空ノ鐘の響く惑星でエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
せめて妄想の中だけでもウルクを幸せにしてやってくれ

あれじゃかわいそうだ・・・
2名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 08:07:43 ID:fDgzH4a3
あれ、もしかして、どうでもいいってやつ?

3名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 09:26:48 ID:odg6emCs
つまりウルク凌辱を書けという事なのか。
パンプキンが邪魔しなかったルートだな。
41:2005/07/28(木) 09:45:29 ID:fDgzH4a3
確かにウルクは話の流れ的に凌辱向きかもしれん

しかし!だからこそ!フェリオ×ウルクとか希望したい
51:2005/07/28(木) 18:03:22 ID:fDgzH4a3
やっぱりマイナーなのか?

それとも時間が悪いだけか?
6名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 19:23:35 ID:q/HZ0ptF
悪いことは言わん、
せめて渡瀬総合スレで立て直せ。

>>1には作品群の解説を書け。

全てはそれからだ。
7名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 20:04:46 ID:qKFBRsU2
パラムンなら書きやすいんだがな。
81:2005/07/28(木) 21:14:15 ID:92kYb6HR
正直すまんかった。少し先走りすぎてたみたいだ

あまりもウルクが報われてないもんで。つい
9名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 08:10:29 ID:1hNWQZyk
補y素
10名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 23:05:15 ID:CiPOBlFp
.
11名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 06:44:43 ID:U6hX9INg
12名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 06:38:00 ID:38u5PyqU
¥k;b
13名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 16:12:53 ID:QMeYKCxc
ウルクウルクってリセリナやシルヴァーナやニナは不可と言うのかー


つーか、今からでも渡瀬専用スレにすりゃ良いんじゃね?
次スレ(1000行けばだが)からはスレタイに渡瀬入れてさ。
14ダメ王宮騎士A:2005/08/05(金) 18:06:50 ID:YitYuU9L
自信無い作品で携帯からでも良くてフェリオ×ウルクでも良くてエロは結果だけで四巻の途中からのパラレル創作でもいいなら二、三日後に投下したいと思うが、どうだろうか。
15名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 19:29:09 ID:CfPdpERX
>>14
まずは投下だ
16名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 19:52:43 ID:mLISD4YM
>>14
断る理由が思いつきません!
17名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 20:00:55 ID:mLISD4YM
けど、
このスレは削除依頼出して、改めて渡瀬総合スレを立て直すのはどうですか、と提案。

>>7さんにパラムンを書いて欲しいし。

【空鐘】渡瀬草一郎【パラムン・陰陽】 みたいな感じで。
18名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 20:41:45 ID:/zgrU+t0
このまま、実質渡瀬スレで進めちゃってもいいと思うけど。
検索しずらいのがアレだが。
19名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 21:15:14 ID:rJGATjF2
hosu
20名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 22:40:37 ID:b9tcdx12
保っ守
21名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 08:03:28 ID:4H4MC0/K
保守!
22名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 12:23:18 ID:4H4MC0/K
>>17さんの意見に賛成。その方人増えそうだし。
23名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 12:27:27 ID:9CwKKBuG
21 名無しさん@ピンキー 2005/08/06(土) 08:03:28 ID:4H4MC0/K
保守!


22 名無しさん@ピンキー 2005/08/06(土) 12:23:18 ID:4H4MC0/K
>>17さんの意見に賛成。その方人増えそうだし。


何こいつ
多重人格?
24名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 23:15:55 ID:SLSvy0J7
痛々しいスレはここですか?
25名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 10:18:17 ID:Lgqgp+1F
(・∀・)イイヨイイヨー
26名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 21:14:56 ID:d2XZoZ2o
良スレage
27名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 06:39:59 ID:TXEPby0Z
156
28名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 15:41:11 ID:Z7q3ddnS
なんか1さんが必死だから既刊読んでみたけど、最終的にはフェリオとはウルクがくっつくでしょ。
妄想の中だけでもとか言うから死んじゃうかと思ってたよ・・・
29名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 20:24:29 ID:9S3Zoe2u
(・∀・)ニヤニヤ
30名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 06:39:32 ID:g9FHRSQ4
3
31名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 22:23:20 ID:e08tL6kw
ほっしゅ
32名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 22:01:51 ID:zBE4L8SJ
保守ついでにあげ
33名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 08:20:18 ID:nLSdfkyX
保守
34名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 13:16:21 ID:qGzeVCrV
保守age
35名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 23:55:36 ID:WxJ7eyio
このスレまだあったのか…
いい加減落として総合スレ立てちゃいなよ
36名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 15:34:49 ID:bWeqeNn0
建ててもいいが、職人がいるのかが心配だw
パラムンのがライトノベルスレに投下されていたが。。。
37名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 17:41:01 ID:6HYb7LSX
保守
38名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 01:30:09 ID:93E4fGfM
あの・・
39名無し:2005/09/22(木) 01:33:31 ID:93E4fGfM
ここはフェリオ×リセリナはだめですか?
もし良ければ週末あたりに投下したいんですが・・
40名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 01:35:22 ID:yQgl1mn3
どうぞ。
41名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 21:31:22 ID:P5oQBQxu
どうぞ。どうぞ。リセリナ大歓迎。
楽しみに待ってます。
42名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 22:47:49 ID:93E4fGfM
じゃあ、お言葉に甘えて、週末に投下します。
43フェリオ×リセリナ:2005/09/23(金) 02:46:08 ID:oAquHcWo
気付かなければよかった
すべての感情に蓋をして覆い隠してしまいたかった
こんな醜い感情に気付かなければ、どんなにか幸せだったろう。
「リセリナ・・」
目の前のソファーに腰掛け、フェリオは苦い顔でリセリナを見つめていた。
不機嫌そうな表情から察するに少し怒っているのかもしれない。
そしてそれ以上にリセリナを心配してくれているのだろう。
王子の綺麗なガラス細工のような瞳が不安げにゆらゆら揺れている。
フェリオさんは優しいひとだから、この世界で孤独な来訪者を放っておけないのだ。
それだけなのはわかっている。
リセリナを特別な感情で見ているわけではない。
だから動揺してはいけない。
いくら心が、しくしく痛んでも。
44フェリオ×リセリナ2:2005/09/23(金) 03:01:17 ID:oAquHcWo
「私は行きます。もう決めたことです。」
泣いてしまわないように、迷わないように、凛とした口調でリセリナは告げた
しかしフェリオの表情はますます曇っていく。
「ラトロアに行くなんて、危険だ。俺は同意できない。」
「平気です。私には腕輪がありますし、それにハーミットさんも一緒ですから。」
意識して笑顔を作ったが、やはりどこかぎこちなかったのかもしれない。
ふたりの間に気まずい沈黙が流れた。
一瞬が永遠にも感じられる、永い時。
沈黙を破ったのはフェリオのほうだった。
「・・国内が落ち着いたら俺がリセリナをラトロアへつれていくよ。だからもう少し待ってほしいんだ」
「それは無理です、フェリオさん・・」
「どうして?俺は確かに王族だけど国さえ落ち着けば旅くらい行ける。」
「・・そういうことじゃないんです。」
つらいのだ、フェリオのそばにいるのが。
触れてほしくなる。
抱き締めてほしくなる。
リセリナを見てほしいと思ってしまうのだ。
いつからか、気持ちを抑えることが難しくなってきていた。
それどころか思いはますますふくらんで、あふれてしまいそうなのだ。
自分はこんなに卑しい人間だったのか。
フェリオさんにはウルク様がいるのに・・。
45フェリオ×リセリナ3:2005/09/23(金) 03:50:13 ID:oAquHcWo
そうウルク・ティグレー。リセリナは脳裏に空色の少女を思い浮かべた。
女らしくしとやかで、でも筋のとおった美しい女性
そして何よりフェリオと同じ世界のひと・・。
リセリナとは何もかにも違う。
「フェリオさんにこれ以上ご迷惑はかけられません。ウルク様のおそばにいてあげてください。」
リセリナはぺこりと頭を下げて席を立った。
これ以上、ここにいるのはつらい。
「リセリナ、待て!」
フェリオの傍を擦り抜けてドアに手をかけようとした時、ぐい、と腕を引かれた。
「フェリオさん??」
勢い余って重心が定まらず、リセリナはフェリオの腕に傾れ込む形になった。
「い、痛っ」
離れようとしたが、かなわなかった。
なぜか身体が思いどおりに動かない。
「フェ、フェリオさん!?」抱き締められているのだ、と気付いたのは、たつぷり間を置いた後だった。
「あ、あの・・」
事態をようやく把握できたリセリナは、今度は違う意味で戸惑うこととなった
つまり、なぜ、今自分がこういう状態にあるのか。
きつく抱き締められていてフェリオの表情はうかがえない。ただ、王子の熱い体温と速い鼓動の振動が衣ごしに伝わってきた。
不謹慎だと思いながらもリセリナは頬が熱くなるのを感じた。
「・・ラトロアに、リセリナのお父さんの手がかりがあるのは知っている。」
ようやくフェリオが口を開いた。フェリオらしからぬ硬い声だった。
「だけど俺は縛り付けてでも、リセリナを行かせない」その言葉にリセリナは息を呑んだ。
「フェリオさん?」
「友人なら、笑って君を見送ってやれるだろう。俺もずっとそうだと思っていた。そうあるべきだと。だけど、違う。」
リセリナを抱き締めるフェリオの腕の力が強まった
「・・リセリナをハーミットと共に行かせたくないんだ。」
リセリナの心臓がどくんと高鳴った。
そして早鐘のように響きだす。
「俺のそばが、君の居場所はここだ。」その言葉が、胸を突いた
思わず堪えきれずに泣きだしそうになった。
・・夢を見ているのだろうか。本当は、ずっと欲しかった言葉。心の奥底に秘めていた願い。
本当は、本当は、ウルク様より私を・・
私を選んでほしいと切望していた。
傷つくのが怖くて、ごまかしていただけ。だって、私はここではよそ者でしかなくて、しかも厄介者で。
フェリオさんのお父さんやお兄さんも私のせいで亡くなって。
そんな私を愛してほしいなんて言えなかった。
望むことさえ自分に許せなかった。だけど、フェリオは自分のそばがリセリナのあるべき場所だと言う。
帰る場所だと言う。
フェリオの胸のなかは、なぜか懐かしい父の匂いがした。リセリナを優しく保護して、何があっても守ってくれる。
「なら、私を抱いてください、フェリオさん。」
思わず口にしていた。
フェリオが息を呑む気配がした。
「・・私はフェリオさんが・・」それ以上は言えなかった何を言いたいのかリセリナにもわからなかった。泣きそうになるのを懸命に堪えた。
ふわり、とリセリナの身体が宙に浮いた。
「きゃ・・」
あわててフェリオの首筋にしがみついた。
フェリオはリセリナを抱え上げ、寝室のドアを開けた。「フェリオさん・・?」「言っておくけど、俺は緊張してるから。」
「え・・?」
「優しくなんてできないかもしれない。」
照れたように、ぶっきらぼうにフェリオはつぶやいてリセリナを抱えたまま寝室の奥へ進んだ。
46名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 03:59:51 ID:oAquHcWo
ここまでです。続きは週末に。初めてなもので、読みにくかったらすみません。あと、キャラのイメージと合ってなかったらごめんなさい。
47名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 23:28:06 ID:ghyBCN/Z
GJ 続きが楽しみだ
48名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 23:59:02 ID:52kDECEq
GJ!
よーし。漏れはフェリオ×ウルクに挑戦してみる。
49名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 00:22:05 ID:T5GUr/pw
>>48
待ってるよ!
50名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 22:26:51 ID:d2FjiOWq
〉48 楽しみに待つ
51名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 11:09:07 ID:JTBrG0p/
リセリナいいよー

ウルクも楽しみだ。
5248:2005/09/25(日) 15:51:39 ID:mRKw7y/5
今からフェリオ×ウルク投下します。
はじめてなのでやさしくしてくださいw
53いやらしい夢:2005/09/25(日) 15:53:08 ID:mRKw7y/5
ウルクは穏やかな眠りの中にあった。
開け放たれた窓から、涼しい風が入ってくる。
天から差し込む月の光は真っ青で、その青さがまた、風の涼しさをより際立たせていた。
「ウルク……ウルク、起きてくれ」
小声で、誰かが自分の名を呼んでいた。
呼ばれたウルクは、うっすらと眼を開ける。
月明かりを背景に、誰かの影が浮いて見えた。
目の前から、自分を覗き込む少年――
ウルクは月の眩しさに目を細めた。少年の顔はうかがえない。声は優しかったが、それが誰なのかは、よくわからなかった。
「――どなたですか?」
ウルクはまだ寝惚けた声で問う。
「俺だ、ウルク。わかるだろ」
少年は小声で囁くように答えて――横たわったウルクの上に、覆いかぶさってきた。
54いやらしい夢:2005/09/25(日) 15:53:45 ID:mRKw7y/5
ウルクは驚いて息を詰まらせる。
「きゃ……な、何を……!?」
月明かりの下でも、少年の顔は見えなかった。ただ、紫色の髪が視界に入り、ウルクは戸惑う。
横になったまま、きつく抱きすくめられ、その動きを封じられた。
もがくウルクの耳元で、少年が囁く。
「誘ったのはウルクのほうだよ。それとも、いまさら恐くなった?」
「そんな……嘘です!私は誘ってなんかいません!嫌!離してくださ……」
「……本当に嫌なら、やめるけど」
少年のその言葉に、ウルクはびくりと肩を震わせた。
「ウルクが嫌なら、ここでやめる。そのほうがいい?」
そう言われてウルクは――何故か、抵抗するのをやめた。
少年のことは思いだせない。だが、その名前はわかった。
記憶を無くした後に、ウルクはイリス達から言われるまま、彼に別れを告げたのだ。
心臓が激しく鼓動する。嫌悪感はない。むしろ――
少年の手が頬に添えられ、ウルクは眼を閉じる。
胸が苦しい――だが恐いとは思わず、ただ満たされるものを感じた。
55いやらしい夢:2005/09/25(日) 15:54:24 ID:mRKw7y/5
覆いかぶさってきた少年を跳ね除けることなく、ウルクはその背に手を回す――そのまま手を滑らせて、首に腕を回した。
よく知らない相手に、自分がそんな態度をとっていることが、彼女自身、信じられなかった。
鼻先に気配を感じる――少年の唇が、ウルクの唇を塞いできた。
ちょんとふれるだけの口づけから、口の端から端までをくっつけるような、確かな口づけに移っていく。
それは甘い口づけ。やわらかく、あたたかい唇がウルクのそれに熱情を伝えてくる。
心臓の鼓動が耳元で鳴り響く――興奮している。そして同時に、安堵している。
(……どうしてこんなにも安らいだ気持ちになるのだろう)
唇どうしがふれ合っているだけだというのに、頭の中が霞んでしまう。
互いの吐息が互いの口の中でとろけていく。
それは甘く――ただ甘く。
その甘さに、体がとろけてしまいそうだった。
少年は、さらに情熱的に唇を重ねてきた。
心臓の鼓動は、もう、聞こえない――聞こえるのはお互いの熱い吐息。粘膜と粘膜が奏でるいやらしい音。唇の間から唾液がこぼれ落ちるみだらな音。
唇への感触が変わったと思うと、少年の舌が、ウルクの歯を控えめにつついてきた。
「ん――」
思わず、声を漏らす。とろけそうだった体が固まってしまう。
――唇がゆっくり離れていく。
56いやらしい夢:2005/09/25(日) 15:54:58 ID:mRKw7y/5
「――っ」
甘いものが欲しくて、目を開ける。
月は雲に隠れたのか、少年がウルクを見つめているのが視界に入る。
少年の眼を見たウルクは、そのまま吸い込まれそうな感覚を覚えた。
「――ウルク、口を開いて」
少年が優しく囁く。
彼の眼に見つめられると、全てを任せたいような気になってしまう。
霞んだ頭でそう考えながら、眼を閉じてウルクはコクリとうなずいた。
二度目の口づけ――ただひたすら甘い。
その甘さに、唇がとろけてしまいそうだった。
舌先でウルクの唇がなぞられる。ゆっくりと口を開いた。
――ぬるりとしたものが、内側に滑り込んできた。
「ぁ、んむっ……」
舌先がウルクのそれに優しくふれた。おずおずと、ウルクも舌を動かす。
――甘い。興奮と安堵が混ざり合う。
互いの吐息と同じように、舌がとろけていく。
からみあい、こすられて、ふれあう部分がどんどんふかくなっていく。
57いやらしい夢:2005/09/25(日) 15:55:32 ID:mRKw7y/5
甘く、ただ甘く、ただひたすら甘く――
口の中に溜まった混ざり合った甘い唾液が舌でかき回される。
唇が離れ、うっすらと眼を開ける。
よだれで銀色の橋が出来ている。月の光が差し込んできて、橋はキラキラと輝き、涼しい風で崩れ落ちてしまう。
混ざり合ったいやらしい甘いものが、喉の奥に流れ込んでいく。その甘さに体がとろけてしまう。
「――……はあぁぁぁぁぁっっ」
自分でも信じられないくらいの、いやらしい声を漏らしてしまった。
(頭がくらくらする……今、私は、淫らな表情をしているのだろうか。)
「――ウルク、嫌だった?」
心配そうに少年が囁く。
もしかしたら、自分と彼とは、本当に想い合う仲だったのかもしれない。
あるいはまったく逆に、イリスが言っていたように迷惑していたのかもしれない。
いずれにせよ――今のウルクには、どうでもいい事だった。
本音では嬉しかったのだし、今はただ――この甘さにおぼれていたいのだから。
――だから。首に回した腕に力を入れて、自分から口づけをする事で答えた。
58いやらしい夢:2005/09/25(日) 15:56:08 ID:mRKw7y/5
眼を閉じて唇の甘い味に集中する。
三度目の口づけ――その甘さで、唇がとろけて一つになってしまいそうだった。
甘い甘い唇。その甘さにおぼれたくて。
唇を、吐息を、唾液を、舌を、むさぼってしまう。
もっと甘いのが欲しいから、少しだけ大胆になる。
――恐る恐る、少年の中に、舌を差し出す。
啜られて、甘噛され、やさしく吸われる。
あまりの甘さに、ウルクの体がどろどろにとろけて、いやらしいものになってしまった。
唾液をすすり、いやらしい音を奏で――それすら飲み込むように啜り上げる。
――――もっと、あまいの、ちょうだい
5948:2005/09/25(日) 15:57:41 ID:mRKw7y/5
     /)_/)
    ( ・ω・) 以上です。。。続きはタブン書きません。。。
  ノ) /   |   
  \(_,,,_,,,)
60名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 19:39:26 ID:uGeQYZNc
超GJ
61名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 20:03:23 ID:2dM3dzEB
おおうGJ
62名無しさん@ピンキー:2005/09/26(月) 03:18:06 ID:rS0ypavf
先日リセリナ編投下した者ですが、続きはもう少し待って頂けるとうれしいです。
ベッドシーンがうまくまとまらなくて、四苦八苦してます。あと一週間時間くださいませんか。すみません
6348:2005/09/30(金) 00:23:49 ID:jlbvG3Ak
>>60-61
キスシーンだけだったので不安でしたが、ありがとうございます(・∀・)
本当はキスの後も続けるつもりでしたが、最後の一行で満足してしまいました。
>>62
期待してます
64名無しさん@ピンキー:2005/10/04(火) 00:46:25 ID:Gx1bgCqG
ほしゅ
65名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 01:16:35 ID:PHZ4IS0h
ほっしゅ
66名無しさん@ピンキー:2005/10/06(木) 18:31:35 ID:dZmXRXzq
おっ、いつの間にか投下が始まってた。GJ!!

>>62
期待&応援してます。
67フェリオ×リセリナ:2005/10/09(日) 00:45:06 ID:6lJraj5B
暗い室内の中、寝台の蝋燭だけが、ゆらゆらと、ふたりの影を揺らしている。
・・フェリオはそっと、リセリナを寝台に座らせた。
緊張しているのか、リセリナは一言も発しない。フェリオのほうも、こめかみがどくどくと響くような身体の火照りを感じた。
「リセリナ・・」
リセリナの緊張を解すように、まずフェリオは、彼女の白い手を取り口付けた。
リセリナが、びくりと震える。次に額に、愛しさをこめて口付ける・・。
リセリナはおとなしくフェリオに従っていた。・・黒髪を撫でリセリナをゆっくり寝台に寝かせながら、フェリオは自問する。いつから、この黒髪の少女をこんなに愛しく思うようになったのか・・。
思えばフェリオは子供の頃から、何も欲しがってはいけない子供だった。
第四王子として規制されていたことは、数限りない。・・だから、成長した今も、どこかで自分の気持ちを抑制することに慣れてしまっている傾向がある。
68フェリオ×リセリナ:2005/10/09(日) 01:04:07 ID:6lJraj5B
リセリナは、そんなフェリオの前に突然現れた。
思えば、御柱で初めてリセリナを見たときから、すでにどこかひかれていたのかもしれない。
他の者に彼女を託すのは嫌で、リセリナを自分の保護下に置いた。そして、リセリナを保護下に置いた時から、どこかで彼女に対する所有権は自分にあると思っていたのだ。
・・そんな気持ちをフェリオは今まで経験したことはなかった。

「フェリオさん・・?」
無意識に笑っていたらしい、リセリナが不安げに囁いた。フェリオは安心させるように、リセリナの頬に触れる。
そして、小さい唇に、そっと・・本当に、そっと口付けた。それは、ひんやりとした感触だった。甘い味がする、と思った。
フェリオは胸の鼓動が激しくなるのを感じた。
―身体が熱い。
蜜をもっとほしくなり、フェリオの舌はリセリナの口内に侵入した。
「・・ん・・あう・・」
リセリナが軽く身じろぎする。逃げる彼女の舌を追い掛け、絡めると、リセリナの瞳がだんだん潤んでくるのがわかった。
「・・はぁ・・う・・・んんっ・・はぅ・・」
リセリナは一生懸命フェリオの舌に応えようとしている。
その様子は可愛くて仕方ない。口付けはそのままに、フェリオは右手で、リセリナの左胸にそっと触れた・・
69フェリオ×リセリナ:2005/10/09(日) 01:18:57 ID:6lJraj5B
衣の上から優しく愛撫する・・。リセリナは一瞬身を硬くしたが、嫌がらないのを見て取ると、フェリオは今度は薄衣の下の素肌に直に触れた・・。甘い薫りが部屋を乱舞している・・。
ゆっくり、リセリナの衣服を剥がし胸の花弁に口付けた。・・最初は控えめに、次に少し強めに吸い上げる。
「・・はぁ・・あうっ・・フェリオさ・・」
リセリナの吐息がどんどん荒くなる。
「・・やぁっ・・はぁ・・ぁっ・・」
息を乱しながら、それでもリセリナはフェリオにしがみ付いてくる。・・まるで、この世でフェリオだけが味方だと言わんばかりに。
左手で、今度は下着に触れた。湿った感触がし、フェリオは内心驚いた。
「・・あっ・・そこ・・めぇっ・・!!」
指を侵入させるとリセリナが嬌声をあげた。
フェリオは手を止める。
「痛い?」
リセリナが首を横に振る気配がした。
「・・そんなんじゃないんです・・だけど・・なんだか頭がぼうっとして・・」おかしくなっちゃう・・
小さく呟いたリセリナの表情は艶っぽく、頬は紅く染まっていた。
70名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 01:20:28 ID:6lJraj5B
とりあえず、途中までですが、できた所まで投下しました。お目汚しすみません。
71名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 17:30:21 ID:o6rdWwks
GJ!
72名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 18:57:04 ID:Yh4XYi/R
GJ。保守〜
73名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 19:06:16 ID:cZofS28b
GJ!


……しかし最新刊のイリスは実に良いツンデレぶりだ。
74名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 00:37:33 ID:wLL3/voy
保守
7548:2005/10/26(水) 16:48:00 ID:dSTmgvcQ
保守
76名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 19:09:42 ID:pqbBufM1
hosyu
77名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 10:55:16 ID:pFdHQCvx
1
78名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 14:46:56 ID:SpZ69j0C
リセリナの人、投下待ってます
79名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 10:07:26 ID:HP0qarBL
1
80名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 12:33:27 ID:059Dd8wr
hoshu
81名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 04:05:17 ID:UBBLVkVG
フェリオリセリナ期待wktk
82名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 20:40:47 ID:6sehtA2k
age
83名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 15:07:56 ID:5dwgGqu0
馬の乗り方を教えろとフェリオを押し倒して騎乗位になるウルクを幻視した
84名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 22:54:50 ID:um6cBeJh
85名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 00:35:39 ID:IiwWMjFh
泥酔ウルクと猫耳リセリナの対決待ちで保守
86名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 14:44:23 ID:TqNnsOBM
ライトノベルスレから誘導されてきますた。
寄生月の由姫×真砂を書いてみますたがエロに入る直前で創作意欲が吹っ飛んだ租チン野郎です。
投下しろと言われたらしますが需要なかったらアレだしそもそもエロなしどうしましょうコレ。
87名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 14:28:22 ID:B7VKaOS6
>>86
とりあえず、書けるとこまで書いてみそ
88名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 18:53:50 ID:K4ZRstqp
おー、期待age
8986:2006/01/01(日) 23:52:49 ID:epFUCwrb
お願いageないで。
とりあえず書いているとこまで晒します。

「ったく、ネイの奴……」
 ふらつく足元をこらえ、真砂はコップの水を飲み干した。
 地獄だった。
 半年ぶりに集まった仲間たちとの花見がそのまま、宴会になだれ込むのは予想できた展開だった。
 ネイがいるのだから。
 そのネイが明らかに自分が飲む以上の、異常な分量の酒を持ってきたことも、想定内だ。
 ただ、ネイが片っ端から未成年の真砂たちに酒を勧め、押し付け、呑ませ、発展する状況は思ってもみない地獄絵図だった。
 まず、根黒桂は呑まなかった。
「帰りの車がある」
 頑なだった。鉄の意志だった。責められるように酒を押し付けられても、断固として呑まなかった。
 無視していたとも言える。
 そして、病弱な法章に無理に酒を勧めはしない程度の常識は、酔っ払いのネイも持ち合わせていた。
 結果、導き出された結論は、こうだ。

「辛気臭い顔してちゃ酒がまずくなるー。もっと呑んで陽気になりなさい、真砂!」
「そうよそうよ顔だけ一人前に赤くなっちゃってー」
「ふ、二人とも、真砂が、めいわくしてるよっ」
「ZZZ……」
 ネイが真砂の首に腕を回して杯を突きつけ
 フローラが肩に抱きついて耳もとに息を吐きかけ
 ファウナが勝手に真砂の膝を枕にして眠り
 由姫が服の袖を引っ張る。
「もてる男はつらいな」
 白は赤い顔で助けてくれない。
 極めつけには
「ふぅ〜なんか暑いなぁ」
 フローラが服を引っ張って、素肌に手の平で煽いだ風を送っている光景が視界の端に見え、さりげなく視線だけ逸らしても
「あ〜今真砂フローラの胸見て照れたわね、この浮気者、浮気者っ」
 目ざとくネイが真砂の『顔色』を見て指摘する。
 由姫が泣く。
 泣かした泣かしたと酔っ払いたちが責め立てる。
 誰かなんとかしてほしい。
9086:2006/01/01(日) 23:54:00 ID:epFUCwrb
 女性陣が次々と潰れて解散となった時、心の底から真砂は安心した。
 アルコールと吐瀉物の臭いが染み付いた車から出て、住居に帰り着き、
 潰れた由姫と白を布団に寝かせて、ようやく真砂は落ち着くことができた。
 ――もう二度とあいつらと酒は呑まないようにしよう。
 未成年の内から心に誓う。
 歯を磨いて風呂に入って寝た。
 この酔いが明日にまで引っ張らないように願う。

 夜中に起きたのは、ドアが開く音のせいだった。
 修羅場を潜り抜けて培った、危険を察知する能力は、酔っていても生きているらしい。
 けれどこの安全な日本、ましてや自室で突然襲い掛かってくる者などいない。
 そう思って寝ぼけ眼をドアに向け、襲い掛かられた。
 危うくルールーブの爪に力を込めるところだったが、鼻の先をついた酒臭い息で誰かわかって
真砂は何も出来ずにベッドに押し倒された。
「由姫、しっかりしろ」
「真砂ぉ……」
 猫みたいに、由姫は真砂の胸に頬擦りする。
 ――地獄の延長戦か?
 由姫は紅潮した頬を緊張したように張り付かせて、真砂をじっと見つめだした。
「どうしたんだ、由姫?」
「真砂、私のこと、好き?」
 いきなり無茶苦茶を言う。
「由姫、酔っ払っているぞ」
「よっぱらってない」
 濡れた唇が迫ってきた。
 口付けと一緒に、由姫の焦燥感、不安、押し流されるほどの好意がなだれこんできて
頭がくらくらした。
「私の気持ち、伝わった? 真砂、私のこと好き?」
 どうやら由姫は、先程ネイやフローラに絡まれて赤い顔をしていた真砂に
危機感を覚えているようだった。
 突然のことに驚きながらも真砂は察し、少し戸惑いながら、頷く。
「うん――好きだ」
 由姫の顔がぱっと輝き、額をわずかに露出した胸肌に押し付けられる。
 彼女の嬉しさが伝わる。これほど好意を寄せられているとは、思ってもみなかった。
 由姫の意識から自分の意識に感覚を戻すと、なぜか寝間着のボタンが全て外されていた。
「真砂……」
 艶やかな声が耳元から脊髄にかけて痺れるように走った。
「由姫お前やっぱり酔っ払っているぞ!?」
「よっぱらってない!」
 ろれつの回らない声をむきになって出している事実が、酔っ払っていることを明確にしている。
 ――むしろ今から地獄の本番戦か?
「真砂、私のこと好きなんでしょ?」
「酔った勢いでこんなことしちゃだめだって榊さんに教えてもらわなかったのか?」
「私は真砂のこと大好き」
 手を繋がれた。吹き飛ばされそうなほどの、好意の嵐。
 真砂の理性はその嵐の中ではいかにも頼りなかった。
91名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 14:50:13 ID:YuxC9xxs
期待
92名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 00:19:18 ID:kGaW/u5h
真砂って感情読み取れたっけ?
忘れてるぽ
93名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 12:41:51 ID:ZUtB4Egm
>>92
真砂が読み取れるんでなくて、由姫が自分の感情を相手に伝達できるんじゃなかったか?
94名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 00:13:15 ID:mW0Bx2ik
>>86さん
オモシロイじゃん!(・∀・) 続ききぼん。
95名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 01:37:43 ID:6ME8SG4H
>>93
そうだったか…読みなおそうかなあ…

それはそうと期待age
96名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 18:45:49 ID:2ZGxnEoE
>92
由姫の能力は自分の感情を接触伝達する、アラクナの異能だね。
97名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 20:15:59 ID:/eO4iN6V
hoshu
98名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 16:11:02 ID:gpbw/CYo
hoshu
99名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 13:47:45 ID:DgEo5wQC
ほしゅ
100sage:2006/02/05(日) 22:15:39 ID:skKbkAbk
リセリナ乾杯、保守
101名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 22:18:05 ID:skKbkAbk
↑、すいません、なにを間違えたのか,
逝ってきます
102名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 02:50:12 ID:FUjxGV9N
>>101
イク前に妄想の一つも語ってくださいませよ。
103名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 20:00:47 ID:aElzjn+/
>>102
妄想ですか、リセリナたんは、隙を見せない二段構えだと思います。
それは、ベットの上ではじめは、おとなしい普段のリセリナ
その後、感情の高まりとともに、ネコ化し、激しくなる。
一粒で二度おいしくいた出せるのかな、と常日頃考えています。
104名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 20:05:05 ID:aElzjn+/
>>103
一粒で二度おいしくいただける、の間違いです、orz
105名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 10:41:45 ID:JZOVjq+d
hoshu
106名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 19:29:51 ID:QQZXmPfq
保守
107名無しさん@ピンキー:2006/03/09(木) 15:05:04 ID:Q5KLjmdm
保守age
108名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 00:09:44 ID:QM2zGAnN
あんなに優しかった昨晩の出来事期待ほしゅ。
109名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 17:51:32 ID:KWLJzU/k
保守
110名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 21:07:12 ID:ATUJYGIV
保守
111名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:05:55 ID:w0u+DpTz
保守
112名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:08:51 ID:w0u+DpTz
保守
113名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:10:59 ID:w0u+DpTz
保守
114名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 23:29:45 ID:dv7TKHNF
にゃー
115名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 18:39:16 ID:YQFCrv+e
ほっしゅ
116名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 20:25:41 ID:d36vlp9A
            o
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           /   このスレは無事に  /
           /  終了いたしました    /
          / ありがとうございました  /
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         /   モララーより      /
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 (    )つ               ⊂(    )
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 (__)_)                  (_(__)
117名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 22:06:30 ID:nS9lQ7X+
それじゃあ、ageときますね。
118名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 15:00:00 ID:jyGUGRQY
            o
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119名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 17:52:17 ID:o1Az7fon
それじゃあ、ageときますね。
120名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 22:16:44 ID:1m00iNbX
            o
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121名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 13:14:10 ID:RuOndxUO
ほしゅ
122名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 13:27:52 ID:5QOCrsqy
a
123名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 14:21:11 ID:ppk45i5A
昼間から渡瀬好きな俺が来ましたよ。
陰陽だったら書きたいんだけどな。
ここって実質渡瀬総合なの?
124名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 18:06:40 ID:RuOndxUO
実際そうなので、書きたい方は書いてくださると嬉しいです。
125名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 18:08:44 ID:RuOndxUO
ageてしまった……
126名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 18:08:45 ID:VPmd4oe1
>>123
是非に!
127名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 22:36:28 ID:DROeFL4Z
時継のための保胤の保健体育話キボンヌ
128名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 10:07:57 ID:/3V71kBk
>>123
大期待
129名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:10:34 ID:ggkxfZud
            o
            /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
           /   このスレは無事に  /
           /  終了いたしました    /
          / ありがとうございました  /
          /                /
         /   モララーより      /
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 (__)_)                  (_(__)
130名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 20:14:53 ID:iylQy45g
ほしゅ
131名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 02:00:14 ID:vKumi7p1
>>123
wktkして待ってる。俺も陰陽で書こうかなあ
132名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 23:35:54 ID:XkR2J00p
あげ
133名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 01:25:51 ID:bySq7uBy
次で最終巻か。
ウルク×フェリオなのを期待しても良いのか?
134名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 10:52:43 ID:p0hvtwsq
渡瀬で見つからないから専用スレ無いんだろうなあと思っていたものの、
ダメもとで鐘で検索してみてここに辿り着いたうつけが通りますよ。
念の為、検索しといてよかったなぁ。怒られるとこだったよ。
ライトノベルスレの埋めか、新スレの即死回避に使おうと思ってた小ネタなんですが
ひとつ落とさせてください。
……エロないですけど。しかもこのスレで殆ど名前も挙がってない人たちネタですけど。
それでもいいでしょうか……?

まあ枯れ木も山の賑わいだ、赦してやらんでもないぞ、
という奇特な方は>>135へ、
赦されるはずが無い、エロなくして何のエロパロ板でありましょうや、
という常識的な方は>>144へ進め。


空鐘からクラウス・ベルナルフォン・ニナのお話。
回避用NGタイトルは……「幕間」、でひとつ。
135「幕間」 1/8:2006/07/26(水) 10:53:29 ID:p0hvtwsq
ごく最近、名門サンクレット家に起きた出来事を講談師の前口上風に表現すれば次のようになる。

令嬢ニナ・サンクレットが、ニナ・レスターホークになり、ニナ・サンクレットに戻った。

出戻りか。石女(うまずめ)と放逐されたか。淫蕩の病でも出して愛想を尽かされたか。
これだけの材料ながら、いや情報がこれだけだからこそ如何様にでも邪推のできる話である。
また貴族の醜聞というのは、庶民にとってはただの娯楽に過ぎないのだ。
そんなお題をちらつかせ興味を惹きつけておいて、講談師たちはこう続けるだろう。
さあさ、続きは御代を払ってからのお楽しみ──。


その日、サンクレット家の中庭において二人の男がお茶の席を共にしていた。
白いレースを思わせる意匠の瀟洒なテーブルに、さぞ値の張るだろう茶器が一式。
ティーカップから立ち昇る香気をすれば、使われている葉の良さも容易に窺い知れる。
この場に欠けているものを挙げるとすれば、お茶請けの小品が見当たらないことくらいだろうか。
「ベル、いつも言っているでしょう。訪ねてくる時には前もって言ってくださいと。
 そうしてもらえれば今日だって貴方の好きなパテを用意できたんですから。
 お客様を──他ならぬ貴方をおもてなしできないなんてと、ニナが嘆いていましたよ」
半ば諦めの境地で友を諭すのはクラウス・サンクレットその人であり、
「俺だっていつも言っているだろう。そういう貴族的な振る舞いは性に合わん。
 好きな時に会いたいやつに会いに行く。それで十分だろうに」
慣れたもので小言を往なして平然と返すのはその親友、ベルナルフォン・レスターホークであった。
──否、もはやこの二人の関係は、ただの親友同士ではなくなっている。
「それに、だ。娘と義理の息子殿が仲良くやっているか気になるのは親として当然だろうが」
茶を啜りながらしゃあしゃあと言ってのけるベルナルフォン。
「……だったら義父を歓待しなくてはと思うのも婿として当然のことでしょうに」
肩を落として親友のからかい半分の言に応えるクラウス。
そう、この二人は今や義理の親子でもあるのだった。
136「幕間」 2/8:2006/07/26(水) 10:54:12 ID:p0hvtwsq
クラウスの妹、ニナ・サンクレットはレスターホーク家の養女となっていた。
それを先日、クラウスが妻として迎えた。
こうしてニナ・レスターホークはニナ・サンクレットに戻ったわけである。
戸籍上、ベルナルフォン・レスターホークの娘となっていたニナを迎えたわけであるから。
ベルナルフォンにとってクラウスは、義理の息子、娘の婿。
クラウスにとってベルナルフォンは、妻の養父、義理の父。
無論そんな肩書きがついたところで変わってしまうような浅い付き合いでは断じてない。
精々ベルナルフォンが生真面目な親友をからかうネタがひとつ増えたくらいのことである。
そもそもがニナの想いに気付いていたベルナルフォンが汚れ役を買って出たというのが真相であり。
今現在の状況は、彼から言わせれば「あるべきところに収まった」状況なのであった。

「で、だ。用というほどの用ではないんだがな。クラウス、今日はお前に話があって来た」
「話……ですか?」
「……どうして俺が話というと、そう身構えるんだ」
知らずクラウスは半身になり僅かに引き攣った表情をしていた。
これでは身構えていると言われても仕方がない。
「……自分の胸に手を当てて考えてみてください、ベル。
 あんな騙し討ちも同然のことを信じていた友にされれば、以後身構えもするようになりますよ」
「まったく、この件は貸しではあっても借りではないんだがな……」
蓬髪めいた髪を掻きながらぼやくベルナルフォンだが、お互い忙しい身分ではある。早速本題に入ることにした。
「クラウス、お前の目にニナはどう映っている?」
いきなりの問いである。正直、クラウスは面食らっていた。
「どう……と言われましても。良き、……妻、だと思いますよ。家をしっかりと切り盛りしてくれていますし。
 これまで通りといえばこれまで通りとも言えるのですが。
 ……それがどうかしましたか?」
妻、と言いよどむ親友に、ベルナルフォンは密かに嘆息する。
友の心情は分からなくもない。おっとりした彼には、なにぶん身辺の変化が急すぎたのだろう。
「やっぱりか。お前は見ているようで何も見ていないな。
 俺だってこんな知った風なことは言いたくないんだがな、」
それでも。彼の妻としてニナを送り出した責任上、ベルナルフォンは友を責めなければならないのだった。
「俺の目には、あの娘の目が死んでいっているように見える」
137「幕間」 3/8:2006/07/26(水) 10:54:45 ID:p0hvtwsq
ベルナルフォンは糾弾する。
「お前、婚儀で誓いの口づけを交わして以来、ニナの手すら握ってやってないだろう。
 いや、それどころかその身体に手を触れてさえいない。違うか?」
「どうして……」
「馬鹿か。どれだけの付き合いだと思ってるんだ。それくらいはお前たちを見れば嫌でも分かるさ」
あまりに二人の様子はぎこちなかった。それこそ部外者でも分かろうというほどに。
それに、と言葉を繋ぐ。
「ニナから聞いた。寝所も今まで通りに、各々の部屋で別々に寝ているそうじゃないか」
クラウスの目に非難の色が表れる。親友でも、暴き立てるべきでないところはあるでしょうと。
その視線を真っ向から受けてベルナルフォンは怯まない。
本来なら踏み込むべき領域でないと分かっている。
それでも親友として二人の幸せを願うが故に、彼は言葉の矢を放つ。
それが親友の心臓を射抜く致命の一矢になると、知ってはいても。
「それ以上のことは聞いていない。聞けるものか。
 だからここから先は俺の推測だ。もっともまず間違いないとは思っているが。
 ……あの娘はな。今はたぶん、妻になったと、これで一生お前と離れずにいられると、
 この事実だけを縁(よすが)にして自分を慰めている。それ以上は望むまいと。
 全てはお前を想うからだ。まだ現状を受け入れきれないお前を慮っているからだ」
そこでベルナルフォンは息を継いだ。胸中を苦いものが埋め尽くす。
──俺はこんな現状を作りたくて横車を押したわけじゃない。泥を被ったわけじゃない。
「なあ、どれだけあの娘を追い詰めれば気が済む、クラウス?
 俺には可憐なつぼみが花開くこともなく朽ちていくのをただ無手で眺めているようにしか見えん」
138「幕間」 4/8:2006/07/26(水) 10:55:41 ID:p0hvtwsq
ベルナルフォンは待った。友の反応を。
クラウスは動かない。その表情は、能面のように今やいっさいの彩を欠いていた。
──仕方がない。ダメ押しをしなくてはならないか。
「それとも、もっと直截的に言われなければ分からないか?」
ベルナルフォンが立ち上がる。クラウスは座ったまま動けない。
そんなクラウスの元に歩み寄り、ベルナルフォンは少し屈んで耳元に口を寄せた。
囁きかける。優しく。たっぷりと、滴るような毒を込めて、
「なあクラウス、お前はニナを、新妻を、」
下卑た、と形容して差し支えないような笑みを象った唇が言の葉を紡ぐ。
「愛してやったか?」
──やめろ。
「抱いてやったか?」
──やめて。
「お前にはそうする務めがあるんだ、」
──やめて、くれ。
「ニナの幸せがお前の全てだという、あの言葉に嘘がなかったならば、な!」

「やめてください、ベルッ!」

耐え切れず、テーブルを両の平で殴りつけた勢いでクラウスは立ち上がっていた。
陶磁の砕け散る澄んだ音が響く。足を濡らす茶の熱さも今は気にならなかった。
ともすれば崩れ落ちそうになる身体中から意志を掻き集め、視線に乗せて気力の限りに目の前の男を睨みつける。
そうしなければ、大切な何かを失うと思った。
「その怒り、俺に向けるのは筋違いだ。親友」
悠々とひとりティーソーサーごと持ち上げ、難を逃れていたカップ片手にベルナルフォンが嘯く。
「確かに俺は独断で状況を整えた。ニナも、お前も、抗ったよな」
ティーカップを傾けながら、ひとりごとのように続ける。
「でもな、ニナを妻に迎えたのはお前の意志だろう。俺はそこまで強制した憶えはない。
 お前が本当にニナを妹としてしか見られないなら、俺は他に手を打つ気でいた。
 礼儀作法見習いとでも何とでも理由はつけられる。
 世間体を誤魔化してニナとお前が一緒にいられる方法は他にもあった。
 何度でも言ってやる。お前は、お前の意志で、ニナを妻として迎えたんだ」
139「幕間」 5/8:2006/07/26(水) 10:56:14 ID:p0hvtwsq
ベルナルフォンは信じたかった。自分のとった行動が最悪の一手でなかったことを。
ベルナルフォンは信じたかった。友を。友の選択を。ニナの想いを。
ベルナルフォンは信じたかった。クラウスとニナの行く先に幸せがあることを。
「だったら、ニナを幸せにしてやれ。逃げるな。甘えるなよ。俺はお前を軽蔑したくはない」


言うだけ言ってベルナルフォンは帰っていった。最後にこんな言葉を残して。
「肝に銘じとけ、色男。女の気持ちは汲んでやるものだ。でないと愛想を尽かされるぞ」

ベルが帰った後、クラウスはすぐにニナの部屋へ向かった。
伝えなければならないことが、あったから。
「ニナ、いいですか? 失礼しますよ」
返ってくる返事も待たずに部屋に飛び込む。普段のクラウスならば絶対にしないことだ。
時刻はまだ昼下がり。眩い窓の外と対照に暗く感じる部屋で、ニナは机に向かっていた。
今更ながらに思う。着替え中でなくて良かったと。
「兄様……どうしたんですか?」
振り向いたニナの顔には笑みがある。それがクラウスの目には痛々しく映った。
ベルにあんな話を聞かされたからかもしれない。

「あ……兄様」
このところ、ニナから呼びかけられる時、いつもそんな風だった。
気付かなくてはいけなかったのだ。
元が闊達な性質のニナが自分を呼ぶのに口篭もったことなどなかったことに。
「あなた」と呼ぼうとして、躊躇って、それが故の「あ」なのではないのか。
今まで「兄様」と呼んでいた男を「あなた」と呼ぼうとする。
それは今までの関係から踏み出そうとする彼女の勇気だ。
妹ではなく妻として見て欲しいという願いであり覚悟であり、
そしてまだ妹としてしか見られない自分を気遣って今まで通りにしようとしてくれる優しさなのだろう。
──私にはいつだって覚悟が足りない。
140「幕間」 6/8:2006/07/26(水) 10:56:47 ID:p0hvtwsq
「ニナ、すみませんでした。気が付かなくて」
自然と手が伸びていた。サンクレット家に迎えられて、心細そうにしていたあの日の少女にそうしたように。
ゆっくりと、頭を撫でる。さらさらと、指の腹でそよぐ髪の感触が心地良かった。
手のひらを通して伝わってくる熱が、彼女の存在を強く訴えかけてくる。
あの時の少女が、今、妻としてここにいる。
ああ、遠くへ来てしまったと。それは嘆きか、淋しさか。
郷愁のような色を帯びた淡い感情に包まれながら、クラウスは言葉を繋ぐ。
「私のことは、貴女が好きなように呼んでいいんですよ。
 私たちは、夫婦なんですから。
 片方だけが無理をして繕うところに、幸せなんてありません。
 私は、そう信じます」
つ──と。白磁の頬を涙が伝った。ニナは微笑んでいるのに。
手を伸ばし親指で涙を拭う。手のひらで頬を押し包むようにして。
クラウスは思う。
こんな小さなことで嬉し涙を流すなんて。いったい、私は。
私はどれだけ目の前の娘を影で苦しめてきたのかと。
「じゃあ……」
泣き笑いの顔で、それでも気丈に声を張って、妹だった妻は応えてくれる。
「ええ、呼んでください。ニナ、貴女の望むように」
だから兄だった夫も覚悟を決める。変化を受け入れていこうと。
「あ……あな……た……」
ぼそっと。押し出すように呟かれた言葉。
あっという間にニナの頬が紅潮する。感情を持て余すように俯いてしまった。
一方でクラウスにはそれに気を回せる余裕などない。
なんと表現すべきか。
転げ回りたくなるような気恥ずかしさというか、穴を掘って頭まで埋まってしまいたいというか?
ともあれ脳天に雷を落とされたような、それは衝撃だったことは確かである。
しばし呆然としている間に、ニナはとっくに立ち直っていた。
141「幕間」 7/8:2006/07/26(水) 10:57:20 ID:p0hvtwsq
「やっぱり変ですね。兄様のことを、兄様じゃなくてあなたと呼ぶ日を真剣に夢見た頃があったのに。
 叶ってしまうと、なんだか落ち着きません。すごく変な感じがして。似合わないもの」
ぽろぽろと目からは涙を零しながら、それでもニナは笑っている。両手で涙を拭いながら。
そして感極まったように、あるいは泣き顔を隠すように? クラウスの胸に飛び込んできた。
薄い胸板に額を預けるようにして、溢れる想いを、言葉を継いでいく。
「クラウス兄様は、やっぱり、兄様、なんですね。
 しっかりしているようで、何処か頼りない、それでも私にとってはいちばんの、大切な、ひと……」
胸骨を通して全身に染み渡っていく振動。吐露された想い。
愛しさに突き動かされるようにして、クラウスはニナの華奢な体を抱きしめていた。


あの日、少女は、見知らぬ大人たちの中で必死に笑顔を作っていた。
あの日、少年は、そんな少女の本当の笑顔を見たいと思った。
少女は少年の妹になった。少年は妹を愛した。
少女は少年の前で本当の笑顔を見せてくれるようになった。
それでも少年の胸にいるあの日の少女は作り笑顔のままだった。
遠い日の幻だからか。少年は無理矢理自分を納得させた。
そして愛する妹のために良縁を探した。妹の人生が幸福に彩られるようにと。
胸の奥で、面影の少女の笑顔がますます強張っていくことに、気が付かないまま。
142「幕間」 8/8:2006/07/26(水) 10:58:02 ID:p0hvtwsq
腕の中でしゃくりあげ続けるニナを、クラウスはただ優しく抱きとめていた。
時折頭を、背中を撫でてやりながら。
子ども扱いとニナは怒るかもしれない。でも、自分にはこれしかできないから。
改めて思う。腕の中にいるこの娘を、他の誰にも奪われなくて本当によかったと。
認めてしまえば簡単なことだった。私は、ニナを、愛している。
今、この瞬間が。──幸せでなくて何だというのか。
ベル、ありがとう。ニナを不幸にするわけには、いきませんよね。
ニナが落ち着いた頃合いを見計らって、クラウスは切り出した。
「ねえニナ、今日は良い月が空に昇るそうですよ。
 ロセッティからはいい茶葉が手に入ったという話も聞きましたし。
 どうです? 今晩、名月を愛でながらのお茶会でも開きませんか?
 このところ、話もしていませんでしたからね。ゆっくりお話でもしましょう。
 無論、ふたりだけのお茶会です。つきましては──」
さあ踏み出せ、前へ。
「今夜、私の部屋に来てもらえませんか?」

胸の奥で、
あの日の面影の少女が、まるで清楚なつぼみがほころぶように、
自然な笑顔で微笑みかけてくれたような、そんな気がした。
143「幕間」 post:2006/07/26(水) 10:58:54 ID:p0hvtwsq
以上です。
空鐘本編は消化するべき案件、描くべき人物が多すぎて大変そうですね。
ちゃんと一巻に収まるのでしょうか。
なので最終巻では一行も出てこない可能性の浮上してきたアルセイフ組から、
彼ら3人を取り出してちょっぴり帰国GUY風味の味付けで弄ってみました。
読んで下さった方、8レスにも及ぶお付き合い、ありがとうございました。
スルーしてくださった方、その寛大な慈悲の心に感謝を。
それではそろそろ。名無しは歴史の影に消えゆくのみ……
144名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 18:00:37 ID:WmFeb1HN
実は陰陽ノ京しか読んでない半端な読者なんだけども。
上手いこと言えないが普通に(というのも変か)実に良かった。
GJでした。


いい加減読むか空鐘…
145名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:37:45 ID:ARmqh7Fn
素晴らしい。ブラボゥ。ってKey国外かよ。道理でベルが誰かに似てると。
コイツらは空鐘中盤で一番気になってた連中だもんで嬉しいなァ。
よければエロシーンありのその後など所望する。
146「幕間」のひと:2006/07/27(木) 13:04:40 ID:YupUQ+go
消えるという舌の根も渇かぬうちに再登場。
ありがとうございます、ありがとうございます。
まさか即日レスがいただけるとは。
……しっかし冷静になって読み返してみると穴だらけだなあ。
自分の力量ではエロシーンまで入れると纏まりがつかなくなりそうだったので、
お察しください、な終わり方で逃げたのですが。
それにね、これ以上書くには、ニナの魂魄データ(=本文中の描写)が圧倒的に足りんですよ。
これじゃあ例え我が手に天道背くメス捌きがあったとて調理は無理ってもんでさぁ。

>>145
所望されること。それは存外の喜びに他なりませぬ。
しかしいくら人が少ないからとは言え、こんなくどい文を書く人間の綴るエロシーンを読みたいと?
それが本当に貴公の望みなのか!?
……だとしたら、お客さん。あンた、剛毅なひとだねェ……。
ですがまぁ、言われて書いてしまった以上、手元に草稿はあるわけで。
──どうしたものか。

「お前の文章はつまらん! 実につまらん!」という方、
若しくは「人の数だけニナが在る、お前の駄文でそれを汚してまわるこたァねえだろう」と、
背中で語る漢な方は>>158へ。
「私は空鐘に関わる全てのものを愛おしく思っているよ。どんなニナも受け入れるだけだ」という
光明神のような君は>>147へ進め。
あるいは、「続き物らしいから前のから読んでやるか」と考えてあげるのもいいだろう。
ありがたいことです。その場合は>>135へ進め。

引き続き空鐘よりクラウスとニナのお話。今度はエロシーンです。そのはず。
はたまた濡れ場か愁嘆場。回避用NGタイトルは「幕間.或る夜の閨房」で、如何か。
147「幕間.或る夜の閨房」 1/10:2006/07/27(木) 13:05:33 ID:YupUQ+go
お互いをぎこちなくさせていた壁は取り払われた。
そうなれば後に残るのは今まで通りの、仲睦まじい"兄妹"の姿である。
クラウスは噛み締めていた。ニナと共にある、今この幸せを。
今夜の茶会のため、ふたりは台所に並び、お菓子を作った。
──小麦粉に卵を落とし、牛の乳を加え、バターを混ぜてよく捏ねる。
この瞬間を──これからも続くだろう幸福の連続、その一瞬とて忘れはすまいと、クラウスは誓う。
前掛けをして嬉しそうに笑うニナの姿を、脳裏に焼き付けるように。
──あらかじめ火を入れておいた天火へ、細かく分けて並べた生地を入れる。
ふたり頬を寄せ合って、天火の小さな窓からお菓子が焼きあがるのを眺めていた。
小さいころ、よくこうしていたことを思い出しながら。



夜になっていた。
クラウスの私室は二つの部屋からなっている。
ひとつは文机や書棚のある部屋。こちらは屋内側であり、窓は無い。
クラウスが今いるのはもうひとつの部屋、寝室の方だった。
彼の立つ脇、ベッドサイドのテーブルには先刻焼き上げた小麦菓子を載せた皿が置かれている。
そこから取り上げた菓子のひとつを齧り、味を確かめて。
それからクラウスは、開け放った窓に切り取られた空を、満月をただ見上げていた。
手にした齧りかけの菓子を弄(いら)いながら、何を考えるでもなく。
……もしも何かを考えようとしたならば、きっとそれは。
そう、ニナの顔さえまともに見れなくなりそうなことになる。そんな気がして。

とんとん、と。隣室から控えめなノックの音が響く。
ともすれば聞き逃しそうな音量。だがそれを待ち焦がれていた者の耳には確(しか)と届いた。
「兄様……?」
いつの間にか渇ききっていた唇を湿す。緊張して仕方がない。
自分でも滑稽だと、分かってはいるのだけれど。
「ええ、どうぞ、ニナ。入ってください」
──自分の声は、上擦ってなかったろうか。
148「幕間.或る夜の閨房」 2/10:2006/07/27(木) 13:06:56 ID:YupUQ+go
「こんばんは、兄様。今夜はお招きいただきまして、ありがとうございます」
軽く寝室着の裾を持ち上げ、悪戯めいて礼を述べるニナ。
湯浴みをして来たのだろう、まだ水分を含んだ濡れ髪がどうしようもなく眩しくて。
クラウスは勝手に高鳴っていく胸の鼓動を押さえられない。
──思えば。長じてから、ニナの寝間着姿を見るのは初めてかもしれません。
あるときを境に、クラウスはニナの湯上がり姿や寝室着姿を見ることがなくなった。
淑女の嗜みではある。貴族令嬢として当然のことであり、妹の成長を喜ばしく思った。
一方で。最愛の妹に少し距離を置かれたような気がして寂しく感じたことも、憶えていた。
──そうではなかったのだろう。
想い人が相手だったからこそ、無防備な──飾らぬ素の姿を見られたくなかったのではないか、と。
今ならば、そう思うことができた。

ふたりは並んでベッドに座り、ランプを消した月明かりの下でささやかなお茶会を楽しんだ。
かつてのように、取り留めの無い話を交わす。
その時間が、楽しかった。尊かった。なによりも。
談笑の中で口にする菓子の味は、先ほど賞味したよりもずっと美味しく感じられて。
ニナの存在が、どれほど自分の幸いに寄与しているのかを改めて思い知らされた。
──私は、きっと、この手を放さないでしょう。
胸の中で、今一度いと高きものに誓う。その永遠を願いながら。

いつしか会話は途切れていた。
場を包むのは沈黙。サモワールの立てる蒸気の音が夜闇に小さく溶けていくだけ。
決して不快な沈黙ではなかった。
何ものにも代え難い、確かな絆があるからこそ。無言のまま、時を共有できる。
それは互いが互いに心を許している、その証しに他ならないのだから。
149「幕間.或る夜の閨房」 3/10:2006/07/27(木) 13:07:49 ID:YupUQ+go
どれくらいそうしていただろう。
身じろぎをして僅かに動いた手の先、クラウスの指がニナのそれに軽く触れる。
ぴくり、と怯えるような幽かな震え。それでもニナは逃げなかった。
そっと。クラウスは自分の手をニナの繊手へ重ねる。
小さな手だった。細く美しい、優美な女性の手。
──分かち合う温もりが、こんなにも愛おしい。
ニナの頭が傾いで、こつん、と。クラウスの肩に預けられた。
かつては物語をねだっては胸に後頭部を預け、下から逆さに見上げてきた少女が、今や。
そして襟元から、湯上がりの柔肌に醸されて立ち上ってくる微かな香気。
瑞々しい果実を思わせる柔らかなノート。青リンゴの香り。
ニナがつけていた香水の中でも、クラウスが一番好きだと。一番似合っていると、いつかそう言ったもの。
──憶えていてくれたんですね。
それは自分を食べてほしいという、ニナの勇気?
……そう考えるのは、男の思い上がりだろうか。
──いま、ニナはどんな表情(かお)をしているだろう。
クラウスは、ニナの顔を見た。
ニナも、クラウスを見ていた。
不安を湛えた瞳で、見つめあっていた。
暫時を経て、互いの視線がふっと緩む。
──考えていたことは、同じだった。
そのことに安堵して。
あとは自然に惹かれあう。唇と唇が。互いを求めて。
触れ合う。啄ばむ。もっともっと、近くに欲しいから。
──例えるならば。
それは天上の美酒とでも形容すべきだろうか。ぼんやりとクラウスは思う。
──婚儀で交わした口づけは、苦い罪の味しかしなかったのに。
求めた。求めつづけた。
そしてどちらからともなく離れた唇を、なおも結びつけるように。
乱れた吐息にそよぐ銀糸が、月光に淡く煌めいていた。
150「幕間.或る夜の閨房」 4/10:2006/07/27(木) 13:08:46 ID:YupUQ+go
いいですか、と目で問いかけた。返ってきたのは受諾の小さな頷き。
口づけに酔ったか、朱の差す頬を恥じらいでさらに染めるニナの姿は。
──ああ、私の貧弱な語彙では、到底表し得ません。
預けられた柔らかな肢体をゆっくりとベッドへ横たえる。
ひとつ、ひとつ。寝室着のボタンを外し、脱がせていく。
ニナは抗わなかった。ゆるやかに瞳を閉じて、クラウスの指の動きを感じ取っているよう。
そこにあるのは絶対の信頼。それを寄せられるクラウスの胸は幸せに燃え上がるようで。
──これが、ニナ……なんですね。
今、クラウスの目の前には。一糸纏わぬニナの裸身があった。
華奢な躰。肉付きが薄いと、そう言われても仕方がないかもしれない。
それでも。そこにはまぎれもなく「女性」があった。
小さくなだらかな肩。腰骨の描く丸みのあるライン。
柔らかく震える慎ましやかな双乳。そして。
ぴったりと閉じられた腿の間(あわい)。その奥に、誰一人知らぬ秘境。
──ああ。
これから何をされるのか、分からないわけではないだろう。
微かに戦慄(わなな)く唇が、震える長い睫毛が、ニナの感じている恐怖を正直に伝えている。
その上で。クラウスを信じていると。クラウスにならば、と。
身体を自分に委ねる娘の純情を前に、こみ上げてくるこの感情は。
ああ。それを表現する言葉を、クラウスは知らない。
──私は、ニナを。この娘を、
レージクに、陛下に、フェリオ様に、……ベルに。
平然と、供物に捧げようと、していたのか。
妹の幸せのためと。胸を刺す針の痛みに、言い訳を幾重にも糊塗して。
──誰にも渡したくない。ニナを、離したりするものか。
心の底から湧き起こる自分の声の強さに、今更ながらクラウスは驚いた。
或いは、汚れなき処女(おとめ)を前にした、矮小卑小な男の独占欲なのかもしれない。
構わない。構うものか。汚れていようがどうであろうが、それがいったい何に関わろう。
そう。狂おしく胸焦がす、今、この想いは。もう疑うべくもない。クラウスの真実なのだから。
──ニナを、汚したい。ニナの、そのすべてが欲しい。
──ニナを、護りたい。ニナの、その行く先に幸せだけを敷き詰めたい。
だから、私は。
151「幕間.或る夜の閨房」 5/10:2006/07/27(木) 13:09:46 ID:YupUQ+go
慌てるなと、自省を忘れないよう。ニナの身体へ指を伸ばす。
灯火に惹かれる羽虫がごとく。クラウスの手は男の体にはない器官を自然に求めていた。
ピアニシモ。どんな強さで触れたらいいか、分からないから。
玻璃細工へ触れるように。その柔らかさを確かめるように。
ゆっくりと、臆病なほどゆっくりと、乳房へ指を沈めていく。
テヌート。その感触に、心奪われた。離すことが、できない。
むずがるような、ニナの小さな身じろぎ。我に返った。
──ニナを、悦ばせるようにしないと。私は、年長者なんですから。
アダージョ。優しく。ゆっくりでいい。夜は長いのだから。
怖がらないで。そう伝えるように。口づけを捧げる。長く、万感を込めて。
──思えば。きちんと言葉にして伝えていなかったかもしれない。
肌を合わせている今になって気付くなんて。クラウス、お前は。愚か過ぎる自分を憫笑する。
ドルチェ。ニナ、貴女を誰よりも愛していると。甘い、言葉を。耳元で。柔らかく、囁いた。
他愛もない睦言と、そう思われるだろうか。だとしたら……少し、寂しい。想いの丈を知られないのは。
……ああ、そうだった。私だって、ずっとニナを苦しめていたんだから。
──これで帳消しと、流石にそういうわけには、いかないかな。
アンダンテ。少しずつ、少しずつ。不慣れなふたりはゆっくり進んでいく。
ふるふると震える桜色の頂きを舐め上げた。可憐な唇から、声が漏れる。
それだけのことが、もうどうしようもなく嬉しくて。
──もっと。もっと声を、聴かせてください。
クラウスの手が、処女雪のように白い肌を、這いまわっていく。

そして、クラウスの指は、そこへ辿り着いた。
ゆるやかに合わさった、男性にはないもうひとつの器官。
その奥には余人を拒む純潔の砦。
ああ。なんだろう、この高揚感は。
──男はケダモノだなんていいますけれど、どうやら私も例外じゃないようです。
殊更に自分へ言い聞かせる。焦るなと。大切なひとを、ニナを泣かせたいのかと。
──いや、鳴かせはしたいですけどね。
諧謔めいた品のない呟きを胸中に差し挟んで、クラウスは集中する。
こわばったもうひとつのくちびるをほぐす、右手の指先へ。
152「幕間.或る夜の閨房」 6/10:2006/07/27(木) 13:10:37 ID:YupUQ+go
おずおずと、なぞるように指を滑らせる。
それだけでニナの声が跳ね上がった。
いやいやをするように髪が振り乱される。両手がシーツを掻き毟る。
クラウスの姿が捉えられないのか、その面(おもて)に迷子のような心細さを滲ませて両の瞳が虚空を彷徨う。
クラウスの与えつづける刺激に背が軽く反り、緩やかなアーチを描いて浮き上がった。
その下へ左手を通し、体ごと抱きかかえるようにしてニナの躰を繋ぎとめる。
私は、ここにいるよ、と。そう告げるために唇を重ね。
左手は落ち着かせるように、穏やかに胸をさすり。
そして、右手は。
ピチカート。跳ねるように。クラウスは指を踊らせつづける。
運指のひとつひとつに可愛い声で応えてくれるニナが、どうしようもなく愛おしい。
──ああ、この娘は。
まるで自分のためだけに用意された、名匠に誂えられた唯一品。この上なく優美な楽器のよう。
奏でる音色は、至上の美楽。奏者(マエストロ)の指が紡ぐのは、今晩限りの即興なる調べ。
それは、クラウスのためだけに奏でられた、積年の想いを謳い上げる夜想曲(ノクターン)。
なんだか胸を、締め付けられて。クラウスは、束の間の幻想に酔い痴れる。

「……っは、っは……」
息継ぎさえ忘れたように、親鳥に餌をねだる雛鳥のように。
ニナはさっきから一心にクラウスの唇を求めていた。
唇を合わせているだけで、安心できるのだろうか。
時折意地悪をして顔を離してやると、可哀想なくらいに表情が不安で塗り潰される。
もう、ニナの見せる挙動のひとつひとつが、可愛くて、愛らしくて仕方がない。
だから手を躍らせる。肌を吸う。耳朶を噛む。くすぐってみたりもする。
ダル・セーニョ。セーニョ。いったいどれだけ繰り返しているのか。
それでも飽きなんてくるはずもなく。
──ああ、私は。
ベルからは幾度となく「お前のその溺愛っぷりは異常だ」と苦言を呈されてきたけれど。
これはもう、認めるしかない。
確かに、私は。もうどうしようもないくらい、妹に──ニナに、溺れてしまっている。
153「幕間.或る夜の閨房」 7/10:2006/07/27(木) 13:11:21 ID:YupUQ+go
気付けば陶然とした表情でニナが動きを止めていた。
ぼんやりと、宙に漂う視線。
どうやら気をやってしまったらしい。
クラウスの右手も、どろどろになっていた。
ひっそりと、右手を汚すニナの体液に舌を這わせてみる。
興奮の火花がなおも爆ぜ続ける精神に、味覚が伝える信号は届かなかった。
よく分からない。が、クラウスは。
それをあまい、と感じていた。これが愛する、ニナの、あじ。
──ニナの気が付く前に、右手を清めておかないと。
ひとりごちながら、クラウスはひとり、右手の指を舐め上げる。
彼が今、どんな表情をしているか。中天に輝く月だけが、それを知っていた。



今度は言葉にして伝えなければならないと思った。
「ニナ……いいですか?」
こくん、と。大人びてしまった容姿と裏腹に、子どものような仕草で頷きを返すニナ。
……分かっていた。そこにどれだけ途方もない覚悟があるのか。
──その境地、分かる気はしても。男には生涯、分からないのかもしれませんね。
持て余すほどにいきり立った分身を、そっと近づけていく。
先端が、くちびるを押し開き、その頭を埋めていった。
154「幕間.或る夜の閨房」 8/10:2006/07/27(木) 13:12:10 ID:YupUQ+go
「……っ、ぁ──」
明らかな苦痛の声。気遣わせないようにと、押し殺した声が余計に切ない。
それでもニナは、クラウスに笑いかける。まなじりから涙を零しながら。
赦すと。受け入れると。その汗の浮いた笑顔に、クラウスは神性を見た。
クラウスは思う。
──赦す、とは。女性のみが行える秘蹟なのかもしれません。
腰を進める。抵抗を、打ち砕いていく。苦痛を長引かせたくなくて。
「……っあ! ぁっ、あ! あ! ぁ──」
クラウスの背中に回されていたニナの両腕が強張った。
略奪者の背に爪を立てようとする。それは当たり前の防衛反応。
が──予想していた痛みは無く。ただ、震える指の、感触だけが。
スフォルツァンド。十の指の腹に込められた圧力。それはニナの声無き絶叫。
思考さえ灼かれる痛みに苛まれているだろうに、ニナはそれでも。
それでもクラウスを傷つけまいと。最後の最後で、自分の指に、爪を立てることを、赦さなかった。
──どうしてですか、ニナ。私は、貴女に一生消えない傷を刻む、薄汚い簒奪者なんですよ!
今、ニナの眼は溢れる涙に覆われて。苦痛に身を炙られて。クラウスの姿は見えていないだろう。
それなのに。大丈夫だよと告げるように、奪われゆく娘は笑いかけるのだ。
──なぜ、どうして! どうしてそこまでするんですか!
捨身。それは捨身だった。口幅ったい。が、言おう。それは愛という情動が生む──人が起こす、奇蹟。
──ならば。ならば、私も。応えなければ。
「ニナ……遠慮しないで。容赦なく爪を立ててくれて構わないんですよ」
平素の口調を意識する。努めて。ニナの心遣いを、無駄にしたくはない。
「男の身である私に、貴女の痛みは分かりませんから」
涙声になってはいまいか。
「ですから、」
声が揺らいではいまいか。
「少しでも、貴女の痛みを。私に分けてください──」
155「幕間.或る夜の閨房」 9/10:2006/07/27(木) 13:12:49 ID:YupUQ+go
一瞬だった。背に突き立つ五対の刃に、視界が紅い閃光を見る。
──こんなもの、ニナの苦痛に比べればどれほどのものか。
さらに腰を押し進めていく。クラウスの唇は、確かな笑みを刻んでいた。
入り乱れ荒れ狂う感情が、出口を求めて暴れている。頬を温かいものが伝い落ちた。
喜びも、悲しみも。幸せも、痛みも。──共に分かち合うと。
今、クラウスの脳裏で。祭壇での誓いの言葉が鮮やかに甦っていた。
──ニナ、貴女は私の妻だ。私は、それを、肯定する。

もう言葉は要らなかった。絡み合う視線だけですべては事足りる。
アレグレット──アレグロ──プレスト。
「にい、さま……にい、さまっ──」
重なり合う鼓動のままに、求め合う動き。上り詰めていくままに加速していく。
「にい、さま、にい、さまっ、……にい、……さまっ──」
カンタンド。謳え、高らかに。生の歓びを!
そして、ふたりは──



──コーダを迎える。
クラウスは、愛するひとの中へすべてを解き放っていた。
おお、それは歓喜。愛を謳い上げよ、微睡みの中に。



初めての合奏(アンサンブル)──二重奏(デュオ)。
その幕が、閉じる。
156「幕間.或る夜の閨房」 10/10:2006/07/27(木) 13:13:34 ID:YupUQ+go
「……ん、ぁー……」
小鳥の囀りでクラウスは目を覚ました。んー、と伸びをひとつ。差し込む朝日が眩しい。
──夢じゃ、なかったんですよね。
傍らにはニナが眠っていた。苦痛などないような穏やかな顔で、小さな寝息をたてている。
──そうだ、寝顔を見るのも病床以来ですか。
ずっと眺めていたい気分になって、それでもニナが起きた時に服を着てないとまずいと考える。
ニナを起こさないように。そっと上掛けから抜けだした、クラウスの、その目に。
シーツに落ちた、小さく、点々とした染み。ニナの純潔の証しが、強く焼きついた。
──こんな小さな躰で、どれだけの苦痛を。
いや、そうではないだろう。
──ニナを。本当に、後悔なんてできないくらい、幸せにしてあげないといけませんね。
心に残る妹の面影に誓いを捧げる。妹(あなた)を、決して離しませんと。

服装を整えて戻れば、果たしてニナはまだ眠りの中にいた。
上掛けから転び出た繊手。白魚のような指。その先端を彩る桜貝のような爪に、赤黒いものが。
──私の血、ですよね。
肩甲骨は、人が翼をもがれて墜とされた、その名残だという。栄光の残照であると。
ならばその上に付けられた、今まだ痛みを伴う、誇らしきこの五対の爪痕は。
──私たちの幸福の苗床に、なってくれるでしょうか。
ニナの、自分の、昨夜流した血が。永遠に続く幸せの礎となればいいと。クラウスは願った。
眠る姫君の傍らに跪き、恭しくその手を押し頂く。
一指一指、指先に舌を這わせて。クラウスはニナの手を清めていった。

「……ん──」

その刺激で、眠り姫がうっすらと目を開ける。

「……ぁ、れぇ……にい、さま……?」

何よりも、誰よりも、大切なひとに。クラウスは笑いかける。

「おはようございます、ニナ。今日もいい天気ですよ」
157「幕間.或る夜の閨房」 post:2006/07/27(木) 13:14:46 ID:YupUQ+go
しあわせでしたーーーーーーーーーーーっ。

「エロパロ」とは何か、それを根本的に履き違えているような気がしてなりません。
しかしまぁ、パテ、能面、サモワール、スフォルツァンド……これはいったいどこの国なのかと。
それにニナニナ書いてるとニナという文字列がナニに見えてくる不思議。
読んで下さっている方的にはどうなんだろう。ともあれ12レスにも及ぶ占拠、申し訳ない。

>>144
確かに既刊が二桁いってると、新規に手は出しにくいですよね。
しかし生臭い話ですが、空鐘がもっと売れれば、陰陽の続きも、きっと……!
いや、そうでなくてもいいお話ですよ、空鐘。これまで通りの渡瀬せんせ風味。
拙文では伝わらないくらい魅力的なキャラクターですしね、彼ら。
……問題は、ニナにはあまり紙面が割かれていないことですが。

きっと長文レスうざいと感じる方が多いことでしょう。できれば平にご容赦願いたく。
パンプキン先生みたく、どうも言いたいことを短く纏められない病気にあるようで。
スレを占拠する意図はないんです。ネタも切れたわけで、今度こそ大人しくROMに戻りますから。
いあいあ、かみさま。とっても、こうりん。するといいよね。
そんなことを呟きながら、名無しはかぼちゃ頭をふりふりラトロアの街角へ消えていくのでした。
158名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 13:24:10 ID:+Mo+Xn2G
ベルナルフォン並にGJ!
159名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:37:08 ID:n0+3S0t/
ぐっじょぶです。

この期に及んでもなお、往生際悪くわたわた動揺するクラウス兄さんが
とっても「らしい」感じで良いです。

音楽記号で表現する辺りもなかなか彼のキャラには合っているかと。
……このSSに触発されて読みかえした原作4巻辺りまでの言動を見るに、
クラウスって割とドリーマーでロマンティストだと勝手に思ってます。

レスが長めなのも、パンプキン先生の口上と同じく 芸 だと思うし、
それも含めて楽しませて頂きました。
160名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 17:32:17 ID:rgn+GEnS
おお!職人キタコレ
161名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 13:33:13 ID:Clwwfim+
職人来たれとほしゅあげ……は、しないほうがいいのかな。だいぶ下がってるんだけど。
よく分からないから、とりあえずネタほしゅ。今ではもう考えられない展開だよね……。


「まあ、さっきは随分と注いでくれたものな。もうここにはお前の子が宿っているかもしれないな」
そういって下腹部を愛おしげに撫でる。猫のような笑いで。
「シルヴァーナ……」
「そんな顔をするな、フェリオ。お前が悪いわけじゃないさ」
「でも、俺が無理矢理シルヴァーナを……」
「正道の剣しか知らない王子サマに手篭めにされてるようでは柱守など務まらないよ。
 本気でそう言っているんだとしたら、お前は私を舐め過ぎだ」
「だけど……」
なおも続けようとするフェリオの唇を、人差し指で柔らかくおさえて。
「勘違いするな、フェリオ」
いいか、と念押しするように。
「……誘ったんだよ、私が。だからお前は悪くない。背負い込もうなんて思わなくていいんだ」
白皙の美貌にうっすらと朱が上る。やはり恥ずかしいのだろう、そんな言葉を口にするのは。
「お前のことだ、責任を取ろうとか考えているんだろうが……」
形良い眉が顰められる。今、胸中を過ぎる想いは如何ばかりか。
しかしそれも一瞬のこと。決然とした表情で声を張る。
「自分の立場を考えろ。今までだって、ちゃんとそうして動いてきたじゃないか。
 私のことなど、考えるまでも無いことだろう? 王族の責務を放棄するつもりか?」
ぴしゃりと、打ち据えるように。厳しい声音がフェリオの耳朶を打つ。
身を強張らせるフェリオを思い遣るように、続く声は幾分か和らいでいた。
「お前は今や王弟で、そして、救国の英雄だ。
 正室候補として神姫の妹や"戦姫"の名が噂にさえ上っている。そうだろう?」
「…………」
「そんな状況に。名も知られぬ北方民族の女の、入り込む余地があるとでも?」
言葉もないフェリオ。うなだれる姿を前にして、シルヴァーナはひとりごとのように続ける。
「王侯貴族なんて、碌でもない者ばかりだと思っていた」
「…………」
「だからこそ。私たちのような、歴史に名さえ残さない者達が命を賭して働かねばならないのだと思っていた。
 恨み言じゃない。私たちのようなものこそが国を支えているのだという自負がある。ただそれだけのことだ」
「…………」
「でも私は、お前と出会うことができた。王族にも、貴族にも。まともな人間がいると知った」
「……シルヴァーナ」
「だから、さ。民を失望させるような真似はしないでくれ。お前には期待しているんだ──」
ひとつ、息をついて。
「──私なんぞに、躓いて欲しくないんだよ」
「シルヴァーナ……」
「フェリオ。お前の気持ちはすごく嬉しい。
 私だって女だ、少なからず想う者から真剣に想われるというのは嬉しいことだよ。それは、本当に」
「だったら!」
行かないでくれ。引きとめようと、抱きしめようとその身に伸ばされたフェリオの手をするりと躱す。
「それでも。越えられない壁というのはあるんだよ、フェリオ。悲しいことだけれど、ね」
聞き分けのない子どもを諭すように。シルヴァーナの声はどこまでも優しかった。
そのまま、一歩、二歩、三歩──すべるような軽い足取りで。後ろ足に距離を離して、シルヴァーナの身がその場に沈みこむ。
跪いていた。略式ながら、それは紛れもない臣下の礼。
「あまねく慈悲を乞い、王弟殿下におかれましてはどうかこれまでの無礼の数々、平にご容赦くださいますことを」
立ち上がった時には、いつも通りのシルヴァーナだった。幾度となく魅せられた優しげな笑顔。そのはずなのに。
今は、その向こうに何ひとつ見透かすことができない。どこまでも、どこまでも透明な──笑顔。
「さよならだ、フェリオ。せめてあの娘たちだけは、不幸にしてやるなよ?」
決別、だった。
──それがフェリオの聞いた、シルヴァーナの最後の言葉だ。
銀の髪を翻し、その後ろ姿は薄暮の向こうへ──フェリオの知らぬ闇の中へと還っていく。
振り返らなかった。
決して、振り返らなかった。

……そんなSSありますか、と保管庫に問い合わせてみると、
中の人は笑顔でぽんと肩を叩き、「帰れよ」と言った。にょろーん(´・ω・`)
162名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 21:32:51 ID:EZYCxHze
ぐっじょぶです
163名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 05:07:39 ID:y0lHF3EX
ウルフェリ原理主義者の俺が萌えた
164名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 21:40:08 ID:ILFJmC3V
ウルクが攻めですかw
165名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 06:17:41 ID:4QVx65fI
hosyu
166名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 01:31:09 ID:gSLXdqQF
もう終了だな
167名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 21:41:51 ID:6yWzYz6a
ああ、完結なのにこのまま落ちるのか
168名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 21:42:27 ID:6yWzYz6a
age忘れー
169名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:17:18 ID:fYpxy2cJ
それでも圧縮を乗り越えつづけている不思議。
職人さんどころか住人すらいるかどうかという感じなのにね…。
もう落としてしまえというのが総意なのかなと思って
書き込みせずROMってたんだけど、どうなんだろう。
常駐してる人、います?
170名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 13:25:21 ID:Ey4CORmo
常駐ってか、まぁ巡回はしてるけど。。。
171名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 01:50:47 ID:EYGWOcw9
書きたいんだけど、いざ書こうと思うと、どのカップルで書けばいいのかと……。
ノエル様好きなんだけど、ちょっと原作でのディテール足りないし。
172名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 12:01:14 ID:Dui47Q+q
完結後、書けるのは本編で略されたフェリオ夫妻妻トリオの話かな。
173名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 15:52:19 ID:i5s0dqpU
3P初夜とか来ないかな
174名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 19:29:12 ID:6iHlF+ya
3Pネタをキボン。
175名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 14:34:34 ID:c7dhUwOw
3パンプキンネタ?
それはまた難易度高いな
176名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 09:40:00 ID:QQST+BZK
>174
ウルクがダウンした後でも元気いっぱいなフェリオとリセリナ、くらいは思い付くがまだ具体化できないな。

描写するには二人のプロポーションも比較しないと。
ウルクの方が柔らかめで全体的に大きいかな。
177名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 15:03:40 ID:vuiypNfE
>174 >176
なんて素晴らしい…
身も心もぐったりしているウルクを二人がかりで攻め立てるのですよきっと。

ところで3Pなんて特殊な状況に緊張しすぎて思わず昇華してしまい
それはもうエライことになるリセリナを夢想するのは私だけですかそうですか。
178名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 22:43:10 ID:QQST+BZK
>177
毎日先にダウンしてしまっていたウルクがたまには違うパターンを試そうと思い付いたフェリオと一緒にリセリナを攻め、昇華させて大変な騒ぎに
179名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 22:54:09 ID:P/DGqO/P
3Pするしないはともかく、あの3人の結婚生活に於いてリセリナの昇華は問題になりそうだ。

昇華したリセリナがウルクにもなつく場合は良いが、なつかない場合に暴力沙汰になりでもしたら大事だ。
180名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 23:29:34 ID:KFeKbNyN
懐いたら懐いたで大変なことになりそうだ。むしろなれ。このスレ的には。

……思いっきりデレに走ったイリスの夜の生活も見てみたいんだが。
181名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 23:56:28 ID:U6nzTTT7
体力の差を考えず平等を心掛けるフェリオに、ベッドの上で翻弄されてしまうウルクとかどうでしょう?

「あ、あの、フェリオ様? もしかして、まだするのですか?」
「リセリナからも、同じようにしないと不公平だと言われているしね。彼女とは昨日8回したから、あと6回だよ」
「ちょっ、ちょっと待って下さい! 私そんなにされたら……ああっ!」
182名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 09:03:07 ID:wlMsQB0B
まあリセリナとは激しく、ウルクとはマターリてな風に住み分けするんじゃないかな。
183名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 16:47:04 ID:/RKVPlVW
話題が無いな。保守。
184名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 14:42:29 ID:26t+cOjl
本スレ>>>719
理想は全部書いて頂くこと……なんですが、
とりあえず一番上の未来妻バージョンをキボン。
期待して待ってます。
185名無しさん@ピンキー:2006/11/06(月) 17:33:47 ID:N61C6N1F
落ちる寸前…
保守
186名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 14:03:55 ID:E9EpAfNO
保守
187名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 21:07:01 ID:2luiJzqP
保守
188名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:19:13 ID:sq86mN1C
リセリナの昇華プレイ希望
189甜菜:2006/11/20(月) 10:26:43 ID:hHzUvcHo
909 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/11/19(日) 22:27:59 ID:yEHXFCIa
「えっ……! ウルクさん、あの、それはどういう……」
 朝食が終わったあとの中庭。
ここには今私とウルクさん、給仕のメイドさんの三人しかいない。いつもはここにフェリオさんもいて、食後のお茶を楽しみつつ今日の予定を語り合うはずなのに今日はいない。
最近騎士団の宿舎に顔を出していないとのことで朝からライナスティさんと連れ立って行ってしまった。
そして、私はまばらとはいえ人通りのあるここでウルクさんからとんでもないことを訊かれていた。

「その、リセリナ様はフェリオ様にいつもどういうふうに抱かれているのですか?」

聞かれた私も恥ずかしいが、訊ねて来たウルクさんの顔もほんのりと赤く染まっている。
彼女もやはり恥ずかしいようだ。
メイドさんなんかものすごく居心地が悪そうにしている。

「あの、その……すごいです」

混乱した思考のまま、正直に答えてしまった私を誰が攻められようか。
なぜ日も明るいうちから中庭でこんな話をしているのか理解不能だ。

912 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/11/19(日) 23:40:06 ID:yEHXFCIa
ラトロアから無事に帰還した後、ウィータからアルセイフへ特使として滞在している"聖姫"ウルク様と乱世の英雄"王弟"フェリオ様、"戦姫"の私が恋仲になって久しい。
『先に第一婦人となるのは聖姫か戦姫か?』などと講談師の話題となることも少なくない。
下世話な噂話のようにフェリオさんの寵愛を争うようなことはないし普段から仲は良い。
今まで褥のことにふれてくることは無かった。それが今日、突然、それもこんな場所でこんなストレートに突っ込んでくるなんて……

「あ、あの、ウルク様。わ、私は、別に、その……」

 自分でもなにを言っているのかわからないぐらい混乱してしまう。
思わず"そのとき"のことを思い出し、顔がとにかく熱くなってきた。
内乱で目覚しい活躍を見せたフェリオさんは民衆の皆さんにもとても人気が高い。
フェリオさんの傍で戦っていた私も講談師の方々のおかげか好意的に受け入れられている。
混乱のあまりこれはもしや正妻の座につくために牽制しているのかとあることないこと勘ぐりはじめた私を見てウルクさんが慌てる。

913 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/11/19(日) 23:41:13 ID:yEHXFCIa
「あ、誤解なさらないで下さい……ただ純粋に聞きたいのです。フェリオ様って、その……リセリナ様に対してはどうなのかなぁって」

なんと返事を返したらよいものか。沈黙がその場を支配する。
「実はですね……」

 沈黙を破ったのはウルクさんだった。なんともいえない表情でぽつぽつと話す。

「わたし、ちょっと困ってるんですよ……」
「困ってるん…ですか?」
「ええ。あまりにフェリオ様が、その、強すぎて……」

 わかります。よくわかります、ウルク様。
「普段はその、鈍いといわれてもしかたのない人だから、乗馬や午後のお茶には私から誘うのですけど…
夜のほうは誘うなんてはしたないことできないでしょう?それを知ってか知らずかごく自然に褥に呼び込まれてしまって…
比較対象が姉さまから聞いた話でしかないのですけど、とても上手いし、剣術を学ばれていたことで体力もあるし……」

 ふうっとため息を吐く。
「昨夜なんてもう、何回――その、されたかわからないのです。最後には気絶までさせられて……」
「それで今日はそんなに疲れた顔をしているんですか…」

 納得です。
「でもわかります。私も、フェリオさんに抱かれたら毎回のように失神させられますから」
「毎回っ!?」

 驚いたようにウルク様が言う。そして、敏感なのですねぇ、と感心したように…あるいは羨ましそうにそう呟いた。
190名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 18:46:02 ID:3oZyj2Ie
保守
191名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 20:08:01 ID:ysijUdiF
>>189
素晴らしいなソレ。
192名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 20:54:04 ID:X+93pIzL
直接的なエロは無くていいからこの手のほんのりエロチックなものが良い
193名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:03:01 ID:0XlpqnXT
>189
>「敏感なのですねぇ」
「あ、えー」
頬がさらに熱くなる。「えー、それよりも。今気付きましたけど、私達にはたいへんな問題があるような」
「何でしょう?」
青い髪を揺らし、首を傾げる聖姫の顔から赤みが薄れた。
「いずれ、フェリオさんと私達との間に子供が出来ますよね」
「ええ、待ち遠しいです……あ」
聖姫の顔が真っ赤に染まり、首筋まで色付く。
戦姫はと言えば、やはり真っ赤に染まり震え始めた。
(どちらかが妊娠中には)
目を見合わせる。
(もう一人は、毎夜一人でフェリオと褥を)
想像してしまい、二人は揃って頬に手を当てた。

194名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:24:23 ID:FWF0JDPK
hosyu
195名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 22:27:30 ID:48csqFJa
hosyu
196名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 12:41:49 ID:/bobfHEt
空鐘学園編だと昇華リセリナはウルクになついてたな。

だから3Pでも問題なしだ
197名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 02:34:02 ID:+2h8oHRH
待て、なんだそれは。何の話だ。
198名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 23:59:26 ID:yUHN/b4N
陰陽ノ京発売を記念して誰かお願い!
199名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 23:06:35 ID:cm07M/8x
どっちが先に抱かれたのかは分からんが、
どっちが先にフェラリネットを吹いたかは分かる。

ウルクだ。
200名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 02:41:18 ID:eEHS6DGR
>>199
その心は?
201名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 17:59:52 ID:q5cSuBsT
姉から習ったフェラ〜リネット♪
202名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 07:31:14 ID:lxH8lZ/V
リセリナが先に妊娠して戦列から離脱していたわけだから、
体力負け確実なウルクはその間は技術でなんとかする必要があったかもな。
203名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 01:27:28 ID:sEy3aQYu
何もせんでも母体を気にしてフェリオはリセリナとは控えるだろうしウルクウマーなんじゃないの?
204名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 17:53:23 ID:i/s0s17V
二人が妊娠してしまった期間はフェリオ様はどう処理なさってたんだろうか。
205名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 09:49:06 ID:mZ9foi7H
>>204
イチローみたいに口でしてくれって頼む。
206名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 10:47:04 ID:BKfOwlxf
>203
リセリナと控えるからこそウルクの負担が厳しくなる、と202に書いてあるんじゃないのか。
207名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 23:48:31 ID:FyoWZ613
189にてコピペされているウルクとリセリナの掛け合いを本スレに投下した者ですが続きいります?
希望する方がいらっしゃるならネタが浮かび次第書き上げて投下しますが
208名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 04:46:28 ID:WQ6TvYZB
是非!
209名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 07:34:27 ID:XiSaYXtI
>>207
希望しますです。
210名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 11:03:52 ID:Ap1f6/+w
>207
伏して拝み倒す。
211名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 14:27:26 ID:069AV+oA
頼む。マジ楽しみにしてる。
212名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 17:55:30 ID:ryx9oXa9
ようやく全てがl50の彼方に消えた…。

>>207
三跪九叩お願いいたす。読ませてくださいませ。
需要はすんごく高いと思うのです、圧縮を乗り越えつづけている事実からして!
213名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 10:37:28 ID:KxJjJdCR
かなり切実にお願いします。
もう何度読み返したことか……!
続き、ずっと知りたかったんだ。
214207:2007/01/13(土) 00:59:50 ID:MZH3UfjL
三日足らずででレスがいっぱいついててびっくらこいた。
期待にこたえられるかわからんが頑張る。
215名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 17:56:30 ID:UrM7jTUb
>>214
続きのじゃなくてもエロなしのでもいいから頼む
216名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 14:38:34 ID:l66SurV5
期待しつつ保守
217名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 19:49:11 ID:m5WqBcl3
同じく超期待保守
218名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 01:36:17 ID:xiUxRvKo
保守
219名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 01:49:59 ID:RBBo4oF/
払子
220名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 00:08:21 ID:5g5ljfns
保守
221名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 22:56:35 ID:Po+XMN9r
ほしゅ
222名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 03:17:33 ID:veRhn7jc
保守
223名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 00:13:04 ID:8BT9d7ft
陰陽のおかげでここも潤わないかなぁ。
224名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 12:11:58 ID:uNNvJ0AC
某キャラの伽での記憶を共有してるせいで実は色々欲求がある某キャラとか。
もう一人くらい子供が欲しくなってしまったりとか。
225名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 17:30:28 ID:FFu4A6Bf
保守
226名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 19:57:23 ID:j0djQp+o
保守!!
227名無しさん@ピンキー
保守