【女装】処女はお姉さまに恋してる 第3話【百合】

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1名無しさん@ピンキー
ここは「処女はお姉さまに恋してる」のSSスレです。
優雅に礼節を以て投下しましょう。

前スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第2話【百合】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110222716/

メーカー公式
ttp://www.caramel-box.com/

処女はお姉さまに恋してるSS保管庫(仮)
ttp://www.type90.com/otome/index.html

過去スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108774069/

関連スレ
キャラメルBOX Part15
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1108782112/
処女はお姉さまに恋してる 第12話
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1110602660/
おとぼく風におっしゃると
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1107183479/
2名無しさん@ピンキー:05/03/13 05:32:42 ID:7OhiFg7T
2ゲットですわ、お姉様。
3ヤマモン:05/03/13 07:23:24 ID:rUdHJU3J
3get 1様乙かれさまです
4名無しさん@ピンキー:05/03/13 11:07:18 ID:VVSODIbo
>>1ちゃん乙〜
けど、関連スレはh抜かないで欲しかったわね〜。
5名無しさん@ピンキー:05/03/13 11:33:21 ID:QxWvatLS
>>1子ちゃんお疲れ
6402:05/03/13 11:46:12 ID:UnRRGIju
>>1さん
スレたておつですのよ〜
7名無しさん@ピンキー:05/03/13 11:46:52 ID:i72mRK7g
>>1お姉さま、お疲れ様ですわ。
8名無しさん@ピンキー:05/03/13 12:03:02 ID:eZy9iXjc
>>1子ちゃんお疲れ様
9名無しさん@ピンキー:05/03/13 12:39:55 ID:XVJYvOOj
>>1子さんお疲れ様です。
10名無しさん@ピンキー:05/03/13 13:06:16 ID:EyqMQYtK
前スレ、あのまま10分放置なんだが、書き込んでいいんだろうか
11名無しさん@ピンキー:05/03/13 14:15:09 ID:fbOi7vfD
もういいだろ。
12名無しさん@ピンキー:05/03/13 14:47:56 ID:gFkOL/Zd
仮面エルダーのお面がわからなったので、「能面 橋姫 生成」でぐぐってみた。

(゚д゚)

圭さん恐すぎ。((;ovz))
13名無しさん@ピンキー:05/03/13 15:04:13 ID:eZy9iXjc
>>12
本当に怖いなぁ…
14名無しさん@ピンキー:05/03/13 15:06:40 ID:KH8Xt+Cd
ググってみたけど、日本の職人芸って凄いんだなぁ、と。
15名無しさん@ピンキー:05/03/13 16:07:17 ID:+P0Pnsb8
とりあえずなんだ。流れ早すぎ&GJ。
特攻野郎Aチームにタイガーマスクにヘルシングコピペと小ネタ職人さま達もステキすぎるし(笑)
16名無しさん@ピンキー:05/03/13 16:09:26 ID:KH8Xt+Cd
幸穂と慶行の思い出話とか思いついたんだけど、テーマが異色だから、やや心配であります。
ずばり、GOサイン出ますか?
17名無しさん@ピンキー:05/03/13 16:16:07 ID:k9NkJgIQ
>>16

・・・はぁ
18名無しさん@ピンキー:05/03/13 16:40:50 ID:eoq93oE6
>>保管庫の人
せっかく作って頂いて申し訳ないんですけど、画像重すぎかと……。
画像をpngからJPEGあたりにして、もう少し面積狭くしてもらえると嬉しいです。

すんません。ISDNだったりするもんで……。
19名無しさん@ピンキー:05/03/13 16:42:11 ID:bMD2Z+ye
>>16
さすがにそこまで脇役に偏ると需要ないかも

>>17
前スレでの流れからの発言だったとしたら、
投下してから聞くのと投下前に聞くのは違うと思う。
実際初代スレでは瑞穂陵辱がそれで流れてるし。
違ったら悪いな、何せそのレスだけでは何もわからないんだよ。
わかってるのは、その中身が皆無で空気だけ悪くしてるお前のレスが一番迷惑な事だ。
20新興宗教:05/03/13 16:42:17 ID:x6ZiLK4M
前のスレ717の続きを投下します。

21新興宗教:05/03/13 16:43:18 ID:x6ZiLK4M
第3話

「で、いつまで祈りをささげているのかな?」
「さあ?とりあえず、瑞穂ちゃん教室に入ったら?
 もう見てるの嫌だろうし。」
「そうだね。ここはエルダーとしてびしっと決めないと。」

教室に入るなり僕は心持大きな声で言った。
「おはようございます。」
「あら?おはようございます。瑞穂さん。」
「いあ・いあ・はすたー」
「だからそれはあいさつではないんですってば。」
「そうですよ圭さん。瑞穂さんにかけるのはまだ早いです。」
「は?」
「あぁぁぁ・・・。いえいえいえこちらの話です。」
「ともかくも、これは何ですか?」
「瑞穂が知っていい事ではないわ。」
「はあ・・。」
「願いは誰かにかなえてもらうものではないというけど
 かなえてもらいたい願いもたくさんあるものよ。」
「はあ・・・。ともかく、黒板を綺麗にしていただけますか?」
22新興宗教:05/03/13 16:44:20 ID:x6ZiLK4M
キーンコーンカーンコーン・・・。

放課後になると、美智子さんと圭さんとはいつもどおり二人で下校していった。
はずだった。

「あら?紫苑さまじゃないですか。」
「あ、美智子さん。下校ですか?」
「ええ、それよりも紫苑さま、十条家では大変だそうですね。」
「・・・!どうしてそれを?」
「実はあのお方にお話していただいたのです。」
「あのお方とは・・?」
紫苑さんはいつにもない鋭い目つきで私をにらんでいました。

「・・・なるほど。全てを知りつくしている男ですか。」
「会って見ますか?」
「ええ、それはもちろん。そんな事を知っているのはごく一部の人間だけですから。」
23新興宗教:05/03/13 16:50:09 ID:Ak3MMLxG
4話

「紫苑さまも入団なさったそうよ」
「ええ! じゃあ、私も入ろうかしら?」
「信じるものは望みがかなうそうよ。」
そんな噂が広まるのはいつもの如くかなり早かった。
みんな噂話が大好きなんだろう。

私は、美智子さんと圭さんがはまっているのを見ただけで
中身がどんなものか分からない。
どうやら、紫苑様が信仰し始めたのは正しい情報らしく
紫苑様自らが布教をしているらしい。

どんなものなんだろう。
すごく気になる。

そこで、私は美智子さんに直接聴くことにした。
「美智子さん。」
「まりやさん。紫苑様ですか?瑞穂さんでしょうか?」
「いいえ、美智子さんあなたに用があるんだけど。」
「私に・・・ですか?」
「ええ。」
「あなた、最近新手の宗教を広めてるらしいけどあれは何なの?」
「あれですか?いあいあ教ですけれど。」
「いあいあ教ね。」
24新興宗教:05/03/13 16:50:53 ID:Ak3MMLxG
「簡単な事です。
 全能なる神の一族の落ちこぼれが本当の神に復讐する為に
 人間に神なる力を与えてくださっているのです。」
「それが、いあ いあ はすたあ くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ・・・」
「あい あい はすたあ ビヤーキー!!!!
 しっかり覚えてらっしゃるじゃないですか。
 それを、魔法陣の前でしっかり祈ります。
 神がその祈りを認めてくださったときに願いがかなうのです。」
「あんたね・・・大体、神が本当にそんなこと分かるわけないでしょ。」
「何を言ってるんですか。神は本当に私達の事を見ているのです。
 まりやさんのこともご存知でしたよ。」
「ふん、ばかばかしい。何を知ってるって言うのよ。」
「毎年、鏑木の家に行って酒で酔った振りして御曹司に色目使ってるそうですね。」
「なにが、そんなことしますか。」
いや、やったけどさ。
「昔、骨にひびを入れた時に負ぶってもらったのも彼なんですよね。」
「なんで・・・・。」
「神は何でも知っているのです。」

わたしは、にわかに信じがたった彼女の言葉を
受け入れようとしていた。
25新興宗教:05/03/13 16:54:32 ID:Ak3MMLxG
第5話

かなりの人数が信仰し始めました。
神様が言うには
「瑞穂を男にしたいなら、多くの人の前で呪文をかけなければいけない。
 生物の性を変えるのは本来ないことだからな」
だそうで、そのためにも多くの信者が必要でした。

あんなにお美しい瑞穂さんを手玉にとってあんあん言わせてみたい。
そして、圭さんもいっしょに3人で・・・。
男だなんてもったいない。

そもそも、学生を巻き込んでいることには多少の罪悪感がありました。
神様とは私のお願いだけに関してだけしか約束していなかったからです。

「…そろそろ最終段階。」
ふと、私は部屋でつぶやきました。
講堂に何も知らない瑞穂さんを連れてきて
神様の前で全員でお祈りするのです。

そのための口実も考えなくてはいけませんが
エルダーを祝福するためとでもいえば、
自然と生徒は集まるに決まっています。

勝ちは目前でした。
26新興宗教:05/03/13 16:56:24 ID:Ak3MMLxG
恐怖のバレンタインデーが終わったあと
私は、計画を実行にうつしました。

「瑞穂さん。」
「はい。」
「ちょっと、講堂にきていただけませんか?」
「いまからですか?」
「ええ。まさに今です。」
「別に問題はありませんが・・・。」
不審な顔をする瑞穂さん。
最近宗教に凝っているとの噂が正しい事を知ってから
あまり近寄ってこなくなっていましたから。
「ならば、今すぐきてください。」

美智子さんに講堂に連れてこられると、真っ先に見えてきたのが
「まりや!」
「ああ、瑞穂ちゃん。神の祝福を受けるんだってね。いいなー。」
「祝福?」
「そうそう、神の祝福を受けると、力が得られるらしいよ。」
「まりやさん。瑞穂さんは何もご存じないのです。
 そのほうが、効果も高まるとあの方は。」
「なるほど。で、あのお方は今日いらっしゃるとお聞きしたのですが。」
「ええ、祝福のために。」
27新興宗教:05/03/13 16:57:20 ID:Ak3MMLxG
いあ いあ はすたあ
くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ・・・
あい あい はすたあ ビヤーキー!!!!
いあ いあ はすたあ
くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ・・・
あい あい はすたあ ビヤーキー!!!!

こんな怪しげな呪文が響く講堂は異様な空気に包まれていた。
あれ男の人だ。
なんでこんなところに?

「こんにちは。私は神の一族です。」
キャーーー。黄色い声が上がる。
相当信奉されているらしい。
「美智子さん。」
「はい。」
その呼びかけで、僕は檀の真ん中に設置された台に立たされた。
「神はいいます。宮小路瑞穂は男です。」
―――っ。

講堂が静まり返った。
28新興宗教:05/03/13 16:58:19 ID:Ak3MMLxG
以上です。

29名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:07:53 ID:EhYo9ZSz
・・・うわぁ・・・
「やおい」なんて久々に見たな。
(注、やま無し、オチ無し、意味無し、の方)
まりやと紫苑と圭があっさり洗脳されてるのも、ちょっと…
ていうか、クトゥルー神話…
クラウディウスかよ
30名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:10:28 ID:eoq93oE6
わたしゃ新興宗教の男がてっきり親父さまかと……。
31名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:10:52 ID:JVNDe7aD
業務連絡。

まとめサイトの管理人様へ

君枝の話の題名は、 眼鏡は伊達ではありません。
でお願いします。
32名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:18:08 ID:JVNDe7aD
すいません追記です。
処女は僕に恋してる第2話なんですが、よろしければ瑞穂のカテゴリーに入れては貰えませんでしょうか。
本当にお手数おかけして申し訳ないです。
33名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:19:34 ID:sNvU2pPM
>>16
<<Gree Light!.>>16 Green Light.>>
と、個人的には言いたいところであります。そういう脇キャラものって以外と好きなんで。
34名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:34:42 ID:QxWvatLS
>>28
なにやら怪しい雰囲気になってきたね。
・・・陵辱モノになるんだろうか?
3516:05/03/13 17:35:33 ID:GBKIcy1U
空気読めなくてすまんかった。
もし自分に次のチャンスがあるならば、黙って受け入れられるようなネタを書きたいと思う。
というわけで、今回は見送ります。
36名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:36:12 ID:N00jfkK/
>34
いや、続かないって
あれで終わりだってばさ
37新興宗教:05/03/13 17:45:56 ID:Ak3MMLxG
いやいや、続きますよ。
どっちにしてもやおいですが。
38名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:50:28 ID:ie8Q4X2f
おお、あれで終わりだったのか。
って事で神の中の人とEND後妄想。
神が父説→神の力で瑞穂を男にしたと宣言、瑞穂女装解除解禁、ハーレムルート
神が厳島の兄or父説(貴子出てこなかったな、そういえば)→陵辱ルート
39名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:51:13 ID:ie8Q4X2f
>>37
ごめんorz
リログしてなかったよ・・・
40名無しさん@ピンキー:05/03/13 17:51:30 ID:N00jfkK/
>37
む、そうだったのか
早合点スマソ
41新興宗教:05/03/13 18:03:38 ID:Ak3MMLxG
ってか・・・>>38に先読まれたorz
書き直さないと・・・。

というか、名前欄が新興宗教ってなんかやだorz
42名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:06:24 ID:JVNDe7aD
>>41
38の上か下かにもよるが、上だったら激しく読みたいぞ。
変えるな!!変えないでくれ!!
43白菊伝説 続き:05/03/13 18:17:01 ID:Omox73KP
一気に書き上げてるが詰まったので先公開

すまそ、前スレの人タチ
初SSなので自信もなんもないので聞いてしまふようなレスつけてしもうた

次で終わらせる予定

んじゃ、サクっといきます

44白菊伝説 続き:05/03/13 18:17:50 ID:Omox73KP
「それでは奏さん、こちらもまだ部活の続きがございますので、一旦失礼させていただきますわ」
「はい、由佳里さんも頑張ってくださいなのですよぉ」

由佳里は軽く手を振って、また、グランドの中に戻っていく
奏も手を振り校舎へ向かった。
今や、恵泉の2大巨頭になりつつある二人を遠巻きに眺めていた登校途中の生徒も
眩しそうに二人を見ていたが、勉学に励む為校舎に向かう

「今日はいい日ですわ〜。奏お姉さまと由佳里お姉さまのツーショットを見てしまいましたわ」
「そうですわね〜。なんか今日一日が薔薇色になった気分ですわ」
「そういえば、今年のエルダー選挙も、いよいよ来週ですわね」
「私は、奏お姉さまに1票いれますわ」
「あ、私もそうしますわ。奏お姉さまのお優しい笑顔、もう見ているだけで
私もう、何もいりませんもの」
「あら、私は由佳里お姉さまに1票いれますわ」
「私も由佳里お姉さまに1票をいれますわぁ。あの凛々しい生徒総会のお姿
それに飾らない態度、それにいまや恵泉1のスポーツウーマンですし。
今度の全国大会は、先生に聞いたとこによると、
恵泉運動部史上初の全国大会での優勝の可能性もおありだとか」
45白菊伝説 続き:05/03/13 18:18:54 ID:Omox73KP
登校途中にもかかわらず、アッと言うまにそれぞれの支持するお姉さまの意見を言う人だかりが
出来てしまっていた。さらに奏派 由佳里派に分かれてそれぞれ意見を言い合っている。

「奏お姉さまですわ エルダーに相応しいお優しさをお持ちで、
この前など私が体調不良で貧血で倒れそうなのを、そっと横から支えて下さり、
『お加減が悪い様に見えましたから、さしでがましいとは思いますが私と一緒に保険室に
向かいませんか?』と、あの小さな体で私を支えてくださり、
私が遠慮しようとしたらお察ししたのか
『遠慮しては駄目なのですよ。私では支えにはちょっと不安かもしれませんけど、
支えさして下さいなのですよ』と、私大柄なのに支えてくださって、
私、貧血どころか奏お姉さまの心使いと柔らかさとちっちゃさとモキュモキュ感
に鼻血・・・あっ?あぁ〜!いえ、そうではなくて、
と、とりあえず奏お姉さまは素晴らしい方なのです」

「いいえ、由佳里お姉さまです」
「いいえ、いいえ、奏お姉さまですわ」
「いいえ、いいえ、いいえ、由佳里お姉さまに決まっています」

と、どんどんヒートアップしていく

・・・結局 その場は予鈴が鳴り、自分の意見を言い合うだけですんだのだが
思えば、何気ないこの会話がとてつもない火種として、
恵泉を2部する抗争になるとは誰も思わなかったのでる・・・
46白菊伝説 続き:05/03/13 18:20:27 ID:Omox73KP
そして お昼休み 奏は由佳里を誘ってテラスにて、寮のサンドイッチを二人で食べている
飲み物は、奏が「新鮮イチゴ120%」由佳里は「大人の味 抹茶ソーダ」なのは二人の定番だ
ちなみに著者は二つとも 何があっても断固として飲みたくない飲み物NO.1なのだが
二人には関係ないし、私も知らない聞かない見ないぶっちゃけアリエナイ飲み物なので
意見を封殺する

「そういえば、奏ちゃん朝のこと聞いた?」
「うぅ、聞いたのですよぉ・・・お昼の時間、由佳里ちゃんを誘ったのも、その件のことが
あるのですよぉ」

朝の生徒達の言い合いがすでに全校生徒に矢の如く伝わり
学校中が、エルダー選挙の話題1色になっているのだ。
それも 奏と由佳里が話題の中心であり、何時のまにやら、やたら脚色された美談が
学校中を飛び交っていた

「そうだよねぇ。奏ちゃんはともかく私ががエルダーなんて・・・・」
「そんなことないのですよぉ。由佳里ちゃんはともかく私がエルダーに推挙されるなんて
こんな頼りないエルダーなんて、お姉さま方が築いたエルダーの地位が・・・」


「「はぁ〜〜」なのですよぉ」
47白菊伝説 続き:05/03/13 18:21:07 ID:Omox73KP
二人揃って盛大なため息をついた。
そう二人にとってエルダーとは、今も変わらず宮小路 瑞穂であり
すべてを包み込む優しさ、気高さ、強さ、慈しみを寮で目の当たりにした二人にしてみれば
今、エルダーに推挙されても、あの瑞穂と同じ資格を得るということは、
あまりに畏れ多いことに思えたのである。
奏にしても、今の婚約者の事なのだが、今の自分が到底瑞穂が成したことを思うと
自分がエルダーに推挙されるのは、とても自分では到底無理な様な気がして
そう言われるだけで意気消沈である

「でも、奏ちゃん知ってる?1学年から3年生の生徒の中で奏ちゃんのファンクラブが
あって、一部の生徒の間では奏ちゃん愛するどころか、もう崇拝すらされているわよ」
「えぇ〜〜そんなことがあったのですかぁ。奏知らなかったのですよぉ」
「でも、そういうことを言うなら演劇部の中にも由佳里ちゃんのことを毎日、聞いてくる子も
いるのですよぉ。由佳里お姉さまのように綺麗になりたいとか、由佳里お姉さまの好物とか
毎日話題を変えて聞かれるのですよぉ」
「えぇ〜。そうなんだ・・・知らなかったわ」
「ふふふ、そうなのですよぉ。由佳里ちゃんのファンの子は多いのですよぉ
今度の全国大会の応援団は凄いことになると思うのですよぉ」
「あぅ〜〜〜」
48名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:22:37 ID:Omox73KP
結局二人は、あれこれ悩んで意見を出し合うものの
エルダーに推挙されると言う考えもしなかったことに対して
なんの手立ても打つことは出来なかった

だが水面下では、
奏ちゃんをエルダーにする会が、ファンクラブより独立して発足。
会員数初期段階にて94名なぜか、大柄な生徒が多い。
後の世では「奏ちゃんを愛でる会」と呼ばれる一大組織が形成されつつあった。
同日 由佳里お姉さまをエルダーにする会が発足。通称「ゆかりんといっしょに」
飾らない由佳里に惚れこんだ一部過激派
メンバーを中心にした組織である。

まぁ、結局お嬢様学校にあるいぢめやらなんやら社会の心暗いとこを
まったく知らないお嬢様組織のため、ただただ、お互いの良いところのみ
広報をして素晴らしさで相手を引き込もうという組織なのだが

そうして、お互い相手に素晴らしさのみを広報して相手を引き込もうとする組織の対立が
エルダー選挙 当日まで続くのであった。
49白菊伝説 続き:05/03/13 18:25:29 ID:Omox73KP
以上 ここまで
SS職人って大変なのがよくわかった1日でした


ぐぁ。ageてしまったorz
50名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:26:16 ID:k9NkJgIQ
>>41

し、下だったら是非公開してくれ
51名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:26:20 ID:g+AeJq0a
>49
おちかれさん
続きが気になるぜ・・・
52名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:30:09 ID:eZy9iXjc
>>41
いっそ両方公開してくれ(笑
53名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:35:46 ID:JVNDe7aD
>>35
そこで空気を読まない俺がそのネタをサルベージする
54名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:36:29 ID:EhYo9ZSz
>>41
まりやと圭と紫苑は分かっていながら楽しそうなんでつきあっている

「神」を本気にしてるのは美智子だけ

こんな感じだといいなぁ。あと38の上で。
55名無しさん@ピンキー:05/03/13 18:42:56 ID:sNvU2pPM
>>49
Great Work!!そして乙。
続きが・・・続きが〜早く〜
56402:05/03/13 20:14:04 ID:UnRRGIju
 紫苑ENDの後から話しが、始まります。

瑞穂は、紫苑の縁談を破談にさせると、結納だけは強引に執り行うことにした。破談にはさせたが、

厳島家がどう出てくるから予測がつかなかったので、先手を打って婚約という形を作り、結婚式は大
学卒業後に執り行うことで両家は合意したのだった。 紫苑は手術と、その後の療養生活のため受験
できず、瑞穂は、受験自体を放棄したため、1年の浪人生活を送ることになった。
 そして翌年。同じ大学に合格して、両家のささやかな合格祝いの終わった後。二人の寝室に戻ると
「瑞穂さん。私、合格祝いにどうして御願いしたいものがあるのですが、わがままを聞いてください
ますか?」
「紫苑が、わがまま言うなんて、珍しいね。ぼくに出来ることかい?」
「はい。瑞穂さんにしか、出来ないことですわ」
紫苑は一通の書類を瑞穂の前に置いて
「これに、名前を記入してくださいますか?」
紫苑の差し出した書類を見ると”婚姻届”と書かれていた。瑞穂の名前以外はすべて記入済みで、
後は、瑞穂の名前だけ記入だけになっていた。目だけで問いかける瑞穂に
「鏑木のお義父さまに御願いしましたら、快く承諾してくださいましたわ。家の両親も、”何かあってからでは”と、快く許してくださいました」
にこにこ笑顔で、ペンと認め印を差し出す紫苑を見て
「紫苑。大学卒業後ではなかったのかな?」
「はい。確かに、結婚式は大学卒業後というお約束ですが、入籍の時期については、お約束してませ
んわ」
あいかわらず、にこにこ笑顔でペンと認め印を差し出している紫苑を見て
「どうしても?」
「はい。どうしてもです。」
にこにこ笑顔で言い切る紫苑に、瑞穂はわざとらしくため息を吐くと
「その代わり、誕生日のお祝いはありませんよ。いいですね」
紫苑からペンを受け取ると”鏑木瑞穂”と記入して認め印をおした。

part1−1
57402:05/03/13 20:17:23 ID:UnRRGIju
「でも、殿方にもてなくなるのは困りますわね」
わざとらしくつぶやき、婚姻届を仕舞うと
「大学は”十条紫苑”で通しますわ。」
(ふうーー。困ったお姫様だ)
「では、大学の間、指輪はいりませんね?」
瑞穂のささやかの反撃に、拗ねる素振りをみせて
「それと、これとは、話が別ですわ。瑞穂さん意地悪になりましたのね?」
「意地悪なのは、紫苑ではないのですか?」
紫苑のさらなる反撃を唇で封じると、抱き上げ
「悪い子には、おしおきしないといけませんね」
「ま・・・ずるいですわ。そうやって、うやむやにされるのですから」
拗ねた振りを続ける紫苑をベットに寝せると、瑞穂は覆い被さっていった。
 
 満ち足りた表情を浮かべて、寄り添っている紫苑に
「明日。式場とかの下見にいきますせんか?式を挙げるのは、卒業後としても必要経費の概算が、分
からないと困りますからね。」
「はい。”あ・な・た”」
翌日。婚姻届を提出した後。
「ふつつか者ですが末永く御願いしますわ」
瑞穂にだけ聞こえるような声紫苑は呟いた。一通りにの下見を終えて、某ドーナツ屋に入ると
「瑞穂さん。席をお取りしておきますわね」
「紫苑。”甘くない”物がいいよね?」
紫苑は”わざと”バックを瑞穂にぶつけて空いている席に座った。
(えーー。あの人、”男”?”女”?)
(おい、おい、すごい”美人”が2人連れが)
(うわーーー、きれいな髪の毛)
瑞穂は、内心またかと思ったが聞こえないふりをして会計をすませ、紫苑のいる席に商品の載ったト
レーを置いて
「紫苑。先ほどの資料を見せてもらえるかな?」

part1−2
58402:05/03/13 20:18:17 ID:UnRRGIju
優雅な仕草で資料を瑞穂に渡すと
「少し、みてましたけど。ずいぶん費用がかかりますね」
「ああ、招待客80人の設定で、総額300万円程度というのが、1つの目安みたいだね」
「とは、言いましても」
瑞穂は、紫苑の言いたいことを察して
「僕たちだけなら、ともかく、”鏑木家”と”十条家”の体面を考えると対外的には、”それなり”
の格式にしないといけないだろうね。ぼく個人としては、あまり仰々しいのは遠慮したいところなん
ですが?」
「そうですわね。私も、余り大げさなのはお断りしたいところなのですが、やはり、十条家息女とい
う立場を考えますと、譲歩するべき処は譲歩しませんと、まとまるお話もまとまらないかと」
「でも、僕たちの結婚式なのですから、要望は最大限出してみるべきかと思いますが、いかがでしょ
う?」
「そうですわね。瑞穂さんにお任せ致しますわ。頑張ってくださいね”あ・な・た”」
「意地悪な紫苑への罰です。」
瑞穂は、クリームたっぷりのドーナツを取り分けると紫苑の前に置いた。
「私が、最近ウエストを気にしているのをご存じですのに」
「紫苑。これでは、お詫びになりませんか?」
瑞穂は、蒼い布張りの細長い箱を紫苑の方に滑らせた。ふたを開けた紫苑は
「ずるい方ですわね」
「指輪は、あまりお好きではないようですからね」
瑞穂は、すました顔でカップを口に運んだ。

 4月になり大学を訪れた日。
「大丈夫ですか?」
「ええ」
体調を崩していた(甘いお仕置きのため)紫苑に問いかけていると
「お待ちしておりましたわ。お二人とも」
声に振り返るとそこには、懐かしい人が立っていた。
「ったく。連絡ぐらいしてくださっても・・・、私もお二人の婚約への貢献者ですのに・・」

part1−3
59402:05/03/13 20:20:03 ID:UnRRGIju
貴子の責めるような口調に、瑞穂と紫苑は、顔を見合わせて
「そのことについては、感謝しておりますわ。でも、”厳島家息女”としての貴子さんには、連絡し
にくいものがありまして・・・ご無沙汰をしておりました。」
「ふう・・・。連絡してくだされば、私が、厳島の家を見限った事をお知らせできましたのに、あの
父や兄の顔を見てるのも限界に達しましたから」
すっきりした笑顔で告げる貴子さんに
(ずいぶん思い切ったことを)
「貴子さん。落ち着ける処はありませんか?紫苑が、体調を崩してますので」
「でしたら、学内のカフェテリアでよろしいですわね。味はともかく」

 カフェテリアに座ると、
「安いのが取り柄ですわ。味の方もそれなりなのですが・・・」
コーヒーを二人の前に置くと
「私は、家を捨ててまでお二人の仲をを取り持って差し上げたのですから、しかるべき報酬を御願い
しても罰はあたりませんわよね?」
「お手柔らかに御願いします」
しばらく考えた振りをして
「そうですわね。鏑木グループへの就職活動したいとおもいますの」
「貴子さんなら、戦力になっていただけそうですわね。”あ・な・た”」
「ったく・・・私は、独り身なのですよ。少しは、配慮というものがあっても・・・、毒気を振りま
かないでくださいね」
わざとらしくため息を吐くと
「紫苑さま?指輪はどうなされましたの?」
「貴子さん。紫苑は”殿方にもてなくなるのは困りますわね”というのですよ。大学も”十条紫苑”
で通すそうです。」
瑞穂の答えに、貴子は咎めるような視線を紫苑に向けて
「はぁーーー。紫苑さま」
「だって、ヤキモチというものを、妬いていただきたいのですもの」
貴子は、返事の代わりに”ティースプーン”を投げる振りをして見せて

part1−4
60402:05/03/13 20:21:30 ID:UnRRGIju
「ところで、”十条紫苑”で通されると言うことは・・・」
「ええ、紫苑にせがまれまして、戸籍上は、すでに”鏑木紫苑”になっているのですが」
「規則には、”旧姓”で記入してはいけないと、どこにも書いてありませんでしたわ」
「恵泉の時の紫苑さまからは、想像できませんわね。すっかり”幸せぼけ”されてるお姿など、一
つ忠告させて頂きますと、学内では”あなた”などと呼ばないようになさいませ」
「しかし、結婚式の費用も・・・」
そんな瑞穂のつぶやきに
「そうですわね。”鏑木家”と”十条家”のお式ですから、それなりの格式といいますか、招待客も
身分のある方々ばかりですからね」
紫苑が下見の時時の話をすると
「お二人の意見も理解できますが、やはり我慢すべき処は我慢なさるべきです。」
一度言葉を切ると
「瑞穂さん。でしたら、費用の一部でも負担されてはいかがですか?費用を出せば、それだけ、意見
も通しやすくなりますわ。瑞穂さんには、”武器”がありますもの」
貴子の言い方に、紫苑も
「あ、そうですわね。”女装”という武器がありましたわね。あの、恵泉で鍛えられた」
貴子と紫苑は、顔を見合わせると瑞穂に無言圧力をかけ始めた。
「紫苑。また、今夜もお仕置きですね?」
「瑞穂さん。もしかして、紫苑さまの体調不良の要因は、もしかして・・・」
貴子は、カップで顔を隠すと
「瑞穂さん。私が”アルバイト先”を探して差し上げますわ。よろしいですわね」
弱みのある瑞穂としては、うなずくしかなかった。

 数日後。
学内のカフェテリア。
「瑞穂さん。”探されていた”アルバイト先ですわ。」
差し出された情報誌に赤く囲まれた枠があった。瑞穂が要項を見ると
(時給800円+能力給。募集店舗 恵泉学園前店 職種フロアスタッフ・・・・貴子さん謀りまし
たね)
「瑞穂さんなら、大丈夫ですわ。能力給も・・たぶん」

part1−5
61402:05/03/13 20:22:25 ID:UnRRGIju
「ここなら、紫苑も短時間ならできそうですね」
(それもよろしいですわね。)
そう貴子は思った。
 その夜。お茶の支度をしている紫苑に声をかけて情報誌を見せると
「ここなら、短時間可と書いてあるから、一緒にどうかな」
「そうですわね。瑞穂さんが”女装”してくださるのなら」
にっこり笑顔で履歴書を差し出してきた。

part1−6
62402:05/03/13 20:24:40 ID:UnRRGIju
瑞穂と紫苑のあまあま生活?

今回はここまでということで(^^;
続きも頑張って書いてます。
635時起き:05/03/13 20:28:42 ID:FyHZn4T2
皆様お疲れです&>1お姉さまスレ立て乙なのですよ〜

出張先にテキスト忘れて来たので1から書き直しました_| ̄|○
瑞穂争奪戦・第二話を投稿させて頂きます。
645時起き:05/03/13 20:29:46 ID:FyHZn4T2
  『瑞穂争奪戦 第二話 幸運のコイン』・1


「んじゃ、いっただっきま〜す」
「いただきます」
 ひと段落ついた所で、取り敢えず食事をしようと言う事になった。
 今日のメニューは寮母さんの作ってくれた物に、由佳里と奏が作った
ケーキ、差し入れにと紫苑と貴子が持って来てくれた物など。
 テーブルの上に置き切らなくて、厨房の方に置いてある物まである。
 それぞれみんなでおしゃべりをしながら、ゆったりとした時間が流れて
いた。

「お飲み物のおかわりは如何ですか〜?」
「じゃあ私はスープをおかわりお願い致しますわ」
「紅茶…は、あるかしら?」
「あ、じゃあ私が入れてきますよ」
「由佳里ちゃん、私にもお願いね」
「はーい♪」
「瑞穂ちゃん、そこのピクルス取ってもらえるかな?」
「はい、どうぞ」
「み、瑞穂さん……も、もし宜しければ、その、わ、私にも取って頂け
ますでしょうか?」
「? はい、貴子さんどうぞ」
655時起き:05/03/13 20:31:38 ID:FyHZn4T2
  『瑞穂争奪戦 第二話 幸運のコイン』・2


「ああ……瑞穂さんに給仕して頂けるなんて、夢の様ですわ……し、
幸せです……」
「おーい、た〜かこ〜? もしもーし? ……ありゃりゃ、目がいっちゃ
ってるよ……」
「まあ……そんなに貴子さんは、瑞穂さんの事が……」
「……え?! い、いいいいいいえ、そそそそそんな事は……!
 た、ただ……」
「ただ?」
「ただ、お、お姉さまのメイド服のお姿が、あまりにも素敵だったので、
その……えっと……」
「あは……あはは………」


 やがて、みんなのお腹が満足した頃、厨房からケーキが運ばれて
来た。
「さて、お楽しみのデザートの時間ですが、ここでゲームです!」
 と、まりやが全員の前にケーキが配られたのを確認して、そう云った。
「? 何ですの?」
「実はこのケーキ、どれか一つにこの『幸運のコイン』が隠されている
のよね」
 まりやはそう云うと、小さめのコインを全員に見せた。
「……それって、ウエディングケーキでの話じゃありません?」
「まあまあ、そう固い事は言わないでよ貴子。で、見事コインを当てた
人が最初の勝者、となります。頑張って探して見てね〜」
「あのー、まりや? 私もケーキ頂いてるんだけど、私が当てたらどう
なるの?」
「瑞穂ちゃんがコインをゲットした場合は、勝者無しでドローとなるのよ。
そのためだけに瑞穂ちゃんにケーキあげないって訳にも行かないで
しょう?」
665時起き:05/03/13 20:33:08 ID:FyHZn4T2
  『瑞穂争奪戦 第二話 幸運のコイン』・3

「いや、まあ……」
 別にいいんだけどね、と瑞穂は内心思った。
「では、そう言う事で、誰のケーキにコインが入ってるかなぁ〜?」
 それが合図になって、全員が真剣にケーキを食べ始める。
「は、入っています様に……むっ!」
「か、奏のに入ってると嬉しいのですよ〜」
「うう……く、崩して調べたいけど、そんな下品な事は出来ません
わ……」
「まあまあ貴子さん、ここは一つ、落ち付いてケーキを頂きません
こと?」
「は、はい、紫苑さま…」


 そして、しばらく全員がケーキを食べてたその時。
「……むぐ? あ、あちゃー……」
「ああっ、まりやお姉さまのケーキにコインが……!」
 そう、コインはまりやのケーキに入って居た。
「ありゃりゃ……この場はゲストの皆さんに譲ろうと思ってたんだ
けど、まさか初っぱなで引いちゃうとはね〜、にゃははは♪」
「まりやさん、まさか貴方、何かやった訳じゃないでしょうね?」
「なに云ってるのよ。由佳里と奏ちゃんにお願いしてケーキにあら
かじめコイン入れてもらってるのに、不正のしようがどこにあるって
云うのよ?」
「……それも、そうですわね。ごめんなさい、変に勘繰ったりして」
675時起き:05/03/13 20:34:55 ID:FyHZn4T2
  『瑞穂争奪戦 第二話 幸運のコイン』・4

「ま、別にいいけどね……でも、本当はここで私以外が当てて盛り
上がるってのが筋書きだったんだけどな〜。…ま、いいか」
「……うう、ま、まりや? や、優しくしてね……?」
 瑞穂がそれを見て、そんな事を云った。
「なーに怯えてるのよ? 別に取って食おうとか云う訳じゃないんだ
からさぁ。…って言うかさ、そんな風に云われると、変な意味で受け
取っちゃうぞ?」
 まりやはそう云うとにゃははっと笑って、改めて瑞穂の方に向き
直った。
「んじゃさ瑞穂ちゃん、ちょーっとこっちに来て貰える?」
「? 何、まりや?」
 不思議そうな顔をしながら、瑞穂がまりやの前に立った。
「はい、そっち向いて立ってね。…いやね、この髪をこうしてこうして、
ちょちょいのちょい……っと、ほ〜らポニーテールだよ〜」
 まりやは瑞穂の髪を束ねると、ポニーテールにした。ご丁寧にも
ふりふりが付いたリボンで束ねて居る。
「まあ、その髪型も素敵ですわよ、瑞穂さん?」
「え、えっと……あ、ありがとうございます」
「はい、そこでくるっと一回転して見ようか、瑞穂ちゃん」
「え、えっと……こう?」
 云われるがままに、瑞穂はくるりとその場で一回転して見せた。
「そしてそこで、スカートの裾を持って貴婦人の礼!」
「…えっと、こ、こう、かな?」
 瑞穂はおずおずと、スカートの裾を持って、おじぎをした。
685時起き:05/03/13 20:35:53 ID:FyHZn4T2
  『瑞穂争奪戦 第二話 幸運のコイン』・5

「み、瑞穂さん……も、もうだめ、か、可愛い過ぎです……!」
 そう云いながら貴子が自分の顔に両手を当てて真っ赤になって居る。
「た、貴子さん……えーっと……」
「本当に、可愛い過ぎるメイドさんですね瑞穂さんは。しかも、うなじが
とても色っぽくてよ?」
「紫苑さん……あははは……」
(そう云われても……どう答えていいのかなぁ)
「ふふふ、私のコーディネートはばっちりのようね♪ じゃ、ここ片づけ
て第2ラウンド行って見ましょうか〜」


  続く。
695時起き:05/03/13 20:39:22 ID:FyHZn4T2
以上です。
まあまりやにはちょいと申し訳無いかなと思ったんですが、
彼女の場合この争奪戦の主宰としての立場ならこうするだろうと
想像してみてこんな風になりました。
次はゲストに勝たせる予定ですが(笑)。

て事で明日はとうとう4時起きなんで続き少し考えてから寝ますorz
70名無しさん@ピンキー:05/03/13 20:49:30 ID:WAmVc4wT
ポニーの瑞穂キュン、すごく可愛いんだろうなぁ・・・
71名無しさん@ピンキー:05/03/13 20:57:40 ID:EhYo9ZSz
(´ω`) 微笑ましいの展開好き〜
72名無しさん@ピンキー:05/03/13 21:03:08 ID:VYzp/+us
>>402
>>5時起き氏
乙であります。
甘々と萌えのコンボ焦土作戦ですな。いやはや、たまったもんじゃないです。

>ポニーなメイド瑞穂タン
血の雨が降りそうだ・・・

73402:05/03/13 21:16:45 ID:UnRRGIju
すみません。>>59差し替えてください。(見直したはずなのに(._.)オジギ)
貴子の責めるような口調に、瑞穂と紫苑は、顔を見合わせて
「そのことについては、感謝しておりますわ。でも、”厳島家息女”としての貴子さんには、連絡し
にくいものがありまして・・・ご無沙汰をしておりました。」
「ふう・・・。連絡してくだされば、私が、厳島の家を見限った事をお知らせできましたのに、あの
父や兄の顔を見てるのも限界に達しましたから」
すっきりした笑顔で告げる貴子さんに
(ずいぶん思い切ったことを)
「貴子さん。落ち着ける処はありませんか?紫苑が、体調を崩してますので」
「でしたら、学内のカフェテリアでよろしいですわね。」

 カフェテリアに座ると、
「安いのが取り柄ですわ。味の方もそれなりなのですが・・・」
コーヒーを二人の前に置くと
「私は、家を捨ててまでお二人の仲をを取り持って差し上げたのですから、しかるべき報酬を御願い
しても罰はあたりませんわよね?」
「お手柔らかに御願いします」
しばらく考えた振りをして
「そうですわね。鏑木グループへの就職活動したいとおもいますの」
「貴子さんなら、戦力になっていただけそうですわね。”あ・な・た”」
「ったく・・・私は、独り身なのですよ。少しは、配慮というものがあっても・・・、毒気を振りま
かないでくださいね」
わざとらしくため息を吐くと
「紫苑さま。指輪はどうなされましたの?」
「貴子さん。紫苑は”殿方にもてなくなるのは困りますわね”というのですよ。大学も”十条紫苑”
で通すそうです。」
瑞穂の答えに、貴子は咎めるような視線を紫苑に向けて
「はぁーーー。紫苑さま」
「だって、ヤキモチというものを、妬いていただきたいのですもの」
貴子は、返事の代わりに”ティースプーン”を投げる振りをして見せて
part1−4
74名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:34:15 ID:4J1oplqx
お姉さまと一緒 第1部 1-1

「ねぇ奏ちゃん、明日一緒に遊びに行きたいんだけどどうかしら?」
休みを挟んで次は卒業式というその日、食堂でお昼ごはんを食べていると
紫苑が奏ちゃんにこう言った。
「どうしたんですか、紫苑さん?」
「いつもこうやって一緒にご飯を食べたり、お話したりしてるけど
まだ一緒に遊んだことがなかったものだから」
傍で話を聞いている奏ちゃんは何か物憂げな表情を浮かべている。
「ねぇ、奏ちゃんどうかしら?」
「私でよろしいのですか、紫苑お姉さま?」
「奏ちゃん以外に誰がいるというのかしら?」
「だって……」
「お休みがあけてしまったらもう卒業ですもの。卒業の記念というわけではないのだけど
奏ちゃんという今も、そしてこれからも大切な私の家族と一緒にすごしたいの」
「わかりました、紫苑お姉さま。」
「うれしいわ。明日は奏ちゃんとデートです。」
「はやや〜〜、でえとなのですか?」
「そうよ、奏ちゃん」
と、紫苑は奏ちゃんのところに歩き出すと胸元でいつものように抱きしめる。
「はやや〜、く、苦しいのですよ〜」
奏ちゃんもいつものように悶えているがどこか声がうれしそうに感じる。
75名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:34:37 ID:4J1oplqx
1-2
「本当は、奏ちゃんに言おうか悩んでいましたの」
教室への帰りに紫苑は僕にこう言った。
「もしかしたら奏ちゃん、自分に自信がなくて泣いちゃうんじゃないかって…。
でも杞憂でしたわ。奏ちゃんは本当にがんばりましたわ」
「そうですね、紫苑。本当に奏ちゃんはがんばりました」
十月のあの日、奏ちゃんの身の上を僕たちは知った。
そして僕たちは奏ちゃんの家族になると決めた。
あれから、劇のヒロインも見事に演じきり今も頑張っていることは言うまでもない。
「ふふっ、デートですか。瑞穂さんよりも先に奏ちゃんとしてしまいますが
許してくださいますか?」
「構いませんよ。デートぐらい」
デートくらい…。でえと…。

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

そういえば、まだしおんとでえとシタコトナカッタナァ…。
「瑞穂さん、途中で片仮名になってますよ。そんなに落ち込まなくても、
卒業したらいつでもできるじゃないですか」
「ソ、ソウデスネ…」
76名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:35:57 ID:4J1oplqx
1-3
そして、寮に帰ってきたとき、なにやらダンボールが玄関に積まれていた。
「瑞穂ちゃん、お帰り」
「何?このダンボールは」
「あぁ、それあたし。あたしの服を家から送ってきたの」
「なんでまた?」
「いつも、奏ちゃんと由佳里には世話になったからね。餞別の意味もこめて服をあげようと思って。」
「でもそれ、まりやの両親が買ってきたものなんでしょう。勝手にあげちゃっていいの?」
「ウチの両親、私が家にいない間に服をやたらと買い込んでてさ。
部屋の荷物を持って帰ってき時にクローゼット開けたら服であふれかえっててね。
さすがにこれはとおもったから留守の間に業者に頼んでここに送っておいたというわけ」
「そんなことして、ご両親が泣くかもしれないよ」
「ウチの両親はクローゼットがいっぱいになったら増築しかねないからね」
「……な、なるほど」
確かに過保護なまりやのご両親のことだ。やりかねない。
と、箱を見ながらふとあることを思いついた・
「まりやを見込んで頼みたいことがあるんだけど」
まりやに紫苑さんとのデートの話をした。
「なるほどね…。お安い御用よ」
「本当!?ありがとう」
「なになに、いいってことよ。紫苑さまにもいろいろお世話になったし。
奏ちゃんの明日の服は私がコーディネートしてあげる」
「じゃぁ奏ちゃんを呼んでくるね」
77名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:36:31 ID:4J1oplqx
1-4
そしてまりやの部屋で奏ちゃんは明日の勝負服を見繕ってもらっている。
そして1時間と少しが経とうとした頃…。
「まりやお姉さま、はやや〜〜〜」
なにか奏ちゃんの叫び声が聞こえたのでまりやの部屋に向かった。
「どうしたの、まりや!奏ちゃん!」
「えへへ、もう奏ちゃんは渡さない…、ウフフ…」
「ん〜〜〜〜」
部屋の中からなにやら話し声が聞こえてくる。
ドアの鍵は開いていたので部屋に入った。
するとまりやが奏ちゃんを抱きしめている背中が見えた。
「どうしたの、まりや」
「うふふ、もうだれにもわたさない」
「ちょっと、奏ちゃんを放しなさい」
まりやから奏ちゃんを引き剥がしたその瞬間…
「はやや〜〜、お姉さま〜〜〜!!」
「奏ちゃん、もう放しませんからね…。」
「…ん〜、えぇっと、ちょっと瑞穂ちゃん!?奏ちゃんを放しなさい」
危ない、危ない。今度は僕が奏ちゃんを窒息させそうになっていた。
78名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:36:56 ID:4J1oplqx
1-5
「どう?なかなかいいでしょ」
「奏、ちょっと恥ずかしいのですよ〜〜」
紫苑の奏ちゃんに吸い込まれる気持ちがなんとなく解った気がする。
「ロリータ系なんだけどね、奏ちゃんの可愛さを引き立てるためにがんばったわよ」
「さすが、まりや。でも紫苑さん、大丈夫かな」
「まりやお姉さま、いらっしゃいますか?」
「なぁに、由佳里?」
「失礼し…」
「はやや〜〜、由佳里ちゃん、どうしたのですか?」
今度は由佳里ちゃんが奏ちゃんに吸い込まれた。
「今日は一緒のお布団で寝ましょうね…」
「目を覚ましなさい、エロ由佳里!」
「わたしはいやらしくありません…って、あっ!奏ちゃん」
「…奏は死ぬのですか、死ぬのですか…」
「奏ちゃん、ごめんなさい!しっかりして〜〜〜!」
十一月のいつかのように奏ちゃんが酸欠の所為かちょっと壊れてきた。
「それにしても見事な吸い込みっぷりね。赤きサイクロンもびっくりだわ」
どうも僕たちは奏ちゃんに空高く回されたらしい。
79名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:38:32 ID:4J1oplqx
1-6
そんなこんなで次の日、デート当日を迎えた。
僕は待ち合わせ場所の駅前まで送って行くことにした。
「ブーツの底が厚くてちょっと歩きにくいのですよ〜」
なれない靴に奏ちゃんがちょっとぎこちなく歩いている。
このよたよたと歩く様子もたまらなく可愛くて思わず抱きしめそうになる
衝動を僕は必死に抑えている。
今の奏ちゃんは恐るべき周防院時空を持っている。
心して連れて行かなければならない。
そして待ち合わせ場所に来ると紫苑が待っていた。
「紫苑さん、おはようございます」
「おはようございますなのですよ〜」
「あら、瑞穂さんにか…、ぶほっ!」
紫苑が後ろに仰け反るのと同時に鮮血を噴出した。
慌てて僕が紫苑の体を支える。
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫です」
紫苑はうつろな顔で鼻から血を流している。
「もう大丈夫ですわ」
紫苑が鼻血を拭いて立ち上がるとおぼつかない足取りで
案の定、奏ちゃんに吸い込まれた。
「むぎゅ〜〜」
そして例のごとく奏ちゃんは悶絶していた。
しばらく抱きしめているといきなり真剣な顔で紫苑が僕に振り返った。
「瑞穂さん」
「な、なんでしょう?」
「デートの後このままお持ち帰…いえ、一緒に連れて帰っていいですか?」
「誘拐犯になるつもりですか?」
「うふふ、冗談ですわ」
そんなこんなで僕は時間が来たらまたここに奏ちゃんを迎えに来ることを約束して二人を見送った。
しかし、なにやらキャラが変わった紫苑を見ていると奏ちゃんが無事かどうか
とても不安で仕方がなかった。
80名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:39:36 ID:4J1oplqx
とりあえず第1部はここまでです。
お目汚し失礼。
もし好評ならば第2部もまた・・・。
81名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:43:59 ID:RAmNJC+5
GJ!

早急に第二部よろしくお願いしまつ。
82名無しさん@ピンキー:05/03/13 22:46:53 ID:VYzp/+us
>>74-80
GJ!!恐るべし、周防院時空!ギャ○ソもビックリだ。

ブッ壊れた紫苑さんをもっと見たいので激しく続きをお願いします。
83名無しさん@ピンキー:05/03/13 23:01:04 ID:z/Uyu+Jj
遅レスですが、前スレの>>620-622
激ワロタのですよ〜
浦島○郎H・P・ラヴ○ラフト風味おとボクがこんなに怪しいとは。
・・・でも、これを演劇にしたら普通の劇になってしまうやうな気が。

それにしても、ここは一日見ないだけで未読SSが溜まってしまいますね。
嬉しい悲鳴と云うかなんというかw
84名無しさん@ピンキー:05/03/13 23:03:58 ID:VYzp/+us
   I love working for Elder Sister エルダーシスターが大好きな
     Let me know just who I am 私達が誰だか教えてよ
        1,2,3,4, KEISEN School! 恵泉女学院!
 1,2,3,4, I love the KEISEN School! 私の愛する恵泉女学院!
               my School! 私の女学院!
              your School! あなたの女学院!
               our School! 私たちの女学院!
         The KEISEN School!  恵泉女学院!

ここしか思いつかなかった・・・orz。
まー適当に考えたので英文はいい加減です。そのうちフルサイズ作ろうかと。

では、吊ってきます・・・∧‖∧
85名無しさん@ピンキー:05/03/13 23:16:44 ID:eoq93oE6

フルメタルねたですか。コイツは元がヤバイからなぁ(w
----------------------
Ho Chi Minh is a son of a bitch
Got the blueballs, crabs and 『seven-year itch』
ホーチミンはサノバビッチ 梅毒毛虱浮気野郎
----------------------
『seven-year itch』ってのはモンローの映画七年目の浮気ですな。

それはともかく一子ネタで書いてますが……
なんだシリアスもにむずかしいじゃねぇか (亡
86新興宗教:05/03/14 00:16:45 ID:LMoD765b
やおいの新興宗教第6話を書きました。
>>38の両方の意見を参考にしました。
87新興宗教:05/03/14 00:17:14 ID:LMoD765b
第6話

「まさか、瑞穂様が男だ何て。」
「神様の言う事でもにわかにはしんじられませんわ」
ざわざわざわ・・・。

その時男は僕にこうささやいた。
「へっへっへ・・・。いい気分だろうなおい。
 女装してる人の方を信じちゃってんだからな。」
「そんな・・・。家の学校の生徒をバカにしないで下さい」
「でもよ、ばかじゃね?すぐにばれてもおかしくないような事なのに
 もう何ヶ月もばれてないんだからさ。
 大体、学校で先生を襲った事もあるくせにそんなことを言える資格あるわけ?」
「・・・なんでそんなことを。」
「礼拝堂で、想像しながら腰動かすだけで抜けるような変態さんだからこそでしょ?」
「そんなことしてません。」
「ほんとうか?神は全部見てるんだぜ?」
「何が神なもんか・・。」

美智子が言った。
「神は言う事は本当です。みなさん、神が言った事に嘘などあったでしょうか?」
いいえ。
神は我々の全てを知っていましたわ。
等といった声が上がる。
88新興宗教:05/03/14 00:17:47 ID:LMoD765b
「でも、水泳の時はお姉さまは女のお方でいらっしゃいましたよ。
 やはり、女の方ではないのでしょうか?」
最もな反論だ。
このままいけば、この怪しい男の煽動も終わるだろう。
「あははは・・・。ともかく、証拠を見せれば簡単な事だ。」
そういって、僕のスカートを下ろし始めた。
(体が・・・。動かない)
いつの間にか僕はうごけなくなっていた。
金縛りのようなものだ。

「やっと利いてきたか・・。
 催眠術だよ。催眠術。原理はただの思い込みなんだけどなあ・・・。」
複雑な構造を持つスカートが男の手によって外されてゆく。
「まずは、レズの女を引っ張り出して
 予め調べた情報で追い詰めるって寸法だ。
 それからは、香水を無意識に付けさせる。
 そして、学校にいく生徒全員に催眠をかける。
 集団催眠って奴だよ。香水が発現の鍵になるそういう催眠だ。」
すとん。と音がすると、僕の下半身を護るものはただ一つショーツだけだった。
「この学校鏑木が経営してるんだろ?
 おれさ、厳島に言われて何年も前から色んなところを監視してたのよ。
 そうしたら、男が普通に制服を着てやってきてるじゃない。
 よくよく調べてみると、社会的に姿を消し行方知れずの瑞穂さんそのもの。
 母親の旧性なんてよく名乗ってられたね。
 一発であんたの身元は分かったよ。住んでるのが寮って言うのもいけなかった。
 あんたの髪の毛の一本拾うのは簡単な事だ。
 遺伝子から男か女かなんて簡単に分かるからね。
 というわけさ、あんたは鏑木の変態として吊るし上げられ
 そして、鏑木も一気にダメージを受けるって寸法だ!」
そういい終わると男は
「じゃあな。生まれ変わったらもっとまともに生きろよ。」
といって、ショーツを一気に下ろした。
89新興宗教:05/03/14 00:20:07 ID:LMoD765b
以上で6話になります。

というか、圭の
「いあ・いあ・はすたー」を妙に気に入ってしまい
勢いで書いたらこんな事に・・・。
二度と勢いで書かないようにします。

>>83
ありがとうございます。
あれは、ネタ的にも知っている人が少ないと思ったのですが
反応いただきまして大変嬉しく思います。
90名無しさん@ピンキー:05/03/14 00:32:19 ID:57lIyADK
GJです〜
皆がどんな反応するんでしょうね?
つづきがすごく楽しみです
91402:05/03/14 00:45:47 ID:uf9Jtaoj
>>89
うーーーむ。やはりというか、
厳島の関係者でしたか・・・・ただの集団催眠じゃなくて
瑞穂排斥用の”トラップ”を仕掛けていそうな気もしますが

この先は、作者のみ知ると言うところでしょうか
(ダークENDっぽい気もしますが)
92無銘2:05/03/14 00:54:41 ID:VSkJT9BC
 どことなく窮屈な感覚に疑問を覚えて目を覚ますと、両手が動かなかった。ついでに足も動
かないことにも今気付いた。
「あ、あれ?」
 両手に力を入れて動かそうと試みるが、何か柔らかい物で両手首と足を縛られ、力を出しに
くい姿勢で固定されていて上手く力が加えられない。
「ど、どうして僕が縛られてるの!?」
 確か僕はさっきまで紫苑と一緒にお酒を飲んでいて…………紫苑!?
「し、紫苑!? 何があったんですか!? 無事ですか!?」
 誰かに襲撃でもされたかと思って、力の入らない体を必死に動かしながら紫苑の無事を尋ね
る。だが、返ってきた紫苑の声色は意外なものだった。
「ふふふ……はい、無事ですわ………うふふふ」
「し、紫苑?」
 首を起こして周囲を見渡すと、丁度縛られている僕の足下辺りに紫苑は座っていた。
「紫苑、無事だったんですね? って、なんで僕は裸なんですか!?」
 周囲を見渡して分かったのは、どうやら僕は全裸にタオルで縛られているらしいということと、
紫苑は無事だということだった。しかし、体を拘束しているタオルはかなり上手く体の弱体化を
促すように縛られていて、とてもでは無いが抜けるのは無理そうだ。
「うふふふ………あなたぁ〜」
 僕から見えた紫苑の顔は、どう見ても酔いによる頬の赤らみが広がっている。
 何で僕は裸で縛られているんだろう……何で紫苑はあんなに酔っているんだろう………僕も
お酒にやられているのか、少し記憶が曖昧になっている。思い出せ………確か今日は、紫苑と
籍を入れた記念に二人でお酒を飲もうということになって…………
93無銘2:05/03/14 00:55:15 ID:VSkJT9BC
――――
 一時間前

「はい、紫苑もどうぞ」
 そう言って僕は、紫苑のお猪口にお酒を注いだ。
「あの、あなた? わたくしがあまりお酒が得意でないのを御存知でしょう?」
 だが紫苑は文句を言いつつも、僕の注いだお酒を口に運ぶ。
 確かに普段はほとんど飲まない紫苑だが、やはり今日という日に特別な想いがあるから、こ
うして僕に付き合ってくれるのだろう。
 今日、僕たちは籍を入れた。様々な事情から式は先送りだが、紫苑がどうしてもとせがむの
で、入籍だけは先に済ませてしまったのだ。
 そしてその晩、僕が紫苑に一緒にお酒を飲もうと誘ったところ、紫苑も頷いてくれたのだ。
「さあ、紫苑。どうぞ」
「あなた、これ以上飲んでしまうと………」
「いいじゃないですか、紫苑。今日はめでたい日なんですから」
 僕は人並みにお酒が飲める。けれど、紫苑はあまりお酒には強くないようだ。もっとも、気分が
悪くなるなどの害がある訳ではなく、ただ単に本人があまり飲み過ぎるのを良しとしていないだけ
なのであるが。
「桜が綺麗ですね、紫苑」
「ええ、あなたの部屋からは桜がよく見えて、美しいですわ」
 主の性格を反映したような、白で統一された僕の部屋。その部屋に取り付けられた窓からは、
月明かりに照らされて優しく、淡く光る夜桜が姿を覗かせていた。
「紫苑の家にも、桜が埋めてありましたね。今度、紫苑のご両親に挨拶に行くときに二人でお花見
をしましょう」
「うふふ、そうですね、あなた。はい、どうぞ」
 紫苑が僕のお猪口にお酒を注ぐ。僕はそれを一息で飲み干す。
「美味しいですね、このお酒は。甘くて、口当たりも良くて」
「はい。流石は、お義父様ですね」
 酒好きである父がくれたこのお酒は、実に美味しかった。そして口当たりの良いお酒は、知らず
知らずのうちに飲み過ぎてしまう。
94無銘2:05/03/14 00:56:28 ID:VSkJT9BC
「何だか………眠くなってきましたね」
 飲み過ぎたか、と思う頃には、既に眠気が頭の中をふらついていた。
「あなた、それでしたらわたくしが、膝枕をして差し上げましてよ?」
 そう言って紫苑は、ベッドの上でちょこりと正座をして僕を誘う。
「さあ、あなた。どうぞ。うふふふ……」
 紫苑も酔っているのか、不思議な笑みを浮かべながら太股を二度、ぽん、ぽんと手で叩き、
僕を膝枕に誘う。
「紫苑〜」
 そんな風に誘われてしまったら、黙っては居られまい。僕は紫苑の方へと体を倒す。
「うふふふ………あなた、お休みなさい。ふふふふ」
 紫苑の柔らかく、暖かい太股に頭を預け、紫苑に頭を撫でられながら眠りに落ちた。

 そして、目を覚ますと………
 僕は縛られていた。


「ちょっ、紫苑!? これはどういう……」
 見ると、紫苑まで服を脱ぎだしていた。
「うふふふ、旦那様ぁ〜」
 しかも僕の呼び方まで変わっている。
 紫苑のとろんとした瞳、上気してほんのり赤い頬、いつもと雰囲気の違う妖しい微笑み、呂律の
怪しい話し方。間違いない。彼女は今、かなり酔っている。
 彼女は、身に纏っていた白のワンピースを脱ぎ捨て、その豊満な胸部を外気に晒す。やがて
彼女がショーツまで脱ぎ捨てて、一糸纏わぬ姿になった頃には、その一部始終を見ていた僕の
男の部分は、もう我慢できないといった風にその姿を自己主張していた。
「ふふふ。もう、旦那様ったら………こんなに大きくしてしまって」
 その自己主張する僕を見つけた紫苑は、一層妖しい微笑みを浮かべながら屹立する僕自身に
近づいてくる。
95無銘2:05/03/14 00:57:46 ID:VSkJT9BC
「っ………ぁ…………」
 握られた。
「紫苑………手、冷たい………っ……」
「うふふふ、旦那様はとっても熱いですわ…………本当に熱い…………んっ」
「くっ………あっ…………し、紫苑………」
 今度は咥えられた。先までの冷たい手の感触から急に暖かい咥内への切り替えで、一瞬達し
てしまいそうになるが、堪える。
「んっ………ふっ………んっ…………んっ…………ぷは……」
 紫苑の柔らかく暖かい咥内が、屹立したモノを舐め回す。今まで口でしてくれと頼んだことはな
いから、紫苑に咥えてもらうのは初めてだ。
「うっ………ぁっ…………熱い………」
 紫苑の奏でる淫妖な音が白い部屋に響く。紫苑の口による愛撫で、すぐにでも溢れ出そうな射精
感が湧き上がってくる。手足が動かないのがもどかしい。
「あっ………あぁ………紫苑!」
 達しそうになる。だが、射精感が溢れる一歩手前で、紫苑は僕から口を離す。
 これはきつかった。射精の一歩手前で止められるこのどうしようもない感覚。羞恥と、欲望の入り
交じったプレッシャーに襲われる。
「んふふふ……旦那様、簡単にはイかせませんよ〜」
 相変わらず妖しい笑顔を湛えたままの紫苑は、今度は僕の体の上に乗っかってくる。
「旦那様〜、旦那様のをしゃぶっているだけで、わたくしもこんなに………」
 そう言って、紫苑は僕の腿へと自らの秘所を擦り付けてくる。擦り付けられた彼女の秘所は、じっとり
と濡れていた。
「紫苑、どうしてこんな事を………」
 途中止まりで限界にまで達した性欲と、僅かな羞恥に挟まれながら、当初の疑問であることを口に
する。何で、僕は縛られているのか。
「だって旦那様、いつもわたくしを優しく抱いて下さって、わたくしに主導権を握らせてもらえないんですもの」
「紫苑、僕に抱かれるの………嫌?」
「嫌ではありませんわ。むしろ、大好きです。けど旦那様、わたくしだってたまには旦那様に奉仕をしたい
のですよ?」
 そう言うと紫苑は、僕に馬乗りになってきて、股間の屹立を再び手で握る。そして自らの股間をあてがい、
擦る。
96無銘2:05/03/14 00:59:02 ID:VSkJT9BC
「うぁっ………紫苑……」
 目が回るほどの快感。これだけでも達しそうだが、まだ足りない。
 一方紫苑は、酔いでとろんとした瞳を僕に向け、問う。
「入れて欲しいですか? 旦那様」
 微妙に屈辱的な質問。けれど、僕はあらがえない。
「入れて……………欲しい………」
 紫苑の微笑みが妖しさを増していく。
 既に先っぽだけは僅かに埋まっているが、その先は紫苑の手が邪魔をして入れることが出来
ない。
 生殺しの快感を与え続けられ、もう頭がおかしくなりそうだ。一体、今僕はどんな顔をしている
んだろうか。かなり情けない顔をしていることは間違いない。
 紫苑は相変わらず微笑んでいる。そして、紫苑は突然手を放した。
 支えを失ったことで、僕の屹立が一気に紫苑の膣を貫いていく。
 背を反らすような快感。それは紫苑も同じだったらしく、彼女も弓なりに背を反らした後、まるで
糸が切れたように僕の上にしなだれかかってきた。
「はぁっ……はぁっ……し、紫苑………大丈夫?」
 紫苑は僕の胸の上でピクピクと震えている。
「あっ………ぁぁ………旦那様ぁ」
「はぁっ………ぁ………紫苑………イッちゃった?」
 長い髪を振り乱した姿で、紫苑は頷く。余程深い絶頂だったのか、声も出せないようだ。
 けれど、僕はまだイってない。今、僕は紫苑の中に埋まっている。
 今以上に紫苑の体を感じたい、紫苑を感じさせたい、中に放ちたい。そんなことを考えながら、
僕は腰を突き上げた。
「ひゃぁっ………あぁっ!」
 紫苑の体が爆ぜた。
 再び体を弓なりに反らして、紫苑は更なる高みへと上り詰める。
 更に腰を突き上げる。
 紫苑の体が弾けた。そして何処かに放り出してきた意識を取り戻したように、紫苑は突如腰を
上下に振り始めた。
97無銘2:05/03/14 00:59:47 ID:VSkJT9BC
「くっ………し、紫苑さん………そんなに激しく………したら………もう……!」
「瑞穂さん………私の中に………中に………あっ……ああああぁぁぁぁ!」
 僕の呼び方がまた変わってる。そんなことを冷静に考えている一方で、僕の欲望は既に爆発
寸前だった。
「あっ………あっ………あぁぁっ………んっ………はあぁぁぁぁ! 瑞穂さん……瑞穂さん!」
 紫苑が果てた。体を大きく反らして痙攣させている。そしてその反動で強く締まった紫苑の膣に
絞られ、僕も紫苑の中に大量の精を放った。
 僕が精を紫苑に注ぎ込むたび、紫苑の体が小刻みに揺れる。そして全てを紫苑の中に注ぎ込む
と同時に、紫苑が僕の胸へと倒れてきた。
 僕の胸の上で小刻みに震えながら、紫苑は呟いた。
「あなた………愛しています」
 そして、紫苑は僕に抱きつく。
「僕もです、紫苑。愛していますよ」
 僕がそう言うと、紫苑はにっこりと笑って、僕と繋がったまま眠りに落ちていった。
 白いベッドの上で、紫苑の美しい黒髪が乱れ散らかっている。
 白と黒の織りなすコントラストの中で、二人は繋がったまま眠っていた。

――――

「変な格好で寝てたせいで筋肉が痛い………」
 翌朝、しらふに戻った紫苑にようやく手足の拘束を解いてもらった。目を覚ましたときの紫苑の
驚きようといったら、今まで見たことがないほどのものだった。
「本当に申し訳ありません、瑞穂さん!」
 手足をさする僕の隣で、紫苑は土下座をして詫びていた。
 お酒の勢いのことなので、てっきり紫苑は覚えていないかと思っていたけれど、どうやら一部
始終をハッキリと覚えていたらしく、このようなことになっている。
98無銘2:05/03/14 01:00:32 ID:VSkJT9BC
「いいんですよ、紫苑。面を上げて下さい。紫苑を抱くときに紫苑の気持ちを尊重しなかった
僕にも非があるんです。ここはお互い様にしておきましょう」
「ですが、それでは………」
 紫苑はまだ申し訳なさそうだ。
「じゃあ、こうしましょう。昨日は僕が紫苑さんにいじめられたので、今度は僕に紫苑さんを
いじめさせてください。どうですか?」
「瑞穂さん………」
「ほら、昨日は一晩中繋がったままでしたからね。後始末もしなくてはいけませんし」
 そう言いながら、僕は正座をしている紫苑を抱きしめる。
「愛してますよ、紫苑」
 そして口づけをした。
 長く、深い口づけ。僕は知っている。紫苑はこれに弱いと。
「紫苑、愛しています」
 お互いの口を離して、もう一度言う。そして再度、紫苑を強く抱きしめた。
「わたくしも、愛しています。あなた」
 やっといつもの紫苑に戻ってくれたようだ。
「そういえば、お酒の勢いとはいえ中に出してしまいましたね………その、紫苑? 昨日は
大丈夫な日でしたか?」
 大丈夫な日、なんていうのはあくまで目安の一つでしかないが、聞かない訳にはいかない
ので尋ねる。
「その………昨日は大丈夫な日です」
 紫苑はどこか残念そうだ。
「紫苑? 僕たちは今、浪人生なんですから。子供を作るのは、大学を卒業してからですよ?」
「はい………分かっています」
 拗ねる紫苑も可愛い。
「無事大学を卒業したら、その時は僕の子供を産んで下さい、紫苑。約束ですよ?」
 拗ねていた紫苑だが、僕がそう言うと花の咲いたような笑顔を見せてくれる。
「はい、あなた。必ず元気なあなたの子供を産んで見せますわ」
 お互い裸で強く抱き合う。
 その胎内に命を宿している最愛の人、美しい紫苑の姿を想像するだけで、僕はとても幸せな
気持ちになれた。
99前々スレの569 ◆518YLv.Xnc :05/03/14 01:04:03 ID:VSkJT9BC
相変わらずチキンなんで、最後だけトリップ付きで書きます
今回のテーマはエロエロ紫苑、ここテストに出ます(嘘
全体的にもっと上手く描写出来そうなので、次はもっと精進します
書くかどうかは決まってませんが


職人諸氏、いつもGJです
というよりも、ペース早すぎで全部読めませんw
ちょくちょくと読んでいきたいと思います

最後に、まとめさん、乙です
100名無しさん@ピンキー:05/03/14 01:07:09 ID:eiMFi/WU
縛り上げ!縛り上げ!
101名無しさん@ピンキー:05/03/14 01:09:29 ID:LMoD765b
569氏GJです。
エロエロの紫苑さんさいこーですね!
ハアハアしてきます
102名無しさん@ピンキー:05/03/14 01:12:41 ID:aPhtGuza
>92-98
GJ
えろい紫苑さんとか翌朝のシーンとかいい!
103名無しさん@ピンキー:05/03/14 01:13:27 ID:aPhtGuza
ぐ、あげちまった
吊ってくる・・・
104名無しさん@ピンキー:05/03/14 01:20:22 ID:colEM18r
>>前スレ569氏
エロエロかつ甘々展開GJ!。こういうの結構好きっす。
でもやはり今回の目玉は

   ∩
( ゚∀゚)彡 縛り上げ!縛り揚げ!
 ⊂彡

ですか。効果的に縛り上げてくる辺り、紫苑様も伊達じゃありやせんね。
105名無しさん@ピンキー:05/03/14 01:25:16 ID:R8uru20e
>91
>87の中に伏線があると見た。
ひとつだけこの神とやらも気付いていないことが(以下自粛
106SSスレ第一話の45:05/03/14 01:29:36 ID:Pmy1Sjhc
いろいろ忙しくて二日ほど見られなかったら・・・
大量の良作SSの投下&スレ移行が・・・

職人様方、お疲れ様です。
時間があるときに読ませていただきます。

>>569
えろえろGJです。
表現が素敵で、私も見習いたいです。




ここんところネタ不足&時間がないのでなかなか新作を書けないのですが・・・
『DRESS UP!!』のCルート(学園時代の楽しい生活を思い出しながらのほのぼのHを予定)
や他の作品を書け次第、投下したいと考えています。

どうか、気長にお待ちいただければ幸いです。
題名はツンデレ太郎。

「ねえ・・・。これどう?」
「だから、いつも謎のあらすじを持ってこないでいただけますか?」
小鳥遊圭がくるといつもこれだ。
わけの分からない台本ばかり持ってくるのだ。
「でも、これ紫苑さま原案だから、会長としてもお読みになってはどう?」
「えっ、紫苑さまがお書きになったのですか!」

・・・・で、その内容とは。
-------------------------------------------------------------------------
ツンデレ太郎。

むかーし昔、ある所に、瑞穂おじいさんと、ツンデレラがいました。
瑞穂おじいさんは山へしばかれに、ツンデレラは城にしばかれに行きました。
ツンデレラが城でしばかれていると、頭上から大きな桃が、
どんぶらこ、どんぶらこっこと落ちてきました。
ツンデレラは、
「まあ立派な桃! 瑞穂おじいさんと一緒に食べましょう」
と言って、大きな桃に頭突きをしました。
するとどうでしょう、大きな桃はパックリ二つに割れて、
ツンデレラの頭は桃汁だらけになりました。
桃の中には、熟した果肉がぎっしり詰まっていました。
そこへ、意地悪なお姉さんたち(まりや、奏、由佳里)が飛び出してきました。
どうやら、物陰からこっそり様子を見ていたようです。
お姉さんたちは言いました。
「ここで会ったが百年目、意地悪の名にかけてお前を成敗してくれる」
ツンデレラは驚いて、割れたばかりの桃の中に隠れようとしました。
しかし果肉がいっぱいで、中に入れません。
お姉さんたちは、そんなツンデレラを無理やり果肉の中へ押し込み、
蓋をして、川へ流してしまいました。
それを、山でしばかれるだけじゃなく、川で洗濯もしていた瑞穂おじいさんが拾いました。
瑞穂おじいさんとツンデレラは、末永く仲良く暮らしましたとさ。
----------------------------------------------------------------------------

私は言葉が出なかった。
だって、これ初回特典のパクリじゃないですか!
「いいのですか?著作権とか・・・。」
「大丈夫。あれはツンデレラ。こっちはツンデレ太郎。問題ない。」
問題があるような気がするのは私だけなのでしょうか。

でも、瑞穂さんと一緒に暮らせるなんて・・・ぽっ
以上。
全スレの続編で、これもコピペ+改編でやってみました。
この形式作りやすいんで、(なにせコピペなので)
やれる時に投下しようと思います。
110名無しさん@ピンキー:05/03/14 01:44:19 ID:LMoD765b
>>保管庫さん。
早すぎますよ・・・。補足が。
ともかくも、自分のがのっててものすごく嬉しい!!
お疲れ様です!
111前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 01:55:47 ID:JNj0beEo
貴子ED後、続き物ですので、「海に行こう:思いつき編」を先に読んでくれないと意味がわからないかも
ギャグだから、深く考えては駄目。

海に行こう!
用意をしよう!編
「荷物は先に送っちゃうから、着替えとか水着とか、明後日までに用意しておいてね」
基本的には暇な夏休みの学生ばかり、電話で連絡を取り合えば簡単に予定は立ってしまった。
しかし、明後日までに用意しろとは・・・相変わらずですわね、彼女は。
翌日、私は一人でデパートの水着売り場に来ていた。6人中男性は瑞穂さんひとりともなれば、いやがうえにも気合が入る。
しかし、相変わらず女物は何でも高いわね・・・家出する時に父名義のクレジットカードでも盗んで来ればよかった(←犯罪です)
値段とデザインとの妥協点を探す私に、背後から声がかけられた。
「厳島貴子さん、ですか?」
えっ?振り向くと八重歯の可愛い高校生くらいの女性が立っていた・・・何処かであったことがあるような・・・
「あの、上岡由佳里です」
あぁ〜思い出した。確か・・・聞いてた寮生の一人・・・ですね。
「お久しぶりですね。上岡さん。前にお会いした時はお話しする機会を逃してしまいましたけど」
ちなみに前にあったときとは、聞かれたとき・・・忘れてる振りを決め込もう。
「あっ・・・はい。そうでしたね」
見る見るうちに真っ赤になる上岡さん。貴女がそういう反応すると、こっちも赤くなってしまうじゃないですか。
「「あははは・・・・」」
赤い顔のまま、お互いの顔を見て乾いた笑いを浮かべる。
「・・・お願い、忘れてください」
「・・・はい」
彼女の方へと視線を向ける。1年半前に会った時と比べれば背が伸び、大人びてきたように見える
「貴女も水着を?」
「はい、久しぶりにお姉さまにも会えますし」
すでに彼女の手には紙袋が握られていてる。どんな水着を買ったのかな?ちょっと気になる。
「クス、瑞穂さんが男性なのはご存知なんでしょう?」
と、言ってからしまった・・・と思った。案の定、彼女の顔はトマトのように真っ赤になって、それに釣られて私の顔もトマトのようになってしまった。卒倒しなくなったのは自分でも成長したと思う。
「・・・ごめん、思い出さないでください」
「・・・はい・・・」
(1/3)
112前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 01:56:26 ID:JNj0beEo
コホンと軽く咳払いをして、まじめな方向に話を軌道修正。
「ともかく、貴女にとって瑞穂さんは未だにお姉さまなんですね」
「はい、ショックは大きかったですけど・・・お姉さまにも色々と事情があったみたいだし・・・それに、お姉さまが鏑木瑞穂でも宮小路瑞穂でも、尊敬できるお姉さまなのは変わりありませんから」
そう言われると、我が事のように嬉しい。
「それに・・・あの堅物の会長があんなに乱れてるって言うほうがショックが大きくて・・・」
「今すぐ忘れなさい!!」
大声を出しすぎた私たち(主に私)に視線が集中する。あわてて、由佳里さんの手を握って店内から走って逃げ出す。
「はぁはぁ・・・」
「はぁはぁ・・・」
「貴子お姉さまがあんなに大声を出すからですよ」
息を整えながら、由佳里さんが不平を口に出す。色々と言い返したいことはあるが・・・駄目、ちょっと肺が痛い。さすが、現役陸上部。
「はぁ・・・あぁ、もう、だったら・・・あんな事言わないで・・・ください」
「運動不足でしたら、鍛えなおしてあげますよ、陸上部の子達と一緒に」
謹んでご遠慮します。

そのまま、私たちは自販機でジュースを1本ずつ買って別れた。無駄に全力疾走をした体に、冷たいジュースが心地良い。
そして、鏑木の家に帰った私に、瑞穂さんが
「あれ、貴子さん、水着は?」
「・・・あっ」

仕方ないので、翌日、またデパートの水着売り場へ。今日は瑞穂さんもお父様の会社へ車を取りに行くので、デパートまで同行してくれた。
ちょっとしたデートのような気分になるが、女性水着売り場への動向はかたくなに拒否されてしまった。
まあ・・・流石に右を見ても左を見ても、ビキニだのワンピースだのでは、男の方は入りくいと思う。
「ここで待ってますよ」
水着売り場と同じフロアにある喫煙所。そこには自販機とベンチが置いてあって、他にも数人の男性が思い思いに時間を潰している。待たれるとゆっくり選びににくいのですが・・・早く選びましょう。
と、思っていたのに2時間も掛かってしまった・・・駄目じゃん、私。
(2/3)
113前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 01:56:58 ID:JNj0beEo
喫煙所に帰ってくると、一人の男性が女性に耳を引っ張られ、引きずられていくのが見える。喧嘩?
「ごめんなさい。お待たせしてしまって・・・」
「あはは・・・大丈夫ですよ」
「流石に笑顔が引きつってますわね」
苦笑しながら、自販機で2本のジュースを買いながら言うと
「いいえ・・・あの、退屈なので同じように待ってた男性と話をしてたら・・・」
買ったジュースの一本を瑞穂さんに手渡すと、先ほどのカップルのことが思い出された。
「まさか、相手の女性に恋人が買い物してる最中にナンパをしてた、と勘違いされたとか・・・」
「男性の方は、貴子さんと一緒にいた所を見てたので、僕が男だと思ってくれたんだけど・・・」
確かに・・・自分の恋人が瑞穂さんと話してたら、勘違いもしますわね。あのカップルが別れたりしなければ良いのだけど。

デパートの近くにある鏑木グループ企業の営業所。確か、不動産関係の仕事をしてるとか言ってたはず。
その会社の駐車場。貸してもらえる車が教えられる。
「大きい・・・ですわね」
「大きい・・・ですね」
いわゆるライトバンという奴で、この車は8人乗りだそうです。かなりの長距離なので、このくらいのサイズがないと6人はきついというのはわかりますが・・・
「瑞穂さん・・・自動車学校を卒業して、何回車に運転しました?」
「同級生の軽四を4回ほど」
「さて・・・私は、徒歩で帰りますから」
すっと、背を向けるとぎゅっと私の手が瑞穂さんにつかまれてしまった。離してぇ〜貴子ちゃん、おうちに帰る〜〜〜〜
「見捨てる気ですか!?」
「せめて、軽四10回くらいは乗ってからにしてください!」
「大丈夫ですよ。自動車学校はマークIIでしたから」
フォローになってるんですか?それ・・・車には全然詳しくないんですけど・・・

数分の押問答の後、結局私は瑞穂さん@ペーパードライバーの運転で帰ってくることになりました。
瑞穂さんの腕ですか?まりやさんよりかはずーっとマシでした。あれと比べていいものかどうかは微妙ですけど・・・
でも、パーキングブレーキの解除に5分間悩んで、コラムシフトの使い方に首をかしげた時は、生きた心地がしませんでした、本気で
(3/3おしまい)
114前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 02:00:34 ID:JNj0beEo
補足
設定としては、一応、借りた車はタウンエースノア。本編とはほとんど関係ありません
ちなみに「パーキングブレーキの解除に5分悩んで、コラムシフトの使い方に首を傾げた」
は、レンタカーでこの車を借りた時に、漏れが実際にやった事です(w
足元にパーキングブレーキのある車種もコラムシフトの車種も乗った事なかったんだもん

しかし、小ネタの詰め合わせみたいになっちゃったなぁ・・・
115名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:01:11 ID:eiMFi/WU
>離してぇ〜貴子ちゃん、おうちに帰る〜〜〜〜
うほっ
116名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:02:47 ID:LMoD765b
>>105
略していただいてありがとうございます。
これをいわれたら、もう書く事がなくなってしまいますので(爆)

>>111-113
GJです。
女と勘違いされる瑞穂ちゃん萌え。
あと、貴子は車難の相が見えておりますなあ・・・。
117名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:07:08 ID:R8uru20e
>116
いえ、差し出がましかったと反省してますw;
「神とやらの台詞をよく読むと…(以下自粛」みたいにもっと暈しておけば楽しみが増えたんじゃないかなと今頃思ってたり。
118名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:11:26 ID:R8uru20e
>114
わかりますそれ、私も乗りなれない車に乗った時戸惑うこと頻りw;
>瑞穂ちゃんの腕
大丈夫だ!瑞穂ちゃんは初心者だからこそ頼りないわけで、まりやと違って慣れさえすれば安全運転になる…はず?
119名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:16:06 ID:GsdNrs/y
>>114
漏れの姉が免許を取りたての時、助手席に座ってみたんだが、
あれは…怖かった…。まじ叫んだ…。

ちなみに車種は忘れたが軽四。
120名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:16:14 ID:57lIyADK
>117
「神とやらの台詞をよく読むと…(以下自粛」???
121前スレ243改め1話スレ241:05/03/14 02:19:26 ID:VJJoKads
>>111-113
GJですよー。
やば、今自分も海水浴ネタ書いてるからかぶるかも。
うーん、どうしよう・・・。
とりあえず次編期待してまつ
122:05/03/14 02:20:49 ID:q3ZmFxl6
SS初投稿してみます。
テーマはお正月。
鏑木の実家にまりやが例年通り遊びにきている様子をパロディ風味で考えてみました。
とりあえず前半部だけ載せてみます。
エロがないのとネタパクが多々あるのはご勘弁下さい。
123正月狂騒曲1/6:05/03/14 02:21:28 ID:q3ZmFxl6
恵泉に入学してからの最初のお正月がやってきた。
最近はお父様と世話役の楓さん、そしていとこのまりやと一緒に家で新年を祝うのが
お正月の過ごし方となっている。
たった一つのことを除けば今までとなんら変わらない素晴らしいお正月なのだけど・・・

まりや「瑞穂ちゃんって、本っっっっ当に着物が似合うよね」
なぜか僕は袖振を着せられていた・・・。
慶行「しかし本当に瑞穂は幸穂の子供じゃのぉ・・・若い頃の幸穂にそっくりじゃわ」
楓「本当に幸穂様にそっくりで・・・なんだか幸穂様がおられるようで私・・・ぅっ・・・」
お母様のことを思い出したのか楓さんが涙ぐんいる・・・。
っていうか親父、僕の着物姿に萌えてるんじゃねぇよ・・・。

慶行「皆明けましておめでとう、今年もどうかよろしくたのむぞ」
一同「明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします」
まりや「それじゃあ、新年をお祝いして・・・乾杯〜〜〜〜〜〜〜!!!」
なんでまりやが仕切ってるんだよ・・・っていうかいきなり飲むのかよ。
慶行「はっはっはっはっ、まりやちゃんはいつも元気じゃのぉ」
まりや「はい、おじ様!なんたって1年で唯一お酒を飲むことが許される日ですから」
楓「ふふふ、まりやさん、去年みたいにあんまり飲みすぎてもだめですよ」
笑いながら言った楓さんの表情が微妙にひきつっている・・・ような気がした。
124正月狂騒曲2/6:05/03/14 02:21:58 ID:q3ZmFxl6
慶行「しかし、お父様の遺言を最初に見たときにはどうなるかと思ったが・・・
まさか瑞穂にこれほどの女装ポテンシャルがあったとはな」
楓「はい、お祖父様は本当に先見の明がおありでしたわ」
瑞穂「ははっ・・・本当によくここまで男だってことがバレずに過ごせたものですよ」
まりや「そ〜〜れ〜〜は〜〜、あたしがちゃ〜んと瑞穂ちゃんをサポートしてあげたからでしょ〜?」
僕の顔をのぞきこむように喋っているまりやは非常に上機嫌だ。
よく見るとすでに顔は赤みがかっている・・・もうすでに大分飲んでいるようだ。
まりや「本当〜、最初は瑞穂ちゃんに女の子慣れさせるのも苦労したわ〜、
あたしが〜、一肌脱いであげて〜瑞穂ちゃんにお・・・ふごごごごごご・・・」
まりやが暴走してとんでもないことを口走りそうになったので僕は慌ててまりやの口を塞いだ。
まりや「・・・ふごごごご・・・っぷはぁっ、何するのよぉ!!本当のことでしょう!?」
本当のことだからって言っていいこととよろしくないことが・・・ってまりや酒臭いよ・・・。
楓「ふふふっ、瑞穂様とまりやさんは本当に仲がいいわねぇ」
瑞穂「腐れ縁ですか・・・いたっ!!!」
まりや「はい、楓さん!こ〜んなに可愛い幼馴染がいるのに瑞穂ちゃんったら本当素直じゃないんだから」
まりやが僕の足を思いっきりつねっている・・・酔っていて力加減されていない分本当に痛い・・・。
楓「ふふっ、でもまりやさん、飲みすぎには注意してね」
まりや「は〜〜い、楓さん。気をつけま〜〜〜す」
そんなことを言いつつ熱燗を一気に飲み干すまりや・・・まりやの傍らにはすでに空の1升瓶が・・・。

まりやも暴走寸前で治まっていて楽しくお正月のひと時を過ごしていた。

ピンポ〜〜ン!!

玄関のインターホンが鳴った。
瑞穂「あ、ようやく来たみたいですね」
楓「それでは、お迎えに行ってきますわ」
瑞穂「楓さん、僕が行きますのでまりやが暴れないよう見ていて下さい」
楓「瑞穂様、わかりましたわ」
酔っ払ってるまりやを置いていくことに少しの不安を抱えつつ僕は玄関へと向かった。
125正月狂騒曲3/6:05/03/14 02:22:29 ID:q3ZmFxl6
奏「瑞穂お姉さま〜、奏なのですよ〜。」
玄関から奏ちゃんの元気な声が聞こえる。
僕は急いで玄関へと向かった。
奏「お姉さま〜、明けましておめでとうございますなのですよ〜」
紫苑「瑞穂さん、明けましておめでとうございます」
瑞穂「紫苑さん、奏ちゃん、明けましておめでとうございます」
正月の間、奏ちゃんが寮で一人寂しいだろうからということで、
僕と紫苑さんで奏ちゃんを正月に家に招待しようと計画していたのだ。
奏「はわわ〜、瑞穂お姉さま、着物とってもお似合いなのですよ〜」
奏ちゃんは恥ずかしそうにそう言ってくれた。
瑞穂「奏ちゃんもピンクのコート、可愛いわよ」
奏「み、瑞穂お姉さま、そんなこと言われると奏恥ずかしいのですよ〜」
大きなピンク色のコートに桜色のスカートは背の低い奏ちゃんにとてもよく似合っていた。
紫苑「ふふふ、本当に、奏ちゃんお人形さんみたいですわね。
紐をつけて携帯電話のストラップにでもしたいくらいですわ」
紫苑さん携帯持ってないじゃないですか・・・。
瑞穂「とりあえあず紫苑さんも奏ちゃんも上がって下さい」
紫苑&奏「はい(なのですよ〜)」
奏ちゃんと紫苑さんは靴を脱ぎながら家の中を見渡して、
奏「お姉さまの家、とっても大きいのですよ〜。こんな大きい家奏見たことないのですよ〜」
紫苑「私も、こんなにお庭の広い家は見たことありませんわ」
瑞穂「そうかしら、大きいだけで何にもないけれども。」
靴を脱ぎ終わった二人は綺麗に靴を並べて、
奏「お邪魔しますのですよ〜」
紫苑「ふふっ、それではお邪魔させていただきます」
僕は二人にお客様用のスリッパを出した。
奏「このスリッパ、とてもフワフワして気持ちいいのですよ〜」
奏ちゃんは生まれて初めて羊毛(100%NZ産)のスリッパを履いて感動しているようだ。
紫苑「それに・・・この長すぎてつきあたりが見えない廊下・・・凄いですわね」
紫苑さんは鏑木家名物、直線150mの渡り廊下に感激している。
瑞穂「ふふふ、そんなに驚くものでもないですよ。さっ、こちらです」
僕は紫苑さんと奏ちゃんをみんなのいる部屋に案内しようとした。
126正月狂騒曲4/6:05/03/14 02:23:41 ID:q3ZmFxl6
歩き出して10mもいかないうちに突然紫苑さんが立ち止まってしまった。
瑞穂「紫苑さん?・・・どうしたんですか?」
紫苑「何か・・・胸騒ぎがするわ・・・」
瑞穂「えっ?」
驚いて振り返ると、紫苑さんの表情はとても険しいものだった。
紫苑「ここから先に・・・進んではいけない雰囲気が・・・あちらから感じるの・・・」
奏「紫苑お姉さま・・・一体どうしたのですか〜?」
紫苑「ごめんなさい・・・変なことを言ってしまって・・・折角瑞穂さんが招待してくれたのに、
これでは失礼というものですね」
と言って紫苑さんは少し申し訳なさそうな顔をした。
瑞穂「いえいえ、私は気にしていませんから。まりやさんが来ていて・・・その・・・
少し酔っ払っているのが気懸かりなのですけどね・・・」
奏「まりやお姉さまも来ていらっしゃるのですか〜」
紫苑「あら・・・やはり先ほど玄関で見た靴は、まりやさんのだったのね」
紫苑さんがそう言った直後、

楓「キャァァァァァァァァァーーー!?」
奏「っ!?」
瑞穂「か、楓さんの悲鳴!?」
悲鳴の方向はさっきまで僕達がいた部屋だった。
奏「な、なんなのですか〜!?」
紫苑「とりあえず、行ってみましょう」
瑞穂「は、はい!!」
僕達は小走りで部屋に向かった。
半開きになっているドアを開けて中に入ると・・・、
瑞穂「こ・・・これは・・・」
さっきまでの団欒が嘘のように、部屋はまるで泥棒に物色されたかのうような散かりようだった。
楓「よ、慶行様!?」
楓さんが部屋の隅でボロ雑巾のようになっている人を抱えていた。
瑞穂「お、お父様!?」
僕は慌ててかけよった、紫苑さんと奏ちゃんは呆然と立ち尽くしている。
127名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:24:08 ID:GsdNrs/y
>>120
>>105のレスを
『「神とやらの台詞をよく読むと…(以下自粛」みたいにしておけばよかったなあ』
と言っているのですよ。
・・・たぶん。
128正月狂騒曲5/6:05/03/14 02:24:17 ID:q3ZmFxl6
お父様は命に別状はないものの顔中アザだらけで意識を失っているようだった。
瑞穂「楓さん!一体、誰がこんなことを」
楓「瑞穂様が玄関にお友達をお迎えに行ってらっしゃる間、台所までお料理を取りに行っていたの、
そして戻ってきたらこの有様に・・・・」
瑞穂「・・・っ!そ、そういえば、まりやは!?」
まりやがいないことに気づき、部屋を見回したがまりやの姿は見当たらない。
瑞穂「い、一体まりやはどこへ・・・」
圭「まりやさんを・・・今はまだ・・・探してはいけません」
瑞穂「そ、そうなんですか・・・って、圭さん!!!??」
なんと、なぜか僕のすぐ横に圭さんが、しかも制服ではなくジーンズ姿でそこはかとなく凛々しい。
奏「はややっ、ぶ、部長さん、明けましておめでとうございますなのですよ〜」
紫苑「あら圭さん、明けましておめでとうございます」
圭「紫苑様、奏、あけおめ〜」
なんで二人とも普通に挨拶できるんだ・・・。
紫苑「瑞穂さん、細かいことを気にしていたら、負けですわよ」
圭「紫苑様の仰るとおりで・・・」
まさかSSまでご○合主義だったとは・・・。
瑞穂「と、取りあえず救急車を・・・」
僕は急いで救急車を呼ぼうと電話してみたが・・・。
瑞穂「で、電話が通じない・・・?!」
な、なんで・・・。
奏「はややっ、今入ってきたドアが開かないのですよぅっ・・・!」
奏ちゃんが必死にドアを開けようとしているがドアはびくともしない。
圭「こ、これはいわゆる・・・」
紫苑「館もの・・・ですわね」
圭「い、今言おうと思ったのに・・・」
瑞穂「いや、圭さんそこまで落ち込まなくても・・・」
それにしても、ドアが開かないって・・・そもそもドアに鍵なんかないんだから開かないはずが・・・。
圭「これは電話線も切られたようね・・・」
瑞穂「圭さん・・・これ携帯電話ですよ・・・」
圭「ふ・・・不覚・・・」
さらに落ち込んでしまったようだ、心なしか圭さんが床にめりこんでいるような気がしないでもなかった。
129正月狂騒曲6/6:05/03/14 02:24:50 ID:q3ZmFxl6
楓「あら、奏さん・・・」
奏「ふぇ?楓さんどうしたのですか?」
楓「奏さん・・・そこのドアは引かないと開かないですわよ・・・」
一同「・・・・・・・・・・」
奏「か、奏ったら、本当にお馬鹿な子なのですよぉ〜・・・」
奏ちゃんはあまりの恥ずかしさに涙目になっている。
ということはまさか・・・。
圭「電話・・・電源が入っていませんでしたね・・・瑞穂さん」
何か勝ち誇ったかのような顔で圭さんが僕を見ている・・・ついさっきまでの凹み具合はどこへ・・・。
紫苑「残念ですわね、せっかく面白そうな展開でしたのに」
紫苑さん・・・何を期待していたんですか。
瑞穂「と、とりあえず救急車を呼ばないと」
僕が救急車を要請している傍らで圭さんが徐(おもむろ)にテレビのリモコンを手に取った。
奏「部長さん、何かテレビでも見るのですか〜?」
圭「小鳥遊圭・・・一世一代の大仕事・・・」
そういうと圭さんはテレビの電源を付けた。
鏑木家自慢の超大型65インチ液晶テレビに見覚えのあるナレーションが・・・

            お願いとお知らせ
     多分、このSSは本編とはあんまり関係ありません。
 それから、演劇人生かけてますが、音声は入っていません。ご了承下さい。
         どうか、広い心でお楽しみ下さい。

画面が暗転し、2,3秒たった後・・・

カシャカシャカシャ・・【 ま り や と か が 酔 っ て る 】ジャーーン


その時、確かに時間が止まった気がした。(後日談)
数秒の静寂の後・・・
楓「まぁ、酔っているのはまりやさんだけですのに」
楓さん突っ込むところ間違ってますよ。
130:05/03/14 02:26:21 ID:q3ZmFxl6
以上、正月狂騒曲・前半でした。後半へ続く(かも・・・)
こういうSSというのを初めて書いてみたんですが、難しいですね・・・

(というよりもテキストから貼り付けてみたら・・・読みにくい・・_no改行スレバヨカタ)

パロディ系は特に面白いネタ考えるのがしんどいのですが、考えてる途中が楽しかったり。
でも後半はまだ構想段階で落ちが決まらず立ち往生してますが・・・
近日中に投稿できるようガンバってみます。
131127:05/03/14 02:27:54 ID:GsdNrs/y
Badタイミングなカキコすいません orz
132名無しさん@ピンキー:05/03/14 02:30:37 ID:R8uru20e
>120
まあまあ、種明かしは新興宗教さんの続編を待つべし。
先読みしちまった私より君の方がある意味得してると思うぞ。
その方が読んだ時の「そうきたか」って驚きも大きくなるだろうし。

あと、ついでにsageてくれるとありがたいかも。

>127
フォローThx.
元は私のでしゃばりが原因なんだから反省すべきは私の方…。
133:05/03/14 02:38:18 ID:q3ZmFxl6
>>127
お気になさらずに(´・ω・)
134127:05/03/14 02:48:53 ID:GsdNrs/y
お二方とも、そう言ってくれてアリガトウ。

ここは、いいスレだな…。
135名無しさん@ピンキー:05/03/14 03:09:04 ID:il91jB3b
しかし、深夜でも進むのかよ。このスレ。
一日いくつくらい落ちてるの・・?
136前スレ243改め1話スレ241:05/03/14 03:21:24 ID:VJJoKads
大小合わせて10前後では?
137名無しさん@ピンキー:05/03/14 07:09:24 ID:RLztrDmw
|ω・`) < コソーリ・・・

|ω・`) < だれもいませんね〜?
        投下しちゃいますよ〜?



今までネタ、ネタときた私ですが
今回はいつもとは趣を変えて、SSに挑戦してみることにしました(`・ω・´)
少々長目ですが、お付き合いください。
1387:05/03/14 07:11:59 ID:RLztrDmw

講堂は騒然としていた。
礼節を重んじる恵泉女生徒でも無理はない。
「会長・・・・・・・・・」
そう、規律にはうるさい君枝でさえ貴子の突然の申し入れに驚き、
他の生徒達を鎮めることも忘れて、言葉を失っていたのだから。

エルダー選挙の結果発表時の、瑞穂に可決されようとした正にそのとき、貴子は異議を唱えた。
いわく、転入生では我が校の伝統を受け継ぐ者の代表としてはふさわしくない、と。
反対する彼女は別に瑞穂が憎かった訳でも、もちろん自身が就任したかった訳でもない。
恵泉女学院を真摯に考えてこその申し入れだったのだ。

人の本心から出た言葉というものは、他人に訴える力を持つ。
「そ、そうよ!会長の言うとおりだわ」
「あらっ、それでも私はやっぱり瑞穂お姉さまよ」
「エルダー選挙と人気投票は違う・・・・・・か」
生徒達の中には貴子の意見に賛同する者も現れてきた。もっとも、それでも
瑞穂を推挙する生徒が大多数だったが、近くのもの同士で口々に意見を述べ合っていた。
1397:05/03/14 07:13:23 ID:RLztrDmw

生徒達の動揺、そして論争の声は未だ収まることを知らず、
壇上の二人の会話は他の生徒達の耳に届くことはなかった。

瑞穂「貴子さん・・・・・・」

貴子「貴方をエルダーに就任させるわけにはいかないの、申し訳ないけれd…」

瑞穂「クククッ・・・」

貴子「な、何を笑っているのですか、宮小路さん!」
1407:05/03/14 07:16:16 ID:RLztrDmw

瑞穂「さて、そこでこの瑞穂は考える・・・・・・・・・
   はたしておまえの異議申し立てには、どれほどの支持者がいるのかと?」

貴子「・・・・・・・・・っ!!」

瑞穂「200人か?300人か?
   ひょっとすると事前に根回しをして全校生徒の過半数は超えているのに
   わざと少ないフリをしているのだろうか・・・・・・とね。
   フフ・・・どうなんだ?」

貴子(まずいですわ・・・・・・もう少し早くに、この考えを皆さんに言っていれば
   もっとたくさんの支持を得られたかもしれませんけれど・・・
   今は・・・生徒会関連の生徒たち数十人に支持されるのがやっとですわ・・・・・・
   今のままでは勝ち目がないと、宮小路さんに悟られてしまったら
   一巻の終わりですわ・・・・・・
   なんとか時間を稼いで、話し合いの場を設けなくては・・・・・・)

瑞穂「フフン! 言いたくないのは当然。
   おまえはわたしの思うに、恐らく現段階では100名にも満たない支持しか得られない・・・
   だが・・・・・・仮にも生徒会長であるおまえの交渉力、人望をあなどって
   このまま正攻法で論じ合うのは賢い者のすることではない・・・
   さっきの演説、実に見事だった。
   結構シビれたぞ・・・・・・フフ」

貴子「・・・・・・・・・・・・」
1417:05/03/14 07:17:28 ID:RLztrDmw

瑞穂「そこで貴子!きさまが何名の支持を得ようと関係のない秘策を用意してきた・・・・・・!」

 <瑞穂、生徒達の方をちらりと見て、合図を送る>

貴子「!!」

瑞穂「青ざめたな・・・勘のいいきさまは悟ったようだな・・・
   前もって準備していたのだ・・・・・・
   この合図を見て、どちらを選ぼうがメガネとHという理不尽な選択肢よりも
   みじめな結末になるのに気づいたようだな!」

貴子(な、なんてことを思いつくんでしょう・・・これは・・・・・・やばい・・・です・・・わ)

貴子「君枝さん!早く生徒達を静めて、反対動議の賛否を・・・っ!!」

瑞穂「フン!もう遅いッ!
   きさまはチェスや将棋でいう”チェックメイト”にはまったのだッ!

   『紫苑さん、お願いします』!!」

1427:05/03/14 07:18:51 ID:RLztrDmw

後書け
エス…エス??なんだね、それは・・・? ( ゚Д゚)y-~~
143名無しさん@ピンキー:05/03/14 08:45:59 ID:bCdLLz0F
>>138-142
これって何か元ネタがあるの?
144名無しさん@ピンキー:05/03/14 08:54:02 ID:RLztrDmw
>>111-113
GJ!
海に行ったときの周りの人たちの反応が楽しみですね。
何てったって、全員美少女な集団なんですから(*´Д`)ハアハア
・・・・・・あれっ、何か違うか?


>>123-129
着物が似合う瑞穂ちゃん、それに萌えるは親父さま・・・
まっ、至極当然な光景ですな。(エッ!?
後半に期待sage
145名無しさん@ピンキー:05/03/14 08:57:59 ID:RLztrDmw
>>143
すみません、解らない方には全く解らないものを投下してしまって・・・
元ネタはジョジョの奇妙な冒険です。
結構有名なマンガなので、名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
146元269:05/03/14 09:17:47 ID:Rs6glSsu
二日見てないだけで、スレが第3話に…早いですね
お正月休み元日編第3話投下します。
147元269:05/03/14 09:18:29 ID:Rs6glSsu
元日編第3部

「ごちそうさまでした」
僕たちはいま、遅めの朝食を採り終わったところだ。
あの後、お父様と食堂に戻ったのとき、皆は用意された朝食に手を付
けないままに、僕たちを迎えてくれた。
みんなが一様に
「おかえりなさい」
と云ってくれたとき、照れ臭さと嬉しさを感じた。
「…でさ、どうする?」
食後のお茶を飲んでいると、まりやが云った。
「どうするって?」
…何が?
「そんなの決まってるじゃない、今日の予定よ」
「予定…なのです?」
奏ちゃんが、持っていたティーカップをテーブルに戻しながら云う。
「そ。紫苑様は実家に戻るって云ってたけど…・あたしたちはどうす
んのかなぁって」
「特に決めてないけど…?」
「せっかく、三人とも振袖に着替えてるんだしさぁ。…どっか行かな
い?」
「あら、いいですわね。せっかくの機会ですから、どこかにお出掛け
になるのもよろしいのでは…?」
微笑を浮かべて紫苑さんが云う。
「奏もお姉さまとお出掛けしたいのですよ〜」
「でも、どこに行くの?」
お正月だから大概のお店は休みに入っているし…。
148元269:05/03/14 09:20:29 ID:Rs6glSsu
「ふむ、では初詣にでも行ってみてはどうかな?」
「初詣…着物で行っても違和感はありませんし、良いのではないでし
ょうか…?」
初詣か…。
「あれ?でも仮にもミッション系の学院に行ってるのに…」
いいのかな?
「あはは。瑞穂ちゃん、それ、自分で答えを云ってる様なものだよ?」
「え?」
「ふふっ。そうですわね…。仮…なのですから、気にすることもない
のではないかしら…」
「あ…」
「くすくす」
奏ちゃんに笑われてしまった…。
でも、確かに自分で答え出してたみたい…。
「…それじゃ、初詣に行くことにしましょうか…?」
「さんせ〜い」
「はいなのです」
笑顔で賛同する奏ちゃんとまりや。
「ふふっ…楽しんでらして下さいね…?」
「はいなのです!」
元気な奏ちゃんの返事が響いた。
「さて、…十条さん。貴女は実家に帰るのだったかな?」
「はい」
「では、途中まで送ろう。…わしも出掛けるのでな」
「…はい。宜しくお願いします」
まりやたちには事情を説明してないから一芝居…でも、お父様?台詞
棒読みですか…。
149元269:05/03/14 09:21:25 ID:Rs6glSsu
まぁ、まりやと奏ちゃんは、どこに初詣に行こうか、と熱心に話し合
っていて、聞こえてなかったみたいだけど……。
「お父様…」
宜しくお願いします、と視線を送る。
「ん」
任せておけ、とばかりに鷹揚に頷くお父様。
紫苑さんは、そんな二人のやり取りを、黙って見詰めていた……。


「うわ〜〜!凄いね、これは…」
どこから集まったのかと聞きたくなるほどの人込みを見てまりやが云
った。
確かに…すごいや。
「ふぁぁ」
奏ちゃんも感嘆の声を上げる。
僕たちはいま、近辺で一番大きな神社に来ている。
お父様と紫苑さんを見送った後、どこに初詣に行こうか話し合ったの
だが、元々、神社などには詳しくもないこともあり、
「無難なとこでいいんじゃない?」
と云うまりやの言葉に従って、ここに決まった。
確か、なにやら由緒ある神社らしい、とか聞いたことはあったが、実
際に足を運んだことは一度もない。まりやや奏ちゃんも同様である。
150元269:05/03/14 09:22:28 ID:Rs6glSsu
とりあえず、神社の入り口までは来たものの…。
「なんか……ラッシュアワーって感じだね…」
「…同感」
目に見えるは人、人、人!
見ただけでうんざりしてしまう人の量だ。
「す、凄いのですよ〜」
「凄いっちゃ凄いけど…どちらかと云えば、開いた口が塞がらないっ
て方だね…これは」
…ただでさえ歩き辛い格好をしているのに、こんなところ、まともに
歩けるのだろうか…?

広い境内には、焼きそばやたこ焼きなどの出店が軒を連ね、さながら
縁日の賑わいを見せている。
「…お!」
まりやは出店を一軒一軒見て廻って行くつもりのようだ。
「あわわ…」
奏ちゃんの声がした。僕は、慌てて後ろを振り返る。
「あう〜」
小さい奏ちゃんは逆行する人波に呑まれて立ち往生してしまっていた。
「奏ちゃん!」
僕は手を伸ばし、奏ちゃんの小さい手を取ると傍に引き寄せた。
「お姉さま…ありがとうございますなのです」
ほっ、と胸を撫で下ろす奏ちゃん。
「逸れてしまっては大変ね」
云って、奏ちゃんに手を差し出す。
「はやや?」
151元269:05/03/14 09:23:11 ID:Rs6glSsu
差し出された僕の手を不思議そうに見詰める。
「ふふっ、手を繋いで行くことにしましょう…」
「は、はいなのです」
おずおずと手を伸ばすと僕の手に絡める。
「えへへ…」
照れ臭そうに笑う奏ちゃんの手は、とても小さく、暖かかった…。


「……あ」
「どうしたのですか?」
人込みを掻き分け、本殿に向かうその途中。僕は思わず声を上げてし
まった。
やばい!
正面から三人連れの男が歩いてくる。……見知った顔だった。
「〜〜」
どどどうしよう…。
それは…開正学園時代の友人……だった。
「?…どうかなさったのですか?お姉さま」
奏ちゃんが心配そうに顔を覗き込んでくる。
「な、なんでもないのよ。気にしないでね」
「そう…ですか?」
そうこうしている内に、三人との距離がどんどん縮まっていく。
152元269:05/03/14 09:23:51 ID:Rs6glSsu
僕は意を決してすれ違うことを決めた。
ええい、ままよ。
三人はこちらに視線を送りながら、横を通り過ぎて行く。
ほっ…。
と胸を撫で下ろした瞬間!
「おい、今の見たかよ!」
後ろから声が聞こえた。
途端に足が動かなくなる。
「?…お姉さま」
急に立ち止まったのに驚いた奏ちゃんが僕を見上げる。
なんでもないわ…と云おうとしたとき、
「ああ、見た見た!あれ、もしかして……」
「あ、お前も思った?!」
再び声が聞こえてきた。
サーっと血の気が引いていくのがわかる。
「お姉さま?!お顔の色が」
心配そうな奏ちゃんの声が聞こえる。が、応えることもできない。
ドクン、ドクン。
鼓膜が、あたかも心臓であるかのように拍動する。
……終わった。
……僕は、全てを諦めた。


つづく
153元269:05/03/14 09:25:41 ID:Rs6glSsu
第3部、投下終了です。
さぁて、今後はどうしようかなぁ…
154名無しさん@ピンキー:05/03/14 10:26:12 ID:R9HXxbH6
>>142
貴子「理由はたった一つ。単純な理由だ。  テメェはオレをデレさせた……」


ネタ知ってる俺は腹抱えて笑った。
155名無しさん@ピンキー:05/03/14 10:38:37 ID:GsdNrs/y
残念ながらジョジョネタはこれが初めてじゃないんだよな。
保管庫の『freezed will』参照です。
156名無しさん@ピンキー:05/03/14 10:50:10 ID:eTZ99Msp
それはもう何が残念なのかさっぱり。
157名無しさん@ピンキー:05/03/14 10:55:23 ID:WOYLvjza
職人の皆様、乙なのですよ〜。
相変わらずの焦土作戦ですね〜。

お正月編も海編も素敵なのですよ。流石にジョジョネタはわからんかったけど・・・

158名無しさん@ピンキー:05/03/14 14:31:25 ID:WDv+7DTj
元ネタは、「そこでこのディオは考える」
だったよね?
159名無しさん@ピンキー:05/03/14 15:12:38 ID:5TlZNi3+
3部ラストだな
160元269:05/03/14 16:04:48 ID:Rs6glSsu
お正月休み元日編第4部投下します。
161元269:05/03/14 16:05:35 ID:Rs6glSsu
元日編第4部

僕が、全てを諦めた、その刹那!
「あれが良家のお嬢様って奴?!」
「すげー美人だったもんな、あれ」
「居るんだね、世の中には。ああ云う『お姫様』みたいな人が…」
ズルッ。
想像もしていなかった呑気な内容に思わず滑ってしまった。
「お姉さま?……どうかなさったのですか?」
「ううん…なんでもないわ……。久しぶりの人込みで少し疲れたみた
い…」
心配そうに話しかける奏ちゃんに、苦笑を浮かべて云う。
……ばれなかったのは、良かったけど……なんか、複雑…。
三人の内の二人は入学から最上級生になるまで、ずっと同じクラスに
いた奴らだったのだ。
「お疲れ…なのですか?……まだ30分も経ってませんのですよ?」
奏ちゃんが驚いたように目を見開いてから、くすくす、と笑う。
「あら…そう云えばそうね。ふふっ……じゃあ、行きましょうか」
「大丈夫なのですか?お姉さま」
「ええ、…それに今頃、まりやが待ちくたびれているかも知れな
いし…ね?」
先ほどまでは目に見える範囲にいたまりやは、もう大分先に進んでし
まったようだ。
「はいなのです。行きましょう、お姉さま」
僕たちは手を繋いだまま、まりやの後を追っていった。
162元269:05/03/14 16:06:28 ID:Rs6glSsu
「あ、来た来た。瑞穂ちゃん」
本殿の手前、ひと際大きな鳥居に差し掛かると、まりやが声を掛けてき
た。
「…随分と買ってきたわね……」
「食べ切れるのですか?まりやお姉さま…」
まりやの手には、大きな袋に入った綿雨が3つもあった。
「ああ、これ?いや、後で皆で食べようと思ってさ」
「お参りしてからにしたほうが、良かったんじゃない?」
思わず苦笑してしまう。
「う…云われてみれば…確かに。ま、今さらでしょ?」
云って僕たちに袋を手渡す。
「あら…いいの?」
「…宜しいのですか?」
袋を受け取るながら云う。
「もちろんよ」
「…そう?ありがとう、頂くわ」
「ありがとうございますなのですよ〜」
奏ちゃんが嬉しそうに云った。
「さて、じゃあ…さくっ、とお参りしちゃおうか」
「はいなのです!」
奏ちゃんは元気良く返事する。
でも、まりや。さくっと…って……。
なんか違う気もするけど、三人で本殿へと向かった。
163元269:05/03/14 16:07:10 ID:Rs6glSsu
「瑞穂ちゃんは何をお願いしたの?」
お参りを済ませた後、僕たちは境内の外れで小休止していた。
ベンチなどは既に一杯で、休めるところを探して歩いているうちに、
人の少ない外れに出た。丁度そこに、腰を掛けられそうな庭石があっ
たので、三人とも思い思いに腰を下ろしている。
「私?無明息災と合格祈願…」
「なんか、在り来たりだね、奏ちゃんは?」
「奏は、皆が健康で仲良く過ごせますように…って、お願いしたので
すよ」
「ふ〜ん…」
感心したように頷くまりや。
「まりやは?」
「え?あたし?……特に何も」
「え?!」
まりやの言葉を聴いて驚いた声を上げる奏ちゃん。
「いや、ほら。お願い事をしたってさ、別に必ず叶うわけでもないじ
ゃない?だったら、やるだけ無駄かなって…ね」
ややおどけたような感じで云う。
「…まりやは完全な現実主義者、だものね……」
そんなまりやにとっては、姿かたちの見えない『神様』などと云うも
のは下らないものなのだろう。
「まりやお姉さま…。それは違うのです」
「え?」
奏ちゃんが真剣な顔で云う。その瞳は真っ直ぐにまりやを見据えてい
る。
……奏ちゃん?
164元269:05/03/14 16:08:03 ID:Rs6glSsu
「違うって、何が…?」
あまりに真剣な奏ちゃんの様子に、やや尻込みしたまりやが問う。
「神様が叶えてくれるから、お祈りをするにではなく……自分の叶え
たいことを自分に言い聞かせるために、その為にお祈りするものだと
思うのです」
「奏ちゃん…」
「神様が本当にいらっしゃって、いつも見守っていてくれる…本当に
困った時には助けてくれる、とは、奏自身信じてはいないです」
「……」
やや俯きながら云う。
…そう云った奏ちゃんの顔は、憂いを帯びた悲しそうなものだった。
「でも……」
落としていた目線を上げて続ける。
「でも、神様という第三者にお願いする…という形で、自分自身の
やりたいこと、願っていることを再確認して、それを果たすために
努力する。その為の…云ってみれば決意表明…だと思うのです」
「…決意表明……」
奏ちゃんの云う通りだろう。本当に神様が存在していて、救済してく
れると云うのなら、世の中には誰一人として、不幸な人間は存在しな
いだろう。…だが、現実には……。
「そっか…そうだね」
奏ちゃんの言葉を反芻していたまりやが、納得した様子で頷いた。
「…奏ちゃんの云う通りだね。……ごめん。…あたし、も一回行って
来る」
云うなり、立ち上がると駆け出すまりや。
「まりやお姉さま…」
奏ちゃんは、そんなまりやの後姿を優しい表情で見つめていた…。
165元269:05/03/14 16:08:40 ID:Rs6glSsu
「おかえりなさいまし、瑞穂様」
車から降りると、そこには楓さんが待っていた。
…着物姿のまま、歩いて帰るには少し距離があったので、家に連絡し
て迎えの車を回して貰ったのだ。
「ただいま帰りました」
「ただいまなのですよ〜」
「たっだいま〜」
車から降りた僕たちは、口々に楓さんに挨拶をする。
「ふふっ。着慣れない召し物では、さぞお疲れになったことでしょう。
お風呂の準備が出来ております。どうぞお入り下さいな」
「ありがとう、楓さん。じゃあ、…まりや」
「はいな、行って来る」
奏ちゃんと連れ立って歩き出すまりや。
去り行く二人を眺めながら溜息を吐く。
「…ふぅ」
…かなり疲れた。
なにせ、着物で歩くには、内股で歩かなくてはならない。
普段あまり使わない、腿の内側の筋肉が悲鳴を上げていた。
「あ、瑞穂様はそのままのお姿でこちらに…」
「え?」
とりあえず、着物を脱ぐ為に、先生のいる部屋に向かおうとしたとこ
ろ、楓さんに呼び止められた。
「?」
云われるままに楓さんに付いて歩く。向かっているのは客間のようだ
が……。
166元269:05/03/14 16:09:27 ID:Rs6glSsu
「?!」
…なにこれ?
案内された部屋には何故か…
「…カメラに……レフ板?」
そう、部屋にはカメラを携えた女性と撮影用の機材があった。
この状況で考えられることはただ一つ。
「……まさか?」
写真撮影……?女装姿…着物バージョンを?
「はい、旦那様からのご命令でして…」
云い難そうに、少し顔を歪めながら楓さんが云う。
「お父様が?!」

「はい、撮りますよ」
パシャ!
「…ぅ……」
結局、断りきることが出来ずに写真撮影が始まってしまった。
……はぁ。なんでこう、押しに弱いんだろう…。
お父様の命令だから、と主張して譲らない楓さんに押し切られてしま
うなんて…。
「ほらほら、笑顔笑顔!」
「あ、すいません…」
カメラを向けられて慌てて笑顔を作る。
パシャ!
「うん…いいよ。じゃあ、今度は目線ここ」
云って左手を大きく横に広げる。僕は、その左手を見ながら笑顔を作
る。
パシャ!
「……」
167元269:05/03/14 16:10:22 ID:Rs6glSsu
パシャ!パシャ!
「………」
パシャ!パシャ!
……

どのくらい時間が過ぎただろうか…。云われるままに視線を動かし、
ポーズを取り、撮影に応じる。
もはや何も考えずに、ただ要求された通りのことをこなしている。
「……うわ〜、瑞穂ちゃん、色っぽいね〜」
「…ふわぁ」
不意に聞こえてきた声で我に返る。
色っぽい……?
ふと、今の自分の姿を見る……。

その1…横座わり。やや左に傾いている。
その2…左手で体を支えている。
その3…右手は、髪を耳の後ろにたくし上げている。
その4…左の鎖骨を露出。
その5…ブラに包まれた胸パットの谷間がちらり。
その6…乱れた着物の裾からは、太ももが……

………。

168元269:05/03/14 16:11:00 ID:Rs6glSsu
「…え?……ええ?!!」
慌てて着崩れを直し、身を屈める。
「な…なな……?」
なんでこんなことになってんの?!
「いや〜、こいつは春から縁起が良いわいな〜」
「…はぅ」
よろめき出す奏ちゃん。
「おっとと。奏ちゃんにはちょっと刺激が強すぎたね、これは」
傾く奏ちゃんを支えながらまりやが云う。
「いや〜、君はいい素材だね。たまにいるんだ。長時間撮り続けると、
こちらの指示に盲目的に従ってしまう娘が」
ご満悦そうなカメラウーマン。
「ふふっ。なかなか見物でしたよ?瑞穂様」


orz  「…もはや、言葉もない…です」


169元269:05/03/14 16:11:37 ID:Rs6glSsu
「良い絵も撮れましたし、ここまでにしますか…」
云って機材の片付けに移る。
「いいなぁ、あたしも瑞穂ちゃんの写真…欲しいなぁ」
「か、奏も…欲しいのです」
「ちょ、ちょっと…二人とも?」
冗談じゃない。あんな恥ずかしいものを……。
「あら?欲しいなら進呈しますよ…?」
「か、楓さん?!」
しれっと応える楓さん。
「ほ、本当なのですか?」
「わお!やった!!」
顔を輝かせて喜ぶ二人。
「……はぁ」
一年の計は元旦にあり……この格言が、『嘘であって欲しい』と心か
ら願わずにはいられない、元日の出来事だった……。
……とほほ。


Fin
170元269:05/03/14 16:13:15 ID:Rs6glSsu
長々と続けてしまった『鏑木家のお正月』ですが、大晦日編、元日編
の2編をもって終了です。

今までの投下作品もまとめて……駄文失礼致しました。
171名無しさん@ピンキー:05/03/14 16:32:45 ID:9l48Ort6
 貴子,まりやSS書いて見ましたので投稿してみます.
172My sweet friend1/5:05/03/14 16:33:26 ID:9l48Ort6
 紫苑シナリオにて貴子が瑞穂を屋上に呼び出す前日あたりの話で
す.エロなしです.SSに限らず創作的な文章を書くのが初めてで,
至らない点もあると思いますが,ご了承ください.

 My sweet friend
 「まりやさん,お聞きしたいことがあるのですが少々お時間よろ
しいでしょうか?」
 昼休み前,貴子はそういってあたしを訪ねてきた.貴子の表情か
らあまり人に聞かれたくないと判断したあたしは屋上へと移ること
にした.
 「やはり,屋上は寒いですわね」
 「何よ,人に聞かれたくなさそうな顔してたからここに移ったっ
てのに,あのまま教室で応対してほしかったの?」
 「いえ,場所を移して頂けた事には感謝しております.ありがと
うございます」
 「あんたから礼を言われると調子狂うわね…で,何なの.聞きた
いことって?」

 そういうと,貴子の顔から一瞬表情が消えた.そして,しばらく
ためらった後で,あいつは衝撃的な事を聞いてきた…

 「まりやさん,鏑木瑞穂さんについてお聞きしたいことがあります」

 「…!」
 「た,貴子.か,鏑木…瑞穂って誰の事?」
 あたしには,とっさにそれを言うしかできなかった.まさか,貴
子に瑞穂ちゃんの性別だけでなく本当の正体までばれるとは想像し
ていなかった.何か言わなくては…しかしパニックに陥った頭では
ろくなことを思いつかなかった…
173My sweet friend2/5:05/03/14 16:35:17 ID:9l48Ort6
 「まりやさん,隠さなくても結構ですわ.現エルダーの宮小路瑞
穂お姉さまの正体が鏑木瑞穂さんだと私は知っておりますので」
 「貴子,あなた今度は瑞穂ちゃんに何をする気なの!」
 「別に,何も…ただ,私はお聞きしたいだけです」
 「あんたが,そんな情報を知って何もしないとは思えないわ!っ
て吼えてもしょうがないわね.で,何が聞きたいのよ.あんたには
前にその質問について答えた気がするんだけどね?」
 「以前まりやさんにお聞きした内容は宮小路瑞穂さんについてで
す.今日お聞きしたいのは,鏑木瑞穂さんについて,です」
 「宮小路だろうが,鏑木だろうが,瑞穂ちゃんは瑞穂ちゃんだよ.
違いなんてないわよ!」
 あたしは,目の前に開きかけた暗黒に飲み込まれかけながら,貴
子に返答することに必死だった.恥も外見もすて,瑞穂という人物
について説明することしかできなかった.そんなあたしを見て,貴
子は最初あっけに取られていたようだが,しばらくして軽く笑いな
がらこういった.

 「ふふ,あのまりやさんがここまでおっしゃるとは,やはり私の
思ったとおりの方でしたね」
 「え?」
 「まりやさん,あなたをためすような形で質問してしまい申し訳
ありませんでした.ですが,私はあなたの口から直接確認したかっ
たのです.お姉さま,いえ瑞穂さんと言う人物をよく知っている方
から…」
 「貴子…」
 「お詫びもこめまして,何故急にこのような質問をしたかについ
てご説明いたしますわ」

 そういって,貴子が言った内容についてあたしは愕然としていた.
 まさか,紫苑様が厳島家に血筋の為に無理やり買われていて,そ
れを止める手段を貴子がずっと探しつづけていたなんて…あたしな
んて,ただその日を生きていただけだったっていうのに…
174My sweet friend3/5:05/03/14 16:36:00 ID:9l48Ort6
 生徒会に入ったと言うのも,ある程度の立場になれば紫苑様を救
える生徒・方法を見つけるのに適していると思ったからだったなん
て…あたしなんて,貴子が融通が聞かなかったせいもあったけど何
度も理不尽で重箱の隅をつつくような反論をして,子供みたいに噛
み付いてたってのに…
 あたしは,あまりに幼すぎる自分に恥じて,何もいえないでいた…

 「まりやさん.私はあなたには非常に感謝しているのですよ?」
 「え?」
 「あなたの話から,無理やりとはいえあなたが瑞穂さんを恵泉に
入学させて頂いたおかげで,私は瑞穂さんとお知りあいになること
ができましたから.そして,瑞穂さんのおかげで私はこの世には色
んなタイプがいるという事を教えていただきました.私みたいに,
敵か味方かのどちらかでしか判断できない人だけでなく,瑞穂さん
みたいに意見を自分の意見を通しながらも敵対している人にも手を
指しのべる方,まりやさんみたいに全ての人を味方につけようとす
る方がいらっしゃると言う事をね.あなたに確認したかった2つの
ことを確認できてよかったです」
 「あれ?そういえば貴子.聞きたいこと2つって何よ?瑞穂ちゃ
んの性別,ちゅうか地位以外に何かあったの?」
 「ええ,実はちょっと気になっていただけなので無理に聞き出す
つもりはなかったのですが,まりやさんの態度で確認できました.
あなたの瑞穂さんに対する想いについてです」

 そういわれたとき,あたしはもう真っ赤になっていたと思う.本
当.おでこに水入りやかんでもおかれたらすぐに沸騰してたと思う.

 「な,なな何を言ってるのよーーーー!」
 「ふふ,ごまかさなくても結構ですわ.前にまりやさんがおっし
ゃっていたでしょう?私たちはお互いに似ていると…まりやさんが
好きな人と,私の好きな人が同じであったとしても不思議ではない
でしょう?」
175My sweet friend4/5:05/03/14 16:37:05 ID:9l48Ort6
 「ふふ,そうよね.あたしが言ったんだったね」
 「そうですよ.まさかお互いに同じ人を好きになって,2人とも振
られるとは思ってなかったですけどね」
 「あれ?貴子?あんたまだチャンスあるんじゃないの?あたしは
もう瑞穂ちゃんの事は諦めたけど」
 「私は,紫苑様を救うことだけを考えてきたんですよ?瑞穂さん
が紫苑様のことを気になさっている以上無粋な真似はできませんわ」

 そう言って貴子は悲しげに笑った.あたしは,こんな弱く強いや
つにずっと意地を張ってたんだ.あたしは弱いままで…
 そしてあたしはこんな貴子に負けないよう,ある事を決心した.


 …時は流れ,卒業式…
 「おめとうございます!まりやお姉さま」
 「ありがとう」
 朝からこの挨拶が多すぎてあいつを探すのにだいぶ苦労してしまった

 「おめでと,生徒会長」
 「まりやさん,今の私は生徒会長の座を退きました.ただの性格
の冷たい口うるさい生徒ですよ」
 「ふ〜ん,でもあたしの見た感じの貴子は,冷たく見えても実は
優しく,口うるさくみえても本当は皆の事を常に考えているように
みえるけどにゃ〜♪」
 「な,からかわないでください!」
 「からかっているかどうかは,今日の反応を見ればいいと思うに
ゃ〜♪ああっと,貴子に言うことがあって探していたんだった」
 「何でしょうか?」
 「まぁ,そう警戒すんな…って言っても無理かもしれないけどね.
えと,あたし留学することに決めたんだ.あんたが紫苑様に対してず
っとで見守ってきたことを聞いて,あたしは恥ずかしくなった.あん
176My sweet friend5/5:05/03/14 16:37:58 ID:9l48Ort6
たが,学生生活中ずっと紫苑様を助ける方法を模索している間にあた
しはのほほんと気楽にすごしてきた.あたしは,あんたを見ていて羨
ましくなったのと同時にあんたみたいに何かに一生懸命になりたくな
ったのさ.それで.留学する!そして,あんたをギャフンと言わせて
見せるからね!」
 「すでに今の言葉でかなり驚かされたのですが…そうですか,留学
ですか.全くあなたは何を考えているかわかりませんね.ですが,ひ
とつだけ言っておきます.中途半端で夢破れて帰ってくるようなこと
は許しません.あなたは,私の最大のライバルにして,最大の…なの
ですから」
 「え?最後の方良く聞こえなかったよ…ってもう飛行機やば!じゃ,
またね」
 「ふふ,ではまた」

 そういって,まりやさんはかけて行ってしまいました.あいかわらず
せわしない方ですが,最後の言葉が聞こえなかったのは良かったのかも
しれません.最大の親友なんて言葉は私とまりやさんには相応しくない
ですからね.

 「やはり,貴子とあたしは同じかもね.しかしまさかあいつの口から,
私の最大のいとしい友人って言葉が出るとはね…やってやろうじゃない
の!あんたには負けないわよ!」

 やはりあの人と私は似ているかもしれませんね.同じ人を好きになり,
そして自分の好きな方を支えていこうとしていましたから…まるで私と
瓜二つですね.私もまりやさんに笑われないように,生きて見せます!
だからあなたも,それに答えなさい!My sweet friend!

 Fin
177スレ3-171:05/03/14 16:40:28 ID:9l48Ort6
 以上です.本当は紫苑ルート後で奏を養子にするSSを書いていたのです
が,同じ内容が投稿されていましたのでこちらを書いて見ました.
 次何書くかはさっぱりですが,何か降りてきたら書いてみたいと思います.
178名無しさん@ピンキー:05/03/14 16:53:16 ID:WOYLvjza
>>元269氏
>>スレ3-171氏
ご両名、乙であります。

年末年始編はこれで終了ですか。もちっと楽しみたかった気がしないでもないっす。
3-171氏の作品も良き友・良きライバル同士の交流がとても素敵でありんす。


暇だな・・・・・・

179名無しさん@ピンキー:05/03/14 18:26:46 ID:R9HXxbH6
暇ならさっそく次作を
180名無しさん@ピンキー:05/03/14 20:09:52 ID:QrwOWODY
 なんか思いついたので、一ネタ投下。中身も長さもないのは仕様です。

 ある日の鏑木家。
「お父様」
 瑞穂は愛娘の声に応える。
「どうしたの、紫穂?」
「お父様とお母様は、何処でどんな風にお会いになったのですか?」
「……(言えない、女子校で女生徒同士として出会ったなんて)」
「お父様?」
「どうして紫穂は、そんなことを聞きたくなったの?」
「お母様が、『お父様とはとても素敵な出会いだったんですよ』というのに、どんな出会いか教えてくださらないですもの」
「素敵な出会いだからこそ言わないんだよ。心の中に大事に取っておきたいんだよ、紫穂判るかい」
「はい、お父様」
(ふぅ、なんとかごまかせたよ)
 さて、本当に誤魔化しきれたのでしょうか?
  <終>
181名無しさん@ピンキー:05/03/14 20:23:50 ID:WOYLvjza
>>180
Great Work!!

>紫穂
ううっ・・父親と母親から一字ずつ取ったのですか。全然しっくりしてるし。
あの二人の娘だから「目が覚める」どころじゃない美人(いや、まだ美少女か)、なのだろうなぁ・・・
182名無しさん@ピンキー:05/03/14 20:32:50 ID:hiVWTgyj
美幼女って言ったら 怒られる。
いや、>>180 読んでてそう思ってしまった俺って;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
183402:05/03/14 21:07:28 ID:uf9Jtaoj
とりあえず、part2が”降りて”来ましたので、投下します。

 数日後。
恵泉学園前店の女性用更衣室

(はぁーーーなんで、また女装をすることに・・・しかも、膝上のミニ。ニーソックスなのがせめて
もの救いだけど。)
姿見に映った自分の姿を見て、深い深いため息を吐いていた。
「瑞穂さん。紫苑さん。入ってもいい」
(結婚式費用のためだから)
そう自分に言い聞かせて残り少ない気力を集めると
「はい。どうぞ」
入ってきた女性は、瑞穂と紫苑の姿を見て
「んーー。どう?肩とかきつくない?」
瑞穂は、腕の上げ下げとか、体を捻る動きをして
「あっ、はい。大丈夫みたいです」
「私も、問題有りませんわ」
二人の返事を聞くと
「じゃあ、他の人に紹介するから・・・」
女性の後に付いてホールの方に歩いていった。

 ホールでは、開店前のスタッフミーティングが始まろうとしていた。
女性が、パンパンと両手を叩いて
「全員注目」
「マネージャ」
「今日から、新人が2名増えることになりました。二人ともフロア勤務をやってもらうから」
言葉を区切ると紫苑と瑞穂に手招きをして
「宮小路瑞穂さんと、十条紫苑さん」

part2−1
184402:05/03/14 21:08:59 ID:uf9Jtaoj
促されて
「宮小路瑞穂です。ご指導ご鞭撻よろしく御願い致します」
「十条紫苑と申します。私も、皆様の負担になりませんよう努力致しますので、宮小路さん同様ご指
導ご鞭撻よろしく御願い致します」
そういうと、二人揃って優雅に一礼をする。
「あーーーー。基本的には同じシフトで入ってもらう予定。それと十条さんは、大きな手術をされた
後ので、念のため短時間勤務でシフトに入ってもらうことにした。恵泉女学院出身なので礼儀作法は
問題ないと思うけど、基本からしっかり教えてやって欲しい」
その後、前夜からの引き継ぎ事項などが告げられた。
 瑞穂と紫苑は、指導係の店員から
「えっと、とりあえず、私が指導係ってことになったから。自己紹介はまだだったわね。私は、大村
美鈴」
「大村さま。ご指導のほうよろしく御願いいたしますわ」
紫苑の言葉が終わるのに併せて、瑞穂も優雅に一礼をした。
「申し訳ないけど、二人とも髪の毛は3つ編みにしてくださいね。今日は、私がやってあげるけど
次からは、あらかじめ3つ編みにしてきてください。」
「お手数おかけして申し訳ございませんが、よろしく御願いいたします。」
(あっ。言葉が丁寧過ぎるのもあるな。とは言っても、恵泉のお嬢様じゃ、しょうがないか)
紫苑の髪の毛を3つ編みにしながら
「十条さんでしたよね。お家は、もしかして、山の手の方にある大きな門構えの屋敷だったりする?」
「はい。確かに私の実家は、山の手にある屋敷ですが、今は、別の処に瑞穂さんと2人で、お部屋を
お借りしています。学費や生活費は、両親に援助していただいておりますので、せめて自分の使うぐ
らいのお金は、自分で用意したいと思いまして考えていましたところ、瑞穂さんがお誘いください
ましたので、お言葉に甘えましてこのお店にお世話になることになりました」
(ようするに、友達と一緒に小遣い稼ぎってことね。なんか、お姫様って感じだね)
「宮小路さんの髪の毛は栗色っぽいのね。しかし、これだけ長いと大変でしょう?」
「ええ、楽ではありませんね。冬場などは特に・・・でも、亡くなったお母さまにほめて頂いたものですから、短くする気にはなれなくて・・・」
「そ、そっか。悪いこと聞いたのかな?」
「いいえ。お気になさらないでください。」
part2−2
185402:05/03/14 21:10:24 ID:uf9Jtaoj
(はぁ・・・・お嬢様の友達は、やはりお嬢様か。大丈夫だろうか?がんばれ私。負けるな私。)
二人を連れてホールに戻ると、二人にマニュアル通りの説明をして
「とりあえず、お客様の案内を十条さんと宮小路さんは、お客様の案内だけにしておいてくれる?
追々、訓練の時間は取るから」
「わかりましたわ。」
「お見えになられたお客様の人数を確認しまして、禁煙席か喫煙席をお尋ねしてから、空いているお
席にご案内すれば、よろしいのですね?」
瑞穂の問いかけに頷いて付け加えるように
「小さな子供がいたら、子供用の椅子が必要かどうか聞いてね」
二人が揃って頷くのを見て
「じゃあよろしく」
 フロアの奥にに戻ってきた大村がため息を一つ漏らすのを見て
「新人さんが、どうかした?」
「あ、ああ、二人とも、お嬢様のせいか、言葉遣いが丁寧すぎるのがね・・・とりあえず、案内だ
けやらせることにした。」

 ピークが過ぎたところで
「十条さん。もう時間だから、おつかれさま」
「では、お先に失礼致します。瑞穂さん。頑張ってくださいね。皆様ごきげんよう」
優雅に一礼すると、更衣室に帰っていった。
 瑞穂は指示された通りに入り口の近くに立ち、お客の案内だけを繰り返していた。
(うーーー。開成の知っている顔が来ないように祈るしかないか・・・本当に貴子さん恨むよ)
入り口のガラス越しに人の姿が見えると、意識をして笑顔を作り、何回目になるかわからないマニュ
アル通りの応対をして案内をしようとしたときに
「ねえ。ねえ。どこかで会ったことない?・・・おれの知っているやつに似てるんだけど」
電気に打たれたように足を止め、引きつった表情を貼り付けると
(ばれた?)
 手の空いていた他の店員には、瑞穂が絡まれてるように見えたので
「宮小路さん。このお客様は私が引き継ぐから、次のお客様を御願い」
「はい」
part2−3
186402:05/03/14 21:11:37 ID:uf9Jtaoj
瑞穂は一礼をするとその場を離れた。引き継いだ店員に
「お席にご案内しますので」
強めの口調で促されると、瑞穂にそれ以上話しかけられず
「おい」
「ばかか?」
「こんなところで、ナンパするか?」
「だ、だって、知ってるやつに・・・」
声を掛けた男は、仲間に弁解をしながら歩いていった。瑞穂は
(やっぱり・・・貴子さん恨むよ。はぁーーー、マネージャさんに理由を説明しておくべきかな)
入り口に戻ると、次のお客を待っていた。

 紫苑は、新居である鏑木家の離れに帰り道。
(お客様のご案内というのも、大変なお仕事ですわね。まだ、一日だけですが・・・)
家の前にくると、楓が一礼をして
「紫苑さま。お帰りなさいませ」
「ただいまもどりました。楓さん。もしかして?」
「いいえ。だいだいの時間を予測してお待ちしておりました」
紫苑が何か言いかけるのを見て
「紫苑さま。紫苑さまは、瑞穂さまの奥様です。対外的な披露はされておりませんが、すでに入籍
されてます。そして、私は、鏑木家にお仕えするうちの一人です。必要以上のお気遣いは、時に侮辱
にもなりかねません。紫苑さまは聡明な方と伺っておりますので、おわかり頂けると思っております」
言葉を区切ると、紫苑にだけ聞こえる声で
「まあこれは表向き。お部屋にお茶をお持ちしますから、その時ゆっくりお聞きしますわ」
そう告げると、紫苑のそばを離れた。
 お茶を持って紫苑の部屋に訪れた楓は柔らかな笑顔で、紅茶を注ぎながら
「紫苑さま。いかがでした?それに、その3つ編みはどうなさいました?」
「ええ、疲れました。髪の毛が入るのを防ぐためなのでしょうか?仕事中は、この髪型にしているよ
うに求められました。それに、制服のスカートの丈が短くて・・・・」
ほほを紅くする。
「瑞穂さまも?」

part2−4
187402:05/03/14 21:13:03 ID:uf9Jtaoj
「ええ、落ち込まれておりました。心中穏やかではないと思いますよ」
紫苑は、口元を隠すと笑みを浮かべた。
「あらあら。大変ですわね。で、お仕事の内容は」
「はい。今日は、お見えになられたお客様を、お席までご案内することですわ。難しいですわね。
1つ1つに決まりがありますから・・・それに沿っておこなわないといけませんし」
「紫苑さま。1つ言わせて頂きますが、最初のうちは失敗しても、仕方がないぐらいの気持ちで務め
られるべきですわ。肝心なのは、同様の失敗を繰り返さないことなのではありませんか?」
楓は、カップに手を伸ばすと
「でも、アルバイトの目的が、結婚式の費用のためですか?その前に出産とか育児の費用にならなけ
ればよろしいのですが?・・・紫苑さま」
意味ありげに楓が微笑すると、紫苑は恥ずかしそうに視線をそらした。

 一方。休憩時間に入った瑞穂は
(やはり、早めに事情を話して対策を御願いするべきかな?それとも、男性用の制服への変更を御願
いした方がいいのか?)
カップを手に考えこんでいた。
「あら?宮小路さん。」
声をかけられて顔を上げると、マネージャが立っていた。
「あっ。失礼しました。少し考え事をしていましたので・・・・もしかして、休憩時間終わっていま
したか?」
「んーー。まだじゃないかな?初日だから、どうなのかなっと思ってね?」
自分もカップに口を付けると
「考え事って、なに?相談”には”のるわ」
「出来れば、男性用の制服に変更して頂けないかと・・・理由は、履歴書の性別の欄を見て頂けば
おわかりになりますが?」
「ちょ、ちょっと待ってね。」
事務室に戻り、瑞穂の提出した履歴書を持ってきて
「性別・・・・男に丸がつけてあるわね。あちゃ・・こちらのミスだわ。」
瑞穂は、女装しての恵泉への通学は、祖父の遺言で、自分には拒否権がなかったことなどの事情を
告げた。

part2−5
188402:05/03/14 21:14:14 ID:uf9Jtaoj
「はぁーーー。大変だったわね。じゃあ、”宮小路”というのは、お母さんの旧姓なのね。まあ、
いいわ。人には言いたくないことがあるってことは、私も分かっているつもりだし」
瑞穂の立ち居振る舞いを見て
「男の人には見えないわね。なにかやっていたの」
「ええ、昔から礼儀作法は学んでましたし、恵泉の時にも、女性としての振るまい方は鍛えられまし
たから」
「うーーん。確かに確認しなかったのは、こちらのミスといえば、ミスなんだけどね。」
「お店に、風評被害とか及びませんか?」
「でもね・・・・声は低いなと思うけど、気がつかないと思うわよ。だから、しばらくはこのままで
やってちょうだい。」
「・・・・はい?」
呆然とした瑞穂に
「つまり、男性用制服への変更は却下。あっ。もちろん。今話してくれたことは、沈黙をまもるわ」

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(あははは・・女装勤務・・・確定?)
どよーーーんとしたものが、漂い始めたのを見て
「あ、うん。とりあえず、対策を考えつくまでの暫定案だからね」
あわててフォローする言葉を口にしていた。
(もったいないじゃない。その辺の女の子より、女の子らしいのに)
マネージャが、悪戯っぽい笑みを浮かべているのに、瑞穂は気がつかなかった。

part2−6
189402:05/03/14 21:18:28 ID:uf9Jtaoj
というわけで(なにがだ)
あまあま生活その2です。

今回は、瑞穂ちゃんが自分からばらしてしまいました。

制服のイメージは、最初、馬*道にしようかとおもいましたが・・・
ミニスカ&ニーソで決めてみました。(某アン*ラ風)

今回は、これまで
190名無しさん@ピンキー:05/03/14 21:48:52 ID:IigBA8k/
お姉さまと一緒 第2部 2-1

朝はデパートでウィンドウショッピングである。
アクセサリーショップでは見つけたイヤリングを奏が身につけた姿を
思い浮かべては抱きしめ、帽子売り場ではかぶる姿を思い浮かべるたびに圧迫していた。
そして、子供服売り場を奏が見つけたときである。
「紫苑お姉さま、あそこのお財布を見てみたいのですよ〜」
「それもいいわね。でも後にしましょう」
奏は紫苑が子供服売り場を見つけてから目が放せないでいた様子を見て
不安を感じていたのである。
「でも〜」
「うふふ、かわいいわね。さあ行きましょう」
奏は紫苑の体を抱えて止めに入る。
「あら、今日は奏ちゃんから抱きしめてくれるの。うれしいわ」
「そうじゃないのですよ〜」
「でも、あそこに可愛いお洋服があるかもしれないからいきましょう」
やっぱり。
奏ちゃんを引きずりながら紫苑は子供服売り場へとやってきた。
「まぁ」
子供向けの洋服と奏ちゃんを交互に見ながら紫苑は何やら考えているようだ。
「紫苑お姉さま?」
「なに、奏ちゃん」
紫苑が奏に鼻血を出しながら振り向いた。
「はやや〜〜!?」
「奏ちゃんにこんな服を一度着せてみたかったのよ、ウフフ」
奏の肩に手を回しながら試着室へ引きずり込んでいく。
「今日は紫苑お姉さまが何か変なのですよ〜」
191名無しさん@ピンキー:05/03/14 21:49:17 ID:IigBA8k/
2-2
「紫苑さま、どうなさいました?」
ご○○主義よろしく貴子が通りかかった。
「…奏さん、いったいどうされたので…」
「会長さん、紫苑お姉さまが大変なのですよ〜」
「さぁ奏ちゃん、お着替えしましょう」
「紫苑さま、こちらの方が奏さんにお似合いではありませんか?」
貴子は服を紫苑に差し出しながら目を細め恍惚とした表情でそう答えた。
「か、会長さん?」
「まぁ、後でそれも着せてみましょう」
「素晴らしいですわ、紫苑さま…」
「は、は…」
「紫苑、目を覚ましなさい」
いきなり、髪を後ろに束ねたサングラスの女が現れ、紫苑の顔の前でねこだましを放つ。
「…はっ、私はいったい」
「奏ちゃん、大丈夫?」
謎の長髪の女が奏に話しかける。
一方ではサングラスをかけたショートカットの別の女が貴子の喉に左腕をめり込ませた。
彼女の左腕を軸にして見事に貴子は半回転して倒れる。
「うぃ〜〜〜〜〜!」
(…ちょっと雄叫びなんか上げて、やりすぎだよ…)
(…貴子の目を覚ますためよ、仕方ないじゃない…)
(…なんか思いっきり私怨が入ってない?…)
なにやら謎の女二人がこそこそと言い合いをしている。
「もしかしてお姉さまとまりやお姉さまなのですか?」
「わたしはまりやとかいう女ではないわ」
「どっちが誰だと言ったわけではないのにどうしてそう言われたとわかるのですか?」
「…あ」
「お客様、店内で何をなさっているのですか?」
なにやら奏たちの周りに人だかりができている。
「みんな、逃げるわよ」
192名無しさん@ピンキー:05/03/14 21:50:30 ID:IigBA8k/
2-3
一行は階段の踊り場にたどり着いた。
「取り乱したりしてごめんなさい」
「私としたことが、ごめんなさいね奏さん」
「ふぅ〜、お二人ともよかったのですよ〜」
(…さ、私たちは帰ろ…)
(…とっとと退散したいよう…)
「瑞穂さん、助かりましたわ」
「まりやさん。いくら私を正気戻すためとは言え、いきなり張り倒すなんてあんまりですわ」
「…と、とにかく、私たちはまりやさんや瑞穂さんという方じゃありません」
(…ああ、思わずその場の勢いで誤魔化しちゃった、どうしよう…)
(…いいから、さっき打ち合わせたとおりにやるのよ、せぇの…)
「「私たちは恵泉の秩序を守り、安寧へと導く恵泉十傑集」」
「私はマリー・ザ・インパクト」
ショートカットの女が名乗りを上げる。
「お、お、同じく…」
「奏ちゃんを送ってきたときと同じ服でしてよ」
「…」
(…ばかぁ…)
(…そんなこと言ったって…)
「…と、とにかく恵泉の平和は守られたわ。周防院さんも十条さんとの
デートの続きを存分に楽しんでね、では」
ショートカットの女はそう言い残すと強引に長髪の女を引きずってその場を立ち去った。
「それにしてもまりやさん、後で覚えて…」
「貴子さん、お互い助かりましたしここは私に免じてわからない振りをしておきませんか」
「…まぁ、私も意外なお姉さまを拝見できましたのでここは黙っておきますわ」
「ふふっ」
「あははっ」
貴子と紫苑は笑いあう。
一方で奏は笑顔の裏にある二人の何か底知れない雰囲気に怯えていたのであった。
「やっぱりおかしいままなのですよ〜〜〜」
193名無しさん@ピンキー:05/03/14 21:51:56 ID:IigBA8k/
2-4
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「ねぇ、まりや。卒業式は休んでいい?」
「何言ってんの。紫苑さまとの答辞があるでしょうが」
「覗いてたのもばれて…もう、紫苑と奏ちゃんに会わせる顔がない」
「あら、紫苑さまを呼び捨てにしてるんだ。やるじゃない」
「茶化さないで。だいたい奏ちゃんと会ってから紫苑がおかしいから様子を
見るだけだって言ったじゃないか。それなのに何だよ、十傑集って」
「まぁまぁ、おかげで奏ちゃんの貞操も守られたわけだから良しとしようじゃない」
「僕は実家にかえりたい」
「芸人は恥を捨ててナンボなんだから」
「僕は芸人じゃない!」
第2部 了

第3部に続けてもいいですか?
194恵泉女学院全選手入場!!:05/03/14 22:11:20 ID:vnJPoMQ9
先代エルダーは生きていた!! 更なる研鑚を積みお姫様が甦った!!!  名門!! 十条紫苑だァ――――!!!

好感度の稼ぎ合いならあたしたちの歴史がものを言う!! 話の仕掛け人 幼なじみ 御門まりや!!!

真のツンデレを知らしめたい!! 生徒会長 厳島貴子だァ!!!

立ち位置は脇キャラだが圭さんなら全て私のものだ!! クラスの呼出嬢 高根美智子だ!!!

冥土の土産に思い出とはよく言ったもの!!
百合の奥義が今 実戦でバクハツする!! 真夏の夜の恋人 梶浦緋沙子先生だ―――!!!

会いたいからここまできたッ キャリア一切不明!!!! 音楽室のゴースト(幽霊)シスター 長谷川詩織だ!!!

自分を試しに恵泉へきたッ!! 次期陸上部エース生徒会長 上岡由佳里!!!

小さァァァァァいッ説明不要!! 1m40!!! 31kg!!! 周防院奏だ!!!

お姉さまの前でなら私はいつでも全盛期だ!! 萌える霊魂 高島一子 マシンガンで登場だ!!!

書記の仕事はどーしたッ 妄想の炎 未だ消えずッ!! 会長もお姉さまも思いのまま!! 菅原君枝だ!!!

無機質キャラはこの女が完成させた!! 演劇部の切り札!! 小鳥遊圭だ!!!

若きお姉さまが帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ エルダーシスターッッ
俺達は君を待っていたッッッ宮小路瑞穂の登場だ――――――――ッ
195名無しさん@ピンキー:05/03/14 22:59:44 ID:57lIyADK
>>194
ごめんなさい
もとネタわからないです〜
196名無しさん@ピンキー:05/03/14 23:00:28 ID:of2rEDbt
>195
バキのトーナメント入場アナウンスだね
197名無しさん@ピンキー:05/03/14 23:18:06 ID:colEM18r
>>402氏
>最初、馬*道にしようかと
<<よう、ブービー、おいらはそっちの方が良かったぜ>>
でも、GJっす。

>>190-193
乙です。ああっ、紫苑様がだんだんブッ壊れていく・・・(*・∀・*)イイ!

>第3部に続けてもいいですか?
<<交戦を許可する>>
198前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 23:24:38 ID:JNj0beEo
貴子ED。貴子視点。続き物なので過去の「海に行こう!:思いつき編」と「海に行こう!:用意をしよう!編」を読まなきゃさっぱり判らないかも。
ギャグなので深く考えないように。一部、奏EDの設定も混じっているような気がしないでもないかもしれない。

海に行こう!
ドライブだ!編(1)
車を借りてきた日の夜、二人で地図を広げて見つめている。
「結構遠いとは思ってましたが、本当に遠いですね」
「大体700キロちょっと、と言った所ですわね」
ちなみにルートは首都高某IC→東名→名神→中国→山陽→瀬戸中央某IC。そこからフェリーに乗って別荘のある島に行くそうです。
余談ですが、瑞穂さんが高速道路に乗ったのは、自動車学校で2区間だけ。
「無謀だとは思いませんか?瑞穂さん・・・」
上目遣いに見上げる。ちょっと引きつった瑞穂さんの顔が見える。
「でも、紫苑さんも免許はお持ちのようですから、疲れたら変わってもらいますよ」
紫苑さまもペーパードライバーって言うことはないんでしょうね?これまでの流れを見ると非常に嫌な予感がします。

あっ!

と言う間に当日。まりやさんはそのまま、紫苑さまが寮組二名をピックアップした後、鏑木家へやってくる予定になっている。
本当は恵泉の寮まで二人を迎えに行きたかったのですが、まだ、瑞穂さんを覚えている生徒と鉢合わせする危険を考え、紫苑さまがお迎えと言う事になった。
まりやさんが行くと言う案もあったのですが、強硬に上岡さんが嫌がって・・・気持ちは痛いほどわかります。
「何ですの?その大きなクーラーボックスは」
荷物は全て宅配便で別荘に送っているはず。私は普段から使い慣れたハンドバッグ一つ、瑞穂さんに至っては手ぶら。
「ばっかねぇ〜これから1日、ずーっと車よ?6人で。飲み物だって沢山なきゃ困るでしょーが」
くっ・・・確かに言われてみれば・・・しかし、彼女に正論でへこまされると、無性に腹が立つ。
そのクーラーボックスをライトバンに積み込んでいると、紫苑さまの車がやってきた。
普通に入ってきて、普通に駐車スペースに駐車・・・なんだか、凄く救われたような気がする。
「おはようございます。瑞穂さん、貴子さん、まりやさん。今日はお誘いありがとうございます」
紫苑さまは手に少し大きなバスケットを持って、深々と頭を下げる。
(1/5)
199前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 23:25:44 ID:JNj0beEo

続いて、寮組の二人が車から降りてきた。手にはそれぞれ大き目のポットを1つずつ持っている。
「おはようございます、紫苑さま。それに奏ちゃんとユカリン」
「ユカリンって言わないでください!」
由佳里さんとまりやさんが車の傍でじゃれあっている横で、大きなリボンを揺らして奏さんがやってきた。
「まりやお姉さま、会長さん、それにお姉さまもお久しぶりです」
奏さんの口調が少し変わったみたい。ふふ、もう最上級生で学園では「お姉さま」と呼ばれる立場なんだから、当然ですわね。
「もう、会長じゃないのですから、貴子でいいですわよ。奏さん」
軽く微笑み、リボンの付いた彼女の頭を軽くなでる。
瑞穂さんは「お姉さま」と呼びかけられ、少しくすぐったそうな苦笑を漏らすが、何も言わず私と同じように奏さんの頭をなでた。
「アイスティとアイスコーヒーを作ってきました。紫苑さまもお弁当を持ってきてくれたんですよ」
わ・・・私だけ何も用意してないような・・・
「うふふ、6人で食べると足りないかもしれませんけど・・・」
バスケットをクーラーボックスの上に乗せる。
「ここで遊んでても仕方ないですし、出発しましょう」
瑞穂さんの言葉に全員が答え、いざ、全行程700キロ。おそらくは一筋縄ではいかないであろう旅行が始まった。
出発時刻AM9:00。ちょっと泳ぐのは無理でしょうかね・・・
(2/5)
200前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 23:26:36 ID:JNj0beEo

と、ここで座席表
  貴 瑞 ↑
  ま 由 進
  紫 奏 行
   荷物   

まりやさんに背後を取られてる・・・何かやってきそう。
「しかし、貴子がナビって大丈夫なの?地図なんてろくに見たことないくせに」
むかっ。案の定、いきなりちょっかいを出してくる。
「大丈夫ですよ。高速道路ですから、看板に書いてるとおり走れば、目的地に着きます」
車はちょうど首都高に上がった所。東名高速の看板も出ている。逆走しないかぎり、嫌でも東名に続くジャンクションには着く。
「フォローにも何にもなってません!」
車内に軽い笑い声が響く。
「瑞穂さん、お疲れになったらいつでも変わりますから」
紫苑さまがルームミラー越しに瑞穂さんに声をかける。多分、このメンバーの中では一番運転が上手。いや、多分じゃなくて絶対。
「紫苑お姉さまの運転は凄く丁寧ですからね。誰かと違って」
「由佳里、今、こっち見たでしょ!」
「心当たりがあるから、被害妄想になるんですよ。まりやお姉さま」
「むきー、言うようになったじゃない?」
まりやさんは隣の座席に座る愉快さんの頭を抱え込んで、こめかみに拳をこすりつけている。
「由佳里ちゃん、本当のことを言ったら駄目なのですよ〜」
「そんなことはありませんよ。まりやさんの運転は、とてもスリリングなだけなんですから」
「貴子〜あんただけは私の味方よね?」
後部座席で集中砲火を受けたまりやさんが、なぜか、私にフォローを求めくる。
「まりや車に乗るくらいでしたら、歩いて岡山まで行きますわね、私は」
「ぐわっ!少しくらいフォローしなさいよ、竹馬の友」
「知り合いと友達は違いますわよ?」
「まりやの運転って、そんなに危ないの?」
車内が急に静かになる・・・瑞穂さんはまだまりや車に乗ってないんですね・・・
(3/5)
201前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 23:27:10 ID:JNj0beEo

「わーん、皆がいぢめるよ、瑞穂ちゃん」
まりやさんが芝居臭い泣きまねを始める。
「もう、いいわよ。奏ちゃん、悪いんだけどクーラーボックスから飲み物出して」
「はぁい。何でもいいですか?」
奏さんが後ろを向いて、クーラーボックスを開き、中からシルバーの缶を出して、まりやさんに手渡す。
「では、私もいただけますか?奏ちゃん」
「私も頂戴」
紫苑さまと由佳里さんも要求を始め、結局、後部座席全員が一本ずつジュースの缶を握った。
私ももらおうかしら?と、後ろを振り向いた瞬間、4人が持つ缶が見えた。
「あっ!紫苑さま、飲んじゃ駄目です!」
「あら・・・?これ、ビールですわね」
思いっきり「スーパード○イ」の文字。紫苑さまは一息に飲み干した後、にこりと微笑んだ。か・・・可愛い・・・。
「えぇ!!!」
思わず瑞穂さんが後ろを向く。わっ!前見て前!!
「あはは・・・一人で700キロか・・・」
そっかぁ・・・今回の車難はこれか・・・瑞穂さん、死なない程度に頑張ってください・・・
(4/5)
202前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 23:28:18 ID:JNj0beEo
「それと、奏さんと由佳里さんは高校生でしょう。ビールなんて飲んではいけません」
って言うか、飲む前に気づいて欲しかったなぁ・・・3人とも。
「大丈夫なのですよ〜」
「そうそう、大丈夫ですよ〜」
一口飲んだだけで、すでに真っ赤になってる二人が、けらけらと笑っている。笑い上戸か・・・この二人。
「まりやさんも!高校生が来てるのに!もしかして、そのクーラーボックスの中身、全部、ビールですか!?」
「そんなことないわよ〜サン○リーのカ○テルクラブとか、ワインとかも入ってるから」
結局、全部アルコールかい・・・
「こんな事がばれたら、停学物じゃないの・・・」
「大丈夫なのですよ〜処分を決める人はここにいるのですよ〜」
「はぁい、ユカリンが生徒会会長なんです〜奏ちゃんはエルダーなんです〜」
手に持った缶ビールをぐびぐびと煽りながら、爆弾発言をする二人。生徒会会長とエルダーがそろって飲酒・・・頭が痛くなってきた・・・帰っていいですか?貴子ちゃん、おうちに帰って、アルバイトに行きたいです。
「もう、貴子は相変わらずお堅いわねぇ〜夏休みの思い出なんて、犯罪ぎみな方がいい思い出になるのよ」
「元凶が何を言ってんですか!」
ちなみに紫苑さまはハートマークを飛ばしながら、2本目に手をかけている。もはや、運転を変わるつもりはなさそうだ。
それを見た瑞穂さんの顔に縦線が増えてるような気がする・・・本当に死なないでくださいね。
「硬い事言わないの♪」
と言って、後部座席から手を伸ばして、私の胸をわしづかみ。
「うひゃっ!?」
「おぉ〜瑞穂ちゃんに毎晩もまれてる大人の胸だにゃ〜」
「会長さんは凄く大胆なのですよ〜」
口調が2年前に完璧に戻ってるし、奏さん。
「あらあら、まあまあ」
すでに出来上がってますか?貴女達は!?
(行数じゃなくて、バイト規制に引っかかった・・・6まで行きます)
203前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 23:28:49 ID:JNj0beEo
「これ以上続けたると・・・貴子さんにひどい事、してしまいそう」
「・・・してください・・・ひどいこと・・・」
あの時のシーンを由佳里さん(瑞穂さん役)とまりやさん(私役)が熱演をし始める。
「演技がなってないのですよ〜まりやお姉さまはもっと恥ずかしがってくださいなのです」
すかさず演技指導をする演劇部部長。
「まあ、なかなか、情熱的だったようですわね」
観客モードの紫苑さま。
い・・・生き地獄だ・・・
まだ、出発から2時間。200キロも走ってはいない。ゴールはまだまだ先。
(おしまい)
204前スレ550改め初代スレ550:05/03/14 23:32:29 ID:JNj0beEo
なお、地方在住の人間が書いてるので、首都圏周りの高速事情が非常に怪しいのは仕様です
多分、首都高走ってたら、渋滞に突っ込んで、もっと時間食ってると思うんだけど・・・
205402:05/03/14 23:34:04 ID:uf9Jtaoj
>>180ネタ追加

 ある日の鏑木家
「いらっしゃいませ、まりやおばさま」
「紫穂ちゃん。まりやお・ね・え・さ・んでしょ?」
目だけ笑っていない笑顔で応える。
「まりやお・・・・ねえさま。お父さまとお母さまの出会いは・・・」
まりやの目が光って、高校時代のアルバムを取り出すと
「この写真誰だか分かる?」
「あっ、お母さま・・・隣の人はどなたですか?」
まりや口が開き掛けたとき、楓が現れてつぼを押すと、頭が”かくん”と落ちた。
「まりやさま。お疲れのようですね。」
「紫穂さま。お隣の方は、おかあさまのおともだちですわ」
「きれい・・・楓さん。紫穂も、きれいになれるかな?」
「はい。紫苑さまように・・・そのためにも、お風呂に入ってきれいになりましょうね」
紫穂が急ぎ足で部屋から出て行った。
(これで、瑞穂さまの秘密は守られました。)

後日。
まりやは、瑞穂の恵泉時代のことは、一切口にしなくなったという。
                                             END?
降りてきましたので、ネタ返し(^^;
206名無しさん@ピンキー:05/03/14 23:57:02 ID:ie9aq3Gp
>205更に追加してみるテスト

ある日の鏑木家
「お久しぶりです、瑞穂さん」
「あ、貴子さん。うちに来るなんて珍しいですね、何か御用ですか?」
「いえ、たまたま近くを通りかかったので立ち寄っただけですわ。紫穂さんもお元気だったかしら?」
「はい、元気です」
「ふふ、そうみたいね。…それにしても、紫穂さんを見ると恵泉時代を思い出しますわ」
「そうなんですか?」
「ええ、本当に瑞穂さんにそっくr「そうだ!貴子さん、お茶はいかがですか?」」
「え?ええ、いただきますわ。どうされたんですの?急に大声を出されるなんて…」
「い、いえ。ちょっと…そうだ!紫穂、お母さんを呼んできてくれるかな?」
「母様ですか?」
「うん、貴子さんが遊びに来てくれてますよってね」
「はい、わかりました」

「…はあ〜…」
「ど、どうされたんですの?先ほどから挙動不審ですけど…」
「…いえ、先日紫穂に馴れ初めについて訊かれまして」
「それがいったい…あ」
「ええ、流石に恵泉でのことを教えるわけにもいきませんから」
「くすっ…わかりましたわ、それでは私にお任せくださいな」
「え?」
「私と紫苑さまが街でならず者に絡まれて困っている時、たまたま通りかかった瑞穂さんが助けてくださったというのはどうでしょう?」
「いえ、それはちょっと格好よすぎるかと…」
「あら、恵泉時代の瑞穂さんはもっと格好よかったですわよ?」
「けいせんじだいって何ですか?」
「うわっ!?し、紫穂?お母さんを呼びに行ったんじゃ?」
「はい、母様はお茶を用意してからこちらに伺うそうです」
「そ、そうなんだ。ありがとう、紫穂」
「はい!…それで、げいせんじだいって…」
「「あ、あはは…」」
207名無しさん@ピンキー:05/03/14 23:59:52 ID:ie9aq3Gp
いや、やっぱり貴子も情報源だろと思って書いた。でも文才がなかった。よって投げっぱなし。
208名無しさん@ピンキー:05/03/15 00:03:00 ID:tq9yan9t
>>205-206
読んでてほのぼのするだけに 誤字、脱字が・・・・
 モチツイてくれぃ(^^;
209名無しさん@ピンキー:05/03/15 00:06:20 ID:lqLzOg6W
瑞穂の子供には是非とも幼等部から恵泉に通って欲しいものだ



男でも女でも
210206:05/03/15 00:24:39 ID:w3RzlT60
>208
スマソ、修正

×紫穂さんを見ると恵泉時代を→○紫穂さんを見ると昔を
×私と紫苑さまが街でならず者に絡まれて困っている時
→○そうですね…一緒に街へ出かけた紫苑さまと私がならず者に絡まれて困っていた時
×…それで、げいせんじだいって…→○…それで、けいせんじだいって…

この二人だと勝手に自爆して愉快な状況へともっていってくれると思うがどうか?
で、二人でひそひそ話しているところを見た紫苑さんに拗ねられちゃったりして。
211名無しさん@ピンキー:05/03/15 00:34:50 ID:DcBYERMF
しかし、皆さんは文才ありますなぁ〜(;´Д`)
もう、かなり脳内汚染されて仕事が手に付かないんですけど・・・・
これからも、たくさん読まして下さいなのですよ〜
212180:05/03/15 00:41:03 ID:JDalc4UA
 何となく、このふたりの子なら「紫穂」なんて名前はどうだろう。なんて思いついて数日。
やっとネタが出来、投下するも落ちが弱いと感じてたところ、402さんや206さんの作品でやっと形になったようです。
おふたりともありがとうございます。
213スレ3-171:05/03/15 00:42:41 ID:bmdcO//q
 211様
 今日初めて投稿して,感想を一つ頂いたのみの僕が言うのもなんですが,
やはり書いてみるのが一番ではないでしょうか?
 おとぼくの台詞ではないですが,結果はどうあれ努力する過程がすばらし
いと思います.結構書いてみると,楽しいかもしれませんよ.

 では,失礼します.明後日あたりには次の作品が投稿できるかもしれませ
ん.がんばります〜
214402:05/03/15 00:53:36 ID:nTbgMsCK
>>212
いえいえ 180さんが、ネタを投下してくださったから
思いついたわけで、お礼にはおよびませんよ。
215名無しさん@ピンキー:05/03/15 01:08:48 ID:9w9pYZYV
ちょっと話題にするのに反応遅くて申し訳ないんだが、
ここのスレの人達的に新興宗教って作品はアリなのか?
BADルートはともかくオリキャラで、
しかもメアリ・スーに該当するような露骨な全知キャラ。
(全能では無いが、もはや近い)
落としどころがあるにしても、そもそも話しとしてありえなさすぎて面白くも何とも無いし…。
他の人が本当に楽しんでるのかすげー知りたい。
216402:05/03/15 01:27:08 ID:nTbgMsCK
>>206付け足し(蛇足ともいう)
「紫穂さま。”恵泉時代”というのは、貴子さまと、お母さまが、同じ学校に通われていたから・そう呼ばれるのですよ」
人数分のお茶を用意した楓が、紫穂に教えた。
「じゃあ、その時のお父さまは、今よりかっこよかったのでしょうか?」
「そうね。私が、悪い人に襲われたとき、瑞穂さんが助けてくれましたのよ」
貴子の話に紫穂は、瞳を輝かせ身を乗り出すと
「続きは、どうなりましたの?貴子さま」
「ええ、黒い服に、黒いサングラスの4人の男の人を、瑞穂さんが1人で、やっつけてしまいましたの」
「お父さま・・・」
ぽっ・・・ほほのあたりを濃い桜色に染めると
「紫穂も、恵泉に入って、お父さまみたいな人に、助けてもらうの」
そういうと、とてとてとて走って部屋からでていった。
(あはははは、瑞穂さんが、”女装していた”なんて、とてもいえない)

(とりあえず、今回も危機回避できましたね)
ほっとしたように楓はつぶやいていた。

えっと、かってに落ちをつけてみました。206さん
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

で、紫穂ちゃん・・・恵泉幼等部に編入(入園)?か?
かってに、4,5歳ぐらいと仮定してみました。(^^;
こんな、ねたばかり垂れ流しております。w
217名無しさん@ピンキー:05/03/15 01:30:19 ID:roN9wPjB
>>初代スレ550氏
GJでございます。東京〜岡山間を車で・・・俺なら片道切符になりそうだ。
当然、海のシーンもあるんですよねぇ?

>>402氏
>>206
乙です。このほのぼのぶりはどうしたことか・・・
このネタは少なくともあと二人分は使えると思われるが、体験版止まりな
漏れにはちっと無理っぽ。
218猫野:05/03/15 01:45:45 ID:FPtNT4d4
思いつきを投下

寮生活になり部屋では一子がいるため
性欲処理もできず困る瑞穂
ついに我慢できずに深夜、寮のトイレでしてしまう・・・
おトイレのために起きた奏が後ろからついて来ているとも知らず

奏がトイレに入ると奥の個室からフーフーと声が・・・
こんな時間にと恐る恐る除いてみると
瑞穂が自分の物を激しく、しごいていた
驚いた奏は小さく悲鳴を上げ尻餅をついてしまった

瑞穂が個室から出ると、震えて尻餅をついた奏がいた
見ると奏の周りが濡れてた
奏は尻餅をついたと時に、漏らしてしまっったのだった

瑞穂は自分の正体がばれた事より奏の事を心配し
奏の着替えと自分の事を話すため奏の部屋に向かった
219猫野:05/03/15 01:47:12 ID:FPtNT4d4
でこの後、奏の部屋前でまりやに会い
部屋で瑞穂とまりやが事情説明
奏が、お姉さまはおトイレで何を?と聞かれ
まりやに、瑞穂ちゃん一人でしてたんだー、と言われて
戸惑う瑞穂をベットに押し倒し、ちゃんと教えてあげないと、と
瑞穂の物をしごく、まりや
顔を赤らめ声を漏らす瑞穂にどきどきする奏
まりやに奏ちゃんもしてみる?と言われ
瑞穂の元に向かう奏

そんなお話・・・

注意
体験版しかしてないので
もしも本編にあったらごめんなさい
220471:05/03/15 02:25:16 ID:SPTNrD2Z
一子の隠れた才能は。

エロって難しいですねぇ。
221一子の隠れた才能は。 1/11:05/03/15 02:25:49 ID:SPTNrD2Z
「僭越なのですが……私明日、奏ちゃんの様子を見ていたらどうかなって思うんですけど
……」
 奏が生徒会長に戒告を受けてから数日。日に日におかしくなっていく奏の様子に瑞穂と
一子は心配を募らせていた。奏は今日、怪我をして帰ってきた様子だったし、学院内で何
かしらの嫌がらせを受けているのは間違いない──そう考えた一子は奏に何かあった時、
すぐに瑞穂に知らせる事が出来る様に、奏の側についていることを提案したのだった。

 翌朝──。
 一子は奏が寮を出た事を確認すると、人目につかないように空高く舞い上がった。
 奏の側について様子を見ると言っても、それを奏本人に知られてしまえばさすがにごま
かす事は出来ない。それに奏の事だ、余計な世話はかけたくないと申し出を断ってしまう
だろう。そうなると瑞穂との約束を果たす事も出来なくなるし、何より一子自身が奏の事を
心配なので、奏からも身を隠す必要があった。
 幽霊技能を活かせば隠密行動をとることなど造作も無い。しかしその場合、万が一見つ
かった時の対処に困ってしまう。
「先月までなら何食わぬ顔で人ごみに紛れる事も出来たんですけどねぇ……まあでも、見
つからなければいいだけのことですし」
 生憎と今月に入ってからは衣替えで冬服に変わってしまっている。さすがに回りが漆黒
の制服を着ている中、一人だけ純白の制服を着ていれば目立って仕方がない。
 だからと言って今そんな事を言っていても仕方がないので、当初の予定通り、ホームルー
ムが始まり次第、屋上から校舎内に侵入し、天井裏に潜みながら移動する事にした。

「幽霊偵察兵・高島一子、スニーキングミッションスタートです!」

222一子の隠れた才能は。 2/11:05/03/15 02:26:22 ID:SPTNrD2Z
 と言っても実際の所、授業中はあまり注意深く監視する必要は無い。人の目も多いし教
師の目もある。そして何より奏の所属するクラスだけあって、味方も多い。だから一子は天
井裏でのんびりと授業を聞きながら、たまに教室内の様子を覗いていた。 
 そしてチャイムが鳴って休み時間になると、奏はトイレに行くために教室を出て行った。
授業中に何も起きなかったとは言え、むしろ問題は休み時間の方である。特にトイレはそ
こ自体が比較的閉鎖された空間で、何か起こっても外からだとわかり辛い。また、一度個
室に入ってしまうと、個室の外から何か嫌がらせをされても回避できない。
 その時は少し驚いてもらう事にしよう──。
 一子はそんな事を考えながら奏の追跡を開始した。
 心配が杞憂に終わればいいと考えながら奏が個室に入るのを確認した時、ひそひそと話
し声が聞こえてきた。
「…え、……とに……の?」
「あ………た……えじゃ……」
「ねぇ、……と……よぅ」
「…ら…たし…とりで…………いい…」

 不審に思った一子がトイレ内を覗いてみると、髪をツインテールにした少女が掃除用具
入れの扉を開け、バケツを取り出しているところだった。
(まさかあれで水をかけるつもりですか……そんな人にはお仕置きが必要ですねっ!)
 一子は心の中でそう叫ぶとツインテール娘に後ろから抱きつき、そのままポニーテール
少女もろとも後ろに倒れこんだ。一子の後ろには柱型があったが、彼女の身体はその中
に潜り込んでしまい、ツインテール少女は柱に寄りかかった状態で柱から生えている腕だ
けの一子に拘束される形となった。
「ちょっと、なにを……」
 ツインテール少女は文句を言おうと振り返ったが、自分の身体に巻きついている腕が柱
から生えている事を知ると、恐怖で硬直して動けなくなった。
 そして一子は少女の身体をまさぐり始めた。

223一子の隠れた才能は。 3/11:05/03/15 02:26:57 ID:SPTNrD2Z
「い……やぁっ……」
 最初は少女を抱きすくめた時に触っていた腹部を優しく撫で擦っていたが、その手は
だんだんと上昇していく。そして少女の胸の柔らかいふくらみに到達すると、今度は弧を
描くような動きに変わっていった。
(な……なに、これ……)
 少女が困惑するが無理も無い。幽霊である一子は物質に触る事が出来ないが、だがそ
れ故に服の上から素肌を触ってみせると言う芸当が可能なのだ。
 そして一子の手の動きが変わり少女の胸がぐにゃり、と形を変える。そのまま暫く揉み
しだいていると次第に少女の頬は紅に染まり、声にも艶が混じってきた。
「く……はっ、あ……きゃふ……っ」
(や……だ……乳首、勃ってる……)
 服を着ているのに直接胸を揉みしだかれていたせいでどうしても服の裏側で乳首が擦
れてしまうのだ。最初は恐怖に囚われていたが、一子の優しい指使いと通常ではありえ
ない感覚、そしてこの異常なシチュエーションに少女はだんだんと昂ぶっていくのを感じ
ていた。
224一子の隠れた才能は。 4/11:05/03/15 02:27:29 ID:SPTNrD2Z
 やがて一子の右手が下がり始め、胸から鳩尾、臍を経て下腹部に到達する。そのまま
淡い茂みをかき分けると、少女のやや薄い淫唇の間に中指を挟みこみ、前後にゆっくり
と擦り始めた。
 秘所に触れられた少女はびくりと強張るが、一子は左手を脇腹に優しく沿え、緊張と不
安を取り除いてやる。
 チュッ……チュクッ……
 少女の秘裂から小さな水音が響く。一子は指を何度か少女の秘裂に往復させ、指が愛
液に濡れている事を確かめると指先を膣口にあてがい、ツプッ……と沈めていった。
「ひっ……ゆ、ゆび、な……かに……」
 構わずに少女の膣内をぐちゅぐちゅとかき回し始める。と同時に親指を秘裂の上部にス
ライドさせて行き、敏感な突起を探り当てると親指の腹で器用に皮を剥いていった。
「や……っ、そこ……かわ……む、いちゃ、だめぇ……」
 そして親指の腹で肉芽をぐにぐにとねぶりまわす。
「んっ……はぁ……あっ……そこ、きもち、い……あぁっ……」
 次第に快楽に囚われていった少女は蕩けきった顔で、更なる快楽を貪ろうとするかの如
く、自分から腰をゆるゆると前後に揺さぶり始めた。
 その時。
 ガチャッ──
 個室の扉が開いて中から奏が出てきた。
「!!!!」
 それと同時に少女の腰の動きが止まる。が、一子はお構い無しに指を動かし続けた。
(や……やだ、ヘンな声、聞こえちゃう……)
 少女は必死に声を押し殺しながら、襲ってくる快感を少しでも抑えようと一子の手を掴む。
やがてその意を汲んだかのように一子の指の動きは止まった。
225一子の隠れた才能は。 5/11:05/03/15 02:28:01 ID:SPTNrD2Z
 ぺた、ぺた、ぺた、ぺた……
 奏はツインテール少女には気が付かずに手洗い場で手を洗うと、そのままトイレを出て
行ってしまった。
 少女は安堵の溜息をつく。が、しかし、下腹部からじわりじわりと、どうしようもない疼き
が体中に広がっていくのを感じていた。快感を得ようと腰を揺すったが、幾ら動いても膣
内に差し込まれた指や肉芽にあてられた指は動く気配を見せなかった。
 自分で胸を弄ったりもしてみるが、先ほど与えられた快感とは程遠く、満足できるどころ
か余計に身体を疼かせる事となってしまった。
「な、なんで……」
(だってあなた、イヤだから手を掴んだんでしょ?)
 一子の少々意地の悪い声が少女の頭の中に響く。
「ちっ……ちが……」
 頭の中に声が響いた事の異常性にも気が付かず、少女は自らブラウスの前をはだけ
てブラジャーをたくし上げると、やや乱暴に胸を揉みしだきながら、切なげな動きで腰を
一子の手に擦り付けてきた。
「……はぁ……はぁ……私、この、ままじゃ……おかしく……」
(……もう、さっきみたいな事をしないと約束できますか……?)
 その一子の言葉に、少女は最初何の事だがわからない様な素振りをしたが、それが自
分がここに来た目的だと言う事に気が付くと、切羽詰った表情で「はい」とだけ返事をした。
226一子の隠れた才能は。 6/11:05/03/15 02:28:33 ID:SPTNrD2Z
 一子はそれを確認すると止めていた指の動きを再開する。
「……っぁはあああぁぁっ……あっ、あっ、はっ、ふぁぁああっ!」
 少女は先程声を押し殺そうとしていたことなどすっかり忘れ、嬌声を上げる。一子は指
の動きをピストン運動に変えて、激しく動かし始めた。
「あっ、ああっ、そ、それっ、いい、すごっ、いの、んっ、んふっ」
 嬌声が響き渡る中、一子は少女の膣口に人差し指もねじいれると、とどめとばかりに更
にピストンを加速した。
「……んっ、んっ、ふっ、ぁっ、あっ、はっ、んああああぁぁ……っっ!!」
 ツインテール少女は背筋を仰け反らせながら絶頂に達した。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
(約束、ちゃんと守ってくださいね……)
 一子は恍惚とした表情で崩れ落ちた少女をその場に残し、トイレから立ち去った。

227一子の隠れた才能は。 7/11:05/03/15 02:29:05 ID:SPTNrD2Z
 そして教室に戻った一子は、再び天井裏に潜み奏の様子を見守る。と、そこで奏の異変
に気が付いた。良く見ると、何か丸めた紙屑か消しゴムの欠片の様なものを投げ付けられ
ているようだった。
 周囲を確認してみると、どうやら奏の隣の列の一番後ろの席のおかっぱ少女が犯人だと
言う事がわかった。幾らクラスには奏の味方が多いと言っても、さすがに一枚岩と言うわけ
ではないらしい。
(軽い悪戯とは言っても、今の奏ちゃんにとっては……これはお仕置きが必要ですねっ!)
 一子は心の中でそう叫ぶと、一旦廊下に出て天井から床に潜りなおし、そのままおかっぱ
少女の後ろに向かっていく。そして椅子の下の回りから見えない位置に辿りつくと腕だけを
床の上に伸ばして、少女の太腿を撫で始めた。
(ひゃっ……え、えぇっ……な、なに?)
 突然の感触に少女は思わず声を出しそうになったが、悪戯をしていた手前、目立つ訳に
もいかなかったので何とか踏みとどまる。一体何事かと足元を確認すると、床から生えた二
本の腕が椅子を通り抜けて彼女の太腿を撫で擦っていた。
228一子の隠れた才能は。 8/11:05/03/15 02:29:36 ID:SPTNrD2Z
(う……うそ……)
 その光景に唖然として言葉も無い少女を尻目に、一子の愛撫は次第に大胆になっていく。
その指先は腿から尻、そして尻の谷間へと到達した。
 一子の指は敏感な部分を避けるように少女の尻の谷間を往復し続ける。そうしているうち
に少女はショックから回復したが、今度は一子の愛撫によって生まれた身体の疼きに驚き
を隠せないでいた。
(どうして……私……)
 そんな少女の困惑はよそに、一子の指は少女の肉襞を確かめるようになぞっていく。異常
なシチュエーションに昂奮したのか、それとも彼女の持つ資質だったのか。そこは既に彼女
自身の愛液によって十分な湿り気を帯びていた。
 そして肉襞を一頻りなぞり終わると、今度は会陰を経て後ろの窄まりに辿り着いた。
「いゃっ……そ、そっちは……」
 少女が小さな声で抗議の声を上げるが、そんな事にはお構い無しに蕾の皺の一本一本を
なぞる。次に、触れるたびにヒクヒクと呼吸するように収縮を繰り返すその蕾を、ぐにぐにと
揉みほぐし始めた。そうやってしばらく揉みほぐしていたが、蕾が柔らかくなってきたのを見
計らって一子は小さな窄まりの中に指を突き刺し、掻き混ぜ始めた。
「ひぅん……っ!」
 少女は自分でも信じられない、思わぬ快感に小さな喘ぎをあげてしまった。ハッとして周囲
を確認したが、幸いにもそれを聞き咎めた者はいなかった。
229一子の隠れた才能は。 9/11:05/03/15 02:30:08 ID:SPTNrD2Z
 一子はなおも執拗にアナルを攻める。それに加えて今度は空いた方の手を彼女の秘所へ
と滑らせていく。秘所に手をあてがった時には既にアナルの方まで愛液で溢れており、ショー
ツもぐっしょりと言う状態だった。
(あはっ……こんなに濡れてますよ……えい)
 一子はそのまま指を膣口にあてがうと、膣襞の感触を一枚一枚確かめるようにゆっくりと
挿入していった。
「ん……んんっ……ぅん……ふぁ……あっ……はっ……」
 前後の指を動かし続けていると少女は次第に上り詰めていく。しかし、あと一歩、というと
ころで一子は指の動きを止めてしまった。
「えっ……? な……んで……」
(これはお仕置きですから〜。ちゃんと反省してますか〜?」
「……? はん、せい……って……」
(そうですか〜。それは残念です〜)
230一子の隠れた才能は。 10/11:05/03/15 02:30:46 ID:SPTNrD2Z
 少女は何のことを言われているのか理解できていなかったのだが、一子はそれを反省の
色無しとみなし、行為を続行する事にした。止めていた指の動きを再開する。再び少女の身
体を官能が支配するが、それが頂点に達しようとした時にまたそれは止まってしまう。そして
一子は「反省しているか」と言う質問をするが、何のことかわからない少女には答えようが無
く、お預けを喰らってしまう。それが授業終了間際まで何度も繰り返された。
「……ダ、メ……や…めて、おね…が…い……っ……も、もう……イかせて、よぅ……っ」
 もう限界だ、このままでは気が狂ってしまう。そんな状況で少女はやっとなんだか良くわか
らないが反省した、と答えれば良い事に気が付いた。
(ちゃんと反省できましたか〜?)
「し、しました……はんせい、しました……」
(それじゃ、もう絶対にあんな事しないと約束できますか?)
「は……はい、しない……しません、だから」
(わかりました、じゃあ、イッちゃってください)
 そして一子は膣とアナルに差し込まれた指の動きを激しくする。そして終業のチャイムが
鳴ると同時に赤く腫れ上がった肉芽をぎゅっ、と摘みあげた。
「っっぁぁああああぁ……っっ……っはぁぁああああああああぁぁ!!」
 おかっぱ少女は押し殺した嬌声を上げると、丸めた身体を何度も震わせながら絶頂を迎
え、机にぐったりと崩れ落ちた。


231一子の隠れた才能は。 11/11:05/03/15 02:31:42 ID:SPTNrD2Z
 その後の授業には別段変わった所は無く、そして昼休みがやってきた。
 一子が弁当を用意して瑞穂の所へ赴く為に教室を出た奏を追いかけると、奏は三人の
女生徒に絡まれ、どこかに連れて行かれようとしていた。
 すぐに助け出したいところだったが、さすがにこの場で姿を現すわけにもいかない。瑞穂
に知らせるにしても行き先がわからないのではどうしようもないので、心の中で奏に謝ると
追跡を開始した。
 そして彼女たちが中庭に出て奏を取り囲んだのを確認すると、すぐに念話で瑞穂を呼び
出す。やがて瑞穂がやって来てその場を収めるのを確認すると、一子はその場を離れた。

(奏ちゃんはもう大丈夫ですね……でも、たとえお姉さまがお許しになっても、あんな事を
するあの子たちにはお仕置きが必要ですねっ!)
 後になって、その三人が中庭で蕩けていたらしいと言う噂が流れたが、真相は闇の中で
あった。

 その日の夜──。
 くんくん……
「あれ、一子ちゃん、ピザでも食べてきたの? ……って、そんなわけないよね。でも何だろ
……チーズの匂いがする」
 あわわ。

  終

232名無しさん@ピンキー:05/03/15 02:33:50 ID:52V/p2VT
GJ!!
一子は攻めがうまいですなw
233名無しさん@ピンキー:05/03/15 02:36:45 ID:dekhGHfx
お姉さまと一緒 第3部 3-1

貴子さんと別れて、今はレストランで昼食をとっている。
「それにしても今日の奏ちゃんは本当に可愛いわ」
「そ、そんな〜。恥ずかしいのですよ〜」
「本当に可愛い妹だわ」
(かぁ〜〜〜〜〜、しゅぽー)
「あやややや…」
「ねぇ奏ちゃん。あなたに聴いてほしいことがあるの」
「はい。なんでしょう?」
「私ね、卒業したら結婚するの」
「え…、そうなのですか?」
「ええ、あなたにはどうしても伝えておきたかったの」
「どんな方がお相手か聞いてもよろしいのですか?」
とても幸せそうに話す紫苑をみて奏は思わず聞いてしまった。
「いいわよ。そうね、例えて言うならば正真正銘の白馬の王子様…かしら」
「そうなのですか?」
「私はね、本当は家のためにある方と望まない結婚しなくてはならなかったの。
でもそれをあの人は
『貴女の家族を悲しませたりしないから、だから僕と一緒になってほしい』
って言ってくださったの。出会ったときからお慕いしていた人だったから本当にうれしかった」
「すごいのですよ〜」
「ええ、本当にすごい人なのよ、瑞穂さんは」
「え?」

 ○     ○
 大 ┬┬ 大

「あらっ」
234名無しさん@ピンキー:05/03/15 02:37:04 ID:dekhGHfx
3-2
「あ、あの〜、お姉さまと結婚とはどういうことなのですか…?」
レストランを出て今は近くの公園を歩いている。
「もうちょっと後で話そうかと思ったけれど…」
はっきりと瑞穂の名前を聞いてしまった奏に最早下手なごまかしは通用しない。
「いい、奏ちゃん、落ち着いてよく聞いてね」
それから紫苑は瑞穂の正体と恵泉に転入したいきさつを告白した。
「そ、そんな……」
「奏ちゃん、瑞穂さんのことがショックだった?」
「そうじゃないのです。鏑木グループといえば…鏑木と言えば…」
「どうしたの、奏ちゃん」
「そんな方を私はお姉さまだなんてあつかましくお呼びしていたなんて…」
「奏ちゃん、十月のあの日のことを覚えてる?」
「……」
「あの時奏ちゃんは私や瑞穂さんがどこの誰かなんて気にしていたの?」
「いいえ、紫苑お姉さまは紫苑お姉さまで、お姉さまはお姉さまなのですよ〜」
「私や瑞穂さんが家族になってもいいと思ったのはあなたが奏ちゃんだからなのよ」
「…」
「そして瑞穂さんは瑞穂さんだから私は結婚するの。瑞穂さんもきっとそうおっしゃるわ」
「紫苑お姉さま、お姉さまのことが本当にお好きなのですね」
「ええ、私の旦那様は本当に素敵な方なのよ」
「紫苑お姉さま、お、おめでとう…ございま、すなのでっ、うぅ…」
「奏ちゃん…」
「し、し…おんっ…おね…えさまのために、ちゃんと…うっ…言わない…と…うっ」
奏を紫苑は何も言わず優しく抱きしめる。
「奏ちゃんを泣かせてしまったわ。私はあなたのためにも幸せにならないといけませんね」
紫苑は奏が落ち着くまで肩をそっと抱きとめていた。
235名無しさん@ピンキー:05/03/15 02:38:08 ID:dekhGHfx
3-3
「十傑集だったかしら…そこにいらっしゃるんでしょう?」
「ばれていましたか」
すぐ傍の木陰から髪の長いほうが出てきた。
「あら、瑞穂さん」
「うっ…、それはそうと奏ちゃんが寝てしまいましたんですね」
「ええ」
「奏ちゃんは本当にいい子ですね」
「ええ」
「奏ちゃんは僕が寮まで負ぶって行きますよ」
「それは殿方にお任せいたします」
「それでは」
「寮までご一緒しますわ…と、あのまりやさんは?」
「それが…」

「うっ、わたしっ…うっ」
「ま、まりやさん…かなさんは…本当に…ううっ」
十傑集はさらにソバージュヘアーのサングラスが増えてマリーと一緒に
肩を抱き合って泣いていた。

第3部 了

次でお終いです。
236名無しさん@ピンキー:05/03/15 02:47:44 ID:52V/p2VT
進行はええなー
GJっすよみなさん…
続きが気になるっすねぇ
237お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/15 02:52:25 ID:dekhGHfx
>>235
>>「うっ…、それはそうと奏ちゃんが寝てしまいましたんですね」
「うっ…、それはそうと奏ちゃんが寝てしまったんですね」

寝ぼけながら推敲はよくないですね。
238第一話スレ126:05/03/15 03:11:26 ID:tP1zGsWp
なんか、ちょっと来ない間に凄いスレが進んでる…orz

>>1お姉さま、乙でございました…

職人の皆様、GJです!!どの作品も楽しく、または愉しく拝見しておりますです!!
…にしても、皆さん執筆早いっすね…
実生活が忙しいのを抜きにしても、なんか俺はめっちゃ遅いし…orz
これからも応援しております!!

( ;´Д`)ジブンモモットガンバロウ…
239123:05/03/15 03:38:20 ID:Sio4BjYM
紫苑×瑞穂のSSがもうちょっとかかりそうなので、さらに小ネタを投下。細かな設定などはご都合主義、ということで一つ。
タイトル「楓さんは見ていた・裏」
※この作品には,おとボクに登場するキャラクターのイメージを、著しく傷つける表現が多々あります。
また、作者がこの作品のためだけに元ネタになる本を買ったことは、ここだけの秘密に願います。

「お見合い」
楓「お見合い……ですか?」
リビング。ガラス越しに差し込むうららかな日差し。ソファーに座る慶行。
二人がけのソファーに瑞穂。二人にコーヒーを注ぐ楓。
慶行「うむ。鏑木家の男子たるもの…そろそろ婚約者を決めておかんとな……」
瑞穂「そんな…困ります父様! 僕はまだ、高校生ですから…」
突然の話にとまどう瑞穂。男装、もといジーンズにシャツというラフな格好。
慶行「なにをいっとる! わしがお前の年頃には許嫁が5、6人はいたぞ!」
平然と言ってのける慶行。わずかに顔をしかめる楓。
瑞穂「それはサギじゃないですか! 父様はお母さま一筋じゃなかったのですか?
ともかく見合いなどまだ……」
慶行「かわいい娘だぞ! 婚約すれば、すけべえができる!」
右手の中指と薬指を曲げ、残りの指はピンと伸ばしたサインを、
瑞穂にさりげなく見せる慶行。
瑞穂「おたわむれを…」
にべもない瑞穂。
慶行「できるのに…すけべえが!」
ゆっくりと紫煙を吐き出す慶行。その噛んで含ませるような言葉の響き。
瑞穂「ご冗談を! 興味ありません!」
と口ではそう答えた瑞穂だが、鼻の下どころか顔全体が伸びきっている。
240123:05/03/15 03:39:33 ID:Sio4BjYM
瑞穂「しかし、父様のご命令とあれば仕方がありません……」
慶行「おお瑞穂、その気になったか! ……これが見合い相手の写真だ」
口調と顔を引き締めた瑞穂に見合い写真を手渡す慶行。

       ___
    , ´       `丶
  ./ 〃 /  ノl 人、  ヽ
  // 〃 イ  ,ィ //ヾヾ、、  ',
  l l リレ !//ノノ  ヾ=!i   l
  l .V __     __   i トー6
  ヾ,i `"     `"   ! !ノ〈ハ〉
  Lil    〕>        ! ! l ll 、
   .lハ          人ヽ Lll ヽ
.   L!`ゝ __  イ┬、ヽヽ  `ヽ
    l  √ ヽ   0_,l  〉リ    )
   ノィ  l   ト</ヽ__>=l     、(
   フ   `ヽcロ/゙ヽ_lっ l     ヽヽ_
  〈     ヾ7 /ー-'"!      )ヽ)
241123:05/03/15 03:40:44 ID:Sio4BjYM
瑞穂「た、貴子さん?」
まりや「本当だ、貴子じゃない」
紫苑「お見合い相手の方って、貴子さんなんですの?」
見合い写真を見て思わず声を上げる瑞穂。間髪入れず、ソファーに腰をおろした瑞穂の背後から、
まりやと紫苑が姿を現した。
瑞穂「うわっ、二人とも。いったい、いつからいたんですか?」
慶行「わしが呼んだ。お前の力になってくれると思ってな。なんだ瑞穂。厳島の娘と知り合いか」
瑞穂「知り合いも何も、彼女、厳島貴子さんは恵泉の生徒会長なんです。私とも…そのいろいろあって……」
楓「しかし、なぜ見合いの相手が厳島貴子グループのお嬢さんなのですか? 現在のところ、
厳島グループとはあまり良好な関係にないと思いましたが」
ソファーに座りなおしたまりやと紫苑にコーヒーを注いで回った楓が、慶行に一つ質問を投げかける。
慶行「うむ。そこで今回の見合いが婚約にいたれば、両グループの関係修復をはかり、事業統合も視野に含めた
新たなるグループの構築を推し進めようという話があるのだ。……まあ、一部ではあるがな」
瑞穂「申し訳ありませんが、父様。このたびの見合いの話、お断りしてください」
完全に理性を取り戻した瑞穂の声。その声に慶行の顔も自然と引き締まる。
慶行「なぜだ、瑞穂? 見合いもせずに一方的に断るなど、お前のわがままが通る話ではないぞ。
事は鏑木グループ全体に関わる話なのだ。それが分からぬお前ではあるまい?」
瑞穂「貴子さんに、僕の正体がばれるおそれがあるからです、父様。鏑木家の次期当主が女装して恵泉女学院に通っていた、
などと風聞が立ったら、それこそグループにとって死活問題になるのではありませんか?」
慶行の指摘にも、動じることのない瑞穂。
242123:05/03/15 03:41:45 ID:Sio4BjYM
紫苑「でしたら瑞穂さん。貴子さんにはお兄さんが一人います。
そのお兄さんと婚約なさったらどうかしら?」
瑞穂「なんだか怖いです、紫苑さん。……その目は本気の目ですね」
すっかり常軌を失った紫苑の目の光りに、思わず後ずさる瑞穂。が、二人に左右からはさまれる
格好で座る穂の肩にまりやの手が置かれる。
まりや「大丈夫大丈夫。瑞穂ちゃんならお嫁にいってもばれっこないって」
瑞穂「いや、ばれるから。普通に」
紫苑「ばれても結果オーライ。ってこともありますわ」
瑞穂「なんだか今日の紫苑さん……こ、怖い」



「お姉様、事件です」
ぶしゅー。
――屋敷に響き渡る音。
まりや「何かしら? 噴水が故障でもしたのかしら?」
慶行「それはこまったな」
リビング。くつろいでいた二人は耳慣れない音に小首をかしげた。
楓「噴水ではありません! 貴子さんの鼻血の音でございます。
おそらく体内の3分の2は噴出したかと…」
部屋に入ってきた楓が、二人に第一報を報告する。
まりや「まあ」
慶行「それはこまったな」
243123:05/03/15 03:42:31 ID:Sio4BjYM
――鏑木家・浴場。
瑞穂「貴子さん、大丈夫ですか! しっかりしてください!」
すでに意識のない貴子。二人の周りの湯船には小さな血だまりができている。
なぜか貴子の左手は、中指と薬指を曲げ残りの指を開いた形で硬直していた。
瑞穂「貴子さん、死なないで……死んではダメです〜〜〜〜〜〜〜〜」
すでに半泣きの瑞穂。ぐったりした貴子を抱きしめるが、力の加減ができないのか、
あばらが粉々に砕ける音が浴室内に響き渡る。
まりや「あらあらあら」
そんな二人を見て状況を把握したまりや、なぜか手にはハリセンが。
瑞穂「たかこさ〜んっ!!」
まりや「まあまあまあ! 貴子さん、あなたはなんて事を!」
ハリセンを貴子に向かって振り下ろすまりや。
まりや「エルダーシスターになんて事を! エエイ、これが畜生道でなくて何であろうか!」
楓「無駄ですわ、まりやさん! 嬉しそうに失神なさってます! ま〜、これはあばら全壊ですわ」
怒りのあまり、冷静な判断ができないまりや。それをたしなめる楓が、貴子の具合をみてきの声をあげた。
――屋敷の一室。
医者「こういう場合、普通死にます」
まりや「いや〜、お恥ずかしい」
貴子「おかわり!」

以下、続かない。
244123:05/03/15 03:43:14 ID:Sio4BjYM
業務連絡
保管庫の中の人へ
Kateこと123の執筆歴
【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】スレ分
>252
>298
>634
>679
【女装】処女はお姉さまに恋してる第2話【百合】スレ分
>653
の以上です。訂正お願いします。
にしても、節操がないな、ジャンルに。
245名無しさん@ピンキー:05/03/15 04:53:04 ID:L1f0a4xF
皆様方GJ!なのですよ〜。
ネタが浮かんだので時間掛けてでも描いてみますです。

瑞穂の1人Hネタとだけ申しておきます。
寮生活で本も持ってない瑞穂ちゃんの1人H!
2週目やって確認することいっぱい有りまくり
なので 長らくお待ちください(マテ
246名無しさん@ピンキー:05/03/15 04:56:25 ID:s59fGlDo
すごいたくさん作品ありますね。
保管庫でまとめて読みました、みなさんグッジョブです。
247名無しさん@ピンキー:05/03/15 06:54:54 ID:03NFacCn
>>239-243
どっかで見たことあると思ったら、『うる星』かw
248元269:05/03/15 09:52:16 ID:26v2LA/2
「マラソン大会」投下します。
今回は芸風を変えて三人称で書いております。
学院周辺の様子などは完全に私的設定です。
249元269:05/03/15 09:53:02 ID:26v2LA/2
「マラソン大会」

十二月初旬。
多種多様な彩りを見せていた木々も、ここ最近の冷え込みに耐えか
ねて、路上で褐色の絨毯を形成している。
 昼間はやや涼しいくらいの過ごし易い気候も、夜ともなれば、上に
一枚羽織らなければならないほどだ。
 つい二ヵ月ほど前までは黄金の実りを讃えていた田畑も、今では穂
を刈り終え、土色の肌を見せている。
 そんなのどかな風景の中に、異彩を放つ場所があった。

恵泉女学院。明治十九年に創設された由緒ある女学院である。
日本の近代化にあわせ、女性にもふさわしい教養を学ぶ場が必要だ、
という理念に基づいて創設された、いわゆる『お嬢様学校』である。
 この学院は、都会の喧騒を離れた平和な土地…平たく云えば田舎…
に位置しており、その広大な土地に幼稚園から女子大学院までを併せ
持つ。
 学院の周囲は、高い石壁で囲まれており、外からはその内部を垣間
見ることは出来ない。これは、外からは見えないようにと工夫を凝ら
した設計に拠る。外部から見ることが出来るのは、件の石壁と校舎の
屋上あたりか。
 学院生たちを周囲の目から守っているその石壁に近接した形で、石
畳に舗装された道がある。幅員約四メートルのその道は、普段は陸上
部所属の長距離選手たちの練習場所となっている。
その道は、外側は石壁に、内側は銀杏並木に挟まれた形をしており、
道の両端には散った銀杏の葉が小高く積もっている。道の中央部には
殆ど葉が見えないことから、掃き清められたばかりなのだろう。

この場所を舞台に、うら若き乙女たちによる熾烈な戦いが、今まさに
始まろうとしていた。
250元269:05/03/15 09:54:08 ID:26v2LA/2
「これより、学年別長距離大会、三年生の部を行います。参加する生
徒はスタート位置で待機して下さい」
 担任の梶浦緋紗子のアナウンスに従って、宮小路瑞穂は既に多数の
生徒が待つ待機場所へと向かった。
 瑞穂は、背は女子にしてはやや高め、腰まである栗色の髪をした美
少女…にしか見えない『男の子』である。
 訣あって、女装をして今年の六月に編入してきた。
現在も半袖の体操服と臙脂の短パンを履き、他の女生徒と同じ服
装をしている。…流石にブルマは履いていない。
 『宮小路』と書かれたネームは内側から迫り出す双丘によって
歪んでいる。…双丘の正体は特製シリコン胸パットである。
 瑞穂は現在、特殊な立場にいる。…それは……。
「あ、お姉さま」
同級生からもお姉さまと呼ばれる『エルダー・シスター』
これが瑞穂の置かれている立場だった。
「ごきげんよう…」
瑞穂としては望んでなったものでもなく、エルダーとしての生活を、
五ヵ月送った今でも慣れることが出来ずにいた。
しかも、エルダーとは、ただ同級生から「お姉さま」と呼ばれるだ
けの称号ではなかった。
「さぁ、どうぞ。お姉さま」
後ろに瑞穂がいることに気付いた生徒が、場所を譲り出す。一人が
譲るとその前に居た者までもが、瑞穂に場所を譲り出す。
「あ、あり…がとう」
気が付くと瑞穂は、スタートライン間近の最前列に立っていた。
「きゃ〜〜!!」
瑞穂が押し出されるように最前列に立つと、既に出番を終えてギャラ
リーと化していた下級生たちが黄色い声援を送り出す。
「……」
瑞穂には如何すれば良いのかわからない。
251元269:05/03/15 09:54:51 ID:26v2LA/2
「相変わらず、凄い人気ですのね…お姉さま」
呆れた様な笑みを浮かべながら、瑞穂の横に立つ女生徒が声を掛ける。
「貴子さん…」
 厳島貴子。瑞穂が転入して来なければ、今年度のエルダーは彼女のも
のであった。と皆が口を揃えて云う、現職の生徒会長である。
 貴子は、上背は瑞穂ほどではないが高い部類に入る。普段はややウェ
ーブの掛かった金色の長髪を手の掛かったリボンで装飾している。今は
これから始まる長距離走に備えて後ろで一つにまとめている。
 貴子も学院指定の半袖の体操服に身を包んでいるが、瑞穂とは違い、
短パンではなく、ブルマを履いている。すらりと伸びた白い脚が艶かし
い。
 「お姉さま…長距離は如何なのです…?」
足首をくねくねと回しながら貴子が云う。
「得意ってほどではありませんが…」
遠慮がちに云う瑞穂。
「…人並よりは早い。…本当にお姉さまはなんでもお出来になりますね」
貴子は、瑞穂の言葉に続けて云った。…悪戯な瞳が愛らしい。
「いや、そんな…」
瑞穂が何かを云い掛けたとき、
「それでは、間も無くスタートです」
緋紗子の声が響く。
「さ、頑張りましょう。お互いに」
前方を見据えて貴子が云う。
「…そうですね」
瑞穂も視線を戻す。
「よーい」
走者全員が身構える。
パァン!
空砲が鳴り響き、走者が一斉に走り出す。
252元269:05/03/15 09:55:28 ID:26v2LA/2
「きゃ〜〜!!」
ギャラリーから黄色い声援が沸き起こる。
瑞穂はスタートダッシュを決め上位陣の中にいた。すぐ後ろに貴子も
続いている。
 一周四百メートルの校庭を回り、正門に向かって走る。正門の手前で
左に曲がるとジョギングコースに入った。
 「はぁ……はぁ……」
リズミカルな呼吸音を連れて走り続ける。現在のトップグループは約二
十人ほどか。
 貴子は、瑞穂の後ろを走りながら思っていた。
(目線に困りますわ……)
誰かの後ろに付いているとき、真っ直ぐ前を見据えるのは、困難であ
る。すると、自然と視線は落ちていくのだが…。
(お姉さまのおしり…)
「はっ!」
はっと我に返り貴子は少し視線を上げる。すると…。
(お姉さまの下着のラインが…)
ぶるぶると軽く首を振り忘れようとする。しかし、悪いことに先に行
われた学院祭での出来事を思い出してしまった。劇中に起こったアク
シデントを回避する為にされた…キ……ス。
(〜〜〜〜)
途端に、かぁぁっ、と赤くなる貴子。そのままふらふらとした足取
りになってしまう。…一人脱落。
253元269:05/03/15 09:56:04 ID:26v2LA/2
 スタートから約一キロメートル地点。ここには何十人ものギャラリ
ーが詰めていた。憧れの上級生たちの勇姿を目に焼き付けようと、今
か今かと待ちわびている。そんな女生徒の群れの中に彼女たちは居た。
 周防院奏。新入生。小学生と間違えられそうなほどに小柄で、肩よ
りやや短めの金髪をしている。一番の特徴はピンク色の大きなリボン
を付けているところか。昔、世話になった人の形見の品で、このリボ
ンを巡って一つの騒動にまで発展した、ある意味いわく付きの品であ
る。奏は、傍らにいる女生徒とともに、レースの行方を見守る。
 もう一方は上岡由佳里。同じく新入生。少し赤味がかった栗色のシ
ョートヘアー。こちらも小柄だが、奏よりは幾分大きい。先ほど行わ
れた一年生の部では見事上位入選を果たしている。由佳里は陸上部に
所属している。
「きゃ〜〜」
 不意に他の生徒たちから歓声が起こる。トップ集団が差し掛かった
ようだ。
 「あ!お姉さま!」
 奏が集団に瑞穂を見付けて声を上げる。
「が、頑張って下さい。お姉さま」
 由佳里も声援を送る。
 二人の声が届いたのか、それともたまたまなのかはわからないが、
瑞穂は二人に視線を送ると軽く微笑み、左手を上げた。
 「きゃ〜〜」
 傍に居た生徒たちが喜びの声を上げる。
 「お姉さま…格好いいです」
 誰かが呟く。その言葉に異を唱えるものは一人として居なかった。
254元269:05/03/15 09:56:51 ID:26v2LA/2
三年生の部は全長五キロメートルのコースで行われている。
ここは丁度半ば、二千五百メートル地点。ゴール地点からは最も遠い
場所だからなのか、ここには一人しかギャラリーが居なかった。
 菅原君枝。二年生。黒髪を両端で三つ編みにしている。顔に比して
大きめの黒縁眼鏡を掛けているため、やや硬い印象を受ける。実際、
幾分硬めの性格をしているが。…現職の生徒会会計役である。
「…会長」
君枝は心配だった。彼女の敬愛する生徒会長、厳島貴子は真面目であ
る。どんなことでも妥協したりせずに全力を尽くす。自分の身を犠牲に
してでも…。
 君枝はそんな頑固なところも好きだった。しかし、実は貴子はそれ
ほど運動が得意ではない。当然人並みには動けるが…。デスクワーク
主体の生徒会業務をひたすらにこなして来た貴子にとって長距離は鬼
門である。真面目すぎる性格故に。…それが君枝の懸念であった。
 「あ…」
 トップの集団がやってきた。現在のところ、五人…といったところ
か。貴子の姿は…ない。
 「お姉さま…?」
 五人が程近いところまで来て、君枝はその一人が瑞穂であることに
気付いた。
 「…あ」
 瑞穂はこちらに視線を送り、微笑んで行った。
とても素敵な笑顔だった。
「いけない!」
慌ててかぶりを振る君枝。
(私は会長一筋なんだから!)
255元269:05/03/15 09:57:39 ID:26v2LA/2
その後待つこと三分程。君枝はようやく貴子を発見した。が、
「御門先輩…?」
貴子は、御門まりやと一緒に走っていた。まりやは別段疲れた風でも
なく黒いショートヘアーを靡かせながら貴子と伴走していた。犬猿の仲
とも云える二人が仲良く…は見えないが、一緒に走っているのを見て、
君枝はとても嬉しくなった。
 あの二人は幼稚園時代からの付き合いで幾度となく対立してきたらし
い。…詳しいことは君枝も知らないが。
 貴子とまりやは時折、何か言い合いをしながら君枝の前を通り過ぎて
行く。
 「…良かった」
 あれなら貴子が無理をすることもないだろう。…多分。

残り一キロメートル地点。ここにもやはり大勢のギャラリーが詰め掛け
ていた。押し競饅頭のように固まる生徒の傍らに、悠然と構える長身
の女生徒がいた。この生徒の周りには何故か隙間が開いていた。
 「あら…来た様ですわね」
 十条紫苑。おしりから膝ほどもある黒い長髪が印象的だ。上背は瑞
穂と同じくらいか。凛とした空気が彼女の周りには張り巡らされてい
る。体が弱いため、今回は欠席し、ギャラリーと化していた。
 「あらあら…」
先頭から二十メートルほど離れたところを走る瑞穂。紫苑に気付くと
やはり微笑を浮かべ、手で合図する。その後ろ、五十メートルほど離
れてもう一人。後続の姿は見えない。
 「きゃ〜〜」
 手を振る瑞穂の姿に歓声を上げるギャラリーたち。
 「ふふっ…頑張って下さいね」
 紫苑は小さく呟いた。
256元269:05/03/15 09:58:42 ID:26v2LA/2
「きゃ〜〜」
 ゴールとなる校庭にトップが帰ってきた。
「きゃ〜〜!!!」
少し遅れて瑞穂。
 ゴールまでは残すところ四百メートル。
 「はぁはぁはぁ」
 「はぁ…はぁ…」
 一足毎に、二人の距離は少しずつ縮まっていく。
二十メートル…十五メートル…
 (これなら…!)
 瑞穂がスパートを掛けようとしたその時!
「きゃ〜〜」
 残り百メートルを切る頃、トップを走っていた生徒が後続を確認し
ようと振り向き……崩れ落ちた。
「!」
 倒れた生徒は右足首を抑えたまま動かない。後ろを確認しようと振
り返ったときバランスを崩して足を痛めたのだ。
 倒れた生徒に肉薄した瑞穂は……その場に立ち止まった。
 トップを走っていた生徒が転倒したのを見て騒然としていたギャラ
リーたちが静まり返る。…何故、立ち止まるのか……。
「…大丈夫?」
 呼吸の乱れを整えながら瑞穂が優しく声を掛ける。
 「あ、足が…」
 足を押さえたまま蹲る女生徒。
「歩けるかしら?肩を貸すわ…」
蹲る生徒に手を差し出し、立ち上がらせようとする瑞穂。
「つっ!」
しかし女生徒は、体重が右足に掛かった瞬間、痛みを訴え崩れてしま
う。
「…しようがないわね」
257元269:05/03/15 09:59:51 ID:26v2LA/2
「きゃぁ〜〜!!!」
右足首に触れないように女生徒を抱き抱える瑞穂。
…いわゆる『お姫様だっこ』である。
「え?お、お姉さま?!」
ここで初めて顔を見て瑞穂だと分かった生徒は、慌てて降りようとし、
足をバタつかせる。
「こ、こら!暴れないで」
瑞穂に怒られてしまい、女生徒は大人しくなる。
瑞穂は女生徒を抱いたまま、ゴールに向かって歩き出す。と、
「きゃぁ〜〜!!!」
 悲鳴混じりの歓声がギャラリーから起こる。その瞬間、瑞穂の脇を
一人の生徒が走り、通り過ぎて行く。
 それでも瑞穂は、怪我に障りのないようにゆっくりとした足取りで
ゴールに向かう。
残りはあと僅か。三十メートル…二十メートル……十メートル……。
 「きゃぁ〜〜!!!」
 歓声と拍手に迎えられ、ゴールする。
 「ご…ごめん……なさい。お…ねえ…ぅ…さま」
 抱かれている生徒が嗚咽交じりに謝罪の言葉を口にする。
 「いいのよ、気にしないで…ね?」
瑞穂は、暖かな笑顔を浮かべて、女生徒に優しく語りかける。
 沸き起こった拍手は鳴り止む気配もなく、歓声は冬の空へと吸い込
まれていった。


Fin
258元269:05/03/15 10:05:07 ID:26v2LA/2
投下終了しました。
作中、『あの』瑞穂ちゃんが、マラソン大会で3位だった、という
記述があり、「瑞穂ちゃんが女子に負けるわけない!」という
非常に私的な見解から書きました。…お約束な展開ですいません。
259名無しさん@ピンキー:05/03/15 10:26:29 ID:AprromZn
(・∀・)bグッジョブ!!
マラソン大会3位説については以前に「さすがにちょっと遠慮した」説が挙がってましたが、
こっちの方がエルダー炸裂な感じが瑞穂らしくて自然な感じ。

一点だけ重箱の隅を顕微鏡見ながらで突付くなら。
奏が金髪ってこたーないかな、と(´∀`;


260元269:05/03/15 10:49:49 ID:26v2LA/2
>259
レスサンクスです。
いや…奏ちゃんの髪の毛の色、なんて表現すれば良いのかが…。
淡い感じで茶がかったショートヘアー?
薄く入れた紅茶のような?
候補はいくつかあったのですが、どれもピンと来なかったので…
261名無しさん@ピンキー:05/03/15 10:57:04 ID:03NFacCn
>>249-257
非常にGJ!瑞穂ちゃんがかっこいいですね。
この説も新鮮で良いです。

奏の絵での髪の毛の色は、ゲームではよくあるような「演出」であって
実際は金髪ではないと思っています。
あくまでも黒っぽい色だけど、絵で全員黒だと見た目がよくないからカラフルにしちゃえ、みたいな。
事実、金髪であるという表現は出てこなかったかと。
262259:05/03/15 11:53:29 ID:AprromZn
こっちのほうが→上記のSSの方が

です。紛らわしい記述スマソ。
しかし捻挫した生徒とちゃっかり1位でゴールした生徒は内心堪らんだろうなぁ。

ゲーム本編だと日常の何気ない学園生活についての記述が後半めっきり無くなって
しまうのが惜しいと感じてたんで、こういった学園生活の一コマ的SSは個人的大
歓迎です。改めてGJ。

263名無しさん@ピンキー:05/03/15 13:52:19 ID:8ba/hnjG
そうかー、こうやって無意識のうちにエルダーとしての伝説作っちゃってたんだなぁ>瑞穂ちゃん
264名無しさん@ピンキー:05/03/15 13:56:20 ID:P7Nx5QTs
俺メモ φ(。。)メモメモ・主要キャラの誕生日

05/12 瑞穂
(--転入--)
06/08 まりや
06/26 奏
11/16 ツンデレ
11/24 一子
01/08 梶浦
02/18 由佳里
(--卒業--)
03/21 紫苑

主要キャラ2名を在学期間から外すというのはちょっと頂けない感じ。
SS補完のしようもねぇなぁ・・・
265名無しさん@ピンキー:05/03/15 14:02:55 ID:8ba/hnjG
>264
紫苑さんなら、紫苑ED後で二人きりのあまあま誕生日とか、貴子ED後で誕生日プレゼントとして婚約破棄尽力とかいろいろあるじゃない
瑞穂ちゃんも「お姉さまの誕生日はもう終わっていたのですかー?」という一発ネタが
266名無しさん@ピンキー:05/03/15 14:05:53 ID:byDifwCr
>>職人諸氏
乙です。今日も今日とて名作の絨毯爆撃ですなぁ。

「お姉様と一緒」も次で終わりっすか・・・結構好きだったんだよね。このシリーズ。
267266:05/03/15 14:09:52 ID:byDifwCr
えっ・・・紫苑様の誕生って3月21日なのか・・・俺と同じじゃんか。

・・・申し訳ありません、紫苑様orz
268名無しさん@ピンキー:05/03/15 14:33:30 ID:Vn+BxpIF
>7-171氏
ここに来るまでSSを知らなかった僕が書けるでしょうか?
でも、少しネタ的にあるので(エルダーマスクパクリじゃないかと思えるもの)自分で挑戦してみたいと思います。
がんばってみます。明日には投稿できてるといいな・
269元269:05/03/15 14:35:28 ID:26v2LA/2
>261
レスサンクスです。
そうですね。ただ、CGの髪の色を表現しようとすると…。
>268
頑張って下さい
270269:05/03/15 14:39:44 ID:26v2LA/2
お?良く見たら269奪取じゃないですか。
これで前スレの雪辱を晴らせましたw
あ、連投ごめんなさい
271名無しさん@ピンキー:05/03/15 14:45:09 ID:AprromZn
>267
6日後は御生誕記念SSでこのスレがいっぱいになる予感(含願望)
272266:05/03/15 15:54:37 ID:byDifwCr
>>271
小生としてもそうなるといいなぁ、と思っております。
俺もちょっとだけ書いてみやうかな、と思います。当たり障り無さそうなのを。

とはいえ、21日は県外派兵の最終日だからうpできるかどうか・・・。今のウチに
こさえておくか?
273名無しさん@ピンキー:05/03/15 16:55:04 ID:51noAQ9p
そういえばなかった気がするので、体育祭ネタを投下します。
瑞穂ちゃん視点ですので、登場人物にある程度偏りが出てしまいましたが、ご容赦下さい。
また、奏が1年A組、由佳里が1年B組……と前提をさせていただきました。

多くとも10レス前後になるかと思います。
274273:05/03/15 16:55:55 ID:51noAQ9p
 秋空の晴れ渡った、十月のとある朝。
「う〜ん…いやぁ、今日は絶好の天気になったね、瑞穂ちゃん!」
 大きく伸びをして、満面の笑みを浮かべるまりや。
「そうだね。絶好の体育祭日和になってくれた」
 僕も笑顔で頷く。
 ……そう、今日は恵泉女学院の体育祭だ。


     恵泉熱血行進曲
   〜それゆけ大運動会!〜


 入場行進や選手宣誓など、開会式は割と普通に進んだ。
 宣誓をもしかしたら僕がやらされるのでは、などと思ったが、どうやら各組のリーダーが担当するらしく、お陰で目立たずに済んだ。
「瑞穂ちゃんが宣誓に出たりしたら、他の宣誓役の子が霞んじゃうわよ」
……とはまりやの弁。否定したいところだけど……今までのパターンから云っても、本当にそうなりそうなのが嫌だ。
「さあてお姉さま、いつもは味方だけど、今日は容赦しませんからね〜」
 開会式が終わってA組のテントに戻りかけた僕に、まりやが宣戦布告してくる。……相変わらずと云うか何と云うか、お嬢様言葉がちょっと怪しいのは御愛嬌か。
 体育祭の組割は、各学年の同じクラス……つまり、A組なら1〜3年のA組で1つのチームを作る、という感じで縦割りで構成される。……当然、A組の僕とB組のまりやは違うチームになる。
「ええ、まりやさん。私も負けませんよ」
 当然、僕達だって負けてはいられない。
 どちらから云うでもなく、ぽん、とハイタッチを交わして、僕達はそれぞれのテントに戻った。
275273:05/03/15 16:57:10 ID:51noAQ9p
『――それでは最初の種目は、玉入れです。各組の選手の皆さんは、グラウンドに集合してください――』
 例によって緋紗子先生によるアナウンスに従って、選手たちがグラウンドに出て行く。
 僕は玉入れにエントリーしていないので、テントで応援となる。
「頑張ってね、紫苑さん、奏ちゃん!」
 出場する二人に声をかけた。
「はい、どうにか頑張ってきます」
「張り切っていくのですよ〜」
 そんなこんなで競技開始。
 ……とはいえ。
 やはりと云うか何と云うか、元々紫苑さんは運動が苦手なのに加えて、奏ちゃんは……その、ドジっ子である。
 頑張ってるのは見て取れるんだが……なかなか入らないようだ。
「あうう……お役に立てず、申し訳ないのですよ〜……」
「いいえ、よく頑張ってくれたわよ、奏ちゃん……ね、紫苑さん」
「ええ、本当。可愛かったわよ、奏ちゃん」
 しょんぼりしながら帰ってくる奏ちゃんを、僕と紫苑さんで慰める……って紫苑さん、迷わず抱きしめてますね?

『――続きまして、100m徒競走を行います――』
「さあ瑞穂ちゃん、勝負よ……ってあれ? 瑞穂ちゃんは?」
 スタートラインに立ってふんぞり返りかけて、僕がいないことに気がついてきょろきょろと辺りを見回す。
「……瑞穂さんはこの競技、出ないわよ……」
「えーっ、なんでよーっ」
 出場する圭さんに云われて、まりやがぶーたれる。
「……だって、貴女相手では瑞穂さんでも勝てるか怪しいもの。瑞穂さんには確実に点を取りに行って貰って、ここは貴女が出てくることを見越して2位のポイントを取る作戦」
「うわ、ずっこいーっ」
「……頭脳プレイと云って」
 1位は当然まりやだったが、何故か悔しそうなのが印象的だった。
276273:05/03/15 16:58:11 ID:51noAQ9p
 そしていよいよ僕の出番。……借り物競争だ。
 本音を云うと、もうちょっと別の……例えば100m徒競走なんかに出たかったのだが、美智子さんの
「エルダーの借り物ですから、何を借りたいか仰れば皆さん我先にと名乗り出てくださいますわ」
という鶴の一声で、クラスのみんなが納得してしまい……結果、みんなの勢いに飲まれてしまった。
 ……我ながら、押しに弱いと思う。
 ぱん。スタートの鉄砲。
 やはり男女の体力差か、僕が体一つ飛びぬけると、途端に黄色い歓声が巻き起こる。
 多少の気恥ずかしさを感じつつ、それでも真っ先に手近な封筒を取って、中を検める。
『細いリボン2本』
 これは……貴子さんにお願い、かな?
 僕は貴子さんのいる、彼女のクラス……ではなく、大会運営委員のテントへ走る。
 大会の運営は生徒会が執り行っている為、生徒会役員である貴子さん達は競技には殆ど参加できないのだそうだ。……多少、残念ではある。
「貴子さん、リボン、両方お願いします!」
 運営委員のテントに駆け込んで、借り物の書かれた紙を掲げ、声を張り上げた。
 すぐに通じてくれたらしく、貴子さんは素早く髪のリボンを取って手渡してくれた。
「頑張ってくださいね、お姉さま」
「有難うございます、貴子さん。リボンはすぐに、お返しいたしますから」
 受け取ったリボンを、皺のつかないようにそっと握り、僕はゴールへ走った。
277273:05/03/15 16:59:42 ID:51noAQ9p
 昼食を挟んで、午後の競技に移る。
「瑞穂さん、頑張りましょうね」
「はい、紫苑さん。ペースは紫苑さんにお任せしますから」
 僕の左足と紫苑さんの右足をリボンで縛りながら、僕達は頷きあう。そう、二人三脚だ。
 当然、体格の近い者同士で組もうという話になるのだが、奇しくも僕と紫苑さんが二人とも173cm。同じ身長でエルダー同士、これ以上の組み合わせはないと満場一致で決定した。
 ……事実、僕達がスタートラインに立った瞬間から、歓声が急に大きくなった気がする。
「や、やはり注目を集めますね……」
「失敗できませんわね、瑞穂さん?」
 意地の悪い笑みを浮かべる紫苑さん。
「お願いですから、プレッシャー掛けないで下さいよ……」
 思わず苦笑いになってしまいながら、スタートの体勢をとる。
「位置について、用意……」
 ぱん。今日はもう御馴染みになった、スタートの鉄砲。
「いち、に、いち、に……」
 紫苑さんの掛け声に合わせて、僕も足を踏み出す。
 体の弱い紫苑さんは、当然足の速さもそれほどではない。
 そこで、僕達は一計を案じた。……と云っても大した事はない。
 紫苑さんには普通に走ってもらって、掛け声も紫苑さんに任せる。僕はそれに全力で合わせる。それだけだ。
 身体を動かすのも、歩幅も僕の方が上なので、当然と云えば当然と云える。
 後はお互い、ドジを踏まなければ大丈夫。
278273:05/03/15 17:00:45 ID:51noAQ9p
 ……と、思っていたのだが。
「きゃっ」
 3分の2程走った辺りで、紫苑さんが足をもつれさせてしまった!
「危ないっ」
 慌てて足を踏ん張らせて、手を差し伸べ、紫苑さんの身体を支える。……女性一人の体重くらい、訳がない!
 ちょっとよろめくものの、無事に転ばず済んだ……黄色い歓声が上がる。
「だ、大丈夫ですか、紫苑さん?」
「え、ええ、大丈夫です……その、お手が」
「え? ……ああっ」
 ……鷲掴み。それはもうしっかりと。
 ……うあ、前々から思ってたけど、やっぱり大きい。直に掴むと感触が違う……って、そうじゃなくて!
「ああああ、こ、これはその、わざとじゃなくて……!」
 駄目だ、何か云おうとすればするほど泥沼だ。
「え、ええ、大丈夫、判ってますから……と、とにかく、完走しましょう」
「そ、そうですね……」
 姿勢を直して、再び走り始める。
 ……お互い真っ赤になってゴール。
「あ、あははは……」
 苦笑いしか出ないよ、これは……。
「無事に転ばず済んで、良かったですわ。ありがとう、瑞穂さん」
 ……感謝されても、ちょっと困ります……。
279273:05/03/15 17:01:57 ID:51noAQ9p
 そして遂に最終競技。
 1チームごとに、各学年から2名ずつ代表を出すチーム対抗リレーだ。
 ……僕も当然の如く、エントリーされている。
 3年生からスタートして、2年生、1年二人を真ん中に再び2年生、そしてアンカーに3年生、と順番が決められている。……プレッシャーのかかる場所ばかり、3年生に回ってくる。
 得点も一番大きく設定されている事もあり、各チーム共に足の速いメンバーを選出してきている。当然、由佳里ちゃんとまりやの姿もある。
「ふっふーん、瑞穂ちゃーん、今度こそ勝負だー!」
「勝負です、お姉さま!」
「も、燃えてるわね、二人とも……」
 それもそのはず、これまでの総得点ではA組とB組がトップ争いを繰り広げているのだ。
 この競技で勝った側が優勝と考えて間違いない。
 これは……負けられない、かな?
「位置について……用意」
 ぱぁん。
 決戦の鉄砲。
 スタートダッシュを決める3年生たち。
 僕とまりやはアンカー担当なので、固唾を飲んで見守る。
「いけーっ!」
 まりやの絶叫。
 バトンは2年生へ、そして1年生へ渡っていく。
 由佳里ちゃん、流石に早い。
 長距離の選手とは云え、流石に陸上部の事だけはある。
 勿論、A組も負けてはいない。
 1年同士でバトンリレーが行われ、今度は逆に1年から2年へバトンを……
「あっ!?」
 落ちるバトン。バトンタッチを失敗した!
280273:05/03/15 17:02:46 ID:51noAQ9p
 慌てて拾いなおして、渡しなおす。受け取った2年生も一生懸命走るけど……今のでかなり順位を落としてしまった。
「ご、ごめんなさい、お姉さま!」
 2年の子が謝りながらバトンを差し出してくる。
「……大丈夫、後は任せて!!」
 体育の授業を含め、今までは流石に全力を出すのは控えてきた。
 でも、ここまで頑張ってきたみんなの想いを、無駄には出来ない。
 全力で走る!
「お姉さまぁ、頑張って下さいなのですよ〜!」
 奏ちゃんの声。僕は一つ順位を上げる。
「瑞穂さーん!」
 美智子さんの声。隣には圭さんがいるのだろうか。……また一人抜いて、順位を上げる。
「お姉さま!」
 貴子さん。
「瑞穂さん!」
 紫苑さん。
 ……みんなの声援が、僕の力になってくれる、そんな感じがした。
 一つ、また一つ、順位を上げていく。
 そして遂にあと一人……まりや!
 ちらりとまりやが後ろを振向き……すぐに向き直り、ペースを上げる。
 でも僕の方がまだ早い……二人の距離は確実に縮まっていく。
 5m、3m、2m、1m、50cm、30cm、10cm……。
 そして。
 ぱぁん。
「きゃぁ〜〜〜!!」
 ゴールの合図の鉄砲が、悲鳴のような黄色い歓声が、秋空に響き渡った。
281273:05/03/15 17:04:26 ID:51noAQ9p
「……いやぁ、瑞穂ちゃんには恐れ入ったわ」
 戦い済んで、日が暮れて……と云うのはちょっと大袈裟か。
 閉会式も終わって、「帰る前にお茶を一杯」という話になり、僕とまりや、紫苑さんの3人でカフェテリアで雑談する事になった。
 そんな中の、まりやの第一声がこれだ。
「そんな事ないよ……結局、まりやは抜けなかったし」
 そうなのだ。
 必死に追いついたはいいが、後少し…もう数cmというところで、ゴールまで来てしまったのだ。もし後1mあれば……と思うと悔やまれるが、何時までもそんな事を云っても仕方がない。
「でもあのお姿は見惚れてしまいましたわ……本当、格好よかったですわよ」
 べた褒めの紫苑さんに、僕は苦笑いしか返せない。
「でもあたしにしてみりゃ、怖いもんだったけどねぇ……修羅もかくや、って表情で、「あん♪」って云いながら」
 云ってない、僕は断じて「あん♪」なんて云ってない。
「……ともかく。まりや、優勝おめでとう」
「ん。……瑞穂ちゃんと紫苑さまも、お疲れ様」
「では、お互いの健闘を称えて、乾杯と行きましょうか」
 紫苑さんの言葉を受け、3人のグラスがチン、と音を立てた。
 ……勿論、中身はソフトドリンクだけど。


           End
282273:05/03/15 17:06:21 ID:51noAQ9p
以上です。
なんだか体育祭をテーマにした小ネタ集みたいになっちゃいました。
283名無しさん@ピンキー:05/03/15 17:12:27 ID:l2PKXTPh
GOOD JOB!
とか言いつつ仕事中リアルタイムで読んでる自分。
284名無しさん@ピンキー:05/03/15 17:20:58 ID:1/9HDYNW
>>273
いえいえ、ほのぼのしてて楽しめました。
それにしても瑞穂ちゃんたら「あん♪」なんて云っちゃってw
285266:05/03/15 17:26:24 ID:byDifwCr
>>273
グッジョブ!漏れも仕事中なのにリアルタイムで見てました。
286273:05/03/15 17:36:24 ID:51noAQ9p
レス有難う御座います。

>>283>>285
えーと、お仕事の方は大丈夫でしょうか(笑)。
……いやまあ、私もインフルエンザで会社休んでる中書いてたので、あまり人の事は言えないのですが。
暇なんだ、暇なんだよぅ。

>>284
自分でジャンル分けが出来ない代物でしたが、なるほど、ほのぼのでしたか。
いやほら、「あん♪」はお約束ですから(笑)。
287名無しさん@ピンキー:05/03/15 17:37:26 ID:cZTSexGc
ここは仕事中の閲覧が多いインターネッツですね
と言う漏れも仕事中なんだが…
288名無しさん@ピンキー:05/03/15 17:39:29 ID:+qIOzOdg
>>215の言うとおりです。
まとめさん。保管庫さん。すみませんが、当該の作品を削除してくださいませんか?
もう続きは書きませんので。

文才ない私がスレを汚してすいませんでした。
289名無しさん@ピンキー:05/03/15 17:41:04 ID:+qIOzOdg
ちなみにこの後は、おろした瞬間一子が憑依。
瑞穂ちゃんのまむこが露出=>美智子が欲情
以下略
見たいな感じ。
290名無しさん@ピンキー:05/03/15 17:44:06 ID:AprromZn
>288
えーと、楽しみにしてた漏れの欲情はどこにぶつければ・・・
今一度再考を。エロパロ板といいつつエロネタは稀少なんだし。

>215
ていうか、2chのエロパロ板なんだからあまり深く考えなくて(ry
変に難く考えるとぎすぎすしてツマランだけだと思うよ。
291コネタ:05/03/15 17:55:08 ID:3PxVuJvr
>>180氏 >>402氏 >>206氏 に敬意を示しつつ…イヤ、ホントごめんなさい。

「お父さま、お願いがあるの」
とある休みの日に押し掛けてきたまりやと御茶をしながら話をしていると、
愛娘である紫穂が恥かしそうに言ってきた。
「なんだい?紫穂」
「あの…お父さまのわかいころのしゃしんが見てみたいの」
僕の若い頃の写真…はは、僕も若い頃って言われる程の年齢になったのかな…まだ二十台なのに。
微妙にショックを受けている僕の横でまりやは楽しそうな顔を浮かべていた。
「瑞穂ちゃんの若い頃ね。見てみたい?紫穂ちゃん」
「まりや!?ちょっ…」
「はい、まりやおねえさま」
「わかったわ、それじゃあちょっと待っててね紫穂ちゃん」
まりやのことだから恵泉時代のアルバムを持ってくるんじゃないかと思って
焦る僕にまりやは小声で「大丈夫よ、恵泉以外の持ってくるから。もうコリゴリだし」
そう耳打ちすると部屋を出て行った。…コリゴリ?
そういえば最近、まりやが恵泉時代の事言わないな、何かあったのかな?
考えているとまりやがアルバム数冊を手に戻ってきた。
「はい、紫穂ちゃんお待たせ〜。瑞穂ちゃんのアルバムよ」
「ありがとうございます、まりやおねえさま」
「でも紫穂どうしたの?いきなり僕の写真が見たいって」
「まえに貴子さまが、お母さまと貴子さまのけいせんじだいのときのお父さまはかっこよかった、と言ってましたので見てみたかったの」
292コネタ:05/03/15 17:56:17 ID:3PxVuJvr
「貴子さんがそんなことを!?」
「へぇ、貴子がねぇ」
僕は焦るし、まりやは精一杯という感じで笑いを堪えているみたいだし。
「?」
紫穂がまりやと僕を見て不思議そうな顔をしていた。
そして、しばらく笑いを堪えていたまりやはようやく落ち着いたという風に。
テーブルの上にアルバムを置くとまりやは一冊一冊紫穂にどのアルバムがどの時代か説明していった。
「これは小学生の時でしょ、これは中学生の時。それでこれはね、高校生の時のよ」
高校生!?恵泉のは持ってこないって言ったのに。
「まりやっ!」
「瑞穂ちゃん、大丈夫よ。開正の時の写真だから」
開正…ああ、そうか。僕は恵泉に入る前は開正に行ってたんだった。
忘れてたぐらい恵泉に馴染んでいたのかしら。そう思うと気分が落ちこんできた。
恵泉での日々はとても大切なものだけど、それと女子校に馴染んでいたというのは別問題なわけで。
「あ、あの。だいじょうぶって何かあったんですかまりやおねえさま」
僕は心配そうに腕を胸の前でぎゅっと握っている紫穂を安心させるように
抱きよせて頭を撫でると「何でもないから大丈夫だよ」と呟いた。
「ごめんね、紫穂ちゃん。心配かけさせちゃったか」
まりやも苦笑すると紫穂の頭を撫でた。
すると紫穂は安心したのか笑顔で僕のひざの上に座った。
それを見て、まりやは意地悪そうな顔をしてからかってきた。
「いやぁ、瑞穂ちゃんもすっかりマイホームパパみたいな事して。お姉さんは嬉しいわ」
「お姉さんってまりや…、だいたいマイホームパパみたい、って実際父親なんだからね」
「っとと、お姉さんって全校のお姉さまに言う科白じゃなかったわね」
「ぜんこうのおねえさま?」
「紫穂!じゃあアルバム見ようか!」
「あ、はい、お父さま」
293コネタ:05/03/15 17:56:48 ID:3PxVuJvr
うー、まりやの所為でまた危なかったじゃないかぁ。
目でまりやにそう訴え掛けるとまりやの方もゴメンね、という感じでウインクしてきた。
気を取り直して三人でアルバムを小学生時代から見ていき
小学生時代の写真を紫穂に「かわいい」と言われ落ちこんだり。
中学生時代の思い出でまりやにからかわれたりした。
そうして高校時代、開正の時の写真を見た時、紫穂が驚いたように息をのんだ。
「お父さま、きれい…それにかっこいいです」
綺麗って言われるのは少し落ちこむけど、娘にかっこいいと言われるのは僕も嬉しくて頭を撫でてあげると
紫穂の頬がかすかに赤らんだ気がした。
「…あ」
「どうしたの?紫穂」
何かに気がついた風に声を出した紫穂に確認するように問うと。
「前にまりやおねえさまが見せてくださったお母さまとお母さまのおともだちのしゃしんの、おともだちの方にお父さまそっくり」
そんな答えが返ってきた。
…おもわず目の前が暗くなった。
「ま、まりや?」
「え?あ〜…そ、それはね」
まりやも気まずそうに目を逸らすと紫穂が不思議そうな顔をして問いかけてきた。
「お母さまのおともだちはお母さまと同じせいふくだったからおんなのかた…そのおともだちとお父さまはそっくり?」
「そ、それはね紫穂!実はそのお母様のお友達は僕の双子の妹なんだよ、だからそっくりなの。ね、まりや?」
おもわず恵泉時代に水泳の授業の時に紫苑に使った言い訳を使ってしまっていた。
「そ、そうなのよ。あの人はね瑞穂ちゃんの妹なの、お名前は千穂っていってね」
「お父さまのいもうと、ちほおばさま?」
「そうなの、だから瑞穂ちゃんにそっくりなのよ紫穂ちゃん」
「そうなのお父さま?」
「うん、僕の妹だよ。お母様とは友達だったんだよ」
「わたし、ちほおばさまにお会いしたことない」
「紫穂が赤ちゃんの頃には会った事があるけど、千穂は外国での仕事が忙しくてね、すぐ旅立っていってしまったんだ」
「そうそう、紫穂ちゃんが赤ちゃんの時は凄く可愛がっていたのよ」
「そうなの…お父さま、ちほおばさまにはいつ会えるかな?」
「う、う〜ん。千穂は忙しいからね、よくわからないかな」
294コネタ:05/03/15 17:57:19 ID:3PxVuJvr
段々と誤魔化していくのが苦しくなってきた時、楓さんがおやつが出来たからと紫穂をリビングへ呼びに来た。
「紫穂さま、今日は紫穂さまの好きないちごのパルフェですわ」
「ありがとう楓さん」
そうして楓は嬉しそうな紫穂を連れて部屋を出ていった。
「ありがとう、楓さん」
状況を見越して紫穂を呼んだであろう楓さんに感謝の言葉を言うと、急に疲れが出てきた。
「はぁ…まりや、何を見せてるの」
「ごめんね瑞穂ちゃん。けど、まぁ、結果オーライじゃない?」
「嘘をついたのに?はぁ、結局ドツボに嵌った気がするよ」
肩をおとした僕にまりやは肩を叩くと、無言で首を横に振った。…温かく見守るような目で。
しばらく、立ち直れないかも。疲労感と共にガックリと膝をついた。


夜、寝室にて事の顛末を紫苑に話すと拗ねてしまった。
「あの、紫苑?どうしたの?」
「だって、わたくしもあなたのアルバムを見たかったのですもの」
「それなら何時でも見れるでしょう?」
「瑞穂さんはわかっていません、皆さんとアルバムを見て色々言うのが楽しいものでしょう」
「僕としてはからかわれるようなことは増えてほしくないんですけどね」
「あら、それは役得というものですわ」
「どのあたりが役得なのかな」
「そうね、例えばこのような?」
紫苑はそう呟くと僕にしなだれかかってきた。
「アルバムを見ることと関係ない気もするよ、この役得は」
「いいではないですか、あなた」
「紫穂もいるんだし」
「紫穂は今日お泊りになられるまりやさんの所でしょう?あなた、わたくし今度は男の子が欲しいですわ」
艶やかな笑みを浮かべる紫苑を抱きしめるとそのままベッドに倒れこんだ。
……夜はまだまだ長そうです。

                            終わり。
295コネタ:05/03/15 18:00:32 ID:3PxVuJvr
……うわ、投稿して見たら見えにくいですねコレ。
2chで長文投下するの初で少し緊張しました。

えーと、正直スマンカッタ。反省している。
地の文と科白が全然似てないです。


おとボク、最初に紫苑さんをクリアした為他の人に行けなく…
他の人に行った時の紫苑さんの状況はどうなるのか考えたらorz
296名無しさん@ピンキー:05/03/15 18:03:11 ID:52V/p2VT
>>295
GJ!! 大丈夫。あんま気になんない

>>289
まあ見えてた展開ではあったが…

瑞穂(一子)のショーツが下ろされる

貴子が現れて男を告発。みんな正気に戻る

男、その場の全員に集団リンチされる

でも美智子だけはいまだにいあいあ言ってましたとさ。
こんな感じ?
297名無しさん@ピンキー:05/03/15 18:03:31 ID:5MSSxzl6
>>295
GJです。
男の子が欲しいですわっていうセリフに萌えるのは俺だけ?
298266:05/03/15 18:23:54 ID:byDifwCr
>>295
いいぞベイベー!ほんと、ほのぼの家族ネタはイイぜ!フゥハハハァーハァー

>>273
お客来ないんだよねぇ・・・昨日ほどじゃないけど(笑)


漏れもがんがってほのぼのお誕生日ネタ考えてみます。
299名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:09:17 ID:PRFhewrw
瑞穂の子供も恵泉入学で親子3代エルダー制覇だな
メジロもびっくりだぜ
300名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:14:06 ID:x4SOElEV
>>290
楽しみにしてる人もいる一方で、楽しみどころかオリキャラ萎える人も居るんだよ。
そもそも見なきゃ良いというのは置いといて
作者が後者の意見を受けて書かないっていうんだったらそれでいいじゃん。
301名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:15:18 ID:l2PKXTPh
そして年齢不祥の学院長がまた登場すると。
302名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:26:51 ID:P7Nx5QTs
>>300
えーと、多分君はそもそも2chに向いてないと思うよ。
という訳でキボンヌ2人目ということで >288
303名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:28:18 ID:ap14o1E/
>>295
何となく、千穂じゃなくて一子の方が良かった気もする。
水泳イベントでもアレだったし。
まぁ、かなりどうでもいいことなんだが(w
304名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:36:05 ID:3PxVuJvr
>>303
フゥハハハァーーー
双子だから穂はつけておくか的考えだったから、考えつかなかったぜぇ。orz
フフ、ワイは…ワイは負け犬や。
305名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:36:43 ID:bmdcO//q
 268氏
 期待してます.がんばってみてください.
306猫野:05/03/15 19:37:19 ID:FPtNT4d4
>288さん
ボクもつづき期待してます
307昔209だった人:05/03/15 19:40:44 ID:7JqbnstB
遅くなってしまった、Another Pair 最終話を投下。
今回で終わりです。

前回までのお話をまとめサイト様より
1〜交わらなかった二人〜 ttp://www.type90.com/otome/ss/takako005.htm
2〜すれ違い〜        ttp://www.type90.com/otome/ss/takako014.htm
3〜二人の距離〜       ttp://www.type90.com/otome/ss/takako016.htm
4〜バレンタイン連弾〜    ttp://www.type90.com/otome/ss/takako022.htm

といっても、続けてなんて読んでられませんが
308Another pair 最終話 〜my sister〜 1/15:05/03/15 19:41:57 ID:7JqbnstB
ちゃんと、云えるかな……。
貴子は昨日の夜から何度も何度も繰り返したフレーズを、もう一度だけ頭の中で再生する。
昨日は云えたはずなのに、なんだかドキドキしてしまう。
でも、嬉しい。
キュっと冷えた手を握り締める。
ああっ、いけない。こんなに冷えてたら、また怒られてしまう。
はーっ、はーっ
息を吹きつけて手を温める。
実はまた言いつけを破ってしまった。
貴子はこのバス停で、もう30分近く練習を繰り返していたのだった。
プシューッ
バスが止まる。
この前は中々見つけられなかったので、
座っている席を必死に探す。
勿論反対側だったら無駄な努力となるのだが、
(いましたわ……)
かくして、紫苑の姿はすぐに見つけられた。
紫苑は自分の首からマフラーを外し、鞄に詰め込んでいたところだった。
どうして、バスから降りる時に外してしまうのだろうと、貴子は疑問に思ったが、
目の前に紫苑が歩いてくると、そんな疑問も吹き飛んだ。
「おはようございます。お姉さま」
あぁ、言えた。何だ云えるじゃないか。
あんなに練習してたのが、莫迦みたいだ。
その言葉は、"おはようございます。"と比べても、なんら遜色ないくらい、
自然に発せられた。


309Another pair 最終話 〜my sister〜 2/15:05/03/15 19:42:29 ID:7JqbnstB
――はずだったのだが、
目の前で、そのお姉さまは目を丸くしている。
いや、お姉さまだけではない。
周りにいる恵泉の生徒がみんな目を丸くして、注目していた。
あれ? 何々?
混乱する貴子を引っ張り出すと、紫苑は貴子に耳打ちする。
「いいですか貴子、恵泉でお姉さまと言ったら、エルダーの事でしょう。
 私の事は、名前にお姉さまでお呼びなさい」
「あっ、そうでした。私ったら、つい……」
そうだった。すっかり舞い上がっていて失念していた。
練習以前の問題だったらしい。
しゅんっと実際に音がしそうなくらいしょぼくれる。
むぎゅ〜〜。
「ひゃわわ」
唐突に抱きしめられた。
公衆の面前だと言うのに、全然気になさらないのだろうか。
「でも、そうですね……最後にもう一度だけ聞きたいですわ」
さっきよりも近い位置で耳打ちされる。
真冬だというのに、汗が噴出しそうなくらい熱い。
体中、主に顔面が真っ赤になっている気がした。
「お、お姉さま……」
「はい。おはよう、貴子」
そう囁くと、すっと離れていき、
ポスっとマフラーをかけてよこした。
「もう、あれだけ云ったのに、今日は何分前から来ていたのでしょうね」
「ご、ごめんなさい……」
どちらからともなく手を繋ぐ。
「さぁ、行きましょう。貴子さん」
「……はいっ、紫苑お姉さま」
310名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:43:04 ID:x4SOElEV
>>302
お前も向いてないと思うよ。
俺は言っとくが215じゃないし、残念ながら俺はどっちでもいいよ派だ。
作者が勝手にいらねっていうのを受けてやめるって言ってるなら勝手にすればって話。
自分の作品に責任持てない奴なんか知らん。
311Another pair 最終話 〜my sister〜 3/15:05/03/15 19:43:11 ID:7JqbnstB






過去問片手にノートに向かう。
今は世界史の時間だ。
この時期になると共通の授業を進めるのではなく、各々自分の進路に合わせた課題に取り組む。
瑞穂も隣で自分なりの……。
(また……、この方は他の授業の時もこうなのでしょうか)
常にこうしているようなイメージが出来上がっている通りに、
シャープペンを弄びながら、ぼんやりしている。
また、何か悩み事でもあるのだろうか?
「…………はぁ」
いや、あの締まりのない顔を見る限り、悩みの類ではないようだ。
一体何を考えているのやら……。
『奏……奏の中、きつくて………凄く、気持ちいいよ……』
「………あぅ」
変な事を思い出してしまった。
まさか瑞穂さん、授業中にあのような事を思い出して浸っているのでは……。
(やっぱり、男の方って不潔ですわ)
「――うわっ?! た、貴子さん、鼻血っ、鼻血が出てますよ!」
「……へ?」
312Another pair 最終話 〜my sister〜 4/15:05/03/15 19:43:59 ID:7JqbnstB
つつーーー。
「っきゃあぁあ」
「あら、大丈夫ですか厳島さん」
教卓で小説を読んでいた世界史の先生が寄ってくる。
「だ、大丈夫です。何ともありませんわ、もう止まっています」
「そうですか? まずいと思ったら、保健室に行ってくださいね。
 …………暖房が効きすぎていたのかしら」
ごめんなさい、先生。暖房は関係ないです。
「平気ですか? 貴子さん」
「へっ、平気ですから! 瑞穂さんはどうぞご自分の学習に戻ってくださいっ、
 先ほどから、全く手が動いておりませんよ」
「……うぅ、面目ないです」
真っ赤になってノートに視線を落とす瑞穂さん。
……本当にあの事を考えていたようだ、この人は。
いや、自分も人の情事を思い出して鼻血を出すような女なので、何も云えないのだが。
「そうだ、貴子さん。もしよろしければ、今日は皆でご飯を食べませんか?」
「え、えぇ…それは勿論構いませんけど、それで…皆さんというのは?」





313名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:44:10 ID:52V/p2VT
>288
ギャグなら俺もキボンヌ
314Another pair 最終話 〜my sister〜 5/15:05/03/15 19:45:11 ID:7JqbnstB
「ふ〜ん、それで朝から通学路でいちゃついてたってわけ」
「……別にいちゃついていたわけではありませんわ」
「あら……貴子さんは私と仲良くしてくださってたのではないのですか……?」
「紫苑さん、云ってる事が無茶苦茶です……」
「奏はお二人がとても仲が良いのならそれでいいと思うのですよ〜」
と、いうわけで…皆で学食に来ている。皆というのは、紫苑、貴子、瑞穂、奏、まりやの五人だ。
ちなみに由佳里は今頃トラックを爆走中のはずだ。
「ん〜、何を食べようかしら」
「奏、今日は由佳里ちゃんの分までハンバーグを食べるのです」
「あたしはA定、ポチっとな」
「まりや…古いよ、それ」
「私は……これですっ、オムライス」
「……わぁ、オムライスも美味しそうなのですよ〜」
「……」
「……」
「わっ、私もオムライスにしますわっ。紫苑お姉さま」
「貴子、あんた自称妹の癖に結構ミーハーね」
「自称とはなんですかっ、自称とは!」
そんな訳で、大所帯で大賑わいを見せている。
「……まあっ、おいしいですわ。このオムライス」
「……(可愛い)」
「……(可愛い)」
315Another pair 最終話 〜my sister〜 6/15:05/03/15 19:45:47 ID:7JqbnstB
「はやゃ〜、奏も次はオムライスを頼みたくなってきたのですよ〜」
「まあっ、奏ちゃんったら、一口どうですか? はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございますなのですよ〜。んん〜、おいひいのですよ〜」
「いいの〜? 瑞穂ちゃん。大事な奏ちゃんが餌付けされてるよ?」
「餌付けって……まりや、その言い方どうなの……?」
くいっくいっ、紫苑の袖が引っ張られる。
「む〜〜……。紫苑お姉さま、私も……」
「あらっ、ごめんなさい。貴子さんもオムライス、食べたかったのね」
「貴子さん、自分もオムライスなのに……」
「おいしい?」
「はいっ、おいしいです」
「…だから、貴子さんのも同じ……」
ぴく、ぴくぴくぴくっ
「か〜っ!? やってらんないっ!!」
まりやが壊れた。
「ただでさえ瑞穂ちゃんと奏ちゃんはラブラブになっちゃって、煩くて夜も眠れないっていうのに、
 何よっ、あんたらまであたしを除け者にするんだー。むが〜〜〜〜!!」
ガシャーーンッ(効果音のみで皿に被害はない。なぜ……)
「はわわわぁ、まりやお姉さま、落ち着いてくださいなのですよ〜」
「そうだよ、まりやには由佳里ちゃんがいるでしょ」
「……由佳里、あんまり甘えてくれないもん」
「うっ、それは…性格というか、半分はまりやのせいというか……」
「大体さ、特定の上級生の事をお姉さまとして、お世話をしたりなんだりするのは、
 寮生の伝統なんだけど。貴子には関係ないじゃない」
316Another pair 最終話 〜my sister〜 7/15:05/03/15 19:46:37 ID:7JqbnstB
物凄く今更だが、至極真っ当な指摘に貴子は口ごもる。
「それは……」
「あらっ、まりやさん…それはいらぬ心配ですわ。だって私たち、あと4年もすれば本当の姉妹になるのですよ?」
紫苑が入れてきたフォローは貴子にとって薮蛇そのものだ。
「しっ、紫苑お姉さま、それは……っ!」
しどろもどろの貴子をよそに、紫苑はというと、
人差し指を口元に持ってきて、「し〜っ」のポーズ。
勿論、洗練されたウィンクもおまけに付けておく。
「…………もぉ」
これには貴子も黙らざるをえない。
一方、まりやの方も、屋上での紫苑の独白を聞いているので、最早何も云えない。
「やっぱり、みんな一緒の昼食はとってもおいしいのですよ〜」
それまで会話に参加できずにいた奏が、空気をよく読んでか、まったく読まずにか、
完全に別の話題を持ってきた。
「そうですね……賑やかな食事と言うのも素敵ですわ」
「由佳里が不在だけどね」
「……由佳里ちゃんも、きっと今頃頑張ってるよ」
「うん……そうだね、由佳里……大丈夫だよね?」
やっぱり仲がいいじゃないかと横に座る瑞穂が苦笑…いや、微笑んでいる。
みんな、本当に仲がいいんだ。この人達は。



317Another pair 最終話 〜my sister〜 8/15:05/03/15 19:47:21 ID:7JqbnstB






学食での帰り道。
「……こんなに楽しい昼食は久しぶりだったのですよ」
各々の教室に向かっていく途中、奏がぽつりとつぶやいた。
「……でも、あと一ヶ月もすれば、皆さんいなくなっちゃうのです……」
「紫苑お姉さまも、まりやお姉さまも、会長さんも、……お姉さまも…みんな卒業してしまうのです。
 ……奏、やっぱりちょっと寂しいのですよ」
「……奏ちゃん」
ふらふらふら〜、むぎゅ〜〜。
「はやややぁ」
「奏ちゃん、私も寂しいわ。でも大丈夫、きっと新しい後輩がいっぱいできます。
 そして、奏ちゃんも、お姉さまになって行くのですわ」
「紫苑、お姉さま……」
「それに、瑞穂さんなら何年だって奏ちゃんの事を待っていて下さりますから、安心ですよ」
ね? 瑞穂さん……と紫苑が瑞穂を促す。
「もしそうでないと云うのであれば、私が奏ちゃんを盗っちゃいます」
「紫苑さん、まったく……敵わないなぁ」
できればそこは僕が慰めたかったんだけどな、という思いが瑞穂にもチクリ。
「奏、なんだか元気が湧いてきたのですよ〜。
 そういえば……久しぶりに紫苑お姉さまに抱きしめられた気がするのです」
そうかも知れない、最近可愛い妹に付きっ切りだったから。
「では、その分たっぷりと……」
318Another pair 最終話 〜my sister〜 9/15:05/03/15 19:48:02 ID:7JqbnstB
くいっ、くいっ、……紫苑の袖が引っ張られる。
はて、さっきも似たような事があった気がするが。
「う〜〜〜、紫苑お姉さまぁ……」
貴子がその袖をくいくい引きながら膨れている。
比喩ではなく、本当に頬を膨らませている。
(た、貴子さんっ、可愛い……)
ドシャーンッ
瑞穂に衝撃が走ったような気がした。
(紫苑さんがしないのなら……僕が……)
ふらふら…………、――ギンッ!!
「わぁああ!」
「どうかしましたか? いきなりそんな大声を上げて」
「あ、あぁ……いえ。何でもありません……」
(睨まれたっ、今紫苑さんに凄い顔で睨まれたっ……)
「………はぁ」
まりやはもう何も言う気にもなれなかった。





319Another pair 最終話 〜my sister〜 10/15:05/03/15 19:48:46 ID:7JqbnstB


「卒業か……」
昼食の帰りに奏が漏らした言葉。
「卒業」この二文字が頭にちらつき、貴子は午後の授業がほとんど頭に入らなかった。
もう目の前に迫ってきている、卒業……そうなれば、外部受験組みの自分はこの恵泉を出て行く事になる。
中学、高校と進学の度に外部受験をするように強く云われ、父を説得してきた記憶が蘇る。
貴子にも父の考えは、理解できる。
幼稚舎に入った頃はまだしも、ライバル関係となった鏑木が創始者として絡んでいるこの恵泉に、
自分の身内が通う事は、面白くないのは当然だろう。
――事実鏑木は、男である瑞穂を無理やり入学させるだけの影響力を、この恵泉に未だ持ち続けていた訳だ――
それでも貴子は進学の度に説得を繰り返し、恵泉に通い続けてきた。
「説得……か。違うわね、あの人は私の事などあまり興味がないだけなのかもしれません」
そんな自分が今、自らの意思で恵泉を出ようとしている。
――ところで私の悲願は達成されたのでしょうか?
貴子の疑問に答えられるものはない。
恵泉にこだわり続けて来た理由はただひとつ。
憧れの人を守るため。
決して、憧れの人とお近づきになるためでは、ない――。
「――うかないお顔ですね」
気が付くと、教室の入り口に紫苑が立っていた。
「……紫苑お姉さま。…………すいません、掃除が終わるまでもう少々お待ちください」
「えぇ、構いませんわ。ここで待たせていただきます」
それだと、自分はともかくとしてクラスの皆が気を使うのですが……。
云っても紫苑には意味をなさない気がして、貴子は言葉を飲み込んだ。


320Another pair 最終話 〜my sister〜 11/15:05/03/15 19:49:26 ID:7JqbnstB


「卒業、ですか」
「はい……奏さんではありませんが、何だか私もしんみりとしてしまいますわ」
並んで歩く帰り道。
「そうね、私にも寂しい気持ちはありますが……、
 諭してあげなくては分からないような人ではないでしょう、貴子は」
「えぇ、まぁ……その意味くらいは分かるつもりです」
「それでも、寂しいと思うのはしょうのない事でしょうけど」
「折角…こうして紫苑お姉さまとお近づきになれたのに、という思いはあります……」
「私と貴子は大学も一緒ではないですか、
 それに……大学に行けば、学校内でも私の事"お姉さま"って呼んで構わなくなりますよ」
本気なのか冗談なのか。
「さすがに恵泉を離れてからも"お姉さま"とお呼びするのは恥ずかしいかもしれません……」
「あらっ、そうなの? それは残念」
本気の顔だ。
あと4年間……、
少なくとも大学に通う間は、今まで通り二人の時間を過ごせる。
でも、それでいいのだろうか。
4年後に待つ次の卒業の時を、自分たちは笑って迎えられるのだろうか。
問題はまだ先にあるというだけで、何も解決していなかった。
……そう、紫苑は4年後には厳島家に、嫁いでくるのだ。
貴子の手に力がこもる。
無論、それは繋いだ紫苑の手にも伝わったはずだ。
「でも、そうね。1つだけ確かな事は――私たちは、ずっと一緒だという事ですわ」
しっかりと握り返された手を感じつつ。
「……はい。……お姉さま」
決して離れえぬように、その手を繋いで歩く。

321Another pair 最終話 〜my sister〜 12/15:05/03/15 19:50:11 ID:7JqbnstB
――三月――

季節より早めの桜が、卒業生を祝福するかのように花びらを舞わせる。
いよいよ今日は卒業式、この学校ともついに別れの時を迎える。
並木道を行く生徒はいつも通りのようで、気持ち、その歩みもゆっくりに見える。
「それは……私たちも一歩一歩噛み締めるように歩いているからでしょうね」
「そう……その通りですね。――あら?」
並木道の途中、かがみこんだ瑞穂が奏を抱き寄せている。
「……やっぱり、奏…お姉さまと一緒にいられないのは辛いです……」
「泣かないで……奏……」
その光景に、貴子も卒業する実感がひしひしと湧いて来るのを感じていた。
「……行きましょう、貴子さん」
「……はい」
声はかけない事にした。
きっと式の後にも話はできるだろうし、二人の時間を邪魔するつもりもなかった。
「本当に……奏は泣き虫ね。そんなところも私は大好きだけど……でも、強くならなくてはね。
 奏は貴子さんのようになりたいのでしょう?」
「はいっ……会長さんのような格好いい女の人になりたいのですよぅ……っく………」
「そう……では、泣いてはいけないわね。きっと貴子さんだったらこんな時に泣いたりしないから」
紫苑の手がそっと貴子の肩に置かれる。
貴子は急に溢れそうになった涙をぐっと堪えた。
(ありがとう……私、強くなりますわ)
貴子の決意は、後方で抱き合う姉妹には届かない。
ただ紫苑だけが、妹の成長を楽しんでいた。


322Another pair 最終話 〜my sister〜 13/15:05/03/15 19:50:48 ID:7JqbnstB



「……只今より、第百九期卒業証書授与式を執り行います。はじめに、卒業証書授与」
梶浦先生の司会で式は厳かに執り行われた。
「……御門まりや」
「はい」
まりやが壇上に呼ばれる。
貴子の生涯のライバルにして、良くも悪くも一番の理解者。
幼馴染と言ってもいいのかもしれない。
だが、結局思い悩んだ時に彼女に相談するような事はなかった。
やはり強敵と書いて、というような関係なのだろうか。
だがそれでいいと、貴子も思った。
「……宮小路瑞穂」
「………はい」
宮小路瑞穂。本当に不思議な人だった。
いきなり現れ、何もかも奪っていくと思われたのに、
実際には多くのものを貰った。
男嫌いだった貴子の、初恋の男性。
ひょっとしたら、どこかの歯車1つの違いで、瑞穂の隣で一生を過ごす事もできたのだろうか。

323Another pair 最終話 〜my sister〜 13/15:05/03/15 19:51:17 ID:7JqbnstB
「十条紫苑」
「はい」
紫苑にとってこの四年間は長いものだったのだろうか、
それとも短いものだったのだろうか。
ただ、紫苑の卒業が今年度になってしまったからこそ、
貴子と紫苑の今の関係は存在しているのかも知れない。
無論病気には恨み事以外云うつもりはないが、二人を引き寄せた運命には、
感謝してみるのもいいかも知れないと思った。
「厳島貴子」
「――はいっ」
壇上に登る貴子の姿は誰が見ても惚れ惚れするような物だった。
きっと奏も見ているだろう、憧れの会長さんの格好いい背中を。
固まった決意が、そのまま貴子からにじみ出ている証拠であった。
「おめでとう、……それから、これからも頑張りなさい」
「……はい。ありがとうございます」
学院長からかけて受けた言葉に後押しされながら壇上を後にする。
勿論頑張るつもりだ。
貴子は一歩一歩決意を固めていく。





324Another pair 最終話 〜my sister〜 15/15:05/03/15 19:51:57 ID:7JqbnstB
式が終わると、見知った面々が並木道に集結していた。
まりやと最後の減らず口を叩き合い。
瑞穂と祝いの言葉を交わしあい。
奏の気持ちにそっと涙し。
そして、みんなで並んで記念の写真を撮り、
あっという間に下級生に取り囲まれながら――貴子の最後一日が今終わりを告げようとしていた。
「そろそろ行きましょうか、貴子さん」
「そうですね……できれば、いつまでも名残を惜しんでいたいものですけど……
 この辺にしておきますわ」
すっかり人の少なくなった並木道。
「紫苑お姉さまに……1つご報告したい事があります」
「……はい」
「私は大学進学と同時に家を出るつもりだと、いつか言いましたが……
 あの話は取りやめましたわ」
夕日に照らされた並木道。
「理由を……聞きたいのですが……。いいえ、やはり私のせいなんでしょうね」
「そんな言い方をしないでください。……私、ずっと昔から決めていた事があったのです」
初めてお会いした、あの日から。
「……ずっと?」
「はい、ずっと……です。紫苑お姉さまをお守りしたい、ずっとそう願っていました。
 大学を卒業した後も、決して……紫苑お姉さまを、あんな男になど、渡しはしません」
「まあ………それは……嬉しい…お話、ですね…………」
並んで歩いたこの道。
「紫苑、お姉さま?」
――トサり……
いつか二人で――また帰りたい――

「やだ、お姉さま?
 ゃ…………ぃやっ……、お姉さまーーー!!」
325209だった人:05/03/15 19:52:57 ID:7JqbnstB
以上、アナペ最終話でした。
13/15が二個ありますが、ミスです。二個目は4/15です。
326209だった人:05/03/15 19:54:12 ID:7JqbnstB
で、続けてエピローグを投下
327402:05/03/15 19:54:38 ID:nTbgMsCK
>>288
少なくとも、削除しなくてもいいとおもいますが(個人的意見)

人によって受け取り方は、様々ですので、続きを待っている方もいらっしゃるとおもいます。
なんでしたら、NGワードを書いて、肌に合わない方には、回避して頂くようにすれば
いかがでしょうか?
328Another pair epilogue 〜knight〜 1/6:05/03/15 19:55:01 ID:7JqbnstB
十条紫苑――プレートに書かれた名前を確認して、ノックをする。
「どうぞ」
西日の差し込む病室で、お姉さまはベッドの上に一人膝を抱えて座っていた。
「こんにちは、お姉さま。きちんと寝ていなくて大丈夫なのですか?」
「……大丈夫よ」
お医者さまのお話では、今回の発作は急なものではあったものの、
それほど重いものではないらしい。
手術さえすれば、今後の人生には何の支障もない、という話。
(何の支障もない? 何も知らないで……)
「お食事……ちゃんと摂られていないそうですね。
 駄目ですよ……しっかりと食べて体力を付けなくては、何も良くなりませんよ」
トレイに乗せられた昼食と思しきものは、ほとんど手付かずのまま、すっかり冷め切っている。
「いいんです……食べたく、ありません」
「もう…お姉さまったら」
朝も、昨日の夜も、その前も……ほとんど何も口にしていないのだろう、
か細く弱々しい声を聞いていると、こちらが辛くなってしまうくらいだ。
「お花、失礼しますね」
来る途中に一階の売店でお花を買ってきていた。
花瓶の水、取り替えないと……。
萎れた花の入った花瓶に手をかけようとしたところで、棚の上にそっと置かれていたソレに目が行く。
329名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:55:28 ID:Gcackx6D
電車の中からモバイルなんで一言だけ。
Very グッジョブ。長編乙ですた。
330Another pair epilogue 〜knight〜 2/6:05/03/15 19:55:36 ID:7JqbnstB
「これ…………」
「……倒れた時に、切れてしまいましたの…………
 ごめんなさい……二人の、思い出なのに……絆、だったのに…………」
お姉さまの声に嗚咽が混じり始める。
そっか…切れちゃったか、このリボン。
「いいんですよ、お姉さま。リボンが切れたのなら、新しい物を買いましょう。
 お揃いのもので……ほら、それにこのリボン……1つだけ付けるには細すぎると思っていましたし……」
ずっと俯いていたお姉さまが初めてその顔をあげた。
やはり、酷くやつれていた。
「本気で云っているの……? 本気で新しいものを買えばいいだなんて……思っているの?」
「お姉さま……、勿論このリボンは大切な品です。
 ですが、思い出が詰まっているのなら、このリボンを大事に持っていればいいのです。
 絆だったと仰るのなら、その絆ならちゃんとここにあります。
 ……リボンがなくなっても、私達はいつまでも一緒ですわ」
「でも……でも……、私っ、あなたとの約束を…守れなかった……
 同じ大学に行くと……一緒通うと言っていたのに……
 ……私は、その約束を、破って……しまいましたっ……ぅ……うぅ……っく……」
泣き崩れるお姉さまに、私の涙腺も限界を叫び始める。
そう……お姉さまは両親との約束に、ギリギリで敗れてしまったのだ。
受かった大学の入学手続きは、もう……取り消されている……。
何が、家を出るのをやめる、だ……。
何が、紫苑お姉さまは私が守る、だ……。
何が……決意な、ものか……。
結局、私の決意などというものも、所詮は事態を先送りしていたに過ぎなかったのだろうか。
331名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:55:47 ID:52V/p2VT
魚おおおおおおおおおーーーーー!!!
GJGJGJ!!!!
そして間に割り込んでしまってスマソー! orz

続きすんげえ気になるー!
332Another pair epilogue 〜knight〜 3/6:05/03/15 19:56:18 ID:7JqbnstB
「ごめんね……ごめんね……貴子……嘘つきなお姉ちゃんで、本当にごめんね……」
何も、できないの……? そんなに私は、無力なの……?
泣きじゃくるお姉さまを目の前にして、ただ見ている事しかできないの?
それが、あなたの目指した姿なの?
奏さんの憧れた、厳島貴子なの?
「……行きたかったっ……通いたかった……貴子と一緒の……学校……うっ、……ぁあ…………」
「…………っ」
涙に暮れるお姉さまをしっかりと抱きしめる。
いつも抱きしめられていた時のお姉さまとは、別人のように痩せてしまっていた。
「……お姉さまの願い、確かに聞きましたわ」
奏さん……あなたの憧れる会長さんは、こんな時、決して泣かない、強くて格好いい人でしたよね?
既に流れてしまった一筋の雫を両腕で乱暴にふき取る。
そして、決してもう流れ出さないように、自身を固める。
ありがとう。力を頂きました、奏さん――。
頼って、守られて、甘やかされて……そんな事ばかりしている私は、私なんかじゃない。
私は、お姫様を守る、騎士になるんだ。
今ここで立ち上がらずに、どうすると言うのだ。
今までの分のお返しとばかりに、しっかりとお姉さまを抱きしめる。
「大丈夫、泣かないで……何も心配はいりません。
 紫苑、あなたは私が……守ります」
そう――、

私は、あなたを守る、騎士。




333Another pair epilogue 〜knight〜 4/6:05/03/15 19:57:04 ID:7JqbnstB
「行けません、お嬢様! お館様は誰も通すなとっ」
突然の事態で、計画は全て台無しになってしまっていた。
まぁこれも――四年間かけてじっくりと――などと甘い考えをしていた私の落ち度だろう。
さて……これだけ急となると、さすがに用意できた武器は心もとない。
確実性は薄くなってしまった。
でも、ま…問題はないわ。
誰にも止めさせやしない。
兄にも、母にも、決して邪魔はさせない。
勝算がないわけではない。
お兄様も甘い……弱点をさらけ出しすぎです。調子にのって……。
そもそも、あの人には才能がない。
父の変な部分ばかり受け継いで、ようは無能な上に人格破綻者なだけ。
……能力でいえば、どうという事はない。
ならば、父も本当は考えているはずだ。
あの男は能力第一主義だ。親子の絆なんて屁とも思わない男だ。
ただ母への手前、ああしているだけにすぎない。
だからこそ勝算はある。
あの色情魔を……引きずり落ろしてやるっ!!
「いけません、お嬢様っ! これ以上は…お嬢様といえど侵入者同様の対応を……」
「どいてください、川蝉さん。私、あなたの事は好いておりましたのよ」
「お嬢さまっ!」
「……どきなさい、川蝉」
さて……待っていなさい、狒狒爺。
誰があなたの忌々しい血を一番受け継いでいるのか、思い知らせてあげますわ――





334Another pair epilogue 〜knight〜 5/6:05/03/15 19:57:40 ID:7JqbnstB
――そして、6年後――

私は一人、パーティー会場の片隅でシャンパンを手に立つ。
正直、こういう場は好きではない。
ヘラヘラした男どもや、子供の売り込みに必死な連中が、次々と寄り付いてくるから。
「すみません、よかったらご一緒しませんか?」
またか……。うんざりとした面持ちで振り返る。
「あら………、いいのですか? あなたのような方からのお誘いならば、喜んでお受けしますが……
 奥様が見ておられますよ?」
「困りましたね、そんなつもりはないのですが……」
見知った顔に思わず気持ちも緩む。
「そういえば、自己紹介がまだでしたね。株式会社厳島情報システム、社長の厳島貴子と申します。
 以後、お見知りおきのほどを」
「これはこれはご丁寧に……株式会社鏑木テクスタイルプランニング、社長の鏑木瑞穂です。……よろしく、次期総帥さん」
「……妻の、鏑木奏です」
瑞穂さんの横に控える奏さんは、なんだか萎縮しているようだった。
「こんばんは、奏さん。久しぶりね…元気にしてましたか?」
「はっ、はいなのです。奏、会長さんに会えて、本当に嬉しいのですよ〜」
「まあっ、奏さんったら……私、まだ会長ではありませんよ?」
「はややぁ……奏、そんなつもりじゃあ……なんだか会長さん、意地悪になってるのですよ〜。
 さっきの会長さんだって、格好よかったのですけど奏は少し怖かったのです。
 お声をかけられるまでドキドキだったのですよ〜」
当人同士はふざけ合っていたつもりだったのだが、奏さんは緊張してしまっていたらしい。
相変わらず、素直で可愛らしい子だ。

335Another pair epilogue 〜knight〜 6/6:05/03/15 19:58:59 ID:7JqbnstB
「それで、今日はお姫さまは?」
「あぁ、来ていますわよ……十条家の代表として、ですが」
「貴子さんの援助で、随分と盛り返しているみたいですね」
「私は何もしていませんわ、お姉さまのお人柄のなせる業でしょう。
 それに……なぜか鏑木の方からも、随分と旨い話が舞い込んで来ているようですし」
「さぁ……何のことでしょう?」
まったく……何も知らないという顔をしながら、
いいところはきっちりと頂いていくのですから、抜け目のない方。
「元気にしてますか? 紫苑さん」
「えぇ、お体の方はもうすっかり。ただ……最近は縁談話ばかりらしくて、参ってるようですけど」
「ご両親も、何時までも一人身ではさぞかし心配なのでしょう」
「あらっ、それは貴子のところも一緒ですわ」
現れたのは、和服に身を包んだお姉さま。
同姓でも目を奪われてしまう。
縁談など、はいて捨てるほど持ち掛けられるのも当然ではある。
それでもご両親は、本人の意思を尊重すると言って、全て断っているらしいが……。
やはり家のためとはいえ、負い目はあったという事だろう。
「……そうですわね。全く瑞穂さんも……ご自分は早々にご結婚をなさったからって……。
 あ〜ぁ、どうして日本では女性同士の婚姻が許されていないのでしょうね? お姉さま」
「まあっ、貴子にはどなたか宛てでもいるのですか?」
「……お姉さま、意地悪です」

パーティー会場の一角、華やかな笑顔を振りまく一団が、周囲の注目を浴びていた。


fin

336名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:01:56 ID:52V/p2VT
マジごめん。吊ってくるよ。

続きが早い…GJ。
337名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:02:58 ID:x4SOElEV
最終話の方、割り込み申し訳ない。
(つーか、エピローグの方もリロードしなかったら割り込むとこだったw)
激しくGJでした。
ただ重箱をつつくようで申し訳ないですが、卒業式の名前呼ばれる順番おかしくないですか?
まあ、作品の良さに関わる事では無いんで問題無いといえば無いのですが。
338209だった人:05/03/15 20:04:37 ID:7JqbnstB
今度こそおわーり。


これからしばらくは、短ーいのしか書かない予定であります。
まずは、>>53で云った通り、16のネタを勝手に再利用し、脇役の短い話でも、(元々、構想はあったのですが)

その後は予定もなく、たまにほのぼのとしたシチュでも投下して行ければ、と。
前スレで誰かがやっていたように、リク受け付けて書いてもみたいです。

長ーい話に付き合って下さった方、本当にどうもありがとうございました。
339273:05/03/15 20:05:57 ID:51noAQ9p
>>295
GJです。
最後にニヤリとさせられました。
そして>>297に同意。そりゃもう激しく。

>他の人に行った時の紫苑さんの状況はどうなるのか考えたらorz
私も二人目が紫苑さんルート……ご、ご都合主義でどうにかなると……きっと。

>>298
お客さんが……ええと、いい事なのか悪い事なのか……。
お誕生日ネタ期待してます。

>>338
最初、丁度>>325まで読み込んでしまい、そのあまりと言えばあまりな終わり方(実際は引っぱり方ですが)に物凄い勢いで驚いてしまいました(笑)。
鏑木と厳島のそれぞれで手を取り合う展開は新鮮ですね。
そして、これはこれで先が楽しみでもあります。
長編(中編でしょうか?)完結、お疲れ様でした。
最後まで楽しませていただきました。
340名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:06:01 ID:DDhS2LKl
iikanzinikusattekitana:-P
341123あらため初代スレ123:05/03/15 20:11:44 ID:SMZDJFo7
保管庫の中の人、まとめサイトの中の人へ
ごめんなさい、第3話の123ではなくて、初代スレの123でした。
このスレの123の作者の方、ご迷惑をおかけしました
つきましてはこの初代スレ123、紫苑さんのお誕生日までに
紫苑×瑞穂を全力をもって書きあげることを
お姉さまの「あん♪」にかけて
ここに誓います。
342209だった人:05/03/15 20:14:09 ID:7JqbnstB
>>337
その辺は雰囲気重視にしてしまいました。
A組…B組…?組(貴子)にすると、流れ上まりやは削る羽目になりそうだったもので……
よくよく考えてみると、読んでて違和感を覚える方が雰囲気を損ねてしまって意味ないですね。
エルダーや生徒会長は答辞等の関係で後になると入れておけばよかったかなぁ。指摘、参考にします。
343名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:20:43 ID:Gcackx6D
>341
その心意気やよし!いやマジで。
344名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:22:42 ID:ap14o1E/
長編乙ですた
345名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:49:10 ID:s/P32Qgp
大作の後に話蒸し返すようで悪いけどさ、

アドバイスっぽい話をするならば、
新興宗教って一発ネタ系(最後に何かどんでん返しがあって大団円)だと思うんだよ、
さすがにあのまま神さま凄いねー、うんうんで終わるって事はないと思うし。

だとして、問題は引っ張りすぎた事かと。
落ちに行き着くまではただの不条理な話なだけだし。
毎回そういうのを読まされても、困る人は多いと思う。
というか一発ネタ系は落ちまで一気に投下しないと意味がないと思う。
分けるとしたら、毎回ごとに山と落ちがあって、話になってないとつらいかも。
書けた分だけ投下するのでなく、形になった分を投下するようにしてみては?
346名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:51:29 ID:84yX66XW
>>338
長編乙ですた
another pairは楽しみにしていたので、終わっちゃうのがちょっと残念かも。

>>215+288+289
ええっと、自作自演ですか?
作者は私なんですけど。

そこまで嫌なら、NGワードに新興宗教をいれてスルーしてくださいな。
というか、公開した以上は最後まで書こうと思います。
駄作でも一応は。

でも、288のあらすじはある程度正しいので、すごく困るのですが。
347名無しさん@ピンキー:05/03/15 20:57:10 ID:ap14o1E/
とりあえず、陵辱モノや救いようの無いバッドエンド出なければ、俺は良いと思うぞ。
348名無しさん@ピンキー:05/03/15 21:01:30 ID:OHLIF3NC
ちと遅れたけどanother pair GJでした。
ツン→デレ→ツン?
と貴子の前に進んでいく姿がよかったです。


>>346
頑張ってください。
349名無しさん@ピンキー:05/03/15 21:08:37 ID:8HB5EFJk
紫穂シリーズの雰囲気はいいなあ
最初にねたを投稿した >186 は神
350名無しさん@ピンキー:05/03/15 21:09:08 ID:8HB5EFJk
>>349
ああ、ごめんなさい
>186 じゃなくて >180 でした orz
351名無しさん@ピンキー:05/03/15 21:56:06 ID:+Ac8XgU1
最初ただの百合スレかな〜?って思ってこのスレ見てたら妙にキャラ萌えするから過去ログも読んだんだけど

ついむしゃくしゃしてソフト買ってきてしまった。ちょっとヤってくる(・ω・)ノシ
352名無しさん@ピンキー:05/03/15 22:00:03 ID:BGlSh7Mf
このスレ読んでてSS書きたくなってしまった。
というわけで、ありがちなネタですが、まったりと投稿させていただきます
353名無しさん@ピンキー:05/03/15 22:02:02 ID:BGlSh7Mf
ごめん、あげてしまった……


354名無しさん@ピンキー:05/03/15 22:36:18 ID:3PxVuJvr
>>339
書いた当初エロパロらしく男の子欲しい発言後の夜の性活書こうかとも思ったけど
まずは地の文章力つけような私、アハハー…という事で見送り

ええ、ご都合主義でなんとか…頑張って欲しいと…
355266:05/03/15 23:07:46 ID:roN9wPjB
>>209の人
「Another Pair」シリーズ、お疲れでした。Great Work!!
最後にこういうオチを繰り出してくるとはね。正直、ホッとしたかも。

小生も紫苑様おたんぜうび小物を投下できるよう精進します。
356名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:10:09 ID:BGlSh7Mf

恵泉女学院―僕が宮小路瑞穂という名で通っている学校。
お祖父様の遺言で開正から転校してきたんだけど……通い始めて直のころは、どうして僕がこんなことにって考えずに
はいられなかった。
でも、奏ちゃんに由香里ちゃん、紫苑さんに厳島さん、それに一子ちゃん。
他にもたくさんの人と出会えて、お母様の思い出にも触れることができて。
今ではお祖父様に感謝している。
しているんだけど……

「……はぁ」
麗らかな朝の空気とは対照的に、僕は深いため息を一つ吐く。
「瑞穂ちゃん、本当に大丈夫?」
そんな僕の様子を心配してくれるまりや。
「お姉さま、朝からため息ばかり疲れてます」
まりやと同じく僕の心配をしてくれる由香里ちゃん。
「お姉さま、無理はしないで欲しいのですよ」
そして、不安げに僕を見つめる奏ちゃん。
「心配かけてごめんなさい。でも大丈夫ですから」
僕はこれ以上心配をかけないよう、三人に笑顔で答えた。

勿論それは上辺だけで、本当は大丈夫なんかじゃない。
こうなった原因も分かっているし、どうすればいいのかも分かっているんだけど……やっぱり精神的に辛いよ。
そりゃ確かに僕は女装して通学しているさ。
だけど、それでも男の子なんだよ?
なのに、本当の女の子になって通学する羽目になるなんて……。
357名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:33:21 ID:vuyyyaZp
黒いダーク系なのが好きな俺はやはり歪んでいるのだろうか?
そういう暴力的なSSをここに投下するのはやはりキツイかな?
358402:05/03/15 23:41:48 ID:nTbgMsCK
>>357
あくまでも、個人的意見ですが、書いてみたいとおもわれるのなら
NGワード+注意書きを書いて、注意を促した上で、投下するのも
1つの方法は、ありますが?
359名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:42:11 ID:ap14o1E/
>>357
キツイっていう人はだいぶ居るだろうね。
俺自身はダーク系は嫌いじゃないけども、
おとぼくにはそういうのは似合わないと思うし。

そういうSSは別スレでうpして、
ここにはそのスレのリンクだけ貼るって最初に言ってなかったっけ?
360名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:45:58 ID:8ba/hnjG
漏れも嫌いじゃないし、もしここが鬼畜系ゲームのスレなら大歓迎なんだけど、
嗜好が合わないって人も多いと思うしやめといた方がいいんじゃ?
このゲーム自体が基本的にご都合主義のほのぼの話だからねぇ。
拒絶反応だので荒れるのもなんだし。

そういうのがOKなスレに投下しといて、リンクだけ張るってのは?
それなら喜んで読みに行かせてもらうからさ。
あぼーんすりゃいいって説もあるけど、やらずに文句言う香具師だっているだろうからさ。
ここぶち壊しちゃ本末転倒だし、うまく共存図ろうぜ。
361名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:49:02 ID:taUWMIqN
もう、一つ 人外視点(ストレートに言えば幽霊)もきついだろうか。
362名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:51:34 ID:8ba/hnjG
ものによると思う。
一子みたく根明な香具師ならともかく、根暗だったり嫉妬深かったりといった根暗なのはやめといた方が。
それも一発ネタ程度で二度とやらないみたいにしとかないとウザがられそう。
363初代スレの45:05/03/15 23:53:59 ID:BbnB9lnO
まあ、鬼畜の部分が話のネタの一部ならいいのでは?
鬼畜話だけっていうのは厳しいですが。

保管庫で云うと、スレNo.第一話レスNo.252〜(瑞穂ちゃんに分類)の合作のような感じならOKかと。

ただ、完全に鬼畜話なのにオチで強引にごまかすっていうのは微妙かと思いますけど。




そして職人方、相変わらずGJです。
あとでじっくり見させていただきますわ。
364名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:56:49 ID:8ba/hnjG
例えば新興宗教みたいにな。
あれも長々やってたせいでこじれたんだろし。
>363
もうやられちまってるもんな>オチでごまかし
二番煎じはつまんねえって余計に評価ガタオチだぞっと。
365357:05/03/15 23:59:11 ID:vuyyyaZp
いや、別にそこまでダークじゃなくてもいいんだが
ヒロイン達の所為によって瑞穂ちゃんが酷い事(原作の風邪だとか、暴漢から傷だとか)にあってそれによって周りが心痛な事になるっての自分のツボなのよ
ものすっごい特殊だって事はわかっているんだが
366名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:00:01 ID:5yCaX+hG
>365
それはダークじゃねえと思うw
367名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:02:02 ID:GnIKlqx1
私としては食わず嫌いはあまりしないように心がけてはいるのですが。
やはりそういうのは苦手ですねぇ、スルーしてしまう事が多いかも。
やはりリンクを張る形式の方が宜しいのではないでしょうか?
ゲームおよびこのスレの雰囲気自体がダークなのはあまりそぐわないでしょうから。
拒絶反応のある方もおられますでしょうし…。お互いがいい具合になればよろしいですね。
368名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:03:25 ID:rHwEO2e5
>>365
うん、それはダークではない気がしますシリアスにはなるでしょうが(笑
369名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:04:57 ID:p2rrFQYQ
対応策としては
@あらかじめダークである、暴力的な表現が含まれている、等警告文を出し、かつ間のレスをもうけ(↓2レス目で開始等)何レス分かしっかり明記して見たくない人がスクロールでスルーできるようにしておく

ANGワードを設定して不快な人はあぼーん出来るようにしておく

B別の場所に載せ、リンクを貼る
370名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:07:51 ID:p2rrFQYQ
というか一目で理解できる"絵"ではないから、文頭に「暴力的な表現が過度に含まれています」って表記しておけば見たくない人は見ないで済むような

文章は目で追って読み上げる事で認識するからね
これがグロ絵とかだったらダメだけど
371名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:08:12 ID:5yCaX+hG
あぼーんしないで文句いう人もいるからなぁ。
それに、専用ブラウザの使用を強制するのもなんだかなって感じがするし。
やっぱり別所に書いてリンクだけってのが一番無難かと。
372名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:13:09 ID:5yCaX+hG
>370
見たくなければ見るなって言うけど、読まなくてもざっと流して見ただけで概要つかめる人間もいるんだよ。
それに、何レスと指定しても一気にすっ飛ばせない以上どうしても目には入るわけで。

あと、配慮しててもそういうのが投下されてるとそれ系もOKと早合点して注意なしに投下する奴も出てくる可能性が。
373名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:14:49 ID:p2rrFQYQ
成る程、やはり別の場所に投下
リンク貼りが妥当だな
SSまとめサイトとかに投稿所とかなかったっけ?
374図書委員:05/03/16 00:18:43 ID:UIQ/UQLs
投稿所ですか、要望が有れば置きますよ
375名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:21:32 ID:5yCaX+hG
あ、いつもお疲れ様です。
ぜひ置いていただけるとありがたいです。
ダーク系や痛いシリアス系だけでなく、習作とか小ネタとか不条理系も書きやすくなりますし。
376名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:22:44 ID:p2rrFQYQ
>>374
それでは是非
>>375
それでも、やはり区分けした方がいいですね
投稿所も一般作品と猟奇・暴力作品で
図書委員さんへの負担が問題ですが
377名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:25:51 ID:y6YIhylF
初めて書き込みますが
SS投稿所なら
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php
作ってみますた。
よろしければ、おつかいくだされー
378名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:26:15 ID:YLH3F8YM
>372
そこまで言い出すとタダの我侭。
379名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:34:26 ID:5yCaX+hG
>378
まあ、上二行はともかく最後の行は察してくれ。
実際それで粘着が開き直ってつぶれたスレ見たことがあるんで…。
380猫野:05/03/16 00:36:33 ID:3f+z7QYG
まとめサイトからいけるここでいいのでは?
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php
381猫野:05/03/16 00:38:41 ID:3f+z7QYG
あれ?お気に入りではいけるのに
何でエラーになるんだろう?
382猫野:05/03/16 00:40:37 ID:3f+z7QYG
コピーしてアドレスに貼り付ければ行けますね
383名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:40:49 ID:5yCaX+hG
ではまとめサイトから>377さんの所へリンクをはって、次回からのテンプレに載せるってことでどうでしょうか?>ALL
「ダーク系など人を選びそうなSSはこっちに書いてからリンクを張りましょう」といった感じで。
384お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/16 00:41:35 ID:2LeNQ008
空気を読まずに投下 お姉さまと一緒 第4部 4-1

「それにしても奏ちゃんの寝顔、かわいいわ」
奏を背負う瑞穂、紫苑、まりや、そして貴子が寮への帰路に着く。
「貴子、なんでついてきてんのよ」
「あら、今回は紫苑さまと奏さんのデートを最後まで見届けることが
私たちの目的ではなかったのですか」
「途中から入ってきて何言ってんのよ」
「お二人とも、奏ちゃんが起きてしまいますわ」
「「……」」
「恵泉に入ってこの数ヶ月、色々ありました。まりやがいなければここにくることはなかったし
貴子さんがいなければ紫苑と一緒になることもなかった」
「そうですね、まりやさんと貴子さんにはいくらお礼を言っても言い足りません」
「瑞穂ちゃん…」
「み、瑞穂さん、紫苑さまにお話になったのですか!?」
「そして奏ちゃんがいてくれたおかげで今の今までがんばってこれた」
「私も奏ちゃんに会ってから本当に楽しかったわ」
「そんことないなのですよ。」
途中で目を覚ました奏は瑞穂の背中でそう呟いた。
「私だってお姉さまと紫苑お姉さまががいなかったら、きっと甘えるために人にいい顔するだけの
嫌な女になっていたのに違いないのですよ。私はお姉様たちがいてくれたから劇のヒロインも
頑張れたのですよ。でもそれはお姉さま達を頼ってばかりということなのですよ。
結局私は甘ったれの弱いままなのですよ」
「あのときに言わなかったかしら、人間ってふとさびしくなったり弱くなったりすることがあるって。
結局どんなに自分が強くあろうとしても一人では誰も生きてはいけないのよ。
私が瑞穂さんと一緒になるのも、結局はそういうことなの。瑞穂さんとならこれからも頑張っていけるわ」
「そうだよ、僕は寮にいる間、奏ちゃんからいっぱい元気とやる気をもらった。奏ちゃんは自分が
思ってるほど弱くないと思うよ」
「お姉さま…」
「今までだってここまで来るのにずっと頑張ってきたのでしょう?」
「紫苑お姉さま…」
385お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/16 00:42:45 ID:2LeNQ008
4-2
「奏ちゃん、私達が卒業した後もいつでもいいわ。寂しかったら私達のところへ遊びいらっしゃい。ね、瑞穂さん」
「ええ、奏ちゃんは?」
「よ、よろしいのですか?」
「「はいっ」」
二人そろって奏に答える。
「はいなのですよ〜」
奏はリボンの色のように明るく朗らかに答える。
「あの〜、奏を降ろしてくださいなのです」
瑞穂はそっと奏を降ろす。
「最後にこれだけはお二人に言っておきたいのです。」
「何?」
「お二人とも、……ご結婚おめでとうなのですよ」
「ありがとう、奏ちゃん」
3人は抱き合った。
「本当にお二人がお熱いやら、奏さんは本当にいい方やらで…」
「うぅっ、ええ話や〜。うわ〜〜〜っ、うっ…うっ」
「さっき私とあれだけ泣き明かしましたのに、まりやさんは…」
貴子はまりやを介抱しているが目じりには何か光るものが浮かんでいた。
「それにしてもお姉さまが男の方だったなんて」
「今までだましてて、ごめんね」
「いいのですよ。お姉さまのときでも紫苑お姉さまのお婿さんであっても
瑞穂さまは瑞穂さまなのですよ〜」
「奏ちゃん…」
386名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:43:39 ID:Q0+YUTtY
うーん、まあどっちでもいい派なんだけど
2ch利用してる以上、自分の意図せぬ情報が目に入ることもありえるって覚悟で見てるし
目に入ったらスルーしてるんだが。
ざっと流して概要つかめて自分に合わないと思ったらスルーじゃダメなんかいね?

単に空気読め&空気を他人に聞くな じゃダメなんかの。

おとボクという作品を、SSを書くほどの情熱を持って理解していれば自ずとわかると思うんだがな。
つうか今までもてても極端に外れてる作品ってなかったと思うし。

つうか個人的見解として前置きするが、(ただの)猟奇・陵辱・暴力作品がおとボクの2次創作として
発生するのが信じられないけどな。それおとボクでなくていいじゃん。

それよりも俺が危惧してるのは、ここがSSスレとして盛り上がってるから人呼び寄せて、元の作品が
どんな作品かも理解せず、過去ログなどから設定だけをなぞった物が増えていくほうを危惧してる。
まあそれはそれでいい場合もあるんだけどね。
387お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/16 00:46:30 ID:2LeNQ008
4-3
一行は寮の前までやってきた。
「それではみなさん、卒業式でお会いしましょう」
「瑞穂さん、それではまた」
貴子と紫苑が別れを告げる。
「それではさよならなのですよ〜」
奏はいままでで最高の精一杯の笑顔で挨拶をした。

「ゆ、由佳里、ちょっと助けて」
「帰るなりどうしたんですかまりやお姉さま」
「奏ちゃんの危険が危ないわ」
「まさか…」

「さぁ奏ちゃん、今日は一緒に帰りましょう」
案の定、発動した周防院時空が紫苑を直撃した。
「ええ、しおんさまといっしょに…じゃなくて紫苑さま、お気を確かに!」
「ねこだましが効かない、いい加減目を覚ましてよう」
「もうだれにも邪魔をさせないわ。さぁきれいなおねえさんとごはんをたべたり
おふろにはいったりいっしょのオフトンデネマショウネ」
「私は…どうなるのですか…何をされるのですか…」

ちなみに次の学院祭で開かれた演劇部の劇でこの服を衣装として着た奏が
舞台に登場したとき観客の7割が失神し2割が1週間放心したままという
大惨事がおきる。
これを期に奏は周囲より十傑集「幻惑のスオウイン」と呼ばれるようになった。

お姉さまといっしょ 完
388名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:50:40 ID:rHwEO2e5
>>お姉さまな人
GJ!!
げに恐るべきは周防院時空…結婚後も色々大変そうですね瑞穂ちゃん
389266:05/03/16 01:01:55 ID:z7CJ9tQ2
>>一緒の中の人
乙!うーむ、そう来ましたか。
周防院時空は更に強化されたのですね。恐るべし。恵泉十傑衆!
390386:05/03/16 01:04:15 ID:Q0+YUTtY
ぐは!
いいところで割ってしまった・・・_| ̄|○
あ、あの・・・・・・>>384さん・・・その・・・・・・そのっごめんなさいっ!
私っ、叩かれても文句云いません。だから許して下さい・・・・・・!
(この2行書くために5話見直してるし_| ̄|○ )

そしてGJ!お疲れ様!っていうか周防院時空って!!(´Д`;)
391377:05/03/16 01:04:38 ID:y6YIhylF
ちょいと投稿に関して補足をば。
名前の欄なんですが、ハンドルネーム(HN)を公開したくない場合は、
名無し でいいですのでー。


ダーク系など人を選びそうなSSに関してですが
文章の冒頭で書いておけば、いいんじゃないかな?とは思います
392名無しさん@ピンキー:05/03/16 01:06:39 ID:5yCaX+hG
>386
そりゃ各自の自重だけで成り立つのが一番だろ。
それこそ恵泉のようにな。
あまりこまごまとした決まりを作ると、逆にギクシャクしかねないし。
でもその辺読めない奴ってのはやっぱりいるわけで、だったら無用の軋轢を生まないようなガイドラインを用意しといた方がいいと思うがどうか。
我ながら嫌な自治厨ぶりだが。

>387
奏がエルダーになった一因判明?w
393266:05/03/16 01:09:11 ID:z7CJ9tQ2
空気も流れも読まずに完全一発ネタ投下。
元ネタは・・・知らない人の方が多そうだな。ここだと。

おたんぜう日SSは書いてみては居るが・・・もう挫折しかかってます。
やはり体験版止まりでは無理が有りすぎるのか・・・
394266:05/03/16 01:11:34 ID:z7CJ9tQ2
「ちょっと貴子、こっち来なさいよ・・・」
「何ですか?全く・・・」
 身を屈めながら貴子がまりやの方に近づく。
「ハンヴィーが戻って来ないのよ」
「何ですって?!こっちから行くべきだったと?」
「・・・迎えに来ると思ってたのよ」
「全く・・・あなたという人は・・・歩いて行くしかありませんわね・・・わかりました。墜落現場に行きましょう」
「ちょっと、あたしの耳の近くで撃たないでよね。聞こえなくなるんだから」
「そのくらいわかってますわ。さ、出発しますよ」
 移動を始める二人。と、
「まりやさん、伏せて!!」
 咄嗟にSAWを撃ちまくる貴子。
「ちょっとあんた!!さっきあたしがなんて言ったか覚えてないの?!もう絶対あたしの頭の上・・・」
「伏せて!!」
 再び撃ちまくる貴子。
「○※¥&◆〜」
「ちょ、ちょっとまりやさん、大丈夫?!」
「あぁ〜?何ですって?!」<聞こえてない
395180:05/03/16 01:16:01 ID:TcW3TqCe
 さて紫穂シリーズだけど、なんだか千穂フラグが立ってしまったような気が……
とはいえ、うーん(考え中)。
 あ、紫穂に関しては、ダークとかじゃなきゃ勝手に使って頂いて構いませんので。
396291:05/03/16 01:20:03 ID:rHwEO2e5
>>180さま
え〜と…うん、いや、ホントごめんなさい
勝手に千穂とかやっちゃって………。
フフ、ヤッチマッタ(ノー`)……orz
397名無しさん@ピンキー:05/03/16 01:28:32 ID:Q0+YUTtY
>>392
や、こっちこそただの読ませてもらってる者が、勝手にえらそうに意見してるだけだから・・・。
防衛したいって気持ちはわかる。ただ現状でたいした被害が出てないから・・・
と思ったがこれ以上は書いていない者が言うべき意見じゃない気がしてきたので途中で止めてみる。お察しください(´・ω・`)
ただこれだけ、実質分散(?)による勢いの低下とかってないのかな〜と。まあそれも書き手の自由か。
つう事でこのことに関しては私は退散。書き手の方々についていきます。ヽ(´ー`)ノ

>>394
.。o○(.黒いヘリコプターが落ちる映画かな.・・・)
398名無しさん@ピンキー:05/03/16 01:30:49 ID:Rf3pDlin
>>393
知らない人が多いような話なら、なおさら元ネタ書いて貰わんと全然判らん。
399180:05/03/16 01:32:46 ID:TcW3TqCe
 291さん、お気になさらず。瑞穂=千穂な訳ですしね。
 ちゃんとフラグは回収するのが筋でしょうから、ネタを考えるのも一興かと。
優先権は主張しませんので、思いついた方が回収してくださいな。
 瑞穂カテゴリから逸脱しない範囲なら問題ないでしょうしね。
(実のところ、余所のネタから頂いた「奏お養姉さま」とか、ラスト用の「十条紫穂」とか頭の中では捏ねてたり)
400266:05/03/16 02:05:27 ID:z7CJ9tQ2
>>398
>>397氏の言う通り、黒いヘリコが墜落する映画が元ネタです。
DVD見てたらついうっかりと・・・。
正直、FMJとちがって笑えるようなシーンは無いのですが、唯一笑えるようなシーンだったので。

他にも色々思いついたけど・・・もうしませんです。俺も墜落してきます。



401名無しさん@ピンキー:05/03/16 02:19:16 ID:It3w937s
改変ネタは手軽だが、元ネタが分からない奴から見れば意味不明でしかない諸刃の剣。素人にもお勧めできない。
402名無しさん@ピンキー:05/03/16 03:20:19 ID:FVvsCCdu
.。o○(.前スレでジ●リの改変やったとき誰も反応してくれなかったな)

まあ別にいいけどね
403402:05/03/16 05:00:36 ID:No+BzNIX
手紙が届いた夜。1     渡されなかった卒業証書外伝3

 ひさしぶりの奏からの電話で、瑞穂の消息が分かったことを知ったまりやは、煮詰まっていた仕事
を打ち切ると、約束の場所である駅前広場にやってきた。仕事帰りの人でにぎわう広場の中を移動し
ながら、奏を見つけると挨拶より先に瑞穂の消息を口にしていた。
「瑞穂ちゃんから連絡がきたって?」
「はいなのです。貴子おねえさまの処に、お手紙が届いていたのですよ」
昔と変わらないゆったりとした口調で奏が応える。
 奏の口から”貴子”と名前が出たとき、白い布に黒いインクの染みが広がるように、負の感情が、
まりやの心に押し寄せ始めた。幼なじみの自分にだけは瑞穂が、電話とか、手紙で、近況を知らせて
くれるとまりやは信じていた。しかし、自分ではなく貴子のところに手紙が届いたと言うことで、押
さえていたものが吹き出し始め、思わず大きな声でヒステリック気味に
「なんで貴子の処なのよ?なんで・・・なんでよ・・・」
と、誰にともなく問いかけた。興奮状態に陥ったまりやが暴走しないように、わざとらしく大きな身
振りで、背中をさすりながら
「・・・どう、どう、どう」
「由佳里。あんたね。人を馬か、なにかのように・・・・」
我に返ってきたまりやの瞳には、好奇心むき出しで自分たちを見ている人たちが映った。
(あちゃ・・・)
ようやく状況の飲み込めてきたまりやは、あわてて上着のポケットから携帯を取り出して
「あっ、そ、そうだ。ちょっと電話が・・」
乾いた笑いを顔に貼り付け、誤魔化すかのように、その場を離れていった。
「まりやさんは、あいかわらずですわね」
砂鉄が磁石に吸い寄せられるようかのように、無意識に奏を抱きしめた紫苑が呟く。
(あははは、紫苑さまも・・・)
「紫苑さま。奏ちゃんが苦しがってますけど」
由佳里の声に我に返った紫苑は、胸で窒息し掛けている奏から手を離した。
(奏ちゃんが、かわいすぎるのがいけないのですわ)
そう、声に出さすに呟きながら、お詫びのつもりなのか奏の髪の毛を撫で続けていた。
404402:05/03/16 05:02:20 ID:No+BzNIX
手紙が届いた夜。2

「紫苑おねえさま。おねえさまから、お手紙が届いたのですよ。」
紫苑は大きなため息を吐くと、穏やかな笑みを浮かべて
「瑞穂さん。ようやく、落ち着かれたのですね。」
「少し、遅れたようですわね。」
急ぎ足で現れた貴子の、謝罪の言葉が終わった頃、まりやも戻ってきた。
「まりやおねえさま。”電話”は、おわりました?」
由佳里の皮肉に、報復しようとしたまりやの心に、貴子の言葉の矢が突き刺さった。
「あいかわらず、落ち着きのない。由佳里さんもお守りが大変ですわね」
さっき騒ぎを起こしたばかりなのでぐっとこらえると、暗い感情を無理矢理押し殺した声を出した。
「貴子・・・さっさと、瑞穂ちゃんの手紙見せなさいよ」
さきほどの二の舞を避けるため、この場所を離れた方がいいと判断した紫苑は取りなすように
「まあ、まあ、落ち着いてから見せて頂くことにいたしましょう。奏ちゃん」
紫苑の意図を考え、少し離れた店に案内した方がいいと、奏は判断した。
「はいなのです。奏の知っているお店でいいですか?」
問いかけの返事が無言なのを見て、繁華街から少し離れた場所まで歩くことにした。

「ここなのですよ。」
 さりげなくライトアップされた建物を見ると、歳月を過ごして来たと思わせるレンガを外装に使い、
壁の所々につたをに匍わせたアンティーク風の喫茶店があった。
 奏が、磨き上げられた真鍮製ドアノブを押して店にはいると、付けられていたドアベルに被せるか
のように、黒に近い色のロングスカートのワンピースに糊のきいた真っ白なエプロンを付け、頭には
ワンピースと同色のヘットドレスを付けた店員が、頭を下げた。
「お嬢様。おかえりなさいませ」
奏は、自分の家に帰ってきたかのように
「ただいまなのです」
と、応えた。
(えっ?”おかえりなさい?”)
「入り口に立ち止まっていては、他のお客様のご迷惑になりますよ」
紫苑に言われて、固まっていた由佳里は、急ぎ足で奏の後をついて行った。
405402:05/03/16 05:03:47 ID:No+BzNIX
手紙が届いた夜。3

 いかにも、使い込まれたという風情を出している木製の階段を登り、2階の大きな楕円テーブルに
奏たちを案内すると優雅に一礼をして、案内役の店員はその場を離れていった。
 落ち着いたところで、店内を見渡すと、天井には、ろうそくを模したシャンデリア型の照明がいく
もつり下げられ、その間には、暖色系の間接照明が、いくつも埋め込まれていた。壁や床は、年月に
磨き上げられた印象を与える木材が使われていた。テーブルや椅子などの家具。さりげなく置かれて
いる調度品は、控えめながら、自己主張をしていた。まるで、ここに在るのがあたりまえと言わんば
かりに・・・・
「このお店はですね。”おかえりなさい”が”来たときの挨拶で、”いってらっしゃいませ”が帰り
のあいさつなのですよ。店員さんの服装は、19世紀イギリスのメイドさんのが、元になっていると、
伺いました。後は、置かれている家具もヨーロッパから買ってきたと、お聞きしましたの。
奏のお気に入りのお店なのです。それに、ここのパティシエさんは、フランスでも修行して、大きな
大会でも優勝されたことのある方なのですよ」
ふんわり笑顔でそう呟いた。

 紅茶とケーキを楽しむと
「貴子。さっさと見せなさいよ」
 暗い感情を押し殺した声で要求したまりやに
「おねえさまから、”私”あてに配達されたお手紙ですわ」
貴子は、”私”の部分を強調して封筒を置いた。
「お先に、拝見致しますわ」
紫苑は、まりやと貴子の睨み合いのすきをついて封筒から手紙を取り出す。手紙を読み終わると、睨
んでいたまりやに渡し
「瑞穂さん。ヨーロッパに生活拠点を置かれたのですか、寂しいですわね」
紫苑はそういうと寂しげにため息を1つ漏らして、カップに手を伸ばした。
「おねえさま。スイスの学校に転校されたのですか」
奏も寂しそうに呟き、由佳里は渡された手紙を読み終わると、無言のままテーブルに戻した。
「貴子。これだけ?ほ・ん・と・う・に・こ・れ・だ・け・な・の」
異様な迫力を込めたまりやの問いかけに
「ええ、それだけですわ」
「瑞穂ちゃんの連絡先は?」
406402:05/03/16 05:05:02 ID:No+BzNIX
手紙が届いた夜。4

「ありません。それだけです。」
貴子に、一言の元に切り捨てられたまりやは、何か手がかりがないかと、便箋と封筒を見たが、便箋
も封筒もホテルのロゴ入りで、消印に至っては、空港内郵便局の消印と言う徹底ぶり
「貴子。本当になにもなかったの?瑞穂ちゃんの居場所のヒントになるような物・・・ねえ?」
 貴子に縋るように、力無く呟いたまりやに
「知ってどうされるおつもり?」
「そんなもん。瑞穂ちゃんに会って・・・・」
椅子から腰を浮かせて、ついに、暗い感情を抑えきれなくなったまりやに
「また、騒ぎに巻き込むおつもりなのですか?」
紫苑の言葉の矢が、まりやの心に突き刺さった。憑きものが落ちたように虚ろな表情を貼り付け、感
情というものを削ぎ落としたかのような、まりやの呟き。
「そっか、そうだよね。私。瑞穂ちゃんを騒ぎに巻き込んで、瑞穂ちゃんに騒ぎの後始末させて、私
は、外から眺めているだけ・・・、私が無茶しても、いつも瑞穂ちゃんがなんとかしてくれるって、
思い上がってたんだよね。だから・・・」
テーブルに両肘つくと、両手で顔を覆い、声を押し殺して泣きを始めた。貴子は黙って別の封筒を、
紫苑、由佳里、奏、そして、まりやの前に置くと
「おそらく、パーティの時の写真の一枚だと思われるのが入ってました。」
「まりやさんの言われたのは連絡先ですわ。写真のことは言われてませんもの」
貴子は、まりやからの視線を僅かにはずすと力無くつぶやいた。目の前の封筒から写真を取り出すと
「み。瑞穂ちゃん。・・・また女装させられてる」
泣き笑いとも見える表情で、まりやは、写真を見つめていた。
「貴子さん?」
紫苑の問いかけに、貴子は推測ですがと前置きをして
「私は、季節ごとにお便りを差し上げておりました。瑞穂さんのご実家宛にです。内容は、一言で言
えば近況報告ですわね。紫苑さまが、文化センターで講師をされているお話ですとか、奏ちゃんが、
保育士の資格を取って頑張っていることとか。まりやさんがデザイナーとして、悪戦苦闘していると
か。由佳里ちゃんが恵泉に戻って、体育教師(陸上部コーチ)に着任されたこととか。学園祭のお話
ですとか、たわいもない事柄ばかりですわ。」
だから、私宛に手紙が届いたのでしょうと呟いた。
407402:05/03/16 05:06:05 ID:No+BzNIX
手紙が届いた夜 5

「あら・・・恥ずかしいですわね」
「あやや・・・、奏のこともですか?」
「ったく。悪戦苦闘とはなによ」
「あはははは」
それぞれが、言葉を漏らした後。紫苑は、涙で化粧崩れしたまりやを伴って席をはずした。
408402:05/03/16 05:13:36 ID:No+BzNIX
順番が前後してしまいましたが、外伝の3を投下しました。

手を入れているうちに、まりやメインになっていきました。
、まりやの心情が、多少なりとも感じて頂けるようなら、幸いなのですが

一応、ラストシーンというか、終わりの形は頭の中にありますが
そこまで、いかにもっていくのか・・・しばらくは頭をなやませそうです。
409名無しさん@ピンキー:05/03/16 05:40:08 ID:UB1l4HKS
402さんGJなのですよ〜
それにしてもあのお店は、お菓子の名前のゲームなのですかね?
渡されなかった卒業証書の外伝、いつまで続くか楽しみにしていますのです。
自分も、描いてはいるのですが途中で止まってしまって・・・
わたしもラストシーンとか山場は考えているのですが、
途中が難しかったり、頭の中身が出てきてしまったりで
まとめるのが大変なのですよ〜
410209だった人:05/03/16 06:57:27 ID:TS/Kx4Iy
>>377
ありがとうございます。
早速利用させて頂きます。
411209だった人:05/03/16 06:58:57 ID:TS/Kx4Iy
うぉ、IDがTSだ
412名無しさん@ピンキー:05/03/16 07:40:51 ID:oExnbJSW
瑞穂きゅんの中の人がリアルで事故にあったみたい。
それで瑞穂きゅんが事故にあって、仲間に励まされて治る&立ち直っていく的なSS作ろうと思ったけど、
文才無さ過ぎで無理だったorz
誰かこの意志を受け継いでクダサイ・・・
413269:05/03/16 08:41:55 ID:mMmMiGOE
>412
詳細キボン

書くとこまで行けるかはわかりませんが、プロット立ててみます。
もし、行けそうなら書いてみます。
414名無しさん@ピンキー:05/03/16 08:46:15 ID:EpINu/ei
>>412 or >>ALL
神村ひな嬢のぺーじがあればおしえてくれ。
ぐぐってみたがみつからね。

亀レスだが、各職人様GJ!

あと、猟奇作品の事だが、別に宗教は猟奇でもないと思うぞ。
あとではぁはぁできるならめんどいからここに載せてくれ。
415名無しさん@ピンキー:05/03/16 08:58:04 ID:ljK71pbN
>>384-387
GJ!
ところで4-3での
>「奏ちゃんの危険が危ないわ」
が気になりました。


>>403-407
外伝3、楽しませてもらいました。
水面下の女の意地の張り合いってのも(・∀・)イイですね。
・・・それにしても、奏坊!貴様、なぜそんなところを知っているッ!(w
416名無しさん@ピンキー:05/03/16 09:04:56 ID:EpINu/ei
「危険が危ないでし」(笑)
元ネタはこんな感じ。
417名無しさん@ピンキー:05/03/16 09:07:33 ID:eSFadBXu
>>415
>「奏ちゃんの危険が危ないわ」
たぶんわざとの言い回し
418名無しさん@ピンキー:05/03/16 09:15:42 ID:oExnbJSW
>>412-413
俺もググって見つからなかったんだが、
本人の日記ページに書いてるらしい。

葱板にひなタンのスレがあるからそこを参照してくれたらわかると思う。
作品スレやメーカースレでも話題になってるし。
419名無しさん@ピンキー:05/03/16 09:22:36 ID:ljK71pbN
>>416-417
ネタだったのか・・・(/ω\)ハズカシーィ
420269:05/03/16 09:23:37 ID:mMmMiGOE
>418
サンクス。HP見つかった。命には別状ないみたいね。

中の人、お大事に…。
421名無しさん@ピンキー:05/03/16 09:52:53 ID:TS/Kx4Iy
>「奏ちゃんの危険が危ないわ」

ドラえもんのび太のパラレル西遊記が元ネタじゃなかったのかorz
422209だった人:05/03/16 10:32:35 ID:dAO92owT
>>377
早速利用させてもらいました。
ttp://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs?file=20050316102902
えぇと、ラブラブエロです。
ただ、組み合わせが……色々とここに投下するにはアレなもので……。
女の子みたいな瑞穂ちゃんを楽しめる……かも。
423269:05/03/16 10:58:30 ID:mMmMiGOE
一本短いのを投下します。
424269:05/03/16 10:59:58 ID:mMmMiGOE
   題名「愛ゆえに」です
「ザーザード…ザーザード…」
 薄暗い部屋に無機質な声が響く。明かりは蝋燭の揺れる炎のみ。
 床には幾何学的な文様と、三角形を互い違いに重ねたいわゆる六紡
星が描かれている。
 その中心には台座が置かれ、その上に置かれた香炉からは、なんと
も形容し難い匂いが立ち込めている。
「…スクローノー…ローノスーク…」
 台座の前に立つ者は、香炉に白っぽい粉を振り掛ける。
 じゅわ…
 と焼ける音と共に煙が上がる。
 …許さない。
 氷りの様な冷たい…というよりも感情の無い白い顔を、香炉の光に
浮かべ反芻する。
 …許さない。
 さらに一掴みの粉を香炉にくべる。
 「…宮小路……瑞穂」
 愛しい人を奪った憎い女…。
 両の瞳が怪しげに光った……。

「柔和そうで、素敵ですわね」
 あの人は、あの女を見た瞬間こう云った…。
 私という者がありながら…。
 一瞬のことかもしれない。だが、ほんの一瞬でもあの人の脳裏から
私という存在を追いやった。それだけでも許せない。
 「彼奴(きゃつ)めに七難八苦を与えたまえ!!」
 両手を天に掲げて叫ぶ。この者の家に代々伝わる呪法である。
 「………ふ」
 不適な笑みを浮かべる者……名を小鳥遊圭と云う。
 「美智子は…渡さない……」
 そう、決して…誰にも……。
425269:05/03/16 11:02:11 ID:mMmMiGOE
瑞穂ちゃんの波乱の日々の原因は圭さんだったのだ!

……

ごめんなさい。
426名無しさん@ピンキー:05/03/16 11:15:25 ID:ih+zhX6u
>>422
超勃起した。

のはいいんだが、感想はここに書いていいのか?
427名無しさん@ピンキー:05/03/16 11:53:14 ID:OSrf5zvt
>>424
バスタードかよ!w
428名無しさん@ピンキー:05/03/16 11:54:00 ID:IhJWH/G2
俺もフェラしてもらいたいとおもた
429名無しさん@ピンキー:05/03/16 12:10:48 ID:Rf3pDlin
>>422
やらないか?な話なら最初からそうと書いてくれよ。
見に行っちゃったじゃないか。
430名無しさん@ピンキー:05/03/16 12:24:56 ID:z7CJ9tQ2
>>402氏
相変わらずGJです。冷静さを欠いちゃってるまりやの心情が良くでています。
残り、がんばってください。

>>269
上手いなぁ・・・。でも瑞穂お姉様の波乱の日々は確かに呪いとでも解釈しなければ
収まり着かないレベルかもしれず。


431名無しさん@ピンキー:05/03/16 12:27:46 ID:ngkNw9LC
>>429
お前…頭、悪いだろ?
432名無しさん@ピンキー:05/03/16 13:01:04 ID:jkKVDWof
>>429
今トイレを求めて全力疾走している僕はごく一般的な男の子
強いて違うところをあげるとすれば女装が似合うってことかナ
名前は鏑木瑞穂
そんなわけで(以下略
433402:05/03/16 13:11:52 ID:No+BzNIX
>>406
X・・・椅子から腰を浮かせて、ついに、暗い感情を抑えきれなくなったまりやに
○・・・椅子から腰を浮かせて、ついに、暗い感情を抑えきれなくなったまりや
とと、読み替えてください。何回かみなおしたのに、まだ、見落としが orz

>>409
>それにしてもあのお店は、お菓子の名前のゲームなのですかね?
店のモデルは、暴力チーフや、マイペース同級生のいる某ゲームですが・・・なにか?w

>>415
>・・・それにしても、奏坊!貴様、なぜそんなところを知っているッ!(w
純粋にお茶と、おいしいケーキが目立てで通ってるかとw

>>430
>冷静さを欠いちゃってるまりやの心情が良くでています。

どうも、嬉しい言葉です。(^^)v
なんか、まりやは動いてくれなくて・・・七転八倒しました。(^^;

一括レス返しにて失礼しました。
434名無しさん@ピンキー:05/03/16 13:22:06 ID:jkKVDWof
>暴力チーフや、マイペース同級生のいる某ゲーム
ショコラか
435前スレ550改め初代スレ550:05/03/16 13:33:58 ID:WH0QY3i6
貴子ED。貴子視点。過去にアップした「海に行こう!」の各シリーズを読んでなきゃ理解できないかも。
考えなしに書いてたら、グダグダになってきた。収拾がつくんだろうか?(汗

海に行こう!
ドライブだ編(2)
あれ(前回の引き)から1時間、後部座席から4人の寝息が聞こえる。飲みなれてないアルコールの所為で4人ともあっという間に撃沈してしまった。
「はぁ・・・もう、なんか、むちゃくちゃですわね」
盛大な溜息を一つついて、ハンドルを握る瑞穂さんに声をかける。
「まりやがいますからね」
手のかかる妹のことを話すような口調で、瑞穂さんが苦笑交じりで答える。
「寝てるほうが静かでいいですわ」
30分近い初体験の再現は私たち二人の精神に深いダメージを与えた。深く思い出すとさらに傷口が深くなりそうなので、思い出さないことにする。
「でも、こういうのも楽しいですよね」
「私は二度とごめんです。今度からは、まりやさんの手荷物は事前にチェック致しましょう」
「まりやだったら、隠し持ってきちゃいますよ。きっと」
私もそんな気がします。お祭騒ぎの企画運営だけには頭が回る方ですから・・・過去何回まりやさんの実行したお祭に巻き込まれたことか・・・
『12時の時報の後、引き続き、今週のUKヒットチャートベスト10をお送りします。ポッポッポッポーン。12時です』
軽快なロックを流していたFMラジオが12時になったことを教えてくれた。
「そろそろお昼なんですけど・・・」
瑞穂さんのその言葉を聞きながら、ルームミラーから背後の様子を見る。
「少しお腹がすきましたけど、どうしますか?」
「僕も疲れましたけど・・・」
紫苑さまがお弁当を用意してくれているそうですが、作った方が寝てる間に開ける事は出来ない。かといって、先に何かを食べて、紫苑さまのお弁当を食べ損ねるのもいや。
「とりあえず、次のSAかPAで止まりましょう。瑞穂さんもお疲れのようですし」

「あれ・・・瑞穂ちゃん、もう着いたの?」
某SAに到着したのは、それから15分ほど走った頃だった。
「そんなわけありますか。まだ、半分も来てませんわよ」
SAの自販機で買った缶ジュースとジャンボアポロを摘みながら、目を覚ましたまりやさんの寝言に答える。
「あれ、貴子・・・瑞穂ちゃんは?」
(1/6)
436前スレ550改め初代スレ550:05/03/16 13:34:52 ID:WH0QY3i6
あまり飲んでなかったのか、すでにまりやさんの酔いはさめているようだ。その割にはずいぶんとテンションが上がっていたようだけど・・・
「お手洗いです。それと貴女たちの飲んだお酒の缶を捨てに行ってます」
「ふぅん」
運転席と助手席の間に置いたチョコに手を伸ばして、それを1つ2つ手に取る。
「起きたのでしたら、ほかの方も起こしてくれますか?もう、お昼の時間ですわよ」
まりやさんは「はいはい」とまだ眠たいのか目を擦りながら、他の3人に声をかける。
「あれ、まりや起きたの?」
瑞穂さんがお手洗いから帰ってきて、運転席に座り込んだ。
「起きたわよ〜貴子と二人きりの時間のお邪魔だったかしらん?」
残りの三人も起きて、それぞれが一度車から降り、思い思いに硬くなった体をほぐしている。
高校生組の二人はまだ酔いが残っているのか、少し足元がおぼつかない。
「そんな訳ないだろう?それよりご飯にしようよ」
まりやさんの冗談を軽く受け流す瑞穂さん。こういうことが出来ないから、私はまりやさんと話すたびに口げんかをしてしまうんでしょうね。
「主よ、今から我々がこの糧をいただくことを感謝させ給え。アーメン」
「「アーメン」」
全員がまりやさんの号令に合わせて手を合わせる。
「お姉さまのそれも久しぶりですね」
一口サイズのハンバーグに手を伸ばした由佳里さんが、少し懐かしそうに言う。
「今は由佳里さんがやっているのですよ」
奏さんが紙コップにアイスティを入れながら、付け加えた。
大きめの車のおかげで、おにぎりとサンドイッチが詰まったバスケットを開いてもそんなに狭いとは感じない。ここが人の多いSAでなければ、外で食べても気持ちいいだろうと思う。
「あっ、僕はアイスコーヒーをもらえるかな?」
おにぎりの方を摘んでいる瑞穂さんがそう言う。おにぎりにコーヒーと言う組み合わせはどうなんでしょう?
「味の方は如何ですか?お口にあえば良いのですけど」
「美味しいですわよ。紫苑さま」
ローストビーフがはさまれたサンドイッチを食べながら、素直な観想を口にした。マスタードが利いて凄く美味しい。
「今、寮は何人いるの?」
「去年が二人、今年が一人で、五人なのです」
瑞穂さんの問いに奏さんが答える。
(2/6)
437前スレ550改め初代スレ550:05/03/16 13:36:09 ID:WH0QY3i6
「じゃぁ、私たちがいたときと同じ人数ね」
「あら、まりやさんがいた頃は、奏ちゃんと由佳里さん、まりやさんと瑞穂さんで四人でしたのでは?」
「あっ・・・あはは、計算、間違えちゃった」
紫苑さまの疑問にまりやさんが「しまった」と言うような顔をして、誤魔化すようにそう言うと、他の元寮組3人が無言で批判の視線を投げかけている。怪しい・・・
「でも、新入生一人じゃ、上級生のお世話が大変だね」
「そうなのですよ。由佳里ちゃんが苛めるから、大変なのですよ」
「奏ちゃーん、私は苛めてないわよ。まりやお姉さまに教えてもらったとおり、指導してあげるだけだって。陸上部の子だし」
「それは十分いじめになってるよね」
「瑞穂ちゃん、ひどっ!」
元寮組4人のおかしな態度に、私と紫苑さまは軽く顔を見合わせ、首をひねったが、それ以上追求する事はなかった。

流石にもう車内でまりやさんがアルコールをあけることもなく、さしたる問題もなく目的のフェリー乗り場に到着した頃には、日も暮れる時間帯になっていた。
「疲れた・・・事故しなくて本当によかった・・・」
一人で700キロを走破した瑞穂さんは、本当に精根使い果たしたと言うような顔でフェリー乗り場のベンチに座り込んだ。
「帰りは運転しますから」
そんな瑞穂さんに紫苑さまが声をかける。
紫苑さまはあまり飲んでないし、時間もずいぶん経ったからと、何回か運転を変わろうとおっしゃったのですが、それを頑として受け入れなかったのは瑞穂さん本人。
そうこうしているうちにチケットを買いに行ったいた他の3人が帰ってきた。
「瑞穂ちゃん、フェリーを降りたら別荘はすぐだからね」
小さい島とは言え、他にも住んでる人がいるらしく、フェリー乗り場には他にも数台の車が止まっていた。
「ちょうど、すぐにフェリーが出るそうですよ。お姉さま」
「大丈夫なのですか?お姉さま」
あまり大丈夫じゃなさそう・・・
フェリーに乗り込むとちょうど水平線の島々の向こうに大きな夕日が沈もうとしていた。
「やっと初日が終わりましたわね・・・」
その夕日を見ながら、私は一人でそうつぶやいた・・・しかし、初日はほんの少しだけ残っていることを私はまだ知らなかった。

(3/6)
438前スレ550改め初代スレ550:05/03/16 13:36:43 ID:WH0QY3i6
「全然少しじゃなかったじゃないの。まりや・・・」
確かに走行距離自体は「少し」でしたが、山と海の間を縫うように作られた細い道は、大きなライトバンを運転する若葉マークには厳しかったみたい。
ぺったりと床に座り込んだ瑞穂さんがまりやさんを見上げ、不平を口にした。
「まあ、無事に着いたんだからいいじゃない?」
まりやさんの別荘は海のすぐ近くに作られていて、リビングの大きな窓からは夜の真っ暗な海が見えている。
「お姉さま方、食事の用意が出来ましたよ」
フェリー乗り場のすぐ傍にあったコンビニで買ってきた弁当を並べ終わった由佳里さんが声をかけてきた。
「明日は腕によりをかけてご飯を作りますね」
お菓子から普通の食事まで、料理は何でも得意だと言う由佳里さんは、今日も食事を作るといっていたのですが、流石に時間も遅いので、料理の腕を振るうのは明日からと言うことになった。

「夜の海は吸い込まれそうですわね」
食事が終わり、奏さんの淹れてくれたアイスティを飲みながら、紫苑さまがリビングから見える海に視線を向けてつぶやいた。
「本当に・・・少し、怖いですわね」
「なぁに、貴子。もしかして、怖がりとか?」
私のつぶやきにまりやさんが茶々を入れてくる。そそそそそそそそそそんな訳ないではないですか!
「やっぱり、夏の夜は怪談なのでしょうか?」
ティポットを片付け終えた奏さんが、由佳里さんの隣に腰を下ろしながら、そんなことを言ってくれた。
「かかかか怪談なんて、非科学的な事、私は嫌いですわ!」
「そそそそそうですよ〜。怪談なんて辞めましょう」
由佳里さんと私が口をそろえてそう言うと、まりやさんがにやぁと嫌な笑みを浮かべた。この方だけは・・・
「そういえば、寮の瑞穂さんのお部屋って、昔は開かずの部屋だったそうですね」
紫苑さまが何かを思い出したかのようにそう言った。だから、辞めてくださいってば・・・
「あれ、紫苑さまもご存知だったんですか?」
まりやさんが少し意外そうな顔をしてそういった・・・だから、辞めなさいって・・・
「ええ、同級生に寮生が一人いましたから」
あまり付き合いはありませんでしたが、と付け加えた。
元寮生4人が顔を見合わせた後、瑞穂さんが一つの話しをしてくださいました。一子さんという優しい幽霊さんのお話を・・・
(4/6)
439前スレ550改め初代スレ550:05/03/16 13:37:32 ID:WH0QY3i6
元寮生4人が顔を見合わせた後、瑞穂さんが一つの話しをしてくださいました。一子さんという優しい幽霊さんのお話を・・・
話が終わると、悲しいような、胸が温かくなるような・・・そんな空気がリビングの中に静かに訪れた。
「亡くなった方の思い出話をしていると近くにいらっしゃるそうなのですよ」
「もうすぐお盆だから、一子さんも帰ってくるかな?」
瑞穂さんと奏さんが懐かしそうにそういう。
「カソリックにお盆は関係あるのでしょうか?」
自称にわかカソリックな紫苑さまが笑いながらそういう。
「いやぁ〜一子ちゃんなら、そういうのあまり関係なさそうじゃない?」
「一子さんなら、去年のお盆に帰るつもりが、道に迷って今頃到着とかってありそうですよね」
まりやさんと由佳里さんの会話はちょっと酷いような気がする。
「第一、幽霊の里帰りでしたら、実家に行くものでしょう?こんな所には来ませんわよ」
「いや、だから、一子ちゃんなら道に迷った挙句、瑞穂ちゃんのにおいに釣られて、ここに来るって事も・・・」
「犬みたいですわね」
「確かに一子さんは犬系の人なのです」
私の言葉にまりやさんと紫苑さまと奏さんが酷い事を付け加える。
「でも、このメンバーに一子ちゃんが来たら、きっと楽しいですよね」
(5/6)
440前スレ550改め初代スレ550:05/03/16 13:38:37 ID:WH0QY3i6

「お姉さま!」
瑞穂さんの言葉にかぶさるようにそう言って、恵泉女学園の夏服を着た誰かが瑞穂さんに抱きついた。
「お姉さま!お姉さま!お姉さま!お逢いしたかったですお姉さまぁ〜お盆なので里帰りを許してもらった私は実家を覗いた後お姉さまのご様子を見に行こうとしたのですが、
私ってば方向音痴だし、お姉さまの家は知らないしで、うろうろしているうちに眠たくなって寝てる間にまたちょっと時間が過ぎたような気がしたのですが、なぜか起きたら瀬戸内海のあたりだったので、
もはや、恵泉女学院にも帰る道がわからなくなって、仕方ないので、この辺をうろうろしてたら、誰かに呼ばれたような気がしてこちらに来たら、お姉さまがいて、もう、一子大感激!!」

『『『『『『どこから突っ込みを入ればいいんだろう?』』』』』』
全員がそう思った。

「あれ?皆さん、どうかしましたか?」
瑞穂さんの首根っこにぶら下がった犬系の人はきょとんとした顔でこちらを見渡してそういった。
(6/6。おしまい)
441前スレ550改め初代スレ550:05/03/16 13:39:24 ID:WH0QY3i6
一子まで出しちゃったよ、俺・・・本当にまとまるんだろうか?このお話・・・
442269:05/03/16 13:46:51 ID:mMmMiGOE
>初代550氏
GJです。
いや〜、ここで一子ちゃんが来ましたかw
また昇天させるのが難しそうですが、頑張って下さい。
443名無しさん@ピンキー:05/03/16 14:04:21 ID:KGvNQ5hL
444名無しさん@ピンキー:05/03/16 14:14:50 ID:65jSu9s2
>>440

>『『『『『『どこから突っ込みを入ればいいんだろう?』』』
激ワロタ
445名無しさん@ピンキー:05/03/16 14:28:56 ID:z7CJ9tQ2
>>初代550氏
フルキャストキタ━━━(゜∀゜)━━━!!正直、これは予想してなかったっす。
一子登場で嵐の予感。とはいえ展開は楽しみです。MGトークも健在だし。


>もうすぐお盆だから
お盆期間の遊泳は避けた方が・・・って前だからいいのか。
でもクラゲだけは勘弁な。
446402:05/03/16 14:39:55 ID:No+BzNIX
>>440

いや・・・また、キーボードを水(コーヒー)洗いするところでした。

>『『『『『『どこから突っ込みを入ればいいんだろう?』』』』』』

いや、それ以前に、方向音痴の幽霊ってのもどうかと
また・・・昇天(成仏)・・・いや、帰れなくなって瑞穂ちゃん宅に居座ることに
まあ、それは、それで、騒がしい日々に

(´-`).。oO(シリアス風味のを書いていたときに、見に来るのではなかったか)
447名無しさん@ピンキー:05/03/16 15:22:52 ID:MXRk6NXN
>『『『『『『どこから突っ込みを入ればいいんだろう?』』』』』』

心の底からそう思った。爆笑したよコンチクショウw
448名無しさん@ピンキー:05/03/16 16:21:41 ID:jPNjCY2N
いかん、仕事中に吹き出しそうになった。
いやあGJ!
449名無しさん@ピンキー:05/03/16 16:44:11 ID:1a8jH+d0
>>422
男同士なのに瑞穂だと嫌悪感がしないのは何故だろう・・・
450名無しさん@ピンキー:05/03/16 16:59:02 ID:kulVQGaf
>>440
まさか未来編SSで一子が見られるなんて思ってもいなかった
楽しいのになんかホロッと来たよ。
451名無しさん@ピンキー:05/03/16 17:01:07 ID:6PbSk7Sv
>『『『『『『どこから突っ込みを入ればいいんだろう?』』』』』』
ワロタ。
452名無しさん@ピンキー:05/03/16 17:22:09 ID:1XIHckTL
 ∧_∧
( ;´∀`) 禿しく乙 >422
人 Y /
( ヽ し
(_)_)

これに反応してしまうのは漏れにそっちのけがあるからではなく、あくまで
瑞穂たんのポテンシャルよるものだと(ry
453初代スレの45:05/03/16 20:51:05 ID:JTFEE0lR
久々にSSを投下します。

学園時代のお話です。12月の上旬あたりですかねぇ?

※序盤にちょっと暴力表現がありますので、お気をつけ下さい。
とはいえあまり直接的な表現は抑えてるので、完全にダメなヒトじゃなければ平気かと思われます。

こっちに投下しても平気だとは思うのですが、一応例の場所に投下します。377氏に感謝。
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php

http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs?file=20050316204641
です。

暴力表現がメインではないです。

ダメなヒトは線引きされたところ読まれればOKかも?

まりやEND後以外に書いた初のSSがコレかい・・・
ついでに、エロ無し(?)なのは私のSS初だったり・・・orz
4545時起き:05/03/16 21:32:12 ID:ZNmH/xvJ
こんばんわ&ご苦労様です、皆様。

瑞穂争奪戦第2ラウンド(話的には3つ目)投稿させて頂きます。
4555時起き:05/03/16 21:33:22 ID:ZNmH/xvJ
  『瑞穂争奪祭 第三話 ババぬき』・1


「さて、んじゃ一息ついた所でさっそく始めましょうか」
 食事の後片づけも終わり、全員が奏の入れたお茶で一息入れた頃。
 まりやが部屋の隅に置いてあるゲームの山から何かを持って来た。
「では、皆様お待ちかねの第2ラウンドは、これだ〜!」
 そう言ってまりやが取り出したのは……。
「トランプ、ですの?」
「はい、紫苑さま。と言う事で、まずはオーソドックスにババぬき辺りで
行って見ましょうかね」
「う、何だかいきなり不利な気がします……」
 由佳里がそれを見て苦笑いをする。
「にゃっははは♪ まあまあ、勝負の世界はやって見ないと結構解ら
ないものよ?」
 まりやはそう言いながら慣れた手つきでトランプをシャッフルすると、
瑞穂に手渡した。
「ルールは単純で、一番最初に上がった人が勝ち。まあ一応最後まで
ババ抜き続けてもいいし、そこで終わりでも良いけど…」
「ま、せっかくの勝負ですから、最後まできっちりと白黒付けた方が
宜しくてよ?」
「ふふん、貴方らしいわね貴子? じゃあ今日こそぎゃふんと言わせて
上げるわ」
「あら、その台詞そのままそっくりお返ししますわ?」
「「ふっふっふ」」
「な、何だか既にお姉さま争奪戦とは関係ない所に向かってるような
気がするのですよ〜」
4565時起き:05/03/16 21:35:04 ID:ZNmH/xvJ
  『瑞穂争奪祭 第三話 ババぬき』・2

「あー、奏ちゃん、あの二人はいつもの事だから……」
 そう言いながら瑞穂はまりやから受け取ったトランプを、もう一度
軽くシャッフルして配り始めた。
「ところでまりや、やっぱりここで私が勝ったらドロー?」
「そう言う事。まあ、権利は皆に等しく無いと不公平って物でしょう?」
「……景品が私って時点で公平さに欠けてる気がするんですけどね」
「あっははは、そりゃそっか。でもそれは、私との勝負に瑞穂ちゃんが
負けたからよ?」
「うう………そうでした」
「まあ、一体何がありましたの?」
 紫苑が興味津々と言う顔で瑞穂に尋ねた。
「え、えっと…まあ、その話はまた後にでも」
「ふふっ、では後でじっくりお聞かせ下さいね」
「う……は、はい……」
 内心しまったと思いつつ、やっぱり頷いてしまう瑞穂。
「んじゃ、時計回りで行って見ましょうか。はい、瑞穂ちゃんどうぞ」
「あ、では……うーん、じゃあこれ」
 そんな感じでババ抜きはスタートした。

「う……」
「おや? そんな顔をするって事は、貴子の所にババがあるのね?」
「くっ……」
4575時起き:05/03/16 21:37:18 ID:ZNmH/xvJ
  『瑞穂争奪祭 第三話 ババぬき』・3

「ほらほら、早く引かせなさいよ? にゃはは〜」
「……ちょ、ちょっとお待ちなさい」
 貴子はそう云うと、自分のカードをシャッフルして、テーブルの上に
並べる。
「さ、どうぞ」
「ほっほー? 流石にいつも表情から読み取ってたからかしら、少しは
考えたわね?」
「それは私だって、いつもやられてばかりではありませんわ。さ、お引き
なさい?」
「う〜ん……んじゃこれ! ……あっちゃ〜」

 そうやって、何順かした後。
「上がりですわ(はーとまーく)」
「えええ〜っ?!」
「紫苑さま、はやっ!」
 そう、あっという間に(?)と言う表現があてはまりそうな勢いで、
紫苑が上がってしまった。
「……ま、まあ、せっかくですからババ抜きはこのまま続けましょうか」
「そうですね、どうせなら最後までやるのが筋と言う物ですわ」
 と言う事でババ抜きは続行。
 その後奏、瑞穂、由佳里と言う順に上がって行き……。
「……結局、貴方との一騎討ちになるのですね」
「ふふ〜ん? お膳立てはされた訳ね、じょーとーじゃない」
「「今日こそ、貴方との勝負をきっちりと付けて上げるわよ貴子/まりやさん!!」」
 そうして、訪れた寒さも吹き飛ばしかねない勢いで熱き火花の散らし
あいが始まった。
4585時起き:05/03/16 21:38:29 ID:ZNmH/xvJ
  『瑞穂争奪祭 第三話 ババぬき』・4

「……お、お姉さま達の勝負、まだ付かないのですよ……」
「もう10分位経過してるのにね…」
 舞台が二人主軸に移ってから10分後、勝負はまだつかずにいた。
 横で眺めて居た由佳里と奏が、少し呆れ気味に勝負の行く末を
見守って居る。
「ふふふっ、では、あのお二人は置いておいて、私は景品を頂くと
いたしましょうか」
 そう言って紫苑は、嬉しそうな笑みを浮かべた。
「し、紫苑さん……」
 余り酷い事はしないで欲しいと、目で訴える瑞穂。
「ふふっ、さて、どうしましょう?」
 腕を組んで嬉しそうに瑞穂を眺めて居た紫苑だが。
「それでは、瑞穂さん、ちょっとこちらにいらしてくださる?」
「? はい?」
 紫苑は瑞穂を呼び寄せると……。
「では…10月にお断りされて出来ませんでしたので、ぎゅっとさせて
下さい♪」
「え……10月?」
 何だろうと思い出して見る瑞穂。
「そ、そう言えば……食堂でそんな事があった様な無い様な……」
「はい、ですから是非に♪」
「……はぁ……わかりました」
 諦めたように紫苑の傍に近寄る瑞穂。
4595時起き:05/03/16 21:41:33 ID:ZNmH/xvJ
  『瑞穂争奪祭 第三話 ババぬき』・5

「では、失礼しまして……」
 むぎゅっ。
「……ああ……やっぱり、奏ちゃんの抱き心地も良いですけど、
瑞穂さんの抱き心地も良いですわね」
 うっとりとして瑞穂を抱く紫苑。
「あ、あの、紫苑さんの顔がすぐ傍にあって何か恥ずかしいんです
けど……」
「それに、メイド服と言う事で、またちょっと特別ですね」
 瑞穂のわずかばかりの抗議も、笑顔で聞き流す紫苑。
「……あら、瑞穂さんってこうやって抱いて見ると、ウエストもとても
細くいらっしゃるのね?」
「ああ、紫苑さま、瑞穂ちゃんのウエストは前に計ったら○cmでしたよ」
(作者注:実際の数値が解らないので○にしておきます)
「ぐ……わ、私より細い……」
 まりやの言葉を聞いて、ショックを受ける貴子。
「本当に、うらやましいほどスタイル宜しいのですね……」
 貴子はそう言ってはぁっと溜め息をつく。
「ちょっと、貴子、あんたの番よ」
「急かさないで下さいな」
「ま、まだ続いてたのね……」
 それを見て少し呆れた顔をする瑞穂。
「あ、そうそう瑞穂さん、もう一つ宜しいですか?」
 と、思い出した様に瑞穂に聞く紫苑。
「ほえ? 何ですか紫苑さん?」
4605時起き:05/03/16 21:44:29 ID:ZNmH/xvJ
  『瑞穂争奪祭 第三話 ババぬき』・6

「では、ちょっと失礼して……」
 紫苑はそう言うと、瑞穂の首筋に顔を近づけた。そして……
「ふっ」
「ひあっ?!」
 その瞬間、瑞穂がびくっと体を震わせた。
「わわっ?! お、お姉さまどうしたのですか?」
「あらあら、瑞穂さんってば敏感でいらっしゃるのね、ふふっ」
 そう言っていたずらっぽい表情を浮かべる紫苑。
「紫苑さ〜ん……それは反則ですよぉ……」
 力が抜けてしまって紫苑にやや抱きかかえられるような形になった
瑞穂は、顔を真っ赤にしながらそう云った。
「うう、背中がぞくぞくする……」
「ちょっと、刺激が強すぎましたかしら? ごめんなさいね、瑞穂さん。
ふふっ」
 紫苑はそう言うと、楽しそうに笑った。


「ええい、これでどうよ?!」
「ふふ、それは私のババさんよ」
「ああ〜、またぁ?」
 ちなみに。
 まりやと貴子の一騎討ちはその後更に10分続いたと言う。


 まだ続きます。
4615時起き:05/03/16 21:47:11 ID:ZNmH/xvJ
と言う感じで、今回は紫苑さんの勝利に終わりました。
一応全員勝つまでやって見たい所ですが、貴子だけおみそに
されるってネタも思い浮かんでたりするんですよね。
さてどうした物か(´ー`)
462180:05/03/16 21:49:22 ID:y5Qq8y5I
ある日の鏑木家
 さて、貴子と楓のおかげで紫穂の「お父様とお母様の出会いは?」という質問はなくなったのだけど、
「千穂おばさまは何時お帰りになるの?」
「さぁ、当分は無理だろうね」
 そして別の日
「紫穂、千穂おばさまに会ってみたいです」
「そうだね、大きくなった紫穂を見て貰いたいよね」
 今度は、『千穂おばさま』に悩まされることになった瑞穂。

「瑞穂ちゃん。久方ぶりにあれをするしかないわねぇ」
 そんな瑞穂を見て、どつぼにはめた張本人はそんな事を言ってたのでした。
<終?>

 取り敢えずフラグ消化の準備をしてみるテスト。
落ちに関しては何も考えてませんので、他の誰かが書いてもOKです。実質、リレーSS化してますしね。
463名無しさん@ピンキー:05/03/16 21:51:55 ID:z7CJ9tQ2
>5時起き氏
乙であります。紫苑様つぇぇ!もしかしてニュータイプなんでしょうか?
瑞穂タンを弄ぶさまも素敵です。

>まりやと貴子の一騎討ちはその後更に10分続いたと言う。
二人ともババ抜きに関しては同レベルのヘタレ、でFA?
464402:05/03/16 22:00:03 ID:No+BzNIX
>>462
180さん。新ネタ乙なのです。

なにか降りてきたら、参加したいと思ってます。
今は、外伝の4 まりや編が、降りてきそうなので、そちらに集中しないと(^^;
465名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:04:44 ID:OFS4UiqA
>462
「瑞穂ちゃん。久方ぶりにあれをするしかないわねぇ」
にまにましながらそう言って顔を覗き込んでくるまりや。
ああ…あの顔は絶対何か悪巧みしてる顔だ。
長い付き合いなだけに、脳裏で対まりや警報の鐘が鳴り響く。
もっとも、今まで回避できた例がないあたり役に立ってない能力である。
「やっぱりここは紫苑さまや小父さまにも協力してもらって…うん、せっかくだから新作を…にゅふふ、面白くなってきた〜」
僕の存在を忘れたかのように、焦点の合わない目でなにやらぶつぶつと呟いているまりや。
おーい、まりや。涎が出てるよ〜。若い娘さんがはしたない。
「よーし、善は急げ!すぐに手配しなくっちゃ!」
そう叫ぶと同時に立ち上がり、ダッシュで走っていくまりや。
それは誰にとっての善なんだ…?


と、更に伏線消化の下地だけ作ってみるテスト。
466名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:08:19 ID:wEfx555+
作者さん、お疲れ様です

まとめページを見ていて思ったんですが
名前が番号だとだんだんまぎらわしくなってくると思うんですけど
検索フォームも作られたので、できれば変えてくださるとありがたいんですが
467471 ◆471.Pt54hU :05/03/16 22:29:12 ID:0dMKBJJn
ここら辺にネタ置いときますね


瑞穂vs誘拐犯その3

僕の前に立ちはだかった男は、背広の内側から二の腕ほども長さのない黒い棒状のものを
持ち出してきた。
ディルドー…いいや、あれは………バイブか?
棒の後端にはスイッチが据え付けられている。あれを入れられるわけにはいかない。
「……………………」
男の口の端がにいっと歪むと、腰を低くして腕をぴったり両脇に付けた姿勢で、股間に生やす
ようにバイブを構えた…かなり場慣れをしている相手みたいだ。
『………腕を取らせないつもりか!』
心の中で僕が叫ぶのと同時に、男の突撃が繰り出されてくる。
「おおっ……!」
狙いが貴子さんなら、僕には急所を狙ってくるはず……!



緋紗子先生の話考えてたけど行き詰まっちゃった('∀`)……
468名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:40:18 ID:y7bhEekx
>>467
誘拐犯の域を超えて、只の変態さんと化してますな。
爆笑しますた。
469名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:44:28 ID:dpiiJEPe
ageるのですよー
470266:05/03/16 22:56:23 ID:z7CJ9tQ2
>>467
緊迫のシーンが一瞬にしてギャグに・・・
かなり場慣れしてるみたいだ・・・って、瑞穂タン、あんた何処で何習ってたんだよ(笑)

21日用の作品、長くなってきた・・・結末はもう決まってるから途中の展開をどうはしょるか
というところなんだけど。
俺的設定入れてるところが有るのでうpロダに上げた方がいいのかな・・・
471471 ◆471.Pt54hU :05/03/16 22:57:14 ID:0dMKBJJn
471ゲトー
472名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:58:44 ID:OFS4UiqA
>465だけじゃ全然進んでないからちょっとだけ。

ある日の鏑木家

それから数週間後。
「あなた、すみませんけど明日紫穂を遊びに連れて行ってくれませんか?」
「え?うん、明日は休みだから構わないよ」
「よかった。最近あなたの帰りが遅くてあまり遊べないって言ってたんですよ」
「うーん…どういうわけか急に忙しくなってね」
それだけ事業が好調だということだから悪いことじゃないと思う。
でもそれで家族に寂しい思いをさせちゃいけないよね。
「そうだ、どうせなら紫苑も一緒に行かない?久し振りに親子三人水入らずで出かけたいし」
「ごめんなさい、明日はどうしても外せない用事があって…」
「そうなんだ?」
「ええ、病院へ予後検診に行かないといけないんですよ」
「そうか…それじゃ仕方ないか」
手術が成功したとは言え、まだ紫苑は定期的に病院へ通っている。
先天性の病気だったんだから、用心しておいた方がいいよね、やっぱり。
「私の分までエスコートしてあげてくださいね?」
そう言いながらいたずらっぽく微笑む紫苑。
やっぱりかなわないなぁ。
473名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:59:23 ID:OFS4UiqA
そして翌日。
「それでは母様、お爺様、行ってまいります」
「ええ、楽しんできてね」
「瑞穂、ちゃんと紫穂ちゃんを守ってやるんだぞ?もし何かあったら…」
「はは…わかってますよ、ずっと手を繋いでおきます」
いつもの優しい微笑を浮かべながら出かけていく瑞穂さん。
それを見送った私とお義父さまは、目配せを交わして家の中へと戻った。
玄関脇の部屋の中に潜んでいたまりやさんが出迎える。
「瑞穂ちゃんと紫穂ちゃんは?」
「ああ、確かに車に乗って門から出て行ったぞ」
「ふふ、楽しみですわね」
「うん、何せ数年ぶりのチャンスだからね。そりゃ気合も入りますとも」
「ほほう…それは見逃せんな」
「さあ、それでは今のうちに準備を済ませてしまいましょう?」
「ええ、感慨に浸るのはその後ゆっくりと…」

その日、鏑木家には何故か裏口から時間を置きつつ断続的に大量の荷物が運び込まれた。
474名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:59:56 ID:OFS4UiqA
夕方。
「ただいま帰りました〜」
「ただいま」
「おお、お帰り紫穂。楽しかったかい?」
「はい、お爺様!」
「うんうん、それはよかった」
部下の人たちには見せられないくらい緩みきった顔で紫穂を抱きしめる父様。
…初孫は可愛いって言うけど、ちょっと行きすぎなんじゃ。
あ、でも紫苑と奏ちゃんの例もあるし…でもあれって普通じゃないよね?
「お帰りなさい、あなた」
「ただいま、紫苑。検査の結果はどうだった?」
「異常なし、だそうです」
「そうか、よかった」
うん、紫苑の笑顔がいつもより明るい。
「さて、それでは早速夕食にしようじゃないか。今日は楓に頼んでいつもより腕を振るってもらったぞ。楽しい一日は最後まで楽しく終わらせないとな」
「うふふ、同感ですわ」
「それは楽しみだなぁ。さあ、紫穂。行こうか?」
「はい!父様!」
475名無しさん@ピンキー:05/03/16 23:02:20 ID:OFS4UiqA
以上。
一穂叔母さん来日準備編(笑)ってことで。
476 ◆555TFSBWYQ :05/03/16 23:20:43 ID:z7CJ9tQ2
>>475
来日準備編・・・て、件の叔母様ってやっぱり・・・なのだろうか。
477お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/16 23:26:46 ID:2LeNQ008
ちょっとおまけです。
でもお嬢様学校って本当に「サンジュストさま」みたいに二つ名を
特定の生徒についてしまうことがあるそうです。

戦前の恵泉女学院では生徒会の役員は10人で構成、運営されていた。
役員に選出された彼女達はいづれも勉学、運動に秀でるかその他突出した
能力、才能を持っていたという。
恵泉の生徒は尊崇と畏怖をこめて彼女達を十傑集と呼んだ。
戦後、役員の構成は4人に減ったものの有名、または有力な
生徒達は勝手に十傑集と呼ばれるようになりさらに尊崇を込めた
二つ名を本人の意思に関係なく生徒達によって与えられる。
当然十傑集と呼ばれる生徒は本人でさえそうであると知らないままで
ある事も多く、さらに10人揃うこともここ4、5年はなくなっていた。

そして現在も当の本人には関係なく十傑集と呼ばれる生徒達がいた。

お姉さまと一緒 Appendix 実録!!恵泉十傑集
(
478お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/16 23:29:47 ID:2LeNQ008
見惚れる生徒は数知れず、歴代エルダー唯一のグラップラー"一丈青の宮小路"
「いくら貴子さんを助けたからって、私は武闘派じゃないですよ」
のどかな恵泉に噂で衝撃を与えるルーモアモンガー"衝撃のミカド"
「なんかそのままだからマリー・ザ・インパクトでよろしくね」(ザ・インパクトでもそのままですから)
舞台に上がれば男装の麗人、無口にたたずみ何を思う"暮れなずむ小鳥遊"
「…私は虫を飛ばしたり、虫になったりなんかしないわ」
生徒の動向を把握する受付嬢の大元締め"中常侍長高根"
「10人そろっても命の鐘は鳴らせませんわ」
エルダー瑞穂に先代は何を見る"静かなる十条"
「なにやら大親分さんみたいで素敵です」(そっちじゃないと思います)
小柄な体系に秘める魅惑、どんな先輩もイチコロ"薔薇乙女の周防院(後に幻惑のスオウイン)"
「奏は、動くお人形さんじゃないのですよ〜」
お菓子作りはお手の物、長距離だってお任せ"パティシエなゆかりん"
「こんな呼び名、絶対まりやお姉さまの仕業だわ」
恵泉を束ねる生徒会長、"激動たるイクツシマ"
「私は、そんな激しいことなんてありませんわ」
「なによ、この万年激昂女にはぴったりね」
「なんですか、まりやさん!」
「あんたのことにしてはまだ表現が柔らかいわね、今も激しそうにしているけど」
「・・・っ!!」
「あんたには"巨大戦艦ヒステリックエンプレス"がお似合いよ」
「巨大戦艦はわかりませんが、ひ、ヒステリックとはどういうことなのです!!」
「そういうところがよ。あーヒステリー女はこわいわ」
「なんですって、ちょっとお待ちなさい」
「タカアシガニって食べたことないけどおいしいのかしら」
「わけのわからないこと言ってないで・・・ってちょっと待ちなさい!」

現在欠員2名だが、今日も十傑集は恵泉に秩序を守って・・・くれるといいな

続かない
479名無しさん@ピンキー:05/03/16 23:38:27 ID:z7CJ9tQ2
>>なかのひと
改変ネタもこのくらい笑えれば通用するんだけどなぁ。俺の実力じゃ・・・

>今日も十傑集は恵泉に秩序を守って
正直、この面子が居る環境下で秩序乱す気力もなくなると思われPAPAM!!
480初代スレの45:05/03/16 23:40:06 ID:JTFEE0lR
>>5時起き氏
GJです。このシリーズ楽しみにしてます。

>>紫穂&千穂ネタ各氏
こちらもGJですわ。

ところで、他のキャラの子供が出来た場合ってどうなるんだろう・・・

case1:貴子   貴穂 瑞子 ・・・貴穂はOKですね。みずこはちょっと・・・
case2:奏     奏穂 瑞奏 ・・・奏穂はまだいいとして・・・みずかな?w
case3:由佳里  佳穂 瑞里 ・・・3文字はきついっす。
case4:まりや  まり穂 瑞や ・・・orz まあ順当にいけば真穂、とかなんでしょうかね。

>>478
欠員2名・・・君枝さんとかしかMOB以外でいませんねぇ・・・
通えない一子ちゃんやセンセはちょっと違いますしね・・・。
>恵泉の秩序を守って・・・
乱す側っぽいですがw


>>453のところの訂正。
ダメなヒトは線引きされたところ読まれればOKかも?
→ダメなヒトは線引きされたところから後だけ読まれればOKかも?

ヘンな表現なのは前半1/4だけですんで。


あとがきが書けないのがちょっと難点ですかね?
明日にでも書きますか。

ちなみに覚えている方少ないかもですが『DRESS UP!!』Cルートももうすぐ投下できるはず、です。
481猫野:05/03/16 23:53:41 ID:3f+z7QYG
初代スレの45さん
まってましたです〜
482名無しさん@ピンキー:05/03/16 23:56:51 ID:TlKlgluo
>>478
中学の修学旅行で『イツクシマ』神社行きましたな。

それはともかく今日祖父地図でGR流してたんで漏れ的にタイムリー。
483名無しさん@ピンキー:05/03/17 00:00:45 ID:z0eGHMYq
イクツシマ?
484180:05/03/17 00:01:25 ID:8w3qIbHi
>>480 初代スレの45さん
 実は、瑞貴とか瑞佳とか、紫穂の後に考えてました。みっつともATOK15で変換可能な名前です。
ただし、変換候補としては後の方に出てくる名前ですけどね。
 しかし投下時点では、ここまで展開するとは予想してなかったです。逆の方が頭をよぎったくらいなので。
485お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/17 00:17:32 ID:aOr+OM6U
イクツシマ > イツクシマ
穴があったら入りたい…。
486名無しさん@ピンキー:05/03/17 01:09:19 ID:jbmbWgnV
>>478
>ヒステリックエンプレス
まさかここでその名を見るとはw
487名無しさん@ピンキー:05/03/17 01:36:45 ID:EjoRvVJi
>>478
乙です。ダライアス外伝、懐かしい。
このネタが分かる人がこのスレには複数人いるってのは結構な驚きで……。
……ここ、エロバロ板ですよね?
488402:05/03/17 01:51:39 ID:msh5Io+H
まりやの場合1  渡されなかった卒業証書外伝4−3

 店を出た後。仕事場に向かっていた歩みを止めて
(あ・・・、やめ、やめ、こんな状態じゃ、時間を無駄にするだけ。)
そう決めると、久しぶりに家に帰っていった。

(眠れないや・・・)
深夜。まりやは、ガウンを上に羽織ると廊下を歩き出した。
(ふう・・・寒いな。あ、あれ・・お父さんの部屋から灯りが?)
こんな深夜にまで仕事してるのだろうか?もしかしたら、うたたねしているのではと心配になった
まりやは、父親の部屋を控えめにノックした。
「ん?誰だい?」
「まりやです。入ってもいいですか?」
「お入り。どうした?珍しいな私の部屋にくるなんて」
失礼しますと、口の中で呟きながら父親の部屋に入っていった。
 父親の机の上には、いくつものバインダーや、報告書と思われる書類が無造作に積まれていた。
まりやが、なにか言いたそうなようすを察した父親は、まりやを連れてリビングに場所を移して、
「少しは、飲めるんだろ?」
サイドボードからブランデーとグラスを2つ取り出して、ブラディーを注いだグラスの1つをまりや
に持たせた。長い話になりそうだと思った父親はまりやをソファーに座らせ、自分はその体面に座っ
た。

 なにも言わずに、グラスの中の琥珀色の液体を回している父親。グラスを見つめているまりや。
沈黙の時がしばらく流れた後。
「お父さん・・・・なにも聞かないの」
「いいや。全身を耳にして聴きたいと思ってるよ。ただ、無理して物事がうまく運んだ例しがないも
のでね。じっと我慢して、時を待っているのさ」
「ふうーーー。私って瑞穂ちゃんのなんだったのかな?って」
まりやは、グラスを両手で抱え込むと揺れる液面を見ていた。父親は、まりやがなにを言いたいのか
察していたが、わざとらしく
489402:05/03/17 01:53:01 ID:msh5Io+H
まりやの場合2 

「おかしなことを聞くもんだね。まりやと瑞穂君は、おさななじみじゃないのかい?」
なにを分かり切ったことを聞くのだと
「違う。私は、瑞穂ちゃんにとって、マイナスにしかならない存在じゃないのかって・・・そう、思
えてきた。・・・ううん。私が・・・」
「まりや。まりやと瑞穂君が、おさなじみなのは、まぎれもない事実だろ?」
どんどん、自己嫌悪に落ちていきそうなまりやを見て、少しきつい口調で告げた。顔を上げたまりや
は、グラスを見つめたまま小さく頷いた。まりやの様子に、ショック療法に切り替えた方がいいだ
ろうと判断した父親は、一喝。
「悲劇のヒロインをきどってるのかな?思い上がるのもいい加減にしたらどうだ?」
突然の一喝に、父親をにらみつけるまりや。
「違うといいたいみたいだな?鏑木の先代の遺言で瑞穂君が恵泉にいくことになった。これも、また、
事実。慣れない環境での瑞穂君をサポートすべきところ、小さい頃の延長のように軽く考えていたの
も事実だろ?」
(ぐっ・・・)
なにも言い返すことの出来ないまりやは、父親の言葉の矢を受け続けていた。
「騒動が起こったときは・・・・?まりやが騒動を起こしたときは・・・・・?まあ、まりやの事だ
自分は安全な処にいて、瑞穂君の困るのを楽しんでいたのだろう?・・・違うかな?」
「ち、違う。・・・そ、そんな・・・私は・・・・・確かに、瑞穂ちゃんを騒ぎの中心に押したかも
知れないけど・・・・」
父親はまりやの言葉を切り捨てて
「かも知れないけど?・・・どうせ、まりやの事だ・・・・・・・」
グラスの中身をゆっくり回すと
「自分は、好意のつもりでやったつもりでも、相手にはお節介もしくは、迷惑になることもあるのだ
がな。」
そんな事すらわからなかったのかな?と、目だけで父親は、問いかけた。
「そして、瑞穂君の最大の危機の時も・・傍観していたわけだ。違うかね?」
「そ、それは・・・・」
顔面蒼白になり、言葉が口から出てこないまりや。まりやを哀れむような目で見て
「なら、どうして、あの時、まりやにも黙って姿を消したのだろうね?まあ、瑞穂君に、そういう決
断をさせるきっかけを作ったまりやに・・・・・・・・・・教えたくないのも判らんではないがね。
490402:05/03/17 01:54:01 ID:msh5Io+H
まりやの場合3

背中から撃たれる事ほど怖い事はないしな。無能の味方は敵より怖いとか」
ただ、黙って父親の言葉の矢を受けている。確かに、動こうと思えば動けたはずだった。少なくとも
奏と由佳里は事情を説明すれば、瑞穂の味方になってくれる可能性が高かったのだ。
 重苦しい沈黙が続いた後。
「結局。・・・あたし・・瑞穂ちゃんに甘えていたんだね。なにも言わないのをいい事に・・・うう
ん。私が、瑞穂ちゃんに言わせなかったのかも」
父親は、ブランディーの香りを楽しむ。
「だから・・・なのかな?瑞穂ちゃんが、貴子に手紙を出したのは・・」
「瑞穂君から連絡があったのかね?」
まりやは、グラスの中身を舐めるように口に運んだ後。
「うん。・・・・あの後。スイスの全寮制学校に再入学して、ヨーロッパのどこかの企業に就職した
んだって・・・」
「はははは・・・鏑木の次期総帥がか・・・・まあ、将来の布石かもしれんな?」
「えっ?」
父親は事業家の顔に戻って、グラスを傾けた。
「あっ・・・・実績を積んで、瑞穂ちゃんの会社から呼ばれるようになれば・・・・」
「そういうことだ。」
父親は、グラスの中身を開けると、静かに部屋を出て行った。

 2日後。
まりやは、仕事場に戻ると、今までのデザイン画やラフ画をすべて取り出すと、眺めた後。何かを振
り切るかのように処分を始めた。
「ちょ、ちょっと、まりやさん。どうしたのよ。それ、新作の・・・」
「いらないから・・・・なんか、私の欠点がわかったような気がする。だから処分することにしたの。今なら、もっといいものが作れそう・・・・・それに目標も出来たしね」
あわてて止めに来たクライアントの制止を無視して、すべて処分し終わると、すっきりしたと言わん
ばかりに大きく背伸びをした。唖然として見ていたクライアントの呟きに応えて
「そう・・・鏑木グループから、頭を下げて、契約してくださいっていわれる事。決して不可能では
ないはずだから」
491402:05/03/17 01:54:45 ID:msh5Io+H
まりやの場合4

(瑞穂ちゃん。今は、謝る事もできないけど、いままで、迷惑を掛けた分利息を付けて、将来仕事で
返すわね。絶対に・・・御門まりやと契約して良かったと言わせてみせるから)
そういう決意すると、まりやは新しい真っ白な紙に、鉛筆を走らせ始めた。
492402:05/03/17 01:58:07 ID:msh5Io+H
と、いうことで(なにがだろう?)

貴子さん同様、手紙を読んだ後の一こまだったりします。

ほのぼの貴子さんとはちがって、きつい展開になってたりします。(^^;
493名無しさん@ピンキー:05/03/17 02:10:17 ID:VeoVEte1
>>402氏
毎度ご苦労さまです。日中の分の続きというところでしょうか。
ハードですねぇ。まぁこういうのなら全然よろしいと思いますが。
とはいえ、さっぱり切り替え出来るのはまりやらしい、というべきでしょうか。

>無能の味方は敵より怖いとか
お説ごもっともで。ええ、よくわかります。何せ、その「無能の味方」というヤツ
でしたから。自分。前の職場で(プ
494名無しさん@ピンキー:05/03/17 02:52:16 ID:VpTUW/m+
>>422
何この破壊力('A`)
俺は男同士に勃起したのではなく、俺と瑞穂を連想して勃起したんだ。
俺は正常だ!絶対に道を踏み外してなんかいないぞ!
495第一話スレ126:05/03/17 03:37:21 ID:MpYN3uF+
ようやく一本完成…したけど。
ああ、今日もまた良作が生産されている…( ;´Д`)
職人の皆様、今日もGJ!!なのですよ〜

>>Another Pairの中の人
長編、乙でした!!
ここまでのものを書き上げられる、その力量に深く敬意を示させていただきたく…
いいなぁ、文才欲しいなぁorz


さて。ようやく放置気味になってた「奏でられぬ気持ち、奏でられた思い」
最終回が出来上がりました…
遅くなった理由に、まあリアルの忙しさもあったんですが…
思うところあって、本来あった「第三楽章」一話分をまるまるカットしました(^^;
1・冬休みの鏑木家のネタ(お正月シリーズですな)が既に投下されている事。
2・二人が結ばれる下りを書くと、本作中の素敵ストーリーの蛇足になりそうな事。
(まあ、これ云ったら第二楽章もそれに当てはまりそうな気もしますが…)
以上の理由により、永久欠番と(そんな大層なモンでもないけど…)
と、いうわけで、次が最終回。話としては、卒業式当日の話になります。
496第一話スレ126:05/03/17 03:38:37 ID:MpYN3uF+
自然に存在するその風景が、ある日を境に一変する。
見慣れたものが、あって当たり前のものが、そこには無くて…
代わりにあるのは、例え様の無い寂しさ。
約束があるから、耐えられる。耐えられるけど…慣れたくは無い。
慣れてしまったら、貴方が居ない事が当たり前になるのは、凄く辛くて…
でも、寂しさを感じるのも、凄く辛くて…
考える事はは堂々巡りで、やがて…その日が、やってくる…

APPENDIX α 奏でられぬ気持ち、奏でられた思い―最終楽章―

卒業式…その日、瑞穂さまは、この恵泉を、寮を…巣立つ事になります。
それは、瑞穂さまと、お別れするということなのです…
確かに、永久の別れではありません。私も瑞穂さまも、お互い都合がつけば会う約束をしているのです。
けれど、それは今までのような、生活を共にするものではなく…ただの、逢瀬なのです。
すぐ側に貴方は居ない。いつでも触れて居たいのに、貴方は遠い…
そんな日々が来る事なんて、思っても見なかったのに…現実に、こうして目の前に迫っていて。
奏は…瑞穂さまを笑顔で送り出す事が出来るか、全く自信がないのですよ…

「今日の夜…一緒に僕の実家に行きませんか……紹介したいんです、家族に」
そして、卒業式が終わった後。奏は、思いもかけず、そう瑞穂さまに誘われたのです。
「恥ずかしくなんかありませんよ……奏は僕の可愛いお嫁さんですからね」
「……はい」
瑞穂さまにそう云われるのが、とても嬉しくて…とても恥ずかしくて。
それにしても、瑞穂さまとの「お別れ」の日を、
瑞穂さまのご実家で過ごす事になる事になるなんて…
はやや、そう考えたら、緊張してきたのですよ…!!
497第一話スレ126:05/03/17 03:41:19 ID:MpYN3uF+
奏でられぬ気持ち、奏でられた思い―最終楽章―(2)

「お、お邪魔致しますのでございますのですよ…」
「か、奏?そんなに硬くならなくていいから…ね?」
瑞穂さまが苦笑を浮かべられていて…奏は、思いっきり恥ずかしくなってしまって、
さらに硬くなってしまった気がするのですよ…
時間が経つのは、早いもので。辺りが夕闇に染まり始める頃、
寮母さんに外泊許可を貰って、奏たちは瑞穂さまのご自宅に到着してしまいました。
以前、年末年始にお邪魔させてもらった事もあるのですが、
鏑木財閥という名前の巨大さから比べると、質素で、感じの良いお住まいで。
まあ、それでも寮よりは大きいのですが…
ともかく、到着してからはもう無我夢中、という感じでした。
気付けば、あれよあれよという間に、瑞穂さまのお父様の部屋の前、だったのです…
コンコン
「父様、瑞穂です」
「ああ、待っていたよ。入りなさい」
あぁぁ、もう、後には退けないのですね…
意を決して、奏は瑞穂さまと共に室内に入ったのでした。

「やあ、瑞穂。卒業おめでとう」
「ありがとうございます、父様」
「気付いていたか…?私も式を見に行っていたんだが…?」
「え、そうだったのですか?」
「うむ。…まあ、私はいろいろと顔が知られているからな。
素性を隠してる以上、お前と会話をする事も出来なかったからなぁ…
それより参った。御門の夫婦ときたら、式が始まる前から滝のように
落涙を続けててなぁ…」
「あはは、小父様も小母様も、相変わらずですね…
…ところで父様。今日は、大事なお話があって…」
「ん?ああ、そうか。…珍しいな、お前がそうやって改まって話すのは…云ってみなさい」
そこで、瑞穂さまは奏の肩に手を置いて、お父様の前に促したのです。
「父様。この子のことを覚えておいでですか…?」
498第一話スレ126:05/03/17 03:43:10 ID:MpYN3uF+
奏でられぬ気持ち、奏でられた思い―最終楽章―(3)

「…あぁ。もちろん、覚えているさ…周防院…奏君、だったかな?」
「はい…」
奏は、お父様が奏の事を覚えていてくださった事に少し驚きつつ、お辞儀したのです。
「父様。僕は…この奏を生涯の伴侶とし、共に鏑木家を継ぎたいと…そう、思っています」
「……ほう……「あの」瑞穂が、恋人を連れてきたか…」
お父様は、優しげな瞳をこちらに向けられて…
「…奏君」
「は、はい!!」
「君は今、幸せかね…?」
優しいながら、真剣な瞳がこちらを見つめていて…奏はそれに対して真っ直ぐ瞳を合わせ
「はい。奏は…瑞穂さまのお側に居られるだけで…
それだけで、この上ない幸せなのですよ…
それなのに瑞穂さまは、奏の為にいろいろなものをお与え下さって…
とても…とても、幸せなのですよ…」
そう、一言一言を紡ぐだけで、幸せな気持ちが溢れて…
奏は、つい涙を浮かべてしまったのですよ…
「僕も…奏に、いろいろなものを貰いました。
奏はいつも否定するけれど、僕は奏のおかげでたくさんの事を学びました。
だから…奏でなければ、ダメなんです。父様。どうか…僕たちのことを、お許しください…」
奏と瑞穂さま。二人の視線がお父様に注がれて……お父様は、笑みを浮かべられたのです。
「やはり…周防院先生の「子供」なだけはあるな。
前に会った時も思ったが、君は周防院先生そっくりだ…」
意外な言葉が出てきて…奏は、ビックリしてしまいました。
「お父様は…院長先生をご存知なのですか…?」
「ああ…ま、昔いろいろあってね…瑞穂は知っているんだろう?
彼女の、育ったところを…」
「…ええ。知っています…」
499第一話スレ126:05/03/17 03:43:57 ID:MpYN3uF+
奏でられぬ気持ち、奏でられた思い―最終楽章―(4)

「なら話は早いな。…その孤児院はウチの出資で立てられたものだからな。
良く…良く知ってるよ。
院長は…亡くなる直前、君のことをとても気にかけていたよ。
もし何かあれば、助けてやって欲しい、と…
けれど君は、一生懸命努力して、奨学生として恵泉に入り…
こうして、瑞穂とも結ばれた。周防院先生もきっと喜んでいる事だろう…
ああ、もちろん私はお前たちの事を祝福するよ。幸せになりなさい、二人とも…」
その言葉に…奏は、必死に我慢していた涙が溢れてしまって…瑞穂様にしがみついて、
泣いてしまいました。その間、瑞穂様は、優しく奏の背中をさすってくださいました…

「ごめんなさい、瑞穂さま…奏、お父様の前で泣いてしまって…」
「気にしなくていいよ…それより。
ねえ、奏。父様に紹介した事だし、一つ、約束してもらいたい事があるんだけど…?」
「え…あ、はい…奏に出来る事なら、何でも仰ってくださいなのですよ」
なんだろう…?奏は、少し緊張しながら瑞穂さまのお言葉を待ったのです。
「僕は…社会的にはまだまだ頼りにならない、若輩者でしかないけれど…
それでも、奏を幸せにしたい、という気持ちに嘘偽りは、無いよ…」
「…は、はい…」
凄く真剣な瑞穂さまの瞳が、じっと奏を見つめていて…奏は、少し赤くなりながら、
じっと瑞穂さまのお言葉を聞いていました。
「この先、どうなるかはわからないけど…僕は、奏の為に、
精一杯一人前の男になりたい、と思ってる。だから…
だから、2年後、奏が卒業するときに…」
そう云って、瑞穂さまは奏の左手を手にとって…
「僕と、結婚してくださいますか…?」
奏の左の薬指に、そっと指輪が、通されて…
奏は、あまりの事に頭が真っ白になってしまって。言葉が出なくて…
徐々にその意味を理解して。
…さっき出し尽くしたと思っていた涙が、また、溢れてきたのですよ…
500第一話スレ126:05/03/17 03:44:47 ID:MpYN3uF+
奏でられぬ気持ち、奏でられた思い―最終楽章―(5)

「みず、ほ…さま……瑞穂さまぁっ!!」
奏は、瑞穂さまに飛びついて、その胸の中で大声で泣いていました。
「瑞穂さま…奏は、奏は…こんなに幸せで良いのですか…?
とても、とても幸せ過ぎて…なんだか、少し怖いのですよ…」
だって、こんな幸せで…もし、その幸せが消えてなくなってしまったら。
それが怖くてたまらなくて…
「幸せが怖いなんて…もったいないと思うよ?
僕は、僕のできる限り奏を幸せにしていくから…
だから、恐れずに僕を受け入れて…」
「…はい…はいなのですよ……奏にとって、瑞穂さまが…奏の全てなのですよ。
だから奏は、瑞穂さまの全てを、受け入れられるのです…」
「…僕も、だよ。僕にとっても、奏が僕の全てだから…
だから、奏が…欲しい」
「ん…ふ、ん……ちゅ…あ…瑞穂、さま…かな、かな……」
「判ってる…僕も、愛してるよ、奏…」
何故、思いを口にする前に判ってしまうんだろう?そう、不思議に思います。
それとも、奏の考えてる事は凄く判りやすいのでしょうか…?
「でも、奏も…。ちゃんと云いたいのですよ。瑞穂さま、大好きなのですよ…」
云って、ぎゅっと瑞穂さまを抱きしめて…
それから、長くて、短い夜が、続いたのでした…

「瑞穂さま…」
「なあに…?」
…奏たちは裸のままで抱き合って…瑞穂さまの胸の中で、言葉を紡ぎます。
「奏、本当に、凄く…瑞穂さまの事が大好きなのですよ…でも、それはいくら口にしても、
どんな言葉を捜しても、伝えきれないくらいで…
巧く口に出来ない自分が、もどかしかったのですよ…」
「…それはね、僕も一緒。…どうしてだろうね?こんなに、思いはいっぱいあるのに、
それを、自分の思うように伝えきれないって…難しいよね…」
501第一話スレ126:05/03/17 03:45:39 ID:MpYN3uF+
奏でられぬ気持ち、奏でられた思い―最終楽章―(6)

「…けれど…これからずっと、ずーっと、一緒に生きていくのですから…
それくらいでいいのかもしれないのですよ。
だって、完全にすぐに伝えきれないおかげで、これから先、長い時間…
いつまでもいつまでも思いを伝えつづけていられるのですから」
「そっか…そうだね。奏の言う通りだ…
僕たちはこれから、ずっと一緒だから…ずっと、そばに居るから…
伝えたい思いがあるなら、伝えつづければ、いいんだね…」
「そうなのですよ。…だから…瑞穂さま、大好きなのですよ…」
その一言が、凄く幸せになります。
思いを伝えるという事が、こんなに素敵な事なんだと…改めて実感します。
だから奏は、これから先も、いっぱい、い〜っぱい、思いを伝えつづけるのですよ。
貴方が…
「瑞穂さまが…大好きなのですよ…」
502第一話スレ126:05/03/17 03:46:39 ID:MpYN3uF+
おまけの、「奏でられぬ気持ち、奏でられた思い」

…私の名前は織倉楓。鏑木家に使える使用人です。
今日は本当におめでたい日で…瑞穂様が学校をご卒業なされたばかりか、
なんとご婚約者さんまでお連れになられて…
瑞穂様を生まれた日より見つめつづけてきた楓は、本当に幸せな一日でございました…
…けれど、今。ちょうど瑞穂様の部屋の前を通りかかったとき、
妙なモノを発見してしまったのでございます…
「……よっちゃん、何してるの…?…って、いけない、うっかり昔の呼び方に戻っちゃった…」
「しっ!!…今、いいところなんだから…あ。楓も聞いてみる?」
…いい歳した大人が、息子の部屋の扉に紙コップ充てて盗み聞きなんて…
そう言うところは、本当に変わってないなぁ、よっちゃん……
そうです。私とよっちゃん…旦那様、そして亡くなられたさっちゃん…
もとい、幸穂さまは幼馴染の関係でした。今では、自分の立場をわきまえてはいるのですが…
「ホントに…何時まで経っても変わらないんだから…」
そう苦笑しながら、予備にでも持ってきていたのか、よっちゃんが差し出す紙コップを
扉に充て、中の様子を探ってしまったのでした…瑞穂様、ごめんなさい…
『奏…ほら…こんな……ってるよ…』
『や……みず……いじわるなの……あぁっ!!奥に…………ですよ……!!』
「……まあ、これはこれは…」
「ううむ、瑞穂もいつまでも子供だと思っていたんだが…中々どうして、立派になって…」
「…そういう形で息子の成長を確認するのも、どうかと思うのですが…?」
苦笑を浮かべる私に対して
「まあ、中々瑞穂に会う機会が無いからな…ほんと、任せっきりで申し訳なく思ってたんだよ、
楓ちゃんには、ね」
「…何云ってんのよ。よっちゃんとあたしの中でしょうが…」
…よっちゃんが「楓ちゃん」と呼んだ時は…幼馴染の関係として話してるという事。
そのとき、私は昔に戻れるのです。まだ、よっちゃんの事を好きだった頃に…
そこで、ふと。よっちゃんは紙コップを降ろして、私に真剣な目を向けたのです。
「で…どうだい?「彼女」については…」
503第一話スレ126:05/03/17 03:47:55 ID:MpYN3uF+
おまけ2

「…院長先生が最期まで気にかけてたから…あたしもずっと気にはしてたんだ。
けれど…まさか瑞穂様のお相手になるとは思わなかったなぁ…
でも、これで院長先生も安心してると思うし…
あたしも、あの子がとても幸せそうですごく嬉しいよ。
あたしにとっては、同じ孤児院育ちの、「妹」ですもの」
彼女は覚えては居ないようですが…それ以前にも会った事もありました。
院長先生が入院されていた病院で、すれ違っただけだけれど…
「さて、と。あたしは行くわ。全然大丈夫そうだし、ね…」
「そうか…?…とりあえず、私は親として最後まで見守る責任が…」
「ほどほどに、ね。それでは、失礼致します。旦那様…」
私はそそくさとその場を去り、すぐちかくの曲がり角のところで身を潜めます。すると…
がちゃ。
「……父様……」
…ああ、やっぱり…
室内から、ちょっとした「雰囲気」を感じて退散したけれど、正解だった様子です。
やはり瑞穂様、こちらに気付いてしまったんですね…
「あ、いや、ほら…これは、何だ…ちょっと、散歩に、だな…!!」
「そんなもの(紙コップ)まで持って、問答無用です!!」
「み、瑞穂。落ち着いて話そう!!落ち着いて…どぅわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
こうして、その夜…中年男性の叫びが館の中に響いたのでした…
合掌。

                                    おしまい。
504第一話スレ126:05/03/17 03:50:25 ID:MpYN3uF+
…おかしいなぁ?最初の予定では、エロも入るはずだったのに…( ;´Д`)
何故か、書く段階になって、全然エロ描写が思い浮かばず…
結局、カットしてしまいました…
他の人のエロネタは嬉々として読んでるのに、自分ではかけなくなってしまった…?( ;´Д`)
リハビリしないと…

次回は、かなり弾けたネタ話になるかと…
でもその前に、紫苑様の生誕記念SSも書きたいですねぇ…
どっちにしても、時間が欲しいなぁ…
5055時起き:05/03/17 04:25:02 ID:Zcbi+ncP
さー、仕事だorz

皆様感想ありがとうございます&お疲れさまです。
しかし、寝た後にいつも良作がたくさんでて、
感想書く暇が・・・(涙
来週からは通常の仕事サイクルに戻る筈なんで、
感想も執筆もきちんとできる・・・といいなorz
506209だった人:05/03/17 07:17:54 ID:VcYFQc1K
奏キモ奏オモ最終回、特に好きな話となりました。
妬けるくらい面白かったです。
次回作も期待してます。
507初代スレの45:05/03/17 08:40:41 ID:oYQf44qw
>>126
大作GJでした。奏ちゃんをはじめとするみんなの想いなどが伝わってきて・・・。
そしてやはりパパ・・・w

>>506
奏キモ奏オモ・・・
略称、それでいいの?ねぇ、それでいいの・・・?(瑞穂ちゃん風にw



んで
>>480 で書いたとおり、そろそろあとがきをば・・・

ちょっと暴力表現&非エロということで私にとって初体験SSでした。
普段の私のSSでの扱いからか、夢の中とはいえ貴子さんはっちゃけすぎですw

話の1/4程度で、なおかつ夢の中という状況でしたが、やっぱりこういうのを書くのはちょっと良心が咎めます。
でもあんな状況下でも、まりやは瑞穂ちゃんを庇おうとするかなと思って書いてみました。
由佳里ルートでの発言を参考に。何も考えていないようでちゃんと考えているようでしたのでね。

さらに、夢から醒めた後の、まりやの不安と決意を感じ取っていただければ幸いでした。

そういえば私のSSでの初登場ですね、奏ちゃん&ゆかりん&一子ちゃん。ちょい役でしたが。
マシンガントーク難しい・・・w
508名無しさん@ピンキー:05/03/17 09:23:58 ID:4bKs7rQL
>>488-491
GJ!
まりやパパがダンディ

>>496-503
こっちの親父もダンディと見せかけて結局これかよっw
509269:05/03/17 10:13:55 ID:FItT3oL1
>初代126氏
長編乙でした。楽しく読ませて頂きました。
…やっぱりパパってw

週末から投下出来ない環境に行くので、紫苑様ご生誕記念SS
を今日から投下します。もの凄いフライングですがw
 題名は 「いつかは心も五月晴れ」 です
510269:05/03/17 10:16:03 ID:FItT3oL1
いつかは心も五月晴れ(第1部)


恵泉女学院。明治十九年に創設された由緒ある女学院である。
日本の近代化にあわせ、女性にもふさわしい教養を学ぶ場が必要だ、
という理念に基づいて創設された、いわゆる『お嬢様学校』である。
 学院へと続く並木道。ほんの一月程前までは隆盛を誇っていたソ
メイヨシノも、今では花も散り、瑞々しい青葉を湛えている。
 五月初旬。いわゆる黄金週間を終えたばかりの朝の構内。楽しか
った連休の出来事に思いを馳せ、会話を弾ませる女生徒たち。
そんな彼女達の心を映したかのような、澄み切った青空が上空に
は広がっていた。
 「……久しぶりですわね」
 校門を潜ると自然と口に出る。
 モデルのようなスタイルに流れるような、膝ほどもある黒髪をし
た女性…十条紫苑は感慨深げに、そう呟いた。
 紫苑は昨年の夏から病気療養を余儀なくされ、長期に渡って入院
生活を送って来た。その間およそ十ヶ月。当然、学院の出席日数を
大幅に欠き、今年、もう一度最上級生として通うことになった。
 留年である。
 しかし、紫苑にとってはむしろ有り難いことであった。なにせ昨
年は最上級生らしいことを何一つできなかったのだから…。
 「…お、おはようございます。」
 校舎に向かって歩みを進めていると、下級生が挨拶をしてくる。
 その姿は、ややぎこちない。
 「おはようございます…」
 軽く微笑み挨拶を返しながら、紫苑は気持ちが沈んでいくのを感じ
ていた。
511269:05/03/17 10:16:53 ID:FItT3oL1
『エルダー・シスター』
 この学院においては、最高の栄誉とされる称号である。
 この『エルダー』は、毎年六月に、エルダー選出委員会による推薦
および全生徒による投票の後、有効投票の内の75%を獲得した生徒
が選出される仕組みとなっている。得票数が75%以上の生徒が居な
かった場合、通例として、得票者同士による票の譲り合いが行われる。
 紫苑も昨年、有効投票数の過半数を超える支持を得た後、票を譲ら
れ『エルダー』となった。
 しかし……。
 長期の入院により、実質『エルダー』の地位を空席にしてしまった、
そのことが紫苑の心に重い枷を填めている。
 (まるで……腫れ物…ですわね)
 先程の女生徒が見せたぎこちなさ、あれこそが今、紫苑が置かれて
いる立場を如実に表しているのだろう。それを思うとどんどん良くな
い方向…ネガティブな思考が浮かんでくる。
「……」
 (いけませんわ…久しぶりに登校しているというのに…)
 軽く首を振り、気分を変えようとする。と…、
 「紫苑お姉さま!おはようございます!」
 背後から声が上がる。紫苑が驚いて振り返るとそこには黒いショー
トヘアーの、いかにも元気そうな女生徒がいた。
 (確か……御門…)
 必死に目の前にいる女生徒の名を思い出す。この女生徒とは何度か
逢って話をしたことがある。と云っても挨拶程度のものだったが…。
「おはようございます。…お久しぶりですわね、……まりやさん」
 紫苑は自然と微笑を浮かべていた。つい先程、ぎこちなく挨拶され
たばかりだったので、元気のいい気兼ね無い挨拶が何よりも嬉しかっ
た。
512269:05/03/17 10:18:44 ID:FItT3oL1
 まりやは紫苑と並んで歩き出す。
 「紫苑お姉さま…。その…お体の方はもう……」
 云い難そうにおずおずと紫苑に問い掛ける。
 「ええ…。大丈夫です」
 優しく微笑みながら応える紫苑。
 「…もっとも、激しい運動はできませんが……」
 元々、運動は苦手ですから…と悪戯な微笑を浮かべて続ける。微笑
を向けられたまりやは、まぁ…と口に手を当て大げさに反応する。
 その後二人は互いを見て笑い合った。
「……でも、安心しました。紫苑お姉さまの元気そうなお姿を見れて」
 笑いの収まったまりやがしんみりと呟く。瞳には涙の粒が光っていた。
 「…ありがとう。……ごめんなさいね、ご心配をお掛けしてしまって」
 紫苑は、自分のことをこれほどまでに心配してくれる人がいた、とは
思ってもいなかった。……皆の期待を裏切った自分のことなど誰も気に
していないと思っていた。でも……。
 まりやの暖かい心が紫苑の荒んだ、傷ついた心を癒していく…。
紫苑は深々と頭を下げた。今、紫苑は感謝の気持ちで溢れていた。
 「い、いえ…そんな。頭を上げてください。紫苑お姉さま……」
 紫苑に頭を下げられたまりやが、慌てて手をばたばたと上下させる。
 「あら…?ふふっ、まりやさんを困らせてしまいました」
 頭を上げ、楽しそうな笑顔を浮かべる紫苑。しかし、
 「まりやさん…?」
 唐突に真面目な顔付きで話し出す。
 「…は、はい……!」
 表情の変化に驚いたまりやは背筋を伸ばした気を付けの姿勢を取る。
「私はもうお姉さまではありません。エルダーの任期は過ぎました
し、学年もあなたと同じなのです。…ですから……ね?」
 真面目な顔から一転して、にっこりと微笑みながらウインクをする。
 「…はい。わかりました……紫苑…様」
 「では、行きましょう」
 微笑を浮かべまりやを促すと、二人は歩き出した
513269:05/03/17 10:19:39 ID:FItT3oL1
  コン、コン。
  古びた年代物の木製の扉を叩く。
「…どうぞ」
一瞬の後、中から返事が聞こえた
「失礼致します」
  きぃ、という軋んだ音を立てて、扉は開いた。
 「おや、久しぶりですね……十条さん」
  紫苑が部屋に入ると初老のシスター…学院長が声を掛けて来た。
 「お久しぶりでございます…」
  学院長の座るデスクに歩み寄ると優雅に一礼する紫苑。
 「もう、体のほうは大丈夫なのですか?」
  応接用のソファに座るよう促しながら学院長は問う。
「…はい。日常生活には支障は……」
  応えて、失礼します、と一礼してからソファに腰掛ける紫苑。
「そう…それはなによりですね」
  学院長は目を細めて云う。
 「さて、あなたは3年A組で……ああ、そうそう…梶浦先生」
 云い掛けた学院長は、職員室との境にある扉に向かって声を上げた。
 「失礼します」
 扉を開けて入って来たのは眼鏡を掛けた若い女教師…梶浦緋紗子だ
った。
 「ご無沙汰しております。梶浦先生…」
 紫苑はソファから立ち上がり一礼する。
 「お久しぶりね、十条さん」
 あはっ、と明るく笑う緋紗子。次いで紫苑に座るよう促す。
 「彼女があなたのクラス…3年A組の担任ですよ」
 学院長が穏やかな口調で告げる。
 「うふふっ…宜しくね。十条さん」
 ウインクをしながら軽く頭を下げる緋紗子。
 「いえ…こちらこそ……宜しくお願い致します」
514269:05/03/17 10:20:31 ID:FItT3oL1
「さて、と…学院長の仰った通り、あなたはA組です。担任は私」
 学院長への挨拶を終え、紫苑と緋紗子は教室に向かっていた。他の
クラスでは既に朝のホームルームが始まっているのだろう、廊下に生
徒の姿は無い。紫苑は緋紗子に付いて歩いていた。
 「…梶浦先生」
 紫苑が呟いた瞬間、緋紗子が立ち止まり振り向く。
 「緋紗子」
 「…え?」
 虚を付かれた紫苑は意味を取りかね聞き返す。
 「去年も云ったでしょ。私のことは緋紗子先生と云って」
 軽く頬を膨らませて拗ねたように云う緋紗子。
 「わかりました。緋紗子先生…」
 (そういえば名字で呼ばれるのを嫌っていましたね)
 「うん、宜しい!」
 途端に笑顔になる緋紗子。
 「さぁ、行きましょう」
 連れだって教室に向かう。階段を昇り、教室まではあと僅かといっ
たところで緋紗子が口を開く。
 「十条さん…」
 「はい…」
 「あなたは私が呼ぶまで廊下で待機…いいわね?」
 は?と要領を得ないといった風に曖昧に応える紫苑。
 「ふふっ。実質転校生みたいなものでしょう…?だから…自己紹介
 して頂きますね」
 楽しそうに緋紗子が云う。
 「自己紹介…ですか……」
 なるほど、紫苑自身十ヶ月振りの登校である。感覚的には知らない
者が転入してくるのと大差ない。
 「わかりました……」
 紫苑の返事に緋紗子は満足げに頷いた。
515269:05/03/17 10:21:33 ID:FItT3oL1
 「はーい、ホームルーム始めるわよ。席に着きなさーい」
 教室に着くと、緋紗子は出席簿をパンパンと手で叩きながら、談笑
していた生徒たちに声を掛ける。全員が着席したのを見て口を開く。
 「…今日から病欠していた十条さんが復帰します。……十条さん」
 緋紗子に促され、廊下に待機していた紫苑が教壇に登る。
 ざわざわ……。
 紫苑の姿を見て教室が騒がしくなる。
 紫苑は、そんなことは意に介さず皆を見渡し、一礼をする。
 「はぁ…。」
 あまりに優雅な振る舞いに、そこかしこから感嘆の溜息が漏れる。
 「…十条紫苑です。病に臥せっておりましたが、この度、また恵泉
の生徒として通うこととなりました。どうぞ、宜しくお願い致します」
云って深々と頭を下げる紫苑。
「…素敵ですわ。お姉さま」
「お美しいです、お姉さま」
紫苑の耳にこんな賞賛の声が届いた。
紫苑は頭を上げると再び口を開いた。
「皆さんにお願いがあります」
思いも寄らぬ紫苑の言葉に教室が静まり返る。
「私はもうエルダーではありませんし、皆さんの上級生でもありませ
ん…。私のことを…どうか、お姉さまと呼ばないで下さい……」
悲痛な表情で云う紫苑。昨年、エルダーに選ばれていながら、それら
しいことが出来なかった悔しさ、情けなさがそうさせた。
 「わかりましたわ……紫苑様…」
 栗色のショートヘアーをした女生徒が立ち上がり云った。そして一礼
する。紫苑の言葉に困惑していた他の生徒も彼女に習って了解の旨を告
げる。
 「…ありがとうございます」
 そんなクラスメイトたちに紫苑は再び頭を下げた…。
516269:05/03/17 10:22:34 ID:FItT3oL1
 「…紫苑様」
 昼休み、紫苑がバッグから自前の弁当を取り出そうとしたとき、声
が掛かった。そちらを見ると、自己紹介の際に率先して紫苑の意を汲
んでくれた女生徒が微笑みを浮かべて佇んでいた。
 「…なんでしょう?」
 午前中の休み時間、誰一人として紫苑に話し掛けてくる者は居なか
った。腫れ物に触るようなそんな雰囲気を感じていた。
 「いえ…。宜しかったらお昼ご一緒しませんか……?」
 暖かな笑顔を見せながら云う。
 「え…?」
 思いも寄らない申し出に困惑する紫苑。
 「……いけませんか…?」
 残念そうな表情で聞いてくる。
 「いいえ、私は構いませんが…」
 あなたこそ良いのですか…?と尋ねる紫苑。
 「ふふっ、私からお願いしてるのですよ。良いも悪いもありません
わ……じゃあ、ご一緒させて頂きます」
云うなり近くにいた生徒に声を掛ける。
「圭さん…?手伝って下さい」
…わかった。と云いながら圭と呼ばれた生徒は空いている机を移動
し始める。なんというか、動きに無駄がない。
「…終わったわ」
手早く机を移動し終え、圭が呟く。
「それでは失礼しますね」
云って席に着く二人。
紫苑はその一部始終をただ呆然と眺めていた…。
517269:05/03/17 10:23:31 ID:FItT3oL1
「あ、申し遅れました。私、高根美智子と申します」
 「……小鳥遊圭」
 席に着くと二人が自己紹介を始めた。
紫苑も改めて自己紹介をする。
 「…頂きましょう」
 圭が自分の弁当を取り出しながら云う。
 「そうですね…では」
 云って両手を胸の前で合わせる美智子。
 「…我らがこの糧を頂くことに感謝させ給え…アーメン」
 云って十字を切る美智子。
 「…頂きます」
 「いただきます」
 それぞれの方式で食事を始める。
 「ええ…と。美智子さん…?」
 紫苑が口を開く。
 「はい?なんですか、紫苑様」
 小首を傾げながら返事を返す美智子。
「美智子さんはクリスチャン…なのでしょうか…?」
「え?……ああ」
不思議そうな顔を見せた美智子だが、すぐに笑顔を見せた。
「あれは、癖なんです」
てへっ、と照れ笑いをする美智子。
「くせ…ですか……?」
「そ。この娘は幼稚園からずっと恵泉…だから……ね」
 恵泉女学院は幼稚園から女子大学院まで幅広く教育を行っている。
そして幼稚園から中等部までは給食制度が採られており、その給食の
際、「いただきます」の代わりに神への感謝の言葉を使っているのだ。
 「長い間、お昼を頂くときに云ってきたので、云わないと落ち着か
ないんです」
なるほど、と納得する紫苑。…その後は、紫苑が休んでいた間にあっ
た出来事の話を中心に……それなりに盛り上がった。
518269:05/03/17 10:35:06 ID:FItT3oL1
「あ、お姉さま」
 放課後、掃除を済ませた紫苑が教室を出た時、呼び掛ける声が聞こ
えた。目をやるとそこには
 「貴子…さん」
 現職の生徒会長…厳島貴子の姿があった。
 「……何か?」
 紫苑の口から生まれたものはその場にいる者全てを凍りつかせるほ
どの冷たい、無感情な声であった。
 「……ぁ…」
 貴子も例外にあらず、声を掛けたそのままの姿で固まってしまった。
 「……失礼…」
 紫苑はそんな貴子に一瞥をくれると踵を返しその場を去って行った。
 「……」
 後には、絶望の色に沈み込んだ貴子だけが残された…。
 「…お姉さま……」
 立ち去っていく紫苑を、貴子は呆然と見送ることしか出来なかった。
 (…全ては私が厳島だから……)
 わかっている。あの方に憎まれる理由もその原因も…。
 だが、今の貴子にはどうすることも出来ない。何か方法はあるのか
も知れない。あの方の心からの笑顔を見る方法が……。
 「……く…っ……」
 涙が零れそうになるのを天井を見上げることで、ぐっと堪える。
 拒絶。
 先程の紫苑の態度は絶対的な拒絶を感じさせた。
 厳島の血に対する拒絶。嫌悪…いや憎悪であろうか。
 貴子は、『自分の存在』そのものを拒絶された。そう感じた。
 「……ぅ……ぅぅ…っ」
 泣いていた…。堪えていた涙が堰を切ったように次々と流れ出る。
 でも……。嘆いていても何にもならない。…あの方の力になろう。
 初めてお会いしたあの時、心に誓った…思いのままに……。
 貴子は涙を拭うと毅然とした態度で歩き出した。…誓いを新たに。
519269:05/03/17 10:36:07 ID:FItT3oL1
 空には厚めの雲が掛かり、落ちかかった太陽のその全貌を見ること
が出来ない。雲は落日によって赤く染まり一日の終わりを実感させる。
 屋上。普段生徒は立ち入ることのない空間。…そこに紫苑は居た。
 「……」
 西側の柵に手を掛け、ぼんやりと視線を巡らす。そこには部活動に
励む生徒たちが居た。懸命に走り、跳び、笑い合う姿が……。
 しかし、紫苑の目にはそれらは映ってはいなかった。見えるのは自
分の未来…そして……絶望。それは、どんなに視点を変えても必ず導
き出される答え。破滅への方程式…。
 「あと…十ヵ月」
 それが『十条』紫苑に残された時間。それが過ぎれば……。
 「…いつ…く…しま…」
 先ほどの貴子の顔を思い出す。今にも泣き出しそうな悲しみの顔を。
 「…あの娘は……悪くない」
 分かっているが、抑えられなかった。でも…このままではいけない。
 「…強く…なる……」
 ……自分を殺してでも…それがどんなに辛くても……強く…。
 周りの人に気付かせてはならない。知られれば同情されるだけ…自
分が惨めになるだけだから……。
 とにかく、まずは…。
 「…謝らなければ……」
 冷たくしてしまったあの娘に…。強くなると決めたのだから……。
 紫苑は踵を返し、扉に向かって歩き出す。心を凍らせたまま……。
 閉ざされた心の扉は開くことがあるのだろうか…。

五月の風は生温く、その不快な風が紫苑の黒髪を撫でて行った。


つづく
520269:05/03/17 10:37:27 ID:FItT3oL1
瑞穂ちゃんの怪我からの復活劇を書こうと思ったのですが、
中の人(神村ひなさん)がリアルで怪我をされたことを知り
自粛しました。代わりに紫苑さんの学院復帰後のお話です。
今後、瑞穂ちゃんとの邂逅あたりまでは続ける予定です。
では。
521名無しさん@ピンキー:05/03/17 10:46:49 ID:kRHmO0E0
やっぱりそのくらい辛く当たってたのかな。
貴子さんが不憫で不憫で…・゚・(ノД`)・゚・


5225時起き:05/03/17 10:47:07 ID:Zcbi+ncP
269氏GJです。リアルで見ました(仕事中なのは秘密w)。
紫苑さまの心の内がよく解るお話ですねぇ。
あと、瑞穂ちゃんの中の人、早く回復されるといいですね。
不信心者ですが祈っておきます。
523名無しさん@ピンキー:05/03/17 12:17:25 ID:EiU516pI
さて、そこでこの俺は考える。
果たして紫苑の得票率は如何ほどのものだったのか、とね。

まりやの「それは凄い方だったからさ」発言や、6月に見せたあのカリスマ性、
さらには立ち居振舞いや物腰、無論知性や美貌も考えれば。

過半数どころか、82%超えでも全然不思議は無いっつーか、瑞穂たんより下
ってことは無いだろと思うんだけど・・・ていうか満場一致と言われても納得
するかも。

フフフ・・・・どうなんだ?
524269:05/03/17 12:23:05 ID:FItT3oL1
>523
そこのところは考えましたけど…。
先天性肺奇形なわけですから、体育関係の行事は恐らく欠席してい
たものと思われます。よって、運動系の部活に参加している生徒か
らは絶対的な支持は得られなかったものとして、過半数くらいの得
票とさせて頂きました。完全な私見ですが……。
525名無しさん@ピンキー:05/03/17 12:28:07 ID:6wGdbgeq
>>523はジョジョパロであって批判じゃないから安心しる
526名無しさん@ピンキー:05/03/17 12:49:01 ID:CQwxUjcI
一応、瑞穂タンが史上最多得票率と言われている以上、それを上回ることは
ないのではないかと。
まぁ、譲渡票を含めて、80ギリギリか少し切るくらいじゃないのかなぁ・・・
527402:05/03/17 13:16:59 ID:msh5Io+H
>>508
>まりやパパがダンディ

手を入れているうちに、だんだんパパさんの雰囲気が
かわっていって(^^;
まあ、これは、これで、よかったのでは?
528初代スレの45:05/03/17 13:28:30 ID:oYQf44qw
>>269

相変わらず High Quality で・・・GJです。
瑞穂ちゃんが来る前の紫苑さんって、なかなかイメージがつかなかったもので・・・
なるほど、納得できます。


>>527
なんか私の中ではまりやのご両親って、説得力とかなさそう〜ってイメージなんですよねw

作中で溺愛してて強いこと言えない〜とかありましたしw
なにしろ着せ替え人形にしようとしてたみたいですし・・・

・・・ひょっとしてまりやが瑞穂ちゃんを着せ替え人形にしてたのって、親譲り・・・?



45の中の人は現在高熱でダウン・・・orz
次の投下はしばらくお待ちを・・・グフッ
529402:05/03/17 13:30:10 ID:msh5Io+H
>>523
に対する私見ですが
>>524の269氏
同様に、病気、先天性肺奇形を抱えている状況では、運動系の生徒
からの支持は、得られないかと・・・個人的に支持する生徒は、いたかと
おもうけど・・・
文化系の絶対的な支持+6月でのカリスマ性を考えれば、60%ぐらいかなと
530名無しさん@ピンキー:05/03/17 13:34:38 ID:sWxAe1p3
いずれにしても、単独得票数にせよ譲渡込み得票数にせよ、紫苑さまの得票率は81%以下なのは明らか。
ゲーム中で瑞穂きゅんが最多得票者と云う事が語られている以上は、ね。
寧ろ、第71代エルダー選出の際に、紫苑さま以外の候補が何人居たのか、と云う点が気になる。
まりやの台詞から察するに、紫苑さま以外に候補が居なかったような感有りですが…
531名無しさん@ピンキー:05/03/17 13:44:58 ID:JaSh1aXm
瑞穂ちゃんの過去最高記録ってのは、単独得票に限っての話じゃないの?
「譲与を待たずに75%を超える得票者など、過去には数人しか存在していない」としか言ってないし。
532名無しさん@ピンキー:05/03/17 13:55:48 ID:CQwxUjcI
>>初代スレ126氏
長編乙でありました。うーん、ええ話や・・・。
年甲斐もなく身もだえしてしまいますた。

>>269
ご生誕SSフライング乙です。うっ・・・クオリティの違いを見せつけられた感じです。
俺のなんてダメダメだ・・・やめようなか。もう・・・orz
533523:05/03/17 14:22:14 ID:EiU516pI
>531
あーごめん、漏れが言いたかったのはこうだ。

瑞穂キュンは初回得票率が歴代最多の82%
(つーか、初回得票率が75%を超えたエルダーは過去数人しかいない)

てことは、少なくとも紫苑様は初回得票率は81%以下。

でも実際のところ、紫苑様の初回得票率はどのくらいだったんだろう?
瑞穂キュンと同じかそれ以上のポテンシャルを誇る紫苑様。決して低い値では
ないはず。(漏れ的ポテンシャルでは紫苑様のほうが上)

考えられるとしたら、1年2年と病気がちで結構欠席してた&運動ダメ
あたりで思ったより票が伸びなかったんじゃないかな?と。(524,529説)
瑞穂キュンは勉強・スポーツの両方でアピールしたし。

ついでに。
候補者を立てて投票するシステムじゃないので、対立候補者がいなかっ
たら得票100%になっちまうぞ >530

まあ、チラシ裏なんであんまし気にせんでくれ orz
534402:05/03/17 14:24:14 ID:msh5Io+H
あははは・・・(げふんげふん中に)なにをやっているのかw

>>269
むーーーー。格の違いを見せつけられました。
まあ、紫苑さんも”厳島”の名前を拒絶しているわけで
貴子さんは嫌っていないのではないかと・・・(思いたいのですよ)

>>528

>なんか私の中ではまりやのご両親って、説得力とかなさそう〜ってイメージなんですよねw
そうかもしれませんが、(たぶん)仕事に関しては、シビアじゃないかと

まあ、溺愛している父親でも・・・過去のミス?を(いつまでも)引きずっている娘に一喝ぐらいは
するのではないだろうかと、いう思いつきから書いてみました。
まりや自身、前後を考えないというか、その場さえよければいいというイメージが(私の中で)
ありますから、仕事に関しても、どこかで甘えがあったのではないかと・・・・
まりやの仕事に対する覚悟を決めたところ終わらせてみました。

402の中の人ですが・・・一気に放出したため、ただいま充電中です。
出来れば、紫苑さま、奏ちゃん、由佳里ちゃんのも書いてみたいのですが
掛けるかどうか不明 orz
535269:05/03/17 14:55:40 ID:FItT3oL1
>402氏
あ〜、確かに中途半端な感じになってますね。貴子に対して。

ちょっと短いけど貴子フォローまでの話を投下しますね
536269:05/03/17 14:56:31 ID:FItT3oL1
「ただいま帰りました…」
 紫苑は玄関の扉を潜り云う。別に返事を期待している訳でもないの
で至極小さい声である。
 いつの頃からか、紫苑にとって自宅は居心地の悪い空間となってい
た。今日も今日とて、帰宅するのが憂鬱だったが為に、学院の屋上で
時間を過ごしていた。
 あの後、…結局、貴子と逢うことはなかった。生徒会長である貴子
には生徒会室に赴けば、まず間違いなく逢うことが出来たであろう。
が、紫苑の足は生徒会室に向かうことを拒んだ。
…改めて今度逢ったときに話そう……それが紫苑の結論だった。
 「……おかえり」
 無機質な声が掛かる。…紫苑の母親の発したものだ。
 「…夕食はいつもの通りよ」
 一方的に告げると私室に入ってしまう母親。ここ数年に渡って、紫
苑と母親の間では事務的な会話のみが行われてきた。…そして、これ
からも……きっと…。
 「…いただきます」
 独りで食べる夕食。味など全くと云っていいほど感じない。ただ口
に運び咀嚼する。機械的にそれらをこなし、食事を終える。
 「…ごちそうさまでした」
 食器を洗い、紫苑は自室に入る。制服から部屋着に着替え、その日
の授業の復習をする。静寂に包まれた部屋で淡々と……。
 一通り復習を終えると立ち上がり、着替えを携え風呂に入る。身体
を洗い、髪も洗う。そして湯船に浸かり軽く息を吐く。
 「……ふぅ」
 この瞬間だけが紫苑にとって、唯一の安らぎの時間であった…
537269:05/03/17 14:57:06 ID:FItT3oL1
「おはようございます。紫苑様」
 紫苑が教室に入ると、美智子が微笑みながら挨拶をする。
 「おはようございます…美智子さん…」
 紫苑も微笑みながら挨拶を返す。たったこれだけのことかもしれな
い。だが、紫苑にとっては、自分が学院に戻ってきたことを実感させ
るに充分なことであった。
 「あら…?」
 ふと気付いた紫苑が呟く。
 「?…どうかなさいまして……?」
 美智子が不思議そうに問い掛ける。
 「あ、いえ…圭さんは…」
 どうされたのかと思いまして、と続ける紫苑。
 「圭さん…ですか?もうすぐ来るのではないかしら…」
 悪戯っぽく笑って云う美智子。
 「…呼んだかしら」
 「ひ…っ…?!」
 突然背後から上がった声に驚いた紫苑が声を上げる。…表情は驚い
た風ではないが…。
 「あ、おはようございます。圭さん」
 「おはよう…美智子。…紫苑様も」
 無表情に挨拶をする圭。
 「お、おはようございます。…圭さん……」
 まだ動揺しているのか、ぎこちなく挨拶をする紫苑。
 「………ふ」
 圭は、口に端だけを上げて笑うと自分の席に着く。
 「なんで…背後から……?」
 そんな圭を見やり呟く紫苑。
 「さぁ?…趣味、なのではないかしら…?」
 「しゅ…み…」
 圭という人物が良くわからなくなってきた紫苑であった……。
 が、何気ない一連のやりとりがとても楽しく感じられた。
538269:05/03/17 14:57:42 ID:FItT3oL1
 「……お…おね…ぇ……さま…」
 紫苑が、昼休み…たまには学食にでも行こうか、と廊下に出たとこ
ろ消え入りそうな声で貴子が声を掛けて来た。
 視線を向けると途端にびくっと身体を微かに振るわせる貴子の姿が
あった。
 「…貴子さん……」
 昨日、自分が貴子に取った行動を思い出す。
 「お時間あるかしら…少しお話があるのです……」
 極力優しい口調を心掛けて話し掛ける。
 「は、はい…」
 緊張した面持ちで応える貴子。
 「…では、まいりましょう」
 紫苑は貴子を伴って屋上へと向かった。

 明るい初夏の日差しが屋上のコンクリートに照り返っている。風は
なく、動かずにじっとしているだけでも薄っすらと汗ばむ陽気だ。
 貴子を連れた紫苑は、屋上に着くと貴子に向き直り深々と頭を下げ
た。
 「昨日はあんな態度を取ってしまって……。不快な思いをさせてし
まったことと思います。…ごめんなさい」
 「いえ…そんな?!」
 謝ろうと思って声を掛けたのに逆に謝られてしまった貴子はどうす
れば良いのかわからずに、ただうろたえてしまう。
 「…少々…人から離れすぎてようです。自分のことしか考えられな
くなってしまって……。…本当にごめんなさい……」
「そんな!お姉さまは何も悪くなんかありません…っ」
再度謝罪を受けた貴子が声を上擦らせながら云う。
「…貴子…さん…?」
顔を上げて貴子を見詰める紫苑。
「悪いのは……悪いのは………ぅ…っ……」
言葉を詰まらせ嗚咽を漏らす貴子。
539269:05/03/17 14:58:47 ID:FItT3oL1
(…悪いのは自分だと……?)
責を全て背負い込んで自らも傷付いている…そんな貴子を見ると…
ぎゅ。
「え?…」
 全てを包み込んでしまいたい衝動に駆られた紫苑は、気が付くと貴子
の身体を抱きしめていた。
 「…お姉さま」
 貴子も抗うことなく紫苑の胸に顔を埋める。
 抱きしめた貴子の身体は華奢で、力を込めたら折れてしまうのではな
いかと思わせるものだった。
 「…貴女は気にしないでいいのです……」
 しっかと貴子を抱きしめたまま、耳元で囁く。
 「お姉さま……でも…」
 視線のみを上げ上目遣いに紫苑を伺う貴子。
 「私も了解してしまったことです。もう、どうすることもできません。
 それよりも…」
 優しく微笑み語り掛ける。
 「それより…も…?」
 「折角、学院に来れるようになったのですから…楽しい学院生活を送
りたいものですわ…ふふっ」
「お姉さま…」
未来は無い…だから今を楽しみたい。紫苑の考えを貴子は理解した。
……でも、それでは…。あまりにも…。
 「あ、貴子さん?」
 「え?あ、はい」
 考えの泉に沈み出していた貴子は、紫苑の声で引き上げられた。
 「私はもうお姉さまではありません……いいですわね?」
 「わかりました…紫苑…様」
 罪が消えるわけではないが、刑には執行猶予が与えられた。貴子は
そう感じた。まだ…紫苑の心底にある闇は晴れていない……。
 上空には雲ひとつ無い青空が広がっていた…。
540269:05/03/17 15:02:49 ID:FItT3oL1
つづく

入り切らなかったw
えっと、今回のが第2部ということで

と、まぁこんな感じで続いていきます。貴子さん自身は嫌われてませんよ。当然。
541名無しさん@ピンキー:05/03/17 17:28:58 ID:k/7mrtJl
紫苑×貴子支援の作家陣が豪華すぎる件

誰か、誰かまりや×由佳里にもっと愛を下さいorz
542名無しさん@ピンキー:05/03/17 17:34:22 ID:EiU516pI
このスレ的愛の深さ

紫苑・ツンデレ・瑞穂>まりや・奏>一子>(超えられない壁)>由香里>(次元の壁)>先生
543前スレ550改め初代スレ550:05/03/17 17:39:09 ID:9BQ8obxO
>>542
正直、由佳里、動かしづらいです・・・
壊しやすいのが貴子、暴れさせやすいのまりや、苛めやすいの瑞穂
544402:05/03/17 17:52:07 ID:msh5Io+H
>>541
まあ、**中のようだけど(いいのか?)

由佳里は、動かしにくいです(私が未熟?) orz
まりやも、今回書いてみましたけど・・・
やはり、貴子x瑞穂か 紫苑x瑞穂が・・
ある程度材料を与えれば、動き出してくれますから

>>542
>紫苑・ツンデレ・瑞穂>まりや・奏>一子>(超えられない壁)>由香里>(次元の壁)>先生
個人的に同意・・・・(したいな)w
545名無しさん@ピンキー:05/03/17 18:08:59 ID:CQwxUjcI
>>542
そりゃいくらなんでもあんまりだ。せめて・・・

紫苑・ツンデレ・瑞穂>まりや・奏>一子>(>×10の10乗)>由香里>(次元の壁)>先生

くらいにしとけよ(謎)
546初代スレの45:05/03/17 18:11:12 ID:oYQf44qw
ゆかりんは・・・特徴なさすぎて・・・
暴れるにしても壊れるにしてもちょっと弱いんですよね〜orz

あと絡められるキャラが少ないのが難点・・・
基本的にメインキャラはどのキャラ相手でも絡められるのに、
ゆかりん(と一子ちゃん)は貴子さん&紫苑さんと絡めにくい・・・

>>541
豪華な作者ではなくて申し訳ないですが、
本格的に私のSSに登場させたいんですけどね〜・・・役どころが・・・きまらないっす・・・

>>542
このスレ的愛の深さ=人気投票の順・・・?

・・・そういえば・・・未だ私のSSでは紫苑さん出てない・・・orz
愛はともかくとして、まりやと瑞穂が一番動かしやすいですね、俺は


由佳里か……及ばずながらネタ考えてみます。
途中になってる連中を書き終えた後になりますが。
由佳里好きの人からの具体的なリクがあると凄く助かるかもw
548名無しさん@ピンキー:05/03/17 18:34:49 ID:Eb4Ebcdf
OK、まとめスレ読んだぜ。



他のキャラは結構飛ばし飛ばしだったのに
瑞穂様のエロは飛ばさず読んじまった・・・・・・・・

お姉さまおそるべし・・・・・・・
549名無しさん@ピンキー:05/03/17 18:43:06 ID:Eb4Ebcdf
のあ、sage忘れた上にまとめスレじゃなくてサイトじゃねえか・・・・・orz
550名無しさん@ピンキー:05/03/17 18:50:49 ID:4VDd5Tkg
由佳里はまりや絡みの百合しか思い浮かばない・・・
瑞穂×まりやで由佳里を巻き込むか
551名無しさん@ピンキー:05/03/17 19:39:02 ID:OjPTBD5S
>>422
激しく亀レスだが蝶GJ!
俺はこのスレにこんな話を求めていたんだ
552名無しさん@ピンキー:05/03/17 21:38:38 ID:pxEW+5qI
紫苑さまの話が書き終われば、ゆかり×奏あたりにチャレンジしてみるか……
需要があるかはしらんが…
553名無しさん@ピンキー:05/03/17 21:57:41 ID:EjoRvVJi
じゃ、ワシは一子ちゃんを予約。連休明けくらいにはあぷできるかな。

>>521
自分でも書いて思ったんだけど、紫苑さんは貴子くらいしか
矛先を向けることが出来る人がいないんですよね。
自分の両親に恨み言はいえないし、嫁ぎ先である厳島の貴子父や貴子兄にも
何も言うことは出来ないと思うのですよ。

そうなると、自然と矛先は貴子に向かってしまう……と。
かなりきつい態度をとっていたとしても不思議ではないと思います。
554553:05/03/17 22:02:31 ID:EjoRvVJi
あ、書き忘れた。269さんGJです。
555名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:03:58 ID:sf4JWHhT
悪名高いKAGAMI氏がおとぼく+闇の声の鬼畜SSを作り始めたぞ・・・

瑞穂キュンが・・・(つд`)
556名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:07:11 ID:Mm4ck7+0
>>555
そこの人は見てみたが凄いと思った
だが、ほのぼのとしたおとぼくの鬼畜SSは期待したい

歪んでるなぁ
557名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:08:33 ID:tlvTY2KL
>>551のカキコを読んで、勇気を出して422を見に行ってみた。
俺は瑞穂とならヤレると確信した。
ところで209は初代スレでエロ苦手とか言ってた気がするんだが記憶違いだという事にした。


ちなみにAnother pair 二話は没版の方が好きです。
完成させて投下してくれ。
558名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:28:47 ID:hm69JtEX
くっ…おああ…駄目だ、書きたい気はMAXなのに話が思いつかない。
駄目だ、妄想ゲージが上がらん。orz
559名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:31:45 ID:JXcsk7Af
俺なんか振り切れすぎて形にならないぜ!
・・・ダメポ、落ち着け俺orz
560名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:34:14 ID:hm69JtEX
ふぅむ…私が291書いた時のIDは3Pで今のIDが69……
これはエロパロらしくいこうぜという事なのだろうか

……いや、落ち着け私。ちゃんと構想しよう。orz
561第一話スレ126:05/03/17 23:33:17 ID:XSBEEB7b
感想を下さった皆様方、ありがとうございました…( ;´Д`)

もうすぐ紫苑様生誕日…なので、記念モノを書こうとしているのですが、どうにもまとまらず…
あと、明日でついに壁紙発表ですねぇ…そっち見たら、勢いで一本書いちゃいそうな気が(笑)

>>269
GJでした!!
いやぁ…第一部のラストではらはらしてましたが…(笑)
いやいやけれど、第二部もラストの紫苑様の「闇」が気になって…( ;´Д`)
続き楽しみにしてます!!
562180:05/03/18 00:27:27 ID:XV/yCPi/
 各作者さん乙です。良作揃いで楽しませて頂いております。
 紫苑様デーには私も何か上げたいと考え中。180=紫穂シリーズみたいなので、そちらと本編登場キャラ限定で2作書けたらと。
とはいえ、実は結構というか相当遅筆なんですよね。
 後連絡事項です。図書委員様、「ある日の鏑木家 その2」ですが、私が書いてるのは180と名前が入ってる分だけですので、
他の分は別作者として表記して頂ければ。話自体はひとつの方が読みやすいので現状のままでよいかと思いますけどね。
563前スレ550改め初代スレ550:05/03/18 00:29:49 ID:4lehhGq7
貴子ED。貴子視点。過去の「海に行こう!」シリーズ必読。
ヒロイン全員出てきて、もう、どうするんだ漏れ!見たいな感じで続く「海に行こう!」シリーズ。ようやく、水着シーン
当然、過去の話を読んでなきゃ、判りません。

やっと泳ぐぞ!編
元寮組にとっては懐かしい、それ以外の二人にとっては始めてお会いした一子さんを交えたおしゃべりは、昨夜の深夜遅くまで続いた。
しかし、去年のお盆にあちら(?)を出て、お空で寝ている間に流されて瀬戸内海上空で目覚めたのが、1年後の8月頭って・・・非常識にもほどがありますわ。
時間は8時を回ったばかりだと言うのに、海岸沿いの窓から差し込む日差しはすでに猛暑を予感させる、まあ、今日は泳ぐ予定なのでちょうどいいですけど。
遅く寝たのに目覚める時間はいつもと一緒と言う、規則正しい生活が染み付いている自分が憎いですわね・・・ねむぅ・・・
「おはようございます、貴子さん」
眠い目を擦りながらリビングに入ると、昨日と同じように恵泉女学院の夏服を着た一子さんに出迎えられた。って、着替えをする幽霊って言うのも変ですが・・・
「おはようございます、一子さん」
さわやかな朝日が降り注ぐリビングに、ふわふわと浮いている幽霊と言う図は凄くシュールね・・・そういう状況に一晩でなれてしまった自分も凄いと思うけど・・・
「皆さんはまだ起きていらっしゃらないのかしら?」
「奏ちゃんはキッチンで朝食の準備。由佳里さんは朝のランニングに行ってますよ。ほかの方は・・・まだ、寝てらっしゃるみたいですね」
浮いたままあごに指先を当てて、少し考えるような仕草をしてから一子さんが教えてくれた。
奏さんが朝食の用意をしてるのなら、私も手伝った方がいいですわね。
顔を洗ったあと寝室に戻ると、まだ、瑞穂さんは心地よさそうな寝息を立ててい寝ていた。
まりやさんが瑞穂さんと同室にしてくれたのですが・・・気を利かせた、と言うよりも、からかうネタにする為としか思えない。
『瑞穂ちゃんは運転で疲れてるんだから、求めちゃだめよぉん♪』
ご丁寧に大声で・・・思い出しただけで顔が熱くってくる。恵泉出身なんですから、淑女らしい恥じらいを持ってもらいたいものですわ。
(1/7)
564前スレ550改め初代スレ550:05/03/18 00:31:15 ID:4lehhGq7
はぁ・・・恥ずかしい事を思い出してしまった。軽く頭を振ってそれを追い出すと、着ていたピンク色の寝巻きを脱いで、麻の白いシャツとジーパンに着替えた。どうせ、泳ぐ時に脱ぐのだから、簡単な服でいいでしょう。

「おはようございます、由佳里さん、奏さん、手伝いますわ」
食堂に戻ると薄手のトレーニングウェアを着た由佳里さんが佳菜さんと一緒に朝食をテーブルに並べていた。
「おはようございます、貴子お姉さま」
「おはようございますなのですよ、貴子お姉さま。それでは、お湯のみを持ってきて欲しいのですよ」
味噌汁の良い香が充満するキッチンに入ると・・・
「あら・・・?」
冷蔵庫の前に立派なスイカが一つ無造作に置かれていた。
「冷蔵庫の前のスイカ、冷やしておいて、3時に切りましょうか?」
少し行儀がよくはないけど、キッチンの中から大きな声で、外にいる二人に声をかけた。
「あっ、でしたら、中をくりぬいてフルーツポンチを入れて食べましょう」
その声に、お菓子作りが好きな由佳里さんが答えた。
スイカを器にフルーツポンチ・・・美味しそうですわね。と考えながら、冷蔵庫を開ける。
「・・・流石に・・・6人の一週間分は凄い量ですわね・・・」
少し引いてしまいそうな量の食材はどう整理しようと、スイカを丸ごと入れるスペースは確保できそうにない、が、何とか半分に切って収める事が出来た。器にするのなら、半分に切っても大丈夫・・・と。
スイカの汁で汚れた手をふきんで拭き、急須と湯飲みを6個確保して、食堂に戻ると、
「おはようございます・・・」
白いダボッとしたパジャマ、少し眠そうに目をしょぼつかせて、一房の髪が少しだけ跳ねていると言う破壊力の高い姿で、紫苑さまがそこに入ってきた。
『かっ・・・可愛い・・・』
3人の視線が紫苑さまに集中し、手が止まる。
「どうかなさいましたか?」
寝起きの目を擦りながら、手を止めた3人の顔を順番に見ていく。少し潤んだ目で小首を傾げる・・・その破壊力は反則です、紫苑さま。
「いっえ!何でもありませんわっ!」
「はい、なんでもないのですよ」
「何でもありません!」
あわてて、朝食の用意を再開する、3人。
「そうですか・・・」
と、ふらふらと洗面所のほうへと歩いていく・・・その姿をボーゼンと見送る3人・・・
(2/7)
565前スレ550改め初代スレ550:05/03/18 00:32:44 ID:4lehhGq7
「おはよう〜・・・どったの?みんな」
まりやさんのその声が耳に届くのに少しだけ時間が掛かった。

「瑞穂ちゃん起きてないけど、ご飯食べちゃおうよ。疲れてるみたいだし」
それから5分ほどして、女性全員が食堂にそろうと、まりやさんがそう提案した。
瑞穂さんは疲れてるんだし、時間はたっぷりあるんだし、ご飯は暖めればいいんだし、と言うことでその提案は満場一致で可決され、朝食は女性陣だけで先に取った。
さてと、それでは早速着替えて泳ぎましょうか・・・

ジャッ!厚めのカーテンが引かれ、一応、外からの目隠しにされたリビングで、着替えを始める。
「あぁん、私も水着に着替えたいです」
制服を脱ぐ事は出来ても代えの水着がない一子さんが、着替え終わったメンバーの水着をまじまじと見ていく。
24年前の水着と今の水着とでは、多少違うのかしら?
「全然違いますよ!特にこの辺」
そう言って、私が手に持っていた水着の太ももの付け根辺りを指差す。あぁ、ハイレグって昔はなかったのですね。
髪をヘアゴムで止めながら、周りのメンバーの水着を見渡す。
私の水着はエメラルドグリーンのハイレグワンピース。
紫苑さまはブラックのワンピース、形は私のと似ています。
まりやさんは少し小さめの赤いビキニの上から、白いTシャツを着て胸の下で縛っている。ちょっと大胆ですわね。
由佳里さんは下がトランクスタイプになっているボーイッシュな蒼いビキニ。
で・・・奏さん・・・
「奏ちゃん・・・スクール水着で海水浴は止めようよ・・・小学生じゃないんだから」
まりやさんが疲れ果てた顔で私の気持ちを代弁してくれた。
しかし、紫苑さまにはヒットだったらしく、何度も可愛い可愛いといって奏さんを抱きしめていた。
なお、奏さんは、周りの説得に応じて、前にまりやさんのお母様が買って、置きっぱなしだったフリル付きのピンク色のワンピースに着替えた。
「まりやお姉さま、胸が余るのですよ〜」
奏さんは大層凹んで、パットを2つ重ねて入れていた。

(3/7)
566前スレ550改め初代スレ550:05/03/18 00:33:34 ID:4lehhGq7
砂浜の砂は十分に夏の日差しを吸収して、ほんの30メートル先の波打ち際に行くだけでもビーチサンダルが必要なほど。
まりやさんの説明によると、遠浅の海岸で、50メートルほど先に浮いてるブイのあたりまでは何とか足が立つそうだ。
かなりの広さのある海岸を6−7人で占領してしまうのは少し贅沢なような気がする。
「フェリー乗り場のそばに大きな海水浴場もあるし、ここに来るにはあの細い道をくねくねと来なきゃいけないから、開放したって客なんて来ないわよ」
まりやさんが屈伸運動をしながら、笑いながら言った。まあ、確かに不便な土地だとは思いますけど・・・
「お姉さま、競争しませんか?」
少し離れた水際で由佳里さんが手を振っている。
「貴子もやる?」
「体力の有り余ってる現役陸上部部長と元部長に張り合う体力はありませんわよ」
「そうよねぇ〜運動と言えばベッドでしかしてないお方には無理な相談でしたかね♪」
「誰がですかっ!?」
「じゃぁ、やるわよね?」
「当たり前です!」
しまった、乗せられた!と思った時にはときすでに遅く、私は勝ち目のない勝負をさせられる羽目になった。
うまくまりやさんに乗せられ、ブイまで3往復してしまった。疲れた・・・準備体操もそこそこにいきなりの100メートル3本はきつい。
「何?貴子、3連敗で納得しちゃうわけ?」
「貴子お姉さまって、案外、体力がないんですね」
だから、陸上部で鍛えられてるお二人を基準に考えないでくださいって・・・それとも、先輩後輩で私を苛めて楽しんでるんですか?(←被害妄想)
「もう・・・私の負けでいいですから・・・」
一方的に敗北宣言をした後、ぺたんと暑い波打ち際の砂の上に座り込み、青い海と空の境に視線を向ける。
内海の波は見慣れた太平洋の波に比べれば、ないといって良いほど穏やかで、足の下に流れ込み砂をさらっていく。
少し離れた所でまりやさんを中心に奏さんと由佳里さんと一子さんが走り回っている。本当に体力が有り余っているみたい・・・
少しボゥとしてしまった私の頬に冷たいものが押し付けられる。
「うひゃっ!?」
「うふふ、驚かせましたか?貴子さん」
(4/7)
567前スレ550改め初代スレ550:05/03/18 00:34:10 ID:4lehhGq7
手にジュースを2本持った紫苑さまが私の顔を見下ろしている。その一本が私の頬に押し付けられている。
そのジュースを受け取り、ふたを開けると、パシュッと言う気持ち良い炭酸の音がした。
「何を考えてたんですか?」
紫苑さまはクスクスと楽しそうに笑いながら、隣に座って同じようにコーラのプルタブを開けて、喉に流し込む。
「こういう輪の中に私が入っているのが、少し不思議で・・・」
「そうですか?」
「恵泉に居たときには想像もつきませんでしたわ」
「でしたら、きっと瑞穂さんのおかげなのでしょうね」
顔がかぁと赤くなるのが自分でもわかってしまい、私はただ「はい」とだけ答えて、そのまま俯いて黙り込んでしまった。
静かな波が寄せては引き、引いては寄せてくる。それが何度続いたかも数えられないようになった時・・・
「来年も再来年もその先も、こうやって集まれるといいですわね」
「一子さんはどうかと思いますけど」
紫苑さまの声に、ようやく赤みが引いた顔を上げて答えた。
「クス、そうですわね。毎年、お盆前に帰省では困り物ですわ」
「貴子〜紫苑さま〜、スイカ割しましょう!!」
向こうの方でまりやさんがバットを振り回して、大声を出している。
「行きましょうか?」
「はい」
悪友でも何でも、こうやって呼んでくれる方がいると言うのは、多分幸せな事なのだろう。
(5/7)
568前スレ550改め初代スレ550:05/03/18 00:35:20 ID:4lehhGq7

なんて思った私が馬鹿だった。
「由佳里、冷蔵庫の前にスイカがおいてるから、持ってきてくれる?やっぱり、夏の海はスイカ割よねぇ」
「えっ・・・?」
由佳里さんが固まった。もちろん、由佳里さんは私がそのスイカを真っ二つに切って冷蔵庫に入れちゃってることを知っているし、その上、朝食の準備の合間にフルーツポンチの下ごしらえも(と言っても切った缶詰の果物を冷蔵庫に入れただけですが・・・)してしまっている。
「えっ、って何よ?スイカ割するんだから、スイカがいるでしょう?」
バットを振り回さないで・・・お願いだから。これ言うの・・・やっぱり、私の役目なんでしょうね?
「それ・・・切っちゃいましたわよ」
「えっ・・・?」
私の言葉に今度はまりやさんが固まる。
事情をよく知らない一子さんと紫苑さんが顔を見合わせ、ぽんと納得したように手を叩きあって、噴出しそうになるのをこらえているのが見える。他人事だとおもってぇ・・・
「じゃぁ、仕方ないわね・・・」
仕方ないと思ってらっしゃるのでしたら、バットは片付けてくださいますか?
「仕方ないから、貴子割りでもしましょうか?」
「逆光でそういわれると、冗談に聞こえませんわよ?まりやさん」
「いや、冗談じゃないし」
バットを抱えてにじり寄ってくるまりやさん、少しずつ後ろに下がる私・・・そんな二人を見捨てて・・・
「さて、奏ちゃん、お昼の用意でもしようか?」
「はいなのですよ」
「やはり・・・現在でも夏の海というと粉っぽいカレーに伸びたラーメンがメインなのでしょうか?」
「具のない焼きそばとたこの入ってないたこ焼きを忘れてはいけませんわ」
と、残りの4人は海の家の定番メニュー論議をしながら、別荘に帰ってしまった。
奏さんと由佳里さんは同罪でしょう!!

その頃、忘れ去れている一応主役の瑞穂さん。
「いくら・・・いくら運転しても着かないよぉ・・・」
と、うなされていました。

(あっ・・・6で終わっちゃった・・・駄目だ、全然、目測が合わん
おしまいです)
569前スレ550改め初代スレ550:05/03/18 00:36:28 ID:4lehhGq7
アー疲れた・・・6人は無理だって、動かせないって、気が付いたら、何もしゃべってない奴が出そうになるって
何考えて、全部出そうなんて思ったんだろう?俺
570180:05/03/18 00:42:07 ID:XV/yCPi/
初代スレ550さん
 乙です。大分進んできましたね。確かに大人数出すのは大変でしょうね。
実は山陽道の岡山付近は走ったことがあるので、この辺りを瑞穂達がと想像して楽しませて貰ったりしてました。
続き期待しております。
571第一話スレ126:05/03/18 00:48:23 ID:r5XecSB0
>>初代スレ550氏
いやいや、それでもこうしてフル稼働させてるだけ素晴らしいっす。
俺はどうも一子のマシンガンが巧く思い浮かばなくて出せないでいて…orz
乙でした、続きも楽しみにしてます〜
572名無しさん@ピンキー:05/03/18 00:54:10 ID:oETbNFno
最近オトボク買ったんだけど、今、一話スレから楽しく読ませて頂いています。
とりあえず、SS職人さんにお礼が言いたかったので・・・では|*゚ー゚)ノ ショクニンサン ガンバ!

573名無しさん@ピンキー:05/03/18 00:54:58 ID:oETbNFno
スマン ageちゃった・・・(*¨)(*・・)(¨*)(・・*)
574初代スレの45:05/03/18 00:58:44 ID:aAJgrt1g
>>初代スレ550氏
いやあ、このコミカル調、癒されます・・・GJ!
瑞穂ちゃ〜ん、寝てる場合じゃないぞ、貴子さんぴんちだぞ〜w
次も楽しみです。

こんな大人数動かせるのもすごいですね。
私なんて3人でも、いつのまにか一人いなくなってたりしますし(ぉ
575名無しさん@ピンキー:05/03/18 01:22:51 ID:5b69CXzV
>>569
貴子の「あつぅ」と瑞穂の「いくら・・・いくら運転しても着かないよぉ・・・」に笑わせてもらいました
GJ!
576273:05/03/18 01:26:30 ID:WITXCPzL
>>569
今回は瑞穂ちゃん抜きとはいえ、矢張りこの人数…よく動かせると感心です。
オチの寝言にも笑わせていただきました。


……さて、書き上げて見たはいいが、最後までタイトルを思い浮かばなかったので、結局無題のまま投稿とさせていただきます。
まりやエンド、卒業式の数ヵ月後の夏、という設定です。
577273:05/03/18 01:28:12 ID:WITXCPzL
(1/5)

 梅雨も明け、そろそろ夏休みも迫ろうという、7月の或る日。
 ……まりやが日本を旅立って、もう4ヶ月になる。
 彼女は相変わらず元気にしているだろうか。
 そんな事を考えながら、僕は放課後のキャンバスを歩いていた。
「……お姉さま!?」
 ……聞き覚えのある声。
 振向いたその先に……貴子さんがいた。
「貴子……さん」
 思いがけない相手に、不覚にも驚いてしまった。
「お姉さま……その、お姿は」
 貴子さんの視線は僕の胸元に注がれている。
 僕の今の格好は、綿のシャツとジーンズにスニーカー……無論、女装せずに通っているので、パットを仕込んだりはしていない。
 僕以上に貴子さんは呆然としているようだ。……まあ、無理もない。
「取り敢えず、こんな所で立ち話もなんですから……場所を変えましょう」
 僕は貴子さんを連れ、大学を出る事にした。
578273:05/03/18 01:30:06 ID:WITXCPzL
(2/5)

「……つまり、お姉さま……瑞穂さんは、男の方だった、と……」
「ええ、そうです。……1年以上の長きに亘って、素性を偽っていた事、心からお詫びします。申し訳ありませんでした」
 大学近くの喫茶店。落ち着いた雰囲気で、よく使っている。
 僕は恵泉に転入する事になった経緯を貴子さんに話し、頭を下げた。
「お顔をお上げ下さいな。確かに男性だとは思いもよりませんでしたが、無事に卒業までしてしまいましたし、何より遺言では致し方ありませんし……今更咎め立て致しませんわ」
「……そう云って頂けると、僕も助かります」
「それにしても……」
 急に貴子さんはくすくす、と笑い出した。
「『僕』だなんて……違和感と新鮮味がありますわね」
「そう、でしょうか……僕は本来、こっちが素なんですけどね」
 楽しそうに笑う貴子さんに、僕は苦笑して、アイスコーヒーを一口飲む。
「それにしても、よく恵泉女学院も、男子の転入をお認めになったものですわね」
 アイスティのグラスを手に、ふと、貴子さんが不思議そうに小首を傾げた。
「ええ、それは……貴子さんに云ってしまって、いいのかどうか判りませんが……僕が『鏑木瑞穂』だからです。恵泉女学院は、鏑木で運営されていますから……」
「鏑木……! でも、なるほど、それなら確かに話は判りますわ」
 貴子さんは矢張り驚いたようだったが、すぐに納得したようだ。
「ですから、僕の家と貴子さんのお宅は、本来敵対している事になりますね……」
「……とは云っても、私は厳島の家を嫌っておりますけれどもね」
 ふふっ、と微笑んでアイスティを一口。
 そして、改まったように僕に向き直る。
「……そうだ。瑞穂さん、口止め代わり、と云っては何ですけれども……一つ、協力して欲しい事があるんです」
579402:05/03/18 01:30:16 ID:pQHMaxP2
 ある日の鏑木家アナザー

 くつろいでいる、瑞穂と紫苑の元に楓がやってきて一冊の案内をさしだした。
「先日。紫穂さまに御願いされたものです。」
恵泉女学院の学校案内の中に、挟まれていた入園手続きの書類を手にした瑞穂は
「えーーと?つまり、恵泉の幼等部に通いたいという、解釈でいいのかな?」
「ええ、その解釈でよろしいかと存じます。貴子さまのお話の後、私に御願いされましたから」
瑞穂は案内をテーブルに置くと、深いため息を吐いて、紫苑の顔を見た。
「まあ、かわいいじゃないですか・・・あ・な・た?」
「まあ、恵泉に入れば、特に酷い成績で無い限り、高等部までは進学できるが・・・・10年近く
女子校通いというのも、どうかな?」
「あら?本人が通いたいと言っているのですよ。ねえ楓さん」
瑞穂の反対意見に、紫苑は楓を巻き込んで通わせようとする
「そうですね。紫穂さまは、”少々”活発なところがございますから、”将来”些かお困りになる
事が起きても不思議ではありませんが?」
「そうね。やはり、鏑木の娘として、”今は”いいのですが、”将来”困る事になるかもしれませんね。」
瑞穂は、二人がかりの攻撃に
「はい。はい。紫穂が、通いたいのなら、恵泉への手続きをしてくれないか?楓さん」
「はい。確かに承りました。」
楓が出て行くと、瑞穂は、紫苑に
「わがままな紫苑には、お仕置きをしないといけないな」
「そうですね。次は、男の子が欲しいですわね」
「紫穂は、いづれ、お嫁に出す事になるかもしれませんものね。」
そういうと、瑞穂を誘って寝室の扉をあけた。
580273:05/03/18 01:32:03 ID:WITXCPzL
(3/5)

「協力、ですか?」
 意外な言葉に、僕は思わず問い返した。
「はい。……十条紫苑さまを、お救いしたいのです」
「紫苑さんを?」
 頷くと、貴子さんは紫苑さんの境遇を教えてくれた。
 紫苑さんが、貴子さんの兄と婚約している事。
 それも、十条侯爵家の家柄を欲した、厳島家による政略結婚――。
 貴子さんの兄の漁色振りは、僕の耳にも伝わっていた。だが、まさか紫苑さんと婚約関係があったなどとは……。
「女にとって、望まない結婚ほど恐ろしいことはありません……それが、夢見がちな人であれば、なおさら……それでも、あの人が逃げ出したりしないのは、自分が犠牲になれば両親は救われると……そう思っているのでしょうね」
「そんな莫迦な話が……」
 僕は額に片手をあて、頭を振る。
「ええ、本当に莫迦な話ですわ……ですから、紫苑さまと十条家をお救いしたいのです。私一人では出来るかどうか判りませんでしたが……瑞穂さんなら」
「鏑木家の力を借りれば、と云う事、ですね?」
「はい。お願い出来ませんか」
「……下手をすれば、鏑木と厳島の全面戦争にもなりかねません」
「覚悟の上ですわ」
 即答。そして、僕の目をじっ、と見つめてくる。
「……わかりました。元より、紫苑さんにも貴子さんにも、恵泉で一方ならぬ恩を受けました。ほんの少し、ご恩返しさせて頂きます」
「有難うございます、瑞穂さん」
 深々と貴子さんは頭を下げた。
「頭を上げてください、貴子さん……父に掛け合う為、御同行願えますか? 僕よりも、貴子さんが父に説明してくださった方が、父も納得すると思うので」
581402:05/03/18 01:34:36 ID:pQHMaxP2
紫穂ちゃんのアナザーです。

2つとも詰まってるので、ちょうど、降りてきた紫穂ちゃんネタで
お茶濁し(^^;
幼等部には、奏ちゃんが保育士として勤務しているという設定で
582273:05/03/18 01:35:30 ID:WITXCPzL
(4/5)

 そして、その日の晩。
 善は急げと父に取り次ぎ、貴子さんから今一度、今度は父様に紫苑さんの境遇を話してもらった。
「ふむ……話は承った。確かに、厳島の総領の漁色家振りは私も知るところだし、十条家との婚姻も耳にはしている」
 父様はそう云って、ひとつ頷く。
「さて、厳島の御令嬢殿……確かに鏑木家の力を使えば、厳島と十条の婚姻を破談にも出来よう。しかし、それはどうあっても、鏑木と厳島に禍根を産む事になる。判っておられるか?」
「同じ事を瑞穂さんからも云われました。私も、それは覚悟しております……いいえ、いっそ厳島の家を潰すくらいのつもりでお願いしたいのです」
「貴子さん!?」
 父様の目を見て、とんでもないことを口にする貴子さん。
「私は既に、厳島の家とは縁を切っております。……あんな家、いっそ無くなってくれた方が世の為ですわ」
「剛毅だな……ふむ、気に入った」
 父様はそう云って、にやりと笑って見せた。
「そもそも、我儘一つ云わなかったあの瑞穂が、初めて云ってきたのがこんな事なのだからな……愉快で仕方がない。瑞穂、お前も当然、手伝うのだろう?」
「ええ、それは勿論です、父様」
「及ばずながら、私もお手伝い致します」
 迷わず頷く僕と貴子さんに、父様も頷いて応えた。
「少なくとも十条家と、その御息女には何の禍根も残さぬよう、やってみようではないか。ふふ、久々に面白い事になった」
 そして父様は、豪快に笑うのだった。
583273:05/03/18 01:37:32 ID:WITXCPzL
(5/5)

 それから、数年の月日が流れ――。
 日本に帰国したまりやを伴い、僕と貴子さんは僕達の会社の社長室にまりやを招いた。
 取り敢えず客用のソファにまりやを座らせると、貴子さんは席を外した。
「それで、あたしに逢わせたい人って誰なの?」
「うん、今来ると思うから、もうちょっと待ってて」
 すぐに、コンコン、と社長室のドアがノックされる。
「厳島ですわ」
「どうぞ」
 僕の返事を待って、ドアを静かに開ける。
 そして入ってきたのは、社長室長の貴子さんと――。
「鏑木テキスタイル・プランニング、副社長の十条紫苑です。……お久しぶりですわ、まりやさん」
 そこには、典雅な笑みを浮かべた、我らが副社長の姿があった。

                                        End
584266:05/03/18 01:39:37 ID:JlKcqXtp
>>初代550氏
乙であります。んー、オールキャスト、素敵です。
寝ぼけ紫苑様(*・∀・*)イイッ!禿萌っす。

奏ちゃんにスク水ってのは反則以上の何かと思われ。
585273:05/03/18 01:40:11 ID:WITXCPzL
以上、お目汚し失礼致しました。

…しかし、投下してから見直すと、色々と美味しいところを端折ってるような気がしないでもないですね……。
とはいえ、最後のシーンを書きたいだけだったりしたので、これはこれで満足だったりするのですが(笑)。
586名無しさん@ピンキー:05/03/18 01:44:18 ID:E40/637V
【瑞穂】「すべてを忘れて…幸せになっても、いいのよ」
【瑞穂】「一子ちゃんのことは、忘れていいの」
【瑞穂】「私のことも、忘れて、いいの…」
奏はただ黙って、私の言葉を聞いていた。
にっこりと笑う。
そして、こう答えた。
【奏】「いやなのですよ」
もう卒業する私の手を、奏が強く握り返す。
【奏】「わたくしは、ひとりではないのですよ〜」
【奏】「由佳里ちゃんと演劇部が、これからもそばで導いてくれるのです」
【奏】「入学してくる子もいるのです」
【奏】「わたくしは幸せなのですよ」
【奏】「これからも末永く、幸せに暮らしたいのですよ」
指先から伝わってくるもの。
溢れるほどの想い。
だから、私は己に問う。
私は頑張れただろうか?
私は幸せに暮らせただろうか?
そして、気づいた。
その答えは初めから、ここにあったのだ、と。
【瑞穂】「…そう…か…」
【奏】「はい」
【瑞穂】「それでこそ…私の…妹…よ…」
【奏】「はいなのです…」
587266:05/03/18 01:51:32 ID:JlKcqXtp
>>273
Great Work!!素晴らしい。こういうの好きです。
ラストシーンに向けてうまく落としてます。
自分が今書いておる紫苑様お誕生日おめSSもそういう展開なんですけど、ここまで
綺麗に絞れてないですorz

しかし、鏑木テキスタイル・プランニング・・・首脳陣がこのラインナップって向かうところ
敵無しの悪寒(笑)

それと、最後をぶった切ってすまなんだです。
588266:05/03/18 01:55:15 ID:JlKcqXtp
>>402氏
GJです。詰まっていてもこういうネタが降りてくるのは流石です。
しかし、どうしてもお仕置きしないと気がすまないのですが瑞穂キュン。それもベッドで(笑)。

589名無しさん@ピンキー:05/03/18 02:02:08 ID:vQqEyKXX
>>586
瑞穂…、死ぬのか!?(笑
この元ネタのシーン、俺すげー泣いた…。
裏葉…。
590273:05/03/18 02:06:10 ID:WITXCPzL
>>402氏
幼等部での紫穂ちゃんと奏ちゃんがどんな掛け合いを見せてくれるのかとても楽しみです。
GJです。

>>266
レス有難うございます。
向かうところ以前に、瑞穂ちゃんが四方八方から尻にしかれまくりの悪寒がひしひしとするのは私だけでしょうか(笑)。
最後…と云っても、本文は全て投下されてたので無問題です。
591第一話スレ126:05/03/18 02:06:41 ID:b6/KLLl5
>>273
そっか、紫苑様が副社長、というのもアリなのか…
…まりやがなんかやきもきしそうだけどw
なにはともあれGJでした!!

>>586
うお、589氏の云うとおり、死にフラグ立ってる!?w
元ネタは判らんのが残念ですが…( ;´Д`)

さて…勢いで書いたネタ系作品が、一応一話分出来上がったので投下します。
えっと、最初に云って置きますが…ごめんなさい(何がだ)
592第一話スレ126:05/03/18 02:07:21 ID:b6/KLLl5
恵泉女学院。明治十九年に創設された由緒あ(以下略)。
その、恵泉女学院にて、隠されたある行事があることを…現在の在校生は知る由も無かった…

「梶浦先生」
「学院長先生…どうなさったのですか?なんだかいつもと様子が違うようなのですが…?」
「ついに、この日がやってきました…そう。3年に一度の、「例の大会」を
決行する時が…」
「…っ…学院長先生…では、ついに…」
「受験、学期末試験も終わり、後は卒業式を待つばかり…となれば、今が良い時期です。
さあ、全校に通達をお願いします。

……恵泉女学院、バトルエルダートーナメントの開催を…!!」

APPENDIX Ultimate 恵泉最強王座決定戦!!

「…………何の冗談なんでしょうか?これは………」
「さあ……でも、間違いなく学院長先生のお名前で出された掲示ですから…」
この恵泉での生活も、あと僅か…そんなある日。唐突に掲示板に張り出された告知に、
全校生徒は文字通り震撼した。
僕も、掲示板の前で紫苑さんと途方にくれている…いや、僕だけではなく、
他の生徒たちも皆同様だ。
ちなみに、張り出された掲示物とは、以下のようなものである。
593第一話スレ126:05/03/18 02:08:08 ID:b6/KLLl5
恵泉最強王座決定戦!!(2)

”バトルエルダートーナメント、開催のお知らせ
 来る3月□日、3年に一度の一大イベント、バトルエルダートーナメントを開催する事を
 ここに宣言致します。
 この大会の目的は、強い肉体、精神を持つ生徒を選出する事により、
 後の恵泉運営を担う人材発掘を目的としております。
 今大会の注意点に関しましては、以下の項目をもって説明いたします。
 1・参加資格は、恵泉女学院の現役在籍生徒である事。在籍生徒であれば参加は自由です。
 2・格闘スタイル、服装は自由。ただしあらゆる武器の使用を禁じます。
 3・ジャッジが戦闘不能と判断した場合。もしくはギブアップをした時点で、
 決着となります。
 4・目潰し、噛み付き等の、正統的格闘スタイルから外れた攻撃を禁じます。
 (これはバトルエルダーは常に正々堂々、気高き精神を持つべし、という精神に則っています)
 5・体育館がリングだ!!

 尚、優勝者には…”

「…いや、「体育館がリングだ!!」じゃなくて…」
「にしても…参加自由…という事は、私も出られるのでしょうか…?
「…いやいやいや、紫苑さんは辞められた方が…」
それでなくても体が弱いんですから。
…にしても、何故お嬢様学校で「強さ」が求められるんだろう?
「これもイエス様の教えらしいわよ」
「わわっ!!……圭さん…あの、いつもの事ですが後ろからいきなり声をかけるのはちょっと…」
「私は気にしないわ」
こっちが気にするんですよ…
「いろいろ、興りに諸説あるらしいんですけど…この大会」
「あ、美智子さん……」
594第一話スレ126:05/03/18 02:09:18 ID:b6/KLLl5
恵泉最強王座決定戦!!(3)

「一番有力な説は…
なんでも、死海文書に「強き乙女こそ、真の聖女なり」と載っているとか載っていないとか…」
どっちですか。
「基本的に聖書の描写は男尊女卑が多いですから。
女学院である恵泉が、この一文を大きく取り上げ、格闘大会の開催を思いついたらしいですわ」
「にしても、極端という気がするんですけど…」
大体、死海文書って正統的な教えから見れば外典だったはずですけど…?
「あ。居た居た。瑞穂ちゃ〜ん!!」
なんて眉唾物の話をしていると、まりやがこっちに凄い勢いでやってくる。
「ど、どうしたの?まりや」
「どうしたもこうしたもないでしょうが。
こんな面白そうなイベント、乗らない手はないでしょ!!
それに、優勝商品があれば、この学院は…!!」
「え!?まりや、参加するの!?」
「何云ってんのよ。瑞穂ちゃんも参加するのよ?」
「………は?」
「もう参加申し込みはしておいたから。さ、行きましょ」
「い、行くって、何処へ…!?」
「決まってるでしょ。次の登校日…つまり、大会当日まであたしたち三年は休みなんだから。
特訓よ、特訓!!」
「え、そんな、ちょ、まりや……!!」
「…行っちゃいましたねぇ…」
「…そうね…ま、いいんじゃない?面白くなりそうだし…」
「あ、そうそう。圭さんの参加申し込みも、私がしておきましたから…」
「…何時の間に…」
そう顔を引きつらせる小鳥遊さんのすぐそばで…「私」は、拳を握っていました。
「お姉さまが参加なさる…それに、まりやさんも…」
チャンスだ。そう思ったのです。
これでまりやさんに勝てば、もう大きな顔をさせる事もありませんですし…
お姉さまに勝てば…お姉さまに…
595第一話スレ126:05/03/18 02:09:58 ID:b6/KLLl5
恵泉最強王座決定戦!!(4)

「ふふ、お姉さま…貴方を私のモノにして差し上げますわ…!!」
私…厳島貴子が…貴方を頂きますわ…!!
「そして、のちにはこの学院を…」
私の理想の場所にするのです。皆が規則正しく生活し、
愛し合う者同士がより自由に愛し合える学院を…!!

”尚、優勝者には、当学院の次期学院長の座が与えられる…”

                                  続く
596402:05/03/18 02:11:47 ID:pQHMaxP2
>>588

>しかし、どうしてもお仕置きしないと気がすまないのですが瑞穂キュン。それもベッドで(笑)

両方の親から2人目を催促されているとか?w
もしかしたら・・・十条家への養子問題とか?
ゲームの設定では、紫苑さんの他に、十条家には子供がいないみたいだし、

それから 273氏途中で割り込んですまなんだ。
597第一話スレ126:05/03/18 02:11:58 ID:b6/KLLl5
…はい、ごめんなさいorz
力いっぱい趣味に走ってしまいました( ;´Д`)
これからもこんな調子で続くと思われます…
ちなみに、かなりいろんなENDルートがごちゃ混ぜになってる可能性大…w
598206:05/03/18 02:25:58 ID:3+8v2y5f
>474に追加してみるテスト。

ある日の鏑木家

「社長、会長がお呼びです」
「わかりました、貴子さん。すぐに伺うと伝えてください」
「かしこまりました。私もお供いたしますわ」

「会長、鏑木瑞穂です」
「入りなさい」
「失礼いたします」
「やっほー、瑞穂ちゃん♪」
「…ってなんでまりやがここに!?」
「そりゃもちろん、小父さまに呼ばれたからに決まってるじゃない」
「私もいますよ」
「紫苑まで!?」
「あなたったら、まりやさんにはすぐ気が付くのに私には気付いてくれないのですね。よよよ…」
「いや、それはまりやは声を掛けてきたから…ってこれはどういうことなんですか、父様?」
「うむ、瑞穂よ。お前は紫穂ちゃんを愛しているか?」
「それはもちろんです。…ってそんなことを聞くために呼んだのですか?勤務時間中ですし、お仕事の話だと思っていたのですが」
「そんなこととはなんだ!だいたいお前はもっと紫穂ちゃんをむぐぐっ」
「はいはい、小父さま。ちょっと落ち着いてくださいね」
「…うむ、すまない。そこでだ、瑞穂。一人の親として聞く。今紫穂ちゃんが悩んでいるとしてお前はどう思う?」
「え…それはもちろん気になります。紫穂が求めるならば僕ができる限りの手助けをしたいです」
「そうか、安心したぞ。ではさっそくやってもらおうか」
「は?」
「何、一週間ほど海外出張に行ってくれればいい。これが辞令だ」
「あ、はい。謹んで承りました…ってなんでそうなるんですか!?紫穂の悩み事は!?」
599名無しさん@ピンキー:05/03/18 02:26:52 ID:vQqEyKXX
>>591

某鍵のゲームだと思われ。
600名無しさん@ピンキー:05/03/18 02:27:14 ID:3+8v2y5f
「心配しなくていいよ、瑞穂ちゃん。本当に海外へ行く必要なんてないんだから」
「…え?どういうこと?」
「つまり、その辞令は形式的なものということですわ」
「貴子さん?」
「うふふ、どきどきしますわね」
「紫苑?」
「つまりだ。…瑞穂、お前は千穂となるのだ!」
「…要するに、一週間女装して生活しろと?」
「うむ、わかってくれれば話が早い。敏くて助かるぞ」
「な・ん・で・そ・う・な・る・ん・で・す・か!」
「元はお前が嘘をついたことが原因だろう」
「う…だからってそんなことをする必要は…」
「…瑞穂、貴様先ほど口にした言葉は出任せだったとでも言うのか?お前に出来ることなら何でもすると言ったではないか」
「時と場合によります!そもそも騙し通せると思っているんですか!?」
「大丈夫だってば、恵泉時代はあたしですら男だってこと忘れちゃうくらいだったんだし」
「そうですね、私もついつい女性のつもりで接してましたから。折り紙つきですよ?」
「いや、そんなの折り紙つけられても…」orz
「瑞穂、お前ならばこの窮地を乗り切れると信じている」
「急に真面目な顔を作らないでください!…そうだ!社長が不在では業務に支障を来たしてしまうじゃないですか!特にここ最近はいろいろと出張る必要がありましたし」
「安心してください、瑞穂さん。その為にスケジュールを前倒しにしておいたのですから。今後一週間は瑞穂さんに出てもらう必要のある交渉の予定はありませんわ」
「た、貴子さんまで…最近妙に忙しかったのはそのせいだったのか…」
601名無しさん@ピンキー:05/03/18 02:30:25 ID:3+8v2y5f
「瑞穂よ、何事も諦めが肝心だぞ?愛娘の笑顔の為と思えば易いものではないか」
「そうそう、その為に服だって新しくデザインしたんだからね。いやー、久しぶりに女装した瑞穂ちゃんを見られると思ったら筆がノリにノっちゃって」
「空き部屋を改装して、千穂さんの部屋としての偽装も済ませましたしね」
「まずは女としての生活を思い出していただくために、リハビリ用のウィークリーマンションも手配済みですわ。3日ほどそちらに宿泊してくださいね」

     包囲網完成済み…逃げ場なし…?
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

「さあって、それじゃ早速移動して寸法合わせと演技指導を始めましょうか!」
「ええ、紫穂にも三日後叔母さんが会いにくるよと伝えてますからね」
「私もお手伝いいたしますわ」
「いやあ、三日後が楽しみだなあ、はっはっは」
602名無しさん@ピンキー:05/03/18 02:33:34 ID:3+8v2y5f
以上、やっぱり肝心な部分は投げっぱなし。
リレー小説だからって甘えてんじゃねえぞ>漏れ
いや、まだコンプしてないんで…なのになんでこんなの書き散らしてるかな自分orz
603名無しさん@ピンキー:05/03/18 02:47:50 ID:G5sv8R6e
>>592-595
GJ!これからどんな展開になっていくのかわくわくします。
非常に続きが楽しみです。

>>598-601
瑞穂ちゃんの魅力は実の娘すらも騙せるのかッ!?
それとも・・・?
604402:05/03/18 02:51:43 ID:pQHMaxP2
>>598-601

瑞穂ちゃん不幸w

>>603

いや、正体がばれて、娘にも女装を頼まれてしまう
瑞穂ちゃん希望w
605第一話スレ126:05/03/18 02:55:12 ID:P2HMnMhD
あ。いかん…
「恵泉最強王座決定戦(3)」の21行目(「え、そんな、ちょ、まりや……!!」)と、
22行目(「…行っちゃいましたねぇ…」)の間に一行開けるの忘れてた…orz
そこで、瑞穂視点から貴子様視点に移り変わるので…

>>599
鍵ゲーですか。鍵は全然手をつけたためしがないんですよね…( ;´Д`)
世間で流布されてるように良作が多いんでしょうかね…?

>>598-601
や、やはりそういう展開に…!!w
GJです!!千穂叔母様の登場が楽しみですなぁ…
606猫野:05/03/18 03:03:56 ID:trIgVsKt
>>604

いいですね

お父様素敵〜

みたいな感じでw
607名無しさん@ピンキー:05/03/18 04:24:28 ID:mb+8F6Sg
ここは楽園だー、満腹。
608291:05/03/18 04:53:02 ID:La2Pabp1
>>602
GJ!!
コンプ…問題ないぜ!私なんか紫苑さましかクリアしてないのに書いちゃったしorz
私もなんとか近日中にまた投下できればいいなぁ

>>職人さま
皆様GJです、満腹です、刺激受けちゃいます。
609245:05/03/18 05:40:42 ID:zR9hHom2
うぅ〜皆様GJです。
脳内から溢れ出した勢いで書いて見たのですが、
皆様、すてぎ過ぎて投下する勇気がないのですよ・・・orz
あまりに凹みすぎて、コメントできないです、ハィ
6101話スレ241:05/03/18 05:42:44 ID:mmhjpxki
皆様、GJです!!
まとめて言ってごめんなさい。
じっくり読むと時間かかるわぁ、どれもこれもいいから。
ああ、早く書かないと。
ガンガリマツ
ミナサンモガンガッテクダサイ
611269:05/03/18 09:16:37 ID:n0onA6zd
>感想下さった方々
ありがとうございます。

>初代550氏、402氏
遅レスながら、「由佳里は動かし辛い」 同意です。
書くとなると奏orまりやのおまけみたいなポジションになってしまうw

>602氏
GJです。

>245氏
恐れずに投下しましょw
612269:05/03/18 11:19:05 ID:n0onA6zd
「いつかは心も五月晴れ」第3部を投下します。
613269:05/03/18 11:20:04 ID:n0onA6zd
 コツ、コツ…。
 歩みを進めるたび靴音が木霊する。静寂に包まれた空間は、ある種
訪れる者を選別するかのようでもある。
第二校舎特別棟。通常の、生徒たちが授業を受ける第一校舎とは異
なり、ここはいわゆる文化部に類する部活動の拠点として使われてい
る。第一校舎からは少し離れた場所に建てられているため、未だ残っ
ている生徒たちの喧騒とは無縁の、物寂しい印象を受ける。
 放課後、紫苑はその廊下を一人歩いていた。昨年、病に倒れるまで
は、それこそ毎日のように歩いていた道である。
 紫苑は華道部に所属していた。活花や茶道、時には琴などを演奏し
たりもした。もっとも、エルダーに選出された後、退部届けを提出し
たのだが……。当時の部長の計らいで『名誉部員』とでも云えば良い
のか、除籍はされないままに退部届けを受理された。「時間があるとき
にでも、後進の指導をお願いします」との言葉を添えて…。
 以後、入院するまでは時間を見ては華道部を訪れ、指導をしていた。
 「懐かしいですわね…」
 華道部の部室の扉を視界に収めると紫苑は呟いた。
 コン、コン。
 「…はい……?」
 紫苑が木製の引き戸を叩くと、数瞬の後、返事が返ってきた。
 「紫苑です…入っても宜しいかしら…?」
 扉越しに問う。
 「え?紫苑お姉さま?!」
 ガラッ。
 声と同時に扉が開く。そこには見知った女生徒がいた。
 「お久しぶりですわね…」
 微笑を浮かべて紫苑が云う。
 「おおお久しぶりです。紫苑お姉さま!ど、どうぞ」
 云って紫苑を招き入れる。
 「それでは…失礼させて貰いますね…」
 招きに応じ、紫苑は部室へと入って行った…。
614269:05/03/18 11:20:43 ID:n0onA6zd
部室に足を踏み入れるとそこには真新しい井草の香りが充満してい
た。代々華道部は、五月の連休を利用して畳の入れ替えを行っている。
 部屋は十畳ほどの広さで、純和風の様相を呈している。英国のパブ
リックスクールを原型とした学院にはそぐわない気がしないでもない
が、日本独自の文化を継承すること自体は情操教育の観念からも妥当
なものであると云える。
 「紫苑お姉さま…。ようこそおいで下さいました」
 足を踏み入れた瞬間、郷愁の念に駆られていた紫苑を呼び戻す声が
した。…現華道部部長の香原茅乃である。
茅乃は、華道部員に支給される浴衣に身を包んでいた。
「茅乃さん…。お久しぶりですわね」
紫苑は微笑を浮かべて云う。
「お久しぶりです。…お元気そうでなによりです…」
 「ええ、茅乃さんにもご心配をお掛けしましたね…。ごめんなさい」
 云って紫苑は頭を下げる。
 「心配をしたのはわたくしの勝手。お姉さまが謝る筋のものではない
ですわ」
 素っ気無く返す茅乃。
 「ふふっ…相変わらずですわね。茅乃さんは…」
頭を上げながら思わず苦笑する紫苑。
「今日はご指導頂けるのですか?」
「ええ…そのつもりで参りました」
きゃ〜〜!
紫苑の言葉を聴いて他の部員が歓声を上げる。
「では、宜しくお願いします。ロッカーはそのままにしてありますの
で、自由にお使い下さい」
「ありがとう…。あ、茅乃さん……私はもう『お姉さま』ではありま
せんので、その…」
ああ、と納得の表情を浮かべる茅乃。そのまま了解の意を伝える。
「では、準備してきますね…」
 軽く一礼をすると、紫苑は更衣室へと向かって行った……。
615269:05/03/18 11:22:19 ID:n0onA6zd
 「紫苑お姉さま、ご指導ありがとうございました!」
 連座した華道部員が一斉に頭を下げる。
 「皆さんもお疲れ様でした」
 紫苑も頭を下げ、礼を返す。
 華道部の活動は紫苑の指導の下に行われた。この日の活動は茶道で
あった。まだ入部間もない新入生が多数居たため、基本的なことから
みっちりとやった。
 「今日はありがとうございました」
 他の部員たちが更衣室へと下がっていくのを見届けると茅乃は紫苑
に向き合って云った。
 「どういたしまして……あら?」
 何かに気付いたように紫苑が云う。
 「…茅乃さん……なにか悩み事でも…?」
 紫苑はその人の雰囲気からある程度の心の乱れを読むことができる。
 今の茅乃からは、心労…のようなものが感じられた。
 「紫苑様には分かってしまうのでしたね…」
 苦笑を漏らしながら茅乃が云う。話す茅乃の顔には、はっきりとはし
ないが疲労の色が見え隠れしていた。
 「…私にお話下さいませんか…?」
 紫苑の知っている茅乃は並大抵のことでは動じない人物だ。その茅乃
が目に見えるほど疲労しているとは…。
 「…わかりました。お話致します」
 茅乃は姿勢を正し、語り出した。
 「わたくしを除いた三年生は全て、二年生も数名を残し退部してしま
 いました。原因は昨年度末に行われた部活動予算折衝で、華道部の予
 算が大幅に削減されてしまい、その所為で外部の方を招いてご指導を
 仰ぐことが出来なくなってしまったことなのです」
茅乃は淡々と、事実だけを語っていった。それが茅乃の無念さを一層
際立たせていた…。
616269:05/03/18 11:23:26 ID:n0onA6zd
「そう…でしたか……」
 外部の指導者を招けないとあっては、部活動もままならない。
 「何故…こんなことに……」
 わからない、と弱々しく首を振る茅乃。
 (私の所為…)
 紫苑には思い当たる節があった。
 昨年度エルダー選出にあたり、紫苑に得票を譲渡してくれた人、そ
の人は昨年度の生徒会長を勤めていた。しかし紫苑はその人の期待を
結果的に裏切ってしまった。…云ってみればその報復……。
 それにしてもあまりにも酷い。紫苑個人にではなく、親しくしてい
た者達に罰を与えるとは…。
 「でも、今日は本当に助かりました。紫苑様が来て下さったお蔭で
 とても良い活動が出来ました」
 無理をしているのがありありと分かる痛々しい微笑み。
 「予算関係は一年毎のものでもうどうにもなりませんし、…悩んで
 も仕方ないことだとは、分かっているんですけど…」
 また表情に翳りが出る。
 紫苑は胸に鋭い痛みを感じた…
 「私で宜しければいつでも参りますわ」
 自分に出来ることは何でもやろう…。私が悪いのだから……。
 「本当ですか?!ありがとうございます。紫苑様」
 茅乃の嬉しそうな笑顔が、今の紫苑にはとても眩しく、美しいもの
に思えた。と同時に、かような仕打ちを公然と行った生徒会に対する
不信感と嫌悪感が沸き立つのを感じていた……。
 「……」
 無言のまま、紫苑は視線を巡らせた。
明け障子からは夕焼けの光が差し込み、畳を橙色に染め上げていた。
 それはまるで、紫苑の心底を映しているかのように揺らいでいた。


つづく
617名無しさん@ピンキー:05/03/18 11:24:33 ID:ZZl514cq
GJです。
リアルで見てました。

紫苑さんやっぱ留年って大変なんだなあ・・・。
618269:05/03/18 11:27:45 ID:n0onA6zd
投下終了です。
続きは早くても来週の水曜になると思います。
中の人は旅行に出掛けてしまうのでw
 
619名無しさん@ピンキー:05/03/18 11:39:42 ID:qGf50ySK
色々思うところはあるけど、完結するまで保留が賢明か
620402:05/03/18 11:41:54 ID:pQHMaxP2
>>601に追加してみたり

ある日の鏑木家
リハビリ用ウィークリーマンションの地図を渡すと、紫苑、貴子、まりやの3人は、自分たちの準備の
ために部屋からでていった。
「お・と・う・さ・ま」
異様な迫力の瑞穂に、父親は、一歩、二歩と後ずさっていく。両手を前に出し、目に見えない”なにか”
を押しもどすように
「み、瑞穂・・・」
「なんですか?がたがた震えてお祈りの準備できてます?部屋の片隅で命乞いをなされますか?」
「あ、あの・・・」
「遺言なら、お聞きしましょう」
「できるなら、お手柔らかに」
「言う事は、そ・れ・だ・け・で・す。ね?」
会長室は、嵐が過ぎ去ったと言わんばかりの様子になり、父親は、病院での検査を受けるはめになった。
病室に駆けつけた第一秘書は、ベットに固定されているのを見て、あきれたように
「会長。なにをなさったんですか?全身の骨という骨に、ひびとか、亀裂とか・・・折れてないのが不思議
だと、先生もおしゃってましたよ」
その後。この件が外部に漏れ、厳島グループ総帥”謎の負傷事件”となり、ワイドショーをにぎわした
のは別の話。
621名無しさん@ピンキー:05/03/18 11:57:30 ID:H/d9JoJf
・・・厳島グループ総帥?
622名無しさん@ピンキー:05/03/18 11:59:57 ID:Hrnw82Oq
アラヤダ!
623名無しさん@ピンキー:05/03/18 12:00:12 ID:Sdq24biH
>>620
鏑木グループの間違いでは?
624名無しさん@ピンキー:05/03/18 12:01:47 ID:Sdq24biH
スマンageてしまった・・・
625名無しさん@ピンキー:05/03/18 12:01:56 ID:WLUfLhV6
俺たちはとんでも無い思い違いをしていたのかもしれない。
実は鏑木と厳島のトップは同一人物で、
両グループを競合させることで日本経済を活性化させるという目論見のもと(ry


626402:05/03/18 12:02:00 ID:pQHMaxP2
>>620さらに追加してみるテストw
 地図に書かれていたマンションを見上げて、やっぱり、いまさらだけど
(うん。帰ろう。帰るべきだよな。重要案件が無いとはいえ、社長不在というのも・・・)
方向転換のため足を踏み出したところ。
「瑞穂ちゃん。よく来たわね」
その言葉と共に、右腕をまりや、左腕を貴子が、固めていた。
「あ・な・た。潔く覚悟を決めて頂けると、私たちも、助かるのですが」
にこにこ笑顔の紫苑が、正面に立ちふさがって最終通告を瑞穂に突きつけた。
「紫苑」
「はい?なんですの?」
「一応、権利として聞くけど、拒否権は?」
「あっ、拒否権ですか?・・申し訳ないのですが、存在すらしておりませんの」
     拒否権すらなし……?
     自業自得・・・・・・
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;         ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
落ち込む瑞穂に
「往生際悪いわね。自業自得のようなものじゃない」
屠殺場に連行されるのを嫌がる動物のように抵抗する瑞穂に、まりやは小さな金属製容器から取り
出したハンカチのような布を瑞穂の口と鼻におしあてた。


 
627402:05/03/18 12:05:19 ID:pQHMaxP2
>>623
指摘の通り鏑木グループがせいかです。
現実逃避(ON書き)してると・・・(^^;
なにをやっているのかは、きかないでくださいw
628名無しさん@ピンキー:05/03/18 12:12:45 ID:9zCJBCj4
>>625
「ちょっと待てキバヤシ。じゃあ、瑞穂と貴子は・・・?」

「あぁ、腹違いの・・・・兄妹だ」

な(ry



ゴメンナサイ
629402:05/03/18 12:24:10 ID:pQHMaxP2
>>626さらに追加してみたり・・・電波の通りがいいのか(ぉ
(う・・・・・なんか、頭が・・・)
かすかに頭を動かし始めた瑞穂の様子を見て
「大丈夫ですか・・・あ・な・た?」
紫苑は、瑞穂を抱きしめると、そっと唇を重ねた。瑞穂の口のあたりから、微かに薬品臭が漂ってきた
が、瑞穂が目を開けるまで、何度と無く唇を重ねていた。
「これは、妻の特権ですもの。誰にも、お譲りするつもりはありませんが?」
残りの二人を牽制するかのように所有権を主張する紫苑。
「つ・・・・頭が・・・」
「おはようございます。ですわね。あなた」
無意識に伸びた瑞穂の腕が、紫苑の体を引き寄せる。
「あん!」
わざとらしい声を出して、ベットに横なっている瑞穂の胸に倒れ込む。
「貴子。なんか、やってられるかって雰囲気にならない?}
「ええ。不本意ですが、”全く”同意見ですわね」
呆れたような視線を投げかける二人に、さらに見せつけるように媚態を繰り返す紫苑。
630402:05/03/18 12:26:22 ID:pQHMaxP2
誤字差し替えました。・・・今日は電波の受信状態がいいのか(ぉ 
>>601に追加してみたり

ある日の鏑木家
リハビリ用ウィークリーマンションの地図を渡すと、紫苑、貴子、まりやの3人は、自分たちの準備の
ために部屋からでていった。
「お・と・う・さ・ま」
異様な迫力の瑞穂に、父親は、一歩、二歩と後ずさっていく。両手を前に出し、目に見えない”なにか”
を押しもどすように
「み、瑞穂・・・」
「なんですか?がたがた震えてお祈りの準備できてます?部屋の片隅で命乞いをなされますか?」
「あ、あの・・・」
「遺言なら、お聞きしましょう」
「できるなら、お手柔らかに」
「言う事は、そ・れ・だ・け・で・す。ね?」
会長室は、嵐が過ぎ去ったと言わんばかりの様子になり、父親は、病院での検査を受けるはめになった。
病室に駆けつけた第一秘書は、ベットに固定されているのを見て、あきれたように
「会長。なにをなさったんですか?全身の骨という骨に、ひびとか、亀裂とか・・・折れてないのが不思議
だと、先生もおしゃってましたよ」
その後。この件が外部に漏れ、鏑木グループ総帥”謎の負傷事件”となり、ワイドショーをにぎわした
のは別の話。
631名無しさん@ピンキー:05/03/18 12:30:23 ID:nILIGK7w
いや、わざわざ張りなおすなよ。
電波良好なのは分かったから、も少し落ち着けって。
632402:05/03/18 12:30:38 ID:pQHMaxP2
とりあえず、ここまで

順番としては、
>>630ー> >>626 ー> >>629の順でお読みください。
紫苑さま。性格が変わった(のか)瑞穂ちゃんの所有権を”強硬に”主張中です。

後はよろしく・・現実に戻ります。
|////| (  )ノ |////| ウィーン(自動ドア
633245:05/03/18 12:55:43 ID:zR9hHom2
245です。
超ヘタレですが
寝ぼけついでに投下します

題 無題(仮)

5レスくらいだと思う

瑞穂の一人Hネタです
634無題 (仮):05/03/18 12:57:10 ID:zR9hHom2


恵泉学院の朝の通学時、宮小路瑞穂はいつものごとく
困っていた。
「あれ・・・まただ」
ガチャガチャと下駄箱の扉を開けようと悪戦苦闘しているその横で
「瑞穂ちゃん、またなの?毎朝懲りないわね〜」
まりやが、やれやれと方を竦めるも顔だけはニヤニヤと笑っている。
「お姉さまがまた、下駄箱が空かずに困っていらっしゃいますわ」
「下駄箱が空かなくなるほどラブレターが入ってらっしゃとは」
「流石お姉さまですわ」
「きゃぁ〜〜〜」
その毎朝の様に繰り広げられる光景を見た生徒たちは、
ひそひそと大きな声で話し合い、黄色い歓声を上げている。
―――き、聞こえてるよ〜
赤面しながらも何とか下駄箱を開ける瑞穂
バサバサと、音を立てて流れ出てくる手紙を拾っていると
「おはようございます瑞穂さん、まりやさん。
  あらあら、流石ですわねふふふ」
「紫苑さん、おはようございます」
「あ、紫苑さまおはようございます。
  瑞穂ちゃんは毎朝こうなんですのよ」
「そうなのですか、わたくしは『ラブレター』などという物は
  貰った事はございませんわ。過去最多得票数のエルダーは伊達ではありませんわね。ふふ」
「ちょ、紫苑さん、あまりからかわないで下さい」
等と 賑やかな朝の会話を弾ませながら教室へと向かっていく。
635名無しさん@ピンキー:05/03/18 12:58:05 ID:zR9hHom2
「いぁいぁはすたぁ〜紫苑さま 瑞穂ちん」
「おはよう御座います、瑞穂さん紫苑さん」
「おはよう御座います、美智子さん、圭さん」
「お2人ともおはよう御座います。圭さんそれは挨拶ではないと思うのですけど。
  それと瑞穂ちんって・・・」
「お決まりなので、突っ込んではいや」
―――お決まりって、まぁそうだけど・・・
「瑞穂さん、毎朝すごいラブレターですわね」
席に着いて、教科書を出している僕の鞄の中を見た美智子さんが
微笑みながら話しかけてくる。
「ええ、靴を履き替えるのが大変です」
その光景を思い出し、僕は苦笑してしまう。

と朝の会話に花を咲かせ、いつもの様に時間が過ぎていく。
授業も何事も無く・・・まぁ多少は女の子になっていく自分に凹んだりもしたが、
何事もなく時間が過ぎていく。

「では、お姉さま失礼致しますなのですよ」
「お姉さま、私も奏ちゃんのところへ行ってきますね」
「奏ちゃんありがとう、一子ちゃんも行ってらっしゃい」
奏ちゃんがお茶を入れてくれて、新しい本を一子ちゃんと一緒に見るため
自室へと戻っていく。
636無題 (仮):05/03/18 13:01:04 ID:zR9hHom2
「さて、ラブレターを読まなくちゃ・・・」
いつもの日課となってしまったラブレターの確認。
内容が内容なだけに、あまり気が進まないものの瑞穂の性格からして、
手紙はダイレクトメールすらも一様目を通さなければ気がすまない。
『 前略、お姉さま。
  初めてお手紙致します。
  毎朝ご登校中のお姉さまの姿を拝見するにつけ、
  胸が高鳴り、とうとう堪えることが出来なくて
  勇気を振り絞ってお手紙をしたためることに致しました。
  
  こうして筆を走らせる今も、
  お姉さまのことを思うと、
  なんだかあそこが熱くなってきて
  指が、パンティーの中に潜り込んでいってしまいます。
  どうか、こんな私に・・・・(略  』

―――はぁ、手紙というよりこれでは官能小説を読んでいるみたい・・・
   だいぶ慣れたとはいえ、毎日こうでは拷問を受けているようだな。

「この手紙は少し他とは違う?」
似たような内容の手紙を何通か読んでいたら、
ラブレターにしては質素な封筒に蝋で印がしてある手紙を手に取り、
男物のような便箋を広げた。
637無題 (仮):05/03/18 13:02:12 ID:zR9hHom2
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
          前略 お姉さま 
 初めてお手紙を致すことをお許しください
 お姉さまの登校する姿や、お友達とお話したりする時に見せる
 ちょっとした仕草などを拝見せていただいておりますと、
 私は、お姉さまの事を・・・
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

「!?こ、これは・・・・」

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 お姉さまを犯したくなってきてしまいます。
 お姉さまをメチャクチャに壊してしまいたくなってしまいます。
 
 教室で佇むお姉さまを後ろから抱きしめ、唇を奪い、
 「ん・・・うん・・・ぷはぁ」
 「Kさん、教室でこんなこと・・・あん♪」
 恥らうお姉さまの下腹部に手を滑りこせて
 「あらあら、嫌なのですか?お姉さま。こちらの方は嫌がっておりませんけど?」
 「そ、そんな・・・はぁん・・・ぁん♪」
 お姉さまの羞恥に耐える、可愛いお顔を見つめたり
 「Kさん、おねが・・いです、きょうしつ・・でなんて・・・」
 「ふふ、お嫌ですか・・・それでは」
 スイッチが入ってしまったお姉さまに意地悪したり
 「あぁ・・・・なぜ、なぜ意地悪するのですか?」
 「あら?お姉さまが止めろと仰ったではありませんか」
 そうして、お姉さまを自分の色に染めていく・・・
 「お願いです、Kさん・・・続きを・・・・」

638無題 (仮):05/03/18 13:03:04 ID:zR9hHom2
   中略

 「ん・・・んむ、ぷは・・・Kさん、愛してます」
 「私もですよ、お姉さま・・・ん、はぁ」
 お姉さまを愛した後は、長いキスをして・・・
 私ったら、こんなお姉さまを汚してしまう様なことを
 毎日考えてしまっている、とてもダメな子なのです。
 ですが、誰よりもお姉さまをお慕う気持ちは負けないつもりです。
 こんな私でも、お姉さまは優しく接してくれるます。
 いつも、お姉さまを壊したい、汚したい思いと
 こんな考えをしてしまって、申し訳ない思いでいっぱいです。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

はぁ、うん・・・はぁ、あ♪」
―――僕がこんなにされてしまう・・・

自分が犯せれるさまを想像してしまい、手紙の続きを読めなくなるくらい
欲情してしまった瑞穂は、自分でも気付かないうちに
自分の世界に入り込んでしまった。
639無題 (仮):05/03/18 13:04:41 ID:zR9hHom2
―――ふぅん・・・
「僕が、僕が女の子で・・・名前も知らない女の子に」
―――くぅ、ん・・・んん・・
「あんなこと言われたり・・・こんな事されたり・・・」
―――は・・・んん・・・くぅ!・・・はぁはぁ・・・・
「!」
自分が女の子として犯される様を思いながら、
自慰をして達してしまい、ふと我にかえる。

「・・・自分が犯されるの思いながらしてしまうなんて」
 女子寮でこんな事してるなんて・・・それに、僕って・・・Sなのかな
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;         ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

この後、手紙の内容を飛ばし読みすることに決めたのだった。
640名無しさん@ピンキー:05/03/18 13:06:18 ID:8Bzg4jvq
なんでSなんだよ
641245:05/03/18 13:07:57 ID:zR9hHom2
終わり。


超ヘタレで申し訳ないです orz

題名の方は良いものが無いため無題(仮)にしておきます。
感想書いてくれる人がいるならば
題名もつけてもらえると光栄の至りですが・・・・・

あ〜穴があったら冬眠したいです
642名無しさん@ピンキー:05/03/18 13:12:19 ID:8Bzg4jvq
Sは嬲る方で嬲られる方はMだ。覚えとけ
てか単なるタチとネコじゃねえのかこの場合
643名無しさん@ピンキー:05/03/18 13:18:53 ID:H/d9JoJf
今日はやたら誤字が目立ちますね。
644245:05/03/18 13:20:15 ID:zR9hHom2
ぐは!指摘のとおりSではなくMです。
645名無しさん@ピンキー:05/03/18 13:37:08 ID:acYFOjzE
リレーの馴れ合いが終わると急に雰囲気がにちゃんに戻って落ち着く。
646名無しさん@ピンキー:05/03/18 13:55:53 ID:dj6V/M7n
瑞穂ちゃんはドSだと思います。
今日は私が攻める日ですよと言われて攻められてても最後には何故か
言葉攻めその他恥ずかしい行為で攻めまくっているのでした。
647245:05/03/18 14:03:53 ID:zR9hHom2
補足忘れてました〜スマソ
Kさんは圭さんとは関係ありません・・・タブン
続きも考えてたんですが、ヘタレすぎなので止めておきます。
648名無しさん@ピンキー:05/03/18 14:04:08 ID:nA0WZjml
ところで"K"ということは、

君枝
生徒会3人娘
の5名の誰かと言うことを暗に指してる?

ちなみに、生徒会3人娘の名前を確認するためにメーカページをみて、
例のツンデレ×瑞穂ちんの壁紙公開予定が今日だったのを思い出した。

本当はツンデレ×紫苑様の壁紙が見たかった・・・・
649名無しさん@ピンキー:05/03/18 14:11:11 ID:YJ9BLTDL
マッチポンプかよ(w
650名無しさん@ピンキー:05/03/18 14:46:34 ID:ElITaope
つかふと気付くと公開してたんか壁紙w
651648:05/03/18 15:05:58 ID:nA0WZjml
>650
14:04の時点では公開されてなかったんだが・・・ちょうどこの1時間の間で公開
されたんだね。

当スレ的には、あの壁紙をお題にしてなんかショートでも書いてみるべきか・・・
652名無しさん@ピンキー:05/03/18 15:08:39 ID:oETbNFno
壁紙重杉
653266:05/03/18 15:38:42 ID:BzAi3MFH
>>職人諸氏
皆様乙であります。もう大杉なので個別に感想書けません。
これからも焦土作戦がんばってください。
654猫野:05/03/18 15:51:57 ID:trIgVsKt
あらまびっくり瑞穂ちゃんに入れたら
1位なっちゃったw
655名無しさん@ピンキー:05/03/18 17:25:47 ID:6tbPB0Qx
うわーん。
結果発表の時の絵の壁紙の方が良かったよぉ・・・。
ちょっと、あの絵イマイチ。
656名無しさん@ピンキー:05/03/18 17:35:13 ID:WLUfLhV6
瑞穂の行動と顔が一致しなくてシチュが浮かばない。
657名無しさん@ピンキー:05/03/18 17:45:12 ID:pQHMaxP2
>>656
> 瑞穂の行動と顔が一致しなくてシチュが浮かばない。

んーーー。マインドコントロールの支配下?で
自分の意志ではなくとか?

後日。ブラックメールが・・・というのはorz
658ある日の鏑木家:05/03/18 18:10:33 ID:jJHKNWYj
>>632
俺にも電波が届いたぜ!>402
だから続きを書いてやる

苦笑していたまりやたちだが様子がおかしいことに気が付いた
「ねえちょっと変じゃない?」
「そういわれればそんな気がしますわ」
「うふふ・・・かわいい瑞穂さん。私だけの人」
そういいながら顔を上げた紫苑の目には妙な光が宿っていた
「し、紫苑様?」
「瑞穂さんは誰も渡さない。渡すものですか!」
そう叫ぶと紫苑は二人に飛びかかった!




「う〜ん・・・ここは?」
「気が付きましたかあなた。気分はどうです?」
「あ、紫苑。うん、大丈夫だよ」
僕を見ながら笑う紫苑。
「そうだ、まりやたちは?」
「もういませんわ」
「え?おかしいな、一晩中着せ替え人形させられると思ったのに」
「うふふ、もうその心配はありませんよ」
そういって横を見る紫苑。そこには・・・・頭から血を流しながら倒れているまりやがいた
「ま、まりや!?」
よく見ると紫苑の後ろには髪をのどに巻きつけた貴子さんが倒れている
「貴子さん!紫苑これはいったい!?」
「だってあなたを横取りしようとするんですもの」
紫苑はまるで子供のように笑いながらそういった
「それにしても・・・せっかく二人きりになったのに他の女のことを気にするなんてひどい人」
「紫苑・・・君はいったい・・・」
659ある日の鏑木家:05/03/18 18:11:32 ID:jJHKNWYj
「そうだ!殺してしまえば余計なことは考えなくなるわよね」
そういうと紫苑は背後から僕の首を絞めてきた!
「し、紫苑・・・やめ・・・」
「なんでこんな簡単なことに気が付かなかったのかしら。私って本当に馬鹿よね」
「か・・・・ぐ・・・・・」
「うん、奏ちゃんのところにも行かなくちゃ。忙しくなってきたわ」
そういって笑う紫苑。
遠のく意識の中、僕は自分の首が鈍い音を立てるのを聞いて・・・・・・・


DEAD END
660名無しさん@ピンキー:05/03/18 18:12:57 ID:H/d9JoJf
>>658-659
ツマンネ
回線切って首吊って氏ね。
661名無しさん@ピンキー:05/03/18 18:14:56 ID:jJHKNWYj
こんなオリキャラ出してるクサレSSなんかさっさと終わらせろ!
なにがリレーだ脱線ばかりでまともな半紙になってないだろ!
コワレやりたきゃ自分の便所で一人でシコシコやってろ!
662名無しさん@ピンキー:05/03/18 18:15:26 ID:rnK5vphh
>>658-659
なにやっとんねん
663名無しさん@ピンキー:05/03/18 18:17:25 ID:jJHKNWYj
>>660
うるせえ!もう終わらせたんだから俺の勝ちだ!
自分で書かなかった自分ののろまさを恨め!!
664266:05/03/18 18:18:12 ID:BzAi3MFH
>>658-659
<<おいブービー!誤爆してるぞ!>>

665名無しさん@ピンキー:05/03/18 18:18:25 ID:ZZMXRSjt
本当は楓さん×瑞穂SSを先に作ったのですが、
由佳里ちゃんSSが少ないようなので急遽稚拙ながら由佳里ちゃんSS作ってみました。
現在手直し作業中。
時期や設定は軽視。H無しのほのぼの系です。

こんな感じですが投下してもいいですか?OKなら夜中にこっそり投下したいと思います。
666瑞穂:05/03/18 18:25:56 ID:6RqzFgJ2
なんか急に雰囲気が変わってきたインターネッツ空間ですね
667名無しさん@ピンキー:05/03/18 18:26:31 ID:AsZnSKVI
じゃあ駄目
668266:05/03/18 18:28:15 ID:BzAi3MFH
>>665
Go Ahead.由佳里ちゃんSSは数が少ないので投下する方がよろしいかと愚行します。
669名無しさん@ピンキー:05/03/18 19:07:43 ID:41gotnLK
公式のファン投票見ると「童貞はお姉さまに恋してる」な件について
童貞(おとめ)は厳しいか(w
670402:05/03/18 19:23:00 ID:pQHMaxP2
>>629に追加(軌道修正ともいう)
ある日の鏑木家

「はい。はい。だいじな旦那様をとらないから」
「紫苑さま。みせつけるのh、いい加減にしてくださいね。”演技指導”には、辞退していただくことに」
まりやは、みずほを”強引に”起こすと
「み・ず・ほ・ちゃん。時間もないから、きりきりやるわよ」
目が覚めきっていない瑞穂を見て
(か・・・かわいい・・・かも)
「あ、あれ・・・・なんで紫苑は抱きついているんだい?」
「だって、あなたがが、抱き寄せたのですもの」
二人間に、まりやは割り込んで
「み・ず・ほ・ちゃ・ん。い・ちゃ・つ・く・も・のい・い・か・げ・ん・に・し・な・さ・い・よ」
「ったく。夫婦仲のよろしいのは、誠に結構なのですが・・・”もう少し”時と場所を、考慮して頂けると
ありがたいのですが・・・お二人とも。瑞穂さんが目をさまされたので、当初の予定に戻りたいと、思
います。すっかり、時間を浪費してしまいましたので、きりきり行います。よ・ろ・し・い・で・す・ね」
妙に目の据わりきった二人に睨まれた瑞穂は、説明を求めようと紫苑の顔を見たが、微妙に視線を
はずしていた。
671402:05/03/18 19:24:44 ID:pQHMaxP2
一応、軌道修正を試みてみました。

ようやく、着せ替え開始です。
672245:05/03/18 19:49:50 ID:I0ZyPJd2
なんか居てはイケナイやつが…
すまん!
モレのヘタレ投下で上げてしまったのが原因っぽい。
とうぶん脳内妄想垂れ流しはやめる事にする。
職人さん達は頑張ってくだし。
リレーSSの続き楽しみにまっとります。
673402:05/03/18 20:13:17 ID:pQHMaxP2
>>670
>「紫苑さま。みせつけるのh、いい加減にしてくださいね。”演技指導”には、辞退していただくことに」
「紫苑さま。みせつけるのは、いい加減にしてくださいね。”演技指導”には、辞退していただくことに
なりますよ」
に、修正してください。今日は、ミスが多いなorz

>>672

きにしないでくださいませ。
私も、脳内妄想垂れ流しですから 
674名無しさん@ピンキー:05/03/18 20:42:52 ID:gU4llPtZ
なんとなく一発ネタ投下。
鏑木家にやっかいになっている一子さんに、日常を語ってもらいました。
6751/3:05/03/18 20:43:43 ID:gU4llPtZ
ここんちの一日は、騒がしいご近所さんの乱入から始まります。
「おっはよ〜! 瑞穂ちゃーん、早く会社行こうよ〜〜〜!」
まりやさんはお姉さまの会社のお抱えのデザイナーなのだそうです。
毎朝こうして社長であるお姉さまを迎えにいらしては、お姉さまの車に勝手に同乗して、
優雅にご出社なさっています。
「うわっ、まりや、入ってきちゃ駄目っ!」
「んんぅ……まりや、お姉さま……?」
おまけに豪胆さは以前と同様……というか以前に拍車をかけての状態でありますので、
毎朝この家では事件に事欠きません。
なんだか、恵泉の女子寮にいた頃を思い出して、
私も柄にもなくしんみりしてしまう事もしばしばです。
あ、いえ……私も巻き込まれる事が多々あるので、それどころじゃない日の方が多いのですが。

勿論朝食もご一緒して行きます。
「いやぁ〜、やっぱり由佳里の作る料理は天下一品ね。
 瑞穂ちゃんが羨ましいわ、本当」
「あ、あはは……ありがとうございます。まりやお姉さま……」
ちなみに、由佳里ちゃんは今やお姉さまのお嫁さんになってたりして、
おまけに一児の母です。
お姉さまのお嫁さんになりたかった私としてはやや寂しいというか切ないというか
そんなアンニュイかつ遣る瀬無い感情がどこかにある気もするのもやぶさかではありませんが
幸せそうな夫婦性活もとい夫婦生活を送ってらっしゃるお二人をこの家でご厄介になりながら
一番近くで見ている私としてはあの時由佳里ちゃんを精一杯後押しして本当に良かったと
思ったり感じたり感無量だったりするわけです。
まぁ、ときどき……私もこの家にいるという事実を忘れてらっしゃるのではないかと思えるくらい
ところ構わず励んでしまうお二人には多少困ってしまうといいますか
お二人は既に子供もいるわけで子供に見られたらどうしようとか教育上よろしくないとか
もう少し考えていただきたいなぁと不肖私めも思ってしまうこともしばしばです。
6762/3:05/03/18 20:46:26 ID:gU4llPtZ
今朝だって……この通りですし、
「それにしても……あんたら本当にいつまでも新婚気分丸出しね、
 何? いつもああやって瑞穂ちゃんの事起こしてるのぉ? ゆかりん」
「ちっ、違います! 今日はたまたまです! あんな事を毎朝しているわけないじゃないですかっ! 
 ていうか、ゆかりんって誰ですかっ! もうそんな呼ばれ方をする年ではありませんっ!」
今日みたいにまりやさんに目撃されてからかわれる事も日常に組み込まれているような気さえします。

朝食が終わると、由佳里ちゃんは洗い物、
お姉さまは新聞を読みながら、わりとゆったりと出勤に備えます。
ちなみに、まりやさんもお姉さまと一緒にぼけーっとしている事が多いです。
「ねぇ、瑞穂ちゃん、お茶」
「何で僕が……」
「だって由佳里は洗い物してるし」
「はいはい……自分で淹れるのは最初から選択肢には入ってないんだね」
「あっ、お茶なら私が淹れてきますっ!」
「そう? ありがとう。じゃ、お願いするわ」
「もう……人使いが荒いんだから、まりやは」
苦笑するお姉さまを尻目に、私は一人キッチンへと飛んで行くと、ティーセットを用意します。
勿論、お姉さまのお茶もご用意します。
やはりお姉さまにお茶をお淹れするのは、いつになっても幸せな時間です。
最初はお姉さまのお部屋のクローゼットから出られなかった私も
女子寮の中を自由に行き来できるようになり、
次に学院内なら自由に出入りする事ができるようになり、
さらには学校から外へと出られるようになりまして、
今となってはこうしてお姉さまにお茶をお出しできるようになっているのですから、
やっぱり精一杯生きてみるものだと思うわけです。
「お二人とも、お茶が入りましたー!」
こうしてお姉さまが私の淹れたお茶を飲んで下さるお姿を見ているだけで嬉しいですし、
「ありがとう」とお礼を言われたり、「おいしい」と微笑んで頂けたりすると、
もう本当に幸せすぎておかしくなってしまいそうです。
6773/3:05/03/18 20:47:37 ID:gU4llPtZ
それに、この家には幸穂お姉さまの思い出もいっぱい詰まっています。
家具や調度品にも幸穂お姉さまの生きてきた軌跡を見つける事ができますし、
慶行さまから、生前の思い出話を聞く事もできます。
幸穂お姉さまも、嫁いだ先で短いながらも幸せな人生を送っていたと知る事ができ、
本当に良かったと思います。


……と、そんな風に幸せ満点極まりない生活を送っている私ですが、
今、一つだけ悩みをあげるとすれば……、

「お父さま、お母さま、行ってまいりま〜す」
「はい。行ってらっしゃい、一美。パパもお仕事頑張ってくるよ」
「一美、今日のお弁当はお母さん特性のハンバーグ弁当よ」
「わぁい。私、お母さまのハンバーグ、大好きですっ!」
「……ひーちゃん、最近急に大人びたような気がしてたんだけど、まだまだ子供だねぇ」



私が前世の……一子だった頃の記憶を持っている事を、
両親に伝えていない事でしょうか…………。
678名無しさん@ピンキー:05/03/18 20:52:13 ID:gU4llPtZ
なんだか一発ネタという割には、話の導入部みたいな終わり方になってしまったり。

いや、まぁ、多分続く事はないんですけど、
きっとこの後、まりやだけに打ち明けたり、父と風呂に入ってみたり、母に嫉妬したり、
思い出に浸りながら父と一緒に寝たりするのでしょう。
瑞穂とヤルのが先か、瑞穂に打ち明けるのが先か……妄想してる私は駄目人間。
679名無しさん@ピンキー:05/03/18 20:56:52 ID:N+dkWsDl
わーい、リアル遭遇。
しかしなるほど、そう言う厄介のなり方もあるのか…
ちょいと目から鱗みたいな。いやGJでした。

ところで、「一美」って書いてて「ひーちゃん」って読ませてるって
ことは、「ひとみ」とでも読むのでしょうか?
イヤ、単に読み方解らんかっただけで…スマソ。
680266:05/03/18 22:36:11 ID:JlKcqXtp
>>674-678
うはっ!そう来たか。幽霊なのになんで?とおもったらそういうことだったのディスカー。

すっぱりとまとまっていて、このまま終わっても、続けてもよろしい仕上がりと思います。
#個人的にはこのまんまの方がいいかな・・・。
681名無しさん@ピンキー:05/03/18 23:55:47 ID:zAT/5qq7
>>674-678
なるほど・・・・といった感じですね。
#個人的には続けて欲しいです。
 一子だってばらしてみたり、みなかったり。
 一子視点の性活も読んでみたかったり。
682お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/19 00:56:10 ID:U4Ko6McK
その日の十条家 1/3

「紫苑です。私は今日より、鏑木家にお世話になります」
あと半月もすれば学生になり式を挙げるところまでは
無理だが婚約だけは済ませ紫苑は鏑木の家に入ることになった。
「このたびはお父様にご挨拶に上がりました」
「襖を開けてはならん」
「お父様…」
襖に紫苑が手をかけようとしていたその時に父からその一言が襖越しに放たれた。
厳島との婚約の破談の話が進んでからというものの父とは疎遠で
おそらくはそう言われるのではないかと紫苑はうすうす感じていた。
「…」
「家というものには体面というものがある。長年の約束を破談とは十条も厳島も面目は
丸つぶれである。」
「…」
「よいか、私はおまえを許さん。私はおまえが厳島に嫁ぐことになる決まったときは
本当に将来を案じていたのだぞ。それなのにおまえは鏑木を使って破談を迫るとは。
親不孝もいいところだ」
「…」
「いいか、とっとおまえを厳島の慰み者にしようとした私の許なんか出ていってしまえ」
「っ…」
「襖を開けるなといっただろう。おまえはこの家を出たときから鏑木の家の者だ。
この……十条の者でもなんでもない。鏑木の…ご嫡子に存分に良くしてもらうが…いい」
「お父様…」
「ま、孫ができるまでゆ…るさんからな。それまで戻ってくるんじゃないぞ」
「お父様、お世話になりました。それでは行ってまいります」
紫苑は静かに父の部屋の前から立ち去った。
683お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/19 00:58:22 ID:U4Ko6McK
2/3

「それではお母様、いままでお世話になりました」
「忘れ物はないですか?」
「はい」
荷物をすべて業者に預けたあと紫苑は玄関で母に別れの
挨拶を切り出した。
「紫苑、あの人はおまえのことを本当に心配していたのですよ。いつだったかしら。
厳島の方にお断わりをしたあとに鏑木の方々のお力沿いと瑞穂さまの振る舞いには
本当に安堵したとおっしゃっていました。でも、今まで辛い思いをさせてきたことへの
申し訳ない気持ちと十条の当主であることの面目からああ言っておまえを
送るしかないのですよ。お父様のこと許してあげてくださいね」
「解っております」
「親戚から養子をとるようなこともしません。私とあの人だけで十条家は終りです。
別に家はなくてもお前の命はお前の子供に受け継がれるのです。十条は鏑木の中で
生きるのですからそれでいいではないですか」
「はい…」
「では、鏑木の方々によろしくと伝えてくださいね」
「行ってまいります。」
684お姉さまと一緒のなかのひと:05/03/19 01:00:37 ID:U4Ko6McK
3/3

「あなた、紫苑が行きましたよ」
「そうか」
「目が赤くなってますよ」
紫苑の父は散々泣き腫らした後だった。
「…なぁ菫さん、この十条の家を断つことになったことは本当に申し訳ない」
「もう、いいと言ったではないですか」
「ああ、そうだったな」
「家のために子供に辛い思いをさせるなんて…。そんな家なんてないほうがいいのですよ」
「…十条の女の菫さんが言うのなら間違いない」
「そういうことです。でも結局私のことは今でも『菫さん』お呼びになるのね」
「もう今更呼び方を変えることもないだろう。でも紫苑のことは…本当に…良かった」
「そうですね」

数年後
「ちょっと、あなた落ち着いて」
「菫さん、孫が来るというのに落ち着いていられんよ」
「紫苑です。ただいま帰りました」
「おじいさま〜」
「し〜ほ〜ちゅわ〜ん」
「あなたっ、だめですよ。紫穂ちゃんにまた…」
「ぶえっ」
猛烈な勢いで抱きつかんと迫ってくる自分の祖父を紫穂は容赦なくブン投げてしまった。
「お父様!」
「義父様、大丈夫ですか?だめですよ、紫穂!おじいちゃんにまたこんなことして」
「だって怖かったんですもの」
「こんなことのために武道を習わせたんじゃないんですよ」
「ごめんなさい、おじいさま。でも有段者の私を相手にこんな風に
抱きつこうとするからいけないんですわ」
紫苑の父は気を失っていたがどこか幸せそうな顔をしていた。
続かない。
685名無しさん@ピンキー:05/03/19 01:04:19 ID:HP8v2eA2
>>684
>>「し〜ほ〜ちゅわ〜ん」

ル○ンダイヴかよっ!!(激ワラ
686名無しさん@ピンキー:05/03/19 01:05:19 ID:h8LBJbnz
ええい、この世界の親父はこんなんばっかりか!(w
687名無しさん@ピンキー:05/03/19 01:55:32 ID:kS3uiVbP
>>686
ゑ? じゃあ,瑞穂きゅんも将来,あんなのになると??
688名無しさん@ピンキー:05/03/19 02:34:47 ID:yYnNq8u9
いや、多かれ少なかれ、世の中の親父と云うのはこういうものなのかも知れん。

ただ、紫苑さまのパパと慶行さまが突出してるだけ…だと思いたい。
689第一話スレ126:05/03/19 02:41:45 ID:ER0CmJCi
やっぱ父親は娘の事が心配なんですなぁ…(何故か慶行父も入れてる)

恵泉最強王座決定戦、続き投下いたします。
ネタと勢いで書いてる作品ですが、どうぞお付き合いくださいませ。。。
690第一話スレ126:05/03/19 02:43:26 ID:ER0CmJCi
恵泉最強王座決定戦!!―第二話・決戦、迫る!!―

「……あぁ、久しぶりの寮だ…」
しみじみとした声で、僕は呟く。
結局、次の登校日の朝まで本当に山ごもりさせられて…参った。
しかも、帰ってきてそのまま登校、大会参加…というハードスケジュールで、
「少し休ませて欲しいなぁ…」
「ほらほら、とりあえず登校時間までまだあるから。ちょっと休んで、気合入れて行くわよ!!」
なんでそんなに元気なんですか、まりやさん…
「あ!!お姉さま方!!おかえりなさいませ〜」
入って早々、由佳里ちゃんに出迎えられた。その声を聞きつけて、奏ちゃんも駆け寄ってくる。
「お姉さま方、お疲れ様なのですよ〜」
「ただいま、二人とも…」
なんだか…日常に戻ってきたなぁ、って感じだなぁ…ホントに。
「お茶をお淹れしますのですよ〜」
「うん、お願いね、奏ちゃん」
奏ちゃんのお茶を飲んで、ゆったりと過ごす…嗚呼、この平穏な生活のなんと素晴らしい事か。
まりやの「ドクダミ茶でも飲もうか」の発言で実践した「ドクダミの煮汁」はこりごりだ…
お腹壊したし。
「さ、瑞穂ちゃん。そろそろ時間だよ、じ・か・ん♪」
嗚呼…カミサマ、僕がお嫌いですか…?お嫌いなのですか…?

「さて皆さん。今日はご存知の通り、
先に告知したバトルエルダートーナメントを開催いたします」
う〜ん、学院長先生の口からそんな言葉が出ると、新鮮というかなんと言うか…
「それでは早速ですが…参加者たちの対戦組み合わせの発表を行います。
このあと、体育館にて第一回戦を始めますので、見学者はそちらに移るように…
では、これが対戦組み合わせです」
パチン、と、学院長先生が指を鳴らす。と、講堂の天井から垂れ幕が降りる!!
…なんでこんなギミックを講堂に仕掛けるんだ…?っと、それより、対戦組み合わせは……って、
「ええええええええええ!?」
僕は思わず声を上げてしまった…だって、そこに書かれた組み合わせは…
691第一話スレ126:05/03/19 02:44:04 ID:ER0CmJCi
恵泉最強王座決定戦!!―第二話・決戦、迫る!!―(2)

一回戦第一試合
 周防院奏VS十条紫苑
   第二試合
上岡由佳里VS小鳥遊圭
   第三試合
御門まりやVS厳島貴子
   シード選手
   宮小路瑞穂

………け、結局紫苑さん出ちゃったんだ…っていうか!!
な、なんで奏ちゃんまで!?
「…ま、奏もいい経験になるんじゃないかしら…?」
「ぅわっ!!…あ、圭さん…!ま、まさか圭さんが無理やり奏ちゃんを!?」
「まさか。その必要も無かったわ…これを御覧なさい」
そう言われて差し出されたのは、生徒手帳…?
「何々…「奨学生生徒は、特別な理由が無い限り学校行事に参加しなくてはならない」…
って、これの所為ですか…」
「奨学生だからね。できる限り真面目に学校行事に参加しないと、
資格を取り消される可能性もあるってわけ」
「…うう、奏ちゃん大丈夫かな…?」
「お静かに…それではこれで本日の朝礼を終わります。
この後、体育館にてトーナメント第一回戦を行いますので、選手の皆様は
選手控え室にて待機をお願いいたします」
緋紗子先生の号令で、順序良く生徒たちが講堂を後にする。
……ホント、どうなるんだろう…?
692第一話スレ126:05/03/19 02:45:11 ID:ER0CmJCi
恵泉最強王座決定戦!!―第二話・決戦、迫る!!―(3)

「あ、お姉さま…」
「奏ちゃん…本当に大丈夫なの?」
選手控え室で、それぞれ選手たちは着替えを始めている。
その中で、僕は奏ちゃんに声をかけたのだった。
ちなみに、奏ちゃんと由佳里ちゃんは体操服姿で、僕は道着に袴というスタイルだ。
「奏は、奨学生ですから…出来る限り、ちゃんと行事参加したいのですよ」
「そこまで真面目に考えなくてもいいと思うんだけど…ですよね?瑞穂お姉さま」
「そうね…危険だから、もし危ないと感じたら、直ぐギブアップするのよ?」
「は、はいなのですよ…」
危険、という言葉に、奏ちゃんが硬直する。…ううん、怖がらせちゃったかな…?
「大丈夫よ。部活で散々鍛えてるから…」
「でも圭さ……って、その格好は…?」
後ろから圭さんに声をかけられ、振り向いたら…
…何故か、メイド姿の圭さんが居た。
「メイド姿で華麗に戦う…萌えるでしょ?」
なんて云ってVサインをする圭さん…いいのか?そんな理由で…
「こほん。ともかく、部活で鍛えられてるといっても、文化部だし…」
「甘く見ちゃいけないわよ。この私のシゴキを…」
「そ、そうなのですよぉ…甘く見ると、お姉さまも痛い目を見てしまいますのですよぉ…」
「…なんか、聞いてるだけなら、陸上部以上に厳しそうな気がするんだけど…?」
圭さんの妖しく光る眼光に、顔が引きつる由佳里ちゃん……僕も引きつってるかもしれない。
「ゆかりん、運動部が文化部に負けたら承知しないからね!!ガツンと決めてやんなさい!!」
横合いから、まりやが由佳里ちゃんの肩を勢い良く叩く。
「だ、誰がゆかりんですか…!!それはもう止めてくださいと何度も…」
と言うものの、由佳里ちゃんはちょっと諦めてるようだけれど…
ちなみにまりやは、空手着姿で、頭にハチマキを巻いている。
…どこぞのストリートファイターのようだ…
「ほほぅ…この私に勝てるとでも…?」
「えらく自信たっぷりねぇ…後で吠え面かかないでよね、圭さん…♪」
693第一話スレ126:05/03/19 02:46:02 ID:ER0CmJCi
恵泉最強王座決定戦!!―第二話・決戦、迫る!!―(4)

「いや、あの…小鳥遊お姉さまと対戦するのは私なんですけど…
勝手に挑発しないで下さいよまりやお姉さまぁ…」
由佳里ちゃんも大変だなぁ…
「お姉さま方。そろそろ入場ですわよ…」
「ああ、はい、貴子さ……って、ええええええ!?」
貴子さんの姿を見て、僕はつい大声をあげてしまった…
だって貴子さん。チャイナドレス姿なんだもん…
「あ、あの、お姉さま…あんまりジロジロ見られると、は、恥ずかしいのですが…」
「え、あ、ああ…す、すみません…」
とはいえ…スリットからは白い足がちらちらと見え隠れするし、
髪はまとめ上げられてて、それが妙にセクシーで……
…これはちょっと、可愛いかもしれない…
「く…まさか瑞穂さんがチャイナドレス萌えだったとは…不覚」
余計な事を言わないで下さい、圭さん…
「あらあら…皆さん、百花繚乱、と言った様相ですわね…」
「あ、紫苑さ…………は?」
ある意味、紫苑さんのスタイルが一番意外だったかもしれない…
膝と肘につけられたパット。ロングブーツ。そして何より、真っ赤に彩られたワンピースの水着…
じょ、女子プロスタイル…?
「あ、あの…紫苑さん、その姿は一体…?」
「あぁ…私、深夜の女子プロレスが大好きで。
一度こんな格好をしてみたいと常々思ってましたの。
ほら、こんな機会でもないとこういう衣装着れませんし」
「……なんと云うか……お身体には気をつけてくださいね…?」
「はい。ありがとうございます」
う〜ん、人間色々だなぁ…

                                 つづく
694第一話スレ126:05/03/19 02:47:13 ID:ER0CmJCi
…妙に長くなってますな…まだ試合に入らない…w
でもまあ、これからが展開早くなりそうな気も…
ともあれ、次回一回戦第一試合、開始であります。
695名無しさん@ピンキー:05/03/19 03:27:55 ID:Uhkg5Zz7
親父ども、いい仕事してます
696266:05/03/19 05:00:15 ID:bDruY9PL
>>682-684
GJ!!ああ、親馬鹿ここに極まれり。とはいえ、ほのぼのですな。
良家には良家の苦労があるわけか。ふん。

>>初代スレ126氏
シリーズ乙です。
<<袴に体操服にメイドにチャイナに女子プロだと?!何を考えているんだ、恵泉!>>
ハァハァ

697瑞穂:05/03/19 06:31:39 ID:i3m+iQCM
ここは今からランブルローズスレになりました

      〃´⌒ヽ
     ., -――  メ/_´⌒ヽ
   /   / ̄  ´ヽ ヽ
  ./  ,  /// ト. !  、 丶ヽ
  l  / /(((リ从  リノ)) '
  |  i  l   . ヽノ .V l
  l ,=!  l  ///    ///l l    ねんがんのランブルローズをてにいれたぞ!
  l ヾ! ', l    ヽ_フ   l l
  |  ヽヽヽ        //
  l    ヾ≧ , __ , イ〃
  li   (´`)l {ニ0ニ}、 |_"____
  li   /l, l└ タl」/|ランブルローズ `l
  リヽ/ l l__ ./  |_________|
   ,/  L__[]っ /      /
698269:05/03/19 08:15:02 ID:X3d3qEwG
ぐあ…
お出掛け前に見てたら、昨日投下したものにとんでもない間違いが…
三月の… ×
十月の… ○

三月じゃ引継ぎ終わってるよ…orz
699名無しさん@ピンキー:05/03/19 12:33:13 ID:M6gAncLm
保管庫の人

もしよろしければ作者別のまとめもしていただくとありがたいです
検索フォームも設置していただいていますが
作者の名前が基本的に数字になっているため
区別するのが困難なので
手間をかけることになるとは思いますが、できればお願いします
700夫婦:05/03/19 12:50:19 ID:NZXSnsrb
『――20代女性の実に〜%が現在結婚をしたくないと、回答し……その中でもさらに〜割の女性が――』
「…………」
ぽり、
ここは都内某所にある、鏑木家の館。
それなりに豪華な作りではあるが、内装は意外と質素だ。
その一室……居間で鏑木紫苑はくつろいでいた。
『まさに、結婚に対する考え方の変動が見て取れますね、高梨さん』
『そうですね、やはり女性の社会進出が――』
ぽり、ぽり、
紫苑はというと、社会進出なんのその、コタツにとっぷりと浸かって煎餅を食べている。
ちなみに、洋間も別にあるのだが、和室がお気に入りらしい。
(瑞穂さん、遅いな……)
ぽり、ぽり、ぽり、バタンッ
遠くで扉の閉まる音がした。誰か帰って来たようだ。
すぐに、居間の扉が開かれる。
「おかえりなさいっ、あなた」
「はーい、ただいま〜。紫苑〜」
「……お義父様」
「あぁ、すまなかったな、瑞穂ではなくて。ガッカリさせてしまったようだ」
「いえ、そのような事は決して……申し訳ありません」
「いいんだ、いいんだ、気にするな。夫婦仲がいいのは非常に喜ばしい事だ。
 ぬぁ〜〜、やはり我が家はいいなぁ」
ドカっとコタツに寝転ぶ。
「なぁ、紫苑。もう少し砕けてもいいんだぞ、わしに対しては。……躾が非常に行き届いてるのは判ったから」
「はい……お気遣い感謝します。……どうぞ、緑茶です」
「おぉ、すまんなぁ」
701夫婦:05/03/19 12:50:59 ID:NZXSnsrb
「しかし、瑞穂も忙しいのだな、わしよりも帰りが遅くなるとは……
 ズズズ……あちちっ、ん〜っ、んまい」
会話はそこで途切れた。
居間には、ただテレビの音だけが流れている。
『そうですか、ひとえに結婚といっても、色々と考え方があるのですねー。やはり現代ではお金も重要な……』
「かーっ、結婚なんて愛だろ、愛。判っちゃいないんだよ、こんなオッサンどもには」
テレビに応えるのもおじさんのする事だと思う。
「……愛、ですか?」
「ん? 愛だろう、それは。……何? 紫苑と瑞穂、最近上手くいってないの?」
「いえ……、そうではなくて。色々な形態がある以上、必ずしもそこに愛があるわけではないのでは、と」
「なるほど、……例えば政略結婚とか、言いたいわけ、かな?」
こくんっと、紫苑がうなずく。
起き上がる慶行。
「そうかもしれんな、一般的に政略結婚と言われるものには愛は存在しにくいかもしれん。
 よっ……と」
ミカンを1つ掴む。
「だがなぁ、紫苑と瑞穂だって、言っちゃ悪いが、他所から見れば政略結婚に見えるだろ」
何気ない雑談のように、それこそミカンを剥きながら、聞き捨てならない事を言ってのける。
「………瑞穂さんは、私の事を愛してくださっています。
 いくら、お義父様とはいえ――」
「待ーった、待った。わしが悪かった。そんな事はわしもよく知ってる。
 ただ、お前らの関係も他所様から見れば、政略結婚に見えてもおかしくない、
 だから、政略結婚なら愛はないなんて事はない、と言いたかったんだ」
「なんだか、乱暴な論調ですわ」
「そう、だな。そうかもしれん」
702夫婦:05/03/19 12:51:41 ID:NZXSnsrb
慶行は今度こそ姿勢を正すと、紫苑を正面から見据える。
「半分食べるか? 甘いな、このミカン」
「……いただきますわ」
「ただなぁ……わしが政略結婚と言われるような結婚をしてるから、
 愛がないだなんて言われて、少しムキになっただけだ」
「政略結婚、だったのですか?」
「……あぁ、そうだ。親の決めた結婚だった」
「……お義父様を見ていると信じられません」
「だって、愛し合ってたからな、わしら」
慶行がテレビを消す。居間には静寂。
「聞きたい? わしと幸穂の馴れ初め」
「ここまでお膳立てされてしまっては、聞かないわけには行きませんわ」
さも待ってましたとばかりに、ニカーッと笑う慶行。
「取り合えず、今日は二人の出会いから行こうか。あ、話の前にお茶淹れなおして来るわっ」
「お義父様、お茶なら私が……」
云い終わる前に、さっさと行ってしまった。
不思議な方だ。
瑞穂さんとどこか似ているようで全然違う。
母親似なのかな? 瑞穂さんは。
すぐに、飛んで戻ってきた。
「いや〜、折角だから、お気に入り持ってきちゃった」
「お義父様、私お酒は……」
「固いこと言いなさんなって、折角の可愛い娘との語らいなんだから。はい、ちょとだけちょっとだけ」
ドブォドブォドブォ
「お、お義父様……?」
「いいのいいの、雰囲気雰囲気。持ってるだけでもいいから」
押しの強い慶行にどんどん流されている。
「それじゃ、早速始めようか。わしと幸穂の出会いの話」
カランっと紫苑のグラスで氷がなっていた。

「わしが初めて幸穂と会ったのは、まだ子供の頃だった――」
703夫婦:05/03/19 12:52:26 ID:NZXSnsrb

親父に連れてこられたのは、馬鹿でかい日本庭園つきの屋敷。
通された客間には爺が一人座っていた。
親父とそいつの話には興味はなかったし、どの道当時のわしに理解できるような話ではなかった。
そして、しばらくして……その爺が誰かを呼んだ。
すぐさま現れた女中さんに爺は一言、「幸穂を、ここに」と告げた。
女中さんも一言「かしこまりました」とだけ残すとすぐに消えていった。
一体誰を呼ぶというのか知らんが、どちらにせよわしには興味のない事だった。
わしはさっさとこの場を切り抜けて、裏の山で遊ぶことばかりを考えていた。
そしたらな、やってきたんだよ。今までお目にかかった事もない、
お伽話の中から飛び出してきたような、お姫さまがな。
全てが完璧だった。
普段着のように和服を着こなし、艶々の髪を綺麗に揃え、
そしてその立ち振る舞いまでが、わしにとって常軌を逸したものだった。
歩き方、仕種、座り方、話し方、
何から何までわしの知っている子供という生き物とは違っていた。
極め付けに、すました顔して表情ひとつ決して変えずに、
「宮小路幸穂でございます。お逢いしとうございました、慶行さま」
と、わしを名指しで呼びやがった。
何が何だか分からなかったよ。ただ、無性に腹が立っていた。
自分と同年代の子供にこんなわけの判らない生き物がいるだなんて信じられなかったんだよ。


そこまで話すと、一旦グラスを傾ける。
「それで……、その後どうなったのですか?」
「連れ出した」
「……は?」
「むかついたから、無理やり連れ出して子供のなんたるかを叩き込んでやった」
一度にグラスを空にした慶行に紫苑が酒を注ぐ。
「あぁ、何度思い出してもあれは傑作だったな」
慶行の意識は、また遠い過去へと戻っていく。
704夫婦:05/03/19 12:53:24 ID:NZXSnsrb


「慶行さま、一体どこへ行くのでしょうか」
「……裏山」
「ぇえっ!?」
よっぽど意外な言葉だったんだろうな。
それまで澄ましていた幸穂が、
初めて感情の篭った声を発した。
初めて顔をあげた。
初めて表情を彩らせた。
初めてわしと目を合わせた。
子供心に、それがよっぽど嬉しかったんだろうなぁ……。
客間で初めて見た幸穂は確かに美しかったが、
わしはこっちの方が断然可愛いと思った。
ひょっとしたら、この時既にわしの心は決まっていたのかもしれん。
勿論まだ自覚はなかっただろうがな。
それからは本当に楽しかった。
林で虫を採って蜂に追われたり、
小川に沢蟹を捕まえに行って、転んで二人で水浸しになって、
原っぱに寝転んで服を乾かして、
わしにとっては何の変哲もない事が、幸穂には全て初体験だったのだろう。
何をするにも顔を輝かせて、「慶行さま、これっ、これは何ですか?」と聞いてくるんだ。
わしはその度に得意になって知っている事を全部話してまわった。
まるでお姫様を連れ出す、悪い魔法使いだ。
「――王子さま、ではないのですか」
やめてくれよ、柄じゃない。
それに、王子様というには少々低俗だった。
お姫さまを連れ出して悪いことしまくったんだからな。
705夫婦:05/03/19 12:55:11 ID:NZXSnsrb
勿論後でこっぴどく叱られたぞ、親父に。
ただでさえ、習い事だのをさぼって近所のガキどもと遊び歩くわしを
快く思っていなかった親父だからな。
宮小路のお嬢様まで連れ出したとなりゃあ、そりゃカンカンさ。
顔の形が変わったぞ、実際。
「でも、わたくし……幸穂さまのお気持ちがよく分かりますわ。
 きっと、夢のような時間だったのだと思います」
そうだなぁ、そうかもな……。
親父にボコボコにされたわしの事を、幸穂は泣きながら手当てしてくれたよ。
へったくそだったなぁ。幸穂の……手当て……。
その頃にはわしの中で幸穂は、完全に同年代の普通の女の子になっとったよ。
その後も帰る寸前になるまで二人一緒に遊んですごした。
そして……いよいよ帰るとなった時、
車に乗り込むわしに幸穂は微笑んで言った。
「必ずまた、逢いに行きます」
わしは、それならまたこの女の子と遊べるなって思って、
「あぁ、必ずだ。そしたら次こそは、いつまでも一緒だ」
と応えてしまった。


「それがまさかなぁ……大体、あんなガキだったのに、許婚だの婚約だの、
 分かるわけないだろう、なのに幸穂の奴ときたら……」
酒が随分まわってきたらしい。
「そうですか? 分からずにそんな事を仰ったのなら、
 お義父さまも中々に女性泣かせですよ」
「そうか? 紫苑に言われるとなんだか照れるな、わし。
 ……おっと、紫苑…グラスが空いてるぞ」
とくとくとく……何杯目だろうか、紫苑のグラスもまた満たされていく。
「だからなぁ、十年以上過ぎたある日、幸穂がうちに押しかけてきた時は、本当に驚いたよ」
「……それはまた、急展開ですね」

706夫婦:05/03/19 12:56:41 ID:NZXSnsrb


あれはわしが高校を卒業した時期だ。
小さい頃から悪がきだったわしは、その頃には鏑木グループなんて鬱陶しい存在以外、何者でもなかった。
当然跡を継ぐ気もなかったし、大学に入ったら家出して自立する腹積もりだった。
卒業と同時に、結婚話なんて持ってきてやがったのも気に入らなかった。
その日も親父と大喧嘩をしとった、こんな家出て行ってやるっ……とな。
そうしたらな、来たんだよ、あいつが。
物凄い剣幕で怒ってるんだよ、見ず知らずの、物ッ凄い美人が。
慶行さまの大嘘つきって泣いて怒るんだわ。
あれには参ったよ。
あの時の女の子がだぞ、いきなり飛び切りの美人に成長してだ、
自分と結婚するために俺の家出を止めにきやがった。
その後は親父そっちのけで結婚前から夫婦喧嘩さ。
しかし、どうにも話が合わないんだよ。
そりゃあ、そうだ、
わしの中では結婚の約束は親がしたものだってのに、
幸穂の中ではわしと去り際に直接交わしたも言葉になってるし。
俺は幸穂は親の言いなりで無理やり結婚させられに来たと思ってたのに、
幸穂の奴は、あの日から毎日わしの妻になる日を夢見て生きてきたといい始める始末だ。
まったくもって大混乱だ。



「それで……結局どうなったのですか?」
「まあ……色々、あったさ。……色々、な
 ただ、まぁ……今現実にわしはここにこうしているわけで、……それが結果だな」
慶行がグラスを一気にあおる、何となく紫苑も真似してみたくなり、それに続いた。
707夫婦:05/03/19 12:58:14 ID:NZXSnsrb
「次の日からな、幸穂……そのままこの家に居つきやがった。
 結婚するまで帰ってくるなと両親から仰せつかってるなんて、意味不明な事いいつつ、
 毎日わしの横で説得しながら、幸せですって語りかけてくるんだよ。
 反則だと思わんか? わしにとっても初恋の人だったし、幸穂はあんな女だったし……
 正直、三日と持たなかった、落ちるまで」
「まぁっ、情けないですわ。意地でも一ヶ月は頑張ってもらわないと、張り合いがありません」
「や、まぁ……なんだ? その、既成事実、作られちゃったしなぁ」
「……お莫迦。それでは女の思う壺ですわよ、お義父さま」
「……まぁ、そんなこんなで目出度く結婚というわけだ。
 いやあ、あの頃は辛かった。それまでサボってた分、片っ端から経営の事を詰め込まれたからな」
二人とも、いい感じに酒が回っている。
ボトルは、既に三本目だ。
「でも、支えてくれる人が、ちゃんと、いらっしゃったのでしょう?」
「あぁ……とても幸せな時間だった」
「ありがとうございます。とても…興味深いお話でした……。
 それと、謎が一つ解けましたわ。生粋のお姫様を宇宙人に仕立て上げた、犯人が誰だか」
「わしのせいかな、やっぱり」
「お姫さまに変な事を教えるからいけないのです。少々刺激が強すぎたのでしょう。
 ……でも、ちょっぴり羨ましいですね」
随分と時間が過ぎてしまったようだ。
既に日付が変わっているというのに、瑞穂はまだ帰ってこない。
「遅いな、あの莫迦息子」
「本当、酷いです。こんな時間までほったらかして」
ぐびぐびぐびっ、……一気飲みだ。
今の話を聞いた後で、自分も夫が恋しくなったのだろう、
紫苑のご機嫌が傾き始める。
「がっはっは、何だ紫苑、瑞穂の話なら、パパがいくらでも聞いてやるぞ。
 二人の馴れ初めも詳しく聞きたいな」
「お義父さま聞いてくださいな、瑞穂さんったら――」
夜更けの親子の語らいは、恐らく瑞穂が帰ってくるまで続く。
708夫婦:05/03/19 13:00:51 ID:NZXSnsrb




バッターンッ!
屋敷の玄関が勢いよく開け放たれる。
「にゃっはっは〜〜〜! 今帰ったぞ〜〜〜〜!」
「もうっ、まりやさん、いけませんわ。こんな夜中に騒いだらご近所さまにご迷惑ですよ。
 めっ、お仕置きしちゃいますよ」
「社長、何を訳の分からない事を……口調が女性になってま――きゃああああっ、いやっ、だめっ、
 瑞穂さん、お待ちください、ちょ……きゃあ……んむっ」
「あ〜、貴子ばっかりずるーい。瑞穂ちゃん、あたしもに飲ませて〜〜」
「もう、しょうのない子ね……それではまりやさんにも、ん〜〜」
酔っ払い二人組みと不幸な秘書一人のご帰還のようである。
『……なのに、瑞穂さんったら、ベッド上だと急に人が変わったように――』
『……なんとっ、それは羨まし、もとい非道な息子だ。今度厳しく言ってやらねばなっ』
居間のドアに手をかけた貴子は、嫌な予感がした。
「うわ、お酒臭い……」
後ろに酔っ払い二人を抱えているというのに、
「おぉっ、帰ったか瑞穂。丁度よかった、少し話がある、ここに座りなさい」
「あなた〜! 遅いですよぉ、私ずっと待ってましたのに、さっ、早く寝室に行きましょう」
「ちょ〜っと、瑞穂ちゃんはあたしと飲むんだい。嫁はすっこんでろいっ、ちくしょ〜!」
「あらあらっ、困りましたわね……。私の体は一つしかありませんのよ? 皆さん」
「…………はぁ」
「さっ、ささささっ、幸穂〜〜〜〜!!」
「はぁい、パパ。どうしたんですか〜、あらあらっ、泣き虫さんですねぇ」
「お義父さま! 私の大切な旦那さまに何をなさるのですかっ! 離して、離してくださいましっ!」
「なーにが旦那さまだ! こちとら瑞穂ちゃんとは十数年来の幼馴染だっつーの、チクショウ!」
やってられない…………苦労多き社長室長も、あびるように酒を飲み始めた。
次の日の朝の事を思うと、飲まずにはいられなかった。
709夫婦:05/03/19 13:02:50 ID:NZXSnsrb
708を人は蛇足と言う。でも反省はしていない。
710名無しさん@ピンキー:05/03/19 13:12:35 ID:a/r7/zXZ
ご苦労様っ!!! いや〜楽しませてもらったですよ。
思わず4回読み返してしまったです。ええ話でした。

にしても瑞穂ちゃん、こわれすぎ(笑)
711名無しさん@ピンキー:05/03/19 13:13:30 ID:/wnZk0XC
似てるんだか似てないんだかワカラン親子だなぁ。
ともあれGJ。
712名無しさん@ピンキー:05/03/19 13:26:16 ID:7fijMnrA
GJです。
これまでとは違った慶行&幸穂の関係ですね。
結構、幼馴染説(一応これも幼馴染にはなることはなるけど)が多かったので、新鮮で面白かったです。

私も
ふたりの別のネタがあったのですが、幼馴染説が強力だったのでボツになってたんですが・・・
発掘して書き直そうかな。
713初代スレの45:05/03/19 13:27:22 ID:7fijMnrA
おっと、失礼。名前欄書き忘れた。
712は初代スレ45です。
714名無しさん@ピンキー:05/03/19 14:12:40 ID:72R/tq6R
>へったくそだったなぁ。幸穂の……手当て……。
これが堪らんです。
715402:05/03/19 14:39:27 ID:itoz9+jR
>>709
わははは、楽しませて頂きました。

紫苑さま・・・からみ酒なのでしょうか?
貴子さんは、(間違いなく)からみ酒になるかと(きっぱり)
翌朝が、大変なような気がしないでもないのですが・・・

どうしてシリアスっぽい話を書いているときに、こういう話に遭遇してしまうのか(^^;
ご苦労様でした。
716名無しさん@ピンキー:05/03/19 14:55:46 ID:Ha94++ZR
一番からんでたのは間違いなくまりやだな。

ところで作者は53ですか?
717名無しさん@ピンキー:05/03/19 15:04:56 ID:JsyYak/P
ここで突然SSではないものを投下してみますね
┃ω・`)つttp://jpgif.com/up05/img/220.jpg


ヨダ絵むずいな・・・
718初代スレの45:05/03/19 15:25:43 ID:7fijMnrA
>>717
素晴らしいっす!GJ!
つーか本家を思い起こさせるようなシュールっぷりで見事ですw

女装とかイミネー!ふんどしかよ!しかもそのふんどしに描かれた絵もまた・・・細かいところまでGJですわ。
719名無しさん@ピンキー:05/03/19 16:54:27 ID:h8LBJbnz
>670に追加してみるテスト。

ある日の鏑木家

「まったく…女の瑞穂さんに戻らなくてはいけませんのに、男の瑞穂さんを呼び出してどうするんですか」
「いや、戻るとか呼び出すとか、僕は元々男…」
「瑞穂ちゃんは黙ってて!」
「はい…」
(なんで僕が謝らなくちゃいけないんだろう…)
「すみません、先ほど祝杯代わりに頂いたワインに酔ってしまったようです」
「それで理性の箍が外れたと…って、紫苑さまかなり強い方じゃありませんでしたっけ?」
「うふふ、久方振りに女装した瑞穂さんに会えると思ったら嬉しくて。それで気が緩んでいたのだと思います」
(((……絶対嘘だ)))

「まあとにかく、まずは女装の仕方から思い出さないとね。瑞穂ちゃん、お化粧の仕方は覚えてる?」
「え、うん。一応は覚えてるけど…」
「『覚えています』ですわよ、瑞穂さん?細かいところから襤褸が出るんですから、今から気をつけませんと」
「あー、でもあれから数年経ってるし、顔付きとか変わってるかもね。そしたらメイクも変えなきゃ駄目だし…とりあえず、復習ついでにあたしがやったげよか?」
「そうですね、その方がいいと思いますわ」
「んじゃ早速その椅子に座って、瑞穂ちゃん」
「はいはい…」

「うーん…相変わらず恐ろしいほどの肌理の細かさだわ。男とは思えないわね」
「まりやさん、この色なんてどうかしら?」
「うん、よさそうね。いただき!」
「あ、あまり厚化粧なのはちょっと…」
「お化粧のノリもいいし。スタイルも崩れてないし。いいなぁ、やっぱり瑞穂ちゃんいいなぁ」
「……」(久々に胸パッドで遊べて御満悦)
720名無しさん@ピンキー:05/03/19 16:55:05 ID:h8LBJbnz
「…うわ」
「これは…」
「まあ…」
「…やっぱり無理だったんでしょ?僕…じゃなかった、私だって大人になったんですから」「…そうね、確かに恵泉時代の瑞穂ちゃんからすれば別人だわ」
「それじゃこの話はなかったということで…」
「だってますます美人になってるもん…」
「へ?」
「わ、私女としてちょっと自信をなくしてしまいそうですわ」
「お義父さまが忘れられないのも無理ないかもしれませんね…」


     そんなこと云われても…
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


「とにかく、間に合わせどころか今すぐミスコンに出ても優勝狙える素材と分かった以上、妥協は許さないわよ瑞穂ちゃん!」
「ええ、理想の叔母として振舞ってもらいましょう」
「うふふ、ちょっとしたマイフェアレディと言ったところですわね」
721206:05/03/19 16:58:55 ID:h8LBJbnz
相変わらず全然話進めてません。
ごめんなさい。

あ、一箇所改行忘れてた。
「私だって大人になったんですから」の後まりやの台詞、「…そうね、確かに恵泉時代の」は脳内で改行しといてください。
7225時起き:05/03/19 17:28:07 ID:m+f2QXNR
出張終了記念小ネタ投下。

卒業式の後のカラオケにて。
「♪いまぁ、春が来て〜、きみぃは〜キレイに〜なった〜
  去年より〜ずっと〜 キレイに〜なった〜」
「イヤあの、まりや? そこの所だけ強調して私の方見て歌われても…」

スマソ、>>719-720を見てふっと思い付きました。
取り敢えず206氏GJです。

さてまだ見て無い分見て来ます。頭が痛い気がするけどきっと気のせいだ。
723402:05/03/19 18:54:09 ID:itoz9+jR
>>720に追加してみたりして
 ある日の鏑木家。

「とは言っても、やはり、おもしろくないですわね」
「だよね。女としてのプライドを・・」
(だから・・・ぼくは、おとこなんだってば)
「瑞穂さんが、女性なら、我慢もできますが・・・やはり、凹みますわ」
3人揃って瑞穂を睨むと
「きりきりやっていただきます。ええ、手加減などしませんとも」
「だね。手加減いっさいなし」
「そうですわ。時間もないことですし、容赦なしで、思い出していただきますわ」
「あの・・・・私恨が交じっているような気が・・・・」
瑞穂の呟きを耳にして
「ごちゃごちゃ言わない」
「私恨など交じってませわ」
「そうですわ。被害妄想では、ありませんの?」
と、集中砲火を浴びて
   (絶対私恨が交じってる)
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怪気炎を上げる女性陣とは対照的に、瑞穂は凹んでいた。
724402:05/03/19 18:58:15 ID:itoz9+jR
ますます。美人になった?瑞穂ちゃんが、嫉妬の集中砲火を浴びてしまいました。
725名無しさん@ピンキー:05/03/19 20:22:54 ID:U4Ko6McK
「ぐあああっ…落ちるぅっ・・・!いいのかぁっ!並木道で落ちてもいいのかぁっ!」
「貴子さん」
「無理だぁっ!瑞穂さんの前で落ちる羞恥に勝るものなどないぃっ!自制など聞かないぃっ!」
「……では、どうしたら僕が貴子さんのことを好きだって…信じてくれますか?」
「ならキスしろぉっ!がんばってキスしたら許してやるぅっ!」
「……貴子さん………ん……っ」
「あほかぁ!そんな小学生のようなキスで許してもらえると思うなぁぁっ!」
そうはき捨てた貴子さんの口に今度は瑞穂が開いた口を重ねる。
そして下を差し入れ、貴子の口を求めた。
れおれおろ双方の下がぴったりと合わさった口の中で絡み合う。
それが頬越しにもはっきりと見て取れた。
ときに貴子の下に吸い付き、上唇を食べるように自分の唇で挟み込んだりした。
それをさせておいて貴子は、羞恥心を高めるの忘れない。
「ぷぷぅっ…!はああぁぁっ!参ったあぁぁっ…さらに恥ずかしくなりすぎて結局落ちちまったあぁぁっ…!」
どさっ
「わわっ!!た、貴子さんっ?!」
726:05/03/19 20:37:19 ID:d1WHnt/3
一子絡みでSSできたので投下します.
おとボクやってて一番感動した話は?と、聞かれたらTOP3のうち2つは一子絡みになると思います.
色々感動を与えてくれた一子ちゃんに捧げるSS.
4部編成ととても長いですが, シリアス好き一子ちゃん好きな人は是非読んで頂けると幸いです.
727星空の片隅に 第1部1/11:05/03/19 20:38:17 ID:d1WHnt/3
 私が一子ちゃんに出会ったのは・・・そう、あれは2年生の夏のある日。
 いつものように・・・いえ、たまたま遅刻してしまい慌てて寮を飛び出して学校へ向かおうとしていた時でした。

   どふっ

 幸穂 「きゃっ」
 生徒 「ふわわっ?!」
 幸穂 「まぁ・・・大丈夫?」
 一子 「はっ、はいっ!ごめんなさいすいません!私ちょっといや大遅刻しそうな
     ので急いでいたのですがパンをくわえていた上に前方不注意で人様にこの
     ようなご迷惑をお掛けしてしまいましてっ!大変申し訳ありませんと申し
     ますか、生まれてきて申し訳ありませんと申しますかこのっ・・・!」

 ぶつかった女の子は鼻の頭にバターをつけたまま怒涛の勢いで喋りだした。
 それが、私にはこの上なく面白く、そしてかわいく思えたのでした。

 幸穂 「・・・えっと、ストップ」
 一子 「・・・はい」

 なんとかその女の子は喋ることを止めてくれた。

 幸穂 「私も遅刻してしまいそうなのですが、ここは一つ、そんなに慌てないでご
     一緒に遅刻してみてはいかがかしら・・・パンをくわえたまま、前を見ず
     に走るのは・・・やはりとても危険だと思いますし」
 一子 「は、あの・・・」

 その女の子はとても申し訳なさそうに少し俯いてしまった。私は逆にそんな彼女の純粋さがとても気に入ったのでした。
728星空の片隅に 第1部2/11:05/03/19 20:39:32 ID:d1WHnt/3
 幸穂 「大丈夫、遅刻した程度で世界が滅んだりしませんよ・・・それに、鼻の頭
     にバターが付いていますよ」
 一子 「あわわっ・・・」
 幸穂 「ふふっ・・・これでお拭きなさい?」

 私は花紙を一子ちゃんに渡してあげた。その時の一子ちゃんのなんとも言えない表情に自然と笑みがこぼれた。


    双つの流れ星  〜〜思い出の欠片〜〜

 並木道の桜が満開になる頃、この学院に再び恵泉女学院生徒達の笑い声が弾ける。
 いつものように寮を出るとそこには一子ちゃんの姿があった。
 
 一子 「幸穂お姉さま、おはようございますぅ」
 幸穂 「おはようございます、一子ちゃん」

 毎朝、寮から出てくる私を一子ちゃんは待っていてくれて、一緒に登校するのが日課となっている。
 この日も、いつものように並木道の下を一子ちゃんと並んで歩いている。
 私には、一子ちゃんとこうやって一緒に楽しくお喋りするのが一番の楽しみだった。

 幸穂 「こうやって一緒に登校するようになって、どのくらいたつのでしょうね?
     一子ちゃん」
 一子 「え〜とですね〜、去年の9月からですから・・・もう半年になりますね」
 幸穂 「そう・・・もう半年にもなるのね」
 一子 「はい!半年間も幸穂お姉さまの朝の貴重な時間をなんといいますか平々凡々
     な私めに割いていただいて不肖高島一子、本っっっっ当に・・・言葉では表
     現できないくらいに感謝しているわけで、これもひとえに信心深い私に対す
     る神様仏様イエス様キリスト様のご褒美であると日々思っているわけであり
     まして・・・」
 幸穂 「ふふふ、イエス様とキリスト様は同じですわよ?一子ちゃん。それに、あん
     まりたくさんの神様を信仰するのは、信心深いとは言わないわよ?」
 一子 「そ、そうだったのですか〜・・・」
729星空の片隅に 第1部3/11:05/03/19 20:40:07 ID:d1WHnt/3
 一子ちゃんのマシンガントークもいきなりの弾切れになったらしく、少し困った顔で私を見上げていた。
 喜怒哀楽を素直に表現する一子ちゃんが私は本当に大好きだった。

 幸穂 「ふふふっ、一子ちゃん。私は一子ちゃんと朝こうやって一緒に登校するのが
     とても楽しいのよ」
 一子 「幸穂お姉さま・・・あ、ありがとうございます。こんな何も芸がない帰宅部
     4等兵な私としましては今のお言葉、本っっ当にもったいのうございます。」
 幸穂 「それにね、私と一緒に登校するようになって、一子ちゃんの遅刻防止にもな
     っているのよ?」
 一子 「そ、それは確かに遅刻は減りましたけど・・・幸穂お姉さまが遅刻した時は
     私も一緒に遅刻しているじゃないですかぁ〜・・・」
 幸穂 「あら・・・そういえばそうだったわね、ふふふ」
 一子 「はははっ、さすが幸穂お姉さまですぅ」

 私と一子ちゃんは満開の桜の下、二人笑いながら並木道を歩いていた。
 今年も・・・恵泉女学院最後の一年も楽しく過ごせるとその時は信じて疑わなかった。


 【6月のある日】

 今年度のエルダー投票日も近づき、学院内の話題もエルダー一色になりはじめたある日の午後・・・

    「今年のエルダー、誰が選ばれると思います?」
    「やっぱり〜、生徒会長の今日子お姉さまじゃないからしら」
    「華道部の陽子お姉さまもとても清楚な感じがして素敵ですわよ」

 教室や廊下のいたるところでこのような会話が行われている。

 一子 「ん〜・・・」

 私は一人机に座り、クラスの生徒が今年のエルダーについて盛り上がっている様子をなんとなく眺めていた。 
730星空の片隅に 第1部4/11:05/03/19 20:40:38 ID:d1WHnt/3
 一子 「今年度のエルダーは幸穂お姉さまが一番相応しいと思うのに・・・」

 全てを包み込んでくれるような優しさ、普通の人にはない独特の雰囲気・・・あの人をおいてエルダーになる人なんていないのに。
 そして何よりも大好きな幸穂お姉さまにエルダーになってほしかった。

 一子 「よぉぉぉし!高島一子の名にかけて、幸穂お姉さまをエルダーにするのですよおお
     おおおおお!!!」

 私は天に向かって拳を突き上げて叫んだ。

 ・・・・・・・・・。

 一子 「と、言ったものの・・・どうしたらいいのかさっぱりわかりませんねぇ・・」

 どうにかして幸穂お姉さまの素晴らしさをみんなにアピールしなければならないのに・・・

 一子 「はぁ・・・一体どうすればいいんでしょうか・・・。」

 とりあえず、ない知恵を振り絞って考えてみた。
 幸穂お姉さまがエルダーになるにはまず知名度を上げなければならない。何かのきっかけで有名になってもらい、さらにその上で幸穂お姉さまがいかに素晴らしいかを知ってもらわないといけない。
 そのためには・・・・・・・・・・私は一つの作戦を考えた。

 翌朝、いつも通りお姉さまと一緒に学校へ登校している時、私は作戦実行に向けて思い切って切り出してみた

 一子 「幸穂お姉さま、今週の土曜日はお暇ですか?」
 幸穂 「え?今週の土曜日は・・・別に予定もないので暇ですけど。突然どうしたの
     一子ちゃん?」
731星空の片隅に 第1部5/11:05/03/19 20:41:20 ID:d1WHnt/3
 一子 「そのですねぇ・・・お姉さま・・・一子と一緒にお買い物に行きませんか!?」
 幸穂 「・・・!?一子ちゃん・・・どうしたのそんなに改まって、ふふふ。お買い物な
     らよく二人で行っているじゃないの。」

 しまった・・・、話しの振り方が少し不自然だった・・・。ただ、そんなことで動揺するわけにはいかない。なぜなら、壮大な幸穂お姉さまエルダー計画の始まりなのだから。

 一子 「いや最近、幸穂お姉さまとお買い物に行ってないな〜、なんて思ってたもので
     すから、えへへへへ」
 幸穂 「6月になってから・・もう2回も一緒に買い物に行ってますわよ?一子ちゃん。」

 しまった・・・、墓穴を掘ってしまった・・・・。ただ、そんなことで動揺するわけにはいかない。なぜなら、壮大な幸穂お姉さまエルダー計画の始まりなのだから。

 一子 「あははは〜。そ、そうでしたね。確か・・・幸穂お姉さまがお好きなお店の
     新作が今週からお店に並ぶので、それを見に行こうかな〜って思いまして」
 幸穂 「え・・・?確か・・・新作が発表されるのが今週で、お店に並ぶのはもう少し
     先のはずではないですか?一子ちゃん。」

 しまった・・・さらに墓穴を掘ってしまった・・・。 ただ、そんなことで動揺するわけにはいかない。なぜなら、壮大な幸穂お姉さまエルダー計画の始まりなのだから。

 一子 「も、申し訳ありません!私の勘違いです!でもでも私はお姉さまと一緒に買い
     物に行きたいんですぅ〜><」

 し、しまった・・・動揺のあまりもう無茶苦茶な言い分になってしまった・・・。言い終わった後、ちらっと幸穂お姉さまを見ると、幸穂お姉さまは笑いながらこう仰ってくれました。

 幸穂 「ふふふふ、ありがとう一子ちゃん。私も一子ちゃんとお買い物に行くのはとて
     も楽しみなのですよ?それじゃあ今週の土曜日ね、楽しみにしてるわね。」
 一子 「は・・・はいぃぃぃ!!普段なんの役にも立たない一子ですが、幸穂お姉さま
     を命に代えましてもお守りいたしますぅぅ!!!」
732星空の片隅に 第1部6/11:05/03/19 20:42:39 ID:d1WHnt/3
 ぁっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!?
 ま、まずい・・・変なことを口走ってしまった・・・。
 幸穂お姉さまは最初きょとんとした顔をしていたが、すぐに笑顔でこう仰ってくれました。

 幸穂 「ふふふふ、本当に一子ちゃんは面白い子ですわね。」
 一子 「は、ははは・・・ありがとうございますです幸穂お姉さま。」

 なんとかばれずにすんだ・・・私は幸穂お姉さまの見えないところで安堵の息をついた。


 【土曜日】

 私と幸穂お姉さまは約束通り二人で街に買い物へ出かけた。
 百貨店を3つほどハシゴして、美味しいと評判のケーキ屋さんでお茶をして・・・本当に幸穂お姉さまと一緒にお買い物に行くと楽しくしょうがなかった。
 しかし・・・・・・・今日はいつものと違う・・・なぜなら、幸穂お姉さまエルダー大作戦が実行される日だからなのだ。

 一子 「(ドキドキ・・・)今日は頑張るわよ一子!!」

 心の中でそう叫んでいた。
 今回、私が考えた幸穂お姉さまエルダー大作戦・・・その内容とは、

 私と幸穂お姉さまがいつものように楽しくお買い物をしている。そこへ、突然見知らぬ男が現れて私を誘拐しようとする。そこでお姉さまが誘拐しようとした男達を倒して一躍有名人になってもらう。
 そうすれば、幸穂お姉さまの知名度も一気に上がって、エルダー間違いなし!!!!

 一子 「ふふふふ・・・なんて完璧な作戦なのでしょう。」

 構想期間:約3日、リハーサル:なし・・・十分過ぎるぐらいの準備はできている。あとは、私を誘拐してくれる男達がそろそろ現れてくれるはず・・・なのだが・・・。
733:05/03/19 20:47:41 ID:d1WHnt/3
タ・・・タイトルが・・・_no|||
  【双つの流れ星】  に脳内変換よろしくお願いします・・・.

あと、どなたか次スレ立てお願いしてもよろしいですか・・・
_no|||スレ立て方わからなくてすみません・・・
734双つの流れ星 第1部7/11:05/03/19 20:54:55 ID:d1WHnt/3
 一子 「あの子達・・・ちゃんと地図書いて渡したのに・・・どこにいるのかしら。」

 私を誘拐する手筈として、近所の幼馴染の男の子に協力してもらっており、計画ではここの通りを歩いている間に誘拐してもらうはずなのだが・・・。

 一子 「・・・むむむ、一体全体どうしたのでしょうか・・・。」
 幸穂 「一子ちゃん?」
 一子 「は、はぃぃぃぃぃぃ!!?なんでしょうか、幸穂お姉さま。」

 幸穂お姉さまが不思議そうな顔で私の顔を覗きこんでくる。

 幸穂 「いえ、さっきから何度もこの通りを通っているから・・・なんでだろうと思い
     ましたので。」
 一子 「い、いえ。そっ、そういえばそうでしたか!?それは人間いざという時、左に曲
     がってしまうという習性がありまして、それでえ〜とよくわからないことを申
     し上げてしまって申し訳ありませ〜ん・・」
 幸穂 「ふふふ、今日の一子ちゃん、なんだかそわそわしてるわね。何かいいことでも
     あったのかしら」

 ぅっ・・・いいことというかなんというか・・・それにしてもあの子達・・・道に迷ってるんでしょうか。

 幸穂 「さぁ、大分暗くなってきてことだし。そろそろ帰りましょうか?一子ちゃん。」 
 一子 「は、はい!お姉さま!!」

 元気な返事とは裏腹に心の中は作戦失敗に意気消沈していた。

 一子 「結局・・・作戦は失敗かぁ・・・何か別の作戦を考えないと〜・・・。」

 帰りの駅のホームで私は幸穂お姉さまにはわからないぐらいのため息をついていた。
735双つの流れ星 第1部8/11:05/03/19 20:55:26 ID:d1WHnt/3
    「・・・電車が通過します。危険ですのでホーム白線の内側まで・・・」

 電車通過を知らせる構内アナウンスが流れる。ただ、私は作戦が失敗したことと次の作戦をどうするかで周りのことを全然気にしていなかった。

 一子 「ぁ・・・?!」

 突然、少しばかりの立ちくらみに襲われた。ふらっと体が流れる。とっさに左足を前に出して体を支えようとしたけれどもホームのでっぱった部分に足を取られてしまった。

    どふっ

 乗客 「うわっ!?」   
 一子 「ぇ・・・?!ぁ、ああ・・・。」

 さらに運悪くホームを歩いている乗客の人とぶつかってしまった。

 幸穂 「・・・!?一子ちゃん!?」
 一子 「きゃあああああああああ!!!」

 私は勢いよく転倒し、その勢いのまま線路まで転げ落ちてしまった。

 一子 「がっ・・・、ぃ・・・ぃた・・・。」

 私は背中から線路の上に落下してしまった。落下の衝撃で一瞬呼吸が止まってしまった。

 幸穂 「一子ちゃん!!早くホームに!!!」

 幸穂お姉さまが悲痛な叫び声を上げる、それと同時に脳に響くようなブレーキ音が・・・。
 はっと振り返ると私に向かって猛スピードで突っ込んでくる電車が・・・。
736双つの流れ星 第1部9/11:05/03/19 20:56:01 ID:d1WHnt/3
 一子 「・・・・ぁ・・・・。」

 私は恐怖の余りその場で身動きできなかった。ぁぁ、私の人生あっけなかったな・・・馬鹿なことを考えた私に神様が罰をお与えになったのかしら・・・。
 走馬灯のように様々の思い出が蘇ってくる。当然、幸穂お姉さまと一緒に過ごした思い出も。

 スローモーションで電車が私に向かってくるように感じられた・・・次の瞬間・・・。

 幸穂 「一子ちゃん!しっかりして!!!」

 幸穂お姉さまの声が耳元で聞こえたかと思うと私の身体は宙に浮いた。

 一子 「・・・!?さ・・・幸穂お姉さま?」

 我に返ると、私は幸穂お姉さまにお姫様だっこのかたちで抱き抱えられていた。

 一子 「ぉ・・・お姉さま!?」

 幸穂お姉さまはお姫様だっこのまま私をホームに投げ下ろしてくれた。
 そして・・・次の瞬間・・・。

 キィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!

 耳をつんざくブレーキ音と共に電車が目の前を通過していった・・・。

    「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 横にいた女の人が悲鳴を上げる。

 一子 「さ・・・幸穂お姉さまぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
737双つの流れ星 第1部10/11:05/03/19 20:56:32 ID:d1WHnt/3
 無情にも電車はそのまま私の目の前を通過していった。さっきまで幸穂お姉さまがいた場所を。

 一子 「ぉ、お姉さま・・・うぐっ・・・わ、私のような・・・大馬鹿娘のために
     ・・・お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 私はホームで人目もはばからずに号泣していた。こんな馬鹿の計画を考えなければお姉さまは・・・お姉さまは・・・。
 私もこの場で死んでお姉さまに償いたいと思った。

    「見ろ!!生きてるぞ!!!」

 へ・・・?
 ホームにいる乗客が叫んだ。私は涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて線路の上へ視線を落とした。そこには・・・。

 幸穂 「はぁぁ・・・10年分、寿命が縮んだ気分ですわね。」

 線路の上に幸穂お姉さまが笑顔で座っていた。服は煤で真っ黒になりところどころ破れてはいたが怪我は一切しておられない。

 一子 「・・・ぉ、お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 私は線路の下へ飛び降りると幸穂お姉さまに抱きついた。

 一子 「幸穂お姉さまぁぁぁぁ・・・ごめんなさいです!!!私・・・私ぃぃ・・・・。」

 私は幸穂お姉さまに抱きついたまま更に大泣きしていた。

 幸穂 「一子ちゃんが無事で何よりよ・・・一子ちゃんは私の大事な妹ですからね」
 一子 「幸穂お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・。」

 私はもう何も考えることができなく、ただお姉さまの名前を叫んで泣きじゃくっていた。
 その時は気がつかなかったのだが、ホームにいる乗客達に私たちは盛大な拍手を受けていたを後日聞かされた。
738双つの流れ星 第1部11/11:05/03/19 20:57:07 ID:d1WHnt/3
 その後、通過する電車を止めてしまったということから私とお姉さまは警察で事情徴収を受けた。
 それにしてもなぜ幸穂お姉さまが無傷で助かったのか不思議でならなかったが、実は私をホームに投げ下ろして下さった直後線路の上に寝転ぶような形で電車と線路の間に身体を入れて助かったというのだ。
 私をホームに下ろしてから電車が通過するまで1秒もなかったはずなのに・・・お姉さまの超人的な反射神経に改めて幸穂お姉さまの凄さを知った気がした。

 その日の夜、新聞や一部のテレビでも取り上げられ翌日には学院中にお姉さまの偉業が知れ渡ることとなった。
 
 結局、エルダー投票は幸穂お姉さまが過去最高の94%という得票数でエルダーに選出されたのでした。
 一子の幸穂お姉さまエルダー大作戦は失敗に終わったけれども幸穂お姉さまがエルダーになられたのだから成功したと思っていいだろう。

 7月になったばかりのある朝・・・。

 一子 「幸穂お姉さま!おはようございますぅ!!」
 幸穂 「おはようございます、一子ちゃん。」

 いつものように、私と幸穂お姉さまは一緒に学校へ歩いていく。

 一子 「お姉さまがエルダーになられて、一子・・・本っっっっ当に嬉しいのですよ〜」
 幸穂 「まぁ・・・一子ちゃん。なんていうのかしら、私のような平凡な人間がエルダー
     に選んでいただいていいものなのでしょうかしら・・・。」
 一子 「幸穂お姉さま以外にエルダーに相応しい人なんていませんから!あ・・・でも、
     エルダーになられても今までのように一子のお姉さまでいてくださいね・・・
     幸穂お姉さま・・・。」

 私は少し甘えるような上目遣いでお姉さまを見上げた。

 幸穂 「ふふふふ、一子ちゃんは私の大事な妹ですからね。」
 一子 「えへへへへ、そんな風に言われると、一子照れちゃうのですよ。」

 私と幸穂お姉さまはまだ梅雨の香りが残る7月の朝日を浴びながら学校へ続く並木道をとびきりの笑顔と共に歩いていた。
739:05/03/19 20:59:45 ID:d1WHnt/3
なんとか500KBに収まtt.
3連休の間に4部全て投下できるよう頑張ってみます.
ということで, どなたか次スレお願いします・・・_no|||
740471 ◆471.Pt54hU :05/03/19 21:06:26 ID:qfos/E0c
では私が勃ててまいりますので少々お待ちを。
741471 ◆471.Pt54hU :05/03/19 21:14:22 ID:qfos/E0c
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第4話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111234071/

立てました。以後はこちらをご利用ください。
742:05/03/19 21:18:30 ID:d1WHnt/3
471氏スレ勃て乙でございます(´・ω・)
743名無しさん@ピンキー:05/03/19 21:21:51 ID:h8LBJbnz
ええっと、どうでもいいツッコミ。
瑞穂の84%が過去最高と作品中に明記されてるから、いくら幸穂母様でも92%はちょっと不自然ではないかと。
この恵泉で―― 一番強ぇ女―― 最強の女は、誰だ――?
ドォンッッッ!!
講堂に和太鼓のドデカイ音が木霊する。
闘技場の中心に立つ学院長。
「学院長〜〜〜!!」
「素敵〜〜!」
「みっちゃ〜〜〜ん!!」

「地上最強の女を見たいかーーーーッ!」
オオォォォォオオオオオオオ!!
(私もです。私もです皆さん!!)
「選手入場!!!」
『選手入場です!!!!』 
『闘争の本場は今や演劇にある!! あたしを驚かせる奴はいないのか!! 小鳥遊圭だ!!』
『冥土の土産に女子高入学とはよく言ったもの!! エルダーの奥義が今実戦でバクハツする!!
 渋川流柔術宮小路瑞穂お姉さまだーーー!!』
『実戦だったらこの人を外せない!!! 超A級問題児御門まりやだ!!!』
『開始しだい逃げまくってやる!! 高体連陸上競技代表上岡由佳里だァッ!!』
『リボンデカアァァァァァイッ説明不要!! 直径1m20!!! 155kg!!! 周防院かなwith・リボンだ!!!』
『ツンデレ道はこの女が完成させた!! 生徒会の切り札!! 厳島貴子だ!!!』
『前例はないが許されるのか!? この最前線に加わりますッ!!
 三年経ったからまた来たよ!! 正真正銘の本物! 齢 満で10と9ッ!
 前ットーナメント覇者ッ! 未だ健在! エルダー中のエルダー!
 十条紫苑 その人ですッッ!!』
『以上7名によってトーナメントを行いますッッ!!

第一試合
 周防院奏VS十条紫苑
『目を疑う光景です! 元華族ッ十条紫苑が我々の目の前に立っていますッッ!
 高等部4年目! 出場自体がすでに奇蹟ッ! 体育の授業さえ奇跡ッッ!
 闘うなんてあり得ないッッ!!!』
「まやかしなのです・・・・ ”重圧” ”威光” ”ふいんき(なry”
 すべてまやかしなのですよッッ! 所詮は武術と云ってもいかに合理的に肉体を使うかの世界。
 より疾くッより疾くッより疾くッ、そしてよりスピーディーにリボンを叩き込むのですよ――!!」
バオッ!!
空気を切り裂くように疾走する奏のリボン。
紫苑の顔面を完璧に捉え・・・・捉え・・・!?
捉えない!
すっ……ペロンッ
奏のパンツを下ろす紫苑。観衆の目に秘所を晒す奏。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 きゃぁぁああああああああ!!
紫苑の指先がまだ閉じた蕾へと向かい、
ピシッ!!
「は、やややぁ……」
白目を剥いて倒れる奏。
勝負ありッッ!!

試合後インタビュー
「瓦……ですか、そんなもの割れませんわ」
新聞部の人にでこピンをする紫苑
「ひっ」
何ともない。
「ほらね……力は必要ないのです。
 私のような病弱な女でも相手を倒せる……なればこその武、なんです」
第二試合は開始と同時に上岡選手が逃げ出したため小鳥遊選手の不戦勝となります。

第三試合
『厳島貴子vs御門まりや 生徒会長vs問題児 夢のカードが実現しましたッッッ』
「まりや……勝てよッッッ!!」
ズドォッッッ!!
(何て化け物……)
ドゴォッッッ!!
「受けがっ、通用しない!!」
『万事休すだ貴子〜〜〜〜!!』
ズシャッッ!!
『か、かわした!!』
「ゲホォッ」
『吐しゃ物を撒き散らしがらのその動きには エリート会長の誇りはありません』
あぁ……勝てないわけです、この方には……
命を賭けてるもの……遅すぎましたわねぇ、気付くのが……
「構えィッ」
バッ
「こんな事をやってても強くなれないでしょうけど」
「えぇ」
「「お疲れさまですッ!!」」
バッ!
「可奈子…… 葉子……」
「とりあえず生徒会の挨拶ッ」
「「ご苦労さまですッ!!」」
バッ!
「「お疲れさまですッ!!」」
「「ご苦労さまですッ!!」」
「強くなれますわ……絶対に強くなれます……」
メチィッ!!
こんなふうに!!!