそこをいじられたとき、
アンタ無抵抗だったわよね……でも、アンタは本当は…マサのことを考えてたんでしょ?」
「!P?%!?え?え?」
「!!やッ、イヤあああ!!言わないって……約束したのに…酷いです、お姉様!!!」
「マサの代りにアンタの性欲のハケ口になった私の気持ちを考えたことがある?
アヤナ、アンタは……はっきり言うべきなのよ。マサが好きだって。毎晩毎晩…
マサのことを考えながら、エッチなことばかり考えているって。そうでしょ?そうじゃなきゃ……」
"ぐしゅッ"
「あ!!!!!ああああああ!!!!」
「こんな風に…ぐしょぐしょにならないわよね?。今のアンタは……
こんな姿を好きな男に見られながら、感じて、濡らしている…ただの女なのよ」
§
GJ!!続きが気になるぜ。
589 :
郭泰源:2005/10/12(水) 22:51:18 ID:5IPPvB6O
以上……あまり考え込まずに勢いだけで書いたので1時間くらいで書けたけど……
ううむ…実用性の高いものを目指したけど……正直微妙〜〜〜〜。
郭泰源氏、今週号のネタ…早書きですかい。
多少荒っぽいが、勢いがあってGJであります。
中村の黒さ加減にシビレます。
こういうネタがさらっと出てくるところは本当さすがですなぁ…
592 :
郭泰源:2005/10/13(木) 00:12:56 ID:kHnDR5uR
投稿したての頃を思い出そうと(……オヤジ扱いやな、苦笑)、
いつもみたいに話を膨らませずに思いついたのをほとんど加工せずに投下しましたからね。
………今読むと結構キツイな。珍しく嫁チェックもないからホンマに荒っぽいわ。
あ、古田氏「赤く染まる夕暮れのアキ」なんですが、カップリング=アキ×シンジに修正願うのと、
9時間目の619〜622が抜けてるみたいですので追加お願いします。
……よく考えたら祭りのせいですね、こりゃ。ご負担をおかけしてスマンです。
郭氏GJ!!中村黒いなー
そして白帯侍氏、未来物の続編に激しく期待してます
もう「みんなGJ!」としか言えないアルヨ
家庭教師の授業中、便秘ぎみだったアイは皆の前でおならをしてしまった。。。
ちょっと遅かったかもしれませんが、お二方、GJでした!
597 :
郭泰源:2005/10/13(木) 23:21:02 ID:kHnDR5uR
毎日連載、またも読者ジラシの投下。
………多分、日曜あたりに本番投下の予定。
598 :
郭泰源:2005/10/13(木) 23:22:01 ID:kHnDR5uR
「ち…ちが……」
"ジュ……"
「ふ!ああッ!!!」
中村が、アヤナのショーツの中に指を入れ……直接、そこを擦るように触れた。
「違わないでしょう?今目の前にマサがいるってのに…こんなに顔を真っ赤にして、
こんなに濡らして、感じているじゃない?アンタはこの前もそれを否定してたけど…
体の中には間違いなく女としての本能が疼いてるのよ?ホラ…マサの表情を見てみな」
「!!!いや!み、見ないで!小久保君…こんな私の姿を、見ないでェェェ!!!!」
「わ…か……たべ」
マサヒコは、呆然としていた。本来なら、中村に飛びかかってでも止めるべきだった。
しかし―――目の前で中村のいいようにオモチャにされ、悶える同級生の艶姿を目にしても
足は石になったように動かず……アヤナの叫びも耳に入らずに凝視するしかなかった。
「ふふふ……マサ?どう?可愛いでしょう…アヤナ」
「………い、いい…いいかげんに…し、ろ」
「どうして?やめる必要があるの?アヤナはねえ、アンタのことが好きなのよ。
それになにも気付いてなかったアンタは悪くないのかしら?」
「……そ、それは今関係がな……」
「さっきも言ったけどね、アヤナは毎晩毎晩アンタのことばかり考えていたのよ?今だって……」
"くりゅッ……"
「あ!!!ふぁああッ!!」
「ふふ……ホラ、ほんの少しおマメちゃんを擦っただけでこんなに溢れさせて、
こんなに反応してる………これはね、私にされてるからじゃないの。
だって前にちょっといじってあげたときはこんなすぐに濡れなかったもの。今アヤナはねえ、
大好きなマサに見られてるっていう嬉しさと恥ずかしさでこんなになっちゃってるのよ……ホラ!」
"きゅりゅッ…ぐにっ……"
「い、いやッ!!…あっ!ダメ…ダメぇッ!!」
なおも執拗にアヤナのクリトリスを攻める中村。
アヤナは顔を真っ赤にして拒絶の言葉を叫ぶが、抵抗すらできずに嬲られ続けた。
「さあ……本当のことを言うのよ、アヤナ?そうすれば解放してあげる…
アンタは、マサをどう思ってるの?」
「わ、私は……私は………」
涙を流し、潤んだ目で……アヤナがマサヒコを見た。
「……好き。ずっと前から……去年、金魚をくれたときから……あの冬の日、
押し倒されたときから……小久保君が……好き」
アヤナの理性が、中村の性技の前に、壊れた。
「ふふ……やっと言えたわね?さあ……じゃあ、マサヒコ?アンタはどうなの?」
「俺は…お、お……俺は………」
「煮え切らないわねえ……じゃ、先に言えたアヤナにご褒美ね?」
「え?」
中村が胸ポケットから何か小さな錠剤のようなものを取り出し、口に含んだ。
"ちゅ……"
そのまま、アヤナと唇を重ねる。
「!!!」
驚くアヤナだが、中村は彼女を離さないまま無理矢理舌をアヤナの口内にこじ入れた。
"つ…ちゅ、ぐぅ〜〜〜〜、ちゅぱっ"
長いディープキスの後やっと中村が唇を離し、アヤナが咳きこむ。
「――ッ、けほ、けほん!お、お姉様!今私になにを飲ませ……」
「ん?たいしたもんじゃないわ。ただの媚薬。ネットで手に入れたかなり強烈で即効性な奴だけど」
「「!!!!!」」
目を見開いて驚くアヤナとマサヒコ。
「さあ……じゃあ、そろそろ私は主人公に席を譲ろうかね……ホラ、マサ?」
「………」
しかし、マサヒコは呆然と無言のままだ。
「ふん、童貞君には強烈すぎたかしら?ま、今はそう思えないかもしれないけど……
遅かれ早かれこの世界に来ることになるわ。アンタにも女誑しの素質があるし」
§
599 :
郭泰源:2005/10/13(木) 23:42:13 ID:kHnDR5uR
「!そ、そんなことは……」
「ふふ……そう言うと思ったわ。でもね、マサ?どうしてアンタの周りには女の子が集まるのかしら?
それもアイ、リン、ミサキ、アヤナに私と美人ばかり……それはね、アンタにフェロモンが出ているから。
今は自覚できていないみたいだけど……アンタにも私と同じ淫奔の血が流れているのよ」
「……違う……そんなこと、は……」
「もうひとつ言ってあげるわ。なぜリンやアイはアンタの前であんなにも無防備な表情で、
無防備な格好がでいるのかしら?アンタを男として見ていないから?いいえ!
あの子達は無意識のうちにアンタを誘惑しているのよ……ふふふ……いい気なものね、マサ」
「…………」
言葉を失ってたちすくむマサヒコ。一方の中村は勝ち誇ったような表情を彼に向けている。
「ふふふ……そろそろアヤナに効き目が出てくる頃かしら?さあ、マサ……好きにしていいのよ?」
「!?って俺になにを……」
「ふふ、私がここまでお膳立てをしてやったのに、これ以上なにをすれば良いかまで言わせる気?」
"ぱち……するッ……"
立ち上がると中村はアヤナを拘束していた指枷を放ち……足を縛っていたロープを解いた。
ようやくアヤナから身体を離し、挑むような目をマサヒコに向ける中村。
「!わ、若田部…大丈夫か?」
「こ……こくぼ……君……」
「!!!!!」
アヤナは完全に、とろん、とイッた目でマサヒコを見つめた。
「わたし……熱い……カラダが…あついよぉ……、こくぼくん…」
「!!」
完全に呂律の回らない状態で、アヤナはマサヒコに抱きついた。
「し………しっかりしろ、若田部…お前は……こんな奴じゃ……」
「熱い……あついのぉ……あなたが……好きだから…………」
"ドサッ"
そのまま、アヤナがマサヒコを押し倒した。
「こくぼくん……好きぃ……好き……」
"ちゅッ……ぺろ……ぷちゅ……"
アヤナがマサヒコの顔にキスをしたあと、子猫がじゃれるように…頬を、耳を、顎を舐め回す。
「!〜%$t、や、ヤメろ……わか……」
「こくぼくんは……わたしが……きらい?」
「!嫌いじゃないよ。お前は……大事な……」
「いや!」
「?え?」
「だいじな、ともだちとか……言うつもりなんでしょ?そんなんじゃ……イヤ。
私は……こくぼくんの、一番になりたいの。あなたの、こいびとに……なりたい」
「若田部……」
実際に言うつもりだったセリフを全て先回りされ、言葉に詰まるマサヒコ。
「こくぼ……くぅん……さっきの……わたしの姿を見て、軽蔑した?」
「……そんなことは……」
「しても……いいよ?わたしは……エッチな女の子だもん……だから……」
"ぎゅッ"
アヤナが、強く……強く、マサヒコを抱きしめた。
「いいんだよ?抱いても……」
「若田部……やっぱり、ダメだよ。こんな状態のお前の言うことを聞くのはフェアじゃ……」
「……天野さんに遠慮してるの?」
「!ち、違う……ミサキのことは関係な」
「……天野さんだけは…『ミサキ』なんだね……私のことは、名前で呼んでくれなくても」
「!!!違う、聞いてくれ、若田部。アイツとはガキの頃からの付き合いで……」
「だから、なに?天野さんは……あなたのことが好き。それは事実なのよ?
いつまで……そこから逃げる気?」
「………」
「黙らないで。あなたは……もう逃げられないの。さあ……選んでよ。
私?天野さん?それとも的山さんか、アイ先生?選ぶのよッ!!!!」
§
600 :
郭泰源:2005/10/13(木) 23:42:57 ID:kHnDR5uR
今日は以上。では股
郭泰源氏のエロSSが毎日読めるのは
【濱中アイ】氏家ト全総合 10時間目【妹は思春期だけ!
>>郭氏
乙です。
毎日投下スゴスwwww
途中で止めるのテラひどす
今回はいいとこで〆たっすね
アヤナ大暴走(半分以上リョーコのせいだが)
もはやセガールでもジャッキーでもシュワちゃんでも止められまい
てわけで
郭氏GJ!続き待ってます
クスリを使ってしまうのは、ちょっとズルイな。
アヤナが葛藤の末に自発的にマサに迫る展開のほうが良かった。
錠剤はただの栄養剤でプラシボ効果と見た
607 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 01:35:24 ID:KNNsWeG8
アヤナ祭だ!最高!!
投下乙です
ひらがなしゃべりのアヤナに射抜かれましたよ
こういうハァハァな話をさらっと書いちゃうんだから…もうスゴいというかGJというか
マジ尊敬してます
媚薬の錠剤ってあるんですかね
俺も栄養剤とおもうけど
5スレ振りくらいにきました
相変わらずパライソですね(*´Д`)ハァハァ
栄養剤どころか、ただのフリスクだったりして。
ここ職人さん多いし質高いなwww
他スレにも来て欲しいwww
蛋白質豊富な汁を飲めば乳が育つぞ
妹の本スレ見ててアキ×マナカも意外とありかと思えてきた
職人様方、誰かお願いできませぬか?
616 :
郭泰源:2005/10/14(金) 21:37:30 ID:9slfV3Rh
では、予告通り毎日投下。
荒っぽいのはご勘弁。誤字脱字も今までになく多いかと(苦笑)。
>>599の続き
617 :
郭泰源:2005/10/14(金) 21:38:28 ID:9slfV3Rh
目を潤ませ、よだれを垂らしながらも口調だけはいつもの強気なまま……
アヤナはマサヒコに迫った。
「俺……俺、今まで……そんなことを考えたこと……なかったから……」
「ここまできても……答えられない?いいわ……なら……これだけはっきりして…
あなたは……わ、わたしを、抱ける?いますぐここで……」
「!!わ、若田部……そ、それは……」
「あ〜〜〜、もう、面倒くさいわねえ!どきな、アヤナ!ったく男のくせに!……えい!!」
"ぷちゅ……ぐッ……"
「!!!!」
中村がアヤナをどかせると、無理矢理マサヒコの唇を奪った。
そして……またもディープキスで彼の喉になにか錠剤らしきものを押し込む。
「ぶっ、が…は、かはかッは!あ、アンタ今なにを……」
「ガラナピン」
「?は?」
「男性の性欲昂進剤としてはかなりメジャーなんだけど、知らない?
アンタみたいなEDの子なら知っておかないと。常識よ?」
「!!!ってまともな中学生がわかるかああああ!!!!」
「ちなみにアヤナに飲ませたのはサノレックスと言って、一応主目的としてはダイエット剤なんだけど、
一部女性には強烈な催淫剤になるという劇薬だから、住人の皆さんはご安心を……」
「!!!!げ、げきやくってアンタ、安心できるかァァァァァァァ!!!!」
「ま、アンタに効くのはまだみたいだから、私はアヤナをイジろうかな〜〜〜っと♪」
移動させられて呆然とふたりのキスを見ていたアヤナの方に中村が向き合うと、にやり、と笑った。
「じゃあ……アヤナ……両手を、あげて?」
「はい……おねえさま……」
中村の言うがまま、両手をあげてバンザイの体勢になるアヤナ。
"するっ……スッ"
「ふっふ〜〜〜、東が丘中のセーラー服ってのは、すごく脱がしやすくできてるのよ。
これって絶対エロ目的よねえ…私も現役時代は随分……うふふふふ♪」
楽しそうに、アヤナのセーラー服を次々と脱がせていく中村。
「!!!"W$や、やあめろ……あ……」
「ふふふふ〜〜〜♪カラダが熱くなってきたのねんねんねん♪
もうマサは止まらない〜〜〜♪そして私も止まらない〜〜〜♪」
アヤナの上着が全てはぎとられ、ブラ一枚になった。
レースをあしらわれたライトブルーの下着の中でアヤナのはちきれそうな胸の谷間が汗に濡れ、
上気するように部屋の光に反射していた。
「ふふふ……なんべん見ても見事なものね、アヤナの胸は……さあて、いきますか……」
"する……ぷるっ"
アヤナの見事な果実がふたつ、弾けるように転び出た。
「!!!Y>%、わ……わか……た……」
絶句し、声にならない声を上げるマサヒコ。
――あまりに豊かな、ふくらみだった。真っ白なそれには、うっすらと静脈が透けて見えた。
小粒な乳首は可愛らしい桜色、乳輪もその大きさの割にはほどよい大きさだった。
"ごくり……"
「んふふふ〜〜〜♪なんだかんだ言ってもアンタも男ねえ、マサ?どう?見事でしょう?アヤナは…」
「おねえさま……はずか、しい……」
アヤナが両手で自分の乳房を隠そうとするが、中村がそれを無理矢理止めた。
「ダメよ、アヤナ?ホラ……マサがアンタのきれいなおっぱいを夢中になって見てるわよ?」
「こくぼくんが……わたしの……むねを…」
顔を赤くしたまま、マサヒコの表情を見ようとするアヤナ。
マサヒコは恥ずかしさから慌てて顔を伏せたが、こちらも耳たぶまで真っ赤なままだった。
「ねえ……こくぼ、君……わたしのむね……どうだった?」
「………」
「お願い……こたえて……おおきくて、きもちわるかった?」
「……いや、キレイだった……ものすごく………」
アヤナの真摯な問いかけに負け、とうとう答えてしまうマサヒコ。
§
618 :
郭泰源:2005/10/14(金) 21:39:58 ID:9slfV3Rh
「んふふふ……じゃあ、次のイベント行きますか……」
"しゅっ…"
中村は先ほどの赤いロープを再び取り出し、アヤナの両腕を後ろでクロスさせて縛った。
「おねえさま……」
しかしもはやアヤナには抵抗する気配すら、無かった。
もう一本ロープを取り出し、アヤナの首もとから……胸元まで丁寧に縛っていった。
「いいわ……。胸が張り出されて……アヤナのおっきくてキレイなおっぱいがぷるぷる揺れて……
羨ましいくらいにキレイよ……アヤナ……」
最後の仕上げに足もとを縛り終えると、アヤナの耳元で中村が囁く。
完全にとろん、とした目をしてアヤナはそれを受け入れていた。
「アヤナ……良い子にしてるのよ……」
中村はそう言うとポーチの中から小さな瓶を取り出し、人差し指に軟膏のようなものを塗り取った。
"ぬちゅ……ぬり…ぐり……ぐり"
「!L=\、え……やっ、あ……」
そしてそれをアヤナの両の乳首に丹念に塗りつけたあと、再び瓶からたっぷりと塗り取り、
ショーツの中に手をつっこむと……裂け目と、そして菊穴にもこすりつけるように塗り込んだ。
「あ………!!!な、お、おねえさ、ま……これ……」
「うふふふ……某中国系の催淫クリームよ?もっともこれはメンソールも配合されてる
スペシャルヴァージョンだけど。ホラ……熱くなって……痒いくらいでしょう?アヤナ……」
「!!やッ……な…なに…ナニ……コレ……熱い…熱いぃ!!!!!!!!!」
「あらあら、こんなに汗をかいて……でもそれがまた光の粒みたいで……
玉みたいにおっぱいに張り付いて………すごくキレイだわ、アヤナ。でしょう?マサ」
「…………」
もはや言葉も無く、ただ悶えるアヤナを見つめているマサヒコ。
(ああ……どうしよう……若田部を助けなきゃなのに……なにもできねえ……それどころか)
そう、彼は―――勃起し始めていた。淫らに乱れる同級生の姿を見つめながら。
「ふふ……その様子だと、アンタもそろそろ効果が出始めたみたいね……
では、次にいきましょうか?」
"するッ……"
「!!!い、いやです……それだけは……やめてください、おねえさま!!!!」
中村がアヤナのスカートを足もとまで下ろし……ショーツの両端に手をつけ、下ろそうとする。
「どうして?感じているから?濡れているから?まだ分っていないみたいねえ……
アヤナ、あのマサの表情を見てみなさい?あんなに頑なだったマサが……後少しで、
理性を失いそうになってるわ。今……アンタのべとべとに濡れた可愛いあそこを見せれば、
間違いなくあいつは堕ちるのよ?それでも……恥ずかしいの?」
「………」
理性を失う寸前で……淫らな奔流に溺れそうになりながらも……
アヤナの頭の中では、いまだ葛藤が続いていた。
(……小久保君に……抱かれたいのは……本当だけど……で、でもこんな形でなんて……)
まだ、身体の芯まで痺れるような感覚のまま……涙に濡れた目で、アヤナは愛しいマサヒコを見た。
悩ましげに、悶えるような表情で……それでも、マサヒコはアヤナの裸体を凝視していた。
「この機会を逃せば……もう、あいつにとってアンタは特別な存在にはなりえない。
ただの友達で終わる……そしてアンタはアメリカに渡り、月日が流れる……
マサは、たまに昔の良い友達としてアヤナを思い出すくらい……それもいつかは……忘れて」
「いや!イヤ!そんなの……いやぁ!!!!!言わないで……それ以上は、
言わないでえええええええ!!!」
催眠術のように低く囁く……中村の巧みな話術に、アヤナの理性が完全に吹っ飛んだ。
「ふふ……それじゃあ、いくわよ……アヤナ……」
"するッ"
アヤナのショーツが、膝元まで下ろされた。
「あらら……これはスゴイわね、アヤナ……洪水みたいよ?ショーツもべっとべと……
うふふ……可愛いあそこが、ひくひく動いて……エッチな液が吹き出してくるみたい……」
「や…いじわるを言わないでください……おねえ、さ、ま……」
「ふふ…ちっとも悪いことじゃないのよ、アヤナ?ホラ……向こうで目を離せなくなってる
マサにおねだりしなさい。どうして欲しいのかって……」
§
619 :
郭泰源:2005/10/14(金) 21:40:57 ID:9slfV3Rh
今日は以上。では股明日。
連夜の熱投、鉄腕ここにあり!! ですね
ぐは〜〜〜ここで切るのか、イケズ
催淫クリームまで出てくるし、住民の皆様はご安心なんかしないぞwww
いつになく無理矢理な展開ですが、最後は中村の悟らせ演説でビシッと締めてもらえると最高です。
続き物を連日短めながら投下する様は、今季フル回転の藤川のようだ
変化球なんぞ邪道!真っすぐ豪速球一本槍!
まさに球けがれなく道険し、中西球道のごとき剛腕!MAX160キロ!GJです!
予告通り毎日投稿する郭泰源氏に脱毛
625 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 04:25:41 ID:krYQ+jZK
郭泰源氏、乙!!
郭氏の焦らしプレイにハァハァ…
新しい職人さんに勢いがあるのは当然だが、
郭神の充実っぷりは正直すごすぎる
その反面他の中堅とベテラン投手陣が最近元気なくてサミシス
郭神一人が気を吐いている状況…
色々あってなかなか投下できないとは思うけど、みんながんがれファイト一発
>>626 職人さんが投下しやすい雰囲気を住人が作ることも大切だと思うぞ。
最近は住人の目が肥えてしまって、郭神と乖離神以外に淡白だしな。
贅沢は(素)敵だ!
返レスの数は評価の目安であってもそれがスレ住人全体の総意ではないわけですし
マターリで進めましょうということで
といっても職人さん方はレス数で作品の評価を判断するしかないからなぁ
このままの空気だと大物職人さん以外は投下しにくい気もする
で、氏家殿はどう思いますか?
いや、見てるんでしょ?
バカが一人いる件。
放置汁と誰か言ってた。
634 :
郭泰源:2005/10/15(土) 19:17:13 ID:ZYBFSvXc
プレーオフ真っ最中ですが。では、予告通り毎日投下。明日が本番有りでラストになる予定。
>>618の続き
635 :
郭泰源:2005/10/15(土) 19:17:57 ID:ZYBFSvXc
「お願い…ああ……こくぼくん……かゆいよぉ…あついよぉ………あんッ!!」
"じゃり…じゃり……"
アヤナの言葉を満足そうに聞きながら、股間に生い茂った柔らかな恥毛に手を伸ばすと――
中村はわざと音を立てさせるように強くそれを、擦りあげ、撫でた。
「ふふ……そう、そうよ……おねだり上手になってきたじゃない、アヤナ。
でもね、私はここしかさわってあげない。アンタのぐちょぐちょのあそこをさわる役目は、
私じゃないからね。さあ、どう?マサ。こんなになっちゃったこの子の姿を見ても、なにも感じない?」
「お………俺は……俺は… お れ は 」
(熱い………はくッ……俺のからだの中も……灼けるみたいに……火を呑み込んだみたいに…)
「あらあら、期待以上の効き目みたいねえ……じゃあさらに視覚を刺激してあげるわ…」
"ぐにッ!"
「あ……あはぁッ!!!」
中村がアヤナの両の陰唇のまわりの肉を押し、それを思いっきり広げた。
「うふふふ……本当にスゴイわ。いくらでも溢れてくるみたい……ひくひく動いて……
あら!お尻の穴も閉じたり開いたりして……イヤらしい子ねえ、アヤナは…」
「ああ……はァッ……もう……そんなに……言わないでくださ……い」
"コぽ……ひく、ひく……くぷ"
アヤナのそこからは、ダラダラとはしたないほどの大量の愛液が流れ、垂れていた。
そして彼女の豊かな乳房は、汗に濡れながらぷるぷると細かく震えていた。
(あつい……あつくて、かゆくてぇ……じんじんするよぉ………
乳首が……おしりが……あそこが……あついィ……すうすうして…かゆい…
あたまのなかが……おかしくなっちゃうよォ……ああッ……わたし……私、おかしく……)
「ふふ、次はこれよ……」
"くにゅッ"
「あッ!!!あああああ……」
ピンクに色づいた包皮を中村が指で軽く剥き、中から小粒な肉の芽が顔を出した。
「あら〜〜♪濡れてるだけじゃなくてクリちゃんをこんなに真っ赤にしてでっかくさせて……
うふふ、スゴイわァ………本当に、イヤらしくて淫らなコねえ……アヤナは……」
「ふぁッ!ああ――ッ!、もうダメ……さわって、ください!!!…おねがい……ああ…」
「ふふふ…じゃあ、これぐらいで良いかしら?」
にやり、と満面の笑顔を浮かべると中村は立ち上がり、アヤナから離れた。
「あ……ああッ!そ、そんな……かゆいのに……あついのに……ああああッ!」
「さあ、アヤナ。もう一回マサにおねだりするのよ。なにをして欲しいの?さあ、言うのよ!!」
「わ……わたしは……」
顔を赤く上気させ、涙を流しながら―――吐き出すように、アヤナが言った。
「ほしい……こく…こくぼくんが……ほしい……」
「それだけじゃダメ。さあ、マサにどうして欲しい?マサの……なにが欲しい?」
「ほしい……こくぼくんにさわってほしい……こくぼくんに、かきまわしてほしい……
こくぼくんの……おちんちんが…ほしい…こくぼくんのおちんちんを…いれて、ほしい……」
「あっら〜〜〜、お嬢様、おちんちんだなんてお下品な言葉をとうとう口にするまでになったのね♪
ふふ……でも、今のアヤナは最高にイヤらしくて可愛くて、素敵よ……さあ、あとは…マサ?」
なおも苦しんでいるマサヒコに向き直ると、中村はその目の前にぽとり、と何かを投げ落とした。
「ま、ここまでやっといてなんだけど……一応避妊はしてあげてね?最低限のマナーとして」
「……お、あ……アンタは……なにを…考えて……」
「じゃ、私はこの部屋から退散するね〜〜〜♪終わったら呼んでちょ〜〜〜だい♪♪」
軽やかに、スキップをするかのようにアヤナの部屋を後にする中村。
―――そして部屋には――縛られ、悶える少女と、欲望と戦う少年が残された。
「おね……がい……こくぼ……くん……くるしい……おかしくなりそうなくらい……」
「……ダメ、だ……こんな……こんなことは……ダメだ、わか……たべ」
「いいの……もう……なにもかんがえられないの……わ、わたしを……抱いて。
アメリカに行く前の……思い出でいいから。あなたが……ほしいのぉ、こくぼ……くん」
潤みきった目で、アヤナが懇願する。いつもの強気で聡明な彼女の目ではなかった。
切れ長で勝ち気そうだったその目は既に正気を失い、濁り、とろけたようだった。
よだれでぽってりと濡れた唇からは、うわごとのように同じ言葉が吐き出されていた。
「かいてぇ……さわって…おねがい……おねがい、だからァッ!!!」
§
636 :
郭泰源:2005/10/15(土) 19:20:36 ID:ZYBFSvXc
必死で欲情を抑えようとするマサヒコだが、もはや限界だった。
「もう……無理だ……いいんだな?若田部?ほんとうに……いいんだな?」
「いいのォっ!!!すぐに……おねがいぃぃッ!!!こくぼくん!!!」
マサヒコの中で、なにかが……弾けた。
"どす……むにゅ…ちゅっ"
「あ…ああ…うれしい…こくぼくん……」
マサヒコが立ち上がり、アヤナの胸にむしゃぶりついた。
そして今までため込んできた感情を爆発させるように…彼女の胸を激しく揉みはじめた。
「もっと……なめて……さわって……おねがい……」
"ちゅぶ……つ、ちろ"
「あ……きゃん!……は―――ッ」
右の乳首を、口に含んだ。少しだけ噛み、慰む。嬲る。汗で濡れそぼった彼女の全身が粟立つ。
「あ…ああ!!!まだ…まだなの……もっと…もっとぉ……かんで……なめてえ!」
"ちゅうっぷ……ねろ〜〜〜〜"
口から離すと、マサヒコはそのねっとりとした感触を楽しむように、乳首に舌を這わせ続けた。
そして不規則に口に含んだり、舐めたり、噛んだりして……舌の上で転がすようにした。
中村の催淫クリームの味だろうか?とろりとした粘り気が、甘みが、口いっぱいに広がった。
噛むに忍びない、こりこりとした触感が、マサヒコの口内をたっぷりと満たしていく。
噛み ちぎり たい
(え?……い、今…俺………)
マサヒコは口の中でアヤナの乳首をねぶり回しながら、
強烈で凶暴な欲望が頭のどこかからわき上がってきたことに動揺していた。
(なんだ……今の……今の、思いは……)
「ダメぇ…もっとなのぉ……わたしの……アヤナの、おまんこも……さわってぇ……かいてえ…」
一瞬ひるんだマサヒコの心を見透かしたように、アヤナがさらなる淫らなおねだりの言葉を口にした。
§
637 :
郭泰源:2005/10/15(土) 19:21:29 ID:ZYBFSvXc
今日は以上。では股明日。
まるで藤川のようなフル回転キタ━━━(゚∀゚)━━━━━━━
郭氏GJ
なんかちょびちょびでも毎日読めると楽しいね
郭氏連日の登板おつかれさまです。
明日の投下をお待ちしています。
郭氏だけでなく他の職人様も投下をキボンw
640 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 00:34:09 ID:RrgsW29N
郭泰源氏乙!!
もうちんちんおっきしたお(^-^)/
もっと腰つかえ
(´・ω・`)保守るがな
643 :
郭泰源:2005/10/16(日) 19:01:24 ID:tihhP6ey
プレーオフ真っ最中ですが。では、予告通り毎日投下。本番有りラスト。
>>636の続き
644 :
郭泰源:2005/10/16(日) 19:01:55 ID:tihhP6ey
"すわ……すり"
「あ!!!そう……そのまま……もっと……あ―――はッ」
ためらいがちに、そっと、マサヒコは裂け目に触れた。
アヤナは彼の背中に手を回し……獣じみた叫び声をあげ、求めてきた。
"くゆゅ……くり"
(すげえ……こんなに……なるんだ……本当に……濡れるんだ)
アヤナのそこは、べっとりと濡れているだけでなく、確かにひくひくと震えていた。
「ダメ…あ……それだけじゃ……ダメ。もっと……奥まで……指を入れて……わたしの…中に…」
"くちゅッ……ぬむ"
中指を裂け目に沿わせて下ろし、ぬめった陰唇をかきわけるように、中へと……奥へと、
沈み込ませていった。既に湿りきったそこは、マサヒコの指をいともたやすく呑み込んでいった。
「はぁ―――っ、ふ――――ッ」
いったんそこでマサヒコが指を止めると、アヤナは顔を赤くして……長い溜息を何度も吐いた。
「若田部……だ、大丈夫?」
「だいじょうぶ……だから……もっと……中で、うごかして……かゆいし……あつい」
「じゃ、じゃあ……」
"くちゅ、くちゅ、ちゅく"
上下に、左右に……マサヒコが指を動かした。淫らに、湿った小さな音がアヤナのそこから漏れた。
「ん……はぁ……うん……ああっ…ふぅん…」
アヤナは言葉を口にすることさえ忘れ、汗に濡れた真っ白で豊かな胸をたぷたぷと揺らしていた。
目を閉じ、唇を引き締め、息を詰めて耐えるような表情で……快楽を、貪っていた。
"ぐッ……"
(!わ!い、今?若田部のここ…俺の指をはさみこんで……)
アヤナのそこからの圧力に驚き、指を思わず抜こうとするマサヒコだが……
「ダメぇ……こくぼくん……いじわるしないで……ぬかないでえ……」
アヤナはなおもいやらしく腰をくねらせながら、おねだりしてきた。
(若田部……若田部が……こんな……)
頬を赤く染め、口元によだれの跡を鈍く光らせ、目は虚ろなまま……アヤナは求めてきていた。
縄で両手両脚を縛られ、紺のハイソックス以外一糸まとわぬ姿で悶えていた。
成績優秀、上品、高潔、美人……彼女を評する言葉といえばそうしたものしかなかった。
クラスの――いや、学校でも憧れの的であるアヤナの、現実とは思えないほど乱れた姿に――
マサヒコは、自分の中でなにか今までに感じたことのない感情がわき上がってくるのを感じていた。
"ぐりゅッ!"
「あ!!ああああ!」
マサヒコが、抜きかけた指を、再び強く…勢いをつけてアヤナの中へと突っ込んだ。
"ぐしゅっ……ぶっしゅ!"
そして……さきほどよりも、広く……深く、中をかき混ぜ始めた。
「あ、ああ――ッ……!ふぁ―――ッ!」
「若田部……もう一本いくぞ……」
"ぬ……るッ"
「?!?!!ああ、ッ……そこ……は……」
マサヒコが、小指を……アヤナの、蕾のような菊穴に挿入した。
"きゅうッ"
驚いたアヤナは、たまらず下腹部に力をこめ……その指を締め付けた。
「へえ……すげえな、こっちの方が、締め付けが強いんだ……引っ張られるみたいだ……」
「こ……こくぼ……く ……ん」
「さっき、こっちにも塗られてたよな?こっちも……やってやるよ……」
"ぬ……ぬちゅ"
「……あ……………」
口を開け、呆然とした表情で……マサヒコの指戯を、アヤナは受け入れていた。
今までに、自慰を試みたことも、中村に弄ばれたことも一度ならずあった。
しかし、それらはあくまで女性器への刺激であり、菊穴への刺激は今までに感じたことが無かった。………その、はずだった。
(!―――あ――――な、なに?コレ……きもち……い、い……)
きゅっきゅっ、とアヤナの菊穴はマサヒコの小指を締め付けていた。
§
645 :
郭泰源:2005/10/16(日) 19:03:33 ID:tihhP6ey
「はぁ――っ……あ……、は――ッ」
その刺激に予想外の快感を得て腰を浮かせていたアヤナは、
頭の中で白い火花が弾け飛ぶのを感じた。
(!!!!!!!!!!!!!おもい……だした…わたし……私は……昔……これを……されたことが……)
今まで封印してきた、自分でも忘れたつもりでいた……記憶が蘇ってきた。
(ちっちゃいころ……お兄ちゃんに)
子供の頃――お兄ちゃん子だったアヤナは、兄の後ろにくっついては良く遊んでもらっていた。
アヤナはおままごとなどの遊びが好きだったが、早くも性に目覚めつつあった兄は、
いつもお医者さんごっこを望んできた。正直あまりその遊びが好きではなかったアヤナだが、
大好きだった兄の機嫌を損ねないために、仕方なく一緒に遊んだ。
兄は常にアヤナを裸にし……まだ、まったいらだった胸や、幼い裂け目をいじり回した。
しかし彼が一番執着を持ち、愛したのは他ならないアヤナの菊穴だった。
舐められ、嬲られ、指を入れられ……綿棒や、耳かきなどで中をかきまわされた。
幼いアヤナは、その行為に不思議な快楽を得て……
兄の、まだ愛撫とも言えないほど稚拙なそれを受け入れていたのだった。
やがて兄もアヤナも成長し、いつかそんな行為をしていたことを忘れてしまっていたのだが……
今、彼女はマサヒコにそこを辱められながら、そのときの快感を思い出していた。
「あ……こく……こくぼ……くん……もっと……もっと強く……」
「……強く……どうして欲しい?」
「かきまわして……アヤナの……」
「若田部の……どこ?」
「アヤナの……おまんこや……おしりの、あ…な……を……かいて……」
「……わかった……」
"ずぷ!ぶちゅ……ぬち!"
「あ…あぁ!……あッ……いッ!!いいッ!!」
裂け目の中をかき回すのに、人差し指を追加し……小指は菊穴に突っ込んだまま……
執拗にアヤナを責め続けた。膣口からは、熱い愛液が溢れ……とろとろと、こぼれ落ち続けた。
「あッ……くッ!……いいッ……かはぁ―――ッ!!!!」
"ぶしゅッ!!ぷしゅ〜〜ッ!"
嗚咽のような声を漏らし、びくびくと身体を痙攣させてアヤナが完全に達した。
そこからは射精するように愛液が、噴出されてきた。
"ずるッ……"
マサヒコが、ようやく指をアヤナの中から引き抜いた。
「は………ぁ……あ…………」
体中に汗をかき、荒い息を吐き……アヤナはなおも身体を小さく震わせていた。
「若田部……俺……」
「ダメ……まだ……終わらせないで……まだ…おねがい…」
マサヒコは、その言葉を聞くと後ろを振り返り、中村が置き残していったコンドームを拾った。
「………つけるから……ちょっと、待って?」
「ウン……」
大人しく、アヤナがうなずく。マサヒコは記憶をたどって、それをペニスに装着していった。
「じゃあ……ホントに……いいんだよな、若田部?」
「もう……なんども、きかないで……きて……おねがい」
"くちゅ……きゅ"
マサヒコが、アヤナの裂け目に再び指で触れた。
「あんッ……」
敏感に反応するアヤナ。既にそこは……新たな愛液がぬるぬると溢れ始めていた。
「もう一度…言ってみて……若田部……」
「さいごまで、して……いれて……こくぼくんの……おちんちん」
「わかった……いくよ……若田部……」
ペニスに手を添え、既にいやらしく濡れ始めた裂け目の先端に押し当て、
愛液をたっぷりとなすりつけるように、上下にこすった。
「あ……あん……は、はや……くぅ……」
処女喪失の瞬間だということも忘れ……腰を動かし、本能のままマサヒコの侵入をねだるアヤナ。
"ずりゅ!…ぬ・ぬるぅ……"
§
646 :
郭泰源:2005/10/16(日) 19:05:16 ID:tihhP6ey
「あ!!!ああああ!」
ペニスを裂け目の中心に押しつけ、一気に貫いた。背中を反らし、アヤナが鋭い叫び声をあげた。
マサヒコは既に深々と根元まで押し込み、アヤナの中の熱さと締め付けを味わっていた。
(……い、痛いけど…からだがさっきより、熱い…あ、あついッ!……おかしくなりそうなくらい……)
(あ…………こうなんだ……若田部……熱くて……くいくい締め付けてきて……)
「こくぼくん……お願い……もっと……」
「で、でも…痛く、ないの?若田部」
「少し……痛いけど……それより、もっと……欲しいの…こくぼくんが……」
アヤナがそう言って唇をつきだした。少し困惑した表情のまま……マサヒコが唇を吸う。
唇が、マサヒコの唇を感じる。右の頬が彼の滑る指先を感じる。
マサヒコの腰がゆっくり、ゆっくりと動いて、アヤナの汗でぬるぬるになった乳房を波立たせる。
彼の荒い息づかいを感じ、体温を感じ、玉のように吹き出す汗を感じる。
激しい動きが加わり……身体の芯に鋭い痛みが駆け抜ける。
―――しかしアヤナは、そんな痛みさえも愛おしかった。
痛みさえも、マサヒコによってなされたものだという事実に変わらないのだから。
探り合い、絡め合うようにしてふたりは交わった。
お互いが深く吐息を吸い込み、吐き、そのぬくもりに酔い痴れる。
マサヒコが、舐める。アヤナの乳房を、首筋を、肩を。何度も、何度も。
舌がちぎれるまで。痺れて動かなくなるまで。やがて自分の舌と彼女の肌が張り付き、
完全に一体になったかのような錯覚をマサヒコは覚えていた。
徐々に腰の動きも加速させていく。舌の動きも、小刻みに速めて。
「ふ……うにゃあ……」
子猫のような声を上げ、アヤナが両手でマサヒコの腰をつかむ。
「ああ……お願い…こくぼ……君、お願い……こくぼ、くぅん」
高ぶる彼女の表情が……声が、愛おしくてたまらない。
マサヒコはアヤナの一番敏感な、耳の裏を舐め回し、そしてそれを口に含む。
「ひゃあッ!!は!ダメ……そこだけは……だめぇッ!!」
唇と、舌と、唾液と、全てを駆使して愛し、慈しむ。強く、弱く。優しく、荒々しく。
<まだ…ダメだ。もっともっと感じろ。……沈め。……堕ちろ。奈落の底まで…………>
暗く深い沼の中から、中村でもなく、アヤナでもなく、誰かが自分に――語りかける声を、
マサヒコは、確かに聞いた。しかし彼は、その声が誰のものであるかを知っていた。
それは間違いなく……自分の、声だった。今まで自覚することの無かった……
自分の奥底で眠っていた、暗い欲望の声だった。
「若田部……俺、もう……いくよ?」
「はあ―――ッ、は、はい……出して……最後は……つながったまま……」
「わ……わかった……」
"ぐしゅッ!ぶしゅッ!!"
荒々しく腰を振り、動き――やがて、嵐のような快感に包まれ――熱い精を、解き放っていた。
"びゅ……びゅわッ、ぴゅッ"
(俺は……逃げない。誰からも………俺は……若田部を、このまま……)
誰に言うでもなく、マサヒコは心の中で呟いていた。
£
「……アヤナ」
アヤナを縛っていた縄を解き放つと、マサヒコが真剣な顔で言った。
「え?」
「アメリカになんか……行くな。ずっと……一緒にいよう。俺のそばに…いてくれ」
「……こくぼ、くん……」
アヤナの双眸から、涙が溢れた。ずっと…ずっと、待っていた言葉だった。
「はい……よろしく、お願いします」
£
「ふふふ……でも、逃げられるかしら?その暗い淫乱の血から……マサヒコ?」
部屋の外では、中村が不気味な微笑みを浮かべながら呟いていた――――
end
647 :
郭泰源:2005/10/16(日) 19:06:38 ID:tihhP6ey
コレを書く前、初期投下作を読み直しました。
………確かに、今の私にないものがあるような気が。
「安心する」とか、「安定」と言われると、正直エロSS書きとしては……微妙なんですよ。
てか、ダメでしょ(苦笑)。なんで、最初の頃のように、あまり話も膨らませず、書き直しもせず、
できる限りその場の勢いで書いてみました。出来は……自分では意外に満足してます。
そうは言ってもアヤナにトラウマちっくな過去を作ってみたり、ちょっと失敗してるくさいんですけど。
タイトル:「わるいひとたち」でお願いします>>古田氏
648 :
郭泰源:2005/10/16(日) 19:17:53 ID:tihhP6ey
投下してから早速気付いた……修正願います。
>>646、23行目
×子猫のような声を上げ、アヤナが両手でマサヒコの腰をつかむ。
○子猫のような声を上げ、切なげな表情でアヤナが首を左右に振った。
……縛られてるんだっての、俺。申し訳なし。
キタ━━━(゜∀゜)━━━!
連投おつかれ。
妄想欲望ほとばしりんぐな熱き白濁したパトスをそのままこのスレにブッ掛けた、ってことでも読ませるわね。
さて、これはこのネタで続けないとw
エロスの暗黒面に堕ちたマサが、全員喰いまくって、最後は6Pってことで。
中出しされて、生理が来なくなって責任とれーパターンは
652 :
郭泰源:2005/10/16(日) 20:13:46 ID:tihhP6ey
もひとつ
>>644、4行目
×アヤナは彼の背中に手を回し……獣じみた叫び声をあげ、求めてきた。
○アヤナは獣じみた叫び声をあげ、求めてきた。
………だから縛られてるんだってば、俺(涙)
郭氏乙
最近のに比べ、荒さが残ると語ってるせいか、いい新鮮さがあった気がする
まぁマンネリを感じる読み手がいるのは当たり前で
初期から見てきた人間としても似てる題材だと途中で少し読み疲れたりしちゃったりね‥‥
『マサヒコの女難週間』だっけ?
個人的にはあぁいったぶっとんだ感じのをまた読んでみたいな
純愛物を多く投下してきたせいか、その手の作品は個人的に
無難にまとまってる、安定したおもしろさって感じを受ける
いや、誉めてるよ?
乙です
初期衝動を取り戻すってのはベテランにとって永遠のテーマかもしれないすね なんかミュージシャンみたいだ
てかアヤナ兄・・・あんたもアナラーかよ・・・
655 :
郭泰源:2005/10/16(日) 20:40:03 ID:tihhP6ey
>>653氏
ぶっちゃけ、特に純愛っぽい奴はある程度は自分の経験が反映するわけで。
そうなると行き詰まるんですよね。そんな引き出し無いし、経験ないし(苦笑)。
>>654氏
まあ……そのとおりですわ。初期衝動を取り戻すために3コードだけで曲作る、
または勝てなくなったローテーション落ちが昔のピッチングをビデオで確認するような感じ。
アヤナ兄は意図的に変態に仕上げました。改めて読んでみると本当に荒い・・・
だいたい自分の仮書き上げの状態はこんな感じ。
………なんだか実験につきあわせたみたいで住人諸氏には申し訳なし。
やべ…なんか、シンジとアヤナ兄とが妹自慢(?)し合ってるところを
想像してしまった…
>>655 郭氏の作品に目が肥えた、求める質があがったってのもあるだろうが
おもしろいと思ってるんで‥‥深く考えすぎないでくださいね
ベテラン勢でただひとり継続して登板してる郭氏
エースにもエースの苦悩があるということですね…
そろそろ新スレ必要か?おれケータイからなんでだれか頼みます
近親相姦でつか!?
乙!
次スレがたってからの埋め立て用の小ネタも個人的に好きなので楽しみ
郭泰源氏と新しめの職人さん以外の投下が減ってきているサビスイ
・・・という嘆きはよく考えたらスッゲー贅沢でごわすな
他スレで一ヶ月誰も投下ナシなんてところはザラにあるんだからw
それはそれとして、次スレでもまた多くの職人さんのエロパロが読めることを祈願!
今日は郭泰源氏はプレーオフに釘付けだろうなぁ・・・
664 :
117(;^ω^):2005/10/17(月) 18:25:07 ID:osdpmLtg
郭泰源氏が、氏家スレから去ったら…保守とかageばかりな過疎スレになりそうだな…と思うぐらい、氏家スレに貢献しているよ、郭氏は
他の職人が、郭氏の勢いに飲まれてるキガス。
郭泰源氏以外の職人さん、もっとガンガレw
ロッテ、プレーオフ勝ち抜け!日本シリーズはロッテ対阪神!
十数年前では想像できないカードw
で、記念に生粋のロッテファン(
>>463)の郭氏とトラキチのピンキリ氏(以前そう言ってた)でタッグ組んで話書いてほしいなあ
二人だけじゃなくてファンの職人さんは皆参加して…
ヤンマガ見てたら
アキ「まあいいか」
って!!
500kb
668 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 09:33:56 ID:E/enTkCr
668
669 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 09:49:58 ID:MetFc4hO
アキ
初芝おめでとう。・゚・(ノд`)・゚・。
何で新スレがもう必要?
・・・かと思ったらサイズがもう足りないのか。
まだ 479KB。あと21KBある。小品投下希望。
「…あ! カナミちゃん見てください、あれは…」
「え、どうしたの? …あ! も、もしかして…!?」
「「宮本先生!!」」
「あら! カナミちゃんにマナカちゃんじゃないの! 久しぶりねー!」
「卒園以来ですから、かれこれ10年になりますね。お変わりないようで何よりです」
「ありがとう。ふふ、貴方たち二人も変わってないみたいね」
「…」
「…」
「え、ど…どうしたの急に!?」
「…先生、今ならあの時の先生の気持ちが分かります」
「こんなに…こんなに辛いんですね…」
「え…。それは…もしかして…」
「どうして育たないんでしょうか…」
「もしかして…もう一生…」
「みなまで言わなくてもいいわ! …貴方たちもそれが分かる年齢になったのね…。
女の子は、その苦しみを乗り越えて大人になるの。劣等感なんかに負けちゃダメよ!!
私は…私は貴方たちの味方だからね!!」
「「せ、先生!!」」
「さあ! 夕日に向かって叫びましょう!!」
「「はい!!!!」」
「「「巨乳なんか死んでしまえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」
その時イデが発動した。
674 :
518:2005/10/18(火) 19:27:31 ID:KhSCtvC5
小ネタ投下。
675 :
518:2005/10/18(火) 19:28:25 ID:KhSCtvC5
頭ではちゃんとわかっている。
それは女性として、はしたない事だと。
まして、教え子の部屋でなんて。
「フフッ……アイったら……」
中村は唇の端を吊り上げ、笑った。
「あうぅ!せ、せんぱぁ〜い……」
「さあアイ、どうしてほしいか言ってみなさい」
「……」
「言わないなら、もうやめてもいいのかしら」
「っ!それは!」
そう言って、アイは悔しそうに俯いた。
「フフフ……」
中村は、また笑った。
そうこうしている間に部屋の主であるマサヒコが帰ってきたようだ。
彼はこの光景を見てどんな反応をするだろう?
ゆっくりと、部屋の戸が開かれる。
「……二人共なにしてるんですか?」
「見てわからない?」
「……中村先生が濱中先生にパロスペシャルかけてるように見えるんですけど」
「アイも私の最近プロレスにハマってるのよ」
「ま、まさひこく〜ん!パロスペシャルの返し方おしえて〜」
「知りませんよそんなの」
「ほらほら、抵抗しないの?やめていいの?」
「やめないでください!やられっぱなしじゃ悔しいですから!なんとしても技を返します!」
「二人共……嫁入り前の娘さんが、はしたないっすよ」
「「どこが?」」
「……下着、見えてます」
「「あ」」
676 :
518:2005/10/18(火) 19:29:00 ID:KhSCtvC5
頭ではちゃんとわかっている。
それは女性として、はしたない事だと。
まして、教え子の部屋でなんて。
「フフッ……アイったら……」
中村は唇の端を吊り上げ、笑った。
「そんなに汁をたらして。そんなにもこれが欲しいのかしら?」
「はい……欲しいです」
「じゃあ、私に言うことがあるんじゃないの?」
「え?」
不安げにアイの眉が下がる。
「お願いしますって。言わないとね」
「お、お願いします!私に…私にそれをください!もう我慢できないんです!」
「よく言えたわね」
そう言って、中村はアイの望むようにしてやる。
「あああっ!」
アイは、歓喜の声を上げた。
「フフフ……」
中村は、また笑った。
そうこうしている間に部屋の主であるマサヒコが帰ってきたようだ。
彼はこの光景を見てどんな反応をするだろう?
ゆっくりと、部屋の戸が開かれる。
「……中村先生」
「なにマサ?」
「アイ先生はなぜあんなに鬼気迫る表情で牛丼をかきこんでるんですか?」
「レポート作成で徹夜して丸一日なにも食べてなかったのよ。
だから私のちょっと遅いお昼用に買った牛丼上げたらあの通りよ」
「そうですか……あ〜あ〜、あんなにご飯零して。
はしたないと言うかだらしないと言うか……先生、もうちょと落ちついて――」
「ぶふぉぉぁ!!」
「「おわぁ!」」
「げほ……げほげほ!気管に入った……」
「俺の部屋がご飯まみれに……掃除したばっかなのに…」
「御愁傷様ね、マサ」
677 :
518:2005/10/18(火) 19:29:33 ID:KhSCtvC5
頭ではちゃんとわかっている。
それは女性として、はしたない事だと。
まして、教え子の部屋でなんて。
「フフッ……アイったら……」
中村は唇の端を吊り上げ、笑った。
「そんなに汁をたらして。まったく、とんだメス豚ね、アイ」
「……」
「あら、なにも言い返さないの?」
「……」
「言い返せないのはその自覚があると受け取ってもいいのかしら?」
「……んぅ」
中村の言葉に、アイは僅かに身動ぎした。
「フフフ……」
中村は、また笑った。
そうこうしている間に部屋の主であるマサヒコが帰ってきたようだ。
彼はこの光景を見てどんな反応をするだろう?
ゆっくりと、部屋の戸が開かれる。
「あれ?濱中先生寝てるんですか?」
「ええ。ほら見て、マサ。アイったらこんなに汁たらしてるのよ」
「涎って言いますね、一般には」
「こんなにも汁たらして。何を欲しがってるのやら」
「確実に食べる物だと思います」
「……マサ、つまんない。もうちょっとノッてきてよ」
「いやです」
「んぅ〜……むにゃむにゃ…」
「あら、起きた?」
「寝言じゃないですか?」
「もう食べられない…」
「「なんてベタな……」」
「なんて言わせないわよ〜…ウフフフ」
「「!!!??」」
678 :
518:2005/10/18(火) 19:30:07 ID:KhSCtvC5
頭ではちゃんとわかっている。
それは女性として、はしたない事だと。
まして、教え子の部屋でなんて。
「フフッ……アイったら……」
中村は唇の端を吊り上げ、笑った。
「せ、先輩…」
「大丈夫。私に全部任せなさい」
「でも……」
「怖い?」
「……はい」
「大丈夫よ。私を信じなさい。さ、服を脱いで横になりなさい」
「はい」
やや不安げではあるものの、アイは素直にシャツを脱いだ。
「フフフ……」
中村は、また笑った。
そうこうしている間に部屋の主であるマサヒコが帰ってきたようだ。
彼はこの光景を見てどんな反応をするだろう?
ゆっくりと、部屋の戸が開かれる。
「ゲホゲホ……煙いです中村先生。タバコはベランダでってお願いしたじゃないですか」
「違う違う。これ艾(もぐさ)の煙。アイにお灸してあげてたのよ」
「最近肩がこっちゃってさぁ。先輩にお願いしたの。ごめんね部屋煙たくしちゃって」
「いえ。煙草の煙じゃなきゃいいんですよ」
「なんで艾ならよくて煙草の煙はだめなのよ」
「……あの……先輩」
「こないだ学校で先生に呼びとめられたんですよ。
制服からタバコの匂いがするって。だから勘弁して欲しいんですよ」
「……せ、先輩……その」
「やましい所はないんだからちゃんと説明すればいいでしょ」
「めんどくさいじゃないですか」
「あたしだってわざわざベランダまで行くのめんどくさいのよ!!」
「逆切れ!?」
「あつーい!!先輩熱いです!取って取ってー!!(がばっと起きあがる)」
「うおっ!」
「あ、ばか!まだ火がついてるのに!シーツが焦げるでしょ」
「だって熱かったんですよ!」
「それと、あんた上半身裸だって忘れてるでしょ?その姿はマサには刺激強すぎるんじゃない?」
「……きゃー!!マサヒコ君のえっちぃぃぃ!」
「俺が悪いのか!?」
679 :
518:2005/10/18(火) 19:31:11 ID:KhSCtvC5
頭ではちゃんとわかっている。
それは女性として、はしたない事だと。
まして、教え子の部屋でなんて。
「フフッ……アイったら……」
中村は唇の端を吊り上げ、笑った。
「触らないでください!」
「アイ……」
「先輩が……先輩がそんな不潔な人だなんて思いませんでした!」
そう言って、信じられないといった視線を送る。
「不潔って……男なら――」
「先輩は女じゃないですか!それなのにそんな……」
ふるふる震えるアイの様子に。
中村はアイに飛びかかった。
「い、いやぁぁ!!」
悲鳴が、部屋に響く。
「フフフ……」
中村は、また笑った。
そうこうしている間に部屋の主であるマサヒコが帰ってきたようだ。
彼はこの光景を見てどんな反応をするだろう?
ゆっくりと、部屋の戸が開かれる。
「……二人共なにしてるんですか?」
「見てわからない?」
「わからないから聞いてるんです。見てわかるのは中村先生が濱中先生に抱きついてるってことだけです」
「マ、マサヒコ君!先輩ったら昨日お風呂に入ってないって言うのよ!
不潔でしょ!?そう思うでしょ!?」
「男なら一日二日風呂に入らない事もあるってのに、アイは潔癖症なのよ。ねえマサ」
「はあ」
「ほ〜れほ〜れ。これが一日風呂に入ってない身体よ〜ん」
「い〜や〜!助けてマサヒコ君!」
「助けてって言われても……」
「むっ!さすがアイ!綺麗好きなだけあるわ!ねえマサ!」
「はい?」
「見て見て!!アイってば今日は純白のパンティよ!」
「!!!!??」
「せ、先輩!!やぁ!マサヒコ君見ないでぇ!」
「無駄よ。あんたの下半身を目にしてマサは既に血の海に沈んだわ」
「そんな……マサヒコ君が私のパ、パンツ見て大流血だなんて」
「いや、流血してねえし。いい加減にしないと本気で家庭教師契約解約しますよ」
「そんな……アイのパンツならいくらでも見せてあげるからそれはやめて」
「それをやめいっちゅーとるんだ俺は!」
680 :
518:2005/10/18(火) 19:33:27 ID:KhSCtvC5
終わり。
ベタやね。
「必殺!変態秘奥義!! 地獄のジェット・トレイン!!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 気持ち悪いぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「成敗!! …さぁ、お嬢さん。強姦魔は退治しました。もう安心です…よ…?」
「え…あ…う…。あ、あんたいったい…?」
「…リョーコ…!?」
「え? なんでアタシの名前を…?」
「あっ!(し、しまった!!)」
「…セイジ!!?? アンタ、まさかセイジなの!?」
「い、いや…私はそんなも…」
「ちょっと、本当にセイジなの? そんな格好で何してるのよ!?」
「い、いや、私は…」
「じっくりと説明してもらうわよ!!」
「え、あ、その…。…さらばだ!!」
「!! 逃げんなぁぁぁぁ!!!!」
「ひぃぃぃぃ!! 追ってきてるぅぅぅ!!」
「待てコラァァァァァァ!!!!」
その時イデが発動した。
ちょwwww埋めネタすべてで大爆笑したwwwwwwww
683 :
ピンキリ:2005/10/18(火) 20:12:21 ID:BoFGhZZS
埋め用ネタ
本来なら「アイのカタチ」のはずなんですけどね……
とりあえず無題↓
684 :
ピンキリ:2005/10/18(火) 20:13:09 ID:BoFGhZZS
しとしとと秋の冷たい雨が降るある平日の午後のこと。
小久保邸には当家の息子であるマサヒコ以外に、
アイ、ミサキ、リンコ、リョーコ、アヤナの五人のうら若き女性が集合していた。
別に六人揃って遊びに興じているわけではない。
先日返ってきた、中間テストの問題と答の見直しを行っているのだ。
それなら、アイとリンコ、リョーコの家庭教師関連組だけを呼べばいいはずだ。
では、ここで『屁理屈をもっともらしい口調で理屈として押し通す』というリョーコの特技を思い出していただきたい。
「この時期のテストでケアレスミスをしているようでは、到底受験で好結果は望めないわ。
リンは天然だし、マサヒコは結構うっかり者の部分があるでしょ。
この際、徹底的にミスの原因を追求して、今後間違いをしないようにチェックしましょう。
そのためには、優等生の模範解答と照らし合わせるのが一番よね」
結果、雨にも関わらずミサキとアヤナが小久保邸に呼ばれたわけである。
リョーコの言い分、一見正しいように見えるが、よく考えてみればまさに屁理屈であるのがわかるだろう。
マサヒコもそれがわかっているから、「いや、それは家庭教師の役目なんじゃ」と突っ込んだ(却下されたが)。
だが、呼ぶ方も呼ぶ方だが、呼ばれた方も呼ばれた方で断りなんぞしない。
ミサキは家がすぐ近くだし、それにマサヒコに会うのを躊躇う理由なんぞ何処にも無い。
アヤナもリョーコが口をきけば一発だ。
ま、そういう次第である。
それで、脱線も無く見直しとミスのチェックは進んでいた。
小一時間程したところで、マサヒコの母が部屋のドアを叩いた。
時計を見れば丁度おやつには良い時間であり、リンコやアイなんぞはノックの音を聞いただけで、
筆記用具を片付け始めたわけだが(まるでパブロフの犬だ)、残念ながらマサヒコの母は菓子の盆は持っていなかった。
「マサヒコ、父さんなんだけど、今出張から帰ってきて駅にいるのよ。で、傘が無いみたい。
アンタ、ちょいと迎えに行ってきてくれない?」
素直で良い子のマサヒコは当然反論するわけで。
「タクシーで帰ってくればいいだろ」
優しくておおらかな母も当たり前のように命令するわけで。
「金が勿体無い」
素直で良い子の(以下略)。
「たいした額じゃないだろ」
優しくて(以下略)。
「冷血息子。雨の日に駅まで傘を持って迎えに行かずして何が幸せな家庭か」
素直(以下略)。
「何をわけのわからんことを」
優(以下略)。
「いいから行け」
嗚呼、何と微笑ましい親子の会話。
半分の笑いと半分の当惑、何とも言えない表情でその光景を見守る四人の女性(残りの一人は完全に笑っている)。
まったくもって、言葉で表現するのが惜しい素晴らしき一時と言えよう。
685 :
ピンキリ:2005/10/18(火) 20:17:32 ID:BoFGhZZS
マサヒコが消えた後、今度は正真正銘のおやつを持って、マサヒコの母が部屋に入ってきた。
お盆の上には、六つのケーキと紅茶が並んでいる。
「これ、二丁目に新しく出来たケーキ屋さんで買ってきたのよ」
「あー、あそこおいしいって早速評判になってましたね」
「【ロッテン&マーリン】という店ですね」
二丁目の新しいケーキ屋、と聞いて反応したのは、アイ、そして珍しいことにアヤナだった。
食べ物の情報に耳聡いアイはともかく、何故アヤナが店の名前を知っていたのか。
「実は、そこのケーキ職人さんが横浜ベイスターホテルの最上階カフェレストランで働いていた時に、
家族で何度か食べに行ったことがあるんです。本場フランスで修業したそうで、とってもおいしいケーキでしたわ」
アヤナの言葉に、スゴイねと素直に感心した者三名、無表情だった者一名、怒筋を浮かべた者一名。
誰がどれかは、あえて説明する必要はあるまい。
「では、いただきます」
「いただきまーす」
真っ先にアイとリンコがかぶりついた。
パクパクという擬音がピッタリ似合うような食べ方だ。
「わぁ、おいしい」
「あまぁ〜い、おいし〜い」
「でも、甘いけどしつこくないね」
「成る程、フランスで修行してきたというだけはあるわね」
「また腕を上げたみたいだわ」
五者五様だが、甘い物を食べる時というのは女性というのは、どうしてもにこやかになるものだ。
「うふふ、いいわねぇ。私が作ったわけじゃないけど、喜んでもらえると嬉しくなっちゃうわ」
「ありがとうございます」
「いえいえ。……それにしても、やっぱり若いコがたくさんいると華やかでいいわねぇ」
「そうですか?」
「そうよ。それにしてもマサヒコのヤツ、こんだけ可愛いどころ綺麗どころが集まってるのに、男として反応しないのかねぇ」
さすがと言おうか何と言おうか。
シモの方へと意図的に話を持っていこうとするマサヒコの母。
で、この手の話にリョーコが食いつかないワケがない。
「そうですよねぇ。ハーレムと言っても差し支えないのに。
天然少女に幼馴染、年上の家庭教師、巨乳の同級生、こんだけ揃ってて一向にそれっぽい行動を起こさないんですよ」
「ああ、マサヒコの将来が心配だわ。EDかと思ってたけど、もしかして男色の傾向があるんじゃないかしら?」
「あら、でも最近は性転換の技術も進歩しているようですし」
さあ、こうなると止まらない列車である。
停車駅無視も何のその、他の四人を置き去りにしてはるか彼方へとリニアモーターカーの速度で出発進行だ。
「学校に行ってる間、何度か部屋の掃除を兼ねてその手の本やビデオを探したんだけど、見つからないのよね」
「それは深刻ですね。15歳と言えば思春期真っ盛り、やりたい盛りのお猿のはずなんですけど」
マサヒコの母とリョーコ、真正面から会って話をしたら水と油で反発しあうのではないか?
と密かにアイやミサキは危惧していたことがあった。
似たモノ同士は憎みあう、ということもある。
だが、どうしてどっこい。
同じ精神の波長を持つ者同士、意気投合してしまったのだ。
宮本武蔵と佐々木小次郎ではなく、宮本武蔵が二人いる、つまり倍率ドン、さらに二倍てなもんだ。
ウブなアイやミサキは止めるに止めることも出来やしない。
686 :
ピンキリ:2005/10/18(火) 20:21:22 ID:BoFGhZZS
「やー、やっぱりリョーコちゃんはいいわねぇ。ウチの父さんもマサヒコも、こんな感じでトークしてくれなくて」
「あら、私もお母さんのような人とこういう話が出来て楽しいですわ」
こっちはちっとも楽しくない、恥ずかしい、……と面と向かって言える程その他四人に勇気があるわけもなし。
強いて突っ込むことが出来るなら、天然のリンコか、酔った時のミサキだけだろう。
「いっそのこと、リョーコちゃんに筆おろしでも頼んだほうがいいかしらねぇ」
アイとミサキ、アヤナは思わず仰け反った。
まったく、とんでもないことを言い出す母である。
「あらぁ、私、あんまり年下には興味は無いんですけど。でも、あと三年程経ったら考えてもいいかな、なんて」
アイ、ミサキ、アヤナはひっくり返った。
ホント、とんでもない返答をする家庭教師である。
「じゃあ、三年経ってまだマサヒコがフリーだったらお願いするということで商談せいり……」
「つ、じゃなーいっ!」
ミサキが飛び起きて、悪魔の契約証明書にハンコが押されるのを止めた。
「な、ななな何を言ってるんですか二人とも!そそそ、そんなこと勝手に決めないで下さい!」
「そ、そうですよ!」
「あんまりです!」
アイとアヤナも体を起こし、勢い強く突っ込んだ。
ちなみに、リンコは三人の後ろで、持ってきた猫の雑誌なんぞをのほほんと読みながらケーキをパクついている。
「あらあら、それはどうしてかしら?」
「何で三人して、そんなに必死に止めるの?」
この時のマサヒコの母とリョーコの顔、それはまさしく悪女のそれだった。
「どどど、どうしてもですっ!」
「あああ、相手を選ぶ権利はマサヒコ君にもっ!」
「ふふふ、風紀が乱れてると思いますっ!」
必死の形相で悪女二人に喰ってかかるアイ達三人。
だが、そんな純情乙女必死攻撃が、歴戦の勇士に通じるわけがない。
「あらー、それじゃ、あなた達三人のうち誰かが、マサヒコの童貞を奪ってくれるわけ?」
「それならそれで結構じゃない。しかも処女も捨てれて彼氏も出来て、こりゃ一石二鳥♪」
一瞬の内に石像と化すアイ、ミサキ、アヤナ。
ただ、口だけが金魚の息継ぎのようにパクパクと動くのみだ。
「違うわよリョーコちゃん。場合によっては、マサヒコからしてみれば……」
「ああ、成る程。マサからしたら、一石四鳥になるかもしれませんわね」
二人の台詞と同時に、ガラガラドーンという大きな音をたてて、雷が落ちた。
部屋の中の五人(正確には六人だが、まったく話の流れに関与してこないので五人とさせてもらう)を白く照らしあげた。
「うふふ」
「ふふふふふっ」
部屋に響く、悪女二人の妖しい笑い声と、雷の後に強まった雨の音。
悪女二人は、膝立ちでじりじりとアイ達に詰め寄り、プレッシャーをかけていく。
「さあ」
「さあ」
「さあさあ」
「さあさあさあ」
それぞれの顔が至近距離まで迫った時、もう一度、大きな雷が落ちた。
と、同時に―――。
「「ただいまー」」
階下から、救世主二人の声がした。
さてその後、マサヒコはまたしても雨中特攻を母より命ぜられる。
「女性陣全員、自宅まで送って行け」と。
「なんで全員」という当たり前の反論も虚しく、
マサヒコはやけに顔を赤く染めた三人(と、いつもと変わらぬ二人)と傘を並べるハメになる。
翌日、高熱を出して寝込んだマサヒコを、アイ達が看病することになるのだが……。
それはまた、別の話。
687 :
ピンキリ:2005/10/18(火) 20:23:40 ID:BoFGhZZS
以上
「アイのカタチ」は……日本シリーズが終わる頃までには続きを何とかしたいと思います
ロッテ、優勝おめでとう!
でも、我らがタイガースが今度こそ日本一を獲らせてもらいます!
いや、正直ごっつ不安なんですが……
ピンキリ氏GJです!
アイのカタチ、焦らなくていいですからじっくりと頑張って下さい。
689 :
117(;^ω^):2005/10/18(火) 20:42:56 ID:7HgurgvE
ピンキリ氏頑張れ!!
でも、マリンズ頑張れww
うおー、なんだこの投下ラッシュは! GJGJGJGJ GJだーーーーっ
>>686 ピンキリ氏、ミサキチとしては一巻のノリで
×「つ、じゃなーいっ!」
○「つ、なわけねーっ!」
と叫ばせたい。
>>673>>681氏、イデの発動って、そのネタ通じると思って?
いや、あっしはバッチリ壷でしたが。
>>675 そういうの大好き好き!素晴らしい四作だった。俺の中ではベストセラー!
>>674-680 514氏、あんた「濱中で4コマ」の原作者かっ!!
特に
>>678 の落ちがマイベストでした。
こういう作品大好きです。もっともっとーーーちょうだい。
>アヤナの言葉に、スゴイねと素直に感心した者三名、無表情だった者一名、怒筋を浮かべた者一名。
誰がどれかは、あえて説明する必要はあるまい。
素直に感心した者=ママン、中村、ミサキ
無表情=アイ
怒筋=リンコ と脳内変換してワロタww
694 :
埋め立て:2005/10/18(火) 22:21:35 ID:gcGEes07
本日も逝ってみよ〜淫語しりとり〜
この間のから「性感帯」
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