【キノ】時雨沢作品でハァハァしよう6【アリソン】

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1名無しさん@ピンキー
立てた直後に落ちた、前前前前スレ。前回、前々回、前々々回は生き残る事ができた。
作品を発表してくれる神キテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
神には感謝を忘れずにおながいします。

過去スレ
◆□キノの旅でハァハァしよう□◆
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1035/10353/1035380014.html
◆□キノの旅でハァハァしよう3□◆
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1045648241/
◆□キノの旅でハァハァしよう4□◆
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1057301973/
◆□時雨沢作品でハァハァしよう5□◆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1085156970/

関連スレ
時雨沢恵一総合スレ35 アリソンキノリリアトレイズ
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1122278249/

保管庫
http://members.at.infoseek.co.jp/kinohaha/
http://www.asahi-net.or.jp/~sx8a-skym/mono/index.html
2名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 19:05:36 ID:+pevH6nl
ほしゅだーーーーーー!!
3名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 19:10:01 ID:Ohzkcm7L
関連スレ
こんな「キノの旅」はいやだ!! その2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1125587628/
キノの旅Yの後書きを書くスレ
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1092565326/
4名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 19:10:49 ID:Ohzkcm7L
公式サイト (Flashを鑑賞する時はtop.htmlを省略)
ttp://www.kinonotabi.com/top.html

WOWOW
ttp://www.wowow.co.jp/drama_anime/kino/contents.html

メディアワークス
ttp://www.mediaworks.co.jp/

キノの旅の絵師、黒星紅白のサイト
ttp://ww2.tiki.ne.jp/~kuroboshi/

キノ・アリソン絵板
ttp://fox.oekakist.com/KINO/
5名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 19:14:15 ID:Ohzkcm7L
あと何か必要なものが抜けてたら追加しといて
6名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 20:31:32 ID:jNpATmyx
これが抜けてる。
>>1
スレ立て乙。
7名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 21:41:46 ID:x38O28T9
>>1さんスレ立て乙彼。

作家さん俟ち。
8名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 21:43:48 ID:x38O28T9
すまん、ageちまった……
9名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 22:40:55 ID:l8DJKlLy
>>1
乙だと思うから 乙だと思う
10名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 10:37:25 ID:144hiSRv
保守&誘導age
11名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 12:46:41 ID:Dw2GBL5O
漏れも漏れも!
1乙〜
12名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 15:22:59 ID:YA4CNRH2
要するに
>>1
13名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 18:52:42 ID:NEICi//e
1乙!
14名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 21:58:51 ID:5JXqgE46
「ようするに、イチモツってことだよね?」

「…1乙?」
15名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 22:41:00 ID:144hiSRv
「そうそれ」
16名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 03:22:43 ID:WJ6JMrPr
ほしゅ
17581:2005/09/11(日) 10:52:49 ID:rQgW+nBK
スレ立て乙です
消滅防止のために、以前なんとなく書いておいたものを投下します。
ほとんどエロなしですが……。
それでは……
18581:2005/09/11(日) 10:53:44 ID:rQgW+nBK
「まだ結構熱があるみたいだね、アリソン」
そう言ってヴィルは、アリソンの額の上に濡れたタオルを乗せてやる。
ベッドの上、布団や毛布にぬくぬくとくるまったアリソンは、そんなヴィルの姿をぼーっと眺めている。
いつも元気なアリソンが、久し振りに風邪をひいて倒れたのは、昨日の夕方のことだった。
ひどい熱を出したアリソンのために、ヴィルは医者を呼んだり、つきっきりでアリソンの看病をしてくれたりした。
「…ヴィル、私のために…ごめんね…」
熱にうなされるアリソンを看病するために、ヴィルはほとんど睡眠をとることが出来ないでいた。
その疲れを微塵も感じさせること無く、ヴィルはアリソンに微笑みかける。
「いいんだよ、アリソン。一緒に住んでるんだから、こういう時はお互い様だよ」
19581:2005/09/11(日) 10:54:24 ID:rQgW+nBK
めったに風邪をひかない分だけ、アリソンの熱はひどく、ヴィルは大層心配させられた。
活動的なアリソンにとって、こうして一日中家の中でじっとしているのは辛いことだったろうと、ヴィルは思う。
ヴィル自身も元気なアリソンを見ているほうが嬉しいのだ。アリソンの風邪も少しは落ち着いてきたようで、ヴィルはほっと胸をなでおろす。
「とにかく山は越えたみたいだから、もう少し安静にしててね」
そう言って、ヴィルがベッドの横の椅子に腰を下ろすと、アリソンは寝返りを打ってヴィルのほうに向き合う。
「ねえ、ヴィル……」
「何?アリソン」
か細い声で語りかけてくるアリソンの声を聞き漏らさないように、ヴィルは身を乗り出す。一方のアリソンはいやに真剣な顔つきだ。
20581:2005/09/11(日) 10:54:59 ID:rQgW+nBK
「…風邪といえばさ……何か思い出さない?」
「……?昔、家で風邪をひいたときの事とか?」
ヴィルの答えに首を横に振ったアリソンは、にんまりと笑顔を浮かべる。
「…『風邪って、うつせば直るらしいよ』とかって、お決まりのパターンがあるじゃない!!!」
そう言って、アリソンはむくりと起き上がり、ヴィルに向かって大きく両腕を広げながら抱きつこうとして……
「…なーんてね」
ヴィルに抱きつく寸前で止まった。
21581:2005/09/11(日) 10:55:37 ID:rQgW+nBK
「………抱きつくんじゃないの?」
驚いた顔のままつぶやいたヴィルに、アリソンは笑顔のまま首を横に振る。
「…ううん。ヴィルに風邪うつしたくないし、元気になったら、その時にね…」
なんだか嬉しそうにそう言ったアリソンは、ふらりとベッドに倒れる。
「あはは、やっぱりまだ無理は出来ないみたい……」
無理に起き上がったことだけで、結構体力を消耗したらしく、アリソンはぐったりとしながら天井を見上げる。
「大丈夫、アリソンならすぐに良くなるよ」
22581:2005/09/11(日) 10:56:11 ID:rQgW+nBK
そんなアリソンに毛布をかけ直してあげてから、ヴィルはアリソンの頭を撫でてやる。
アリソンは嬉しそうに目をつぶり、ヴィルの手の平の感触を楽しむ。
それから、不意に目を見開き、アリソンはヴィルの右の手をとった。
「どしたの?アリソン」
「ん、ちょっとね……」
アリソンはヴィルの手を自分の両手で何度も撫でて、頬にぴったりとくっつける。
「風邪うつしたらいけないから……、キスとかも無理だし……」
23581:2005/09/11(日) 10:56:45 ID:rQgW+nBK
アリソンの肌から、いつもより高い体温が、ヴィルの手の平全体に伝わる。
「……だから、そのかわりに……」
愛しげに見つめるヴィルの指先、その内の人差し指と中指を、アリソンはそっと口に含んだ。
「……えっ!?」
動揺するヴィルの目の前で、アリソンは口に含んだ二本の指に舌を絡ませる。
さっきまで触れていた肌よりも、さらに高い熱をもった舌がヴィルの指先を這い回る。
「……ア…アリソン?…」
24581:2005/09/11(日) 10:57:45 ID:rQgW+nBK
「…ん…んむぅ…くちゅくちゅ…ぴちゃ……んぅ…」
二本の指の間、つめの上、指の腹、まんべんなく指全体を撫で回す舌がヴィルの背筋をぞくぞくさせる。
熱く柔らかく溶けてしまいそうな舌の感触、その手で触れるはずのなかった感触に、ヴィルは心臓の鼓動が早まっていくのを感じる。
「…ん…うぅん…くちゅ…ぴちゃ……んぅ…ぷはぁ…」
ヴィルの指先を散々もてあそんでから、アリソンは口を指から離した。
しかしヴィルは、解放されてもすぐには動けず、ゆでダコのように顔を真っ赤にして、固まってしまっている。
そんなヴィルに、こちらも熱以外の理由で顔を赤くしながら、アリソンが語りかける。
25581:2005/09/11(日) 10:58:38 ID:rQgW+nBK
「…えへへ…ドキドキした?」
「…えっ!?…ああ…あの……その…う、うん……」
すっかり混乱の中に取り残されたヴィルは、それだけの事を答える言葉もとぎれとぎれになってしまう。
そんなヴィルの様子を見ながら、アリソンはにっこりと笑い、自分も赤くなった顔を隠すように毛布と布団を顔の所まで持ってくる。
「……それじゃ、安静にしてるわね…」
そう言われてやっと、弾かれたようにヴィルは動き出す。
「す…水分をとった方がいいから……お茶…持ってくるよ…」
26581:2005/09/11(日) 10:59:15 ID:rQgW+nBK
そう言って、逃げ出すように寝室から飛び出たヴィルは、寝室の入り口のドアに寄りかかり、自分の鼓動を鎮めようとするかのように胸に手をあて、深呼吸する。
「……うあ、まだドキドキしてくる…」
自分の右手をじっと見つめると、さっきまでの感触が蘇り、鼓動は静まるどころか、余計に早くなっていく。
熱に浮かされたような表情のままのヴィルは、アリソンの舌が触れていた人差し指と中指を自分の口元へと運ぼうとして………
「…あっ…ヴィルぅ〜」
アリソンの声にぴたりと動きを止める。
27581:2005/09/11(日) 10:59:53 ID:rQgW+nBK
「ちゃんと手洗ってね…この風邪、たちが悪いから…」
これ以上無いほどに赤くしていた顔が、さらに赤くなる。
耳まで赤くしたヴィルは、足早に台所に向かい夢うつつのような表情で、アリソンに言われたままに手を洗う。
多少、名残惜しそうに……
ヤカンを火にかけ、お湯が出来るまでの間ヴィルはぽーっとしながら思う。
アリソンに言われてみるまで気がつかなかったこの気持ちが、今はヴィルの心をこんなに揺り動かしている。
28581:2005/09/11(日) 11:00:36 ID:rQgW+nBK
きっと出会った時から、ずっと持ち続けてきたこの気持ち……、改めて気付かされる。
「ずっとアリソンのことだけ見てたんだ、僕は……」
そう、妖精に心奪われたあのときから、勝負は既についていたのだ。
湧き上がったお湯で淹れたお茶を持ち、再びアリソンのいる寝室に向かうヴィルの足取りは、いつもより心なしか軽やかだった。
29581改めSBI:2005/09/11(日) 11:05:47 ID:rQgW+nBK
姑息にも細かく分けて投下してみました。
それにしてもエロかな、これ?
微妙なエロが書いてみたかったのだけれど……
あとは、ドキドキしてるヴィルを書きたいという欲望のままにキーボードを叩いたのですが、どうだったでしょうか?
新スレ突入しても、581と名乗りつづけるのは混乱を招きそうなので、
今日この日からはSBIということで、これからもよろしくお願いします。
それでは、また……。
30名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 12:23:24 ID:p67X2Xj/
女の子が指を舐めてくるというのは、確かに背中がムズムズするような、微妙なエロティシズムがありますな。
少し残念そうに手を洗うヴィルの気持ちはよーく分かります。
581氏あらためSBI氏、ぐっじょぶです! 次回の投下も期待してお待ちしてます。
31名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 15:58:23 ID:xyOacj/4
保守
32名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 19:19:56 ID:xyOacj/4
sdfghjki,mjghnfbdvdbstnyjfkuyliul,ymutdnsbavawgrehtjrikyt
33名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 02:30:40 ID:/RpGwt9r
ほっしゅほっしゅ
34名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 14:24:19 ID:wGYTxF4N
そこでさらに保守
35名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 08:49:56 ID:j1mRdl8v
過疎でやばい
36名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 18:32:38 ID:HHKmgPEL
京ポンから保守
37名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 17:42:37 ID:P41Far7K
まだまだ・・・・・・
38名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 01:33:21 ID:hI/VtDoo
キノシズまだー?
39SBI:2005/09/22(木) 17:06:06 ID:RXAOpV7i
また書いてきました。
今回はリリトレものです。
リリトレ下巻、二人が最後に泊まったホテルでの話です。
それでは……。
40SBI:2005/09/22(木) 17:07:14 ID:RXAOpV7i
「一緒じゃなくて、残念ね。…おやすみ」
ホテルの部屋に入ったトレイズは、先ほどリリアが口にした言葉を思い返す。確かに、もしリリアと同室だったなら嬉しいのには違いない。
しかし、今の自分がそれで素直に喜べるだろうか、とトレイズは思う。
今日、二人が巻き込まれることになった事件には必ず裏がある。
理不尽な事件に怒りを燃やすリリアには決して知らされることの無い、ひた隠しにされている真実が存在するのだ。
この事件にどれだけリリアが憤っているのかを知っているトレイズは、そんな現状にもどかしさを感じていた。
果たして、そんな状態でリリアと顔を突き合わせていて、自分は平気でいられるものだろうか?
まあ、案外そんなことは忘れて、ドキドキ悶々とした夜を過ごすことになるのかもしれないとも思うが……。
「………今は考えても仕方ないよな」
そう言ってトレイズは立ち上がる。タオルや着替えを取り出し、バスルームへと向かう。
「水なら今日は散々浴びたけど、ひと浴びすれば気分も変わるかもしれないし…」
その時、服を脱ぎ捨て丸裸になったトレイズの後ろから、唐突に声がかけられた。
「トレイズお兄ちゃん、今からお風呂?」
自分より随分年下の子供の声、今日一日でだいぶ聞き慣れた声。トレイズは立ち止まったまま凍りつく。
出来るなら向き合いたくない現実、しかし確かめないわけには行かないだろう。トレイズはゆっくり、ゆっくりと後ろを振り向く。
「ついでだから、オレも一緒に入りたいな…」
得意満面の顔でそう言ったカルロの顔を、トレイズは何もかもが信じられないというような表情で、穴があくほど見つめた。
「……そんなに見つめられると、照れるんだけど」
41SBI:2005/09/22(木) 17:08:04 ID:RXAOpV7i
目の前で固まったままのトレイズに、カルロは恥ずかしそうに笑って見せた。

一方、そのころ隣の部屋では、ベッドの上でシーツを頭からかぶったリリアが、先ほどの自分の発言に身悶えていた。
「うあ〜〜〜!!私、何言ってんだろ」
枕に顔を突っ込み、足をブンブンと暴れさせる。
『一緒じゃなくて、残念ね』
何を考えて、あんなことを言ってしまったのだろうか?一体、自分はどういうつもりだったんだろうか?
ちょっと茶化してみたとか、冗談で言ってみたというには、その言葉はあまりに滑らかに、自然に自分の口から発せられていた。
なんの意図も無く、ただ素直に思っていたことが口の中から出てしまった。考えれば考えるほど、そうとしか思えなくなっていく。
「なんで、私がトレイズにあんな事言わなきゃいけないのよ!!」
自分自身の言葉、その理由を探ろうとすればするほど、瞼の裏にはたった一人の人物の顔だけが浮かび上がってくる。
飛行艇の上でいつになく真剣な表情を見せていた、あの時のトレイズの顔が浮かび上がってくる。
紛れもない生命の危機、ピンチの連続、二人でそれを乗り越えたのだ。
トレイズに飛行艇の操縦を任せて、隣に座っていたあの時間、あの時確かに自分はトレイズを信頼して、全てを託していた。
実は泳げなかったトレイズ、息をしてないとカルロに聞かされたときは、自分の呼吸まで止まってしまうような気がした。
自分の口からトレイズに息を吹き込み、訳のわからぬまま心臓マッサージを続けた。死なないでくれ、ただそれだけを必死で願った。
この旅行の間に起こった出来事を思い返すだけで、胸を押しつぶされるような、何ともいえない気分がリリアを襲う。
この気持ちは何だろう?
42SBI:2005/09/22(木) 17:08:59 ID:RXAOpV7i
存外、簡単な言葉で言い表せそうな気もするが、それには絶対に触れたくなかった。
「……………よし、決めた」
リリアは唐突に、ベッドの上にむくりと起き上がる。
「……………そうだ、全部トレイズが悪いんだ。アイツが心配を掛けるから……」
それがリリアなりの落とし所だった。昨日と今日の混乱、それを未だに自分は引きずっているのだ。
異常な体験をしたがための、一時の気の迷いでこんな気持ちになっているのだ。
だから、ずっと一緒にいて、その上死ぬほどに心配をかけられたトレイズのことが妙に気にかかるのだ。
だから、あんな事を口走ってしまったのだ。
それが、それはそれで、結構かなり恥ずかしくなるような理由であることにも、リリアは気付かない。それとも、気がつかないふりをしているのか…。
その上で、リリアは考えた。これから気分良く眠るためには、しっかり気持ちの整理をつけておく必要があるだろう。
「……うん、トレイズが悪いんだから」
そう言って、リリアはベッドから立ち上がる。トレイズの部屋に向かうのだ。もう大分遅い時刻だが、構わない。全部アイツが悪いのだから。
昨日今日のことをトレイズと話して、すっぱり気分を切り替える。これしかないのだ。
大きく頷いたリリアはトレイズの部屋に向かうべく歩き出す。自分の考えた理屈が、自分の願望とない交ぜになっていることにも気付かずに………。

再び、そのころのトレイズの部屋、素っ裸の体をタオルを使って隠しながら、トレイズは必死でカルロを睨みつける。
「まったく、とんでもない無茶をしたもんだな……」
43SBI:2005/09/22(木) 17:09:51 ID:RXAOpV7i
「へへへへ…」
カルロは、リリアとトレイズの二人と別れたはずのあの場所から、二人が乗った飛行機にこっそり紛れ込んでついて来たのだ。
「見つかってたら、どうするつもりだったんだ?」
「その時はほら、トレイズお兄ちゃんもリリアお姉ちゃんも一緒にいるし、何とかなったんじゃない?」
全く悪びれた様子のないカルロの様子に、トレイズの口から思わず溜め息が漏れる。
「それから後はけっこう簡単だったな。二人の部屋番号だけ確認して、階段登って先回りして、トレイズお兄ちゃんの隙を突いてこっそりと……」
リリアも自分も疲れ切っていたとはいえ、まさか全く気付かなかったとは……。
カルロの行動にも、自分の間抜け振りにも呆れかえったトレイズは、肩を落としてうなだれる。
「ところでさぁ……お兄ちゃん」
下を向いたままのトレイズの顔を、カルロが覗き込んでくる。
「やっぱり、一緒にお風呂に……」
「ダメだ」
カルロは先ほど思いついたこのアイデアを捨て去るつもりはないようだった。
「……あのなあ、男と女が一緒に風呂になんか入ってちゃマズイだろ!!」
「でも、オレまだ子供だし、男も女もないだろ……だからぁ!」
子供ならなおさらマズイんじゃないのか?
しかし、目の前でニコニコと笑う少女は、その辺のことも解ってくれるかどうか……。
今にも服を脱いで飛び掛ってきそうなカルロと睨みあったまま、ただ時間だけがジリジリと過ぎていく。完全なこう着状態だ。
44SBI:2005/09/22(木) 17:10:44 ID:RXAOpV7i
その時だった。部屋の扉をノックする音が、二人の耳に飛び込んできた。
「こんな時間に誰だ!?」
思わずつぶやいたトレイズの言葉に答えるように、続いてドアの外から声が聞こえた。
「夜遅くにゴメン、リリアなんだけど……。トレイズ、起きてる?」
トレイズの顔から、さっと血の気が引いていく。とてもマズイ事態だと解っているのに、驚きのあまり次の行動に移ることが出来ない。
「リリアお姉ちゃん!!」
しかし、完全に凍り付いてしまったトレイズとは反対に、リリアの声を聞いたカルロは目を輝かせてドアの方へと走り出した。
「あっ!馬鹿、待てっ!!」
トレイズがカルロを追いかけて飛び出す。しかし、伸ばした腕が届くより早く、カルロの手がドアのノブを回した。
トレイズの目の前で、ゆっくりと開いていくドア。
それを見ながらトレイズは、カルロを止めることに気をとられて、一瞬頭の中から消え去っていた自分の格好のことを思い出す。
絶望に目を見開くトレイズの前で、ドアは完全に開け放たれた。
「えっ!?カルロ、なんでここにいるの?」
目の前に現れた予想外の人物の姿に、リリアは思わず声を上げる。
一体どうしてカルロがここに入るのか?その事情を尋ねる相手、部屋の主を探して、リリアの瞳が嬉しそうに笑うカルロの、さらに後ろに向けられる。
「……あ、いや…その…リリア、これは……」
体の前面を、申し訳程度にタオルで隠し、泣いているような笑っているような、どうにも半端な表情を浮かべて立ち尽くすトレイズがそこにいた。
「……うあ…リリア…ごめん…ごめん、リリア…」
昼間の活躍が想像できないほど情けない声を出すトレイズを、リリアは言葉もなく見つめる。
45SBI:2005/09/22(木) 17:11:42 ID:RXAOpV7i
一方のトレイズも、リリアの姿をじっと見つめていた。こちらを見つめてくるリリアの視線があまりに痛くて、身動き一つとることができない。
心の奥底でずっと抱き続けてきた夢が、リリアへの恋が崩れようとしているのがわかった。
(もうお終いだ。これで、なにもかもお終いだ……)
どうしようもない絶望の只中に放り出されたトレイズ、その目の前で、すぐに立ち去るかと思っていたリリアが一歩部屋の中に足を踏み入れた。
照明の向きの関係で、トレイズからはリリアが今どんな顔をしているのか見ることが出来ない。
憤怒か、軽蔑か、はたまたトレイズなんていう愚か者の存在など最初から目に入らない、氷のような無表情か………。
カルロの脇を抜け、一歩、また一歩とリリアが近づいてくる。
照明が充分にあたる場所に差し掛かり、リリアの顔が見えそうになって、トレイズは思わず目を閉じた。
神に祈るような気持ちで、リリアからの叱責を待ち構えていたトレイズの肩を、あたたかく柔らかな手の平が捕まえた。
「………トレイズ、大丈夫?」
優しい声に、トレイズが恐る恐る目を開く。トレイズを心配そうな眼差しで見つめるリリアの顔が、驚くほど近くにあった。
「シャワーを浴びるとこだったのね。ごめんね、こんな夜中に突然来たりして……」
あくまで優しいリリアの言葉、トレイズは未だ半信半疑の表情で耳を傾ける。どうして、リリアは怒ってないんだろう?
それは、リリア自身にもわかっていなかった。本当なら、逃げ出すように自室に戻っていてもおかしくない筈だ。
だけど、自分に裸を見られたこと、見せてしまったこと、それに打ちひしがれるトレイズを放り出して帰るなんて、今のリリアには出来なかった。
もし、自分だったら…。想像してみて、今のトレイズの気持ちが痛いほどにわかった。
胸が締め付けられるような如何ともしがたい気持ち、トレイズのことが頭から離れなくなってしまった今のリリアにはそれが理解できた。
そして何よりも、今にも泣き出しそうだったトレイズの顔………、それを見た瞬間には体が勝手に動き出していた。
呆然と立ちすくむトレイズの肩を、リリアはそっと抱き締めた。
46SBI:2005/09/22(木) 17:12:43 ID:RXAOpV7i
改めて間近で見たトレイズの顔に事件のことが、今回の旅行のことが蘇って、そうしなくてはいられなくなってしまったのだ。
「ごめん、なんだか今日のことで少し話がしたくて……ただ、それだけだったのに……」
「………ああ…う、うん……」
胸に渦巻くモヤモヤした気持ちに突き動かされて、抱き締める腕に力をこめる。力をこめるほど、さらにモヤモヤが大きくなっていくように感じられる。
この気持ちを整理しにきたはずなのに、どんどんこの気持ちに飲み込まれていく。
「…あ、あのさ…リリア…」
抱き締められ、顔をゆでダコのように真っ赤にしたトレイズが、のどの奥から搾り出すようにして言った。
「とりあえず、服着たいんだけど……話があるんだよね?」
「あっ……ごめん」
言われてから初めてそのことに気付いたリリアは、慌ててトレイズを解放して一歩うしろに下がる。
少し距離をとってみると、お互いの恥ずかしそうな顔が確認できた。なんだか少し可笑しくなって、どちらともなくクスリと笑う。
すっかり置いてけぼりをくらった形で、ドアの脇に立ったカルロは二人の様子を眺めていた。やっぱり、この二人は仲が良いんじゃないか。
なんだかんだと文句を言いながらも、リリアお姉ちゃんもトレイズお兄ちゃんのことが好きなんじゃないか。つくづくとそう思う。
それにしても、今の状況、カルロには少し思い当たる所があった。女の人がこんな夜遅くに男の人を訪ねてくるなんて……。
これってもしかして、アレなのかな?
カルロの乏しい知識では中途半端にしか解らないけど、仲の良い男女が夜中にやることといえばアレしかない。
カルロの中で、推論が確信を持ち始める。
なんだか、居ても立っても居られなくなってきた。
………仲間に入れてほしい。
47SBI:2005/09/22(木) 17:13:38 ID:RXAOpV7i
大好きなトレイズお兄ちゃんとリリアお姉ちゃんと一緒に自分も………。
カルロが二人の方を見やる。トレイズはじりじりと後ろに下がって、ベッドの脇に立っていた。
「それじゃあ、ちょっと部屋の外に出てるから……っ?ひあぁっ!!?」
突然に腰に巻きついてきた腕の感覚に、リリアは思わず声を上げる。首を回して、自分の後ろを確認すると、少し照れた笑いを浮かべたカルロの姿が見えた。
「…カ、カルロ?…ちょ…なにして…!?」
「リリアお姉ちゃん、オレも仲間に入れてよ!」
「えっ!…何?……仲間って?」
わけがわからぬままのリリアの疑問に、少し間を空けてから、カルロは恥ずかしそうに答えた。
「お姉ちゃんたち、これからするんでしょ…………えっちなこと」
リリアの表情が引きつる。あまりのことに膝から崩れ落ちそうになる。
だが、冷静に考えてみれば、今のこの状況は誤解を受けても仕方がないように思えてくる。こんな夜中に男の子の部屋にやってくるなんて、これじゃあ………。
「違う違う違う違う!!!別に私はトレイズとなんか……」
弁明の言葉が続かない。自分がこの部屋にやって来た理由、それさえ怪しく思えてくる。まさか私は、最初からそのつもりで……。
「もう、オレだってちゃんと解ってるんだから」
そう言いながらも、弁解をまくしたてるリリアの姿に、カルロは自分がまずい事をしてしまったのではないかと思う。
もしかして、今の自分はお邪魔虫というヤツなのかもしれない。
トレイズお兄ちゃんはリリアお姉ちゃんのことを、かなり本気で好きみたいだ。
その思いにリリアお姉ちゃんが答えようとしてくれているところに、自分が割って入ってしまったのだとしたら。
カルロの中に焦りが生まれる。二人の仲を壊したくない、二人と一緒にいたい、二つの思いがないまぜになって、カルロは次の行動に移った。
48SBI:2005/09/22(木) 17:14:27 ID:RXAOpV7i
「お兄ちゃん!!」
「あっ、おい!?カルロ!うわあああっ!!!」
ぴょんと飛び上がったカルロは、トレイズの首っ玉に抱きつき、そのままベッドに押し倒す。
そして、リリアの方を振り返って、こう言った。
「リリアお姉ちゃん、早くしないとオレがトレイズお兄ちゃんをとっちゃうよ」
「なっ!?カルロ、何を言ってるの?あなたは……」
それでも、もう少し煮え切らないリリアの態度に、さらにカルロの焦りが募る。もう一押し、何かが必要だ。
そこでカルロは大事なことを思い出す。そういえば、リリアお姉ちゃんには秘密にしてたんだ。
「リリアお姉ちゃんがしないんなら、オレがえっちなことしちゃうんだから…ほら」
カルロは自分のズボンに手をかけ、下着とまとめて一気にずり下ろす。二人のために一肌脱ぐ、まさにこのことなのだ。
「おいっ!!カルロまさか……!!!」
トレイズが叫ぶ。
カルロは丸裸になった下半身、その恥ずかしいところがリリアに見えるように、顔を赤くして躊躇いながら、ゆっくりゆっくりと足を開いた。
「オレ、実は女の子なんだ……」
本当は言うつもりなんてなかった。リリアお姉ちゃんのようなきれいな人じゃなくて、自分みたいなのが女の子であることが恥ずかしかった。
覚悟を決めて、カルロはトレイズの体にかかったタオルを奪い去る。あまりの状況に、むくりと頭をもたげ始めていたトレイズのモノが露になる。
「馬鹿!!よせっ!!!」
ただでさえ、これまでの事態に戸惑っていたトレイズは、混乱の極みに立たされる。カルロを引き剥がそうとする腕も弱弱しい。
こんな姿をリリアに見せることになるなんて、一体どうすればいいんだ?
49SBI:2005/09/22(木) 17:15:22 ID:RXAOpV7i
「オレだって、トレイズお兄ちゃんのこと好きなんだ。だから……」
言いながら、カルロは自分の唇をトレイズの唇に近づけていく。
その時だった。
「だめえええええええええええええええっ!!!!!」
弾かれたように、リリアは駆け出していた。飛び掛らんばかりの勢いで、トレイズの上に覆い被さる。
「うあぁ…トレイズ……トレイズぅ…」
何故、こんな事をしているのか解らない。それでも、こうしないではいられなかった。
今にも泣き出しそうな顔で、リリアはトレイズの顔を見つめる。
「トレイズ……私…」
言葉が出てこない。もはや自分の中に渦巻く気持ちを、制御することは出来そうになかった。
胸の奥に何かが詰まってしまったような苦しさ、それが何なのか、もうわかっている。わかっているのだけど……。
ブルブルと震えるリリアの背中を、トレイズの腕がそっと抱き締めた。
リリアの視線の先に、少し困ったような笑顔を浮かべるトレイズの顔があった。
「なんだか、変なことになっちゃったな……」
何度も何度も、トレイズの手がリリアの背中を撫でる。手の平から感じる体の温かみに愛しさがこみ上げる。
こんなふざけた状況、間抜けな姿をリリアに晒してしまったというのに、それなのに、リリアが先ほど見せてくれた気持ちが、ただ嬉しかった。
後になって聞いてみたら、リリアはかたくなに否定するかもしれない。いや、きっと否定するのだろう。
それでも、今ここにこうしてリリアがいてくれるだけで、トレイズには充分だった。
リリアが突っ込んできたときに、ベッドの端に逃げていたカルロが、リリアに声をかける。
「へへへ、リリアお姉ちゃん、やっと素直になったね」
50SBI:2005/09/22(木) 17:16:06 ID:RXAOpV7i
得意げに言ったカルロの顔を、リリアはまじまじと見つめて
「えっ!?…あっ……その……あの……………うん」
こっくりと頷く。
そう答えることに、もはや躊躇いはなかった。
そんなリリアの表情に、カルロも笑顔を浮かべる。
「じゃあ、さっそく始めようよ、二人とも」
「「えっ!?」」
トレイズとリリアが同時に声を上げる。カルロは素早くリリアの背中に回りこんで、パジャマのボタンに手を掛ける。
「えっちなことするんでしょ?」
「ちょっ…カルロ……待ちなさいっ!!」
「だから、それは誤解だって…」
二人が反論する間もなく、カルロはリリアのパジャマの上着を下着といっしょに脱がせてしまう。
形の良い乳房が、トレイズの目の前に露になる。
「うあっ……」
「きゃあっ!!」
見てはいけない、そう思ってみても、あまりに近くに現れたそれからは、目のそらしようがない。
トレイズの視線が、真っ赤になったリリアの顔と、ふるふると震える乳房の間を行き来する。
さらに、カルロがパジャマのズボンに手を伸ばしても、リリアはどうすることも出来ずにされるがままになる。
「えいっ!!!」
51SBI:2005/09/22(木) 17:17:06 ID:RXAOpV7i
勢い任せにズボンとショーツを脱がされたリリアは、そのままトレイズの体を下敷きにしてのしかかる。
トレイズの肌が、大きくなってしまったトレイズのモノが、リリアの肌に直接に触れる。
「……リ、リリアぁ…」
「…トレイズぅ…」
触れ合った肌のぬくもりが、二人から急速に理性を奪い去っていく。どちらともなく、二人は手を伸ばして、生まれたままの姿で抱き合った。
恐る恐る指を動かし、互いの体を確かめるようにゆっくり、おっかなびっくりに愛撫を始める。
「……あっ…ふあ……あっ…ああんっ!」
別に特別なことをしたわけじゃないのに、ただトレイズの指で体中の色々な場所を触れられるだけで、リリアの口から切なく息が漏れる。
互いの熱い息を耳元で感じて、滲み出る汗が互いの熱を伝え合う。熱に浮かされたように、愛撫は激しさを増していく。
「あっ!!…ああんっ!!!……トレイ…ズぅ…そこぉ…ああんっ!」
「…リリアっ……くぅ…」
やがてトレイズの指は、リリアの乳房へと伸びる。指先から伝わる予想以上の柔らかさに、トレイズは少したじろぎながらも、ゆっくりと揉み解すように愛撫を始める。
「…リリアのおっぱい…すごく柔らかいよ」
「……あっ…そんなぁ……やぁ…そんなに触らないでぇ…」
自分で触れたってどうってことないのに、トレイズの指で触られると、まるで熱いものでも触れたかのような、しびれるような感覚が襲ってくる。
「…はうぅ……うあ…ちくびがぁ……やぁ…」
トレイズの指先に乳首を転がされて、リリアは小さく背中を仰け反らせる。
自分はこんなに感じやすかっただろうか……。僅かな刺激だけで、恐ろしいほどの快感の電流を走らせるこの体は、まるで別人のもののようだ。
それとも、やっぱり、相手がトレイズだからなのだろうか……。
52SBI:2005/09/22(木) 17:17:57 ID:RXAOpV7i
「あっ!あんっ!…ふああっ!!…えっ!…トレイズ…そこ!?」
快感に、いまだつかみ切れない自分の気持ちに翻弄されるリリアが気付かないうちに、トレイズは指先をリリアの大事な所まで伸ばしていた。
「……リリアのここ、すごく濡れてる……」
トレイズの言葉が耳に刺さり、恥ずかしくてたまらなくなる。指先が入り口を撫でるように往き来して、それだけで頭が真っ白になりそうなほどに感じてしまう。
自分でもあまり触れないような場所を、トレイズに触れられている………。
「うあっ…トレイズ…そこ…ダメェ……」
そう言いながらも、リリアの肉体はその快感を拒もうとせず、トレイズのなすがままになる。
「リリアの、とても綺麗だ……」
熱に浮かされたような表情のトレイズは体勢を変え、快感に震えるリリアの秘裂に舌先を触れさせた。
「ひあああああっ!!!あっ!やぁっ!!…トレイズっ!!トレイズぅ!!!」
恥ずかしさと気持ちよさが混ざり合う。もう何が何やら解らない。
「うあああっ!!トレイズぅ!!!……私もうっ…ふああああああああっ!!!!!!」
背骨を通って、全身に雷に打たれたかのような感覚が駆け抜ける。わけがわからぬまま、リリアは初めての絶頂に達した。

絶頂の余韻に息を切らすリリアの姿を、カルロは目を逸らすことも出来ず、じっと間近で見つめていた。
ふと気がつくと、丸裸の下半身、その足の間が湿り気を帯びていることに気がつく。指で触れると、ぞわぞわするようなもどかしい感覚がこみ上げてくる。
「…あぅ…ああ…オレ…どうしちゃったんだ?」
カルロは自分の体を抱きかかえるようにして、その感覚に耐える。
振り払おうとしても振り払えない、奇妙な感覚にカルロは翻弄されていく。
53SBI:2005/09/22(木) 17:18:42 ID:RXAOpV7i
「大丈夫?カルロ」
優しくあたたかい手の平が、カルロの震える肩に触れ、そのままカルロの体を抱き寄せた。
「……リリア…お姉ちゃん?」
されるがままに、リリアの腕の中にカルロは包まれる。熱いぐらいのリリアの体温を、背中全体で感じる。
ぼんやりとしたままのカルロの頭を、またぞわりとした感覚が駆け抜けた。
「……えっ!?…リリアお姉ちゃん…」
カルロの肌の上を、リリアの指がそっと撫でたのだ。
「…カルロ、感じているのね……」
「……な…何?…何なの?」
カルロの背中に回ったリリアは、こちらは脱いでいなかったカルロの上着をたくし上げる。ひやりとした外気が触れて、またカルロの体をぞわぞわが駆け抜ける。
「…カルロも、一緒に気持ちよくなろ」
耳元にリリアの息がかかる。夢を見ているような声音が、なんとなくいやらしい。
「トレイズも、手伝ってくれるわよね……」
突然、名前を呼ばれてトレイズが驚く。
「えっ!?…リリア……そんなことしたら…」
トレイズの戸惑いに、リリアはカルロの体をぎゅっと抱き締めながら答える。
「…たぶん、カルロは私たちが本当に好きで、仲間ハズレにされたくなくて、こんな所まで来たんだと思うわ。だから……」
リリアの言葉に、トレイズは少し困ったように笑い、頷いた。
「そうだな…いっしょにしよう…」
54SBI:2005/09/22(木) 17:19:39 ID:RXAOpV7i
抱き締めてくるリリアの腕、目の前のトレイズの笑顔、そもそも自分がけしかけたことなのに、事態はカルロの予想を越えるところまで行き着いてしまった。
途方に暮れるような気持ちがある反面、とても嬉しいと思っている自分が居ることに、カルロは気がつく。
「……うん、しよう。お兄ちゃん、お姉ちゃん」
ゆっくりと頷いて、カルロも笑った。
トレイズが手を伸ばし、カルロの胸に触れる。リリアの舌がカルロの首筋を舐める。
二人の体がとても熱い。二人に触れられた自分の体も熱くなっていく。
「はぁはぁ…あぅ…ああんっ!…うあ…へんだよ…オレの体、なんだかへんだよぉ…」
カルロは襲いくる未知の感覚に飲み込まれていく。
先ほどリリアがされたように、トレイズに乳首を甘噛みされると、もどかしさを伴う快感が体を走り、目の前に何度も火花が散る。
「うあ…うああ……なにこれぇ!?…なにこれぇ!!?」
後ろからはリリアが、トレイズの物よりずっと前菜で柔らかな指で、カルロの体を責め立てる。
まるで自分がどろどろに溶かされて、前と後ろから二人にかき回されているような感覚。自分が自分でいられなくなってしまいそうだ。
リリアが受けた以上の愛撫を幼い体で一身に受けて、カルロの体はついに限界に達した。
「はうぅ…お兄ちゃ……おねえちゃ…ああんっ…何かくる…きちゃうよおおおっ!!!」
そのまま、くてんとリリアの体にもたれかかり、カルロは荒く息を切らす。
何かが果ててしまったような感覚がある一方で、下半身からこみ上げるぞわぞわは、さらに勢いを増したようにも感じられる。
そんなカルロの体をリリアは抱き締め、右手の指先をカルロの秘部に這い入らせる。
「リ、リリアお姉ちゃん?」
戸惑うカルロに、リリアは優しく微笑みかけてから言う。
55SBI:2005/09/22(木) 17:20:45 ID:RXAOpV7i
「3人でえっちなこと、しよ……」
しばらく躊躇ったあと、カルロは全てをリリアに委ねるかのように、リリアの腕をぎゅっと抱き締める。
それを見たリリアは顔を上げて、その様子をじっと見つめていたトレイズの方に目を向ける。
「トレイズも、きて……」
恐る恐るトレイズの名を呼ぶ。恥ずかしくて、その顔を直視することが出来ない。
「でも、リリアはそれで良いのか?」
それが叶うならば、本当に夢のような出来事だとも思う。
しかし、勢いでここまできてしまったけれど、リリアは本当に自分と交わることを望んでいるのだろうか?
やっぱり自分はリリアにとって、ただの幼馴染みでしかなくて、今こうしていること自体が何かの間違いなのではないだろうか?
考えれば考えるほど、トレイズは自信をなくしていく。
「……バカ」
そんなトレイズの暗い表情を追い払うように、つとめて強い口調で、リリアは言った。
「私はトレイズとなら………」
思っていた以上に大きな声が出たことに戸惑うが、それでもリリアはひるまない。
「ううん、私はトレイズとだから………っ!!!」
そのままうつむいたリリアは、最後に小さな声でつぶやく。
「トレイズとだから、したいのよ……」
今ならはっきりと認められる。自分の胸の内に渦巻くもやもやがなんであるにせよ、少なくともそれは、絶対に気の迷いなんかではないと……。
どちらともなく、顔を見合わせて笑う。いつもの笑顔。幼馴染み同士が交わす、普段どおりの笑顔。
56SBI:2005/09/22(木) 17:21:32 ID:RXAOpV7i
こんな状態にいるのに、なんだか二人の仲に大した変化がないようにも思える。
始めから、二人はこうなるのが当たり前で、それが当然の運命だったかのように感じられてくる。
「……二人とも、いい加減に始めたら……まだるっこしいったらないよ」
待ちぼうけをくらっていたカルロがぼやいて、二人は思わず笑い声を漏らす。
「こういうのは、雰囲気を楽しむものなんだよ」
そう言い返したトレイズが、リリアにむかって視線を投げかけると、リリアも笑顔でうなずきかえした。
カルロの体を抱きかかえたままのリリアの体、トレイズは二人をまとめて抱き寄せ、リリアの濡れそぼった秘所に、自分のモノをあてがった。
「リリア、いくよ」
「うん」
ゆっくり、ゆっくりとトレイズはリリアの中に侵入を開始する。引き裂くような破瓜の痛みに、リリアは体を震わせる。
「大丈夫か?」
トレイズの問いかけに答えるかわりに、リリアは左腕をトレイズの背中に回し、その体を目一杯に抱き締める。
痛みを堪えるためだけではなかった。自分の体の中に受け入れたトレイズのことが、ただ愛しくて自然と腕に力がこもった。
トレイズとリリア、二人の体に挟まれて、リリアの指で一番敏感な部分への愛撫を受けながら、カルロは身を震わせる。
体の隅から隅まで、二人の熱に包まれる感覚。それだけで、自分の鼓動がどうしようもなく早くなっていくのをカルロは感じていた。
「……トレイズ…いいよ」
リリアが言って、トレイズはゆっくりと腰を動かし始めた。初めての感覚、痛みとないまぜになった快感が、リリアの体を、心を塗りつぶしていく。
「…あっ!ああぅ!!…あっ!ひあっ!ああんっ!!…トレイズぅ…すご…ふああっ!!」
57SBI:2005/09/22(木) 17:22:19 ID:RXAOpV7i
涙さえ流しながら、トレイズの名を何度も叫ぶ。今、自分がトレイズの腕の中で、トレイズとこの時間を、感覚を、気持ちを分かち合っている。
それが、ただ嬉しくて、リリアはどんどん行為に夢中になっていく。のめり込んでいく。
カルロの幼い秘裂を責め立てるリリアの指の動きも、激しさを増していった。
先ほどから感じているぞわぞわを、直にぶつけられるような感覚に、カルロは押し流されるようにして喘ぎ、声をあげ、訳のわからぬまま腰を振る。
「ふあっ!?ああああんっ!!…うああ…トレイズお兄ちゃ……こんな…ああんっ…気持ち良い…気持ち…良すぎるよぉ!!!」
すがりつくようにトレイズの体を抱き締める。
柔らかく温かいリリアの体と、逞しいトレイズの体に挟まれ、翻弄され、カルロは次第に我を失っていった。
ぐちゅぐちゅと、3人の汗が、体液が混ざり合いいやらしい音をたてる。
絡み合った体は、まるで溶けて一つになってしまったかのように、お互いに快感を与え合いながら動きを激しくしていく。
「うあっ…くぅ……リリアっ!…リリアぁ!!!」
「ふあっ……はぅ…トレイズぅ!!」
「おにいちゃんっ!おねえちゃっ…ああんっ!!」
絡み合い、喘ぎ、突き入れ、仰け反り、快感に震える。
お互いの境界すら曖昧になりそうな快感の奔流の中で、3人は感じあい、求め合う。
そして求め合うほどに高まっていく快感は、やがて頂点に達して3人を飲み込んだ。
「うあああああっ!!!また、…ああんっ!!また何か来ちゃうよぉ!!!ふあああああああっ!!!!」
「……はぅ…あっ…もう射精るっ!…うあっ…リリアっ!!リリアああああああっ!!!!!」
「ああんっ!!!!ひあああっ!!もうダメぇ!!イっちゃうよぉ!!!トレイズっ!!!トレイズうううううううぅ!!!!!!」
同時に絶頂に達した3人は、その場に崩れ落ち、ぜいぜいと息を切らす。
58SBI:2005/09/22(木) 17:23:37 ID:RXAOpV7i
絶頂にしびれる体は今にもぐったりと力が抜けそうだったが、3人は抱き締めう腕だけは緩めようとせず、お互いの熱を感じあう。
「初めての相手がトレイズで、私良かったよ…」
ぼんやりと霞みそうな頭で、リリアは思ったままの事をつぶやいた。
「……何?リリア、なんて言った?」
しかし、トレイズの耳には届かなかったようだ。
「……いや、その……何でもないわよ、別に」
慌てて答えたリリアの顔は、ホッとしているようにも、残念がっているようにも見えた。

朝、ホテルのレストランで朝食を食べながら、リリアはなんとなく元気がなく、ぼんやりした顔のトレイズを眺めている。
あの後、男女同室はやっぱりマズイだろうと、リリアはカルロを連れて自室に引き上げた。本当は、自分のしたことへの恥ずかしさもあったのだけど。
あの後、何かあったのだろうか……。
ホテルの従業員に見咎められないように、こっそりとカルロを裏口から送り出したときも、笑ってこそいたものの、少し元気をなくしているように見えた。
その上、別行動でイクスに帰るという。
まあ、今回の事件で思うところがあるとは言っていたが……。
正直、心配だった。何か、元気の出ることの一つも言ってあげたいのだけど。
「ん?なんだか元気ないわね」
「あ、いや……そうでもないよ」
「ホントに?」
59SBI:2005/09/22(木) 17:25:20 ID:RXAOpV7i
いちいち歯切れの悪いトレイズの答えに、不安は募る。
何かないか、何か言うべきことは……。
数秒考えて、出てきた答えは、自分ではちょっと信じがたいものだった。
「まあいいわ。……で、今度はいつ会える?」
オブラートに包み、それとは簡単に解らないように言葉にする。
  『また、会いたい』
これはアイツを元気付けるために、わざわざ言ってあげてるだけなんだから。別に特別な意味とかはないんだから……。
そう思いつつも、心のどこかでは気付いている。この言葉が、自分の願望と混ざってしまっていると。
そのことを悟られぬよう、普段と同じ表情、出来る限りのポーカーフェイスで、リリアは答えを待った。
自分の願いが、トレイズの願いと同じであればいい。そう思っている事を気付かれないように………。
60SBI:2005/09/22(木) 17:27:34 ID:RXAOpV7i
こんな感じでした。
なんだか、今回はかなりてこずった気がします。
アリソン、キノに比べると、書く頻度が低いからかな…。
ともかく、疲れました。
でも、一応仕上がって、ホッとしてます。
それでは、また……。
61名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 17:28:48 ID:BaWwZavu
>>40-59
GJ!!!!!!!11111!!!!1!!1!!!!1!!!
62名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 18:52:12 ID:85kBEQrY
凄いのキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!
GJです、良かったですよ!
63名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 19:35:19 ID:Dmnl+MHF
補修
64名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 19:58:08 ID:oAFp6NKl
セーラー服なキノ
65名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 21:24:29 ID:QLpdqKvr
カルロ! カルロ!
66名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 08:20:06 ID:8CVv8lFj
保管庫作動はいつになるのか・・・・・・・・。
67名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 17:47:46 ID:2a9l8Ac5
>>66
忘れられてるかも・・・・・
68名無しさん@ピンキー:2005/09/27(火) 05:58:17 ID:zzqOwJiX
保守
69名無しさん@ピンキー:2005/09/29(木) 18:31:17 ID:wwlBHGcy
ここでさらに保守
70名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 06:29:43 ID:ZCmr1RN0
誰か投下して盛り上げてくり・・・・・
71名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 15:14:33 ID:hWu0vHAZ
>>75
お、マジ書くの。どんどん投下してよ!
72名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 16:01:42 ID:cuU7lYbz
予知レス?
73名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 16:04:24 ID:5mH11cSG
当たるのか?
74SBI:2005/09/30(金) 16:56:17 ID:jsiv4+Rx
またまた書いてきました。
75ではないけれど、投下しますよ。
今回は、キノ対師匠〜時空を超えた戦い〜です。
それでは……。
75名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 16:57:21 ID:jsiv4+Rx
「ああ、良い湯だなぁ」
もうもうと立ち上る湯気の中、温泉に肩までつかったキノが心からリラックスした声で言った。
偶然知り合った旅人からこの温泉の存在を知ったキノは、錆びるからイヤだとごねるエルメスの言い分を完全に無視して、早速立ち寄った。
周りに存在する国々から中途半端に離れたところに位置するこの温泉は、旅人と一部の愛好家や地質学の専門家ぐらいしか知らない穴場中の穴場だ。
他に誰も居ない天然の湯船の中、キノは久々の入浴を満喫する。少し熱いぐらいのお湯が心地よい。白く濁ったお湯も、なかなかに効能がありそうだ。
「でも、さすがにのぼせてきたかな……」
一旦お湯の中から上がろうと、岩場に手をかけたキノはあたりの様子がおかしい事に気が付いた。
たちこめる白い靄のためにわずかに数メートル先も見えない。先ほどまではこんなに見通しが悪くはなかったのに……。
「温泉の湯気……にしては、これはちょっと…」
その時、湯気の向こうから話し声が聞こえてきて、キノは身構える。細かな内容までは聞き取れないが、声の主は二人、若い男女のようだ。こちらに向かってくる。
キノは無意識にカノンに手を掛ける。声はなおも近づき、やがてキノにも内容が聞こえてくるようになる。
「待ってくださいよ〜」
「待ちません。というか、何故ついて来ようとするんですか。私の入浴を覗くにしても、もう少しこっそりするものでしょう」
軽薄そうな男性の声と、淡々とした口調の女性の声。
女性の方の声と喋り方には、なにか聞き覚えがあった。自分が良く見知っている人物の声を、そのまま若くしたような声。
「いや、そんな事をするつもりはないですよ。……ただ、少しはだかの付き合いというヤツを……」
しばらくの沈黙ののち、銃声。
キノの中で警戒心が高まる。
76SBI:2005/09/30(金) 16:59:09 ID:jsiv4+Rx
「……じょ、冗談ですよ。本気にしないでください」
「私の前でまだそんな冗談を言うつもりなら、今度は眉間に喰らわせますよ」
全然懲りていない様子の男性、しかし女性の方も自分のペースを崩す様子はないようだ。
銃撃戦が始まらなかったことに、キノは取り敢えず胸を撫で下ろす。しかし、次に男性が次に発した言葉にキノの表情が凍りついた。
「……わかりましたよ。ここで待っていれば良いんでしょう。…………ししょう…」
キノの良く知る名前、キノ自身が何度も口にした名前、キノがある意味最も畏怖する相手の名前。
「………師匠!?」
思いがけない言葉にキノが混乱する間にも、女性の気配は近づいていた。
「おや、先客がいるようですね……」
もう、すぐ近くまで来ている。厚い靄の向こうに浮かぶ女性の影が、キノの目にも確認できた。
キノは咄嗟に持っていたカノンを、自分の服の中に隠してしまう。
やがて白い靄を割って、黒々とした長い髪の毛をなびかせながら、女性がキノの前に姿を現した。
若く張りのある肌、旅のための機能的な服装、全体としての見た目はキノの知る年老いた師匠の姿とはかけ離れている。
しかし、全体に漂う空気が、無駄のない一挙一動が、何を考えているか得体の知れない眼差しが、キノに確信を与える。
「ご一緒してもよろしいですか?」
口を開いて出た女性の言葉にも答えず、キノは女性の顔を呆然と見つめる。
少し視線を落とすと、女性の腰に巻かれたホルスターには自分と同じパースエイダーが吊るされている。
言葉が出ない。合理的、科学的な証拠はない、しかし、キノの心はそれが自分の師匠であることを微塵も疑うことができない。
いつまでも無言のキノに、女性は少し怪訝な表情を浮かべる。しかし、緊張にこわばったキノの顔と裸の体、特に胸のあたりをまじまじと見ると
77名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 16:59:59 ID:jsiv4+Rx
「なるほど……そうですか」
何をどう納得したのか、一人うなずく。
「別に気にしなくていいんですよ。私は全然構いませんから……」
果たして女性が何に納得したのか、一体何を気にしなくて良いのか、全く訳が解らないキノを尻目に、女性は荷物を適当な場所に置き、自分の服を脱ぎ始めた。
キノとは正反対の、女性らしい豊かなふくらみを持ったボディラインが顕わになる。
どこまでもきめの細かい肌には傷一つなく、まわりの光を全て吸い込んでしまいそうなほどに黒い髪と相俟って、その美しさは人間業とは思えない。
思わず見蕩れるキノに、女性はふっと微笑みかける。何か含みのあるその笑顔に、キノの心臓がビクリと縮み上がる。
全く心臓に悪い。
女性は軽く温泉のお湯で体を流してから、ゆっくりとお湯の中に体をつけて
「……なかなか、いいお湯ですね…」
満足げにつぶやいた。
キノはその言葉に答えようとして、しかし一瞬ためらい、結局そのタイミングを逃す。
それきり黙ってしまった女性を横目に、キノは自分の非現実的な考えを振り払おうとする。
そうだ、そんなことはあり得ない。この人が若い頃の師匠だなんて、そんな馬鹿げた夢想はやめるべきだ。
女性が師匠ではない、その証拠を求めてキノは女性が脱ぎ捨てた衣類や、荷物をチラリと覗き見る。
しかし、女性がいつでも手に取ることが出来る位置に置かれたパースエイダーは、キノが師匠から譲り受けたカノンそっくりだ。
よく見ると、全体的にキノのカノンより若干新しく見える以外は、細かくついた傷に至るまで全く同じだ。
あり得ない。あり得ないんだ、そんなことは……。絶対にある筈がない。………だが、しかし……。
キノの煩悶をよそに、女性は気持ちよさそうにお湯の中で体を伸ばす。
キノの方を少し見て、ちらちらと視線をあちこちに飛ばすその様子に再び意味ありげな笑みをもらす。
78名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:00:49 ID:jsiv4+Rx
そして、唐突にお湯の中を滑るようにして、一気にキノとの距離を詰めてきた。互いの息がかかりそうなほど間近に女性の顔が近づいて、キノはびくりと後づさる。
「私のパースエイダーが、そんなに珍しいんですか?」
「……あ、いえ、その……はい」
かなり上ずったキノの声、すっかり動揺し切ったその姿に、女性は上から下まで舐めるように視線を這わせる。キノは生きた心地がしない。
「あなたも旅人ですよね?もちろん」
「…は、はい」
「その若さで一人旅ですか……。なかなか苦労も多いんでしょうね」
「……ええ、まあ」
女性の質問にも、キノは生返事を返すのが精一杯だった。しかし、女性の方はキノの気のない返事も、さほど気にしてはいないようだ。
出来るなら逃げ出したい。しかし、そんな事が出来よう筈もなかった。キノの体は女性に見つめられるだけで、石になったように動かなくなる。
そうして完全に固まってしまったキノの手に、女性の手が上から包み込むように触れてきた。
「あっ!?」
「小さな手ですね。……小さくて、柔らかい、かわいい手です」
柔らかな指が自分の手を握り締めてきたのを、キノは認識する。どうリアクションをとっていいのか、キノが決めかねているうちに
「……食べてしまいたいぐらいです」
女性の体がキノの体の上に覆い被さった。
「……あっ…うあ……な、何をするんですか!?」
あまりの展開に、キノは思わず叫ぶ。そして、一瞬遅れてから、女性の意図を悟った。
「あなたも、こういう事に興味のある年頃でしょう」
79名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:01:42 ID:jsiv4+Rx
「……いや、そんな…ちが…」
キノは先ほどからの、女性の意味ありげな微笑の理由を知った。最初に自分を見て、その動揺した表情に、勝手に納得していたのを思い出す。
女性はキノの動揺の理由を、若い男の子故の反応だと思って納得したのだ。
「そんな風に言っても、ほら……」
「ひあっ!」
そんなこととは露とも知らない女性は、キノの股間にするりと手を這い入らせ
「……えっ!?」
言葉を失った。
そこにある筈のものがない。女性に困惑の表情が浮かぶ。
「……ボクは女の子です」
そう言ってキノは、上からのしかかる女性の体をのけにかかる。
一方の女性は自体を認識して、すこしがっかりした様な表情を見せて、キノの上に乗っかったまま呆然としている。
少し、いや、かなり納得のいかない表情だ。
女の子に手を出しても仕方がない。しかし、ここまで疼いてしまった体はどうしてくれるのだ?散々期待させておいて、こんなオチなんて……。
自分の下で睨みつけるような視線を寄越す少女を見下ろす。女の子なのだと知ってもなお、その愛らしさは女性に訴えかけるものがあった。
このままでは終われない。
「………構いません」
「……なっ!?…うあ…あんっ!」
女性はキノの肩を持ち、温泉を囲む岩場に押し付ける。さらに、逃げようともがくキノを抱きすくめ首筋にキスをした。
「……ひあっ…やっ!…なんで?」
80名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:02:59 ID:jsiv4+Rx
精悍な目つきとは裏腹な、キノの弱弱しい悲鳴が女性の神経を昂ぶらせる。
女性はいつしか自分が、本気でこの少女に欲情していることに気付いた。
未発達な体を軽く撫でてやるだけで、小刻みに震えるキノの体、切なげに眉根を寄せるその表情がたまらなく愛しい。
(……何をしているんでしょうね、私は……)
女性は苦笑を浮かべる。
何故、こんなまだ子供といっても良いような少女を、自分はこんなに愛しく思ってしまうのか?いくら考えても解らない。
それでも女性の下腹部にこもった熱は、少女を責め立てるごとに確実にその温度を増している。
こうなったら、こちらが満足するまで付き合ってもらうまでだ。
「……あっ!あんっ!…ひぅ…やめ…こんなやめてくださ…ああんっ!」
全く予想外の女性の行動に、ただでさえ混乱していたキノの思考はかき乱され、女性の指先に翻弄される体は、どうしようもなく熱くなっていく。
そんなキノの様子を見ながら、女性は満足げに微笑む。そして、荒く息を切らすキノの唇を、自分の唇で無理矢理に塞いでしまう。
「…はぅ……んぅ…んむぅ!?…んくぅ…」
いくらかの抵抗を試みるが、女性の指先に蕩けきった体はキノの言うことを聞かない。なす術もなくキノは口腔内を蹂躙される。
ようやく女性がキノから唇を放す。解放されたキノが荒く息を切らす目の前で、女性はにっこりと微笑み、こう言った。
「これから私は、あなたを犯します」
表面上は穏やかながら、瞳の奥に有無を言わせぬものを秘めたその表情に、キノの体は蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる。
もはや、逃げ出す気など起きなかった。
完全に怯えきった表情のキノの目の前で、女性の指が再びキノの秘部へと迫っていく。
柔らかく細いその指先は、キノの心までも犯しきるかのように、お湯とキノ自身から溢れ出たもので濡れそぼった秘裂の周りを這い回る。
81名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:03:41 ID:jsiv4+Rx
「…あっ…うあっ…ひぅ……やめ…」
祈るような、縋り付くようなキノの声も、もとより女性には届いていない。女性は敏感すぎるほどのキノの反応に夢中になっていた。
散々間を持たせて、焦らすだけ焦らし、キノの神経が限界を迎えるその直前に、女性の指先はキノの中に一気に突き入れられた。
「あっ!?や!…うぁ…ふあああああああああっ!!!!!!」
突然の侵入にたまらず悲鳴をあげたキノの声を、女性の指先が与える激しい快感が断ち切る。
「うああああっ!!!…やっ!…やだぁ!!?…も…やぁ…はうぅ!!」
「随分気持ちよさそうな声を出すんですね」
あくまで淡々と、穏やかな口調で女性はキノの痴態を責め立てる言葉を発する。
「感度も随分良いようですし、自分でも一人で慰めていたりするんですか?」
「…いやっ!…そんなぁ…はぅん!…ちが…う…」
「それとも、見た目とは違って、誰彼構わず手を出しているんですか?」
「…あぅ!…そんなことぉ…ない…ああっ!!」
女性は、外から見える表情や、その声音から感じ取れる以上に、自分が興奮していることに気が付いた。
少女を責めれば責めるほど、かつて自分が感じたことのないほどの愛しさがこみ上げてくるのがわかる。
もっとこの少女の嫌がる顔を、切なげに漏らす吐息を、快感に耐えるようなその体の震えを全身で感じたい。
欲望に任せ、女性はキノの体にしゃぶりつき、可愛らしい乳首を甘噛みし、クリストスを思う様責め立てる。
今まで女の子を相手にした経験はなかったが、この少女の感じるところは何故か手にとるように解った。
「あっ…はぅ…やあああっ!!!…らめぇ…そこ…も…あああんっ!!!!」
女性の責めにキノは次第に理性をなくし、快楽に追い立てられるままに喘ぎ、嬌声をあげる。もう自分が何をしているのかもわからなかった。
82名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:04:56 ID:jsiv4+Rx
「えっ…あっ!?…そこ!…そこ…ちがっ!?」
女性の指先はキノのお尻の穴まで迫ってきた。ひくひくと震えるそこを撫でられると、異様な感覚にキノの体が震える。
全身を、もう触れていないとことはないというまで責められ続け、キノの体は風に舞う木の葉のように翻弄され、やがて絶頂を迎えた。
「ひあっ…やっ!?…そんな…も…ボクぅ…もう!!…ああっ!…やっ!?あああんっ!!!ダメエエエエエエエエエエエエッ!!!!!!」
キノの意識が一瞬白く霞む。折れてしまいそうなほどに細い体を目一杯に仰け反らせて、キノは達した。
ぜえぜえと荒い呼気を漏らしながら、キノは岩場にぐったりともたれかかる。
温泉の熱と、自身の体の熱で朦朧とする頭は、もはやキノにこの状況に対する疑問を抱かせることさえ許さなかった。
(ああ……ボクは…師匠にイかされて…)
しかし、呆然と考えるキノには、その体を休ませてやるだけの余裕は与えられなかった。
目の前にたたずむ女性は、キノの様子に満足げに微笑んだ後、一旦温泉から出て、なにやらゴソゴソと自分の荷物を探り始めた。
その様子をぼーっと見ていたキノだったが、振り返った女性がその手に持っていたものを見て凍りついた。
あきらかに男性器をかたどったと思われる先端を持つ棒状の物体、しかもそれは途中でくの字に曲がり、もう一方の端も男性器の形をしている。
双頭の張り型、どのように使うかは一目瞭然だった。
というか、最初女性が自分を少年だと思って手を出してきたことを考えると、これまでソレをどう使ってきたのか、深く詮索する気分にはなれなかった。
この上、まだ責められるというのか?
だが、激しすぎる絶頂に脱力した体は、キノがその場から逃げ出すことを許さない。
「私が満足するまで、付き合ってもらいますよ」
一方、そう言いながら女性は、もはや引き返せぬ所まで自分が来てしまっているのことを感じていた。
この少女をメチャクチャに陵辱したいという気持ちと、この少女をどこまでも愛しく感じる気持ち、
83名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:05:32 ID:jsiv4+Rx
相反する二つの気持ちが相俟って、女性の心はさらなる行為へ駆り立てられる。
自分でも異常だとわかっているのに、止めることが出来ない。
もっと、この少女に触れていたい。
体の内から湧き出る狂おしいほどの愛しさに、女性は流されていく。
「…はぁはぁ…も…ゆるして…ください…」
絶え間なく体中を責められ続けた今の少女に出来るのは、こうやって哀願することのみのようだ。
その様子を見ながら女性は、ふと思い出す。先ほどこの少女は、お尻の穴を責められたとき、それまで異常の反応を見せていた。
ニヤリと笑った女性は、自分のパースエイダーを手に取り
「少し手伝ってもらうとしましょうか……」
少し離れたところにあった大きな岩の方に銃口を向けた。
「冗談でも許さないと、ちゃんと言っておいた筈ですよ」
女性があらん限りの殺気を向けた岩の陰から、若い男性がひょっこりと顔を覗かせた。女性の旅の連れである。
「……あ、いや、その師匠これは…さっきから様子が変だったので…」
冷や汗たらたら、おっかなびっくりに発せられた言葉はしかし、あまり反省しているような様子を感じさせない。
女性はへらへらと笑う男性に銃口を向けたまま、言った。
「まあ、良いでしょう。許してあげます」
「…あ、ありがとうございます」
「ただし、そのかわり……」
女性はキノの方をちらりと見てから
84名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:06:11 ID:jsiv4+Rx
「あなたも手伝いなさい」
「へ!?」
女性は男性にニヤリと笑いかけて、キノを指差してから続ける。
「あなたもかなり欲求不満がたまっているんじゃないですか?この娘のお尻、使って良いですよ」
その言葉に、横たわったままのキノの表情は強張り、呆然と立ち尽くす男性もどんな反応をして良いかわからず、間抜けな表情を浮かべる。
女性はそんな男性に向けてパースエイダーを構えなおし、さらに続けた。
「言っておきますが、これは命令です。もし、あなたが紳士的にも、この娘とはしないと言うのならば……」
氷のような声音だった。
選択肢は、ない。
かくかくとうなずいた男性を見て、女性は満足げに笑った。
「では、始めましょうか」
そう言って女性はキノの方に向き直る。キノは未だに脱力感から抜け出せ切れず、今から始まる行為への不安に目を潤ませ、女性の顔を見上げてくる。
「そんなに、怖がらないでください」
女性はにこりと微笑み、まずは自分の中に双頭の張り型の一端を挿入し始める。
彼女の秘部には大きすぎるようにも見えるソレは、女性がこういった楽しみのために特注で作らせたものだ。
「…はっ…うっ…ああっ……これで…こっちの準備は整いました」
女性の股間から、まるで凶器のように張り型が頭を突き出す。ゴツゴツと岩のような形状が凶悪だ。
「さあ、…力を抜いてください…」
そう言いつつも女性は、待ち切れないという様子でキノの体を押さえつけ、濡れそぼったその秘裂に張り型を押し当てる。
85名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:06:48 ID:jsiv4+Rx
「いきますよ」
「…あ…うああ……こんなの…ムリで…す…ひああああああああああっ!!!!!!!」
張り型を一気に挿入されたキノの口から、引き裂くような悲鳴が上がる。しかし、女性はキノの様子をまるで気にもとめず、腰をグラインドさせる。
「…あっ!やあっ!…あああああっ!!!こんなぁ…すごすぎてぇ…あああああんっ!!!」
体の真ん中まで杭を打ちつけられたような感覚、えぐるような暴力的な快感、突き上げられるたびに襲ってくるそれらの感覚に、キノはただ叫ぶことしか出来ない。
「…あっ…くぅ…気に入って…もらえたみたいですね…」
満足げに言いながら、女性がさらに突き上げると、キノはたまらず女性の背中に手を回し、ひっしでしがみついて来る。
その仕草と、完全に密着したことで感じられる思った以上の少女の熱が、女性をさらに狂わせていく。
女性はキノの小さな体を軽々と抱きかかえ、そのお尻を男性の方に向けてやった。
「準備は出来てるみたいですね…」
男性はすでに服を脱ぎ捨て、行為に取り掛かるための用意を完了していた。
「……でも、良いんですか?こんなことして…」
「…口答えは許しませんよ」
未だに躊躇う男性の言葉を、ピシャリと遮る。覗きをしておいて、この男は何を今更……。
「さあ、やってあげてください」
女性に促されて、男性がキノの背中に近づく。その気配だけで、キノの背中はぞわりと粟立つ。
やめてくれと叫ぼうにも、膣内に突き上げる激感がそれを許さない。やがて、完全に無抵抗なキノのお尻の穴に、男性の大きめなモノがあてがわれた。
「じゃあ、いきますよ!」
「…………っ!!!!?」
86名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:07:31 ID:jsiv4+Rx
いやいやと首を振るキノを無視して、男性のモノがキノの後ろの穴に挿入を開始する。
女性から受けた責めと、お湯の温かさでいくらか緩んでいるとはいえ、本来物を受け入れるように作られていないそこは、突然の侵入に悲鳴をあげる。
「ああっ…うああっ!!そんな…痛いぃっ!!…いたぁっ!!!!ひああああああっ!!!!」
男性の動きは割合と緩やかなものだったが、前の穴を蹂躙してくる女性の方は容赦がなかった。
キノの体に激しく腰を打ちつけ、張り型を深くえぐりこませてくる。その動きにキノのお尻もかき乱され、激痛まじりの快感がキノを襲う。
「ひああっ!!!…あぅ…ああんっ!!?…ひぐぅっ!!!?…こんな…ボク…ボクぅ…」
二つの異物はキノの中を思う様暴れて、それに翻弄されるキノの体は壊れた機械のように踊る。
お腹の中をかき混ぜるふたつの熱に、キノの意識は何度も寸断される。
やがて痛みと快感ははっきりとした境界を無くし、キノはただ体の命ずるままに腰を振り、嬌声を上げるばかりになる。
「うああああっ!!!らめええええっ!!!も…ボク…へんになるぅ!!へんになっちゃううううううっ!!!!!」
自然と女性にしがみつく腕の力も強くなる。女性は今この少女が唯一すがることが出来るものが、自分であるということに堪らない愛しさを覚える。
気が狂いそうなほどの欲情、今まで衝動と欲望に忠実に生きてきたつもりの女性が、少し恐怖を感じるほどの愛しさ。
この少女がもっと乱れる様を見てみたい。
この少女を、もうどうしようもなくなるまで蹂躙し尽くしたい。
女性の動きが早くなり、つられて男性もペースをあげる。二人に挟まれたままのキノは、激しさを増す責めに狂わんばかりに腰を振り、喘ぐ。
「あっ…ひあっ…うああああっ…やっ!はあああんっ!!…ああっ!!?」
そして限界を超えて責められ続けたキノの体は、水量の多さに耐えかねたダムが崩れるように、快楽の奔流に押し流され、絶頂へと登りつめた。
「ああっ…やあっ!?…ボク…も…イっちゃうぅ!!?…うあああああっ!!!…ボク…イっちゃうよおおおおおおおっ!!!!!」
見栄も体裁もなく、キノが大声で叫ぶ。
87名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:08:07 ID:jsiv4+Rx
がくがくと震える体に、ほぼ同時に達したらしい男性のものから溢れ出た熱が襲い、その熱さがキノを再び小さな絶頂へと押し上げる。
「くっ…ふあっ!!!?…あああああっ!!!!…イくぅ!!!!!」
女性も激しく絶頂へと登りつめ、脱力した体は、キノを抱えたままお湯の中へとへたり込む。
「……あっ…ふあ…はぁはぁ…くぁ…はぅ…」
ようやく解放されたキノは、完全に放心した様子で、呆然と宙を見つめる。
その様子を見ながら、女性は胸がちくりと痛むのを感じる。自分がここまでやってしまったのだ。
らしくもない、ほんの小さな罪悪感。
これまで散々非道なことをしておいて、今更何故こんな感情を持つのか?
絶頂後の気だるさと、その歯切れの悪い心情に、女性の顔がうつむきぎみになる。
こんな事を考えるなんて、まったく自分らしくないが、………こんなふうにするべきではなかったのではないか?
溜め息をついた女性が顔を上げると、目の前でふらつきながらもキノが起き上がろうとしていた。
そのなんとも弱弱しい姿に、女性は思わず起き上がるのを手伝おうと手を伸ばした。そして……
「………あっ!?」
気が付いたときには、キノの腕の中に抱き締められていた。
小さく細い腕が、女性の背中を愛しげに抱き締める。
女性は言葉を無くした。
当のキノも、自分が何をしているのか解らないまま、気が付いたときには女性を抱き締めていた。
キノはすでに、この女性が若い頃の師匠であることを確信していた。明確な証拠など無い、ただ直感だけがそれを間違いないと言っている。
抱き締めれば抱き締めるほどに、師匠の下で過ごした日々の愛しい思い出が蘇る。
88名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:08:45 ID:jsiv4+Rx
キノは師匠が好きだった。
もちろん、人の良いおばあさんのふりをした師匠が、どれだけの危険人物であるかも知っていた。
どこまでも強く、潔く、なによりも自分自身に忠実な人。
優しさや善意でさえもおそらくは自分の都合の良いところだけで使い、それで平然としているであろうとんでもない悪人。
行き倒れていたキノを助け、育ててくれた恩人。
これだけのことをされても、それでもキノの心には暖かな気持ちが溢れ出していた。
家を飛び出し、旅に出たあの日から、二度と会えないと思っていたのに……。
(ボクはあなたに憧れていました。尊敬していました。あなたがいなければ、今の僕はない)
今、ここで再びこうして出会えたのなら、あの程度の仕打ちは何でもなかった。
キノの腕にぎゅっと力がこもる。
(大好きですよ。師匠……)
今ここで言葉にするわけにはいかない思い、それが少しでも伝わるように強く強く抱き締めてから、キノはやっとその腕を放した。
ちらりと上目遣いに女性の顔をのぞき見ると、柄にもなく、本当に柄にもなく、動揺しているようだった。
鋭い目にはいくらかの困惑が浮かび、視線はあさっての方向を漂っている。
そんな女性の様子に、キノはクスリと笑う。
その笑顔を目にした女性は正気に戻ったのか、頬を赤らめ立ち上がって、キノから顔を背けるように向こうを向いた。
「……その、無理矢理にこんなことをしてしまって……ごめんなさい」
よく見ると耳まで真っ赤だ。キノは笑いをかみ殺しながら答える。
「別に、構いませんよ。気にしていません」
89名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:09:26 ID:jsiv4+Rx
「……あ、うあ…その……」
女性は次に何を言ったものか、決めかねて言いよどむ。
「なんですか?」
尋ねたキノの顔を、恥ずかしそうに横目で見ながら女性は言った。
「……流してあげます、背中。……汚してしまったから」
その申し出に、キノはしばし呆然としてから
「はい、お願いします」
朗らかに微笑んで、うなずいたのだった。

「ふう、若気の至りねえ……」
森の奥の一軒家、日向に椅子を出して一人座った老婆がつぶやいた。
老婆はキノの師匠、そして件の温泉でキノが出会った女性の年老いた姿である。
「知らなかったとはいえ、我が弟子にあんな真似をするなんて……」
向かうところ敵無し、傍若無人に生きてきた女性にとって、あの経験は数少ない恥の記憶だ。
だが、それでも老婆はこの記憶を忘れようとはせず、大事に胸の奥にしまっている。
一緒に暮らしている間、女性とキノの暮らしは淡々として、互いに分を守り激しい感情は顕わにすることなく過ごしていた。
今でも自分を抱き締めるキノの腕の温かさを思い出すことが出来る。
あれが愛弟子の、キノの気持ちなのだ。
ただ、あの時の名も知らぬ少女とキノのことをつなげて考えてみたのは、ごく最近になってのことだった。
90名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:10:23 ID:jsiv4+Rx
キノがこっそりと家を抜け出し、旅立っていったあの日、女性はその気配に気付き、窓の外にその姿を認めた。
引き止めるにはあまりに遠くに離れていたその後姿から、キノの旅立ちを見送るしかないことを気付かされた。
その時、名残惜しげに振り返ったキノの眼差し、それがあの時の少女が別れるときに見せた表情と重なり、女性は全てを悟った。
あまりに非現実的な考え、しかし今の女性はそれを微塵も疑うつもりはない。
多分、いやきっと、キノだって同じ気持ちだろう。
そこまで思い出して、女性は木々の合間に見える晴れ渡った空を見上げる。
キノは今も旅を続けている。少なくとも自分と温泉で出会うあの日までは、元気に旅を続けている。
自然と微笑が浮かんだ。
……しかし、それにしても我が事ながらメチャクチャなことをしたものである。
男と間違えて誘惑するは、キノが女性と知るや開き直って行為に及ぶは、挙句の果てに弟子まで交えてキノを責め立て、その上縄で縛り上げて……
あれ、あの時、そんな事までしただろうか?
さらに記憶をたどる。
他にやったことと言えば、公衆の面前でのストリップとオナニーショー、軟体触手生物にキノを絡ませてみたり、犬のように首輪で繋いで見たり……
なんだこの記憶は?
他には、女相撲秋場所バイブ付き、ぬめぬめ催淫ローション地獄、スケベ椅子甲子園、ふたなり耐久5時間レース……
女性はそこまでで思い出すのをやめ、人の良い老婦人の笑顔を浮かべ、自分の記憶に知らんぷりをする。
「……今ごろ、キノはどうしているんでしょうねぇ」
91名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:11:04 ID:jsiv4+Rx
何もない野原の中の道を、一台のモトラドが走る。
モトラドの名はエルメス、ハンドルを握るのはキノだ。
空は晴れ渡り、モトラドを走らせるには絶好の日和だ。
「なんだかあの温泉に行って以来、機嫌が良いね、キノ」
「そうかな」
エルメスの問いにそう答えながらも、キノの顔は照れくさそうな笑顔を浮かべていた。
キノはあの日の出来事に思いを馳せる。さんざんな目にあった筈なのに、あの日のことを思い出すと胸に暖かいものがこみ上げてくるような気がする。
気分にまかせて、スピードを上げようとしたキノだったが、あたりの様子の変化にアクセルにかけた手を緩める。
さっきまで見えていたはずの空が見えない。どこまでも広がっていた野原も、ほとんど数メートル先までしか見えなくなっている。
「なんだこれ?」
白い靄だ。あの日、あの温泉で出会ったのと全く同じ乳白色の闇。エルメスを走らせるのもままならず、キノはブレーキをかける。
進むことも戻ることも出来ない。途方に暮れるキノの目の前に、まばゆい光が唐突に現れた。
光の数は二つ、それは車のヘッドランプだった。
「これって、もしかして……」
嫌な予感に顔をひくひくさせるキノの前に、おんぼろ車が停車した。
そして、ドアが開きキノの前に現れた人物はもちろん……
「…また、会いましたね」
「…え、ええ…」
心から嬉しそうに、にこやかに笑う黒髪の女性に、キノは引きつった笑顔で返事を返したのだった。
92名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:13:23 ID:omOUbadp
乙!
師匠×キノってあんまないからなぁ・・・
93SBI:2005/09/30(金) 17:14:24 ID:jsiv4+Rx
こんな感じでした。
初めて師匠のこと書いてみたよ。
やっぱり、この人は何かと扱いが難しいな。
この話の続き、師匠×キノのカップリングで何か書いてみたい気もしますが、やっぱり予定は未定です。
それでは、また……。
94名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 17:49:13 ID:ZCmr1RN0
予知は当たったか・・・・・・
95SBI:2005/09/30(金) 17:51:32 ID:jsiv4+Rx
74から書き込んだけれど、
エロパロの本文自体は75から始まってるから、当たってることになるのか?
96名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 20:03:12 ID:9COqkror
97SBI:2005/10/01(土) 10:07:34 ID:1anZScSY
昨夜思い付きで書いたものを投下します。
アリソンのお話、あんまりエロくはないですが…。
それでは……。
98SBI:2005/10/01(土) 10:09:18 ID:1anZScSY
コツコツコツコツ、一定のリズムを保ったその音は、ホテルの暗い部屋の中に響いていた。
音を発していたのは、部屋に据え付けられたテーブルに座った男の指だった。男の指がテーブルを一定のリズムで叩き、神経質なリズムを刻む。
男は苛立っていた。気がかりな事があるのに、それを確かめに行くことが出来ないのだ。
動くに動けない状況が、普段苛立ちを態度に表すことのないこの男の心を、どうしようもないほど苛立たせていた。
男の名はアイカシア・クロス、ベゼル・イルトア連合王国の情報部に所属する大佐である。
百戦錬磨のアイカシア大佐をして、どうしようもない程に苛立たせているもの、それは彼の娘のことだった。
「今頃、あの二人はどうしているんでしょうか?」
何度口にしたか解らない疑問が、アイカシア大佐の口からこぼれ出る。
彼の娘、アリソン・ウィッテングトンは現在彼が手配したホテルで、幼馴染みの少年ヴィルヘルム・シュルツ、ヴィルと一緒に過ごしているはずだ。
ヴィルに対して、アイカシア大佐は感謝もしていたし、それなりに信頼もしていた。
大陸横断鉄道での任務の最中、彼は生き別れの愛娘の姿をその乗客の中に見つけることとなった。
アイカシア大佐は機転を働かせ、本来乗客全員を犠牲にする筈の計画を変更し、娘の命を奪ってしまうことをなんとか阻止した。
そのために生まれた計画の綻び、ヴィルはそれを突いて事の真実を看破してしまった。
かくしてアイカシア大佐はアリソンの父親、オスカー・ウィッティングトンとして再び娘の前に立つこととなった。
そのことは良い。ヴィルもアリソンとアイカシア大佐の事を思って行動してくれたのだ。
だが、その後さらに衝撃的な事件が起こった。
アリソンがヴィルと同棲することを宣言し、ヴィルがそれを受け入れたのである。
ヴィルとアリソンの同行者である英雄と次期王女に連れ出されたアイカシア大佐は、二人がその後どうなったのか知る由もないが、
再び二人と顔を合わせた時に、アリソンが浮かべていた幸せ一杯の笑顔を見れば、大体の予想はついた。
99SBI:2005/10/01(土) 10:10:23 ID:1anZScSY
ヴィルヘルム・シュルツ、彼はアイカシア大佐のもとに娘を連れ戻してきて、その直後にかっさらって行ってしまった。
その上、呆然としていたアイカシア大佐は「昨夜は別々の部屋だったから、今夜は一緒じゃなきゃイヤだ」とごねるアリソンの言いなりになって、
ホテルの部屋を二人一緒にしてしまった。
「むぐぐぐぐ」
唸り声を上げたアイカシア大佐に、同じ部屋にいた彼の部下も顔を上げる。
「さっきからずっとそんな調子ですけど、また彼のことを考えているんですか?」
「……そうです」
全く元気を無くした声でアイカシア大佐が答える。その姿を横目に見ながら、部下は心配そうにこう続けた。
「……恋わずらいですね」
恋の先達としての余裕を浮かべたその優しげな瞳を、アイカシア大佐は裏拳で顔面ごと破壊する。
そうして、また大きな溜め息を一つ。
ヴィルヘルム・シュルツは優しく誠実な人間だ。よもや間違いは起こっていないと思うが……。
尽きることのない不安に、アイカシア大佐の苛立ちは募るばかりだった。

翌日、アイカシア大佐は二人が宿泊したホテルの裏口から、こっそりと内部に侵入しようとしていた。
アリソンとヴィルを始めとした一行は、すでにホテルをあとにしている筈だった。
二人が泊まった部屋を探る。なにか間違いがあったなら、それなりの痕跡が残されているはずだ。それを確かめに行く。
無論、何もないのはわかっている。当たり前のことだ。それほどあの二人は愚かではない。
だから、これは何事もなかったことを見に行くだけ、全くもって徒労なのだ。
100SBI:2005/10/01(土) 10:11:16 ID:1anZScSY
そう考えながらもアイカシア大佐の額には、どんな困難な任務でも流したことが無いほどの量の、大量の冷や汗が玉になって滲んでいた。
「部屋番号は……609か」
一人呟いて、アイカシア大佐はホテルの中に入っていった。

「そんな、嘘だ……」
まだ片付けられていない部屋の中、乱れたシーツの上にアイカシア大佐はそれを見つけた。
赤く広がったシミ、おそらくはアリソンが流した血の痕跡、それが何を意味するかは考えなくても解ることだった。
今までに無い衝撃に、屈強な諜報部員はその場に膝から崩れ落ちる。
目の前が真っ暗になったようだ。
「バカな…こんな事はあり得ない」
自分で言ってみても白々しい。これだけの証拠を前にして、現実を受け入れられないのか。答えは一つしかない。解りきっている。
知らず知らずの内に、自分の口から笑いが漏れていることにアイカシア大佐は気付く。なんとも情けない負け犬の笑いだ。
「はは…はははは…ははははははは………はぁ…」
昨晩、ここで何が行われたか、アイカシア大佐には手に取るように解った。

『愛してる、ヴィル……』
『僕もだよ、アリソン……』
そう言って深く口付けを交わした二人は、互いの顔を見て少し照れた笑いを浮かべてから、行為を始める。
『…あっ…やぁ…はうっ!…ひああああっ!!?』
101SBI:2005/10/01(土) 10:12:13 ID:1anZScSY
あくまで優しいヴィルの指先は、アリソンの敏感な部分を絶え間なく愛撫し、
やがて快感に上気した頬を見せながら、アリソンは照れくさそうにこうつぶやく。
『……ヴィル…きて…』

「うあああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!」
こっそりと忍び込んだことも忘れて、アイカシア大佐は大声で叫ぶ。
浮かんでくるビジョンを振り払おうと頭をかきむしるが、妄想はさらに過激さを増してアイカシア大佐を責め立てる。

『よく似合っているよ、アリソン』
『うあ…ヴィル、こんなの…こんなのやだよ』
いつも通りの微笑を浮かべるヴィルとは対照的に、アリソンの表情は不安で曇っていた。
その首には、犬にしてやるような首輪、手首は荒縄で縛られ自由が利かない。
『ねえ…ヴィル、お願いだから外してよ、これ……』
ヴィルは、そう言って哀願してくるアリソンの頬を乱暴に掴み、自分の方へと引き寄せる。
『きれいだよ、アリソン……』
いつもと変わらぬ笑顔が、とてつもなく恐ろしく感じられる。思わず逃げ出そうとしたアリソンだが、ヴィルに後ろから押し倒される。
腕の自由を奪われたアリソンは受身もとれずに突っ伏す。ヴィルはアリソンの体を組み伏せ、その体に愛撫を始める。
『あっ…やぁ…こんな…やめて……ヴィルぅ…』
ヴィルはアリソンの声を完全に無視して、アリソンの体を思うように楽しむ。
102SBI:2005/10/01(土) 10:13:07 ID:1anZScSY
切なげな声がアリソンの口から漏れて、それがヴィルをさらに欲情させる。そして、ついに……。
『あっ…やぅ…も…ヴィル…許して…』
『何を言ってるの、アリソン……これからが本番じゃないか…』
『えっ!?』
ヴィルの言葉に、アリソンの顔が引きつる。その表情に満足げな笑顔を浮かべたヴィルは、自分のモノをアリソンの秘所にあてがい……。
『ひぅ!?ああっ!!いやあああああああっ!!!!!』
強引に侵入を開始した。
墓の痛みにアリソンの体が震える。
『痛い…いたいよぉ…ヴィル…ふああっ!!…も…こんなこと…やめてえええっ!!!!!』

ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!と鈍い音が部屋に響き渡る。
音の主はもちろんアイカシア大佐だ。自分の妄想を痛みで打ち消そうと、壁に頭を打ち付けているのだ。
しかし、妄想はとどまる事を知らず、なまじ裏の世界に通じているアイカシア大佐の知識は、妄想の内容をエスカレートさせていった。
SM、容赦なく振るわれるヴィルのムチがアリソンの体に痛々しい跡をきざむ。
スカトロ、恥ずかしがるアリソンにヴィルは排便を要求して……。
獣姦、どこから連れてきたのか、獰猛そうな猟犬にアリソンの体は蹂躙される。
「もう沢山だ。もう考えたくない」
言いながらアイカシア大佐は妄想を止める事ができない。
そして彼の妄想は、ついに最終局面を迎えた。
103SBI:2005/10/01(土) 10:13:58 ID:1anZScSY
うじゅるうじゅると蠢く無数の触手が、アリソンの体を拘束し、穴という穴を犯し尽くしていた。
今、アリソンは魔王復活のための生贄として、魔物の陵辱を受けているのだ。
その様子を満足げに眺めている魔導師、その顔はもちろんヴィルのものだ。
『あっ…ふああああっ!!も…だめぇ!…これ以上は…ああんっ!!私おかしく……おかしくぅ…おかしくなっちゃうぅ!!!!!』
息も絶え絶えのアリソン、しかし触手の責めが途切れる事はない。
這い回る触手はアリソンの全身にいやらしい粘液を塗りたくり、人外の責めでアリソンに快楽を与える。
『ひあああっ!!?…ダメぇ…そんなとこ…ひあっ!?…いじらないでぇ……』
全身の性感帯を舐られ、乳首をメチャクチャにいじられ、前と後ろの穴を何度も貫かれる。
めくるめく快感の奔流に、いつしかアリソンの神経は焼き切れ、理性は熱せられたバターのように溶けていく。
『あっ…やっ!!?…だめっ…もう私ぃ…気持ちよすぎてぇ!!!!!』
アリソンの喘ぎ声は次第に大きくなり、触手の責めも激しさを増していく。そして高まった快感は、アリソンを高みへと押しやる。
『ひあっ!?イクっ!!?イクぅ!!!イっちゃううううううううっ!!!!!』
その瞬間、魔方陣が輝き、辺りを光が包む。儀式が完成したのだ。
呆然と見つめるアリソンの前で、魔王がその姿を現す。
『ヴィル?』
その顔も、まさしくヴィルのものだった。魔王のヴィルはいつも通りの優しい笑顔を浮かべ、アリソンに手を差し出した。
アリソンは照れくさそうな表情を浮かべ、躊躇いがちにその手を握った。
その途端、アリソンの体も光に包まれ、手を繋いだままの二人は宙に浮かび、空へと登っていく。
幸せそうな笑顔を交わす二人を、アイカシア大佐は呆然と見送ることしか出来なかった。
104SBI:2005/10/01(土) 10:14:40 ID:1anZScSY
暗い部屋の中、アイカシア大佐は今まで頭を打ち付けていた壁に突っ伏して体を預けていた。
もう何をする気にもなれなかった。二人の乗った飛行機を見送るには、そろそろ出発しなければならないが、立ち上がる気力が無い。
「もうどうでも良いんだ、どうでも……」
アイカシア大佐が一人つぶやく。世界の全てから取り残された気分だ。
「どうでも良くないよ。アンタ一体誰なんだ?」
突然に後ろから声をかけられ、アイカシア大佐はゆっくりと振り返る。そこには見たことの無い若い男女が一組……。
「君達は?」
「それはこっちの台詞だよ、おっさん」
アイカシア大佐は訳が解らない。この部屋を使っていたアリソンとヴィルは、もうチェックアウトしたはずなのに……。
「とにかく、俺たちの部屋からとっとと出て行ってくれるかな」
男の方がめんどくさそうに言った。その言葉でアイカシア大佐は全てを理解する。ポケットに突っ込んでおいた部屋番号のメモを取り出す。
まさか………。
「おい、おっさん聞いてるのか?」
全くこっちのことを気にかけないアイカシア大佐の様子に、男がもう一度口を開いたその時だった。
「イイイイイイイヤッホオオオオオオオオオオオオオオウゥ!!!!!!!」
奇声をあげて、アイカシア大佐は部屋から飛び出していった。あとには訳の解らないままに残された男女が二人。
「なんなんだ、あのおっさん?」

全くの勘違い、そう勘違いだったのだ。
105SBI:2005/10/01(土) 10:15:32 ID:1anZScSY
「609号室じゃなくて、906号室だったんだ!!」
部屋を取り違えていた。なんとも間抜けなミス、まったく特殊任務に携わっている人間とは思えない。
だが、今のアイカシア大佐には全く気にならない。事態は全く好転していないのに、嬉しくて嬉しくてたまらない。
通りでタクシーを捕まえ、アイカシア大佐は目的地へと急いだ。今なら、まだ間に合うはずだ。
アイカシア大佐の高すぎるほどのテンションに乗せられた運転手は、レーサーも真っ青のテクニックで車を走らせ、
アイカシア大佐は出発時刻にたっぷり余裕をもって、アリソン達のもとへとたどり着いた。
運転手にたっぷりと料金を支払い、アイカシア大佐はタクシーから飛び出す。走りながら辺りを探すと、遠くにアリソンとヴィルの並んだ姿が見えた。
二人の笑顔はここからでも手に取るようにわかった。アイカシア大佐は足を止め、二人の様子を呆然と眺める。
心の底からの幸せな笑顔、そう言えば妄想の最後に浮かんだのも、二人のこんな笑顔だった。
「そうか、今日この日までアリソンにあんな幸せを、笑顔を与えてきたのは彼だったな……」
解っていたことだった。所詮自分は任務のためにアリソンを捨て、一人で生きていくことを選んだ男なのだ。
先ほどまでの興奮が急激に冷めていく。自分と二人の間にはどうしようもなく深い溝が横たわっているんだとわかる。
アイカシア大佐は深く溜め息をついて、二人に背を向ける。最初から自分は、アリソンにとっては過去の人だったのだ。必要ないのだ。
ゆっくりと立ち去ろうとしたアイカシア大佐の背中に、突如、ドン!と衝撃が襲った。
「うわあああっ!!?」
戸惑うアイカシア大佐の胴を、誰かが後ろから抱き締める。細くしなやかなその腕、きれいな指先は……
「もう!どうしてたのよ?間に合わないかと思って心配したのよ、パパ!」
「あ…アリソン?」
愛娘は心底から嬉しそうな笑顔をアイカシア大佐に向ける。
106SBI:2005/10/01(土) 10:16:46 ID:1anZScSY
「今日は、随分と上機嫌なんですね」
「あっ、うん、まあね」
愛しのヴィルへの告白を成功させた翌日だ。上機嫌なのも当然か……。いや、もしかしたら、やっぱり二人は昨夜の内に……。
再び疑念に囚われたアイカシア大佐、しかしアリソンはそうとは気付かず言葉を続ける。
「いや、その、一晩明けたらやっぱり嬉しくなってきて」
そうか、ヴィル君と一緒になれて、そんなに嬉しかったのか
「昨日の内は、やっぱり実感がわかなかったし……」
まあ、そういうものなんだろう。
「あはは……、またパパに会えるなんて思ってなかったから……」
なるほど、そうでしょうとも………………って、あれ!?
信じられないといった表情で、アイカシア大佐はアリソンの顔を覗き込む。
言葉をなくしたアイカシア大佐の耳元で、恥ずかしそうに笑ってアリソンはこう言った。
「また会えて嬉しいわ、パパ……」
正面切っての好意に、アイカシア大佐は耳まで赤くする。自分の体を抱き締めるアリソンの腕にぎゅっと力がこもるのを感じる。
アイカシア大佐はそれに応えるように、アリソンの肩をそっと抱き締めた。
「私もだよ、アリソン……」
ふと見ると、少し離れたところでヴィルも笑っている。こちらも本当に嬉しそうな笑顔で、アリソンの幸せを心底から喜んでいるのがわかった。
アイカシア大佐はヴィルに向かって、照れくさそうに笑顔を送る。
まったく、自分は何を考えていたのだか………。
本当に久し振りに、自分の腕の中に感じる愛娘の体の暖かさを、アイカシア大佐はじっくりと噛み締めたのだった。
107SBI:2005/10/01(土) 10:18:14 ID:1anZScSY

滑走路をすべる飛行機を、アイカシア大佐は部下と並んで見送る。今度会えるのはいつになるだろう?
未だに二つに分かれたこの世界の中では、それはあまりに遠い未来のように思える。しかし、その時はきっとやってくるのだ。
ふっと微笑んだアイカシア大佐、その少し寂しげな背中に、部下が優しく声を掛けてきた。
「大丈夫ですよ。諦めなければ、きっと彼もいつか振り向いてくれます」
爽やかな部下の笑顔を、アイカシア大佐が見事な回し蹴りでひしゃげさせたのと同時に、飛行機は地面を離れ、晴れ渡った空へと飛び立って行った。
108SBI:2005/10/01(土) 10:21:40 ID:1anZScSY
こんな感じでした。
アリソンパパは自分から背負わないでもいい苦労を背負い込んでしまうあの性格が、なんか好きです。
本当に思い付きのみで書いちゃいましたが、どうだったでしょうか?
それでは、また……。
109名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 18:06:00 ID:gmXV6cps
パパ可愛いよパパw GJ!!
110名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 19:06:20 ID:LujIyU6Z
乙!
111名無しさん@ピンキー:2005/10/02(日) 23:10:54 ID:Il9NFozq
うそ、あたったの、まじですかwww
112名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 16:41:31 ID:/FfoGZ0G
よくあることさ〜
113名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 18:22:06 ID:9gV1LvdN
age
114SBI:2005/10/06(木) 16:57:10 ID:kR+8y7ay
また、書いてきたものを投下します。
キノさんの話です。最近の俺の現実逃避願望を反映してか、かなり長くなりました。
それでは………。
115SBI:2005/10/06(木) 16:57:49 ID:kR+8y7ay
暗く閉ざされた石造りの部屋の中を、幾人もの人間の荒い息だけが満たし、僅かな灯りに照らされたいくつもの影が壁に蠢いている。
「…あっ!…ひあっ…や…はぁはぁ…ああんっ!!」
その中で一際耳につく少女の声、その声の主は男達に群がられて、もう夜も昼も無いほどの長い間陵辱を受けていた。
まだ幼さの残る体で何回もの射精を受け止め、絶え間なく与えられる快感に曇った瞳は、虚ろに宙を漂う。
短い黒髪も、あるか無しかの小さな胸も、男たちの大きなモノを受け入れるにはいささか小さすぎるように見える秘部も、
かわいいお尻も、残らず白濁に汚れ、そうでない部分を探す方が難しいぐらいだ。
「…うあ…あんっ!…はうぅ!!…やぁ…も…らめ…らめなのにぃ…」
少女は何度も拒絶の言葉を発するが、体中を駆け抜ける快楽はどろどろと抵抗の意思を奪い去っていく。
体中が熱い、荒っぽい指先で愛撫されると、感じたことも無いような快楽の電流が走る。最初は強い抵抗を示していた少女の瞳も、今は力なく光を失っている。
嫌なのに、感じてしまう。
もう時間の感覚が無くなるほどに犯され続けてきたのに、体はますます快楽を求め、少女の意思を離れて快感に震える。
そして、男たちの責めに燃え上がる体は、少女を高みへと押し上げる。
「あっ!?いやっ!!?…また…また来ひゃうぅ!?…また…ひあっ!!や…あああああああああああああああああっ!!!!!!!」
これで何度目の絶頂だろうか?数えてはいないが、もはや両手の指では足りないだろうと、少女は朦朧とする意識の中で考える。
もう何も考えられない。抵抗も出来ない。このまま犯され続けるしかない。
「どうですか?これが貴方の本性、貴方の本当に求めるものです」
少女の頭の上から、この穢れ切った部屋には似つかわしくない穏やかな声が聞こえた。
これは誰の声だろう?確か、そう遠くない昔に聞いたことがあるのだけど、絶頂の余韻でしびれる頭では思い出せそうも無い。
116SBI:2005/10/06(木) 16:58:39 ID:kR+8y7ay
「恥ずかしがる事はないのです。これは人として当然の行為、恐れずに受け入れることこそが肝要です」
そうなのだろうか?こんな事をされるのを、自分はとても嫌がっていたはずだ。散々暴れて、必死の思い出これまで耐え忍んできたはずだ。
こんなことは、もう嫌なはずだ。
だが、少女の体は先ほどの絶頂の感覚が過ぎ去っていないにも関わらず、さらなる責めを、今まで以上の快感を求めて震えている。
嫌なはずだ。嫌なはずなのに。嫌なはず………なのか?
段々と自分がわからなくなってくる。自分が本当に求めるものは何か?
「もっと感じたいのでしょう?」
声が近づく。男たちが道を開いて、声の主、白いひげを生やし純白の法衣を身にまとった老人が姿を現す。
老人は少女の前にしゃがみこみ、そのしわくちゃな指先で少女の秘部を撫でた。
「ひあああっ!!!!!」
少女は思わず声を上げる。予想以上の快感に意識が白く霞む。
「素直になりなさい」
老人の声はあくまで優しい。安心感さえ与えてくれるその声に、少女の心が揺れる。
自分がこんなものを求めているなんて、認めたくない。認めたくないのに………。
潤んだ目で見返した少女に、老人は優しくうなずいて、言った。
「私たちの国の、仲間になりなさい。…………キノさん」

「ああっ!…すご…すごひのぉ!!!…おしりっ!おしり…えぐられてへえええええっ!!ふああああああっ!!!!」
燭台に照らされた薄暗いベッドの上、あられもない淫らな嬌声を発しながら、キノはアナルを犯されて、一心不乱に腰を振っていた。
117SBI:2005/10/06(木) 16:59:15 ID:kR+8y7ay
キノの上では男が一人、欲望で爛々と輝く瞳を血走らせながら、脂ぎった肌でキノの体を包み込み、一般的なサイズより大きめな自分のモノを突き入れていた。
男のモノが前後に行き来する度に、キノは快感に蕩けた表情を浮かべ、以前なら口にするのも憚られた様な卑猥な言葉を叫ぶ。
「くふぁ…ひうううぅ!!!すごひっ!!…も…すごくて…ボク…ボクぅ……ひあああああああああああっ!!!!!!!!」
男の激しい責めでぐちゅぐちゅに掻き乱された体に、キノは大声を上げながら絶頂を迎える。
男も唸り声を上げながら、キノの体の奥にどろどろに濃縮された自分の精を放つ。熱い欲望がキノの体の内を満たして、その熱が再びキノに小さな絶頂を与える。
「うあ…あついの…いっぱい…あは、あははははは…」
恍惚とするキノを残して、満足し切った男は服を着込み、部屋を後にした。
心底から快楽に蕩けきったキノの瞳は、かつての様な強靭な精神力を感じさせない濁った光を宿している。
こんな暮らしをするようになって、幾日がたっただろうか。昼の間に簡単な作業を行い、夜はこんな風に性行為を強要される。
単調な日々は、キノから日にちの感覚を奪っていった。
だが、それもどうでも良いとキノは思う。自分の本性があんなものなら、もうどうなろうと良いじゃないか。
キノが今いる国にたどり着いたのは、ほんの偶然からのことだった。
どこまでも続く荒野の中で、道を見失い、ほとんど行き倒れのようにしてたどり着いたのが、それ自体が一つの城塞の体をなす、孤立した国だった。
この国の人間に発見されたキノは、すぐさま暗い地下室へと幽閉された。体力をほとんど無くしていたキノには、なんの抵抗も出来なかった。
催淫効果のあるサボテンの汁を飲まされ、体中のあらゆる場所を触れられるだけで絶頂に達するほどの、性感帯へと改造された。
今もこの部屋の中に漂っている煙、これも例のサボテンを乾燥させたものを燃やした煙だ。
キノは白く煙る部屋の空気の中で、絶頂の余韻に身をくねらせ、しばらく朦朧とする。
「ボクは、もう今までのボクじゃ……ないんだ」
118SBI:2005/10/06(木) 16:59:50 ID:kR+8y7ay
自分自身に言い聞かせるようにつぶやく。それからむくりと起き上がったキノは、ベッドの脇に乱暴に脱ぎ捨てられた自分の服を身にまとう。
簡素なその服は、この国で暮らすにあたって与えられたものだ。色が黒一色なのは、汚れを目立たせないためだろうか。
キノは立ち上がり、部屋を後にする。キノの部屋は、まだ別に用意されていた。
キノが今までいた部屋は、儀式の間と呼ばれている。この国において、性行為は宗教上の行為であり、生活の中心である。
教義は至極簡単、性欲は人間が元来持つもっとも自然で原初的で本来的な欲望であり、これを突き詰めていくことで、人間はより純粋な存在に戻るのだという。
性行為を繰り返すことで、人間は神に創られたときの姿、本来のあるべき姿に戻ることが出来る。それは神の御許へと近づくことでもある。
感じた快楽も、淫欲に曇った意識も、彼らに言わせれば神への信仰の証である。
馬鹿らしい考えだ。しかし、キノはそれを受け入れてしまった。自分の欲望をさらけ出し、快楽だけを追い求める、それが今のキノだ。
ドアを抜けると、外は暗い回廊だ。この国の中には、いくつもの回廊や、地下道、さらには湧き水の流れを利用した下水までが、入り組んで存在する。
暗い廊下で迷わぬように、キノはふらつく足でゆっくりと進む。やっとのことで自分の部屋へとたどり着いた。
「おかえり、キノ!」
エルメスが明るい口調で言ってきたのを、キノは無視して部屋の奥に進み、ベッドに倒れこむ。
部屋の中を見回すと、壁に吊るされた自分のジャケットやコート、パースエイダーを納めたホルスターが見える。
キノがこの国に屈服して、国民となることを誓ったときに、全ての所持品を返してもらうことが出来た。我々は盗人ではないと、彼らは言った。
その気になれば、かなり困難ではあるけれど、脱出を試みることも出来る。敵は多いが、なにか手はあるはずだ。
だが、そんな事にどんな意味があるのだろうか?自分はこんなにも汚れている。快楽を求め、喘ぎ、腰を振るただの豚と同じだ。
キノの陰鬱な表情を無視して、エルメスが相変わらず明るい口調で話し掛けてくる。
「だいぶ疲れてるみたいだね、キノ。シャワーとか浴びたら?あっ!そういえばこの国にはなかったっけ。まいったな、どうしよう」
キノはエルメスから顔を背けるように、ベッドの上で寝返りを打つ。
119SBI:2005/10/06(木) 17:00:30 ID:kR+8y7ay
調教を終えて、この部屋にやって来て以来、キノはエルメスと言葉を交わしていなかった。
それどころか、まるでエルメスがいないかのように、その存在を無視して生活している。
キノは思い出す。調教の最後、あの老人に言われた言葉に、キノはこう答えた。
「…なります。あなたたちの…仲間に…ふああ…国民にぃ…なりますからぁ…もっと…もっとボクを犯してぇ……」
しかし、物欲しげなキノの言葉に、老人は答えない。眉一つ動かさず、じっとキノを見つめてくる。
一瞬、キノの頭に不安がよぎった。もう犯してもらえない?気持ちよくしてもらえない?
不安に任せて、キノは大声で叫んだ。
「おねがいですぅ!!!おねがいですからぁ…ボクを犯して…犯してくださいぃ!!!!きもちよくしてくださひいいいぃ!!!!!!!!」
一切の羞恥を投げ捨てて、あらんかぎりの声を張り上げたキノ、その瞳は不安と期待の間で揺れている。
老人は満足げな笑顔を浮かべ、ゆっくりとうなずいた。視線だけで男達に指示を出し、その場を立ち去った。
ふたたび男達に押さえつけられながら、キノの顔はこれから始まる快楽の予感に淫靡な笑みを浮かべた。
キノは自分がどれだけの淫乱であるかを思い知らされた。あの狂おしい熱は、落ち着きを取り戻した今も、キノの体の奥に燃えている。
こんな自分に、変わらずに接してくれるエルメスの言葉、その一つ一つが針のようにキノの心を突き刺してくる。
「まったく気の利かない部屋だよね。シャワーのひとつもないなんて」
言葉の端々に必死さすら滲ませて、エルメスはキノに語りかけ続ける。キノは思わず耳をふさいだ。
ボクとなんて、話す価値も無いのに………。
痛む心を誤魔化すように、キノは指先を自分のショーツの中に這い入らせた。くちゅり、と先ほど放たれた精液と自分の愛液が音を立てる。
「ふあ…あああんっ!!…や…はああっ…ひううううう……」
わざと大きな声を上げながら、キノは自分の最も大事な部分をメチャクチャに弄る。
淫らな自分の姿を見せつければ、エルメスだって理解するはずだ。自分にはなんの価値も無い。こんなにもいやらしい女なのだと……。
120SBI:2005/10/06(木) 17:01:11 ID:kR+8y7ay
「あっ!ひあっ!!ああんっ…ふああああっ!!!」
乳首をいじりまわし、クリトリスを摘み上げる。開発された体は、以前に自分で慰めていた時をはるかに上回る快感をキノに与えてくれる。
「あああっ!!!イクぅ!!イクっ!!!イクううううううううぅ!!!!!!!!」
演技だった筈なのに、いつの間にか本気で感じていた。エルメスに見られているこの状況に、興奮していた。
再び陰鬱な気分に囚われようとしていたキノ、しかし、エルメスは明るい態度を崩さずにこう言った。
「まあ、キノもとにかく体に気をつけてよね。脱出するには、ちゃんと体力を戻しておかないと」
キノは毛布を引っつかみ、頭からかぶってその中に逃げ込んだ。

それから数日後、キノは昼間から男の腕の中に抱かれていた。相手は、キノに仲間になることを促したあの老人である。
催淫サボテンの煙の中で、二人はここ何時間も絡み合い、快楽を貪っていた。
老人は導師と呼ばれる人物で、この国の最高権力者にして、この国の教えの開祖でもある。キノはこれまでに幾度となく導師に呼び出され、このような行為を繰り返していた。
こういう事は、そんなにある事ではないらしい。導師はことのほかキノのことがお気に入りなのだ。
「あっ…や…そこ…そんなに責めたらぁ…ひあああああっ!!!!!」
導師は着実にキノの感じる部分を責め立て、キノはその腕の中でただ喘ぐ。
導師は他の男たちと違い、決して法衣を脱ぐことが無かった。しかし、はだけた法衣の端から覗く肉体は、年齢以上の頑健さを感じさせる。
キノを愛撫する導師の指先はあくまで執拗で、快感に翻弄されながらも、キノは背中にひやりとしたものを感じずにはいられない。
「あっ…また…ふああああっ!!!…またぁ…や…きちゃうううううううう!!!!!」
導師の指先が、キノを数えて16回目の絶頂に導こうとしたとき、扉をノックする音が部屋の中に響いてきた。
「失礼します、導師。少し厄介なことになりまして…」
121SBI:2005/10/06(木) 17:01:48 ID:kR+8y7ay
聞き覚えのある声だった。いつぞやキノが相手にした、アナルセックスを好む脂ぎった男だ。
教長と呼ばれ、導師の右腕として直接的な統治にあたっている人物である。
導師はキノを責め立てる手を休ませ、部屋の外に向けていつも通りの優しく威厳に満ちた声で問い掛ける。
「どうしました?落ち着いて話しなさい」
導師の言葉に、扉の外の教長はしばらくの間呼吸を整えてから、今起こっている事態を説明し始めた。
「それが、新たな入国者を拘束するのに失敗しました。現在も捜索中なのですが、かなりの手練れでして……」
「ほう」
なかなか興味深い知らせであるはずなのだが、導師の腕の中で荒く息を切らし、行為の再開を待ちわびるキノの耳には、意味のある言葉として捕えることが出来なかった。
しかし、教長の次の言葉でキノの表情が変わった。
「ですが、ほどなく捕まるはずです。相手は子供と犬を連れています。足手まといを二つもぶら下げて逃げ切れないはずです」
子供に、犬?
「向こうの獲物は刀、信じ難いことにこれで銃弾をはじき返すのですが、数で押せばしのぎ切れるものではないでしょう」
キノの目が見開かれる。こんな偶然がありえるのか?
あの人、シズがこの国にやって来たというのか?まさか………。

暗い回廊の片隅、三つの影が息を殺して身を潜めていた。その中でも一番大きな影、シズは辺りを見回してから、静かに口を開いた。
「とりあえず、逃げ切ることが出来たようだな」
「そのようですね」
答えたのはシズの旅の道連れ、犬の陸である。シズも陸も、体中に小さな傷を負い、薄汚れて、へとへとに疲れきっていた。
122SBI:2005/10/06(木) 17:02:23 ID:kR+8y7ay
「しかし、この国から脱出するのは骨が折れそうだ。追っ手の兵たちもかなり訓練されているようだしな……」
つぶやいたシズの顔を、一番小さな三つ目の影、ティーが不安げな表情で覗き込んだ。
この追い詰められた状況の中で、自分がシズの足手まといになっていることを知っているのだ。
そんなティーに、シズは優しく微笑んでみせる。
「大丈夫だ。私はティーを置いて行ったりしないよ」
そう言われて、ようやくティーは安心した表情を見せ、シズにすがりつく。シズはその背中を優しく抱き締め、何度も何度も撫でてやる。
実際、これからどうするべきかの見通しも立たないが、この娘を二度と置き去りにするわけにはいかない。その決意が、ともすれば絶望に陥りそうなシズの心に力を与える。
「なんとか、脱出ルートを見つけなければ」
その時、シズは遠くから響いてくる足音に気がつく。シズはティーの体を離れることのないよう強く抱き締め、手元に刀を引き寄せる。
足音の数は一つ、なんとかならない数でもない。シズは相手の正体を見極めるべく、物陰からそっと顔を出す。
そして、そこに見覚えのある少女の顔を見つけた。
「キノさん!」
思わず叫んでしまったシズは、しまったという顔をする。
「大丈夫です。今、この辺りには僕たちしかいません」
「そうか」
ほっと胸を撫で下ろしたシズは、キノの服装がいつもとは違う、この国の住民のものになっていることに気が付いた。
「キノさん、もしかして君は、……捕まったのか?」
「……はい」
シズは改めてキノの姿をまじまじと見つめる。かつてのような精悍さを失い、不安に曇った表情に、キノがこの国で受けた仕打ちが思いやられる。
123SBI:2005/10/06(木) 17:02:59 ID:kR+8y7ay
「やっぱり、シズさん達だったんですね。無事でよかったです」
「ああ、この通り何とか生きているよ」
つとめて明るくシズは答えたが、相変わらずキノの表情は暗いままだ。何かにじっと耐えているような、その表情……。
「キノさん、大丈夫か?」
しばらく黙りこくっていたキノに、シズは声をかける。キノははっとした表情になって、一瞬何かを言おうとして、結局口をつぐんだ。
それから、いそいそと懐を探って、一枚の古ぼけた紙切れを取り出した。
「ここに、城の中の見取り図があります。どこにどう人が配置されているのかはわかりませんが、これだけでも役には立つと思います」
一気にまくし立てて、キノはシズに地図を差し出す。小さな肩が震えている。
その剣幕にいつまでも地図を受け取れないで入るシズ、キノはその手にぐいと地図を押し付ける。
「それじゃあ、ボクはこれで………」
一度もシズと目を合わせないまま、立ち去ろうとしたキノの腕をシズがひっ掴む。
「待ってくれ、キノさん!!!」
「な!?シズさん、放してください!!」
「放さないっ!!!キノさん、君はどうするんだ?君だって、この国から逃げ出さなきゃならないだろう?」
シズを引き剥がそうと暴れていたキノは、その言葉にピタリと動きを止める。
「その様子じゃ、相当ひどい仕打ちを受けたんだろう。これ以上こんな国にいたら、一体何をされるか………」
シズは必死で言葉を重ねる。正直、戸惑っていた。あの逞しい少女の、こんなに弱り切った姿を見るなんて、思ってもいなかったのだ。
「私たちと一緒に来るんだ、キノさん。出来ることなら何でも手伝おう。一緒にこの国を脱出するんだ」
しかし、シズの必死の訴えにも、キノは最後まで首を縦に振ることは無かった。肩の上に置かれたシズの手を、そっとのけてから、力ない笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます。シズさん。でも、ボクにはそんな事してもらう価値なんて、もう無いんです。この国から逃れて生きていく価値なんて、今のボクには、もう……」
124SBI:2005/10/06(木) 17:03:38 ID:kR+8y7ay
キノが一歩後ろに下がる。今度は、シズは止める事はできなかった。なにもかもを諦めた笑顔が、シズから引き止めるだけの力を奪った。
「だから、ここでさよならです。心配かけて、ごめんなさい。でも、今のボクにはこうするしかないんです」
一歩、また一歩と遠のいていくキノの顔を、シズは呆然と見つめる。キノはゆっくりと後ろを向き、シズから離れるべく歩を早める。
「キノさん!!!」
その背中に向かって、シズは叫んだ。
「自分には価値が無い、そう言っていたよな。それが、一体どういう意味なのか、私にはわからない、わからないが…………」
シズの問いかけに、キノの足が止まる。シズはさらに続ける。
「……価値があるのか無いのか、そんなことはわからない。だが、キノさんは、キノさん自身は、一体どうしたいと思っているんだ?」
しばらくの沈黙、そしてキノは静かに口を開いた。
「……ボクにも、わかりません」
そのまま駆け出したキノの背中を、シズは何もすることができずに、ただ見送った。回廊の闇に紛れて姿が見えなくなるまで、キノは一度も振り返らなかった。

もう会う事はあるまいと思っていたシズの姿を、キノが見かけることになったのは翌日の午後のことだった。
シズは何人もの兵たちに追われ、追い詰められていた。足の遅いティーは懸念通り、シズ達の逃亡の障害になっていた。
キノがその様子を見ていたのは、導師に呼び出されて登った尖塔の中ほどの窓だった。ここからでは手が届かない。何も出来ない。
もどかしい思いを抱えたまま、キノはシズ達の行動を見つめる。
行き場を無くしたシズ達は、近くにあった古ぼけた無人の建物の中に逃げ込んだ。何とか難を逃れたかと、キノが胸を撫で下ろした次の瞬間だった。
建物の内側から、閃光が走った。一瞬遅れて耳の痛くなるような音がキノの元に届く。そして、呆然とするキノの視線の先で、建物は音をたてて崩れた。
罠だったのだ。シズ達がそこに逃げ込むことを見越して、仕掛けられた罠だったのだ。
何度も目を擦り、キノは崩れ落ちた建物の中にシズの姿を探す。こんなことがあっていい筈がない。
125SBI:2005/10/06(木) 17:04:21 ID:kR+8y7ay
キノはゆっくりと膝から崩れ落ちる。壁に突っ伏して、何度も首を振る。
ボクなんかが生き残って、シズさん達が命を落とすなんて、そんなことが…………。
声が出なかった。自分の中に少しだけでも残っていた大事なものが、あの瓦礫のように崩れ去ったのがわかった。
勝利を確信した兵たちがその場から引き上げても、キノはずっと同じ場所に膝をつき、声を殺して泣いていた。

「次の祭りで、君には巫女の役目を勤めてもらいたいと思っているのですが」
導師からそう告げられたのは、シズ達があの瓦礫の中に消えた日から3日目の午後のことだった。
「わかりました。お受けします」
導師の言葉の意味がわからぬまま、無感動にキノは答えた。あの日に流した涙を最後に、キノの感情は死に絶えてしまっていた。
昼の間の単純労働に従事し、夜は誰とも知れぬ男たちの手の中で快感に打ち震える。
繰り返される単調な生活に埋没することで、キノは瞼の裏に残るあの光景を振り払おうとしていた。
正直、もうどうでも良い。これから自分がどうなろうと知ったことではない。いっそ、このまま死んでしまっても良いくらいだ。
そう思っていたからこそ、いつも以上に深刻な調子の導師の言葉にも、キノは何も考えずに即答することが出来た。
「そうですか。貴方がそんなに快く受け入れてくれるとは思っていませんでしたが、とにかくこれで決まりですね」
うんうんと一人うなずきつつ、歩き去っていく導師の姿を見つめながら、「祭りの巫女」とはどんな役目なのか、初めてその疑問がキノの頭に浮かんだ。
巫女の役目、その詳細を知ったのは、それからさらに数日後の夜中だった。
その夜の行為を終えて解放されたキノが部屋に戻ると、そこには黒衣の小男が一人ドアの前にたたずんでいた。男は導師からの使いだった。
「お迎えに上がりました。早く準備をしてください」
巫女は祭りの数日前から、国の真ん中にある聖堂の地下の部屋で、身を清めるための儀式を受けるのだという。
男はさらに、聞かれてもいない祭りでの巫女の役目のことまで話し始めた。
126SBI:2005/10/06(木) 17:05:09 ID:kR+8y7ay
男の話によれば、祭りの間、選ばれた巫女はその魂を神へと近づけるため、通常使用されるより強力な薬を飲まされ、再度の調教を受ける。
この祭りでの調教の到達点は、人格の破壊である。完全に思考を忘れ、ただ快楽のみを受け入れる人形となること、それが巫女の役目なのだ。
ほとんど死刑宣告に等しいその話を聞いても、キノの心には何の感慨も浮かばなかった。
ただ少しだけ、これほどの淫乱である自分にはお似合いの役目なのだろうと、妙に納得しただけだった。
男に了解したことを伝えてから、身支度を整えるために、キノは自分の部屋に入る。
本当は怖がらなければいけないんだろうな、そう考えてみても、怖いとは何だったのか実感が湧いてこない。
新しい服に着替えようと、身に付けている汚れた服を脱ぎ捨てたキノ、その背中にエルメスが唐突に語りかけてきた。
「話は聞こえていたよ、キノ。ついに正念場だね。脱出するなら今しかないよ。これ以上は、もう後が無い」
あくまでも明るく、あっけらかんとしたエルメスの口調に、キノの表情が僅かに曇る。今更、何を言っているんだ、コイツは……。
キノはエルメスの言葉に聞かぬ振りをしながら、黙々と着替えを続ける。しかし、その表情には、久方ぶりに焦燥の色が浮かんでいた。
本当は自分だってわかっているのだ。これがどれほど恐ろしい事態で、自分は今から取り返しのつかない領域に足を踏み入れようとしているのだと。
キノの動揺を知ってか知らずか、エルメスは喋り続ける。
「ああ、この国の服を着て逃げるんだね。まあ、いつものコート姿じゃ目立って仕方がないからね」
キノは袖を通しかけていた服を投げ捨て、耳をふさいでその場に突っ伏した。エルメスの言葉の一つ一つがキノの心に深々と突き刺さる。
このままじゃいけない。ここで何とかしなくちゃ、本当にダメになってしまう。だけど、しょうがないじゃないか。
あれほどに浅ましい自分の本性を見せ付けられたんだ。あれが本当の自分なんだ。
このまま壊れてしまうなんて嫌だ。嫌だけど……、これ以外にどんな道があるっていうんだ?こんな自分に他の選択肢なんてないんだ。
キノはエルメスの言葉から身を守るように、自分の体を抱えてうずくまる。その肩は不安に耐えかねたように、小さく震えている。
そんなキノの背中に、エルメスは今度は幾分トーンを落として話し掛ける。
127SBI:2005/10/06(木) 17:06:04 ID:kR+8y7ay
「キノがなんでそんなに拗ねてるのかは、大体わかるよ。この国のやり方を受け入れちゃった自分のことが、嫌いでしょうがなくなっちゃったんだね。
辛いんだろうね。キノは雑だし、女の子らしくないし、あんまり愛想もないけど、やっぱり優しいもの。自分のそんなとこ、見たくなかったよね」
いたわるようなエルメスの言葉が耳に痛い。エルメスの一言一言を振り払うように、キノは再び着替えに専念し始める。
エルメスはなおも続ける。
「だから、そんな自分に嫌気がさして、何にも考えられなくなって、この国に従うしかないって考えるようになったんだね。でも……だけど……」
エルメスの言葉がかすかに震える。言葉に詰まりそうになりながらも、しかしエルメスはキノに叫んだ。
「キノがどんな人間かなんて関係ない!キノは今、どうしたいの?このままで良いと思っているの?
こうなるのが相応しいとか、これしかないんだ、とかじゃなくて、キノが何をしたいのか考えてよ。
旅人に必要なものは、最後まで手を尽くしたあとで、最後に助けてくれる運だって、前に言ってたよね。
でも、自分がどうしたいのかハッキリさせなくちゃ、何にも始まらないよ!その運を掴む事だって出来ないよ!!」
エルメスの言葉が何度もキノの耳の中に反響する。ぎゅっとキノは自分の腕を握る。爪が突き立って、薄っすらと血が滲んだ。
今にも崩れ落ちそうな体を奮い立たせ、キノは立ち上がる。固く瞑っていた目をゆっくりと見開いて、本当に久方ぶりにキノはエルメスに話し掛けた。
「エルメスの言いたい事はわかるよ」
か細く震えるその声に、エルメスは返す言葉を持たない。
「でも、今のボクには、自分がどうしたいのかわからない」
「………キノ」
「わからないんだ。もう、ボクには何もわからない」
そう言ってから、キノはドアに向かって歩き始めた。結局、一度もエルメスの方を見ないまま、キノは部屋を後にした。
128SBI:2005/10/06(木) 17:06:44 ID:kR+8y7ay
そして、ついに祭りの日がやって来た。
地下の控えの間から、導師に付き添われて、キノは全国民が集まり、人いきれでむせ返るような聖堂の中に足を踏み入れた。
目の前を埋め尽くす人の群れが、キノと導師の姿を認めて、耳が割れんばかりの怒号を響かせる。
思わずすくんで立ち止まってしまったキノ、その背中を導師の暖かな手の平が優しく押す。促されるままに、キノは聖堂の一番北に位置する祭壇へと向かう。
祭壇の周りでは巫女の調教役をつとめる屈強な男たちが円を描いて並んでいる。その数は50人はくだらないだろう。
祭壇にたどり着いたキノが振り返ると、儀式用の薄い衣を着た自分の体を満場の観衆が注視していることに気がつく。
ぞわりと背中に寒気が走った。シズやエルメスが言った言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
国民たちの熱狂が最高潮に達した頃、導師が厳かな調子で口を開いた。
「迷い子たちよ!!神の心に従い、肉体と魂のあるべき姿を求める者たちよ!我々はその信仰の深さを、強さを試されることになります」
導師の言葉に応えて、国民たちはあらん限りの声を張り上げる。
「最も純粋な姿へ至ろうとする巫女を、共に神の御許へ導くのです!!」
国民たちの視線は再びキノのもとに集まる。血走ったその眼に、キノは思わず後ろに下がる。
キノの戸惑いを察したかのように、導師は優しく微笑んでキノに告げる。
「怖がらなくても良いですよ。我々は共に神の意思のもとにあるのですから」
なんと答えるべきか迷っていたキノに、導師はさらにこう付け加えた。
「大丈夫ですよ。その程度の惑い、すぐに忘れられます。儀式が始まれば、すぐにでも……」
今になってようやくわかった。自分はこんな事は望んでいない。こんな終わり方だけは絶対に嫌なのだと。
本当に追い詰められて、やっと気が付くことが出来た。しかし、もうどこにも逃げ場は無い。
導師が脇にいた男に指示を出すと、キノの目の前に小さなグラスが運ばれてきた。その中は、緑色のドロドロした液体に満たされている。
祭りの巫女のための専用の薬だ。ふつふつと泡立つ液体からは、それだけでキノの背筋をぞくりとさせるような強烈なにおいが立ち上る。
129SBI:2005/10/06(木) 17:07:21 ID:kR+8y7ay
こんなものを飲まされたら、自分は一体どうなってしまうのだろう?グラスを持ったキノの腕が震える。
導師はキノを急かそうとはせず、グラスを持ったまま固まったキノの、今にも泣き出しそうな顔をじっと見つめる。
ふいに、キノは自分の体が熱くなってきていることに気が付く。じっとりと股間が湿り始めているのがわかる。
「…あっ…なに?…なにこれぇ…」
声が震える。体がおかしい。いつもは薬を飲まされても、こんな風になったりはしないのに……。
まさか、今自分が手に持っているこのグラスが原因なのだろうか?ここから立ち上るにおい、ただそれだけでここまで………。
膝がガクガクと震える。視界がぼやける。体中の皮膚が焼けるほどに熱い。もう、これ以上は、立っていることが出来ない。
必死で堪えていたキノの体が、ついに限界を迎えた。崩れ落ちるようにして、キノは祭壇の上に仰向けに倒れこむ。
グラスを持つ手が滑って、中の薬が宙にぶちまけられ、キノの体の上に降り注ぐ。瞬間、キノの背中が雷にでも撃たれたかのように仰け反った。
「あっ!!!?やああああああっ!!!!!…なにぃ!?なんなのぉ!!?…ひあっ!!ふああああっ!!!!!」
燃え盛る炎の中に放り込まれたような熱が体中を襲う。神経を全て剥き出しにされたような感覚、気が狂いそうなほどの快感。
キノの手は苦しそうに体の上を何度も行き来する。触れるだけでキノの思考が寸断するほどの快感が生じる。
しかし、これほどの快感を感じながらも、体のうちにこもった熱は、どうしようもないもどかしさは、勢いを増してキノを内側から焼き尽くす。
堪え切れずに、キノは自分の一番敏感な部分に、震えるその指先を這い入らせる。一瞬、キノの視界が白い闇の中に吹っ飛んだ。
「ひああっ!!!…やっ…いやああああっ!!!!…やら…こんなぁぁあ!!!・ふああああっ!!!!?」
その場に丸まったまま、キノは一心不乱に自分の股間を弄る。
このままでは正気を保てなくなってしまうのではないか、一瞬よぎった不安も快感の奔流に押し流されて消えた。
わけのわからぬまま嬌声を上げ続けるキノの横に、導師がしゃがみこんで語りかけてきた。
「ほら、みなさんが貴方のことを見てくれていますよ」
導師の指差す先、祭りに集まった満場の観衆たちが、キノの姿を爛爛と光る眼で、一身に見つめているのが見えた。
130SBI:2005/10/06(木) 17:07:57 ID:kR+8y7ay
「あっ!?」
キノは呆然と、自分の痴態に見入る何千人もの国民たちの姿を見つめる。突き刺さるような視線が、さらにキノの体を燃え上がらせる。
「みんな…みんな見てるぅ…みんな…見てるよぉおおおぉ!!!!」
こんな姿を見られて恥ずかしいはずなのに、キノは股間を弄る自分の両手を止めることが出来ない。
それどころか、まるで自分のものではないかのように蠢く指先は、更なる快感を求めて激しくキノを責め立てる。
「みなさんに見られながらオナニーをするのが、そんなに気持ち良いですか?キノさん」
「や…ひあっ…そんな…ちがふぅううううううっ!!!!」
キノは激しく頭を振るが、意思に反して動き続ける指が、快感に震える体が、何よりも雄弁に今のキノの状態を物語っていた。
「気持ち良いのでしょう、違いますか?」
そう言いながら導師は、キノの乳首をぎゅっと摘み上げた。痛いぐらいの力が込められた指先が、しかしキノには心地よく感じられる。
「ちがうっ!!!ちがふぅううううぅ!!!!!ちがうっっ!!!……やああっ!!!」
「自分自身を受け入れられないのは不幸なことですよ、キノさん。さあ、行ってごらんなさい。
みんなに見られながら、ぐちゅぐちゅにアソコをいじって、自分は気持ち良いです、と」
導師の言葉が幾度も頭の中に反芻される。キノを蔑むようなその言葉にさえ、今のキノは快感を感じてしまう。
いつの間にかキノの周りには男たちが群がり、キノの体中に思う様に愛撫をしていた。その指先の一つ一つまで、キノは感じることが出来る。
すでに開発されきっていたキノの体は、男たちの愛撫を受け入れて、さらに激しく燃え上がる。
それに呼応するかのように、秘所を弄るキノの指の動きは激しさを増していく。
「さあ、キノさん!言うのです!受け入れるのです!!自分の感じたまま、全てを言葉にするのです!!!!」
導師が一際大きな声で叫ぶ。言い表せぬほどの圧迫感、焦燥、全てがキノの中で快感に置き換わっていく。
「やだ…あんっ…そんな……そんなことぉ…ボクぅ…ひうぅ!!!」
それだけは言えない。それを認めてしまったら、ギリギリの崖っぷちで保たれている自分自身を維持することが出来なくなる。
131SBI:2005/10/06(木) 17:08:36 ID:kR+8y7ay
歯を食いしばり、頭をぶんぶんと振って、キノは最後の抵抗の意志を見せる。
だが、あらゆる方向から伸びる腕はキノの体中を余すところなく愛撫し続け、キノのなけなしの精神力を奪い去っていく。
「あっ!?やだ!!?も…やめて…それ以上は!!!あっ…ひあ…きひゃう…やらぁ!!…こんな…やらぁああああっ!!!!!」
最後にとどめを刺したのは、深く突き入れられたキノ自身の指だった。背骨を通って、快感の電流がキノの体中を駆け抜ける。
キノの弱弱しい抵抗など何の役にも立たなかった。喜悦に満ちた表情でキノは叫び、絶頂に達した。
「あああああああああっ!!!!!きもひいいいのぉおおおおお!!!!!!…みんなにみられながらぁ…ボク…きもひいいいいよぉおおおおお!!!!!!!!」
その瞬間、全ての思考は消えうせ、頭の中はただ、快楽のみに満たされた。自分が消えた。
ようやくキノは悟った。祭りの巫女に施される人格を破壊するまでの調教とはいかなるものであるか、それを体に思い知らされた。
キノが今感じている嫌悪や、拒絶もそこにはない。全てが終わったとき、抜け殻のように横たわる、キノの残骸が残るだけだ。
以前の調教などとは比べ物にならないだろう。どうやっても後戻りすることの出来ない、終局への扉が開かれたのだ。
「やら…そんな…ボク…やらよぉ…」
呂律の回らなくなった舌で、うわ言の様に同じ言葉を繰り返す。涙と涎で情けないほど汚れた顔は絶望に歪んでいる。
そんなキノの様子に、導師は満足げに微笑んだ。隣にいた男に指示を出し、例の薬の入ったグラスを持ってこさせて、今度は自分が受け取った。
「まだ、色々なものにしばられているようですね、キノさん。かわいそうに……」
キノの方を向いた導師の顔は、後ろに見える灯りのために逆光になって、その表情を窺い知る事はできない。
完全に怯えきったキノは、這いずるようにしてその場から逃げようとする。周りにいた男たちが取り押さえようとするが、導師はそれを目線で制止する。
導師は祭壇の上を逃げ回るキノに、ゆっくりとした足取りで追いつき、その体を押さえつけた。
見上げるキノの視線が、導師の慈愛に満ちた笑顔と、グラスで不気味に揺れる液体の間を行き来する。
「そんなに怯えないでください。これは汚らわしいものではありませんよ。あなたを神のもとへと繋ぐ聖水なのですから」
それでも恐怖に震え続けるキノの体を見て、導師は仕方ないといった表情を浮かべ、グラスの中身を自らの口に注ぎ込んだ。
132SBI:2005/10/06(木) 17:09:13 ID:kR+8y7ay
そして愕然とするキノの肩を抱き、その唇を塞いだ。
「…………っ!!!!?…んむぅ!!…んんっ!!?………ぷはぁ…」
導師の口から薬が注ぎ込まれ、キノは否応なしにそれを嚥下する。どろりと喉越しの悪い液体が食道を通り、胃の中に流れ込む。
自分が何を飲まされたのか、それを理解するより早く、注ぎ込まれた薬はキノの体に内側から火をつける。
「どうです?恐れる必要などなかったでしょう?」
そう言った導師の言葉も、キノの耳にはもはや届かない。
火の付いた体をガクガクと震わせ、絶望に見開かれた瞳からは涙がとめどなく零れ落ちる。
「……あああっ!!!…なんれぇ…なんなのぉ…ひうううっ!!!…やら…も…これ…ふあっ!!…ボク…くるっひゃううう!!!?」
どれほど叫び、どれほどもがいても、体の疼きは、恐ろしいほどの熱は消え去らない。
気が付くと、まわりを取り囲んでいた男たちが、再びじりじりとキノとの間を詰め始めている。
これから何をされるのか、それを考えただけでキノの秘裂からはとめどもなく愛液があふれだす。
もはや這いずって逃げることも出来ない。動けないことだけが理由ではない。体があの仕打ちを求め始めているのだ。
心の奥ではこれほどまでに恐れ、嫌がっているのに、体はこの事態を受け入れようとさえしている。
考えることを放棄して、ここまで流されてきた報いがこれなのか?
なすすべもなくキノは男たちの腕の中に包まれる。
「さあ、始めましょう」
導師が言ったのを皮切りに、再び行為が始められた。全く力が入らなくなった体を、男たちは抱き上げ、思い思いの場所に自分のモノをなすりつける。
「…あっ…やっ!…それ!?…ひうううっ!!!」
そのおぞましい感触でさえ、今のキノには堪らない快感に変わる。男たちの熱を体中で感じながら、キノは荒く息を切らす。
両の手の平に、わきの下に、膝や肘の内側に、ありとあらゆる場所に男たちのモノは這い入り、快感を得ようと前後に擦り付けられる。
133SBI:2005/10/06(木) 17:09:50 ID:kR+8y7ay
「…あ…は…ひあっ!…やん!!…こんな…いやなのにぃいい!!!」
泣き叫ぶキノの口を、誰とも知れない男の唇が塞ぐ。舌をもてあそばれ、口腔内を蹂躙されながら、キノは呼吸すらままならなくなる。
望まぬ快楽に身を焼かれ、ただ喘ぐだけの存在となったキノを見ながら、導師は満足げに微笑んでから言った。
「そろそろ……ですね」
導師はおもむろにキノを取り囲む男たちの輪の中に入る。快感に翻弄されるキノが導師の存在に気が付いたのは、その腕に絡め取られた後のことだった。
「…あ…うあ……」
唐突に目の前に現れた導師の笑顔、キノはその裏にうごめくどろどろと濁りきった欲望を、今初めて感じていた。
「キノさん」
そう言われてから、キノは自分のどろどろになった秘部に導師のものがあてがわれていることに気が付いた。
先端を押し付けられただけで、その中に渦巻く強烈な熱と欲望が伝わってくる。
「…あ…そんな…いま…いれられたら……」
「受け入れなさい」
冷酷に言い放ち、導師はキノの中へと侵入を開始した。今まで幾度となく挿入されてきたはずなのに、薬に狂わされた体はどうしようもなく燃え上がる。
「…あっ…ひううっ!!…や…いやあっ!!!…やだぁ…ああああああっ!!!!!」
導師は叩きつけるようにして腰を動かし始める。キノの体はそれにあわせて木の葉のように舞い、ガクガクと痙攣したように動く腰は望まぬ快感をキノに与える。
体中に押し付けられた男性のモノに体を擦られるたびにキノは小さく叫び、導師のモノを深く突き入れられると津波のような快感がキノの意識を明滅させる。
さらに一際大きなモノがキノのお尻にあてがわれた。
「…ひあっ!?…や…そこ…いやぁ!!…うあああああああああああ!!!!!」
キノにはそれを逃れる術などなかった。杭のようなそれにアナルを貫かれて、キノは髪を振り乱し泣き叫ぶ。
もはや体中に犯されていない部分などなかった。
134SBI:2005/10/06(木) 17:10:38 ID:kR+8y7ay
前後から貫かれるゴリゴリとした圧迫感、体を内側から破壊されるような快感に、キノは幾度も思考を寸断される。
犯され続けるうちに、キノの意識は快感に侵食され、正常な思考が、理性がコーヒーの中に落とされた角砂糖のようにボロボロと崩れ去っていく。
「くぁ…ひうぅ!!…や…やらぁ!!…ボク…も…やらよぉ!!!…はぅう…ああんっ!!…やらあああああっ!!!!!!」
拒絶の言葉を叫ぶ以外に、もはや自分を保つ方法は残されていなかった。既に体はキノの意思を離れ、快感に打ち震えるのみだ。
しかし、キノの必死の叫びさえもついにはか細く、力のないものに変わっていった。
「…ふあっ…や…ひう…こんな…は…ああああああんっ!」
虚ろな目に涙を浮かべ、キノは男たちの腕の中でただ喘ぐ。激しさを増す男たちの責めは、キノの最後の力すら奪い去ろうとしていた。
「…あ…うああ…ごめん…ボクもう……」
それは誰に向けられた言葉だったのか。キノは天井に遮られて見えないはずの空を仰ぎ見る。
限界を超えて責められ続けた体を、導師に一際深く突き入れられて、キノは絶望の中で高みへと登りつめた。
「ひああああああっ!!!!!!!!やああああっ!!!!イクぅ!!?イクのぉ!!!ボク、いやああああああああああああああああああっ!!!!!!」
同時に前後から熱い欲望がキノの中に注ぎ込まれる。
追い討ちをかけるようにまわりから降り注ぐ精液の熱、臭い、それが再びキノの神経を粟立たせる。
小さな体に白濁を叩きつけられるたびに、キノは何度も小さな絶頂を迎える。
延々と続く快感の無限連鎖から、逃れることが出来ない。
許容量をはるかに上回る快感を与えられたキノは、壊れた笑いを浮かべて横たわる。
本当に何も考えられないというのは、こういうことなのか。
快感にしびれた体はもはや用をなさず、どろどろに溶かされた心は何度も同じ言葉だけを繰り返す。
「…いや…も…いやら…あっ…こんな…ボク…やぁ…」
涙を浮かべながら、縋るように、祈るように、キノはうつろな瞳でつぶやく。
135SBI:2005/10/06(木) 17:11:16 ID:kR+8y7ay
もうこんな事をされるのは嫌なのに、薬で強引に性感を開かれた体は、次の責めを心待ちにするかのように、ぴくぴくといやらしくひくつく。
そんなキノの上に、先ほど達したばかりのはずの導師がのしかかり、再度の挿入を開始する。
導師の大きな体の下に押さえつけられたキノは、せめてもの抵抗にいやいやと首を振り、同士の体を押し返そうとするが、ほとんど力を失った腕では何の効果も無い。
もう駄目だ。もうどうしようもない。考える事を放棄して、ここまで流されてきてしまった自分がただ恨めしい。
「…やだ…もうやだぁ…ふあああっ!!…らめぇ…こんなの…やだぁ…」
ほとんど泣きじゃくるようにしながら、それでもキノは導師を押し返そうと腕を突っ張る。導師は気にもせずに腰をグラインドさせ、その度にキノの視界に火花が散る。
その時、キノが突き出した腕に何か硬いものがぶつかる。導師の法衣の下から、ひんやりとした金属の感触が伝わってくる。
行為に熱中する導師はキノの行動に気がつかない。法衣の裾から中に腕を入り込ませると、いともたやすく、キノはそれを手にすることが出来た。
それは、手の平の中に収まるほどの小さなパースエイダーだった。信じられない気持ちで、キノは手の平に握られたその感触を確かめる。
ならば、法衣の上からでもわかるごわごわしたベストのようなものは、防弾チョッキだろうか?
おそらくは護身用として、導師が常に身に付けていたものなのだろう。いついかなる時も、導師が法衣を脱ぐことがなかったのは、これを隠すためだったのだ。
この国の中で導師に逆らうものが居るとは思えなかったが、威厳に満ちた姿とは裏腹に、その心には疑心が巣食っていたのだろうか?
(どうして今まで気が付かなかったんだろう?)
この国で思い知らされた自分の中に眠る欲望、それを前にしてキノは自分の考えを放棄して、目の前の状況を受け入れてしまった。
完全に諦め切ったキノは、最初から脱出の手だてを探そうなどとは、考えてもいなかった。
しかし、今キノは心の底から自分が置かれた状況を厭うていた。泣きじゃくり、絶望に打ちひしがれながら、このままでは嫌だと闇雲に腕を伸ばした。
自分がどうしたいのか?そこに思い至ることができて初めて、キノは深い絶望に追いやられ、しかし、希望をもつかむことも出来たのだ。
明確な自分の目的、立ち位置を持っていなければ、絶望も希望も生まれない。自分を持たないものには生じない煩悶。
この状況から何とか抜け出したい。そう願って行動したことがキノに道を開いた。
136SBI:2005/10/06(木) 17:11:54 ID:kR+8y7ay
キノは銃口を目の前にある老人の喉に押し付ける。導師の動きがピタリと止まった。
導師を失ったことによる混乱をつく。これが唯一のチャンスなのだろう。しかし、自分は逃げ切れるのだろうか?キノの頭にふと疑問がよぎる。
しかし、キノはその考えを振り払うように微笑む。自分望んでいるもの、それを手に入れられるなら恐れる事は無い。
「……さよならです」
「キノさ…やめ!?」
パンッと拍子抜けするよう音が、周りを囲んだ観衆たちにも聞こえた。しかし、誰もそれが何であるかを理解できない。兵たちですら小首を傾げる。
導師の下から抜け出した巫女が走り出しても、残された導師の体が祭壇の上に突っ伏しても、事態を理解できる人間はいなかった。
しかし、一瞬遅れて溢れ出した濁った赤に、聖堂内の人間が凍りつく。耳をつんざく様な悲鳴。どよめきは一気に場内に広がり、怒号が飛び交う。
やがて、走り去るキノの背中を見つめていた兵士たちの一人が、弾かれたように大声で叫んだ。
「アイツだ!!アイツがやったんだ!!!!」
聖堂内の人間の目が、自分ひとりに集まってくるのを感じる。キノは一度も振り返らない。薬の影響でふらつく足を前に進ませることだけに集中する。
祭壇脇に見える出口、あそこにたどり着きさえすれば……。
目標地点を見て、キノの注意が一瞬足元から外れた。ほとんど精神力だけで動かされていた足が絡まる。あっけなく、キノの体は石床の上に投げ出された。
「しまった!?」
ここで初めて、キノは後ろを振り返った。もうほんの間近まで追っては迫っていた。泣き笑いのような表情で引きつったその顔、あれは導師の右腕、教長だろうか?
「まてぇ!!!!まぁでえええええええええええええぇ!!!?」
大声でわめき散らしながら、男はキノに手を伸ばす。首根っこを乱暴に掴まれるかと思った次の瞬間、キノの目の前に黒い影が踊り出た
「なんだああああっ!!!?」
驚愕する教長の体が、繰り出された拳で後ろに吹っ飛ばされる。キノもわけがわからないまま、その光景を呆然と見ている。
「………大丈夫か?キノさん」
137SBI:2005/10/06(木) 17:12:31 ID:kR+8y7ay
聞き覚えのある声、もう2度と聞く事は無いと思っていた声。未だに事態を信じられないキノが思わず叫ぶ。
「あなたは!?」
影はその問いには答えず、なおも迫り来る追っ手たちに向けて、白刃を抜き放つ。その輝き、その太刀筋が答えだった。
「シズさん……本当にシズさんなんですね?」
「はい」
追っ手たちを軽くいなしながら、少しだけキノの方を振り向いて、シズは笑って見せた。
「とにかく逃げましょう」
シズに促され、キノは立ち上がる。出口まで一気に駆け抜け、混乱渦巻く聖堂を後にする。
「爆破されたあの建物、あそこに下水への入り口があったんです」
走りながら、シズはこれまでの経緯を話した。間一髪、下水の中に逃れたシズは、警備が手薄になる祭りの日をじっと待っていたのだという。
なるほど、シズの服はどこもかしこも汚水で汚れ、強烈な異臭を放っている。
「颯爽と現れておきながら、その実糞便まみれだったわけですか」
「ろ、露骨な言い方をしないでくれ」
「頭の上にうんち乗っかってますよ、汚いですね」
「えっ!?そんな、本当か!?」
無駄口を叩きながら走っていた二人、しかし、唐突にキノが立ち止まる。
「どうしたんだ?キノさん」
「汚いシズさんとなんて、一緒に行きたくないです」
「な!?」
愕然とするシズに、キノは照れくさそうに笑う。
138SBI:2005/10/06(木) 17:13:13 ID:kR+8y7ay
「嘘ですよ。……ただ、ボクは相棒の所に行かなきゃならない。拗ねて腐ってたボクのことを、飽きもせずに待っていてくれた相棒のところに」
キノの表情に以前のような諦めの色は無かった。
「エルメスが待ってるんです。行かなくちゃ」
「そうか、わかった」
ふっと微笑んで、シズはうなずく。二人は西の城門で落ち合うことを約束し、二手に分かれた。
キノはすっかり衰えた足に鞭打って、ほとんど無人の回廊を矢のような速さで駆け抜ける。その勢いのまま、ドアを突き破るようにして自室に転がり込んだ。
エルメスはいつもと変わらぬ姿でそこに佇んでいた。声をかけようとして、キノは一瞬言葉に詰まる。今更、自分が口に出来るような言葉があるだろうか?
戸口のあたりで固まってしまったキノ、その胸中を察するようにエルメスがゆっくりと言葉を発した。
「おかえり、キノ」
いつも通りの、なんでもないような調子だ。
「ただいま、エルメス」
いつも通りの、なんでもないような調子で、キノも答えた。二人はどちらともなく笑いあった。

聖堂内でパニックに陥っていた国民たちは、めいめい勝手に導師殺しの少女を探して動き始めた。そこに統率などというものはない。
全員がキノの姿を探して国中に散り散りになり、その内のいくらかはキノの部屋の方にも向かっていた。
「この辺りにアイツの部屋があるはずだ」
彼らはキノが移動手段を欲するだろうということを予想して、ここまで追ってきたのだ。男たちはじりじりとキノの部屋の扉に迫る。
部屋の中に突入するべく、彼らがそれぞれの武器を構えたその時だった。爆音が轟き、ドアを砕いて黒い影が弾丸のように飛び出した。
男たちの内何人かは、影に吹っ飛ばされて石の床に強かに体を打ちつける。キキーッと鋭い音が響いて、影はドアと真向かいの壁に激突する寸前に止まった。
「ひどいよキノ〜。モトラドはこんな無茶な乗り方をするためにあるんじゃないんだよ!!!」
139SBI:2005/10/06(木) 17:13:47 ID:kR+8y7ay
「ごめんごめん、でも一度やってみたかったんだよ」
「キノはアクション映画の見過ぎ〜」
影の正体、コートをまとってモトラドにまたがったその少女が、自分たちの獲物であると男たちが気付くまで数秒が必要だった。
「おいっ、キサマ!!」
一人がやっとのことでキノに向かって叫ぶ。キノは少しも慌てた表情を見せずに男達に言った。
「随分長い間お世話になりました。ボクたちはそろそろ出国しようと思います」
「あっ!見送りとか、そんな気は全然使わなくていいよ。お土産もいらないよ」
エルメスも調子よく続ける。
「ふざけるな!!」
一人の男がパースエイダーを構える。しかし、一瞬にしてパースエイダーは男の手から弾き飛ばされる。
「お気遣いは無用ですよ」
いつの間にか、キノの手にはパースエイダーが握られていた。凍りついた男達に向けて、キノはにっこりと微笑んだ。
「それじゃあ、失礼します」
モトラドは再び弾丸のように走り出し、男たちの前からあっという間にいなくなった。

待ち合わせ場所の西の城門にたどり着いたシズは、キノの到着を祈るような気持ちで待っていた。
傍らには陸とティー、いずれも既に取り戻したバギーに乗り込んでいる。
何度も辺りをきょろきょろと見回す。追っ手はすぐそこまで迫っているはずだが、自分たちだけ逃げ出すような真似はしたくなかった。
「シズ様、あれを!!」
「無事で安心したよ、キノさん」
140SBI:2005/10/06(木) 17:14:23 ID:kR+8y7ay
陸が叫んだ。エンジン音を響かせて、走ってくるモトラドの姿が見えた。
「すみません、遅くなりました」
いつも通りの服を身にまとい、エルメスにまたがったキノが姿を現した。キノはバギーの真横でエルメスをとめる。
「実はエルメスには、もうあまり燃料が無いんです。さすがに今から手に入れるわけにもいかないし」
「わかった、キノさんも乗ってくれ。エルメス君はこっちに」
エルメスを荷台に載せ、3人と1匹が乗り込んでぎゅうぎゅう詰めのバギーは、急発進する。
いくらかの人間が気付いて、バギーに追いすがろうとするが、既に遅い。城門から飛び出したバギーは、あっという間に小さくなっていく。
一人の男が上激の上から、狙撃用のパースエイダーを構え、バギーを運転するシズに狙いを定める。
しかし、その男の頭の上に、ポチャンと何かが落ちる。不思議に思って見上げた顔にも、もう一滴。
「雨だ……」
この乾ききった荒野で、ほとんど見ることの無い筈の雨。
次第に勢いを増していく雨は、城壁の外の荒野をぼんやりと霞ませ、走り去っていくバギーの姿を覆い隠した。
男は狙撃を諦め、もう何も見えなくなった城壁の外の景色を睨みつけた。

「雨ですね」
容赦なく降り注ぐ雨の中で、キノは微笑んで見せた。雨はバギーの轍を流し去り、追撃の危険はほぼ完全に無くなったと言えるだろう。
あの国から十分な距離をとったと見て、シズはバギーを停めた。雨を防ぐためにバギーに幌を張るのだ。
その作業をろくすっぽ手伝わず、キノは雨の中で愉快そうにくるくると踊る。シズは作業を続けながら、その姿を嬉しそうに見つめる。
「まったく、キノの悪運の強さには毎回驚かされるよ」
不機嫌を装ったエルメスの言葉、しかし言外に嬉しさを隠し切れない様子だ。
141SBI:2005/10/06(木) 17:16:08 ID:kR+8y7ay
「その悪運のおかげで、エルメスはこれからも走れるんじゃないか」
「………そうだね」
キノは荷台に転がるエルメスの所までやって来て、ニッコリと微笑みかける。
「キノ?」
「この辺が、エルメスにとっては顔なのかな?」
キノの腕がエルメスのヘッドライトの辺りをするりと包み込んで、優しく抱き締めた。
「うわ!?うわわわわわ」
予想外のキノの行動にエルメスはうろたえる。まるで背中でも撫でてやるかのように、キノはエルメスのシートを何度も撫でる。
人間だったら耳まで真っ赤にしているところだ。自分ではどうする事も出来ないエルメスは、キノに抱き締められたまま言葉も出ない。
「エルメス」
ふいにキノが口を開いた。
「何?」
「………ありがとう」
キノの照れ笑いが間近に見えた。ようやく戻ってきた相棒の腕の温かさ、優しい指先を、エルメスはじっくりと噛み締めたのだった。
142SBI:2005/10/06(木) 17:18:31 ID:kR+8y7ay
こんな感じでした。
すべてを諦めたキノさんが書きたかったんです。
本当になげぇ。今までで最長だ。無駄な部分も多いかもしれないけど、それは今後の課題ということで……。
それでは、また……。
143名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 17:35:10 ID:poJJuwF+
きさまあああああああああああああああああああああああ
GJ
144名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 22:41:26 ID:q+YZB1iI
スゴイヨー
アンタスゴイヨー

GJ
145名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 00:37:26 ID:WVc+5ZHq
gjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgj!!!!!!!!!!!!!!
146名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 01:15:34 ID:0l7+s0Rd
てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇGJ!
147名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 07:29:03 ID:yJPdDEtL
うぉぉぉぉぉGJ!!!!
148名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 10:11:42 ID:N1OjD2WD
GJ!!!!
最高でした!!

    
149名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 01:49:45 ID:+yMC0pJk
スゲェェェェ!!!!!
時雨沢本人かと思うくらいスゲェェェェ!!!!

でもシズキノじゃないのがチョト残念
150名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 06:21:16 ID:uM6TfIxO
GJ!!

てか新刊のカバー裏‥
151名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 08:38:31 ID:68ZGqcRS
見た見た
駄目犬と駄目侍にワロス
152名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 14:09:34 ID:3ueIDIo+
>>150
XXコンストーカーワロタ。

しかし、魚はエロイな。
153SBI:2005/10/10(月) 17:28:34 ID:p48oRX6l
また書いてきました。まあ、あれだけ書いたんだからもう少しぐらい同じ、とか思って……。
いい加減、俺って馬鹿なんじゃなかろうか?
内容的には前回、>>115-141の続きでシズキノです。
それでは……。
154SBI:2005/10/10(月) 17:29:39 ID:p48oRX6l
裸電球の温かい光が部屋を照らしている。その下で、キノとシズは向かい合って座っていた。二人はキノの部屋でお茶を飲んでいる最中である。
「今回は、本当にお世話になりました」
「いや、私だってキノさんには2度も助けられている。お互い様だよ」
キノが捕らわれていた例の国から脱出して、小さいながらも豊かで平和なこの国にたどり着いたのは今日の夕方のことだった。
実際、十分な燃料や食料をバギーに積み込んでいたシズがいなければ、行き倒れ同然に例の国にたどり着いたキノ一人では荒野を突破する事はできなかっただろう。
しかし、シズはそのことを恩に着せるでもなく、キノに微笑む。
「とにかく、またキノさんの笑顔が見られて良かったよ」
「………はい」
キノも微笑み返して、熱いお茶をすする。
それから、キノは自分がこれからどうするつもりなのかを話した。例の国での生活ですっかり体力を無くしていたキノは、しばらくこの国に滞在するという。
「脱出のとき、体を動かしてみてわかったんです。これじゃ、しばらくの間は旅は無理だろうって」
「……そうか」
今日は宿屋に宿泊しているが、明日にも落ち着ける安い部屋を探して、そこを一月ほど借りようと思う、とキノは言った。
「そうなると、またお別れだな」
寂しそうに、シズが言う。シズの言葉に、キノの表情が少し曇る。うつむくと、手にもったカップの中のお茶に自分の冴えない笑顔が映る。
シズもまた自分の定住できる国を探して、旅をしている最中である。この国もまた、彼にとっては旅の通過点なのだ。
「もうこんな時間か。そろそろ戻らないと……」
時計を確認したシズは、そう言って立ち上がる。
「キノさんの淹れてくれたお茶、美味しかったよ」
「ありがとうございます」
見送ろうと、キノも立ち上がる。二人がドアのところまでたどり着いたその時だった。
155SBI:2005/10/10(月) 17:30:17 ID:p48oRX6l
「ねえねえ、シズはもう行っちゃうの?」
それまで部屋の片隅で黙っていたエルメスが口を開いた。
「ああ、いつまでも陸にティーのことを任せているわけにもいかないからね」
「ふうん……」
納得いかないといった様子のエルメスは、しばらく沈黙した後に、こう言った。
「キノとえっちな事はしていかないの?」
あまりに何気ない調子の言葉、キノとシズは一瞬その意味を図りかねて、小首をかしげる。それから一気に顔を真っ赤にした。
「な、な、な、な、な、エルメスなに言って!!?」
「そ、そ、そ、そ、そんなこと、俺は別に今キノさんとするなんてことは……!!!?」
面白いぐらいにうろたえる二人を、からかうような調子でエルメスは続ける。
「別に今更恥ずかしがるような仲でもないじゃない。せっかく、久し振りに出会ったっていうのに」
真っ赤な顔のシズは、それでもなんとかエルメスの言葉に答えようとする。
「だが、キノさんは今はまだ………」
例の国での調教、陵辱が与えた心の傷は、脱出した今でもキノを苦しめているはずだ。
シズだって、またいつ会えるともしれないキノの肌に、一度も触れることなく別れるのは心残りだ。
しかし、そんな状態のキノに手を出すような事を、シズはしたくなかった。
「大体、今この部屋にはエルメスがいるじゃないか!エルメスの目の前でえっちなことなんて……」
キノもエルメスに食ってかかる。しかし、エルメスは少しも慌てることなくキノに囁く。
「でも、あの国での生活で、キノは人前でえっちなことすると興奮するようになったみたいだし」
「なっ!!?」
156SBI:2005/10/10(月) 17:31:16 ID:p48oRX6l
図星。
例の国での調教や儀式で、キノはその新しい性癖に目覚めさせられてしまったのだ。
あまつさえ、捨て鉢になっての行動とはいえ、エルメスの前でオナニーをしたこともあった。
「だから、僕がいるのはむしろキノには好都合なんじゃ……」
「うう……」
「キノだって本当はしたいんじゃないの?」
またも図星。
「好きな人としたいのは、別に恥ずかしいことじゃないよ」
存外優しい声でエルメスは言った。自分で動くことの出来ないエルメスは、二人に気を使って部屋を出て行くことも出来ない。
かなり強引だけど、これ以外の方法をエルメスは思いつけなかったのだ。
エルメスの言葉でうつむいていたキノは、ふらりとシズの体にしなだれかかる。
「……キノさん?」
「ボクはあの国で、……誰とも知れない男の人に…ずっといやらしいことをされて……ぼくもどんどんいやらしくなって……それがとても怖くて…」
シズに体を預けたキノが、ぽつりぽつりと言葉を重ねる。
「………だから今、シズさんと……シズさんとしたいです……」
言い終わったキノは、恥ずかしさのあまり両の手の平で顔を覆い隠す。顔から火が出そうだ。
「迷惑……ですか?」
不安げに聞いたキノ、その肩をシズの腕が優しく抱き締める。
「……いいや」
しかたないといった調子でシズは微笑み、キノに優しく口付ける。二人はそのまま抱き合う。
157SBI:2005/10/10(月) 17:32:03 ID:p48oRX6l
「ひゅーひゅー!!」
そんな二人をエルメスが茶化す。
「エルメス、やっぱり楽しんでない?」
「さあ…」

「……少し痩せたみたいだな」
「そうですか?」
久方ぶりのキノの体、傷などが残っているわけではないけど、例の国が残した爪痕は僅かではあるけれど、はっきりとそこに残されていた。
キノがどんな思いであの国で仕打ちに耐えていたのか、それを思ってシズの表情が若干曇る。
しかし、への字に曲げられたその唇に、キノはそっとキスをする。
「……怖い顔してちゃ駄目ですよ、シズさん」
呆然とするシズに、キノが微笑む。屈託のない笑顔、シズもつられて微笑んだ。
「ああ、そうだな……はじめようか」
シズの視線にキノがうなずき返す。もう一度口づけあってから、二人は行為を始める。
「…あっ…ひあっ…や…ああんっ!…ふあっ!!」
シズの指先がキノの体中を滑り、ゆっくりと愛撫する。温かく優しいその指先で触れられると、キノの体は快感に震え、切なげな声が漏れる。
「…ふあっ…うあぁ…ひぅ!…ああ…やっぱり感じすぎて…はぁん!!」
調教され開発されたキノの体は、以前にもまして敏感になっていた。シズの指先が乳首に軽く触れるだけで、駆け抜ける甘美な電流でキノの頭は白く霞む。
いまやキノの体中が敏感すぎるぐらいの性感帯に変わってしまっている。
シズは、そんなキノを戸惑わせないように、優しく徐々に快感を引き出すように愛撫を続ける。
158SBI:2005/10/10(月) 17:32:49 ID:p48oRX6l
「…ああっ!!…ひあああんっ!!…ふあっ!…あ…や…あああああんっ!!!!」
あの国の男たちの指先とは違う、どこまでもキノのことをいたわるような優しい指先、その安心感のおかげでキノは恐れることなく快感に身を委ねることが出来た。
シズの温かな腕の中で、キノは感じるままに身をくねらせ、喘ぐ。
だが、キノは気付いていた。自分がこれほどまでに感じているのにはもう一つ理由があるのだと……。
「やっぱり、エルメス君に見られると興奮するかい?」
「えっ!!?」
唐突にシズに耳元で囁かれて、キノはうろたえる。それは、先ほどキノが考えていたことそのままだった。
「…や…そんな…ふぁ…いじわる言わないでくだ…ひああああっ!!!!!」
キノの言葉をさえぎるように、シズの愛撫が激しさを増す。反論したくとも、とめどなく押し寄せる快感に、まともに喋ることも出来ない。
一方のシズも実はかなり捨て鉢になっていた。自分の行為を見られていると思うと、死ぬほど恥ずかしい。しかも自分はこの状況にキノと同じく興奮している。
(まったく、俺は何をやっているんだ?)
エルメスの視線が、それに身悶えるキノの嬌声が、シズを自分自身思いもよらない行動へと駆り立てる。
シズはおもむろにキノのバックにまわり、その体をエルメスの方に向けて担ぎ上げる。キノとエルメスは正面から向き合う形となる。
「…うあ…や…こんな…恥ずかし…」
エルメスの無言の視線が突き刺さる。体の触れられてもいない部分ががビクビクと震え、秘裂の奥からとめどなく愛液が溢れ出る。
「…あっ……やん…はひぃ!!…そんなぁ…」
その間にもキノを愛撫するシズの手は止まらない。時がたつほどに敏感になる体を思うさまに愛撫され、キノは荒く息を切らす。
恥ずかしさと、気持ちよさに殺されそうだ。
その時突然、シズがエルメスに問い掛けた。
「エルメス君、君は今のキノさんの事をどういう風に思って見てる?」
159SBI:2005/10/10(月) 17:33:39 ID:p48oRX6l
シズの言葉にキノの表情が凍りつく。しかし、絶え間なく襲ってくる快感の電流に翻弄されて、キノは喋ることもままならない。
「…あの…僕に聞いてるの?」
唐突に話を振られて、エルメスもうろたえる。
「…あ……いやその…何て言ったらいいのか…わからないけど……」
自分から言い始めたことなのに、目の前で繰り広げられる行為に、エルメスはすっかり動揺していた。
上手く思考が回らない。どぎまぎと言葉に詰まる。それでもエルメスは、自分の思ったままを素直に口にした。
「……今のキノ……とっても可愛いよ…」
エルメスは照れくさそうに言葉を続ける。
「…なんだか、キノも女の子なんだな……って思った。……うん…キノがこんなに可愛かったなんて…思ってもみなかったよ……」
信じられないような気持ちで、キノはエルメスを見つめる。
キノは恐れていた。あの国で見せつけられた自分の欲望、導師達の言っていたことがどうあれ、それはあの国を遠く離れた今もそれはキノの中に存在する。
一度はそのために全てを投げ出そうとすらした、キノの中に潜む闇だ。
だが、エルメスの言葉が、シズの温かな腕が、それすらも受け入れてくれた。
「……ありがとう。ちょっと…照れるかな」
その言葉がキノの心の中にわだかまっていたものを解かした。あの国では絶対に手に入らない幸せ、それがここにはある。
ふっと漏れたキノの自然な笑顔に、シズの顔も綻んだ。シズはキノの体を再び抱え上げ、自分の方に正面から向き合わせる。
久し振りなせいか、いざとなるとどうにも緊張してしまう。思わず神妙な表情を浮かべたお互いの顔に、どちらともなく笑いがこぼれる。
「それじゃあキノさん、いくよ」
「…はい」
ゆっくりと侵入してくるシズのモノ、その圧迫感を、存在感をキノは噛み締める。そしてゆっくり、ゆっくりとシズは腰を動かし始める。
160SBI:2005/10/10(月) 17:34:19 ID:p48oRX6l
愛しい人の腕に包まれ、愛しい人を受け入れたその喜びに、キノは小さな肩を震わせ、シズの背中にぎゅっとしがみついた。
「…ふああっ!!…ひあっ!あんっ!!…ああっ…シズさんのが…シズさんのがボクのなかでぇ!!!!」
堪えようもなく漏れる甘い吐息、突き上げられるたびに頭の奥で飛び散る火花、あの国で感じたことと同じのはずなのに、全てが違うように感じられる。
「…や…はぁん!!…あっ…ああんっ!!…すご…ふああああっ!!!!」
何度も口付けを交わし、体中を愛撫され、快感に喘ぐ。徐々に激しさを増すシズの責めが、調教のために敏感になったキノの性感をさらに狂わせる。
すっかり変わってしまった自分の体、しかし、それでシズのことをもっと感じられるのなら………。
「あああああっ!!!!…あああんっ!!?…シズさぁんっ!!!気持ち良いっ!!!!気持ち良いよぉっ!!!!!」
甘かみされた乳首が、舐められた首筋が、鎖骨が、何度も撫で回されたお尻が、シズの熱に染め上げられていく。
二人の熱が絡まりあい、体の奥に燃える炎が大きくなっていく。
「キノさん!キノさん!!…くぅ…キノさん!!!」
「ひああああっ!!!!シズさん!!…あ…ああんっ!…シズさん、好きぃ!!!好きですぅ!!!ふあああんっ!!!シズさぁんっ!!!!!」
お互いの名を呼び合う。抱き締めあう腕に力がこもる。愛しさがこみ上げて、止まらない。
シズが心から自分を求め、自分もシズのことを求めているのだと、この体に感じる全ての熱が、快感が教えてくれる。
幸せだった。涙が出るほどに、幸せだった。
「…ああっ!!!…シズさんっ…も…ボク、気持ちよすぎてぇ…はうぅ!!…ボク…もう!!」
「キノさん、俺ももう!!」
一際深く突き上げられたシズのモノ、その熱が弾けて、快感に震えるキノの意識を焼き尽くした。
「ひあああ!!!?…シズさぁんっ!!?やあああっ!!!…ひあああああっ!!!ボク!!ボクぅ!!!?…ふあああああああああああっ!!!!!!!」
体の全ての神経を震わせるような絶頂のさなかで、キノは気を失った。
161SBI:2005/10/10(月) 17:35:06 ID:p48oRX6l
キノが目を覚ましたとき、シズは既に部屋にいなかった。窓の外を見ると、太陽は既に空高く輝いている。珍しく、寝坊したらしい。
「あっ!キノ、おはよう」
「ああ、エルメス、おはよう」
既に起きていたエルメスがキノに声をかけた。まさか、エルメスより遅くに起きることになろうとは……。
ベッドから起き上がったキノは、素早く自分の服に着替え、それから特に急ぐ用事もないことを思い出して、ベッドの端にぺたんと座り込む。
「シズさん、行っちゃったのかな?」
なんとなく、キノはつぶやく。
「シズ?ああ、それなら…」
エルメスがキノの言葉に答えようとしたその時、ドアをノックする音が部屋に響いた。
キノが慌ててドアを開くと、そこにはいくらかの書類を携えたシズが立っていた。
「どこに行ってたんですか?シズさん」
少し怒ったような口調のキノに、シズは悪びれもせず微笑む。
162SBI:2005/10/10(月) 17:35:44 ID:p48oRX6l
「すまない。この国でしばらくキノさんが暮らす部屋、勝手に探してきてしまった」
そう言ってシズは、持っていた書類をキノに手渡す。戸惑いながらも、キノはそれに目を通す。
「基本的な家具は一通り揃ってる。場所だって悪くない。それに、その値段なら宿屋に泊まるより随分安くつくはずだ」
「でも、これって……」
書類に目を落としたまま、キノの表情が固まる。そこに印刷されている部屋の見取り図、それは一人で使うには明らかに大きすぎた。
「キノさんの養生に、しばらく付き合わせてもらうよ。急ぐ旅でもないしね」
そう言って笑ったシズの顔を見つめたまま、キノは声も出ない。何も言わないキノに、少し不安そうな表情を浮かべて、シズが尋ねる。
「迷惑だったかな?」
呆然としていたキノがはっと正気に返る。頬でもつねりたいような気分、暴れ出しそうな勢いで心臓が脈を打つ。
早く答えなければいけないのに、言葉が出てこない。
「キノさん?」
黙りこくったままのキノに、シズがもう一度問い掛ける。その声がきっかけになった。
ばね仕掛けのように飛び出したキノが、シズの体にひしと抱きつく。真っ赤になった顔は、シズの胸の中に埋もれて見えなくなる。
シズは戸惑いながらも、いつまでも解放してくれそうにないキノの小さなその肩を、何度も何度も優しく撫で続けた。
163SBI:2005/10/10(月) 17:38:31 ID:p48oRX6l
こんな感じでした。
ちょっと甘すぎでしょうか?
まあ、前回の脱出でご苦労様なキノさんへのご褒美ということで……。
やはり、シズキノは良いもんです。
それでは、また……。
164名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 19:56:00 ID:t5lbPcw8
GJ
感動した
165名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 20:03:13 ID:mYwchXDc
クッショフ
166名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 20:47:53 ID:UuPWtLb1
GJだと思うから GJだと思う
167名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 21:01:05 ID:e2WCmzmw
>>152
このスレで普通にありそうなネタだよな。
168名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 00:14:26 ID:3OkeptF9
女だけの国に定住することになってウッハッハのシズ様、
そこにキノが男と間違われて入国してきて・・・てネタを
・・・オリジナル女キャラでハーレムは難しいな。やめとこ
169名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 18:39:31 ID:q2z50yv4
新刊出たの知らなかった罠……
170時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:20:54 ID:g37mSORt
       

   魚の話 -Strange Voice-


 キノと名のる旅人がいました。キノはとっても若い人間でしたけれど、だいたい誰にも
負けないパースエイダー(注・銃器のことです)の名手でした。
 キノの旅の相棒は、モトラド(注・二輪車です。空を飛ばないものだけを指します)の
エルメスです。後部座席は荷台になっていて、荷物をたくさん積み込んで、キノはそれ
は旅人なんですから、いろいろな国を見てまわっています。

171時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:22:39 ID:g37mSORt



 ある時キノは森の中を、西へ向かってエルメスを走らせていました。少しづつ進んで
は止まり、コンパスを確認して正しい方へまた進む、少し進むとまた確認する、それを
永遠と繰り返していました。
 太陽が丁度南中したころ、エルメスが森の中に川を見つけました。キノはエルメスの
言われた通りに川岸に停めます。
 北から流れているその川は、流れは穏やかで、水は綺麗で清んでいて、それほど深
くもなく、時折魚が跳ねたりしています。
「まさに清流だねキノ。」
エルメスがそう言うと、キノはおもむろに服を脱ぎ始めました。
「周りに誰もいないし、水も綺麗だ。この良い機会に体を洗おう。」
 直前に寄った国では、水があまり豊富ではないため、シャワーを使うことが出来ませ
んでした。モトラドに乗りながら旅をするキノは、埃まみれです。今は夏なので、いつも
より汗もかいています。



172時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:23:35 ID:g37mSORt

 シャツとズボンを脱いで、キノは肌着だけになりました。そこでもう一度首を振って誰
もいないことを確認すると、素早く肌着を取って、他の衣類の上に置きました。腰につ
けていた、キノがカノンと呼ぶパースエイダーも衣類の上に置きました。
「"ひんぬー"だね、キノ」
 体は少し痩せ気味のキノの胸には、かろうじてふくらんでいると見える乳房と、その
頂点にピンク色の小さい突起がありました。下半身には縦すじが見えます。髪の毛以
外の毛は、まだ生えてはいないのでした。
 キノはとりあえずエルメスのタンクを叩いてから、しあわせー、と言って川に飛び込ん
で行きました。可愛い桃尻をこちらに向けます。
「気持ちいいー」
 キノは浮かんだり、背泳ぎで泳いだり、潜水したりしています。裸の姿のキノが、清ん
だ水の中でよく見えます。
173時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:24:33 ID:g37mSORt

「羨ましくともなんともない、モトラドは泳がないし、浮かびもしないさ」
 エルメスがそう言ったのは、キノが水の中で立って、手で全身を擦りながら体を洗っ
ている時でした。丁度その時、1匹の魚が、キノの周りを回って、それからキノの脇腹
をつねりました。
「あはっ」
 キノは思わず"変な声"を出しました。エルメスが不思議そうにキノの方を見ます。
「どうしたの?」
 何が楽しいのか、その魚はキノの体をつつき続けます。やがて、魚の数は2、3匹と
増えてきました。
「きゃっ! くすぐったいよっ!」
 キノはエルメスの問いを無視して笑っています。何も返事をしてくれないことが解ると
「……………」
 エルメスは黙ってみていることにしました。
174時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:25:27 ID:g37mSORt
 ある時キノは森の中を、西へ向かってエルメスを走らせていました。少しづつ進んで

 その間にも、魚はキノの体をつついていきます。水越しに見えるキノの裸体には、既
に5匹近くの魚が群がっているのでした。
「やっ! ちょっと、やめてったら」
 言葉とは裏腹にまんざらでもなさそうなキノの顔は、やがて赤く火照ってきました。
「あっ、やん、ひっ、………、いや」
 いやがるキノの声に、だんだんと大人びたような、女性の声が混じってきます。
 一匹の魚が、キノのピンクの突起に飛びつきました。
「ひやぁぁぁ! やだぁ」
 キノが腕で魚を払います。しかし、別の一匹が今度は反対側の乳首を咥えました。
「やん! あっ、あっ、あぅぅ」
 キノ周りには既に、両手両足でなんとか数えられるくらい数の魚が集まっていました。
時にはつついたり、時には撫でる様に体を擦り付けたり、水の中の"青い魚たち"は楽
しそうに踊っています。
 キノも最初は抵抗をしていましたが、気持ちよくなってきたのか、体中を赤くしながら、
魚に身を任せています。水面から時折見せるその可愛いピンク色の突起、水の中に
うっすらとみえる縦すじが、エルメスからもよく見えます。
175時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:26:19 ID:g37mSORt

「い、いっ! あぅ、あっ」
 いろいろなところを攻められて、キノはだんだんと頭がぼーっとしてきました。既に快
感は全身を駆け巡り、今強盗が現れたとしても対抗はできなかったことでしょう。
 やがて一匹の青い魚が、キノの縦すじに興味を示し始めました。
「あん!! いやぁ、だめぇ、そこは」
 さすがにキノも下半身を手で隠そうとしますが、魚はなおも果敢に挑戦します。
 エルメスはその普段は見せないキノのセクシーな仕草を見ているのか見ていないの
か、聞いているのか聞いていないのかわかりません。ただ黙っています。
176時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:27:24 ID:g37mSORt

 一匹の魚が、すじの中の豆に吸い付きました。
「いやぁぁぁぁぁ! だめぇ! おかしくなっちゃうよぉ」
 キノが一段と声を張り上げました。体全身を撫で回す魚、乳首を貪る魚、お尻をなめ
る魚、すじに体を擦りつける魚、そして豆を一生懸命吸い続ける魚。青い魚たちのテク
ニックに、キノはもう限界です。
「はっ、はぁっ、いやっ、はっ、あんっ、あっ、あっ、あっ」
 だんだんとキノの声のトーンが上がります。それに合わせて魚たちも、一段と動きを
激しくします。
「あん、あんっ、あっ、あっ、あっ、はあぁぁぁぁぁ!!!」
 体を火照らせた少女は、ビクビクと痙攣させた後、そのままぐったりと流れに身を任
せ始めました。周りに集まっていた魚たちも、ゆっくりと撫で回してクールダウンしたあ
と、満足したのか、それぞれの世界へ戻っていきました。
 キノの下半身から噴き出した液体は、一瞬だけ清流を濁らし、そして下流へと流れて
いきました。
177時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:28:09 ID:g37mSORt


「おかえり、キノ」
「ただいま、エルメス」
 ゆっくりと水から出てきたキノは、タオルで体を念入りに拭きました。頭を拭いて、顔
を拭いて、体と足を、そして乳首を丁寧に撫でて、股の間もゆっくりと擦りました。
「毒とか、ないよね。大丈夫だよね。」
「何が?」
 エルメスは先ほどの事を見ていなかったのか、惚け通しました。
「さっきの魚たちだけど、釣ってそのままお昼にしようか。」
 そういってキノは鞄から、フルートを取り出し始めました。
「全くキノは、クリいじりが張ってるねぇ」
 そう言われたキノは、一瞬だけ頬を赤く染めてから、
「食い意地が張る?」
「そうそれ!」
 エルメスが言って、しばらく黙りました。


*  *  *

178時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:28:56 ID:g37mSORt


*  *  *


 そんなキノたちの様子を、遠くから双眼鏡で見ている男が居ました。
 緑色のセーターを着て、バギーに乗って、大きな白い犬を連れている男でした。白い
少女も隣にぽつんと座っています。
「キノさんも、なかなかやるねぇ」
 セーターの男は双眼鏡を降ろしながら、白い犬に話しかけました。
「そうですね、シズ様。ですが解っているようにこれでは只のロリコンストー」
「陸、皆まで言ってはいけないよ」
 シズと呼ばれた男は、陸という犬の言葉を遮りました。
「もうちょっと近くで見たかった……、いや、いっそのこと魚にでもなりたかったな。」
 そう言って、シズはちらりと少女に目をやりました。
「ティー、キノさん達が行ったら、僕らも水浴びをしようか。魚役はもちろん僕――」
「いやらしいめでわたしをみるな」
 ティーはおもむろにポケットから手榴弾を取り出しました。
「わかった、わかった、ごめんよティー、だからそのパイナップルの安全ピンを取るのは
止めてくれ。陸、保護者を頼むよ……。」
 シズは慌ててティーを止めに入りました。どうやら安全ピンは外れずに済んだようです。
「しかしシズ様、今のはどちらかといえばティーに理があるかと」

 そのころキノたちは、昼食を終え川を後にしたのでした。双眼鏡越しのキノは、中々
名残惜しそうでしたが。


 キノの旅はまだまだ続きますが、この話はこれでおしまいです。

179時雨駅悪一:2005/10/11(火) 22:31:22 ID:g37mSORt
シグサワ先生申し訳ございません、書きたいので書きました(汗)

まず始めに>>174の先頭1行に変なものが入ってしまってすみません。
コピーミスです。

元ネタは、一応本家ではまだあと1時間半またないといけないので伏せます。
エロとか描写が苦手なので、喜んでもらえるものができたか不安です。

以上、突然落としてすみませんでした。
180名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 22:33:35 ID:PFtUgnk5
すげぇ…誰かがそのネタで書くんじゃないかとは思っていたが、まさかこんなに早く。
非常にGJです。あと×××××です。
181名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 22:50:56 ID:QQ9MUsvm
GJ!
しかし、ふと思ったんだが
あの悪戯好きの時雨沢だし、案外他に紛れてここに投下してたりして。
ロリキャラの多い自作の執筆中に、つい悶々したのを思わず・・・とか。
182時雨駅悪一:2005/10/11(火) 23:29:54 ID:g37mSORt
>>180>>181

早速ありがとうございます。今日ネタバレ解禁直後に上げようと思い頑張ったのですが、
上げるのが速すぎましたw

ちなみに時雨沢先生じゃないですよー、あんな表現能力はありませんし・・・。
183名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 18:28:56 ID:Gsd6ymug
川の中のシーンも良かったけど、オチまでついててワラタ!
レベル高いなぁ。
184名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 00:01:44 ID:D2cek1Zd
×××××が×××××で×××××なぐらいGJ
185名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 02:00:10 ID:+KymQ1Ti
>>184
俺なんて×××××が×××××なうえ、×××××の×××××が×××××だ。
あまつさえ×××××を×××××した。
186名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 04:57:30 ID:jDKihiLp
大丈夫だ。×××××なのは決して悪いことじゃない。むしろ少しくらい×××××でなければいけないと俺は思う。
いやぁ、それにしても本当に×××××ですなぁ。GJです。
187名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 12:46:58 ID:RxEJGGPe
>>170-179GJ
ごめんなさいねえ。ここの人、×××××なければいい人なんだけれど。
188キノシズ?:2005/10/15(土) 11:15:02 ID:qhPzuUDP
私の名前は陸、犬だ。
私と私のご主人であるシズ様は今、とある国の安宿に滞在している。
ただし私は部屋の外、シズ様愛用の刀をくわえ、ひっそりと待機している。
シズ様がこの刀から注意をそらす時、刀を守るのは私の役目だ。
そしていつも肌身離さず持っている大事な刀を預け、当のシズ様は何をしているかというと…………この扉一枚隔てた部屋のむこうで、ひたすら自慰に耽ってらっしゃる。
まぁ、それは生理現象だ。シズ様とて、大の男。いたしかたない。
私も理解している。
しかし、時折り「ハァハァ……キノタン…」などと上擦った声が聞こえるような気がするのは……いや、気のせいだろう。
気のせいであってほしい。
処理さえ終われば、またすぐに旅立つ予定である。

コツ…
私のすぐ背後で、小さく足音が響いた。
「!?」
馬鹿な。この私がここまで接近されて気配に気づかないとは。
振り向いた私は更に驚き、そのまま固まった。
どこから現れたのか、そこにはまさにオカズが、無表情で立っていた。

189名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 11:21:33 ID:qhPzuUDP
あまりに突然の出来事に、私は声も出ない。
シズ様の妄想が実体化でもしたのだろうか……
そんな阿保な事を考えてる内に、オカズ…いや、キノという名の少女は、ノックも無しに扉を開けて、ズカズカと中に入っていった。
その時のシズ様の姿ときたら……見るに忍びない。
表現は差し控えよう。
キノさんはベッドに腰かけたままのシズ様の正面にしゃがみ込むと、挨拶もなしにこう言った。
「続けて」
「★ICBM÷8402×2074=?#$\&!?」
「気にしないで、どうぞ続けて下さい。出来るだけお邪魔にならないよう気をつけますから」
シズ様も情況を把握できないのか、動けない。もちろん下半身は、情けなく露出したままである。
「ふぅん、おっきいんですね…?」
チョイチョイとキノさんの人差し指が、シズ様を興味深そうにつつく。
「う…わっ…ちょっ……」「あれ?また少し大きくなったかな」
固さを増したシズ様の先端のぬめりを指で擦って、そのまま下へ上へと手を動かす。シズ様はされるがままになっている。
「なんていうか…感触が独特で、おもしろいですよね。勉強になるなぁ」
「べ…勉強って…」
「あっすみません、自分でされてる最中なのに……それとも、ぼくがした方が気持ちいいですか?」



ここまで勢いで書いたけど、何も考えてなひ……。
馬鹿な駄文、正直スマンカッタ
190名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 11:32:02 ID:uOmvD6jR
最後はティーの手榴弾がばくはつして全員アフロ。シズたまはナニ毛までアフロじゃね
191名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 13:02:51 ID:nWhMbS/f
それなんてドリフ?
192名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 14:14:20 ID:30NHGF0t
ヘタレとアフォ犬wwwwwwwwwww
193名無しさんピンキー:2005/10/15(土) 22:31:23 ID:lreV7H0I
あの裏表紙に気付いた兵が多いですな(゜∀)ティーワロス
194コソーリ続けてみる:2005/10/16(日) 00:29:14 ID:wTaVLE/N
愛らしい大きな瞳に上目づかいで見つめられ、
シズ様の思考はおそらく、宇宙の彼方まで飛ばされた事だろう。
……あの顔はそういう顔だ。
いつもの凛々しさなぞは微塵も感じられない。
そんなシズ様の様子を見て、
「えっと…じゃあ下手だとは思いますが、お手伝いさせてもらいますね」
キノさんは小さなピンク色の舌で、シズ様自身をチロチロと舐め始めた。
その瞬間、急激に我にかえったシズ様は、彼女の肩を強い力でひき離す。
「キノさん!!自分がなにをやってるのかわかってるのか?!」
「ええ。ですからお手伝いですよ。あなたのおなに…」
「スススストップ!!」
取り乱し、叫ぶシズ様。
「そーじゃなくて!なんで君がこんな事を…」
キノさんはふぅっと息をつくと、ヤレヤレといった感じで話し始めた。
「……先程、この宿の前を偶然通りかかった所、何故か荒い息と共にぼくの名を何度も呼ぶ声が聞こえてきたもので…」
あぁ…やはりあれは私の空耳ではなかったんですか…。
「何だろうと疑問に思ったのですが、生憎カーテンで部屋の中は見えないし、
呼ばれたからには直接お邪魔させていただくしかないと思いまして、ハイ」
195名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 00:30:52 ID:wTaVLE/N
「あぁ、大丈夫。シズさんがロリコン趣味だなんて、いいふらしたりなんかしませんよ。
ただ…ぼくは今、少し困ってるんです」
シズ様の顔からみるみる血の気がひいていくのがわかる。
「実は路銀が尽きてしまって…。
売れる物はないし、仕事もないし、エルメスの燃料もカラだし、八方塞がりなんです。
ですから…タダでとはいいません、出来る限りのお手伝いをさせていただきますから、ぼくを助けてくれませんか?」
「いや…だからと言って、こういう事は…あの……」
「……わかりました。
ぼくはシズさんが良かったのに、シズさんはぼくじゃ嫌なんですね。
仕方ないので、どこぞの脂ぎった好事家のじじいに抱かれる事にします」
お邪魔しましたと頭をさげてさっさと部屋を出て行こうとするキノさんの手を、慌ててシズ様が掴む。
「まっ…待ってくれ!俺だってキノさんがっ…じゃなくて……わかった!わかったから!!」
そのまま自分の胸もとに少女を引き寄せる。
しかし、下がフリ○ンの為、いまいち決まらない。
196名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 00:33:17 ID:wTaVLE/N
サクラ色の唇にそっと口づけて、
「ほんとにいいのか…?」と真摯な表情で念を押す。
「はい」
コクリと小さく頷くキノさん。
その言葉に迷いが消えたのか、シズ様の手はキノさんのジャケットやシャツを次々と剥ぎ取っていく。
やがて現れた白い肌。細い腰。
少しだけ盛り上がった胸を掌で優しく包み込むと、キノさんの身体がピクリと反応した。
頂きの突起を口に含み、舌で転がす。
「んっ……」
キノさんの喉がしなる。
胸への愛撫を続けながら、片腕は彼女の腰を支え、あいた方の手でベルトを器用にはずしていく。
僅かに開いた下着のすき間から手を差し入れ、キノさんの茂みに指を忍ばせる。
「…ぁ…っ」
「濡れてるね…」
シズ様がキノさんの耳元でそう囁く。
指はキノさんの敏感な部分を適確にとらえているのか、彼女の息は大きくはずみ、目は潤みを帯びている。
「あっ…やぁ…」
「何がいや?」
やがてそこはチュクチュクと水音をたてはじめ、シズ様の指の動きも早くなる。「気持ちいいんだろ?」
「そ…そんなこと…言わないでくらさ…あぁん…」
197名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 03:47:55 ID:wTaVLE/N
優しく擦られたり、強く摘まれたり、ふちをゆっくりとなぞられたり、
そんな事を続けられる内に、キノさんの様子がどんどん変化していった。
「ぅうんっ…あは……はァん………あぁっ……はぁうぅん!」
ひときわ高い声をあげるとガクガクと膝をふるわせ、シズ様に体重のすべてを預けるように、もたれかかる。
どうやら達したようだ。
シズ様は指を抜くと、まだ力が入らない様子のキノさんにキスをしてから一度その身体を抱きかかえ、
そっとベッドに横たえる。
少しずり下がったパンツを下着ごと脱がせ(無論パースエイダーもはずす)、自身も緑のセーターを脱ぎ、彼女の足の間に割り込んで入った。
「いくよ」
はちきれんばかりにパンパンになったシズ様のモノが、入口にあてがわれる。
あまりの質量に不安げな顔を見せるキノさんに、大丈夫だから力を抜いて、と告げて、ゆるゆると進行を開始させるシズ様。
充分に潤ったそこは、あっさりとシズ様を飲みこんでいったが、彼女は苦しげな声を漏らしていた。
根本まですっぽり埋まると、シズ様は一度そこで動くのをやめて、キノさんの髪を優しく撫でた。
強張っていた彼女の表情が、徐々にやわらかくなり、艶めいてくる。
ドクンと胎内でシズ様が脈を打ち、跳ね上がる。
「あっ…」
198名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 03:49:58 ID:wTaVLE/N
「どうした?」
「あの…動いてもいいです。…大丈夫ですから」
真っ赤になってそう言うキノさん。
「もっと…シズさんを感じたいんです…」
「ムハー\(゜▽゜)=3」
ぎゅっとキノさんの身体を抱きしめると、シズ様は抜き差しを再開させた。
腰の動きはだんだんと大きくなり、一回一回最奥を刺激するように、打ち付けてはひく。
「ふ……あぁあん…シズさぁんっ…すごい…」
「キノさんっキノさんっ……気持ちがいいよ…」
絡みあう二つの影。
吐息。
寝具の軋み。
やがて二人は絶頂を迎え、少女のなかで、青年は果てた。
199名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 03:51:47 ID:wTaVLE/N
……というのが、シズ様の定番の妄想らしい。

「フーン、軽くMでSでそのうえロリコンとはねー」
「エルメス、ぼくはロリータじゃないよ」
扉を隔てた部屋の外、一人と一台と一匹は部屋の中にまで声が届かないよう、ひそひそと輪になっておしゃべりをしていた。
「で、どうするのさ?シズさんの夢、叶えてあげちゃう?ちょうど今、バスを描いてるところでしょ?」
「『マスをかく』…?」
「そう、それ」
キノはうーんと唸って、
「…いや、今日は遠慮しとくよ。路銀も足りてる事だしね」
「そっかー。キノを呼ぶ声が聞こえて、この宿に入ってきたまではシチュエーション通りだったのにねー。シズさん残念でした」
キノは立ち上がると、エルメスのスタンドを倒した。
「じゃあ、ぼく達はそろそろ行きます。シズさんによろしく伝えておいてください」
「じゃあね、バカ犬」
モトラドを押して去って行くキノの後ろ姿を見送りながら、陸は思う。

いつかシズ様の願いが叶いますように、と
200名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 04:06:05 ID:wTaVLE/N
バカ作文、終りまででっちあげ完了いたしまスタ( ̄▽ ̄)
201名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 10:07:38 ID:X0CvWzcY
GJ
妄想オチワロタ
202名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 13:46:17 ID:zV/K6F1U
妄想を陸に話したのかシズよ…
203SBI:2005/10/16(日) 15:17:31 ID:e8nmkJ9I
書きかけを試しに投下して、様子を見たいなと思ったり……。
204SBI:2005/10/16(日) 15:18:18 ID:e8nmkJ9I
「眠れない……」
暗い寝室のベッドの中、頭から毛布をかぶった私が唸る。
時間はもうとっくに夜中を過ぎている。空高く昇った月は、カーテン越しからでも容赦なく明るい光を投げかけ、ただでさえ眠れない私をさらに苦しめる。
だが、それだって無理の無いことだと思う。なんたって、明日は私とヴィルの初デートの日なのだから………。
もちろん、これまでもヴィルと一緒に遊んだ事はいくらでもあった。しかし、今回は今までとは訳が違うのだ。
お互いに好きだと、恋人同士だと確かめ合ってからの、初めてのデート………。これはもう、興奮するなと言う方が無理と言うものだ。
二人で一緒に映画を見て、街を歩く。客観的に見れば、そんなに大したことをするわけでもないのに、むやみに胸が高鳴る。
ヴィルに告白して、首都のアパートで一緒に暮らすようになってから、もう一月は経っただろうか。
引越しの忙しさや、お互いの用事にかまけて、これまでこんな機会を持つことは出来なかった。しかし、ついにこの日が来たのである。
ドキドキ、ドキドキと高鳴る胸の鼓動、カチコチ、カチコチとうるさい時計の音、私の中で二つが混ざり合い調子の外れたビートを刻む。
眠れやしない。眠れるものか。ねむれるわけがない。眠気なんて、ねむけなんて…ねむけにゃん…て…ねむ…………………………むにゃむにゃ。
205SBI:2005/10/16(日) 15:19:01 ID:e8nmkJ9I
窓から差し込む光に起こされて、私は爽やかな目覚めを迎えた。しばし、空っぽの頭のままで部屋の中を見回す。あれ、今日は何をするんだっけ?
しばらく天井を見つめたまま固まる。やがて、一点を見つめたままぼんやりとしていた私の顔が、にんまりとにやけてくる。否応も無く頬が緩む。
「ヴィルと………でーと…」
先ほどまでとは別の意味でぼんやりとした頭を抱え、私はゆっくりと起き上がる。なんにせよ、支度をしなければ始まらない。
しかし、ベッドから降りてふと壁にかけられた時計を見た瞬間、にやついていた私の顔が一気に凍りついた。
「うわああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
昼近くを指したその時計に釘付けになった目を、無理矢理引き剥がして窓の外を見ると、空高く昇った太陽から無情な光が降り注いでいる。
寝坊してしまった………。
「なんで起こしてくれなかったのよぉ!?ヴィルぅうううううううぅぅうううっ!!!!!!!」
その時、叫んだ私の後ろでむくりとだれかが起き上がる気配がした。まさか、もしかして…………。
恐る恐る、私は振り返った。
「どうしたの、アリソン?」
眠そうに目を擦りながらベッドの上に起き上がったヴィルの顔を、私は愕然としながら見つめたのだった。
206SBI:2005/10/16(日) 15:19:38 ID:e8nmkJ9I
「ぜえ、ぜえ……な…なんとか」
「…ふぅっ……間に合ったみたいね…」
なんとかたどり着いた映画館の前で、私とヴィルは息を切らした。時間ギリギリ、間に合ったのはほとんど奇跡のようなものだ。
まったく、いきなりとんでもないケチがついてしまったものだ。家からここまで全力疾走、正直、デートというよりは運動会みたいなものだ。
しかし、ここからいくらでも挽回できる。暗い映画館の中で雰囲気を出して、一気に形勢を逆転するのだ。
そのために、客のあんまり入らない公開期間終了間近の映画を選んだのだ。もうヘマは許されない。
「アリソン、寝坊しちゃってごめん」
「いいのよ、間に合ったんだから。終わりよければ全て良しでしょ」
申し訳無さそうに謝ってきたヴィルに、笑顔で答える。正直、寝坊したのは私だって同じなのだから、文句の言えた義理では無い。
ただ、一つだけ気になることもあった。
「それにしても、私はともかくヴィルが寝坊するなんて一体どうしたの?」
「あっ…うん…それは………」
私の質問には答えずヴィルは口ごもる。何だか、様子が変だ。いつものヴィルじゃない。
「そ、そろそろ中に入らないと……」
じーっとヴィルの顔を睨みつけていた私に、上ずった声で言ってから、ヴィルは映画館の入り口に向かって歩いていく。
その落ち着きのない後姿を眺めながら私はつぶやいた。
「本当に、どうしちゃったんだろ?」
207SBI:2005/10/16(日) 15:20:15 ID:e8nmkJ9I
館内の照明が落ちて映画が始まった。しかし、私の頭には映画の内容など頭に入ってこない。
隣に座ったヴィルの存在ばかりが気になって、ドキドキドキドキとうるさいぐらいに音を立てる心臓の鼓動ばかりが耳につく。
不安、焦燥、憤慨、私の中で様々な気持ちが入り乱れて、居ても立ってもいられなくなる。
………ヴィルのバカ。手ぐらい握ってくれても良いじゃない!
いくら映画館の中では静かにしてなきゃいけないからって、このまま何事も無く終わってしまって良いわけが無い。
そうだ。相手はあのとんでもない朴念仁、ヴィルヘルム・シュルツなのだ。むしろ、こちらからリードしてあげるぐらいの気持ちで行かなくては。
「……………よし」
口の中で小さくつぶやく。私は心を決めた。深く息を吸い込んで目を閉じ、頭の中で10秒数えて行動に移る。
暴れ出しそうなほどの体の震えを気合に根性、そしてありったけの愛情で押さえつけて、ヴィルの手の上に自分の左手を重ねる。
そして、ゆっくり、ゆっくりと握り締めた。
やった!どんなもんだ!これでどうだ!私は心の中で自分の勇気と決断に盛大な拍手喝采を送る。
しかし………。
「あれ?」
隣の席から伝わるヴィルの気配には相変わらず変化が無い。
恐る恐るヴィルの横顔を覗き見る。相も変わらずスクリーンに釘付けのままの目、真剣な表情で映画に集中しきっている。
「……………………」
言葉も出なかった。まるで自分とヴィルの間が100万光年の距離で隔てられたような気分に陥る。
208SBI:2005/10/16(日) 15:21:05 ID:e8nmkJ9I
重ね合った手の平から伝わるヴィルのぬくもりが、今の私にはあまりにも辛い。
穴が開くほどにヴィルの横顔を見つめても、そこには何の変化も見られない。私は諦めて、スクリーンに視線を戻す。
映画の内容に没入して全てを忘れるのだ。そうだ、そもそも今日は映画を見に来たんじゃないか。うん、見るぞ。よし、見るぞ。
しかし、相変わらず手の平から伝わってくるヴィルの体温が、私の集中を妨げる。
目の前で展開される息を呑むような銃撃戦も、白熱のカーチェイスも、私には何の感動も興奮も与えることなく、頭の中を通り過ぎていく。
そして気が付けば、私は同じ言葉ばかりを口の中でつぶやいていた。
「…………ヴィルのバカ、バカ、バカ……」
場面は主人公とヒロインのキスシーンに移った。まったく、アクション映画でさえ、この程度のロマンスはあるというのに……。
泣き出したい気分だ。
やがて映画は終わり、館内に再び灯りがともる。しかし、もはや私に立ち上がる気力など無かった。
何も映らなくなったスクリーンを呆然と眺めながら、シートにもたれかかった私の体は、まるで底なしの沼に沈んでいくようだ。
209SBI:2005/10/16(日) 15:21:42 ID:e8nmkJ9I
隣でヴィルの立ち上がろうとする気配を、私は感じる。だけど、私はまだ無理だ。いっそ、先に映画館の外に出て行ってもらおうかとすら考える。
するり。私の手の平の下からヴィルの手が抜け出て、私の手は置き去りになる。肘掛に残されたヴィルの体温、その虚しさを手の平に感じる。
うん、そうしよう。なんとか言い訳して、先に映画館の外で待っていてもらおう。そんなことを考えたときだった。
私の手の平の上に、あったかい何かが覆い被さったのを感じた。
「………えっ!?」
驚いて見てみると、ヴィルの手の平がしっかりと私の手を握っている。握られた手をくいっと軽く引っ張られた。立ち上がるように促しているのだ。
信じられないような気持ちのまま、ヴィルの手に引っ張られて私は劇場の外にむかう。
ドアを抜けると、館内の闇に慣れた目にはまぶしすぎる光で目がくらむ。
その光の中でヴィルが振り返った。いつもの優しげな瞳に、今の状況に照れているのか少しばかり赤い頬。
そして、いつもより心なしか嬉しそうに微笑んで、ヴィルは私に話し掛ける。
「行こうか、アリソン」
「……うん!」
210SBI:2005/10/16(日) 15:22:46 ID:e8nmkJ9I
さっきまでの不機嫌も忘れて、私も微笑み返した。
ヴィルの手に引かれて街の中を歩く。周りの視線が気になるだとか、そんなことは全然考えもしなかった。
ヴィルと交わす何気ない言葉が、そろそろ見慣れてきたはずの首都の風景が、私の中で輝く。
ただそこに確かにあるヴィルの手のぬくもり、それだけで全てが違って感じられる。
時間なんて、あっという間に過ぎていく。
「なんだか、いつもと逆になっちゃったわね」
私がヴィルに引っ張られてる。こそばゆいような、嬉しいような、何ともいえない気持ちが胸に広がるのを、私は感じていた。
211SBI:2005/10/16(日) 15:23:42 ID:e8nmkJ9I
とりあえずここまで……。
続きはなるだけ早く書きます。
212名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 15:35:59 ID:M7hTHQpP
      すごい! 目からエビフライ!

 .    /ヘミミミ/  ``'ー-.、,ヽ丶)ヽ、
  、. レ"ヾヘミミ/        ヽソノ;、ヾi
  _ヽlヾミミミン  -zュ、、     ´ ';ソ:|
  i A;ヽミミゾ   ,__,.、,、,..,、、.,、,、、..,_       /i
  | | iミミソ     ヽ;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i
  | ヽiミソ       ''、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'゙  ̄  ̄    /i
  ゙iー:ソ           ,、-'  |ヽ,;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i
 ノソ         ` = _, |  '、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'゙  ̄  ̄
.  "!      ,.r===;-、, ` '′  ,'
  ハ.      / ヽ、  ヽ,)   ノ
,r'イ ',     l!、   ゙i ./   ,.'
. i |  ',      iゝヽ..ノ,イ   /
. !│ ヽ    ゝ.二 '´ /.│ 
. ! |   ヽ      /   !、                     
. | |     >‐‐ァ"     | \  
          
213名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 22:54:26 ID:bGetkENH
わくわくテカテカしながら続きをお待ちしています。
214SBI:2005/10/17(月) 19:14:45 ID:bps+kIKc
続き書いてきました。
果てさて、その後二人がどうなったのか?
それでは……。
215SBI:2005/10/17(月) 19:16:26 ID:bps+kIKc
「うう、重い……」
「ファイト!いとしの我が家はもうすぐよ!」
家に帰り着いた時には、夕日は西の空に沈もうとしていた。アパートの階段を意気揚揚と登る私の後ろからは、紙袋を3つも抱えたヴィルがよたよたとついて来る。
あの後、なんやかやと家に必要なものを買ったのだ。
やっとのことで部屋にたどり着いた。ヴィルが紙袋の中身を片付けている間に、私は寝室に向かう。大騒ぎして外に飛び出したために、部屋の中は荒れ放題だ。
散らかった部屋の中を片付けていると、ヴィルがやって来た。
「そっちは終わったみたいね。ご苦労さま」
そう言って微笑みかけた私に、唐突にヴィルが頭を下げた。
「あの……アリソン、今日はごめん!」
「えっ!えっ、何?…何のこと?」
映画館を出て以来、浮かれ気分で過ごしていた私にはヴィルに謝ってもらうような理由がわからない。
「………映画館の中で手を握ってきてくれたよね」
「う、うん」
「……だけど、僕は映画館を出るまで何も出来なかった。」
ヴィルは一言一言、言葉を搾り出すように喋る。
「アリソンの…あ、あったかい手の平が僕の手の甲に乗って、そしたら……頭の中の何もかも吹っ飛んじゃって……本当はすぐに握り返してあげたかったのに……」
いつになくたどたどしいヴィルの口調、うつむいて真っ赤になった顔からは玉のような汗が流れ落ちる。
「それだけじゃない。昨日の晩中、今日のこと考えてて全然眠れなくて…そのせいで、今朝は寝坊しちゃうし…………」
そう言うことだったのか。映画館の前で、寝坊の理由を尋ねられたとき、ヴィルが結局その質問に答えなかったことを思い出す。
216SBI:2005/10/17(月) 19:17:05 ID:bps+kIKc
「なんだか今日は、アリソンに迷惑をかけてばっかりで……だから」
「そんなこと無いわよ。色々あったけど、今日はとっても楽しかったわ」
どんどん小さくなっていくヴィルの肩に、私は手を置いた。それまでうつむいていたヴィルがようやく顔を上げる。
「ずっと昔からアリソンを好きな気持ちは変わってないはずなのに、一緒にいるだけで、何だかドキドキして、居ても立ってもいられなくなる……」
いつものマイペースぶりはどこへやら、ブルブルと細かく肩を震わせるヴィルの姿は、横から見ればあるいは、滑稽な光景に見えるのかも知れない。
それでも私には、ヴィルがどれだけ真剣な気持ちで、私に語りかけているのかが解った。
なぜなら、私はそれを良く知っているからだ。
好きな人のことで頭が一杯になって、にっちもさっちも行かなくなって、それなのに心の中にはどこまでも駆けて行けそうな程のエネルギーが満ち溢れてくる。
どこまでも苦しく、もどかしく、それでいて甘いあの感情………。きっと出合った頃から、私がヴィルに抱き続けてきたもの………。
それは確かに、ヴィルの中にもあるのだ。
「知らなかったんだ。僕がアリソンをこんなに好きだったなんて………」
私の瞳をまっすぐに見つめてくるヴィルの瞳が見える。
「あの旅行以来、僕はずっとこんな調子で……………僕に好きだって言ってくれたあの時まで、アリソンはずっとこんな気持ちでいたの?」
ヴィルの問いかけに一瞬考え込んだ私だったが、すぐに気を取り直す。質問の答えはわかりきっていた。躊躇うことなく、私は答えを口にする。
「ううん、違うわ」
「えっ!?」
驚いたヴィルに、私にっこりと微笑んでこう続けた。
「あの時まで?………違うわ。今も私はヴィルと同じ気持ちなの!」
ポカンとしていたヴィルの表情が、一瞬遅れて笑顔に変わっていく。
217SBI:2005/10/17(月) 19:17:49 ID:bps+kIKc
「……ありがとう」
嬉しそうに、ヴィルが言った。
「どういたしまして!」
嬉しそうに、私も答えた。
二人して、なんとなく笑い合う。
恥ずかしさに赤くした顔、むやみやたらに高鳴る鼓動、胸の奥で今にも飛び出しそうなこの思い、きっと全部同じなんだと信じることが出来る。
ヴィルの頭の中が覗けるわけじゃないけれど、これはそんなに分の悪い賭けでは無いはずだ。
「アリソンはずっと昔から、とんでもない鈍感な僕のために頑張ってきて、そして今も頑張ってるんだね」
「えへへ……まあね」
「……だから、今度は僕が頑張ってみるよ…」
ヴィルのあたたかな腕が、私の体を抱き締めた。驚きに一瞬の間固まった私だったけど、すぐさまヴィルの体に身を任せた。
「アリソン、愛してる」
ヴィルの唇が私の唇を塞ぐ。息が止まるほどの長いキス、痛いくらいに強く抱き締めてくるヴィルの腕の感触が心地よかった。
キスを終えてようやく唇を離すと、目の前にはやっぱり真剣なヴィルの顔が見えた。ぎゅっと抱きしめてくる腕からは、ヴィルの気持ちまで伝わってくるようだ。
ヴィルに抱きすくめられて、私の体はベッドの上に押し倒される。せっかく片付けたのに、またやり直しになるのかと思うと、少し残念だ。
「…うあ…や…ひゃぅう…くすぐったいよ、ヴィルぅ…」
服の上から何度も撫で回してくるヴィルの手のひら、それだけで声を抑えられなくなる。ヴィルに触れられた所がどんどん熱くなっていくのを感じる。
ヴィルの背中にまわした私の手に伝わってくる体温も、どんどん熱くなっていく。触れ合うほどに高まる熱の中で、私とヴィルはただ求め合う。
「…あっ…やあっ!……はぁはぁ…あああんっ!!!」
218SBI:2005/10/17(月) 19:18:38 ID:bps+kIKc
荒く息を切らす私の様子を見て、ヴィルは服の中にまで手を這い入らせる。直接に素肌を刺激されて、知らず知らずのうちに私の声も大きくなっていく。
ヴィルの指先に乳首を転がされて、胸から全身に駆け抜けていく電流のような感覚に、どうすることもできず体を震わせる。
「…ひうううぅ!!!…あんっ!…そんな…だめぇ!!…乳首ばっかりぃ!!」
「…わかったよ…それじゃあ……」
思わず漏れた私の言葉にそう答えてから、ヴィルは私への責めを切り替える。ヴィルの舌が私の首筋を、鎖骨を舐め上げ、耳を甘かみする。
指先は体中を余すことなく弄ってきて、私の感じるポイントを執拗に責め立てる。快感に頭の中が霞んで、何も考えられなくなっていく。
「アリソンのどこが気持ちよくなっちゃうところか、もう全部覚えちゃったから……」
「…あっ!…やぅ…そんなぁ…ヴィルぅ!!」
ヴィルに耳元でそう囁かれると、私の背中がぞわりとした快感に震える。もう既に息も絶え絶えの私、しかしヴィルの責めはなおも続く。
おもむろに伸ばされたヴィルの手が、私のズボンとショーツを脱がせた。もうびしょびしょに濡れてしまっている私の大事なところが露になる。
「あ…や…ふああっ!…そこぉ…まだぁ…やああんっ!!」
冷たい外気に触れてひくひくと震えるそこを、じっと見つめてくるヴィルの視線を感じる。恥ずかしさで死んでしまいそうだ。
「アリソンのココ、きれいだ……」
「そんな……や…言わないぇ!!…………ふあああああああああっ!!」
ヴィルの舌先がアソコに触れた。柔らかなそれにひと舐めされただけで、私は背中をのけぞらせて叫ぶ。
何度も何度もヴィルの舌に触れられ、クリトリスを突っつかれて、どうにもならない快感の渦の中で、私はただ喘ぐことしかできなくなっていく。
もう限界だ……。そう思った瞬間、ヴィルに舌を突き入れられて、私の意識は吹っ飛んだ。
「あっ!?…や!?…もう!!!ああああああああああああっ!!!!!」
ぐったりと力が抜けた体の上に、ヴィルが覆いかぶさって私にキスをする。熱い口の中に感じるのは、ヴィルの味と私の味だ。
唇を離してから、ヴィルは私にゆっくりと語りかける。
219SBI:2005/10/17(月) 19:19:15 ID:bps+kIKc
「アリソン…好きだよ。やわらかいおっぱいも、かわいいお尻も、きれいなアソコも、キラキラ輝く金髪も………そして、ずっと昔から僕を好きでいてくれたその気持ちも」
ヴィルの手がやさしく私の頬に触れる。
「アリソンに好きだって言ってもらって、僕の知らなかったアリソンを次々に知って、どんどんアリソンのことを好きになっていく……僕はそれがとってもうれしい」
今、私の目の前には、心底から嬉しそうで、それでいて少し照れているのか頬を赤らめたヴィルの顔だけが見える。
私はヴィルの言葉に答えるかわりに、おでこをコツンと付き合わせた。
「これからもっと好きになる。どんどん好きになってく…」
私はヴィルの目を見つめて微笑む。ヴィルはうなずいて、ファスナーを開け、取り出したモノを私のアソコにあてがう。
「……いくよ」
「……うん」
ゆっくり、ゆっくりとヴィルが私の中に入ってくる。ヴィルの熱を体の内側に感じる。ヴィルが私のことを思う気持ちが燃え上がらせているその熱さ……。
そして、私を気遣うかのように、あくまで優しく、ヴィルは動き始める。
「…あっ…ああんっ!…や…ふあああっ!!…」
抑えようもなく漏れる吐息、ヴィルの息遣いを間近に感じる。
触れ合った肌、流れ出る汗が互いの熱を伝え合い、互いの境界すらわからなくなりそうな快感の中で、私たちは求め合う。
「あっ…はぅ…ああんっ!!…ヴィル…ヴィルぅ!!」
「…くぅ…ああっ…アリソン…好きだよ…」
互いの名を呼び合う。いつのまにか重ね合わせていた手の平を強く握り合う。全身の感覚がヴィルを感じることだけに振り向けられていく。
何度も口付けを交わし、感じる部分を思うさまに愛撫される。ヴィルの動きがだんだん激しくなって、突き上げられる快感で視界に火花が散るようだ。
「…ひあああっ!!!…うあ…や…へんになっちゃうぅ!!…きもちよすぎて…わたしぃ…ふあああっ!!」
長い髪を振り乱し、目に涙すら浮かべて、ヴィルの与えてくれる快感に私の意識は何度も明滅させられる。
220SBI:2005/10/17(月) 19:20:04 ID:bps+kIKc
どろどろと理性が溶けていく。どんどん乱れていく自分、強すぎる快感に、いったい自分はどうなってしまうのだろうと、不安感さえ感じてしまう。
たまらずにヴィルの体に抱きつくと、ヴィルの腕も私の背中を優しく抱きしめてくれた。何もかもわけがわからなくなりそうな快感の洪水の中、ただ一つ確かなその感覚に身を任せる。
「はうううううっ!!!あああっ!!…も…わたしっ…わたしぃいいいいっ!!!!」
体中を責められて、快感に翻弄され続けて、私の心も体も限界を迎えようとしていた。
今にも溶け出しそうな体を、ひときわ深くヴィルに突き入れられて、私はついに絶頂へと上り詰める。
「…あああああああああっ!!!!!!…はうぅ…ひああああっ!!!ヴィルっ!!ヴィルうううううううううっ!!!!!!!」
「…アリソンっ!!アリソンっ!!!」
同時に放たれたヴィルの熱がおなかの中を満たしていくのを感じる。そしてしばらくの間、私たちは何も言わず、ただ抱き合い続けたのだった。

乱れた呼吸が落ち着くのを待ってから、ヴィルが私に話しかけてきた。
「ありがとう…アリソン」
私の髪を何度も撫でながら、ヴィルはしみじみとつぶやく。
「アリソンがいなかったら自分の中にこんな気持ちがあるなんて知ることが出来なかった……。アリソンのおかげで僕はここまで来ることが出来たんだ……だから…」
それを言うならこっちだって同じだ。ヴィルに出会って知ることが出来た気持ち、私の胸の中でずっと輝いているそれは、きっと私の一番大切なものなのだから……。
私も心からの感謝をこめて答えた。
「……こちらこそ、ありがとう……」
221SBI:2005/10/17(月) 19:21:00 ID:bps+kIKc
全く、これからどうなってしまうことやら……。
心の中ひそかに、私はため息をつく。
たかだか今日一日だけで、私もヴィルも頭の中は上へ下への大騒ぎだ。きっと明日も、そしてこれからもずっと、私たちはこの気持ちに振り回されていくのだろう。
まったく見当もつかないほどの遠い道のり、それでも恐れず進んでいけるのは、私一人じゃないからだ。二人で選んだ道だから。
行けるとこまで行ってみよう!
とことん振り回されてみよう!
きっと絶対大丈夫だ。
私とあなたが一緒にいられる限り、私とあなたの中にこの気持ちがある限り……。
222SBI:2005/10/17(月) 19:24:00 ID:bps+kIKc
こんな感じでした。
アリソンとヴィルのカップリングで書いていると、冷静じゃいられなくなる俺に気がつきます。
この二人はもうずっとイチャついてろ!ってな気分です。
それでは、また……。
223名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 21:03:58 ID:Ftx2mYz9
いやあいつ見てもこの二人は素晴らしい馬鹿ップルぶりですな。ニヤニヤ。
224名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 21:19:08 ID:H63dqHxy
この二人は本当にセットで萌えですね(*´Д`)ハァハァ
未来永劫イチャついてほしいです。
225名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 17:20:22 ID:n/OgQroI
陸&ティー希望
226名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 19:40:00 ID:XprhTXAA
>225
バター剣ならぬパウダー券を
227名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 01:04:07 ID:0Q66H1jp
>>222
幸せな2人に割り込むアイカシアを(ry
228名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 15:00:43 ID:eFLf6VH1
ヴィル「や…ああっ!…や、やめてください…ベネディクトさん…」
ベネディクト「本当にやめて欲しいのかぃ?君のココはこんなになっているぞ…」


「………な〜んて、うふふ…」
「フィー、どうしたんです?ヨダレがそんなに……」
229ナナシ:2005/10/22(土) 00:11:28 ID:q4hi9qf0
皆の暇潰しにでもとエロ無しSSを書き始めたのだが、無意識にだらだらと長くなってしまう…。
短く直して投下シマスー(´Д`)
230名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 10:15:27 ID:e4nvEL1L
231名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 15:16:30 ID:SaQRtfnv
>>228
フィーの801妄想わろす
232SBI:2005/10/23(日) 17:28:29 ID:d2RDV8Pe
また書いてきました。
シズキノですが、短いです。たいした話じゃないです。
それでは……。
233SBI:2005/10/23(日) 17:29:21 ID:d2RDV8Pe
この少女と夜を共にするのはこれで何度目だろうか?
「…いいですよ…シズさん…」
恥ずかしそうに伏せられた目、赤く染まった頬、昼間の逞しいキノさんからは想像もつかない女の子らしい表情。
最初に出会ったときは、こんな顔を見せてくれるなんて思ってもいなかった。
「キノさん………」
なるべく優しい表情を崩さぬよう微笑みかける。その実、内心は湧き上がる愛しさ、胸の高鳴りを押さえつけるのに必死だ。
すっと力を抜いてもたれかかってきたキノさんをそっと抱き寄せる。頼りないぐらいに小さな肩は、すっぽりと俺の腕の中に収まってしまう。
無言のままで、どちらともなくキスを交わす。知らず知らずの内に、キノさんを抱き締める腕に力がこもっていく。
そのままゆっくりとベッドの上に押し倒す。唇を離すと、目をとじたまま不安げに震えるキノさんの顔が見えた。やはりまだ男性に体を委ねることに恐れがあるのだろうか。
目をあけたキノさんは、大丈夫とでも言うように微笑みかけてくる。
キノさんはまだ子供と言ってもいいような年頃の女の子だ。無理をさせてしまっている。俺のために、キノさんは必死に背伸びをしている。
234SBI:2005/10/23(日) 17:30:03 ID:d2RDV8Pe
申し訳ない気持ちの一方で、そんなキノさんを愛しいと感じる俺がいる。どんなにしてでも俺と一緒にいたいのだというキノさんの気持ちが嬉しい。
これ以上、キノさんを怯えさせぬように優しく優しく愛撫を始める。他人に触れらることに慣れていない幼い体は、どこまでも敏感だ。
「…あっ…ふああ…あんっ!…や…ああっ!…ああんっ!」
切なげに漏らす吐息が、俺の心を燃え上がらせていく。俺はキノさんの体のいたる所に指を滑らせ、舌を這わせ、思う様にキノさんを味わい尽くす。
「キノさん…きれいだ…」
「…ひあっ…ああっ!…そん…な…ボクぅ…ふああああああっ!!!」
かわいいお尻が俺の手の平の中で震え、細く折れそうな首筋に舌を這わせると戸惑ったように声を上げる。
未発達な胸に手をかけると、いつもキノさんは恥ずかしそうに顔をうつむかせる。小さいことを気にしているのかもしれない。
以前「可愛い胸だ」と言ったときには、しばらく不機嫌になってしまった事を憶えている。
かわいらしいピンクの乳首をつまみあげると、それだけでキノさんは小さく背中を仰け反らせ、頭を何度も振りながら小さく声を漏らす。
235SBI:2005/10/23(日) 17:30:41 ID:d2RDV8Pe
「あっ…ひあっ!…や…そこ…ばっかり…はうぅっ!!」
愛しいキノさんの全てが俺の腕の中にある。夢中になって責める俺の指先に、段々とキノさんの息も荒くなっていく。
段々と火照っていくキノさんの体。頃合を見計らって、俺は右手の指先をキノさんの大事な部分に這い入らせる。
キノさんの体の奥から滲み出したもので、俺の指先がぐっしょりと濡れる。
「…あああっ!!?…や…そこ…まだぁ!!!…ひあああああっ!!…だめぇ!!!」
キノさんの体の中で他のどこよりも熱いそこから、俺の指がかき混ぜるたびに熱い液体が溢れ出てくる。
目の端に涙を浮かべながら、キノさんは喘ぐ。どうしようもない快感の渦の中でぶるぶると震えるキノさんの体を強く抱きしめる。
「あっ!?ああっ!!…くぅ…あっ!!あああああああああああっ!!!!」
どこまでも続く責めに、ついに絶頂を迎えたのか、キノさんの体がビクンと大きく仰け反った。
ぜえぜえと息を切らしながら、キノさんの顔が俺を見上げてくる。
「…は…ああ…はぁはぁ…シズ…さぁん…ボク…もう……」
「わかってる」
俺はうなずいて、キノさんともう一度、口づけを交わす。キノさんの大事な部分に俺のモノをあてがい、挿入を開始する。
236SBI:2005/10/23(日) 17:31:12 ID:d2RDV8Pe
ゆっくり、ゆっくりと彼女の中に侵入していくこの瞬間が、実は俺には少し恐ろしく思えてしまう。
俺の腕の中でキノさんはあまりにはかなく感じられて、小さくか弱いキノさんの体を、俺が内側から壊しているかのように思えてしまう。
一瞬動きを止めた俺が顔を上げると、こちらを見つめてくるキノさんと目が合った。嬉しそうに、恥ずかしそうに、キノさんは微笑む。
彼女の手が俺の手をぎゅっと握る。
恐れが吹き飛んだ。キノさんと一つになりたいという気持ちがこみ上げてくる。
「いくよ」
少し照れながら微笑み返した俺は、ゆっくりと動き始める。
「…あっ…ああっ!…はぁはぁ…ああんっ!…や…ひゃんっ!!」
俺のモノが前後に行き来するごとに熱くなっていくキノさんの体、知らず知らずに激しくなっていく自分の動きを止められなくなっていく。
「あっ!…あああっ!!!ひあっ!!ああああああんっ!!!は…やああんっ!!!」
次第に荒くなっていくキノさんの息、突き入れられるごとに快感に震えるその声は大きくなっていく。
237SBI:2005/10/23(日) 17:32:13 ID:d2RDV8Pe
夢中で責め続けながら、俺は何度もキノさんの体のあちこちにキスをする。俺の唇が触れるごとに、キノさんの体がピクリと反応する。
「あああっ!!!シズさんっ!!!シズさ…ん!!シズさぁん!!」
涙を流しながら何度も俺の名を呼ぶキノさんの声が、俺の理性を削ぎ落としていく。否応も無く燃え上がる心のままに、キノさんの体に突き入れ続ける。
「あああっ!!!…こんなぁ…きもひよくてぇ…ボク…ボクぅ!!?」
絶え間なく続く快感に耐えかねているのか、キノさんは大きくなっていく声を抑えられなくなっているようだ。
責められ続けたキノさんの心も体も、限界に達しようとしているのだ。
こちらも限界に達しようとしていた俺は、ひときわ深く強く、キノさんの中に突き入れる。
瞬間、キノさんの中で張り詰めていた糸が切れた。
「あっ!?ひああああっ!!!!!シズさんっ!!!シズさああああああんっ!!!!!」
俺の名を叫びながら、キノさんは絶頂に押し上げられた。放たれた熱がキノさんの体を満たしていくのを感じながら、俺は互いに握り合う手の平に、ぎゅっと力をこめた。

238SBI:2005/10/23(日) 17:33:15 ID:d2RDV8Pe
「キノさん…愛してる」
キノさんの耳元で囁く。
激しい絶頂にいまだ荒い呼吸を繰り返すキノさんは、涙でぐしゃぐしゃな顔で、それでも精一杯嬉しそうに微笑んで答える。
そして、俺の背中に手を回し、言葉にできない思いを全て託すかのように、強く強く俺の体を抱き締めた。
キノさんの腕のあたたかさにしばらく呆然としていた俺も、少し遅れてキノさんの体を抱き締める。しばらくそのまま俺たちは抱き合う。
「愛してるよ…キノさん」
もう一度つぶやく。
答えは無い。いつの間にかキノさんは眠りの中に落ちていた。しかし、俺を抱き締めてくる腕からは力の抜ける気配は無い。
俺は苦笑して、今夜はキノさんのされるがままになろうと決める。
おだやかなキノさんの寝息を聞きながら、いつしか俺も眠りに落ちていった。
239SBI:2005/10/23(日) 17:34:48 ID:d2RDV8Pe
こんな感じでした。
ラブもいいけど、変態なシズも書いたほうがいいんでしょうか?
それでは、また……。
240SBI:2005/10/23(日) 18:12:12 ID:d2RDV8Pe
ついでに思いついたものも書いておきます。

とあるビーチの片隅、物陰からなにやらガサゴソと音がして、誰かの話す声が聞こえてきます。
「キノ〜、やっぱり無理があるんじゃないの?」
片方が心配そうに言うと
「大丈夫、大丈夫」
もう片方が自身満々といった様子で答えます。
「これならシズさんだって……」

シズと陸は砂浜に寝転がって日光浴をしていました。
周りに人影はありません。ティーの危険な魚獲りに恐れをなして、みんな逃げ出してしまったのです。
というわけで、ほかの海水浴客には申し訳ないけど、今のビーチは彼らの貸しきり状態です。
「シズさーん」
遠くからシズを呼ぶ声がします。シズは起き上がって、声の聞こえた方を見ました。
大きなタオルを体に巻きつけたキノが走ってきます。
キノはシズの目の前で立ち止まり、
「どうです!!」
と言って、タオルを投げ捨てました。
タオルの下から現れたのは、ビキニの水着でした。キノがかねてから用意していたとっておきのものです。
呆然としていたシズでしたが、一瞬の間を置いて鼻血がドバー!!!
「……最高…です」
そうつぶやいて、砂浜に突っ伏しました。白い砂がシズの鼻血で赤く染まります。
241SBI:2005/10/23(日) 18:12:47 ID:d2RDV8Pe
それを見たキノさんは
「やたっ!!」
と喜んで、スキップで海の方にかけて行きました。
取り残されたシズに、丸まっていた陸が起き上がり、心配そうに声をかけます。
「大丈夫ですか?シズ様……」
「…ああ」
起き上がったシズは、自分の鼻の穴にティッシュを詰めながら、遠くで泳ぐキノの姿をぼーっと見つめています。
そんなシズ様に、陸がおずおずと尋ねます。
「ところで、シズ様はさきほどのキノ様の水着姿に、どこにあんなに反応したのですか?」
その問いに、シズは笑顔で即答しました。
「だって、さっきのキノさん、自分のスタイルでは無理のあるあんな水着なんて着て………可愛らしすぎるじゃないか!!!ほんと、あの背伸びしてる感じがなんとも……」
「それ、キノ様に言っちゃ駄目ですよ……」
ため息混じりの陸の言葉も、また遠目にキノを見ながらくーっと唸るシズには届いていないようでした。
あきらめた陸は、沖合いで上機嫌に泳ぐキノに同情のまなざしを送ってから、再びその場に丸まりました。
今後、二人のあいだに何かあっても、知らんぷりを決め込むことをひそかに心に決めていました。

おしまい
242名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 15:12:23 ID:FykDzvK+
>>230
読んでないからなんとも言えないが、絵的にはキノが乙女過ぎな気が。
学園の方だからこれでいいのかも知れないが。
243名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 18:48:02 ID:KXv5IcUO
>>SBI氏
GJ!GJGJGJGJGJ!!
純愛イイ!萌えた!つかシズキノ殆どがシズ変態だから
純愛は非常に嬉しい。かといって変態シズ様イラネかと言うとそうではなく
むしろ要る!と叫ばせていただくが。
おまけの小話もワラタw
244名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 01:15:04 ID:WqeboP+z
シズキノ最高です!!
鬼畜でも変態でも甘々でも何でもいただきます
245名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 17:38:23 ID:+iDmYY3J
GJ!

246名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 17:29:46 ID:NVI2jJtz
ほす。
247名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 01:45:36 ID:WdvIkyX3
保守
248名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 08:12:09 ID:K/rEOyrV
下がってきた・・・・・・
249名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 19:52:23 ID:1dlKTiKf
誰かぁー新たな小説をおおおおー
250名無しさん@ピンキー:2005/11/09(水) 01:24:35 ID:f+dzUzWR
やっと新刊買ってきた…
キノタソは魚に感じていたのか…
251名無しさん@ピンキー:2005/11/09(水) 16:12:34 ID:zsdc5f0y
保管庫なんとかなんないかな〜?
252名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 01:04:57 ID:WnI6pSCT
保管庫動いてないんなァ。
過去のデータは俺は持ってないけど、許可くれるなら俺作ろうか……
前使ってたサイトスペースが今空っぽだから。
おせっかいだったら失敬。
253SBI:2005/11/10(木) 16:57:57 ID:ueyc+UdH
久しぶりに書いてきました。
なんかアリソンさんがひどい目に遭う話です。なげぇです。
それでは……。
254SBI:2005/11/10(木) 16:58:41 ID:ueyc+UdH
激しい雨の中、一台のサイドカーが森の中の道を走っている。舗装されていない道はぬかるんで、サイドカーは人間が走る程度のスピードしか出せていない。
叩きつけるような雨でずぶ濡れの顔を拭って、サイドカーの運転席の少年が困り果てた顔で雲に覆い隠された空を見上げる。
「まいったな……。まさかこんなに天気が変わるなんて思わなかった……」
そうつぶやいた少年の名前はヴィルヘルム・シュルツ、ロウ・スネイアム記念上級学校の学生だ。
「ほんと、天気予報なんて当てにならないものね」
側車に乗った金髪の少女が答える。
彼女の名はアリソン・ウィッティングトン、同じ孤児院で育ったヴィルの幼馴染みである。
そして、この春一緒に行った旅先でアリソンがかねてから胸に秘めていた思いを告白してからは、自他共に認める恋人同士、将来のパートナーとなっている。
そう遠くない卒業を控えてヴィルが勉学に励んでいたある日、いつもどおり唐突にアリソンはヴィルのところにやって来た。
相も変らぬその調子に苦笑しながらも、ヴィルはアリソンを歓迎した。
学校所有のサイドカーを借り、いつかのように二人で出かけた所までは良かったのだが、出発の時から天気は一変、とんでもないどしゃ降りとなってしまった。
雨宿りしようにも適当な場所もなく、ずぶ濡れの二人は体を震わせながらここまで走ってきたのだが………。
「ここ、さっきも通らなかった?」
アリソンがヴィルに問うた。
「……うん」
ヴィルもそのことには気が付いていた。左手に見える大きな木は、先ほどから数えて三度は見ている。
そもそも今彼らが走っているあたりは、ヴィルが暇を見つけてはたびたび訪れている場所であり、迷うような場所ではないはずなのだ。
この道もほとんど枝分かれがなく、同じ所をグルグルと回るようなハメになるとは考えにくい。
何かがおかしい……。
雨に打たれて冷え切った指先が震える。体から熱が奪われていくのがわかる。
255SBI:2005/11/10(木) 16:59:24 ID:ueyc+UdH
口にこそ出していなかったが、二人の頭の中に焦りと不安がむくむくと頭をもたげはじめていた。
その時、次第に口数が少なくなっていた二人の目の前で、周囲の景色を覆い隠していた木々が途切れて視界が開けた。
「ねえ、ヴィル……あれ!」
森の中に突如現れた開けた土地、そこにはつる草に覆われて佇む、大きな館が建っていた。

「すごい……」
アリソンが呆然と見上げる。いつ頃から打ち捨てられていたのだろうか?植物に覆われすっかり古びたその屋敷は、しかし朽ち果てることなくその姿を保っていた。
「こんな所に、こんなものがあるなんて……ねえ、ヴィル」
そう言ってアリソンは、自分と同じようにさぞかし驚いているだろうヴィルの方に顔を向けた。しかし、ヴィルの顔は予想に反して、平然とした表情を浮かべていた。
「驚いてないの?」
「うん。知ってたからね、ここのこと」
「えっ!?」
丸く目を剥いたアリソンに、ヴィルが嬉しそうに語りかける。
「そもそも、今日、僕がアリソンに見せたかったのはこれなんだよ」
この無人の館はヴィルのお気に入りの場所、秘密の場所だ。
まだ入学したばかりの頃、当時はサイドカーにも乗れなかったヴィルが当てもなく田舎道を歩いて辿り着いたのがこの館だった。
館の周りだけは暗く日の光を閉ざす樹木もなく、天気の良い日などには、ヴィルは館の前に立つ木の陰で心地よい時間を過ごしたものだった。
前々からアリソンも連れて来たいと、ヴィルは思っていたのだが……
「アリソンが来るときはいつも突然で、大変で……結局、連れて行ってあげる機会もなくって……」
「なによ、それじゃ私のせいで来れなかったみたいじゃない」
256SBI:2005/11/10(木) 17:00:03 ID:ueyc+UdH
「あはは、ごめん」
言いながらもアリソンは、このオンボロ屋敷を気に入ってくれたようだった。感心したように何度も館を見上げるアリソンの様子に、ヴィルも微笑む。
「ここなら雨宿りもできるわね。それじゃあ、中に入ってみましょうか」
そう言ってアリソンはほとんどドアが外れかけている入り口に向かって歩き始める。その背中を追いかけて歩き始めたヴィル、その心の内に僅かばかりの不安がよぎる。
なぜ、今日に限って道に迷ってしまったのだろう?そもそもここに至る道筋は、一度知ってしまえば迷うようなものではないはずなのに。
くねくねと曲がりくねっているが、迷ってしまうような横道は存在しない。まして、同じ所をグルグルと回るような道の構造にはなっていないのだ。
見慣れたはずの館、しかし雨の中に佇むその姿は、日の光の下で見る時とは違う、なにか妖気のようなものを放っているように感じられる。
「あれ?ヴィル、どうしたの?」
知らぬうちに歩みの遅くなっていたヴィルに、アリソンが振り返って呼びかける。
その明るい声に、暗い気持ちを強引に振り払ったヴィルは、アリソンの後に続いて館の中に入って行った。

館の中は薄暗く、幾年もの長い間滞っていたはずの空気は妙に澄み切っていて、廃屋に独特の埃っぽさはなかった。
さっきの嫌な予感もあって、あまり中に踏み入るつもりはなかったヴィルだったが、アリソンがずかずかと奥に進んでいくので、それについて行くしかなかった。
「へえ、こんなに色んなものが残ってるのね…」
館の中は様々な調度品で満たされていた。実は玄関より奥には入ったことの無かったヴィルはきょろきょろと辺りを見回す。
普通ならば人が来なくても、動物などが入り込んで荒らされてしまうものなのだが、この館の中の調度品はほとんど残されており、年月による劣化が多少見られるだけだった。
さらに、様々な調度品の中で目を引いたのが館の壁のいたる所に飾られた鏡だ。様々な大きさや形の鏡は、どれも先ほど磨かれたようにその表面は輝いている。
何かが変だ……。
先ほど振り払った不安が再びヴィルを襲う。この館を訪れる度に感じていた心安らぐ空気が、今日に限っては感じられない。
257SBI:2005/11/10(木) 17:00:39 ID:ueyc+UdH
(アリソンは気付いていないのかな、この妙な雰囲気に……)
無邪気に廃屋探検を楽しんでいるアリソンは、ヴィルの感じているような違和感には全く気がついていないようだ。
「あっ、このドアなんだろう?」
長い廊下の突き当たり、その隅っこにひっそりと隠れていた小さなドアをアリソンが見つけた。興味津々なアリソンは早速ドアノブに手を掛ける。
その時、その様子を見ていたヴィルの視界の端で、何かが動いた。
「えっ!?」
驚いたヴィルがそちらを向くと、廊下の曲がり角に人影が消えるのが見えた。
この館に、自分たち以外の何者かがいる……。
ヴィルの胸のうちに渦巻いていた不安感が大きくなっていく。とりあえずアリソンにもこの事を知らせなければ、ヴィルが思ったその時だった。
「きゃあああっ!!?」
滅多に聞くことの無いアリソンの悲鳴。振り返ったヴィルの見たものは、アリソンが開いた先程のドアから溢れ出した漆黒の闇、虚無の黒。
「アリソンっ!!!」
咄嗟に伸ばしたヴィルの指先は、アリソンに触れることすら叶わなかった。戸惑ったような表情で振り返ったアリソンは闇に飲み込まれた。
アリソンを捕えた闇は巻き戻されるようにドアの内側に引いていく。その中に飛び込もうとしたヴィルだったが、一歩遅く扉は閉ざされる。
「そんな………」
誰もいない廊下に取り残されたヴィルには、そうつぶやくことしか出来なかった。

得体の知れない漆黒の空間の中、アリソンは一人歩いていた。異常な事態にもかかわらず、その表情は意外と落ち着いたものだった。
軍人としての経験以前に、もとより肝が据わっているのだ。
「さて、これからどうしたものかしら……」
258SBI:2005/11/10(木) 17:01:27 ID:ueyc+UdH
一人つぶやきながら、周囲の状況を確かめる。といっても暗闇はどこまでも深く、視覚で確認できるものは無い。
にもかかわらず奇妙なことに、アリソンは自分の姿を確かめることが出来た。自分の体だけが日の光に照らされたようにはっきりと見える。
足元は石かコンクリートのように硬くて平らだ。先程までの老朽化の進んだ木の床とは全く違う。
それでも、ここはあの館の中であるはずなのだ。取り敢えず壁にでも行き当たれば、それをつたって行けばどこかに辿り着くはずだ。
「よし!何はともあれ、まずは行動あるのみ」
そう言って一歩目を踏み出そうとしたアリソン。その肩を誰かがポンと叩いた。
「うわああ!!」
さすがに驚いたアリソンが叫び声を上げて飛び上がる。しかし、続いて聞こえてきたのは聞きなれた声だった。
「僕だよ、アリソン」
いつも通りの優しいヴィルの顔がそこにあった。アリソンと同じく、闇の中だというのにその姿をはっきりと見ることが出来る。
おそらく、アリソンが飲み込まれた闇に、自ら飛び込んだのだろう。
「ばか……ヴィルまで来ちゃって、これからどうするのよ…」
そう言いながらも、アリソンはヴィルが来てくれた事が嬉しかった。我が身を省みず得体の知れない空間に飛び込んだその行動はいかにもヴィルらしいように思えた。
「ごめん」
「いいわよ、今はここから出ることを考えましょう」
しかし、アリソンは気がついていなかった。
今、アリソンの目の前にいるヴィルがの目の奥の虚ろさに、まるでアリソンを見ていないかのように焦点の定まらない瞳に気がついていなかった……。

そうして、アリソンが先頭に立ち二人は歩き始めた。
しかし、歩けども歩けども何かと出くわすことも無い。ここが建物の中であることを考えれば、これは異常というほか無かった。
歩き続ける二人に会話は無い。というか、最初はアリソンが熱心に喋っていたのだけれど、ヴィルがほとんど答えようとしないので、次第にアリソンも喋らなくなってしまったのだ。
259SBI:2005/11/10(木) 17:02:06 ID:ueyc+UdH
さっきから、ヴィルの態度が何か変だ。
何処にも辿り着かない苛立ちに、アリソンがそんな疑問を抱いたそのときだった。ドンッ!!と、大きな力で後ろから押され、アリソンは受身をとりながら転がる。
「な…何?」
わけのわからないアリソンの上に、影が覆い被さる。ヴィルだ。信じたくはないが、二人しかいないこの状況で考えられるのはそれしかない。
「や…ヴィル!?やめてよ!!」
凄まじい力で押さえつけてくるヴィルの下で、アリソンが苦しそうにうめく。なんとかヴィルを押し返そうと突き出した腕が、いとも簡単にねじ伏せられる。
「なんで?……なんでなの、ヴィル?」
ヴィルがこんな事をしてくることが信じられなかった。その暴力に自分がさらされていることが悲しかった。
抵抗する腕から力が抜ける。能面のような、ヴィルの無表情が見えた。
瞬き一つせず、感情のない瞳から投げかけられる氷のような視線は、もはや人間のものとは思えない。
どんな感情も感じられないその顔に、アリソンがひるむ。もはや、目の前にいるこれがヴィルであるとは信じられなかった。
いや、これはきっと人間ですらない。ヴィルのふりをした別の何か……。
「きゃううっ!!!」
上着をたくし上げられ、シャツとブラジャーを強引にむしられた。
乳房を揉みしだくいやらしい指先、乳首にしゃぶりつき執拗に舐め上げる舌先に、体がビクンと震える。
ショーツの中に指先を突っ込まれ、秘部を乱暴に弄られる。優しさのかけらもない強引な責め、その激しさに耐えるだけで今のアリソンいは精一杯だ。
「や…ひああっ!…も、やめ…あああっ!!」
これはヴィルではない。そうわかっているのに、気がついているのに、そのヴィルそっくりな姿を見るだけで抵抗する気力が奪われてしまう。
恐怖以上の悲しみがアリソンの心を捕らえて絶望に引きずり込む。
(駄目よ。これはヴィルじゃないんだから……、早く逃げ出さないと)
260SBI:2005/11/10(木) 17:02:47 ID:ueyc+UdH
目の端に涙をためて、力のこもらない腕に気合を入れる。なんとかヴィルを押し返して、体勢を逆転させたかった。
しかし、唐突にヴィルに唇をふさがれ、仕掛ける機会を逸してしまう。絡みつく舌からは、腐った肉の臭いがした。唾液とは違う、別の何かどろどろしたものが注ぎ込まれる。
「んんっ…んうっぅ!?…や…なにぃ!?…ひあああっ!!!」
口をふさがれて呼吸もままならず、注ぎ込まれたどろどろをやむを得ず嚥下した瞬間、アリソンは自分の体の奥底からすさまじい熱が湧き出るのを感じた。
体中を耐え難い疼きが襲う。これまでは苦痛にしか感じられなかった荒々しい愛撫に、頭の芯が蕩けてしまうような快感を感じてしまう。
「や…いやぁ!?…あぅ!!…こんな…やらぁ!!」
自分の体の突然の変化に戸惑い、わけもわからずアリソンは泣き叫ぶ。
その姿を見下ろすヴィルの顔に、初めて表情らしきものが浮かんだ。ニタニタといやらしい、人を蔑むような邪悪な笑みがそこにあった。
もう逃げ出すどころではない。火のついたように熱い体をどうすることもできず、アリソンはヴィルの体の下で悶える。
何の抵抗も出来なくなったアリソン、その様子に、そろそろ頃合だと見て取ったのか、ヴィルはアリソンのはいているズボンを脱がせ、ぐっしょりと濡れたショーツを引き千切る。
「うあ…ああっ…だめ…そんな……だめぇ…」
涙声のアリソンの目の前に現れたヴィルのモノは、あまりに巨大でいびつな形をしていた。恐怖に顔を歪め、何度も首を横に振るアリソン、その秘部にヴィルのモノがあてがわれ、一気に突き入れられた。
「や…あああああああっ!!!!!!!!!!」
異形を自分の内側にめり込まされて、アリソンは思わず叫ぶ。しかし、苦痛の悲鳴はそれまでだった。
人間のモノとは思えないそれを抜き差しされるたびに、頭の中に火花が散り、下腹部は苦痛交じりの甘美な快感に満たされていく。
「あっ!ああんっ!…なんで…こんなのが…ひああっ!…きもち…いいのぉ!!?」
ヴィルの腰が激しく前後する。熱く硬いそれに自分の中をかき混ぜられるたびに、アリソンは堪え切れずに声を上げる。
涙に濡れ、現実を拒絶するかのように目を硬く閉じたその顔も、与えられる快感の大きさに紅潮し始める。
突き入れられながら体中の至る所を触られ、舐められ、揉みしだかれると、心とは裏腹に切なげな吐息を漏らしてしまう。
261SBI:2005/11/10(木) 17:03:24 ID:ueyc+UdH
怒涛のように押し寄せる望まぬ快楽の前に、体がアリソンの支配の下から離れていく。
「…いやぁ…や…ああっ!!…や…もういやぁ…はううううぅっ!!!!」
突き入れられるごとに、自分のものでは無いかのように震える体が、絶え間なく襲い来る快感が、アリソンの精神力を次第に削り取っていく。
思考は何度も寸断され、わけのわからないことをわめくだけで精一杯だ。
(なぜ?…なんで?…何故なの?なんで私がこんな目にあってるの?)
問うたところでどうにもならない疑問が頭の中をぐるぐると回る。このままでは正気を保てなくなってしまいそうだ。
そんなアリソンの心を追い詰めるように、ヴィルはペースを上げていく。激しさを増す責めに、アリソンはついに限界を迎えた。
「…あっ!うああっ!!?…も…だめぇ!!だめぇっ!!!!これ以上はぁ…いやあああああああああああああああっ!!!」
華奢な体を弓なりに反らせて、アリソンは絶頂を迎えた。同時にアリソンの中で放たれた熱くにごったものが至急にたたきつけられる。
おそらくは人ですらない、ヴィルの姿を借りた邪悪な何か。それが放った白濁が自分の中を汚し、満たしていくのを感じながら、アリソンは気を失った。

自分の他に誰も見当たらない廊下を彷徨いながら、ヴィルはアリソンの姿を捜し求めていた。
アリソンが消えた後、急いであのドアを開けてみたが、無数の鏡が飾られた無人の部屋があるばかりだった。
およそ人知の及ぶものとは思えないあの闇、あれが何であるかはわからないが、今はアリソンがこの館にいると信じて探すしかなかった。
「僕がさそったばっかりに……」
ヴィルは責任を感じていた。自分がアリソンをここまで連れてきて、こんなことに巻き込んでしまったのだ。なんとしても探し出してあげなければ……。
それにしても……と、ヴィルは考える。あの人影は何だったのか?
、考えてみるとあの出現のタイミングは、アリソンだけを攫うためにヴィルの注意を他に向けるものだったのではないか?
自分たちをどこから見ている何らかの意思。もしかしたら、あの時道に迷ったのも、突然の悪天候も、それの仕業なのではないだろうか…。
急な大雨を降らせ、道に迷わせてずぶぬれにして、雨宿りのために館の奥まで踏み入るように仕向けた何者かが存在するのではないか?
262SBI:2005/11/10(木) 17:04:01 ID:ueyc+UdH
ともかくも、今はアリソンを見つけることが先決だ。今考えても仕方のない問題は後に回しておけばいい。
気を取り直したヴィルが歩くペースを速め、曲がり角を曲がったとき、廊下の向こうに走り去る影を見つけた。
「あれは……あの時の?」
あの影に追いついて正体を見極めれば、現在のこの館の状況がわかるかもしれない。アリソンを見つけ出す手がかりになるかもしれない。
全速力で駆け出したヴィル、しかし影は嘲笑うかのようにヴィルが近づこうとするとそのたびに曲がり角や開けっ放しのドアの中に消える。
「もしかして…誘われてる?」
ヴィルの心にふっと疑念が湧き出る。このまま付いて行って大丈夫なのか?
考えても、今のヴィルには追いかけ続けるしかない。またも曲がり角に消えた影を追いかけて、ヴィルもスピードを上げる。
しかし、ヴィルの足はそこで止まってしまった。
「そんな……行き止まりだ…」
影を追いかけて曲がった角の先、そこにはガランとした空間が広がるのみだった。隠れられそうな物陰や、逃げ出せそうな出口は見当たらなかった。
あの影は一体何処に言ってしまったのか?呆然としたまま、ヴィルは辺りをきょろきょろと見回す。
と、その時ヴィルの後ろからドンという衝撃が襲ってきた。
「うわあああっ!!!!?」
誰かが後ろからヴィルの体に抱き付いてくる。一瞬パニックに陥りそうになったヴィルだが、後ろから巻きついてきたその腕に見覚えがあることに気が付いた。もしかして………。
「アリソン?」
腕から逃れて振り返ったヴィルが見たのは、まさしく捜し求めていたアリソンの笑顔だった。ヴィルはほっと胸を撫で下ろす。
「良かった。無事だったんだね、アリソン……」
嬉しさのあまりにその肩を抱き締める。そこから伝わるぬくもりが、今のヴィルには何よりも嬉しいものだった。
263SBI:2005/11/10(木) 17:04:37 ID:ueyc+UdH
「心配したよ……。一体どこに行ってたの?どうやってここまで来たの?」
矢継ぎ早に問い掛けるヴィルの言葉、しかしアリソンはそれには答えず再びヴィルの体に抱きついてくる。
その体重を受け止めながらヴィルは苦笑する。ともかく、無事だったのならば、それに越したことは無い。些細な疑問は後で考えればいいだろう。
だが、ヴィルはふと奇妙なことに気が付いた。そう言えばアリソンは、先程から一言も言葉を発していない。ただニコニコと笑っているだけだ。
アリソンの腕に力がこめられて、ヴィルの足がふらつく。押し返そうにも、まるで大岩のようにアリソンの体はびくともしない。
「ちょっ!?…アリソン、痛いよ」
どんどん力が強くなっていく。これがこんな細身な女の子の力なのか?ついに堪えきれなくなって、ヴィルは床の上に押し倒される。
ヴィルの上に乗っかったアリソン、その笑顔が一瞬邪悪に歪む。背筋が凍りつくようなその表情に、ヴィルはそれがアリソンではないと確信する。
「お前は……誰だ?」
「………アリソンよ」
その口から漏れたのは、アリソンそっくりな声。しかし、何かが違う。何かが致命的に欠けている。必死に睨みつけるヴィルに、それは笑顔を崩しもせず、もう一度口を開く。
「私はアリソン……今日からは、私がアリソン・ウィッティングトンなのよ…」

呼吸が出来ない。なにかぐにゃぐにゃしたものに口を塞がれている。息苦しさに目を覚ましたアリソンは、自分の置かれている状況に戸惑った。
目の前に見えるのは見覚えのある顔、ハンサムな顔立ちのその男はアリソンとヴィルの友人、壁画発見の英雄カー・ベネディクトだ。
(私、ベネディクトさんにキスされてるの?)
ベネディクトの頭の向こうにかすかに覗く絵にも見覚えがある。あれはあの夏の冒険でアリソンたちが発見した壁画だ。
この壁画を見つけた洞窟で、アリソンはベネディクトのプロポーズを受け、キスまでされそうになった。
(これじゃ、まるであの時の……)
264SBI:2005/11/10(木) 17:05:13 ID:ueyc+UdH
見れば、ベネディクトが着ている軍服も、あの時身につけていたものと同じだ。
違うのは、ヴィルに服を引き裂かれてほとんど裸同然のアリソンの姿と、実際にキスをされてしまっているこの状況だ。
もしかしたらあり得たかも知れない光景、その中に今アリソンはいるのだ。
長い長いキスを終えてベネディクトの唇が離れ、アリソンはようやく解放される。
「……はぁはぁ…はぁ…」
荒く息を切らし新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込む。先程、ニセモノのヴィルの責めで登りつめた感覚が残る体は、十分にアリソンの言うことを聞かない。
ふらつきながらベネディクトの方を見る。にこやかなベネディクトの笑顔、しかしそこには先程のヴィルのニセモノと同じ、感情のない瞳があった。
(またなの?)
悪夢はまだ覚めてはいないのだ。またさっきのような目に遭わされるわけにはいかない。しかし、じりじりと後ずさるアリソンを、ベネディクトはいとも簡単に捕まえてしまう。
「いやっ!!はなしてっ!!!」
「震えているんだな……やっぱり君は可愛いよ」
耳元で囁かれる甘い言葉、しかしうっすらと漂ってくる死臭は、目の前の人物の正体が人ならざるものであることを伝えてくる。
抱き締めてくる腕から逃れようともがくアリソン、その努力を嘲笑うかのように這い回る指先に愛撫されると、絶頂の余韻の残る体は望まぬ快感に震える。
背後に回られ、いとも簡単に腕を組み伏される。そのまま大事なところへと伸ばされた指が、ズブリとアリソンの中に侵入してくる。
「ああっ!!そんな、そこっ!?いやああああああああっ!!!!」
下腹部から背骨を通って電流のように快感が駆け抜け、アリソンは背中を仰け反らせてさけぶ。先程の行為でアリソンの体は異常に敏感になっているようだった。
膣内をかき回されその度に明滅する意識の中で、アリソンは長い金髪を振り乱し泣き叫ぶ。
「ふあああっ!!…や…も…ゆるしてぇ!!!…あううっ!!!!」
265SBI:2005/11/10(木) 17:05:49 ID:ueyc+UdH
思うさまにアリソンを弄んだベネディクトは、もはや自力で立つ事もままならず、ぜえぜえと息を切らすだけのアリソンの体から指を引き抜く。
その指先にはアリソンの膣奥から滲み出た愛液だけではなく、ヴィルのニセモノに放たれた白濁も絡み付いている。
「ほう、まさか既にお楽しみの後だったとは思わなかったよ」
べとべとに汚れた指先、それをこれ見よがしにアリソンの目の前に持って来て、ベネディクトは愉快そうに語りかける。
「相手は愛しのヴィル君かな?」
「ちが…アイツ、あんな奴がヴィルのはずがないわ!!」
恥ずかしさで目に涙をため、顔を赤くしたアリソンが叫ぶ。
「じゃあ、ヴィル君に告白して早々、もう浮気をお楽しみだったというわけか……」
「そんな、ちがうっ!!!」
「ちがわないさ……」
ベネディクトはニヤリと笑い、アリソンの口の中に汚れた指先を突っ込む。アリソンの精液の生臭さが口いっぱいに広がった。
「ヴィル君以外の相手に身を任せて、しかもイっちゃったんだろ?君は一途な娘だと思っていたんだが……」
口の中に突っ込まれた指のせいで反論の言葉を発することも出来ず、もう一方の残された指先でアソコを蹂躙されながら、アリソンは屈辱の涙を流す。
その時、アリソンの視線の先で影が動き、誰かが近づいてくる足音が聞こえた。
「ベネディクト、あなた一人でアリソンさんを楽しむつもり?」
現れたのは、これもまたアリソンが良く見知っている人物だった。ベネディクトの恋人で、イクス王国の次期女王であるフィオナの姿がそこにあった。
「お久しぶりね、アリソンさん」
コイツも本物である筈がない。警戒するアリソンだが、ベネディクトに組み伏せられた状態ではどうしようもない。
目の前までやって来たフィオナは、自分の顔をアリソンの顔に近づけてくる。どんよりとした瞳に真っ向から覗き込まれて、アリソンの体がすくむ。
「私も一緒に楽しませてもらおうかしら……」
266SBI:2005/11/10(木) 17:06:30 ID:ueyc+UdH
そう言って、フィオナは細い指先をアリソンの秘裂に滑り込ませた。同時に二つの手によってもたらされる快感がアリソンを襲う。
「ひああっ!!あああんっ!!…フィオナさ…らめぇ!!!」
「気持ちいいのね、アリソンさん。大丈夫よ、恥ずかしがらなくても、あなたがエッチなことが大好きなことぐらい、私は最初から知ってるもの…」
フィオナの言葉に、アリソンは激しく首を横に振って否定する。ニセモノとわかっていても、友達の声で聞かされる蔑みの言葉は、想像以上の精神的ダメージとなった。
「エッチなことが大好きだから。犯されたかったから。あのヴィル君が偽者とわかっても、アリソンさんは抵抗しなかったのよね…」
(ちがうわ…そんなはずない)
間断なく二つの指先がアリソンの膣奥をぐちゅぐちゅ掻き乱す。
優しいフィオナの指先、荒々しいベネディクトの指先、タイプの違う責めがもたらす快楽に交互に襲われて、アリソンの意識は朦朧とし始める。
「えっちなことが大好きだから、ニセモノの私たちにも、したいようにさせているのよね……」
(うああ…違う違う違う違う…ちがうのにぃ…)
フィオナの指先の動きがだんだんと激しさを増していく。かき回されたあたりに、なにか熱の塊のようなものができていく感覚がある。
「ふふっ…私がもっと気持ちよくしてあげるわね」
そう言ったフィオナは、指を一気に膣内から引き抜く。それに付いて行くかのように、熱の塊が外に飛び出し、太く長い棒のような形をとった。
「これで、私も一緒に楽しめるわね……」
そこに出現したのはまさしく、いきり立つ男性のモノであった。アリソンの股間から聳え立つそれは、ドクドクと脈打ち、先端からはすでに大量の先走りが溢れている。
「ああ…うああ…なに?…これ、なんなのぉ?」
事態の異常さに、アリソンの頭脳はついて行くことができない。風に晒されるだけで熱くたぎるそれ全体が震え、脳が焼きつくような快感が身を焦がす。
呆然とするアリソンの前でフィオナは服を脱ぎ、ベネディクトに抱きかかえられるようにして座るアリソンの上にまたがった。
露になったその秘裂は溢れ出た愛液しとどに濡れている。フィオナがこれから何をしようとしているのか、その予感にアリソンのモノがビクビクと震える。
「…あ…いやぁ…こんなの…ああ…あああっ!!」
267SBI:2005/11/10(木) 17:07:10 ID:ueyc+UdH
逃げられない絶望感と、快感への期待に揺れるアリソンの顔が泣き笑いの表情を浮かべる。
「いくわよ…」
そう言ったフィオナがゆっくりと腰をおろし始めると、アリソンのモノはフィオナの秘裂の狭間に吸い込まれるように入っていく。
膣肉に食い締められるような感覚と伝わってくる熱さだけで、アリソンには気が狂いそうなほどの快感となってしまう。
「ふあああっ!!!あああああんっ!!!ひうううっ!!」
やがてフィオナはゆっくりと腰を動かし始める。アリソンのモノをくわえ込んだ秘裂は、上下するたびにぬめる粘膜で全体を擦り上げる。
必死に耐えようと歯を食いしばるアリソンだが、脳裏を満たす甘い奔流がわずかばかりの抵抗すら押し流してしまう。
「あっ!あああんっ!!らめぇ!!こん…なぁ…らめらよぉおおおっ!!!」
与えられる快感に意識も霞む。しかし、既にボロボロなアリソンを、第二の衝撃が襲う。
「や!?…ひあああっ!!!そんな…アソコまでぇえええっ!!!」
ベネディクトがアリソンの秘裂に、自分の怒張したモノを挿入し始めたのである。突き上げるたびに体の奥で飛び散る快感の火花が、さらにアリソンを追い詰める。
フィオナの腰使いは激しさを増し、ランダムな二つの動きはアリソンの体を翻弄して、種類の異なる二つの快感の間で、アリソンの心は引き裂かれていく。
「ひゃうううっ!!?…うああ…ムリ…こんな…これ以上はムリよぉ!!…ひあああああ!!!?」
もう逃げ出す気力など何処にも残されていなかった。フィオナにいきり立つモノを弄ばれ、ベネディクトに突き上げられ、心の中は次第に快感だけに支配されていく。
(ああっ…こんなの嫌なのに…どうして私は?)
拒絶しようのない快感の波が、理性を押し流していくのが感じられる。ギリギリまで張り詰めていた何かが、アリソンの中でブッツリと切れた。
「ああああああああっ!!!!!イクっ!!?イクぅううううううぅっ!!!!!!!!」
268SBI:2005/11/10(木) 17:07:41 ID:ueyc+UdH
叫びながらアリソンは絶頂へと達する。同時に自分の股間にそびえる男性のモノから、熱い欲望が放たれるのを感じた。
「ひあああああっ!!!出てるのっ!!?すご…こんな…止まんない!!!止まんないよおおおおおおおっ!!!!!!!」
ビュクビュクドクドクと際限なく白濁が放出される。体の奥にあるものまで吸い取られていくような感覚に、アリソンは白目を剥いて痙攣する。
「ああ…まだ出てるぅ…すご…おちんちん…すごいよぉ……」
どこまで吐き出しても終わらないその快楽の霧に紛れて、アリソンは再びその意識を闇に落としていった。

「くっ…うああ…や…もうやめ…」
暗い館の片隅の廊下で、アリソンの姿をした何者かに組み伏せられたヴィルは、望まぬ行為を強要されていた。
幾度も絶頂に達しているというのに、目の前で快楽を貪るソレは、一向に満足しようとする気配が感じられない。
「…う…ああ…アリソン…アリソン…」
涙目のヴィルは、今はここにいない恋人の名を何度も呼ぶ。自分がこんな目に遭わされているという事は、アリソンもどんな状況に陥っているかわからない。
なんとか逃げ出して、探しに行かなければ……。
「まだ前のアリソンのことを気にしているの?どんなに呼んでみたって、今は私がアリソンなのよ……」
「お前は…アリソンなんかじゃ…ない」
必死の思いで睨みつけても、ソレはただ微笑んでみせるだけだった。
「怖い顔しないで、ヴィル……。あなたは私がどれだけあなたを思っているか、知らないのね…」
そう言ってヴィルの唇に、今日何度目かのキスをすると、淫靡に微笑んだそいつはヴィルの頬を撫でて、嬉しそうに体をくねらせる。
「いいわ。教えてあげる。……そもそもはヴィル、あなたがいけないのよ……あなたがあんな風に私の前に現れたりしなければ……」
意味がわからずに僅かに眉根を寄せたヴィルの顔、精一杯に睨みつけてくるその表情を見下ろしながら、ソレはゆっくりと語り始めた。
ソレはいつのころからか打ち捨てられたこの館の、最後の持ち主の娘だった。
269SBI:2005/11/10(木) 17:08:17 ID:ueyc+UdH
忌まわしい事件で死に絶えた一族は、その存在そのものが周囲の住民の記憶から忘れ去られていった。
その事件で最後に命を落とした娘、その意識は点に召されることなく館に留まった。それから数百年近い月日を、娘はたった一人孤独に過ごすことになった。
「でも、とある春の日、あなたが私の目の前に現れた」
偶然に館に辿り着いた少年は、ここを気に入って折に触れては訪れてくるようになったのだ。
優しい少年の存在が娘の孤独を癒した。次に来るときを待ちわびるだけで、これまでのろのろとしか進まなかった時間は、矢の如くに過ぎていった。
「あなたがここに来たときは、いつも私が横にいたのよ。あなたが木陰で本を読むときも、地面に寝転がって、高い空を見上げているときも……」
少年がいるとき娘は幸せだったけれど、少年には自分が見えていないという事がもどかしかった。自分がここにいると伝えられないことが辛かった。
時折少年が嬉しそうに読んでいる手紙、その相手の少女、少年が心の底から大事にしているであろう人物が妬ましかった。
自分が望んでも得られないこの少年の愛情を、手紙の娘は一身に受けている。ほとんど憎悪に近い、黒い想念が娘の中を満たしていった。
そうこうしてる内に、月日はどんどん過ぎ去っていった。やがて嫌でも意識しなければならなくなった。少年が卒業して、この土地から巣立っていくときのことを……。
「生きてるときだって、こんなに焦った事はなかったわ。だけど、どんなに考えたところで方法はない、そう思っていたのだけれど……」
奇跡は突然に起きた。娘は自分が、今までにない力を振るうことが出来るようになっていると気が付いた。
忌まわしい館に澱のように滞っていたエネルギー、それが娘の煩悶に呼応して、一定の方向を与えられてのだ。
娘は強大な力を手に入れた。
「この力を使って、あなたを手に入れる。あなたの大好きなアリソンになって、あなたを私のものにする……」
恍惚とした表情を浮かべ、アリソンの姿の娘がつぶやく。この少年の、ヴィルの愛を受けるのは、自分だけであるべきなのだ。
ヴィルの大好きな幼馴染み、心から愛するアリソン、その位置は私にこそ相応しい。だから………。
「ヴィル、好きよ。大好きよ。心から愛してるわ」
うっとりとした娘の言葉は、しかし今のヴィルの耳には入っていなかった。
本当に目の前の娘が、アリソンと入れ替わろうとしているなら、本物のアリソンは今どうなっているのだ?
「アリソンを…どうしたんだ!!!」
270SBI:2005/11/10(木) 17:08:53 ID:ueyc+UdH
「こだわるわね……」
ヴィルに怒鳴られて、娘はアリソンそっくりの顔を不機嫌そうに歪ませる。
「今更見つけたところで、あの娘はもうマトモじゃなくなって……」
最後まで言い終える前に、娘は宙へと吹っ飛ばされていた。
「な…なにするのよ?」
起き上がったときには、ヴィルの姿は目の前から消えていた。アリソンを探しに駆け出したのだろう。
「まあ良いわ……見つけてせいぜい思い知れば良い。あの娘がどんなに汚らわしいのかを……」
吐き捨てるように呟かれた娘の言葉も、廊下を駆け抜けるヴィルには届いていない。全てを捨てて、ヴィルはアリソンのもとへと向かう。
「アリソン……無事でいて!!」

再びアリソンの意識が闇の中から浮かび上がる。またも周りの風景が変わっていた。豪華な内装の部屋、しかし何があったのかズタボロに荒らされている。
耳に届くのはガタンゴトンと一定のリズムで響いてくる音、これは列車が走るときの音だ。
アリソンはようやくここが何処であるかに気付く。ここは、この春に乗った大陸横断鉄道の中だ。
またしても見覚えのある景色の中に連れ出されたアリソン、その眼前には大きくなった男性のモノが突き出されている。
先程からアリソンは、それを一心不乱に舐め上げ、しゃぶりつき、口に含んで奉仕をしていた。こんなことはしたくない筈なのに、体が言うことを聞いてくれない。
(なんで…なんで私……こんなこと…してるの?)
体は完全にアリソンの意識から離れていた。嫌がる心とは裏腹に、奉仕を続ける舌先が休まる事は一度もない。
上目遣いに見上げる視界の中にあったのは、またも知っている人物の顔だった。男の名はイーエン、あの旅行でアリソン達に襲い掛かってきたてテロル氏のボディーガードだ。
ある意味では実直すぎるほどの男であったイーエン、しかしアリソンの口腔奉仕を受け続けるこの男の目は、やはりドロドロと濁った光を宿している。
こいつも、ニセモノだ……。
271SBI:2005/11/10(木) 17:09:24 ID:ueyc+UdH
「ふあ…んぅ……んむぅ…ぴちゃぴちゃ…くちゅ…あっ…んんっ」
太く長いサオに舌を丹念に這わせ、鈴口を舌先で刺激する。口をきゅっとしぼめて全体を締め上げながら、何度もストロークを繰り返す。
自らが行っているいやらしい行為、すればするほどに熱く疼き、快感に震える自分の体に、アリソンの意識はただ呆然とするばかりだった。
「ふああ…ん…すきぃ……おひんひん…すきなのぉ…」
(な…何を言ってるの、私?)
自分の口が心にもないことを、夢でも見るようなうっとりした口調でしゃべる。耐えがたい恥辱にアリソンの目に涙が浮かぶが、行為はまだ終わらない。
うっとりとした目つきで執拗に怒張にしゃぶりつく。この行為はまぎれもなく自分の体が、自分自身がやっていることなのだ。
「…ん…ふむぅ…んん…はぁはぁ……んくぅっ…んんぅっ!!!!?…」
絶え間なく続くアリソンの舌技に耐えかねて、ついにその先端から熱い白濁が放たれる。
(うあ…出てる……出てるよぉ…)
吐き出してしまいたいのに、次から次へと溢れ出るそれを、自分の体は次々と嚥下していく。喉越しの悪い粘液が、アリソンの食道を汚しぬく。
「ふああ……せーえき…いっぱい……ああん…すごいよぉ…」
意思とは間逆の、みだらな言葉が次々と溢れてくる。本当に自分はどうしてしまったんだろう?なんで私はこんなことを喜んでいるんだろう?
アソコからとめどもなく愛液が湧き出てくるのがわかる。体中が触られたい、苛められたいとひくついている。体の奥底が、熱く疼く。
「くくっ…淫乱め……」
吐き捨てるように言ったイーエンに突き飛ばされて、アリソンは床の上に仰向けに転がる。その姿にイーエンは嘲笑うかのような笑みを浮かべる。
「そんなにコレがほしいのか?お友達連中を皆殺しにした俺のモノが……」
(えっ!?)
奉仕をやめて十分に見渡せるようになった視界の中、いくつもの死体が転がっているのが見えた。そのどれもが、アリソンの大事な人たちだ。
頭を砕かれたベネディクト、首をへし折られたフィオナ、アリソンの父アイカシア大佐も腹に何発もの銃弾を喰らって事切れている。
272SBI:2005/11/10(木) 17:09:56 ID:ueyc+UdH
そして、イーエンの背中の向こう、あそこに転がっている少年は………。
(いやぁ…嘘!こんなの嘘よ!!)
「淫売め…そんなにしたいなら、俺がしてやろうじゃないか」
体は相変わらず言うことを聞かず、泣き叫ぶこともできない。顔の筋肉が引きつる。イーエンの言葉に、自分の顔が淫らな笑みを浮かべているのだとわかる。
アリソンの体の上に覆い被さったイーエンは、乱暴な手つきでアリソンへの愛撫を開始する。
「ああっ……あううっ!!…ひあ…ああんっ!!きもひ…いひのぉ!!!」
乳首をねじ切られそうなほどに捻られても、無理矢理に何本もの指をアソコに突っ込まれても、苦痛なはずの行為に甘い吐息を漏らしてしまう。
後ろの穴にまで指を入れられ、べとつく舌で体中をねぶられれば、歓喜のあまりに背中を仰け反らせて大声を上げる。
(こんなぁ…嫌なのに……嫌なのにぃ…)
大切な人たちが死に絶えた悪夢のような光景の中で、アリソンの体は快楽だけを求めて身をくねらせる。死者を踏みつけるような行為がアリソンの心を責め立てる。
「気持ちいいか、ええっ?気持ちいいんだろう?」
「はいぃ…きもひいい…ひああっ!!きもひいいのぉ…」
どんなに意識で否定しようとも、快楽の中でただ嬌声を上げるだけの体は、貪欲に快感を求め続ける。
(これが……本当の…私なの?)
秘裂に深く指を突っ込まれて、アリソンの体は小さく絶頂を迎える。イーエンは一旦アリソンから離れ、にやついた視線を投げかけてくる。
(こんな…みんなが死んだのに……こんなことして喜んでいるのが…私なの?)
途絶えてしまった行為に、自分がどんなに物欲しそうな表情をしているのかがわかる。欲しいのだ。あの男の股間にいきり立つモノが……。
「これが欲しいか?」
(嫌…そんなの……いらない…)
しかし、口から出てくるのは全く正反対の言葉だ。
273SBI:2005/11/10(木) 17:10:31 ID:ueyc+UdH
「ほしいよぉ…おひんひん…ほしいのぉ……アリソンのここに…いれてほしいのぉ」
搾り出すような哀願の言葉にイーエンは意地悪に微笑む。
「人に頼むときに、そんな言葉づかいはないだろう?」
体中が熱かった。自分がソレを欲しがっていることを否定するのは、もうムリなように感じられた。
アリソンの口がゆっくりと開かれる。
「くらさい…ありそんに……おひんひん…」
(ああ……私、本当にしてもらいたいんだな…)
「イーエンさんの…おっきいの…ありそんのここに…いれてほしいの…」
(最低だな、私……。最低の女だよ…)
「ぐちゅぐちゅに…かきまぜてほしいんれす…」
(もう、いいや……もう、どうでもいい。私なんて、どうでもいいんだ…)
「いっぱい…いっぱい…せーえき…いれてほしいの…」
(汚れてしまえばいい。こんな私なんて、犯されて、汚されて、消えてしまえばいい…)
「きもひよくしてほしいの……イかせてほしいの…」
(そうだ、コレを入れてもらえばいい。それが本当の私なんだから……)
「おねがい…しますぅ…いれてくださひ…」
(お願い、それを私に入れて!犯して!)
大きく息を吸い込む。もう、心と体は引き裂かれてはいなかった。深い深い心の闇の中で、アリソンは自分の望みを叫んだ。
「わたしを…おかしてくださいぃ…ソレを…いれてくださひぃいいいいいいいっ!!!!!!!!!」
大きく張り上げた声は、先程までとは違う悲痛な響きがこもっていた。ぼろぼろとこぼれる涙は歓喜故か、それとも全てを投げ出した絶望のためか……。
274SBI:2005/11/10(木) 17:11:16 ID:ueyc+UdH
満足げに微笑んだイーエンが再びアリソンに覆い被さり、挿入を開始する。
「ああああああああっ!!!!!はいってくるぅ!!?はいってくるのぉ!!!」
アリソンの秘裂を押し割り、イーエンのモノが奥へと入ってくる。待ち焦がれた感覚に、アリソンの体はガクガクと震える。
叩きつけるようにして腰が動かされ始める。前後する太く硬いモノに擦り上げられた入り口が、たちまち赤く充血しはじめる。
「あああっ!!!いいよぉ!!もっと突いてっ!!!かきまぜてぇ!!!」
長い金髪を振り乱しながら叫ぶアリソンの声、なんとか絶望を忘れてしまおうと口にする言葉が痛々しい。
子宮まで届くイーエンの動きが、頭を白く霞ませるほどの快感を与えると同時に、アリソンの中の大事なものもボロボロと崩れていく。
「くるっひゃうううううっ!!!!?きもちよすぎて…私ぃ!!!!ああああああんっ!!!!!」
本当に狂ってしまえばいい。こんな酷い自分の事を忘れられるなら、もうどうなってしまってもいい。
激しく突き入れられ、細い体を弓なりに反らせて、ただ喘ぐだけの存在にアリソンは変わっていく。
気持ち悪いはずのイーエンとのキスにも、積極的に応じる。口の端に唾液を垂らして、よがり声を上げて、アリソンは壊れていく。
「ああっ!!もう、ひんじゃううううっ!!!わたし…これ以上されたら…ふああああああああっ!!!!!」
叫び声が止まらない。もう何が本当の自分だったのかもわからない。
焼け付くような快感だけで満たされたアリソンの体を、イーエンがとどめとばかりに突き上げた。
「あああああっ!!!!?イクっ!!イクぅううっ!!!イっちゃううううううっ!!!!!ひああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
仰け反った背中が痙攣を起こしたように震え、押し寄せる快感の波に流されて、アリソンは絶頂に達した。
(ああ…ごめん、ヴィル……)
残された最後の理性の中でそう呟いてから、アリソンの意識は絶望の闇の中に、粉々に砕けて消えた。
275SBI:2005/11/10(木) 17:11:56 ID:ueyc+UdH
アリソンの姿の娘から逃れ、全速力で廊下を駆け抜けるヴィル、その行き先はアリソンが消えたあのドアの向こうの部屋だ。
アリソンの姿をしてみせたあの娘の能力、それはおそらく幻覚を見せる類のものだ。ならば、アリソンは消えたのではなく、幻によって見えなくなっただけではないのか?
「アリソンはきっと、今もあの部屋の中にいる……」
ヴィルの走る先に遠く、あのドアが見えた。しかし、ヴィルはスピードを緩めることなく、体当たりでドアを突き破った。
部屋の中は相変わらずの無人、しかしこれが幻であるとすれば、それを見せてるのは……。
「これだっ!!!!」
ヴィルは拳を思い切り振るって、壁にかけられている無数の鏡の一つを叩き割った。瞬間、空間が歪み、霧が晴れるように、部屋の本当の姿が現れた。
そこにヴィルが見たのは、あまりに悲惨な光景だった。
「アリソン……そんな…」
無数の腐肉のような触手に捕らわれ、犯され続けているアリソンの姿がそこにあった。快楽に蕩けきった顔で、白濁にまみれたその姿にヴィルは膝から崩れ落ちそうになる。
「ああんっ!!いいのぉ!!!もっとついてぇえええっ!!!!」
両手に握った異形のモノに交互にしゃぶりつき、前後の穴を貫かれながら腰を振るアリソンには、ヴィルの姿は見えていないようだった。
「ふふっ、だから言ったでしょ……」
いつの間に追いついたのか、この惨状を引き起こした張本人の声が、ヴィルの後ろから聞こえてきた。
「これがこの娘の本当の姿よ……。快楽だけを追い求めて喘ぐ、ただのメス豚よ……」
「違う……」
娘の言葉に答えたヴィル、振り返ったその顔はほとんど見せる事のない怒りの表情が浮かんでいた。
「こんなこと……アリソンは望んでいない…」
ヴィルには聞こえていた。わかっていた。快感に漏れ出るアリソンの声、その裏にある悲痛な響き、絶望に打ちひしがれた心の叫びを……。
ヴィルの剣幕に気圧されて何も言えずにいる娘を残して、ヴィルはアリソンの方に歩み寄る。
276SBI:2005/11/10(木) 17:12:30 ID:ueyc+UdH
「アリソン……」
自分が汚れるのも構わずに、その肩に両手を置いた。叫びだしたい気持ちを押さえ込んで、ヴィルはアリソンに語りかける。
「アリソン、しっかりして……」
そこでようやくヴィルの存在に気付いたのか、アリソンは虚ろな瞳でヴィルの顔を見つめた。
「あ……ヴィルだぁ……」
弱弱しい声、それでも精一杯ヴィルに微笑むアリソン。あまりに痛々しいその姿を見るほど、抱き締めてあげたいのにその気力が湧いてこない。
「アリソン…アリソン、僕は……」
なんと言ってあげればいいのだろう?どうすればアリソンを慰めてあげられるのだろう?力なく膝をついたヴィルに、アリソンはポツリポツリと語りかける。
「ヴィル……げんきだして………わたしは…だいじょぶよ…ほら……みんながこうやって…わたしをきもちよくしてくれるの……」
そう言ってアリソンは、触手の一つに頬ずりした。体中に巻きつきアリソンを拘束する触手、その粘液に汚れてアリソンの体はべとべとだ。
「…わたし…もうどうでもいいんだ……じぶんが…どんなにひどいこなのかわかったんだ……もうわたしのなか…からっぽなんだ…なにものこってないの…」
ヴィルの肩が細かく震える。耐えかねたように漏れ出た呻き声に、アリソンが心配そうにヴィルの肩を撫でる。
「でも…ほんと…だいじょぶなのよ……いまはもう…とってもきもちよくて…すごく気持ちよくて……だから……なにもなくなっちゃったけど…わたしはいいの…」
壊れきったアリソンの声、表情に、ヴィルの後ろでアリソンの姿の娘がほくそえむ。
アリソンを襲った仕打ちの酷さ、アリソンが追いやられた絶望の深さに、ヴィルは言葉もなくうつむくしかない。
(もう、駄目なのか…アリソンはこのまま……)
今の自分には、アリソンを救い出してあげることはできない。
どうしようもない現状に、ヴィルが全てを投げ出そうとしたその時、アリソンはもう一度、嬉しそうに語り始めた。
「それに…今は…ヴィルがいるもの……」
どこまでも続く責めに、ぼんやりとした表情を見せなかったアリソンの顔が、はじめて嬉しそうに微笑んだ。
「いろんなことがあってね……わたしのなかに…なんにもなくなっちゃったとおもったんだけど……でも、ひとつだけ…なくならなかったんだ……」
277SBI:2005/11/10(木) 17:13:19 ID:ueyc+UdH
ぽつりぽつりと語られるアリソンの言葉は、ただ優しかった。ヴィルは顔を上げて、もう一度アリソンの顔を覗き込む。
「…わたしのなか…ヴィルだけがのこってたんだ……ずっとずっと…すきだったヴィルのこと…ヴィルのことをかんがえるだけで…なんだかドキドキして……」
それはアリソンの心の奥底から語られた真実の言葉だった。ヴィルは自分の手足に、心に、力が戻ってくるのを感じた。
「だから…いまはしあわせなんだよ…ヴィルがいるもの……いてくれるだけでいいんだ……ヴィルがいてくれるだけで…わたしは……」
にっこりと微笑むアリソンの笑顔が眩しかった。ヴィルの目から涙が溢れ出る。
(ああ、いつだってアリソンはこうだったんだ……)
一緒に歩んできたこれまでの日々が蘇る。一人では出来ないことも、二人でならすることが出来た。
何かに向かって踏み出す力。アリソンはいつだってヴィルに、そんな勇気をくれた。今、この瞬間も……。
「アリソン、好きだよ……」
力いっぱいに、アリソンの体を抱き締める。巻きついていた触手はいとも簡単に断ち切られて、細かな粒子となって消えた。
「もう放さない!!アリソン……」
その一部始終を、アリソンの姿を借りた娘は呆然と見ているしかなかった。勝敗は誰の目にも明らかだ。しかし、だからといって諦めきれるものでもない。
「嘘でしょ!!そんないやらしい娘の方が良いって言うの?」
アリソンを抱き締めたままのヴィルがうなずく。明白な事実の前に、娘の言葉は空しく響くばかりだ。
「いやよっ!!ヴィルは私のもの!!私のものなのよっ!!!!!」
何度も首を横に振る娘に、アリソンを抱き締めたままのヴィルが語りかける。
「ごめんなさい……僕は、アリソンと一緒に生きてゆきたい。一緒にいてくれるだけでいいと言ってくれたアリソンと……」
娘は床に力なく突っ伏した。もうどうにもならない事はわかっていた。もう自分ではヴィルの心を手に入れる事はできない。
「本当にごめんなさい……ただ、最後に…あなたの本当の姿を見せてくれませんか?」
278SBI:2005/11/10(木) 17:14:41 ID:ueyc+UdH
「えっ?」
ヴィルの言葉に、娘は顔を上げる。
「自分の姿を隠して…アリソンの姿を借りて……それじゃあ、仮に僕の心を手に入れたって、きっと辛いだけです。だから……」
ヴィルの言葉に、娘は泣き笑いの顔でうなずいた。娘の周りで光の粒子が渦巻く。それが晴れたとき、中にいた娘の姿はもうアリソンのものではなかった。
肩までの黒髪が美しい、ヴィルやアリソンと同じぐらいの年恰好の少女。恥ずかしそうに微笑んだ頬が赤く染まる。
「きれい……ですよ」
「……ありがとう……そして……本当に、ごめんなさい……」
娘はずっと、会ったこともないアリソンの影に怯えていた。愛しのヴィルの心に常にいるその少女に、自分では勝てる気がしなかった。
その恐れが、ここまでの事態を引き起こしてしまった。
それでも自分の姿が、この少年の心の隅にでも残るというのなら……。
「ヴィ…ヴィル?ちょっと…痛いよ…」
その時、ヴィルの腕の中でぎゅうぎゅうと力任せに抱き締められていたアリソンが、苦しそうにうめいた。
「アリソン、気が付いたの!?」
「う、うん……まあ、なんとか…ね……」
アリソンが笑顔で答えると、嬉しさ余ったヴィルの腕にさらにぎゅううううっと力が込められる。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!…嬉しいけど、やっぱり痛い〜」
「あっ…ご、ごめん!!」
館の娘は微笑ましいその光景を眩しそうに見つめる。そして、覚悟を決めてアリソンに語りかけた。
「あの……ごめんなさい、アリソンさん。私のせいで、本当に……」
自分がアリソンに行った仕打ちは、謝って済まされるようなものではない。それでも、ここで逃げ出すわけにはいかない。ケジメをつけなければいけない。
279SBI:2005/11/10(木) 17:15:17 ID:ueyc+UdH
しかし、アリソンの答えはさっぱりとしたものだった。
「いいわよ。気にしなくたって、私は全然平気だもの……」
「でも……」
ぼろぼろな姿も、赤く泣きはらした目も、流した涙の後も、とても平気なようには見えなかった。
「もう済んだことじゃない。あなただって、ずっと辛かったんでしょ…」
ふらつきながらも、ヴィルに支えられてアリソンは立ち上がる。
「それでも気になるのなら……えいっ!!」
アリソンのデコピンが、娘の額に命中した。ただし、手加減無しの本気のやつだ。娘は思わず悲鳴を上げる。
「いたぁいっ!!」
「これで痛み分け………でしょ?」
完全にむこうのペースに巻き込まれてしまっている。これじゃあ敵わないわけだ。この二人の間には割って入るのは、きっと自分には荷が重すぎた。
娘はやれやれと苦笑を漏らした。

と、その時、アリソンが突然ヴィルに寄りかかり、先程ヴィルにされたのと同じぐらい強くヴィルの体を抱き締めた。
「えっ!?アリソン、何?何なの?」
「いや、そのちょっと恥ずかしいんだけれど……」
驚いたヴィルに、アリソンはモジモジしながら答える。
「実は……さんざん悪い夢の中で苛められた感じがまだ体に残ってて……さっきヴィルに思いっきり抱き締められたら……おさまりがつかなくなってきて……」
「ええっ!?ちょ…ちょっと待ってよ…今、ここで?」
反論する暇もなく、ヴィルはアリソンの手で床に引き倒される。その様子を見ていた館の娘は嬉しそうに笑って部屋の外へと出て行く。
280SBI:2005/11/10(木) 17:15:55 ID:ueyc+UdH
「お邪魔みたいだから、私はどこかに行っておくわね…」
「そんな…あなたまで!?」
軽やかな足取りで、ドアの外の廊下に消えていった娘に、ヴィルは虚しく手を伸ばす。バタンとドアが閉まって、部屋の中には二人だけが残された。
「アリソン、本気なの?」
「本気も本気、超本気よ!!!」
何だか知らないが得意げに胸まで張ってみせるアリソンに、ヴィルはこれ以上反論の言葉を思いつかなかった。
「私はヴィルとしたいの………私がエッチなことを一緒にしたいのはヴィルだけなの!!」
アリソンの目の端に涙が浮かぶのが見えた。ヴィルは、アリソンが味わったであろう耐えがたい仕打ちを思いやる。
必死に元気に振る舞っていても、やっぱり平気なわけがない。それでもずっとアリソンは、ギリギリの所で耐え忍んできたのだ。
抱き締めてあげたかった。一つになりたかった。
熱い思いが、愛しさが、胸の内にとめどもなくこみあげて、ヴィルは思わずアリソンにキスしていた。
「ん…んんっ…ヴィルぅ…」
強く肩を抱き寄せ、舌を絡ませあう。そのまま体勢を逆転させて、今度はヴィルの方がアリソンの上になった。
「僕もアリソンと……したい」
アリソンが笑って、ヴィルの顔が赤くなる。ヴィルは壊れ物でも扱うかのように、恐る恐る、そっとアリソンの胸に手を触れた。
温かく柔らかいその肌の上を、いたわるようにヴィルの指先が撫でる。
悪夢の中の行為のような激しさのかわりに、どこまでもアリソンのことを思いやるヴィルの優しさが伝わってくるようだ。
「ああっ!!ふあああっ!!ヴィルっ!ヴィルぅ!!!」
アリソンの体は前に一度だけした時よりも、敏感さを増しているようだった。ヴィルは的確にアリソンが感じるポイントを刺激し、快感を与える。
「アリソン、好きだよ……」
281SBI:2005/11/10(木) 17:16:32 ID:ueyc+UdH
乳首を甘噛みし、鎖骨から首筋へと舐めあげる。柔らかいお尻からしなやかな背筋に指を這わせると、華奢な体がブルブルと快感に震える。
白い肌も、きらめく金髪も、どこまでも澄み渡った青い瞳も、アリソンの全てが素晴らしく美しいと思った。
「ここも、きれいだよ……」
「や、そんな…はうぅ…言わないでぇ…」
既に濡れ始めていた大事な部分にも舌を這わせる。舌先を奥のほうに突っ込むと駆け抜ける甘い電撃にアリソンは声を上げる。
ヴィルに触れられたところ全てがどんどん気持ちよくなって、抑えようもなく声が大きくなっていく。
「うああ…ひうぅ……ヴィル…私もう我慢…できない……」
「あ…はぁはぁ…アリソン…僕も…」
潤んだ目で見詰め合った二人は、もう一度口づけを交わす。重ねあった手の平を、強く握り合った。大きくなったヴィルのモノが、アリソンの大事なところにあてがわれる。
「いくよ、アリソン……」
「うん……」
二人うなずきあってから、ヴィルは挿入を開始する。自分のモノがアリソンに包まれている感覚、アリソンの中に進入していく感覚にヴィルは震える。
ゆっくりと優しく動き始めると、二人の間に同時に駆け抜ける快感が、今自分たちは一つになっているのだと実感させてくれる。
「はうぅっ!!ああんっ!!…ひあああっ!!!ああっ!ヴィルぅ、気持ちいいよぉ!!!」
「くぅ!!アリソンのなか、あついよ…!!」
抱き締めあう腕に自然と力がこもっていく。密着させた肌から伝わるお互いの体温が愛しい。
ペースを上げながらも、ヴィルはアリソンの体中を愛撫し続けることを忘れない。アリソンの全てを味わいたかった。
「ひあああああっ!!…ちくびばっかり…いじったらぁ…やぁっ!!」
どうやら特に敏感であるらしいアリソンのちくびを、左右同時に指先でこね回す。甘く霞むアリソンの吐息がヴィルの興奮をさらに高める。
282SBI:2005/11/10(木) 17:17:08 ID:ueyc+UdH
「ああっ!!や…も…ふあああああっ!!!!…ああんっ!!!!…ひあ…あっ!ああんっ!!」
どんどんと荒くなっていくアリソンの呼吸、ヴィルも自分が限界に近づいているのを感じていた。
鼓動が高まって二人の動きが激しくなっていく。最後に登りつめる高みに向かって、二人はこれまで以上に激しくお互いを求め合った。そして……
「アリソンっ!!アリソンッッ!!!!」
「ふあああああっ!!!!イっちゃうぅ!!ヴィルっ!!!?ヴィルううううっ!!!!?」
アリソンが弓なりに反らせた背中を絶頂に震わせ、ヴィルはアリソンの中へと自分の熱を放つ。
同時に達した二人は強く抱き締めあったまま、深い眠りへと落ちていった。

人気のない未舗装の道の上を一台のサイドカーが滑るように走っていく。乗っているのは勿論、アリソンとヴィルの二人だ。
あの後目を覚ました二人は、館の玄関で二人仲良く抱き合って寝転がっていた。
二人の衣服には館での出来事の痕跡はなく、お互いの記憶しかそれが起こったという証拠は残されていなかった。
外の地面もぬかるんだ様子はなく、そもそもあの雨自体が、館の娘の見せた幻であったらしい。
帰り道、ヴィルの口数は少なかった。何がどうあろうと、今日の事件の発端は全て自分にあるのだ。
自分があの館を見つけ、アリソンを連れて来て、結局あんな目に遭わせてしまった……。
「あのさ、ヴィル。私は今日のこと、ヴィルのせいだなんておもってないからね」
元気のないヴィルを見かねて、アリソンが口を開いた。
「……って言っても、やっぱり気にしちゃうわよね。責任感強いもんね、ヴィルは……」
283SBI:2005/11/10(木) 17:17:35 ID:ueyc+UdH
アリソンはやれやれとばかりに首を振ってから、こう続けた。
「ただ、忘れないでね。私がここで平気そうな顔してられるのも、ヴィルが一緒にいてくれるからなのよ」
「アリソン……」
「言ったわよね。一緒にいてくれるだけで、幸せだって………」
その言葉に、ヴィルはようやく俯いていた顔を上げて言葉を返す。
「ありがとう、アリソン。僕も……同じだよ」
得意げな顔で微笑むアリソンに、ヴィルの顔からも笑顔がこぼれた。
一直線の道の先には、すっかり傾いた太陽が沈もうとしている。本当に長い一日だった。
「そういえばね、目が覚める前、夢の中であの娘が私にだけ教えてくれた事があるの……」
「何?」
やたら嬉しそうに言ったアリソンの言葉に、ヴィルも気になって尋ね返す。
「あの娘が見せてくる幻って、相手の頭の中を読み取って作ってたらしいんだけど……」
アリソンはそこで一旦言葉を切ってから、悪戯っぽく笑ってこう続けた。
「ヴィルの頭の中覗いたら、私のことで一杯だったってさ……」
アリソンの方を向いたまま、ヴィルの顔が固まった。耳まで真っ赤になって、言葉が一言も出せなくなる。
「ほらほら、前見て運転しなきゃ危ないわよ。安全運転、安全運転」
「あっ!?う、うん!!」
ギクシャクした動きで再び前を向いたヴィルを横目で見ながら、アリソンは二人一緒にいられる喜びを噛み締めた。
284SBI:2005/11/10(木) 17:20:18 ID:ueyc+UdH
こんな感じでした。
誰がなんと言おうと、個人的には満足してるけど、それでもやっぱり、アリソンで陵辱の需要はなかったか?
今回はやたら長くなったので、今度は短くてバカっぽいのが書きたいです。
それでは、また……。
285名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 18:15:41 ID:iMYimvub
ああもうGJ
286名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 21:03:22 ID:ChXpYqs7
>252
お願いします
287252:2005/11/10(木) 21:41:54 ID:WnI6pSCT
>>SBI氏
GJGJ!

>>286
お願いされてみます。暇だし。
今夜中にこのスレッドの分はまとめます。
過去の作品は過去のスレッドから順にまとめられればまとめて行きますが
残っていないスレッドには対処しにくいと思います。

いままでの保管庫からの拝借はよろしいのでしょうか……。
288名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 22:52:56 ID:wvQWwKnn
にくちゃんねるにあるんじゃない?

あとSBI氏GJ!!
289252:2005/11/11(金) 00:04:23 ID:BxuLTSPG
はい、第三保管庫です。

 http://kujira.s8.x-beat.com/kino/

まだ完全にはできてないですけど、徐々に調べつくしていくつもりです。
きょうはここまで、で。
290名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 00:07:40 ID:X6U3Bqvk
華麗に乙!!
291252:2005/11/11(金) 00:17:54 ID:BxuLTSPG
忘れていた
>>288
にくに1、2、3、4がありました。どもです。

>>290
ども!
292SBI:2005/11/11(金) 15:38:15 ID:tUcC2fOT
ID:BxuLTSPG 乙です
昨日の投下したヤツのおまけ話を書いてたのを忘れてました。
それでは…。

実はヴィルとアリソンは全てが終わってから館の玄関で目を覚ますまでに、一度あの娘に起こされていた。
そうして何が行われていたかというと……

『くっ…うああ…や…もうやめ…』
壁に掛けられた大きな鏡に、涙目のヴィルの顔が大きく映っていた。娘の化けた偽アリソンに行為を強要されたときの映像である。
その前に体育座りで並んで、顔を赤らめながら見入っているのはアリソンと館の娘だ。
「どう?どう?アリソンさん!!」
「う、うん……これはなかなか……」
当のヴィルは二人のあまりの仕打ちに堪えかねて、部屋の隅っこに一人でうずくまっている。
「私、ヴィルとしたのは今日でまだ2回目だけど……2回ともどっちかっていうとヴィルがリードしてくれたから…こんな風なヴィルを見るの初めてで……」
「そうでしょうとも!そうでしょうとも!」
「うあ…なんだかドキドキしてきた……」
「そうでしょうとも!そうでしょうとも!」
すっかり盛り上がっている二人の話をなるだけ聞かないように、ヴィルは両手でしっかりと耳を塞いで、災難が過ぎ去るのを待つ。
しかし……
「な、な、なんだか俄然、燃えてきたわ」
「うん!うん!うん!うん!!!」
立ち上がった二人は無情にもヴィルのもとへと近づいてくる。肩をポンと叩かれて、ヴィルは恐る恐る後ろを振り向いた。
ロウソクやらムチやら荒縄やら、その他わけのわからない道具をどっさり持った二人が、そこに立っていた。
「「さあヴィル、第二ラウンドといきましょ!!」」
可愛くポーズをつけて微笑んだ二人の顔に、ヴィルは引きつった笑顔を返したのだった……。

こんな感じでした。ほんとに適当です。
それでは、また……。
293名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 00:03:30 ID:1S6AAJxg
保守
294SBI:2005/11/16(水) 19:06:14 ID:Cx3OwVLK
また懲りずに書いてきました。
今度もアリソンさんの話です。
それでは……。
295SBI:2005/11/16(水) 19:07:21 ID:Cx3OwVLK
窓の外にはどこまでも青く高く晴れ渡った空が見えた。冬が近づく中、ここロクシアヌーク連邦の首都でも、日に日に寒さは厳しくなっている。
しかし、今日だけは暖かな日差しが心地よい好天気だ。ぽっかりと浮かんだ中休みのような、秋の午後である。
そんな爽やかな外の景色に背を向けて、一人の男が誰もいない部屋の中を物色している。
男の名はアイカシア・クロス大佐、スー・ベー・イル情報部に所属する軍人である。
「ほんとに私は何をやってるんでしょうね……」
つぶやいたその口には、百戦錬磨の彼らしくもない自虐的な笑みが浮かんでいる。
それもそのはずである。今、彼が行っているのは任務でもなんでもない。愛娘アリソンとその幼馴染ヴィルが暮らす部屋を、勝手に家捜ししているのだ。
「ああ、本当にこんなはずじゃなかったのに……」
娘に会いたい一心で様々な無茶を押し通し、アイカシア大佐は娘のいる首都での任務にありついた。
しかし、期待に胸膨らませアパートにやって来た彼はとんだ肩透かしを食らうことになった。アリソンもヴィルも、留守だったのである。
そこですごすごと帰ればよかったものを、何を考えたかアイカシア大佐は情報部仕込みのテクニックで部屋に侵入してしまった。
二人がどんな暮らしをしているのか、それがわかるものを見たかった。真っ向から尋ねても答えてくれないような二人の秘密に近づく手がかりが欲しかった。
そのために彼が思いついたのは、ヴィルが欠かさず付けているという日記を覗き見することだった。
「あった………」
それは引き出しの奥に、いかにもヴィルらしく過去の日記帳と一緒にきちんと並べて置かれていた。アイカシアはそれをそっと手に取る。
日記をもった指が震える。自分がしようとしている事が、どれだけろくでもないかを改めて実感する。
しかし、アイカシア大佐は自らの欲望に打ち勝つことは出来なかった。ゴクリと唾を飲み込みながら、その表紙に手をかけた。
そのとき、玄関のドアがガチャリと開く音がした。楽しそうに談笑しながら、誰かがこっちにやってくる。
人数は二人、両方とも男で片方の声には聴き覚えがある。ヴィルの声だ……。
退路を確保することをすっかり忘れていた。逃げ場がない。うろたえるアイカシア大佐は日記を持ったまま、近くにあったクローゼットの中に逃げ込んだ。
296SBI:2005/11/16(水) 19:08:25 ID:Cx3OwVLK
台所でお茶の用意をしながら、ヴィルは上機嫌に鼻歌など歌っていた。卒業以来会っていなかった上級学校での友人が、わざわざ首都までヴィルを訪ねて来てくれたのだ。
お盆にティーカップを載せ、友人のところに向かう。
友人はヴィルが着たのにも気がつかずに、何か本のようなものを一心に読みふけっている。その顔はにやけた笑いをこらえるので精一杯といった様子だ。
「…何を読んでるの?」
怪訝な顔をしてヴィルが尋ねると、友人はいかにも意味ありげな笑顔を向けながら、こう言った。
「はははは、やるなぁお前……。まさかここまで進んでるなんて…」
「だから何?どうしてそんなにニヤニヤして……………………って、それは!?」
よく見ると、友人が読んでいるのはヴィルの日記帳と同じ装丁ではないか。よく見ると、ヴィルの机の引き出しが開け放たれている。
「あっ!ちょっと、返してよ!!」
「いやいや、こんな面白いもの、そう簡単に返すわけにはいかない」
ヴィルの言葉にも耳を貸さず、友人はページをめくり、夢中になって読み続ける。
「面白い……って、そんなに変なこと書いた覚えはないんだけど……」
呆れ顔でつぶやいたヴィルに、友人は妙に神妙な面持ちで振り返った。
「これだけのことを書いておいて、まだしらばっくれるつもりか…」
「な!?」
睨み付けるような視線に、ヴィルは思わず後ずさる。友人は再びその顔にニヤニヤ笑いを浮かべ、片手に持った日記帳をヒラヒラさせながらこう言った。
「そっちがそのつもりなら………よし、この場でコイツを朗読してやろうじゃないか」
297SBI:2005/11/16(水) 19:09:27 ID:Cx3OwVLK
第○の月 ××日 晴れ
外は何をするにも気分の良い素晴らしい晴天だったけど、今日は一日アリソンと一緒に過ごした。ベッドの中で……。
こんなに長い間、肌を触れ合わすのは始めてだ。今日はもう絶対に外になんか逃がさないという一心で、アリソンと何度も何度も交わった。
何度抱きしめて何度射精しても、アリソンは可愛くて、アリソンの中は気持ちよくて、僕は飽きるということを知らなかった。
疲れ果ててアリソンが眠ってしまった後も、僕はその体を放さず、何度もキスをしてあげた。素晴らしい一日だった。

第○の月 ×△日 晴れ
朝食の準備をしていたアリソンに後ろから抱きつき、そのまま押し倒した。
最初はいろいろ理由を付けて僕を思いとどまらせようとしたアリソンだったけど、一度キスをしてあげると、すっかり乗り気になったようだ。
いつも通りではつまらないからと、思いつきでアリソンに裸エプロンをさせてみたが、これが予想以上に可愛らしくて、しかもエッチだった。
台所でのエッチはお互い燃えに燃えてしまって、気がつくと正午近くになっていた。いっぱいイキ過ぎてくたくたのアリソンの代わりに僕が昼食をつくってあげた。
またこんな風にしてみたいものだ。

第○の月 □×日 雨
この間の台所でのエッチ以来、前よりずっとエッチになったアリソンのために、僕はプレゼントをしてあげた。
可愛らしい包み紙とリボンで包装された箱の中身は、最新型のバイブレーターだ。
最初は少しアリソンには大きすぎるのではないかと思ったけど、アリソンのエッチなアソコはそれをすっかり飲み込んでしまった。
さんざん長い間、バイブレーターでアリソンのアソコを苛めた。アリソンの体温で湯気を立てるバイブを引き抜くと、いやらしい液がとろりと溢れ出した。
長時間責められ続けたアリソンの体はすっかり敏感になっていた。僕に抱かれたアリソンは数え切れないぐらいの絶頂を味わって、最後には僕に寄りかかって気を失ってしまった。
298SBI:2005/11/16(水) 19:10:07 ID:Cx3OwVLK
第○の月 □△日 晴れ
今日は少し大胆な計画を実行してみることにした。今日一日中、アリソンのアソコに例のバイブを入れておいてもらうことにしたのだ。
最近のエッチ漬けですっかり素直になっていたアリソンは恥ずかしがりながらも、バイブを挿入して、軍服を着込んで出勤していった。
赤らめた頬、バイブの振動に耐えながらもじもじと歩くその足取りが、とてつもなく可愛かった。
夕方、僕が帰宅するとアリソンは既に家に戻っていた。
いつもと違うアリソンの様子を、アリソンの同僚たちは風邪か何かと考えたらしく、今日は仕事の量も少なかったこともあって、早く帰ることが出来たのだそうだ。
アリソンと過ごす時を心待ちにしていた僕にも、それは都合のいいことだった。
早速アリソンの服を脱がせにかかる。一日中バイブを入れられていたアリソンのアソコはびしょびしょで、濡れたショーツは薄っすらと透けて見える。
「ヴィ…ヴィルぅ……はやく…これ…とってぇ……」
涙目のアリソンのお願いを僕はわざと無視して、アリソンの切なげな吐息を楽しむ。体中のそこかしこをじらすように撫でて、アリソンを段々と追い詰めていく。
そしてようやく、アリソンの股間のバイブレーターに手を掛けた。やっと抜いてもらえるとアリソンは安堵のため息をもらした。
しかし僕は、アリソンのアソコのぬめりで次第にずり落ちてきていたそれを、一気に奥まで突き入れなおした。
「やっ!!あっ!?あっああああああああああああああっ!!!!!!」
アリソンは大きな声を上げ、その一撃だけで絶頂に達して気を失ってしまった。本番まで及ぶことは出来なかったけど、どの可愛いイキ顔に僕は十分満足した。
と、ここで僕はある素晴らしいアイデアを思いついた。幸いアリソンは明日から三日間のお休みだ。実行しない手はないだろう。
299SBI:2005/11/16(水) 19:10:48 ID:Cx3OwVLK
第○の月 △×日 曇り
今、僕はこの日記をベッドに横たわるアリソンの姿を見ながら書いている。
ベッドの上でアリソンは両手両足を荒縄でベッドの四隅の支柱にくくりつけられ、身動きの取れない状態となっている。
その股間では例のバイブレーターが、音を立ててアリソンのアソコを蹂躙している真っ最中だ。
気絶したアリソンをベッドに拘束したのが昨日の午後七時のことだったから、かれこれ24時間以上もアリソンはこんな状態でいるのだ。
僕も昨日から一睡もしていない。目の前で快感に震え続けるアリソンが愛しすぎて、時間の経つのを忘れて見入っている。
アリソンの口からは断続的にあえぎ声が漏れ続ける。もちろん、猿ぐつわなんて噛ませていない。僕はアリソンに暴力を振るいたいわけじゃないのだ。
最初は泣き出しそうな声で「なんでこんなこと…するの?……ヴィル…もうゆるして…ゆるしてよぉ……」なんて繰り返し呟きながら、なんとか逃げ出そうともがいていた。
だけど少し強引にキスしてしまうと、諦めたような視線を僕に投げかけて、それっきり抵抗することをやめてしまった。
涙で潤んだ瞳を覗き込む。いつもより弱弱しく伏せられた目を見ていると、やっぱりアリソンは可愛くて、きれいだとしみじみ思う。
本当はすぐにでも一つになってしまいたかったけど、とびきりエッチなアリソンの姿をもうしばらく楽しんでいたかった。
今夜もこのままアリソンと一緒に過ごすことにしよう。
300SBI:2005/11/16(水) 19:11:31 ID:Cx3OwVLK
第○の月 ○×日 雨
丸二日のバイブ責めのおかげでアリソンはもう限界のようだった。体中を細かにふるわせながら、アリソンが縋りつくような視線を投げかけてくる。
「ヴィル……おね…がい……」
諦めと不安と期待とが混ざり合った哀願の言葉が、僕を信じられないほど欲情させる。僕はアリソンのアソコから、ゆっくりとバイブを抜き取った。
じゅくじゅくに溶かされきったアリソンの大事なところが露になった。冷たい外気に触れたそこはひくひくと物欲しげに震えた。
僕はアリソンの上に覆い被さり、我慢し通しで爆発寸前の僕のモノを、アリソンのアソコにあてがう。怯えたように瞼を閉じたアリソンの耳元で囁く。
「愛してるよ。アリソン……」
そして間を置かずに、一気にアリソンの中へと突き入れた。バイブで広げられ続けた筈なのに、アリソンのアソコは僕のモノをぎゅっと締め付けて放さなかった。
アリソンはまるで体中全部が性感帯になったみたいに敏感になっていた。肌の上を余すことなく指を這わせ、アリソンを狂わんばかりに責め立てた。
「うああ…やあっ!!…きもちいいっ!!!きもちいいよぉっ!!!!」
泣きじゃくりながら僕の責めに震えるアリソン。なんて愛しいんだ。愛するものの全てが腕の中にある喜びで僕の心は一杯になる。
突き入れて、突き入れて、突き入れて、突き入れて、アリソンがもう自分自身すらわからなくなるまで突き入れて、僕はアリソンの全てを味わった。
「あああっ!!!ひあああああああっ!!!も…ダメぇ!!だめぇえええええっ!!!!」
大声を上げて絶頂に達したアリソン、それでも僕は満足せずに絶頂後の敏感な体を責めつづけ、結局アリソンが気を失うまで休むことはなかった。

第○の月 ○□日 雨
僅かな睡眠を挟んで、今日も一日中アリソンと交わっていた。
今ではもうアリソンの方から僕の体を求めてくるようになったので、アリソンの両手足を縛り付けていた縄はほどいてしまった。
アリソンは今、仰向けにベッドに寝転んで日記をつけている僕の上で、一心不乱に腰を振り続けている。
ああ、僕は幸せだ。この時がいつまでも続けばいいのに………。
日記を書く時間も惜しい。これからしばらくは、アリソンと一緒の時間に専念することにしよう。
301SBI:2005/11/16(水) 19:12:31 ID:Cx3OwVLK
「………………………うあ」
日記を読み終えた友人は小さくうめいた。まさかここまでの事になろうとは……。
ヴィルとアリソンの性生活への興味から最初ははしゃぎながら読んでいた声も、日記が先に進んで壮絶な展開を見せるうちに小さくなっていった。
「ヴィル…………お前!?」
「してないしてないしてないしてないしてないしてないしてないしてない!!!!そんなこと全然、全くしてないよ!!!」
ヴィルは首をブンブンと横に振って必死で否定する。全く身に覚えのない話だった。自分がアリソンにそんな酷い事をする筈がない。
「大体、そんなの書いた覚えがないよ。どこで見つけたの、その日記………」
「いや、あそこの机なんだけど……」
友人が指差した先にあった机の引き出しが少しだけ開いている。
「あれは………」
ヴィルは言葉をなくした。ヴィルの机に寄り添うように並んだその机、あれはアリソンが書き物なんかをするときに使っている机だ。
「あの机の陰に隠すように置いてあったんだよ。で、つい野次馬根性が働いて……」
ヴィルは友人の手から日記を取って、その筆跡を確認する。間違いない、これは……。
「おい、ヴィルまさか……」
「……うん」
その時、玄関のドアが勢いよく開けられ、元気な女の子の声が飛び込んできた。
「ヴィル、ただいまーっ!!!」
二人は日記帳を隠そうとしたが、いささか慌てすぎた。足を滑らせた友人に巻き込まれて、ヴィルの手の中から日記帳が弾き飛ばされた。
くるくると舞い飛ぶ日記帳に向かって伸ばされた二人の腕がむなしく空を切る。絶望に見開かれた二人の目の前で、日記帳は部屋に入ってきた少女の胸にぶつかった。
「痛っ!なにこれ?……………………って、えええええええええええっ!!!!!!!!」
302SBI:2005/11/16(水) 19:13:19 ID:Cx3OwVLK
アリソンの悲痛な叫びが部屋中にこだました。
なんでこれがここにあるの?アリソンは肩をわなわなと震わせ、それが間違いではないかと何度も確かめた。しかし、アリソンの手にしている日記は間違いなく彼女のものだった。
日記帳はアリソンのえっちな妄想ノートだった。このノートの最大の特徴は、ヴィルのつけている日記の体裁をとっていることである。
ヴィルの視点で描写することで、妄想をよりリアリティのあるものにするのだ。まあ最近は内容が過激さに走ってインフレ気味だなとアリソンも思っていたのだけど……。
「見たのね?ヴィル………」
恥ずかしさで死んでしまいそうな気分の中、アリソンがうめく様な声で尋ねた。
「ご、ごめん、アリソン……」
もうダメだ。あんな恥ずかしいにも程があるものを見られるなんて……。もうお日様の下を歩けない。ほとんど泣き叫ぶように、アリソンは叫ぶ。
「ヴィルのバカっ!!!!!!人の日記を勝手に覗いて笑いものにして………最低よぉ!!!!!!!」
もうヤケクソだ。心配して駆け寄ったヴィルを振り払い、アリソンはヴィルの机に向かって駆け出す。
「こうなったら、ヴィルの日記も覗いてやるんだからぁああああああっ!!!!!!」
「ええええっ!!!!!?」
ヴィルがうろたえる。別に人に見せられないようなものを書いた覚えもないけれど、自分の心の内を覗かれるような事が平気であるわけもない。
ヴィルがアリソンに追いすがろうとしたその時、凄まじい叫び声と共に部屋のクローゼットの扉が吹っ飛んだ。
「うおおおああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「………っ!?アイカシア大佐?」
その中から踊り出てきた人物の姿にヴィルの頭はますます混乱する。なんでこの人がこんな所にいるんだ?
「ヴィル君っ!!!君はっ!!……よくも娘にっ!!!私の娘にぃいいいいいっ!!!!」
恥も外聞も捨てて大声で叫ぶアイカシア大佐、彼は今混乱の極みに立たされていた。
ヴィルの友人が読む日記の内容をクローゼットの中で聞いていたアイカシア大佐、彼は日記に描かれた恐るべき光景に怒りを燃やしていた。
303SBI:2005/11/16(水) 19:14:41 ID:Cx3OwVLK
さて、このクソガキをどうしてやろうかと思ったその時、それがアリソンが書いた妄想だとわかって、アイカシア大佐の頭はオーバーヒートした。
衝撃の事実と、事態の急激な変化に頭がついていけなかったのだ。錯乱したアイカシア大佐は持っていたヴィルの日記を高く掲げて叫ぶ。
「アリソンっ!!ヴィル君の日記はここにある!!!この私が、パパが持ってるぞぉおおおおおおっ!!!!!」
アイカシア大佐の発言に、ヴィルのパニックもピークに達する。
今、アイカシア大佐が叫んでいること、アイカシア大佐とアリソンが親子である事は秘密中の秘密なのだ。何も知らぬ友人の前で言っていいことではない。
「一体どうしたらいいんだ!!?」
さすがのヴィルの冷静な頭脳も、滅茶苦茶な展開の中で、すっかり役に立たなくなってしまった。大騒ぎする親娘の後ろで、ヴィルはただオロオロするばかりだ。
「でかしたわっ!!パパっ!!!」
アイカシア大佐のもとにアリソンが駆け寄り、ついでにまたも野次馬根性を発揮した友人も加わって、3人の前でヴィルの日記が開かれた。
そこに書かれていたのは………。

『アリソンの唇が僕の唇から離れても、しばらく僕は事態を理解することができなかった。
ただ、目の前でキラキラと揺れるアリソンの髪があまりにきれいで………。
ずっと昔から好きだった女の子が、ずっと昔から変わらない眼差しで、一心に僕をみつめていた。
この気持ちをどう表せばいいのだろう?どう書けばいいのだろう?まだ、頭の中の整理がまったくついていない。
今はただ、うれしい。アリソンが僕と同じ気持ちでいてくれることが嬉しい』
それは、ヴィルがアリソンからの告白を受けた、まさにその日に書かれた日記だった。
そこには、ヴィルが胸の奥に抱えていた思いが、もっとも素直なかたちで書き綴られていた。
思いのまま、とりとめもなく続く文章は最終的にこんな言葉に要約された。
『僕はアリソンのことを心から愛している』
304SBI:2005/11/16(水) 19:15:27 ID:Cx3OwVLK
日記を囲んだまま、アリソン、アイカシア大佐、ヴィルの友人の三人は固まった。
この日記に書かれているヴィルの素朴で純粋な気持ちに比べて、さっきまでの自分たち行動はなんだ!?
無断で人の家を家捜ししたり、他人の部屋に落ちていた他人の日記を興味本位で覗き見たり、膨大な量のエロ妄想の記録とそれがバレた時の周章狼狽ぶり………。
「私は……」「俺は……」「私って……」
こんな自分たちではお天道様に顔向けできない。いや、それ以前にヴィルに顔向けできない。
三人がそーっと振り返ると、いくらか落ち着きを取り戻したヴィルが、心配そうにこちらの様子を窺っている。
決して怒っているわけではない。だけど、困ったようなその笑顔は何よりも深く三人の罪悪感をえぐった。
「「「うああああああああああ〜〜〜〜っっっ!!!!!!!」」」
死にたいような気分で、三人はその場に崩れ落ちた。

「ヴィルぅ…私のこと、嫌いになっちゃた?」
シャワールームの中から、外にいるヴィルへとアリソンが問いかける。
「ううん、全然そんなことないよ」
今夜何度目かになるこの受け答え、ヴィルの言葉に嘘はないとわかっていても、アリソンの気分は沈んだまま晴れない。
あの後、ヴィルは落ちこんだ三人のためにお茶を出したり、なにやかやと慰めてくれたりした。
しかしヴィルの友人とアイカシア大佐はしょげかえったまま、アパートから出て行ってしまった。
アリソンも、ヴィルと顔を合わせているのが辛くて、さっきからずっとシャワールームに閉じこもって熱いお湯を浴びている。
あまりに長く浴びたせいで、指先はもうっふにゃふにゃだ。
「あんなこと考えてたなんて……やっぱり、ショックだったよね?」
おずおずとアリソンが尋ねた。
305SBI:2005/11/16(水) 19:16:03 ID:Cx3OwVLK
「………うん」
ためらいがちに答えるヴィルの声、自分のあんなにいやらしいところを見られてしまうなんて………。
もうしばらく外には出たくない。アリソンは力なくタイルの壁に背中を預ける。そのとき、シャワールームにヴィルが近づいてくる足音が聞こえた。
「確かに驚いたよ。それは本当のだけど…………」
ちょっと恥ずかしそうなヴィルの声、いったい何を言おうとしているのか、アリソンが顔を上げた。
その目の前で、シャワールームの扉がゆっくりと開いた。
「えっ!?」
服を脱ぎ捨てたヴィルが中に入ってくる。
「でも、僕だってアリソンと変わらない。僕だって、いやらしいこと、恥ずかしいこと、考えてるもの……」
耳まで赤くしたヴィルが、本当に恥ずかしそうに話すのを、アリソンは呆然と見つめる。流れ落ちるシャワーの下、ヴィルはアリソンの前に立った。
「ずっと前からこんな風にしてみたかった。シャワーで濡れてきれいなアリソンに、エッチなことをしたかった……」
「ヴィル……」
「僕だって、アリソンと同じだ。変わらないんだ」
顔が火でもふきそうなくらい熱くなって、逃げ出したいくらいに恥ずかしくて、どうしようもないくらいに心臓がドキドキする。
顔を赤らめうつむいたままの二人は、最初はためらいがちにお互いの体に腕を回し、それからゆっくりと抱き合う腕に力をこめた。
ヴィルの指がアリソンの体を撫ではじめる。背中に、おっぱいに、おしり、ヴィルのやさしい愛撫がアリソンに刺激を与える。
おだやかな愛撫、だけどヴィルに触れられただけで、アリソンの体は恐ろしいほどに敏感になってしまう。
追い討ちをかけるようにたたきつける熱いお湯の流れが、神経をむき出しにされたように感じやすくなったアリソンの肌をなぶる。
まるで体中、すべてをヴィルに触られているようだ。
「ふあ…ああっ!…こんな……すご…」
306SBI:2005/11/16(水) 19:16:42 ID:Cx3OwVLK
アリソンの息が荒くなるほどに、ヴィルの愛撫も激しさを増していく。
シャワーの暑さと互いの体温の熱さが渾然一体となって、どこまでが自分でどこまでが相手なのか判別できなくなっていく。暑い本流の中、二人は混じりあい一つになる。
ヴィルの指先はアリソンの体中をあますことなく触れていく。アリソンの肌の上ほとんどすべてに愛撫をくわえたあと、ヴィルの指先が向かったのは……。
「ヴィ…ヴィルっ?…そこ…だめっ!や…おしりぃ…きたないよ…」
思っても見なかった所を触られて、アリソンの声が大きくなる。おしりの穴から入り込んだヴィルの指先がうごめいて、アリソンはその未知の感覚に翻弄される。
「僕はアリソンの全部にさわりたい。全部を知りたい。いつも…そう思ってる。だから、汚いなんて思わない」
激しく動かされる指先に、もはやアリソンは陥落寸前だ。目に涙をためながら、アリソンはヴィルにおねだりする。
「も……だめなの…ヴィルぅ…おねがい…」
「……うん」
すっかり大きくなっていたヴィルのモノがアリソンのアソコに押し当てられる。その感触だけで二人の鼓動は否応なく早まる。二人見つめあいながら、ヴィルは挿入を開始した。
「ああっ!!あああああああっ!!!…や…ふああああっ!!!?」
最初の衝撃、その快感だけでアリソンは意識が吹っ飛びそうになる。快感の洪水に流されそうだ。気持ちよすぎて立っていられない。
「くぅ…大丈夫?…アリソン」
「あ…う、うん…なん…とか」
崩れ落ちそうなアリソンの体を、ヴィル脳ではしっかりと支える。その腕の温かさ優しさに、アリソンは安心して身を委ねた。
「ひあああっ!!あんっ!!ああんっ!!…や…はぁあああっ!!!」
ヴィルによりかかったアリソンの体を、下から突き上げてくる快感が何度も貫く。
必死にヴィルにしがみつきながら、アリソンの意識は快感の嵐の中、波にもまれる小船のように揺れ動く。
「ああああっ!!はぁんっ!!…ああっ!!はひぃいいっ!!!」
307SBI:2005/11/16(水) 19:18:24 ID:Cx3OwVLK
絶頂感に力が抜け、くてんと寄りかかってくるアリソンの体を後ろから抱きかかえ、ヴィルはその肌を優しく洗い流してあげた。
アリソンはヴィルのされるがままに、心地よさそうに身を任せる。ヴィルの指先で敏感にされた体は、ヴィルを受け入れる喜びに全体で震えているかのようだった。
柔らかな乳房を何度も揉まれる。舌先は何度もアリソンの首筋から鎖骨のラインを行き来した。おしりの穴への責めも断続的に繰り返されている。
なおも続けられるヴィルの愛撫がアリソンの感じる快感を時が経つにつれてより大きなものにしていく。
「うあああっ!!きもちいいよぉ!!…ヴィルっ!!ヴィルぅ!!?」
「くぅっ!…アリソン…うあ…僕も…ああっ!!」
流れ落ちるシャワーと立ち上る湯気、それらに視界を阻まれぼやかされ、確かに感じられるのは与え合う快感と互いの息遣いのみ……。
夢中になって体を動かし、お互いの体を強く強く抱きしめる。恥ずかしさなんてもう感じなかった。ただ求めるまま、二人は交わり続ける。
そしてついに、限界を知らず高まり続ける快感は、まるで津波のように二人をさらっていった。
「ああっ!アリソンっっ!!!!」
「ひああああっ!!!やあっ!!?イっちゃうぅううっ!!!ヴィルぅうううううううぅっっ!!!!?」
叫びながら同時に登り詰めた二人、ヴィルのモノから放たれた熱がじんわりとアリソンの中に広がっていく。

そのとき、ふと振り返ったアリソンがヴィルの顔をまじまじと見て、とても恥ずかしそうに、少し嬉しそうにつぶやく。
「ヴィルの………えっち」
「……ごめん」
ヴィルが申し訳なさそうに答えて、アリソンが微笑んだ。
そして二人はどちらともなく目を閉じ、長い長いキスをした。
308SBI:2005/11/16(水) 19:19:17 ID:Cx3OwVLK
ベッドの上では、精根尽き果てたアリソンがぐったりと毛布に包まって横になっている。
その横でヴィルは椅子に座り、久々に引っ張り出した昔の日記を読んでいた。
アリソンに告白されるまで、恐ろしく鈍感な自分は己の胸の内にあった気持ちに気がついていなかった。それは確かに一面の事実である。
だけど、こうして日記の中の昔の自分を見ていると、ずっと昔から自分がアリソンのことをどれだけ大切に思っていたかを見て取ることが出来た。
ヴィルはベッドの中で横になっているアリソンを見つめる。
ピクリとも動かず静かにしているが、眠ったわけではないようだ。一応のケリはつけたもののアリソンはまだ少し今日の騒ぎを気にしているようだった。
ヴィルも確かに、今まで見たことのなかったアリソンの一面に驚いている。
だけど、そんなのは問題にならないほどヴィルはアリソンが好きなのだ。お互いの恥ずかしい思いを明かした後だからこそ、より強くそう思うことが出来る。
胸の奥からとめどなく湧き上がる思い、ヴィルはそれを何とか伝えたかった。
309SBI:2005/11/16(水) 19:19:51 ID:Cx3OwVLK
「アリソン……」
「えっ?な、なに?」
微笑んだヴィルはアリソンが横たわるベッドの上、毛布の中にするりと滑り込む。
「実はもう一つ、アリソンとしてみたいって、いつも僕が思ってることがあるんだ……」
ヴィルの意図がわからずきょとんとしているアリソン、ヴィルの腕がその体をしっかりと抱き締めた。
「僕はいつもこんな風にしていたいって、ずーっと抱き合っていたいと思ってる」
「あ……うあ…ヴィ…ヴィルぅ……」
ヴィルの腕の中、アリソンはまともに喋ることも出来なくなる。
ヴィルはアリソンの手の平をとり、きゅっと握り締める。
昔からヴィルを色んなところに引っ張っていったこの手の平、改めて感じるその感触は細くて小さくて、なによりあたたかい。
「アリソン、大好きだよ……」
もはやアリソンは声も出さずに、ただヴィルの胸に顔を埋める。
ヴィルの言葉に、ヴィルの体温、ヴィルの全てに包まれながら、アリソンは過激でエッチな妄想でも到底及ばないようなドキドキを感じていた。
310SBI:2005/11/16(水) 19:22:06 ID:Cx3OwVLK
こんな感じでした。
アリソンが続いたので、今度はキノさんの話でも書こうかと思ってます。
それでは、また……。
311名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 19:33:11 ID:5oDPFq7c
超GJ!リアルタイムで頂いちゃいましたぜ!。

エロ妄想アリソンが日記書きながら一人えちーな番外編とかも希望してみる
312名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 20:31:25 ID:PSxtcnmy
ストーク・フレン少佐・・・あんたなんちゅうヘマを・・('A`) カワイイケドネ
313名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 00:05:44 ID:emEMYiAS
な、なにこのGJぶり! アリソンエロカワイすぎだよアリソン。
314名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 06:42:10 ID:NB1Ed6NP
遅ればせながらGJ!
テンポがいいから一気に読んじゃったよ。
アリソンがむやみやたらにエロ可愛いのは仕様ですか?
315SBI:2005/11/19(土) 10:20:51 ID:t3uuC5Dk
すみません。先日のアリソンのエロパロにミスを発見しましたので、訂正させてください。
>>307の文章の並びを間違えました。

訂正版↓

柔らかな乳房を何度も揉まれる。舌先は何度もアリソンの首筋から鎖骨のラインを行き来した。おしりの穴への責めも断続的に繰り返されている。
なおも続けられるヴィルの愛撫がアリソンの感じる快感を時が経つにつれてより大きなものにしていく。
「うあああっ!!きもちいいよぉ!!…ヴィルっ!!ヴィルぅ!!?」
「くぅっ!…アリソン…うあ…僕も…ああっ!!」
流れ落ちるシャワーと立ち上る湯気、それらに視界を阻まれぼやかされ、確かに感じられるのは与え合う快感と互いの息遣いのみ……。
夢中になって体を動かし、お互いの体を強く強く抱きしめる。恥ずかしさなんてもう感じなかった。ただ求めるまま、二人は交わり続ける。
そしてついに、限界を知らず高まり続ける快感は、まるで津波のように二人をさらっていった。
「ああっ!アリソンっっ!!!!」
「ひああああっ!!!やあっ!!?イっちゃうぅううっ!!!ヴィルぅうううううううぅっっ!!!!?」
叫びながら同時に登り詰めた二人、ヴィルのモノから放たれた熱がじんわりとアリソンの中に広がっていく。

絶頂感に力が抜け、くてんと寄りかかってくるアリソンの体を後ろから抱きかかえ、ヴィルはその肌を優しく洗い流してあげた。
アリソンはヴィルのされるがままに、心地よさそうに身を任せる。ヴィルの指先で敏感にされた体は、ヴィルを受け入れる喜びに全体で震えているかのようだった。
そのとき、ふと振り返ったアリソンがヴィルの顔をまじまじと見て、とても恥ずかしそうに、少し嬉しそうにつぶやく。
「ヴィルの………えっち」
「……ごめん」
ヴィルが申し訳なさそうに答えて、アリソンが微笑んだ。
そして二人はどちらともなく目を閉じ、長い長いキスをした。

という感じに修正されます。ご迷惑をおかけいたしました。
あと、アリソンがエロ可愛いのは仕様です。
それでは……。
316名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 17:56:40 ID:hYd6knA/
ほす
317名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 17:22:11 ID:JG1gCa6Q
てかGJ!!
318名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 20:34:29 ID:wb1k1JHM
どなたか学園版をプリーズ。
319名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 14:34:30 ID:wI5mmR0p
「ん…ふ…シズ様のおちんちんおいし…」






「もう出すからね?全部飲むんだよ陸…」
320名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 18:31:01 ID:4nzbBTfc
>>319
り・・・陸ぅ!?
321名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 18:32:54 ID:oVwtB912
不覚にも吹いた
322名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 16:32:12 ID:djIMzwJU
その調子だとバギーも喋りそうだな
323名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 20:13:48 ID:RuqDmU0g
>>319
ワロタwwwwwwwwwwwwwwww
324名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 10:45:52 ID:j2BNxhLe
ティーのも舐めてやれ(笑)
325名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 18:46:36 ID:O04+7FSu
シズ様トチ狂ってティーに手を出す→できちゃった婚でどっかの国に定住→死ぬほど(ry

にならない事を願う。
326まつ ◆MXNhcuAMMw :2005/11/28(月) 19:46:14 ID:DREX16y3
エロなし(微エロ?)
ちょっと時間がないのでとりあえず出だしだけ
327まつ ◆MXNhcuAMMw :2005/11/28(月) 19:51:47 ID:DREX16y3
マニアの国〜a specialty〜


「ねえキノぉ、」
「うん?」
「キノはずっと一人と一台で荒野を走ってて寂しくならない?」
「うーん、時々、仲間がいたらって思うときはあるよ。大人数に襲われたときとか。」
「。。。。。。。。」
そんな会話をしながら、荒野を一台のモトラドが走っていく。
「今日中には国につけるはずだ。何でも科学技術が発達した国らしいね。」
「それで、シャワーだけがなかったら悲惨だねえ」
「エルメス。。。。。」
「ん?」
「その話、前もしなかった?」
「そうだっけ?」


「こんにちは!旅人さん。わが国へようこそ!」
次の日の朝、国にたどり着き、3日間の滞在予定を告げ、簡単な説明を受けて、国に入る。
「何か質問はありますか?」
「この国にシャワーはありますか?」
「シャワー?うーん、ありませんねぇ。代わりにこの国ではお風呂に入ります。」
「オフロ?なんですか?それ?」
「まあ、見ればわかりますよ。」
328名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 21:52:48 ID:DREX16y3
「そうですか。。。ところで、この国では科学技術が発達しているとこきましたが?」
「そうですね。確かに発達しています。その理由は、われわれ一人一人が『専門家』であるためです。」
「専門家?」
「ええ。たとえば、モトラドなら、ホイールやエンジンの専門家。そんな人たちが集まって技術を交換したり
競い合っているんです。ちなみに、ごく一部を除いて専門家はこの国に一分野につき2、3人しかいません。」
「なるほど。それで事故や間違いなどは起きないんですか?」
「起きません。たいていの人は、自分が好きだからやっていることなので、いやいやにやったためいい加減になったり
することは絶対にありません。まぁ、人間なので間違いもありますが、だいぶ前に機械の専門家が
ミスを未然に防止する機械を作りました。」
「では、たとえば殺人を好む殺人専門家のような人々は?」
「その性癖がわかった時点で国から追い出されます。それを見分ける専門家もいるのです。少々長くなりましたが、この国を楽しんでください。」
話しつかれたような門番に追い出されるように国の入り口にに案内され、案内の専門家にホテルを聞くよう薦められた。

「キノ、モトラドの専門家の人たちも探してよ。」
「うん、でもまずホテルを見つけなきゃ。」
程なく案内人は見つかり、いつものようにうるさい注文をつけ、ホテルに案内された。
「なかなかいいデザインの部屋だね。キノ。」
「うん。デザインの専門家もいるんだろう。」
「キノ、どこ行くの?」
「オフロってのに入りにいくんだ。」

「うわー。こんな気持ちのいい眺めで体を洗うのは魚につつかれたとき以来だ。」
誰もいないので盛大に水しぶきを上げて飛び込む。
「なんか視線を感じるけど。。。狙われているわけでもないし。。。いいか。」
その10キロメートルかなたでは、山の中から見晴らしのいいがけの上にある露天風呂に向けて、天体望遠鏡を向ける男たちの姿があった。。。。
329名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 22:46:08 ID:xPTKjsak
>>326
ぉ 出だし良い感じですね。
国民がそれぞれ専門家かぁ すばらしい。
330名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 12:46:38 ID:e4QldhhZ
>>319
擬人化の国とかなんかそんな感じの所に行ったら陸を勝手に犬耳少女にされちゃった。と、脳内変換してみる。

>>326
これからどんなフェチ共が出てくるのか期待。(ワクテカ
331SBI:2005/11/29(火) 20:17:08 ID:Fei5oEgz
>>326
うお、いい感じで話が始まってる。

さて、またも懲りずに書いてきました。
キノさんの話です。
それでは………。
332SBI:2005/11/29(火) 20:17:44 ID:Fei5oEgz
見上げると、折り重なった木々に隠されて空の上で輝いているはずの太陽は見えない。鬱蒼と茂る森の中は昼なお薄暗い。
その森の中を通る道の脇、太い木の幹に一人の旅人が背中を預けている。その頬は高潮し、口からは荒い息が漏れている。
「…くあ…ああっ…はぁはぁ……こんな…ふあぁ…どうしたら…」
旅人の名はキノ。次の目的地へと向かうためにこの森の中の道を進んでいた彼女、しかし森が深くなってきた辺りで彼女の体に異変が起こった。
「キノ、だいじょーぶ?」
心配そうに尋ねたのはキノの相棒のモトラド、エルメスのものだ。エルメスはキノが腰掛けている木の側に打ち捨てられたように転がっている。
「…うあ…ああ…エルメス……ゴメン…も…ボク…立ち上がるのも無理みたいで…」
切れ切れの言葉で答えたキノ、その体はもはや座っている事もままならず、ズルズルと木の根元に崩れ落ちる。
体が異様に熱く火照る。ほんの僅かな衣擦れだけで肌の上をビリビリと快感の衝撃が駆け抜ける。体中から力が抜けて、頭は霞がかかったようにぼやけてしまう。
朦朧とする意識の隅っこで、キノは森に入る前に出会った老人との会話を思い出していた。
『なあ、にいちゃんよ。まさかとは思うが、女の連れはいねえよな?』
『いませんよ。ボクは見てのとおり一人で旅をしてますから。二人だと、何か不味い事でもあるんですか?』
『いや、この時期は森の奥ではもの凄い勢いで花粉が飛んでるからな。でも、それなら大丈夫だ。にいちゃんには関係のない話さ』
あの時は何気なく聞き流していたけど、恐らくは老人の言葉に出てきた花粉とやらが原因なのだろう。
森の奥で飛び交う花粉、それはきっと女性だけを性的に興奮させる効果を持っているものなのだ。
老人が気にしたのは二人連れで森に入る事ではなく、女性が森に入ることだったのだ。
キノが男性の服を着ているだけで本当は女の子だと知っていたら、あの老人は必死で森の中に入ることを止めたに違いあるまい。
「…うぅ…うかつ…だった……もう少し…ひあぁ…ちゃんと話を聞いてれば…」
キノの震える指先が股間へと伸びていく。もう既にグショグショに濡れている大事なところの辺りが、いやらしいシミを造っているのが見える。
もう少しでたまらなく熱くなっているアソコに指が触れるというところで、キノはその腕をぐっと押しとどめた。
333SBI:2005/11/29(火) 20:18:29 ID:Fei5oEgz
今でさえこの有様なのに、もしこの指がアソコに触れてしまったら、きっと自分は正気を保てない。
キノは気を紛らすために、自分で自分の体をぎゅっと抱きしめ、歯を食いしばって爆発寸前の己の欲情と戦う。
「でも、このままじゃいつまで経ってもこの森から抜け出せないよ、キノ」
エルメスの言う通りだった。今のキノにモトラドの運転など到底不可能だ。しかし、森中に立ちこめる花粉がそう易々と消え去ってくれるとも思えなかった。
「はぁはぁ…なんとか…しなくちゃ……なん…とか……」
つぶやく言葉にも力がない。今、野生動物の類に襲われてもほとんど抵抗は出来ないだろう。花粉の事を知らずに森に入ったキノのような女性を狙う暴漢がいるかもしれない。
早く脱出しなければならないのに、まるで打つ手がない。泣き出したいような不安感、自分がこんなに無力になってしまうなんて思っても見なかった。
「…あ…うああ……ボクは…どしたら……」
その、時目の端にうっすらと涙を浮かべたキノの瞳が、道の向こうから近づいてくる何かを認めた。
聞き覚えのあるエンジン音、丸いライトに汚れた車体、運転席でハンドルを握っているあの人は………
「…ん!?君は……キノさんじゃないか!!」
バギーを止め、駆け下りてきた緑のセーターを着た男、縁あってキノと何度か出会った人物、キノの顔に安堵の表情が浮かぶ。
「シズ…さぁん……」

「もう森の半分を過ぎたところだ。後しばらくの辛抱だよ、キノさん」
運転席のシズはそう言って、キノを安心させるかのように微笑んで見せた。
今キノはシズの運転するバギーの助手席に座っている。膝の上にはシズの旅の道連れの少女、ティーがちょこんと乗っかっている。
「くしゅっ!!くしゅっ!!」
キノの頭の後ろのほうから聞こえてきたのは、シズの長年の相棒、犬の陸のくしゃみだ。大量の花粉は陸の繊細な鼻に少なからぬダメージを与えたようで、森の中に入って以来、ずっとあの調子らしい。
「うわ、ちょっと汚いよ、バカ犬!!くしゃみするなら向こう向いててよ」
334SBI:2005/11/29(火) 20:19:42 ID:Fei5oEgz
エルメスはバギーの小さな荷台に、ロープで強引にくくりつけられている。陸はキノが座るスペースを作るためエルメスの上にしがみついているのだ。
そのやり取りを聞いて、キノは可笑しそうにくすくすと笑う。笑えるだけの余裕が戻ってきたのだ。
「大分、調子が戻ってきたようだな」
「ええ、お陰様で」
ほかの人間といることで大分気が紛れているようだった。不安感が取り払われた事もうまく影響しているのかもしれない。
体の火照りは収まらないが、正気を見失ってしまいそうなあの感覚はない。
シズに対しては既に事情を全て話してしまっていた。どうにも情けなく恥ずかしい話ではあったけれど、事態を把握しておいてもらった方がむしろ気が楽というものだ。
兎にも角にも、これで一安心だ。このままバギーに乗せてもらっているだけで、目的地まで一気に辿り着くことが出来るだろう。
ふと一人でいたときに感じた不安感を思い出し、キノは自分の膝の上のティーの体をきゅっと抱き締める。その体温が心強い。うん、大丈夫だ。
しかし、キノはそこでとても微妙な、何とも言えない違和感を感じた。このまま行けば何も問題は無い筈だけど、何かを見落としているような気がする。
そこではっと気が付いた。
「ティーちゃんの体、熱い!?」
キノが覗き込むと、相変わらず無口無表情なその顔が薄っすらと紅くなり始めているのがわかった。荒い呼吸、細かく震える体、キノはようやく一つの事に思い至る。
簡単な話だ。キノより幼いとはいえ、ティーも女の子だったのだ。この子も花粉の影響を受けている。
迂闊だった。ティーがあまりに無表情で外からは変化がわかり難かった事を差し引いても、ここまで気付かずに放置してしまっていたなんて。
しかし、一体どうしてやったら良いのだろう?花粉の影響で頭が上手く回らないキノがモタモタしている内に、ティーが体勢を変えてキノの方に向き直った。
「…………」
「ティーちゃん?」
キノの顔をじっと見つめてくるティーの瞳、そこにはいつものティーではありえないようなウットリとした色が浮かんでいた。
蕩けたようなその瞳を見つめているだけで、キノの体温は急上昇し、鼓動が早くなっていく。そして………。
335SBI:2005/11/29(火) 20:20:20 ID:Fei5oEgz
「…ん…んんぅ…ふあ…ああん…ティー…ひゃあん……」
ティーの小さな唇がキノの口を塞いだ。入り込んできた小さな舌に、キノの口腔内は思うさまに嬲られる。
さらに、キノがずーっと触れないように触れないようにと我慢してきた大事な所へと、ティーの幼い指先が伸ばされた。
「…や…そこ触ったら……ひあああああああああああああっ!!!!」
限界まで張り詰めていた糸は、あまりに簡単に切れてしまった。バギーのシートの上で、キノは襲いくる快感のあまりの大きさに体を反らせて叫んだ。
「…きの……かわいい…」
夢でも見ているかのような声で呟いたティー、その指先は遠慮なくキノの服の中へと入ってくる。
「ティー!?何をしてるんだ!!なんでキノさんにそんなことを!!!」
異変に気が付いたシズが叫ぶ。しかし、ティーはシズの言葉に全く反応することなく、キノとの行為に専念する。
なんとかティーを止めようと伸ばされたシズの腕、それを器用にかわしながら、ティーはシズの腕の届かない位置に回りこむ。
「ああっ!!…はぁんっ!!や…ティー…ちゃん……もうやめ…あああああっ!!!!」
一度体勢を崩されてしまえば、キノにはもう何の抵抗も出来なかった。自分よりも小さな少女の指先に体中を愛撫されながら、キノはどうする事も出来ずにただ喘ぐ。
「…うあああ……そん…な…そこ…何度もぉっ!!!!?」
性に関する知識も経験も持たない分だけ、ティーの愛撫は容赦が無かった。
執拗に乳首をつねられ引っ張られ、首筋を何度も舐られる。しとどに溢れる愛液でぐちゃぐちゃなアソコを乱暴にかき混ぜられると、キノは大声を上げて髪を振り乱す。
「……ティーひゃん…も…ゆるして……ボク…ボクぅ…」
息も絶え絶えのキノの哀願、感じたことも無いような快感の中でキノができるのは、目の前の女の子に縋りつくことだけだった。
涙で濡れたキノの顔、それを見ながらティーは無表情で答える。
「……………だめ」
ティーの指先がキノの秘裂の奥深くまで突き入れられた。
336SBI:2005/11/29(火) 20:21:13 ID:Fei5oEgz
「ああっ!!?ひあああああああああああああああっっっっっ!!!!!!」
瞬間、体の奥から駆け上ってきた感覚がキノの意識を吹っ飛ばした。体中から力が抜けて、シートにぐったりと体を預ける。
その恍惚とした表情を見つめながら、ティーは満足げにうなずいて、今度は運転席の方へと顔を向けた。
「どこかに車を停めないと……」
キノとティーの二人を落ち着かせるために、バギーを停車させようとしていたシズ、その時彼の下半身の方からジィイイイイッっという音が……。
「なっ!?ティー、何をしてるんだ!!!」
「……しずの……おっきい…」
そこでシズが目にしたのは、ファスナーを開けられ剥き出しになった自分のモノに、ティーがしゃぶりつこうとしているまさにその瞬間だった。
「…んぅ…んんむぅ……ぴちゃぴちゃ…あんぅ…」
小さな口には収まり切らないシズのものに、ティーは果敢に挑んでいく。サオに亀頭に、全体にまんべんなく舐め上げ、先端を口に含んで舌を絡ませる。
たどたどしくはあるけれども、丁寧に丁寧に刺激を与えてくるその舌先、シズのモノはたまらずムクムクと頭をもたげてくる。
もはやバギーを停めることなど忘れていた。
呆然とティーの奉仕を見つめるシズ、その頬にあたたかく柔らかいものが触れた。
「えっ?うわ、キノさん!!?」
「あはは……シズさぁん…」
いつの間にか起き上がっていたキノが、シズの頬にキスをしたのだ。シズを見つめてくるその表情、瞳は快感に蕩けきっている。
もはや言葉も出ないシズの唇に、キノの唇が重なる。深く深く、ねっとりと絡み合うディープキス、キノはもはや目の前のシズのことしか見えていない。
二人の少女に迫られるシズにマトモな運転など出来よう筈も無かった。唯一の頼みの綱の陸はと言えば
「くしゅんっ!!くしゅんっ!!シズ様…すみませ…くしゅんっ!!!」
全く役に立たない状態だ。バギーは森の中の道を蛇行しながら進む。そしてついに…………。
337SBI:2005/11/29(火) 20:21:54 ID:Fei5oEgz
「くああっ…ううっ…もう射精てしまうっ!!!」
「…………っ!!?…んんぅっ!!…あああっ!!!」
勢い良く飛び出たシズの熱いものが、ティーの口には収まり切らずに、その白い顔へと叩きつけられる。。
のどの奥にまで溢れかえる熱にむせてしまったティー、その腕がハンドルに当たってバギーはくるくるとスピンする。
道の脇の大きな木にぶつかりそうになった所で、なんとかバギーは止まってくれた。
「いたたた…キノさん、ティー、大丈夫か?」
真っ先に体を起こしたのはシズ………………ではなかった。シズの体の上から影が覆い被さってくる。
「…シズさんっ……シズさぁん………」
ウットリとした口調のキノは、シズの首を愛しげに抱き締めてくる。その腕を何とか払おうとしながら、シズはキノに呼びかける。
「キノさん、しっかりしてくれ………」
「シズさん…好きです…好きなんですぅ……だからぁ」
まったく聞いてくれない。もはや完全に正気を失っているキノは、先ほど受け止めた顔射に呆然とするティーの体も抱き寄せて本当に幸せそうに微笑む。
「もっと気持ちよくなりましょう……みんな一緒に気持ちよく……」
そう言ったキノは体勢を変え、シズの膝の上に腰掛けるように乗っかる。再び大きさを取り戻しつつあったシズのモノがずぶずぶとキノの中に入っていく。
さらに抱き寄せたティーの体の、まだ誰にも触れられていない大事な部分へと指を伸ばす。
「…ふあああっ!!?…ああんっ…やぁ…」
今まで終始攻めに専念してきたティーは、初めてアソコを触れられる感覚に思わず声を上げる。
小さいながらも花粉の効果で既にずぶ濡れのそこは、キノの指先を何本もすんなりと受け入れてしまう。
「ああ……ティーちゃん…かわいいよぉ……」
ティーの体を思い切り抱き締めしゃぶりつき、キノは自らもゆっくりと腰を振り始める。ぐちゅぐちゅといやらしい水音が森の中に響く。
338SBI:2005/11/29(火) 20:22:31 ID:Fei5oEgz
一方、二人の下でされるがままのシズはすっかりパニック状態に陥っていた。
「とにかく、この森を早く抜けなければ…脱出しなければ」
シズの頭からはキノとティーを取り押さえるという選択肢は消えていた。
先程は車を停めて二人を落ち着かせる事を考えていたシズだが、二人のあまりの乱れっぷりにすっかり思考を乱されていたのだ。
「とにかく脱出…脱出だ……」
シズの指が再びハンドルを握る。無理矢理にでもバギーを走らせて森から抜け出る。今のシズに考えられる解決策はそれしかなかった。
視界を阻むキノの頭越しにあたりの様子を確認しながら、シズはゆっくりとバギーを動かし始める。
ふらふら、ふらふらとよろめきながら、バギーは再び道の上を走りはじめた。
一方そのころ、キノは下半身からこみ上げてくるシズの熱さと、腕の中のティーの体の熱さに挟まれて、ほとんど半狂乱の状態だった。
「ああっ……ひゃあああんっ!!!すご…シズさんも…ティーちゃんも…あああんっ!!!」
恍惚とした表情で激しく腰を振りながら、抱きしめたティーを無茶苦茶に愛撫し、体中のいたるところにキスをする。
性に対して未成熟なティーの体はどこまでも敏感で、触れれば触れるほど反応は激しくなっていった。
「………きゃうっ!?………ふあぁ……きのぉ…」
体中のあちこちから襲ってくる未知の感覚が、ティーの未成熟な体を追い詰めていく。
小さな乳首を執拗に何度も何度も転がされる。耳たぶに息を吹きかけられ甘噛みされる。クリトリスをつままれ、擦られる度に、ティーは真っ白な肌をじっとりと汗ばませて、震える声で悲鳴を上げる。
「あああっ!!!かわいいっ!!!かわいいよぉっ!!!ティーちゃあんっ!!!!」
「………はぅうっ!!!!!………はひいっ!!!!!……………やあんっ!!!!!」
触れ合った肌がどんどん高まっていく互いの体温を伝え合う。
とめどなく溢れ出してくる熱い液体がキノの指先をぬめらせ、滑りの良くなったそれはさらに深くティーの内奥に進入して膣内を弄ぶ。
「あああああああっ!!!!ひゃあああんっ!!シズさんっ!!!シズさぁんっ!!!」
339SBI:2005/11/29(火) 20:27:21 ID:Fei5oEgz
ティーを責め立てる指先の動きが激しくなるにつれて、シズと交わる金の腰の動きも同様に激しさを増していく。
キノの体が上下するごとに、大きく屹立するシズのモノがキノのアソコを奥の奥までえぐり貫く。
「はひぃいいいいいっ!!!!気持ちいいっ!!!気持ちいいよぉおおおおっ!!!!」
「……………ひゃああんっ!!!!!………やぁっ……あふぅううっ!!!!!」
頭の中が真っ白になるような快感の洪水に押し流されるキノとティーは、ただ喘ぎ、悶え、腰を振るだけの存在に変わっていく。
ティーとキノの下に敷かれたシズは無我夢中でハンドルを握る。なんとか森を抜け出そうと、すぐにでも道を外れそうなバギーをまっすぐは知らせるために孤軍奮闘を続ける。
荷台の上の陸は花粉症でそれどころではなく、3人のことなどすっかり頭から消えている。
傍観者でいるしかないエルメスは、3人の様子を見ながらうんざりしたようにつぶやいた。
「そろそろ限界………かな?」
エルメスの言葉の通り、夢中で交わり続けた二人の少女の心と体は、際限なく襲ってくる快感に耐えられなくなってきているようだった。
「……あっ………ああんっ!!…………きの…きのぉっ!!!」
「ひああああああっ!!!シズさぁんっ!!ティーちゃあんっ!!!」
キノの指先がティーのアソコを深く激しく突き上げる。同時に熱く燃える秘裂から駆け上った快感が、矢のようにキノの体を貫いた。
「ふああああっ!!!!ボク、イっちゃうっ!!!イちゃうううううううううううううっ!!!!!!」
「……………あああっ!!!!………やああっ!!!はああああああああんっ!!!!」
凄まじい絶頂感がキノとティーの意識を明滅させる。全身の力が抜けた二人の体は、忘我の状態で運転を続けるシズの上に崩れ落ちた。

赤い夕陽の光に顔を照らされて、キノは目を覚ました。辺りを見回すと森は終わって、のどかな田舎道の傍らでバギーは停車している。
「キノ…さん…俺は…やった……俺はやったそ」
キノの下でげっそりとした顔のシズが、焦点の定まらない瞳でつぶやく。シズの執念はついに森の中からの脱出を成功させたらしい。
340SBI:2005/11/29(火) 20:28:47 ID:Fei5oEgz
キノの膝の上では、疲れ果てたティーがすーすーと寝息を立てている。くてんと寄りかかってくるその体を、キノは愛しげに抱き寄せ、優しく背中を撫でてやる。
「キノ、気がついたの?」
「……ん?ああ、エルメス……うん、大丈夫だよ」
エルメスの方を見てキノが微笑む。エルメスの上では、花粉症で精根尽き果てた陸がぐったりと横たわる白い塊に成り果てている。
何はともあれ、最大の難局は脱したらしい。キノはホッと胸をなでおろす一方で、少し名残惜しいような気持ちを感じていた。
森の中、夢中になって快感をむさぼったあの時間、あのときの感覚が体の奥で未だに小さく、しかし確かにうずいているのがわかる。
「あれ?あの家って………」
その時キノは道の向こうに見えた民家に見覚えがあることに気がついた。それはキノが森に入る前に話した老人が住んでいる家によく似ているように見えた。
キノはバギーから身を乗り出して、しげしげとその家を眺める。
本当にそっくりだ。
まるで本物みたいに見える。
「…………ていうか、本物じゃないの?」
エルメスの言うとおりだった。納屋から出てきて母屋に入っていった人影は、まさにあの老人だった。
341SBI:2005/11/29(火) 20:29:18 ID:Fei5oEgz
「戻ってきちゃったのか……」
「みたいだね、キノ」
おそらくバギーがスピンした時に、180度方向転換してしまったのだろう。どうやら今日一日はとんだ無駄骨を折らされたらしい。
キノが振り返ると、黒く深い森の木々が風に吹かれてざわめく様子が、まるでキノ達を馬鹿にしているように見えた。
キノの肩に丸一日分の疲れがどっとのしかかってくる。
「また、あそこに入らなきゃいけないのか……」
キノはうんざりした気持ちでため息をつく。
だがしかし、キノの体の奥であの感覚がもう一度キュンとうずいた。森の中でさんざん味わったあの感覚………。
下腹部の辺りにあったかいような、熱いような、妙な感覚が湧き上がる。
「また、あそこに入れるのか………」
もう一度つぶやいたキノの顔には、まるで翌日に控えた遠足に心焦がれる子供のように嬉しそうな、うっとりとした表情が浮かんでいた。
342SBI:2005/11/29(火) 20:30:42 ID:Fei5oEgz
こんな感じでした。
やっとこティーをエロに参加させることができたよ。
それでは、また……。
343名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 22:16:00 ID:8ZM8LG9f
最後まで理性を失わないシズGJ!!
344名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 04:20:15 ID:MbOh5+6B
シズすげぇw
あんなに可愛い幼女二人に攻められながら森を脱出するとは…ネ申。
345まつ ◆MXNhcuAMMw :2005/11/30(水) 13:16:40 ID:2AfwgO3w
選ぶ国〜choosing〜

ある国の城門に一人のキノと一人のエルメスがたどり着きました。
門番は、「この国には3種類の人間がいる。護る者、享受する者、壊す者だ。あなたはどの種類だ?」
と尋ねました。
キノは迷いなく享受する者に回りました。

ある国の城門に一人のシズと一人のティーと一匹の陸がたどり着きました。
門番は、「この国には3種類の人間がいる。護る者、享受する者、壊す者だ。あなたはどの種類だ?」
と尋ねました。
シズは迷いなく護るものに回りました。


ある国の城門に一人の師匠とその相棒がたどり着きました。
門番が、「この国には3種類の人間がいる。護る者、享受する者、壊す者だ。あなたはどの種類だ?」
と尋ねました。
師匠は迷いなく強奪する者に回りました。
346まつ ◆MXNhcuAMMw :2005/11/30(水) 13:17:54 ID:2AfwgO3w
以上、カラーページ用ノベルでした。

本編は現在製作中。
347名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 18:40:31 ID:kyayrorh
エロくないけどいいね。
348名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 20:05:28 ID:aHPBmwC2
ガンダムキノ

「エルメス!いくよ!」

「キノさん!?君なのか!?」
349名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 15:37:52 ID:eA2P9P0N
このスレの影響でキノの旅を買いました。
どう考えても順番が逆です。
本当にありがとうございました。
350名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 23:28:39 ID:T28qcoZ8
>>349
キニシナイDEイイ!!
351名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 00:25:35 ID:grpLju9T
真夜中の豪華列車の一室。細長い部屋を仕切るカーテンには、やや明るさを押さえた照明に照らされ、二人の人影がゆらゆらと写し出される。

「や、…あぁ、めてっ…下さい…ベネディクトさん…ひぁぁ!!」
「ふふ…かわいいよ。嫌がる割りには…これは?」

ベネディクトの指先からはねっとりと、透明な液が糸を引いている。

「そんなこと…言わないで下さい…」
「“英雄”になってからは私はろくにナンパもできないんだよ。誰でも簡単に捕まるからな。
 だから、君みたいに嫌がる人を攻略していくのは少し、楽しい。」

照明の位置の関係でその表情はよく読み取れない。
悲しそうにも、笑ってるようにも見える気がした。

「…ベネディクトさん…」


「ヴィルくん…!」───────────────────────────





「どうしたんですか、フィー。さっきからニヤニヤと…?」
352名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 14:09:41 ID:DqZpQ4rG
>>351
ウケル
353名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 18:44:49 ID:kX1b6LDL
ラファの幽霊が夢の中でシズと……とか
354名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 20:18:19 ID:6LFK0iva
ちょwwwwwwwwww
陸の声ヤザンwwwwwwwwwww
355名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 22:35:22 ID:kX1b6LDL
今書いてます
356名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 22:42:41 ID:zFT/Iptv
>>351
久々のフィー妄想、乙。
しかし、俺は本当の示申の降臨を待つ。
357名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 22:43:08 ID:nb3WmRQh
テイルズをよろしく
テイルズオブデスティニー  90万本
テイルズオブファンタジア 60万本
テイルズオブエターニア  70万本
テイルズオブデスティニー2 80万本
テイルズオブシンフォニア 72万本
テイルズオブリバース   60万本

SFC:ドラゴンクエストI・II        120万本
SFC:ドラゴンクエストIII そして伝説へ…  140万本
GB:ドラゴンクエストI・II         73万本
GBC:ドラゴンクエストIII そして伝説へ…  75万本
PS:ドラゴンクエストIV 導かれし者たち  120万本

ゲーム評価
1位ファイナルファンタジーVII (ゲーム)
2位ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (ゲーム)
3位ファイナルファンタジーVI (ゲーム)
4位テイルズ オブ ファンタジア
5位ドラゴンクエストIII - そして伝説へ… - (ゲーム)
6位クロノトリガー (ゲーム)
7位ファイナルファンタジーV (ゲーム)
8位ファイナルファンタジーIX (ゲーム)
9位マザー2 ギーグの逆襲 (ゲーム)
10位ファイナルファンタジーIV (ゲーム)

スターオーシャン  20万
スターオーシャン2 80万
スターオーシャン3 70万
358名無しさん@ピンキー:2005/12/05(月) 17:20:29 ID:jBYHalEn
「書いたSS投下前に間違えて消しちゃったよ」
「くびれさんが大儲けだね、キノ」
「骨折り損のくたびれ儲け?」
「そうそれ………」
359 :2005/12/05(月) 17:35:53 ID:4uAxcLTn
キノ「此処に来たのは初めてだね」
エル「そうだね いつもは半二次キノスレで無駄にヘタレなSS書いてるだけだしね」
キノ「今度エロ書くときはコッチで書こうかな」
エル「そんなこと言って、どうせ書いてもズシオネタか音速丸ネタでしょ?」
キノ「まあ、中の人は捻くれてるから普通のは書かないだろうね」
エル「まあ、SBIさんっていうSS神が居るみたいだからね 僕らは大人しく半二次でしょぼーく遣ってる方が良いかもね」
キノ「ま、腕を上げる為にSBIさんのSS読んで勉強するしかないね」
エル「そうだね」
360 :2005/12/05(月) 18:13:00 ID:4uAxcLTn
何も無い荒野を真っ直ぐに一本の道が伸びている
その道を一台のモトラド(注:自動二輪車の事 空を飛んだり変形合体しない物を指す)が走っている
大量の土煙を上げ、猛スピードで走るモトラドを運転しているのは若い、精悍な顔つきをした旅人だった
腰と背中にはハンドパースエイダー(注:銃器の事 この場合は拳銃)を下げている
「撒けたかな?」
モトラドが言う
「どうだろうね 流石にエルメスのスピードには追いつけないと思うけど・・・」
旅人がモトラドに答えた
旅人の顔には一切の余裕が無い
エルメスと呼ばれたモトラドが言う
「分からないよ あんなのに襲われた事無いもの でもまさかキノの腕でも歯が立たないなんて」
キノと呼ばれた旅人はサイドミラーで後方を確認する
「とりあえず、追ってはきてないみたいだけど・・・」
「ねえキノ アレは一体なんだったんだろうね」
キノは前後左右に視線を走らせながら答える
「知らないよ、あんなの 師匠からも何も聞いたことがない あんな化け物が存在するなんて」
キノは荒野に出る前に居た国の長の言葉を思い出す
「『荒野に入ったら一目散に駆け抜けろ』・・か・・・・盗賊とかだと思ってたのに・・・・・」
「まさに、いっ君刺した槍だね」
「・・・・・・・・・一寸先は闇?」
「そう、それ!」
一人と一台はおどけた感じで言う
しかし、どちらの声にもいつもの余裕は感じられなかった
キノがもう一度、今度は直接後方を視認したとき、
「キノ!前!」
エルメスの声に素早く反応し、キノは後輪ブレーキをかけ、反転しようとする  しかし
「わ!」「うわー!」
エルメスは蔦の様な何かに捕まり投げ捨てられるように放り投げられた
「ぐぅっ!・・・つ・・・!」
背中からドスン、と思い切り地面に叩きつけられたキノは苦悶に顔を歪める
「ひどい!フレームもハンドルも曲がっちゃった!」
キノから少し離れた場所に落ちたエルメスが言う
「・・・くそ・・・・この!」
キノが腰に下げたパースエイダー”カノン”を蔦の様なモノへ向けて構える
だが、地面より伸びた蔦に腕を絡めとられバンザイの格好で宙吊りにされた
「キノ!」
「んん!この!離せ!」
キノが必死にもがき束縛から逃れようとすると蔦の一本がキノの首に巻きつき締め付ける
「ぐ・・・・・・・っあ・・・・・・・が・・・・・・」
ズ・・・・ズザザザザザザザ・・・・
首を締め付けられ序々に弛緩してゆくキノの足元の地面が盛り上がり、蔦の主が姿をあらわした
丸っぽい巨大な体躯から何十本もの蔦を生やした生き物
真正面から見ると巨大な花のようなナニかに蛇が無数に取り付いているようにも見える
「クソお前!キノを離せ!このバケモノ!」
エルメスが精一杯の怒気をはらんだ声で怒鳴る
「いいか!さっさとキノを離さないと許さないぞ!ボクを怒らせ・・・・」
ズドォォォォォオン!
怪物が、蔦の中でも巨大なものの一本をエルメスへと叩きつけた
もうもうと土煙が上がる中、もう、エルメスの声は聞こえなくなった
「エ・・・・・エル・・・・メ・・・ス・・・・・・」
唯一の旅の同行人を失い、キノの顔面は怒りに染まる
しかし、キノを束縛する蔦はビクともせず、キノを締め付けるだけだ
邪魔者が居なくなった怪物は、体躯の中央部から細い蔦をだし、それらは真っ直ぐキノへと伸びてゆく
(・・・・もう、旅も・・・・此処で・・・・お終い・・・・なのかな・・・・・・・・)
もはや抵抗する体力も無くしたキノは死を覚悟する が、怪物はキノの命を奪わなかった  かわりに
ビリビリビリビリ!
細い蔦がキノの服を乱暴に千切り破った
キノんのまだ未発達な矮躯が日の下に晒される
その瞬間、キノは悟った 悟らざるをえなかった
この怪物が、キノを襲った理由を
361 :2005/12/05(月) 18:48:21 ID:4uAxcLTn


「う・・・・・あ・・・・あ・・・・っ・・・・あ・・・・・」
若い、少女の声が荒野にこだましていた
あれからどれくらい経っただろうか
怪物は一気にキノを襲ったりはせず、細い器用な蔦で執拗にキノを嬲り続けていた
「ひ・・・・・ぁぁぁああ・・・・・」
けして大きな快感を与える事無く、しかし途切れることなく少女の体を愛撫し続ける
蔦の先が二つに裂け、中から生えている舌のようなものでキノの乳頭をしごき
耳や首筋、背中、足、太腿を執拗に嘗め回す
「・・・・・ぃあ・・・・・・・ぃ・・・ぃぃ・・・・は・・・・」
キノはもう何度も小さなオルガズムを体験していた
蔦達はまるでキノの体を知り尽くしているかの如く適格に性感帯をついてくる
また
「ん・・・・は・・・・あ、んぶ・・・んん・・・・・ちゅぶ・・・・ちゅ・・・・・」
キノの口に蔦がねじ込まれる
しかしキノは嫌がる事なく、むしろ積極的にそれをしゃぶる そして
ドプッドプッドプッドプッ
「ふんんん・・・・ん・・・・コク・・・・コク・・・・」
ドロドロとした透明な液体を喉に流し込まれるキノ
彼女はそれを一滴も残さないと言わんばかりに貪欲に飲み干す
最初は抵抗し、蔦を噛み切ろうとしていたキノだが、この液体を飲まされた後から
彼女は抵抗を止め、快楽に身を委ねたのだった
「う・・あ・・・・もっと・・・・もっとちょうだいぃぃぃ・・・・・美味しいお汁ちょうだいぃぃ」
口からダラダラと涎や怪物の分泌液を垂らしながら
惚けた瞳でだらしなく怪物に懇願するキノ
それに応えるかの様に、もう一本の蔦がキノの口へとねじ込まれる
「ふんんんん♪・・・・ほれぇ・・・ほれおいひいのぉぉ・・・・んふ・・・は・・・・ん・・・ちゅぷ・・・ちゅ・・・ぷちゅ」
最早かつての精悍な旅人は亡く、ただ、一人の女がそこにいた
再び出された怪物の分泌液を飲み干したキノは己の手で秘所を弄りながら怪物へと言う
「おねがい・・・おねがいします・・・・もう・・・・ここに・・・・入れて・・・・・ボク・・・・もう・・・・」
キノはくぱぁ、と指で己の内部を曝け出す
ピンク色の、一度も使われた事の無いそこは愛液を際限なく溢れさせながら
ヒク、ヒク、と妖しく怪物を誘う
それに応えたのか、怪物からキノの腕程もある蔦がソコへと伸ばされる
「あ、あ、あ、あ、あ、それ、もう、ボク壊れても良いから・・・・それ・・・それぇ!」
蔦の先端で焦らす様に淫茎をこね回されながら、キノは涙を流しながら只ひたすらに懇願する
「もう、お願い!入れてぇ!それでぇ!ボクをこわしてぇ!おねがいぃぃぃぃぃぃ!」
そう、キノが叫んだ瞬間
ズブゥゥゥゥッ!
「あひぃぃぃぃぃいいぃぃぁあぁあぁぁぁぁあああぁぁ!!」
一気に最深部まで貫かれたキノは全身を痙攣させ
ぷしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
尿を垂れ流しながら今までの比ではない巨大な絶頂へと達した
「う・・・・あああ・・・・あ・・・・・すご・・・すごいっぃぃぃぃぃ」
絶頂の余韻に浸るキノ しかし、怪物はそんなキノを意に介せず激しいピストンを開始した
「ひぎ!あ、っぐあぁ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あひ、ひ、ひ、ひ、ひ、ひ、あ」
ズン!ズン!と子宮口を突かれるたびに背を大きく反らせ快感を貪る
「きひ!い、いいぃぃぃいいぃぃぃいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃいあぁあああぁぁあぁぁぁぁぁあああ」
「いぃぃぃぃぃいのおおおぉっぉおおおおおああああぁぁあああおあぁあぁ」
もはや意味を成す言葉を発する事すら忘れ、快感の波に飲み込まれた
もう、彼女は人である事すら放棄した
それは悦楽に溢れた幸せな地獄
彼女は、これから死ぬまでこの怪物に嬲られ続け、やがて
ドプ!ドプ!ドプ!ドプ!ドプ!
「ぃぃいいいひいいぃぃぁぁぁぁぉぉぁぉおぉあぁぁぁぁぁぁぉぁ!!!!!!!!」

怪物の借り床として、幸せな不幸に溢れる一生をおくるだろう

                                   -不幸せな天国の国 〜Happy victim〜- End
362 :2005/12/05(月) 18:52:44 ID:4uAxcLTn
キノ「とりあえず、挨拶代わりにヘタレSS書いときましたけど」
エル「全然駄目だねぇ」
キノ「あんまり長すぎるとアレだと思って多少短くしたけど、やっぱりアレだったね」
エル「ムタの横突き、北野かんばれガス踏みニヤリ、だね」
キノ「下手の横好き、下手の考え休むに似たり・・・・かな?」
エル「そう、それ!」
キノ「つまんないよ、それ」
エル「そ、それじゃさようなら〜」
363名無しさん@ピンキー:2005/12/05(月) 20:49:30 ID:CJE4SBPf
イイ!!
また書き込んでください。
364名無しさん@ピンキー:2005/12/05(月) 22:56:56 ID:m+rKMUfg
>359-362


グレイトジョブ略してGJ!
サブタイトルが怖いな…
変形合体で吹き出したのは俺だけではなくなるハズだ
365名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 07:51:13 ID:SRSYsvPw
あえて指摘するなら、(投げ捨てられるように放り投げられる)とか、(天国の国)とか、二度手間な表現がきになる。
366名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 13:38:06 ID:tE9pJI5Y
気にすんな
367名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 23:54:04 ID:3ZfndsXl
作家よ、乙。
368名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 01:25:54 ID:hhj2bm9w
とりあえず、その、なんだ

GJ
369 :2005/12/09(金) 12:16:18 ID:io+d1S+D
「あ、はぁ・・・シズさんの・・・・すごい・・・・・・」
「キノさん・・・・・の・・中も・・・・熱くて焼けどしそうだ・・・!」
「奥・・・・まで・・・・・・ブルって・・きちゃう」
「うあ・・・・・コッチも・・・・すごい・・・・クるよ・・・・」
「ああ・・・・・もう・・・だめ・・・・・」
「こっちも・・・・・限界・・・だ・・・・」
「スゴイよ・・・・もう・・・・・熱くて・・・・・・・シズさ・・・・ぁあ!」
「いくよ・・・中でイクよ!キノさんの・・・」




「シズさんのバギーで・・・・振動でイっちゃうぅぅぅぅぅ!」
ブルルーン!
「キノさんの・・・・・エルメスのマフラーに出すよ!」
「ああー!不純物がエンジン内に入っちゃうー!」


                     ショートショート・機械フェチの話-終-

「さて、私達の立場はどうなるのでしょうね、ティー様」
「・・・・・・舐める?」
「遠慮しておきます」
370名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 12:19:59 ID:FeunSUFw
ティーwwwww
371252:2005/12/10(土) 00:59:56 ID:n6dAuK3U
皆さんGJ!

〜〜〜
多分ここまで格納しました。

第三保管庫 http://kujira.s8.x-beat.com/kino/
372名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 20:57:08 ID:pAY9+aEW
>>371
お前は最高にGJ
373SBI:2005/12/11(日) 16:01:24 ID:edCOVBHe
兎にも角にも皆さんGJ!
>>359-362エロイなあ。感化されて触手モノを書きたくなってきた。
さて、今回も懲りずに書いてまいりました。
またもアリソンです。
それでは………。
374SBI:2005/12/11(日) 16:02:45 ID:edCOVBHe
今思い返せば、あの時の自分は舞い上がっていたんじゃないだろうか。
あの日、「未来の家」にやって来た妖精の様な女の子、彼女は自己紹介もそこそこにこちらを指差して「子分になれ」だの「子分がだめなら信頼できる部下」だのと言い出した。
周囲の人間が呆気にとられていた以上に、驚いて呆然としてしまった自分を覚えている。
本当は自分の方から声をかけてあげるつもりだった。自分の方から友達になろうと言うつもりだった。
あまりにもビックリしすぎたせいで、実はその直後の記憶がどうにもハッキリしない。
女の子に案内するように命令されて、言われるがままについて行って、二人で廊下に出たあと、自分は一体何をしたのだろうか?
断片的な記憶だけが妙にハッキリと頭の中に残っている。
威風堂々と廊下を進む女の子、その後姿に彼女が感じている堪え切れないほどの不安感を見て取ったとき、女の子の前まで駆けていった自分は一体何をしたのだろう。

「ねえヴィル、ちゃんと聞いてるの?」
呼びかけてくる声に、ヴィルは過去の思い出の中に埋没していた意識を引き上げる。
首都のアパートの一室、ヴィルはここであの時の女の子、アリソン・ウィッティングトンと一緒に暮らしている。
紆余曲折、様々な出来事を経て,アリソンはヴィルに自分の思いを告白した。以来、二人は誰もが認める仲の良いカップルとなった。
今日はアリソンから何やら提案があるという事で、先程から話を聞いているのだが、どうにもボーッとしてしまっていたようだ。
「ここからが大切なところなんだから、ちゃんと一言一句漏らさず聞いてなさい」
「う、うん」
真剣な眼差しで見つめられて、ヴィルも姿勢を正してアリソンを正面に見据えて向き直る。
「うふふ、ちょっと耳を貸して」
妙にニヤニヤした笑顔を浮かべてアリソンが言う。少し怪訝に思いながらも、ヴィルはアリソンの方に身を乗り出す。
「実は提案っていうのはね、………ごにょごにょごにょごにょ」
375SBI:2005/12/11(日) 16:03:37 ID:edCOVBHe
耳元で囁かれた言葉をヴィルが理解するまでに10秒、それから固まってしまったヴィルが動き出すまでさらにたっぷり20秒はかかっただろうか。
その間中、アリソンは相変わらずニヤニヤとした笑顔を浮かべたままヴィルの様子を窺っていた。
長い長い沈黙の後、ようやくヴィルの喉の奥から搾り出された言葉は………。
「えええええええええええええぇっっっっ!!!!!!!!!」
大きな大きな悲鳴をあげたヴィルを残して、アリソンは部屋から立ち去る。ヴィルの意見を聞くつもりは、どうやらないらしい。
「じゃあ、さっき言った通りにお願いね」
アリソンが振り返って言ったその言葉も、果たしてヴィルには聞こえていたかどうか……。
部屋の中に取り残されたヴィルは、これから自分がアリソンにしなければならない事を想像して頭を抱えるばかりだった。

目を覚まして最初に感じたのは自分の頭に触れている暖かい何かの感触だった。薄暗い寝室の毛布の中で眠りから覚めたアリソンはぼんやりと自分の置かれた状況を思い出す。
しばらく目を閉じたまま何もせずにいると、段々と自分がベッドに入る前にした発言の一つ一つが明瞭になってくる。
そうだ、自分はヴィルにある提案をしたのだ。二人が今夜ベッドの中でどのように過ごすかについての提案をヴィルの耳元で囁いたのだ。
ヴィルに告白して、念願の恋人同士になって、同居もするようになったとくれば、それ以上の進展はそれほど難しい話ではなかった。
ヴィルとアリソンはもはや互いの肉体を許しあった関係なのだ。たまの休みともなれば二人でエッチな事をしちゃったりするのだ。
その手のことには奥手なヴィルも、アリソンのために頑張って精一杯優しくしてくれた。
少し前の事を思い返せば夢のようにも思える現在の状況、しかしアリソンの性格は現状にとどまって満足しきってしまうようなものではなかった。
もっとヴィルとイチャイチャしたい。もっとヴィルと色んなエッチな事をしてしまいたい。
湧き上がる情熱に任せてこれまでも様々な試みを行ってきたのだが、アリソンだけが意識して先走ってもなかなか上手くいくものでもない。
そこでアリソンはエッチをする上での自分の思い付きに、ヴィルを協力させることにしたのだ。
今回アリソンが思いついたのは「アリソン脚本によるヴィルのバーチャル夜這い大作戦」である。
376SBI:2005/12/11(日) 16:04:25 ID:edCOVBHe
それほど難しい話ではない。要するに寝たふりをしているアリソンに、ヴィルの方からエッチなことを仕掛けるというものだ。
自分の寝姿に興奮したヴィルがエッチな悪戯をしてくる。アリソンはこれまでに何度そんな妄想をしてきたか知れない。
しかし、それが現実に起こるにはヴィルの性格は真面目過ぎた。
ならば双方合意の上でそのシチュエーションを楽しもうというのが今回のプランの骨子である。まあ、ヴィルの同意が得られたかどうかについては怪しいところだが………。
そこでアリソンは再び自分の状況について頭を集中させる。別に服がはだけているような事も無い。
自分の体に触れているのは先程から頭を撫でてくる優しく暖かいもの、恐らくはヴィルの手の平だけだ。
ちょっとガックリだ。今夜はもうどうしようもないくらいにヴィルが自分の体を求めてくるのを期待していたのに、やはりちゃんと同意を得なかったのが拙かったか。
少なくともこのままでは埒があかない。こうなったら潔く作戦放棄、こちらから迫っていくのもありだろう。
気配からしてヴィルは自分の真正面にいるはずだ。ヴィルの様子を確認しなければ、そう思って薄っすらと目を開けたアリソンは一瞬息を飲んだ。
「……………っ!!」
触れそうなぐらい間近にヴィルの顔があった。こんなに近くにいたなんて。毛布に阻まれて直にヴィルに触れていなかったので気付かなかったのだろうか。
薄暗い部屋の灯りの中でも、ヴィルが心底愛しそうに、一心に自分の顔を見つめているのがわかる。頭を撫でてくれる手の平の優しさが、急に意識された。
普段一緒に過ごしていても見られないほど幸せそうな表情、それが今目の前にある。ヴィルが自分のことをどんな風に思ってくれているのか、その顔が全てを物語っていた。
急に脈拍が高くなっていく。どうしていいかわからず、とりあえず目を閉じた。けれども瞳に焼きついたヴィルの表情はアリソンを解放してくれない。
(ど、ど、どうしよう?どうしたらいいんだろう?)
さっき目が覚めたのだと、それだけの事を言うための勇気が湧いてこない。
思いがけず知ることとなった恋人の自分に対する愛情の強さ、深さ、まるで告白する以前の悶々とした日々に引き戻されたようだ。
恐らく寝たふりをしているだけの筈だったアリソンがすっかり眠りこけているのを発見して、ヴィルは今回のプランを中止にしたのだろう。
どれだけ眠っていたのかはわからないが、きっと随分長い間ヴィルはアリソンに添い寝しながら頭を撫でていてくれたのだ。
はっきり言って擬似夜這いなんか比べ物にならないぐらいドキドキする。
377SBI:2005/12/11(日) 16:05:24 ID:edCOVBHe
(どうすればいいの?どうすればいいの!?)
くるくると空回りを続けるアリソンの思考はお構い無しに、ヴィルのいたわるような指先がアリソンのなめらかな金髪の上を滑る。
どこまでも温かなその感触に身を任せる。それ以上アリソンに出来る事はありそうになかった。静かな部屋にアリソンの鼓動がやけに大きく響く。
手の平から伝わるその熱は、アリソンにとっては心を安らがせる、どこまでも懐かしいものだった。
むやみやたらに色んなところへ引っ張るアリソンの手の平を、ヴィルのこの手はいつも躊躇うことなく握ってくれた。
アリソンの脳裏に未来の家で一緒に過ごした頃の記憶が去来する。そう言えば、この手の平に一番最初に触れたのはいつの事だっただろう。
あの時でもない。この時でもない。その一番最初の瞬間を探してアリソンの心は記憶を遡る。そして幾つもの思い出の果て、アリソンはその瞬間を見つけた。
(そうよ…あの時、ヴィルは私に……)
胸の奥底からこみあげる熱い思いがゆっくりとアリソンの心を満たしていく。何か一つきっかけがあれば、「好きだっ!!!!」と大声で叫んでしまいそうなこの気持ち……。
(うあああ………ヴィルぅ……っ!!!!!)
気が付いたときにはヴィルの体に思い切り抱きついていた。しまった……、別にやましいことをしたわけでもないのにそう思った。
勢い任せの自分のプランにヴィルをつき合わせようとしていた事が恥ずかしくなってきた。本当は起きていたのに、それを隠していた事が何となく後ろめたかった。
その気持ちも一瞬の後には吹っ飛んでいた。腕の中一杯に感じるヴィルの存在がただただ愛しくて、それ以外考えられなくなっていた。
突然動いたアリソンに驚いて、ヴィルの手が止まった。恐る恐る目をあけたアリソン、少し戸惑ったようなヴィルの表情が目に入る。
そんなヴィルの顔を見ていると悪戯心が湧いてきた。
「……ううん…むにゃむにゃ………ヴィルだいすきぃ〜〜〜…」
わかりやすいぐらいに棒読みの寝言、ヴィルもさすがにおかしいと気付き始める。
しかしアリソンの攻撃は続く。片手で毛布をどけて、ヴィルの体を抱き締める腕にさらに力を込める。
「ア、アリソン?……もしかして、起きてたの?……うひゃああああっ!!?」
ぎゅうっと体を密着させられてヴィルはもうどうする事も出来なくなってしまう。
378SBI:2005/12/11(日) 16:06:02 ID:edCOVBHe
ヴィルだっていっぱしの男である。好きだ好きだと言われながら、大好きな女の子に体を密着させられて平気なはずも無い。
ヴィルの鼓動がどんどん早くなっていくのを、アリソンは聞いた気がした。高鳴り続ける互いの鼓動が二人を包んでいく。
「……うふふ…ヴィルぅ…好き好き大好き〜〜〜〜……」
もう寝言のふりもやめている。勢いに任せて頭の中に湧き出てくる思いを、そのまま口に出してしまう。
その時、そんなアリソンの肩をヴィルの腕が優しく抱き締めた。ようやく状況を悟ったらしく、落ち着いた調子で口を開いた。
「まったく……アリソンは本当に寝相が悪いなあ、もう……」
こちらもあからさまな棒読みの台詞、アリソンがヴィルの顔を見上げると、ヴィルは片目でウインクして見せた。
どうやらヴィルもアリソンが目を覚ましている事に目をつぶって、当初の計画通り芝居を続ける腹積もりのようだ。
ヴィルの意図を了解したアリソンは目を閉じて、全てを自分を抱き締めてくるその腕に委ねた。
「それにしても……本当にアリソンって綺麗だなあ……」
言いながらヴィルはアリソンの背中に回した手の平を、すーっとお尻の方まで這わせた。アリソンの体がその感触にぞわりと震えるのを感じる。
「ああ…アリソンの体って柔らかくって、あったかくって……とってもエッチだな…」
発する言葉の一つ一つがとんでもなくわざとらしい棒読みなのは、それが実は全てヴィルが本当にそう思っている事だからだ。
自分がアリソンのどんな所が、どれだけ好きなのか。その全てを口にしてしまうのは、あまりに恥ずかしくって気後れしてしまう。
お互いの気持ちを知ってしまった後ではこれまでさらりと言えていた事が、妙に気恥ずかしくて言葉に出来なくなった事もあった。
だけど、現実ならあり得ないような状況を想定したこのお芝居の上なら、なんだか気兼ねなくそんな思いを口にすることが出来る気がした。
「アリソンのおっぱい…すごくやわらかい……」
布地越しにもわかる弾力をもった双丘に指先を沈ませ、思う存分に揉みしだき、乳首を摘み上げる。その度に敏感に反応して、小さく震えるその体が愛しかった。
「……ああっ……はぁんっ……ふああ……」
379SBI:2005/12/11(日) 16:06:47 ID:edCOVBHe
切なげに漏れたアリソンの吐息が、ヴィルの衝動をさらに加速させる。責めは乳房に限らず、首筋に耳たぶにお尻にと、縦横無尽に繰り広げられる。
(ああ、僕はこんなにもアリソンのことが好きだったんだ……)
馬鹿げた状況設定のお陰で、ヴィルは自分がどれほどにアリソンを求めているのかを第三者的な視点で眺めることが出来た。
どれだけアリソンに触れようとも収まることなく、むしろ大きくなっていく熱情が全ての証だった。自分はアリソンの全てが好きなのだ。
「この細い腰も…すらりとした足も…可愛いお尻も…ぜんぶ、ぜんぶ僕はぁ……」
「や…はあんっ!!…うあ…ああんっ!」
次第に荒くなっていくアリソンの呼吸を確認して、ヴィルは次の段階に進むことを決意する。するりとアリソンの服の中、ショーツの内側へと指先を侵入させた。
じっとりと湿ったその内側の熱を、ヴィルはその指先でいつも以上に感じることが出来たように思えた。
「すごい……眠ってても感じてるんだ……エッチなんだね、アリソンは……」
「やぁ…そんな……ちが…はぅうううっ!!!!」
ヴィルの意地悪な言葉に、アリソンが状況設定を忘れて反論してしまう。ヴィルはそんなアリソンの反応にむしろ気を良くして、指先でアリソンの敏感な部分を弄ぶ。
「ふあああああっ!!!!……ヴィルっ!!ヴィルぅううっ!!!」
寝たふりを続けるのはそろそろ限界のようだった。ヴィルの体に必死でしがみつき、アリソンは声を上げその長い金髪を振り乱した。
ヴィルはただただアリソンへの愛しさに任せて、指先の動きを強く激しいものにしていく。そして唐突に限界はやってきた。
「ああ、もう……ひああああああああああああああっ!!!!!」
大きく声を上げて絶頂に達したアリソン、その体から張り詰めていた力が抜ける。
大きく胸を上下させて呼吸を整えるアリソンが少しでも楽な姿勢がとれる様に、ヴィルは一旦体を起こしてアリソンとの密着状態を解いた。
「ふああ……ああっ…はぁはぁ………はぁ…」
味わった快感の大きさに顔を火照らせて茫然自失の状態になっているアリソン、その艶かしい姿にヴィルはしばし見とれていた。
そこでヴィルはアリソンの手の平が震えているのに気が付いた。単に絶頂の余韻のためだけではない。何かを求めるように、力ない手の平がふらふらとベッドの上で動く。
380SBI:2005/12/11(日) 16:07:35 ID:edCOVBHe
ヴィルの手の平はまるでそうする事が当然であるかのように、自然にアリソンの手の平へと伸びていき、その震える指先を優しく、しっかりと包み込んだ。
瞬間、ヴィルのなかでぼやけきっていた記憶が、明確な形をもって蘇った。
(そうか…あの時、僕はこんなふうにして……)
それはヴィルがどうしても思い出せなかった、初めてアリソンと出会ったあの時の記憶だった。
ヴィルに案内するように命令してずかずかと歩いていくアリソン、その手の平がほんの少しだけ、細かく震えていることにヴィルは気が付いた。
何とかしてあげたい……。その思いだけで頭の中が一杯になって、その思いだけで体が自然に動き出して、気が付いた時にはアリソンの手の平をぎゅっと握っていた。
(……僕の方から最初にアリソンの手を握ったんだっけ……)
あの時振り返ったアリソンが一瞬だけ見せてくれた本当に嬉しそうな笑顔、それだけは確かに憶えていたのに……。
「そうか…そうだったんだ……あはは…」
なんだかとっても嬉しくて、どうしようもなく嬉しくて、知らず知らずの内に笑みがこぼれていた。
あの時からもう既に、自分はアリソンのことを大好きになっていたのだ。こんなに嬉しいことはないじゃないか。
「んんっ……ヴィル、どうしたの?」
突然笑い出したヴィルに、今しがた起きたばっかりのような風を装ってアリソンが問い掛けた。
「いや、特になんでもないけれど……起きちゃったの?アリソン……」
まったく気が付いていなかったと言わんばかりのとぼけた調子でヴィルが聞き返した。
「ヴィルがエッチな事してくるから起きちゃったのよ……まったくヴィルったら、やらしーんだから……」
「ごめん」
悪戯っぽく笑いながら答えたアリソンに、ヴィルも笑顔で答えた。何だかとっても可笑しくって、二人顔を見合せたまま笑い合う。
「………ごめんね、ヴィル。無茶な注文につき合わせちゃって……」
「ううん、楽しかったよ」
ちょっとバツが悪そうに俯いたアリソンに、ヴィルはそっとキスをしてやる。
381SBI:2005/12/11(日) 16:08:18 ID:edCOVBHe
陳腐に過ぎるゴッコ遊び、どうにもならない猿芝居、しかしそれを通して相手の存在をずっと近くに感じることが出来た。自分の気持ちをより深く知ることが出来たのだ。
これ以上の成果はないだろう。
「アリソン、大好きだよ……」
「私も……」
ヴィルの手が一枚一枚、アリソンの身にまとう服を脱がせていく。恥ずかしそうに顔を赤らめながらも、アリソンは全てをヴィルが行うのに任せてじっとしている。
最後にアリソンの体の奥から溢れたものでぐっしょりと濡れてしまったショーツを脱がすと、ヴィルも手際よく自分の服を片付けてしまう。
お互いに生まれたままの姿で向き合いながら、ヴィルは改めて驚嘆の息を漏らした。本当にアリソンは美しい。
「いくよ、アリソン……」
「うん」
一言呟いてアリソンの体の上に覆い被さり、しっとりと濡れたその秘裂に自分のモノを侵入させていく。
そしていつにない熱を感じさせるアリソンの内側を、ゆっくりゆっくりとヴィルのモノが動き始めた。
「ふあああっ!!あああんっ!!やっ!!はあああっ!!!!」
熱く硬いそれが入り口から奥の奥まで行き来を繰り返すごとに、体全体を貫くように走る快感がアリソンを何度も襲ってくる。
思うがままに自分の内側を蹂躙してくるその熱の固まりに、アリソンはただ声を上げ、その快感に身を任せるほか無い。
「ひあああんっ!!!…こんな…はうぅ…きもち…良すぎて……ひゃあんっ!!!」
思考がまともに繋がってくれない。押し寄せる快感の洪水の前ではアリソンの意識は一艘の小船ほどの力も持たない。ただ、流されていくだけだ。
ヴィルも感じられる快感にどうすることもできずに突き動かされ、前後させる腰の動きを早く強く、より激しいものにしていく。
「ああああっ!!すごいいいっ!!!ヴィルのが…私の中で…はぅううううっ!!!」
切なげに眉根を寄せ、目尻には涙を滲ませる。ヴィルの体に縋りつく腕に力を込める。
激しさを増していく責めに翻弄されながらも、アリソンの心はただヴィルだけを求めていた。
382SBI:2005/12/11(日) 16:10:50 ID:edCOVBHe
「くぅ…アリソンっ!!アリソンっ!!!アリソンっ!!」
「うああっ!!ヴィルっ!!ヴィルぅ!!!好きっ!!好きなのぉっ!!!!」
幾度言葉を積み重ねようとも、決して伝えきる事はできないであろう胸の中の熱い思い、二人はその全てを、重ねあった体と触れ合う肌に託した。
お互いを求め合う心はそのまま行為の激しさへと変わっていく。突き入れ、突き入れられ、貪欲に相手の体温と荒い吐息を求め続ける。
最愛の人の名前、お互いの名前を何度も呼び合い、交わしたキスの数はもはや数えるのも困難なほどだ。
「うあああっ!!!アリソンっっっ!!!!!」
「ひあああああっ!!!!ヴィルぅううううっ!!!!!」
高まり続ける熱は二人を飲み込み、その中でアリソンとヴィルは我を忘れて夢中で交わり、抱きしめ合った。
そして二人が高め続けた熱量は、限界迎えたダムを決壊させるが如く、二人を絶頂の彼方へと押しやった。
「うああっ!!アリソンっ!!アリソンっ!!!ああああああああああああっ!!!!!!」
「やあああっ!!!イっちゃうぅ!!イっちゃうよおおおっ!!!ヴィルっ!!!ヴィルううううううううううううっ!!!!!」
全てが白熱の中に飲み込まれていくような激しい絶頂感を感じながら、二人は意識を失った。

果たしてあれからどれぐらいの時間が経過したのかはわからない。どちらが先に目を覚ましたのかもわからない。
激しすぎる絶頂の余韻を引きずって朦朧としていた二人は、意識がハッキリしてくるとまず抱き合い密着した自分たちの状況に気が付いた。
次に手の平に伝わる温かな感触に気が付く。どうやら二人は無意識の内に互いの手を握り合っていたようだ。
二つの手の平は相手をいたわるかのように優しく指先で包みあっている。二人はしばしその温かさを噛み締める。
「………アリソン」
優しく呼びかける声に応えて、アリソンは空の青を映した瞳でヴィルにそっと微笑みかけた。
「ありがとね………ヴィル」
言葉に出さなくても二人にはわかっていた。今、その手の平に感じている温かさは、きっと出会ったあの日から変わっていない。
383SBI:2005/12/11(日) 16:11:55 ID:edCOVBHe
そして、これからもずっと………。
アリソンがヴィルの胸に顔を埋め、ヴィルはそっとその背中を抱き寄せる。
と、その時………。
「あ、いいこと思いついた」
「えっ、何?」
突然顔を上げたアリソンに、ヴィルは不思議そうに尋ねる。
「いや、いつもはさっきみたいに私がヴィルの胸に抱きしめてもらってるけど………」
瞬間、ヴィルの顔に柔らかくて温かいものが二つ押し付けられ、視界を阻まれる。
「えっ?えっ!?何?なんなの?」
ヴィルはアリソンの腕に抱きしめられ、その顔面にアリソンのおっぱいをぎゅうぎゅう押し付けられていた。
「わわわわわわわわっっっ!!!?!!?」
「たまにはこういうのもいいでしょ?」
そんなことを聞かれたところで、茹蛸のように真っ赤になって言葉を失っているヴィルには答えようがない。
アリソンが妙に得意げな表情で笑う。何にも見えない状態なのに、ヴィルもその顔が見えるような気がした。
(う〜ん、………本当にたまになら、こういうのも良いかな?)
ちょっと前なら恥ずかしくて、考えもしなかったような事を考えている自分にヴィルは気がつく。
なんだかそれが楽しくて、こうして二人でいられることが嬉しくて、アリソンのおっぱいを押し付けられながら、ヴィルは心底幸せそうに笑った。
384SBI:2005/12/11(日) 16:17:41 ID:edCOVBHe
こんな感じでした。
文句は言わせねえ!!ヴィルとアリソンは、ラブラブで最高でラブラブで最高で、つまりラブラブなんだ。
ヴィル×アリ萌えが基本になるので、二人に関する作品が多くなりがちですが、
他のキャラの話も頑張るつもりなのでどうぞ温かく見守ってください。
てか、ラディアになって同じベッドで仲良く寝る二人を見てみたいっ!!!
フィーかベネディクトに成り代わって、折り重なって眠るほほえましい二人を干渉してぇ!!
………これ以上はきりがなさそうなので、やめときます。
それでは、また………。
385名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 16:43:01 ID:VPLnbtOL
やっぱ純愛はイイ!!
386名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 19:17:53 ID:/Orv1WkW
これはいいバカップルですねw
387 :2005/12/11(日) 21:14:01 ID:hrz+30KM
流石SBI氏  文句無くGJですなぁ
良いですねぇ純愛
俺は純愛モノ書けないっすからメチャ羨ましい
その、その文才を俺に下さい!つうかくれ!


えっと
またショートショート投稿したいと思います
SBI氏の後だと大変な御目汚しになるかと思いますがご容赦くださいませ
388 :2005/12/11(日) 21:52:27 ID:hrz+30KM
「無くなってさ、初めて分かる大切なモノってあるよね」
森の中・・・・そこに少女の独白が聞こえる
相槌も受け答えもないが、少女はただ無為な独白を続ける
「無くなってさ、初めて分かる大切なモノってあるよね
 普通の人だと、例えば、故郷とか両親だとか・・・えっと・・・その・・・こ・・・・・恋人とかさ」
少女の目の前に居る いや、在るのは物言わぬ鉄塊
ただ、その今は使う事の無くなったフロントライトに焚き火を映し、其処に鎮座している
「旅人だと何かな・・・ そう、移動手段とか路銀とか
  あ、食料!食料は大事だね  僕は一日何も食べれないなんて我慢出来ないな」
最早動かなくなってしまったモトラド(注:空を飛ばない自動二輪車の事 モスビーダのバイクは卑怯です)に対して
まるで人にするかのように話しかける少女
だが、モトラドは何も言わない
「ああ、あの時の手袋はイタかったな・・・
 おかげでピカピカだったこの手袋もこんなにボロボロになっちゃった」
確かに、少女のはめている手袋はボロボロで、最早何色だったのかも分からなくなっていた
「ねぇ、エルメス・・・ 僕は本当に後悔しているよ
 あの時、君の忠告をちゃんと聞いてれば、エルメスがこんな事にならなくてすんだのだから」

パチパチ、と火の爆ぜる音と サワサワ、と夜風が揺らす木の葉の音
そして少女の独白以外には何も聞こえる事の無い森の中
火も熱も無くしたモトラドは、ただ、そこに在るだけだった

「エルメス 本当言うとね
 僕は途中でエルメスを置いていこうか何度も考えたんだ
 でも、それはやっぱり無理だったよ
 たとえ動かなくなっても、エルメスと別れる事なんて僕には出来やしない
 だって
 だってエルメスは僕の大事な相棒だから」

「だから・・・エルメス・・・何か・・・・何か話してよ」

「いつもみたいにうろ覚えの諺とか、いろんな自然現象の事とか
 前の国であった事とか、ねぇ・・・・・エルメス・・・・」

「エルメス!何か応えてよ!」
「五月蝿いなぁ!一体誰の所為でボクがこうなったと思ってるの!」

森の中に、もう一つの声、いや怒声が響き渡った

「だいたいキノは考えなしなんだ!ボクは言ったよね?絶対燃料が足らなくなるって!
 それなのに!何が『なくなる前に次の国へ着けばいい』だ!国なんて滅んで無くなってたじゃないか!
 バカ!バカキノ!貧乳!」
「な・・・!貧乳!?貧乳って言ったな!この鉄クズ!だからってずっと黙ってる事無いだろ!」
「五月蝿い五月蝿い!キノはもっと『ビシバシと叩いて!マサル!』って事を知るべきだ!」
「それを言うなら『石橋を叩いて渡る』だ!この一人ボキャブラ!」

森の中・・・そこに二人の怒声が聞こえる
意味も必要もないが、二人はただ無為な言い合いを続けるのであった

                                   ショートショート・落ち着かない(オチ、付かない)話-終-

「大変ですシズ様!飲み水が切れました!」
「・・・・喉渇いた・・・・・・・・・・」
「よーし、それじゃあオ兄チャンのミルクセーキでも飲んで元気出したま・・・」
「・・・・・・・・・爆!」
ズドーン
「ああ、シズ様・・・脳の病気が更に進行されて・・・・・」
389名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 22:42:56 ID:37d7wuK/
390名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 23:30:17 ID:Th6jpEHf
ここ見た直後に寝たら、起き掛けにどうしようもない妄想をしてしまった
391名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 06:21:58 ID:U9mZR31z
>>388
上手いww
392SBI:2005/12/12(月) 10:02:21 ID:rICPfGJ0
>>387-388
GJ! 面白かったです。惚れ惚れしました。
393名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 18:05:49 ID:gLJ3IPfs
>>388
個人的に陸がいいキャラだしてんなw
394 :2005/12/12(月) 23:01:46 ID:qV0fW7kk
え、SBI氏から感想が!
うれしすぎて感動汁か止まりませんよ

いやいや、もちろん読んでくれた全ての方の感想こそが俺の生きる糧ですから
他の方の感想も印刷して神棚に飾ってありますよ?


んではでは
ちょっと長めのやつの投稿いきます
いつもと違って下書き→投稿なので雰囲気が少しちがうかもです
いつもはその場の勢いとノリで即興で書いてるからねー
下書きしてていつもの方が楽だわー、とか再認識しました

内容はシズ×ティー(場合によりティー×シズ)でふ
ではどうぞ
395 :2005/12/12(月) 23:02:39 ID:qV0fW7kk
「やぁ、キノさんもこの国に来られたんですか?」
若い旅人がオープンカフェのテラスでパフェの山と格闘していると
そこにやって来た青年が声をかけてきた
「・・・・・・・・・・・・・・ああ、シズさんに陸さん お久しぶりです」
「やぁ、久しぶりだね毛玉」
「・・・忘れていませんでしたか?」
「お久しぶりです キノ様 鉄クズ」
旅人と青年、モトラド(注:自動二輪車の事 主にロケットエンジンが付いてないモノを指す)、白い犬が互いに
挨拶をかわす
キノと呼ばれた旅人は精悍な顔つきをしている
背中と腰にハンドパースエイダー(注:銃器の事 この場合は拳銃)を下げ
茶色のロングコートのボタンを胸元まで閉めている
シズと呼ばれた呼ばれた青年もまた精悍な顔つきをしている
腰にカタナを下げ、緑のセーターを着ている
陸と呼ばれた毛だm
「もし、毛玉と言おう物なら、今すぐ貴方の喉笛をかっ裂きますよ?」
陸と呼ばれた白い犬は笑っているかのような顔をしているとても利発そうな犬だ
・・・これで良いですか?
「重畳です」
「誰と話しているんだ?陸」
「いえいえ、お気になさらず」
鉄クズと言われたモトラドは
「ボクの名前はエルメスだ!訂正しないと4里ほど引き摺り回すからね!」
・・・・ええ、と、エルメスというモトラドは、んん〜、まぁ、モトラドだった
「・・・・・・・・後で憶えてろよ?」
「誰と話してるんだい?エルメス」
「気にしない、気にしない」
そして、もう一人
シズの後ろに隠れている少女が居た
白く、可憐で、儚げで、世界中の男共の心を掴んで離さない美しい少女が
「なんか、僕の紹介と随分違うんじゃないの?僕が可愛くないとでも?」
い、いえいえ、キノさんも十分お美しいのですが・・・その・・・
さっきから手榴弾のピンに指を掛けてコチラを睨んでいるものですからして・・・・
「こら、ティー そんなものを街中で出してはいけないと何度言ったら・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・ふぅ、助かった
ええと、どこまで書いたか・・・ああ、そうそう
ティーと呼ばれた少女はシズの背後から顔を覗かせてキノに僅かに会釈した
「こんにちは、ティーちゃん シズさん達はいつからこの国に?」
「今朝ついたばかりですよ キノさんは?」
「僕らはついさっきです」
「大変だったんだよ キノが燃料を買い足さなかった所為で此処まで5日も歩いて来たんだから」
「ええ!?では、エルメスさんを押してあの森を?」
信じられない物を見たかのようにシズの顔が驚愕に染まる
それを見て俯き加減で恥ずかしそうにキノは言った
「はい、お恥ずかしながら」
「まったく、これだから鉄クズは困りますな 燃料も碌に積めずに主人の足手まといになるとは」
「なんだと?荷物も乗せる事が出来ないくせに偉そうな事言うな ナマモノ」
「落ち着きなよ エルメス」「どうどう、陸」
其々が其々の相棒をなだる
双方が落ち着いたのを確認し、キノがシズに同席を勧め、シズはそれに応じた
キノの対面にシズ、その左隣に陸が鎮座し、右隣の椅子にティーがチョコンと座る
店員にシズが緑茶とあべかわ餅、ティーがココア、陸がミルク、キノがパフェと紅茶のお代りを頼む
・・・変なカフェ・・・・・・・・・・
「シズさんはもう宿は決めましたか?」
「はい 前の国でそれなりに路銀を確保できたので、そこの、ほら、あの赤い屋根のホテルを」
「・・・・・・・・良いですね」
「ボク達は野宿かもねー」
「ええ?またどうして・・・」
「それが・・・」
396 :2005/12/12(月) 23:03:41 ID:qV0fW7kk
「ボクの燃料と携帯食料とカノンの予備弾と火薬とボロボロになった手袋を買いなおしたところで宿代が無くなったんだ
 で、今残ったお金でヤケ食い中ってワケ」
「エルメス!ペラペラと余計な事を!」
その瞬間
(いける!これは・・・・チャンスだ!)
ギラリ、とシズはその瞳に狩人の光を宿した
ティーが、何故か顔をしかめてシズを見上げている
「キ・・・キノしゃん!」
「シズ様落ち着いて」
「・・・キノさん、もし良かったら私達とご一緒しませんか?」
「え?」
キノが己の体を隠すように腕を胸の前に運ぶ
「え、あ!いえいえ!私達がとった部屋には寝室とリビング(?)あるんです ですから、キノさんが考えてるような事は決して
 全くこれぽちも無いですから!いや、これ本当!マジで!ご安心して!モルスァー!」
「(余計妖しいなぁ・・・)・・でも、ご迷惑では?」
「いえいえ、ご遠慮なく!私はソファーで寝ますから!寝室には内鍵もありますし!
 大体、キノさんを力ずくなんてとても」
「・・・そんな事考えてたんですか・・・・・・」
キノがジト目でシズを睨む
(や、やばい・・・しかし此方に秘策アリ!だ!)
シズはゥホン!、と一つ咳払いをし、キノに魅惑の言葉を投げかけた
「・・・夕食代も持ちますよ」
「うっ!」
キノは目を見張り、前のめりになってシズの言葉に心を奪われる
(フィーッシュ!)
シズはここぞとばかりに畳み掛ける
「・・・バイキングだそうですよ」
「くぅ!」
「この国名産の魚介タップリ」
「ああ!」
「テイクアウト有り」
「な!」
「ベッドもフカフカ アメニティも充実」
「ま、負けるかぁ!」
「朝食も付いて」
「ゴクリ・・・」
「それもモチロン、バイキング」
「そんな、だめぇ!」
「無料クリーニングサービスなんて当たり前」
「もう、僕、我慢できない!」
キノの興奮に染まった表情を確認し、
(フフフフフ・・・・・この一言で・・・完全に・・・・・堕ちる!)
シズは一拍溜めて、神妙な面持ちで、最後の一言を言い放った
「シャワー浴び・・」
「シズ様」
訂正、言い終える前に陸がシズを呼ぶ
「このバカ犬め!鍋にしてやろうか!」
(・・・・どうした、陸)
「・・・ウウッ・・・モノローグとダイアローグを完全に間違えてますよシズ様・・・先程から修理工の方があちらでお待ちです」
主人のあまりな物言いに嗚咽交じりになりながらシズにそう伝える陸
ティーが陸の頭を撫で、慰める
「ああ、すまん陸 すいませんキノさん バギーの修理が終わったみたいなので行って来ます
 少しノ間ティーをお願いできますか?」
「ええ、良いですよ」
「すいません、お願いします 行くぞ、陸」
「・・・ずずっ・・・はい・・・シズ様・・・・・グス・・・・・」
半泣きの陸を従え、シズは通りの向こうに消えていった
「へ、良い気味だ 所詮ワン公に人間の相手なんて無理なんだよ」
「エルメス、人を呪わば穴二つって知ってる?」
「知らないね〜」
397 :2005/12/12(月) 23:04:28 ID:qV0fW7kk
「・・・・・・・・・ねぇ」
はじめて、ティーが言葉を発した
キノは一瞬びっくりした顔をしたが、すぐに微笑み、ティーに応える
「なに?ティーちゃん」
「・・・シズさんをとらないで」
ティーの次の言葉は、一瞬ではなく完全にキノの表情を変えた
「・・・・・・・・・・・・・え?」
「私からシズさんをとらないで」
困惑に塗り固められた間抜けた表情でキノは、
「ボクが、シズさんを?」
「・・・・・・・・・・・・」
キノの問いに、こくり、と小さくうなずくティー
キノは、からかわれているのだと思い、ティーを見るが、その表情は真剣そのものだ
キノは真剣な顔をし、ティーを真正面から見つめながら、言う
「・・・シズさんがどう思っているかは何となく分かるけど、僕にその気は無いよ
 たしかにシズさんは好きだけど、一番じゃない
 だから僕はシズさんの気持ちに応える気は無いよ」
「・・・・・・・・・・・・今は」
「うん、今は、ね
 将来の事なんて分からないから、これから先もシズさんが一番にならないなんて断言は出来ない
 でも、少なくとも今は違う それは断言できるよ」
「・・・・・・・」
「大丈夫だよ もし、ティーちゃんが望むようになって、その時に僕の一番がシズさんになってたとしても
 やっぱり欲しいから頂戴、なんて事わ言わないよ」
「・・・・・・・・・・・分かった」
ティーはその表情から緊張を解き、ココアを一口啜った
キノはフッ、と微笑みティーと指きりげんまんをする
そこへ、シズと未だに意気消沈している陸が戻ってきた
「おや、随分と仲良くなってますね 何を話してたんですか?」
「女の子同士の秘密、だもんねー、ティーちゃん」
「・・・・・・ねー」
「?」
たった短い時間の内に何故か意気投合している二人を見て頭に疑問符を浮かべるシズ
それを見て、またクスッ、と笑いあうティーとキノ
「さて、」とキノは椅子から立ち上がりレジへと向かう
「キノさん、これから何処かへ行かれるんですか?でしたら・・・」
「いえ、僕達だけで行きます それに、先ほどの話もお断りさせていただきます」
「ええ!?でもキノさん、お金は・・・」
「大丈夫です 次の国で売ろうと思ってた物がありますから」
キノは会計を済ませ、エルメスに跨り、エンジンに火を点す
「では、シズさん また今度」
「え、あ、ああ、また・・・」
「キノ様もお気をつけて・・・鉄クズも、キノ様捨てられないよう気をつけてな」
「毛玉も、あんまり気を落とすなよ」
「それじゃ、シズさん ティーちゃんを大切に」
「へ?」
シズが何の事やら分からない、という顔をしてる間に
排ガスと土煙を残してキノとエルメスは町の向こうに消えていった

「ねぇ、キノ」
「なんだい、エルメス」
「さっき言ってたキノの一番すきなのって・・・やっぱり・・・・」
「うん、今の僕の一番はやっぱり『旅』なんだ」
「あ、そうなんだ」
「なんだと思ってたんだい?」
「ボクの事かと・・・」
「それは自惚れってものだよ エルメスは2番目さ」
「じゃ、3番がシズさん?」
「3番目は師匠だな、4番目はカノン 5番目は・・・・・食べ物だ」
「6番目はシャワーとか?」
398 :2005/12/12(月) 23:06:01 ID:qV0fW7kk
「あたり」
「シズさんは?」
「・・・7・・・・・8・・・・・・9番目・・・・かな?」
「・・・・シズさんに同情するよ・・・・・・」

「はぁ・・・・・」
キノ達と別れたあと、適当に時間を潰し、宿へ戻ってきたシズ達
夕食を食べる間も、シャワーを浴びた後もシズは浮かない顔をしていた
「172回目の溜息です シズ様」
「一々数えなくてもいい」
「たんなる先ほどの恨み返しですので御気になさらず」
「・・・意外とねちっこい性格だったんだな、陸」
「お褒めに預かり光栄至極」
まったく抑揚の無い声でチクリチクリ、と、厭味をいう陸
はぁ・・・と、再び漏らし、陸に「173回目です」と言われながら、シズはベッドに腰掛ける
「・・・・・キノさん・・・・・・・・駄目だったなぁ・・・・・」
そう、シズが呟いた瞬間
ボスッ!
「ぷわっ!」
シズの顔に枕が襲い掛かった
投げたのは、
「ティー、何をするんだい?」
「・・・・・・・・・・・・」
枕を投げた犯人は今日一日、ずっと不機嫌な顔をしていた
「キノさんと居た時は笑ってたのに、一体どうしたんだい?」
「・・・・・・・・・・」
プイ、とふくれっ面の顔を背けるティー
「・・・・・・はぁ・・・・今日はもう寝よう」
シズは電気を消し、ベッドへと入り
陸は「174回目です」と言い、シズのベッドの下で丸くなった
ティーは、
「・・・・・・・・・・・・」
シズを暫らく見つめ、そして、ベッドの中に潜り込んだ



モゾ・・・・モゾ・・・・・モゾゾ・・・・・・・
自分の布団の中で何かが動く気配にシズは目を覚ました
「・・・・・誰だっ」
ティーを起こさないよう声を抑えて言い放ち、布団を勢い良く捲り上げる
そこには、あるはずの無い光景があった
「・・・・・・・・・・」
そこには、びっくりしたまま固まったティーが居た
居るだけなら良かったが、そのティーがしている行動に、シズは我が目を疑った
「・・・・・な・・・何・・・を・・・・・」
ティーが自分のズボンを下げ、そして今まさに下着に手をかけ、降ろそうとしている様にしか見えない
それ以外に、どう見えようか
(いや、しかし・・・そんな事・・・・・・)
様々な疑問に頭を掻き回され混乱するシズ
暫らくの間、二人とも固まっていたが、シズはやっとの事で、言葉を搾り出す
「ティー、な、何をしているんだい?」
「・・・・・・・・・よばい」
シズは混乱した頭で今、ティーの口より放たれた言葉を思考する
(よばい?・・・・よばい・・・四倍・・・・余灰・・・・・代売?・・・・夜這い!?)

よばい〔よばひ〕【夜×這い・▽婚い】
《「呼ばう」の連用形から》
1 夜、恋人のもとへ忍んで通うこと。特に、男が女の寝所に忍び入って情を通じること。
2 結婚を求めて言い寄ること。求婚すること。
「―にあり通はせ」〈記・上・歌謡〉                   <大辞泉in辞書の国 2005年度版より抜粋>
399 :2005/12/12(月) 23:06:44 ID:qV0fW7kk
「よ、よばふが!」
ティーが思わず叫ぼうとしたシズの口を両手で塞ぐ
「・・・・・・・・・・陸が起きちゃう」
「・・・・・一体何でそんな事を」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
真っ赤に顔を染め、俯くティー
指でのの字を書いている
ティーは丁度シズの太腿の上に座っていた
そして、見つかった恥ずかしさに顔を真っ赤にし、目を瞑って、その小さな指でシズの体にのの字を描いていた
描いていた場所が
「テ、ティー!そこは、はうん!」
ジャストミートだった
ムクムクと立ち上がっていくテントに気づいたティーは、ハッと息を呑み、手を離せないでいた
「・・・・・こんな・・・・・熱い・・・・・」
「ティー、だ、駄目だ、手を離しなさい・・・」
「・・・・・・・・・ご、ごめんなさい」
パッと手を引き、手に残る熱さの余韻を感じるティー
未だ顔は真っ赤だが、先ほどとは少し違う、表情をしていた
「・・・・・・・これ」
「いや、これは何でもないんだ そう、何でもない」
そう取り繕うシズ
「さ、もう寝なさい」
「・・・・・・待って」
「・・・待ちません ティー良く聞きなさい こういうことは」
「・・・・・・・キノさんになら、されても良いの?」
「Σ(;´д`)<ウェアッ!?」
「・・・・・・・私だって、これがどういう事なのか位分かってる」
シズは、気づいた
暗くてよく分からなかったが、声に、少し嗚咽が混じっていた事で、気づいた
ティーは、泣いていた
「・・・・どうして泣いてるんだ?」
「だって・・・・シズさんは・・・・キノさんが好きだけど、私は・・・なんとも思ってないんでしょう?」
「・・・・・・・・」
「わた・・・私だって・・・・・シズさんがキノさんを想ってるのと同じ位・・・・・シズさんを想ってるのに」
「・・・・・・・・」
「・・・・な・・・グス・・何・・・で・・・私・・じゃあ、駄目・・なの?」
「・・・・・・・」
「無茶言ってるのは分かってる・・けど!・・・・・・けどぉ・・・・・」
「・・・・」
「グス・・・・ヒック・・・・・シズさ・・・・好き・・・・ヒック・・・・・・な・・・・駄目・・・・なの?・・・・ヒック・・・・・」
ティーは、涙でグショグショになりながら想いを伝える
雲が切れ、窓から月明かりが差す
その光の中で泣きながら想いを吐き出し続ける少女を、シズは
「もう、泣くな」
抱きしめた
初めて ティーを 綺麗だと想った
「ティー 分かったからもう、泣くな」
「うぇ・・・・ヒック・・・・グ・・・・・シズさ・・・・シズさぁん・・・・」
自分の胸の中で、ただ自分の名前を言いながら泣き続ける少女を
ずっと抱きしめ続けた

月が少し流れ、部屋の中に響いていた嗚咽が止んだ
「もう、大丈夫かい?」
そっと、腕から力を抜き、シズはティーを解放する
「・・・・・・・・・」
コクリ、と一つだけ頷いたティーを見て、シズが言う
「ティー 正直に言う」
「・・・・・・・・」
「お前がそんなに私の事を想ってくれていたと知って、今、もの凄く幸せだ」
「・・・・・・・・」
400 :2005/12/12(月) 23:07:44 ID:qV0fW7kk
「でも、な こういう事は・・・その・・・夜這いとかは・・・・・まだティーには早すぎる」
「・・・・・・・・」
「だから・・・な、焦らなくて良い」
「・・・・・・・・」
「此れからはもっとティーの事を見て、想い続けよう だから、ティーがもっと大きくなるまで待とう な?」
「・・・・・・・・うん」
「うん、分かってくれたか じゃあ、今日はもう寝なさい ここで一緒に寝て良いから」
「・・・・・・・でも」
「うん?」
「・・・・・・・シズさんのココ・・・・・」
ティーが、シズの自身を手でそっと触れる
「・・・・・いや、何 大丈夫さ 前のように自分で処理できる」
「・・・・・・・・・・駄目」
「でも、な さっき言ったろう?もっとティーが大きくなるまで・・・」
「・・・・・・・・こういう事なら・・・今でも出来る・・・・」
そういうと、ティーはシズの下着をずらし、シズのソレに直接触れる
「く・・・ティー・・・・やめなさい・・・」
「・・・・・・でも・・ビクビクって・・・してるよ・・・・」
ティーはシズに指を絡め、ゆっくり、恐る恐る上下させる
「ふ・・・っ・・・・」
「・・・・・・・お願い・・・気持ちよくなって・・・・・」
細い指で摩擦するたびに、ティーの手の中で肉棒が暴れる
「・・・・・・・・・・ティー・・・・・」
「・・・・・・・・・すごい・・・ヌルヌル・・してきた」
鈴口より滲み出る透明な粘液を全体に絡めて、ティーはシズを責める
その度にニュチャヌチャという液音が響く
ティーは手をシズのモノから離し、液に塗れた手を見つめる
「すごい・・・・・・シズさんの・・・・・匂いがする・・・・」
歳不相応に妖艶な微笑みを浮かべ、うっとりと匂いを嗅ぐティーの姿に
シズは激しい興奮を憶える
「ティー・・・・・・」
「・・・・・・・シズさんの・・・・ヌルヌル・・・・・・は・・ぁ・・・・・」
ピチャピチャと、自分の指を舐り始めるティー
その手に絡んだシズのカウパーを余さず舐め取る
そして、ハァ、と熱い吐息を吐き、恍惚とした表情を浮かべる
「・・・・・これが・・・シズさんの味・・・・・・・・・・・・・・もっと・・・・」
ティーが、顔をシズの股間に鎮める
「・・あああ・・・シズさんの・・・・味ぃ・・・・」
大きく口を開き、シズのソレを飲み込む
「ティー!駄目だ・・・・そんな・・・・くあぁぁぁ!」
「んふぅ・・・・・ふぁ・・ん・・・・・ちゅぷ・・・・ちゅ・・・・」
限界まで飲み込み、舌を絡め、舐り、啜る
「ちゅぶ・・・・は・・・・ん・・・・ああぁ・・・・・ちゅる・・・・じゅ・・・」
鈴口を舌先で転がし、カサの裏まで丹念に舌を這わせる
「ティー・・・・くあ・・・は・・・・・・か!・・・・・・うああ!」
シズの反応を確かめ、適格に弱点を責める
「・・・もっと・・・もっと気持ちよくなって・・・・」
愛する人に快感を与えられる悦びに溢れるティー
竿を嬲りつくせば、今度は袋に包まれた睾丸を頬張り、しゃぶり尽くす
シズの限界は、すぐ訪れた
「もう・・・・駄目だ・・・ティー・・・・・・顔を離して」
「・・駄目・・・・・このまま・・・・はむ・・・ちゅ・・・・ちゅぅぅぅぅ」
亀頭を咥え、強く吸引する
右手で竿を摩擦し、左手で玉を弄る
そのまま、シズの全てを受け止めようと
「も・・・・ぐ・・・・おおぉぉぉぉぉ!」
「むぐ!・・んぶ・・・ぐ・・・・・ん・・・・ん・・・・ん・・・・・」
一気に、ティーの中へと精液が迸る
口の端から精液を垂らしながらも、ティーはそれを嚥下する
そして、尿道に残った精液までも吸い取り、口を離した
401 :2005/12/12(月) 23:08:16 ID:qV0fW7kk
「・・・・・・・気持ち・・・・良かった?」
「・・・・・ああ・・・・・・・最・・・高・・・・・に良かった・・・・」
息も絶え絶えにシズが応える
それに満面の笑みを浮かべて、ティーはシズの胸へと飛び込んだ
「お、おい・・・・ティー」
「・・・また、いつでもしてあげるから」
「え?」
ティーは小悪魔の様な笑顔で
「・・・・・・シズさんはもう私だけのものだからね」
そう言うと、あっというまに寝息をたてはじめた
「・・・・・・・・・・・分かったよ、お姫様」
シズは、少しだけ強く、ティーを抱きしめ

優しいキスをした



                                        -お口の恋人- 終
402 :2005/12/12(月) 23:11:03 ID:qV0fW7kk





うひー こっ恥ずかすー!
純愛なんて無理無理かたつむりよー!
みんなー!無視して無視!
読まなかった事にして!
403名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 23:53:24 ID:lTafvRk8
語り部がいいキャラしr(ry
冗談はさておきGJ!あんたを待ってたよ!
404名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 08:04:24 ID:L1tOkv6u
GJ!
あなたの書くキノ(語り部含む)も読みたいですw
405名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 14:35:51 ID:dA5CGHH9
GJ
406名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 17:03:32 ID:PaeuWsux
神棚に飾ってあるのかよw
そんな話は置いといてGJ!!
407名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 15:41:14 ID:VSLBMUcK
乙! そしてGJ!

シズ様9番目カワイソスw
いつか思いを成就させてやってくれ
408SBI:2005/12/17(土) 17:13:49 ID:vlZPa4g9
GJGJGJGJGJ!!!!!!!
>>394-402 ああ、あなたは素晴らしい。
こちらもやる気が湧いてきました。
というわけで、またもや書いてきました。
キノさんの話です。
それでは………。
409SBI:2005/12/17(土) 17:14:34 ID:vlZPa4g9
断続的に木々の間に響き渡る悲痛な叫びを、僕は何一つ出来ずに聞いている事しか出来なかった。一人では何一つすることの出来ない存在、モトラドである自分が恨めしかった。
「…うあ…ああっ!……や…も…もうやめ…ひあああっ!!」
僕の目の前で、これまで僕を運転して一緒に旅を続けてきた大切な相棒、キノが犯されている。
僕に見せつけているつもりなのだろうか、キノを犯している男たちは、時折キノの顔をむりやり僕の方に向けさせる。
その度に嫌々と首を振り、弱弱しく抵抗するキノの姿を見て、男たちは下卑た笑みを浮かべる。
もうかれこれ何時間この状態が続いているのだろう?乱暴に扱われ続けたキノの体は傷だらけで、その瞳からはとめどなく涙が溢れている。
普段の冷静な表情は完全に消え去り、ただ泣き叫び陵辱を受け続けるキノ。男達に注射された薬の呼び起こす異常な快感がその精神力を蝕み、削り取っていく。
「やら…も…やら……も…やなのに…やなのにぃ……っ!!またぁっ!!!やあああああああああっ!!!!!!」
何度目か知れない強制絶頂に登りつめ、キノの体からぐったりと力が抜ける。
しかし、男たちはなおも満足せず、容赦なくキノを責め立て続ける。前も後ろも口の中も、キノの体の穴という穴を犯し、体中を白濁に汚し尽くす。
そもそもの始まりは今日の午後の事だった。
水浴びをしていたキノの前に5人の男たちが現れた。血走った目に、荒い呼吸、正気の人間とは到底思えない彼らは一斉にキノに襲い掛かった。
常に警戒を怠っていなかったキノだが、それでも水浴びの最中はいつもより無防備にならざるを得なかった。
二人を撃ち殺したところで、キノは男達に組み伏せられた。彼らは仲間二人の死を一向に気にすることも無く、キノを犯し始めた。
「ああっ!!やっ!!?…ひううううぅっ!!!…やめっ!!…あああっ!!!!!」
もはや全てを諦めたようなキノの表情が目に入った。
何度も何度も男たちのモノに乱暴に貫かれ、体の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられ、そのたびにキノの体中を望まぬ快感が走りぬける。
薬のために朦朧とする意識、延々と続く陵辱の中で輝きを失った瞳、僕の目の前でキノが壊れていく。
なぜ僕は動けない!!キノを助けたいのに、なぜ僕の体は動かない!!エンジンに火がつけば、タイヤが回転すれば、このポンコツな鉄の塊を奴らにぶつけることが出来れば……。
どうして僕はこんなに無力なのだろう。もし僕が少しでも動くことが出来たなら、こんな事にはならなかったのに……。
410SBI:2005/12/17(土) 17:15:11 ID:vlZPa4g9
「うああああああっ!!!!や…ふあああああああああああああっ!!!!!」
男達が腰を叩きつけるようにしてキノの体を思い切り突き上げれる。体の内に外に白濁を叩きつけられ、キノの意識が一瞬吹っ飛ぶ。
そこでようやく満足したのか、男たちが立ち上がる。地面に投げ出されぐったりと横たわるキノは、虚ろな瞳で男達を見上げた。
ニヤリと笑った男の一人が、キノの額にパースエイダーの銃口を押し付ける。
そんな!!?ダメだっ!!!そんなことでキノが死んでいい筈が無い!!!なんでキノが死ななきゃならないんだ!!!
いつだってこんな事は起こり得ると覚悟していた。だけど眼前で展開される光景に、僕の理性は完全に吹っ飛んだ。
心が軋み、叫びをあげても、僕の体はピクリとも動かない。キノの危機を目の前にして何も出来ない体を呪う。
こんな体じゃダメなんだ!!
僕は望んだ。キノの元に駆けつけるための足を、奴等を振り払い打ちすえる腕を、キノに差し出すための手の平を、僕は激しく欲した。
男の冷徹な笑い、全ての気力を無くしたキノの虚ろな表情、引き金にかかった指先、全てがスローモーションのようにゆっくりと、しかし確実にキノの死に向かって動く。
やめてくれっ!!!やめるんだっ!!やめろっ!!!やめろやめろやめろやめろやめろ……………………………
そして僕の中で何かがはじけた。
「やめろぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」
何が起こったのか理解できなかった。叫んだ瞬間、僕は男達に向かって飛び出していた。
わけがわからないまま体当たりすると、パースエイダーを構えた男は完全に不意を突かれて吹っ飛んだ。
男が取り落としたパースエイダーが、僕の手の平にすっぽりと納まる。僕の手の平……………。
「………エルメス、なの?」
呆然と呟いたキノの言葉、そこでようやく僕は自分に起こった変化について認識することができた。
しっかりとパースエイダーを握った指、しなやかな手足、自在に動く体、僕の望んだもの、人間の男の子の体…………。
「人間になった?僕が………」
411SBI:2005/12/17(土) 17:16:11 ID:vlZPa4g9
もはや敵はいないと油断しきっていた男達にとって、その驚きは僕以上のものだったらしい。
もたもたと武器を取り出そうとする男が目に入る。意識するよりも早く、自然に腕が動いて男のどてっぱらに銃弾が撃ちこまれた。
続けざまにもう一発、もう一人の男の額を撃ちぬく。パースエイダーを苦も無く扱えている。なかなか悪くない体だ。
しかし、唐突に横殴りの衝撃が僕を襲った。僕の体は木の葉のように舞い、地面に叩きつけられた体に言いようの無い激痛が走る。
「しまった……」
無我夢中の状態だった僕は、最初に吹っ飛ばした男のことを忘れていたらしい。凶悪に笑う男が僕の上に馬乗りになり、ごつごつとした指先が僕の首にかかる。
(そんな…せっかく、キノを助けられたと思ったのに………)
ゆっくりと締め付けてくる指先、呼吸の出来ない苦しさで頭がボンヤリしてくる。パースエイダーを握った手の平から力が抜けていく。
(くそ………)
体が意識を手放しかけたその時、パンッ!!と乾いた音が響いた。ボンヤリと霞み始めた視界の中、自分を絞め殺そうとしてきた男の額にポッカリと小さな穴が開いている。
首を締めていた男の手が離れ、僕は解放された。
「げほげほっ!!!!…はぁはぁ……げほっ!!!……何が起こったんだ?」
むせ返りながら必死に肺を酸素で満たそうとする僕の上に、男の体がドサリと倒れこむ。額の穴からたらりと流れ出たちが、僕の顔を汚した。
呼吸を整えた僕は、男の体を押しのけて起き上がる。
「…エル…メス……エルメスぅ………」
背後から途切れ途切れに聞こえる僕の名前を呼ぶ声、振り返ると森の人を両手で抱えたキノが、今にも泣き出しそうな表情でこちらを見ていた。
「キノっ!!」
「……エルメス……良かった……」
最後にそれだけつぶやいて、キノは地面に崩れ落ちた。糸の切れた操り人形のようにぐったりと力の抜けたその体を僕は慌てて抱きとめる。
張り詰めていたものがプッツリと途切れたためだろう、キノは機を失っていた。傷つけられ汚された肌が痛々しい。しかしキノは生きていた。
キノは、僕は、僕たちは、確かに生き残ったのだ。
412SBI:2005/12/17(土) 17:16:49 ID:vlZPa4g9
「うあ〜疲れた〜っ!!もー休むぅ!!!」
「弱音を吐いてる暇はないよ、エルメス。先は長いんだ」
森の中にまっすぐ伸びる道を、僕らは歩いていく。あの場所からかれこれどのくらいの距離を歩いてきたのだろう。疲れ果て棒のようになった足を、気力だけで前に進める。
仕方がない。僕がモトラドから人間になってしまったのがいけないのだ。森を抜けて次の国にたどり着くには、今はただ歩くしかない。
歩くしかないのだ。でも……………。
「くそ〜、いつもならこんな森ひとっ飛びなのにぃ〜!!なんで僕はこんな体になっちゃったんだ!!!」
あの時あれほど自分の意志で動ける体を望んだことも棚に上げて僕は吼える。たらたらと文句や恨み言を繰り返す僕を見て、キノが苦笑する。
いつもにくらべれば少し元気がないようにも見えるが、それでもキノは大分落ち着きを取り戻しているようだ。
暴漢たちの最後の一人を撃ち殺してすぐにキノは気を失い、目を覚ますまでにはかなりの時間が必要だった。
その間、僕はキノの体の汚れをぬぐい怪我の手当をして服も着せてあげて、する事がなくなった後はなかなか目覚めないキノの横を右往左往しながらただただ心配していた。
そうしてようやく気がついたキノは、自分の事を不安げに覗き込む僕の顔を見てこう言った。
「だ、誰?」
ショックだった。僕はずっと必死だったのに!!心配してたのに!!何だよその態度!!そんなのってないよ!!!
あの瞬間を思い出して憤慨する僕に、キノが苦笑いしながら弁解する。
「あはは、ゴメンゴメン。あの時はボクもまだ混乱してて、エルメスが人間になったのが良く理解できてなかったんだよ。
大体、目が覚めていきなり目の前に裸の男の人がいたら、誰だって驚くでしょ?」
そうなのだ。キノの世話にすっかり気を取られて、その時まで気がつかなかったのだが、人間になった僕はすっ裸だったのだ。
幸運だったのは、僕の体格がキノより少し大きいだけで、少しキツイけれどキノの服を着られたことだった。
捨てようと思っていたキノの古い靴もなんとか使えそうだった。底の外れかけた正真正銘のボログツだったのは、この際諦めるしかない。
なんだかんだで、とにかく僕は人並みの格好になることが出来た。ただ、さすがにパンツは借りられなかったので、股の辺りがスースーするけど……。
413SBI:2005/12/17(土) 17:18:09 ID:vlZPa4g9
「はーっ!!いったいいつまで続くの?このうざったい森はっ!!!」
森はいまだ深く、道の先のほうに見えるのは鬱蒼と茂る木々だけだ。これからのハードな道程を考えると涙が出てきそうだ。
「まあ良いじゃない。大変だったけど、ボクもエルメスも無事だったんだから」
「そうは言うけど………」
妙に明るいキノの言葉を軽く受け流しそうになったとき、僕はふと気がついた。僕の前を歩くキノの腕が細かく震えていることに……。
僕の脳裏にあの時の記憶がよみがえる。
「生きてさえいれば、この森から抜け出ることも出来る。結果到来だよ、エルメス」
笑わない僕に、キノが振り返って微笑む。言葉が出なかった。長い長い沈黙の間もキノの顔から微笑が消えることはない。
「………………結果、オーライだよね、キノ?」
ようやく答えた僕に満足そうに肯くと、キノはまた前を向いて歩き始める。不安げに震える肩と、肌が白くなるまでぎゅっと握られたこぶし、暗い影を背負った後姿に、僕は立ち尽くす。
結果オーライ?これが、このキノの姿が?
「全然、オーライなんかじゃないよ…………」

ピチャピチャと水音が響く。僕は森の中を流れる清流の岸辺に座り込んで、体の隅々までを丹念に洗うキノの姿を見ている。
ここに辿り着いたのは、散々森の中を歩き続けてそろそろ辺りが暗くなり始めた頃のことだった。おそらく、キノが襲われたのと同じ流れの川なのだろう。
川を見つけるなり水浴びをしたいと言い出したキノに、僕は驚き、反論した。
「キノ、今日は進めるだけ進もうって話じゃなかったの?」
「………ごめん」
キノは困ったように笑いながら水浴びのための準備を始める。
僕が止める間もなく、コートやジャケットやズボンを脱ぎ捨て、キノはあっという間に下着姿になった。
414SBI:2005/12/17(土) 17:19:01 ID:vlZPa4g9
どうする事も出来ずにその様子を眺めていた僕だったけど、今の自分は人間の男になっていたことに気がついて、慌てて後ろを向いた。
いつも何気なく見ているはずの光景に、どうしようもなく戸惑っている自分に気が付いた。
心臓がドキドキと脈打つ様子が手にとるようにわかった。手の平がじっとりと汗ばむ。暴走する肉体が生み出す、味わったことの無い感覚に僕はただ翻弄される。
その時唐突に、キノの手の平が僕の肩に置かれた。
「ど、どうしたの、キノ?」
脈拍が速まる。今にも体から心臓が飛び出てしまいそうだった。そんな僕の様子を見ながら、キノは僕に話しかける。
「エルメス、こっちを向いてく欲しいんだ」
予想外の言葉に、さらに僕は追い詰められる。
「ボクに気をつかっているのはわかってるよ。だけど、どうしてもこっちを向いてほしいんだ。ボクの事を見ていてほしいんだ」
「で、でも………」
「お願いだよ、エルメス………どうしても居てほしいんだ。どうしても必要なことなんだ。」
なんと答えていいかわからず、僕は目を閉じてただうつむき続ける。そして、思いつめたような調子で、キノがとどめの言葉を発した。
「お願いだエルメス……………怖いんだ。怖いんだよ」
その一言で、僕は弾かれたように後ろを振り向いた。今にも泣き出しそうなキノの笑顔がそこにあった。
「あの時の感じが体中に残ってるんだ。だから、どうしても水浴びをしたいんだ。少しでもあの嫌な感じを拭い去りたいんだ」
「キノ…………」
「だけど、一人で居るのは怖いんだ。またあの時みたいになるんじゃないかって……。だけど、エルメスがいるなら大丈夫だから……」
それだけ言ってしまうと、キノは一人で川の方に向かっていった。断ることは出来なかった。出来るはずが無かった。
そうして僕はキノの水浴びする姿を眺め続けている。
既に空には月が輝き、川の水温は相当冷たくなっているはずだった。それでもキノは川から上がろうとせず、水浴びを続ける。
415SBI:2005/12/17(土) 17:19:48 ID:vlZPa4g9
月明かりに照らされたキノ、肌の上を流れ落ちる水滴が月の光を映し、その姿はキラキラと輝く。
いつのまにか、夢の中のような美しい光景に見入ってしまっている自分に気がつく。滴り落ちる水滴が、柔らかなキノの体の曲線が、僕の頭の中を埋め尽くしていく。
本当に素直に、心の底から、綺麗だと思った。美しいと思った。
(ダメだダメだダメだダメだっ!!!さっきキノが言ってたことを忘れたのか!?キノは今、傷ついて打ちのめされてボロボロなんだ。何を考えてるんだ、僕はっ!!!)
それは罪深いことのはずだ。許されないことのはずだ。心の中は不安で一杯のはずのキノに、僕はどうしてこんな気持ちになってるんだ。
だけど何度も振り払おうとしても、胸の奥を締め付けられるようなその感覚が、僕の心を内側から切り崩していく。
味わったことの無いような激しい感情の奔流に僕は戸惑う。
そしてその時、僕は自分の体に生じたある変化に気が付いた。
「なんだ、これ?」
体中で脈動する熱がゆっくりと下半身に集まっていくような感覚、そこに現れた変化が何を意味するのか、僕はそれを知っていた。
頭では理解しているはずなのに、僕はそれをどうしても認めることが出来なかった。自分があの男たちと同じ目で、キノの事を見ていたなんて………。
「なんだよ、これ?なんなんだっ!!?」
あの時の光景が、あの時のキノの悲鳴が、引き裂くような心の痛みが、一気に脳裏に蘇った。苦痛に歪んだキノの表情が何度もフラッシュバックする。
『…うあ…ああっ!……や…も…もうやめ…ひあああっ!!』
『やら…も…やら……も…やなのに…やなのにぃ……っ!!またぁっ!!!やあああああああああっ!!!!!!』
『ああっ!!やっ!!?…ひううううぅっ!!!…やめっ!!…あああっ!!!!!』
そうだ、今の僕は同じなんだ。あの時の、あの男たちと根本的なところではなんら変わることはないんだ。
人間の男になったというのは、そういう事なんだ。僕もあいつ等と同じ事をキノにしたいと、心のどこかで願っているんだ。
あいつ等と同じ、どす黒く禍々しい欲望が僕の中にも渦巻いている。
キノは僕を必要としてくれているのに。キノは今も助けを求めているのに。
416SBI:2005/12/17(土) 17:21:23 ID:vlZPa4g9
「うあああああああああ―――――――っっっっっっ!!!!!!!」
気が付いた時には駆け出していた。なりふり構わず叫び声を上げ、何度も転びながら森の中をひた走る。
丸一日歩き通した足が悲鳴をあげる。恐怖で体中がガクガクと震える。わけのわからないまま走っていた僕は、木の根っこに足をとられて地面に突っ伏した。
胃の中に収まっていた唯一の食料、今日の昼に食べた携帯食料が食道を遡って、地面にぶちまけられる。そのままうずくまった僕は、堪え切れずに嗚咽を漏らす。
「やだ…うぅ…やだよ…嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ………っ!!!いやだあああああああああああああっ!!!!!!」
逃げ出したい。逃げられない。自分自身からは逃げる事はできない。きっとキノのことを傷つけてしまうだろう最大の敵から、逃れることが出来ない。
こんな醜い気持ちをキノが知ったら、僕のことをどうするだろう。
打ち捨ててほしい。壊してほしい。絶対にキノに危害が及ばないように、暗い湖の底にでも沈めてほしい。
「なんでもいい。誰か僕を助けてよ…………」
最後にそれだけ呟いて、僕は自分の体を抱えて丸くなった。このまま消えられればいい。ただそれだけを願った。
だけどその願いが聞き入れられる事はなかった。
「エルメスっ!!エルメス、大丈夫!!?」
木々の間から差し込む月光を背に受けて、そこにキノが立っていた。裸の体にコートだけを羽織った姿、荒い呼吸から、キノがどれほど急いでここに駆けつけたのかがわかった。
僕のことを心から心配しているその顔を見るのが辛くて、僕は再びキノから離れようと立ち上がる。だけど、僕の手を掴んだキノの指先がそれを許さない。
「キノ、やめてよ。僕は……」
「良かった………。急にエルメスが叫んで飛び出して、何があったのかと思ったよ」
「ダメだよ、キノ。僕と一緒にいちゃダメなんだ。僕は、今の僕は………」
なんとかキノの手を振り解こうとする僕だったけど、一心に僕を見つめるキノの瞳を見た瞬間に体中から力が抜けていく。
「エルメス、ごめん。エルメスだって辛かったよね。苦しかったよね」
「そんな、キノ。違うよ。そんな事無いよ………」
417SBI:2005/12/17(土) 17:22:25 ID:vlZPa4g9
キノの腕が僕の肩を抱く。
「お願いだよ、キノ。はなしてよ……。わかったんだよ、今の僕はキノを襲った奴らと根っこのところじゃ何も変わらないんだ!!!」
「そんなことない。エルメスがそんな奴じゃないのは、僕が一番良く知ってるよ………」
「違う……………っ!!!!!」
「違わないよ………」
叫び続ける僕の瞳を、キノの優しい瞳が真っ向から見つめてくる。
「目の前でボクがひどい事をされてるのを見せつけられて、辛かったんだよね。あの時のことでエルメスも苦しんでることに、ボクは全く気付いてなかったんだ」
キノの言葉の一つ一つが僕の中に染み渡っていく。
そうだ。あの時からずっと僕は恐れてきたんだ。キノが傷つけられることを。キノがいなくなってしまうことを。
だけど僕の目の前には、僕なんかよりずっと傷ついているキノがいた。キノを支えるために、ずっと自分の中にある恐怖に目を瞑ってきたんだ。
恐ろしかった事は只一つ。それは、自分があの男たちと同じ存在かもしれない、なんて事じゃない。
ただ、キノを、大切な相棒を失いたくなかっただけなんだ。
本当に怖かったんだ。耐えられないぐらい、狂ってしまいそうなぐらい、死にたいぐらい、あの光景が恐ろしかったんだ。
キノが死んでしまうって、本当に思ったんだ。
「キノ……っ!!キノぉ!!!」
泣きじゃくりながらキノの体に抱きつく。腕の中に広がった温かさを確かめるように力を込めると、僕を抱き締めるキノの腕にもぎゅっと力がこもる。
「ごめん。ごめんよ、エルメス。もっと早くに気が付かなきゃいけなかったんだ。気がつけるはずだったんだ。
ボクはエルメスがどんな奴か、一番良く知ってるんだから。エルメスがボクの事をどんな風に思ってくれてるか、ずっと知ってたんだから……」
ただ一度コクリと肯いて、僕はキノに自分の思いを告げる。
「………うん。好きだよ、キノ。僕はキノのことが大好きだ」
418SBI:2005/12/17(土) 17:23:17 ID:vlZPa4g9
僕の言葉に対するキノの答えは簡単だった。
何かを考える間もなくキノの顔が目の前に近づき、気が付いた時にはキノの唇が僕の唇にそっと触れていた。
そしてキノは、嬉しそうに、本当に嬉しそうに、ボクにこう言った。
「ボクも大好きだよ。エルメスのこと………」
キノの柔らかな微笑。体の中にこみあげてくる激しい熱も、僕はもう恐れていなかった。
キノが唯一身に付けていた服、肩に羽織っていたコートが地面にパサリと落ちた。柔らかなキノの体のラインが露になる。
恐る恐るその肌に触れると、熱いぐらいの体温が手の平へと直に伝わる。滑らかな肌の上にゆっくりと指を這わせると、キノの体がぞわりと震える様子がわかった。
僕の指先がキノの体の上を行き来するごとに、キノの表情は期待と不安の間で揺れ動く。潤んだ瞳で見つめられるだけで、鼓動はどんどん速まっていく。
「綺麗だよ。……うん、キノはとっても綺麗だ」
頭の中で考えていた事が知らず知らずの内に口からこぼれ出る。そんな僕の言葉を聞いているのが恥ずかしいのか、キノは耳まで真っ赤にしながらボクにしがみつく。
「あ……うあ…エルメス……エルメスぅ……」
鎖骨に舌を這わせ、首筋を舐め挙げ、耳たぶを甘噛みしてあげた。静寂に包まれた夜の森の中に聞こえるのは、お互いの荒い息遣いだけ。
キノは近くに立っていた木の幹にもたれかかって、体中のいたる所に触れてくる僕の指先に体を任せる。
「…ああっ!……ひぃ…ひうぅ!!…ああっ…ひああっ!!」
段々と大きく激しくなっていくキノの喘ぎ声が、流れ落ち混ざり合う互いの汗が、僕をさらに興奮させる。
ほんのわずかにふくらんだ可愛らしい胸を、両手で覆うようにして揉んであげた。
キノは胸が小さいことを恥ずかしがっている様子だったけど、僕は全然そんな風には思えなかった。
色んな所に旅をしてきて、他の人間の女の子がどんな胸をしてるのかも知っていたけど、僕にとってはキノの胸が一番に思える。
「キノの胸、素敵だよ。小さくて、可愛くて、とっても綺麗だ……」
「ああっ…や…そんな…恥ずかしいよ……」
419SBI:2005/12/17(土) 17:24:15 ID:vlZPa4g9
手の平にすっぽりと収まったその熱量がそのまま愛しさに変換される。その勢いに任せて、僕は胸への責めを激しくしていく。
小さな胸の上にちょこんとのったピンク色の乳首を摘み、押しつぶし、指先で転がす。その度にキノは切なげに眉を寄せ、熱い吐息を漏らす。
それだけでは我慢できなくなった僕は、キノの胸に吸い付き乳首を噛んだ。その瞬間、雷に撃たれたようにキノが背中を仰け反らせた。
「ああああ―――――――――――っ!!!!!!」
強すぎる快感のせいで、キノは立っていることもままならない。僕の体にしがみついたまま、キノは絶え間なく与えられる快感の中で喘ぎ続ける。
そうしてついに、僕の指がキノの一番大事なところへと触れた。
「ああっ!!!ダメっ!!そこは……ひうううううううううっ!!!!!!!」
既に太ももへと滴り落ちるほどにグショグショに濡れていたそこは、なんなく僕の指を受け入れた。熱い肉の壁が僕の指先をきゅっと締め付ける。
その熱さに我を忘れた僕は、夢中になって指を抜き差しし、クリトリスをつまみ、キノのあそこがどろどろになるまで掻き回す。
その間にも僕は他の場所への愛撫を休めることなく続け、延々と続く快感に翻弄されるキノは、もはや陥落寸前の様子だった。
「ああ…エルメス、きてぇ……ボクもう…はうううっ!!…ガマン…できないよ……」
涙目で訴えるキノに、僕は肯いた。僕は大きくなった自分のモノを取り出し、キノのアソコにあてがった。
一瞬、あの時の男達のことを思い出したが、涙で濡れた顔で僕をまっすぐに見つめて微笑むキノに、僕も覚悟を決める。
心臓が張り裂けそうだ。夜になって気温はだいぶ下がったはずなのに、それが全く感じられない。
僕はもう一度キノにキスをしてあげてから、ゆっくりと挿入を開始した。
「ひあああああっ!!!入ってくるぅ!!エルメスのが、入ってくるよぉおおおおおっ!!!!!」
キノの腕が僕の体にぎゅっとしがみつく。互いの息遣いを、体温を、より近くで感じられるように思えた。
自分の全てがキノに包まれているかのような感覚。とめどなく溢れる愛しさに突き動かされて、僕は必死で腰を動かす。
「ああああっ!!うあああああああっ!!!!!…すごい…エルメス……エルメスぅううううっ!!!!!」
キノが僕の名を呼んでくれている事がたまらなく嬉しかった。キノに求められている幸せで胸の中が一杯になる。
420SBI:2005/12/17(土) 17:25:01 ID:vlZPa4g9
腰を前後に動かし続ける、止めようの無い反復運動の中で、僕らは快感を与え合い、互いの肉体に溺れていく。
もう、キノの事以外には何も考えられなかった。
「好き、好きなのっ!!エルメスのことを、ボクは………ああっ…好き…好き…好きぃいいいいっ!!!」
「うああああっ!!!キノっ!!!好きだよっ!!好きだよぉおおおおおっ!!!!!」
突き上げるごとに二人を包む熱は大きくなっていく。もうどちら体温なのかもわからない。混ざり合い、一つになりながら、僕らは互いの気持ちを叫ぶ。
何度も唇を交し合い、僕はキノの体を思う存分味わった。突き上げて、突き上げて、わけがわからなくなるまで突き上げて、キノの体の隅々まで愛し尽くす。
そして、高まり続けた快感はついに限界を迎える。
「ああっ…も…ボクもう…もうダメなの…だからっ!!エルメス…お願い……エルメスの全部ちょうだい……全部ボクにっ!!…ボクにいっ!!!!!!」
心の底から僕のことを求めるキノの声が、僕への最後の一押しとなった。奥まで届けとばかりに、強く強くキノの体を突き上げる。
瞬間、二人のなかでギリギリまで張り詰めていたものが、堤防が決壊するかのごとく溢れ出した。
「あっ!!!ああっ!!!エルメスっ!!?エルメスぅ!!!!!あああああっ!!!!!あああああああ――――――――――っ!!!!!!!!!!」
「キノっ!!キノおおおおおっ!!!!!」
僕らは同時に絶頂へと登りつめた。
僕のモノからほとばしった熱が、キノの中を満たしていくのを感じる。僕もキノも精根尽き果てて、体を支えることもままならず地面へとへたりこんだ。
しばらく呼吸を整えていると、キノが再び僕の体に抱きついてきた。
「どしたの、キノ?」
キノは何も答えず、僕の体にぎゅっと縋りつく。
そこで僕は、キノが顔を埋めた僕の肩辺りを、なにか熱いものが濡らしていくのに気が付いた。
今の今までキノは、辛そうな顔をしたり涙ぐむ事はあっても、本当に泣き出してしまう事はなかった。
ようやくキノは、泣くことが出来たのだ。
木々の間に見える月を眺めながら、僕は何も言わずにキノの頭を撫で続けた。
421SBI:2005/12/17(土) 17:27:43 ID:vlZPa4g9
長い長い草原の中の道を、キノを背中に乗せた僕が走る。
「さあ、久し振りに熱いシャワーと、柔らかいベッドにありつけるかな」
「僕の修理も忘れないでね」
あの一夜が明けてみると、僕はもとの姿、モトラドに戻っていた。お陰で次の日からは労することなく、僕らは森を抜け出すことが出来た。
「結局、なんだったんだろう……。どうしてあの時、僕は人間になってしまったんだろう?」
どれだけ考えても疑問は尽きない。今となってはあの森の中で起こった全てが、夢の中の出来事のように思える。
実際、キノが憶えていると言わなければ、僕はあの日の出来事を夢の一言で片付けてしまっただろう。
走りながらも、その事についてもやもやと考えていると、ふいに上の方からキノが話しかけてきた。
「本当にありがとう、エルメス………」
「いいよいいよ。それに結局、お互い様だったじゃない。とにかく、これからも一緒に旅を続けていけるのなら……」
「結果到来だね、エルメス?」
「どうしてもボケ続ける気なの?キノ……」
「あははは…」
すっかりお株を奪われてしまった僕の上で、キノは本当に楽しそうに笑った。
晴れ渡った空は、遠く地平線の向こうにまで続いている。道の向こうには既に目的地である小さな国の城壁が見え始めていた。
あての無い旅は辛く厳しい時もある。もしかしたら、今回みたいなことや、もっと危ないことに出会うときがあるかもしれない。でも、そうだとしても………。
「忘れないでよ。僕はキノのお尻の下にいるのが一番幸せなんだからね……」
「ボクはエルメスに乗って旅をするのが、一番の幸せだよ……」
キノがアクセルをふかし、誰もいないまっすぐな道の上を、僕らは気持ちいいぐらいの猛スピードで駆け抜ける。
キノと一緒にいられる幸せを噛み締めながら、僕は願った。
この一番大切な相棒と共に、僕の一番好きな人と共に、僕らの旅がこれからも続いていくことを………。
422SBI:2005/12/17(土) 17:29:29 ID:vlZPa4g9
こんな感じでした。
保管庫等を見る限り、擬人化エルメスで完結しているものがなさそうだったので、以前からのアイデアを形にしてみました。
いかがだったでしょうか?
それでは、また………。
423名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 17:49:30 ID:ey8WFpkZ
超GJ。
424 :2005/12/17(土) 18:34:50 ID:ZEd8vK29
エロイエロ−イ!TGJ!
俺もこんなの書きてぇすよ
エロは本当に苦手だから、俺
いつも俺のはエロ描写が薄いんだよねぇ
やっぱ、妄想力の基本スペックの違いですかねぇ
元々性欲とかが少ない方だから、妄想が膨らまない・・・・

まあ、多弁能無しとも言うし
グダグダぬかす前に練習するかな・・・
425名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 20:35:50 ID:taHbtXIn
いいよいいよ!!
426名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 00:39:08 ID:yzBvtofR
キノエルキノスキーにはほんとうにたまらんです。GJ。ありがとう。
427名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 17:55:46 ID:P96HHFPL
のぐは!GJ!
428名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 23:49:41 ID:cWPhaLXN
「彼女の異常な愛情 又は私は如何にして心配するのを止めてスー・べー・イル貴
 族の 養子となる ことになったか」 ―Alison's strange love―

ヴィルの一日 世界暦三二八九年 第十二の月 十七日

朝食
山芋 ご飯 ニラの味噌汁 生卵3ケ

昼食
きんぴらごぼう ご飯 ニラの味噌汁(卵入り) オクラの和え物

夕食
うな重 肝吸い 粕漬け ホヤ

夜の回数 正一

『――あの頃は、もう死ぬかと思いましたね』 トラヴァス少佐・談
429名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 20:53:15 ID:oT91dlA6
キノ「バイクの振動で感じちゃうー!」
エルメス「キノ、生理の時は大人しくしてなよ。」
430名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 23:16:12 ID:ND6i3pmd
>>428
メタルギア3で紹介されてた映画の題名のインスパイヤ?
431名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 01:53:58 ID:an+/8UuW
>430
おめーストレンジラブ博士と大統領は同一人物で
切支丹なのに来世を信じて自害しちゃうんだゼー!?

 「1941」と連荘でみていみたい
432名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 16:09:30 ID:UBXpf1Qb
↑ふと思ったんだが・・・・・キノと師匠ってなんかスネークとザ・ボスみたいだな
433 :2005/12/21(水) 16:56:24 ID:9hA1lpqM
キ「ザ・師匠・・・」
し「キノ・・・・」
キ「性欲を持て余す」
エ「キノ!そんな事をしている場合か!」
キ「止めないでくれ大佐(エルメス)!」


色々混ざってるが つまりこういう事かい?
434名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 17:23:40 ID:ICAvdrfT
とりあえずここ見てくれ。
http://asame.web.infoseek.co.jp/mgearf9.html
こんな感じだ。
435 :2005/12/21(水) 18:30:52 ID:9hA1lpqM
あー
ふと思ったんだけど

キノの旅ってRPGゲーム化しねぇかなぁ
メタルマックスみたいな感じで
ほら、バギーあるし
エルメスはエンジンと外側をグレードアップ出来て
最終的に、ほら、金田バイクみたいになってさ


いや、ふと思っただけだし
SS考える息抜きに、さ


                          ゴメン マジゴメン
436名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 18:51:32 ID:m/BxZfai
>>435
ソレダ!!
437名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 01:12:44 ID:2i3WJ1wJ
438名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 04:48:15 ID:7TGJiUAS
>>437
普通にすげぇと思った。
439SBI:2005/12/24(土) 13:57:17 ID:j9a0SJls
また書いてきました。
ヴィル×アリのラブラブなやつです。
ほとんど思いつきのままに書いちゃいました。
もしかしたら、クリスマスの空気に踊らされていたのかも知れません。
それでは……。
440SBI:2005/12/24(土) 13:58:17 ID:j9a0SJls
その夜、私はヴィルのキスで目を覚ました。
果たしてそれからどれぐらいの時間が経ったのだろう。未だにボンヤリと霞む頭は、決して寝起きのためだけではない。
(私、キスされたのよね、ヴィルに。キスで起こしてもらったのよね?)
ちょっと信じられないような気持ちのまま、私は天井を見つめている。
今夜は新月だ。窓の外に月明かりはなく真っ暗で、唯一の明かりはベッドの脇のスタンドがはなつ頼りない光だけだ。
薄暗い部屋の中ではほとんどの物が闇の中に埋もれてしまって、まるで現実感が感じられない。まだ私は夢の中にいるんじゃないかと疑ってしまう。
だけど、唇にかすかに残った優しい感触が、愛しい温もりが、これは確かに現実の光景なのだと私に告げる。
ベッドの脇にはヴィルが腰掛けている。自分のしたことがよっぽど恥ずかしかったのか、何も言わずに私に背中を向けている。
もし、もう少し部屋の中が明るかったら、きっとヴィルの耳が真っ赤になっている所が見えたに違いない。
そんなヴィルの背中を見つめている内に、段々と頭がハッキリしてくる。さっき自分に起こった出来事が、頭の中に何度も再生される。
気が付いた時には、私はヴィルに声を掛けていた。
「…おはよ」
「……お、おはよう」
ちょっとドギマギした様子で答えてから、ヴィルが私の方に振り返る。恥ずかしそうに伏せた顔で、上目遣いにこっちを見てくる様子がなんだかおかしくて、私はくすりと笑う。
「………?」
私の反応を見て不思議そうな顔をしたヴィルに、私はベッドから体を起こして向かい合った。
「ありがとね、ヴィル。起こしてくれて……」
「あ…いや……その…う、うん………ずっと前にアリソンがしてほしいって言ってたから」
毎朝私のことをキスで起こしてほしい。
441SBI:2005/12/24(土) 13:59:07 ID:j9a0SJls
一体どれくらい前のことだったろう?私は確かにそんなお願いをヴィルにしたことがある。
その時はそれを言っただけで、ヴィルは顔を郵便ポストのように赤くして黙りこくってしまった。
もともとこの手の事はヴィルが最も苦手とするところだ。それなのに、こんな私の無茶苦茶なお願いを覚えていてくれて、実行してくれたのだ。
(無理させちゃったのかな……)
愛しさとともに少しの申し訳なさを感じてしまう。だけど、そんな私の心を読み取ったかのように、ヴィルが口を開いた。
「……だけど、本当はそれだけじゃないんだ。」
「えっ、何?」
「……ずっと机に向かって勉強してて、疲れてもう寝ようかなって思ってこっちの部屋に来た。そしたら先にベッドに入ってたアリソンが目に入って……」
まるで大切な宝物のことを思い出すかのように、ヴィルは瞳を閉じて微笑む。
「真っ暗な寝室の中で、廊下から差し込んだ明かりでアリソンの顔が照らされて、それが本当に、とても綺麗で………………気が付いたらキスしてたんだ」
今度はこっちが真っ赤になる番だった。顔を上げたヴィルと目線を交わすだけで、心臓は早鐘を打つように鼓動を早め、金縛りにあったように動けなくなってしまう。
自分の中に熱いものがこみあげてくるのがわかる。
胸の奥の奥から、ヴィルと過ごした過去の光景から、積み重ねた私の思いの中から、体中を熱くするエネルギーが湧き出てくる。
「だから、半分は僕のわがままなんだ。……………ごめん」
そう言ってる割には、なんだか嬉しそうなヴィルの笑顔。
その笑顔があんまりにまぶしくって、その言葉があんまりに嬉しくって、どうしたらいいのか解らないまま私はヴィルの胸に顔を埋めた。
「……アリソン」
ヴィルの腕が私の背中を抱き締める。強く、優しく………。
とめどなく溢れ出してくる愛しさが、胸の中を埋め尽くしていく。
442SBI:2005/12/24(土) 14:00:02 ID:j9a0SJls
ああ………。
好きだな…。
好き……。
好きだよ………。
好きなんだ……………。
大好きだよ、ヴィル…………。
「……ヴィルぅ」
抱き締めたヴィルの体はやっぱりあったかくて、どうしようもないぐらいに愛しくて、何にも出来なくなってしまった私はまるで子供に戻ってしまったみたいだ。
「愛してるよ、アリソン……」
たったそれだけの言葉の中に、どれだけの思いが込められているのかを私は知っている。それはきっと私と同じなのだと、ヴィルの腕の温かさが教えてくれる。
私はそっとヴィルにキスをした。
「これは私のわがまま……かな?」
悪戯っぽく微笑んだ私に、ヴィルは一瞬ポカンとしてから、可笑しそうにクスクスと笑った。
二人の思いは、もう一つになっていた。
「ねえ、ヴィル。きて……」
「うん……」
私の言葉に肯いてから、ヴィルが私の体をそっとベッドに押し倒す。
ヴィルの手が私の服を一枚一枚脱がせていく。冷たい空気に触れて震える肌が、ヴィルの視線を浴びて瞬く間に熱くなっていく。
ついに最後の一枚のショーツまでも脱がされた私の前で、ヴィルも服を脱いでいく。
生まれたままの姿で向かい合うと、恥ずかしさと照れくささで真っ赤になった互いの顔が目に入った。
443SBI:2005/12/24(土) 14:00:52 ID:j9a0SJls
「綺麗だよ、アリソン。アリソンは、やっぱり綺麗だ………」
「えへへ……ありがと…」
そんな言葉を交わしてから、私たちはそっと抱き合った。
ヴィルの指先が私の肌に触れる。優しい指先が背中からお尻の方へと滑っていく。
ただそれだけの事なのに、ヴィルに触れられた所はまるで電流が流れたように、熱い痺れに襲われる。
「…うあ…あんっ!…あっ…や…ああっ!!」
ヴィルの舌先が首筋を這い登ったかと思うと、耳たぶを甘噛みされるぞくぞくした感触に堪らずに背中を反らす。
間断なく両方の乳首を責め立てられる合間にも、体の別などこかを同時に愛撫される。
休むことなく、時には私の期待に答えるように、時には私の予想を裏切る刺激を与えるように、ヴィルの愛撫が私の体を溶かしていく。
「あああっ!!すごいっ!!すごいよ、ヴィルぅ!!……まるで、私の体のこと全部知ってるみたい……」
激しい愛撫に翻弄されながら、私が叫んだその言葉に、ヴィルはふっと笑ってから首を横に振って見せた。
「……違うよ、アリソン。僕はアリソンの事、まだまだ全然知らないんだ……」
「えっ?それは…どういう?……ひああああっ!!!?」
疑問を口にした私を、体の下の方から突き抜けるような快感が襲った。ヴィルの指先が私の一番敏感な所に触れたのだ。
あまりの快感に言葉をなくして喘ぐ私に、ヴィルが耳元で囁き続ける。
「だって、こうやって一緒に暮らして、話して、食事して、アリソンと一緒にいるだけで、新しいアリソンがどんどん見えてくる……」
「…ああっ!!…ひうぅ…や…ああんっ…それって…?…ふああああぁっ!!!」
クリトリスの先端を指先で摘まれながら、もう一方の指先が私の中を掻き回す。恥ずかしいぐらいに溢れ出した蜜が、ヴィルの手を、私の内腿をぐしゃぐしゃに濡らしていく。
「僕が今まで知らなかったアリソンを知って、アリソンの素敵な所がどんどん増えていく。アリソンがもっともっと素敵だって思えるようになる……」
「あはぁっ!!…あんっ……あああっ!!……ヴィルっ!!!ヴィルぅうううぅっっ!!!!」
444SBI:2005/12/24(土) 14:01:50 ID:j9a0SJls
ヴィルの愛撫で体が蕩け、ヴィルの言葉で心が痺れていく。私はただヴィルの与えてくれる快感の波の中でくるくると踊る。
ヴィルの指先はお尻の穴にまで入ってくる。前と後ろから侵入され、好きなように弄ばれる私の体は痙攣したかのようにガクガクと震える。
「そうやって、どんどんアリソンを好きになっていく。どうにも出来ないぐらい、止めようがないくらい、もっともっと好きになっていくんだ!!!!!」
「あっ!!やっ!!?あああああああああああ―――――――――っ!!!!!!!!」
まるで私の限界を見越していたかのようなタイミングでヴィルの指先が突き上げられた。ギリギリ一杯まで張り詰めていた糸が、いとも簡単に切れて飛んだ。
背骨を突き抜けるような絶頂感に、私の意識が霞む。
「……はぁはぁ…ああ…ヴィル……」
ぐったりと力の抜けた私の体を解放して、ヴィルはさらに言葉を続けた。
「だから、僕はアリソンともっと一緒にいたい。一緒に色んな事をしたいんだ……」
自分の思いのたけを語った言葉に照れているのか、ちょっと恥ずかしそうなその顔に、私はそっと手を伸ばす。熱く火照った頬に触れて、私は優しく微笑む。
「…………いいよ、ヴィル。だから、私にもヴィルの事をもっと見せて、感じさせて………。私もヴィルの事、もっと好きになりたいよ………」
そっと触れた唇が、ヴィルの答えだった。
ヴィルの大きくなったモノが私の大事な所にあてがわれて、二人の中で燃え上がる熱が混ざり合い、さらに高まっていく。
やがてゆっくりと、ヴィルは挿入を開始した。
「ああっ…ふああっ!…ヴィルのが入ってくる…入ってくるよう……」
私の中をかきわけ押し進んでいくヴィルの感触に、私の体が喜びに打ち震える。そして根元まで押し込まれた熱の塊を、ヴィルは前後に動かし始める。
「…あああっ!!…ああんっ!!…や…うあああああああああっ!!!!!!」
突き上げられるたびに駆け抜ける電流が私の理性を剥ぎ取っていく。
焼けそうに熱いヴィルのモノが繰り返すピストン運動に擦られて、私のアソコはまるで洪水を起こしたかのように蜜を溢れさせる。
その蜜を潤滑油にして、ヴィルの、私の行為はさらに激しいものになっていく。
445SBI:2005/12/24(土) 14:02:36 ID:j9a0SJls
「ふああああっ!!!ヴィルっ!!きもちいいっ!!!きもちいいよぉ!!!!」
突き上げられ、貫かれ、かき混ぜられ、私の頭の中で火花が散って、何度も意識を白い闇が寸断する。
背中がぞくぞくと震え、体は私から離れてただひたすらに快感を貪る。
「うあああああっ!!!!!ヴィルっ!!ヴィルぅううううっ!!!好きっ!!好きぃいいっ!!好きなのぉおおおおっ!!!!!」
「…アリソンっ!!アリソンっ!!!………アリソンっっっ!!!!!」
何度も名前を呼び合い、何度もキスを交わし、自分と相手の境界がわからなくなるまでお互いを求め合う。
降り注ぐキスの嵐の中、重ね合わせた手の平にぎゅっと力をこめ、硬く握り合う。
涙をこぼし、喘ぎ、快感に体を震わせる。与え合う熱と快感だけが、次第に私たちの中の全てになっていく。
「…はあはあ…アリソン、僕はもう……」
「ああっ!!やぁっ!!!ヴィルぅ……私も…これ以上は……ふあああああっ!!!!!」
クライマックスに向けヴィルの動きがどんどんスピードアップしていく。体の全てを押し流されてしまいそうな快感の奔流の中、私はヴィルの背中に必死でしがみつく。
そして、無限に高まり続ける熱と快感に翻弄され続けたその果てに、ついに私たちは絶頂を迎えた。
「あああっ!!!いくよっ!!アリソンっ!!!!アリソンっっっ!!!!!!」
「……ヴィルっ!!ヴィルっ!!!ヴィルぅ!!!ふああああああああああああ――――――――っっっ!!!!!!」
瞬間、凄まじい絶頂感が私を飲み込む。ビリビリと痺れるような感覚が背中を駆け抜けて全身に広がり、その感覚の中で私は意識を失った。
446SBI:2005/12/24(土) 14:03:17 ID:j9a0SJls
目を覚ましたとき、ヴィルは私に背中を向けて横になっていた。
気配や息遣いから、まだ眠っていない事は一目瞭然だ。たぶん、先程エッチの最中に自分が口にした言葉を、今更ながらに恥ずかしがっているのだろう。
声をかけたかったけど、上手い言葉が見つからなくて、それでも何かをしてあげたくて、私はヴィルを背中から抱きついた。
一瞬、驚いたようにヴィルの体がビクンと震えるのを感じた。
それでもかまわず抱き締めると、ヴィルは何もいわずに私の手をとって、ぎゅっと優しく握ってくれた。
それ以上はもう、言葉は必要なかった。
背中越しに感じるヴィルの鼓動と、温かな体温を子守唄がわりに、私は再び安らかな眠りに落ちていった。
447SBI:2005/12/24(土) 14:07:44 ID:j9a0SJls
………こんな感じでした。
やっぱこの二人のラブラブな所を書いていると楽しいです。
それでは、また………。
448名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 20:29:53 ID:Y842r+/H
バカップルの性夜に乾杯w
449 :2005/12/25(日) 18:11:19 ID:Lys50ctb
SBI氏のSSは純愛とエロの宝石箱や〜
すばらすぃゼクスマスプレゼントをありがとう
そしてヴィル君にはコレを差し上げたい
くらえ嫉妬玉!

つ  三●

制作がすすまない・・・
色々とあっためてるネタはあるけども・・・エロが・・・・無理ポ・・・
エロ無しはやっぱ・・・何度もやるとマズイよねぇ・・・・・

とりあえず大晦日までにはなんとかしたいスね
450 :2005/12/26(月) 18:26:49 ID:sV0OQYwE
私の名前は陸
白い毛並みと精悍な顔(笑っているみたいと周囲には言われるが・・・)が自慢の犬だ
私の主人であるシズ様に永遠の忠誠を誓っている・・・いや、誓っていた
何故過去形なのかというと、まぁ、皆様ならすでに解っていらっしゃるだろうが
最近のシズ様は明らかに以前とは違うのだ
かつてはオメガ格好良い元王子で凄腕剣士だったのですが・・・
今では只のロリコン変態ストーカーに成り果てて・・・
色々考える所があり、私はいっそお暇を頂こうか・・・などと考えていたのは確かだが・・・
まさか・・・こんな事になろうとは夢にも思わなかったのです

ある日、私はいつもの様に目を覚ましました
まぁ、実際にはこの時点でいつもとは違っていたのですが・・
私はいつも通り、ベッドに寝ているシズ様を起こそうと、声をかけました
するといつもなら聞こえる筈のシズ様の声はせず、そのかわり
「んん〜・・・」
という可愛い少女の声が聞こえたのです
私は、「ははぁ、またあの淫売でビッチのティーとかいう小娘が私のシズ様に夜這いをしたのか」
と思い、先ほどより大きな声をかけ布団をひっぺがしました
しかし、そこにいたのはシズ様でも、私のシズ様を誘惑する憎き小娘でもなく
オレンジ色の髪の少女が寝ていました
はて、確かに昨日はシズ様の部屋で寝た筈なのですが・・・
そう、私が思案していると
「ん・・・おはよう、忠吉さん」
そう、声をかけられました
しかし、私の名前は陸です
忠吉などという名前ではない
即座に否定し、またどうやら部屋を間違えていたようなので謝罪の言葉を口にしました
すると、少女は一瞬何が起きたか分からない、といった顔をし、そして
「た、忠吉さんが喋ったー!」
と叫びながら部屋から駆け出て行きました
たしかに、自分の部屋に知らない犬が居たら驚くでしょう
それに、またも私を忠吉と呼び、喋った事に驚愕しているという事は
彼女は私そっくりの犬を飼っており、その犬は喋らないという事か
ふふふ、まあ所詮そこいらの犬では私の知性には敵わないでしょうな
さて、勝ち誇っている暇があるならシズ様を探しましょうか・・・
そう思い、部屋を出ようとすると
キキイィー!ガッシャ!
と耳をつんざく騒音が窓の外より聞こえ、続いて
ギィバタン!ドタタタタタタ!
何かが階段を猛スピードで駆け上がってくる音が聞こえてきました
やばい、警察か何かを呼ばれた?!
そう考えた私はトリアエズ何処かに隠れようとしたのですが
間に合わず、バン!と、勢い良くドアが開かれました
其処に居たのは息を切らせた黒い長髪で背の高い美女でした
私はとにかく事情を説明せねば、とその女性に声をかけたのですが
「!!」
女性は目を見開きとても興奮した様子でズカズカと此方へ迫ってきました
ああ、私の人生・・いや犬生はもうお終いだ・・・
陸の旅-the Beautiful Wanko-は今回で終了です
来週からは新番組「キノの旅-the Beautiful World-」が始まります お楽しみに!
そう、私が覚悟した瞬間・・・・
ギュウゥゥゥ!
「・・・本当に喋った」
女性は力いっぱい私を抱きしめたのです
何がなにやら・・・・私にはわかりません
が、とりあえず命だけは助かりそうです

おやおや、もうこんな時間ですか 続きはまた今度にしましょう
では、また
                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第一夜・終
451名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 19:45:51 ID:8/OmuNAn
エロじゃないがワロス
452名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 10:04:31 ID:Q+wJ5orV
ちよタソ…
453 :2005/12/27(火) 14:26:03 ID:fQLRwAWT
さてさて、続きを話しましょうか
ええと、どこからでしたっけ・・・・
ああ、そうそう
私はおさげの少女と黒髪の女性が落ち着くのを待って、状況を説明したのです


「私の名前は陸 けして忠吉という名前ではありません」
まず、そう前置きしてから私は
シズ様と旅をしている事、私はシズ様の部屋に居た筈なのにいつの間にか此処に居た事・・・・
私が話している間、おさげの少女は興味深そうに聞き入り
黒髪の女性はひたすら私の頭を撫で続けていた
「ええ、と、つまり忠・・・陸さんは寝ている間に私の部屋にいつのまにか移動していたんだ」
おさげ少女が言う
このこは見た目によらず理解力があるらしい
とりあえず現況は理解してもらえた、が、しかし
「その陸さんが言う国って聞いた事無いなぁ・・・大体、拳銃とか刀剣とかって持ち歩いちゃ駄目だし・・・」
コレは可笑しな事を言う人だ
旅をするのに武器を持ち歩いては駄目だ、とは
ではどうやって身を護るのでしょう
「でも、中東やイギリスじゃあるまいし、武器が必要な旅なんてそうそう無いよ?」
旅は危険なモノですよ?モトラドやホヴィーで荒野を行くものです
「旅は楽しいモノだよ?飛行機でひとッとびだよ」
???????
分からない いや、そもそも価値観が違う
この少女がおかしいのだろうか
しかし、今だ私の頭を撫で続けている女性も少女の意見に同意している
ふむ、何か嫌な予感がします
とてつもなく嫌な選択肢がいま目の前に一つある、が、それは認めたくはありません
私は少女にこの国の情勢や世界の状況、地理、主な移動手段等
様々な情報を教えてくれるようお願いしました
少女は私の依頼を快く引き受け、様々な本を見せ、説明してくれました
その間中も、女性は私の頭を撫で続けていました

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アイキャッチ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私は全ての説明を聞き、愕然としました
明らかにこの国は、いや世界は私が居たソレとは違う
つまり、ここは異世界なのだ
何が起きたのか、何が原因なのか、元に戻す手はあるのか
一気に私の頭の中を色々な言葉が跳びかいました
真っ青になってガクブルしている私を見て、少女が呟きました
「でも、じゃあ、忠吉さんは何処に行ったんだろう・・・」
その言葉を聞き、私はΣ( ゚д゚)ハッ!!、としました
その忠吉という犬と私はどうやらそっくりらしい
だとしたら・・・・・同位体が・・・・・しかし・・・・・・・別の宇宙の・・枝・・・・・可能性・・・・・
世界の壁を越えて同調しえる事が出来たら・・・・・では向こうの世界にいるのは・・・・・・
私はおさげ少女に・・・・
ああ、そうでした
私とした事が、名前を聞くのを忘れていました
私は二人に名前を聞きました
「私の名前は美浜ちよ こっちは同級生の榊さんですよ」
「・・・・・・・・・よろしく」
ちよ様に榊様
あくまでも推測なうえに可能性の話ですが・・・・
「どうやら、忠吉さんとやらと私は、世界を入れ替わりになったようです」

おやおや、もうこんな時間ですか 続きはまた今度にしましょう
では、また
                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第二夜・終
454名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 14:28:46 ID:QeuQ9Lc+
夢十夜だね。乙
455 :2005/12/28(水) 18:28:24 ID:E5Gadfaq
皆様今晩わ
物語の続きをお話しましょう

私が立てた仮説に、二人は大変驚いていました
それはそうでしょう
己の従僕が忽然と姿を消し、変わりに姿だけそっくりな別人・・いや別犬が居たのですから
しかも、その従僕はどんな世界に行ったか解らない
私でも動揺するでしょう
「で、でも陸さんと入れ替わりって事は、忠吉さんは陸さんのご主人さんの所にいるんでしょう?」
あくまでも「おそらくは」、ですが
「じゃあ、大丈夫ですね 陸さんみたいな犬のご主人さんだったら安心です」
はぁ・・・・まぁ・・・言葉を喋れないんだったら・・・・・大丈夫なんじゃないですか?
「どんな人?」
ロリコンストーカー剣豪(元王子)です
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
二人は押し黙ってしまいました
それはそうでしょうとも 私も「アレ」がシズ様でなかったら喉笛に喰らい付いてちょっとしたネクタイになってる所です
「で、でも、そういうところ以外はまともなんですよ・・ね?」
此方の世界の普通とはまた違ってきますが、向こうの世界ではごく普通の旅人ですよ
ロリとストーカーを除けば・・・ですが
「あ・・・・あははは・・・・」
実に乾いた笑いですな
流石はシズ様 別世界の人すらも絶句させるとは
ちよ様はすぐに復活なさると口を開きました
「まぁ、色々考えなきゃいけないけど、とりあえず今は」
今は?
「朝ごはんにしましょう!」
此方の世界の方々はお強いですね
ときに榊様
あまり撫ですぎると静電気で毛が大変なことになるのでそろそろ・・・
「・・あ・・ごめんなさい・・・今、櫛ですくから」
あ、待って、今はやめて
      バチッ!
ギャン!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アーイキャッチ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ごちそうさまでした  大変美味でしたよ
ちよ様はお料理がお上手ですね
「ごちそうさまでした」
「お粗末様です」
さて、そろそろ話を進めましょうか
私と忠吉さ・・・・榊様、どうしました?ずっと此方を見て
「いや、あの、その・・・」
・・・・・・・・撫でても構いませんよ
・・・・・忠吉さんの入れ替わりの件ですが
とりあえず、コレといった具体的な解決方法があるわけではありません
「そうなんですか?」
はい
昔、シズ様が所蔵しておられた本にコレと似た事件の事が書いてあったのですが
そこには原因も解決方法もなにも書かれていませんでした
「え・・じゃあ・・・・・」
戻れるか戻れないか、それは正直運しだいでしょう
私が突然コッチに来たのと同様に、突然元の世界に戻る
それを期待するしかないでしょう そこでお願いなのですが・・・
「はい!それまでは家に居てください 陸さん、暫らくの間よろしくお願いします」
此方こそお願いいたします

おやおや、もうこんな時間ですか 続きはまた今度にしましょう
では、また
                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第三夜・終
456名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 13:37:05 ID:cOPCur4U
>>455

ちょっとしたネクタイ吹いた
457名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 16:39:12 ID:AvKgDsUi
つまり陸も超ピレネー人なのか
うちの子も同じ超ピレネー人だからそのうち陸もしくはただきちさんが家に来る可能性もあるのか
楽しみだw   
458名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 22:30:08 ID:CcBnXOrO
wktk
459名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 01:38:23 ID:guJGp6zA
>>455ワロタwww
あずまんがスレにも来てくれ いま長編書いとるから
460名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 00:20:03 ID:THVmb1zU
今年もえろくなりますように。
461名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 01:42:47 ID:hbQ4CTl2
まったくだ
462名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 01:42:09 ID:QfI3JFxN
師匠のエロ話書いてたけど、途中で満足したので脳内完結させてやめました
463名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 11:32:38 ID:AIFJW9/W
>>330の犬耳少女陸が読みたい…
464名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 19:29:05 ID:v1oNljwt
暇なので書いてみました。
お暇な方は読んでみて下さい。
465名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 19:35:40 ID:v1oNljwt
首都の居住区の5階建てアパートの最上階。
トレイズは首都を訪れて、そこに滞在させてもらっていた。家事やら幼なじみの少女からの罵声やらで、多少の疲労感を覚えた頃だ。
トレイズは今、久しぶりに考え込んでいた。
現在、時刻は三時ころ。部屋にいるのはトレイズと、幼なじみの少女の母、アリソン・シュルツ
のみ。アリソンはトレイズに、「夜勤だから寝だめするから三時くらいに起こして」と告げた後、
すぐに寝てしまった。幼なじみの少女から、「ママの寝起きは筋金入りよ」と言われていたが、
まさかこれほどのものとは・・・
三〇分前、一個目の目覚ましが鳴った。なんだ、目覚ましがあるじゃないか・・・と安心したのも
つかの間である。数秒後に、目覚ましのボタンを何かが恐ろしい早さで襲った。目覚ましは通常は
出さない音をだして、そして止まった。
その五分後、二個目が炸裂した。今度は一個目とは比にならない大音量だ。おそらく幼なじみの少
女、リリアがいる時には使用しないのだろう。腹にこたえるような大音量だ。トレイズはこれに聞
き覚えがあった。必死に思い出していると、ぱん、という短い銃声が聞こえた。そうだ、壊さない
と止まらない・・・軍の警報ベルだ。
その五分後、三個目が作動する・・・はずだったかどうかはわからないが、ぱん、という短い銃声
がまた響いた。
時間前に起こすのはやめよう、と思っていたが、さすがに不安になったトレイズは、アリソンの部
屋へ入っていった。
そこには恐ろしい光景が広がっていた。金髪のなかなかの美人の女性が、ベッドの上でかけ布団を
抱いて寝ていた。その女性の手には一丁の回転式拳銃が握られていて、おそらく手入れしていない
のだろう、銃口から火薬の煙が出ていた。ベッドの横のダッシュボードには、ボタンがはずれそう
だが全身鉄製の目覚まし時計が置かれている。撃つと跳弾しそうな代物だ。
壁にはトレイズの思った通り、軍用の警報ベルが置かれていた。ただ、トレイズが知っている物よ
りは小さく、スピーカーに銃痕があった。天井を見てみると、そこには金ダライがあった。本当に
冗談みたいな光景だ。よく見ると金ダライのロープのストッパーについている信管に銃痕がある。
いずれの兵器にも、「贈・部隊長」と書いてあった。
初めてこの光景を見て、誰が耐えられるだろう?トレイズはいつの間にか目をアリソンの方に向け
ながら後ずさりしていた。
その時だった。アリソンがかっと目を開き、銃を天井へ向けて構えた。
「ひゃっ!」トレイズの情けない声が響いた。
トレイズの進入を金ダライの作動と間違えたのであろう。ぱん、という短い銃声が部屋に響いた。
弾はみごとにロープを切った。そして「贈・部隊長」と書かれた金ダライが容赦なくアリソンめ
がけて落ちてきて、
「ぃああああああああああああーーーーーーーー!」
声にならない悲鳴が響く。トレイズは目に涙をうかべて逃げた。
466名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 19:39:32 ID:v1oNljwt
そして、それから20分後、現在3時である。
トレイズが音を立てないように慎重にドアを開けた。本来なら大声をだしてでも起こさなければ
いけないのに、一体なにをやっているのか・・・自分に腹が立ってくる。とりあえずドアの隙間
から部屋の中を見たトレイズは、別の光景に思わず目を伏せてしまった。
クローゼットから軍服が引っ張り出され、ベッドの上に無造作に散らばっている。軍服が散らば
っているベッドの上には、金ダライを受けた(のだろう)肘をさすりながら寝ているアリソンの
姿があった。アリソンの胸元のボタンは開けており、乳首が見えていた。肘をさすっているため、
胸が中央に寄せられていた。
トレイズは思わずドアをバタッ!と閉めた。内心エロいのに、意中でない人の裸を見ると思わず
目を伏せてしまうのがトレイズだった。例えばメリエルとか・・・トレイズはドアと背中合わせ
になり、耳まで真っ赤にして、自分の鼓動が早まり、息を荒げるのを感じていた。一応は一国の
王子として育ったためだろうか。かなりの罪悪感を感じていた。その時、
「うい〜?」部屋の中からアリソンの声がした。
トレイズは不意をつかれた形で「気をつけ」状態になり、固まった。別に悪いことをしたんじゃ
ないぞ、わざとじゃないぞ・・・来るんなら来い・・・
「リリアちゃ〜ん?帰ったの〜?ういぃ・・・」
数秒して、声は静かな寝息に変わった。
トレイズは思わず胸をなで下ろした。そして目に入った時計を見て唖然とする。3時十分。まあ、
十分オーバーだが・・・いまのトレイズには30分にも、1時間にも思えた。
いっそ王国の権限を使って、遅刻を取り消しにしてしまうか・・・?いや、そんなことをすれば
アリソンさんにも、取り巻きにも説明しなければならないし、親からはなんか言われそうだし、
メリエルに至っては暫く会話してくれないんじゃ・・・てか、何を悩んでるんだ俺は!?別に俺は
何も・・・よし、起こそう。起こしてやる。絶対に!
トレイズが勇んでドアを開けた。そこには、先ほどと変わりない光景が広がっていた。
アリソンは相変わらず静かな寝息を立てていた。もう肘をさすってはいなかったが、相変わらず胸
は寄せられたままだ。
起きたときに顔が真っ赤ではまずいかな・・・といってもどうしようもない。とりあえず直立不動のまま、
「あの・・・時間ですよ・・・?」と声をかけた。
アリソンはまったく動かなかった。ただでさえトレイズは人の睡眠を邪魔するのが好きでなかった。
トレイズは肩をつかみ、
「朝ですよ〜、アリソンさ〜ん」
と揺さぶりながら言った。無論朝ではない。
「ん・・ううん・・・」
アリソンが寝返りを打った。アリソンは仰向けになり、二つの胸を大きく晒しだした。
トレイズも年頃の男である。おまけに普段こんなことに出くわす機会は絶対にありはしない。自分の中で
性欲が暴走しはじめていた。既に股間は膨れあがっている。
「なあに・・・?」
アリソンが目を半開きにして言った。
「もう時間ですよ、起きて下さい」
トレイズが必死に恥ずかしさと性欲を押し殺した声で言う。
467名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 19:41:04 ID:v1oNljwt
すいません、残りのデータが何故かぶっ壊れてます。
又今度投下します。
468名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 19:46:36 ID:lUVlNTk7
生殺しかッ!投下…早めにお願いしますorz 期待していますので。
469名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 17:43:36 ID:LLLlxOaR
464氏の続きはマダー(チンチンAA略
470464:2006/01/04(水) 18:04:07 ID:K4bRhzvE
友達に送っていた分を戻してもらって再投下します。
あんまりこういうとこに書き込んだりしないんで、読みにくかったらすいません。
471464:2006/01/04(水) 18:08:43 ID:K4bRhzvE
「うあ・・・せやっ!」突然アリソンが布団をガバッと吹っ飛ばし体を起こした。同時に、アリソンの胸がボ
ヨン、と揺れる。トレイズはその光景をしっかりと目に焼き付けた。
「あらあ・・・?ママのおっぱいがほしいのお・・・?」
そう言ってアリソンはまた倒れ込むように寝入った。これでスイッチは入ったのだが、トレイズは恥ずかしさ
と、押さえきれない性欲で憤死しそうだ。トレイズは肩を握っていた手を思わず強めた。
「いたいわよぉ・・・そんなに握っても・・・はあんっ!?」
アリソンの声が、トレイズの唇に遮られた。トレイズはアリソンの口の中に自分の舌を進入させた。アリソン
は何が起こったのか理解できず、「んっ、んっ・・・」と藻掻いている。
長いキスが終わった。トレイズは目をかっと開いてアリソンを見つめている。アリソンは落ち着いた表情で、
「キスが欲しかったのなら、言ってくれれば良かったのに・・・困った子ねえ」
と微笑を浮かべて言った。しかしトレイズは性欲を押さえきれず、言い終える前にアリソンの服を脱がせ初
めていた。
「なあに?おっぱいは出ないわよ?」
「違いますよ。遅れないように着替えさせてあげてるんですよ」
そうつぶやくトレイズの顔はやはり真っ赤だった。理性を取り戻し始めたのだろう。
しかし、アリソンのパジャマを脱がす手は止まらなかった。トレイズはアリソンの背中の下にてを入れてア
リソンを持ち上げ、上を一気に脱がせた。アリソンの筋肉質な腕が目に入った。
余談だが、飛行機ほどアナログな乗り物はない。とくにプロペラ機はほとんどの制御装置が直結しており、
単純な腕力がかなり必要になってくる。もちろん足にも方向を定めるペダルがついており、当然腹筋も必要
だ。そのためパイロットは嫌でも筋肉質になってくる。「案外太いですね。食べ過ぎじゃないですか?」ト
レイズがわざとらしく言う。
「知ってるんでしょう?悪い子ねえ、少しお仕置きしましょ」といってアリソンがトレイズのズボンに手を
かける。予想外の展開でトレイズは抵抗しようとしたが、突然の行為と予想以上の腕力に抵抗できず、いと
も簡単に己の剛直を晒しだしてしまった。
「あら、やっぱり若い子は元気があっていいわねえ。ヴィルのより凄いわ」
さらし出されたトレイズのそれはいきり立って天を向いていた。トレイズはそれを一度照れくさそうに見て
から、アリソンの方を向いた。
「欲しい?」アリソンが悪戯っぽく胸を手で持ち上げた。
「・・・頂きます」トレイズはアリソンを背中から抱え込んで、唇を乳首に持って行った。「んんっ・・・
ああっ・・・」
アリソンは久しぶりだったのか、必死で喘ぎ声を押さえているようだった。トレイズは一度乳首から顔を離した。
「別に押さえなくてもいいんですよ?」
アリソンは少し顔を赤くして、
「年頃の王子様に悪い事しちゃったら、二度とイクスに呼んでくれないかもしれないじゃない」

472464:2006/01/04(水) 18:11:30 ID:K4bRhzvE
「素直じゃない所はリリアそっくりだ」
そういって、トレイズは再び乳首に唇をつけた。
「一度決めたらやめない所はお母さんそっくりね」
アリソンがトレイズの髪にやさしく手を当てた。
「ナンパはお父さんゆずり・・・はああんっ!」
トレイズがアリソンの乳首を甘噛みした。アリソンは突然強い刺激を受けたため、思わず押さえていた声を漏ら
してしまった。それと同時にトレイズを抱え込んでいた腕に力が入ってしまい、トレイズの頭を胸の谷間に運ぶ。
トレイズは柔肉とアリソンの香りを十分堪能した後、
「・・・しあわせ」
そう呟いた。
「・・・お母さんに報告しなきゃねえ」
アリソンが言った。実際なんとも複雑な心境だった。
「もっと、聞かせて下さい・・・そっちの方がうれしいです」
トレイズがまた、アリソンの乳首を弄り始めた。舌で乳首を弄びながら、もう片方を指で責めていく。
「んっ・・・ああっ・・・ひっ・・ひいいいっ!」
「乳首だけでもイけそうですね」トレイズが言った。
「サービスしてるだけよお・・・ふうっ・・・」
「本当ですね?」
「本当よう・・・嘘ついてもしょうがな・・・あふうっ!」
トレイズが片方の乳首を甘噛みし、もう片方を爪をたてて責めた。さらにトレイズは休むことなくアリソンの乳
首を責め立てる。
「あ、ふあっ、ちょ、激・・ああうっ!」アリソンが激しく喘いだ。トレイズはそれに同調するかのように激し
く乳首を責める。
「ああっ!ひい・・・っ!あっ?あああああああああーーーーーーーーーーーーーっ!」
アリソンの声が激しく室内にこだまして、そして果てた。
「はあっ・・・はあっ・・・」
息を荒げるアリソンの顔をのぞき込んだトレイズは、ふと自分の脳裏に別の感情が浮かんでいるのに気がついた。
顔をのぞき込んだのは、キスの為・・・?べつにアリソンさんのことを恋愛対象として見てるつもりじゃないのに
・・・ダメだ。今キスすれば、アリソンさんに入り込んでしまいそうだ・・・そうだ、今はただ、自分が果てればいいんだ・・・
そうやって自分の気持ちを抑えたトレイズは、アリソンの顔から自分の顔を遠ざけて、汗ばんでいる下のパジャマに手をかけた。
「あら・・・?キスしてくれないの?結構期待したのに」
アリソンにとっては気兼ねない一言であろうが、今のトレイズにはとてつもなく重くかんじる言葉だった。トレイズにはアリソン
の目がまるでサファイアの宝石のような、いや、王室にあるどんな金細工にもかなわないくらい、輝いて見える。
アリソンの体、一つ一つの仕草が女神のように見える。くそ、どうしてなんだ・・・!?別にそんなつもりは・・・
473464:2006/01/04(水) 18:16:15 ID:K4bRhzvE
見えない気持ちを抑えるため、トレイズはアリソンのパジャマを一気に下ろし、アリソンの恥部へと顔を近づけ、
既にびしょぬれだったそこを舐めようとしたが、あまりに急いでいたため陰毛が口のなかに入ってしまう。
「がはっ!げはあっ!・・・はあっ・・・」
「あらあら、どうしたの?恋煩いかしら?」
そう言われた瞬間、トレイズのなかの何かが吹っ切れた。もう、我慢する必要なんてないんだ。後のことなんて
知らない。僕のやりたいようにやってやる・・・!
吹っ切れたトレイズはまず唇を奪うためにアリソンの顔にものすごい早さで近づいた。アリソンは驚いて声も出
ず、簡単に唇を奪われた。
そしてアリソンは、それが熱い熱いキスだと知った。
トレイズの舌がアリソンの舌を求めて進入してくる。舌が激しく動くたびにトレイズの「はあっ・・・はあっ」
という荒々しい喘ぎ声が耳に入る。大きく開かれたトレイズの目を、アリソンの輝く青い瞳が覗く。トレイズの
目は燃えているように見えた。それも、かつてヴィルからも感じられなかった熱である。アリソンはほんの好奇
心のつもりがとんでもない方向へ進んでいることを悟った。だが、この少年の熱意を、押し戻す事など不可能
だった。
長い、長い、とても長いキスが終わった。トレイズは少し涙ぐんだ目でアリソンを見つめる。その目からは、未だ
熱は消えていない。
両者とも何の声も発さず、黙って両者の股間に目をやった。アリソンがゆっくりと秘裂を開いた。トレイズは自分
の剛直を手で支えて、アリソンの中に挿入していった。
「ん・・・ああっ・・・ああああうっ!」
「はあっ・・・はああっ・・・」
トレイズの剛直がアリソンの一番奥に達した。動くたびに、ぐちゅっ、ぐちゅっという卑猥な音がトレイズの欲情
を掻き立てる。
「動きますよ・・・はあっ・・・」
「・・・お願い」
トレイズがゆっくりと体を上下させ始める。お互いしっかりと見つめ合いながら、目の火を消さないように見つめ
合いながら動いている。
「ううっ・・・はあっ・・・」
「はあっ・・・いい・・・いいわ・・・ああっ!ああうっ!!」
どんどん二人の熱は上がっていく。トレイズは初めての快感に興奮し、腰の動きを早めていく。
「はあっ・・・くああっ・・・もう・・・ダメ・・・出しま・・すよっ・・・!」
「ああっ!だ、だめっ!ちょっ・・ああっ!あああああああっ!」
アリソンが我に返りトレイズを止めようとする。が、今更止まるものではない。
「はあっ!うああああああっ!!」
「ああっ!だめえ!!待っ・・ひあああっ!あああああああああーーーーーーーーーっ!」
トレイズが欲望の全てをアリソンの中に放出した。絶頂を迎えたアリソンはそれを受け止めた後、トレイズとともに
ベッドの上にうなだれた。

「・・・重いわ」
「・・・すいません」

474464:2006/01/04(水) 18:17:33 ID:K4bRhzvE
首都の居住区の五階建てアパートの最上階。
そこにある一室の玄関で忙しく軍用ブーツの紐を結ぶ金髪の女性と、ただその姿を見ながら立ちつくす少年の姿があった。
「その・・・大丈夫ですか・・・?」
「そんなすぐ解るもんじゃないわよ」
二人の会話はすぐに途切れる。
「はあ・・・1時間オーバーかあ・・・」
金髪の女性が時計を見て言った。
「あ、その・・・遅刻の件は、王国の権限で無かったことにするので・・・」
「構わないのよ、大人の心配しなくても」
二人の会話は、やはりすぐに途切れる。
「そのかわり、今度イクスに行くときは倒れるまで食べるから」
「あっ・・・はい、いくらでもどうぞ」
「それと・・・トレイズ君もね」
「はい。・・・え?」
一瞬困惑した少年の顔を綺麗な金髪が包み込む。
「返事したわね?約束よ?」
「え・・・?あ・・・?はい・・」
金髪の女性が走って階段を下りていった。
玄関では、少年がただ顔を真っ赤にして立っていた。

少年の苦悩は、まだ始まったばかりである。
475464:2006/01/04(水) 18:18:25 ID:K4bRhzvE
以上です。
ちょっとエロの所が弱かったかな?
現在続編執筆中です。
476名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 19:59:02 ID:LLLlxOaR
GJ!
>>465>>466は、かなり良かった。
ただ、アリソンが起きてからは、三人称トレイズ視点が、同段落でアリソン視点にブレたりするのが気になる。
心理描写が地の文で一人称に近くなっているのに、突然ブレるから尚更。
そこに気をつければ、もっと良くなると思う。

ストーリー展開は、アリソンが積極的に浮気するのは、ん?と思うので、
寝ぼけたままトレイズを押し倒して奪っちゃうのが良かったかも?って、これは好みによるかな。
続編期待しています。
477 :2006/01/05(木) 11:08:26 ID:T0K0kGkK
アロー アロー
こちら陸の旅を執筆中の でーす
只今故郷からもどって来ました オーイエー

今年の初仕事終わらせたら速攻執筆するので待っててくださいな
478464:2006/01/05(木) 18:20:56 ID:3EhrJsO2
>>476
さすが世間様の目は厳しいようでw
書くの遅いんで、気長にお願いしますね。

ちなみに続編は不倫はないです。期待してくれてる人(いるのか?)にはすいません。
479名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 19:18:30 ID:pE88k2oQ
>>477
待ってました!!
楽しみにしてますよ! 
480 :2006/01/05(木) 19:33:39 ID:T0K0kGkK
皆様今晩わ
今宵も物語の続きをお話しましょう

「・・・・・・kiろ・・・・・」
声が聞こえる・・・・闇の中から・・・・・・
「めヲsaMaセ・・・・・・コれの声・・・・」
自分の姿も見えぬ闇から・・・・・何を・・・・・言って・・・・
「ぉぉォoキろ・・・・・」
貴方は・・・・・一体・・・・・誰・・・・
「ziぶぶんんDeモ・・・ゎわかっtEいぃぃルハzu・・・・・」
何・が・・・・いや・・・・では・・・・・
「kOちョUノノノノ・・・・ゅゅめ目めメメMEmE・・・・・」
それが・・・・・私・・・原因・・・・・
「おキロロろroろ炉・・・・モ度れnAク・・・・」
しかし・・・私が・・・・・・どうすれば・・・・・
「尾ぉぉォキぃ意炉ォ・・・・・・」

「起きてくださ〜い あっさですよ〜」
目を開く 異質な光景 見覚えの無い世界
私は、此処は、一体、でも、夢?、誰、汗が、おさげ、思考が回る
「起きましたか?おはようございます陸さん」
そうだ、私の名前は陸だ
何故か本来居るべき世界から飛ばされ此処に居る
・・・・・よし、おちつきました
「おはようございます、ちよ様」、と挨拶をする
よし、確かに聞きなれた私の声です
ああ、そうです 私は私です それ以上でもそれ以下でもない
しかし・・・さっきの夢は・・・・・・・あの声・・・・・やっぱり、そうなのか・・・・
「り〜くさん まだ寝てますか〜?」
考え込んだまま微動だにしない私の顔を覗き込んでくる瞳
一瞬、本当の主人のような気がして・・・安堵した自分に驚愕する
少しずつ、同化しているのか?
「大丈夫ですか?凄い深刻な顔してますけど・・・」
こんな小さな少女に心配させてしまいました
一生の不覚です
大丈夫ですとも この陸はいつでも大丈夫です
「そうですか!それじゃあ朝ごはんの仕度が出来てるのでリビングに行きましょう」
ああ、その前に
「・・・なんですか?」
シャワーを浴びたいのですが・・・・・よろしいですか?
〜〜〜〜〜〜〜〜アイキャッチ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
勢い良く出るお湯が心地よく体を打つ
夢も、声も、違和感も、全て洗い流してくれるようです
「陸さんはお風呂すきなんですか?」
嫌いではありませんよ
「へぇぇ じゃあ忠吉さんと反対だね」
まあ、普通の犬なら嫌でしょうね
しかし、本当に申し訳ありません
いくら喋れてもシャワーを一人では浴びる事が出来ませんので
「いいんですよ 私も朝のお風呂は気持ちよくて好きですから」
そうですか
しかし・・・・見事に・・その・・・アレですな・・・・キノ様とどっこいどっこいと言うか・・・・・
あの榊様と本当に同級生とは・・・・・シズ様うっはうは、という感じで・・・・
「失礼ですね 私はまだまだこれからなんです!」
ああ、分かりましたから隠して隠して!
「・・・・・陸さんのスケベ犬」

おやおや、もうこんな時間ですか 続きはまた今度にしましょう
では、また
                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第四夜・終
481名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 22:37:39 ID:cNqu++Z0
つ……続きが気になる……
482 :2006/01/06(金) 20:23:25 ID:DQSwfXDm
皆様今晩わ
今宵も物語の続きをお話しましょう

スケベ犬の称号を得た後
ちよ様は学校があるとの事で外出してしまいました
なので私は、まぁ、特に遣る事も無いので庭で日向ぼっこをしておりました
その時
キィィィィィィィィィ
と耳鳴りがして、次に激しい頭痛
その激しさに、いつの間にか私は闇の中へ落ちていったのです

上も下も無い闇
ただ闇だけがある無
いや、ちがう
あなたは・・・・忠吉さんですね?
「・・・・Koタエエ炉ろろ・・・・・リリリくくKu・・・・・」
聞こえてますよ
「hハヤヤヤ苦・・・・ぉおokiロ・・・・・」
・・・・・私を夢の中に連れてきたのは貴方でしょう?
「ち・・・・血ガぅ・・・・・oレハはワ・yョんんnダだだdaダ毛ぇ・・・・」
では誰が私を連れてきたと?
「せせせせせsee可ッカぃいいiイ・・・・」
世界ですと?
「むむkっこォう戸・・・こttチ・・・・ううuウra御モもtテてて・・・・huタつ出デデ・・ヒぃとツぅ・・・」
私の世界と貴方の世界が、ですか
「火っ・・クり返ル・・・・kくrrリかえssu・・・せいト・・・シ・・・」
其れがおかしくなった・・・
「ねねねね・・・ネじィレre・・・・もドぅるaなな・・い・・・・セ化ィィ・・・koわれ・・・・」
どうすれば元に戻る
「いイ魔noおmaaエエ・・・こちョゥnoYOU目メメめ・・・・」
では、私がどちらかに主体を置けば・・・元に戻る・・・・
私が望んでこの世界に来た?
「hhhayあクくく苦・・・ぉぉoloキぃろッロ゛ォおおお・・・・」
・・・・・・・・タイムリミットは?
「あ゛ト・・・・ミkka・・・・真タ・・・・ア応・・・・」

バチッ、と
弾かれる感覚と共に意識が戻る
夢・・・・・
しかし、ただの夢ではないと、脳の奥底から警鐘が聞こえる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あと・・・・・・・・・・・3日・・・・・・・・・
忠吉として新しい主人の下で暮らすか・・・
この気持ちの良い安らぎの中で・・・もう危険な旅もせずに・・・・
・・・・・・・・・それとも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アイキャッチ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「タダイマ〜陸さん」
お帰りなさいませ、ちよ様
時にちよ様、質問があります
「え、何?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日の夕飯はなんですか?
「えっへへ〜 エッチな陸さんには教えない」

おやおや、もうこんな時間ですか 続きはまた今度にしましょう
では、また
                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第四夜・終
483 :2006/01/06(金) 20:26:39 ID:DQSwfXDm
ぐはぁ!
痛恨のミスをしてしまいました

陸の旅-the Beautiful Wanko- 第四夜・終
                     ↓
陸の旅-the Beautiful Wanko- 第五夜・終

に訂正いたします

つか、此処まで書いてて、正直今更ですが・・・・・
エロ無しなんてウザイんじゃあボゲェ!とか思われる方、
すんません
これ以上続けんな!アホがぁ!(ダイアー風味)ともしお思いでしたら
すぐさま書くのを止めますんで・・・・
484名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 20:53:15 ID:HNVM8Iaa
>>483
やめてみろ!! サンダースプリットアタックがお前の体を滅ぼすぞ!!
JoJo続けるんだ……そうでなければDIOには勝てん……!!
485名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 04:29:30 ID:6NdlgmPK
今の日本の女ってさ
学生のころはチヤホヤされて
昔のように女らしさを押し付けられる事もなく
バイト探せば楽な仕事は女しか採らないし
力仕事は当然免除されて
社会に出るときにはアファーマティブ採用で
公務員なら女優先採用で
パン職なら楽に有名企業入り出来て
一生働くつもりもないから
残業は女だからと断って
転勤は女だからと断って
定時に帰って合コン買い物
上司に叱られれば泣けばいいし
気に入らない男はセクハラで訴えて
仕事がうまく行かなくても男社会だからと言い訳して
出世出来なけりゃ女性差別と騒げばいいし
しんどい時には生理休暇
育児休暇もたっぷりとって
キリのいいところで結婚退職して
家事育児は平等に分担で
夫の財布はしっかり握って
自分はレストランでランチ食って
夫が気に入らなきゃ離婚して慰謝料とって
私は耐えてきたと抜かす
486名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 07:36:15 ID:qKcW3NZM
>>483
失禁するほど期待してます!
やめないでください(><)
487 :2006/01/07(土) 16:56:57 ID:Z74P/6s1
ちよ様、今晩の無塩シチュー 大変美味でございました
「えへへ・・さっきからもう五回目ですよ、その言葉  じゃあ、もう寝ましょう 明日起きれなくなっちゃう」
はい・・・では、おやすみなさいませ ちよ様
「はい、おやすみなさい 陸さん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月・・星・・・・闇・・・・・・光・・・・・
このようにゆっくり夜空を見上げるのはいつぶりでしょうか
シズ様が国をお捨てになられた時・・・・
もう二度とこのような平穏な日々は戻らないだろうと思ってましたのに・・・
私の横には何時も
いつ何時敵が襲ってきても良いように刀を抱いたまま眠るシズ様が居た・・・
でも・・・
今、私の横では安らかな寝息を立てる無防備な少女が居るだけ・・・
この世界は・・平和で・・・スローで・・・・
腹いっぱいの食事と・・・優しい主人と・・・・暖かい寝床と・・・・・・
こんな空気の中で・・・己の主人に仕えることができるなら・・・
「・・・・し・・死ぁwワssすェ・・・・・ダダ・・・・roウ?」
・・・・・・少しは間を空けて登場したらどうです?
盛り上がりも展開もまるで無視ですか?
意味深に「また・・・会おう・・・・」などと仰ったのは貴方ですよ
「・・・おoレnノ・・・自manの・・・・セくぁィ・・・オまE・・・MIセるるる・・・・」
それは同感ですね
ここが自分の居る世界なら・・自慢したくもなります
でも・・・私はどうなのでしょうね
たった二日・・・・
まだたったの二日です
しかし・・・私は・・・・この世界に・・・・
「mOTおノ世・・カイ・・・・モど・・・ない・・・クァ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・mAア・・・キ・・キ目る・・・のわ・・・ォまえ・・・だ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・陸さん?」
・・・・起こしてしまいましたか?
「誰と話してたんですか?」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・自分自身と、です
「自分自身?」
私は・・・・本当にもとの世界に戻りたいのか・・・と
「戻りたくないんですか?」
・・・・・・・
この世界は・・私が確かに望んだモノなんですよ
ただ其処に居るだけの幸せ・・・・
向こうの世界は・・毎日生き残るのに必死でしたから・・・
正直・・・シズ様も・・・私も・・・もう何人もの人を・・・・
・・・・・・でも・・・・・・・・・・・幸せではあったんです・・・
「・・・・・・陸さんの好きにしてみれば良いんですよ」
・・・・・・・
「もし・・此処に居たいのなら・・・・私は大歓迎ですよ」
・・・・・しかし・・忠吉さんは?
「・・・・寂しいけど・・でも陸さんのご主人さんなら安心です!だって、こんなに立派な陸さんのご主人さんですから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フフフ・・そうですね
・・では、もう寝ましょう  おやすみなさいませ、ちよ様
「はい、おやすみなさい 陸さん」
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・そうですね・・・シズ様なら・・・安心ですね・・・・・・

                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第六夜・終
488 :2006/01/07(土) 17:03:21 ID:Z74P/6s1
>>484
気化冷凍法だ!
ガシャ ̄ ̄Ζ__ン!
>>486
いや・・・失禁されても困るんですが・・・

励ましありがとうございやす
あと少しで終わりますので
もうしばらくお待ちください
489名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 19:11:07 ID:KDaByUNm
>>488やるなだがこのディーアイオーの敵ではないわ!
490 :2006/01/10(火) 18:26:02 ID:FttgeiwN
皆様今晩わ
今宵もサクサクと物語の続きをお話しましょう

・・・
・・・・
・・・・・眠い
結局一睡も出来ませんでした・・・
おおう・・朝陽が黄色い・・・・・・・・
・・・・・・・・
ちよ様はまだ起きる気配はありませんねぇ
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・ツインテール萌えー・・・・
ハッ!私は何を・・・
寝不足で脳みそが働いて無いようですなマッタク!そんな、この私がまさかいやいやいやいや
「・・・・んみゅ・・・陸さん・・・・何を騒いでるんですか?」
いやいやいやいや全く気になさらずに、決して私、萌えてなどいませんとも!

「いつもより早く目が覚めちゃったから、朝ゴハンちょっと凝ってみたんだけど どうでしたか?」
ええ、大変に美味でしたよ
特にあのBLTサンドはフレンチソースの酸味も丁度良く絶品でした
かなりの美食倶楽部度合いですよ
「それは褒めすぎですよ〜」
ピンポ〜ン
「あ、榊さんだ ハ〜イ今開けまーす」
ああ、私もお出迎え致します

「おはよう」
「おはようございます」
おはようございます榊様 今日も御綺麗ですね
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・主に乳とか
「え?!///」
「り、陸さん?!」
・・・え、いやいや私寝ておりませんよ、寝ておりませんとも!
まったく寝不足ではなくよって今のも只の幻聴に過ぎず、世界って少し不思議!略してSF!
「・・・・もう、只のドエロさんですね」
「・・・・・・・(真っ赤)」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アイキャッチ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おかしい・・・・
いくら寝不足だといっても・・私があんな事を言う筈が・・・
「苦っ苦ック・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
同調しましたね?
「厭イ・・・や・・・・オもSi炉kAッタ・・・ぜ・・・・・・」
貴方は言葉が通じない事を良いことに、いつもあんな事を言ってたのですか!?
「サ・・・TEネ・・・・・・」
この力波野郎が!ヘリコプターの電磁波で下血でも流してろ!白!白エロ!井伊直政の娘婿!
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・逃げたか

「ただいま〜」
お、お帰りなさいませ、ちよ様
あ・・・お荷物お持ちいたしましょうか・・・
「・・・・・・・」
ああ、待って、無視しないで 朝のアレは誤解!誤解なのー!
あと二日しかないのにこんな嫌な感じで終わるのイヤー!
ちよ様ー!部屋に!せめて部屋には入れてー!

                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第七夜・終
491名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 19:17:49 ID:9KJ/7Y3M
>>490
井伊直政の娘婿ワロスwwwwww
でも「ただきち」じゃなくて「ただよし」のような…?
492 :2006/01/11(水) 11:34:33 ID:TkUDEAvZ
気にしない!
493 :2006/01/11(水) 19:14:27 ID:TkUDEAvZ
皆様今晩わ
今宵もモッサリと物語の続きをお話しましょう

・・・・・お、おはようございますちよ様
「はい、おはようございます陸さん」
あ・・・あの・・・昨日はその・・・
「とりあえず朝ご飯にしましょう」
はい!

いやいや、ちよ様の作るご飯は本当に美味過ぎですなぁ
特にこのポトフの微妙な胡椒加減が素晴らしく
「陸さん、褒めすぎると逆効果になる時もありますよ?」
・・・・・・・・・・・・
「そ、そんな今にも泣きそうな顔しないでください」
すみません
何故だかしりませんが、どうも調子がおかしくて
なんだか・・こう・・・・無性にちよ様に嫌われたくない・・・というか
「忠吉さんも怒られた時とおんなじ顔してますよ」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「あの、ヘンな事言いましたか?」
い、いえ別に・・・
それより、急ぎませんとそろそろ榊様がいらっしゃる時間では?
「ああ!そうですね 陸さんが来てから朝ごはんが楽しくて、時間がすぐ過ぎちゃいます」
え?
ピンポ〜ン
「ああ、早く着替えなきゃ!陸さん、玄関お願いします!」
え・・ああ、はい 分かりました

ガチャ
おはようございます 榊様
「・・・・・・お、おはよう」
あの、昨日は大変申し訳御座いませんでした
「え・・・//(真っ赤)」
昨日の私は少しどうかしてまして、全く思いもしない事を口走ってしまいまして・・・
あ、いや、発言内容事態には嘘は無かったのですが・・・あああ、そういう事ではなく・・・
「・・・・・・///(極赤)」
「すいません、榊さん お待たせしました!」
ああ、ちよ様!
「・・・・・・・・・///」
あの、いや、違います!決して昨日のような事を言った訳じゃなく!
「陸さん・・・・・」
いえ、ですから昨日のお詫びをと
「まるちぷるたいたんぱぁ!!」
痛い痛い!ミンチに!ミンチにだけはしないで!
「まるちぷるたいたんぱぁ!!」
やめて!やめてください!さ、榊様も、見てないで助けて!
「あ・・・あの・・・陸さんは・・・」オロオロ
「榊さん!一体陸さんにどんなセクハラを?!」
決め付けですか!?
「いや、その・・・・昨日の事は嘘じゃないって・・・・・」
「まるちぷるたいたんぱぁ!!!!」
イタタ!痛い!榊様!それは語弊がありすぎです!
「え・・・あの・・・ごめんなさい」
痛い!おさげが痛い!あ、やめて!そこは大事なアヒャ―ゥォ!!
「さ、魔獣エロスは退治されました!もう安心です!」
「え・・・あ・・・・あの、大丈夫?」
・・・・・・ラス間近で、こんなにグダグダでいいんですか?本当に・・・

                                    陸の旅-the Ωeros Wanko- 第八夜・終
494名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 10:35:36 ID:Oxnrd5dp
>>493
いつのまにかサブタイ変わってるww 
495 :2006/01/12(木) 11:20:57 ID:Us6IsRy2
朝の件は、登校の道すがら榊様が誤解を解いてくれたらしく
ちよ様は帰宅後、Tボーンステーキを片手に謝ってまいりました
その後、仲直りと入浴を済ませ、夜の帳も下り、寝所へ入りました


天頂の月 天上の星 天蓋に満ち 千年の夢
天頂の闇 天上の影 天外より来たり 八千代に願う
「何ですか?それ」
・・・随分前に・・・・・ある国で流行った歌の一節です
空の向こうに行ってしまった大事な人を思う歌、だそうです
「・・・悲しい歌なんですか?」
とんでもない
この歌は、ただひたすらに、空の向こうの思い人の事を想い続けています
そして、また何時か再び逢えると信じ続けています、という歌なんですよ
「・・・・・その人は、逢えたんでしょうか」
さぁ・・・・
でも、
この歌を歌っている時は、心の中で逢っていたのではないですか?
「良い・・・・歌ですね」
はい 良い歌です
「その歌を歌えば、陸さんもご主人さんと逢えるかもしれませんね」
・・・ええ、ちよ様も忠吉さんと逢えると思いますよ
「えへへ・・・うん、そうだね」
はい
「それじゃあ、お休みなさい 陸さん」
はい、お休みなさいませ ちよ様
・・・・・・・
・・・・・

ちよ様が寝静まったのを確認して、
私は、そっと部屋を出ました
犬用出入り口から庭へ出て、一番大きな木の根元に腰を下ろしました
・・・・・・・・・・・・・・
今夜は月が綺麗です
月は、見るものの心を映す鏡なのだそうです
では、今の私には一片の迷いは無いからこそ、こんなにも月が綺麗に見えるのでしょうか
・・・・・・
月といえば、こんな話を聞いた事があります
あの空に浮かぶ月を、神様や別の世界のモノがこの世界を見下ろす穴と考えた妖怪が居たそうです
その妖怪は其れが気に食わない
だから、月を目指して必死に飛びかかろうとした
その穴から向こうへ出て、今度は自分がこの世界を見下ろそうとした
しかし、いくら飛んでも、いくら手を伸ばしても、月には届かない
そして、妖怪は向こうの世界に行く事を諦められず、飛んで、飛んで、飛んで、
力尽きて、地に堕ち、死んでしまったそうです
その顔は、夢を見ているような、何かをやり遂げたような、そんな顔だったそうです
・・・・・
教訓?そんなモノはありませんよ
でも・・・・
もしかしたら、その妖怪は・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
さて、そろそろ始めましょうか
物語の方向修正を

天頂の月 天上の星 天蓋に満ち 千年の夢
天頂の闇 天上の影 天外より来たり 八千代に願う
我が身体 滅びようとも
我が魂は 君と共に
世界を越えて 君の元に
                                    陸の旅-the Beautiful Wanko- 第九夜・終
496 :2006/01/12(木) 11:33:19 ID:Us6IsRy2
>>494
やっぱこういう小ネタは要るっしょ

次でラストにするつもりっす
長々とお付き合いありがとうございやす
少し間が空くかもしれませんが
せめて、最後は良い終わり方を・・・と考えているので
まあ、さんざん駄文を今まで書いといて何を今更・・・って感じですが

一応、今までの縛りとして一夜一レス、つうのをなんとか守ってきましたが
ラストはソレを外して、好き勝手絶頂に書きたいと思っております

そういうわけで
最後まで宜しくお願いいたします
497名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 15:14:32 ID:gBhRq9SI
ワクテカしてま。
498名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 15:24:35 ID:ywZG4zw4
wktk
499名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 21:22:09 ID:r/75CRCq
まるちぷるワロタw ナツカシス
500SBI:2006/01/14(土) 17:04:28 ID:98MaW4KD
うは〜、やっぱり面白い。
正直、そのテンポの良い掛け合いには憧れてます。
ラストも期待しているので頑張ってください。
501 :2006/01/14(土) 17:06:02 ID:rzddindS
キィィィィィィィィ・・・・・
あの時と同じ頭痛
そしてあの時と同じ崩落感
いよいよ・・・
修正の時間が始まる・・・・


     陸の旅-the Beautiful Wanko- 第十夜


頭痛が終わり、目を開けると
目の前に白い笑っているみたいな顔をした犬が居た
「ィョォ・・・・こうやって会うのは初めてだな」
貴方が忠吉さんですね
「ああ」
今日は声がはっきり聞こえますが・・・
「いつもは世界の壁の向こうからだったからな
 俺もお前の声をこんなにはっきり聞くのは初めてだ」
世界の壁の向こう・・・というと
やはり貴方は私がいた世界に居たのですね
「いいやぁ、違う 俺はずっと此処に居た  この『世界の狭間』にな」
何ですと?では私の居た世界には・・・・
「お前が居た世界は停まっちまってる」
停まる?それはどういう事なのですか?
「ああ、もう あったばっかで質問ばっかかよ」
いいから答えなさい!
「面倒だが・・・しゃーねーな  んじゃ、まずこの世界の事から・・」
私の居た世界はどうなったのです!
「五月蝿ぇぁ!黙って聞きゃぁ!」
・・・・・・・
「まず、この世界全体ってぇのは、いわゆる多面立方体みたいなもんだ
 で、その表面に其々の世界が張っ付いてんだが・・・・
 その世界は、んー、まぁ、所謂『神様』共が見る事で動き出すんだ」
・・・・・認識される事で存在を始める・・・・と?
「そんな難しいモンじゃねぇよ
 まあ、いわばビデオみたいなもんだ
 世界がビデオテープで『神様』がソレを再生して見る奴って事だ
 一人の神様がビデオ、つまり世界を再生して見る
 この間は他の世界は再生されない
 だが、神様ってのは恐ろしい程たくさん居てな
 其々にデッキとビデオを持ってるから、一度にたくさんの世界が再生されているんだ
 ここまでは大丈夫か?」
まあ、なんとか
「で、幾つかの世界の中には『共通点を持った世界』ってのがある
 まあ、そりゃあ、ほぼ無限に近い世界があるんだ おかしい事じゃねぇ
 例えば、宇宙から来た少女達が岡山の少年の家に居候する世界ってのがあるんだが
 これがまた、無茶苦茶些細な違いで色んな世界に分離しちまってる」
他の世界の事が分かるのですか?
「言ったろ?此処は『世界の狭間』だって
 此処からはどんな世界でも覗く事が出来るのさ
 話を戻すぞ
 で、俺とお前の事なんだが・・・・
 この二つの世界には共通点は今の所一つしか無い
 ・・・・・俺とお前、物語のメインに近い所に居る同種の犬
 この一本の共通点が今回の事件の原因だ」
・・・・私が、『貴方が居るの世界』の様な世界を願ったから?
「まあ、それもある
 ただ、一番の原因は、神様の一人がお前のその願い事を考え無しに叶えちまった事だ」
神様が・・・・
502 :2006/01/14(土) 17:07:02 ID:rzddindS
「本来、神様ってのは世界を再生するだけなんだよ
 其々の世界に干渉する力なんてないんだ
 だが、その中に、稀に
 新しい世界を作ったり、既に在る世界に干渉出切る様になる奴が居るんだ
 しかも、自分の中だけで終わらせれば良いものを
 ワザワザ他の神様にも見せちまう奴がな」
・・・・・・・・・・・・・・
「でも、その中でも真っ当な奴等は
 一つの世界の中だけで自分の好きなようにカップリングしたりするだけだ
 だが、今回世界を弄った神様っつーのが厭らしい性格でな
 お前を他の世界に送って、ソレを上から見て、ニヤニヤしながら楽しんでやがったのさ
 しかも、俺までお前が居た世界に送ると維持すんのが面倒くさいんで、此処に放り出しやがった」
では、私が居た世界には・・・
「そう、本来居るはずの役者が居ねぇまんまだ
 そりゃ世界も停まっちまうさ
 舞台だって、いきなり役者が居なくなったら普通公演中止だろ?
 本来、代役になる筈の俺もいねぇしな」
貴方に代役される位なら停まっててもらった方がマシですがね
こんな口調も頭も悪そうなワン公が私の別の姿とは思いたくもありません
「んっだよ冷てぇな、オイ
 ま、いいや
 んで、さっきビデオに例えて説明したんだが
 そりゃ、あくまで世界の存在の仕方の例えであって、実際には最初に言った多面立方体ってほうが性格なんだ
 世界が停まるってのもその例えで言うなら、って事でな
 実際はそこ世界、つまり一つの面が抜け落ちちまうってのが正しいんだ
 で、その立方体の中の一面が抜け落ちた所為で大変な事が起きた」
大変なこと・・・・・別に一つの面が無くなった所でたいした事にはならないのでは?
「それがよ
 別に元から一枚だった紙で作ったわけでも接着剤でくっつけてる訳でもねぇんだ
 其々の世界が接し合ってる辺同士で支えあってるだけでしかない
 んでも、一つ無くなった所為でそのバランスが崩れた
 もうそろそろリミットが来るんじゃねぇかな」
もし、崩れたら?
「それでお終い 全部オジャン
 これから生まれてくる筈だった世界も、影響を与える筈の世界が無くなるわけだから
 生まれて来る事が出来なくなる」
ちよ様も榊様もシズ様もティー様もキノ様も鉄くずも
「あたりまえだろ?世界が無くなるんだからよ
 ま、俺たちと神様は無事だがよ
 俺たちは既に世界の外に来ちまってる
 神様のペットにでもなりゃあ、それなりに生きてはいけるだろうさ」
それはゴメンこうむります
「んじゃあ、アレだ
 お前が元の世界に戻るか、お前はそのままで俺がお前の存在と取って代わるか、だ
 ただ、後者を選ぶとお前は身も心も俺になり、俺も同様にお前になっちまうがな」
大丈夫ですよ 今の私には選択肢など必要ありませんから
「すでに決めてきた?」
ええ
私は元の世界にもどりますよ
「だが、あの世界はお前が望んだ世界じゃあ無かったのか?」
そうですよ 私が望んだ世界そのものでしたよ
ちよ様も私が望んだ主人そのものでした
正直、去るには惜しすぎる場所ですよ
ですが・・・・・・
貴方に、いや他犬にシズ様を譲るなんて御免ですね
シズ様とする危険に満ちた旅も、シズ様にかけられる苦労も、
身を守る為とはいえ人を殺すという業も
全部、勿体無さ過ぎて他の存在になんて譲れませんよ
503 :2006/01/14(土) 17:07:46 ID:rzddindS
「そりゃあコッチの台詞でもあるんだがね
 俺だってあのヌルい生活や息苦しい首輪とハーネスや
 パッサパサのドッグフードを他の犬に譲ってたまるか」
・・・フフフ、流石は私の夢の胡蝶ですね
良く気が合う
「お前もな 流石は俺の夢の老人だ
 本当に気が合うぜ」
・・・・・・・それでは
「ああ、さよならだ また逢おうぜ老人」
御免こうむりますよ 胡蝶

世界は、常に入れ替わり、
役者達は、夢の中で別の演舞を舞う
裏返り、入れ替わり、繰り返し、回る、回る

「ま、結局、何の教訓も何の意図も何の意味も無い、只の物語さ」
それこそが、世界だとも思いますが
「世界なんてモンは、美しくなんて無いんだよ」
当たり前です 全てはその世界を見た者の感じ方次第
世界そのものなんて、どうでも良いものなんですよ

「それが分かってるんなら、もう二度と、コッチに来ようなんて思うんじゃねぇぞ!」



視界が白く黒く染まり、何も無くなって
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
504 :2006/01/14(土) 17:09:04 ID:rzddindS
目を開けた其処は・・・・・・・
「陸・・・・・今日は随分と遅い目覚めだな」
「・・・・・・・何様?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・申し訳御座いませんシズ様、ティー様
「危うくキノさん達に置いて行かれる所だったよ」
ああ、そうですか
では、直ぐに出発の準備を
「・・・・・もう済ませた」
そうですか、では早速生きましょうか
「うん?今、何かイントネーションが違ったような?」
気のせいですよ さあ行きましょうシズ様、ティー様
私達の世界を、私達の旅の続きを

ピピピピピピピ・・・
「ん・・・・んん・・・・・ふぁ・・・・おはよう陸さん」
わん!
「・・・・・・え?陸さん?」
わんわん!
「もう、ふざけてると朝ごはんあげませんよ〜」
クゥ〜ン・・・
「・・・・・・・もしかして・・・・忠吉さん?」
わんわん!!
「た・・・忠吉さんだ!え・・・じゃあ・・・陸さんは?」
わん!
「・・・・・・・そっか・・・帰れたんだ」
わんわん!わん!
「・・・・・忠吉さん、忠吉さんが居ない間、少し面白い事があったんだ・・・
 えっとね・・・・・・・・・・」
わん!
・・・・・・・・
やっぱ、あの野郎にはちよ様は勿体無ぇよ
だから、俺がお前の分も仕えてやるよ
「え!?今、忠吉さん喋った!?」
わ・・わん!

陸の旅-Important desire The world that should be defended- 始まり


オマケ
「エルメスー 起きろー ソロソロ行くよー」
バシバシバシ
「ハッ!此処は何処だ!マスターメガトロン様は!?
 コンボイは何処だ!」
「エルメス?」
「何だお前は!?俺はロードストームだ!エルメスじゃない!」
「ああ!そう言えば色とかが違う!」
「ちくしょう、コンボイの罠か!?ええいトランスフォーム!」
「うわあ、エルメス?が人型に?!」
505 :2006/01/14(土) 17:19:24 ID:rzddindS
>>497
いや、なんか昔そういう話を婆ちゃんに聞いた事があってね
で、使ってみた
あとで足洗い邸見て、「うぉい!婆ちゃんの話が!?」とか思ったよ

>>499
お父さん本気!

>>500
500オメ〜
いや、テンポ良いっつうより色々省いていったらああなっただけでして・・・
い、いや!そんなに褒めないで!
私はそんなに軽い女じゃなくてよ!

まあ正直、SBI氏のSS見てて俺も
「うは〜、こんな風に上手く書ければなぁ〜」
「嗚呼!氏のようにもっと濃厚に表現したい!」
とか思いますし


えーと
とりあえずこれでラストです
この話は、何か意味を込めようとかじゃなく
「どうでも良い」話を「どうにでもとれる様に」書こうと思って書きました
ですんで、あくまでこの話の真相は
読み手である貴方々『神様』しだいです
クソミソに言おうがボロクソに批判しようが
それは『神様』の自由であり
それを信仰している俺がどうこう出来るモノでもありません

また、
「へ、こんな程度で投稿してる奴がいるんなら俺様のSSなんざ
 まさに宇宙大統領級だぜ!レッツ投稿!」
と思い立ってくださる『神様』が出てこられる事も期待しております

ではでは
長々とお付き合い感謝感激雨霰です

次は陸の犬耳エロ話でも書こっかな〜、っと
506名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 20:10:29 ID:mzhFT9dP
乙。なんと言うかエロパロに置いとくには勿体無い話だと思った
507 ◆my.KdKgwt6 :2006/01/14(土) 21:11:29 ID:nwcFq46f
大王ネタわかるんならこっちにSSかいても良いかな?
なんかこの頃大王エロパロスレ雰囲気悪いし……昔の偉人がいた時代はよかった………
508464:2006/01/14(土) 23:49:36 ID:1vBaKUIH
>>507
その意見には賛同しかねます。
私にはさっぱりだったので。
509464:2006/01/14(土) 23:55:40 ID:1vBaKUIH
>>507
その意見には賛同しかねます。
私にはさっぱりだったので。
510464:2006/01/15(日) 00:00:46 ID:1vBaKUIH
あれ?なんか2レスしてる・・・
失礼しました。
511名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 00:18:19 ID:0z7xvqLA
>>510
てことは忠吉さんのネタわからんかったのか……可哀想だなあんた……大丈夫だわかりやすくキノで書くから
512名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 03:35:28 ID:foUmAgZv


>505
オチが・・なんか短絡的で粗暴なエルメスワロタ
 報われない忠臣・陸は、さしずめ嘗てのア■アンハイドかね
513SBI:2006/01/15(日) 16:49:15 ID:MjDab0PX
GJ!!!!そして、お疲れ様。期待のはるか上方をかっとんでいく特大ホームランでした。
次も楽しみに待ってます。陸の犬耳エロ話を……。
それでは俺も久々に書いてみたものをば。あんま長くないです。
シズキノ、キノ視点です。
それでは……。
514SBI:2006/01/15(日) 16:50:20 ID:MjDab0PX
「あの…シズさん……やっぱり降ろしてくれませんか?」
「いや、降ろさないよ、キノさん」
ボクは今、シズさんの腕に抱え上げられている。いわゆるお姫様抱っこという奴だ。
偶然泊まった宿屋にシズさんも宿泊していることに気が付いた時は、素直に嬉しかった。旅を続けるボクとシズさんが会うには相当な幸運が味方しないといけない。
久方ぶりの再開を喜び、一緒に外で食事をして、心ゆくまで話した。そうして自分の部屋に戻った後、シズさんが訪ねてきたのだ。
ボクを両腕で抱きかかえたまま、シズさんが歩く。一歩一歩ゆっくりと歩を進めるたびに、伝わってくる振動が心地よい。
今、ボクはボクの全てをシズさんに委ねているのだ。
ボクを一人の女の子として扱ってくれるシズさんの態度に、ずっと戸惑いを感じ続けている。
同じ女性である師匠との暮らしでは、自分が女の子であることを特に意識はしなかった。ずっと男性のような服装で旅を続けてきたため、こちらから言わなければ女性であると気付かれないこともしばしばだった。
だからだろうか、シズさんとこうしているだけで何とも言えないむずかゆさが湧き上がって、どうしようもなくなってしまう。
「はい。お望みどおりに降ろしたよ、キノさん」
ボクの体をベッドの上に横たえてから、シズさんはそう言って微笑んで見せた。何か言い返そうと思ったけれど、上手く言葉がまとまらなくて俯いてしまう。
シズさんは悪びれもせず、そんなボクの肩にそっと手を掛け、真っ向からボクの顔を覗き込む。
ボクの中に侵入しようとしてくる真っ直ぐな視線から堪らず目を逸らすと、シズさんは心底嬉しそうに笑って、こう言った。
「やっぱり可愛いな、キノさんは」
瞬間、ボクの顔がカーッと熱くなる。耳まで真っ赤にしている自分の顔をありありと想像することが出来た。
ボクの胸の中で心臓が飛び跳ねるように脈を打つ。死んでしまいそうなくらいに恥ずかしくて、自分が今何をしているのかもわからなくなりそうだ。
シズさんに出会うまで、こんな情けない自分は知らなかったのに……。
515SBI:2006/01/15(日) 16:51:57 ID:MjDab0PX
ああ……
でも………
だけど………
幸せだ。たまらなく幸せなんだ、ボクは………。
勇気を振り絞り、目を閉じて、そっと唇を差し出す。そこにシズさんの唇が重なって、甘く優しい感触が波紋のように全身に広がっていく。
シズさんの腕がボクを強く抱き締め、ボクの小さな体はその中で今この瞬間、こうして二人でいられることの喜びに震えた。
唇を離して、ようやくまともにシズさんの顔を見る。こちらもやっぱり幸せそうな表情だ。僕だけに見せてくれるとっておきの笑顔。
シズさんがボクといることで幸せを感じてくれている。そのことが最高に嬉しかった。
「……シズ…さん」
ドキドキして、名前を呼ぶ声も震えてしまう。そんなボクに、何も心配しなくてもいいとでも言うように、シズさんがうなずいてみせる。
ボクはようやく安心してシズさんの体に寄りかかり、ボクの全てをシズさんに委ねた。
シズさんの手で服を脱がされていくのが気持ちよかった。
シズさんの視線が露になったボクの肌に突き刺さるのが気持ちよかった。
いたわるように、慈しむように、そっと素肌に触れたシズさんの指先の感触が気持ちよかった。
きっと、他の人が相手ではこんな事は感じないだろう。そのこと自体が、とてもとても幸せな事なのだとボクは気付く。
「綺麗だよ、キノさんの体……」
そう言って溜め息をこぼすシズさんの声が間近に聞こえる。
ボクのプロポーションは同じぐらいの年頃の女の子に比べて、あまり発達しているとは言えない。体格だってどちらかといえば小さな方だ。
ボクだってその辺りの事は多少気になったりもする。だけどシズさんはそんなボクの気持ちを知ってか知らずか、平気でこんな事を口にしてみせる。
本気で言ってるのかな?もしかしてロリコンってやつなのかな?
516SBI:2006/01/15(日) 16:52:44 ID:MjDab0PX
だけどそんな事を考えるのも一瞬だけの事、どんな理由にせよシズさんがボクのことを綺麗だと言ってくれること、綺麗だと感じてくれていることで胸が一杯になる。
やがて緩やかにシズさんはボクの体を愛撫し始める。ただ肌の上を撫でられただけのことで、ビリビリとした感触が走ってボクは声を漏らしてしまう。
「…っああ!!…ひぅ…はあんっ!!…うああっ!!」
ゆっくりと、あくまで優しくボクの肌の上を滑るシズさんの指先。愛しげに、まるで宝物でも扱うかのように触れるその感触からシズさんの思いが伝わってくるようだ。
何度も指先に転がされ、弄ばれた両の乳首はぷっくらと勃ち上がり、シズさんの舌で舐められた肌という肌が熱を持ってぞくぞくと震える。
「ひ…ああああっ!!!…ふああっ!!そこぉ…だめぇっ!!!」
変わっていく。変えられていく。シズさんの手でボクの体がどんどんエッチに、いやらしくなっていく。
ボクの心も変わっていく。シズさんに触れられて、シズさんのことをもっと好きになっていく。
昨日よりも、今日よりも、一時間前よりも、一分前よりも、一秒前よりも………っ!!!!
「ふあああああっ!!!!シズさんっ!!シズさぁん!!!」
目の端に涙をため、押し寄せる快感の波の中、ボクはただシズさんの名前を呼ぶ。
シズさんの指先は既にボクの大事な所にまで侵入をし始めていて、何度もこみあげてくる快感にボクの意識が明滅する。
時に焦らすように入り口の辺りを弄られ、またある時は奥の深くまで指先を入れられる。指先で摘まれ弾かれて、クリトリスからは耐え難いほどの電流が走る。
もはや完全に見も心も蕩かされてしまったボクは、シズさんの背中にぎゅっとしがみつきながら、途切れ途切れの声でシズさんに訴えかける。
「シズ…さん、ボクもう…もうガマンできないんですっ!!シズさんのが…欲しいんですっ!!シズさんの……ボクの中に……ボクの…アソコに……くださいっっ!!!!」
「わかったよ、キノさん………」
答えたシズさんはもう一度ボクにキスをして、既に大きくなっていた自分のモノを取り出した。
熱く脈打つそれがボクのあそこにあてがわれると、その興奮に二人の鼓動までが聞こえてきそうな気がした。
「いくよ……」
その言葉にボクがうなずくと、シズさんはゆっくりとボクの中への侵入を始めた。
517SBI:2006/01/15(日) 16:53:34 ID:MjDab0PX
「くあっ!!…あっ!!ああんっ!!!……ああっ!シズさんのだ……!!シズさんのだぁ………!!!」
こんなにも大きくなったシズさんのモノをボクの体が受け入れていく。ボクの体の中で力強く脈打つその感触は、まるでシズさんの全てがボクの中にあるようだ。
やがてシズさんは自分のモノを前後に動かし始める。
「あああっ!!!はあっ!!ああんっ!!…あっ!!ふああああああああっ!!!!」
突き上げられるたびに走る甘い電流がボクの背骨を駆け上がって脳を痺れさせる。
押し寄せた快感が弾けた後も、絶え間なく続けられるピストン運動が休む暇を与えずに次の快感を僕に与える。
しかも快感を求め続けるボクの心に答えるかのようにシズさんの動きは速くなっていき、一回事の間隔はどんどん短くなり、快感は大きくなっていく。
ボクの口から漏れる喘ぎ声は、もはや抑えようもないほど大きくなっていた。
「ひあっ!!はうううううっ!!!…すごいっ!!すごすぎるよぉ!!!こんな…ボクぅ!!!?」
シズさんのそそり立つ熱いモノが、ボクの中をドロドロに溶かしてかき混ぜ、滅茶苦茶にしていく。
何度となく唇を求め合い、口の中に広がるお互いの甘い味が、ボクたちをさらに欲情させていった。
小さな体が軋むほどに突き入れられて、心も体も壊されてしまいそうなほど感じさせられて、ボクは今シズさんと本当に一緒になっていると全身で感じる。
「はあんっ!!ひううっ!!!ああっ!シズさんっ!!シズさんっ!!!シズさぁんっっ!!!!!!」
ボクがシズさんの名を叫ぶと、激しい突き上げにガクガクと揺れるボクの体を抱き締めるシズさんの腕にきゅっと力がこもる。
シズさんの腕の中でボクの体は絶えず責められ続けられ、大きすぎる快感の中でボクはまともの思考する事すら出来なくなっていく。
「やあっ!!ひぅ…やあんっ!!!シズさ…そこぉ…おしりっ!!……おしりぃいいいいっ!!!!」
お尻の穴にまで入り込んできたシズさんの指先で後ろまでドロドロにされ、ボクの全身はもはや完全にシズさんに征服されてしまう。
今のボクに出来るのは、ただただシズさんに身を委ね、シズさんを求め続け、シズさんの与えてくれる快感を貪ること。
518SBI:2006/01/15(日) 16:54:22 ID:MjDab0PX
ボクの全てがシズさんに染まっていく………。
「あああっ!!!シズさんっ!!ボクもうっ!!もうっ!!!!」
「キノさん、俺もっ!!」
心も体も蕩かされきったボクに追い討ちをかけるように、シズさんはさらに動きを速く、激しくしていく。
限界ギリギリの体にさらに大きく激しい快感の波が襲い掛かり、なす術もなく翻弄されるボクは必死でシズさんの体にしがみつき、その名を呼び続ける。
そしてついに、一際激しく突き上げられた瞬間に、ボクの中で何かが切れた。
「ああああっ!!!イっちゃうっ!!!イっちゃうよぉおおおおおっ!!!!シズさんっ!!シズさぁあああああんっ!!!!!!!」
今までで最大の快感の電撃に撃たれ、ボクは髪を振り乱し、背中を弓なりに反らせて登りつめた。
ボクの中を満たしていくシズさんの熱を感じながら、ボクは絶頂後のビリビリした感覚に体を震わせる。
しばらくはマトモな呼吸もままならない状態で、シズさんの腕に包まれて大きく胸を上下させ続ける。
優しく髪を撫でてくれるシズさんの手を感じながら、ボクは自分がまだ大事な事を言ってないことに気が付いた。
久し振りの再会が、本当に嬉しくて、だけど恥ずかしくて、ずっと言いたかったのに言えなかった言葉………。
「……シズさ…ん…はぁはぁ…す…きです…だい…すきです…」
これだけじゃまだ足りないのに、もっと言いたいのに、普通に喋ることの出来ない今の状況がもどかしかった。
なんとかもう少し言葉を紡ごうと焦るボク。シズさんはそんなボクの頬に軽くキスをして、こう言った。
「俺もだよ、キノさん……」
にっこりと微笑んだその顔があまりにまぶしくて、真っ向から見ていると自分がどうにかなってしまいそうで、ボクは思わずシズさんの胸に顔を埋める。
ああ……。
好きです。
大好きです。
シズさん……………。
519SBI:2006/01/15(日) 16:57:18 ID:MjDab0PX
こんな感じでした。
以前シズ視点で書いたので、今回はキノさん側から書いてみました。
妄念もここに極まれり、って感じです。今年もまたこんな調子で頑張りたいと思います。
それでは、また……。
520SBI:2006/01/15(日) 17:43:35 ID:MjDab0PX
ついでにオマケ追加
「仲がいいのはいいんだけどさ…………………………僕がいるのを忘れてない?」
部屋の隅にポツンと停められていたモトラドが、ベッドの上の二人に向けてボソリと呟いた。
「……ごめん、エルメス……」
言われてようやく思い出したといった様子で、キノがエルメスに謝る。
「いや、ホントに二人が仲良いのはかまわないんだよ。でも、せめて僕が眠った後にしてほしかったんだけど……」
本当にうんざりしたようなエルメスの言葉にキノとシズの背中がどんどん小さくなっていく。
「っていうか、去年擬人化エルキノやったばかりでこんな事されると僕も結構傷つくわけで………って、あれ?誰か来てるみたいだね?」
エルメスの言葉通り、部屋のドアの向こうから誰かの気配がする。急いで服を着たシズとキノがドアを開けるとその向こうにいたのは………
「シズ様………」
シズに仕える忠犬、陸と
「…………」
シズの旅に同行している少女、ティーがいた。しかも、手榴弾つきで………。
「シズ様の帰りがあまりに遅いので、さっきからこんな様子なんです」
心底困り果てた様子の陸の言葉、シズを睨みつけるティーの視線が全てを語っていた。
「…………もどって…きて……」
小さくぼそぼそとした声だが、何か有無を言わせぬ迫力があった。
「この宿が穴だらけになる前に戻ってきてくれませんか?」
「いや、しかし……」
「この宿が焼け焦げた材木の集まりになる前に戻ってきてくれませんか?」
陸の淡々とした口調と、ティーの鋭い視線にシズはじりじりと後退していく。
521SBI:2006/01/15(日) 17:44:25 ID:MjDab0PX
「……もどって……」
「すまない、ティー。だが久しぶりにキノさんと会ったんだから、もう少しくらい……」
「……もどって……」
「本当に、あと少しだけキノさんと話したら戻ってくるから……」
どこまでもあきらめの悪いシズがつらつらと並べる言い訳に、手榴弾を握るティーの手に力がこもっていく。そして………。
「…………もどれ!!」
その声に弾かれたように、陸がシズに飛びかかった。
「痛っ!!」
シズの足首に噛み付いた陸は、自分のご主人様の体を床に引き倒し、そのままズルズルとひこずって部屋の外へと出て行った。
ティーも一緒に出て行こうとして、ドアのところでふと部屋の中を振り返った。
そこにはあまりの急展開に呆然と宙を見つめるキノが、一人ぽつねんと取り残されていた。なんだかすっかり気が抜けてしまったようなその顔。
ティーは少しバツが悪そうにうつむいて
「…………ごめん」
と言って走っていった。
今度こそ、部屋の中にはキノ一人だ。
「あーあ、行っちゃった」
さっきまで二人で寝ていたベッドに、今度は一人でねっころがる。天井を見つめながら、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
「どうしてもドタバタしちゃうな、ボクたちは……」
思い返してみれば、落ち着いた状況でシズと会えたことなどあっただろうか?妙なめぐりあわせで二度も戦ってしまったような二人だ。
もう少し平和にのんびりと話ができないものか。旅の空ではそれは贅沢な願いなのかもしれないけど……。
「一筋縄じゃいかないよね、やっぱり……」
そう呟いたキノの口元は、だけども少し楽しそうに微笑んでいた。毛布に包まったキノは、やがてすやすやと穏やかな寝息を立て始める。
宿の中に響き渡る爆発音や、犬のうなり声、そして悲痛な男性の悲鳴を聞きながら、幸せそうに眠るキノの口からむにゃむにゃと寝言が漏れた。
「………シズさん……」
522名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 19:02:17 ID:sDKAoqs+
GJ1!!!!!!!!!!!!!!!!
いつも本当にありがとうございます。
523464:2006/01/15(日) 19:07:19 ID:yZJ9B5qD
>>514-521
GJです〜!
キノってなんか書きにくくないですか?
以前キノのキャラを崩さないように書いてたらいつの間にかシズ様を殺してました・・・
インフルエンザ治ったぽいので、また気合い入れて駄作を書くことにします。
524 :2006/01/16(月) 10:04:27 ID:Vgz+inAZ
>>512
実は・・・そのオチを書きたいが為の長い伏線だったり・・・じゃない事もなかったり・・・・

>>SBI氏
GJ!!!!
いや〜ん
シズ様モッテモテですな〜
そしてキノがエロス メガエロス 尻エロス

>>523
死姦・・・・いや・・・・・何でもない・・・・・・・・
あ、でもティンコって筋肉じゃないから死にかけでもピンコ勃ちすんだよね
あ・・・・・・いや・・・ごめん・・・・・・・
あと、大王ネタ分かんないのにあんなネタでゴメン・・・・マジゴメン・・・・・・
525252:2006/01/17(火) 13:34:25 ID:LhyLXyof
あけましておめでとうございます。

ここまで保管しました。
保管庫改装のため、いったん1st〜5thスレッドの作品の公開を停止しています。
また公開していく予定ですので、お待ちくださいませ。

第三保管庫 http://kujira.s8.x-beat.com/kino/
526 :2006/01/17(火) 17:25:16 ID:Oc9UOu45
超GJですよ252氏
527464:2006/01/17(火) 19:21:11 ID:D2o7TZ22
>>525
乙です!
528464:2006/01/18(水) 16:57:50 ID:Dlot+xmh
やっと続編書けました。それでは投下します。
529464:2006/01/18(水) 16:59:38 ID:Dlot+xmh
トレイズがアリソンと過ちを犯して数日が過ぎた。
あれからずっと何も進展はない。リリアが帰ってくるまでは会話は特になく。帰ってきてからは愛想笑い、
と言った感じである。
トレイズにはアリソンの心中が理解したくてもできなかった。なにせ会話が全く発展しないのだ。さっさと
帰ってしまおうか、とすら思った。しかし、お互い一定の距離を置きながら、時間は流れて行った。
そんなこんなで、トレイズはリリアと一緒に旅行へ行くことになった。

ラーチカから離れた湖畔の小屋。
いきなり案内人のマテオが殺され、気がつけば湖畔の道を歩き続ける事になっていた。
そして見つけた一つの小屋。今夜はここに泊まることになる。
人様の家だが、一応、侵入者発見用の細工をしておいて、二人は眠りについた。
それからいくらか時間が過ぎた。トレイズはふと目が覚めて、後ろにいるリリアの寝顔を見た。
その寝顔は綺麗だった。そしてどこかアリソンの面影を残している。そういえば、昨日は一回も自慰をしていない。
気がつくとトレイズは、自分のものをいじり始めていた。
トレイズが必死に自分のものを扱き始める。いつの間にか体は熱くなり、息も荒くなる。
その行動に気づき、リリアがうっすらと目を開けた。しかしまた瞼が重くなり、目を閉じる。
「アリソンさん・・・アリソンさん・・・」
その言葉を聞いてリリアの眠気は一気に吹き飛んだ。
「はあっ・・・はあっ・・・」
トレイズの息が荒くなり、毛布が上下している。そして「追い込み」に入ったトレイズの動きを見て、
「トレイズ・・・」
言った。
「はあっ!?」
トレイズは突然不意をつかれた形で静止した。さらにリリアは、
「わたし・・・知っているのよ・・・」
こう続けた。それ以降数秒ほど、湖畔の静かな波の音しか聞こえなかった。その沈黙を破ったのは、
どぴゅっ!どぴゅっ!
という実にえげつない音であった。トレイズは自分の精を全て毛布に発射してしまった。
「あ・・・ああ・・・」
何が起きたか良く理解できていないトレイズは、自分の背中の方をゆっくりとゆっくりと振り向いた。
そこには先ほどとなんら変わらない、リリアの静かな寝顔があった。
「ね、寝言・・・」
トレイズはそうつぶやいて、自分の精をどう処理するか考え始めた。
530464:2006/01/18(水) 17:01:39 ID:Dlot+xmh
背中のリリアの目には、涙が一滴浮かんでいた。その涙はやがてベッドに落ちた。

次の日、いろいろな事があった。なんとか二人は生き延びた。そして二人は、ラーチカから離れた町の
ホテルに泊まることになった。
「やっと終わった・・・」
銃の分解、手入れを終えたトレイズは、ばたっとベッドに倒れ込んだ。早々とベッドの中に入り込み、
自分のものを弄り始めた。が、突然電話ベルが鳴った。
この後、トレイズは望んでもいないオッサンとサシの夜間ドライブへ。

部屋へ帰ってきたトレイズはベッドにまた倒れ込み、
「リリアとならよかったのにな」
そう何気なく呟いた。
(ん?リリア?・・・アリソンさんじゃない?)
いつの間にか変わっていた自分の気持ちに気づいていなかったトレイズだが、
「私も行きたかったわ」
という女性の声に体が硬直した。
「リ・・・リリア?何で?」
「どうせ本命は私じゃなくてママなのよね」
その言葉を聞いたトレイズは、一瞬頭をガンと鈍器で殴られた気分になった。
「な・・・なんで・・・?」
「言ったでしょう、『私、知ってるのよ』」
リリアが緩んだ瞳をトレイズの顔に近づけて、耳元で囁く。
「あ・・・あああ・・・」
「ねえ、ちょっと私の話、聞いてくれる?そうね・・・オナニーしながらでいいわよ」
と言ってリリアはトレイズのベルトを弛め、一気にズボンをずらした。
すでに半勃ち状態だったトレイズのそれは、リリアに見られながら一気に勃っていった。
「はい、指、持って行く・・・動かす」
言われるがままに行動するトレイズに、リリアは語り始めた。
「この間、学校から帰ったら、バスルームに妊娠検査役があったの」
「はあっ・・・ええっ!?」
「開けちゃいけないと思ったけど、見てみたら・・・陽性だった」
「ううっ・・・はあっ・・・」
「ママに聞いたら、英雄さんとやっちゃった、って言ってたけど、その時のママ、なんか、おかしかった。
もうちょっと問いつめたら、トレイズ君に襲われちゃった・・・って」
「はあっ・・・うあああっ・・・!」
トレイズが指の動きのピッチを上げ、射精しようとした。リリアはトレイズの剛直がぴん、と勃った瞬間を見計らって、
「ふんっ!」
トレイズの剛直の根本を指で全力で締め付けた。トレイズは突然の強い力と異物感に大きく動揺した。
531464:2006/01/18(水) 17:04:06 ID:Dlot+xmh
「はああっ!?く・・・ああああああっ!」
結局、射精できないままトレイズは絶頂を迎えた。
「まだ話、終わってないから」
リリアが冷たく言い放った。そして続ける。
「その時のママ、なんかすごい悲しそうだった・・・考えてみてよ?若い頃に自分の幼なじみだった
夫をなくして、いままで頑張って私を育ててくれたのに・・・『娘の男友達に犯されました』なんて
誰に言えると思ってるの?」
トレイズはじっとリリアの目を見つめて固まっている。
「落ちついたのなら、指動かして」
トレイズは言われた通りにした。
「・・・ママは自分も悪かったし、全然気にしてない、って言ってたけど・・・トレイズ・・・私、
ママの事が好きなの」
「ええっ!?」
トレイズが指を止めて驚いた。
「だって・・・しょうがないのよ・・・こればっかりは・・・私も嫌だと思ってる。でも、
家に帰って、ママの裸見て、いつかはセックスしようとも思った事は、捨てきれないの!絶対に!」
「はあっ・・・うああ・・・」
「ねえ・・・私から、ママを奪っていくの?私はどうすればいいの?」
「そんなつもりは・・・」
「私じゃ、だめなの?」
「え?でもリリアは・・・」
「ママの事は好きよ。いつかはセックスだってしたい。でも・・・これ以上ママを不幸にはしたくないの」
「とりあえず・・・その・・・出しちゃっていいかな?」
「・・・待って」
そう言ってリリアはベッドの上に上がり、トレイズの剛直を口に入れた。
「う・・・ああっ!?あああああっ!!」
既に一度絶頂に達していたトレイズは、二回分の精をリリアの口の中にぶちまけた。
「あっ・・・んんんんっ!」
リリアは少し吹き出しながら暖かい粘液を飲んだ。口から出てしまったものも全部舐めてしまった。
「リリア・・・」
トレイズはリリアと向かい合う形になって座り、そしてリリアに飛びついた。
「ごめん・・・俺・・・何も考えてなかった・・・育ちも良かったし・・・抑えられなかったんだ
・・・アリソンさんの気持ちも、リリアの気持ちも考えないで・・・ごめん!本当にごめん!」
泣きながら謝った。
「・・・構わないわ。誰だって魔が刺す時はあるでしょうし」
トレイズは少し自分を落ち着かせて、案外近い所にあるリリアの顔を確認して、
532464:2006/01/18(水) 17:05:12 ID:Dlot+xmh
「男じゃ、ダメかな?」
「ううん・・・あなたとなら、分かり合える気がする」
「僕もだ・・・リリア」
「なあに・・・?」
トレイズがリリアを優しく包む。
「リリアのこと・・・好きだ。素直じゃないところも、それでも真っ直ぐで、正義感の強いところも・・・」
「それ、全然ほめてないよ」
「あ・・・うん、泳ぎも上手だよね」
「トレイズが泳げないだけでしょ?」
「あ・・・うん、そうだね」
「ふふっ・・・あはははははっ!」
「・・・はははははっ!」
二人の空気はいつしか軽やかなものになっていた。そしてリリアは、
「えいっ」
トレイズに飛びついてキスをした。
「お礼の分とは別だからね」
「じゃあ、もう一回改めてキスしてくれるんだ?」
「さあね」
リリアはトレイズのシャツに強引に手をつっこみ、思いっきり脱がせた。
トレイズも同じようにしてリリアの上着を脱がせた。そしてもう一度軽くキスをした。
リリアのブラの中に、トレイズの手のひらが進入していく。
「・・・はああっ」
そのままブラを脱がせて、トレイズはリリアの乳首に吸い付いた。
「あん・・・あああっ!」
「・・・体は素直なんだな」
トレイズが一旦愛撫をやめて言った。
「そんな事言わないでよ・・・」
「でも、もうここは凄い事になってるぞ」
トレイズはリリアのズボンの中に手を入れ、既にぐしょぐしょになった秘裂の中に手を突っ込んだ。
「ああっ!そこおっ・・・だめえっ!」
「・・・やっぱり素直じゃないなあ」
そう言いながらトレイズはリリアのズボンを下着ごと一気に脱がした。
うっすら生えてきた感じの陰毛は、愛液に濡れてべとべとになっていた。
トレイズは再びリリアの秘裂に手を入れ、その中の豆のようなものを押しはじめた。
「ああっ!!ひあああっ!だめっ!きもち・・・よすぎてえ・・・はああっ!ああっ!あああああーーーーーーーーっ!」
リリアは生まれて初めての絶頂に達した。
「はあっ・・・んん・・・」
533464:2006/01/18(水) 17:06:07 ID:Dlot+xmh
余韻にふけっているリリアに、トレイズは顔を近づけ問いかける。
「入れても、いいかな?」
「・・・入れる?」
リリアには、あまり性知識が無かった。絶頂の余韻とで、思考が不安定になっていた。
「・・・うん、入れるんだよ。僕のあそこを、リリアのここに。最初だから痛いと思うけど」
そういってトレイズはまたリリアの秘裂に手を突っ込む。
「はあっ・・・こ、子供ができちゃうんじゃないの?」
「その、、、リリア、生理は?」
「ええと・・・まだよ」
トレイズは一瞬躊躇って、
「まだ・・・!?うん、まあいいか。それじゃ入れるよ・・・」
「んん・・・はあっ!?い・・・いいいいいっ!いたいいっ!ま、まってよおお!」
トレイズの剛直がずぶずぶとリリアに進入していく。同時に、少しずつ処女喪失の血が愛液にまぎれて流れて来た。
「はあっ・・・リリア・・・きついよっ・・・いいっ・・・アリソンさんのより、ずっといいよ・・・っ!」
「ああっ!いたいいっ!うごかないでえっ!だめえっ!ああんっ!」
リリアは痛みと快感で我を忘れていた。
「くうっ・・・ああっ!すごいっ!もう・・・出るっ!ああっ!ああああああああーーーーーーっ!」
「ひああっ!?あん!ああっ、もう・・・だめっ!だめえっ!ああっ!あああああああああああーーーーーーーーーっ!」
トレイズがリリアに精を発射した。トレイズから発せられた熱いものが、リリアの中にづくっ、どくっと流れ込む。
「ああっ・・・トレイズがっ・・・いっぱい・・・はいって・・・くるよお・・・」
その言葉を最後に、リリアは意識を失った。

「その・・・リリアはさ、レズじゃないと思うよ」
「え・・・?」
イクストーヴァへの帰り際、トレイズが言った。
「ホントの事はわかんないけどさ、たぶん、ちょっと性欲の行き場を間違えたんだよ。俺以外で、ほとんど若い男とのつきあいなんてないだろ?」
「ああ・・・確かに、そうね」
「でも、解ってる事が一つ」
「ん?なあに?」
「俺は、リリアが心底好きだってこと」
リリアの顔が真っ赤に染まった。トレイズの顔も少し赤くなる。
「じゃあ、今度はイクスでね」
そういって、トレイズはサイドカーのアクセルを踏んだ。
「あっ・・・また今度、絶対にねーーーっ!」
リリアが手を大きく振った。
どうやらトレイズには聞こえていないようだった。でも、リリアは手を振った。トレイズが見えなくなるまで、いつまでも手を振った。


534464:2006/01/18(水) 17:07:09 ID:Dlot+xmh
以上でした。
最近の俺の忙しさを象徴するかのように雑ですが、どうぞご正味ください。
535 :2006/01/18(水) 17:15:31 ID:FEuiT4y7
乙カリ〜
そしてGJ
楽しませてもらいましたよぅ



雑といえば俺の文
俺の文といえばエロくない

エロくないけどとりあえず書き終わったので俺も続けて投下したいと思います
閲覧される方によっては気分を害される、464氏のSSが台無しになる
頭が痛くなる、ヘッドライトが頭から生えてくる等の症状が出ることがあります
用法、用量を守って正しくお使いください
536 :2006/01/18(水) 17:16:39 ID:FEuiT4y7

「・・・・・何ですと?」
とある日、とある国、入国管理室
「もう一度説明お願いできますか?」
一人の入国管理官と一人の学者と二人と一匹の旅人が居た
旅人の一人は背の高い精悍な顔の腰に帯刀した男性
「はっはっは なかなか面白い国じゃあないか 聞いていたたとおりだ」
もう一人は白い口数少ない少女
「・・・・・・・・・・プッ」
そして一匹は
「犬種差別反対!」
笑っているみたいな顔をした白い大きな喋る犬だった


「あ、あの、も、申し訳ありません しかし、国長が決めた規則ですので・・・」
気弱そうな管理官が言う
「この国では人間以外の喋る、つまり自我を持ち、また、ソレを言葉で表現できる
 機械や生物は人と同等に扱わなければいけないのです」
「それが何故!私が『あの』様なモノにならなければいけなくなるのですか!」
白い犬は牙を剥いて吼える
「まぁまぁ、陸 別に命に関る訳では無いようだし、思い切って、な」
「シズ様は御自分が『あの』様になるわけでは無いからそんな事が言えるのです!」
「・・・じゃあ、陸だけ外でお留守番してれば」
「冗談じゃありません ティー様は私が居ない事を良い事にシズ様と淫らな行為に耽る
 つもりなのでしょう?」
「ああ、喧嘩はやめてください 困ります・・・」
気弱そうな管理官が割って入り、とりあえず場をおさめる
そして、後ろに居る学者に目配せをする
「・・・・では、私が説明します」
学者はウオッホン、と咳払いを一つし、話し始めた
「先ほど彼が言った通り、わが国では人語を喋る機械、動物を人と同等に扱わなければなりません
 しかし、そのままの姿ではつい、自分達より下に見てしまう輩がどうしても居るのです そこで・・・」
眼鏡の位置を治し、一拍置いて
「わが国のヴァイオテクノロズィーの粋を集めて作った技術『NMSS』を使って
 人型になっていただきます それが陸さんが入国する上での最低条件です」
「・・・・NMSS?」
「なんでも(N)萌え化(M)しちまおうぜ!(S)システム(S)の略です」
「とても嫌な予感がする名前ですね・・・」
「そんな事はどうでも良いのです さぁ!貴方も萌え化してわが国へ!」
鼻息荒く学者が陸に詰め寄る
「さぁ、早く私達に貴方の真の萌え姿を!」
「い、いや、やっぱり私は外で・・・」
「Hurry!Hurry Hurry!!Hurry Hurry Hurry!!!」
「お、犯されるぅー!」

537 :2006/01/18(水) 17:18:30 ID:FEuiT4y7
ガチャ
「・・・・・・・・・・・・・」
低めの身長  サラサラの白い長髪
其処から伸びるフサフサの犬耳
白い、透き通る様な肌  大きな瞳 しゅっと伸びた眉
ツンと上がった鼻
厚すぎず薄すぎず、適度に肉感のある潤った唇
細い顎、首 そして、肩から腕までの流れるような曲線
控えめだが自己主張している胸
キュッと引き締まったお尻  そこから生えたフサフサのシッポ
健康的な太腿 丸みを帯びたふくらはぎ
陸が学者に無理矢理ドアの向こうに連れて行かれてから半刻
ドアから出てきたのは、超絶美犬耳少女だった
「・・・・・・陸・・・・・・・か?」
「・・・・負け・・・た・・」
「・・・・・・・・・・・・・大変不本意ですが、確かに私は陸です」
プルプルした唇から放たれたその声も、凛とした耳に心地よい声に変わっていた
「どうです!わが国の超技術!そしてこの造形美!萌え!萌え゛ー!!」
学者が気持ち悪くクネクネしている
そこへ管理官が陸へ声をかける
「あの、ご心配なさらずとも国を出る際には元のボディに戻しますので」
「当たり前です!」
「えー勿体無い!折角の私の最高傑作を・・・ いっそ此の侭旅を」
「喰うぞ!ッダラァ!」

入国管理室をでて、すぐ目の前の喫茶店でお茶をする面々
・・・あんたら、お茶好きだねー
陸は一人ブツブツと文句をたれる
「シズ様 こんな国さっさと観光して出ましょう  非常に不愉快な国です」 
「ティー!あっちのヤマシナトカゲモドキっ子を激写だ!」
「・・・激写激写」
「大体、人間も犬も機械も見た目では無く中身で判断するものでしょう」
「ハァハァハァ・・・あ!ティー!向こうのオガサワラオオコウモリ娘も激写だ!」
「・・・・フォーカスフォーカス」
「それを人間の形をしてないと駄目などと・・・・・失礼にも程があります」
「ハァハァハァハァ・・・ウッ!・・・・・・・ハァハァ・・・・おお!ティー!あのスリカミメクラチビゴミムシ娘も!」
「・・・・勉強勉強」
「そもそも・・・・」
「ハァハァハァハァハァ!嗚呼!ティー!向こうの店にいるイリオモテコキクガシラコウモリ娘をぉぉ!」
「・・・・夜のコスプレ生活に潤いを」
「シズ様!ティー様!」
陸の話など一切聞かず、シズとティーは其々の目的の為にひたすら動物娘を激写し続ける
その時
「ぃぃいやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ガーン!ガーン!ガーン!ガーン!ガーン!ガーン!
先ほどまで陸達も居た入国管理室の中から少女の悲鳴と6発の銃声が聞こえた
街の住人も、そしてシズ達もそちらに注意を向ける
「シズ様!今の声は・・・」
「ああ、キノさんの声だ!行くぞ!」
シズはカタナを、ティーは手榴弾を其々持ち、入国管理室へと走る

しかし、街の人間はすぐに興味を無くし、また其々の行動へと戻り、
また暇な者達は口々に話い始めた
「・・・・またか?」
「たしか今日の肉体交換当番はアイツだったな」
「アイツはかなりアレだからなぁ」
「さっきまで居た犬娘もアイツがやったんだろ?」
「じゃあ、次はパターンから言って・・・・・」
「ああ、多分・・・・・すげぇキモイのが出来てるぜ」
「クックックックック・・・旅人さんも災難だよなぁ よりによって今日入国するなんざなぁ」
538 :2006/01/18(水) 17:19:53 ID:FEuiT4y7
バン!と勢い良くドアを開け、まずシズが入国管理室の中へと滑り込む
続いて陸、ティーが入り、そして床にへたり込み、弾の尽きたカノンを構えたまま震えるキノを見つけた
「キノさん!一体何が!」
しかし、キノは何も応えず只首を振るだけだった
何かの気配を感じた3人が銃口の先を見やる
まず見えたのは人間の足
視線を上へずらしていく
股、胴、手、腕、胸、肩、首
何も変わりの無い只の人間のソレだったが・・・・
最後、顔に視線を上げると・・・・・
「うわぁ!何だテメェ!こ、怖かねえぞ!」
「新種の妖怪!?」
「わんわんわんわんわんわん!!!」
側頭部から一本ずつ生えたハンドル
顔がある筈の場所にヘッドライト
耳がある筈の場所にはウィンカーが付いている奇怪な何かが居た
その何かに猛然と切りかかるシズ
「チクショウ!何だ!見たら死ぬ系の悪魔か!?」
斬!斬!斬!
「うわぁぁぁ!やめてよボクだよ!」
「むう!喋るとは更に奇怪な!ティー様!シズ様の援護を!」
「くらえ!」
斬!斬!ポイッ 斬!ドーン!斬!ポイッ 斬!斬!ドーン!
「ちょ、ま、待って!ボク!エルメス!エルメスだってば!」
「あの鉄くずがそんな面妖な姿なわけがないでしょう!」
「・・・・あいつが食った?」
「なんと!貴様ぁ、キノさんの大事な相棒をよくも!」
「違うってば!キノ!なんとかしてぇ!これじゃあ『二面土管』だよ!」
「・・・・・・・・・・・・ハッ!それをいうなら『四面楚歌』だよ、エルメス」
「そうそれ!キノ!正気を取り戻してくれたんだね!」
「今のやり取り・・・あの、キノさん この妖怪は本当に・・・・・」
「はい、どうも本当に僕のエルメスみたいです」


当分使い物にならないだろう入国管理室を出て
シズ達は再び、キノと怪奇バイク面男は初めて、入国管理室の目の前にある喫茶店の席につく
店内は奇怪ヘッドライト男の出現によりザワザワとしていた
中には一目見るなり半狂乱になり走り去ってゆく老人や、泣き叫ぶ子供、
あまりの驚愕にその場で陣痛を向かえた妊婦、料理を喉に詰まらせる人などもいた
「ちょっとしたザビ強姦だね」
「・・・・・阿鼻叫喚?」
「そうそれ!」
しかし、その騒ぎの現況であるエルメスは平然とアイスティーを飲んでいる
どうもヘッドライト下方の付け根辺りに口が在るらしく、ストローが其処から伸びていた
「へぇ、味覚ってこんな感じなんだー なんか不思議ー」
「どう?美味しい?」
「ん〜、美味しいっていう感覚がまだよく解んないかな とりあえず味がするって事がもうカンドー」
あっという間に飲み干し、脅えているウェイトレスにおかわりを頼む
あ、店の奥で泣いてる・・・・・
「まあ、こんな鉄くずモドキの化け物に注文されたらしょうがないでしょう」
「お・・・・雄のくせにそんな格好してる生物には言われたくないね」
「人(犬ですが)が気にしている事を!」
歯軋りする陸から目(?)をそらし、エルメスはそっぽを向く
その態度に、陸は更にギリギリと歯軋りをする
「まぁまぁ・・・・処で、キノさん キノさんはこれからどちらへ?」
「ん〜、とりあえず買い物を済ませようと思っています」
「ああ、ではご一緒いたしませんか?色々お願いしたい事もありますので」
「・・・・・・・・・・・・」
ガッ!
「ぃぃっ!?」
539 :2006/01/18(水) 17:20:45 ID:FEuiT4y7
「ん?シズさん、どうかしましたか?」
「い、いいえ、別に何も・・・・」
「・・・・・〜♪」
「実に恐ろしきは女の嫉妬・・・・ですね」
「・・・・・陸?」
「いいえ、私は何も言っておりませんよ」
「ぉ・・・おまたせいたしました〜 ァァアイステイでございます」
アイスティーのおかわりを持ってくるウェイトレス
「あ、ありがと〜 ああそれと、このノワゼット・ショコラっていうヤツ貰える?」
「か・・・・かしこまりましたぁ〜」
再び涙目で店奥に入って行くウェイトレス
「・・・・で、どうでしょう キノさん」
「ん〜 でも、ご迷惑では?」
「いや、実はですね ティーの服を見立てて貰いたくて」
「・・・・・私の?」
「ティーちゃんの?」
「ええ 恥ずかしながら私ではどういう服が良いのか・・とか分かりませんし・・・・それに・・・・・・・」
「それに?」
「その・・・・・女性下着の店には・・・・入りにくいので・・・・・・・」
「以前シズ様がティー様を連れてそういった御店に入られた際、幼女連れまわしだと警察に通報されまして」
「まあ、見た感じヤバイもんねー」
「五月蝿い 貴様がシズ様の悪言を垂れるな鉄くず」
「まあ、そう言うことなら・・・・」
「すいません お願いします」
「・・・・・・・・します」
「ああ、でもエルメスはどうしよう こんな格好じゃあ人が多い所には無理だよ」
「では陸に付いていてもらいましょう いいね?陸」
「・・・・・・・シズ様のご命令とあらば」
「エルメスも喧嘩しちゃ駄目だよ?」
「・・・・・・・・キノがそう言うなら」
「じゃあ、暗くならない内に此処で待ち合わせ・・・でいいかな」
「承知いたしましたシズ様」
「エルメス、分かった?」
「うん、大丈夫だよ もし暗くなっても・・・」
「ノワゼット・ショコラご注文のお客様お待たせいたし」
「このライト、ちゃんと光るから」
パッ、ピカー
「いやー!店長ー!助け・・・店長逃げないでー!」
「ウィンカーも付くよ」
チッカ チッカ チッカ チッカ
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!・・・・・・・・・・・・・・(気絶)」
バタン
「・・・・・・・・・・・エルメス」
「・・・・・・・・・・・エルメスさん」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・鉄くず」
「・・・はい、今消します」

540 :2006/01/18(水) 17:22:08 ID:FEuiT4y7
「うわー すごいすごい!『冷たい』よ!」
人気の無い公園にきたエルメスは、中央にある噴水に駆け寄り手を水に浸したり
「えーい いつもボクを宿木にしやがってー!」
鳩を追い散らしたり
「アハハハハハハハ」
ただ駆け回ったり
「アハハハハハハハハハハハ」
芝生を転げ回ったり
「アハハハハハハハハハハハハハハ」
花の匂いを嗅ぎ回ったり
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
意味も無くその辺の木に登ったり
「いい加減に落ち着きなさい!」
陸に怒られたりした
「まるで子供ですね そんなに公園が楽しいのですか?」
「ううん、違うよ 色々感じられるのとか、自分の好きなように走ったりできるのが楽しいんだ」
「いつも嫌というほど走っているでしょう」
「でも、それはキノがエンジンをかけてハンドルを握ってアクセルをふかして走ってるんだ
 いわば『ボクを使ってキノが走ってる』んだよ
 でも今は『ボクの足を使ってボクが走ってる』んだ!凄いんだよ!それって!」
「・・・・貴方はモトラドだから」
「うんそう だから味も匂いも感じない、鳩が集まって来ても自分では追い払えない
 水に浸かったら自分では出られないし、はしゃぎ過ぎて誰かに怒られる事もない
 ・・・・・・・他の事ではしょっちゅう怒られてるけどねー」
「・・・・・・・ふう、好きにしてください 好きなだけ貴方の時間を過ごして結構です」
「じゃあ次はあっちに」
「ただし、私から離れすぎないように それと怪我もしないように」
「まるで母親だ」
「私は雄です!」
「じゃあ離れないようにこうしよう」
エルメスが手を伸ばし、陸の手をギュッと掴む
「痛いです!もう少し力を抜いてください!」
「ああ、ごめん まだ加減が分からなくて・・・・コレ位・・・・・かな?」
「はい、其れ位で大丈夫です」
「じゃ、行こう」
「行こうって、何処へです?」
「探検!」


はてさて、その頃・・・・
「ティーちゃん、コレなんてどうかな?」
「・・・・・・・地味」
「そうかな・・・・僕はいつもこういうのだけど」
「・・・・・・・コレ」
「ん?どれ?・・・うわ、それはやめた方が」
「・・・・・・誘惑」
「うわ、ちょ、これ穴開いてるって・・・・・うわ、うわー・・・・・・・・」
「・・・・・・・・キノさんも、コレ位しなきゃ駄目」
「え、いや、ちょ、だってコレ、ほとんど紐だよ?」
「・・・・・・・・・セェクスィー」
「・・・・・シズさんって・・・・こんなの好きなの?」
「・・・・・キノさんや私みたいな女の子がこういうのはいてると興奮するって」
「ド変態・・・・・・」
「・・・・・・あ、コレも」
「うあ、うぅわぁー・・・・・いや・・・・ええ!?それが前?え、じゃあ、ココは」
「・・・・・・・ココをこうするの」
ウィンウィンウィンウィンウィンウィン・・・・
「ふあー、え、嘘!凄っ!横回転も?!」
お見せ出来なくて残念ですよ
ねぇ、シズさん
541 :2006/01/18(水) 17:23:44 ID:FEuiT4y7
「オン!オフ!オン!オフ!」
あ、ズル!こいつ一人で覗きやがって!コラ!見せろ!
「ゴイスー!ゴイスーでデンジャーっす!」
ちょっと詰めろって・・・ちょ、待、うわすげぇ!まさにパラダイスじゃないっすか!
「狭い!窓小さいんだから順番を」
「あー、君達何をやってるのかね?ちょっと警察署でオジサンとお話でもしようか」
え、待って、もう少し!もう少しだけ!
「嗚呼!パライソが遠ざかってゆく!」
ウィル ビー バァァァァック!


「何処ですか?此処は」
ストーリーテラーAとシズが馬鹿をやっていた頃
公園中を散々散策した後
古びた廃坑のようなモノを発見したエルメスは嫌がる陸を無理矢理引っ張って奥へ、奥へと入っていった
そして、お約束中のお約束を果たしていた
そう、道に迷っていたのだった
「ええ?束縛より解き放たれた野獣こと鉄くずは私を何処へ連れて来たのですか?」
「ん〜 多分、此処は地下水道だと思うよ」
エルメスのヘッドライトで辺りを照らしながら歩く二人
「なるほど で、出口は?」
「さあ?」
「さあ?じゃありません!どうして私は街の中で遭難しなければならないのですか!!」
のですか・・・・・ぉですか・・・・・えすか・・・・・・か・・・・・か・・・・・・・・・
「すっごいエコーだね こりゃ多分そうとう広いよ」
「だからどうだというのです!」
「まあ大丈夫だよ そのうちマンホールが見つかるよ」
「何でそんな事が分かるんですか!」
「いや、だって其処ら中の横管から排水が流れて来てるでしょ だから多分此処はいろいろな所からの排水が
 合流する所だと思う で、街の形と処理施設の位置からして此処はメインストリートの下あたりだと思うから」
「街の地図を覚えてるのですか?」
「うん、そういうのは得意だからね」
「・・・・・・・・・・」
「どう?見直した?」
「少しは」
「へへ、じゃあもう少し歩こう 流れが向こうだからコッチに行くとちょうど繁華街あたりに出られると思うよ」
「分かりました・・・・・・ちょっと待ってください、何か音がしませんか?」
「え?音?」
「少し静かに・・・・・・・」
・・・・・・-・・・・・-ン・・・・・・-ン・・・・・・ド-ン・・・・・
「これは・・・・・・」
ド-ン・・・・ドーン・・・・ドーン!
「・・・・・・僕も分かっちゃった・・・・・・これって」
「・・・・・・爆発音ですね・・・・・しかも真上から」
ドーン!ドーン!ドバーン!ズドバーン!

ドカーン!バズーン!ズバドグァラガラグァキーン!
「テ、ティーちゃん!もうその辺で!」
「シズさんを帰せ!」
ドガーン!ボスーン!バランドバーン!
し、死ぬ!死にます!死ぬ時!死ぬれヴァァァァァ!!
「ああ!ストーリーテラーAー!!!Aー!!!!」
「もう駄目だ!アンタも早く逃げろ!」
「そんな、巡査さんは!」
「俺ぁ、この街が好きなんだ だから、爆弾魔なんかに好き勝手されてたまるかよ!」
「駄目だ!そっちにいっちゃあ!」
「へへ、シズさんとやら あんたの話、もう少し聞きたかったぜ」
「巡査さぁーん!」
ドギャーン!ズバァーン!ガシャ ̄Ζ_ン!
「おいアンタ!早く逃げないと!地下道が崩落するぞ!」
542 :2006/01/18(水) 17:24:35 ID:FEuiT4y7
「巡査さんが!巡査さんが犯人を止めるって向こうに!」
「なんだってぇー!もうこの辺はもたねぇぞ!」
「ちくしょう、俺の!俺の店がぁぁぁ!」
「痛ぇ・・痛ぇよぉ・・・・・」
「目がぁ!目がぁぁぁぁぁ!!」
ドゴーン!バギャーン!モブシャァ!
「ティーちゃぁん!それ以上やると街が!街が!!」
「シズさんを出せぇ!」
「おい君!傷は浅いぞ!しっかりしろ!」
じゅ・・・・巡査さん・・・・・こいつを・・・・・ストーリーテラーB子に・・・・渡し・・・・・
「何いってやがる!自分で渡すんだ!いいな!」
巡査さん・・・・みんなが・・・・・助け・・・・・待って・・・・・・行け・・・・・・
「おい、しっかりしろチクショウ!お前だって待ってるヤツが居るだろうが!」
スガドーン!ドギャァァァン!ズバァァァァァァァァン!
「駄目だ!崩れるぞぉ!」
「キノさーん!ティー!巡査ー!信じてるから!無事だってしんじてるからなぁ!」
「ティーちゃん!もうやめて!」
「みんな崩れろぉ!」
ズガガガガガガガガガガガ・・・・・・・ドガシャガァァァァァァァァァァl!!!!!!


「・・・・・・・オーイ、生きてる?」
「・・・・・・・・・何とか無事です」
「すぐ逃げといてよかったね〜」
「しかし・・・・・」
地下水道にいたエルメスと陸はティーの暴走の結果起きた大崩落に巻き込まれていた
もうもうと土煙が上がり、ライトで照らしても1m先すら見えない
まあ、土煙が無くても見えなかったであろうが
なぜなら
「完っ全に閉じ込められましたね」
「みたいだね〜 ボク達を囲むみたいに崩落したみたいだし」
「・・・・・・・ところで、いつまで私の上に居るつもりですか?」
「しょうがないじゃん 狭くて碌に身動きも出来ないんだから」
「では私が動きます 横になら少しは動けそうですから」
「でも、下手に動くと危ないよ」
「大丈夫です 貴方に乗られたままよりはマシで・・・・っ!痛ぅ!」
「大丈夫!?」
「・・・・・・・足をやられたみたいですね 参りました」
「・・・・・・とりあえず、大人しく救助を待った方が良いかもね」
「・・・・・ですね」


「とは言ったものの・・・・・」
「来ないね〜」
「時間の感覚が分からなくなってきましたよ あれからどれくらい時間がたったのやら」
「ん〜 多分5時間位・・・・かな」
「何故分かるのです?」
「元々機械だからね〜 そういう感覚は優れてるのさ エヘン」
「・・・・・・しかし、熱いですね」
「多分どっかで火が出てるね その熱が篭ってるんだよ」
「・・・・早く見つけて貰わないと酸欠が心配です」
「どっかから空気は来てるみたいだけど・・・・・このままだとちょっとヤバいかもね〜」

543 :2006/01/18(水) 17:25:22 ID:FEuiT4y7
「・・・・・・・生きてる?」
「・・・・・・・・・・死んでます」
「そろそろヤバげだね」
「だったら喋らなければ良いのです 酸素の無駄です」
「いや〜、ほら どうせ死ぬなら楽しく喋りながらのほうがまだ救いがあるかな〜と」
「機械が救いを求めるのですか?」
「でも、今はボディは人間だし〜」
「・・・・人間の体だから、そんな風になっている・・・と?」
「あはは、気づいてた?人間って不思議だよね〜」
「気づきますとも さっきから私の下腹部にあたっていますから」
「命の危険を感じると子孫を残そうとするなんて、本当人間って面白いね〜」
「・・・・・・・・・・」


「・・・・・そろそろ・・・・・・・・・死神が近くに来てそうですね」
「・・・・・・だね〜」
「・・・・・・・・貴方は」
「・・・・・・なに?」
「モトラドだった時は、触られたりして気持ち良いとか、感じていたのですか?」
「突然何さ」
「良いから」
「・・・・痛いとか痒いとかは感じてたけど」
「・・・・興奮するとか、は?」
「そういうのって、性的なものだから 子孫を残す必要が無い機械は感じないんだよ」
「・・・・・・最後に、感じたいと思いませんか?」
「・・・・・でも、お前雄じゃん」
「今はメスの体ですよ」
「なんでそんな事・・・」
「なんとなく・・・ですよ」
「良いの?」
「何故かはしりませんが」
「ホントに?」
「・・・・・・・はい」
「・・・・じゃ、じゃあ」
エルメスはズボンのジッパーを下ろし、硬くなったソレを外へ出す
ソレが陸の太腿に触れ、ピクッと陸は身体を震わせる
「・・・・熱い」
「うん熱い それに陸の肌がスベスベで気持ち良い」
エルメスはソレを陸の太腿に擦りつけながら、手では陸のスカートをたくし上げ下着を下ろす
「・・・・・・・・・」
「顔真っ赤だよ」
「当たり前です」
「それに、パンツが少し湿ってる」
「・・・・・・一々五月蝿いですね」
「フーン そういう言い方するんだ そんな陸はこうだ!」
エルメスは陸の秘所に指を這わせる
「ふぇ!?」
少しだけ潤いのあるタテスジを指で上下になぞる
「ん・・・・」
「こっちも一緒に」
空いた片手で上着を上げ、陸の小さな乳頭が顔をだす
「んん・・・・ふ・・・・」
その乳頭を口に含み、チュッチュッと吸いたてる
「ひぁ・・・・ん・・・・・」
舌で転がし、唇でこね回す
片手でもう一方の控えめの乳房揉み、乳頭の周りに指で円を描く様に撫でる
「両・・・・方・・・・・な・・・はぁっん」
親指で乳頭を押し込み、捏ね回し、キュッっと優しく摘む
その間も、もう片方の手は休む事無く、秘所をなぞり、少しずつ閉じられたソコを開いてゆく
「ふぁ・・・ぁ・・・・エルメ・・・・スゥ・・・・・んん・・・・」
544 :2006/01/18(水) 17:26:02 ID:FEuiT4y7
無毛のソコに頭を出したクリトリスをつまみ、しごく
「ひぃぃ・・・あっ・・・・やぁぁ」
やがて、かたく閉じられていた陸の秘所は愛液を溢れさせ、男性を受け入れる準備を整えた
「ほら、陸 もうココはチュクチュク言ってるよ?」
「っ!」
「恥かしいんだ 可愛いい」
「・・・・・・・そんな風に言わないでください」
「でも本当の事だもん」
「・・・そんなことより」
「うん、そろそろいくよ?」
「・・・・・はい」
エルメスはギンギンに勃起するソレに手を添えて、陸の入口へとあてがう
「・・・・・!」
先端が触れ、陸はエルメスの熱さと少しの恐怖に身を硬くする
「そんなものが入ったら・・・火傷してしまいそうです」
「うん、陸のも熱くてボクも火傷しそうだよ」
「じゃあ、二人で火傷し合いましょう」
「うん、燃え尽きちゃおう」
陸が精一杯の笑みを浮かべたのを見て
エルメスはズッ、と腰を前に進めた
「あ!・・・・っ!!!」
「くう・・・狭い・・・・」
どれだけ愛液が分泌されていようと、小さな陸のソコは侵入者を拒み
それに対抗するエルメスのソレが陸に痛みを与える
しかし、エルメスは止まらず、陸の中へと突き進む
「くぅぅ!」
「もう・・・少し・・・・・」
亀頭の先端から少しづつ進入し、無理矢理こじ開けてゆく
一番太い部分まで来た処で、エルメスは陸の腰を掴み一気に突き入れた
「くぅあああああああああ!!!!」
「はいっ・・・・たぁ!」
「ああ・・・・・あ・・・・・・ぜん・・・ぶ・・・入った?」
「うん、陸の中に全部入っちゃったよ」
「・・・・へ、変な・・・感じ・・・・・・・っ!」
「すごいよ、陸の中 ギュウギュウに絞めてくる!」
エルメスは陸の秘肉が与えてくる快感に、たまらず腰を動かす
「ッひ・・・い・・・動か・・・な・・・・でぇ!」
陸は痛みのあまり涙を流しながらエルメスに訴える
「無理・・・止まらない・・・ごめんね・・陸ごめん!」
「ぃいいいい!あっがぁ!あああ!」
「気持ち良い!陸の中!気持ち良い!」
「いっつぅ!も・・・・やあぁぁ!!」
陸はエルメスの背中に爪を立て、歯を食いしばり必死に傷みに耐える
しかしエルメスは只腰を動かし、己の快感だけを味わっていた
「ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・・」
「ひぃ・・ん・・・・・ぁあ・・・・・」
「ああああ!何か!何か出る!」
「きぁ・・・・あ・・んんん・・・・・・ふあ・・・」
「出る!出るぅ!」
「ひぃぃああああああああああぁあぁつぁああああぁぁぁぁ!!!」
ドクッドクッ、と、エルメスは陸の中に精を放った
おびただしい量の精液が陸の中に放たれ、子宮をいっぱいにした
「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・」
「ぅ・・・・ぁぁ・・・・・・あ・・・・・」
「・・・・・・陸?」
「・・・・・・・・・もう・・・・終わりましたか?」
「うん・・・・・ごめん・・・・陸」
「・・・・・・気持ち良かったです・・・か?」
「うん・・・・陸・・・本当にごめんね・・・・」
「・・・・・・・・・気にしないでください」
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「でも、陸は痛がってたのに止めれなくて・・・・」
「・・・・・いいんです・・・もう・・・・・・」
「ごめんね・・・・ごめんね・・・・・」
陸を抱きしめ、胸に顔を埋めてエルメスは泣き出した
泣きながら、何度も、何度も陸の中に射精していた


「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
行為が終わってからも、二人はずっと繋がったまま抱き合っていた
「あったかいね これが温もりってやつだね」
「・・・・・・・・・・」
「陸・・・・生きてる?」
「生きてますよ」
「もし、此処から出られたらさ また、させてくれる?」
「・・・・・・・・・・・・・今度は最後まで優しくお願いします」
「うん!まかせて!」
「・・・・・エルメス」
「何?」
「・・・・・・キスがまだですよ」
「え・・・むぐ」
「んん・・・・普通はキスが最初なんですがね」
「・・・・・・・・・」
「どうしました?」
「・・・・・・・・・なんか、すごく良かった」
「じゃあもう一回しますか?」
「うん・・・・」
「ちゅ・・・んん・・・・・・ん・・・・・」
「ん・・・・・・む・・・・・・・・・・」
ガラ・・・・・ガラガラ・・・・・・
「オーイ!誰か居るかー!?」
「いたら返事しろー!」
「あ!おい!この隙間にだれか居るぞ!」
「おい!しっかりしろ!もう大丈夫だからな!」
「・・・・・・助かった様ですね」
「・・・・・・・もう少し後でも良かったのに」
「・・・・約束、忘れないでくださいね」
「え?」
「次は・・・本当に優しく・・・・・お願いしますよ」
「え・・・・あ・・・・・・うん」
                                陸娘の旅-終わり

オマケ 国の外で

「って!約束したのにー!」
「いつまでもあの体でいるとは言ってませんよ?」
「ちっくしょう!ボクなんてモトラドボディにムリヤリちんこ&ホールディングアーム付けてもらったのにー!」
「・・・・・・・・お尻は嫌いですか?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「陸ぅー!」
「あ、そんないきなり・・・・ああん!」
「・・・・・獣姦オチ・・・・イクナイ!!」
「ティー様!いつからそこに!?」
ドカーン!