.hackのエロパロ Vol.7

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38618Rの鷹:2005/07/15(金) 20:54:06 ID:/AriGxnn

 なんでだろう、どちらもが口を閉ざしたまま歩いた。重苦しい空気に耐えるのは、かなりつらい。
 といって、話をしようにも話題の持ち合わせはなかった。黙ったまま、ただ歩き続けていた。そうこうしているうちに、いつの間にか大さん橋に着いてしまった。
 巨船の甲板を思わせる板張りを、なぜか急ぎ足で歩き、ついに突端まできた。
「風が冷たくって、気持ちいい」
 髪を潮風に泳がせながら、なつめがつぶやく。でも、言葉とはうらはらに表情に翳りがさしているのを、ぼくは見逃さなかった。
「ねぇ、なつめ。なにか心配ごとでもあるの?」
 手すりに両手を乗せ、顔だけなつめのほうに向けて核心をずばりと突いてみた。
「えっ? ぃぇ…、その」
 なつめは口ごもって目を伏せてしまう。
(やっぱり…、ぼくとの関係で悩んでいるんだろうな…)
 かける言葉も見当たらない。話を振っておきながら、ぼくは途方に暮れた。
「写真、絶対だれにも見せません。だから…、だから、きょうはいっぱい写真、撮らせてください」
 いきなり、なつめが一途な目で訴えてくる。ぼくは心の中で息を吐いた。
(なんだ、そんなことを気にしてたのか…)
「もちろん、いいよ。きょうはさ、めいっぱいなつめに付き合うよ」
 ニッコリ笑って答えた。うれしそうな笑顔が返ってくる。
「カイトさんもいります? 写真」
 それは持っているわけにはいけないもの。
「ぼくは、心のアルバムに張っておくよ」
 なつめの表情はみるみる曇っていった。
「…ですよね。ばかですよね、わたし、調子に乗って。わかっているのに…。わかりきっているのに…」
 また2人の間を沈黙が支配した。真摯な目をぼくに向けてなつめが話す。
「わたし、自分の気持ちを確かめたかったんです」
「え…っと。よく、わかんない…」
 また沈黙。なつめは話そうかどうしようか、迷っているようだ。
 少したって、なつめが打ち明け始めた。
「…夏休みに、図書館で男の人に話しかけられたんです…」
 うなずく。ただそれだけの単純な動作なのに、なぜかぎこちない動きになってしまった。
387名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 00:18:14 ID:mid7Bjbx
そういや、まとめの更新まだ?
388名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 04:05:35 ID:H8/cKbFQ
渡会さんだ〜。
389名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 08:03:18 ID:JulztHMw
カイト!なつめを現地妻にしてしまえ!
390tatibana:2005/07/16(土) 14:05:27 ID:xOdHBtDf
>>387

なんか、ログさえ残ってれば別に俺がまとめてもいいけどヽ(;´Д`)ノ ログがないんだよなー。
391名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 17:07:32 ID:h66uTcSK
>>390
期待してます

ttp://www.kr4.net/lite/
ファイル番号 6710
パス      .hack
392名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 18:27:58 ID:h66uTcSK
忘れてた
>>391>>152からが氏の作品
39318Rの鷹:2005/07/16(土) 20:26:18 ID:wgIQmoG4
>>386の続き

「大学院生。学生証、見せてくれました。あやしいものじゃない、って言って。すごくまじめな人なんです。身なりも、話し方も」
「ふぅ〜ん。そうなんだ」
 その人とどうかなったんだろうか。話を急かしたい気持ちをぐっと押さえ込み、なるべく平静を装って相槌を打つ。
「わたし、ほとんど毎日、図書館に行ってて…。その人も、毎日きていたので、いつからか、あいさつするようになっていたんです」
「うん」
「夏休みの最後の日です。喫茶室に誘われて『もう会えなくなっちゃうのかな。できれば図書館ではないところで会いたい』って、言われたんです」
「うん。…それで、なつめはなんて答えたの」
「はい。…い、いえ、いまのはカイトさんへの返事です!」
 変にうろたえるなつめ。続けて、
「お断りしました。でも、はっきりと言えなかったみたいで…。その人、ちょっと思い違いしちゃったみたいで…。携帯電話のナンバーとメールアドレス、渡されたんです」
 そこまで聞いて、ぼくには変な感情が湧き起こっていた。いや違う、変な、ではない。自分勝手な感情だ。嫉妬、ジェラシー、だった。
(なんか、おもしろくない。なつめは、ぼくが好きなんじゃないの!?)
 思いが顔に出る。なつめがぼくの表情の変化に気づく。涙をいっぱいにたたえた瞳をぼくに向け、
「ごめんなさい! わたし、わたしは…カイトさんが好き!」
 涙が頬を伝ってあごでたまり、重力に耐えきれず落ちた。
「いや…、その…、あの…、ごめん。なつめ、泣かないで、お願い」
 なつめはぼくのお願いを聞いてくれなかった。胸に飛び込んでくると、周囲を気にもせずに泣いた。
「ごめん…なさ…い。ごめんなさい」
 嗚咽に混じって聞こえてくるなつめの言葉。ぼくにできることは、そっと抱きしめることだけ。
 きょろきょろするわけにはいけない。目だけ動かして周囲をうかがう。
(なんか…、だれも見ていないなぁ)
 安心するより拍子抜けだ。しかし、きょうは休日で、ここは横浜赤レンガ倉庫。恋人たちが集う場だ。
(そっか。みんな、自分たちだけの世界に入っているんだ)
 ほっとしたぼくは、なつめの気がすむまで抱擁を続けることにした。
39418Rの鷹:2005/07/17(日) 00:34:03 ID:1euCY0mz

 しばらくして、なつめは静かにぼくから離れた。
「落ち着いた?」
 ぼくの問いに、なつめは言葉ではなく、うなずくことで答えた。それから顔を上げたなつめの目は泣き腫らして真っ赤になっていた。
「なにか、飲んでいかない?」
 目のことには触れずに誘う。返事はまた聞かれず、なつめはこくんと小さく顔を下げた。
 少し戻ってカフェに入る。実際、喉はからからだった。席に着くと横浜の名所が一望できた。2年前の大火災の傷跡は、そんなことがあったなんて信じられないほど、すっかり癒えている。
 なつめが遠くの景色をじっと見ている。徐々に表情から緊張が抜けていくのが読み取れた。
「素敵…」
 つぶやくなつめ。
「いいところだね。きてよかった。なつめ、ありがとう」
 素直な気持ちでお礼が言えた。でも、考えていたのは、
(今度は晶良さんときたいなぁ)
 だった。ふと、自分がひどい男に思えてきた。動揺しかけたところで、ウエイトレスさんがオーダーを取りにきてくれ、ほっとする。
「アイスコーヒーを」
「わたしは紅茶、オレンジペコをください」
 飲みものがくるまで、どちらも話せないでいた。ぼくは運ばれたアイスコーヒーにガムシロップとミルクを入れ、ストローを使わず半分ほどを一気に飲んだ。
 なつめが頼んだ紅茶は少し遅れて運ばれてきた。カップにティーサーバーからオレンジペコを注ぎ、ミルクと砂糖を入れて、ゆっくりとスプーンを回しながら、なつめは本当にすまなそうに話した。
「取り乱して、すみませんでした」
「そんな。ぼくこそ、ごめん」
「カイトさんは謝らないで、ください」
 なつめはまた目を伏せ、声を震わせる。
「あ、あのさ。きょうは笑っていようよ、ぼくも、なつめも。そのほうがずっと楽しいよ」
「はい!」
 無理に笑いをつくり明るい声を絞り出すなつめがとてもいじらしい。
395tatibana:2005/07/17(日) 01:35:28 ID:YuUVgTPc
>>392 ありです。

http://www4.atwiki.jp/yukiusa/ に作ってますので少々お待ちを
39618Rの鷹:2005/07/18(月) 18:11:04 ID:bElASibj

 喉の渇きもおさまり、歩き疲れもすっかり回復した。穏やかに会話したせいか、なつめの目もだいぶ平常に戻ってきた。
「ねぇ、なつめ。そろそろ出ようか」
「はい。次に行くところでお昼にしましょう」
「やったぁ。そう聞いたら、なんかお腹がすいてきた」
「でも、あと30分くらい歩いてからなんです」
 申し訳なさそうに言うなつめ。ぼくは自分に笑顔、笑顔と言い聞かせて、
「だいじょぶ。なつめのお弁当、食べられるなら、30分くらいへーきだよ」
 ニッコリ笑って強がってみせた。
 カフェを出て、大さん橋をバックに写真を撮った。近くにいたカップルの男のほうにシャッターを押してもらい、それからぼくがカメラを受け取ってなつめを写した。
 手をつないで歩く。途中、「山下公園」という道標を見て、そこが目的地かなと思ったが、どうやら違うようだった。
「まだ先です。ごめんなさい」
「謝っちゃダメだよ、なつめ。笑顔、笑顔」
「あ、はい。もう少しですからね、お腹すいたでしょうけど、我慢してくださいね」
 なつめはぼくのお腹におずおずと手を伸ばし、円を描くようにさすってくる。その途端、ぐぅ〜っ。
「やだっ、カイトさん。無理にそんな音出さなくても、私、楽しいですよ」
「ち、違うよ。わざとなんて出せないって。ほんとにお腹すいてるんだってばっ」
 真剣に釈明するぼくを見て、なつめはくすくすと笑っている。
 なつめの笑顔を見ていれば、空腹なんてそれほど気にならない。上り坂はだらだらと続いていたが、足どりは不思議なくらい軽かった。
「港の見える丘公園、っていうんだ、ここ」
 公園の入り口の前で、ぼくはなつめに話しかけた。なつめは少し息が苦しそうだ。
「だいじょうぶ? 落ち着くまで少しじっとしていよう」
「はい。ありがとうございます」
 なつめはゆっくりと深呼吸を繰り返している。
「運動不足だよ、なつめ。図書館にばっかこもってちゃだめだよ。たまには外の空気も吸わなきゃ」
 冗談めかして笑顔で言う。なつめは小さく舌を出して拳を握りしめ、ぼくをまっすぐに見て答える。
「ほんとにそうですね。体、鍛えなくっちゃ。よ〜し、来週からウオーキング、頑張るぞぉ〜」
39718Rの鷹:2005/07/19(火) 20:00:21 ID:lb76Cmcy

「その話し方、なつかしい」
 目を細めて言うと、なつめも気がついたようで、
「えへへ。でも…、やっぱり、わたしには運動って向いてない気がする…」
「そんなことないよ。最初っから無理するんで長続きしないだけだよ。ゆっくり、自分のペースで、ね」
「はい。なんか、できそうな気がしてきました。だけど、まだ心臓がドキドキいってるんですよ。ほら」
 なつめがぼくの左手をとって自分の左胸にあてる。思わず指を曲げてしまい、心臓の鼓動をさらに速くしてしまった。なつめははっとして、
「いけない。わたしったら…、恥ずかしい」
 両手を胸の前にもっていき、後ろを向いてしまった。ぼくは目の前に左の掌をかざし、わけもなく指を曲げ伸ばしする。
(したい気持ちって、お腹すいてるときのほうが強い気がする…)
 などと考えていた。その時、なつめが笑顔で振り返り、
「さあ、行きましょう。お昼にしましょう」
 ぼくの手をとり、引っ張るようにして公園に入っていくなつめ。そんな行動をとるなつめが、とてもいとおしく思えた。
 展望台に着く。ベイブリッジが白鳥の翼を広げている。立ち止まり息を飲んで見てしまう。
「…本当はここで食べたかったんですけど、人が多すぎますね。ほかに行ってみましょう」
 なつめは残念そうに話す。
「うん。でも、すっごくいい眺め。食べ終わったら、またここにこよう」
 ぼくがそう言うと、なつめは心の底から喜んだ顔を見せてくれた。
 ひとつ空いたベンチで、なつめがバッグからお弁当を出している。ぼくは黙ってそれを見詰めている。
「きょうはおむすびにしてみました。おかずもいっぱいつくっちゃいました。カイトさんのお口に合うといいんですけど」
 言葉とは違って、なつめの口調は自信にあふれている。こと料理に関しては、どこかのだれかさんと違って疑う余地などない。
「わぁ〜」
 包みを開くと、俵型のおにぎりが5つ。形も大きさもそろったおにぎりがきれいに収まっている。海苔を巻いたの、ごま塩を振ってあるの、のりたまがかけてあるの、見ているだけで食欲が倍加する。
 ごくりとつばを飲み込み、ぼくは猛烈な勢いでおにぎりに手を伸ばした。
「いっただきまぁ〜す!」
39818Rの鷹:2005/07/21(木) 00:20:26 ID:MfpmrGgj

 おかずの入ったランチボックスを用意しながら、なつめは母親みたいな笑みを浮かべて言う。
「そんなに慌てなくても、まだまだいっぱいありますからね」
 両手に一つずつおむすびを持ち、どちらも2口で平らげる。喉に詰まらせると、すかさず
「はい」
 と言って、なつめが水筒から冷えたお茶を注いで渡してくれた。ごくごくと一気に飲み干し、
「ありがとう」
 と言って微笑む。なつめはうれしそうに、
「おかずも食べてくださいね」
 と勧めてくる。味がどうかなんて聞いてこない。それはぼくの食べっぷりを見れば明らかだったから。
 ランチボックスをのぞき込む。トリカラ、卵焼き、ハンバーグ…。どこかで見たような、リクエストしたような料理が行儀よく並んでいる。
「おいっしぃ〜」
 ハンバーグを頬張り、おにぎりと一緒に飲み込んで、ぼくは目を見開いて言う。うれしそうななつめ。
「カイトさんの食べっぷりを見てたら、なんか、わたしもお腹すいてきちゃいました」
 そう言ってなつめは、おむすびの入った包みを2つ開け、一つをぼくの前に置いて、もう一つから海苔を巻いたおむすびをつまんで食べる。
「この卵焼き、すっごくおいしい! ケチャップなんていらないや」
 なつめはケチャップと聞き、不思議そうに首を傾げている。ごまかすようにトリカラを口に運ぶ。
「くぅ〜、この味付け。最っ高〜!」
 続けて3つ、ぺろりと平らげた。しゃべる間も惜しんで、ぼくは一心不乱に食べた。
「ふぅ〜。おいしかったぁ。ごちそうさま」
 残さず食べつくし、冷たいお茶を飲み干す。ふくらんだお腹を撫でながら、ぼくはなつめに向かって笑顔で言った。なつめは満足そうな笑みをこぼしながら、
「よかった。あんなにおいしそうに食べてもらえると、お弁当つくってきてよかったって思えます」
「なつめはきっといい奥さんになるよ」
 満腹で気が緩みまくっていたせいか、地雷原に足を踏み入れるような軽口をたたいてしまった。それに気がついてドキリとするが、なつめは素直に言葉に反応し、
「そんなぁ…」
 と言って、両頬に両の掌をあてて照れている。
 なつめが後片付けを終えるのを待って誘う。
「じゃあ、さっきの展望台に行ってみようよ」
39918Rの鷹:2005/07/22(金) 03:49:51 ID:FvnonMfD

 展望台ではたくさん写真を撮った。フォトグラファーになったりモデルになったりを繰り返すなつめ。息を切らせて、それでも楽しそうに動きまわっていた。
 36枚撮りのフィルムをすべて撮影したのを機に、ぼくたちはベンチに座って一休みすることにした。
「ほんとは夜、きたかったんです、ここ」
「どーして?」
「夜景がすっごく素敵だって、ホームページで見たんです」
「昼間でもこんなにきれいな眺めなのに、夜はもっとすごいんだ?」
「はい。でも、高校生では夜遊びなんてできませんから、仕方ないです」
 そう言いつつも、なつめはきょうのデートに満足しているようで、穏やかな笑顔をぼくに向けてくる。
 日は短くなったとはいえ、まだ時間はある。
「ねぇ、なつめ。次はどこに連れて行ってくれるの?」
 横浜にはまだまだたくさんのデートスポットがあるはず。期待に目を輝かして、ぼくは聞いた。
「…」
 答えはすぐに返ってこなかった。
(息はとっくに戻っているはずなのに、変だな。どうしたんだろう?)
「…2人きりになりたい…」
「えっ? っとぉ」
「ここからは、カイトさんがエスコートしてください」
 声は小さいが、なつめはしっかりした口調で要求してくる。
(やっぱり…、こうなるんだ…。夕べ、ネットで調べといてよかった…のかな?)
 なつめを抱きたかった。
 デートのお礼に相手の望むことをする、それは悪いことなの? いけないことなの?
 言い訳を繰り返すたび、脳裏に浮かぶのは晶良の笑顔だった。
 必死になって戦う。一生懸命、自分と戦う。八相と戦ったとき以上の労力をはらって戦った。
 勝負の行方は──、自明だ。
「ぼくも、なつめと2人きりになりたい。なつめを抱きたい」
 なつめの目をしっかりと見すえて言う。余裕なんて、これっぽっちもありはしない。潤んだ瞳をぼくに向け、その瞳をまぶたが静かに覆って、なつめの返事が、なぜか遠くに聞こえた。
「はい。どこへでも、あなたが望むところに、連れて行って」
 なつめの手をきつく握って、ぼくは無言で歩きだした。
400名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 06:00:36 ID:1qWho2lA
このスレがその機能を停止するまで
あと 60 KB
401名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 17:21:56 ID:xVU/5b7l
>>395
乙!楽しみにしてるよ
40218Rの鷹:2005/07/22(金) 21:02:43 ID:FvnonMfD

「あ…っ、あっ…、…あっ…、く…ぅん」
 なにも特別なことはしていない。柔らかい、それでいて火照った肌に唇を押し付けるだけで、なつめはこらえきれないといった感じの熱い吐息を漏らし続けた。
 日が傾きだしたころに入ったホテル。部屋のドアが閉まると同時に、ぼくはなつめをきつく、きつく抱きしめ、唇を、口内をむさぼった。服の上から胸を揉みしだいた。
 濃厚なキスですっかり上気したなつめの柔肌を楽しむ。立たせたまま、頬に、耳朶に、首筋に、唇を押しつける。吸ったり、舌を這わせたりは、まだしない。それは、ベッドの上で全裸で絡みながら、と決めていた。
 カーディガンのボタンをゆっくりと外していく。
「…あぁ…、あ…あのぉ…、ここで…脱がすんですか?」
 頬の色を濃くしながら、恥ずかしげに声を振り絞ってなつめが聞いてくる。
「我慢できない。なつめが欲しい」
 言葉で愛撫する。本心は、どのタイミングで、なつめをベッドまで抱いていくか考えていた。
 しかし、ぼくの言葉になつめは想像以上の反応を示す。
「抱いてっ! 好きっ! だから…あなたの好きなように、わたしを抱いてっ!」
 普段のなつめからは考えられないほど、情熱的に飛びついてくる。ぶつけるように唇を合わせ、積極的に舌を入れてくる。
「ん…んんっ…」
 目の前にはなつめの顔。腕に力を込めて引き寄せ体を密着させる。同時に、入ってきたなつめの舌を思いきり吸い込んだ。
「ぢゅぅうぅぅっ」
 すき間から空気が入り込み、いやらしい音をたてた。なつめは目をぎゅっと閉じ、時折眉間を寄せて苦悶を表しぼくの行為に耐えている。
「ん゛…、ん──っ」
 なつめの小さな掌がぼくの背中をつかみ、それで苦しがっているのがわかった。舌を吸い込む力を弱めるが、なつめは放心してしまって舌はぼくの口内にとどまっている。
 顔を少し横にして唇をすぼめ、ゆっくりと顔を前後に動かす。なつめの舌を唇に強弱をつけて愛撫。
「ぁ…ふぅ…、んっ、ん──、ぅぅん」
 せつなげな息が漏れるごとに、なつめの唾液がこぼれ出た。なつめの舌を解放してやり、ぼくは丁寧に顔をつたう唾液を嘗めとっていった。
403名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:54:41 ID:oUvZwkWo
おー、今回もようやく「むさぼり」に入りましたなー。

エロいっすよー。
40418Rの鷹:2005/07/24(日) 18:43:36 ID:FvWkXE12

「…はぁ…、…はぁ…、ぁぁぁ…、あぁ…、わたし…、しあわせ」
 なつめの両頬に軽くキスをすると、なつめは目をとろんとさせてそうつぶやいた。
(そろそろ、ベッドに行こう。ここで立ったまま後ろからじゃ、なつめにはかわいそうだよね)
 ぼくはもう一度キスをして、なつめの唇を、舌を、口内を味わった。
「続きはベッドで、ね」
 目をじっと見つめてやさしく言うと、なつめは目じりを下げて、こくんとうなずいた。
 抱きかかえて、しっかりとした足どりでベッドルームを目指す。なつめはぼくの胸に顔をぴったりつけて、なにも言わない。
 ベッドになつめを横たえ、ぼくは着衣を脱いでいく。それを見ているなつめに気付き、
「そんなに見つめられると、なんか、恥ずかしいや」
 照れ笑いしながら言うと、
「ふふ。カイトさん、かわいい」
 と、いつものなつめらしくない言い方をする。これから自分がされることは、そんなことで恥ずかしがってはいられないのは間違いないが。
 パンツ一丁になって、なつめに覆いかぶさる。控えめに開かれた唇を素通りし、ぼくは閉じられたまぶたに唇を落とした。なつめの両手がぼくの腕をつかむ。
「ぁぁあ…、気持ち…いい…です」
 左右のまぶたに、チュっチュっと音をたててキスをする。それからぼくは、欲望に忠実にリクエストをした。
「ねぇ、なつめ。眼鏡、もってる? 眼鏡をしたなつめが…」
 なつめは黙って体を起こして言った。
「あの…、バッグを取ってください」
 ぼくは立ち上がり、ドアのところに置きっぱなしにしたバッグを取ってきた。それをなつめに渡すと、なつまは眼鏡ケースを取り出し、ふたを開けて眼鏡をかけた。
「これで、いいんですか。わたし、眼鏡かけるとかわいくないって、自分では思うんですけど…」
 なつめは自信なさげにうつむいてしまう。ぼくは微笑みながら、思いを込めて言う。
「かわいい。とてもかわいいよ、なつめ」
「ほんとに? ほんとですか、カイトさん」
「うん。ほんとうだよ。見てごらん、ほら」
 ぼくは腰を前に突き出す。怒張したムスコがパンツを押し上げているのが、はっきりわかる。

 なつめはその部分を凝視したまま動けなくなってしまっているようだ。
「なつめがかわいいから、だよ。なつめをほしがっている」
 ぼくを見上げて、なつめが言う。
「抱いて、抱いてください」
 近寄って唇を吸い、体重をゆっくりとかけて、なつめを横にする。間近で見る眼鏡をかけたなつめに、たまらなく興奮してくる。
 ディープキスには移行せず、一度体を起こしてなつめの服を脱がすことにする。ボタンの外れたカーディガンを脱がし、ブラウスのボタンをゆっくり丁寧に外していく。
 腕をそっとつかんで袖を抜き、ブラウスも脱がせた。なつめはされるがままだ。
 なつめの背中に手を潜り込ませてブラのホックを解き、そのままブラを取りさった。
「あぁ…」
 胸を隠そうとする腕をつかむと、なつめは恥じらいの吐息を漏らした。
「かわいいよ、なつめ。もっとよく見せて」
「あぁ、恥ずかしい、です」
 腕を放すと、なつめは胸を隠してしまう。ちらちらとのぞく乳首がそそる。すぐにでもしゃぶりつきたくなる。そんな気持ちをぐっと押さえ込み、スカートに手を伸ばした。
「…ん、ぅぅん」
 思わず身をよじるなつめ。そんな反応もいじらしく思えるし、欲望に火をつけもする。
 自分でも驚くほど慣れた手つきでロングスカートを剥ぎ取ることができた。もちろん、なつめが恥ずかしがりながらも、お尻を浮かせてくれたせいもあった。
 ソックスを右、左と脱がし、小さい足の甲に軽く唇をつけた。びくっとするなつめ。
 寄り道はそれだけだった。パンティに左右の手の指をかけ、一気に引き下ろす。
「あっ、ぃやっ…、ぃぇ、ぁぁ、は…、はずか…しい…ですぅ」
 全裸になったなつめを見下ろす。眼鏡をすると中学生くらいにしか見えない顔、白く細い首、手にすっぽり収まる大きさながら弾力にあふれていそうなおっぱい、無駄な脂肪などいっさいないお腹。
 そこまで見てきて、ごくりとつばを飲み込む。アソコを覆っている柔毛は申し訳程度の薄さだ。ボリュームはないけど丸みがきれいな腰まわり、スリムな脚は乱暴に扱うと折れてしまいそうだ。
 頭のてっぺんからつま先まで、じっくり嘗めまわすように見つくすと、ぼくはパンツを脱いで全裸になった。ムスコがお腹にくっつきそうなくらい勃起している。
405名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 15:06:17 ID:Bp5kGY5R
勇者様だんだん手慣れて来てるw
40618Rの鷹:2005/07/25(月) 19:49:50 ID:JjJvYUqr

 なつめとのこの日最初のセックスは、ただ自分の欲望をぶつけようと考えていた。ただし、なつめの嫌がること、痛がることはしないと心に決めていた。恥ずかしがることは大いにしようと思っていたが…。
 左膝をなつめの両足の間に割り込ませ、それから体を合わせる。もちろん体重をかけるなんてことはしない。しっかり肘で自分の体重を支え、適度な密着感をなつめに与えた。
「あぁ…、あなたと抱き合える…。わたし、もう死んでもいい…」
 ぼくの背中に両腕をまわし、しがみついてくるなつめ。
(死にたくないって思えるほど、なつめを感じさせてあげるよ。ぼく、頑張っちゃう)
 髪を撫でながら、そっと唇を重ねていく。待ちきれない、といったふうに唇を開き、ぼくの舌を迎えいれるなつめ。じっくりとねぶる。ぼくの舌が、唇が動くたび、背中にまわされたなつめの手に力が入る。
 キスを中断し、ぼくの右手はなつめの左手をそっとつかみ、指を絡めてベッドに押しつける。そうしてから、ぼくはギリギリの言葉を口にした。
「離したくない」
 愛してる、とは断じて言えない。愛しているのは晶良だけだ。好きだ、と言ってしまうのは簡単だが、言えない。LIKEもLOVEも、日本語にすればどちらも「好き」だからだ。
「うれしい」
 なつめは目を閉じて、ぼくの言葉をかみしめている。
 静から動へ。ぼくは荒々しくなつめに性欲をぶつけることにした。
「あっ!」
 左手をおっぱいにあてがい、ゆっくりと揉んでいく。たまに指で乳首をはさんであげると、なつめの1オクターブ上がった声がよく響いた。
「あっ、んっ…、くふぅっ」
 横を向いたなつめの耳を唇ではさみ込み、舌を這わせ、甘噛みする。熱い息を吹きかける。
「ぅぅん、くぅん…、ぅん…ぅ〜ん」
 左手の指は乳首に狙いを定め、つまみあげるように愛撫を繰り返す。右の乳首だけ次第に硬さを増していく。
「はっ! はぅっ…あぅぅっ、く…ぅ…」
 素直にぼくのすることに反応するなつめがかわいく思える。愛撫の仕方によって変わる喘ぎの発音、大きさ、トーンをじっくりと楽しむ。
 首筋に唾液をすりつけ、それを皮膚ごと吸い込むようにする。うっすらと痕がついてしまうが、それを心配するより、もっと強く吸ってキスマークを刻みたい欲求を押さえ込むのに苦労する。

「ぁあ───っ、…あっ! …あっ! …く…ふぅぅ…、あっ!」
 左の乳首を口に含む。右の乳首は勃起しきって、ぼくの左手は乳房をもてあそぶのに夢中だ。
「ぅふうぅ…、あっあっあっあっあっ、あ─────っ! あっあっあっ、あ───っ!」
 舌と唇を駆使して乳首を攻めると、なつめはのけぞって喘ぎ続けた。
「気持ちいい? …ねぇ、なつめ。ほんとに、死んじゃってもいい? いいの?」
 セックスを中断し、なつめの目を眼鏡越しにじっと見つめて、ぼくは聞いた。なつめが答えられる状態になるまで、しばらく時間がかかった。
「…、いや、…です。…、いやっ! 死んでもいいなんて、うそっ。…ずっと、カイトさんと抱きあっていたいです。なんどでも、いつまでも…」
 涙をにじませて訴えるなつめにひるんでしまう。
 言葉の愛撫のつもりだった。いやらしいこと、いっぱいしてっ、と言わせたかった。でも、それは自分に、自分だけに都合のいい考えだと、遅まきながら気が付いた。
「ご…ごめん」
 目をそらし、なぜかわからなかったけれど、なつめに謝っていた。なつめは涙声を深くして、
「ぃ…、ぃぃの…、いいんです。…わたし、わかってるから…。…いいんです」
「なつめ…」
「このままでいいっ! いいのっ!」
 堰を切ったように涙がこぼれ落ちていく。なつめの頬を大粒のしずくが流れていく。
(こんなはずじゃなかったのに…。楽しくて、気持ちいいセックスがしたかっただけなのに…)
 軽はずみな自分の言葉に、激しく後悔していた。すると、
「だめ…じゃないかっ、なつめっ! もっと、もっとカイトさんに愛してもらうんじゃ…なかった…の」
 声を震わせて言葉を天井にぶつけるなつめ。その天井は、あとで気がついたのだが、鏡張りだった…。
「なつめ…。ぼく、なつめのこと…」
 なつめはぼくの次の言葉を目を閉じてじっと待つ。言ってはいけない言葉がこぼれ出る。
「好きだっ! なつめ…、好きだっ! ぼくの…なつめ」
 なつめの答えはあふれ出る涙だった。
 ぼくにできることは、なつめのなみだを吸い取ることだけ。そんなぼくになつめはしがみついてきてくれた。はっとしてなつめを見るぼく。
「抱いて。お願い。抱いてください。やさしくなんて、しなくていいです。ただ、あなたのお好きなように…して。…抱いてっ!」
40718Rの鷹:2005/07/26(火) 20:00:01 ID:a+1M9bN6

 救い(?)は勃起したままのノーテンキなムスコだ。メンタルが落ち込んでも、こいつだけはひたすら快楽を求めている。射精のときを待っている。いや催促している。
(一からやり直し。楽しもう、いまを。楽しもう、なつめを)
 切り替えの速さは性格だ。いいとか、悪いとかいう問題ではない。
「ごめんね、なつめ。ぼく、なつめと一緒に気持ちよくなりたい。…していい?」
 なつめのほうが切り替えは速かった。うれしそうに艶っぽく微笑み、
「もちろんです。わたしのこと…、あの、その…」
「ん? なに?」
 なつめの答えがまったくわからず、思わず聞き返した。
「わたしのこと、楽しんで。気持ちよくなって、ください」
 真っ赤になって小さくなるなつめ。ぼくは無言でキスを求め舌をなつめの口内の奥深くに挿し入れた。
 キスをしながら、右手がなつめの体を滑るように這っていく。スピードに緩急をつけて、すべすべとした肌理の細かい柔肌を掌に堪能させる。
 刺激の強い部分を愛撫する前に、キスをやめて口を解放してあげる。どんな音色が吐き出されるか、それも楽しみだ。
 なつめは唇をかみしめ、たまに顔を小さくのけぞらせたり、いやいやをするように左右に振ったりして、掌による愛撫に反応する。気持ちよさに溺れてしまうのに抵抗しているみたいだ。
 右手が太腿に到達すると、なつめはたまらず熱い吐息を漏らした。
「はぅ…、あぁぁ…」
 膝の後ろに手をまわし、足を開かせる。軽い抵抗の後、なつめの足からすっと力が抜けた。
「さわってほしい?」
 耳元でわざと意地悪な質問をする。
「は、はい」
 なつめは健気に律儀に返事をする。
 掌で太腿の裏をやさしく、やらしく撫でていく。すぐに掌が陰部全体を覆った。柔らかい毛の感触をしばし楽しみ、おもむろに中指を折り曲げていく。
「ぁ…あっ! く…ぅぅ…、んっ! んんっ!」
 アソコの中は十分に潤っていた。挿入した中指をきつく握ってくるようななつめのアソコ。回すように動かして少しずつ奥に埋没させていく。
「熱い、とっても熱いよ。なつめの中」

「ぁっ…、ああっ! はぅっ、あぁ…、くふぅ」
 中指を出し入れする。くちゅ…、ぴちゃ…という音が遠くに聞こえてくる。いったん中指を後退させ、今度はより器用に動かせる人指し指でアソコの中をまさぐる。
「あっ! あぅっ! はっ! はぁっ! あっ、あっあっ、あ──っ!」
 なつめの愛液で濡れた人差し指をクリトリスに押しつける。すでに硬くしこった肉芽をぐりぐりとこねくりまわす。
「はぅっ! はっ! はぁ…あ────っ! あ────っ!」
 強い刺激がなつめに大きな声をあげさせた。なつめは左手でぼくの右手をつかんでくるが、握る力は弱弱しく愛撫の妨げにはまったくならない。
「く…ぅ…んっ…、くふぅ…、ぅん…、あっ! あふっ! あふぅっ! い…いいっ!」
 自分で出したはしたない大声に恥じらったなつめは、右手を口にあててこらえようとする。しかし、それは無駄な努力だった。
 ときには軽く指の腹で撫であげ、ときには強く押すようにこねまわし、それから中指を膣に侵入させると、なつめは再び大きな声をあげていた。
「あぁぁぁっ! ぃ…いいぃぃ、いいっ! あひぃ…、ひぃぃぃ」
 ぎゅっと目を閉じ、顎を上げて喘ぐなつめ。その表情をじっくりと楽しみ、苦悶する顔に舌をいっぱいに伸ばし嘗めまわした。
「あぁぁぁっ! んんっ! んあ──っ!」
 ピンと立った乳首に歯を当てる。また、なつめの喘ぎのトーンが変わった。
「いい? いいの? 気持ちいいの?」
 わかりきったことをあえて聞く。なつめは目を開けることもできず、くいしばる歯をなんとか離して、絞り出すように答えた。
「は…はいぃぃ、うあっ! あっあっあっ、あぅっ…、いいっ! 気持ち…いいっ!」
(指だけでイかせられるかな)
 なつめの反応を見て、そんなことを思いついたぼくは、指に最大戦速を命じた。指がつりそうになるくらい激しく動かし、クリトリスをねぶった。
「ひあぁぁあっ! あっあっ! あ──っ! あぁっあぁっあぁぁっ、ん…あっ!」
 なつめが暴れる。両手でシーツを握りしめ背中を大きく浮かせて、イった。
「はぁ…はぁ…はぁ…、はぁぁぁ」
 指の動きを止め、なつめの息が落ち着いてくるのを待つ。
40818Rの鷹:2005/07/27(水) 20:29:01 ID:BcKWInFa

「よかった?」
 ようやく目を開けたなつめだが、まだぼんやりとしていて言葉は出てこない。
 そっと唇を重ねる。しばらくすると、なつめはのろのろと腕をぼくの体にまわしてきた。顔を離し目をじっと見つめて、もう一度同じことを聞いた。
「よかった?」
 なつめは恥ずかしそうに一度視線を外し、それからぼくの目に視線を戻して、
「は…い。自分でするのとは、全然ちがう。…おかしくなっちゃうかと、思った」
 途切れ途切れに答えるなつめ。
「わたし、ばっかり、気持ちよくなって…。ごめん、なさい」
「いいんだよ。なつめがよかったんなら、ぼくもうれしいよ」
「あぁ…、カイトさん、大好き、です」
「うん」
 微笑みかけると、なつめは安心したような笑顔を見せた。それから、
「わたしも、カイトさんのこと、気持ちよく、してあげたい、です」
 すごくエッチなことなのに、普通に言ってくるなつめ。ドキドキしてしまう。
「えっ? あ、あの、いいよ、いまはさ。その、シャワー浴びてから、してくれる?」
「はい!」
 さあ、今度は自分がイく番だ。なつめは経験が少ないから、まだ挿入でイくことはないだろう。
 行為を再開する。唇を挟み込むようにキスし、指を動かした。
「ぅ、ぅう〜ん」
 なつめはとまどうことなく、ぼくの意図を理解し行為を受け止める。熱い吐息が続きを催促しているかのようだ。
 膣を犯す指は、きつい締めつけにあいながらも、とめどなく染み出る愛液のおかげでスムーズに出し入れできている。
(もう、挿れても、だいじょぶかな)
 指を引き抜き、なつめの足の間に体を割り込ませた。それから、なつめの両足を大きく広げる。
「挿れるよ。いい?」
「は…い」
 声が震えている。まだ痛みの記憶が残っているのだろう。ぼくはやさしく微笑みかけ、
「痛かったら、痛いって言ってね。なつめが嫌がることはしたくないから」

「へえき、です。…カイトさん、きて」
 そう言って、なつめはきゅっと目を閉じた。
 ぼくがスキンを取ろうとしたとき、なつめがおずおずと
「あの、つけなくても、だいじょうぶ、ですよ。きょうは」
「えっ? そんな、だめだよ」
 スキンをつけずにできるのはうれしいが、万が一にも妊娠なんてことになるのは絶対に避けなければならない。それは、なにもかも失ってしまうことを意味する。
 ひるむぼくに、
「わたし、あしたから生理なんです」
 快楽をとるか、安全をとるか、逡巡するぼくに、
「赤ちゃん、できちゃったら、わたしが一番困りますから。だいじょうぶです。それに…」
「それに?」
「カイトさんと直接、触れ合いたい、です」
 ぼくは快楽をとることにした。伸ばしかけた手を引っ込め、自分のムスコを握る。それをなつめの秘裂にあてがった。
 十分に濡れたなつめのアソコに亀頭が飲み込まれていく。手を添えていなければ弾かれそうなほど抵抗はきつい。
「うっ…、ぅあっ! あ…ぁうぅぅ、ぅんっ」
 なつめのうめき声に罪悪感を覚える。なつめの手ほぼくの腰にあてられ、無意識のうちに腰の前進を阻止しようとしている。だからといって、ここでやめるわけにはいかない。
「あぅっ…、あぅぅぅぅっ」
 徐々に亀頭が姿を消していき、ついになつめの中に収まった。あとは一気に貫いてしまえばいいのだが、
ぼくは一度ストップした。
「なつめ、痛くない? つらくない?」
 心配そうなトーンをにじませ聞いてみる。なつめは目をぎゅーっと閉じたまま、荒い息を弾ませている。
「あ…あぁ、はっ、はっ、はぁっ…、はぅぅっ、あ…の…、あぅっ、へえ…き…、…きてっ!」
 ムスコから離した右手でなつめの肩を押さえる。左手はなつめの手をとり、指を絡めてシーツに押しつけた。
「ぅあっ! あっ! あぁっ! あぁぁぁぁあっ!」
 痛そうな、とは少し違うニュアンスを含んだ声が、なつめの口から吐き出されていく。
409名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 02:02:49 ID:K8oBFHWU
なんか勇者様VSなつめだけ文章長いなw
41018Rの鷹:2005/07/29(金) 01:51:46 ID:vzSz0Bn9

 気持ち余裕を残してムスコの大部分がなつめに収まった。なつめが呼吸するたびにムスコが締めつけられる。その脈動を快感として意識する。油断したら、あっという間に射精してしまいそうだ。
「なつめ、痛くない? 無理しないで」
「はっ、はっ、はぁっ…、こ、これまで、とは、な…、なん…か、ちがい…ます、うぅっ」
 なつめの言ってることは理解できなかったが、心配には及ばないような気がした。
「ゆっくり…動いてみるよ?」
「は、はい…」
 ぎし…、ぎしぃ…、ぎし…、ぎっ、ぎっ、ぎっ…。ベッドが軋み音をたてる。その音に合わせるように、なつめの喘ぎがかぶさる。
「うっ…ぁあっ、…ぅくっ、…くっ、…くふっ、く…ぅん、…あっ!」
 あふれそうな水流をなんとかこらえていた堰が決壊した。
「あぁっ! あっ! な、んかっ、あっ! へんっ! へんですぅっ」
 右手をおっぱいに移し、形がよく弾力にあふれた感触を存分に楽しみながら、徐々に速度を上げて腰を前後させる。
 左手はなつめの手を離し、太腿を押し広げていく。無論、より深い挿入を求めての所業だ。
「あっ…あひっ…ひぃぃぃっ! あっ! あっあっあっ、…あぁぁあっ」
 限界まで挿入する。腰のストロークを大きくとり、1回1回、奥の奥まで突き入れる。そのたび、なつめは口を大きく開け、普段では聞いたことのない大きな声を吐き出した。
 その声に興奮した。そして、きつくムスコを包み込んでくる膣の具合に思いきり興奮していた。
(千春のより、きついんじゃ!? なつめの、よすぎるぅ)
 このままでは、あっという間に果ててしまいそうだった。
 4人の女性との経験によって、このごろでは射精をコントロールできるような気になっていた。だが、なつめのアソコのよさは、おのれの考えの甘さを痛いほど(気持ちよすぎるほど?)感じさせた。
(少し、動くのをやめよう)
 ぼくは腰の動きを緩め、なつめに覆いかぶさった。そうして、なつめの耳に口をつけて、
「なつめ、ぼくを抱きしめて。ぼくの体に腕をまわして」
 そろそろと腕をまわしてくるなつめ。
「あぁ…、し、あ、わ、せ…」
 心の底からうれしそうに言葉をこぼすなつめがいとおしくて、唇を求めた。
「ぅぅん…、んん…、んっ!」

 唇を離すと、唾液が白く糸を引いている。眼鏡越しに見るなつめの目は潤んでいた。
(動かなくても…、だめ。もお、出しちゃいたいっ)
「なつめ、ぼく、そろそろ…」
「?」
 ぼくの言ったことの意味が理解できず、なつめは首をかしげた。いちいち説明するのも変だし、ぼくは体を起こして行動で示すことにした。
 なつめの細い足首を右、左と順につかんで肩にかけ、腰にゆっくりと体重をかけていく。
「あぁっ! あぁっ! あぁぁあぁぁっ!」
 なつめは顔を横に向け口を大きく開いて、ぼくの圧力を受けている。
「少し…、激しくするからね」
 なつめの体を2つ折りにして、ムスコを限界までなつめに埋める。そのまま腰を押しつけ、ぐりぐりとかきまわすように動かす。
「あぁぁぁあぁぁぁぁっ」
 体を前後にずらして、一番動きやすい体勢をとる。それが決まると、ぼくは思いきりなつめをえぐり始めた。高速で見え隠れするムスコは、なつめの愛液でてらてらと妖しく光っている。
「あぁっ! あぁっ! あぁぁっ! あっあっあっ、あぁっ! あっ! あ──っ!」
 こらえきれないといったふうに顔を左右に振るなつめ。痛がっているわけではないが、いささか苦しそうだ。動きを止め、肩から足を外す。
「はあっ、はあっ、はあっ」
 荒く息をするなつめ。呼吸が整うのを待ってやる余裕はまったくなかった。
 なつめの両膝をつかみ、おへその前でくっつける。足が閉じられ、その間にのぞく結合部は目をそむけてしまいそうになるほど淫靡だ。腰を回すように動かす。
「あっ! あぁぁっ、あぁっ! ん──っ! あっ!」
(感じてるのかな、なつめ。…って、そんな余裕ないよぉ。ほんとに、出そお)
 イく前に、ぼくはなつめにキスしたかった。なつめの足を離し、ぼくはなつめにのしかかった。きつく抱きしめて唇を重ね、舌をねじ込んで口内をねぶった。
 キスをやめ、腰に限界スピードを与える。顔をのけぞらしてあられもない声をあげるなつめ。
「なつめっ! いいっ! いいよっ! ああっ、なつめ、なつめ、なつめぇぇぇっ!」
 とっさの判断だった。ぼくは強烈な意志をもってムスコを引き抜いた。精液の橋がかかる。先端はなつめの眼鏡に届き、頬、唇の端、肩甲骨、乳首、お腹にかけて、ミミズ腫れのようになって落下した。
411名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 14:29:53 ID:f27a0t+g
飽田
412名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 17:56:28 ID:A4jVdNHR
永井
4132ちゃんねる鉄の掟:2005/07/29(金) 19:15:18 ID:LRFyh05C
出されたご飯は残さず食べる。

転んでも泣かない。

414名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 20:06:03 ID:WZ7fcq3o
思うに保管庫にまとめたら凄いことになると思うんだ。
41518Rの鷹:2005/07/29(金) 20:31:50 ID:vzSz0Bn9
>>410の続き

 第2射も勢いよく噴出したが、精液は胸まで飛んで失速して落下。第3射にいたってはおへそまでしか飛ばなかった。それでも、量はかなり多く、なつめの体にべっとりとこびりついた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
 肩で息をしながら、射精後のぼんやりした頭で、ぼくは自分の決断について考えていた。
(中で出すのは、だめだって思ったんだ…。なんでかはわからないけど…)
 膣外射精。言葉は見たことがあったが、実際にするのは初めてだった。
(これって…、避妊には効果ないって、書いてあったっけ。なつめは大丈夫って言ってたけど、やっぱりリスクは少しでも減らしたい…)
 なつめは熱い精液を浴びせられて放心している。顔にまでかけてしまったため、後戯のキスをするのをためらっていた。自分の精液を嘗めるのは抵抗があった。
 ティッシュの箱を取るため手を伸ばしたとき、なつめと目が合った。ぼくはニコっと微笑みかけ、
「いま拭いてあげるからね。待ってて」
 と、やさしく言った。なつめは黙ったままだ。
 ティッシュを3枚引っ張り出して、なつめの顔にかかった精液を拭う。新しいティッシュをまた3枚出して、胸からお腹にかけて拭いてやる。
 されるがままにしていたなつめが口を開く。
「わたしの中で出してくれて、よかったのに…」
「うん。でも、こういうことも経験したかったから」
 言い訳だ。それでも、なつめは信じてくれたようで、顔を赤らめて聞いてくる。
「あのぉ…、わたし、気持ちよかった、ですか?」
「もちろん! すっごく、よかったよ」
 即答だ。それから後戯を楽しむ。唇を吸っておっぱいを揉んだ。なつめは体から力が抜け落ちてしまったようで、ぼくの行為をただ受け入れていた。
 横になって左手を伸ばし、なつめに
「はい」
 と声をかける。なつめはおずおずと頭を乗せ、
「うれしい」
 とつぶやいた。それから、
「あの、眼鏡、もう外してもいいですか?」
 と聞いてくる。

「あっ、気がつかなくて、ごめん。あと、汚しちゃって、ごめん」
 まだ白濁した液がこびりつく眼鏡を見て慌てて謝った。なつめは眼鏡を外しながら、
「いいんですよ。あなたが満足してくれれば、わたしはうれしい」
「ありがとう」
 素直にそう言えた。なつめを腕枕して、ぼくたちはしばらく話した。学校のこと、料理のこと、好きな本のこと…。うなずいたり、感心したり、ときには笑い声をたてたり…。楽しい時間を過ごした。
「ねえ、なつめ。シャワー、浴びにいかない?」
「はい。あなたの望むように」
 ぼくはなつめの頭を腕に乗せたまま、お姫さま抱っこで持ち上げた。
 シャワールームでなつめを立たせ抱き合った。体を密着させて、音が漏れるほど激しいキスをした。
 唇を離すと、白い糸の橋が架かった。なつめの顔は上気している。
(むずむずしてきちゃった。ムスコは…どーかな?)
 目だけ動かして下をのぞき見る。半勃ちしている。
(2回目もベッド。ベッドまで我慢、我慢)
 ぼくは自分にそう言い聞かせて、シャワーからお湯を出した。
「さあ、なつめ。座って。体、流してあげる」
 ごく普通のバスチェアを足で引き寄せ、そこになつめを座らせてお湯を浴びせる。
「うふ。気持ちいい」
 ボディソープを泡立て、なつめの体を丁寧に洗う。ここでもなつめはされるがままだ。体中に泡をまとったなつめが明るい声で言ってくる。
「今度はわたしがカイトさんの背中、流しますね」
「え、あ、うん。じゃあ、よろしくお願いします」
 なつめはぼくをバスチェアに座らせ、向かい合う。そうして、ボディソープの泡をつくった両手でいきなりムスコを握ってくる。
「おわっ。な、なつめ。そ、そこは、いいって。そこは自分で洗う、から」
「いいんです。じっとしていてください」
 子供を叱るような調子で言われ、
「あ、うん」
 おとなしく言うことを聞く。そっと包み込むようにしてムスコをしごくなつめ。一生懸命、だ。
「わたしを変えてくれる"魔法の棒"、大好き」
41618Rの鷹:2005/07/30(土) 19:48:04 ID:hmPs5pMH

 愛撫されて…いや、洗われていくうちに、徐々に形態を変化させていくムスコ。
「また、したくなっちゃうよ?」
 荒くなっていく鼻息を抑え込んで、ぼくはなつめに告げた。
「はい。してください。何度でも…」
 潤んだ瞳をぼくに向けて答えるなつめ。上体を寄せ抱きしめる。なつめの両手は動きを止めない。
「あ…う、ぅうっ…、あぅっ!」
 声を出しているのはぼくだった。
(ま、まずい。ぎこちない手の動きがまた、いいっ。よすぎるって)
「な、なつめぇ。あの。か、からだも、洗って、ほ、ほしいぃぃ、なぁあ」
「カイトさん。こんなに…、硬くて…、あぁ…大きい。はぁぁ」
 ぼくの言ってることなど耳に入っていない。ムスコをしごくことに熱中している。
(お風呂場で最後までいくのは、まあ、好きだけど…。手で出されちゃうのは、もったいない気が…)
 なつめの左右の手首を両手を動員してギュっとつかみ耳元でささやく。声がちょっぴり上ずっている。
「続きは、ベッドで、ね?」
 顔を上げて、
「はい」
 と言うなつめの瞳は泣いているのかと思えるほど潤んでいた。ぼくはなつめの唇を吸い、舌を入れて味わった。キスをやめると、なつめは名残惜しそうな顔をしながら、ふらふらと立ち上がり、
「お湯、かけますから。熱かったら言ってくださいね」
 とシャワーを手に取った。そうして、なつめは背中にまわり、首からお湯を浴びせてくれる。そっと掌で撫でるように泡を落としていく感触がなんとも心地よい。
「カイトさん。立ってください」
「えっ? ぼく、もう勃ってるよ」
「…?」
 きょとんとするなつめの気配を背中に感じて、ぼくは言ってることの間違いに気がついた。慌てて立ち上がり、なにを思ったのか、なつめのほうに向いてしまう。なつめの眼前にムスコを突き出してしまう。
「…」
 逞しく勃起した泡まみれのムスコを前に言葉の出ないなつめ。少しして
「たって…ますね、確かに」
 ぼくの間違いをうれしそうになぞる。

 なつめはぼくの下腹部にシャワーを浴びせて泡を流し、水滴でつやつやと輝く亀頭に見入って、
「すごい…」
 そうつぶやいてムスコを両手で握りしめた。ひざまずき、それから膝を伸ばして自分の口とムスコの高さを合わせるなつめ。顔を横に向け、目をすっと細め、ムスコに濡れた唇を寄せていく。
 次の行為に期待が広がる。やり場に困った両手がどうしようか迷って虚空をさまよっている。
 なつめの小さい口が、柔らかい唇がムスコにあてられる。
「うっ…!」
 小さな声が漏れてしまう。なつめの顔がゆっくりと遠のき、そしてまた近づいてくる。おずおずと伸ばしたなつめの舌が控えめにムスコを嘗めている。
 じれったい。でも、気持ちいい。だけれども、もどかしい。
「くわえ…て」
 なつめは姿勢を直し、ぼくの正面に正座する。左手をぼくの腰にあて、右手は深くムスコを握る。
 唐突に口をぱかっと開け、ムスコを飲み込もうとするなつめ。亀頭の真ん中あたりに唇が触れた。濡れた唇がさらに大きく開いていき、亀頭をすっぽり収めたところですっとすぼまる。
 喉まで押し入れたい欲求をかろうじてこらえる。腰を引き、ゆっくり大きく突き入れていく。
「んっ! …んんんっ…んん…」
 苦悶するなつめの表情がまた、そそる。快楽を追い求める気持ちに負けて無茶とも思える要求をついしてしまう。
「舌…、使って。舌、動かせる?」
「ん? んん…」
 顔を上げ下げして承諾の意を伝えるなつめ。そんな小さな動きも快感を走らせる。
「ん…、んん…、んんん…、んんっ! んっ…、ん〜」
 小さい口をいっぱいに広げ、その中いっぱいに押し込まれたムスコに一生懸命、舌を這わせるなつめ。
「あぅっ…いいっ! いいよっ! なつめっ」
 声が出てしまう。なつめを思いやる気持ちとはうらはらに、体は素直に快楽を求めてしまう。
「ん────っ!」
「あぁっ! はぁっ! はぅっ! はっはっはっ! あぁぁぁっ!」
 腰を激しく前後に動かしていた。口を喉奥深くまで犯され、なつめの苦痛を訴える悲鳴が亀頭に響く。ぼくの口からは快楽に浸った荒い息遣いがこぼれだしていた。
「んっ…んっ、んぐぅ、ぐっ…んぐっ」
417名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 22:24:30 ID:/T4URCGm
俺は飽きないけどな
まぁ原作は飽きたがね

ま、氏のストーリーは何と言うか
たとえ悪いかもしれんが、ラブホ備え付け日記(今時あるかしらんが)
を読む感覚に似ている
若いバカップルの赤裸々な独白を読んでいるとも言うか

ぶっちゃけ.hackキャラはおまけで、
別の名前でも、ちょいいじれば立派な官能小説になり金取れるレベルだよ

さすがにそのレベルのモノに飽きたと言える奴は
よっぽど様々な小説読んできた奴らなんだろうな
微妙に尊敬してやるよ

ま、楽しく読んでる読者もいるということで
41818Rの鷹:2005/07/31(日) 19:14:18 ID:n8uU18//

 苦痛に耐えかねたなつめの両手がぼくを突き飛ばす。はっとして我に返った。
「ご、ごめん!」
 せき込むなつめの口の端から大量の唾液が垂れ下がっている。
「だ、だいじょうぶ、です」
 顔を上げ無理に笑いをつくるなつめがかわいい。ぼくはシャワーを出してなつめの口を洗ってやり、それから痛いほど勃起したムスコにお湯を浴びせた。
「出ようか」
「はい。あの、カイトさん、先に出てください。わたしはもう少し洗ってから…」
 はにかむように言うなつめに、
「うん。ベッドで待ってる」
 と言い残し、バスルームを後にした。体についた水滴をバスタオルで拭いていると、シャワーの音が聞こえてきた。横目で見ると、なつめは股間にシャワーをあてて洗っているようだった。
 ごくりとつばを飲む。バスタオルを腰に巻いて、そそくさと移動した。
 脱ぎ捨てたGパンからスキンを取り出し、枕の下に隠してからベッドに横になってなつめを待つ。
「おまたせしましたぁ」
「おいで」
 上体を起こし両手を広げたぼくの胸に、なつめは勢いよく飛び込んできた。
「…抱いて、くださ…、んん…」
 なつめの言葉が終わらないうちに唇を重ね舌を侵入させる。なつめがまとっていたバスタオルを剥ぎ取り、左右の手で2つのふくらみを揉みしだいた。
「ぁあ…、ぁあ…、は…ぁ…ぁ…、はぅっ!」
 キスをやめて喘ぐなつめの顔をじっくり観察する。指が乳首を挟むと、なつめはびくんと反応する。
「感じる? こうしたら、どうかな?」
 両方に乳首を人指し指と親指でこねまわす。力の入れ具合で変化するなつめの声に興奮する。
「あっ! ああっ! く…ふぅ…、あぁぁぁあっ! くぅ…」
 なつめの両の乳首はとっくに硬くしこっている。顔を下げ、なつめに見えるように舌を伸ばして嘗め上げる。声が1オクターブ高くなった。
「ひあっ!」
 体を入れ替え、なつめをベッドに寝かせて組み敷く。唇と舌、ときには歯を使ってなつめも乳首をいじめ続ける。

 右手がなつめの体をすべっていく。
「はっ、あふっ、あぁっ、あんっ」
 触れるところすべてがスイッチであるかのようになつめが喘ぐ。右手は太腿を撫でてから、なつめの秘所に軽くタッチ。なつめはびくっと体を震わす。期待を裏切るように、右手は太腿の内側を撫で始める。
「あぁ…あぁ…くふぅ…、くぅん」
 なつめの足がわずかに開いている。おそらく意識はしていないのだろうが、期待が体を動かしている。
「どこをさわってほしいの?」
 意地悪をする。なつめは答えられず、目をぎゅっと閉じてふるふると顔を振るばかりだ。
「やめちゃうよ?」
「いやっ! だめっ!」
「それじゃあ、ぼくの手を持って、さわってほしいところにもっていって」
 ほどなくして、覚悟を決めたなつめはぼくの右手をつかみ、おずおずと柔毛のところに運んだ。
「ここ、だね?」
 言うなり中指で秘裂を割った。そこはもうしとどに濡れていて、中指は吸い込まれるように膣へと入っていった。なつめはのけぞりながら大きな声で喘ぐ。
「んあぁぁぁっ! あぁぁぁぁあっ! あっ! あぅっ! あぅぅっ!」
 指が膣をかきまわす。なつめの口は開きっぱなしで声をあげ続けている。なつめに気付かれないように枕の下からスキンを取り、そのまま体をなつめの足の間に移した。
「あ…あぁ…、あぁぁ…、ぃ…」
「いや?」
「ぃ…ぃぇ…」
 顔を下ろしていき、しばらく見入る。吐息がかかって柔毛が揺れる。
「ぁあ…あんまり…、見ないで…くださ…い」
 おもむろに口を押しつける。唇でクリトリスを挟み、少し出した舌でちろちろと嘗める。
「あぁぁぁあ…あぁぁぁぁぁっ、あっあっあっ、あぁぁぁあっ! あひっ! あひぃっ!」
 なつめの足を押し広げ、Mの字の形にする。目の前のなつめのアソコは、すべてにおいて「つくり」が「こぶり」で、ここに自分のものがすっぽり飲み込まれるとは、とても思えない。
 そんなことを考えると、ますます興奮していくのを自覚する。
 花びらを舌で左右に押し広げ、中にさし入れて蜜を味わう。頭の上では間断なくなつめの悲鳴のような喘ぎが聞こえていた。
41918Rの鷹:2005/08/01(月) 20:37:09 ID:eJbEm9LG

 口唇での愛撫に夢中になりながらも冷静な自分がいた。スキンの袋を破り、素早くムスコに装着した。体をずり上げてなつめと重なり、手を添えずに挿入してみようとアソコにムスコをあてがう。
「挿れるよ」
 言って、腰をぐいと前進させる。
「あぁっ! あっ…、あぁっ!」
 いままで眺めていたなつめの小さなアソコを犯していく。その感覚にますます硬度を増していくムスコ。アソコの抵抗をものともせず、奥を目指して突き進んでいく。
「は…ぁ…、はぁ…、はぅ…、あぁ…」
 ぼくの陰毛がなつめの陰毛を押しつぶす。ムスコは余さずなつめの中に収まりきった。なつめが呼吸するたび、ぎゅっと締めつけられる。
 反撃、というわけではないが、ぼくもお尻の穴を締めるようにしてムスコを脈動させる。その刺激がなつめに声をあげさせる。
「あぁ、あぁ…、わたしの中にあなたがいる…、入っているのが…、わかる。あぁ…」
 動きだしたい気持ちを抑え、ぼくはなつめの頬に右手を軽くあててささやいた。
「なつめ、目を開けてごらん」
「はい」
 じっと見つめあい、
「かわいいよ、ぼくのなつめ」
「あぁ! うれしい、…うれしい」
 涙を浮かべたなつめにキスをしたところで、動くのを我慢していたムスコに限界がきた。
 強く押し付けながら、すりこぎのようにまわす。もう入らないところまで挿入されたムスコが、さらになつめをうがっていく。
「うっ! はぅっ! あぅっ! あっ、あぅっ!」
 腰を引き、突き入れる。スキンをしてはいるが、なつめの肉襞の熱が感じられる。
「いいっ! いいよっ、なつめ」
「あっ、あっ、あっ…、あひっ! ひぃっ、あふっ…、ん…あぁっ!」
 なつめがしがみついてくる。ぎしぎしとベッドが軋む。かなりスピードを上げて出し入れするが、この日2度目の交合なので、気持ちよさは高まってもまだまだ射精には至らない。
 体位を変えてなつめをもっと楽しもうという思いを実行に移す。奥を激しく突いたところで腰の動きを止めて、

「ねぇ、なつめ。足、閉じて」
 と要求を伝える。
「は、はい」
 のろのろと足を動かすなつめ。ぴったりと閉じたなつめの足を両足で挟みこんで、腰のピストン運動を再開する。
「うあっ! あぁっ! ひ…ひぃぃっ、あひぃぃ、ひぃっ、はぅっ!」
 なつめの喘ぎ声がこれまでより大きく響く。
(感じてるのかな、なつめ。きつくって、ぼくも気持ちいいぃ。足、閉じてするのって、いい)
 快楽に溺れる。しかし、両腕だけで体重を支えているせいか、長続きできない。また、体位を変えることにする。
 動くのをやめ、なつめの体を抱きかかえてくるりと反転。なつめを上にする。動くたびムスコが刺激を与えるのか、それとも初めての体位に恥じらっているのか、なつめは声をもらした。
「あぁ!? あぁっ! ぃゃぁ…、ぁぁぁ…、あぁん」
 手を下に伸ばして、なつめの左右の足をつかみ、今度は広げていく。なつめがぼくにまたがる格好になると、すべすべしたお尻を力を入れてつかみ、腰を突き上げた。
「あぐっ! はぅっ、はぅぅぅっ、あっ! あぁっ!」
 天井が鏡張りだと気がつく。なつめとセックスをする自分が見える。まるで他人の行為のようで、不思議と罪悪感は感じない。それよりも快感が勝っていた。
「なつめ、体、起こしてみて」
 ゆっくりとした動きで浅く出し入れしつつ、なつめに求める。なつめは困惑した表情をぼくに向け、
「そ、そんな…、は…ずかしぃ…ですぅ」
 いやいやをするように顔を振る。女性上位なんて考えたこともないのだろう。でも、その恥じらいが本能の火を燃えあがらせた。
「だめ。体、起こして。ぼくになつめをよく見せて」
 強い口調で命じる。それでももじもじして動こうとしないなつめ。
(しようがないなぁ)
 ぼくはなつめの肩をつかんで、強引に持ち上げていった。
「あぁっ、だめぇ、やぁぁ」
 鏡の中の自分はひどく楽しそうだ。視線をなつめに戻す。目をぎゅっと閉じて頭を下げ、必死に恥ずかしさと戦っている。
42018Rの鷹:2005/08/02(火) 20:16:28 ID:q60EEhOq

 右手を肩から胸に移動させる。下から包み込むように揉みしだくと、なつめからふっと力が抜けたのがわかった。
「く…ぅ…、ぅうん…、あ〜ん」
 左手も胸の攻撃に参加する。こちらは乳首に重点を置いて責めていく。なつめの手がぼくの両手の動きを阻止しようとするが、抵抗は散発的で力もまるで入らない。
「あぁ〜、あ〜、はぁ〜ん」
 聞いたことのない甘い声がなつめの口からあふれる。その声がどう変化するのか、ぼくはわくわくしながら腰を思いきり突き上げる。
「ひっ! あひっ! あっ! あっ! あっ! あ──っ!」
 期待したほどの変化はなかったが、それでも十分にぼくを興奮させてくれる。下に視線を転じれば、なつめの秘裂をめくるように出入りするムスコが見えた。なつめの愛液でてらてらと輝いている。
(自分で動いて、って言っても、それは無理だよね。そこまで要求しちゃ、かわいそうかな)
 ダメもとで聞いてみる。
「ねぇ、なつめ。自分で動いてみてくれる?」
「あぅっ、えっ!? えぇっ? そ、そん…な、…だ…め…ですぅ」
(やっぱり、無理かぁ。ま、いいや)
 予想どおりだったので、別に落胆したりしない。しかし、わざと冷たく言う。
「なつめはぼくの言うことが聞けないんだ? 悲しいなぁ」
「そ、そんなぁ。でも…、だって…」
「なんて、ね。うそだよ。なつめがあんまりかわいいから、少し意地悪したくなっちゃっただけ」
「あぁ、カイトさん…。わたし、頑張ります、から。動けるように、頑張りますから」
 健気にぼくの要求にこたえようとするなつめが、とてもいとおしく思えた。
「ごめんね。おわびに、ぼくがいっぱい動いて、なつめのこと、いっぱい気持ちよくしてあげるね」
 言い終えるなり、ぼくはベッドからお尻が浮き上がるほど力強く腰を突き上げ始めた。
「んあっ! あっ! あぎぃっ! ひぃぃぃっ! ああっ! んあ───っ! あっあっあ──っ!」
 激しい行為にさらされて、なつめの体が不安定に揺れる。腰の動きを弱めて上体を起こし、なつめの体を抱きしめた。自然に対面座位に移行していた。
 なつめは肩を大きく上下させて荒い息遣いをしている。しばらくじっとしていると、
「はぁ、はぁ、はぁ〜。…あの、カイトさん、キス…して」
 ぼくの首に両腕をまわして懇願してくる。

 答える代わりに唇を重ねた。柔らかいなつめの唇を挟んだり嘗めたりして楽しむ。
「…あふ…、あんっ、あぁん」
 体も心も気持ちよさがあふれてくるかのような、なつめの喘ぎが耳に心地よい。
「気持ちいい?」
 キスを中断し、聞いてみる。なつめはうっとりとした目を向け、
「はい。カイトさんのキス、じょうずで大好きです」
 ニコっと微笑みかけて褒められた感謝の意を伝える。それから再び唇を重ね、今度は舌を絡めるディープキスをして、なつめの口内を存分に味わった。
 キスをしつつ、背中にまわして抱きしめていた腕をなつめの足にもっていく。内側から膝のあたりを持ち上げると、なつめの体重がアソコに集中し挿入をさらに深くした。
「! んっ! んあぁぁっ!」
 唇を外し声をあげるなつめ。ぎこちない動きで腰を前後させ、ぼくはセックスを再開した。
「あぁ…、あぁっ、はぁぁぁっ、はぅん、ぅう〜ん、あぁぁっ」
(この体位は好きだけど、出したくなるほど気持ちいいものじゃないなぁ)
 ぼくは前に体重をかけ、正常位に戻ることにした。なつめの足を肩にかけ、自在に動けるようになった腰に仕事をさせる。前後左右に強弱をつけて、なつめの蜜壺をかきまわした。
「あっ、あ〜っ、あっあっあっ、あ──っ! ああぁぁっ! あっ!」
 ぐいぐいと力まかせに責めたてると、なつめの体がベッドの端までずり上がっていった。最初とは2人の向きは180度変わっているから、2人の頭はベッドの下端を向いている。
 なつめの頭がベッドからこぼれるが、なつめは全然気付いていないようだ。いま、ぼくがしているのは、それを意識できるほど生やさしい行為でもなかった。白く細い首がさらに情欲をかきたてた。
 なつめの体がベッドから落ちそうになるほど突き入れ続ける。
(そろそろ…、出そうかな)
 フィニッシュの体位は決めていた。動きを止め、ムスコを一気に引き抜く。
「はっ、はっ、はぁっ、はっ、はぁ、はぁっ、あぁっ、はっ、はぁぁっ」
 おっぱいが揺れるほど荒く息をするなつめ。引きずるようにしてベッドの中央に運び、肩をつかんでうつ伏せにした。それから、ウエストを引き寄せ四つん這いにする。
「あ…あぁ、あぁ」
 まだ大きく息をするなつめの足を容赦なく広げ、そこに割って入る。なつめは振り向こうとして首を左右にまわしている。
421名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 23:32:21 ID:lJ9eHi42
ーってかGIFTに昴の裸が載ってる件について・・・過去スレで書いてあったらスマソン
42218Rの鷹:2005/08/03(水) 19:56:29 ID:KkMM/O1m
>>420の続き

「入れるよ。気持ちよくしてもらうよ」
 左手でなつめのくびれたウエストをつかみ、指がくい込むほど強く押さえる。
「あぅっ」
 痛かったのか、なつめがうめくが気づかっている余裕がない。イくために挿入することだけが頭にあった。それに、目の前にあるぐずぐずに濡れたなつめのアソコが余裕など吹き飛ばしていた。
 右手でムスコの仰角を下げ、なつめに押しつける。軽い抵抗を受けつつ押し入れる快感がたまらない。
「あぁぁぁぁぁぁっ!」
 右手の指もなつめのウエストにがっしりとくい込んだ。両手を力強く引き寄せ、腰も思いきり前に突き出す。なつめの喘ぎは途切れない。
「ぅあぁぁぁ…、あぁ、あぅ、あぁ、あぁぁあぁあぁっ! あぅぅっ」
 勃起していればお腹にくっつくほどの仰角を誇るムスコだけに、強制的に(?)角度を下げさせられる後背位はけっこうつらいものがある。しかし、得られる快感はそれをものともしない。
「あぁ、いいっ! すごくいいよっ! なつめっ!」
 締めつけてくる膣壁を屈服させるように往復するムスコ。小さいつくりのアソコは張り裂けんばかりに押し広げられている。ムスコが姿を現し、また消えるたび、ぐちゅ、くちゅといやらしい音が響く。
「くぅっ! うっ! ぅあっ! あぁっ! あぁぁああぁっ! ぅあっ!」
 なつめは両方の手で拳をつくり、顔をシーツに埋めて、ぼくのすさまじいばかりの責めに耐えている。
 直線的に突きまくる。もう、イくことしか頭になかった。ひたすら快感を求めて、なつめの膣奥深くめがけて、ムスコを突き入れ続けた。
「うっ! 出るよっ! あぁ…、いくっ! なつめっ、なつめぇぇぇぇっ!」
 唐突に射精のときがやってきた。爆発するように弾けたムスコは、たっぷりの精液をなつめの膣に、いやスキンの精液溜まりにぶちまけた。
 なつめが前に崩れ落ちるほど体重のすべてをかけ、精液のすべてを射出する。
 ぼくは最後の一滴まで出そうと一度腰を引いて突き入れた。絞るようにぐいぐいとムスコをねじ込むと、
なつめの両膝は耐えきれずに崩れた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
 ピクリとも動かず呼吸音だけを響かせるなつめ。うっすらと汗をかいている背中がなまめかしく波打っているのが見えた。
「よかった。とってもよかったよ、なつめ」
 背中に覆いかぶさり耳元でささやくが、反応はなかった。

 どうしたものか少し思案したが、出してしまった男がイった女にできることなど、ない。なつめは寝息をたてているのかと思えるほど、規則的に呼吸している。
「抜くよ?」
 返事を期待せずに言って、ムスコを引き抜いた。スキンの先っぽは白い液体に満たされて張り裂けんばかりに膨らんでいた。
 意識を失ったなつめに後戯をしても意味はない。ぼくは疲れた体をベッドに投げだした。
「ふぅ〜」
 天井の鏡に向かって息をつくと、なつめが覚醒した。
「うぅ、あぅぅ…、あぁ…」
 意識は戻ったものの体は1ミリも動かせないようだ。ぼくは後戯のつもりで、なつめの背中にキスの雨を降らす。
「あぁ…、も…う…、だめ…ですぅ」
 行為に対する拒絶、と受け取った。少し寂しい気持ちになる。出してしまったからではないと思うが(そうとも言いきれないが…)、なつめに対する気持ちが少し冷めていく。
 なつめから離れ、再び横になる。自分の腕に頭を乗せ、
「はぁ〜」
 もう一度、深く息をついた。なつめは眠ってしまったのかと思えてくるほど、じっとして動かない。少し心配になって呼びかける。
「なつめ?」
 返事はない。もう一度、呼んだ。
「なつめ、眠っちゃった?」
 ゆるゆると顔をこちらに向け、うつろな目でぼくをみつめるなつめ。開いた口から
「ぁぁ…、信じ…られない、くらい…、しあわせ」
 言葉をこぼし、そのまま目を閉じてしまった。
(やっぱり、かわいいなぁ、なつめ)
 ちょっとだけだが、休んで心に余裕ができたせいか、微笑んでいる。処女をもらい、幾度か体を重ね、ようやく絶頂を覚えたなつめがいとおしかった。それを教えたのが自分だと思うと誇らしかった。
 なつめの肩に手をかけ、仰向けにする。やさしく抱きしめてキスをした。
「よかったよ、とっても。なつめは?」
「わたしも…よかった、です。自分がばらばらになって、どこかに飛んでっちゃうかと、思った」
423名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 21:43:24 ID:bQz5UZnp
>>421
EDのアレか
42418Rの鷹:2005/08/04(木) 22:16:05 ID:FjoJzyrC
>>422の続き

 もう一度キスをして、ねっとりと舌を絡ませ唾液を交換しあった。
「シャワー浴びて、帰ろ?」
「はい。あ、あの、カイトさん。つけてたんですね? それ」
 なつめは視線を下に向け、残念そうに言ってくる。
「えっ? あっ、あぁ。うん。その、スキンつけるのって、エチケット、だから…」
 なつめは素直にぼくの言い訳を受け入れた。
「ありがとうございます。なんか、感激です」
「ぃ、いやぁ、そんな…」
「大事にされるのって、あったかい」
 照れくさくなったぼくは、起き上がってなつめに背中を向ける。それからスキンを外して、ティッシュで後処理を済ませた。
 体中の力がすべて抜け落ちてしまったかのようななつめの体を軽々と抱いて、バスルームへと向かう。
 シャワーを浴びながら、ぼくらは戯れた。口を吸い、胸をさわると、
「きゃっ」
 と明るく嬌声をあげるなつめ。2度放出して満足していたのでいやらしい気持ちにはならず、互いに体を洗いシャワーを浴びた。
 脱ぎ散らかした服を拾い、それを着る。なつめが服を着るのを見ていると、
「恥ずかしいから、そんなに見ないでください」
 たしなめられてしまった。でも、それほど嫌がっているふうではない。ぼくはなんとなく目を離せずに、ついに服を着終えるまで見てしまった。
「お待たせしました」
 駆け寄ってきたなつめを抱きしめ、この日最後のキスをした。
 日が落ちて、すっかり暗くなった横浜の街。手をつないで歩く。
「ご飯、食べていこっか? 中華街…、ごちそうするよ」
「いえ。遅くなると両親が心配するので…。すごく残念ですけど…」
 ぼくの申し出を断って、すまなそうな顔をするなつめ。
「いいよ。気にしないで。じゃあ、帰ろう」
 笑顔で言って、最寄りの駅に向かった。
 乗り換えの駅でなつめと別れる。胸の前で小さく手を振るなつめの寂しそうな顔に見送られて、ぼくを乗せた電車が走りだした。
425名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 02:08:23 ID:5qS2ijkY
神降臨キボンヌ(。ω。)
42618Rの鷹:2005/08/05(金) 20:54:46 ID:mEut0fFc





  この場所を出て歩く道のことを考える
  空はまだ早い夕方、雲の色を残して
  隣の子供は同じ歌 もう三度も歌ってる
  終わる言葉 思い出せず 最後だけずっと繰り返して


  始めも終わりもいらなかった、きみの目がつぶやいた
  どんな記憶を探したら胸の奥へ届くのだろう
  長すぎた、きみの言う日々は一夜の夢のようで
  終わる言葉 信じられない 目覚めのときはまだ遠い


  千の夜を消せないで まだここを立てない

                    <千夜一夜>





 文化の日。もともとは日本国憲法が公布された日、という話だ。でも、高校生にとっては「文化『祭』の日」というほうが身近。ニュースでやってたとおり「晴れの特異日」で、この年の11月3日も秋晴れだ。
 自分の高校の文化祭も、もちろん同じ日だった。しかし、開催は土曜と日曜の2日間。
 ぼくはクラスメートに頼み込んで、3日の土曜日は抜けさせてもらっていた(その分、日曜日はめいっぱいこき使われることになっていたが…)。
 前日きた晶良からのメールには「昼ごろにきてね」とあった。遅めの朝ごはんを食べ、シャワーを浴びた。まじめ過ぎず、それでいて崩し過ぎない服装をして、神奈川の朝陽高等学校に向かった。
 駅で晶良に「いま、着いたよ」とメールする。間をおかずに届いた返信メールを目にする前に、ぼくは見覚えのある女性に声をかけられた。
「お久しぶりね。私のこと、覚えてる?」
 切れ長の目で見つめられると心臓の鼓動が速くなる。
「翔子さん、ですよね」
「そーよ。覚えていてくれて、ありがとう」
 艶やかに微笑む大人の女性の顔にドギマギしてしまう。そんな態度の変化を気取られないように、ぼくはケータイのメールをチェックする。
「晶良から、でしょ? 私が連れていってあげるわ」
 ケータイと翔子の顔を交互に見て、
「あっ、あの…、ありがとうございます」
 と言うのが精いっぱいだった。素早く読んだ晶良のメールは「翔子が駅前にいるから、一緒にきてね」だった。
「私は就職組だし…、あんま、やることないんだ、3年の文化祭って」
「へぇ…、そーなんですか。翔子さん、頭、良さそうなのに」
「家庭の事情、ってヤツ。うちさ、母子家庭だから…。母さんには苦労かけたからね」
 明るい表情で軽く話す翔子。そんな深刻なことを、さも当然のようにしゃべっている。
「やさしいんですね、翔子さんって」
 感動を伝えたくて、わざと大げさに言う。翔子は意味深な微笑を浮かべてぼくに振り返って言った。
「そーでもないよ? フフフっ」
 ドキっとする。晶良と同じ2つ上の女性だが、艶っぽさは比ではない。
(晶良さん…、しっかりしてるときの晶良さんと比べても全然おっとなだなぁ、翔子さんって)
「翔子さん、ほんとに晶良さんと同じ年ですか?」
427名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 19:06:31 ID:Ah2F0JuQ
どっちもまとめ更新しねーな・・・・・・・
42818Rの鷹:2005/08/07(日) 01:14:17 ID:RX4DJm0O
>>426の続き

 冗談めかして言ってみる。と、
「あ〜ら。私、そんなにふけて見える? っていうより、晶良が子供っぽすぎるのかな?」
 そう返されて、ぼくは真剣に考えてしまった。
「う〜ん。たしかに晶良さん、年上らしくないところあるし。でも、そこがかわいいっていうか」
 声を出してのひとり言。翔子にはまる聞こえだ。くすくすと笑っていた翔子が、やがて声をたてて笑いだす。
「くっくっくっ、あは、はははは。…きみ、あはは、…カイトくん、面白すぎっ。あは、あはははは」
 どうやらツボに入ってしまったみたいだ。そのツボがなんなのかわからない身としては困るしかない。そっぽを向いた顔を赤らめ、ぽりぽりと頭をかくしかない。
「あはは…、はぁ。さ、行きましょ。晶良が待ってるわよ」
「あ、はい。…あの、翔子さん、さっきの、そんなにおかしかったですか?」
 ぼくの質問に翔子は足を止めて答えた。
「うふふ。晶良ときみ、お似合いよ。晶良がきみのこと、照れくさそうに話すのを思いだしたら、おかしっくって」
 答えになっているような、いないような…。
「はあ…」
 ぼくは首を傾げつつ、歩きだした翔子のあとを黙ってついていった。しばらく歩いたとき、翔子が振り返って、ぼくに聞いてくる。艶やかな長い黒髪が舞った。
「ねぇ、晶良のクラスの出しもの、なにか、聞いてる?」
「いえ。きてからのお楽しみ、ってメールには書いてあったんですが、なにやってるんですか?」
 翔子はちょっと考え込んでから、
「それじゃあ、教えないほうがいいわね」
 含み笑いをしながら言った。
 学校に近づいているのだろう、徐々に道行く人が増えてきた。やがて校舎が見え、ほどなくして「朝陽高等学校 文化祭」と書かれたアーチのかかる校門をくぐった。
 初めての文化祭。校内は祭りの賑わいであふれ、そこにいるだけで心が躍った。
 きょろきょろと見まわしながらも、翔子の背中を常に視界に入れて校内を歩く。階段を上っているとき、
翔子が晶良と同じくらいの身長だと気がついた。
(翔子さん、大人っぽいっていうか、すごく落ち着いているから、大きく見えたんだな)
 じっくりと観察する。学校独特のにおいのなかで、翔子の『女』が香っていた。

 翔子のことをずっと眺めていたら、何階まできたのかわからなくなってしまった。翔子が廊下のほうに曲がり、ある教室の前で止まって振り返った。ぼくの顔を見ながら指で「ここ」と合図している。
「え…っとぉ…、m、a、i、d、c、a、f、e…。メ、イ、ド…、メイドカフェぇぇえ!?」
 ボー然とするぼくを見て、翔子はお腹に手をあて声を押し殺して笑っている。
(ぼくの高校でも喫茶店をやるクラスはあるけど…。晶良さん、メイドのコスチューム着るのかな!?)
 見てみたい、と思った。翔子が手招きをしている。緊張した足を動かし、メイドカフェに入店した。
「お帰りなさいませ、ご主人さまぁ」
 5〜6名ほどの黄色い声が出迎えてくれる。そのなかから晶良の声を聞き分け、その声が発せられた方向を凝視する。頬を赤らめた晶良が上目づかいに視線を絡めてくる。
 翔子のエスコートで暗黙の了解ができていたのだろう。かわいいメイドたちの列から晶良がすっと前に出て、ぼくたちを席に案内してくれる。椅子に座るなり、晶良が顔を寄せてきて、
「ちょ〜恥ずかしいんだよね、このカッコ」
「よく似合ってる! すっごくかわいいっ」
 小声でささやき合う2人に、翔子が咳払い一つして、
「メイドさん、私もお客さんなんですけど」
「あっ、翔子…、じゃなくって。ご主人さま、失礼いたしました。あの、ご注文は?」
 マニュアルどおりにしゃべる晶良がおかしくて涙が出そうだ。それは翔子も同じだったようで、手で口を押さえ必死に笑いをこらえている。
「ぼくはアイスコーヒー。翔子さんは?」
「ロイヤルミルクティをくださいな」
「かしこまりました。しばらくお待ちください」
 ペコリとお辞儀をした晶良は、大きくタメ息をついてからぼくに顔を寄せ、
「あと1時間で交代だから。学校、案内してあげるね」
 小声で言ってウインクし厨房のほうに行ってしまった。晶良がいなくなって、
「あはははは。まったく、晶良のクラスも変なことするよね〜。笑いをこらえるのって大変」
 ぼくは晶良のメイド姿にあてられて少しぼんやりしていた。翔子に愛想笑いを返す。
「ほんとに、そうですね」
「きみ、コスプレも好きなの?」
 いきなりの質問に、口まで運んだ水を吹きだしそうになる。
「ぶっ。え、翔子さん、な、なんて!?」
42918Rの鷹:2005/08/07(日) 19:44:39 ID:RX4DJm0O

「コスプレ。好き?」
 翔子にたたみかけられる。バカ正直に「したことはないけど、うん! 大好きっ!」と答えられるはずもない。
「え、いやぁ、あのぉ、そのぉ、う〜ん、好き、かも」
 口ごもり、つっかえながら答える。
「あの衣装ね〜、自前だから。文化祭が終わったら、晶良はきみだけのメイド、かな」
 ボンっと音をたてたんじゃないだろうか。爆発したように顔が熱くなるのがわかった。そこに、
「お待たせいたしました。アイスコーヒーとロイヤルミルクティでございます、ご主人さま」
 うやうやしく頭を下げて飲み物をテーブルに並べる晶良。ぼくにウインクして
「あとで、ね。…ん〜!? アンタ、顔、真っ赤だよ。どしたぁ?」
 と話しかけてくる。答えられずに口をもごもごしていると、晶良は翔子に向かって、
「もう少し、コイツにつきあってあげてね。よろしく」
 拝むように手を顔の前にもっていき頼んだ。翔子は晶良の目をまっすぐ見て、
「はいはい。晶良の大事な人だもんね。まっかせなさぁい」
 ぽんっと胸をたたいた。
 晶良が目の前からいなくなると、翔子は頬杖をつき謎めいた微笑みをぼくに向けてくる。影がありながら、とてもきれいな翔子の顔に、心臓の鼓動が大きくなった。
「これ…、きみでしょ?」
 いきなり、だった。翔子は自分の携帯電話を出してボタンを操作。ある画像をディスプレイに写しだして、ぼくのほうにそれを向けた。
「! …」
 息を飲み絶句した。驚きで言葉が出てこない。そこには…。
「私ねぇ。バイトしてたんだ、あの日、その場所で」
 目の前の翔子がぐらりと歪む。息が苦しくなるほど動転していた。翔子の言葉が続く。
「相手は…晶良じゃないよね? ふふふ、浮気?」
「ち、ちがう…」
 やっと声が出た。翔子はぼくの言葉を受け流し、
「見かけによらず悪い男のコ、なんだね。きみは」
「そんなこと!」
 思わず声が大きくなってしまう。店内はそれなりに賑わっていて、だれも気にしていなかった。翔子は平然と言い放つ。

「そんなこと、なくはないよね。このあとの写真はないけど、私は全部見てたのよ」
 また黙ってしまう。なにを言っても、もちろん無駄なのはすごくよくわかっていた。
「あの日、大さん橋で、きみは、この娘をやさしく抱いて…」
 うつむいたぼくの目に飛び込んできたのは、したたり落ちる自分の汗だった。翔子の『証言』が続く。
「兄妹…、には見えなかったなぁ。もちろん姉弟にも、ね」
 年からいったら姉弟なのだが…、そんなしようもないことが頭をかすめる。
「あの娘がだれか…、なんて私には興味はないわ」
 顔を上げる。翔子の目をきっと見つめて、ようやく言葉が、意味を持つ言葉が出せた。
「その写真、晶良さんに見せるつもりですか?」
 抵抗のできない獲物がじたばたと悪あがきをする、それが楽しくって仕方がない。翔子の顔はそう語っているかのようだ。
「ふふふ。そうね、どうしようかしら。晶良は私の大切な親友。できれば幸せになってほしいわ」
 この場で土下座をしようか…。いや、そんな目立つことはできない。同じ教室には晶良だっている。きっと怪しまれる。真実は、言えない、言えっこない。
「そんなに怖い顔しないの。私はきみの敵ではないわ」
 恐怖におののき、それが憎悪に変わっていた。微笑む翔子のきれいな顔が冷たく見えた。
「ぼくは…、どうすれば、いいんですか?」
 その言葉を待っていたかのように、翔子の表情が変化する。
(獲物をがんじがらめにして、むさぼりつく瞬間の雌蜘蛛)
 冷や汗とともに頭に浮かんだイメージだ。ぼくは蜘蛛の巣にかかった獲物…。
 翔子は目だけで晶良の位置をうかがい、それからぼくの目を射抜くように見て言った。
「2時間後。校門のところで待ってるわ。もちろん、くるよね」
「あ、晶良さんは…」
「ふふ。それは大丈夫よ。晶良の次のシフトくらい頭に入ってるわ」
「それで…。それで、あの写真、消去してもらえるんですか?」
「それは、あなた次第。それじゃあ、2時間後にね」
 そう言って翔子は、ロイヤルミルクティを一口だけ飲んでレシートをもって出て行ってしまった。
 取り残されたぼくに、だれかが話しかけている。
「…ねぇ! こらっ」
 思うように動かない首をなんとかまわし、声の主に顔を向ける。
430名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 02:19:45 ID:e1PHurFk
勇者様ピンチ!
ちなみに現在497KB。
43118Rの鷹:2005/08/08(月) 19:57:27 ID:azS/AFci

「どーしたのよ? アタシさぁ、これから2時間、休憩だから。学校、案内してあげる」
 メイドさんがご主人さまに命令してる、さぞや変な光景だろうな。
「あ、あぁ。うん。い、行こう、晶良さん」
 なんとか平静を装おうとして、かえって声が裏返ってしまう。
「きょうのアンタ、変! さっきは真っ赤になってたし、いまは真っ青よ。体調、悪いの? 寝不足?」
 お姉ちゃん気質を全開にして晶良が聞いてくる。
「いや、そんなことないよ。晶良さんが、その、あんまりかわいいからさ。ちょっと緊張してる」
 2時間後になにが起こるのか、想像もつかない。いまはただ、目の前の晶良に気の利いた言い訳が言えたことにただホっとする。
「ばか…。いくわよっ」
 顔を赤らめて言う晶良。なんとか急場はしのげたようだ。
「お腹、すいちゃったなぁ」
 黙っているわけにはいかない。2時間後のことが気になって食欲どころではないが、晶良を安心させるために無理をする。
「そっか。じゃあ、テニス部の後輩がやってる模擬店、いってみようか」
 階段を下りる晶良の背中が遠く感じられる。心の中で「ごめん」とつぶやいた。
「実はさぁ、アタシもお腹すいてたんだよねぇ。ホットケーキとかクレープ、食べたいな」
「お疲れさま。きょうは、ぼくがおごるよ」
 罪の意識を少しでも軽減したい気持ちがそう言わせた。晶良は素直にうれしがる。
「やったぁ。…ほんとはね、年下に甘えちゃいけない、って思うんだけどさぁ。アンタにやさしくされるの好きだから…。ごちそうになるね」
 人目も気にせず晶良は腕を組んできて言った。うれしくないわけはない。しかし、後輩の教室が近づいたら、晶良はすっとぼくから離れる。ぱぁっと晴れた気持ちに雲がかかる。
「ごめんね。やっぱり恥ずかしいから…」
「うん」
 そう言ってくれる晶良の気使いがうれしい。だからこそ、浮気を「見られた」自分が情けなかった(勝手なもので、浮気をした自分、ではない…)。
 いろいろ食べ、飲み、おしゃべりをしたが、全部うわの空。かろうじて晶良に怪しまれない程度に笑顔で会話できた。笑いは多少引きつり気味ではあったが。
 あっという間に2時間がたった。この日の文化祭が終わってからの待ち合わせをして、晶良はメイドカフェに戻っていった。
432名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 02:28:52 ID:vrHPEcbO
んー、次スレどうします?
このスレも私が立てたんだが…。
433名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 02:54:54 ID:vrHPEcbO
すいません。500KB目前なので、どうにも不安で、またも立てさせていただきました。
うっかりナンバー付け忘れたので、不満な方いらっしゃいましたら、立て直してください。

.hackのエロパロ Vol.8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123523555/
434名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 13:26:45 ID:UirZB/t2
立て直しました

新スレは

.hackのエロパロ vol.8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123559354/l50

ナンバー付け忘れのスレは削除依頼出しましたので、レスは上記「vol.8」スレにお願いします
43518Rの鷹
>>431の続き

「あら。ちゃんときたのね」
 妖艶な、いや冷たい笑みを浮かべた翔子と対峙する。ぼくは翔子の目を見つめたまま黙ってうなずいた。
「ついてきて」
 きびすを返した翔子はゆっくりとした足取りで歩きだす。
「どこへ?」
 少し距離をとって翔子のあとを追い、ぼくはやっとのことで言葉を絞り出した。緊張で心臓が張り裂けそうだった。
 立ち止まり振り返った翔子は、拍子抜けするほど明るい笑顔を見せてくれた。脅迫(?)されている身ながら、ドキっとするほどチャーミングな笑顔だった。
「私の家よ。きみが嫌がったり怖がったりすることなんか、もちろんしないわよ。それは晶良を悲しませることになるからね」
「ほんとですか?」
「本当よ。晶良と私は親友だもの。これまでも、これからも」
 体の力が一気に抜けた。緊張がほぐれ、どっと疲れが襲ってきた。
「はぁぁぁぁあ」
 前かがみになって大きなタメ息をつく。翔子はくすくすと笑っている。
「晶良の彼氏、ザ・ワールドの勇者のリアル。興味あるじゃない。だから、2人で話がしたかったの」
「なんだぁ、それならそうと言ってくれればよかったのに」
 安心したせいか、不満が口をつく。翔子は一瞬だけ真顔になり、すぐに笑顔に戻って言った。
「あのね。きみの浮気の証拠、私は握ってるんだけどなぁ」
「うっ…、ぐぅっ…」
 忘れていたかった事実を突きつけられ、ぼくは絶句した。翔子はそんなぼくを無視して、
「うちね、歩いてもいけなくはないんだけど、時間が惜しいからバスに乗りましょ。どうせ、あとで晶良と会うんでしょ? それまでには私の用は終わって、きみは晴れて自由の身、よ」
 にこやかに話す。バス停まで15mくらいのところでバスに追い越され、ぼくたちは走って乗り込んだ。
 翔子が言っていたとおり、歩いてもさほどかからない距離でバスを降りる。少し歩いたところに翔子の家はあった。
 なんとなく、きょろきょろ周りを見ていると、翔子に言われる。
「晶良の家、わりと近いのよ。街の雰囲気、似てるでしょ?」
 それを聞いて、晶良の家族に見られはしないかと、首をすくめた。