>>590-596 「さあ、冥獣達よ。あとはお前達の好きにするが良い」
そう言い残し、ウルザードが姿を消すと同時に、下卑た目でマジマザーを見ていた冥獣達が群がってきた。
「ああ、いや…」
マジマザー、いや小津深雪はもう立つこともできず、後ろ手であとずさることしかできない。
「きゃあぁぁぁ!」
手、手、手。いくつもの手が我先に彼女の元へと伸ばされる。
愛撫するためではない。マジマザーという気高い存在から、何かを掴んで奪い取ろうとするかのような無造作な手の動き。
顔も、髪も、乳房も、太腿も、身体の隅々に幾つもの手が伸ばされ、無造作に掴み、弄ぶ。
「いやぁ……やめて……もうやめてぇ………」
その時、掴みそこなったいくつかの手が、破れたスーツの切れ端に引っかかり、偶然それをビリッ!と引き裂いた。
「やめて! スーツを破らないで!!」
深雪の叫び。
ウルザードに敗れ、犯された。
素顔を暴かれた。
魔法を封じられた。
希望など一欠片もないどす黒い絶望の中でも、小津深雪がマジマザーであるという事実だけは、否定できなかった。
そして、その事実が今の深雪を支えていた。
傷ついてボロボロでも、このスーツに身を包んでいる事が、深雪の最後の誇りだった。
だから、このスーツだけは傷つけられたくなかった。
だが、その深雪の思いを込めた叫びが、冥獣達の行動を決めた。
冥獣達の爪が、牙が、無慈悲にマジマザーのスーツを引き裂いていく。
しなやかで強靭であったスーツも、魔法を封じられた今では、ボロボロの布クズ以下の強度しか残っていなかった。
ビリ!ビリビリビリ!と儚い音と共に深雪の肢体が露になってゆく。
「いやぁ! お願い、おねがいっ!!」
叫び声も虚しい。冥獣達はすでに、快楽を満たすこと以外の思考は捨て去っていた。
そして、陵辱が始まった。