DRAG ON DRAGOON エロエロエロエロパロスレ 3章目

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1名無しさん@ピンキー
DRAG ON DRAGOONシリーズのエロパロスレです

公式・設定ホモ(レオナール、ヤハ、ドラゴン単一性等)は投下可
不安ならうpろだ使用

その他801はビデオ棚へ
ローカルルールを読んで利用しましょう
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1123055857/l50


前スレ
DRAG ON DRAGOON エロエロエロエロパロスレ 2章目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1121087878/l50

作品保管庫
ttp://www.geocities.jp/hokandod/


次スレは>>970
関連リンクは>>2-5辺り
2名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 00:59:32 ID:AXDwSEpL
【DOD1公式】 http://www.square-enix.co.jp/games/ps2/dod/
【DOD2公式】 http://www.square-enix.co.jp/games/ps2/dod2/

DRAG ON DRAGOON 2【なりきり総合スレ】
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1119892392/l50

DODのアンヘルタンはエロカワイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1118958760/l50
DOD2のエリスたんはツンデレエロカワイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1123161611/l50
DODシリーズのセエレたんはエロカワイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1115461621/l50
DOD2のハンチさんはエロ濡れカワイイ 2発目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1122953410/l50
DODのマナたんはエロカワイイ 2歳目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1118925086/l50
DOD2のヤハはエロカワ美しい
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1120712103/l50
DOD2のレグナ親父は渋カッコイイ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1123143626/l50
絵板
ttp://f40.aaa.livedoor.jp/~vice/dod/
大好評オガーザーンボタン
ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Screen/7822/oga-zan002.html
同じく大好評ブレイク工業DOD1編
ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Screen/7822/bk_dod.html
DOD1会話集
ttp://www.paradox-logical.net/irony/dod/kaiwa00.htm
3名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 02:30:41 ID:FgIaaTz/
乙カイム
4名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 02:59:59 ID:oTaiVtRW
    たまらんだろ?           たまらん!
           _, ,_             ,_
         (; -_-)          (-   )
        (   ⊃┳O        ⊂(   ヽ
        ( ⌒) )┃_        ┃(⌒ ) )  _
   / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ /\    / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\
( ((  ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○  ̄     ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄ ) ))

       たまらんだろ?  たまらん!
             _, ,_ コツン  ,_
           (; -_-)\/(-   )
          (   ⊃┳O ⊂(   ヽ
          ( ⌒) )┃_ ┃(⌒ ) )   _
   (( / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\ ))
      ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄
              /☆\

たまら──ん!  _, ,_  _, ,_   _, ,_ _, ,_ たまらん――!
         ((_-≡-_)) ((_-≡-_))
          ((   ⊃┳O⊂(   ヽ))
         (( ⌒) ))┃_ ┃((⌒ ) ))   _
    ((/ ̄ ̄ ̄`J)) ̄ / ̄ ̄((し' ̄ ̄ ̄/\))
      ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄
5名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 12:27:06 ID:dK1Os7p9
SS投下します。陵辱が苦手な方はスルーで
イマイチ斬新さがないが ('A`)
6ひしがれた聖女(マナ陵辱)1:2005/08/08(月) 12:27:55 ID:dK1Os7p9
立ち込める暗雲の中、ノウェ達一行は次なる直轄区を目指していた。
が、騎士団の追っ手に猛攻を仕掛けられ、行く手を阻まれる。
日も傾き、視界も不良、圧倒的に状況は不利だった。

「小僧、悪いことは言わん。今日はここらで休んだ方が賢明というものよ」

この状況を好転する余地がないと判断した彼らは、レグナの助言に沿い、切り立つ山々の中腹に舞い降りた。

「流石にもう追ってこないようだな」
暖をとるための焚き木に火をつけ終えたノウェは、闇に染まった空を見上げる。

「まぁな。夜にもなれば手出しはできないだろ。それにこの地は入り組んでる。
  とにかく、今夜は早々に寝て明日に備えようぜ」
仮面を取り外しながら、ふぅ、とため息交じりにユーリックは呟いた。


三人は温かな炎を揺らめかす焚き火を取り囲み、しばしくつろぐ。
徐々に天を包む闇が深まると同時に、銘銘が疲れを隠せず眠りへと落ちていった。
7ひしがれた聖女(マナ陵辱)2:2005/08/08(月) 12:28:27 ID:dK1Os7p9

ジャリ

小石を踏みつけたような音に、マナは目を覚ました。
背後に気配を感じ、半身を起こそうとした瞬間、敷布の上から体を押さえつけらる。
「!?」

「起こしちまったか?お嬢ちゃん」
低い声が響く。
「ユーリック…?」
身動きがとれず、後ろは見えない。が、明らかに彼の声だった。
「おっと、そのまま動くなよ…」
よっこらしょ、とユーリックはマナの背後に腰を下ろす。手はマナを押さえつけたままで。
「…何のようですか」
不躾な訪問に冷たく言い放つ。
―――一いったいこの男は何を考えているのか。

「おやおや、せっかく夢のいいところを邪魔されてご機嫌斜めかい?」
どさり、と背後で横になる音が聞こえ、マナは只ならぬものを感じた。

「こんな夜更けに、男がお嬢さんの元に来る。決まってるだろ?何が用事か、くらいな」
ごろりとマナの背後に寝そべって、のろのろと敷布の上をなぞる。
不快な手の動きをマナは払おうとする。

「そんなに邪険にするなよ…仲良くしようじゃないの」
「止めて下さい!」
「そんな大きな声出すな、ノウェが起きちまうだろ…こんなとこカレに見られていいってのか?」
押し殺した笑いが耳元を掠めた。
マナはその言葉に金縛りにあったかの如く、びくりと身を硬直させる。
…ノウェは燃え尽きた焚き木を挟んで自分の向こう側に横たわり、寝息を立てている。
――この男。
8ひしがれた聖女(マナ陵辱)3:2005/08/08(月) 12:29:14 ID:dK1Os7p9
深緑の布を持ち上げて、彼が入ってくる。
ぴったりとマナの背中にくっついて、ユーリックはマナを抱きすくめた。
生暖かい舌が首を這う。ぞくりと背を走る悪寒。
「いいもんだろ?満点の星空の元、こういうのも」
「愚かな人。手篭めにしても何も意味などないのに」
僅かに声が震えているのが自分でも分かった。

「あんたにそんなケツ振って歩かれたら、正常な男は欲情くらいするさ」
「…いい加減にしてください」

ユーリックは軽く鼻先で笑い、徐にマナの胸を包む。
服の上からは満足できず、上着をたくし上げようとした手をマナが制した。
しかし所詮女の腕力が叶うはずもない。あっけなく腕をほどかれ、ユーリックの手が直に肌を触れる。
「抵抗してもムダだよ、お嬢ちゃん。諦めておとなしくしてろ。いい夢見せてやる。な?」

やや間があってユーリックは口を開く。
「それにアレだ、騒いでノウェが起きたらなんて説明するんだ?厄介だろ?」
あらゆる状況を利用し、弱みに付け込み自由を奪う。
そして飄々と軽口を叩くこの男に、マナは悔しく歯噛みするだけだった。

小ぶりな、しかし整った胸を愉しむように動く無骨な手。
徐々にその手の冷たい感触が降りてくる。
これから起こるであろうことの事態に、マナは血の気が引いた。

「お願い、あちらに戻って」
それだけを口にする。震える体。
非情にもその手は止まることなく、器用に下の留め具を外してしまう。
するすると手は伸び、下穿きの中まで侵入する。
マナは覚悟し、目を固く閉じた。
――もう、耐えるしかない…。
9ひしがれた聖女(マナ陵辱)4:2005/08/08(月) 12:29:54 ID:dK1Os7p9
下腹部を撫で、斧で鍛えられたごつごつとした指が目標の秘唇を捉える。
邪魔だと言わんばかりに、ユーリックは下穿きを下に引き摺り下ろした。
曝け出された下半身が外気に触れ、冷えた空気が更にマナの恐怖を際立たせる。
「いい子にしてろよ、ん?」
局部に達した指が、肉の芽を中心として円を描く様に動き出す。
乾燥した指が肉壁とこすれ、ちりちりと痛んだ。
ユーリックは潤みのない小さな芽を摘んで秘部を弄ぶ。

「…ちっ。どこまで強情な女なんだか」
一向に濡れる気配のなさに痺れを切らしたユーリックは、一旦手を抜くと己の唾液で指をぬめらせた。
その隙に身をよじって抵抗をするも、その筋肉質な腕にがっちりと絡めとられて、逃げることも叶わない。

「まだ暴れる気か、よせよせ」
「…」
ユーリックは唾液でぬめる指をマナの秘部に埋め込んだ。
生ぬるい不快な感触がマナを襲う。潤みを得た指が淫靡な音を立てて滑るように動き出した。
秘部を無理やり弄られ、マナは顔を背ける。
感じるはずもない、と思うのだが。巧みな指の動きが皮肉にも微かに身体を反応させる。
「んっ、いい加減に…」
「おいおい、とうとう感じたか?」
くぐもったユーリックの笑いにマナは酷い羞恥心に苛まされた。唇を噛み締める。
くちゃ、とぬめった音が響いた。その音がノウェに届くのではないかと思うほど。
―――ノウェにこんなところを見られては…

ふいにマナは腰に硬いものが当たるのに気づいた。
肌を通して熱が伝わる。
ユーリックはソレをマナの腰に擦りつけ、反応を愉んだ。
マナの背後から荒い息が小さく響く。
「ふっ、もう限界でな…」
10ひしがれた聖女(マナ陵辱)5:2005/08/08(月) 12:32:14 ID:dK1Os7p9
ユーリックは片手で前をくつろげ、己のいきり立った怒張を露にする。
獲物を前にして涎を垂らすソレを一撫でしてから、ユーリックはそのままの体勢でマナの秘部へとあてがった。
「いくぞ、お嬢ちゃん」
マナの腰をぎっちりと押さえ込み、硬くいきり立った先端をねじ込む。
「くあっ…」
痛みにマナが呻く。
侵入を拒んだ肉壁が熱い怒張を締め付け、進もうとするのを阻む。
「ちっ、手荒だが…」
拒み続ける肉壁に、ユーリックは強引に己を突き立てた。
「がっぁ!」
ムリに押し広げて侵入される痛みに、ガリと爪が虚しく地を刻む。
尚も締め付けてくる肉壁が己に絡みき、この上ない心地良さがユーリックの背骨を駆け上った。
ユーリックはその快楽を貪るように激しく腰を振る。
腰を動かす度に地面とすれてざりざりと音が響いた。
「ひっ、…や、めて」
熱い灼熱の痛みに屈し、マナは音を上げる。
「ふっ、いまさら止められるかよ…」
ユーリックは歪んだ笑みを浮かべ、欲に狂った獣の如くマナを揺すり上げる。
マナの首筋にかかる熱い吐息。
固く歯を噛み締め、痛みを堪えようとする。
容赦なく硬い切っ先に貫かれ、わずかににじみ出る血が熱かった。

「おやおや、あんたまさか“初めて”か?はっ、これが“聖女”って言われる所以かい」
マナの反応にニタリと卑猥な笑みを浮かべ、ねちねちと責める。

「ノウェに捧げるはずだったのか?ん?悪い事しちまったねぇ」

羞恥心を一気に煽られたマナの瞳から、涙が零れ落ちた。
11ひしがれた聖女(マナ陵辱)6:2005/08/08(月) 12:33:09 ID:dK1Os7p9
ユーリックはその様子などお構いなしに快楽をマナの身体から貪り食う。
激しさを増す腰の律動。マナの中で熱く膨れ上がる欲望…
「むぅっ…もう限界、だ」
その言葉にマナは強い恐怖を覚えた。己の身に放たれるであろう精。
「やっ、お願いもう止めて、いや…!」
懇願するも、死神との契約者は非情にもそれを許さない。
「くぅ…」
低く呻く声と同時に、マナの中でユーリックの肉棒が大きく跳ね上がり白濁が放たれた。
どくりと脈打ち、何度も吐精する。恐れていた熱い奔流がマナを襲う。

――――――――

「ご馳走様、“聖女”さんよ」

先ほどユーリックが残していった言葉が、マナの頭の中で木霊していた。
辱めを受け、打ちひしがれた彼女の目には何も映らない。広がるは闇でしかない。
ただ、冷たく夜が過ぎてゆくだけだった。

                       (了)
12名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 13:27:38 ID:mzlb1d9P
>>1
乙かれレレレ…

>>11
ユリマナ萌ゆるー!
イイヨーイイヨー(*´д`*)ハァハァ
13名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 13:37:35 ID:QZFS3cFa
>>11
乙です!
ユリマナで陵辱もいいけど、らぶらぶは邪道ですか…
14名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 13:40:26 ID:MQJObIxg
manasama!!!manasama!!!
GJ
15名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 13:52:17 ID:LXsN6pHz
>>1
乙!!
>>11
GJ

  ∩∩                               V∩
  (7ヌ)                              (/ /
 / /                 ∧_∧            ||
/ /  ∧_∧     ∧_∧  _(´∀` )   ∧_∧   ||
\ \( ´∀`)―--( ´∀` ) ̄      ⌒ヽ(´∀` ) //
  \       /⌒   ⌒ ̄ヽ、    /~⌒    ⌒ /
   |      |ー、      / ̄|    //`i      /
    |      | |    .../ (ミ   ミ)  |    ..|
   |    | |     | /      \ |    |
   |    |  )    /   /\   \|       ヽ
   /   ノ .|  /  ヽ ヽ、_/)  (\    ) ゝ  |
   |  |  |  /   /|   ノ レ   \`,ー ' |  |  .ノ
   .l   .|  | /  / |   l          . l ...|  .l
    l   |  | l  l  |  .|          . |   |  |
   . l  |  | .| . |  .|  l           |   | ...l
   . |  |  | .|  .|   |  .|           .|  .|. ..|
     | ...|   |  | ..|  ..|  .|           .|  .| ...|
    (___ヽ__ヽr´_)  r´__)          r´_r´_)



16名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 14:24:18 ID:dK1Os7p9
>>13
スマン…俺ユリマナがちと苦手でアマアマなのが書けなかったんだ('A`)
17名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 15:35:37 ID:QZFS3cFa
>>16
苦手なのに書いた事にGJ!
萌えをありがとう
18青い子猫『ひとり』三章突入祝い:2005/08/08(月) 17:33:59 ID:AXDwSEpL
がやがや。
豪華な部屋に色々な人たちが集まっていた。
そして部屋のあちらこちらには丸テーブルが置かれ、その上には豪華な食事が載っている。
思わずマナは涎を口の端からたらしてしまいそうになりながら、それを嚥下した。
「すごいですね…」
マナは今、ドレス姿である。
紅いドレスで大人しく仕上げられた品である。
しかしその紅いドレスからは気品にみちていた。
その肩の上には蝶ネクタイを首につけた青い子猫の姿をしたノウェがいる。
そしてマナをエスコートしているのがタキシードを完璧なまでに着こなしているユーリックだ。
「お嬢ちゃんはこういう場所は初めてなのか。って、おぃノウェ背筋が曲がってる…あネコだったな。わりぃ」
軽い口調でユーリックは言い、ウェイトレスからワインを二つ受け取り、一つをマナに渡した。
「ありがとう…でも私飲めないんですが」
「ん、そうか。ちょっと待ってろよ」
といい、ユーリックはどこかに消えてしまった。
このような場所がはじめてのマナは取り残されてしまい、戸惑っている。
――どうしよう…
と、そんな時一人の小太り男に声を掛けられる。
この小太り男はユーリックと違い、タキシードを着こなしているのではなく、着させて貰っている。
という感じだった。
「そこのレディ、もしよければご一緒にダンスでもどうでしょうか」
マナは困惑していると、ちょうどそこにユーリックが戻ってきた。
ユーリックはマナが声をかけられていると、見て少し足早に近づいていく。
そして、
「そこの兄さん、わりいな。こいつは俺の恋人なんだよ」
と、マナの腕に手を回しながら云った。
すると小太りが、お幸せにと微笑んでから人ごみの中へと戻っていた。
マナの顔は赤面し、下を俯いていた。
「お嬢ちゃん、ほれ。オレンジジュース」
とユーリックは片方の手に持っていたグラスに入ったオレンジジュースをマナに差し出した。
それをマナは受け取ると消え入りそうな声でありがとう、と云った。
「どういたしまして」
ユーリックが言うと同時にピアノの美しい音色が聞えてくる。
するとまわりで何人かのカップルが踊り始めていた。
それを見ていたユーリックは膝を突き、マナの手をとり、
「お嬢さん、もしよければ私とダンスでもいかがですか」
少し大仰に言う。
マナは持っていたグラスを近くのテーブルの上に置き、
「えぇ、喜んで御受けします」
と微笑んだ。
子猫はそっとマナの肩を降り、テーブルの下に潜り込んでいった。
19青い子猫『ひとり』三章突入祝い:2005/08/08(月) 17:34:42 ID:AXDwSEpL
ユーリックはマナの手を取り、エスコートしてやる。
しかしマナは何処で覚えたのか、上手だった。
すこし肩透かしをくらった気分で、ユーリックは言った。
「おいおい、どこで覚えたんだよ」
そんなユーリックに、マナは秘密です、と言って微笑んだ。
そして二人は踊る。
周りの中で一番華麗に、そして優雅に。
いつの間にか二人は中心で踊っていた。
周りのものは二人を見ているか、その周りで踊っているか、だ。
と、そんなとき歌声が聴こえてきた。
ヴォーカルが遅れてきたらしい。
二人は踊る。
緩やかに
華やかに
静かに
激しく
花咲く。

『     紅く染まる街で
       影を舗道に
      描いたふたりは
     何処に行ったの?

    そっと過ぎ去っていく
      季節のなか
       残された
       僕だけ…

       素直に
      弱さを見せる
       ことさえ
       できずに
       不器用な
       愛だった

     もう一度あのときの
    ふたりに戻れるのならば
      迷わずに君のこと
       抱きしめ
       放さない        』
「素敵な歌……」
「昔の歌さ。もう忘れてしまいそうなほど昔のな」
二人は踊りながらその歌に聴き入っていた。

『エロパロスレ三章突入おめでとうございます』
                  by303
20名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 18:25:56 ID:UOqG5lTw
ほっほー!粋だねぇ…
しかも「ひとり」ときたよ、GJ!
何気にウーリックとマナがイイ感じに…
21名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 19:47:23 ID:ei57I4im
( ´・ω・`)ノI ジュウエンドゾー
22名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 20:00:20 ID:ei57I4im
スマソ誤爆ったorz
23名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 20:35:34 ID:6MknQ4IV
あたしの子供はどこ?
24名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 20:41:07 ID:2VJrgU52
この板は21歳未満の子供は来れないから
このスレにいる限り永遠に会えませんよ

分かったらさっさと(・∀・)カエレ!
25名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 23:32:24 ID:6MknQ4IV
おうちは焼けてなくなっちゃったの
261/3:2005/08/08(月) 23:34:51 ID:Xg6M18u6
グラスを奪われ、それ以前の問題として既に飲む気を無くしていた男は、
穏やかな時を奪われたせめてもの代償にと、まず普通は見られないであろう、
この生物の稀少なる’御機嫌な姿’とやらを記憶に刻む事に徹していた。
言うなれば過ちは二度と繰り返さないために。
グラスに三割程度の酒。まして体と比較すれば、ほんの数滴にも満たない筈。
それであの調子だ。ドラゴン全般が酒に弱いのか、この竜が特に弱いのか。
そういえばそんな神話もあったな・・・
男は思いを巡らし、ともすれば遠くを見そうになる目をその度に竜へ引き戻した。

何度目かで、唐突に気付く。
数滴にも満たない量でおかしくなるなら、今の体の大きさでグラス一杯を飲むという事が
何を意味するのかを。認識し、理解し、男は一気に青ざめた。
迂闊だった。やはり自分にも多少の酔いは回っていたらしい。
取り上げようと男が手を伸ばしたのと、すっかり飲み干した竜が残りを求めて革袋を狙うのはほぼ同時だった。

まだそこにあるだろう。
竜はそれだけ言った。注げ、という事らしい。
だが男は拒否した。これ以上の惨事は何としても防がねばならない。

「もうやめておけ。色々と危ない」
「矮小な人間如きが不遜にも我に忠告か。同時に危機が迫っておるなら
 まず周囲に注意を払うべきなのは、ドラゴンに比し圧倒的に弱き人間であるおぬしの方よ」
「俺が周囲に注意を払った結果、お前を止めるべきだという結論が出たんだ。
 これ以上はやれない」

それを聞いた竜は苛立ち混じりの唸り声をあげると、素早く首を伸ばして革袋を奪う。
酔っているとは思えない的確な動きである。
取り替えそうと引っ張った男の手と竜の口との間で、鈍い音を立てて革袋が裂けた。
いくら丈夫でも所詮は獣の皮だ。小さかろうと鋭さは変わらない竜の牙の前では紙に等しい。
結構な量の酒が、男と竜の上にぶち撒けられる。
272/3:2005/08/08(月) 23:35:35 ID:Xg6M18u6
「馬鹿!何をやってるんだ」

全身が酒臭い。
ずぶ濡れという程ではないが、少なくともじっとりと湿っている上着は
洗わなければ駄目だろう。服はそれでも良いとして、問題は頭と体だ。
軽く拭いたくらいでこの臭いは取れそうにない。
酔った相手から酒を奪い返そうとしたが、勢いがあり過ぎてひっかぶった。
状況自体は珍しいものではないのかもしれないが、その「相手」が
ドラゴンだという事を考えると色々な意味で頭痛がしてくる。
そのうえ当の本人が、袋の残骸に僅かばかり残っていた酒をお楽しみ中とあっては。

「お前、自分で情けないと思わないのか」

これを、と腕を広げる。
ひょいと頭を上げた竜は、男の方を見ると、暫く目を細め鼻をひくつかせていたが、
思い付いたように、存外に長い舌を伸ばすと首から頬にかけての雫を舐め取った。
むず痒さ、そして予想もしていなかった竜の行為に、男は慌てて静止するが、
竜は不思議そうに軽く首を傾げただけで、中断しようとはしなかった。

「なに?・・・汚れを取ってやっておるのだ。おぬしとて指に跳ねた脂を舐める事があるだろう」

それはそうだが、

そのまま首を伸ばし、襟刳りから頭を突っ込んでくる竜に危うく叫びそうになる。
唾液に濡れた熱い肉が肌へ押し付けられ、首筋から鎖骨、肩へと舐り、ぬめっていく。

ー・・・これは絶対に違う!

男は、毟り取るように体から竜を引き剥がすと、
「もう帰るぞ」
有無を言わさず、そのまま小脇に抱え立ち上がった。
283/3:2005/08/08(月) 23:36:28 ID:Xg6M18u6
「何をする貴様!降ろせ!」
「うるさい。静かにしてろ」
「気安く触れるな人間めが!離せ!降ろせ!」
「触れるどころじゃなかったのはどこの誰だ。とにかく、そんな状態で帰れないだろうが。
 運んでやるから大人しくしてろ」
「ふざけるな!自分で帰れるわ!良いから離せと命じておる!」
「転落死だの水死だのに巻き込まれるのは御免だと言ってるんだ馬鹿ドラゴン」
「馬鹿とは何だ馬鹿とは!人間風情が、分を弁えぬと食い殺すぞ!」
「人間見下すならせめて最高種らしく威厳を保てこの酔っ払い」

尚もぎゃあぎゃあと喚き続ける竜を無視しながら、男は帰路を急ぐ。
着いたら箱にでも放り込んで外に出してしまおう。
体を拭いて服を着替え、そしてもう少しだけ飲んで、そのまま寝てしまおう。
絡み付いてくる舌に、確かに感じた焼け付くような衝動。
目が覚めた時、それを忘れられているよう願いながら。
29名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 23:36:47 ID:Xg6M18u6
***
酔っ払い話の続き('A`)
ドラゴン相手に愛はともかくさすがに欲情となると戸惑うくらいしそうだが、
よく考えたらカイムだし分からん。

30名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 00:09:23 ID:CTqc+wDM
カイムは何をやらせても「カイムだし」の一言で納得できるなwww
31名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 00:35:53 ID:pf2p0+3z
あたしのおうちはどこ
32名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 00:58:40 ID:Phm8RDcx
素晴らしきかな皆無クオリティ。

そして禿しくGJ、***氏。
酔っぱらい、絶対に夢に出してやるフオォォォ!
33名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 01:40:20 ID:+llYgDYi
このドラゴンたんは酔ってもツンデレとは!
モエスモエスーw
34名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 02:12:38 ID:C9n3CZ8b
カイムかわいいな。
35名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 08:49:34 ID:pf2p0+3z
あたしは?
36a1b8c01:2005/08/09(火) 10:19:17 ID:0Y+JpajI
可愛いよ…
371/3:2005/08/09(火) 21:32:45 ID:PwDeoLdq
我を何と考えておるのだ、この馬鹿者め。

小脇に抱えられたまま、竜は心の中で悪態をついた。
運び手の、先程まで穏やかでない応酬を続けていたその男は、
もうこれ以上は一切相手にしないとでも言いたげに、はっきりした拒絶を纏い、
竜の方を見ようともしない。

「カイム、降ろせ。大丈夫だと言っておるだろう」

何度目かとなる言葉にも、ちらと目を向けてくるだけだ。
返事すらない。無論、降ろす気配もない。

ならば勝手にしろ。我ももう口なぞ利いてやらぬ。
竜は不貞腐れ、視線を男から前方の暗闇へ移した。
先程から泥のように粘つき沈んでいる思考も煩わしい。

体が重い。全く、何故このような事態に陥っている。熱病でも患ったか。
だが我らドラゴンは下等種と異なる。病などとは無縁の筈であり、
故に熱病を患っている我はドラゴンという種を超えた事になる。
あるいは伝説とはこのようにして生まれるのやもしれぬ。

腕を介して伝わってくる男の歩みの振動に揺られながら、竜は思索を続ける。

あろう事かドラゴンを、この我を、人間如きが荷物か何かのように扱うとは。
人間なぞ我らに屈し踏み躙られるのが関の山であろう。本当に踏み躙れば潰れてしまうが。
となると今こうして我を抱えておるこやつは、人間にしては随分と大きかったのだな。
思えば赤い目の司教も巨大であった。あれは幼子であった。
ならば成人しておるこやつが巨大なのも道理と言えよう。
382/3:2005/08/09(火) 21:32:59 ID:PwDeoLdq
上からの溜息に視線を戻すと、男が心底うんざりした表情を浮かべていた。
何だその態度は。うんざりしておるのは我の方だ。

気に入らぬといえば、まずこの運ばれ方が気に入らぬのだ。
回された腕も、押し付けられた体の温もりも心地良いが、
ならば尚の事より一層強く感じられるよう胸に腕に抱いて運ぼうと何故考えぬ。

ギョっとしたように男が立ち止まる。何を驚いている。叢の鼠でも踏み付けたか。

大体にして、僅かばかり考えれば我がどれ程こやつの熱を欲しておるか分かりそうなものだろう。
手も良い。良いがあれは小さ過ぎる。縋り付いて抱き締められた事も数える程しか無い。
つまり気が利かぬのだこの男は。いずれ機会があれば鈍き魂とでも呼んでくれる。
ああ、だがそれは幸いでもあるのだな。こやつも人間の括りでは見てくれの良い部類に入るらしい。
これで気が利きでもしたら余計な心労が増えるだけだ。今でさえ時折危険だというのに。
買出し先の女が妙な目を向けておるのを知っておるぞ。
一度なぞ置き忘れた荷物を届けにわざわざ追ってきたではないか。

男は、ぽかんとした様子で竜を凝視したまま突っ立っている。
こちらの気も知らぬその間抜け面に、ますます苛立ちが募る。

一度確かめておきたいのだ。『おぬし、気のある人間が出来つつあるのではないか』と。
こやつに色目を向ける奴は不快だが、こやつが向ける奴は更に不快だ。いるとすれば我だけで良い。
白状するなら我は向けた事があるぞ。幾度も。告げはしなかったがな。告げれば厭われる。
コマネズミに情欲を掻き立てられる人間を、当のコマネズミはどう思う?普通は逃げるわ。
穴に潜り、二度と姿を現すまいて。

男は肩を震わせ、腹を抱えて懸命に笑いを堪えていた。
何を面白がっているのか分からない竜だったが、大方昔の戦場でも思い出しているのかと考えた。
確かに人を斬っている時だけは楽しそうに笑う人間だった。
393/3:2005/08/09(火) 21:33:19 ID:PwDeoLdq
つくづく下らぬ理由でしか笑えぬ奴よ。
笑うなら我を想い笑え。その笑いを我だけに向けよ。
こやつは我を大切だと言う。ならばそれなりの態度で示して欲しいものだ。
無言の結びつきとやらを軽視する訳ではないが、それだけでは足りぬ。不安なのだ。
我はドラゴンで、こやつは人間で、その差はあまりに大きく、
だからこそ『お前が好きだ』『愛している』『望むことは無いか?』等々の
陳腐であるが間違いようのない言葉と付随する肉体の接触で互いの

既に男は堪えきれず弾けるように笑い出していた。といっても声は聞こえてこないが。
流石に竜も訝しみ、一旦思索を打ち切ると、なんだ、と問い掛ける。

「・・・いや、何でもない。とりあえず、済まなかった。これからは、気をつけると、しよう」

治まらない笑いの発作に体をひくつかせながら、漸く、といった感じの男が切れ切れに告げる。
何が済まなくて、何に気をつけるというのだ。
ー・・・ああ


先程の鼠か。

「その通りよ、カイム。鼠とて鼠なりに生きておるのだ。無闇に踏まぬようにするに越した事はない」

竜の言葉に男は答えず、ただ、もう一度笑った。
40名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 21:35:38 ID:PwDeoLdq
***
更に続き、でオシマイ。
酔うと思った事全部喋っちゃう人いるよな('A`)
41名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 22:32:53 ID:C9n3CZ8b
アンヘルたんカワイス
42名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 22:50:52 ID:Phm8RDcx
アンヘル最高。テラモエス。
43名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 23:01:21 ID:fxwsblpA
全部喋っちゃってるアンヘルたん、テラモエス
44名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 23:12:19 ID:pf2p0+3z
あたしは?
45名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 00:40:31 ID:d+S4RYqH
どーでもいいや。
46名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 15:42:32 ID:et1p/Jsq
誰か前スレのログをうpしてくれないか・・?orz
47名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 18:04:12 ID:Lf+KHu4A
HTMLでいいなら保管庫にあり
生がいいなら他の人を待つべし
48名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 22:34:50 ID:nyTLQJJt
ねえあたしは?
49名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 22:36:40 ID:Aqt+xQm1
うざい。
子どもの次はおまえか・・・
50名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 23:02:14 ID:d+S4RYqH
50到達。
俺は職人さんたちを応援しています。ガンガレー!
51名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 23:24:09 ID:RoeUEWBr
ちょっと体調不良でPCに向かうきもおきません…
なので青ネコは当分かけそうにないです。

すいませんが、体調がもとにもどるまでここにもこないと思います。
直った際にはまとめてかきますので、それではノシ
52名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 00:01:38 ID:RdgdFKRs
おうよ。
やはりカイアンは良い。でも他のも良い。
しかし3スレ目となると流石にネタが出尽くしてきたのかな。
いっそいろいろ提起してみるか。やり過ぎるのもアレだけど。
53名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 00:52:46 ID:lK9iHRfD
本当に出尽くしか?
とりあえず話の種に、盆明けまでにユリ×幼エリスを上げられるように頑張ってみるよ。

さ、303氏、どうぞお大事に…!!お帰りお待ちしてます。
54名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 15:52:44 ID:/EQ7abIw
初めてこのスレに来ましたよ
今更だけどツンデレアンヘルたんにかなり萌えマスタ
55ハンチ×ケルピー(擬人化):2005/08/12(金) 00:24:53 ID:MinTednZ
神水の直轄区 ハンチの私室
普段はこの部屋の主であるハンチしかいないこの場所に1人の少年が来ていた。
白く透きとおるような肌、真紅の唇、パッチリ開いた瞳。
美しい外見をしているが、
頭には馬耳があり、膝から下の足は鱗に覆われ、そしてその足は蹄であった。
それらが少年は人間ではないという事を証明していた。
少年はハンチの契約者であるケルピーが化けた姿であった。

ベットに腰掛けたハンチが静かに上着を脱ぎ始める。
禍々しい契約の証である紋章が刻まれた、豊満な乳房があらわになる。
「うへへへ、さあ、ケルピー、今日も頼みますよぅ。」
ハンチがケルピーに話しかける。
「うん…」
ケルピーはうなずくと自分の可愛らしい唇をハンチの乳房へ近づけていった。
「ん…」
ケルピーは冷たい唇と生暖かい舌で乳首の周辺を撫でたあと、
乳首にしゃぶりついた。
「ひゃあっ」
ハンチが短い悲鳴をあげる。いつもの事だ、とケルピーは無視してそのまま吸い始める。
「はあ…いっ………んぅ」
冷たい唇で吸われつつ生暖かい舌で乳首を舐められる。
ハンチはこのケルピーでしか味わえない、そして自分だけしか味わえないであろう
この感触がたまらない。
(…そろそろ出てきたみたい)
ケルピーは口の中で徐々に甘い味と匂いが広がっていくのを感じていた。


つづく?
56名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 00:36:34 ID:MinTednZ
×この感触がたまらない
○この感触がたまらなく好きだった。
初かき。
やっぱ長文は苦手だorz
57名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 00:54:19 ID:sUNqmLl3
>55
イイヨーイイヨー
58名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 08:32:39 ID:AixqtIBE
>>55
もしやハンチさんスレの人か?
本当にハンケル書いてくれるとは…待ってた甲斐があったよ。
是非とも続けてくれ!
GJ!
59青い子猫のおはなし 22匹め:2005/08/12(金) 18:20:14 ID:6gH4wXfI
子猫は敵兵が壁から飛び出してきたとき、咄嗟に壁に設けられた通風孔のようなとこに飛び込んでいた。
それの様子を敵に悟られないよう、身体を少し左にずらした。
子猫は通風孔のなかにもぐりこんだ直後、背後から声が聞えた。
その声に思わず振り向いてしまう。
「抵抗したら殺す」
剣先をユーリックの首筋に突きつけ、そういっている男の姿が見えた。
しかも剣先を突きつけられているにもかかわらず、ユーリックは顔色一つ変えていなかった。
「わかってる。だがこのお嬢さんには手荒なことすんなよ」
などと余裕を見せていた。
それに男も余裕で言葉を返していた。
「私はこれでも紳士なんだ。安心しろ」
男の手がユーリックの首に当たる。
子猫は一瞬だが、通風孔の中にいる自分に向かって微笑んだように見えた。
それは後を頼むといってるように思えたのは気のせいかもしれない。
だがいままともに動けるのは自分しかいないのもまた事実。
子猫は決意した。
二人をたすける、と。
60青い子猫のおはなし 23匹め:2005/08/12(金) 18:20:58 ID:6gH4wXfI
通風孔は途中で二手に分かれていた。
子猫はどちらに行くか迷ったが、左に行くことに決めた。
そうしてまた狭い通風孔の中を進んだ。
人間の姿のままだったら絶対に通れなかっただろう。
子猫の姿になって、何も出来ない自分に腹が立った。
マナが戦っているのをじっと見ていた。
何も出来ない自分が歯痒かった。
ユーリックが戦っているのを見ていた。
背中を預けて戦えない自分が嫌だった。
でも今は違う。
二人を助けることが出来るのは自分だけだ。
自分は役立たずじゃない、ちゃんとできることがあたのだ。
思わず立ち止まりそうになりながら子猫の姿を借りたノウェは昔のことを思い出していた。
61青い子猫のおはなし 昔:2005/08/12(金) 18:21:32 ID:6gH4wXfI
あれはいつだっただろうか。
ユーリックがまだ俺に剣の稽古をつけてもらっていた頃だ。
あの日もいつもの様にユーリックに向かっていっては、やられていた。
そして新しく増えた傷を擦りながら、俺はいつもの台詞をはく。
「ひどいよ……もうちょっと手加減してくれたって」
というとすかさず彼がこういうのだ。
「ったく、少し傷が増えたくらいでわめくなつうの」
そう言いながらも彼はいつも怪我の手当てをしてくれる。
その後“アノ”エリスと手合わせが待っているのだ。
こちらは酷い。
鬼と闘っているくらいに怖ろしい。
それを聴いたレグナがエリスのことを鬼娘と呼ぶようになったのはちょっとした笑い話だ。
それが起こったのは、ユーリックが魔物の討伐に向かったときだった。
その時俺はオローに一度闘うところを見て来い、と云われ同行することになった。
馬にゆられ、目的地に着いたときには村は壊滅状態だった。
その魔物は人間の身の丈の3倍はあろうかというほどだった。
魔物に立ち向かっていった騎士団員はいともたやすく殺されていった。
俺は震えていた。
少し離れた場所で見ているように、といわれていたので離れてはいたがとても怖かった。
眼の前に広がる光景は、赤い水を噴き上げる壊れた噴水があるようだった。
そうして生き残っている騎士団員はユーリックとヤハという二人だけ。
二人はオロー、ジスモアに次ぐ猛者と封印騎士団の中でも注目されている。
二人は絶妙なコンビネーションで、魔物の攻撃をかわしていった。
そしてとどめの一撃をユーリックが決め、魔物を倒した。
そうして二人は生き残った騎士団員を連れて、こちらに向けて歩いてきた。
その二人を俺は今でも忘れていない。
魔物と仲間の血を浴び、とても辛そうな顔をしていたことを。

その二日後、また稽古は再開した。
幼心に疑問に思っていたことを訊いた。
「なんで魔物を倒したのに、何で辛そうな顔をしていたの」
「仲間が死んだからだ」
そう簡単にユーリックは告げたが、馬鹿だった俺はそれだけでは満足しなかった。
そして俺はつい言ってはいけないことを口にしてしまった。
「だって話もしたこと無い人たちでしょ、なら悲しむこ――」
その時ユーリックの模造刀が俺の額を切り裂いた。
そして
「命預けて一緒に闘ってるのに、仲間じゃないなんて云ってみろ、俺は許さないからな」
その額の傷は手当をしてもらえず、今でも残っている。
俺は一生忘れない。
仲間の意味を。
62青い子猫のおはなし 23匹め:2005/08/12(金) 18:22:03 ID:6gH4wXfI
そんな昔のことを思い出して、少し気恥ずかしかった。
思い出は胸の中にそっとしまい、仲間を助けることにだけ専念する。
と、そんな矢先また分岐点だった。
63名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 18:23:35 ID:6gH4wXfI
良くなったので書きました。
ご迷惑おかけしました。
64名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 19:50:32 ID:/4maqUzb
303氏、お元気そうでなにより^^ノ
青い子猫のおはなし、なんか冊子になりそうなボリュームですな。
65名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 22:55:42 ID:WWn0MOQT
あたしの子供はどこ?
66名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 23:32:10 ID:zW/p5GDq
只今実家へ向かい中。盆明けまでPC無し環境だ。
戻ってきたら何か一本書くわ。
67名無しさん@ピンキー:2005/08/13(土) 06:03:18 ID:CUNsW2he
>>66
期待して待ってるよ(*´Д`)ハァハァ
68カイム×マナ:2005/08/13(土) 15:33:54 ID:i3qg3rHi
私はあの人を知っている…。
先刻、錆の村に突然現れた黒髪の男を。

狂気を含んだ瞳だった。
だがその時マナの脳裏にはその男の泣き顔がフラッシュバックされた。
何かにすがりついて泣いている男の姿…

いつ?
どこで?
この人を?

失われた記憶を辿る
でも思い出すのが「怖い」
マナはブレスレットに視線を落とすと固く瞳を閉じる。
不意にドアをノックする音で我に返る。

「お姫さん、ちょっといいかい?」ユーリックだ。
「ええ、どうぞ」

ドタドタと安宿の床を鳴らしながらユーリックが入って来る。ノウェも後ろに続く。
「ぶしつけな質問だが…さっきの男と知り合いかい?」いつもの軽い口調だ。
「え…?」
「いや…あの男と会ってから様子が変だからさ」「…わかりません…」マナがうつむく。
「記憶が無いんだ、無理に思い出さなくていいさ」ノウェがかばうように口を挟む。

ユーリックが仕方無いといった風にボリボリと頭を掻く。そして…

「あの男はカイムという奴だ」

その名前に呼応するかのようにマナは顔を上げる

69名無しさん@ピンキー:2005/08/13(土) 18:28:25 ID:9ZIJTA/H
>>68
続きキボンヌ
70カイム×マナ2:2005/08/13(土) 20:38:34 ID:i3qg3rHi

(カイム…カイム…カイム…)

「何故知ってるんだ?ユーリック」
ノウェが驚いた様に口を開く。
「何、18年前の戦争を知ってる奴なら当然さ」

(カイム、赤き竜、女神、封印、破壊…)

「マナ?」
ノウェがマナの異変に気が付く。

(私の手を強く握り締め、引きずる様に先を歩く黒髪の後ろ姿…あれは)

「どうした?お姫さん」
「――!!」

マナが声に鳴らない悲鳴をあげる。目の前が真っ暗になり倒れそうになる。
思わずノウェが抱きとめる。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません、しません、赦して、赦して、いい子にするから。睨まないで、憎まないで」

忘れていた記憶が押し寄せマナは混乱する。

「マナ、マナどうしたんだ?!」
ノウェの言葉はマナには届いていないようだった。

「忘れない、忘れないから、私が悪い子だった事。だって誰も優しくしてくれない、愛してくれないんだもの。愛して、愛して、愛して欲しいの…!」

「マナ…マナ…」
ノウェは意味が解らず困惑する。

ぱん!

渇いた音が部屋に響く。ユーリックがマナを平手打ちする。

「すまん…レディに手を上げるのはモラルに反するが…」

マナがすとんとその場にしゃがみこむ。

「…聞いて…下さい…」
(私の罪を)

長い沈黙の後、マナが重い口を開く。


71名無しさん@ピンキー:2005/08/14(日) 02:04:24 ID:6g73ips+
あたしの赤ちゃんは?
72ハンチ×ケルピー(擬人化)その2:2005/08/14(日) 08:13:32 ID:8VWgFquq
>>55
数日前

深夜、ハンチは胸に軽い痛みを感じ眠りから覚める。
「あう、胸が張ってしまってますよぅ」
まるで胸が膨れてはちきれそうな感じにハンチは不快感を感じた。
「つっ…触ると痛いですよぅ…」
「…どうしたのピー?」
隣で一緒に寝ていたケルピーが起きる。腰布1枚の寝巻き?姿だ。
起きたばかりのせいか眠そうに瞼をこすっている。
「胸が張って痛いんですよぅ」
ハンチはケルピーに自分の乳房を見せた。
形のいい乳房の尖端はピンと立っている。
ケルピーはそれをじーっと眺め…
「……いい匂い」
「え?」
いきなりハンチの乳首へとしゃぶりついた。
「ひゃあ!ちょっ…ケルピ…ゃんっ」
73名無しさん@ピンキー:2005/08/14(日) 23:52:04 ID:0RvVezaw
>>72
イイヨイイヨー(;´Д`)ハァハァ
74名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 23:32:32 ID:7WeUONSj
神降臨期待age
75名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 00:33:49 ID:jCPWlCqq
最近前いた職人さんが来なくなったな
盆のせいか?
76名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 01:52:26 ID:vGUhY4Vk
あれだ、封印を破壊したら神がやって来るかもしれn(ry
77名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 20:33:57 ID:Qbq/Qt5W
高速道路は早く走るために設けられているはずだ……
帰省子大杉ラッシュスゴ杉orz

前置きはこれくらいで。
蒼ネコなんですが、実家に帰っていてかけていません。
それとお笑い話は

俺『あれ、迎え火たかないの?』
母『……忘れてたからもういいよ』
orz
78ハンチ×ケルピー(擬人化)その2:2005/08/16(火) 20:50:54 ID:yhgSvvmm
>>72
静かな夜ケルピーの乳首を吸う音だけが聞こえる。
「は、離れてくださぁい」
今までに味わった事のない快感にしばらく酔いしれていたハンチだったが、
ふと我に返りケルピーを突き放す。
「あうっ…」
ケルピーがベッドの上へ倒れる。
「もうっ、いきなり何するんですかぁ」
ハンチは、ケルピーにしゃぶられた乳房に触れる。
ぬめりとした感触が手にした。
しかし、唾液にしては妙にとろりともしている。
そしていつのまにか乳房の痛みが引いていた。
(?もう痛くないですよぅ)
ふとさっき自分の乳房を触れた手を見てみると白い液体が付着していた。
(………)
嫌な予感がしたハンチは自分の乳房を見てみる。
そしてその予感は的中した。
ケルピーの唾液で艶めかしく輝く乳房の尖端、
乳首からその白い液体が出ていた。
(なん…で?今までお乳が出る事なんてなかったのに…
私は妊娠どころか経験すらしたこと無いんですよぅ)
なんでこんな事になったのかハンチは考えた。
しかしどう考えても原因は一つしか思いつかなかった。
ハンチはベッドの方へ、正確にはケルピーの方へ視線を向ける。
79名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 21:02:13 ID:yhgSvvmm
げ、書くのに30分もかかってしまった orz  前のもそうだけど。

>>77
マターリと続き待ってます。
ウチは迎え火なんて焚いたことないやorz
80名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 22:11:13 ID:Rlkpr/cb
>>78
GJ!!!テラモエス(*´∀`)
81名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 02:27:02 ID:wJnX5/5w
>>78
やっぱハンチさんは乳だよ(;´Д`)ハァハァ
82405:2005/08/17(水) 11:46:33 ID:b9HTuisf
うわっはあ、見て無い間に新スレだあ・・・
すんません。自分夏休み(大学生)で実家に帰っていてPC触れてません。
今、知り合い家のPCから見てます。スレ立て&職人の皆様お疲れ様。
では、間が空いてるので、場違いですがちっと長く妄想を書き込みしときます。

気に入らない方はスルーしてください。

実家にいる間にゆりの葉とメイドマナたんHの構想考えてたら脳内神からこの作品を書けと
啓示がきました。その内容は

やれ、カイムとエルフさんの狂恋物語や、
やれ、大人マナたん、ノウェユリと分離した直後にカイム+エルフさんに捕まってくんずほぐれつ物語やら、
やれ、幼マナたんとカイムとエルフさんの道中狂った三角関係物語やら、

なんかもうエルフさんだらけです。

いや自分、皆がドン引きするような業の深い告白すると猟奇&壊れ系が好きでしてつまり、
エルフさん大好きなんですよぅ・・・
やべ、書くのが致命的に遅いくせに話ばっかり思いつく自分って・・・('A`)
と言う訳でして、作品を投稿するのはかなり長く先になります。(恐らく夏休みが終わる迄)
皆さん、こんな自分の作品でよかったらどうぞ気長に待っててorz

駄文失礼しました。
83405:2005/08/17(水) 15:00:22 ID:ohC488/t
すいません、忘れてました。('A`)
保管庫の管理人さんお疲れ様です。
では、またしばらく。
84名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 20:38:31 ID:bnCYf0Ly
>83
OK、正座して待ってる
85ハンチ×ケルピー(擬人化)その3:2005/08/17(水) 23:49:49 ID:95fEsVrh
>>78
だれかに揺さぶられて眼を覚ます。
真っ先にその眼に入ってきたのはハンチの顔だった。
「ケルピー、ちょっといいですかぁ…」
静かな怒りを秘めた声色にケルピーはうなずく事しかできなかった。
聞くところによると胸が痛くなり、母乳が出てきたのだという。
ケルピーはおそるおそる答えた。
「たぶん…契約者に対して紋章による影響が過剰になっているだけだと思う…ピ。
その内に治ると思うピ」
「それで、どれくらいで治るんですかぁ?」
「たぶん…最低でも半月…」
「じゃあケルピー、その間私の胸を吸ってくれますよねぇ?」
ハンチは自分の胸を手で指す。
「え?」
いきなり胸を吸ってほしいと言われ、ケルピーはたじろいだ。
「だってそうでしょう?これが治るまでは私は毎晩、
痛い思いをしなくちゃいけないんですよぅ。そして痛みを和らげる為には
誰かに胸を吸ってもらうしかないんですぅ。元々は契約の紋章の影響によるもの、
ケルピー、責任とってくれますよねぇ?」
「そ…そんな事言われても」
「あ、そうですよねぇ。こんな不細工で卑しい私の胸なんかしゃぶるの、
嫌にきまってますよねぇ。いえいえ、別にいいですよぅ。毎晩毎晩
私が痛みに耐えればいいだけの話しですから」
「わかった!わかったピ!毎晩してあげるからそう卑屈にならないで欲しいピ〜」
「うへへ。それじゃ明日からお願いしますよぅ。」
こうしてケルピーは毎晩ハンチの胸の痛みを和らげる行為をすることになった
86名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 06:38:23 ID:BMaBR6ZP
ハンチにもケルピーにも萌えるハァハァ
8786:2005/08/18(木) 13:06:13 ID:UP9/Z7lA
拝啓エロパロスレの住人様方。
ご無沙汰してますた。
前回の反省を踏まえて滝(水シャワー)に打たれて自己を律しようと思ったら何故か煩悩が溢れ出てきてorz
結構長いんで、今日、一部だけ投稿さしていただきます。

「今回投稿分」の要素は以下の通り(後半ちょっと傾向変わります)
・少年ヤハ中心。今回分はエロなし。
・今回も嘘設定満載。
・ハンチさんファンには申し訳ないと今の内に謝罪。
88従騎士物語:2005/08/18(木) 13:09:14 ID:UP9/Z7lA
頂を天高く掲げた山の裾。
重い使命を肩に背負い、栄光を胸に湛えた若者達の覇気が、山彦となって辺りを駆け巡る。
世界有数の軍事組織、封印騎士団の総本山である『大神殿』。
その中心部、天を頭上に頂いた中庭で、その戦いは終わりを迎えようとしていた。
戦いに赴いた双方を叱咤激励する怒号が飛び交う観客席を割るかのように、1人の女が中に立ち入ってくる。
その女の周辺の人だかりは自然と割れ、大の男達が彼女を避けるように別の、離れた席へと移動していく。
彼らはフェミニストなのだ。女1人を男臭さが密集した席に座らせるのは忍びないと気遣ってくれたのだ。よしんばそうでないとしても、そう思っていたほうがなんぼか気が楽だ。
女は慣れた様子で、彼女以外誰もいなくなった観客席に腰かけると、舞台を平然と見下ろした。
その瞳に感情の色は見受けられない。
舞台の上で、若い二人の騎士はお互いに激しく剣を交錯させる。
どちらも試合用の兜を被っていたが、その実力の差は傍目から見ても歴然だった。
片や息が荒げ足がおぼつかない大柄の騎士の力まかせの猛攻に、相対する小柄な従騎士は流麗な剣捌きで受け流し、また翻弄し、しなやかに立ち回る。
もう勝負はついたも同然だった。女は勝利の栄光を掴むだろう騎士へと目をやり、忌々しげに口を引き結ぶ。
そして女の予想通り、間もなく観客の声の合間をぬって乾いた金属音が鳴り響いた。
ヵキィンッ………!
「!?」
大柄なほうの騎士が構えていた剣が弾かれ天に舞う。
「そこまでっ!!」
勝敗を制する副騎士団長ジスモアの声に、会場は熱狂の渦に包まれた。
その声こそ合図と、勝者が汗に塗れた兜を脱ぐ。
ゴツゴツとした鉄兜から零れおちる光。風に揺れる草原。
空を仰いだ美しい細面に、敗者を応援していた者達までもが釘付けになる。
至上の美姫とまで錯覚する程にたおやかなその騎士に集中する視線の好意的な様子に、観客席から俯瞰していた女は居心地の悪さを覚えた。
初舞台で見事その存在を騎士団内に知らしめた女性騎士を陰湿な藤色の瞳で見下ろす女の存在に気づいた者は、1人としていなかった。
89従騎士物語2:2005/08/18(木) 13:15:22 ID:UP9/Z7lA
親善試合で見事な金星を上げた従騎士は、瞬く間に騎士団中にその存在を知られることとなった。
理由はいくつかあった。
一つは、かの者が恐ろしく剣筋の良い大型新人であったこと。
一つは、かの者がオロー団長の一番弟子として頭角を表していたユーリックの幼馴染であったこと。
入団2年目にして、要領も良くオローの右腕として活躍し、付き合いも面倒見も良いユーリックは、ここ一年でめきめきと頭角を現し、騎士団の中ではちょっとした有名人であったが、同時に彼が孤児院に出自を持つこともまた多くが知るところであった。
そのユーリックの幼馴染ということは、かの騎士もまた孤児院出身者であることを示していた。それは多くの騎士達にとって重要な要素であった。
更にもう一つ、騎士達が従騎士の噂を競って口にした理由がある。
「おーい、ヤハー」
気の抜けたような柔らかい声に振り向いた噂の従騎士は、その声の持ち主を認めて微笑んだ。
「あぁ、ユーリック。すごい久しぶり。元気してた?」
その小さな蕾のような唇から発せられたのは、変声期を迎えた男子特有の声色。
彼は女性と見紛うまでに美しい「少年」だったのだ。
ユーリックと呼ばれた青年は、問いかけに対してうなずきで返すと、小脇に書類の山を挟みながら、空いた大きい手にすっぽりと収まる程度の水筒をヤハに投げて寄越す。
「騎士団中が昨日のお前の話で持ちきりだぜ。噂の美女の正体がヤローだって教えてやった瞬間に萎んでく奴らが面白いくらいいたがな」
「ふふ、そんな大袈裟な」
冗談だろうと軽く笑いながら、ヤハは受け取った水筒を口にする。しかし、ユーリックの言葉が決して過言でないことは、ヤハにも朧げながらわかっていた。
彼はほんの少し周りの人間より愛される顔に生まれついたようで、孤児院においても、院長や施設員達はヤハにだけは少し態度が柔らかかった。
物心ついた時から今日まで、人生で最も長い時間を共に過ごした親友であるユーリックが孤児院を出る適齢期を迎え、封印騎士団の騎士学校に入ったと聞いて1年経った頃。
本来ならばもう一年孤児院で生活するべきところを、院長ほかを必死に説得してユーリックを追いかけるように騎士団入り出来た一端は、彼の持つ魅力が担っているように思われた。
「いやぁ、しかし二年会わなかっただけで随分変わったよな、お前」
「そう?」
二人がたわいもない立ち話を交わしていると、建物内にドラの音が鳴り響いた。
「午前組の給仕の時間だ。ユーリック、昼ごはん一緒にどう?」
天井を仰ぎ見たヤハの言葉に、ユーリックが叫んだ。
「いっけね」
「?」
「オロー団長の所に書類持ってかなきゃならなかったんだった」
ユーリックの脇に挟まれた分厚い書類の束を目に留め、3年ぶりの幼馴染との昼食がおそらく破棄されるであろうことにヤハは嘆息した。
そんなヤハの空いた手を、ユーリックががっしり掴む。
「おいヤハ、不都合でなけりゃ一緒に来てくれねぇか?どうせだからオロー団長の部屋で食っちまおう」
「え?僕が行っても大丈夫なの?」
驚きユーリックの顔を見つめるヤハ。オロー団長といえば、封印騎士団を取りまとめる重職ではないか。
昨日一昨日騎士団に入団したての従騎士が顔見せしても良いのかどうか躊躇いがあった。
煮え切らないヤハの手を強引に引っ張りながら、ユーリックは歩き出した。
「んーまぁ大丈夫だろ。てか今、俺ガキの面倒も見なきゃならねぇんで、食事はいつもオロー団長の部屋で摂ってるんだ。お前子供とか好きだろ?」
「え?あ…、うん」
手を引かれながら、ヤハ。
「ぃよっし!じゃ、メシが冷めちまう前にちゃっちゃと行こうぜ。お前とメシ食うのは3年ぶりだもんな〜」
ユーリックはヤハと違って大柄で、銀色のボサボサ頭を除けば外見上大した特徴も見当たらない青年だが、彼から発せられる空気は心地よく、くすぐったいと感じる時さえある。
快活に笑ったユーリックの3年経っても変わらない様に安堵しながら、ヤハは大股で歩く彼の後に小走りでついていった。
(……それにしても何で騎士団に子供なんているんだろう?)
ヤハの、ある意味当然ともいえる疑問は、時をまもなくして解消されることになる。
90従騎士物語3:2005/08/18(木) 13:19:22 ID:UP9/Z7lA


大神殿の一般騎士が出入りしている場所から大きく外れて、上り下りを繰り返してようやく辿り付いた団長室の扉に、ユーリックがそぅと近づく。
何かに警戒するようなユーリックの様子に、どうしたのかと声をかけようとしたその時、
ばたんっ!!
触れてもいない扉が内側から勢い良く開いた!
「ウリックおっそいーーー!!」
扉が開くと同時に甲高い声をあげて飛び出してきた子供は、ユーリックではない見知らぬ華人が目の前に立っていることに一瞬くりくりした大きな目を瞬かせたが、
相手が敵意を持っていないことを感じてか、或いはヤハの持つ美しさに本能的に好意をもったのか、呆然としたヤハの手をぎゅっと握るとにっこり笑ってヤハを強引に部屋の中へ引っ張り込んだ。
「え…?ちょっ……」
「エリスーーこれこれ!」
小さな子供に手を引かれるがままのヤハをちらりとうかがい見て、しかしエリスと呼ばれた少女は両脇に手を宛がって鼻息も荒く憤った。
「ノウェっ!?あなたはもう少し丁寧に、静かにドアを開けることが出来ないの?あぁもう、人を指でさしてはいけませんとあれ程…」
怒りの矛先は、招かれざる客ではなく、その手を引く幼児に向けられているようだが、当の本人は全く意に介していないようで、垢抜けにへらへらと笑っている。
そんなノウェに憤慨するエリスと状況を自分のやりたいことをやって満足しているらしいノウェを交互に見比べながら、ヤハは彼らがユーリックの言っていた「子供」なのだということを確信した。
孤児院を出て騎士学校に在籍していた1年間、子供と接する機会のなかったヤハは彼らの中に懐かしいものを感じた。
(…そうだ、ユーリックはどこへ?)
ふと、彼をここまでつれてきた幼馴染の姿が見えないことに頭をかしげたヤハが開け放しの扉のほうへ目をめぐらすと、鼻を赤くした涙目のユーリックと目が合った。
「お………おまえなぁ………」
どうもノウェの開けた扉に鼻と顎を強打して倒れていたらしい。
ユーリックの存在を視認したノウェは、ヤハを拘束していた手をパッと離すと、ユーリックへと突撃していく。
「ウリックみーーっけ!!」
「よーしイイ度胸だ…こいやぁっ!」
今度はぬかるまいと気合を入れて応じるユーリックと、奇声をあげて突撃するノウェと、それをたしなめに駆けていくエリス。
ユーリックはノウェをぺいっとあしらうが、投げ飛ばされてもめげずに(むしろ更なる勢いさえ持って)飽くなき突撃を繰り返すノウェ。
そんな彼らを呆然と見つめるヤハの後ろから声が発せられた。
91従騎士物語4:2005/08/18(木) 13:22:07 ID:UP9/Z7lA
「お前たち、そろそろ食わないと飯が冷めてしまうぞ。区切りがついたらこっちに来いよ」
ヤハの背後から戯れる彼らへとかけられた明朗な男の声。ハッとして振り向いた彼に目を向けた声の主は満面の笑みを浮かべて、そして一回軽くうなずいた。
白髪交じりの薄い金色のクセ毛を慰み程度に整えた髭面の武人が、広い部屋の中央に設置されている大きな円卓の一角に座していた。
孤児院では、まるで伝説上の人物であるかのように語られ、子供達に読まれる様々な童話で登場した、金獅子オロー。
そして今日まで10年近くも世界を守ってきた封印騎士団の団長。
ヤハにとって、物語の主人公だと思っていた人物と対面できるなどということは、まさに夢以外の何ものでもなかった。
硬直するヤハに、オローが声をかけた。
「君がヤハだね。昨日の試合、楽しませてもらったよ」
その声に、ヤハの現実が戻ってきた。騎士団団長に対面して棒立ちなどという無礼を初日から働くことの恐ろしさに、胸を圧迫する勢いで手を当てて敬礼した。腕が震える。
「は…はい!こ、こ、光栄です」
「あの戦いっぷりを見て、一度会ってみたいと密かに思っていたんだ。…ユーリックも随分と嬉しいことをしてくれる」
「…恐縮ですっ…」
上司の褒め文句に対する気の利いた台詞は騎士学校でも勉強していたはずなのに、いざとなると一つも出てこない。
ガチガチに固まったヤハの肩を、後ろから差し伸べられた大きな温かい手がこりほぐす。
「そう硬くなるなよヤハ、目の前にいるのはただの子煩悩だと思ってりゃいいのさ」
ヤハの後ろに控えた人物の暴言に、緊張に囚われていたヤハは思わず吹き出し、悪く言われた当のオローは大口を開けて快活に笑った。
「お前はもう少し気を使ったほうがいいかもな、ユーリック」
名前を呼ばれた青年は、ヤハの肩から手を離すと、舌の根も乾かない内に前言を撤回した上司に白々しくも抗議する。
「あっれ俺そんなに無神経ですか?オロー団長」
「ウリックはむしんけいなのか」
「ちょっとノウェ、子供は大人の会話には口を挟まないものですっ、分をわきまえなさい分を」
彼らのやりとりのせわしなさに、ヤハは口に手を当てて笑った。
オローを前にして感じていた緊張や興奮が恐ろしい勢いで収縮していく。
ユーリックの言った通り、目の前で子供らと戯れているのは確かに三人の子供を愛おしむ父親のようにも見えた。
彼の持ってないものが、恐らくここにくるまではユーリックも持っていなかったであろうものがそこにあった。
それはとてもくすぐったい感覚。
不思議な感覚に酔っていたヤハの尖った耳に、5人にとっては広すぎる部屋に、ノウェの声が響いた。
「メシはまだか」


9286:2005/08/18(木) 13:31:04 ID:UP9/Z7lA
今日はここまで。

>そんなノウェに憤慨するエリスと状況を自分のやりたいことをやって満足しているらしいノウェを
の「状況を」の三文字を消して読んでいただけるとありがたいです。
しょっぱなから間違えててすみません。出直してきます<(_)>
93名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 14:26:51 ID:1ilq77o3
>>85氏GJ!
ケルピーの語尾がツボでした。
ハンチさんテラモエス!

>86氏
お帰りなさい&乙でつ!
わかってはいるけどここはツッコムのが礼儀かなと思うので・・・ホモエロはないよねw

ノウェが凄ぇ可愛くてそれとヤハ自称『僕』に萌えた。
ハンチさんがどう絡んでくるのか楽しみだ。
94名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 18:18:25 ID:ptCeAOFc
>>92
GJ、和んだ。
ノウェの「ウリック」って呼び方がカワエエなぁ。
ハンチさんの絡みを楽しみにしてる
95ハンチ×ケルピー(擬人化)その4:2005/08/18(木) 22:41:52 ID:wmniNjj6
>>85
そして今晩もまたそうしていた。
「ふぅ、楽になりましたよぅ」
行為が終わり、ハンチはとても満足した様子だ。
ふとケルピーを見やるといつもと様子が違っていた。
何故か前かがみになっている。まるで股間をかばうように
「どうしたんですかぁ?ケルピー」
「な…なんでもないピー」
ケルピーはあわてた様子で部屋から出ようとする。
ハンチはケルピーの首からぶら下がっている錨の付いた鎖を引っ張る。
「あうっ」
ケルピーは引っ張られ、ハンチに抱きとめられる。
「うへへ、どうしたんですかぁ?いきなり逃げるなんてぇ。もしかして…」
ハンチはそのままケルピーをベッドの上に押し倒す。
それでもなお、ケルピーは抵抗したため、手足を魔法でベッドにくくりつける。
そしてハンチは、ケルピーの下半身に視線を向ける。
「み…みないで…恥ずかしいピ…」
「うへへ、やっぱりぃ」
ハンチはにやりとした。
ケルピーが唯一身に付けている着衣、腰布の股間にあたる箇所が膨らんでいた。
「こんな私の醜い体で勃ってしまうなんて、しょうがない子ですぅ…」
ハンチは腰布の上から優しくケルピーの男の子の部分を揉み始める。
「ひうっ…あ…ハンチお姉ちゃん…お願い、もうやめてピ…」
可愛らしい声でケルピーは抗議した。
しかしそれは逆にハンチをさらに興奮させてしまった。
「ああ、はいはいそうですかぁ、布の上からじゃ物足りないですよねぇ、
それじゃあ脱がしてあげますよぅ…ハァハァ」
ハンチは息も荒げに、ケルピーの腰布を剥ぎ取る。
その下からは白い股の間にそそり立つケルピーのまだ被ったままの可愛らしいモノがあった。
「あはっ、可愛い〜。それじゃいきますよぅ。」
96名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 23:20:04 ID:0mcGal/y
86さん乙です。大作のヨカーン!続き楽しみにしてます
まだエロエロになる前の少年ヤハ萌え!
ハンチさんがこれからどう出るのか気になる・・・

>93
ヤハに関してはホモはオケーだったんじゃ?
まだ続きがわからないから、これから86さんが書く予定なのかはわからんけど

ハンチ×ケルピー
ケルピーが可愛くて癒されますな・・・・続きがんがってください!
97名無しさん@ピンキー:2005/08/19(金) 05:23:29 ID:gx4e0JZ5
>>95
うひゃ〜続き楽しみですよう
98ハンチ×ケルピー(擬人化)その4:2005/08/19(金) 23:20:34 ID:BLIYj8Be
>>95
ゆっくりと皮を向き、手でしごき始める。
「うはぁっ」
初めて味わう変な感覚にケルピーは悲鳴をあげる。
続いて、ハンチは白くきれいなケルピーの内股をもう片方の手でさすり始める。
「ひゃうっ、くすぐったいピー」
「ケルピーは内股が弱点のようですねぇ。」
そそり立ったケルピーの可愛い男根の先からは透明の液体が出てきていた。
「うへへ、そろそろ出そうですねぇ」
するとハンチは、ケルピーの両足を自分の肩にのせ、太ももの外側から手をまわし
両方の内股を揉み始める。そして、小刻みにピクピクするケルピーの股間に
「うへへへ…あ〜ん♪」
容赦なくしゃぶりついた。

99名無しさん@ピンキー:2005/08/19(金) 23:32:52 ID:BLIYj8Be
↑タイトル間違えましたorzその5です。
というか前の方でも間違ってた…
その1>>55 その2>>72 その3>>78 その4>>85 その5>>95 その6>>98
こんな稚拙な文でも見てくださる住民の皆様に感謝。
100名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 01:44:55 ID:6RH3rb4X
最近アリオーシュ見ないな。暑さでやられたんだろうか。
101名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 09:54:18 ID:Jsm3IANh
夏が終わりに近づいてファビョッたと予想
102名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 10:46:39 ID:1VGFdqeA
宿題でもやってるんだろ

騎士団物語おもしろかったGJ
103名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 12:07:43 ID:ecgA/gMK
ハンチさん最高!
続き楽しみにしてます
104名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 20:01:16 ID:8Cc+62zG
盆も暮れ、夏休みも終わりが近づいた今夜あたり神が降臨する!かもしれない。
105名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 01:20:43 ID:MqPaRcSq
エロカワも人が来なくなってきたな。Wドラゴンスレしか行ってないが
俺の目が黒いうちは決して落とさないぞ!
106青い子猫のおはなし24匹め:2005/08/21(日) 01:35:40 ID:AY6cKdQX
そうして子猫は粗末な牢がいくつかある部屋にたどり着いた。
幸運なことに警備の人間は一人もおらず、一つ一つの牢を確かめて回るのにそう時間はかからなかった。
最後の牢に、二人は居た。
ユーリックは子猫の姿を見るなり、遅かったなといった。
マナはまだ気を失ったままなのかぐったりしており、床に寝かされていた。
子猫はユーリックの発言に不満を覚えたものの、早くマナを助けたいためにそれはとりあえず、
放っておく事にした。
どうやって鍵を壊そうかと迷った挙句、噛み砕く事にした。
が、鉄製の錠を猫の、しかも子猫の牙などでは不可能だった。
「……にゃぁ」
子猫は眼に大粒の涙を浮かべ鍵穴を見つめている。
それを見ていたユーリックは顔を真っ赤に染め壁のほうを向いていた。
その時だった。
牢屋と城とを繋ぐ、大きな扉が音を立てて開き始めた。
ユーリックは鉄柵に駆け寄って外の様子を伺おうと、鉄柵の隙間から顔を覗かせる。
扉はまだ開ききっていない。
子猫は思考をめぐらせる。
このまま牢に飛び込むか、それとも通風孔に駆け込むか。
が考えているだけでは何も変わらない、と判断し開いている隣の牢に飛び込んだ。
そして飛び込んだ直後、敵兵が駆け込んできて何かをユーリック達の牢に向けて投擲した。
「私はあなたたちの味方です。はやくそこからでて――」
と入隊してまもないであろう若い騎士は、全てを言い終わる前に後ろから伸びてきた槍に一突きにされて絶滅した。
その様子をぼうっと眺めていたユーリックだったが、青年の騎士が投げてくれたものが鍵だとわかると急いでそれに手を伸ばした。
しかし、あと少しというところで届かないでいる。
そして気持ちだけが焦ってしまい、指先にやっとあたった鍵をはじいてしまった。
「クソッ」
その時、隣の牢から青い影が走ってその鍵を咥え、ユーリックに向けて放り投げた。
同時に青年を殺した騎士、二人を捕らえたアノ騎士だった。
ユーリックは受け取った鍵で開錠すると、そこから飛び出し部屋の中央に設置された台に駆け寄った。
そこにはユーリックの武器である斧がマナが魔力を注ぎ込まれた状態で放置されていた。
その光景をゆっくりと歩を進めながら騎士は眺めていた。
「……そうか、殺されたいようだな」
「悪いけど俺はこいつ等を護らなきゃいけないんでね。まだ死ねないんだ。“まだな”」
「ふん」
騎士は鼻を鳴らし、腰に携えた長剣を抜き、下段に構えた。
「ヤハ様のところへは行かせない」
騎士が、駆けた。
107名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 01:37:50 ID:AY6cKdQX
なんだかんだで書くのが遅れてしまいました。
本当にすいません。
このあと暫くはノウェ君の活躍は期待しないで下さいw
ウーリック兄さんをかっこよく書きますんで……
108名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 04:10:04 ID:L/o+KRN6
女児って寂し過ぎたり愛情に飢えると、オナヌーしてしまう傾向があるらしい…

ということでマナはきっとオナヌストだろうと妄想して今宵も(;´Д`)ハァハァしてみるテスト
109ハンチ×ケルピー(擬人化)その7:2005/08/21(日) 07:10:12 ID:/iBM/8oo
>>98
「んふ…本では見たこと…ん…ありますが…するのは…ちうう…
初めてなんですよぅ。」
さらに舌で責める。
初めてとは思えないハンチの
自分の股間をねっとりと絡みつくような舌使いで刺激され、
ケルピーはもう我慢できず
「あああああああっ!」
口内で射精してしまう。
口からケルピーの男根を抜くと飲みきれなかった子種が口の端から溢れる。
「ん…さすが元は馬なだけありますよぅ、とっても濃いですぅ…
それにぃ…まだ勃ってるなんて」
指でそそり立つ男根をはじく。
「痛っ…酷いよう…」
「うへへへ、それじゃあ、今度は私が気持ちよくなる番ですよぅ。」
スカートを脱ぐ。ハンチも生まれたままの姿になる。
露になった秘所にケルピーは生唾を飲む。
「あれ…はえてないピ」
「え?…ああ、毛のことですかぁ。
うへへ、ケルピーと契約する前まではうぶ毛程度生えていたんですけどねぇ、
契約後に全部抜けてしまったんですよぅ。」
ハンチはケルピーとの契約の代償に魅力を失った。その影響だろう。
だが最初の頃の「体が水に濡れ始める」と同じように、果たして本当に魅力が損なわれているのか
疑問に思うときがある。
現にケルピーの目の前にいる、濡れた一糸まとわぬ裸体をさらす女性はとても美しかった。
「ごめんピ…」
とりあえず謝っておく。
「うへへ、別にいいですよぅ。もう誰も見ませんからぁ…」
110ハンチ×ケルピー(擬人化)その7:2005/08/21(日) 09:38:46 ID:/iBM/8oo
>>109
いるのまにかベッドに縛られていた拘束が解けていた。
ハンチはベッドの上にのると、ケルピーの目の前で大きく足を広げる。
完全に丸見えになったハンチの綺麗なピンク色の秘所に更に生唾を飲む。
「さあ、ケルピー、私のここを貴方の指や舌でいじってくださいよぅ。
その為に手足の拘束を解除したのですから。」
ハンチは自分の指で秘所を広げる。トロリとした愛液が広げた秘所からわずかに出てくる。
手足の拘束が解けてももう逃げる気は起きなかった
ケルピーは本能の赴くままに秘所を舌で責め始める。
「はぁん…その調子ですよぅ…」
舌を少し中に侵入させる、詰まるような声をあげハンチはビクッとする。
そしてケルピーは秘所から舌を抜くと、代わりに指でかき回し始める。いやらしい水音がし始め
息が荒くなるハンチ。ケルピーは空いた舌で体を秘所から首までたどる様に嘗め回した後
キスをし始めた。
「ん…ちゅう……はぁ…ちゅぱ…ん」
お互いの口の中で舌が絡み合う。まだ指で刺激され続けている秘所からは大量の
愛液があふれていた。

「もうこんなにびしょ濡れだよ…」
指に絡みついた愛液を見せる。
快感の余韻に声が出ないのか、ハンチは荒い息をしながら見るだけだった。
「…ねえ」
ケルピーはいきなりハンチの股を広げると、
その間から上に覆いかぶさり、秘所にいまだそそり勃つ肉棒をあてがう。
「挿れてもいい?…もう…我慢できないよ…」
111名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 16:43:02 ID:a59oClme
生殺しですかハンチさああああん
112名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 23:28:55 ID:TeKWkIba
ハ、ハンチさん!い、挿れてもいい?(;´Д`)ハァハァ
113名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 20:01:55 ID:DXNv6grf
あたしの子供はどこにいるの
114名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 20:56:25 ID:P/4FJ1dS
最近投下しづらいんだが、どうしたものか……
もう皆離れていってしまったのか?
115名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 21:05:26 ID:kMONiRM6
投下しづらいとは…レスがなくとも心待ちにしている人は大勢いますよ。多分。自分もそうだし。
116名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 21:32:51 ID:SN/RklCg
>>114
スレに日参ROMしてる俺もワクテカして待ってます…!
職人さんが少なくなってきてコメントしにくくなってるだけですが、DOD熱はこれっぽっちも冷めてないよ。
117名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 21:50:52 ID:DTmfkaLL
>>114氏の他にもそう思ってる人がいるかもしれないので、勝手ながらエロパロスレの中心で愛を叫ぶよ。

俺は本当にエロパロSSと職人さんたちを愛しているんだ!
心の底から!





そんなわけで待ってる。いつまでも待ってる。
118名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 21:56:31 ID:ZEClaWAz
大丈夫!>>82の人の様に戻ってくる人もいるはずだ!!
あとは、投下された作品に感想レスつけて活性化させればもどってくるよ!
119名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 22:20:21 ID:uoTG0QFh
そうだ!俺のDODへの愛は覚めやらない!
ここでちょっとした雑談することも、活性化や職人さんたちの創作意欲の刺激にも繋がるンジャマイカ!?
120名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 22:39:57 ID:LDUkbIM8
たとえ世間がなんと言おうとDODへの愛は永遠不滅だ!俺は職人様がたが来るのを、いつまでも待ってます!
121ハンチ×ケルピー(擬人化)その8:2005/08/22(月) 23:33:09 ID:eWSoLqwH
>>110
ハンチは優しくケルピーの頬に手を触れる。
「私みたいな女で童貞捨てちゃっていいんですかぁ?」
静かにうなずく。
ハンチは軽く息を吸う。
「私も…初めてですから…優しく」
そしてケルピーはゆっくりと、静かにハンチの膣へと入っていく。
「あはうっ!」「ひあ!」
痛みと快感が同時に襲ってきたハンチは悲鳴を上げる。
自分から子種を搾り取らんとする程の膣の締め付けにケルピーは悲鳴を上げる。
ケルピーのモノはすでに根元まで膣に挿入っていた。
「凄い…締まってる…それじゃ…動くよ…」
ゆっくりとケルピーが腰を前後に動かし始める。
水と体液で濡れた体がぶつかり合う音、膣内を出入りする際の摩擦音がし始める。
「はぁ…ん………あ…ああんっ…気持ち良く…なって…もっと早く…」
速度を上げるケルピー、それに合わせてハンチの豊満な乳房も大きく揺れる。
体のぶつかり合う、擦れあう音が大きくなる。
(はあ…私、ケルピーと交尾しちゃってます…
ケルピー、白くて可愛い顔を桃色に染めて、
私なんかの体で興奮して一生懸命腰振って…ああ、カワイイ♪)
「はぁ、はぁ、もう出ちゃう!」
ケルピーが膣内から自分のモノを引き抜こうとする。
が、いきなりハンチの足で体を挟まれ、抜けなくなってしまう。
「いいですぅ…ん!…そのまま出してしまってくださぁい!」
「ええ?そんな…あああ、我慢できないぃ!」
再び根元まで突き入れるとケルピーはハンチの膣内へ勢いよく射精する。
「ああああ…ケルピーのが、入ってきます…」
胎内をケルピーの精液が満たしていく。

「ケルピー、凄いいっぱい出しましたねぇ、そんなに気持ちよかったですかぁ?」
ハンチの股間からは、いまだに白濁液が溢れ出ていた。
「……うん」
顔を桃色に染めてケルピーはうなずいた。
「そうですかぁ…それじゃあ、これも毎晩しましょうかぁ?」
「え?」

それから数日間、ケルピーは急にやせ細っていき、神水の直轄区ではちょっとした騒ぎになった。

〜終〜
122名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:41:16 ID:ZEClaWAz
はああ!お疲れ様です!
ケルピーがうらやましい!!
123名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:45:07 ID:eWSoLqwH
早速投下。    職人には程遠いですがorz
とりあえずこれでハン×ケル(擬人)は終わりです。
DOD童話
DOD学園
オリキャラメインの話
など話のネタだけは考えてます。
124名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:49:39 ID:Litire5a
>>123
いやいや、良かったよ(;´Д`)ハァハァ
ハンチさんスレの人々も喜んでいるのでは
125名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:49:56 ID:eWSoLqwH
>>122
どうもです。
>>123書いている間だったので気づかなかった…。
126名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:54:02 ID:ZEClaWAz
>>125いえいえ、割り込んでごめん」orz
127名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:55:59 ID:eWSoLqwH
>>124
あそこも最近、過疎気味 orz

よろしければ前にハンチ板に書いた
ウェポンストーリーを投下いたします。
128名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 00:06:40 ID:ql1Jz8ws
ねえ、あたしの子供はどこにいるの
129名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 00:17:53 ID:QBAjQDc1
>>127いいんじゃないですか!?
ここに投下して保管庫の管理人様に保存してもらっては?
130名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 00:29:45 ID:pFTQmRAj
>>127是非ともお願いします!!
131青い子猫のおはなし 25匹め:2005/08/23(火) 03:33:15 ID:/aycQoDD
騎士の青い髪が風を受けて、その間から銀の双眸を覗かせた。
普通の騎士団員とは違い、手甲しか着けていない騎士は、早い。
十m弱はあった距離を一気に縮めていく。
距離は僅か一m足らずのところでユーリックの斧が薙ぐ。
騎士はそれを予測していたかの様な足取りで、軽く後ろに跳び、避けた。
それからはじりじりと距離を詰めるようにして攻防が始まった。
先に騎士が動いた。
ユーリックの首筋を目掛けて軽さを活かした、すばやい突き出す。
それを斧の腹で左にに逸らして、防いだ。
逸らされてしまった剣をさらに活かすため、身体を弓なりに反らせ一気に回転させる。
体重の乗った一太刀は確実にユーリックの無防備な右の首筋をねらっていた。
眼前に迫る白刃を前に、ユーリックは体重を後ろにかけ倒れるようにしてそれを回避した。
が、髪が何本か持って行かれてしまう。
しかしそんなことは気にも留めずユーリックは次の手を考える。
もしこのまま床に倒れこんでしまうと斬ってくれ、と言っている様なもので絶対にそれだけは避けなければならなかった。
上体を半回転させ、左手を曲げそれを床につけて勢いをつける間も無く、伸ばし強制的に体を左側に持っていきその勢いで立ち上がる。
その刹那、ユーリックがコンマ数秒前までいた箇所に騎士の剣が振り下ろされていた。
一撃を放った騎士の脇腹に微かな隙が生じている。
しかし斬り込むにはリスクが大きすぎたため、ユーリックは後方に飛び退き距離を稼ぐ。
その額には汗が浮かび、斧を握る手からは血がにじみ出ていた。
しかしそれは騎士も同じだった。
命のやり取りの恐怖は誰でも平等だということか、とユーリックは感じていた。
ここまでの攻防僅か数秒の出来事。
両者とも距離を開け、沈黙してしまう。
思考。
次の一撃で男の首を落とす。
思考。
次の一撃で騎士を叩ききる。
思考。
『次の一撃で』
132名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 03:38:21 ID:/aycQoDD
うわ、ごめん…
誤字脱字がorz

ユーリックの首筋を目掛けて軽さを活かした、すばやい突き出す。

ユーリックの首筋を目掛けて軽さを活かした、すばやい突きを出す。

それを斧の腹で左にに逸らして、防いだ。

それを斧の腹で左に逸らして、防いだ。

脳内変換お願いします。
すいません。。。
133名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 11:52:01 ID:aFg9NeMi
303氏キター!!
頭に映像が浮かぶくらいリアルな描写です!
GJ!
134名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 14:59:47 ID:pIENiA1y
>それから数日間、ケルピーは急にやせ細っていき、神水の直轄区ではちょっとした騒ぎになった。
この間だけ、ケルピーの力が弱まってハンチさんの魅力が復活していそうだ
135127:2005/08/23(火) 19:33:55 ID:ig3n11a6
ではウェポンストーリー風SS投下します。
ついでに試しに作ったDOD童話も。
>>134
よろしければエピローグとしてなんか書いてみます。
136127:2005/08/23(火) 19:48:28 ID:ig3n11a6
ハンチのぱんちゅ・兎
Level 1
ある一騎士がハンチ様の下着を盗もうとした時のことです。
ハンチ様は騎士を叱責し、処刑なさろうとしました。
騎士は嘆きました?「私はハンチ様の私物が欲しかったのです。(;´Д`)ハァハァ」
事情をお知りになったオロー様は憤慨するハンチ様を遮りながらその下着について
語り始めました。

Level 2
「これはハンチがアンヘルデパートの下着売り場で買ったものだ。
この兎プリントと熊プリントのものを買っていったのをワシは目撃した。
急にハンチが使用した後のそのぱんちゅが欲しくなった私は
数日後こっそりとハンチの部屋へと侵入した。」

Level 3
「しかしいくら捜しても見つからなかったのだ。
仕方なく傍に落ちていた脱ぎたての普通のぱんちゅを頂いていったのだ。
今思えば風呂場を捜すべきだった。」

Level 4
「おまえの罪はほんの出来心であり、ハンチを想うゆえ、そしてこのオロー
に類するものだ。ハンチよ、この者の盗んだぱんちゅは返すからそれに免じて
許してやってくれ。」
オロー様の自分勝手で意味不明な言い草により騎士は助けられました。
その時のハンチ様の眼には、深く暗い影が差しており、
今となってもその眼差しが忘れられません…。
137DOD童話:2005/08/23(火) 20:24:26 ID:ig3n11a6
竜好きんちゃん

竜に育てられた少年がいました。
その少年はノウェという名前で「竜の子」「化け物」「棒読み」と呼ばれ侮蔑されていました。
そんなある日、自分に普通に接してくれる数少ない人であり、
幼なじみでもあるエリスが風邪をひいてしまいました。
ノウェはエリスの部屋へお見舞いに行きました。
「だいじょうぶ?エリス」
ノウェが尋ねると、
「大丈夫ですよぅ」と答えました。
なぜかエリスは頭を頭巾で隠し、わずかにあいた隙間から両目が見えるだけでした。
その顔をノウェは覗き込むと、ある事に気づきました。
「ねぇ、エリス、どうして目の下に隈が出来ているの?」
「風邪が酷くて寝不足気味なんですぅ…ああ、ノウェ…
汗をたくさんかいてしまったので服を脱がしてもらえませんかぁ?
138青い子猫のおはなし 26匹め:2005/08/23(火) 20:33:44 ID:/aycQoDD
あたりは、先ほどまでの攻防が嘘のように静まりかえり、破裂しそうなほどの殺気で空気はぴりぴりしている。
このまま耳を澄ませば相手の心臓が脈打つ音が聴こえてきそうなほどだ。
『沈黙。』
時間が止まってしまったのではないかと錯覚してしまうほど、両者は動かない。
指一本どころか、瞬き一つしない。
その眼はただ相手のみを捕らえ、はなさない。
そんな時、ユーリックの額に浮かんでいた汗が頬を伝って“落ちた”
ユーリックの耳に、汗が床に当たってはじける音が聴こえた、気がした。
両者の間に張り詰めていた空気が一気に弾ける。
騎士は必殺の間合いにユーリックを収めるため、疾走。
ユーリックは必殺を繰り出すための短距離疾走からの跳躍。
視線が、殺気が、奔流となり両者に襲い掛かる。
騎士は己が剣を、左腕の横で剣先を背後に向け、斬る体勢に入る。
ユーリックは跳躍から落下に入り、斧を頭上で構える。
お互い必殺の間合い。
ユーリックは騎士の脳天目掛け、斧に体重を乗せ振り下ろす。
空気を分断し、斧が騎士に迫る。
騎士はそれを真横に跳びはね、回避後眼前に迫ったユーリックのがら空きの背中目掛けて真一文字に斬る。
一閃。
残像が見えそうな勢いで剣を薙いだ。
風を切る音。
しかしそれは聴こえなかった。
「な……」
騎士は驚愕の表情で自分の腕を見下ろした。
左腕が、二の腕の中間から。
右腕が、肘からなくなっていた。
その両腕は剣を握ったまま床に落ちている。
訳がわからない、と言った顔で騎士はユーリックを見た。
すると、ユーリックの体は騎士が回避した方向を向いており、その斧は床をやすやすと破壊し、深々とめり込んでいた。
ようするに、騎士の回避する方向をあらかじめ予測し、空中でそちらに体を持っていった。
それを認識した瞬間、麻痺が解けたように激痛が彼を襲う。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
たたききられた箇所からは鮮血が止めどなく噴出し、ユーリックの全身に掛かる。
騎士は眼から涙を流し、唾液を撒き散らしながら床に崩れ落ちた。
もはや切断面から流れでる血は勢いを衰え始めている。
そして最後に大きく体が揺れると、それっきり動かなくなった。
それを見届けると、ユーリックの手は斧からはなれ、体が後ろに傾いていった。
139名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 20:38:00 ID:/aycQoDD
>>138
もしも、途中だったら割り込みすいません……
140DOD童話 2:2005/08/23(火) 20:38:36 ID:ig3n11a6
ノウェはとまどいました。いくら幼馴染といえどもエリスはおんなのこ。
でもこのままではエリスの風邪は悪化してしまいます。
恥ずかしがりながらもノウェはエリスの服をぬがしはじめました。
裸になったエリスをみてノウェはもうカチンコチン!
それもそのはず、いつの間にかエリスはおんならしい体つきになっていたのです
ノウェは気になった事を尋ねました。
「ねぇ…どうしておっぱいに黒い落書きがしてあるの」
ノウェはゆびでその落書きをなぞりました
「あ…それも…風邪のせいですよぅ」
そしてノウェはなぜか自分の息が荒くなっていることに気づきました
ノウェはおなかのほうへ、さらにそのしたへめをむけました。
「ねぇ…どうして下の方にもお口があるの?」
ノウェはその口もゆびでいじりました。
「はぁん…それはね…お前を喰べる為ですよぅ!」
なんといままでエリスと思っていたのはハンチだったのです。
またたくまにノウェはベッドの中へ引きずり込まれ、
喰べられてしまいましたとさ
めでたしめでたし
141名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 20:51:20 ID:XcFaVNND
相変わらず見事な303氏のアクション描写に唸った。
青い子猫のお話、完結したら是非一度最初から読み直してみたいです。

>>137氏GJ!!
子供ノウェとハンチさんのやりとりに(;´Д`)ハァハァ
本当はエロ怖いDOD童話(藁
142名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 21:04:38 ID:ig3n11a6
>>139
乙カレさまです
いやいや、気になさらないでください。
>>140を書いているときにトイレに行ってしまったのです。
143名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 18:51:47 ID:f6C8ffdU
時空を越えてヴェルドレ×マナは需要ありまくり?
144名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 19:14:23 ID:4TCgVE0b
少なくとも俺は供給して欲すぃ。

保護という名のあんなことやこんなこと(;´д`)ハァハァ
145名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 21:34:29 ID:XQt7kgdp
>>143
ここにももう一票ノッ
146名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 17:27:00 ID:7j4hkI4E
何かネタないだろうか…('A`;)
147名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 17:57:20 ID:iGYmO0II
一度も出てきていないザンポをどうにかハンチと、と思ったけど…

無理だったorz
148名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 18:18:59 ID:7j4hkI4E
ここで登場させて、己を奮い立たせてみる

ヽ((('A` ))))ノ
 ((((  ))))  フォォォォォォォ!エリスカモン!ハンチカモン!アンヘルカモン!マナカモン!
ノノノノω|||||
149カニバメイドさん襲来!?(序章&予告):2005/08/25(木) 20:26:24 ID:s+g5IRLe
あの赤い記憶から数年後、これはある男と少女の物語である。

朝がきた。
ある町から少し離れた一軒の家で、一人の男が寝ていた。
歳は20代後半といったところである。
もう朝だというのに起きる気配が一向にない。
そこに扉を開けて一人の少女がゆっくりと入ってきた。
髪型はショートカットでまゆばい金色をしており、瞳は血の様に赤い。
彼女はかつて世界を崩壊に導きかけた司教、マナである。
そして、ベットで寝ている男はもちろんカイムである。

どうやら、カイムを起こそうとしているらしい。
見た感じ、とてさわやかな光景である。
マナが全体を黒で飾ったメイド服を着ていると事実をのぞけば!?

「御主人様、朝ですよ。起きてください。」 ドスッ! ドスッ!

マナが微笑みながら、丁寧な口調でカイムに優しく喋りつつ、横腹に蹴りをいれている。
言ってる事とヤッてる事が逆である。
・・・でもカイムは起きない。

・・・・・

マナは蹴りをやめ、無言でベットに上がってカイムの足側に向き、下半身に馬乗りになった。例の技をやるらしい。
と、そこでマナがピクンッと動き、腰を浮かせ、そのままの体制から顔を下に覗かせ、硬直した。
股間の部分に何か硬いのが盛り上がっている・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その「何か」を見たマナは最初ぼ〜っと見ていたが、やがて顔を真っ赤にしながら体中を震わせ、そして

「起きろ! ヘンタイ野郎!!」

部屋中に威勢のいいマナの罵声と鈍い音が響いた。

場所は変わって食卓、テーブルでマナが一人、主人の到着を待っている。
そこにマナからエルボードロップを左頬付近に貰い、血だらけになっていたカイムが洗顔&手当てを終え、やって来た。
紫色の頬を押さえながら辛そうな表情で席に着く。

「お待ちしてました。では御主人様、食べましょう。いただきます☆」

マナは先程、カイムに鈍い一撃を与えた事も忘れたかの様な明るい表情でトーストにジャムを塗り、ほおばり始めた。
その様子を見たのか見て無いのか、カイムはハァ、とため息一つ吐きながらトーストに(やたらと焦げてる)バターを塗り、ほおばる。
口の中が切れてるのか、咀嚼が非常に辛そうである。

「御主人様、トーストの味はどうですか?」


――――――焦げと血の味がする・・・・

150カニバメイドさん襲来!?(序章&予告):2005/08/25(木) 20:29:14 ID:s+g5IRLe
会話も弾みながら、朝食も終わった頃、扉を叩く音が聞こえた。

「御主人様、誰か来ましたよ、「補給」かな?」

そう言いながら、マナが玄関に(カイムは喋れないのでマナが応対する)向かう。

話は逸れるがマナが言う「補給」とは、カイムが近くの町の食料店・雑貨店に頼んで、周期的に食料品・雑貨等を配達してもらっていることである。(今で言うデリバリーサービス)
散歩していける距離に町があるのに何故、ワザワザ「補給」してもらっているのかというと、深い訳がある。
それは、まだカイムが町に買い込みに行っていた時のこと。マナも傍らに連れていた。それがいけなかったのだ。

(尚、この頃からマナは自分一人では生きて行けない事を理解していたのか、カイムから逃げようとはしなくなっていた。)

――――――今思えば、マナは家に置いておくべきだった。最悪だった。考る限り最悪の選択だった。

カイムはその事を思い出すたび、苦々しげにそう思う。

そう、マナはその時から既にメイド服を着ていたのだ。(詳しい話は前作読んで☆)
当然、町人からは奇異の視線で見られ、しかもその時に限って、普段は嫌々な顔で暴言を吐きながら付いて来るマナがやたらと「御主人様!!」と大声で連呼しながらベタベタくっ付き、それで更に軽蔑、憎悪、嫉妬、羨望、
といった視線も浴び、おまけにロリコンとか、幼女にメイド服着せて囲っているとか変態とか理不尽な噂(外れてもないが)も広まってしまい、その汚名を挽回すべく?マナにメイド服以外の服も
買って着ろと言ったが、本人はメイドという仕事に誇りを持ったのか、あるいは遠回しに自分に嫌がらせをしたいのか、激しく拒否られてしまい、おかげでカイムは町中を歩けなくなったのだ。

その苦い思い出を噛み締めつつ、食後のコーヒーを飲んでいると、マナが呼んで来た。表情が強張り、緊張している。

――――――ただ事ではないな・・・

そう思ったカイムはマナと共に玄関に向かう。そこにいたのは、見慣れた「補給」に来る人ではなく、鎧に身を固めた連合軍兵士だった。

151カニバメイドさん襲来!?(序章&予告):2005/08/25(木) 20:31:23 ID:s+g5IRLe
「お初にお目にかかります。カイム殿ですね? あぁ、喋れない事は分かっております。私達は神官長ヴェルドレの使いで来ました。」

――――――ヴェルドレが!?どうやってここを!?

そう思いカイムは外にでて自分を訪ねた連合軍一行を見回した。馬車が数台ある。
と、その中から一人の「エルフの女性」が数人の兵士に引き連れられる様に出てきた。

――――――あ・・・なッ!? 

カイムは「エルフの女性」を見て、心から驚愕する。今、この状況で、この場で会うこと自体がありえないことだったから。

――――――あ、アリオーシュ!?

その「エルフの女性」はかつて、前大戦で自分と仲間達と共に戦場を駆け巡った「カニバエルフ」ことアリオーシュであった。

――――――何故アリオーシュがここに来ている!?

言葉が喋れないのを忘れて、近くにいた兵士に掴みかかり、問い詰める。それを見たマナが慌てて通訳する。

「お、お待ちください! 神官長ヴェルドレから書簡を受け取っております!詳しい事はこちらをお読みになってください!」

兵士が揺さぶられながらも手元の書簡をカイムに突き出す。カイムはそれをパシッと手に取ると中身を開いた。

読む前にアリオーシュを見る。

初めは辺りをイッちゃった視線で見回していたが、マナの姿を捉えた途端目の色を変え、舌舐めずりしながらジィ――――――っと凝視している。マナはかなり引いている。
ヤバイ予感もしたが回りに兵士もいるし、封印が施されている筈だから平気だろう、カイムは改めて書簡に目をやる。
中身は老いぼれ老人らしく、前略とか自分とこの近況とか「封印戦争」のねぎらいとか、全くどうでもいい話が大半を占めて苛々してくる。

それでも全部読んでみて、自分なりにまとめるとこういう話になる。

カイム、頼みがある。今そこにいるであろうエルフさんをお主の所で預かって欲しい・・・
いや、もうホント辛いのだ!

セエレを見るなりごちそううぅ!と奇声発しながら飛び掛ったり!
セエレを庇った隠者をアナタでもいぃ!と噛り付いて半殺しにしたり(しかも不味いと吐いて)!
隠者の契約したフェアリーを追いかけて一日中神殿内を走り回って器物を壊しまくったり!
森はどこぉ――!森に帰れないエルフなんてエルフじゃないよぉおお――!とか訳分からん事ほざいたり!
施設に入れようにも、まがりなりにも前大戦の英雄の一人でもあるし、無下に扱うわけにもいかない!
百害あって一利無しだ・・・セエレもノイローゼになって私も心労で逝きそうじゃ!
帝国兵をダニと呼び、さわやか笑顔で殺りまくってたお主なら、彼女の奇行にも耐えられるだろう!
いや、むしろベストカップル!
私達のためを思って彼女を引き取ってくれ!! 後生だ!

PS.

彼女を引き取ってくれるならお主の「幼女誘拐・監禁」の件は不問にしよう。





――――――――――――あのジジィ!?

カイム信じられんと表情をしながら書簡を握り潰した。

152405:2005/08/25(木) 20:34:37 ID:s+g5IRLe



(補足)
カニバリズム・・・人間の肉を食べること、あるいは宗教儀礼としてのそのような習慣をいう。食人または人肉嗜食ともいう。
         スペイン語のCanibalが語源。Canib-はカリブ族のことを指しており、当時スペイン人には、西インド諸島に住む彼らは人肉を食べると信じられていた。
         そのためこの言葉には「西洋キリスト教の倫理観から外れた食人の風習」=「食人嗜好」を示す意味合いが強い。
         本SSの「カニバエルフ」・「カニバメイド」は訳せば食人エルフ・食人メイド(多分)。
         っていうかこんな名称つけるなんて私かなりキテますね('A` )

ひさしぶりです。昨日から戻って本作品を書いてましたがなんかスレが余りにも間が空いていたので、全然できてないけど、
少しは勢いつくかなと思いきって投稿してみました。この序章は仮なんで完成作品は少し内容変わると思います。予告編と思ってください。
あと、明日またpc無い実家に戻らんといけないので、どんな反応くるか分からないけど、とりあえずパロエロになる予定・・・の筈。
エロは初めてですけど、どうか楽しみにしてください。

153名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 21:25:48 ID:RLDc0zN3
>>152
アリオーシュキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
カイムカワイソス(プッ
154名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 22:25:59 ID:V+wPLkkk
405氏GJ!
カイムご愁傷様チーン
…いやまてよ。マナたん一緒なんだから同情すべきではないな…。
155名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 22:39:55 ID:F+KC2/0p
あたしの子供はどこ
156名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 01:37:00 ID:MSS7llIO
>>152
ウホッ良い修羅場
157青い子猫のおはなし 27匹め:2005/08/26(金) 03:59:00 ID:s+0QfnAp
ユーリックは床に倒れ、動かない。
子猫は急いでユーリックに駆け寄り、唖然とした。
なんと、寝息をたてて寝ているではないか。
子猫は心配した自分をすこし恥ずかしく思いながらも、その場にユーリックを残すわけにも行かず、彼の服の襟を噛んで
マナの居る牢屋へと引きずっていく。
ずるずる。
ずるずる。
なんとか牢屋のところまでつれてくると、そこで襟から口を離した。
しかし問題はこのあと、どうするか、だ。
二人は寝ている。
二人が眼を覚ます頃には鍵を壊しておきたい。
そうしよう。
子猫は自分一匹で先に進むことを決意した。
騎士が入ってきた扉とは反対にもう一つの扉がある。
そこの奥へ行ってみることにした。
が、扉のところまで来たのはいいが、どうやって開ければいいのかがわからなかった。
嘆息。
が、その時扉が向こう側から開けられた。
あまりにも唐突の出来事に、子猫は後ろに飛び退き、おさない牙を剥き出しにし威嚇した。
しかし開ききった扉の向こうに居たのは昔見たことのある、特徴的なハットを被った男が、いた。
過去の記憶が鮮明な映像となって思い出される。
ユーリックの相棒。
強さはユーリックと同じか、それ以上。
名前は、ヤハ。
危険だ。
この姿のまま戦ったら確実に殺されてしまう。
もとの姿に戻れたとしても倒せるかどうか、わからない。
殺される。
そう思ったとき、ヤハが口を開いた。
「君は……もしかしてノウェですか」
子猫は驚愕した。
ヤハはその反応を見届けると、その後ユーリックを見て、云った。
「ユーリック……そうですかやはり貴方ですか」
さらにはユーリックの近くで死んでいる、騎士を見つけ、いう。
「君ではユーリックに勝てなかったようですね」
まるでごみでも見るような眼差しで見つめ、冷たく云い放った。
そして……
158405:2005/08/26(金) 10:15:56 ID:o6NKgz9L
予想以上にいい反応みたい・・・みんなどうもです。今から帰ります。
303氏、相変わらず、青猫おはなしとても良いです!まとめて全部見ました。
戦闘の表現の仕方がウマすぎて、比べると自分の作品が恥ずかしすぎる・・・
はさみで切った様にって・・・orz(ゆりの葉物語より、正直その部分修正したい)
これからも続き楽しみにしてます〜

159名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 11:37:41 ID:zURKhmsQ
>そして……

ヤハたんが何するかワクテカして待ってますヤハァハァ……!!
160繋ぎたい『手』Act.3:2005/08/26(金) 13:31:59 ID:p09OlKq0
その光景は惨劇を見ているかのようだった。
飛び散った血が洞窟内の壁に飛び散り、でこぼこした岩肌のせいで、昔見たことがある人間の腸の中に、
自分が居るような錯覚を覚えた。
そして無慚にも切り裂かれ、胴体から離れた腕が足元に転がっている。
その手にはペンダント、ロケットが握られていた。
そのようなモノがあちらこちらに所狭し、と落ちている。
まったく持って吐き気がする光景だ。
腹がぱっくりと裂け、口があるようみ見える部分から腸ははみ出し、そこにたまたま腕が突き立ったのだろうか、
血で赤く染まった腕がその割れ目に突き立っていた。
その時ユーリックはそれを見て、食べられているように見えた。
グロテスクだ。
臭いは凶悪で、胸いっぱいに吸い込んだら眩暈さえしてきそうなほどだ。
後ろで俺の服の裾を掴み、ついて歩いてきている死神の少女は、眼を背けていた。
今だけはアノ生意気そうな口も利かない。
流石に死神でも死体に慣れているわけではないらしい。
慣れていないものは慣れていない、人間とおんなじだ。
洞窟内を歩いていく。
やはり死体ばかりが目に付き、そのたびに止まってしまいそうになる。
そして惨たらしい死体の傍を通り過ぎると、思わず振り返ってしまう。
死神の少女は俺の裾を掴んで目を瞑っているのが、視界の端で確認できた。
しばらくしてまた進み出す。
また、酷い死体を見つけた。
『死』というのはどうしてここまで妖艶さを持っているのだろうか。
思わず振り返りたくなる体を意志で強制的に止める。
そうして後ろ髪を引かれる思いでその死体の傍を通り抜けていかなければならなかった。
早くこの洞窟から出て行きたい。
後ろで死神の少女が震えているのが、感じ取れた。
161名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 21:18:25 ID:5ul2cLIp
まとめ氏、いつもありがとうございます。
今後もよろしくおねがいします。
162123:2005/08/26(金) 22:32:51 ID:2SqtVYb2
保管庫管理人様、私のSSなんかを保管してくださってありがとうございますぅ。
今、書いている人達もガンガレ!
163アンヘル×カイムその1:2005/08/27(土) 01:57:19 ID:7PUUOLDK
これはまずいことになった。暫くはカイムの傍から離れるべきであるのだろうが、しかし、
今カイムの傍を離れるのは得策ではない。帝国軍の活動は日増しに激しさを増しておるこの時に、
あの一直線な馬鹿者を窘められる者が我以外に居ないとは、まったくもって不甲斐ないものよ。
しかし……

初めはおかしいと思うただけであった。最近、明らかにカイムの態度が気に食わぬ、と。
あやつが何をしたわけではないというのに、我の心は乱れ、騒ぎ立てる。

カイムも我が苛立っている事を察したのか、沈んだ顔で少し距離を置き、遠くから我をみる。
その態度も気に食わぬ。カイムから離れるため野営地から離れ翼を休めておるというに、
わざわざ傍に寄ってくる馬鹿がどこにおるか。


地に尾を叩き付け、威嚇にも似た目で奴を睨む。一刻も早く我から離れろ、と。
何故我がこれだけ苛立ちを覚えておるかは分からぬ。分からぬが、頭の奥底の理性が、
カイムに近づく事を頑なに拒んでいた。何故かは皆目検討もつかぬ。一万年の永きを生きてきた我にとっても、
このような矛盾した感情は始めての事だった。
164アンヘル×カイムその1:2005/08/27(土) 01:58:33 ID:7PUUOLDK
そう、"矛盾"しておるのだ、この感情は。
心は、理性は頑なに「近づくな」と拒み、しかし本能は「近づけ」などと戯けた命を下す。
そうか…あるいは苛立っていたのは我のこの矛盾した感情に対してだったのかも知れぬ。
全く、この人間と出会ってからは我の思考の及ばぬことばかりだ。まだまだ我も未熟よ。
まぁ、一万年と言っても、我はドラゴンの中では未だ若い部類に入る。
知らぬことがあろうと不思議ではない、と言うことか。


そうこう考えあぐねているうちに、目の前にカイムが近づいていることにすら気付かなんだとは、我も相当の大馬鹿者だな。
行き成り鼻頭を暖められれば、怒号の声の一つも上げたくなると言う物。
しかし…しかし、だ。我の口から出た声は何だ。我はこのような色の篭った声など知らぬ。
これではまるで…。

途端に、景色が動く。否、動いたのは我であったか。
カイムを翼で包み、首を擡げ、身を寄せている。

知らぬ。知らぬ知らぬ!我はこのような感情は知らぬ…。
まして人間に対して、だと?まったく、常軌を逸しておるわ!
翼の中の人間は、初めこそ呆けた面をしていたが、
なにが可笑しいのか、微笑みながら我の首を摩る。
暖かい。心地が良い。しかし、これ以上は。
165アンヘル×カイムその3:2005/08/27(土) 02:01:36 ID:7PUUOLDK

「カイム」

止める様に、厳しい口調で言った、つもりではあった。
しかし、明らかに色の篭った、求めるような声。我ながら驚愕する。ここまでか。


背が縮む。と、同時に、体から鱗の角ばりが取れ、丸みを帯びてゆく。
敵を引き裂く爪も丸くなり、肉を穿つ牙も、鋭さを失う。カイムと交わす視線も、水平に近づいてゆく。
ドラゴンは然るべき時に然るべき姿へと体を変化させる、と聞いた。しかし、
なにもこのような変化は、あまりにも残酷ではないか。


人間に抱かれるための変化だとは。


今まで他のドラゴンに求められる事は多々あった。しかし体は少しも反応せなんだ。
むしろ、そのような行為に嫌悪感さえ抱いていたはずなのに。抱いていたからこそ、我は未だ他の竜と交わったことはない。
だからこそ、カイムに対してこんなにも体が疼くとは、信じたくは無い。
人間相手に体を変化させたこと、このような弱弱しい変化は、竜の歴史上一度として無かった筈であろう。
あまりにも恥ずべきことぞ。カイムの前で、ただ交わるためだけに変化したこのような身体を晒すとは。

「しかし…知らぬ知識を得られるのならば。カイム…我は…」
情けない言い訳だとは、百も承知だ。我ながら女々しい。
しかし、心を全て吐露するには、体も心も枷が外れかかっている今では、到底時間が足りぬ。
我の体の変化を見て、阿呆のような顔をしたカイムを、地に押し倒す。

「我のような馬鹿者と契約したことを悔やむがいい。」

そうだ。我はともかく、こやつは嫌なはずだ。人間以外の者と交わるなどと。
しかし、こやつの同意など、聞いている余裕すら無くなっている。理性もそろそろ飛ぶであろう。
太腿を伝う蜜は、汗ではない事がはっきりと感じられる。あぁ、カイム。我は馬鹿者だ。
166アンヘル×カイムその4:2005/08/27(土) 02:04:09 ID:7PUUOLDK

『悔やまないさ』

突然、カイムの思念が響く。少し動揺しているようだが、暖かみのある声で。
普段のこやつからは想像も出来ないくらいに優しい、我のみが聞ける声で。

『お前を愛している。何よりも。』


……馬鹿者。馬鹿者め。
そのような事を、今聞かされてしまえば…我は…

「あぁ…カイム…」

覆いかぶさり、カイムの口内を下で舐る。こうなっては止まらぬぞ。

竜の発情が7日7晩続くという事は、今は告げる余裕すら無い。
理性など、先ほどの言葉で飛ばされてしまったからな。
恨むのなら自らの甘い言葉を恨むがいい。
167名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 02:04:57 ID:7PUUOLDK


という訳で久々にカイアンつーかアンカイ物。
発情期ネタに萌えるんだですよ!
続きは書くかわからnうぼぁオヤスミ
168名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 02:09:31 ID:pT5JcJN/
GJ!!
やっぱりカイアンは萌えるな
DODの原点だ…
169名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 02:40:28 ID:GQfljOGP
>>167
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
発情アンヘルたんハァハァ

つか一生懸命威嚇するアンヘル、萌えすぎで身悶えする
170名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 03:31:02 ID:P2rrp9Ow
>>167
アンヘルたん可愛すぎ


後ですね、あの青ネコのことで皆さんに訊きたいことがあって、
そして……
の後を書いたら、なぜかグロになってしまったんですが
自分でも困ってるんですよ(苦笑
一応その奇怪な行動の謎もヤハ戦で解けるようには、と考えているんですが
もしかしたら直すかも知れないんですけどね。

↓そしての後のプロトです。
そしてヤハは腰から細身の長剣を抜き、騎士の体を弄び始める。
まず、見開かれたままの目玉に突き立てた。
じゅぶりと音がし、半透明な液体が眼から染み出してくる。
子猫は思わず、身を縮ませ震えている。
それを知ってから知らずか、ヤハは突きたてた刃を左右に揺らしたりしている。
右眼は既にぐちゃぐちゃになっており、直視できないほどに酷いものになっていた。
が、何が不満なのか長剣を抜き、もう片目に突き立てる。
そして目玉をまた弄り始めた。
子猫の耳にはその音がはっきりと聞えてくる。
聞きたくなくても、聞えてきてしまう。
もう片目も見るも無慚なことになっている。
その後もヤハの奇怪な行動は続く。
騎士の腹を、喉元から股間まで裂いていき、内臓を切り刻んでいくのだ。
ヤハの美しい顔が、見る者全てが畏怖するであろう程、歪んでいた。
おそらく心も歪んでいるのだろうが。
「死体処理はこれくらいでいいですね……さて、少し遅くなりましたが行きましょう」
と、血まみれの長剣を右手で持ち、気味の悪いほどさわやかな笑顔を子猫に向けた。
まるで昆虫を殺して遊んだ後の子供のような感じだった。
171名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 03:34:02 ID:P2rrp9Ow
って、訊きたいことが抜けていた。

これだとただの変態さんになっちゃうんですよね、彼。
で、ここを読んでどう思ったかを教えて貰いたいんで、
もしよければお願いします。
172名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 09:42:57 ID:4HgMdYSL
>>170
凄くDODらしい空気を感じる俺ガイル。てか、後で行動の謎が解明されるなら大丈夫だと思いますよ。
173名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 11:26:23 ID:BU5C3J90
本編やってて心は清純派乙女なヤハたんを妄想してたのでちょっぴりショック。
でも凄いDODらしい。グロでも凄く萌えました。
174名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 12:32:55 ID:13QnNJXH
別にいいんじゃないの
175名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 15:10:48 ID:YgnTV7f5
どうでもいいや
176名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 16:46:30 ID:TDYREWoZ
書き上げて、ちょいマズイと思うような内容なら注意書きつけてうpでいいとオモ。
177名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 21:46:32 ID:XkCpwKuj
残虐だからDODらしいってのはちょっと違う気もするが
作品にケチつけるわけじゃなくてな

これからどういう方向に話が進むのかわからないが、
タイトルにグロありとでも入れておけばいいのではないかな
178従騎士物語 幕間1:2005/08/28(日) 00:55:34 ID:Ifv/soOc
(※303氏のアンケート中に失礼しますorz)


封印騎士団には厳しい戒律の他に、一般の騎士団員達の間で密かに伝わる特殊なジンクスがある。
食事の際は、必ず部屋の扉を閉め内側から鍵をかけてから取り掛かるべし(決まりを守らねば食事が妨害されることがあるらしい)
ジスモア副団長の前で竜の子の話は避けるべし(高い高いしてる最中に顔に小便をかけられて以来、絶縁状態らしい)
オロー団長の一番弟子に呑みに誘われたら必ず付き合うべし(かなりの確立で好い売春婦を紹介してくれるらしい)
などがその一例である。
それらには優先順位などというものは存在しないが、敢えて言うならこれだけは必ず守るべし、という噂があった。
それは以下のようなものである。

大神殿を縦断する絨毯に水滴を零しつつ進む赤髪の女を見かけたら、どこへでもいいから視線が合う前に命がけで逃げるべし。

179従騎士物語 幕間2:2005/08/28(日) 00:57:20 ID:Ifv/soOc
ハンチは今年で23の誕生日を迎える。
そして20代半ばを迎えようという時期に恋人どころか友人1人いないことは、彼女にとって相当なコンプレックスであった。
かつて彼女は街中の人間から最も愛され、その周りに人が絶えることなどなかった。
見目も仕草も愛らしい彼女は町のアイドルだった。
しかし何故かある日を境に、彼女は集団から孤立する存在となったのだ。
(きっと皆、事件のせいで話しかけづらいのよ)
最初はそう思った。
しかし、体を覆う凡てのものを剥ぎ取った時、彼女はその理由を見せ付けられた。
失われたものの名を、「魅力」という。
契約主に代償の名を告げられた時、彼女はあまりの衝撃に失ったものの本質を見誤った。
彼女にとって外見の美しさは凡ての価値基準であった。
特に目を引くような容姿を持たない平凡な友人達…ハンチは共に笑いつつも彼女ら自身に何の憧れも、友愛すらも感じていなかった。
彼女が持ちえたのは自らが高められる優越感と彼女ほどに愛されない者達への同情と魅力を持たないことへの蔑視のみ。
ハンチの周りにいるのは愛されるべき彼女を取り巻いてこそ価値のある、とるに足らない存在……の筈だった。
あの忌々しい事件が起きるまでは。
ハンチは誰もいない、彼女以外何者も動かない虚しい空気に悪寒を覚えた。いつもの事ではあるが、まだ慣れない。
一方で職業面においても、不満は募っていた。
騎士団に入団してもう3年の歳月が過ぎたというのに、彼女の階級は未だ準級騎士留まり。
契約者である、このハンチが、である。
実力でならば上級騎士、更には連隊長の地位を得てもおかしくない彼女の野心は、人格を重んじるという騎士団長オローの采配によりくすぶるほかなかった。
これでは何の為に、あの年老いた父親1人しか彼女に構う者のない陰鬱な錆の町を捨てて騎士団に来たのかわからなくなってくる。
彼女は苛立ちを隠せずに悶えた。
オローは彼女がしかるべき地位に就くことで、彼自身がそうであるように彼女が部下に慕われることを恐れているに違いない。
なんのことはない。オローもその高い地位によって部下に愛されているだけに決まっている。
地位が愛されることも、地位に就いている自分が愛されることも、ハンチにとっては同義であった。現状では誰も彼女を愛してくれていない。
だからこそ、ハンチには更に上位によじ登る必要があるのだ。昔のように、沢山の人々に愛される為に。
月明かりさえも彼女を照らすことを拒む暗闇の中で、ハンチはたった1人で泣き濡れた。

昔の私に戻りたい。
あの頃は、いつだって世界の中心には私がいた。
皆から愛される私がいた。
…あぁ、私はきっと愛されたいんだ。
誰か私を愛して下さい。傍に寄り添ってくれるだけ、それだけでも充分だから。
だから…どうか私を1人にしないで………
1人はもう……嫌。

18086:2005/08/28(日) 00:59:03 ID:Ifv/soOc
今日はここまでです。
ヤハが出てこないので一応幕間扱いで…
細切れですみません;
181名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 01:14:50 ID:LNuY3F8b
ハンチさんキタ――――――――――!!!!!!!
最後の独白が泣かす;;
そして最初のジンクス群にワロタw
182名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 03:50:59 ID:OomjvXBa
>>172-177
レスありがとうございます。
一応書き上げてから、考えてみることにしました。
非常に助かりました、本当にありがとうございます。

ちなみにこの後、ヤハを倒して直轄区を後にするまでノンストップっていきたいので
少し時間が掛かりますので、悪しからず。

>>178
いぇ、全然気にしてないので、気にしないで下さいな。

それにしてもジンクス笑いました。
ハンチさんの魅力を失った後の魅力がすごく伝わってくるんですが、
抱きしめてもいいですか?
え、言ってることがおかしいって?
……それはその……
ブラックアウト(´・ω:;.:...
183名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 11:25:53 ID:JZZ/hlhb
は、はんちさんんん!!
フォーーーーー愛してだなんていくらでも!
184名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 18:18:21 ID:Udjt6/XA
青い子猫のおはなしは結局、2の焼き直しSSなの?
最初は子猫ノウェ萌えSSっぽかったけど
185名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 20:00:09 ID:OomjvXBa
>>184
少し変えただけの焼き直しですね……

SS書きの控え室であったんですが
SSって
●キャラの容姿をかえる
●キャラの関係をかえる
●キャラの性格をかえる
●キャラの立場をかえる
●世界観をかえる
(だったかな?)
のうち、3つか4つかえると似た話のオリジナルになるらしいです

今、青ネコでは2つ程変えてますが、話の筋は壊してないつもりです(一応
(キャラの容姿を――と、キャラの関係を――)
俺は一応この二つだけを変えて後は
原作と“話の筋はなるべくかわらないように”と考えて書いています。
青ネコの戦闘などは敵の数を減らして、
少し味のあるキャラを出していくつもりです。
質と量の問題ですね、そこは(苦笑
出来る限り、DOD2に沿ったストーリー展開をしていきます。
もしDODの世界観から抜け出た場合は自主的にやめます。
というわけで、なにいってんだ俺、みたいな感じになったんですけど
出来ればこのレスはスルーてください。
186前スレ446:2005/08/28(日) 22:33:00 ID:wiUzVgc/
ちょうどいい電波が来たので、アンヘルの幼女擬人化本編再構成SSを書いてみたんだが、
それ系の需要はいかほどだろうか?

別に需要があろうとなかろうと投下しちゃおうかと思ったんだが、
青猫の人の話を聞いたら急に怖くなっちまった。
いや、擬人化っていうのは姿(と性格)を変えちゃうから仕方ないと言えば仕方ないのかもしれんけど。

ちなみに20KBオーバーだったりする。
何も反応なかったら日が変わったころに投下するので。
187名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 23:13:52 ID:NzSyHs/D
>>186
日が変わるまでまてないフォォーーー(AA略)
アンヘルたんに飢えてるよー
188名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 23:53:10 ID:3rSiOXei
>本編再構成
青猫氏の話がこのスレ的にOKなら、ドラゴン擬人化本編再構成もOKなんじゃないの?
あれはノウェ(人間)擬猫化なわけでしょw
長さが気になるならTXTうpするとか
どうよ?
189名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 23:57:26 ID:kRn1C6vS
20kオーバーならテキストでのうpが妥当かな?
190名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 00:06:58 ID:G/vjpm2L
>>186
日が変わったわけだが。
おまいの投下がない限り寝られないわけだが。
191前スレ446:2005/08/29(月) 00:11:04 ID:pbP8sGEg
レスポンスくれた人サンクス。
じゃあ、気兼ねなくSSを投下しますYO

テキストでうpする方法が分からないので、うpしない。
日が変わるときに投下するって言ってこれ以上先延ばしするのも何だろうか、と思うので
全部書き終わってるけど何回かに分けて投下します。

こうしたらいい、とかそういう意見やアドバイスくれたらおおいに助かります。
192ドラゴン擬人化本編再構成1/5:2005/08/29(月) 00:15:06 ID:pbP8sGEg

 カイムは剣を振るっていた。
 敵を殺すため、女神を守るため、己の狂気を解放するため、その他諸般の理由で剣を振るっていた。
 具体的に言うと、メロスが走れメロスというタイトル通りに走らねばならないのと同じように。
 はたまた、黒いコントローラーで神の手によって操られているように。

 世界の封印を守る女神の住む城、すなわち連合国の同盟の一員であるカイム達が守る城を、帝国軍が襲っていた。
 連合国軍と帝国軍は数も、兵達の質も圧倒的に差がある。
 もとより兵力が多い帝国軍は異形な生き物を使役し、また、並々ならぬ士気を持って連合国軍の多くの拠点を潰してきた。
 そして、今回の襲撃が女神の城となったのである。

「やあああああああッ!」

 カイムが自分の持つ黒い剣を振り回すたびに、火花が散り、血が散る。
 鋼と鋼のぶつかる音と、血が吹き出る音、断末魔が戦場に響き渡っていた。 カイムは既に百以上の敵を屠っていた。
 しかしその勢いは未だ止まらず、帝国軍も勢いを止めることはできなかった。
 最も能力の高い兵でさえ、本来外交や政治に長けているべきである王子のカイムの腕には遠く及ばない。
 それ故に、味方の中にでも「殺戮王子」と陰口を叩かれ、元来激しやすい性格故に避けられていた。
 しかし、戦場でこれ以上頼もしい英雄は他に居ない。
 連合国軍はカイムを中心に陣営を組んでいた。
193ドラゴン擬人化本編再構成2/5:2005/08/29(月) 00:16:05 ID:pbP8sGEg

「伝令! 伝令ーーーッ! 城内に帝国軍が侵入!」

 カイムが前線で敵兵と斬り合っていた時、その伝令が聞こえた。
 相手を斬り伏せ振り返って城を見ると、城に掲げた旗が帝国兵に燃やされていた。
 帝国軍の戦場での動きはカイムが驚嘆するほどの洗練されたものだった。
 カイムが今戦っている敵主力部隊以外に別働隊が居たのだ。

「くっ、フリアエ……」

 戦場で今の一度も敵に背中を見せなかった男が、唯一の肉親を思って振り返った。
 そのスキを敵兵に襲われた。
 背中の軽量化された鎧を引き裂き、カイムの皮膚と肉が引き裂かれ、血と激痛が背中から吹き出した。
 カイムは短いうめき声を上げ、手の剣で己に一刀を浴びせた敵を斬り捨てると、相手は騎士でもなんでもない雑兵。
 一瞬の油断を、カイムは恥じた。
 どさりと敵の体が地面に倒れ、次の敵が押し寄せてくる最も危険な場所で、カイムはそれでもなお妹の安否が不安になっていた。

「後を頼むぞ」

 一戦で一緒に戦っていた連合国軍の自分の次の階級を持つものにそう告げ、カイムは背中の大きな傷を物ともせずに城へと向かった。
 門をくぐった先にある城の中庭には、異常な生き物が倒れていた。
 人のようであり人ではなく、人ではないようで人のような格好をした、鮮烈な赤の腰まで伸びた髪と同じような色の翼を持つ幼子だった。
 それは、鎖で手足を繋がれ、数多くの傷跡が体に残っていた。
 ボロボロの服は汚れだらけで、薄い。
 帝国軍に拷問された後、この城に運ばれたのだろう、とカイムはちらと考えた。
 一瞬、カイムは足を止めてそれを見据えるも、すぐ妹のフリアエのことを思い出した。

「ぎゃふッ!」

 気絶していた幼女を、どうせ死んでいるだろうと踏みつけて前に進もうとすると、案外それは元気そうな声を上げて、カイムの足を掴んだ。

「こ、このッ! 我のような“びしょうじょ”を踏みつけるとは一体どういう神経をしておるのだ人間よ」

 足を割と強い力で掴まれたのに驚き、カイムはそのまま前のめりに倒れた。
194ドラゴン擬人化本編再構成3/5:2005/08/29(月) 00:17:35 ID:pbP8sGEg

「……」
「何を黙っておる。 急いでいるのではなかったのか?」

 カイムが立ち上がり一歩進もうとすると、再びずっこけた。
 足をがっちり掴まれたままで、ふりほどくこともできなかったのだ。

「……離せ」
「断る」
「斬るぞ」
「やってみろ、小僧」

 カイムと幼女が睨み合い、不可視の火花を散らす。

「我の命を奪えても、魂までは汚せぬぞ」
「奪いも汚しもしない、手を離せ」
「断ると言っただろう。 我が名はアンヘル」
「名など訊いてない、いいから離せ」
「ほう? 我と契約したいと? 人間の癖に中々賢いな」
「そんなこと言ってないし、思ってもいない。 離せ」

 幼女ことアンヘルが手を放し、カイムは立ち上がり、服を払ってふと考えた。
 この人の話を全く聞こうともせず、尊大に振る舞う輩は一体何なのだろう、と。
 人ではないということは、背中の赤い鱗の翼やとんちんかんな物言いから大体分かる。
 「契約」という言葉にカイムは何か引っかかるものを感じた。

「……お前、何者だ? 契約だと?」
「ふ。 我はドラゴンよ。 赤い翼と鋭き爪、灼熱の炎を吐く、あのドラゴン」
「……嘘はいい」
「なっ、嘘ではない。 我はレッドドラゴン、コンゴトモヨロシク」

 レッドドラゴンという名の通り、真っ赤に顔を染めて。
 女神城でどこぞのアクマのふりをして。

 カイムは倒れたときに地面に落ちた自分の剣を拾い、地面に横たわるアンヘルへと向けた。

「さあ選べ、契約か、死か……俺は生きてやる!」
「今更何を言っておるのだ、このたわけ。 我とてこの若い身空で命を失いとうない。
 さりとて、帝国の馬鹿共と契約などしたところで、こき使われたあげく、慰み者にしかならぬのも目に見えておったのでな。
 ここでこうして死んだふりをしながら、ていのいい契約者候補を見聞しておったわけよ。
 すると、背中に大けがを負っているというのに走っている馬鹿が一人飛び込んできてな、利用してやろうと思ったのだ。
 もとより契約する気よ。 さあ契約にはまず我を抱け」

 カイムはわかったと小さな声で呟き、剣でアンヘルを縛り付けていた鎖を断ち切った。
 衰弱していたのか、それとも拷問で受けた傷が響いたのか、もしくはその両方か、少し頼りなげによろけながらアンヘルは立ち上がった。
 アンヘルはカイムの臍ほどの身長しかなく、線も細い。
 肌はすす汚れているが、子ども特有の滑らかな質感だろうと軽く予想できた。
195ドラゴン擬人化本編再構成3/5:2005/08/29(月) 00:19:36 ID:pbP8sGEg

「さあ、いくぞ」
「え? え?」

 「抱け」と言ったのに顔色一つ変えないカイムにアンヘルは戸惑った。
 本来なら、いや、こういうセオリー的な展開であれば、自分のようなかわいい“びしょうじょ”にいきなり「抱け」と言われたら、言葉と容姿のギャップに驚いて、頬を染めて、「な、何を言っている」と初心な反応がくる、と読んでいたのだ。
 もちろん、契約するのに男女の交わりなんていうものは必要ない。
 第一、フェアリーと人間が契約するとき男女の交わりが必要ならばどうしようもないではないか。

 そんなことを考えているうちにも、目の前の男は手を広げ、今にも自分の体を包み込もうとしていた。

「ちょ、ちょっと待て!」
「待たない。 あと数分もしないうちに俺は死ぬかもしれないのだ。 よもや心の準備が……、などとは言わないだろうな」

 カイムのこの一言に、マセたガキであるアンヘルはカチンと来た。
 冗談だ、と喉に出かかっていた言葉を無理矢理引っ込め強がった。

「そ、そうではない。 少し驚いただけだ……よし、早く我を抱け」

 カイムが片膝をつき視線が大体同じ高さになるように調整すると、腕をそっとアンヘルの細い体に巻き付けた。
 それはそっと優しく、戦場で何人もの人間を殺したものとは思えぬほどに。

 ぎゅ〜〜〜〜っと目をつぶり、人間ごときに肌を許すことになるのか、とアンヘルは密かに涙をこぼす。
 その涙を見せたくないがため、アンヘルは顔をうつむけて、血のにおいのするカイムの肩に顔を埋めた。
 しかし、カイムは次の瞬間体を引っ込め、腕もほどいてこうほざいたのだ。

「契約は終了か? 何も変わっていないようだが……」
「は? 何を言っておる。 まだ何も初めてはおらぬではないか」
「貴様こそ何を言っている。 もう抱いたではないか」

 致命的までの意味の取り違い。
 カイムは、アンヘルの想像以上に初心だったのだ。
 「抱け」を相手を腕で巻き付けるだけだと思っていたのだ。
 そんなもので契約できるのならば、スト2の相撲レスラーとICPOの女中国人はとっくに契約している。

 アンヘルはとてつもなく馬鹿にされたような気がした。
 むちむちの女に自分の薄い胸を見られて鼻で笑われるのと同じくらい、腹が立った。
 自分を見た途端「おっぱい! おっぱい! ……巨乳! 巨乳!」とジョルジュが言い換えるのと同じくらい、腹が立った。

 とりあえず正義の鉄槌を、カイムの頬に喰らわせた。

「何をする! やはり貴様は帝国の手先か?」
「この……女心もジョークも理解せぬ不埒者め! もういい、うぬはそこで馬鹿みたいにぽかんと口を開けて我の施す契約が終わるまで待っておれ!」

 契約は簡単なものだ。
 己の心臓を、相手の心臓と交換するだけで終わる。
 多少苦痛が伴うが、それが終了するまで一分もかからない。

 意識を集中し、自分の(薄い)左胸から光り輝くドラゴンの心臓を取り出した。
 その魔力に呼応したのか、カイムの鍛え抜かれた筋肉に包まれた左胸から心臓が現れた。 
196ドラゴン擬人化本編再構成5/5:2005/08/29(月) 00:24:22 ID:pbP8sGEg

(む……こやつは男で、愚鈍な人間……だが、この敗北感は一体なんなのだ?)

 いいしれぬ感情に怒りとも怯えともとれないものを覚えるアンヘル。
 実際、一生に一度の大事である契約に恐怖し、また目の前の男は最高種である自分が恐怖しているのに人間風情で平然としていることに理不尽な怒りも覚えていた。
 右手に己の心臓を、左手にカイムの心臓を持ち、ゆっくりと、心臓の位置を動かしていく。
 最後に、己の心臓をカイムの左胸に収め、またカイムの心臓を己の左胸に収めれば、無事に契約は果たされることになる。

「……」
「何か言え、貴様。 地上最強の生物、ドラゴンと契約を交わしたのであるぞ」
「興味はない。 俺は命が助かればいいのだから」

 契約終了と共に、アンヘルとカイムの傷は消え去った、ついでにカイムの服や鎧も綺麗になったのはご愛敬か。
 カイムは素っ気なく立ち上がり、剣を握りしめ、ドラゴンを華麗にスルーした。

「こ、こら、待ちゃれ! たしかに我は人間ごときに契約を交わしただけで利用されるつもりは毛頭ないわ。
 だが、貴様、わかっておるのか? 我はドラゴンぞ。 鋼の翼を持つデビルマ……いや、赤き翼を持つドラゴンぞ?
 浅ましき人間は我の力を利用しようと躍起になっておる、と巷で噂のドラゴンぞ?
 むちむちぼでぃとは言わぬが、こう見えても己が“びしょうじょ”であると自負しておるドラゴンぞ?
 貴様は何故それを利用せぬのか? はては何か企んでおるのか、このこざかしい人間め! 吐け、白状しろ! ゲロっちまえ!」

 無視されることと胸の話題をされるのが大嫌いなアンヘルは言った。
 完全に矛盾している論理だがそれでもアンヘルには理の適ったものらしく、猫目を更につり上げてカイムに迫った。
 カイムは、溜息を一つつき、あきれ顔になった。

「俺は、自分はドラゴンだ、というお前の寝言を信じる愚か者ではない」
「だが、我がドラゴンという真実を認めようとはせぬ愚か者ではあるな」

 再び見えぬ火花が空中に散る。
 カイムはアンヘルのことを嫌い、アンヘルはカイムのことを嫌っていた。
 両者が両者相手を利用するために契約し、契約後、カイムがアンヘルのプライドを踏みにじり、
プライドを踏みにじられたアンヘルはカイムの足を引っ張っているのだから自然な成り行きでもある。

「仮に貴様がドラゴンであったとしても、貴様の力は借りぬ。 忌々しい空を飛ぶトカゲなぞ、親の仇以外何物でもない」
「ドラゴンをトカゲと認知するものは馬鹿以外何物でもないだろう。 貴様の目は節穴か? トカゲとドラゴン、どう見てもサイズが違うではないか。
 それに、貴様の親なぞ子である貴様を見る限り、食してもうまくなさそうではないのう。 我は美食家だ。 貴様の親など殺してはおらぬ」
「どっちにしろ、俺は貴様の協力は仰がぬ。 ドラゴンというならば、どこかの空へ飛びされ」
「そうはいかぬ。 我はまだ疑問に答えてもらっておらぬ。 何を企んでいるのだ、人間?」
「企んでなぞいない。 俺は急いでいるのだ。 用が済もうと済みまいと早々に消え去れ」
197ドラゴン擬人化本編再構成6/5:2005/08/29(月) 00:25:55 ID:pbP8sGEg

 とうとう我慢がならなくなったのか、アンヘルが牙を剥いた。
 と、言っても、見た目幼女のアンヘルの牙は普通の人間の八重歯とそう変わらぬもの、カイムの腕にがぶりと噛みつけど、百戦錬磨で殺戮王子の馬鹿力で弾かれてしまう。
 てんてん、と尻餅をつき、そのままの体勢でくっとカイムをにらみつける。

「き、貴様! 今なら泣いて謝れば許してやろう。 さもなければ地獄の業火で焼き尽くしてくれるわ」

 カイムは無慈悲に剣をアンヘルに向けた。
 アンヘルは禍々しいまで黒い剣に赤い瞳を一瞬曇らせたが、すぐに自分の中にある恐れを消し去った。

「ふ、ふん。 そのようなもので我が殺せるものか。 我はドラゴンぞ」
「ならば試してみようか。 ドラゴンとやら。 ……貴様のはったりと俺の剣、どちらが相手の命を奪えるのか」
「貴様の言葉こそはったりだろう。 そのなまくらで何が出来るのか? そんなものでは赤子すら殺せまいて」
「さっきからごまかしばかりしている貴様が何を言う。 さあ、炎を吐いてみろ」

 対峙する二人。
 ぴくりとも動かない。
 先にカイムは剣を引いた。

「は、はは……恐れをなしたか人間め。 やはり小さいのう」

 アンヘルはほっと息をついて、立ち上がった。
 勝利を確信し、さっきまでよく馬鹿にしてくれたな、と言うつもりだったのだが……。

「無駄な時間を使わされたな。 フリアエ……生きていろよ……」

 アンヘルになど目を向けず、カイムはさっさと立ち去ってしまったのだった。
 さも、こんな子どもにこんな馬鹿げたことをして時間を使ってしまった、とでも言うかのように。
 振り返ることもなく、自分を拉致して拷問して契約を迫ってきた帝国兵が溢れる城の中へと消えた。

 アンヘルは、自分の赤い髪の毛に包まれた頭の中でプッツンという音を聞いた。
198前スレ446:2005/08/29(月) 00:32:40 ID:pbP8sGEg
今日はここまで。
続きは多分次に日が変わる時間あたり。

期待持たせておいて、3/5が二つあったり、長文規制で6/5があったりこんな手際悪くてスマン。
初心者だから、という言い訳は普通に使っちゃいけないんだろうが、
これから勉強するのでどうかよろしく。

SSについては、つまらんかったらつまらんって言ってくれ。
次はもっと面白いSSを書くようにから。
面白かったら面白かったって言ってくれ。
次はもっと面白いSSを書くようにするから。

スルーはスルーで、やっぱりまた次は面白いSSを書くようにするから。
199名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 01:06:59 ID:SxQ1HQET
>>198
表現が大変面白く、わかる人にはすごくわかる

しかし、アンヘルが自分の名を最初に名乗ったことや
もうすこしツンツンしてるほうが彼女らしかった
カイムが傷を負った後、ケロッとしてるのはマイナス
あそこは足元をおぼつかなげにしていたほうがいい

ただ全体的にコミカルでテンポよく読み進めることが出来た点はすごくいい
↑のおかげでバンキシャの最初のアニメーションな感じで想像したらぴったりだった

次も楽しみにしてます
200名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 01:10:42 ID:nEpblE7h
>>198
GJ!
各所の小ネタがイイw

おませな幼女アンヘルたん・・・
フオォォォヽ((('A`*))))ノ ハァハァ
迷わずに契約し抱き締められ置いてかれた幼女を俺がさらっていくんですね。
201名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 01:21:55 ID:VG+vnBIR
イメージがちょっとシャオムゥとかぶっちまったwwww
202名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 01:35:16 ID:k0DwRb81
>>198
リアル世界用語多用はやめた方がいいんじゃないか。笑ったがよ
俺ら外野は好き勝手なことを言うから全部受け入れようとは思わない方がいいが、
初心者的まずい部分を直そうとする姿勢は好感

カイムとアンヘルが嫌い合う成り行きが面白かったwwwwギャグマンガだ
203名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 02:09:33 ID:nIOFlc97
ちょ・・・続き!続き!!
これじゃあ、気になって眠れないじゃないか!!!
204青い子猫のおはなし 28匹め:2005/08/29(月) 05:05:25 ID:SxQ1HQET
そしてヤハはその騎士の頭を踏みつけ、力をこめていった。
すると騎士の頭が少しずつではあるが、陥没していく。
骨が砕ける音様な音は、聞いているだけでも鳥肌が立った。
しばらくそうして踏みつけていたヤハだったが、さっと足を引っ込めた。
ほっとした子猫だったが、その次の瞬間ヤハの鋭い蹴りが、騎士の頭を首根っこからちぎりさった。
思わず子猫は目を逸らした。
が、その瞳にはしっかりとその光景が刻み付けられてしまった。
騎士の首から血が申し訳ない程度に滴り落ちている。
ヤハは騎士の血が作った水溜りの中を進み、ユーリックを掴み上げ、肩に乗せた。
そしてヤハは牢のほうへと、視線を向ける。
その先にはマナがいた。
「彼女もあなたの仲間ですか、ノウェ」
と聞かれ、子猫は頷いてみせた。
その反応を見てヤハは、なら彼女も連れて行きましょう、と云った。
ユーリックだけでも重いはずなのだが、一体どうやってマナを運び出すというのだろうか。
それにこの男に任せて本当に大丈夫なのだろうか。
仲間であるはずの騎士の首をちぎった男なんかを。
子猫の中で様々な考えが飛び交っていたが、今はヤハの力を借りなければ二人が危ない、ということに行き当たった。
ヤハは意識を失っているマナの前にしゃがむと、開いているほうの腕を彼女の腰に回し、そのまま脇に挟み立ち上がる。
細身の体からは考えられないほどの筋力である。
「さあ、いきましょう」
そう平然と云い、ヤハは困惑する子猫の前を通り過ぎた。
考え込んでいた子猫はそれにも気づかなかった。
遠ざかっていく足音。
それにきづいた途端、子猫はにゃぁとなきながら後を追いかけていった。
205青い子猫のおはなし 29匹め:2005/08/29(月) 05:06:14 ID:SxQ1HQET
ヤハに案内されてたどりついた部屋は、神水の直轄区で連隊長と戦った部屋と似た様な作りをしていた。
違うのはただ一つ、その部屋に置かれた鍵であろうモノだ。
それは身の丈ほどもある、長大な赤い宝石だった。
一体この宝石を売ったらいくらになるのか、想像もつかなかった。
そしてこの宝石には人を魅了する“ナニか”があるのも確かだ。
しかし子猫はその宝石をみて、ただむなしさを感じた。
それはまるでオリの中に閉じ込められた、鳥のようなものだと。
空を飛ぶ力があるのに、オリから出て行くことが出来ずその中で一生を終えるのだ。
それも宝石の場合、無限とも言える果てもない時を、閉鎖空間でおくらねばならぬはずだ。
そんなことを考えていた子猫は、ふと背後の異変に気づいた。
子猫が振り向いたときにはヤハが短刀を振り上げ、自分に向けて振り下ろそうとしている瞬間だった。
ひゅん。
短刀が風を裂く音と共に、地面に突き刺さる。
すごい早さだった。
子猫はそれを振り向くと同時に、横に跳び回避していた。
正確に言うと、運よく出来たというべきなのだろうが。
「よくかわせましたね……苦しまずに逝かせるつもりだったんですが、困りましたね」
といいつつも、ヤハの顔は困った者のそれではなかった。
子猫は焦る。
ヤハを見たときに感じた、殺意が刃となって今自分の喉元につきたてられている気がした。
見つめられただけで息が詰まりそうになる。
それを感じ取ってか、ヤハがにんまりと口の端をつりあげ、震えている子猫に背を向けていう。
「君は最後に殺しましょう……それより先に彼女をずたずたにしておきますか」
いい終わると、子猫の腹部に強烈な後ろ蹴りが見舞われた。
焼き鏝を押し付けられたような衝撃が子猫を襲う。
その体は壁まで吹き飛ばされ、意識が薄らいでいく。
どんなに集中しても四肢を立たすことができなかった。
眼の前で起こっていることを“眺めているだけ”しか出来ない。
ヤハは手に握り締めている短刀をゆっくりとマナの首筋に近づけていく。
やめろ。
ノウェは声にはならない声で叫んだ。
やめろ。
やめろ。
『やめろぉぉぉぉ』
その声に思わずヤハはその手を止めて、振り返る。
それをみてヤハはしばし困惑した。
そこには人間の姿をした、ノウェが立っていた。
206青い子猫のおはなし 30匹め:2005/08/29(月) 05:07:56 ID:SxQ1HQET
そこにはノウェが立っていた。
仄かな燐光をその身に帯び、眼は竜のものと瓜二つだ。
それは神水の直轄区のときと同じだった。
違うものは姿だけであろう。
「マナから離れろ」
その声からは微かな殺意が感じられた。
そしてもう一言、
「離れないなら、斬る」
と。
いい終わると同時に、その手に青い剣が握られていた。
ヤハはそれを見て、ずれた帽子の鍔を掴み、なおした。
「さすがは竜の子だ。なにやら恐ろしい力を持っているようですね」
そう言ってヤハは短剣を棄て、腰にぶら下げてあった長剣を抜刀しノウェに襲い掛かる。
それを青い剣で受け止める。
二人の眼前で鍔迫り合いをするが、明らかにヤハが力負けしていた。
一旦剣を引き、後ろに跳ぶヤハだがそこに隙が生じた。
そこにノウェが人間らしからぬ速度で斬り込んで来る。
それを空中で剣で受け止めたヤハも流石だった。
が、その攻撃を防いだままの状態で、さらにベクトルをかけられる。
空中でそれを防ぐ術を持たぬヤハは、紙の様に壁まで跳ばされた。
背中から壁に激突したヤハだが、すごに体勢を立て直した。
そして唐突にヤハはノウェに問いかけた。
「ノウェ、君は私のような美しいものがなくなるのは惜しいと思わないのですか……」
「……本当に美しいものは、自由なんだ……きっと」
そう答え少し表情を翳らせた。
もうヤハから殺意は消えていた。
「そうですか……私は、こんなことにも気付かないなんて自分に陶酔しすぎていたようです」
そう言うと、ヤハは長剣を取り落とす。
カラン、と剣が床にあたり音をたてる。
そして床に落ちている磨きこまれた短剣を拾い上げ、その刃先を自分の喉下につき尽きる。
「俺が、終わらせてやる……」
ヤハはすこし驚いた表情で、ユーリックが居るほうへと振り返った。
そこには憔悴しきったユーリックがなんとか立っていた。
そしてユーリックはヤハに近づき、その手から短剣を奪い取る。
ノウェはその光景をただ傍観する。
なぜかはわからないが、そうするのが一番だと思った。
ユーリックはその短剣を右手で持ち、左手でヤハの肩を掴んだ。
「すまなかった、ヤハ」
それだけ云ってユーリックはヤハの胸に短剣を突き立てた。
その瞬間、コマ送りのように流れていく時間が、ユーリックには長く感じられる。
刺された箇所から血が噴出すが、短剣が蓋となり勢いよく血が噴出すことはなかった。
もうヤハの命は風前の灯だった。
その口の端からは血を垂れ流し、ユーリックに話しかける。
「……もう気にしてませんよ、相棒――」
最後の言葉を紡ぎおわると、ヤハはひっそりと息をひきとった。
ユーリックは、開いたままのヤハの瞼をそっと閉じてやる。
ヤハの死で、赤い石にヒビが入り始める。
ユーリックはヤハの亡骸を床に横たえさせ、立ち上がり天井をみていった。
「ツキが綺麗だな」
その瞬間、石は粉々に砕け散る。
砕けた宝石は月明かりを受けて、輝いている。
部屋が、赤色で染まる。
ユーリックの瞳から、一粒の真珠が零れ落ちた。
それは赤い宝石の中で、一際美しく輝いている。
誰かがための涙。
じゃあな、ユーリックは心の中で最高の相棒に別れを告げた。
それに呼応するかの様に砕けた石の中でもっとも大きい欠片が輝いた。
今閉じ込められた鳥は、檻篭から飛び立っていった。
207名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 05:23:55 ID:SxQ1HQET
これで宝光の直轄区編はおしまいです。
書いてて、ヤハはこう在った方が彼らしいかな、と思いながら書いてました。
結構好きになりましたよ、青ネコの中のヤハはw

あえて彼の死を鳥が飛び立っていった、とあらわしたのは、
宝石(=美しい)という、ものから開放されたというのを
表現したかったからです。
ノウェの考えはそのための、複線みたいなもんでした。

この後ノウェは子猫に戻りますが、文中ではノウェ、と表記される回数が
増えるかと思います。
それは自分、って言うものをちゃんと持ったからだと思って貰いたいです。

ユーリック編はなんですが、少し進み方を変えます。
『明命の直轄区で、マナがさらわれることがなく、そこで……』
となります。
話の進攻具合が思ったより遅くなってしまったのがその原因です。
すいません……

まとめ氏、お手数をおかけしますがお願いします。
208名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 14:58:43 ID:us9MpnEi
303氏、個人サイト開いた方が盛り上がるんじゃね?
青猫に関してのみ言えることなんだが、話が広がりすぎててエロパロの範疇超えてる気がする
各話ごとの解説も頷けるものばかりだが、こういう言い訳の類は本来歓迎されないものだ
(控え室スレ読んでるならわかるだろう)
いかに非エロ歓迎の過疎スレでもな、少しやり方を考えてもらいたい
209名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 17:34:29 ID:jK0n6C8D
いいけどね とっくに読み飛ばしてるし
まあ こんなこと書いたら信者のたたきレスがくるんだろうなあ
210名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 18:33:19 ID:AbEmvIcP
>>209
読んで何か言うならまだしも読み飛ばしてとか書くなよな。
どの作品も読むのが強制されてるわけじゃないけど、いちいちそんなこと書いて何になるさ。
>>114みたいに、職人さん達の書く気が殺がれるだろが。
211名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 19:13:34 ID:jK0n6C8D
匿名掲示板のモラルになにを期待してるんだが
これくらいで凹むような腐女子はいらんよ
212名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 19:20:48 ID:Gsi1dg5H
>>198
テンポのいいボケとツッコミが面白かった!うまいな。
213名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 19:25:40 ID:SxQ1HQET
>>ALL
>208で云われて気付いたんだが、知らず知らずのうちに迷惑かけてた。
ここはエロパロなんだよな。
調子のりすぎて、周りが見えてなかった。
すまんかった。

自粛して、青ネコを書くのをやめるよ。
ちょうどキリのいい感じだったからね。
自分でも終わりっぽいな、とは感じてたし。
でも、こんな終わり方をして今まで読んでもらった人には申し訳ない。
>208のおかげで、気付けたよ。
ありがとう。
あとサイトも作るつもりもありません(というか作れないしね

でもまだ俺はここで書かせてもらうよ。
エロパロを。
俺も一応、SS書きだし。
>209
エロくなってまた戻ってくるから、そのとき読んでもらえたら幸いです。

それじゃ、またノシ
214名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 19:29:59 ID:PS8FMk8n
>>210
厨房にはいちいち反応しないほうが賢明。

303氏、作品そのものはGJですた!
215名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 20:03:20 ID:fQyLNnMC
ぶっちゃけ青猫つまらん
最初は猫ノウェ萌だったんだけど、ただの頭のいい猫になってるし
エロパロ求めてるのにバトルもの、話も焼き回しで先が読める…
自分のサイトで楽しくやってくれって感じ。
ハイ、反論どうぞ
216名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 20:08:25 ID:jK0n6C8D
本人が穏便にやめるっていってるからこれ以上刺激すんなw
腐った人が騒ぎだすw
217名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:02:48 ID:AbEmvIcP
>>214の忠言を受けたがこれだけは言わせてくれや。
前の章でもそうだったが、アンチ腐女子主義みたいな輩が「腐女子うんぬん」言ってSSにケチつけると一気に新作投下の勢いが落ちるのは、職人さんの中で女子が占める割合が決して低くないせいなんでないか?
多分女子だろうって職人さんで良い作品書いてる人もいるんだからもうちっと言葉の使い方には気をつけろよID:jK0n6C8D。
おまいはどうか知らんがROM専の俺には、男女問わずな職人さん達のSSを楽しみにこのスレに日参してるんだからな。
職人蔑視する前にTPOをわきまえろ。
218名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:18:51 ID:jK0n6C8D
>>217
もう目的は果たしたからな そう反応しなくても消えるよw
219名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:30:20 ID:EghMxci3
こうゆう流れになるの見てると、さっさとサイト開いて逃げた***氏が正解に思えてくる。
220名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:41:28 ID:WlG+arui
>>198
続きマダー?チンチン(AAry

>>219
余計なことを言うな
221名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:46:16 ID:PS8FMk8n
ま〜前にも似たような雰囲気の時期があったけど、放っておけばマターリな人達だけになるだろし、年齢詐称厨は9月にゃ消えるだろうから217ほどには状況悲観してないなぁ。
そんなわけで今宵もワクテカして待ってます。
222名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:50:16 ID:tbvK24tF
***氏ってサイト開いたんだ?
行ってみたい…旅に出ようかなサイト巡りのな

青猫。最初はホント期待させられたよ
青猫になったノウェが、マナの身体を嘗め回してマナが感じてしまって云々とか…

そうだったら良かったかもな 正直見てるの辛かった
223名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 22:30:12 ID:Fk4DR+Tq
知ってるけど、直リンはまずいよな。
224名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 00:04:14 ID:/uBAm/dv
青猫、とっととNGワードに設定しといて正解だったようだな。
225名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 00:12:49 ID:qMDPREfo
↑少しは空気読めw
226名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 00:47:50 ID:uIznybxL
カイアン物を投下しようかと思ったけど、エロ度低めだから>>224みたいなのに文句言われるのがオチだし、やめとこ
227名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 00:50:52 ID:ff4rAYS7
うん
228名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 01:00:04 ID:JB3axvLr
うむ。絶対書かないほうがいい。
229名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 01:06:23 ID:nZ6n873M
なんか>>226みたいなのが出てきたあたりマジで過疎る前兆だな。
SS投下ならエロなしでも諸手を挙げて歓迎するが、くだらん独り言はノートの切れ端にでも書いとけよ。
230名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 01:30:02 ID:Xy91eV8f
気に入らなきゃ読み飛ばせばいい話だしな。
231ドラゴン擬人化本編再構成2 1/7:2005/08/30(火) 03:12:59 ID:MGhRUaT3
 
 城内でカイムは虐殺をしていた。
 容赦なく、すぱっすぱっと小気味よい音を鳴らしながら。
 もう油断することがなく、一点の曇りもない抜き身の妖刀のような殺戮者がそこにいた。
 契約者になった恩恵か身体能力が格段と上がり、己の剣から放つ炎もより強大なものになっていた。
 勿論、その代償はあった。
 しかしそれは「声」であり、帝国兵のダニが殺せればそれで満足、というカイムにとってあまり大きな損失でもなかった。
 妹と話すために、常時筆と紙が必要になるだろうが、それはそれで用意すれば済むことだった。

 護衛に回っていた連合国軍の兵士の死体が山のように積まれていても、帝国兵が部屋一杯に押し込められていても、カイムは身じろぎもせず剣を振るった。
 死体の山は崩れ、帝国兵ははじき飛ばされる。
 かつてないほどの力がカイムを突き動かしていた。
 人を斬り、返り血を浴びれば浴びるほど、カイムの精神は高ぶっていった。
 前はそれなりに手こずっていた騎士も、五秒と立たず解体できる。

 あの小娘の戯れ言……ドラゴンだとたわけたことを言っていたが、あながち嘘ではなかったのかもな、とカイムは、殺戮の奔流に流されつつふと思った。

 城の入り口からフリアエの部屋の前までほとんど一直線にカイムは進んできた。
 敵がいようと障害物があろうと、全く意に介さず走ってきた。
 女神の部屋の前ではまだ連合国兵士の守衛が決死の覚悟で部屋を守っていたのを助け、敵を退けた。

「あ、ありがとうございました。 カイム様」

 守衛の一人が言った。
 その守衛は昔から妹の警護をしていた初老の男で、前にカイムが見たとき、この戦の前に隠居するだろうな、と思っていた人物だった。
 もっとも、血が昂揚しているカイムにそこまでの記憶が引き出すことはできなかったのだが。

「どうしました? カイム様」

 もとより無愛想だった城主だったが、何も返事をしないことに違和感をもったのか、守衛が尋ねた。
 ここはさっきまで戦場だったこともあり、もしや怪我をしたのか、という不安もあった。

 と、そういう親切な心遣いを台無しにすることが大得意なカイムは、気遣ってくれた守衛を無視し、女神の部屋のドアを蹴破って入っていった。
 守衛はもちろん渋い顔をし、敵が入ってきたらどうするんだ、と小さく呟いたが、ドアが閉まっていても開いていてもこの「殺戮王子」がいなければ同じことか、と思ってそっぽを向いた。


「遅かったな、お主。 やはり人間は愚鈍よの。 我のように羽ばたく翼も持たぬとは」

 女神の部屋にはいるはずのないものがいた。
 赤い鱗の翼を持つ幼女、自称レッドドラゴンとのたまうアンヘル。
 カイムは反射的に剣を抜いた。 
232ドラゴン擬人化本編再構成3/5:2005/08/30(火) 03:15:37 ID:MGhRUaT3

「遅かったな、お主。 やはり人間は愚鈍よの。 我のように羽ばたく翼も持たぬとは」

 女神の部屋にはいるはずのないものがいた。
 赤い鱗の翼を持つ幼女、自称レッドドラゴンとのたまうアンヘル。
 カイムは反射的に剣を抜いた。 

「おっと、動くなよ。 動いたらお前の大事な妹の顔がぐちゃぐちゃになるぞよ」

 女神フリアエが十五にも満たぬ容姿の幼女に抱かれ、顔の横に鋭い爪を突きつけられていた。
 フリアエは鳩尾を殴られたのか何かされたのか気絶していた。
 もっとも例えフリアエが起きていたとしても、この幼女の束縛をはねのけられるはずはないだろう。
 アンヘルは見た目はアレだが、中庭で自分の足をがっちり掴んでふりほどけなかった怪力だ。

 それにしても小物臭がプンプンしてきたな、こいつ、とカイムは思った。

「黙れ! カイム! 誰が小物だ! 我は最高種ドラゴンぞ。
 小物というヤツが小物なのだ、ええい!
 貴様は我をとにかく苛立たせる……これ以上生かしておくと後世に憂いを残すことになるであろう。
 ここで宿命を終わらせてやろう」

 短絡的で感情的で、少々お脳の方がかわいそうなヤツ……まったくもって小物だ、とカイムは思った。
 ちなみにカイムも短絡的で感情的で、少々お脳の方面がかわいそうなヤツだが、しかし彼は殺戮王子の二つ名を持つ超人X、アンヘルとは格が違うのだ。
 声の出せないカイムの心中を読み取ったのは、契約者の心を読むことなど簡単なことなのだろう、と自然とカイムは納得していた。
 カイムは心は精錬潔白……というか、面の皮が厚すぎてどうも思わない人物であったので、特に狼狽もせず、落ち着いて現在の状況を見据えていた。

「……くっ、ここまで我を侮辱するとは……万死に値す……。
 ちょ、ちょっと待て! なんだ今のイメージは……貴様、何を考えている! あ、あ、あああ……」

 カイムはとりあえず、頭の中でアンヘルを脱がしてみた。
 常に血生臭事しか考えていないカイムにとって、アンヘルのような色気のない……というかそもそも女というものにあまり興味は持っていなかったのだが、妹を人質に取られている以上相手が嫌がることをして気をそらそうとしたのだ。
 初心ではあるが、それなりに基本事項は分かっているカイム。
 それに今は少し色々なスイッチが入っているので、陰鬱な想像はたやすくできた。
 さきほど中庭で口論したときのような減らず口は、声が失っていることで使うこともできなかったのである。

 想像上でアンヘルに屈辱的な格好にし、それをアンヘルが読み取らせることがカイムが今できる最大限の嫌がらせだった。

「やめろ! 考えるな! この馬鹿! 馬鹿! カイム!」

 その嫌がらせが功を制したのか、顔を真っ赤に染め上げて大声を張りあげるアンヘル。
 全身が茹でタコかトマトのように染まり、怒りやら恥ずかしさやらに精神が揺さぶられているのは明白で。
 あれだけ強がって、「抱け」とか言っていたわりにお約そ……いや、初心なんだな、とカイムは密かに思った。

 ふと、カイムは自分の中で感覚を掴んだ。
 それは契約者にのみ聞こえる「声」というものであり、その「声」はどうやら喉から出る声とは違って、契約の代償として無くなっていないようだった。
 契約者になって初めて感じるソレを、恐る恐る使ってみた。
 恐る恐るというには少し大胆にアンヘルにイメージをねじ込んでみた。

233ドラゴン擬人化本編再構成:2005/08/30(火) 03:16:21 ID:MGhRUaT3
「や、やめろと言っているのかわからんのか! そ、そんなものを我に舐めさせるな!
 く、くそう! ならば我も貴様の恥ずかしい格好を送りこんでやるわ! 後悔しても遅いぞ!
 我の発禁モノの超画像を見せてやるッ!」

 カイムの脳裏に、自分の裸がでかでかと映る。
 しかし、所詮はアンヘルの貧弱な想像力の産物であり、細部が稚拙で陰部やら臀部やらは黒く塗りつぶされていて全く見えない。
 もちろんカイムが少しでも動じることはない。
 というか、カイムならごつい帝国兵に性的に汚されている思考を流されても平気な顔をしていただろう。
 アンヘルは張り合うジャンルと相手を間違えていた。
 涼しい顔をしているカイムに、見るモノを全員KOする超画像を送ったのに……と、アンヘルはある種の恐怖を覚えた。

「くそ、お前には羞恥心というものは無いのか!? 何故あんな格好をさせられて何も思わぬ……
 何!? 犬! 犬などどうす……る……ま、まさか……やめろ! やめろーーーッ!
 今すぐ考えるのをやめろ、こやつの顔を引き裂くぞ」

 気絶しているフリアエの顔に、ぷつっと血の玉が現れた。
 アンヘルが鋭い爪を数センチ動かせば、フリアエはもれなくギョロアエになってしまうだろう。
 カイムは流石に思考をやめた。
 もちろん、犬まで持ち出すのは度が過ぎていた、と良心が咎めることもなかったことも無かったが。

「はぁはぁ……とんでもないことを考えるな、貴様。
 我に首輪をつけさせ、犬に散歩させるとは……くっ、思い出しただけでも寒気が走る。
 やはり貴様はここで殺しておくべきか……ふ……
 両親をドラゴンに殺されたのだ、うぬと妹もここで我に殺されるのがふさわしかろう」

 カイムは良心を撤回した。
 やはりアンヘルにお仕置きをすべきだ、と。
 フリアエを人質にとって脅すことはまだ許せた。
 だがしかし、封印した己の狂気の発端をほじくられ、嬲られたのは我慢がいかなかった。
 ご丁寧なことに、アンヘルは当時の記憶をカイムから取り出し、それをカイムの脳内で再生してみせたのだ。

 まるで劇のように、繰り広げられる肉親の死。
 カイムが黒化したきっかけが、もう一度。

 カイムは、自分の黒髪に包まれた頭の中でぷっつんという音を聞いた。
234ドラゴン擬人化本編再構成:2005/08/30(火) 03:16:58 ID:MGhRUaT3

「ええい、近づくなと言っておるだろうが! 何故動く……」

 アンヘルはまだカイムの狂気に一度も触れたことがなかった。
 もちろんそれはカイムとまだ出会ってから一時間も経っていないことが原因だったが、それでも十分命取りであった。
 ただでさえ戦闘能力の高さと非情さで「殺戮王子」と呼ばれていたカイムが、契約者となり、更に怒り狂っているところを一度でも見ていたら、アンヘルは恐らく、窓をぶち破り赤い鱗の翼で遙か彼方の空まで飛んで逃げただろう。
 だが、無知故の愚かさで、未だに自分が優位に立っていると勘違いしてしまっていたのだ。

「おい! いい加減にしないか、カイム! そうか、妹などどうなっても構わぬ、か。
 化けの皮を剥がしたな、カイムよ。 やはり貴様は矮小なる人間。
 己の身が一番大事、所詮はその程度の人間だったと言うわけか。 ふん、興が削がれた。 妹は返して……」

 カイムの右手が、ものすごいスピードでアンヘルを捕らえた。
 アンヘルのかぎ爪がフリアエの顔を抉る時間すらなく……いや、今のスイッチがONになっているカイムでは、フリアエの顔が見るも耐えないものになったとしても、恐らく右手を止めることはなかっただろう。
 ごつい手が、アンヘルの細い首を押し、アンヘルを引き倒した。

「がッ! こ、このッ! 無礼者! 我は万人が認める“びしょうじょ”ぞ。 このような不埒な行為をしていいと思っておるのか。
 わかるか? 世界の損失ぞ? 我の顔にちょっとでも傷をつけてみよ。
 真の美を追究するロリなんとかというモノどもに永遠に命を狙われ続けるのだぞ!」

 砂の堤防で、海の波を防げぬように、アンヘルの虚勢で、カイムの勢いは止められない。
 地面に倒されたアンヘルは、首の根本をひょいと掴まれ、そのまま宙づりにされた。
 カイムの馬鹿力は今見たことじゃないが、アンヘルを腕一本で軽々と持ち上げていた。

「こ、こら! 何をする、降ろせ、降ろさぬか! くそカイム、こんなことをして後でどうなるかわかっているのだろうな!」

 アンヘルはカイムの心を読み取れなくなっていた。
 カイムの心のスイッチがONになり、戦場の一番先端で「殺戮王子」になっている精神状態では、心の防壁まで自然と作り上げてしまうものらしい。
 今までの、まがりなりにも年長者、といった行動はなくなり、もっともその年長者の行動がアンヘルを苛立たせていたのだが、とにかくアンヘルは多少なりとも恐怖を覚えた。
 何かしらがあってキレてしまった人間はアンヘルも何人か見てきたが、極端から極端まで全速力で駆け抜けるような人物に会うのは初めてで。

「や、やめろ! 変態! わ、犯される! 我はまだ……しょ」

 カイムの腕が胴に巻き付けられ、空中でケツを突き出させられる恰好をさせられた。
 ついにカイムの右手がアンヘルの薄いボロのワンピースのスカートをめくり上げた。
235ドラゴン擬人化本編再構成:2005/08/30(火) 03:18:14 ID:MGhRUaT3

「や! やあぁあああああ!」

 パシーンと小気味よい音が部屋に響いた。
 いつの間にか小手を外していたカイムの右手が、アンヘルの真っ白なおしりに一つの手形を作ったのだ。

「痛ッ!」

 パンパンパン、と連続して響く音。
 その度にアンヘルは身をよじり、容赦なく自分のヒップをひっぱたいてくる手から逃れようとするが、今とはなっては無駄な努力。
 契約時に傷がなくなり、綺麗になった体にまた一つ、また一つともみじが現れる。
 人を殺すために剣を振りまくっているカイムの腕は常人よりも遙かに優れた筋肉に覆われており、皮が厚くなって豆になっているところもしばしば。
 つまり、一発一発の威力が大きく、更に持久力もある、ということなのだ。
 数十回も『お仕置き』は続けられ、小さなお尻が約二倍の大きさに膨れあがってからようやくアンヘルは解放された。

「うっ……うっ……こ、殺してやる! ぜ、絶対に殺してやるからな、カイム!」

 床にうつぶせになり、かすかな空気の移動を感じるだけで痛む尻を突き上げる無様な恰好で精一杯の悪態をついた。
 ドラゴンというものは、基本的に痛覚神経が鈍い生き物なのである。
 極めて高い戦闘能力を持っているからして、反射神経や運動神経は恐らく進化を続けている神経であるが、反面、長命で不死性の象徴とされ、再生能力も高いため、命の危険を知らせる痛覚神経は自然と退化していったのである。
 そのおかげで、アンヘルは帝国軍の拷問に耐えきることができ、逃げることができたのである。

 で、本題は、何故痛覚神経が鈍いアンヘルがこの程度のスパンキングで無様な恰好をせざるをえないようにさせられているか、だ。
 やはりそれは『契約』による一種の変化が起因している。
 そもそも契約とは、相手と自分の心臓を交換し、運命共同体となって魔術的に力を高める行為である。
 片方が死ねばもう片方が死ぬように、生命を共有しているようなものなのだ。
 両者は互いに支え合わねばならぬように世界は制定されており、互いに支え合うためには心の距離を埋めなければならない。
 故に、アンヘルの感覚器官はカイムによって及ぼされる影響を関知する事に対して、殊の外敏感になったのである。
 その影響はかくもたるや。
 カイムは、ドラゴンの一番鈍い感覚である痛覚神経を引きづりだし、尻叩きだけで帝国軍の拷問とは比べものにならぬほどの苦痛をアンヘルに与えたのだった。

 痛みとは縁の無かったアンヘルが力の強いカイムに尻をひっぱだかれ、痛みで失神したり失禁したりしなかったのは、アンヘルの意地のなせるワザだった。

 アンヘルはひっくと嗚咽を鳴らし、目の端に屈辱とも苦痛が原因ともとれる涙を一杯溜めてカイムに憎悪の視線を投げかけている。
 これには流石のカイムも引け目を感じさせた。

「……」

 カイムは懐に手を入れ、あるものを探る。
 それは戦場で戦士の持つ薬……。
 もちろん薬と言っても、傷薬でも風邪薬でもない。
 鎮痛作用のある興奮剤だ。

 戦場で生きるか死ぬかという戦いをするのは、兵士にとって大変なストレスになる。
 それを緩和するために、もっぱら麻薬は兵士達に愛用されていたのだ。
 カイムは一応連合国に名を連ねる国の王子であり、他の兵士よりも格段に純度が高く安全なそれを渡されていた。

 が、自分でスイッチのオンオフができるカイムにそんなものが必要なわけない。
 しかし、軍の補給とやらで受け取らねばならず、納豆の使わなかった「からし」のようにカイムの懐には丸薬がごろごろしていた。

 その一粒を、アンヘルの目の前に落とした。
236ドラゴン擬人化本編再構成:2005/08/30(火) 03:18:56 ID:MGhRUaT3

「……な、なんじゃこれは……」

 アンヘルは敵意剥き出しの中にもほんの少しの好奇心をちらつかせていた。
 さっきまで自分の尻を叩いていた男が、目の前にくろっぽい丸薬を置いたのだ。
 アンヘルの今までかいだこともないにおいを発していた。

 アンヘルは咄嗟に、心の防壁が消滅したカイムの心を読んでそれが鎮痛剤であることを知った。

「……要らぬ。 貴様に施しは受けぬ」

 ひょっとしたら一世紀に一度あるかないかのカイムの好意を、アンヘルは断った。
 無論、カイムは好意を受け取らないような真似をよしとしない。

「う? ……あ、離せ! 離せ!! やめろ、わかった、飲むから……もう叩かないでくれッ!」

 再び体を持ち上げられ、赤くなったおしりを剥き出しにされ、手を大きくあげてからようやくアンヘルは屈服した。
 どしゃっと体を落とされ、地面にまた無様な恰好を晒すアンヘル。
 目の前の臭い丸薬を、手にとって一粒飲み込んだ。

「おぇ……」

 その丸薬は異様な味がした。
 口の中の水分が吸収され、とてつもなく苦い。
 我慢して飲み込んでからすぐに薬の効果が現れた。

「あ……」

 アンヘルの心臓がドクンと跳ね、そのまま早いビートで鼓動を打ち続ける。





 と、ここで殺戮者カイムがまがりなりにも王子様であることを再認識してもらおう。
 帝国という異常な国と戦時中の王子様は、常日頃命を狙われているのと等しい。
 一応戦争にはルールというものがあり、暗殺というのはよほどのことがなければ行われないのであるが、帝国はそれをまったく無視し続けている。
 毒を盛ったり、暗殺者を雇ったりしまくっていた。

 しかしカイムは一筋縄ではいかない変人である。
 真っ向から襲いかかってくる暗殺者をことごとくぶち殺し、鋭い嗅覚で毒もかぎ分ける。
 城の警備も頑丈で、帝国が間者を送ろうとも中々殺せなかった。

 それで、一人のスパイが毒をこっそりカイムの薬袋に入れることを考えついた。
 戦場で使われる興奮剤の中に同じような形の毒を入れる。
 いくら嗅覚の鋭いカイムであっても、戦場という場所で、更に他の薬の臭いもある薬袋から毒を見分けることはむずかしいだろう。
 そう考えたのだ。
 唯一の誤算は、カイムが興奮剤なんてものを使わなかったことだったのだ。

 ちなみにその毒は、飲めば急激に息が詰まり呼吸困難になって苦しみながら死ぬというもの。
 特殊な魔法を使って醸造された特別製の毒で、解毒薬は全く存在しない。
 ほんの少しでも体に入っただけでも十分危険な一品である。



 ……名前は「竜の媚薬」と言ったりするらしい。

237前スレ446:2005/08/30(火) 03:31:01 ID:MGhRUaT3

 スマン、十二時に投下するって言って寝過ごした。
 ガン×ソードも見逃した、ウボアー。
 明日はちゃんと定刻通り投下しますYO。
 とりあえず今日はここまで。
 明日はようやくエロシーンに行けます。
 後半は加筆修正の荒しなんじゃけんども。

 あとレスくれた人サンクス。
 とても参考になりましゅ。

 なんかちょっと不穏な空気のようですが、
 自分としてはもうちょっとここに居たいので、まったりになってほしいなあ、と。
238名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 03:38:26 ID:+cyknb4/
>>237
起きててよかったと、心の底から確信している。
続きを楽しみにしています。
程度の低い争い、大好きです。好物です。
239名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 03:40:46 ID:/6IqjIt2
最っ高!!殺戮王子バンザイ!!
240名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 03:45:25 ID:ZVo5NEyh
>>237
職人さんGJです!カイムもアンヘルもらしくていいです
文章書ける方はすごいですね〜

夏休みが終わればまったりに戻るでしょう・・・。何にせよ、あともう少しの辛抱ですよ
241名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 04:17:17 ID:qMDPREfo
446氏真夜中に乙です!
俺も>>238同様に起きてて本当に良かった!カイアン万歳!
(ぶっちゃけさっきまではこれ以上出待ちしても無理かもしれないと思ってたが、いやはやSSの力は凄いね。)
242名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 17:53:41 ID:UKd/BhMF
>>237
気楽に読めて楽しいよ
243名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 18:43:00 ID:049OqnnY
あははははきれーい
244名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 19:40:50 ID:CHlO9XKd
アリ姉さんもご満足されたようです。
245名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 21:18:40 ID:dctMjgea
蟻さんめっちゃ好きなんだけど、公式でグロ担当だからなー。普通のエロが思い浮かばない
誰かやってくださいyo
246名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 21:23:22 ID:nZ6n873M
>>245
エロあっても鬼畜とか拷問系になりそうな気がする…(相手も禿とか帝国兵とか)完全に壊れちゃってるから。
何より旦那と子供を愛してたからな、相姦期待するなら正気の頃か?
247名無しさん@ピンキー:2005/08/31(水) 02:10:11 ID:quBVAbh9
旅の途中、立ち寄った村の宿でカイムたちは体を休めていた。
予算の関係で、部屋は二つしか借りることができなかった。
アリオーシュは女性ということもあって一つの部屋をつかわせるつもりで居たのだが、
考えれば何か騒動を起こしそうなので、カイムを傍に置くことがヴェルドレとレオナールによって決められていたのだ。
こうしてカイムは半場強制的に、アリオーシュの部屋へと行くことになる。
カイムがアリオーシュの部屋へ入ると、彼女はいなかった。
そういえば、体が汗臭くなっていることに気がつく。
ここ何日もシャワーを浴びていなかったので当然、といえば当然なのだが。
カイムは剣を収めた鞘をベッドの上へと投げ、部屋で衣類を脱いで、シャワールームへと向かう。
その引き締まった肉体が、鏡に映し出される。
しかし体には歳に似合わぬほどの、大小の傷跡がかなりあった。
それを見て誰が亡国の王子だと思うだろうか。
そんな事を考えながら、シャワーの蛇口を捻ると、冷たい水が全身に掛かる。
その時、部屋の扉が開き誰かが入って来る気配がし、カイムは警戒するが、すぐに解いた。
アリオーシュの部屋なのだから彼女が戻ってきただけだろう、と考えたからだ。
カイムは、気にせずにシャワーを浴び続ける。
それが彼の落ち度だった。
なんとアリオーシュがカイムのいるシャワールームへと入ってきたのだ。
カイムはそれにきづいていない。
そしてアリオーシュがシャワールームのカーテンを、開けた。
カイムは驚き、濡れそぼった体を後ろへと向ける。
するとそこには裸のアリオーシュが立っていた。
彼女の裸体は美しかった。
おそらくこの裸をみて勃起しない男は、EDか子供だろう。
そしてそれはカイムも例外ではなかった。
カイムのソレは馬並みなのだが、剥けていなかった。
彼女はしゃがみこみ、肉棒に顔を近づけた。
「シャワーを浴びるときは剥きなさいって、いつも言ってるでしょう……」
そう言うと彼女はカイムの肉棒を万力で掴み、剥いていく。
カイムは抵抗したものの、ムスコを掴まれているせいか、力が入らなかった。
「何か出てきたわ……いけない子ね、お母さんの裸を見て興奮したのね」
そういって彼女は……
続くよ。
248名無しさん@ピンキー:2005/08/31(水) 06:53:15 ID:1n0E6ADg
キタ(゚∀゚)コレ !!
続き楽しみ
249名無しさん@ピンキー:2005/08/31(水) 12:59:28 ID:4sL56W/W
言ってみるもんだ
蟻さんカコイイ
250名無しさん@ピンキー:2005/09/01(木) 16:33:46 ID:JPG0gFyk
フリアエと教授合体をフリアエ視点でエロにしたら鬱になりそうだな
死姦だと普通というか当たり前すぎるから、卵の中で半分生き返ったような状態で

って、ちょっと悲惨すぎるな
251名無しさん@ピンキー:2005/09/01(木) 17:31:14 ID:Ds9LKMxh
駄菓子菓子それがDODクオリティ。
つうわけで頑張れ
252名無しさん@ピンキー:2005/09/01(木) 20:29:47 ID:48HYLvs7
>>250
できれば是非とも読みたい。鬱になりながらそこに何かを見い出せそうだ。
253ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/02(金) 22:04:14 ID:oKI34cd7

「き、貴様……我に何を飲ませたのだ……」

 アンヘルはうなった。
 カイムに渡された丸薬を飲んでから、全身に妙なうずきがわき上がってきたからだ。
 しかし、カイムは何も知らない気づかないと言った様子できょとんとしているだけであった。
 アンヘルもカイムと出会ってからまだ間もないが、目の前の男は己の体と剣で相手を両断することはよしとしても、薬を盛るといったことはしそうにもないとわかっていた。
 なんにしろ、アンヘルはいち早くカイムの心を覗き、自分に渡した丸薬はただの薬であることを知っていたのだ。
 薬がただの鎮痛剤であることが理解できても、体の奥底からわき上がる熱は収まりそうになく、むしろ風が肌……特に赤く腫れた部位を撫でるたびにこみ上げてくるのだった。

(な、何故、何故だ。 痛みの中からこみ上げてくる異様な感覚を抑えられぬ。 ……何故……)

 それは鋭敏になった痛覚神経が「竜の媚薬」の毒に反応し、性感を昂ぶらせているだけだったのだが、ただの鎮痛剤しか飲んでいないと思いこんでいるアンヘルにそのようなことがわかるわけがない。
 故に心を締め付ける悦楽があたかも痛みの奥底からわき上がってくると錯覚し、一度そう考えた脳がそれこそが事実である、と思考をシフトさせてしまったのだった。
 つまり、「目覚めてしまった」ということである。

 アンヘルがそうやってしゃくとり虫のポーズをとりながら内心で葛藤している間、肝心のカイムは気絶している妹の世話をしていた。
 フリアエは、アンヘルのツメによって顔に小さな切り傷を負っていたので、カイムは部屋のタンスの中に入っていた清潔なタオルで血をそっとぬぐい、同じように部屋に備わっていた傷薬を妹の頬に塗った。
 まだ目覚めぬフリアエをそっとベッドに寝かせ、薄い布団をかけてやってからようやくカイムはアンヘルの方へと振り向いた。

『立てるか?』

 カイムは早くも「声」の扱いになれ、アンヘルに呼びかけてみた。
 しかしアンヘルは返事ができるほど余裕はなく、ちょっとでも気を抜けば目の前が真っ白になりかねない状態であったのだ。
 このことをカイムが知っていれば少しは配慮しただろうが、現実ではそのようなことはない。
 もちろん自分以外の心を理解しようとしないカイムが、アンヘルの異変に気づくわけもない。

『立てないのか? お前』

 カイムは、返事をしないアンヘルに、今度はいささか挑発めいた口調で言った。
 アンヘルにとってそれは、余計なお世話というもので更に有害な言葉であった。
 虚栄心の塊であるアンヘルがこのように言われて素直に、はい、そうです、とうなずくわけがない。

「は! わ、我を誰だと思って……おる。 最……高種ドラゴンぞ。 こ、この程度のこと……で……」

 腹の下にぐっと力を入れて、手をつき、ひざを持ち上げ、ふらつきながらもアンヘルは立ち上がった。
 まくれあがっていたボロのワンピースが再び重力に負けて下に落ち、敏感になった臀部に触れぬように気を遣って。

「ほ、ほれ見ろ。 我は、き、貴様の手など借りずに立ち上がった。 これでもまだ我のことを……」

 そう言った途端、アンヘルは、転んだ。
 目を開いたまま、口を開いたまま、どてっと。

 赤く腫れたおしりから、どてっと。

「あああああああああああッ!」

 何かの液体があふれ出る音がし、やっぱり何かの液体が溢れ出て床に溢れた。
 体内でアンモニアが尿素になり、それが摂取した水分にとけたもの。

 要するにおしっこ。

 が、アンヘルの足の付け根の部分から吹き出したのだ。
 それ以外の部分から吹き出したらちょっと怖い。

254ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/02(金) 22:05:08 ID:oKI34cd7

『……』

 カイムは少々面くらい、じりと後ずさりした。
 戦場で下を漏らすことは日常茶飯事ではあるが、この娘にとってはまず考えられないことだろう。
 恐らく、烈火の如く怒るに違いない。
 年頃の女人がそのような状態になったら、絶対に目の前に見える動く物に当たり散らすに違いない。

 目の前に見える動く物。
 それすなわちカイム。

「あ……か、カイム……」

 びくりと身をよじるカイム。
 アンヘルは羞恥に頬を染め、まるでゾンビのように這いずってくる。
 カイムは少々の戦慄を覚えた。

 このままとんずらしてやろうか、とカイムは思った。
 だが、ここで逃げて、自分以外の人間は妹以外はこの部屋から誰もいなくなる。
 あるいは部屋の外に居る守衛を放り込めばフリアエは助かるかもしれないが、危険過ぎる賭だろう。
 ここでアンヘルを止めることが出来るのはカイムだけしかいなかった。

 両者が動いたのはほぼ同時だった。
 カイムが剣を抜き、アンヘルが信じられない熱量を持った炎のブレスを口から吐き出す。
 カイムの剣は一瞬にして蒸発し、ブレスは城の天井を溶かして遙か彼方へ飛び去った。
 刹那の見切りによってカイムの腕はまだ肩にくっついていたが、カイムは丸腰になってしまった。
 見てからにして、アンヘルはこの一発で全てブレスを撃ち尽くしたということはなさそうで、もしそうだったとしてもアンヘルにはカイムにない鋭い爪を持っている。
 どちらが有利不利かは明かであって。

 カイムは一歩も退かず、敢えて突撃した。
 間合いをとったとしても、あのブレスの速さを見る限りそう何度も避けられるわけではなさそうで、それならば、次のブレスが来る前のラグに賭けようとしたのだ。
 しかし、アンヘルはカイムの思っているよりも早く、意外な方向へ動いたのだった。
 カイムの予測では、この後アンヘルは一旦自分から距離をとり、ブレスで殺そうとしてくるということだった。
 接近戦でツメを使うということは考えなかったわけではないが、カイムは人間とて契約者、下手をすればリスクが加算される。
 よって、遠くからより安全に確実な手段で仕留めてくる、と思ったのである。

 が、実際はその逆……どころか全く繋がるところのない、予測しようもなかったことになったのである。

 カイムが突進し、アンヘルはその懐に飛び込んだ。
 ツメを立てることもせず、ただ、懐に飛び込み、痛いほど抱きしめてきたのだ。
 勢い余ってカイムは転倒し、アンヘルは絶好のマウントポジションに。

「……カイム。 ……忘れよ」

 アンヘルの力は存外に強く、ふりほどけなかった。
 その力の元もさることながら、今の発言もまた、理解しがたいことであった。

 忘れる?
 何を?

 目的語が欠落した命令に、はて、と首をかしげるカイム。
 そこに今の状況から逃れることのできる鍵があるのかもしれない、とカイムは考えたが、実際はそんなことはなかったのである。
255ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/02(金) 22:05:43 ID:oKI34cd7

「……先ほどと、今からの我の痴態を忘れよ、カイム……」

 アンヘルの手がカイムの頭を地面に押しつけ、がっちりロックする。
 額に手の平にあて、親指、小指を両のこめかみに押しつけ、残った指はカイムの髪の毛の中に押し込む。
 カイムは顔を右にも左にも、ましてや上に上げることすらできなくなった。
 そこへ、アンヘルの顔が迫ってきた。

 カイムの唇を割ってアンヘルの舌が口腔内に入り込んでくる。
 もちろん、カイムはまさかそんなことをしてくるとは思わなかったので、混乱した。
 カイムにできたことはアンヘルの舌を間違って噛まないようにと、自分自身にとって全く必要のない気遣いだけだった。
 カイムは好き勝手にアンヘルの舌に蹂躙されるされながら、甘い味を感じていた。
 すると頭にもやがかかったかのように思考が乱れ始めた。

 カイムの名誉のために断っておくが、カイムに幼女趣味はない。
 アンヘルのような子どもに欲情することなど間違ってもありえないことなのだ。
 カイムの思考を乱すのは、アンヘルの思考を乱したものと同一のものである。

 賢明なる読者諸兄はもう察しを得ていると思われるが……。
 そう……「竜の媚薬」である。

 竜の媚薬、それは魔法薬学の裏の産物。
 人を殺し、竜をたぶらかす秘薬。
 本来は人を殺すために作られたそれは、竜の体内で体液に触れると強い媚薬となる。
 大抵の場合、竜の体内の中に入れられたそれは竜自身が飲み込んでしまうために検出ができなくなるが……。
 粘液接触した場合、どうなるか。
 具体的に言うとなるとなれば、今のカイムのようになるわけだ。
 主に竜の繁殖に使われる。

 もう一度言おう、作……いやカイムに幼女趣味はない。
 薬のせいでただ単に、そういう生理現象を起こしているだけなのだ。
 なのでくどいようだが、作者は……いやいやカイムは変態ではないのだ。


 人間、頭を固定されたら身動きがとれないものである。
 人間にしてはやたら規格外であるカイムとて、そのしがらみからは抜け出せない。
 アンヘルが口の中をなめ回してくるという異常な事態であっても、カイムははねのけることができなかった。
 更に、「竜の媚薬」がカイムの意思をその毒性で削いでいく。

 一度だけわき上がる悦楽から脱することができ、カイムはアンヘルをはじき飛ばすことができた。
 腹筋の力を使い、足をアンヘルの上半身に引っかける。
 そのまま反動でアンヘルを引きはがした。
 無論、そのままの体勢でいれば再びアンヘルに寝技に持ち込まれるのは目に見えていた。
 素早く立ち上がり、そのまま間合いをとる。
 心拍数が上がり、全身と脳に血液がめぐる。
 カイムは素早くこの状況で最もベストな選択肢を探し始めた。

 だが、心拍数が上がればあがるほど、「竜の媚薬」はカイムを侵し始める。

 「やられる前にやれ」

 日常でも、戦場でも、どこでも通用するカイムの座右の銘。
 「竜の媚薬」の毒のせいか、カイムはそれを実行することにした。
 一瞬でその判断を下し、まだ体勢を整えていないアンヘルに向かって、カイムは捨て身の突撃を行った。
256ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/02(金) 22:06:49 ID:oKI34cd7

「うわッ! な、何をする、カイ……」

 アンヘルのボロのワンピースが引き裂かれ、中に隠れていた白い肌が露わになった。
 今度はアンヘルが下でカイムが上のマウントポジション。
 体重と腕や足の長さの圧倒的差が、ただ単にアンヘルの馬鹿力だけではカイムを引きはがすことを不可能と告げた。

 ぎらぎらと血走った目のカイムは、誰がどう見ても変態。
 幼女であろうと大人の男であろうと、変態は畏怖の対象である。
 「竜の媚薬」が効力を発していようと、アンヘルのわずかに残る理性が警鐘を鳴らす。
 だが、それも今更どうになるわけでもない。
 引き裂かれたワンピースは無惨にも布片と化し、腕にほんのわずかまとわりつくものにしかならず、先ほど尻叩きで少しずらされた下着はもはやその名残すら残さない。

「や、やめろ。 カイム……気が狂ったのか」
『何を。 貴様が先に誘ったのだ』

 カイムはもはや猛る自分自身を押さえつけることができないほど暴走していた。
 目の前に極上……とは言えぬとしても、それなりの餌はある。
 まずカイムは、まだ染まりきっていないアンヘルの抵抗する意思を取り除くことを考えた。

 アンヘルの膝に引っかかっていた下着を脱がし、それを戸惑い無くアンヘルの口に突っ込んだ。
 先ほどお漏らしをしたアンヘルのそれは、きついアンモニア臭を放って存在していた。
 そんなものを口につっこまれてうれしがるのはスカトロ趣味のある輩だけで。

「う、うぉぇええ……」

 普通はこうなる。
 吐き気を催し、口の奥底まで突っ込まれたそれを排除する動きを、カイムは邪魔をした。
 己の、ちょうどよいサイズの棒を口にいれて、その下着を口の外に出すことをとめさせようとしたのである。
 その「ちょうどよいサイズの棒」というのは、ここがエロパロ板であるという状況を考えれば、何かは自ずと分かります。
 手早くベルトを外してズボンをずらし、自己主張激しいカイムジュニアを取り出すと同時に、アンヘルの、パンティーを出すために大きく開けられた口の中に、問答無用で突っ込んだ。
 まさかこんなことをされるとは思っても見なかったアンヘルは、目を白黒させて狼狽する。
 だがしかし、噛み千切ることもできず、カイムのされるがままの状態にならざるを得なかった。

 それらはほんの数十秒ほどで全てが行われた。
 カイムは素早く口の中から肉棒を抜き、下着を引っ張りだす。
 あのまま続けていれば、アンヘルは吐き気に従うままに吐瀉する。
 下着と邪魔な赤黒い棒が口をふさいでいたら、吐瀉物が喉に引っかかり、アンヘルが窒息する可能性があったからだ。
 一連の行動は全てアンヘルの抵抗する意思を削ぐためだけの行動であり、性衝動を晴らすためのことではなかった。
 アンヘルを精神的、肉体的に痛めつけることには一応、カイムは成功したのである。

 ズボンを脱いでアンヘルの口の中に肉棒を入れ、再び戻す、というのも間抜けだったが、カイムは再びズボンをはき直し、咳き込んでいるアンヘルの上から移動した。
 アンヘルは激しく咳き込み、いつもの威嚇する言葉すらその口から出てこない。
 信じられないことをされた、という恐怖に身をよじらせて、カイムに反撃しようともカイムから逃げようともしなかった。

 もはやカイムが自分に猿ぐつわを噛ませ、持ち上げてどこか他の部屋に連れていこうとも、アンヘルに抵抗らしい抵抗をするほどの意思はなくなっていたのだった。
257前スレ446:2005/09/02(金) 22:17:28 ID:oKI34cd7
みんな重ね重ねスマン。
とあるアフォのせいで三日間家に帰れんかった。
足し算くらい間違えるな、と声を大にして叫びたい。

そしてもっとスマン。
ギャグでコミカルだったのが、鬼畜で陵辱になってきた。
「気楽に読めて楽しい」と言ってくれる人がいたのに、期待を裏切りまくりの内容になっちまった。
DODだからいいかー、と思ってたけど、そういう話が嫌いな人は言って下ちぃ。
無理矢理にでも進路変更するから、いや、進路変更してみせるから。
というわけでヨロシコ。
258名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 00:09:21 ID:D5p6T6T1
フォーーーーーー!超GJっ!
凌辱でも何でも美味しくいただきます。



ところでヤハスレで言ってたハンヤハマダ〜?
259名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 00:15:06 ID:kAqmjH+3
>>257
気軽に読めて云々したの俺だけど、深く気にしないでくれw ただの正直な感想だ
書きたいことを書きたいように書いてほしいよ
鬼畜陵辱等、人を選ぶ内容に関してはタイトルに(鬼畜あり)とか足しとけばいいんじゃね?

続き楽しみにしてる
260名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 18:59:09 ID:Tw2sh9oA
ごめん、一つ聞きたいんだが
ここって女体化とか男体化化っておkなの?
261名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 19:15:44 ID:3am71lyp
>>260
タイトルに表記すれば、問題無いとオモ。てか、どんな内容か詳細キボン
262名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 19:27:29 ID:Tw2sh9oA
ユーリック女体化でノウェユリ和姦
ジスモア女体化で奴隷時代のリンカーンみたいなの

ノウェユリとかちょっと問題あるか・・・?
前になんかもめとったから微妙なんだが
263名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 19:37:11 ID:DY5U4YXV
そういうのは直接投下はやめといた方がよさげ。
どうしてもというならうpろだ使用でタイトルと注意書きを表記。
264名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 19:54:23 ID:VhLjPwr4
あるいは、TS・女体化スレがあるから
そっちに投下という手もあり

と思ったらすげえ荒れてら
うpロダのがよさげ
265名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 19:56:19 ID:7Q7A7d8i
>262
うpろだで待ってる
266ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/03(土) 22:13:29 ID:cLJ6MLUZ

 どさりと落とされた下は簡素なベッド。
 カイムは自室にアンヘルを連れてきた。
 ここならば大きな声を上げて暴れても、フリアエが起きたり、守衛に気づかれたりはしない。
 唯一の家具であるベッドの上で、アンヘルは様々な要因から発せられるアンモニア臭のする熱い吐息を放っていた。

 カイムはまず自分の服を脱ぎ、適当に体の汗をぬぐう。
 一応の身だしなみを整えてから、次はアンヘルの体を拭いた。

「……あっ……」

 竜の媚薬のせいか、それともさきほどのカイムの乱暴のせいか、肌を柔らかくぬぐってもアンヘルは小さく喘ぎ声を出した。
 さきほどから動きらしい動きを見せず、虚ろな瞳で空を見ている。
 外での剣戟の音とアンヘルの喘ぎ声が聞こえる部屋で、カイムは黙々とアンヘルの肌を拭くという作業をしていた。

「……か、イム……もう、もう……我……は……」

 一通り拭き終わるとアンヘルも多少の自我を取り戻したのか、この部屋に入ってから初めて意味をなす言葉を紡いだ。
 とうにアンヘルは竜の媚薬が刺激した己の本能に屈服し、カイムのなすがままにされようとしていた。

 しかし、カイムにはまだ確信が足りなかった。
 このプライドの高い雌を自分の言うとおりにするためにはどうすればいいのか。
 それを頭の中で何千何万も考え、それを想像して残酷な愉悦に身をゆだねていたのである。
 復讐という名の下で大量虐殺をし、明かな悦楽を受けているカイムは、今更言うまでもなくサド。
 サドと言っても日本海にある佐渡ではない。
 痛めつけることで性的興奮を得るカイムは一度性衝動に突き動かされてしまえば、もはや『手段』が『目的』に入れ替わり、頭の中ではアンヘルをどうやって痛めつけてやろうか、と考えることで一杯になってしまった。

 そんなことは露とも知らぬアンヘルはようやくカイムのそのたくましいモノで貫かれ、竜の媚薬がもたらした毒を取り除いてくれるという期待ばかりがふくらんでいた。
 だから、その願望が今すぐ晴らされることがないと知ったとき、より落胆したのだった。

 ベッドに腰掛けたカイムは寝そべったアンヘルを引き寄せ、膝の上に座らせる。
 ふわりとした紅の髪の毛をなぞるだけで感じるのか、アンヘルは身をよじらせる。
 一瞬ひるんだその瞬間に、カイムは豹変した。

 自分の膝の上にうつむせに寝かせ、アンヘルの尻を撫でる。

「あ……」

 流石は最高種ドラゴンと言うべきか、尻の赤みはほとんど消えていた。
 ただ先刻の尻叩きはアンヘルの心に浅からぬ傷を作っており、尻を撫でられるだけでアンヘルは背筋が凍る思いをした。

「……や、やめよ、カイム。 お、おしりだけは……他はなんでもする。 だから、おしりだけは……」

 アンヘルの哀願が通じたのか、はたまた最初からそうつもりだったのか、カイムは一旦尻の下の部分に手を伸ばした。
 目立ちにくい、まるで線のような割れ目をカイムは無遠慮に開いた。

267ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/03(土) 22:14:15 ID:cLJ6MLUZ

「あッ……」

 粘液のある水音をたて、女としての門を開かれる。
 今までにはない新しい快感が走り、アンヘルは上半身をそらした。
 幼女であるが故の穴の小ささか、カイムは一本の指さえそれに挿れることに抵抗を感じた。
 ぬめりのある液体がカイムの指を滑らせ、アンヘルの筋肉が指をキュウキュウと締め付ける。
 ほんの数ミリ動かすだけで、アンヘルが愉悦に耐えきれず声を上げ、身をよじらせる。

「あ……ぃや……そ……んな……指、ま、曲げちゃ……、あッッ」

 完全に人差し指が入ると、中でくの字に折り曲げたり、そのまま膣壁をひっかくように戻したりとやりたい放題をし始めるカイム。
 そしてそれに快感を感じ、やられたい放題をするアンヘル。
 先の尻叩きで完全にアンヘルはマゾとして目覚め、カイムは元々サドであった。
 ある意味、ベストカップルだった。

 ある程度アンヘルの秘所を嬲ったカイムは指を引き抜き、秘所から溢れた愛液をすくってアンヘルの尻に塗りたくり始めた。
 アンヘルは指を抜かれたことに一瞬不満を漏らしたが、再びカイムの視線が自分の尻に向かっているのを感じて仰天した。

「や……やぁ……おしりは、やめて……頼むから、カイ、ああっ……」

 足をばたつかせ、なんとか逃れようとするアンヘル。
 カイムはそんなアンヘルの頭をつかみ、しっかりと視線と視線を合わせる。

 おおよそ殺戮王子らしからぬ爽やかな笑顔を浮かべ、アンヘルに視線のエネルギーを渡す。
 このS野郎が爽やかな笑顔を浮かべることなぞ、まずありえない。
 まかり間違って……今回のように笑顔を浮かべたとしても、その頭の中にはろくでもないことが渦巻いているだろう。

 だがしかし、発情して、頭がフットーしているアンヘルにそこまで推しはかる芸当が出来るわけもなく。
 爽やかな笑顔を字面通りに、「おしりをいじるのはやめるね♪」という解釈を持って受け止めて……。

 その結果が、パッシーンと音を立てられて尻叩き@渾身の力。

「ああああああああああッ!!!」

 背中が大きくそられ、アンモニア臭い口がめいいっぱい開かれて唾液が吹き飛び、足の先までピンとのばし、全身痙攣アンヘル驚愕。

「あ……ああ……ッあああッ……」

 驚きやら痛みやら苦しみやらの坩堝のような顔をして、未だに信じられないとばかりに暴れまくるアンヘルに第二撃。
 鳩が豆鉄砲喰らった×百のような顔をして、カイムに哀願しようとして意味の無い言葉ばかりを投げかけているアンヘルに第三撃。
 もがき苦しんで何かを掴もうと手を伸ばし、びえーんと泣き出したアンヘルに第四撃。

 以上、フェイスレスの人格をダウンロードされたマサルのような笑顔でカイムが提供致しました。

「あ……あああ……あ……」

 度重なる苦痛と快楽の二重奏によって、ヤク中の人のように震えるアンヘルを、カイムはそっと抱きしめる。
 「ごめんね。 でも愛してるから」としゃべれぬ口をパクパク動かす。
 再び、あの「爽やかフェイス」で。
268ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/03(土) 22:14:54 ID:cLJ6MLUZ

 アンヘルの細身は、カイムがちょっと重装騎兵を引きづり倒して剣で鎧ごと解体するときと同じくらいの力を込めれば、簡単に背骨ごとへし折れてしまいそうなほど華奢で……。
 アンヘルは涙に濡れるその顔を、へし折ったらどんな音がするだろうなぁ、ウヘヘ、と密かに思う精神異常者の肩に埋め。
 カイムの首に腕を巻き付け、体に残るありったけの力を込めて抱きしめる。
 無論、一回目の尻叩きを経由し、カイムの愛撫と二回目の尻叩きによって、アンヘルの残る力は微々たるもので、カイムの首を千切っちゃうとかそういうことはない。

 幼女はいつも男に利用されるだけ。
 利用されているのに気づかないのも、幼女だけ。

「……カイム……」

 カイムの「爽やかフェイス」があれば、今までされてきたこと全てを許してしまうアンヘル。
 きっと、脳みそが毎日幸せに生きれるようにできているのであろう。
 カイムが再び赤く腫れてしまったこぶりのヒップを揉みしだいているというのに、快楽にとろける息と流し目は忘れずに。
 左手は添えるだけ。

 色々過程はあったものの、二人はめでたくワンナイトトゥギャザー。
 まだ昼じゃねぇか、というツッコミは敢えてスルーして、とにかくめでたく戦国将軍ゴーショーグン合身GO
 ところで、ゴーショーグンってなんで戦国将軍なのか誰か教えてくれ。

「う……くぅぅぅ……」

 アンヘルはドラゴンなので、処女膜はありません。
 ですが、処女です。
 大体処女か非処女かというのは処女膜の有無ではなく、男性経験が有るか無いかなのですよ。
 バイブで破ろうが、女性の指で破かれようが、男性経験が無ければ処女。
 ついでに言えば、有名な話ですが処女膜がある動物は人間とモグラだけだそうです。
 「動物以外は?」と聞かれても、植物や無機物に処女膜があるわけないので却下です。
 いや、アンドロイドは別だけどね。
 「アンドロイドは別」 ここ重要。

 等々蘊蓄と理想を垂れ流している最中に、アンヘルとカイムはカウントダウン開始。

 カイムはやっぱりサドなので、女性騎乗位をアンヘルに強いました。
 まだ一度も使うことがなかった女性器に、自分でカイムのモノを埋めさせるわけだ。
 その苦痛はかくもたるや。
 もとより、かたや幼女かたや変態。
 ウィンナーを作る機械でボンレスハムを作ろうとするぐらいサイズが違う。
 しかし、惚れた(*作者註:と書いて『はつじょうした』と読む)女の弱みか、筋肉がメリメリとヤバそうな音を立てているというのにカイムを楽しませようと腰をゆっくり下ろしていく。

「う……ぐぅ……い、痛ぁ……」

 まだ亀頭が半分も入っていないというのに、アンヘルはぽろぽろ涙を流した。
 もちろんサイズを考えれば無理もない話で、アンヘルに攻められるいわれは全くない。
 だが、それで納得いかない人こそカイムであって。
269ドラゴン擬人化本編再構成:2005/09/03(土) 22:15:32 ID:cLJ6MLUZ

「ちょ、カイム……何……や、やめろ! ああーーーーーーーーッ!」

 カイムはアンヘルの腰をがっしりと掴み、自分も腰を浮かせて無理矢理アンヘルの中に挿入した。
 アンヘルはやまだかつてない痛みに跳ね上がり、カイムの狂気の凶器から逃げようとするも、がっしりと腰を掴まれているのでそれもできない。
 カイムはそんな中でも、アンヘルのオマンチョがきつすぎて痛いという理由で不満を残し、アンヘルはカイム以上の痛みを感じているのにも関わらず心の片隅では、カイムが気持ちよいのならばこの痛みも……、とまで考えている。
 男女の仲は決してロジックではないし等価交換でもない凡例であろうかと。
 男女の仲は近くて遠いもの、と平安時代のエロイ人も言っているように。

 とにかく、カイムは戦場で斬ったり斬られたりしていくくせに痛みに耐えかねて一度イチモツをアンヘルの中から引き抜いた。
 着脱作業を乱暴に行ったせいで、アンヘルは一際大きい苦痛の波による声をあげ。
 カイムは人の都合を一切無視して暴れ回ることが大の得意な人間で、先ほどまでアンヘルを突き刺していたカイムの息子もまた都合を無視して暴れまくる。
 騎乗位だったのを、ひょいと転がして所謂69の体勢に。 
 アンヘルの身長と等身の関係でカイムの目の前にはアンヘルの小さな膝しかないのだが、まあ目下の目的はアンヘルにカイムのモノをしゃぶらせることであり、カイムにとってなんら問題無し。

「あっ……カイム……これをどうすれば……」

 というわけなのであるが、マセガキといえどまだ初心なネンネなアンヘル。
 69という体勢がなんたるか、フェラチオがなんたるかを知らぬお子ちゃまである。
 目の前にある益荒男をどうすればいいのかと性欲と一緒にもてあます。
 これには、いくらカイムの暴れん棒将軍と言えど、舐めて舐めて、くわえんかいゴラァ、とぴょこぴょこ上下に自己主張したところでどうになる問題ではない。
 口で説明しようと思えど、声はどこへ行ったのやら。

 尺八の微妙な感覚をジェスチャーだけでは伝えるのは不可能であるし、第一ジェスチャーでレクチャーなんて男がやっても気持ち悪いだけだ、と速攻で諦めた。
 くるりと反転させて、今度は素股にチャレンジしようとするカイム。
 散々焦らしておいて結局素股に甘んじることになってしまったのだが、元々が無理難題だったので仕方なく。

「あっ……あっ……」

 お前は壊れたラジオかと言いたくなる感じで二人の愛の行為は行われる。
 むっちりというには明らかに肉薄なフトモモと、先ほどまで太いものを突っ込まれていた粘液でカイムの棒を喜ばせる。
 じゅに、じゅにと音を立て前後運動するカイム。
 さっきまで色々やっていたというのに疲れを知らず、上下左右とアクロバットに体を動かす。

「あ……いぃ……」

 アンヘルはもはや考えることをやめたのか、カイムから与えられる快楽に身をゆだねていた。
 カイムは無言で……というか声を発しようがないのだが、ただただ腰を振るのみ。

「あっ……ああッ! あーーーッ!!」

 竜の媚薬で敏感になったアンヘルが先に気をやった。
 続いてカイムもその自分自身から白濁した液を発射。


 熱い吐息を吐く二人は、数秒の休憩を経て再び絡みあう。
270ドラゴン擬人化本編再構成 エピローグ:2005/09/03(土) 22:17:10 ID:cLJ6MLUZ

 なんやかんや色々様々海千山千な事件、事象、などなど等々etcetcを経てまんまとアンヘルを虜にしたカイムは、アンヘルを帝国軍と戦わせ、
その道中アンヘルとやりまくっていたせいかナニかに目覚めてしまい帝国の司教を見つけるなり裸に剥いていきなり公開調教始めてみたり、
気が狂ったエルフと出会って変に意気投合したり、ホモやショタを見捨てたりしながら、割と幸せに暮らしているそうです。

 今でも自宅の城にこもって多くの幼女を囲い、酒池肉林の生活を過ごしている、という噂です。
271前スレ446:2005/09/03(土) 22:23:44 ID:cLJ6MLUZ
 読んでくれた人ありがとう!
 これからもたまにSS書くかも知れんのでそのときはヨコシコ。
 ただDOD2の方は、なんか棒読みでやる気失せたのでDOD限定でしか書かないけれども。
272名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 00:27:45 ID:9wexFTNA
>>271
GJ!!!!ナレーションテラワロスwwwwwwwwwwww
DOD限定でも全然かまわない、次も楽しみにしてる!
273名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 02:14:10 ID:ZMXXOB/t
>>公開調教
詳しく
274名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 09:16:41 ID:HYQ3Q0+a
>>271GJ!!!
朝からニアニア(・∀・)
やっぱり皆無はいくらか鬼畜の方が…
それと左手は添えるだけって笑
275ノウェ覚性 その1:2005/09/04(日) 14:55:07 ID:ScojdePP
ノウェ達は神水の鍵を破壊する為、神水の直轄区へ突入した!
次々と襲い掛かる騎士達を退け、ついに連隊長と対峙する!
「うへへへ、私を斬れるんですかぁ?」
神水の連隊長ハンチ…契約者でもあり、失ったのは魅力。
目の下に隈があり、その全身は常にびしょ濡れである。
水でぴったりと肉体に張り付いた服には、ハンチの豊かな胸の尖端、
そして性器のカタチまでくっきりと浮かんでいる。
「な…なんて破廉恥な格好!ノウェ!早く鍵を…ノウェ?」
マナがノウェの方へ振り向くとノウェの様子がおかしい。
しゃがみこんで体を震わせている。
「どうした、小僧?気分でも悪くなったのか?」
レグナはあきれた様子で問いかける。
「うううううううううう…」
低く唸るノウェ、だが次の瞬間、ノウェの体が白く輝き始めた。
「うあああああ!!もう我慢できない!」
「ノウェ?」 「ぬう」
いきなりノウェが立ち上がると、着ていた鎧や布が一気に吹き飛び、
ノウェの肉棒が爆発音が聞こえそうな勢いでそそり勃つ!
「「きゃあああああああ!」」 「馬鹿な!真人類に覚醒しただと!?」
マナ、ハンチが悲鳴をあげ、レグナは予定外の事象に驚愕する!
「初めて会ったときからハンチ、貴方の姿が脳裏から離れないんだ…
毎晩毎晩、貴方のその姿を想像しては自慰行為をする日々…
もう俺は絶えられない…貴方と、交わりたいんだ…」
276ノウェ覚性 その2:2005/09/04(日) 14:56:20 ID:ScojdePP
ハンチの元へ歩いてゆくノウェ。
その前にレグナとマナが立ちふさがる。
「ノウェ!正気に戻ってください!」
「落ち着け小僧!新しい武器を買ってやる!だから元に戻れ!」
説得を試みるマナ達。しかし
「うるさい!!PTA有害指定番組直伝の技をくらえ!」
するとノウェの肉棒が凄まじい勢いで回転し、激しい突風を吹き起こす!
「キャ―――――――――――――!!!!!!!!!」
「これが真人類の力かあああああああ!!!!!!!」
突風をくらったマナ、レグナははるか遠くへ飛ばされた!
「ピイイイイィィィィィィィィィィィ!!!!!」
話の都合上、ケルピーも一緒に飛ばされた!
「さあ、ハンチ…これで二人きりだよ…ムハ――――――――!!!」
獣のような声をあげ、ノウェがハンチの元へと走っていく!!
「ひゃ―――――!!!!ウ、ウィングオブフェンネルぅ!!!」
相手にしてくれるとはいえ、さすがにこういうのは勘弁である。
ハンチはノウェに向かって自身の槍に秘められた魔法を放つ。
槍から無数の氷塊が発生しノウェに向かって飛んでいく。が
「フン!…フフン!…痛いけどちょっとカ・イ・カ・ン♪」
変なポーズを取りながらその全てを体で受けきってしまった。
277ノウェ覚性 その3:2005/09/04(日) 14:59:19 ID:ScojdePP
「あ…ああ…」
いつのまにかハンチは聖壇の間へと追い込まれてしまっていた。
そしてとうとう、ノウェがハンチを捕らえる。
瞬く間にハンチは服を脱がされて水で濡れた裸体をさらす。
そのまま何故か聖壇にあったベッドの上に押し倒す。
「もう挿入したいけど、俺は前戯を忘れない男だ」
そう言うと、ハンチの胸を揉み始め、もう片方の手の指を秘所へと突っ込みかき回す。
「ああああっ!いやあッ!…や…やめて下さいぃ!」
必死で抵抗するがノウェはやめない。
(そうですぅ…あの事を教えれば…)「ノ…ノウェ殿…くっ…私…
オロー前団長の…あん…暗殺事件に…関わっているんですよぅ」
「あんな髭親父の事はどうでもいい!俺は貴方とセックスしたいんだ!」
ハンチの希望はあっさりと打ち砕かれた。
「よし、こんだけ濡れていれば大丈夫だな。それじゃ挿入れるよ♪」
ついにノウェが待ち望んだ瞬間が来た!
ピクピク震える肉棒をハンチのワレメに擦りつけ、しっかり濡らした後
正常位で一気に根元までハンチのワレメに突っ込む。
「ひゃあっ!!!!」
「うううっ、…すごくイィ…もう射精そうだ…」
ノウェは欲望の赴くままに腰を動かす。
濡れた性器どうしが擦れあう卑猥な音が聖壇に響く。
「はぁはぁ…はぁんっ!…こんな…あはうっ!」
激しいピストン運動にハンチは息も絶え絶え。
その様子に興奮したノウェは更に激しく腰を動かす。
「あああっもう駄目だ!ハンチッ!膣に思いっきり射精す!!」
「そんなぁ!」
ノウェはしっかりとハンチの体を押さえつけ、腰を密着させる。
びくっ びくっ びくっ!
膣内で一際大きく肉棒が脈動し、精液を大量に放出する。
278ノウェ覚性 その4:2005/09/04(日) 15:02:04 ID:ScojdePP
ノウェがゆっくりと肉棒を引き抜くとハンチの股からトロ〜リと白濁液が溢れ出す。
「ふう…とても気持ちよかったよ、ハンチ」
「はぁ…はぁ…酷いですよぅノウェ殿…」
「でも…俺はまだヤり足らない」
ずももももと再び勃ち上がる肉棒
再度ハンチと交わろうとするノウェ。その時、聖壇の間の扉がバンッと大きい音を立て開いた。
「ハンチ殿!ご無事で…………」
そこに居たのはエリスだった。一気に血の気が引くノウェ。
エリスの目にはベッドに全裸でぐったりとしているハンチ。
そして肉棒を勃たせ、今にもハンチに襲い掛かろうとしているノウェの姿が映った。
「あ…エリス…いや…これは」
「ノウウウウウウエエエエエエエエ!!!!!!!!」
「ひいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」

反逆者ノウェ、神水の直轄区にて準級騎士エリスの手により半殺しにされた後、捕縛される

〜END〜
279127:2005/09/04(日) 15:09:55 ID:ScojdePP
ギャグエロパロのつもり…です。勢いで書いたw
ハンチネタばかり書いてるなあ、俺。
280名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 17:17:15 ID:vzIiy+qo
ハンチさんかわええ乙!
281名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 17:32:04 ID:8lIOzcbf
>>279
イイ!!(・∀・)
282名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 17:59:51 ID:Kdu8Vc7S
新人類覚醒かよ!!w
283名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 18:25:52 ID:dsFYWjYn
エリスツヨスwwwwwwwwわろた
284名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 19:52:52 ID:gjY3faBG
敢えて「覚性」なとこにワロタw
レグナの『落ち着け小僧!新しい武器を買ってやる!』がヤケに微笑ましい。
マジで覚性した真人類の力は恐ろしいな……ってかそれ以上にエリス…!!!
>>279超乙です!
285名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 21:18:32 ID:JKhfYl+x
濡れ女と鬼娘モエス
286名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 22:16:16 ID:PktP9YdP
「カイム、風が強くなってきたぞ。我の翼に隠れるがよい」
287127:2005/09/04(日) 23:56:00 ID:ScojdePP
たくさんの返レスどうもです!
なにか思いついたらまた書いてみます。
288127:2005/09/04(日) 23:59:25 ID:ScojdePP
保管庫の管理人様お疲れ様です。
28986:2005/09/05(月) 00:38:58 ID:qOHZUgl3
127氏乙です!
相変わらず麗しく魅力爆発なハンチさんに(*´д`)ハァハァ
次回作ワクテカして待ってます。

その後に投下するのがちょっと躊躇われるんですが、お邪魔します。
エロへの道、いまだ遠く…orz
290従騎士物語5:2005/09/05(月) 00:41:58 ID:qOHZUgl3
初めてオローと会食してから早くも1週間。その朝、ヤハはノウェの手を引き食堂へ向かっていた。
通常、従騎士として入団すると最低でも1ヶ月は、広すぎる騎士団領の位置把握と従騎士の仕事内容についてのレクチャーがある為、配置する部署も聞かされることなくただただ時が過ぎていた。
そんなところへ、昨夜どこかの直轄区に魔物が侵入したとの報が入り、オローがユーリックを伴って遠征の途についた為、ユーリックの代わりにヤハが子供達の世話を代任されたのである。
騎士団に入ってまさか子供の相手をすることになろうとは思いもしなかったが、もともと子供は好きだったし、初めて任務を任されたことが何より嬉しかった。
しかし流石に騎士団の大食堂に子供をゾロゾロ連れていくわけにもいかないので、食堂で配膳されたものを子供達専用の部屋に運んで3人で食べようという話の流れになった。
食事を運ぶだけなら3人いる必要もない。
ヤハはエリス1人を部屋に残してノウェに配膳の手伝いを頼むことにした。
本当はノウェにはまだ早いと、エリスが手伝いを申し出たのだが、どちらかを1人きりにするなら、しっかりしているエリスを残したほうが賢明だ。
(それに小さいとは言っても女の子だからな…女性は大切にって院長先生も言ってたし)
ふふ、と笑いながら、しかし少しでも気を許すとどこかに行ってしまいそうになるノウェの手をしっかり握って、ヤハは食堂への入口に足を踏み入れた。
今の時間帯は、午後に任務を控えている騎士達が大半であるが、朝一番の盛況ぶりと比べるといささか寂しい。
ヤハはそう思いながら場の多くを占める団員達が列を成す配膳場所へ足を向けた。その時。
「お、おいっ!皆早くメシを掻き込めっ!せめて早く配ってもらえ!」
ヤハの後ろ、食堂の外から1人の騎士がこけつまろびつ息も絶え絶えに発した叫びに、食堂中がざわめいた。
既に配膳を終えて席についていた者が、震える声で騎士に声をかける。
「…!『奴』が来たのか!?」
(…『奴』って誰だろう?)
ヤハは首をかしげながらも倒れこんだ騎士の傍に膝をついて、その上半身を抱き上げた。
投げかけられた問いに騎士が荒息混じりに頷いた瞬間、食堂に漂っていた不安が狂喜へと一変した。
「まさかこんな朝っぱらから来るか普通!」
「普通じゃないから来るんジャマイカっ!」
「畜生!メシを食え!ドアを閉めろ!」
まだ順番を待っていた多くの団員達が列を乱して配膳を急かし先を争い始める。
皆一様に叫び、驚嘆し、配膳を終えた者は誰が取るわけでもない朝食に慌ててかぶりつき、そして誰かが一番ドアの近くに居たヤハに懇願に近い指示を出した。
しかし。
「だ…!駄目だ!!もうそこに来やがっ………お見えになった。」
1人の絶望的な声を合図に、配膳すら終えていない者・配膳を終えたばかりの者・無事に食事を終えた者に関係なく一斉に立ち上がり、ドアの方向へ向かって騎士の正礼を構える。
一体何事かとヤハがいぶかしんだ時、後ろから潰れたカエルのような声が響いた。
「なんだおまえー、邪魔だぞ。さっさとどけ!ぼくが通るんだぞ。このぼくのお通りだぞ!」
慌てて振り返れば、そこには黒い装束の大男達……………に囲まれたやせっぽちな赤毛の少年がヤハを見下ろしていた。
その身なりや周りの男達の様子から、余程の高貴な生まれであることは一目で知れたが、まだ雀斑の目立つ細身に不釣合いなギラギラとした瞳と先程の言葉遣いからは品性の欠片も感じられない。
そう感じつつも、ヤハは少年の周りを固める威圧感に、倒れた騎士を抱えて道を譲った。
291従騎士物語6:2005/09/05(月) 00:47:18 ID:qOHZUgl3
赤毛の少年は満足そうにゲラゲラと笑いながら後ろ手を組んで配膳場所まで悠然と、しかし一直線に歩き出す。
「世界の平和を担う封印騎士団の騎士が、今日も今日とて常人にはとても口にできないような粗末な食事をしていることを僕は憂いているんだよ」
抱きかかえたままだった騎士が息を吹き返したのを見て、ヤハは声を潜めて尋ねた。
(あの子は誰ですか?何であんなに偉そうなんですか?)
騎士は自力で起き上がって、少年が食堂の入口から随分離れた所まで進んだのを確認してから耳打ちしてきた。
(あれは…騎士団創設時からのパトロンだった貴族の子息だ。最近はオロー団長のいない時によくどこからか入ってきて領内を我が物顔で歩き回る嫌なガキさ。名前は確か…)
騎士が言葉を紡ぐ前に、ヤハはそれを制して少年達の行く手を見た。
少年は、向かったスープ配膳場に1人残された騎士(他の騎士達は少し離れたほうへ逃げ出していた)の前へ横入りすると、熱いスープを大釜から直接に食し始めた。
味見でもするつもりなのかと思ったが、いやどうも様子がおかしい。大口のスプーンを動かす少年の手は留まるところを知らないのか、三口、四口、八口、十二口……
あの勢いでスープを食べられては、配膳を待っていた大勢の騎士達の残り分がなくなってしまうではないか。
そう思ったヤハは、急いで少年の元へ向かおうとしたが、彼より前に少年の行動に異議を唱えた者が現れた。
「あの……そんなにお召しになられると私達の分がなくなってしまうんですが……」
1人だけスープの配膳場に残っていた騎士だった。
言われた少年はスープを口に運ぶ動作をピタリと止めると、眼光鋭く文句を零した相手を睨んだ。
「おまえ、これが食べたいのか?」
威圧的な少年の態度(と実際には周囲を囲む護衛と思しき男達の放つ威圧感)に押されて、言葉を発した騎士は口をしょぼつかせた。
「いぃえそんな…でも……あの……お1人でそんなにお召しになるとお体に毒かと思って……」
しどろもどろになった騎士の言葉に、少年はいらつきを隠せずに舌打ちした。
そして再びスープを掬う。
「ぼくはお前達がこんなマズイ食事をしているのが不憫だと思うから、わざわざ代わりに食べてやってるんだ。むしろ感謝してほしいくらいだよっ」
少年はそう言い放つと、掬ったばかりの熱いスープをこともあろうにその騎士へと容赦なく振りかけた!
「!!?」
その騎士と、ヤハと、その場にいた凡ての騎士達が言葉を失った。あまりの熱さにか、かけられた騎士が腰を抜かして地面に転げる。
少年はその様子を見てニヤリと意地の悪い笑みを浮かべると、残ったスープをまるで水捲きでもするかのように騎士にかけ始めた。
「いや…!やめてください…!!」
「どうぞお止めくださいませ!だろっ!?おまえ騎士団員のくせにぼくを誰サマだと思ってるんだ?」
あまりの暴虐ぶりに、ヤハは奥歯をギリリとかみ締めた。しかし、比較的騎士の近くにいる団員達はただただその様子を傍観しているだけだった。
よくよく見回してみれば、食堂にいる騎士達全員から少年への介入を拒む意思が漂っている。
(誰も彼を助けないつもりなのか……!?)
「『どうぞおやめくださいませ』と言えばやめてやらないわけでもないぞ!?」
哄笑する少年に対して、スープをかけられている騎士は何とか言葉を紡ごうとしているようだったが、しかし開けた口にスープをかけられたらしく、呂律が回らないらしい。
「ぼくの『好意』を無碍にした報いだ!ざまぁみろ!」
ついにはあまりのショックに顔を伏せて動かなくなったその騎士に、しかし少年の蛮行は留まるところを知らない。
プツン。
貴族の子供だか何だかしらないが、あまりにも人道に悖るやりように、ヤハの堪忍袋の尾が音を立てて切れた。
(いけないことをした子供はグーの手で殴る)
孤児院でもそうだった。なればそれは騎士団内でも通用する筈だ。
ヤハは拳に大きな拳骨を作り、そして…


ゴツン…!!!

292従騎士物語7:2005/09/05(月) 00:51:12 ID:qOHZUgl3
(そうゴツンと殴………………あれ?)
ヤハはまだ少年に殴りかかれる程近づいてはいない。
よくよく見れば少年は顎に大きな赤い山を拵えてその大きな頭をクラクラさせていた。
傍らには、額に同様の赤山を拵えたノウェがへの字に口を曲げて少年を睨んでいる。
痛みの為か目尻がうっすらと光っていたが、眼光は清清しいまでに真っ直ぐに一点へと向けられていた。
「イギメ、かっこ悪い」
「お…おまえ……何で子供が騎士団にいるんだ!」
顎と口を両手ですっぽりと覆いながら、少年が含み声で叫んだ。
「?おまえも子供じゃないのか?」
「ぼくはいいんだよ!てかぼくが誰サマだか知らないんだろうお前!?」
「知るもんか」
無頓着に、しかしムスッとしたノウェの様子に、一瞬憮然とした少年は、しかし次の瞬間ハッとして目を見開いた。
「そうかお前、竜の子か!?『捨て子のノウェ』、そうだろ?」
少年の言葉に何か含むところを感じて、ヤハの尖った耳がピンと立った。
「団長殿が騎士団内で密かに育てているとは噂に聞いてたけど、会うのは初めてだな」
彼は納得したように大きく頷きながらマジマジとニヤニヤとノウェを観察して笑う。
「神託とやらにどれだけの価値があるのか知らないけど、素性の知れない親なし子に世界を救われるようじゃ騎士団も形無しだな。
その上こんな礼儀知らずときた。団長殿の『教育』とやらの程度が知れるよ」
少年の物言いに流石に鈍感なノウェもムッときたようで、小さな眉間に更に小さな波を作った。
「おろーを悪くいうな」
「第一、騎士団に平民を入れること自体があの団長殿の限界だよ。騎士ってのは元々…」
「おまえだまれ」
ゴツン…!!!
第二撃が少年の鼻にヒットした。粘着を帯びた鼻血が宙を舞う。
少年が白目を剥いて地面に沈んだ瞬間、ヤハはゴングの音が三回鳴った錯覚を覚えた。
ノウェの頭の山はいつの間にか鏡餅のようになっていたが本人は鼻息荒くも満足気だ。
しかし、現実は思っている程甘くない。
床に倒れた少年は周りの男達に抱えられながらヨロヨロと起き上がると、目をギラつかせてノウェを睨み、
「お…おい!お前達!この世間知らずなガキをやっつけろ!」
指示を出された男達は一斉にそしてゆっくり、とノウェを囲んでいく。
いくらユーリックに鍛えられているといってもまだ小さな子供1人と屈強な大男達。手を出そうとしない騎士達。
戦況は圧倒的に不利だ。
「おまえ生意気ーおまえ嫌いー。もう泣いて謝っても一生許さないからな、この『親なし』!」
赤毛の少年はザマアミロと言いたげに薄笑いを浮かべた。
ゴツン…!グキッ!バキッ!
耳にさえ痛い音の連続に満足げに瞠目した少年だったが、すぐさま響いたどよめきにパッチリと目を開けて、そして愕然とした。
屈強な男達が皆ほうぼうへ投げ飛ばされ、腰や肩を其処彼処に打ちつけ身を捩じらせて痛みに悶えている。
慌ててノウェのほうへ目をやると、彼を庇うようにして1人の騎士が立っていた。騎士は男達を殴り、或いは投げ飛ばしてズレた指の骨を矯正しつつノウェに微笑む。
「よくやったね。GJ、ノウェ」
「やはーv」
額に掲げた鏡餅を天に向けて笑うノウェに伊達なウィンクを送ると、ヤハはそのまま赤毛の少年へ向かってゆっくりと歩き出した。
指の骨で妙なる楽を奏でながら。



293従騎士物語 幕間3:2005/09/05(月) 00:55:47 ID:qOHZUgl3


「気がつきましたか?」
柔らかな声に、ハンチはうっすらと目を開けた。
ついぞこのような優しい言葉はかけて貰った試しがない。しかもどうやら彼女は抱きかかえられているようだ。
現実ではとてもではないがありえない。きっとこれは夢だ。そう思った。
一体どんな人がこんな自分に優しい声をかけてくれたのだろう。
(たとえ夢の中だとしても知りたいな……)
ハンチは目を瞬いて大急ぎで焦点を合わせた。夢が醒めてしまう前に一目でもいいから見てみたい。
次第に目の前に像が結ばれようとしていたが、思ったよりも自分と相手の顔の距離が近いことに心臓が止まるかと思うほどに驚愕した。
あんなに顔を見てみたいと思ったのに、慌てて顔を背ける。
顔を反らした先にある床が動いている。自分を抱きかかえた人物はどこかへ自分を運んでいるのだ。
相手の体と彼女の体は密着していて、その鼓動が直に伝わってくる。
(こんな…こんな抱えられ方をしたことなんてない…)
契約者となった自分を抱えてくれる人間など…いや、触れた人間など騎士団にいるとは思えない。
それではやはりこれは夢なのだ。
しかし早鐘のように胸に鳴り響く律動は、夢ではあるまい。
(夢なら…醒めないで)
そう思いながらハンチは顔を俯かせながら静かに相手の胸に顔をうずめた。
薔薇の香りが鼻をくすぐる、まるでゆりかごのような心地よい感覚に抱かれて。

294従騎士物語8:2005/09/05(月) 01:01:13 ID:qOHZUgl3
「ん?また眠っちゃったのか?」
「そうみたい。」
ヤハは自分の背中におぶさるノウェへと顔を向けつつ答えた。
食堂で少年にスープをかけられて気絶した騎士が体のあちこちに酷い火傷を負っているだろうことは顔の傷の酷さを見ても明らかだったが、その場で服を脱がせて応急処置するわけにもいかず、彼らは騎士を抱えて医務室への道を急いでいた。
遠目だったので先刻は全く気づかなかったのだが、騎士は女性だったのだ。近くに医務室があるのに大勢の騎士の前で女性の服を剥ぐのはいただけない。
一体スープを何杯かけられたかは定かではないが、抱きかかえているヤハの腕を湿らせ今尚床へ滴り落ちるだけの量をかけられたのは間違いなかった。
(可哀相に…あれだけの時間でこんなに顔が憔悴しきっている……)
女性が暴力を振るわれたことに、ヤハは激しく憤慨した。
そうこうする内に、ようやく医務室へとたどり着くことが出来た。
ヤハ達は女性を預けて帰るつもりだったのだが、しかし驚くべきことに医者が彼女の引き取りを嫌がった。
理由を尋ねても全く答えてくれない。
「理由も言いたくないな……とりあえずその人の部屋は教えてやるから、連れてって寝かせておけば勝手に治るよ」
「そんな!あちこちに大火傷してるんですよ!?放っておいたら熱が出るかもしれないのに…!」
「大丈夫だから。『そいつ』は特別だ。どんな怪我しても大抵は治っちまう。納得いかねぇなら部屋に行った後でこれでも貼ってやれや」
そんなとんでもない理屈があるものかと憤るヤハに、湿布薬の束を投げて遣すと、医者はそっぽを向いて稽古で膝を擦り剥いた騎士のほうへと行ってしまった。
ヤハは医務室を出ると、現実の厳しさ(というよりも世間の世知辛さか)に深く嘆息した。
「そういえばあの場にいた人達も……」
食堂にいた騎士達は誰1人として倒れた彼女を介抱しようとしなかった。
それどころかヤハに叩きのめされて気絶した子供を連れ出して見送るほうへとこぞって行ってしまう始末。
何人かの騎士達はこっそりとヤハへ親指でサインを送ってくれたが……
『騎士団に平民を入れること自体があの団長殿の限界だよ。』
あの少年の言葉が妙に胸に突き刺さった。
ヤハは目を伏せて小さい声で呟いた。
「ノウェ」
「なんだ?」
「封印騎士団は…世界を守るんだよね?世界中の人達を守る為にあるんだよね?」
不安げに尋ねるヤハに、ノウェはしばらくうーんと唸り、
「よくわからないや」
ノウェには難し過ぎる問いかけだったかもしれない。
(僕自身にわからない答えを子供のノウェに求めてどうするつもりだ…)
肩を落としたヤハに、その尖った耳をもてあそびつつノウェは声をかけた。
「でも」
「?……でも?」
「おろーとうりっくは、きっとその為にいるんだと思うよ」
快活に笑うノウェを見て、ヤハの口元に自然と笑みが零れた。
確かに彼らはその為にいるんだろう。
背負った子供の明るい一言に、心が少しだけ軽くなった思いがした。

そしていじられることにも慣れたヤハのふくよかな耳に、ノウェの声が響いた。
「メシはまだか」
「……………………………エリス!!」
その頃、すっかり忘れられていたエリスは空腹を堪えつつ、しっかり三人分の食事を運びこんで二人の帰りを待っていた。
その童顔に女神の微笑みを湛えて。


(※今日はここまでです)
295名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 01:34:13 ID:0Gh6QuGB
>86氏
最初はヤハを誰とヤラせるのかすげぇモヤモヤしてたが・・・まさかハンチさん!!?
ちょ、いや、何か凄い楽しみになってきた。
それから契約前から似たようなことやってた少年ザンポモエスw
GJ!
296127:2005/09/05(月) 12:46:34 ID:Fu+ZF3Vx
>>289
乙カレ様です。
ヤハや一部の騎士団員にねらーがw
ザンポ許さん!
297名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 22:09:52 ID:gcLMdufM
おお、従騎士物語の続きが!エロなしでも面白い・・・
ヤハ好きにはたまらないッス。これからも楽しみです!

ちなみに、ヤハのエロカワスレの302-308にもエロパロ神降臨してます
ジスモア×ヤハで、スカ(小おもらし)物。
お好きな人はヤハスレへドゾー
298名無しさん@ピンキー:2005/09/06(火) 05:16:23 ID:MFCRwM5V
ちょっと来ない間に素敵なハンチさんとヤハが!
127氏も86氏も乙です。

どちらのノウェも自分に正直でどちらのエリスもコワ…⊃)'З`)=ブホッ
299名無しさん@ピンキー:2005/09/06(火) 18:05:27 ID:ob2/96Yv
ヤハスレってどこよ?
300名無しさん@ピンキー:2005/09/06(火) 18:43:41 ID:Kr7Y6Pjm
>>299
DOD2のヤハたんはエロカワ美しいスレ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1120712103/
301名無しさん@ピンキー:2005/09/06(火) 19:56:47 ID:ob2/96Yv
>300
ども。ちょっと行ってみるわ
どんなんか楽しみだ
302名無しさん@ピンキー:2005/09/07(水) 19:04:54 ID:TPaPf2Tf
SS降臨を祈願する儀式的age
303名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 08:21:38 ID:WYC94Pfd
昔いた職人が消えてしまった…
303氏とか959氏とか…

こうやって取り上げて言うからまずいのか?
304名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 10:34:51 ID:khWvvPdH
文句や好みは人それぞれであるとは思うが、言い方を考えないと職人さんだって嫌だろ。
言うのは止めないけどさ。それを言って職人さんの足が遠のくかもしれないというイメージの出来ない奴がいるから・・・
305不定期カキコ@:2005/09/09(金) 14:52:35 ID:oQuPiSew
床から染み込んで来る冷えに、フリアエは思わず身震いする。
毛布を強く握り締めるが、さして効果はないように思えた。

惨劇より一年。逃げるようにして兄妹は国を離れた。
人から隠れ、早足に、わき目も振らず。しかしどことなりと当ては無い。
集落を避けながらの旅の途上、廃屋といえども雨に打たれず夜を越せることは幸いだった。
埃の積もった床面をながめながら、フリアエは息をつく。
竜に喰い殺された父、許婚のハープの音色、煌びやかな王国の日々、
母の裂かれる音、兄の叫び声、つよく抱きしめられた痛み。
混沌とした思索をまとめようとしてみるが、それに成功したことは無い。
今は、雨が屋根を叩く音だけが耳障りで仕様が無かった。

「兄さん・・・」
遠慮がちに兄に声をかけてみるが、返事は無い。フリアエも返事を期待してはいない。
旅に出た直後、兄、カイムはフリアエの予想を超えて、憔悴しきっていた。
フリアエの気遣う言葉にも、顔に笑みを張り付かせ「大丈夫だ」と答えるのみ。
そして今も変わってはいない。
カイムの傷の深さを考えるにつれ、フリアエはより兄の傍にいようと思うのだ。
それは兄を気遣う妹の献身。何もおかしいことなぞない。
苦しむ兄をひとりになど出来ようか。
兄と離れることなぞ出来ようか。

不意に兄の懐を思い出す。あの時、感じたのは、両親の死の嘆きではなく
黒い竜の恐怖ではなく、兄の抱擁の心地よさ。

一瞬後にはフリアエはその記憶を忘れる。
雨音がやけに耳に障る。
廃屋の中の闇は濃密でドロリとしているように感じられた。
306名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 15:29:54 ID:jH37vsHo
>>305
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
フリアエ切ないなぁ
307不定期カキコA:2005/09/09(金) 15:56:10 ID:oQuPiSew
何故拒まなかったのか、今でもカイムは不思議に思う。
感情の磨耗した頭ではぼんやりと考えるしか出来なかったが。

惨劇より一年。もはや機能せぬ国から、逃げるようにしてあてどの無い旅に出た。
事実、逃げたかった。このままここにいれば、父や母の事を思い出さずにはいられない。
しかしカイムの立場がそれを許さなかった。
父母亡き後、次代の王として国を支えるべき責務があった。
感傷に浸り、呆けている間など与えられはしなかったのだ。
そしてカイムは責務を投げ出した。
父母が殺されたというのに、黒い竜が目に焼きつき離れぬというのに、
その日の糧を得る為に駆け回れというのか。

怒り、恐怖、嘆き。煩悶する日々はカイムから何かを削り取っていった。
国が日々滅んでゆく様も、人事のように眺めていただけだった。
やがて、イブリスも病に倒れ、流されるままにカイムは国を離れる事となった。
イウヴァルトと共に行くつもりはなかった。心優しい友人は傷心のカイムを
慰め、力づけようとするだろう。今の自分には、イウヴァルトの友情は
煩わしいものとしかならない事が分かっていた。
フリアエもカイムと共に行く事を望んだ。無論、カイムは受けるつもりは無かった。
フリアエも自分と同じ、深い傷を心に負っている。
その傷はイウヴァルトが時間をかけて癒すべき類のものだ。

今、兄妹は旅をしている。何故この様になってしまったのか。
フリアエはイウヴァルトと共に有るべきではないのか。
妹の時折見せる、憂いを含んだ瞳は自分に向けられるべきでは無いのではないか。
妹が自分に向けているものは献身だけだろうか。

カイムは己に問いかける。
答えを知っているが気づくことは出来ない。
308名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 00:49:22 ID:u4UDtEsj
フリフリ(;´Д`)ハァハァ
309不定期カキコB:2005/09/10(土) 15:59:33 ID:6qPddqzY
夢の中でカイムは竜となっている。頭の中は澄み、わずらわしい思いも無く、
ただ青い空の下を飛んでいる。世界がこれほどまでに広がっているなど思いもよらなかった。
風に身をゆだねていると、自身も風の一部となったかのようだ。
ーーああ、俺は夢を見ているなーー竜はどこか覚めたように思う。
日は天に高く、雲影も見えない。その中を舞う孤影はまさに空の主。
できるならいつまでもこうして飛んでいたい、カイムは願ったが、
竜は引かれる様にいずこかへ向かってゆく。

竜が訪れしは辺境の小国。宴に集いしは四人の家族。
竜は己の腹を満たす為、糸に引かれるように降りて行く。(これは夢だ)
カイムは眼下の若い男に見覚えがある。あの男はこれからの惨劇を知っているのだろうか。
動悸が早くなる。(これは夢だ)
頭が痛い。(これは夢だ)
カイムは飢えを満たす喜びに震えている(これは夢だ)
カイムがが父を噛み砕いたとき、
若い男とカイムの視線が

その長く、不快な叫びが自分の喉から出ている事を気づくのに
暫くの時間が掛かった。
310不定期カキコC:2005/09/10(土) 16:56:33 ID:6qPddqzY
惨劇の日より、兄の心には想像し難い深い傷が刻まれた事をフリアエは知っている。
兄は優しすぎる故に、その傷は深く、また癒しがたい。
しかしその様になってさえ、兄は他者に自身をおもねる事は無かった。
親友たるイウヴァルトにも、ただ一人の肉親となったフリアエにも。
何故自分を頼ってくれないのか。
兄さんの肉親は私しかいないように、私には兄さんしかいないのに。
国を離れ、日増しにその思いは強くなる。
手を少し伸ばせば、そこに兄がいるというのに。

暗い廃屋の中、涙を流し叫び続ける兄の頭を、その胸に抱える。
雨足は更に強く、音が一面に鳴り響いている。

少しだけ 兄の傷を 広げたなら 私は 自身の 居場所を

「ごめんなさい、兄さん、ごめんなさい」
謝りながら、少女は男と唇を重ねる。
「私がみんな悪いの。こんなことになったのも、兄さんが辛い思いをするのも、私のせい。」
「兄さんは悪くない。でももう耐えられないの。父さんも母さんも死んで私には兄さんだけ」
「辛いのはもう嫌、苦しいのはもう嫌。助けて兄さん、私を、抱きしめて」

そして男と少女の影が重なり、廃屋の闇と消えた。
いつしか雨は止み、雨水の流れる音のみが夜を流れた。
311不定期カキコD:2005/09/10(土) 17:12:29 ID:6qPddqzY
畜生の如き二人の兄妹は、世界の終わりの始まり。
妹の純潔の血が女神の印を描き出すだろう。
兄妹の業は世界を焼き、その子らは世界を埋め尽くす。

雨降り止まぬ暗天を舞うは、黒い竜。
世界を統べし主に、事が成りしを伝える。

ああ、喜劇は既に始まっているのだ。
312名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 23:20:18 ID:rfjOQOM4
こう言うのもいいな。
職人さん、また何か頼む。
やはりフリアエは薄幸が似合うな…

313名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 01:00:06 ID:FarR8ZJS
DODらしいふいんき(何故か(ry)に満ち溢れていてとてもたまらない。素敵だ。
最後なんて特にいいと思う。
そしてフリアエ好きを再確認する自分。
314繋ぎたい『手』Act.4:2005/09/11(日) 01:21:01 ID:BuXyb2sX
あれからどれくらいが経っただろうか。
そんなことも忘れるくらいに、歩き回っている。
今は草原の上で手をついて休んでいた。
封印騎士団から抜け、今この性悪死神少女と逃亡生活を続けている。
逃亡生活、と言っても今は封印騎士団の団長が無くなったので逃走兵を追うだけの暇も無いだろうが。
そんなことを考えていると、隣で座っている死神の少女が、こちらを横目で幾度か見ながら何かを言いたげにしている。
「ん、どうした。生理か」
と、からかってみたものの、違うと怒鳴られ叩かれてしまった。
「……すまん」
俺は素直に謝り、再び空を見上げ、考え事をすることにする。
少女は暫く黙っていたが、やがて口を開いた。
が、もじもじとするだけで中々言い出さない。
普段の彼女からは考えられない仕草で、思わず抱きしめてやりたいという衝動に駆られる。
そしてやっと少女が話した。
「て、て、手……何でもない」
バシッ。
そう言って俺の肩を思いっきり叩く。
ジンジンと疼く肩を、無視して少女の手の上へそっと重ねた。
すると少女は、顔を夕陽のように真っ赤に染め、そっぽを向いて言う。
「……目を瞑れ」
「あぁ」
その命令口調なお願いに俺は苦笑しながら、言われたとおりにした。
時間だけが無駄に過ぎてゆく。
その時、唐突に―と言っても、目を瞑っているのだから、何をされても唐突なのだが―唇に柔らかいものが、触れた。
ほんの数秒。
だがそれを理解するのに要したのは数十秒。
俺は瞑っていた瞼を開け、少女の顔をまじまじと見た。
少女の瞳を見つめていると、引きずり込まれていく感覚に陥ってしまう。
俺は、きつく少女を抱きしめ、やさしくキスをした。
315名無しさん@ピンキー:2005/09/11(日) 20:39:02 ID:Pxqvpso2
続きキボン
316名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 00:39:39 ID:UAx5txv4
ウーリックいらね

セエレたんキボンヌ
317名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 02:34:30 ID:YmD7ZGGS
自分の好みの範疇外にいちいち文句つけるようなクレクレ厨は サレ!
318名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 00:22:45 ID:Ay5gBuBE
そして誰も居なくなった
319名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 10:38:57 ID:jyRKbC/V
>>318
吹いたw
エロカワイイスレでSS投下されてる分だけ、こっちに来る余裕がないのかもな。
それとも年齢の壁か…
320名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 13:04:13 ID:YJZy6l8v
カイムと幼マナの道中の様子を読みたい。
エロ要素無しでもいいから誰かおながい。
321名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 13:31:35 ID:m/0GCCZV
まとめサイトに道中ネタが数本あるが、もう読んだ?
322名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 14:04:44 ID:YJZy6l8v
>>321
読んだというか、スレに投下されてた時点で読んでた。あれ何回読んでも面白いな。
もちろんそれもいいんだが、もう少しシリアスな感じの道中記も読んでみたいな、と。
自己発電するしかないのかな…神様おながい。
323名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 20:24:02 ID:AMzD5M8y
シリアスなのなら少しは練ってある…
しかしマナ叩き派とかカイムマナ否定派には苦しいものがあるな
自分の願望でかんがえてるものだから('A`;)
324名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 20:47:59 ID:jyRKbC/V
カモォォン!!>>323
325名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 21:08:46 ID:AMzD5M8y
ちょっと待っててくれ…
断片的にしかまだ考えてないんだ('A`;)
久々に聞いたカモォォン!!で元気でた、d

少しずつ作っていくよ、できれば、なのだが
326名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 23:32:03 ID:NaBZQkZK
>>323
私もちょい暗めで妄想してるんだけど
時間が無いのと文章が下手なのと妄想しすぎで巧くまとまらないのと
もうなんやかんやで全然駄目だあ。

だからこそカモン!カモンカモンカモン!!是非やっちゃってください!!
327名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 02:20:08 ID:GXhySSKO
>>326
俺も全然文がまとまらないよ。
彼らに愛があるだけに、壊したくないと言うか…
少し筋はできたけど、道中のワンシーンの回想録として短編で書いてみる。
長編は脳が追い付かなくて書けね('A`;)
エロ無し切なめ系で。できたら上げてみるよ。
読み手側で色々補足して書き足しとかしてくれるとありがたかったり。
328名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 05:14:18 ID:GXhySSKO
書けた。
だが道中記、ではなくなってしまった。
道中にあったワンイベント、カイム視点。エロ無し
もう遅いので昼頃に投下しますノシ
329名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 06:50:41 ID:i4mdP37V
>>328
テラ楽しみ。
330名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 08:48:23 ID:Bfh6Hq2M
>>326>>328もバッチコーーーイ(*゜Д゚)ノハァハァハァハァ
331カイム×マナ:2005/09/14(水) 10:45:30 ID:LM6sgQTu
旅の途中で立ち寄った小さな村。

空を見上げると冬の気配が近いのが分かる。

(男と旅に出てこの空の色を見るのは何回目だろう…)

もう逃げる気力はとうに失せていた。
男の方もそれを分かっているのか、時々こうしてマナの手を離して調達に行く。
目の届く距離に置いては行くが。

視線を男の背中に戻す。応対してる女が色目を使っているのが分かる。

マナはいつからか、不愉快に思い始めていた。

「お嬢ちゃん、ひとり?」
不意に背後から声を掛けられた。

振り向くと、でっぷりと太った行商らしき男が立っている。
「何してるの?こんなとこでしゃがんでたら寒いよ?」

「…」
無言で頷く。

「おじさん、これから食事に行くんだけど一緒に暖かいものでもどうかな?」

ちらりと男の背中を見るが相変わらずこちらを振り向く様子は無い。

(いなくなったらどうするだろう?心配、するかな?)

「いいよ」

「じゃ、行こう」
太った男がニヤリと笑ったのをマナは見逃した

332名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 12:22:08 ID:Nim5eHS5
カイマナの途中で悪いけれど、道中の出来事カイム視点SS投下。
エロ無し。短編。よかったらマナsideも考えてる('A`;)
333閉じた記憶の中で(回想/カイムside)1:2005/09/14(水) 12:23:14 ID:Nim5eHS5

心の奥底で埃を被った記憶が、ふと頭をかすめる。
憎悪を抱きながら少女をを連れて辿った旅の日々。



   〜閉じた記憶の中で〜


破壊しつくされた村々。息も絶え絶えなボロ屑のような人間。
誰もが、目を背けたくなるような現実。

それでも俺はマナがその現実から目を背けることを赦さなかった。
死よりも苦しい、生きて贖罪させるという生き地獄を味あわせてやろう。

彼女の罪―――ただ渇望した一握りの愛のために、神に付け込まれたことで犯した罪でも。
俺は、赦さない。


旅の初めの頃は、新しく村を訪ねる度にマナは嫌がり、泣き叫び、私を殺してと懇願した。

俺は、彼女に惨たらしい光景を見せつけ、その罪の深さを思い知らしめる。
逃げ出そうとすれば、殴り、引きずりさえもする。
許しを請うても救われず、打ちひしがれる憎むべき存在の姿に、俺は歪んだ心地良さを感じていた。
…そうして、マナへの激しい憎悪と憤怒をなだめていたのだ。
334閉じた記憶の中で(回想/カイムside)2:2005/09/14(水) 12:24:34 ID:Nim5eHS5
―――――――――――――――――――――――

ある村に立ち寄った時のことだった。
無残に潰れた廃屋。弔われること無く晒され、冷たく光る白い髑髏。
乱暴にマナの手をぐいと引っ張り、彼女を俺の前に立たせた。
彼女は息を呑み、怯えた表情で目の前に拡がるその光景を見渡す。
「……」
マナをちらりと見やる。
すると彼女は涙をポロポロと零し、その場でしゃがみ込み、泣き崩れていた。
「……ごめんなさい…」
何度も何度も、しゃくり上げながら。

その言葉に、何を今更、と俺はマナを睨み付けた。お前に許しなど永遠に無い、と。

だが、俺はその時初めて気がついた。
ずっと彼女の小さな背中が震えているのを。

―――そんなことをしても、俺はお前を赦さない。認めない。

しかし、俺はその日、マナの震える小さな背中を忘れることができなかった。
335閉じた記憶の中で(回想/カイムside)3:2005/09/14(水) 12:25:37 ID:Nim5eHS5


そして月日は流れた。

いつしか彼女は、俺の後をちょこちょことついて来る様になっていた。
引き摺ることの無くなった、柔く握られた手。
時折、俺が振り返るとマナはハッとした表情で俺を見上げる。
泣きはらして、潤んだ瞳。
許しを求める、怯えた瞳。

その見上げる顔に、俺はあの光景を思い出していた。
…何故だか、分からないが。

フリアエの、俺に向けられた瞳。
自分を受け止めてくれと、求めた瞳。
困惑の色と、絶望と、一筋の希望と、悲しみの色と、あらゆる想いの込められた瞳。

――俺はその瞳を受け止められなかった。直視できなかった。逸らしてしまった。
  そしてフリアエは、俺の前から消えてしまった。永遠に。
336閉じた記憶の中で(回想/カイムside)4:2005/09/14(水) 12:26:18 ID:Nim5eHS5

ふいに、握られた手に僅かに力が込められたことで、俺は我に返った。
震えた声で、マナが言う言葉は。

「私が―――」

俺はマナの声を遮り、無意識に右手に着けていたブレスレットを外す。
マナの前に屈みこみ、彼女の左手をそっと掴む。
か細い、弱々しい腕だった。

フリアエと、揃いのブレスレットを、フリアエと同じ、左手に。

驚きと困惑の表情で、されるがままにマナは黙っていた。
俺も、何故こんなことをしたのか、分からない。

だが、何かが、そうさせたのだ。この俺に。

そして、俺はまたマナの手を引き、旅を続けたのだ。


あの日が、来るまでは。




―――愛を求め、重き罪を背負う少女に託した想いは何だったのか。今は、知る由もない――――

                       (了)
337名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 12:30:25 ID:Nim5eHS5
終わり。もう俺には長編はムリポダメポ
そして始めのほうの重複「を」は脳内削除してください('A`;)
338カイム×マナ(続き):2005/09/14(水) 14:08:23 ID:LM6sgQTu
上の職人さん、乙です。是非マナ視点からの方も待ってます。

続き

マナと太った男は村外れの食堂へとやって来た。店の主人とは顔見知りらしく、奥の個室へと通された。

(おいしい)
久し振りにまともな食事にありついた気がする。
「おいしいかい?」
「うん、おじさん優しいね」
無邪気な笑顔で答える。
「そう、おじさんねぇ、優しいんだよ」
太った男の右手がマナの腰を抱き寄せる。

「…何するの?」

それには答えず左手で太股に触れると、そのまま手は上へと向かう。

「やだっ!」
その感触に身を固くする。

「今さらそれは無いだろぅ?ちゃんと優しくしてあげるからね」

押し倒され荒々しく上着を脱がされる。
マナのふくらみかけの胸をまさぐる。

「やだ!やだ!離して!」

「大声出してもムダムダ。ここの人達はねぇ、みんなおじさんの仲間だから」
ニヤリとおぞしく笑う


あの男…カイムは絶対助けになんか来ない。
隙を見せたおまえが悪い、とでも思うに違いない。


それでも…
「助けて…!」
そう叫ばずにいられなかった。

339名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 16:02:18 ID:i4mdP37V
>>333-336
GJ乙!!!
ぜひマナsideも!

>>338
続きをカモン!
340名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 20:45:56 ID:JfVylwYS
カイム×マナのマナ、可愛いな
幼女じゃなくて少女、ってところがまたなんとも(;´Д`)

俺もマナside考えてみるよ
だから331さんも続き頑張って

たまにこうして雑談するのもいいな、度が過ぎるとアレかもしれんが…('A`;)
341名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 20:53:50 ID:oYkFesfd
おお、マナとカイムの珍道中妄想好きで雑談出来る日がくるなんて!
サイコーだよ神様。サイコーですみんな。カモーンハァハァ。
342カイム×マナ(続き):2005/09/14(水) 22:08:50 ID:LM6sgQTu
扉の外で誰かの断末魔が聞こえた。

「何だ?」

扉を勢い良く蹴り倒してカイムが入って来る。
手にしている剣からは血が滴り落ちていた。

(来て、くれた…)

「な、何だおまえ」

無言で近付いてゆく。

マナは膝を抱える様にうずくまっている。

剣の振り落とされる音
肉と骨の砕ける音

きっと物凄く怒っている…そう思うと怖くて目を開けられなかった。

ふと、身体が浮く。

「?」

目を開けるとすぐ近くにカイムの顔があった。
抱きかかえられているのだと気が付いた。

(こんな近くで顔を見たのは初めてかも知れない…)

カイムが視線をマナに落とす。
とっさに目をそらし顔を胸に埋めた。

「…お願いです…一度でいいから、やさしくして下さい…」
小さな声でつぶやく。

カイムの足が止まる。

「…」

何か言いたげな表情でマナの顔を覗きこんで来る。
そして
マナの額に、頬に、唇にキスをした。

その夜ふたりは初めて同じベットで眠った。

343名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 22:14:01 ID:LM6sgQTu
読んで頂いた方々、
長くなってすみません。これで終わりです。

次は凌辱ものなんか投下したいな、と思ってます。

ふたりの珍道中ネタは自分も好きですよ。
混ぜて下さい

344名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 01:43:54 ID:00a4ZBtM
959氏が帰ってキタ(゚∀゚)!

343氏もGJです!マナ可愛いよマナ(´Д`;)
シリアスなのに萌え。
しかもカイムさり気無く優しくて切ない。
次もマターリ待ってます
345名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 06:48:31 ID:4dnLDyx7
>>343
GJ乙!!
マナ可愛いな(*´Д`)ハァハァ
346名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 15:53:17 ID:pM6AARLE
>>343
マナ可愛いよマナ。
「一度でいいから〜」のセリフが(・∀・)イイネ。
347名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 02:25:49 ID:FgjNw8Mb
SS職人さん募集中広告age
348名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 06:59:33 ID:0sDOVk6x
カイマナ道中、中編マナsideを書いてる。
エロ無し中編の予定…それでもおk?
349名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 08:46:24 ID:gfYxsRFf
おk
350名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 11:26:53 ID:1ZhdInlV
SS投下します。
351閉じた記憶の中で(回想/マナside)1:2005/09/17(土) 11:28:09 ID:1ZhdInlV

思い出すのが切なくて、封じ込めていた記憶。
連れられて、ずっと辿った旅の日々。
ふと思い出すのは、私の手を握るあの大きな手。


        〜閉じた記憶の中で〜


あれは、いつの頃だったろうか。
私の覚えているカイムは…本当は決して恐怖の存在だけでは無かった。

でも私が、罪に怯え、逃げ出してしまったから。
だから、彼のくれたあの時の優しさも、私の弱さが記憶から閉ざしてしまって。
352閉じた記憶の中で(回想/マナside)2:2005/09/17(土) 11:28:54 ID:1ZhdInlV

――――――――

険しい岩肌が切り立つ、峠道。
マナはカイムに手を引かれ、彼の歩幅に遅れまいと必死について来る。
遅れがちな少女を、時々カイムは無表情な顔で振り返る。
その目が憎しみに燃えているのではないかと、未だにマナは彼を見上げることができずにいた。

日が傾きかけ、西日が木々の間から射し込んだとき、マナはその光に目が眩んだ。
と、その刹那。
あっという間だった。
「あっ!?」
足元の小岩がガラリと崩れ、マナは足元を掬われて斜面に投げ出されてしまったのだ。

がらがらと小さな岩の粒がひしめく斜面を転がり落ち、やっとのところで体が止まる。
「…いっ!」
体中が打ち付けられ、身を起こした途端に走った鈍い痛みにマナは呻いた。
立ち上がろうと、足を動かす。
鋭い激痛。
足をくじいてしまったようだ。これでは斜面を上がることも、峠も降りることもできない。

膝を抱えて、マナはうずくまった。
――このまま、ここで死んじゃえばいいのかな…
  カイムは怒って私をぶつかもしれない、どうしよう…
353閉じた記憶の中で(回想/マナside)3:2005/09/17(土) 11:29:36 ID:1ZhdInlV

カイムに助けを求めようかと思ったが、途中で声が喉につかえた。
マナは痛いのと不安なのとで顔を膝に伏せる。
目をそっと閉じたとき、じゃりじゃりと斜面を降りてくる足音が近づいて来るのが聞こえた。

ハッとして顔を上げると、そこにはカイムが立っている。
つかつかとマナの前まで近づいてくると、そこにしゃがみ込んだ。

カイムの手がマナの顔に伸びてくる。
マナはカイムが怒って自分をぶつだろうと、身を縮こませた。
「いやっ…!」
彼の手が触れるか触れないかのところで、マナはとっさにその手を振り払った。

「……?」
一向に叩かれる様子も無いことに驚いて、マナは閉じていた目を開く。
マナのすぐ前に、カイムの顔があった。
振り払われた手をそのままにして。
カイムの目が、僅かに揺れ動き、一瞬その瞳に哀しみの色が浮かんだ。

2人の間に流れるしばらくの沈黙。

そっと、カイムはマナの頬を拭った。
「あ…」
自分では気づかなかったが、マナは体のあちこちを擦り剥いて、血が滲んでいたのだ。
頬にもかすり傷ができていた。
ちらり、とマナの腫れた足首に目をやると、
カイムは何事も無かったように荷物から布切れをゴソゴソと取り出し始める。
354閉じた記憶の中で(回想/マナside)4:2005/09/17(土) 11:30:23 ID:1ZhdInlV

マナは狼狽した。
これまで彼女に向けられた大人の手は、大概痛みを与えるものでしかなかった。
なのに、カイムは。

――自分の傷を気遣ってくれたカイムの手を拒んでしまった…
「ごめんなさい、あの…」

カイムはその声に振り返ることなく、近くを細々と流れる小川に歩み寄り、布を冷たい水に浸す。
固く絞った冷たい布をマナの足首に巻き付け、軽く縛った。

(…立てるか?)

マナは痛む足でなんとか立ち上がるが、とても歩ける状態ではなかった。

(痛むのか)

「だい、じょうぶです…」
355閉じた記憶の中で(回想/マナside)5:2005/09/17(土) 11:31:01 ID:1ZhdInlV
カイムはくるりとマナに背を向けるとマナの手を掴んで斜面を登り始める。
痛む足が、なかなか言うことを聞かない。
よろめきながらついて来るマナに、カイムは振り返った。

(その足では無理だ)
カイムはひょい、とマナを背負う。
「わっ!」
突然のことにマナは声を上げ、びくりと体を震わす。
まさか、カイムの背に負われるなど、考えもしなかったことだ。

カイムはマナを背負いながら、軽々と斜面を登り終え、峠道を降り始める。
どうしたらいいのか分からないマナ。

「カイム、私もう平気だから、歩けるから…」
歩けるわけも無いのにそんな言葉が出てしまう。

(おとなしく、していろ)
それ以上カイムは何も語らない。ただ黙々と峠を降る。
戸惑いながら、マナは遠慮がちにカイムの背に身を委ねる。
思ったより、広い背中だった。
―――不思議な気分。
マナは、その不思議な感覚の中で、いつの間にかに眠ってしまう。
背中から伝わる温もりと、カイムの足どりに揺られながら。

                             (続く?)
356名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 12:04:46 ID:wO9fx3R8
こういうふいんき(ry)大輔
357名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 13:32:43 ID:9yRFmV+M
俺も〜!
GJ>>350
358名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 14:21:41 ID:lgZd6M1C
フォオォォオオオお かかかか カイム〜〜〜!!!!
>>350萌えあがったGJ
359名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 16:14:16 ID:oMf95J11
エロか萌えどちらかがあればハァハァできる
というわけで俺も大輔>>350
GJ
360名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:06:48 ID:lGnhmPOG
続きキボンヌ
361名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 00:41:45 ID:QKcmT3dw
静かだな
ちょっとあげてみるテスト
362名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 02:28:44 ID:CRPqa2dM
SS投下開始します。前回の続き
363閉じた記憶の中で(回想/マナside)6:2005/09/19(月) 02:29:58 ID:CRPqa2dM

――――――――

幼い頃の私は、ただただ憎まれることに脅えていて。
彼の気持ちには気づくことができなかった。

彼の一瞬見せたあの表情。

憎まれることから自分を庇うばかりで、気づかなかった。

あの時一瞬見せた彼の瞳が忘れられない。

彼は、どんな想いで私と旅していたのか。

今頃になって。思い出すなんて。

――――――――

364閉じた記憶の中で(回想/マナside)7:2005/09/19(月) 02:30:47 ID:CRPqa2dM

翌日。

「あの…昨日は、ありがとう」
朝日に目を細めていたカイムに、うつむきながらマナは感謝の意を述べる。

(ああ)
さっさと荷物を纏め出し、カイムは麓から遠く先にある里を臨んだ。

(この分なら、今日中にはあの村の宿で休めるだろう)
マナの手を引き、鬱蒼とした森の中へとカイムは踏み入れる。

――――。

どれだけ進んだろうか。
森は案外深く、霧が立ち込め視界が悪い。
それに追い討ちをかけるかのように、天候が鈍り出す。

マナは痛む足を引きずりながらも、カイムの足手まといにならぬようにと、気丈に歩き続けた。

丁度、森の半ばまで来たところだった。

途端に、辺り一体に立ち込める邪気。
ただならぬ気配に、カイムは眉をひそめた。
「…?」
ぴたりと動きを止めたカイムに、思わず彼の顔を見上げるマナ。
マナの前に立ちはだかり、彼女を制する。
(お前は下がっていろ)
365閉じた記憶の中で(回想/マナside)8:2005/09/19(月) 02:31:41 ID:CRPqa2dM

カイムが剣を抜き放ったと同時に、巨体を唸らせ魔物どもが2人の周囲を取り囲む。
屈強な体躯、異常に発達した爪牙を持つ魔物。

カイムは躊躇することなく魔物に斬りかかる。
一閃。
ずしりと重い一撃で数匹の魔物が吹き飛ぶ。
返し刃で更に数匹をなぎ倒す。

この数相手なら問題は無い、とカイムが思った刹那。
マナの叫び声が木霊した。

(…!?)

ぺたりと地面に腰を抜かし、後ずさるマナの姿がカイムの目に飛び込んだ。
昨日痛めた足のせいで、自由が利かないマナに群れ成す魔物ども。

眼前の魔物の頭を剣の柄で叩き潰し、カイムは身を翻す。
蠢く魔物を蹴散らし、マナを狙う魔物どもに突っ切っていった。

(俺の手を掴め!)
カイムはマナに駆け寄り手を差し出す。


だが、それが一瞬の隙を生んだ。



鮮血が、飛び散る。


カイムの肩に、魔物の毒牙が深々と突き立てられていた。
366閉じた記憶の中で(回想/マナside)9:2005/09/19(月) 02:33:00 ID:CRPqa2dM

森は、静けさを取り戻していた。

転がる魔物どもの屍骸。
その中で、カイムの荒い息が響き渡る。
深手を負った彼の肩から赤い雫が滴り落ち、血溜まりを作っていた。

自分を庇って傷を負ったカイムに、マナは駆け寄る。

苦痛に顔を歪めるカイム。

マナを尻目に、傷口を布できつく縛り上げ、カイムは険しい表情でスタスタと歩み始めた。
こちらも向かず、何も言おうとしないカイムの顔を、何度も不安げな表情でマナは見上げた。

―――カイム、また私のせいで…

申し訳なさとカイムの険しい表情に気おされて、マナは彼の後をとぼとぼとついて行く。

と、その時。

マナの前を歩いていたカイムの体が突如、ぐらりと傾いた。
367閉じた記憶の中で(回想/マナside)10:2005/09/19(月) 02:34:53 ID:CRPqa2dM

そのままその場に崩れ伏すカイム。
「あっ…!カイム」
今まで見たことの無い彼の様子にマナは慌てる。
のそり、とカイムは身を起こし、座り込む。
額に浮かび上がる脂汗。荒く苦しげな息遣い。

(構うな、平気だ…)

「お願い、傷を見せて」
マナがすがり付く。
少女の深刻な表情。
カイムはその顔を見、目を伏せた。
己が動揺する様を、少女に読み取られないようにと。

マナは、恐る恐るカイムに触れた。
―――彼に自分から触れるのは、初めてな気がする…
カイムの服を緩め、肩をそっと露わにさせる。

毒牙に深く刺し抉られた傷。
痛々しかった。
一刻も早く、毒を抜かなければ。
しかし、薬になるような植物は見当たらない。
どうしたら良いかとマナは焦りながら思案する。
そうこうしている間にも、カイムが歯を食いしばり、苦しみに耐えている。

―――いま、私に残されたのは、あの方法しか…

「毒を、吸い出します。これしか、方法がないから……我慢してください」
マナは、掠れる声でやっと言う。

そっと、震える唇をカイムの傷口に重ねて。

その行為はおずおずと。

カイムは、思わず目を見開く。

その瞳は、少女の懸命な姿に、揺れ動いていた。

(おそらく続く)
368名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 02:36:31 ID:CRPqa2dM
ミスった。
(おそらく続く)はSSのことでカイムの言葉じゃないです。
スマソ、スペース入れるの忘れた。
369名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 09:15:26 ID:Fg1+Smi4
是非続きキボン

カァーイム!

370名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 10:05:38 ID:uvkbpRSP
マナたん!マナたん!
371名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 19:38:00 ID:oFgQHP6I
マナァァ━━━━━━
372名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 22:05:12 ID:UAKiTmVH
聞こえないか。
373名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 22:08:29 ID:A6y1f7Dh
そう来たか
374名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 23:26:47 ID:aDubPvyx
ワロタ
かわいそうだ
375名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 00:19:48 ID:qwzQpmc/
>>368GJ!

んでもって>>372もGJw
376名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 19:19:11 ID:rz+jdu7T
人へっちゃったね
377名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 20:54:26 ID:qwzQpmc/
カニバメイドさんと蟻皆無と従騎士の続き、読みてぇ〜な…(チラ)
303氏、***氏、それから蟻さんの帰還を祈願してageてみる。
378名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 21:46:32 ID:rz+jdu7T
じゃ、俺は…

カイムー(゚∀゚)!!





キコエナイカ…('A`)
379名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 21:59:48 ID:ES+uTBQO

「……」

「……」


380名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 22:01:09 ID:nAVx8X3x
381名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 23:22:17 ID:HFdKPUux
>>380
覗いても全然勃たなかった自分にorz
リアルな大人の玩具よりもDODのSSを欲している俺は既に立派なDOD中毒患者だな…
382名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 00:04:49 ID:WpItUOi2
ああ、俺はアンヘルたんを書けない。
それでDODを引っ張り出してやってみたら…
2の時の猛々しさは何処に行った!
あんなに穏やかだったのか、1では…
静かな語り口調になんだか萌えたな…カイムに諭してるようなとことか。

みんなはどんなSSをキボンなんだろうと、ふと質問してみた。
383名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 00:20:26 ID:WpItUOi2
保管庫管理人さん、ありがとうございます。
重複語消していただいて助かりました!!
384名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 13:02:59 ID:mkKOM6V6
みんなー…あ…あ………ぁ
385名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 15:39:07 ID:UR10jM0K
>>382
アンヘルたん視点でカイムを観察するSSをキボンヌ
386名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 16:32:04 ID:I4Ar2ymK
ノウェエリスってありそうでないんだな。
387名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 16:59:11 ID:JdQBsgr7
今確認してきて思ったんだが、エリスが絡んでんのって百合か竜姦か幼児か親父って…濃いなオイ。
ノウェとユーリックは立場ねぇな。

>>382
昔は選り好みしてたが、職人さんが減ってる今では
萌えだろうがエロだろうが堅ーい長文だろうが801だろうが(うpろだ限定)、どんとこい!って気持ち。
どんなカプでも美味しくいただきます。

あえて言うなら一つだけ。
大作は小出しにしてもらったほうが疲れなくて助かるけど、『未完のまま終わる』のだけは勘弁。
永遠に悶々する羽目になるからさ。
388名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 17:20:27 ID:Y+iH2TWt
351なんだけど、やっぱアンヘルたんは根強い人気だな。
なんたってDODのヒロイン。
俺は竜は難しくて書けないけど…

一応カイマナ道中は今夜中に書き上げて終了するつもり。
投下したら結びつけないとな。

たまにこういった雑談があると、俺は投下しやすくなる。
元気をもらえるからね。
と、俺は思ったり…ああ、チラスの裏。
389名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 21:18:31 ID:Fq7n3BTm
DOD2やって「マナのエロSSねぇかな…」て探し当てたこのスレで
アンヘルたんのエロSSに出会い、DODをプレイしてアンヘルたんに萌え、
今ではすっかりドラゴン萌えだ。と言うわけでこのスレへのお礼も込めて
ちょっとアンヘルたんのエロSS書いてくる。
390名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 22:12:15 ID:Y+iH2TWt
SS投下します。これで道中回想マナside終わり。
391閉じた記憶の中で(回想/マナside)11:2005/09/21(水) 22:15:36 ID:Y+iH2TWt

何度目かのカイムの血を吐き出し、マナは布で彼の肩を縛った。

「これで、ほんの少しくらいだけど、毒は出せたと、思います…」

カイムはマナを呆然と見つめていた。少女の口元についた己の血。

(……すまないな)
大きなカイムの手が伸びてくる。
マナはその手にどきりとした。
彼の手が、マナの口元についた血を拭う。

「……」

カイムは、未だ毒が抜けきらない重い体を持ち上げ、少女の手を握る。
傷つき、ふらつく足取りで森を進む。

その様は、まるで互いに庇いあい、支えあうかの様に見えた。

しかし、誰もその姿に気づくものはいない。当の2人も含めて。
392閉じた記憶の中で(回想/マナside)12:2005/09/21(水) 22:16:32 ID:Y+iH2TWt

宿にて。

マナは、湯で身を清めてから、あてがわれたカイムとの部屋に向かった。
昨日斜面から落ちて作った傷がひりひりする。

部屋の中に入ると、カイムは寝台の上で毛布に包まって先に寝ていた。
音を立てないように、向かいの自分の寝台にもぐり込む。
温かい毛布と、寝台の弾力。
ふかふかの枕に、マナは顔をうずめた。

――温かいけど、これも温かいんだけど…

何故だか今夜は寝つけない。
カイムは、こちらに背を向けて眠り込んでいる。
マナは、寝返りを打った。

カイムの背中が見える。

――私を負ぶってくれた背中。守ってくれる背中。

マナは負ぶられて、いつの間にか眠りに落ちたことを思い出していた。
温かな背中だった。
この毛布よりも、温かな…

彼女の中で、仄かな感情が疼く。


恐怖の存在でしかなかったカイムに対する想いが、何かに。
だが、その時の彼女はそれが何であるか、まだ気づかなかった。
393閉じた記憶の中で(回想/マナside)13:2005/09/21(水) 22:18:28 ID:Y+iH2TWt

カイムの規則正しい寝息が聞こえてくる。
無意識のうちにマナは、その規則正しい呼吸に、自分の呼吸を重ねていた。

とろとろと、不思議な眠気がマナの身を包んでゆく。
次第に、カイムの背中が視界からぼやけてくる。

夢と現実の間で、マナは小さな声で呟いた。

「……カ…イム」

少女は、深い眠りへといざなわれていった。
394閉じた記憶の中で(回想/マナside)完結:2005/09/21(水) 22:20:05 ID:Y+iH2TWt

しかし数年後、私は彼を裏切ってしまう。自分の、私の弱い心が。
彼に守られたこと、彼に私が感じたこと、記憶の鎖が、千切れたみたいに。
…罪から逃げる為だけに、彼の目を抉った私

私はふと思う。
あの時、彼はどんな気持ちだったのか、と。
きっと、私の罪の重さの苦しみなんか比にならない程、もっともっと苦しかった。

私は己の罪と、カイムへの裏切りと言う罪を背負って生きなければならない。
彼は生きろと言った。

生きて生きて、苦しんで、苦しみ抜いて。
罪と言う灼熱に焼かれ、死ぬまで苦しみ悶えて。
それでも足りない。

これは、私への罰。それでも、私は…

逃げたい、見たくない、知りたくない、思い出したくない。
私はやはり、悪い子。いつまで経っても、ダメな子。


赦されないのは、当前のことです。
 
でも、カイム。今、私はあなたのことを――。

もし、あの時に戻れるのなら。


――今となっては届かぬ想い。すり抜けるそれは運命というべきか。残されるのは罪と涙のみ――

                    (了)
395名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 22:31:58 ID:Y+iH2TWt
エロ有り路線で〆ようかと思ったが、最後までエロ無し。
エロ.verも練ってみたいが和姦はどうかなと思案中。
前みたいに分岐エロ有りver.とか
396名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 23:14:17 ID:BmBxde9c
>>395
いや、エロ無しでも十二分によかったよGJ!
マナ可愛いよマナ。
397名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 01:34:48 ID:3S/8Ofoa
>私はやはり、悪い子。いつまで経っても、ダメな子。
マナたん。・゚・(ノД`)・゚・。
398名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 11:36:12 ID:xjyO2C8j
本編でこんなマナが見たかったよ…orz
399名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 11:46:39 ID:cJVn9ttH
だな…
いっそこれを本編にしてしま(ry

エロ有り路線だったらどんな?
400名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 12:40:50 ID:cJVn9ttH
分岐!分岐!和姦で分岐!
401名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 12:44:58 ID:cJVn9ttH
自分でどんな?って言っといて自分で答えちゃったorz
402名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 00:41:33 ID:B8npGbfz
寂しいage…
403カニバメイドさん襲来!?序章1:2005/09/23(金) 01:29:30 ID:0lHPf1Vp
あの赤い記憶から数年後、これはある男と少女の物語である。

朝がきた。
ある町から少し離れた一軒の家で、一人の男が寝ていた。
歳は20代後半といったところである。
もう朝だというのに起きる気配が一向にない。
そこに扉を開けて一人の少女がゆっくりと入ってきた。
髪型はショートカットでまゆばい金色をしており、瞳は血の様に赤い。
そう彼女はかつて世界を崩壊に導きかけた司教、マナである。
そして、ベットで寝ている男はもちろんカイムである。

どうやら、カイムを起こそうとしているらしい。
見た感じ、とてさわやかな光景である。
マナが全体を黒で飾ったメイド服を着ていると事実をのぞけば!?

「御主人様、朝ですよ。起きてくださ〜い。」 ドスッ! ドスッ!

マナが微笑みながら、丁寧な口調でカイムに優しく喋りつつ、横腹に蹴りをいれている。

言ってる事とヤッてる事が逆である。

・・・でもカイムは起きない。
404カニバメイドさん襲来!?序章2:2005/09/23(金) 01:30:46 ID:0lHPf1Vp
・・・・・

ピクリともしないカイムをじっと見る。新しく頭に付けた特性ネコミミ、いや、キツネミミがピコピコ揺れる。ってどんな仕掛け!?
マナは蹴りをやめ、無言でベットに上がってカイムの足側に向き、下半身に馬乗りになった。例の技をやるらしい。
と、そこでマナがピクンッと動き、腰を浮かせ、そのままの体制から顔を下に覗かせ、硬直した。
股間の部分に何か硬いのが盛り上がっている・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その「何か」を見たマナは最初ぼ〜っと見ていたが、やがて顔を真っ赤にしながら全身を震わせ(何故かキツネミミも)、そして

「起きろ! ヘンタイ野郎!!」

部屋中に威勢のいいマナの罵声と鈍い音が響いた。
405カニバメイドさん襲来!?序章3:2005/09/23(金) 01:32:30 ID:0lHPf1Vp
場所は変わって食卓、テーブルでマナが一人、主人の到着を待っている。
そこにマナからエルボードロップを左頬付近に貰い、血だらけになっていた主人が洗顔&手当てを終え、やって来た。
頬を押さえながら辛そうな表情で席に着く。

「お待ちしてました。では御主人様、食べましょう。いただきま〜す☆」

マナは先程、カイムに鈍い一撃を与えた事も忘れたかの様な明るい表情でトーストにジャムを塗り、ほおばる。
その様子を見たのか見て無いのか、主人はハァとため息一つ吐きながら、やたらと焦げてるトーストにバターを塗る。
口の中が切れてるのか、咀嚼が非常に辛そうである。

「御主人様、トーストの味はどうですか?」


――――――焦げと血の味がする・・・・

いつもの朝の会話も弾みながら、朝食も終わった頃、扉を叩く音が聞こえた。

「御主人様、誰か来ましたよ、「補給」かな?」

そう言いながら、マナが玄関に(カイムは喋れないのでマナが応対する)向かう。
406カニバメイドさん襲来!?序章4:2005/09/23(金) 01:34:24 ID:0lHPf1Vp
話は逸れるがマナが言う「補給」とは、カイムが近くの町の食料店・雑貨店に頼んで、周期的に食料品等を配達してもらっていることである。
(今で言うデリバリーサービス)

散歩していける距離に町があるのに何故、ワザワザ「補給」してもらっているのかというと、それはそれはもう深〜い訳があるのだ。

――――――マナは家に置いておくべきだった・・・

カイムは「その事」を思い出すたびに心の底から後悔し、苦々しげに思う。
(この頃からマナは自分一人では生きて行けない事を理解していたのか、カイムから逃げようとはしなくなっていた。)
それは、地元の名士である、元家臣に棲家を提供して貰ってからしばらくして、生活に必要な物を揃えるために
マナと二人で入居後初めて町に出かけた時の事である。
407カニバメイドさん襲来!?序章5:2005/09/23(金) 01:36:46 ID:0lHPf1Vp
何故か、歩いている自分達に対して奇異の視線(一部舐める様な)が浴びせられてきたのだ。それも町中の人達から。
当然、カイムには何故そんな目で見られるのか全く検討がつかない。
冷たい奇異の視線を向ける町人達にお返しに、戦場仕込みのガン飛ばしをしながら視線の原因を考える。

――――――全く分からん・・・なんでコイツラはジロジロ見やがる?そんなに俺が怖いのか・・・?

――――――いや、この視線は軽蔑に近いぞ? 何故???

――――――所でさっきからマナが御主人様 御主人様とうるさいな・・・やたらと、ベタベタ甘えてくるし・・・はしゃいでるのか?

――――――御主人様? 普段呼び捨てにするか、クソ野郎と呼ぶ癖に何故、今俺をそう呼ぶ?

そう不信に思ったカイムは立ち止まり、下に目をやる。

その先には、どんな仕組みか知らないが、ピコピコと揺れるキツネミミを付けたメイドの女狐っ娘。
マナはとろけた表情で微笑み、自分の腕に絡まりながらごしゅじんさまぁ〜と猫なで声で自分を呼んでいる。
その振る舞いは自分が「仕方なく」神殿から連れ出した時から見せてきた「ぶっ殺したい位カワイイ態度」とは大違いである。
マナの唐突な激的変化に内心戸惑いながら、自分に愛らしく甘えるメイド少女につい顔がほころび、頭をサワサワ撫でる。
408カニバメイドさん襲来!?序章6:2005/09/23(金) 01:38:31 ID:0lHPf1Vp
――――――メイド!?

メイド姿のマナを見て、カイムはやっとこさ視線の原因に気づいた様だ。
そりゃ、怖そうな男とメイド服着た少女が町を堂々と歩いてりゃ誰だって見てしまうだろう。
っていうか何で早く気づかねんだよっっ!? っと思う人もいるだろうがカイムの場合、ちーーっと事情があるのです。

そう、マナは従者としての教育のためとか言われてメイド服しか貰ってなかったのだ!
(前まで着ていたのは古いという理由で家臣に盗られた。しかもメイド服の種類とアクセサリーの数だけが無駄に多い)

そのため、カイムはマナのメイド姿しか見ていなかったので、その日常にすっかり慣れてしまい、普段なら町に行く前に気づきそうな事態
も全く気づかなかったのである!!  あっ、顔が青覚めてきた。

――――――俺・・・もし・・かして・・・変態・・思われている・・・?     

いまさら気づいた事態にかなり焦り、いや、まさか!と淡い期待をしながら辺りを見回すも無常にも、
      
「ヒソヒソ・・・メ・・ド服・・味?・・・態?」
                      
「ヒソヒソ・・うゎ・・・撫で・・ニヤ・・・・・・てるよ」

等々町人達の囁きと共に皆、変態・ロリコン・ピチガイと汚物を見る様な(局所的に羨望)視線を浴びせてくる.
409カニバメイドさん襲来!?序章7:2005/09/23(金) 01:39:25 ID:0lHPf1Vp
思わず耐え切れなくなったカイムは、この場を立ち去ろうとマナを片手で抱えて逃げだしてしまったのである。
それから間も無く、誘拐した幼女にメイド服着せて囲っている変態だと噂が流れ始め、町中に広まってしまい、
流石に沽券に関わると本気で心配したカイムはその事実無根の汚名(半分当たってる様な)を晴らすべく、マナにメイド服以外の普段着も
買い与え着せようとした。

ところが、当のマナ本人はメイド服に対して愛着を持ったのか、またはメイドという立場を気に入ったのか、あるいは遠回しに自分に
嫌がらせをしたいのか、激しく拒否られてしまい、それどころかメイド服のまま一人勝手に町に出たりして、それがまた更なる噂を招き、
結果、カイムは変態ロリコン疑惑を拭うことができず、町中を歩けなくなったのだ。

その苦い思い出を噛み締めつつ、食後のコーヒーを飲んでいると、マナが呼んで来た。表情が強張り、緊張している。

――――――ただ事ではないな・・・

そう思ったカイムはマナと共に玄関に向かう。そこにいたのは、見慣れた補給に来る人ではなく、鎧に身を固めた封印騎士団兵士だった。
410カニバメイドさん襲来!?序章8:2005/09/23(金) 01:40:09 ID:0lHPf1Vp
流石のカイムもこれには面食らった。何故封印騎士団がここ来る?マナを取り返しに来たか?と警戒していた所、兵士が話しかけてきた。

「お初にお目にかかります。カイム殿ですね? あぁ、喋れない事は分かっております。私達は神官長ヴェルドレの使いで来ました。」

――――――ヴェルドレが!?どうやってここを!?

そう思いカイムは外にでて自分を訪ねて来た封印騎士団一行を見回した。馬車が数台あり、武装した兵士が警護している、かなり厳重だ。
と、ある馬車の中から一人の「エルフの女性」が数人の護衛兵士に引き連れられる様に出てきた。

――――――あ・・・なッ!? 

カイムは「エルフの女性」を見て、心から驚愕する。今、この状況で、この場で会うこと自体がありえないことだったから。

――――――あ、アリオーシュ!?

その「エルフの女性」はかつて、前大戦で自分と仲間達と共に戦場を駆け巡った「カニバエルフさん」ことアリオーシュであった。
411カニバメイドさん襲来!?序章9:2005/09/23(金) 01:42:44 ID:0lHPf1Vp
――――――何故アリオーシュがここに来ている!?

言葉が喋れないのを忘れて、近くにいた兵士に掴みかかり、問い詰める。それを見たマナが慌てて通訳する。

「お、お待ちください! 神官長ヴェルドレから書簡を受け取っております!詳しい事はこちらをお読みになってください!」

兵士が揺さぶられ、困惑しながらも手元の書簡をカイムに突き出す。カイムはそれを乱暴に手に取ると中身を開いた。

読む前にアリオーシュを見る。

ビビっている護衛兵士達に囲まれながら、イッちゃった視線で辺りを見回していたが、マナの姿を捉えた途端目の色を変え、
舌舐めずりしながらジィ――――――っと凝視している。凝視されているマナはかなり引いている。
ヤバイ予感もしたが回りに護衛兵士もいるし、封印が施されている筈だから何とか大丈夫だろう、カイムは改めて書簡に目をやる。

中身は老いぼれ老人らしく、前略とか自分の近況とか「封印戦争」のねぎらいとか、全くどうでもいい話が大半を占めて苛々してくる。
(自分達の居場所は迷惑な事に元家臣がわざわざ報告していやがった)

それでも全部読んでみて、自分なりにまとめるとこういう話になる。

カイム、頼みがある。今そこにいるであろうアリオーシュをお主の所で預かって欲しい・・・
いや、もうホント辛いのだ!

セエレを見るなりごちそううぅ!と奇声発しながら飛び掛かったり!
セエレを庇った隠者をアナタでもいぃ!と噛り付いて半殺しにした挙句、不味いと吐いたり!
隠者の契約したフェアリーを追いかけて一日中奇声発しながら神殿内を走り回って壊しまくったり負傷者出しまくったり!
森はどこぉ――!森に帰れないエルフなんてエルフじゃないよぉおお――!とか訳分からん事ほざいたり!
手に負えないので施設に入れようにも、まがりなりにも前大戦の英雄の一人でもあるし、無下に扱うわけにもいかない!
百害あって一利無しだ・・・セエレもノイローゼになり私も心労で逝きそうだ!
帝国兵をダニと呼び、笑顔で殺りまくってたお主なら、彼女の奇行にも耐えられるだろう!
っていうか、ぶっちゃけ似合いのカップルじゃないの?
という訳で私達のためを思って彼女を引き取ってくれ!! 後生だ!

PS.

彼女を引き取ってくれるならお主の「元司教誘拐・監禁調教」の件は不問にしよう。
が、「女神」がお主の近況を聞いて発狂しそうな程ぶちキレてるぞ!?
このままでは神殿ぶち壊してそっちに行きそうな勢いだから程々にしてくれ!こちらも対策立てねばならんから!

神官長ヴェルドレ
412カニバメイドさん襲来!?序章10:2005/09/23(金) 01:54:36 ID:0lHPf1Vp
――――――――――――あ・・・あ、あの・・・・ジジィぃぃ!?

カイムは信じられない顔をしながら書簡を握り潰した。

――――――――――――アリオーシュをこっちに押し付ける!?いや、そんな事はどうでもいい!
            マナの事誤解してその上アンヘルにチクッただと!?しかも自分を殺しに来るかもしれないって

「ヒソヒソ・・・なあ、子供にメイド服着せてるぞ、マジかよ・・・」

プチッ

――――――――――――あれから色々あって時間が流れ、すっかり夕方になっている。

何が色々あったかと言うとぶち切れたカイムが兵士達に殴りかかったり、その隙に我慢できなくなったエルフさんが護衛兵士吹っ飛ばして
マナに飛び掛ったりと、それをマナがオガーザーン!と叫びながらカイムでガードしてカイムが齧られたりと、もう言葉に出すのもキリが
無いので話を進める事にする。
結局、あの騒動で封印騎士団一行が壊滅的被害を受け(半分はカイムのせい)このままでは断られてもアリオーシュを制御する事は
難しいから頼むから引き取ってくれとマジ泣きで騎士団員に頼まれたので、その原因を作ってしまったカイムは流石に断ることができず、
泣く泣くアリオーシュを引き取ったのである。
家の中ではカイムがアリオーシュの着替えが終わるのを待っていた。
その傍にはすっかりエルフさん恐怖症になってしまったマナがプルプル震えながら(何故かキツry)怯えた表情でしがみ付いていた。



(続きませう)
413名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 10:07:11 ID:dQzhfgDC

 ヽ('∀`)ノ♪
♪ ( へ)
   く
414名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 10:15:36 ID:tyPYxaN5
うはwww修羅場モエス
415名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 10:31:04 ID:dQzhfgDC
よく読んだら保管庫より量が増えてる
416名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 12:41:48 ID:poXo9ZMu
世間の見るカイム変態度そこはかとなくアーップw
417名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 12:56:56 ID:iv8Zzwdx
最近カイマナ道中しか頭に思い浮かばないんだが…
俺の頭開けるとカイマナしか入ってない。
盲目になってる。
もう少しエリスやハンチ、モノを書いてみたいのだが…
418名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 15:53:56 ID:Oyb5M2Q8
>>417
道中ネタは多種多様だろうし、どんどん吐き出してしまえ。そして尽きろ。
いや、それくらい読んでみたいってことだからな?どんなネタでもな。
419名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 16:28:37 ID:B8npGbfz
カイマナ道中読みたい人!

ノシ

閉じた〜ってSSでエロ有りも読んでみたい

というかもうなんでもな中毒者がここに
ノシ
420名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 18:12:05 ID:iv8Zzwdx
カニバメイドさんも楽しみだ…

SS投下祈願…

アンヘルーー(゚∀゚)!!





キコエナイカ…('A`)
421名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 19:23:19 ID:WUb8OBba
もーマナなんてイラネ

エリスキボン
422名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 20:19:27 ID:dLGZrbw5
そこで基本に戻ってアンヘルたんのエロ小説ですよ
423名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 21:28:09 ID:pxbOYZ0G
上に同じくエリス求ム。
424名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 21:51:46 ID:B8npGbfz
俺もエリス求む!
イラネ系発言は控えた方がいいかとオモ
425名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 22:02:22 ID:poXo9ZMu
俺もエリス求む!!誰かヨロ!
それからヤハたん物語とカイマナ道中の続きもワクテカして待ってるよ。
426名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 22:15:33 ID:LGNjyMB2
イラネ+キボンすると、キボンした方のキャラが悪く見られてしまうよ

保管庫にあるレグナ×アンヘル激しくハァハァした
アンヘルたんごめん……
427名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 22:19:04 ID:cq6lMj09
>426
おまいさんはいい匂いがする…

優しいな。
428名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 23:20:03 ID:vM4G37oy
真中をとってハンチさんのエロスをかけばまるくおさまるな
429127:2005/09/24(土) 00:39:02 ID:dPVoAVNS
俺でよければ投下します。
・アリオーシュ×レグナ
・レグナ×アンヘル
・4人(ノウェ・ハンチ・エリス・ケルピー)
どれから書けばいいか悩んでるのだが、どれか読みたいのある?
430名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 01:06:12 ID:CDcFnTBz
どれも珍しいものばかりだな…凄いな!
どれがいいのか俺は悩んでしまうな。
無理せず自分の書きやすいものから書けば、みんな喜んで読んでくれると思う。

俺は暫くネタ練りに出かけます。
ノウェエリかカイマナで…閉じた記憶は分岐じゃなくていつか違ったタイトルでエロを。
需要があったらなのだがね。

127氏に期待!
431名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 02:59:49 ID:GCFkHe7U
>>429
アリオーシュもすてがたいが やはりここはヒロインのハンチさんで
432名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 05:01:59 ID:A5ZZ2rWp
アリオーシュとレグナをどう掛けるのか…すごい興味ある。
433127:2005/09/25(日) 08:11:12 ID:ZxPnPP1C
>>430-432
見事に分かれたw
とりあえずどれか書いてみる。
434名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 12:08:48 ID:6Bclfogn
過疎ってきたな…なんでもいいからおながい
435名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 14:33:29 ID:TbQS3IXo
この板ってこんなもんじゃね?
436名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 16:24:17 ID:6Bclfogn
エリスたんのスレってすぐ落ちるな…また無くなってた
437名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 18:36:57 ID:KyyDG3wG
青猫は、きっとその姿を利用してマナをペロペロしまくりだと思ってたんだがなぁ…
438名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 20:35:51 ID:+nvd9JvS
んでマナが「あっ……ん……はっ……」とか言うんだな。
あの声で。
あの声で!
あの声で!!
エロいぜ。
439名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 21:08:36 ID:KyyDG3wG
エロイな…あの声で!
「んっ…や、そこは………くっ!」

やべぇ、俺DODやってこよっと。
440名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 22:30:27 ID:dj0q7CSe
>>436
エリスファンの人が気張るしかないべ
441アリオーシュ×レグナ(仮):2005/09/25(日) 22:38:40 ID:ZxPnPP1C
ノウェが騎士団を脱退する十数年前

錆の町 教会

「神父さま、私は男の身でありながら少年にやましい想いを抱いてしまうのです」
「この免罪符を購入すれば、あなたの罪を神はお許しになられるでしょう」

盲目の男の懺悔を聞き終えて、神父は礼拝堂へ戻る。
一息つくと神父は主を象った像の台座に隠した酒瓶を取り出すといっ気に飲み干す。
窓からは綺麗な夕焼け色の光が差し込んでいる。もう、夕暮れだ。
「フン…今日は一人だけか…」
神父は免罪符という購入すれば全ての罪が許される、ありがたい布を販売しお布施を集めている。
だが、今日は先程の盲目の男一人しか来なかったのだ。
「どいつもこいつも信仰心がたりんわい…いまこそ神への信仰が必要だというのに…ひひっ」
世界に未曾有の惨事がおこり早数年…世界は落ち着きを取り戻し始めたとはいえ、まだ完全ではない。
この惨事を逃れた錆の町も人身売買などを初めとする犯罪は増加する一方である。
「この教会にいる孤児でも売り払っちまうか…ん?」
神父が生活の為の大事な思考をしていると礼拝堂の扉が開いた。
開いた扉から一気に夕日が差し込み神父は目を細める。
442アリオーシュ×レグナ(仮)その2:2005/09/25(日) 22:40:24 ID:ZxPnPP1C
そこには1人の男が立っていた。男の背後で扉がゆっくりと閉まる。
夕日が差し込まなくなり、神父は改めて男を視る。
なんとも奇妙な男であった。歳の頃は20代だろうか、赤い瞳が輝く顔は美形の部類に入るだろう。
服装からしてどうやら旅人のようであった。袖から少しのぞく腕はとてもたくましかった。
そして不可解なのはその腕に抱えているのは荷物ではなく子供だということだ。
「神父、頼みごとがある…」
男が口を開いた…

「何ですかな?」
神父が聞き返す。
「この子供を預かって欲しい。明日には引き取りに来る…」
椅子に座らした子供は緊張したような面持ちでこちらを見ている。
「いや…ですが」
「ならこれでどうだ」
ずっしりとした中身の詰まった袋を神父に差し出す。神父はその袋の中を覗き込むと汚い笑みを浮かべる。
「シスター!!」
礼拝堂の脇の扉が開きシスターが現れる。神父と一言二言言葉を交わすと、子供の手を引き扉へと戻る。
443127:2005/09/25(日) 22:51:11 ID:ZxPnPP1C
すごい中途半端でスマン。
444名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 23:20:08 ID:EOzQdxI3
早く続きを!すげー気になる。
445アリオーシュ×レグナ(仮)その3:2005/09/27(火) 13:15:45 ID:ymz6OvCj
>>442
「わかりました、お子さんはお預かりいたしましょう」
神父が了承すると男は振り返り出口へ向かう。
「そうだ…言い忘れていました…外れの森には行かない方がいいですよ…なんでも鬼女が出るとか」
「フン…怪談の類だろう。それより子供になにかあったら…」
「大丈夫ですよ。これだけお布施を頂いたのです、貴方もお子さんも神の恩恵を必ずやお受けになりますよ」
「……」
男は返事をすることなく教会を出て行った。

錆の町 噴水広場

夕暮れの町は仕事を終えた労働者や家路に急ぐ住民の姿で埋まっていた。
(フン…俗物が)
教会の扉から出てきた旅装の赤眼の男に珍しさでも感じたのか数人の人間が振り返るが
一見するとまた歩き始める。
(まぁ、あのような人間の方が扱いやすいがの)
旅装の男―――レグナはそう思った。
レグナは時折、人間の姿をとり人間の町へ食事をする為に降りてくる。もちろん人間を食べるのだ。
子供――ノウェはさすがに山奥に1人残すわけにもいかないので適当な宿か教会に預けている。食べた人間から奪った金を渡せば誰も快く承諾した。
人間は数多くいる上に栄養価も高く、竜にとって実に適した食べ物だった。ただし当然街中で竜になって食べるわけにはいかない。
すぐに弓兵と魔術師がやってきて殺されてしまうだろう。特に魔術師の防御力は驚異的だ。
かといって人のまま、ちまちまと食べるわけにもいかない。食事中に見つかれば騎士団に通報されるだろう。
446名無しさん@ピンキー:2005/09/27(火) 18:32:00 ID:Jj4pftFY
そういうことだったのか!!
447名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 00:45:19 ID:VsT4rgK4
高まる期待感
レグナかっこええ
448名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 05:08:17 ID:WfxVa+zD
このスレに集う人に捧ぐ
未練タラタラで帰ってきた俺ですが
出来れば読んでやって下さい

>>437氏と>>438氏の会話でイメージが湧いたので書かせてもらいました。
前回のことで懲りてないんだ、といわれても仕方が無いのですが、
大人な方は真摯な対応でスルーしてもらえればと、思います。
それでは。
449――いつかの雨の日:2005/09/28(水) 05:09:00 ID:WfxVa+zD
マナは、ベッドの上から窓の外を眺めていた。
窓の外では、雨がバケツをひっくりかえしたように降り、風が窓を破らんばかりに吹いている。
「……風が強いですね」
そういって膝の上に座っている、子猫の姿をしたノウェの頭を撫でる。
子猫の喉から、ゴロゴロといった気持ちよさそうな声が漏れている。
「結局、ノウェはもとに戻れず、彼女は女神に……私は普通の日々を……」
ほとんど呟きのようだった、彼女の言葉は地面に打ち付けられる雨音で掻き消された。
彼女は子猫を抱きしめ、そのままベッドに横になった。
子猫はマナの胸の辺りに耳がちょうど当たり、彼女の鼓動が聞こえた。
自分が人間だったら、落ち込んでいるマナに、掛ける言葉を探していたのだろうか、などと考えた。
しかしそんな“もしも”に興味をなくしたように、子猫はマナに身を預ける。
「……」
マナは、唐突に子猫の顔を真剣に見つめ、口を淫猥にゆがめた。
「動物でも性行為はできますよね……」
その目は狂ったように、らんらんと輝き、その口からは甘い吐息を吐き出していた。
何かが狂ってしまったように、思える言動。
子猫は一瞬、戸惑い体をねじりマナの腕から逃れようとするが、それを彼女の腕が許さない。
「楽しいことをすれば忘れられる……きっとそう、きっと」
狂ったようにマナはきっと、と繰り返していた。
まるで母親に謝っていたときのように。
「私のをなめて……なめやがれって言ってるでしょう」
その狂言にしたがおうとしなかった子猫を、マナは力ずくで自分のまたぐらにもって行き、顔をこすり付けさせた。
「いいにおいでしょう。わかったらとっととなめやがれ」
子猫はスカート越しに、なめた。
ぺろぺろと。
しかしマナは不満そうに、つまらないと言って子猫の首根っこを掴み、持ち上げる。
「私ハお前なんかに愛されなくても、神様にアいされてルンだからお前なんか居なくてもイいんだ」
「アハハハハハ、アハハハハハ」
マナは子猫の首を掴んだまま、ベッドから起き上がりそのままダンスを踊るようにまわった。
ゴキリと音を立てて子猫の首が折れ曲がったのは、その直後のことである。
機嫌よさそうに踊るマナの眼は、赤く怪しい光を放っていた。
The END
450名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 06:45:46 ID:vOiBXc0c
>>448-449おかえり
キタ(゚∀゚)コレ
マナこわいよマナ
このことを知ったエリスとレグナの復讐キボンヌ
でもエロから遠ざかるか…
451名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 08:16:26 ID:bZZGANu3
303氏帰ってキターーーーー!!
お帰りなさいマナが怖いけど帰還が嬉しい。
続編待ってるぽ。
452名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 09:58:49 ID:1yUuMH/p
無事帰還を祝してage
次回作楽しみにしてる。
453名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 11:04:20 ID:q+5Hjxq8
これで波に乗って他の職人さん達も帰還を…!
454名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 16:56:00 ID:aUmt9l7g
久々に各キャラスレ巡回してきた

>セエレ×エリスの人
尻込みしてる場合じゃない。

ヽ((('A` ))))ノ <全ての力を解放せよ!
 ((((  ))))  
ノノノノω|||||

455ノウェ×幼マナ 1:2005/09/28(水) 19:30:32 ID:ubbcGbuT
空気読まずに敢えてノウェ×幼マナで逝ってみる。



―――――



尋常ならざるその想いは、青年を、記憶の奥底へと導いた・・・



「ここは・・・?」

気付くと、暗い広間に立っていた。
柱が沢山あり、縁を飾るように、赤い扉が並んでいた。
壁には赤い文字と、兎のようなモノが描かれている。
この赤は・・・血?



「ウフフフフ・・・」
「!?」

振り向くと、中央に敷かれた赤い絨毯の上に、小さな女の子が立っていた。
美しい金の髪に、静かに揺らめく炎のような紅い瞳。
瞳の色以外は神官長にそっくりだ。
そうだ、この少女こそ。

「マナ!」

急いで彼女に駆け寄るが、触れた瞬間彼女の姿は消えてしまった。

何故、幼いマナが居る?
現在の彼女は何処へ行ってしまった?
何故消える?
ここは一体何なんだ?


「マナの・・・心の中?」


確証があるわけではない。
けれど、思い当たることがあるとしたら、彼女を救いたい、彼女の心の中に行きたいと願ったことくらいだ。

あぁそうだ、俺は、彼女を救いにきたんだ。
早く、早く行ってあげないと。

「マナァッ!」

彼女の名前を呼びながら、俺は走り出した。
早く見つけなければ。
消えた彼女は、まだこの広間に居る。
何故だかそんな予感がする。
いや、予感なんかじゃない。
これは・・・確信だ。


456ノウェ×幼マナ 2:2005/09/28(水) 19:36:37 ID:ubbcGbuT



「ウフ、フフフ」



彼女は、柱に張り付くようにして立っていた。
先程と違い、下を向いて床を見つめている。
目は見えないが、口元は笑みに歪んでいる。

「マナ・・・俺と、帰ろう?」

触れれば彼女は消える。
けれど、触れずに入られない。
耐えられずその小さな肩に触れると、またも彼女は消えてしまった。

今度は、奥の柱の所に居る。
即座に駆け寄り、語りかける。

「マナ」
「フフ・・・なぁに?」
「俺には、あなたが必要なんだ。あなたが居ないと、俺は、世界を生きることに何も感じることができなくなってしまう・・・だから、帰ろう」
「帰るの?何処へ?私の居場所は此処。此処しかないの」
「違う!あなたは成長し大人になった。過去の罪を償おうと、現在を生きている。いつまでも縛られてはいけないんだ」
「此処に居れば、愛してもらえる。私はいつでも愛される」
「こんな所に居たって、愛なんて感じられない」
「じゃあ、あなたは私を愛してくれる?」

そう言うと、マナは身に付けていた黒い外套を床へと落とした。
全身が、彼女の瞳の色で覆いつくされていた。
赤、赤、赤。
それは彼女の為の色。
マナの存在を象徴する、鮮やかな色。
そして、赤い服も落とされた。


457ノウェ×幼マナ 3:2005/09/28(水) 19:38:55 ID:ubbcGbuT



「マナ・・・!?一体何を・・・」



彼女の腹部には痣があった。
どす黒い、血が固まった後の様な色。
腹部だけではない、腕や足にもある。



「お母さんは、私を愛してくれない。セエレはいつでも愛されているのに。なんで、どうして?セエレと私、何が違うの?」
「マナ・・・」
「だって私が悪い子だから。叩かれて、当然なの?」
マナが言い終わった途端に、彼女の痣は更に広がっていく。
彼女は自分の傷口を広げている。
此処はマナの心の中。
彼女の姿は、彼女の思いのままに変わる。

「痛い、痛いよぉ・・・お母さぁん・・・」

ニタリと笑みを浮かべながら、マナが近付いてくる。
「マナ!しっかりするんだ!」
「・・・お願い、愛して?」



マナの手が、俺の体に触れた。



「っ!?」

俺は、後方に弾けとんだ。
周りには、花びらが舞っている。
これも彼女の魔法なのだろう。

「くっ」

急いで剣を手に取ろうとした。
が、突然体に重みを感じた。
見ると、マナが俺の上に乗っている。

「何を・・・」
「気持ち良くしてあげる。そうしたら、私の事、愛してくれるんでしょう?」

カチャ、と音がした。


458ノウェ×幼マナ 4:2005/09/28(水) 19:45:40 ID:ubbcGbuT



マナはベルトに手をかけている。

「や、やめるんだ、マナ・・・!」

叫んだものの、体は一向に動かない。
今目の前にいる彼女の体重なんてたかが知れている。
簡単にどかすことができるだろう。
それでも動かないこの体。
これもマナの魔力なのか、それとも・・・



「俺は何かを期待している?」
「!?」

マナの口から出た言葉。
それはまさしく。

「私、あなたの心がわかるのよ」

彼女は嬉しそうに笑う。
その姿は可憐な少女そのものに思えた。
けれど、彼女はあっさり淫魔になる。

「ここを触るんでしょ?」
小さな手が、服越しにあの部分に触れる。

「な・・・」

自分自身に呆れてしまった。
小さなマナの手が触れた瞬間、それはいとも簡単に膨張してしまった。

「わぁ、セエレのとは全然違うね」

彼女は無邪気に摩り続ける。
まるで玩具で遊ぶように。
しかし、やがてそれも飽きたのか、ふっと手を離し、再び衣服に手をかける。
ベルトは完全に留め具の意味を無くした。

「駄目だマナ、それ以上は・・・」

懇願虚しく、いきりたったモノが堂々と姿を現した。


459ノウェ×幼マナ 5(一旦終):2005/09/28(水) 19:47:48 ID:ubbcGbuT



「わ・・・」

マナはソレを凝視する。
そして、恐る恐る先端に触れる。

「く、はっ・・・」

服越しとは違った感覚。
生まれて初めて感じたもの。



もっと・・・感じたい・・・



「いいよ」

マナは、小さな手でソレを握り、先端を舐め始めた。
「つ・・・ぅっ・・・」



ピチャ、と音がする。
頭の中がぼやけていく。



俺は、何をしているんだ?


俺は、彼女を救いにきたんじゃないのか?



俺は、俺は・・・



―――――
ここで選択肢、
1.幼マナに身を委ねる
2.それでも大人マナを求める
みたいな。
いや冗談ですスミマセン。
ノウェが益々頭が悪そうになってますが、続く・・・かも。
460名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 20:48:25 ID:82jwDgkV
1で断然de
461名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 20:55:34 ID:bZZGANu3
ノウェ×幼マナって初めてだよな?新鮮で萌える。
…もち1でヨロ!
462名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 21:06:19 ID:1yUuMH/p
幼マナプレイキタ ――――――!
期待age
463名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 21:39:13 ID:3TcbDoxd
キタコレ(*゚∀゚)=3
斬新だな、俺も1!
464名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 21:53:55 ID:3TcbDoxd
もしかしてこのSS書いてるのって、
前にカイマナでおじさんにマナがついてっちゃて危うく…の職人さんか?
続くかも…じゃなくて是非続きを!今夜も眠れそうもないな
465名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 22:38:46 ID:sVmFmw3Y
1だ1!!
466名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 22:45:36 ID:0WyBnt1h
以前カイム×マナでおじさんについていった〜ネタ書いた者です。
上の作者とは別ですよ。
467名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 23:00:30 ID:3TcbDoxd
>>466
おおお、人違いスマソ

しかし今宵は嬉しいものだ…幼マナ
468名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 23:11:04 ID:bZZGANu3
>>466氏の続編も待ってる!ゼヒゼヒ *゚∀゚*
469名無しさん@ピンキー:2005/09/28(水) 23:13:31 ID:/xFe+qYk
>>449
何となくかまいたちのゲームオーバーふうのオチに笑ってしまったよ!
おもしろい。いきなり壊れてるマナがよかった。
GJ!
470名無しさん@ピンキー:2005/09/29(木) 00:04:58 ID:OFX2WAa8
>>454
俺も尻込みしないでホスィ
959氏も帰還されるべし!んでもってカイマナ道中に密かに期待

ヽ((('A` ))))ノ <己の持つ全ての力を解放せよ!
 ((((  ))))  
ノノノノω|||||
471名無しさん@ピンキー:2005/09/29(木) 00:16:47 ID:on7CpZR+
エリス掻っ攫ってきた!
ttp://aploda.org/dat3/upload46884.jpg
472名無しさん@ピンキー:2005/09/29(木) 01:25:10 ID:58Vv44kY
激しくスレ違いだがネットゲームモンスターハンターGで紹介文に蒼い竜に
育てられたとか書いてる人(女キャラ)がいた。
DOD2のファンか?


レグナーー(゚∀゚)!!
473名無しさん@ピンキー:2005/09/29(木) 21:08:26 ID:BBTqcBVr
>>472
レグナ「聞こえぬわ」
474名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 00:17:56 ID:a52m8bZs
('A`)
475ノウェ×幼マナ 6:2005/09/30(金) 00:18:49 ID:QrB+jSPt
Σ冗談に反応してくれてありがとう。
1→2でいこうかと思ったけど、幼マナ一直線でいくよ。


―――――






俺は・・・マナを救いたい。
マナは愛を望んでいる。
彼女は、俺から愛を得るために、この行為に励んでいるのだ。
だから・・・俺もマナに答えてやらなきゃいけない。

「フフ・・・誰だって、快感には勝てないの・・・」

ヒソリと呟き、再び舐める。
マナは丹念に舐め続け、ソコはすっかり涎にまみれていた。
舌の感触が、ほどよい刺激を与えてくれる。

「ここから、白いのが出るんだよね?お母さんのミルクと一緒だね」

そして、先端に口づけをした。

「ミルクって、吸ったら出てくるんだよ。でもね、私はやったことないの。いつもいつもセエレだけ。だから、今度は私がするの」

少しだけ口を開き、再び口つける。
口内に入れようとしていたが、当然その小さな口に入りきるわけがない。

「マ、マナ、無理だ・・・」

それでもマナは、限界まで入れようとする。
口内はとてもあたたかく、舐めるだけの行為とはまた違ったモノを感じさせられる。

「ふ、ふぁ・・・」

マナは苦しそうに息を漏らす。
そして、一呼吸おいてから、すぅと吸い始めた。

「うぁっ・・・!」

チュ、チウと音が響く。
くすぐられるような感覚。
限界は近かった。


476ノウェ×幼マナ 7(短いけど一旦終orz):2005/09/30(金) 00:24:03 ID:QrB+jSPt



「マナ・・・俺、もう・・・」

それでもマナは口を離さない。
彼女曰く「ミルク」を出そうと懸命にしている。
けれど、俺は彼女の口内に出さないように、必死に耐える。
やがて、彼女は力を抜いた。
いつまでも出ないので、口を離すことにしたのだろうか。
もう少し・・・あと少しで・・・
しかし、思いもよらぬことが起きてしまった。
マナの歯が、カリッとひっかいた。



「うっ、あぁぁぁあっ!」


塞き止めていた白濁色の欲望が、容赦なくマナを汚す。
彼女の髪、頬、体。
ありとあらゆるところに飛んでいく。
彼女の全身を侵すように。

「うわぁ、いっぱいあるね」

口元に付いた精液を、マナは舌をチロとだして舐めた。

「ん・・・おいしくない・・・」

マナはあっさり「ミルク」への興味を無くしたらしい。
果ててしまった俺自身を、再び扱き始める。



―――――

短くてスミマセンorz
実は書き込むことでモチベーション上げてたりします('A`)
477名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 03:53:32 ID:TiFv+EPW
ちんちんみてちんちんおっき
GJ!
478名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 04:13:31 ID:1DJXAa+Y
GJ!続きが楽しみだったり。
479名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 09:13:22 ID:Jpv2jgPN
>>472
こっちもスレ違いだけど、同じゲームでレッドドラゴンの名前のキャラがいたよ。
自分の思い違いかな?と思ったんだけど、プロフに「クロワッサンな双角を持つ竜」って書かれてあって確信となった
480名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 13:15:11 ID:klUmxMg2
>>479
そうなのか〜
モンハンはドラゴンが出てくるから
そういう設定も面白そうだな。マナ作ってみようかな・・・
481名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 20:07:20 ID:GgtpKzAu
公式ストーリーサイドがとうとう出たな。
しばらくはここから離れるから、それとも再び火がついて人が群がるか…

いずれにせよ、俺は愛してる!
もうそれだけだ、DOD
482前スレ999:2005/09/30(金) 21:41:22 ID:GF2k7EQg
前スレで999だったので純愛ではないがカイ×マナを投下
483前スレ999:2005/09/30(金) 21:42:19 ID:GF2k7EQg
いつまでこんな生活を続けなければ行けないのだろうか。
私はあの男に連れられてあちこちの村や街を旅をしていた。その旅の途中は頻繁に野宿す
ることがあった。その日もよくある野宿のはずだった。
普段ならばとても疲れているので一度寝ると朝までグッスリと寝てしまうのに、その日は
たまたま夜中に目が覚めてしまった。
信じられないことにカイムは普段ほとんど寝ることがない。契約者の力の影響だろうか。
カイムは座り込んで何やらゴソゴソとしていた。火の番でもしているのかと目を閉じたま
ま様子を窺っていたがどうやら違うみたいだった。
恐る恐る目を開けて見た光景は私にとって信じられないものだった。
カイムは自分を慰めていたのだ。最初はカイムが暗くて何をしていたのかわからなかった
が少ない性知識と本能でそれがどういうことなのかわかった。
男性には性の処理が必要だと聞いていたがカイムが街でそういう女性を買っているのを見
たことはなかった。今まで自分で処理していたのか。
カイムは誰を思って自分を慰めているのだろうか。私が殺したあいつの妹?それともあり
えないがあの恐ろしい紅いドラゴン?それとも他の誰か?
484前スレ999:2005/09/30(金) 21:43:17 ID:GF2k7EQg
どちらにしてもあいつは自分の愛する女(ひと)を思ってしている。カイムの愛する人…
そう思った瞬間私の体は自然とカイムのもとにいた。
カイムの大きなモノを指でしごいた時カイムの顔は驚愕していた。
カイムでもいい。誰かに愛されたい。ただその想いのために私の手首程の太さのモノに舌
まで這わせた。
カイムの反応を確かめながらアゴが痛くなっても奉仕した。
突然白濁した液体を顔にかけられ驚いた。
生臭くベトベトするものに嫌悪の感情を押し隠しながら、しかしカイムがイッてしまった
ことに喜びも感じていた。
これでカイムは私を愛してくれる。そう思いながらカイムの顔を覗くとそこにはあの眼が
あった。
カイムは私を愛してはくれなかった。
カイムの胸に飛び付き何度もこぶしを叩きつける。
「愛して!愛してよ!なんでもするから愛してよ!」
精液と涙で顔を濡らしながらさらにカイムに叫び続ける。
「愛して下さい!お願いします!愛して下さい!」
叫びは哀願に変わる。
「いい子にするから、なんでもするから・・・愛してくれないなら殺して下さい・・・」
カイムは私に向かって顔を横に振った。私はそこで意識を失ってしまった。
485前スレ999:2005/09/30(金) 21:44:04 ID:GF2k7EQg
翌朝目覚めた時私の体にはカイムの毛布がかけられていた。
昨日のことは夢だったのかと思ったが少し顔にパリパリしたものが張り付いている。
カイムが拭き取ってくれたのだろうが完全に拭けてなかったようだ。
一番最初に目が合ったときカイムの私への眼は憐憫だった。
昨日のことは確かにあったのだ。
恥ずかしさに顔が紅くなり、そんなところを見られたくなかったのでジッと俯いた。
私が大人になったらカイムは愛してくれるだろうか?
でも、もう耐えられない!!
私はどんな手段を使ってもカイムのもとから逃げ出す決意をした。
486前スレ999:2005/09/30(金) 21:45:41 ID:GF2k7EQg
つーわけでゲーム本編に続きます。
題名は・・・なんにしましょうか?
考えてなかったwww
487前スレ999:2005/09/30(金) 21:48:32 ID:GF2k7EQg
カイムが想っていたのは誰かは住人達各々の中で保管してください。
このスレならアンヘルタンハァハァになるのかな?wwww
488名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 21:48:44 ID:b6CiivLE
マナたん・・・愛しちゃった・・・
GJ!!!!
489名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 21:51:38 ID:GF2k7EQg
題名はLove Me!でいいかな
それでは俺はROMにもどりますのでまとめの人よろしくお願いします。m(_ _)m
490名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 00:00:16 ID:sliKu0Z6
303です。

次に書こうと思うSSの組み合わせが出来ません。
どんなに難しいのでもいいので(♂X♂以外)出来ればスレの皆さんで考えて
もらえないでしょうか。
491名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 00:02:48 ID:GgtpKzAu
カイマナって、カイアンに次ぐストーリーだよなぁ…と、勝手に一人ごち。
俺はまだストーリーサイド読んでないが、読んでもしその内容と被らなかったら、
カイマナ道中をもう一本書いてみようと思う。
次はエロ有りの路線で。和姦か、無理矢理か、どっちがいいか…
>>454
そのネタは、しばらく寝かせておきます。前回のセエレと女神は投下後orzだった
後押しありがとう。いつか書いてみたいとは思う。
道中ばっかで申し訳ない。書きやすいんだよな…竜萌えSSムズカシス
492名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 00:53:20 ID:jLQFRVhh
>303氏
ID変わったぽいけど上の959です。
SS書きは、難しいですね、特にカップリングは…
アンヘルものはどうでしょう?それか、キボンされてたエリスとか…
エリスだと相手が難しいかなぁ…連隊長と絡ませてみたり、父みたいに慕ってたオローとか…
オローは出番が少ないだけに表現があれだけど
493127:2005/10/01(土) 01:27:25 ID:25hMOCyw
>>490
イウヴァルト×マナ
度重なるマナの洗脳により気が触れてしまったイウヴァルトは
マナをフリアエと思い込み…
というのはどうでしょうか?

さてと、こちらもアリ×レグの続き書かないと。
494名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 02:23:47 ID:mvGfb9Vz
>>490
是非セエレ×マナを!
エロに興味持ったセエレが成長した妹で実践とか・・
495名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 18:09:24 ID:xWSHGKCP
127たん、アリ×レグすっげぇワクテカして待ってる!
いつまでも待ってる☆
496名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 21:22:56 ID:jqUmtrft
幼女マナ×アンヘルが見たいと言ってみうわなにをするかいむやめオガーザーン
497名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 22:27:49 ID:jLQFRVhh
>496
それはいい原石…!
498127:2005/10/02(日) 01:39:02 ID:aPld1Lpp
>>495
お待たせしましたな。
今から最後まで一気に投下する。
499古傷 その4:2005/10/02(日) 01:45:15 ID:aPld1Lpp
その1>>441 その2>>442 その3>>445
(いつもの手段でいくか)
レグナは人通りの無い場所を捜すとそこで今度は子供の姿へと変身した。
レグナはこの姿を利用して人間を捕らえていた。ある時は誰も居ない夜道を1人で歩き人さらいをおびき寄せ、人気の無いところへ連れて行かれたところでパクリ。
ある時は身売りを装い、特異な趣味の金持ちを誘い、人気の無いところに連れてゆきパクリ。
惨事の後の混乱した情勢で犯罪の格好の標的になるのは幼い子供。この手段だと実によく獲物が引っ掛かった。
「さて、今日は身売りでも装うか…ん?」
ふと、眼に頭をフードで隠した女が眼に入った。買い物を終えて帰宅の途中だろうか、手にはバッグをぶらさげている。
一見すると普通の女性のようだが、レグナはその女に人とは違う匂いを感じていた。
(あの女…エルフか?)
その女の雰囲気はエルフのそれに似ていた。レグナはその女の後を付けていった。

女は町の入り口の門まで来るとそのまま門を出て森の方へと向かっていた。
(森の方へいくのか?ククッ、手間がはぶけたわい。)
レグナは舌なめずりをすると後をつけ続けた。
500古傷 その5:2005/10/02(日) 01:49:26 ID:aPld1Lpp
森の中にぽつんと立つ家に女は入っていった。
(女の家か…)
窓から明かりが漏れる。女が照明でもつけたのだろう。
(さてと、どうする…旅人でも装うか?)
レグナが女の家の扉をノックする。扉が開き女が出てきた。
先程はフードで隠れて見えなかった耳はとがっていた。女はやはりエルフであった。
(しまった…大人の姿になるのを忘れておったわ…疑われてしまうか?)
レグナはでっち上げた言い訳を説明しようと口を開く。
「あの〜  「まあ、おかえりなさい坊や。寒かったでしょう?さあ、お家にお入りなさい」
予想だにしなかった返答にレグナは呆気にとられた。女はレグナの手を掴むと家の中へと招き入れた。
(なんだ?この女、ワシを自分の子供と勘違いしておるのか?)
おおかた、戦争で子供でも亡くして精神を病んでしまったのであろう。そういった連中が隔離されてこのような場所に住んでおるのか。
レグナが色々と思考していると鎖が擦れる音が聞こえてきた。音のした方を見ると女が鎖で家中の窓、そして扉を締めていた。
「な、なにをしておる!」
「なにって?もちろん坊やが逃げないように決まってるでしょう?」
美しい笑顔をしながら恐ろしい事をさらっと告げる。
「な、何故そのようなことをする?」
最後の窓に鎖を巻きつけると女はレグナのほうへ向き直った。
「だから坊やが逃げないようにていってるでしょう?せっかくママが性教育をしてあげるって言ってるのに前は外へ逃げてしまったでしょう?」
おそらく前にここへ連れてこられた子供のことだろう。一抹の不安を感じたレグナは窓を破って逃げようとするが四肢を何かの力で抑え込まれ、動けなくなってしまう。
501古傷 その6:2005/10/02(日) 01:54:50 ID:aPld1Lpp
「なに?この力は…」
「うふふ、また逃げようとして、悪い子…」
女の背後に青と赤の光が現われる。女―――アリオーシュの契約者サラマンダーとウンディーネだ。
(お…思い出したわ…こやつはあの赤き竜の契約者と共にいた…  「さあ、続きをしましょう」
レグナは衣服が剥ぎ取られ丸裸にされ、アリオーシュも一糸まとわぬ姿になる。
レグナは床に押し倒され両手両足を床に固定されてしまった。
「まあ、坊やのすごく大きいわぁ。パパより凄い、でもまだ勃ってないわね、いまママが勃たせてあげるわ。」
アリオーシュはレグナの今の姿に合わない大きい肉棒を手で揉んだり舌で舐めたりし始めた。
「うあっ…や、やめぬか!」
口では否定しつつもレグナの肉棒は勃ってしまった。アリオーシュが笑う。
「フフフ、よかったわ、気持ちよかったみたいね、ほうら見て、女性のここに勃たせたおちんちんを挿れるのよ」
アリオーシュはレグナの顔をまたぐようにして秘所を見せる。指で広げた秘所から溢れ出た愛液がレグナの顔にピチャピチャとかかる。
「ああ、ママもう我慢できないわぁ」
「な…やめろ!やめてくれ!」
レグナの肉棒に秘所を押し付けると、アリオーシュは一気に腰を落とす。レグナの肉棒はすっぽりとはまってしまった。
「ぬあっ」 「はああ、気持ちい〜〜〜〜〜」
502古傷 その7:2005/10/02(日) 01:58:23 ID:aPld1Lpp
アリオーシュは腰を上下に動かし始めた。
「ん…坊や…今回はママが上だから、ママがこうやって腰を振って坊やの射精をうながしているけれど…正常位やバックの時は坊やが腰をうごかすのよ。射精と姿勢は前に教えたから分かるわよね?」
解説しつつ腰を振り続けるアリオーシュ。レグナは悔しいような、気持ちいいような表情をうかべている
「ぐう…まさかエルフごときにいいようにされるとは…ぬあああっ」
「まあ、坊やそろそろ出そうなのね?さあ、ママの中にたっぷり出して頂戴!!」
アリオーシュは射精させようと激しく腰を振りはじめる。性器と肉がぶつかるたびに溢れ出てきた愛液が激しく飛び散る。
「くそっ…もう駄目だ…」「いいわ、坊や、思う存分出しなさい!!」
腰を深く落とし、レグナの肉棒を奥まで突っ込ませるのと、レグナが射精するのはほぼ同時だった。脈動する肉棒から一気に飛び出た精子がアリオーシュの膣内を埋め尽くし、入りきれなかった精子がアリオーシュの秘所から溢れ出る。
「はあ…気持ちよかったわ…坊や、こうやって女性の中で出された精子が女性の中にある卵子と結びつくとね、子供が出来るのよ。でも安心して、ママはもう子供は出来ない体だから」
そういうとアリオーシュは奥の部屋に消えていった。
「うう…竜ともあろうワシがなんて様じゃ…」
両手両足を封じられたまま股間からは出し切れなかった白濁液を垂れ流している自分の姿にレグナは死んでしまいたい気分になった。
しばらくするとアリオーシュが戻ってきた。その手にはいびつな形の斧が握られている。そうそう、それで一思いに………
503古傷 その8:2005/10/02(日) 02:02:36 ID:aPld1Lpp
「わあああああああああああああッ!!!」
レグナは両手両足を力いっぱい動かそうとする。すると束縛が解けた。レグナは身をよじる。ついさっきまでレグナが居た場所に斧が振り下ろされる。
「さあ坊や、今度は私の体内で一つになりましょう」
不気味な笑みを浮かべるアリオーシュ。再度斧を振り上げレグナに襲い掛かる!それも危うくかわすレグナ。扉の鎖に斧があたり、鎖が切れる。
扉からでようにもそこにはアリオーシュがいる。
「坊やああああっどうして逃げるのおお!」
絶叫をあげ襲い掛かるアリオーシュ。レグナはその光景にはじめて恐怖というものを感じた。
「く…来るでない!!!」
レグナは傍にあったバッグをアリオーシュへ投げつける。斧があたり裂けたバッグから肉の塊らしいものと血液らしいものが飛び出し、アリオーシュの顔面に掛かる。
「ぎゃああああ!!坊やの、坊やの血が目にいいいい!!」
顔を押さえうずくまるアリオーシュ。この隙をついてレグナは扉から外へと飛び出した!
「がああああ!!!坊やああああ!まちなさああああい!!」
「ひええええええええええええ!!!」

なんとか逃げ切れたレグナはノウェを引き取ると、急いで錆の町を逃げるように去った。

十数年後
ノウェは気炎の直轄区へ向かっていた。
「エリスたんまってよ〜ハァハァ」
「ノウェ」
「ん?」
「女に関わるとろくなことにならんぞ……」
「なんか、妙に説得力のある言葉だな…」

〜END〜
504127:2005/10/02(日) 02:16:45 ID:aPld1Lpp
これにてアリオーシュ×レグナの話は終わりです。
それではまたいつか。
505名無しさん@ピンキー:2005/10/02(日) 03:32:26 ID:JjxRKbNe
GJ乙!
後半ワロスww
506名無しさん@ピンキー:2005/10/02(日) 15:06:07 ID:/6kj3l6C
127氏GJ!
ラストスパートにワロタw
507名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 00:19:55 ID:9bQoYVis
ワロス

おつまみが欲しいなと思う秋の夜長…。
508名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 00:32:32 ID:op8LGp2C
なんと素敵な傷を負ったんだレグナ!ハァハァ。
GJですb

さて、自分も異色物を終らせようorz
509ノウェ×幼マナ 8:2005/10/03(月) 00:34:54 ID:op8LGp2C
これで終ります。

―――――



全てを吐き出したばかりだというのに、またもソコは膨張する。
特別な「真人類」とやらも、結局は、男の本能を醜く晒しているだけの存在だった、ということなのだろうか。

「そう、ただ本能に身をまかせるだけなの。特別なモノなんてナニモナイ。貴方モ同じ、タダノ男共ト。」

響いたのは野太い男の声。
それでも俺は動じない。
これも彼女なのだ。
彼女という、存在・・・



「最後ハネ、キット一番気持ちいいよ」

再び少女らしい声に戻る。
マナは俺の上で体制を変え、あの笑みを浮かべる。
ニタリ、と、嬉しそうに。

「マナ・・・?」

彼女は・・・何を・・・

「私、頑張るね」

マナは一度立ち上がり、体の位置を調節する。
そして、茂みなどあるはずがない、幼すぎる性器を、細い指で、広げ。
俺の、上に、ゆっくりと、腰を、降ろして。

「!?駄目だマナッ!そんなことをしたら・・・!」

先端が彼女の入り口に触れた。
彼女は、恐らく、いや確実に、挿入という行為を試みている。

「マナ、無理だ!」

彼女は俺の声を聞こうとしていない。
彼女はただ、挿入にのみ意識を集中させている。


510ノウェ×幼マナ 9:2005/10/03(月) 00:36:28 ID:op8LGp2C



「ぐ、んぅ・・・」

先端に触れた入り口は、それ以上開こうとはしない。
開くはずがない。
俺は、マナを傷つけたくない。
壊したくない。

「もういい、もういいんだマナ!」

必死で自分自身の欲望と戦うも、そう簡単には萎えはしない。
目の前にあるのは、「男」にとってのご馳走である。

「やっぱり駄目か。こういう時ってどうしたらいいんだろう」

口では諦めの言葉を吐き出すも、悩む素振りを見せながらいっこうに退こうとはしない。

「私が大きくならなきゃ駄目なの?でも大きくなったら私は愛されなくなっちゃう・・・そうだ、小さくなればいいんだ!」

今までにないくらいの笑顔。
彼女は自分の性器を俺に強く押しつけた。
ぐっ、ぐっ、と押し続けると、やがて膨張しきっていたソレが徐々に小さくなっていく。
いや、ソレの勢いは今だ衰えてはいない。
萎えたのではなく、ソレの大きさ事態が小さくなったのか。

「ふふ、セエレと同じくらい!これなら大丈夫だね」

マナは、ゆっくりと自分の中に入れていった。
潤いが無く、ピッチリと閉じた其処を、無理矢理剥がす。
俺は彼女を壊しながら進んでいる。
それは、俺が恐れていたこと。
それは、俺が望んでいたこと・・・?


511ノウェ×幼マナ 10:2005/10/03(月) 00:38:40 ID:op8LGp2C



「フ、うフ、うふフフふ」

狂喜じみた声。
彼女は痛みを感じていないのか。
彼女の痛みは何処へ行ったのか。
あぁそうか。
俺に、か。

「ぐぅあっ、ああぁぁっ」

狭くキツ過ぎる彼女の中は、快感よりも痛みばかりが押し寄せる。
大きさを変えても、感覚は変えなかったのか。

「だって、キツイ方が気持ちいいんでしょ?」

最早子供とは言えない淫らな笑みを浮かべるマナ。
彼女は自ら腰を動かし始める。

「ハ、アッ・・・」

性器と性器が擦れ合う。
彼女から血が流れる。
それでも彼女は何も動じない。

「ずぅっとずぅっとこうしていようね」

益々強く締めつけてくる。

「ウゥッ・・・ア・・・」

痛い。いたい。イタイ。痛イ。
快感は遠ざかり痛みだけがましてくる。

「さぁ出して。早く出して。さっきみたいに、さあ早く!」

射精を急かされる。
しかし、今は痛みしか感じない。

「出して、出して出せよ。出せっていってんだろ!」
「クッ・・・!?」

彼女が叫んだ後、急激に射精感がこみあげてきた。
今だ快感は感じられないというのに。

「ほら、出てきた」

いつの間にか、彼女の膣内に出し尽していた。
どぷっと溢れ出した精液が自身をも汚していく。


512ノウェ×幼マナ 11(終):2005/10/03(月) 00:42:42 ID:op8LGp2C



「もっと、もっと欲しいな」



頭の中が白くなっていく。
色々なものが消えていく。
消えていく中で、俺に呼び掛けるエリスとレグナが見えた気がした。
けど、そんなことはもうどうだっていい。



俺はマナと繋がり続けるんだ、永遠に。



ノウェの蒼眼が紅く染まる。
それを見つめるマナの顔が、どこか悲しそうな気がした。



過去の記憶が心を縛る鎖となり、未来永劫まで侵していく。
青年の心は、壊れた女の記憶で生き続ける。






―――――
気づいたらBADEND。あれ?おかしいな。
勢いとノリだけで書いてたら滅茶苦茶になったけどまぁ敢えて気にしないことにする。
513127:2005/10/03(月) 13:20:00 ID:lJmwZu4m
自分の奴読みなおしたら、所々変な文章が多いな…

>>509
GJ!
幼マナに弄ばれるノウェ(;´Д`)
514名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 14:56:59 ID:mnrjogOB
ohhhhhhh、お二人とも乙可連載です。
まとめ氏、毎回手の早いお仕事いつも┃∀・)b<GJ!!

>>492
>959氏
>SS書きは、難しいですね、特にカップリングは…
ですよね、それと口調やしぐさも悩むところ。
悩みは全SS著者、共通なのかもしれないですねw

>アンヘルものはどうでしょう?それか、キボンされてたエリスとか…
>エリスだと相手が難しいかなぁ…連隊長と絡ませてみたり、父みたいに慕ってたオローとか…
>オローは出番が少ないだけに表現があれだけど
そういうのも楽しいですね。
オローは腹黒成人でFA

>>493
>イウヴァルト×マナ
>度重なるマナの洗脳により気が触れてしまったイウヴァルトは
>マナをフリアエと思い込み…
>というのはどうでしょうか?
ありえそうですね。
さすがDODどんな組み合わせも想像次第では出来るのかもしれない。

>さてと、こちらもアリ×レグの続き書かないと。
がんばってください。
俺もがんばりますんで(だからどうした、というわけでもないですが^;


>>494
>是非セエレ×マナを!
>エロに興味持ったセエレが成長した妹で実践とか・・
実践……エロイ響きだ。
>成長した妹で実践
逆レイプでFA

>>496
>幼女マナ×アンヘルが見たいと言ってみうわなにをするかいむやめオガーザーン
カイムは如何しようかねぇ……
とか迷ってみる

>>497
それはいい原石…!
磨きましょうか?w

皆さん、意見ありがとうございます。

それと、今日書店にてDOD2のノベルが出てました。
ハンチさんの過去が乗ってるみたいですよ。
迷わず買いましたがw
515名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 14:58:53 ID:mnrjogOB
>俺もがんばりますんで(だからどうした、というわけでもないですが^;
修正↓
(だからどうした、といわれそうですが
516名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 23:26:24 ID:9bQoYVis
俺もストーリーサイド読んだ…
ノウェって肩身狭かったんだな。蒼い翼の上だけが何にも変えがたいって…
それからカイムとマナ…涙しますた(ノД`)

俄然書く気が…映島氏の文章読んだ後だと知り込みしちゃう。
517名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 00:35:39 ID:oaJ32QBu
ストーリーサイド
518名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 00:37:31 ID:ZGezbCnd
そんなによかったのか……
カイムとマナがよかったと聞けば、やはりこれは買わずばなるまいな。

ところで小説には脱走時何歳とか書いてあった?
個人的には(WSには少女とあるけど)「少女と女の境目」くらいで
16〜18くらいを考えてたんだけど変かね?
519名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 00:38:51 ID:oaJ32QBu
ミスorz
ストーリーサイド読んで思ったが、ここに投下されてたカイマナ道中が少し似てたような…
愛は少なからずあったんだよな…?
マナが幼くて見えなかったってだけで。
まぁ、いつもあんな怖い目に遭ってたなら仕方ないか…虐待の上に捨てられてるし
520名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 00:42:44 ID:oaJ32QBu
>>518
「何歳」とは書かれてなかったが、12の頃までは絶対いた。
12〜3、4辺りで別れたんじゃないか、あの書き方だと…
やべ、興奮してて記憶曖昧。
もう一回読んでくる。
でもなんかここのシリアス道中に少しばかり雰囲気似てた。
521名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 00:50:16 ID:ZGezbCnd
よっしゃあああああー!
そうかそうかうへへへへへへへへへ
丘陵前でかなりヤバイけど明日早速小銭かき集めて買ってくるどー!!

実は2年間みっちり妄想しまくってたせいで、読むのがちょっと怖いんだよね。
ともかく>>519-520サンクル!
522名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 00:56:04 ID:oaJ32QBu
俺も金が…
でも、読んで損はないと思う。マナのカイムとの記憶の部分が結構しっかり書かれてる。
セツナス…とだけ言っておくよ…
甘味はないよ、胸が苦しくなる話が数ページだ。
523名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 01:10:32 ID:U7CvSFNy
やっぱりカイムとアンへルンのところを
ひとり
を書けながら読んだら涙が止まらなくなった。

ゲームで泣いたのは二回目だった。
ただ、何度見てもここまで泣けるのはない。
(MGS3のグラーニンの台詞で泣いたのは内緒。
524名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 11:20:31 ID:SAihZ55G
>>516
俺漏れも……orz
ハンチとかユーリックとか、今まで書いてたのが公式と設定とかなり違うだけに…^^;
525名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 16:34:39 ID:D68JzJAQ
>>516>>524も待ってる!
今までだってパラレルあったんだし、文章力だって殆ど気にしてない。

もう一度言おう。
待ってる。
526名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 19:19:18 ID:+cO5D4a6
ヤバイですヤバイです・・・
メイドマナ書いていたけど、ストーリーサイド読んで思わず全部消しちまった・・・
迸る程、書く意欲を折られたよ、どないしょ・・・('A`)
527名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 21:26:14 ID:kEtHVbAw
なんてもったいないことを…
メイドマナ話はアナザーストーリーだと割り切ればいいじゃないか。
528526:2005/10/04(火) 22:13:46 ID:+cO5D4a6
>>527
その通りだよね・・・
すんません、ちょっと内容変えて書き直してます。
529名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 23:30:31 ID:ZGezbCnd
前回は分岐で設定まで微妙に変わっちまいやがるせいか
小説は小説だから、みたいな認識があった気がするが
今回はもうガチで小説=公式なのか?

だとしても気にするなよ!皆カモン!!カモン!!

……と人には気楽に言いながら、自分ではちょっと気にしてる。
でも違っててもいいからみんなかんばれ。楽しみにしてる。
というか小説まだ読んでねえし(売ってなかった)。
530名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 00:18:53 ID:R8VvHnCM
あいや〜…メイドマナ消しなされたか…
そんな必要ないよぉぉお!
でもかく言う自分も映島氏のストーリーサイドにどっぷりと浸り、こんなんでいいのかとメモ張プロット見直して…('A`)
>>525
ありがとう…待ってるなんて…俺のはニーズに応えられるかは自信ないが…
531名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 00:21:58 ID:R8VvHnCM
そんなこんなでPCは修理で手元に無くて、携帯から投下します。
見ずらかったらスマソ。やっぱ前作をエロ有り路線で〆るべきだった…
カイマナ道中いきます。今回序盤のみ。
一応中編の予定。前作みたいなのが苦手な方はスルーで!
532流れゆく時は(カイマナ道中1):2005/10/05(水) 00:24:21 ID:R8VvHnCM
下腹部に鈍痛が走る。
その日、マナは「月のもの」を向かえていた。女の証だ。

足取りが遅れがちの少女に、カイムは振り向く。
その先に見える顔色が、悪い。

(どうした…?)

「あ。その……ちょっと具合いが悪いだけ」
思春期を向かえたばかりの少女が、「月のものが来た」などと、男に言えようか。

カイムは怪訝な面持ちで彼女を見つめた。

…ああ、昔フリアエも月に一度、顔色の優れない日があったな…

過去の記憶に、カイムの目が遠くなる。

(…無理はするな)

「はい…」
カイムに悟られてしまったようで、マナは顔を赤らめ、俯いた。

旅の途中、今までも何度も「この日」は訪れた。
しかし、ここまで痛むことはなく、カイムにも知られないようになんとか過ごしてきた。
本当は、カイムは気づいていただろうけど。
533流れゆく時は(カイマナ道中)2:2005/10/05(水) 00:26:51 ID:R8VvHnCM
再び二人は歩き出す。
カイムは先刻立ち寄ったばかりの村を越え、今日中に先の荒野を抜けるつもりらしい。

まだ日は高く、荒野を抜けるには充分に時間はある。

――――――――

眼前に広がる荒野は、思った以上に歩が捗った。
砂嵐が時折り唸りをあげるのが邪魔ではあるが。

丁度、半ばに達した頃だった。
マナの足取りが非常に重い。
今となっては掴むこともなくなっていた手に、カイムは思わず腕を伸ばした。
手を引かれ、カイムに続こうとするマナだが、足元がもつれてしまう。

(……)

カイムが立ち止まる。それにマナは一瞬脅えた。
―――怒られる…

が、カイムは何も言わない。そして、突如クルリと踵を返したのだ。
「…?」
不思議そうにしているマナの手を引いて、歩き出すカイム。
足取りは確かにもと来た道を辿っている。
「待って、今日中にここを抜けるんでしょ?」

(…気が変わった。あの村まで一旦引き返す)
534名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 00:29:09 ID:R8VvHnCM
今回はここまで…
今SSはエロ有りです。
時間はかかりそうだけど完成はさせるから許してオガーザン
535名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 00:21:30 ID:tWK+w1KF
すまん…俺の半端な投下でやっぱりスレフリーズさせちまった…

オナール兄さんに可愛がられてくr(ry
536名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 01:06:00 ID:9q0hh1VL
エロなしでもいいからもっと続きキボンヌ。
カイマナ好きだお
537名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 03:26:11 ID:Txieq6ed
GJ!これから楽しみだ。

フリーズなんてよくあることだから気にしちゃイクナイよ。マターリいこう。
漏れも空気読まずにしょっちゅうフリーズさせt(ry
538名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 03:51:14 ID:vq8W1k8X
この時期になるとフリーズなんてどこにだって起きるさ。
そんなわけで景気づけにage!
539名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 09:29:34 ID:zeWBAA8D
みんな忙しいんだよ。俺も具合悪くて寝てたしな。そんな季節ずら。
カーイムとマナには秋が似合うッ(※個人的イメージです)
>>535は気にせずがんがんいけッッ!!
540名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 09:39:22 ID:tWK+w1KF
うおおぉぉ…みんなありがとう…!!!
俺、頑張るよ、嬉しいよ(ノД`)
今日中にPCが戻るはずだから、続きを書くさ…秋、使わしてもらいます!
541名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 17:28:59 ID:vq8W1k8X
>>540
ワクテカして待ってるぽ!
542名無しさん@ピンキー:2005/10/07(金) 00:07:10 ID:a+73OaL+
とりあえずキリのいいところまで出来たので、SS投下。
カイマナ道中。エロまであと一歩です。
ベタな話なので、気に障る方はスルーで!
543流れゆく時は(カイマナ道中)3:2005/10/07(金) 00:09:34 ID:a2gENGBn

――――――――――――

マナは目を瞑ると、数日前の旅路を思い出していた。


  (…気が変わった。あの村まで一旦引き返す)

…あの後、二人は通りがかった村へと戻ることとなる。
村に到着した頃は、既に日が暮れかけており、カイムは真っ直ぐに宿を目指した。
通された部屋はやはり二人部屋だ。

荷物をドサリと床に投げ置くと、カイムは扉側の寝台に腰掛け、剣の手入れを始める。
その際、ポツリと彼が呟いた言葉。
それが意外なもので、マナは忘れられないでいた。
 
  (暫らくこの村で宿をとる。長旅が続いたからな。お前もゆっくり休むといい)


あれから、既に過ぎること五日目。
544流れゆく時は(カイマナ道中)4:2005/10/07(金) 00:10:52 ID:a2gENGBn

眠れずに、毛布にくるまりながらマナは窓辺に射す月明かりを虚ろに見つめていた。
もうすっかり秋だ。
夜になるとひんやりと空気が冷たくなる。
冴えた空気に、煌々と満月が顔を出し、深い藍の空に映える。
そして、虫の弱々しい音が響くだけで、まるで静寂が全てを支配したような夜だ。
 

その時だった。背後でカイムが身を起こす気配がした。
そぉっと顔をそちらに向ける。
寝台の上でカイムは体を起こし、上着を脱ぎ捨て上半身を露わにしていた。
傷が痛むのか、カイムは己のあちこちの古傷を見つめている。無表情で。

マナは、思わず息を呑む。
彼の体には、数えきれない程の傷が刻み込まれていた。
帝国軍との戦いでできたものであろう。
マナが、自分が、引き起こした戦乱で。
月明かりで照らされるカイムの傷が、一層痛々しげに浮き上がる。

無意識にマナは起き上がり、気づいた時にはやっと塞がったばかりの彼の肩の傷に触れていた。
峠越えの際に、マナを魔物から庇ってできた傷だった。
545流れゆく時は(カイマナ道中)5:2005/10/07(金) 00:11:35 ID:a2gENGBn

「痛むの…?」

自分でも分からない行動をとっていることに、内心驚くも、マナはカイムに小さな声で問う。
ハッとカイムがこちらに振り向いた。
驚きと、哀しみに満ちた目が、マナの視線にぴたりと重なる。

カイムはどこか寂しげな面持ちで。
びくりとするマナ。
大きな手。
温かい手が、そっとマナの頬を撫で伝った。
深紅の双眸が驚きと戸惑いに見開く。

…俺は、何をしているんだ?この少女は憎むべき存在なはずなのに…

彼本人にも理解しがたい感情が芽生えていた。あれだけ怒りと憎悪の対象でしかなかったマナに。
何故か胸が切なくなる。
全てを失った今のカイムには、最も感じられるのはマナだけだった。
そしていつの間にか、心のどこかで探し、求め、見い出していたのだ。
もう二度と感じられることのないはずの「温もり」を。

…俺は、求めているのか?重ねているのか?この少女に…

546流れゆく時は(カイマナ道中)6:2005/10/07(金) 00:13:05 ID:a2gENGBn

(頼む…俺に安息をくれ…ひと時で構わない…)

自分の言動に躊躇いながらも、己の腕の中にカイムはマナをきつく引き寄せた。

―――ああ、カイムの鼓動が聞こえる。
腕の中でマナは、同時に哀しい、彼の切ない思念が流れこんでくるのを感じた。
何故、彼が自分にこんなことをするのか。
よく分からない。分からない…

「……」

マナの、かたく硬直していた身体が、徐々にほぐれていく。
その温もりの心地良さに気がついたかのように。
カイムの胸に、徐々に加わっていく重み。

「……私を、憎まないの?」


(もう何も、言うな……)


マナは、カイムの胸に身をゆだねた。
カイムの肌から直に感じる温かさに、涙が少女の頬を伝う。
547名無しさん@ピンキー:2005/10/07(金) 00:16:34 ID:a2gENGBn
今回はここまでです。以下、終盤に突入予定。
ああ、映島氏……。・゚・(ノД`)・゚・。
548名無しさん@ピンキー:2005/10/07(金) 08:10:26 ID:VkLEBg5n
「……私を、憎まないの?」
(もう何も、言うな……)



ごめん、感動した。
549名無しさん@ピンキー:2005/10/07(金) 11:50:03 ID:KrA3tUxQ
ヤバイヤバイヤバイヤバイ泣ける…………つД`
550名無しさん@ピンキー:2005/10/07(金) 15:49:37 ID:VbkgOcW7
イイヨイイヨー
映島小説と電プレに載ってた
カイマナイラストと文も合わせて読むと更にセツナス…
続き楽しみにしてる。がんがれ。
551名無しさん@ピンキー:2005/10/07(金) 23:12:12 ID:otYEnQ9W
カイムとマナ……
カイム&アンヘルともに自分の中で同率一位だな、こりゃ
駄目だ…せつなすぎ。
続き待ってるよ!!
552名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 01:20:27 ID:34GZPbw0
カイマナエロ有りと言っていたが、微エロ程度になりそうだ、スマン…期待に添えるかは不安過ぎる。
ベタな俺の願望と妄想SS、明日には投下できそうだよ。
できれば、足りない部分や拙さを脳内で料理してください('A`)
553名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 01:31:49 ID:JQoemsHI
脳内調理は得手分野だから、気にしないで投下してくださいな。
554名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 10:01:50 ID:+gjSaqbz
本編で報われないカイムに少しでも安らぎを与えてくれ・・・orz
俺も続きを待っている。
555127:2005/10/08(土) 20:40:18 ID:aHwfIuy8
CMパロ作ってみました。
分割投下の間等に使ってみたい人はテンプレとしてどんどん使ってください。



ただのスレ埋めにしかならんか…
556CMパロ:2005/10/08(土) 20:41:35 ID:aHwfIuy8
「ねえカイム、これ欲しい〜」
つ拷問部屋の肉塊
「ねえ買って、買えよ、買え――――――!!」
(だめだ、報酬まで待ちなさ……)

『使え 使え 我を使え。貴様の手で生きとして生きるもの全てを肉塊に変えるのだ!!』

ど〜〜する〜〜♪アンヘル〜〜♪

「どうしたの?カイム?キャハハハハ!」
557CMパロ その2:2005/10/08(土) 20:44:55 ID:aHwfIuy8
「エステなんて行った所で魅力は戻らないピー」
「…いってきますぅ」
「ハンチ!!」

「タダイマ」
「だ…だれ?」
「ハンチヨ」
「そんな、声まで変わって…」

契約の代償もなんのその、エステティックはDOD!
558名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 02:26:04 ID:tFjRkqyq
一瞬、何のCMのパロか考え込んでしまった。
一応元ネタも書いてくれると助かる。
559名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 08:21:46 ID:3nFRzhxW
本スレか攻略スレにもあったなCMパロ。
エロが無かろうが、もぅDODだったら何でも許せる
さて、昨日届いたストーリーサイドと設定資料集を読み直すか…
皆がんがれ。
560名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 14:43:54 ID:ThhsVHru
>>558
カイム&マナのはアイフル
ハンチ&ケルピーのはエステティックTBC

やっぱ調子にのりすぎた気がする。今度は普通のエロパロを投下します
561名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 17:07:15 ID:d7+QdWDY
ストーリーサイドが出てから確実に書き手の意欲が大幅減になった気がするな;
そりゃあんな思いもしない設定に全体の6割方占められちゃ、ある意味全く別の作品だものな。
562名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 17:31:49 ID:MhTSgKKA
>561
俺もそう思う。
なんかセツナス…になってしまうからな。
ストーリーサイド読んでから胸が苦しくなるんだよなぁ…

綺麗な話を、俺の手が傷つけてしまったら、と思うんだ…
でもみんなも尻込みしたくなるけど、がんがってDODワールドを耕そうぜ!と言ってみた。
とりあえず、カイマナ道中の続き今夜あたりに投下します。
完結まであと一歩。
563名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 22:28:17 ID:XyRRi5X9
>>562
がんばれ。待ってる

切なさを吹き飛ばすような、アンヘルたんとカイムのギャグエロキボンしてみる
564名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 00:57:55 ID:wP8raO3m
SS投下します。
今回3話分。ぶつ切り、本当に申し訳ない。はぁ…
565流れゆく時は(カイマナ道中)7:2005/10/10(月) 00:58:35 ID:wP8raO3m

―――欲しかった。私、本当は欲しかったんだ。
   カイムの背に負われて眠った時に感じた「温かさ」。
   あれから暫く、胸が苦しかった。
   でも、カイムにこうされて、やっと気づいた。
   もしかしたら、これが私の望んでいた「愛」なの?


……俺は、この「温もり」を求めていたのか。
  傍にあって、気づかぬ内に。
  俺は、お前を赦したのか? 
  お前のことを…。
  まさか。
  だが確かに今、俺は心地良さを感じている。お前に…。
  因果なものだ。それでも俺は……


カイムの背に、か細いマナの手がおずおずと回される。
何がそうさせるのか、分からない。
だが、互いが互いを必要としていたのは紛れもなかった。
566流れゆく時は(カイマナ道中)8:2005/10/10(月) 00:59:17 ID:wP8raO3m

ぽとりとマナの涙が一粒、カイムの胸に落ちた。
カイムは閉じていた目を開くと、ゆっくりとマナの体をはなす。

離れてゆく温もりが寂しくて、マナの手が空に一瞬泳いだ。
カイムの親指が涙に濡れたマナの頬を拭う。
彼の優しさが胸に沁み渡ってゆくことに、マナは小さな驚きを感じる。

―――どうして?どうして彼はこんなにも優しいの…?

そしてカイムを見上げた瞬間。

カイムがマナに、口づける。
そっと、甘く唇を食まれる感触が、マナの脳を支配した。
マナの胸が、締め付けられるように痛んだ。
何もかもが初めてだった。身を包まれるのも、口づけなども。

やがて重ねられた唇が離れる。
どうしたらいいのか分からない。彼の優しさと温もりと、全てに混乱する。
今まで愛されたことが無かった故に。
どうやって愛を受け留め、表現すればいいのか。
マナは切なくて、どうしようもなくなり、ただ涙をぼろぼろ零した。

(…泣くな)

「あ。あ…。カイム……私」

涙を零し続けるその反応に、カイムは言い得もない熱に掻き立てられた。
…守りたい。暖めたい。感じたい…
震えるマナの肩に手を置くと、やんわりと彼女の身体を寝台に押し倒してゆく。
567流れゆく時は(カイマナ道中)9:2005/10/10(月) 00:59:51 ID:wP8raO3m

カイムが手をついて、自分の瞳を覗き込んでいることにやっとマナは気がついた。
朦朧としていたのだ。
恐怖と痛みに伴わない涙など、流したのは初めてかもしれない。
涙にぼやけた先に、カイムが見える。

―――ああ、カイムがこんな眼差しをするなんて、今まで気がつかなかった。
   怖いとばかり思っていたのに…

カイムが徐々に身を覆い被せてくる。
もう一度、彼の手がマナの頬を撫で、マナは身体をびくりとさせた。
でも、それがマナは不思議と心地良い。不快ではなかった。恐怖でもなかった。

カイムの哀しく切ない気持ちがマナに沁み入ってくる。
そうか、と彼女は思った。
カイムも何かを求めてる。それはきっと私と同じものなのかもしれない、と。
マナはそれを悟った。
手をカイムに伸ばし、その肩に触れる。そして自らカイムの唇を求めた。

「もう一度、下さい。カイム…私を、私を――」

その先の言葉を、カイムが遮った。深い口づけで。もうそれ以上言うなというように。
マナはそれに応え、ゆっくりと目を閉じてゆく。
568名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 17:11:43 ID:h0d3styC
ハァーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
グッジョブ!
燃え尽きました・・・・・・・・
569夜空に約束Act.1 (カイXアン):2005/10/11(火) 00:24:22 ID:byEu4YsC
ぱちりっ。
音を立てて焚き火の火の粉が飛び散った。
この火がなければ、月の光しか光源がなくなってしまうだろう。
月光は嫌いではなかった。
だが、昔のことだ。
そう思いながらカイムは、さきほどの戦いのことを思い出していた。

――9時間程前
カイムと竜と契約者の4人は、旅の途中で小規模の帝国軍と出くわしてしまう。
しかも運悪く、精鋭部隊だった。
小規模、とはいえ数は300はいるだろう。
そして術者が部隊のなかに混じっており、竜の火球を封じていた。
思わぬ苦戦を強いられ、一行は着実に焦っていた。
「カイム、術者を探しだしましょう。殺すことが出来れば竜が火球をつかえます」
レオナールがカイムと背中合わせの状態で云った。
「……」
――わかった
その場をレオナールに任せ、一人敵軍の中へと突っ込んでいった。
剣をふりあげた敵の腕を一閃で切り落とし、二撃目で首をはね落とす。
勢いを殺さずに次の敵の首を一閃のもとで切り裂く。
が、恐怖を感じない帝国兵は一歩も引かない。
走りだそうとしたときには囲まれていた。
そして眼前に隊長格なのか、兜を身につけぶ厚い大剣を持っている。
兜を着けた男は一歩前に歩み出るとその大剣を、横に凪ぐ。
それをカイムは身を低くして、回避し剣の柄の底で兜の開閉部を思いっきり殴ってやった。
「ぐがぁ」
と短い悲鳴をあげ、兜をつけた男は後ろに傾いていく。
すると自分を取り囲んでいた敵兵が、剣をカイムに向けて一気に突きを放った。
が、間一髪のところで、竜に飛び乗ることに成功する。
安堵の息を洩らし、再び地上に戻ろうとする。
その時、アンヘルの異変に気がついた。
口の端から血を垂れ流していたのだ。
――……その傷はどうした
『我としたことが虫ケラどもに斬られるなどと……八つ裂きにして喰らってやりたいが、この傷では……』
そう言うと竜は地上に向けて落下していく。
どすんっと、音とともに土埃が舞い上がる。
その隙に近くにいた敵のシルエットに向けて剣を振り下ろしていく。
返り血を幾度となく浴び、カイムの艶のある黒髪は赤く染まり、まるで別人だった。
570名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 00:27:41 ID:byEu4YsC
おひさしぶりです。
303です。

カイアンで書いています。
ストーリーとは全然関係はないです。
2の話を書こうを思っていたのですが、映島氏の本を読んで考え直しました。
気がひけますw
それでは風をひかないようにお気をつけ下さい。

【続きますんで】

まとめ氏、毎回おせわになります。
571名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 00:50:27 ID:GNd1Zbmw
やっぱりストーリーサイドはガツンと衝撃受けるよなぁ…
でも新作SSに期待が高まる!

俺もカイマナ道中、投下します。エロ薄め…
572流れゆく時は(カイマナ道中)10:2005/10/11(火) 00:51:55 ID:GNd1Zbmw

「…ん……ふっ…」

絡まり、もつれ合う舌。溶けるように、それは熱かった。
息を詰まらせたマナから、唇を名残惜しそうにカイムは離す。

(後悔はしないか…?)

カイムが真っ直ぐにマナを見つめる。
うまくマナは言葉が出てこない。
ただ、伏し目がちに頷くと、腕をカイムに伸ばした。
華奢な指が、無駄なく鍛えられた身体に刻まれた傷跡を撫でる。

「きっと、カイムと私が求めているものは、一緒だから。…だから」

その言葉にカイムはふ、と、笑みとも溜息ともつかない表情を一瞬見せた。
哀しくも優しげな顔だった。
再び唇を重ねると、大きな手がマナの体を辿りだす。

「…っ!」

服の上から、まだ小ぶりな胸を弄られ、一瞬マナは体を強張らせた。

(…怖いか?)

頬を僅かに染めて、マナはかぶりを振った。
怖くはなかった。カイムが求めている。
それに、そんなに優しく触れられたことも無く、未知の快感がそこにはあった。
そして、心のどこかで、やはり彼に愛されたい想いがマナにはあった。
彼の心に気づくにつれ、彼を受け留めたいという想いも。
573流れゆく時は(カイマナ道中)11:2005/10/11(火) 00:53:39 ID:GNd1Zbmw

――――――

月明かりの射す先に、重なる二つの影。
そしてその部屋に、寝台の軋む音と、熱い吐息が響く。
カイムはマナの背中に手を回し、己の体に引き付けるように掻き抱く。消え入りそうな肩を。
それは儚くて脆く、だが抱きしめなければすり抜けてしまいそうに彼には感じられたのだ。
触れ合う温もりと快感に、カイムは急き立てられてゆく。

きつく抱かれ、カイムに何度も突き上げられながら、マナは目をぎゅっと瞑る。
初めて男を迎え入れた下半身が、熱く痛む。
それでも、と思う。カイムの激しく昂ぶった想いを、放したくない。
痛みこそはあれど、自分の中でカイムが自分を感じている。
そして、重ねた身体から感じる彼の体温が心地良かった。

身体が心を暖め、心が身体を暖める。

――いやだ、心地良い。ずっとこのままでいたい…

安心感の中に、自分に愛を向けてくれたカイムに、ふとマナは不安を感じた。
どこかに置いて行かれてしまうんじゃないかと。
カイムが離れて行ってしまったりしないかと。
欲しくて堪らなかったものを与えられて、それを拍子に過去の不安が身を襲ったのだ。
マナは不安を振り切ろうと、カイムの胸に額を押し付けた。

激しい熱に突き動かされるカイムが、マナを乱暴な程に揺さぶり上げる。

「う……くぅっ…!」

マナは呻き声をあげた。
痛みにマナの顔が歪む。だが、カイムの背に回された手は、彼を放そうとしなかった。
まだ男を受け入れるのには、きつ過ぎる身体である。
だが、それがカイム自身を締め付け、更なる快感の渦へと引き込む。
ぎしぎしと軋む音の間隔が短くなっていく。カイムの荒い息が響き渡る。
華奢な腕が、カイムの体を包んだ時だった。

(…っ…マ、ナ…)

マナの中で、カイムが大きく跳ね、爆ぜた。
574流れゆく時は(カイマナ道中)12:2005/10/11(火) 00:55:22 ID:GNd1Zbmw

――――――

行為の後。未だマナはカイムの腕の中に包まれていた。

(すまなかったな…)

カイムがマナの体を気遣い、その背中をそっと撫でた。

「平気です。でも、あの…」

マナは頬を赤らめる。まともにカイムの目が見られない。
カイムの視線があまりにも真っ直ぐで。

(どうした?)

「…あの。もう少し、このままでいさせて下さい…」

カイムは優しく微笑むと、再びマナの背を撫でてやる。
その柔らかな感覚が、マナの心の中を安堵感で一杯にしてくれる。
満たされた心が、思わぬ言葉をマナの口から零れさせた。

「カイム。どこにも、行かないで…」

掠れた声で、やっとの思いで、それだけ言うとマナは目を閉じた。
どこか、むず痒かった。

(俺はここに居る。もう何も考えずに、眠れ)

カイムの言葉と、背中を撫でられる温もりに安心したのか、マナは彼の胸にそっと額をつけた。

「おやすみなさい…」

暫くすると、マナが小さな寝息を立て始める。
目の前の少女を見つめるカイムの眼差しは、愛しい者を見つめる瞳に他ならなかった。
マナの左手につけられたカイムのブレスレットが、秋の月光を照らし返す。
こうして、二人の夜は更けていった。



―――流れゆく時は、二人の運命をも結びつける。
    二人は共に歩み、やがて赤き竜を解き放ち、再びその背に跨り世界に挑むだろう―――


                     (了)

                     〜真のエンディングは貴方の心の中に〜
575名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 03:48:07 ID:pHnNFISZ
乙&GJ!!
久々に流れが帰ってきたw
303氏お帰りなさい。
この勢いで映島ショックで撃沈された他の方々も帰ってきてけれ〜
576名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 07:44:21 ID:VlAJTBVu
カイマナGJ乙!!!!!
テラモエス(*´Д`)
DOD2が発売される前は、本当にこういうストーリーになるのだと
思っていた時期が僕にも(ry

カイアンの続きもワクテカで待ってるよ。
577名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 18:40:43 ID:OT7UpxQs
ちょ…ストーリーサイドのレグナたんノウェの事好き過ぎ。
なにこの親子萌える。
578名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 23:08:36 ID:impXIJ2d
今夜は何もないのかなぁ…

レグナとノウェの関係、好きだったよ。
579名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 10:21:27 ID:TwAUCbpx
圧縮が来るとか来ないとかだったが、このスレがちゃんとあってホッとした
580名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 23:05:57 ID:HkhE9GDJ
息子じゃなくて娘だったらレグナと良いエロができるのに
581名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 23:10:52 ID:T8Jg4v39
フリアエ×レグナ
ちがう、レグナ×フリアエか。
582名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 23:53:34 ID:ifmyksXr
そこでふたなり説ですよ!と久々に
583名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 00:49:31 ID:BDEqUkYn
2発売前後の本スレに、
「ブラックドラゴンもフリアエを愛していて、イウヴァルトを殺してフリアエの亡骸を奪い、
自分が合体。つまりノウェは本当にレグナの子」的なガセネタがあった
釣られてる奴はいなかったが
584名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 16:41:58 ID:VDZcRdCu
合体したレグナが普通にいたらおかしいだろどう考えてもw

・・・ま、まさか合体って死k(自主規制
585名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 07:50:28 ID:ZC0RX8SF
寂しくなってきたな…職人降臨祈願でもするか?
なんでも、って言ったら乱暴な言い方だけど、本当になんでもいいから投下を待つ。
586名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 07:53:24 ID:fJnRSh4Z
個人的にはカニバメイドさんとヤハたん物語の続きキボン
587名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 08:13:26 ID:ZC0RX8SF
きっと戻ってきてくれるさ。きっと…うん、投下待ってる!
588名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 12:20:44 ID:ikxbMlwy
じゃあ景気づけにage!
589名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 22:12:39 ID:jLNkA7xr
映島ショックから立ち直れない…カイム…(ノД`)
590名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 00:09:02 ID:n8AMJRwq
真のエンディングは己の心の中にあるんだぜ!!

そうだよな、カァーイム!!
591名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 00:59:23 ID:n8AMJRwq
いよいよ過疎の悪寒・・・
592名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 01:33:00 ID:xHWUtG08
公式にここまで爆撃されたんだぞ…
593名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 01:41:29 ID:jcXgkDTW
無駄な足掻きであっても頑張ってみるか……
594名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 02:58:05 ID:JmlsJBRd
OK、立ち直った(気がする)。
ファンなら行間を読め、ということで
今カイマナ風味のカイアン書いてる。待っててくれ。
595名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 03:52:26 ID:YpZCaooz
うぉ!待ってます
596名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 09:15:34 ID:L+chQgcs
よし、俺も!
鬼娘ことエリスの短編を書いてる。
ま、相手はセエレなわけなんだが。投下したら苦手な人はスルーでヨロ
597名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 17:59:29 ID:2NbYivKm
過疎ってるんだから…過疎ってるんだから…
敢えて、

己の全ての力を解放せよ!!


こないかなー…
598名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 19:28:25 ID:4erlI+45
……

…………来ます!
599名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 21:32:12 ID:R5eROqB+
フリアエ、と言いたいとこだが何故かミスターマリックを連想しちまったよ。
600名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 21:33:32 ID:VtmfLqE2
ごぶさたしてます。
303です。
長い間ろくに家にもかえれない状況でした。
当然、SSの続きを書く暇などなかったわけで……
今は携帯からレスしてます。
後すこしで自宅に帰って休むことができます。
なのですぐに続きを書くようにします。
時間がかかりそうですが、もしよかったら読んでやってください。
601名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 21:59:55 ID:TDJFuY3v
無理はしないで下さいね!
待ってますからーー
602名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 22:52:46 ID:yP+dQSk9
過疎気味という事でまだ全部出来てませんが投下します。
>>594氏、>>596氏、303氏等の作品が出来上がるまでの場つなぎという事で。
603ノウェ×?(仮):2005/10/15(土) 22:55:35 ID:yP+dQSk9
正式に騎士団員として任命されたノウェは天覧試合に臨んでいた。
「どれ、ワシがお前の相手をしてやろう」
試合場へジスモアが降り立つ。
「さあ、来るが おぶっ!」
ジスモアが喋り終わる前にノウェの拳がジスモアの顔面にめり込む。
いきなり顔面にパンチを受けたジスモアはその場に倒れる。
「な…何をするか ぐえっ!」
倒れ伏したジスモアに今度は鳩尾に蹴りをいれる。
そのままノウェはマウントポジションを取ると何度もジスモアを殴りつける。
突然の出来事に呆気にとられた騎士団員だったが正気に戻るとあわててノウェを取り押さえた。
ジスモアは医務室に運ばれていった。
すぐさま天覧試合は中止となり、この件はジスモアが自ら進んでノウェの相手をした事もあり、ノウェには何のお咎めも無かったのだった。
604ノウェ×?(仮)その2:2005/10/15(土) 22:57:41 ID:yP+dQSk9
「「ノウェ!なんてことをしたの!」」
広間に響く怒鳴り声に何事かと広間に居る人が声のした方向へ振り向く。
その視線の先にはエリスとノウェの姿があった。
エリスは腰に手を当てて、まさに怒っているという感じだ。
「しかたないだろ、こうやってお咎めも無しにジスモアの糞や……団長をボコボコに出来る機会なんて無いんだから」
「ジスモア団長になんの恨みがあるのか知らないけど、貴方の個人的な感情で天覧試合は台無しになったのよ!分かってるの!?」
「…はい、すみませんでした」
こういう時のエリスには何を言っても無駄だ、とりあえず謝っておくのが賢明である。
「…本当に反省してるの?まあいいわ、明日は貴方のそのひねくれた根性を叩きなおしてあげます。朝から特訓です。」
「ええ!?どうしてだよ」
ノウェが抗議するとエリスは顔をぐいっとノウェの顔に近づけ
「特訓です!」 「は…はい」
エリスの迫力に気圧され、ノウェはあっさりとうなずいた。
「それじゃあ、朝食が済んだら迎えに行きます」
エリスはきびすを返すと広間の扉にむかって歩いていった。
(これで明日はノウェと二人きり…今度こそ私の想いを…)
鈍い音がし、いきなり体がよろける。どうやら扉が閉まっていたのに気づかずそのままぶつかってしまったようだ。
チラッとノウェの方を見るとやはりこちらを向いていた。エリスと目が合うとあわてて目をそらす。
エリスはまた怒鳴った。

そんな光景を見つめる一人の女がいた。
「あらあらあらぁ、エリス殿って、結構かわいいところあるんですねぇ」
605127:2005/10/15(土) 23:00:19 ID:yP+dQSk9
ひとまずここまで。
606夜空に約束 Act.2:2005/10/16(日) 00:09:53 ID:XSQmP81Y
静まり返った森は薄気味が悪く、不気味な雰囲気で満たされていた。
付近の村の大人たちでも昼間であろうと、決して近づこうとはしない。
その森に誰かが潜んでいたとしても、一晩ではばれることはまずないだろう。
カイムは竜に人間用の鎮痛剤が効くとも思わなかったが、呻き声を上げる竜に一応与えてみた。
人間とおんなじ量を与えても、竜の体は優に倍はあるため効き目が薄いだろうと思い、3倍にする。
しばらくして薬が効き始め、今は寝息を立てている。
その間にカイムは水浴びをしようと思い、泉を探しに森の中を歩き回り、なんとか泉を見つけることが出来た。
服を土の上に放り出し、何も身に着けないまま泉の中に体を沈めていく。
帝国兵に斬られた傷に、水が沁みて疼く。
だがそれが戦の後、自分が生きているという証でもあった。
しばらく水に体を預けていると、次第に眠気が襲ってくる。
普通であれば絶対にありえないのだが、今回は深い森のなかということで安心しきっていた。
水面に顔だけをだし、両目を閉じ浅い眠りにつく。
しかし一気に疲れが出たためか、水面下でうごめく気配に気づくことができなかった。
ぱきっ。
野生の動物が木の枝でも踏んだのか、何かが折れる音を耳にした。
がそれを境に、目が覚めたが意識が朦朧としている。
重たい瞼をこじ開け、音のした方へと眼をやる。
が、ぼやけていてはっきり見えない。
――誰だ……
そこには人がいた。
眠りについていた体がそこに人がいる、と理解し反射的に水面下へとからだを沈めていく。
水に長時間浸かっていたために、体の体温が低下し、思うように動いてくれない。
しかしすることははっきりしていたので、陸に向けて泳いでいく。
することは一つ、そこにいる人間を殺さなくてはならない。
何一つ身に着けてはいないが、人間一人くらいなら素手でも殺すことができる。
そう判断して、動いた。
陸に飛び上がり、攻撃を受ける前に木の陰に身を押し込む。
その間、敵が動く気配は感じられなかった。
一呼吸置いて、木陰から飛び出しつつ腰を落とし、足腰をバネのように利用して地面を蹴り、推進力をえる。
その速度は異常なほどのものだが、ほんの一瞬である。
ただ距離を詰めるだけでなので、それだけで十分なのだが。
距離がほぼゼロにして、残った推進力を活かした蹴りで敵の足をすくい、後ろに倒れさせる。
「きゃっ」
間の抜けた悲鳴など無視し、後頭部を強打した敵にまたがり、首を両手で絞める。
その際、抵抗されないよう相手の二の腕を膝での下敷きにする。
――……
妙な違和感が下腹部の辺りにあったが、気にしていると命取りになる。
「く、苦しい」
しかし呻き声があまりにも惨めだったので、カイムは首を絞めている相手を見てみると、女だった。
裸の。
またがったときの違和感は胸の感触で、その上にちょうどカイムが乗っていたのだ。
――女……
女は怯えきった表情で、カイムのことを見上げている。
カイムは女の首を絞めている手を緩めるが、放すことはしない。
「助けて下さい。なんでもします。体で弄ばれてもかまいません。でも命だけはどうか……」
女は命乞いをするが、カイムは殺そうと考えていた。
このまま森をでて、帝国兵にでも告げられようものなら逃げ場をなくしてしまうからだ。
しかし女が何故こんな森にいるのか、カイムにはわからなかった。
村には井戸水があるだろうし、わざわざこんな森の奥にまで来なくともいいはずだ。
そうなると帝国軍の回し者だろうか。
女を敵地に送り込むというのは常套手段である。
考えている間、無意識のうちに首を絞める手に力をこめていたようで、女が身じろぎをしなくなる。
それと同時に、小便を垂れ流していった。
607名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 00:17:05 ID:XSQmP81Y
303です。
続きが書けましたので投稿します。

一応カイアンで書いています。
エロありです。
前置きが長くてすいません……


>>127
場つなぎ、なんてそんな……
そんなに過小評価しないで、もっと自信をもって下さい。

なんて説教ぶってどうするんでしょうね。。。。。。
えらそうですいませんorz
608名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 00:59:18 ID:6YYmvk+s
夜空に約束の続きが見たいよ。
609名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 01:41:21 ID:BKf6tGD9
なんでメ欄に"名無しさん@ピンキー "っていれてんの?
610名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 08:48:34 ID:lvFkolea
>>609
ヒント:age荒らし
611名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 10:54:28 ID:ETPfn7iD
303ってどこの303?
612名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 14:56:19 ID:Jcm9z7JF
303?俺の隣りの隣りの部屋がそうだよ。
最近まで部屋空けてたけど、旅から帰って来たんだって。
613名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 15:44:34 ID:I/HV8fIB
>607
カイアン待ってる頑張ってくれ〜
614名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 17:32:33 ID:KC3wopFA
書き手の帰還は嬉しいが、未完の作品残したまま次々手をつけるのはやめてくれ
過疎なんだから文句言うなと言われればそれまでだが、
どうせまた途中でやめるんだろ……と不信感抱えて読むのはかなしいものがある
615名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 18:17:56 ID:uReuOORW
その通りだな。
未完作品か…どのくらいある?
俺もそれは思ってた。614に賛成だよ。
嬉しいけど、黙認するっていうか、なんていうか…
一度手をつけたら、結びはつけないといけないとな、と書き手として俺は思う。
別に、文句を言ってるわけじゃないし、素直に帰還は嬉しいんだ。そこは分かって欲しい…
616名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 19:26:25 ID:Jcm9z7JF
>>614
IDがファイナルアンサー…
>>615
IDが憂う……
617名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 20:25:47 ID:fy7n5hZi
また303です。

>>614-615
未完の作品ですか……
もし青ネコの事を言ってるのだとしたら、
>>449
で完結させたつもりです。
実際、タイトルに“青い子猫のおはなし”といれませんでしたが……
618127:2005/10/16(日) 22:39:12 ID:ge5cIvxK
>>607
いや、文字通り場をつなぐ為に投下しただけですよ。そういう事は考えていなかったす。

>>614−615
もちろん、今書いているものもちゃんと完結させますよ。
619名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 22:54:07 ID:uReuOORW
いや、完成させてから投下しろとか、そういうのじゃなくて…
なんて言ったらいいのかな…

結局完結されずに、次々手を出されて前のが放られてる、ってのが問題あるんだとオモ
読み手は待ってて、悶々過ごしたりするだろうから…

昔も色々もめたけど、このスレはみんなでその都度立ち直ったから。
>>614もだから敢えて言ってくれたんだろう…好きだから、このスレが。
だから、今投下されてる全てのSSを俺は応援する。
127氏もいつも楽しみにしてるから…
620名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 02:37:35 ID:K53Zscns
>>619
確かにな…まあそれはこれからの話としても良いかと。
途中投稿なら完結はさせてほしいと思う^^ガンガレー
621名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 12:01:46 ID:q+k4r8FR
最近連隊長のエロ成分が薄い気がするので、誰かよろしくーというミッドガルド1無責任発言。
622名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 12:32:28 ID:236f2GvV
この流れに乗って俺もちょと聞きたい。
エロなしでも萌えればおk?でもエロはやっぱり欲しい?

>>621
連隊長って言ったらやっぱハンチさn(ry
623名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 13:54:50 ID:pgAN1EVc
>>617
コテのまま(或いはそれを匂わせて)雑談や他職人への賞賛、一々レスする≒馴れ合い、
自分の近況語り、複数作に手を広げる、未完・書き捨て、メル欄、
場合と加減と信用度にもよるが、2ちゃんで嫌われる書き手の王道だからやめた方がいいよ。
自覚がないなら半年ROMった方がいいよ。煽りじゃなくマジで。
よくない所は直さないと他の書き手も読者も不幸になるよ。
正直、一度貼られたレッテルを剥がすのは難しいと思うが。
624名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 19:17:17 ID:Ei4ABvy3
>>623の意見は厳しいけど、俺もやっぱ手をつけて、一度でも投下したんなら最後まで終わらせるのは大切だと思う。
最低限のマナーかなって思う。
何かの理由で続けられなくなったりしたら、その時こそ自分がどの作品書いてたのかを明かして、
その上で、何か言えばいいと思う。
予告無しに打ち切りみたいなのは、投げ遣りとか無責任ともとられちゃうからな。

俺も肝に銘じておこうと思った。
625名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 21:51:16 ID:mj2Y0xjK
ノウェ×?の続きです。題名が変わっていますが。
626DOD 卑屈の赤 嫉妬の鬼 その3:2005/10/17(月) 21:57:14 ID:mj2Y0xjK
その1・2>>603-604
翌日
ノウェは朝食を済ませると部屋に戻り、エリスが来るまでの間、新聞でも読んで時間をつぶす事にした。

【気炎の直轄区内に不法侵入、女を逮捕 騎士団の掲示板に鍵の破壊をほのめかす書き込み】

「物騒な話だな」
記事の内容に目を通していると誰かが扉をノックする音がした。
(エリスか?)
ドアノブを回し扉を開けてみると、そこに居たのはエリスではなかった。
「おはようございますぅ、ノウェ殿」
そこには目の周りに隈のできた,顔色の悪い女が立っていた。
(確か神水の連隊長…)
「おはようございます、ハンチ連隊長、何か御用でしょうか?」
「あのですねぇ、実は私の直轄区で魔物が大発生しましてぇ、ノウェ殿に魔物の退治を手伝って欲しいのですよぅ」
「はぁ…」
ノウェは答えに詰まった。騎士として、連隊長の令は絶対である。断るわけにはいかない。
しかし今日はエリスとの約束もある、破ると場合によっては命令違反の処罰よりおそろしい罰が待っている。
「ああ、ひょっとしてエリス殿の事ですかぁ?それならば大丈夫ですよぅ、私が手紙を書いておきましたから」
「え?どうしてご存知なんですか?」
「あんな大声で話していましたら、いくら私でも何を話しているのか聞こえてますよぅ」
ノウェは恥ずかしさのあまりうつむいてしまった。
「うへへへ、この手紙には今回のお仕事でノウェ殿にお手伝いを頼んだ事が書いてありますよぅ。
エリス殿が騎士団に強い忠誠心がある事、ご存知ですよねぇ?連隊長である私の頼みごとなら、エリス殿も諦めてくれますよぅ」
確かに、連隊長の指示であるならばエリスは納得してくれるだろう、それにエリスとの特訓に比べたら
魔物退治の方がかなり楽だ。
「分かりました、お手伝いします」
「ひゃ〜、ありがとうございますぅ。それじゃあ、この手紙はこのテーブルに置いといて…それでは行きましょうかぁ」
627DOD 卑屈の赤 嫉妬の鬼 その4:2005/10/17(月) 21:59:52 ID:mj2Y0xjK
中庭

「レグナ――――――!」
ノウェは大声で長年連れ添って生きてきた父でもある、竜の名を呼ぶ。しかし一向に姿を現さない。
「?きませんねぇ…」 「おかしいな………あ」
ふとノウェは数日前の出来事を思い出した。
『小僧、儂がとっておいた「けーき」はどこだ?』
『俺の胃の中だ!レグナ!』
『そうか、覚悟はいいな、小僧。』
『知らなかったのか?子は父よりたくさん食べなきゃいけないんだ、いつの時代だって、どんな生き物だって、そうなんだ』
この後、エリスが新しいケーキを買ってくるまでレグナの怒りのブレスが止まることはなかった。ジスモアが巻き添えをくらい黒焦げになった。
「まだ怒ってるのか…」
「仕方ありませんねぇ、ケルピーに一緒に乗っていきましょうよぅ」
(レグナが来れないなんて、これは予想外の幸運ですよぅ。)
628名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 22:07:08 ID:mj2Y0xjK
あ、「つづく」て書くの忘れてた。本日はこれまで。
629名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 22:13:07 ID:Ei4ABvy3
>>628
GJ!!今じつはリアルで読んでた…ていうか設定面白杉!
ちりばめられた小ネタワロスw 特にレグナの「けーき」

いやーよかった…またこうして戻ってきてくれるの嬉しいよ…
祝いに過去ログから拾ってきたの貼って見る。

なぜ余はエリスとアハンウフンになれんのだ!

            ヽ((('A` ))))ノ
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ((((  ))))  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 
   |         ノノノノω|||||.         |
   |                        |
   |                        |
   |                        ↓

ヽ((('A` ))))ノ                 ヽ((('A` ))))ノ
 ((((  )))).                   ((((  ))))  
ノノノノω|||||                   ノノノノω|||||

寂しく泣きながら寝た事があるか!エロ本で飢えを凌いだ事があるか!
630名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 22:43:13 ID:28Gh9uEZ
>>628
しみじみワロタ
みんなして大人げないw

俺このスレでは萌えや笑いがあればエロなしでもいいや
非エロでも楽しめる作品が多いし
そりゃあ、アハンウフンがあるに越したことはないが
631名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 22:48:36 ID:2+G55G5E
カイマナ初投下します。

エロ無いけどごめん・・・。
632名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 22:50:28 ID:Ei4ABvy3

カモォォォン!!俺も、エロなくても何でも好きだよ!
633なくしたものともたないもの 1/3:2005/10/17(月) 23:00:40 ID:2+G55G5E
失ったもの・・・。

両親、妹、親友。

己の半身ともいえる、ドラゴン。

抉られた片目。

そして・・・。




まだ幼いマナを連れ、戦禍の残る地を旅したのは、マナに思い知らせる為だった。
幼すぎる娘に、自分の犯した罪を。
マナが憎かった、殺しても足りないほどに。
だから、生かした。
自ら引き起こしたすべてを見せ付け、その幼い顔が恐怖に歪むのを確かめる。
マナが目を閉じ、耳を塞ごうが、カイムはそれを許さなかった。

『目を閉じるな、逸らすな。アンヘルが言っただろう。お前は世界中から恨まれ、憎まれる』

涙のにじむ瞳が、カイムを見上げた。

「・・・っ、ごめんなさい、ごめんなさい・・・っ」
『そんな口先だけの言葉に騙されはしない』

マナがいくら謝罪の言葉を口にしようが、カイムは糾弾の言葉を、視線をマナに向け続けた。

『お前がその言葉の本当の意味を理解しない限り・・・』
「ほんとうの・・意味?」

カイムは分かっていたのだ。
マナの「ごめんなさい」は、自分が苦しみから逃れるための言葉。
決して謝罪の意味を持たないことに。

そして日々は過ぎていく。

変わらぬ日々だった。

カイムはマナに戦火に焼けた町を、村を、そして自然を見せつけた。

マナから「ごめんなさい」という言葉が発せられることが少なくなった。
代わりにカイムから見せられるものから、目を逸らさなくなった。
涙を浮かべた目で、自分のせいで壊れたものを見つめ続けた。

カイムも徐々にではあったが、マナが母に捨てられるまで、家族の中でどういう扱いをされていたかを知った。
マナから直接聞いたわけではないが、生活を共にする中で、それを知っていった。
カイム自身の感情が次第に落ち着き、マナ自身を見つめる余裕が生まれたからこそ、ではあったが。


634なくしたものともたないもの 2/3:2005/10/17(月) 23:01:14 ID:2+G55G5E
如何にマナを憎んでいようと、カイムはマナを粗末に扱ったことはなかった。
壊れた町であろうと、野宿をすることになろうと、例え粗食でも食事を欠かせたことは無いし、睡眠もとらせるようにしていた。
もちろん、マナを気遣ってのことではなく、マナに全てを見せる為、彼女を死なせるる訳にはいかなかったからだ。
逃げ出そうとするマナの腕を掴み、引きずるように歩かせた事はあったが、カイム自身がマナに暴力を振るうことも無かった。


最初にそれに気づいたのは、森の中で野宿した時だった。
森で捕まえた獣の肉を、僅かな塩と、野生のハーブで煮込んだだけの粗末なスープが主食だったのだが。
ある日突然、カイムはマナがそんな食事に不平不満を言わない事に気が付いたのだった。
幼いマナが不満を隠していたわけではなく、むしろいつも旨そうにそれを口にしているのを見て、カイムは驚いた。
考えてみれば、どんなに厳しい自然の中での野宿でも、マナはその生活自体に不平不満を漏らしたことはなかったのだ。


その日もそうだった。
そろそろ初雪を見てもおかしくない季節だった。
焚き火を前に、カイムの隣で、カイムの与えた粗末な毛皮に包まり、湯気の立つ器を手にしたマナに、カイムは問うた。

『こんな暮らしは、嫌ではないのか?』
「え・・?」

突然のカイムの問いに、マナは心底驚いたようにカイムを見上げる。
そして、カイムの視線にぶつかると、うろたえた様な表情で俯いた。
カイムの自分を見る目に、普段の厳しさが薄れていたからだ。

「別に・・・。どうしてそんな事聞くの?」

俯いたままでマナは答えた。
そっと、空になったスープの器を置く。
その器の中身ですら、野営に慣れたカイムでさえ旨いとは思えないような代物だったのに。
その身を覆う毛皮も、獣から剥ぎ取り、簡単に処置をしただけのもので、野の匂いは消えていないのだ。
カイムがそれを告げると、マナはじっと器の中を覗き込み、呟いた。

「だって、家にいた頃よりマシだもの・・・」
『マシ?』
「天使の教会・・帝国軍に拾われる前・・家族と暮らしてた頃はこんな暖かいもの食べたこと滅多に無かった」
『なんだと?』
「眠る時も、一人で冷たい部屋に寝かされたし、泣いたらお母さんに・・・」

言葉を切ったマナが毛皮の下で体を震わせたのを、カイムは見逃さなかった。
635なくしたものともたないもの 3/3:2005/10/17(月) 23:02:33 ID:2+G55G5E


「カイムは・・ちゃんとご飯を食べさせてくれるし、私が寒くないように毛皮をくれる。カイムにぶたれた事もないし」

毛皮の中、マナが自分の体を抱きしめるのが分かった。


次の瞬間、カイムの片腕はマナの肩に回されていた。
自分の胸に持たれかけさせるように、抱き寄せる。
何故そうしたのか、カイム自身も分からない。

「カイム・・・?」
『明日も早い、もう眠れ』
「うん、おやすみなさい」

一瞬身を固くしたマナだったが、素直にそのまま目を閉じた。

マナが寝息を立てはじめる頃、カイムはマナの体を横たえさせ、頭を自分の膝に乗せる。

その寝顔を見ながら、カイムは幼い頃を思い出していた。
幼い頃の自分と、フリアエとイウヴァルトの姿を。
何も恐れず、笑って日々を過ごしていた時代を。

実の家族の中で、空腹に耐え、寒さに震え、謂れのない暴力を受けていた幼いマナ。
自分やフリアエは、その年頃は自分たちを愛する両親に守られ、何の苦痛も知らずに過ごしていた。

自分は、ありとあらゆる物を失ったと思っていた。
そのほとんどは、確かに目の前の少女に奪われたものだ。
だが、今目の前で眠る少女は、何も持ってはいなかった。
だから、求めることしか知らない。
なくした者を求める気持ちを理解できてはいなかった。
それ故に、天使の教会の司祭となって、あのような残虐な事ができたのだろう。

それは、何と哀しい事かと思う。

ゆっくりと、その金の髪に指を滑らせた。
数日に渡る野宿で、満足に身を洗うことすらできない少女の髪はもつれ、埃が付着している。
それをほぐし、埃を掃うように、指を動かす。

何故、そうするのかカイム自身分からなかったのだが。
カイム自身、本当に気づいてはいなかった。
初めて自分の中で憎しみ以外の感情がマナに向けられた事に。


二人が共に旅を始めてから、数年が経過していた。



(終)
636名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 23:03:58 ID:2+G55G5E
以上です。
スレ汚しスマソ
637名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 23:05:05 ID:2+G55G5E
ゴメン。
完結してないのに、(終)で〆てしまった。

来週あたり続きを投下します。
638名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 23:17:42 ID:fMb/LrDO
GJ!職人それぞれで、また違った切なさと哀愁が漂うよな、カイマナは…
そんな俺はカイマナが好きだ。胸の置くがツンとする。

続き楽しみにしてる。がんがれ!
639名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 23:21:27 ID:Ei4ABvy3
俺も。
貼っつけてばかりだが。

  _, ,_                _, ,_
(; ´Д`)<ハァ━━━━━━; ´Д`━━━━━━ン!!!!
640名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 23:21:48 ID:XW/Xu4BN
>>637
グッド!!

マナが「何も持ってない」ってのはツボだなあ。
似たようなこと考えてたけど、アンタ書くのうまいよ!
ここからどうなるのか……続き待ってるよー
641名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 23:36:39 ID:/iwZoJig
皆無に膝枕されるマナタン…(;´Д`)ハァハァ
642ある男と剣の物語14:2005/10/18(火) 01:49:13 ID:mMJvsI1I
太陽光も届かない深い林の中、一人の男が彷徨っていた。

見れば全身ボロボロで深い傷を負っており、顔には疲労の色が強く出ている。
歩くのもやっと、といった様子で男は足を引きずる様に歩く。右腕の間接が不自然な程に揺れている。
折れているのだ。
だが、その折れた右腕にはその状態にはおよそ似つかわしくない、目をまばたくのも忘れてしまいそうな程美しい「剣」が握ってある。
よく見れば、赤黒い血がこびり付いているそれは、光が届かない林の中でありながら鈍く、赤い光を放っている様な気がする。
一歩、歩く度にその「剣」が揺れ、男の顔が苦痛に酷く歪む。だが「剣」を手放す事は無かった。いや、手放せないのだ。

―――――――何故こんなことに

この状況を作った原因でもある「剣」を見ながら、男はあの時、起きた出来事を思い出していた。

二日前の出来事だった。

男は立ち寄った町で、長老に子供のみを狙うグールの退治を依頼され、ある理由で町に来ており、同じく依頼を受けていた
ホブゴブリンとの二人でグール退治へと赴いたのだ。
643ある男と剣の物語15:2005/10/18(火) 01:50:55 ID:mMJvsI1I
―――――――そう、町へと続く山道で、物陰に隠れて奴が来るのを待っていた時だ。

笑い声が聞こえたのだ。女の。
その時はまだ、姿は見えてなかった。遠くから聞こえてきたのだろう。
普通なら、ただの女の可能性も考えただろう。
だが、その時は声を聞いてこいつがグールに違いないと確信した。
この心の底から絞ったような狂声は並の女に出せる声ではない、この声の主は化け物かあるいは狂人のどちらかだ。
長老から聞いたグールの特徴が頭をよぎった。

―――――――武器を使い、魔術も駆使する、美しい女の姿をしており、幼い子供しか狙わない・・・・

女と狂人か化け物、は当てはまるな・・・

そう考えながら男とホブゴブリンは臨戦態勢に入る。真正面から挑む程馬鹿ではない。作戦は決めていた。
決めていたとは言っても、分かれて山道の両側の林に隠れ、獲物が通り過ぎた所を後ろから襲うという作戦と呼べる程の物ではないが。
向かい側の林に待機していたホブゴブリンと目が合った。ニヤリと歯を出して笑ってきた。歯が所々欠けている。
普段の状況で見たなら、毛が逆立つ程不気味に違いなかったがこの時は何故か、その笑顔が爽やかに見えた。
と、再び笑い声が聞こえた。
644ある男と剣の物語16:2005/10/18(火) 01:51:52 ID:mMJvsI1I
近づいている。

男とホブゴブリンは本格的に隠れた。
近くで聞こえる笑い声は、何がそんなに楽しいのか!と大声出して問詰めたくなる程五月蝿く、嫌悪感が出てくる。
向かいのホブゴブリンは姿は見えないが同じ考えだろう。多分。
やがて、笑い声も止み、一人の女が姿を出した。
笑い声の主を見た男は目を見張った。いや、引き込まれたと言った方が正しいだろう。
その女は美しい黒髪の、見たことも無い程美しく、どこか卑猥な印象を感じさせる、「エルフ」の女だったのだ。
男はとり憑いた様に、山道を歩く「エルフ」の女を見ていた。
その姿が近づくにつれ、本当にこの「エルフ」がグールなのか?と疑問を感じる。
だが、この「エルフ」がグールに違いないのだ。その手に村長から聞いていた、グールの武器である凶悪な斧を持っていたのだから。

男は自らの愛剣である大剣を手に、獲物である「エルフ」が通り過ぎるのを待っていた。
645ある男と剣の物語17:2005/10/18(火) 01:52:52 ID:mMJvsI1I
―――――――今だ!

通り過ぎた直後、そう感じたと同時に男は駆け出し、背を見せて無警戒に歩く「エルフ」へ奇襲をかける。
剣の届く位置まで距離を詰める。
加速をつけた大剣を両手で握り、背中へ右に袈裟懸けに斬り込んだ。

―――――――殺ッタ!

男はそう確信した。

相手は女で、軽装で、その上、狂人だ。自分が狙われていたとは夢にも思っていまい。
現に、今、こうして後ろから走ってきても、物音に振り向く所か反応すらしなかったのだ。
646ある男と剣の物語18:2005/10/18(火) 01:57:10 ID:mMJvsI1I
―――――――勿体無かったな

男は大剣を振り下げる瞬間、
自分が切り裂くであろう「エルフ」に対してそう無意識に思っていた。
もう過去の事だったかの様に。

大剣が肩を抉ろうする瞬間、
信じられない反射運動で、「エルフ」が背を向いた状態から身を左に半回転し、大剣の一撃を紙一重で避けるまでは。

その時は避けられた、と感じる暇も余裕も無かった。

大剣をかわした瞬間の「エルフ」と目が合ったからだ。

狂気ではなく、殺意が篭った目と。
647名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 02:00:46 ID:mMJvsI1I
続きます
メイドマナもちっとまって('A`)
648名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 02:13:51 ID:mMJvsI1I
すいません、付け足しです。
身を左に半回転し、大剣の一撃を紙一重で避けるまでは。
           ↓
身をよじりながら左に半回転し、大剣の一撃を紙一重で避けるまでは。
649Act.3「水棲馬」:2005/10/18(火) 03:06:55 ID:qOE9vOfq
深い森の中に、不気味な鳥の啼き声がこだまする。
カイムはその啼き声を聞きながら、となりで縛り上げられている女に視線をやる。
今は意識を失っているが、その後の、起きた後の処遇に迷っていた。
結局あの後、女を近くで拾った蔦で縛り上げ、身動きを取れないようにして放置している。
やはり今殺したほうが女のためになるのではないだろうか。
そう考えるカイムだが、心のどこかで女を殺すことに躊躇いを感じていた。
それは女が類まれなる美女だからか、それともカイムの良心からなのかは本人ですらわからないだろう。
――放っておくか……
決断した後は早かった。
女を縛り付けている蔦をかなり緩めてやる。
すると蔦の後がしっかりと残っていた。
赤く締め付けられた後が、まるで妹であるフリアエに出たオシルシの様に見え、一瞬カイムは後ずさりしてしまう。
その際、女の腕を踏んでしまった。
「んんっ……」
そう言って女は薄っすらと目を開ける。
その動作は緩慢で、思わず手伝ってやりたくなるほどだ。
そして女は視線の先にカイムを見つけたのか、もがいていたが縛られているのにきづいたのか、直ぐにやめた。
カイムからしたらそうとう蔦を緩めたはずなのだが、この女からしたらまだきついほうなのかもしれない。
「あ、あの……私、なにかわ、悪いことでもしましたか……」
女が半ば諦めた表情で、カイムに問いかける。
その表情は追い詰められた人間の顔で、これからの自分の運命を悟ったかのようなものだった。
それを見てカイムは女に微かに欲情する。
人を斬ることを快楽としているカイムはその表情でも興奮するのかもしれない。
だが今は刃物などなく、まして存在するのは“裸の男”と“裸の女”である。
普通の男であるなら、女を犯しているところだろうが、カイムは普通ではなかった。
そして普通ではないことで今、興奮しているのだ。
カイムのソレは怒張し、己自身を誇るかのように高らかと空に向いて勃っている。
ソレを女のアソコにカイムは近づけていく。
「や、やめてください。いやっ、いやぁぁぁぁぁぁあ」
縛られて身動きが取れない女はただただ、悲鳴を上げ続けることしか出来ない。
そしてカイムが女の膣内に挿入しようとしたとき、聞いた者の鼓膜を燃やしつくしてしまうのではないかと思う程美しい
声がカイムを止めた。
「馬鹿者が、何をやっておるか。水棲馬ごときに欲情しよって……」
聞きなれている声なのだが、なぜかいつもとなにかが微妙な点において違っていた。
――竜か
訊いてみるものの、声の主から返事はない。
しかし水棲馬とはどういうことか。
カイムが欲情していたことも忘れ、女の存在もわすれていたその瞬間、ソレは動いた。
女の表皮が剥げ、蒼い、並みの刃では傷一つつけれないであろう頑丈な鱗がカイムの眼に飛び込んできた。
みるみる内に蔦を引きちぎり、鱗で覆われた腕をカイムの首へと回してくる。
その細身の腕からはそうぞうも出来ないほどの力で、悲鳴をあげているカイムの首は今にも折れてしまいそうだ。
650夜空に約束 Act.3-2「水棲馬」:2005/10/18(火) 03:07:48 ID:qOE9vOfq
ぼっ。
火球が化け物の体に直撃する。
ごうっ、と音を立ててはじける焔に化け物はカイムの首を絞める手を離し、泉に向かって跳躍する。
その勢いは俊足の踏み込みを見せたカイムの速度を軽く上回っていた。
すぐ視認できなくなり、いつのまにか濃霧が泉のあたりに立ち込めており、その向こう側で着水する音が聞こえた。
「……世話をかけさせ、おって」
森の中から一糸纏わぬ姿の少女が出てくる。
その少女は線の細い印象を受けるが、その全身から生気が満ち溢れていた。
燃えるような深紅の髪、見つめるものを燃やしてしまいそうな赤の瞳、口紅をつけたかのような真っ赤な唇。
その全てが燃え盛る焔のようだった。
――竜、か
カイムはその少女をみて、独り言のように呟く。
「……この姿にはなりたくなかったが、動きまわるためにはしかたがなかったのでな」
そう言うと、少女の姿をした竜は裸のカイムに向かって歩いてくる。
そしてカイムのパンパンに張り詰めたイチモツを、その無垢な手で触れた。
「お主は少々体をいたわることを覚えたらどうなのだ」
そういうや否や、竜は手を上下に動かし、男根に刺激を与え始めた。
651名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 03:08:56 ID:qOE9vOfq
今日はこれまでです。

また続きを書きます。
652名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 08:51:17 ID:Dp6Kycsj
ぎゃ―――――――――― ゜∀ ゜キタ。
GJGJ激しく乙です!
653名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 09:59:28 ID:1jbFEB3D
喚起の咆哮&age!!!
朝から良い夢を有難う^^
654名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 10:54:02 ID:AuTPgz3M
おぉ!朝何気に見たらこんなに作品が!
乙です。続き待ってますよ!
655名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 11:10:59 ID:1iUJFQ+C
>>654
なんでメール欄に「名無しさん@ピンキー」って書いてんの?
どうせ書くなら半角で「sage」にしろよ

まあ、age荒らしに何言っても無駄かもしれんが
656名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 12:23:31 ID:AuTPgz3M
すまん。今までメール欄にいれればいいのかと思ってたんだ。
決してage荒ししようとしてた訳じゃ無いんでそれは分かってくれ。
で、この書き方でいいんだろうか・・・
それともう一つ、以前に投下した作品もageちゃってると思う。
そっちもすまんかった。
657名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 13:03:27 ID:XzGPEIE5
メール欄に、半角で「sage」って入れるんだよ。名前欄じゃなくてね。
「age」っていれるとageになるよ。

ワザとじゃないんなら、きっと許してくれるって。
でも、同じ間違い繰り返すと、また怒られちゃうかもな。
658名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 15:12:31 ID:Dp6Kycsj
>>656
死語かもしれんけど、ドンマイ^^ノシ
659名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 16:48:33 ID:XdvGr6V7
どのSSの続きも楽しみに待ってる
660名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 16:57:05 ID:1jbFEB3D
俺もだ……^^
661名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 19:06:02 ID:HmXudzpY
SS投下します。エリスちと変態。セエレが受け。苦手な方はスルーで。
662鬼娘 〜神官長の裏事情〜1:2005/10/18(火) 19:07:16 ID:HmXudzpY



「お願い、ぼくを嫌いにならないで!」



閉ざされた広い地下書庫に、悲痛に満ちたそれは響いた。

エリスは目を剥いてその声の主を凝視していた。

その先には、封印騎士団と言う大きな組織の頂点である、神官長の姿。
それは、大いなる威厳と神々しさに満ちた存在。

だが、一つ。

彼は、神々しいローブの隙間から、ある「モノ」を覗かせていたのだ。

エリスは最初、その「モノ」に呆気にとられていたが、やがて口の端をにやり、と持ち上げた。
歪んだ笑み。氷の微笑、とでも言ったものか。

「ここにおられて、何をしているのかと思ったら…ご自分を、慰めていらっしゃったとは」
セエレに少しずつ歩を近づけていくエリス。歪んだ笑みを含みながら。

「わたくし、はっきりとこの目で見てしまいましたわ。欲に駆られ、御自分の手でソレを…」

「エ、エリス!聞いて。これは…」

泣きそうな顔をしながら、“神官長”は弁明を始める。

ピシャリ。

エリスが、手にしていた騎士団の報告書を書庫に叩きつけ、その言葉を遮った。

「封印騎士団の頂点である貴方が、こんな事を地下書庫で行っていた、
  と皆が知ったらどうなるのかしら?」

ふふ、と含み笑いをエリスはする。
さぁっと、セエレの顔が青ざめてゆく。
663鬼娘 〜神官長の裏事情〜2:2005/10/18(火) 19:09:15 ID:HmXudzpY

「それにしても」
硬直しきったセエレに、エリスは更に歩み寄ってゆく。
そして、未だ露出され、徐々に硬さを失いかけて萎えていくソレの前に近づいた。

「これは随分と頼りのない『槍』ですね」

口元を歪めながら、エリスはからかう様に、セエレのソレをつん、とつつく。

「あっ…!」

「こうして、いつも書庫に閉じ篭っては、欲に耽っておられたのかしら?」

何もセエレは反論できない。それもそうだ。
彼は、神官長である。聖職者の頂点。

そして、時を失い身体は幼くとも、常に威厳に満ちた態度で居なければならない。
封印騎士団という大きな組織の、規律と秩序を守るために。

「ぼくは……」

「書物が好きで、暇さえあれば書物に埋もれるように過ごしていた、でもそれは仮の姿だった?」

エリスの中で、どす黒い感情が湧き上がる。
――虐めてみたい。神官長は24歳。性欲があっても無理はないわ…
664鬼娘 〜神官長の裏事情〜3:2005/10/18(火) 19:13:20 ID:HmXudzpY

「神官長殿。皆に言われたくないのなら、大人しくわたくしの言うことを聞いてくださらない?」
セエレの耳元で、エリスは囁いた。

ごくりとセエレの喉が動く。こんなことを皆の前で曝されてはならない。
暫くの沈黙の後、震える声が小さく呟かれた。

「……はい」

満足のゆく答えにエリスはにんまりと笑んだ。
そして、滑らせるようにセエレの萎えかけている欲棒に手を伸ばす。

「なっ、何をするのエリス?!」

「わたくし、こちらの『槍』の扱いにも慣れなければならないわ。そうでしょう?神官長殿?」

そう言うと、セエレの小さな欲棒を両手で包み、擦り出した。
しつこく、絡みつくように動く。
エリスの繊細な指の感触が、セエレを再びいきり立たせる。

「やめて、エリス…っ!ぼく、こんなこと望んじゃいない…!」

セエレが後ずさる。
しかし、エリスはそれを許そうとしなかった。
左手でセエレの低めの肩を掴み、右手でセエレの欲棒を愛撫し続ける。
程よい摩擦がセエレを刺激する。
眠っている、潜めていた性欲が身体の奥から目覚めていく。
誰にも触れられたことの無い、小さな雄の象徴。

「ぅっ…!やめて、お願いだから…」
セエレが眉を八の字にひそめ、エリスに懇願する。

「どうして?神官長はこれを楽しんでおられたのでしょう?わたくしが手伝ってさしあげるの」
歪んだ笑みがセエレを見下ろす。
ちゅく、ぬちゅ、と音が響きだす。エリスはぬめりに任せて、執拗なほどに責め立てた。

「うあっ!…んっ」
セエレが堪らずガクガクと膝を揺らす。もはや限界だった。
繊細な指が欲棒の頂を軽く捻ったときだった。

「あ、あぁぁ!」
びくりと欲棒が跳ね、透明な液が飛び散った。
何度もソレは跳ね、透明な液がエリスのドレスに付着する。
とろり、糸を引く。エリスの純白に妖しく光った。
エリスは指についたその とろみを手中で弄んだ。
665名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 19:15:13 ID:HmXudzpY
今回はここまで。次続きます。
666名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 19:18:05 ID:Dp6Kycsj
>>665
り、リアルタイムで読んでしまった…!
オアズケ辛ス………w
とにかくGJ、続き待ってますノシ
667名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 20:03:18 ID:Rd2zRWko
おおおっきしたお(*´Д`)'`ァ'`ァ
668名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 23:18:13 ID:HmXudzpY
キリがいいので続きを投下します。エリスが女王様気味に注意…
669鬼娘 〜神官長の裏事情〜4:2005/10/18(火) 23:19:08 ID:HmXudzpY

ぬちゃり、とエリスの細い指の間に、セエレが放った液が糸を引く。
それをエリスは高々と上げて見せた。

「どうでしたか?神官長殿。心地良かったのではないかしら?」

「はぁっ…はぁ……っ」

セエレは床に膝をつき、息を荒げていた。

「あら、余程良かったようね。言葉も出ないなんて」
エリスは屈みこんでセエレに己の指を差し出す。

「あなたの色欲で汚れてしまいましたわ。綺麗にしてくださらないと…困ります」

セエレはその言葉に顔を上げる。強張った顔だった。

「御自分の放ったものを、拭ってくださらない?御自分の、口で」

歪んだ笑みがセエレの顔に近づく。
そしてその金色の髪の間から覗いている耳に、軽く口づけた。
ぴくりと小さな肩が動く。
セエレは操られるかのように、エリスの指についた己の粘液を恐る恐る舐めとり始めた。

「…そう。それでいいですわ。もう結構です」

満足げにエリスはすっと立ち上がると、セエレの手を引き、彼を立たせた。

「これが今日の報告書です。今回のことは、内密にしておきます。では。」

くるりと踵を返し、エリスは扉へと進んでいく。
そして扉の前に立つと、意味ありげにセエレを振り返り、出て行った。
独り取り残されたセエレは、深い罪悪感と、どこか徳に背いた奇妙な感情に呆然と立ち尽くす。
先ほどの激しい快感の余韻が、彼の中にとぐろを巻いてこびり付いていた。
彼は、自分の身にこれから待ち受ける、彼女の黒い悪戯に気づく由もなかった。
670鬼娘 〜神官長の裏事情〜5:2005/10/18(火) 23:20:50 ID:HmXudzpY

数日後。

騎士団の雑務を終えたエリスは、報告書を片手に廊下を歩いていた。
向かう先は、神官長の間。
重々しい扉の前には、セエレ直属の神官が控えている。

「これはエリス殿。神官長に何か御用でも?」

「ええ、今回の報告書の確認をして頂きたくて」
神官に向けられる彼女の顔は、数日前の冷たさは無い。
むしろ、快活な笑顔だった。

「今、神官長殿は席を外されております。ご公務の会議が長引いておりまして。私が預かりましょうか?」

「いえ、直接伺わなければならない事があるの。書類に引用する書物に難解な部分があって」
実際、そんなことはなかった。彼女は聡明である。

「そうですか、では言づてを受けましょう。あと半時も経てば、お戻りになるはずですから」

「そうね、では、地下書庫に来て下さるように伝えてください。頼みましたわ」
そう告げるとエリスは颯爽とその場を去る。
全て計画通りだった。

長い廊下を渡りながら、彼女はくすり、と笑う。
しかし、誰もそれに気づく者はいない…。
671鬼娘 〜神官長の裏事情〜6:2005/10/18(火) 23:21:52 ID:HmXudzpY

一時間後。

セエレは神官からの伝言を聞き、地下書庫でエリスがくるのを待っていた。
地下書庫。彼にとってはほろ苦い思いのある場所となっていた。
自慰に耽っていた姿を目撃され、あまつさえエリスの手によってさらに快楽に溺れた。

――嫌な予感がするよ…気まずいな。

そう思っていたまさにその時。
地下書庫に向かって階段を降りる足音が響いてきた。
やがて、重い扉がぎぃ、と音をたて開かれる。
そして現れるは純白の女性、エリス。

彼女はつかつかと進んでくる。
セエレは思わず口を開いた。

「エリス、ぼくに用があると聞いたけど」

「ええ。報告書、見ていただきたくて」
エリスは先ほどの快活な笑みをセエレに向けた。

――よかった。確認にきたんだね…エリスも普段と変わらない。

セエレがほぅ、とため息を漏らす。
手渡された書類に、長椅子に腰掛け、ざっと目を通す。

「ああ、それと」
エリスが背後で声をあげる。

「神官長殿に、『槍』の稽古に付き合っていただこうと思って…」

その言葉にぎょっとしてセエレは振り返る。
見れば、またあの時のように、ゾクリとするような笑み。
672鬼娘 〜神官長の裏事情〜7:2005/10/18(火) 23:24:47 ID:HmXudzpY

「エリス…あのことは」

言いかけるセエレの言葉をエリスは遮った。

「内密にする、と申したでしょう?でも、わたくし、おさまらないの」
彼の座る長椅子の背に手をかけ、エリスは微笑む。
セエレの背筋に、ぞくぞくと何かが走った。

「わたくしと稽古を始めましょう、神官長殿?」

「いや、ちょっと待ってエリス!」
慌ててセエレは立ち上がり抗議しようとする。

「暴れないでください、手荒なマネはしたくないのですけれど。仕方ありませんね」
エリスは背後に隠していた縄を取り出した。
体の小さなセエレの力は、いとも簡単にエリスの腕で絡めとられる。

「わぁっ!エリス、本当に待って…」
エリスはセエレをねじ伏せると、後ろ手に彼の手を縄で縛った。
幾らもがいても、縄はきっちりと結わえられ、外れなかった。
エリスはセエレを長椅子にどさりと座らせる。

「もう、ここまできて暴れたりなさらないで」
神官長の証であるローブの前を、エリスは優しい手つきではだけさせた。
次いで、下の留め具に手をかけ、外していく。

――ああ、ぼくはまた、色欲に負けてしまうのか…

セエレは目を瞑り、天井を仰ぐ。
華奢なエリスの指が、いまだ反応していない雄の象徴をとらえる。
下穿きの上から撫で上げられ、その主は息を漏らす。
徐々に欲が昂ぶり、象徴が頭をもたげ始める。

「ふふ……」
その雄の反応をエリスは歪んだ笑みで楽しんだ。
撫で、擦れば擦るほど、硬く張り詰めてゆく。

「窮屈ではありませんか?」
じらすように張り詰める欲棒をなぞられ、セエレは身を反らす。
エリスは可愛がるように一撫でし、下穿きを退けてやった。
解放された欲棒が、天を衝いている。
673鬼娘 〜神官長の裏事情〜8:2005/10/18(火) 23:27:23 ID:HmXudzpY

じかにエリスが触れてくる。
ああ、とセエレは堪らず声をあげた。
乾いた擦れる音だけが、深い地下書庫内に響く。
徐々に快楽の芽を開き始めた欲棒が、刺激を前に涎を垂らし始める。

「ん。エリス、もう…」
息が上がり始めたセエレを尻目に、手の動きを早めるエリス。
しかし、ここぞ、という時を巧みに読み取り、徐々に緩急をつけ扱き上げる。
耐えられないのか、意気を荒げてセエレは膝を揺らした。
それに合わせて、金色の髪が揺れ、耳の後ろの飾りが震える。

――楽しい。わたくしの手の中で、神官長が乱れているわ。

セエレが目を開き、身をよじる。

「ふふ、神官長殿の『槍』は、まだ稽古が足りていないようね」

絶頂の波の手前で、セエレの欲棒から刺激が不意に離れた。冷たい笑みがその欲棒を見つめる。

「くはっ…」
快楽に溺れた欲棒が、涎をだらだらと垂らす。

「これくらいで、音を上げられては困りますわ。もう少し付き合ってくださらないと」
エリスはそう言うと、セエレの足元に屈みこんだ。
目の前に、涎をだらしなく垂らしている欲棒がある。

ちゅく。

「うっ…!!」
びくん、とセエレの体が跳ねた。
674鬼娘 〜神官長の裏事情〜9:2005/10/18(火) 23:29:13 ID:HmXudzpY

くぐもった水音が書庫内に響き渡る。淫靡な音。

ちゅぷ くちゅ じゅぷ

セエレの欲棒はもはやエリスの口内におさめれていた。
一般の成人男性よりも、いくら膨張しているとはいえ、大きさは小さかった。
それ故、容易にエリスは口に含むことが出来る。

「はっ、エリス、やめてっ…!」

熱く、舌がねっとりと絡んでくる。
セエレが後ろに仰け反り、強すぎる刺激から逃れようとする。
縛られた腕がみしみしと食い込んだ。
その様子をちらと見ると、あっさりとエリスは口をはなした。

「そう。ならば、やめましょう」
エリスの口の端がぬらりと一筋光る。

解放された熱膨張と化した欲棒の塊が、刺激を求めてビクビクとわなないている。

「淫らですわ、本当は欲しいのでしょう?こんなに動いて」
セエレは苦しげに呻く。もう少し、あと少しで絶頂だった。
それを渇望するが、彼の理性が僅かだけ抑え込んでいた。神官長としての。
彼女の口の中で果てることだけは、できないと。

焦らすように、わざと触れるか触れないかのところをエリスの指が動く。
少しだけ、先端に触れた。走る電流。
勝手に体が刺激を欲しいと、無意識にセエレの腰が浮く。

「やはり淫らですわ。欲しいのなら、わたくしが楽にさせてあげましょう。どうなのですか?」

「……」

「どちらですか?はっきりしてちょうだい、神官長」

やや間が空く。

「エリス、縄を解いて。お願い、もう楽にさせて……」
675名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 23:31:59 ID:HmXudzpY
今日はここまで。次回、最終に入ります。
ちょっとエリスがアレですが…
676夜空に約束 Act.4「夜空に誓え」:2005/10/19(水) 01:24:31 ID:XAE6POAz
カイムの性器に竜は愛撫をする。
その擦り方は、とてももどかしく射精したくてもさせてくれない、そんな愛撫だ。
そんなカイムの心境が分かっているのか、竜はその美しい顔を真っ赤に紅葉させ無邪気な笑みを浮かべる。
――竜……やめろ
「今さら何を言うか。我に扱かれるのが堪らないのであろう。こんな醜い肉の棒をこんなにまでしておるくせに」
ぐっと、カイムの性器を握る手に力を込める。
竜の体が人間の幼女と同じになろうと、その力は紛れもなく竜のときのソレだった。
――……
竜の言うことが図星だからなのか、カイムはそれっきり何も竜に語りかけず、竜もなにも話さなかった。
泉の周りにいつのまにかでえていた濃霧は、発生したときと同じようにいつのまにか霧散していた。
しかし行為に没頭している二人は、その事にまったく気付いていなかった。
カイムの性器を擦る、竜の手の動きがさらに早くなっていく。
竜はその頬をほんのりと染めている。
だがどこか、陰りがあった。
一方カイムはというと、竜になすがままにされていると言った感じだが、今にも竜を押し倒してしまいそうな雰囲気はあった。
すると唐突に竜が俯き、真剣な声で言った。
「カイム……聴け」

――どうした

「我はもう長くは持ちそうにない……」

――……どういうことだ

「帝国の蛆虫どもの槍に毒が塗ってあったようでな……」

――……

カイムは俯いて顔を見せない竜にたずねた。

「すまぬ……すまぬ……お主を助けてやりたかった……しかし今は足手まといになっておる。我が死ねばおぬしも……」

――竜……

それっきり二人は一言も交わさない。
ただカイムの表情は諦め、というよりも安堵に近いように見える。
また森に静けさが戻ってくる。
しかし不気味さはない。
ただゆっくりと時間が過ぎていく。
水が流れる音。
鳥の羽ばたく音。
木々がさざめく音。
すべてが二人を包んでいく。
677夜空に約束 Act.4「夜空に誓え」:2005/10/19(水) 01:25:03 ID:XAE6POAz
「一度しか云わぬ……」

――……

「我が名は……アンヘル」

――アンヘル……

「人間に名前を語るのはこれが最初で最後だ……光栄に思うがいい」
アンヘルはカイムに抱きつき、その名を告げた。
その腹にはぱっくりと口が開いており、そこから血が止めどなく溢れていた。
カイムの腹にその生暖かい鮮血がかかる。
アンヘルの顔にもはや血の気がない。
「最後に……抱いてはくれぬか」

――ああ

最後、というアンヘルの言葉がカイムの脳裏に焼きついて離れなかったが、ゆっくりとアンヘルの体を地面に倒す。
倒されたアンヘルは、両手をカイムに向けて広げ、誘う。
アンヘルの膣にカイムが目をやると、アンヘルは少々戸惑いながらも、云った。
「早くせんか……」
そういうアンヘルの膣は、腹からあふれ出す血で濡れていた。
しかし血が潤滑剤の代わりをしているものの、膣口はカイムの男性器にくらべ、あきらかに小さかった。
――これではアンヘル、お前が……

「今更そんなことを心配するな」

――……
アンヘルはそう言うと、自分の手で膣口を広げてみせる。
だがその動作は緩慢である。
それを見ていたカイムは躊躇うことなく、男性器をアンヘルの小さな膣口へとねじ込んでいく。
微かに血の温かさが感じられる。
初めて挿入されたアンヘルは腹の傷とは別の新たな痛みに、耐えているようだった。
その顔にもう血の気はなく、全身からあふれ出していた生気はいまや見る影もない。
時間がないことを改めて思い知らされたカイムは、腰の動きを少しずつ早めていく。
「か、カイム……」
絡み付いてくるような膣壁によって、今まで刺激を加えられていたカイムの男性器に熱いものがこみ上げてくる感覚があった。
アンヘルは甘い吐息を吐きながら、息を荒げていた。
この瞬間にも倒れてしまうんではないか、と思わせるほどである。
膣口からあふれ出す、愛液は腹から流れ出ていた血でわからなくなっている。
そしてカイムは絶頂を向かえ、男性器の先から精液をアンヘルの膣内にぶちまける。
678夜空に約束 Act.4「夜空に誓え」:2005/10/19(水) 01:26:01 ID:XAE6POAz
「……カイム」

――なんだ

「我と共に最後まで居てくれて礼を言うぞ……」

――今更なにを……

そっと、男性器を狭い膣から抜くと、急に開放感に襲われる。
そして直ぐ後に、白い液が膣からあふれ出してくる。
だがすぐに血と共に流れてしまい、分からなくなる。
まるでこれからの二人を暗示しているようであった。

「我を……最後のその一瞬まで、忘れないで……くれ」

――……アンヘル

「戯言、だ」

――……ああ、月に誓おう

「月に……か、中々ロマンティストなのだな……カイム」

そう言ってアンヘルは動かなくなってしまう。
だが、まだカイムは生きている。
契約者は片方が死ねば、もう片方も死ぬ、と言っていた。
ということは、アンヘルはまだ生きていて、自分もまだ生きている。
そういうことである。
しかしもって数十分であろうと、カイムは悟っていた。
その時、カイムの目に自分の衣類と袋を見つける。
――……
そして何を思ったか、突然立ち上がり袋に飛びつき、中をあさる。
すると、中に薬と針と糸が入ってある。
再び立ち上がり、アンヘルの元へと駆けつける。
針に糸を通し、それでぱっくりと口を開けた患部を縫っていく。
アンヘルが竜の姿の時、患部を縫えなかったのは、糸が足りなかったのと鎮痛剤が効くかどうか分からなかったからだ。
そして今は体が人間の子供の姿になっているのである。
鎮痛剤は人間の大人の分量を与えれば効くだろう、竜の時は効いたのだから。
ダメだったとしても、せめて痛みを感じなくてもすむ。
致死量の血を流しておきながらも、死なないのは奇跡といえた。
そして患部の縫い合わせが終わり、鎮痛剤を飲ませ後は祈るしかなかった。
カイムは普段から祈ることなど絶対にしなかい。
戦場で頼りになるのは神でも、ましてや味方などでもなかったからだ。
自分の力、それだけだった。
だが今はアンヘルという、自分の片割れがいる。
妹であるフリアエを忘れ、アンヘルと共に居たいと思えるほどである。
彼女が助かるのであれば、今のカイムは奇跡がおきる事を切に願い、瞼を閉じた。
679夜空に約束 Act.4「夜空に誓え」:2005/10/19(水) 01:28:03 ID:XAE6POAz
――数日後
「カイム……何故我は戻れぬ……」
――知るか
不気味な森に陽気な声がこだましていた。
太陽が差し込む昼間であれ、この森は暗く沈んでおり、人の進入を拒んでいるようである。
実際、近隣の村のものはこの森を恐れ、近づかないのだが。
そしてそんな森の中、木の葉を敷き詰めた上に寝かされた少女が、怒鳴りちらしていた。
「何故我が竜の姿に戻れぬのか、ときいておるのだ。答えぬかカイム」
頬をぷくっと膨らませ、カイムに向けて文句を言っている。
ご立腹である。
ただ竜の時と違い、気迫もなく、ただ少女がだだをこねているようにしかみえない。
――知らん。第一に助けてやったのだわびの一つでもいれたらどうなんだ
あの後、アンヘルは脅威的な回復力をカイムに見せつけ、怒鳴り散らすことも出来るほど傷も治癒していた。
ただ、血が足りないせいか、ろくに動くことも出来ず、こうして寝かされている。
そして一番の問題なのが、本来の姿、竜の姿にもどれないという事態に陥っていた。
「五月蝿い。この姿では虫けら共と同じではないか……」
――……
口では文句を垂れてはいるが、本心では感謝もしているのだろう。
が、
「……時にカイム」
――ん
「何故上半身丸出しなのだ」
――貴様……俺の服をお前にかけてやっているのだろうが、そしてそのせいで俺は風邪を……
「……この服か。臭いが」
カイムは傍に置いていた剣を拾い上げ、静かに立ち上がる。
そしてアンヘルへと近づいてゆき、抜刀した。
「ちょっと待て、カイム、ちょっ」
ぐさ。

The END
680名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 01:29:33 ID:XAE6POAz
夜空に約束終了です。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
681名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 04:49:52 ID:RPXbQcEO
夢か…?
俺は夢を見ているのか…?

昨日今日と、DOD愛に満たされた小説を拝めるなんて……!
カイアン、最後の5行にしばし呆然となったwGJ!
またもオアズケ食らわされたセエリも楽しみッス^^
682名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 04:50:35 ID:RPXbQcEO
夢か…?
俺は夢を見ているのか…?

昨日今日と、DOD愛に満たされた小説を拝めるなんて……!
カイアン、最後の5行にしばし呆然となったwGJ!
またもオアズケ食らわされたセエリも楽しみッス^^

今夜も良い夢を見られそうだ
683名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 10:04:16 ID:yhjl3KwL
乙!
エリスセエレもイイ(・∀・)!!
モエス…いうかエリスが技ウマス…w
是非続きキボンヌ!マッテルヨー
684名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 12:26:19 ID:SKu+cGmD
GJ〜(*´Д`)ハアン
エリスは攻めても攻められてもいいなあ。
わたくし口調がたまらん。
685名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 13:19:06 ID:MYJ1qiAa
今まで萌えは女キャラオンリーだったが、セエレたんに目覚めそう
オナ兄さんに弟子入り
686名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 15:46:04 ID:13pRVa3x
このスレのおかげで擬人化ナシでドラゴン萌えになった俺よりマシ。
687名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 18:08:52 ID:C+MB/m7P
>686
もともと擬人化ナシでドラゴン萌えな俺は
いったいどうすれば
688名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 18:45:07 ID:Z6U4Rtsw
寧ろドラゴンこそ至上にして究極の萌えだと信じて疑っていない。

擬人化も大好きだがな。
689名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 20:40:22 ID:Ze7NF/oi
ラララララ、ララ、保管庫の更新!交信!口唇!

マジでアンヘル(もちドラゴン)にムラムラして抜いちゃったんだが、DODスレ的には可なんだよな?
アンヘルたんスレでも流石にきけなくて
690名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 02:22:11 ID:90oeZjjA
>>689
( ゚Д´)<………
691名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 02:25:03 ID:n9E69+bQ
>>689
大丈夫。俺もだから。
692名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 10:07:06 ID:/H+edsMR
>>690
ついにここまで追ってきたか。
693名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 13:14:03 ID:jbJAhioz
滅多切りにされる>>689の姿が見える。
694名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 12:31:26 ID:vb1DIQqQ
SS投下します。前回のエリスセエレの完結。
695鬼娘 〜神官長の裏事情〜10:2005/10/21(金) 12:32:42 ID:vb1DIQqQ

懇願するセエレの望みの一つ。
エリスは縄を解いてやった。
責められていた間、随分ともがいたのか、腕にくっきりと縄の絞め跡が残っている。
欲棒はその間もピクピクと小刻みに揺れていた。

「……神官長殿?」

その縄の跡を指でなぞりながら、エリスが口を開いた。

「な、何?エリス…」

「先ほど、わたくしが言ったこと、覚えてらっしゃるでしょう?」

セエレは困惑した。今度は一体なんと言うのか。

「わたくし、おさまらないの。神官長殿だけでは、不公平だわ」

そう言うと、エリスは身につけていた甲冑を外し始める。
よく見れば、彼女の頬はうっすらと上気していた。

――まさか……! エリスは…

彼は目を疑った。セエレの目の前で、エリスは下穿きをも落としたのだ。
セエレの座る長椅子に、エリスも腰掛け、行儀よく正座の形をとる。頬を上気させたまま。

「貴方ばかり、感じられては稽古にならないでしょう…?セエレ殿」
この時、初めて彼女の口から名前で呼ばれたことに、その名の主は気づいた。
一線を越えてしまう、そんな予感が彼の中で漂う。

体勢を崩し、エリスは純白のドレスをたくし上げる。
セエレは、心の中でいけない、と思いつつも、目がそっちへと勝手に向ってしまう。
エリスの淡い茂みに目が張り付いたように動かない。

「さぁ、わたくしに触れてください…わたくしが、あなたにしたように……」

「でも……こんなことは、いけないよ…ぼくは」
身体の中で渦巻く性欲と、セエレは必死に抗う。
696鬼娘 〜神官長の裏事情〜11:2005/10/21(金) 12:33:20 ID:vb1DIQqQ

「稽古は二人でするものです。それに、わたくしは…もう耐えられないの! セエレ殿…」
なかなか触れようとしないセエレに痺れを切らし、エリスがその手を掴む。

淡い茂みの中に、震える彼の手が浅く入り込んだ。

――熱い。なんて熱いんだろう。それに……

茂みの奥が、潤んでいた。
エリスは、セエレを責めることで、自分自身も昂ぶっていたのである。

セエレの手が動く。目の前にした女性に、もう理性では抑制できなかった。
指の先に、何か粒のようなものがあたる。

「くっ……セエレ殿、そこを」
頬を染めながらエリスが刺激を催促する。

セエレがその茂みの奥とエリスの顔を、なんども見比べた。
やがて、傷つけないように、そろそろと指を動かし始める。
自分がされたように、優しく。
興味を覚えたセエレは、その濡れる肉の粒をそっとつまんでみた。
ぴくん、とエリスが反応する。

――ここがいいのか…

徐々に息を荒げ始めたエリスに、セエレは更に刺激を与え続けた。
くるくると粒の周りを撫でて回し、指でそっとつまんでは擦る。

「んっ…!」
エリスが目をきゅっと瞑る。

「ごめん、痛かった…?」

「いえ。と、とても……ああ、わたくし」
目を潤ませたエリスがセエレを長椅子に押し倒す。

「もう……」
肩を押さえられ、セエレは戸惑った。一線を越えてしまう。
697鬼娘 〜神官長の裏事情〜12:2005/10/21(金) 12:33:53 ID:vb1DIQqQ

「エリス……」
もうそれ以上声が出ない。胸の奥で心臓が早鐘を打ち出していた。

エリスは横たえたセエレの下半身へと身体を運んでゆく。
彼の欲棒がいまだ天を衝いており、その様がなんとも淫猥だった。
セエレの足元に寝そべり、いきり立つ欲棒を、エリスはまたも焦らすように軽く撫でる。

「セエレ殿、かまわないでしょう?あなただって、欲しいはずだわ」

――ああ、欲しいよ。ぼくは淫らだ……

身じろぎ一つしないセエレに、エリスが身体を浮かせた。
セエレの腰の上に自分の身体を持ってゆき、己の花弁を指でくぱり、と割り開く。

「…は、ぁ…」

エリスが少しずつ欲棒の上に腰を落としてゆく。
熱く潤んだ肉壁に、限界までたぎった欲棒が呑み込まれた。
セエレのソレは幾ら膨張して体積を増しているとはいえ、そう大きくはなかった。
そのため、エリスも容易にその雄を受け入れることができたのだ。

「…エリス、熱い、溶けてしまいそうだよ……」

絡みつく肉壁が、セエレに未知の快感を与える。
ぎし、と長椅子が軋んだ。

「んっ!……ふっ」

エリスが激しく腰を前後に揺する。
セエレの欲棒が足りず、欲しいところまで届かない。あとちょっと、と言うところで。
欲しい摩擦を得るために、セエレに跨る身体を僅かに前傾させる。
片手は長椅子につき、もう一方はセエレの肩に置く。

くちゅ、じゅぷ、と水音が書庫内に響き始めた。
己の中でセエレを感じることができない事を悟ったエリスは、一番敏感な突起を彼の恥骨に擦り付ける。
軋む音が徐々に徐々にと、激しさを増してゆく。
エリスが動くたび、熱い肉がセエレを締め付け、絡みつき、責めたてる。
698鬼娘 〜神官長の裏事情〜13:2005/10/21(金) 12:34:30 ID:vb1DIQqQ

「…っ、セエレ、殿。いかが、でしょ…―――んっ」
エリスの背筋にも、ゾクゾクと快感が這い上がってくる。
堪らず、さらに腰を揺さぶり始めた。

セエレも激しいエリスの動きに顔を歪め、悶えた。
目の前で彼女の整った胸が揺れている。その様がまだ彼の内に眠る性欲の興奮を掻き乱した。
ただ、されるがままだったセエレがエリスの腰に手を回す。

「くっ、もっと…もっと動いて!」
限界の際まで昇り詰めたセエレが、快感を貪りたいと腰を突き上げ始める。

「やっ、ちょっと……んぁ、ぁっ」
下からの突き上げる刺激にエリスが喘ぎだす。彼女もまた限界に近かった。
苦しげに喘ぐエリスの口端から、ひとすじ唾液が流れでる。

グチグチと水音が淫靡さを増し、静かな書庫内で響くそれが引き金に、互いの快感を高めてゆく。
二人の息が、乱れる。
もう耐えられないといった様に、セエレが腰の動きを早めた。

「…ぐ、…くぁっ……!」
エリスの中で、欲棒が激しく跳ねあがり、待ち焦がれた熱い飛沫を解き放った。
狂おしい程の快感の渦に、セエレは呑み込まれる。
荒く乱れるセエレの息遣い。

満足そうにそれをエリスは見届ける。
そして、先に果ててしまったセエレを尻目に、己も快楽を得んと腰を激しく揺すり、擦りつける。
いまだに残る激しい快楽の余韻に、セエレは目を閉じながらエリスの身体を支えた。

セエレの放った飛沫で水音はさらに、淫らに、激しくなり響く。
激しく擦れる肉の突起が、熱く、エリスの身体を支配した。

「んんっ、くっ……もうっ…んあぁあっ!」

エリスの動きが止まる。と同時に、咥え込まれたままのセエレがその肉壁にぎゅうぎゅうと締め付けられた。
その熱い刺激にセエレが僅かに呻く。

――凄い。もうぼくは、虜だ……離れられない。忘れられない。
699鬼娘 〜神官長の裏事情〜14:2005/10/21(金) 12:35:22 ID:vb1DIQqQ

行為後。

乱れたドレスを整え、何事も無かったかのように甲冑をエリスは身につけ始める。
セエレは、それを長椅子にうっとりと眺めていた。
エリスが振り返り、セエレを見つめる。
彼には、先ほどの性欲に溺れていた姿はもう無い。
くすりと笑うエリスに、セエレは首を傾げた。

「神官長殿?本当はわたくし、あなたのことを皆に曝すようなことなど、当から考えていなかったの」

「え?」

「ただ、あなたの御自分を慰めておられる姿をみて、わたくし、あなたのことを…」
顔を少し赤らめるエリス。

「そうだったのか……」
セエレがちょっと照れたように、首の後ろをさする。
最後の甲冑の留め具をカチリとつけ終えると、エリスが恥ずかしげに口を開いた。

「ときどき、わたくしと『槍』の稽古に、付き合ってくださいますか?」

その言葉にセエレが苦笑する。

「わ、わ、私の言うことを大人しく聞いてと、先に申したでしょう?!」

頬を染めながらエリスが早口で言う。
セエレはその様子ににこりと笑った。

「分かったよ、君が望むなら……エリス、だからもう虐めないで」

――ぼくはもう、君から離れられそうも無いよ…




こうして、その夜エリスは神官長との特別な『稽古』をつけた。
この日以来、神官長は甚く彼女を寵愛するようになる。
その後、神官長じきじきにエリスの準級騎士へとの昇格が発表され、騎士団もそれを受け入れた。

こうしてエリスは、準級騎士へとの昇格を果たしたのである。

その快進撃が、後に「鬼娘」の異名の謂れとなったのだ。



凛とした声を高らかに、純白に包まれたエリスが今日も突き進む。

「エリス準急騎士、参ります!!」


                     (了)
700名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 12:38:40 ID:vb1DIQqQ
以上。でもアイタタなのをハケーン…最後の「準級騎士」が「準急騎士」になってる。
うあああ…('A`;)
701名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 13:08:52 ID:ynpjsHNb
>>700
GJ!GJ!よかったよー(*´д`*)ハァハァ
最後のエリスはテラカワイス。

変換ミスなんて気にしない気にしない。
702名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 15:30:12 ID:dPYRa6AE
なにこの萌えSS

GJ!!!!!
703名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 16:32:12 ID:b/6ZNirY
メラモエス
エリスとセエレって合うなー
704名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 21:04:14 ID:6KlH/6F1
GJ!
ガキンチョ二人のはずなのに、どことのう大人の情事テイストなのがおもしろい!
あ、セエレは大人か。
705名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 16:04:01 ID:y4QCySAj
いい匂いがする…
706卑屈の赤 嫉妬の鬼 その5:2005/10/23(日) 01:12:05 ID:HkybC39i
その1・2>>603-604
その3・4>>626-627
ハンチとノウェが神水の直轄区へ向かった後…
エリスはノウェの部屋に訪れた。
(朝の会議が思ったより長引いてしまいました…)
「さあ、ノウェ、昨日の約束どおり特訓します!」
勢いよく部屋の扉を開ける。しかしそこには誰も居なかった。
「………ん?」
部屋のテーブルの上に書置きがあった。エリスはそれを手に取り封を開けた。

〜エリスさんへ〜
 ノウェ殿は私の任務のお手伝いに借りていきますよぅ。
この任務を経て、騎士として男としてノウェ殿が
「大人」に成長する事を期待して待っていてくださぁい。
  ハンチ
P.S素直になれない人は大変ですねぇ、うへへへへ。

手紙は音を立てて引き裂かれた。
「あの女…!!」
「ノウェはおるか!」
突然、ノウェの部屋の扉が大きな音を立てて開かれた。中に入ってきたのは顔中に包帯を巻いた男―ジスモアだった。
「エリス、なぜお前がノウェの部屋におるのだ!ノウェの奴はどこだ!余のシブカッコいい顔をこんなにした罪を償わせてやるわ!エリス!ノウェは…」
ジスモアが怒鳴り散らしているとエリスはゆっくりとジスモアの方に振り向いた。そしてそのエリスの顔を見てジスモアは戦慄した。
かつてジスモアは諸外国の親善活動でオローとともに遥か東方の国へ向かった事があった。
その地での特産品の一つに鬼女の顔を模した「般若」と呼ばれるおそろしい顔をしたお面がある。
エリスの今の顔は、まさにそのお面のようであった。
「うるさい!」
一瞬の出来事だった。
恐るべき速さで突き出されたエリスの拳はジスモアの腹に打ち込まれ、ジスモアは悲鳴を上げる間もなくその体は扉を突き破り、部屋前の通路の窓をも破り中庭へと吹っ飛ばされた。
「許さない…!!!」
某国の虐殺王子ですら尻尾を巻いて逃げ出してしまうような殺気を放ちつつ、エリスは部屋から出て行った。
707卑屈の赤 嫉妬の鬼 その6:2005/10/23(日) 01:14:11 ID:HkybC39i
そんなことは露知らず、ノウェとハンチは神水の直轄区へと着いたのであった。
「着いたピ……ぞ」
ノウェはケルピーの背中から降りると、背中を手でさすった。
「あれぇ?ノウェ殿、背中が変な形に濡れていますねぇ?」
ノウェの服の背中は両肩甲骨あたりが丸い形に濡れていた。
「それは、ハンチ連隊長がその…」
ケルピーの背に乗って移動している間、落ちたら危ないとハンチはずっとノウェの背中にくっついたままでいた。ノウェの背中の奇妙な濡れ方はその際に押し付けられたハンチの胸のせいである。
「うへへ、ごめんなさいねぇ、押し付けられるのでしたら、私なんかよりエリス殿の方がやっぱりいいですよねぇ。ええ、ええ、分かってますよぅ」
「な…エリスは関係ないでしょう!それより任務は?」
「ああ、忘れていましたぁ。そんな理由でしたねぇ。」
「え?」
「いえいえいえ、何でもありませんよぅ。それじゃあ、早速イキましょうかぁ」(うへへへ、照れちゃって。もうちょっとからかってみましょうか)

ゴブリンシャーマンが現われた!
「早くてちっちゃいなんて、最悪ですよぅ」
「……………」

更に敵の増援が現われた!
「ひゃ〜、いっぱい出しすぎですよぅ、少しは我慢してくださぁい」
「……………」

オーガが現われた!
「あぁん、あんなに硬くて大きくて太いもので攻められたら私逝っちゃいますよぅ」
「……………ハンチ連隊長」
「なんですかぁ?」
「……いえ…何でもありません」
708名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 01:20:48 ID:HkybC39i
お待たせしました。卑屈の〜続きです。
過去にハンチさんスレで投下したネタを一部使用しました。
このSSの元にしたものです。
709名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 01:23:38 ID:hQhjAzw8
リアルで読んでた!ワロスGJ!!
面白いな、ハンチさんって
710名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 01:36:43 ID:tjQbzhOu
>「着いたピ……ぞ」
ワロス

さすがハンチさんスレ住人だけあって、ハンチさんの喋り方かわいいぜ(*´Д`)モエモエ
711名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 04:23:12 ID:fbDT82ev
自称シブカッコイイ団長閣下最高w
712名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 16:51:24 ID:3ebl4wiq
ジスモアのやられっぷりにGJ!!
713名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 22:23:52 ID:Ia2K5vm0
SS投下します。カイマナ道中ネタ。シリアスで
714雨に打たれて1:2005/10/23(日) 22:25:42 ID:Ia2K5vm0

(お前はここに居ろ、必ず戻ってくる!)

冷たい岩窟の床の上でぐったりと横たわるマナに、声の主が羽織っていた外套をかけてやる。
旅の最中、マナが高熱に侵されたのである。
カイムは解熱の効果がある薬草をと、嵐の中へと身を投げ出した。

「待って……いやだ、カイム…」

しかし、厳しく打ちつける雨音と風を前に、彼女の弱々しい声は虚しくも掻き消される。


轟々と風が響き、雨が痛いほどに打ち付けていた。

幾多もの戦乱の中をかいくぐって来たカイムは、薬草の知識を備えている。

森の奥、泉のほとりに淡く瑠璃色の花を咲かせる植物。
解熱と、体を温める効果が期待できる、薬草。
だがしかし、それは数多く存在するものではない。

まして、この嵐の中、探すのは困難であった。

(それでも、必ず…)

バシャバシャと地面を蹴る。もはや濡れ鼠だ。だが構わずカイムは周りを見渡す。
雨で視界が悪い。が、目を細めた先。

遠く、大木の向こうに小さな泉がちらと見えた。

一瞬、彼の中で一筋の光が射したように目が輝いた。

(あそこなら…!)

カイムが走りだす。
715雨に打たれて2:2005/10/23(日) 22:27:13 ID:Ia2K5vm0

雨で足元がもたつき、憎い程もどかしく思えた。
大木の波打つ根を飛び越え、やっとの思いで辿り着く。

周囲には一面、標的外の草木が生い茂っていた。

(どこだ、どこにある!)
カイムは夢中で雨に濡れた雑多の草を掻き分ける。
何度も小さな泉の周りを這い回って探した。

……見つからない。いくら探しても。

カイムの胸の奥に悔恨の念が湧き上がる。

(もっと、早くに俺が気づいていれば…)


あれは、2日前だった。
マナの様子がおかしかったのは。
ふと見れば顔をしかめ、握る手は冷たく冷え切っていた。

今朝、眠りから覚めた彼女が、確かにこめかみを押さえていたのをカイムは見ていた。
だが、マナは一言も、何もこぼさなかった。
恐らく、耐えていたのだろう。
彼女の微々たる変化を目の当たりにしながらに、体の不具の兆候を見逃していたのだ。

(くそっ…!)

カイムは地を叩きつけた。
716雨に打たれて3:2005/10/23(日) 22:27:48 ID:Ia2K5vm0

無情にも、嵐は静まらない。
打ち据えられたように地に膝をついていたカイムは、再び瑠璃色の花を探し始める。

こうしている間にも、マナはきっと苦しんでいるだろうに。
カイムの脳裏に、独り残してきたマナの苦しげな顔が浮かぶ。

―――――

一方。

雨をしのぐ岩窟とはいえど、風が吹き込んでくる。
高熱に侵された身の上のマナにとっては、それが身に堪えた。
カイムが掛けてくれた彼の外套をぎゅっと握り締める。

独りが、とても心細かった。

頭が酷く重く、息が苦しい。追い討ちをかけるように、孤独感がじわじわとマナを蝕む。
彼は、必ず戻ってくる、と言った。
嵐の中、身を翻して走って行ったカイム。

――辛い、苦しい。助けて、カイム…。

マナは、知らずの内に彼を求めた。

ふらつく足を踏みしめ、マナはよろめきながら岩窟の外に出る。カイムの外套を残して。

「カイム……どこ…?」

おぼつかない足取りで、マナは彷徨った。
どれくらい歩いただろうか。
頭が、痛い。割れそうなほどに。

どしゃり。

その小さな体が、地面に崩れ伏した。

「置いてかないで。独りは、いや……こわ、い」

もはや、彼女のその華奢な体に、身を起こす余力は残っていなかった。
高熱の苦しみと、孤独が彼女の涙を誘う。

残酷なまでに冷たい雨が、彼女を打ち続け、涙と雨が混ざって地に流れてゆく。
冷たい雨と豪雨の中に呑み込まれるように、少女の意識は朦朧と遠のいていった。
717名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 22:29:47 ID:Ia2K5vm0
今回はここまで。今のところエロ路線なし。次回続きます!
718名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 00:31:17 ID:/dlhHnp0
SS投下します。
続き物です。
今回の最後にちゃんとやらせます。
カイアン。
719血と花と処女 Act.1「迷子」:2005/10/24(月) 00:33:59 ID:/dlhHnp0
その日、村には霧が出ていた。

人気のない裏路地を、一人かける少女がいる。
少女は息を荒げ、濃霧のせいで一寸先も見えない裏路地を表通りに向けて走った。
暫くはしると、街頭らしき場所の下に、裏路地に人のシルエットが見えた。
この夜更けに、しかもこんな裏路地に人がいるということはチンピラか賞金稼ぎかのどちらかだろう。
少女はそこを通るかどうかで迷ったが、引き返す暇もなかったので走り抜けることにした。
人の前を通り過ぎようとした、その時少女は腕を掴まれた。
「オイ、嬢ちゃん。俺様の前を通りたいなら金を払いな」
少女の腕を掴んだ手は無骨で、声はオッサン口調、そして酒臭かった。
少女はその手を必死に振りほどこうとするが、男はびくともしない。
「は、放してください」
「いやだね、金を払ったら通してやらねえこともねえが、金がねえなら……体で払えや」
少女の顔は青ざめ、よりいっそう腕を振り、男の手を放そうとした。
しかし男の手はびくともしないどころか、よりいっそう力を込めてくる。
「いいじゃねえか。ほれ、コッチ来い」
そう言って男は少女を自分のほうへと引っ張り、抱き寄せる。
引き寄せられた少女は、男にきつく抱きしめられた。
「い、いやぁ――」
「そう騒ぐなって、直ぐ俺――」
男の首から上がなくなっている。
血が噴出す。
噴水の如く勢いで血は止めどなく、空に向かって噴く。
血は雨になり、少女の服を、肌を、髪を、瞳を赤く、紅く染めていく。
血が、血が、血が。
肉が、肉が、肉が。
微塵切りにされた人肉が、雹のように降り注ぐ。
あたりは文字通り、血の海になっていた。
「あ……あ……」
少女は今にも消えそうな燃料街灯の今にも消えてしまいそうなほど、弱弱しい光の下、嘔吐した。
真っ赤な水に、黄色い物体も液体も混ざった汚物がぶちまけられる。
そして下からは小便を垂れ流し、外気との差で湯気が立っていた。
その光景を眺めるのが、男を殺し、少女を追い掛け回した、若い男だった。
「……お嬢さん、逃げてはいけません。もし逃げられていたら、今宵は寂しい夜になるところでした」
そういって若い男は少女を抱きかかえ、暗闇へと消えていった。
720血と花と処女 Act.1「迷子」:2005/10/24(月) 00:34:41 ID:/dlhHnp0
――深い森
その日、深い森には濃霧が立ち込めていた。
この森には決して近隣の村のものは近づこうとはしない。
そしてその森に身を潜めているものがいても、誰も気付かないだろう。
カイムと、アンヘルは傷ついた身を休めるため、その森で羽を休めていた。
が、アンヘルはカイムを助けるために、人の姿を借りカイムを水中につれていき、喰らおうとしていた水棲馬を退けさした。
そしてアンヘルは傷のためか、人間の、しかも幼い少女の体から竜に戻れなくなってしまっていた。

「カイム……腹は空かぬのか」

――……お前が空いただけではないのか

「――ッ五月蝿い、虫けら、黙れ」

幼少化したために、心なしか性格も丸くなっているような気がする。
そう考えながらカイムは木々の間をすり抜けていった。
それに頬を紅葉させたアンヘルが続いている。
カイムは、歩幅の小さいアンヘルにあわせて歩いている。
その事にアンヘルは気付いていていないだろう。

「カイ――」

――腹が空いた。食い物を探してくる

アンヘルがカイムを呼びつけようとしたその時、カイムは食い物を探しにいって来る、と云った。
これ以上アンヘルをおちょくっていると、彼女のプライドを踏みにじることになるからだった。

――ここにいるか、俺についてくるか、どちらかにしろ。

「我はここから動く気はない。さっさと探してくるがよい」

――……

カイムは近くに落ちていた木の枝を拾い上げ、地面に刺して目印を作る。
そしてまた少し歩くと、同じように枝を拾い、地面にさした。
これの繰り返しを食料が十分に集まるまで繰り返していった。
最終的にそれを辿って行けば、アンヘルのところまでたどり着くことが出来る。


――数十分後
十分な量の果実を手に入れたカイムは、背後を振り返り、刺して置いた木の枝を辿って戻っていく。
が、たどり着いた先には、誰もいなかった。

――アンヘル、何処だ

もっていた果実を取り落とし、話しかける。
が、距離がありすぎるためか、会話ができなかった。
帝国軍の術士によって妨害されている、ということをアンヘルが言っていたのを思い出す。
今までは至近距離にいたために会話が出来ていたのだろう。
カイムはこれから如何するかを思考し始めた……
721血と花と処女 Act.1「迷子」:2005/10/24(月) 00:35:11 ID:/dlhHnp0
――数十分前
「遅い……」
だぶだぶのフードを被った少女、アンヘルは食べ物を探しに行ったカイムを待ってやっていた。
その瞳は真っ赤に燃え、今にも爆発しそうな雰囲気がアンヘルからあふれ出している。
もし街中だったとすれば、人は誰も近づこうとはしないだろう。
しかしカイムが食べ物を探しに行く、と云ってからかれこれ数分が経とうとしている。
まだ見つからないのだろうか。
「カイムめ……我を飢え死にさせる気か。帰ってきたら焼き殺してくれよう」
がさっ。
「ん」
がさがさ。
「……カイムか」
がさがさがさ。
「……」
何かが潜んでいるであろう、茂みを射殺すかのように見つめるアンヘル。
そして、その何かが飛び出してきた。
「――」
飛び出してきたのは“得体の知れない白いもの”だった。
言葉をなくし、アンヘルは思わず駆け出していた。

数十分後、カイムが帰ったときにはアンヘルの姿はなかった。
722名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 00:36:45 ID:/dlhHnp0
続く。
723名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 04:03:32 ID:56Z/FyY0
悪い意味じゃないんだけど正直、雪崩れ投下はどうかなと…
んでもGJ
724名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 09:52:49 ID:KYnjoZp3
もう何回も同じことやってるしな。
失礼なことしてるんだと気づいていないんだろう。
住人の注意を、「粘着の言うことはスルーだ」とか思われてたらどうしようか。
725名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 12:44:45 ID:JOJM9O8T
何回言っても伝わらない…
このスレが好きだからこそ、と思って言ってるんだが
少なくとも俺は724の肩持つよ。
726名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 00:49:08 ID:DW7cPcyV
何やら凍結…レグナ、なんとかしてくれ!
('A`)レグナー
727名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 01:10:25 ID:FwAdQ5IE
どれも続きが激しく気になる。
ワクテカで待ってるからガンガレ、頼む。
未完放置は勘弁。
728名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 11:44:18 ID:6JeRNAlJ
>>717
マナたんマナたん続きマダー?チンチン(AAry
傘でもカッパでも持って駆けつけたい。
729名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 01:03:20 ID:c4ORNcH6
d。SS投下します!前回の続きから3話分。
その前にアイタタターの訂正を。
>>716の最後の行。
「冷たい雨と豪雨の中に呑み込まれるように、」×
「冷たく吹き付ける風と豪雨の中に呑み込まれるように、」○
730雨に打たれて4:2005/10/26(水) 01:04:43 ID:c4ORNcH6

――――――


雨が強く叩きつける中。
カイムは物憂げに小さな泉を見つめていた。

(もう、無理なのか?)

泉の周りを何度探しても、瑠璃色の花は見つからなかった。
これ以上、どうしろと言うのか。
あの少女に、今必要なのは薬だ。
長旅で疲れきった彼女の身体に、高熱に打ち勝つ程の体力があるだろうか。
この高野から、里まで降りるには一日以上はかかる。まして、この嵐だ。

衰弱したあの少女を背負い、里に下りるか。
それとも彼女を一人残し、単身で里に下りるか。

どちらにせよ、マナの体力が危うい以上、可能性は低い。無情にも。

(……)

カイムの体が、手近にあった老木にしなだれかかった。
そのゴツゴツした線に沿って、ずるずると身を落としてゆく。
なかば諦めたようにため息をつき、ふと目をやった先。

それは巨大な老木の根の陰に、隠れるように佇んでいた。

(あった…!)

カイムの目に再び生気が宿る。
身を屈め、その花をゆっくりと地面から引き抜く。
この花の根の部分、少し膨らみを持った根に、解熱の効果があるのだ。
これを噛んで飲めさえすれば、徐々に熱は下がるだろう。

そっと、泉の水で清める。
もはや小さな希望ともいえるその花を、カイムは胸元にしまい込む。
そして少女の待つ岩窟へと、再び彼は走り出した。
731雨に打たれて5:2005/10/26(水) 01:05:28 ID:c4ORNcH6

轟々と鳴り響く風を切り、息を切らしてカイムはひた走る。
視界の悪い中、岩窟が見えてきた。

(もう少しだ…)

足の速度を一抹の安堵感で緩め、少女の待っている岩屋の中に入り込む。

が。

カイムの外套と旅の荷物を除けば、中はもぬけの殻だった。
暫く呆然として立ち尽くすカイム。
濡れた髪から水滴が、ぽたと零れていく。
まさか、と彼の中に何かが湧く。
まさか。だがそれしか考えられない。

岩窟の入り口の地面を目を凝らして見つめる。
彼は息を呑んだ。
その視線の先にはカイムの足より小さな足跡が残っている。
外に向けて。
不気味に木々がざわめく。

カイムはそれを確信するや否や、またも身を翻した。

(マナ…!どこだ!)

カイムは空気に震えぬことの無い、この声を恨んだ。
これほど憎いことがあろうか?
どれだけ叫ぼうと、振幅を作らぬ声は響くことはない。
ぎり、と歯を噛み締め、遣りきれない思いを鎮める。
かすかに残された手がかりが雨に負けぬ内にと、カイムは消えかかるマナの足取りを辿り始めた。
732雨に打たれて6:2005/10/26(水) 01:06:22 ID:c4ORNcH6


―――――


遠くに、滝のような音がする。

――水の、音?目が、開かない…

身が刺されるような冷たさが襲ってくる。
痺れてしまったように動かない。手も足も。声すら出なかった。
横たわっている、その感覚しかない。
重い。重くて苦しい。

――苦しい。助けて。助けて、カイム。……カイム?

次いで、ふわ、と体が浮いたような感覚に包まれる。
ぐらぐらと揺れる。
いや、揺らされているといった方が正しいだろう。

(……っ!………ナ!!)

何かが胸に響いてくる。

――この声は誰だろう。でもとても安心する。

ずっと閉じていたい誘惑に纏わりつかれた重い瞼が、薄っすらと開かれた。
ぼやけた向こうに、黒い影が映る。

(マナッ!気がついたかっ!?)

黒い影の主の輪郭が、徐々に浮かび上がってくる。

「あ……カイム。私…」

やっとマナの口から言葉が零れる。
ぐったりと力の抜けている少女の身体を、カイムが抱き寄せた。
雨に濡れた彼女の頬を手の甲で拭う。それに涙が混じっていることも知らずに。

(馬鹿が…必ず戻ると、言っただろうが)

マナの胸の中にカイムの声が響く。
だがそれは冷たくもなく、罵倒でもなく。
むしろ温かさのこもった安堵の声だった。

力なくとも頷いたずぶ濡れのマナを、カイムはひょいと抱き上げ、岩窟へと向かった。
733名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 01:11:53 ID:c4ORNcH6
今回はここまでで、次回続きます。
一つ訊きたいんだけど、SS完結丸まる投下と、何話かまとめて投下、どっちがみんな読みやすい?
734名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 01:49:29 ID:s5kthAHA
2話ずつくらいまとめて
投下の方が読みやすいと思うけど。
ここに来る楽しみ出来るしね。他の人はどうかな?
735名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 07:17:14 ID:625GvxIr
>>733
続き楽しみにしてる。
自分は完結丸々投下がいいけど
読みやすさの点で言えば小分け投下でもいいかなとも思う。
SSそのものの長さによるかな…
736名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 08:42:52 ID:c4ORNcH6
>>734->>735
dクス。参考になったよ!
737ある兄妹の事情:2005/10/26(水) 22:02:33 ID:s5kthAHA
二人が国を出て数日
宿屋の固いベッドに慣れた頃
夜になると会話が、ぎこちない

ここはもう国じゃ無い
父も母もいない
二人が兄妹だと知る者はいない

ずっと心の奥にしまいこんだ言葉を口に出しても誰にも知られない

手を伸ばせばすぐに触れられる

そんな甘い誘惑

咎める者はいない、そう解っていながらも
自分を戒める

何故だ?

神なぞ信じちゃいない
何を畏れる?

「兄さん…」

背中を向けてベッドの中にいた兄に妹が声を掛ける

「眠れないのか?」
「兄さん、こそ」

妹の気持に兄はとうの昔に気付いていた
だからといって何が出来る
国があのまま平和だったら妹は親友と結婚をし、兄は近隣の国から花嫁を迎えた筈だった

続く
738名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 22:08:18 ID:s5kthAHA
「。」を敢えて外して、報われない兄妹を書いて見ました。
感想など頂けたら嬉しいです。

739名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 23:06:33 ID:HephHSgZ
新たなる期待の芽が萌えいずる!
何かを予感させる文にワクテカGJ
740名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 23:57:08 ID:Bvq68tWm
>>738
こ、これは……(;´Д`)ホゥホゥ
ああ〜ぎこちない雰囲気の兄妹に悶える

>>733
5〜7レスぐらいならまとめて投下してほしい派
みんなが分割投下だと話が混ざっちゃうし、感想も書きづらいかも?
741名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 00:17:18 ID:wo6Kt08N
日にち分けて投下する職人さんは文頭に栞つけて欲しい
742名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 00:35:42 ID:rcVFTHZx
1−3話>>●●−●●
4−6話>>○○−○○

こんな感じ?
743名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 00:42:36 ID:rcVFTHZx
○ん中はレス番ね。
127氏みたいにつけてくれるとお読みやすいかもな。
744名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 01:49:28 ID:wo6Kt08N
>742
そうそう。してくれるとありがたいなと
いろんな話が混在してるし
745名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 06:54:56 ID:O/5g07u6
せめて前回最後のレス番リンクをつけてくれれば自分的にはOKかな。
>>○○の続き、みたいな感じで。
746ある兄妹の事情U:2005/10/27(木) 21:50:52 ID:PWbXDw27

「二人とも不眠症みたいね」

まだあどけなさの残る笑顔に
ふと
違和感を感じる

このまま妹が目の前からいなくなってしまいそうな
暗い予感

思わず妹の頬に手を伸ばし、そのまま抱き寄せる
「神とやらが存在するのなら…」

「私は構わない、兄さんと一緒なら…たとえそこが地獄でも…」

真っ直ぐ見つめる妹がいとおしい

「だから…」

「もう言わなくていい」
言いかけた妹の唇に兄の唇が重なる
互いの想いをぶつけるような
長い
長い
くちずけ

先刻までのためらいは消え今度は早く早くと己の中の何かが急き立てる

微かにふるえている妹をそのままベッドへ沈めてゆく


続く
747名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 00:20:35 ID:8h07V6z/
フリフリタンのエロスマダー?

つか、カイムって不幸で悲惨な主人公にランクインしてるくせに、結構おいしい立場だな。
妹、ツンデレ、幼女〜少女、純愛から拉致連れ回しまで、多彩な良い思いができる。
まあ、全部ここでの妄想の話だが……。
748名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 23:31:49 ID:lEzBsw5z
マナたんの続きも待ってるよ

カイムおいしい役どころウラヤマシス……つか、ダンシングベイビーに住人喰われちゃったの?
749ある兄妹の事情V:2005/10/29(土) 23:52:07 ID:45rb2rOy
>>746の続き


妹の白い肌があらわになる
左の乳房を覆う様に揉みしだく
右の乳首を口に含み舌で転がす

やがて兄の唇は下へ向かう

「や…兄さん…恥ずかしい…」

「全部見せてくれ」

レースをあしらった白の下着を脱がし茂みから秘唇を探しあてると、そこへ舌を這わせる

「あ……ん」

円を描く様に、上へ舐め上げる様に愛撫を続ける
「あっ…あっ…兄さん…私…私…何か…へん…」
妹の呼吸が乱れ腰が浮く
「…や…あ…ん…ああっ…あっ…ああっ!」


初めて味わう快感に妹の頬は、ほんのりと上気している
それが兄には堪らなく、可愛い
軽く唇を重ねる

「少し痛いかも知れないが…」

「…平気」
妹が兄の首に手を回す


ゆっくり妹の中に腰を落としてゆく

続く
750名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 23:55:53 ID:45rb2rOy
何か長くてすいません。次で終ります。

後、ここの住人の方に質問なんだけど、
エロ無しのギャグっぽいのとかも投下してもいいでしょうか?

751名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 13:50:46 ID:HPgnwz3u
フリアエ……俺も何か…へん…(;´Д`)ハァハァ

ここは非エロもおkだったと思うよ。
752名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 17:22:40 ID:gD22b6kr
>エロ無しのギャグっぽいのとかも投下してもいいでしょうか?

ってことは、もうすでにできあがったネタがあるのかな?!
続きと合わせてワクテカして待ってます!

最近人少ないからなぁ…寂しいよね。
点呼したい気分。
753名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 03:17:34 ID:5EGIe9Aq
SS投下します。カイマナ道中の続き、完結まで。
エロは結局無し。栞つけてみるよ
754雨に打たれて7:2005/10/31(月) 03:21:14 ID:5EGIe9Aq
1話〜3話>>714-716
4話〜6話>>730-732


―――――

冷たい岩の壁にマナをもたせかける。
ぐしゃぐしゃに濡れた衣服が、小さな身体から熱を奪うのだろう。少女が身を震わせた。

(すぐに火を熾す。着替えろ)

荷物を探りながらカイムはマナを振り返る。

だが、少女からの返事はなかった。
意識が混濁しているのか、マナは身動き一つしない。

ゆっくりと彼女の上着に手をかけながら、カイムの中に一瞬、戸惑いが揺れる。
しかし今は躊躇している状況ではない。
このままにしてはおけない。
うな垂れたままの少女から、雨を吸い込んだ重い衣服を剥ぎ取り始める。

(……)

白く華奢な肩が覗く。
流石に下着まで脱がせるのはためらわれ、その上から服を羽織らせる。
さらにその上から、二枚の毛布。
旅で使う携帯用の薄い毛布だ。
これでも重ねれば、充分な保温効果が期待できる。
毛布でマナの身体を包んでやると、カイムは手慣れた様子で焚き木に向かう。

やがて仄暗い岩窟に、淡い橙色の火が揺らめきはじめた。
755雨に打たれて8:2005/10/31(月) 03:22:04 ID:5EGIe9Aq

温かな色の炎の橙とは裏腹に、冷え切った陰鬱な岩窟の蒼色。
なんと皮肉な対照だろう。
こんなにも温かい色をしているのに、一向に暖まる気配はない。
時々風が吹き込み、炎が大きく揺れる。
これほど火が頼りないと思ったことは無かった。

暫く炎を見つめた後、毛布にくるめて寝かせていたマナにカイムが歩み寄る。
瑠璃色の花を手にして。
そっとその肩を揺らし、彼女を呼び起こす。
何度か目に、やっとマナの瞳が開かれた。

(熱に効く薬草だ。噛んで飲みこめ)
瑠璃色の花から根の膨らみ部分を切り離し、マナの口元に運んでやる。
が、すぐにマナは目を閉じてしまい、苦しげに呻くだけだった。

「頭が、痛くて」

その言葉に、カイムは自分でも予想すらしなかった行動に出た。
徐にその花の根を己の口に含み、噛み砕く。
そして、高熱に蝕まれ朦朧とした少女に、そのまま口づけたのだ。

「ん……むっ…」

口移しに飲まされる薬液にマナは驚くも、そのまま嚥下する。
彼女の喉がこくり、と動いたのを確認すると、カイムは口を離した。

(火にあたって身体を暖めながら眠るといい)

カイムは何事も無かったかのようにそう告げると、焚き火の方へと向き直り、腰を下ろした。
756雨に打たれて9:2005/10/31(月) 03:22:42 ID:5EGIe9Aq

数時間後。

焚き火の前に座っているカイムの隣に、毛布にくるまったマナがちょこんと座っている。
あれから焚き火にあたり、眠りから目が覚めると、程なく熱が下がっていたのだ。
今は起き上がってこそはいるが、いまだにマナは寒気と頭痛に苛まされていた。

(もう熱はだいぶ下がったようだな)

そう言いながらカイムがマナの額に触れる。
マナはその手に触れられるだけで、どことなく頭痛が軽くなるような、そんな気がした。

――こんなことを、されたことあったかな。小さかった頃の私に。

マナには、母親に病気になっても殆ど看病をしてもらった記憶がない。
酷くなってやっと、というのが常だった。
熱で辛い時に、そっと額に手を置かれた時の安心感。
それをまさか、カイムの手で感じるとは。
少女には予想もつかなかったことだった。
それと、もう一つ。

「さっきは薬、ありがとう。……とても楽になった」

どこか恥ずかしげに俯いたまま、マナは言う。
その言葉にカイムは、ああ、と答えるだけだった。
757雨に打たれて10:2005/10/31(月) 03:24:25 ID:5EGIe9Aq


ぱちぱちと薪が爆ぜていく。
二人並んで焚き火を囲むのは初めてだった。
いつも二人には距離があった。
カイムがこちらに座れば、マナは向かいのあちら側、といった風に。

カイムの隣りで、マナが悪寒に肩を震わせる。

(寒いのか)

「うん、ちょっと。でも、平気だから」

そう言いながらも、毛布の中で彼女が自分の肩を擦っているのがカイムの目に入った。

(こっちへ来い。焚き火では今夜の寒さは身に堪える)

カイムが、無表情のままマナをひょいと抱えあげる。

「…!」

次の瞬間には、あぐらを組んだカイムの膝の中にマナは下ろされていた。
ばさり、とその上からカイムが外套を羽織る。

(こうすれば、いくらかは温かいだろう)

「うん……」

少女は、その体温の温かさを素直にありがたく思った。戸惑いながら。
758雨に打たれて11:2005/10/31(月) 03:25:13 ID:5EGIe9Aq

―――――

揺らめく炎を遠く見つめながら、カイムは少女に問う。

(俺が、憎いか?)

すっぽりと声の主に包まれた少女が、何故、と言ったように彼を見上げる。

(お前がこれ程酷くなるまで、俺は放っておいた)

暫し間をおいてから、少女は目を伏せると、小さく呟く。

「でも、助けてくれた……」

顎の下で、マナの肩が微かに震えたのが、触れ合う体から伝わってくる。
手を伸ばし、彼女の手が冷えていないかと、手探りで触れ、握りこむ。
少しでも温まれば、と。
握られた手に安堵したのか、マナは彼の胸に身を寄せる。
それ以上、二人の間には会話は無かった。

薪の爆ぜる音に、少女が密やかに立てる寝息が混じり合う。

漂うように岩窟から一筋、煙が空へと立ち昇り、空の深い紺碧にそれは溶けてゆく。
岩窟の中では今も薪のぱちぱちと爆ぜる音だけが響く。
それは朝が訪れるまで止むことは無いだろう。
男が少女を見守り続ける限り。

ゆるゆると静かな時が流れる。静寂の夜。

――嵐はとうに過ぎ去り、その紺碧の空に、星々が瞬きながら顔を覗かせ始めていた…


                        (了)
759名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 17:25:26 ID:llunMUiM
激しくGJ!!!!!
カイマナテラモエス
本気でこのSSが公式裏設定だったらな…と思った。
760名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 17:34:32 ID:6kyEvOma
GJ〜カイマナ(*´∀`*)ポワワ

こんないい素材がありながら本編(ry
761名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 19:39:21 ID:ZaxMz847
GJ!!!!
やっぱカイマナいいわ
762名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 22:23:26 ID:N25AyOtO
口移し(*´Д`)ハァハァ
いいねいいねー萌えたわ
763名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 00:21:51 ID:65mvsM2T
よし、景気づけにあげ!
他の職人さんも待ってるよ、俺はまだまだDODへの愛は冷めやらないぜ!!
764名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 01:07:39 ID:MqgGKSPM
カイマナSSは、ひとり聴きながら読むと感動が…
765名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 02:50:25 ID:MqgGKSPM
しかし、なんでこんなに繰り出されるカイマナ萌えがあるっていうのに、本編では…
これらの逸材を使って、大人マナがカイム再会でなんか絡み作ってほしかった
なんでだよ、なんでなんだキャビア!
特にカイムとアンヘルが燃えちゃうシーンでマナが泣くとかさ…
どうしてあそこでスネークが出てくるんだ
せめて、混沌の世界見てから壊れて蛇蛇言って欲しかった
と、ダダをこねてみた。
と同時に全てのSSを待つ。
766名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 17:27:33 ID:W3wgy+CQ
カイマナGJ!!
767名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 00:45:06 ID:cdWEKwUm
しかし、めっきり寂しくなったなぁ…
まとめ氏のサイトの更新、9月は4回だったのに10月は一回か…

SS投下祈願
768ある兄妹の事情W:2005/11/02(水) 02:01:33 ID:fNTapuX7
>>749続き

入りやすい様に妹の片足を軽く持ち上げる

充分潤っているが、かなりキツイ
兄の腰が動き始める


「いっ…!」
痛さに思わずシーツを握りしめる

「大丈夫か?」

「…うん…平気…続けて…」

妹の中はあたたかい
己を不意に締め付けてくる
…堪らない


ギシッ…ギシッ…
ストロークに合わせてベッドが軋む

先程まで兄の下で痛みに耐えていた表情が、いつの間にか「女」のそれになっている


「あっ…ああっ…兄さん…兄さん…」


禁忌を犯した二人に神の罰が下る
「オシルシ」が妹に現れたのはその数日後である

769名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 16:44:36 ID:2PSXWMHh
GJ乙!!!!
フリアエハァハァ
兄妹萌え
770名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 20:53:19 ID:oT68Kydz
血と花と処女の2を投下します。
Act.1 >>719
771血と花と処女 Act.2「喉」:2005/11/03(木) 20:55:36 ID:oT68Kydz
その場所は、家具や調度品の類が一切置かれていなかった。
まるっきり生活感のない部屋で、嫌悪感を抱く前にこの家の主人は生きているのか、と確認したくなるほどだ。

あるのは扉と、小さな小窓だけで外からの明かりは微々たる物である。
なので時間は朝か、昼か、夜かだけしかわからない。
ただ、どの時間帯もこの部屋には濃厚な闇がとぐろをまいているのだが。

逃げ出そうと、なんども試みたがそのたびに失敗して今は縛られている。
声を出してどうにかなることでもないが、人間閉じ込められて声まで奪われたら発狂してしまうのではないかと思う。

息を大きく吸い込んで……

――ひゅ。

ヘンな音がする。
隙間風のような、不快で耳障りな音がする。
よく耳を凝らせば、微かに、だが定期的に音がしていた。

いままで気にならなかったのが不思議なくらいの音なのに。
まるで時計のようだ。
意識しなければ聞き取れない、しかし意識したら耳からなかなか離れない不協和音。

怖くなる。
どうしようもないほどに。
多分喉を壊されたんじゃないかと思う。
この得たいの知れない恐怖から逃げ出したい、と。

「――――――」

声は、出なかった。
喉に手をやろうとすると、手首をぎりぎりと締め付けている縄か何かに触れ、皮膚が痛む。
自分の追いやられた立場を思い、少女は泣いた。

――しくしく

――しくしく

少女の泣き声は、一人の男の脳内で反響している。

「逃げ出したお嬢さんがいけないんですよ。そうでなければこのようなことはしなかったのですが……」

いつからいたのかわからない、闇の中で体を休めていた男が呟いた……
772血と花と処女 Act.2「喉」:2005/11/03(木) 20:56:43 ID:oT68Kydz
――アンヘル
は直ぐに見つかった。
近くの茂みに隠れ、震えていた。
その姿から連想できるのはあの高潔な紅き竜ではなく、捨てられた子犬か子猫だ。

それにしても、アンヘルをここまで怯えさせたものとは一体何なのか、カイムはソレに興味が向いた。

――何があった

少女はクルリと首だけを後ろにやり、また前へと向ける。
その目には涙が溜まっており、何かの弾みで今にもこぼれてしまいそうなほど。

「……うるさい。我がお化けなどに怯えるわけがなかろう。仮にそのようなことがあっても、誰にも明かさぬ……」

いろいろ気にすべき点もあるが、そもそも竜がその様なもの信じるわけがなく、一瞬こいつは本当にあの紅い竜なのだろうかと思ってしまう。
しかし様子を見ていると、どうやら容姿どころか脳みそまで本当に幼児化してしまっているのではないだろうか。
まあ、扱いやすくていいのだが、とカイムは思う。

――そんなものはいない。だから行くぞ

そう言ってアンヘルの腕を引っ張ってみるものの、本人は動く気がないのか立ち上がる気配すらなかった。

「呪われる位ならいっそここでハラキリを……」

などと訳の分からないことを呟いているが、眼が腐っているのは仕様。

――…………

あきれ果てたカイムはアンヘルを担ぎ上げ、森を抜けるため歩いていく。
773名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 22:40:34 ID:JPplNbUk
フリフリ乙!異様なふいんきでヨカタ

明日はいよいよだな。
これで職人方が帰ってくれれば…
個人的に卑屈の赤、嫉妬の〜と、カニバメイドさんの続き読みたい。
774名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 23:57:52 ID:qjzlBzNK
看護教師ハンチ先生…何か話が思い浮かびそうで何も思い付かないorz
775名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 00:31:19 ID:uhhUojTu
あれ是非製作して販売して欲しい。
中毒者にとっては喉から手が出るほどホスィ…
頼むよキャビア!
776名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 01:11:34 ID:V8msHD4L
>>774
「身体がだるいって、嘘でしょう。嘘ですよねぇ。竜の子がそんなにヤワな身体してるはずないですよねぇ。
授業をサボりたかったんじゃなくて、本当は私とこうしたかったんですよねぇ」
 え、違うんですかぁ? と、間延びした声が囁く。
 ハンチの手は、既にノウェの下肢を剥いていた。握られた雄は昂ぶったまま、けれど先端を濡れた指先に
せき止められていて達くことができない。
 本気になれば女の手を避けることなど容易いが、ノウェの身体はハンチが風邪薬として差し出した媚薬のせいで全身に力が入らない。
(先生の言葉を信じるんじゃなかった……)
 普通の風邪薬だと言われて疑いもせず飲んでしまった自らの迂闊さを呪いつつ、だらりとベッドに横たえた
身体を身じろぎして、ノウェは潤んだ目でハンチを見上げた。
「せんせ……お願い、します。もう……」
「ノウェ君、もう降参ですかぁ? つまらない、つまらないですよぉ。もっと私を楽しませて下さいよぉ」
 ハンチの指先が、ノウェの雄の孔を軽く扱いた。薬の力もあって敏感になっているそこへの刺激に、ノウェは悲鳴を上げる。
「うああ……ぁっ。ハンチ、せんせぇ……っ」
 身体を捩らせ、ハンチの名を呼び続けるノウェに、看護教諭は薄く笑った。
「お仕置きですよ、ノウェ君。授業をサボる子にはこうして――」
777776:2005/11/05(土) 01:15:07 ID:V8msHD4L
ハンチ先生攻略ss?
お目汚し失礼しました。
778名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 06:44:34 ID:D+C7y6Ua
保健委員のエリスたんはまだですか!
779名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 17:00:31 ID:MElyjIFF
>>778
保健委員のエリスさんはおやすみです。
校長先生のジスモア先生もおやすみです。
780名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 18:59:50 ID:I0EJEDL2
スクウェアァエニックス!

キャビアァ!!
781774:2005/11/05(土) 21:18:45 ID:XHNjFRxt
>>777
GJ!!ノウェうらやまシス
782名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 01:26:03 ID:Ls7LA1vg
「ちょっと…ノウェ。またあなた怪我をしたのね?」
怒ったような顔でエリスが近づいてくる。
「あぁ。先輩に、ちょっとね」
ノウェと呼ばれた青年は、額と腕から血を流したままに、すっとぼけた顔で答える。

「こんなに血だらけにして。こちらに来てちょうだい。わたくしが処置を施しますから」

見ると既に片手に救急箱をさげている。
おとなしく彼女の席の隣にノウェは腰かけた。
彼女は言い出したら止まらない。

「ほんとに、平気なんだけど…」

「黙っていて。動くと消毒しずらいわ」

エリスは手際よくぱきぱきと消毒を施していく。
頭に包帯を巻くときだった。
「ぶわっ、ちょっとエリス!」
身を乗り出してきたエリスの胸が、ノウェの顔面をとらえた。

「え?何をノウェ、あ――――!!」

ぱんっ

ノウェの頬が平手でぶたれる。平手の主は顔を真っ赤にして。

「も、もう!ノウェ!」

「そんな!俺は何も、エリスが身を乗り」

バキッ
「もう、黙っていてちょうだい!!包帯が巻きづらいわ!」

こうして顔を真っ赤にさせながら、エリスは手当てを続けるのであった。
783名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 01:27:40 ID:Ls7LA1vg
小話でエリス保健委員兼学級委員長。
ノリで書いちゃった。
784名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 02:48:05 ID:3jAN/fOu
こんなエリスいい!(゚∀゚*)
785名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 07:30:24 ID:7s47NVdI
うはwwテラモエスww
786名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 12:55:32 ID:23H6Pcvz
ハンチ先生話もエリス話もいいな!
どっちもGJ!
エンジェレグナは夢が広がるな…出せるものなら本当に出してほしいよ。
787名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 17:27:06 ID:BfS7zssq
エンジェレグナ、人それぞれ賛否両論みたいだけど
確かに夢が広がっていいと思うな。自分は肯定派。

アンヘル「カイムよ、今日もよろしく頼む。この弁当を暖めてくれぬか。」
カイム「……」
弁当を受け取るのと共に、カイムはアンヘルの腕を引き、壁側に押し付けた。

アンヘル「な、何をするのだカイム!」
カイム「(弁当を暖めている間に、俺がお前を暖めてやる)」
アンヘル「こ、こら!何を…どこを触っておる…!!」

カイムはアンヘルの豊満な身体を、その両手で激しくまさぐり始めた。
耳元にかかるカイムの熱い息に、アンヘルもしだいに息を荒げていく。
アンヘル「…あっ、カ…カイ…」

電子レンジ「チーン!」

アンヘル「…くっ、今日はここまでだ!さらばだ、馬鹿者!」

アンヘルはカイムを突き飛ばし、電子レンジから弁当を取り出すと、
恐ろしい速さで教室を去っていってしまった。

カイム「……」

こんな感じでさ。
頑張ってアンヘルをおとすイベントとかさ…。
788名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 17:29:24 ID:jN0Z0EEW
エロゲでもやってろ
789名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 20:45:23 ID:7QHn4IkG
大変長くお待たせしました。
卑屈の〜続きから終わりまでを投下します。
790卑屈の赤 嫉妬の鬼 その7:2005/11/06(日) 20:48:58 ID:7QHn4IkG
その1・2>>603-604  その3・4>>626-627 その5・6>>706-707

魔物の退治も終わり騎士団は水城砦に戻ってきた。
「ふう、今日も水だの体液だの一杯かいてしまいましたぁ。お風呂にでも入りますか。ノウェ殿も私と一緒にどうですかぁ?」
「いいです」
「ひゃ〜、即答ですよぅ。そうですよねぇ、私なんかと一緒じゃあ嫌に決まってますよねぇ?
そうそう、今日はもう日が暮れ始めていますからここに泊まっていくといいですよぅ。部屋は用意致しましたからぁ」
ノウェはそそくさと案内の騎士団員と共に自分の部屋へ向かった。

「あれぇ?」
風呂から上がったハンチはかごに入れておいた自分の下着が無くなっていることに気づいた。
「おかしいですねぇ?確かにかごの中に入れておいたはずなんですけれど…」
どうせ安物だしかまわないと、ハンチは新しい下着を取りに部屋へと戻ることにした。
「ああ、その前にノウェ殿に消灯の時間を伝えませんと」

騎士団寮中庭
「おのれ…エリスめ…」
中庭に吹き飛ばされたジスモアであったが、いつの間に出来たのか、中庭の中心にあった大きな謎の塊に落ちたせいで高所から落下する自体にはならなかった。
その塊の凹凸にしがみつきながら地上へと降りる。周りにはガラスの割れる音でも聞きつけたのか数人の騎士団員が集まっていた。
「だ…大丈夫ですかジスモア団長閣下?」
「うむ……それにしてもこの塊はなんだ?」
自分の命を事実上助けてくれた塊にジスモアは蹴りをいれる。すると集まっていた騎士団員が悲鳴をあげて蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。
「貴様等、なぜ逃げる?待たぬか」
と、突然ジスモアの背後から生臭い風邪が吹く、何事だとジスモアが振り向くとそこには巨大な竜の顔があった。
「なにさらすんじゃ、ワレ」
大きな塊は中庭で昼寝をしていたレグナだった。ジスモアはその体を蹴りつけてしまったのだ。
「あ  竜」
これがジスモアの人生の最後の言葉となった。
791卑屈の赤 嫉妬の鬼 その8:2005/11/06(日) 20:50:57 ID:7QHn4IkG
ノウェの部屋の前に着くとハンチはある事に気がついた。服を着ているかと思ったらただ単にバスタオルを巻いただけの格好だった。
普段から濡れている服を着ていたためなのかまったく気がつかなかった
(まあ、普段とあまり変わらないし、どうでもいいですか)
その時、ノウェの部屋の中からうめき声が聞こえてきた。
「うう……ハァハァ…………うっ」
何事かと慌ててドアを開け、部屋の中へ入る。部屋のベッドの上でノウェはお腹と顔を押さえながら苦しい声をあげている。
「ノ…ノウェ殿!どうしたんですかぁ?」
ノウェがハンチの声に反応して振り向く、そしてノウェの顔がマズイものでも見られたかのように凍りつく。
そしてハンチもまた、何故ノウェがそんな表情になったのか理解した。
ノウェが顔を押さえていた手にはつい先程無くなったハンチの下着が握られていた。顔に下着を押し付け、その匂いを嗅いでいたのだ。
そしてお腹を押さえていたと思った手はもう少し下の方にあって、自らの抜き身の剣を磨いていたのであった。苦しい声を上げていたのではなく快感の声を上げていたのだ。
「あらあらあら、私の下着を盗ったのはノウェ殿だったんですかぁ」
ハンチが妖しい笑みえを浮かべながら、ゆっくりとベッドへ近づいて行く。
「変な子ですねぇ?私のパンツなんかで自慰するなんてぇ」
「ハ……ハンチ隊長があんな事ばかり言うから…」
ノウェが苦し紛れの言い訳をする。
「あらぁ、それはすみませんねぇ、でも私の下着を盗んだのは事実…」
バスタオルがはらりと落ちる。魅力を失ったとは思えないハンチの美しい裸身が露になる。
「これはお仕置きが必要…ですよねぇ?」
792卑屈の赤 嫉妬の鬼 その9:2005/11/06(日) 20:52:41 ID:7QHn4IkG
その頃、エリスはようやく水城砦に着いた。団員からノウェの部屋の場所を聞き、ノウェの部屋へと向かっている。
(あの女…いくら隊長とはいえ許さない!!ノウェもノウェです!ホイホイと私との約束を破ってハンチ殿についてくなんて…ここね)
ノウェの部屋の前に着いたようだ。扉を開けようとノブに手を触れる
(ん?…中から変な声が…)
エリスはとりあえず扉を僅かにゆっくりと開けると少し開いた隙間から中の様子を伺う。するとそこには
「はぁ……さすがノウェ殿、竜の子と呼ばれるだけ あっ……とても大きいですよぅ…はぁん」
「ハン…チ…隊長…もうやめてくださ……ううっ!」
ベッドの上で激しく交わるノウェとハンチが居た。
(えええええ?)
ハンチは仰向けの姿勢のノウェの腰に跨って激しく腰を上下に動かしていた。大きい胸もその動きに合わせてぷるぷる揺れている。
ノウェはどうやら手足をベッドに縛り付けられているようだ。身動きのとれないノウェはハンチにいいように弄ばれていた。
(そ…そんな、ノウェとハンチ殿が…)
ハンチの手紙をそのまんまの意味(男らしく鍛えられる事と純粋に思っていた)で捉えていたエリスはかなり驚いてしまった。
(でも…なんか…)
エリスの視点からは時折ノウェとハンチの結合部が見え隠れした。ノウェの肉棒がハンチの秘所を出入りするたびにはじけるお互いの体液、
そしてぴちゅっびちゃっと濡れた肉体が擦れあういやらしい音。エリスはそれらを見たり聞くたびにどんどん自分の気持ちが変に高揚していくのを感じていた。
(ん……)
エリスはいつのまにか自分の下腹部を手で慰め始めていた。
793卑屈の赤 嫉妬の鬼 その10:2005/11/06(日) 20:54:04 ID:7QHn4IkG
「ハンチ隊長!もう射精ます!早く…抜かないと!」
「あら、なに寝ぼけた事言ってるんですかぁ?私としたからにはしっかりと中に射精してもらいますよぅ」
「そ…そんな…うううっもう駄目だ!」
ノウェは低く唸るとハンチの中に射精してしまった。ゆっくりと肉棒を肉穴から引き抜くとハンチの股の間から白濁液が溢れだす。
ハンチはゆっくりとノウェの体の上に倒れこむ。
「ふぅ…気持ちよかったですよぅ、ノウェ殿」 
「はぁ…はぁ…」
ノウェはただ荒い息を吐くだけだった。その時、突然扉が開いた。
開いた扉に振り向くノウェとハンチ。そこにはエリスが四つんばいの姿勢でこちらを真っ赤な顔をして見つめていた。
「エ…エエリス!?」 「まあ…エリス殿、やっときたんですかぁ?」
「あ…いえ…あの…」
ノウェはまたハンチに自慰行為現場を見られた時と同じように凍りついた。
一方ハンチは既にエリスが居た事を知っていたかのように特に驚く様子も無くベッドから立ち上がるとエリスの方へ近づいていった。
「さあ、今度はエリスさんの番ですよぅ」
ゆっくりとエリスの体を撫で回すように触れるハンチ、すると、エリスの着ていた服がはらりと脱げた。
「な…何するんですか、ハンチ殿…ひゃあ!」
「あら、もうびしょびしょですねぇ?私とノウェ殿の情事を覗き見して感じてしまったんですねぇ?」
いつのまにかハンチの手はエリスの秘所をいじり始めていた。
「や…やめて…ノウェが見てる…」 「その割にはますます濡れてきていますよぅ?」
秘所から溢れ出てくる愛液が股を伝い床へとたれていく。ハンチがエリスの秘所をいじるたびに愛液は溢れ出てきた。
その様子を見ていたノウェの肉棒は再び勃ち初めていた。
「ほら、ノウェ殿も準備OKですよぅ。さあ、エリスさん」
しかしエリスは顔を赤くするばかりで一向にノウェと行為に及ぼうとはしなかった。
794卑屈の赤 嫉妬の紫 その11:2005/11/06(日) 20:56:32 ID:7QHn4IkG
「(もう、照れ屋さんの貴方達の為にここまでしたのに)…いいですか、エリスさん、ここで頑張らなきゃノウェ殿は一生貴方の想いに気づかないままですよぅ」
「ハンチ隊長………叱咤激励のお言葉ありがとうございます!私頑張ります!」
「おい!!」
決意したエリスはノウェの上にまたがると秘所にノウェの肉棒をくっつける。その感触にエリスはピクッと体を震わせる。
「まて!エリス!なんか違うぞ!」
「ノウェ…私の純潔を奪ってもらいます…」
ノウェの抗議の声を無視してゆっくりと腰を下ろしていくエリス。処女の肉壁が押し広げられていく。
「ん……あ…痛い…」
ノウェの体が入っていくたびに大きくなっていく痛み、エリスは思い切って一気にノウェを自分の中へ導いた。
「はああうっ!!」 「うあっ…」
肉棒を根元まで飲み込んだエリスの秘所からは僅かに血がにじみ出ていた。
「ひゃー、おめでとうですぅ、エリスさん、さあ、後はノウェ殿を満足させるだけですよぅ」
エリスはうなずくとゆっくりと腰を振り始める。
「うあっ、エリス…」
「痛い…けど…我慢しなきゃ」
ノウェは快感の声を、エリスは痛みをこらえて小さな悲鳴を上げる。
「ん……はぁ…はぁ…はぁ…ああん!…くぅ…」
「ああ…気持ちいいよ、エリス…」
エリスは慣れてきたのか、徐々に腰を振る速度が上がってきた。ベッドがギシギシと音を立て始める。
お互いの性器が擦れあう時の淫らな音も大きくなってきた。エリスのだらしなく開いた口からは喘ぎ声がもれる。
「ううう、エリス…もう射精る…!」
「きてください!ノウェ!……あああああ!!」
限界を迎えたノウェの肉棒から大量の精子がエリスの膣内へ発射された。ノウェの子種が自分の中に入っていく、エリスの全身は痺れるような感覚に襲われた。
「はぁ…気持ちいい」
ゆっくりと自分の体からノウェの肉棒を引き抜く。ハンチと同じように自分の股からも白濁液が溢れていた。
ベッドから立ち上がろうとしたら体がから急に力が抜け倒れそうになるエリス、あわててハンチがその体を支える。
「大丈夫ですかぁ?初めてですから意外と疲れてしまうものなんですよぅ。どうぞ休んでいてくださぁい」
傍のソファーにエリスを横たえると再びハンチがノウェの元へ戻ってきた。
「さぁ、ノウェ殿、貴方はもう満足でしょうが、私のお仕置きはまだ終わっていませんよぅ」
そう告げるとハンチはノウェの肉棒を胸で挟んで擦り始めた。
「そ…そんな…もう許して下さい!」
「ノウェ…ハンチ殿が終わりましたらまた私の相手も、またしてもらいます。これは上官命令です」
「勘弁して……」
795卑屈の赤 嫉妬の紫 その12(終):2005/11/06(日) 20:58:33 ID:7QHn4IkG
神水の直轄区山道 薄暗いこの夜道をノウェは駆けていた。
あの後、ノウェはハンチとエリスに代わる代わる、時には2人同時に犯られつづけた。
エリスとハンチが疲れて眠っている隙にノウェはなんとか逃げ出すことに成功した。
急いでいた為に半ば裸に近い格好で出て行ってしまっていた。
「はぁ…はぁ…もう、駄目だ…」
ノウェもまた十数発も射精されたせいか疲労が極限まで達していた。その場に崩れ落ちるように倒れた。
人通りもない道にノウェの荒い息遣いだけが響く。
ふとノウェは自分に近づいてくる気配を感じていた。エリスかハンチだろうか?恐怖がこみ上げてくる。
ふと自分の目の前が急にあかるくなった。そこにあったのは魔術で作られた光を放つ球体であった。
「よう、小僧。やっと見つけたわ」
どうやら自分に近づいてきた人物のもののようだった。その人物は女であったがハンチとエリスではなかった。
腰まで伸びた少しはねた黒い髪、多少目つきが悪いものの整った美しい顔立ち、来ている服は騎士団の女性服だった。
「ふん、女遊びでもしておったのか?小僧。女の匂いがぷんぷんするぞ」
とてもその容姿からは想像できない年寄りくさいことばで喋る。というかさっきからやたらなれなれしい態度にノウェは少し腹がたった。
「あんた、どこかであったか?」
なかば履き捨てるように尋ねるノウェ、すると女は年寄りくさい笑い声をあげた。
「くくく、そういえばこの姿を見せるのは小僧が赤ん坊の頃以来じゃの。儂じゃ、レグナだ」
「?????」
予想もしない答えにノウェは戸惑う。よくみると…女には蒼い尻尾が生えていた。これでは信じるしかない。
「そんな…だってレグナ、お前は男じゃなかったのか?」
「ふん、誰が赤ん坊だった頃のお前に乳を与え、育てていたと思っておるのだ」
更なる衝撃の事実にノウェは戸惑うばかりであった。
「本当に儂が牡と思っていたようじゃの。さてと…小僧を見つけたことだし、ここで済ますとするかの」
そういうとレグナは服を脱ぎ仰向けのノウェの上に覆いかぶさる。
「レ…レグナ?…何をするつもりなんだ?」
「なに、今日契約者の人間を食ってから妙に体がうずいてな。」
レグナの手がノウェの股間をいじり始める。
「小僧で処理しようと思ったのだ。カカカ、疲れているところ悪いが、儂が満足するまで付き合ってもらうぞ。そしたら「けぇき」の事は忘れてやる」
「は……はははは」
もはやノウェは笑うしかなかった。

〜〜〜END〜〜〜
796名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 21:02:41 ID:4/pgvgkC
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
リアルタイムで読んだよ!
最後までワロエロスなところがイイ!GJ!
797名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 00:42:42 ID:KaGO/IfS
>>795
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・*
まさにエロパロって感じだ
面白エロかった!ハンチさんもエリスもかわええ
798名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 06:52:10 ID:VltUPu0J
GJ乙!!!
テラワロスwwww
そして美女擬人化なレグナ萌え
799名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 07:31:52 ID:8InVTE/5
>>787
(*´Д`)ハァハァ
800名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 12:41:13 ID:Ivx98AH4
ちょ、女体レグナwww
801名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 14:32:18 ID:fCKRWw+c
資料集で雄って出たよな?
802名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 15:06:22 ID:gKZ7uiqr
全部野上の夢でした ってオチにすれば無問題でしょ
803名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 16:24:58 ID:A0QvrSNP
だからドラゴンは単一性だからふたなr
804卑屈の赤 嫉妬の紫 その12(終):2005/11/07(月) 19:32:36 ID:ayZfY8oT
その1・2>>603-604  その3・4>>626-627 その5・6>>706-707
その7〜12>>790〜795

卑屈の赤 嫉妬の鬼その13(後付け)

「うわあ!!」
ノウェは大声をだして飛び起きた。
「どうした小僧?」
レグナがノウェに心配そうに尋ねた。そのレグナはいつもの竜の姿だった。
「夢……だったのか…」
「どうしたのだ?悪い夢でも見たのか?」
ノウェは辺りを見回した。ここは暗い山道ではなく美しい海岸だった
ノウェはレグナに夢の内容を話した。
「ふははは、儂が女の分けが無かろう。まあ、厳密に言うと男でもないがな。赤子のお前には付近の村で手に入れたミルクを与えておったわ」
「そうか…そうだよな…」
「うむ、それではおいかけっこを再開しようとしよう。ほれ、つかまえてみろ」
レグナが地響きをあげながら走り出す
「ああん、ずるいよぅ、レグナ―――――」
ノウェもレグナの後を追って走り出す。美しい海岸にノウェとレグナの笑い声が響き渡る
うふふふふふふふふふふふ
あははははははははははは


「ノウェ殿?」 「ノウェ?」
ハンチの舌技で16発目の射精をした後、ノウェはとうとう気絶した。
「さすがに竜の子と呼ばれるノウェ殿でも限界でしたかぁ」
ノウェの肉棒を指でぐいぐいつまんでみる。もうその尖端からは泡状の白濁液しか出てこない。
「わ…私があんな事をしたせいでしょうか?」
「いえいえいえ、エリスさんは悪くないですよぅ。ほんの数時間前まで童貞だったのに、
私がノウェ殿の(オガァーーザーーーン(規制))に(オガァーーザーーーン(規制))な事をしたからですよぅ。
ちょっとハードすぎましたねぇ、私ってばホント駄目な人間ですよぅ」
「いえ、そんな事はありません!私はハンチ殿の見事な(性)技にいたく感動いたしました!」
「エリスさん…と、とりあえずノウェ殿が目覚めるまで私達も休みますか。ノウェ殿が目覚めましたら再開ですよぅ」
「はい……それにしてもノウェったら気絶してるのにこんな笑顔を浮かべて…何か楽しい夢でも見てるの?」
ノウェが悪夢(淫夢)から覚めるのはまだ無理のようだ

〜〜〜END〜〜〜
805名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 19:48:03 ID:ayZfY8oT
名前欄のタイトル変えるの忘れてたorz
806名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 19:58:33 ID:vj/NOZBO
気にすんな、GJだから!!
しかし面白いな、ノウェがこうやって活躍?するとはw
807名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 06:45:28 ID:QGsB7PXH
追いかけっこワロスww
808名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 23:50:37 ID:+/xX7h0c
おいかけっこ糞ワロタ
809名無しさん@ピンキー:2005/11/09(水) 00:11:32 ID:8QDvFWPw
エンジェレグナ
810名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 02:25:11 ID:4VpRgeI8
エンジェレグナとエンジェルスメモリーそれぞれ
キャビアに製作を要請する動きがあるようだな…
811名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 06:59:48 ID:Ef/+AtZ2
エンジェレグナはどう見ても同人ゲー(ry

最近ノウェエリスSSが読みたくて探してるが
探し方が悪いせいもあってなかなか見つからない。
書くのはキビシスなので脳内妄想…何故かエロに到達しない('A`)
812名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 08:03:10 ID:HjPc2i3l
エリスをどうノウェにもってくか、だよなぁ…
ノウェはなんか鈍感そうだから
813名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 13:18:10 ID:02cBTk4e
正直ちょっとイタイよな……<エンジェ
814名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 15:08:24 ID:k4GCSVeW
エロパロもエンジェもそう変わらんだろうに。
エンジェの場合、公式がそれをやっているという痛さはある。
だが向こうもお遊びでやってるんだから、
受け取る側の好き嫌いはあっても「ファンに対してサービスする心がある」
という点は評価したい。
ってか、そもそも話をふった電撃が痛い…。
815名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 21:04:20 ID:VS8Bh23t
公式で同人ネタかよ、的ツッコミはしたくなるな
まあ、今みたいに冗談半分で盛り上がってる分にはいいんじゃないか。いいネタ振り
メーカーがマジで身を乗り出してきたらカオス
816名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 22:01:30 ID:ui8octAz
エンジェレグナは痛いがもう一つの方はそうでもない気ガス。
むしろやりたい。
817名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 23:01:49 ID:J3zZJX98
(オガァーーザーーーン(規制))

紅茶噴いたw
聞こえたんだもんよ、一瞬

GJ!GJ!
818名無しさん@ピンキー:2005/11/12(土) 19:56:42 ID:Fa/vJ8+C
ハイレグナ
819名無しさん@ピンキー:2005/11/12(土) 20:58:36 ID:A1n2+4Ig
エエエェェ(´Д`)ェェエエエ
820純白の贄 1:2005/11/13(日) 23:20:08 ID:9HLiffxl
小説も本編も設定も無視してしまいましたorz

─────

私は、世界を守るために産まれてきた。
だから、絶対に守ろうと決意した。
己の信じる道を進み続け。
正義を、秩序を、絶対のものとしてきた。
そのために誰かが犠牲になろうと、構わない。
犠牲が出るのは仕方のないことなのだから。
彼らは殉教者なのだから。
彼らは悪で、私たちは善。
そうして目を背ければいい。
これも世界を守るため。
貴方が生きるこの世界を守るため。
私の世界は、貴方なのだから。

「どうしてわからないんだ! エリス!」

言われてハッとした。
私が、わかっていない?
何をわかっていないというの?
わかっていないのは……ノウェの方。
世界のことも、騎士団のことも、直轄区のことも……私の、心も。

「わかってないのはノウェよ! 貴方は何もわかっていない。貴方とその女の行いは、決して壊してはならない秩序を、全て崩壊させてしまうのよ! なのに、なのに貴方は……それでも世界を壊したいの!?」
「違う! 俺は世界を守るために、マナと共にこうして……」
「いいえ違わない。このままではいずれ世界は崩壊してしまう。貴方のせいでっ!」
「エリス!」
「どうして……どうして!? 私は……わからない、私にはわからないわ……」
821純白の贄 2:2005/11/13(日) 23:21:00 ID:9HLiffxl

自分の言葉に驚いた。
私は、認めてしまった。
自分が本当に、彼のことがわからなかったことを。
10年以上も一緒にいたのに。
ずっとずっと一緒だったのに。
貴方が私の世界だったのに。
なのに……私は、貴方がわからない?

「違う、違う……私は……私が……」
「どけ!」

団長閣下の声が聞こえた。
それから、時間はまるで急速に進んだかのように感じられた。
剣戟。
黒い影。
伸びる腕。
引き寄せられる体。
刃が貫く。
何処を?
誰が?
私の体を。
ノウェの剣が。
崩れ落ちる。
流れ落ちる。
扉は閉まる。
泣きそうな顔。
全ては儚い虚構。
そう、偽り。
偽りならば仕方がない。
認めよう。
ノウェを、ノウェの行いを、あの女……マナを、ユーリックを、ドラゴンを、そして騎士団の非を。
朦朧とする意識の中、彼のために道を指し示したものの、それはまるで自分の指ではなかったのではないかと、そんな気がした。
822純白の贄 3:2005/11/13(日) 23:21:51 ID:9HLiffxl

「……エリス?」
「……?」

ふいに名を呼ばれた。
誰の声だろう。
ここは何処だろう。
暗闇が覆う、死の世界か。
ならば声の主は死者なのか。
いよいよ終りということかしら、私も……
情けなくなった。
世界を守るどころか、真に世界に関わってすらいなかったのだろうか。
世界を守るために生まれてきたはずなのに。
やり残したことが沢山ある。
伝えてないことも沢山ある。
嫌、嫌よ……そんなの、嫌だわ。
私にはまだ……まだ!

「私にはっ!」
「わっ」

……?
暗闇に、突如光が射した。
いつの間にか上半身が起き上がっている。
生きて……いる?

「よかった、気がついたんだね。エリス」
「セエレ神官長っ! 何故、ここにいらっしゃるのですか!?」
「うん。ノウェと……マナを、止めに」

マナ、と呟いたときの表情が、どこか寂しげに思えた。
神官長は、あの女のことを知っているのだろうか?
考え、すぐに答えはでた。
神官長はよく神殿内の文献を読みあさっている。
私が文献から知った事実……あの女が、天使の教会の司教だったことを知らない筈が無い。

「でも、駄目だった。僕じゃ駄目だったんだ。世界は確実に……崩壊へと向かっている」
823純白の贄 4:2005/11/13(日) 23:22:37 ID:9HLiffxl

鈍い音が鳴り響く。
私の中で、何度も鳴り響いている。
崩、壊?
それでは……私は、認めてはいけなかったの?
守れなかった。
ノウェも、世界も、何もかも。
視界が歪んできた。
何故か、目に力が入る。
一筋、涙が流れだした。
急いで手で拭う。
いけない、エリス……それではただの愚か者だわ。
止めようとする度、滴は更に流れ落ちようとする。
私は、こんなにも、脆かったの……?

その時、とても小さい、けれど確かに、温もりを感じた。

「セ、エレ……神官長……?」
「ごめん、ごめんねエリス。ごめんなさい」

頭部を優しく抱き締められた。
彼の衣服を私が濡らす。

「僕が、止められなかったから。僕が……とても弱いから」

きゅ、と力が込められた。
震えている。
神官長の腕が、震えている。
しばらくの間、このままだった。
二人動かず、動けなかった。

やがて、涙は乾き、震えが止んだ。
824純白の贄 5:2005/11/13(日) 23:25:32 ID:9HLiffxl

「……最終封印は解き放たれた。世界はやがて焼き尽される。それを逃れるには、最終封印である紅き竜を止めなければならない。最悪の場合……封印は解除される。その時には、次の女神が必要となる」
「……わかっています」
「エリス……本当にいいのかい?」
「ふふ、セエレ神官長はイジワルね。わざわざ確認の言葉を口にするなんて」
「僕は……そんなつもりじゃ」
「ありがとうございます、セエレ神官長。あなたのおかげで……私の決意は揺らがぬものとなりました」
「エリス……」
「さぁ、参りましょう。私たちが今、行かなくてはならない場所へ」

純白の衣は贄の証。
世界に全てを捧げ、世界と共に生き、世界の為に、その身を焦がす。
痛みに、哀しみに、寂しさに、ただ一つの愛に。
愛はやがて、贄の身を紅く染めあげる。
それはまるで炎のように、自らを焼く。

私が、あなたへの想いで焼かれるというのなら。
本望、です──。


825名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 00:00:30 ID:POhpSliw
リアルで見てました。
エリス・・・つД`)
826名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 00:34:41 ID:R2LDKtW8
俺も見てた。
切なGJ…

>私が、あなたへの想いで焼かれるというのなら。
827名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 16:17:41 ID:p20h9OKQ
小説も本編も設定も全然無視してないと素直に思った。
GJ乙です。すげー良かった。ノウェを想うエリスがテラセツナス
828名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 21:09:14 ID:m2GkHO3C
>>403>>412から続き

映島ショックから抜けたので投稿します
鈍亀ですんません。
829カニバメイドさん襲来!?序章11:2005/11/14(月) 21:12:07 ID:m2GkHO3C
(これからどうなるの・・・?)
(これからどうしようか・・・?)
 
マナは恐らくこれから日常的に訪れる、カニバエルフさんの狂襲に曝されるであろう自分を想像し、
カイムはその度にマナの盾(無理やり)にされたり、エルフさんに「あなたでもいいわあぁぁぁっっ!」と齧られる自分を想像し、
共に陰鬱な表情でこの先の生活を悲観していた。
それなりにうまくいっていた(?)二人の生活に突然、食人癖のあるエルフさんが送りこまれて散々暴れまくった挙句、無理やり
同居するハメになったのだからそう思ってしまうのも無理はない。
                                            
(どうする? このままでは、マナが(俺も)生命的にも精神的にも持たんぞ・・・) 

洒落にならなすぎる事態を重く見て、どうすればいいか解決策を模索するカイム。
830カニバメイドさん襲来!?序章12:2005/11/14(月) 21:13:07 ID:m2GkHO3C
          ト
(いっそ最悪の事態が起きる前に殺るべきか・・・)

かなり血生臭い解決策を考えている様だ。
(それしかないな・・・どうやって殺る? マナにバレぬ様にしなければな。いや、バレても喜ぶか?) 


「ごしゅじん、さまぁ・・・ただいまもどってまいりました・・・・。」

――――――だがジジイは厄介だ、よく見に来るからな。服を持って来てアリオーシュと会ってるし、
      殺った事がバレると面倒だ・・・。

「・・・ごしゅじん、さまぁ?」

――――――逃げたという事にするか? だが事情は知ってる様だから隠し通せるか問題だな・・・。
      それに力を抑えられているとはいえ契約者、簡単には

「・・・・・・・・・ごしゅじんざまぁあああぁああぁぁぁぁっっっっ!!!!」

――――――――――――うおぉおっ!?

いきなり大絶叫で御主人呼ばわりされて、ビックリしたカイムは慌てて目の前にいた叫び主に目を向けた。

――――――――――――ア、アリーシュ? いたのか!?

そこには、全身を青色で統一したメイド服姿のアリオーシュがあった。
831カニバメイドさん襲来!?序章13:2005/11/14(月) 21:14:33 ID:m2GkHO3C

・・・・・・・・・・・・

カイムは3分程、メイド服を着たアリオーシュを虜になったかの様に見つめていた。
先程決意した、暗殺の事などすっかり忘れてしまった様である。
見つめられているアリオーシュはさっき絶叫したのが嘘の様に優雅に佇んでいる。

――――――――――――おい、その服はどうした?

「・・・ごしゅじん、さまの家しんという人がわたしに着ろとわたしましたわ。」

――――――――――――ああやっぱり。

予想、というか確信してたカイムは納得した。

――――――あのジジイ、見境なくメイド服を着せやがって・・・だが、今回は正解だった様だな。

そう思い、アリオーシュの服装をニヤケながら改めて見た。
アリオーシュの着ているメイド服は、マナのミニスカートタイプ違ってロングスカートタイプである。
マナの若さや可愛さ、更にはスカートとニーソックス間の「絶対領域」をアピールするミニスカートタイプのメイド服と違って、
アリオーシュのロングスカートタイプは従順、服従心を強く感じさせ、絶世の美貌も重なって殺人的な魅力を醸し出している。

――――――しかも、人妻だ!、そして未亡人! ・・・・くっ、これはヤバイぞ、俺の精神が別の意味で耐えられん・・・
      いや、まて、こいつは居候の身、立場は俺の方が上だ、そしてメイド!妊娠の危険も無い! 
      俺をとりあえず主人と認識してる様だし、これはもしやイケルか?

「・・・・何がイケルって?」

――――――はうあっ!?
832カニバメイドさん襲来!?序章14:2005/11/14(月) 21:15:56 ID:m2GkHO3C
いきなり、真後ろからの返答に心臓が飛び上がったカイムは慌てて振り向いた。
そこには、エルフさんに怯えながらも軽蔑の赤目を向けるのマナの顔。
ちなみにマナは着替え終えたエルフさんが向かって来る足音に気づき、座ってたソファから飛び上がる様に離れ、カイムの
後ろに隠れて、今まで様子をうかがっていたのだ。

――――――マ、マナか?・・・・い、いつから聞いていたんだ?

「ジジイに殺した事がバレると面倒だ、から垂れ流してたわよ、変態。」

(し、しまった・・・またやったか!?)

自分の思考がまたしてもだだ漏れしてた事が発覚して、後ろめたさと恥ずかしさで顔が赤く染まる。

話は変わるが
カイムは基本的に心の会話と思考は区別しており、無差別に思考が流れる事は今までは無かったが、マナと二人で町外れに住む様に
なってから暫くして、本人の気づかぬ内に度々、思考が会話の要領で流れてしまう様になってしまったのだ。
原因は不明だが、要するにサトラレである。(もちろん一般人にはきこえないよ)
もちろん、サトラレ保護法なんぞある訳ないので、だだ漏れの度にマナに指摘されて、それをネタになじられたりしているので
本人も思考を漏らすまいと気をつけてるが今の所、治る気配は全くない。

(って待て!? と言う事はアリオーシュにも聞こえてるじゃねえかよ!?)

カイムは慌ててアリオーシュの方に振り向いた。
833名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 21:18:14 ID:m2GkHO3C
エロ路線から激しく脱線してる様な・・・

でも続きます。
834名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 21:52:14 ID:jVOrGz0L
キタ────(*゚∀゚*)────!!!
待ってた。良かった、このまま消えてしまうのかと心配していた…
にしても、このインパクトで序章ってのがワロスw
835名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 00:47:34 ID:UTLD+2xX
キタキタキタ蟻さんメイド!
これから蟻さんとのめくるめくカニバリズム生活が(;´д`)
GJこれから楽しみにしてます。
836名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 01:03:39 ID:DvqvwJRo
後半からカイム壊れてるぞwwww


人妻・未亡人・居候・メイド・不妊娠!!

これは狙わないとできない!!
837儚き夢と崩れた何かと1 〜フリアエ:2005/11/15(火) 03:42:09 ID:UTLD+2xX
ブラドラに襲われず女神にもならなかった平和な国でのイフストーリーみたいな妄想設定で。

─────

「フリアエ」

呼び止められる。一番聞きたい声に。
振り向くと、そこには私の愛しき人。
「兄さん。どうしたの?」
「いや……いよいよ明日だな。結婚式」
「お祝いの言葉? それならもう沢山貰ったわ」
ふふ、と微笑む。
兄の眼には、きっと幸せそうに映っている筈。愛する異性と結ばれる日を明日に控え、心躍る幸せな女に。
「私、明日は今までで一番美しくなっていると思うわ」
「美しく、か……」
兄さんは顔を背けた。小刻に震えている。
「兄さん酷い、笑うだなんて……」
頬を少し膨らませる。
「すまない……フリアエには、美しい、というよりも、可愛いという方があっているな」
顔に笑みを張りつかせながら兄さんは言った。
止めて、止めてよ兄さん。そんなこと言われたら、私はまた心臓が苦しくなってしまうの。
今まで何度、兄の言葉に苦しめられてきたのだろう。最近は兄が何かを口にするだけで苦しい。
ねぇ、兄さん。私、私ね。
いつか、兄さんと結ばれるんじゃないかと。禁忌を侵してでも、兄さんの腕で抱かれるんじゃないかと。
838儚き夢と崩れた何かと2 〜フリアエ:2005/11/15(火) 03:44:15 ID:UTLD+2xX
夢を見るの。
私、おかしい?変?
でも、わかっています。
私が結ばれるべき相手は、一人。
幼い頃から変わらぬ愛を注いでくれる、イウヴァルト。
彼はいつでも私を想ってくれている。いつも私に優しい。優しい歌を歌ってくれる。癒してくれる。
私も、イウヴァルトを愛している。
けれど、彼を鬱陶しく思う時があったのも、また事実だった。
それは、彼が兄さんに、嫉妬を示す時。
たまに、二人の意見が対立することがある。その時、私が少し兄さんに味方しただけで、彼の機嫌は最悪のものとなり、あろうことか罵声まで浴びせるときもある。彼の父であるイブリス宰相には絶対に見せられない姿だろう。
結局兄さんが折れて、イウヴァルトの意見を聞きいれるのがいつの間にか定番となり。その後、イウヴァルトが気まずそうに兄さんに謝るのも当たり前になった。兄さんも兄さんで、いつも微笑みながら、イウヴァルトのことを許している。
謝るのなら、はじめから暴言など吐かなければいいのに……。
なので、最近はイウヴァルトの意見を持ち上げることばかりしている。けれど、彼の意見は時々、自分の都合のいいように解釈されたものになっている。障害の可能性を見ようとしない。
それでも、彼の嫉妬を見るくらいなら……。
839儚き夢と崩れた何かと3 〜フリアエ:2005/11/15(火) 03:45:17 ID:UTLD+2xX
「……どうかしたのか?」
「にっ、兄さん……」
気付いたら、至近距離にあの顔。いつ心臓が飛び出てもおかしくない。
「な、何でもないわ、少し気分が悪くなっただけ。部屋に戻るね」
「あぁ、あまり無理はするな。明日は大事な日なんだから」
「もう、兄さんそればっかり」
大事な日。
兄さんにとって大切な親友が結婚する日。
兄さんは心の底から喜んでいる。
私とイウヴァルトが婚約したあの日から、私と彼を祝福し続けてくれている。
兄さんは、物心ついた時から彼と一緒にいるのだから。
そう、兄さんと彼は親友同士。そこに、後から産まれた私が割り込んだ。

……後から割り込んだ私が、イウヴァルトを嫉妬に追いやり、兄さんとイウヴァルトの関係を気まずいものにしかけた。
それを私が嫌がる。なんておかしいのだろう。
元々彼等は二人だったのに。私は後からきただけなのに。
ごめんね、イウヴァルト。
私、兄さんを愛しているの。
あなたと兄さんの関係を歪めてでも、兄さんの側に居たいの。だから私、あなたと結婚するの。
……あなたはそれに、気付いているのでしょう?
だから兄さんに嫉妬を見せる。
血が繋がっているのなら、けして交わる筈はないのに。
あなたも夢見てしまったのね。
私と兄さんが結ばれることを。
流れる血の滴が、あなたではなく、兄さんのためのものだと言うことを。
「フリアエ……?」
「……」
部屋に戻る前に、兄さんのぬくもりが欲しくて、抱きついた。
「どうした?大丈夫か?」
「何でもないの。何でもない……」
もう少し、もう少しだけ。
ごめんなさい、ごめんなさい兄さん。ごめんなさいイウヴァルト。
もう変なことは考えません。
私は、表面的に繕う幸せと、裏に隠れた小さい想いを抱き締めながら生きてゆきます。
私が捧げる相手はイウヴァルト。
兄さんではなく、イウヴァルトだから……。
840儚き夢と崩れた何かと4 〜イウヴァルト:2005/11/15(火) 03:47:53 ID:UTLD+2xX

「フリアエ……」

柱の陰から、カイムとフリアエが見えた。二人は重なっている。
それは、妹が兄に甘える姿。なんらおかしいことはない。兄妹ならば、珍しいことではない。
けれど俺には。
フリアエが、カイムを兄としてではなく、ただの一人の男として視ているような。
妹としてではなく、女として……カイムも、もしかしたらそれに答えるんじゃ……
「ハハッ、何を考えているんだ、俺は……」
その考えを追い出すように、柱に頭をぶつけた。
そうだ、そんなこと考える必要はないんだ。明日は、待ちに待ったフリアエとの挙式なんだ。
そうしたら、フリアエは必ず俺の隣にいることになる。俺の隣で、俺の妻として、微笑んでいるんだ。
そうなれば、カイムとのわだかまりも全て無くなる。全て無くなるんだ。
あぁ、フリアエ。愛しい愛しいフリアエ。
フリアエは、ついに俺のものだけになるんだ。
カイムにだって渡さない、俺だけのフリアエ。
「! すまない……カイム……」
またお前の名を出してしまった。
カイムは祝福してくれたというのに。俺とフリアエのことを、心から喜んでくれたのに。
あの時から、俺がお前を傷付けた日から。表面上はなんとか元に戻ったように見えても、心のどこかで俺は。
俺はお前のことを疑ってばかりいる。
「すまない……すまない……」
俺は、ただ。フリアエを愛しているだけなのに。
気付けば、フリアエの姿は消えていた。自室に戻ったのだろう。
カイム、君と話せば、俺のくだらない懐疑心は消えてくれるのだろうか?
確証もない期待を胸に、俺はカイムの元へと足を進めた。
841儚き夢と崩れた何かと5 〜カイム:2005/11/15(火) 03:49:45 ID:UTLD+2xX

「カイム」

何時からそこにいたのだろうか。
イウヴァルトから声をかけられる。
「イウヴァルト、式場の飾りつけを見にいったんじゃなかったのか」
「あぁ、後でフリアエと共に見ようと思ってな」
「フリアエなら、部屋に戻」「いや、いいんだ」
遮られた。笑いながらも、イウヴァルトの青い眼は真っ直ぐ俺を見ていた。
「なぁ、カイム。俺は、最近おかしいんだ」イウヴァルトは顔に手をあて、そんなことを言い出した。
「……カイム、俺は本当にフリアエと結ばれていいのだろうか?」
「何を言い出すんだ、急に。あんなに喜んでいたじゃないか」
式を目前に、不安に襲われたのだろうか。そんな魂には見えないが。
「……? どうしたカイム?」
「いや、何でもない」
小刻に震える体をなんとか押さえる。流石に今のは、いくら相手がイウヴァルトでも失礼だったか。
「ともかく、昔からフリアエのことを想っているんだろう? 悩むことなど何もないじゃないか」
「俺は、俺はいいんだ。ただ、フリアエが……」
「フリアエもお前のことを想っている。だから、婚約したんだろう」
「違うんだ……フリアエは、フリアエはもしかしたら本当は……」
「……」
イウヴァルトが何を言いたいのか、察しはついた。けれど、俺は気付いてはいけない。
「何言ってるんだ、お前らしくもない」
「そ、そうか?」
「それに先刻、フリアエは嬉しそうに明日のことを話していた。フリアエも楽しみにしているんだ」
「フリアエが……」
それが、フリアエの真意ではないとしても。妹は幸せであるかのように見せようとしていた。
だから俺は、イウヴァルトにそう伝える。
842儚き夢と崩れた何かと6 〜カイム:2005/11/15(火) 03:50:50 ID:UTLD+2xX
「お前も変なことばかり考えるな。明日はお前が主役なんだから」
「主役か、ハハッ」
沈んだ顔から、いつもの快活な笑顔になった。
そうだ、それでいいんだ。
笑っていて欲しいんだ、二人には。
……二人が婚約してから、それまでとは変わって異質な空気が漂っていた。俺は、何も変わらないと思っていた。
これからも、三人で共に……
そう、願っていただけだった。
「……カイム……お前は、その……」
「どうした?」
「お前も……本当は……フリアエを」
「イウヴァルト」
「……」
「変なことは考えるなと言っただろう。俺は、妹の幸せを願っている。フリアエとお前が結婚することが、一番の幸せだと信じているんだ」
この言葉に偽りはない。あの日から、そう想い続けている。
「……そう、だよな。俺は余計なことをお前に……」
「いいんだ。それよりも」
「何だ?」
「妹を泣かすなよ」
「わかっているさ! お前の大事な妹を泣かせるもんか」
「それでこそお前だ」
お互いに笑いあう。これなんだ。俺の欲しいものは。
イウヴァルトと、フリアエと。ただ三人で笑っていることが、俺の一番の望みなんだ。

だから、気づかない。この先、何があろうとも。フリアエの心には気づかない。イウヴァルトが何を疑っていたのか、気づかない。
思慕と懐疑。
それは、不要のものなのだから。
今日は二人で笑っていよう、イウヴァルト。お前とフリアエと……俺の為に。
843儚き夢と崩れた何かと7:2005/11/15(火) 03:52:47 ID:UTLD+2xX



やがて、式は終わり。二人は子をなした。そして一人の皇子が継いだ国は栄えていった。いつまでも、いつまでも。



ねぇ、兄さん。子供はね、とてもよく兄さんに似ているの。もちろん、イウヴァルトにも似ているわ。でもね、兄さんの雰囲気をしているの。兄さんも、子供のころはこんな感じだった……?
844儚き夢と崩れた何かと8:2005/11/15(火) 03:53:54 ID:UTLD+2xX
「……カイム」
――あぁ。
さざめきは止まない。
女神たちは、今も増殖を続けている。
腕の中の元はたった一人の女神“だった”フリアエも、僅かに取り戻した光を失い。骸は、異形でありながらも安らかな顔をしていた。
これで彼女の夢は、永遠のものに。決して終わることはないだろう。
浮世では叶わなかったことも、彼女の中でなら。
イウヴァルト……お前が求めていたフリアエを。
全て、お前の元に。
もう妹は妹ではないが、それでもお前が歌ってやってくれ。
――……いや。お前はもう、歌えなかったか。
けれどお前は歌うだろう。澄んだ声は出なくとも。愛を述べる詩は出なくとも。それは最早言葉ですらなくとも。
お前はフリアエの為に歌い続けるのだろう。
「……よいか、カイム」
――行こう。我が身朽ち果てるまで。
女神を静かに横たえた。世界の為に身を削ってきた彼女の救いようのない最期。
それでも、フリアエ。
夢は誰にも汚されない。夢ならばお前だけの人生を歩んでいける。
幸せに……なってくれ。

女神たちから得る殺戮の快楽。
そう、これはお前の顔をした、異形の生物兵器。
全て滅ぼしてやろう。
これはお前ではないのだから。お前はたった一人なのだから。
炎が女神を灼き尽す。
何体目になるのだろう。十を超えたのは覚えていたが。
それでもまだ終わりはない。孵化する女神を誰も止められない。鳴き声は増え、その音を不快に感じたのは果たしていつのことだったか。
衝撃波が襲ってくる。ナイフが竜の皮膚を引き裂く。赤い竜は苦しげに息を吐くも、女神に近づき、また一体地に落とした。
「……カイム。次で最期になりそうだ」
――そうだな……ここまでか。
「すまないな、我では力が足りなかった。おぬしの望み、叶いそうにない」
――いいんだ。気にするな。
「おぬしなら……本当に全てを葬り去ることができたと思ったがな」
――買い被りすぎだ。
「何を言うか、今までも目前の敵を全て滅ぼしてきた奴が」
――そうだな。……ドラゴン、もう少しだけ、お前と話していたかったが。
「我もだ。だが、女神が待ちわびておる」
――あぁ、終らせよう。
「全て、な」
845儚き夢と崩れた何かと9 (終:2005/11/15(火) 03:57:54 ID:UTLD+2xX



世界は女神で埋めつくされた。
今まで世界が女神から奪ってきたものの、代償であるかのように。
まるで世界と女神の契約であったかのように。
女神は人類を全て滅ぼし、神の創造のための新しい大地を作り上げた。
人類を抹殺するための兵器であった女神たちは、これからどうなるのか。

神のみぞ、知る。




─────
ギョロアエたちとのハーレムを書こうと妄想してたらこうなったのは内緒です。
846名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 09:25:54 ID:VofZx5pu
フリアエ切ないな・・・
ストーリサイドでカイムに対して狂おしいまでの愛情を抱いてたのを思い出したよ。
847名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 15:43:46 ID:DkINT9Rh
GJ乙です。ギョロアエンドの真実ってこんな感じだよなぁと思った。
なにげにカイアンなところも良かった。

カニバメイド話の続きマダー?
848名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 23:21:16 ID:hseon5/h
なんかイウヴァルトに萌えた。かわいいな……
849名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 23:32:08 ID:1XJsDbzq
保管庫の管理人様、更新ごくろうさまです。
850名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 14:47:26 ID:uRnXEh/A
>>845
こういう話好きだ。面白かった
なんか改めてフリアエが悲惨だと思った。一番不幸だよなあこの人
851名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 02:07:31 ID:cfciTBDc
マグニチュードネガティブではカイム見るだけで濡れてたしな。
852名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 23:07:42 ID:M9ncldt6
レグナール
853名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 01:19:55 ID:daPxERMe
あげ
854名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 10:35:23 ID:etzbaWLI
ギョロアエ(複数)×カイムってアリ?
855名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 16:04:15 ID:A/MJ60ZW
あり。
投下求む。
856名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 16:33:09 ID:daPxERMe
ギョロか…これはカオスなエロになりそうだw

カニバメイドたんの続き読みてぇ〜!!
あと了の職人さん何か落としてくれないかな
857名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 17:05:54 ID:kWjA8nrs
カモン、ギョロ!
858名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 21:30:38 ID:WVGVrWak
誰もいない…
859名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 22:35:17 ID:4vtfHE55
|∀゚)
860名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 23:10:40 ID:WVGVrWak
カモーン!!カモンカモン!!
861名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 23:30:04 ID:TWtexpGO
エロ無しですが、他の職人さんが投下するまで暇つぶしに読んで下さい。
862名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 23:33:03 ID:WVGVrWak
マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
863名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 23:56:51 ID:WVGVrWak
投下されない…
864青き丘陵前夜(1):2005/11/21(月) 23:57:04 ID:TWtexpGO

「なんだ、もうゆくのか?カイム」
アンヘルの翼の中にいたカイムが立ち上がる。

(ああ…今日は布団の中で眠りたい)

「我の翼の中も暖かいぞ?」

(禿に後から顔を出せと言われてたのを思いだした)

「我との貴重な、す…すきんしっぷの時間ぞ?」
(…おまえ何言ってるんだ?)

「う、うるさい!おぬしが言わせているのだ!我はもっとだな…(ry」

(…話にならんな)

なおもギャーギャーうるさい小言を聞きながして野営地へ向かう。
テント前に焚き火を囲む様に変態ども…契約者達が座っている。

「おぉ―!カイム待っておったぞ」
カイムの姿に気が付いたヴェルドレが膝をバシバシ叩いている。

(…めっちゃ酒臭いやんか、このハゲ親父)

一発殴ったろか、と踏み込んだ瞬間何かに足を取られて後頭部からハデに転ぶ。

「あらたも酔っているろれるか?」
レオナールも相当酒が入っている様だ。
足もとを見ると一升瓶。
(…これにつまずいたのか)

腹立ち紛れに得意の足蹴りでレオナールの方へ蹴り飛ばす。

(だいたい何だ、この有り様は!明日は帝国領土に踏み込むんだぞ?その前夜に呑気に酒盛か?あぁ!?)

「りらっくす、りらっくすだぞカイム。そなたもいつもその様な怖い顔ばかりしていては女も寄り付かぬぞ?」

アリオーシュが一際大きな声で笑う。

(…大きなお世話だ)

「カイム、あらたひょっとして酒が呑めらいのれは?いえ何れもありられん」

(酒くらい、呑める)

865名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 00:27:28 ID:cNpl6fYO
一レス投下乙
866名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 00:47:37 ID:6K8wAy6/
まぁまだ投下途中作業なのかもしれないぞ。落ち着け。
867名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 00:56:23 ID:Fcjp2ND7
すみません「続く」と入れ忘れてしまいました。明日続きを投下します。
868名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 00:59:31 ID:cNpl6fYO
ごめん。ついなんかモヤっとしてしまった…
ごめん。
869青き丘陵前夜(2):2005/11/23(水) 00:20:48 ID:V3CKqyin

なみなみと酒をつがれたグラスにしぶしぶ口をつける。

(ところで何か用事があったんじゃないのか?明日の事で)

「特にない」
あっけらかんとヴェルドレが答える。

(…あ?)
どうやらただ単に酒盛したかっただけなのだ。

「それより今好みの女性の話をしておった所だ。先代の女神は美人だったぞ。こう胸もはちきれんばかりでなぁ、うんうん」

「わたくしは金髪で緑の瞳でしたら…」

(けっ…それは女じゃなくてガキの趣味だろが、この変態が)

「カイムおぬしはどうなのだ?」

「普通の恋愛した方がいいれすよ。妹とか人間外は如何なものれしょう」
(いや、おまえにだけは言われたかない。だいたいなぁ、仲間だと思ってないが仲間になる契約者にまともな奴がいないってのはどうよ。スタッフは俺の事嫌いなのか?扱いが酷すぎやしないか?)

「カイムおぬし何の話わしているのだ?」

「どうやら酒が入ると愚痴っぽくなるようれすね」

(あー俺誰か斬りたくなってきた。そうだ禿親父、どうせこの先俺に斬られるんだ今ここで殺ってやる)

「いやだから何の話を…っておい剣を抜くな」

「…お腹が空いたわ…」アリオーシュがぽつりとレオナールの方を向いて呟く。

「アリオーシュ、わたくしは好みの範疇では…」言い終らない内にレオナールに飛びかかっていく。

「ヴェルドレ!早く鍵を掛けて下さい!」
一気に酔いが醒めたレオナールが叫ぶ。

(そうだ鍵だ。それが2の元凶なんだ!)

「いやだから何の話なのだ、よせ近寄るでない!」


そこでカイムの記憶がブラックアウトする。

翌朝取り敢えず無事だった二日酔いの4人の姿が青き丘陵にあった。

おわり
870名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 04:49:37 ID:mrHsxq8J
>>869
GJ!!
871名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 04:51:27 ID:tMQzCJ8N
二日酔いのままサイクロプス戦、1500人殺しに行くわけですか…
さすがカァーイム
872名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 07:02:43 ID:AFcNwxws
GJ乙!!
面白かった。後日談キボソヌ
873名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 07:52:09 ID:yDylBoUj
二日酔いキタコレ!
気持悪い→機嫌悪いでむしろ強くなってそうな気もしなくもない。GJ。
874名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 16:11:21 ID:19o581Q4
過疎ってきた気がする。

    ∧∧ ∩
    (`・ω・)/ 愛して!
   ⊂  ノ
    (つノ
     (ノ
 ___/(___
/  (___/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
875名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 23:36:55 ID:pT4btQ8B
他の職人さん何か投下しないかな・・・。

俺また何か考えてくるわ。

876名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 22:42:31 ID:cUG5Ft1s
>875
待ってるよほす
877名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 00:15:31 ID:t+cmkwyk
職人はみな去ったのか…?
878名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 09:39:39 ID:n1EZuPjg
職人さんにも色々あるんだ、気長に待とう。
879名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 19:07:02 ID:31+jDLtN
カイマナしか書けない末期な俺でよければ書きますよ('A`)
880名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 21:16:12 ID:n1EZuPjg
カモーン!Щ(゚д゚Щ)
881名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 00:44:57 ID:707NsdAF
>>879
カモン同志
882名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 19:09:26 ID:r8DvyZ5u
カイアン(擬人化無し)ってまだ需要ある?
883名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 19:50:56 ID:CRu08KYk
あるはず、何だってあるはず!!

投下投下、カモン!!来るんだ!!
884名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 19:57:32 ID:vmdYPX4S
>>882
というかDODではそれが王道です
885名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 21:41:30 ID:XRran7Cm
>>882
ある超ある蝶ありまくり
886名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 00:05:39 ID:yIPmFSHD
ギョロエロも蟹場メイドもカイマナもカイアンも楽しみにしている!

あの、ところでその……レオナール兄さんの自慰ネタでも皆怒らない?ホモーではないんだけど……
887名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 00:08:53 ID:n87I2Y/2
>>886
オナール兄さんの裏の林ネタ、投下しても構わないんじゃないか?
888裏の林のレオナール兄さん1:2005/11/28(月) 00:41:09 ID:yIPmFSHD
ありがとう、>>887。君はとてもいい匂いがする。
本当は裏の林じゃないけど、投下します。
─────

深い闇を星が照らす。その日は静かな夜だった。
「今日も……多くの方々が亡くなりました。連合軍も、……帝国軍も」
男は目を閉じ、ただ静かに祈る。それは誰を想ってか。彼は全ての死者のために祈っている。つもりだった。
「私は……罪深き人間です」
男……レオナールは、そっと目を開ける。黒目の存在しない眼球には紋章が描かれている。その目は何も映さない。
「おぅおぅ、辛気クッセー顔しちゃってよぉー、ギャハハハハハ!」
翠色の光が星に重なり辺りを照らす。役目を失った眼球は、この光の主、フェアリーと契約したことで手に入れた。
「もうお前さー、ウッゼーンダヨバーカ」
……口は悪いが、流石人外と言うべきか、凄まじい魔力を秘めている。不本意だが、その力には幾度となく助けられた。
「あ、怒った? ハイハイ、謝ればいいんでしょー、謝ればー。スミマセンデシター」
フェアリーはレオナールの周りを何度も回っていた。その騒騒しい声も光も、今はすっかり慣れてしまった。契約当初は、不快でもあり、凶器でもあり、狂気でもあり、果ては全てを超越し、快感すらも感じられたものだった。
「キレたレオナールちゃんはとってもとっても恐ろしいでちゅからねー。ぎゃー、襲われちゃうよー、欲望の捌け口にされちゃうよー」
「……よして下さい、フェアリー。私はただ祈っているだけです。今だけは、汚らわしいことは全て忘れ去りたい……」
「祈っているだけですぅー? どうせお前は死んだ奴らのために祈ってンじゃないよなー? お前の頭の中は弟と弟と弟と、年端もいかない少年兵たち、それから大大だーい好きなセエレちゃんでいーっぱいだもんなぁ」
「……」
セめられる、という行為は何故か、心の傷をエグられると共に、ココチヨサを掘り起こしてくれる。己はなんと汚れた存在なのだろう。そう思うことすら、私は私を高めている。
889名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 00:41:20 ID:7kkVB97j
俺読みたい!
890裏の林のレオナール兄さん2:2005/11/28(月) 00:42:46 ID:yIPmFSHD

フェアリーの言う通り、レオナールは全ての死者を想っていたわけではなかった。ただ、愛玩の対象である……。
「もうよいでしょう、フェアリー。私を愚弄にすることで、あなたは満たされた筈です」
「ホントに駄目なおっさんだなー、俺がいなくなったらよー、そのお友達で今日も楽しむんじゃないのぉー?」
「いえ、決してそんなことは……」
「隠さなくても、お前のことはなぁーんでもわかるぜー。今も右手が我慢できないって泣いてるんだろ。あ、右手じゃなくてあっちだったかな?」
「……」
「ほらほら、早く出しちまいなよ、息苦しいんだろ? 楽になれるし、可愛いセエレちゃんにぶっかける事ができて正に一石二鳥じゃん?」
「……セエレは関係ありません」
「関係オオアリダヨナー? 大事な大事なオカズ様だもんなー?」
「いい加減にして下さい!」
「なんなら手伝ってやろうか、見られるのも大好きだもんなぁ?」
「何を……」
「ほらほらレオナールちゃん、優しくしてやるから、とっとと薄汚ねぇモン出しやがれ」「やめてくださいフェアリー、魔力はあれど、小さいあなたに何ができると」
「あ、馬鹿にしてる? 馬鹿にしてる? 試してみなけりゃわかんねぇんじゃなーい?」そう言うと、フェアリーは人間の指位の大きさの、小さな掌を股間にすりつけた。
「ぐっ」
小さな刺激が頭を巡る。
「うわバッチー! キッタねー! クッセー! 最悪だこりゃ。腕切り落とさねーと、病気になっちまう!」
腕をブンブンと振って、フェアリーはあちこちに飛び回った。
「やっぱやーめた、お前のは汚すぎ! 人間の中で一番腐ってんじゃねーの? それに付き合えんのなんて、お前の右手しかねぇな」
最後に、フェアリーはレオナールの目と鼻の先に浮かんだ。
「邪魔して悪かったなぁ、それではゆーっくりお楽しみ下さーい」
邪な笑みを浮かべ、フェアリーはどこかに飛び去っていった。
891裏の林のレオナール兄さん3:2005/11/28(月) 00:45:43 ID:yIPmFSHD

「やれやれ……」
溜め息をつく。正直、少し期待したなどとは、口が裂けても言えない。
「あぁ、いけない。また彼に聞こえてしまう」
心を読まれるというのは、なんと厄介なことか。
「さて……」
地面に座りこむ。
「愚かな……私は本当に愚かな人間だ……」あれだけの事を言われ、まだ真の目的を忘れないでいる。レオナールはベルトを緩めた。
「セエレ……私は君を守りたい。その為に、君をこんなにも下らないことに利用するのを許して欲しい……!」
彼は、静かに右手を動かし始めた。

(続

─────
ゴメンナサイゴメンナサイオガーザーン。続いてしまいます……
892名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 01:00:33 ID:7kkVB97j
すまん…!俺のレスがとちゅうで入って台無しに…すまん!
俺、どきどきしてる。
セエレたん絡むのか?
期待してる!!
893名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 01:04:40 ID:n87I2Y/2
まさにオナ兄さんの宴の始まりだな。
続き待ってるよ。
894名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 01:07:22 ID:yIPmFSHD
>>892
いえいえ気にしないで下さい。ありがとう>>892。本当にありがとう。


細かい訂正。
2の「愚弄にする〜」の「に」はなかったことにして下さい。
895名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 16:56:56 ID:ucrT2gUs
ちょ、続きが激しく気になってるので続きキボンヌ
896名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 20:48:41 ID:KtTgKTDH
やばい、普通に続きが気になるw
897裏の林のレオナール兄さん4:2005/11/28(月) 22:37:25 ID:yIPmFSHD
何か裏の林ネタからズレてしまった……申し訳なく思いつつ投下します。
─────

「あーあ、あいつも進歩がないねー」
一度はレオナールの元から飛び去ったフェアリーだったが、空を蹴り、再び彼の元へ向かう。勿論、最初から離れるつもりはなかった。
フェアリーにとって、レオナールは運命共同体でありながら、玩具でもある。それも最高の品だ。彼はいかなる時でもいたぶられる事を望んでいる。罵るのが常であるフェアリーにはそれこそぴったりとしか言いようがないのだ。
幼き同性を愛し、それを醜いと考え、苦悩し、それでも自らを傷付け、欲望を満たす。
なんと汚れた存在か。なんと深い闇を秘めるか。闇は、魔物にとって極上の糧である。
「さーて、お楽しみ中の所を邪魔してやろうかなぁー……っと、んー?」
何かが視界に入った。低すぎる背。言うまでもなくあの子供だろう。
「なんだぁあのガキ。相変わらずたらたら歩きやがって。あいつ見てるとムカつくんだよなぁ……ちょっとシメてやる」
フェアリーは進路を変え、その子供の元へと向かった。
898裏の林のレオナール兄さん5:2005/11/28(月) 22:39:04 ID:yIPmFSHD

「よーぉ、セエレちゃん! 元気してるー?」
「あ……レオナールのフェアリー」
「亀みたいにちんたらちんたら歩いちゃってまぁまぁ、コワーイ狼に襲われちゃっても知らないぜェ。きれーなおケツが台無しに」
「……? お尻が噛まれちゃうってこと? 大丈夫だよ、ゴーレムがついてるもん」
「あー、あの何時でも土の中で引きこもってる奴ね」
言い終わらぬうちに、地面が振動を始める。
「うわっちゃ、冗談冗談! 本気にするなよ」
「落ち着いて、ゴーレム!」
セエレの声で、振動が止む。
「ふー、危ねぇ危ねぇ」
「ごめんね、フェアリー……」
「うわっ、イイ子ちゃん気取りですかぁ? 気持悪ぅ」
「……」
「つーかさぁ、なぁにほっつき歩いてんの? また囚われのお姫様にでもなるつもり? 迷惑。あんたほんと迷惑」
「ち、違うよ! ヴェルドレが今後のことについて話し合いたいから皆を集めてくれって……カイムはすぐ見つかったんだけど、レオナールとアリオーシュが……」
「はぁ? そんなの思念で呼べばイイんじゃん?」
「だって……アリオーシュは何言ってるのかわかんないし、レオナールはまったく反応ないし」
「うっげ、あいつ愛しの愛しのセエレちゃんの声にも気付かないほど熱中してんの? 末期じゃん。あ、元からか」
「フェアリー、レオナールが何処にいるか知ってるの?」
「そりゃま、あんな変態でも一応契約相手」
「レオナールは変態じゃないよ」
「その台詞、あいつの前で言ったら涙垂れ流して悦ぶぜ。もう上から下から大洪水」
「そうなの?」
「んなこたどーでもいいんだよ。あいつの居場所が知りたいって?」
「うん」
「うっひゃー、こりゃ面白れーぞ」
「え、どういうこと?」
「行ったらわかるぜギャハハハハ!」
「う、うん……」
「ここをまーっすぐ行きな、まーっすぐ」
「えっと、ありがとう。教えてくれないかと思ったよ」
「いやいやいや、可愛いセエレちゃんに変態が会いたがってたからねぇ。さしずめ俺はキューピッド? 変態と幼児の? うえっ、世界一ムカつく肩書き」
「変なの、いつも一緒にいるのに」
「そうそう変なの。変なことするから変態。おわかり?」
「うーん、なんとなく」
「ヒィー、ついにこいつにまで変態って思われちゃったぜあいつ。御愁傷様、ちーん」
「とにかく行ってくるね」
「へいへい、いってらっしゃーい」い」
走り去るセエレを見送る。
「さぁて、俺も行くか。……そういやシメん
899裏の林のレオナール兄さん6:2005/11/28(月) 22:43:26 ID:yIPmFSHD
ずれてしまいましたが気にしないで下さい……orz
─────

「さぁて、俺も行くか。……そういやシメんの忘れてたな……ま、いっか」
フェアリーは再びレオナールの元へ向かった。

「……ハァ」
レオナールは、虚無感に襲われていた。熱った体が、急速に熱を失う。今日の行為はここまでか……。
「あぁ……セエレ……」
剥き出しの自身をしまうことも忘れ、暫くの間余韻に浸る。セエレの滑らかな肌、艶やかに流れる金の髪。いつまでも触れていたい……。
けれど、所詮は想像の世界。現実のセエレに触れながらなど、どう考えても無理な話だ。セエレには、彼だけにはこんな姿を見られたくはない。きっと、軽蔑される。
「はは……何を考えているのでしょうか、私は……」
軽蔑を恐れながらも、行為を止めるつもりはない自分。今は戦争だというのに。こんなことをしている場合ではないというのに……
風が、レオナールを撫でる。
脳裏には、いつの間にかセエレに軽蔑される自分が浮かんでいた。
止めてくださいセエレ……そんな目で私を……!
先程、今日はここまでと打ち切ろうとしたのはどの頭だったのか。自身は簡単に膨張した。
「あ、あぁ……私は、また……」
情けなさに震えながらも、右手は再び伸びていった。

レオナールは気付いていなかった。気付く筈もない。
行為を再開した直後、セエレがレオナールの背を見つけたことを。


(続
900名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 22:57:02 ID:60Bs1QiO
キタコレ(゚∀゚)!!
フェアリーおもすれぇえ!
楽しみにしてる。GJ!
901名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 23:44:00 ID:n87I2Y/2
オナール兄さん大ピーンチ!
愛しのセエレたんに見られてしまうのか?!
902名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 00:16:35 ID:hySPRvP8
血と花と処女Act.3を投下させてもらってもいいですか?
903名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 00:22:39 ID:Qj3J/abO
カモーン!Щ(゚д゚Щ)
904血と花と処女 Act.3「関係ない」:2005/11/29(火) 00:29:24 ID:hySPRvP8
深い森を抜け、村にたどり着いたカイムとアンヘル。
しかし村には人の気配がまったく感じられなかった。
帝国軍に襲われたのか、と考えたが死臭がしないためにそれは頭の中で打ち消す。
それに、ついさっきまで人がいた気配はあるのだ。
連れ去られたとも考えにくい。

――……

「カイム……あの空から垂れておる糸、何に見える」

――知るか

「聞いてみただけぞ。我はあれが垂れておる場所に行ってみることにした」

それだけ言うとそそくさと歩いていく我が儘竜に腹を立てながらも、着いて行った。
先頭を歩く幼い子供の姿をした、赤い竜の華奢な体を見ていると、この前の行為を思い出してしまう。
あの細い指先が蛇のように絡み付いてくる快感。
思い出しただけでもゾッとするほどだ。
そしてその考えは直ぐに断ち切られる。
これ以上考えていたらアンヘルに聞かれかねないからだ。

しばらくして黒い糸の下へと辿りつく。
そこにあったのは醜い、生物と言っても良いのか躊躇われるほどだ。
黒い何かわからない“それ”は、空中から生えた訳の解らない糸で吊るされていた。
先ほどまでの思考をカットし、なにばり考える前にカイムは剣を抜く。
と同時にアンヘルに尋ねてもみる。

――アンヘル、あれが何かわかるか

が、明確な答えが返ってこない。
何かと目線だけを動かし、視線を彼女の方へと向ける。

「……あの糸は一体どこから伸びているのであろうか……それにしてもあの形、作ったやつの気が知れぬ……第一にあの――」
と、独り物思いに耽っていた。
ようするに、アンヘルも解らいないのであろう。
そんなアンヘルを尻目に、

――斬って問題はないな

「な……我が調べている最中ぞ。と、言っても聞かぬか。好きにするがよい」

流石に物分りがいい。
得体の知れないものなだけに、斬ってみたいという衝動も一入だったのだ。
が、時間を掛けると後ろで紅い目をギンギンにさせて観察しているやつに、愚痴を言われても困る。
警戒しながら腰を微かに屈め、前へと踏みだす。
交わる瞬間に横に構えた剣で、そのまま真っ二つに切り裂く。
あっけない幕切れ。
それが結果。

――……

「気にするな、さしあたり我等には関係のないことであろう」

――……
その回答に満足したわけではないが、先ほどのものは跡形もなく消えていた。
第一にそれを訊くのも野暮というものだろう。
二人は用済みの村を後にする。
905名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 00:29:53 ID:hySPRvP8
以上です。
続きはまた後日。
906名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 12:20:32 ID:l4Y7hUCW
これは前の続き?
907名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 21:17:56 ID:hySPRvP8
>>906
続きです。
908裏の林のレオナール兄さん7:2005/11/30(水) 23:35:28 ID:HfcXLK8T
>>904
GJ、擬人化竜イイ!

今日も兄さんネタで('A`)短いけどとりあえず投下させて下さい。
─────

「あ、いた」
フェアリーの言うとおり、まっすぐ進んだら本当にレオナールがいた。ゴソゴソと何かをやっている。
「何してるのかな」
声をかけようとしたが、セエレは思い止まった。
「どうせだから、少し脅かしちゃえ」
戦場で刃を振るい、石の戦士を呼び出す契約者も、所詮は幼い子供である。悪戯心は忘れない。
足音を立てないように、そっと忍び寄る。レオナールがどんな反応をするのか。多分、少し驚いた後、笑って許してくれるだろう。
ふふ、と心の中で笑う。
後少し、もうすぐで……

「お、後もうちょっと!」
セエレの後方、少し離れた場所にフェアリーがいる。
レオナール、セエレ、フェアリーが丁度一直線になって、なんとも奇妙な感じである。
「ウヒヒ、あいつらきっとやべぇ顔になるぞ」
愉快で愉快で堪らない、これこそ最高のシチュエーションってやつだ。
フェアリーは、セエレの背中を押し出したい気分でいっぱいになったが、それは我慢しておくことにした。

「あぁ……セエレ、セエレ……」
うわ言のようにレオナールはぶつぶつと呟く。小声のため、レオナール自身にしか聞こえていない。
額には玉のような汗が吹き出ている。
二度目の絶頂は確実に近付いて……。

唐突に、嫌な予感がした。
何でしょうか、この感じは……?
己を慰める唯一の存在である右手を止める。
先程よりも強烈に、体中の熱を奪われたような気がした。取り巻く空気が、凍てつくような。
……見られて、いる?
最悪の考えが脳内に浮かぶ。
帝国兵ならまだいい。申し訳ないが消えていただくだけだ。
だが、もしも、もしもあの子だったら……
振り向きたくない。振り向いたら、我を失ってしまうかもしれない。しかし、振り向かなければわからない。乱れた心眼では、何も見えない。
意を決して、レオナールは振り向くことにした。

レオナールは忘れていた。振り向く前に、しなければならないこと。
怒張した己を、隠すことを。


(続
909名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 23:52:09 ID:dz4lNwR9
オナール兄さん人生最大級のピーンチ!
早く続きキボン!
910名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 02:06:02 ID:QwCQSk3E
はっ、はやく続きを…ハァハァ
911名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 12:00:19 ID:bD0LkPaW
続き!続き!
早くキボン!(*´д`*)
912名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 17:03:51 ID:KLf85ezP
(;´Д`)ハァハァ
セエレきゅんレイプまだ?
913裏の林のレオナール兄さん8
す、すまん、セエレエロはないや〇| ̄|_期待してたならごめんよ……では投下。
─────

レオナールは振り向いた。
背後に顔を向けることによって、少しは冷静さを取り戻せるのではないか、と。最早彼の思考は滅茶苦茶だった。
精神を集中し、心眼を研ぎ澄ます。

が、しかし。
すぐ背後には、誰もいなかった。
ただ、少し離れた場所に淡い光がある。恐らくフェアリーだ。再び私を蔑むために戻ってきたのだろう。
レオナールは安堵した。フェアリーならば気にすることもない。いつものことだ。
先程の視線も、フェアリーのもの……?
疑問はすぐ湧いた。
フェアリーに見られることなど、いつものこと。既に慣れている。
ならば、今更フェアリーに見られたぐらいで、あのような視線を感じるだろうか?
……もしかしたら。
こめかみのあたりに、冷や汗が流れた。
何処だ、何処に誰が……

すぅ。
空気を吸う音がした。

「わっ!」

耳元に、声が響く。聞きたくて聞きたくて堪らなかった、同時に今一番聞きたくなかった声。
その声を境に、世界が、止まった気がした。

……今、何が起こったのでしょうか?
誰かに問掛ける訳でもなく。
風も、木のざわめきすらも止まった世界で、レオナールの唇だけが動く。
現実が、レオナールの想定を超えていた。
とりあえず、整理しよう。
先程の視線はフェアリーのものではなく、声を発した人物のものだとする。
しかし、視線は確かに背後から感じられた。
ならば何故この人物は私の体に対して前方にいるのだろうか?
回りこんだ、というのが妥当だろうか?
暫くレオナールはそんなことを考えていたが、やがてその行為は現実から逃避するためにしているということに気が付いた。
窮地に陥ると、必要なことよりも寧ろどうでもいいことばかり考えてしまうのは、仕方のないことなのか。
確かな事実は、一つ。

振り向いた状態の頭部の後ろ、体の向きに対して前方に。
……セエレが、いる。