【アンジェ】【遥か】【コルダ】ネオロマンスでエロ萌え3

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1名無しさん@ピンキー
アンジェリーク、遙かなる時空の中で、金色のコルダ
関連のエロ萌えスレです。

女王候補、神子、女子高生の皆様。
本業を忘れてあの方とのめくるめく一夜に(*´д`*)ハァハァしまくりましょう〜。

・雑談、なりきり、SSエロ萌え妄想なら何でもOK
(SS職人様ご降臨お待ちしております)
・マターリsage進行でお願いします。

全スレ 【アンジェ】【遥か】【コルダ】ネロマンスでエロ萌え2
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098091822/

2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
2名無しさん@ピンキー:05/01/10 03:35:34 ID:tzUyEd0I
>1
GJ!!
3名無しさん@ピンキー:05/01/10 05:05:31 ID:JtveBQxD
乙カレー

しかし、見事に遥か3祭りになってるな(笑)予想はしてたが…。
…やりたくなったじゃん
4名無しさん@ピンキー:05/01/10 05:25:57 ID:GZ59Xvq8
スレ立ておつかれー!
自分もバイト中に書いた弁神子うpしてみようかな・・
5むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/10 07:19:42 ID:P54QTgIs
スレ立てお疲れ様です。

性懲りもなく景時×望美を書いてしまいましたので
投下させてください。
即死回避代わりにでもなればと。

・朔視点 望美×景時 → 景時×望美
・コメディ
・前に投下したのとは全然関係ないです。
・ED後ネタバレあり。

なので、駄目な方はスルーよろしくお願いします。
NGワードは景時×望美で。

「それはどういう事なの、望美」

日差しが眩しくなりつつある、初夏のある日の事。
朔と望美は、縁側に座って茶を飲みながら、ゆったり世間話をしていた――筈なのだが、
それにしては朔の様子はただ事ではなかった。
彼女らしくもなく大声を出し、手にした舞扇でぱちん、と縁側を打つ。
その音に驚いた庭の雀が飛んでいってしまった。
そんな自分をすぐに律して、朔は今度は小声で望美に問いかけた。

「……兄上は、あなたと夫婦の契りを交わしていないのね?」

望美はこくり、と頷く。朔はこの場にはいない兄を思い、天を仰いだ。

(兄上……何を考えているんです?)
茶吉尼天の消滅と、景時の奮戦により、皆は京での平穏な生活を手に入れていた。
西国は実質、九郎の管轄となり、その補佐をする景時もまた、忙しい日々を送っていた。

最初は元の世界に帰ると言っていた筈の望美は、結局、この世界に留まった。
その理由が自分の兄である事に、朔は少し申し訳ないような気がしたが、その一方で嬉しくもあった。
白龍の神子として召喚された彼女は、いつも前向きで、運命を切り開いていく力に溢れていた。
その陽の力が、結局のところ、兄を支えてくれたのだと、朔はそう思っていたし、
彼女が自分の対である事も誇らしかった。彼女と友人でいられる事が嬉しかった。

京邸での暮らしは、忙しくも穏やかなものだった。景時と望美は簡単な祝言をあげ、夫婦となった。
あんな事があったというのに――いや、あったからかもしれない――
二人は仲睦まじく、見ているこちらが赤面してしまう事も多々あった。
望美が『景時さんの好きなものを作りたいから』などと言って、苦手な筈の料理を朔に教わろうとしたり、
昔の景時の話を訊いてきたりする様を見ると、
彼女はやっと、神子としてではない、年相応の暮らしに戻れたのだな、と朔は思う。
年の近い彼女に頼られて、いろいろと教えてやれる事が、朔は嬉しかった。
だから、望美が『相談に乗って欲しい事がある』と切り出してきた時も、出来る限り力になろうと話を聞いていたのだ。
「何? 私で出来ることなら、何でも訊いて?」
「うん……景時さんの、事なんだけど」
「兄上の?」
「……この世界では、夫婦って何もしないものなのかな……?」
「何も、って……」
「えーと、その……えっち……じゃ、なくて、セック……でもなくって」
向こうの言葉をなんと翻訳したものか悩んでいる様子の望美だが、
何が言いたいのかはすぐにわかった。だが、そうだとすると、なんだか話がおかしい。
「……契りを交わす、という事かしら?」
「あ、そう、それ! ……そういうのはしないの?……なんて、そんな訳ないよね……」
まさか、あんなに仲の良い二人に限ってそんな事がある筈がない。そう思いたいが――。
「それはどういう事なの、望美」
驚きについつい声が大きくなると、流石に恥かしいのか、望美の顔は真っ赤になっている。ということは――つまり。
「……兄上は、あなたと夫婦の契りを交わしていないのね?」
望美は頷いて、朔を真剣に見つめている。返事を待っているようだ。
だが、なんと返したものだろうか。朔は慎重に、言葉を選んだ。
「……祝言の時から、一度もないの?」
こくり。
「もう、二月程になるのに?」
こくり。また頷くと、望美は縋るように朔に問いかけてきた。
「……ねぇ、朔。ひょっとして、私、魅力、ないのかな……」
「それはありえないわ。普段だって、あんなに睦まじいじゃないの」
「でも、だったら、どうして……?」
それはこちらが訊きたい。手っ取り早く二人で月影氷刃でも使って、口を割らせたくなってしまう。
そんな冗談はさておき、事は夫婦間の、しかも閨の悩みなのである。
いくら妹といっても、直接口を差し挟むわけにはいくまい。
とりあえず、今出来ることは、親身に相談にのってやる事であろう。
何故、景時は望美に手を出そうとしないのだろうか。
兄に限って浮気などという事はありえない。一見軽薄に見える景時だが、性根は誠実なのだ。
ましてや、相手は鎌倉殿に逆らってまで守りぬいた望美なのである。
大切で大切で仕方のない筈だ――ここまで考えたところで、朔の直感がぴんと閃いた。
「……大切すぎるんじゃ、ないかしら」
「え?」
「兄上は、あなたの事を大事にしすぎて、だから、契りを交わせないんじゃないかしら」
「ええっ! 嫌だよ、そんなの。せっかく、一緒になったのに」
「本当、そうよね」
朔は溜息をついた。

(兄上は、変に気を回しすぎるのよ。女心というものがわかってないわ)

閨で抱かれない事が女にとってどれだけ不安な事なのか、景時にはわかっていないのだろう。
どうも景時には、人に気を使う割に、肝心な所で抜けている所がある。
朔がそんな事を考えていると、望美がおずおずと話しかけてきた。
「あのね……自分から、迫ったりするのって……やっぱり、駄目?」

この問いにもまた、朔は頭を悩ませる。女性から迫るなどと、考えた事もなかった。
それとも、望美のいた世界では普通なのだろうか。
ともかくも、慎み深くあれ、というのが女性に対しての世間の要請であったし、それは夜伽に関しても変わらない。
だが望美はこの世界で育った訳ではないし、それは兄だって勿論わかっている筈だ。
ならば、そこまでこの世界の常識を強要することもないのではないか。
頭脳を目一杯回転させて考え込み、朔はようやく答えらしきものを望美に返した。
「そうね……あなたがどんな行動をとったとしても、それは兄上の事が好きだからする事なんでしょう?」
「もちろん、そうだよ」
「なら、兄上は気にしないと思うわ。あなたの事を誰よりも知っている兄上が、そんな事であなたを嫌う筈ないじゃない」
「そうだよ、ね。うん。わかった。頑張ってみるよ」
そう言って、元気よく望美は立ち上がった。
「よかった。いつものあなたらしくなったわね」
「やっぱり朔に相談してみてよかったよ。ありがとう」
本当に、役に立ったのならよかったけれど、と朔はひそかに息をついた
そしてその夜。
望美が気になって仕方のない朔は、意味もなく二人の部屋の前の廊下を往復していた。
別に夫婦の営みを覗きたいと思っている訳では、決してない。
相談を受けたとはいえ、兄夫婦の重大事にいらぬ口を出してしまっていたらどうしようか、
との不安が、朔をこんな行動に駆り立てていたのだった。
何度廊下を往復しただろうか、突然、望美の声が耳に飛び込んできた。何やら激した調子である。
朔は思わずびくり、と足を止め、ついつい耳をそばだてて聞き入ってしまった。

「だから! なんでそんな事言うんですかっ!」
「あ、ごめん、ごめんね、望美ちゃん。だから、ちょっと落ち着いてよ〜」
「出来ませんっ! 納得のいく説明をしてくださいっ!」
「あ〜、うん、その、ね……君が魅力的じゃないって事じゃないんだよ……むしろ、オレなんかにはもったいない位で」
「もったいないから……? そんな、理由で抱いてくれないんですか?」
「……ええと、なんていうか、大事にしたくて、というか……」
「そんなの、嫌ですっ……そんな『大事』ならいらないっ……」
「その、オレは君を傷つけたくなくてさ――」

二人の会話を聞きながら、朔は次第に兄への苛立ちが募っていくのを感じていた。

(兄上の馬鹿っ! 女にそこまで言わせるなんて、それでも男ですか軟弱者っ!)

朔は無意識に手にした舞扇をいらいらと小刻みに動かしていた。
もういっそ、突っ込んでやりたくて仕方のないところだったが、まさか夫婦の閨に乱入する訳にもいかない。

(大切にするといっても、限界があるわ!)

愛する者と結ばれたいと思うことは自然な事なのに
『傷つけたくないから』などと妙な御託を並べてそれを否定する馬鹿があるものだろうか。
我が兄ながら情けなくなる。
と、どさり、と何かが倒れるような重い音がして、焦ったような景時の声が続いた。
「うわっ! の、望美ちゃんっ、な、何をっ……!」
「どうしても、わかってくれないんだったら……こうするしかないのっ」

一体中で何が繰り広げられているのだろう。いけないと思いつつ、つい、いろいろと想像してしまう。
と、部屋の端の襖が僅かに開いているのに、朔は気がついた。気がついてしまった。
いけない、と思うものの、足音を忍ばせて襖に近づいてしまい
――結局は誘惑に負け、罪悪感をひしひしと感じつつ、朔はそっとしゃがみこんで部屋の様子を覗き込む。
その光景が目に入った瞬間、朔は思わず声をあげそうになり、慌てて口元を押さえた。

望美が景時の上に馬乗りになっている。
望美の夜着はしどけなくはだけていて、灯りを映す白い背中が艶かしい。
望美は、景時を押し倒した格好のまま、覆い被さっている。
朔からはよくわからないが、どうやら、唇を合わせているらしい。

(の、望美……自分から迫るって、こういう事、だったの……?)

てっきり直接に言うだけかと思っていた。
いや、先程の様子だと、言ってはみたものの、煮え切らない兄の様子に望美の不満が爆発した、というところだろうか。
戸惑う朔をよそに望美の行為はどんどん度を増すばかりだ。
望美は、景時の顔中に、繰り返し何度も口づけを落としている。
景時もそんな望美の様子に、困惑しているらしい。
「望美ちゃん、そんな、ん……」
抗議を口にしかけた景時の唇を望美は塞いだ。
塞ぎつつ、景時の夜着を不器用に引っ張りながら脱がしていく。
まず上半身をあらわにしてしまうと、望美は唇をつぅ、と下へと滑らせて乳首を口に含む。
「っ……! やめっ……望美ちゃんっ……!」
「やめません……私が、どのくらい景時さんの事好きか、わかってもらえるまで……」
「わ、わかったから、わかったからさ、ね、もうやめようよ……」
「……嘘つきですね、景時さんは。言ったでしょ、景時さんの嘘はわかるって……」
熱に浮かされたように望美は呟き、執拗に景時を攻め続ける
景時もその気になれば望美を跳ね除ける事が出来る筈だが、
流石にそこまで拒否しきる事は出来ないらしく、呻きながらもされるままになっている。
やがて望美は身を起こすと、景時の脚の間の強張りに視線をやった。
「すごい……これが、男の人の……」
望美は逡巡するように一旦は顔を伏せたが、意を決したように強張りを手に取った。
「だ、駄目だって……!」
「どうして? 私の事、好きだからこんなになってるんですよね……?」
その口調はどこか嬉しそうだ。望美はほぉっと息を吐く。
「よかった……本当は、私に魅力がないとかだったら、どうしようかって……」
そう愛しげに呟くと、脚の間に屈み込み、望美は景時のそれを口に含んだ。

(ええええええっ!? 何をしてるの望美っ!?)

朔は一気に頭に血が昇るのを自覚した。
多分、今の自分の顔は真っ赤に染まっているに違いない。
それにしても、まさか『自分から迫る』という事がここまでの事だったとは。
望美には男性経験など無かった筈だ。
たしか、祝言前に『初恋の人と結ばれるなんて、乙女の夢だよね〜』などと語っていた。
彼女は恋愛方面にはてんで疎く、
幼馴染の譲が想いを寄せていた事にも最後まで気付いていなかったし(朔やヒノエには一目瞭然だったのだが)、
多分兄が初恋だと言うのは本当なのだろう。
ちなみに譲は元の世界に帰っていったのだが、その悄然とやつれた姿は哀れを誘った――混乱のあまり、妙な事まで思い出してしまった。

つまり、未通女である彼女が男性器を口に含むなど、余程の覚悟ではないかという事だ。

(望美……そこまで兄上の事を、想ってくれているのね……)

同じ女として、望美の気持ちが理解できるだけに、ますます兄の不甲斐無さに腹が立つ。
望美にここまでやらせておいて、まだ拒むつもりだろうか。
ならばただではおかない、とばかりに、朔は目を光らせて続きを見守った。

望美はぴちゃぴちゃと淫らな音をさせながら、景時の強張りを懸命に舐めている。
長い髪が頬にかかり、それをかきあげる仕草が色香を放つ。
「……んぁ……きもち、いいですか……かげとき、さん……んむ……」
「の、ぞみ、ちゃんっ……なんで、こんなことっ……」
「だってっ……すき、だから……んぅ……かげときさんの、こと……」
「……オレの事、そこまで……」
景時はそう呟き、望美の髪を軽く撫でた。そのまま彼女の顔を両手で上向け、行為を中断させる。
「景時さん……?」
「その、ごめんね、望美ちゃん。オレが、間違ってたみたいだ」
景時は愛しげに望美を胸に抱きしめる。
「正直に言うよ……オレは、君に気後れを感じていたんだ。
君は、自分の世界に帰るのを止めてまで、オレの所に来てくれた。こんな、オレなんかのために」
「景時さん……」
「いや、勿論、大事にしたい、傷つけたくなかったっていうのも、本当だよ? 
でもそれも、君をここに残してよかったのかなって、そう考えてしまっていたから、なんだよ……」
「……私が、選んだんです、景時さんといる事。
なのに、そんな風に思われていたんだったら、悲しいです……」
「うん、だから、ごめんね。オレは結局、自分の事しか考えてなかったんだ。
君が、どう思うかなんて、考える余裕がなかった。ほんと、バカだよね……君に、こんな事までさせちゃってさ」
そう言うと、景時は望美を見つめ、口づける。
長く唇を合わせていたそれが漸く終わると景時はそっと囁いた。
「……今からでも、遅くないよね?」
「……はい……」
「望美ちゃん……好きだよ……」
「景時さ……ん」
景時は望美の髪を掻きあげ、甘く耳朶を噛んだ。途端にびくり、と望美の身体が揺れる。
「あっ……」
耳朶からそのまま首筋へと唇を這わせて、ゆっくりと、確かめるように強く唇を押し付けていく。
そうしながら、空いている方の手で、そっと望美の乳房に触れ、その桜色の先端を優しく擦りあげる。
「ぁ……やっ……!」
「気持ちいい? だと、いいんだけど」
「……意地悪……そんなの、言えないよぉ……」
「そうだね、ごめん。でも、さ……」
言うなり、景時は望美をゆっくりと褥に押し倒す。
「……オレ、もっと、聞きたいんだ、君の声……」
そう熱く呟いたかと思うと、景時は望美の胸の先端を、口に含んだ。

(……あ……何をしてるのかしら、私……)

朔は、ふと我に返った。
最初に覗いた時は、ちょうど後ろから望美の背中を眺めているような向きだったのだが、
景時が最初とは反対側に望美を押し倒したため、今は二人の頭がこちらを向いている。
特に、紅潮した望美の顔が丸見えである。
これ以上、見てはならない。
そう思いつつ、朔は望美の艶を増した表情から目を離す事が出来なかった。
幸い、望美は瞼を閉じていて、今の所、朔に気付く様子はない。
息を呑む朔の目の前で、二人の行為はその濃度を増していく。
「ふぁ……ん、あ、ぁ、かげとき、さ……あぁっ……!」
胸を吸われ、秘芯を指で捏ねられながら、望美は言葉にならない喘ぎを紡ぎ続ける。
景時は望美の脚を軽く開かせると、その間に顔を埋める。
望美は慌てたように景時の頭を押しのけようともがいた。
「やぁっ! だめ、だめですっ、そんな、ところっ!」
「どうして? 君も、してくれたでしょ?」
「だってっ、あれは――あ、あぁっ!」
言いかけて望美は軽く背を反らせた。
くちゅくちゅと、湿った水音が部屋に響き、それに呼応するように、望美の喘ぎ声が零れだす。
「ぁ……ん……くぅっ……ん……ぅ……ん……」
自分の声が恥かしいのか、望美は敷布を掴んで懸命に堪えようとしているが、悦びを含んだ喘ぎは抑えようもなく口の端から零れ出る。
「我慢は、しないで欲しいな?」
「……んっ……だってっ……んぁ……はずかし……こんなの……」
「ほら、待たせちゃったからさ……その分、気持ちよくなって、欲しいんだよね……」
そんな台詞の後、啜り上げる音が一層大きく響いた。
望美は羞恥に顔ばかりか身体中を朱に火照らせながら、背を仰け反らせる。
「ひぁっ……や、あ、だめぇっ……へん、に、なっちゃっ……あ、ああぁぁっ!」
一際高く声を上げ、爪先まで反り返らせて、望美の身体は絶頂を告げた。
それを見て、景時は自分の強張りを秘裂に押し当て、耳元に囁く。
「望美ちゃん……いくよ……?」
快感の余韻に浸っているのか、気だるげに望美が頷くと、景時はゆっくりと腰を前に進めた。
「!……くぅっ……!」
破瓜の痛みだろうか、望美は辛そうに眉根を寄せ、耐えている。
「ごめん、痛い、よね?……やっぱり、やめようか?」
「平気、ですっ……だから、続けて……」
景時は、敷布を掴んでいる望美の手を取って優しく口づけると、そのまま自分の肩につかまらせる。
「痛かったら、いくらでも、爪立ててくれて構わないからね」
そう言うと、腰を前後に動かし始めた。といっても、その動きは緩慢だ。
決して性急に動いたりせず、相手を気遣った緩やかな動き。
そうするうちに、苦痛に耐えるばかりだった望美の反応に、変化が生じ始めた。
「……んっ……景時、さん……私、なんだか……」
「ん、どうしたのかな?」
「なんか、じんじんする……奥の、ほう……」
「……もう少し、強くしても構わないかな……」
独り言を呟き、景時はそれまでより強めに腰を動かす。
「はぁんっ!」
「大丈夫そうだね……もし、痛くなっちゃったら、言ってね……?」
そう言って望美を抱きなおすと、景時は今までとはうって変わって強く腰を打ちつけ始める。
いきなりの事に、望美はただ景時の背に抱きつき、声をあげるばかりだ。
「あ、はぁんっ、やぁっ、あ、あぁんっ!」
抽送に合わせるように、望美の口からは嬌声が紡ぎだされる。
それは最早言葉としての意味を成していない。
それは、ただ快感のみを伝え、そしてそれに応えるように、景時も望美を激しく攻め立てる。
「……望美ちゃんっ……オレ、もう、どうにかなっちゃいそうだよ……!」
「……やぁっ……いいぃ……もぅっ、もぉっ……!」
「オレもっ……!」
二人の縺れ、絡み合った身体がその刹那、硬直し、そしてゆっくりと弛緩する。
二人は顔を見合わせると、微笑みあい、どちらからともなく口づけを交し合った。
ちゅんちゅんと雀が庭でさえずって、朝の訪れを告げている。
しかし、朔の気分は最悪だった。
結局、二人の営みを最後まで見続けてしまったせいで、妙に目が冴えて一睡も出来なかったのだ。
まったく、昨夜の自分はどうかしていた。
自己嫌悪に陥りながら、よろよろと身支度を整え、朝食の支度をするために土間に出る。
と、珍しく先にかまどに火を入れていた望美が、満面の笑顔で話しかけてきた。
「おはよう、朔! 昨日は本当に……ってあれ、すごく眠そうだね?」
「え? あ、ああ、気にしないで。で、何?」
「あ、そうそう。昨日、ちゃんと話したんだ、景時さんと。
そしたらちゃんとわかってくれたの。朔に相談にのってもらったおかげだよ。ありがとう!」
一部始終を朔に見られていたとは知らず、望美はうきうきと話している。
なんだか罪悪感が募ってきて、朔はいたたまれなくなってきた。と、そこへ、暢気な声が降ってきた。
「おはよう〜、今日の朝ごはんは何かな〜?」
「あ、おはよう、景時さんっ!」
「……おはようございます、兄上……」
「なんだか盛り上がっていたみたいだけど、何の話してたんだい?」
「朔って頼りになるなーって話です」
「うんうん、ホント、そうだよね」
能天気な景時の声を聞いていると、なんだか無性に腹が立ってきた。
望美が自分に相談してきたのも、
あんな出来事を目にしてしまう事になったのも、この兄がそもそもの元凶ではないか。
そう思うと、八つ当たりだとわかっていても、景時に対してついつい語気が荒くなる。
「もう、兄上は朝からへらへらしてないで! 暇だったら薪でも割ってきてください!」
「あら〜、なんだか機嫌悪いね、朔は……あれ、顔赤いよ? 熱あるんじゃない?」
「いいから! さっさとして下さい!」
「はいはい。御意〜ってね」

朔の怒りを適当に交わし、上機嫌で歩いていく景時。
同じく上機嫌で、野菜を洗い始める望美。
とりあえず夫婦の危機は回避されたようで、妹の身としても一安心という所だ。
それにしても、早く昨日の光景は忘れてしまわなくては。
これから二人と顔を合わせるたびに思い出していたのでは、身が持たない。

(まったく、何で見てしまったのかしら……私の馬鹿……)

寝不足の頭に、また昨日の光景が蘇り、朔は慌てて首を振って――深く深く、溜息をついたのだった。
21名無しさん@ピンキー:05/01/10 07:52:52 ID:P54QTgIs
以上です。
お付き合いいただきありがとうございます。

このところ
他の神子様がたのお話が、いろいろ読めて楽しいです。
遥か3はどのキャラも好きなので。

とかいいつつ、なんか自分、景時萌えが止まらなくて
バッド後も書き始めてしまってます。
また書けたら投下させてくださいね。

ではでは。

22名無しさん@ピンキー:05/01/10 09:07:26 ID:fzRppZ3F
>>1
スレ立て初体験乙でした。

>むたさん
朝から萌えを有難うございます( ;´Д`)ハァハァ
逃亡エンド後のお話も楽しみに待ってます。


前スレで完結してない話はまたこっちでも貼って欲しいんだけど、
やっぱりそういうのはやめた方が良い?
23名無しさん@ピンキー:05/01/10 10:05:30 ID:04UoSnoI
>>1さんスレ立て乙です!

そして前スレのヒノエ×神子神、グッジョブです。
禿萌なシチュに加えてヒノエがカコイイ!!
ヒノエで新婚・初夜ネタ読みたいな〜と思ってたのですが、
こんなに早く実現するとは…(*´Д`)
ぜひまたヒノエネタをキボンヌ…と言ってみる。

むたさんの景時にも朝から萌えさせていただきますた。
すんばらしいです。朔がまたイイ!!
景時のエロは最初妄想できなかったのですが、
むたさんの作品で開眼しました。
次の投下もハァハァしつつお待ちしております。

>>22
幸いにも保管してくだすってる方がいるので
コピペはどうだろう? と思うのですが
携帯からだと前スレも保管庫も確認できないよね…

私も遙か3では全員萌えなので
このスレはオアシスですよ。職人神子方頑張って下さいまし。
24名無しさん@ピンキー:05/01/10 10:35:34 ID:F9khqSo9
前スレ783です。
うわぁ私が書きたかった兄上そのものだ…(´∀`*)
そんでもってナイス小姑w 朔可愛いよ朔。
むたさんGJです!
次回作も楽しみにしてますね。

それから>1さん乙彼です。
君は頑張り屋さんですね( ´∀`)
25名無しさん@ピンキー:05/01/10 11:18:02 ID:eyyqOXfN
>1
スレ立て乙! 

ふふっ、すっかりスレ立て将軍の風格ですね


攻略スレのスレ立て乙レースが面白かったので、
ぜひこのセリフでやってみたかった!w

>むた神子姫様
景時のエロって想像しづらかったんだけど、むたタンのを読んで、
なるほど〜と納得&萌えですた。
むたタンの景時、大好きです〜〜
GJでした! バッドエンド後のお話も非常に非常に楽しみにしとります!ノシ
26名無しさん@ピンキー:05/01/10 11:27:16 ID:lzqK5K58
イイヨイイヨ-
景時萌えー
27名無しさん@ピンキー:05/01/10 11:30:49 ID:7WObNeOs
>1
乙華麗!!

ところで前スレにあった即死回避のキャラ紹介とかは
貼らなくてもいいのかな?
エロパロ板の即死判定どれくらいかわからないけど、
今は遙か3祭状態だけど、今後ご新規さんがきたときの為に、とか。
私ここにあったコルダキャラ紹介でコルダを購入したクチだし。


>むたさん
朔カワイイ!!(・∀・)
前スレの「夜を重ねて」も大好きでしたが
今回の強気な襲い神子も(;´Д`)ハァハァしますた。
また是非投下おながいします。



さて、漏れも祭りに便乗すべく将臣書いてくるよ〜ノシ
28名無しさん@ピンキー:05/01/10 13:15:58 ID:XNfviw+g
〉1さんモツカレー。
貴方が私の対で良かった…

間口は広い方が良いだろうから、個人的な意見では、キャラ紹介有る方が嬉しい。
29名無しさん@ピンキー:05/01/10 13:21:49 ID:A+1Xyi0W
>1
強くしたたかで獣のようなスレだぜ…
>むたさん
景時×望美でエロははっきりいって想像がつかなかったけど、
いろいろやれるもんなんですねぇと感心。

さて祭に便乗して知盛×神子を投下させてください。
福原事変の章の話です。長いです。エロは物足りないかもしれません…。
30知盛×神子 獣と刀 1/9:05/01/10 13:26:36 ID:A+1Xyi0W
景時が別動隊として一の谷ではなく生田の森へ向かうと聞いた望美は、景時についていくことにした。
そのときの景時の様子が気になったからというのもあるが、怨霊のいる戦場へ八葉が一人だけ向かうというのは危険だと思ったからだ。そこが激戦区となるならなおさらのことである。
奇襲はうまくいっていたかに思えたが、知盛率いる平家の軍はすぐに体勢を立て直し、敵味方入り乱れての混戦となった。
いつしか望美は仲間とはぐれてしまい、生き延びることを念頭に置きながら、森の中をひたすら逃げていた。
いつ敵に遭うか分からない状況下、神経を絶えず張り詰めさせて進むのは、想像以上に辛いものだった。
普段は重いと感じさせない刀が肩にくいこみ、望美の体力をじわじわと削っていく。いっそ刀を捨てたい衝動に駆られるけれど、刀を捨てたらそれこそ最期である。
人の声がし、見れば武者装束の男たちがやってくるのが見えた。敵か味方か分からないので、望美はとっさに木の影に隠れた。話の内容から彼らが平家だということが分かり、息を凝らす。
幸い男たちはそのまま気づかずに去り、彼らの姿が見えなくなったとき、望美はひとまず安堵の胸をなでおろした。
しかし。
31知盛×神子 獣と刀 2/9:05/01/10 13:28:40 ID:A+1Xyi0W

「…なぜ戦場に女がいる?」
背後から聞き覚えのある声がした。はじかれるように望美は向きを変えると、刀を構えた。
望美が隠れていた場所は、目の前にいるこの男には丸見えだったようだ。もしわずかでも気配を感じていれば、こんなことにはならなかっただろうが、武将としての力量はやはりこの男の方が上ということか。
「あなたは…知盛!」
「俺を知っているのか。平家ではないようだが」
「あなたは初対面だろうけどね」
こことは別の時空で、この男と会ったことがある。
陣容や戦い方を見れば頭がいいことは伺えたし、物事を達観しているようにも見えるのに、戦うことを楽しいとうそぶくこの男は、どうにも不可解で不可思議で気になる存在だった。
この男から軽蔑されることは、望美にとって仲間からそうされるとは違う意味で耐えきれないことで、望美が花断ちのレベル向上に躍起になった理由のひとつである。
「初対面か。不思議と初めて会った気はしないが」
まさか覚えているの?と聞きたかったが、知盛が刀をかまえたので、望美も気を引き締める。
「刀を扱いなれている源氏の女といえば思いあたるのは一人だが…まずはその刀で語ってもらおうか」
そういうや否や、鋭い一閃が走った。望美は気力を奮い立たせると、それを一重でかわす。しかし、息をつく間もなく左右から次々と刃が襲いかかってくる。完全によけきれず刃が肌をかすり、首や腕に痛みが走る。
普段のコンディションならともかく、疲れきった今の状態でこの男と対峙するのははっきりいって無謀だった。だが、できなければ死んでしまう。
32知盛×神子 獣と刀 3/9:05/01/10 13:31:16 ID:A+1Xyi0W
「なかなかやるじゃないか…予想以上に酔わせてくれるぜ」
いっぱいいっぱいの望美と異なり、知盛には余裕があった。
悔しい…と思ったとき、受け流すことができず、望美の刀はもろに知盛の振りかざした刀を受けてしまった。激しく重い衝撃に耐えきれず、はじけるように望美の手から刀が落ちた。
刀は少し離れた場所にくるくると回りながら落ちた。無手のまま攻撃をかわして刀を取りに行くことは不可能な距離だった。
「これで終わりか?」
血の気がひく音を聞きながらも、望美はとっさに知盛に飛びかかった。知盛は不意を突かれたようだった。
「刀がなければ組み合え」とはリズ先生の教えだ。むろん組み合って勝てる相手だとは思っていない。望美の狙いは知盛の腰刀である。
奪うと素早く飛び退き、鞘を抜く。それをほうると、望美は再び構えた。してやったり!と思ったのに、驚いたことに知盛は笑みを浮べた。
「お前は実にいい女だな」
それに答える余裕は望美にはなかった。狙うのは急所、知盛の首筋。一か八か、懐にとびこんで切るしかない。
すきをうかがっていると、知盛がどういうわけか刀を地面に刺した。怪しいと思ったが、刺したときに知盛が目をそらした、その瞬間に望美は反射的に地面を蹴る。
33知盛×神子 獣と刀 4/9:05/01/10 13:33:25 ID:A+1Xyi0W
「誘いにのってくれると思ったぜ」
「え?」
知盛はさっと横に避けると、片方の手で腰刀をもっている望美の手首をつかんで締め上げ、もう片方の手で望美の腰をつかんで引き寄せた。ちょうど後ろから抱きすくめられたような格好だ。血とほこりとこの男の体臭が混じり合った匂いに、望美の頭が真っ白になる。
「い、いきなり何を…」
「ここであっさり殺すには惜しい女だ」
耳のすぐ近くで声がし、望美は身を固くした。訳が分からない。どういう意味かと聞き返そうとしたとき、知盛の唇が望美の首筋に触れた。
「……つぅっ!」
さきほど怪我をしたところだ。痛みと同時に、よくわからない衝動が体の内部から生じる。体が熱くなる。
望美は身をよじり、なんとか逃れようとしたが腰にまわっている腕の力は強く、舌は首の他の部分までなめはじめ、さらには耳を甘噛みしはじめた。堪えても口から吐息がもれてしまう。
「ん…」
だんだんと理性と判断力が麻痺してくるのを望美は感じた。これでは到底体に力のはいるはずもなく、望美の手から腰刀が滑り落ちた。
34知盛×神子 獣と刀 5/9:05/01/10 13:35:23 ID:A+1Xyi0W
「こんな場所で…何を…考えているの」
「戦場だろうとどこだろうと、俺は俺が楽しいと思うことをする性分なだよ。頼まれたことはこなした後だしな…」
それに、と知盛は言うと、望美の手首を締め上げていた手を放して、スカートにすべりこませると、ショーツを上からなぞった。固定されたままでも望美の体がしなる。
「お前ものっているじゃないか」
ショーツが湿っているのはすぐ分かった。そして、指がなぞるたびに体の内部から、音をたてて熱い液体がにじみ出ることも。羞恥心で顔がほてる。
「ち、違う!」
そう望美が叫んだ瞬間、ふわりと体が宙に舞い、何が起きたのかと思ったときには地面に押し倒されていた。目の前に知盛の顔、遠くに秋の空。
「背中ががら空きになってるよ…?」
震える声で望美は強がったが、知盛は望美の着物のえりを左右に広げながら、くっと笑った。
「ここはすでに平家が完全に制圧している」
望美が声を上げても、届くのは敵の耳にばかりということである。さらに刀は知盛の手の届く範囲に刺さっている。万が一敵が来ても、刀を振り下ろす前にこの男に両断されるに違いない。
知盛が上にのっていなければ望美もこの刀をとって窮地を脱することができるが、今の状態では刃にしか触れない。
35知盛×神子 獣と刀 6/9:05/01/10 13:37:00 ID:A+1Xyi0W

「もともとの肌は白いんだな」
しげしげとあらわになった胸を見る知盛の視線に耐えきれず、望美は顔をそむけた。手で胸を隠したかったが、知盛の腕に阻まれている。
日焼け止めクリームもないのに外を歩いてばかりだから日に焼けるのは当然だよと、この状況下で答える気には到底なれなかった。
望美はこのまま顔を見ないようにしていたかったが、知盛が望美の片方の乳房の頂きをなめ、もう片方をもみはじめると、快感と恥ずかしさでとてもじっとしていられなくなった。自分とは思えない甘ったるい喘ぎ声が口からもれだす。
このまま溺れてしまえと思ったけれど、そのとき風にのって金属の打ちあう音と、切り殺された人間の断末魔の声が聞こえ、望美は我にかえった。
生と死が残酷に交差する、少し離れた場所で苦痛にうめく人がいる戦場で、この欲望のまま進むのはひどく冒涜な行為ではないか。
「もうやめて。みんなに顔向けができなくなる」
知盛は顔を上げた。
「そんな乱れたいい顔をして、何をいまさら」
「乱れてなんか…!」
「同類なんだよ、おれとお前は」
そう言うと、知盛は望美が再度反論しようとする前に、自分の口で望美の口をふさいだ。その荒々しさは麻薬のようで、望美はあっさり舌の侵入を許してしまった。
くちづけをするのは初めてだったけど、この人は慣れているというのは分かった。知盛の舌が口内をなでる感触に、戦場の音はまた遠くなった。
36知盛×神子 獣と刀 7/9:05/01/10 13:38:30 ID:A+1Xyi0W
知盛の手がショーツをひきはがしたとき、死の恐怖とは別の恐れが望美の中で生じた。
このあとに何が来るかは知識として分かっていたから、とっさに足を閉じようとしたけれど、すでに知盛のひざがあいだに割って入っていたため、閉じることができない。
知盛の指が望美の秘所に直接触れた。知盛はもてあそぶように指を動かし、望美の体はびくんびくんとはねる。
「これだけ濡れていれば、そう痛くはないはずだ」
それから熱くて固いものが押し付けられたと思うと、それはぬるっと望美の内部にはいってきた。タンポンの比ではない違和感と独特の痛みに、思わず知盛のむき出しの腕に爪を立てる。想像していたよりは痛みはなかったが、それでも悲鳴はでる。
「きついな…少しは力を抜けよ…」
「そんな…こと…言ったって…」
息も絶え絶えに、涙目のままぼんやりと知盛の顔を見れば、いつもどこか見下ろすような表情を浮べているこの男が、何かをこらえているように眉をしかめていて、それを見れたのは望美にとって大きな収穫だった。いつもしゃくに思っていたのだ。
もっとこの表情をさせてみたい。そう思った瞬間すっと体の力が抜け、子宮の奥に固いものがあたり、熱いものが放出されるのを望美は感じた。
37知盛×神子 獣と刀 8/9:05/01/10 13:40:10 ID:A+1Xyi0W
遠くで何かの音が聞こえた。それが遠くから響いているホラ貝と、鬨の声だと気づくには、5秒ぐらいかかった。
「潮時だな」
「そうね」
終わりはあっさりとしたものだった。この男と自分のあいだにあるのは一般的な愛情でも恋情でもなく、獣のような欲情なのだから、それもある意味当然だと望美は思う。
さすがに鎧や着物を脱ぎ捨ててはいなかったが、知盛はともかく望美ときたら、髪は乱れ、胸元はまるっきりはだけ、スカートはめくれ、股のあいだから白と赤の混じった液体をつたわせている有り様であった。
気恥ずかしさに正視できず、望美が急いで懐紙で拭き取っていると、鞘のついた腰刀が投げ渡された。
さっきは全然見ていなかったが、黒い漆塗の鞘は平家の公達がもつには地味に思えたけれど、元の世界だったら重要文化財として博物館のガラスケースの中に収められている代物だということは分かった。
「お前の剣技は素早さが命だろう。こんなときは腰刀なら、刀を振り回すよりは身軽に動ける」
「どうして。私は敵だよ」
柄には平家の家紋である揚羽蝶が彫られていた。これをうまく使えば、戦わずに平家の制圧する地帯を抜けることさえできそうだ。その両方の意味をこめて、この男が望美に腰刀をよこしたのは明らかだった。
だが、望美が生き延びても平家には何のメリットもない。そう問うと、知盛はいつもの笑みを浮べた。
「俺はお前にまだ死んでほしくないんでね…楽しみが減るからな」
それから望美たちは何ごともなかったように別れた。腰刀のおかげで、体の調子はいまひとつでも、戦闘自体は前よりは楽になった。
もっとも、揚羽蝶の紋様を水戸黄門よろしくかかげる気には望美はなれなかった。そして、景時が平家の兵達に囲まれた望美を助けたとき、望美は腰刀をふところに隠した。
誰にも見せたくなかったのだ。
38知盛×神子 獣と刀 9/9:05/01/10 13:42:15 ID:A+1Xyi0W
「神子、首に布をまいているけど、怪我をしたの?」
夜、陣幕内で休もうとすると、白龍が心配そうに望美を見た。
「刀がかすったの。大げさだよね。大して痛くもないんだけど」
望美はにこりと嘘をつく。本当の理由を知れば、白龍といえど自分を軽蔑するに違いなかった。刀がかすったのは嘘ではないが、布をまいたのは首や胸元に逢瀬のときにつけられたキスマークが残っているからだ。
必要なとき以外は、まともにみなの顔を見られなかった。体には昼間知盛によってうちこまれた熱いくさびの名残が、今だくすぶっている。
あの男は本当に危険だと望美は思う。あの男は自分を、清らかだという白龍の神子ではなく、劣情のままに動く獣にしてしまう。というより、それこそが自分の本性なのではないかという気がしてならない。「お前と俺は同類だ」というあの男の言葉が甦る。
再度生田の森で知盛と対峙した後、白龍は「神子は知盛とは違う」と言ってくれたけど、知盛と刀をうちあっているとき、森の中で抱き合ったときのあのめくるめく快感が、望美の中で駆け巡ったのは否定できないことだから。
そもそも望美が景時についていったのは、実のところ知盛に会うためだったことを、今さらながら望美は気づく。
けれど、刀で語る愛などあまりに不毛すぎた。行き着く先は死しかない。
望美は両手で肩を抱くと、見えるはずもないのに海の方に首を向けた。はるか沖には平家の船があるだろう。あの男は今ごろ一体何をしているのだろうかと、望美は思いをはせた。
39名無しさん@ピンキー:05/01/10 13:45:34 ID:A+1Xyi0W
以上です。
最後まで読んで下さった神子様方、お疲れ様でした〜。
40名無しさん@ピンキー:05/01/10 13:50:11 ID:sHBWFFs/
>29
きゃー! リアルタイムでいただきました!
グッジョブ! ちょっと知盛にときめいてしまいましたw

知盛ってエロさ爆発キャラなので、妄想が止まらん!
存在がエロだ!

自分も、どのカプーで書こうかと悩み、結局弁慶×神子で書いたんですが、
エロなしだ・・・・・・・・鬱 orz
41名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:15:50 ID:zfCwAFXt
>29
禿しくGJです!!!!(;´Д`)ハァハァ 
本当にしたたかで獣のような女だ、望美タソ…。
PCの前で降臨を待ってて良かったよ〜。

>28
とりあえず前スレから人物紹介、適当に拾ってきます
連投規制にひっかからない程度に。
42名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:16:27 ID:zfCwAFXt
即死回避支援の登場人物紹介

(女王候補)
アンジェリーク・リモージュ
 金の髪の女王候補。赤いリボンと緑の瞳、ふわふわの金髪がトレードマークの女の子です。
 スモルニィ女学院高等部の2年生で、明るく元気な普通の少女。一般庶民の出身で、とくに成績が良い訳でもなく、女王候補に選ばれたことで一番おどろいたのは本人でした。
主人公、プレイヤーの分身です。明るい普通の女子高生。通称:アンジェ。(声:白鳥由里)

ロザリア・デ・カタルヘナ
青い瞳の女王候補。紫色の、長い縦ロールの髪、青い瞳が印象的なお嬢さまです。
 スモルニィ女学院高等部の2年生で、成績優秀、品行方正、容姿端麗・・・という、自他ともに認める生まれながらの女王候補。大貴族の家柄だけあって、プライドは高く、気が強くて負けず嫌いですが、本当はとても優しい心の持ち主です。
アンジェのライバルで、口調は「わたくし、〜ですわ」(声:三石琴乃)
43名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:17:52 ID:zfCwAFXt
(守護聖)
光の守護聖ジュリアス
 「誇り」を与える「光」の守護聖。9人の守護聖の首座でもあります。
 丈なす金髪と青い瞳を持つ美男子で、いつも青・金・白でまとめた豪奢な衣服を身にまとっています。
 代々、女王や守護聖を数多く輩出してきた名門貴族の出身で、ジュリアス自身も5歳のときに守護聖となりました。その誇り高さ、女王への忠誠心の篤さは、まさに首座の守護聖に相応しいものです。
 曲がったことが大嫌いで、自分にも他人にも厳しい性格ですが、冷静さのなかに激しい一面をも隠し持っています。
推定25歳・獅子座O型。(声:速水奨)

闇の守護聖クラヴィス
 「安らぎ」をもたらす「闇」の守護聖。
 長い黒髪に闇色の瞳、守護聖のなかで最も長身の彼は、いつも夜の闇ほども濃い紺色の衣装を身にまとっています。紫水晶のサークレットと耳飾りが、闇色の瞳によく似合う美丈夫です。
 5歳のとき、ジュリアスに少し遅れて守護聖となった彼の出自は謎に包まれています。ジプシーのような放浪民族の出らしい、という話ですが。
 無口で物思いに沈んでいることの多い彼は、無気力・無関心を絵に描いたような人物。ゆえに、職務に熱心なジュリアスとはしばしば対立します。
 水晶玉を覗いて物事を占うことがあり、かなりの的中率のようです。
その昔、現女王陛下とロマンスがあったとかなかったとか…。
推定25歳・蠍座A型。(声:塩沢兼人 現在は田中秀幸)
441:05/01/10 14:18:23 ID:Xa6e28r8
スレ立てだけして寝て起きたら賑ってて何よりです。
つきましては、即死回避キャラ紹介は貼らないつもりですが、需要にあわせて御随意に。

むたネ申サマも獣ネ申すサマも
元のキャラ設定って言うか雰囲気が出ててハァハァ倍増しました。
では、名無しに戻ります。
45名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:22:07 ID:zfCwAFXt
風の守護聖ランディ
 「勇気」を運ぶ「風」の守護聖。
 茶色い髪に青い瞳の少年で、お気に入りの赤いマントは守護聖になったとき、特別に作ってもらった物だとか。
 いつも元気なスポーツ少年で、さわやかな笑顔がトレードマーク。正義感が強く、自分が正しいと思ったことは、けっして曲げない、まっすぐな性格です。
弟妹が多いせいか、年下の者や子供の面倒見がよく、日の曜日には飛空都市の公園で、犬とフリスビーをしている姿を見かけることもあります。
新入社員のように何事にも一生懸命ですが女の子慣れしていません。
推定18歳・牡羊座O型。(声:林(神奈)延年)

水の守護聖リュミエール
「優しさ」をもたらす「水」の守護聖。
 長い水色の髪に水色の瞳、優しげな雰囲気をまとった美声年です。
 誰に対しても優しく丁寧に接する、穏やかな人柄の持ち主で、人と争うことを嫌い、常に相手を思いやることを忘れません。けれど、芯は強く、しっかりしています。
人ぎらいのクラヴィスが唯一、近くにいることを許している存在なので、いろいろと彼の世話をしたりもしています。芸術を愛する繊細な彼のハープは、闇の守護聖の心をも慰めているようです。
推定21歳・牡牛座A型。(声:飛田展男)
46名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:24:33 ID:zfCwAFXt
炎の守護聖オスカー
 「強さ」を与える「炎」の守護聖。
 炎のように赤い髪と、氷のように鋭い蒼い瞳の持ち主で、深い青色のマントをひるがえし、代々生家に伝わるという大剣を常に携えています。
 伝統ある軍人の家柄に生まれた、鍛えぬかれた身体を持つ情熱と行動の人です。自信家でプレイボーイではありますが、ジュリアスの信頼が篤く、彼のことを尊敬しています。
女性を口説くためならどんなキザな台詞も口から出てきますが、アンジェのことは対象年齢外なので「お嬢ちゃん」としか呼んでくれません。
推定22歳・射手座AB型。(声:堀内賢雄)

緑の守護聖マルセル
 「豊かさ」をもたらす「緑」の守護聖。
 金色の髪に紫色の瞳、守護聖のなかでも最年少でアンジェよりも年下の彼は、いつもチュピという名の青い小鳥を連れています。
 天真爛漫で人を疑うことを知らず、末っ子のせいか、甘えん坊な一面を持っています。甘いものが大好きな、素直で明るい「男の子」です。
推定14歳・魚座B型。(声:結城比呂)
47名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:25:09 ID:zfCwAFXt
鋼の守護聖ゼフェル
「器用さ」をもたらす「鋼」の守護聖。
 銀色の髪に赤い瞳、いかにも少年らしい、しなやかな四肢の持ち主ですが、あと少しで170p に届かない身長を気にしていたりします。
 司るサクリアに相応しく、彼自身も手先が器用で、機械いじりが大好き。仲良くなると、自分で作ったメカを見せてくれます。
 素直になれない性格で、口も悪く、攻撃的な態度を取ることが多いですが、悪気はありません。
ほかの守護聖が、あらかじめ守護聖になることを知らされ、自分の運命(親兄弟・友人たちとは違う時間の流れの中で生きてゆかねばならない、ということ)を受け入れる時間を持つことができたのに対し、
彼は、ある日突然「聖地」に連れてこられたため、守護聖という役目自体を下りたがっています。
 そんな彼も、面倒をみてくれるルヴァにだけは頭が上がらず、彼の言うことなら、渋々ながら耳を傾けているようです。
推定17歳・双子座B型。(声:岩田光央)

夢の守護聖オリヴィエ
 「美しさ」をもたらす「夢」の守護聖。
 長い金髪に碧い瞳、左目の下の泣きぼくろが色っぽい美声年です。常にメイクをし、マニキュアをほどこし、衣装に凝り・・・自らを美しく装うことにかけては時間と労力を惜しまない方でもあります。
 その司るサクリアに相応しく、常に美と快楽を追求し、勝手気儘にふるまっているので、ジュリアスなどからは不評を買っていますが、本人はまったく気にしていません。
ただ、その「軽い」ノリからは考えられないほどの気配り上手で、物事を客観的に判断できる「おとな」でもあります。
 本人いわく「武闘派」であり、女に間違われそうな言葉づかいや容姿とはことなって、意外に男らしい一面も持ち合わせています。
推定22歳・天秤座O型。(声:子安武人)
48名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:25:59 ID:zfCwAFXt
地の守護聖ルヴァ
「知恵」を与える「地」の守護聖。
 青色の髪に青色の瞳、いかにも学者らしい、ゆったりとした衣服をまとう彼のトレードマークは、頭に巻かれたターバンでしょうか。
 9人の守護聖のうち、一番の年上。ジュリアス、クラヴィス、それにルヴァの3人だけは、前の女王試験(第255代女王選出のための試験)をも経験しています。ゆえに、この3人をまとめて「年長さん」と呼ぶこともあります。
 学者の家柄の出で、守護聖になっていなければ、教師か研究者になっていた、というだけあって、のんびりした穏やかな性格で、深い知識を持っています。ジュリアスとクラヴィスの仲裁役、鋼の守護聖ゼフェルの教育係など、守護聖の職務以外にも仕事の多い人です。
守護聖最年長で、おっとりした性格です。度が過ぎて天然ボケなところも…。
推定26歳・蟹座AB型。(声:関俊彦)
49名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:26:31 ID:zfCwAFXt
(その他)
現女王
第255代の女王。本名はアンジェリーク。
 緞帳に隠された玉座に身を置き、ヴェールで顔を隠しているため、その表情は判りません。けれど、守護聖の力をまとめ、宇宙の進行を司る唯一絶対の存在です。
二人の女王候補が競い合うことで、より良い結果を生んでくれることを見越し、「聖地」から試験の様子を見守っています。
 9人の守護聖のうち、彼女と女王補佐官・ディアが女王候補だったころから、その座に就いていたのは、ジュリアス、クラヴィス、ルヴァの3人だけです。
 クラヴィスは、女王候補だったころの現女王に恋をしましたが、彼女は女王の座を選びました。クラヴィスが、今のような厭世的な性格になってしまったのは、その失恋のせいらしいのですが、それを知っているのは、ルヴァとディアの2人だけです。

ディア
 現女王の女王補佐官であり、今回の女王試験のアドバイザーでもあります。
 ピンク色の豊かな髪に、優しげな紫色の瞳の持ち主で、趣味は刺繍とレース編み・・・女らしさの具現のような人です。
 現女王とは、ともに女王候補に選ばれる前からの親友で、女王を助け、守護聖との間を取り持つ難しい役目を立派にこなしています。親切で優しく、誰からも好かれる性格です。(声:田中敦子)


パスハ
 王立研究院の責任者で、アンジェリークとロザリアが惑星へ視察へ行く際の手助けをしたり、育成状況をデータとしてまとめてくれたりします。
 緑の髪と緑の瞳を持つ、水竜族の族長でしたが、敵対する火竜族の族長の娘・サラと恋に落ちて、「聖地」のある星系まで駆け落ちしてきました。
 いつも厳しい表情をしていますが、サラの前では優しい顔になります。(声:矢尾一樹)

サラ
 “占いの館”の占い師。星の力を借りて、占いをしたり、相性アップのおまじないをしたり、してくれます。
 赤い髪と緑の瞳を持つ情熱的な美女である彼女は、火竜族の族長の娘でしたが、パスハと愛し合ったがために故郷を捨てました。自分の境遇ゆえか、女王候補たちにも恋をすることを勧めてくれます。(声: 折笠愛)

50名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:27:11 ID:zfCwAFXt
ヴィクトール:声 立木 文彦
「精神」の教官。 獅子のようになびく臙脂色の髪に鋭い目つき、右目に残る傷跡が印象的な美丈夫。
王立派遣軍の叩き上げの軍人。また、体中に歴戦の傷跡がある。

セイラン:声 岩永 哲哉
「感性」の教官。 紫色の髪に青い瞳、彼自身が芸術の具現のようにさえ見える美声年。
人と接することをあまり好まない。

ティムカ:声 私市 淳
女王候補の「品位」の教官。 灰色の髪と瞳、小麦色の肌を持つ彼は、亜熱帯惑星の王になったばかり。
生まれ育ちが良いせいか、上品で素直な性格で、いつも丁寧な言葉づかい。

エルンスト:声 森川 智之
王立研究院主任研究員。水色の髪をオールバックでまとめ、一房だけ垂らしたスタイルと、
チタンフレームの眼鏡が特徴の美声年。
エリートで生真面目。

メル:声 冬馬 由美
占いの館”の占い師。 火竜族の出身。少女のようだったが最近大人っぽくなった。
赤い髪に赤い瞳の持ち主。恥ずかしがりやの照れや。

チャーリー:声 真殿 光昭
うさんくさい美声年。 ウェーブのかかった長髪、黒い鼻眼鏡、関西弁を操る。
陽気な性格で遊び人らしい。

アリオス:声 成田 剣
灰色の髪と瞳を持つ放浪の剣士。
その剣の技倆はオスカーでさえ認めるほどのものだが、その正体は謎。
51名無しさん@ピンキー:05/01/10 14:29:25 ID:zfCwAFXt
>1
キャラ紹介、貼らないつもりだったんですね、スマソ。
守護聖四人だけ中途半端に貼るのもアレかと思ったので、
とりあえず案だけ全部貼っておきました。

遙かとコルダ、需要があればまた貼ります。
ほんとスマソでした。
521:05/01/10 14:35:01 ID:Xa6e28r8
此方こそぶった切り面目な、
御随意にといったので御随意でいいのです。
今度こそ名無しにもどりますです。
5340:05/01/10 14:53:10 ID:sHBWFFs/
>51
気にすんな(・∀・)!
随意にってことなんだしさ!


えー、本当に申し訳ないのですが、エロなしのSSを投下させていただきます。
キャラは弁慶×望美。内容はシリアス、かと思われます。

エロなしなんてダメダメさー!とおっしゃる神子様は、
弁慶×望美(エロなし)
をNGワードにしてください。

3作を通じて、遙かでSSを書いたのは今回が初めてなので、
あんまり上手く書けていませんが、よろしくです。
54弁慶×望美(エロなし):05/01/10 14:54:11 ID:sHBWFFs/
望美たちは生田神社での合戦の後、逃げていく平家を追いかけて
大輪田泊へやってきた。港へ出てみると、平家の船が出てしまっていた後で、
結局平家は結構な戦力を温存したことになり、戦の大勢の決め手となる合戦とはならなかった。

港から離れ、皆で歩いている時に、弁慶は急ぎの用件があるといって皆から離れ、
どこかへ行ってしまった。皆は何も気にした風でもなく、その姿を見送ったが、
望美にはその様子が何かおかしく感じられ、後ろから聞こえる制止の声を無視し、
弁慶の姿を探しに後を追った。
闇雲に歩いていると、狭い路地から急に視界が開け、すぐそこに海岸があらわれた。
弁慶の姿が見えないので、望美が辺りをきょろきょろしていると、
すぐ背後から声がした。
『――どうしてこんなところに来てしまったんです』
声のするほうへ振り向くと、驚いたような、悲しそうな、困ったような、
複雑な顔した弁慶がそこに立っていた。

「勝つためには、今、平家を追撃して兵力を減らすのが一番なんです」と言い、
平家の追撃を指揮しなければならない、と弁慶は望美に説明した。戦が始まれば、
勝つ方法を考える、それが軍師だから、と。
しかし、望美のすがるような視線に気づいたのか、弁慶は続けてこう言った。
『――君に嫌われたくはありませんからね。少し考え直してみます』
この言葉で、急に今まで張り詰めていた気持ちが、ふわりと浮いた気がした。
『君を傷つけないように、作戦を見直すことにしますよ』
そして、もう一度弁慶は言った。
望美は、弁慶にまっすぐに見つめられて紡ぎ出されたこれらの言葉に安心し、
早く弁慶が皆のところへ戻ってきてくれるように祈りながら、海岸を後にした。
55弁慶×望美(エロなし):05/01/10 14:55:09 ID:sHBWFFs/
皆のところへ戻る途中の道を歩いていると、突然、強い海風が望美の髪を乱した。
望美はこれ以上乱れないよう、懸命に髪を押さえ、立ち止まった。
すると、いったんは取り戻した平穏な気持ちが、ふいに海風になでられ、
急激に冷めていくのを感じた。そして、不安という大きな波が押し寄せ、
望美をのみ込んだ。
「弁慶さんは、作戦を見直すって言ったじゃない……。
作戦の変更を指示しなければ、とも言ったのに」
胸のうちを否定したくて、望美は声に出してつぶやいた。
「どうして……弁慶さんを疑うようなことを考えてるんだろ、私……」
吹き続ける海風に、不安が増長される。
皆のところへ向かおうとしていた足は、自然と今来た道を歩いていた。
しかし、不安が足を速める。
「弁慶さんは、私と約束してくれたんだから……」
望美は小走りしながら、弁慶を迎えに行って、この不安は余計な心配だったねと
笑えばいいと、そのことにすがるような気持ちでいた。

しかし、海上では見たこともないような光景が広がっていた。
激しい炎に飲まれている人々、次々に海へ身を投げている人々、船上で逃げ惑う人々、
それが遠目からでも分かった。だんだんと目の前が滲んでいき、それが涙となって
望美の頬を伝った。
「嘘……嘘、でしょう? どうしてこんな……」
信じたくない現実に、体が押しつぶされそうになった望美は、
砂浜に足を取られつつも、懸命に走り、弁慶を探した。
56弁慶×望美(エロなし):05/01/10 14:58:10 ID:sHBWFFs/
「――弁慶さんっ!」
梵字が描かれている見覚えのある黒い外套に向かって、望美は泣き叫けんだ。
振り向いた外套の男は、望美の姿に一瞬たじろいだように見えた。
しかし、それは瞬間の出来事であり、次にはいつもどおりの冷静な弁慶がそこにいた。
「戻ってきてしまいましたか……。君はいけない人だ」
望美はそのあとの弁慶との会話をよく覚えていない。微かに覚えているのは、
追撃は必要なことだった、と言う言葉。それもあまり確かではない。
これが弁慶の言う、勝つために必要なことだったのだろうか。
戦を終わらせるためには、戦わければならないのだろうか。
一刻も早く戦を終わらせたい、そう五条大橋で言っていた弁慶の言葉が
ぐるぐると望美の頭を駆け巡った。
(――戦は……どういう目的であれ、悲しみしか生み出さないよ……)
望美は砂浜を凝視し、あふれる涙を止めることができなかった。

「……もし、僕が悔いることがあるなら……」
そういいながら、弁慶は望美に近づき、海の上で起こっている出来事を
自らの体で隠すように、望美の目の前に立った。
「君の目から、この作戦を完全に隠しとおせなかったことだけです」
目線を下に向けたまま動かない望美に、少し悲しそうに微笑み、
望美のまぶたを覆うように自分の左手をかぶせた。
そしてその手にほんの少しだけ力を入れ、望美の顔を上げさせた。
57弁慶×望美(エロなし):05/01/10 14:59:23 ID:sHBWFFs/
「君の目を塞ぎ、ここで見たことを忘れさせることができるならよかったのに……」
「ほ……他に後悔することがないって……本当、なんですね」
望美は弁慶の手のひらのぬくもりと、指先の冷たさを感じていた。
弁慶は望美の涙の熱さと、顔のほてりを感じていた。
「ここで見たことが君を苦しめるというなら……忘れてください」
気配が強く感じたその時、少し冷たくて、でも柔らかなものが、望美の唇を掠めた。
「君には……君にだけは知られたくなかったっ……!」
「弁慶さ…………んっ……!」
絞りだされるような、苦しそうな弁慶の声に、望美が何か言おうとしたその瞬間、
それは弁慶によって塞がれてしまった。いつものやさしい弁慶から
想像すらできないような、押し付けるだけの乱暴な口付けだった。
望美は弁慶を押しのけようと、両手を弁慶の肩に伸ばしてみたが、
それは何の抵抗ともならなかった。顔を逸らせようと頭を動かそうとすると、
弁慶の空いていた手で頭を押さえられてしまった。
もがいてももがいても、それはすべて弁慶によって押さえられてしまった。

望美の抵抗が止むと、弁慶はそのまま望美の体を片腕で引き寄せた。
「ん……!」
普段はおっとりした様子の弁慶で、その腕力を感じたこともなかったが、
その力はとても強く、二人の間にあった空間があっという間になくなり、
望美の体は弁慶の体に密着した。
恥ずかしさのあまり、望美の目は堅く閉じられている。
そして体のあちこちが熱を持ち始めた。
58弁慶×望美(エロなし):05/01/10 15:00:25 ID:sHBWFFs/
やがて弁慶は唇だけを離し、こうつぶやいた。
「傷つけたくなくてついた嘘は、君が戻ってきて裏目に出てしまいました……。
僕は君を傷つけたくないんです。だから……今日のことは忘れてください」
そう言うと、再び弁慶は望美に口付けた。それは、先ほどの乱暴さが嘘のような、
どこまでも優しいものだった。それが望美の目から涙を溢れさせる。
やがて弁慶は望美から唇をそっと離すと、舌先を硬くし、望美の唇をなぞるように
つるりと舐めた。
「あ……んっ…………」
望美は思わず声を漏らし、体を震わせた。そして、弁慶はわずかにできた隙間から、
狙ったように望美の口内に舌を侵入させた。やさしい口付けは激しいものへと変わり、
弁慶は望美のまぶたから手を離し、自由になった両腕で強く望美を掻き抱いた。
「望美さん……望美さん…………望美さん……!」
顔の角度を変えるたびにできる隙間から、吐息混じりの声で、弁慶は望美の名前を
何度も呼んだ。今まで聞いたこともないような、熱を帯びた艶のある声に、
望美は頭の一番奥がはじけるような感覚に襲われ、足に力が入らなくなっていった。
「んふ…………はあ……ん」
望美が声を漏らすたびに、弁慶は狂おしそうに、望美を抱く腕に力をこめた。
この瞬間だけは、罪をすべて消したい、忘れたいと、弁慶が叫んでいるかのようだった。
59弁慶×望美(エロなし):05/01/10 15:01:21 ID:sHBWFFs/
抱きしめられる腕の力と、口付けの激しさに、追撃命令を下したことを
知られたくなかったのだということが、嘘ではなかったのだろうと、
望美は遠くなっていく意識の中で感じていた。
弁慶は軍師だ。戦では勝つためにいろんな判断を下す必要があり、
それは、時には残虐ですらあることを、望美は知っていた。
だからといって、弁慶が悲しまなかったのかというと、それは違うと言い切れる。
『冷静でなくては、いけないんです』
平家の追撃を責めたとき、弁慶はそう言っていた。
この人はきっと今までも辛く悲しい目にあってきたに違いない、
そう感じさせる言葉だった。自分を悲しませたくなくてついた嘘……
それは、弁慶がとても優しい人であることを物語っているのではないか、と。
望美は、どうしても弁慶だけを責めることはできなかった。
弁慶は望美を、優しい人だと言った。
(でも……あなたが……一番優しい……)
――望美はもうこれ以上、何も考えることができなくなっていた。
胸の奥から弁慶への愛おしさが募り、望美は自分の体が溶けてしまうのではないかと思った。
やがて、弁慶から与えられる刺激に深く溺れていった。

行き場をなくしていた望美の両手は、弁慶の行為に応えるように、
また自らが求めるように弁慶の背中に回された。背中に強く感じる望美の手のひらに、
弁慶はさらに激しく望美に口付けた。お互いがその時を忘れたいと願い、
そして、お互いを求め合うように。
その時、望美の耳に届いていたのは、燃える炎の音ではなく、人の叫び声でもなく、
ただ波の音だけだった。
6040:05/01/10 15:02:33 ID:sHBWFFs/
以上です。
無駄に長くて、しかもエロくなくてゴメソ。
61名無しさん@ピンキー:05/01/10 16:02:35 ID:inTPZysw
キスシーンだけなのにエロスがありますね。
ぜひ、本番もお願いします!
62名無しさん@ピンキー:05/01/10 16:25:45 ID:BLAld9/z
>>40
ベンいいですよベン(;´Д`)ハァハァ/|ァ/|ァ/|ァ/|ァノ \ ア ノ \ ア
キスに時間かけるのもエロくて萌えます
あのイベント是非40氏のSSみたいにして欲しかった
63名無しさん@ピンキー:05/01/10 18:13:36 ID:CFzlvznh
前スレで将臣×望美の長文だと書いた者です。
長文過ぎるんで何日かに分けて投下します。
ついでに兄貴ルートの思いっきりネタバレ有りです。
本来絵描きなもんで、文章自体も読み辛いと思うので、
長文もヘタレ文もいらーん、と言う人は
「長文ネタバレ」をNGワードにしてスっ飛ばして下さい
64将臣×望美1 長文ネタバレ有り:05/01/10 18:14:42 ID:CFzlvznh
「…将…臣…くん…?」
「望美…お前…何で……」
 ギリ、と言う金属が擦れる音が目の前の打ち合わされた刀からこぼれる。
 これは夢だ、とっておきの悪夢で早く目を覚まさなければ、と自分に言い
聞かせるが、反面視界も頭の中も鮮明だった。
 望美自身も酷く衝撃を受けたが、目の前の幼なじみ――この異世界で再会
した同い年だった相手は既に自分よりも3年多く年を重ねていた――も、そ
れは同様らしく、驚愕に目を見開いている。
「何でお前がここにいるんだよ!」
 吐き捨てるように、けれど何故か泣いてるように叫ぶ見知った青年。自分
の知らない3年を過ごし、先に大人になった幼なじみ。
――ダメだ、譲くんが!
 もう1人の幼なじみを思いだすと同時に、自然と体が動いていた。
 還内府を前面へおびき寄せ、出てきたところを八葉の1人であり、目の前
の人物の血の繋がった弟であり、弓を得意とする有川譲が矢を射る予定だっ
た。
 そうして、今度は身体を衝撃が襲う。一瞬、息がつまり、鋭い熱さが全身
を痙攣させ、そのまま崩れ落ちる。
「――っ!! 望美!」
 倒れ込む体を将臣は片手で支えた。目に入った状況に息を飲む。華奢な背
中に太い矢が深々と突き刺さり、その根本には血が大きく滲んでいた。
 自分の腕の中で、苦しげに息を吐くのを確認すると、将臣はそっと吐息を
漏らした。戦場で敵や味方が矢を受け刃にかかり倒れ伏していくことなど、
3年の暮らしで慣れたはずなのに、知らず震えが走り少女を抱き留める腕と
は逆の腕で刀を地面に突き2人分の体を支えていた。
65将臣×望美2 長文ネタバレ有り:05/01/10 18:15:14 ID:CFzlvznh
「還内府殿!」
「還内府殿……それは源氏の神子!?」
「源氏の神子、覚悟!!」
 背後から味方であるはずの平氏の兵が数名走り寄ってくる。
「やめろ!!、今はさっさと退け!」
 将臣は兵に怒鳴りつけると望美を担ぎ上げる。いくら神子とは言え、この
味方と敵が入り交じった乱戦状態では、そのまま置いていくわけにはいかな
いと思ったからだ。
 首筋にちりりとした物を感じ軽く後ろを見ると、つい最近まで共に旅をし
ていた人間がぞろぞろとこちらへ向かってきている。その中に蒼白な顔をし
た弟を見つけたが、何故か冷たいものが体の内を駆けた。


 最初はいつもの満月の夢だと思った。
 既に懐かしさすら覚える高校。いつもの夢じゃないと理解したのは、自分
が、生徒達がまばらにいる廊下を教室に向かって歩いているからだ。
 将臣との夢に、自分と将臣以外の人間は出てきた覚えは無いし、廊下を歩
いていたこともなかった。何より、夢の中の自分は自分が意図的な行動を取
れるでなく、ただ内側から自分の行動を見つめるだけだった。
 ふと、胸がザワめく。既視感、夢に見ているこの風景に見覚えがあった。
夕日が差し込む中、通り掛かりに友人に声を掛け軽く談笑し手を振って別れ
て……。
――イヤだ、行きたくない…お願いだから止まって…
 願いは聞き届けられるはずもなく、教室の扉は簡単に開いた。開いた途端
目にした光景は……。
66将臣×望美3 長文ネタバレ有り:05/01/10 18:15:52 ID:CFzlvznh
 密着する男子と女子の顔。確か女子は3組の可愛いと評判の、いや、そう
じゃなくて。などと思考は取り留めが無かったが、体も視線も固まってしま
っている。視線を上げた向かいの男子高生、有川将臣と目があってしまった。
ドクン、と心臓が鳴った気がした。一緒に育った自分には見せたことの無い
ような憂鬱げな目を見てしまい、カッと顔が熱くなる。きっと、今の自分は
一瞬にして真っ赤になってるのだろう。
「…えと、あ…あの……ゴ…ゴメン!」
 慌ててそれだけ言うと、カバンも取らずに扉を閉め駆け出した。
 後ろから2人の叫び声が聞こえたが、止まって振り返ることなど出来なか
った。


 兵達の様子を見、声を掛けてその場を退くと、人目が無いことを良いこと
に、九郎は溜息を付いた。
 本来ならば、全軍を率いる将である者が一般の兵の様子などを一々見て回
らずとも良いのだが、戦場を一緒に生きて戻って来た者達の顔をきちんと見
ておきたいと思っているからだ。無論、彼らと共に死者を悼むのも毎度のこ
とだ。
「大将たる者、軽々しく溜息などをつくものではありませんよ、九郎」
 男にしては、高く柔らかな声が掛かる。
 本気で窘める気が無いのは、黒いフードの下では、声同様表情も柔らかな
ことからわかる。
「弁慶か。譲はどうした?」
「大分落ち着きましたよ。白龍が、望美さんは無事だと断言してくれました
からね」
 白龍、力を失った龍神だと名乗った子どもは先日いきなり青年へと変貌を
遂げていた。見た目は、九郎や望美の剣の師であるリズヴァーンの次に大き
な体躯だが、その心根は幼い姿の時同様、無垢な子どもであった。
 そして、その白龍は、自らの神子である望美とは通じ合うらしい。
 力を取り戻してない白龍には神子の居場所を突き止めることは出来ないが、
無事であることは確かだと言う話だった。
67将臣×望美4 長文ネタバレ有り:05/01/10 18:16:30 ID:CFzlvznh
「当たり前だろう。あいつが、将臣が望美をむざと殺すものか」
「……九郎、彼は還内府ですよ」
「わかっている! だが…!」
「そうですね。彼に望美さんは殺せないでしょう。それをするには、彼は甘
い」
 確かに、平氏の御大将として戦に加わってはいる。この3年源氏の兵をい
くらも殺してきただろう。だが、あの男には望美と譲だけは殺すことは出来
ないと確信している。刀を持って戦場に出るだけではなく、政の場では日々
政敵、それが親や子や兄弟であっても追い落とそうと、皆が躍起になってい
るこの世界とは違う場所で平和に育った者の甘さだ。自分には持ち得ないも
のだ…。
「弁慶? どうした?」
 黙ってしまった相手に、九郎が訝しげな顔を向ける。
「いえ、何も…。兵達の方はどうですか? 動揺などは?」
「戦場から戻った直後はな。だが今は逆に神子を絶対に取り返す、と息を巻
いている。まぁ士気が上がるのは構わんが、暴走させるわけにもいかないか
らな。落ち着かせてきたところだ」
――兵よりも九郎の方が、あの人の無事が気になるでしょうに…
 親しく無い者には態度がキツイことから誤解されがちだが、この男は自然
と人を惹きつける。人里離れた場所に閉じこめられるように育ったせいだろ
うか、年に似合わず純粋で素直で…それが短所でもあるが、側にいると不思
議と力を貸し与えようと言う気持ちにもなる。更に、本人には自覚は無いだ
ろうが、人の心を動かす方法を身に付けてもいる。それは、やはり自分には
無い物だ。
「じゃぁ、俺はもう戻るぞ」
「ええ、僕ももう休ませて貰います」
 軽く笑うと九郎は足早に自分にあてがわれた休息所へと向かった。
 その背に複雑な視線を向ける友人に気が付くこともなく――。
「九郎…甘いのはあなたもですよ」
68将臣×望美5 長文ネタバレ有り:05/01/10 18:18:25 ID:CFzlvznh
 涙がこぼれるのを自覚した。そしてやはりこれは夢だと再確認した。あの
とき、現実での自分はただ恥ずかしくて、何でか心臓がドクドク言っていて、
それが何なのか自覚してなくて、だから泣くなんてことはしなかった。


「う…ん…」
 うっすらと目を開けると、今はもう見慣れた陣地のようだった。けれど薄
目で見た陣地を囲む幕や旗は見知った物では無い。が、どうにも頭が回らな
ず、その違和感が何なのか理解出来ない。
 目が覚めていると言う自覚はあるものの、頭も体も熱くてスッキリしない。
 望美はゆるゆると顔を上げ、更に体を起こそうと力を入れる。途端、背中
から全身に激痛が走った。
「!? ぐ…うぅ…」
 くぐもった呻き声を上げて、寝具に顔を埋めてしまう。
「気が、付いたのか?」
 低い抑えた声が頭上から投げかけられた。勢い再度体を起こそうと身じろ
ぎしたところを、やわらかく押さえられる。
「動くな。傷に触る」
 囁くような声の相手へと、望美は顔だけを向けた。表情はぼうっとしてい
て、相手を認識しているのかすら怪しい。
「まだ熱があるな。そのまま寝てろよ」
 手を少女の額に当てて確認すると、身を屈めて耳元で声を掛ける。
「…将臣…くん…?」
 うつ伏せの状態で顔だけをこちらに向けながら、相変わらずぼうっとしつ
つ、それでも不思議そうに声を掛ける。
 無理も無いだろう、将臣がいるということは、本来いるべき源氏の軍であ
るはずがないのだから。
69将臣×望美6 長文ネタバレ有り:05/01/10 18:19:36 ID:CFzlvznh
「これも夢、かな?」
「夢?」
 将臣は、望美を寝かせている、ありあわせの物で作った簡易ベッド…のよ
うなものの端に腰を掛けて、話を聞く姿勢を取った。
「…うん、夢…。さっきまでね、文化祭の準備してた時の夢見てたの…」
「文化祭ねぇ…」
 語る当人に取ってはついこないだの話だろうが、聞く側に取っては既に数
年前の出来事である。「何かあったか?」などとつぶやき、一瞬遠い目をし
たが、次には不機嫌そうに眉根を寄せた。
 自分にとっての最後の文化祭、その前夜祭前日のことを思い出していた。
「お前、まだあの時の…と、お前にとってはそんな昔じゃねーのか」
 ぼんやりと薄目を開けている少女の頭をそっと撫でる。いつも隣で一緒に
笑っていた家族同然の存在。けれど、相手から見ると自分は別人のようにな
ってしまっているだろう。髪も伸び、体つきも頑健に、顔つきも当時とはま
るで違う。本人ですらそれを自覚しているというのに、別れた時から数カ月
しか経過していないのだから。
 たかが3年、しかし自分が変容してしまうには十分過ぎる年数だった。そ
してその年数が今は重い。平家の人間として過ごしたことには後悔は無いが、
こうして変わらない幼なじみや弟と出会うと、もう戻れないのだと言うこと
を嫌と言うほど感じる。
 望美や譲から元の世界に戻る方法があると言われたが、人を率い、人を殺
してきた自分が、どの面下げて平然とあの平和で温かい場所に戻れると言う
のか。
「将臣くん?」
 自分の頭に手を置き、怖い顔で宙を睨んでいる青年に不思議そうに声を掛
ける。
「…ああ、すまねぇ。それで、どうした?」
「んっと…何か良くわかんないけど、何か泣けてきちゃった。おかしい…よ
ね…」
 たどたどしい喋り方に顔を覗き込むと、そのまま眠りそうな顔があった。
矢傷の熱が再び少女を眠りに誘っているのだろう。
70将臣×望美7 長文ネタバレ有り:05/01/10 18:20:06 ID:CFzlvznh
「泣いてたのは、体起こして痛かったからじゃねぇのか?」
「…両方…かな…?」
 望美は、襲ってくる眠気に逆らうように笑うが、熱と眠りに苛まれている
状態での声や表情は、どことなく甘えているようにも見えた。
――そういや、昔から甘えられたことってのは殆ど無かったよな…
 そもそも彼女の性格から、この内容の夢など本来は語られないだろう。
 眠らないようにしているのか、まばたきを繰り返している瞳から、まだ乾
ききっていない涙がこぼれた。
 あらがえない力がどこからか掛かったように、将臣は自然とその涙を口で
受け止めていた。そして、そのまま熱で乾いている唇に柔らかく口づけをす
る。身じろぎもせずに受け止めている、おそらく何が起こっているのかすら
理解出来ないであろう少女を思うと軽く腹が立つ。このまま深く舌を潜り込
ませて更に全てを奪ってしまおうかと言う衝動に駆られるが、同時にそんな
自分に吐き気を覚えた。
「熱で、唇が乾燥してるな…水と濡れた手ぬぐいを持ってくる。すぐに戻る。
寝ちまっても良いから、おとなしくしてろよ」
 言いおくと、将臣は何事も無かったかのようにその場から立ち去っていっ
た。
――やっぱりこれも夢だ……。さっきあんな夢見たのに、今度は自分の望む
夢。嫌な人間だなぁ。……何で私が神子なんだろう…。全然清らかなんて言
葉似合わないのに
 朦朧とした状態で、自分の唇を指でなぞる。かさついた感触を感じただけ
で、そのまま眠りに落ちてしまった。
7163:05/01/10 18:21:19 ID:CFzlvznh
今日はここまでです。
72前スレ886 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:22:22 ID:WcXK7PXW
前スレ886です。63さんが将臣×望美を書かれているので、
鳥つけて区別してはじけるようにしてみます。
まだ終わってないのですが、前スレに投下した分と合わせて。
73熊野にて・1 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:23:36 ID:WcXK7PXW
下弦の月が雲ひとつない夜空に浮かんでいる。
夏とはいえ夜山の気温は低くて、私は冷えた自分の方を抱いた。
さわさわと風の流れと伝える草の音を聞きながら、春の大原で朔に嘘をついたことを、今更ながらに後悔していた。

熊野川の怨霊を封印した後のことだった。
地面がぐらりと崩れ、最初は川辺の砂利に足をとられたのだと思った。
子供みたいに前のめりに転んで膝を擦りむいた。
白龍と譲くんが大げさに騒いで心配したけれど、私は大丈夫だよと笑って立ち上がった。
立ち上がろうとした。けれど今度も足元がぐらぐらと揺れて、また膝をつくしかなかった。
「ちょっと失礼しますね」
そう言って、頬と額に触れた弁慶さん冷たい掌が心地よくて、
そこで初めて、ああ熱があったんだなあと気づき、そのまま意識を闇へ落とした。

目を覚ますと、龍神温泉近くの宿で寝かされていた。
熊野川の水気に当てられて事で積み重なった疲労が出たのでしょうと弁慶さんは言い、
丸二日寝込んだ私を朔が看病してくれた。三日目にようやく温泉に入れるまでになった。
迷惑かけてごめんねと謝ると、
「ばかね。せっかくの機会なんだからゆっくりなさい。あなたはいつも自分を律しすぎるのよ」
違うよ、朔。私は律しているんじゃなくて、封じているだけ。考えないようにしているだけ。
見ないふりをしているだけ。気持ちを確かめるのが怖いだけ。
そのくせ、本宮行きが先延ばしになって、ほんの少しでも彼が側にいてくれる時間が増えて喜んでいるんだ。
74熊野にて・2 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:25:19 ID:WcXK7PXW
大原で朔に将臣くんとの関係を聞かれたとき、私の口をついて出たのは、ただの幼なじみだよという嘘だった。
幼なじみで、兄弟みたいに育って、だから一度も意識したことなんてないよと慌てて言葉を紡いだ。
ほんとうは、もちろん違う。元いた世界で、私と将臣くんは付き合っていた。
思いを告げたのは去年の春。初めて体を重ねたのは同じ年の夏。
ただ、それを周囲の誰にも、譲くんにすら話したことはなかった。
将臣くんは気にもしないで家族にも友達にも話すつもりでいたみたいだったけれど、私が全力で止めた。
両親にも有川のおじさんおばさんにも譲くんにも、話してしまったらどんな風に接していいかわからない、
せめて付き合っていることに私が慣れるまで待ってほしいと。
それじゃあ今までと大して変わらないじゃねえかと呆れられたけど、最後には苦笑いで許してくれた。

あれは私にとって保険だった。
いつか別れを迎えて、いくらかの心の痛みを覚えたとしても、将臣くんはすぐに幼なじみとしての顔を取り戻すだろう。
私にはとても同じことはできそうにない。
だから、付き合っている事実を伏せて、表面上は今まで通りを装った。
本当に別れの時が来たとしても、周囲の好奇の視線に晒されないように。
付き合っていた過去を容易に封ぜられるように。
朔に嘘をついたのも、それと同じこと。
実際、こちらの世界で再会してからの私と将臣くんは、私がついた嘘の通りの幼なじみでそれ以上でも以下でもなく、
お互いの気持ちを確認することもなかった。
75熊野にて・3 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:27:16 ID:WcXK7PXW
異世界に流されて最初のうちは、非日常に追われて将臣くんに思いを馳せる余裕がなかった。
譲くんが考えていたのと同じように、彼のことだからきっとどこかで無事でいるだろう考えるだけで。
そんな風に気楽に考えていたから、『一度目の運命』で打ちのめされた思いがした。
気楽なことなんてこの世界に何一つ存在しなかった。
死は常に隣り合わせにあって、突然の別れなんていくらでも用意されていた。
燃え盛る京の街中で、後悔ばかりが次々あふれ出した。
あの時、一の谷の奇襲にもっと反対しておけばよかった。
あの時、九郎さんについて鎌倉に行ったりしないで、京に残ればよかった。
あの時、あの時、あの時………。
あの時、将臣くんにちゃんと気持ちを伝えておけばよかった。

今度こそ。
思いを胸に、白龍の逆鱗を握り締めた。些細なことの積み重ねが、過去と未来を変えていく。
一度目の運命に、熊野川で私が倒れる歴史はなかった。
将臣くんとのためだけに時空を超えたわけじゃなかったけれど、もうどんな後悔もしたくなかった。
76熊野にて・4 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:28:28 ID:WcXK7PXW
温泉に入った後、みんなが寝静まる頃合を見計らって、将臣くんたちが休んでいる部屋を訪ねることにした。
星と月の明かりだけを頼りに探したけれど、彼はいなかった。九郎さんと白龍の夜具を整えて部屋を出た。
広間にも土間にも姿はなく、温泉まで行ってみたけれど無駄足になった。
月明かりに照らされながら宿までの道をとぼとぼと歩く。
朔に正直に話しておけば、協力してもらって、すれ違いになることもなかったのだろうか。
下弦の月を見上げても当然答えは返ってこない。
大丈夫。部屋に荷物は置いたままだったから、黙ってどこかへ消えてしまったわけではないはずだ。
チャンスはまだあると自分に言い聞かせる。
それにもしかしたら、私の部屋に訪ねてきてくれているかもしれない。
考えると次第に早足になった。

わずかな希望とともに戸を開け、ゆっくり、部屋に滑り込んだ。
「……将臣くん?」
誰もいなかった。自分の浅はかさと馬鹿さ加減に嫌気が差して、涙が出そうになる。

77熊野にて・5 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:29:20 ID:WcXK7PXW
「んなとこで何突っ立ってるんだよ」
ふっ、と耳元に生温い息がかかった。
「ひゃあっ!?」
驚いて上擦った声を上げてしまい、ぺたりと床に腰を落としてしまった。
「おい、大丈夫か?」
「ま、まさお……み、くん」
「……だれが正雄だ、こら」
本当に大丈夫かと覗き込まれて、心臓が跳ねた。
一気に体温があがっていくのが自分でもわかる。
「だいじょう、ぶ、多分」
顔が近い。
毎日飽きるほど見ていたはずの顔。
三年半をこちらで過ごして、ほんの少し変わった顔。
いま目の前にある彼の顔。
距離が近すぎて頭が真っ白になる。
「多分じゃねえだろ。病み上がりにどこ行ってたんだか知らないが、ぶり返したんじゃないのか?」
いつもの調子で言われてしまった。
やっぱりなと感じる心と、将臣くんを憎らしくおもう気持ちが湧き上がって爆発した。
「誰の……誰のせいだと思っ……!」
想いを、不安を、感情の全てをぶちまけた。
これでは完全に八つ当たりだと、自分でもわかっていてなお止まらなかった。
悪いのは私なのに。
私が臆病でさえなかったら、変な見栄さえ張らなければよかったことなのに。
78熊野にて・6 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:30:42 ID:WcXK7PXW
将臣くんは床に座って、私が落ち着くまで黙って聞いてくれていた。
「散々溜め込んでからキレるところ、譲と一緒だよな」
「……ごめん」
「別に怒ってるわけじゃないさ」
伊達に十七年一緒にいたわけじゃねえよと、ぽんぽんと軽く私の頭を叩いて笑う。
これは『お兄ちゃん』の将臣くんだ。また、涙がじわりとにじみでる。
「だから泣くなって」節くれだった指で私の頬を拭う。「……泣かせたのは俺か」
「それは違うよ、私が」
「あーストップストップ。自己完結させんなって」
弁明の言葉を遮って、将臣くんは言った。
「無責任だと思ったんだよ」

79熊野にて・7 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:31:45 ID:WcXK7PXW
お世話になった人たちへの恩返しがいつ終わるかわからない。
何年もかかるわけじゃない、かといって一週間二週間でどうこうなるものでもない。
世話になった人たちがどこの誰で、今自分がなにをしようとしているのか話すわけにもいかない。
「都合良く、待っててくれ、なんてとてもじゃないが言えなかった」
自分が居なくても他の八葉が白龍の神子を守ってくれる。
神子としての役目を終えたなら、元の世界へ帰って穏やかに暮らしてくれればいいと思ったんだと、
将臣くんは伏せ目がちに言った。
「家に帰る気はないってこと?」
「んー……どうだろうな。お前たちに会うまで帰る方法があるなんて思ってもみなかったし」
選択肢が他にあることを、彼は知らなかった。
知っていたとしても、きっと今の道を辿ったんだろうけれど。
「先の事なんて何にもわからねえもんだしな」
無責任な約束なんてするべきじゃない。
俺がお前を縛り付けておく権利なんてどこにもないんだと。
それが、逆に不安にさせちまって悪かったと将臣くんは頭を下げた。
あとは、お前には言わなくても伝わるだろうという甘えもあった、と。
私もそう思っていた。
言わなくても通じるなら、なぜ何も言ってくれないんだろう。
矛盾しているけれど、ぐるぐると同じことばかり考えていた。
「なあ、言ってもいいか」
「何を?」
「好きだ」
――――――身体の力が、一気に抜けた。
80 ◆IM7Eib3U8M :05/01/10 21:41:09 ID:WcXK7PXW
またここで一旦切ります、度々申し訳ないです。

しかしほんとに遙か3祭りで幸せ(;´Д`)ハァハァ
63さんも前スレ871さんも楽しみにまってますー。
81名無しさん@ピンキー:05/01/10 23:39:43 ID:O5lMrcSX
>>63サン >>前スレ886サン
(*´Д`)クリティカルヒットー!
お2人の文章の素晴らしさに禿萌えました。続きお待ちしております。

遙か3祭り最高!
82名無しさん@ピンキー:05/01/10 23:46:37 ID:7agEEW4P
>>61
本番!? か、考えてなかった・・・orz
がんがってみます。気長にお待ちください。

>>62
そういっていただけると大変うれしゅうございます。
あのイベントは、こうこなきゃ嘘だろ!と脳内補完の産物でした。


きゃー!! 63氏もIM7Eib3U8M氏も乙乙乙!!
そしてGJ!! 将臣(・∀・)イイ! 激しく萌えますた。

それにしてもお二人ともいいところで・・・・!
ぐああ、続きが気になるよ〜〜!

遙か3祭り、激しくうれしい。( ´∀`*)
83名無しさん@ピンキー:05/01/10 23:47:49 ID:7agEEW4P
あ・・・・・82は>>40ですた。
名前欄に書き忘れた orz
84名無しさん@ピンキー:05/01/10 23:49:58 ID:7agEEW4P
しかもageてしまいました・・・・ゴメソ(´・ω・`)
知盛と水の下にある夢の都に逝ってくる・・・・orz
85名無しさん@ピンキー:05/01/11 00:40:23 ID:WyhcD5eT
おまいそんな羨ましい逝き方が許されると(ry

禿萌えしたので気が向いたら次もオネガイシマス(´Д`*)
86名無しさん@ピンキー:05/01/11 00:41:30 ID:XIWsPbCa
チモリーとなら漏れも行きたいよ夢の都。
87名無しさん@ピンキー:05/01/11 03:36:51 ID:qyr74sDr
先×神 投下します。
微妙にねたバレなので、満月でスルーして下さい
88満月 リズ×神:05/01/11 03:39:05 ID:qyr74sDr
「今夜は月が綺麗よ」
朔の言葉通り、見事な満月だった。このまま眠りにつくのが惜しく、望美は、庭で夜空を見上げていた。

一人で居ると、色々な事を考えた。神子としての自分、その責務、戦の事、元の世界の事、そして、あの人の事。

微かな物音に振り向く。すると、リズヴァーンがそこにいた。
眠れないのか、と聞かれ頷く。長い間外に居たため、体が冷えきっていた。
思わず身震いすると、背後から外套で包み込まれる。

「…あったかい…」
89満月 リズ×神:05/01/11 03:42:20 ID:qyr74sDr
そう呟くと、望美は目を閉じ、軽く体を捻った。胸に頬を寄せる。心臓の鼓動が、耳に心地良かった。
この人の側は、心が安らぐ。
そんな事を思いながら、望美は眠ってしまった

リズヴァーンは、微笑んだ。自分は、もう無力な子供ではない。その事が嬉しかった。彼女の体も、今では両の腕にすっぽり収まってしまう。
今度こそ助けてみせる。同じ轍を踏むつもりは無い。

(せん…せ…泣かな…で…ごめ…な…さ…)

瞬間、彼女が事切れる間際の言葉が、体の温もりが失われて行く様が、生々しく甦ってきた。
90満月 リズ×神:05/01/11 03:45:56 ID:qyr74sDr
思わず体が強ばった。その僅かな身じろぎに、望美が目を覚ます。

「ああ…済まない、起こしてしまったな」
「先生、顔色が」
悪いです、と手を伸ばしかけ、止める。

リズヴァーンは、望美を抱き上げ歩き始めた。

「もう遅い。ゆっくり休みなさい」
部屋の前で、彼女を下ろし、そのまま背を向ける。
望美は、堪らず呼び掛けた。
「先生!私、何か気に障る事したんですか?」
リズヴァーンの歩みが止まった。涙が込み上げて来る。周りの景色がぼやけて見えた。
91満月 リズ×神:05/01/11 03:49:14 ID:qyr74sDr
走り寄り、彼の着物の背中を掴んだ。そのまま、ぽつりと呟く。先生が好きだ、女として見て欲しい。

十数秒が過ぎた。
「…私のこと、嫌いですか…?」

望美は、ゆっくりと手を下ろした。必死で笑顔を作る。寝言だから、忘れて欲しい。

そう言った瞬間、抱きすくめられた。力の強さに、息が詰まりそうになる。
顔を上げると、唇が塞がれた。
布越しの口付け。思わず、直接が良いと抗議する。リズヴァーンは苦笑し、覆面を外した。
92名無しさん@ピンキー:05/01/11 03:53:21 ID:qyr74sDr
今日はここまでです。長々と失礼しました。
93名無しさん@ピンキー:05/01/11 07:03:28 ID:+eQ6/49v
リズ先生、キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
大人な先生に萌え。
続きを心待ちにしてます。
94名無しさん@ピンキー:05/01/11 07:13:43 ID:Rb8rZcwn
旧スレ683です。
>>1
乙です。

こんな萌スレを作って
僕を萌え死にさせようなんて
あなたはいけない人ですね。

>むた様
景時(・∀・)イイ!
景時さんがヘタレなほど不幸なほど
私の萌えが深まる事を再確認させていただきました。
逃亡エンドのお話、楽しみにしております。

>>23
どうもありがとうございます。
ヒノエくん、難しいです。
私が書くと脳内妄想ほどかっこよくなってくれない・・。
でも大好きなのでそのうちいいネタが思いついたら
また書かせてください。
他の神子神さま達もGJっす〜〜〜!
おかげで萌えが止まりません〜〜。

私もがんばって書いてみました。
なんか書けば書くほど長くなってくるので気晴らしにと
短編を書いてみました。
では投下させていただきます。
95名無しさん@ピンキー:05/01/11 07:19:32 ID:Rb8rZcwn
すいません、書き忘れておりました。
旧スレで書いた望美×九郎温泉話の別バージョンです。
陵辱、ネタばれを含みます。
お嫌いな方はスルーしてくださいませ。
96名無しさん@ピンキー:05/01/11 07:20:28 ID:Rc7/KUg3
おお、3ネタラッシュですな
神々、心の底からGJ!&乙華麗
茶など飲みつつマターリがんがってください

ところで、素朴な疑問なんですが
職人さんたちは、こんなウマーなものを
匿名で投下して勿体なくないのかな?
いや、自分はドジンやってるので
こんなウマーなの書けたら
本にして売りたいと思ってしまう守銭奴なので
97敦盛×望美:05/01/11 07:21:46 ID:Rb8rZcwn
「兄上達、お酒を飲みだしたわ。」
だから温泉に行くならいまよ・・・って朔が言ってくれた。
熊野の宿で温泉一緒に入ろうねって言っていたのに
朔は生理になっちゃったんだ。
怨霊の所為でお客は私達だけだったけれど
混浴と聞いて躊躇した私のために朔はお酒を手に入れてきてくれた。
兄上も抱きこんで他の八葉達にも勧めさせておくからその隙に入ってきなさい・・と。
朔の気遣いがありがたかった。

脱衣所だけは男女別になっていた。
服を脱ぎ温泉へと向かう。
夏とはいえ、夜になると少し肌寒い。
「ふぁ〜〜、温かい。極楽だよ。」
しかも貸切だ。ちょっと泳いじゃっていいかな?
98敦盛×望美:05/01/11 07:25:27 ID:Rb8rZcwn
そろそろ上がろうか?
そう思ったとき誰かが男性用の脱衣所から出てきた。
げっ、誰?
思わず私は温泉の岩陰に隠れた。
あ・・・敦盛さんだ。
ふと手を見ると温泉につかりすぎた所為でしわしわになっている。
あがりたいよ・・・でも。
もう出るにでられない。
敦盛さんがあがったら私もこっそりあがろう。

・・・・・・・・・・・・。
・・・敦盛さんお風呂長いよ・・・。
のぼせてきてしまったのか頭がくらくらする。
ダメだ、もう我慢できない!
ザバッ!!
私は覚悟を決めて勢いよく立ち上がった。
「み、神子・・・。」
「敦盛さん、ごめんね。」
とっとと温泉から上がろうとした途端、立ちくらみが襲った。
「あ、あれ?」
ヤダっ!
私ったら大股開きで倒れ込んでしまった。
敦盛さんは凍りついている。
あわてて太ももを閉じようとしたのだけれど体の自由が利かない。
ひゃ〜〜〜。
「み・・・みこ・・・。」
敦盛さんの声の調子がおかしい。
敦盛さんの目が赤い。こ、これって・・・。
99敦盛×望美:05/01/11 07:27:23 ID:Rb8rZcwn


「神子・・・逃げろ。」
逃げたいけど無理だよ。
私は敦盛さんに龍神の気を送ろうとした。
ダメだ、頭がくらくらして集中できないよ・・・。
うわ〜〜ん、敦盛さん完全に水虎になっちゃっているよ〜〜。
しかも私に近寄ってきた水虎のそこは勃起していた。
もしかして、そ〜ゆ〜展開?
しかもそれは人の4倍はある大きさだ。
あんなモノはいるわけないよ!
水虎が私の上に覆い被さってきた。
そしていきなりわたしの胎内に入ってくる。
ぎちぎち・・・。
「ひぁ・・。いっ、痛い。痛いよぉ!!敦盛さん・・。」
水虎の手が私の胸を鷲づかみにする。
爪の痛さに悲鳴をあげる。
入る筈ないって思っていたモノはすべて私の中に押し込まれていた。
入った・・の?
そう思った途端水虎は激しく動き始めた。
「や、敦盛さん、やだ。こんなの嫌だよぉ!」
最初は痛いだけだった。
でも少しずつ私の中から蜜があふれてくる。
それにつれ水虎の動きもスムーズになる。
100敦盛×望美:05/01/11 07:28:08 ID:Rb8rZcwn
「はぁう・・・あ、敦盛さん。あんっ!はぁはぁ。」
いつのまにか私は感じまくっていた。
こんな淫らな私をみたら、敦盛さん、私の事嫌いになる?
そう考えたら体の奥が更に熱くなる。
乳房をもみあげる水虎の手に更に力がくわわる。
乳房に爪が食い込み血が流れた。
でもその痛みが感じられない程の快感だ。
「敦盛さん、敦盛さん、敦盛さ〜〜〜んっ!」
頭の中が真っ白になった。

101敦盛×望美:05/01/11 07:29:29 ID:Rb8rZcwn
我に返ると私は神子の上に馬乗りになっていた。
体中に赤い痕を残し血を流す神子の胸を見て唖然とする。
そしてすべての記憶が戻る。
やめてと懇願し私の名を呼ぶ神子を何度も陵辱した。
私は・・・なんという事を・・。
今までに幾度となく自分の存在ゆえ性ゆえに人を傷つけ殺めてきた。
それでも今ほど後悔したことはなかった。
「神子・・・すまない。」
他にどんな言葉もみつけられない。
謝る私に神子は手を伸ばした。
「敦盛さん、泣かないでください。私なら大丈夫でから・・。」
このような事をした私をまだ心配してくれているのか?
102敦盛×望美:05/01/11 07:30:17 ID:Rb8rZcwn
「神子、神子は優しいな。」
神子の手が私の髪を優しく撫でた。
「私・・・嬉しいんです。」
えっ?
「だって敦盛さんの事。ずっと好きだったから・・。」
神子・・。
私は神子の体を抱きしめた。
「私もだ。だが神子私は・・・」
言いかけた私の唇に神子の手が触れた。
「知っています。それでも私は敦盛さんの事が好きなんです。」
「神子・・・。」
体の奥から暖かい気持ちが湧き上がってくる。
神子を抱きしめて口付ける。
「神子、こんなになってしまって・・・。」
私の付けてしまった痕に唇を落す。
神子の胸の傷跡に舌を這わす。
「はぅっっ!敦盛さん。」
私が神子の血を舐めとっていくにつれ
神子の声に艶が入りあえぎだしていった。
神子、約束だ。今度は優しくする。
103敦盛×望美:05/01/11 07:32:39 ID:Rb8rZcwn
うれしい、敦盛さんとひとつになれた。ただ・・。
敦盛さんの前で大股ひろげてすっ転んでえっち出来たって・・・・。
全然ロマンチックじゃないよ。
お互い想い会っていると思っていたけれど
敦盛さん、2人っきりになってもキスどころか手も繋いでくれなかった。
とんだハプニングだったけれど結果オーライってやつかな・・・。
「敦盛さん、のぼせて倒れた時の姿、忘れてくださいね。」
そういった私に敦盛さんは答えた。
「すまない、神子。一生忘れられそうにない・・。」

おしまいです。
10494:05/01/11 07:41:42 ID:Rb8rZcwn
>>96
他の神職人の方々はわからんが・・。
おいらのへぼSSではお金なんてとれないよ・・・。
っ〜か、こんなへたくそな文読んでくれて感想言ってくれる人がいてくれてる
ってだけでもうすごくうれしい。
逆に読んでくれた人にお金配りたい気分よ。
(配らんけど・・。)
105名無しさん@ピンキー:05/01/11 09:23:14 ID:gyYIw1/B
遙か3祭り素晴らしい!1と2は嫌いなキャラがいたけど
3は全キャラに萌えまくってるのでどのカプでも読める!
職人さんGJ!!新作も続き物のどんどん読みたいです。
10663:05/01/11 10:02:57 ID:zeV2CBOG
3祭キテルーーーーーー!
と言うことで拙いながらも混ざれて嬉しいです。
皆様GJ!
>>96
私も一応ドジンやってるけど、63にも書いてる通り
本来が絵描きなので、SS自体初めて書いてるですよ。
なので、未熟過ぎてお金を取れる程の文章ではなく、
でも、この溢れる萌えを誰かと共有したい!と思って
投下しとります。
107名無しさん@ピンキー:05/01/11 11:42:35 ID:qvyjJMUF
3祭り最高! 神子様方最高!
あっつんはまだ攻略していないので、攻略後にたっぷりといただきまっする。

>>96
40です。
自分はドジンはやっておりませんが、
こんな稚拙な文章でお金などいただけませ〜〜ん!
だけど、なんというか、他の神子様もおっしゃってますが、
3は1や2と違って、全キャラ萌えなので、
妄想がとまらなくて、つい書いちゃった、
というのが本当のところなのでw


弁慶×望美のSSを、性懲りもなく書き始めました。
ほんとうにスマソ、また本番なしだ・・・・orz
でも、弁慶ってなんか存在がエロいし、
キスがすごく上手そうという妄想が止まらんのです!
だからキスだけでエロエロさせたい!

本番まで、まだまだ遠いよ、ママン・・・・゜・(ノД`)・゜
でも、いつかは!
108むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/11 16:47:26 ID:wPunHAh1
読んでくださった方、感想を下さった方、ありがとうございます。
ふと思ったのですが、景時×望美って、マイナーなのでしょうか。
というか、エロを想起させないキャラなのですね、兄上。
へそ出しなのに。いや、そこに萌えたわけじゃないですが。

それにしても、本当に3天国ですね〜。
このスレを読んでから本編をプレイすると、なんだかいけない気分になります。

>96
同人はやったことないのでよくわかりませんが、根が面倒くさがりなので
溢れ出る萌えを手軽に共有できるネットでの発表が自分には合っているなあと。
読んでいただけるばかりか、感想もいただけるなんて嬉しい限りです。
せっかく時間を使って読んでもらうのだから、精進したいと思っています。


10994:05/01/11 19:04:45 ID:Twliv0Ch
他の用事でお絵かきソフト立ち上げたら無意識に譲描いてた。(´Д⊂ モウダメポ
何も考えないで描いてるし、微エロで申し訳ないのですが
せっかくなので投下させていただきますね。
ttp://akm.cx/2d/img/10176.jpg

11029:05/01/11 21:30:01 ID:fd6mtWw7
>>96
私は自分のサイトに裏ページをつくってないため、エロ萌え話をここで投下させてもらってます。
ここには感想書いてくれる人がいらっしゃいますから、書きがいがあります。
それが何よりの励みですわ〜(´∀`)
それに同人するには私も多分に面倒くさがり屋です。

>>107
弁慶の存在がエロイに御意〜☆ですが、
元にしても僧侶のくせに女を素で翻弄しキスがうまいなんて、
物臭坊主もいいとこだなぁという気はしないでもないですね。
もっとも、そこがたまらんわけですが…。
111名無しさん@ピンキー:05/01/11 23:37:51 ID:FFmVcAmS
>>94
わざわざ断るまでもなく腐女子なのに、
今までドジンとかにご縁がなくてここでガス抜きしております。
今度は景時兄さんでハァハァ作成中、また今度投下しますね。
112名無しさん@ピンキー:05/01/12 00:04:43 ID:Kwfdk6UG
景時にいさま期待してまつ。
113名無しさん@ピンキー:05/01/12 01:28:16 ID:qVrJFhiI
>96敦盛×神子神
前スレでボソリと敦盛で縦貫…とか呟いていたのですが
こんなに早く妄想そのまんまの作品が投下されるなんて(*´Д`)ハァハァ
ヒノエといい、なんだか神子の書かれるシチュやキャラは
私のツボにクリーンヒットするものばかりです。

とにかく神子姫様方グッジョブです!
一作一作に感想レスつけたくてたまらんです。
3キャラは皆萌えな上に、読むのに追いつけない程の勢いで投下されるたくさんの作品に浸れて
もう嬉しさで死んでしまいそうです。3祭り万歳。
そして弁慶最萌えなもので、40さんのキッスでエロスな作品が激しく待ち遠しいです。
11463:05/01/12 02:42:35 ID:C9PIeXae
続き行きます。

…長いっつーかなんつーか…。
115将臣×望美8 長文ネタバレ有り:05/01/12 02:43:13 ID:C9PIeXae
 望美を休ませている自分に宛われた幕を出ると、将臣は己の拳を握りしめ
る。自己嫌悪などしたことはこれまで殆ど無かったと言うのに、今は自分に
対して『反吐を吐く』状態だった。
――何が還内府だ! 何が平和な生活に戻れないだ!
 何かを殴りたい衝動が心の底から沸き上がってきているが、近くには壁も
木もなく、そのまま握りしめた拳に更に力を入れる。
 今の自分に後悔はしていないと言う言葉にウソは無い。
――後悔しているのは、あの時あいつの手を掴めなかったことだけだ
 この3年間、どれほど周りから慕われようと、どんなに女を抱こうと、危
険に身を晒そうと、身の内にも外にも埋められない見えない穴があった。
 幼い頃から弟の譲と同じく兄妹のように育って、隣にいて当たり前、空気
のような存在だと思っていた。だから気が付かなかった。もしあのまま、平
和に生きていたらずっとこの想いに気が付かなかったかもしれない。
 最初は無我夢中で、生きる為に必死だった。いつ頃からか何をしても満足
が出来なくなっていた。乾きにも似たモノが、日増しに強くなっていた。
――何故今になって現れた! しかも討つべき敵として!
 思い出として忘れられないだけならそれで済んでいたものを…。
 短い間だったが、こちらで一緒に旅をした。3年前の変わらない姿で現れ
た少女は、自分の守るべき相手だと言われ、同じく仲間だと言われた連中に
慕われていた。望美を守ることに異論は勿論無かったが、再会する前に己に
誓った守るべき者が既に他にも存在し、また今の自分では一緒に居続けるこ
とは逆に更に危険な目に会わせることにもなる。何より、神子として倒して
いる怨霊は自分たちが生み出してる存在だった。
116将臣×望美9 長文ネタバレ有り:05/01/12 02:44:00 ID:C9PIeXae
 平家の還内府としての役目があるため、予定通り彼ら一行と別れて戻って
は来たが、兵を率いて己の役目を果たす一方、望美が他の男と親しげにして
いるのを思い出すと面白くは無かったし、時折白い体を犯す夢さえ見る始末
で、末期だな、などと自嘲していた。
 まさか敵として相対するとは想像していなかった。いや、正確には考えた
く無かっただけだ。弁慶と聞いて九郎と来れば、源九郎義経以外には考えよ
うも無いはずなのに、源氏の部下では無いかどうかを軽く確認しただけで頭
の外へを追い出していた。
――助けるのはともかく、何で連れてきちまったんだ…
 常識的に考えれば、例えあの場に置いてきても八葉がすぐに駆けつけ手当
をしていただろう。寧ろ、平家の陣まで連れてきた今の方が危険極まりない。
 けれど離れがたかった。柔らかで温かい体と。日々大きく育った穴が急激
に満たされた思いがした。
――離れがたい? 違うだろ! 俺はアイツを!!
 欲しい、と思った。誰にも渡したくない。身も心も縛り付けて側に置いて
おきたい。獣のように、何も考えずただ相手だけを求めたい。
 出来るわけも無い、下らない、だが底から湧き出るような黒い妄想が将臣
を内側から苛む。
 ふと、一つ下の弟の顔が浮かんだ。元の世界では気が付かなかった弟の視
線。時折感じた敵意。この世界へ来る直前、廊下ですれ違った際にも一瞬感
じた。今なら良くわかる。弟は、譲は望美に想いを寄せている。あの視線は
想い人の親しい男への嫉妬だ。
117将臣×望美10 長文ネタバレ有り:05/01/12 02:46:43 ID:C9PIeXae
 望美を連れ去る時、自分が弟へ感じたのは同じ様な嫉妬と、あの手に持つ
矢が少女を傷つけたのだと言う理不尽な怒り…。目に見えて狼狽えていた譲
は、望美は勿論、兄だと気付いたなら自分には矢を射らなかっただろうこと
は想像に難くないが、それでも許せないと思ってしまった。
 大きく息を吐き、頭を軽く振り現実へと自分を切り替える。
 自己嫌悪から立ち直ったわけでは無い。熱と傷の痛みに耐える望美を心配
する一方、戦場での興奮が納まらないせいもあるだろうが、そんな姿にすら
劣情を抱いている自分の欲望の始末の負えなさにも参っている。
「おいおい、そのままだと自分の手を握り潰すぜ」
 気さくな、しかしどこか世捨て人のような声が横から掛けられた。
「知盛か、何か用か?」
「………ふ…酒でも飲もうと思ってな。忠度ももういないし、相手がいない」
 側に寄って来た武将は、持っていた小さい酒瓶を持ち上げる。
 犠牲が大きかった割に、何も手にすることが無かった戦い。怨霊として蘇
った者は消滅し、生きている者は捕らえられ近い内に処刑される。
 望美にだけかまけているわけでは当然無い。死者ややがて死者の列に加わ
る者に哀悼を捧げ、状況を把握し、兵を退きつつ何とか出来ないか、と各隊
を任せている隊長と何度か顔を付き合わせて策を講じていた。
 色々と頭の痛い問題を抱えていたが為に、酒など暫く口に入れてはいなか
った。源氏の神子である望美と同じ場所にこの男を招き入れるのは些か不安
だが、一部の者を除いて彼女が神子であることは知らないし、その者達には
還内府と言う立場を利用して口止めをしておいていた。
「別に構わないぜ。少し待っててくれ」
 水のついでに何か食うモンも持ってくる、と言って将臣は賄い所へと歩い
ていった。
118将臣×望美11 長文ネタバレ有り:05/01/12 02:48:58 ID:C9PIeXae
 光が当たると、輝く銀色にも見える白く豊かな髪を持つ大柄な青年は、そ
の姿に似合わない小首を傾げるような幼い仕草で、側で惚けたように月を見
上げている人物を眺めていた。
 いつもならば、興味津々でじっくり見つめていたりすると怒られたりもし
たのだが、ここ数日はその人、有川譲は心ここに在らずな状態で、どれだけ
見ていても何も言われなかった。
 普段は本人も意識的にしっかりしようと努めているのと、兄には劣るもの
の親譲りの長身と理知的な顔つきと言う見た目の為に、必要以上に大人に見
えるが、今は中身通り16の子ども、下手をすればそれ以下に見えるほど頼
りなげな様子だ。
「譲、もう寝なきゃダメだよ?」
 白い髪の青年、白龍は恐る恐る声を掛ける。
 今の見た目はどう見ても譲より白龍の方が年上なのだが、まだ力を取り戻
していない為に、その精神は幼子のそれであった。朔などはわかっていたこ
となのか平然としているが、八葉達は何事にも動じることのないリズヴァー
ンを除き、どうにもその違和感に慣れないようで時折対応に困っていた。
 白龍はもう一度譲に声を掛ける。
 力の無い自分には休息が必要だが、人間である譲も勿論体を休めることが
大事だとわかっているからだ。休める時に休んでおかないと、必要な時に神
子を守れないではないか。
119将臣×望美12 長文ネタバレ有り:05/01/12 02:50:25 ID:C9PIeXae
 声を掛けても動こうとしない譲を引っ張ろうとしたとき、誰かに軽く肩を
捕まれた。振り返ると、自分よりも更に大きな体躯の持ち主であるリズヴァ
ーンが立っていた。
「譲、ちゃんと休みなさい…」
 マスク越しに静かに語りかける。
「そうだよ! 神子が帰ってきた時困るよ」
 少年の背が『神子』と言う言葉にピクリと反応する
「何で、あなた方は平気なんだ…」
 大きな声では無いが、吐き捨てるように言葉を投げかける。
「平気? 神子は生きてる。側に八葉の1人がいる。だから安心だよ?」
「どうしてそんなこと言えるんだ!」
 いきなりの大声に白龍がビクリと怯える。
「…兄さんが還内府で…俺の射った矢が…先輩を……」
 両の腕がブルブルと震えている。
 この手で血の繋がった兄を狙った。この手でとても大事な人を傷つけた。
周囲の人間は皆、お前は悪くない、と声を掛けてきた。だが、自分で自分が
許せない。
 望美の崩れ落ちる姿が目に焼き付いて離れない。夢に見る己の死よりも遥
かに強烈に。
120将臣×望美13 長文ネタバレ有り:05/01/12 02:52:36 ID:C9PIeXae
 そして、あの時一瞬感じた兄の、将臣の自分に対する殺意に近い敵意。あ
の瞬間に、兄が自分と同じ気持ちを持っている、いや、ようやっと自覚した
のを悟った。
 昔から、兄に強いコンプレックスを抱いていた。必死に努力し、ようやっ
と色々なものを身に付ける自分と違って、天才肌で、何でもソツなくこなし、
周囲に人が絶えることはない。いつの頃からか、幼なじみで一つ年上の少女
に恋をしていたが、その人は年齢も一緒と言うことで兄との方が親しかった。
 兄である将臣、幼なじみである望美、いつも2人の側にいて見ていたから
こそ良くわかる。2人が自然と惹かれ合っていたのを。それでも、自覚する
ことのない2人にどこか安心していたと言うのに…。
 自分は望美の無事を心配しているのでは無い。他人の言うように、白龍の
言うように、望美は無事だろう。あの兄が死なすなど絶対に無い。
 これは自分の一番醜い感情だ。どろどろして、暗い闇の部分。今、想い人
の側にいるであろう男へのどうしようも無い嫉妬。
 傷つけてしまったと言う後悔の念と、ドス黒い嫉妬とに押しつぶされるよ
うな気がする。日常生活では優等生の仮面を被りながら、元より持て余し気
味の思いが溢れ出しそうだった。
121将臣×望美14 長文ネタバレ有り:05/01/12 02:54:50 ID:C9PIeXae
「譲は将臣を信じてないの?」
 信じているさ! 誰よりも何よりも!!
 でも兄さんは違う。何も話してくれなかった…。
「…譲、神子は必ず戻ってくる」
 いつもは望美以外とは殆ど会話らしい会話をしないリスヴァーンが、穏や
かな声で、しかし自信に満ちた声音で断言する。
「何故、そう言い切れるんです? あなただって気付いてるはずだ…」
「逆に聞こう。あの神子は、我々を見捨てるような人間なのか?」
 譲がゆっくりと顔を上げ、リズヴァーンと目を合わせる。
「怨霊をそのままに、更に怨霊を生み出す側に身を委ねると?」
 そんなことはしない、いやできないだろう。言われなくても知っている。
「では、信じて待つことだ。しっかりと体調を整えてな」
 答える前に、大柄な男は部屋を音もなく出て行ってしまった。



今日はここまでです。
全然将臣×望美じゃ無いじゃーん!
……ダメジャン
122 ◆IM7Eib3U8M :05/01/12 03:33:51 ID:RRDMYYOl
続きキタ━━━ (・∀・)━━━!!
わくわくしながら待ってますよ。
先生がいい感じです……。
123名無しさん@ピンキー:05/01/12 03:43:11 ID:mvBEkUEh
>>121タン乙!続きキタ━━━(´∀`)━━━!!ドロドロな兄弟に萌。

大人に見える先生も内心ドロドロしてるのかもしれない…ハァハァ
12496:05/01/12 08:36:59 ID:isRrU56x
レス下さった神々トンクスです
みなさん謙虚で優しいですなぁ…
私も見習わなくては
穢れた自分にテンリュウバクフ!
では、ロムに戻ります
125むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/12 11:00:04 ID:A07wsKrt
63さんのも◆IM7Eib3U8Mさんのも、
将臣ルートでなんか足りないなあと思っていた事が
丁寧に書かれていて読み応えがあります。
続き楽しみです〜!
12663:05/01/12 13:48:27 ID:nuHNRaaX
皆様、暖かい言葉ありがとうございます。

…でも、本日投下予定分に、凄い大きな間違いをハケーンしてしまい
どうしようか悩んでます…。
と言うか、既に昨日投下した分にもあると言うか。
確かこの時点で、知盛は神子のこと知ってるよね?
ゴ…ゴメンナサイ。知盛は、遠くから眺めたのと噂で聞いてて、
直に神子を見ていないってことにしてクダサイ。
ホント、スマンデス
127 ◆IM7Eib3U8M :05/01/12 14:21:53 ID:RRDMYYOl
知盛は神子の剣技に執着してるので、
まだ死なれては困ると思って見逃してるんだと……
128名無しさん@ピンキー:05/01/12 14:25:51 ID:RRDMYYOl
すみません、上のは63さんへのレスです。
あれ、でも将臣ルートだと、福原で知盛との戦闘はないんでしたっけ……。
だめだやり直してくる_| ̄|○
129名無しさん@ピンキー:05/01/12 18:44:23 ID:f0R3LUbQ
>>109
青がなんかこれから始まるエロをかもし出してますな!w
自分は絵心まったくなしなので、スラスラっとお書きになる方々を見ると、
ソンケーしてしまいます。

>>63
将臣!(・∀・)スキダ!

>望美が他の男と親しげにして
>いるのを思い出すと面白くは無かったし、
>時折白い体を犯す夢さえ見る始末
>で、末期だな、などと自嘲していた。

将臣の男らしい雰囲気がバシッと伝わって、この文章に禿げ萌えでした!


大きな間違いハケーンとのことですが、
あまり気にする必要はないのでは、と個人的には思います。
かくいう自分も、自分が投下した弁慶のSSで大きな間違いをハケーンw
ぼやーとした記憶で書いたので、昨日まで気づきませんでした。
もう投下しちゃったので、どうしようもなくて・・・。
ま、いっか〜〜と思っています。
スミマセン・・・orz>ごらんいただいた神子様方

続きを激しく楽しみにしていますので、
投下見送りは、首を絞められる思いですー!
なので、ぜひ気になさらずに投下していただきたいです!
130名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:11:02 ID:tktaYj5c
自分を含め、文を書けないこのスレの神子のために
ネオロマエロ絵板を用意したいのだが、どうだろうか?
13163:05/01/12 23:14:18 ID:+f/KuVtX
直すのが面倒ですので、このまま投下させて下さい。
と、言うわけで本日分投下します。

どうでも良いけど、長文になるのは、
普段絵で1コマや表情とかで表現することを、
一々文章で説明しているからなのだと気付いた今日…遅いよ…。

>>125
むた様、そう言って下さると嬉しいです。
ゲーム内じゃ、葛藤しなさすぎじゃ!兄者!
……私の書く彼らは葛藤しすぎだ……
132将臣×望美15 長文ネタバレ有り:05/01/12 23:15:36 ID:+f/KuVtX
 将臣が戻ると、幕外に知盛はいなかった。まさかと思い幕の内側に入ると、
上半身の鎧を外した青年が、興味深げに寝ている少女を覗き込んでいた所だ
った。
「こいつが源氏の神子か?」
 さて、何と答えるべきか、思いつつ無言で自らも少女に近付き、濡れた手
ぬぐいでその唇を濡らす。
 表情を変えることの無い将臣に、くつりと笑いをこぼす。
「戦場で女を拾うなんてこと普通はあり得ないし、それが義経率いる源氏軍
だ。噂の神子か、同行している梶原の妹かどっちかだろう」
 退廃的な雰囲気を纏い、戦場では強い敵と戦うことこそ信条としている、
どこか狂気的な男だが、頭の回転は平家軍でも群を抜いている。確かに、他
はともかくこの男がその結果に行き着くのは容易いだろう。
「どうする気だ?」
「どうもしないさ。単に神子とやらの顔を見に来ただけだ。この状態じゃ満
足に闘えないしな。それじゃつまらん。が…」
 眠る少女の顎を軽く掴む。
「まぁ、確かに佳い女だな。剣を振るって怨霊を薙ぎ倒すと聞いていたから、
どれだけ荒々しい女かと期待してたんだが、まさかこんなか細いとはね」
 ニヤリ、と人の悪い笑いを向けるとくるりと体を回転させ、地面に敷いて
ある厚布にそのまま座ってしまった。
「戦場で会うのが益々楽しみだ。どんな戦いを見せてくれるのか」
 1人楽しそうに酒瓶の口を外す知盛に酒升を差し出しつつ、自分もその向
かいに座る。
133将臣×望美16 長文ネタバレ有り:05/01/12 23:17:05 ID:+f/KuVtX
「お前こそ、どうする気だ?」
「何がだ?」
 質問の意図を分かっていながら返す将臣に、益々楽しそうにし、酒を注い
だ升を手渡す。
「まさかこのまま最後まで同行させる気じゃあるまい?」
「動けるようになったら源氏に返す」
 それがどういうことか、聞く人間によっては即座に切り掛かられるような
内容を表情も崩さず返す。
 連れて来たときからそのつもりだった。このまま連れていったところで、
安全は保証されない。自分1人が守れるのも限度がある。
 そして、また敵対する…。
「俺としてはその方が望ましいな。こっちの怨霊にまた犠牲が出るが、何よ
り闘える」
「お前はそればっかりだな」
 困ったように苦笑する。平家きっての武将2人が、その平家を滅ぼす要因
である神子の側でその神子を敵軍へ返す話で酒を酌み交わしている。これほ
どおかしな状況も無いだろう。2人とも知れたら清盛に処刑されるだろうか?
 守ると誓った平家一門を助けたい、だが同時に望美を守りたい。どうして
こうも思いは空回りするのか…。
134将臣×望美17 長文ネタバレ有り:05/01/12 23:18:55 ID:+f/KuVtX
「いっそ、手込めにしてしまったらどうだ?」
 さらりと、知盛は言ってのける。言った後から、再び人の悪い笑顔を作る
が、目だけは笑ってはいなかった。
「還内府が源氏の神子を奪うんだ、源氏軍は士気も下がる。そうすりゃ平氏
の巻き返しもありえるだろうし、お前は惚れた女を手に入れられる。俺だけ
はつまらんがな」
「バカバカしい」
 将臣は不機嫌そうに眉根を寄せた。
 出来ることならとっくに行動している。しかし自分はそれで良くても、望
美はどうする? 無理に抱いて手に入れたとして、鎖ででも繋いでおかない
と仲間の元へ逃げ出しかねない。自分のことを少なからず想っていてくれて
ると自負するのは、決して自惚れでは無いだろう。けれど、だからと言って
あの連中のことを見捨てられる気性の持ち主では無い。
 それにいくら重盛だと思いこんでいるとしても、自分を滅ぼすことのでき
る白龍の神子を、息子の嫁だからと見逃す清盛とも思えない。そんな場面に
陥ったとしたら、それこそ清盛等を封印してしまいかねない。
 弟である譲と違って将臣自身も先ず行動ありきだと自覚しているが、望美
は更にその上を行く無謀さを持っていると言っても過言では無い。
――て言うか、女のクセに、いくら相手を怨霊だと思いこんでて、封印出来
るのが自分だけだったからって、普通敵将に1人で向かってくるか?
 自分と討ち合った望美の行動を思い返すと、今更ながら呆れるほかは無か
った。
135名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:20:01 ID:teUtiAqX
>>130
でも絵柄って個性モロでるから誰が書いたとか一発でわかるじゃん。
設置しても絵描く人は描きにくいからあんまり盛り上がらんと主。
136将臣×望美18 長文ネタバレ有り:05/01/12 23:20:21 ID:+f/KuVtX
「神子がいなくなろうと、御大将である義経がいる。兵は元々義経が率いて
いるんだ」
「義経か…相当の手練れらしいからな。こっちも相対するのが楽しみだ」
 一緒に旅していたときのことを考える。確かに腕は立つ。剣技と言うなら、
師匠と慕っていたリズヴァーンや、龍神の加護を受け、その龍神の持ってい
たと言う刀を振るう望美を除いては、その力は抜きんでていた。長年磨いて
いるだろうあの腕前を相手に、純粋な打ち合いをしたなら、力押しの自分な
ど軽くいなされてしまうだろう。
 だが、大将としてはどうなのだ? とも思う。平和な世界で育った自分や
譲よりも素直で純朴なところがあった年上の青年を思い出すと、どうにも聞
こえてくる義経像とのギャップを感じる。もといた世界の、歴史に残ってい
る義経と違うのは当然としても、アレで良く今まで御大将としてやれてきた
ものだ、と敵将ながら逆に心配になるほどだ。
――そういや、俺達の世界の義経も、最後は兄に追いつめられて死んだんだ
っけな…
 信じていた者に裏切られる気分はどんなものだろう。望美は自分のことを
どう思っただろう? 自分は? この期に及んでも、将臣は今は眠る幼なじ
みを敵として見ることは出来そうになかった。
137将臣×望美19 長文ネタバレ有り:05/01/12 23:21:48 ID:+f/KuVtX
「義経が倒れても、後ろには頼朝が控えている、か…義経とはやり合ってみ
たいが、頼朝はどうだかな」
 珍しく知盛も言葉を濁している。荼吉尼天を擁する頼朝。刀を合わせるこ
とに悦びを感じるこの青年にとっては、怨霊よりもワケのわからない力を持
つ者など、相手としては不満極まりないのだろう。
「…あいつは、このことを知っているのか…?」
 知らない可能性のが大きいな、知らせてやった方がこちらにも有利なので
は無いか? と思うが、だが敵同士だと知れた今、同じく軍を預かる立場の
義経がいくら素直な性格だからと言っても、こちらの言うことを聞くだろう
か? 聞けば兄である頼朝のことをかなり慕っていると言う話だ。しかもあ
の性格では逆効果にしかならないだろうことは目に見えている。
「あいつって?」
 つぶやいた言葉を知盛が聞きとがめる。
「いや、何でもねぇ」
「まあ良いけどな。飲めよ、全然口に入ってないぞ」
「ああ、すまん」
138将臣×望美20 長文ネタバレ有り:05/01/12 23:22:59 ID:+f/KuVtX
 黒龍の神子である梶原朔は、庭から月を見上げると心の中で願っていた。
――どうか、あの子が無事でありますように…
 異世界からの訪問者、そして対である年下の少女。勝ち気で、それでいて
どことなく危なっかしい、今では一番の友人。
 平和だったと言う世界からいきなりこの戦乱の世に召喚され、それでも戦
いに身を投じた白龍の神子。最初は対と言うことで一緒にいたが、一緒にい
て楽しく笑えている自分に気が付いた。あの時から心の底から笑うなど出来
なかったのに、望美と一緒にいると何故か温かい気持ちになって自然と笑う
ことが出来るようになっていた。
 だからこそ幸せになって欲しいと、自分と同じ思いは味わって欲しく無い
と強く思うようになっていた。幼なじみと紹介されたあの人と惹かれ合って
いるのは、見ていて微笑ましくて応援さえもしていたのに。
「それが、どうしてこんなことに…」
 このまま戻ってこない方が良いのでは無いか。還内府であるあの人が守っ
てくれるのならば、それは望美にとっても幸せなのでは無いのだろうか。
 けれど――。
「さーく! 夜はちゃんと寝ないとダメだろう」
 突然掛けられた声に、朔は驚いて後ろを振り向く。この男はいつもこうだ。
気配を感じさせず、さりげに自分を気遣う。時折それに無性に腹が立つ。い
つでも他人を気遣っているクセに、絶対にそれを他人に気付かせようとしな
い。だから、こちらもその道化に付き合ってしまうのだ。
139将臣×望美21 長文ネタバレ有り:05/01/12 23:24:20 ID:+f/KuVtX
「兄上こそ、妹とは言え女性の寝所にこのような時間に現れるものではあり
ませんわ」
「ひっどいなぁ。お兄様に向かってそりゃ無いだろー」
 ふわり、と軽く抱きしめられた。
「白龍も言ってただろ? 望美ちゃんは大丈夫だから。最近良く寝てないん
でしょ。あの子が戻ってきてそれを知ったらどう思う? 心配される方が心
配する羽目になっちゃうよ」
 優しく語りかける兄に、自然と涙が出てきていた。ここ数日の緊張が、家
族の暖かさで緩んでしまったのだろう。
「……兄上のバカ」
「バカは酷いなぁ」
 朔が落ち着いたところを見計らって、景時は部屋へと妹を上げる。
「おやすみ。ちゃんと寝るんだよ」
「わかってますわ。これで兄上が寝不足でお役目を果たせなくなったら困り
ますもの」
 景時が僅かな睡眠時間で、軍奉行の仕事の合間に望美の様子を探っている
ことを知っている。陰陽師としてはあまり腕の良い方では無い兄は、式神で
はなく、人を使うことになる為に容易に敵軍の内情を探れずに四苦八苦して
いることも。
――適わないわね…本当に
 兄が夜の庭に消えると戸を閉め寝具に入る。対となる少女も安らかに眠れ
ていることを願って…。
140名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:27:39 ID:yDjz2VuQ
>>130
この板、来たばっかの新参者で偉そうな事言えんのですが、
ロカルルールなどに反していなければ激しくщ(゚Д゚щ)カモォォォンです
14163:05/01/12 23:29:11 ID:+f/KuVtX
本日分はここまでです。
どういうわけか、きっちり7レス毎…何故?

次ですが、ちょっと残業が続いてて、まだこの後の文章の校正が
済んでませんので(校正してもおかしい所がイパーイあるけれど)、
金曜以降になると思います。
142名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:51:14 ID:kopie0e+
>>141
良いですわw
素敵ですわっ!!

…ところである一説を読んだ時点で
知盛×神子期待してしまったw
143名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:56:15 ID:1aguIQZm
イイヨイイヨ-
さりげなく優しい兄上萌え〜。
って違うよ…orz
メインの将臣だけじゃなく譲や先生や兄上も素敵だ、ということで。
マジで続きが楽しみです。がんがってください。
144 ◆IM7Eib3U8M :05/01/13 01:38:11 ID:UHgUYrvL
>>63
昼間は無粋な突っ込み失礼しました。
続きは金曜以降ですか……ちょっと残念ですが、楽しみです。

自分もとっとと書け、あとの話は大したことないんだから_| ̄|○
145名無しさん@ピンキー:05/01/13 04:06:22 ID:yXAEf2bh
リズ×神 続きを、夜中にコソーリ投下します。
146リズ×神 満月:05/01/13 04:08:10 ID:yXAEf2bh
リズヴァーンの手を引き、部屋に戻った。白い夜具が視界に入る。望美は、今更ながら頬が熱るのを感じた。
うつ向き、現れたうなじが、鮮やかな紅色に染まっていく。
リズヴァーンは、思わず其所に唇を落とした。望美の体が、震えた。夜着の襟を引いて、肩口に口付ける。彼女は、ゆっくりと振り向いた。目を閉じる。
唇が、誘う様に軽く開いていた。

触れるだけだった口付けが、深く、長く、熱くなっていった。望美は、体の奥に火がともった様に思った。
147リズ×神子 満月:05/01/13 04:12:09 ID:yXAEf2bh
背中に、痛みを感じた。破瓜の衝撃に、望美が爪を立てたのだ。眉を寄せ、涙を浮かべて耐える。その表情を見て、愛しさが込み上げて来た。両の瞼に口を寄せる。


精を放たれた後、望美は眠ってしまった。リズヴァーンは、幼子に対してする様に、抱き寄せた。穏やかな寝息が、己の胸にかかった。多少こそばゆく感じたが、今は、それすら幸せに感じられた。目を閉じ、眠りに落ちた。




夢を、見た。波の音が聞こえた。目の前に、彼女が立っている。何事かを言うと、駆け寄り、離れた。その手に、逆鱗が握られていた。
148リズ×神子 満月:05/01/13 04:14:30 ID:yXAEf2bh
いけない。頭では解っているのに、体が動かなかった。このままでは彼女は。焦りだけが、体を満たして行く。沖の船から、矢が射られた。
そして、彼女は死んだ。亡骸を抱え問い続けた。何故上手く行かない、何故、何故。答えは、唐突に訪れた。



リズヴァーンは飛び起きた。冷たい汗が、背中を伝う。己の両手を愕然と見つめた。無心に眠る彼女へ視線を移す。腕を伸ばし、頬に触れようとして、やめた。そのまま静かに、部屋を後にした。
149リズ×神子 満月:05/01/13 04:16:18 ID:yXAEf2bh
「一人で来るとは、不敵な鬼だ。」
清盛は、言うなり逆鱗を掲げ、雷撃を繰り出した。リズヴァーンはかわしつつ、喉元へと迫っていく。清盛の首をなぎ払った瞬間、雷が心臓を貫いた。

海へ、落ちた。

これで良い。リズヴァーンは思った。自分が傍らにいる、それ自体が、彼女の死を招いていた。ならば、運命は変わった筈だ。
思わず微笑みが溢れた。
あの娘は、泣くだろうか。ぼんやりと、そんな事を考えた。
目を、閉じた。
今はただ、ゆっくりと眠りたかった。
150名無しさん@ピンキー:05/01/13 04:22:39 ID:yXAEf2bh
以上で終了です。勢いのまま書いたので、シーン飛びすぎ…
お目汚しスマソ。
ヨナカニナニヤッテオルノヤラ…
15163:05/01/13 13:57:32 ID:0Mid1m2m
>>144
気にしないで下さい。
自分も繰り返しのおかげでゲーム内のいろんな出来事が
前後しててワケワカラン状態が。
将×神の続き楽しみにしてまーす!

……しかし、校正後投下したハズなのに、
校正前よりおかしな箇所が沢山ある……。
読みづらくてマジごめんなさい>皆様

>>150
師匠…切な過ぎ…。その切なさに萌えるダメな自分…
152名無しさん@ピンキー:05/01/13 16:55:52 ID:x3Zdzzir
リズ神子イイ…!
萌えました(*´д`*)ハァハァ
153名無しさん@ピンキー:05/01/13 16:58:53 ID:ywMsHWMn
>>130
同じく激しくщ(゚Д゚щ)カモォォォンです
154名無しさん@ピンキー:05/01/13 17:30:31 ID:8T3GnJWx
前スレ残り少ないのでこっちに書くが、
九郎神子なのに景時神子で萌えてしまいますた。
なんつーか(・∀・)イイ!!

もちろんこっちのスレの神ズも(・∀・)イイ!!
(*´Д`)ハァハァさせていただいておりまつ。
155名無しさん@ピンキー:05/01/13 17:51:34 ID:XxvGJKhD
>>130
いいジャマイカ!
またそこから新たな職人がうまれるやもしれぬ。
156名無しさん@ピンキー:05/01/13 19:58:32 ID:2j2IM5O7
>>130
(・∀・)イイ!!
・・っ〜か、ここのまとめスレみたいにして
チャットとかもあったりしたら更に嬉しい。
・・なんてわがまま言ってみる。
157名無しさん@ピンキー:05/01/13 22:02:35 ID:LROKO/+o
そこまでいくと個人サイト作って、そこでやってほすぃ・・・と思わないでもない。
絵もそれ専用の板とか大人の時間の中にあることだし・・・

ここはSS専用スレで、
たまに絵の投下神がいる、でいいとオモワレ
158名無しさん@ピンキー:05/01/13 22:08:10 ID:KLtP+OPE
旧スレはSS投下中の方がいるのでこっちに書きます。
遅ればせながら初プレイ中です。良い意味で期待を裏切られた。はまりそう。
やっと白龍が大きくなったとこまできましたが、神子のお陰で体積が・・・とか言われて、
穢れた私にはエロ台詞にしか聞こえず脳に毒が回ってます。
159名無しさん@ピンキー:05/01/14 00:37:15 ID:j+4MeP/h
>157
同意。
程々の馴れ合いも結構ですが、あくまでも2ちゃんだってことは理解してて欲しい。
160むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/14 02:36:48 ID:2s0OQSE5
こんばんは。
BAD後の景時×望美が書けましたので投下させていただきますね。

・BAD後でシリアス。なので暗いです。
・景時の一人称

なので、駄目だと思われたらさくっとスルーよろしくお願いします。
NGワードは景時×望美 BADで。
161景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:39:34 ID:2s0OQSE5
奥州の秋の夕暮れは短く、既に仄暗い闇が背中まで迫ってきているようだった。
小走りに山道を歩くと、踏みしめた落ち葉が、がさがさと足元でやかましく音を立てる。
それがまるでオレを急き立てているように聞こえ
――そんな風に考えてしまうのは、やはり、追われている焦りがあるからなんだろうな、
そんな事を思って、空を見上げると、もう青白い満月が昇りはじめていた。
歌でも詠んでみたいところだが、生憎そんな余裕はない。
いろいろと買い物をしていたら、ずいぶんと帰りが遅くなってしまった。
望美ちゃんはきっと心配しているだろう。早く帰って安心させてあげないと。
背中の荷物を担ぎなおして、家路を急ぐ。吹き付ける風は冷たく、かじかんだ手に吐きつけた息は白い。
と、目の前に、はらりと小さく白いものが落ちてきた。
寒々とした月の光の中、ひとひら、ひとひら、それは静かに降ってくる。
雪――初雪だ。京の冬も寒かったけど、多分、そんなのは比べ物にならないくらい、奥州の冬は厳しいだろう。
その中を、北へ、逃げていかなくてはならない。明日にでもここを発って。
その事を彼女に言わなくちゃいけない。そう考えると、自然、オレの足取りは重くなる。

あの時、壇ノ浦の戦場から逃げ出して八ヶ月程。
源氏から裏切り者として追われる身となっていたオレ達は、ここ奥州の平泉まで落ち延びていた。
未だ鎌倉の手が伸びていないこの地で、
オレ達は久しぶりに落ち着いた生活を送っていたけれど、でも、それも今日でおしまいだ。
この一月ほどは、町から少し離れた山小屋に住み、猟師の真似事をしてオレ達は生計を立てていた。
山で獲物を獲ってそれを町に売りに出る。
それは決して楽な生活ではなかったけれど、追っ手に怯えていた毎日を思えば、極楽のようなものだった。
でも、今日、町で耳に入れた噂が本当だとすれば、早くここを発たなくちゃならない。
北へ逃れた恥ずべき裏切り者のオレ達を追討すべく、新たな部隊が編成されたらしい。
そして、その指揮を執っているのは――源九郎義経、だという。それを聞いて、オレはただ笑うしかなかった。
162景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:42:12 ID:2s0OQSE5
九郎は奥州育ちだから、この辺りの地理に明るい。だから、頼朝様は九郎を起用したんだろう。
でも、多分、それだけじゃない。
奥州とつながりのある九郎が、もしここで妙な動きを起こせば、直ちに『鎌倉への反乱』と見做して討伐しようという腹だろう。
そして九郎は、一緒に戦った仲間を討つ事を割り切れるような奴じゃない。
福原で平家を騙し討ちする事すら、嫌がっていたんだから。
そんな九郎が、オレ達と向き合った時、どういう事を考えるかはオレにだって予想がつく。
多分、九郎は自分の養い親である藤原家に頼んででも、オレ達を逃がそうとするだろう。
そして、それは確実に『叛意』と鎌倉に見做される行為だ。
頼朝様は九郎と、奥州の支配者である藤原家を、同時に討つ口実を得るために、九郎にオレ達を追わせているんだ。
本当に、あの方は――恐ろしい。

九郎がいるとすれば、当然そこには八葉の面々もいるだろう。それに白龍や――朔も。
オレが離反したせいで、人質にとられていた母上に見せしめとしての処刑の命令が下り
――その助命を嘆願した朔は、代わりにオレを捕らえる事を命じられたと噂に聞いた。
だから、確実に討伐隊にいるだろう。
オレは兄失格だ。もともと家族を守るために手を汚してきたってのに、朔に責任を押し付けて。
オレはたった一人の妹を、幸せにする事も出来ないんだ。
そんなのは逃げる事を決意した時からわかっていた筈なのに、
実際にそうなってしまうと否応なく思い知らされる。覚悟なんて出来ちゃいなかったって事が。
それに、白龍。白龍には神子である望美ちゃんや、八葉であるオレの居場所がわかる。
平家を倒したのなら、その力も強くなっているだろう。
もし白龍がまだ皆に協力しているのなら、九郎の隊は正確にオレ達を目指してくるだろう。
だから、オレ達は奥州で留まっている訳にはいかない。九郎や朔と出会ってしまえば、全てが終わる。
北へ。ひたすら、北へ。最終的には、蝦夷の渡島に渡ることも視野に入れておかなくちゃならないだろう。

こうして、いつまで逃げ続けなければならないんだろう? 
ただ逃げ続けるだけの運命に、救いなんてあるんだろうか? 
でも、仕方ない。それがオレの選んだ方法だから。
163景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:44:21 ID:2s0OQSE5
鎌倉を出る時に、頼朝様から命じられた事。それは『白龍の神子』の暗殺だった。
だけどオレには、望美ちゃんを手にかけるなんて出来なかった。
福原でも、屋島でも、オレと一緒にいる事を選んでくれた彼女。
いつだって、誰よりもオレの事をわかろうとしてくれた。
そんな彼女を撃つなんて、オレには最初から無理だったんだ。
いっそ屋島で囮になっていた方がよかったのかもしれない。
そう言うと、泣かれてしまったけれど、
彼女を手にかける運命しか残されていないのなら、自分が死んだ方がましだった、と、それは今でも思っている。
でも、仮にオレが死んだとしても、また別の方法で、頼朝様は『白龍の神子』を殺そうとするだろう。
あの方は手段を選ばない。けれど、オレにはそれを阻む術も、あの方に逆らう方法も思いつけない。

だから、逃げ出したんだ。
オレに出来たのは彼女に縋って、一緒に逃げてくれと、そう頼む事だけだった。
あの時のオレは、傍目にもさぞ無様だったろうと思う。十も年下の女の子に、跪いて、縋って。
でも、望美ちゃんは頷いてくれた。
オレと一緒に逃げる事を選んでくれた。『もう、十分に苦しんだんだから、楽になっていいんだよ』と。

あの時、何人も殺して手を汚してきた、という事は話したけれど、次の標的が彼女自身だとは、どうしても言えなかった。
今でもそれは話していない。
知ってしまえば、彼女は自分の存在がオレを追い詰めたんだと、考えてしまうだろう。
これ以上、彼女に重荷を背負わせる訳にはいかない。だから、言えない。

――事実なんてオレだけが知っていればいい。
君がオレの側にいてくれる、ただそれだけでオレは救われているから――
164景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:46:18 ID:2s0OQSE5
ようやく、山小屋が見えてきた。
中から漏れる灯りに少しほっとして、ああ、もうここがオレ達の家になっていたんだな、とあらためて思う。
がたがたと、立て付けの悪い引き戸を開けると、中から物凄い勢いで望美ちゃんが転がり出てきた。
勢い余って転びそうになった彼女を、オレは慌てて支える。
「っと、危ないよ、望美ちゃん」
「景時さんっ! 心配したんですよ……もう、帰ってこないかと思った……」
「やだなぁ、オレが君を置いていく訳ないじゃないか」
「そんなんじゃ、なくって……!」
とん、と軽く握った拳で胸を叩かれる。
ああ、やっぱり、不安だったんだ。そっと、慰めるように長い髪を撫でてみる。
「ん、わかってる。ごめん、心配かけちゃったね」
「……いいよ、もう。ちゃんと帰ってきてくれたから」
拗ねたように、でもほっとしたように、望美ちゃんは呟いてオレから離れた。
「えーと、こんな所で立ち話もなんだね」
「うん、部屋、暖めたのに寒くなっちゃう」
また苦労して引き戸を閉めると、部屋の暖かさに、かじかんでいた身体がじわりとほぐれていく。
オレは背中の荷物をどさり、と床に置いた。
「悪いけど、荷物分けるの手伝ってくれないかな?」
「すごい荷物。どうしたんですか?」
「……それなんだけどさ、望美ちゃん」
オレは言いよどむ。でも、ちゃんと言わなくちゃならない。
「また、逃げなくちゃいけないんだ。その、源氏が平泉に来るって噂があってさ」
噂の内容は、流石に口に出来ない。
九郎が――かつての仲間が自分を追ってくるなんて、そんな事を聞かせたくない。
そんな、残酷な事実を。
165景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:47:52 ID:2s0OQSE5
「そう、ですか……これは、その用意なんですね」
「うん、そうなんだ……その、ごめんね」
「謝らないでって、そう、約束しましたよね」
「……そうだったね」
二人の間に漂いそうになる気まずい沈黙を、慌てたように彼女が破った。
「あの、で、行き先は、決めてるんですか?」
「とりあえず、津軽へ向かって、そこから蝦夷に渡ろうと思う。海を越えてまでは鎌倉も追ってこないと思うんだ」
「蝦夷……海を渡るって事は、ホッカイドウかな……?」
「なんだい、その、ホッカイドウって?」
「蝦夷って、多分、私達の世界でいうホッカイドウかなって。一度行った事あるけど、食べ物が美味しいんですよ。蟹とか、イクラとか」
望美ちゃんの言う事はよくわからなかったけれど、オレの気を紛らせようとしてくれているのはわかる。だからオレも、笑顔で答える。
「そっかー、それは楽しみだね」
「食べ物がおいしいって、重要だよね」
そう言って、望美ちゃんはくすくす笑う。あてのない旅の間、この笑顔に、オレは何度救われてきただろう。
でもオレは、彼女に何も返せない。
元の世界に帰る筈の彼女を、こうしてオレの勝手につき合わせて。
仲間を裏切らせた挙句、仲間に追われる運命を背負わせてしまって。

――君の笑顔はオレにいろんな物をくれるのに、オレは君に何もあげられない――

と、望美ちゃんはオレの顔をまともに覗きこんで、少し怒ったような表情で頬を膨らませた。
「もう、景時さんは。今、心の中で謝ったでしょ?」
何もかもお見通しだ。やっぱり、彼女には敵わない。
「……はは、君にはなんでオレの事わかっちゃうのかな?」
精一杯、茶化して見せたつもりだったのに、彼女は真面目にオレを見つめる。
「私にはわかるんです。景時さんの事」
そう言われると、なんだか胸が詰まって、オレはまた謝ってしまう。
「そうだったね。ごめん」
「だから、謝らないで下さいってば」

――それが苦しくて、謝る事で負い目を消して。本当に、オレはどうしようもない――
166景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:50:35 ID:2s0OQSE5
再び訪れてしまった沈黙の中、ふいに望美ちゃんは、あ、と声をあげた。
そのまま立ち上がると、明かり取りの窓に走り寄る。
なんだろうと、オレも側に立って外を見た。
「ねぇ、景時さん。今夜は、満月なんですね」
窓から見える満月を、望美ちゃんは指差した。帰り道で仰いだ青白い月。
「私ね、最初にこの世界で月を見たとき思ったんです。ああ、月は変わらないなって」
「そう、なんだ。君のいた世界にも、やっぱり月があったんだね」
「うん。だからね……どうせ同じ月なんだったら、
こうやって、景時さんと見るのが一番いいです。たとえ、何処にいたって月は変わらないから」
そう言って、青白い月光の中、彼女は明るく微笑んだ。

――どうして、君はオレに笑いかけてくれるんだろう――
 
微笑み返そうとしたけど、上手く出来ている自信がない。
頬が小刻みに震えてしまっているのが、自分でもわかる。

――どうして、君はオレの欲しい言葉をくれるんだろう――

望美ちゃんは不思議そうに首をかしげて、オレを見ている。
これ以上無様な自分を見られたくなくて、オレは彼女を胸に抱き寄せる。

――オレは君を、こんな運命に引き入れる事しか出来なかったのに――

167景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:51:52 ID:2s0OQSE5
「景時、さん……?」
望美ちゃんは、戸惑ったようにオレの背中に手をまわしてきた。
「……っ……」
何も、言えない。何も、返せない。ただ抱きしめる事しか、出来ない。
「……景時、さん。身体、まだ冷たいね……」
そう、望美ちゃんが呟く。
その声は、近くにいるのに、やけに遠くから聞こえてくるような、そんな気がする。
足元がぐらりと揺らぐ、そんな心許ない気持ちになって、腕の中の彼女をますます強く抱きしめてしまう。
きっと今オレは、泣きそうな表情をしているんだろう。
そんな自分を打ち消してしまいたくて、オレは目を固く閉じたまま彼女に口づける。
乾いた唇を僅かにくすぐる感触に、瞼に口づけているのだとわかる。
彼女の長い睫毛が怯えたように少し震えて、それでも止められなくて、そのまま、頬をなぞり、柔らかな唇を奪う。
背中にまわされた手がオレの服をきゅっと掴んで、それが愛しくて、止められなくなる。
オレは彼女に唇を押し付ける。何度も、何度も。

「……いいよ……?」

そう、小さな声が耳をくすぐって、オレはまた彼女を抱きしめた。
168景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:55:24 ID:2s0OQSE5
褥代わりの毛皮の上に、服を脱がせた細身の身体を横たえてそっと覆い被さる。
望美ちゃんは瞼を閉じている
――まるで、彼女の瞳に映る自分を見たくないと思っている、オレの気持ちを読んだみたいに。
なんどこうやって身体を合わせただろう。
二人きり、追われる旅は心細くて、オレ達は自然とそうなっていた。
オレ達は互いの温もりに溺れた。いや、溺れているのは、オレだけ、か。
彼女はオレの求めるままに身体を開いてくれて、
それをいい事に一時の温もりを求めて、オレはどこまでも溺れていく。
たとえそれが、逃避だとわかっていても。
どこまで、最低なんだろう、オレは。
そんな自分が嫌で、でも、目の前の身体に溺れてしまいたくて、もう一度彼女に口づける。

――逃げ続ける事から逃れたくて、オレはただ君に溺れる――

169景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:56:38 ID:2s0OQSE5
固く結ばれた柔らかな唇を舌先で割って、歯列をくすぐるようになぞる。
微かに開いた隙間から舌を差し入れて、緊張したように縮こまっている舌を掬い、吸い上げる。
自分の口の中に引き入れた舌先を柔らかく甘噛むと、
それは漸くほぐれて、ちろちろと、戸惑うようにオレの上顎をくすぐろうとする。
望美ちゃんがそうやって応えようとしてくれるのはいつだって嬉しい。
唇を離すと、つぅ、と唾液が一筋の糸を引いて、
それを指で拭き取ってやると、いやいやをするように彼女は首を振って顔を赤らめる。
その白く、華奢な首筋に顔を埋めると、甘い香りが鼻の奥をくすぐる。
それに酔いしれながら、形のよい耳朶をそっと舐ると、びくり、と一瞬身体が弾む。
耳朶を食み、じっくりと首筋に舌を這わせていく。
鎖骨を経て、反対側の首筋に唇を移すと、前に口づけた痕が生々しく残っている。
少し消えかけたその痕を強く吸い上げて、紅い痕を白い肌にまた刻み込むと、か細い声が途切れ途切れにオレの名を呼ぶ。

「……ぁ……ん……かげとき、さ……ん……」

はっきりと喜色の浮いたその声に、どうしようもなく刺激されて、オレは形のよい胸へと手を伸ばした。
白い肌に溶け込むような、薄い、本当に薄い桜色の乳輪を、固く尖らせた舌先でゆっくりと舐りまわす。
敏感な先端にはわざと触れずにそうしていると、彼女は焦れたように身を捩じらせる。
唇を離し、耳元に息を軽く吹きかけてオレは囁く。
「……望美ちゃん、どうして、欲しい?」

――わかってる。こんな事を君に訊ねるオレは、ずるい――
170景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:58:06 ID:2s0OQSE5
何かに耐えるような、そんな声音で、望美ちゃんはオレに訴えてくる。
「やだっ……わかってる、くせに……ぃ」
「うん……でも、オレさ、聞きたいんだ、君の口から……」
「……ん……はずかし……いえないっ……そんな……」
親指の腹で少しだけ先端を擦りあげると、彼女は息を詰めて背を軽く反らせる。
「今の、よかった?」
こくり、と頷く気配がした。
もう一度、同じ事をすると彼女はオレの耳元に唇を近づけて、本当に小さな声で囁いてきた。
「……おねがい……そこ、もっと……」
右の乳房を掴み、すっかり勃ち上がった乳首を少し乱暴に吸い上げると、待ちかねた刺激に身体がびくん、と跳ね上がる。
左右をかわるがわる甘噛むと、まるで先程までの恥じらいが嘘のように、堰を切ったように悦びの声が溢れ出る。
「ひぁっ……あんっ……あぁぁっ……!」
緩く開いた脚の間に指を滑り込ませると、もうそこはしっとりと濡れそぼっている。
そろり、と指で割れ目をなぞり上げ、小さな突起に触れると、また焦れたように、彼女は腰を指に擦り付ける。
「今度は、どうしようか……?」
「……いじわるっ……景時さんは、いじわる、だよっ……!」
「言ってくれなきゃ、このままだよ?」

――君を攻め立てて、昂らせて、否応なく追い詰めて、オレをねだらせて――
171景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 02:58:58 ID:2s0OQSE5
羞恥に頬を染めて、うっすらと目尻に涙すら浮かべて、望美ちゃんは囁く。
「ね……指、動かして……」
溢れ出す蜜をそこに塗して小刻みに指を震わせると、彼女は白い喉を仰け反らせて喘ぐ。
潤みきった中に指を二本潜らせ、指を曲げて入り口近くを掻き回すと、
じゅぷじゅぷといやらしい音を立てて愛液が溢れ出て、オレの手首を濡らす。
「すごく、濡れてる」
そう意地悪く囁いて、わざと音をたててそこを掻き回してみせると、中がきゅうと締まってオレの指を締め付けた。
「やぁっ、いわないで、そんなのっ……!」
恥かしさに身悶えする望美ちゃんは、なんとも言えない位オレをそそる。
オレは硬くなった己のモノを、潤んだ入り口にぴと、と押し当てる。
「望美ちゃん……もう、いいかな……?」
「だから、なんで訊くのぉ……!」
「……オレが、聞きたいから。そんな理由じゃ、駄目かな?」
「いじわる……」
「でも、聞きたいな?」
ちらりとこちらを見あげた、責める様な目付きに、オレは一瞬自分を恥じたが、
擦れた甘い声でねだられた瞬間、そんなものは吹き飛んでしまう。

「……いい、よ……いれて……」

――そうやって、君が求めているからと、オレは君に溺れるための言い訳をする――
172景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 03:00:11 ID:2s0OQSE5
堪らず一気に突き入れると、瞬間、身体が宙に浮いたように反り返る。
「ああぁっ!」
一際高い声をあげて、望美ちゃんはオレの肩にぎゅうっとしがみつく。
「……っ、景時さ……んむっ……」
何かを話しかけた唇を強引に塞ぐ。そうやってただ抱き締め、隙間なく身体を合わせる。
滑らかな肌や、柔らかな乳房、匂いたつ甘い香りを全身で感じる。
気が済むまでそうした後、オレは身を起こすと、奥底に叩きつけるように腰を動かした。
「ふぁっ……ぁ、あぁっ、あ、やぁぁっ……!」
その中は温かくぬかるんで、際限なく奥までオレを迎え入れる。それをいい事にオレはひたすらに彼女を貪った。
「や、だめっ、あぁ、いぃっ……!」
可愛い。蕩けて、擦れた声も、縋りついてくる腕も、背中に食い込む爪も、何もかもが愛しい。
それ以外はどうでもよくなって、何もかも忘れてオレは彼女に溺れる。

――ああ、本当に、オレはどうしようもないね――

「望美、ちゃんっ……すごく、いいよっ……!」
切羽詰った声で囁きながら、限界が近づいている事を自覚する。
一層激しく腰を打ち付けた後、いつものように腰を退こうとした、その時。
それまでただ喘ぐばかりだった望美ちゃんが、はっきりとオレを見つめて、言った。
「……かげとき、さんっ……おねがいっ……中に……」
「! 駄目だよ……それは……!」
流石にそんな事は出来ない。いつも外に出してきたのに、どうして今日に限って?
慌てて退こうとした腰を、絡んだ脚に強く押さえつけられ、背中に腕を固く回されて。
「……やぁ……ほし……の、おねがいっ……」
耳元に熱く囁かれて、すぐに耐え切れなくなって。
そのままオレは、奥底に精を放ってしまう。瞬間、後悔と、それを押し流してしまうほどの快感がオレを襲った。
「あ、あぁ、あ……あった、かい……」
眼を閉じて、望美ちゃんはうっとりと呟く。
どくんどくんと脈打つ自分のモノが、ひくひくと蠢く壁に捉えられているのを、オレはただ感じていた。
173景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 03:01:37 ID:2s0OQSE5
事が終わり、満ち足りた、でも気だるい時間が二人の間に流れていた。
さっきの事などなかったみたいに望美ちゃんは振舞うけれど、オレは何故なのか気になって仕方なかった。
「望美ちゃん、訊いて、いいかな」
「……なんですか?」
「その……なんで、さっき、あんな事」
「わからないです、私にも……ただ、急に」
彼女は寂しげに微笑んでオレを見る。
「残しておきたくなったんです……景時さんが、私を抱いてくれたって印を」
こんな、すぐに消えてしまう痕なんかじゃなくてと、首筋の痕に触れて、彼女は呟いた。
彼女も、何か予感のようなものを感じているのかもしれない。
あるいは、怯え、逃げ続けるばかりで、
後に何も残せない日々を不安に思う気持ちを、抑えきれなくなったのかもしれない。
そんな風に思わせてしまっているのは、オレのせいで。
「……ごめんね」
「もう、また謝るんだから」
望美ちゃんは、仕方ないな、という風ににこりと笑うと、ちょこんとオレの隣に座った。
そして、ふと真剣な顔でオレを見上げた。
「あのね、景時さん。昔、三草山で、先生が言ってた事があるんだ」
三草山の戦から、どれくらい時間が経ったんだろう。もう随分昔の事に思える。
そんなオレの感慨をよそに、望美ちゃんは続ける。
「戦わなきゃならない運命に、私が皆を巻き込んだんじゃないかって、迷ってた時にね。
『そこにいる者は、皆、自分でそれを選んだんだ』って。あの時はよくわからなかったけど、いまならわかるような気がするんです」
真正面からひたと見据えられて、オレは思わず息を呑む。
「景時さんといる事は、私が自分で選んだ運命、なの。だから、謝らないで」
そう言って、彼女は微笑んだ。真っ直ぐで、明るい微笑み。それには一点の曇りも無く、迷いも無く。
174景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 03:02:23 ID:2s0OQSE5

――ああ、そうか。今になって、やっとわかったよ。本当、馬鹿だね、オレは――

彼女と一緒にいる事。それが、オレの選んだ運命なんだ、と。
そして、オレと共にある事、それが、彼女の選んだ運命なんだ、と。
オレ達は、その都度運命を選び取ってきて、だからここにいるのだ、と。

オレと逃げる運命を選んでくれた望美ちゃん。
そんな彼女に、何も考えず謝るのはただの冒涜だという事にやっと気づいた。
謝れば、その時だけ負い目が消えたような気がするけど、
それは錯覚で、追われているという事実からは逃れられない。
オレに出来る事は、逃げ延びる事と――感謝する事だけなんだ。オレと生きる事を選んでくれた彼女に。

「……ありがとう……」

月明かりの下、ただ彼女を抱き締め、声を出さず、涙を零さずに、オレは泣いた。
175景時×望美 BAD 『最果ての月』:05/01/14 03:03:59 ID:2s0OQSE5
明かり取りの窓から満月が見える。
この月は北の果てからも、同じ様に見えるだろうか。
腕に彼女の重みを感じながら、なんとはなしに月を見上げて思う。
次に満月を見る頃には、オレ達は何処に辿り着いているんだろう。
この先、安らいだ気持ちで、月を見上げる事なんてあるんだろうか。
いや、きっと、逃亡者である限り、安らぎなど程遠いものなんだろう。 

逃げ続ける事がオレ達の選んだ運命で、なら、どこまでも逃げるしかない。
それは悲壮で、でもどこか澄み切った、そんな覚悟で。
腕に抱いた彼女の髪を幾度も撫でながら、オレは思う。


――オレは逃げる事でしか君を守れない、馬鹿な男だけど。
それなら、君を連れて、何処までだって逃げ延びてみせるよ。
どんなに果てまで追い詰められようと、絶対に。
絶対に、生き延びてみせる。
たとえ辿り着いた場所に何もなくても。
平穏な生活なんて、幻に過ぎなくても。
逃げ切る事、それだけが、オレに残された君を守る手立てだから――


眠る望美ちゃんの額に、そっと口づける。
ただ彼女の息遣いに耳を澄ます。明日からはまた、逃亡の旅が始まる。
せめて今だけは、眠りに救いを得てくれればいい。
そう思いながら、オレもまた瞼を閉じる。胸の中に、たった一つの誓いを抱いて。


――たとえ最果ての地で、月を見上げる事になっても、きっと君を守り抜く――



176名無しさん@ピンキー:05/01/14 03:06:45 ID:2s0OQSE5
以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。

これで少しは景時萌えも落ち着いたような気がします。
……しかし、最初にプレイした時は、
ここまで景時×望美にはまるとは思わなかったなあ。

ではでは。おやすみなさい。
177名無しさん@ピンキー:05/01/14 03:09:50 ID:xyz9XefS
リアルタイムキターーーー!!
景時イイ!!風邪引いてたんだけどふっとんじゃったよ!!
素敵SSありがとうございます(*´Д`*)
178名無しさん@ピンキー:05/01/14 03:13:44 ID:V4pJc7cU
景時(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァァン!!!!!
バッドエンド見直してきます……
179名無しさん@ピンキー:05/01/14 03:14:16 ID:sTWqY5Rt
やべー景時萌えるよ景時。
180名無しさん@ピンキー:05/01/14 03:14:19 ID:MHcwxCOm
>>177タンと同じくリアルタイムで萌えてました!
また、景時や他八葉のお話を投下されるのを
心待ちにしております。
18194:05/01/14 06:05:52 ID:458POO+8
>>129
豚クス!
他の人の描くエロ絵が見たかったが故に投下したのだが
だれも続いてくれなかったよ・・。Orz

>>154、8
気を使ってくれてありがとう。
なのに、おいらって奴は・・・。
すまん。
気にせずスレ埋めてください。

>>むたさん
感動しました。
景時〜〜〜〜〜っ!
むたさんの書かれる景時めっさ好きです。
景時EDは正統EDよりBADEDの方が好物なので更に嬉しいです。

18294:05/01/14 06:12:46 ID:458POO+8
旧スレ投下中で放置したままで申し訳ないのですが
こちらでも投下させていただきます。
ヒノエ×望美の夫婦喧嘩に巻き込まれる譲を書こうとしたんだけれど
結局譲贔屓な話になってしまった。
ヒノエを愛する人、浮気はNGな方はスルー願います。
18394:05/01/14 06:13:56 ID:458POO+8
あれから3年が過ぎた。
先輩のいない毎日は俺にとっては何の意味もない日々だった。
京に先輩を残してきた事をどれほど後悔してきただろう。
いっその事、京に残ればよかったのか?
いや、あそこに残っていたら俺はきっと己の劣情で先輩を汚していたに違いない。

俺が大学のレポートを片付けていると玄関のチャイムが鳴った。
時計を見ていぶかしむ。
午後11時37分。
両親は親父の転勤で地方に住んでいる。
先輩がいなくなってからの俺は、親しい友人付き合いもしていない。
不思議に思いながらも何故か胸騒ぎがしてインターフォンのモニターを
つける。
「・・・・っ!!」
そこに立っていたのは先輩だった。
18494:05/01/14 06:14:42 ID:458POO+8
俺は思わず階段を駆け下りた。
もしかしたら幻なのかもしれない。俺もとうとうおかしくなってしまったのかもしれない。
ドアを開けた。
そこに立っていたのは、やっぱり、先輩・・・。
先輩は俺を見て少し驚いた表情を浮かべた。
「譲くん、かっこよくなったねぇ!びっくりしたよ。」
あいかわらずな先輩のセリフを聞いて俺は思わず笑い出してしまった。
俺、最後に笑ったのって何時だったっけ?
それに、こんなに幸せなのに涙が出てくるのは何故なんだろ。
「譲くんったら、泣くほど大笑いしなくっていいじゃない!」
ぷぅっと膨れる先輩もかわいい・・。
そしてはっと気付く。まさかアイツも来てるんじゃないだろうな。
先輩の手をしっかり握りながらも玄関から外に出てきょろきょろした。
「・・・ヒノエくんなら来ていないよ。」
そう言った先輩の声は震えていた。
ヒノエ〜〜〜〜〜っ!あの男、先輩にいったい何をしたんだ?
俺ははらわたが煮えくり返りそうだったが、笑顔を浮かべて言った。
「先輩、寒かったでしょう?今、温かいココアでも入れますから上がりませんか?」
「えっ。ホント?譲くんのココア久しぶりだね!」
18594:05/01/14 06:15:36 ID:458POO+8
家に上がり時計を見た先輩は慌てて謝った。
いいんですよ、本当に・・・。
「ごめんね、譲くん。でも他に行くところが思いつかなくて・・。」
俺は喜びで一杯になる。貴方の力になれるのだったら、俺はなんだって・・・。
突然、先輩がしがみ付いてきた。
「ヒノエくんがね、ヒノエくんがね。浮気してたんだよ。
『熊野に有利な情報を探る為だった。』『俺が愛しているのはお前だけ。』
って言われても・・・私っ!」
俺にしがみついて泣きじゃくる先輩をあやしながら、
俺はヒノエに対して沸き上がってくる殺意を押さえきれない。
先輩を泣かすなんて。先輩を泣かすなんて。
何のために俺が一人でこの世界に帰ったと思ってるんだ!
「ヒノエくんが私と出会うまで、何人もの女の子と遊んできたのは
知っていた。でも私と出会ってからは私だけと思っていたのに・・。
ヒドイよ!私なんてヒノエくんしか知らないのに〜〜っ!」
そ、そうなんですか?
俺はてっきり・・・。
今更ながらトンビに油揚げを掻っ攫われた気分だ・・・。
その時、先輩がキッ!と顔をあげた。
「譲くん!えっちしょうっ!!」
はぃいいっ?
18694:05/01/14 06:16:19 ID:458POO+8
「だって、ヒノエくんが一杯女の人、知っているのに私はヒノエくんしか知らない
のってズルイっ!!」
先輩は自分の着ていた小袖の帯をスルスルと解くと肌襦袢姿になった。
ち、ちょっとまってくださいよ、先輩。
先輩は俺をドンと床に押し倒した。
「せ、先輩何するんですか・・。」
「わたし、やっぱり魅力ないのかな・・・。」
そんな事は絶対無いです!(きっぱり
頭がぱにくってしまい言葉が出ない。
「お、俺、初めてなんです。」
何、言ってんだ。俺は。
「大丈夫、優しくするから。」
違う、違う〜〜〜〜〜っ!!(号泣
「俺、避妊具なんて持ってないんですっ!」
「・・・いいよ、譲君の赤ちゃんなら。」
本当ですか?
俺は先輩を引き寄せて思いっきり抱きしめた。
「先輩、いいんですか?俺、本気にしてしまいますよ?」
「・・・うん、いいよ。本気にして。」
貴方は本当にズルイ人だな。
18794:05/01/14 06:17:09 ID:458POO+8
先輩を俺の部屋へと案内する。
「先輩、本当にいいんですか?今なら止められますよ?」
先輩・・・。ずっと好きだった人。俺が物心付いたとき、もうこの人の事が好きだった。
人のものとなってしまった今でも。
答えの変わりに先輩は肌襦袢をスルリとはだけた。
・・・・先輩・・・・綺麗だ。とても・・・。
俺は先輩を抱き寄せ軽く口づける。
先輩の香り。
その甘い香りに酔う。
口づけはどんどん激しくなる。
その時、先輩のからだに付いている無数の痕に気付いた。
アイツノ ツケタ アト。
俺はその場所を思い切り吸い付いた。
あいつの付けた痕を俺の付けた痕に塗り替える為に。
「はぅ・・・あン・・・。譲く・・ん・・・。本当に初めてなの?
どう・・・して・・・ンっ・・・私の感じる所がわかるの・・・」
その言葉を聞いて頭に血が昇る。
アイツノ アトヲ ナゾッテ コノヒトヲ ダクノカ?
本当に初めてですよ。夢の中で出なら貴方を幾度となく犯しましたが。
「・・・先輩、ここ、もうこんなになっていますよ?」
貴方はイヤラシイ人だな。そう先輩の耳元に囁く。
「イヤッ・・・。」
本当はもっと先輩を感じさせてあげたいけれども
もう俺自身が我慢できない。
ホントウニ ズット ガマンシテイタンデスヨ?センパイ。
「いれますよ?先輩。」
「うん、入れて・・・。」
俺は自身を先輩に沈めた。
「あっ・・・ああ・・・。なんて狭くて温かいんだ。先輩のなかは。」
もう、俺はただ夢中になって腰を押進める。
その時先輩のかすれ声が一言呟くのが聞こえた。
『・・・・・ヒノエくん・・・・・・。』
18894:05/01/14 06:17:55 ID:458POO+8

(あなたの事をあきらめれば幸せに)

(あなたを思ったまま不幸になった方がいい)
先輩はまだヒノエの事を・・・。
それでも・・・それでも、俺は、貴方の事をあきらめられない。
たとえ、貴方の事をあきらめた方が幸せになるのだとしても
俺は貴方を想ったまま不幸になったほうがいい。
「・・・先輩・・。」
肩で息を継ぐ先輩を抱きかかえる。
「すいません、焦ってしまって。次は優しくしますから。」
「えっ、譲君。次って・・・。」
俺は先輩の両足を開く。
ピンク色のそこからは白く濁った液がゴポゴポと湧き出ている。
先輩の愛液と俺の放ったもの。
2人の愛の証。
「先輩、今きれいにしてあげますね。」
舌で液を舐め始めた。
「あ、や、ヤダ。汚いよ。」
汚くなんかないですよ。
ぐちゅ、ちゅ、ぐちゅ。
泉から先程とは違う液が湧き出てくる。
「先輩、まったく仕方のない人だな。いくら舐めてもキリがありませんよ?」
「いやぁ、いじわる言わないで。」
シーツの端を握り締めながら羞恥に耐える先輩の姿を見ていると
己がおさえられなくなる。
指を入れる。
「はうぅっ!」
1本、2本・・。
「先輩、スゴイですね。楽勝で3本入りましたよ?
先輩のここ、ヒクヒク蠢いて締め付けてきますよ?すごい・・。」
「やっ、やぁっ!!」
先輩のからだが興奮で桜色に染まる。
・・・・綺麗だ。
「・・・入れて欲しいんですか?」
先輩が首をコクンと動かす。
「譲君が・・・欲しい。」
俺は先輩を一気に貫いた。
「はぁ・・・ン。ゆずるくぅううんっ。」
先輩、もっと俺の名前を呼んでください。
あいつの名前ではなく俺の名前を。
もっと、もっと俺に溺れてください。
俺が絶対あいつの事、思い出せないようにしてあげますよ。
先輩のからだが俺のことを忘れられないように。
俺じゃないと感じられないように、してあげますよ?
191あなたの事をあきらめれば幸せに:05/01/14 06:21:53 ID:458POO+8
先輩はまだヒノエの事を・・・。
あなたの事をあきらめれば幸せになれるんだろうか?
眠ってしまった先輩にキスをする。
何度も、何度も。

寝苦しい夜が終わった。
俺は先輩の為に朝食の準備をはじめた。
冷蔵庫にはほとんど食材が入っていない。
本当に料理なんて久しぶりだ。
先輩がいなかったから・・・・。
今までは先輩に食べてもらう為だけに作っていたから。
後でスーパーに買出しに行こう。
とりあえずパスタと賞味期限がまだわずかに残っている缶詰を
見つけ出した。
その時チャイムの鳴る音がした。
192あなたの事をあきらめれば幸せに:05/01/14 06:23:16 ID:458POO+8
「はい?」
ドアを開けてから後悔した。
そこに立っていたのは天の朱雀と白龍だった。
「望美、ここに来てるんだろ?」
白龍がいるのなら隠しても無駄だ。
「先輩なら疲れて眠ってるよ。昨夜、俺と激しく愛し合ったからね。」
ヒノエがすごい目で俺を睨む。殺気が立ち上がる。
俺もヒノエを睨み返す。
白龍が間でオロオロしている。
その時、チャイムの音で目覚めたらしい先輩が階段を下りて来た。
「ヒノエくん?迎えに来てくれたの〜〜〜!!」
ヒノエに飛びつく先輩。
イヤだ。見たくない。
「ヒノエくん、ごめん。私、譲君と・・・」
「聞いたよ。でもいい。俺のほうこそ、ごめんな。
お前をこんなに悲しませてしまって。」
じゃぁな。と言ってヒノエは先輩を連れて行った。
「譲くん、ごめんね。」
先輩、俺はそんな言葉を聞きたかったんじゃない。
193あなたの事をあきらめれば幸せに:05/01/14 06:24:52 ID:458POO+8
誰もいないベッドに戻る。
かすかに残る先輩の香り。
シーツに残っている染み。
もう、俺、先輩のこと忘れられそうにないです。
こんなのむごいですよ、先輩。

もしも、最初から遣り直せたなら・・・。
あの時六波羅にいかなければ、あの時ヒノエを待たずに進軍していたら・・・。
・・・・その時シーツに落ちていたそれに気付いた。
これは・・・何時も先輩が身に付けていた首飾り。
手にした途端、首飾りから光が輝きはじめ俺は白い光に包まれだした。
194名無しさん@ピンキー:05/01/14 08:10:01 ID:ZqAuIAgY
…おいおいw
望美ヤりに来ただけじゃんか〜。
譲が可哀想杉。
195名無しさん@ピンキー :05/01/14 10:21:18 ID:VkEx4c6a
譲、かわいそう過ぎて笑ってしまったorz
でも>182、GJ。
196名無しさん@ピンキー:05/01/14 13:31:10 ID:ryS6rjOe
望美…むご杉w
譲、イキロ
197あなたの事をあきらめれば幸せに:05/01/14 19:06:28 ID:aifTEGzU
すまん。きちんと説明してなかった。
『結末選択性です。
>>188以後
お好きな方の結末をお選びください。』
・・・今更遅いな。Orz
神泉苑で修行してくる。
198名無しさん@ピンキー:05/01/14 21:41:00 ID:mumwFrcU
景時ハァハァ
199名無しさん@ピンキー:05/01/14 23:58:12 ID:PRQ9BQDD
今日も神子が次々と降臨されててうれしいな(*´Д`)ハァハァ

>>160-176
かつての仲間と再会した場合の話を読みたくもあり、
読みたくもなく…(激しく辛い場面になりそうで)

さて、召還前の話で譲主人公の将臣×望美風味の話を投下します。
一人えっちものwなので、苦手な人はスルーして下さい。
長い上にあんまりエロクもない(できない)ですが。
譲が片思いの話が続いて譲には申し訳ないのですが、
貶めてはいないつもりです。
200パズルのあぶれた断片1/7:05/01/15 00:02:39 ID:F+m48l23
パズルのあぶれた断片1/7
譲は顔を上げると、自室の壁の時計を見た。9時3分。今は夜だから、21時3分だ。さっきから何度も何度も見ているから、時計の針は全然進んでいない。
それはいいことでもあったし、、悪いことでもあった。いいことなのは、まだ夜遅くないということ。悪いことなのは、兄の将臣がまだ帰宅していないということ。望美といっしょにいる将臣が。

譲が弓道部の部活を終えて帰宅したとき、時刻は午後7時軽く過ぎていた。夏は部活動時間が長いことと、練習が終わってから部の友人たちとアイスを食べながらしゃべっていたせいで、帰るのが遅くなったのだ。
玄関で靴を脱いだとき、譲は将臣の靴がないことに気づいた。そういえばバイクはあっただろうか?
「兄さん、出かけたの?」
シャワーを浴びて台所のテーブルにつくと、冷蔵庫に閉まってある冷ややっこを取り出している母親に譲は尋ねた。
「夜の海を見に行ったのよ。望美ちゃんと」
「夜のノ海?なんでまたノ」
「よく分からないけど、昼間のプールの授業の話が、夜のプールの話になって、それからどういうわけか夜の海の話になったんだって」
「そうかノ今日兄さんもプールだったんだノ当然だけど」
クラスが一緒なんだから。どうしてそのことを忘れていたのだろう。
「あいつの思考は訳分からねぇって将臣がぼやいてたけど、それでもいっしょに行くあたり、仲いいわよね。将臣と望美ちゃん」
母親がふふっと笑った。
「10年後には望美ちゃんが『娘』になってそうだわ」
「先走りすぎだよ、母さん。これからまだまだどうなるか分からないのにさ」
思いの外、強い口調になってしまった。母親はけげんそうな顔をしたが、すぐに何かに気づいたように口元が緩んだ。
「もちろん、相手は譲だって母さん、大歓迎よ」
「ここはもういいから、クイズ番組でも見てなよ。もう始まってるんだろ。後片付けはちゃんとやるから」
はいはいと母親は去っていった。
201パズルのあぶれた断片2/7:05/01/15 00:04:56 ID:F+m48l23
仲がいいのは分かっている。あの二人は本人たちが気づいていないだけで、ジグソーパズルの隣同士のピースだ。誰かが「それは恋ですよ」と教えてやるだけで、たちまち理想的なカップルが出来上がることだろう。
そして、そのキューピット役は、本来ならば望美の幼馴染みにして将臣の弟である自分が担うのがもっともふさわしいこともよく分かっていた。
でも、そんなことは死んだってできやしない。したくもない。プールの話を聞いたあとならなおさらだ。

望美と将臣がプールの授業を受けていたとき、譲は美術の授業を受けていた。
教室の外に出て写生をする課題が、6月から続いていた。譲はプールの近くに植わっている木々の茂り具合と、外でも木陰のおかげで直射日光があたらないという理由でそこに決めた。それは本当だった。
だから、決して下心などなく、プールの授業が始まってむしろ譲は予想外のことと困惑したくらいだった。
(まさか、春日先輩の体育の時間と重なっていたなんて…)
あんなににぎやかなのに、どうしてあの人の声はすぐに分かったのだろうか。譲は木々の間から、少し高くなっているプールのフェンスの向こう側にいる望美を見た。これではまるで出歯亀だと苦笑する。
望美は背を向けて、クラスメイトと何かしゃべっていた。髪を下ろしている姿に見なれているから、水泳帽の中に髪をすっぽりおさめ、白いうなじをさらしている望美はまるで別人だった。
何か気になるのか、望美はしゃべりながら手を後ろにして、足のつけねのあたりの水着をしきりにひっぱっていた…。
202パズルのあぶれた断片3/7:05/01/15 00:07:04 ID:F+m48l23
昼間のことを思い出すのはここまでにするべく、譲は頭を大きく振った。
急いで夕食と片づけを終えると、2階の自室で図書館で借りた本を開いた。しかし、内容が頭にまったく入らない。
仕方なく、友人から借りたばかりのマンガ雑誌を開いた。続きが気になっている連載がふたつほどあるのだ。しかし、それも今はそれほど読みたい気分ではなかった。
読むでもなくぴらぴらとめくっているうちに、末尾のカラー写真ページまで来てしまった。
そこには水着姿の女の子たちがめいめい、胸と体のラインをあざとく強調するポーズをとっている。それも関心なくめくっていた譲の指が、あるページで止まった。
お尻をこちらに向けて横座りをし、上半身だけひねってこちらを見ているビキニ姿のその女の子は、髪が長いほかは望美に似ているところはなかった。
しかし、そのお尻にぽつんとほくろがあることに譲は気づいた。下の水着がティーバックなので見えてしまうのである。
(春日先輩みたいだな…)
望美の同じところにもほくろがある。それを知ったのはもちろん最近ではなく、譲が幼稚園に通っていたころの、性の違いがなんら意味のなかった時代のことだった。
203パズルのあぶれた断片4/7:05/01/15 00:08:59 ID:F+m48l23
その日は夏の盛りで、父親が買ったばかりの幼児用プールに空気を入れてくれたので、譲は水着に着替えると庭でひとり水と戯れていた。
祖母の植えた夏の花でいっぱいの庭だったが、それくらいのスペースは空いていた。
そのとき、門から元気な声がしたかと思うと、慣れた足取りで望美が入ってきた。白いワンピースに麦わら帽子をかぶった望美は、少しほおをふくらませていた。
どうしたのかと問うと、「子どもはあまりクーラーのある部屋にいてはいけない」と母親に外へ出されたという。
それなら将臣くんと譲くんの家で涼んじゃおうということで有川家へ行ったら、幼児用プールの中にいる譲を門扉の向こうに見つけたというわけである。
「ゆずるくん、一人なの?まさおみくんは?」
「お兄ちゃんは友だちのうちだよ」
ふーんと言うと、望美は少しのあいだ水がキラキラと反射するプールを見つめていたが、何を思ったのか急に帽子をとり、服を脱ぎはじめた。
そしてパンツ一枚だけになると、プールをまたいで中にはいってきたのである。
「水、けっこう冷たいんだね」
「しょうがないなぁ、のぞみちゃん。すわったらだめだよ、パンツがぬれちゃうから」
と言ったときには、望美は勢いよく腰を下ろしていた。水のしぶきをもろに顔面に受け、譲が注意すると望美は口をとがらし、今度は前のめりに倒れた。
譲といるときの望美は、年下の譲より子どもっぽくふるまうところがあった。小さなプールの水面はこぼれるほど大きく左右に揺れ、譲が今度は何と言おうと思ったとき、白い下着が透けてその下の肌と、ほくろが見えた。
(やっぱり、お兄ちゃんが言ったことはちがってたんだ)
譲は将臣から「ほくろって日に焼けるからできるんだぜ」と言われたことがある。
だから顔にほくろができるんだ…とそのときは納得したものの、それならみんな顔中ほくろだらけになってしまうではないか?という疑問があとから生じた。そんなときにそれを見つけたから、今も覚えている。
204パズルのあぶれた断片5/7:05/01/15 00:10:42 ID:F+m48l23
(今も…あるんだろうな…同じ場所に)
先輩の黒いスクール水着の下には。
それを具体的に思い描きそうになった譲は、急いでページをさかのぼると、興味のないマンガの内容に意識を集中させようとあがいた。
(機能一点ばりのスクール水着姿に欲情するなんて、エロオヤジじゃあるまいに)
しかし、水着というのはそれがスクール水着だろうと競技用水着だろうと、結局は数ミリにも満たない厚さの布で体を覆っているだけの代物だ。
その面積が多少大きくなったくらいで、ビキニより健全だなんて言い切れるのだろうか。肩の輩の体のラインは、あんなにくっきりと出ていたというのに。
「駄目だ…春日先輩すみません」
譲は観念したようにつぶやくと、もどかしげにジーンズのボタンをはずし、チャックを下ろす。股と股のあいだが盛り上がっているのが、全部脱がなくても分かった。
譲の頭の中で、さきほどのグラビアアイドルの顔は望美に、その体は昼間見たばかりの望美の体にするりと入れ替わる。

「…またやってしまったな…」
譲はたまっていたものを放出したあとのそう快感と、望美を使ってそうしたことに対する罪悪感の入り交じった複雑な気持ちで、手についた精液をテッシュで取り除いていた。
それだけでは不十分な気がして、洗面所で手を洗った。生温い水が冷たくなるにつれ、少しだけ気持ちが落ち着いていく。
(こういうことをした次の日に先輩に会ったとき、いかにも幼馴染みらしい態度をとるのはけっこう苦労するのに)
そのとき、家の前でバイクが止まった音と人の話し声が聞こえた。暑いため開けっ放しの窓から、それが望美と将臣だということが分かった
。位置的に二人の姿は見えなかったが、楽しげなのは伝わってくる。譲はその場にじっと立っていたが、やがて門扉を開ける音がすると、洗面所のドアを開けた。
205パズルのあぶれた断片6/7:05/01/15 00:12:33 ID:F+m48l23
「ん?どうした、譲。何か用か」
将臣は玄関の靴箱の上にヘルメットを置き、スニーカーを脱いでいるところだった。
「用ってほどじゃないけど、春日先輩をあんまり遅くまで連れ歩くのってよくないと思うんだ…」
将臣は少し慌てたように腕時計を見た。しかし、時刻を見ると「なーんだ」という表情になった。
「焦ったぜ〜。まだ9時半すぎじゃねぇか」
「もう9時42分だよ。春日先輩は嫁入り前なんだからさ、おじさんおばさんが心配するよ」
譲に注意され、将臣は頭をかいた。
「分かった、分かった。確かに何かあったら、顔向けできないもんな。でも、あいつが家の中入るまでちゃんと見てたからさ。それに制限速度も交通ルールもなるべく守って、すっげー安全運転で家まで来たんだぜ?」
兄貴は何も分かっていないんだな。譲は心の中でつぶやいた。危険なのはね、あんたなんだよ。弟の心を知らず、将臣は屈託なく笑った。
「それにしても、10代の口から『嫁入り前』だなんて言葉を聞くと、何だか新鮮だなぁ」
「兄さんだって10代じゃないか。大して年齢が変わらないくせに」
そりゃそうだと将臣が答えたとき、居間でテレビを見ている母親が彼を呼んだ。譲は将臣の後ろ姿が見えなくなるまで、その姿を目で追った。
206パズルのあぶれた断片7/7:05/01/15 00:15:20 ID:F+m48l23
友人の兄の話と比べると、よくできた兄貴だとは思う。兄弟けんかをしたことはあるけれど、不当にいじめられた覚えはない。子どもの頃からずっとさばさばとした頼もしい兄貴で、それは今も変わらない。譲の将臣に対する情は、ある部分では昔のままだ。
だが昔と違って、その長所が時折うとましく感じることがある。そう思う自分にうんざりするけれど、無理に押さえてもしょうがないかなと諦めてもいる。
将臣は譲がどんなに努力したとしても得られないものをもっていて、それは人望だったり、いつの間にか人の輪の中心になってしまうある種のカリスマ性だったりするが、今それが望美に向かって働いているような気がしてならない。
(俺が頭のなかで、兄貴の大切な『幼馴染み』にどんな格好をさせて、何をさせて、どう犯しているのか知ったら、一体どんな顔をするんだろうか?)
しかも、これが初めてでないと知ったら?

そもそも将臣が、同じような妄想を抱くことがあるのかどうか。
将臣が自分のように、告白することもできず、さりとて想いを断ち切ることもできない足踏み状態に陥るとは想像できない。
将臣なら好きだと気づいたのならば即相手に想いを告げ、断れれば後腐れなく前へ進むに違いない。そして望美がその相手ならば、断られることはきっとない。
(だから、兄さんと俺が同じ幼馴染みっていう立場で、先輩と向き合っている今の関係なんてのは…)
潮が間近に迫った砂の城のようなものだ。壊れないようにと祈ったって、ハラハラしながら見ていたって、波がそれを壊すのを止めることはできない。
その破局が早くきて今の中途半端な状態から解放される方が幸せなのか、それとも偽りの均衡が少しでも伸びた方が幸せなのか、譲にはよく分からなかった。
207名無しさん@ピンキー:05/01/15 00:18:00 ID:F+m48l23
はい、お疲れ様でした。

何だか途中部分、ギャルゲーないしロリゲーのパロみたいという気が
しないこともないです。
208名無しさん@ピンキー:05/01/15 00:25:59 ID:gO1NK9Qy
リアル投下キタ━━━━━!!
譲はやっぱし片思いが似合うよハァハァ(;´Д`)
209名無しさん@ピンキー:05/01/15 01:14:40 ID:SZDbDHT/
譲視点なのがとてもリアルで良いです(;´Д`)ハァハァ
両思いもいいけど、譲片思いは萌えるなぁ。
ぜひまた書いて下され〜。
210名無しさん@ピンキー :05/01/15 01:30:57 ID:SZDbDHT/
黒子の話とか、なんだか自然でよかったです。
やっぱ兄さんの存在は外せませんな(*´Д`)ハァハァ
211名無しさん@ピンキー:05/01/15 01:33:45 ID:jArC+Hkg
>>209
私なんて、譲は最後まで片思い派だよ。
いや好きなんだけどさ、悶々としてる方が萌えるんだよ…。
…何でだ…
212209:05/01/15 01:44:55 ID:XlO2JeHu
>>210
あの、今切断されちゃってID209から変わってると思うけど
私のドッペルゲンガーじゃないよね?
自分で無意識のうちに書き込んだりしてないよね?
うん、kakikomi.txtにも209のしか残ってないし・・・
もしかしてID同じな別の人・・・?
いや話には聞いてたけど本当にありうるなんて・・・

スマソID同じで
めちゃくちゃびっくりしたもんで・・・
213名無しさん@ピンキー:05/01/15 01:50:18 ID:gO1NK9Qy
>>211
あなたがわたしの対なのね?
そーなんだよ譲は一人悶々としてたりするほうが萌えるんだ。
むしろ振られてこそ譲。
兄貴エンドとかさ。

>>212
住所が近くてバイダも同じだとID同じになることがあるんだっけ
214130:05/01/15 02:07:47 ID:nEHC141P
絵板2つ借りて入口を作ってみたんだが。
ttp://kyoto.cool.ne.jp/miko-haruka/
とりあえず先陣切ってある方が参加しやすいかと思って
自作絵を残してあるが、目障りだったらすぐ消して字だけにしますので。
つかこういうの初めてなので誰か意見くれると助かります。
215名無しさん@ピンキー:05/01/15 02:18:32 ID:i8+EQK3/
しばらく来ない間に盛り上がってて嬉しい!!
前前スレ、前スレにネタ投下してたんですが、どうも私の萌えは
他の方とちょっとズレてるみたい…
3ではネタにしてくれよと言わんばかりの白龍、とっても萌えです(*・∀・*)
でも、あまり需要がないみたいで寂しい。・゚・(ノД`)
ネタなら腐るほど提供いたしますので、職人様、お願いしまつ〜!
216名無しさん@ピンキー:05/01/15 02:29:48 ID:KduJaPuz
素敵小説ばかりでどれの感想をかけばいいのやら・・・とにかく職人さん方GJ!

>>130
設置乙カレー
217名無しさん@ピンキー:05/01/15 02:59:42 ID:BD1ncQbE
テスト投稿絵が美麗すぎて倒れるかと思った……
130神子様、紅玉に行ってカニメ描き直してくれませんかw

まあ冗談は冗談として乙でした。
ヒノエ(・∀・)イイ!!
218名無しさん@ピンキー:05/01/15 06:15:56 ID:ilEA1BM9
>>130
テスト絵のヒノエ、色っぽくて良いです!
特に口の辺りが。
219名無しさん@ピンキー:05/01/15 07:44:14 ID:u4StYoAW
譲素晴らしいよ譲。
絶対言いそうだもん>嫁入り前
220名無しさん@ピンキー:05/01/15 07:46:12 ID:JvAQmBcZ
>>160
むたさんの作品大好きだ!切ない…。

貼る時3祭り嬉しいなぁ。
絵師さん、ヒノエ綺麗ですね。
ここんとこ毎日楽しみでここ覗きにきてるさ!

以下独り言妄想。
漏れは将臣スキーなんだが
香具師は高校生時分から童貞ではなかったろうなぁとか思う。
望美ちゃんの知らぬところで遊び上手な年上女と済ませてたような気しる。(…女教師とか…。)
望美ちゃんのことは近すぎて大事に思いすぎて恋愛感情に気付いてない、みたいな。
あの時代の三年間で…恋人とは呼ばないまでも
それなりの関係持った女とか居そう…。
221名無しさん@ピンキー:05/01/15 08:47:17 ID:ol7QS3Ve
>>220
将臣については、私もそう思う。
さらに、それなりの関係を持った女は数人いそうだ…。

遙か3の女遊び度って
ヒノエ>弁慶>マサオミ>>カゲトキ>>越えられない壁>>九郎>敦盛=リズ=譲って感じかな?
アツモリンの位置が考え方によっては、壁の前にきそうだ…。
222名無しさん@ピンキー:05/01/15 09:13:12 ID:vU9L0nRr
えーーー、35歳で童貞なの?('A`)<リズ
223名無しさん@ピンキー:05/01/15 09:26:12 ID:66B+e4vm
以下師匠ネタでちょいバレ











あの年齢から神子一筋なので90%童貞だとオモ。
残り10%の可能性としては、
30年剣の腕を磨く間に逆レイープされたり、とか?
少なくとも自分から他の女に手を出すなんてのは想像つかない…
224名無しさん@ピンキー:05/01/15 10:34:23 ID:x4Y8D7AG
>>223
いやぁ、神子に似てる子(実際は髪型以外は似てないとか)とか
いたらわからんよ。
ヤりたい盛りはタガが外れて本人さえも止められない場合もあるし
225名無しさん@ピンキー:05/01/15 11:05:30 ID:8gDi7IPD
>>224
むしろ漏れは過去の捨ててきた神子の中に
師匠によって使用済み神子が絶対いると主。
226名無しさん@ピンキー:05/01/15 11:13:33 ID:hy52gTDW
>>214
214神子のイラストが美麗過ぎて禿げ萌えです(*´Д`)
設置乙&ありがd!
227名無しさん@ピンキー:05/01/15 11:19:15 ID:x4Y8D7AG
>>214タン
容量とか平気なら、倉庫とかもキボンヌして良い?
228名無しさん@ピンキー:05/01/15 11:36:09 ID:/vcxZLri
>223
最初というか先生自身の一周目wの頃は愛情とかより恩人を助けようという使命感だったろうから
思春期辺りには普通に恋人とかもいたかもしれんよ。
使命優先だったから別れちゃったけど、とか。
その後何周もしてるうちに深い愛情が芽生えてきたんではなかろうか。
あぼんするのは先生ルートの神子だから先生ラブラブで懐いて来るしな。

>225
神子が意識し始めた途端にあれだけ離れようとするのは
やはりくっついた運命も経験してるんではなかろうか。
でもできちゃうと絶対神子あぼんになるので逃げまくっている、とか。
しかしついつい神子を構ってしまうので神子先生ルート突入→またやっちまったー!(; ´Д`)@熊野修行関
229名無しさん@ピンキー:05/01/15 11:36:16 ID:uCW4iano
敦盛は平家のお坊ちゃまだし、元服の時に添え伏し女とか付いて、済ませていそうな気が…。

いや、知らんけど…
230名無しさん@ピンキー:05/01/15 13:32:44 ID:mLE2AKcN
>>229
それ以前に髪型からして元服前の童貞のまま死んでそうな。
231693:05/01/15 13:51:20 ID:TqBJmEmC
>220>221
非童貞将臣、イイ(゚∀゚)!!
ヤベ本気で萌えた。将臣書いてくる。

>229
敦盛は非童貞の添え伏しの一回きりがいいな。
男女の閨云々を一度だけ経験しているからこそ
「私が触れると神子が穢れる」とか思ってて欲スィ。
232231:05/01/15 13:52:39 ID:TqBJmEmC
スマソ、茎食べ残し…orz
23363:05/01/15 14:25:32 ID:2RHStuSk
続き行きます。
今回は男性陣出てきません。

…本当にエチまで行けるのか、そろそろ本気で不安になって参りました…
234将臣×望美22 長文ネタバレ有り:05/01/15 14:26:29 ID:2RHStuSk
 長い髪を振り乱し、片手に通常の物とは形が異なる刀――と言うよりも、
その形状や両刃と言うことで剣に近いだろう――を携え若い娘が獣道を突き
進んでいた。
 どれくらい走っただろうか? 既に滞在していた里も平家の隊も見えない。
 気付かれる前に、出来るだけ遠くまで行かなければと息が上がるのも構わ
ず走り続けていた。
 走りながら、自分はこれ程までに体力が無かっただろうか、と望美は自問
自答する。こちらの世界に来てから、怨霊と戦ったり山越えしたり戦場に出
たりと、およそ元の世界では考えつかないようなことをしてきたが、今の方
が体力的に辛く感じているのだ。
――やっぱり白龍が側にいないせいかな…?
 本来ならば17の女子高生が刀を振って戦うなど、数カ月やそこらで剣の
技を会得するなど無理な話である。それを成し得たのは、白龍の加護を受け
ていたからなのだろう。そして、白龍が力をまだ取り戻して無い状態では、
ある程度離れるとその加護を受けられないと言うことでもある。
 その証拠に白龍がいない今、傷の治りも遅く、少し走っただけで息があが
り、止まると足がガクガクと震え出す。
――でも、封印は出来るんだよね…
 勿論、平家の真っただ中で怨霊の封印を試せるわけもないが、それでも身
の内に力があることは感じている。
235将臣×望美23 長文ネタバレ有り:05/01/15 14:27:32 ID:2RHStuSk
「……少し…休もう……」
 いくら何でも、どこに行ったかわからない者を、ここまで追っては来れな
いだろう。そもそも追いかけてくるとは限らないのだから、取り越し苦労か
もしれないのだが、念を押しておくに越したことはなかった。
 大きく息を吐き、側の大木に手をつくとズルズルとその場にへたりこんで
しまった。深呼吸をしようと息を吸った途端、肩口から刺すような痛みが走
る。
「!…痛っ…う……く…」
 肩を抱いてうずくまってしまう。
 動けるようになったとは言え、かなりの深さだったと言う矢傷は、ほんの
少しの衝撃ですら今のように痛み、血が滲む時もある。
 暫く、そうして痛みを堪え…やがて再度大きく息を吐く。
 よろよろと、大木に背を預ける――当然の事ながら傷のある方は避けて―
―体勢を取ると、懐から竹筒を取り出し中の水を口に含む。
 急いでいた為に持ってこれたのは水だけだった。多くは無いものの、念の
為にと朔から渡されたこの世界の貨幣を持ってはいたが、買い物をすること
などすっかり頭の外だった。
――一軒寄る位じゃ、掴まるわけ無いのに
 つくづく考え無しだ、と少しばかり自己嫌悪に陥ってみる。小さい山とは
いえ、陽が高いうちに越えられるとは思えず、今晩の宿はおろか食べ物すら
手に入れることは不可能だろう。
236将臣×望美24 長文ネタバレ有り:05/01/15 14:28:59 ID:2RHStuSk
――まぁ、一日食べない位じゃ死なないか
 いつ、どういった理由で、お金が必要になるとも限らない。節約出来れば
それに越したことは無いのだ、と思考を前向きに切り替える。
 休んで、足の震えが治まったらまた歩こう、早くみんなの所に戻らないと
とても心配を掛けていると思う。特に譲くんを安心させないと…絶対気にし
ている。マジメで繊細な子だし。朔もいつも気にかけて声を掛けてくれるの
に、こんなに何日も離れてたりしたら、心配のしすぎで胃を壊しちゃう、等
と考えながら空を見上げる。山の中でもあり、木々が鬱蒼とし天を隠してい
るが、夜明け前から走っていた空はまだまだ明るく、木漏れ日が光っている。
 その光を見つめながら落ち着いてくると、ここ暫くのことが頭の中に蘇っ
て来た。

 目が覚めたら、夢に見た通り平家の陣に寝かされていて、傍らには将臣が
いた。あれは現実だったのだろうか、と思い返すが内容が内容だけに、どう
にも現実感が湧かないのだ
 そして自分に都合の良かった夢は、夢から覚めるとあまり都合が良くない
のだとすぐに思い知る。
237将臣×望美25 長文ネタバレ有り:05/01/15 14:29:55 ID:2RHStuSk
 肩口の傷と熱のせいで思うように体が動かせず、傷の位置が位置だけに、
仰向けにも寝れず、うつ伏せの状態で過ごさなければならなかった。
 矢傷は熱を持つのだと将臣が教えてくれたが、文字通り身をもってそれを
体験している。
 更に、移動時には馬の背に将臣に抱かれる形だった為に、恥ずかしいやら
申し訳無いやら、振動が傷に響くやらで、かなり混乱する羽目になった。
 そして、起きあがれるようになってからは、絶対に自分の側を離れるな、
夜を過ごす時や将臣自身が会議等で側にいられない時は将臣に与えられた場
所から動くな、ときつく言われた。
 平家の部隊の中を、白龍の神子である自分がうろうろすることが危険なの
は想像出来たので、言う通りにしてはいたが、かなりの窮屈さを覚えたのも
事実だった。敵に囲まれた状態と言うのも、精神的に追い込まれるような状
態だったのだろう。
 時間の許す限り将臣が側にいてくれてるだろうお陰で、多少なりとも救わ
れてはいたが、お互いに何を話して良いのかわからず、一緒にいても会話が
途切れがちで気まずい雰囲気になったのも1度や2度では無かった。
 昔――と言っても望美にしてみれば1年も経過してはいないが――は、こ
んなことなど無く、毎日のように自然に色々なことを話せていたのにな、と
寂しく思う。
238将臣×望美26 長文ネタバレ有り:05/01/15 14:31:01 ID:2RHStuSk
 望美は思い出したように自らの肩を抱く。
――そう言えば、傷の手当もずっと将臣くんがしてくれてたっけ…
 戦場に治療を出来る者はともかく、女手があるわけではない。
 そうして冷静に思い起こしてみて、はたと気付く。最初に目が覚めた時に
上半身は包帯だけで、体には一応夜具は掛けられていたもののそれ以外は身
に付けてはいなかった。
 矢を受けた時に着ていた羽織も着物も裂けて血で汚れてしまっていたとい
うことで、今身に付けているのは将臣が通りがかりの人里で何着か用意して
くれた、今まで着ていたものと似た、短めの上衣だ。
――何で今まで忘れてたんだろう
 考えれば考えるほど恥ずかしさで頭に血が上る。
――み……見られた…かな……
 目が覚めてからは勿論自分で隠してはいたが、最初の手当のときは将臣が
1人でしていたはずだ。今更ながら穴があったら入りたい思いに駆られる。
 そんなことをしている場合では無いのだが、ちらり、と着物の胸元から自
分の体を覗く。小さくは無い、けれど取り立てて大きいわけでもなく、形が
悪いわけでもない、と思っている。けれど、他人に見せれる程素晴らしいプ
ロポーションなどとは、当然思えるわけでもなく、その姿を見られたかもし
れないと考えると更に頬が上気する。
239将臣×望美27 長文ネタバレ有り:05/01/15 14:32:16 ID:2RHStuSk
 幼い頃は、隣の庭で遊んで泥だらけになったのを、一緒に有川邸のお風呂
で流したりしていたが、いつ頃からか無邪気な時期は過ぎ、幼なじみの兄弟
は男に、自分は女にと成長してしまった。無論、男とか女とか関係無く2人
とは仲良くしていたが、時折昔を懐かしんで自分が女であることを悔しく思
うことが何度もあった。
――将臣くん、どう思ったんだろ…
 兄弟は昔からモテていた、と望美は思っている。2人ともタイプは違うが
二枚目と言っても周囲から異論は無いとも思っていた。譲は何故か浮いた噂
が殆ど無かったが、将臣は女友達の噂から、誰々と付き合っているなどと良
く話を聞いていた。将臣自身も隠すでもなく聞けば答えてくれたが、何故か
長続きはしないようで、しょっちゅう相手の名前が変わっていた。
 あの子も付き合ってた1人なのかな? 先日夢に見た将臣のキスシーンが
頭を過ぎった。何故か将臣は現実でも夢の中でも不機嫌な顔をしていたが、
あの子も可愛かったな、と思い返す。
 自分が知っている相手だけでも片手で数える以上いたが、その誰もがカワ
イイ、綺麗、スタイル良い、などと男子の評判も高く、また中には名前も知
らない、学生ですらない年上もいたようで、彼女等と比べると自分は見劣り
するだろうな、と考えて溜息をついた。こちらの世界でも、恋人がいないと
も限らないのだ、3年もいるならば、と改めて思う。
240将臣×望美28 長文ネタバレ有り:05/01/15 14:33:14 ID:2RHStuSk
――ただ傷の手当してくれただけなのに、何てことを考えてるんだろう…
 幼なじみでの恩人である相手に、やましい想像をしている自分は最悪だ。
「将臣くん…ごめんね…」
 座っている膝を強く抱き呟く。
――ひどいこと考えて。お世話になったのに勝手に逃げ出して…
 逃げたのは、心配している仲間達のこともあるが、何よりこれ以上迷惑を
掛けられないと感じたからだった。だが、将臣は当然怒っているだろう。一
度自分の懐に入れた相手は、最後まで面倒を見ないと気が済まない性格だ。
 平家の人間は殆ど自分の正体を知らないだろうが、知っている者が0なわ
けでは無いことは、時折感じる敵意を込めた視線で理解していた。一緒に来
て欲しいと思わないでは無かったが、今将臣の立場を悪くすることは、彼の
命も危うくしかねないのも何とは無しに感じてもいた。この世界は。自分達
のいた平和な世界とは違う。些細なことで、斬り合ったりもするのだ。
 一度頭を伏せ、強く目を瞑り唇を噛みしめると、今度は勢い良く顔を上げ
る。
 こんな所で1人で座り込んでいるから余計なことを考えるんだ、先を急ご
う、と頭の中身を再度切り替える。良くも悪くも前向きなのが自分なのだと。
 立ち上がると、何故か体が重くほんの少し眩暈らしきものを感じたが、朝
方から走り続けた疲れだろうと、足を踏み出した。
24163:05/01/15 14:37:15 ID:2RHStuSk
本日分はここまでです。

色々手直ししているうちに、この後をかなり軌道修正するので、
次はまた2〜3日後になると思います。

…ところで、挿話にヒノエと敦盛がいないことに気が付きましたが
この後入れるべきか、入れないべきか…。
242名無しさん@ピンキー:05/01/15 15:12:13 ID:gO1NK9Qy
続きキタ━━━━(・∀・)━━━!!
このあとどうエロまでいくのかエラい楽しみですよ。

あっつんとヒノエは、出てきてくれたら嬉しいてすが、
無理やりで話を乱してしまってもあれなので、63さんの考えた話のながれのなかでいいと思いますよ。
243名無しさん@ピンキー:05/01/15 23:24:13 ID:zqH0PxQ2
白龍ってさ、小さいとき絶対神子と一緒に寝たり風呂に入っていたりしたと思う。
でっかくなっても、小さい時のノリで「寝よう」とか「お風呂入ろう」とか言われたりしたら、
神子は卒倒するね、きっと…。
244名無しさん@ピンキー:05/01/16 00:05:39 ID:a6ud4tV5
神子は卒倒はしないんじゃない?
周りが死に物狂いで止めそうだけど
245名無しさん@ピンキー:05/01/16 00:10:17 ID:ovkuKmlY
そこでしれっと「いいよ」って言ったものなら、
「私も俺も」と大所帯になるだろう。九郎は頑としていわなそうだけど。
246名無しさん@ピンキー:05/01/16 00:11:50 ID:2wl047V/
多分譲が止めると思われ。
247名無しさん@ピンキー:05/01/16 00:39:26 ID:4RhQw83n
朔も止めると思うが、風呂は普通に神子も入らないだろ。
一緒に寝るのはうっかりやりそうな気もしないでもないが。
248130:05/01/16 03:11:04 ID:a6ud4tV5
>>227
1スレ目のログを誰かが提供してくれればやってみる。
容量は今はまだ余裕あるから何とかなると思われ。

あと絵板、なんかネタに走ろうと思って星の一族とか書いてあるけど
ネオロマ全般お好きなものを描いてもらいたいとオモテます。
むしろ案&弦щ(゚Д゚щ)カモォォォン。
249名無しさん@ピンキー:05/01/16 03:29:47 ID:qEaRZayM
神子も好きだけど、むしろ朔のが好き。
神子も勿論好きなんだけど、白龍といい、八葉といい、恵まれ過ぎてる感じがして。
朔だって健気だし可愛いのに、半分ぐらいw分けてやって欲しい…(´Д⊂
ライバルは厭だけど、朔サイドでプレイできたら、などと思いつつ。
でも作中の朔と他八葉の絡みって兄くらいしか思い浮かばなくて想像しづらいなあ。
250名無しさん@ピンキー:05/01/16 04:59:58 ID:vQsFX3B3
漏れ内3ベストカポーは黒×朔だから、他キャラとのカラミというより
あの二人セットでの萌え補給カモンという状況。
251名無しさん@ピンキー:05/01/16 05:19:28 ID:afZxmvfk
…景時×朔に萌えてる人間がここに…orz

某実の兄妹は恋愛しちゃいけませんか?漫画最終巻読んでてビックリしたんだけど
キンシン同士のエチ表現ってオケになったのかな…?
スレ違いだしキンシンカポーだし…あぁもう…逝ってきます
252名無しさん@ピンキー:05/01/16 05:32:57 ID:GTLMdYiR
キンシンモノが嫌いとかじゃないんだけど 
どうしても兄上×朔というカポーが想像できない

やっぱり朔は黒流と幸せになってもらいたい
253ちゅん:05/01/16 07:59:16 ID:CB4DsdPT
94です。
2ちゃんでコテハンはどうかと思っていたのですが
94です、前スレ683ですって書くのが面倒になってきたので
投下の時はコテハンつけさせていただきます。

>>200
GJ!片想い譲イイ!
続きそうな感じで終わっているのでちょっと期待。

>>130
乙です!
そのうちに参加させていただきますね。

温泉シリーズ、今度はヒノエくんで投下させてください。
*前のお話とは関係ありません。


254ヒノエ×望美:05/01/16 08:05:09 ID:CB4DsdPT
湯で火照った体を降りしきる雨にあてて冷ます。
最初は寒くて、後半は雨が強まって、なかなか湯から出るにでれない。
朔、心配してるかな?でも、ちょっと一人になりたかったんだよね。
つい、考えてしまうのは、あの人の事ばかり。
思わずため息をついてしまう。
一目惚れって本当にあるんだ。
今まで一目惚れなんてドラマや漫画の中の出来事だとばかり思っていたよ。
『可愛いね。』『また、あんたに会えて嬉しいよ。』
あんな軽い調子で言われたなら、とても本気とは思えない。
弁慶さんも『女の子と見たら口説いてる。』って言ってたもんな。
また、ため息が出る。
なんで、あんな会ったばかりの、しかも厄介な人の事がこんなに気になるんだろ。
「ひゅ〜〜〜〜。」
えっ、口笛?
顔を上げたその先には今まで想っていた厄介な人。、当人がいた。
255ヒノエ×望美:05/01/16 08:05:47 ID:CB4DsdPT
「きゃーーーーーーーっ!!」
慌てて胸を手で隠して湯に飛び込む。
耳まで湯に浸かりながら、驚きの余り顔が上げれない。
見た?見たよね。ヒノエくん・・・・。
「こんな雨の中、まさか入ってる奴なんかいねぇって思っていたけれど・・・。
これがラッキーっていうやつなのかな?」
・・・・・・嘘つき・・・・・。
脱衣所にある私の着物に気付かないわけないじゃない・・・・。
「夏とはいえ、この雨の中じゃ結構寒いんだけど、入れさせてもらっていいかな?」
えええっ、ヒノエくんも入るの?
出たい。早くあがってしまいたい。
でも、そうなったら、ヒノエくんに裸を見られちゃいそうだしな?
彼の方を窺う。
うわっ、ヒノエくんってば結構着やせするんだ。
筋肉質で引き締まったいい体してる・・・って・・・。
ヒノエくん本当に寒そうだ。
「・・・・・入っても、いいよ。」
「それは、光栄だな。」
そう言いながらお湯の中に入ってきたヒノエくんは私を後ろから抱き寄せた。
やっ、な、何で〜〜〜、ヒノエくん。
「お前の胎内に入ってもいいんだろ?姫神子。」
そう囁きながらヒノエくんはわたしの耳たぶを優しく噛んだ。
256ヒノエ×望美:05/01/16 08:06:50 ID:CB4DsdPT
「はふっ、なんでそんな話になるの?お風呂じゃないの?」
噛まれた所に甘い痺れが走った。
「え?オレ、風呂に入りたいなんて一言も言ってないぜ?」
言いながらヒノエくんの腕はいつのまにか私の胸を愛撫している。
えっ?やだ。私もえっちしていいよなんて一言も言ってないよ〜〜。
言い返そうとしたふり向こうとした途端キスをされた。
ヒノエくんの舌が入ってきた。
私の舌と絡みつき吸われる。
「うっ・・・くん。」
繰り返されるキス、体がとろけちゃいそうだ。
キスはゆっくりと下の方へと降りていく。
首筋に、鎖骨へと、そして。
「はうっぅっ!」
胸の先端を軽く吸われた時に前身に痺れが走った。
体の奥がじんじんして疼く。
疼いている場所にヒノエくんの指が割って入る。
「ひゃ・・・・・ん。」
------手馴れてる。
思った瞬間にヒノエくんを突き飛ばしていた。
257ヒノエ×望美:05/01/16 08:09:19 ID:CB4DsdPT
「望美・・・・お前、オレの事が嫌いか?」
ヒノエくんがすごく落ち込んだような瞳で私の事をみる。
うっ・・ずるいよ。そんな瞳するなんて。
「だって、ヒノエくん、すごく手馴れてる!」
「・・・手馴れてるかどうかじゃなくてオレの事どう思うって聞いたんだけどな。
オレの事、好き・・・だろ?」
私は思わずうなずいてしまっていた。
照れたように笑うヒノエくんはいつもと違って幼くみえてとてもかわいい・・。
「オレも・・・・。って、なんで逃げるんだ?」
「だって、だって、ヒノエくんって女の人に会う度に口説くんでしょ?」
思わず涙が流れてしまった。
ヒノエくんは困ったようにため息をついて言った。
「オレが、こんな事言っても、嘘臭く聞こえるかも知れないけれど・・・・。
一目惚れなんだぜ?たしかに今まで遊んでないっていえば嘘になるけれど、
こんな事、オレも初めてだ。・・・・あんたはオレの運命なのかもな。」
ヒノエくんは私の髪を一筋取って口づけた。
「・・・私も・・・ヒノエくんに会った時からずっとヒノエくんの事、気になってた。」
「うれしいね、姫君。」
2人、見つめ合って口づけを交わした。
ちょっと待ってろと言ってヒノエくんは岩場にお湯を何回か掛けた。
「最初は少し冷たいかもしれないけれど我慢しなよ?
すぐに熱く燃やしてやるぜ。オレのこの恋の翼でな。」
258ヒノエ×望美:05/01/16 08:17:46 ID:CB4DsdPT
翌朝、顔を洗っていたら九郎さんに会った。
「おはようございます、九郎さん。」
「ああ、はやいな、望美。ん、どうした?なんか疲れているな?」
う、九郎さんにもわかります?
「昨日、はげしかったもんな。お前。」
げげ、ヒッヒノエくん〜〜〜〜。九郎さんの前でなんて事言うの〜〜〜!
ヒノエくんは真っ赤な顔して口をパクパクしている私を見て面白そうにしながら
『ば〜〜か、九郎に解る訳ないだろ?』と耳打ちしてきた。
「ン?なんだ、昨日二人して修行でもしていたのか?」
きょとんとした顔の九郎さんを見てヒノエくんの言ったとおりだと納得してしまう。
・・・・なんかこのままずっとヒノエには翻弄され続けてしまいそうだな。
でも、ヒノエくんだから・・・・。
朝食の席へと向かう途中、ヒノエくんに耳打ちした。
『好きだよ・・・。』
『オレもだぜ、姫君。もう離さないぜ?』
259名無しさん@ピンキー:05/01/16 09:28:10 ID:wK5E+Jzo
ヒノエ神乙です!
肝心のシーンが暗転ってのがちょっと寂しいが…。

こんなチョイ役でも九郎カワイイ(*´Д`*)
260名無しさん@ピンキー:05/01/16 11:04:38 ID:+GISPJQt
>>249
おお、同士が!自分今までの黒み子はちょっと…だったんだけど、
3の黒み子って滅茶苦茶性格美人になって最高だった。茶髪も好きだし。
なのに黒龍が嫌いではないんだが、イマイチ萌えないので、黒龍策は萌えない…orz
むしろ好きキャラ同士好き八葉×朔の方が萌えるんだよナァ。
神子とのEDも他キャラのはまぁよかったんだけど、このキャラだけあんまり良いと思えなかったし。

なんで密かに自分の好きな八葉×朔と、他の七葉と白龍×白神子が3ではすき。
261名無しさん@ピンキー:05/01/16 11:08:40 ID:BNLuywQl
>>130たん

tp://up.isp.2ch.net/upload/c=01owarai/index.cgi

ここに本日付「借ります2」のタイトルで1ログあげますた
htmlにzipかけてあります
マカ用ログからhtml化したものです 多分問題なく読めるかと

ダウソは24時間制限だと思われるので
もし間に合わなかったら声かけて( ゚д゚)ホスィ…
262名無しさん@ピンキー:05/01/16 14:33:03 ID:n7lC0KmC
>>254-258
ヒノ望、グッジョブ!!天然苦労にワロタw
ほんと、SSの神子サマ方は台詞まわしがうまいなぁと感心させられます。


263130:05/01/16 19:31:03 ID:a6ud4tV5
>>261神子
禿しくマリガd。

絵板に現れたあっつんとチモリーへの萌力で過去ログうpりますた。
ttp://kyoto.cool.ne.jp/miko-haruka/
ページ内には入りきらなかったので女ゲ板攻略スレのまとめサイトを参考に
前半と後半に分けてうp。
自分の環境からだと問題なく見られるんで、他の方の報告お待ちしてます。
これで問題ないようだったらそのまま名無しに戻りまつ。
26463:05/01/16 19:46:58 ID:DOz+IfZj
何か筆が進んだので、今日も投下します。
265将臣×望美29 長文ネタバレ有り:05/01/16 19:47:41 ID:DOz+IfZj
「あのバカがっ!」
 部屋に戻った途端口に出す。徹夜の眠気など吹き飛んでしまった。
 夜半から昼過ぎの今まで、これから先の隊の道程を話し合いようやく部屋
にと戻ったらもぬけの空だった。部屋の隅に立てかけて置いた望美の刀も無
い。単に外に出た位では持ち歩かないことは良くわかっている。
 それ以前に、望美が近くにいないことは、絶対と断言出来るほど感じてい
た。
――今朝から感じてたのはコレかよ!
 夜が明けたかどうかの時刻から、妙に胸騒ぎを覚えてはいたが、何故なの
か部屋に戻って理解した。
 将臣は、自分の左耳に手を触れる。こちらの世界に来た時にいつの間にか
埋まっていた青い石。水に顔を映すまで気が付かない程、そこにあると言う
感覚が無かった。取ろうと思って爪を立てても全く効果は無く、どうやら他
人には見えないようだと気付いたのは随分後だった。
 彼らと会って、それは八葉の証だと言われた。
――コレのせいか?
 白龍の神子と八葉は一緒にいるのが正しいと言われたが、今までは離れた
からと言って、気持ちはともかくここまで何かを感じたことは無かった。何
か命に関わることでも起きたか? 命とまで行かなくとも不味いことが?
悪い方へと考えると不安は大きくなる。
266将臣×望美30 長文ネタバレ有り:05/01/16 19:48:38 ID:DOz+IfZj
――俺らしくもねぇ
 髪をかき上げると、大きく息をし外に出る。
 部下に2〜3日の不在を告げ、先行しているように命じると、何着かの着
物と厚めの上掛けと食料を用意し馬に飛び乗り、そして確認するように左耳
の宝玉にもう一度触れる。
「頼むぞ、あいつの居場所を教えてくれ」
 呟くと、馬を走らせる。宝玉が熱くなった気がした。
 女の足と、今のあの体ではそう遠くには行けないことは分かりきっている。
居場所さえ分かれば、馬ならすぐに追いつけるだろう。


 澄んだ笛の音が夜の庭に響く。
 あの人に聞こえるように、あの人が迷わないように……。
 願いを込める。
「…敦盛」
 呼びかけられた声に、笛の音が止む。
 ゆっくりと、まだ少年の面影を十分に残した顔を上げると、同じく年若い
青年が口元に軽薄にも見える笑いを浮かべつつ近寄ってくる。
「…迷惑、だったか?」
「いーや別に。まだ宵の口だしな」
 ヒノエ、と偽りの名前を名乗っている青年は、古い友人の側にくるとその
場にしゃがんでしまった。
267将臣×望美31 長文ネタバレ有り:05/01/16 19:49:19 ID:DOz+IfZj
「敦盛、お前知っていたんだろう?」
 見おろすと、視線は真っ直ぐ前を向き、先ほどまでの笑いも消していた。
「………」
「あの男が還内府ってのをさ」
 敦盛は表情を消したまま黙っている。
 平家の一員である自分は勿論正体を知っていた。だが、彼の正体とは一体
何を指すのか? 還内府とは呼ばれてはいるが、彼自身は間違いなく神子の
友人で、八葉の1人有川譲の兄の有川将臣でしか無いのに。
「別に責めてるわけじゃ無いさ。お前は誰も傷つけたくなっただけだろうし
な」
 押し黙ったまま目を伏せる。
 昔から、大人しく控えめではあったが、妙に頑固な所も持ち合わせていた
な、と隣に立っている青年を見上げる。
 一時、2人とも無言のまま、ただ夜風を受けていた。
「…私は…、何が正しいのか、間違っているのかわからないのだ…」
「敦盛?」
「平家の皆を助けたい、だが怨霊は悲しく空しい存在でしかない」
「平家はそいつ等を使ってる」
「神子が彼らを封印する、だからこそ私は神子の側にいる。けれど平氏であ
る私はどこまで真実を告げれば良いのかわからない」
268将臣×望美32 長文ネタバレ有り:05/01/16 19:50:38 ID:DOz+IfZj
 怨霊を封印して欲しいと言う自分と、その怨霊を使役している平氏を助け
たい自分と、神子の側と言う立場上、源氏に身を寄せている自分。矛盾した
存在と言うならば、将臣と一体何が違うと言うのか。
 神子に知っている全ての真実告げれば、いつかは同じ八葉である源氏の御
大将の九郎や、軍奉行である景時に知れるかもしれない。口止めを願えば、
あの少女はずっと黙っていてくれるだろうが、今度は1人で誰にも言えずに
苦しむのは目に見えている。
 どうすれば良かったのだろうか…。
「なぁ、敦盛。俺はお前が何を隠して何を苦しんでるのかは知らない。けど、
こうなることは予想出来たんじゃ無いか?」
 源氏の神子と還内府。お互いに知らず奉り上げられ、お互いに軍の象徴。
だからこそ言えなかった。親しい様を見て、お互いの立場を告げることが、
酷く残酷な気がした。
「遅かれ早かれいずれわかったことだ。傷は浅いうちに手を打つべきだった
んじゃないのか?」
 もう手遅れだったかもしれないけどな、敦盛には聞こえないように1人ご
ちる。
269将臣×望美33 長文ネタバレ有り:05/01/16 19:52:22 ID:DOz+IfZj
 責める気は無いと言いつつ、つい責める口調になってしまうのは、傷つき
倒れた少女と、それを抱くあの男の顔を見たからだ。一緒にいたのはほんの
短い間だったが、戦うにしても何にしても余裕に満ち溢れていたあの男の、
あれほどまでに焦った顔…。
 正体を知っていれば、少なくとも少女は仲間の、幼なじみの矢に倒れるこ
とは無かったろう。
 再度見上げると、泣きそうな怒ったような顔が見えた。
「…悪い、言い過ぎたな。俺もお前の立場なら2人に言えるかどうかわかっ
たもんじゃないしな」
 冷静に考えると、敦盛自身も己の立場に苦しんでいるのだ。悩んでいたで
あろう、そして心を痛めているであろう人間に当たり散らすなど、情けない
にも程がある。
 ヒノエは立ち上がると、相変わらず無言で俯いてる友人の肩を軽く叩き、
自室に引き上げようとして数歩進んだ所で思い出したように声を掛けた。
「そういえば、うちの情報に数年前にお前が病に倒れたってのが入って来た
んだが元気そうで何よりだ」
270将臣×望美34 長文ネタバレ有り:05/01/16 19:55:07 ID:DOz+IfZj
 返事を期待しての発言では無かったから、何も言わない敦盛を置いてさっ
さと歩き去ってしまった。
 人の気配が去ると、敦盛は笛を持たない左手を持ち上げ、唇を噛む。腕に
付けた鎖の小さな金属音が耳に突き刺さるようだ。
――何故…私が…
 八葉に選ばれたと言うのか? この世の何よりも清らかな存在であるはず
の龍神の神子を守るべき者。なのに何故この身も心もこれほどまでに穢れて
いるのか…。
 望美にも、将臣にも彼ら自身の今の立場を伝えなかったのは本当に彼らを
思ってのことだったのか? ヒノエの言った通りに結果どうなるか、何故も
っとしっかり考えなかったのか?
 握っていた左手を開く。宝玉の埋まってるいる手、神子が疑いも無く触れ、
握り引いてくれた手。
 宝玉にそっと口接けをした。



本日はここまでです。毎度長文でスマソ。
敦盛とヒノエ、どうしようか迷って、一応書いてみたら
…何か、益々長くなっちゃったよ…ママン…。
多分、次は今度こそ数日後になると思います。
271名無しさん@ピンキー:05/01/16 20:08:16 ID:GDwqWVsF
神子様、GJですー!!
ヒノエと敦盛すごく良かった…!
272名無しさん@ピンキー:05/01/16 20:17:12 ID:NEKG0cIz
>>63タソ
63神子の将臣×神子めさめさ萌え。
毎日ここをチェックするのが楽しみになりました。
次の投下を楽しみにしとります。
273名無しさん@ピンキー:05/01/17 00:03:39 ID:kjaO+fbo
少し前に、キスのみの弁慶×望美を書いたものです。

「微笑みの脅迫」スチルを見て、どうしても書きたくなったSSなんですが・・・・・・・
上手く話をまとめられませんでした。しかもまたもや本番はありません。キス+α止まりです。

駄文ですが、投下させてください。
本番なしはダメヨーンという方、弁慶×望美(秋の京)をNGワードにしてください。

よろしくお願いします。

274弁慶×望美(秋の京):05/01/17 00:05:00 ID:kjaO+fbo

 「僕への質問はここまでにしておいてください。これ以上知ってしまうと、
本当に引き返せなくなってしまいますから」
 目を細め、何かをたくらんでいるような、そんな笑みを浮かべながら、弁慶
は手を伸ばし、望美の頬に触れてから、するりと手を滑らせ顎を捕らえた。
 いつの間にか吹き抜けた冷たい秋風が、弁慶の頭を覆っていた外套を肩に滑
らせていた。
 その風は、望美の髪にも絡まり、それを押し上げて首筋を駆け抜けていった。
 「でも……弁慶さんを知りたい気持ちは……抑えられません」

 弁慶は、行宮侵攻のとき、望美を人質に源氏を裏切る。一刻も早く、この長
く続く戦を終わらせるために。そして清盛にとり憑かれ、消えてしまう……。
 望美は、これから起こる弁慶の悲劇の運命を変えようと、時空を越えて、再
びこの地に立っていた。しかし、狂っていた歯車を正すことができず、とうと
う平家に寝返るという告白を聞く、この場面へと時が進んでしまった。
 先をすでに見てきた望美は、今この状況で、弁慶がどんな気持ちでいるのか
を思うと胸がきつく締め付けられ、ただ、吸い込まれるように見つめ返すこと
しかできなかった。
275弁慶×望美(秋の京):05/01/17 00:07:24 ID:kjaO+fbo

 「君は、僕を知らなさ過ぎる。僕はそんな純粋な気持ちに応えられるような
人間じゃないんですよ」
 「そんなことはありません!……私、知ってます、弁慶さんがすごく優しい
こと。それに……」
 弁慶が起こそうとしている行動を知っている望美は、弁慶の言葉を否定した。
 先を続けようとした望美の言葉を遮り、弁慶は望美の唇に柔らかくて冷たい
感触を与えた。
 望美は突然のことに驚き目を見開くばかりだった。そして足元から崩れてし
まわないよう、伸ばした指先に触れた弁慶の外套をすがるようにつかんだ。

 やがて、弁慶の唇が離れていくのを感じながら、望美は目を閉じた。体は意
識なく小さく震えており、まぶたがそれに呼応した。
 弁慶がそれに気づき、声をかけた。
 「どうして、目を閉じるんですか?」
 「あ……わ、わかりません……」
 「まぶたが震えていますね……泣いているんですか?」
 「い、いいえ……泣いてなんか……」
 一人で立ち向かっていく弁慶を引き止めたくて、無理だと思っても、この場
でなんとか弁慶を引き止めたくて、頭の中はいろんなことを考えていた。望美
は時空を超える前のことを思い出し、これから起こること、弁慶への愛しさと
切なさが複雑に絡み合って去来し、今にも叫び出しそうな自分の気持ちを抑え、
また、あふれ出そうになっている涙をこらえていた。
276弁慶×望美(秋の京):05/01/17 00:08:25 ID:kjaO+fbo

 「では、これは何ですか?」
 弁慶はそう言うと、望美の目尻に唇を寄せ、零れ落ちそうになっていた涙を
寸でのところで吸い、反対の目から零れてしまった涙を舌で舐め取った。
 「んっ……!」
 予想もしていなかった弁慶の行為に、望美の身体が大きく揺れ、小さく声を
漏らした。外套を掴んでいた手に力が入り、それにくっきりと皺を作っていた。
 「僕が怖いですか?」
 吸い取っても、溢れ流れていく望美の涙を眺めながら、弁慶は望美に尋ねた。
 望美は弱々しく頭を振り、弁慶の問いに無言で答えた。
 「僕にどうして欲しいんですか?」
 「何も……」
 「何も? それは本当ですか?」
 望美の答えなど待っていなかったかのように、開きかけた望美の唇を自らの
それで塞ぎ、すばやく舌を入れ、望美を誘うように口内を動き回った。舌で唇
をなぞり、それに反応して望美の声がこぼれた。
 「ああ……ん……ふ…………んっ……」
 求められ、誘われるがままに望美はぎこちなく舌を動かし弁慶に応えた。
 どれくらいそうしていたのか分からない。大輪田泊での出来事と重なり、弁
慶の口付けに溺れるように夢中になっていたため、望美の意識は、とっくに思
考能力を持たなくなっていた。
277弁慶×望美(秋の京):05/01/17 00:09:20 ID:kjaO+fbo

 弁慶は唇を離して小さく息つき、望美を見やると、頬が紅潮しており、潤み
を含んだとろりとした目で、小刻みに呼吸を繰り返していた。冷たい風で少し
乱れていた望美の髪を肩の後ろへやり、髪が埋め尽くしていた首筋に、弁慶は
顔をうずめた。
 「君の身まで、危険にさらしたくないんですよ……」
 そういうと、そこに唇を寄せ、舌を這わせた。
 「ああんっ……!」
 首もとに感じる初めての感覚に、望美の顔はさらに高潮し、弁慶にされるが
ままになっており、望美は抱えるように弁慶の頭を両腕に閉じ込めた。
 「あ……ん……だ、だめ……やめ……」
 望美の拒否の言葉を無視し、弁慶は首筋を縦横無尽に動き回った。
 やがて弁慶はそこから顔を起こし、鎖骨が見えるように望美の胸元を少しは
だけさせた。
 「やっ……! なにを……!」
 「僕が言ったことを、忘れないでくださいね」
 そう言うと弁慶は鎖骨に顔をうずめ、そこをきつく吸い上げた。
 「……つっ!」
 望美が硬く目を閉じたのと同時に、その痛みがなくなり、鎖骨にあった感触
も離れていた。
 「君は、本当にいけない人だ」
 弁慶は怒ったようにそう言うと、くるりと体を反対に向け、町並みへと戻って
いってしまった。
278弁慶×望美(秋の京):05/01/17 00:12:02 ID:kjaO+fbo

 その時望美はその姿をぼぅっと見送り、見えなくなったところで我に返った。
 懸命に鎖骨を見てみると、右側に赤い印のようなものがついており、そこを
なぞった。そこは、熱く、弁慶が残していった熱をまだ持っていた。

 ――君の身まで、危険にさらしたくないんですよ。

 望美はこの言葉に隠されていたこと弁慶の気持ちに気づき、平家に寝返ると
いう弁慶を止めることができなかった自分に、腹立たしさを覚え、そして再び
涙を流した。
279273:05/01/17 00:14:16 ID:kjaO+fbo

 うーん、我ながらチョトイマイチ(´・ω・`)
 次は本番に挑戦したいと思います。

 書けるかな、書けるといいな・・・・・・・orz
280名無しさん@ピンキー:05/01/17 00:19:33 ID:IZnG4Xci
萌え……本番待ってますよ……
281名無しさん@ピンキー:05/01/17 00:30:50 ID:qAdFWCpU
ワシも待ってる・・・・
282名無しさん@ピンキー:05/01/17 00:59:44 ID:IZnG4Xci
そういえば、前スレの知盛×神子の神はお元気だろうか。
待ってるんでガンガッテホスィイ……
283ちゅん:05/01/17 07:49:22 ID:sS8MJQan
>>282
禿同。待ってますよ〜〜。

>>259にかわいいと言ってもらって思いついてしまったSSです。
ありがちネタだけどかわいい九郎たん投下させていただきます。
中途で悪いのですが後1回か2回で終わると思います。

284ちゅん:05/01/17 07:50:20 ID:sS8MJQan
「終わりにしましょう」
弁慶さんが言った時、怨霊の術が私めがけて繰り出されるのが見えた。
「危ない、神子!」
敦盛さんの声が響く。
(ダメだ!)思った瞬間、大きな手に引き寄せられた。
閃光と共に意識が遠のく中、私が最後に見た物は九郎さんの胸元だった。

「神子、大丈夫ですか?」
「先輩、しっかりしてください。先輩!」
みんなの声で意識が戻る。
でも、なんか声が遠いな?
目を醒ました私は、もう一度気絶するかと思った。
目の前にもう一人の私がいる。
皆は心配そうに目の前の私を取り囲み、様子を見ている。
いったいどうなっているの?
私が口を開こうとした途端、目の前の私の睫が震え目を醒ました。
そして私の方を指差し叫んだ。
「なんで、俺が目の前にいるんだっ!!」
え、俺?
あわてた私は自分の両手を見た。
大きい・・・。
やだっ!私、九郎さんになっている。
なんでっ?!
思わず涙が零れて来た。
指で顔を押さえながら泣く私と外股でこっちに走ってくる九郎(?)さん。
私達二人を皆が心配そうに、だけど不気味そうに見つめていた。
285望美×九郎:05/01/17 07:51:39 ID:sS8MJQan
「多分、怨霊に掛けられた呪術だと思うんだ〜〜。
どうやったら元に戻るか解らないんだけど、京に帰って調べてみたら
なんとかなると思うんだ。だから、望美ちゃん、心配しないでいいい〜〜。」
「俺は望美じゃない。」
「あ、そ・・そうだったね。」
皆が私達2人に対してぎくしゃくしている。
まぁ、仕方がないっていえば仕方ないかも・・・。
あっ!九郎さんが大股広げて座ってるのを見て譲君が鼻血だしてるよ。(涙
九郎さんに注意しに行こうと思って立ち上がろうとしたら本人がやってきた。
「おい!ちょっといいか?」
うう・・・っ。やっぱ変な感じだよ。
九郎さんに袖を引っ張られて連れて行かれた先はトイレだった。
九郎さん、なんかモジモジしている?
「すまん、頼みがあるんだが・・・。」
・・・・嫌な予感・・・・。
「小用を足したいのだが・・・その・・・いくら中身が変わっているといっても
お前の、その、あんな所拭くなんて俺には出来そうにないんだ・・・。」
し、小用・・・。私は頭がくらくらしてきた。
286名無しさん@ピンキー:05/01/18 01:32:05 ID:72Dn70Mt
ここ見てたらなんか書きたくなってきた。
287名無しさん@ピンキー:05/01/18 02:22:41 ID:0GS/p0s6
ちなみにカプは?>>286
288名無しさん@ピンキー:05/01/18 04:36:16 ID:v21T0khn
漏れ>>286じゃないけど、ここの神子達の文章読んでいると
萌え過ぎて書きたくて仕方なくなるよ。

ちなみに漏れが書きかけなのは、コルダの土×冬
でも乙女一般の逆切れスレで見かけた譲×望←弁ってのが、禿しく気になる。

秋の京、続き期待していまつ。
漏れもコルダ仕上げたら投下させていただきまつ
289名無しさん@ピンキー:05/01/18 09:00:28 ID:4e9Kt2sI
>283サソ
可愛い九郎さんにハァハァしつつ、禿しく続き待ってます(*´Д`)
290名無しさん@ピンキー:05/01/18 10:46:11 ID:yMhg2yo6
>>283
男女で体入れ替えという話が物凄くツボなので、悶えますた(*´Д`)
続き楽しみにしておりやす。

私もここ見てると普通の創作ですら書けないのに、エロを書きたくなり、ヒノ望で書き始めたものの…
喧嘩⇒ギシギシアンアン⇒&・∀・)人(・∀・川という箇条書き文章に萎えて挫折。
職人様方を心から応援しております。
291名無しさん@ピンキー:05/01/18 20:16:20 ID:mr+zR2U+
>287
なんか漠然と書きたいんだけど、
漠然と全部気になりすぎて決まらない感じ。
いっそ総当たりで逝くかw
……とか、思ってる勢い。
292ちゅん:05/01/18 22:17:00 ID:yUCuzIoD
>>288
譲×望←弁っての私も激しく気になります。
288タンコルダの後にでもどうですか?

>>290
ヒノ望読みたいよ!ヒノ望〜!

すいません、続き投下させていただきますが
やはり長くなってしまいました。
私が九郎たん、譲を書くと、どうも話が長くなってしまうみたいです・・・。
っーわけで多分次回投下分で終わると思います。
長くなってしまってごめんなさい。&読んでくれている神子様ありがとう。
293望美×九郎:05/01/18 22:18:11 ID:yUCuzIoD
・・・・・・なんでこんな事になったんだろう・・・・。
九郎さんと二人で御手洗いの個室に入った私は頭をかかえてしまう。
「終わりました?拭きますよ。」
「すまん・・。あん・・っ!」
九郎さんっ!何て声だすんですかぁ〜〜〜〜〜〜っ!
「女性のここは感じやすいと聞いていたが、これほどとは・・・。」
九郎さん、それは私がイヤラシイって事ですか?
その時、私の九郎さん自身が固くなってきているのに気付いた。
え、なんで?
だってコノヒトはワタシだよ?
躊躇しながらも指が割れ目に伸びていった。
「お、お前、何をする・・。あっ・・・・、くッ・・。」
だって私の体だよ?
どうすればどう感じるかなんて私が一番知っているよ。
「九郎さん、どうしたんですか。
せっかく拭いてあげたのにまた濡れていますよ?
むしろさっきよりぐちゅぐちゅですよ?」
耳元に呟くと九郎さんは耳たぶまで真っ赤になった。
言い返そうとしているみたいだけど押し寄せる快楽で
息も絶え絶えになっている。
なんか私も変だ。むらむらする。
何故か頭の中に鈴の音が響いた。
強くなる鈴の音と共に下腹部が熱く猛っている。
もう、耐え切れないほどだ。
その時、朔が私を呼ぶ声が聞こえた。
294望美×九郎:05/01/18 22:19:32 ID:yUCuzIoD
ちっ。
そう思いながらも、九郎さんの股をきれいに拭きなおし外へ出る。
「朔、呼んだ?何か用事あるの?」
朔の笑顔が少し引き攣る。
・・・たしかに九郎さんから女言葉が出たら引き攣るよね。
「あ、あの、兄上が京に戻って書物を紐解くと言ってるので
私も付いて行って手伝おうと思うの。
あなたを置いていっても大丈夫かしら?」
うん、大丈夫だよ。
朔、ごめんね。ありがとう。
返ってきた朔野の笑顔を見てもムラムラがこない。
どうして?
さっきは自分自身の体に対して感じてしまったのに。
恥らう九郎さんを思い出すとまたムラムラが湧き出る。
私、ヘンだよ?
295望美×九郎:05/01/18 22:21:08 ID:yUCuzIoD
----月が綺麗だ。
あの後、九郎さんが一人になりたいって言うので私は譲君の部屋へ転がり込んだ。
「譲君と一緒に寝るのって、久しぶりだね〜!昔はよく一緒に寝たよね。」
と私が話し掛けると譲君はなんか微妙な表情をしてたな。
譲君と昔話をしまくったけど
なんだか寝付けなくって九郎さんの太刀を片手に宿の裏へでた。
月が綺麗だったし、昼間のムラムラが
消えなかったから素振りでもしようと思いたったから。
裏山への入り口の辺りで人影が見えた。
月影が当たる。あれは私・・・違う、九郎さんだ。
私の剣を振るっている。・・すごく綺麗な動き。私じゃないみたい。
あ、むこうもこっちに気が付いた。
「なんだ、お前も眠れなかったのか?」
九郎さんも?
「俺たち似た物同士だな。」
そう言って笑う九郎さんの笑顔は間違いなく私の顔なのに、九郎さんの顔と重なって見えた。
何故だろう、胸がせつない。
せっかくだからと九郎さんに手合わせを願う。
刃を交わしながら驚く。
九郎さんの体って凄く素早く動く。太刀を振るうスピードも速いしパワーもある。
男の人の体なんだと実感した。
296望美×九郎:05/01/18 22:22:40 ID:yUCuzIoD
「ふぅ、いい汗かいたぜ。」
たしかに九郎さん、汗でびっしょりだ。
「お風呂に入ったほうがいいですよ?」
急に九郎さんの笑顔が消えた。
「い、いや、いい。もう、寝ようかと思っていたんだ。」
九郎さんの体だったら大丈夫かもしれませんけど
わたしの体はヤワなんで汗かいたままにしておくと風邪ひいちゃうかもしれませんよ。
お風呂が恥ずかしいのなら、お湯を汲んできて拭くのはどうですか?
私が聞くと九郎さんはこっくり頷いた。
九郎さんがお風呂に入るんだったら私も入りたかったんだけどな。
さっき譲君を誘ったんだけど涙流して嫌がってたもんなぁ。
昔はよく一緒に入ったんだし今は体は男同士だし問題ないのに。
譲君ってヘンなところで神経質なんだよなぁ。
297ちゅん:05/01/18 22:33:02 ID:yUCuzIoD
・・・・すまん、UP中に家族が入ってきたので慌てて投下したらあげてしまった。
ごめんなさい。
298名無しさん@ピンキー:05/01/18 22:33:41 ID:IL5hs5A+
>>288
コルダ読みたいです
299名無しさん@ピンキー:05/01/18 23:39:27 ID:iKAUXzCN
>>297
激しくグッジョブ乙&ドンマイ

>>298
仕上げたら投下して下さるって仰ってるんだから
急かさない急かさない。
300名無しさん@ピンキー:05/01/19 00:38:03 ID:c8RYSWzu
必ず今日中に投下する、必ずする!!






宣言でもしないと何時までも書いちゃ消しで一生が終わる_| ̄|○
301名無しさん@ピンキー:05/01/19 00:59:13 ID:9XAiukcg
>>300
マターリ待ってます。気負わずドーンと来い!
302黒龍×朔(?):05/01/19 05:16:05 ID:09SzBQDQ
エロ萌カポーがこの二人だけなんで、とりあえず投下。

短いわへたれだわそれ以前に日本語にW

漏れ以上の同カポーを書いてくれるネ申の光臨を待ちつつ…。
303黒龍×朔(?):05/01/19 05:17:04 ID:09SzBQDQ
満月の夜。
リズ先生が望実とどこか出かけて行くのが見える。
こんな夜にどこへ行くんだろう?
…でも先生が一緒なら大丈夫ね。

そんな事を考えてふと、あの人が思い浮かぶ。
あの人が撫でた髪。
あの人が触れた唇。
あの人が熱く求めたこの身体。
私は自分の身体をぎゅっと抱きしめる。
求めてもどうしようもない事なのに。
私の身体中全てがあの人を欲している。

「愛してる、朔…。」

荒くなる息づかい。

身体が、熱くなる。

あの人はもういないのに。

もう一度私のそばへ帰ってきて。

私を、抱いて。
304名無しさん@ピンキー:05/01/19 06:41:12 ID:S45eRGeW
大人お絵描き板に白竜ネタ投下してみたナリ
多少なりとも燃料になります様に

所でサイト様回っても白竜のエロネタが少ないのは
小さい頃の神童っぷりに比べて
大きくなってお脳が足らない感じなのでエロになりにくいんでつかね。
バカ専は少数派ということか?
305名無しさん@ピンキー:05/01/19 09:33:13 ID:QPb8aPKY
いやいや、そのお脳が足りないカンジがいいんでないですか!
もしくはお脳が足りないフリをしてるだけかも、というカンジが。
とにかく白竜サイコー!といういことで。イラストも最高でした。
続けて白竜ネタが増えることを期待しています。
306名無しさん@ピンキー:05/01/19 19:03:21 ID:Zg3rpjSR
絵板おもしろかたよ
307 ◆IM7Eib3U8M :05/01/19 20:05:01 ID:KcLm+Ucj
>>79からの続き、投下します。
今日中に終了できればいいな。

では、行きます。
308熊野にて・8 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/19 20:06:38 ID:KcLm+Ucj
顔つきを変えて、真っ直ぐに私を見据える。
幼なじみとしてじゃんなく、ひとりの男の人としての告白。
本当なら緊張して受けるべきはずのことなのに、その一言はひどく私を安心させた。
「望美?」
「なんか、単純なことで悩んでたんだなって」
どうしようもなく可笑しくなって、堪え切れずに吹き出してしまう。
呆れられているのがわかったけど、結局最後には二人一緒に笑っていた。
言の葉に乗せれば簡単に伝わるのに、私たちはためらってばかりで、どんどんと深みに嵌っていただけだった。
「自分だけ悩んでたなんて思うなよ」
腕をぐいと引き寄せられて、将臣くんの膝の上に座らされた。
「譲だけは相変わらずいっしょだわ、許婚なんてもんまで出てくるわ……」
言いながら抱きすくめられる。
許婚騒ぎは単なるお芝居だったと説明したはずだし、譲くんが一緒にいることなんて今に始まったことじゃないのに。
思ったことをそのまま伝えると、芝居か本気かなんて誰にもわからないとか三年の差はでかいとか、
よくわからないけど、ほんのちょっと拗ねてるみたいだった。
覚えている限り、やきもちをやいてくれるなんて初めてのことだ。
すごく嬉しくて可笑しくて、私はまた少し笑う。
「さっきまでないてたくせにな……」
将臣くんは抱きしめてくる腕を緩めて私を見つめる。唇が近づく。
「怖いか?」
「大丈夫」
309熊野にて・9 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/19 20:08:24 ID:KcLm+Ucj
最初は軽く触れるだけの口づけ。次に瞼に、額に、頬に、そしてまた唇に、今度は深く深く。
割り入ってきた舌が歯列をなぞる。
応えようとしてこちらも僅かに舌を動かすけれど、そのたびに絡めとられ、強く吸われ、呼吸すらままならない。
「んっ……ふっ……」
漸く口づけから解放されても、愛撫はとまらない。将臣くんの唇が私の耳朶をとらえる。
甘く噛んでから縁をなぞるように舐め上げる間に、するすると私の夜着の帯を解く。
「……なんか慣れてるよね」
「まあ、な」
それ以上のことは聞かなかった。三年の間に、女の人を勧められることもあったんだろうなと思う。
不思議と、見知らぬ誰かに対する嫉妬は沸いてこなかった。
抱かれている今この時に、気にしても無意味なことだとわかっていたから。
衣をすべて剥ぎ取られて、夜の冷えた空気が肌に触れる。
体が震えるのは寒さのせいか、露になった胸を揉みしだかれているからだろうか。
親指の腹で先端を擦られる。顔を将臣くんの肩に押し付けて堪えた。
「我慢すんなよ……」
声が余所に聞こえてるならとっくだと言われたけれど、
泣いていた声を聞かれるのと、感じているのを知られるのではわけが違う。
膝から降ろされて、夜具に寝かされて仰向けになる。
将臣くんは私の体の全てを確かめるように、そこかしこに紅い痕をつけていった。
「ぁ……んっ……」
右胸の先をちろちろと舐めて吸われ、左も二本の指で捏ね回され、すっかり硬く立ち上がっているのが自分でもわかる。
快楽に溺れてしまいたいのに、理性がそれを拒んでいる。
手の甲を口に押し付けて耐えるけれど、将臣くんにはそれがおもしろくないらしかった。
「大丈夫だって、声出せよ。な?」
できないという意思を首を振って伝える。
お願いだからそんなふうに囁かないで。声だけで背中がぞくぞくする。
310熊野にて・10 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/19 20:10:26 ID:KcLm+Ucj
将臣くんの右手が下肢に伸びる。
「はあっ……あ、あっ……」
くちゅりといやらしい音がした。
太い指がゆっくりと秘裂を上下する。時折中に沈められるけれど、すぐに引かれてまた花弁を愛撫される。
もっと触ってほしくて、指に押し付けるように腰を動かしてしまう。
閉じていた目を僅かに開いて相手の顔を窺うと、薄く笑っているみたいだった。
「……ふぁ……あぁん……」
限界が少しずつ近づいてくる。
将臣くんにもそれが伝わったのか、膝の裏に手を差し込まれて両脚を広げられる。
いよいよだと身を固くした瞬間、ふっ、と気配が下に移動した。
「……将臣くん?」
少しだけ体を起こしたときに見えたのは、秘所に顔を近づける将臣くんだった。
「え……うそ、ちょっと待っ……ああぁっ!」
濡れた舌の感触が私を襲った。
身を捩って逃れようとしても太腿を押さえられていてかなわない。
こうなるともう、天井を仰いでただただ喘ぐしかなかった。
相手の姿も見えなくて、まるで自分ひとりでしているみたいだった。将臣くんが遠い。
こんなかたちで愛されるのは初めてでどうしていいかわからないのに、腰がゆらゆらと動くのは止められない。
「はあっ、あんっ、ああぁ……」
花弁の蜜を全て拭うように舐められるけれど、私の中から溢れ出るのに追いつかない。
唇が秘所から離れて太腿をきつく吸われる。右に一度、左に二度。
その後、今度は花芽を舌先で捏ねられる。同時に、中に埋められた指がぐちゃぐちゃと音をたてて動き回った。
「やあっ……もうっ、あ―――あああぁっ!」
一度に二ヶ所の愛撫に堪えきれずに、背を仰け反らせてあっけなく達してしまった。
311 ◆IM7Eib3U8M :05/01/19 20:11:16 ID:KcLm+Ucj
とりあえずここまで、この先はもう少しあとで。
312名無しさん@ピンキー:05/01/19 20:45:44 ID:je/uvlZL
>311 GJ!お前様は神ですか?
あーもうトイレ逝ってきます。
313名無しさん@ピンキー:05/01/19 21:22:53 ID:6ur3OubD
>>311
待ちかねてましたよ〜
314名無しさん@ピンキー:05/01/19 21:50:46 ID:tWjt3ZNg
>311
ネ申キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!

キャラは弁慶萌えだけど、カポーは将臣×望美なんで、禿萌ええええ!!
続きが楽しみです!
315熊野にて・11 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/19 22:34:56 ID:KcLm+Ucj
「はっ、はあっ……」
なかなか呼吸が治まらない。目頭が熱い。
滲んだ涙を見られたくなくて、両手の甲を押し付けるようにして顔を隠した。
「悪ぃ、やりすぎた。……嫌だったろ、ごめんな」
優しい手が頭を撫でて、髪を梳いてくれる。
指の隙間から見えた顔が悲しげに眉を寄せていて、胸に痛い。
違う、嫌だったんじゃない。
驚きはしたけれど、本当に嬉しくて気持ち良くて、
けれど、溺れていることを素直に表に出すのはどうしても出来なかっただけ。
涙はただの反射でしかなくて、悲しくて泣いているんじゃないのに、それを言葉にする方法が私の中に無い。
将臣くんの頭を掻き抱いて、乱暴に口付けた。
ごめん。こんな子供っぽい、幼稚な方法でしか伝えることができなくてごめんなさい。
「嫌だったら」ゆっくりと腕を放す。「こんなことしないよ」
「本当に?」
「本当だよっ! ……でも、私ばっかり脱がされてずるいなあとか、思う、けど」
戸惑いながら口に出すと将臣くんは漸く笑顔を見せてくれた。
どうしてだろう、抱かれているときも何よりも、この笑顔が一番胸が高鳴る。
316 ◆IM7Eib3U8M :05/01/19 22:36:56 ID:KcLm+Ucj
猫デリートされました……タイムリミットorz
レス下さったかた、ありがとうございます。
あとちょっと、土曜までには確実に終わらせますんで、しばしお待ちください。
317弁慶×望美 みえない心…その後1:05/01/19 22:55:09 ID:WuW0NDLR
こんばんわー。弁慶萌えが高じて、初めて書いてみました。
ちょっと強引系ですので、嫌いな方はスルーしてもらえれば幸いです。

望美はこの先に待ち受ける弁慶の運命を書き換えるため、再びこの時空に来た…。
やはり弁慶は源氏を裏切り、平家に寝返る手土産として龍神の神子である望美を
連れ去った。運命を変えるためにはどうすればいいのだろうか。

『早く弁慶さん来ないかなぁ』
望美は平家のいる厳島に向かうための船に乗せられていた。
閉じ込められるわけでもなく、船内にいても息が詰まるだけだった望美は甲板に出ていた。
前の時空でもここまでは一緒だった。このまま待っていれば…。

「望美さん。ここにいたんですね。」

いつもと変わらず落ち着いた様子の弁慶に、望美は複雑な思いを抱いていた。
清盛とたった一人で対峙し消えてしまった弁慶。
しかし、今ここに生きている弁慶が望美の目の前に立っている。

「弁慶さん!」

確かに生きてる…望美は弁慶を泣きながら抱きしめていた。
無意識に体が動いていた。とても温かかった・・・。

「恐ろしい目にあわせてしまってすみませんでした。」

そういって弁慶は望美を優しく包んでいた。
弁慶がかけた言葉に、我に返った望美は急に気恥ずかしくなりその腕から逃れるように
望美にあてがわれた船室へと駆け込んでしまっていた。

『私はいったいなにをしたの?抱きつくなんて恥ずかしい。』
318弁慶×望美 みえない心…その後2:05/01/19 22:57:12 ID:WuW0NDLR
運命を変えるため、私はここに舞い戻ったはず。
今度こそ弁慶の力になるため話をしよう…などと考えていると船室の扉をたたく音が聞こえた。

「僕です。開けていただけますか?」

とたんに望美の胸は高鳴った。恐る恐る扉を開け、弁慶を招き入れる望美。

「私、弁慶さんに大切な話があったんです。」
「僕も…ですよ。望美さん。」

これから弁慶が起こす行動が、どんな結末を辿るのか正直に話せば信じてくれるはず。
考え事をしている間に弁慶は望美の目の前に立っていた。

「僕のことが怖くて泣いたんですか?」
「違います!私はっ。」

望美はそれ以上言葉を口にできなかった。
なぜなら弁慶に唇を塞がれていたからだった。
突然のことでみじろいだ望美の両手を拘束しながら、弁慶は望美の口内を犯し始めていた。
初めての激しいくちづけに望美はなにも考えられなくなっていった。
立っていられないほど力が抜けた望美の体は、弁慶に支えられながら床に横たえられる。

「はぁっ…。」

ようやく解放された唇で望美は深く息を吸い込む。
弁慶はそのまま望美の首筋にキスを落とし続ける。
そのたびにピクンと反応する望美に、弁慶の顔にはあの何か企んでいるような微笑が張り付いていた。
319弁慶×望美 みえない心…その後3:05/01/19 23:00:25 ID:WuW0NDLR
望美の上着を脱がせ着物のあわせをはだけさせると、小ぶりだが形の整った胸が揺れる。
素肌が冷たい空気にさらされたことで、我に返った望美は覆いかぶさっている弁慶を
押しのけようとみじろいだ。

「やだっ!やめてくださいっ。」
「本当にやめてほしいんですか?体の方はそうはいってないみたいですが…。」

そういうと弁慶は、すでに固くなっている胸の突起を舌で転がし始めた。
片一方は指で弄びながら…。

「あんっ。」
「気持ちいいですか?」

意地悪く望美の耳元で弁慶は囁いた。
息が耳にかかるだけで、ますます望美の体は火照っていった。
弁慶の手は望美のすらっとした足をなでながら下着にかかり、もうすでに潤っている泉へと
指を滑られた。再び、ピクンと体が反応する。

「これでは身に着けていても意味はないですね。」

弁慶はそういうと望美の足の間から下着を取り去った。
薄暗く灯る蝋燭の下、弁慶は望美のひざの裏に手をかけて両足を押し広げた。
初めての恥ずかしい格好に望美は混乱する。

「お願い。見ないでぇ。」
「どうしてですか。とても綺麗ですよ。」

いつもの微笑みで弁慶はいうと、おもむろに望美の泉に口をつけプクッと浮き上がってる突起を
吸いあげた。と、同時に弁慶のしなやかな指がゆっくりと入れられる。
320弁慶×望美 みえない心…その後3:05/01/19 23:02:51 ID:WuW0NDLR
「ひゃあっ。」

吸いあげられ、指でかきまわさせるたびに体の奥に甘い痺れが伝わる。

「あっあぁっ。」

いやらしい水音と望美の喘ぎ声が小さな船室を満たしていく。
望美はせつなげに眉根を寄せていた。

「あーっだめっ。そこはだめぇー。」

望美の体が突然痙攣し、足の指がしなる。
潤んだ瞳で弁慶を見つめ返す望美。

「勝手に達してしまうなんて…君は本当にいけない人ですね…。お仕置きが必要のようです。」

まだ意識がとんでいる望美の泉に、熱いたかまりを押し付けた弁慶はそのまま一気に貫いた。
望美の背が魚のようにしなる。

「痛いっ、弁慶さん抜いてぇ!」

初めての圧迫が望美の体を支配する。かまわず、おもむろに動き出す弁慶。
さっきよりも大きなぐちゃぐちゃといういやらしい音と、肌がぶつかる音。
それのみが二人の世界になっていた。
痛さに唇を噛み締めるだけだった望美の体に、だんだんとさっきよりも大きな疼きが支配し始めた。

「あんっ弁慶さんっ、私…もうっ。」
321弁慶×望美 みえない心…その後5:05/01/19 23:16:55 ID:WuW0NDLR
涙を流して弁慶に訴えるような目を向けながら、望美は叫んだ。

「まだです。まだ…許しませんよ。」そういって望美の最奥を貫き続ける弁慶。

「そんな!ああっ。」

もう霞のかかった意識の中で、望美は弁慶の衣をきつく握り締めながらもわずかに意識を保っていた。
弁慶も限界が近いのか、眉根を寄せて耐えている。

「お願いっ、おかしくなっちゃうよぅ。ああっ。」「望美さんっ!」

弁慶は望美の中に欲望をすべてそそいだ。望美もそのまま意識をとばした。はぁはぁと荒い息づかいが船室を満たす。
ぐったりとしている望美の体を清める間、弁慶は自称気味に笑っていた。

「弁慶さん、私はあなたに消えて欲しくなくてここに戻ってきたんです。」

目を覚ました望美は、見てしまった未来を弁慶に話していた。さきほどの激しすぎる行為の後の望美の告白に、弁慶は戸惑っていた。

「僕は…また君につらい想いをさせてしまったんですね…。」落ち込んでしまった弁慶の様子に、望美は頬を赤らめながら言った。

「びっくりしたけど、つらくなかったです。ひとつになれたから…。」

―絶対に私たちが幸せに暮らす未来を手に入れる―
望美の胸元に白龍の逆鱗が優しく光っていた。

以上です。お目汚し失礼しました。
322288:05/01/20 04:52:20 ID:gK4v0Z2s
ネ申祭りのなか、どさくさにまぎれてコルダ投下しまつ。
突っ込み処満載ですが、神子達に喜んでいただければ幸いです。
エロなしは勘弁、という方は、ヌルーお願いします。
奥手同士の恋愛ハァハァ(*´Д`)
323土浦×冬海(エロなし/冬海視点):05/01/20 04:54:10 ID:gK4v0Z2s
はじめは怖い人なんだと思っていた。

でも、練習室で聞こえたピアノの音。
あんなに切なくて、でも情熱的な、そんな音を聴くのははじめてで。
気がついたら、いつも先輩の姿を探していた。

「俺、冬海のクラリネットの音、いいと思うぜ」
先輩にとっては何気ない一言だったのかもしれない。
でも私にとってそれは、何物にも変え難いくらい心を強くさせる。
先輩と一緒なら、人前で演奏することも、不思議と怖くなかった。

王崎先輩が出るからと誘われたライブ
飛び入りで楽しそうに、キーボードに指を滑らす先輩。
戸惑いながら差し伸べる掌。
つっけんどんに差し出してくるのに、その掌は温かくて。
また私は先輩の素敵なところを、ひとつ見つける。

先輩の傍にいると、嬉しい。でも、それと同じくらいすごく、苦しい。
先輩が誘ってくれるのは、私が後輩だから。
それだけですか?
そんなこと聞ける勇気なんて、どこにもなくて。
時々困ったような、でも嬉しいようなそんな表情で見つめるときの先輩は、
あのときのピアノのようにどこか儚くて、目をそらせない。


今日も重たい気持ちを抱えたまま、先輩と奏でるメロディが空に消えていく。

324土浦×冬海(エロなし/冬海視点):05/01/20 04:55:40 ID:gK4v0Z2s
第3セレクションも終わり、穏やかな日差しが窓に差し込むその日。
金澤先生に頼まれた最終セレクションの内容のプリントを配って歩く。
あとは、土浦先輩に渡すだけ。
日野先輩に教えて貰った場所に向かって歩き出す。

練習室から漏れるピアノの音が、いつもとは違って聞こえる。
先輩…調子、良くないのかな…?…
躊躇いそうになる気持ちを叱咤しながら、ドアをノックする。
鳴り止むピアノの音。

「…はい」
ドアが開かれたかと思うと、目の前に先輩の姿があって。
…だめだ。緊張してきて、声が出てこない。
「……おい、俺に用事があるんだろ?…だったら、そんなところに突っ立てないで、中に入れ。…な?」
真上から聞こえるため息交じりの声。きっと呆れられてる。
きつく唇を噛み締めながら、ぺこりと頭を下げて中に入った。

「…ぁ、あの……金澤先生に、これを渡すようにって頼まれて…それで…」

差し出すプリントに、ありがとな、そう呟いて受け取る先輩。
先輩の邪魔にならないように、もう帰らないと。
そう思うのに、身体が言うことを聞いてくれない。
すこしでも先輩の傍にいたくて、必死に言葉を探していると
325土浦×冬海(エロなし/冬海視点):05/01/20 04:58:07 ID:gK4v0Z2s
突然、視界が塞がれた。
それが、先輩の着ていた普通科のジャケットだと気付くまでに時間がかかった。
「……ぁ…あのっ……先輩……?」

身体中が暖かい体温に包まれる心地よさと、先輩に抱きしめられているという事実に
頭の中がすっかり混乱してしまい、身体が硬直してしまう。
ただ、胸に抱えていたクラリネットケースを落とさないようにするので精一杯で。
「……前が………きなんだ……」
「……ぇ…?」

掠れた声が耳に届く。
その苦しそうな声に、自分の胸も締め付けられそうになって、
不安になりながら顔を上げれば、先輩の顔がすぐそこにあって。
「…お前が……好きなんだ…っ…」

気持ちを搾り出すかのような、掠れた声と同時に、唇に暖かい感触が降りてきた。
胸を締め付けられるような言葉と、呼吸さえもままならなりそうな程の激しい口付け。
その激しさと、力が込められていく腕の力に、気が遠くなっていく。
練習室ではじめて聴いた、あのピアノの音が遠くに聞こえた気がした。
「……っ…」

突然肩を掴まれたかと思うと、眩暈がしそうなほどの温度から解放され、先輩の身体から引き離された。
肩に食い込む指の力が強くて、私は思わず眉をしかめる。
「…………ごめん」

呟かれた言葉の意味が飲み込めなくて、思わず顔を上げる。
その横顔は苦悩に満ちていて、目をそらすことができない。
声が、出てこない。こんなときに言葉ひとつ出せない自分が、嫌いだ。

326土浦×冬海(エロなし/冬海視点):05/01/20 04:59:10 ID:gK4v0Z2s
沈黙に耐え切れなくなったように、先輩が苦笑を漏らす。
「……今のことは…忘れてく……っ……」
「…嫌です。忘れたくなんて…ないです。……私…先輩のこと…ずっと……」

好きだったんです。
その声はまるで喉が燃えるように掠れて、声になっていたかは、わからない。
ただ、立ち去ろうとする先輩を掴まえようと、制服の裾を掴まえるのに必死で。
再び視界を塞ぐ制服の緑と、胸に耳を当てれば聞こえてくる心臓の音が、
先輩も同じ気持ちなんだと気付かせてくれる。
「俺…冬海が思うような…いい先輩なんかじゃないぞ?…優しくだって…なれないかも、しれない…」

耳元に聞こえる吐息が熱い。
思わず小さく身体をすくめながらも、先輩の言葉に必死に首を横に振って。
その様子に、先輩が小さく笑いを漏らす。
「…そんな顔するな。そんな顔したら俺…本当に我慢、できなくなりそうだ。…そろそろ送ってく」

うまく伝えきれないもどかしさに、切なくなりながら見上げていると、先輩が困ったように呟く。
慌ててクラリネットケースを抱え直し、追いかける背中。
振り返りながら手を差し出す先輩の顔は、まるでいとおしいものを見るかのように甘くて。
私は、その幸せを噛み締めるように、そっとその大きな掌を掴まえた。
327288:05/01/20 05:00:25 ID:gK4v0Z2s
やっと完成しましたが、長文ウザーで申し訳なく。初SSでつ。
ここに投下してる神子達のネ申っぷりを改めて実感しました。
次こそは本番を…カケタライイナonz

>>292
ヽ(´Д`)人(´Д`)人(´Д`)ノナカーマ!
ですが、私が書くといつになるか判らないですし、ボミョウな感じになりそうですが、
それでも構わないということでしたら、ガンガりまつ(´・ω・`)
328名無しさん@ピンキー:05/01/20 07:56:08 ID:7uKYA9bP
>>317
コメントと本文は別にしてくれると読みやすいと思う。
でなかったら、もうちょっと行空けるとか。
しかし、初 SS乙。

>>322
冬海ちゃん(*´Д`)ハァハァ
329291:05/01/20 18:10:49 ID:B2gG52wu
いっそ総当たりで、とか言ってみた>291です。
試しに序章書いてみたので投下します。
今のところエロはありません。
330291:05/01/20 18:11:45 ID:B2gG52wu
「望美ちゃんの五行が尽きたぁ〜?」
素っ頓狂な声が響く。景時だ。
「どうやらそうらしいんだよね……」
困ったように微笑む望美に、譲が慌てて問う。
「らしいって……どういうことなんですか?!」
「神子は、八葉に五行を注ぐから」
白龍がぽつりと言った。
不器用な言の葉でなされた説明を要約すると、おおよそ次のようになる。

神子が開放した五行は、一度神子に留まる。
それが神子と絆でつながった白龍に流れ、神気となる。
また、神子の持つ五行は八葉にも流れ、神子を守る力となる。
しかししばらく神子から離れていた将臣はその加護が及ばなかった。
それが熊野に来て再会したことで、今までの不足を補うように、
神子の持っていた五行のほとんどが将臣に注がれてしまったらしい。
「なんだそりゃ? 俺のせいかよ!」
思わず声を上げた将臣をフォローするように、望美は慌てて言った。
「だ、大丈夫だよ! ほら、五行なら貯めればいいんだし……」
331291:05/01/20 18:12:31 ID:B2gG52wu
「でも神子、今、封印出来ないよ?」
「ええっ?!」
不思議そうにかけられた白龍の言葉に、望美は半ば悲鳴のように問い返した。
「今、神子、五行と神気の釣り合いがないから、封印は出来ない」
「白龍、ならばどうすればいいんです?」
やはり軍師だからか、弁慶は冷静だ。即座に返した問いに、白龍は微笑む。
「自然に貯まるのを待つか……胎内に取り込む」
「……胎内……ですか」
困ったように復唱する弁慶。
「うん。八葉の気をもらう。八葉の属性の五行が得られるよ」
その言葉に、何か気付くものがあったらしい。弁慶が言い難そうに問うた。
「では……やはり、五行は偏る訳にはいきませんから……」
「うん。……最低五人だね」
実に言い難そうに、景時が続ける。
「で……でも、待っていても良いんだよな?」
どこか必死な譲が白龍に詰め寄ると、ぱちぱちと驚いたように瞬きをした白龍は頷いた。
「うん、五行は常に巡るから。……封印ができるまでなら……二月か三月。」
「そんなにか?! 戦が終わってしまうぞ!」
九郎が叫ぶ。
「だからって……先輩に、そんな!!」
譲も負けじと怒鳴るように返した。
「落ち着けよ、譲」
将臣に諌められ、さらに返そうとした譲を遮るように弁慶が呟く。
「しかし……三月ですか。その間に、戦局が動かなければ良いのですが……」
332291:05/01/20 18:13:31 ID:B2gG52wu
「……無理だろうな」
言葉の後を継いだのはリズヴァーンだ。
「し、しかしリズ先生……」
敦盛に頷き、リズヴァーンは静かに言った。
「選択するのは神子だ。神子は源氏ではない……無理に尽くす必要はない」
その言葉に、そこにいる十人の視線が望美に集まる。
諌めるような目、懇願するような目、促すような目、ただ困ったような目。
「わ、私は……」
どうすればいいんだろう。胎内に……って、エッチするってことだよね……
みんなのことは好きだけど、そういう……対象に考えたことなんて……
ううん、それより、何人もと代わる代わる、そんなことしなきゃならないなんて……
じゃあ断ろうかな? ……でも、三ヶ月も待てるかな?
たとえ源氏が待ってくれても、平家は待ってくれないよね。
そしたら……怨霊を封印出来なかったら……?
一度めの運命みたいに、成す術もなく攻め入られて負けちゃうかもしれない。
みんなが、死んじゃうかもしれない。
そんなのは……嫌だよ。
「出来ることがあるのに……しないまま、ただ見ているだけなんて嫌だよ」
ぽつりと、望美の言葉が零れた。
「え……先輩、まさか……」
「うん。だって……」
あんな運命は、見たくないから。
「……ごめんね、譲くん」
「神子……それで良いのだな」
やや苦い瞳で、リズヴァーンが問う。
「……はい、もう決めました」
私が少し我慢すれば、道が開けるのなら。
「それが……お前の選択ならば……。八葉は、神子に従うのみ」
リズヴァーンの言葉が、結論になった。

333291:05/01/20 18:15:05 ID:B2gG52wu
今のところ以上です。
あとは個々に別れて、ホントにエロだけの方向。
お目汚し失礼いたしました。
334名無しさん@ピンキー:05/01/20 18:29:51 ID:2U+MmQg3
291>>おおおわくわくするよ〜
335名無しさん@ピンキー:05/01/20 18:49:40 ID:0ZbQx43v
>291
水は決定だな。朔だったらびっくりだがw
336名無しさん@ピンキー:05/01/20 20:03:33 ID:PL0FQuhi
譲、一番良識派みたいだけどさー




一番燃えるんじゃないだろうかw
337 ◆IM7Eib3U8M :05/01/20 20:14:10 ID:TbmuuFmu
「八葉から」分けてもらうのならヒノエも決定?
白虎は・・・・なんかなかなか決まらなさそうなんですが。
青龍は揉めに揉めそうなんですが。
なんにしろ楽しみにして待ってますよ〜
338名無しさん@ピンキー:05/01/20 20:45:06 ID:wrtLTPYR
ここは平等に全員にチャンスを!(*´д`*)ハァハァハァアハァ
うぉすっげ萌えるシチュ!
339名無しさん@ピンキー:05/01/20 20:45:49 ID:w8dDTAO1
>>335
そこであえて朔との百合百合エロプレイにしたら>332はネ申だな。
340名無しさん@ピンキー:05/01/20 20:59:22 ID:w8dDTAO1
木は俺が責任とるとか言って将臣やりそう。
金は景時より譲が必死になってやりたがりそう。
土が一番想像できんなー、エロエロな感じなのは弁慶さんだが、
神子への執着が強いのは師匠だろうし。
火はプレイボーイなヒノエだと思うけど、天然エロな白龍でもいいとオモ。
水は決定みたいなもんだけど、ここであえて朔にしても面白い。朔って最初百合っぽいとオモタし。
341名無しさん@ピンキー:05/01/20 21:01:06 ID:w8dDTAO1
勝手に上で全属性予想しなおしてみたが、
まぁどうなってもも楽しみです。ガンガッテください!<332タソ
342名無しさん@ピンキー:05/01/20 21:36:13 ID:aSEeGas/
思いきって二人いっしょとかw
八葉同士の絆も深まり一石二鳥(深まるのか?)。
天地もいいが、術の組み合わせでもおもしろそうだ。
期待してます>>291さん

また書きたくなったな〜。
343むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/20 22:10:07 ID:wfaGYjwM
うわ〜、すごく面白そう。
二人以上いる属性は選択肢で
どっちか選べたら嬉しいなとか呟いてみたり。
楽しみにしてますよ〜>291さん
344名無しさん@ピンキー:05/01/20 22:49:44 ID:NXEZn1DB
  _  ∩
( ・∀・)彡 291!291!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 291!291!
 ⊂彡
345名無しさん@ピンキー:05/01/21 01:04:15 ID:gT4cTOfK
3pイイ!!
それなら全員平等だ。
しかし神子の身体がもたなそう
346名無しさん@ピンキー:05/01/21 01:26:05 ID:6rg9jD1z
あの・・・あっつんは・・ボソ
347名無しさん@ピンキー:05/01/21 03:16:46 ID:+qeQRk+x
あっつんは是非トップバッターで。
「わ…私が最初なのか?」
348名無しさん@ピンキー:05/01/21 05:22:51 ID:cs8jVfO9
移転でつね
349名無しさん@ピンキー:05/01/21 07:57:55 ID:z3Hpx1Yi
>347
そりゃドキドキです罠
350名無しさん@ピンキー:05/01/21 16:13:50 ID:TbyIpLph
3祭り真っ最中の中、今週のアニメ
「感じたよ…」のセリフにちょっとエロスを妄想してしまった
351名無しさん@ピンキー:05/01/21 22:54:21 ID:i9oGZFFl
うわ……なんか凄いことになってる。
ご期待いただいてありがとうございます。
精進しながら書かせていただく所存でございます。

……本編の方ですが、第一夜がすでに結構長くなりそうな予感です。
あまり長くお待たせするのも申し訳ありませんし
(こんなこと言う自体思い上がりかもしれませんが……)、
とりあえず途中まででも投下しに参りました。
352291:05/01/21 22:55:05 ID:i9oGZFFl
>351は私です。
では改めて、中途半端ではありますが
投下させていただきます。
353291:05/01/21 22:55:55 ID:i9oGZFFl
そして、夜が来た。
『神子は土属性だから、土気は少し残ってる。土気の相生は金気だから、最初は白虎がいいね』
わかっているのかいないのか、
微笑んで言った白龍の言葉を反芻しながら望美は立ち上がりそびれていた。
八葉から望美を訪ねると、望美も心の準備が出来なかろうということで、
望美が好きなタイミングで八葉の寝所を訪ねることになっている。
「気持ちはありがたいけど……かえって踏ん切りがつかないよ……」
幸い二泊めからは龍神温泉の宿が空き、複数の部屋が取れていたから、
声や気配が御簾越しに筒抜けなんて事態は避けられる。
しかし、女の側から、そのために訪ねるというのは……
「……しかたないんだけどね。いつまでもこうしててもダメだし、行こうかな……」
ようやく立ち上がり、備え付けの鏡台を覗く。
恋人ではないとはいえ、逢瀬なのだ。身嗜みは整えて臨みたい。
洗い髪に軽く櫛を通し、ようやく望美は部屋を出た。

354291:05/01/21 22:58:01 ID:i9oGZFFl
「あの……お邪魔しても、いいですか」
「望美ちゃん?!」
障子越しに控めな声をかけると、驚いたような返事が返る。しばしバタバタと音がして……
「あ〜……とりあえず、どうぞ?」
すっと開いた障子の間から、景時が顔を出した。
室内に入ると、呪具の銃が分解されて机の上に載せてある。
「まさか、こっちに来るとは思ってなかったからさ〜、散らかしててごめんね?」
「あ……ご迷惑ですか?」
「いやいやいやいやいや? そんな事はないんだけどさ〜、ホントにオレの方来ちゃっていいの?」
照れたような、困ったような笑顔で景時は問う。
「はい。だって……やっぱり譲くんは、幼なじみだし。弟みたいな感じで……」
「あらら……それはまた……」
譲くんも不憫な。
声には出さずに天を仰いだ景時は、ひとつ深呼吸をしてから望美に向き直る。
「じゃ、ま、とりあえず座ろうか? 立ち話もなんだしさ。」
そう言って、すでに敷かれていた布団の上にあぐらをかく。
それはごく自然な所作ではあったが、あらためて布団を意識した望美の顔面に朱が上った。
「っその……私、今……」
「うん、普通におしゃべりって感じじゃないみたいだね。……しよっか? 望美ちゃん。」
真っ赤になって俯く望美に苦笑して、景時はそっと手を差し延べた。
355291:05/01/21 22:59:09 ID:i9oGZFFl
怖ず怖ずと重ねた掌を優しく掴み、引き寄せて抱き留める。
「こんな時に言っても無理だろうけど……緊張しないで、ね?」
つむじの辺りに触れた唇から降る普段通りの声音に、僅かながら望美の緊張が緩んだ。
こくん、と小さく頷いたのを確かめて、景時の手が帯へと滑る。
望美は、普段の着物とは違う、柔らかな色の単衣姿だ。背中に回った蝶結びが、するりと解かれる。
「あ……」
恥じらいからきゅっと景時の胸元に縋った望美の背を支えて優しく横たえると、
留めるもののない着物が小さなきぬ擦れを立てて袷を緩め、ほのかに色づいた肌を垣間見せる。
その細い肩に軽く手を添えて、景時は唇を落として行った……額に、頬に、鼻先に……そして唇に、優しく触れる。
一度触れた唇が離れると、緊張から引き結ばれていた望美の唇がほうと緩む。
そこを狙って、今度は深く口づけた。
戸惑う舌を吸い上げ、絡み付かせる。
「ん、む、ぅん……っ」
漏れる声が、僅かに甘い。
それを確かめて、景時はくちづけを続けながら、指先を袷に忍ばせた。
滑らかな絹が滑り、より滑らかな肌が曝される。
豊かとは言えないが、形よくつんと張った胸にそっと手を添える。
ピクンと身体を強張らせた望美の注意を逸らすように髪を撫で、肩の力が緩むとそっと掌に力をこめた。
全体に柔らかく掴み上げるようにすると、くちづけの息継ぎに漏れる声も確実に甘さを増す。
「っあ……ン、ふ……」
その声に、景時も煽られる。
ピンと自己主張をはじめた胸の先端を捏ねくると、見る間に尖ってゆく。
ちゅ、と音を立てて唇を離した。途端に甘い声が上がる。
「っはぁ……あ、ふぁ……」
顎に、首筋に唇を滑らせ、鎖骨をひと舐めしてから胸に吸い付く。
「ぁん! は、あっ……く」
胸が弱いのか、声が高くなる。
無意識なのだろう、すり、と腿を擦り合わせる仕草に誘われて、景時は指先を下に延ばした。
356291:05/01/21 23:00:15 ID:i9oGZFFl
今のところこれまでです。エロ難しいですね……!
すでにこの先の投下ペースが不安です。
お目汚しで申し訳ありませんでした。
357名無しさん@ピンキー:05/01/21 23:15:45 ID:16Ly8ZAA
おお、まさか景時がくるとは。譲がちと哀れだなw
でも弟あつかいに妙に納得。次回も楽しみだ。
358むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/22 00:15:27 ID:W/673fIp
うわー、いきなり兄上がキタ━━(゚∀゚)━━!
台詞とからしくていいです。
続きが楽しみだ〜
359名無しさん@ピンキー:05/01/22 01:06:38 ID:uXURZ3BY
譲、切腹してそうや・・・
続き待ってまーす
360名無しさん@ピンキー:05/01/22 01:55:15 ID:Xvym2/dE
>>291
(*´Д`)GJ!!私も望美ちゃんが誰を選ぶかドキドキで楽しい。
譲は布団の横に正座して待ってそうだな……。
361名無しさん@ピンキー:05/01/22 02:49:32 ID:THNgduFo
譲が不憫で目の前の景色が見えないよママン……
362名無しさん@ピンキー:05/01/22 03:39:56 ID:vEwTbx/u
実はこの後3P!のヨカーン

だといいな…?
363名無しさん@ピンキー:05/01/22 03:55:48 ID:THNgduFo
ところで今日は土曜日なのだが>>316
364名無しさん@ピンキー:05/01/22 08:29:56 ID:QO2hzOiN
プレッシャーかけすぎるのイクナイ!
まあ自分も楽しみにしているわけだが

敦盛読みたい…
好きだけど自分で書くには苦手なタイプで
自己補完できないんだー(`Д´)ノ
365ちゅん:05/01/23 07:07:29 ID:1nTY55hl
>>327
待っていますよ〜〜!!
めっさ黒い弁慶さんキボンヌ・・とお願いしてみる。
コルダ未プレイなのでプレイ後に美味しくいただきます。

>>291
GJ〜〜〜〜っ!
思わず取り残された譲を脳内妄想で補完してしまった。
即興で書いたからいいかげん。
不快に思ったらごめんね。
366:05/01/23 07:09:11 ID:1nTY55hl
気が付けば月が沈んでいた。
あの人はもう来ない。
いや、こないのは最初から判っていた筈だ。
あの人が俺を見る眼は男に向ける眼じゃない。
親しく、だけども近しいものを見る眼。
姉弟のように思われていたのは知っていた。
たとえそう思われようとも、傍にいれるのならそれでいいと思っていた。
いたはずなのあの人は俺と同じ属性を持つあいつの部屋にいる。
あいつの腕に組み伏され睦言を交している?
駄目だ、耐えられない。
残酷だ、残酷すぎる。
俺はたまらず部屋を飛び出した。
この屋根の下あいつに先輩が抱かれている。
この建物の中にいたくない。
裸足でいくら彷徨っただろうか、気が付けば海沿いの崖に立っていた。
誰かいる。あれは・・・リズ先生?
先生は一心に剣を振っていた。
まるで己の雑念を振り払うように。
その姿を見て俺は理解した。
ああ、この人も先輩を----。
俺と同じ想いを抱えている。
先輩の言葉が蘇る。
『出来ることがあるのに……しないまま、ただ見ているだけなんて嫌だよ』
俺に出来る事・・・・。俺は宿に駈け戻り弓を取り出した。
俺に出来ることは、先輩、貴方を守る事・・・・。
最近、頓に見る夢を思い出す。禍禍しい夢。
貴方の傍で貴方を守れるのなら弟だっていい。
「先輩は必ず俺が守る。死なせはしませんよ。」
狙いを定め弓を放った。
367名無しさん@ピンキー:05/01/23 08:16:14 ID:qfoSNVn/
うぉあ〜291氏、乙です!
第1夜、楽しみにしてます。がんがって下さいw

>ちゅん氏
一心不乱に稽古するリズ先生に萌えました……(*´д`*)ハァハァ
368名無しさん@ピンキー:05/01/23 19:33:47 ID:vOtwiVjU
>>291
すごく…いいです…
(;´Д`)ハァハァ
36963:05/01/23 21:32:50 ID:6CbR12O3
いい加減コテハンとか付けた方が良いのかな…。
まだエロ到達できませんが投下します〜。
370将臣×望美35 長文ネタバレ有り:05/01/23 21:34:19 ID:6CbR12O3
 もうどれだけそうしていただろうか? 木の幹に寄り掛かりながら、立ち
っぱなしで痺れている足と体を支える。
 昼間は木漏れ日の差す上天気だと安心して、休みつつも歩き続けたが、日
も暮れた頃から雨が降りだし今は大降りになってしまった。
 腰を落ちつけて休むことも出来ず、雨を避けて大木の下に入ったまま、か
なりの時間が経過している。
「不味い、よね、やっぱり…山小屋とか無いのかな…?」
 力が入らない体に気力を振り絞ろうと、自然に独り言が多くなっていた。
 望美は刀を抱きしめ天を仰ぐ。雨は弱まる気配すら無い。
 体調も良くない、と言うかまた熱が出てると言うのは自覚してるが、自分
の額に手を当てる勇気も湧いてこない。
「寒…」
 ふるりと全身を揺さぶるような冷たさが走り、強く自分を抱きしめる
「歩いた方が良いのかな…」
 このままこうしていても、やがて座り込んでしまう、そうだとしたら濡れ
ても歩いた方がまだ休める場所が見つかるかもしれない。けれど、雨の中を、
この体で歩けるだろうか?
 もう一度胸に刀を強く抱くと一歩足を出し体重を掛ける。途端、ぐらり、
と体が傾いだ。
 倒れる体を無理矢理元の体勢に戻す。
371将臣×望美36 長文ネタバレ有り:05/01/23 21:36:18 ID:6CbR12O3
「ダメ…? なんで? どうしてよ!!」
 一時的なパニックに癇癪を起こしているが、その勢いに任せて大木に手を
打ちつけても、力無く止まるだけでただ体に負担が掛かるだけだった。
 高ぶった感情と悔しさに涙が堪えられずいつの間にか嗚咽がこぼれていた。
両腕を顔にかざし、落ち着くまでそのまま泣くままに任せる。
 知らず、今まで心に溜まっていたものも流れるような気がしていた。
 こんな時ではあるが、1人になれて、ようやく感情を爆発させることが出
来たのかもかもしれないのだと気付く。仲間に囲まれて過ごすことがいやな
わけではない。勿論仲間の誰1人嫌いなわけでは無い。むしろ、みんなが側
にいてくれることが嬉しかった。
 けれど、時折叫びたくなるときもあったのも確かだ。自分は普通のそこい
らにいる女子高生なだけだ、と。両親がいて、学校に通い、勉強をしたり、
部活をしたり、友達と遊んだり、受験の心配をしたり…そんな日常を送るだ
けの存在だと。
 言えるはずも無い。そんなことを言ったら、一緒にこの世界に飛ばされた
譲や3年も過ごした将臣の立場はどうなると言うのか。自分の為に八葉に選
ばれた仲間達の存在は? 同じ神子として親切にしてくれる朔は? そして
白龍は?。そうした、時折、本当に時折不意にホンの少しだけ自分の心の中
に出来るモヤが、いつの間にか澱のようになっていたものが、思いきり涙を
流すことで、スッキリしていた。
 落ち着くと、もう一度白龍の刀を強く抱きしめる。
372将臣×望美37 長文ネタバレ有り:05/01/23 21:37:41 ID:6CbR12O3
――情けない…泣くだけで1人じゃ何にも出来ないんだ…
 泣くだけ泣いたら、不甲斐ない自分に腹が立った。
「自業自得なのに、何やってるんだろ……」
 泣いたり、怒ったりと情緒不安定に加え、先ほどから何度か眩暈が襲って
来ている状態に、なけなしの気力を使いきった気がしている。
 このまま座ってしまおうか? 服も濡れるし汚れるし、座ったら更に寒い
だろうが、この程度なら死にはしない。
 そう思った途端、全身から力が抜けていた。ズルズルと体が下に落ちてい
くのを他人事のように感じていた。


 山へと入った途端、雨が降りだした。最初は大したことは無い思ったが、
どんどん雨足が早くなっていた。
「不味いな。ったく、こんな小さな山でさえ『山の天気かよ』」
 将臣はぼやきつつ、馬を山小屋へ急がせる。獣の革をなめしたものに包ん
でいるとは言え、荷物がいつ水びたしになるとも限らない。望美を見つけた
は良いが、万が一の場合に対応出来なければ意味が無い。
373将臣×望美38 長文ネタバレ有り:05/01/23 21:39:38 ID:6CbR12O3
 暫く走らせると、目的地が見えてきた。里の者に聞いた時に言われた通り
小さい小屋だったが、造りはしっかりしており、ご丁寧に馬を留めておける
大きな庇も付いていた。
 乗ってきた馬を繋ぐと荷を降ろし、小屋の中に入る。
 荷を解き、着ていた鎧を脱ぎ持ってきた着物に素早く着替える。身を守る
には良いが、雨に濡れた鎧で、更にこの雨の中を歩き回るのは体が重くなる
だけで効率が悪い。
 着替えると、荷を包んでいた革布と飲み水だけを持ち外へ飛び出した。
 先ほどから、左耳が火傷するような熱さを感じさせていた。近いのだとわ
かる。
――なのに結構冷静だよな、俺は
 心配は心配だが、宝玉を感じると言うことは、まだ望美は無事なのだと、
少なくとも生きてはいるのだと確信を持っている。
 この世界、人は簡単に死ぬ。戦は勿論のこと、医療の発達した元の世界と
違い、ちょっとした怪我や病気などで簡単に命は失われる。だからこそ、生
きていると感じるだけで、随分と安心出来ている。
 一番の心配は体調もあるが、何よりも夜盗の集団だ。人気のない山奥など、
彼らの住処としては丁度良いのだ。そんな中を10代の娘などが1人で分け
行ったなら一体どうなるか。夜盗なんて言うのは大抵が女に飢えている。身
ぐるみ剥がされるだけでなく、陵辱の限りを尽くされるだろう。
374将臣×望美39 長文ネタバレ有り:05/01/23 21:41:04 ID:6CbR12O3
 が、いくら何でもこの天気では、もし夜盗がこの山にいたとしても、動き
出すとも思えない。
 とは言え、早急に見つけなければ手遅れになる可能性も無きにしも否ずで
ある。
 奥まった山道とこの雨では、いくら3年の間に乗り慣れたとは言え、馬で
周るのは無理だろう。そう判断するやいなや、革布を頭の上から掛けると、
感じる方へと、いると確信をもてる方へ駆け出した。


 ゆっくりと沈む体をどこか遠くに感じている。同時に意識も沈みつつあり、
自分の置かれている状況も忘れて、その引きずられる感覚に身を委ねていた。
 そのまま重力に逆らうこと無く地面に尻を付き冷たい思いを味わう……は
ずがいきなり何か力強いものに支えられる。
――…熱…い……
 支えたものから、冷えた体に痺れるような温かさが伝わる。
 ふわり、と自分の体が持ち上がり何かに包まれるような感覚があったが、そ
のまま、意識だけは闇へと吸い込まれていった。
37563:05/01/23 21:43:14 ID:6CbR12O3
今日の分は終わりです。

最近、他の皆様のエチ投下が多くて嬉しい(*´д`*)ハァハァ
……エチが遠くてスマンです(もうマジで)
しかも、今更だけど将臣ルートの上書き後の話にしとけば良かった、
とかなり後悔しとります
376名無しさん@ピンキー:05/01/23 22:17:08 ID:RTYZHWi3
結構前にちょろっと出てたけど、景時×朔って需要あり・・・?
需要があれば書きたいのだが・・・いかんせんエロじゃない。

誘い受けっぽいレスでスマソ
377 ◆IM7Eib3U8M :05/01/23 23:01:18 ID:lBrzJhk3
>315の続きを投下します。
今度こそ本当に終わりますので、しばしお付き合いください。
では、行きます。
378熊野にて・12 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/23 23:02:45 ID:lBrzJhk3
起き上がって将臣くんの右手をとり指についた私の蜜を舐めとるけれど、すぐに止められてしまった。
だから将臣くんはずるい。
私ばかり気持ち良くさせて、それなのに何もさせようとしないのはずるい。
悔しくなって彼の首元に唇を寄せて吸い付いて紅い痕を散らし、夜着の帯に手を伸ばした。
再び遮られるけれど、構わずに帯を解く。
「あ……」
傷跡があった。古いものも、最近出来た新しい傷も、体のあちこちに。
将臣くんは私が気にするだろうと思って、これを見せたくなかったんだろう。
「だから止めたろ」
そんな顔するなと頭をくしゃくしゃと撫でられる。
「うん」
でも、この傷も今の将臣くんなんだと思う。胸の傷を指でなぞってみた。
全部覚えておきたい。次に会うときまで忘れてしまわないように目に刻み込んでおきたい。
「見せてもらってもいい?」
「……分かった」
両腕から夜着の袖を抜き取って裸にしてしまってから、傷の一つ一つに唇を落とした。
白龍の神子に浄化の力があるのなら、この傷を癒して消し去ってしまえればいいのにと願いながら。
腕と首筋、胸からお腹を通って唇が猛った彼自身へ向かおうとすると、肩を捕まれてぐいと引き剥がされた。
腰と脚を抱えて引き寄せられ、座っている将臣くんを跨ぐような格好になる。
太腿の内側に熱い将臣くんのものが当たっているのが分かった。
「もう我慢できねえよ……入れていいか?」
直接的な言葉で言われて、一瞬で顔が赤くなる。秘部をひと撫でされると、治まった筈の熱がまた吹き出してくる。
声に出して答えるのが恥ずかしくて、ただ黙って頷いた。
379熊野にて・13 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/23 23:04:20 ID:lBrzJhk3
「じゃあこのまま、な」
導かれるようにして腰を進める。
張り詰めたものの先が入り口に触れると、無意識に体がぴくりと跳ねた。
将臣くんの肩に手を置いて少しずつ体を沈めていった。
「はあっ……」
奥まで入ってしまうと何もできずにしがみつくしかないのに、将臣くんは動いてはくれなかった。
代わりに緩く背中をなで上げ、そのまま指先が脇腹や肩を這い回る。
私はそれだけで感じてしまって、自然と快楽を求めて体が動きだす。
「あ、ああっ……はあっ……」
ゆっくりと前後に動かすだけなのに、切なくなるほどの気持ち良さが湧き上がってくる。
貪欲に快楽を求め、段々と動きが大きくなっていく。
繋がった所から卑猥な水音が響くけれど、気にしている余裕なんてなくなっていた。
「くっ……あんま絞めんなって……」
「そんなこと、してなっ……あっ、いやあっ!」
下からぐっと突き上げられて、僅かに残っていた思考回路すら奪われてしまうようだった。
思うさま腰を打ち付けられるのに合わせて声を上げ、体を震わせるより他に何もできなくなっていった。
将臣くんの息遣いも荒くなっていく。ふと耳朶を見ると朱に染まっていた。
「もっ、駄目、だめぇっ……やだぁっ……!」
お互いに限界が近いのは分かっていて、それでも気が飛びそうになることに必死で抗う。
少しでも長く傍にいられるようにという祈りにも似た願いだったのかもしれない。
「望美……俺も、もうヤバいっ……!」
そう言った途端、将臣くんの動きが一層速さを増した。
「うぁ……」
「まさおみく……や、ああぁん……!!」
熱いものが自分の中に注ぎ込まれるのを感じながら、私は意識を手放した。
380熊野にて・14 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/23 23:05:39 ID:lBrzJhk3
「綺麗だねー……」
夜空の月を見上げたまま、つい間の抜けた声を上げてしまう。
行為のあと、そのままの体で朝を迎えるわけにもいかなくて、私たちは温泉まで汗を流しに来ていた。
二人で湯船につかってお喋りに興じる。
流石に裸のまま傍にいるのは気恥ずかしくて、ほんの少し距離をとって座ってはいたけれど。
話したのは本当に他愛ない日々のことで、それがたまらなく楽しかった。
ゆっくりと言葉を重ねる時間が、肌を重ねること以上に幸せだった。
将臣くんがふと思い出したように言った。
「お前とのこと、今度こそ周りに話すからな」
まあ言わなくてもバレるだろうけどと呟いたのを聞いて、どうしてかと理由を尋ねると、首元の紅い痕を指差した。
「あ……もしかして、服着ても隠れたりしない?」
「絶対に無理だな」
自分の体をよくよく見てみると、私に痕が残されているのは、服を着てしまえば隠れるような場所だけだった。
どうしよう。
穴があったら入りたい。
「でも朔には話してあったんだろ?」
覚えのないことを言われて益々頭が混乱する。
聞けば、今夜将臣くんが私の部屋を訪ねてきてくれたのは、朔に様子を見に行ってやって欲しいと頼まれたからなのだそうだ。
倒れて熱にうなされている間、私は何度も将臣くんの名前を呼んでいたらしかった。
黙っていたと思っていた朔に見抜かれてしまっていた。
それなら当然朔と一緒に看病してくれていた弁慶さんも知っているだろうし、色恋に聡いヒノエくんも気づいたと思っていいかもしれない。
どうか譲くんだけには、私たちから話すまで気づかれませんようにと祈った。
だけど、当の将臣くんは大して気にもしていないみたいだった。
もしかしたら、いちいち説明する手間が省けてラッキー、くらいに思っているのかもしれない。

381熊野にて・15 将臣×望美 ◆IM7Eib3U8M :05/01/23 23:06:28 ID:lBrzJhk3
「望美、お前大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
こうなったらもう覚悟を決めるしかない。しばらくは恥ずかしさは消えないだろうし、からかわれることもあるかもしれないけれど。
じゃあそろそろ帰るかと将臣くんが立ち上がった。慌てて手を引いて止める。
「いい加減上がらねえとお前また倒れるぞ」
訝しげに問われる。
けれど最後にひとつだけ、言わなきゃいけないことが残っている。
「私、まだちゃんと返事してなかったから」
好きだ、と言ってくれたのに、私はまだきちんと答えを示していない。
「あのね、怨霊のことも白龍のことも全部終わったらの話だけど」
私も好きだとそのまま返すのも、愛しているというのも違う気がして、慎重に言葉を選んだ。
待つとか待たせるとか守るとか守られるとかじゃなくて、どうしていいかなんてまだ分からないけど、一緒に手を取って歩いていきたいから。
将臣くんを真っ直ぐに見つめて言った。
「私から会いに行くよ、絶対」
何度時空を越えたとしても。そこからゆっくり始めていけばいい。



この時の私は、それが叶う願いだと信じて疑わなかった。
382 ◆IM7Eib3U8M :05/01/23 23:13:32 ID:lBrzJhk3
以上です。
師匠とか九郎神子とか、書きたいネタはまだあるのですが、
この次からは全部書き終わってから投下したいと思います。
それでは、長々とお付き合い下さってありがとうございました。

>>63
続きキタワァ(*´д`*)ハァハァ
エチなしでも十分萌……自分の将臣神子好きを再認識させられます。

>>376
是非是非。
妹のことで一人悶々と悩む景時……。
383むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/23 23:51:28 ID:NFXF3oVy
将臣×望美キテタ━━(゚∀゚)━━!
しかも二つとも。
正直、将臣ルートは私にとって突然な展開が多かったのですが、
(なんでいきなりそんなにラブラブ? とか、源氏の神子って気付いてないの?とか)
お二人の話を読むとなるほどと納得させられました。
本編に足りなかったのはこれだ〜。

>63さん 佳境に入ってきましたね。続きが楽しみです〜。

>◆IM7Eib3U8Mさん 
傷にキスをするところとか、すごくよかったです。
最後の一文が切ないなぁ。
384名無しさん@ピンキー:05/01/24 23:03:02 ID:kZPCpuOp
また前スレ上がってる_| ̄|○
385名無しさん@ピンキー:05/01/25 00:46:22 ID:ZB4kZs03
アビリティ「スルー」を身につけましょう
386名無しさん@ピンキー:05/01/25 15:38:48 ID:A6FouxEj
>>291
さん首長くして続きお持ちしております(*´д`*)ハァハァハァアハァ
ところで神子、すでに非処女なんだよね?
387 ◆IM7Eib3U8M :05/01/25 17:08:30 ID:Ew5R0y69
>むたさん
ありがとうございます。
稚拙な文章ですが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。。


>>386
初めてじゃないとなると、
じゃあその最初の相手は誰だったんだと気になるわけで……。
388ちゅん:05/01/25 18:49:15 ID:9GSh6uF4
>IM7Eib3U8Mさん 
お疲れ様でした〜。
将臣ルート未制覇なのでクリア後のお楽しみにさせていただきます。
師匠とか九郎とか楽しみにさせていただきます。

投下途中なんだけれど全スレでも九郎×望美を書いたら書きにくくなってしまいました。
こっそり聞いてみます。
コレモカキカケナンダケド・・・ベンケイ×ノゾミ トウカシテミテモ イイ?

389名無しさん@ピンキー:05/01/25 20:09:48 ID:XENM93bi
>388
誘い受してないで、どうぞ投下して下さい。待ってますから。
390ちゅん:05/01/25 21:39:31 ID:9GSh6uF4
>389
お言葉に甘えて投下させていただきます。

弁慶×望美。
一応温泉シリーズです。
前半エロなしっーかつい遊んでしまってます。すいません。
391いけない人:05/01/25 21:40:18 ID:9GSh6uF4
それは白龍が大きくなった夜だった。
弁慶さんが私の元に忍んで来てくれた。
「今までは白龍がいましたからね。なかなか2人っきりになれませんでしたよね。」
そうして私達は初めてひとつになれた。
私にとっては初めての経験で、かなりの痛みを伴ったけれど
それでも痛みより好きな人とひとつになれた事のうれしさの方が上だった。
隣に愛する人の温もりを感じて眠りに落ちる。
弁慶さん、私、いま本当に幸せだよ?

「望美さん、望美さんっ!」
「弁慶さん、なんでここに・・・。っ!先輩っ!?」
ん、なんか騒がしい・・・・。
まだ眠い。体が妙にダルイ・・・・。
そう思いながら体を起こして気づいた。
え、天井ってこんなに高かったっけ?
譲君、また身長伸びた?
って、弁慶さん、もしかして私、私、小っちゃくなってるの〜〜〜〜〜〜!!
392いけない人:05/01/25 21:41:14 ID:9GSh6uF4
何でこうなったんだろう・・・・・。
もしかして、昨日の初えっちが原因?
「神子、大丈夫?多分、私が大きくなったのが原因。私の気と神子の五行が
安定すると、すぐに元に戻る。」
そうなのか〜〜〜〜。
せっかく、昨日初めて弁慶さんとああなれたのにこの体じゃ当分無理だよね。
「望美〜〜〜、何てかわいらしいの。兄上、兄上!後で望美に着物を買いに行きましょう。
うふふ、きっと桃色や赤が似合うわ。さあ、髪も結ってあげるわね!」
朔は大喜びだし。
「先輩・・・。4才位ですか?懐かしいですね。」
譲君は頬染めてうれしそうにしているし。
でも。
愛しい人の方をチラチラと見るのだけれども感情を隠すのが得意なあの人が
どう思っているのかまるで読み取れない。
でも微笑みつつも時々見せる鋭い眼差し。
・・・・もしかしたら弁慶さん、怒っている?
そう思うと彼の傍に近づけなかった。

「思っていた通り、望美は桃色が似合うわね。こっちはどうかしら?」
「姫君、ほら瑠璃の髪飾りと瑪瑙の首飾りも付けて見るかい?」
散々、朔とヒノエくんにおもちやにされているところを
将臣君が救い出しいてくれた。
「な〜んかお前、餓鬼の頃からかわらねぇなと思っていたら
ほんとにかわらなくなっちまったな。」
そう言ってくすくす笑う。ヒドイよ〜〜!!
「兄さん、あんまり先輩を苛めないでくださいね。
先輩、蜂蜜プリン作ったんです。食べますか?」
うん!うれしい。ありがとう!!譲君大好き!
そう言うと譲君はなんか、真っ赤になっちゃった。
・・・・でも譲君、プリン食べる時にヨダレカケ付けないでくれる?
外見はそうかもしれないけれど中身は17歳なんだよ?
393いけない人:05/01/25 21:42:53 ID:9GSh6uF4
プリンを食べ終わった私は庭の方に向かった。
「望美ちゃ〜〜〜ん。」
あ、景時さん。
「望美ちゃん、実はお願いがあるんだけれど・・・。」
景時さん、なんかもじもじして言いにくそうだな・・・。
「あのさ、抱っことか、高い高いとかさせてくれない?」
はあ?私17歳なんですよ?
・・・そう思いながらもコクンと頷いた。
「ほんと〜〜!ありがとう、望美ちゃん。さぁ行くよっ!たかいたか〜い!!」
・・・・告白してしまおう。
高い高いは面白かった。つい、もう一回、もう一回ってせがんでしまった。
・・・そうして違う世界にいるお父さんを思い出してしまい心が痛んだ。

394いけない人:05/01/25 21:43:36 ID:9GSh6uF4
高い高いで髪飾りが取れてしまったのでヒノエくんに返しに行った。
「姫君にあげたものだから取っとけよ。」
でも、こんな高そうな物・・・。
「高価そうって大事に蔵にしまっておくよりも、姫君に飾ってもらう方がこいつもよっぽどうれしいさ。
さあ、付けてあげるからおいで。」
そう言われて傍にいくと頬をぺろっと舐められた。
ひやぁ!
「ふふ、姫神子様の頬は蜂蜜の味がするね。」
プリン付いていたんだ!
顔が真っ赤になる。
「ヒノエ、神子をからかうものではない。」
敦盛さん〜〜〜。
思わず敦盛さんに抱きつく。
「神子、私に触れてはいけない。只でさえ私は穢れていると言うのに・・。
小さい貴方には耐えられない。」
敦盛さん、そんな事ないよ。
敦盛さんの手、冷たくて気持ちがいい。
知ってる?手の冷たい人は心が温かいんだって。
お喋りしながら私は敦盛さんの膝の上で眠ってしまった。
・・・・弁慶さんを探さなくちゃいけないのに・・・・・。
395いけない人:05/01/25 21:44:54 ID:9GSh6uF4
目が覚めると朝だった。
体はまだ小さいままだ。
昨日の朝は本当に幸せだったんだけれども。
朝食が終わったら弁慶さんと話をしようと思ったのに
みんなに囲まれてなかなか一人になれない・・・。
なんとかみんなを突破して裏庭に出た。
素振りの音。九郎さんだ。
綺麗なフォーム。九郎さんの太刀筋って本当に綺麗なんだよね。
見つめていると九郎さんは私に気付いたみたい。
嫌な顔されるかな、『修業の邪魔だ』とか言われるんじゃないかなって
ついおどおどしてしまった。
すると九郎さんはにぱって笑った。
九郎さんってこんな顔して笑うんだ・・・。うん、九郎さんの笑顔って好きかも。
私も笑顔を返した。あ、九郎さんちょっと照れてる。
「・・・来るか?」
九郎さんは自分の膝を叩く。
うん。私は頷いて九郎さんの膝に飛び乗った。
「なあ、ちよっとだけでいいからぎゅってしてみてもいいか?」
ふり向くと九郎さんは真っ赤になって「見るな!」って言った。
396いけない人:05/01/25 21:45:53 ID:9GSh6uF4
九郎さんに弁慶さんが裏山に入って行ったって聞いて裏山に向かう。
なのに私どこかで道を間違えたみたい。
今居るのがどこなのかわからない。
泣きそうになる。ふぇ・・・っ。思わず涙がこぼれてくる。
小っちゃくなって涙腺弱くなっちゃったのかな。
その時、影のような物がゆれた。
「心配したのだぞ、神子。」
・・・先生だ!先生〜〜っ!
思わず先生に抱きつく。
先生は背中をぽんぽんと叩いてくれた。
「怪我はないようだな。良かった。
・・・・・神子、ちょっとだけお前を抱きしめてもよいか?」
あんたもかい。そう言いたくなったが頷く。
先生は心なしか照れたような顔をしてぎゅって抱っこしてくれた。
そうして私を抱き上げたまま皆の元へと戻ってくれた。
397名無しさん@ピンキー:05/01/25 22:05:59 ID:H1nAqRHJ
>390
(・∀・)イイ!! 梶原兄弟に笑い萌えました。
あの、できれば投下終了時は一言あると嬉しいッス。
待ちながらリロ繰り返してしまいます。
398名無しさん@ピンキー:05/01/26 00:21:58 ID:z496gLlt
>>390
同じく笑い萌えしました。九郎も意外で可愛かったなぁ(*´Д`) GJ!!
399名無しさん@ピンキー:05/01/26 01:47:14 ID:e6/fE9vk
GJ! 皆可愛すぎ! 先生まで!
400名無しさん@ピンキー:05/01/26 05:53:10 ID:gtYDm8dS
>>390
みんなの反応がらしくて、イイ!!
ほのぼのしました。
401ちゅん:05/01/26 07:24:52 ID:V93cgz9f
>>397
ごめん今度から気をつけるよ。

感想くれた神子様方ありがとうございます。
書いてる途中で会社に行くとテンションが下がって書けなくなっちゃう事が多いので
できれば行くまでに書き上げてしまいたいのだけどいけるかどうか・・・。
とりあえず自分を追い詰めるために続けて投下させていただきますね。

弁慶さんが弁慶さんらしくなってくれない・・・・。
402いけない人:05/01/26 07:26:52 ID:V93cgz9f
夕食の後、弁慶さんの姿がまた見えない。
温泉に行ったと聞いて私は覚悟する。
恥ずかしいけど弁慶さんと一緒に入ろう!
脱衣所に入る。幸い脱いである着物は弁慶さんのものだけだ。
服を脱いで石段を登り温泉へと向かう。
「の、望美さんっ?」
弁慶さんが吃驚したようにこっちを見ている。
ううっ、恥ずかしいよぉ。
いくら一線を越えていても、こっちの体がトドラーサイズでも
好きな人の前で裸なのはやっぱり恥ずかしい。
テレを隠すかのように思い切って湯船に飛び込んだ。
「・・・・一緒に入っちゃダメ?」
小首をかしげてうるうるした瞳で弁慶さんを見つめる。
この2日間で習得した技だ。
「・・・ダメじゃありませんよ。もちろん僕はすごくうれしいですよ。」
そういって笑う弁慶さんの瞳は本当は笑っていない。
「さあ、僕は体を洗ってきますね。」
行っちゃダメ!!思わず弁慶さんに後ろからしがみ付く。
何故か、いま弁慶さんの手を離すと二度と元には戻れない気がして。
弁慶さんがため息をついたのが聞こえた。
心臓が誰かに鷲づかみにされたみたい。
私のこと迷惑ですか?
私のことキライですか?
聞きたい言葉は喉の奥に詰まる。
きっと聞いてしまったら終わりだ。
私にできるのはただ弁慶さんにしがみ付いているだけ・・・・。
・・・・・・・ン?
もしかして弁慶さんの下半身、勃起してる?
もしかして幼女でもオッケー・・・っていうかロリコン?
私のこと感じてくれてるの?
・・・・・だったらうれしい。
私は弁慶さんに手を伸ばした。
403いけない人:05/01/26 07:28:18 ID:V93cgz9f
「のっ、望美さん、なにしてるんですか?」
熱い。堅く反り起っている。
こんなに大きいものが私の中に入ってきたんだ。
そりゃ痛くて当然だよ。
17歳の体でもあれだけ痛かったんだもの、この体では絶対に無理だよね。
私は弁慶さんの前に回りこんだ。
以前に将臣君の部屋で見つけたエロ本のグラビアを思い出す。
ぺろっ。
「望美さんっ!」
男の人ってここを舐めると気持ちいいんでしょ?
大きすぎて今の私では口に含みきれない。
だから一生懸命舐めてみた。
こんなに小さくなったのに体の奥から欲望がわきあがる。
コノヒトトヒトツニナリタイ。
でもこの体じゃかなわないだろうな。
弁慶さんのほうを見上げてみる。
上気した顔で快楽に耐える為か目は瞑っている。
気持ちいいの?よかった。
私の視線に気付いた弁慶さんは私の頭を押さえて引き離そうとした。
「望美さん、駄目ですよ。こんな事、しちゃだめですよ。」
どうして?外見はこんなですけど中身は17歳の私です。
それにおとつい弁慶さんにオンナにしてもらいました。
言ってから後悔する。弁慶さんの瞳に後悔の色が見えたから。
-----------私を抱いた事、後悔しているんですか?
404いけない人:05/01/26 07:29:20 ID:V93cgz9f
「望美さん、僕は本当は本当に罪深くて酷い人間なんですよ。
いままで何人もの人達の事を平気で利用して捨ててきました。
京や熊野で僕がしてきた事を知ったらあなたはきっと僕のことを嫌いになりますよ。」
そんな事ならとっくに知っています。
お願い、すべて一人で背負い込まないで。
あなたが罪と共に在るのなら私はその罪ごとあなたを愛します。
「望美さん、君は・・・・。」
そう言った弁慶さんの目から涙が一筋流れた。
・・・綺麗な涙。
私は弁慶さんに抱き上げられた。
「さっきここにばい菌がついていたから消毒しましょうね。」
そして頬にキスされた。
そ、そこはヒノエくんに舐められたトコ・・・。
弁慶さん、見てたんだ・・・。
「ここは僕以外に許しては駄目ですよ?」
そういって唇を重ねた。
その瞬間、弁慶さんから土の気が流れ込んでくるのを感じた。
罪深くなんかない。
あなたの気はこんなにも優しい。
弁慶さんの土の気が私の中で溢れていく。
木の気、火の気、金の気、水の気。
五行はいつも私の周りに、そして私の中にあったんだ。
そして五行が溢れ出す。

とりあえずここまでです。
あとちょっと出勤までがんばります。
40563:05/01/26 13:47:46 ID:O7SoPRLC
>>◆IM7Eib3U8Mさん
最後が切ないよ〜。て言うか将臣×望美萌えだ!
……でも傷にキス、被っちゃった…どうしよ…ま、いっか
>>ちゅんさん
相変わらず飛ばしててステキ

一通り最後まで書いて、校正しつつそれに肉付けしていってる
状態なんですが、肉付け段階で展開変わったり増えたりしたおかげで
まだ纏まらなくて投下が遅くてスマソです。
今日中に1回目の山場まで投下出来ると良いなぁ…。

ちょっと前の本スレ見てて思いついたネタがグルグル頭の中で
回ってて困る…(こっちは全部書き上げてから投下したいなぁ)
406291:05/01/26 19:23:02 ID:Pi9UOISU
>63さん、今日投下なさるんでしょうか?
第一夜、とりあえず終わらせてきたんですが
先に投下しても大丈夫そうですか?
407291:05/01/26 19:41:40 ID:Pi9UOISU
とか言って待ってる間にさっさか投下しちゃった方が早いですね。
第一夜投下します。
408291:05/01/26 19:42:34 ID:Pi9UOISU
柔毛がふわりと載った丘を越えた先に、そっと触れる。
くちゅ、小さな水音と熱く絡むぬめり。
高まる嬌声を抑えようと手を口元にやった望美に苦笑し、景時は亀裂に沿って指を滑らせた。
指先が軽く沈む入口は敢えて通過して、そのまま上へ。
小さな花芽を探り当て、やわやわとくすぐるように触れてみた。
「んう! ふ、んくっ……!」
びくびくと震え、上がりそうな声を掌で押さえ付ける望美。
聞かれたくない、聞きたくないのだ。
八葉は大切なひとだけれど、仲間だ。恋人ではないのだ。
その八葉に、こんなことをされて……否、してもらって。
こんなふうに、善がっているなんて……
神子などと呼ばれはしても、しょせん名だけなのだと。
浅ましい欲を持った、ただの娘なのだと……
嬌声は、その証に外ならない気がして。
望美は、両の手の平を強く唇に押し付けた。
409291:05/01/26 19:43:44 ID:Pi9UOISU
「望美ちゃん……」
景時は困ったように呟いて、その手の甲にくちづけた。
「イヤなのかな……ダメなら、止めるよ?」
その声に、堅く閉じられていた望美のまぶたが開く。
手を止めた景時は、いつもの優しく気弱げな笑顔で望美を見つめていた。
「……や、じゃない……です。ただ……恥ずかしくて……」
甘く潤んだ声が、とぎれとぎれに囁く。
「そっか」
ホッとした様子を隠すこともなく、景時は笑顔を見せた。
「できればでいいんだけど……声、我慢しないでほしいな。
苦しそうだし、せっかく可愛い声なんだもん、聞きたいから」
言葉とともに手を差し延べ、唇を覆うそれを外してしまう。
「それに、さ」
ちゅっ、と軽い音を伴う、触れるだけのキスを落として、
「唇隠されちゃったら、こんなのもしにくいでしょ」
景時はそう言って微笑った。思わず望美の頬も緩む。
それに引き寄せられるように、もう一度くちづけを交わした。
と同時に、指先をまた泉に浸す。
「っうん……ふ、ぅん、う」
花芽をくすぐられ、全身を震わせて反応する望美の嬌声は唇に呑まれる。
さらに、景時の中指が入口を探り始めた。
僅かに沈め、軽くこねるように掻き回してはじりじりと深度を上げてゆく。
溢れ出す蜜は身体を伝い、じわりと布団に染みていった。
410291:05/01/26 19:45:26 ID:Pi9UOISU
と、突然景時の指がずぶりと深く沈み込む。
同時にくちづけた唇も解放され、素直に甘い声が上がる。
「ぅ、くふぅ……っあ、うん、あぁっ……!」
景時の器用な、しかし武士らしく武骨さも備えた指が望美に潜り、隠微な水音を立てて掻き回す。
入口近くを、かと思えば最奥の突起を弄り回し、時には悪戯に内壁を引っ掻く。
ぐちゃぐちゃと響くその卑猥な音は望美の耳にも届き、たまらない気持ちにさせた。
「っあぁ……か、景時さんっ……!」
敷布を握りしめていた望美の手が景時の背に回り、縋り付く。
応えるように頬や額に軽い口づけを与える景時の耳元で、消え入るような囁きが漏れた。
「……もぅ……お願ぃ……っ」
「……仰せの通りに」
小さな囁きを返して、景時はまた口づけを落とす。
それから、優しく望美の片足を抱き上げて……
「……いい? そのまま……力抜いててね」
「あ……ぁ……っあぁ!!」
ゆっくりと、貫いた。
411291:05/01/26 19:47:30 ID:Pi9UOISU
気は強いがやや押しに弱い望美は、
現世にいた頃持った恋人と既に経験済みだったから、痛みなどはない。
あつい、熱いものに充たされる感覚……
生理的な涙が一筋、赤くほてった頬を冷ますように流れた。
「……望美ちゃん……っ、痛、かった?」
望美が熱に強張ってしまった分、彼も辛かっただろうに、
自分の息も整わないまま気遣いをくれる景時に、望美はうっすら微笑んでみせた。
「……だいじょぶ、だから……ね?」
あまりに気丈なその笑みに惹かれるように、景時はそっと口づける。
繋がったままの口づけで、中にある景時のものが身体の動きに連動し、ズルリと動く。
「は、あっ……」
こぼれ落ちたのは甘い声。
「望美ちゃんも……気持ち良くなってくれてるんだ」
緊張が解けた身体が快感を得ていることに勢いづき、抱く腕に力を込める。
「……動く、よ」
囁いて……軽く、刻み込んだ。
「は、んぁ……ん、ふ、ぁ」
動きに合わせて、望美の嬌声が響く。
少しずつピッチも振れ幅も増して、比例して声のトーンも高まる。
「あ、あ! ん、んッ、ぁん、あ、っ」
背に縋った手がもどかしく這い、やがて耐え切れず爪を立てる。
快感の峠が近い証だろう。応えるように、景時の動きも激しさを増した。
「あん! や、あっ、あ、くっ、あぁ、あ、あッ!」
がくがくと揺さぶられながら上げる切なげな喘ぎは、もはや意味をなさない。
快感を堪える景時の顔にも汗の粒が浮かび、ぐっと眉間にも皺が寄る。
望美の快感が高まるにつれて増す締め付けに、即座にしぼりとられるような錯覚すら覚えた。
「っく、景時さん、かげときさんッ……!」
悲鳴のように呼びながら、望美の身体が強張る。
それと同時に、動けないほどきつく締め上げられて、景時も限界を越えた。
真っ白な視界のなか、温かなものに抱きしめられ、胎内で熱いものが弾ける。
そこから、何か澄んだものが五体を駆け巡るのを感じて、望美は瞳を閉じた。
412291:05/01/26 19:49:10 ID:Pi9UOISU
望美が目を覚ましたのは、自分に割り当てられた部屋だった。
あれから何度かして、そのまま気を失ったはずなのに、夜着に包まれた身体から、その痕跡は感じない。
しかし夢ではない、確かに金気が増しているのがわかる……
「って、ことは……」
景時が、後始末と身仕度をさせて、運んでくれたのだろう。
それに思い至り、望美は羞恥に崩れ突っ伏した。
確かに、一緒に起きて、みんなに会うのは恥ずかしいけど……
「これはこれで恥ずかしいよ……」
呟いて、望美は布団を被り直した。
朔に起こされるまで、寝直してしまおう。
瞳を閉じたその顔は、ほのかに朱に染まっていた。
413291:05/01/26 19:51:35 ID:Pi9UOISU
ここまでです。_| ̄|○ エロ ムズカスィ
第二夜の制作に入ります……どっちにしようか迷い中。
お目汚し失礼しました。
414名無しさん@ピンキー:05/01/26 19:57:35 ID:xwvJxlDC
>>63さん
ネタ被っても(・∀・)キニシナイ!
待ってますよ〜


>>291
キタ━━━(・∀・)━━━!!
しかし相生を考えると次は水なんですが、どちらか迷うって……もしかして水じゃない?
415名無しさん@ピンキー:05/01/26 19:58:07 ID:Nke/Y0IE
>291、GJ、超GJ!!
>「……仰せの通りに」
禿萌えしましたハァハァ(;´Д`)ハァハァ
416名無しさん@ピンキー:05/01/26 20:02:09 ID:z496gLlt
>>291ネ申
リードする兄上禿萌え(;´Д`)ハァハァ
次は誰なのかドキドキしながら待ってます(*´Д`*)
417むた ◆rEtdWXJvJ6 :05/01/26 22:15:15 ID:Uz794Mb1
続き来てた━━(゚∀゚)━━!
気弱げに微笑みながらリードする景時萌え〜
418名無しさん@ピンキー:05/01/26 22:22:37 ID:LEbQmXTh
>>291
イイ!
今後、誰が選ばれるのかも楽しみです。
一晩を共にした八葉がどんな気持ちなんだろうと考えると
そちらにも萌え。
割り切れる人、割り切れない人と色々ありそうで。
41963:05/01/26 22:34:53 ID:Oe8h6NC5
>>291タン、キターーーーーー!
第2夜、悩んでるってもしかして、水の2人?
楽しみにしてます。

291タンの後ですが、投下させて下さい。
また、何日も空けると思うので今日はいつもより
多めに投下します。
420将臣×望美40 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:35:54 ID:Oe8h6NC5
 探している人物は大木に寄り掛かっていた。
 雨で視界がくもり、ぬかるんだ地面に足をとられつつも、暫く獣道を走り
続けると、道から外れた、奥まった暗闇から白い物が視界に入った。
 山小屋への道筋を確認しつつ、その白い物へと近付いていくと、それはや
はり見慣れた、高校の女子制服のスカートだった。
 汚れが目立つとあまり好かれていなかったようだが、この異世界でこんな
形で役に立つとは……思わず笑みがこぼれそうになる。
 が、スカートの持ち主の様子がおかしいことに気付く。
 上半身をぐったりと背後の木に持たれ掛けているが、足下はガクガクと今
にも崩れ落ちそうだった。放っておけば、泥にまみれてしまうだろう。
――クソッ
 舌打ちすると、駆け出していた。

 間一髪、少女の細い体を支え、そのまま抱き上げる。
 体は冷え切っているのに、触れた額と荒く吐く息はかなりの熱さだった。
大木の下にいた為に着ていた着物が濡れていないのが救いだが、ゆっくりし
ていては、更に症状が重くなるだけだろう。
 雨避けの革布をもう一度、抱いた少女が濡れないように深く被ると、山小
屋へと急いだ。
 足を動かしつつ、胸の少女を確かめるように強く抱く。
 軽い、と思った。先日連れ帰った時も、更にその前に滝に落ちそうな体を
抱き留めた時も同じことが頭を過ぎったことを思い出した。自分が記憶して
いるよりも小柄に感じるのは錯覚だろうか?
421将臣×望美41 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:36:58 ID:Oe8h6NC5
 元来た道を引き返し、小屋に飛び込むと望美を寝かせ囲炉裏に火を付ける。
 何とは無しに嫌な予感がし、薪を確認すると残りが少なかった。念のため
にと、馬に玄関先に置いてあった飼い葉を与えるついでに山小屋の裏手を覗
いたが、予備の薪は庇の外に置いてあり雨に濡れていた。
「…さて…どうするか…」
 雨は暫く止みそうになく、残りの薪の量は止むまで保つかもわからない。
「…あー…何か昔読んだ漫画か何かにあったよな、こういう状況…雪山で遭
難ってのがセオリーだったっけか」
 小屋の中に入り天上を見上げ呟く。まさかこの世界でこんなベタな展開に
なるとはな、などと気を紛らわせつつ、上着を脱ぐ。雨避けをしていたとは
いえ全く濡れていないわけではない。それは当然胸に抱いていた望美も例外
ではなく、荒い息をし横たわっていた体を抱えると上の着物とソックスを脱
がせ、薄手の小袖とスカート姿にする。
 そのまま、冷たい体を自分の胸に抱き寄せると、持って来ていた厚めの上
掛けで2人の体を包む。
 暫くは、こちらの体温が奪われるのでは無いかと思うほどだったが、徐々
に少女の体も温まり、それに安心したせいか、疲労と睡眠不足がどっと体に
押し寄せてくるようだった。
422将臣×望美42 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:38:05 ID:Oe8h6NC5
 望美は声を上げそうになって口を自分の手で塞いだ。驚きが去ると今度は
心臓の鼓動が早くなる。
――何で…どうして将臣くんが…
 外にいるはずなのに、雨に濡れた地面に座り込んでるはずなのに、何故か
体があったかくなり、気持ちよくなって、その温かさに身を委ねていたとこ
ろ、やがて冷静なもう1人の自分が何かおかしいと言った途端、目が覚めた。
 覚めて自分が温かい何かに頬を擦り寄せているのに気がついた。まだ覚め
切らぬ頭をゆっくり上げると、視線のホンの間近に見知った男の寝顔にぶつ
かったのだ。そこで完全に覚醒した。
 状況がわからずパニックに陥りそうな自分を心の中で宥めると、頭の中で
わかることだけでも整理する。
――…具合悪くなって、雨が降ってきて動けなくなっちゃって…それで座り
込んじゃうところを……何かに抱え上げられたんだっけ…
 あの時の、自分を捉えた熱さを思い出す。
「…あれは将臣くんだったんだ」
 呟き、眠る青年の頬に手を触れる。寝息を立てたまま起きる気配は無い。
 そっと上掛けの中の自分を確認する。上に来ていた着物は脱がされていた
が、中の小袖とスカートはそのままで、けれど、しっかりと両腕で抱
きしめられているため、体は将臣のはだけた胸元に密着している。
――と、取りあえず、起こさないように離れよう
 このまま抱かれているのは、恥ずかしくてどうにも落ち着かなかった。
 将臣くんは、お隣さんで幼なじみで兄妹みたいなもんだし、口は悪いけど
優しいから、こうやって気遣ってくれるんだ、などと心の中で自分に言い聞
かせながら身じろぎする。
423将臣×望美43 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:39:47 ID:Oe8h6NC5
 このままでは、自分の方がおかしくなって、とんでもない行動に出かねな
い。変に期待を持つことは出来なかった。夢に見たあの光景が思い出される。
あんな目で自分が将臣に見られたら、みじめで泣き出してしまうだろう。
 そう思うと、一刻も早くこの状況から脱したかった。
 雨が降り続く音が耳を打つ今は、外に逃げ出すこともできないが、この体
だけでも引き離したいと思った。
 自分のことを、かつての友人達や九郎と白龍を除く今の仲間達が、恋愛面
においてかなりの鈍さを誇ると認識していることなど、望美自身は全く知ら
ない。
 少し大きく体を動かしたとき、2人を覆っていた上掛けが肩から滑り落ち
た。
「あ……!」
 落ちた上掛けに手を伸ばそうとした瞬間、深い溜息が聞こえ、ビクリと反
応してしまった。
「さっきから何やってんだ、お前は」
 呆れたように、耳元で囁く低い掠れた声に、自分の中の何かがかき乱され
るような気がして慌ててその声から遠ざかろうと、ほんの少しだが体を離す。
上掛けが落ちているせいもあり、温まっていた体に小屋の中とは言え冷気が
染みるようだった。
「ご、ごめん。上掛け、返す、ね。も、もう、だいじょぶだから」
 しどろもどろになりながら言うと、更に体を浮かそうとする。
 が、逃げだそうとした体を再度深く抱きしめられ、素早く上掛けまで巻き
付けられてしまった。
424将臣×望美44 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:40:46 ID:Oe8h6NC5
「ま…将臣くん…」
「おとなしくしてろ、寒いだろうが」
「…いや、だから、ね」
 どうにかしたいのに、言葉がちゃんと紡げない。
「うるせ。徹夜で眠いんだ、黙って寝せろっての」
 もう一度腕の中の望美の体を強く抱くと、将臣はさっさと目を瞑りすぐに
寝息を立てはじめてしまった。
――信じらんない…
 こんな状態でまた眠れるわけないのに。暫く思考自体がぐるぐると頭の中
で回っていたが、やがて望美も眠りに落ちていった。


 眠りから覚めたのは、朝も過ぎ昼近くになる頃だった。雨は既に止んでい
た。
 望美に大体の時間を教えてくれたのは将臣で、数年いた間に太陽の傾きで
わかるようになったと言うことだ。
 起きてすぐに、今回の無謀な逃亡劇を当然のことながら怒られた。自分や
譲に対してはあまり声を荒げたことが無かったので、本気で怒っているのだ
と理解したし、悪いのは自分で、しかもかなりの迷惑掛けた自覚もあるので、
素直に聞いたし謝罪もした。
 しかし、一点だけどうにも納得いかないものがあった。夜盗に襲われたら
どうすると言われても、お金など殆ど持ってそうにない小娘である自分が、
怨霊ならともかく、そんな金品を狙う連中にそもそも襲われるのかと疑問に
思い反論すると、流石に将臣が頭を抱えた。
425将臣×望美45 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:41:46 ID:Oe8h6NC5
――天然なのにも程があんだろ…
 何だか自分は最近溜息が多いな、と思う。基本的にあまり深く考えないし、
何とかなるで何とかやって来たし、悩むよりも先に行動するのを身上にして
きたのに、望美、と言うより自分の気持ちに振り回されている気がする。口
にも態度に勿論出さないが、一つ下の弟の気持ちが今なら良く理解できた。
 自分が望美に抱いてる思いを知ったら、この少女はどう思うのだろうか?
男女の生々しい部分は知識では知っていても、それが自分に当てはまるなど
思ってもいないように見える。むしろ、そういうことを避けている、元の世
界では今では珍しい、青い潔癖さがあるように感じていた。自分に対しての
想いはまだそういったことを求める段階までは行っては無いのだとも。
 そういう面で信頼しているであろう人間が、自分に対してその避けている
部分を知らしめたら一体どうするだろうか? そして自分ががそれを実行に
移すことをこそ望んでいるというのが、更に溜息を深くさせる。
 残り少ない薪を囲炉裏に投じ、持ってきていた携帯食で食事を取りながら、
何か忘れているのではないか? と思った。
 そして、はたとその忘れていたことに気が付く。
「…望美、食い終わったら傷を見せろ」
 動けるようになっただけで、無茶をすれば昨日のように熱を出す。下手を
すれば傷が裂けたり、化膿して酷い状態にもなる。
「う…うん…でも大丈夫だよ…?」
「ダメだ」
「……わかった」
 呟くように言った少女の頬が心なしか赤く染まっていた。
426将臣×望美46 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:42:39 ID:Oe8h6NC5
 ウソだった。本当は、ずっと鈍い痛みがあったが、将臣には見せたくはな
かった。昨日1人でいたときに思ったことが頭を過ぎって仕方ない。ここ数
日毎日のように見られていたが、改めて意識すると視線が気になってどうし
ようもなかった。
――将臣くんはきっと何とも思って無いのに、私ばっかりこんなこと考えて
ちゃダメだ。夕べのことだって薪が少なかっただけなんだし
 食事が済むと、意を決して将臣に背を向け、帯を外し肩から背にかけてを
露出する。
 将臣は新しい包帯を用意し、晒された背に向き直り息を飲む。
 巻いていた包帯に赤い血が滲んでいた。
――まさか傷が広がったか?
「将臣くん?」
「黙ってろ」
 訝しげに顔を向かせる少女に言葉を掛けると、巻いてある包帯を外し傷薬
を塗った布を取り、確かめるように傷に触れる。
「…う…くぅ…」
 鈍い痛みの場所に触れられ、それが刺すような痛みに変わり、思わず声を
出してしまう。
「痛いのは当然だ」
「ごめん…なさい…」
 痛みを堪え、謝罪の言葉を放ちながら、肌…正確には傷だろうが、それに
感じる視線に体が熱くなる気がした。頬が熱くなる。
――何考えてるのよ! 私のバカ!!
 確認する指先を感じて、はだけた着物を胸元で強く抱く。
427将臣×望美47 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:43:25 ID:Oe8h6NC5
「傷、広がっちゃいないがまた血が出てるな。ったく、折角塞がったっての
に」
 将臣はゆっくりと傷口をなぞると、傷口の周囲の血を拭き取る。
 先ほどから、触れる体がかすかに震えてるのが伝わってきている。白い肌
が上気し、艶かしさすら感じ、体の内側から欲がせり上がってくるのを理性
で抑えつけていた。
 食事前に思ったこととは正反対に、今は何があったのか自分を意識されて
いるのが如実にわかる。が、何故今になって? 検討もつかなかった。こち
らの思いを気取られるような素振りは見せていない。
 気を紛らわすように息を吐き、薬剤を塗り付けた塗布を傷に被せる。
「…つっ…!」
「悪い、強く押したか?」
「ううん、痛かったんじゃなくて冷たかったの。紛らわしくてゴメン」
 心配かけさせまいとしてか、背後に顔を向け微笑む。
 その、困ったような申し訳ないような笑顔に、心臓が大きく鳴った気がし
た。
――不味い…っ…!
 抑えつけていた想いが今にも暴れ出しそうで、理性がギシリと軋みを上げ
ている。
「…前を…向いてろ…」
「…? …う、うん」
 もう一度深呼吸をし、きつくなりすぎないように注意して少女の体に包帯
を巻いていく。
 包帯を巻く手に、柔肌が何度も触れる。筋肉などさほど無い、この体で、
大の男の剣さえ受ける刀を振るうなど考えられなかった。
428将臣×望美48 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:44:09 ID:Oe8h6NC5
「いいぞ」
 包帯を巻き終わり、ぽんと軽く傷のない方の腕を叩くと、望美は乱れた着
物も直さずに向き直り、笑顔を向ける。
「ありがとう」
 あれほどこちらを意識しておきながら、何故こうも無頓着な態度を取れる
のだろうか?
 ……何かが壊れる音がした……。
 ドン、と大きな音がして、自分の体が壁に押しつけられるのを望美は感じ
た。
 今包帯を巻き直して貰った傷が衝撃に痛みを訴える。が、苦鳴は出なかっ
た。いや、出せなかった。
 声を出すはずの口は、唇は、塞がれてしまっていた。
 息を飲むことすら出来ない、噛み付くような乱暴な口接け。抵抗する前に
強引に口を割られ、舌が嬲る。
「ん…んう…う…」
 抵抗しようと試みても、言葉は勿論発せず、両手は同じく将臣の両手によ
って壁に押さえつけられている。
 自分の舌が、引きずり出され相手の舌に絡みつかれ良いように蹂躙されて
いる。息苦しさと理解出来ない感じに眩暈がしていた。体の奥の何かが熱く
なるような気がしている。
429将臣×望美49 長文ネタバレ有り:05/01/26 22:45:37 ID:Oe8h6NC5
 決して嫌悪感があるわけでは無かったが、将臣が何を考えているのかわか
らず混乱しているまま流されていた。
 きつい強引な口接けと息苦しさ、理解できない自分と将臣の感情、そして
今はまだわからない体の疼きに、いつしか涙が零れ落ちていた。
 ふ、と自分を押さえつけていた力が抜け、唇も解放される。
 涙目になりながら自分に影を落とす相手を見上げると、顔を背け苦しげな
顔とぶつかる。
「…クソッ」
 小さく、けれど酷く辛そうに呟くと、将臣は望美を見ないように背を向け
立ち上がり、小屋から出ようとする。
 何か声を掛けなければと思い、けれど何の言葉も見つからずにいると、扉
を閉める前に声を掛けられた。
「さっさと服を着ろ」
 自分の体を見おろすと、はだけて乱れた胸元から、胸の谷間だけでなく、
白い隆起も半ばまで覗いていた。
 悲鳴も無く、自分の体を抱きしめる。
 知らずに嗚咽が洩れ、再び涙が落ちていた。
 自分が何故泣いてるのかすら、わからなかった……。
43063:05/01/26 22:47:28 ID:Oe8h6NC5
本日はここまでです。

次回は多分エチに行けるかなぁ…と。
ついでに終わらせられるかなぁ、と思ってます。
…断言は出来ないけれど
431 ◆IM7Eib3U8M :05/01/26 22:50:36 ID:xwvJxlDC
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
将臣がんばれ、超がんがれ………。
続き楽しみにしてますよ〜!!
432 ◆dA1RAj6ki6 :05/01/26 22:57:42 ID:URditWko
ここらで一発エロくない兄妹愛。
ネ申の後にアレだな・・・と思いつつ投下します。
梶原兄妹につき注意。

皆さんの小説で毎日おなか一杯にさせてもらってます。
続きがんばってください!
433雨のち晴れ・京:05/01/26 22:59:13 ID:URditWko
京の都は今は夏―――。市場の雑踏に混じって遠くからセミの声が聞こえてくる。
穏やかに照る太陽と、涼しいそよ風が心地よい。
―――こんな日は洗濯するにはもってこいだ。
そう思いながら、仕事がひと段落つき、邸に戻っていた景時はうきうきと洗濯物の準備をしていた。
朔や母からは「男が洗濯なんてみっともない」と言われることもあったが、これが景時の心の支えだった。
趣味の洗濯をしているときは、どんな嫌な事も忘れられる。
風に瞬く白い洗濯物を見ていると、自分も真っ白になって気分になるのだ。
自分の手が血に染まっていることも、裏切り者の汚名も、朔と黒龍の事も―――
すべて忘れることができる。

「よしっ・・・これでいいかなっと・・・」
そうひとりごちて、景時は庭の石に腰を下ろす。
目の前に広がる青空と、真っ白の洗濯物。青と白の対比が美しい。
翻る洗濯物を見ると、いつもあのときのことを思い出す。
ふと目をやった庭先で、仲睦まじく微笑みあう朔と黒龍のことを。
洗濯物の陰に隠れる瞬間、二人の影が重なるのを見てしまった。
分かってはいたのだが、直接目にするとあれほど心が重くなるとは思わなかった。
そして景時は後悔する。あの時、なぜ朔をとめなかったのかと。
あの時朔をとめていれば、朔があんな思いをすることは無かったのに―――
あの頃に比べれば朔は明るくなった。ふさぎこむことも無くなったし、俗世は捨てたといっても
いまだこの邸にとどまり母の面倒を見てくれている。
434雨のち晴れ・京:05/01/26 23:00:21 ID:URditWko
ただ、今でもあの男の事は忘れられないのだろう。時折朔の表情がかげることを景時は知っていた。
―――黒龍が・・・消えてしまったの・・・ッ
ああいってくずおれた朔を、景時は救えなかった。
幼い頃から、どんなときも、何を言っても、兄である自分を信じてくれた朔。
いつも笑顔を見たいと思う。いつも一緒にいたいと思う。いつも守りたいと思う。
自分なら、朔を一生幸せにして見せるとも思う。朔を絶対に、泣かせないと誓う。
朔をこの手で抱きしめられるなら、どんなにいいだろう。何度思ったか知れない。
でも、それは自分がするべきじゃない。
自分と朔は兄妹で、「男」と「女」ではないわけだから。
「兄」と「妹」の境界を超えてしまったら、きっと朔を傷つける。
もう二度と、黒龍を失ったときのような朔を見たくはない。傷つけることはしたくない―――
自分の気持ちに整理をつけたはずだったが、油断するとふと想いがもたげる。
「まったく・・・困りもんだよねぇ・・・」
そう呟いたとき、ひょっこりと朔が現れた。
「あっ?!え?朔?!」
「なに慌ててるの」
突然現れた朔に、景時は驚きを隠せない。そんな景時を、朔は不振人物でも見るような目で見ている。
「ど、どうしたんだい?」
「兄上、忘れたんですか。今日は夏物をそろえに市に行くと前々から・・・」
ちょっと怒ったように朔がいうと、景時は「ごめんごめん、すぐ行くよ〜」といつものように取り繕う。
そんな兄に、朔はちょっぴり苦笑した。
他人から見れば頼りない、情けない、だらしないと三拍子そろった兄だが、朔は知っている。
自分の兄が、道化を買ってまで自分を励ましてくれたこと。
小心者の癖に、人には弱みを見せないところ。
どんなときでも、自分を大切に想っていてくれること―――
朔は、兄ほど優しい人はいないだろう、と思っている。
黒龍を失った今も、こうして生きていられるのは兄の優しさがあるからだ。
435名無しさん@ピンキー:05/01/26 23:02:01 ID:3DE0d/1d
>291
さんの続きが来てる!!うっひゃっほい!
めちゃよかったです。次回も期待しております
(しかし、ぎりぎりで譲が乱入してくるのを期待していた・・・
しかも返り討ちに合い、柱とかに縛り付けられて二人のえっちいを見せ付けられるのを妄想していた
そんな私は 不 憫 萌 え )
436雨のち晴れ・京:05/01/26 23:02:46 ID:URditWko
「もういいわ。兄上を待ってたら夜になっちゃう」
そういって、朔はすっと景時の手を引っ張る。
「あ、朔・・・」
「ほら、早く行かないと市が閉まってしまうわ」
自分の手を引っ張って微笑む朔を見ると、今まで考えていたことが無意味なんだと思ってしまう。
つないだ手から伝わるぬくもりが、景時の心を落ち着かせる。
今、朔のそばにいるのは自分なのだから。
この手に抱くことが無くてもいい。ただこの妹が幸せになるために、守ってやらなきゃならないんだと。
―――いつまでたっても、離れられなさそうだなぁ・・・
ずいぶんな妹への愛情の注ぎぶりに、自分でも苦笑する。
だけど、これでいい。
自分は兄で、朔は妹で、守ってやろうと思うことは悪くは無いから。
「ほら、兄上。今日はしっかり荷物を持ってもらいますからね」
「ええ〜っ!そりゃないよ朔〜」
「忘れてた罰です!」
「参ったな〜・・・」

「いってまいります」
澄んだ声が邸に響く。
京は夏。空は青々と澄んでいる。
437 ◆dA1RAj6ki6 :05/01/26 23:04:35 ID:URditWko
おわり。

エロなし落ちなし抑揚なしですが。
この兄弟には幸せになって欲しいものです。
マトマラン
438435:05/01/26 23:18:05 ID:3DE0d/1d
>>432
すまんかった・・・・・・・
リロードしておけば・・・・・・
439ちゅん:05/01/27 18:34:08 ID:QaUle7Tv
>291さん
続きキテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
気弱なようでテクニシャンな兄上に萌え。

>63さん
やっぱ自分傍から見ても飛ばしてますか・・・。
ええ、昨日エロ書いてて会社に5分遅刻しました。
そろそろなんとかしなくては人生やばそうなんですよ。

>432さん
兄妹愛と男女愛のボーダーラインで揺れる兄上(・∀・)イイ!!
兄上と譲は想いが通わない方が萌えます。

>>435
それ激しく読んでみたいです。

続き投下させていただきますね。
腹黒軍師を目指したのですが、なかなか黒くなってくれない・・・。orz
がんばってみたのですが某東宮様レベル位でしょうか?
いつかもっと黒い軍師殿に再チャレンジしてみたいです。
440いけない人:05/01/27 18:36:48 ID:QaUle7Tv
体が大きくなっていくのがわかった。
キスが激しくなる。
弁慶さんの舌が私の舌にからまり吸い上げられる。
私は息も出来ない。
「はふ・・・。」
息が出来るようになったと思った途端、弁慶さんの唇は私の胸にあった。
弁慶さんがわたしの胸の先端を舐め上げる。
くすぐったいような、気持ちいいようなヘンな感じ。
「弁慶さん、くすぐったいです。」
「大丈夫ですよ。慣れれば気持ちよくなりますよ。これから僕がゆっくりと馴らしてあげますから安心してくださいね。」
そう言って弁慶さんは先端にかするかかすらない所を舐める。
体の奥が熱くなる。
足が押し広げられた。
「ひゃっ!べ、弁慶さん、そんなトコロ。駄目です!汚いですっ!」
「どうしてです?さっき望美さんも僕の舐めてくれましたよね?」
そう言って弁慶さんは意地悪そうに笑う。
私の顔、きっとすごく赤い・・・。
441いけない人:05/01/27 18:38:03 ID:QaUle7Tv
ぴちゃ、ぴちゃ。
うう、音が卑猥だよ〜〜〜。
でも恥ずかしいって気持ちより気持ち良さの方がどんどん増していく。
「・・・うッく・・・。」
「恥ずかしがらずにもっと声を出してください。もっと僕にあなたの声を聞かせてください。」
そ、そんな事言われたって・・・。
その時、弁慶さんの指が私の中に入った。
「はう、・・・っんんんっ。やぁ・・・ン。」
「・・・いい声ですよ?」
弁慶さんに耳元で囁かれ声が止められなくなってしまった。
やだ、やだ。私の声じゃないみたい。
恥ずかしいけれど止められない。
「その声を聞いていたら僕も我慢できなくなってきました。・・・いいですか?」
はい。・・・きてください。
弁慶さんの物が私の中に沈みこみはじめる。
まだ少し痛いけれども初めての時ほどじゃない。
「・・・入りましたよ。今日はすこし激しくしても大丈夫そうですね。いきますよ。」
弁慶さんが動き始めた。
442いけない人:05/01/27 18:39:02 ID:QaUle7Tv
『やっぱり魔法を解くのは王子様のキスですね。」
そう言って貴方は笑った。
初めて会ったときから貴方の事が気になっていました。
貴方の真っ直ぐな瞳で見詰められると僕のすべてを見透かされている。
そんな不思議な感覚にとらわれるのですよ。
そう、僕の罪までね。
おとつい、貴方を抱くつもりはなかったんですよ。
でも、自分を自制できなかった。ずっと貴方に触れたいと願っていたから。
貴方が初めてと知ってうれしくもありましたけど後悔もしました。
無垢な貴方を僕の罪で染めてしまう気がして。
だから貴方の体が小さくなった時『やはり』と思ったんですよ。
やはり僕の穢れに貴方は耐えられなかったのだ・・・と。
だから傍に行かなかった、いえ行けなかったのです。
貴方は本当にかわいいかった。
本当は抱きしめたりぐりぐりしたりしたかったんですよ。ずっと。
あどけない微笑み、ぷにぷにした腕や足。ぷっくりしたほっぺ。
ずっと見ていたんですよ?
443いけない人:05/01/27 18:39:42 ID:QaUle7Tv
ええ、ヒノエや朔殿におもちゃにされているところも。
--あの時ヒノエが何回貴方の髪にふれたでしょう?
将臣が貴方を抱きかかえるところも。
--将臣はどさくさにまぎれて貴方のお尻を抱いていましたね?
譲が貴方を餌付けしているのも。
--譲はどうすれば貴方が喜ぶのかよく心得ていますものね。
景時が高い高いをしているのも。
--景時は捲れあがった貴方の着物の裾を見て顔を赤くしていたんですよ。
敦盛の膝で眠ってしまっていたのも。
--ええ、敦盛はずっと微笑みながら貴方の背中をトントンしていたんですよ。
ヒノエが貴方の頬を舐めたのも。
--僕の大事な物に勝手に手を出すとどうなるか、一度ちゃんと教えておいてあげなくてはいけないようですね。
このお返しは高くつきますよ?ヒノエ。
裏山へ行ったのは熊野の山に生えている薬草を取りに行こうと
衝動的に出てしまったんですよ。僕としたことが。
でもおかげでなかなかいい草を手に入れられたので煎じるのが楽しみなんですよ。
ねぇ、ヒノエ?
444いけない人:05/01/27 18:41:36 ID:QaUle7Tv
九郎に貴方が僕を探しに行ったまま戻らないと聞いたときに
僕がどんな気持ちだったかわかりますか?
僕が貴方の傍にいるだけで貴方を不幸にしてしまうんじゃないかと思いました。
リズ先生が貴方を抱いて帰って来た時は本当にほっとしましたよ。
でもそんな先生にも嫉妬する自分が嫌でした。
そして、これ以上、貴方を傷つけるのが嫌だったので貴方から逃げていたのですが
まさか貴方があんな事するとは思いませんでしたよ。
本当に貴方はいけない人ですね。
そう思いながら僕は隣で眠りについている望美さんの髪に口づける。
どこで覚えてきたのか貴方が眠りから覚めたなら問いたださねばいけませんね。
・・・いけない君も好きですけどね。返答次第ではお仕置きですよ。
望美さんの髪は太陽と蜂蜜の香りがして小さいあなたを思い出します。
こんなに早く元に戻るんだったらもっといっぱい抱っこしておけばよかったですね。
貴方が僕の子を産んでくれたならあんな感じの子になるのかな?
いまから楽しみにしておきましょう。
・・・でも早く抱っこしてみたいですね。
今宵も励んでみましょうか。

【終】
445名無しさん@ピンキー:05/01/27 19:13:40 ID:PgeJhhaR
>>443
餌付けワロタw

面白かったです〜!相手が他の人バージョンもキボン(*´д`*)ハァハァハァ
446名無しさん@ピンキー:05/01/27 19:54:14 ID:RR/IurOa
>いけない人さんGJでした!!
するどい(細かい)観察眼の弁(・∀・)イイ!

>435タソの
>しかし、ぎりぎりで譲が乱入してくるのを期待していた・・
で弁慶×神子←譲の構図が浮かんで足つりそうなくらい萌えた。
兄貴でなくてしかも弁続きで申し訳ないが書いてみてもいいかのう。
447名無しさん@ピンキー:05/01/27 23:24:38 ID:dI9ihy8x
足つってもいいから書いてくだされw
448435:05/01/28 00:22:08 ID:ddG7cJ6l
おぬしも不憫萌えか・・・・?
ふふふ・・・・そちも悪よのう・・・
449ちゅん:05/01/28 07:28:30 ID:y/nNy3FL
感想ありがとうございました。
>>445
>相手が他の人バージョンもキボン
ちび望の相手が?ヒノエに焼きもち焼くのが?弁にいじめられるのが?

>>446
足つりそうになりながら待ってるよ。
450445:05/01/28 10:29:41 ID:GzhQIiYM
>>449
ちび望の相手ってことです(*´д`*)ハァハァハァアハァ
九郎さんキボンです…あ…景時さんでも…つーかシリーズでも…
451名無しさん@ピンキー:05/01/28 12:41:22 ID:g+OcODry
素敵な作品イパーイで嬉しいよ(*´Д`*)ハァハァ


他スレでよく見る陵辱ものだとか妊娠ネタだとかは無いねここ。
女性ジャンルだからか?
452名無しさん@ピンキー:05/01/28 12:55:26 ID:vVZniHtF
>>451
それって他ジャンルで男女エロカプに燃えてる人って
受けの女キャラが犯されるのみて(;´Д`)ハァハァして
陵辱される○○タン(・∀・)イイ!
という人が多いという事では…?ようわからんけど。

乙女ゲージャンルの場合男女カプエロに燃えてる人は
エロされてる女キャラじゃなくて、あくまでエロしてる男キャラがメインとか本命とか
そんな感じだから、攻めキャラが当て馬みたいな役割とかのはそうないと主。

個人的には、だから割と安心して読めるんだけどね。
他だと「女キャラさえメタメタに犯されてエロくて(;´Д`)ハァハァできるものなら
男キャラは変態でも当て馬でもおk」なノリのとかあれだし。
453ちゅん:05/01/28 14:33:14 ID:y/nNy3FL
>>451
ネオロマだからなぁ。
みんなもちろん主人公も好きだけれどもそれ以上に男性キャラが
大好きだからじゃないかな。
とか言いながら前スレで陵辱もん書いたな、私・・・。

陵辱といえば知盛の続き密かに待ってます。

>>450
うあ(゚д゚lll)
ちび望以外の2つで妄想してたよ。
九郎×望美←ヒノエ
九郎×望美⇔弁慶 で。
ちび望時間かかっても桶なら書いてみるよ。
今日、私用で早退したんだけれど『仕事片付けて帰ります。』って言って
昼休みに誰もいない仕事場でこそ〜りエロ書いていたりしました。もうダメポ。
では投下します。

九郎×望美←ヒノエ
無理やりえっち有なのでお嫌いな方はスルー願います。

454九郎×望美←ヒノエ:05/01/28 14:35:10 ID:y/nNy3FL
「姫君、これなんかいいんじゃない?」
物を見る目は確かって自称するだけあってヒノエ君の選んだお守りはかわいい。
うん、いいかも。
「これ渡してやると九郎の奴大喜びだぜ?」
そう言いながらヒノエ君はくすくす笑う。
今のヒノエ君の笑顔、ちょっと弁慶さんに似てるね。
さすが血縁だね。
そう言うとヒノエ君はなんだか嫌そうな顔をしていた。
455九郎×望美←ヒノエ:05/01/28 14:36:40 ID:y/nNy3FL
鎌倉に来て1週間、九郎さんは毎日忙しそうに走り回っている。
疲れきっている九郎さんに私はなにもしてあげられない。
せめて健康祈願のお守りでも買いに行こうと一人で出かけようとした所を
ヒノエくんに呼び止められた。
「鎌倉の町は物騒なんだからお供にオレを連れていけよ。」って。
ヒノエくんと2人で歩き回った鎌倉の町は楽しかった。
熊野育ちのはずのヒノエ君は鎌倉の町のことに詳しかった。
これも熊野の烏さんの情報なのかな?
ヒノエ君に付いてきて貰ってよかったな。
「もっと姫君と2人っきりで過ごしたいんだけれどもね。
他の奴等が心配しだすからそろそろ帰ろうとするか?」
私が頷くとヒノエ君は私の手を握り歩き出した。
九郎さん、喜んでくれるかな?
以前ならお守りを渡したりしたらきっとめちゃくちゃ照れてたよね。
でも体を許してから彼の照れはめっぽう減ってしまった。
彼の照れてる顔が大好きだった私はちょっとつまんない。
456九郎×望美←ヒノエ:05/01/28 14:38:43 ID:y/nNy3FL
梶原邸に着いた頃にはかなり遅くなってしまっていた。
心配していた朔と譲君にお説教をくわされた。
携帯があれば「遅くなる」って電話ひとつですんだんだけどな。
お小言からやっと開放された。
部屋に戻ろうとすると私の部屋の前に九郎さんがいた。
腕組んでムスッとしてる・・・・。
うう・・またお説教かなぁ?
「九郎さん?」
そう聞いた途端私は手を引っ張られた。
「来い!」
来いってそこは私の部屋なんですけど・・・。
457九郎×望美←ヒノエ:05/01/28 14:40:46 ID:y/nNy3FL
「あの・・・私、九郎さんに・・」
お守りを買いに行っていたんですよ。
って言おうとしたのにいきなり九郎さんの唇で言葉をふさがれる。
「あっ。」
気がついたら乳房があらわになっていた。
九郎さんの手が荒々しくまさぐる。
やだ、なんで?
九郎さんの体を押しのけようとしたけれど私の両手は九郎さんの片手で押さえつけられてしまった。
どうして?
「嫌っ!九郎さん、やめてっ!!」
パンティが引きずり下ろされる。
「いやっ!いやだよ・・・・。」
これじゃ、レイプだよっ!
九郎さんのものが押し当てられ無理やりこじ開けられる。
「いた・・・っ。」
痛い。初めて九郎さんと結ばれた時ほどじゃないけれど、それでも痛い。
「やっ!九郎さん、お願い。抜いてっ!!」
それでも九郎さんは動き始めた。
いつもより激しいよぉっ!
でも最初は渇いていた私も少しずつあふれ始める。
「あっ・・・・んん。いやぁ・・・。」
嫌がる声も嬌声に変わってしまう。
悔しい。こんな行為はイヤなのに私の体は九郎さんに馴らされてしまっている。
九郎さんの動きが激しくなるにつれ増して行く快感に支配されていった。
458九郎×望美←ヒノエ:05/01/28 14:41:58 ID:y/nNy3FL
行為が終わった後、九郎さんは私を見て我に返ったみたい。
「・・・・すまん。」
すまんじゃすみませんっ!・・・酷いよ。
思わず泣き出してしまった私を見てあわててる。
よかった、いつもの九郎さんだ。
九郎さんは俯きながらぼそっと言った。
「・・・・お前がヒノエと手を繋いで帰ってきたから・・・・。」
・・・・もしかして九郎さん、焼きもちやいていたんですか?
「私、九郎さんにお守りを買いに行っていたんですよ?」
「俺に?」
私は九郎さんにお守りを手渡した。
お守りを見た途端、九郎さんは急に真っ赤になった。
うわっ、照れた九郎さんが見たいって思っていたけれど
なにもお守りひとつでそこまで照れなくっても。
九郎さんは何故かガッツポーズを取った後、とても優しく私を抱きしめてくれた。
「すまん、そんな事とは知らずに無茶をさせてしまった。その・・体は大丈夫か?」
「はい、でももう2度とあんなのはイヤですからね。」
私が怒って見せるといつもしゅんとするはずの九郎さんなのに今日はにこにこしている。
こんなに喜んでくれるんならまた買ってきてあげよう、お守り。
「そうだ、これは俺が持っていても仕方がない。お前に返すぞ。」
えっ?何で、これは九郎さんの為に買ってきたのに。
そう思いながらお守りを受け取って凍りついた。
459九郎×望美←ヒノエ:05/01/28 14:42:48 ID:y/nNy3FL
---------------安産祈願。
ひ〜〜〜の〜〜〜え〜〜〜くぅ〜〜〜〜ん?
愛しげに私のお腹をさすりながらうっとりとした表情をしている九郎さんになんて言い出そう・・・。
私は頭をかかえた。

【終】
460 ◆IM7Eib3U8M :05/01/28 21:28:54 ID:P9/H97zo
>>451
陵辱ネタは無いのですが、妊娠ネタが入ったものを今書いています。
特定のキャラを貶めたり辱めたりしているものではないです。

投下する時は注意書き入れますので、弾いてください……。
461名無しさん@ピンキー:05/01/28 23:44:19 ID:g+OcODry
>>459
これも妊娠ネタといえば妊娠ネタか?w

>>460
駄目と言ってるわけじゃないよ。
462名無しさん@ピンキー:05/01/29 22:30:43 ID:nJ5iWeyQ
>>460
俗に言う『愛の結晶』と言う意味なら
妊娠ネタも自分的にはアリですが
463名無しさん@ピンキー:05/01/29 23:38:00 ID:+nsKL5zJ
陵辱・妊娠オールオッケー   とか言ってみる・・・

正直グロ以外なら何でも・・・
464名無しさん@ピンキー:05/01/30 00:23:13 ID:pYTudPVS
まぁ注意書きしとけば問題ない
465名無しさん@ピンキー:05/01/30 00:40:04 ID:CYE/zqdh
自分も読む分には、グロとかスカトロとか以外なら
陵辱、ゴカーン、リンカーン、妊娠、レズもOKだ。

自分で書くのは、オニャノコが痛々しいのは書けないけど。
だから処女でも痛いままで終われない……
そこはファンタジーだと割り切って気持ちよくしてしまう。
466名無しさん@ピンキー:05/01/30 01:59:10 ID:BlQhSNmL
>>465
> 自分で書くのは、オニャノコが痛々しいのは書けないけど。
> だから処女でも痛いままで終われない……

ああー同意だ。
同じ理由で女の子が処女設定なのはあまり書かない・・・というより書けなかったりする。
読む分には猟奇・グロ・スカトロ大と妊婦陵辱以外なら何でもщ(゚Д゚щ)カモーンです。
467弁慶×望美 ED後:05/01/30 13:35:38 ID:NmqFcLl0
前に弁慶×神子 見えない心書いたものです。
もう一本かけたので、投稿します。
またも強引系ですので、いやな方はスルーして下さい。
しかし、喘ぎ声って難しいなぁ。
468弁慶×望美 ED後1:05/01/30 13:37:04 ID:NmqFcLl0
望美が時空をかけて弁慶を救ってから1年…。
二人は相変わらず薬師を営んでいた。応龍の加護のもと、京で暮らす毎日は平和そのものだった。
弁慶は穏やかな笑顔で望美を包み込み、望美も弁慶を優しく支えていた。
しかし、望美の脳裏には不安が渦巻いていた。最近弁慶は望美を抱くことなく眠りにつく…。
―夫婦になった後、毎日のように愛してくれていたのに―
望美は淋しい想いを胸に秘め、弁慶に問うでもなく毎日を送っていた。

望美は弁慶が出かけている間、五条橋から人々が少しずつ立ち直る様子を眺めるのが日課だった。
ここは弁慶が、自分が犯した罪を心に留めるため訪れていた場所。
弁慶の努力が実を結ぶのを、目の当たりにできるのを楽しみにしていた。
「はあ〜。」
それなのに、今の望美はこの復興を素直に喜べなかった。望美よりも仕事、京の復興を優先させる弁慶
に心は不安でいっぱいで。自分の懐の狭さにいやになる。そう思ったら、自然にため息がでていた。
「憂いを帯びる姿も可愛らしいね…。姫君。」
この歯を浮かすよううな台詞をスラスラ言える人物は、一人しかいない。
「ヒノエくん!」
久しぶりの懐かしい仲間との再会に、望美はとびきりの笑顔を向ける。
当たり前のようにヒノエの手をとって、矢継ぎ早に質問していた。
「久しぶりだね!ヒノエくんも元気だった?熊野水軍のみんなも元気?たんかいさんは?」
そんな望美の様子に苦笑しているヒノエ。
「おいおい。いっぺんに答えられないだろ? ん…そういや、あいつは?」
ヒノエの質問に一気に顔を曇らせた望美は答えた。
「…仕事…。」

望美の様子に何かを察したヒノエは、望美の手を引っ張った。勢い余って胸に飛び込む形になった。
「望美、息抜きにいかねえか?たまにゃいいだろ?」
「ちょっとっ、ヒノエくん?」
有無を言わさぬ強さで手を引かれて、ヒノエについていかざるをえなくなった望美だが心は満更でも
なかった。ヒノエの優しさが感じられたから。
五条橋から早足で走り去っていく二人を、家路につく弁慶は偶然目にしていた。
穏やかないつもの表情が、みるみるうちに鋭い眼つきへと変貌していった…。
469弁慶×望美 ED後2:05/01/30 13:46:24 ID:NmqFcLl0
上賀茂神社まで来た望美とヒノエは満開の桜に目を奪われていた。
ひらひらと舞い散る儚い桜色の花びらを見ているうち、望美の心は哀しさでいっぱいになってしまった。
「綺麗だけど…桜って儚いね。」
「散り行くから綺麗なんだろ?」
また淋しそうな表情に戻ってしまった望美の顔を、覗き込むように近づいたヒノエはそう答えた。
相変わらずなヒノエに比べて、なんだか最近卑屈になってしまっている望美は気恥ずかしくなった。
「…なんだよ、そんな暗い顔して。てっきりふたりにあてつけられると思ってきたのによ。」
「そんなに暗い顔してた?」
望美は頬に手をかけながらあわてて笑顔を作ろうとした。その手をヒノエに取られ、ふたりはみつめ
あうような形になった。
「ヒノエ…くん?」
「こんなことなら、あいつなんかに渡すんじゃなかったぜ。望美が幸せじゃないならなんのために俺は…。」
普段の軟派なヒノエじゃなく、真剣な眼差しで見つめるヒノエの姿に望美は混乱していた。
「望美…。」
なにもいわず目を逸らした望美に、ヒノエはすべて悟った。望美から離れると自称気味に笑いながら
ヒノエはいった。
「わかってたはずなのに。馬鹿みたいだな、俺。」
何を言ったらいいのか分からず黙り込む望美を見て、ヒノエは苦笑していた。
こんな状況なのに笑っているヒノエを不思議そうに見つめる望美。
「望美が不安になってる今が好機だと思ったんだけどな。こんな揺さぶりじゃ仲は裂けなかったか。」
ヒノエは望美に笑いかけながら、言葉を続けた。
「不安になるのは幸せの裏返しだって思えばいいんだよ。はじめて同じ女に二度振られた男の進言だ。」
「ありがとう。そして…ごめんね。」

470弁慶×望美 ED後:05/01/30 13:48:52 ID:NmqFcLl0
今日はここまでです。本文長すぎではじかれました。
段落整えてからまた投稿します。
471ちゅん:05/01/30 20:58:16 ID:NsBR7Cg2
妊娠ネタ自分的には愛さえあれば桶っーか今妊娠ネタ書いてます・・・。
だから望、知盛に陵辱、妊娠、知盛の事は憎んでいるが子供はかわいがる望、
でも子供を溺愛する知盛を見ている内に愛情が芽生えてきて・・・
みたいなんでもOKですよ。
でも愛がまったく感じられない物はひいちゃうかもな。

>>467
ヒノエくんがかっこイイ!!
これからどうなるのかハアハアして待ってます。

九郎ばっかり書いてるからリハビリに今まで書いたことない人物にチャレンジ。
でもエロ突入が書けなんだ。すんません。
472将臣×望美(エロなし):05/01/30 20:59:31 ID:NsBR7Cg2
はぁ、バレンタインなんてかったりぃ。
俺は大量のチョコを机の上に放り投げた。
本当に欲しいチョコはひとつで充分だ。
譲なんかは義理堅いから貰ったチョコ一つ一つにお返しをするんだろう。
俺はホワイトデー自体を何時も忘れちまう。
だからあいつの為に早めに一つだけプレゼントを用意する。
今年は何をやろうかな。あいつももう17歳になるんだし、今更ぬいぐるみなんて年じゃねえか。
カタンと音がした。振り向いたらあいつがいた。
「よう。」
なんかあいつ怒っているのか?
「今年はチョコくれないのか?」
あいつが昨日、譲と一緒に家でチョコを作ってたのは知っている。
チョコのパッケージは何時もと同じ4個。
俺と譲と親父と望美の親父さん。
毎年数を確認して安心している。
今年も4個だった。
あいつが無言でカバンから取り出して俺に手渡したもの、それは。
「マーブルチョコレートぉ!?お前昨日譲とチョコ作ってたんじゃないか!」
「別に将臣くんに作ってたわけじゃないもん。」
俺の中に嫉妬心が湧き上がる。
何事にも執着しない俺の中にこんな感情があったなんて驚きだ。
「じゃあ、特別なチョコにしてくれよ?」
473将臣×望美(エロなし):05/01/30 21:00:20 ID:NsBR7Cg2
俺はチョコをパッケージから取り出して望美の口に入れた。
そうして望美にキスをする。舌を絡めて望美の口内のチョコを探り食べた。
「うめぇ。」
あいつは真っ赤になって口を押さえている。
やべぇ、やりすぎたか?
「望美、その…すまん。お前が手作りチョコを他の奴にやっちまったっーから、つい。」
「あげてないよ…。」
え。
「他の人になんかあげてない。ただ…将臣くんがそんなにチョコ貰っちゃってるから…。」
お前、焼きもち焼いてくれたのか?はは、うれしすぎ。
「ば〜か、俺が本当に欲しいチョコはお前からのだけなんだよ。」
「将臣君…本当に?」
見詰め合ったままキスを交わした。
今まで兄妹のように過ごしてきた。
おまえは俺んちを自分の家のように行き来してきた。
だから俺の横でついうとうとしてしまったり無防備な姿を見せる事も多かった。
その度、俺は我慢をしてきたんだぜ?もう我慢も限界だ。
ごめんな、譲。
「望美、好きだ。多分ずっと前から。」
「うれしい。将臣君、私も…。」
俺は望美のボタンを外しはじめた。

【終】
474446:05/01/31 00:13:53 ID:VbdKEF/D
足つりそうになった446です。



>467
弁慶×神子キテル━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
467さんの作品大好きなんで、続きハァハァしながらまってます。

>ちゅんさん
あいかわらず作品を生むのが早くて尊敬します。
個人的にお腹をさすっている九郎タソがかわいくて大好きです。


弁慶×望美←譲
休日返上で書き上げましたので投下します。
しかし自分でもよくわからない代物になりました。
譲が不憫というか、弁が黒いというか、好みが分かれるかと思いますので
苦手な方はスルーしてください。
475弁慶×望美←譲   1:05/01/31 00:16:14 ID:VbdKEF/D
譲くんは、私のことを買いかぶりすぎだよ」
そう言って彼女はうつむいてしまったから、長い髪に隠された表情までは窺い知ることはできない。
「そんなこと…先輩は、俺にとっての先輩は綺麗で、優しくて、しなやかで」
――――あなたへの気持ちは憧れとか、好きとか、
      そういう言葉で括れるほど簡単なものじゃないんです。
そう続けたかった言葉を、有無を言わせぬ瞳でさえぎられる。
「私は譲君が思っているような清らかな女の子じゃないよ」
望美は笑っているはずなのに、その表情は泣いているようにしか見えなかった。
この異世界に来てから、望美はいつも気丈に振舞っている。
怨霊との戦いに怯まずに挑んでいくが、同時に彼らの浄化を願って涙を流せる優しい心の持ち主だ。
「源氏の総大将」の九郎にも面と向かって意見をするし、戦いで疲れた仲間への気遣いも忘れない。
そんな彼女がこんな不安げな表情を見せるなんて思いもしなかった。
彼女の笑顔を取り戻したい。譲はただ強くそう思った。

――――その表情の本当の理由も知らずに。
476弁慶×望美←譲 「恋情」2  1:05/01/31 00:17:55 ID:VbdKEF/D
その姿を目に留めたのは、本当に偶然だった。
勝浦で情報収集のために市場で買い物をしていた時だった。
路地裏の筋に垣間見えた、いつもは暑苦しいくらいの上衣を纏っている彼の後姿。
日に透けるその髪はこの時代にはおよそ相応しくないほど色素が薄い。
リズヴァーンと同じ金髪碧眼の「鬼の一族」だと言われても納得してしまうであろう程
その姿は異彩を放っていた。
普段の譲であれば、人のプライベートには自ら踏み込もうとする事はない。
だが、今日は何故だか足が勝手に彼の後をつけ始めていた。
走って追いついて、声をかければいいではないか。
自分にやましい事など、何一つない。
何度もそう思ったが、出来なかった。
那智大社の方へ向かっていると思われたその足取りは
ふと途中の筋でそれて、何の迷いもなくどんどん山道へと入っていく。
最後に彼が辿り着いたのは大社とはほど遠い、誰にも忘れ去られた朽ちた御堂だった。
彼が閉めた障子の前に立ち、立ち竦んだところで我に返る。
―――何をやっているんだ、俺は。
    これじゃ立ち聞きでもするつもりみたいじゃないか。
熊野出身の彼にとっては馴染みの場所なのかもしれないし、これ以上彼の領域に踏み込むもの悪い。
後をつけるなんて今日の自分はどうかしていた。
―――帰ろう。
そう思って踵を返した次の瞬間、譲は凍りついた。
477弁慶×望美←譲 「恋情」3:05/01/31 00:19:34 ID:VbdKEF/D
「ごめんなさい、急に呼び出したりして」
いつも心にある、自分を励ます心地よい声音。
少し緊張しているのか、声が震えているのがわかる。
ついさっき立ち聞きをしようとした自分を諌めた事も忘れて
うっすらと障子を開けて見たが、声の主二人の姿は見えない。
「いいんですよ、二人きりの時間を持ちたかったのは僕も同じですから。」
「今日は上衣、着てないんですね。」
「ええ、あの上衣は熊野ではかえって目立ってしまうんですよ。何かおかしいですか?」
「いえ、あの、その…髪が、きれいだなって思って…」
「あなたにそう言ってもらえるなら、偶にはこの髪を晒すのもいいかもしれませんね」
彼女は照れているのか、やや沈黙があって。
「…弁慶さん」
彼女――望美が彼――弁慶の胸にすがるように抱きついたのが見て取れた。
「そんなに焦らずとも僕は逃げませんよ」
衣擦れの音がした。
「この間の復習から入りましょうか」
弁慶の唇と望美のそれが重なるのがはっきりと見て取れて、譲は冷水を浴びせられた気がした。
どうしてこんな事になっているのか、全く理解できない。
これが悪い夢であるならば、誰か今すぐ叩き起こして欲しい。
弁慶と望美は、更に口付けを深くしていく。
長い時間が経ったように思えた。
望美の顔が上気して、二人の唇から銀糸を引きながらようやく離れた。
「そうですね、この間教えた事はしっかり出来ています。
 舌を差し込んでも逃げなくなったのは大きな進歩ですよ」
「もう、意地悪ばっかり。」
―――「この間教えた」?
     先輩と弁慶さんは前からこんな関係を持っていたのか?
心臓の音だけがいやに大きく聞こえる。
望美は譲が物心ついたときから隣にいた存在で、その一挙一動、
ほんの少しの表情も取りこぼすまいとして目で追ってきた大切な存在だ。
だが、今弁慶の前で頬を染めて目を潤ませている望美の表情を譲は知らない。
初めて見る、望美の「女の顔」だった。
478弁慶×望美←譲 「恋情」4:05/01/31 00:21:14 ID:VbdKEF/D

「口付けは及第点をあげましょう。…では、もう一つ。
 今度こそ復習ですよ。服は早く脱いでしまって、やってみてください。」
そう促されて望美がおずおずと立ち上がり、その身に纏っていた衣を脱ぎ捨てる。
まだ譲が小学校に上がる前は一緒にお風呂に入ったりした事もあったが
それは遠い過去のことで、十年以上ぶりにみるその裸体は想像の中よりも白く、そしてしなやかだった。
その身体と同じ白い指で弁慶の腰紐に手をかける。
まさか、と思った。
だが信じたくない光景は無情にも鮮明に譲の目に飛び込んでくる。
弁慶のモノを取り出し、望美は躊躇いながらもそれを口に含んだ。
「舌は筋に沿って下から上に這わせてください。
 ああ、歯は立てないように、そっとね」
弁慶の声が聞こえているのかいないのか、
望美は一心不乱に弁慶自身に細い指を添えて舌を這わしている。
「んっ…ふ… こ…こうれす…か…?」
長い髪がさらりと揺れた。
その髪に手櫛を通して弁慶は唇で触れる。
譲がいつか触れる事を願っていた、その髪に。
「そう、上手いですよ。
 貴方が頑張らないと、貴方の望む事はしてあげられませんからね。
 貴方がもういいと思うまで、存分にどうぞ」
「そん…な、こと言わ…ないでく…さい」
望美は必死なのだろう。声が涙ぐんでいる。
「早く、弁慶さんを私の中に欲しいんです」
「仕方のない人ですね。ここは全く触れていないのにもうこんなに濡らしている。
 あなたは、本当に乱れた身体をお持ちですね。」
弁慶の手が望美の秘所に伸ばされて、くちゅりと卑猥な音を響かせた。
479弁慶×望美←譲 「恋情」5:05/01/31 00:23:18 ID:VbdKEF/D
「わた…し、は、弁慶さんが、好きなんです。大好きなんです。
 それだけなのに、なんでそんな意地悪ばっかり…言うんですか…」
「ええ、知っていますよ。でも言葉でならなんとでも言える。
 貴方が神子の役目を終えた後自分の世界に帰ってしまわない保証はどこにもない。
 僕はそんなに簡単に人を信じない。
 信じて欲しいのだったら、その気持ちを表現してください、と言っただけです。」
弁慶の口調は厳しいが、望美の髪を撫でつづけるその手だけは限りなく優しい。
「べん…ぃさん、私、もう…っ」
「もう、我慢できませんか?いけない人ですね。
 では、お好きにどうぞ。僕は何もしませんから」
そう言われて、望美はそっと弁慶の上体を倒して、その上に跨った。
醜悪なサイレントムービーを見せられている気分だった。
なのに目を逸らせない。やめてくれ、と大声を出して喚きたい。
だが、渇いた喉は張り付いてくぐもった息を漏らすのがやっとだった。
望美の唾液で濡れて光る弁慶のものが、ゆっくりと望美の中に入っていく。
「ん…ぁあ…っべんけい…さん、おっき…ぃ…」
深呼吸をして呼吸を整えるようにゆっくりと望美が言葉を紡ぐ。
「入っただけでは何も出来ませんよ。次はどうするんです?」
なおも冷静な弁慶の声だけが脳に響いてくる。
「う、動きます。」
そういって望美は腰を上下し始めた。
最初はゆっくりだったその動きはだんだんと速度を速める。
これがもしも弁慶が一方的に望美を攻め立てているのなら
今すぐ障子を開け放ち、彼女を連れ去っていただろう。
今は源氏も平家も譲にとっては関係ない。
とにかく弁慶と望美を引き離し、弁慶の手の届かない現代に二人で帰りたかった。
だが、望美は自分の意志で弁慶の上に跨り、自分から腰を振っているのだ。
二人の荒れた息と濡れた水音、そして肉がぶつかる音だけがその場を支配していた。
480弁慶×望美←譲 「恋情」6:05/01/31 00:24:42 ID:VbdKEF/D
「望美さん、そろそろっ…」
それまで余裕を醸していた弁慶の息が上がっている。
望美自身も限界のようだ。
「奥に、来てください!!…あぁ…っあ!」
それまで激しく動いていた望美の動きがぴたりと止まって大きな溜め息をついた。
崩折れるように弁慶の胸元に顔を埋めて息を整えたあと、ようやく二人は離れた。
秘所に刺さっていたものが抜かれると望美の太腿に幾筋も白いものが流れる。
それは彼女自身の純潔がとうに失われている象徴のようでもあった。
「よくできました。君は本当に頑張りやさんですね」
望美に口付けながら弁慶が笑う。
「特に今日は、特別なお客さんもいらしていたみたいですし」
そう言われて、弁慶が譲の稚拙な尾行に気付かないわけがない事にようやく思い当たる。
すべて譲に見せつけるために最初から仕組まれていた事だったのだ。
だが望美自身はやはり気付いていなかったようで、え、と障子の方に目をむけた。
「誰か、いるの…?」
答えられる事など出来るはずもなかった。その代わりに大きく肩が震えた。
「…ゆずる、くん…?」
名を呼ばれた瞬間、駆け出していた。それが肯定になる事など考えもせずに。
走って、走って、どこをどう辿ったのかもわからないくらいに走って、
勝浦の宿にようやく戻った頃には高いところにあった夏の太陽もとっくに沈んでしまった時刻だった。
――――とにかく水を浴びて頭を冷やさなくては。
そう思って服を脱いだ時に初めて、譲はあの時己の精も解き放っていた事を知った。
「〜〜〜っくそっ!!」
あの時から初めて発した言葉は嗚咽と自嘲に埋もれて消えた。

481弁慶×望美←譲 「恋情」8:05/01/31 00:26:39 ID:VbdKEF/D
「譲君、少しいいですか?」
次の日、朝食を食べる気もせず、部屋に一人でこもっていると弁慶が涼しげな顔で近づいてくる。
激しい憎悪と嫉妬が湧いた。
「僕が、憎いですか?」
自分の心のうちを見透かされて、一瞬言葉に詰まる。
「僕を、殺したいと思うでしょう?」
本当にそう思っていたとしても、はいそうですと肯定できてしまう人間がこの世にどれほどいるだろうか。
言葉に窮していると、次の瞬間、強い力で壁際に押し付けられた。
「僕は、君が嫉ましい。君が憎い。君を時々殺してしまいたくなる。」
そういう弁慶の瞳はいつもそこに在るべき冷静さが失われている。
「僕は彼女を愛してます。彼女も僕を好きだと言ってくれた。
 だけど彼女は神子の役目を終えてしまえば、彼女自身の世界に帰ってしまうでしょう。
 それは正しい事だ。でもその時隣にいるのは僕じゃない。君だ。
 僕は、この世界で生きて、罪を贖わなければいけない人間です。
 決して彼女の世界に行く事は適わない。
 -----譲君、僕は彼女と同じ世界の人間の君が、羨ましくて仕方がない」
その言葉を聞きながら、昨日夕餉の前に訪れた望美の言葉を思い出した。

482弁慶×望美←譲 「恋情」9:05/01/31 00:27:20 ID:VbdKEF/D
―――譲君、私、本当にきれいな女の子じゃなかったでしょ。
    私は好きな人に振り向いてもらえるなら
    いくらでも自分で足を開くし、腰もふっちゃういやらしい女の子なんだよ。
そう言う彼女の声は震えていた。
―――譲君の気持ち、私なんとなく気付いてた。
     でもごめんね、私弁慶さんのこと、好きなんだよ…
    どんなにすきって言っても、身体をつなげても信じてもらえないけど、
    弁慶さんのことが、好きなの…

あの時の彼女の言葉に少しの嘘もないだろう。
なのに、この男はそれをまだ信じられないとでも言うのだろうか。
冷静で、時に冷血な軍師が恋に溺れ、失う事を恐れて真実も見つけられなくなっている。
「僕は、絶対に彼女を彼女の世界に返すつもりはありません。
 あの行為も、全てその為のものです」
冷静さを失った軍師の目にはすでに狂気すら宿っている気がした。
だが望美に涙を流させて尚、その言葉を信じようともしない。
握り締めた拳に爪が食い込み、血が滲む。
人を、愛する人の言葉ですら信じられないこの男を、哀れだと思った。
同時に、この哀れな男に譲は生まれて初めて、本当の憎悪というものを感じた。
それは生涯を懸けるような激しい恋情に少し似ていた。
483名無しさん@ピンキー:05/01/31 00:31:22 ID:VbdKEF/D
以上です〜。

すみません、全部で8レスです。
8を7と間違えて投下しちゃいました。


足はつりませんでしたが書いてる最中に手首はつっちゃったよw
譲は大好きなんですが片想いの方が萌えるので
こんな扱いでスマソです。


484名無しさん@ピンキー:05/01/31 00:33:53 ID:xD7rTf+Q
黒弁慶萌えー(*´д`*)ハァハァ (*´д`*)ハァハァ (*´д`*)ハァァァァァァン
愛欲に悶える神子様も素敵です。
リアルて゜ネ申が降臨する現場に始めて立ち合わせていただきました・
熊野に向かってー、敬礼ーーーーーっ。
485名無しさん@ピンキー:05/01/31 00:47:11 ID:vwSHXDqC
感動しますた。黒弁慶すてき!
文章がとても上手でうらやましいです。流れも自然だし、最後の落ちもイイ。
486名無しさん@ピンキー:05/01/31 00:47:32 ID:UtrQI2h6
ぬぉぉぉぉ!
不憫ながら一途な譲モエ!!
と思いつつも神子様には弁慶さんに信じてもらえるようにガンガッテ欲しい。
487名無しさん@ピンキー:05/01/31 00:57:31 ID:IV/a0N1a
こういう黒弁慶を想像したことはなかったが、
これもまたありえそうで良き哉と。
この話の二人には弁慶EDを迎えてほしいものです。

あ〜私も早く投下してぇ。…譲片思いものだけど。
48863:05/01/31 01:27:47 ID:hUv7mkVo
今投下中の将臣×望美、行き詰まってしまって、
気晴らしに書いてた、同じく将臣×望美が1本出来てしまった…。
投下中の物よりも、短いけれどやっぱり長文。
今投下中の完結させてから投下した方が良いのかな?

>>ちゅんさん
何でエロが無いんだよぅ(人のこと言うな!…マジでスマンです…)
>>446タン
不憫な譲萌えw
489ちゅん:05/01/31 07:27:50 ID:1i3DszJY
>446さん
譲に感情を爆発させている弁慶タソに激しく萌えてしまいました。
話書くの早いっすか。なんか一人で投下しまくってるから恐縮してるんですが。
自分でサイト作った方がいいのかなぁ。

>63さん
ごめんよぅ。

投下しまくりでごめん。
九郎×望美⇔弁慶投下します。
弁EDネタバレ有。二股、妊娠、死ネタ有なのでお嫌いな方はスルー願います。
490九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:28:31 ID:1i3DszJY
町に出かけた時、偶然に弁慶さんに気が付いた。
あれ、弁慶さんだよね?なんでこんなところにいるんだろう。
こっそり後をつけてみるとどこかで見たことのある男の人と話している。
あの人何処であったんだっけ?
そうだ、将臣君の所に何回か来ていた人だ。
・…って事は平家の人?
どうして弁慶さんが平家の人と…。
そういえば九郎さんが最近平家に源氏の極秘情報が流されているようだって言っていたけれどまさかね…。
思い巡らしていたら2人の姿を見失ってしまった。
あわてて辺りをキョロキョロとみまわす。
「どうしたんですか?誰かお探しですか?」
うわぁ!べ、弁慶さん。
「いえ、偶然弁慶さんを見かけたから…。」
「ああ、そうなんですか。実はこの近くに僕の隠れ家があるんですよ。
なんでしたら寄って行かれませんか?たいした御もてなしはできませんけれど。」
そういってにっこり微笑む弁慶さんはいつもの優しげな彼だった。
491九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:30:03 ID:1i3DszJY


やだ、私なんでちょっとでも弁慶さんの事、疑ったりしたんだろう。
後ろめたさもあって私は弁慶さんのお家にお邪魔することにした。
弁慶さんの隠れ家は4軒ほど続いている長屋にあった。
中には束ねて吊るしてある薬草や薬の入った瓶や壷でいっぱいだ。
「ちらかっていてすいませんね。さあ、どうぞ。ここのお饅頭美味しいって評判なんですよ?」
そう言って本当に美味しそうなお饅頭とお茶を出してくれた。
美味しいです〜〜。そう言ってぱくぱく食べる私を弁慶さんはにこにこ笑って見詰めている。
このお饅頭、美味しいけれどもちょっと甘い。
お茶をすする。
お茶はぬるくもなく熱くもなくちょうどいい温度だった。
この温度に弁慶さんの気配りを感じた。
ごめんなさい、弁慶さん。疑ったりなんかして。
「お茶、全部飲みました?」
「はい、とっても美味しかったです。ごちそうさまでした。」
私がそう答えると弁慶さんがにっこり笑った。
「望美さん、さっき見ていたんでしょう?僕が平家の間者と話している所を。」
え?弁慶さん今なんて…。
「困るんですよ、もしも君が九郎に寝物語にでも話されると。
九郎は君の言うことなら疑わないでしょうしね。」
そういって笑う弁慶さんは本当にいつもの彼で。
私の耳に入ってくる彼の言葉は幻聴なんじゃないのかって疑いたくなってくる。
「申し訳ないけれど、このまま帰す訳にはいかないんですよ。幸い望美さんはこのお茶を飲み干してくださいましたし。」
492九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:31:19 ID:1i3DszJY
お茶を…って。
急に足がガクガクする。
体の中がアツイ。
「ああ、媚薬が効いてきたみたいですね。」
び、媚薬っ。
アツイ。カラダノ オクガ アツクテ クルシイ。
思わず両手で体を抱きしめる。
「ずいぶんと効いてきましたね。」
ここから逃げなきゃ。
立ちあがろうとしたけれど足に力が入らない。
よろけた私を弁慶さんが抱きとめた。
「九郎のところに帰り着くまで持ちそうにもないですね。
僕でよかったらお相手しますよ。それとも通りすがりの見知らぬ人の方がいいですか?
この辺りはガラが悪いですからね。僕にしておいた方が無難だと思いますよ。」
「…九郎さん以外の人となんて絶対に嫌です。」
私はそう言って弁慶さんをにらみ付ける。
私の顔を見た弁慶さんは何故か切なそうな顔をした。
「残念ですね。」
そう言いながら私のうなじをなでる。
「ひっ。」
体の奥から電流のような物がほとばしる。
気が付くと弁慶さんを誘うように腰をくねらせていた。
ヤダ。
助けて、九郎さん。
「綺麗な涙ですね。」
そう言って弁慶さんは私の涙をなめた。
いやっ!
体がぞくぞくした。
493九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:33:51 ID:1i3DszJY
私の体の奥がヒクついているのが自分でもわかる。息が荒くなる。
「君は本当に頑張りやさんですね。でもそれが九郎の為だというのは焼けてしまいますね。」
やめて。耳元でささやかないでください。
弁慶さんにぎゅっと抱きしめられた。
頭が朦朧としてきた。
弁慶さんの香りがする。男の人の香り。
弁慶さんって華奢そうに見えるのに肩幅はこんなにも広い。男の人の体。
私の体が弁慶さんを欲しがっている。
心は九郎さんの元にあるのに。
「望美さん、僕が欲しいんでしょう?」
無意識に私はうなずいてしまっていた。
「ふふっ、素直なあなたはとてもかわいらしいですよ。」
そう言いながら弁慶さんの手が私のスカートへと潜り込んできた。
「やぁぁ…。」
弁慶さんが下着の上からなぞっただけですごい快楽が押し寄せる。
「はうぅぅ……っつ。」
「ふふ……望美さんは感度がいいですね。もうこんなにあふれていますよ。」
下着が剥ぎ取られる。
「望美さんのここはとても綺麗な桃色ですね。まだ九郎にそんなにかわいがられてなかったのですか?
まあ、彼も奥手な男ですからね。」
そういいながら弁慶さんの指が差し入れられた。
「いやぁぁああっ……。」
甘美な痺れが体中に流れる。
「じっくりとかわいがってさしあげたかったけれど、もう待ちきれないみたいですね?」
そう言って弁慶さんはいきなり刺し貫いてきた。
494九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:35:24 ID:1i3DszJY
「はあんっ。あっ、ああああっ!!」
着物を着たまま挿入されている。それは全裸にされるより屈辱を感じた。
「望美さん、思っていたよりも素晴らしいですよ。あなたの胎内は。」
口惜しい。でも私の体は反応している。
腰が動くのが自分でも止められない。
動かす度に快楽が押し寄せてくる。
まだ数度の性交の経験しかなかった私には初めての刺激だった。
「はぁっ、うううぅん。あ…んっ!あんっ、あんっ!!」
イキソウになる。
「望美さん、望美さん。」
弁慶さんがとても優しそうに私の名前を呼んだ。
私は思わず弁慶さんにしがみついた。
「イッちゃうっっ!!九郎さんっ!九郎さんっ!九郎さぁんっっ!!」
間近で見た弁慶さんの目はとても寂しげだった。
どうして?
495九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:37:54 ID:1i3DszJY
朝になって弁慶さんは私の服を持って何処かに消えた。
「あなたならいくらでもここから逃げれるでしょうけれど、さすがにその格好だと無理ですよね。」
私は素肌に弁慶さんが何時も羽織っていた黒いフードを被っているだけだ。
たしかにこの格好じゃ逃げられない。
昼過ぎに弁慶さんは食べ物を持って帰ってきた。
「九郎は取り乱してあなたの事を探していますよ。」
九郎さん……。
「さあ、食べてください。譲君の作ったものだから安心してくださいね。」
イザってときに体力が落ちていたら逃げ出せない。
食欲はまったくなかったけれど箸を取った。
「はい、望美さん。お茶をどうぞ。」
私は疑わしげにそれを受け取った。
「疑っているのですね?では僕が半分飲みましょうね。」
そう言って弁慶さんが確かに飲み干すのを見てからお茶に手を伸ばした。
「ふふっ。飲みましたね。」
弁慶さんの笑顔が怪しい。まさか。でもたしかに弁慶さんも飲んだはず。
「ええ、僕も飲みましたよ。だから僕にも効いてきたみたいですよ。び・や・く。」
ええっ!
「この媚薬を男が飲むと持ち時間も増えるんですよ。今日は昨日よりもかわいがってあげますね。」
そう言って弁慶さんは私の体を触り始めた。
496九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:38:43 ID:1i3DszJY
また体が快感に支配されていく。
私の体は心を裏切る。
「はぁっ……はぁ、あんんっ!」
「望美さん、僕が欲しいですか?」
無意識にうなずいてしまった。
弁慶さんが彼自身を取り出す。
欲しい。私の中に入れて欲しい。このウズキを止めて欲しい。
それしか考えられない。
弁慶さんが仰向けになった。
「それでは君から僕を受け入れてくれますか?」
そう言ってにっこり笑う。
私から。私から九郎さんを裏切るの?
理性は拒否しているのに欲望に勝てない。
弁慶さんの上にまたぐ。
ためらいながら腰を落としていった。
ズプッ。
弁慶さんの物が私の中に飲み込まれていく。
頭の中が真っ白になっていく。
気が付くと私は狂ったように腰を動かしていた。
「淫らなあなたも素敵ですよ。知っていました?僕がずっとあなたに惹かれていいた事を?」
達する前に弁慶さんの声が聞こえたような気がした。
でももしかしたら夢だったのかもしれない。
497九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:40:47 ID:1i3DszJY
目覚めると隣に弁慶さんがいた。
「昨夜の君は激しくて素敵でしたよ。」
そう言って微笑むこの人はいつもと同じように優しげなのに……。
「あんなに君を抱いたのにまだまだ抱き足りませんよ。」
そう言って彼は口付けてきた。
「はぅ……。」
体の奥で昨日の欲望がまだくすぶっている。
弁慶さんの口付けと愛撫でそれがまた呼び起こされていく。
弁慶さん、私の感じる所すべて知り尽くしてしまってませんか?
「そんな目をして、あなたはいけない人ですね。」
いけないのは弁慶さんでしょ?
どうしてなんだろう。こんなに非道い事されているのにあなたの瞳が優しく見えるなんて。
「いれても、いいですか?」
私は彼の瞳を見つめながらうなずいた。
「今日は薬は使っていませんよ?あなたが自分の意思で僕に抱かれたいんですね?」
そう言いながら彼が入ってきた。
「あ…、っ…ん……べっ弁慶さんっ。」
「僕の名前、呼んでくれるのですか?うれしいですよ。
本当に。もしいま死んでしまったとしてもなんの後悔もありませんよ。」
死ぬなんて言わないでください。
そう思いながら快楽と共に意識を手放す。
498九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:43:52 ID:1i3DszJY
甘い香りがする。
誰かが私の髪を撫でている。
「望美さん、ごめんなさい。こんなに浅ましい僕で…。
許してくれとはいいません。憎んでください。一生許さないでください。
憎しみでも恨みでもいい。僕のこと忘れないでいてくださいね?」
どういう事ですか?
聞き返したいけれども体が動かない。
今、起きないと一生後悔する。そんな気がするのに。
甘い香りが増していく。
499九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:48:08 ID:1i3DszJY
「望美、よかった。もう目覚めないかと思ったぞ?」
眼が覚めた時、目の前にいたのは九郎さんだった。
お前は七日間目を覚まさなかったのだぞと抱きしめてくれた。
「九郎さん、弁慶さんは?」
私の問いに固まった九郎さんの眼を見た時に答えがわかってしまった。
「弁慶は…体に清盛を取り憑かせて、その体ごと…。」
弁慶さんは自分の気持ちだけ押し付けて私の気持ちは聞かないまま行ってしまった。
ずるい人。
だったら私もずるい人になろう。忘れてしまいます。あなたの事なんて。
「九郎さん、お願い。私の事抱いてくれませんか?」
九郎さんは一瞬真っ赤になって固まった後、ゆっくりと私の体を抱きしめてキスしてくれた。
九郎さん、ずるい私でごめんなさい。
思いっきり抱いて忘れさせてください。あの人の事を。
500九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:49:40 ID:1i3DszJY
あれから7ヶ月たった。
私はいま朔の縁の尼寺にいる。
そして後2ヶ月もすれば母になる。
妊娠がわかった時、九郎さんにはなにも告げずに姿を消した。
弁慶さんの子か九郎さんの子かわからなかったから。
これは九郎さんを裏切ってしまった私への罰だったのかもしれない。
でもどちらの子であっても私には関係ない。
私の中でまどろむ子をお腹の上から撫でる。
私一人でこの子を愛し守り育てていく。
あの時たしかに私は2人の人を別々な形でいとしく思い愛した。
その罪をこの子にも背負わせてしまうのかもしれないけれど。
501九郎×望美⇔弁慶:05/01/31 07:51:04 ID:1i3DszJY
庵主様が呼んでいる。朔が訪ねてきてくれたんだろうか?
返事をして庭に出る。そこにいたのは…。
「九郎さん!」
「望美、探したんだぞ。迎えに来た。」
私は思わず頭を振った。
「ダメです。お腹の子、九郎さんの子じゃないかもしれないんです。」
「知っている。」
え、知ってるって?
「弁慶がお前を抱いて連れ帰った時に全部話していった。
薬を使って嫌がるお前を無理やり抱いたと。
あの時はあいつの事、かなり憎んだし恨みもしたけれど…。
俺はたとえお前の産む子が弁慶の子であってもかまわない。
むしろ弁慶の子であってほしい。あいつが俺の元に帰ってきてくれた。そんな気がするんだ。
どんなに憎んでも恨んでもそれでもあいつは俺の大事な友だ。
いい父親になると誓う。……それとも俺では駄目か?」
九郎さん…。駄目なんかじゃない。あなたは優しすぎるんだよ。
「お前は俺の事嫌いか?」
そんな不安そうな眼で見ないでください。
「…大好きです。」
…本当にあなたの傍にいてもいいんですか?

【終】
502名無しさん@ピンキー:05/01/31 08:26:35 ID:5F9/b7cB
おおおお
ええ話や〜。めっさええおとんになるんだろうな九郎

「恋情」の譲は不幸すぎてモエーモエー
503名無しさん@ピンキー:05/01/31 11:12:56 ID:5SQammZA
九郎も好きだが弁慶萌えでもあるので
どうなるかと思ったが、最後の落ちにホッ。
504467:05/01/31 17:50:44 ID:luGdxhY1
>>446さん
拙い作文を読んでくれてありがとう!
弁慶×神子←譲
私好みの黒弁慶でした。また作品お待ちしてます。

ちゅんさん
薬盛る弁慶萌え〜。
九郎いい人だ。子供めっちゃ可愛がりそう。

昨日の続き投稿いたします。
505弁慶×望美 ED後3:05/01/31 18:00:28 ID:luGdxhY1
ヒノエと望美が弁慶の屋敷にたどり着いたのは、もう随分日が傾いてからだった。
あの後、他の八葉だった者たちの近況をヒノエに聞いている間にすっかり時間が経ってしまっていた。
もう弁慶も帰宅している時分だと望美とヒノエはあわてて屋敷に戻っていった。
案の定、弁慶は屋敷の入り口で待ち構えていた。それもとびきりの笑顔を張り付かせながら。
「ヒノエ、今日は僕の妻に付き合ってもらって悪かったですね。もう結構ですよ。」
「あ、あのよ、俺の話が長くて遅くなっちまったんだ。悪りぃ。」
望美もあやまるため口を開こうとしたが、ヒノエに遮られてしまった。
「聴こえなかったんですか?帰れと僕は言ってるんですよ。」
弁慶は満面の笑みを張り付かせて、望美の腕を強引に引っ張りぴしゃりと戸を閉めて中に
入ってしまった。
「望美、すまねえ。ありゃそうとうご立腹だぜ。」

「あの弁慶さん、遅くなってごめんなさい。」
怒っているはずの弁慶からは一切怒りは感じられずそれが逆に望美を不安にさせた。
いまだきつく握り締められたままの腕がじんじんと熱を持っていく。
そのまんま弁慶は奥の間まで望美を連れて行った。望美の体を突き飛ばすと後ろ手に襖を閉める。
へたり込むように畳の上に倒れると、今まで受けたことのない乱暴な仕打ちに目を潤ませながら弁慶の顔を
見つめた。弁慶は望美に向かってあの鋭い眼つきで見つめ返していた。
「弁慶…さん?」
無言で弁慶は望美の体に覆いかぶさると、スルスルと望美の着物の帯を解き始めた。
「やっ。」
弁慶がなにをしようとしているのか察した望美は、身をよじって逃れようとした。
しかし弁慶はそれを片手で制すると、もう片方の手で望美の両手を頭の上で拘束するのだった。
解いた帯紐でそのまま望美の両手をきつく縛り上げると、着物の袷はだらしなく肌蹴てその下からは透き通る
ように綺麗な素肌が顔をのぞかせる。
望美の小ぶりだが形のいい膨らみのてっぺんにある突起は、この先に待ち受ける刺激に期待してかすでに
つんっと硬く存在を主張していた。
「無理やり縛られているというのに、君という人は感じてしまっているんですね。」
弁慶はそう言って望美の胸を乱暴に弄ると、硬くなっている突起を指ではじいた。
「はぅっ。あぁ…。」
506弁慶×望美 ED後4:05/01/31 18:05:48 ID:luGdxhY1
望美は恥ずかしさに顔を背けて、身を捩った。その様子に弁慶は意地悪な微笑みを張り付かせながら、
望美の顔を正面に向かせ唇を貪りはじめた。その間も胸の愛撫は続けられて、そのたび望美の体は
ピクピクと跳ねた。
荒々しく歯列を舌でなぞられて、望美が逃げようとしても捕らえられて絡み合う舌と舌。
望美は与えられ続ける愛撫にだんだんと体に疼きをためていく。
弁慶の唇は望美の首筋に降りていき、きつく吸い上げた。望美の柔らかい素肌に赤い花を咲かせていく。
「あんっ、あ…あ…。」
望美はたまらなくなり、もじもじと両足をこすり合わせはじめた。
瞳を潤ませて哀願するようにみつめる望美に弁慶はいつものように丁寧な口調で問う。
「そんな瞳でみつめてどうかしましたか?僕は君の心のなかは読めないので言葉にしてもらえると嬉しいです。」
「そんな…っ。」
焦らすように指で望美の下腹部をなぞる弁慶。早く熱を冷まして欲しくて葛藤する望美。
「…下さい…。」
「なんですか?聞こえないんですが。」
わかっているくせにわざと意地悪く聞き返す弁慶に、とうとう望美は泣きながら言葉にした。
「お願い!下…も触って…ください。」
「ふふっ、君にしては上出来ですね。」
弁慶はふわりと微笑むと望美のひざの裏に両手をかけて、押し開いた。
望美の泉はもうすでにたっぷりと潤いを保っていた。左右に広げるととろりと蜜が溢れ出てくる。
弁慶はプクッと起き上がっている蕾を指で擦りあげた。
「やんっ…あ…あっ。」
そのまま手を下に滑らせると蜜で溢れている入り口に少しづつ指を沈めていった。
ずぶずぶと指が根元まで飲み込んだかと同時に蕾に唇を近づけると器用に吸い上げ始める。
「ああっ気持ち…いいよぅっ。」
弁慶のしなやかな指が望美のなかをかきまわすたび、どんどん蜜が溢れ出しぴちゃぴちゃと厭らしい音が部屋を満たす。
最奥を突かれるたび、望美の背は跳ねて心地よい痺れが広がっていく。
「ああっ、あんっもっと…もっと下さい。」
507弁慶×望美 ED後5:05/01/31 18:09:00 ID:luGdxhY1
拘束された両手をもどかしく捩りながら、弁慶に哀願する望美。望美がもうすぐ限界に達しようとしていることに
気づいた弁慶はするりと指を引き出した。
お預けをくらった形の望美は泣きはらした瞳で弁慶をみつめた。
「心配しなくても、もっと良いものを差しあげますよ。」
そう告げると弁慶は望美のいまだ拘束されたままの両手を引っ張り、畳の上に寝転がった。
弁慶の体の上に乗る形になった望美はどうしていいのか動けすにいた。
「自分で動いてもらえますか?そのままじゃ君もつらいでしょう。」
今まで弁慶に抱かれても自ら動いたことのない望美は混乱していた。
やがて意を決して拘束された両手で弁慶の帯を解き、袷を開くと熱いたかまりが顔をのぞかせた。
そこに望美はまたがると少しずつ腰を沈めていく。望美のなかに待ち焦がれていた圧迫が広がっていく。
「やぁっああぁ…。」
望美は根元まで受け入れると大きく息を吸い込み呼吸を整えた。暫く動けないでいる望美に焦らされた弁慶は、
腰に両手をかけて下から突き上げた。
「あんっ、まだだめぇっ。」
いきなり最奥を突かれて魚のように身を反らせる望美に、弁慶は含みをもたせた笑みを浮かべていた。
そんな余裕をみせる弁慶を追い込みたい衝動に駆られた望美は、ゆっくりと上下に動き始める。
深く快感を味わおうと腰を沈める望美を、時折弁慶は突き上げる。
「ああっ、そこが…いいのっ。」
望美が体をくねらすたび、弁慶のたかまりをきつく締め付ける。望美のなかの狭さに弁慶は眉根を寄せて耐えていた。

弁慶のいつもの表情を崩したことで望美の熱はますます高まっていく。
もどかしそうに腰を上下させる望美に物足りなくなった弁慶は、繋がったまま望美の体に覆いかぶさった。
「あっ…ダメっイッちゃう。」
「まだ、許しませんよ。」
上からの圧迫でより深く突かれた望美の体は、もうすぐ限界を迎えようとしていた。
しかし弁慶が簡単に許すわけもなく、腰を引くと今度は入り口を擦り始める。
508弁慶×望美 ED後6:05/01/31 18:10:36 ID:luGdxhY1
ゆるゆると浅く抽出を繰り返す弁慶は、蕾を指で撫で上げた。
「はぅっ。」
電流が走ったように背を反らせる望美。また焦らされる立場に舞い戻った望美は、自然に弁慶の動きに合わせ腰を揺らし
はじめていた。望美の行動に弁慶は笑みをみせる。
もっと深く、もっと奥まで弁慶のすべてを味わいたい望美は、今だ拘束された両手を弁慶の首に回すと体を密着させた。
「お願い。弁慶さん…を下さいっ!」
「君の願いを聞き入れましょう。」
望美の耳元で囁くと、弁慶は一気に腰を打ちつけはじめた。ふたりの体から発する水音が望美の頭に響いていく。
「やぁ…ん。もう…もうっ弁慶さん!」
「望美っ…!」
弁慶は望美の唇を貪ると望美のなかに熱い欲望をすべて注ぎ込み、望美はそのまま意識を飛ばしてしまっていた。
はあっはあっと肩で息を整えた弁慶は、帯紐で結ばれたままだった望美の両手の拘束をほどいた。
きつく結んでいたため、くっきりと紐の後を残した両手に口付けを落とすとふとため息をつく。
「僕もまだまだ未熟ですね。君が他の男と話しただけなのに、嫉妬するなんてね。」
いまだに気を失っている望美にそう囁きかけると、汗でべたついた体を拭き始めた。

「いってらっしゃい。気をつけてね。」
「わかりましたよ。望美。」
朝、弁慶を送り出す望美は笑顔で手を振っていた。昨夜の激しい情事は、弁慶の新しい一面を望美に発見させた。
嫉妬のすえに起こったことだが、弁慶も同じ気持ちでいることが再びわかった。
望美の袖から昨日の情事の痕が顔を覗かせる。望美は急いで隠すと袖の上から愛しそうに撫ぜながら、弁慶の後ろ姿を
見送っていた。
509467:05/01/31 18:16:44 ID:luGdxhY1
以上です。お目汚し失礼しました。
他の書き手のみなさんのようには、なかなかいきません…。
また書けたら投稿します。
510名無しさん@ピンキー:05/01/31 19:39:23 ID:pp4okpnY
GJ!!

こんなに黒弁慶を拝めるとは
弁慶スキーには嬉しい限りですな
511名無しさん@ピンキー :05/02/01 01:05:26 ID:5dkPVWuA
ひゃっほう!本日は弁慶祭りですか!!
どの書き手さんもGJ!!
それぞれ違う萌えを味わいますた。
512名無しさん@ピンキー:05/02/01 02:31:09 ID:NBBByg2K
GJです。
「僕の妻」に激萌えしました。
513ちゅん:05/02/01 05:13:46 ID:kyOtc5HJ
読んでくださった神子様ありがとうございます。

>467さん
とびきりの笑顔とその仮面が外れた後の展開に激しく萌えさせていただきました。
また467さんの黒弁慶読みたいです。

弁慶祭りぶった切ってごめんね。
以前にリクエストしていただいた「ちび望×兄上か九郎」投下させていただきます。
最近九郎ばかり書いていたのでお相手は兄上で。その分九郎の出番、多くしたつもりです。
リクなんて貰えるなんて思ってもなかったのでとてもうれしかったです。
ありがとう。
兄上がなかなか動いてくれず本当にエッチまで辿りつけれるのか焦りながらかきました。
前半本当にエロなしです。
書きながら2重人格の鬼畜兄上モノが書いてみたいなあと思ったり・・・。

514ちび望美×景時:05/02/01 05:20:01 ID:kyOtc5HJ
「景時さん、とっても綺麗ですね。」
そういって君は笑ってくれた。
オレの発明した物の大半は役立たずで残り半分は血生臭い戦の道具だ。
オレが作った物を見て君や朔やみんなが笑ってくれている。
自分が作った物でみんなが楽しんでくれている。
そんな事だけでもオレは泣きたくなる程幸せだったんだよ。
花火が終わった後、後片付けをしていたら望美ちゃんが手伝ってくれた。
その後、望美ちゃんの部屋に送っていってらば、そこで白龍と望美ちゃんとお喋りが弾んでしまい
ついうとうととしてしまった。
雀の声で我に返った。肩に布団が掛けてあった。
うわ、やばい。いくらなんでも妙齢の女性の部屋で夜を過ごしたなんて。
そう思いながら望美ちゃんの方をうかがった。
えっ?なんで、なんで。望美ちゃん?白龍…なのか?
オレの目に飛び込んできたのは黒龍によく似た銀髪の青年と、彼に寄り添って眠る3歳くらいの幼女だった。
515ちび望美×景時:05/02/01 05:21:14 ID:kyOtc5HJ
「神子の五行の力で大きくなれた。神子が小さくなったのは私が五行を吸い取りすぎいた所為だと思う。
ごめん、神子。でも安心して。2,3日もしたらもとの神子に戻る。」
小さくなった望美ちゃんは本当にかわいらしい。
朔なんか半狂乱状態でかわいがっている。
もしも黒龍があんな事にならなかったら今の望美ちゃん位の子がいてもおかしくない。
そう思うと少し切なくなる。
オレが庭で洗濯物を干していたら望美ちゃんがちょこちょことよってきた。
「かげときさん。」
少し舌ったらずに俺を呼ぶ。
もう、ほんとかわいいっ!
朔が小さい時もかわいかったけれど望美ちゃんほどじゃなかったよ、うん。
望美ちゃんの頭をぐりぐり撫でながらおずおずと聞いてみる。
「望美ちゃん、俺の事『兄上』って呼んでみてくれないかな〜。」
望美ちゃんはオレの事見詰めている。…ひょっとしてにらんでる?
「望美さ〜ん。僕と九郎とで散歩がてら薬草摘みに行くんですけれども
もしよろしかったらお手伝いしてくれまんか?」
「あ、べんけいさん。うん、おてつだいするよ。」
望美ちゃんは駆け出して行ってしまった。
九郎に追いつくと並んで歩いていく。九郎は普通に歩いているけれど望美ちゃんはちょこちょこと小走りにしないと追いつかない。
弁慶が九郎に追いつき肩をたたいてなにか言った。
すると九郎はにこやかに笑ったかと思うと望美ちゃんを抱き上げ肩車した。
望美ちゃんは真っ赤になってじたばた暴れていたけれど弁慶がなにか一言いうとおとなしくなった。
一見子連れ夫婦に見えなくもない3人が見えなくなるまで見送る。
望美ちゃんの髪が木陰に隠れて見えなくなってしまった時、世界が色あせてしまったかのような錯覚にとらわれた。
516ちび望美×景時:05/02/01 05:23:42 ID:kyOtc5HJ
「今日の昼ご飯はは先輩の大好きなオムライスを作ってみましたよ。」
望美ちゃんが小さくなってからの譲君の料理はやたらと手の込んだ可愛らしいものに変わった。
「先輩、ここにご飯粒が付いていますよ。まったく、しょうがない人ですね。」
そう言って甲斐甲斐しく望美ちゃんの世話をしまくるその姿は家庭の主婦そのものだ。
もしかしたら代々天地の白虎の八葉は家事好きだったのかもしれないね。
食事が終わった望美ちゃんの髪を朔がくしけずっている。
「望美の髪はサラサラね。うふふっ。私ね本当はずっと女兄弟が欲しかったのよ。」
え、そっ…そうなの?朔、お兄ちゃんはっ?
朔の冷たい視線にイジケてるオレの腕を小さい手がつかんだ。
望美ちゃ〜〜〜んっ!
「朔がお兄ちゃんがいらなくってもオレには望美ちゃんがいるもんね。」
そういって抱きしめようとした望美ちゃんは一瞬にして奪い取られる。
「おっさん、姫君ちょっと借りるぜ。」
おっさんってオレの事〜〜〜?オレ、リズ先生より若いんだよ?
オレはいじけながらヒノエと望美ちゃんを見送る。
へえ、子供なんて嫌いそうなあの青年があんなとろけそうな顔をして望美ちゃんを見詰めてるなんてね。
517ちび望美×景時:05/02/01 05:25:37 ID:kyOtc5HJ
「せんせぇ!しゅぎょうをおねがいします!」
そう言って望美ちゃんは木刀を振り回している。いや、木刀に振り回されているかな。
いつもは望美ちゃんの修行の時には厳しいリズ先生なのに今日は微笑みながら相手をしている。
「ぐわっ!!」
望美ちゃんの木刀が手からすっぱ抜け、その落下地点にいたリズ先生が瞬間移動してしまったもんだから
木刀はその横で素振りをしていた九郎の脳天に直撃した。
「お〜〜ま〜〜え〜〜な〜〜〜。」
「ごめんなさいっ!でもくろうさんもしゅぎょうしてるんならこれくらいよけれてとうぜんですよ?」
「何ぃ!お前なあ、人に謝るときには誠心誠意をこめてだなぁ。」
ま……3歳児と対等に喧嘩できるってのも九郎位かな。
あ、望美ちゃんの顔が泣きそうにゆがんだのを見て慌ててる九郎のみぞおちに朔の扇が炸裂した。
アレ、本当に痛いんだよね〜。九郎が気の毒になって割って入った。
「まぁまぁ、九郎もそんな小っさい子あいてに大人気ないよ〜。」
おや、もしかして望美ちゃんまたオレの事にらんでる?
518ちび望美×景時:05/02/01 05:33:08 ID:kyOtc5HJ
洗濯物を取りこんだ後望美ちゃんを捜した。
望美ちゃんにさっきの事を聞こうと思ったからだ。
「兄上、望美ならさっき敦盛殿とヒノエと一緒に市に行きましたよ?」
何だ、そうなのか〜。
日も沈んだ頃、皆が帰ってきた。
「おかえり〜。」
「あ、かげときさ〜んっ!」
望美ちゃんがオレに駆け寄ってきてくれた……とオレが両手を広げた手前で彼女はこけた。
「ふぇ…。」
大丈夫、望美ちゃん。
抱き起こすとその手に大事に握られていたらしい土鈴が割れていた。
「……せっかくあちゅもりさんがかってくれたのに…。」
タ行がうまく発音できないらしい。かわいい。
敦盛達が駆け寄ってきた。
「あちゅもりさん、ごめんなさい。すず、われちゃったの。」
望美ちゃんの涙を見ながら敦盛が微笑む。
「大丈夫だ、神子。一緒に買った私の分をあげよう。金剛石ではないけれど…。」
え、二人お揃いだったの?
「でも、そしたらあちゅもりさんのが…。」
「だったら姫君、オレと二人でもう一度買いに行こ?」
え〜、ヒノエと?いくら望美ちゃんがちいさくっても危険だよ。
「その必要はないです!」
うわ、譲君、君いつからそこにいたの?
「俺が市まで行って同じ物を買ってきますから。…だから先輩、泣かないで待っててくださいね。」
「ゆずるくぅん……。」
望美ちゃんににっこり微笑みヒノエの方を睨み付けながら彼は市の方へと走り去っていった。
さすがおれの対、ぐっとじょぶだね〜。
519ちび望美×景時:05/02/01 05:35:22 ID:kyOtc5HJ
譲君がいなくなったので晩ご飯の味付けは朔と望美ちゃんが担当した。
「望美がずいぶんと手伝ってくれたのよ。ね。」
「うん。たまごわったり、まぜまぜしたよ。」
その日のおかずには卵の殻がかなり入っていた。
みんながおかずを口に運ぶ度にジャリジャリと音がしていたけれども、みな文句も言わずに平らげていた。
望美ちゃん、君は本当に皆に愛されているよね。
だから、きっとオレなんて。

食事が終わって半刻もせずに譲君が帰ってきた。
「先輩、あの鈴と同じ物はもうなかったんですけれど。これ…。」
「ありがとうゆずるくん、だいじにするね。」
そう言って笑う望美ちゃんを見て譲君は真っ赤になっていた。
譲君が一人で食事するのも気の毒だな〜と思って話し相手になろうと思った。
台所を覗くと譲君は袂から大事そうに鈴を取り出した。
あの鈴は…。
譲君はとても大切そうに鈴に口付けすると微笑んでいた。
オレは……。
520ちび望美×景時:05/02/01 05:37:45 ID:kyOtc5HJ
台所に入りそびれたオレは一人縁側に出た。
月がきれいだ。
昔からこうして一人で月を眺めていると安心する。
「かげときさん……。」
「望美ちゃん。どうしたの、こんな遅くに。」
オレが言うと望美ちゃんはまた怒ったような顔をした。
「かげときさん、わたしなかみまで、ちいさくなってませんよ。」
え、そ、そうなの?
「したがうまくまわらないだけです。なのに、かげときさんったら、こどもあつかいばかりっ!
それでなくっても、わたしのことこどもあっかいしていたのに。わたし、こんなにちいさくなっちゃって。」
子供扱いって、そんな事してないよ〜!
「うそ、きのうだって、ひとばんいっしょだったのに、てもにぎってくれませんでした。
さくは『あにうえはのぞみのことすきよ。』っていってくれるけれど、わたし、じしんなんかない。
わたし、そんなに、みりょくないですか?それともさくのかわり?いもうとなんですか?」
思ってもいなかった彼女の言葉にオレはうろたえる。
「そんな事、ないよ。オレは…いつだって…。」
オレはいつだって君を眼で追っている。
それに、妹としてみたことなんか一度だってないよ。
「なら、どうしてですか?」
「君は…君はどうしてオレがいいの?」
みんな君の事が好きなのに。
オレは本当に駄目で汚い嫌な奴なんだよ。
521ちび望美×景時:05/02/01 05:41:24 ID:kyOtc5HJ
「かげときさんだからです。」
「…ありがとう。」
君の答えは何時もオレに勇気をくれるね。
オレは望美ちゃんの額に口付けた。
また望美ちゃんがぷぅっとふくれた。
「かげときさん、またこどもあつかいしてる。」
してないよ、子供扱いなんて。
「してます。かんぜんに。おでこにきすなんて。もぉしらないっ!」
そう言って彼女はそっぽを向いた。
「望美ちゃん、ごめん、許して!なんでも言う事聞くからさ〜。」
オレがそう謝ると望美ちゃんはにやっと笑った。
「ほんとうですね。」
ほんと、ほんと。
「うそじゃないですね。」
もちろんだよ〜。
「じゃぁ、わたしのからだがもとにもどったらだいてくれますか?
ああ、なんだそんな事かぁ〜って、ええっ!!
「やくそく、しましたよ。」
そう言って彼女はオレの唇に唇を重ねてきた。
うわっ、望美ちゃん、その体で舌を入れてくるのは犯罪だよ〜〜。
その時、彼女の体が少しずつ大きくなりはじめた。
彼女の着ていた服が破け始めた。
望美ちゃんが元の大きさに戻った時、着物はほとんど役をはたさず、
だけど何とか大事な場所は隠していた。
でも剥き出しの足、くっきり見える胸の谷間。
下手な裸より性質が悪いよ。
522ちび望美×景時:05/02/01 05:44:43 ID:kyOtc5HJ
オレが目のやり場に困っていると望美ちゃんがにっこり笑った。
「景時さん、約束。したばっかりですよね。」
もしかして、オレ絶対絶命?
「望美ちゃん、元に戻ったんならまずは皆に知らせないと。」
「景時さんっ!」
望美ちゃんがオレにのしかかってきた。
うわ、駄目だよ。そんな格好で。襲っちゃうよ?
唇がかさなり舌が割ってはいる。
望美ちゃん、口付け上手だね。
「…どうして私じゃ駄目なんですか?朔に聞いた限りじゃ景時さん、初めてってわけでもなさそうだし。」
朔、いらないことを喋るんじゃありません。
そりゃ、この年だよ、初めてってわけじゃ…。
その時オレの頭の中に疑問がわいた。
望美ちゃん、やけに積極的だけれどもしかして初めてじゃない?
熊野で別れた天の青龍の姿が頭に浮かぶ。
譲君が数いる男性の中でもっとも彼を警戒していた。
なんだ、このドロドロとした気持ち。
オレの中にこんな感情があったのかと驚く。
「望美ちゃん。」
「ふ…う…んっ。」
思わず彼女に激しい口付けを与えていた。
たしかめてみたい。もし初めてじゃないのだとしても奴よりももっとオレを彼女に刻みつけたい。
今まで感じた事のないこの気持ち。
もしかして『情熱』なのかな?
「うれしい、初めて景時さんからキスしてくれましたね。」
そう言ってわらってくれる君はほんとうに。
「かわいいよ。望美ちゃん。ずっとずっと」
ーーーーー好きだったよ。
「私もっ!大好きです、景時さん。」
花火の夜、あれ以上の幸せはないと思っていたけれど。
523ちび望美×景時:05/02/01 05:46:20 ID:kyOtc5HJ
すでに役には立っていない彼女の着物を剥ぎ取る。
想像していたより豊かな胸だ。
既に硬くなっている胸の先端はきれいな桜色だった。
オレに食べてくれと誘っているようなソレを口に含む。
「あんっ。」
今まで聞いたことのない艶を含んだ彼女の声に熱くなる。
口と右手で彼女の胸を愛撫しながら空いている手で彼女の秘裂をなぞってみた。
「ひゃ…ン。」
…濡れている。
もしかして本当に初めてじゃないの?望美ちゃん…。
指を中に入れる。
行為がつい荒くなってしまう。
「あっ、あんっ、アンっ!!」
「すごく濡れているよ、望美ちゃん。」
「やぁっ!言わないでください。」
涙目で体を火照らせながら恥らう彼女の姿はとても扇情的で。
彼女の両足を荒々しく割った。
よかった。彼女の割れ目は綺麗な桃色で、もし初めてでないとしてもその回数はしれているだろう。
オレが見詰めているだけでその泉から蜜があふれてくるのがわかった。
「望美ちゃんのここ、とても綺麗な桜色だね。」
「やぁっ、そんな事言わないでくださ…はうっ!…んっ、んんん〜〜っ。」
オレは蕾を舌でなぞった。
「望美ちゃん、そんなにくいしばってないで、君のかわいらしいあえぎ声聞かせて?」
そう言って彼女の中心を音を立てて吸う。
「やぁあああん。か、かげときさぁぁっ。…へんだよ?わたしオカシクなっちゃうよ?」
「いいんだよ、望美ちゃん。もっとオカシクなっちゃっても。」
そう言いながら指を彼女の中に入れた。
「あああああああああっ!!」
彼女の体がのけぞる。
524ちび望美×景時:05/02/01 05:49:09 ID:kyOtc5HJ
「いっちゃった?」
「…景時さんのバカ…。」
「そんな事言っちゃうとお仕置きしちゃうよ?」
オレは既に反り返っているオレ自身を彼女に押し当てた。
「うっ、んんっ。いたっ!」
あんなに乱し濡らしたのになかなか入らない。
望美ちゃん、初めて…なの?
オレうれしいよ。
彼女の苦しげな顔を見て、いつそのことここで止めようかとも思った。
でもいま止めたらきっと許してもらえないんだろうなぁ。
覚悟を決めて彼女の中へと押し進む。
そこはぎちぎちに狭くオレを拒む。
「望美ちゃん、息大きく吐いてみようか〜。」
「…こ、こうですか?」
彼女の力が少し抜けた。その隙に突き進める。
「望美ちゃん、全部入ったよ〜。」
「ほ、ほんと…に?景時さ…ん、うれしいです。」
苦しそうな息の下で彼女が微笑んでくれてる。
何もかもがいとおしい。
彼女に口付けながら胸の先端を弄る。
少しずつ蜜があふれてきている。
「少し、動くよ?」
彼女がうなずくのを確かめ浅く突きはじめる。
しばらく動くと蜜の量が増え彼女の反応も変わり始めた。
痛さに耐えていた声があえぎに変わり始めた。
「景時さんっ、私もう…。」
「望美ちゃん、一緒に行こう。」
「はい。」
525ちび望美×景時:05/02/01 05:51:10 ID:kyOtc5HJ
事が終わった後、ぐったりしている望美ちゃんの股間を懐紙で拭く。
懐紙に付いた緋の色が痛々しい。
「望美ちゃん、その、体の方は大丈夫?」
「はい、大丈夫です。その…思ってたより気持ちよかったです。」
そう言って真っ赤になった彼女はとてもかわいくて。
思わず笑ってしまったオレを見て彼女はまたふくれた。
「あ、また私の事子供だって思ってます?」
そんな事全然思ってなんかないよ。
「そうですか?私もう景時さんに女にしてもらったんですからね?
あんまり子供扱いしないでくださいね?」
わかってるってばさ〜。
その代わりオレもお願いしてもいい?
「なんですか?」
昨日、譲君にもらった鈴、割っちゃってもいいかな〜?代わりに今日オレとお揃いのを買いにいこ?
今までのオレなら譲れないものはなかったけれど。
今日からのオレにはムリみたいだ。
ごめんね、オレの対。

【終】

読んでくださった神子様方ありがとうございました。
しばらく投下ペースおとさせていただきます。
526名無しさん@ピンキー:05/02/01 07:34:27 ID:XUVvoi2W
うはー面白かったです。ほのぼの

>一見子連れ夫婦に見えなくもない3人
ワロタ

>もしかしたら代々天地の白虎の八葉は家事好きだったのかもしれないね。
いやいやいやww

そして今回も譲は不憫というオチが。
527名無しさん@ピンキー:05/02/01 16:48:29 ID:k8tEVYlG
ちっこい神子の言動とヘタレな景さんに萌えた
GJ!
528名無しさん@ピンキー:05/02/01 17:02:53 ID:GI8coQ44
中断してる続きものも投下予告されてるものも新しいのもどんとこいやЩ(゚Д゚Щ)カモォン


チモリネタズットマッテンデスガ……
529名無しさん@ピンキー:05/02/01 18:05:05 ID:hD+oSVtJ
景時×望美面白かったです。
ちゅんさんの書く小説は他の八葉からも望美は愛されてるなってわかっていいですね。
投下ペースおとすなんていわないで〜。
530名無しさん@ピンキー:05/02/01 23:04:22 ID:/tebQjVa
望美可愛かったw
景時も景時らしくて凄い良かったです。
兎に角GJ!
531名無しさん@ピンキー:05/02/02 00:23:37 ID:0wSylj1y
やばい、ちび神子まじで萌えます…
532名無しさん@ピンキー:05/02/02 02:07:54 ID:0UiGKLje
周りのメロメロっぷりも微笑ましければ
木刀持て余し気味なちびにハァハァが止まりません(待て)
元に戻るタイミングもお約束っぽくて
話の雰囲気にハマっていたと個人的に思いますた。
何よりテンポが激しく読みやすかった。それだけで既にGJ。
533名無しさん@ビンキー:05/02/02 12:06:03 ID:Ei8GEfeB
うわぁ…弁慶がいっぱいですね(*´Д`*)ハァハァ
卒論の合間に、こちらに触発されて書いた弁神子があるんですが(何やってんだ)、
こんなネ申だらけな創作&弁神子ラッシュの中に投下してよいもんだろうか…。

・・・既に弁と一線越えてる強気系なんですが…需要あるかなぁ・・・(;´д`)
534名無しさん@ピンキー:05/02/02 12:21:32 ID:6casWCqV
>>513ちゅんネ申さま
以前ちび望リクしたものです〜感激っす。初めてなのに強気な望美萌え〜
地の白虎に『情熱』はつきものですね(*^ー゚)b グッジョブ!!

>>533
あるにきまっとろうが!はよ投下せい!(*´д`*)ハァハァハァアハァ
うそうそ、お願いしますほんと 卒論おつかれさま〜
535533:05/02/02 12:55:54 ID:Ei8GEfeB
Σ(゚д゚;)もうレスが

>>534
早レス&労いありがとうございます。
ではお言葉に甘えまして、弁神子投下させていただきます。
文が一人称だったり三人称だったり読みづらい点等ありますがご勘弁を(´・ω・`)
ちょっと無駄に長いかもです(;´д`)
536弁慶×望美:05/02/02 12:58:04 ID:Ei8GEfeB
「望美さんは可愛らしいですね」

はじめから「敵」だと思っていたわけじゃない。
いきなり素であんなこと言われたら、奥ゆかしい日本人は確かに引くだろうけど。
いや、皆あの顔に騙されるかな。

私だってそれは引いた。そりゃもうドン引いた。
でも相手は八葉だ。しかも初対面だ。いきなりそれだけで引くのも失礼に値する気がして。

それが悪かった。そんな甘いこと言ってる場合じゃなかったんだ。
気がついた時には、敵はゆっくりと牙をむき出して、咽に喰らいつく寸前まで来ていたのだから。

537弁慶×望美:05/02/02 12:59:26 ID:Ei8GEfeB

「君は、いけない人ですね」

夕闇迫る梶原邸の一角で。
昼寝から覚めたけだるい身体を起こそうとした私の、視界の全てをいきなり占領してくれたのは、あの「敵」の超ドアップだった。
掴まれた手首、優雅な微笑みとは対照的な、骨ばった指が私の手を包んでいる。
親指が丁度手首の脈を押さえている。それが、相手に鼓動を伝えているかと思うと、今すぐ振りといてしまいたかった。
「・・・・・・・・・弁慶さん」
「何でしょう、望美さん」
「これは何の真似でしょう」
「おや、わかりませんか?」
くすりと微笑む。曲線を形作る唇が、何故だか素晴らしく淫靡に見える。
ああ嫌だ。末期だ。

「わかりませんしわかりたくもないので今すぐその手を離してついでに私の上からどいて何処かに消えてくれませんか?」

いえ寧ろ消えて下さい。
にっこり笑って一息に捲くし立てた。その間にも蹴り上げてやろうと脚を動かしたけれど、相手の方が上手だった。脚の間に相手の脚が割り込んでいて、上手に封じこまれている。
笑顔を保ちながらも、内心舌打ちをしている私をあざ笑うかのように、「敵」が顔を近づけてくる。
夕日に透ける薄茶のくせ毛が、まるで陽輪のようだと思った。

「君が、わからないはずはないでしょう。熊野別当殿に、『専属軍師に』と望まれる程ですから、ね・・・?」

それこそ互いの吐息が混ざり合う程の至近距離。のぞきこまれた髪と同色の瞳は、形ばかりはいつもどおり微笑っていたけれど。
(目の中が思いっきり裏切ってるんですよ!!いやああ朔助けてええ!)
心の中で親友に助けを求めるが、生憎彼女は夕飯の買い物の為、昼から外出中だ。

538弁慶×望美:05/02/02 13:02:03 ID:Ei8GEfeB

「ひ、人を呼びますよ?」
なんとなく負けているような気になるから、顔には笑顔を貼り付けたまま、退路を探す。
掴まれているのは左手一本のみ。利き手は無事だが、押し倒される一歩手前な姿勢を支える為に使ってしまっている。かなり不利な体勢だ。無理な姿勢で背中が痛い。
今の一言で「敵」が怯んでくれればまだ対処のしようもあったものを、やはり一筋縄ではいかない相手、笑顔で一蹴してくださった。

「生憎ですが、邸内には誰もいませんよ」
「か、確認したんですか?これだけ広いお家ですよ」
「ええ、当然です。危ない橋は渡りたくないですから」

それとも、と、「敵」はつり上げた口の端をちろりと舐めた。私の左手が引き寄せられる。

「誰かに、見られたいのですか・・・?」

手首の脈に押し当てられた唇と舌の感触と熱、獲物を狙う猛禽類のような、細められ鋭い眼光を宿した瞳に、「敵」が臨戦態勢に入ったことを知った。

そのまま舌が手のひらへと這い上がる。中央を通って親指を口に含まれ甘噛みされた。
「・・・・・・・・・っふ・・・・・・!」
一瞬だけ震えた身体にかまわず、舌は次の指先、指の股へと侵略していく。甘噛みされる度、指の股を舌先でなぞられる度、じんわりと溜まる熱に震えようとする身体を、利き手を握ることで必死に押さえつけた。
逃げなければ。何とかしてこの男から離れなければ。
震える右腕で、身体を少しずつずらしていく。
集中力を切らしてはダメだ。今切らしては、間違いなく腕の力が抜ける。
そうなったら。
539弁慶×望美:05/02/02 13:03:53 ID:Ei8GEfeB

「・・・ひぁっ!?」

突然わき腹をひやりとした手に撫でられた。がくんっ、と腕の力が抜ける。
(しまっ・・・・・・!)
思った時にはもう遅い。
今までは上目遣いに見れた顔が、完全に相手を見上げる体勢になってしまった。
つまり、天井を見るのと同じように、相手の顔があるということ。
どこからどう見ても私を組み伏せている形になったコトの元凶の表情は、さながら罠にかかった獲物を見る猟師の目をしていた。
…それはそれは楽しそうな表情の。





「ん、ぅ・・・・・・っ、ふ・・・っぁ・・・やあ・・・っ」
制止の声にも、下肢を蠢く舌の動きは止まらない。
弁慶の頭が動く度、否が応にも滴る水音が耳に入る。
必死で押し戻そうと、弁慶の髪に手を絡ませるが、できるのはそれまでだった。力が入らず、震える指は軽く薄茶の髪を握っただけ。
「んん、ふ、ぅ・・・っ!」
卑猥な音が一際大きく聞こえた。舌先が蜜壷の中にねじ込まれたのだ。
そのまま潤った中をかき混ぜられた。
540弁慶×望美:05/02/02 13:05:23 ID:Ei8GEfeB
「あうっ、や、んぅ・・・ん、ん・・・っ!」
望美の感じるところを探すように蠢く舌に翻弄されながら、それでも望美はぎりぎりのところで意識を飛ばさずにいた。
(こ、ここで流されたら、ま、負けだもの!)
いまだ逃げる選択肢は捨てていないらしい。
しかし弁慶の愛撫は的確で、確実に望美の意識を侵食しつつある。
擬似表現するならば、意識の糸は細く、それを握る望美の手は震えっぱなしという状態であった。
それでも保っているだけ凄いのだが。
「・・・・・・・・・」
弁慶の琥珀の瞳がちらりと望美を見る。
が、すぐさま行為を再開する。舌を引き抜き、割れ目全体を口で被って吸い上げた。
「やっ・・・!ひぅ・・・っ」
ぢゅ、ぢゅく。吸い上げながら、更に舌で愛撫することも忘れない。弁慶が吸い上げる度、望美の脚が跳ね上がった。
ふと、両手で抱えていた望美の脚が、小刻みに震えているのに気づく。
望美の限界が近いことを知り、弁慶が身体を起こした。唐突になくなった刺激と直接的な熱に、望美が緩慢な動きで視線を向ける。
「望美さん・・・・・・」
優しく望美の名を呼んだ唇が、額に降りた。次に瞼、目尻、頬。優しく、やさしく、口付けられた。
むき出しの胸を上下させて、望美は少しだけ息を整えた。最初だけ含まれた胸の花芯がちょこんとその存在を主張している。
ちなみに前紐が解かれてしまっただけで、上着自体はまだ肩と腕に引っかかっていたりする。・・・下は、さすがに取り払われたが。
「・・・本当に、君は可愛いですね」
そう言って、唇をふさがれる。薄く開いた隙間から滑り込んだ舌が、望美のそれを絡め取る。
「ふぅ・・・ん・・・・・・・・・んむっ!」
望美の身体が刺激にびくりとしなる。
望美をむさぼりながら下肢へと伸ばした弁慶の指が、その蜜壷へと指を沈めたのだ。
541弁慶×望美:05/02/02 13:06:15 ID:Ei8GEfeB
「んっ・・・・・・・・・はぁ・・・っ・・・・・・?」
だがそれだけだ。弁慶は指2本を胎内に深く静めたまま、動かそうとする気配がない。
異物感に、震える手で弁慶の胸を押すけれど、効果はなく。
ただひたすら、時に角度を変え、望美の口内を蹂躙する。嚥下し切れなかった唾液が口の端を伝い落ちた。
「・・・ふふ、ほんとうに」
離れた舌を銀の糸が追う。頤をなぞるように、耳元まで舌を滑らせて。

「・・・いつ、僕から逃げようかと耐えている、そんな貴女も、ね・・・」

耳元で囁かれたと同時に。
くっ、と、胎内の指が望美の内壁を引っかいた。
「------------------っっ!!!!」
痙攣でも起こしたかのように、望美の身体が跳ね上がった。瞬間、意識が真っ白になる。
弁慶が空いた腕で腰を押さえつける。びくびくと震える細い腰は彼女の感覚を如実に表していた。
「望美さん・・・そんなに僕の指を締め付けて、どうなさるおつもりです・・・?」
首筋に舌を這わせて、言葉で嬲る。びくりと、反応が返ってきた。
「ちが・・・っ、あ、あぁ!」
わざと水音を立てて胎内をかき回す。指の腹で紅く膨れた花芯を擦れば、高い嬌声があがった。先程までの押し殺した声とは明らかに異なる声の色。

知らず、笑みが浮かぶ。
強気で、強情で、簡単に諦めることをしない彼の神子は、ようやく理性の糸を手放してくれたようだ。
542弁慶×望美:05/02/02 13:08:05 ID:Ei8GEfeB

「ふぁ・・・っう、くふぅ・・・!」
指を抜き、濡れそぼった望美の中へ自身を進める。幾度目ともなれば、その動きはスムーズだ。
根元まで沈めると、膣内の熱と肉の柔らかさに、そのまま融けてしまうのではないかと思う。
「・・・望美」
若い雌鹿のような脚の片方を肩にかけ、身を乗り出して胸の頂を舐る。空いた手でもう片方のそれを、乳房ごと揉みしだいた。
ぐちゅりと結合部が音を立てる。
「あ、あぁあ・・・!・・・っや!そこ・・・めぇ・・・っ!」
胸への悪戯は止めることなく、ゆっくりと膣内への抽出を繰り返す。
緩慢とさえいえる動きは、返って弁慶の動きを余計に感じさせてしまい、望美の腰が逃げるようにくねる。
しかし脚をかけさせられた格好では、それもうまくいかず。
「・・・おや、君から腰を動かすなんて・・・満足いただけませんでしたか?では・・・」
「ひあっ!?」
もう片方の足も肩にかけさせられ、繋がったまま、身体を折り曲げられた。
自然腰は高い位置に、より弁慶を深く飲み込んでしまう。
「これなら、如何です?」
浅く抜いては、最奥を深く突かれる。襲い来る感覚と衝撃に、息をつくこともままならない。
すがるように、自分の両脇に手をつく男の袖を握り締めた。
「や、はっ・・・!も・・・あんっ、や、あ、くぅん・・・・・・っ!」
奥が熱い。突かれる度、かき回される度、身体の中心に、彼の熱が溜まっていくのがわかる。
その熱をどうすれば散らせるのか、わかっているけれど、口に出すのはもの凄く悔しい。
快感に潤む瞳で弁慶を睨みつければ、彼もまた息を乱しながら、にっこりと微笑んだ。
どちらからともなく口付ける。身体を激しく打ちつけながら、相手の息まで飲み込もうと貪りあう。
「んく、ふぅっ・・・・・・っん!ん、ん----------っ・・・!!」
一際強く打ち付けられた瞬間、視界が白で覆われる。
達したのだと、膣内に注がれる熱を感じながら、身体が絶頂の余韻に震えるがままに任せた。
ふと顔を上げれば、眼前には気だるげでいて、それでも穏やかな彼の顔。
開放した唇は紅く熟れて、零れ落ちる吐息も惜しい程に。
見つめあい、再び唇を重ねあった。
543弁慶×望美:05/02/02 13:09:39 ID:Ei8GEfeB



ああまた負けた。流された。
あれから更に流されて、目が覚めた時には外はすっかり暗くなっていた。
「・・・弁慶さん」
「何ですか、望美さん」
水の張られた桶を抱えた弁慶さんを、布団を叩く仕草で傍に呼ぶ。
桶が離され、傍に寄ってきた彼の顔が近づいた瞬間。
思いっきり力を込めて平手を振り下ろした。
パシッ。
けれど、あっさり腕を掴まれ止められてしまう。
悔しさに、上目遣いで睨みつける。
「一発くらい、殴らせてくれてもいいじゃないですか」
「嫌ですよ。君の平手は九郎の拳より痛いんですから」
笑顔で乙女に言う台詞じゃないでしょう、それ。
ああ、腹が立つ。この笑顔も腹が立つけど、それに流された自分にもっと腹が立つ。
544弁慶×望美:05/02/02 13:11:00 ID:Ei8GEfeB

きゅう。

…腹つながりでお腹が鳴った。
「…クッ、…いえ、失礼。笑ってなどいませんよ」
目の前で笑った癖に何を言う。
「心配しなくても、そろそろ…ああ、来たみたいですね」
弁慶さんがそう言ったと同時に、襖の向こうから入室の許可を求める声が聞こえた。
許可の声に、湯気を立てる小さな釜を乗せた盆を持って現れたのは。
「敦盛さん!?」
「…神子。具合は、どうだろうか?」
具合?
ハッとした。まさか弁慶さんとのアレを覚られた!?
そう思って自分の格好を顧みた。…今まで気づかなかったけど、用意周到な策士は私の身体も綺麗にしてくれていたらしい。上着は勿論、下までキチンと穿いている。
別に、おかしいところはない。
じゃあ何で私の具合なんて…。
「ええ、随分良くなりましたよ。今彼女の脈を計っていたところです」
敦盛君のお陰ですね。
そう言って、弁慶さんが先程から掴んだままの私の腕を、目の高さまで持ち上げた。
…良くなった?敦盛さんのお陰?
弁慶さんの言葉に、少し険しかった敦盛さんの表情が和らぐ。
「そうか…良かった。神子が疲労で倒れたと聞いた時は……あっ、いや…何でもない。
…朔殿が、粥を作って下さった。神子、食べられるだろうか…?」
「え…あっ、はいっ。食べられます」
会話の内容がうまく理解できなかった私に、すっと盆が差し出された。慌てて受け取ろうと腕を伸ばす。
が、それをやんわりと弁慶さんに押さえられてしまった。
「ありがとうございます、敦盛君。僕も粥に合わせた薬草を煎じますので、置いておいて貰えますか?」
「ああ・・・わかった。貴方にばかり任せて申し訳ないが…神子を、宜しくお願いする」
そう言って、敦盛さんは頭を下げた。
退出際に、小声で「おやすみなさい」と言ったはにかんだ笑顔が可愛くて、彼の去った今、私の横でにこにこと笑う胡散臭い(私にはそう見える)それとあまりに対照的だ。
545弁慶×望美:05/02/02 13:12:23 ID:Ei8GEfeB
「・・・・・・・・・弁慶さん」
「何ですか、望美さん」
・・・このやり取りも、一体今日何回目だろうか。
私が突っ込みを入れなきゃならない程、この男が私の意に沿わないことをやっている回数ということで、数えるのも嫌になってきた。
「・・・一応、聞きます。もしかしなくても、『あの時』、邸内に他に人いましたね?」
にこにこ。
「しかも、敦盛さんに、昼寝してただけの私の具合が悪いって嘘つきましたね?」
にこにこ。
「そして、具合を見るから誰も近づかないよう、敦盛さんに言い含めましたね!?」
「危ない橋は渡りたくありませんから」
敦盛君は、本当に真っ直ぐで優しい子ですねぇ。
笑いながら、さらりと自分の悪事を言ってのけた策士に、私は手近にあった木枕を思い切り投げつけた。





「嘘も方便、というでしょう?」
悪びれもせず笑った腹黒軍師に、もうこの男がいる時に昼寝をするのは止めようと固く心に誓った。

・・・翌日、そう言えば昨日昼寝前に飲んだお茶は、少し味が違ったなぁと思い出して。
思わず抜刀して弁慶さんを探しに走り出そうとした私は、一緒にお茶していた朔に慌てて止められた。


【終】
546533:05/02/02 13:14:41 ID:Ei8GEfeB
以上です。お目汚し失礼いたしました。
わかりづらい展開でごめんなさい・・・(;´д`)シカモエロガヌルイヨ
547名無しさん@ピンキー:05/02/02 14:19:02 ID:rPgxh+8V
グッジョブ!!
しかし弁慶でドン引きなら
ヒノエに会ったら貧血起こして倒れそうです。

しかし今の時期卒論て大丈夫ですか、神子。
548533:05/02/02 15:03:53 ID:Ei8GEfeB
>>547
ありがとうございます。
卒論終わって自由の身になった上での投下ですのでご心配なく(笑)。
案じてくださってありがとうございます神子様(*´▽`*)
もう卒論中遙か熱上がって上がって。ストレス発散兼ねてちまちま書いていたのです。

さてこれからバイトです。
あー、外ブリザードだなぁ・・・(´・ω・)ノシ<イッテキマス
549名無しさん@ピンキー:05/02/02 18:18:16 ID:OIYM46ih
昨日のアニメの予告、天玄武に萌えた
なんてえろいセリフなんだろう(*´Д`)ハァハァ
550名無しさん@ピンキー:05/02/02 18:59:17 ID:VlIqf63O
あっつんがかわいかった
551名無しさん@ピンキー:05/02/02 20:44:26 ID:JDCv3Sq/
>>533神子
萌えさせていただきました。GJ!
腹黒軍師最高。
552名無しさん@ピンキー:05/02/02 21:39:45 ID:hIouvkgG
前に弁×望 ED後書いた467です。読んでいただいた優しい神子様がた
ありがとうございます。嬉しいです。
気分転換しようと、弁慶の次に好きな知盛書いてみました。
ベッタベッタの展開ですので、怒らないでくださいね…。

>>533さん
黒弁慶の策略にはまってるくせに、悔しがる望美がイイ!
また投稿お待ちしてます。
553知盛×望美 都への道1:05/02/02 21:42:07 ID:hIouvkgG
何度も白龍の神子7である望美と闘ってきた知盛に自らの人生に幕をおろす
瞬間が来た。
「飽きるほどみてきた…おびただしい血も…死も…もうみるものはない。」
「知盛っ!」
海に沈む音を耳にした望美は、叫びながら身を投げ出していた。
身を切る冷たさのなかで、消え行く意識の片鱗に誰かが望美に向かってくる
気配を感じた。

潮騒が望美の耳に響く。ぼんやり目を開けて、冷え切った体をゆっくり起こすと
ハラリと望美の体にかけられた布が落ちる。
「えっ!やだっ。」
産まれたまんまの姿にされていた望美は、かけられていた布を巻いて状況を
確認し始めた。ここは、海岸近くの薄汚れた小屋で長年使ってないらしく
あちこちから隙間風が吹き込んでいた。
真ん中にある囲炉裏には炭が入れられ、冷えた体には有難かった。
近くには望美の衣服と見覚えのある誰かの衣服が干されている。
「いったい誰が?」
ギッと歪んだ木の戸が開く音が聞こえ、その間から知盛が顔を覗かせる。
「よう…お互い悪運の強いことだな。源氏の神子。」
「生きて…いるの?」
知盛はたくましい上半身をさらけ出し、腰には布を巻いただけの姿だった。
囲炉裏まで来ると手に持っていた魚を棒に突き刺し、火のそばに立てた。
パチパチと魚の焼ける姿をみつめていた望美はふっと笑い出した。
こんな状況で笑う望美を訝しそうに見つめ返す知盛。
「だって、サバイバルみたいだなって。」
「ふっ、将臣も皆で落ち延びた時そう言ってたな。お前らの世界の言葉は
 面白い。」
554知盛×望美 都への道2:05/02/02 21:43:39 ID:hIouvkgG
魚を食べ終えた望美と知盛は、互いに無言で燃え盛る炎をみつめていた。
隙間風が通るたび、望美は身を震わせ自分で自分を抱きしめるように
目を閉じながら座っていた。
なにかが望美の体に覆いかぶさる気配に目を開ける。
「こうしている方が暖を取りやすい。」
知盛の鍛えられた上半身が目の前にあることで、望美の胸は高鳴った。
肩に手を回されて体と体が密着すると、いつも冷徹な姿しか見せたことの
なかった知盛の鼓動も望美と同じように激しく波打つのがわかった。
望美がおそるおそる視線をあげると、知盛の瞳と激しくぶつかる。
どちらからともなく口付けを交わし始めたふたり。軽く交わされるだけの
口付けはやがて深いものにかわり、しだいに舌と舌とを絡めとリ吸い上げ始める。
知盛は唇を離し、望美の首筋に這わせるとキュッと吸い上げる。
柔らかい素肌に赤い花が散っていく。
「ひゃぅ…あっ。」
花を咲かせ続けるたび、ピクンピクンと体を震わせはじめる望美。
知盛は源氏の清らかな神子であるはずの望美の痴態をみると、フツフツと
壊してしまいたい衝動に駆られる。
「…いいぜ…もっと俺を感じてくれよ…。」
ふたりの冷え切った体に熱がともってくる。唯一身に着けていた布を取り去ると、
望美のふくよかな胸のてっぺんにある突起はプクッと起き上がっていた。
知盛はそこに口をつけねっとりと舐め転がしながらも、もう片方の手で望美の
突起を玩具のように弄ぶ。
「あんっ…あ…あ…。」
知盛は自分の体に望美の体をもたれかけさすと、望美の手をとり泉に導く。
もうすでにそこはぐっしょりと濡れそぼっていた。
知盛は望美の手と一緒に泉を上下に撫で上げた。
恥ずかしさから身を捩る望美を制して、泉の入り口に指をあてがうと一気に
滑り込ませた。
555知盛×望美 都への道3:05/02/02 21:44:30 ID:hIouvkgG
「あっ!やだぁっ。」
望美は自分の指を急いで引き抜く。指には蜜が絡んでいた。
知盛はそのまま自分の指を根元まで差し込み、もう片方で蕾を弾くと望美は
またも可愛らしい声をあげる。
「はぁ…ん…んん…。」
ゆっくりと指の抽出を繰り返すたび、水音も増してくる。時折与えられる
蕾への刺激が望美を限界へと導く。
「あ…だめっ…そこ…だめぇっ。」
ピクンと望美の背が跳ねたのをみて、知盛は不敵に笑った。
「達したのか…厭らしい神子…だな。」
いまだ達した余韻を残している望美の体を、知盛は自分のほうに向かせる。
覆いかぶさろうとした知盛に対して、望美は口を開く。
「今の私は神子じゃない…唯の春日望美だよ…。」
「そうだったな…。」
望美の膝の裏に手をかけて両足を押し開くと、知盛は泉に熱いたかまりを
押し付ける。あふれ出す蜜のため楽に進入を許してしまう。
望美のなかにはじめての圧迫が広がる。
「クッ…きつい…な…動くぞ。」
こくんと頷く望美を合図に前後に腰を進める知盛。
「はっ…はぁ…。」
はじめての感覚に眉根をよせる望美の口を塞ぐと、少し動きを早める。
ぐちゃぐちゃという水音がふたりの体から発せられる。
最奥を突かれて、さきほどより強い疼きが望美の中心に広がっていく。
「やぁぁ…またっ…知…盛!」
「うっ…望…美っ。」
望美のなかに欲望のすべてを絞り出す知盛、ぐったりと意識を手放す望美。
知盛は望美の体を湯で清めると、再び布をかけて床に寝かした。

そして知盛は元々着ていた甲冑に身を包むと、望美の首筋の赤い花々を
見て呟いた。
「この花が消える前に、お前を源氏から奪い去ってやるぜ…。」
再びギッと木の戸を軋ませて、そのまま知盛は望美を残して去ってしまった。
556552:05/02/02 21:50:46 ID:hIouvkgG
以上です。お目汚し失礼しました。
知盛の身を投げる前の台詞はウル覚えです。間違ってたらごめんなさい。
次は…神子総受け…書きたいな。
557名無しさん@ピンキー:05/02/02 21:55:13 ID:rPgxh+8V
>白龍の神子7
タイプミスなのは承知してるが、なんかワロタ
558名無しさん@ピンキー:05/02/02 21:59:14 ID:388FEERY
552GJ!
知盛も見てみたかったのよ。
559552:05/02/02 22:04:56 ID:hIouvkgG
うがっ!気がつかなかった…。読み返したはずなのに。
戦隊ものみたいじゃないかよぅ。
しかし、お二人ともレスありがとう。
560名無しさん@ピンキー:05/02/02 23:31:30 ID:xDp6t/Wl
>>533
弁慶×強気神子も好みだわ。
>>552
>…いいぜ…もっと俺を感じてくれよ…
(*´д`*)ハァハァハァ

みんなエロ書くのうまいよなぁ…orz
561名無しさん@ピンキー:05/02/03 01:13:18 ID:9SM3jaBd
うわぁい、神が次々に降臨してるよ……(*´д`*)ハァハァ

またそろそろ先生×神子を投下してくれる神、超希望。
先生に飢えてるんだよ……orz
562446:05/02/03 07:24:38 ID:SBUSfvoy
しばらく覗けなかったので亀レスでスマソですが、
レス下さったみなさんdでした。
私前スレ693なんですが私の書く弁慶いっつもこんなんで
まっとうな弁と弁ファンの方に申し訳ないですorz
黒でも白でも灰でもピンクでも弁大好きなのに…

>ちゅんさん
ひょっとして私のレスのせい?
ちゅんさんの作品私も大好きだし(九郎に萌えすぎる)
ちび望美もかわいいし兄上へたれだけど最後は強気で素敵だし
弁はせつな過ぎるし(切ない弁は大好物)すごく好きだよ。また書いてね。

>467タソ
弁望続きと知望キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
いいなぁ、嫉妬に狂う弁。素敵!
知盛も獣ぽいてイイ(・∀・)!!

>537
強気な神子すごい萌えますた。
確かに弁は最恐の「敵」だとオモタよ。
策士な軍師萌。
563名無しさん@ピンキー:05/02/03 18:41:26 ID:/TRryKeh
誰かちび望美イラを絵板に描いて下さるネ申はいらっしゃらんかのう・・・
とネタフリしてみる絵も文も書けないヘタレな自分orz
564名無しさん@ピンキー:05/02/03 20:16:17 ID:vUzv+ea4
想像力だけなら誰にも負けない自信があるが、
如何せん画力が……。
せめて筆力で一矢報いたい。
565ちゅん:05/02/03 21:18:25 ID:fh8DKdjk
亀レスですいません。感想くださった神子様方ありがとうございました。
しかもネ申が次々と・・・・。

>>562
うわぁ、違いますよぉ!変に勘ぐらせてすまなんだ〜。
SS書くのとっても楽しいんですがちょっとここらで一休みしておかないと
自分が壊れてしまいそうなので。
それと少ししたい事がありまして。
446さんのせいではないですので〜〜〜。
御気に病んでいただいてごめんなさい&ありがとうございます。
今週末にでもなんか書いてみようかと。

>>526
おや?姫君は私がこの布一枚洗えないとでも思っているのかい?
そう思われるのはシャクだからちょっとがんばってみようか?
・・・・・・・・ほら、どうだい姫君。
でも同じ衣なら洗うよりも脱がす方がおもしろいね。
ねぇ、姫君。
(うわ、すいません〜〜〜〜。)
566名無しさん@ピンキー:05/02/03 22:52:59 ID:LOQhOoO9
さむ。
567名無しさん@ピンキー:05/02/03 23:24:56 ID:vUzv+ea4
IDが丸々しぃなおまい。
568名無しさん@ピンキー:05/02/03 23:25:24 ID:VtN33XCF
>>567
きっと入れて欲しいんだよ。
569名無しさん@ピンキー:05/02/04 00:31:09 ID:tBqESHV9
>>568
誰のを?
570名無しさん@ピンキー:05/02/04 00:38:45 ID:D1HgwuNn
流れ豚斬りですまんが、譲×神子って需要ある?
なんか最近奴が不憫で不憫で…
571名無しさん@ピンキー:05/02/04 00:40:59 ID:tBqESHV9
カモォォンщ(゚д゚щ)
572名無しさん@ピンキー:05/02/04 00:48:08 ID:sRK5Bhi4
譲本命なんでぜひともキボン
573570:05/02/04 01:43:35 ID:D1HgwuNn
声援アリガト、書いてくるのでしばらく待っててね
574名無しさん@ピンキー:05/02/04 02:52:16 ID:suHivucS
譲に幸あれ(´;ω;`)
575名無しさん@ピンキー:05/02/04 03:10:06 ID:5Y3quXPU
幸あれ(´;ω;`)

570さん楽しみにしてるよー!
ハヤクコイコイ(*´Д`*)
576ちゅん:05/02/04 07:22:43 ID:CHTV/5re
譲待ってる方ごめん。
週末に投下なんていいながら短いのひとつ書いてしまったので投下します。
>>490の続きで本番なしです。
577ちゅん:05/02/04 07:23:59 ID:CHTV/5re
「なぁ、望美。いいだろう?」
「ごめんなさい、九郎さん。今日は疲れているから勘弁してくれませんか?」
たしかに最近の望美は疲れきっている。
それにこいつが俺の頼みを断るぐらいだ心底疲れきっているのだろう。
だがこちらもそろそろ限界だ。
それに少しやつれた望美にもそそる。
ちょっと強引に行かせてもらう。
敵の邪魔が入らぬうちに。

望美を引き寄せ後ろから抱きしめる。
着物の裾を割り、秘裂へと手を伸ばす。
「なんだ、もうこんなに濡れているじゃないか。」
「やっ、言わないでくださいっ!」
望美を引き寄せ耳に口を寄せて囁く。
「……嫌、か?」
そのまま耳たぶを甘噛みする。
「嫌じゃないです・…。」
そのまま首筋に舌をはわす。
「や……ん。」
あがる嬌声に俺自身が硬くなる。
夜着の腰紐を外し、望美の豊かな胸を露わにする。
「好きだ。愛している。」
「九郎さん。」
お前に名前を呼ばれただけでいまだにこんなにドキドキする。

まさかお前と夫婦になるとは思わなかった。
であった時の第一印象はお互いに最悪だったであろうし、その後も口を開けば喧嘩ばかり。
でもいつからか俺はお前と喧嘩するのが楽しみになっていたんだ。
気が付けば俺はいつもお前を眼で追っていた。
お前が他の八葉と楽しそうに喋っているのを見ると何故かイライラとした。
その後でよくお前に喧嘩をふっかけたもんだ。
『ふふっ、それは恋ですよ。九郎。もっともあなたの愛情表現は子供並みたいですけどね。』
578ちゅん:05/02/04 07:24:56 ID:CHTV/5re
ようやく想いが通じて体を交した頃にあの事件が起きた。
当時は弁慶を恨みまくったものだが、それを境に望美は変わった。
昼はあんなに貞淑そうな望美が夜になるとまるで遊女のように乱れた。
俺はそんな彼女に更に溺れた。
兄上に貴族や武将の娘を側室に娶れと再三言われたが断り続けた。
俺にとってオンナはこいつだけだから。

思えばあの頃は四六時中あいつを抱いていた気がする。
いつも俺が望美を独占できた。
思わずため息が出そうになる。
その時、奥の部屋の戸が押し開けられる音がした。
しまった、また邪魔が入った!
ぱたぱたぱた・…。
廊下を歩く足音が聞こえた途端に望美はあわてて俺を押しのけて身繕いをはじめた。
とんとんと戸を叩く音がした。
「はい。いいわよ。」
よくない。
579ちゅん:05/02/04 07:25:56 ID:CHTV/5re
「ごめんなさい、望美さん。怖い夢を見て、目覚めたらあなたがいらっしゃらなくって・・…。」
「まぁ、怖い夢を見たの?かわいそうに。さあ、こっちにいらっしゃい、弁慶?」
そう言って望美は俺達の息子を抱きしめた。
くりんくりんのくせ毛は茶色というより黄色に近い。
あどけないながらも整った顔。
なにより利発で物怖じしないその性格は兄上に大変気に入られている。
望美にしがみつくその姿は一見ひよこのようで愛らしいが俺はこいつの本性を知っている。
こいつの本性は黒い。黒いんだぁぁあっ!
その証拠にこっちに向けるその瞳には脅えていたという欠片も感じさせずに
『してやったり』という光をみせている。
「弁慶。お前も源氏の子として生まれたからには夢ぐらいで脅えていてはいかんぞ。」
「お言葉ですが父上。僕はまだ4歳なんですよ?
まだまだ夢で脅えたり、母に甘えたい盛りだと思うんですけれどねぇ。」
ったくっ!こいつはいつもああ言えばこう言う。
「だいたいなんで俺が『父上』で望美は『望美さん』なんだ?」
「おや、父上。まだこんなに若く美しい方を母と呼ぶなんて失礼でしょう?
それに僕には『望美さん』と呼ばせていただくのが何故かしっくりくるんですよ。」
じゃ、なんで俺は父上なんだ?
「父上、西国を任されているあなたともあろうものが
息子に『九郎』と呼び捨てにされていると町雀どもの噂になりたいとでも?」
ちょっと待て。なんで俺は呼び捨てなんだ?
580ちゅん:05/02/04 07:27:33 ID:CHTV/5re
その時遠くの方で「ふにゃぁ」という声がした。
望美があわててたちあがる。
「弁慶、ごめんなさいね。」
「大丈夫ですよ、望美さん。僕はおにいちゃんですからね?
僕にかまわずに行ってください。」
そう言ってにこやかに笑っていた顔が望美が立ち去るのを見てから曇る。
肩を落としているその肩を見ているとこいつはまだ4歳だったんだとおもいしる。
さっきむきになって口論したのは大人気なかったと後悔した。
「弁慶。」
俺は弁慶を抱き上げた。
「うわ、なにするんですかっ。父上。」
「今日は父が一緒に寝てやろう。」
奴はじたばたと暴れる。
「やめてください。僕はもうそんなに子供ではないんですよ?」
「…お前、さっきまだ甘えたい盛りだって言ってなかったか?」
弁慶の部屋まで抱いたまま連れて行き布団に入れる。
「ほら、俺がずっと横にいてやるから。」
そう言うと敵はめったに見せないはにかんだ笑みを浮かべ俺の手を握り締めながら眠りに落ちた。
そして俺も弁慶の寝息を聞きながらまどろみに落ちていった。

「父上、父上。いいかげんに起きてください。
源氏の総大将ともあろうものが何時まで寝ているのですか?」
しまった、もう朝か。
また望美を抱けなかった。
今夜こそ、今度こそ。
その為には敵を疲れきらせねば。
「弁慶、今日帰ってきたら遊んでやるぞ?」
「父上の遊びは乱暴だから嫌です。」
今日も戦いの火蓋が落とされる。
581ちゅん:05/02/04 07:30:25 ID:CHTV/5re
わわっ、終とタイトルをつけるのを忘れていました。
あほやん。
タイトル「ちびくろ弁ちゃん」
自分、タイトル考えるの苦手なんですよ・・・・。
582名無しさん@ピンキー:05/02/04 17:28:14 ID:PpjOsb7I
おっ、ちゅんさんの新作が投下されてますね!
九郎とちび弁慶の戦い面白かったです。
幸せそうですな〜。
583名無しさん@ピンキー:05/02/04 23:44:06 ID:69Z9tbfR
流れ切ってすまぬ
譲×望美のSS投下してもよかですか?
570とは別口です。短いです。
584名無しさん@ピンキー:05/02/04 23:50:12 ID:69Z9tbfR
譲×望美 現代エンド後です

悪 夢

白龍の逆鱗を得て自分だけ元の世界に戻った日。あのとき私は運命を変えようと思った。
大切な人を助けようとした。そして運命は変わって、私の側に大切な人が眠っている。

なのにどうして悪夢は繰り返すんだろう。運命を上書きした代償なのか。
あの人を助けた後でも、私の中からあの日の悲しみは、苦しみは消えない。
幸せな日々を送っていてもそれは時々顔を出す。

「どうしたんですか?また夢を見たんですか?」
「ゆ、ず、る、・・」

視力がないからうんと顔を近づけてくる。お互いの息が聞こえるくらいまで。
困った顔でほおにたまった涙をぬぐう。その息遣いが、暖かい指の感触が、少し上気した
顔が嬉しくてまた涙が出る。

「これじゃいつまでたっても眠れませんね」
「ごめんね・・またあの夢を見ちゃって・・」
「ちゃんと俺はここにいます。なのにまだ泣くんですか?」
「ごめん・・」

焦れた顔で譲は唇を重ねてくる。
585名無しさん@ピンキー:05/02/04 23:52:46 ID:69Z9tbfR
「本当に・・しょうのない人だな」
「ちょっと・・」
「まだ涙を止めるには足らないですね・・」

唇をこじ開けて舌を絡めあう。喉の奥まで犯していくような感覚に意識がぼやけてくる。
いつのまにか背中に手を回して倒れこんだ。誘っているつもりはないのに。

「ふあっ・・・あ・・・」唇が離れると同時に必死で息を吸い込む。その隙に譲は両手でぐいとパジャマの襟を広げた。
ボタンが飛んだのも気にせず、あらわになった胸をわしづかみにする。
慣れた体は痛みも快楽に感じてしまう。一際高く上がる甘い声に譲の理性も吹き飛んだ。

「夢が怖いなら・・夢を見ないくらい深く眠れば・・いい・・」
「ひいいっ・・ゆずる・・」
「確かめてくださいよ・・先輩・・俺が生きてるかどうかって・・」
堅くとがった先端を口に含み、片方は指で強めにこすってやると望美は頭を
左右に振った。
飛び跳ねる体を押さえつけ、のしかかる。
ぼやけた視界でも望美の体の輪郭はわかる。指先で、唇で望美の体を覚えこんだ。
声の調子、体の動きでどれほど感じているかもわかるほど、寝ている。

「ああ・・こんなに堅い・・感じてるんだ」
「やああっ・・あああ・・」

もう片方の手でパジャマを引き下げ、下着の横から秘所を撫でる。濡れた布を寄せて、
熱くなった場所に指を突き立てた。体が跳ねる。

「駄目ですよ、逃がしません」
「もう許してえ・・・あああん・・」
586名無しさん@ピンキー:05/02/04 23:56:43 ID:69Z9tbfR
性急な愛撫に望美はどんどん追い詰められる。複数の刺激にもう限界が近い。
哀願の声も涙も譲を駆り立てるばかり。
指がさらに増やされ、望美の中をかき回す。ぐちゃぐちゃと音が高くなり、
望美は悶えて泣いた。

「これでも俺が死んでるって言えるんですか?」
「いやああ・・・ああ・・あああーーーー」

パジャマを半端に脱がされたままで望美は意識を飛ばした。
ひくひくと震える体から指を引き抜くと飛沫が飛んだ。譲は指をなめると望美の
パジャマを全部脱がしていった。下着も全部ベッドの側に投げる。

「俺を感じてください・・夢なんて忘れたらいい・・」
「ゆずる・・あああ・・・」

脱力した両足を肩にかけると譲は十分濡れた処に自身を宛がう。少し腰を浮かして
思い切り体重をかけた。

暗闇の中水音と悲鳴が交差する。体の奥まで抉られ、揺らされて。互いの名前を
呼びながら上り詰めていった。
やがて一際高い声があがり、動きが止まった。


譲は望の横に倒れこんだ。ずるりと譲のものが出て行くと白いものが溢れた。
荒い息をつきながら譲は望美の顔に目を向ける。
急速な眠気に襲われながら、見た顔はいつもの望美に戻っていた。
涙の跡は自分が性急に求めたから。
587名無しさん@ピンキー:05/02/05 00:00:34 ID:69Z9tbfR
「また泣かせてしまったんですね・・すいません・・謝るのは明日にします・・先輩」

満足げに笑みを浮かべて譲も目を閉じた。

次の日、腰が痛いとさんざん望美に文句を言われたのはまた別の話。


終りです・・お目汚し失礼しました。
多少つじつまのあわないところがあったらお許しください。
譲大好きなんだ・・もっと上手くかけるように努力します。
588名無しさん@ピンキー:05/02/05 00:14:48 ID:MDP/eLUn
>>587
IDがこの板に相応しいw
589名無しさん@ピンキー:05/02/05 04:18:44 ID:OsmajTPQ
>>584
GJ!
苦悩する譲も萌えだけど、念願叶って幸せ?な譲もイイ!
また譲話の投下をお待ちしてます。
590名無しさん@ピンキー:05/02/05 08:20:50 ID:gL8ct12x
>>584
譲(*´д`*)ハァハァハァアハァ
でもそんな関係になっても「先輩」…
591名無しさん@ピンキー:05/02/05 09:17:49 ID:makOgJ1B
ああ・・・譲が報われてるよママン・・・
592名無しさん@ピンキー:05/02/05 22:08:08 ID:vI726r6G
どきどき、今日は誰も居ませんか〜。
皆さんが萌え〜な話を投下されているところスレ汚しかもしれませんが、
八葉全部、一晩で順番にという馬鹿ネタっぽい エロコメディを
投下しても良いですか?
ネタはこのスレや前スレの雑談で出てきたものを拾ったりして何とか
文章に仕立てた感じです。
593名無しさん@ピンキー:05/02/05 22:27:26 ID:MDP/eLUn
どんなネタでもどんとこい。
594名無しさん@ピンキー:05/02/05 22:28:20 ID:oXZxx/xo
エロコメディ大好きですよ〜
是非是非投下お願いします!!
595名無しさん@ピンキー:05/02/05 22:29:30 ID:XfN3b4yi
>>592
どうせ投下すんなっつーても投下すんだろ。
てか投下すんなって言う香具師まずいるわけないし
誘い受けするぐらいならさっさと投下したら?
596sage:05/02/05 22:31:29 ID:qDyGsPT1
>>595
何でそういう言い方しか出来ないかな。
注意するにも程があるだろう‥
見ているこっちが気分悪い。
597596:05/02/05 22:32:22 ID:qDyGsPT1
そういう漏れは下げ間違いか…すまん…(;´Д`)
598名無しさん@ピンキー:05/02/05 22:40:17 ID:MDP/eLUn
最近誘い受け多いのは確かだな。
萌えは人それぞれなんだからさっと投下してさっと去るほうがいいよな。
599名無しさん@ピンキー:05/02/05 22:41:43 ID:7yzaxBrV
名前欄にsageってなんか必死に携帯から急いで偽装援護って感じ
600名無しさん@ピンキー:05/02/05 22:42:42 ID:7yzaxBrV
>>598
禿銅。自分も同じ事オモタ。
601名無しさん@ピンキー:05/02/05 23:02:51 ID:vI726r6G
592です。 誘いうけウザーな方、すみません。今まで毛色が違うんで
何かヒトいないとこにドサッと置いときますね、ってのも悪いかなと
思って。
投下しますんで、耐性と免疫ある方だけ、読んでください。
スルーしたい方「桃色」ではじいて下さい。
ちなみに黒神子も白龍も変です。
先行で五行あつめ話を投下途中だった作者さんにも
ネタかぶってる点を謝っときます。
602京、桃色に染まる1:05/02/05 23:04:02 ID:vI726r6G
私は何度も何度も時空を超えているうちに不思議な時空に入り込んでしまった。
いつも通りの秋の京のはず、だけどその時空は何かが違っていた。
まず、最初に、沢山集まっていたはずの五行の力が京に着いた途端、空っぽになった。
怨霊を倒して溜めようとしても全く怨霊の姿はなかった。
すっかり在り処を覚えてしまった呪詛の人形は3つ見つかり、惟盛の居場所は分ってしまったのに、
五行は空のままだ。このままでは戦えない。
「こんなときは、どうしたら良いの?朔」
「簡単よ、八葉はこんなときの為にも役立つわ」
「一緒に戦ってくれる以外に?」
「そう、私も、いつも八葉から精を貰って五行の力を高めているのよ」
えええ!!
「心は凍らせることが出来ても、黒龍に開発された身体は凍らせることができなかったの」
「は、はっ、八葉ってもしかして、お兄さんの景時さんとも?」
「まさか!さすがに兄とはしないわ。同腹兄妹だし、畜生道に落ちるもの」
ああ、良かった。この時空の朔にも、少しはまともな考え方も残っているのかも。
「兄のは口で受けるだけ」
えっええええええ!!なんか頭がクラクラする。
とにかく、月のみちかけと五行の関係から、今晩一晩のうちに八葉全員の
精をこの身体に受けるのが一番良いということになった。
こんな異常な事態にあまり抵抗がなかったのは、実は熊野で白龍が大きくなって以来、
白龍とはお互いの力を高めるために夫婦の契りを交わし、毎晩睦みあっていたからだった。
一応、夫であるはずの白龍はこの話を聞いて、とても無邪気に喜んでいた。
「神子と八葉の絆が深まるのは良いことだよ」
ああ、やっぱりこいつ、人間じゃない。とてもじゃないけど夫とは思えない。
朔は本当にこいつの片割れと大恋愛してたのだろうか。
603京、桃色に染まる2:05/02/05 23:05:03 ID:vI726r6G
最初は天の青龍、将臣くんだ。
「おっ、俺が最初か。ラッキー」
「…とはいえ、白龍とは毎晩やってるんだよな
「まぁ、俺も色々とあったからな、人のことは言えねぇが」
将臣くんは頭をかいた。
何度も時空を旅するうち、街角の人々の噂話も気にするようになった。
還内府は平家の姫や女房たちの間で凄く人気があるというのは耳にしたことがある。
将臣くんは元々同じ年とはいえ、大人びていたし、
こちらで三年も過ごしているうちに女性経験が沢山あったのだろう。
「時間がないんだろ?じゃあ」
私を布団に押し倒すと、舌を絡める深いキスから唇は鎖骨を滑り、胸の頂を含んだ。
そのスムーズな動きに改めて凄く慣れている、そう思った。
私のあまり大きくない胸は将臣くんの手にすっぽりと収まってしまった。
胸を優しく揉まれると声を上げてしまった。
「あんっ」
「感度も良いし、ほんと白龍には勿体無いな」
耳元で囁いていた唇はいつのまにか下腹部まで花弁を弄んでいた。
「いやっ!汚い」
「そんなことないさ、綺麗だ」
秘烈に舌を押し込まれて、蜜を舐め取られながら逝かされてしまったあと、
二人で一緒に上り詰めたところまでは良かったんだけど…。
ことが終わると私がまだ荒い息をしているのに
「じゃな。俺、用事を思い出したから帰る。みんなによろしくな」
と言って出て行ってしまった。
そうか、そうかやることやったら、即効で平家に帰るのか。
せめて惟盛を倒すとこまでいて下さいよ。
604京、桃色に染まる3:05/02/05 23:05:46 ID:vI726r6G
次は地の青龍、九郎さんだ。
まるで軍議のときのような気難しい顔で九郎さんは部屋に入ってきた。
「望美、最初に言っておくが俺は、初めてだ」
「俺は寺に預けられて育った。寺を出てからも兄上に命じられるまま戦いに明け暮れて、
女と交わったことがない」
でも、朔が八葉と交わったって言ってたけど?
「でも、朔とは?」
「ああ、一度乱心して俺の寝所に入ってきたことがあった。一撃したら正気になったが
怨霊に取り付かれたと言っていた。
誰かに知られた生きていけない、内緒にしろと懇願していたが、お前には話したのか」
そうか、朔、そうだったのか。九郎さんとは失敗したのか。うぷぷ。
「とにかく、俺はやり方がわからん。乱暴だと思ったら言ってくれ」
一応、布団に優しく押し倒した後、着物を脱がせてくれた。
「やわらかいんだな…」
九郎さんは私の身体を確かめるように恐る恐る手を伸ばして、しみじみと眺めていた。
「あんまり、見ないでください。恥ずかしい」
「あっ…い、いやすまん。どうしてこんな身体で剣が振るえるのか不思議だんだ」
有り余る力をどう加減して良いのかわからないという感じが微笑ましかった。
ぎこちない愛撫の後に、入ってきたけれどいきなり、激しく動かされたから痛い。
「痛い!ちょっと乱暴です、九郎さん」
身体がバラバラにされるかと思うくらい激しく揺さぶられて思わず悲鳴を上げた。
「すまん、だが止まらん」
さらに動きが激しくなって、熱い猛りが開放された。
「すまん、もう一度頼む」
中に入ったまま、すぐに硬さを取り戻して、もう一度同じことの繰り返し。
三度目にやっと少し落ち着いて動けるようになってくれて、私も一緒にいくことが出来た。
「こんなに良いものとは知らなかった。また、頼む。じゃあな」
九郎さんは満面の笑顔を見せて去っていった。
この人、明るすぎるのは良いんだけどやっぱり、何か変。
605京、桃色に染まる4:05/02/05 23:08:21 ID:vI726r6G
次は天の白虎、譲くんだ
譲くんは泣きながら部屋に入って来た。
「酷すぎます。ずっと先輩のことだけ見てたのに、白龍と毎晩とあんな淫らなことを!」
そうか、毎晩覗いていたのはやっぱり、君か。譲くん。
「その上今度はこんな形で無理やりセックスしろだなんて!」
「じゃあ、やめとく?金属性は景時さんがいるし、独りぐらい欠けても
大丈夫かもしれないから」
私の両肩を布団に押し倒して、私の目をまっすぐ見つめた。
「早く五行の力を溜めて、一日も早くこんな異常な世界から、脱出しましょう。
そのためなら、僕は…」
譲くんは赤くなりながら、眼鏡を押さておもむろに立ち上がると蝋燭の灯りと鏡を近くにもってきた。
「もっと、近くはっきり見たかったんです」
両足を持ち上げられ、鏡に良く映るように秘所がさらされた。
「いやぁああ、やめて!」
一生懸命足を閉じようとしても、弓で鍛えた腕力には全くかなわない。
「ああっ…、思ったとおりだ。綺麗ですよ。見ているだけで逝きそうだ」
覗いていたせいか、手順は間違っていないし、手先が器用だから結構上手に愛撫をしてくれる。
「ああっ、こんなに深く先輩の中に入りましたよ」
顔を鏡のほうに向けられた。
「鏡を見てください。ほら、こんな形で僕たち、ひとつに成っていますよ」
両足首を持ち上げられているから、結合部分が鏡に映ってとても恥ずかしかった。
「いやぁあ」
私が嫌がっていると、ますます譲くんは意地悪になった。
「ああ、いつもそんな顔を白龍にみせてるんですか?」
何も答えず、譲くんの視線に耐えているとどんどん抽送が激しくなった。
熱い吐息を全身に浴びているうちに私も少しづつ高まってきた。
「もう、我慢できません」
譲くんはそういうと、欲望を吐き出していた。
「必ず一緒に元の世界に帰って、あなたを独り占めして見せます」
譲くんは名残惜しそうに部屋を出て行った。
今夜はもう、覗かないでね。八葉の皆は白龍と違って多分激怒して血の雨になると思うから。
606京、桃色に染まる5:05/02/05 23:09:29 ID:vI726r6G
次は地の白虎、景時さんだ。
「ごめんね、望美ちゃん。こんなことになって」
全然、景時さんのせいじゃないのに、謝ってくれている。
「いいんです。これも神子の務めだと思うし」
なんだか、この変な時空ではそうみたいだし。
「オレで5人目か、腰が疲れたでしょ。少し身体をほぐした方が良いよ」
促されるままに、うつ伏せになって腰をマッサージしてもらった。
確かに皆にガンガン打ちつけれれるから、すっかり腰が痛くなっていた。
「気持ち良い?」
「うん。ありがとう。景時さんって洗濯だけじゃなくこんなのも上手いんだね」
景時さんって本当に優しいなぁ、なんて思ったのが甘かった。
「ねっ、こういうのも試してみてイイかい?」
ジジジジジと、この世界では聴くことのなかった機械的な音を感じた。
「気持ちいいでしょ?」
尾てい骨に振動を与えられるとなんだかくすぐったかった。
振動するものはゆっくりとずらされて、いつのまにか花弁に軽く当てられていた。
「あっ!」
体中に電撃が走ったようにビクッと震えた。
「ああ、やっぱり凄い反応だね、すっかり濡れてるし」
「何を使ってるの、景時さん」
「陰陽道を使った新しい発明、動く張り型だよ」
棒は秘裂をなぞったあと、私の身体にずぶずぶと埋め込まれていった。
「いやぁああああ!」
景時さんは棒をいろんな角度で出し入れして、私を逝かせた。
「どうして、こんなものを使うんですか?精を貰わないといけないのに」
初めてこんな道具で逝かされてしまった屈辱で、私は涙目になった。
「ごめんごめん、オレね、自信がないんだよ。望美ちゃんのこと
ちゃんと逝かせないといけないと思ってさ」
私のことを後ろから抱きしめながら、景時さんはささやいた。
「でも、望美ちゃんのこんな姿見てたら、俺も頑張りたくなったよ」
…。
ちゃんと出来るじゃないですか。自信がなかったなんて嘘でしょう。
607京、桃色に染まる6:05/02/05 23:11:54 ID:vI726r6G
次は天の朱雀、ヒノエくんだ。
ヒノエくんは何だか不機嫌そうに部屋に入ってきた。
「ちぇっ、神子がこんな役目だって知ってたら、とっとと熊野でさらって
俺だけの姫君にしちまってたのに」
「ごめんね、ヒノエくん」
ヒノエくんは私のこと神子というよりは、普通の女の子として接してくれていた。
「俺は他の男がやったすぐ後ってのは、やる気にならないから、口でやってもらえないか」
夜が明ける前に八葉を終わらせないといけないから躊躇っている時間はない。
立ったままのヒノエくんの服を脱がせてモノを手に握った。
舌先で軽く触れてから、鈴口まで含んで先端を舌で刺激した
顔を離して、ヒノエくんの顔を見上げて聞いた。
「ねぇ、こんな感じで良い?」
「あっ、ああ」
ぶっきらぼうだけど、よく見ると目元が赤く上気しているのが可愛かった。
白龍も舌で舐められるのが好きだから、ずいぶんと上達したんだと思う。
舌だけでなく唇や指も使ってありったけのテクニックでヒノエくんを攻めると段々息が荒くなってきた。
「つっ立ってるの、馬鹿みたいだ」
横になって改めて咥えるときに目が合った。、
「…ほんとは、凄くいやらしい神子…だったんだな」
熱い迸りを口で受け止めると、なんとか飲み下した。
「ふぅー」
「すごいね。ここまでやってくれるとは思わなかったぜ。白龍とのお勤めもまんざら嫌々でもではなかったってことか」
じゃあ、次の人を、と帰そうとしたんだけど。
「やっぱり、気が変わった。俺だけ気持ちよくなったってのは男がすたるな」
「えっ、駄目よ。一人一回にしないと時間が足りない」
「まぁ、いいじゃないか。まだまだ夜は長いよ」
そんあことを言いながら、ヒノエくんは私の身体をまさぐっていた。
「たっぷり、お返しさせてもらうぜ」
そんなヒノエくんの言葉を聞きながら、私は快楽の淵に堕ちていきながら思った。
もしかして、最初っから、セックスもしようと思ってたんじゃないの?
608京、桃色に染まる7:05/02/05 23:12:53 ID:vI726r6G
弁慶さんはお茶を載せたお盆を持って部屋に入ってきた。
「大変でしょう、望美さん」
一人が終わるとすぐ次の人が来て、気がつく暇もなかったけど、
休む暇なく喘ぎっぱなしなので喉が乾いていた。
程良く冷めたお茶を一気に喉に流し込むと葛根湯に似た、少し甘いお茶だった。
やっぱり弁慶さんは気が利くなぁ。
「ありがとう。なんだか元気が出てきたよ」
「体力の回復と、もう少し頑張れるような薬にしましたから」
お茶を飲み終えたのを見て、足元から布団にもぐったかと思うと私の太腿を押し広げた
「じゃあ、患部も見せてください」
弁慶さんは布団をめくり上げて、今日、一番酷使された部分が蝋燭の明かりに晒された。
「いやぁあ、見ないで…」
「さすがに少し、傷ついてますね、ちょと、しみるかもしれませんが」
そういって秘裂に薬を塗り始めた。
「きゃぁ、冷たい!」
ヒヤリとした感触に驚いたけど、少し熱を持っていたあの部分が少し楽になった気がする。
「大切な神子なのに。皆さん、乱暴だから困りますね」
でも、少し時間が経つと身体の奥から不思議な感触がして鳥肌が立ってきた。
「なんだか、寒気がしてきました」
「副作用がありますが、気にすることはないですよ。僕が暖めてあげますから」
弁慶さんは手を取ると指先をそっと舐めた。
「あんっ!」
ただ舐められただけなのにゾクゾクして身体が反応している。
「大きな声をあげるなんて、いけない人ですね。でも、僕はそういう素直な反応をする人が好きですよ」
そんな…。これは多分、弁慶さんの薬のせいなのに、卑怯だよ。
「さっきの薬が染み込むまで、しばらくは挿れることができませんからね」
その後…。短時間に何度も何度も逝かされた後、やっと弁慶さんは
私の中に入ってきて精を放った。
こんなに逝かされたんじゃ、回復した体力分、すっかり消耗されてしまったじゃないですか。
609京、桃色に染まる8:05/02/05 23:13:41 ID:vI726r6G
「神子…。わたしの為に…」
「いいのよ、敦盛くん」
私のほうからやさしくキスをして抱き合って布団に入ったけど、敦盛くんのモノは硬くならなかった
敦盛くんは戦場に出されていたとはいえ、音楽を愛するとても繊細な少年なのだ。
これまで皆、なんだかんだでやる気満々だったので、敦盛くんの初々しさが新鮮だった。
「でも、神子のために今、出来ることは…っ、っつ」
一生懸命に力んでいる。あっ、そういう頑張り方すると。もしかして、あれに?いやあぁああ!!
次の瞬間、敦盛くんは怪物に変化していた。
怪物は言葉にならない獣の咆哮を上げると人の三倍はあろうかという赤々とした肉棒を
私の身体に突き刺してきた。
「いやっ」
これだけ大きなモノだから内臓を押しのけながら、入ってくるという感じだった。
長さも人のものではないから、先端が子宮の入り口に当たっても、
入ったのはまだ半分というところだった。
「ね、敦盛くん、止めて!これ以上奥には入れないの」
正気を取り戻してもらわないと、この怪物相手では五体無事でいられるか分らない。
一瞬、怪物の目が光り、何かが分ったという表情が読み取れた。
はぁ。分ってくれたんだ。安堵もつかの間、己を一気に抜くと私を四つんばいにさせて、
圧し掛かり今度は後ろから挿入した。
「きぁあっぁぁああ」
今度は先端が背骨に刺さりそうだ。でも、この体位の方が少しは根元近くまで収めることができたので、
怪物は満足したのか、私の身体を押さえつけひたすら抽送を繰り返した。
無理だと思っていたのに限界まで押し広げられた痛みが、いつの間にか快感に変わっているのに気づいた。
「ヴォーウウォー」
私が達っしたときの締め付けで限界を超えたのか怪物は雄たけびを上げると同時に大きさに見合った、
大量の精を放って、敦盛くんの姿になった。
私の身体から流れ落ちた精には一筋の私の血が混じっていた。さすがにこれは、どこかが傷ついたみたいだ。
「すまない、神子」
人間に戻った敦盛くんはしくしく泣き始めた。いいんだよ、敦盛くんのせいじゃない。
でも、あの怪物、なんであの体位の方が深く入るって分ったんだろうね。
きっと敦盛くんの知識なんだろう。かわいい顔して結構、物知りなんだね。
610京、桃色に染まる9:05/02/05 23:17:04 ID:vI726r6G
最後は地の玄武 リズヴァーン先生だ。
先生はいつものように突然、気配もなく現れた。
「先生」
私は布団から起き上がろうと上体を起こしただけで、腰に激痛を感じてしまった。
「痛っ!」
腰に少しでも体重がかかると激痛が走る。さっきの怪物相手で、腰が抜けてしまったようだ。
「大丈夫か?神子」
「先生、腰が…、抜けちゃったみたいなんです」
先生は泣きそうになっている私に体重を全く掛けないように覆いかぶさって、マスクごしの唇と大きな手で
とても優しい愛撫した。もう、これまでに七人も交わって、すっかり枯れ果てた思っていたのに、
うっとりとして蜜壷が潤んでくるのを感じた。でも、これ以上交わるなんてとても無理だ、そう思ったのに…。
「用意はいいか、神子」
そう言うと先生は私を軽々と抱き上げた。小さい子供みたいに足を開いて先生の胴を挟むように持ち抱えられている。
「しっかりと、首に掴まっていなさい」
先生の身長は凄く高い、その高さから落とされたら堪ったもんじゃない。言われなくても自然に首にしがみ付いていた。
体勢が安定したのをみて、先生は片手を私の腰から離してズボンを脱いでいた。
「いくぞ」
私の目からは見えなかったけど、潤んだ蜜壷の入り口に何があてがわれているのかは分った。
腰が立たない私に、こんな変な体位で挿入するなんて…。鬼だ!はっ!そういえば鬼の一族だったんだわ。先生は。
私の身体の重みで先生の剛直は深く突き刺さり、これ以上はないという局部の密着と恥ずかしさで入り口がキリキリと締まった。
先生は軽々と、私を持ち上げては落とす。
ぐりぐりと左右に揺さぶられたあと、腰を持ち上げられては少し落とされる。
だけど背骨に体重がかからないので、さっきのような痛みはなく、快楽の波が襲ってきた。
段々と出し入れされるのがはっきり分るような動きに変えられた。
先生は軽く目を閉じ、快感に耐えるように眉間に皺を寄せていた。
「いいか、神子」
マスク越しに熱い息が伝わってきて、私がコクコクと頷くと、
身体の中が暖かいものが満たされてきた。
「こんな運命もあったのだな…。私の逆鱗を壊そう」
って、これから屋島もあるんですけど先生!やれたらそれで良い運命なんですか?
611京、桃色に染まる10:05/02/05 23:17:55 ID:vI726r6G
部屋の中からでも障子越しに朝日が登り始めているのがわかった。
なんとか一晩のうちに終えることができて安堵したけど、私はすっかり気力と体力を
消耗しつくし、目を開けたまま指一本すら動かせない放心状態だった。
あまりに疲れすぎると逆に、眠ることも出来ない。
八葉の精が身体の中で渦を巻くようにゆっくりと交じり合うのが感じられて、
やっと眠りについて、その後、全く丸一日間眠っていたらしい。
目が覚めると、身体中が五行の力に満たされて、体調も万全になったので
さっそく惟盛を倒しに行った。
戦いが始まって、最初の私の一撃で惟盛は瞬殺できた。
そう、この時空の惟盛はヘロヘロに弱かったのだ。
だから怨霊も満足に作れない。
五行の力なんていらなかったじゃないかー!
じゃあ、わたしの、あの苦労はなんだったんだーーーー!
この後も雑魚怨霊と戦うことはなかったけれど、毎夜順番に夜這いに来る
八葉の相手に追われることになってしまった。
(終)
612名無しさん@ピンキー:05/02/05 23:25:04 ID:WUiZssdk
>592
リアルタイムで見せていただきますた。
ツッコミどころ満載な八葉達がイイ!
変態臭い白虎コンビ萌え〜
613291:05/02/05 23:28:44 ID:0PoFQmdN
リアルタイム投下楽しませていただきました。
年長組に萌えましたw 私も頑張らないとな。
触発されて私も2周しようか、とか思い始めたり。
614名無しさん@ピンキー:05/02/05 23:35:42 ID:ytTh+NmO
皆変態チックで死ぬほどワロタ。
バリエーション豊かで(・∀・)イイ!!
615名無しさん@ピンキー:05/02/05 23:37:40 ID:umk6Vp/R
GJ!
疾走感にワロタw神子体力あるなぁ〜
616名無しさん@ピンキー:05/02/06 00:02:42 ID:CD3Ct36h
あっつんw
一番いい思いしたのはヒノエくん?
桃色神子、GJでした
617名無しさん@ピンキー:05/02/06 00:18:17 ID:EWTQLQhW
禿ワロタ
物知り敦盛と、やれたら良い運命な先生にw

遥か3のストーリーの根底を覆すような話GJ!
618名無しさん@ピンキー:05/02/06 01:02:47 ID:fLsIupVU
ワロタw
一人一人のエロがもうちょい長くても良かった(;´Д`)ハァハァ


あと、譲の一人称はぜひ俺で…
続編もキボンヌ!!
619名無しさん@ピンキー:05/02/06 01:16:32 ID:QW+WQAnp
よわよわな惟盛に萌えた…!
620名無しさん@ピンキー:05/02/06 01:51:56 ID:rsIFhvB5
キャラ全員好きなわけじゃないので、
どうかな〜と思いながら読んだけど、すっごく面白かった!
この妄想を胸に、もう一度ゲームしてきまっす!
621名無しさん@ピンキー:05/02/06 14:15:27 ID:ZgFkccZR
何でもアリですねwワロス
622名無しさん@ピンキー:05/02/06 21:51:55 ID:19NQz1JW
朔×神子×景時投下します。
ひとまず途中までですが、御賞味いただけると幸いです。
百合アリなので苦手な方「神子様方乱交」でスルー願います。
623神子様方乱交 1:05/02/06 21:53:07 ID:19NQz1JW
「じゃあね朔、望美ちゃんの事くれぐれも頼んだよ」
慣れない真面目顔を精一杯作ってみせたが、いつもしっかり者の妹は呑気に答える
「はいはい兄上。
 何度も言ってるけど私の部屋から窺うかぎり不審者なんて近づいていないわ、
 本当に小心なんだから。」
・・・はぁ、やはり日ごろの行いが良くないのかオレの真剣さが全く伝わっていない。
「だいたい屋敷の中に八葉も揃っているんだし、心配ないわよ」
再三、朔に望美の身の周りに異常がないか重々気を配ってくれるように頼んだが、
状況を聞くたびに「異常なし」と答えるばかりで、今日に至っては呆れ顔さえ見せる。
ああ、朔、兄はホントのことが言えない、不審者ってのはその八葉なんだよ!
624神子様方乱交 2:05/02/06 21:54:31 ID:19NQz1JW
オレは数日前望美ちゃんの部屋から漏れ聞こえる声を聞いてしまったんだ、
「神子、神子の肌、暖かくて、心地がいい。私の体も安らぐ」
別の日は
「先輩・・・せん、ぱぁい、俺、はぁ、我慢できません、もう一回させてください」
別の日は
「お前の望むままに、体を動かすがいい・・・私もお前に応えよう」
別の日は
「っく、俺の心ばかりかアソコも捉えて離さないとは、姫神子、様には恐れ入るね」
別の日は
「あぁっっ、あ、あ・・・み、神子、神子は乱れても清らかで、あの、あっあっあああ!」
別の日は
「うっ、ぐ・・・なんていうか、その、お前、なかなかの戦上手だな」
別の日は
「頬ばかりか全身こんなに染めて、本当に、いけない人だ」
別の日は
「っつ・・・お前、暫く会わない内にイイ女になったな。綺麗だぜ、ココもな」
さらに別の日
「神子、神子の胸、柔らかくて、安心して・・・ねむ、れ、る・・・」
「っうっうう・・・、やっぱり・・・ダメ・・・」
望美ちゃんの涙声だった。
625神子様方乱交 3:05/02/06 21:55:42 ID:19NQz1JW
状況から察するに、望美ちゃんは心ならず皆にあんなことをっ!
しかし確認の為に現場に踏み込んだら覗いてたみたいだし、
でも望美ちゃんに面と向かって「八葉の皆に強姦されているの?」とか聞けないし、
皆に「望美ちゃんを無理やり犯しちゃったりするの止めようよ」とか言えないし、
同じ女の朔ならそれとなく気を配ってくれまいかと思ったが、朔にオレの気持ちは伝わっていない。

「あのさ朔、最近さ、望美ちゃん悩んでる様子とかない、よね?」
妹は本当に心を痛めているように眉根を寄せて、だが的外れにも
「ねえ兄上、望美はとっても魅力的な女の子よね」
そんな事を言ったきり、手元の扇に目を落としてため息をついた。

オレはどうしたら・・・、毎日悶々と過ぎてく。
そんなある日、朔が望美ちゃんの事で相談したいといってきた、何か情報をつかんだのか?
やはり持つべきものはしっかり者の妹!よーし、お兄ちゃんは精一杯相談に乗っちゃうよ!
626神子様方乱交 4:05/02/06 21:56:42 ID:19NQz1JW
約束の時間妹の部屋を訪ねると、俺を迎えたのは妹の切羽詰った頼み声
「っくはぁん、あ、兄上、はや・・・早く手伝って」
その次は望美ちゃんの蕩けた声
「景時さぁん・・・お願い、きて下さい」
予想外すぎる展開にオレの視力が拒否したらしい、
まるで靄の中の光景が明らかになって行くように状況が見えてきた。
一糸纏わない姿の望美ちゃんを妹が羽交い絞めにしている。
普通の羽交い絞めと違うのは押さえるのが脇でなく膝であり、
こちらに向けて望美ちゃんの秘所があらわになっている。
彼女の膝を抱えた腕で妹が彼女の胸をまさぐり、彼女の耳を噛んでいる。
「はぁっ、やっぱり私一人では・・ぁ、無理、れす・・・兄上ぇ」
何故か攻めてるはずの妹の呂律が回っていない。
「手伝って、な、何を?」混乱の余り普通に聞いてしまったが
「ぁは、何ってぇ、決まってるじゃないですかぁっはん、兄上ぇはそれれも・・っふぁ、男れすはぁぁん」
喘ぎ声交じりでも妹に叱られてしまった、やはりソウイウコトですか。
627622:05/02/06 21:58:40 ID:19NQz1JW
今日はココまで。
628名無しさん@ピンキー:05/02/06 22:06:59 ID:tnZNGQRF
>>624
淫乱でヤリマンな望美(・∀・)イイ!
相手は
白龍大・譲・師匠・ヒノエ・敦盛・九郎・弁慶・将臣・白龍小
の順番であってますか?

朔タンも望美タンと淫乱生活(;´Д`)ハァハァ
続きも楽しみにしてます。
629名無しさん@ピンキー:05/02/06 22:32:49 ID:tZ1YbSxp
真面目でへたれな景時ワロタw
630名無しさん@ピンキー:05/02/06 23:25:01 ID:yJjIFOZE
面白すぎだぁ〜。
景時の取り残されっぷりにもワロタ。
631譲×望美:05/02/07 01:45:52 ID:Un1c8lDf
570です…遅筆ゆえ進みません、申し訳ないです。
出来てる分だけ投下しますね。




「…男の子って、ずるい…」
 弓引く腕を枕に、絡めた指を弄びながら、熱の余韻にかすれる声で望美が呟く。

 …まだ「望美ちゃん」と呼んでいた頃は、よくそう言われてたな…
 ぼんやりと意識をさ迷わせながら、譲は思い返した。
 それは例えば、今まで全く敵わなかったかけっこの勝敗が逆転した時や、腕相撲をしても負けなくなった時
などに使用された。
 兄の将臣は物心ついたときには既に体格・腕力共に上回っていたのでそう言われたことはないようだったが、
一つ年下の自分に追い越されていくのは、勝気な彼女にとって悔しかったらしい。
 彼としては望美を守れるような男になりたかったから、むしろそれは褒め言葉として捉えていた。真っ赤な顔に
涙を浮かべて詰め寄られるのは辛かったけれど。
 …最後に言われたのは、身長が急激に伸び始めた時だったか。
 そこまで思い至って、譲はふと考え込むような表情になった。
――何で、今この状況で、先輩はずるいなんて言うんだ?

 絶対に届かないものと諦めて…諦めようとして果たせず抱え込んできた彼女への思い。
 それがついうっかり思いもかけずに唐突に通じたおかげで、二人は幼馴染から相愛を突っ切り一夜にして
未成年(この時代ならば十分成年だが)としては不適切な関係へと発展してしまっていた。
 一度果てた身体を二人寄り添わせ、幸せなまどろみに落ちる寸前に聞いた言葉がソレだとは。
 このままでは何となく夢見が良くなさそうな予感がする。折角、先輩と共に眠る事ができるというのに。
632譲×望美2:05/02/07 01:48:13 ID:Un1c8lDf
 譲は思い切って尋ねてみた。
「先輩…何がずるいんですか?」
「きゃっ!?ゆ、ゆずるくん?」
 小さく悲鳴を上げ、望美はころりと寝返りを打って向き直った。譲が起きていることに気付かなかったらしい。
 白い胸元に桜のような花弁がいくつも散らされ、ほの暗い燭台の明かりに浮かび上がっている。
 頬には破瓜に耐えた涙の跡が残っており、痛みの元凶は罪悪感を煽られた。
「…あ…その、俺ばっかり気持ちよかったみたいで…すみません」
 男女の構造上の差異のことかと慌てて詫びる彼に、彼女は同じくらい慌てて首を横に振った。
「あ、ち、違うの、そうじゃなくて…確かに痛かったけど…」
 最後の方は、痛いばっかりじゃなくて、訳わかんなくなってて…その…ええと…気持ちよかった、かも…
 上気した頬を更に赤くして、もごもごとつっかえる彼女をみて。
 譲は自分の頬はもっと赤いに違いないと思った。
 それを悟られないように、すべらかな背中を胸に抱き寄せる。
「じゃあ、何なんです?」
「…だって、ずるいよ」
 伏せていた顔を上げて、望美は言う。
 真っ赤な顔に、涙を浮かべて。

「私の知らない間に、こんな…えっちなこと、覚えてるなんて」

 彼が絶句したのは言うまでもなく。
633570:05/02/07 01:50:15 ID:Un1c8lDf
…まだ全然えろくない…もうちょっと続きますので、しばしお付き合い下さい。
今回はここまでです。
634名無しさん@ピンキー:05/02/07 02:22:04 ID:w2NPVp6t
2人ともカワイイ(*´Д`*)続き楽しみに待ってます。
635名無しさん@ピンキー:05/02/07 07:27:50 ID:X0HbCrlx
俺様ちゃんも待ってます。
636名無しさん@ピンキー:05/02/07 10:42:00 ID:FFiZhPqS
>>570
不憫な譲も萌えるけど、やっぱり報われてるのも(・∀・)イイ!!
続き楽しみにしてます。
637ハイツ:05/02/07 18:50:37 ID:yTTPwMkq
このスレで317・467・552書いたものです。
もうしばらく投稿させてもらうので、分かりやすくハンドル入れました。
うざかったら、スルーでお願いします。

神子総受け書いてみましたので、投稿します。
またも、強引系です。イベントがらみなのでネタバレありです。
638敦盛×神子 熊野本宮の夜1:05/02/07 18:52:06 ID:yTTPwMkq
熊野の旅の目的であった熊野水軍の助けも借りられず、そのまま本宮に泊まることに
なった望美たちは皆意気消沈している様子だった。
源氏にも平家にもつくことはない、と約束されただけでも収穫だと思えばいいだろう。
そんなことを考えていると、何処からともなく風にのって淋しげな笛の調べが望美の
耳に届いた。
―聴き覚えのある笛の音…確かめにいってみよう―
外に出ると望美のいた世界では見たこともないほどに澄んだ星空の下、蛍が飛び交って
いた。幻想的な風景のなか、笛を奏でている人物に目が留まる。
「敦盛さん。」
望美は声をかけながら、敦盛の元へと歩を進めた。
敦盛は望美が近づいてくるに気づくと、急に苦しみの混じった声ではき捨てるように言った。
「来るなっ!」
その声に身を震わせ歩みを止めた望美は、敦盛の尋常じゃない様子に心配そうな顔をする。
望美の表情に気づくと、ますます苦しげに声を絞り上げながら言葉を続けた。
「大丈夫…だ。神子…大丈夫だから…近づかないでくれっ」
望美はこの事態に立ち去れるわけもなく、何もできなくても敦盛のそばにいようと決意し
そばに腰をおろした。
自分の忠告を無視し、なおも距離を縮めてくるこの清らかな神子に動揺を隠せない敦盛。
望美は敦盛の苦しみが和らぐように目を閉じて、向かい合う形で手をとり胸の前に引き寄せた。
「龍神に力を分けてもらうから…じっとしてて。」
手から伝わる望美の鼓動の音に、敦盛の隠された穢れが悪い方向に反応する。
その予感があったから拒絶したのに、敦盛の心に黒いものが渦巻く。
「神子っ」
気がつくと硬い石の階段に、望美の体は押し付けられていた。
驚いて目を開けると敦盛の顔が目の前にあった。その瞳は赤く妖しく光り、強引に唇を貪り
はじめる。
639敦盛×神子 熊野本宮の夜2:05/02/07 18:53:02 ID:yTTPwMkq
突然の息苦しさに敦盛の体を押しのけようと、両手を突っ張るが華奢なようでも男である
敦盛からは逃れられない。
舌を絡みあわせ、ねっとりと口内を犯す敦盛に望美の体はだんだんと力が抜けていく。
敦盛の唇が望美の首筋までおりた時、その柔らかい感触に思わず赤い花を咲かす。
「あっ…!」
はじめての感覚に声をあげた望美に、嬉しそうに花を咲かせ続ける敦盛は器用に帯を解いていき、
袷を一気に肌蹴させる。
形のよい胸の頂にある突起は、その与え続けられる愛撫に反応して硬くなっている。
陶器のように透き通る望美の素肌に舌を這わせていく。
胸の突起を口に含むと、舌で転がし始めた。
「やぁんっ。」
体がだんだん熱くなり、何も考えられなくなっていく望美。
相変わらず綺麗な光が辺りを照らすなか、二人の痴態は続く。
敦盛は望美のスラリとした足に指をはわせていく。下着の中心まで指が到達すると、そこは
もうすでに十分潤っていた。
「神子。感じてくれているのか。」
「違…う。」
敦盛は下着の上から望美の泉を撫でながら、囁いた。足の間から下着が引き抜かれる。
望美の片足を肩に乗せると、泉に唇を這わせはじめた。
「あぁっんっ。」
はじめて受けるねっとりとした刺激にまた甘ったるい声がもれる。
潤っている泉にゆっくりと指が差し込まれていく。
「痛っ。」
640敦盛×神子 熊野本宮の夜3:05/02/07 18:54:15 ID:yTTPwMkq
敦盛はその声を無視して、ゆっくりと指を動かし始める。苦痛で顔を歪める望美。
暫く抽出を繰り返すと望美のなかから、蜜が溢れ出てくる。
蕾を舐めあげられ、同時に泉をせめられると望美のなかでなにかが弾けそうになる。
「やだっ。怖いっ。」
叫ぶと同時に足を突っぱねた望美に、敦盛は尋ねた。
「達したのか…。敏感なのだな。」
生まれてはじめて感じた行為にいまだぼんやりしている望美の泉に、敦盛は熱くなっている
自分のたかまりを押し付けた。
この先に待ち受けるものに恐怖を感じ、逃げる望美の腰を手でしっかり押さえると一気に
刺し貫いた。
「痛いっ!痛いよっ。」
激痛に身を捩り、顔を左右にふりながら耐える望美。そんな望美の様子に気遣うこともなく
ひたすら腰を打ち付ける。
「だから…来るなと言ったのにっ。神子が悪いのだ。神子がっ!」
望美の瞳から零れる涙を舌で絡めとると、ひたすら自分の快楽のためだけに腰を打ち続ける
敦盛。そのたびにピクピクと望美の体が波打つ。
肌のぶつかる音が辺りに響く。より一層激しさを増した敦盛の動きに望美は早々と意識を
手放していた。
「神子っ!」
そう叫び望美のなかに欲望を吐き出す敦盛。呼吸を整えると自分のしでかした事が、現実と
して突きつけられる。
敦盛は望美の体を清めると、包み込むように抱き寄せて懺悔していた。
641ハイツ:05/02/07 18:58:12 ID:yTTPwMkq
以上です。神社でやっちゃった罰あたりです・・・。
大体ひとり三話で終わろうとおもいます。
失礼しました。
642名無しさん@ピンキー:05/02/07 20:14:49 ID:350xF2Bl
一人三「話」……?
3レスじゃなくて……?
643ハイツ:05/02/07 20:27:04 ID:RIlWd+U2
三レス…です。素でまちがい…。
指摘されるまで気づかなかった。ごめんなさい。
644名無しさん@ピンキー:05/02/08 11:34:15 ID:sqa0A/Sc
短めの黒龍×朔SS投下します。
黒龍が消える前の設定です。
645名無しさん@ピンキー:05/02/08 11:36:54 ID:sqa0A/Sc
今から2年前。
朔は人の形になった黒龍を、人と言いくるめて夫婦になった。いや、夫婦ではないが、現実は夫婦同然だった。

兄は陰陽師だから、神気にうすうす気づいていたが何もいわなかった。
ただ、本当にいいのかと何度も聞かれた。
「神様なんだよ・・いつか消えてしまうかもしれない・・それで耐えられるのかい?」
「兄上、もう決めたんです。私はあの人の力になりたい。分かっているのなら見逃して・・そうでないと私死にます」
「分かったよ・・もう止められないんだね・・朔・・」
哀しそうな顔で兄上は許してくれた。

「すまない・・いつまでこの姿を保てるかどうかわからないのに・・・人の世界で暮らす場所を作ってくれるなど・・」
「いいのよ・・黒龍。私は神子になれて嬉しい」
646名無しさん@ピンキー:05/02/08 11:39:26 ID:sqa0A/Sc
黒龍は朔を後ろから抱くのを好んだ。護るという意識が強かったためだろうか。
「人の形をとったことは久しくなかった。こんな思いを味わったことはなかった・・また貴女を苦しめてしまうのか・・」
黒龍の両手は朔の柔らかな胸に伸びている。
「朔・・あなたの胸は柔らかい・・なのにこうしていると先端が堅く張り詰めてくる」
「いいの・・私が貴女を大好きだから・・体が答えてるの・・続けて・・」
「息が荒い・・朔・・でも止めたくない・・ぞくぞくするよ・・」
胸を探られ、朔は快楽に震えながらも黒龍を見上げる。顔が上気して長い髪が小刻みに波打つ。
「続けて・・好きだって私に教えて・・黒龍・・」

不器用ながらも何とか黒龍は衣を開いた。朔の着物は胸からへそ、その下の黒い茂みまで見えている。
「ああ・・朔の匂いがする・・こんなに喜んでいるんだね」
「黒龍・・ああ・・・もっと触れて・・下まで指を入れていいの・・」
「ああ・・朔のいうとおりにする」
黒龍の長い綺麗な指が茂みの奥に入っていく。
「熱いよ・・そこらじゅう濡れてる・・・どんどん奥から流れてくる」
「あああっ・・黒龍っ・・・」
花芽に触れただけで朔は仰け反った。

「次はここがいいんだね・・朔・・もう忘れない」
「あああーーーーっ」
中をかき回され、花芽を擦られて朔は快楽に沈んでいった。
647名無しさん@ピンキー:05/02/08 11:42:27 ID:sqa0A/Sc
黒龍はしなだれた体を持ち上げて自分の分身の上におとした。
「ああ・・朔・・熱い・・気がめぐるよ・・・」
「ああん・・黒龍っ・・・もっとゆっくり・・」
泣き叫ぶ朔の声にも動きを止めることはない。朔が一番気持ちいいから泣くんだと教えられたから。
上下左右に揺すり、突き上げてはまた抜いて。
この行為で人は子を成す。でも自分は子を成せない。いつ消えるかもしれない。それでも今だけは、こうしていたい。

大好きな朔と一緒になりたい。これが人の思いなんだ。人の体になってしまった私の思い。

「さく・・もっと一緒にいたい・・さく・・」
「こく・・りゅう・・・わたしも・・・」

やがて二人は頂点まで上り詰めた。がくがくと震える体で抱き合いながら、横に倒れた。
黒龍の前で朔は幸せそうに眠っている。

「朔・・あなたが大好きだ・・でも龍脈が切られて私の存在は日々弱くなっていく・・どうすればいい?」

哀しそうに黒龍は朔の長い髪を撫でた。朔が自分にしてるように。そうするととても気持ちがよかったから。

「朔・・もし私が消えても悲しまないでほしい・・それが私の願い・・」
648名無しさん@ピンキー:05/02/08 11:43:28 ID:sqa0A/Sc
終りです・・口調が白龍ぽいかもしれません。
お目汚し失礼しました。
649名無しさん@ピンキー:05/02/08 12:01:11 ID:FVS+KcHG
>>645-647
乙です!
黒龍×朔ラブラブ小説(・∀・)イイ!
黒龍朔のカポーってこういう葛藤とか切なくて大好きです。
650名無しさん@ピンキー:05/02/08 17:48:33 ID:uo6q4HtW
せつねえ・・・
651名無しさん@ピンキー:05/02/09 00:09:49 ID:2CEW2N13
以前投稿させていただいた者です
今度はヒノエ×望美SSです。
4レス程度になります。嫌いな人スルーしてください。
652名無しさん@ピンキー:05/02/09 00:12:38 ID:2CEW2N13
神子姫様はしばらくおやすみ

今熊野にいる。鎌倉方の要請で熊野水軍の力を借りるのが目的なんだけど。ようやく頭領の約束が取れた。
今夜は好意で特別に本宮に泊まらせてもらった。野宿が続いていただけに広い部屋と床と食事にはみんな満足した。頭領に会えるとあって期待も高まってる。
戦の陰もここにはない。静かな夜。蛍があちこちに飛び交う。気がつくと部屋の中にも迷い込んでいる。現代じゃ考えられない。

「蛍が綺麗だわ・・戦の心配をしなくてすむのはいいわね」
「本宮は結界もきちんと張ってあるから怨霊の心配もないね〜ほんと楽だよ〜」
「早く兄上は戻ってください。八葉の部屋はあちらです」
「はいはいわかりました・・ほんとに朔はきびしいんだから〜」
今は朔と二人だけだ。白龍は大人になっちゃったから八葉の部屋に行ってもらった。
ほんとに静かだ。小さな白龍は私になついていたから少し寂しい気もする。

「静か過ぎて眠れない・・・」
朔が隣で寝息を立てているのに望美は目が冴えてねむれなかった。戦世に体が慣れてしまったのか。
怨霊や平家の武者が夜襲をかけないか緊張していたから。ここは本当に何の気配もしない。静かすぎる。
「ちょっと散歩してこよう・・・」
朔を起こさないようにそっと床を抜け出した。
653名無しさん@ピンキー:05/02/09 00:15:23 ID:2CEW2N13
廊下は静かだ。自分の足音だけが聞こえる。なんだかどきどきしてきた。なんでだろう。

後ろからいきなり浚われた。両手が首に回る。
「きゃん・・・」
「ほんっとに鈍いなあ。それでも神子姫様?」
くすくすと笑う声に望美は赤くなる。
「もう寝る時間よっ。ヒノエこそ何してんのよ」
「べつにー。神子姫様こそこんなとこで見回り?」
ヒノエはいつものアクセサリーや上着もはずしている。薄い着物一枚だけ。細身なのに意外と筋肉がついてる。

頭の中で危険信号が鳴り響いている。朔と一緒に寝てるほうがよかった。わざと後ろから捕まえたんだ。後悔先に立たず。ああ。
「声出すとみんな集まっちゃうよ」
「誰のせいで声が出ると思ってるんです?」
目いっぱい怒って見せるが効果はない。後ろから巻きつけられた腕はしっかり望美を捕まえる。男性にしては小柄な体なのに。

「神子姫さまはしばらくお休み」
耳元で囁く声はいつもと違う男の声。耳をふさぐことも出来ない。望美の意識を少しずつ犯していく。
「そうしないともっと声出すようにするよ?」
「いやあ・・・」
もう片手が胸のあたりをなぞっている。ぞくぞくする感覚が襲う。快楽の始まり。
「やっぱ柔らかくて気持ちいい・・・今夜駄目?」
ぶんぶん左右に顔を振る。
「ほんとに駄目?」
「わかってるくせに・・・っ・・・」

私に振るなんてずるい。そんなに強く抱かれてるわけじゃない。本気で振りほどけばすぐに逃げられる。でも体がいうことを利かない。もっと刺激が欲しいとねだる。夜毎の記憶はしっかりと刻み込まれて、離れない。
「ほんと、素直じゃないなあ・・」
くっと、胸を掴まれて甘い痛みが走る。
「もう少しこうしてもいいけど、寝たほうが楽だよ?」
望美は黙ってうなづいた。もう呼吸が乱れて立っているのがやっとだった。
ヒノエに導かれるままに部屋に向かう。
654名無しさん@ピンキー:05/02/09 00:17:33 ID:2CEW2N13
「ここは?」
「隠し部屋の一つだよ。ついこないだまで三山が争ってたから。今は必要ないけど」
壁の一部にしか見えない戸を開くと思ったより狭い。上に小さな明り取りの窓がある。
「二人が入るには十分だよ。声も響きにくいし」
「どうしてこんなところまで知ってるの?」
「それは俺がえらいから」
謎めいた笑いを浮かべてヒノエは戸を閉めた。

部屋にあった衣の上に望美を横たえると、ヒノエは愛撫を再開した。
両手を口にあてて必死に声を出すまいとする。それが反って快楽を深くする。
「は・・・ふ・・」
ひくひくと跳ねる体。長い髪が波打って汗ばんだ白い肌に張り付く。後から後から涙が零れ落ちる。
「ほんと・・声ださねえの・・」
不服そうな言葉と裏腹に笑みさえ浮かべて、敏感な場所を辿る。その苦しそうな表情がそそる。自分の手でもっと快楽におぼれさせたい。二度と離れられないように。

数日前につけた跡がもう消えかけてる。それが悔しくてきつく吸い上げる。体が反り返って、くっきりと赤い跡がついた。
本当は、もっと沢山つけたいけど、望美が頼むから服から絶対見えないところしか駄目。あの兄弟が黙っていない。ととくに弟は弓が得意だ。突然後ろから矢が飛んできてもおかしくない。それだけはごめんだ。
655名無しさん@ピンキー:05/02/09 00:19:55 ID:2CEW2N13
「仕方ねえ・・ここだけで我慢してやるよ」
「だめ・・ああ・・ああん・・」

望美の中に指を差し入れてくるくると回すと、壁がどんどん吸い付いてくる。くちゃくちゃと蜜が流れ、掻き出されて染みをつくる。
ときおり手が外れて高い声が漏れる。どんどん追い詰めていく。

「っつうーーーー」

ぎゅっと体を逸らせて、望美は一人で上り詰めていった。

華奢な体を二つに折り曲げて奥底まで突き上げていく。跳ね上がる水音。強い快楽に目の前が白くなる。初めは痛がってたが今じゃ自分から腰を動かしてくる。
こいつって、剣の技だけじゃなくて体の覚えもはやかったのな。まじで溺れるよ。
「ちょっと・・締め過ぎ」
「知らない・・もう・・だめえ・・・」
目の前が真っ白になって落ちていく。深い深いところに。おい、もう少し加減してくれ。締まりが良すぎ。お前。

朝早いのは慣れている。
望美を抱えるとほの暗い廊下を目的の部屋に向かって歩いていく。
そっと戸を開けると朔が静かな寝息を立てていた。脇に望美の体を横たえる。何事もなかったように。
衣も着せてある。多分背中の跡にはきづかないだろう。秘密が一つふえた。笑みを浮かべてヒノエは部屋を出た。

憎たらしいほど天気がいい。蝉の声が騒音に聞こえる。望美は腰の痛みに耐えて山道を歩いてる。
ようやく路が開け、神社の鳥居が見えてきた。しかし弁慶が心配そうに声をかけてきた。
「顔色が蒼いですよ・・どうも調子が悪いようですね。望美さん」
「大丈夫です。このくらいっ」
「先輩、無茶はしないで下さい。休まなきゃ駄目です」
「そんな顔して頭領にあってもいい印象を与えないと思うよ〜」
多数決には勝てなかった。望美は「ヒノエくんのばか」を心の中で何十回も繰り返しながら眠りに付いた。
656名無しさん@ピンキー:05/02/09 00:21:23 ID:2CEW2N13
以上で終りです。多少ぬるいかもしれません。
お目汚し失礼しました。
657ちゅん:05/02/09 06:50:13 ID:T5x27I7O
お久しぶりです。
暫くぶりで来て見たら神子総受けプチ祭りがあったのですね?
私も参加させていただきたく書いてみました。
まだ途中ですが投下させていただきます。
とりあえず朱雀から。
658ちゅん:05/02/09 06:51:08 ID:T5x27I7O
誰?
私の横に誰か寝ている。
慌てて眼を開く。
私の瞳に飛び込んで来たのは鮮やかな赤。
うっ、ヒ、ヒノエくん〜〜。
これが他の六葉ならこんなに焦らなかっただろう。
(もちろん弁慶さんは除く。)
私、もしかしてヒノエくんとそうなっちゃったの?
昨日は何故か宴会になってしまい私もお酒を勧められた。
初めて飲んだお酒は割と美味しくて譲君の止めるのも聞かずに結構飲んでしまったのよね。
譲君の言う事ちゃんと聞けばよかった。
酔っ払って処女消失なんて嫌すぎる。
とりあえず体をおこし服装をチェックする。
白の寝巻きを着ている。
よかった、裸じゃなくって・・・ってよくな〜〜いっ!
いったい誰が着替えさせてくれたのよ?
その時、ヒノエくんの睫が揺れた。
「姫君、起きてたのか?」
うっ。こんな時なんて言えばいいの?
「わたし、昨日はいったい・・・。」
「おや、望美さんは昨日の事何も覚えていないのですか?」
背後に聞こえた声を聞いて硬直した。
汗がダラダラ流れているのが自分でもわかる。
おそるおそるふり向くとそこにいたのはやっぱり弁慶さんだった。
しかも弁慶さん見たところ上半身裸ですね?
あの、あの、まさか、わたし。
・・・・・3Pですか?
659朱雀:05/02/09 06:52:16 ID:T5x27I7O
頭ががんがんする・・・・。
みず・・・水が飲みたい。
体を起こそうとして気がついた。

「望美さんは冷たいですね。僕はあなたの寝顔をずっと眺めていたというのに
あなたはヒノエばかり見て。」
お願いです。誰か私に状況を説明して下さい。

「あの、私昨日の記憶がないんですが・・・。」
おそるおそる言い出すと弁慶さんがため息を吐いた。
「覚えていないんですか?昨夜の君はあんなに激しかったというのに。
僕はあんな口づけは初めてしましたよ。ねぇヒノエ。」
「ああ、あん時のあんたの顔、見ものだったぜ?」
・・・いったい私は何をしたんだろう。
「あの、この寝巻きは。」
「もちろん僕とヒノエで着替えさせてあげたんですよ?」
「オレあんなのはもうごめんだからな。ま、後始末は景時が喜んでしてくれるさ。」
ヒっヒノエと僕っ?
「あの、まさか、私、二人と・・そ、その。」
焦っている私を見て弁慶さんが笑った。
「気になりますか?なら僕達が君の体に聞いてみてあげましょうか?」
それってどういう事ですか?
問い質す間もなく後ろから抱きしめられる。
「望美さんの胸、僕が思っていたよりも大きかったですよ?」
む、胸、見たんですかっ!
「ずりぃ。オレだって姫君の事ばかり考えて眠れなかったんだぜ?」
嘘ばっかり〜〜。私の横で寝てたじゃないっ!
言おうとした言葉はヒノエくんのキスでせき止められた。

660ちゅん:05/02/09 06:53:55 ID:T5x27I7O
とりあえず以上です。
仕事行く前にもう少し書けたらばまた投下しに来ます。
661ちゅん:05/02/09 07:38:31 ID:T5x27I7O
659最初の3行は658の最初に来ます。orz

少しだけですが書けましたので投下させていただきます。
662朱雀:05/02/09 07:39:44 ID:T5x27I7O
後ろから胸を揉まれている。
ヒノエくんは耳や首筋を舐めてくる。
やっ、嫌だ〜〜っ。
逃げ様にも二人に挟まれていてはどうしようにもない。
気がつくと寝巻きが脱がされていた。
「姫君、綺麗だ。」
ひやっ!
弁慶さんがもんでいる胸の先端をヒノエくんに舐められた。
「い、イヤ。」
体の奥から初めて感じる甘い痺れが湧きあがってくる。
「ふっ・・・うんッ・・・・あんっ!」
こんな事イヤなのに、イヤなのに、キモチガイイ・・・。
「ヒノエ、約束ですよ?」
「ちっ、しょうがねぇな。」
約束って何ですか?
「僕が一番にさせていただくって約束ですよ?」
そんな約束しなくっていいです。
弁慶さんはごそごそと枕もとからなにかを取り出した。
「ほら、望美さん。僕特製の媚薬です。これ、よく効くんですよ。
体にも無害なものですから使って差し上げますね?」
いりませんっ!
思わずあとずさって逃げようとしたのにヒノエくんにがっしりと捕まえられた。
「逃げようったってそうはいかないぜ、姫君。さぁ弁慶いまのうちに。」
「ふふっ、恩に着ますよ。ヒノエ。」
あんた達こんな時だけ協力してんじゃないわよっ!


以上です。
663名無しさん@ピンキー:05/02/09 15:01:20 ID:/pjMnkw9


664ちゅん:05/02/09 22:44:38 ID:T5x27I7O
続き投下します。
2人でこんなに続くとは。
もうくじけそう。
592様はすごいぜ。
665朱雀:05/02/09 22:45:52 ID:T5x27I7O
ぬるっ。
冷たい感触が股間に走る。
「・・っ!」
「冷たかったですか?すぐに熱くなりますよ。奥の方にも塗って差し上げましょう。」
ずぷっ。
「やっ!」
弁慶さんの指が中に入ってきた。
指が私の奥をかき混ぜる。
「はふっ。・・・んッ・・。ハァ・・ハァ・・ハァ・・。」
息が荒くなる。
熱い、熱いよぉ。
じゅぷ、ずゅり、じゅぷっ。
イヤらしい水音が大きくなっていく。
「そろそろいいみたいですね?」
いいってなにが?
そう聞こうとした途端、激しい痛みが襲ってきた。
「いた・・っ。痛ぁいっ!!」
「大丈夫です、初めては誰でも痛いんです。」
初めて?初めてって・・・。
「やだっ!抜いてっ、抜いてくださいっ!!」
「もう遅いですよ、半分以上入っています。ほら、破瓜の血もでていますよ?」
だっ、騙された〜〜。
「ほら、もう全部入りましたよ?」
ひどいよ。
悔しくって涙が出る。
「そんなに痛かったですか?」
言いながら弁慶さんは私の涙を舌で舐め取る。
違うよっ!
666朱雀:05/02/09 22:48:59 ID:T5x27I7O
舌がそのまま目の下から顎へ首筋へと這う。
体がぞくぞくしてくる。
下腹部のじんじんしている痛みが段々と別の痛みへと変わる。
「う・・・ンっ・・。」
「そろそろ動いてもいいみたいですね?」
「やぁっ・・あんっ・・・あふっ。」
今まで感じたこともないような快楽に襲われる。
「・・っ、オレももう我慢できないぜ。弁慶、これ借りるぞ。」
後ろに冷たい感触がする。
さっきの薬?
イヤっ!前も後ろも熱いっ。
「ああっ!イヤっ!!いやぁあ。」
後ろに鈍痛が広がる。
「ヒノエっ、無茶をして。」
「だって姫君のあんな声聞かされたら、もう我慢できないぜ?」
痛いのにさっきの感覚が少しずつ戻ってきた。
「う・・・ああ・・・っ。」
「姫君、感じて来たのかい?いいね、さっきまで処女だったなんて信じられないぜ。」
「ヒノエ、力を合わせないと望美さんが辛くなりますよ?」
「あんたと協力するなんてな。」
「ふふっ、望美さんの為ならば君もまんざらじゃないでしょう?」
二人が動く度に快楽が押し寄せる。
ダメ、もう何にも考えられない。
頭の中が真っ白になった。
667朱雀:05/02/09 22:50:05 ID:T5x27I7O
望美さん、いってしまいました?」
「弁慶、次はオレの番だぜ?」
えっ、ま、まだするのっ!
「もちろんですよ。僕がお酒に入れておいた眠り薬で今日一日はみんな目覚めませんからね。
今日は二人でたっぷりとかわいがって差し上げますよ?」
・・・って宴会の前から企んでいたんですかっ!
「本当は僕一人でかわいがって差し上げたかったんですがヒノエにばれてしまって・・。
まあ、二人ともあなたが大好きなんだから仕方ないですよね。」
仕方なくなんてないですっ!
「姫君がどちらの子を孕んでも熊野水軍次期棟梁として育てるから安心してくれよな。」
は、孕む。
「あの、昨日の夜の事って・・・。」
「ああ、昨日弁慶が姫君に口づけようとしたらおまえおもいっきり戻したんだよ。」
戻した・・・・。
だ、だから弁慶さん裸だったの?
激しいって、あんな口付けってそういう事だったのね。
・・・・イヤすぎる。
思い伏せっていたらいつのまにかヒノエくんに押し倒されていた。
イヤ・・・って言おうと思ったのに下半身はまだ疼いている。
「弁慶の薬、2.3日は消えないぜ?」
・・・最悪。

【終】




668名無しさん@ピンキー:05/02/09 23:00:40 ID:DssWr/xi
…おまいさんにはどうしても一言言っておかなければ…。
藻米………。






G J !!
669名無しさん@ピンキー:05/02/09 23:16:44 ID:is4EpbsV
朱雀に薬っておいおいおい・・・






ありがとうございます_ト ̄|○大好き。GJ!
670名無しさん@ピンキー:05/02/10 00:21:51 ID:HHa5q4wi
そうきましたか・・・






GJ!!
次は青龍をキボン
671名無しさん@ピンキー:05/02/10 00:50:35 ID:hGGGUUDn
>669
萎えてる萎えてる
672ちゅん:05/02/10 01:36:50 ID:6GOVjlwe
うわ、もうレスがっ!
668、667、669 ありがとうございます。

>669
次に譲→九郎→有川兄弟で考えていたんだけれど九郎でつまっていました。
リセットして四神3Pにしてみようかな。
次は青龍で書き直してみるよ。
でも白虎はなんとかなるとしても玄武組が想像できねぇ・・・。orz
673名無しさん@ピンキー:05/02/10 02:13:19 ID:1z81ogcV
後ろから〜前から〜どうぞ〜
…という歌が、頭の中で無限ループ…。何だっけ…。
流石朱雀。
674睦月:05/02/10 02:53:38 ID:MDUx9LLb
お久しぶりです。63です。いつまでも番号はアレなので名前入れてみました。
使っていたマックがバカになってしまい、復旧したものの
最後の方の文章が飛んでしまいますた。
書き直してから投下しますので、待っていらっしゃる方がいましたら
も少しお待ち頂けると嬉しいです。

暫く来ない間にレスが増えてるよ〜〜。
読むのめさ楽しみです。
675ちゅん:05/02/10 07:45:11 ID:6GOVjlwe
青龍何とか書けたので投下します。
白虎と玄武が・・・書けない・・・。
ここでリタイアしてもいいですか?・・・と聞いてみる。
676青龍:05/02/10 07:45:57 ID:6GOVjlwe
うう、昨日はヒドイ目に遭ったよ・・・。
何回も何回もあの二人に攻められて。
幸い、今朝は二人ともどこかに出かけている。
譲君も朔と敦盛さんと景時さんと市に買出しに出かけているし
リズ先生も庵に帰っている。
京邸にいるのはと白龍、九郎さん、将臣くんの3人だけだ。
九郎さんと将臣君の二人は庭で稽古を付けると言って打ち合いをしている。
青龍の二人はさわやかだなぁ。
それに比べてなんで朱雀の二人はあんなに腹黒なんだろう。
はぁ〜〜〜。
もうため息しかでないや。
あんな事やこんな事もされちゃってさ。
思い出すと身体が熱くなってくる。
あの薬、いつまで効くんだろ?
はぁ・・はぁ・・・。
嫌だ、どんどん熱くなってきた。
ジンジンするよ・・・・。
もぉ、我慢できない。
思わず自分自身で指を使って慰める。
「望美〜、九郎がな・・・っとお前、何やってるんだ?」
まっ、まっ、将臣君ッ!!いきなり入ってこないでよッ!!
「悪りぃ、その、まさかお前がそんな事してるとは思んなくて。」
うっ。
「違うの、これは、その。実は昨日弁慶さんの薬を使ってからヘンになっちゃって。」
さすがに弁慶さんとヒノエくんとやっちゃったなんていえない。
「弁慶っ!あの野郎ッ!!」
将臣君は私をグイッと抱き寄せた。
「なんなら俺が慰めてやろうか?」
677青龍:05/02/10 07:46:50 ID:6GOVjlwe
「いいよ、遠慮しとくよ。」
将臣君は子供の頃からずっと一緒に育ってきた双子の兄妹みたいな存在で、クラスメートで。
少し変わってしまった彼だけれどやっぱりイザって時には一番頼りがいのある人で。
この異世界では譲君と共に一緒にいて安心できる人だった。将臣君とはそんな関係になりたくない。
「俺のこと、嫌いか?」
「キライじゃない。だけど。」
将臣君は将臣君だよ。
そんな風に見たことなんて今まで一度だってなかった。
「俺は・・・この3年間ずっとお前の事探していたんだぞ?」
「あっ、やんっ!!」
将臣君が私のうなじをかきあげた。それだけで甘い痺れが体中を走る。
「・・・っ!お前こんな所にキスマーク付けてんじゃねぇよ!」
キスマーク、ヒノエくんだ〜〜っ!!
将臣君の唇がうなじに押し当てられキツク吸い上げられる。
「はぅんッ!!」
「俺、こっちに来てお前の事、すごく大事に思っていたんだと気が付いたんだ。
他の男に取られたくない。」
「やぁッ!!」
胸がもみ絞られる。
「我慢するなよ、もうここ、こんなになってるぜ?・・・俺が欲しいんだろ?」
そう言いながら将臣君は着物や胸当てを脱いでいく。
ううっ。・・・・欲しい、とっても。
将臣君が私の両足を開く。
「入れるぜ?」
「・・・うん。」
将臣君、将臣君とこんなことしてるなんて今まで想像もできなかったよ。
「あっ、ああんっ。」
「の、のぞ・・・みッ!!」
その時扉が開いた。
「遅いぞ、将臣ッ!!望美は・・・・・・・・。」
く、九郎さん。
私達も凍り付いてるけれど九郎さんも固まっている。
678青龍:05/02/10 07:48:07 ID:6GOVjlwe
「すまんっ!!」
反射的に逃げ出そうとした九郎さんの腕を握る。
九郎さんには口止めしておかないとあの腹黒頭巾に知られたら何されるかわかったもんじゃない。
「九郎さん、いま見た事は忘れてくれますか?」
九郎さんは真っ赤になって私から眼を反らしながらこくこくと頷いた。
でも九郎さん、結構ウカツだからなぁ。腹芸も出来ないし。
つい口を滑らしそうだ。
「九郎さんこうなったら口封じに九郎さんにも仲間に入ってもらいますよ?」
「なっ!」
「望美っ、おまえ本気かっ!?」
将臣君はすっごく嫌そうだけれど、背に腹は変えられないのよ?
「ちょっと待て。望美、お前自分が何を言っているのかわかっているのか?」
めちゃくちゃ解っているわよ?九郎さん。
私は九郎さんの帯を解き、袷を開く。
「やっ、やめろっ!」
いいえ、やめません。
もしも将臣君としていたのがバレたなら薬漬けにして熊野で監禁なんて平気でされそうで怖い。
九郎さんの着物をひん剥く。
「やめろと言ってるだろ!俺は初めては好きな女性と決めてるんだっ!!」
「九郎・・・お前まだだったのか?」
将臣君のあきれたような声を聞いて九郎さんはがっくりと項垂れた。
679青龍:05/02/10 07:49:22 ID:6GOVjlwe
「九郎さん、私の事嫌いですか?」
「・・・・嫌いじゃない・・・。」
だったら私が九郎さんの事オトコにしてあげますよ。
大丈夫です。私も昨日までは処女だったんですからっ!
押し倒した九郎さんの上に覆い被さる。
真っ赤になっている九郎さん、かわいい・・。
九郎さん自身を私にあてがいゆっくりと沈めていく。
「あっ、ああんっ!」
「くっ、きつい・・・。」
全部、入った。
「あんっ、あんッ!!く、くろ・・さ・・・。」
ずっと待っていたモノが与えられて下半身が疼きまくる。
私は狂ったかのように腰を動かす。
突然、後ろから将臣君が抱きついてきた。
「すまねぇ、望美。さっき中途半端だった上に
お前のそんな声聞かされちゃガマンできそうにない。
後ろ、借りるぞ?」
えっ、また?
「大丈夫、俺この3年間で男とも経験したし。」
将臣君、あなた3年間いったいどんな風に生きてきたの?
「入れるぞ?」
あッ!
「行くぞ、九郎。遅れるんじゃねぇぞ。」
「誰に向かって言っている?おまえこそ手を抜くなよ?」

680青龍:05/02/10 07:50:16 ID:6GOVjlwe
「うんッ!!あ・・・・・ッ、ああんッ!・・・や、わ、わたし、もぅ・・・。」
「もう、がまんできないのか?」
「まってろ望美、もっと気持ちよくしてやるからな?」
・・・・違う。
もう、体が限界だよ・・・。
なんなのよ、あんた達の体力は・・・。
腹黒いけれど頭脳派の朱雀と違ってさわやかだけれども絶倫な青龍・・・・って。
結局どちらとも今後お手合わせするのはごめんこうむりたいよぉっ!
「望美、もう一回いいか?」
「ずるいぞ、九郎。次は俺の番だぞ?」
まだヤルのッ!
もう勘弁してよ。正直昨日より辛いよ・・・。

【終】
681名無しさん@ピンキー:05/02/10 09:18:56 ID:YB5yC5/g
>>675
無理にみんな書くことないよ。
無理にかいてつまんない小説になっちゃっても意味ないし。
682名無しさん@ピンキー:05/02/10 15:04:23 ID:QGixAU1n
>675
誘いうけうざい
683名無しさん@ピンキー:05/02/10 15:13:01 ID:xuSuajTL
>>682
ノシ
684名無しさん@ピンキー:05/02/10 16:03:54 ID:hGGGUUDn
次スレ天麩羅に「誘い受けは程々に」
とでも入れる?

注意書きさえしてくれれば投下に難癖つける人はいないだろうしさ。
685名無しさん@ピンキー:05/02/10 19:01:48 ID:gr9W6IwW
鬼畜の朱雀、即物的青龍、変態の白虎、人外の玄武…が一般的なデフォか?
686ハイツ:05/02/10 19:42:49 ID:QalWyoDE
わ〜、ネ申が続々と!

神子総受け第二話出来たんで、ドサッと置いていきます。
強引系です。いやな方はスルーでお願いします。
687弁慶×望美 京への帰り道1:05/02/10 19:44:01 ID:QalWyoDE
敦盛に無理やり抱かれた次の日、ヒノエは八葉として手助けすると誓ってくれた。
心強い仲間が増えて嬉しかったが、望美は正直それどころではなかった。
熊野本宮で旅の無事を祈ろうと、手を清めるため取った柄杓に水を汲もうとして
ふと水面に自分の姿を映した望美は愕然とした。
首筋に点々と赤く散る花。着物の袷では隠せずに長い髪の隙間から見え隠れしていた。
「えっ!やだ。」
望美は長い髪を前に垂らすと痕を隠すため首を押さえた。
「望美さん、そろそろ出発する刻限ですよ。早くお参りしてしまいましょう。」
突然背後から弁慶に声をかけられた望美は、驚きながらもその指示にしたがった。
望美は祈っている間、隣で同じようにしている弁慶の様子を横目で見ると冷静を
必死に保っていた。
―まさか気づいてないよね…弁慶さんー
雑念を払うように望美は再び目を閉じ旅の無事を祈り始めた。
ふっと弁慶は目を開けると、望美の横顔を鋭い眼つきでみつめていた。

熊野から京への帰り道も山道が続く。
激しく照り返す日差しのなか、皆汗だくで歩を進めていた。
敦盛は望美の近くに寄ろうとはしなかったし、望美もあえて問いただそうとはしなかった。
昨日のことは夢、そう思いたいのに敦盛と繋がったところが歩くたびにズキズキと痛む。
皆から少し遅れ気味に歩く望美の傍らにさりげなく弁慶が続く。
「つらそうですよ、少し休みましょうか?」
「…はい、それじゃあみんなにも伝えないと。」
疲れた体に鞭打ち、先を進む仲間に休憩することを伝えようと足を速めた望美を弁慶は
制した。
「伝えなくて大丈夫ですよ。さあ、木陰を探しましょう。」
688弁慶×望美 京への帰り道2:05/02/10 19:45:11 ID:QalWyoDE
爽やかな風が通り抜ける木々の間に弁慶は望美とともに腰をかけていた。
望美は大きな木の根元に背を預けて座っていた。
風が長い髪をなびかせて、首筋に散った赤い花々を弁慶の眼にさらした。
「もう平気です。そろそろ行きましょうか?」
望美は立ち上がりながら、スカートの汚れを手で払った。
自分の上に黒い影がおちているのを顔を上げようとして気づく。
いつのまにか目の前に弁慶がいるのに驚き、望美は混乱していた。
「あ、あの…。」
「情事の痕が丸見えですよ。…いけないひとですね。」
望美の首筋に手を這わせながら、弁慶はそういった。慌てて隠そうとする望美の手を
制すると、唇を強引に塞ぐ。
舌を絡みあわせながら、着物の袷を左右に剥ぐ。あっという間に望美の胸は弁慶の瞳に
晒す形になった。頂の突起はもうすでに固くなっていた。
そのふくよかな胸を揉みしだき、時折指でこねると望美の唇から甘ったるい声がもれる。
「はぁん…あ…あん。」
「ふふっ可愛らしい声ですね。もっと鳴かせてみたくなります。」
すでについている花々を避けて、望美の耳の下に唇を這わせるときつく吸い上げた。
「あっ…。」
弁慶は愛撫に震える望美の足を手で伝うと、下着の脇から指を差し込む。
その指に絡みつく蜜を望美の顔に近づけると、意地悪に問う。
「こんなに濡らしてしまって…淫乱な神子殿ですね。」
ぺロッと弁慶は蜜に絡まった指を舐めた。恥ずかしさに目をそむける望美。
望美の足の間から下着を取り去ると、弁慶はしゃがみこんでしまう。
弁慶は望美の片足を自分の肩にかけると、泉に唇を近づけた。
ツゥっと舌で泉全体を舐め上げる。
「あ…あん。いい…。」
689弁慶×望美 京への帰り道3:05/02/10 19:46:16 ID:QalWyoDE
どんどん溢れてく蜜は望美の太ももを汚していた。弁慶はゆっくりと指を差し込むと、
最奥を求めるようになかをかき回しはじめた。
「はうぅっああ…あ…もっと。」
昨日にも増して襲ってくる快感に、望美は溺れていた。
最奥に深い疼きが広がる。またあの感覚を味わえる、そう思った途端無常に引き抜かれる
指。少し不服そうに弁慶を見おろす望美。
弁慶はおもむろに立ち上がり、望美を後ろ向きにした。木に抱きつく形になった望美は
不安げに弁慶のほうを振り返った。
「心配しなくても、僕は君を満足させます。」
蜜で溢れた泉に弁慶は自身の熱いたかまりを押し当てると、じんわりと差し込み始める。
昨日の痛みを思い出し、震える望美の腰に手をかけやっと根元まで到達する。
「あっ?」
「望美さん、動きますよ。」
ゆっくりと前後に動き始める弁慶に合わせて、望美も自然に動いていた。
「あぅっ…う…。」
弁慶は片方の手で胸を愛撫し、もう片方で蕾を指で擦りあげる。
木にもたれることで辛うじて体を支えている望美。霞がかった視界の端に、誰かの影を遠くで
とらえた気がしたが、今は弁慶から与えられる刺激に何も考えられず目を閉じた。
ぐちゃぐちゃという水音はその人物の耳に届いていた。
弁慶もその人物に一瞥をくべると、唇の端を歪めて笑った。
何年も心に留め続けた愛しい女が後ろから突かれて喘いでる。信じられない光景に譲は一切
振り返ることなく走り去った。
「あっ…ああっ…なんかヘン…。」
望美のなかの狭さに限界を悟った弁慶は、腰の動きを早めた。
「望美さんっ。」
「あぁぁっ。」
そう叫ぶと欲望を望美のなかに吐き出し、望美もそのまま意識を手放した。
望美の衣服を整えると、弁慶は気を失っている望美の顔を見つめながら考えていた。
このはかりごとを知って先程の目撃者はこの後どうでるのか、を…。
690ハイツ:05/02/10 19:49:18 ID:QalWyoDE
以上です。またも譲が報われてません…。
では、また投稿させてもらいます。
失礼しました。
691名無しさん@ピンキー:05/02/10 21:44:14 ID:Cj3nzUDc
譲を救ってやってくださいね…
692名無しさん@ピンキー:05/02/11 05:54:10 ID:iFmvLdSs
ちゅんて、出る度うざいからNGワードに追加するわ
693ちゅん:05/02/11 07:25:16 ID:Q+2LW46a
SS書き始めて一ヶ月だったんで自分の書いているモノが面白いのかクズなのか
全然自信がなかったんだけれど。
ごめん、うざがれてるのならもう来ない。
今まで読んでくれたり感想くれた神子様方ありがとうね。
楽しかったです。
694名無しさん@ピンキー:05/02/11 08:19:04 ID:BSEuba6k
つかそろそろコテハンうざ
695名無しさん@ピンキー:05/02/11 08:48:02 ID:8bmVaybl
>>694
たしかに2chでコテはウザイな
そんなに自己主張が強いなら2chじゃなくて
自サイトでも勉強してつくって
エロエロ小説でもなんでも公開すればいいのにな。

読んでるこっちからしたら誰が書いたかなんてどうでも良くて
内容が(・∀・)イイ!と思えば即レスするし、
正直ツマンネ('A`)とか下手糞だなーって思ったらレスしないで感想つけてないし。
696名無しさん@ピンキー:05/02/11 08:59:09 ID:Va8i4QJK
コテハンじゃなく、誘い受けだったり自分語りだったりがうざいわけで。
697名無しさん@ピンキー :05/02/11 09:42:14 ID:iZPTTBHZ
うん。
コテハンでもうざがられない人はいるわけで。
私はちゅんの話は結構すきなんで、
気が向いたら誘いうけとか自分語りを減らして投下してくれると
こっそり喜ぶ人間もいます。
どこのスレでも、このパターンでループするね。
698名無しさん@ピンキー:05/02/11 10:18:57 ID:d1ZDNeai
自分の作品に対して面白いか分からないだのスレ汚しだの言うのは、
それを読んで面白いと思った人に対して失礼だと思うし、自分でつまらないと思うなら投下するなよと言いたい。
699名無しさん@ピンキー:05/02/11 10:41:40 ID:jDCR/g/K
>>696-697さんに同意で、
投下される方のコテハンがウザイとは全然思わないですよ。
たくさん作品を投下してくれるならば
ずっと名無しのままよりかはコテ付けてくれた方が嬉しいですし。
同じようなパターンで叩き→投下激減 ってよく見るので
めげずにこれからも投下してって下さると激しくウレスィ…
今まで作品に対してレスしてた人達の気持ちも嘘じゃないし、
ただやっぱり2chな以上何もかもマンセーな意見ばかりではないとは思う。

自分の作品あんまり卑下したり、作品進行状況とか投下おk?のような
いわゆる誘い受けも2chでは全く歓迎されないとも思うんで、
作品外レスは自分が読み手だったらどう感じるか、って常に考えたがいいかもです。

ただ、こういう流れになると今まで書いてくれてた他の方も投下ためらっちゃうと思うんで
もうちょっと他に言い様がなかったかなと>>692
700名無しさん@ピンキー:05/02/11 17:20:44 ID:Rd+8165I
>>699
ハゲドゥ
投下したい時に好きなように投下して欲しいし、
別に確認はいらないよ。コテハンでコンスタンスに
投下している神がいるスレもあるんで、コテハンか
否かは別にどうも思わない。



701名無しさん@ピンキー:05/02/12 00:28:48 ID:B00iJJsR
そこまで言ってやらんでもと思った。
待ってる人もいるので戻ってきてほしいな。
702名無しさん@ピンキー:05/02/12 00:57:31 ID:YSghoB9/
まぁ、誘いうけ以外にも自分語り・なりきりしてれば
さすがにウザいわなw

たくさん書けばいいってもんじゃなし、好きにすればいい
703名無しさん@ピンキー:05/02/12 11:28:06 ID:FFA1pA0v
>>692が言わなかったら同じ事自分が書いてたかもだ。
これまでだって遠まわしに注意入ってたのに
本人気づいてなかったもんね。
作品どうこうは思っちゃいないが、他に言い様ないな。
704名無しさん@ピンキー:05/02/12 13:04:43 ID:cQbJcgUF
言わずに、そっとNG登録すれば良かったじゃん。
そのためのコテだろ?
文体だとか語り口だとか好みに合わないのは仕方ないよ。
プロじゃないし、万人の好みに合うわけない。
むしろ数字コテだと覚えにくいしNG登録しにくいじゃん、
他スレでも同じ数字が自動的にあぼーんされちゃうから。
自分はむしろ職人総コテ導入推奨だ。
気にくわない、好みじゃないコテはそっとあぼーんして、
好みなコテの好きっぽいネタだけ(*´Д`)ハァハァしたい。

ちなみに自分はちゅん氏は結構好きだ。
正直クドいとは思うけど、慣れたら癖になってきたw
投下待ってる人間もいるよ、気が向いたら帰っておいでな。
705名無しさん@ピンキー:05/02/12 13:16:51 ID:Qxwa3Pjk
まあよくある流れだよね、にちゃんでは。
浮かれる職人も、そっとNG登録出来ない読み手も
どっちもどっちってことで。

こういう流れになると作品投下しづらくなっちゃうからなあ。
あ、でも今467Kだって。
どうする、このまま雑談かなんかで480まで埋める?
706名無しさん@ピンキー:05/02/12 13:36:29 ID:FzG4LbMY
藻米等…ウザい職人も読み手もスルーという基本技をなぜ使わないのかと小一時間(ry
とりあえずこの板はハァハァしたもん勝ち。多少ウザくても笑えてハァハァしたから許す!!
707名無しさん@ピンキー:05/02/12 14:26:52 ID:8FapaMuX
新スレ立ててからも前スレに投下が続いてたしなあ。
480KB以上放置でdat落ち、500KBで書き込み不可だっけ?
今の流れじゃ投下しにくいと思うし、新スレ立ててこっちを雑談で埋めてってのは良いと思うけど、
誘導だけはきちっとしたほうがいいと思う。
708名無しさん@ピンキー:05/02/12 14:28:01 ID:USdXg6zy
>706に禿同、ハァハァできりゃそれでいいんだよ
結構コンスタントに投下されててよかったのにな
709名無しさん@ピンキー:05/02/12 16:02:29 ID:SZZ1Pagj
ここんとこ遥か3多いですね〜。
某、まだ未プレイなんで……(><)
誰かエトワールで投下した紅かなぁ〜。
710名無しさん@ピンキー:05/02/12 18:35:15 ID:FzG4LbMY
遙か3は萌えどころ多いからな…。
関係ないが、ヘタレ兄は寝所に銃持って入ってきそうな希ガス。エロい術詰めて……。
711名無しさん@ピンキー:05/02/12 18:42:19 ID:CHlldWF5
>710
どんなエロ術だよw
一人で笑いながら術詰めしてる兄上想像しちゃったじゃないか!
712名無しさん@ピンキー:05/02/12 18:49:22 ID:R6Iljuqe
>709
折角祭りが続いてるのに邪魔しないでよ
713名無しさん@ピンキー:05/02/12 18:50:29 ID:q4fp9ZwB
あっちの人は先生・白龍以外それなりの地位にいるから弁慶じゃなくても
比較的簡単にエロ薬手に入りそうだな
714名無しさん@ピンキー:05/02/12 19:03:58 ID:8FapaMuX
>712
コラコラ。
コルダも遙かもアンジェもカモォンщ(゚Д゚щ)
715名無しさん@ピンキー:05/02/12 20:20:48 ID:sX86rHQ2
>>712
最初に祭りを邪魔したのは>>692だろ?
716名無しさん@ピンキー:05/02/12 20:26:12 ID:8FapaMuX
遙か祭りを案やコルダで邪魔すんなといいたかったんだろ。
今は発売から間もないし、どうしたって遙か祭りになるけど、単独スレじゃないんだから。
遙か単独スレ立てても今の勢いが無くなったらすぐ落ちるだろうし。
717名無しさん@ピンキー:05/02/12 20:29:08 ID:FzG4LbMY
>>711
中身はあなたの心のな・か・で…。
絹紐が縛りに来る術とか、着物が勝手に体から離れる術とか、
逆に着物が勝手に体に貼り付いて蠢く術(ry

先生は鬼の秘薬とか持ってそうだが。
718名無しさん@ピンキー:05/02/12 21:24:41 ID:B00iJJsR
枕の下に銃入れてるのかゴルゴみたいと思ったら
エロい術かよ!
719名無しさん@ピンキー:05/02/12 22:14:05 ID:FzG4LbMY
「望美の寝所」へ…と書いた方が良かったかな?
兄上にゴルゴのような緊張感が似合うはずもないだろう…_| ̄|○モレホントニアニモエナノカ?
720名無しさん@ピンキー:05/02/12 22:31:40 ID:8FapaMuX
あの火縄銃のような長さのものを枕の下にガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル

望美の寝所に向かうにしろあんなでかいもんを堂々と持ち込む勇気があるのか兄上。
721名無しさん@ピンキー:05/02/13 00:02:59 ID:AO8f0DYC
そろそろ新スレたてない?
ごめん、私『このホストでは今立てれない』とかなんとか出ちゃって無理。
730あたりでどなたか頼みます。
722名無しさん@ピンキー:05/02/13 00:38:48 ID:VADUbyUJ
一月ちょいで新スレか。
やっぱ一番の起爆剤はソフト発売なんだね。
723名無しさん@ピンキー:05/02/13 03:18:23 ID:j41StWuT
とりあえず次スレでも、>>291の投下を待つことにします。
ヘタレテクニシャンな兄上と、不憫な譲に一粒で二度美味しく
禿萌えさせていただきますた(*´д`)ハァハァ

しかし、譲の気持ちに望美本人(と白龍?)以外全員気づいてるお約束は、
既にデフォなんだな…。
724名無しさん@ピンキー:05/02/13 08:04:51 ID:VADUbyUJ
兄貴も気づいてるもんなのかな?
725名無しさん@ピンキー:05/02/13 08:53:34 ID:4q70+ywP
気付いているがどうでもよさそうだ
726名無しさん@ピンキー:05/02/13 10:39:35 ID:/UuXbEje
恋愛事に疎い九郎や白龍はともかく
他の奴は嫌でもわかると思うが、あの譲の様子見てたら。

漏れも291さんの文章好きなので
また書いてくれないかなと待ってたりする。
でも他の神でも良いし、案やコルの神でも良かです。
とクレクレするだけしか出来ない己の文章力に鬱…
727名無しさん@ピンキー:05/02/13 12:29:26 ID:R36v744H
63さんの続きも気になっている。
728名無しさん@ピンキー:05/02/13 17:37:44 ID:VADUbyUJ
若作りだな……<シリンの中の人
729名無しさん@ピンキー:05/02/13 17:39:41 ID:VADUbyUJ
ごめん、本スレと誤爆
730sage:05/02/13 21:51:44 ID:CJr4zRZP
立てれん…テンプレこんなんでおK?
次 ス レ だ れ か た の む 。

【アンジェ】【遥か】【コルダ】ネオロマンスでエロ萌え4

アンジェリーク、遙かなる時空の中で、金色のコルダ
関連のエロ萌えスレです。

女王候補、神子、女子高生の皆様。
本業を忘れてあの方とのめくるめく一夜に(*´д`*)ハァハァしまくりましょう〜。

・雑談、なりきり、SSエロ萌え妄想なら何でもOK
(SS職人様ご降臨お待ちしております)
・マターリsage進行でお願いします。

前スレ
【アンジェ】【遥か】【コルダ】ネオロマンスでエロ萌え3 
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105293580/l50
過去スレ
【アンジェ】【遥か】【コルダ】ネロマンスでエロ萌え2
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098091822/

2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
731名無しさん@ピンキー:05/02/13 22:16:30 ID:ESa5ZbOk
じゃあスレ立てしてこよう。まっとれ。
732名無しさん@ピンキー:05/02/13 22:19:11 ID:ESa5ZbOk
(=゚ω゚)ノぃょぅ

【アンジェ】【遥か】【コルダ】ネオロマンスでエロ萌え4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108300670/

はい 立てた。じゃあ、漏れは去ります。
733光宙 ◆4upeeexzKc :05/02/17 16:11:49 ID:9BAg7Ej0
容量が余ってて落ちきれないと聞いたので、
次スレで話してた黒景時書いてきました。
黒というか病んでる感じになっちゃったので
そういう感じが嫌いな人は見なかったことにして下さい。
それでは投下します。
734黒景時×神子:05/02/17 16:12:35 ID:9BAg7Ej0
ねえ、オレは言ったよね?
オレは弱くてズルイ奴なんだよ、って。
君はオレに近づいちゃいけなかった。
君はあまりに綺麗で、眩しくて……
オレは、羽虫のようにふらふらと引き寄せられてしまう。
近付いて、焦がされて、触れられないのに欲しくて、ほしくて。
オレはズルくて汚いから、諦めるなんてできなかった。
どんな形でも、君が欲しくて。
だから、君はオレなんかに近づいちゃいけなかったのに……

とても簡単なことだよ?
幻影の君をさまよわせ、その隙に君をかどわかす。
後は幻影を海にでも飛び込ませればいい。
それだけで君という存在は、いないものになってしまう。
いないはずの君を閉じ込めて、オレだけのものにするのはもっと簡単だ。
結界を張った小さな社を幻影で隠して、その中に繋いでしまえばどうだい?
君は結界を越えられず、声も届かない。
いないはずの君を助けにくる者なんていない。
社が見えることもないから、偶然近付く者すらいない。
君はオレだけのものになるんだ。
なんて素敵なんだろう?
大丈夫、大切にするよ。オレは痛いのは嫌いだから。
大切に、大切に……
オレの、オレだけの、愛しい……

籠の鳥。
735黒景時×神子:05/02/17 16:13:41 ID:9BAg7Ej0
「何の冗談ですか……景時さん」
気の強い瞳。そんなところもいいね。
水晶をスミレで染めたみたいな澄んだ瞳がまっすぐにオレを見る。
射抜かれそうで、たまらない。
「冗談だと思うのかい?」
「冗談としか、思えません」
きっぱり言い切る君だけど、瞳は唇より正直で雄弁だね、ちょっと視線が揺らいでる。
思えない、じゃなくて思いたくない、だろう?
「オレってそんなに無害な奴に見えるのかい? だとすると嬉しいけど……買い被りだね」
意識して、困ったような笑顔を作る。
わかりやすく震えた君の身体に手を伸ばすと、身をよじって避けられた。
ダメだよ、そんなに頑張ったって無駄だ。
後ろ手に拘束され、立ち上がることもままならないのに逃げられると思うかい?
一歩間合いを詰めて、襟首を掴んで引き寄せる。
強引なその手に、脅えたように身を竦めた、そんな表情は初めてだね。
「怖がらなくても平気だよ、望美ちゃん。何も痛いことする訳じゃないから」
ニッコリ笑って言いながら、陣羽織の前紐を解く。
「や、景時さんっ……」
逃れようと身じろいでも、そんなの抵抗のうちにも入らない。
細い帯紐もしゅるりと引き抜くと、緩んだ袷から胸の谷間が覗く。
「可愛いよ、望美ちゃん……大丈夫」
ゆっくりと、板張りの床に押し倒す。
暗い色の上にふわりと広がった、君の菖蒲色の長い髪。
「綺麗だ……すごく綺麗だよ、望美ちゃん。大丈夫だから……じっとしていて」
736黒景時×神子:05/02/17 16:14:40 ID:9BAg7Ej0
額に、目尻に、頬に、口づけを降らせながら着物の袷を大きく開く。
「や! やめてっ……景時さん!」
身体を捻って逃れようとするけれど、腿辺りに跨がったオレをはねのけるなんて無理。
白いスカートがひらひらと舞って、むしろ誘っているみたいだ。
「やめないよ……だからじっとして。痛いのは嫌いなんだ、オレ」
視線を合わせて言うと、君の表情は辛そうに歪んだ。
おかしいよ……景時さん、こんなのダメだよ……
小さく呟いた君だけど、それは違う。
オレはもともとこんなことが出来る奴だったから、
オレに近づいちゃいけないって言ったんだし、こうすることはダメじゃないよ。
オレが、君を失わないには、これしかなかった。
君を殺すって命令に反することは出来なかったし、君に惹かれてたのはオレだけじゃない。
死なせずに、君をオレの、オレだけのものにしたかった。
そのためには、オレにはこれしか思い付かなかったんだ。
だけど、それは言わない。
欲しいのは同情でも、引け目を感じるが故の諦めでもないから。
オレはただ君が愛しくて愛しくて、こうしてしまったんだと思われていたほうがいい。
「望美ちゃん……」
深く、ゆっくりとくちづける。戸惑う唇の隙間から舌を差し込んで、搦め捕る。
歯列の裏側をなぞり、上あごをくすぐって、きつく吸い上げて……
ああ、君は優しいね。君が逃れる唯一の手段はここにしかないのに。
オレの命を楔として施した呪法が、この社を隠してる。
手を封じられた君が逃れようと思うなら、オレの舌を噛むしかないんだ。
さらわれて、縛られて、今まさに犯されようとしていても殺すまでの抵抗は出来ない、優しい君。
オレは君の優しさに付け込んで君を奪う。
737黒景時×神子:05/02/17 16:15:34 ID:9BAg7Ej0
くちづけたまま、掌を胸に触れさせる。
手の平にすっぽり収まる可愛い乳房、その頂きは柔らかく撫で、弄ぶうちに固く立ち上がり始める。
くちづけを離し、それに吸い付くと涙声がもれた。
「っや……景時さ……やめ、んっ」
浮かんだ涙を、君自身の声と身体が裏切る。
甘くとけた声、存在を主張する乳首は君が快感を得てしまった何よりの証拠。
まだ触れていない側の胸まで、触れられるのを待つようにぴんと張り詰めて震えている。
口に含んだそれを転がすのと同時に、
反対側も親指の腹で押し潰すようにすると、背筋が弓なりに反って、小さな悲鳴。
だけどその声は甘くて……
「可愛い……可愛いよ、望美ちゃん……」
囁いて、指を下に伸ばした。
短いスカートの中には隠微な熱が篭り、ぴたりと閉じられた腿が侵入を拒む。
だけど、跨がった腿から降りながら膝を持ち上げると、
たやすく上がった膝を割るのは児戯にも等しい。
「いや、やめて……」
開いた膝の間に身を置いて、
まさに触れようとしたオレに君はつぶやくけれど、ひとつ覚えておいた方がいいね。
甘い涙声は、制止よりも煽る方に働いてしまうってことを。
738黒景時×神子:05/02/17 16:16:27 ID:9BAg7Ej0
下着の薄い生地はすでに湧き出した蜜でしっとりと濡れて、
内側を微かに透けさせてしまっていた。
ほとんど役には立たなくなっているそれをゆっくりとずり下ろし、膝裏を押し上げて引き抜く。
「……や……もう、こんな……」
ぽろりと零れた君の涙が菖蒲色の髪に染みる。
だけどダメ、もうここまで来たら止まらないよ?
泉の入り口を指でなぞると、か細くも確かに甘い声が漏れる。
初めてじゃないね? それは妬ましいけど……今、痛みを感じさせずにすむのは良かった。
もうぬるぬるの入り口に中指を沈ませると、息を呑んだ君の熱い内壁にぎゅっと絞られる。
ゆっくりと掻き混ぜて、人差し指も添えて突き入れると甘い溜め息。
「望美ちゃん……気持ちいい?」
「かげ、ときさん……も、や……」
涙を浮かべた君の言葉の真意は止めて欲しい、だったのだろうけど、
オレはわざと続きをねだる台詞と曲解する。
「いいよ、オレも……君が欲しい」
覆いかぶさって囁くと、全身がびくりと強張った。
だけど納めたままの指をぐるりと回し、
芯芽に添えた親指でそれを押し潰すと喘ぎとともに力が抜ける。
その隙を逃さず、指を引き抜くと入れ違いに侵入する。
739黒景時×神子:05/02/17 16:17:47 ID:9BAg7Ej0
「っ、あぁ……!」
高く抜ける嬌声。
それに比べれば細い指にさえ絡み付いた内壁はねっとりと絡み、オレは息を呑んだ。
ただこうしているだけでも、達してしまいそうになる。
「すごいよ、望美ちゃん……」
囁く声が上ずる。そのままたまらずに突き上げた。
「っあ! あ!」
望美ちゃんも敏感に反応をくれる。
たまらない。
縛った腕が下にあるせいで、
突き出す姿勢になっている乳房に吸い付きながら、さらに突き上げた。
「ぁ、や、だめ、だめッ……ぁあ、あ!」
振り乱す君の髪が床でぱさぱさと音を立てる。
きつく、きつく絞り上げられるオレの限界も近付く。
「望美ちゃん……一緒に、ね……」
「っふ、あ、あ、や、やっ……ぁあっ!」
最奥の壁を突き上げると達した君に絞り取られるように、一番奥で弾けた。
どくどくと溢れる間、きつく君を抱きしめる。
好きだよ、オレは、君が好きだ。
誰にも渡さない、見せるのすら嫌なんだ。
愛しくてたまらない。
だから、だからずっと……
このまま、オレだけの君でいて。
オレの、愛しい……

籠の、鳥。
740光宙 ◆4upeeexzKc :05/02/17 16:19:41 ID:9BAg7Ej0
以上です。コレで480KBクリアしたと思うんですが……
黒くて強引な景時のつもりが、
何で病んで強引な景時になってしまったのか
小一時間自分を問いつめてきます。
お好みに合わない方にはすみませんでした。
741名無しさん@ピンキー:05/02/17 18:15:43 ID:g4GgA5lB
>>光宙 ◆4upeeexzKc 神子
GJ!!
いや〜、萌え萌えです〜。
求めすぎて病んでいくシチュは激ツボ。
もう眩暈しちゃったさ。マジ萌えました!
742名無しさん@ピンキー
病んでる兄上もイイ!