あれだけ醜態を晒しながらも、まだ自分の醜い劣情は無くなっていないらしい。
冥を責め立てながらも、一度思い出してしまった嫉妬の思いはすぐには消えない。
「‥‥キス‥、いっぱいキスして、くれたと思う‥‥。あんっ!」
御剣の指の動きに翻弄されながらも、冥は律儀に応えようとしてくれる。
「思う?」
「よく、憶えてない‥‥。んっ、レイジの、あん、レイジのコト、考えてたからっ‥‥はっ!」
「‥‥‥‥」
その時、冥が一際高い嬌声を上げた。もう限界が近いのか。
「あっ!レイジっ‥レイジぃ!あっ、‥あ、あああぁぁあん!!」
深く差し込まれた指が痙攣するように収縮した膣壁できゅうぅと締め付けられる。ぐぐっと持ち上がった腰を、すとんとソファに下ろし、冥はぐったりと御剣にもたれ掛かった。
執拗な御剣の責め立てに、絶頂を迎えてしまったらしい。
そうだ、以前の事がなんだというのだ。今、冥は自分の腕の中にいて、全てを任せてきているというのに。
また浅はかな思いに囚われかけたのを恥じ、冥を優しく抱きしめた。
今はこの少女と一つになり、想いを確かめ合うのが先決だ。
この冥への想いに比べたら、そんな事、些細な事ではないか。
冥をそっとソファに横たえ、御剣は自らの衣服を脱いだ。
「‥‥‥‥‥‥」
冥が強張った表情で一点を凝視している。
その様子に気押されしてしまって、御剣もなんだか身動きが取れないでいた。
「その‥‥メイ、あまり見ないでくれるか」
冥の視線は御剣のそそり勃つ男性器に向けられている。
「だ、だって、だって」
一瞬ちら、と御剣の顔を見た後、また元の場所に視線を張り付かせる。
「こ、これ、入るの?」
「“入るの”‥‥って‥‥。前も挿れただろう」
これまでにすっかり準備の整っている御剣のモノは、出番を今かと待ちかまえているのに、肝心の冥はそれを目の当たりにしてすっかり腰が引けている。
「そうだけど‥‥見るの初めてだから‥‥」
こんなの入ってたの‥?と愕然とした様子で、目を反らせないでいる。
正直なところそこまで驚かれるほどのモノではないとは思うが、だからといっても並以上だという自負はあるワケで、まぁやはり初めて目にする冥には受け入れ辛い事は間違いない。
「‥‥気持ち悪いか?」
見慣れない外観に嫌悪感を抱くという事も考えられる。
しかし今夜に限っては、自分がどれだけ彼女に対して真摯な姿勢で臨んでるか、全て晒け出す事で分かってもらおうと思い、あえて隠す事はしなかったのだが‥‥。
逆効果だっただろうか、と不安になる。
「そんな事はないけど‥‥ちょっと驚いて‥‥」
と言いつつもじっと視線は動かさない。なんだか視姦されているようで落ち着かなかった。
とりあえず嫌がっている様子はなく、まじまじと未知の物体に対するかのように目を離さないでいる。
「こ、これじゃあ痛いわけよね‥‥」
何だか一人で納得したように冥は呟く。
それじゃあ御剣の大きさが悪いみたいではないか。
「もう少し小さくならない?」
「ならない!というかそうじゃないだろう!」
よほど破瓜の痛みを引きずっているのか、冥はなかなか踏ん切りがつかないようだ。
「今日はしっかり慣らしたし、その、挿れるのが痛い、という事はないと思うぞ。‥‥多分」
あれだけたっぷりと指で柔らかく慣らしもした。挿れる分には問題ないと思うのだが、やはり冥次第なので自信がない。
「じゃ、じゃあしましょう。うん」
何だか一大決心でもしたように気合いを入れている。腕を伸ばして抱擁をねだる冥を、ようやく腕に抱く事が出来た。
さて、と挿れる体勢に寝かそうとしたところで、冥が不安そうに口を開く。
「い、痛かったら、やめてね?」
「‥‥わかった」
とは言ったものの、正直これだけ高ぶった己が、いざ挿入に成功した時点で「はいそうですか」と引き返せるとは思えなかった。
大丈夫、優しくすれば大丈夫、と御剣は自分に言い聞かせるように胸の内で繰り返す。
入り口にぐっとあてがうと、冥が小さく呻き声を漏らした。
それを耳にして、御剣もぎくりと身を強張らせる。
そっと様子を窺うと、冥も緊張を堪えているのかじっとしている。
今更心変わりをされても、という思いが先に立って、ゆっくりとではあるが動きを止めずに腰を進めていった。
また少し冥が呻いたみたいだが、なんとか全部入れる事はできた。
「‥‥メイ?痛いか?」
「‥‥んっ‥‥」
衝撃に耐えるようにぎゅっと目をつぶっていた冥が、少しだけ潤んだ瞳を開けた。
「‥‥入ったの?」
「あぁ。入っている」
「すごいキツい‥‥けど、痛くはないわ‥‥」
そりゃキツいだろう。あれだけならしたのに、まともに男を知らない冥の中は狭く、容量オーバーのようにも思えた。
既に固くなっている御剣にとっても、この状態は少々痛みを伴ったが、冥が受け入れてくれている事をまずは受け止めなければなるまい。
繋がったまま全身で冥を抱きしめる。冥も御剣の背中に腕をまわし、お互い身体を密着させて感じあった。
冥の唇から切ない声がこぼれる。愛しい。
「メイ、‥‥動いても、いいか?」
囁くように許しを請うと、冥はかすかに頷いた。
負担を少してもかけないよう、ゆっくりと腰を進める。
思うままに振る舞いたい衝動はあったが、自らを戒める気持ちがそれを抑えた。
次第に行為を受け入れられるようになったのか、切なげだった冥の声が明らかに艶を帯びてくる。
それにつられるように御剣も快感に溺れ始め、動きが大きくなっていく。
頭の片隅で自制の鐘が鳴るが、冥が繋ぎ止めるかのように回す腕が、御剣に安心感をもたらしていた。
そうだ、もう泣かせたりなんかしない。決して離したりなんかしない。君が必要としてくれる限り、大事にするから――
「メイ、愛してる‥‥!」
思いの丈を全て吐き出した瞬間、冥は確かに頷いた。
霞がかかったようにぼんやりとした頭が少しはっきりしてくると、目の前に心配そうな御剣の顔があった。
「大丈夫か?メイ」
あぁ、そうか。私、また――
ほんの少し前の事なのに、何だかコトの実感がない。それでも意識を集中させて、自分に起こった事を確認しようとした。
今はもう中に御剣はなく、妙な違和感はあったが、心配したような痛みはなかった。
「えぇ、大丈夫よ‥‥」
だるさに身体が重くはあったが、微笑んで応えると御剣は安心したようだった。
「なんだかぼんやりしてるから、何かあったのかと思って‥‥」
御剣の大きい手で髪を撫でられる気持ちよさに、冥は目を細める。
「うん、何かしら‥‥。痛くなかったから、気が抜けちゃったのかな‥‥」
「そうか」
とりあえず、苦痛がなかっただけでも御剣にとっては大きいコトだ。改めてホッと胸をなで下ろすと、冥がくすりと笑った。
「レイジは?気持ちよかった?」
ぐっと御剣は言葉に詰まる。そう直球で聞かれると、困る。
「う、ム。その、メイが大変な思いをしていたのに悪いが‥‥気持ちよかった」
つい我を忘れるところだった、と御剣はがっくりと項垂れる。
あれだけ優しくしようと心に誓っていたのに、危うく同じ過ちを繰り返すところだった。
その様子を見て、冥は可笑しそうに笑う。
「私はまだよく分からないから‥‥」
なんとなくそれっぽく感じるものはあったものの、異物感や圧迫感の方が先に立って、まだ冥は快感というものが体感できていなかった。
「そ、それはそのうち‥‥慣れれば大丈夫だ」
「そうよね。レイジが教えてくれるんでしょ?」
あっけらかんと冥に言われて、御剣は真っ赤になって返答に困る。
「う、うム。君が望むなら‥‥」
「まぁ当分はいいわ。何だか疲れちゃった」
そしてそれ以上にあっさりと次回の望みを絶たれて、御剣はがっくりと肩を落とす。
「それに、しばらくはソレ抜きでも“付き合ってる”っていうの体験してみたいし」
冥はそう言って、ふふっ、と笑った。
「は?」
「だってちゃんと“付き合う”って宣言して付き合うのこれからでしょう?」
確かに今までは、二人で過ごす事はあっても一方的に御剣が言い寄っている形であったし、冥からもきちんと向き合っての付き合いはこれから、という事になる。
「私たちこれかられっきとした“恋人同士”になるのよね」
と、何だかうきうきしている冥が可愛くて、御剣は何も言えなくなる。
「‥‥大事にするよ」
「うん」
そう言うと冥は御剣に寄り添った。
まぁソレだけが恋人同士ですることではないし、こうして冥の口から「付き合って」などという言葉が出る時点で御剣は嬉しかった。
「あのね、レイジ」
「ん?」
冥がちょっともったいぶって御剣に話しかける。
「あの食事とかに付き合うのね、局長に頼んで止めてもらったから」
「え?」
冥が言っているのは御剣の気を揉ませていた、検察・警察上層部や法務省官僚などとの食事会のことだろう。
あの頃は確かにそれらが悋気を起こす対象になっていたが、理性では大事な接待の一つであって、仕事だと割り切ろうとはしている。
「しかし、局長は困るだろう」
彼女との時間を引き換えに、検事局長は相当な待遇を上から受けていたはずだ。何しろ彼らの印象を良くするだけで、現場の検事達が捜査にどれだけ動きやすくなるか。
それを彼女の微笑みなしで何とか取り持てというのだ。
「だって」
そう言って冥はちょっとはにかむ。
「彼がすごいヤキモチ妬きなんです、って」
言っちゃった。という冥の言葉を聞いて、御剣は耳まで赤くした。
END
なんだか最後がぐだぐだですが、書きたかった御剣と糸鋸の掛け合いが書けて満足(そっちかよ!)
>>594さんのとは全然違って、冥たんの小悪魔っぽさとかノコの優しさとか、まったく無視ってますが‥‥トホホ
とりあえず他キャラ待ちの穴埋めにでもなれば幸い。
俺は冥たんしか書けないから、真宵たんとか千尋さんとか茜たんとか楽しみしてますよ〜 ノシ
うおぉぉああああぉぉぉおぉお!!!!
ミツメイ乙!禿あがるほど乙!!
リアルタイムで見せていただきました。乙です!萌え!
658 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 17:46:03 ID:fynkpmB+
ごめん491なんだけどPC逝った。
もちろん俺がリザーブしてる訳じゃないので
誰かほかの別の人が書いてくれて構わないっす。
それよりもし書いたら投下はどっちにしたらいいのかな。
おお、乙カレ
投下するなら専用スレのが良いっぽいね
あっちで投下して完結したら逆裁の倉庫にも保管して貰えると思うし(多分)
あ、でもあっちに書くならあらすじとか軽く書いてからのが良さげだね
言わんでも解ってるだろうけど
>>592GJ!
ミツメイいいなぁ。激しく萌えましたハァハァハァハァ
662 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 06:00:19 ID:NgThDitR
ホッシュ
神乃木の指先が、千尋の頬を伝ってこぼれ落ちた涙の後をなぞる。神乃木の指にぬぐわれた涙の跡は、神乃木の指先にかすかな湿り気を帯びさせる。
そのまま神乃木の手が、千尋の頬に添えられた。その瞬間、千尋は自然とまぶたを閉じた。
どちらからこうしようと言ったわけでもないのに、自然と二人は口付けを交わし合う。互いの唇は柔らかく、温かかった。
ただの、触れあう程度のキスだが、それでもすでに千尋の気持ちは高ぶっていた。
何せ、憧れの大先輩であり、ずっと一緒に居た神乃木と想いを交わしあい、その想いは交わっていたと言うのが分かったのだから。
それだけでもかなり感情を抑えきれないのに、その上自然とキスにまで繋がる。
(先輩の唇、温かくて優しい感じがする……)
今まで仕事の方に根を注いでいて、男関係など見向きもしなかった。そうする暇が無いほど、新米の千尋には今の生活が少し慌ただしく、
そしてそんな中で『母の仇』を見つけ出さなければならなかったのだ。
けれど、そんな周りが見えなくなりそうな生活の中にも、神乃木はずっと傍らにあった。気付けば、からかいも支えも全てしていた。
この目の前の男性が。
千尋は神乃木の首に腕を回し、まるで離れないようにと言わんばかりにしっかりと抱きついた。
その反応に、神乃木の方も千尋の事を抱きしめてくる。
千尋の唇に、神乃木の舌先が押し付けられた。
「ん…………」
千尋にとっては何もかもが始めての事で。
こうしたキスがある事は、まあ何となくは分かっていた。だが、まさか実践する事になるとはこれっぽっちも昔の千尋は思っていなかった。
閉ざされた千尋の視界では、相手の温もりが全てだ。そしてその温もりは千尋の事を抱きしめ、そして千尋を感じようとしている。
千尋の唇は、おずおずと開かれた。そこをすかさず、神乃木の舌が滑り込む。
形の良い、硬質の物体の形をなぞりながら、神乃木の舌が千尋の口内中央へと進んでくる。その舌が千尋の歯を優しく撫でるたび、
千尋の口内を千尋の唾液と神乃木の唾液が混ざり合い、本人達の肉体よりもいち早く一つとなる。
「ふ、ぅうっん……」
まだ少しも経っていないのに、こんなにも息苦しく思えるのは、それだけ気持ちが急いているからであろうか。千尋の唇の隙間から、吐息と声が漏れ出る。
そんな隙間すら与えるのも惜しく思えた神乃木は、更に自分の唇を押し当て、なおかつ千尋の頭を引き寄せる。
やがて、神乃木の舌は千尋の歯をなぞる弄びを止め、千尋の温かくぬめった舌へと己の舌をすり付けた。
「んううっ……!!」
いきなりやや硬めの軟体物が己の舌にすり付けられ、千尋はそれに驚いて声を上げようとする。
だがすでに千尋の唇は神乃木の唇に覆われ、その響きすら飲みこまれている。
慣れない大人の口付け。当然千尋は戸惑ったが、しかし神乃木の優しい愛撫に、千尋は緊張を解く。
緊張しきった肩を何とかして撫で下ろし、力を抜いて神乃木の腕にそっと身体を預ける。
千尋自身は知らなくても、千尋の中の『雌』はこの行為に対する己の行為を知っているのであろうか。口内に訪れた神乃木の舌に千尋も
自身の舌をすり付け、唾液を混じり合わせ、舌を交わらせる。
それは、手を繋ぐよりもっと密着した行為。
(クッ……こいつはナカナカ……スジがいいじゃねえか…)
知識がないから結構苦戦するかと思っていた神乃木は内心、千尋の感度の良さと技術に文字通り舌を巻いていた。だがそれ以上に彼は
千尋との口付けだけですでに欲を高ぶらせつつある。
「んん、う、ふっぅ………」
千尋の苦しげな、くぐもった声が響く。二人はそれくらい長く、口付けをしあっていた。
だが、互いが感じる時間はそう感じただけで、実際はもっと短かったのかもしれない。
ゆっくりと、神乃木と千尋の顔が離れる。恍惚とした表情で、千尋は神乃木の事を見詰める。それは職場で見るような、
ある意味純粋な表情ではなく、もはや立派な『女性』の顔であった。
そんな『女性』の面に、神乃木は不意打ちを食らう。胸の高まりが顔に現れてしまっているかもしれないぜ、と神乃木自身は思った。
実際は彼のポーカーフェイスによって、何とか素の自分が隠されていたわけだが。
「千尋……」
「は、はい……? 神乃木さん?」
ポーカーフェイスで上手く感情が隠れる神乃木とはうってかわり、自分の感情を素直に表している千尋の顔は、すでに水あめのように
甘くとろけた表情であった。その、戸惑いの中にある妖艶な表情に、神乃木はやはり千尋の事を愛しく思えた。
「クッ……こんな時くらいは、名前で呼んじゃくれねえか、千尋」
「っ……」
千尋の栗色の髪を撫でながら、神乃木は千尋の目を覗き込み、言う。
実に何でもないようなことを言っているはずなのに、千尋にはそのささやきこそが官能を刺激する言葉に思えた。
名前を、呼ぶ。
今現在名字で呼んでいることさえ、緊張して仕方が無い事なのに、この上更に名前で呼び合うなどと、まるで恋人同士ではないか。
(あ、私達、両想い、なんだっけ……?)
よくよく考えてみるとそう言う事になる。互いに想い合っていると言う事は、恋人だと見て取れる。そこに考えが思い至ると、
千尋は今の状況が嬉しく、そしてかつ息苦しくなるほど幸せに思えた。
「千尋…………」
神乃木が千尋の事を更に抱き寄せる。密着した肌がすでに熱い。
「荘……龍…さん」
かろうじてそれだけ言って、千尋は目を伏せる。だが、神乃木は少々残念そうだ。
「クッ…呼び捨てで良かったんだが……まあ、コネコちゃんがいつかしなやかなネコに変わるまでお預けされちゃってやるぜ」
「荘龍さん、それってわたしがまだ大人じゃないって言うんですか? 成人までしてるのに…」
神乃木の言葉に、不満を隠せずに千尋が尋ねる。だが、神乃木はそれを「クッ……」と笑ってやり過ごした。
千尋は今、心が追い付いていないだけだ。ならばこれからどんどん高まらせ、仕込んでしまえば良い。
その順序すら楽しめそうだ、と神乃木は不純ながらもそんな事を思った。
「じゃあ千尋、さっきの続き、だぜ」
「え?」
さっき? と千尋が眉をひそめる。さっきの続き、と言うと……
かあぁ、と千尋の顔が赤く染まる。
「え、えとえと、ええっと……さっきの続き、と言うのは…その、キ、キ、キ……」
「クッ……勿論、お見合いの続き、だぜ」
口付けをかわす以前の事を言われ、千尋は一瞬取り残された感がした。だがお見合い…確かお見合いの練習自体では、神乃木の事を断ったはずだが……
「コーヒーはいつ煎れても香りを提供してくれるのさ。例えコーヒー豆が変わろうが、それで香りが無くなる事は無い…絶対にな」
「は、はぁ………? つまり、どう言う事ですか?」
「つまり……オレは今まで振られる前提のお見合い相手をやっていた。けど、今度は振られる前提じゃないお見合いをしようって言うのさ」
「じゃあ初めからそう言えば…って、ええっ!?」
千尋が目を白黒させる間に、神乃木は千尋のうなじを人差し指で軽く撫でる。意表を突かれた千尋は「ふ、ぁんっ!」と嬌声を上げる。
「クッ…千尋はどこが一番感じやすいんだ?」
「そ、そんな事、お見合いと関係ありませんっ!」
恥ずかしい問いに答えまいと、千尋は首を振りながらそう訴えた。
「違うな、千尋。お見合いって言うのは互いを知るためのセレモニー。それ無くして互いの事を分かる気になるのは、安いコーヒー豆を
そのまま食べちゃうくらいお門違いなのさ」
「そんな奇抜な人は居ませ……はぁ、うっ!!」
神乃木の指がそのままうなじをなぞり、千尋の鎖骨へと辿りつく。夏だがマフラーくらいしておくのだった、と千尋は思った。そうすれば、
多少なりとも時間を稼ぐ事が出来、自分の不満を言い終わる事も可能だっただろう、と。
「千尋はオレの事が好きなんだろ? だったらやっぱりお互いの事を知りあうのは当然の事、だぜ」
「っ……」
そこでそれを引き合いに出してくるか、と千尋は正直思った。自分の想いを引き合いに出されたら、何も反論出来なくなってしまうではないか。
そんな千尋の心中を察しているのかいないのか、神乃木はニヤニヤ笑いながら千尋の表情が変わる様を楽しんでいるように見える。
神乃木の指が鎖骨を撫で、そしてそのまま豊満な胸の谷間へとその指を進もうとするのを、千尋は何とか手を添えてそれを遮る。
異性の誰にも触らせる事の無かった、自分の肌。
それを、目の前の男はすんなりと触れて来る。そして千尋もそんな神乃木の指を、肌を嫌とは思わなかった。ただ、初めての事に千尋は戸惑っているだけである。
(クッ…一から教えてるんじゃあさすがに日が暮れちゃうぜ…)
内心神乃木は時間の無い事に恨み事を思ったが、それでもそれを不満には思わなかった。
千尋は初めての割に感度が良く、スジも良い。何も知らない彼女に、それでも彼女に備わる『雌の記憶』を呼び起こす事は彼にとって少なからず歓喜なる物事と思えた。
神乃木は添えられ、邪魔をしてくる千尋の手を、ゆっくりと傍らにどかせた。少し肌の露出の比率が高い彼女のブラジャーを外そうとするのを、千尋が止める。
「そ、荘龍さん! わ、わたし……」
「クッ…どうした、千尋? 怖じ気付いちまったのか?」
神乃木の言葉に千尋は「ち、違います!」と言い、首を横に振る。
「そうじゃなくて……わたし…自分で、その、脱ぎますから……」
おいおい、と神乃木は思った。おそらく、見合いの続行の決め手となった『受身な自分は嫌だ』的な意地があるのだろう。だが、彼女のこうした何気ない意地が、
神乃木の官能に触れ、ますます彼女を物にしたくなる。
「……ああ、分かった。やってみな」
神乃木はうなずくと、千尋が脱ぐさまをじっと見詰める。
見詰められている事に、「あんまり見ないで下さい…」と恥じらっていた千尋だったが、視線を反らそうとしない神乃木の反応に諦め、千尋はゆっくりと自身の衣服を脱いでいく。
視姦。
徐々に千尋の中から恥じらい以上に、見られていると言う事に対する、ある意味での悦びが生まれ始め、『雌』の記憶はその悦びを貪った。
その悦びは千尋の太股の間をじわり、と熱くさせる。
やがて、本当にゆっくりと千尋の胸が露呈した。千尋は更に下の方の衣服にも手を掛けた。だがそれを神乃木が制した。これ以上待たされては生き地獄だ。
「荘龍さん……?」
「千尋…」
もう一度神乃木は千尋の事を抱き寄せると、そのまま口付けをした。
まだ何分も経っていないはずなのに、千尋に何時間も触れていなかったような、そんな感じがする。その愛しさと性急さに、神乃木は内心苦笑する。
(何てこった……オレが千尋に振り回されちまってるぜ)
だが悪くない。
恋は乞い求めるから恋と言うのだ。
唇をゆっくりと離した後、阻むものも無くなった胸へと神乃木は無粋に触れ、揉みしだく。千尋の柔らかで豊かな胸は、神乃木の指の弄ぶままに形を変え、
灘(なだ)らかな丘から凹凸を生み出す。
「んっ……!」
少し強めに揉まれ、千尋は苦しさのうめき声を上げる。吸い付くようにぴったりと触れている神乃木の指は、千尋の性欲を刺激する。
「さあ、どこが一番感じやすいんだ? 言ってみな、聞いてやるぜ」
その神乃木の声も、言葉も官能に触れる。
「う……くふんっ!」
「まさか胸が一番感じやすいとか言うんじゃないだろうな、千尋。だったらこの先、もっと大変な感覚が襲っちまうぜ?」
普段のからかうような声で、神乃木は千尋の事を徐々に快楽の渦へと追い詰める。
「で、もっ……そ、そんな事…言える訳が……はぅんっ!!」
神乃木の指が、千尋の柔らかな丘にある桃色の先端の、その窪みをなぞる。きゅっとその窪みが硬くなり、しこりとなる。
「千尋は、自分の身体の構造は分かってるか?」
「えっ…そ、んな…あはぁっ!」
面食らったような声とあえぎ声が千尋の唇から出される。
「わ、たし……んんっ…」
「たとえば、自慰行為はした事があるか?」
「っ……!!」
かあぁ、と千尋の顔が赤くなる。さすがに直球で聞きすぎたか、とは思ったが、こうしたいじめによって千尋の感度が高くなるのは明らかだった。
一方の千尋は、余りに羞恥心を起こすような質問に、身体が熱くなるのを感じた。
(そ、そりゃあ…した事は無いわけじゃないけれど……)
けれど、怖かった。
一度『そこ』に触れただけで、身体に緊張が走ったし、己の指先が生みかけた快楽に恐怖を抱き、すぐに断念したのだ。
だから、自慰経験が無いわけでも、また有るわけでもない。そんな曖昧な快楽の経験しかなかった。
「………あ、の…」
言いよどむ千尋。そんな千尋を見て、神乃木は苦笑する。
神乃木は千尋の事を引き寄せ、寝床に座り込ませる。白く一矢もまとわぬ彼女の身体の全貌が一瞬見え、神乃木は息をのんだが、
気を取りなおすと彼女の柔らかな太股を掴み、秘部が良く見えるように広げさせた。
白い千尋の肌とは一変して、その園は薄紅色に染まり、外気に触れている。
「やっ……何をいきなり……」
羞恥心が芽生え、千尋はくしゃっと顔を歪めて神乃木に訴える。
それは、間違い無く『女』の顔だ。
赤面し、口をぱくぱくさせる千尋を取りあえず放っておき、神乃木はその部分に自分の指を向け、そっと触れた。
……熱い。
「ひぅっ……!」
急に指を当てられ、官能に触れる微かな刺激に、千尋は思わず甘く鳴く。
神乃木は黙って指先を凹凸の激しく、入り組んだ聖地へと潜り込ませ、窪みをなぞる。
まだ入り口に触れてさえいないと言うのに、千尋のそこはひくんっ、と震えた。
「っあ……ふ…」
目を細め、頬を更に上気させて千尋が喘ぐ。
「ここは…感じねえか?」
「あっ、あんっ……ひゃっ…」
神乃木は人差し指で何度も軽く窪みを行き来し、徐々に核心へと近付いて行く。核心へと近付けば近付くほど、千尋の細い身体が震え、
その口からは甘い声を紡ぎ出す。その途中経過を、神乃木は悦しむ。
「けどな、千尋。これよりももっと感じる瞬間って言うのが有るんだぜ? こんな所で感じきってたら、身体が引きちぎれるような快楽に参っちまうぜ?」
「そ、その形容詞…なんと、なく…現実味を感じるので…あ、ふくっ…止め…ひゃんっ!」
異論を入れようとする間も、神乃木は指を動かし、窪みの熱を感じながら、徐々に千尋の一部分一部分を知って行く。
遂に、その入り口に触れた。
「う、くっ……あぅっ…」
ひくひく震え、千尋は神乃木の腕を止めようとすがる。
だが、神乃木はそれに答えず、千尋の中へとゆっくり指を進め始めた。
「あ、う…い、やぁんっ!! は、っあああっ」
ゆっくりと入れると千尋は非常に感度が高いらしく、悲鳴にも近い喘ぎを放つ。ふるふると首を振ると、彼女の髪がゆらゆらと白い肌に流れる。
「やっ……だめ…」
涙を目に浮かべ、懇願する千尋。神乃木は人差し指を中へ、中へと入れていきながら、親指では別の個所をさすり始めた。
それは窪みから、やがて充血し、ひときわ赤くなっている突起物に触れた。千尋の背筋に、電流にも似た快楽が走り巡る。
「ああ、あ、あああっ!」
紡ぐ言葉も分からず、千尋はこみ上げる悲鳴をそのまま口にし、背筋をピンと伸ばして退け反る。瞬時にして、人差し指へと吸い付く
肉壁の締めが激しくなり、じわり、じわりと指に絡み付く粘液を感じた。
「ひゃぅ、荘龍……さぁんっ! だ、め…おかし、い…ぁんっ!!」
表面上は拒絶の言葉も、神乃木の親指からの刺激に、震えて溶けて行く。
神乃木の人差し指は、千尋の秘部から溢れる蜜に濡れ、更に奥へと突き進ませる事を可能にしていた。当然、
神乃木は留まる理由も無く、奥へ、奥へと指を入れて行く。
「んっ…そ…の辺り、ダメ…です……ふぅっ…」
「クッ。ココがダメなのか、千尋」
遂に漏らした千尋の言葉に、神乃木はにやりと笑う。
秘部に暖かな血が集まり、そこの熱を更に帯びさせるのが分かる。
肉壁は締めつけながらも、中へと誘う膣液がその壁面をぬめらせ、卑猥な音を立てさせる。
「ひ、あっ、ああんっ!」
神乃木が指を更に激しく動かす。びちゃり、と言う粘液質の音を立てて指はずぶぶと第二関節まで入ってしまった。
気の遠くなりそうな快楽。
千尋は頭をぼうっとさせながら、神乃木の声を聞き、鳴く。
神乃木の親指が、しこりにこすれるたびに、堪えがたい刺激が身体中に走り回る。
「あぁっ、い、ゃぁ……うっ…うく、ひぃんっ!!」
身体を襲う快楽がとても怖い。
それは未知に対する恐怖、と言うのではなく、このまま溺れてしまうのではないかと錯覚する危惧心の為であっただろうか。
白くしなやかな肢体が、ひくひくと揺れ動いているのが分かる。千尋は何度も身体を振るわせ、絶頂を何度も迎えていた。
「んくっ、はあっ、ああぁぁっ!!」
潤んだ目はいつしか神乃木しか映さなくなり、とろりと溶けた彼女の思考に、神乃木の言葉が何度も何度も潜り込む。
意識を犯している事にも、意識を犯されている事にも互いに気付かない。
どうも、本当にお久しぶりです。なんだかちょっと寂れていたので保守ついでに投稿させていただきました。
と言うか遅すぎだ、自分。
でもやっと本番。でもまだこの辺りで半分。でもキリがいいからこの辺りまで。
要するにネタ切れを防ぐための(ry
次来る時にはもっとエロく出来ると良いけどなあ……
672 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 18:25:58 ID:0/GL+bqJ
いかにテンポよく読ませることが重要か、だけはよくわかった。
え、ええええええろおおおおおgj(*´д`)gj
お待ちしてました!千尋がすごくイイ!
>672
正直スマンかった……orz
精進しまつ。
>673
お待ちさせてしまいました。(笑)
675 :
594:2005/07/07(木) 14:33:27 ID:R2Gw81o8
遅くなりましたけど、592さんオツカレ(・∀・)!
自分の冥タンより数段可愛らしかったYO!
SS書けたんだが、予告してた真宵ではどうにもまとまらず。
せめて冥以外にしようと成×千にしてみた。成歩堂の法廷デビュー前あたり。
一人称はあんまりエロくならないね…
ほのかに、御×真・成×あやめ。
本当は彼女の前に顔など出せた義理ではなかったかもしれない。
でも僕にも事情があった。ある男に会うために、学部を変更してまでこうして弁護士資格を取ったのだ。
それにあの事件で僕を弁護してくれた千尋さんを、どうしても手伝いたかった。
「よろしくおねがいします」
「よろしくね」
あっけないほど簡単に僕の採用を決めた千尋さんは決して自分からはあの事件のことを口にしなかった。
一度だけ僕のほうから彼女の恋人の容態を尋ねたことがある。
死んでしまったのか、と暗に聞く僕に彼女は「それよりなお悪いわ」とだけ答えた。
冷たい肌を持ちながらもまだ生きている恋人を忘れることも見捨てることもできないのだろう。
とにかくこの事務所は仕事とそれに伴う雑用(僕の仕事だ)がとても多かった。
千尋さんはやるべきこと、やらなければならないことを持っていたが、それ以外にも助けを求める人達のために働いていたからだ。
おかげで法廷デビューを果たしていない僕でも、かなり実践知識を積むことができた。
彼女は僕を帰らせたあとも大抵、遅くまで事務所に残って調べ物をしていた。それが彼女のやらなければならないことだった。
その夜、僕が事務所に引き返したときも古い事件のファイルや様々な記事のスクラップを厳しい顔で見つめていた。
顔を上げて、言葉には出さずにどうしたのと問いかけてくる。僕も口では答えずにただ買ってきたワインを見せた。
この日は千尋さんの手によって僕の無罪が確定し、そして神乃木さんに毒を盛った犯人が確定した日だった。
彼はいまだに目を覚まさない。彼女にとってはお祝いするような日じゃない。それはわかっていたけど…
彼女はいつも張り詰めている。事件は解決したけれど恋人を失った無力感と戦っているといってもよかった。
でも僕は、そんな彼女によって確かに救われた人がいるのだと教えたかったんだ。
「思い出に」
短くそう告げたあと、僕達は一言も言葉を交わさずに杯を交わした。
2杯ずつ飲み干すとボトルがほとんど空になった。
ずっと血色の悪かった千尋さんの肌にもようやく赤みが差してきて、僕はなんだか少しほっとした。
「少しは甘えてください。僕はまだ見習いで、年下で、あなたに救われなきゃ犯罪者になっていた間抜けですけど…それでも一応、男です」
酒に酔った以上に、きっと僕の顔は赤らんでいたと思う。彼女は少し笑って、それから僕の隣に座りなおした。
「それじゃお言葉に甘えさせてもらおうかな?」
千尋さんは俯いて、僕の肩に自分の頭をそっと乗せてきた。小さなため息とともに彼女の悲しみが伝わってきた。
悲しむより先にやることがある、いつもそうやってきた千尋さんに僕は少しでも気を休めて欲しかったんだ。
気がつくと、彼女は両手で僕の襟元を握りしめていた。激情を押し殺すように、あるいは泣くのをこらえるように。
僕は腕を回して千尋さんを抱きしめた。彼女が顔を上げたとき、僕達はお互いに何を望んでいるかがわかり、そのままキスを交わした。
ふたりとも喪失の痛みを知っていた。それは両方とも、死を伴わない喪失だった。
彼女の真の恋人は、ただ眠っていた。そして僕の虚偽の恋人は、死を宣告されてはいたけれどまだ生きていた。
普通の人が刻々、死に近づいているように彼らも死に向かっている。そういう意味では、彼らはまだ生きているといってよかった。
僕は彼女に安らいでほしい一心で、できるだけ優しく唇を押し当て髪を撫でた。
それはほとんど初めての少女に見せる気遣いのようで、年上のそれも成熟した女性に対するものとしてはあまり適切ではなかったかもしれない。
幾度か口付けを重ねたあと、千尋さんが思い切ったように口を開いた。
「お願いがあるの……優しく、しないで」
彼女はこれを、罰のようにして受け入れたいのだとわかった。それは僕の意図とは違っていたので少し気落ちしたが、
毎日のようにビシビシ僕をしごいている彼女をそんなふうに扱ってもいいという提案はとても魅力的に感じた。
僕は頷いて髪を撫で上げていた手を止めた。後ろから髪をひっぱって顔を上向かせると、今度は唇をこじ開けて深くキスをした。
角度を変えて何度も舌を絡ませる長い口付けに、彼女の呼吸が苦しそうなものに変わっていく。
「あ、ぅ…っ、ふぅ……ん!」
彼女のブラウスにかけていた手を僕はとめた。上気した顔で彼女が不思議そうに僕を見上げた。
「自分で脱いでください」
思ったよりも冷たい声で僕は命令していた。
一枚ずつ服を落としていく彼女を、僕はじっと見つめていた。それは彼女の身体をさらに熱くさせるようだった。
とうとう下着だけになった彼女が僕に尋ねる。
「あなたは、そのまま?」
「このままです。さあ全部脱いでください」
白い肉感的な身体が僕の前に晒された。激務も過酷な運命も、彼女の身体を損なうことがなかったことを僕は喜んだ。
スタンドの薄暗い明かりの中で、劣情に溺れた上司と対峙するのは奇妙な気分だったが、とても高ぶるのも事実だ。
千尋さん、と欲望で掠れた声で名前を呼ぶとぴくりと身体を震わせて僕にしなだれかかってきた。
「ひぃ…んッ…あぁ…や、ぁ…ん」
僕は生贄の喉笛に喰らいつき、唾液を啜り、肉を貪った。時々、高く上がる嬌声がますます僕を残酷にさせた。
口の中で硬く尖っている彼女の乳首を甘噛みし、まだ中心に触れていないにも関わらず彼女がひどく感じていることがわかった。
強く苛むほど感度がいい。普段の彼女からは想像できないが、こうした隷属的な性行為が彼女の好みなのだと認めないわけにはいかない。
耳元で次の指令を送ると、彼女は僕のズボンからすでに立ち上がっているものを取り出し咥えこんだ。
亀頭から根元まで上下する彼女の唇の感触があまりにも気持ちかったので、僕は呻き声をあげそうになるのをようやく堪えてできるだけ低い声で話しかけた。
「千尋さんはこんなイヤラシイこともとても上手なんですね」
何か抗議の声を上げようとする女を両手で押さえ込み、さらに深く咥えさせる。
それから片手を彼女の突き上がった尻の間へと伸ばして中心へ滑らせると、たちまち僕の指が愛液に濡らされるのを感じた。
彼女の口の動きに合わせて、僕も秘所へ指を差し入れていく。湿った音が部屋の中を満たす。
指を2本に増やして根元まで挿れて掻き回すと、ついに彼女は肉棒を口から放し啜り泣く様な喘ぎ声を上げはじめた。
たっぷりとその声を愉しんでからそこから指を引き抜き、後方への侵入を試みた。濡れて潤滑な指がたちどころに内部へ飲み込まれていく。
「!!…イ、ヤぁ…っ!そんなトコ、だ…め…!」
「こっちは初めてですか?そんなにイヤ?」
ぐりぐりと腸壁を抉るように動かすと、物も言えない彼女は指を強く締め付けて応えた。
指を勢いよく引き抜くと、ぐぽっという音がした。
「それじゃあ、両方とも可愛がってあげましょう。きっと気に入りますよ」
僕は彼女の後ろには親指を、前には他の2本の指を差し入れた。
輪を作って中で指を擦り合わせると、彼女は身体を引き攣らせて絶頂に達した。
手首全体を掴むようにして動かせば、バックで挿入されているかのように腰を高く振って応えた。
彼女を上に跨らせ、僕は内部へ押し入っていく。
挿れられただけで蕩けるような顔で僕を見る千尋さんに、もっと感じてほしくて夢中で下から突き上げた。
ぎゅうっと締め付けられる感覚が、僕を襲う。見上げると彼女の目から涙が流れていた。
彼女は僕を抱きしめ、小さな声で「ありがとう、なるほど君」と言った。
千尋さんはきっと恋人が倒れてからも泣くよりほかにすることがあるからと、ずっとこんなふうに泣いたことがなかったに違いない。
僕はまだ硬度を保っていた。彼女の体つきと僕の年齢を考慮するとこれはほとんど驚くべきことだ。
身体だけじゃなく心も、もっと解放してほしくて僕は囁いた。
「もっと、泣かせたい」
体勢を変え、彼女を下に組み伏せて片足を抱え上げた。
僕は彼女とひとつになれるくらい、奥まで何度も自分を打ち付けた。
彼女は快楽の中でさらに多くの涙を流し、それは痛ましくも美しい姿だと僕には思えた。
「その一度だけだったよ、僕と彼女は。このことは真宵ちゃんも知らない。もちろん、今も生きている彼女の恋人も。
いや、生きていたというべきかな。もう彼は、昔とは姿も名前も違うのだから」
そして僕を真に愛してくれたあの恋人も、いまや生きてはいないのだ。あやめさんのことを、ちぃちゃんとはもう呼べないからね。
僕は心の中で付け加えた。
目の前の男は少し混乱しているようだったが、気を落ち着けるとようやく口を開いた。
「しかし…君は真宵くんのことを」
僕は息をひとつ吐くと、御剣を正面から見つめて答えた。
「確かに、おまえが考えてるように僕は真宵ちゃんにある種の感情と、責任を感じている。つまり、兄のようなという意味だけど」
御剣はいまや着ている服と同じくらい顔を紅く染めていた。
「それでは、かまわないのだろうか?その、私が…」
「もちろんだよ!真宵ちゃんを幸せにしてやれよな」
もれなく付いてくる春美ちゃん込みでの新婚生活はなかなか大変だろうけど頑張れよ、とこれは独り言。
僕は窓の外を見ながら考える。僕達が失った大切な人たちは、本当には失われていないのだと。
霊媒に頼らずとも、僕は千尋さんをありありと思い出すことができる。法廷やこの事務所の中で、あるいは彼女の妹の中に。
そして夏から春にかけての短い幸福な思い出の中で、僕は恋人だった可憐な少女のことを思い起こした。
拘置所での面会の手続きに必要な書類を書くために僕は机に向かった。そうだ、彼女はまだ生きている。
彼女の本当の名前を呼んだとき意地悪な姉の掛けた魔法は解け、僕の恋人は鮮やかにその命を取り戻すに違いないのだ。
おしまい、です。
千尋さんの台詞が少ないのであんまりエロくないかもしれないけど…
精一杯です。だれか不憫な真宵ちゃんを幸せにしてやってくれ!
ノシ
>>682 ちょっ!おまっ!
神すぎるよ!
ナルチヒ久しぶりに見た。GJ!!
gj!
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687 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 01:50:47 ID:uLkSWhkv
>682
超神
だめだ 他に言葉が思いつかない
思わず上げてしまった…申し訳なし。
>>687さん
ありがとさん。感想は本当に励みになるよ。
あと新スレ、人少ないんだ・・・落ちちゃうかもしれんから覗きに来てくれ!
新しいのできたらまた投下するし。