幸野はわたしを抱えあげ、アスファルトの横にある石垣の上に乗せた。公園を背に座らせ、
太腿のあたりまでスカートを捲り上げる。膝のあたりに丸まり、引っかかっている布切れに
目がいく。幸野に脱げと命じられたショーツ。遮るものが無い茂みを、幸野の指先が玩ぶ。
このままだと幸野としてしまう。当然の事ながら。
幸野でない人にも、もしかしたら見つかって……。
わたしの不安を見越したように、幸野の指が狭間に潜る。すっかり準備が整った、濡れた
襞をまさぐる。じわじわと快感を取り戻しながら、覚悟を決めたような、そうでもないような、
中途半端な気持ちだ。迷っているのは、こんな場所でしてしまう事に、だろうか。それとも
幸野との関係が変わってしまう事が、なのか。
乳房を弄っている幸野の手が、先端を指の腹で撫でる。与えられた刺激に、小さく吐息が
漏れた。指先で乳首をピンと弾き、わたしをもう一度濡らしてから、剥きだしの乳房を隠す
ようにコートの前を合わせた。
終わりのつもりなのだろうか。怪訝な顔に答えて、
「誰かが来たら、危ないので」
幸野は短く言うと、片手で張り詰めた固いモノを握る。喉に何か詰まった感じで、言葉も
出なければ唾も飲みこめない。しどけなく素足を投げ出して、ただぼんやりと幸野を見つめ
ている。時折、肌を撫でる風が寒い。ちりちり鳥肌が立った。
「もし誰かに見つかっても、必ず守りますから」
そうしてくれると信じてる。でもひとつだけ聞きたい事があった。
本当にわたしでいいの?
言葉にできないまま、距離が詰まる。幸野の姿が、道路への視界を遮る影になったところで、
瞼を閉じた。何も考えまい、何も思うまい。ただ感じられるように。
切っ先が入り口を探り、濡れた蜜壷にあてがわれた。互いの体が触れ合う、この一瞬に
ドキドキする。躊躇っているのか、弄んでいるのか。焦らすように擦るだけのひと時があって、
待ちくたびれたその秘処から熱い露が滲んだ。はしたなさに顔が赤くなる。
目を瞑っている間に、影が幸野でないモノに変わっていたらどうしよう。ふいに心細く
なり薄目を開けると、変わらず幸野の顔があって安らぐ。
その隙に屹立が押し入った。入り口の襞が巻きこまれ、ひきつる感覚に顔をしかめた。
形を刻みつけるように時間をかけ、じわりと抉る。
これが幸野の硬さ、熱さだ。穿たれ、少しずつ埋められながら、そう感じる。
息を詰めていないと甲高い声を上げそうで、唇を噛み、幸野の胸に縋りつく。すべて打ち
こまれた時、わたしは長い息を吐いた。
「動きますよ」
「ん……やっ、ゆっくり……」
慣れない態勢に戸惑って、抱き止める幸野の腕に身を委ねた。突き上げられるたび、体が
揺れる。肉茎が内襞を引っ掻き、わたしの中が幸野の形に合うように変えられていく。二人
で立てる水音が聞こえる。擦られた襞が熱を持ち、溶け出している気がした。
その動きが、いきなり止まった。
「どうし……たの?」
「バイクがこっちに来ます」
特徴ある爆音が近づいていた。そんな事も気づかないほど溺れていたのかと、愕然とする。
「ごめん、立ってください。夏目さん」
幸野のほうが数倍冷静だ。抱えられて石垣から下りると、蛇行しながら近づくバイクの
ライトが見えた。
「あ、あのね……気づかれないかしら」
バイクは空ぶかししながら、少し離れた場所に止まっている。若い男と小柄な女の二人
連れだ。
「大丈夫でしょう、きっと」
こんな状況で、なぜ幸野は平然としていられるのだろう。
「向こうもカップルだし、こうしてたらこっちも恋人同士に見えますよ」
どう見えるかとか、そういう問題ではなくて。
下を見ると、膝元に丸まっているショーツは無事スカートに隠れていた。とりあえずは
ホッとする。
お尻の辺りにムズムズする感触がした。薄手のスカートの上から、幸野の手が膨らみを
撫でている。睨み返そうとしたが、足元がふらついた。
「爪先立ち、きついですか?」
幸野に抱き寄せられているので、態勢自体は辛くない、けど。
舗道に下ろされた時に、幸野のモノはわたしの中から半分ほど抜け落ちた。肉茎が中途
半端に引っかかり、感じやすい箇所を刺激している。繋がりあった部分から、むず痒いような
快感が生まれて、ぞくぞくするのが止まらない。
バイクのカップルの方を見た。薄茶色の長い髪をかきあげて、女性が何か囁いている。
そして二人同時に、こちらの方を見た……ような気がする。こんなところでシてるなんて、
まさか想像もしないだろうけど、万が一気づかれてしまったらどうしよう。
考えただけで体の奥が熱くなる。埋められた部分がひくんと蠢いた。
ダメだ、耐えられない。おかしくなりそうだ。
いっそひと思いに貫いてくれとか、イかせて欲しいとか、そんな言葉が喉元まで出ていた。
「たす……けて、声……でちゃう……」
「辛かったら踵を下ろして」
かぶりを振った。できない。踵を下ろしたら抜けてしまう。
しっかり支えるためにか、幸野の手が腰をぐっと引き寄せた。その振動だけで、すごく
やばい。体が小刻みに震えた。とろりと蜜が垂れて、太腿を伝っていく。
幸野の手が、蜜の流れた股間を探る。繋がっている場所に触れる。露に濡れた指で、
膨らんだ花芽をまさぐる。
「すごい。洪水だ」
囁きに頬が赤くなった。じぃんとする刺激が、頭頂まで届く。指先がぬるぬると蠢き、
いやらしさを煽った。
追い上げられている。体の中にキモチイイが溜まって、もうすぐ溢れ出しそう。
「あふ……キス、して……おねがい。……あた……しのクチ、ふさいでっ」
でないと、叫んでしまうから。
「喜んで」
ちっとも喜んでなさそうな掠れた声で、幸野は言った。
「んふぅ」
繋がっているのに、イキそうなのに、これが幸野と初めてのキスなんだ。おそるおそる
啄むような、臆病なその唇を、わたしは貪るように吸った。
両腕で幸野の首筋にしがみつく。あのカップルの目に、わたし達はどう映るだろう。
幸野の言うとおり、恋人同士に見えるかもしれない。そう考えると胸がちくりとした。
わたしは快楽に流され、何かの隙間を埋めるために。幸野はそんなわたしに痕を付ける
ために、こうしているのだから。
幸野の肩が僅かに沈んだ。そして突き上げる。衝撃で全身がわなないた。
「んふぅ」
仰け反った拍子に唇は離れ、喘ぎが漏れる。
急に眩しい光に照らされ、バイクのエンジン音が間近に聞こえた。見られているかもと
思ったら、恥ずかしさが膨れ上がる。
「んっ、ん……んーーっ」
ふらつく足元を、幸野がきつく抱き締めて支えた。叫び出す寸前で、荒々しいキスが唇
を塞ぐ。強く吸われた舌が、じんとして痛い。それに応える気力はもう残っていなかった。
周囲の音が遠ざかり、何も聞こえなくなる。二、三度体が揺さぶられ、深く貫かれた。
秘部を抉る肉茎の感触ばかりが生々しく、絡みつくように柔襞がひくひくと痙攣する。
埋め込まれたモノが隙間なく膨らみ、弾ける。
体の奥に熱い樹液を受けながら、わたしは果てていた。
「……夏目さん?」
気が付くと、幸野が必死で呼び掛けていた。ほんの少しだけ意識が飛んでいたかもしれ
ない。ずり落ちそうなわたしの体を、一生懸命支えている。
「えーと、その」
こんな時に何を喋ったらいいか分からない。体はまだ余韻が醒めず、熱く火照っていた。
二人の体液が混じり合った股間は、すごい有様になっている。幸野の顔を直視できずに、
視線を彷徨わせた。
「バイクはどこへ行っちゃったのかな」
「Uターンして大通りの方へ」
答えながら目を逸らしているのは、幸野も同じだ。
「だから……」
手を伸ばし、ゆっくりとコートのボタンを留めてくれる。
「夏目さんのイク顔を見たのは僕だけです。安心しました?」
顔が赤くなるような事を平気で言う。もしかしたら、とんでもない奴に見込まれたのかも。
最後のボタンを留める前に、幸野が付けた痕、胸に散った紅いしるしを見つめた。
「もし良かったら、シャワーを浴びてコーヒーでもいかが?」
そう呟くと、幸野が破顔した。
約束の時間にはまだ五分ほどあったが、出かける準備はすっかり出来ている。幸野は多分
時間きっかりに、下から電話をしてくる筈だ。
気温の高い状態が数日続き、桜の開花宣言が出された。花冷えの気候を挟んで、そろそろ
桜も散り始める頃、幸野から連絡があった。「お花見に行きませんか」と言う。あの夜から
一週間が経っていた。
何のことはない、同僚と花見をするだけだ。行き先もセッティングも全て幸野にお任せ
コースで、身一つで良いという気軽さに、つい乗ってしまったのだが。
職場での幸野の態度は極めて普通だったので、改めて二人で会う事を考えると、妙に心が
騒ぐ。別に特別な関係が始まったわけじゃない。奔流に押し流されたような記憶はまだ残って
いたが、胸のしるしは跡形もなかった。
未だに失恋を引きずり、街中で似た背格好の人を見ると振り返る癖は変わらない。幸野の
言うとおり、強いて忘れる必要もないのだ。それでも、膿んだ傷口にうっすら膜が張るように、
触れるだけで飛び上がるような胸の痛みは、もう無い。少しずつだが、日にち薬が効いていた。
春が行き過ぎるのは早い。N公園の樹木はすっかり様相を変え、あの夜揺れていた雪柳も
新緑の枝葉を茂らせている。満開の桜に誘われて、今夜はそぞろ歩きをする人影がある。
この場所でも花見ができるのではと提案しそうになり、思い止まった。生々しい感覚が蘇り
そうになったから。
車の後部座席には、来る途中で買いこんできたらしき、食料の入った手提げ袋があった。
おいしそうな香りも漂って、空腹を刺激する。
「クーラーボックスでビールも冷えてますから」
準備は万端だと幸野がアピールする。
「車、なのに?」
「飲むのは夏目さんですよ、もちろん」
なるほど。遠慮の必要はないらしい。
助手席に乗り込みシートベルトを締めると、フロントガラスを見つめたまま幸野が言う。
「出かける前に、電話の約束を確認させてください」
「どうぞ」
とくんと大きく心臓が跳ねたが、平静を装って答えた。
幸野の手が、膝上からスカートの下に潜る。ストッキングの感触を捉えて、しまったと
いう顔をした。
「ストッキングはダメだなんて、言わなかったでしょ?」
「そうですね」
さして落胆する様子もなく、上へと撫で回す。手の動きにつれ、太腿の際までスカートが
たくし上げられた。指先が恥丘の茂みに辿りつく。陰毛がストッキングに透け、薄墨色に
翳ったその場所を、ゆっくりと撫でる。
高鳴り始めた鼓動を抑えるため、大きく息を吐いた。
幸野は電話でこう言った。花見に行きましょう、できればスカートで、ショーツは穿かず
に来て下さいと。その申し出に強制力は無かった。
「ありがとう。じゃあ、出かけましょうか」
何事も無かったようにスカートの裾を整えると、車は滑り出した。
瞼の奥で雪柳の白い花が揺れる。触れられた部分が、ほんのり熱を持っていた。
『雪柳』 ―― fin.
gj!
濃厚な感じがして良かったです。
幸野君の気持ちが知りたくなりますね。彼の視点から書かれててもおもしろいだろうな。
おもしろかったです!
今、ビール飲みながら読んだので、幸野君に会いたくなりました。
真面目で優しくてちょっと危ない・・・
そうゆう人ってあこがれますよね〜
エチーもすごく萌え〜〜ハァハァ・・・
う〜ん、秀作だなぁ。
そして、幸野はかなりの手練とみたw
もちろん、作者さんもね。
111 :
32:2005/06/12(日) 22:41:01 ID:pR6s14AE
>>107 GJ!!!
>32=111
これも面白かったです
続き是非書いて下さい
>111
うん。おもしろかった。
私も続き読んでみたい。あちらでまたお願いします。
スレタイだけど、「おんなのこでも感じる」じゃなくて「おんなのこが
感じる」又は「おんなのこしか感じない」とした方が良かったんじゃない。
おとこのこには物足りないと思うよ、ウン。
純愛スキーにとってはそうでもない罠
117 :
32、111:2005/06/18(土) 00:06:17 ID:7BvohwTB
>>113様、
>>114様有難うございます。続き希望まで頂けるとは嬉しい限りです。
無い知恵振り絞って頑張ります。(どっち視点で書くべきか・・・ううう)
あっちって、1人の作家さんに対するマンセーがモノ凄いです。実際名SSなんですが。
>>107様、GJです! (良い遅れてしまい大変失礼致しました)萌えました!
>107
感じた。
>117
それでもなんでもさらっとクールに投下。
>>117 一人の神だけのスレになるのは危険なので
そういった意味でも投下した方がいいと思います
つーかお願いします
>>107 GJ!!!
120 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 01:47:01 ID:7TIjz1Zf
>107 よかった。ちょっと強引な彼がステキ。
よい書き手さんが出てきたとこですが、
館もん。の人もまた書いてもらえないかな?
まとめサイトでまとめて読んだら未消化の伏線がすっごい気になるよ…
キャラひとりひとりが立っててそれぞれが優しくてちょっと哀しくてとても好きだ。
リアルタイムでGJ!言えんかったので。
いろんな作者がいて、色んな好みの読者がいるのがいいと思うので
是非お願いします。待ってます。
女性向けオリジナル恋愛小説系のスレッドって無いんでしょうか?
>>121 それってエロ無し? エロありなら、ここがそうだけど……?
>>122 「女性向け」の意味がちょっと違うんじゃないのかな?
女性向け、ってまぎらわしいんだよね。
801だとしても男女だとしても女性向け。だけど大概801の意味で使われてるし・・・
すみません、801じゃなくエロメインでもない、男女カプのって意味です。
そうか、801って思われちゃうんですね、すみません。
そこら辺の話ができるようなスレは無いのかなぁ〜とフラフラ捜し歩いてました。
「女性向け」だと同性愛入っちゃうのが悲しいなー。
ゲーム雑誌買いたいけどボブゲ情報も載ってるから手が打線。
>>121 ここじゃだめなの?
だって、ここエロパロ板じゃないか
エロくない作品スレもオリジナル掲載は可みたいだけれど女性向けとは言い難いし、
言われてみれば盲点だな。
自分は創作文芸板で似たスレがないか相談してから立ててみる、ぐらいしか
案を思いつかない、該当スレかもっといい案を思いついた方よろしく。
ここだと、作品掲載がメインって感じだもんね。
全般的にオンノベの女性向け(801に非ず)な作品についてあーだこーだ喋れる場って無いね、本当に。
スレ立てして貰えるなら有り難いかもしれないな。こう喋ってみたいネタはある(*´д`*)
>ここだと、作品掲載がメイン
情報交換もモウマンタイだった筈なのだけど。 >過去スレ
むしろ、投下待ちの間にまったり紹介語りなどできたらヨサゲな希ガス。
>130
ありがとー、121ではないけど覗いてきまっす。
>130
おお、まさにこういう場!
あったんだね〜。
らぶえっちサイトとおな感的サイトって
違うカテだと自分は思うんですが。
皆さんはどうです?
2chは一応エロ禁止だからなあ。
130のスレは恋愛全般用で、エロ苦手な人も利用するんだよな。
だから直接的な話は避けようとする空気がある。
気兼ねなく濃い話までしたいなら、エロ同人にでもスレを立てたらどうだろう。
初投稿です。物足りなかったら吸いません。
あんな風になら、いいかもしれない。
少女は歳の離れた恋人とさっき見た映画のラブシーンを思い出した。
一度は離れ離れになって長い間互いを探し続けていた恋人同士が、困難を乗り越え
ついに再開した感動のクライマックス。そしてベッドシーン。互いに向かい合って
ゆっくりとボタンを外し、男が女の下着を優しく外し、徐々に肌が合わさっていった。
男の手が、観客の視線から守るかのように女の胸を覆った。・・・・・・美しかった。いやら
しさなど微塵も感じさせなかった。
――――ずっと待ってる。私が子供だから。
少女は恋人の背中を見ながら思った。彼が自分とああいうことをしたくないわけが
ない・・・・・・はず・・・・・なのに、去年付き会い始めた時から、ずっと待っててくれている。
今はまだ早いといって。今しても、怖いだけでそれほど気分が良くならないだろうから、と。
最初は自分もそう思った。今でもやっぱりそうなのかな。けど・・・・・・
そして、思考は振り出しに戻る。恋人の部屋でココアを飲みながら。
そう、こうして何度も部屋へ行っているのに、何も起きていないのだ!
少女は恋人との今までのスキンシップを思い出した。抱きしめられると、とても気持ちがいい。
のど仏に触ること、膝の上に乗ること、羽のようなキスを何度もすること、
時々当たる髭の剃り残し、大きな手なのに綺麗な指で髪を触られること・・・・・・みんな気持ちがよくて、好きだ。
服を取り払って全身で体温を感じられたら、もっと気持ちがいいのではないだろうか? 好奇心は尽きない。
いつからか、会う日は下着にも気を使うようになっていた。まだ、誰にも見せたことはないけれど。
そろそろ・・・・・・イイ頃じゃないだろうか? 折角買った下着を、見せてみたい。何も起きず、
余裕のある表情でにこやかに自分を迎え入れる恋人。唇より下には決してキスをしない恋人。複雑な気分を感じる。
クラスの何人かは、もう済ませたと言っていた。一年も経つのに、私は子供扱いだ。――――女として見て貰えてない。
少女のそんな気分も知らず、恋人は少女に背を向けてソファへ座り、エアコンのリモコン電池を交換している。
ココアのカップを流しに置いて、少女は決意した。ただ待っているだけではだめだ。映画のヒロインは自ら立ち
ふさがる障害に挑み、成功したじゃないか。
レースのカーディガンを脱ぎ、キャミソールのワンピース一枚になって、
ソファに座る恋人の首に後ろから背もたれ越しに抱きつく。「ねぇ・・・・・・」
ああ、トリップじゃなくて#1、#2のつもりだったのに・・・;
つづきまだ〜?(AA略
面白そう
139 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 23:47:04 ID:ip64v2KD
ムッハー(AAry)
事情により明日またうpします。
お待ちしてますノシ
恋人が振りかえった。両腕を前に伸ばして前屈みになった胸元からは、最近買ったブラがちらりと見える。
そのまま恋人に口付け、相手の唇を舌先で恐る恐るちょっと舐めた。心臓が暴れた。
シャンプーの匂いと胸元からのぞくきめこまかい美しい肌、途中からそれを覆う可愛らしい下着。
年齢の割には少しだけませた発育の胸。「・・・・・・してもいいのに」真っ直ぐ自分を見つめる潤んだ大きな瞳。緊張した声。
少女の胸元を見ながら少し考えた後、恋人は表情を変えた。今までに見せたことのない顔だ。少女の皮膚が粟立つ。
「さっきの映画に影響されただけだ。実際はお前が考えてるのと違うよ。――――あんなもんじゃないってw」
彼は口元だけ笑ってそれ以上少女の服に手をかけようとはしなかった。といっても、レースのカーディガンは
少女が自分から脱いでしまったし、どうやら勝負下着も見せているつもりらしい。・・・・・・やれやれ。
しかし、何もしないわけではない。キャミソールのワンピース一枚になった少女を不意に抱きしめ、
背中と片方の膝の裏を抱え上げ不安定な体勢にさせると、少女は慌てて首にしがみついた。背もたれを越えて
己の膝にまたぐ様に座らせる。驚いて開いた唇に己のそれを重ねた後、彼はやおら舌を侵入させてきた。
あのシーンの様に。
訂正 それ以上→全く
ラベンダーの人がんがれ!
続きワクワク!
脱がさないにしても、ちょっとした悪ふざけくらい許されるべきだ。
男を挑発してしまうことが、どういうことなのか・・・
舌で歯の裏側くすぐってやると、腕の中で少女の身体がこわばり、
初めて経験する陶酔と混乱が入り混じり背中が震えるのを感じた。顔を引いても
追われ、舌に深く踏み込まれ、開かれた自分の足がつま先を伸ばしてもぎりぎりで
床につかない事を知ると、混乱は次第に増した。
もう身体が引けて来る。そのまま腰をしっかりと捕まえれば、とうとう身体を仰け
反らせて逃げ出し始めた。唇が離れ、少女は喘いだ。「んぁ、は・・・・・・っ」
仰け反った所を逃さず、今度は首筋を跡がつかないよう慎重に唇でなぞり、舌で汗
を味わう様に舐め、肩紐のそばで強く吸った。「あ、やぁ・・・・・・」鎖骨には歯を立
ててみた。片腕は腰を捕らえ、時おり太ももまでのラインをなぞり、もう片方は男
の手を知らぬふくらみを服の上から愛撫する。まだ鷲掴みには物足りない。
少女はある意味珍しいほど純粋だった。これほどの素材をむざむざ馬鹿な女に
仕上げるつもりはない。心身ともに未熟なうちからの行為は、行為そのものに
愛を見出すのではなく、行為の代償として愛を求めるようになる。いつのまにか、
自分の身体を切り札にし始め、思い通りの効果が得られなければ勝手に自尊心を貶める。
少女には、肌を重ねる代償として愛が存在するなどとは思って欲しくなかった。
あれ自信に意味を認識できる純粋さと成熟を持って欲しかった。純粋だが、成熟にはまだ時間がかかる。
今回の悪ふざけも、引き際が肝心だ。
胸元にいくつか跡をつけ、しばらく少女の肌の匂いを楽しんだ。胸は下から上への愛撫に弱いことを知った。
耳を噛んでやると、面白い反応が返ってくるのでくすくす笑った。
少女には、まるで恋人が別人に豹変したかのように感じられた。得体の知れない感触。それゆえに得体の知れない怖さ。
「あっ、ゃだ・・・・やだ・・・・ごめんなさい・・・」少女は両腕を男の肩に突っ張り、今にも泣き出しそうにな顔で哀願した。
予想通りだ。こんな顔を見たくて、ついいじめてしまった。余裕のある悪ふざけも、ここまでが限度だ。何より、彼自信の。
「ごめんなさい。でも・・・・・・きらいにならないで」
少しして自分を解放した彼をまっすぐ見つめ、涙をぽろんとこぼして少女は言った。
それを見て彼は吹き出した。「嫌わないよ」少女にレースのカーディガンを着せ、
寮まで送るために車に乗せる。寮の門限は早い。
「しばらく胸の開いた服着るなよ。俺の前でも」少女は顔を火照らせたまま
カーディガンを胸の前でかき合わせた。あの様子なら、これから更に発育が期待できるだろう。
待つのも楽しみのうちだ。急いたり、がっついたりするような歳でもない。ゆっくり待ったとしても、
少女が自分の元から離れないことは確信している。今まで時間をかけてそのように仕込んでいるのだから。
今日は特別念入りに。
別れ際、彼は少女にだけ聞こえる様に窓から囁いた。「大人になったら楽しみにしてるよ」
Fin
ハァハァ
GJ!…色んな要素がツボだ
短いながらも実に濃い! そして深い‥‥
とても楽しめるSSをありがとう。
訂正 5のところ
あれ自信に→あれ自体に
(・∀・)GJ !
うはーGJGJ!
>心身ともに未熟なうちからの行為は、行為そのものに
>愛を見出すのではなく、行為の代償として愛を求めるようになる。いつのまにか、
>自分の身体を切り札にし始め、思い通りの効果が得られなければ勝手に自尊心を貶める。
↑
には色々考えさせられる〜
めっさよかったです。他の作品もあったら読んでみたい。
153 :
男:2005/06/30(木) 16:02:55 ID:fDw6ivqH
男にとって、ここは天国のようなスレですね。
>>153 もしお読み頂いてたらでいいんですけど、こういう話って男性でも
楽しめますか? 物足りないとか、生殺しだとか思いますか?
ラベンダーは色の名前です。日本語訳すると若紫。
少女のどこかが今日はラベンダー色でした。
処女調教って萌えるなあ…
>>154 いいと思いますよ。何より、
>>152でも評されている部分が素晴らしい。
そこまで正しく考えて踏みとどまってる男ってエライやっちゃなあ、と。
こういう物足りなさや生殺しを「萌え」と解釈する男も少なくないです。
ヤルだけが能じゃない、その手前も楽しむのさ、という意味合いで。
そういう楽しみ方って、むしろここ最近の男のオタクにとっては
標準的な感覚なんじゃないかな。
と、こんな程度の事柄でよいのなら。
少なくとも、ここに来る男で、不快がる読者はあまりいないんじゃないかな。
自分は楽しめましたよ。イイヨイイヨー、という感じです。
>>154 ぶっちゃけた話、オサーンな俺としてもこういった話の方が面白いと思うね。
露骨な話するけど、実際のエチでもただヤルよりも、その前の過程の方が
実際は楽しかったりする。むしろ体の快感よりも心の快感を楽しむって感じかな。
そういった意味では、今回の話は面白かったと俺も思うし
>>156の意見にも賛成。
今更読んでみたけど凄いね>ラベンダー
面白いし参考になるっつーか・・・いやまあ色々と
また気が向いたら、是非とも書いてもらいたいなあ
159 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 06:02:37 ID:71dS39+C
早くからHに興味を持つおんなのこ達にも読んで欲しい。
160 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 11:33:33 ID:As5ANGRI
この手の意味でチソコに余裕のある男はカッコイイですな。
とてもGJだから、俺は体を小刻み震わしイッた。
163 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 18:48:29 ID:As5ANGRI
調教か?
調教っしょ。十分
165 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 21:55:17 ID:71dS39+C
少女はあの日の感触を思い出して夜な夜な…グフ
そしてちゃっちゃと寝てくれる同い年の少年と行方をくらまします(酷
そろそろ男の下品トークは終わりにしよう。
職人さんが困って書き込めなくなってるのかも知れない。
などと要らん気を回してみる。
いやいや、男性側の意見も聞けるのはなかなか興味深い。
荒らしでない率直な感想であれば、職人さん方も参考になるんじゃなかろうか。
このスレ見てて思い出した某板のレス
84 名前:わんにゃん@名無しさん[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 20:21:51 ID:KaPALV9C
アツシは16歳嫌いか?
つーか、女懐かせるのに淫行する奴は三流
オレは8年セクースレス
85 名前:1[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 21:31:30 ID:EV7NT5/G
俺は同年代ないし年上趣味だ。
人格形成途上の小便臭い小娘などに興味はない。
淫行はちゃんと懐かせた後にするなら大いにオッケーだ。
大いに肯ける説得力を持ったSSであった。誉めてつかわす>ラベンダー
心身ともに未熟な女だけでなく、女はみんな抱かれるとああなるよ>ラベンダー
男に抱かれる=人格と尊厳を失う って考えてるのがほとんど。
男だって発情してる時は人格も尊厳も残ってないし、認識する必要もない。
この男になら失わされてもイイ(しっかりと私の人格と尊厳を保障&保証
してくれる人だから)って思うから肉体関係が成立するわけで。
肉体関係がその場の快感とムードだけで成り立ってて代償に愛がなければ耐えられないよ。女は。
むしろ心身ともに未熟な女は抱かれることで精神的には一度死ぬってことを
わかってない女のことだよ。人格や尊厳のことをわかってないというか・・・
だから誰とでも寝られる。すぐ別れても決して傷つかない。
つ人それぞれ
>>170 >こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界では挽肉です。。。
まで読んだ
>>171 に同意
>>170 の言いたい事も少しは分かるような気はするが
自分の考えだけで「女はみんな」と括ってしまうのはどうかと。
170は昔何かあったの?
それこそラベンダーの「男」は昔何かあったの?となるが
かっこよく見せかけてロリコンじゃね?
ロリコンに走るほどの「馬鹿な女」とガチンコ対決?
あしながおじさんとかマイフェアレディ好きなんで、よかったよー<ラベンダー
ネットで違和感なく読めるエロ小説探すこと自体なかなか大変。
おっさんが自分のオナニーとして書いてる小説が多くてさ、動機自体は別にいいとして
女の子の服装が(フェチっぽく細かく書いてる割に)ダサ杉たり
女の子の考え方なんかがあまりに男に都合いいように単純化されてたり
男があまりに自分勝手だったり
「秘肉」とかフランス書院風?の言葉遣いに
読んでて萎えるんだよ。
男性作者がいけないって言ってる訳じゃないんで念の為。
そんな訳でこのスレ見つけてよかった。
ラベンダーはよかったっす。
>178
わかるよ。そのキモチ。
>>178 なんかにフェチ持ってりゃそういうの度外視して読むことはできるんだけどな…
ノーマルは確かにあまりいいものないな。
182 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 22:57:11 ID:/jNCNG+V
突き上げ
つき下げ
揉み上げ
今更ながらラベンダーGJ!
自分には年上の余裕男との交際経験は無いだけに、
かなり憧れ&萌えるシチュだ。
10代くらいの頃は、同年代の男の子より年上の男性に憧れたりするもんだよね。
自分だって子供なのに
「青臭いガキなんかより、大人の男の方がいいわ!」みたいなw
ラベンダーGJ。
炉物はあんま好きじゃないんだが、これはいい。
男女両方の心理をうまく書いてる。純愛と調教を両立させてるのもうまいなー
この娘はさぞかしいい女になるんだろうな。
余裕こきながらも年下娘にメロメロな男もエロカッコイイ
188 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/14(日) 00:38:58 ID:KMrG18CU
保守
189 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/14(日) 22:40:15 ID:KxbSDm7I
そうか、若紫君。
よいセンスをお持ちなのですね。
ぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
保守
創作とは分かっていても、嫌がってるのに無理矢理中出しとか
あんまり慣らされてないのに挿入されたりするSSを読むと、
何だかリアルに女の子が可哀想だと思ってしまう…orzワタシダケカ
>>196 ノシ
ここでも時々そういう小説見かけるけど。
お盆っぽいSS書きかけてたんですがもう秋ですね…
来年にでも投下しましょうか
>>198 時期はずれでも(゚ε゚)キニシナイ!!
投下おながいします
>>186 男だって、10代のころは同級生のコよりは年上のおねーさんに
目が向いているんじゃないかなぁと思ったり。