神無月の巫女 エロ総合

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861627:05/01/24 16:51:22 ID:0IjL3CrD
460さん、キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!! ヤタ――――ッ!!!!!
乙!乙!GJでした!続き気になる!!

まさかミヤコ×ソウマで千歌音×姫子がみられるとわっ!!
ありがとうございます!!
でも鬼畜なミヤコもちょー観たいですね。また次回の楽しみに



というわけで、今晩自分のダラダラ第三部最終話投下しまつ…たぶん
862名無しさん@ピンキー:05/01/24 17:33:56 ID:us9XEjHC
>>460
キタ━━━(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)━━━!!!!!
GJ過ぎますよ!!本当に!!
まさにこういうミヤコ×ソウマが読みたかったんです!!

ネットカフェから欠かさずチェックしてた甲斐がありました(ノД`)・゜・
本当GJにです。

次回投下も凄く楽しみにしてます。

>>627
毎回、毎回GJな出来ですね!!
貴方の作品も欠かさずチェックしてますw

なんだかTV放映を見てるような感覚で
毎日わくわくしながら読ませて貰ってますw

でも本当今日はカーニバルですなw
863名無しさん@ピンキー:05/01/24 19:11:06 ID:zrlQGcD/
いやね、もうなんというか原作よりキャラの掘り下げが出来てる時点でみんなもう
すげぇよ。原作では正直全くハァハァできんかった姫子にバッチリ感情移入できるし。

>>460
GJ!!
お、俺が描こうとしてたのより遙かにエロいよそしてエグいよ(*´д`*)ハァハァ
こういうダークな心象描写大好き。
やっぱり貴方が描いてくれて良かったですよ!
このままどんどん突っ走っちゃってくだせぇ。
864名無しさん@ピンキー:05/01/24 22:32:43 ID:TeE1wpyf
うぉお!!>>460氏、GJ!
まさか、ミヤコソウマで姫千歌が見られるとは思わんかったー。超得した気分。
続きが楽しみでなりません!いくらでも待つので、焦らず書いてください。
865627:05/01/25 06:25:17 ID:wvLIo8mD
視聴者の皆々様。こんばんわ。 いつも大変遅れまして申し訳ございません。
毎度ご愛顧頂きまことに有難うございます。
インターネット配信・百合脳大河ドラマ「神無月の巫女:番外編」第三部・映画版
「神無月の巫女・ザ・ムービー―Return Kiss―」のお時間です。


さあて、今晩の「神無月」はぁ〜?(サザエさん風に)

やっぱり 交  差  点  エ  ン  ド ですよね?(大嘘)


ところで、姫子・千歌音ラブラブ百合ED→ソウマ姫子にフラレ場面は、460さんが
見事に鬱々モードで再現(なんて絶妙な投下タイミング。あなた様は神ですかw)
してくださいましたので、今回の放送分ではざっくり割愛させていただきます(笑)

…さて本日は、とうとう怒涛の第三部最終話となる第6回「甦る唇の記憶」をお送りします。
都合12レスほど1時間半以上(≦∞通信環境…以下略)枠を予定しております。
合言葉は「千歌音ちゃん、>>850からの続き、受け取って!」
 
↓では、どーぞ。(゜ヮ゜)ノ
866Return Kiss 63/72:05/01/25 06:41:59 ID:Ien2mWFa

―――絶頂のまさにその直後。

姫子は興奮の峠を通り越しての忘我状態にあった。
精根尽き果てたような表情で、身を捩じらせた姫子の上体を、千歌音は優しく手を添えて起こした。
そしてさも愛しく慈しむように、腕の中にしっかりと抱きとめる。
顔がよく見えるように、麗わしの姫君の乱れた前髪をさらりと掻き分ける。

千歌音は自分の口周りにたっぷりとついた、姫子のものであった血潮を手で拭い、
さらに指の血液をチュルッと口に含んだ。
そして今宵の秘め事の最後を締めくくるかのごとく、姫子の唇に感謝と歓喜の気持ちをこめて、
心篤く口づけを施す。

「…ありがとう、姫子。今夜の貴女、とても良かったわ…
 私、二人だけの今日のこと、これから一生忘れない…」


…んんっ?……くちゅっ…。

とろんとした姫子の瞳の中に、千歌音の血塗れの唇が色鮮やかに大きく映る。

姫子は、自分の口の中を、溶岩のような赤く生ぬるい液体が、溢れているのを感じた。
赤ワインのようにほろ苦い味わいと、鼻腔をくすぐる甘酸っぱい匂いまで、今は分かってくる。
生きている証の深紅の溶媒、それを自分の唾液とともにごくりと飲み下した。

喉の内壁を愛撫していくように流れて、体内の奥に溜まりこんでゆく、
この液体の感覚、どこかで……?
867Return Kiss 64/72:05/01/25 06:44:38 ID:Ien2mWFa

―――あ………っ?!

―――ピカッ! ザ―――ッ!


その刹那――。

姫子の頭に閃光のような衝撃が走って、何か複数のイメージの欠片が
情報の洪水となって押し寄せてきた。
断続的な記憶の切片が次々と連なっていて複数枚の画像に形をなす。
さらにそれは重なり合い連なって時系列に沿った、いくつかのシーンを色鮮やかに
再生した映像となっていく。
姫子の中で、見たことのある風景、愛しく懐かしい人々の顔を収めたフィルムが、
時間を巻き戻して廻り始める。

姫子はその記憶のフィルムの衝撃の光に、眩暈を感じて気を失った。



姫子の頭の中を幾つかの想い出がフラッシュバックしてゆく―――。

868Return Kiss 65/72:05/01/25 06:51:15 ID:Ien2mWFa

――……… ザ――――ッ。 ―――プツンッ―…………。


姫子が再び瞼を開いたとき、最初に目に映ったのは、
見覚えのある顔の輪郭と、赤く濡れて光る口元だった。

眼前の少女は、自分の身体を細長く白い両腕で抱えてくれている。
大きな涙の海をその瞳に浮かべながら。
みるみるうちに溢れ返るその雫が頬を幾筋も伝っては、止め処もなく流れ落ち、
姫子の胸元に垂れ込める。

二人の乙女の身体に、窓辺からの強く明るい月光が、神からの恩寵のように降り注いでいた。

姫子の太陽の巫女の証は、持ち主の未だ熱情さめやらぬ肌の紅潮と満月からの照射と
によって、一際くっきりと、ひとつずつの火焔の揺らめきまでが遠目ででも分かるほどの
形をなし、色鮮やかに見えている。

月光に煌めく涙の一滴がタトゥーの上で撥ね返って、
そのタトゥーがその形のままに、太陽のように燦然と輝いた。

明敏な意識を保ったまま、姫子の記憶の中の、あの情景が一瞬の閃光とともに甦った―――…。


―――…胸元の痣の眩い輝きが薄らぐと、
姫子は泣いている黒髪の少女の頬に、そっと右手を差し伸べた。
その少女は、姫子のその掌に手を重ねて、自分の濡れた頬に引き寄せた。
重なり合った二つの掌の上も、涙の通り道となってゆく。

姫子の真っ赤に燃えた唇の動きから読み取れる、「その人」の名は………。

869Return Kiss 66/72:05/01/25 06:54:04 ID:Ien2mWFa

「千歌音ちゃん…。
 ……私、どうして貴女が泣いているのか、今ならはっきりと分かるの…」
「姫子…どういうことかしら?まさか…貴女……」

涙に濡れた千歌音の顔が、少し引きつった。
驚きで、思わず頬に当てた手が離れる。

「私、ついさっき夢の中で全部思い出したの。
 誕生日の千歌音ちゃんとのファーストキスと、河原での人工呼吸…
 そして遠い昔の「私たち」、月の巫女と陽の巫女の悲しい宿命……。
 私と千歌音ちゃんにとって何より大切なことだったのに、気絶か何かのショックで
 忘れてしまっていたの。
 ごめんなさい…私の記憶がないことが千歌音ちゃんを、今までこんなにも
 苦しめていたなんて………」

870Return Kiss 67/72:05/01/25 06:57:23 ID:Ien2mWFa

姫子の方が自らの無知と無理解を謝るので、千歌音の嘆きは諦めにかわる。

「…そう。とうとう知ってしまったのね。
 本当は私、姫子に前世の記憶は取り戻して欲しくなかったの…ファーストキスと
 河原でのキスだけ憶えておいてほしかっただなんて、私ってずるい女…。
 前世のことはずっと、自分だけの胸にしまっておこうと思っていたの…
 姫子を騙していて悪かったと思っているわ。
 知られるのが怖かったの、こんな残酷な私たちの運命を……
 せっかく転生したのに、再会したのに…いずれ二人のどちらかが、
 また死ぬために生まれてきたなんて……」

「前世の巫女たちにあんな真実があったなんて知らなかったの。
 私こそ気づいてあげられなくて、ごめんなさい。
 前世の陽の巫女の死で、千歌音ちゃんは……月の巫女である『貴女』は、
 ずっと自分を責めてきたんだね。
 生まれ変わってきてからも、ずっと一人で…でも、もう心配しなくていいの……」


腕の中の姫子が仰ぎ見て、手を再び差し出す。
千歌音の涙の乾ききっていない頬筋を、慰めるように撫でる。
その掌がすごく温かい。

「「『私』は『貴女』とこれからもずっと一緒にいるからね………」」

姫子の声が「誰か」の声とかぶって、こだまのように心に響いてくる。

871Return Kiss 68/72:05/01/25 07:04:48 ID:Ien2mWFa

その姿は、千歌音の脳裏に強く刻まれてきた、月の巫女に抱かれた陽の巫女の
最期の笑顔を彷彿とさせずにはいられなかった。
全ての不条理を許してしまえるような、あの慈愛に満ちた微笑を―――。

千歌音は湧き上がる涙を堪えるように、眉を寄せ、唇をぎゅっと噛み締める。
ひとりでに、心の中の「私」の声がこだまする。


  ――姫子のこの仕草と笑顔……あの時と「あの方」と同じ……。 
  私の腕の中の「あの方」は息絶える間際まで、こんなふうに
  余力を振り絞って私の頬を撫でて、私の心を慰めてくれたわ……。
  ただの一言も、自分の身体を貫いた血塗りの刃を手にした「私」を
  怨むことも、誰も責めることもなく。
  全てをご自分で悟って。一人だけでで背負って。

  「大丈夫。心配しないで………私は、これでいいから…悲しまないで
   …ありがとう…さ、よ…なら………」
  
  って、呟いて
  優しい笑顔を「私」に手向けて、逝ってしまった。

  命果てた「あの方」の身体が、いつまでも太陽みたいに暖かくて…
  「私」は絶対にすぐに生き返るものだと信じて、
  ずっとずっと口づけをしていた………
  
  何度も何度も私の息吹を送り続けていたのに………。
  「あの方」の唇はもう開くことはなかったの……

872Return Kiss 69/72:05/01/25 07:08:24 ID:Ien2mWFa

掠れるような声で、潤ませた瞳で、今の自分を取り戻した千歌音が答える。

「……前世では月の巫女が陽の巫女を姉のように慕っていたわ。
 それなのに『私』はオロチを倒した後に『あの人』を……。
 転生したら今度は絶対、私が陽の巫女になる女の子を守るって決めてたの…。
 それが姫子だった。姫子が運命の人で私は良かったの…。
 だからオロチの最初の襲撃や水難事故のとき、私は貴女を助けるのに必死だった。
 姫子の笑顔がまた見れるなら、その言葉が聴けるなら、私は命を捧げても惜しくはないと……」

「私も大好きな千歌音ちゃんが月の巫女で良かったよ。
 でも、千歌音ちゃんが月の巫女って分かる、そのずっと前から、
 私は千歌音ちゃんのことが好きだった。
 何でもできて何でも持っている素敵な「宮様」じゃなくて、私の前では、いつも等身大で
 素顔の自分を見せてくれる普通の女の子の「千歌音ちゃん」が大好きだから…。
 月の巫女と陽の巫女の因縁とか想いとかも大事だけど、
 私は今の千歌音ちゃんへの想いのほうが重要なの!」


姫子はきっぱり言い切って、真珠のような瞳で、真摯に千歌音の目を見据えた。
873Return Kiss 70/72:05/01/25 07:12:20 ID:Ien2mWFa

姫子の純粋な眼差しに、暗い回想で疼いた心が堪えきれずに、
千歌音は思わず伏目がちになる。

「本当は一人だけの苦しみと悲しみに満ちた歳月なんて、もうお終いにしたかったわ…
 でも、姫子を運命の業火に巻き込みたくなかった…もう二度と…」


姫子は千歌音の首に両腕を絡ませて、注意を惹くように、少しばかり憂いに沈んだ、
サファイアのような瞳の顔を覗き込んだ。

「貴女が気の遠くなるような昔から『心の社』に閉じ込めてきた想いと迷いと心の痛み…
 それが私にも今なら分かるの。
 これからずっと、私は千歌音ちゃんと想いを共有してゆくの」
 

天岩戸のように固く閉じられた心の扉に差し込んでくる光の声。
千歌音の瞼が大きく開かれた。

じっと見つめあう二人の乙女の美しい横顔が、月明かりに照らし出される。

「姫子…ありがとう。姫子の言葉で私は今やっと気づき直したの。
 思い返してみたの、現在の私の気持ち。
 陽の巫女の生まれ変わりだから、私は姫子を好きになったのではないの、
 今のままの姫子を愛しているんだということにね……」

874Return Kiss 71/72:05/01/25 07:15:57 ID:Ien2mWFa

千歌音の涙の乾ききった切れ長の瑠璃色の瞳が、姫子の明るく澄み切った瞳を、
優しく捉えている。
月の少女は、太陽の少女の折れそうなくらい華奢な腰にそっと両腕を回す。
今日何度も何度も、その身を強く優しく抱き締めた細長い腕としなやかな手つきで。

「生まれ変わる前の人生よりも、生まれ変わった後の人生のこと考えようよ。
 これからは、二人一緒で、ね?」

「そうね…これからが、私たちの新しい人生と恋のはじまりかしら」

「うん、うん…じゃぁ、その新しい人生のお祝いに…私からのプレゼント。
 千歌音ちゃん、私の『本当』受け取って!」

丸く大きなすみれ色の瞳の少女の、あの最高の笑顔が近づいてくる。

姫子は千歌音の唇に、甘くて蜜のように蕩けるキスをした。

「千歌音ちゃん、ハッピー・リバースディー! 私たち、生まれてきておめでとう!」

千歌音も姫子の唇に、負けないくらいの情熱的で盛大なキスをお返しする。

「姫子も、ハッピー・リバースディー! 私たち、生まれ変わってきてありがとう!」


そして、二人の少女は、明るく楽しく笑いあって、
しっかりと抱き締めあって、誓いあっては、語り合った。
キスではじまる姫子と千歌音の今日からの新しい人生と恋とを………。

875Return Kiss 72/72:05/01/25 07:24:24 ID:Ien2mWFa

―――その後。
二度三度の熱い抱擁を繰り返してからの、姫子と千歌音の寝物語。

今、二人の少女は身に一糸纏わずに、お互いの素肌で暖めあいながら、
ベッドに横になっている。
姫子に腕枕をしながら、千歌音が耳打ちするように語りかける。

「たしかフランス人女性の書いた哲学書で読んだことがあるの。
 『私たちは二度生まれてくる。最初は人間として。その次に女性として』って言葉をね。
 女の子にとっては、男性とはちがう女性、女性らしい女性として生きることが
 『第二の人生』なのよ。他のみんなも姫子も私も、それは変わらない事実だわ。
 でもね、私たちには、二人の間にしか分からない運命が、誰も知らない特別な人生があるの」

「うんうん、千歌音ちゃん。私も分かる。
 それがあるから、私たち何度も転生して、再会して、恋に落ちるんだよね」

「そうよ、姫子。私たちは今、いうなれば『第三の生』を生きているの、それはきっと………」

ひと呼吸おいて、二人の乙女は口を揃える。


「「神無月の巫女として」」


【終】

…じゃ、なくてエピローグへ続く。

【ED】♯「agony」by KOTOKOの脳内演奏をお願いします♪

876Return Kiss おまけ:05/01/25 07:28:49 ID:Ien2mWFa

―――……ブ―――――ッ!  スルスルスル……ザワザワ……
(ブザー鳴って黒幕が下りてゆく。次第に照明が点灯しはじめる空間。漏れ聞こえてくる、ざわめきの声)

♪―場内アナウンス―♪
本日は、劇場版「神無月の巫女・ザ・ムービー―Return Kiss―」を長時間ご覧くださいまして
誠に有難うございました。館内が明るくなるまでは、他のお客様のご迷惑になりますので、お座席
をお立ちにならないようお願い申しあげます。また、お持ちになられましたご飲食物などのごみ類
や不要のパンフ等は必ず、各自でお持ち帰り下さい。
それでは、お手回りのお荷物・貴重品等お忘れ物なきようご留意の上、お足元にお気をつけてお帰り
下さい。次回のご来場もスタッフ一同、心よりお待ちいたしております。…プツンッ


ユキヒト「先生、先生!ほら、もう終わっちゃいましたよ、映画」ユサユサ…
    (隣席の長髪の男の肩を揺さぶって起こす)
カズキ 「パチッ… んんっ…?ああっ、ユキヒト君…いやぁ、実にいい映画だったねえ。
     感動ものだよ、ははは」
    (眠そうな瞼を擦りながら、うーんと背伸びをして肩を叩く)
ユキヒト「何言ってんですか、先生!ほとんど爆睡してたでしょ?!こんなに涎たらして
     大きなイビキもかいてたし…だいたい、先生が学割でチケット買いたいからって、
     こんなクソムービーに無理矢理つき合わされた僕の身にもなってくださいよ、もう!」プンプン…
カズキ 「はははっ、じゃ、もう行こうか」


――…館内を後にする怪しげな雰囲気のヤサ男二人組。

その背後では、パンフや紙コップをバサバサと盛大にスクリーンや地面に叩きつける音、
夥しい観客の「金返せ――ッ!ゴルァ!!」「ソウマ救済しろや!!ボケェー!」
「オロチ衆、完全ムシかい!チクショー!!」等の罵声が飛び交っていた……―――。

877627:05/01/25 07:30:44 ID:Ien2mWFa

――…す、すみません、石を投げないで下さいっ!失礼しました(泣)


「ハッピー・リバースディ!」の台詞前に、月光の下で向かい合う千歌音と姫子は、
EDの一枚絵(肩脱ぎ巫女服。アニメ宣伝ポスター。しかしココでは全裸でって…ウフフ)
をイメージして描写しました。
自分のパソ壁紙として愛用wしつつ執筆できて幸せです(*゚∀゚*)
最後の千歌音いうところの哲学書とは、ボーヴォワール『第二の性』ででてきた言葉だったような、うろ覚えですが…蛇足ですね、スマソ。

読者の皆様、本日も、このような駄文にお付き合い下さり有難うございました。

「千歌音ちゃん、次のエピローグも読んでくれるかな?」
…また性懲りもなく明日以降投下予定(18レス程消化予定^^;)です。
あと少しだけご勘弁を。

皆様、お休みなさいまし。ではまた。
878名無しさん@ピンキー:05/01/25 07:44:29 ID:GiP0Da2g
朝も早よから乙。

ソウマは……,踏み台ということで<ヲヒ
879名無しさん@ピンキー:05/01/25 13:13:52 ID:Ff0MiS4j
わ、私は幸せです…!GJ!
じんときた。切ない。気になる。
続き頑張ってください。楽しみにしてます!
880名無しさん@ピンキー:05/01/25 13:53:39 ID:v6UxUCG7
。・゚・(ノД`)・゚・。


もう、涙腺緩みっぱなし!感動した! 
TVの最終回思い出して、余計じーんときた
ありがとう627氏!!GJ!!!
881名無しさん@ピンキー:05/01/26 00:59:13 ID:ET+w7/Zo
ご無沙汰してます。
前に中学生ものを書いたものです。
今前世の話を書いてるんだけど
姫子とか性格違うんですわ…
むしろ千歌音っぽい。
それでもここの方々に受け入れて頂けるのか
伺いたいです。
882名無しさん@ピンキー:05/01/26 01:02:08 ID:kKskNZbe
どんとこい!
883名無しさん@ピンキー:05/01/26 01:20:52 ID:3IwgvM2D
ばっちこーい
884名無しさん@ピンキー:05/01/26 01:52:43 ID:bJbF/ddb
前世なら性格が逆でも不思議はない
885名無しさん@ピンキー:05/01/26 02:14:36 ID:3IwgvM2D
前世だと姫子が逆におねいさんになってるようなイメージがある。
886627:05/01/26 04:06:39 ID:Re062vUI
>>881さん!アナタは私ですかw

以前の中学生千歌音の話、堪能させて貰いました!
あなた様の大ファンです!投下絶対、楽しみにしてますっ♪
自分も今後、前世もの準備中(でも予定は未定w いろいろ勉強したいんで、
たぶん一ヶ月以上先)…でも、千歌音と姫子の性格どころか巫女の名前も勝手設定なんで、
オリキャラ百合スレにでも投下しようかと思ってました。
せめて介錯先生の漫画で名称ぐらい出してくれたらいいんですが。
今後出てくるかな?

で、今晩というか、もう明け方に、最後の投下予定のため、今推敲中なんです…。
待ってる人、もしいたらごめんなさい。
887627:05/01/26 06:14:01 ID:Re062vUI
視聴者の皆々様。こんばんわ&おはようございます。
いつもスレお目汚し&駄文迷文浪費家の627です。
毎度ご愛顧頂きまことに有難うございます。

先日配信致しました、超イタい百合脳大河ドラマ「神無月の巫女:番外編」
第一部〜第三部を捕捉する小説版が×川文庫より発売されました(ありえません)。
その名も「神無月の巫女:番外編エピローグ―Reverse Kiss―嵐の前夜」です。
今回は、特別にその中身を映像化してお送りします。

都合18レスほど2時間半以上(≦∞通信環境…以下略。いつも回線断絶しまくり)
枠を予定しております。

合言葉は「千歌音ちゃん、私からのエピローグ、受け取って!」

↓では、どーぞ。
888Epilogue: 0/16:05/01/26 06:17:26 ID:Re062vUI
【前回までのあらすじ】(Episode 3:Return Kiss  >>755-875あたりをご参照)

ナレーションby間島淳司(+松本保典)


来栖川姫子と姫宮千歌音。惹かれ合う二人の少女の心は、巫女の宿命に翻弄されて、
互いに深く交錯してゆく。満月の晩、キスへの誤解と前世の記憶との関連を巡って、
姫子は千歌音の秘められた想いを知る。彼女たちは様々な紆余曲折を経て、遂に
初めての歓喜に満ちた契りを交わした。だが、二人の乙女の運命は、来るべき本当の
「嵐の夜」に向かって再び廻り始めるのだった…。

ソウマ「来栖川!俺にできることは、せいぜいこんなエロSSで
    アニメを脳内補完することしか、できない――っ!」
ツバサ「ソウマ、ならばせめてこのスレの最後まで、バカな妄想を貫かせてやる!
    来おぉぉい―――っ!!」


【OP】♯「Re-sublimity」by KOTOKO の脳内演奏お願いします♪

【タイトル】Epilogue:Reverse Kiss―嵐の前夜―
889Reverse Kiss 1/16:05/01/26 06:22:27 ID:bFUhhsg7
Epilogue: Reverse Kiss―嵐の前夜―



――……チュン…、チュン…、チュン……。

朝の眩しい射光と小鳥のさえずりに起こされて、来栖川姫子はぱちりと目を覚ました。
なんだか随分と長く眠っていたような気がする。

最初に自分の目に映ったのは、見覚えのある顔のシャープな輪郭と、赤く可憐な口元だった。
ベッドの傍らで、大切な友人であり居候先のご令嬢、姫宮千歌音が倒れ伏していた。
姫子の汗ばんで温かな右手を、その白く冷たい右手で固く握り締めたまま。
その右手の人差し指に、昨日にはなかった絆創膏が巻かれてある。

「千歌音ちゃん…!」


姫子は、大急ぎで千歌音の肩を揺さぶってみた。
やがて、千歌音は少し眠そうな目を擦りながら、ゆったりと起き上がる。

「…あら、姫子。おはよう。ご機嫌はいかが?」

  良かった…単に眠り込んでいただけなんだ、千歌音ちゃん。
  そういえば私、川に落ちたんだっけ。
  ここは天国、じゃもちろんないよね……。

890Reverse Kiss 2/16:05/01/26 06:24:49 ID:bFUhhsg7

痛みも消えて軽くなった頭を存分に巡らせながら、姫子は紛れもなく、
ここが姫宮家の寝室であることを確認する。

唇がこころなしか熱く湿っぽい。
表面を何度もなぞって、感触の余韻を確かめてみる。

「私、昨日の夜は、もしかして…その…千歌音ちゃんと……」

―――あんなことや、こんなことをしたよね?!

とは、さすがに恥ずかしくて聞けない。

姫子は頬を紅く染めて、息を詰まらせる。
緊張のあまり言いよどみ、遂には口籠ってしまう。
その顔を心配そうに千歌音が覗き込んでいる。

「え?…姫子、何を言っているの?貴女は川で転倒した後、病院から我が家に運ばれて、
 ずっと今朝まで、三日三晩も高熱にうなされて寝込んでいたのよ」
「えっ……?!でも……」

――…昨日は私たち一緒の夜を…過ごした、はず……?


驚いて見上げた姫子の瞳に、千歌音の怪訝そうな顔つきが映った。

891Reverse Kiss 3/16:05/01/26 06:26:53 ID:bFUhhsg7

「姫子、もしかして頭の打ちどころが悪かったのかしら……
 熱がまだ残っているのかしら?」

そう言って千歌音は、姫子に額を寄せてきた。

目と鼻の先にある千歌音の顔に、姫子は火が噴き出そうに真っ赤になる。
しかし、異常に波打つ胸の鼓動を手で抑えつつ、自ら瞳を閉じていた。
熱を確かめてくれた後の、淡く唇への口づけの期待なんか抱きつつ。

千歌音は姫子の誘惑するような唇をちらりと一瞥しはしたが、くっつけあった後の
額のほうへと軽く口づけを施した。
そして、胸元に姫子の頭を一瞬だけそっと抱き寄せた。

塞がらなかった口元で、肩透かしをくらったという表情を浮かべる姫子。
見つめる千歌音は、穏やかで優しげで笑みを湛えている。

「熱はもうないわね。良かったわ」

892Reverse Kiss 4/16:05/01/26 06:29:54 ID:bFUhhsg7

―――コン、コン!

「お早うございます、千歌音お嬢様。失礼致します」

その時、ドアをノックする音がして、姫宮家メイド長の如月乙羽が扉から顔を覗かせた。
朝食の支度が整ったので、呼びに来たらしい。

「姫子は着替えを済ませて、後からいらっしゃい。食堂で待っているから」

そう言い残した後、千歌音が扉に手をかけたまま立ち止まった。

「…………………」

こちらを振り返り、なぜか意味深な目配せをした。
少し淋しさを滲ませるように、唇をぎゅっと噛み締めるように結びつつ……。

―――……千歌音ちゃ…ん……?


そのときの千歌音の姿に、理由もなく姫子は違和感を覚えた。
千歌音の遠ざかる背中を名残惜しそうに見つめながら、一人で物思いに耽る姫子。
姫子は唇にもう一度触れてみる。

  やっぱり、「あれ」は夢だったのかな…?
  千歌音ちゃんとの熱く、甘い夜……
  それに、もうひとつ別の世界で「誰か」と「何か」をしていたような……?

893Reverse Kiss 5/16:05/01/26 06:32:43 ID:bFUhhsg7

千歌音との破廉恥で濃密な肉体の絡み合いを想像して、姫子はまたしても赤面する。
そして夢と現実との辻褄を、考えれば考えるほど、姫子の単純な頭が混乱する。

突然、腹の虫がぐーっ、と鳴ったので、姫子は思考回路のスイッチを
現実路線へと入れ換えた。

「朝ご飯食べてから、思い出せばいいかな…。うん、咽も渇いたし…」

両手を思い切り、天井へ向かって伸ばして、うーんと背伸びする。

「さて、と。千歌音ちゃんを待たせると悪いから、早いとこ着替えて………」

そしてボタンを外そうとして着衣にかけた手を、はたと気づいてとめた。

――姫子は、白地の着流しのような寝間着を身につけていた。

「あれ、私、こんなの着てたっけ…?
 それに、千歌音ちゃんのさっきのあの格好って……」



894Reverse Kiss 6/16:05/01/26 06:37:18 ID:bFUhhsg7

その頃…姫宮家の別室で―――。


黒髪の少女は、薄紫色のパジャマと下着一式を手にしていた。
物憂げな瞳に光る一筋の涙。

その衣類を両腕でしかと抱き締めて、愛撫するように口づけをしている。
それに 確 か に 昨 日 ま で 、袖を通していた人物の姿を思い描き、
その身体の感触を思い起こし、その名を幾度も囁きながら……。


千歌音は敢えて、身も心も結ばれた前夜の記憶を、姫子から一時的に抹消していた。

最愛の人を巫女の宿命から守りたいが故に、逆に傷つけてしまう
あの「衝撃の夜」を 今 晩、迎えるために。
姫子の運命と世界の行く末をただ一身に背負うため、
自分を慕う姫子の心をひたすら欺き続けるために。


一体、千歌音はどうやって姫子から蜜月の夜の記憶を消去したのか?
その謎の解明は、二人が初めて結ばれた数時間後に遡る―――。

895Reverse Kiss 7/16:05/01/26 06:39:55 ID:bFUhhsg7

――――。

夜明け前になって、千歌音は目を覚ました。
そのすぐ傍らで、すーすーと音を立てる姫子のかわいらいしい寝息が聞こえる。
姫子は身じろぎひとつせず、ぐっすりと寝込んでいる。


睦みあいの行為の後―――。
姫子は千歌音に腕枕をしてもらいつつ、二人は睦言に興じて、心は癒されつつも
その身はすっかり疲れきって、一糸纏わずにお互いの素肌で暖めあいながら、
眠りに落ちたのだった。
それは、千歌音にとって束の間の至福のひと時であったことだろう。


千歌音は姫子の寝顔を眺めたのち、こめかみのあたりに軽くキスをする。
姫子は依然として、瞼を閉じたままだ。

千歌音は、口元を妖しく綻ばせる。

「薬がよく効いてるわね……」

どうやら数時間前に与えた睡眠薬の効果がてきめんのようだ。
昨晩、解熱剤に紛れ込ませた睡眠薬を、千歌音は姫子に気づかれないように、
わざと口移しで与えたのだった。
その催眠効果は服薬して数時間後に表われるものであった。

千歌音は、姫子の頭の下から腕をそっと抜き取った。
衣擦れの音もなく下着を身に着け、緋色のガウンを羽織る。
こっそりベッドから身を滑らすと、足を忍ばせて隣室に向かう。

896Reverse Kiss 8/16:05/01/26 06:44:12 ID:bFUhhsg7

隣室から戻ってきたときの千歌音は、手に衣類を携えていた。
白い上衣に朱袴といった巫女装束の出で立ちで。
千歌音は、手早く横たわる姫子の裸体に、手にしたその衣装――
自分のものと色違いの紫苑の巫女服――を纏わせたのだった。

千歌音の足は、さらに室内のサイドテーブルに向かう。
その引き出しの中を探って、何かを取り出した。

再び、姫子の前に戻ってきた千歌音の手には、一口(ひとふり)の小太刀が握られている。
それは、姫宮家当主が先祖代々継承してきた「伝家の宝刀」であった。

その柄は黒塗りの地に金箔で螺鈿の紋様をあしらってある。
その造りから相当高価なものと分かる。

897Reverse Kiss 9/16:05/01/26 06:47:33 ID:bFUhhsg7

千歌音の右手が神妙な手つきで、スラリ、とその鞘を抜く。

刀身が美しく弓形に反り返っていて、刃毀れひとつない。
よく手入れされた刃先は、持ち主の冷静で几帳面な性格を物語っている。
鋭利な剣先が妖しい光沢を放っている。

その鏡のように磨き上げられた刃の平面に、持ち主の少女の
暗く思いつめたような表情が映し出されている。

さらにその刀の抜き身を、寝ている少女の首筋近くに寄せた。
今度は刀身に姫子の斜め横顔が映っている。

姫子は、あいかわらず無邪気に寝そべっている。

千歌音は語りかける。

「貴女が悪いのよ…姫子。
 貴女が大神君とのファーストキスの話をしたから。
 貴女が私の月の巫女としての記憶を知りたがったから。
 そして……貴女が私の『本当』に気づいてしまったから………」

898Reverse Kiss 10/16:05/01/26 06:52:43 ID:bFUhhsg7

千歌音は、その小太刀を勢いよく振りかざした。

―――ヒュンッ!  
        ―――スパッ……パサッ………。


千歌音の華麗な剣捌きによって、懐剣の刃先が弧を描くようにして宙を舞い、
振り落とされる。
空気と同時に何かを颯爽と切る音。
数秒遅れて何か軽いものが、はらはらと空を漂いながら床に落ちる音が、聞こえた。

千歌音はもう一度、今度はゆったりと抜身に纏まりつくものを振り捨てるように、
空をヒュッとなぎ払った。
まるで、自分の心を一刀両断して、吹き溜まりになった
迷いだけを薙ぎ払うかのごとく…。

「相変わらず、いい切れ味ね……」

その呟きを発した口元がにやりと微笑んだ。
少女の凍てつくような、けれど崇高ささえ感じさせる闇の瞳が、妖しい輝きを放つ。
真冬の夜、地面に張った氷に映し出された曇り空から時々覗く月光のように。

刀剣を眼前で垂直に構えた千歌音。
正面からみれば、刀身で切り分けられた左右の顔が月光の射光によって、
陰と陽ほどに異なる印象を醸し出している。


姫子は、糸の切れた操り人形のごとくに横たわっている。

……その寝息は聞こえない。
899Reverse Kiss 11/16:05/01/26 06:55:49 ID:bFUhhsg7

千歌音は左手に持ち替えた懐剣で、微塵の躊躇いもなく、
右の人差し指の先を軽く切りつけた。
白く長い指の腹にスパッと一筋の線が入って、肉の切れ目から瞬く間に
じわじわと血が滲んでくる。

千歌音は、指先の痛みなどものともせず、眉ひとつ動かさない。
彼女の瞳は、自分のものであるその深紅の液体が指を伝って手首の付け根まで
流れ落ちる様と、もの言わぬ姫子の安らかな顔とを、交互に捉えている。

今にも床に零れそうなほど血を滴らせる指を、千歌音は口に含む。
流れる血を唇で吸い寄せる。

そしてその血に塗れた唇で、姫子の甘い唇に濃密な接吻をする。
あの深く咽喉の奥に至るまで、姫子の口内を蹂躙していくような情熱的なキスを。

そして、真っ赤に染まった姫子の唇を渇かぬうちに、
無傷の小指と薬指の先で優しく拭った。

900Reverse Kiss 12/16:05/01/26 06:59:11 ID:bFUhhsg7

千歌音は、たった今、眠り姫の唇を奪ったその口で、
鞘を納めた刀剣の柄にいとおしそうに、しかし妖しい口づけを施してゆく。
その後、小太刀は大事そうに千歌音の着衣の懐へ隠された。

そして、床に散らばった数十本の短い髪の毛を静かに掻き集めて、
束にして掌で押し潰さんばかりに握り締めた。


その毛髪の元の持ち主――。
紅茶色の髪の少女は、身じろぎひとつせず………未だ深い眠りに落ちていた。

千歌音は、独り言を呟く。


  昨晩は姫子に押し切られて、思わず積年の想いを告げてみたけれど…。
  姫子…私は貴女を愛しているから。
  「貴女」を今度は絶対に失いたくないから…。
  巫女の悪しき宿命から救うために、
  私は 今 日 の 晩 こそ、この刀剣で、
  すでに至るところ、愛して慈しんで慰めて、知り尽くしてしまった
  貴女の大事な「カラダ」を貫くの………―――。

901Reverse Kiss 13/16:05/01/26 07:01:58 ID:bFUhhsg7

神無き月に邂逅した二人の巫女のキスには、深い秘密がある。
それが、記憶の解放と封印、人格の生成と消滅の手段であることを、
今の姫子は知らない。
記憶を再生したはずの姫子の頭の片隅からその事実が、千歌音の仕業で、
すっぽり抜け落ちていた。

千歌音とのファーストキスは、
姫子の生誕と陽の巫女としての降臨を祝い、
千歌音の河原でのキスは、姫子の復活と前世の記憶へのニアミスを生じ、
千歌音との契りを交わした前夜のキスは、運命の二人の絆を深め、
今また、千歌音の血塗られたキスが宿命のために、その絆を引き裂こうとする。


そして前世の月の巫女のキスは、陽の巫女の転生と再会を願って。

想い人を自らの手で殺めたことへの悔恨のために、
太古の月の少女は太陽の少女の記憶を吸い取ったのだ。
逝く者の最後の「一息」と「純潔の血」とともに…。

902Reverse Kiss 14/16:05/01/26 07:06:15 ID:bFUhhsg7

オロチの復活とその封印、すなわち世界の崩壊と再生のためには、
二人の巫女のどちらかが命を捧げなければならない。

世界のはじまりとおわりに、乙女の穢れなき身体と「純潔の血」の奉納が必要なように、
二人の巫女自身の輪廻にも二人の生気と血と接吻とが関わっている

…のかもしれない。

千歌音の姫子への陵辱は、陽の巫女の純潔を奪うことで、
姫子を犠牲から救う最後の「奥の手」であった。
そして、その「奥の手」の小道具は今……。
 
来るべき世界の危機に、自己破滅的なシナリオを実行するために、
千歌音は姫子に悲しい嘘をつく。
 
「この物語」は、悲壮な決意に身を固めた月の巫女、姫宮千歌音が望んだ可能性
もしくは一炊の夢に過ぎない……。 


903Reverse Kiss 15/16:05/01/26 07:08:37 ID:bFUhhsg7

―――唇だけが知っている二人の乙女の愛の絆と運命と歴史。


少女たちの命運と、世界の行く末を握る鍵は、この時点では、
もう一人のヒロイン、姫宮千歌音に委ねられていた。

けれど、千歌音も今は気づいていない。

姫子の昨晩の記憶の封印が実は不完全であったこと。
姫子のカラダに刻んだ二人だけの感覚の絆が残っていたこと。
それゆえ、近い将来の狂気じみた情事でさえ、一夜明ければ、姫子にとっての
忘れがたい思い出に変わること。
姫子が、千歌音の心にしまっていた『本当』に、気づきはじめてしまうこと。

それゆえ、最終局面で、自分の夢見た決着―姫子の腕の中での末期―に加え、
転生による魂の救済と輪廻からの解放が、全てを悟った姫子の側からの
口づけによって成就されることに………―――。

 
904Reverse Kiss 16/16:05/01/26 07:13:55 ID:bFUhhsg7


銀月の嵐の夜の当日の、静かな朝に、

紅の巫女服を身に纏った月の少女の真っ赤に濡れた唇が、太陽の少女との
二人だけの真実をそっと呟く―――。


―――私たちは

  キスで現世に生き返って、     rebirth in this world by kiss,
  キスで記憶を思い返して、    remember what we were by kiss,
  キスで前世に舞い戻って、    return to another world by kiss,

  そしてキスで物語をひっくり返す  reverse our story by kiss,


       何度でも、生まれ変わって、出会って信じて、ときには傷ついて、
       恋に落ちては、二人だけの想い出を重ねるために―――。



【完】

905627:05/01/26 07:46:16 ID:ZQao5eF9

………夢オチ+タイムベント…って介錯でいいのかな? withデビルスマイル(笑)


ハッピーエンド期待されてた方は、前回ので終わったことにして下さい(苦笑)
まあ、アニメ最終回+介錯先生版のコミックス第一巻ラストとの辻褄合わせを持たせ
たかったわけですが…。(「介錯」だから、血塗れネタか、ツマラン)
例の8話前後の千歌音オロチ化?や精神破綻の動向は未見なので分からないです。
だからかなり適当。
千歌音ちゃん、情緒不安定すぎるよ、千歌音ちゃんw

あとSSのくせに、キャラの台詞少なすぎ、自己満足的解説多すぎ、伏線矛盾あり、
改行多すぎ下手すぎですね。
ほんとスンマセン…回線切っていっぺん首吊りに逝ってきまつ…_| ̄|○ 

しかも、読み返したらエロ描写妙だし萌えないし、変なトコ一杯あるな。
ちゃんとDVDで全話視聴後書き直して、いつか自分のHPで発表したいと思います。
小説のみの同人サークル参加もいいのだけど、あまりなさげ。

最後になりましたが、拙稿にここまでご読了くださり、ご意見頂きました読者の方々、
これまで素敵なパロを読ませて下さった他職人の方、そして投稿する機会を設けて下さった
スレ管理者様に感謝致します。
神無月カーニバルでますます投下が増えそうなので、次スレも存続決定ですよね?
ってか今後も投下したいので、迷惑じゃなきゃ宜しくお願いします。

「千歌音ちゃん、次は881さんはじめ他の人のSSが読めるのかな?」

では、自分は名無しの一読者に戻りますんで。
皆様、ごきげんよう。(゜ヮ゜)ノシ


906名無しさん@ピンキー:05/01/26 13:23:37 ID:QPCCFINC
627さん、長い間の投下乙でした!GJ! 
最初からもう一度読んでみるよ
907磊 前世 出会い編:05/01/26 20:24:34 ID:ET+w7/Zo
どうも、元中学生の人です。
NGワードは滅多に出番の無さそうな漢字の「磊」でお願いします。

姫子の性格については大丈夫みたいで良かったです…
その他にもオリジナルの設定などどうなのかな、と思うところがあるので
とりあえずお試しということで、キリもいいし
「出会い編」として書けたところまで、どーんといかせて頂きます!

>627さん
完結おめでとうございます。
これだけの量を質を保ったまま書くことができるなんて…
遅筆の身には627さんが眩しく見えます。
同じ板の百合スレも見ていますので、前世ものの投下を楽しみにしています。
908磊 前世 出会い編:05/01/26 20:25:24 ID:ET+w7/Zo

月がおぼろに霞む春の夜のことだった。

淡い月光でけぶるような夜道をゆく影が二つある。
「姫子さま…」
「なあに?」
ぶるっと身をふるわせたのは姫子の乳母だ。
「何だかおそろしいような夜ですわね。ご覧なさいませ、
まるで月が泣いているようですわ…」
村外れにある社からの通い慣れた帰り道も、いつもと違うように姫子の眼に映る。
(今宵は何かが起きそうな夜だこと)
しかし不安がっている乳母を怯えさせることはするまいと、姫子は笑顔を向ける。
「大丈夫よ、こんな夜もあるわ。さ、急いで帰りましょう」
足を速めた直後、道の傍らの草薮が音を立てた。
獣が身じろぎしたしたような気配を感じ、乳母は「ひっ」と悲鳴をあげ、
その場に立ちつくしてしまった。
乳母を庇って姫子はその前に立ち、気配のする闇をにらみつけた。
「何者!」
息をつめる二人の前へ、四つ足の獣がゆっくりと歩み出てきた。
そのとき、雲の切れ間から月光が射し込み道を照らし出した。
その獣は人だった。それもまだ子供だ。
男か女かも見分けのつかない顔に清らかな月光が当たる。
汚れ乱れきった髪の間から意外なほど綺麗な瞳が姫子を見つめる。
視線があったとき、姫子の体内のどこか深いところで、火花が散った。
「姫子さま、いけません!」
乳母の甲高い声で我に返ると、姫子はいつのまにかその獣じみた
人間のすぐ前に立ち、瞳をのぞきこんでいた。
909磊 前世 出会い編:05/01/26 20:26:43 ID:ET+w7/Zo

「あなたの名は?」
「…………」
言葉を話すことができないのか、黙って見返すばかり。だがその瞳は
知的で穏やかといってもいいほどで、姫子の恐怖心はすっかり消えていた。
「お腹はすいてない?」
相手は相変わらず黙ったまま、うなずいた。
「じゃあついていらっしゃい。私の邸で食べ物をあげる」
「姫子さま、なんてことを」
非難じみた乳母の声をそっと己の唇に指をあてて封じる。
「私が面倒をみるわ」
反論を許さずに歩き出した。振り向くと乳母は諦め顔でついてくる。
その更に後方で、小さな影が夜の闇に紛れるように二人の後を追ってきている
のを確認し、姫子は落ち着いた気持ちで歩き続けた。
何かが起きそうだという予感はどこかへ去っていた。
もうその「何か」は起きたのだと姫子は思う。陽の巫女としての直感だった。

邸につくと、厨へ向かった。夜が遅くとも、姫子の邸では誰かしら起きている。
下女に言いつけて木の鉢に粥を一杯よそってもらう。
外へ出て鉢を地面に置き少し離れて待つと、影が近づいてきた。
姫子から眼を離さないようにしながら、鉢をかかえて直接口を付け
中味をむさぼっている。しばらく経ったあと空になった鉢が地面に落ち、
人影は俊敏な動作で近くの樹の陰に隠れた。姫子は鉢を拾い上げて声をかける。
「夜があけたらすぐいらっしゃい。また粥をあげるから」
そして自身も休むために邸へと入っていった。
910磊 前世 出会い編

翌朝、日の出前に目が醒めた。いつもなら起床をぐずぐずと延ばす姫子にしては
珍しいことだった。昨夜の獣じみた影を思い出し、慌てて着替える。
真新しい単衣と手拭いを持ち、下女に用意してもらった粥を片手に姫子は外へ出た。
待っていたかのようにすぐに汚れてみすぼらしい人影が現れた。
「待たせてしまったかしら? さあまず食べて」
粥の鉢を地面におくと、今度はそれほど空腹ではなかったのか、上品ともいえる
しぐさでそっと粥を口に運んでいる。
身体にまとっているのはボロボロに擦り切れた布一枚。
髪は泥でところどころ固まり、木の葉がついている。
粥を食べ終わるのを見届けると、姫子は「ついていらっしゃい」と話し掛け、
邸の裏手へと回った。裏には清浄な水が流れ、邸のそばで深い水溜りをつくっている。
「ここで身体を洗いましょう。水がまだ冷たいかもしれないけど、今の姿のままでは
お湯を使わせてもらえないから、とりあえずここで綺麗にしましょう」
通じているのかふと不安になって瞳をのぞきこむと、わかったと言いたげに小さく頷いて、
水に入っていった。布を留めていた紐を解くと、裸身があらわになった。
すぐ水の中に身体を沈めてしまったから、姫子が目にしたのは一瞬のことだった。
「あなた、女の子なのね。だからそんなに汚していたの? 野に居たって河も泉も
探せばあるのに何故だろうって思っていたのよ」
傍へ近寄って話しかける。白い手が一心に髪のもつれを解きほぐしているが、答えは無い。
長い黒髪だった。汚れが落ちるに従って、元来の美しさが蘇ってくる。
少女はざっと水飛沫をたて、髪をふりはらった。
「きゃっ」
おもわず腕で飛沫を避けた姫子がつぎに顔をあげたときに目にしたのは
今まで見たこともないほど美しい少女だった。
白い裸身に浮いた水滴は、朝日をうけて輝いている。青味がかって見えるほど
黒々とした髪は豊かに背中を流れ落ちている。
姫子を真っ直ぐ見据える瞳はまるで黒曜石の黒だ。