ザッパ→アバ投下
エロなしほのぼの
この二人需要は自分にしか無い気もするが気にしない
初投下なんで改行とか分割が甘かったらすみません
「きゅ…救急車!」
目の前で倒れている少女を見付けた時俺は思わずそう叫んでいた。
日常茶飯事な出来事。目の前で人が倒れている事も、俺が血塗れだったり怪我だらけだったりする事もだ。
けれど地面に倒れ込んでいる血塗れの、全身に包帯を巻いた彼女を見ていてもたってもいられない。
金色の大きな鍵を握り締めていたのか、爪は無惨にも割れてしまっている。
「…死…ぬ…時は…一緒…が…良い…」
呟く声はあんまりにもか細くて聞き取れなかった。
けれど、近くを通り掛かった人に救急車を呼んで貰う間俺は彼女の手を離しちゃいけないと思ったんだ。
本日の天気は快晴。
彼女が運び込まれたのは国際警察機構が管理している病院。なんだか照れ臭い、けれど売店で小さな花束を買ったりしてみた。
「眼、覚めたろうか」
酷い怪我だったけど、大丈夫だろうか。
あの巨大な鍵は彼女の居る筈の病室の傍にじっと佇んでいた。心配、してるのかな。
一緒に入るかと問い掛けても首…首?…―首なんだろう、人であれば―…を振って拒否する。
ファウスト先生を探す為旅に出て随分珍妙な人達を見てきたけど、あの鍵は更に珍妙だなあ。
だとか思いながら病室の扉をノックする。
返事が無い。未だ寝てるのかな。
音を立てないように注意しながら扉を開くと予測に反して、朱色をした髪の彼女は起き上がっていた。
病院独特のツンとした薬の香りをうちけしているのはむせかえる様な血の匂い。
至る所から出血してたから仕方ないんだろう。
意識が飛んで眼が覚めるといつもこんな状況だったからよく分かる。
「良かった…無事だったんですね」
「パラケルス…」
「え?」
まるで彼女は俺の事なんか見てもいないような錯覚を不意に感じた。
「パラケルスはどこだ。お前がどこかへやったのか?!」
それが、酷く胸を締め付けるのはなんでだろう。
痛い。
怪我をした場所じゃない。
心臓のそれよりもっと深い場所が痛い。
「パラケルス、パラケルス…私にはパラケルスしかいない…」 パラケルス。
多分あの鍵の事だ。
どうしてか笑顔を浮かべるのが難しかったけど、なんとか笑いながら片手に握り締めていた花束をサイドテーブルに置く。
「大丈夫です、パラケルス…さんは部屋の外にいます。
先ずは怪我を治さなきゃ、ね。
ここのお医者様は腕も良いし…ちょっとした怪我で俺もよく厄介になってる場所ですから」
原因不明の体質は治せないみたいだけど。
それは多分仕方ない事。
「……嘘だったら恨み手帳に……追加する…」
「パラケルスさんが、大事なんですね」
「……ああ…私には彼だけ…私の世界は、彼なんだ…」
ぎこちないけれど、漸く彼女
けれど名前を返してくれるだけで、嬉しくて…嬉しくて。
「…ファウスト…。パラケルスに人の体を与えてくれないだろうか………」
「じゃあ一緒に行ってみませんか、アバさん」
「…旅は道連れ……世は情け容赦無し…」
「?と、とにかく。じゃあ一緒に旅に出ましょうね!約束です!」
小さな笑顔すら見逃したくなくて、顔を覗き込もうとしたら枕を見事に押し付けられてしまった。
「必要以上…に…ち、近付くな…」
「あ…あははは、すみません」
『拝啓、母上様。
大切な人が居る人に恋をしてしまったようです。
けれど俺は彼女が幸せになってくれれば良いなあ、とそんな事まで思うのです。』
「………ザッパ…キミ…どうしてそんなたくさん連れているんだ?
…黒い女が私を見て手招きしているし…」
「こ、怖いこと言わないでください!」
「怖いか……私は…輸血パックがもう無いのが…怖い」
「わああああ!はやく言って下さいよ!
病院へ頼みに行かなきゃ!」
貴女の願いが叶うその日迄。
傍にいさせてください。
後日血文字で『浮気者』と書かれた手紙が背中に貼られていたのは
また別の話。
以上。
×にすらなってなくてすみません
その内ちゃんとしたザッパ×アバとか二人のエロとか
書けたら投下したい所です
ザッパ×アバGJ!
ほのぼの系いいね。エロも期待しとります
スマソ、
>>745だが
>>747の最後の方が何でか切れてる
今更気付いたが許してくれorz
読み難いけど
>>747の最後に下の文を入れて欲しい
↓
ぎこちないけれど、漸く彼女は笑ってくれた。
そんな表情が今まで会った女性達の中で1番可愛くて、1番綺麗なものに感じる。
「………ところで君は…誰だ」
「そうか、自己紹介が未だだった。俺はザッパ…貴女は?」
「……………アバ」
やっぱり聞き取り辛い声だった。
おいおい…俺以外にもこういう展開を想像していた人がいたのか。
GJ!
やべぇスゲェ良いわこれ
ちょ、自分以外にもザッパ×アバ萌えがいたことが嬉しすぎるw
GJ!!
萌えた。萌えすぎる。この2人ノーマークだったが、来るよこれ。
ウホッ、良い話書いてくれるじゃないの。それじゃあとことんGJしてやるからな
ザパアバ、元々好きだったんだけどまさかここで読めるとは夢にも思ってなかったよ。
GJ!!
特定職人信者の集まってる糞スレ以外で
こんなに賞賛されるSS、滅多に無ぇよな
神だぜこいつぁ
コメントくれた人ありがとう。
再びザッパ×アバ投下。
またしてもエロ無しザッパ→アバ寄り。スマソ
エロは次回辺りに。
けど自分ばっか連投して他の投下人様の邪魔はしたくないんで
充分気を付けます。
女性の身支度はえてして長い物だとは知っていたけれど、それはアバさんも例外じゃない。
全身に包帯を巻かなきゃいけないんだからそりゃあ大変だろう。
いくらなんでも俺が手伝う訳にもいかないし。
大体手伝える訳がない。
鼻血を吹いて倒れる自信がある。
……役立たず、だよなあ。
アバさんと違って闘う力も持ってない。
病気の発作が起きて、誰かが倒れている事は今でも多々あるけど。
「格闘技でも…習おうかなあ…」
あの怖い警察の人くらい強くなりたい。
喧嘩は苦手だけど少しでも彼女を守れる位、強くなりたい。
「ザッパ!」
「アバさん、今日は早かっ……―!?ふ、ふふふ服着てください!!」
廊下に飛び出して来たのは勿論アバさん。
包帯は大体巻き直し終えているみたいだけど、ま…まだズボンも前当ても着けてない。
どう言われてもいい。
俺には刺激が強すぎます。
「それどころじゃ……無い」
「どうしたんです?」
部屋へ戻ってくれないので、とりあえず鞄の中から外套を取り出して頭から被せる。
「パラケルスが…いない…いないんだ…」
「パラケルスが?」
「あ…ああ…風呂場で包帯を巻いていて……
気が付いたらいない…パラケルス…」
小さく震えている瞳は母親を探す迷子の子供みたいだ。
俺はアバさんの肩にゆっくり触れて頷く。
内心、これだけでもドキドキしてるんだけどそれは言わない。
言っちゃいけない。
「ちょっと探してきます」
「……パラケルス…」
「大丈夫。アバさんは着替えていて下さい」
「…………」
アバさんの頭が小さく小さく頷いたのを確認して俺は宿の廊下を駆け出した。
少しだけ、気になる事。
アバさんはあんなにも真剣に、真っ直ぐにパラケルスを想っているのに。
気が付けば逃げようとしているあの鍵―魔斧、だったっけ…が理解出来ない。
「どこ、言ったんだろ…」
体力無いなあ、俺。
ちょっと全力疾走して街の端から端までを突っ切っただけなのに。
「あ……パラケルス!」
『……何故追う』
「アンタ、アバさんの旦那なんじゃないんですか!
どうして一緒に居てやらないっ」
路地裏で佇んでいたパラケルスは冷たい瞳で俺を見下ろす。
愛嬌のある筈の丸い瞳。
それすら何故だか怖くて仕方がなかった。
『あれが勝手に我を捉えているだけだ。それを旦那だの…くだらない』
アバさんがどれ程、どれ程パラケルスを思ってるか知ってる。
彼女が饒舌になるのは、パラケルスの事について話す時だけだ。
『我は聖戦の英雄也。
血を寄越すのは便利だが、所詮それだけの女よ。
新たな使い手が見つかれば今までの怨み…
全て彼奴に返してやろう』
アンタの姿が見えなくなっただけで彼女がどろだけ不安がっているか知ってるのか。
彼女がどれだけアンタを必要としてるのか分かってるのか。
俺がどれだけアンタを羨ましいと思ったろうか。
人の気持ちが分かるなんて言わない。
けど、彼女がいない所で彼女を「便利な道具」扱いするのが許せない。
ゾワゾワと背筋を這い上がる、寒気にも似た何か。
"…―協力シテアゲル…ヒドイ男…許セナイイィ"
初めて聞く声。
けれどなんとなく、俺には今はその禍々しい声も味方なんだと分かった。
『何だ、何をする気だ』
怖い。怖い怖い怖い。
けど今は味方だ。
俺と同じ様に許せないと叫んでる。
スゥ、と背後から冷たい掌に抱き着かれる様な感覚がした瞬間俺は右手を翳していた。
"皆今ハ…ザッパ…アナタニ協力スルワ…"
このあんまりにも巨大な力を制御出来る自信は無い。
俺の病の原因も彼女達だろうけど。
それでも今は何より。
許せない奴がいるんだ。
『や、止めろおぉおっ』
「いっ…けええええ!!!!」
きっと泣いてしまう。
それなら、いっそ。
・
再び宿の廊下。
きちんと着替えていたアバさんは俺が1人だけなのに気が付いて不安げに眉を垂らして
いる。
「パラケルス……何処…」
「ネズミにかじられちゃったみたいですけど、今は風呂に浸かってます。後でちゃんと連
れて来ますよ」
破壊しようとも思った。
けど出来なかった。
アバさん。
ごめんなさい。
俺は、俺自身が貴女を傷つける事だけはしたくなかった。
「良かった………ありがとう…ザッパ……」
「…っ…」
胸が苦しい。
俺がした事はいつか。
貴女をもっと傷付けるんじゃないだろうか。
「……泣いている?何故泣く、体に損傷があるのか?」
「すみません…」
我ながら情けない。
こんなに泣きじゃくってしまうなんて。
「……」
「アバ、さん?」
ふわりと細い腕が俺の体に回される。
胸板に触れる柔らかい乳房の感触に口から心臓が飛び出しそうになってしまう。
「……泣くな………」
耳に届く声に貴女は本当は全てを理解してるんじゃないか、と思う。
そう思えば思う程涙が止まらない。
「アバさん、アバさん…アバさんっ…」
「む、どうした。
私の名を連呼する度にザッパの心音が早くなっている」
ああ、俺がもっと強ければ。
貴女を守りたいと言いながら。
貴女を傷付ける事を選択するなんて矛盾した感情を。
持たずに済んだかもしれない。
「好き、です…」
「わ…わわ…私にはパラケルスがいる…
…そう言う冗談は…嫌いだ」
「ごめんなさい、アバさん、ごめんなさい。本当に…」
戸惑った顔を直視出来ずに硬く両目を閉じながら。
俺はゆっくりと、口付ける。
逃げて下さい。
俺が貴女を傷付けてしまう前に。
振り払って。
大きな声で罵って。
逃げて下さい。
「…ザッパ?」
「俺は…アバさんが好きです……本当に、本当に貴女が大切で、大好きなんです」
貴女の身体を、この腕の中から離す事が出来ずに。
何度も何度も呟いた。
ここにて一度終了。
エロ入れたらまとまらなかったんでその分は次回。
GJ!
続きが気になるぜ
ザッパ×アバまたもやGJ
今回も楽しく読ませてもらいました。
次回にwktk
二人ともなんか可愛いな(´∀`)
ザパたんもアバたんもそれぞれ萌えた。
おまいさん話書くの上手いよ、GJ!!
続きが凄く気になる。
正直このSS読んで、俺のザッパとアバを見る目が変わった
ザッパ×アバGJ!
これいいなぁ、萌えるてか癒された
続きwktkで待ってるよ
期待age
二人で旅しながら、アバがベッドで寝てる横で
ザッパが遠慮して床の上で毛布にくるまって一夜を過ごす様子が
ありありと思い浮かぶようだよ
773 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 17:06:29 ID:uOU6J+jg
ほっしゅ
>>771に萌て発作的に書いた。今も反省してない。
相変わらずエロ無しスマソ
今回はアバ→ザッパ寄り
「―っぐしゅ!」
小さな嚔が聞こえる。
寒い街。春が近いとは思えない程に雪深い街。
…どうして、あんな風に迷い無く私にベッドを寄越せるんだろう。
旅に出たのは、偶然。
あの人を人型にしてくれるかもしれない医者に心当りがあると言ったから。
ただそれだけの関係。
なのに何故、私を庇う。
なのに何故、弱いくせに戦おうとする。
なのに何故、私より大怪我を負っているくせに
少しだけ血の足りなくなった私をあんなにも心配する?
「…非生産的だ…不可解だ…」
けれど。
君に出逢って、私は少し…変わった様な気もする。
何か、擽ったい。
君といると、そう感じる。
あの人は私が外に出る理由をくれた。
ザッパ。
君は、それよりも奇妙で、けれども暖かい何かを私にくれる。
「ふ…は…っひぐし!」
「……」
間の抜けた嚔だ、何度聞いても。
黒い髪の女。私はお前の伴侶を取ったりしない。
私にはあの人がいる。
『ジャア何故…コノ人トイルノ?』
「………成り行き」
『…アゲナイワァ…』
「いらない。私の伴侶はパラケルスだ」
『…ソウ……』
そう。
あの人と君は…月とカマドウマ。
その筈なのに。
「……アバ、さん…」
寝言で私の名を呼ぶ。
その声すら何故か心地好くて。
「風邪をひいたら、貴女こそ困る…だろう…?
…ただ…それだけ…」
『……………』
二枚組の掛け布団で良かった。
そんな事を思いながらベッドに寄り掛かって眠るザッパの肩に、もう一枚布団を掛けた。
「……き…です…」
「―っ!」
どうして。
こんなに胸が苦しい?
>>774 ん〜、グゥレイトなジョブだ!
が、そのSSを俺が読み終えるまでに10回はヌけるんだなぁ。
ザパアバいいなぁ〜上手い!
これからも楽しみにしてるよ!
あなたが神か。
GJ!!
ザパアバはまりそうだ。
保守age
漏れを角砂糖生産機にする気か?
おたまじゃくし生産機なら俺のこと
もはや神はしんだのか?
>>774の続きマダー?
と書き込もうと思って来たら
たった三分前に
>>781が同じ事を危惧していたとは
ザッパ×アバ投下
思いの外長くなってしまったのでまたぶつ切り
エロに辿り着けないorz
以前コメントくれた人本当にありがとう
「………ザッパ…包帯が…無い…」
「ええっ!?前に確認した時は有ったのに…
とっ、とにかくアバさんっ。これ着て下さいっ」
ああ、やってしまった。
包帯や輸血パックは絶対に切らせ無いようにしていたのに。
此処のところ妙に体調が悪かった。
けれどアバさんに迷惑だけは掛けたくなかったのに。
血で汚れてしまった包帯を巻いておくのは気持ち悪いだろう。
けれど今はどうしようもなくて俺はとにかく自分の外套状の上着を脱いだ。
アバさんの細い体にくるくる、と巻き付け金具を止めようとする。
カタカタと指が震えて巧く止められない。
「ザッパ…?」
あれ、おかしいなあ。
地面に足が付いているのか分からない。
ああ、アバさんの包帯を買いにはやく次の街へ移動しなきゃならない。
動いてくれ、俺の体。
なんだか、寒い。
「……ザッパ!?」
「……バ、さん…すみませ…」
俺に出来る事は何でもします。だから貴女の傍に居させて下さい。
この想いが届くなんて。
この想いが交わるなんて。
想ったりはしていないけど。
アバさん。
俺は貴女が全てなんです。
「ザッパ!どうした、ザッパ!?あ…あああ、あ…わた、私…ザッパ、ザッパ、ザッパ?!」
低い、けれどとても愛しい貴女の声が遠くなる。
*
「…―ここ、は…」
眼が醒めて真っ先に眼に映ったのは簡素な作りの天井。
僅かに空いた窓からは食欲を誘う香りが伝わってくる。
俺は何をしてたんだっけ。
「そうだ、アバさんっ!」
立ち上がろうとしたら体が回転した。
巧く起き上がれず床に倒れ込んでしまう。
頭が重い。風邪、だろうか。
「アバさん…」
あれから俺はどうなったんだろう。
もしかしたらアバさんは1人で行ってしまったんだろうか。
俺みたいな役立たずは置いて、パラケルスと。
「そ、れも当然だよなあ…」
俺、何も出来なかった。
アバさんの役に立てなかった。
ポタポタ、と涙が落ちる。俺の瞳から溢れ、頬を伝い、顎迄流れて床に落ちる。
血を流すより痛いとおもった。
「そうそ、ちゃんと両手で支えるアル」
「………こう…?」
「溢したら可哀想アルからネ。…おや、起きてたみたいヨ」
扉の外から聞こえるほんの一瞬の声。
俺は貴女の声を間違えたりしません。
「まだ起きない方が良いアルよ。
折角この子が背負って来たんだから先ずはしっかり治すネ」
「………起きた…ザッパ…」
「え、あ…アバさんが?」
扉を開けたのは不思議な訛りで話す女性。
そして、アバさん。
両手には何か、暖かい湯気を立てている皿を乗せたトレーを持っている。
長い前髪に瞳が隠れて、表情を読み取れない。
だが女性の言葉にそれを不安になるどころじゃ無くなってしまった。
俺とアバさんの身長はたいして変わらない。
けれど体重は倍近く、違う。
加えてアバさんの体だって丈夫な訳じゃない。
それなのに俺をここまで運んでくれた…?
「ソウヨ。デッかい鍵とアンタ背負てたネ。この子にはちゃーんと感謝するヨロシ」
ああ、この人には確か何回かバイトとして雇って貰った。
出発の前にも何日か手伝いをした。アバさん、知っていたんだろうか。
Uターンしたんだ。
俺を置いて次の街にも行けただろうに。
「ありがとうございます、アバさん。本当に、本当にありがとうございます」
「………別に……」
「店長ー!!」
「はいアル。ちゃんとお粥食べて薬食べるアル。アバ宜しくネ」
ウェイトレスに呼ばれた紗夢さんは駆け足で部屋から出ていく。
アバさんは小さく、小さく頷いてからトレーをサイドテーブルに置いた。
「……起きれる、か?」
「あ、は…はい!」
とりあえず床からベッドに上がろう。
立ち眩みがしそうになった瞬間アバさんの細い腕が腰に回るのが分かった。
俺の体を支えようとしてくれているらしい。
「だだだっ、大丈夫ですよ、アバさんっ!」
「君はパラケルスより…軽い…大丈夫だ…」
そう言いながらアバさんは俺の体を浮かせ、ベッドに座らせた。
好きな女の子に(しかもその子が好きな男と比べて)軽いと言われるの複雑だ。
あああ、もう!
なんで俺はこんなに動揺してるんだよ!?
「アバ、さん…ここに座って貰えますか」
「……君はどう思うか分からない…けれど…
わ、私、は…君が倒れて…し、心臓が…止まってしまうかと思った…」
「え……」
「…良かった…ザッパ、が無事で……
棚から…ケーキが飛び出してくる程…良かった…」
辿々しい声に心臓が高鳴る。
熱のせいか、俺の理性の限界なのか。
「…ザッパ…?何をしている、離せ……」
「………」
何をしているんだろう、俺。
いぶかしげに見上げてくるアバさんを見下ろしながら、寧ろ自問したくなる。
俺は華奢なアバさんの体を押し倒していた。
ズキン、ズキン、と胸が痛い。頭がクラクラする。
ごめんなさい。
ごめんなさいアバさん。
俺は貴女が好きなのに。
貴女を傷付ける事しか出来ない最低の男です。
「好きです、好きです、アバさん」
「っ…?!や、止めろ、離せ」
貴女の言葉が嬉しかった。
それなのに俺は1番大切な貴女を傷付けてしまうんだろう。
「俺を見て下さい、アバさん。
あいつより何倍だって…俺は貴女を思っています」
綺麗に巻かれた右腕の包帯に触れる。
伝わる細い腕の感触にも痛々しさと同時だとしても酷い浴場を感じた。
「ザッパ、あつい、まだ熱がある。離れろ、はやく薬を…」
「逃げないで、アバさん」
「君は錯乱してる、きっと。はなして」
「俺を見ろよっ…」
なんだか変だ。
喋り方が逆になってるような感覚に近い。
だけど熱で沸点が下がってしまったのか、元々限界が近かったのか俺はアバさんを組み敷きながら顔を近付ける。
「ザッパ、冗談は嫌いだと…―!?」
首筋がひきつるのが分かった。
怯えている、俺に。
「――んう!」
「っは、アバ…さ…」
触れた唇はあんまりにも薄くて驚いてしまう。
ひび割れてしまっている口端へ痛みを与えぬように舌先を這わせるとアバさんの肩が強張るのが分かった。
抗議しようとしているのか、薄く開いた唇を無理矢理塞ぐ。
舌を差し入れて、小さく震えているやっぱり俺のそれより小さく、柔らかく、薄い舌を絡め取った。
くちゅ、とやらしい音がする。
「……!っふ、んう、ん!!」
どんどん、と何回も何回も肩を叩かれる。
俺やパラケルスを持ち上げる彼女とは思えぬ位その手には力が籠っていない。
華奢な指先が、愛しい。
逃がしてやる気にはとうていならなかった。
俺は自暴自棄になってるんだろうか。
アバさんと旅をするのは楽しい。
けれど好きな人が、自分ではなく他の奴を見つめているのはずっと見とくのは大分しんどい。
限界が来るのは自分が思っているよりずっとはやかった。
俺を見てくれないのならせめて俺を刻み付けたい。
「―、っ、や、め」
「っは、アバさ、んっ…」
絡めていた舌を放して唇を離す。
銀色の糸になって俺の唇とアバさんの唇を繋ぐ唾液がやらしい。
おずおずと衣服と言うよりも、前当てに近い印象を与える上着の中に手を差し込む。
指先に伝わる包帯の感触の下にふにょふにょと柔らかい乳房があるのが分かった。
「ザッパ、どうして、私は」
震えている。俺の指が身体のどこかに触れる度に、びく、と揺れる。
泣き出しそうな程にアバさんの声が、大きな瞳が震えていた。
―俺がしようとしている事は許されない事。
女性に対する、1番の暴力。
最低、な、自分。
「っ…!?うぐ、いや、っ…がはっ!」
「アバ、さ…ん…?」
不意に咳き込んだアバさんの唇から赤い吐瀉物が溢れる。
びちゃ、と組み敷いていた俺の体にも掛かるほどに大量な赤黒い体液。
驚いて顔を上げる合間にもげほ、げほ、と咳き込む度に血が溢れていく。
「アバさん!?そんな、どうしてっ」
「ザッ、パ…あ……ご、め…私は……君が…君と…」
俺の身体なんかより余程アバさんの身体は限界に近付いていたん、だ。
服を掴む指先からも血が溢れている。
ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい。
「君…が…………」
「アバさん、喋らないで!俺、人を呼んできますから!!」
1人部屋に残すのは心配どころじゃないけれど、とにかく早く輸血や治療を済ませなきゃいけない。
時折癒えない傷から血を吹き出してしまう様は見て来たけど、今日のは異常だ。
俺の、せい、かな。
―今はそんなことどうでも良い。アバさんが心配だ。早く、早く医者を探さなきゃ。
『……コッチ…ヨォ…』
主の分からない声に導かれて俺は廊下を曲がる。
息が苦しい、頬が熱い、地面を蹴る足が時折ぐらつく。
けど今は俺よりも、何よりも。
誰か、誰か、誰か。
彼女を助けて下さい。
「私にだって…君は……特別…なんだ…」
部屋の中で呟くアバさんの声を俺が聞き取る事が出来る筈は、無かった。
※
投下ここまで。
文字数やら改行やらが相変わらず甘くてスマソorz
棚からケーキwww
アドリブでこんなにアバっぽさを再現出来るなんて羨ましい!
GJ!
キテター!!
毎回お疲れ様、GJ!!
今回もかなりツボな展開でした。
アバタソ健気で萌えた。
とてもにまにましながら読んでいる自分がいるww
腕が壊れるまで万歳する!
アバよすぎるけどささやかに医者に期待な俺
医者ってやっぱりあの袋の人なのか……?
棚ケーキに吹いたけど良かったです。
ザパアバ今回もGJ
相変わらず文章上手いね
ザッパバGJ!
GJ!
せつねぇ感じがイイ!
ファウストせんせーたっけてあげてくんろ!
今日で一週間
そろそろ、続きを期待しても良い頃合かな?
797 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 17:29:53 ID:4oyN/0fs
補修上げ
今 ザパアバがあつい
GJ(*´Д`*)
続きも待ってるよノシ
ファウスト先生の診断ハァハァ 気が早すぎた
俺、このザパアバが連載終了したら投下するんだ……
ソルディズィは無しなのか?
ゲームソフトのパッケージの絵は誰が描いてるのだろうか
普通に石渡じゃねーの?
そろそろギルティにも関西弁の女キャラが必要だと思うんだ
ギア同士だし、ソルの極太にあんあん鳴くディズィー良いと思うんだがな…
まずはザパアバだろ
下手すっと今年の流行語大将だぜ
魔の森の木陰で数匹の小鳥とともに思索に耽る、私の主。
あまりに絵になるその構図を汚したくて、思わずその胸に飛び込んじゃいました、私。
「御主人〜」
「……どうした?サキュバス」
抱きつきついでにキスの一つもしてやろうかと思ったら唇をガードされました。悲しいです。
「あん、もう……けち〜」
「夢の中ならともかく……あまり無闇に精を吸おうとするな」
それは、ご自分の命を生々しく実感してしまうからですか?御主人。
ご自分のものではない、ギアの本性たる破壊欲求を……交わりの中で感じてしまうからですか?
それともまさかとは思いますけど、ディズィーさんへ操を立てているつもりですか?
「……やきもちか?」
「ヒトの心読まないでくださいよ御主人」
あれ、でもなんか表情が柔らかくなってませんか?
「私とて配慮を受け止める術くらい心得ている……そういう事だ」
あ。
キスされちゃいました。
不意打ちの微笑みから抱き寄せの3HIT確定コンボはずるいですよ、御主人。まあ嬉しいですけど……
わあ!?ちょっ、舌、舌絡みすぎですって……そんな強く……うあ……
「淫魔、サキュバス」
ぬおお。御主人の艶かしい笑顔がめっちゃくちゃこわーい。
でも期待してしまうのは、やっぱ私の本性が夢魔だからなんでしょーか。
「受け止めて、くれるのだろう?」
あ。
ギアの破壊欲求がうんぬんの所ですか。
はいはい、ヒトとギアの性質が同居してる御主人を受け止められるのなんて私かディズィーさんくらいのもんですからね。
でも優しさと激しさを同居させるのは色々な意味で反則です。
特に御主人の綺麗な顔でやられると、一撃必殺どころか3ラウンドストレート勝ち級の威力です。
「お、お手柔らかに……」
ああ、抱えあげられてしまいました。いわゆるお姫様抱っこというやつで。
今日は完全に私がネコみたいですね〜。
なんだか羨ましそうな顔の妖精さんと、生暖かい視線のエグゼビーストに見送られて、私達は朽ちた石の建物に入ります。
毎度の事ですけど、ちょっとだけ悲しいですよ。
ディズィーさんの使ってたあのあたたかな小屋で交わりたいと切望してるんですけどねぇ……
はあ。
仕方ありませんか、家族として暮らしたあの「家」に、生々しいオスメスの香りを持ち込むのもナンですしね。
「今夜は寝かせませんよー、御主人っ」
続きは省略されましたっていうか綺麗さっぱり消えました。すみません。
>>生暖かい視線のエグゼビースト
個人的に一番フいたw
エグゼに目なんかあったっけか?
GJ!
ザパアバの続きどうなったの?
814 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 23:59:29 ID:1Bn0NJKc
ageほす
816 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 01:50:25 ID:VKisgh+m
7P頑張るから誰かディズィーたんを…(;´д`)
お前が7Pネタ書くのを頑張ってくれれば、ディズィー一人くらい考えてやるよ
いつの間にか物凄く間が空いてしまったけどザッパ×アバ投下。
相変わらずほのぼのテイスト。
最初は成り行きだった。
けれど、あなたはいつの間にかとても大切な人に変わっていたんだ。
*
「ファウスト先生!」
「患者はどこですか?」
結局街で見付けた医者にはアバさんを治療する事は出来ない、と告げられた。
人工生命体―ホムンクルス。
彼女は俺たちとは違うのだとはっきり紡ぐ声が耳に貼り付いて離れない。
愕然としていた俺に声を掛けてきたのは、一度や二度でなく世話になった警察の人。
強くて、怖い人だと言う印象が有ったけれど一抹の望みを掛けて、ファウスト先生を知らないかと聞いた。
カイ=キスクさん。
彼は俺達の事情を聞くと警察機構の人達にも協力を願ってくれた。
そうこうしている内に、2日。
目の前に現れたファウスト先生は、紙袋でした。
*
時間が経つのがとても遅い気がする。
チクタクと刻まれる秒針の音が妙に煩い。
警察機構運営病院の手術室へファウスト先生とアバさんが入って、もうどの位だろう。
数十分?数時間?それとも数日?
―わからない。
お願いします、お願いしますファウスト先生。
俺には何も出来ない。
アバさんを助けて、下さい。
「少し寝た方が良いですよ。」
「カイさん…」
パラケルスを引き摺りながら、片手には湯気を立てるマグカップを持ったカイさんに声を掛けられてハッとなる。
「顔色が悪い。
彼女は私とパラケルスが待っていますから、仮眠だけでも…」
「大丈夫です」
俺を心配してくれているのは分かる。
けど、ここから離れたくない。
こんな時だと言うのにパラケルスは手術室の方を見ようとすらしないから。
アバさんを、待っていたい。
アバさん、アバさん、アバさん。
貴女が助かるのなら俺は何だってします。
この身体が、この臓器が、この命が役に立つのなら。
貴女が、今の俺の全てだから。
「……アバさんは、きっと大丈夫です。
ファウスト先生の腕も、確かですから」
『あの様な娘が1人死のうが関係あるまい。
なぜお前達はそうまでしてあれを助けようとする』
パラケルスの低い声に苛立つ。
どうして、こんなにも酷い事を言えるんだろう。
腕に爪を立てる。ここでパラケルスに殴り掛かりでもしたら、アバさんを待つことすら出来なくなる。
『人の恋情等哀れな物だ。
あれは人ですらないと言うのに、間抜けな子どもよ』
「…黙れよ」
『何か言ったか、間抜け』
「黙れ!!!!」
息が出来ないほどの、想いが。
お前をあんなにも想っているアバさんの心が汚された気がした。
「お前こそアバさんの気持ちを考えた事が有るのかよ!?
アバさんが、どんなに、どんなにっ…!」
「ザッパさん」
ふっと優しく肩に触れた指先の感触にハッと我に変える。
カイさんが真っ直ぐに俺を見詰めていた。
「カイ、さ…」
首を左右に振る。ここで俺が暴れたりしたら他の医者や看護師が駆けつけてくると諭された気がした。
「貴方はここで彼女を待ってあげてください。彼は一旦警察機構で預かります」
気のせいだろうか。カイさんは笑っている筈なのに眼が据わって見えるのは。
「は、い、すみません…」
「貴方の気持ちはきっと届きますよ。ザッパさん」
柔らかい微笑み。やっぱり気のせいだろうか。
俺は小さく頷いてソファに置かれたままだったマグカップを手に取る。
すっかり冷えてしまったコーヒーは、少し甘めで、とても美味しかった。
*
「オペ終了、成功です」
それからまた暫く経ってから、ファウスト先生は大きな体で手術室の扉をくぐりながらソファに座り込んでいた俺に声を掛けてくれた。
ストレッチャーの上では人工呼吸器を付けられたアバさん。
時折苦しそうに身を捩るけど、顔色はそんなに悪くない。
駆け寄ってきた看護士さん達がゆっくりアバさんの乗せられたストレッチャーを病室へと押して行く。
カイさんが用意してくれたらしい個室へ向かうそうだ。
「麻酔から醒めるにはまだかかりますが彼女はもう大丈夫。
身体の作りゆえ輸血パックはこれからも手放せないかと思いますが
それでも今回のようなことはもう起こり得ませんよ」
身体の力が抜けていく。
良かった。本当に、良かった。
「そして彼女の処方箋ですが」
ああ駄目だ、泣きそうだ。
情けなくて仕方ない。アバさんに知り合って俺はなんだか泣き虫になってしまったような気がする。
「世間を知る事、学ぶ事。他者と関わり合い、交わる事。
そして恐らくその切っ掛けは既に出来ているでしょう」
「え…?」
紙袋の下でファウスト先生が笑った気がする。
見た目の素っ頓狂さに比べてとても優しい笑顔だと顔も見えないのに思った。
「貴方ですよ、ザッパさん」
「お、れですか?」
「ええ、貴方の名前を彼女はずっと麻酔が効いているにも拘らず呼んでいた。
ザッパさん、貴方はきっと貴方が思っているよりもずっと彼女に想われているのですから」
今、俺の顔を鏡で見たらきっと、倒れる気がする。
顔中が熱い。きっと真っ赤だ。
「ファ、ファウスト、先生、俺っ」
「まさに愛!!愛、ばくはーつ!!」
「せせせせんせーーーーーーーい!?」
ばさっと白衣を翻したファウスト先生は、そのまま窓から飛び出していった。
ここ、五階なんだですが。
恐る恐る地上を見下ろしても、そこには誰もいなかった。
『良カッタノ…?アノ袋ニ病気ヲ治シテモラウンジャナイノオ…?』
不意に聞こえた声。聞き取り辛いこの声の主が俺の病気の原因なのは分かってる。
もともとはファウスト先生にこの病気をどうにかして貰う為に始めた旅だった。
けれど、アバさんに出会って。
アバさんを助ける為に、声を貸してくれたのもこの奇妙な女性だったから。
「貴女がいなきゃ出来なかったことも沢山有るから。
だから、気が済むまで俺の背中に憑いていてください」
『ザッパ…』
さて、アバさんの病室に行かなくちゃ。
*
「ザ……パ…」
アバさんが麻酔から眼を覚ました。
うっすらと開かれた瞳の下、心なしか隈が薄くなった気がする。
「アバさん…」
点滴に繋がれた左手が揺れている。真っ白な掛け布団の下から、細い指先が覗いた。
力なく数回揺れる指先が俺を呼んでいるような気がして、椅子から下りて床に膝を付く。
おずおずと握り締めると、力なく握り返される。
俺はもう片方の手も伸ばして、両手で強く、強く、アバさんの手を握った。
「…良かった、アバさん、良かった…!ごめんなさい、ごめんなさい!!」
嬉しい、けれど同時に俺がしでかした事への罪悪感にまた涙が溢れそうになった。
拒絶されても仕方ないのに、アバさんは小さく笑う。
外された呼吸器。柔らかい笑み。
「ザッパ…謝るの…何故?」
「俺が、俺があんな事をしなければーっ!」
アバさんの髪が小さく揺れる。左右に振られた首に、涙が溢れるのを耐えられない。
「……耳…」
「え…」
耳を貸せ、と言うことだろうか。
俺は膝立ちの体勢になってアバさんの顔に耳を寄せる。
「… …… …」
あんまりにも小さな声は、本当に聞き取れたのかも怪しい。
けれど、もしその言葉が間違いじゃないとしたら。
ああ、駄目だ、今泣いたばかりだと言うのに。
また涙が溢れる。それと同時に顔がにやけそうになって仕方ない。
「ほ、本当ですか…?」
「……二度も、聞くな」
「け、けど俺、夢だったらどうしようかって…!」
恨みがましいアバさんの両目。
白い肌が、ほんのりと赤く染まっている。
「……二度と言わない……耳、洗ってよく聞け…」
「はい!」
俺の耳にそっとアバさんの耳が掠めるように唇が触れた。
「………」
「………」
さっきはあんなに簡単に告げてくれたのに、今度はたっぷり数分かかった。
俺の手を握り締めている指先が小さく震えていたから、きゅっと強く握り締める。
「…私、は…ザッパが、好き………だと、想う……お前が…いない、と、嫌だ」
想う、の一言が有ったとしても。
俺にはそれだけで充分すぎる。
それほどまでに、俺も貴女の事が。
「俺も好きです、アバさん。俺と一緒にいてください」
「けれ、ど、私は…ホムンクルス……だ…人、じゃ、ない…」
俯いてしまう髪をそっと撫でて、俺はアバさんの頬に口付けた。
ちゅ、ちゅ、と何度も頬や額、顎先に唇を落とすとアバさんの肩が小さく震えるのが分かった。
「く…すぐった…い、馬鹿、止めろ」
「アバさん、貴女がホムンクルスだろうが人だろうが関係ないです。
アバさんだから、俺は好きになったんですよ」
小さな手を握る指先に力を込めて。
精一杯の想いを、貴女だけに。
薄い唇にも唇を寄せる。
びく、とアバさんの身体が強張るのが分かったけど、硬く閉じられた両目に拒絶はされていないんだと嬉しくなる。
「ずっと一緒に…いますから」
「……ああ…」
抱き締めた細い身体。
とくん、とくん、と鳴っている心臓の音は、少し早い。
俺の心臓もどくどくと早さを増していた。
同じ時を共に過ごす事が難しいかもしれなくても。
この時が交わっている間は、俺は、アバさん。
貴方と一緒にいると、拙い声だとしても唄えます。
「…パラケルスも、一緒、でも…良い…?」
「……も……もちろん、です」
「…?」
今はまだ、パラケルスと同レベルだとしても。
「皆で一緒に世界を旅しましょう!
オーストラリアにも是非!俺の母上もいますし、良い所なんですよ!」
「コアラも木から……落ちる…」
「こ、諺も勉強しましょうね」
いつか純白のドレスに身を包んだ貴女を、この手で抱けるその日まで俺はまだまだ負けません。
拝啓、母上様。
まだまだそちらへ帰る事は出来ないかもしれませんが。
俺は、今、とても幸せです。
紹介したい人がいるので、どうか待っていてください。
ザッパより。
これにてこの話は終了。
コメントくれた人たち本当にありがとう。
ザッパ×アバにはまだまだ萌てるし、エロも書けてないんでそのうちまたこっそり投下しに来ますw
次はきっとエロで!
時間かかったのに読んでくれて本当にありがとう
>>823続きキタ-(゚∀゚)-!!
超乙!ザパアバに沢山萌えさせてもらったよ。ありがとう。
ファウストが五階から飛び降りるだの、コアラも木から落ちるだの
アンタ本当はアークの関係者なんじゃないのかw
>>823 ザッパバ蝶GJ!
そういえばファウスト先生ってキチガイじみた言動とムチャクチャな外見で忘れがちだけど、中身は天才的な名医なんだっけ。
>>826 どころか、勝ち台詞の哲人っぽさでは並ぶ者がいない程だ
亀レスだが
>>806,815-817
ギアで7Pを想像してみているんだが、
ディズィー・ネクロ・ウンディーネで3。テスたん、ソル、ジャスティスで3。
……あと1人って誰だ?
ジャッジメントはギアじゃないんでおいとくとして、
レオパルどんとギグたんだと、あいつら両方とも「2つの生命が融合」型だから人数オーバー。
……レイヴンってギアだっけ?
別にギア限定にせずとも
メイ、ミリア、梅喧、紗夢、ディズィー、イノ、A.B.A.で軽く七人だから
こっから適当に六人選んで、絶倫男一人と犯らせまくれば良いんじゃないかと
830 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 14:12:33 ID:2EojPxc7
昨日の出来事。
ソル「ヴァァンデッブリ」
俺「来るがいウオォォォォ!」
ソル「ガーンフレ」
俺「来るがいウオォォォォ!」
ソル「ガーン」
俺「来るがいい」
ソル「かかったか!」
ソル「タイラァァァンレ」
俺「来るがいウオォォォォ!」
「ユーウィィィン」
シャキン!夕飯でベジタボー!
>>829 そこからメイ(子供だから)を抜いて、カイあたりを女全員で逆レイプ
>>828 ディズィーの尻尾とか?
それ、見てみたいな。壮絶なエロスと力のぶつかり合いが…!
833 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 04:18:03 ID:QJkBQXaH
ギアって決めたならギアで統一させた7Pがいいよな
ディズィーのしっぽイイww
イノもギアだぜ確か
I-NOは人間だろ。ただの因果干渉体
そこでソラリアですよ(カイホー小説第一弾のロリ)
……ソルモテすぎハーレム完成の予感
もうジョニー中心のジェリーフィッシュ大乱交でいいんじゃね?
838 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 17:45:01 ID:L1NntqBZ
ギアでって提案だったろ?
>>831の女キャラ全員でカイを逆レイプの話がいい
人大杉
カイ×ディズィーを投下します。
・エロ度は低め
・ゼクスのカイEDベースに捏造しまくり
・シリアスなのか、砂吐きそうな少女漫画なのか、どっちつかずな感じ
ですので、苦手な方はご注意ください。
843 :
薄氷 1/5:2007/06/02(土) 23:35:29 ID:ixnr+fgU
『たとえ望んだ力でなくても、人は自分の力に責任を持たなければならな
い。あなたは逃げるのでなく、自分がどんな人間なのかを伝えなければいけ
ない。それが人として生きるということです』
『でも……私が外に出ると、迷惑がかかります』
――もう誰も傷つけたくないのに。
暗い森の奥で声を殺して泣いていた彼女に、彼は手を差し伸べる。
『知らなかったんですか? 人は生きるために迷惑をかけていいんです』
『私……知りませんでした……』
『ほらね。人と暮らすと、いいこともあるでしょう?』
『人として暮らすこと……か。私に教えていただけますか?』
『ええ。そのために来たんです』
人生は何が起こるか解らない。だから面白い――最初にそう言ったのは、
誰だったか。
もちろん彼は知らないし、深く追求するつもりもない。
ただ、面白いかは別にして、こんなことになるなどあの時誰が予想できた
だろう。人類を脅かす者は全て悪だと、己の正義を信じて疑わなかった自分
が――。
「……カイさん?」
この場にそぐわない感慨に耽っていると、隣にいるディズィーが小首を傾
げて呼びかけてくる。
「あぁ、すみません。少し考え事をしていたんです」
カイは表情を緩めて詫びると、身体を起こす。ちらりと外へ目を向けて、
それから今まで彼の腕の中にいた少女を見下ろす。
彼女のリクエストに応じて明かりを消したが、カーテンは閉めていない。
今夜は月が明るく、おかげでよく見える。シーツに乱れ散らばる蒼い髪、
白くしなやかな肢体、ほんの僅かに赤く染まった顔、これら全てがカイを魅
了する。髪を下ろしているからか、別人とまでは言わないが、随分印象が異
なる。
……と言えば、きっとカーテンを閉めてしまうから、黙っていたが。
844 :
薄氷 2/5:2007/06/02(土) 23:40:01 ID:ixnr+fgU
「何を考えていたんですか?」
内緒です、とつい意地悪をしたくなったが、カイは正直に答える。
「人生とは解らないものだと、考えていました」
「そうですね」
カイに言わんとしていることを理解して、ディズィーは頷く。そう思うの
は、ディズィーも同じだった。
「私は今まで、自分の生き方に疑問を持ったことはなかった。聖騎士団にい
ても、警察にいても、自分の正義について何ら考察してこなかった」
「でも、カイさんは私を助けてくれました」
他人が見たら、こんな時にする話題じゃないだろうと呆れるのは間違いな
いが、ディズィーも身を起こして真剣に答えている。
「それは結果論です。私はあなたに会うまで、あなたを滅ぼすつもりでいま
した。人を傷つけなくてもギアは危険だと、勝手に決め付けていた。
それに……」
――私はあなたを守りきれなかった。
偉そうなことを言って彼女を森から連れ出したものの、今彼女はジェリー
フィッシュ快賊団にいる。思惑、偏見、悪意――人の手からこの少女を守る
ということがどれほど難しいかを、己の未熟さと共に痛感しただけだった。
「カイさんがいなかったら、今も私は森で泣いていただけだったと思いま
す。私、カイさんに出会えたことを、本当に感謝しているんです」
「……すみません」
カイは漸く、己の失態に気が付いた。こんな話をするために、こうして彼
女といる訳ではない。
「この話はこれで止めましょう」
今は考えたところで、何も変わらない。彼は既に選んでいる。
しかし、一方で彼は恐れてもいた。ギアの彼女と警察官の自分が、こうし
て会っていること自体が問題なのだ。同僚達に気取られないよう、細心の注
意を払っているが、いつまでもこうして気ままに会えるはずがない。
こうしている間にも、何かが水面下で動いている。先日のジャパニーズに
対する強引な指名手配、自分に似たロボットの言う終戦管理局、イノという
赤い楽師の行動……。この薄氷のような幸せは遠からず終わりを告げ、激流
のような何かが世界を飲み込んでいくのだろう。
そこに、警察機構を蝕むものを探る自分と、史上最強のギアと呼ばれる彼
女が、無関係でいられるとは思えない。彼は密かに、残された時間は思った
以上に少ないのではないかと危惧している。
845 :
薄氷 3/5:2007/06/02(土) 23:42:16 ID:ixnr+fgU
「あなたが好きです。私こそ、あなたに出会えたことを神に感謝しているん
ですよ?」
ディズィーの肩を抱いてそう囁くと、
「私もです」
ディズィーも顔を赤くしながら、腕を後ろへ回した。
彼女の身体は柔らかく、温かい。彼女に触れるまで、人もギアも変わらな
いことに、まるで気づかなかった。
上気した膨らみに包み込むように掌を被せ、もう片方の膨らみに口付け
る。緊張した紅い突起を含み、舌で転がすと、ディズィーは身を震わせて甘
い声を上げた。
首筋に口付けて軽く吸い上げると、白い肌に小さな跡が残った。それから
少しずつ下へずらして、ディズィーに跡を残していく。
不自然に乱れた呼吸、甘く濡れた声――彼を揺さぶるのは、視覚や触覚だ
けではない。急激に膨れ上がる情欲を、ともすれば持て余しそうになる。
この年になるまで恋ひとつせず、ひたすら戦いに身を置いてきた自分にこ
んな感情があること自体、信じられなかった。まして、人類の敵と言われて
きたギアのディズィーに恋をするなんて、自分でも驚くしかない。自分は頭
がおかしいのではないかと悩んだこともある。
しかし、一度認めてしまえば、後は簡単だった。自分が身を置く警察機構
には、彼女の居場所も、こうして彼女と会っていることも、決して知られて
はならないが、リスクを負ってでも彼女に会うのを止められなかった。
自然とカイの指がディズィーの秘部へ伸びる。恥丘に薄く生えた蒼い若草
は、既にしっとりと濡れている。人差し指と中指で秘唇を探ると、こちらも
既に濡れていた。
「そこは……!」
割るように押し開いて、人差し指の先端を差し込ませる。堪らず
ディズィーが身を震わせるのも構わず、指を沈めていく。
実際、誘われているのだ。彼女の膣内に包まれた指は、ちぎられそうな程
きつく締め付けられている。逃げることは許されず、奥へ奥へと進むしかな
い。
「ここがいいんでしたね」
何度か身体を重ねているから、彼女が好む場所は大体解っている。内壁を
指の腹で擦ってやると、ディズィーの喘ぎが一層甘くなる。誘われるまま
に、カイは何度も何度もそこを擦り、残りの指で赤く充血した花芽を押し潰
す。ディズィーの呼気は荒れ、何かを堪えるように身をくねらせている。
846 :
薄氷 4/5:2007/06/02(土) 23:44:03 ID:ixnr+fgU
そんな彼女がいとおしくて、つい頬に口付ける。すると、ディズィーはむ
しろ不満そうに唇を尖らせた。その意図を察したカイは、求められるままに
彼女の唇を塞ぐ。一度目は軽く、そして二度目は深く、互いに求め合う。
「あぁ……カイさん……すごく……気持ちいいです……」
ディズィーは全身を上気させ、瞼を閉じて息を吐く。ふくよかな胸も、な
だらかな腹も苦しそうに上下しているのに、恍惚とした表情でこの官能に身
を任せている。それどころか、カイの腕に添えるような仕草で手を置いて続
きを促してくる。
それだけで、カイの理性を吹き飛ばすには十分だった。勢いよく指を引き
抜くと、今度はすっかり昂った己自身を宛がう。
「ディズィーさん、いいですか……?」
一応訊いたものの、ディズィーが頷くのとどちらが早かったのか。カイは
一気に奥まで入れたいという衝動をどこか夢うつつな感覚で抑えながら、
ゆっくりと腰を沈めていく。
これが初めてではないが、今も彼女の中の抵抗は激しい。愛しい人に大き
な負担をかけないように気をつけるだけの理性の欠片は、まだ残されてい
た。
「大丈夫ですか?」
全てを沈め、根元から彼女と繋がって訊くのもどうかと思うが、
ディズィーは小さく頭を振る。辛くないはずなのに、微笑いながら繋がって
いる場所を優しく触れる。
「カイさんが、好きです。……大好きです」
「……っ」
反則だと思った。元々彼女は素直な性質だが、こんな顔で好意を告げられ
て冷静でいられるはずがない。身体を深く繋げている所為もあるだろう。達
しそうになるのを、カイは息を詰めて堪えた。
「あ、あぁ……!」
一旦腰を引くと、彼女の秘唇から名残惜しそうに蜜が糸を引く。そこへ指
を宛がうと、今も泉のように滾々と湧き出ている。誘うようにひくつく淫ら
さを知覚した瞬間、カイは再び己を沈めていた。抉るような性急さに彼女の
中はより激しく抵抗し、彼を締め付ける。堪らず逃れようとしてディズィー
の手がシーツを掻き集めても、今更逃すつもりはなかった。
「ん……っ、あぁあああっ!」
腰をがっちり掴み、打ち付けるように何度も楔を打つ。白い喉を仰け反ら
せながら、ディズィーは彼を求める。根こそぎ理性を奪われたカイも、今や
夢中で目に付くところ全てに唇をつけては吸い上げている。先程刻んだ証
を、さらに上書きするかのように。
847 :
薄氷 5/5:2007/06/02(土) 23:45:15 ID:ixnr+fgU
限界が近づいてくる。だが、まだ彼女を手放したくない。カイはその一心
で己の意識を繋ぎ留めていた。ディズィーも同じなのが解って、一層強く腰
を打ち付ける。その証拠に、絡みつくように回された彼女の脚も解ける様子
がなく、少しでも長く繋がっていたいと彼女の中がより圧迫してきて、カイ
は眉根を寄せた。
「カイさ……ん……私、また来て――あはぁぁぁぁぁ!」
「ディズィーさん……っ!」
一際甲高く喘いだディズィーは、カイにしがみついた。彼自身も強く締め
付けられ、ついに限界が訪れる。引き抜く余裕すらなく、カイはそのまま自
らの熱を放っていた。
そのまま身を寄せ合って眠っている二人を、静かに見下ろしている者達が
いる。
死神と水精――ネクロとウンディーネ、ディズィーの分身たる二人は、主
の気が抜けたため、こうして表に出てきたのだ。
ディズィーの分身とはいえ、その人格は別のものだ。彼らはカイに悪い感
情を持っていないが、ディズィーのように恋情を抱いていない。
元々顔に表情が無いため、彼らが何を考えているのかは分からない。
ただ、このつかの間の平安を守るかのように、静かに影を落としているだけ
だった。
848 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 19:27:42 ID:MIxFRUhY
エイプリルXメイ
メイのオナニー希望
849 :
賊:2007/06/03(日) 19:37:53 ID:MIxFRUhY
メイ
エイプリル
ジュン
ジュライ
フェービー
マーチ
オーガス
セフィー
オクティ
快賊団−−>集団陵辱乱交
カイを逆レイプ希望
>>843 やや遅くなったが、GJ!
こういうストーリーの濃厚なSSは大好きだ
852 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 15:43:02 ID:kN8cO2jl
>>847 おつー
誰かチップ×ポチョムキンかいてくんねーかな
sage忘れすんません
テスタ「ここから先にはいかせないよっ!」
ハァハァが切れる・・ッ ●■=
ディズィーと第三者(ギルティキャラじゃなくて自分の主観)でいま書いてて、
完成しだいいこうと思ったけどスレ違いかな?
ディズィーものが読めるなら何でもとは思うがどうだろうな
858 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 11:28:41 ID:0mS2ZyxK
漏れも読みたいが…いいのか?
第三者をこのスレにのせる際、誰かキャラにしちゃうのは無理なのか?
所謂ドリームってジャンルなのか・・・?
テスタと出会う前の頃でレイプネタとか?(そういう同人誌を見たことあるんで)
うーん…微妙かも
需要は低い
保守
863 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 22:52:04 ID:/9y3NCKb
ディズィー物は需要あるぞ!
エロがあってディズィーが出るなら問題ない
865 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 11:54:59 ID:L1LQxM17
保守あげ
「何故…私を呼んだ」
「思い当たる節は無いのか?」
「…ここにはディズィーの事以外での用など無い」
「じゃあビンゴだ」
「何かあったのか?」
船長室で、二人の男が向き合っていた。共通する所は黒ずくめと言うところだろうか。だが、同じシンボルカラーにしては二人の性格は真逆と言ってよい。種族も違っていた。
サングラスをかけた、船長室の主人は右手で得物の柄を弄びながら、席に座っていた。
一応の警戒をしているのか、もう一人の男はある程度の距離を取って会話していた。呼び出されたのはこの男だ。黒髪の長髪、あまり健康的では無いが透き通る肌。眼光は他の者を拒絶していた。
会話は続く。
「野暮とはわかっているが…俺の性格上、どうしても首を突っ込みたくなってな」
「…」
「…俺がお前を呼び出した理由はただ一つ…三日、いや最悪一晩で良い。ディズィーの側にいてやれないか?」
「…どういう事なんだ?」
「強いて言えばちょっとした病気…不治のな」
「なんだと!」
黒髪の男は一瞬にして顔色を変え、詰め寄った。怒りの形相を見せ、机をたたき割る勢いで叩いた。
「体に害は無い」
「貴様、私を馬鹿にしてるのか!」
「人間特有の物と言えばそうだ。お前にはわからないだろ?」
「くっ…」
歯がみをして少しだけ退いた。経験故に、船長の余裕は崩れていなかった。もう一度、同じ言葉が放たれた。
「側に居てやれ。一日だけだ」
「…」
「ディズィー」
洗濯物を干す可愛らしい少女の後ろから、黒髪の男が声を掛けた。少女は明らかに目を輝かせ、干しかけの洗濯物を固定せずに駆け寄った。
「テ、テスタメントさん!」
「久しぶりだな」
「は…はい!お久しぶり…です」
「?…歯切れが悪い。何かあったのか?」
「い、いえ!なんでもありません!と、突然来るなんて…」
「…すまない」
「あ、いえ!すぐに干し終わりますから、待ってて下さい!」
仕事を自ら忙せて、慌ててやっていても、少女は楽しそうだった。
テス×デズなんて需要無いかな…orz
>866
GJ。
超GJ。
最高に大好きなんだこのカプ
>>866 海賊団の純白の制服は、昼頃の高い陽が反射して眩しかった。透き通る青い髪の美しさは、真夏に大海原を照らす太陽に似ていた。
コントラストが美しい、二つの黄色リボンが揺れていた。
この、一見なんの後ろめたさを持たないような少女の後ろに先ほどの男が続くのは奇妙な図だ。
少女は顔に朗らかさを浮かべて、船長室にむかっていた。
廊下を渡り、その部屋の扉に控えめなノックをして、応答を確認すると、二人はその部屋に入った。
「ジョニーさん!」
「おう、ディズィー」
「テスタメントさんを呼んだのは…」
「俺だが?」
「なんで私に教えてくれなかったんですか?」
「ん…ああ」
船長はサングラスを下げ、バレないように少女の後ろに立つ男に目配せした。
黒髪の男は、仕方なしと言わんばかりのため息で答えた。
「お前さんが何してるか、抜き打ちで見たかったんだとよ」
「え?」
「ほら、お前さんの自然なトコがみたくて、わざわざ抜き打ちできたんだ。な?」
「む…まあ、そうだ」
「テスタメントさん?」
少女が疑問を感じている事を気にして、船長はたたみかけた。
「とにかく二、三日滞在するんだ。ディズィー、お前さんと相部屋でな」
少女の思考が止まった。
「…え?」
「部屋が余ってないしな」
「えええっ!」
一瞬で少女の頬に赤みが差す。両手を頬に当てる姿は本当に少女そのものだが、その反応に疑問を感じたのは黒髪の男だった。
「どうした?昔は私といつも一緒だったではないか?」
「え、えーと…」
「久しぶりに会って、遠ざけたくなったか?私は外で寝ても…」
「ち、違うんです!その…あの…」
胸の前で指を繰り合わせ、しどろもどろする少女を助けたのも船長だった。
「まあ、その辺はディズィーに任せるさ。以上。俺は少し出るから、お前らもさっさと部屋をでてくれ」
半ば無理やりの形で、二人は廊下に押し戻された。
「…えーっと」
「ディズィー、私は…」
「か、構わないですから!私の部屋で…一緒に寝ましょう…テスタメントさん…」
少女の語尾が小さくなっていくのを黒髪の男は腑に落ちないと思いながら、船長室を後にした。
勝手にちょこちょこ投下…orz
ディズィーカワエエ!GJGJGJ!
続き楽しみにしてるぞ!
そう言やこいつら、森にいた頃は一緒に寝てたんだな……
今まで考えた事も無かった
871 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 21:58:03 ID:Dh4Jd1br
保守あげ
異端な俺は医者のエロ小説が見てみたい。
医者「下からいきますよ!」
874 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 16:12:16 ID:j75sfNPh
ほしゅ
876 :
872:2007/07/05(木) 23:06:28 ID:QVRuUmNf
>>875 本当 だ! あんがと
来たのは去年で色々漁ってたが見落としてたわ。
時期外れでも ・・ハァハァ
保守
>>870 男女で一緒に生活とか、何かと不便なことや困ったことが起こったりしないのかなと
思ってたよ
「ふむ……魔界の物資で作り出せばタダだが……自然繊維の着物も肌に心地よい……今日はどちらに」
「テスタメントさんならやっぱり黒い服が似合いますよ♪」
ガタタタッ!
「ディズィー!?まだ着替え中だ、外に出ていてくれ」
「えっ、ファッションに口を出されるのはお嫌いですか?」
「いやそういう事でなく……お前だって着替えを私に見られるのは嫌だろう」
「そんな事ありませんよ?ファッションの話題で盛り上がれるのは女の子同士の特権だってサキュバスさんも言ってましたし」
「サキュバァァァス!いつ私が女になった!」
「ふぅ……ジャパンの風習だそうだが、風呂という物もなかなか良いものだな……」
「テスタメントさん、お背中流します」
バッシャァァァン!!!
「なななな何故入ってくる!」
「えっ、こういうのって『家族風呂』って言うんじゃないんですか?サキュバスさんに聞きましたよ?」
「サキュバァァァス!!」
「すまない、少々席を外す」
「テスタメントさん、おトイレなら一緒に行きませんか?」
ごしゃっ。
「…………なぜそうなる?」
「えっ、『つれしょん』って友達なら普通にやる事じゃないんですか?サキュバスさんに(ry」
「サキュバァァァス!!!」
サキュwwww
ありそうだからこまるwww
サキュバァァスwwwww
確かに小学生女児とかはたまに個室ですら連れションするよな
884 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 22:40:59 ID:90ntzmiE
ほしゅ
ソルとディズィーが好き
テスタとディズィーをもっとくれ(´Д`)
この二人イイよ
そこにサキュバスが絡んでくれる
>>878みたいなのなら尚イイ
「何?」
「はい!人間の人達と暮らしてみたいんです」
あの時私は、即答こそ避けたが最終的に彼女を送り出してやった。安全と言われた森の中での暮らしでも彼女はいつか巣立つと、そんな思いは前から頭をよぎっていた。
何より彼女が幸せなら、ディズィーが幸せなら、望むなら、私はどんな事でも呑むつもりでいた。
彼女が去ってから、物思いに耽る事が多くなった。それだけ私には大切な存在だったのだと、改めて感じられた。
だが、会いに行く気は全く起きなかった。
今、思う。
私の罪は深い。望んだ訳では無かったが、罪深き存在、ギアになった。多くの者を殺め、手を血で染め、人類を敵に回した。そこに若干の葛藤はあっても、戦時となれば私は躊躇いなく敵を殺した。
しかしディズィーは違う。彼女は人を、他の者を傷付けまいと望み続けた。内にある強大な力を使うことを望まなかった。それ故今、人の中で幸せを見つける事が出来た。
本来、私と対局なのだ。それも綺麗な、太陽と月の様な対局ではない。
清水と泥水。透過と濁り。交われば、清水は汚れてしまう。
私はディズィーと距離を置くことにした。あまつさえ、私を忘れてくれれば良いと思った。改めて思い、自分が恥ずかしいと思ったからだ。
元々、近付いてはいけない存在だったのかも知れない。彼女の屈託無い笑顔は、彼女が真に愛する存在にこそ相応しい。私には眩しく、美し過ぎた。
だから私はただ願う。ディズィーの幸せを願う。彼女が泣かない事を願う。彼女にもっと笑顔が増える事を願う。彼女を愛してくれる者が増える事を願う。そしてほんの僅かでも…私の事を心に留めて置くことを…
「どうして…!」
「…ディズィー?」
「わ、私は一度もそんな事…思わなかったのに…」
何故だ。何故泣く。ディズィー。
「わ、私はずっと…ずっとぉ…」
私には、彼女の言いたいことが解らなかった。
甘(ry
待てこらw
何でそこでryなんだよ
ハックショイ
保守
保守
894 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 23:35:11 ID:GQ/kKLLl
俺もソルとディズィーが好きだ
女体化がみたい
488KB
OKちょっと待っててくれ
>>899 乙。
とりあえず俺の愛を受け取って。
つ□
今日モ今日トテ駄目おりじなるヲ追ウ。途中、中華娘ニ遭遇、モノスゴイ剣幕デ追イ回サレタ。
ソノママデハ駄目おりじなる追跡ニ支障アリト判断、排除スル為臨戦態勢ニ入ル。
ろぼっとデアル以上、駄目人間ノヨウナ性欲ナドハナイノダガ、♀ノ脚ヤラソノ奥ヤラガ垣間見エルト、ソコハカトナク得ヲシタ気分ニナル。
トイウ事デ無駄ニ屈ミナガラ応戦スルワシ。
ワシノ目ハ望遠機能マデ完備サレテイル。見エヌモノナドナイ。
シカシ、「見エタ」ト認識シタ瞬間、チョウド中華娘ノ都合ガイイ位置ニアッタワシノ頭部ガ蹴リ飛バサレタ。
シカモ、駄目おりじなるガワシノ素敵頭部ヲ破壊。コノ上ナク気分ガ悪イ。
頭部ガナケレバ記録モ取レナイノデ、敗北感ト共ニ帰還。
頭部ヲ失クシタ事ヲ博士ニ怒ラレル。「次失くしたらお前首固定するからな」トマデ言ワレタ。ワシハ悪クネェ。ワシハ悪クネェ。
――――――――ロボカイダイアリー文書No.1984より抜粋――――
1984文書ヲ提出シタ後、博士ガ首固定発言ヲ撤回、代ワリニ記録映像ノ提出ヲ求メテキタ。
「研究者が研究結果に興味を持つのは当然だろ」トノコト。
――――――――ロボカイダイアリー文書No.1985より抜粋――――
エロパロ板で同じスレに一日に二回も書き込むのは恥ずかしいが
それでも書き込ませてもらう、
>>902乙w
梅
906 :
埋め:2007/07/31(火) 21:18:17 ID:zqgz4Tjk
ヤタラ鬱蒼トシタ森デ駄目おりじなるヲ発見。排除シヨウトスルモぎあ・でぃずぃーニ妨害サレル。
ぎあト人間ノ混合デアルでぃずぃーハ、マダ己ノ能力ヲ上手クこんとろーる出来ナイ。
シカモ、3歳ニシテコノ身体ハ犯罪、モトイ末恐ロシイ。ツイデニ服装モサリゲナク犯罪、モトイ末恐ロシイ。
年頃ノ娘ガアンア格好ヲスルトハ、ケシカラン。ッテイウカコノぎあ、ワシヨリオ姉サン。
話ヲ戻ソウ。駄目おりじなるガコノ森ニ来テイルノハ、でぃずぃーノ鍛錬ノ為ダトイウ。寛大ナワシハ終ワルマデ待ッテヤルコトニスル。
膝ヲ抱エテ座リ、観察。
コレデ駄目おりじなるトでぃずぃー、二人ノでーたヲ取ル事ガ出来ル。特ニぎあノでーたハ貴重ダ。シッカリ見テオコウ。
鍛錬ガ終ワッタトノコトデ、早速駄目おりじなるヲ排除。最新ノでーたデ貴様ヲ抹殺シテヤル!
シカシ再ビでぃずぃーニ妨害サレル。オ姉チャンドイテ!ソイツ殺セナイ!
鍛錬ノ際ニ駄目おりじなるガ腕ヲ負傷シタカラトノコト。駄目駄目ナ奴メ。
シカシソレデ引キ下ガッテハワシノ面目丸潰レ。強行突破ヲ決行。
次ノ瞬間、でぃずぃーガ「駄目ッ!」ト叫ンダカト思ウト、背中ノ二体ガワシノ頭部ヲ粉砕シタ。
仕方ガナイノデ、駄目おりじなる抹殺ヲ一旦中止、代ワリニ奴ノ団服をオモイッキリメクリ上ゲル。ソノ後速ヤカニ撤退。
駄目おりじなるハ何ヤラ訳ノ分カラナイ事ヲ叫ビ散ラシテイタ。ワシデモ理解不能ナ言語ヲ口走ルトハ、奴ハ一体何者ナノダ。
更ナル調査ガ必要ダ。
頭部ヲ失クシタ事ヲ博士ニ怒ラレル。「駄目。駄目。もう駄目。許さない」ト頭部ノ補充ヲ拒否サレタ。ヒドイ。
――――――――ロボカイダイアリー文書No.1988より抜粋――――
1988文書ヲ提出後、博士ガ急ニ態度ヲ変エテ頭部ヲ3ツホド寄越シヤガッタ。
前回ト同ジク記録映像トノ引キ換エダッタ。何ナノダ、一体。
――――――――ロボカイダイアリー文書No.1989より抜粋――――
>>906 >>オ姉チャンドイテ!ソイツ殺セナイ!
夜中に笑わすなwww
にしても、ロボカイとディズィーには、意外にも
二人とも「駄目っ」と言うという共通点があったんだな
>>906 カイにスカートめくり決行するロボカイに吹き出した。
いや、本当にディズィーのあの服装とおっぱいは全くもってけしからん。