仮面ライダー総合エロパロスレ2

このエントリーをはてなブックマークに追加
572名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 00:32:35 ID:iPLmuInk
>>571
それ「最終回を目前として死亡」のフラグっぽいのだが?
573名無しさん@ピンキー:2006/05/30(火) 14:51:33 ID:CcmtF4V5
…あぁ…orz
イブあきの時もヌゲーショックだったけど、ダイゴンもかなりのダメージだ…。
ゴン、大人になったらダイスケの本格アシになってくれ!つうか嫁に。
574名無しさん@ピンキー:2006/06/01(木) 08:59:32 ID:tO0qZmAs
最近アギト見てますが、
ここは現在進行中でなければダメですか。
近いうちに書こうと思ってます。
575名無しさん@ピンキー:2006/06/01(木) 09:03:38 ID:tO0qZmAs
最近アギト見てますが、
ここは現在進行中でなければダメですか。
近いうちに書こうと思ってます。
576名無しさん@ピンキー:2006/06/01(木) 09:48:47 ID:7SmDzkuq
特にそういう縛りはないと思いますな。
がんがってくだちい。
577575:2006/06/06(火) 00:20:15 ID:jlYGSG/g

初めて投下させていただきます。

スレの流れと違いましたら、どうかスルーしてください。

普通エロ、でも前置き長いのですが、
小沢さんと北條のキャラ萌えという事で、許してくださいね。
女性向けのソフトエロです。
578575:2006/06/06(火) 00:21:02 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 1/10

 小沢澄子がロンドンに来て、3ヶ月が過ぎた。
 教授という肩書きで就任したはずであったが、澄子は、ただでさえ小柄であるのに、
若く見える東洋人。どこに行ってもローティーン扱いされ、バーに入っても、
パスポートを提示しないとビールさえ飲むこともできない。
 一部の工学系の教授を除けば、一般の教授たちは、表向きの態度こそ紳士的であるが、
本心は頭でっかちな世間知らずの天才少女扱いである。警官としての経歴を、
実務経験のない研究員程度にしか思っていないことを散々思い知らされる。
 「プロフェッサー・ハーマイオニー」
 先週、学生たちがそう呼んでいるのを耳にして、澄子は少しへこんでいた。
 超有名ファンタジー小説の魔法学園の生意気な女学生の名である。
 ここが日本であれば、笑って受け流せたのかもしれない。
 だが、研究環境を整えることひとつ思うに任せない状況で、澄子は少し疲れすぎていた。

 そろそろ、講義に出なくてはいけない。
 しかし、なかなか椅子から立ち上がれない。
 この重い気分をなんとかしたいと思う。
 手にした携帯の、その番号を実行する。
 なぜ、彼なんだろうと思う。
 彼の声を聞いたら、元気になるんだろうか?
 やる気になるんだろうか?
 それとも、もっと落ち込むのかな。
 小沢澄子の身体を包んでいるものは、もう厳つい制服ではない。
 コバルトブルーのニットのワンピースの下で、少し肩が震えた。
 呼び出し音を聞きながら、少し怖くなった。
 もう、上司の仮面はないのよ……。
 呼び出し音が、止まった。
 「どう、調子は?」
 出来るだけ、いつもの調子で頑張ってみる。
 「小沢…さん!」
 耳に馴染んだ声だった。
 「ええ、元気でやってます。そちらはどうですか?
 たしか、今ロンドンだと聞いていますが」
 迷いのない声だ。
 仕事が順調なのだろう。
 河野さんの下でなら、きっと優秀で、人間味のある刑事に成長していくだろう。
 澄子は、氷川に渡英の話すらしなかった。
 北條には伝えたのに、どうして彼には云うことができなかったのか。
 やはり、自分は頭でっかちの、世間知らずの少女なのかもしれないと思う。
 「まあまあというところかしら。
 啖呵切って警察を辞めたのはいいけど、どうも教授って柄じゃないわね、私の場合」
 話しているうちに、普段の調子になってきた。
 トントントン。
 ドアがノックされる。
 澄子は、電話を手で被い、答えた。
 「イェース」
 「先生、講義をお願いします。30分遅れています」
 学生が催促に来た。
 「ごめん、氷川くん。また掛けるから」
 電話を切り、ようやく立ち上がった。
 部屋を出て、講義室に急ぐ。
579575:2006/06/06(火) 00:22:24 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 2/10

 階段を駆け下りようとすると、そこに見知った顔が現れた。
 「北條君!!」
 驚きのあまり、思わず叫んだ。
 「お久しぶりです、小沢さん」
 澄子をまっすぐに見上げるその皮肉屋の目があった。
 「なんであなたがここに居るのよ」
「ええ、少々あなたが恋しくなりましてね……。
 というのは冗談ですが。
 実は、ある事件の捜査でこちらに来ているのです。
 ついでに挨拶をと思いまして」
 澄子は、少し当惑していた。
 この男を前にして、私、なにホッとしているのだ。
 その首に抱きついてしまいたいと考えている自分がいた。
 「さっさと消えなさい。ロンドンまで来て、あなたの顔なんて見たくないわ」
 澄子は、嬉しさのあまり、そう口にしてしまう。
 「相変わらず、口の悪い人だ」
 いちいち癇に障る言葉が快い。
 「それにしても、今ではプロフェッサーですか。
 どこに往っても、お山の大将がお好きなようですね」
 「なんだったら、あなたも私の授業を受けたらどう?
 少しは賢くなるかもしれないわよ」
 「いいえ、結構です。必要な知識はすべて、この頭の中に入っていますので」
 北條はそう云いながら、頭を指さした。
 「そうね、嫌味を云う知識だけは詰まっていそうね、目一杯」
 「まあ、それはお互い様じゃないですか」
 この、打てば響く感覚。
 本庁に居たころの充実感が蘇ってくるようだった。
 「はいはい」
 澄子は、口元が綻ぶのを見られたくないので、北條の前を通りすぎ、階段を駆け下りる。
 「じゃね!!」
 完全に顔が死角に入った瞬間、
 久しぶりに、心から微笑んだ。
 おそらくその背中を見送る北條透の皮肉めいた顔を見たい衝動を抑えながら、澄子は軽い足取りで講義室に向かう。
 
580575:2006/06/06(火) 00:23:07 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 3/10

 澄子は、せっかくロンドンまで来た元同僚を、もてなしもせず帰すわけには行かないと、
北條を食事に誘った。食事が終わって、バーで一杯付き合ったあと、適当な頃合いで
さようならを云うつもりだった。
 「今日はありがとう。あなたと話して、負けてる場合じゃないと元気が出たわ」
 だが、何か物足りない。
 「浅漬けで、もう一杯どう?
 私、料理は殆どできないけど、津上君に野菜を貰った時、サラダ風の漬け物にする
方法を教えてもらったの。そろそろ日本の味も恋しいでしょう」
 さようなら、を云うつもりが、どうして、こんな台詞を吐いたのだろう。
 帰宅した澄子は、キュウリとキャベツを皿に載せて、北條の前に差し出した。
 「津上さんほどじゃないですけど、結構いけますね」
 「そう?なら良かった。森伊蔵はロックで良かったかしら。
 漬け物に、スコッチは合わないから、秘蔵だけど、出してあげる」
 「お心遣い、うれしいですね。
 ですが、小沢さん、あなたには女の慎みすらも無いんですか。
 元々がさつだとは思っていましたが、ここまでとは。
 こんな夜中に男を自分の部屋に招くなんて、まともな女性のする事ではありませ
んよ」
 「そうね。そういう誰かさんだって、良識のある社会人なら、そこで社交辞令で
の招待を断るものだわね」
 どうして、あの時、北條透の顔を見たとたん、驚き以上に無性にホッとしたのだろう。
 氷川誠との電話が、あのあと暫く続いていたら、自分は何を話したのだろう。
 澄子には、今日の自分の心の動きがわからない。
 自分の思いとは、別の方に動いていく。
 なのに、動いていく先にある、あの、北條透の皮肉が快い。
 「ええ、僕は、非常に良識のある人間です。
 だから、かつて議論を闘わせ、親交を深めた友人に対して、サポートが必要と感じる
なら、僕はそれを見過ごすことはできない。
 小沢さん、あなたは、無理をしている…」
 北條が唐突に云った。
 「それは、無理もするわ。わたし、若いから、経験が足りないと思われている分、
人より努力しないとね。
 それに、成功は自分の力で勝ち取るものだわ。
 多少の無理も仕方ないでしょう?
 本庁でいろいろ無理を通してきたあなたが、私に、それを云うの?
 意外な事ね」
 「ええ、僕だから、云うんですよ、小沢さん。
 あなたは無理をしている。
 自分の気持ちに、無理をしているんですよ、小沢さん」
 
581575:2006/06/06(火) 00:24:21 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 4/10

 窓の外で、車のドアの開け閉めする音がした。
 隣人も、今帰ってきたようだ。
 「私が自分の気持ちに、無理をしている、ですって。
 云ってくれるじゃないの。
 わたしはいつでもやりたいようにやってきた。
 やりたいようにやってきたから、警官だって止めたのよ。
 私の意向を押さえつけるような真似をするから」
 「なら、どうしてロンドンなんですか。
 あなただったら、日本の研究機関は引く手あまただ。
 防衛庁だって、あなたになら膨大な予算を組んでくれるはずなのに、
どうして充分な研究設備さえ与えてくれないところに居るんですか。
 こんなところで、あの小沢 澄子が、一体何をするつもりなんですか」
 「こんなところとは何よ。
 ここに、私の学びたい事があった。そして、相応のポストも用意されていた。
 それだけよ。他に何が?」
 「あなたはいつだってそうだ。
 あなたは、本来の自分を制服の鎧の下に押し込めて、冷静なG3ユニットの管理官と
いう職務を全うしようとした。
 僕には、いつも見えていた。あなたが一直線に向かう方向が、いつでもあなたの意図する
方向に進むとは限らない。
 あなたはお山の大将で、誰も、あなたの作り出した物の本質を、理解することができない。
 だから、僕は、いつでもあなたとはの違う視点を見つけだし、提示して見せた。
 いつでも、あなたを見つめ、あなたの見つめる先を推理し、対抗する策を見つけだす。
 無論、野心や嫉妬、氷川主任に先を越された焦り、そういう物が僕の中にあった事は
否定しません。
 ですが、あなたには、分かっていたはずだ。僕があなたの、本当の理解者だと。
 知っていて、僕を利用した。
 彼を成長させるために」
 「何の事を云っているの?」
 「小沢さん。氷川さんの上司でいるのが辛くなったんでしょう。
 そうでなければ、あなたがここに来る前に、焼き肉パーティすら開かないなんて事は
あり得ない」
 北條 透。
 職務上の敵でありながら、どこか敵に徹しきれない思いが、澄子の中にはあった。
 「まさか。時間が無かっただけよ」
 澄子は答えてみた。
 氷川 誠。
 まっすぐな彼に、女としての別の自分の存在を見られるのが怖かったのか?
 そうなのかも知れない。
582575:2006/06/06(火) 00:25:06 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 5/10

 北條 透は、澄子の側に寄り、そっと小さい肩を抱きしめた。
 「僕では、だめなんですか、小沢さん。
 氷川さんから去った気持ちは、僕には痛いほど分かる。
 氷川さんとあなたは、決して普通の男女にはなれない。
 命のやり取りをしてきた上司と、部下だからです。
 あなたが、彼に対して、只の女になってしまったら、あなたはもう、彼を装着員として
扱う事が出来なくなる。
 それは、死を命じている事に等しいからです。
 氷川さんは逃げない男だとあなたは仰った。
 だから、僕は、あなたが彼に死を命じないで済むように、僕が装着員になろうとした。
 そして僕は逃げる男だから、あなたは僕にも死を命じないで済む。
 だけど、僕は、あなたがそこを死守せよと云われたら、いつもより多少なら、
頑張れるかもしれなかった。
 小沢さん。
 僕の事が嫌いでも構いません。
 楽になってください。
 今だけでいいですから……」
 北條の唇が、澄子の額に触れた。
 「北條くん。私、飲み過ぎたのかしら。
 ベッドまで運んでくれない」
 北條のディベートに完敗したのに、この敗北感は悪くない。
583575:2006/06/06(火) 00:25:57 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 6/10

 「怒られるかと思ったのに……」
 言葉を返そうとする北條の首に腕を回して、澄子がキスをした。
 「問題を指摘されて、考慮出来ないほど私が寛容でないとでも?」
 「心が弱っているときに、付け入るなんて酷い男だと思っているくせに」
 今度は、北條の方から、その唇を吸った。
 「そうね、なんて卑怯なのかしら。
 でも、それでこそ、北條 透だわ。本当に、酷い男よね」
 北條は、澄子を抱き上げてベッドルームに運んだ。
 澄子は北條のスーツの胸元に顔を寄せた。
 彼自身は吸わないのに、染みついた煙草の匂いがする。
 街角の喧噪や、居酒屋の賑わいや、パチンコ屋の紫煙の中を泳ぐように、足で情報を
集める姿が見えるような気がした。
 捜査一課の刑事の匂い。
 彼は人間的には多少問題があるのかもしれない。
 しかし、職務上の倫理観、仕事への執着という点において、これ以上完璧な警官は
いない。
 氷川くんも、今頃午後の日射しの下、捜査に走り回っているのだろうか。
 「今さら、やめてくれとは云いませんよね」
 澄子の心の動きを見透かしたように、北條の口元が、意地悪な笑みを浮かべる。
 「一旦口にしたことを、翻したことは無いわ。
 どこかの誰かさんと違ってね」
 彼の皮肉は、いつでも澄子の弱点をストレートに突く。
 そして、澄子はそれに強気で返す。 
 ベッドの上で、北條の膝が澄子の膝を割る。
 口づけを繰り返しながら、プルオーバーのニットのワンピースを、どう扱ったものか
と戸惑う態度に、澄子は云った。
 「あまりもてる方じゃなさそうね」
 「身持ちの堅い男なんです。仕事一筋のね」
 「そう。とてもあなたらしいわね。
 シャワー浴びてくるわ。あなたも後でどうぞ」
584575:2006/06/06(火) 00:26:36 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 7/10

 澄子は、スルリと北條の手から抜け出し、バスルームに入った。
 その日の服装は、こんな事態にまるっきり対応出来てない状態にあるという女性らしい
理由もある。
 だが、正直、気持ちの定まらない自分を持て余し気味なのだ。
 此処まできて、北條を追い出すつもりなど毛頭ないが、このまま流されていいのかなと
も考える。
 でも、思えば、彼を誘った時に、自分はこうなる事を当然望んでいたはずなのである。
 シャワーの後、朝の慌ただしい支度の時のままに散乱する化粧品やヘアクリップを
簡単に片づけ、北條の分のバスタオルを用意する。
 普段は2個ほどしか止めないバスローブのボタンを全部かけ、バスルームを出る。
 「ふーっ、さっぱりしたわ。こういう時はやっぱりビールよね」
 「まだ飲むんですか、あなたって人は」
 ことさら普段通りを装う澄子を、これまた普段通りの言葉で応じる。
 案外、相性がいいのかもしれない。
 北條を待つ間、澄子は椅子の背に置かれた背広をハンガーに掛けた。
 本庁の会議の前の緊張感や、焦燥感、充実感が懐かしく、そして、北條が羨ましい。
 警察組織という堅苦しさや、煩雑な手続き無しには事が進まないという面倒くささは
あったが、職分や能力に対する評価は誠に正当で、ひとたび上からのお墨付きを貰えば、
何事も迅速に事は進む。
 もちろん、この大学機構の中にあっても、それなりの人脈を築いていけば、いずれは
そのような風になるのだろうが、共同研究に参加して懇意となった研究者のみが頼りの
今の状況で、人脈の拡大など、そう簡単にもいくまい。
 警察の制服を脱ぎ捨てた今になって、その制服に守られる事の意味を知るとは。
 現在の空回りの状況が、とても苦しい。
 北條に指摘されて、気持ちの張りがいきなり取れてしまったのか、明日の事を考えると、気持ちがとても重くなる。
 「小沢さん?」
 バスルームから出てきた北條が、立ちすくんで考え込む澄子に云った。
 「奇妙なものね。
 私が、あなたなんかの上着をこうして掛けてあげる日が来るなんて」
 「少しも奇妙じゃないですよ。
 いや、あなたをこうして、抱きしめられる日が来るのは確かに奇妙かもしれない」


 
585575:2006/06/06(火) 00:27:26 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 8/10

 北條は、澄子を背中から抱きしめ、彼女の匂いを吸い込んだ。
 「あなたも、男ね。
 こうしていると、頼りたくなるわ……」
 北條の息を首筋に感じ、身体の奥に、官能の芽生えを感じる。
 「小沢さん……。
 あなたは、どうして、こんなに可愛いんだろう」
 囁きながら、北條は、澄子の首筋にキスをする。
 「取ってつけたような褒め言葉なんていらないわ」
 北條の抱きしめた手が、バスローブの上から、胸の膨らみに触れる。
 「こんなに可愛いのに、意地を張るし、生意気だから、僕はあなたをついいじめたく
なる」
 「小学生並の恋愛能力ね」
 「こんな時に、そんな言葉で僕のやる気を殺いで、どうするつもりですか」
 「そうね、私はどうしたいのかしら」
 それが、自分自身に対する、本当の気持ちであった。
 「今は、只の男と女になる、それじゃいけませんか」
 北條の手が、澄子の身体の向きを換え、その唇を吸った。
 「そうね、今、やる事は………」
 北條は、澄子の言葉を奪うように、どん欲で深いキスをする。
 気が付けば、バスローブの胸元ははだけられ、服の下にストイックに隠されてきた、
林檎のように硬い丸みがこぼれている。
 北條の腕の中で、激しいキスを交わしながら、全身の力が抜けてゆく澄子を、
北條の逞しい腕が支える。
 G−3、V−1、どちらのシステムも、自重で百キロを超える装備である。
 電源が入っていれば、重さは相殺されるが、電源が落ちても、ある当然程度動ける
ように訓練される。現在、当時ほど鍛えていないにしても、警察官としての通常の
柔道、剣道などの格闘訓練は欠かさない男である。端正なスーツの下に隠された
肉体は、均整がとれ、鋭角的な印象がある。
 ベッドに横たえられた澄子は、もう何もしゃべらなかった。
 全身を北條に預け、されるがままに、身体を預けた。
 前をはだけられ、乳首にキスされ、舌先で転がされる。
 吐息とも声ともつかぬものが、微かに口元からこぼれる。
 「北條……くん…」
 時々、澄子はそう呼んだ。

586575:2006/06/06(火) 00:28:02 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 9/10

 少女のように細い身体は、しなやかに揺れる。
 男の愛撫が柔肌を熱くし、そしてその終点に舌を這わせると、澄子の頭の中は白く
溶けていく。
 「いやっ、北じょ…う……く……」
 「感じてるんですか、小沢さん…、ここが、いいんですか」
 濡れそぼる花弁と花芯を味わいながら、北條がいった。
 「感じている小沢さんは、本当に可愛いな。
 ここがこんなに喜んでいる」
 「やだ、意地悪。はんっ……なんで、私、あなたなんかと…いっ」
 澄子は、快感に流され、飲み込まれていく自分に、抗うように洩らした。
 「どうすればいいですか、僕は。
 あなたは、僕に、どうされたいのですか」
 北條は、さらに意地悪く云う。
 澄子は堪えきれなかった。早く突いて欲しいとせがみたいのに、口にできない。
 北條は笑みを浮かべ、耳元に口を寄せた。
 「何を、望みます?」
 身にまといつく快楽の衣に抵抗することなど、もう出来なかった。
 「入れて……」
 と小さく云った。
 「えっ?」と北條が云った。
 「早く……入れて……」
 北條が膝を割り、身体を進めると、澄子のほうも自らそれを受け入れた。
 「あっ、ああっ」
 澄子は声を上げた。
 「これが欲しかったんだ。
 あなたは、本当に可愛い。僕の腕で気持ちよさそうな小沢さんは可愛い」
 北條が、その細身の身体を楽しむように、ギュッと抱きしめた。
 「僕も、あなたの中が気持ちいい。
 僕も、あなたの只の男と女。
 今はこれに溺れていいんですよ。
 あなたが、氷川主任が好きな事も込みで、僕はあなたが好きだ。可愛い。
 もっと、もっと、かわいがり、あなたを楽しみたい。
 身体だけの事じゃなく、あなたと話し、あなたとケンカしたい。
 ああ、あなたの中にいる僕は幸せだ。
 すくなくとも、あなたが抱かれているのは僕だから、ぼくはそれで幸せです」
 北條が、澄子を激しく突く。
 北條に揺さぶられ、澄子の快楽の向こう岸が見えてくる。
 足の先がピンとして、交わった場所が気持ちいい。
 波が打ち寄せてくる。
 大波が打ち付け、澄子の全身を激しく突き上げる。
 「はんっ、いい、いい、いい………」
 澄子は、あられもなく声を上げる。
 絶頂の波に揉まれながら、澄子が溶けていく。
 「小沢さん。愛してます」
 快楽に染まった肌の熱が引いた後も、北條は澄子を抱きしめていた。

 
587575:2006/06/06(火) 00:29:06 ID:jlYGSG/g
アギト最終話より 北條×小沢 10/10

 澄子は、津波にさらわれてしまったかのように、心の中が空っぽになった。
 自分がいる。北條がいる。
 世の中にはただ二人で、今はそれでいいのだと思う。
 北條の腕の中は安らぐ。
 このまま、ずっと、甘えていたくなる。
 北條の事が、好きか嫌いかなど、どちらでも良いのだろう。
 意識が遠くなり、眠りに落ちていく。
 明日は、どんな顔で彼と会おう。
 彼が支えてくれるというのなら、それを信じてみようと思った。

 夜明けの前に、北條は目覚めた。
 澄子はぐっすり寝息を立てている。
 起こさないように、そっと身支度を整え、部屋を後にする。

 暗い街頭で、北條は携帯を取り出した。
 「北條です。
 合田課長ですか。
 小沢女史の件ですが、あと一押しで帰国の方向に気持ちが動くと思われます。
 内調で流した、彼女には産業スパイの疑いがあるという噂のおかげで、こちらのほう
では、彼女はまったく研究室に相手にされていない状況でした。大学内でも孤立してい
ます。相当堪えている様です。
 ……いいえ、僕のほうは、彼女が僕の気持ちを分かってくれたら、それで充分です。
これも恋の駆け引きというやつですよ。僕としても、彼女が日本に居てくれたら嬉しい
ですし、やはり、彼女の才能は、海外流出させてしまうのは、誠に惜しいですから。
 何よりも、小沢女史は、G3、G4という国家機密を背負っている。
 警察庁はもとより、防衛庁もG4をもとに、外殻型装甲兵器の構想を持っていると聞
いております。これは、国防をも左右する重大な任務と肝に銘じ、若輩ながら、任務を
拝命致しましたからには、全力を尽くす所存でありますので。
 それから、内調への推薦の件、何とぞ宜しくお願い致します」
 北條は、またポケットに携帯を仕舞い、夜の街を歩き出した。

 小沢を愛しているのは真実。
 しかし………。
 彼女が真相を知ったら、二度と会ってさえくれないだろう。
 だが、これでこそ、北條透だと、云ってくれるだろうか。
 
588名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 19:40:12 ID:XNMPusEP
グッジョブ!萌えた!!
589名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 12:39:28 ID:j500dq3l
北條×小沢、長編お疲れ様でした!
アギト終了後の二人がどうなったのか、あれやこれや気になって
おりましたが、見事な補完話でGJ!でした!小沢さんが本当可愛い(*´∀`)
590名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 21:15:17 ID:5YH5os9m
GJ!…でもなんか後味悪いな…。あ、でもホントにGJ&サンクスコ。
591575:2006/06/08(木) 20:11:04 ID:Ep1MDYK9
>590
>でもなんか後味悪いな…。

つエンディングにして、壮大な物語のプロローグだから。


初めてのスレで、概ね好評で良かったです。
次作を作るかわかりませんが、出来たらまた寄らせてください。


592名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 20:47:21 ID:uK4fMr3y
ゴメン後味悪いは言い過ぎた。なんというか…せつないス。
こんな愛し方しかできない北條氏と自分の心を理解した上で氏を受け入れる
大人な小沢女史。
壮大な物語を期待しております。
593名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:37:32 ID:4oawgrdS
最近、劇中での加賀美と岬の絡み気になって仕方がない。

てわけで加賀美×岬いや、岬×加賀美きぼん。
594名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:01:32 ID:IPn4uCCb
スピリッツネタ少ないね。
古いライダーが多いからやりにくいのか……
595名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:01:33 ID:t9aNaki+
596名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:49:06 ID:Rvhs1sr6
>>575
GJ!!!(:´Д`)ハァハァ

次作を作るかわかりませんが…って困るよ。
壮大な物語のプロローグというからには
責任もって続きおながいします…
正座で待ってます!
597名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:30:22 ID:u9FRK1tV
>エンディングにして、壮大な物語のプロローグだから。

続き書く気ないなら、こんな事書かなきゃいいのに
萎えた
598名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:32:33 ID:KvsN5h2Y
カガミにだまって天道に普通に二人きりで逢ってる岬さん。用心棒の見返りは何? ハアハア
599名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 00:50:43 ID:yDmlHTZ0
>>597
どこをどう読めば

続き書く気ない

ってことになるんだ
600名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 13:29:34 ID:Su1P+50A
>>597
>次作を作るかわかりませんが

ここだろ
書く気がないとまでは言えないだろうが
大きい事書いてるわりに、適当だなあと思った
つか、言い訳くさい
601575:2006/06/13(火) 15:49:13 ID:GqTMRJIT
荒れるような書き込みをしてごめんなさい。
仮面ライダーを見るようになって一ヶ月経っていないもので、
自分の頭からこぼれてきた話が、
仮面ライダーの世界で成立するのか、粗筋を立てる前に、
まずそこから考えていました。
自信のない状態だったので、あんな書き込みになってしまいました。
粗筋は一通り出来ましたので、形作ることが出来そうです。
ですが、未熟者の私のスペックでは、一ヶ月一本が限度です。
少しお時間をください。続きを待ってくださる方がいてうれしいです。
ご期待にかなうものに仕上げたいと思います。
どうぞ、正座を崩して、ダラけた感じでお待ち下さい。
602名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 19:00:19 ID:oMHe3xgS
>>601
この程度なら荒れたって程でもない
気楽にやりなはれ
出来たら投下しに着てくれたら嬉しい

こっちは茶飲んでまっとるでよ
603名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 01:40:03 ID:WPaMENo5
スルメ齧りながら待ってるよ
604名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 12:21:15 ID:8H/clrrT
小沢姐さん程呑めないが、ビールと焼肉つついて待ってます!
605名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 20:35:23 ID:8VbTo9J5
愛ぬこをもふもふしながら待ってます
606Prototype G≠α 第1回:2006/06/17(土) 13:21:54 ID:zhgq22d6
 
                                          1/4
 ある日のこと。
 警視庁公安部の加賀美部長は、某ホテルのロビーの椅子で、所在無げに雑誌を
眺めていた。
 「ほお、こんなのが出たの。ちょっとビックリ」
 ふと目に付いた新製品の記事に、思わず独り言が出た。
 「お待たせしました。合田です」
 L字に並んだ椅子の向こう側に、ひとりの男が座った。
 「ええ、ずいぶん待ちました。5分も待ちました。
 とりあえず、お互いに忙しい身だ。
 要点だけひとつ、話し合いましょうか」
 雑誌越しに、加賀美は云った。
 「賛成です。儀礼的挨拶が時間の無駄である事には同意します。
 同じ考えの持ち主なようで、非常に有り難い。
 さて、早速ですが、警察のほうでは、アンノウンによる被害報告、
 あるいは、アギト化した内偵人物の報告は上がっていますかな」
 「どういうわけか、アギト化した人間の新しい報告は、あまりあがっていませんな。
 津上、芦原、をはじめ、あと数対象は現在も監視下にありますが、
一般市民として、つつがなく生活を送っているようです。
 アンノウンと思しき対象の報告もめっきり少なくなった。
 しかし、少なくなったのであって、不可能犯罪は完全に無くなったわけではありません。
 内調のほうでは、何か情報はありませんか」
 「そうですね」
 合田は、煙草に火を付けた。
 「灰化した人間の話をご存じですか。
 アンノウンによる事件の頃も有りましたが、最近は特に増えています。
 遺体が完全に灰化し、強風などの条件下では、すぐに飛散してしまい、
その痕跡さえ残らない。
 新たなるアンノウン事件の可能性、あるいは、今まで潜伏していた、
別の何かの存在が顕在化しているのかもしれません」
 「あなたも、そのように考えているのですか?
 うちのほうでも、動機なき発作的な家出人、まさに蒸発という感じの捜索願いが
増えておりましてね」
 「場合によっては、新しい治安組織の設立、あるいは、装備強化を備えておくべきだ
と思います。政府のほうでは、一応、アンノウン事件でのノウハウがあり、現行装備で
対抗しうるのは、やはり警察のほうだと判断しているのですが。
 うちの方で対策を取るとなると、やはりそれなりに組織編成を一からやらなくては
なりませんので、当面、私のほうも警視庁に、この件の主幹になって頂くことには異存は
ありません。
 ただ、当方でも、それなりのチームの編成なり対策を整えます。こちらの準備が整っ
てから、また対策の配分を話し合いたいと思いますが」
 「そうですね。当面は、うちのG−5チームに頑張ってもらうより他にないでしょう。
 了解しました。ですが、装備強化も行うとなると、Gシステムの開発者である
小沢女史の不在の今、新たなる研究者を捜さねばならない」
 「大丈夫ですよ、加賀美さん。小沢女史は間もなく帰ってくるでしょう。
 政府は彼女の為に、新しい研究機関を創設する予算を計上してあります。
 本人の同意など、器が出来てしまえば、どうにかなるでしょう」
 合田は、意味ありげに笑った。
 「つきましては、警察のほうは、優秀な人材がお揃いのご様子なので、こちらから
警視庁側の担当者として是非推薦したい人物がいるのです……」
 

607Prototype G≠α 第1回:2006/06/17(土) 13:22:57 ID:zhgq22d6
                                 2/4  

 澄子は市場で買った赤いトマトを取り出すと、ひと囓りした。
 今日は、肉屋で出来合のローストビーフを買ってきた。
 これをすり下ろした辛めのラデッシュとお醤油のソースで食べる。
 それを肴に、とりあえずビールで乾杯。
 その後、熱々のご飯と、ワカメのおみそ汁。奮発して高野豆腐も入れてあげよう。 
 そして明日は、ローストビーフの残りをこのトマトとライ麦パンでサンドして、
それを持って、どこかピクニックに連れて行ってもらおう。
 澄子は、先日までの不安定な日々はどこへやら、一転して前向きな気持ちで毎日を
送っていた。
 これも、北條のおかげである。
 そして、前向きになったせいか、少しだけ、大学内の状況も変わってきた。
 MIT時代の研究室で一緒だったマイケル・ロイが、自分の研究への助力を求めて来
たのだ。共同研究者として、小沢はロイの研究室に出入りする事になり、久しぶりの
現場の手応えが、澄子の気持ちを嫌でも昂揚させる。
 また、マイケルが図書館の資料室で見つけた、日本人の研究者が残した論文も、
澄子の研究者としての魂に火をつけた。
 全てが、上手く回り始めた。
 もう、澄子には迷いはない。
 自分に与えられた研究課題に邁進すべし。

 たっぷりの湯船に、ラベンダーのバスオイル。
 北條との時間を思いながら過ごすバスタイム。 
 
 そして、今夜は、北條と久々に逢う約束をしていた。
 今、自分の中にある女としての自分、それを味わうことは悪くない。
 研究も大事、北條も、大事。
 北條のために可愛くしている自分も、大事。

 「……そうなの。で、マイケルの研究しているのが、フォトン振動というものでね、
このフォトン振動から生じる全く新しいタイプの電磁波を、どうにか利用できないかな
と考えているの
 それでね、この流体金属のほうの論文を書いた先生と、この前コンタクトがとれて、
私のほうでも研究してみたいっていうことでね、来月の頭あたり、代理人って人と
会う事になってるの。そこで、ちょっとした取り決めと、それから一番新しい
研究データを頂ける事になったの。
 この流体金属理論に必要な非加熱による原子分子間拡大っていう事を、このフォトン
振動によって起こす事が出来たら、すごい事になるのよ。Gシステムの改良にも
結びつく技術だわ」
 澄子が、楽しそうに研究について話すのを、北條は黙って聞くしかなかった。
 しかし、全く門外漢の北條にも、その理論が画期的な発明に繋がるのかもしれない、
というような事は理解した。
 「……あ、ごめん、ごめんね。
 あのね、久しぶりに頭脳を刺激される論文に出会ったものだから、嬉しくって」
 「構いませんよ。天才小沢女史の講義を個人的に受けられるなど、
 私が科学を志す者でしたら、この上もない環境だ。
 しかしながら、僕は一介の刑事でしかない。理解できないのが哀しいな。
 でも、小沢さんが元気になって良かった」
 はつらつと微笑むの姿。それだけで北條は充分に思えた。
 北條は、現在、ICPOに出向中である。前回の渡英後、一旦帰国して、
また年明けに正式に辞令が下りた。
 世界的に広がりつつある不可能犯罪について、国際的な情報交換が必要となり、
北條は日本での実績を買われ、三ヶ月の期限での任務である。

608Prototype G≠α 第1回:2006/06/17(土) 13:24:03 ID:zhgq22d6
                                  3/4  

 食事を終えて、ほんのりと酔っている澄子は、暗くした室内でビデオの光に照らされ、
とろんとして、無防備に北條の肩にもたれ掛かる。
 「意外な趣味なんですね、小沢さんが、コレなんて」
 「なによ、悪い?
 結局、女の子って、この手の話に弱いのよ。
 どこかで、シンデレラゴッコが抜けきらないのよね」
 ピンクの服を着たブロンド女の弁護士の話である。
 「それとも、宜しければ血みどろのスプラッタに替えてもいいけど?」
 「いや、それは……」
 「第一線の捜査課の敏腕刑事が、スプラッタが苦手というんじゃないでしょうね」
 「やめてくださいよ、小沢さん。僕は、あなたほど悪趣味じゃない。
 現実に見ているから、よけいダメなんですよ。
 あんなもの娯楽にする人たちの神経を疑いたくなりますね、僕は」
 「そうね、私、本当に悪趣味だわ。どうして、へそ曲がりの北條君なんかと
付き合っているのかしらね」
 「僕がへそ曲がりなら、あなたは……」
 「なに?私がどうだっていうの」
 「………すごく可愛い………」
 北條は、澄子をきつく抱きしめた。
 「僕の可愛い小沢さんだよ」
 澄子の耳元で、小さな小さな声で囁いた。
 「はい、はい」
 澄子が、北條の頭を撫でる。
 どちらからともなく、唇を寄せ合い、重ねる。
 もう、ぎこちなさは無い。
 相手の思う行為が、自分の望む行為であり、相手の身体が喜ぶことが、
自分の喜びを深くする。
 北條が、澄子の身体を開き、澄子はまた、自ら開いて、欲しいと仕草で示した。
 北條は、澄子が望む場所にキスをし、舌を這わせ、そして反応する澄子の声に、
もっと強い欲望が突き上げてくるのを感じた。
 「あっ、小沢さん……、あなたがそんな……」
 北條は、そのそそり立った物に澄子の柔らかい舌先を感じた。
 澄子は、少し遠慮がちに、それでも懸命に北條に尽くそうとする。
 「小沢さん、僕は、僕は……」
 「うるさいわね。恥ずかしいじゃないの」
 そう云いながら、なおも澄子は北條をしゃぶり続ける。
 北條は、澄子のその場所に舌を這わせ、自分が感じている以上の快感を、
彼女に与えたいと思った。
 お互いがたっぷりと濡れ、吸い尽くされ、乱れている。
 その時、澄子は北條の上に乗り、騎乗位で自分の中にそれを入れた。
 澄子が身体を上下させる。
 ほんのり汗ばみ、乳房に長い髪が張り付いている。
 「ああん、あっ、あっ」
 澄子は、感じている。
 北條はたまらず、澄子を下にして、自ら突き入れた。
 「北條く……」
 澄子の眉間に皺が寄る。
 快感に、しどけない表情で揺さぶられるその姿がたまらず、北條は行為に没頭した。
 「いい、いいの、北條くん。
 い、いく、逝くわよ……」
 澄子の身体がガクガクと震えた。
609Prototype G≠α 第1回:2006/06/17(土) 13:25:20 ID:zhgq22d6
                                      4/4  

 夜半過ぎ、二人は疲れ果て、ベッドの上で眠っていた。
 その時、静寂の時間を破って、北條の携帯が鳴った。
 「はい」
 北條は面倒臭そうに出た。
 「なんだ、逸郎か」
 「……そうか。わかった。今ロンドンなんだ。
 至急帰国手続きをするから。…うん、段取りがついたら、こっちからまた電話する」
 北條の表情が曇った。
 「どうしたの」
 澄子が訊いた。
 「ええ、実母が、産みの母が危篤なんだそうです。弟からでした」
 「北條くん、弟さん、いたの」
 「僕が小さい時に、親が離婚したんです。
 僕が父に、弟が母に引き取られた。
 父が再婚してからは、…3度会ったきりだな。
 それまでは、ほぼ毎月は会えたんだけど」
 北條は、それっきり黙りこんだ。
 「それなら、チケット取らなきゃ。
 パソコンの電源入れてくるわ」
 澄子は、コットンのパジャマを身につけ、ベッドを抜け出した。

 朝を待って、北條は直属の上司と連絡を取り、ICPO側の担当者とも電話で
うち合わせを終え、慌ただしく日本に向けて飛び立った。

 5日後。
 北條からの電話が一度もない。メールは到着を知らせる1通だけ。
 国際電話だし、事情が事情だからとその事自体はそれほど気にならなかったが、
どことなく、嫌な感じがした。
 澄子は思い立ち、氷川に電話した。
 「氷川くん、私。小沢だけど」
 通話ボタンを押すのに、少しだけ抵抗があった。
 「あ、小沢さんですか。ええ、僕は元気です」
 氷川の声を聞いても、もう澄子の気持ちは揺らめいたりしない。
 元部下と、元上司の気持ちに戻っている。
 北條の存在が、自分の中で大きい位置を占め始めた分、氷川に対して、冷静でいられる。
 「先ほど、北條さんの車が事故に遭って」
 氷川の声の動揺を感じる。
 「北條君、どうしたの。この前会った時、お母さんが危篤だからって、
 慌てて日本に帰って行ったんだけど」
 「僕もまだ、詳しい事は分からないんです。
 葬儀場から帰る時、事故が起きたらしくって。
 交通課の話では、車は大破していたそうです。怪我の具合までは分かりません。
 レスキューも出て、救出に手間取ったそうです。
 僕も今から病院に行くところなんですが」
 澄子の体中の血が逆流するのを感じる。
 「そうなの。メールでいいから、何か分かったら知らせてくれる?」
 氷川は、澄子と北條が恋人として付き合っている事を知らない。
 あくまで、元同僚としての立場でここにいると思っている。
 あまり、動揺を見せてはいけないと苦心する。
 「ええ、分かりました」
 澄子は電話を切った。
 身体がガクガク震える。
 「大丈夫よ、大丈夫、だって、北條君だから、大丈夫よ」
 澄子はつぶやいた。
610575:2006/06/17(土) 13:34:55 ID:zhgq22d6
お待たせしました。

長い話ですので、連載形式にしたいと思います。
出来た分だけですが、話全体の絵コンテみたいのはきちんと立っていますので、
行き当たりバッタリのダラダラにはならないつもりです。
全話で、5話〜6話ぐらいで完結です。

どうぞ、宜しくお付き合いください。
611575:2006/06/17(土) 13:43:45 ID:zhgq22d6
追伸 他の職人の皆さん、直後・途中の投下は全然構いません。
    バンバン書いちゃってくださいね。
612名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 00:46:46 ID:WWeXB7t8
>>606
お疲れ様っす!
おお、という事は、しばらくお楽しみが続くって
訳ですね!ビールと焼肉追加しなきゃ。楽しみにしてます。
613Prototype G≠α 第2回:2006/06/18(日) 08:56:09 ID:gFEYREyu
1/5

 結局、北條の事故の詳細が聞けたのは、翌日のことだった。
 車は大破、北條と、同乗していた弟も、大腿部骨折などの大けがはしたものの、
命に別状は無いという事だった。
 澄子は、それから1週間後に北條自身からの電話をもらい、ようやく本当に安堵した。

 そして、3月の最初の月曜日、澄子はその会社を訪れた。
 日本に本社を置く多国籍総合科学企業、そのロンドン支社長、村上に会うためである。
 「我が社へ、ようこそ、小沢博士。
 村上は、現在、会議中でございます。
 程なく参ると思いますので、どうぞこちらでお待ちください」
 秘書と思しき日本人の女性が、澄子をその部屋に案内した。
 小沢が薦められた椅子に腰かけ、ティポットと紅茶が運ばれてくる。
 一杯目を半分ほど飲んだ頃、支社長が入ってきた。
 「どうも、遅れて済みません。村上です。以後、宜しく」
 欧米人の中にあっても、違和感なく溶け込んでしまう外見。スマートな仕草。
 優秀なビジネスマンである事が見てとれる。
 「あなたの事は、本社の立花から伺っております。
 あの画期的な装備であるG3システムを開発なさった方ですね。
 まさに、才色兼備。あなたのような、上の上たる方と知り合えるなんて、
喜ばしい事だ」
 「有り難うございます。あれも、国家の後見があってこその仕事。
 現在は、一介の大学の研究者に過ぎません。
 早速、本題に入らせていただきたいのですが」
 澄子は、相手が見せる柔和な外見の奥に、非常に威圧的な力の存在を感じ、
気持ちを引き締めた。
 「ええ、結構です」
 「御社の立花博士が20年前に書かれた論文、『半導体及び金属流体における
体積膨張時の転移に関する非加熱による原子分子間拡大理論及び、形状誘導・
固定化の可能性』という論文なのですが、先に、立花博士に電話でお話致しました
ように、私、非常に興味を持ちまして、私のほうで、さらなる研究をさせていただ
きたいと思いまして」
 「聞いております。
 立花が申しますには、大学レベルの機関においての研究であれば、一切制限は致しま
せんと。その代わり、その成果の報告書は、うちの方でも一部頂きたいとの事です。
 また、将来、あなたの研究組織が、企業レベル、あるいは、行政レベルでの扱いに
なった場合、改めて、基礎研究のライセンス利用のとして、改めて話し合い、その際に
該当するバックボーン団体と再契約する、という条件を提示させて頂くという事です。
 立花の研究成果は、いちおう、全て会社の所有となっておりますので、以上の二点で、
ひとまず契約書を交わして頂きたいのですが」
 「わかりました。
 その件については、共同研究者と話し合った上で、正式に契約にまいります」
 澄子は、それで話が終わったものと思った。
614Prototype G≠α 第2回:2006/06/18(日) 08:56:53 ID:gFEYREyu
2/5

 「きみ、アレを」
 村上は、秘書に云った。
 秘書は、会社のロゴ入りの封筒をテーブルの上に置いた。
 「立花より、これを言付かっております。
 契約するにせよ、しないにせよ、小沢博士にご一読頂きたいとのことです。
 ロンドンの大学より帰国して後の、かの研究についての資料です」
 「よろしいのですか」
 「立花が、これを完成できるのは、あなたしか居ないと」
 「もし、現在の研究所が手狭であれば、我がスマートブレイン社で、
あなたをお迎えしてもよいとも云っておりました。
 重役のポストとともに」
 「そこまでおっしゃられると、いささか怖いです。 買いかぶりすぎですと、
お伝えください。
 また、私は退職したとはいえ、まだ警官の気持ちが抜け切れません。
 私の頭の中にあるものは、国家が所有するべき機密です。
 企業の中に入れば、この守秘義務に対する倫理観も、自信がありませんから。
 ひとまず、この資料は、正式に契約が済んでからという事にしましょう」
 「なかなか、慎重なお人柄のようだ。
 警察内部で、そうとう鍛えられたとお見受けします。
 そうですね、あなたは、研究者であるとともに、元警官で、その気概を現在も
維持している。
 ますます興味深い。
 上の上。エクセレントだ。
 分かりました。
 あなたほど完璧な方は見た事がない。
 あなたほどの人材なら、私も是非お迎えしたい。
 しかし、今は、あなたがあなたのなさりたいようになさるべきだ。
 この資料は、契約まで、私がお預かりするという事にしておきましょう。
 次回の会見を楽しみにしますよ。
 そうだな、次は是非、バラの花束でお迎えしましょう」
 村上は、企業人らしい大げさな態度で笑い、澄子が帰るのを見送った。
 目が、冷たく光っていた。
 
 
 
615Prototype G≠α 第2回:2006/06/18(日) 08:57:44 ID:gFEYREyu
3/5

 「もしもし、北條君、私…」
 澄子は、家に帰るなり、北條に電話を入れた。
 「今日は疲れたわ。
 そう、今日が例の約束の日だったの。
 大企業のトップって、あんな感じなのかしらね。
 まむしか、ムカデに出会った気分よ。
 いえ、そんなのだったらまだいいわ。叩きつぶせばいいんだから」
 帰るなり、小沢は捲し立てた。
 <病院に国際電話掛けてくるなんて、よっぽどだったんですね。
 でも、電話代が…>
 「いいのよ。一晩飲み歩いたと思えば。万券の二、三枚飛んじゃうんだから」
 小沢は15分間、北條に相づちを打つ暇も与えず、村上の悪口を続ける。
 そして、息切れして、会話がとぎれる。
 <東京じゃなくて、良かった。
 僕も付き合わされて、大トラになっている小沢さんの介抱させられるところだった>
 「介抱ですって?
 あなたが先に潰れるわよ。
 それで、北條君の具合はどう?歩けるようになった?」
 <ええ、まだ少し痛みますけど、どうにか。
 異動の時期が控えてますから、残りの療養期間を考えると、どうにもロンドンには
戻れそうにありません。
 僕の部屋の荷物、とりあえず纏めておいてもらえますか?>
 「ええ、いいけど、今度、異動なの?」
 <はい、内々に打診が。ま、正式決定はもう少し後ですが>
 「そう、分かったわ。正直、少し残念。
 荷物の件は任せて。暇を見つけてなんとかするから」
 北條の回復が、意外に早い事に驚く。
 そして、このロンドンでの生活が、研究中心に廻っていくのが目に見えて、
少し残念な気がする。
 「ああ、そうそう。こんな事している場合じゃない。
 マイクに電話しとかなきゃ」
 研究室に直通電話をかける。契約の件と、あと村上の件。
 仕事に頭を切り換え、没頭する事につとめた。
 
616Prototype G≠α 第2回:2006/06/18(日) 08:58:42 ID:gFEYREyu
4/5
 退院した翌日、足を引きずりながらも北條は出勤した。
 ICPOでの仕事を、途中で放り出してしまった詫びと、来週の正式復帰のための雑務
などをするつもりであった。
 出社早々、上司に公安部に行くように指示され、加賀美部長を訪ねた。
 「きみが北條くんだね。事故に遭ったと聞いたけど、もういいの?」
 「はい、どうにか。」
 「ところで、私の打診、聞いてくれた」
 「公安部に、新しい部署を新設するという件ですか」
 「そう。キミと、氷川くん、どちらも、アンノウン事件の時にはよくやってくれた。
 それでね、キミが不可能事件については適任だろうという事でね、
進化人類対策室というのを創設したいんだよ。G5ユニットもそこにまとめてね。
 そこの技術対策係長という仕事をやって貰いたいんだ。
 公安の合田さんを知っているだろう、あの人がキミを高く買っていてね」
 「合田さんは懇意にさせていただいています。
 それで、具体的な仕事内容は」
 「G−ユニットの強化及びメンテナンス、加えて、新装備の開発。
 つまり、小沢元管理官のやっていた事を、もっと組織化して強化しようと考えている。
 対策室は、本庁に置くのだが、実際に装備の開発や、進化人類に関する研究を行う
機関を、国の機関として別に設置する。対策室は、その研究所の、いわば警察側窓口だ。
 キミは、常に事件を事件のみの単体と捉える事なく、事件の本質を、非常に細やかに、
そして多角的に検証しようとつとめてきた。その思索のノウハウもあるだろう。
 さらに、捜査官として、キミは誠に申し分ない。
 アンノウンに対する経験、G3ユニットにも精通する知識力があるキミなら、
現場と研究室の良き中間機関としては、この上もない逸材といえる。
 キミを、その職務に据えるということで、組織の編成を進めたいのだが、
異議があるかね」
 「ございません。
 しかし、G5のメンテナンスと、新装備開発を行う責任者は誰が」
 「小沢澄子に決まっているだろう。他に誰がいる」
 「本人は、納得しますか」
 「本人の意思など、関係ない。
 承諾しないなら、Gシリーズに関する全てのデータを保護する理由で、
 国内に強制送還させるつもりだ。合田さんは」
 北條は、ロンドンでの最後の夜の澄子の話を思い出していた。
 熱く持論を語る今のあの人が、大学での研究を中断して来るだろうか?
 思いっきり反発する姿が目に浮かんだ。
617Prototype G≠α 第2回:2006/06/18(日) 09:00:05 ID:gFEYREyu
5/5

 その小さなバーの前に、高級車が乗り付ける。
 運転手が恭しくドアを開けると、高級スーツの男が降り立った。
 「迎えはまた連絡する。一旦社で待機していてくれ」
 そう告げると、男は店に入った。

 「あら、村上くん。お久しぶり。いつ日本へ?」
 セクシーな顔立ちの女性バーテンダーが迎える。
 「社長に呼ばれましてね。今朝早く来ました。明日には帰りますよ」
 「まだ準備中だけど、いいわ、村上君ですもの」
 「有り難うございます、冴子さん」
 「お酒でいいのかしら。仕事の途中だったら、美味しい紅茶を入れて差し上げるけど」
 「今日は、役人との接待の席に、途中から顔を出す程度です。
 一杯だけ頂きましょうか」
 冴子は、丸く削り出した氷を入れたタンブラーに、村上の札のかかった瓶を取って
注ぎ入れた。
 「それから、スパーリングワインを一杯。冴子さんに」
 「あら、有り難う。
 ところでね、村上くん。あなたが、上の上の上の人材を集めて作ろうとしている
ラッキークローバーにね、推薦したい人物がいるの。
 とても可愛いのよ」
 「ほう。どんな人材です」
 「幼い頃に自分と母親を見捨てた自分の父と、特異な感性を受け入れない世間とを、
とてもとても、憎んでいるわ」
 「そうですか。一欠片の人間性も、残っていないと?」
 「ええ、それは保証していいかも。でも、少し時間が必要ね。
 身も心も、こちら側の者として、目覚めるためには」
 冴子は、スパーリングワインを注いだグラスを、村上の席の隣りに置き、
バーカウンターから出て、そこに座った。
 「それなら、いずれテストが必要ですね。
 その場は、そのうち私のほうで考えておきましょう。
 美しい冴子さんに」
 二人は軽く乾杯する。冴子は妖艶に微笑み、村上を見つめた。
 村上は、グラスを一気に煽ると、冴子を抱き寄せた。
 「あら、村上くん。こんな時間に、大胆なのね」
 「冴子さんがいけないんだ」
 村上は、冴子にキスをした。
 お互いの舌を絡め合わせ、激しく求めあう。
 椅子から立ち上がった村上を、ピンヒールを履いた脚が巻き付いている。
 服の上から、逞しい手が胸の膨らみを揉みしだき、清潔に美しく手入れされた指先が、
村上のベルトをまさぐる。
 冴子のスカートがまくり上げられ、ガーター止めの下半身が露わにされる。
 レースの下着の上から、クリクリと刺激すると、冴子は小さく声を上げた。
 「村…上クン……、時間がないの……、早く…来て…」
 冴子のその場所が、充分潤っているのを確認し、村上はおもむろに冴子の下着を下ろし、
後ろからいきなり挿入した。
 冴子は村上を受け入れ、激しく腰を振った。
 「上の、上の、上……。僕のほうも、見つけましたよ、素敵な人材を……」



                                           続く
618名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 13:25:20 ID:bMmI7yiI
GJです
555キャラが思ったより本格的に絡んできましたね
アギトと555はSICのストーリーでもつながりがあったし、続きが楽しみです
619名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 13:47:44 ID:6FTX6Ka0
明日は、ムシキングか?
620名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 13:57:46 ID:Mle594BJ
今日の放送、天道とひよりのやり取りに萌えた…
621名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 18:41:37 ID:f8arY+kt
俺は田所さんのお世話をする岬さんに萌えたよ…
普通に着替えとか手伝ってんだろうなぁ
622名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 20:38:27 ID:QE0vOkDL
来週はメイド服のひよりタンが拝めるのか…、ハァハァ(´Д`;)
623名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 06:09:35 ID:Yqrk2aOb
天道×ひより
樹花×加賀見
田所×岬


このカプが王道だとおもてる自分
624名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 07:58:39 ID:1aNdD1KO
天道とひより、殆ど夫婦と化してきているなぁ…

「愛してるぞ、ひより」
「…お前が言うと、全部ウソに聞こえる…」
「……Σ(°Д°;)ガーン」

…って言うのをふと妄想してしまった
625名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 12:43:30 ID:QiO43IxV
おぼっちゃま君は、ひよりでメイドプレイしたいが為にあの衣装を
用意したとしか思えんw
626名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 15:13:42 ID:DUrdmi5K
>>625
>>お坊ちゃま君
10匹のサソードゼクターに乗って茶魔語を喋る神代を想像してしまった…。
627名無しさん@ピンキー:2006/06/30(金) 10:39:12 ID:GneJrS4L
>621
田所さん、いい体してるし・・・
628名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 21:09:13 ID:U0TDbYXT
明日は、メイドひよりが…!!
629名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 02:05:39 ID:6A9Fv5kO
ぼったまに…!
630名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 09:56:43 ID:o8MvX8E/
今週は
ガタック!! カコ(・∀・)イイ!! マコトくん…・゜・(ノД`)・゜・。


ひよりたん(*´Д`*)ハァハァ
この三事に尽きる
631名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 00:06:41 ID:bvBjcEfC
今週
岬さんが加賀美の汗を拭くシーンで

エロスを感じた・・・・
632名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 07:30:02 ID:CBhloLkp
双葉で吹雪鬼女性化絵師がいるみたいだな。
設定では29歳、処女だとか。
633名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 21:53:23 ID:6wOoARur
投稿する前に聞いておきたい事が…擬人化ゼクターのエロSSもおk?
634名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 21:54:27 ID:Sus+jkwC
>>633
どうだろう。そもそも擬人化ssが出ることを想定してはいなかっただろうし。
個人的にはおkだが、注意書きは必要なのは確かだと思う。
635名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 22:16:13 ID:IsxE0yqn
あげ
636575:2006/07/14(金) 23:35:46 ID:lB5cKAQL

 スレの流れも読まずに投下します。
 
 まず、訂正します。
 スマートブレイン社長、花形さんを、私、
 てっきり立花さんだと勘違いしていました。
 以後、花形さんです。誠に済みませんです。

 それでは、前回から長々と間が空いてしまいましたが、
 投下させていただきます。
637Prototype G≠α 第3回:2006/07/14(金) 23:37:23 ID:lB5cKAQL
1/4

 真魚は、空になった皿をトレイに乗せ、テーブルをダスターで拭いた。
 「真魚ちゃん、そこ片づいたら、外にクローズの札、下げてきてくれる?」
 「はーい、シェフ」
 リストランテ・アギト。高校を卒業した真魚は、小遣い稼ぎも兼ねて、暇な時間に
祥一の店の手伝いをさせてもらう事になった。
 「どう、真魚ちゃん。少しは馴れた?」
 ランチタイムが終わり、夜の部の仕込みに入る前の暫しの時間。
 祥一は賄いをテーブルに並べ、真魚の隣りの席についた。
 「うん、どうにかね。初日だから、少し疲れたけど」
 「手伝ってくれるのは有り難いけど、大学が始まったら、勉強に支障のない程度に
頑張ってね。バイトに夢中になって、勉強に支障が出たら、俺、先生に顔向けできな
いし」
 「分かってるって、祥一くん。あ、しまった。」
 真魚は、つい普段の調子で名前を呼んでしまい、あわてて訂正した。
 「いいよ、真魚ちゃん。今、休み時間だし。
 それより、真島くん、ダメだったの?」
 「そう。でも、医学部だし、本人も本気で勉強始めるの遅かったから、一回で合格
なんて無理なんて言ってたけど、内心は、まだ気持ちの整理がついてないみたいなの。
 気分転換に映画でも誘いたいんだけど、今は、まだ、そんな雰囲気じゃないしね」
 「そうなんだ。でも、真島くんには、木野さんって目標があるし、木野さんの気持ち
を受け継いでいく決意がある限り、木野さんがきっと見守っていてくれるんじゃないか
な。きっとすぐに元気になって、いつもの彼に戻るって」
 「そうだよね、祥一くん。あ、またやっちゃった。
 ところで、サンドイッチスタンドのアルバイト、来たの?」
 「それが、まだ見つかってないんだよね。早朝六時からっていうのがなかなか」
 「パン屋のマスターのレシピで作るんでしょ?」
 「うん。僕が預かったままだし、マスターに頼まれたままだから、なんとかしなくっち
ゃって思ってね。今のところ、パンまでは無理だけど、サンドイッチだけなら、何とか
なるかなって思ったんだけど。
 仕方ないから、四月の開店、少し伸ばそうかな。それとも、しばらくはオレが店に
立つしかないかな」
 祥一は、店の前庭の、通りに面した場所に小屋を建て、そこで早朝から午前中、
サンドイッチスタンドを営業する事を考えていた。
 「そんなの、無理だよ。祥一くんじゃなかった、シェフは、ここも夜十時まで
やって、店を出るのが十一時でしょ。サンドイッチハウスをやるなら、朝五時には
厨房で作り始めないといけないじゃない。店番まですると、余分に作っておかないと
いけないから、もっと早くなっちゃう。
 ねえ、8時からのバイトならみつかるんじゃないのかな。私、朝6時から、学校に
行く時間までやってあげるよ。ここなら、学校に近いし、ちょうど駅から学校の途中
だから」
 「いいの?真魚ちゃん」
 「そのかわり、ちゃんとバイト料、早朝割り増しで貰うよ」
 「もちろん。助かるよ、真魚ちゃん。先生には、俺からもあらためてお願いに行く
からさ」
 「私も通学用の服が足りなくて、むしろラッキーってかんじかな。
 おじさん、私があんまり知らないところでバイトするの、心配みたいだしね」
 真魚は、空になった皿を祥一の分も2枚重ねると、席を立った。
 「コーヒー、入れてくるね」
 
638Prototype G≠α 第3回:2006/07/14(金) 23:38:11 ID:lB5cKAQL
2/4

 氷川は、車の中で待機していた。
 春のうららかな、穏やかな真昼。あくびの一つでも自然と出てくる。
 「おい、氷川。
 被害者の家に行って来た」
 「河野さん、どうでした」
 河野は、車に乗り、手帳を開いた。
 「やっぱり、あの頃の、アンノウン事件のような感じもするな。
 家族の証言によれば、被害者は、帰宅して、玄関に入るなり、灰になって崩れて
しまったそうだ。
 『化け物に会った』と言い残してな」
 アンノウンは、あの日を最後に姿を消したはずだった。
 あの日以来、丸一年ほど、不可解な事件は起きていない。
 「失踪事件も頻発しているんだよ。
 動機も何もない、さっきまで配達の仕事していました、みたいな人たちが、次々と
蒸発している。家出人で片づけるには、あまりにも途中なんだよ。仕事や、行為がな」
 「そうですね。
 僕も、なんとなく腑に落ちない思いでいました。
 他の課の事件も当たろうと、調べようとしたのですが、何となく上のほうからの圧力
があるみたいで、思うように調べられないところなんですが」
 「恐らく、上のほうは、何か情報を握っているんだろうな。
 ひとまず、我々は、担当になった事件について全力で洗う、それでいいんじゃないか。
 必要になれば、また上のほうから何かあるだろう。
 ところで、メシにするか」
 「愛妻弁当ですか」
 「いや、うちの、今朝は寝坊してな。久しぶりにラーメン行こうか」
 「いいですね」
 氷川は、車を走らせた。
 「ところで、北條は退院したのか」
 「昨日、本庁で見かけましたから、もう出勤していると思います」
 「すごい回復力だな。やっぱり若さかな。羨ましいことだ」
 「そうですね、あれだけの事故だったのに。
 北條さんは普段、ちゃんと鍛えてますから、きっとタフなんでしょうね。
 しばらく会ってないから、たまにはランチでも誘おうかな。
 ロンドンの小沢さんの事も聞きたいし」
 「何、小沢くん、ロンドンに居たの?」
 「ええ、大学教授をなさってます。
 事故の時、たまたま僕に電話が掛かってきたんですよ」
 「怪しいな。そりゃ、怪しいよ、氷川」
 「え、何がです」
 「男と女の仲は傍からはわからんぞ」
 「あり得ませんよ、そんな。特に、あの小沢さんが、あの北條さんとなんて……」
 氷川は否定してみたが、あの時の澄子の様子には、そう指摘されると、怪しむべき
ものがあるのかもしれない。
 氷川は、見慣れた屋台を見つけ、道路端のコイン駐車場に停車した。
639Prototype G≠α 第3回:2006/07/14(金) 23:39:18 ID:lB5cKAQL
3/4

 澄子が、講義を終え研究棟に向かう途上であった。
 爆音が轟き、研究棟の窓の一つから黒煙が上がった。
 「えっ、何、何なの?」
 澄子はその爆音の方角を見た。
 「マ、マイケル…」
 呟いて澄子は駆けだした。全身、総毛立つ。
 黒煙が上がっている場所は、マイケル・ロイの研究室だった。

 「大した事なくて、良かったわ」
 ERに運ばれたロイに付き添い、澄子は云った。
 香港出身で、ひょろ長い長身のマイケルの側に居ると、澄子はまるで中学生のよう
だった。
 「ちょうど学生たちも居なくて、それも良かった。
 でも、どうして爆発なんかしたのかしら。状況を話してくれる?」
 「それが、スィミー、例の電磁波振動の実験で、新しい装置でも稼働するのか
ひとりでちょっとだけやってみたんですよ。
 それで、今までの装置での出力量で、最初、やっていたんですが、せっかく高出力用
に作り直したんで、レベルを少し上げてみたんです。その時は、上手くいきました。
 それで、振動の発生する実験管、いままで細かったでしょう、それを今後の出力を
上げる実験に対応できる太いものに取り替えて、また実験を行ったところ、爆発して
しまいました」
 マイケルは、頭と両手に怪我をしたものの、二、三日中に退院できる状態である。
 「もしかすると、あのフォトン振動というもの、一定量を滞留させると、エネルギー
爆発を起こすのかしら」
 澄子は、云った。
 「帰って、パソコンにどれだけのデータが残っているか分からないけれど、
検証してみる価値はありそうだわ。
 でも、そうなると、この先実験を続けるなら、実験装置の見直しや、いろいろと、
大学側の交渉も必要になってくるわね。
こういう事故を起こしてしまったら、当分は、自重を求められるんでしょうけど、
学者としては、早く真相を知りたいところだわ。
 とりあえず、私、大学に戻るから。
 事後処理は任せて。あなたは、早く傷を治す事を考えてね」
 小沢は、いそいそと病室を後にした。

 澄子は、数日、その事故の事後処理に追われた。
 もちろん、警察の事情聴取も受けた。
 大学側は、実験の危険性への認識の甘さを責め、以後の実験の一時中断と、
澄子には、今年1年の契約任期後の更新の保留を言い渡された。

640Prototype G≠α 第3回:2006/07/14(金) 23:40:55 ID:lB5cKAQL
4/4

 4月に入り、事態は一応片づき、研究室の改修工事の手配もできた頃。
 「まあ、仕方ないわね。マイケル。元気出しなさいよ。
 これくらいの事故でへこたれる私たちじゃない。
 きっと、思う存分実験できる時が来るわ」
 澄子は、チャイニーズレストランでショボンとするマイケルを励ました。
 「一応、あの時のデータはとれていたもの。
 これ持って、MITのコネで研究を継続させてくれる機関を探したほうが早いわね。
 そういえば、スマートブレインとの正式契約もあったわね。
 美味しい話もしてくれたけど、あの会社は嫌だな。支店長が。
 まあ、論文の契約だけはして来ないとね。
 とりあえず、今夜は、退院祝いだもの。奢らせてね。
 ほら、飲んで、飲んで」
 例によって、澄子は、どんどん酒を勧める。
 「まったく、スィミーは」
 苦笑するマイケルだが、MIT時代からの澄子を知る彼は、最近の澄子の微妙な
変化にも気づいていた。
 「スィミーは、いつも前向きで、羨ましいよ。僕は、そんなキミと共同研究できる
事になって、ラッキーなんだろうな。
 ところで、今度、彼氏に会わせてよ。どんな奴か見てやりたい」
 「そうね、また、こっち来られればいいんだけど……」
 澄子は、最近、北條からのメールや電話の間隔が開いているのが気になっていた。
 「今、異動で忙しそうなの。新設の部署だから、またこっちにも来れるといいんだけど、
今は私のほうが問題ね。首が繋がるのかしら」
 ため息が漏れ出てしまう。
 空元気を装ってみても、油断をすると、つい気持ちが出てしまう。
 「ごめんなさい、スィミー、僕が誘ったばっかりに、こんな事に……」
 「マイケルは悪くないわ。あの実験装置では、どの道、金属を流体化できるレベルまで、
フォトン振動を大きくできないんですもの。フォトン振動によって発生するエネルギー流
が、滞留する事によって、途方もない反応をすることについては、全く想定外だったのよ。
いずれ事故は起こったと考えるべきよ。
 むしろ、あの時点で起こってくれて幸いだったといえるわね。
 よくやったわ、マイケル。
 もし、将来、私の持っているGシリーズへの転用を目論んだ場合、エネルギーを
自己増殖するのであれば、電源装置を背負わなくてもいいし、活動限界を計算する必要
も無い。
 本当に画期的なものになるわね。
 どうにかして、研究を続けたいものだわ。
 待っていなさい。私が何とかしてみるから」
 澄子は気持ちを前に向けた。
 

641Prototype G≠α 第4回:2006/07/14(金) 23:42:02 ID:lB5cKAQL
1/6

 村上との再会は面白くなかったが、とりあえず研究を前に進めるためには、
その契約が必要なので、澄子は、指定された日にスマートブレインに行った。
 その日は待たされる事もなく、澄子は、応接室に通された。
 「初めまして、花形です」
 隣りに座っている村上支店長とは正反対の、穏和な雰囲気の男性が立っていた。
 「小沢博士、いちどお会いしたいと思っておりました。
 先日は、うちの村上が、いろいろ失礼な事を申し上げたのではないですか。
 気にしないでください。
 私は、あなたと、一研究者として、対等にお話したかった。
 あの大学の隅に、おそらくホコリを被っていたであろう私の論文を、
あなたはめざとく見つけてくださった。
 その点で、私はあなたに興味を持ちました」
 「有り難うございます。花形社長。
 今は、研究の場から退いておられるのですか」
 「いちおう、こういう会社ですので、ラボを置くぐらいの事はできますから、
ほんの息抜き程度のものですよ。
 それにしても、先日、大学での実験中の事故、大事が無くて良かったですね」
 澄子は、花形と語りながら、その穏やかな態度に信頼できるものを感じた。
 「ええ。
 実は、社長の『半導体及び金属流体における体積膨張時の転移に関する非加熱
による原子分子間拡大理論及び、形状誘導・固定化の可能性』に関して、
それを可能にする手段を探り出したところでした。
 今はまだ、それを具体的に資料にするほどのデータを集めておりませんが、
その実験中に事故が起きました。
 まだ、先生の理論で、金属を流体化させる技術にまで至っておりませんが、
近い将来にそれは可能となるでしょう。
 そのために、社長の元々の理論を研究させて頂きたく、お願いにまいりました」
 澄子は、少々喋りすぎたかなと思った。
 「非常に興味深い研究をなさっておいでだ。
 あなたになら、是非私の後を継いで頂きたい。
 本来なら、私自身があなたに資金を提供したいところですが、わたしがこの大企業の
主である限り、それはあなたを縛ってしまう事になりかねません。わたしも、
この大所帯の中で、あなたを企業としての利益から切り離して、個人的にどこまで
バックアップできるかも判らない。
 ですから、そちらのお申し出が無い限り、我々は一切干渉しない。
 これは、社長として、私が約束致します。
 以後の事、すなわち、あなたが企業及び公的機関の傘下に入って、組織的に
研究開発に携わる事になった場合は、先日の条件の通りと致します。
 これでよろしいですかな」
 花形は、机上に契約書を2枚置いた。
 澄子は、一枚にサインをすると、花形がサイン済みのもう一枚にサインした。
 両名のサインの入った2通の契約書を、お互い1部づつ取った。
 「これは、非常にリスクの高い研究になるかもしれません。
 覚悟なさっておいでですね」
 花形が云った。
 
642Prototype G≠α 第4回:2006/07/14(金) 23:43:07 ID:lB5cKAQL
2/6

 澄子の、大学との新年度契約更新の交渉は難航していた。
 例の事故さえ無ければ、澄子も、もっと強く出られたのかもしれない。
 しかし、学生に事故が無かっただけ幸運として、もし、学生も参加しての実験中
の事故の場合を攻められ、澄子も食い下がることができなかった。
 澄子は、例の如く、マイケルに不満をひとしきりぶつけ、そして家路についた。
 部屋に戻ると、ドアの鍵が開いていた。
 「あれ、掛け忘れたっけ」
 不審に思い、身構えつつ部屋に入ると、小さなルームライトの下で、彼が待っていた。
 「お帰りなさい、小沢さん」
 「北條くん」
 澄子は、どうして、とも、何故とも聞かず、バッグが手から滑り落ちるのも構わず、
その男の胸に飛び込んだ。
 北條は、黙ってその細い身体を抱きしめた。
 堅く抱きしめられて、澄子は、自分の中の女が現れるのを感じた。
 北條にキスを求められ、唇を重ねる。
 長い、長いキスだった。今まで、仕事の忙しさを理由に、心に蓋をしてきたように、
無視してきた自分の感情が沸き上がる。
 自分は、北條を愛しはじめている。
 全身が、彼の愛撫と、快楽と、安らぎとを記憶している。
 抱き合っているだけで、その時間の全てが再現されるように、全身を包んだ。
 「小沢さん、ごめん」
 「え、何が?」
 なぜ、北條がそう云ったのか、澄子には思いつかなかった。
 北條は、答えなかった。
 「怪我の経過は、いいの」
 沈黙に絶えかね、澄子は云った。
 「もう全然、何ともない」
 北條が答えた。
 「長いこと、待ってたの?」
 「ICPOの担当にも挨拶してきたから、少し」
 「夕食は済ませた?」
 「うん、まあ。
 そんな事より、僕は……、小沢さんを抱きたい。
 僕の可愛い小沢さんを」
 その北條の態度は、恋人に会う嬉しさや浮つきなど微塵も無く、深い憂いが影を
落としていた。
 「どうしたの、北條君らしくないストレートさじゃない」
 澄子は、いつもの調子を取り戻そうと、そう云った。
 「そうだね、僕は、もう僕らしくないのかもしれない」
 北條は、思い詰めたような顔をした。
 彼の中に、何が影を落としているのか、澄子にははかりかねた。
 「ひとまず、ふたりでゆっくりお風呂で温まりましょうよ」
643Prototype G≠α 第4回:2006/07/14(金) 23:44:16 ID:lB5cKAQL
3/6

 バスタブにバブルソープを入れ、勢い良く湯を張る。
 たくさん泡を立てたバスタブに、二人で入る。
 立てた泡を澄子が吹き飛ばし、泡の塊が北條の顔に飛んだ。
 「あなたは、どうして、こういつまでも子供っぽい真似を」
 「北條君が仏頂面してるのが悪いのよ。
 その顔にぎらぎらした脂をさっさと洗い流したらどう」
 その言葉に二人して、吹き出し、笑いあった。
 「小沢さんが好きだ。僕は、本当に、小沢さんが好きなんだな…」
 「はいはい。もういいわよ、歯がういちゃうわ」
 北條は泡の中で、澄子を背中から抱き寄せた。
 「したい、いい?」
 北條は、澄子の首筋に口づけながら云った。
 片手で乳房を揉まれながら、もう片方の手は、澄子の女の部分に触れ、
いじくられる。
 「やだっ」
 と云いながら、触りやすいように足を少し開く。
 下半身の感覚が、乳首の感覚を鋭くし、指で挟まれて転がされると、
下の感覚がまた煽られる。
 「気持ちいい、小沢さん」
 澄子は黙って、生み出される感覚に陶酔している。
 「ぬるぬるしてきてる…、入れていい?」
 澄子が、バスタブの縁に掴まり、身体を浮かせると、北條は後ろから入ってきた。
 小さく喘ぐと、北條の手が唇に触れた。
 その指を、澄子は甘く咬み、突き上げる快楽に身を任せた。

 そうやって、その夜は更けていった。
 場所をベッドに移して、二人はいつまでもお互いを楽しみ、慈しんだ。
 北條は、自分の快楽のためというよりは、澄子の身体のすべて、指先から髪の毛の先
まで、丹念に愛撫し、頬を寄せ、その感触を記憶するように、優しく愛した。
 澄子は、身体の全てが溶かされ、自分と、相手との境界が無くなるかのような錯覚に
陥りそうなほどだった。
 官能と、揺さぶられる自分の感情が、北條の愛の中に絡め取られてゆく。会えなかった
日々があればこそ、余計に自分の中で、彼への欲望が大きくなっていた事を知る。
 「好き、北條君」
 呟くと、北條はそれ以上の言葉を、キスで押しとどめた。
644Prototype G≠α 第4回:2006/07/14(金) 23:45:07 ID:lB5cKAQL
4/6

 明け方まで北條の腕の中にいたのは覚えている。
 くしゃくしゃに乱れた髪が鬱陶しく、そして全身には、北條につけられたキスの感触
が残っている。
 手を伸ばしても、ただ一人のベッドの中。
 遮光カーテンの隙間から、陽が差し込んでいる。
 深い、水の中から、水面を見上げているようだと思った。
 一晩中、北條と二人で交わりながら、澄子は北條の中に、深い悲しみを見たような
気がした。
 何があったのだろう。
 この前の彼ではない。
 北條透は、あんな悲壮な目をするはずがない。
 澄子は、ベッドの上に起きあがった。
 裸の素肌に、髪の毛が流れ、微かな音を立てた。
 そんな音が聞き取れるほどの、静寂。
 一人で目覚めたことが、ひどく孤独感を掻き立て、泣きそうになる。
 ひとりでいる事は当たり前のことなのに。

 シャワーを浴びるために、バスルームに入ると、使い捨てのシェイバーが捨ててある。
 そんなものでも、彼のいた時間が夢ではなかったのだと安心させてくれる。
 書き置きすらない。
 北條らしくない。
 
 今日は講義は午後からなので、寝坊しても大慌てになる必要はなかったが、
全身に残るけだるさや、いろいろで、ついぼーっとしてしまう。
 コーヒーを入れ、冷たいトマトを囓った。
 食欲はなかったが、トマトの冷たさが快く喉を通っていった。
 澄子は、花形に渡されたファイルを手にとった。
 プロフェッサー小沢。それが今の仕事。
 探求心の前には、恋心など、意識の片隅に追いやってしまえ。
 澄子は、コーヒーを片手に、その資料に意識を集中した。
645Prototype G≠α 第4回:2006/07/14(金) 23:47:13 ID:lB5cKAQL
5/6

 澄子が、予定の講義を終え、オフィスに戻ると、北條が待っていた。
 研究室の閉鎖後も、澄子を慕って、オフィスで秘書がわりの仕事をしている少女が、
北條にコーヒーを出し、一礼すると部屋を出て行った。
 「今朝は早かったのね」
 「一応、仕事で来たので。けじめはつけないと。
 ちゃんと、起きられたんですか?」
 「子供じゃないわ。
 それで、仕事は済ませてきたの?」
 「いえ、これからです。
 小沢教授。早速ですがこれを」
 北條は、封筒を差し出した。
 その北條の顔は、澄子の恋人としての顔ではなく、いつもの仕事中の北條の顔だった。
 「加賀美公安部長から預かってまいりました。
 あなたに、国の機関として創設される進化人類対策としての研究機関の長として、
就任していただきたいとの要請です。
 Gシリーズの一連のプロジェクトの成果を国が評価し、アンノウン事件との関わり
も評価されました。
 これは、今までのような、警視庁の一部の対策室ではなく、政府の直轄機関として
置かれ、その運営には、相応の権限と独立機関としての裁量権を持ちます。
 国庫の正式な予算も計上済みです。
 どうか、ご協力いただきたい」
 澄子は、封筒を取り、内容を確認した。
 「つまり、これは、わたしがその対策として必要と思えば、それを国家が全面的に
バックアップする、という事と受け取っていいのかしら。
 たとえば、Gシステムの強化にあたるとして、そのGシステムの現在の弱点、
その重量に関して、新素材を求める研究まで国家が支援してくれる、と了解して
いいのかしら」
 「いいですよ」
 「今の私には、非常に嬉しい依頼だと思うわ。
 でも、少し考えさせてくれない」
 「結構ですよ。
 でも、あなたがノーと云えば、あなたの頭脳に入っているGシステムのデータの保護という名目で、強制送還が待っています」
 「なるほどね。私に選ぶ権利はないというわけね。いいわよ、それで。
 でも、現状、私の進めている研究内容は、マイケルとの共同でなければ成立しない
ものだわ。もちろん、マイケルが私について日本に行く事の同意が得られないときは、
私も現状の研究を諦め、新しい観点からの装備の改良を進めていかなければならない
わけね。
 正直辛いわ。
 でも、以前、あなたにも話したでしょ。もし、今の研究内容を政府機関の管理下に
置く場合は、スマートブレインとの交渉が必要になるのだけど、その交渉は、政府の
ほうでやってくれるの?」
 「その件は、加賀美部長に内々で話してはいます。上が有用な技術と判断すれば、
多少の無理は押してくれるでしょう」
 「わかった。マイケルに話してみるから、その分の時間だけ頂戴。
 それで、返事はいつまでにすればいいかしら」
 「1週間後に。
 それから、小沢さん」
 北條は、続くことばを、あまりにさりげなく口にした。
 「僕と、あなたの事、一旦白紙に戻しましょう」
 「え?」
 澄子には、その言葉が頭に入ってこなかった。
646Prototype G≠α 第4回:2006/07/14(金) 23:50:26 ID:lB5cKAQL
6/6

 「僕とあなたとは、職務上、対立する面も出てくるだろうし、個人的な感情的な仕事
が左右されるような事があってはならないと思う。それに、トップたるあなたと、警察
側の僕がつきあっているのでは、研究員たちも、いろいろ勘ぐるかもしれない。
 研究所としての機能が確固たるものになったとき、その時までお互いを必要とする
気持ちがあるのなら、その時にまた関係を再開すればいい」
 澄子は、北條の言葉に、非常に違和感を感じた。
 夕べの、あの感触が肌に蘇る。
 あの時のあなたは、そう云ってはいなかった。
 とても、澄子を求め、愛し、可愛がり、澄子自身も欲しがらせた。
 「そうね。私たちの立場は、お互い責任あるものだし、個人的感情が混じることが
あってはならない。私も同意するわ。
 でも、ねえ、北條くん、あなたはそれでいいの。
 そして、私は、あなたとの今の気持ちを、どう整理をつければいいの?
 あなたを一度嫌いになって、それから他の男の処に走っていいのなら、気持ちの切り
替えも楽なんだけど、あなたの今の話では、そうもいかないみたいね」
 澄子は、直球を投げた。
 「そうですね。
 あなたの感情に対する配慮を欠いていました。
 正直に云いましょう。僕が一番最初に、この大学を訪れた時は、内調の合田課長の
指示でした。小沢澄子という頭脳を、国外流出させてばならないと。日本国の管理下に
置くために、あなたに取り入れと。
 そうですよ、僕は、出世のために、あなたの感情を利用したんです。
 僕は最低な男だ。
 小沢さん。あなたは僕に騙されたんだ」
 澄子は、事の真相を明かす北條の顔が、苦しそうに喘いでいるように見えた。
 澄子は、北條の頬を平手でぶった。
 「あなたの気持ち、本当にそうなの?
 あなたの事を、私が心の底から憎らしいと思っていいの?」
 「いいですよ。僕を、僕を、嫌いになって、新しい誰かのものになればいい。
 僕は、僕はもう、あなたに愛される、資格がない」
 北條は立ち上がり、澄子に背を向け、ドアに手を掛けた。
 「返事は、僕のほうから電話しますから、その時に。来週の、この時間に。
 それでは」
 足早に、北條は出て行った。
 ばたん、と閉められたドアの向こうで、靴音が遠のいていく。
 「何考えているのよ、北條君」
 澄子は床にへたり込んだ。
 「あんな風に抱かれたら、そんな言葉、信じられるわけ、無いじゃない」
 水滴が、顎を伝い、澄子のスカートに染みを作った。
 「やだ、私。北條君のこと、本当に、好きになってる」 
647575:2006/07/14(金) 23:51:31 ID:lB5cKAQL
以下、次回までお待ちください。
648名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 06:13:29 ID:BfDlAKPN
×祥一
○翔一

主人公の名前間違えんなよ。
649名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 09:01:59 ID:Y2OGW+CE
正直、このスレ向きの話じゃないと思うよ
エロ部分、萌えないし。
何より登場人物の名前間違え過ぎ
本当に作品好きなのかよ
650名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 23:42:44 ID:houOF/zl
今回放送の加賀美を励ましたり見守ったりした岬がいいなあ。

岬×加賀美きぼん
651名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:59:36 ID:U/cER2ZS
ageますよ。よっこらせ
652名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 21:18:16 ID:R8NqztVL
ワームとライダーのせっくす見たい。
653名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:30:44 ID:vieCwg0/
毎回やってるバトルがセックスみたいなもんやんか!!
654名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:03:02 ID:CjjrhzE6
田所さん×岬さんいいなあ
加賀美×ひよりも。
655名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 03:08:20 ID:0mnVggsq
田所×岬デフォの
加賀美×岬がいいな
656名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 12:49:40 ID:F+Z0Z/Wl
総司×ひより←剣スキー…。
657名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 17:39:52 ID:dPohTC5B
三輪ひとみ嬢ワームでエロいの書いてください
658名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 22:34:26 ID:U4J3Fx7y
蹴っても殴っても復活して追いかけてくる
変質者ザビーに根負けして犯される間宮麗奈様
誰か書いてくれ
659名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 14:40:41 ID:EYDk4ofn
何か間宮嬢なら逆な気がするw蹴って殴って怯んだ隙に乗っかりそうw
660名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 15:07:44 ID:SRv8OL+a
取り敢えずアナル姉さんの麗奈様にケツ穴を掘られる影山の逆レイプ物きぼん。
661名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 23:32:32 ID:2XHKKUA7
腕だけ変化させ裸に剥いてよつんばいにさせて並べた影山、三島、田所のケツの穴に順番にあの巨大なハサミをぶち込む麗奈様。
662名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 00:34:35 ID:aFXIKBXz
「田所さんのお尻はアナタなんかに渡さないわ!!」
とゼクトペニバンを装着してヤル気満々な岬さん乱入きぼん。
663名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:50:29 ID:qaH01ZvN
カニとサソリでくんずほぐれつキボウ
664名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 05:10:15 ID:14ExpauD
ワームだし間宮様は処女なんだろな。
665名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 06:26:22 ID:wjolQqeN
擬態された人間が処女なら、擬態したワーム(人間体)も処女になるんじゃないか?
666名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 08:58:14 ID:Lb09ESre
間宮様は前は処女でも後は非処女です。
667名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 09:58:44 ID:mLIHpLiJ
>>666
それ、中の人の別の作品w
668名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 17:57:10 ID:DCq3Ffjo
とりあえず、三島×間宮でひとつ。
669名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 23:05:29 ID:14ExpauD
間宮様の女王様みたいな性格はウカワーム独自なのかそれとも擬態された人間のモノだったのか気になる
670名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 21:38:46 ID:omF1FDEu
天道兄妹近親相姦はこのスレ的にはおkですか?
671名無しさん@ピンキー
ばっち来ーい!