1 :
夏生:
のだめでGO!
2 :
2:04/10/04 03:41:29 ID:80uymLPS
2げと
3
よんさま
吹奏楽マンガという事でオタク読者は多いはず。
オケですよーついに…のだめキター… …
hosyu
ちあきは攻めって言うより、受けなほうがいいなw
というか、のだめ遅い受け
小説誰か書いてくれ。
漏れも書くから!!
10
11 :
名無しさん@ピンキー:04/10/05 19:23:22 ID:8EeJAkzr
彩子リクエストにのりたいな。
千秋半受けで!
ちょっとがんばってみようかな・・
12 :
名無しさん@ピンキー:04/10/05 19:54:01 ID:yZnWbXkc
酔っ払ったら書く!前回は泥酔の勢いで書いちまったから…。
とりあえず保守
名前は知ってる程度だが、保守。
神降臨期待しているので、保守。
神降臨、支援保守。
千秋と彩子読みたいっす!がんがって下さい。
しかし本編でのだめと千秋がイタするのかどうかも
気になる(多分作者的にムリだろう)
16 :
名無しさん@ピンキー:04/10/05 20:21:54 ID:gC/zQxbc
漏れも書きたいので保守
峰×清良あたりも読みたいぞー
か〜み〜か〜み〜
神 光 臨
のだめ×千秋で書いてみました。
ちょっとミルヒーも入ってます。
どうでしょう?
Sオケのコンパの後「飲み足りない」と千秋が言い、部屋で二人で飲みつづけたある夜更け。
そうです、きっと今がここぞという時に違いないです。
のだめは決心した。
今があのスペシャルテクニックを使う時だと。
目の前のベットには千秋が酔いつぶれて、横たわっていた。
シャツの胸元は大きく開き、ベルトはほどかれている。
「はぁはぁはぁ…はうーん。」
のだめは千秋を起こさないように下半身の着衣を脱がせていく。
そして、あのレッスンを思い出していた。
ミルヒーことフランツ・フォン・シュトーレーゼマンは
野田恵にある日一つの提案をした。
「そうだ、のだめちゃんには特別レッスンをしてあげましょう」
「ミルヒー、ピアノも弾けるんですか?」
「ピアノではアリマセーン。もっとイイコトデス。」
「いいこと?デスか」
「そう。千秋を虜にするスペシャルテクニックデース。」
「えぇー」
多少の不信のこもった目で見つめられたがすかさず
「のだめちゃんには指一本触れません。約束しましょう。」
「ホントデスかー?」
「じゃ、ココで待ってます。この間プレゼントした服を忘れずに持ってくるんですヨ」
のだめが巨匠の不穏な下心に気づくわけも無く、
ホテルのルームナンバーが書かれたメモが渡された。
「ようこそ、のだめちゃーん。まず着替えなさい。」
「ぎゃぼっ、ミルヒーほんとに約束守ってくれますか?」
「もちろんデース。弟子である千秋の大切な人には手は出せません。
師匠としての誇りにかけて誓いますヨ。」
「はうう…先輩の大切な人…。わかりました、よろしくお願いします。」
「さ、あっちの部屋で着替えなさい。鍵も掛けてネ。」
ベットルームに向うのだめの後姿を、人の悪い笑みを浮かべて見送る老人が一人。
着替えが終わる頃笑みを浮かべた老人は
『お買い得!特大ミルクキャンディー 練乳入り』を数本かかえ、
暑めに設定されたその部屋に入ってきた。
「いいですか。これから教えることはここぞと言う時に使うテクニックですから…」
「マスター出来たら、千秋がのだめちゃんにゾッコン間違いナシですヨ。頑張ってくださいネ。」
「さぁ、楽しいレッスンの時間デス。」
のだめをベットに腰掛けさせて、片手にアイスキャンディーを持たせた。
「そうです、それを愛しい千秋の大切なところだと思って丁寧に舐め上げるのです。」
「特に上の部分は念入りに舐めなさい。affettuoso(優しく)」
「次はくわえてみましょう。大きく口を開けて包みこむように。そして手でそっとにぎりなさい。」
「決して歯を立ててはいけまセン。そして頭と手を上下させるのです。」
『ふがー』
「そう、最初はゆっくりと。上手ですよー、のだめちゃん」
「いいですか、慣れてきましたね。徐々に早くしていきなさい。」
「accelerando(だんだん速く)。舌全体で包みこむように」
「con calore(熱情を込めて)。手は力を入れ過ぎに気をつけて」
「lentando(だんだん遅く)。そのときは軽く吸い込む感じに。」
「千秋の反応を見ながら、replica(繰り返し)」
『はうぅー』
溶けたミルクがのだめの顔や身体に白い飛沫となって散っていくが、
それでも集中力を途切らせることなく、一心不乱に行為を行っている。
『ミルヒー、練乳が出てきましたー。』
ねっとりとした白い液体が、口元から垂れ流されている。
男を知らない少女のその痴態をただ眺めている。
その行為はなんともいえない贅沢なものだった。
エロティックというのとはまた別のようななにか。
ヒワイ、ミダラ、なんというのだろう。
この年にしてはじめて知る喜びに、老人は思った。
(これもまた、格別なものがある)
「よく頑張りましたね、のだめちゃん。千秋もきっと喜びますよ。」
「では、新しいキャンディーで次のレッスンです。」
「コレを胸に挟みなさい。」
「落ちないように私が下で支えましょう」
「両手で胸を寄せて上下させるのです。身体全体も上下させて。」
「そう、胸全体でキャンディーを溶かすように。」
「時に速く、時に遅く。そうですさっきと要領は一緒です」
水着を着けているとはいえ、目の前で大きく膨らんだ張りのある双球が上下している。
谷間から溶けた白い液体が垂れて身体を伝っていく。
こんなにも誘っているかのような行為を目の前にして、手を触れてはならない。
それがまた余計に情欲をそそる。
(これは…、たまらない)
「先のほうにキスをしてみたり、軽く口に含んだりしてもイイですね。」
「agitato(激しく)。」
「affettuoso(愛情を込めて)。」
『はうーん』
「ブラヴォー。すばらしい、のだめちゃん。」
「おいっ、のだめ。やめろぉー。」
酔いつぶれていても、そのとろけるような快感に目覚めた千秋は
目の前で自分に行われている行為が、現実なのか夢なのか判断がつかなかった。
現実とは信じがたいが、夢であればそんな夢を見る自分が許せない。
どちらにしても、受け入れがたい光景であったことは間違い無かった。
そんな感情とは裏腹に確実に身体は反応し、登りつめるように快感が高まる。
「はぁはぁぁ、あへー。」
そんなのだめの荒い息遣いを感じて、現実だと気づいた。
やばい、すぐさまそう判断し行為をやめるように叫ぶが、声に力が入らない。
「たのむ、やめてくれ…」
必死の懇願も行為に没頭しているのだめには届かなかった。
柔らかな肉に圧迫されながら、ぬるぬるとすべらされると、
どうしようもない射精感が襲ってくる。
「…っだめ」
千秋はのだめの頭を抱きしめ、全て吐き出した。
肩で息をしながら、呆然としていると、抱きしめた頭からなにか聞こえた。
「…ミルヒー、やりましたヨ…がんばりました…」
あとは寝息が続いた。
(あのエロジジイの差し金かっ!!)
次の日の朝
「おはようございマス。のだめなんで先輩のベットで寝ていたんですか?」
「知らんっ」
「ヘンなことしてないでしょうね〜。」
「するかっ」
「あれ、なんかべとべとする?」
「さっさと風呂に入れーー」
襲ったくせに何も覚えていないのだめに
殺意をおぼえつつも安心した千秋真一22歳。
のだめ×千秋 終りです。
でも、のだめ×千秋の部分は半分以下…
少女漫画・少女小説全般スレ3の方に投下された作品とタイトルかぶっていました。
投下した後気づきました。
ごめんなさい。
どうしても笑いに走ってしまって、あんまりエロくならなかったです
原作まだ知らないけど乙です。
調べておきますね。お疲れさま。
30 :
19:04/10/06 02:21:56 ID:idaVp7Lb
ありがとうございます
うれしいですー
文中で音楽用語つかいましたが詳しくないので、
雰囲気だけ感じていただけるとありがたいです。
31 :
名無しさん@ピンキー:04/10/06 03:14:12 ID:HYgA1Am8
のだめのフェ〇とか考えたことなかっただけにエロかったー!GJ!
GJ!
>>20-27 GJ!
どうしてものだめキャラは笑いに走っちゃいますよねw
ミルヒーがミルヒーっぽくてよかったです
おおお、やっぱりのだめは攻めですよね。ハァハァ良かったですー
35 :
名無しさん@ピンキー:04/10/06 11:22:13 ID:5NrleVgR
千秋×彩子で投下させていただきます!
彩子が大好きなので!
ちょっと長くなったうえに、彩子さんに入れ込みすぎて
真剣な話になっちゃったかも。許してください。
千秋とミルヒーのラフマニノフピアノ協奏曲の公演後、
彩子が二日酔いで学校を休んだ千秋の部屋を訪ねる話。
あの時、のだめが千秋の部屋に来なかった、という前提での
妄想話です!
36 :
千秋×彩子 1:04/10/06 11:22:41 ID:5NrleVgR
(私が音楽をやめれば、私たちもっとうまく付き合えるんじゃないかしら)
(私が音楽をやめればーーーー)
彩子はそう思いながら、千秋の寝室の、甘く懐かしい思い出が残るベッドに、
静かに身体を横たえた。
(よく見たこの部屋の天井・・。真一のキス。髪・・。肩・・。)
彩子はベッドに横たわったまま、1年前までの甘い記憶をたぐり寄せるように手を上げると、
バタン・・!と、となりの部屋で千秋がバスルームから出てくる音が聞こえて急に我に返った。
37 :
千秋×彩子 2:04/10/06 11:23:35 ID:5NrleVgR
「・・・」彩子はベッドの上で仰向けのまま、もぞもぞと静かに体勢を整え、右足を少し高く折り、
スカートの裾をちらりと腿が見えるよう微妙に手で調整し、千秋を待つことにした。
別れたとはいえ、喧嘩ばかりしていた頃に、何度か身体でつなぎ止められた経験から
彩子は千秋の攻略法はこれしかないと、勝手に決めていた。気位の高い彩子は言葉ではいつも
失敗をしてしまうのだ。
「・・・・」目をつぶり、寝たふりをして待つこと約5分。千秋は寝室に入ってこない。
「・・・?」
彩子は寝室のドアを静かに開けて、リビングを見てみるとそこには、
フローリングに Tシャツとジーンズのラフな格好で大の字になって寝ている千秋がいた。
彩子はがくりと肩を落とす。
38 :
千秋×彩子 3:04/10/06 11:24:02 ID:5NrleVgR
酔い覚ましにシャワーを浴びたものの、ここ数日、悪魔のごとき師・シュトレーゼマンに
連れ回されて、日本中を巡っていた 千秋はヘトヘトに疲れていた。
「すー」という軽い寝息が深くなって行きそうな時、彩子はあわてて千秋に口づけた。
「ん・・ん?!」千秋が口を開くと彩子は更に舌を押し入れる。
「ん・・ぶ・・!」ようやく何事かを察した千秋は彩子の肩を手で押しやり、唇をあわてて離した。
「彩子?!・・・まだいたのか?!」
その言葉と態度に、彩子は一瞬くじけそうになるものの、すぐに違う闘志がわいてきた。
(この男、本当にムカつく・・!)
すでに自分が意識外に置かれてしまった存在であることを認めつつも、綺麗に別れたつもりでいる
この綺麗な男を辱めたい。陵辱したい。そうでないと釣り合わない。
39 :
千秋×彩子 4:04/10/06 11:24:25 ID:5NrleVgR
意を決した彩子は、千秋が完全に身構えてしまう前に千秋の顔を両手で押さえ、
またキスをして、強引に舌を押し込んだ。
「んん・・?!」
まだ少し千秋の意識が朦朧としているのをいいことに、
彩子はすかさず右手を千秋の顔から離し、ボタンの閉められていないジーンズの隙間から
手を滑り込ませ、千秋のそれをギュッとつかんだ。
「おい・・!」
あわてて上半身を起き上げようとする千秋を身体で軽く制し、彩子は器用にジーンズと下着を
下へずらして、掴み出した千秋のそれを口に含んだ。
「あ・・!やめ・・彩子・・!」
千秋の必死の願いを無視して、彩子はわざと大きな音を立てて見せた。
ジュッ・・ジュブ・・!ジュブ・・!
「さ、彩子!やめろって・・!!」言葉とは反対に、みるみる間に形を変え、
これ以上はないくらい固くなった千秋自身を、彩子は手でゆっくりと愛撫しつつ
口で激しく吸い上げ、卑猥な音を部屋一杯に響かせた。
「ん・・・ん!」鋭すぎる快感に苦しそうな声を漏らす千秋が、まだ抵抗する気なのか少し身体を起こした。
彩子は早く千秋の理性を消し去ってやろうと千秋の前に身を投げ出し、更に激しくそこを攻めた。
千秋は顔を上げ、自分の下半身にしがみつき、必死の形相でそれを口にしている女を見た。
40 :
千秋×彩子 5:04/10/06 11:24:49 ID:5NrleVgR
別れたはずの女。
桃ヶ丘のお嬢様、王女様とも言われた、美しく上品で、気高い歌姫。
美しく澄んだ歌声とは裏腹に、内に秘める激しい感情や情熱を、いつも俺だけに向けてしまう。
俺は付き合いきれずに投げ出してしまった・・・。1年も前のことだ。
また戻りたいとは思わない。でも・・・。
「彩子・・・」
千秋は上半身を起こし、彩子の頭を手で押して自分から無理矢理に引き離し、
その腕を引いて抱きしめた。
突然抱きしめられた彩子は少し驚いたが、すかさず彩子のシャツの上から
胸を揉み、ふくらみの間に顔を埋める千秋に
(やった・・!)と心の中でつぶやき、興奮した。
41 :
千秋×彩子 6:04/10/06 11:25:17 ID:5NrleVgR
千秋は彩子を静かに押し倒すと、シャツのボタンを上からひとつひとつはずして、
露わになった色気たっぷりの黒いレースの下着も鑑賞することなく
背中に手をやったかと思うとすぐに器用にはずしてみせた。
やさしく胸のふくらみを両手で揉み、すでに赤く固くなっている乳首に口を付けると
先端を舌で転がし、時々やさしく歯で噛んだ。
彩子は形が崩れるから、と乳首を吸われるのは嫌がるのだ。
「あ・・あん・・!」自分の感じるところをよく知っている千秋の愛撫に、彩子は
ご満悦で声を漏らす。
気が付くと千秋の手はもう、彩子の大事な部分に進入している。
下着の中に入れられた千秋の右手はすぐに溢れる蜜に襲われ、クチュクチュと
卑猥な音を奏でる。
「ああ・・・あ・・あん・・」
42 :
千秋×彩子 7:04/10/06 11:25:53 ID:5NrleVgR
千秋は彩子の下着を脱がせると、一番感じる敏感な突起部分に口づけ、舌でやさしく転がしながら
二本の指を彩子の奥深くまで押し込み、ゆっくりと出し入れすると、
彩子の呼吸に合わせて、次第に速く激しいリズムでそこを突いた。
グッチュ、ギュッチュ!グッチュ・・。
「あ!ああ!あ!」
大きく開かれた彩子の大事な部分から飛び出す水滴がびちゃびちゃと千秋の手をぬらし、
フローリングにも水玉をいくつも落としてゆく。
「あ・・!いや・・真一・・入れて・・ああ!」
千秋は彩子の身体を抱きしめて持ち上げ、お姫様だっこで水滴の落ちている場所から離し、
スカートが濡れないように丁寧に脱がせてやると、自分もジーンズと下着を脱ぎ、
大きく固くなっている千秋自身を、彩子の赤く興奮した花びらにあてて
クチュ、クチュ、と蜜で濡らしてから、ゆっくりと奥へと進入させた。
「ああ・・・!!」
彩子は声を上げ、自分の上でゆっくりとやさしく腰を動かす千秋の姿を見た。
「ん・・はあ・・はあ・・」甘い息を漏らしている千秋。
まだ乾ききっていない、美しく艶のある黒い髪。端正な眉毛に長い睫が
ときどき快感に歪んでいる。
43 :
千秋×彩子 8:04/10/06 11:27:06 ID:5NrleVgR
彩子は数日前に見た、彼のあの美しいラフマニノフの演奏を思い出す。
甘く、やさしく響く第2楽章・・。
千秋の繊細な指先が鍵盤を流れ、綺麗な水紋を作って会場に広がり
その水紋は次第に大きな波となって私たちを襲った。
その神様のような男を今、私がこの手に抱きしめている。
あの時と同じような快感の表情を、私だけに見せている。
そう思うと彩子はまた喜びに胸を締め付けられた。
「・・満足か?」
そのとき、千秋がそう呟き、彩子は一瞬心が凍った。
青冷めて目を見開く彩子を、千秋はやさしい表情で見つめていた。
(ああ・・嫌みじゃないんだ)そう判断した彩子は少しホッとする。
44 :
千秋×彩子 9:04/10/06 11:28:19 ID:5NrleVgR
「おい、いくぞ」
そう言うと千秋は彩子の足を両脇に抱え、下半身を高く持ち上げ
上から覆い被さり、彩子の奥深くを激しく突きだした。
彩子の好きな体位。でもそれは千秋によって作られていった彩子の・・。
「ああ・・・!!!あ!ああ〜!!あ″ーー!!」
彩子はたまらずに大きな声を出す。最後の声だけ枯れただみ声になった。
「こら、のどに悪いからそんな声出すな」少し笑って千秋が言う。
よく言われたその台詞・・・。
彩子の目に涙が溢れた。
(真一ほどやさしい人はいなかった。
真一ほど、私の歌を想ってくれる人も。
なのに私は・・・・)
彩子はこの1年、自分の歌が思うようにならない苛立ちを
違う男たちで埋めてきた。そして再び千秋の音楽に魅せられて、
千秋自身を手に入れることで音楽への思いを昇華させようと
していた自分に気が付いた。
(たぶん真一は、わたしが歌をあきらめようとしていたとは思っていない。
いつもの八つ当たりだと思って、それでも私のために・・・
私に恥をかかせないように・・・わたしの歌のために・・・)
45 :
千秋×彩子 10:04/10/06 11:28:46 ID:5NrleVgR
「あ・・あっ・・・ああ〜!!」
千秋のやさしく激しい腰の動きに、彩子は泣きながら声を上げる。
千秋もその美しい声に聞き惚れながら、自分も彩子も頂点に達していくのを感じた。
「彩子・・・もう・・・あ・・あ!」
千秋は素早く彩子から身を離し、彩子の腹の上あたりに射精しようとしたが、
それは勢いよく胸の上を貫き、彩子の顔にまで達してしまった。
「・・・・ごめん」
少し青ざめた千秋の、たまにみせるおまぬけな顔がそこにあった。
彩子の流れ出る涙はそこで止まり、ぷっと笑って
「真一、たまってたのね」
と最後の反撃をしてみた。
「あ〜〜・・・」
千秋は恥ずかしそうに赤くなって、ごろんと彩子の横に転がり、顔を手で覆った。
「そうかも・・」と、小さく呟く千秋。
彩子は自分と別れてからの千秋の1年が、あいかわらず音楽に没頭する日々だった
ことを思い、うれしさと共に大きな喪失感を感じていった。
いくら身体を合わせても、もう取り戻せないほど遠くにいってしまった彼の心。
(もしもまた振り向かすことができるのだとしたら、それはたぶん・・・・)
46 :
千秋×彩子 11:04/10/06 11:29:45 ID:5NrleVgR
ガチャン・・。
シャワーを浴び、元通りにきちんと服を着て完璧にメイクをした彩子が
バスルームから出てきた。
またジーンズをいいかげんにはいたまま、すでに深い寝息を立てている千秋が
フローリングの上に転がっている。
「さて、わたしも家に帰って練習しなきゃ!」
彩子は、宣言するように、誓うようにそう言うと、千秋にそっと口づけた。
「さよなら」
彩子は勢いよく玄関の扉をあけ、カツン!と高く鋭いヒールの音を響かせ
千秋の部屋から出て行った。
次に会うときは舞台の上だと思いながら。
<完>
以上です〜。
彩子さんの女らしい、激しそうな性格と
千秋との関係に萌えていたので
こんな話になっちゃいました。
長すぎてゴメンナサイ。
>>36-46 GJ〜!
「ごめん」の後の千秋の顔が思わず頭に浮かんでしまって爆笑でしたw
あー、千秋やさしい!
ふたりの恋人同士時代が垣間見えて萌えますた〜
・・・乳首って吸われると形崩れるのか・・・そうなのか・・・
48 :
46:04/10/06 12:45:30 ID:5NrleVgR
>47
わかりません(汗)>乳首吸うと。
彩子さん似の綺麗な友人が以前
言っていたので使わせていただきましたw
どちらもイイヨ(・∀・)イイヨー
50 :
名無しさん@ピンキー:04/10/06 22:05:18 ID:qPGdxs1a
50のようなもの
>>48 なんかいいね。オリジナルとして読んだけど。
原作を読むのが楽しみになってきた。
お疲れ様でした。
ここって、のだめじゃなきゃいけないのかな。
GREENとか天ファミも読んでみたい……
GREENとか天ファミの方がある意味書きやすいかもね。
なんせやった実績がありだからw<主役カップル
55 :
名無しさん@ピンキー:04/10/07 11:57:36 ID:NTPmeAHN
天ファミきぼーん!勝兄ちゃん・・ハアハア
56 :
名無しさん@ピンキー:04/10/07 17:21:48 ID:bwWzQcwt
誠とワコちゃんも見たい…
>>36-46 GJ!!!
すばらしい!
原作の中の微妙なエロっぽさが生かされてて、すごくおもしろかった。
萌えましたよ〜。
ぜひまた書いてください。
58 :
名無しさん@ピンキー:04/10/07 21:45:52 ID:WiFQFcF9
うわーお!
お二方ともグッジョブ!
もっと読みたいハァハァ
59 :
名無しさん@ピンキー:04/10/08 01:08:21 ID:ISe043cB
のだめが攻めるのよかった〜!ドキドキした!今度は千秋→のだめ読みたいデス!
60 :
名無しさん@ピンキー:04/10/09 19:24:25 ID:mKHoWK0o
台風で引き籠もり…。なんか考えるかぁ
61 :
名無しさん@ピンキー:04/10/09 19:31:35 ID:78taz1i9
>60
まってます。
62 :
名無しさん@ピンキー:04/10/09 21:42:59 ID:CgOQCwzf
>60
激しくお待ち申し上げておりまする
63 :
名無しさん@ピンキー:04/10/12 01:44:07 ID:Q+wOK1Y/
期待age
64 :
名無しさん@ピンキー:04/10/12 02:26:12 ID:CsiZSrd9
なかなかいらっしゃいませんね・・・
真澄ちゃん陵辱ものが読みたい
フランツ見たい
67 :
夏生:04/10/12 16:56:36 ID:db0s86aQ
>>65 禿ワラタ
801でいいんなら峰×真澄書くww
つか峰萌え
69 :
名無しさん@ピンキー:04/10/12 17:05:46 ID:1wZWy8jH
清良タン自慰モノか、萌・薫千秋乱交モノが見たいです
801は専用板でヨロシコ。
>69
萌って誰?と一瞬思ってしまった _| ̄|○ il||li
漏れでよければそのネタで書かせてくだちい
ところで即死判定って大丈夫なの?
73 :
69っす:04/10/12 22:54:36 ID:OIqrfcVn
家に帰ってみてみたら職人降臨の予感
是非読んでみたいです!
よろしくお願いします。
74 :
名無しさん@ピンキー:04/10/12 23:52:33 ID:O/JoUQ3F
お題が並んできましたね。
もっとお題あれば、書けるのが見つかりそう。
よろしこ。
武士×のだめとか?
ミルヒー×エリーゼとか
76 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 01:29:29 ID:jCXK+I9l
ミルヒー×クラブワンモアキスでいいじゃん。w
77 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 01:51:45 ID:Z4TosyMH
武士×のだめ見たいです〜!
78 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 02:10:57 ID:r4UVeYcQ
できたらカップリングだけじゃなく
こんな内容で、というのがあれば嬉しい。
>71さん
待ってます〜!今から期待!
80 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 02:43:42 ID:6Ihj26m9
のだめって人名?
「野田恵」で「のだめ」
82 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 03:51:23 ID:T0I0IJ3d
武士×のだめ読みたいっす(;;)
83 :
71:04/10/13 04:25:40 ID:bdriq9I1
とりあえず途中までできたので、うpします
まだ微微微微微エロくらいですが…
鈴木姉妹+千秋ですので
苦手な方はスルーでおながいします
84 :
71:04/10/13 04:26:39 ID:bdriq9I1
卒業演奏会、二日目。
全てのプログラムが終わり、学生たちは帰り支度を始めていた。
「ねぇ萌…ほんとに大丈夫かしら」
柱の陰で、口紅を塗りなおしながらつぶやくのは、妹・薫。
「大丈夫、千秋さまのツボはリサーチ済みなんだから。のだめちゃんには悪いけど、
一回くらい借りたところで罰は当たらないわよ」
ゆるやかなウェーブを手櫛で整えているのは、姉の萌だ。
桃ヶ丘音楽大学の叶姉妹と呼ばれるこの二人は、Sオーケストラ内で唯一演奏会に
出られた奏者である(除くオカマ)。
姉妹での出演が決定したとき、二人は密かにある計画を立てていた。
それは――
85 :
71:04/10/13 04:27:19 ID:bdriq9I1
「あ、来た!」
「千秋さまっ!」
「えっ!?」
突然の襲撃に後退りする千秋の腕を、それぞれががっしりと捕まえる。
「な…何だ!?」
のだめと真澄に見つからないよう、二人は少しずつ建物の陰に移動していく。
千秋の細い腕を、豊満な胸に押し付けることも忘れない。
「お疲れ様でした、千秋さまっ」
萌が言うと、
「わたしたちもすっごく頑張りましたよね!」
薫が満面の笑みで問いかける。
「ああ、う、うん…よかったよ…」
状況が把握できずうろたえる千秋に、二人は口を揃えて言い放った。
「ごほうび、下さい!」
86 :
71:04/10/13 04:30:57 ID:bdriq9I1
…で。
どうしてこんなことに?
千秋は朦朧とした頭で、眼前の白いゴムまりを見つめた。
「あ、起きたぁ」
最早どちらのものとも区別がつかない声。
「今ね、萌ちゃんお風呂なんです。もうちょっと待っててくださいね」
そう言うと、上に跨っている双子の片割れはゴムまりを近づけ、千秋の
頬をやんわりと挟んだ。
「ちょ…待て、何やってんだ!?何でラブホにいるんだ!?
飲んでたよな俺たち!?」
意識がはっきりしても乳の魔力には逆らえないのか、
そのままの姿勢で千秋は叫んだ。
「あら…千秋さまが酔ってしまって『歩けない』って言うから、わたしたちが
ここまで抱えて来たんですよぉ。それに…」
薫は上半身を起こすと、千秋の右手をとって人差し指を口に含む。
千秋の身体が一瞬、ピクッと動いた。
「千秋さま、ごほうびを下さるって言いました…」
「それは…酒をおごるって…っ」
87 :
71:04/10/13 04:31:50 ID:bdriq9I1
薫のやわらかな舌は、それ自体がまるで意思を持つ生き物であるかのように、
千秋の指を次々と蹂躙していく。
「らめれす…酒ろおろほはせっろれすから(駄目です、酒と男はセットですから)」
「ぅあ…っ」
泥酔している上に敏感な指先を攻められ、力が入らない。
(やばい…俺ピンチかも…)
両目をぎゅっと瞑りながら、じわじわと迫る快感に耐える千秋。
そこへ、さらなるピンチがやってきた。
ガチャ、とドアが開く音がしたかと思うと、
「ちょっと、何やってるのよ、薫!」
残る片割れがつかつかと近寄ってきたのである。
「もう、フライングはなしって言ったじゃない」
「ごめーん、だって千秋さま目を覚ましたからぁ」
88 :
71:04/10/13 04:32:50 ID:bdriq9I1
(ゴムまりが、4つ…)
千秋は二人の迫力のボディを眺めながら、ふと思った。
(これも、いわゆる”オイシイ状況”って言うんだろうか)
スレンダーだった元カノ・彩子とは違う、ほどよく脂肪に包まれた、なめらかな身体。
男なら誰もが唾を飲む、たっぷりと実った双丘。そしてクラシック界の叶姉妹と評される、その美貌。
それが目の前に二人もいて、自分を誘惑しているのだから――。
(まいったな…)
千秋は小さく溜息をついた。
(…据え膳見たら食欲が湧いてきたかも)
89 :
71:04/10/13 04:37:14 ID:bdriq9I1
続きはまたあとで。前フリ長くてすんません
>>69たんのイメージに沿ってるかちょっとガクブルですが、まあこんな感じで
許してください。
普段は普通に千秋×のだめが好きなんで、ちょと大変ですたw
90 :
71:04/10/13 04:40:13 ID:bdriq9I1
あ、それと真澄ちゃん嫌いじゃないよw
んじゃおやすみー(・∀・)
91 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 14:52:25 ID:r4UVeYcQ
>71
乙です。
続き、楽しみにしてまってます。
71さん乙!
続き楽しみに待ってます!
さて、原作も満喫で読んだし、感想でも。
>>30 原作の雰囲気を生かしてるなぁ。
いい感じ。
>>46 氏のSSを読んで満喫に走った漏れとしては
面白い原作を紹介してくれたという意味で感謝。
>>71 続きキボンヌ。
94 :
名無しさん@ピンキー:04/10/15 20:42:50 ID:7NHz470t
続きわくわく
95 :
名無しさん@ピンキー:04/10/15 20:54:22 ID:Aea4K/qq
気になるよ〜!71さん!
96 :
71:04/10/16 01:54:22 ID:ac5p1kAG
ありがとう。
男1女2の3P書くのは初めてなのでちょと難航してます…ごめん…
97 :
名無しさん@ピンキー:04/10/20 12:28:37 ID:8A7YTXL0
干す
所長のサイト>MANGA BOX>特別番外編
(*´Д`*)ハァハァ
99 :
名無しさん@ピンキー:04/10/25 19:14:51 ID:M5zCpXq/
てゆうかいくら何でも続き遅っ!
誰か何か書いてくれないかなぁ・・・。
100 :
名無しさん@ピンキー:04/10/25 22:27:22 ID:/pRODBlc
馬鹿馬鹿しい
101 :
名無しさん@ピンキー:04/10/25 22:27:39 ID:/pRODBlc
誤爆しました
>36-46
声楽やっている人って意識的にマムコを締められるんですよ。(オトコの声楽家は当然マムコは締められないが。)
歌うときの「腹の支えを入れる」ってのをやると、締まります。
「これ、してあげると彼氏喜ぶよー」と先輩が後輩に教えてあげるのが音大声楽科やオペ研の常識。
まあ、教えられなくても実践している方はたくさんいるようで。
103 :
名無しさん@ピンキー:04/10/31 00:40:52 ID:p2YzuN28
「んうっ...いずみちゃん...イイよ...」
ベッドに腰掛けた菊池亨は、彼に奉仕しているいずみの乳首をつまみながら恍惚となった。
月に一度の逢瀬。来年、亨がボストンへ帰るまでの間のコトというのは二人の暗黙の了解。
いずみは、この時のために、中出しOKの日をえらび、夫に嘘の用事を言って来る。
特別な才能をもった男に抱かれる悦びは、何にも代え難いから。
「あぁ...いずみ...」亨が細い声でささやく。
それを合図にいずみは立ち上がり、亨の上に腰かけるように、形のいいお尻を沈めた。
密壷に、太くビンビンに張りつめた弓がゆっくりと入っていく。
104 :
名無しさん@ピンキー:04/10/31 00:41:19 ID:p2YzuN28
「ア..はン...」「ふぅーっ」「ン...亨...」
ひとつになったあたたかさをしばし、たしかめる。
亨はいずみのうなじや耳にキスをしながら、左手で豊満な乳房を包み、右指で美豆をまさぐった。
(アァ...すごくイイ...でも亨ったらユッコって女や他の女にもこんな体位を?
いいえ、亨へのテクニックなら、人妻であるアタシに勝てっこないワ!!)
亨はいずみとつながったまま仰向けになり、いずみの乳房、美豆、密壷と3点責めをはじめた。
まるで、いずみのからだがチェロであるかのように、弾き、弾く。
いずみは奏ではじめる。「あァ、あン、あァーッ...」
だが、この最高の音を奏でる楽器は、ほかの男のものなのだ。
(しっかしサイコー...。この眺め。この声。この締まり。やめらんないよ)
天井鏡に映る、亨に責められ脚を大きくひろげてもだえるいずみの裸身。
それを視姦しながら、亨はますます興奮した。
105 :
名無しさん@ピンキー:04/10/31 00:41:49 ID:p2YzuN28
いっそう激しくいずみを責め、激しく突いて、いずみをイカせた後、亨は正常位で頂に達した。
快楽の後、簡単に身支度をしたらまたワインで乾杯しよう。
そう考えて立ち上がった亨の耳に、騒がしい物音が近づいてきた。「何だろ?」
ドスドスドス・・・ガチャ!! バタン!!「おいっ、いずみ、いるのか!?」
いきなり、体育会系のガタイのいい大男が、数人の男を連れて部屋に入って来た。
「アッ、あなた!どうしてここがッ?」
「こぉのヤロー!俺のいずみとヤリやがって!!どうなるかわかってんのか!!!」
バキィ!! 渾身の蹴りをくらった亨の足の骨が、にぶい音をたてて折れた。...
106 :
名無しさん@ピンキー:04/10/31 00:42:28 ID:p2YzuN28
おそまつさまでした。
おおお…菊池くんの骨折の詳細がここにw
108 :
名無しさん@ピンキー:04/10/31 05:32:38 ID:M8gH9Mzk
痛そうなのは伝わってくる…
109 :
名無しさん@ピンキー:04/11/04 01:32:44 ID:IQTaDKmo
保守・・・
110 :
名無しさん@ピンキー:04/11/06 23:49:54 ID:Z28D6+/C
ほっしゅ
111 :
夏生:04/11/09 01:56:50 ID:G+ererfd
くろきん×のだめ
OK?
OK!
お待ちしてます!
114 :
夏生:04/11/10 00:15:41 ID:M6xPpm93
ちょい時間かかりますけどすいません。
了解しましたー
>>5 のだめのどこが「吹奏楽」マンガなんですかな?
116 :
名無しさん@ピンキー:04/11/12 15:44:18 ID:8nepCxdr
オケストラですよー!ぎゃぼ★
オケストラは管弦楽団
つうか「のだめ」カンタービレだからどっちかっつうとピアノの話であるべきな気がするが……
あの話は寧ろ千秋カンタービレだと思
……千秋が、……カンタービレ?
いや、全体的にのだめより千秋の方が主役のような話じゃないかと。
最近はそうでもないが
>>119 カンタービレは「歌うような」の意味だから、きっといい声で啼くんだよ…ハァハァ
>>119,121 ワロタw
千秋のモノログしかないしね。
いい声で啼く千秋・・・ハァハァ・・・相手はエリーゼキボンヌ と言ってみるてst
123 :
名無しさん@ピンキー:04/11/14 13:45:09 ID:bkvVg9Y0
>119
エリーゼ×千秋!!
キターーーー!!
それ萌える。
エリーゼ×千秋、いけるかも。
まだ書き途中だけど、もしよろしければ近日中にアップさせていただきます。
私なりにがんばってみるので、期待はずれでも怒らないでね…
会話遊びでいじられる千秋も込みでイイ?
125 :
名無しさん@ピンキー:04/11/19 20:34:25 ID:YkNBMze9
オッケーです!楽しみにしています!
126 :
名無しさん@ピンキー:04/11/20 01:02:07 ID:shGgiCxj
主人公を他キャラの視線で描いていく漫画ってこった
いやでも矢張り看板に偽りあり感が……
マジレスすると、
のだめがカンタビレってるのを見て千秋成長、
今度は千秋がカンタビレってるのを見てのだめが成長してく。
そして二人でカンタビる。めでたしめでたし。
って話じゃないのか?
129 :
名無しさん@ピンキー:04/11/20 03:39:24 ID:Il0SdsCs
??
もう何度もふたりでカンタビレってるよ
124です。
それでは、恥ずかしながらエリーゼ×千秋を投下させていただきます。
とりあえず推敲の終わった前半部分のみ…。
ちょっと長くなりますが、おつき合いいただければ幸いです。
千秋カンタービレ
■■1
「あら千秋、お勉強?」
「…ブホッ」
千秋真一は、呼ばれて顔を上げると同時に頬を染め吹き出した。
「なんて格好してるんですかエリーゼ!」
言いつつ、あからさまに不自然な様子で目を逸らす。
エリーゼは千秋の向かいの椅子に腰掛けると、その長い足を組んだ。
裾から伸びた長く細い脚は、華奢なミュール以外何も身につけていない素足。
それに気づいた千秋は、ますます目のやり場に困る。
「あら、あなたこそなんて格好してるのよ」
長い金髪がそよ風と戯れるようになびき、美しく光を反射する。
いつもかけているメガネはコンタクトに変えているようで、
およそ普段のエリーゼとは印象がかけ離れていた。
そして、イメージを狂わせる要因の中で最も大きいものが、その服装。
エリーゼは水着にパレオといういでたちだった。
2/3のカップからは、たわわなバストがまるで窮屈だと悲鳴をあげるようにあふれ、
わずかな布で繋ぎとめられている中心部分は、くっきりと深い双丘の谷間を惜しげもなく披露していた。
……メロン…………?
一瞬呆けてあの大きな丸い果物を二つ想像するが、違う違うと首をぶんぶんと横に振った。
…勿論、心の中で。
■■2
外人らしいしっかりした骨格には無駄な肉がなく、大作りだが華奢な肩口から、
くっきりと浮く鎖骨、対比するようにボリュームのある重そうなバストへのラインは絶妙だ。
「開襟シャツに黒ズボン。一体ここをどこだと思ってるの?
いい?千秋。ここは避暑地、白い階段を降りれば彼方まで続く碧い海!」
エリーゼは、伸びやかな腕をベランダから望める景色に広げ、芝居がかった声でその絶景を賞賛する。
「きらめく波間から繰り出される繊細かつ大胆なくだりは、
かのウィーンフィルにも奏でられないほど鮮烈にして魅惑のメロディ。
鮮やかな日差しがフルートのアパッショナートに例えられるとするならば、
プライベートビーチにセットされたパラソルが生む影はファゴットの心地よいカンタービレ。
あなたは青さに任せて気の赴くままに、その若い時間を奏でるべきなんじゃなくて?」
「…………。」
饒舌に語られ、千秋はしばし頭をかかえる。
これはもう、泳げないんだよ、とか毒づく程度の問題じゃない。なんなんだこの人は。
エリーゼが身振り手振りを示すたびに、その大胆な両胸は、たわわに揺れる。
「…暑さで頭がおかしくなったんですか、エリーゼ」
するとエリーゼは、今度は急におとなしくなり、得意気に千秋を見下ろしてみせた。
「なぜ海に出ないの?」
千秋はふーっと息をつきながら、問いかけるエリーゼに向き直った。
「…別に、海が嫌いな人間がいたっておかしくないでしょう」
「あなたのお友達は皆、はしゃぎまわって海で遊んでるわよ」
「友達じゃありませんから」
「千秋の彼女、あの意外にバストの大きい…
「彼女じゃありません!」
エリーゼが言い終わるより早く千秋は声を上げ、瞬間、しまったと冷や汗を流した。
彼女のテンポに乗せられた。
そう気づいた時にはもう遅かった。
■■3
「…彼女じゃない割には、誰のことかすぐわかったようねぇ〜?」
エリーゼはふふんと微笑を浮かべる。
ぐ…っと言葉に詰まる千秋。
「しかも、彼女でもなんでもない女の子のバストのこと、よく知ってるようねぇ?ん?千秋」
確かに。
シュトレーゼマンのこの別荘(いつこんなもの買ったんだ)に臨海学校だ!と称して
遊びにきているのは、のだめ、峰、清良、真澄、…そして強制連行させられた千秋の5人。
峰と真澄は置いておくとして、清良はスタイルは良いがどちらかと言うとスレンダーなので、
胸もさほど無いような具合が一目瞭然。
エリーゼは、まだ千秋たち全員の関係をよく知るはずがない。
“バストが大きい”という言葉で、エリーゼがのだめを指していると察してしまった千秋の読みは、
皮肉にも失敗だったのだ。
しかし千秋はそんな動揺を見せず、普段より饒舌なエリーゼをよく観察した。
「……酔ってますね?」
千秋が確信を持って言うと、なんの事?というようにエリーゼはとぼけてみせた。
「そんな状態で海に入るのは危険ですよ」
千秋が冷静に諭すと、エリーゼはまた余裕の笑みを零した。
「酔い覚まししてるところよ。暑いから先に着替えちゃったけどね」
「…熱いのは酔ってる証拠でしょう……」
千秋は話題を逸らすように言うが、しかし本気で呆れてもいた。
通常の相手なら、この程度で会話の主導権を自分に持っていけるはずだった。
しかし。
「…で、質問の答えは?坊や」
エリーゼは見逃してはくれなかった。
■■4
千秋は深いため息をついて、観念する。
「…そんなの、服着てたって誰にでも予想つくことじゃないですか。
まあ、総じて男性の方が目がいきやすい箇所だということは否定しませんけど」
「…サイズはいくつくらいなのかしらね?」
エリーゼは、まるで幼い弟や未熟な後輩をからかうように、千秋の顔を覗き込んで意地悪く微笑んだ。
両肘をテーブルにつき、掌に頬を宛てて、挑発するように首をかしげる。
…勿論、彼女の両肘に挟まれた胸は、彼女の意思とは関係なく、
居場所を狭められて、きゅうきゅうに前へと張りつめる。
…ああ、水着って結構頑丈なんだな。今にも、はちきれそうじゃないか。
千秋は、思わず釘付けになってしまい、再び慌てて目を逸らす。
…馬鹿だな、オレ様としたことが、今更何こんなことで慌てているんだか…。
と、思いつつも、やはりそれは、実際間近で目にするととんでもなく魅力的な代物なのだ。
かの鈴木姉妹もかなりの…だったが、なんといっても迫力が違いすぎる。
「そこまでは、はっきりとなんてわかりませんよ」
「…っていうことは、大体ならわかるの?」
…くっ……。
その頃には、このエリーゼという美人秘書が、自分よりも何枚も上手だということに気づく。
今更だが。
シュトレーゼマンさえ萎縮するほどの敏腕(豪腕?)秘書なのだから容易に予想はできていたが、
それでも自分が誰かに負けるという想像はしたことがなかったのだ。
千秋は言葉に詰まったまま、返答を返せない。
「私のこの胸……」
エリーゼはなんと、千秋の頬に手を宛てて自分に向かせると、ことさらに胸を強調してみせた。
■■5
ぷるるん、なんてもんじゃない。
ぶるん、という擬音が聞こえる錯覚に陥るほど、それは、たわわに揺れた。
「これで、Gよ。…ふふっ、サイズ的には案外小さいでしょう」
…おい、この女とんでもないこと言ってるぞ。
これで小さいっていうのは、世の大部分の女性の人権を否定することになるんじゃないのか?
「これを基準にするといいわ。さあ千秋、彼女の胸のサイズは?」
エリーゼは、どう見ても自分をからかっているだけだ。千秋にはわかっていた。
女というものは、気に入った男には、
積極的に恋愛やら女性特有の話題やらを口にしたがる傾向にあるものだ。
それは、いわば、恋とも呼べない、ただの面白い会話遊びのようなもので。
相手の性を意識する場合もあれば、そうでない、日常会話の延長のつもりの場合もあるだろう。
…無用心な話だが。
この場合のエリーゼは、間違いなく後者だった。
自分の上司の可愛い弟子、しかも年下で才能が有りマスクもそれなりとなれば、
からかいたいのも仕方のないことだろう。千秋はそう思った。
自分で才能があるとかカッコいいことを当たり前のように認識しているところが、
千秋の千秋であるゆえんだが。
…どうやらエリーゼは、まだ千秋というオモチャをからかい足りないらしい。
千秋はため息をつくと、考えるまでもなく答えた。
「…多分、C…いや、Dくらいだと思いますけど」
「へぇ。その根拠は?」
…くっそ、この女……。
「あなたの胸とは比べ物にならないけど、平均より大きめのは確か。
となればDくらいが適当でしょう」
「ふうん」
エリーゼはテーブルから身を起こして、腕を組んだ。
…あぁ、さっきよりも谷間がくっきりと。ここはどこだ。六本木か。何のサービスだ。セクハラじゃないのか…
■■6
「本当に、憶測って感じの答え方ね。触ってれば確信持ってわかってるでしょうに」
…何を、とんでもないこと言ってるんだこの人は。
「だから、俺はのだめとは何でもないって言ってるでしょう」
千秋は呆れたようにため息をついた。
しかしその表情に、先ほどは見られなかった僅かな動揺があるのをエリーゼは見逃さなかった。
「下着にサイズが書いてあるでしょ?」
「そんなの見られるわけがないでしょう!」
…おいおい、話が変な方向にいってるぞ。
千秋はだんだんと焦り始めるが、どうも調子がつかめない。
どうしても、エリーゼから逃げられないのだ。
「そう」
…エリーゼは拗ねたように答えると、テーブルの上に広げられたスコア(総譜)に目を落とした。
「サロメ?」
「えぇ。この間、面白い演奏しているところがあったから、気になって」
「千秋が気になるなんて、どこのオケ?」
千秋は首を横に振った。
…やっと普通の会話になったぞ。
「いや、ただの一般大学の学生オケですよ。
技術的にはそれほどでもないんだけど、音が、いやに綺麗だったんです。
…ああいう音ってどうやって作り出すんだろう。
弦楽器のビブラートが妖艶で、でも決して管楽器を埋もらせない。
管楽器は、はっきりと個性の違う音色なのに、上品…いや、上品というよりも妖しく絡まりあって、
まるでオケ全体が一つの楽器であるかのようにまとめあげられた、
繊細なビロードのようにブレンドされたサウンド……」
千秋はその演奏を思い出して、恍惚と語る。
そんな千秋の様子を、エリーゼは興味深そうに見入る。
■■7
「ビオラとチェロの、低音でも高音でもない微妙な音域で奏でられるあの魅惑的なメロディ。
指揮者は一人一人の音色をからめとって、まるで魔法のように混ぜ合わせて……」
そこで千秋は、エリーゼが不敵な笑みをこぼしていることに気づいた。
「な…なんですか、その目。いや、でもそうだ、あのメロディは、多分あなたみたいな目をして、
ヨカナーンの首を求めて扇情的に踊っていたにちがいない……」
千秋は、エリーゼに釘付けになってしまった。
不敵に微笑むエリーゼ。
目を細め、ふっくらとした唇は微笑みの形に薄く開かれ。
華奢な首、肩、すらりと伸びた腕。
たっぷりと余りあるたわわな胸は、まるで誘うかのように薄い布で申し訳程度に包み隠されているだけ。
テーブルの下からはみ出している脚は、白く、程よい肉付きによって彩られ、おいしそうに組まれている。
…おいしそうに?!
千秋は頭を抱えた。
「…冗談がすぎますよ、エリーゼ。…もう……」
「あら心外ね。私何もしてないわよ?
ふふっ、若いっていいわね。想像力が豊かで」
「…………。」
またしても墓穴を掘ったような、しかしやはりエリーゼに翻弄されたような、
面白くなさそうな表情で黙りこむ千秋。
敵わない年上の女性に甘えるようなその様子に、エリーゼは笑い声をあげてしまった。
「悪かったわね、からかいすぎちゃったかしら?」
千秋は、そっぽを向いて、拗ねたような表情をする。
■■8
「お姉さんが悪かったってば」
エリーゼはそんな千秋の頭をくしゃくしゃと撫で、その手を千秋の頬にすべらせた。
思わず、微かに身じろぎしてしまう千秋。…予想はついていたのに、だ。
エリーゼはそのまま、指先を千秋の身体に添わせていく。首筋…肩…腕…そして、指先。
「…ピアニストの手、ね」
エリーゼは千秋の指先を取ると、その1本1本に軽く触れながら、感心したようにささやいた。
千秋の肌は男性にしてはキメ細やかだというのに、造りは完全に男性のそれだった。
堅く、無骨な骨格。大きな掌。
根本的に女性とは異なった、男性特有の、エロチシズムを感じさせる長い指。
「…オレは指揮者になりたいんですけどね」
ふふふっと笑い、そうね、と答えるエリーゼ。
…エリーゼのようなタイプの人は初めてだ。
千秋は、自分の指先を興味深そうに手に取るエリーゼを見ながら思った。
千秋は大抵のことに長けていたから、年齢に関係なく、
自分がこうも簡単にあしらわれるような体験に乏しかった。
多くは、対峙するまでもなく、千秋を別格に見ていたから。
そう、大学において影で「オレ様千秋様」と呼ばれるように。
そして、自らもまたそんな自身をどこか認めていて、自信にさえしていた部分がある。
…でも。
千秋は思った。こういう状況も案外悪くないもんだな、と。
■■9
エリーゼは相変わらず飽きもせず、千秋の指先を弄んでいる。
彼女の指先はしっとりと滑らかに整えられていて、
仕事に差し障りがないようにするためか短めに揃えられた爪は、
慈悲深いベージュに彩られて光沢を放っていた。
華奢な白い指先が、千秋の右手を優しく包み込み、懐柔する。
手首から甲を伝い、指が分岐する山になった関節をこりこりと押し揉まれる。
そのまま指先までつっと撫でると、爪の縁をゆっくりとなぞる。
指先は、ソフトに。演奏者である千秋をねぎらうかの如く、上下から挟んで、柔らかく。
それはマッサージにも似て、知らず知らずの内に千秋の心をほぐしていた。
しかしあえて言うなら、油断、にほかならなかった。
「どう、千秋。気持ち良い?」
「えぇ、まあ。でも、そんな触り方しないでくださいよ。
…なんだか、いつも受けるマッサージとはちょっと違う」
それもそのはずだ。
エリーゼはなにもマッサージをするつもりで触れているのではなく、
千秋の指先を、千秋のモノに見立てて愛撫していたのだから。
だから千秋が、心地良さと共に徐々に高まりを伴う快感に支配されていくであろうことは、
エリーゼの思惑通りだった。
「…エリーゼってば。もう、やめてください。なんだか、おかしい……」
エリーゼがさわさわと指先を撫で回すたびに、何故だか面妖な感覚を覚える千秋。
やめろと言う割には自ら手を引っ込める様子は全くなく、
いつしか椅子の背もたれに深く身体を沈め、両足は少し開かれ、
膝はだらしなく外側に向けられていた。
「…千秋は、オクテなのね」
「…え?今何…」
エリーゼは、千秋の指の又を魅惑的になぞる。
「…ッ………。」
千秋は僅かに顔を歪ませた。
■■10
指の又は、手の中で最も皮膚の薄い、柔らかい部分。
そして、意識しない限り触れない部分。その不意打ちは、千秋にとってあまりに酷だった。
その部分に触れられた感触は、自身のモノを舐め取られる快感にも似ていて。
千秋は、抵抗する術もなく、快楽に引きずり込まれた。
エリーゼは、その反応を見て、待ってましたとばかりに微笑んだ。
千秋は逆らえない。
振り切って席を立とうとすれば、いつでもできたのに。
エリーゼは、再び柔らかな指先で、そこをまさぐった。
「エリー…ゼッ…やめてください……」
前言撤回。この状況は、多分非常に、マズイ。
しかし、エリーゼは手を休めるはずもない。
「やめて欲しいの?」
またしても、エリーゼはからかうように問いかける。もう勘弁してくれ。
「…やめて、欲しい……」
どうつくろっても、弱々しくなってしまう、掠れた声。
千秋が伺うように上目遣いでエリーゼを見ると、彼女はこの上なく甘く、優しく微笑んでいた。
背後の森から流れてくる涼しげな風や、さわさわ…という微かなざわめきが、
千秋を更に心地良くさせた。
海に降りるみんなの誘いを必死に断って。
MDから流れる妖艶な響きに身を任せながらパート譜の1段1段を追い、
スコアを1ページずつめくり、書き込みを施す。
鼻歌だって出ていたかもしれない。
そんな風に至福の時を過ごしていたはずなのに。
…あぁ、オレには今何が起こっているんだ…?
■■11
「じゃあ何で逃げないの?」
エリーゼは2本の指で千秋の繊細でありながら鍛えられた無骨な指をつまみ上げ、
つつ…と先端まで辿った。
千秋は、片目だけを細め、唇をぐっとひきしめた。
…指の皮膚って、こんなにも薄かったのか……?
「…ピアニストは、指は弱いのかしら」
エリーゼは、試すようにからかうように微笑んだ。
しかし、もう千秋はそんなエリーゼの表情を探ることができなくなっていたから。
なぜなら彼は、エリーゼを直視することができないから。
けれど、俯き加減の千秋の表情は、
明らかに非日常の事態が引き起こされていることを物語っている。
「逃げたければ、逃げればいいんじゃない?」
エリーゼはそう言うと、千秋の手を持ち上げた。
そして、エリーゼのそのふっくらとした唇へ。
「エリーゼ……何を……」
熱に浮かされたような焦点の合わない目で千秋がその動きを追うと、エリーゼはゆっくりと舌を出し…
「…ッう、く、…んぅぁ……」
千秋の指の又、先ほど千秋が最も顕著な反応を見せた箇所をぺろりと舐め取った。
「…あ、ダメ、エリー……」
■■12
千秋の指の又でゆっくりと何往復も舌を這わせる。
その度に上がる、千秋の切ない呻き。
まるで拷問のように永い間そこをいたぶったかと思うと、唇で食むように、指先を辿る。
勿論舌先も交えながら。
「やめてくだ、さい、エリー…ゼ、ダメ、あぁ、それ以上、…ぁ、ダ……」
行き着く先は、爪の生え際。
チロチロと、舌先を器用震えさせながら、爪の縁を辿ってゆく。
そして、まるでエリーゼの舌先に合わせるかのように、千秋の身体も時折震える。
「……ん、く……ぁ……」
千秋は、熱に浮かされたように顔をしかめ、目を瞑ってその愛撫に耐えていた。
腰が。僅かに前後に動いていることも気づかずに。
「…う、あ、エリーゼ、も……」
もっと。
喉元まで出かけて、千秋はハッと口をつぐんだ。
身体の震えも止まり、同時に、身体の血管という血管が激しく脈打っていることに気づいた。
…オレは、今、何を……。
とりあえず今日は以上で。続きは、完成次第投下させていただきたいと思います。
初めに言うべきでしたが、千秋を啼かせることをテーマの一つとしていますので、最後まではしません。
…一応、それを期待されている方がいらっしゃると申し訳ないので言っておきますね。
(それに、このペースで最後まで…だと、とんでもなく長くなってしまうので…)
あと、エリーゼのキャラ像がもしみなさんと違っていたらすみません。
それから、6〜7で出てくる「サロメ」とは、リヒャルト・シュトラウス作曲のオペラです。
私自身はオペラではなく、普通のクラシックの演奏会でしか聴いたことがありませんが…。
ストーリー等気になる方がいらっしゃれば、検索してみてください。
それでは〜。
>130-143 GJ!!
続き楽しみにしています
エロくて素晴らしいです〜
ありがとうございます〜!
142の続きです。
■■13
理解できないというような混乱した表情を浮かべる千秋に、エリーゼは妖艶な笑みを零す。
彼のこの手に、この指に、今まで一体何人の少女たちが喘がされてきたのだろうか。
きっと千秋は、指技が得意に違いない。
優しくも少々意地悪な表情で、甘い声で、少女たちの痴態を誘い、
絹のような若い肌を快楽に貶めてきたのだろう。
その指を、今エリーゼは、思うがままに蹂躙していた。
この指を求めたら、今の千秋ならば、自分にもそれを施してくれるだろうか。
彼に犯されることは、きっと愉悦の如き甘ったるい経験に違いない…。
しかしエリーゼは、それにも勝る欲望に胸を突かれた。
この若く端正な顔立ちを、抵抗できない快楽に歪ませてやりたい。
小生意気な発言をする唇を、淫らな吐息で溢れさせ、小動物のように啼かせてみたい。
エリーゼは、この青年の逃れられないであろう痴態を期待して、淫猥に微笑んだ。
そして、指先をそのままに席を立ち、千秋のごく間近で屈みこんだ。
…今度は何を……。
千秋は、のろのろとエリーゼの視線を追った。しかし、その視線は最後までは追えなかった。
エリーゼが、千秋の真横に位置してしまったから。
わざわざ首まで曲げてエリーゼを追ってしまったら、完全に負ける。
そう判断した千秋は、エリーゼを追うのをやめた。
しかしそれが、失敗だったことにまだ気づかない。
千秋の負けは、その時点で決定してしまっていたのに。
エリーゼは、千秋の頭に顔を近づけた……
■■14
「っう、…ぁ………」
千秋はその感覚に、強く目をつむるしかなかった。
耳に吹きかけられた、熱い吐息。同時に薫る、芳しい香水の匂い。
全身の産毛が総毛立つような、よく慣れた、しかし初めての感覚だった。
「大丈夫よ」
そして同時に、休む間もなく再び襲い掛かる吐息。
「怖くないから」
今度は、 ふっ っと強く。かと思えば、優しく、熱く。
…こんな…耳に息を吹きかけられるだけでこんなことって…。
普段、毎日のように己の音を聴き、オーケストラの音を聴き、
その音たちをより高めるために酷使する耳。
しかし今千秋は、その耳によって、自身が高められつつあった。
「……ぁ、…はぁ、はぁ……」
「ん?」
わざと何も気づかないような声を出してみせるエリーゼ。
エリーゼは、唇が触れるか触れないかの…千秋もその存在を感じるほどぎりぎりまで寄せると、
熱い息を、この上なく甘い息を吹きかける。
「…んぅ……」
「ピアニストの指、指揮者の耳。…大切にしなくちゃね、千秋?
……たっぷり、労わってあげるわ」
そうして、妖しく濡れた舌で、千秋の耳の中をとびきり優しく一舐めした。
ペろんっ
「ひゃっっ」
千秋の身体が、隠しようもないくらい びくり と震え、彼は咄嗟に口に手を宛てた。
…今の、……オレの声なの…か……?
するとエリーゼは、せきをきったように千秋の耳の、中を、耳たぶを、舐め上げる。
「…ゃっ……!ちょ、エリー……!」
「黙っていなさい」
■■15
エリーゼは叱るようにぴしゃりと遮ると、上半身を乗り出して、
千秋の肩を抱くように覆いかぶさった。
その体勢では、意思の有無にかかわらず千秋は抵抗できない。
舌を差し込むたびに、つぼめるように尖らせた舌先で、
千秋の中を べろり と舐め、押し、くすぐり…
「エリーゼ!やめっっ……!!…っ…あうっ……!」
ひとしきり激しく舐めると、触れるか触れないかのぎりぎりのラインで舌を沿わす。
「………ぁ……」
…普段、自分で耳掃除をして触れることもある。
邪魔な髪を掻き分けた時に触れるのなんてしょっ中だ。
…なのに、なぜ。なぜ今こんなにも、オレは。
自分の身体ではないような、
…自分で言うのもなんだが、こんなに色っぽい啼き声を挙げる自分が情けなくてしょうがなかった。
しかし、逃げ出せない。
…逃げ出したくない。
でも、情けない。
…情けなくたっていい、今この時だけ……。
■■16
「…ぁッ、…あ、ぁ、ぁ……」
エリーゼの舌に舐め取られる度に漏れ出てしまう、か細い声と、
下腹部で感じる…徐々に染み出してゆく液体。
耳の内部を犯される感触は、徐々に千秋の身体を空っぽにしてゆく。
身体の芯を、いいように弄ばれているような、そんな心地。
「千秋はいい耳してるわね」
エリーゼは、甘く熱い吐息と共にささやく。
「…ぅ………。」
千秋は、答えることができない。
「指揮者は耳が商売道具。
たまにはこうして、ご褒美をあげなくちゃね…」
耳の形に沿って、ぐるりと一周舌が這わされる。
その舌は、もはや舌と呼んでいいのかわからないくらい、意思を持ったモノのように思えた。
いや、実際には千秋は今、そんなことに考えを巡らす余裕すらなかった。
ただ、……快感。
ぺろぺろと舐め上げられる感触に、それでもなんとか自分の思考を取り戻せる程度には余裕が出てきた頃、
…耳たぶを甘噛みされる。
「ぅんっ…!」
噛まれ、また愛しそうに、しかし激しく舐め上げられ、今度は口に含まれる。
再び顔を強くしかめ、千秋はいつのまにか、椅子の肘掛けを握り締めていた。
その時ようやく、千秋は気づいた。
まるでおねだりをするように、腰の、衣服の中から存在を主張している部分、
そこが虚空に向かって突き上げている事に。
エリーゼに見てもらえることを望むかのように、必死に震えていることに。
…そして、自分の胸板を、エリーゼの右手が這いまわっていることに。
■■17
「なにを…するんです……。やめて…」
やめてください。
心ではそう思うのに、何故か最後まで口にできない。細く柔らかな感触が、
熱のこもった自身の身体に些か心地良すぎるから。
「千秋、目を開けて」
言われるがままに、千秋はのろのろと目を開けた。
途端に、木々の間からもたらされる鮮やかな光の渦に巻き込まれ、眩暈がした。
「…う……」
千秋は反射的に目を庇おうと手を伸ばしかけるが、
「おとなしくしていなさい」
エリーゼに厳しく制止される。
だんだんと目が光に慣れるにつれ、胸をまさぐるエリーゼの指先は、
ある一点を中心に、円を描くように軌跡を描いていく。
■■18
「…まさか千秋、経験がないわけじゃないわよね?」
耳元で囁かれるエリーゼの声は、甘く艶を含み、その吐息と共に、
間断なく千秋の感覚を刺激する。
「…ないわけ……、ないじゃないですか…。
オレがそんなに…甲斐性なしに…見えますか?」
必死の抵抗のつもりだった。
五感は支配されていても、千秋は、自分が千秋真一であることを
なんとか取り戻そうと必死だった。
しかしエリーゼは、含み笑いをするだけで、その手を休めることがない。
「そうよね。でもこんな風に、お姉さんにリードされるのは初めてかな?」
「…されてるつもりはありません」
強気な事を言いつつも、千秋の肩は大きく上下し、呼吸は明らかに乱れている。
それは千秋自身もわかっていたが、だからといってどうにかできるものでもなかった。
「ふふっ。千秋は可愛いわね」
…可愛い?オレが?オレって誰だ。
オレ様千秋様は相手に先を許すような男ではなかったはずだ。
音楽でもベッドでも、考えうる限り最善の策を取り、常に圧倒的な存在であることを望み、
多くの場合においてそれを成し遂げてきたはずだ。
なのになんだ、この醜態は。
圧倒的な快感の元に一方的に支配されることに甘んじているこのオレは…誰だ……。
■■19
「そういえば千秋、さっき私に言ったわね?『なんて格好してるんだ』って」
言ったけど。なんとなく、答えることを躊躇し、黙り込む千秋。
呼吸だけが荒い。
「今のあなたこそ、なんて格好してるの?シャツは汗でベタベタ、ズボンは…
…一体なんでこんなに盛り上がっているのかしらね……」
くすくすくす…と笑うエリーゼ。
千秋は反射的に、だらりと広げていた両足を強く閉じた。
しかしそんなことをしても、天に向かって盛り上がるその部分は、隠しきれようもない。
「そして、その腰を…一生懸命前後に振っているわね……。
どうしちゃったのかしら、千秋ったら」
「…や…やめてくれ…お願いだエリーゼ……」
千秋は今にも泣き出しそうな顔で、目を瞑る。
しかしそれでも、腰の動きは止められない。両膝も、既に開きかかっている。
「それで?こんなに可愛い声で、あんなに高い啼き声を上げて?
千秋ったら、なにも抵抗できなくなっちゃうのね…くすくす……」
エリーゼは優雅に微笑むと、千秋の耳に更に唇を近づけて、一言一言、
刻み込むように言葉を発する。
その度に、びくりと身体を震わせてしまう千秋。
「とっても可愛いわよ、千秋。経験には自信があっても、
こんな風にされたことがなくて戸惑ってる千秋。
戸惑っているのに、抗えない千秋…ふふっ……」
千秋はもはや両手両足を投げ出して、椅子の背もたれに思い切り身を投げ出し、
エリーゼの繊細な指先と熱い吐息に身を任せていた。
「…こんな風って……」
「こんな風よ」
エリーゼはついに、千秋の胸の、明らか布を押し上げている突起に触れた。
「っあ……ッ!!」
■■20
切なく、許しを乞うような、それでいて倒錯した喘ぎ。
そのひときわ高い、搾り出されるような啼き声を最後に、つと、耳と胸への愛撫がやんだ。
瞳を開けることもままならぬまま、外聞も何もなく肩で息をつく千秋。
ぐったりと背もたれに身を預け、蒸気した頬で、軽く唇を開き、「…ぁ……」と小さく啼く。
目を瞑ったまま肩で荒い息をつく千秋の横で、エリーゼはすっと立ち上がった。
「エリー…ゼ……?」
その気配に気付いた千秋が、未だ悩ましげな声でその名を呼ぶと、
エリーゼは千秋の額に短くキスし、その頭を優しく撫でた。
「…ん………」
「残念だけど、今日はここまでかしら。どうだった?こんな経験も悪くないでしょ」
千秋は何も返せない。良いも悪いも……
最高だった、なんて、口が裂けても言えやしない。
ましてや下半身が立派にその存在を主張して、ズボンを突き上げ、
続きを求めてるなんてこと、絶対に。
■■21
「千秋の啼き声、まるで歌うようだったわ」
ふふっと微笑むエリーゼに、千秋は柄にもなく頬を染めて顔を背ける。
もっとも、頬は既に充分に赤みを帯びていたが。
「じゃあ私は退散するわね。…あとどのくらいかしら……あの子たちがここまで上がってくるの」
「え」
千秋は倦怠感に包まれる身体にムチを打ってガバリと身を起こした。
…そこで初めて、千秋は自分が汗だくになっていることに気が付いた。
エリーゼを見ると、もうベランダと部屋を?ぐドアに手をかけ、中に入ろうとしているところだった。
「エ…エリーゼ今何て…!」
「お楽しみの時間はもう終わり。続きは、千秋が望むならいつでもお相手するわよ?」
不敵の笑みでそう言い残すと、エリーゼは颯爽と姿を消した。
…なんだったんだ……。
唐突に一人残された千秋は、快感の余韻に身震いし、
達しきれないはがゆさで疼いた身体を、自らの腕で抱きしめた。
…こんな…こんなことが………………いや、それよりも今はッ!!
■■22
ドタドタドタ…。
数分もかからぬうちに、仲間たちは水着のまま千秋のベランダにやって来た。
「千秋先輩〜!ただいまデス☆」
「ただいまじゃねー!なんでお前らオレのベランダに帰ってくるんだ!
ちゃんと玄関から入って自分の部屋に行け〜!!」
千秋は完璧に身なりを整え、自分を取り戻していた。
「だ…だって、先輩の部屋が一番海に近いんだもん。
ズルイですよ〜一番良い部屋取っちゃって〜!」
「これは弟子の特権だ!あ、峰、こら、柵を登るんじゃね〜〜!!」
のだめに峰、真澄…それに清良までが、胸ほどの高さのある柵を乗り越えて、千秋のベランダに侵入する。
「まーまーカタイこと言うなって。気持ち良かったぜ〜、やっぱ夏は海だよな!!」
「そうですよ、千秋様も来ればよかったのに〜。
そんなに汗をかかれるまでこんな所にいらっしゃるなんて……」
「だって先輩泳げないから……ぎゃぼ!痛いです先輩!!」
■■23
いいから出て行け、その塩と砂にまみれた身体をどうにかしてこいと、
千秋はなんとか侵入者たちを散らせるのだった。
ま〜シャワーでも浴びてからウノでもすっか〜と談笑しながら去る面々の最後は、清良だった。
…やっぱり清良は、スタイル良いけど胸はないよな、うん。
それに、のだめはやっぱ…結構……
しかし千秋は、そんな胸中をおくびにも出さずに、清良に声をかける。
「楽しんできたみたいだな」
「うん。楽しかったわよ。こんなにはしゃいだのって久しぶり」
清良は屈託のない笑顔で答えながら、テーブルに目を落とす。
「千秋くんって」
「ん?」
清良は千秋に向き直るが、にっこりと笑顔を崩さない。
「勉強熱心なのね。今度参考にさせてもらうわ」
千秋は、その言い方に違和感を覚えて、僅かに顔をしかめる。
「何…
「カンタービレ。歌うように!…か」
じゃああとでね、と言いながら背を向け仲間たちの後を追う清良。
あとには、石の如く固まったまま動けないでいる千秋が一人残されたのだった……。
<千秋カンタービレ 終>
エリーゼ×千秋、終わりです。
思いのほか長くなってしまってすみません。
カンタービレ、歌うように啼く千秋と、指(ピアニスト)と耳(指揮者)をテーマにしてみましたが、
いかがでしたでしょうか。
少しでも楽しんでいただければ幸いです…。
追記
22で「ベランダと部屋を?ぐドア」となっていますが、
「ベランダと部屋をつなぐドア」です。
変換されなかったようです。すみません。
ぎゃぼーーー!!!神!!おつです!!
>>122は自分です・・・あぁ、言ってみてよかった・・・w
エリーゼに翻弄されつつもプライドを保とうと必死な千秋がたまりませんでした(*´Д`)ハァハァ
159 :
名無しさん@ピンキー:04/11/22 16:07:36 ID:YU0hcHyi
ピアノさん、お疲れ様です
すごいリアリティ・・・
俺様千秋をハァハァ言わせる文才に感激です
コミックを読んではパラレル世界を想像するけど、
ピアノさんほどには出来ません。
うらやましいデス。
本当に素敵な世界をありがとうございました。
乙です。
千秋様があんなに自然にカンタビレっちゃうなんて、ドキドキしながら読みました。
もしかしてピアノ氏はドラクエ官能スレのピアノ氏と同一ですか?
違ってたらすみません
ぐおーーーーGJ!!!!!
指フェチにはたまらんです。
嗚呼、イイ……最高…………!!
みなさま、身に余るお言葉をどうもありがとうございます…
むしろこちらが感激です。
場所が場所なので全レスは控えますが、お一人お一人に頭を下げてまわりたい心境です。
レス読んでいて泣きそうになってしまいました…。がんばって書いてよかった(´д⊂
書いたことのない傾向のものでしたが、面白いほど筆が進みました。
すごく楽しかったです。
読んでいただけて、本当にどうもありがとうございました!!
とはいえ文中、稚拙な部分も目につきますね…
>157の「22」も「21」の間違いだし…。
今後の糧にしていき、精進しようと思います。
それでは、もう名無しに戻りますね。
またお目にかかることがあればよろしくです。
そして、鈴木姉妹×千秋の続きと、黒木くん×のだめ、
また新しい書き手さんの登場を心待ちにしております。
長レス失礼いたしました。
(>160さん
恥ずかしながら当たりです。お互いジャンルかぶってたんですねw)
ごめん、ミスった
久し振りに来てみればネ申が!!
挿入なしでこんなにエロいなんて・・・
ハァハァする千秋が子供のようにあしらわれていてすごいです。
良作おつでした。気が向いたらまたぜひお願いします。
クロキン×のだめを期待して保守
166 :
名無しさん@ピンキー:04/11/29 20:14:03 ID:dAQwjXQG
me tooだよ〜☆期待保守!
ごめん、あげちゃった。。。
クロキン×のだめを期待です〜。
やっぱ、舞台はパリですかね?
オクレ先生に「君はここに何しにきたの?」と言われて
ショック受けたところに、音楽院で再会…とか?
千秋が帰ってくるとくろきんがはいる隙もなさそうですしね。
(いや、修羅場もあり?)
どなたか…ぜひ、お願いします。
ちょうど千秋もミルヒーに突っ込まれて頬染めたりしてるし・・・
修羅場には絶好のチャンス!
まあでも職人さんにお任せです〜
と、いうか、今回の扉はエリーゼの水着姿・・・
タイミング良すぎて((´д`;))ガクブル
のだめ×菊池というのは…?
いいねぇ〜。
170さん、ヨロシコ!
菊池×のだめじゃなく のだめ×菊池?
想像つかないけど百戦錬磨の菊池が押されるのは興味深いかも・・・
>156
すみません、菊池×のだめでした。
でも、菊池は大人の女性(人妻系?)の方が好きそう?
菊池クンにとって罰ゲーム的な感じとかしか想像できませんねえ。
でものだめは顔けっこうカワイイからねぇ。
素を出さなかったら菊地もころっといくかもね。
のだめ×菊池だと…
(何かの拍子にのだめがこけて胸が菊池くんの顔にぶつかる)
菊池「!?」
のだめ「ぎゃぼー!?ご、ごめんなさ…あ」
(と偶然菊池の股間におかれてしまった手に感触が)
菊池「うわ!ご、ごめ…」
のだめ「き、菊池くん、ここ腫れてますよ!大丈夫ですか?」
(のだめ、心配してなでなで)
菊池「う、うわー!?」
無理、私には無理だ。
修羅場で…クロキン×千秋ではだめでしょうか。
うう、すいませんすいません。。。
神におまかせです。
>159
大爆笑してしまいました。
このカップリングはコメディにしかならないのでしょうか?
クロキンと千秋の修羅場…ちょっとみてみたいカモ。
武士VS黒王子。日本刀とサーベルの戦い?
武士、負けたら切腹?
しかし、修羅場の原因がのだめって…ちょっと役不足?
まあ、のだめには第二のミーナ(魔性の女)になる片鱗は
ありか?
神様、降臨お願いシマス。
フランツ×ノ・ダメ
>178さん
え?176さんがおっしゃっているのは…腐女子な
お話ではないのですか?私が腐っているだけなのでしょうか。
スレ違い承知で一言だけ言うと私の中では対黒では千攻なんですけど…。
まあ役不足の使い方が間違ってるのだけは確信できる。
作者さんがお好きそうなわりに、男同士ってのがないですよね。
今まで黙ってみてましたが、私も腐ってるのでそっち大好きですw
千秋は男女問わず受けだと思うけど、確かにそれも納得>対黒では千攻
このスレで婦女子な会話する人って、
ネタとして男男でも盛り上がれるけど基本的に男女が好きよ♪っていう感じで
まったりしてていいね。
雑談でもしながら神の降臨を待とうではないか
184 :
冬生:04/12/05 04:34:29 ID:5ShcQehZ
のだめってあんま貞操観念なさそう。
エロサイト熟読してたりするし興味だけでセックスしてしまいそうだ。
ミルヒに「キスしてくれたら千秋の指揮科への転科認めます。
(キスなんて欧州では挨拶だからたいしたことないでしょ)」って
いわれたとき、「大したことです!」ってむちゃくちゃ
嫌がってたから、貞操観念は一応あるのでは?
相手が千秋(のだめの脳内ではすでに「夫」)ならOK!ってことで。
指揮者コンクールの時に「下着が上下バラバラですヨ」とか言って、
次の日(?)勝負下着買いにいってたし、ヤル気満々でしたね?!
しかし「勝負下着どっちが好み?」って選ばせようとしてたけど…
男性の立場としては、アレはどうなんですか?やっぱ萎えますか?
ごめん男じゃないけど
夫婦間ならそういうのありでしょね。
PJも最初は、夫が好みのエロ下着を妻につけさせるっつう通販から始まった。
結婚してなくても恋人期間が長ければそうなるのかもしれないけど、千秋とのだめは…??
恋人関係で普通にそれやったらひかれるだろうけど、
千秋意外とマニアックそうだもんな〜。
アメリカじゃパーティーのドレスとかは迷ったら家でパートナーに見せて
気に入った方を買ってもう片方は返品OKとかあるそうだ
……と産経の西田ひかるのエッセーで読んだ。
下着は返品OKって訳にもいかないかもだが……
>>187 おおっ!PJってそういうところからスタートしてたんですか!
初めて知りました。エロイっすね。
>千秋意外とマニアックそうだもんな〜。
なんでも極めるタイプみたいですから…そっちの方も…ですかね、やっぱ。
千秋、彼女いない歴3年でしたっけ…。
あんなにのだめがアピールしるのに、手をださないのは…
ばっちいから?
ばっちいから、それあると思う。のだめなどにほれてしまった自分がゆるせなさそう(笑
あとは恋人とかじゃなくて、演奏家、音楽家としていい関係の同志でいたいっていうか
仲間と恋人とは違うっていうか?
のだめがエロサイト見たりやたらハアハア言ってるのって、
エロ同人やってるようなオタクさんが耳年間なだけの童貞、処女ってのと同じではないかな。
のだめも結構ヲタク気質だし(ゴロ太とか)、身なりを気にしないあたりもそれっぽいかと。
それにしても、のだめは処女なのか?(不潔だとしても)顔はどの程度可愛いのか?
顔に関しては、割と惚れられたりしてるので可愛いのかな?とは思うけど…微妙な気もするな…。
あの漫画女性は特に皆同じ顔に見えるからな……
彩子が酔っ払ったのだめにキレーとか言われてたとこも
二人とも同じ面にしか見えなかったし……
胸もDあるようには余り見えない
>192
峰との初対面の時、「かわいい」みたいなこと言ってたよ。
さりげなく「つきあうか?」みたいな事言ってるし。
のだめはゲームやるけどゲーオタではないんだよな。
ぷりゴロ太みたいに語ったりはしない。ゲーオタとしては一寸不思議。
漫画やアニメ全般に対するヲタクなのか、それともゴロ太だけあんなハマってんのかな。
ディズニーヲタ、とかジブリヲタ、みたいな、他は普通だけど、っていう感じの。
千秋は自分のプライドだけでのだめを遠ざけようと頑張ってる感じするもんなぁw
可愛くて、胸もあるんなら、ちょっと変態ぽい性格くらい目をつぶれw
>>195 > 可愛くて、胸もあるんなら、ちょっと変態ぽい性格くらい目をつぶれw
実に正直な意見だなw
>>191 >のだめなどにほれてしまった自分がゆるせなさそう(笑
絶対、それ、ありそう!汚ギャルでストーカーでアニオタで…という変態的な面だけ拾うと、認めたくない気持ち、わからんでもないなー。
>>193 それって 「かわいい?」 じゃなかったっけ。
かわいいかもしれないけど、疑問形。
とはいえ、少なくともブスではないと思うよね。
ばっちくてヘンタイで不細工だったら本気で嫌われそうだし友達すらできなさそう。
個人的には、一般的な「正統派の可愛さ」の基準からは少し離れてるけど、
ヘンだけどチャーミングなタイプかなと思ってる、ファニーフェイスというか・・。
そろそろスレ違いでつよ。
続きは本スレで・・・
どのへんがスレ違いなのかとw
スレの会話からネタを思いつくってパターンもあるだろうに
エロだけキボン人間はエロサイトにでも行ってきなよ。
つうか自治厨ウザ
女ばかりのスレってすぐルールとか持ち出したがるよな。
自分達に都合が悪いとルール無視したり
無理にでも特例作ったりしようと騒ぎ立てるくせに
まあまあ。
本スレもクラ話流れや、「ドラマ化するとしたら」等の話になると
自治厨が現れるよね。
まったく別の話になるわけでもなし、そんなにスレチガイなのかと。
なかなか神様は降臨なさいませんね〜。
つなぎに雑談というのはここではダメなんですかね?
書き込みがなけりゃ当然落ちるし
保守だけの書き込みよりは余程枯れ木もじゃないがいいと思
分かってねぇな…
エロパロでの雑談ってのは
エロトークOR萌えキャラOR萌えシーン語りの事だよ
そんな訳で 千秋とのだめタンの愛エロSSきぼんぬ
205がいいこと言った!
普通の萌え話もいいけど、エロパロ板ののだめスレなんだからそういう話もしたいな。
てわけで
千秋は経験多そうだし(人数の話じゃなく)、セックスもうまいと思う。
バイオリンとピアノやってるんだから指遣いは一流だと信じたい。
…あとは小説のネタにとっといて、練りこんでそのうちなんか書くよ〜
それまでみんなでエロトークしといてくれ〜
207 :
名無しさん@ピンキー:04/12/09 00:10:56 ID:nds7dvyR
>206
千のだで是非!
は、早売りのところで…!!!
キ・・・!
キターーー!とうとう!?びっくり
じゃあ適当に妄想雑談も入れつつ、リレー小説でもしてみるかい?
そーいや、まだ千秋×のだめの王道カポーでてないねぇ〜。
いつか神が降臨してくださることを期待。
チッスキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
全く甘い空気にならないデスネー
でもキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
「ぼへぇーっ」がせめて「はうん」とかだったら少しくらいは甘くなったかもしれないのにね。
「ぼへぇーっ」…ワロタ
千秋は悶々としてんだろうな。
自分の気持ちを確認しつつ、それがああいう形で出たんだろうけど、
肝心ののだめが「ぼへぇ」かw
千秋には十分困って悩んで欲しいよ。
悩んでるのが似合うし、萌え。
しかし早く読みたい……(;´Д`)
普通の少女漫画じゃキスくらいでは動じないのに、のだめと千秋の
キスシーン見た瞬間、すごい心臓ドキッとした。久々に少女の心を
取り戻した気がした23歳の冬…。キスまでで10巻かぁ〜。先は
長そうだぁ…。その時がもしきたら、鼻血たらしてしまいそうだw
>キスまで10巻!
確かに先々、道のり長そうですね。
でも、キスシーンよりも、千秋がのだめのコートを強引に
脱がしてるシーンの方が…なんかエロい感じが…。
そんな風に思ったのは私だけ?
この漫画、後ろからハグしたり、酔っぱらった勢いで
手をつないじゃったりという些細な行動で、十分ドキドキ
させられちゃうのが面白いですね。
あからさまなエロより萌え萌え〜!
ち、チッスってクチとクチですか?
ほっぺとかじゃなくて?
クチとクチだったら信じられないけどウレスィ。
よ、読んだよ・・こんな時間から萌え萌え。
なんか勢いでそのままやっちゃいそうに見えました(千秋が)。
限界点越えたのかw
読みました……
確かにのだめが拒まなければそのままやっちゃいそうな。
お昼食べてる場合じゃないやこりゃ……
千秋!押し倒してしまえ!
ここから妄想して投下してくれる人激しくキボン。
出だしは「ぼへぇー」になるのか?
ぼへぇーに欲情できるのか・・・w
キスした相手に「ぼへぇーっ」って言われたらかなりショックかも。
千秋、こういうところ、王子さまで押し弱そうだしな…。
このカップルがくっついてる姿って想像しにくい〜。
妄想力にも限界があるもんですね。
>>221 妄想は止まらないが残念な事に文章力が無い。
ネ申の到来を待つ。
「的はずれなことばっかり!」
(ちょっと待て・・・何でこんな展開なんだ)
千秋を部屋から追い出そうと、のだめは突っぱねた。
(くそ、キスまでしてやったのに・・・!)
「もう、のだめのことはほっといてください!!」
のだめがそう言うや否や、千秋は自分を追い出そうとするのだめの腕を強く引き寄せ、再び唇をふさいだ。
「うっ・・・!んむっ・・・・・・」
のだめが、抗うようにして身をよじる。
暴れだしそうなもう片方の腕も捕らえた。
身動きの取れなくなったのだめは顔をそむけようとするが、千秋の唇が追いかけて離れない。
(違う・・・・・・そうじゃない)
いつしか形勢が逆転し、千秋はのだめを壁に押し付ける格好となっていた。
強引に舌をねじ込むと、しばらくしてのだめはおとなしくなった。
(俺がこうしたかったんだ・・・・・・)
-------------------------------
中途半端でスマソ。
家に帰ったら続き書くつもりです。
仕事しろ、自分・・・。
226さんすごい!
「俺が」こうしたかった、とか、
ちょっと無理やりっぽい感じが、…すさまじく萌えなんですけど……
続き激しくキボンヌです。超キボンヌです。
もももも萌え!!!!!
千秋がんばれ。超がんばれ。
よーし続きを待ってパソコンの前で正座待機だ(`・ω・´)
キタワァアァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!
,イ ゴ
/ | ゴ
,r‐、,,ノ ゙i、_,、 ゴ
v' ∧ ∧ i ゴ ナンダカ モエテキタワァ゚・*:.。..。.:*・゜゚・
゙l .(‘∀‘) ゙、 ゴ
.j´ O lつ ( :
{_ / .ハ ヽ / :
) (__,/ ヽ_) ,l~
愛エロクルノ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!?!?!?!
超期待sage
読んできた……ムードもへったくれもねえ……
226さんがまだのようですので、先に投下させていただきますね。
千秋×のだめです。
…昨日ネタバレ見て、その後本誌読んだらどうにもこうにも萌えてしまって……。
完成しているので、投稿規制かからなければ最後までいかせていただきます。
一応先に書かせていただきますが、今回は殆んどキスだけです。
一気にいくにはちょっと長いですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
Kiss away
■■1
CDから流れる心地良い音楽。
のだめと千秋は久々に夕食後の時間を一緒に過ごしていた。
千秋は笑ってのだめの額を軽く小突く。
「で?これ何十個あるんだ?わけのわからないオタクサイトで買い物なんかするからだ。
お前本当にアホだな〜…」
のだめ達が座るカーペットには、プリごろ太のフィギュア数十個が散乱している。
しかも、無着色の劣化版ばかり。
どうやらフランス語を誤読したのだめが、
破格の値段で購入できたと喜び勇んで開封したダンボールの中身がこれだったらしい。
「むきゃ!アホじゃないですよ〜?」
言い返したのだめだったが。
「…先輩、なんか変デスよ」
のだめは唇をとがらせて不審気に呟いた。
「なにが?」
「絶対変デス!…さっきからずっとにこにこして」
「いつも仏頂面みたいな言い方するな」
「ワインそんなに飲んだワケでもないのに……」
確かにいつもが優しくないわけではないが。(むしろ非常に甘やかしているのだが)
そのいつになく優しい雰囲気の千秋に、
のだめはくすぐったいような甘やかな気持ちになってしまうのだった。
■■2
千秋の唇は薄く開かれ、やわらかく微笑みの形を取られている。
そう、夕方合流した時から、ずっと。
「ぼへぇー…やっぱり変……。せ、先輩が優しい……」
「…失礼な……。オレ様はいつも優しいだろーが」
むうう…とのだめが頬を膨らませても、千秋は軽くあしらうばかり。
それは昨日今日に始まったことではなかったが。
「のだめ……」
その声は、低く、柔らかく、cantabile<歌うように>。
dorce<甘く>、慈しみに満ちていて。
千秋は優しく目を細めて微笑んだ。
唐突に向けられたそのあまりにも愛情溢れる千秋の様子にあてられ、
のだめは頬を染めて反射的に後ずさった。
ドンッ!
「ぎゃぼ!」
勢いよく壁に背中を打ち付けたのだめは唸る。
「バカ、なにやってんだ…おい、大丈夫か」
のだめが涙目で顔を上げると、間近に迫った千秋の顔。
「だだだいじょぶデスヨ!ご心配なくデス!」
のだめは身体の前で大きく手を振ったが…
バシィッ
その手があまりに大振りだったので、覗き込んだ千秋の顎にヒットしてしまった…
■■3
「う……」
「ご、ごめんなさいデス…だいじょぶですか?」
今度は千秋が眉間に皺を寄せて唸る。
「…ご、ご心配なく…デスか…?」
さすがにのだめはマズイことをしたと焦ってひきつるが。
「のだめ、何か冷やすもの取ってきマス……」
しかし千秋は、立ち上がりかけたのだめの腕を取った。
「あー…、もういいから、お前はここにいろ。…ったく……」
労わりと申し訳なさが同居したような複雑な表情ののだめは、しゅんとなって正座してしまう。
「…ったく、お前は……。アホで変態で……可愛いんだからな…」
「…へ?」
途端に声が上擦ってしまったのだめに、
少し赤くなった顎を痛そうに撫でる千秋は、呆れたように、しかし可笑しそうに微笑む。
「折角オレ様が、やっとソノ気になったっていうのに殴るし…」
「そ、ソノ木って何の木デスか先輩……」
再び頬を染めたのだめは、千秋の言う意味を想像して、つい語尾が小さくなってしまう。
千秋はちょっとバツの悪そうな顔で、のだめから視線を外しながら言った。
「言っとくけど、今夜はお前、隣の部屋帰したくないからな」
■■4
「今夜…ず、っと…デスか……?」
言いつつ、その意味がなんとなくわかってしまって、けれどわかってはいけないような気がして。
真っ赤に染まる頬を背けてしまうのだめ。
初めてキスした日から約2ヶ月。
今までも、こんな雰囲気になったことは幾度かあった。
けれど、お互いに生活が忙しい上、
今更どう仕切り直したらいいのかわからない気恥ずかしさもあって、
なんとなくタイミングを逃してしまっていた。
加えてのだめは今まであれだけモーションをかけていたにもかかわらず、
いざその時が来るとなると必死に避けるばかりだったのだ。
と。
ふいに、千秋の指先がのだめの前髪に伸びた。
「ひぃぃッ!」
「…オレは強姦魔か…………」
蒼い顔をして叫ぶのだめに、千秋は肩を落とすが。
それでも優しく梳いてやると、柔らかな毛先がさらさらと零れてゆく。
のだめは身体を震わせ、ぎゅっと目を瞑った。
のだめの大きくも細い指は、膝の上で強く握り締められていて。
肩は、微かに上下している。
「…そんなに固くなるなよ……」
苦笑する千秋。
…いや、固くなってるのはもしかしてオレの方かも。
■■5
千秋は、のだめの頭を撫でてやる。
のだめはその感触に溶かされるような心地で、千秋を見ることができない。
無理矢理笑顔を作るが、身体の震えは解けない。
決してイヤではないのに。
のだめは浅く息を繰り返した。何かを喋ろうとするが、言葉が出ない。
「のだめ、目開けろよ」
数十秒間。
千秋は辛抱強く待った。
やっと、のだめの目が開かれる。
その瞳にはうっすらと涙がたまっていた。
拒絶の涙ではないことは、そののだめの表情から千秋にもわかっていた。
言葉もなく見詰め合う二人。
ごく小さい音で流れ続ける Je te veux。
優しく、柔らかく、戯れるように。
まるでのだめと千秋のように。
包み込むようなあたたかい眼差しの千秋に、怯えて泣きそうなのだめ。
千秋は胸の内で自嘲的な笑いを漏らした。
…なにを、焦っているんだオレは。こいつにこんな表情までさせて。
「何泣いてんだよ……」
「泣いてマセン……」
のだめは手の甲でぐいっと頬を拭って言った。
千秋の目に真正面から向き合って。
「先輩が好きなだけデス」
もう止まらなかった。
その言葉に、千秋はもう止めることができなかった。
■■6
はじかれたようにのだめを抱きしめる千秋。
身を乗り出し、その華奢な肩に腕を廻し、小さな頭を抱え込む。
さらさらと流れる猫っ毛からは、千秋と同じシャンプーの香りがした。
きつく。
きつく抱きしめる。
のだめは長い間息をすることも忘れて……
やっと一つ、苦しそうに息をついた。
早鐘のような胸の鼓動は、もはやどちらのものかわからない。
「せんぱ……」
息も絶え絶えに、のだめの声が紡がれる。
千秋は、のだめの額に唇を落とした。
「…ッ……」
僅かに目を細めるのだめ。
その感覚は、パリへ飛ぶ機内で見た、雲を柔らかく遊ばせる朝の陽にも似ていて。
続いて、眉間に、鼻先に。頬に、…瞼に。
「ん……」
その柔らかく温かい感触に、のだめは身をよじる。
濃く長い睫が細かく震える。
赤ん坊のように白く透き通った肌はふっくらと柔らかで、逆に千秋の唇に何度も心地良い感触を残す。
千秋は一つ息をついた。
……眩暈がしそうだ。
■■7
すると千秋を追うように、おずおずとのだめが目を開けた。
とろん と霞のかかった瞳。
再び、のだめの頬に唇を落とす千秋。
「……ん。」
のだめは唇を受けた側の目をぎゅっと閉じた。
「…先輩、……」
泣きそうな声で必死に訴えるのだめ。
それでも構わず、なおものだめにキスの雨を降らせる千秋。
千秋は、自分の息が、荒く、熱くなっていることに気が付いた。
ただ夢中で、のだめの肌を食んでゆく。
顎を伝って首筋に唇が降りた時、のだめははっきりとわかるくらい びくり と身体を震わせた。
「あッ…ン……」
千秋はその声を聞いて益々高ぶってゆく。
のだめの胸元で、千秋がプレゼントしたネックレスがキラキラと揺れる。
可愛らしいハートの細工。深い紅色のルビー。
これを買ったのは、ほんの出来心で。
…まさかこんなアングルで目にするなんて、想像すらしてなかったのに……。
■■8
「…似合うな、これ」
千秋はネックレスに口付けた。
のだめの肌ごと。
「ひゃうっっ」
のだめが視線を追うと、そこには、紅いルビーがきらめいている。
「せ、先輩が…のだめに買ってきてくれたものだから…。のだめ、毎日つけてるんデスよ…」
千秋は満足気に微笑んだ。
「お風呂に入る時も欠かさず……」
「…ハァ?」
思わず千秋は喉元へのキスを止め、のだめの顔を見た。
のだめは、余裕のない中でも得意気な顔で視線を返す。
「のだめの千秋先輩への想いの深さデスね」
ペチッ
瞬間、千秋の掌によって、のだめのおでこから良い音が響いた。
■■9
「アホー!風呂入る時は外せ!色がおかしくなるだろうが!」
「で、でもパリのお水は肌に良いんデスよ?!」
ペチペチペチ…
「肌にはよくても貴金属は水にさらさないのが常識だろうが!アホか!」
軽く、軽く、羽根のように。しかし千秋の掌は確実にのだめのおでこにヒットしてゆく。
「そ、そうなんデスか〜〜?!じゃ、じゃあこれからは気をつけマス……」
「当然だ」
ペチペチペチ…
「せ、先輩…」
「なんだ」
「痛いです」
「気のせいだ」
「きっ気のせいじゃないデスよ〜!も〜夫失格ですよ〜?」
「まだ夫じゃない」
言いつつも千秋は、のだめへの鉄槌を止める。
そして、可笑しくなってのだめのおでこをさすってやった。
「…しょうがないな、お前は本当に……」
のだめは、えへ、と力の抜けた笑みを零したが、次の瞬間眉が下がり、
悲しそうな表情になってしまった。
■■10
「…先輩、ごめんなさいデス。ネクレス、ダメになっちゃいますか…?」
しょんぼりとトーンの落ちた声で泣きそうなのだめ。
千秋は少しからかいすぎたかと反省したが、微笑み、のだめのおでこにキスしてやった。
「ん」
キスはもう数え切れないほどしているのに。
いつまで経っても一向に慣れないのだめの幸せそうな恥ずかしそうな様子に、千秋の表情も緩む。
「あー、まぁこれから気をつければ大丈夫だろ。まだ綺麗だし」
二人が知る由もないが、ルビーは、情熱の石であり、愛情を司る石。
褪せることなく、キラキラと輝いている。
「…なんたってオレ様の最初のプレゼントだからな。せいぜい大事にしろ」
「は〜い。
……『最初の』ってことは、また買ってくれるってことデスか?
そ、それってもしや、プ、プ、プロポー…」
「知るか」
つれない返答の千秋だが、のだめは満足そうに、にっこりと笑う。
上気した頬。
熟れた苺色の唇は少し開いたまま、この上なく幸せそうに細めた目で千秋を見上げた。
…あの変態としか思えなかったのだめが、こんな表情をするなんて。
■■11
千秋の目には、そののだめの仕種一つ一つが可憐にさえ見えて。
自分に対しての信頼感、ゆえの無防備。こんなにも全てをさらけ出している。
そうして初めて、今までのだめが自分に抱いていただろう想いを理解したのだった。
いや、むしろ、いつの間にか千秋の方こそがこんなにものだめを想っていたのだった。
「いいからもう黙れ…」
千秋はのだめの反応を注意深く伺いながら、再びその首筋へ唇を落とした。
「ひゃ、…ぁんっ……」
優しく触れ、押し付けて一舐めし、ちろちろと舌を遊ばせてから、吸い上げる
その度にのだめの白い喉がのけぞる。
細い肩が揺れ、苺色の唇からは、頼りなげな吐息が漏れる。
そして顔は甘やかにのけぞり、まるで好きなようにしてくださいと乞うかのように千秋に差し出される。
のだめの顔は苦しそうに歪められ、
しかし、その手はしっかりと千秋の腕を握り締めており、拒絶の言葉も出てこない。
可愛いと、思った。
愛しい、と。
千秋は、そんなのだめに煽られるように、のだめの胸に手を伸ばした。
薄手のニットの上からでもはっきりとわかるほどのボリューム。
そのカーブに力を抜いた掌を沿わせ、優しく撫でる千秋。
「ん〜〜〜〜〜〜…」
のだめの身体は途端に強張り、その感触に耐えるかのようにじりじりと身じろぎしている。
その表情は苦しそうにも見えたが、声を出すまいと、唇はきつく閉じられている。
千秋は誘惑に負け、そののだめの胸を包み込むように、
揉んだ。
■■12
「ひゃっ!!」
のだめはびくりとすると、自らの胸を両手で包み隠した。
そうして咄嗟に、伸ばされていた両脚を引き戻して体育座りのような格好となる。
「…おい、手と脚、ジャマ」
千秋がどうしても荒くなってしまう息遣いをなんとか隠しながら言うと、
のだめは真っ赤に染まった頬で目を瞑ったまま、ただブンブンと首を横に振る。
「ダ、ダメです、せ…先輩がいやらしい……」
「いやらしいだあ…?!」
…オレは男の本能のままに動いただけだ。
そうかオレはエロいのか。そうかもしれない。
だがその気にさせたのだめが悪いのだ。そうだそうに違いない。
「というわけでお前が悪い」
「ぎゃぼ?!」
のだめは理解不能のまま眉間に皺を寄せて抗議するが。
「……気持ち良くは…なかった?」
また唐突に甘い声色に戻り、千秋は、のだめの耳元で優しく訊ねた。
その髪を幾度も撫でながら。
敏感な耳に千秋の熱い吐息と甘いささやきが心地良くて、のだめはふと気が遠くなるような気がした。
「……よく、わかんないデス。変な気持ち……」
口をとがらせて目を伏せるのだめ。
「変?どんな風に?」
「わかんないです……。でも、先輩の掌が大きくて、ドキドキしまシタ……」
そのままのろのろと視線を上げ、千秋の瞳を見つめるのだめ。
千秋は、ゴクリと喉を鳴らした。
そして、ゆっくりと、言う。
「ドキドキしたんだな、のだめ?」
「…………。」
のだめは無言で頷くと、再び顔を伏せてしまった。恥ずかしさで耳まで真っ赤になってしまう。
「変な気持ちの正体、教えてやるよ」
■■13
その言葉に今までにはない慈しみが含まれていることに気付き、のだめは無意識の内に千秋から逃げようと僅かに身体を背けかけた。
しかし、それを押さえ込むかのように、千秋はのだめの手を固く握り締める。
「それともオレじゃいやか……?」
弱気な、小さな声の問いかけだった。
のだめはその千秋らしからぬ問いかけに少し驚き、千秋を見つめる。
千秋の瞳は、まるで背を向けた母親にすがるような小さな子供の頼りなさに満ちていた。
「お前がいやなら、しない。…いつまで我慢できるかは、わからないけど」
千秋は欲求を最大限に抑え、のだめの瞳を覗き込んで、その真意を探ろうとした。
なぜなら、小さく膝を抱えるのだめが、あまりにも愛らしくて。
羽をもいでしまうには、痛々しすぎて。
しかし千秋は、言わずにはいられなかったのである。
「オレ、お前が好きだよ。だからお前の身体触りたい」
千秋の、真摯な視線。
のだめは一瞬その瞳に捕らえられた後…
恥ずかしそうに、しかしとても嬉しそうに頬を染めた。
「いやか……?」
いつになく不安気に表情を曇らせる千秋に、
のだめは持てる限りの力を使ってなんとか首を横に振った。
「…いやじゃ、ないデス。先輩。」
そう言っておずおずと微笑むのだめに、千秋はほーっと息をついて、その身体を抱きしめた。
「よかった……」
「あ、でも先輩……」
「なんだ?」
千秋はお互いの顔が見える程度に身体を少し離すと、のだめを覗き込んだ。
「キス、して欲しいデス。その、ちゃんと……唇、に………。」
■■14
どんどん語尾が小さくなり、ついでに身体も縮こまってゆくのだめ。
そのいじらしさに胸を突かれて、千秋は再び、のだめを抱きしめた。
そして、のだめの頬を優しく撫でながら上向かせた。
「なんだかのだめ…おかしいんデス…寒くないのに身体が……」
ガチガチと歯の根の合わない音をさせているのを聞いて、
こんな状態でこの身体を求めてもいいのだろうかと心配する千秋だったが。
「大丈夫だよ」
千秋は、のだめの唇に自らのそれを重ねた。
「…んっ…………」
優しいキスだった。
あたたかい。
柔らかく、甘やかな感触。
シャンプーの香り。
ふと、千秋は唇を離した。
互いの瞳の中に自分の姿を見る、静まりかえった、永遠とも思われるような時間。
「…ぁ……」
のだめは何か言おうと口を開きかけたが、
千秋はさえぎるようにもう一度唇を落とした。
一瞬だけ唇が触れ、また離れる。
今度はのだめは口を開かない。ただじっと、千秋を熱く見つめた。
千秋は薄く微笑むと、再び唇を重ねた。
■■15
「…ん、ぅ、…ぁー……」
触れるだけのキスではもう我慢ができない。
千秋は深く口付け、舌をのだめの口内に差し入れると、思うがままに蹂躙した。
驚いて引こうとするのだめの後頭部に手を宛て、決して逃げることを許さない。
どうしていいかわからず抵抗すらできないのだめの舌に自らの舌を絡ませて、舐め上げ、絡める。
何度も何度も。
「んっ〜…んっ!」
初めての感触に戸惑いつつも混乱するのだめにはおかまいなく、千秋はのだめを貪った。
舌を絡ませれば、逃げようとする。その舌を追い、開かせ、擦り付ける。
そっと歯列をなぞると、面白いようにのだめの腰が引ける。
その腰をぐいと引き寄せて、口内をあますことなく犯してゆく。
堪えきれずに上がる鼻にかかった声が、千秋の頭に直接響く。
千秋は、のだめの唇を貪りながらそっと目を開けた。
のだめは苦しそうに顔をしかめ、頬を染めたまま上向きになり、
口は千秋のなすがままにされ、唇もろとも口内を犯されて為す術もない。
両脚は力なく放り出され、手は、片方は床に。
もう片方は、…千秋の背に必死にしがみついていた。
……なんて、愛らしい……。
千秋は言いようのない高揚感に背中を押されていた。
唇を相変わらず激しく求めつつも、その顔に目を戻すと。
……視線が交錯した。
■■16
熱に浮かされたようなのだめの瞳が、千秋の瞳をはっきりと捕らえる。
そうしてそのまま一時見つめあったが……
千秋が唇を離すと、その衝撃で、また閉じられた。
「…っん、…は、はぁ……ぁ…………」
千秋の腕を握り締めたまま肩で息をつくのだめ。
千秋も、もう荒い息遣いを隠せない。
千秋は、のだめをその胸に抱きしめた。
優しく、まるで生まれたばかりの雛を扱うように。
のだめはそっと千秋の胸にもたれ、目を閉じた。
暫くはそうして二人、身体を寄せ合いながら余韻に浸っていた。
「…のだめ、お前、オレが最初にキスした時のこと覚えてるか?」
千秋は乱れた前髪をぐいと書き上げると、唐突に言った。
■■17
「最初の…デスか…?」
「そう、最初の」
「う……、えっと、……」
「お前、色気のない声出すし」
のだめはすっかり熱を帯びた頬に手を宛てて、記憶の糸を辿る。
「あの時は…オクレール先生に全然ダメって言われて…千秋先輩にも聴きたくないって言われて……」
「言ってねぇっつの」
「それで……されたようなされてないような……物質的には、理解できてたんですけど」
千秋は力が抜け、壁にゴンとよりかかると、腕をだらりと降ろして
ムンクの叫びのような表情で呆然と固まってしまった。
「せ…先輩……?」
「……もういい…………。」
がっくりとうなだれる千秋をよそに、のだめは、あわあわと首を振る。
「だ、だって、先輩も先輩デスよ!」
「オレが何……」
「だって、帰ってくるなり弾けって、それでダメだって」
「だから言ってないし…」
「それで、いきなり…わけわからないデスよ、
いきなり、キ、キスなんて…なんか色々、順番ってものがあるデショ……」
千秋は柄にもなく頬を染め、慌てる。
「あ、あれはッ、つい、」
「つい、なんデスか〜?」
唇をとがらせるのだめ。
「いや、思わず、いや……」
しどろもどろになる千秋。
■■18
「先輩?」
千秋は頭を掻いて、言葉に詰まった。
「もしかして、会えない時間が恋☆を育んだんデスか?」
「…………。」
…オレ様が焦るだなんて。…こいつのせいで調子が狂いっぱなしだ……。
「………………悪いか」
「へ?」
急に素直になって、まるでのだめのように唇をとがらせる千秋。
「どういうことデ…ぎゃぼ!」
千秋は誤魔化すようにのだめの胸を一揉みすると、
「ん!」
唇に口付けた。
軽く、小鳥のように。
「いいから、まずは風呂だ!風呂入るぞ!お前は自分ちの風呂入ってこい!」
「今夜は帰さないって言ったのに先輩の嘘つき〜!!
夫婦なのに別々なんデスか〜!?」
「まだ夫婦じゃねぇ!いいか、40秒で戻って来い!」
「む、無理ですそんなの〜!それに今のだめの家、ガス止まってて…」
「またかーー!!」
甘いムードなど、いつもすぐに流れてしまう。
…でも、まあこういうのも悪くないか。
千秋は思った。
明日は久々のオフ。
今夜はまだ、
…………長い。
<終>
【kiss away】:(涙や不安を)キスでぬぐい去る
千秋×のだめ、以上です。
段落は一応内容のつなぎを考えて分けているのですが
1レスごとの長さが結構まちまちになっていて、もし読みづらかったらすみません。
ネックレス、キス…というこのところの展開にはドキドキですね。続きが気になります〜。
また、他の執筆者さんたちの作品もとても楽しみにしていますね!
253 :
名無しさん@ピンキー:04/12/11 00:56:27 ID:GpHzQR3H
激萌!ネ申☆光☆臨
も・・・萌えました(*´Д`*)
しかし40秒で戻って来いって、千秋、んなムチャな・・w
255 :
226:04/12/11 02:18:49 ID:gNxeiajp
続きを投下したいのですが……。
すいません、やっちゃってますがイイでしょうか。
>ピアノ様
萌えマスタ!! いいもの読んだ……有難う御座います。
お待ちしてます!!
>ピアノ氏
うん。面白いねー。原作読み込んでいるなーと感じました。
>「もしかして、会えない時間が恋☆を育んだんデスか?」
なんとなく、郷ひろみの歌を思い出しました あれは愛でしたが。
お疲れ様でした。
258 :
226:04/12/11 02:38:11 ID:gNxeiajp
>256
有難う御座います
こんな時間だから、人いないですよね。フツー。
というわけで、投下します。
性的表現がありますから、苦手な人はスルーしてください。
259 :
226:04/12/11 02:39:02 ID:gNxeiajp
■千秋×のだめ1
「的はずれなことばっかり!」
(ちょっと待て……何でこんな展開なんだ)
千秋を部屋から追い出そうと、のだめは突っぱねた。
(くそ、キスまでしてやったのに……!)
「もう、のだめのことはほっといてください!!」
のだめがそう言うや否や、千秋は自分を追い出そうとするのだめの腕を強く引き寄せ、再び唇をふさいだ。
「うっ……!んむっ……」
のだめが、抗うようにして身をよじる。暴れだしそうなもう片方の腕も捕らえた。
身動きの取れなくなったのだめは顔をそむけようとするが、千秋の唇が追いかけて離れない。
(違う……そうじゃない)
いつしか形勢が逆転し、千秋はのだめを壁に押し付ける格好となっていた。
強引に舌をねじ込むと、しばらくしてのだめはおとなしくなった。
(俺がこうしたかったんだ……)
260 :
226:04/12/11 02:39:28 ID:gNxeiajp
■千秋×のだめ2
「……っ……んん」
息苦しそうなのだめの反応に、千秋は唇を離した。
「俺はおまえのピアノが好きだから」
(あせることなんか、何も無いのに……)
「先輩だけが好きでもしょうがないんですよ!!」
のだめは捕まれた腕を揺すって、千秋から逃れようとするが、それはもう本気ではなかった。
よく尖る、いつものあの口と同じ唇が互いの唾液に濡れて光っている。
「好きだ、おまえのピアノが……」
千秋はそれに誘われるまま、今度は優しく唇を重ねた。
何度も何度も、時折軽く音を立てながら。
それに答えるように、のだめはぎゅっと握りしめていた拳を解いた。
「同情するなら金をくれっていうんでデスよ……」
「俺が同情でこんな事すると思うか?」
のだめが抵抗しないとわかると、千秋は腰を抱き寄せた。
「好きだから……」
千秋の指先が、のだめの腰から上へとゆっくりとなで上げていく。
(…………おまえが)
指先が優しく首筋にたどり着くと、のだめは今までと違うため息を短くついた。
261 :
226:04/12/11 02:39:48 ID:gNxeiajp
■千秋×のだめ3
首筋を唇でたどりながら、千秋はワンピースのファスナーを下げ指を滑り込ませた。
のだめは小さく「ぎゃぼ!」と腕の中で声を上げたが、千秋の指は止まらない。
左手で背中をなで上げながら、右手はすでに胸の柔らかな感触を楽しんでいた。
「ふあ……あっ、千秋先輩……あの……」
「……イヤか?」
(イヤって言われても止まりそうもないけどな……)
「……い……イヤって言ったらどうなんデスか?」
千秋は一瞬のだめから離れると、ワンピースの肩口に手をかけ、はぎ落とすように脱がせた。
そして肩に抱えるようにしてのだめを抱き上げると、ベッドへと放った。
「ぎゃぼん!!……先輩ひどいデスよ!!」
ブラとショーツ姿ののだめは、それを隠すようにベッドカバーをたくし上げた。
「のだめ、こういう日のために、勝負下着を用意してるのに!」
千秋はジャケットを脱ぎ、シャツのカフスをはずした。
「……どうせ脱ぐだろ、下着」
「先輩は女心をわかってません!今日ものだめ、上下ばらばらデスよ!……それに、シャワーだって……」
「入ってないのか?」
千秋は一瞬ぎくりとして、ベルトをゆるめる手を止めた。
「……最近は毎日ちゃんと入ってマス。昨日も……」
「ならいい」
ホッとため息をついて、上半身裸になった千秋がのだめにゆっくりと覆い被さっていく。
「少し、黙れよ……」
まだ何か言いたげなのだめの唇を、千秋は自分の唇で塞いだ。
262 :
226:04/12/11 02:40:07 ID:gNxeiajp
■千秋×のだめ4
ブラのフロントホックをはずすと、弾けるように胸があらわになった。
(やっぱり、結構でかい……)
ピアニストでもある千秋の大きな手で、ようやく収まるくらいの大きさだ。
千秋の手のひらの中でその頂は次第に堅く尖り、時折指で押し込むようにしてやると、
その度のだめは小さく吐息をあげた。
尖りきった乳首を口に含み吸い上げると、足をすりあわせ、腰をくねらせはじめた。
千秋はそれを見逃さず、ショーツをずらした脇からのだめに触れた。
「んんっ、あぅん……」
すでに潤いはじめていたのだめ自身を、千秋の指が開いていく。
敏感な突起に触れるか触れないかというところでねっとりと指を上下させながら、
徐々にのだめをほぐしていく。
乳首を音を立てて舐めつつふと顔を上げると、目をぎゅっとつぶっているのだめが見えた。
「……ぁ、ぅん……はぁ……」
息が上がり、時折吐息に混じって声が漏れる。
「……のだめ……腰、浮かせて……」
ショーツを取り去り膝を割ると、千秋はいきなりそこに口づけた。
「あっ……!!イヤ……」
263 :
226:04/12/11 02:40:26 ID:gNxeiajp
■千秋×のだめ5
敏感な突起の周囲を舌でくるくるとなぞり、十分にじらした後で膨らんでいる突起に舌を強く押しつけた。
突起は舌先によって根元から押し上げられ、何度も上下左右に転がされると、のだめは
身をよじって腰をふるわせた。
飲み込まれている二本の長い指は、細やかに内壁をなぜながら卑猥な水音を奏でている。
溢れ出た雫が、シーツをしとどに濡らしていた。
初めて見せるのだめのそんな痴態に、千秋はこれまでにない興奮を覚えていた。
(初めはただの変態女としか思えなかったのに……)
「ふっ……ふぅう……んんっ……ぁっ」
何かにつかまりたいのか、シーツの上をはい回るのだめの手をとり、千秋は体を起こした。
快感に眉根を寄せたのだめの、上気したほおに軽くキスする。
「……のだめ……いいか?」
千秋は張りつめた自分自身をのだめにあてがった。
のだめは、小さく頷いた。
264 :
226:04/12/11 02:40:46 ID:gNxeiajp
■千秋×のだめ6
「……ぁあっ……」
ゆっくりと腰を入れていくと、やわやわと暖かな感触が千秋を包み込んだ。
飲み込まれるように、腰を押し進めていく。
(あっ……すげ……)
「はぁ……あぁ……」
少しずつ、前後に腰を揺り動かす。その動きに会わせて、のだめのふくよかな乳房が扇情的に揺れる。
千秋は、その谷間に顔を埋め、むしゃぶりつくように舌を這わせ、乳首に吸い付いた。
「ぁっ!!うっ……ふぅん……」
「はぁ…はぁ……のだめ………?」
千秋は、のだめが手の甲を咬んで、声を押し殺している事に気づいた。
「……我慢するなよ、声……」
千秋が腰を打ち付けるたびに、粘性を伴った水音がみだらに響く。
「だって……はぁん、先輩が、だまってろ、って……あふ……」
「……バカ。もういい。……もっと出せよ、声」
声を抑えようとする手を取り、指を絡ませあう。
力強く最奥まで進入させたかと思うと、今度はゆっくりと腰を回す。
「先輩……千秋先輩……はぅん……あぁん……もう……もう……」
恥骨を押しつけ、突起が刺激されると、ぐっと締め付けが強くなる。
絶頂が近いのか、のだめは腰を前後にくゆらせた。
「はぁ……のだめ……もっときかせてくれ……」
お前の声を、お前の音楽を
「はぁん……あっああ……!!」
のだめの痙攣したかのような締め付けに、千秋も解き放った。
265 :
226:04/12/11 02:42:14 ID:gNxeiajp
■千秋×のだめ7
「ほんとに、的はずれなんデスよ、先輩は……」
ベッドでくうくうと寝入っている千秋に、のだめは毒づいた。
「さてと……やらなきゃデスよ……」
脱ぎ捨てられた服にもう一度手を通す。
机の上にいくつもの楽譜を開いて、自分の音を一音一音探っていく。
自分のピアノ。自分の音。自分の音楽。
何かをつかむために。
「明日は、絶対リベンジ」
(寝ちゃってたのか……)
気怠い体を起こすと、机に突っ伏しているのだめが視界に入った。
自分の服を拾い集めながら、そばにあった膝掛けをのだめの肩にかけてやる。
机には楽譜が広げられ、至る所にチェックが入っている。
(そんなに焦らなくてもいいものを……)
「好きだから、お前のピアノ。……お前の事も」
のだめの前髪をなで、頬に小さくキスをした。
千秋は、静かにのだめの部屋を出た。
━━━━━━━━━━━━おわり
266 :
226:04/12/11 02:43:12 ID:gNxeiajp
以上です。お粗末様です。
さて、忘れてた晩御飯をこれから食べるとします……
見えます!私には見えます!!
>>226タソの溢れんばかりの愛が!!
食欲にも勝る性欲が!素晴らしい!!
ごちそうさまでしたーkiss読み返してもだえてから寝ます。w
フツーじゃない読み手もいますよw
リアルタイムで読ませて頂きました。性的表現は個人的には大好きですけどね。
ま、原作が原作だし、あんまり強い性的表現は女性読者には好まれないかもしれませんね。
私はドンとこいですが。
深夜に投下お疲れ様でした。
>226氏
食事もそっちのけでの投下ありがとうございました。
待ってた甲斐がありました!
萌えSSが2本も読めて、なんて夜なんだー!
226タン
禿萌えたよ!
今号のセリフ使ってるとことか非常にウマーでした(´Д`*)
性急な千秋もイイ!!
も・・萌え・・・・!
強引な千秋がカッコイイ!
>226
超GJ! 「……お前の事も」って、
最後に付け加えた台詞が(・∀・)イイ!
何か千秋の指の描写が凄いぐっときましたww
テクニシャンですねぇw
この二人ってイイナーと再確認しちゃいました(*´∀`)
読んでくださった方どうもありがとうございます!
萌えを形にできた上(まだしきれてませんがw)、萌えたと言っていただけて感激の極みです…。
本当に、私こそありがとうございました。精進しようと思います。
>226さん
実は227も私でした…。私も仕事しろって感じでした(w
とても萌えながら読ませていただきました。
やることやってるのに妙にリアルな感じがいいですね…
のだめがお風呂入ってないのかとマジ顔で手を止める千秋とか。
ラストも良かったです。良いお話をありがとうございました。
いつもならあまりいないのに、夜中にあんなに人がいるなんて(w
リアルで本誌読んでキス祭りに乗れて楽しかったです〜
それではまた名無しに戻ります。
274 :
名無しさん@ピンキー:04/12/13 00:17:00 ID:RJGPcghk
ピアノ氏の千秋のだめSS読みますた (・∀・) GJ!
次は 千秋の家で千秋と一緒に風呂に入って
体を洗ってあげるついでにハァハァみたいなのをきぼんぬ!
それはかなりエロいな〜。萌え。
226です。
皆様、暖かいご感想有難うございました。
ノーマル(か?)カプのSSは初めてだったので内心ドキドキでしたが、楽しんでいただけたならうれしいです。
またなんか出来上がったら投下させてください。
これから全巻読み返して、悶々とした夜を楽しみたいと思いますw
……お風呂でハアハア萌え!
エリ×千の時も思ったけど、ピアノ氏って情景描写が上手いな。
丁寧に細かく書かれていてとてもリアルだ。
お風呂も期待だが、いつか挿入話もお願いしたい。
GJ!!お疲れ様でした。
ジャン×ゆうことかもなにげに見たいかも・・・
>>278 なぜかそのカップル盲点だったw
大人っぽいしいいかも!
ゆうこサンって、ジャンがプロポーズしてくれないから
心のなかではけっこー悶々と悩んでるんでしたっけ?
ジャンは27歳だけど、ゆうこサンはなんとなく歳上っぽい?
ミルヒーxミーナ
そういえばクロキン×のだめの中の人は…?
黒木くんって今まで女の子と付き合ったことあるのかなあ。
私は一通り体験済に一票。というか希望。
クロキン、のだめの魅力を「可憐」「清楚」「素直」
「明るい」と表現してた。なんか、それ見て、
こんなに女性にドリーム抱けるなんて女性経験少なさそう…とオモタ
まあ、22〜23歳なら一通りは体験済みでしょ?
284 :
名無しさん@ピンキー:04/12/14 15:49:33 ID:cXfjXfsp
作家様達 お疲れ様でございます。
大変萌えました。自分ものだめになった気分で
ドキドキしました
ところでクロキンは武士と言われるだけあって
ひたすらお堅いクロキンであってほしい《性分がね♪》
童貞とまで行かなくとも、女性を大切にするあまり手が出せない
とか。。。のだめのあどけない行動に理性爆発しちゃう彼もいいなあ♪
ぼへぇと返された千秋の打ちひしがれ具合は、需要ありますか?
>285
個人的にはその後エロに持っていってくれるとうれすぃ
>282
中の人って何ー!?
288 :
285:04/12/14 23:34:18 ID:exPrt4k1
打ちひしがれヘタレ千秋投下します。
エロはないので、このスレにそぐわなかったらごめんなさい。
>286
エロがなくてスマソ
289 :
285:04/12/14 23:34:44 ID:exPrt4k1
■ヘタレ千秋1
「のだめのことは、放っておいていいデスから!!」
そう言われ、のだめの部屋から追い出された千秋は、背後で「お疲れー」「お帰り」と
声をかけるターニャとフランクにも気づかず、隣の自分の部屋へと引き返した。
いったい何が起きたというのか……。
しばらく千秋自身にもわからなかった。
けれども、自分が何かとてつもなく打ちのめされたような感覚だけは、心に渦巻いた。
ジャケットを脱ぎ、無造作にベッドへと投げる。
散らかっているとばかり思っていた部屋は、4ヶ月前に千秋が掃除したばかりと
見まごうばかりに隅々まで清掃が行き届いている。
『的外れなことばっかり!!』
的外れ……?……俺が?
『だからー、そのへんちゃんと分けろといってるの』
━━━━分ける?何を?
━━━━そのへん?……いったいどのへん?
何かにとてもショックを受けている自分がいた。
いったい何に?
━━━━あののだめにキスしてしまった自分?
━━━━それとも、のだめに拒否された自分?
一気にどっと疲れが押し寄せて、千秋は倒れこむように体をベッドに預けた。
290 :
285:04/12/14 23:35:10 ID:exPrt4k1
■ヘタレ千秋2
肌寒さに目を覚ますと、部屋は暗闇に包まれていた。
どうやら、そのまま寝入ってしまったようだ。
気だるく寝返りを打つと、薄明かりの中に衣擦れの音が響く。
窓辺からかすかに町並みの明かりが見て取れた。
一つ大きくあくびをしてベッドサイドに目をやると、時計が日付の変わった事を示していた。
泥のように重い体を起こして、クローゼットからスウェットを出して着替える。
時差のせいか。
あるいは別の理由か。
すっきりしない意識で、千秋は部屋を出た。
隣ののだめの部屋をあえて見ず、階段を静かに駆け下りた。
ロビーを抜け中庭に出ると、晩秋の風が首筋を通り抜けていく。
その冷たさに千秋は首をすくませ、スウェットの襟を立てた。
通りの角を曲がった先に、テイクアウトのできるカフェがある。
何度かのだめを連れて行った事もある。まだ、この時間なら営業しているはずだ。
千秋は少し歩幅を強めた。
291 :
285:04/12/14 23:35:36 ID:exPrt4k1
■ヘタレ千秋3
適当にサンドイッチを見繕って、千秋は店を後にした。
このあたりは、午前を回っても比較的賑やかで、かといって治安が悪いわけではなく、
家庭的なレストランやカフェなとが軒を連ねている。
本当だったら━━━━
本当だったらのだめを連れ出して食事にでも行くつもりだった。
演奏旅行で経験したこと。
シュトレーゼマンが相変わらずだった事。
そのトラブルで、自分がオケを振ったときの事。
Ruiのピアノの事。
エリーゼのせいで、予定が1ヶ月も延びた事。
……話してやりたいことがいっぱいあった。
なれない生活の中にのだめを置き去りにしていったことが、この4ヶ月の間ずっと気がかりだった。
のだめはあんな調子だから、ここのアパートの住人たちとも仲良くやっていけるだろうが、
自分と離れ暮らすことを淋しく思うだろう、と思っていた。
自室の鍵を渡しておいたのは、ここにいることで少しでも淋しさがまぎれれば、と思ったからだ。
そう思い込んでいた。
そうであるのだと自惚れていた。
なのに。
階段を上がり、のだめの部屋の前で思わず足を止める。
もう寝ただろうか。
それともまだ……
ドアの向こうは静寂で、なんの物音も聞こえない。
ドアをノックしようとしたけれどどうしてもそうできずに、千秋は伸ばした手を下ろした。
292 :
285:04/12/14 23:36:15 ID:exPrt4k1
■ヘタレ千秋4
2本目のワインを飲み干した後で、千秋は怠惰にベッドを軋ませた。
ツアーから帰ってきて、荷ほどきもしていない。洗濯物も、たまっているのに……。
だけれども何もしたくない。今は、ただ何もしたくない。
煙草に火をつけて、深く、ゆっくりと煙を吐き出す。
煙草の燃えるチリチリという音が、静かな部屋にやけに響く。
ふと、自分の乾いた唇にそっと指で触れた。
数時間前の、あの柔らかな感触を思い出す。
知っているようなつもりでいたけれど、まだ自分の知らないのだめの部分。
舌をそっと差し入れたとき、一瞬体を強ばらせた。
……そんなのだめを愛しいと思った。
愛しい?
愛しいだって?
そんな馬鹿な!!
のだめにキスしたのは……
━━━━ピアノを弾き続けようとするのだめを制止するため?
━━━━今までのようにただうっかり?
いや、違う。
ずっと気づいてた。
気づいていたけれど……ただ今まで、認めたくなかっただけだ。
「馬鹿は俺か……」
293 :
285:04/12/14 23:36:42 ID:exPrt4k1
■ヘタレ千秋5
うとうとしたまま熟睡できず、明け方早くにベッドを抜け出した。
熱いシャワーを浴び、スーツケースから洗濯物を取り出し洗濯機にかける。
窓の外では町の人々がそれぞれに挨拶を交わし、どこからか鳥がやってきては囀りはじめる。
濃く入れたコーヒーをすすり、煙草に火をつけた。
ふと、目に入った楽譜を棚から取り出す。
眠りの森の美女のパヴァーヌ。
ピアノの前に座り、一音一音、確かめるようにすくい上げていく。
楽譜を前にして時にいつも感じている、高い壁。
けれども、こうして自分で乗り越えていくしかないのだ。
ひとつひとつ音を奏でながら、千秋は譜面にチェックを入れていく。
二つの主題の対比。
……美女と野獣の……自分とのだめみたいか?と、千秋は苦笑した。
294 :
285:04/12/14 23:37:33 ID:exPrt4k1
■ヘタレ千秋6
「のだめピアノが好きなのだ」とごまかしてきた。
その思いの中から、のだめ自身への思いをわかっていたつもりで……混同したままでいたのだ。
のだめのピアノが好きな自分。
のだめ自身を好きな自分。
その結果が、昨日のあののだめの態度なのだ。
その、全く別の自分の思い。同時に別の表現をしながら、バランスをとる。
……それは難しいことだけれど。
千秋の指がなめらかに、けれども探るように、小節を進んでいく。
きりりと冷えたパリの朝に、心地よいピアノが響いていた。
ハートのネックレスはベッドのサイドテーブルの引き出しにしまわれ、どのタイミングで出番となるのか。
……それはまだ誰も知らない。
━━━━━━━━━━━おわり
295 :
285:04/12/14 23:40:30 ID:exPrt4k1
以上です。
風呂でオナヌーでもさしたろかと思いましたが、思いとどまりましたw
流れ豚切りするみたいに投下してすみません。
では、次の作家さんドゾー
285さん=226さんですか?
いいですね〜、千秋のモノローグ。
のだめへの恋心をあらためて自覚した点とか、それで悩んでる様子が伝わってきます。
個人的に、「舌をそっと差し入れたとき〜愛しいと思った」でキタ―――(゜∀゜)!!と思いました。
素晴らしい。萌えました。
先の小説では下を差し入れたわけですが…なんてオヤジギャグ言ってみたり…
おつかれさまでした。
エロが無くて少し残念でしたが
きゅんきゅんしました!
>296
不覚にも笑ってしまった…
エロ無いけどイイ(・∀・)!!
悶々とするチアキ、いいよいいよー。乙でした。
最近たくさん萌えSS読めて嬉しいなぁ。
そして296には私も思わず笑ってしまった。不覚。
299 :
285:04/12/15 01:22:52 ID:uvfCQrm7
晩飯食べました。ゲフー
>296
あたりです。226=285でした。
千秋には大いに悩んでいただきたい、と思ってたので、エロ突入とそうでないのと
書きたいと思っていたのです。
でも、やっぱエロいのは書いてて楽しくて。勢いもあったし、先にできたのです。
今回、オナヌシーンを途中まで書いたものの、全体的に見て不要と思って消しました。
エロなくてすみません。
それはまたいずれ、投下させてください(お嫌でなければ)。
やっぱり、本誌がああいう展開になると妄想もどんどんふくらんできますよね。
千秋、ホントにどうするんだろ。あー楽しみだ。
でも、次号のあと2号分休みですよね?また悶々として過ごすのか……死にそうw
285さんお疲れさま。晩ご飯遅いですね!
エロありは、ドキドキハァハァしながら拝見させていただきましたv
また、エロなしも原作そのもののようで、感動!はう〜んv
2号休載って本当に地獄ですよね!マジ禁断症状でそうです。
そのあいだ、ぜひ、また投下してくださいませ!
のだめ欠乏症人間に是非とも萌えれるSSを!
285さん(゚∀゚)とてもイイ!
次も楽しみにしてます
いや〜良かった。悩める千秋。
エロ無いのにドキドキ不整脈w
エロは作家さんがココダァ!って時に書いて下され。
じわーっと期待してますよ。フフフ…
正直、千秋だって健全な男子なんだから溜まるよねえ。
23歳だし、やりたい盛りだったりしないのかしら……
彩子と別れて以降、ずっと身綺麗でいたんだろうか。
引く手数多とはいえ、やたら手を出さないのが千秋らしいと言えばそうだけどなー
場数は踏んでて欲しいけど、ヤリチンな千秋はイヤだな……
やりたい盛りだとは思うけど、
彩子と別れたあとはのだめの存在がどんどん大きくなっていくんだし、
あえて身体的な欲望だけで誰でもいいからやりたい、とはならなかったんじゃないかと思うなあ…
でも勿論、自分で処理することは多々あったと思うけど(w
場数踏んでて欲しいってのは大賛成。
でも彩子一人…かな……?
人数じゃなくて経験の深さってことで。
「とってもかわいいんだけど顔が思い出せない
真一の最初の彼女(by征子ママ)」っていうのは?
これって彩子とは別の人だよね?
その子とはそこまではしてないんじゃないかな、とか思う。
キスくらいはしてるだろうけど。
千秋って、よっぽどじゃないと全てをさらけ出さないというか、
付き合えば誰にでも心を許せるというわけじゃないだろうし。
連レススマソ
彩子サンもけっこう積極的そうだし、千秋も「何事も極める」タイプ
らしいから、もにゃもにゃ…?
>>303 そういえば公式サイトBBSでやっぱり同じような質問が出て、
作者自身が「あー、オ○ニーしてるんじゃないですかね」と
書き込んだというウワサ聞いたYO!
>作者自身が「あー、オ○ニーしてるんじゃないですかね」
所長・・・だから好きだよ、所長w 禿げワロス
そうか、千秋様もオ○ニーするんだ・・・
千秋様のオ○ニー・・・・・・ドキドキー
適当な女と性欲処理するくらいならオナーニの方がまだマシかもね。
最近は特に日々悶々としてるだろうなーw
のだめのフェラ見たいなぁ。
千秋に教育されるの。
作者が2ちゃんねら丸出しなので時々一寸は隠せよとか思う
ってのは本スレで散々出てますかね。
>わたしの発言は暴言ととられるので削除しました。。もういやん。来ない。
この暴言ってのが、そのオナヌー発言のこと?
あー、次号まで後1週間か。
あんな展開にしておいて、まるで何もなかったかのようにスルーされそうな気もするw
でも、それならそれで見えない部分に萌えられるかもしれん。
千秋様のおかずってなんだろう。
やっぱり巨乳系?
何気に乳好きというのは暴露されてるよねw
>>312 >わたしの発言は暴言ととられるので削除しました。。もういやん。来ない。
これって、確か『ダ・ヴィンチ』最新号の特集「ブック オブ ザ
イヤー」でのだめカンタービレが上位に選ばれたことで、常連さん
たちが祝福コメントを書き込んでたんですが、それに対しての
所長のコメントが「作品が一人歩きしちゃってなんだか変な感じ」と
いうつもりが「卸されて肉屋に売られてる気分。ドナドナ…」
(あんまり詳しく覚えてないんですごめんなさい
なんかこんなニュアンスだったと思う)というちょっと不思議な発言をされてました。(偶然そのとき覗いてた)
あとで、読み直して自分でも誤解を生む表現だと思って削除したんじゃ
ないのかなー?
なのでこの件は「オ○ヌー発言」ではありませんでしたー。
「オ○ヌー発言」はもっと前なのかもしれませんね。
私はどこぞのファンサイトでちらっと見た記憶が…。
乳嫌いのオトコっはおらんだろうお。
>>315 詳しいレス、ありがとうございます。
なんか、私の中での所長への見る目が変わりつつある・・・
>>317 いえいえ。説明が曖昧かつ意味不明ですみません…。
私もチラリとしかみてなかったもので…。
「卸されて…」の前に「放牧されてた牛が…」というニュアンスの
内容が入っていたような気もします。
ちょうど締め切り地獄だったこともあるんでしょうが、
いま、空前の(?)のだめブームで、所長もかなりの
プレッシャーがかかってるのかな?とか、思っちゃいましたよ。
>>318 ほほう、やはり人気漫画だと余計なプレッシャーもあるんだろう。
あまり気負わず楽しんで書いて欲しいがいろいろ大変なんだな、きっと。説明乙。
チアキの性欲についてはまぁ自分で処理ってところが一番妥当でしょうね。
チアキ、BGMにはなにをかけてるんだろう。
>いま、空前の(?)のだめブーム
そうなんだ…漏れは エロパロスレで
「のだめ」っつー変なスレタイ見て原作に興味が湧いて
読み出したクチ
世間的にも人気ならそのうちドラマ化とかもするかも…ね
本スレは流れが早くて付いていけない(;´Д`)
まったりキャラ萌えトークはこっちの方が安心してできる空気な気がする。
あっちは自治厨がいるもんなー。
>>320 そ、それは…性欲処理時の脳内BGMでつか?
たとえば…ベタなところで「ボレロ」とか?
スマソ クラシクよくしらねーので逝ってキマソ
>>320 クラシックじゃ落ち着かないような希ガス。
無音じゃないのかなぁ?
だね。千秋くらいになると音楽聞いたらそっちに意識がいっちゃいそう
無音でハアハアか・・・・・
想像してしまった。orz
そろそろ神様、降臨してくだりませぬかのう…。
くろきん×のだめとかも読んでみたいでござるよ。
>323
ボレロか・・・
タイプの違う数々の女性の肢体を想像して、
後半は全員入り乱れての痴態。
徐々に盛り上がっていきラストで荘厳に射精。・・・ってところかな(w
329 :
sage:04/12/19 02:19:35 ID:49Hi37Fa
ボレロはなにげにエロいねえ。
リズムカルだしいい感じに高まりそうw
実は、ボレロってベジャールが振り付けたバレエの
イメージしかないんだけど、セクシーな感じでしたよね!
>>328 ふぉぉ〜なんか具体的〜!?
サックスの音ってエロイと思う。
バッハの無伴奏チェロ曲をサックスで吹いたやつあるじゃん?
あれ聴きながらセックルしたら興奮しそう。
千秋×のだめのオーソドックスなやつ書きました。
少し長いかもですがおつきあいください。
あの発作的なキスの日から数日─
のだめの心のなかで、どういう決着がついたのかは窺い知れないが
びっくりするほどあっさりと、のだめはいつもの調子に戻っていた。
千秋に対する態度もまるでいつも通りで、あの日のキスのことは激情に
流されて覚えていないのかもしれない、と千秋は考えていた。
そしてそれは正直ありがたかった。
あの時の自分の行動を千秋自身も理解できずにいたので、のだめに対して
どう接していいものかと思案に暮れていたからだ。
しかし、揺り返しは夕食後のコーヒーを飲んでいる時にやってきた。
「千秋先輩、もうキッスはしないんデスか?」
いきなり千秋の顔をのぞきこみながら、そう言い切ったのだめの顔に千秋は思いきり
コーヒーを吹きつけてしまった。
「なんだ!!いきなり」
千秋が怒鳴るのを慣れた様子でスルーしながら、のだめは唇をとがらせていた。
「あの時びっくりし過ぎてイロイロ忘れちゃいました。なんかムツゴロウを生で
かじった時みたいな感触はおぼえてるんデスけど〜」
「お前はムツゴロウを生で…」
言いかけて千秋は言葉を飲み込んだ。
のだめは頬を真っ赤にして、潤んだ目で千秋を見つめていた。
「寝るときにいつも思ってました。あれは夢なのかな〜って。またしてくれないかって
ずっと待ってたんデスけど、先輩いつも通りデス…。涼しい顔して…のだめばっかり
ドキドキデスよ…」
「そんなことはない」
千秋もまた、あの瞬間のことが頭から離れずにいた。
音楽の世界にダイブしてしまえば、完全にそちらに没頭できたが、食事や風呂、日常の
行動の合い間合い間にのだめが出てきては千秋をかき乱した。
千秋は手をのばし、そっとのだめの頬に触れた。
そのまま頬を撫で、親指をのだめの唇に割り込ませた。
薄く開いたのだめの口に、そのままくちづける。
びっくりするほどの勢いで、千秋の欲望に火がついた。ほんの数分前の平静さが
嘘のようだった。
いや、平静じゃなかった─
ずっと胸のなかがチリチリしていた。それを押し殺していた。
自分が「欲望を抑えていた」という事実に千秋は初めて気がついたのだ。
荒くなる息を抑えながら、千秋はのだめの舌を吸う。
のだめの唾液は、健やかな人間特有の甘い味がした。
唇を離し、頬にもくちづける、そして首筋に。
「あへー」
「ぎゃほぉわー」
「ヘンな声をだすな!!!!!」
いつものパターンで声を荒げてしまった千秋だったが、
のだめは体を震わせ、目に涙を浮かべていた。
千秋のなかにわずかばかりの嗜虐心が湧きあがった。
思えば、ここしばらくずっとのだめにかき乱されっぱなしだった。
今度は自分がのだめをかき乱してやる、快楽に翻弄させて我を忘れさせてやる。
長らくずっと忘れていた感情だった。
「来い」
千秋はのだめの腕をひいたまま寝室へ行き、無造作にのだめをベッドに放り投げた。
「ほぎゃ」枕に顔を埋めて低く呟いたのだめが、振り返って見たものは
自分のシャツを脱ごうとボタンをはずしている千秋の姿だった。
「せ…先輩何しよっとデスか!」
うろたえてプランケットを頭からかぶるのだめに、千秋は薄く笑いながら言った。
「やめるか?」
「………」
のだめはしばらくうつむいていたが、やがてキッパリと「やります」と言い切った。
千秋は笑った。彩子とつきあって頃に比べるととことん色気のないやりとりだが
それは不思議と心地よかった。
のだめの服のジッパーをおろし、下着をはずし、慣れた手つきで千秋は
のだめを剥いていった。
色気皆無のようなのだめだが、裸は意外にもそそる色気があった。
肌は白くしっとりとして、胸も千秋の手にあまるほど大きく、くびれと肉感が
いいバランスでついていた。
彩子は舞台栄えを気にして少々痩せすぎだったが、のだめの体は全身を撫でまわしたく
なるような柔らかさがあった。
恥ずかしさに身をよじるのだめを押さえつけながら、ショーツをおろし千秋はギョッとした。
のだめの恥丘には産毛がわずかばかり生えているだけだった。
普通なら隠されているはずの割れ目も、すべて千秋の視線に晒されている。
「子供…みたいだな」
言葉を選んで千秋は言った。のだめは息を荒げながらも言葉を返した。
「そう…なんデスよ。のだめ毛ー薄いんデス…。腋毛もまだ生えてなくって…はうん」
千秋は心のなかでうなだれた。
このズボラな女が、しょっちゅうノースリーブのワンピースを着てるのは、腋毛の処理を
しなくても済むからか…。
「やっぱりベイベちゃんみたいデスかね?先輩やっぱり大人が好きデスか?」
のだめの言葉は千秋の色々な感情をひきだす。
笑ってしまうような、呆れるような、けれど甘くひたひたと胸を温めるような。
これを好きというのだろうか?
千秋は再びのだめにくちづけると、言った。
「俺がいまから大人にしてやるから」
ちょっと力尽きたので続きは夜以降で…。
>>336 朝から投下お疲れ様です。
んー、つぎ覗くのは来年か…。読み手の1人も力尽きました。
頑張ってくださいね。かげながら、応援しています。
ハアハア・・・楽しみ。
>このズボラな女が、しょっちゅうノースリーブのワンピースを着てるのは…
やっぱり気にしてたんですね…。自分も気になってましたが…。
やっぱそういこと…しか考えられませんわなあ。
リアリティがあってよいです。
ツルツルのだめカワ(・∀・*)イイ!!
続き楽しみにしてますよ〜
そう言えば腋毛とかムダ毛生えてない同級生いたなぁ。
羨ましかったけど当の本人はものすごく気にしてたっけ。
341 :
名無しさん@ピンキー:04/12/19 18:47:43 ID:a8tJGzM8
早く続きを・・・ハァハァ
ベーベちゃん(いろんな意味で?)のだめちゃんを
どうやって大人にしてくれるのか…、楽しみです〜。
夜中ぐらいにも一度みにきてみよう…。
最近このスレは神ラッシュでいいですね〜
楽しみにしてますよ〜!!ハァハァ
レスありがとうございます。続きです。
千秋は左腕でのだめの頭を抱え、右手で彼女の胸、腰まわりを撫でまわした。
昂ぶらせるというより、落ち着かせるための愛撫だったが、それでもじゅうぶんに
のだめは蕩けていたようだった。
彼女の頬やまぶたに絶えずくちづけながら、千秋はゆっくりと股間に手をのばした。
恥毛のほとんどないそこの手触りは千秋にとっても初めてで、わずかばかりの
とまどいがあったが、慎重に指をなぞらせた。
「はっ…はっ…はっ」
のだめは、もういつもの奇声をあげることもせず、千秋のなすがままになっている。
音楽の時と同様、のだめは千秋の技巧に酔っていた。
千秋は二本の指で、のだめの淫核をまわりの肉ではさむように扱いた。
時にゆっくりと、時にリズミカルに。
「先輩…のだめヘンになりそうデス…っ」
のだめは身をよじった。自分でももどかしくて、どうしていいかわからない様子だった。
「のだめ、つま先を突っ張れ」
千秋が息を吹き込むように囁く。
素直にのだめはつま先をピンと伸ばした。
「あっ…あっあっあっ…ダメ…ダメデス」
千秋の腕に爪を食い込ませながら、のだめは全身を強張らせた。
「いけ」
千秋の師のような力強いひと言に、のぼりつめた。
「あああああああ…っっ」
それはのだめにとって、初めての絶頂のようだった。
目を閉じ、涙を浮かべながらぐったりしているのだめの姿は、千秋の望むもの
であったが、それを楽しんでいる暇はなかった。
彼女がぐったりしている間に、破瓜という難関を突破しなくてはいけない。
千秋は体を起こし、のだめの足を抱えあげた。
したたる彼女の露を、、自分の張りつめたものに塗りつけながらグッと腰をいれた。
亀頭の半分がぬるっとはいったが、その先に押し返されるような圧迫感がある。
「んあっ」
弛緩していたのだめの体が、その衝撃でまた強張った。
「力を抜いて」
いつもと違う柔らかい言い回しを千秋はしたが、のだめの体の強張りは解けない。
「ぬ…ぬけません〜…。勝手に力がはいっちゃいますっ…」
「息を吐いて…テンポはadagioで」
その言葉に促され、のだめは息を吐いた。
体がほんのわずかに弛んだ、その一瞬の隙に千秋は渾身の力を込めて、のだめの
閉じた部分をこじあけるように貫いた。
「あああああっっ」
のだめはのけぞり、そして脂汗をどっと額に浮かせた。全身が震えている。
彼女の痛みととまどいを考えると、千秋も胸が痛んだ。
しかし、こういうのは、かさぶたをはがすのと同じで一気にやってしまわなくてはいけない。
千秋はのだめの頭を抱え、自分の「異物」がのだめのなかでなじむのを待った。
体を密着させながら、二人はしばらく互いの心音を聞き合っていた。
のだめの汗ばんだ体から、石鹸と(さすがに風呂にはいっていたらしい)人肌の
温められた匂いがしている。
こっちに来てから、人のいる場所では常にパフュームの匂いを感じていた千秋は
この自然な匂いをとても好ましく思った。
「のだめ」
囁きながら千秋はゆっくりと動き出した。
「ほあっ」のだめがのけぞる。
なるべく摩擦を感じさせないように、腰を密着させてこねるように動いた。
のだめのなかは熱く狭く、激しく動けば千秋のほうが撃沈しそうでもあったからだ。
千秋も息が荒くなる、額に汗が滲んでくる。
ふと千秋が閉じていた目をあけるとそんな千秋の顔をいつの間にか、のだめが見つめていた。
「…なんだ?」
「先輩の顔、エロチックデスよ。初めて見ました…」
「軽口たたけるようになったじゃないか」
少し意地悪い気持ちで、千秋はのだめを突きあげた。
「はあっ、あっ、あんっ」
抽送を繰り返すたびに、のだめがもらす声にかすかに甘い響きが混ざってきた。
まさか感じているわけはないと思いつつ、千秋は「気持ちいいのか?」と聞いた。
「わ、わかりません…。ただ嬉しいんデス。だから…気持ちはいいのかもデス」
性感ではなく、千秋に抱かれてる喜びを全身でのだめは感じているらしかった。
最初は痛みと緊張で、それを感じている余裕もなかったのだろう。
千秋はホッとした。そして同時に絶頂が近づいてきた。
「のだめ…っ、出すぞっ」
千秋はうめいた。
「出すって何をデスか!?」
のだめの叫びに千秋は危うく、射精のタイミングをはずすところだったが
それでもなんとか、のだめの膣からペニスを引き抜き、外に射精することができた。
(まさかこんなことになるとは思ってなかったので、当然避妊具などは用意してなかった)
熱いほとばしりがのだめの腹から乳房にふりかかる。
白い凝りのなかに、うっすらと赤い糸のような血が混じっていた。
千秋はしばらく荒い息をついていたが、やがて呼吸が整うと、のだめの頭をピシャリと
ひっぱたいた。
「はぎゃ!」
「こんな時までボケてるんじゃない!」
本当にどこまでも、のだめはのだめであると千秋は思い知った。
しかし、それでいいと思う。
それでこそののだめであり、のだめのピアノであるのだ。
そして千秋はそういうのだめのピアノを愛している。
しかしそんなことは口に出さず、千秋はのだめを引き寄せながらベッドに埋まった。
「もうどっと疲れた…寝る」
体を繋いでしまった二人の間の空気が、これからどう変わるのか。
のだめの音楽になにか変化が現れるのか。
まったく変わらないような気もうすうすしながら、千秋は眠りにおちようとしていた。
これにておしまいです。
ラストちょっと駆け足になってしまいました。
同居人の目を盗みながら書き込むのは、なかなかしんどいです。
お目汚し失礼しました〜。
349 :
名無しさん@ピンキー:04/12/20 06:37:20 ID:a6JNJuab
>>348 同居人の目を盗むってw
大変だねぇ〜おつかれちゃん
乙です〜堪能しました
(・∀・)イイ!
ブラボォ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・*!!!!!
萌えた!萌えまくった!
絶対こうだよこの二人
最高でした!!
352 :
名無しさん@ピンキー:04/12/20 07:01:27 ID:v1vDiDEV
最近見つけてロムってましたがもうがまんならん!!
萌の極みだ!!えらい!!
>>348 私もこんなエロい小説を投下してみたい・・・。(´∀`)
>>348 GJでした〜。欲を言えば、ティシュでやさし〜く後始末、も書いて欲しかったw
354 :
名無しさん@ピンキー:04/12/20 16:07:40 ID:v3AXAfZd
348さん お疲れ様でした
逝く時の足を突っ張るところなんか、リアリティ満載で素敵です
のだめちゃんきっと、逝っちゃった後はヌレヌレだったんだろうなぁ〜
早く女の喜びを、千秋の先っちょで感じてほしいでチュ
じらされて逝きまくるのだめちゃんを想像しちゃいます エヘ
355 :
名無しさん@ピンキー:04/12/20 17:33:27 ID:Tye8Y/yF
>>353 そんなシーンイラネ。
コピペして自分で書き足せばいいだろうが。
>>348 GJ!! タンノウさせて頂きました(゚∀゚)=3ウマー!
きっとのだめが、はじめてみたザーメンを手にとって「ふおぉぉぉ・・・!!」とか言ったから
千秋が呆れて寝たと脳内補完(^Д^)ゲラ
ムツゴロウを生で…w
途中までですが投下します。
すごくエロクなってしまいました。苦手な人注意してください。
----------------------
「先輩、ただ今帰りましたー」
自分の部屋へ帰らず、のだめはいきおいよく千秋の部屋へと入ってきた。
「あれ?千秋先輩?」
いつもだったら、机に向かっているはずなのに、千秋はそこにいない。
机の上にはいくつかの楽譜が散乱したままになっている。
「がぼーん…」
カフェにでも行ったのかな、と思いながら続きの別室のドアを開けると、千秋はそこにいた。
一人がけのゆったりとしたソファに体を預けて、静かな寝息を立てている。
「寝ちゃってマスね…」
細く開けた窓から入り込む風が、千秋の前髪を揺らしている。
沈みかけの夕日に照らされたまつげが頬に影を落としていて、それは息を呑むほどに美しかった。
「ふおぉぉ…」
のだめはソファの脇に立ち膝をついて、その美しい寝顔を覗き込んだ。
色白だけれど、健康的な色味の差す陶器のような肌。
強い意志を感じさせる、きりっとした眉。
時折憂いに満ちる下向きのまつげ。
すらりと高い、理知的な鼻。
…時々天狗になったりもするけど……なんて考えて、のだめはくすりと笑った。
薄く開けられた形の良い唇。ごく淡い桜色で、そう、柔らかで滑らかな……。
千秋の唇を見つめているうち、自分が千秋の唇の感触を思い出していることにのだめは気づいた。
急に恥ずかしくなって、のだめの頬が赤らんでいく。
唇に、だけじゃない。
この唇が首筋をたどったこともあったし、背中に幾度も押し付けられたこともある。
丹念に胸を愛撫していくのもこの唇だ。
自分の、一番恥ずかしい部分にだって……。
自分の足の間にこの美しい千秋の顔がうずめられているのを見たとき、心臓がはじけてしまいそうだった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて…でもうれしくて。
何度か肌を合わせて、その度千秋は新しい悦びをのだめに与えてくれる。
「…センパイはエッチすぎデス」
のだめは真っ赤な顔で、千秋の耳元にささやいた。
そうして、ゆっくりと顔を近づけキスしようとする。
「…誰がエッチすぎだって?」
千秋はパッチリと目を開けて、目の前ののだめを軽くにらみつけた。
「ぎゃぼー!起きてたデスか!!」
のだめは反射的に体を千秋から離れようとしたが、いつのまに
か腰をがっしりと抱かれていた。
「はうぅぅ…」
無言のまま腕を強めると、のだめはバランスを崩して千秋の膝の上に座ってしまった。
「ごっ、ごめんなさいデス!!」
のだめは膝から降りようとしたが、千秋の腕がそれを許さなかった。
「のだめ、重いですヨ…降りますから、腕を…」
のだめを抱っこする格好で、千秋のまぶたは再び閉じられていた。
「…センパイ?」
問い掛けても返事は返ってこない。
「…?」
しばしの沈黙。のだめは千秋の顔を覗き込む。
「……まだ?」
痺れを切らしたのは千秋だった。
「へっ?!」
「待ってるんだけど」
「な、何をデスか?」
千秋のまぶたはまだ閉じられたままだ。
「キス、してくれるんじゃないのか?」
「いっ?!」
どがーん、と爆発しそうなほど、のだめは恥ずかしくなった。
「見てたんデスか?!」
…それまでずっと、自分から気持ちをアピールしてきたけれど、いざこういう関係になると
どうしていいのかわからない。
すごくうれしいのに、それがうまく伝えられない。
もどかしくて、せつなくて……大好きで……。
「いっ、イきますよ」
「ん。」
のだめは自分の唇を千秋の唇に押し付けた。
勢いに任せた、幼いキス。
色気もそっけもない、まさに「ぶちゅーー」といった感じの、キス。
千秋がうっすら目を開けると、のだめのぎゅっと閉じられたまぶたが見えた。
その姿がいかにものだめらしくて、愛しくて、千秋はそっと背中をなで上げる。
「ひゃっ……くすぐったいデスよ…」
身をよじって、のだめはキスを解いた。
半分横たわった状態の千秋に覆い被さるようにして、自分からキスをしたというその
シチュエーションに、のだめはいつも以上にどぎまぎしていた。
「…なんだそりゃ。こんなんで俺が満足すると思ってんのか」
「うぎっ……しょうがないじゃないデスか!のだめ、初心者なんですから。…百戦錬磨の先輩とは違うんデス」
のだめは、拗ねたように唇を尖らせた。
「俺がお前にするみたいにしてみろ…ほら…」
肘掛に手をつくことで体を支えていたのだめだったが、不意にひじをつかまれて、
千秋の胸に倒れこんだ。
「ふぎゃっ……」
目の前の、千秋の唇。
再び目は閉じられて、少しだけ唇を突き出してのだめを待っている。
引き寄せられるように、今度はやさしく唇を重ねた。
千秋の唇を、自分の唇で挟むようにして柔らかな感触を確かめる。
のだめの舌を誘い込むように千秋の唇は開いていて、けれども自分からは何も仕掛けてはこない。
そっと舌先で、千秋の唇をなぞる。ゆっくりと一周して、おずおずと舌を差し入れた。
歯列をくすぐり、舌下に自分の舌を滑り込ませると、千秋の舌を吸い上げる。
舌下の柔らかな部分をつつくと、次第に唾液で満たされてきて、その甘さにのだめはうっとりとした。
甘くしびれて、目眩がしそう……。
握っていた掌を開いて、千秋の胸にそっと這わせた。
千秋は、吸い上げられながらも舌先でのだめ前歯の裏をくすぐり、混ざり合った二人の唾液を嚥下していく。
二度三度、千秋の喉が上下したところで、のだめの体がびくっと強ばった。
思わず、唇をはなしてしまう。
「あっあの……先輩?」
キスを途中でやめられて、少し不機嫌に眉根を寄せている。
「お……お尻に当たってるんデスけど……」
「……けど、何?」
「えっと……あのー……」
「のだめ」
のだめが対処に困っていると、千秋が遮った。
「口で、してくれるか……?」
千秋の足の間に座り、長い指がベルトをはずし、はいているものをずり下げて自分自身を
引き出していく様を、のだめはじっと見つめていた。
インターネットで無修正の男性自身を見た事はあったけれど、目の前にするのは初めてだった。
「ふわぉ……」
今までは訳のわからない内に千秋が入ってきて、夢見心地のまま事が終わっていたので、
千秋自身のものをちゃんと見るのは初めてだった。
「歯、たてるなよ……」
「はいっ、がんばりまス……!」
どうしたらいいのかな……と思い悩んで、さっきの千秋の言葉を思い出した。
『俺がお前にするみたいにしてみろ』
そっか……じゃあ……
堅さを持ち始めた千秋自身に、のだめは手を添えてちゅっ、と音を立ててキスをした。
いつも千秋がそうしてくれるように、のだめもそうしてみせた。
何度もキスをして、そのうち舌を伸ばして舐めあげてみた。
下から上へ。側面にも、舌全体を使って舌を這わせていく。
……ある場所を舌先がたどると、ぴくりと千秋自身が動いた気がした。
「のだめ……そこ、いい……」
大きくため息をついて、千秋がそうつぶやく。
のだめは言われるままその箇所に強く舌を押し当てた。
唾液をたっぷりと乗せて、くびれを重点的に責めていく。
「くわえて……」
のだめは歯を引っ込めながら、千秋を口に含んだ。途端、千秋はくぐもった声を漏らす。
……感じてくれる事がうれしくて、のだめは積極的に舌を動かした。
含んで吸いながら、舌先でくびれを一周する。唾液が口の端からあふれ、添えていた手を濡らす。
濡れた手で、屹立した幹をゆるゆると上下させていく。
「奥まで、入れられるか……?」
言葉で答える代わりに、のだめは少しずつ千秋を飲み込んでいく。
柔らかな唇が千秋自身をしごき、喉奥で亀頭が締め付けられた。
「……うぅっ……はぁ……ぁ……」
静かな千秋の喘ぎ声に、自分の中に熱い何かが渦巻いていくのを覚えた。
ゆっくりと頭を上下すると、今まで以上に千秋自身が硬くなっていくのがわかった。
顔を少しだけ上げて千秋の顔を見やると、頬にうっすら赤みが差し、
悩ましげに眉根を寄せているのが見えた。
のだめは、なんだか落ち着かなくなりもぞもぞと腰のあたりを動かした。
「……ぁふん」
自分のかかとに自分の秘部がふれ、思わず声が漏れる。
どうしよう……こんな……こんな……いけないと思いつつ、腰が動いてしまう。
千秋を口に含みながら、鼻にかかった声が漏れ出てしまう。
そんなのだめの変化を感じ取り、千秋は手を伸ばしてのだめの紙を掻き上げた。
「どうした……?くるしいか?」
頭皮をなでる指先に身震いして、のだめは千秋から唇を話した。
「……そうじゃなくて……はぅん……わかんないんデス……こんな気持ち……」
のだめの目はうっとりと潤んで、縁が紅く染まっていた。
もどかしく、溢れてしまいそうで、でものだめにはどうしていいかわからなかった。
「そこの引き出しにゴム入ってるから……出して」
「……ハイ」
動くたび、体のあちこちが甘くしびれる。ゆっくりとした動作でゴムを取り出した。
「……つけてみるか?……絶対破くなよ」
小さくハイ、とのだめは答えた。
慎重に取り出して、千秋に言われるとおりに被せていく。
もどかしそうに這い回るのだめの指に刺激されて、千秋は時折吐息を漏らした。
「そう、ゆっくりと……下まで……」
「こーデスか?」
「……いてっ!いてててて」
「ぎゃひ?」
「ゴラーー!!毛ぇ挟んでんじゃねえか!!」
「ぎゃぼーー」
千秋は根本部分を付け治して、気をつけろよ、と軽くのだめの額をこづいた。
「ごめんなサイ……」
「……もういい」
泣き出しそうなのだめの頬にキスをして、後ろを向くように促した。
「立って」
何をしようとしているのか不思議に思いながら、のだめは千秋の言うとおりにした。
不思議に思いながら、反面期待もしてしまい、再び身体が熱くなっていく。
「ふぎゃ……」
ふいにスカートの中に手が伸びてきて、内股をなで上げていった。
肌の感触を楽しむかのように、じっくりと手のひらが這い回る。
ショーツの端に指がかかるのに、肝心な部分はかすめて触れてはくれない。
のだめはもどかしさに息が上がり、触れて欲しい思いに甘い声が漏れた。
千秋はスカートをたくし上げ、のだめに持っていろ、と促した。
小振りな丸いヒップがあらわになる。千秋は内股に吸い付き、自分の所有である証を刻んだ。
紐になっている部分を指に引っかけ、ゆっくりとショーツをおろしていく。
下ろされていくショーツと、のだめの秘部との間に細く糸がひかれた。
ショーツを取り去ってしまうと、千秋はのだめのヒップを引き寄せた。
割れ目に手を添えて左右に大きく開き、滴るほどに濡れそぼったのだめの秘部に口づける。
「あっ……あうぅぅん」
千秋の堅く尖った舌先が花びらを掻き分け、ゆっくりと侵入してきた。
「センパィ……あっ、イヤン……」
触れられて、もっとして欲しくて、自然に腰を突き出すような格好になってしまう。
熱を持った身体はじっとりと汗ばみ、込み上げてくる官能にたくし上げたスカートをぎゅっと握りしめた。
差し込まれた舌が、のだめの甘い蜜を掻き出そうと動く。
時折、啜るような音が聞こえて、のだめは恥ずかしさに耳まで紅くなった。
……いや、それだけじゃなかった。
欲しい。……して、欲しい。そう思った自分が恥ずかしかった。
膝ががくがくとふるえてきた。
「ふっ……あぅん……」
「のだめ、……どうして欲しい?」
すいません、ここまでです。
続きは、多分明日……出来たら……。
というより。エロすぎて拒否されたらどうしよう((((;゚Д゚)))
カモーーーン!!
遠慮なく来い!
激しくカモンですよ!
すごい!リアルで神降臨に遭遇してしまった!!
こ…この感動をどう表現したらいいものやら…
エロエロ大歓迎です。だってここエロパロスレなんだから!
繊細で緻密な文章、非常に読みやすくて、エロくて、素晴らしいです。
超期待して待ってます!
∧_∧
( ・∀・) オマチシテマツ
( ∪ ∪
と__)__)
370 :
368:04/12/21 01:33:02 ID:OEyax2K+
ていうか私達こんな時間に居すぎだから(w
367さんとはケコーンだし。
すごく読みやすかったし良かったです。
期待して待ってます。
エロいな。
フェラ描写を書きなれてるね。
おつかれちゃん。
373 :
名無しさん@ピンキー:04/12/21 10:19:20 ID:FJR0Ca5D
すごーい! エッチって、こんなにどきどきするもんだったんだぁ
最近、どきどきするエッチしてないからなあ。。
366様のおかげでエロエロモードに入ったみたいデス
続き期待しております!
ここって作者も見てるのかなあ……
375 :
名無しさん@ピンキー:04/12/21 18:42:03 ID:znX0QH8f
GJ!GJ!GJ!
376 :
名無しさん@ピンキー:04/12/21 23:52:08 ID:lde47SsS
股がガクガクしまつた・・・・。(゚∀゚)
続きを早く激しくキ ボ ン ヌ。
私も猛烈にエロぃのを投下したくなった・・・。
続き投下します。エロ注意
-------------------------------
開放しきれず身体の中で波打つ快感にほだされて、のだめは口走ってしまう。
「入れて……!入れてくだサイ…」
言った後でその内容を自分で理解して、あまりの羞恥に首を横にふるふると振った。
『欲しい』という感覚を覚えてしまった、のだめ。
飲み込まれた指を、もっと奥へと吸い込むようにを締め付ける。
受身でされるままだったのだめが、自らを欲しいと求めるその態度に千秋はいたく興奮した。
千秋はソファから少しずり下がり、のだめの足を開かせて自分を後ろ向きに跨ぐ格好をとらせる。
「そのまま、腰をおろして…」
すぐにでも入れてしまいたくて、その体勢のままのだめに腰をおろすよう促す。
初めは躊躇したのだめだったが、同じ思いなのか素直に応じた。
肘掛に手をついて、白く丸いのだめのヒップがゆっくりと降りてくる。
まろやかなその曲線に手を添えて軌道修正をしてやり、
雫で光るのだめ自身に二、三度先端をこすりつけてからゆっくりと亀頭を押し込んだ。
「ふぁああ…ん」
甘美なまでの異物感に押し出されるように、のだめは喉奥から声をあげた。
いっぱいに満たされる充実感に、身体全体が震えるようだった。
今までも千秋を受け入れる時はえも言われぬ幸福感に身体が熱くなったが、
今日はそれだけではなく違う感覚がのだめを襲っていた。
荒くなっていく息に、時折甘ったるい声が混じる。
のだめの充血した花びらの合い間に、屹立した自分自身が入り込んでいく様を千秋は見ていた。
ぬめらかな圧迫感が、千秋を包み込む。
熱い……。
一気に汗が噴き出したようで、片手で自分のシャツをはだけさせていく。
根元まで進入させた己の先端が最奥をノックしたのを感じると、
たまらずに体を起こしてのだめを抱きしめた。
腰を回すようにグラインドさせ、胸に手を這わせる。
ブラをつけた服の上越しでもわかる程に、のだめの乳首は快感を主張していた。
「エッチすぎるのはどっちだ…」
千秋はつぶやいて、ワンピースの前ボタンを手早くはずしていく。
首が抜ける程度まではずすと、ワンピースをたくし上げて脱がせた。
ブラをはずすのももどかしく、ずらしあげて胸をあらわにする。
一瞬、ひんやりとした空気にさらされた後、そのとがりきった乳首はすぐさま千秋の手のひらに包まれた。
ハリのある胸を強く揉みしだき、中指でリズミカルに乳首をはじく。
のだめは、細く長い千秋の指によって形を変えていく自分の胸を見下ろしていた。
まるで他人事のように遠い意識の中でそれを見ている気がするのに、快楽は絶え間なく押し寄せる。
千秋の物が、自分の中に入っているその事実。
つながった部分を意識すると、自分の物ではない力強い脈がこそばゆく、無意識に腰を揺らしてしまう。
「…やらしいな、のだめ。……腰、動いてるぞ」
「…動かして、まセン……!」
「ウソつくなよ…」
背中のホックをはずし、手早くブラを取り去る。
千秋自身も、身につけていたシャツを脱ぎ捨てた。
無駄な肉のない背中のくぼみに舌を押し付け、ちろちろとくすぐってやる。
この間見つけた、のだめの性感帯だ。
ここを愛撫してやると、どうにも力が入らなくなってしまうらしい。
「はぅぅ……あぅん…」
途端、後ろに倒れてくる。千秋に体重を預けて、のだめは吐息混じりに肩で息をしていた。
髪がサラサラとこぼれて、シャンプーが香る。
のだめを強く抱きしめながら、千秋もまた後ろに倒れていった。
「ぎゃ、ぎゃぼ…!」
二人はぴったりと重なった状態で、天井を仰ぐ形になった。
「セ、先輩、いやデス、こんなカッコ…」
のだめは抗おうとしたが、うまく力が入らない。
千秋は手を伸ばし、自分たちがつながっている部分に指を這わせた。
「イやぁ……」
千秋自身をくわえ込み、めくれた秘肉をゆっくりとなぞる。
その濡れた指先で突起をやさしく挟むと、さするように転がした。
「……っ!!」
声にならない程鋭い快感に、のだめは背中をそらせた。
同時に、軽くいってしまった様子で、千秋をきゅうきゅうと締め付けてくる。
緩やかに迫る射精感を抑えていると、甘やかだったのだめの吐息が泣き出しそうになっていた。
「どうした?……のだめ……?」
「……怖いんデス……自分が、どこかに飛んで行っちゃいそうで、怖いんデス……」
馬鹿なヤツ。
……でも、そんなのだめが殊更に愛しく思えた。
両腕で大事に包み込むように、のだめを抱きしめる。
「俺が捕まえててやるから…大丈夫」
「せんぱ…ぁふ…」
耳朶に口を寄せて、愛撫する。耳介を舐め、吐息を吹きかける。
首筋にも一つ、髪に隠れるところにも赤い花びらのような証を残した。
自分だけの物だという証。
身体を前後に揺り動かし抽送をし始めると、のだめの声も艶を持った響きに変わってきた。
のだめの内壁が千秋自身ででこすりあげられるたび、のだめの蜜は溢れみだらな音が静寂に響く。
熱い胸に抱かれて、のだめはもう自分の高ぶりを押さえ切れそうもなかった。
背中に感じる千秋の鼓動と自分との鼓動が重なったとき、胸がいっぱいになって嬉しさに泣きたくなった。
こんなにも、好きで好きで……たまらない。
腕にしがみついて切なそうに自分の名前を口にしているのだめに、千秋の頭はじんじんと痺れた。
「のだめ……のだめ……」
千秋もまた、その甘い熱に浮かされるように、何度も耳元で名前を呼んだ。
歌うようなささやきはのだめの身体を駆け巡って、いっそう快楽へと押し上げる。
「も…ダメ…デス…ああぁ…」
ひときわ甲高く声をあげて、のだめの身体はしなやかにのけぞった。
強い締め付けと、はねた腰の動きにこすりあげられ、千秋もすぐに精を解き放った。
━━━ 10日後
「のだめーー?いるぅーー?」
ターニャは、千秋の部屋をノックした。
「ハーイ」
「あ、やっぱりこっちにいたのね」
「どうしました?」
自分の部屋だと言わんばかりに、ここ最近のだめはこの部屋から学校に行き、この部屋へ帰ってくる。
本来の住人である千秋は、短い演奏旅行に出かけていて、今は留守だ。
「故郷から荷物が届いたの。一緒に飲まない?」
ターニャは酒瓶をかざしてみせた。
「ふぉおお、ウォッカですネ!」
「今夜はとことんガールズトークするわよーー」
「えーっ、千秋が初めての人なの?」
テイクアウトのデリとさきいかをつまみに、二人は女の子同士の話に興じた。
酒に弱いフランクもユンロンも今日ばかりは締め出し状態。
「そうなんデス……でも、すごく幸せデス……」
ウォッカはもう半分程なくなっているが、ほとんどはターニャが飲んでいた。
「……そっかぁ。いいなぁ。私にもすてきな人現れないかしらー」
「きっといますヨ。フランスの男の人って、やさしいしー」
「で、さあ」
「なんですか?」
ふふふ、と意味ありげにターニャは笑う。
「ムッシュー千秋は、あっちの方はどうなの?」
「あ、あっち?あっちってどっちデスか?」
「ばかねー、ベッドの中ではどうなの、って聞いてるのよー」
「がぼーーーー!!いっ、言えまセン、そんな事ーー」
「何よーけちね。教えなさーい。ほら、飲んで飲んで」
あおられるまま、のだめはウォッカソーダを飲み干した。
のだめの部屋に入って、千秋は愕然とした。
一週間前までは綺麗だったのに、どうしてこんな事になってるんだ━━━━。
のだめ母からの段ボールが散乱している。
プリごろ太のDVD・フランス語版、コミックス……楽譜、資料。
「あの馬鹿……」
しかも、当の本人がいない。……飯でも食いに行って、飲んでるのか?
時計を見ると、0時近い。
なんだかどっと疲れて、のだめの部屋を後にした。
千秋は静かに自室の鍵を開ける。一週間ぶりの自分の部屋。
幸いここは、汚染されていないようだ。
ほっと胸をなで下ろして、カシミヤのロングコートを脱ぎ、クローゼットへかけた。
「えーーっ……り、……なのぉー?」
んっ?
「……ばっかり、……するんですー」
誰かいる?
続き部屋へのドアの向こうで、誰かがしゃべっている。
耳をそばだてると、声がはっきり聞こえてきた。
「一緒に眠るときも、ずーっと胸触ってるんデスよ」
「あはは、ムッシュー千秋はオッパイ星人なのねー」
……なんの話をしてるんだ、のだめ…………。
千秋は勢いよくドアを開けた。
「そこで何してる……?」
「あれっ、センパイ?……帰りは明日じゃなかったデスか?」
「お、お帰り、千秋……」
怒りのオーラにつつまれる千秋を見て、ターニャはびっくりした顔をしている。
まずい、と思ったのか、そそくさと帰り支度をはじめた。
「ウォッカのお裾分けに来たのよ。もう、少なくなっちゃったけど……の、飲んでね?」
「……それはどうもありがとう」
「じゃ、のだめ、私帰るね。……邪魔しちゃ悪いしー……さよならーー」
逃げ足早く、ターニャは去っていった。
のだめは酔っぱらっているのか、立ち上がったがふらふらしている。
「お帰りなさい、千秋先輩……」
抱きつこうとするのだめを制止する。
子供にするように、腕を伸ばしておでこにあて、それ以上近づけないように。
「はうぅ……せんぱぁい」
「おまえ、ある事ない事周りに言ってないだろうな?」
「なんの事デスかー」
「お、俺が……その……オッパイ星人だとか……!」
「聞いてたんですかー?さっきの話……。でも、先輩がオッパイ星人なのはほんとの事デスよ?」
「ほんとでも何でも、言っていい事と悪い事があるだろーーー!!」
「ぎゃぼーーー!!」
千秋は、ローテーブルの上のさきいかを、勢い良くのだめにたたきつけた。
「それに!!お前の部屋!!こんな短期間に、何であんなに散らかせるんだ!」
「はうーー」
のだめはさきいかまみれで、唇を尖らせた。
「一週間ぶりにあったのに、ひどいデス……せめて、ハグ……ハグだけでも……」
「やだ」
拒まれたあげく、部屋の外に放り出された。
「とにかく、部屋の掃除をしろ。以上」
ドアを閉めようとしたが、のだめはなおも食らいつく。
「キス……キスだけ……」
千秋はのだめのおでこをぱしっ、と音良く叩いた。
「お前が部屋を綺麗にするまでお預け。して欲しくば掃除しろー。じゃあな!」
ドアは冷たく閉じられた。……おまけに、ドアチェーンまでかけられた。
「がぼーーーーーん……」
涙ぐみながら自室へ戻るのだめを、螺旋階段の上でターニャがこっそり覗き込んでいた。
「……あの二人本当に恋人同士なのかしら…………」
……千秋は千秋で、『オッパイ星人』の烙印を押された事にショックを隠しきれず、
死んだようにベッドに倒れ込んだ。
二日後、一向に片づかないのだめの部屋にしびれを切らし、率先して掃除してしまう千秋がいた。
以上です。
レスいただいたみなさま、有難う御座いました。
エロ過ぎてスマソ。
もっと精進するために逝ってきますね。
GJ!!GJ!!GJ!!GJ!!GJ!! エロブラヴォォーーー!!!!
しかし、どこかの神を彷彿とさせる文章…もしや!!!!
まさに神!ネ申!!エロサイコー!!!
読んでる間中ドキドキしっぱなしでした!!
これ以上の精進ってどんなですか!w
ぜひまた降臨してくださいー!
すごい!最高!神GJ〜!!
正直濡れました…。
文章が細やかで、エロ心にヒットするリアルさ!
ガールズトークのオチもイイ(゜∀゜)!!
ぜひまた戻ってきてくださいね!
ところで>384さん、どこかの神ってどこの神?
この人のお話が他にもあるならもっと読みたいよ〜。
それにしても、文章って人それぞれ型が違うんだね〜。
今まで出てきた職人さんたち、それぞれ持ち味があってみんなイイ(゜∀゜)!!
387 :
383:04/12/22 01:31:54 ID:OkvvM/v6
御感想、有難う御座います。
このスレのほかにSSを投下した事はないので、384さんのおっしゃる方とは別人です。
すいません。
そして、ここに投下するのは3回目だったり。ゲハッ
今回、意識してちょっと文体変えてみました。
というのも、同じ人物の作風の変わらないものが短期間にいくつもあると、
スレの私物化になるんじゃないかと思って……。
って暴露したら元も子もないのだが。
SS書きとしてはとしてはベーベちゃんです。投下したら、次の日必ず書き直したくなるしなあ。
またネタが見つかったら書かせてください。
それまで、ウォッカ浴びて逝ってきます。
388 :
名無しさん@ピンキー:04/12/22 01:42:06 ID:lBSM2it6
ギャボーーー!!書いた13秒後に打たれてたYO!!
そんなことより・・・もう股がゲ ン カ イ で す!!!!
天国に逝ターーーーーーーーーーーー!!!!も、もう駄目ポ。
け、けどもっと股ガクガクしたいでつ・・・・。(変態)(´A`;)
>>383 GJ!!
383さんの文章も内容もすごく好きです。
すごくいいのをありがとう
>>388 気持ちはわかるw
ハイ吸ってーー吐いてーー
す…すげえ……!!
のだめでこんなエロいのが読めるとは思わなかった。
GJ!!!禿しくGJだよ!!
あー、仕事中に読まなきゃ良かった……。
ト、トイレ逝ってきます……。
>389
ワロタ 先生みたいだ
ラストもちゃんと原作の二人らしくまとまってるのがいいなー
すごい作品を拝見させていただきました。ムラムラ。
エロな表現って過激すぎても引かれちゃうだろうし、
原作の設定とかイメージをきちんといかしつつ、
強引すぎず、すごく自然に引き込まれるエロ表現。まさに神降臨!
しかしエロ部分と日常部分のあまりのギャップにはワロタw
原作に忠実すぎぃ〜
この作家さんのくろきん×のだめ、読んでみたいです〜!
(くろきんとのだめではエロが成立するのか不安ですが…。
微エロな感じとか、くろきんの勘違い妄想もありでしょうか)
余力がございましたら、ぜひともお願いしま〜す。
>>383 すげー!GJです!!
書きなれてらっしゃいますね。
ぜひともこのスレに常駐していただきたい。
次も期待しております。
ムラムラエロエロさせてください!
リアルで激しくエロくって、なのに心理描写も凄い…。
堪能させていただきました…………。ありがとうございます。
千秋×のだめが続く上、神の如き383さんのあとで非常にお恥ずかしいのですが、
本誌発売までのつなぎ程度に読んでいただければと思います。
一応
>>234〜251の「Kiss away」の続きっぽくつなげてみましたが、そちらを読まなくても話はわかると思います。
Kiss it better
■■1
千秋は呆れたように溜息をついた。
「なんでお前がここんとこ毎日うちの風呂に入りに来たかわかったよ…」
のだめは、あはは、と笑う。
「そんな簡単に止められるかよ……。
明日管理人さんに言えよ。壊れてんだろ、ガス」
のだめは素直に頷くと、気の抜けたような笑顔を返すが。よく見ると、どこかぎこちない。
まるでなんとか笑い顔を作ろうと装っているかのような。
…さっきまでの威勢はどこいったんだ……。
しかし千秋は、とりあえずのだめが笑顔で答えてくれることに内心救われてもいた。
もし今、この雰囲気が壊れたら。千秋はぶり返す欲望を今この場でぶつけてしまうだろうから。
何せつい今し方、茶化し合いで流れたとはいえ『これからヤるぞ』と言ってしまったようなものなのだ。
「じゃあ着替え取ってこいよ。風呂沸かしておくから」
千秋はなんとか平静を装いつつ、立ち上がりながらのだめに言った。
「うー…そうしマス……」
のだめは、未だほんのりと赤みを帯びている頬に手を宛てながら、千秋を見上げた。
そんなのだめを見て、思わず千秋も頬を染めかけるが、そんな想いを無理矢理押し込める。
「遅かったら閉め出すからな」
するとのだめは、少し緊張が解けたようにいつもの笑顔を見せた。
「んもー!ラピュタじゃないんデスから40秒なんて無理デスよ〜?」
「はいはい」
手を引いてのだめを立たせてやりながら、千秋も笑う。
その瞬間、二人の視線が交錯した。
のだめは、しっかりと見つめ。
千秋は、思わず目を逸らした。…しかし、つい口にしてしまった。
「……あの下着、持ってくるのか?」
■■2
その言葉が、二人の空気を唐突に現実に引き戻す。
千秋の手を握るのだめの手に、僅かに力が込められる。
…言ってしまった。
千秋はその声に、そうと意識しないままどこか容赦のない含みを持たせてしまったのに気づいた。
言うべきではなかったのかもしれない。
けれど、言わずにはいられなかったのだ。
のだめの身体は強張るが……静かに首を横に振った。
「…………。」
それは、単に恥らってのことか、それとも拒絶の意味なのか。
俯いたのだめの表情からはそれが読み取れず、千秋は己に対して苦々しささえ感じていた。
……本当に、何を焦ってるんだ。オレは、そんなに、のだめが欲しいのか……。
それは、愛しい者を想う男のサガ。
自分が妙に小さく思えて、千秋は自らの発言を悔いた。
「いいから、ほら、行けよ」
諦めの入った声色になってしまうのは不可抗力。
千秋はのだめの肩を軽く抱くようにしてドアまで連れて行ってやった。
……のだめがこのドアから出たら最後、今晩は千秋の元に戻らないことも覚悟して。
ドアノブに手を掛けるのだめ。しかし、一呼吸置いて振り返った。
「チガウんです、先輩」
のだめは顔を上げた。その瞳は、心なしかまた潤んでいて。
「着てるんです」
「は?」
千秋は、のだめに見入る。
のだめは、小さく繰り返した。
「…着てるんです、今。あの勝負下着……」
■■3
のだめはそれだけ言うと、また目を逸らしてしまった。
頬が、赤い。唇は、とがっている。
「な……なんで?」
千秋の頭の中では今、マングースが縦横無尽に駆け回っていた。
想像はつく。けれど、訊かずにはいられなかった。
のだめは言いよどむように視線をさ迷わせたが、唇を引き結び、千秋を見上げる。
「いつものだめが茶化して逃げちゃってたから…!悪いなって思ってたんデス…。
だから、今日こそはって思って、のだめ……」
のだめは最後まで言うことができなかった。
千秋に唇をふさがれたから。
荒々しさを抑えることができない千秋。
のだめの首筋を押さえ、深く、長く、キスを繰り返す。
ノブにかけたのだめの手を、掌で包み込みながら。
「ふわぁっ……!」
のだめはその激しさに顔をしかめ、無意識の内に逃げようとのけぞってしまう。
しかし。
ドンッ
後ろはドア。のだめはドアに押し付けられる格好になってしまった。
千秋の左手は、のだめの二の腕に。
右手は、相変わらず首筋に。
のだめの唇をむさぼりながら、まるで逃げ場がないことを知らしめるかのように、追い詰めるように、
千秋はのだめのその華奢な身体をドアに押し付けた。
■■4
口内に受ける感触と身体を抑えつける千秋の力で、頭がいっぱいになるのだめ。
手足は痺れ、快感を逃がすこともできないまま、徹底的に口内を犯されていた。
千秋の温かく柔らかい、それでいて激しく口内を舐め取られる感触に
のだめは、ドアノブを強く握り締めることでかろうじて耐える。
背中いっぱいに広がるドアの固い感触が、のだめの感覚をきりきりと絞ってゆく。
二人の唇の僅かな隙間から漏れ落ちる唾液。
「…んっ…………」
やっと解放されたのだめの柔らかな唇は、千秋の唾液でつややかに彩られている。
千秋は熱い吐息をゆっくりと吐き出しながら、じっと熱い眼差しでのだめを見つめた。
「…もうっ……!あんなコト言うの、恥ずかしかったんデスよ……!!」
のだめは拗ねたような表情で、千秋の視線から逃げるように顔を背けた。
千秋は、可笑しそうに、しかし優しく微笑む。
…これがあのいつもののだめか……?
ただもう、愛しくて。千秋は全力で変態の森を駆け回る心境だった。
「もう、……。のだめ、着替え取って…」
再び背を向けようとするのだめを千秋は制し、軽々と抱きかかえた。
「むきゃ!」
「風呂はあとでいい」
千秋はのだめを横抱きにしたまま、大股で部屋の奥に戻る。
「着てるとこ見ないとな、……勝負下着。」
のだめは千秋の腕の中で、思わず俯いてしまった。
■■5
耳までが朱に染まるそののだめの様子から、照れた表情は容易に想像がついてしまう。
「Dカップも、まだ見せてもらってないしな」
「……先輩の、バカ」
千秋は、はやる気持ちを抑え、のだめをそっとベッドに横たえた。
「やんっ」
ふかふかのベッドは、いくら静かに下ろされても気持ち良く弾んでしまう。
「なにが やんっ だ」
千秋は、自身もベッドに膝をつきながら笑った。とても優しく。
なぜなら、のだめのそのセリフに日本でのことを思い出したからだ。
連弾の譜読みが全くできないのだめにレッスンをつけようと、部屋を訪ねた時のことを。
「のだめ」
千秋の脳裏に、 『恋のレッスンABCはまた今度!』 のだめの声が蘇る。
「…恋のレッスンC、だからな」
千秋はわざと冷静さを装って言った。
…口元は、笑いをこらえるので精一杯だったけれど。
のだめも、赤い顔で吹き出した。
初めて経験する大きな壁を前にしているのに。これからそれを二人で越えようとしているのに。
緊張のほぐれた、ほんの一瞬だった。
■■6
思い返してみれば、色々あったが平和な音大時代だった。
いつもあんなに、一緒に居たのに。
考えてみれば、今までこうならなかった事の方が不思議なくらいなのだ。
のだめは、千秋が自らのシャツのボタンを一つ二つと緩めるその動作をじっと見つめた。
対して千秋の視線は、手は動かしながらも、一心にのだめに向けられている。
上気した頬と胸の高鳴りはとうてい隠せない。
「…先輩、イジワル、デスよ。のだめにあんなこと言わせて……」
「…自分で言ったんだろ」
千秋は靴を脱がせてやりながら、のだめに覆い被さる。
のだめの言う「あんなこと」が、勝負下着の事なのか恋のレッスンの事なのか、それはわからない。
けれど、今となってはどちらでも構わないことだった。
千秋はゆっくりとのだめに覆いかぶさった。
「ぎゃぼっ!」
場違いのようないつもの叫び声を上げるのだめ。
「先輩、い、痛いです、…ベルト……」
千秋の真鍮製のバックルが、のだめの身体に食い込んでいた。
「あ、悪い……」
千秋は一度身体を起こすと、ベルトを緩めて、抜く。
どんなに疲れてベッドに倒れ込む時も、ベルトは必ず緩めるのに。
…オレ、舞い上がってるのか……?
苦笑しつつ、再びのだめに覆いかぶさる千秋。
「先輩、可愛いデス」
のだめは千秋の目を見つめてふうわりと微笑んだ。
…舞い上がるのも当然、か。
千秋は再びのだめを組み敷き、負担をかけないようバランスを取りながらも、のだめにのしかかる。
■■7
一方のだめは。
千秋の身体が熱い、そう思った。
そのあまりに密な感触に、のだめはそっと目を細める。
千秋の左手はのだめの小さな頭に宛がわれ。
右手は、のだめの頬を優しく撫で……
キス。
そっと唇を離して、また、
キス。
キス。
キス。
キス。
「…んっ……」
眉を寄せて身をよじるのだめ。
しかし、千秋の身体に阻まれてその身は決して自由にはならなかった。
もう、後戻りは、できない。
■■8
優しく、小鳥がついばむようなキスを幾度も。
その度にのだめは、声にならない声を漏らす。
…譜面通りに弾かないめちゃくちゃなピアノ。
それなのに、その余りある才能には幾度も感嘆させられた。
豊かな内面がその指に込められていて、幾度も心を奪われた。
そののだめが今、溢れる情感を隠すことなく自分にさらけ出している。
その、感動にも似た激情に千秋の胸は更に昂ぶっていく。
やがて、触れるだけのキスでは物足らなくなる。
一度は静まった欲望が、更なる熱を伴ってもたげてくる。
引き結ばれたのだめの唇に割って入るように、千秋の舌が差し入れられた。
「んぅっ!…ん、ぁ、んん……」
反射的に逃げようとするのだめの顔をしっかりと押さえつけ、
のしかかった身体は、のだめの弱々しい抵抗を自然と阻む。
今までに何度も抱きしめた。
ほんの少し、強引にしたことも。
しかし、こんなに一方的にのだめの身体を自由にするのは初めてだった。
■■9
千秋は、倒錯した思いで自身の唇を押し付け、のだめの口内を余すことなく犯していった。
「…ん、ん、…っあ、」
のだめの声に熱がこもる。
「…ぁ、は、……のだめ、眉間に皺、寄ってるぞ」
千秋は、少し唇を離すと、乱れた息で微笑みながら言った。
のだめはそっと目を開けて、千秋の顔があまりに近くにあることに今更ながら面くらいつつも、
弱々しく、抗議するような声を出した。
「……先輩のせいデスよ」
「オレのせいか」
言いながら千秋の右手は、のだめの肩口、二の腕を伝って下に下りてゆく。
その感触に、のだめの身体はついびくりと反応してしまうが。
「…そうデスよ…。いつも先輩は、いきなりなんだから……」
千秋は、こんな場面でものだめがのだめらしく憎まれ口を叩くことに、安堵さえしていた。
会話の合間に、繰り返されるキス。
次第に下りてゆく右手は、ゆっくりと。
薄手のニットのワンピースを通して、肉薄ながらも柔らかく弾力のある肌を丁寧に撫でてやりながら。
「いきなりはお前だろ。…このDカップめ」
千秋はのだめのふくよかな胸に触れた。
■■10
「…ッ!!」
…やっぱり、大きい。それに…
「…柔らかいな……」
「…ん、っや……」
のだめは、背をしならせ、首をのけぞらせた。
千秋がいっぱいに掌を広げても、余りあるそのふくらみ。
千秋は、両の手でのだめの胸の感触を味わっていた。
重そうに下から掬い上げ、そっと、しかし抵抗をしっかりと感じながら優しく揉み上げる。
むにゅむにゅという擬音が聞こえてきそうなほど、たわわに実ったバスト。
「…んぅ……」
その胸は千秋の掌によって自在に形が変えられて。
のだめは表情を隠すように両腕を顔の上に置き、そのしなやかな身体をくゆらせる。
千秋は胸の感触を愉しみつつ、左手をのだめの背中と布団の間に差し入れた。
「ひゃあっ」
油断していたのだめは、背中への突然の千秋の手の感触に反射的に身体を反らした。
「…おい、これ、どうやって脱ぐんだ……」
予想していた背中のファスナーが手探りで見当たらないため、千秋は問い掛けた。
勿論、胸への愛撫はそのままに。
身体の表と裏からの千秋の手の感触に囚われたのだめは、
短く浅い吐息を繰り返しながら、首を振るばかり。
答えを返せないのだめに千秋は諦めて、
のだめの白い腿までたくし上がっているそのニットワンピースの裾に右手を差し入れた。
■■11
「ひゃっ!!」
腿に千秋の手の冷たく硬い感触が掠めて、のだめは身を縮こませてしまう。
「…まだ、何もしてないって」
思わず面映い気持ちで苦笑する千秋。
そう、まだ、何も。全ては、これから。
千秋はワンピース越しにDカップの感触を愉しみ、そして今、やっとのだめの素肌に触れたことで、
言いようもなく煽られていた。
のだめの肌は、滑らかで、柔らかい。
日本に居た頃は「お色気」とかいって胸元やら背中やらが無防備に開いた服をよく着ていたのに。
あの頃それを目にしても動じなかった自分が逆に不自然にさえ感じるほど、
今、千秋は、のだめの素肌に昂ぶっていた。
千秋の右手は、のだめのワンピースの中にどんどん侵入していく。
のだめはぎゅっと目を瞑り時折びくりと身体を震わせながら、
甘んじて千秋の手を受け入れていた。
「…ん!」
ワンピースの中の千秋の手が、のだめの胸に到達した。
千秋の右手は、もはや胸までたくし上げられたワンピースの中。
当然、ショーツもくびれも、光の元にさらけ出されていて。
しかし千秋は、今にも触れようとしている豊かな胸のことで頭がいっぱいだった。
ニットワンピースの中でうごめく、千秋の手。
千秋は、ブラごとのだめの胸に触れた。
「ん、」
のだめはぴくりと反応する。
千秋はせき立てられるように一度その胸を鷲掴むと、急き立てられてホックさえ外さないまま、
男性的な無骨な手をブラの中に無理やり滑り込ませた。
■■12
「〜〜〜〜〜〜!!」
のだめは声も出せずに、千秋の掌に飲み込まれ、ベッドに沈み込んでしまう。
その反動で、のだめの茶色がかった猫っ毛がふわりと宙を舞う。
素肌に直接触れられる千秋のその掌の感触は、恐ろしいほどリアルで。
そんなのだめの扇情的な表情に、千秋もまた息を荒くした。
「…ふひゃあぁぁぁ……!!」
のだめは一層頬を染め、これ以上ないくらいに身体をよじる。
しかし、当然ながら、千秋の手が休まることはない。
「やあ、あ、せ、せん…あ、あんっ!先輩!!」
理性が飛んだかのように激しく、しかし、優しく揉みしだく千秋。
千秋の掌は、今まさにのだめの胸のふくらみに直に触れていて。
たぷんたぷんと跳ね返る、肌の感触。しっとりと、掌に吸い付いてきて。
「あ…………」
その声は、もうどちらのものかわからなかった。
…すごい…………
のだめの胸を直接触るその感触は、形容しがたいほど淫猥だった。
むにゅん、むにゅん、と。揉みしだく度に掌から零れ落ちる柔らかさ。
軽く口を開けたまま、切ない表情で悶えるのだめ。
滑らかな肌は、千秋の掌を滑らせる。
大きなふくらみは、やわやわと千秋の掌の中で揺れる。
そのボリュームは見事なもので。
千秋は掌をいっぱいに広げて、優しく掴む。離す。掴む。離す。掴む。
まるで円を描くかのように揉み、掌の内で遊ばせる。
■■13
その中心の突起は、もう充分に硬くなっていて。
掌が擦れるたびに、のだめの唇からは、一層高い、悲鳴にも似たか細い喘ぎが断続的に漏れる。
千秋は熱い吐息を漏らしながら、長く硬いピアニストの指先でその突起を摘み上げた。
「きゃあんっっ!!」
のだめはたまらず、ふるっ…っと身体を奮わせて啼いた。
初めて受ける、異性からの…好きな人からの愛撫。
のだめはうなされるように、ただただ、首を横に振ることしかできない。
その感触は、脚のつかない深い海で溺れる、何かにすがろうと必死にもがく様に似ていて。
救いようもないほど、千秋の指先に翻弄されていた。
千秋はそんなのだめの表情を、食い入るように見つめている。
桃色の突起をそっと摘み、こりこりと転がす。
「や、や、やデス、ぁあんっ!や!…あっ!」
千秋の指先は、のだめの嬌声にはおかまいなしに、
まるで小動物が這い回るかのように激しく突起を責め立てる。
だんだんと遠慮なく力を込めていき、強く押し込み、
転がすように撫で回すように、ぐりぐりと押し付ける。
「や!ひゃ、あ!せ、せんぱ…い……ゃっん!」
そののだめの高い声。
表情。
自らの指先が触れる、柔らかくもしっかりと堅い感触。
千秋は衝動的にワンピースを全て押し上げ、のだめの頭から抜いた。
■■14
「…むきゃ!」
あられもない、乱れた下着姿。
繊細なレースに彩られたブラは完全に喉元まで押し上げられて、
もはや下着の役目を果たすことが不可能になっている。
むしろ、ふくよかな胸をよりいやらしく見せるための小道具のようで。
千秋は初めて目にするのだめの裸に、息を飲んだ。
「きれいだ、……恵…」
呆然と。
思わず口にした名前が本名だったことにすら気づかないまま。
肌はきめ細かくどこまでも白く透き通っていて。
華奢な肩や細い腰には不釣合いなほどわたたな胸は、
普段ののだめからは想像できないほどいやらしくて。
ピンク色に染まっている胸の突起は、ぷっくりと存在を主張している。
「…っゃ、ぁ……。恥ずかしいデス……」
一心に自分に注がれる千秋の視線に、のだめは目を伏せて恥らう。
消え入るようなその声。
思わず両の胸を隠そうとする腕。
その一つ一つが、初々しく、いじらしい。
千秋は目もくらむような思いで、衝動的にのだめの胸に唇を落とした。
■■15
「あ…、ふぎゃぁっ、んっ、ん〜〜〜、先輩、ダメ!」
ふいにのだめが、抗議の声を上げる
「……ヘンな声を出すな」
ダメと言われても止まりようもないが、千秋は顔を上げた。
「…電気、消してくだサイ」
「消したら見えないだろ」
すると、そっと千秋から視線を外すのだめ。
「…見られるの、恥ずかしいデスよ……」
そののだめの表情。
頬は上気し、唇を僅かにとがらせ、長く濃いまつげが影を落とす。
千秋はその憂いに満ちた表情に思わず息を飲むが。
「…見せるための勝負下着だろうが」
「や…恥ずかしい………けど……」
「けど?」
千秋は、のだめのふくらみに唇を落としながら言う。
「………ちょっとだけ、見て欲しいかも、デス」
照れたように微笑むのだめ。
そんな自分に戸惑うように、ちょっと困惑したような顔つきになってしまうのはしょうがないけれど。
千秋はふっと笑みを零すと、少し身体を伸ばして、唇にキスをした。
「……ん。」
そうしてまた、胸への愛撫を再開する。
もう、余裕なんてどこにもなかった。
■■16
たわわなふくらみを食み、熱い突起を嘗め回し、責め立てる。
どうしても荒くなってしまう掌で、存分に揉みほぐしながら。
そして食むだけでは我慢しきれずに、むしゃぶりつくように口に含み、転がす千秋。
「あ、や!…あ、あんっ!ま、待って、せ、…ん!先輩待って!!」
そのあまりにも必死な懇願に、千秋はハッと我に返り、顔を上げてのだめを見つめた。
のだめの目尻には涙が光っている。
「……なんだ?」
のだめは口を開けたまま、首を横に振った。
「あ、あの、だから…あの、やっぱりちゃんと見て欲しいデス、…勝負下着……」
千秋は、ともすれば泣きそうに緩んでしまう表情で微笑んだ。
…なんて、バカなんだ。愛らしいんだ。
「…見てるって。似合う、きれいだ…」
「そうデスか…?」
のだめの大きな瞳が瞬かれる。
濃く長い睫が、その頬に影を落とした。
「ヨカッタ……」
のだめは、安堵を浮かべる、嬉しそうな表情を浮かべる。
千秋はそっと身体をずらすと、その頭を胸に抱いた。
「あぁ、きれいだ。この日のための勝負下着だもんな?」
千秋はのだめの胸に手を置いたまま、片方の手で頭をなでてやり、額にそっと唇を落とした。
のだめは力なく頷く。
そして。
「…のだめは勝負に勝ちましたカ?」
上目遣いで悪戯っぽく千秋を見上げるのだめ。
「…………。」
……降参だ。
■■17
苦笑しながら、唇を重ねる。
と同時に、今度はブラのホックを片手で外し、
腕を痛めないよう注意しながらストラップを片方ずつ抜いた。
ブラを完全にはぎとると、のだめの胸元で輝くルビーが映えて、可愛らしくその白い肌を彩る。
千秋はその光景に満足そうに微笑むと、完全に露わとなった胸へ手を戻した。
「…ぁ、ぁふ、ん、…んう……」
胸を揉みしだいて突起を弄びながら、千秋は再びのだめの口内に舌を深く差し入れてゆく。
すると、今までされるがままだったのだめが、おずおずと舌を絡ませてきたのだ。
「…!!」
煽られて、確かめるようにその舌を舐め上げ、尚いっそう深く粘着質に絡ませる千秋。
目を瞑り必死になって、おぼつかない動きでなんとか千秋の舌に応えようとするのだめ。
粘着質な水音と、唇が触れ合う乱暴な音が部屋に響く。
千秋は一度唇を離すと、軽く触れるだけのキスを落としてから、
再び胸の突起を口に含んだ。
のだめの舌には、唇の代わりに自身の指先を絡ませて。
「…ふ…んぅ………あぅっ?!…ん、んん……」
のだめは一瞬その異物感に驚くが、千秋の指先だとわかると、
自らの手を秋の指先に手を添えて、必死に、丹念に舐め上げる。
…溶かされる……。
のだめは、千秋の指先に淫猥に舌を絡ませる。
千秋がのだめの舌にそうしてくれるように。
唾液がしたたり落ちるのも構わずに。
…気持ちいいかも……。
■■18
のだめの舌が織り成す指への陵辱に一層かき立てられ、
先ほどよりもなお一層激しく突起を追い立てながら、千秋は言った。
「…のだめ、………気持ちいいか……?」
のだめはその声にもびくりと身体を震わせた。
口を開きながらも声にならない声を上げ、うんうんと何度も頷く。
しかし千秋はそれだけでは許さない。
「…気持ちいいんだな?」
答えはわかっていたけれど。
のだめの声で、聴きたかった。
千秋は祈るような気持ちで、まるで答えを引き出す為のように一層その突起とふくらみをなぶった。
「…あぅっ……。気持ち…いいデス……、先輩、先輩、」
のだめは目を瞑り、ハァハァと大きく息とついて肩を上下させ、続けた。
「先輩……!のだめ気持ちいいです…!!」
既にのだめの胸の突起は、千秋の舌技によってぬめぬめと粘着質な液で光を反射させていた。
千秋は何かを押し殺したような余裕のない表情をしながらも、この上なく優しく微笑む。
「そうか……」
ふいに、のだめが、涙で潤んだ瞳をそっと開けた。
交錯する視線。
しかし千秋は見逃さなかった。
視界の隅で、のだめの腰が、僅かだがくねるように動かされていることに。
すみません…長くなります。
後半はまだ直したい箇所がかなりあるので、
できたら明日にでも投下させていただこうと思います。
…文章おかしいとこありましたね。
すみません。脳内保管でよろしくです。
うおーーキ・キ・キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
のだめの反応が可愛いなー。
千秋も「若造」って感じでほほえましい……はうん……。
ピアノさんの文章、甘々とエロスが違和感なくミックスされてて、すごく好きだ。
続き期待してます……!
みなさん、少女漫画板のネタバレスレに……!!
死にそう……、死にそう……漏れ……!!!!!!
あ゛ーーーーどうしたらいいんだ!!!
>418さん
ネタバレスレ発見しました!!!!!
漏れも死にそうでつ・・・
というか、あまりの衝撃に酸欠を起こして目の前が真っ白に(´Д⊂
>>418 >>419 早売りスレで書き込んでますた?
もまいらの悶えっぷりが可愛い(´∀`)σ)Д`)。
最近盛り上がってまつね。イイヨイイヨ〜。エロパロ最高(女子大生だけどなorz)。
421 :
418:04/12/23 05:47:37 ID:zAqNbENS
>420
ば、ばれた?w
クリスマスどころじゃねーな、こりゃ。ていうか、何も予定なんかないけども。
そんな私は今年三十路orz
6時間ほど寝たらkiss探しの旅に逝ってきます。
寝られるかわからないけどw
とりあえず、またネタを考えるか……ムラムラ
>千秋は全力で変態の森を駆け回る心境だった。
うっかり想像して笑った。
是非走り回ってくれ、千秋!
ピアノさん、続き楽しみにしてます。
423 :
名無しさん@ピンキー:04/12/23 07:52:27 ID:vGu6ezMu
携帯からなんでネタバレスレが読めません(;_;)
どなたかネタバレスレをリンクしていただけませんかっ
424 :
名無しさん@ピンキー:04/12/23 08:04:52 ID:xIf0TJ8H
ぴぴぴぴピアノさんっ!!
こ、このおおおっぱいせいじn千秋めっ!!!!!
>マングースが縦横無尽に駆け回っていた。
>千秋は全力で変態の森を駆け回る心境だった。
ワラ
ウカーリ バレみそうになった…あぶないあぶない
本誌を読んで身悶えようっとwww
ピピピ…ピピピ…ピピピ…ピピピ…
電子音のアラームに、ゆっくりと目を開ける。
サイドテーブルに手を伸ばして、アラームを止めた。
6:30AM
ブランケットの暖かさに後ろ髪を引かれたが、ここは我慢してベッドを抜け出す。
フローリングが、足の裏に冷たい。
散乱した服を手早く拾いあげていく。
ベッドには、恋人がまだ寝息を立てている。
裸の肩にブランケットをかけ直して、柔らかな栗色の髪を指に絡ませる。
ふっくらと桜色をした唇に、甘く光るよだれ。
窓を開けて柔らかな朝の日差しを入れる。
パリの朝の冷気が、ほおに心地よい。
ゆったりと、レースのカーテンが風に揺れる。
膨らんでは翻り、光を含んできらきらとまぶしい。
両腕に残る甘やかな感触を思い出して、ゆっくりと自分を抱きしめる。
生まれたての、幸福に満ちた朝。
新しく始まる、生まれたての自分。
そんな、幸福な朝のひととき。
小さなトランクに、二日分の旅支度。
ベッドで寝息をたてている恋人に、キス。
おでこ、目、鼻、頬、そして唇。
腕をとって、掌を自分の頬に。
温かさが心に満ちて、こんな短い間でも別れが切ない。
名残惜しくもう一度唇にキスをして、静かにドアを出ていく。
「それじゃ、また。すぐ帰る」
━━━━━━━━━━━━「めざめ」 fin
きゃーーーーーっ、ロマンティック!うっとりデス!
人生で一番幸せな時間って感じだにゃ〜
>>428 それ
ピチカートファイヴの「めざめ」の歌詞引用でしょ?
ちなみに、ロマンティーク96というアルバム収録。
スレ違いだが、ピチカート再結成しないかな…(´・ω・`)
>>432 お、こんな時間に住人が。
解散はショックでした・・・・・。
いいコンビだったのに。
さきほどはのだめもピチカートも好きなので熱くなってしまいました。
どちらも好きだからこそ引用はして欲しくないんです。
434 :
428:04/12/24 01:00:22 ID:g0CAC/Hh
>433
ごめん。
私もピチカート好きなんだ。
あんまりにも似合うなーと思って思わず書いてしまった。
もうしません。すいませんでした。
435 :
名無しさん@ピンキー:04/12/24 01:46:51 ID:VjV3kjvB
股が・・・・もう動きません・・・。(゚A゚)
ガクガクを超えてピクピクでつよ!!!!
ピアノタソに95はぅんvvを贈呈。
股ガク×2SSの続きを激しくキ ボ ン ヌ。
428>>のSSもう読んでるこっちがシワワセになるYO!!
もう渡氏はこの股が崩壊するしてもここに来ることをやめまセン。(誓)
読んでくださった方、ありがとうございます。
続き投下させていただきます。
■■19
「のだめ……」
千秋は無意識の内に、囁くような声でその名前を呼んだ。
のだめの唇に預けていた指先を一旦引くと、その腕を首に廻して抱き、
胸を愛撫していた右手を、身体の稜線に沿ってゆっくりと下部に移動させながら。
「せ…んぱい……?」
その、肌を降りていく焦らされるような感触に、のだめは自然と吐息を熱くする。
千秋の右手は、徐々に、その部分へ。
のだめが身につけている最後の衣服へと到達すると、のだめは息を飲んで、再び顔を手で覆った。
「顔、隠すなよ」
千秋は左手で、のだめの腕をどけさせる。
左手は布の表面を伝い、じりじりと、その中心へ。
「ゃ……ヤだ、怖い…デス……」
のだめはすがるように千秋を見つめ、自分を抱く手を握り締めた。
青ざめたその表情を見てちくりと胸が痛む千秋だったが。
そこに後悔の意志はない。
「怖くないだろ。オレ、ここにいるから」
千秋はのだめを抱く左手で、その頭をそっと撫でてやった。
そしてのだめの耳元で甘い吐息をつきながら、繰り返す。
「いる、から」
千秋の右手は、ついにその部分へ。
「…んっ……!!」
千秋の指先は、のだめのそのしっとりと潤んだ柔らかい部分に触れた。
のだめの目が強く瞑られ、頭を撫でる千秋の手を、ひときわ強く握り締める。
「あっ…………」
そこは既に潤んでいて、薄い布地が下着の意味を為さないほどに濡らしていた。
■■20
千秋は、そっと、その部分を撫でてやる。
「ん、ん、…………」
快感なのか、未知の感覚に耐えるのだめの苦しそうな表情が、千秋の胸の内を一層焦がす。
押し付ければ、布を通してじんわりと染み出すのだめの蜜。
割れ目にそって撫でれば、浮きがちにふるふると震える華奢な腰。
千秋は、問うことなく下着の隙間から硬い指先を差し入れた。
「…ひゃあっ……ッん…………」
のだめのそこは、柔らかくて。溢れるほどの蜜で乱れていた。
「…あ、…のだめすごい…すごい濡れて……」
千秋は思わず声を出す。
それは感動にも似た何か。
「気持ちよかったのか……?」
さっきも訊いたのに、そう問わずにはいられない千秋。
のだめは泣きそうに表情を強張らせることしかできない。
「もっとよくしてやるから、待ってろ」
千秋はそう言うと、腰のサイドで可愛らしく結ばれた紐を解く。
パラリと片方の紐が自由になり、のだめのその部分は、千秋の指先によって露わにされた。
「や、恥ずかしい…から……ダメ…デスッ……!」
千秋の手を強く握り締めて懇願し、脚を引き寄せてその部分を隠そうとするが。
千秋に許されるわけもなく。
蜜を絡ませた千秋の指先は、その柔らかい部分をまさぐった。
■■21
撫でるように、慈しむように、余す所なく丹念に。
「ゃ、ゃ、…んっぁ……」
のだめは、ハァハァと息を荒げる。
腰はくねり、逃げ出すように千秋から遠ざかろうとするが、
千秋の指はのだめのそこに吸い付いて離れない。
幾層ものひだを、丁寧に、ゆっくりと撫であげる。
その度に身じろぎし、声にならない声を上げるのだめ。
膝は浮き、つま先は、きゅっと力が込められている。
ゆっくり、ゆっくりと。
しかし千秋にも限界があった。
「…のだめ……!!」
のだめの快感にうち震える無防備な肢体に誘われ、千秋は唐突に指先に力を込めた。
「あんっっ!!」
のだめは大きく身体を震わせた。
くぼみの周囲を揉みしだく千秋。
粘着質の蜜は、どんどん溢れて千秋の指先に絡まってゆく。
その蜜を、のだめの柔らかな部分のそこここに塗りたくるようにしてこねる。
「…ふぁっ!ん、んはっ!!」
そうする内に千秋の指先は、熱く硬く起ち上がった蕾を探り当てる。
びくりと身体を奮わせるのだめが、ただ、愛しくて。
「のだめ、好きだ……」
千秋は、蜜でぬめぬめと光沢を放つ指先で、その蕾を撫で上げた。
■■22
「きゃあんっ!!」
悲鳴にも似た嬌声を上げるのだめ。
…可愛い……
千秋は首に廻した腕でのだめを引き寄せ、しっかりとのだめを抱いてやった。
「せ、先輩……」
千秋はその蕾がぷっくりと存在を主張していることを指先で確認すると、
挟むように、摘むように、丹念に撫でていく。
蕾は、千秋の指先によって、右に左に押し上げられていく。
その度に、のだめの身体が大きくはねる。
千秋は、のだめを抱く腕にいっそう力を込める。
そして蕾を撫で上げる指を親指にシフトさせると、長い中指を、その潤いの中心に宛てがった。
じらすように、ほぐすように、その周囲をやわやわと揉んでいく千秋。
「…ん、ふ、…あ…せ、せんぱ……」
「のだめ」
千秋は、その中心に、ごく浅く、中指を。
沈めた。
「…ッ!!」
のだめの表情が、苦しそうに歪む。
「少し、我慢しろよ……」
千秋はのだめに口付けると、揉みほぐしながら、指の挿入を続ける。
「んん…ぃ、痛……!!」
その表情と、紛れもなく苦痛を訴える声色に、千秋は心底心を痛めるが。
千秋はのだめを抱く左腕にぐっと力を込める。
越えなければ、越えさせてやらなければいけない壁なのだ。
■■23
のだめの膣内(なか)は、とろけるように熱くて。
千秋の指をきつく締め付けるのに、たとえようのないほど柔らかい。
ズズ、ズ……
「ん、ん、…ぃ…………」
この上なくゆっくり、ゆっくりと。
「…先輩、ぃ…痛い…デス……!!」
零れ落ちる涙。
千秋はのだめの苦しそうな様子に、千秋もまた身を裂かれるような思いだった。
決して代わってやれない痛み。
でも。
徐々に、膣内(なか)を割り開いてゆく。
のだめの全身は、指の先までも強張っている。
「のだめ、力抜いて……。オレに、つかまっていいから……」
千秋が頼りなげに宙を掴むのだめの指先をしっかりと捕らえると、
言われるがままに千秋の広い胸に顔を押し付け、背中に腕を廻すのだめ。
半分ほど挿入した千秋の指は、まっすぐには進まず、膣内(なか)の壁を、
そっと、そっと、揉み解す。
少しでも早くのだめが、ラクになれるように。自分の感触に慣れるように。
「…ん、…く………ぃ…痛ぁ……!!」
引きつらせた顔を千秋の胸に思い切り押し付けるのだめ。
「ちから、抜いて。ゆっくりだから」
のだめは、そっと頭を撫でてやりながら、優しく言う。
「せ…んぱっい!」
涙声ののだめ。それでも、やめて欲しいとは言わない。
のだめ自身もまた、わかっているのだ。
■■24
「大丈夫だ。ゆっくり、深呼吸して…」
潤っているから、慣れさえすれば大丈夫なはずだ。
千秋はわかっていた。
とはいえ、胸の中ののだめの尋常でない痛がり様が可哀想でならない。
優しく身体を撫で、声を掛けてやることしかできないことがもどかしかった。
しかし、徐々に。
揉み解された箇所からとろけていくように、だんだんと挿入が容易になっていくのがわかる。
とても、ゆっくりと、だけれど。
千秋は指を進める。傍目には動いているのがわからないくらいに、丁寧に。
ズ、……ズ、ズ………
緩慢な動作でようやく根本まで飲み込まれると、千秋は一つ息をついた。
……あたたかい…熱い……のだめの中…………。
全部挿入できたからといって、油断はしない。
内壁は依然揉みほぐすように、労わるように。
その指の動きに合わせて、のだめの吐息が荒くなる。
徐々に、強く。
押し広げるように、味わうように。
ふと、ラクになるかと親指で蕾を優しく転がしたが。
「ひゃはぁっ!ヤッ!変デスッ!!」
途端に痛いほど締め付けが強くなり、顔をのけぞらせて悲鳴にも似た啼き声をあげるのだめ。
「…ご、ごめん」
…ごめんって何だ。
つい言葉が詰まってしまって、千秋は頬を染めて吐息を漏らす。
と同時に、苦渋に満ちたのだめが、それでも必死で異物感と戦っているのだと思い直す。
■■25
「…ゆっくり…ゆっくりお願いしマス……」
ハァハァと荒い息をつきながら、のだめは千秋の胸に再び顔を埋める。
「…うん」
千秋はのだめの様子が多少落ち着いてきたのを見計らって、
そっと注意深く、2本目の指…人差し指を、中指に沿わせ、入口付近に浅く挿入した。
「…んっく……!」
のだえめはくぐもった声を上げるが。
それでも初めに中指を挿(い)れた時よりは、幾分余裕があるように見える。
「大丈夫か…?」
ダメと言われても、退ける自信はない。
とっくに自分のモノは、はちきれそうにズボンを押し上げている。
早く挿れたい、と濁流のようにひっきりなしに押し寄せる欲望を、
ずっと、必死で押し込めているのだから。
しかし千秋は、のだめを労わるあまりそう声をかけずにはいられなかったのだ。
「…だ、大丈夫デスよ…」
額に汗を浮かべながら、ひきつった笑みを零すのだめ。
「…バカ、無理して笑うな。キツかったら言え」
千秋は、少しでも負担を軽くしてやりたくて、のだめに答えた。
のだめの額に浮かぶ汗にそっと口付けながら。
その間も、二本目の指は、ゆっくりゆっくりと挿入を続けている。
「だ、大丈夫デス、のだめ、我慢できマスから……」
「いや……」
千秋は、優しく否定の声を上げる。
「言わないと、多分もうオレ、止まれない…から……」
■■26
のだめは驚いたように目をぱっちりと開け、自分を抱きしめる千秋の顔を見上げた。
情けなく微笑み返す千秋。
のだめは下半身に感じる圧迫で身体を動かせないが、逆に腕を伸ばして、
千秋の首を抱き寄せ…
キス。
初めての、のだめからのキスだった。
「だい、じょうぶデス、先輩。のだめ、がんばれマス」
のだめの膣内(なか)の指への締め付けは相変わらずきつくて、
熱に浮かされたように浅い喘ぎを繰り返しながら、寸断なく顔を歪めているのに。
…いとおしい。
心底、愛しいと、思った。1人の人間を、こんなにも大切に思えるものかと。
溢れる想いに、深くため息をつく千秋。
のだめを抱き寄せる腕に、自然と力と熱がこもる。
「ダイジョブ、デス。…だから、先輩、遠慮なくヤっちゃってくだサイ…」
…ヤっちゃって、ってお前。
千秋は緊張感の中でも思わず吹き出しかけ、くぐもった笑いは、吐息となって零れ落ちる。
この期に及んでのだめらしさを失わない彼女への愛しさと共に。
苦しそうに、けれど悪戯っぽく、幸せそうに微笑むのだめ。
千秋は、抱いているのか抱かれているのか、わからなくなった。
「……ん、サンキュ…………」
千秋は、指の挿入を続ける。
■■27
ようやく二本目の指がのだめの最奥まで到達すると、のだめは、は、と短く吐息を漏らした。
慎重に。
千秋はのだめの様子をことさら気遣いながら、膣内(なか)をゆっくりとほぐしてやる。
「…ん、あ……」
のだめは再び目を瞑り、声を上げる。
痛みが完全にひいたわけではないのは明らかだが、それでもその声には艶がにじんでいて。
「わかるか、オレの指…今、お前の中に入ってる……」
のだめは頷く。何度も。
「…さ、最初はものすごく痛くて…痛いだけだったけど…ちょっと慣れてきたみたいデスよ……」
のだめは、そっと目を閉じて、自らの中に埋められた千秋の指を全身で感じとる。
「ん、先輩の、ピアノ弾く指が入ってる……」
千秋は頷き返してやると、挿れた時よりも慎重に、二本の指を引き抜く。
先端が抜かれる最後の瞬間に、のだめはひときわ高い嬌声をあげた。
「……ゃあっ、ん!」
紛れもなく、快感に彩られた声だった。
荒く息をつくのだめに口付けると、千秋はそっと身体を離す。
そして、おもむろに自身の衣服を脱ぎ始めた。
■■28
のだめは幾分放心したように、痛みに痺れる下半身を労わるように、
身体をベッドに預けてその千秋の動作を見つめる。
「…先輩が、服、脱いでマス……」
「…おかしいか」
千秋はのだめの声に、わざと拗ねたように返す。
気持ちはこんなにも急いているのに。
のだめがあまりに可愛らしくて、頭にもやがかかったように、その動作を緩慢にさせる。
千秋が最後の衣服を脱ぎ捨てると、のだめはそこを凝視し、身体を縮こませた。
明らかに、怯えた視線。
「……見るの、初めてか…?」
千秋のモノは、既に臍に届かんばかりに太く長くそそり起ち、硬化していた。
のだめは小さく頷くと、我に返ったように不自然に視線を逸らす。
「いいから、見ろよ。この先ずっと付き合うことになるんだから」
どこからか取り出したゴムをくるくるとはめながら、千秋は内心苦笑した。
…なんてムードもなにも無いことを言ってんだ、オレは。
しかしのだめは嬉しそうに微笑むと、はい、と返事をし、おそるおそる視線を戻した。
その時はもう、千秋はのだめの下腹部に移動していて。
千秋はそっと膝を割って、その間に身体を滑り込ませる。
のだめは少し抵抗を見せたが、拒まない。
■■29
一糸まとわぬ姿になった千秋は、自身に手を宛て、そっとのだめのそこに宛てがった。
「…………っぁ、」
吐息と共に、喉からくぐもった声を漏らすのだめ。
「いいか、…挿れるぞ」
千秋が意図しないまま掠れてしまった声を掛けると、のだめは千秋を見つめ、頷いた。
…ズ、ブ。
「…!」
「…………!!」
途端に目を強く瞑り、白い喉をのけぞらせ、口を大きく開けて声にならない声を出すのだめ。
千秋もまた、初めてののだめの感触に、思わず目を強く瞑る。
ほんの数ミリ入れただけなのに。
まだ亀頭の半分も入っていないのに。
絡みつくようなのだめのそこは、ねちゃねちゃと粘性を伴って、千秋を直に刺激する。
熱かった。
あまりの気持ちよさに、千秋は顔を歪めた。
同時に、このまま力の限り押し込んでしまいたい激情に襲われた。
全ての理性を総動員して、その欲望を必死の思いでとどまらせる千秋は、肩で息をつく。
のだめもまた、千秋の感触に、初めて挿入される感触に、世界がひっくり返ったような心地だった。
もう、上手く考えることができない。
身体の内部から中心をえぐられるような感覚。
熱くて、違和感があって。胸の内が、頭の中が、沸騰したようにおかしくなる。
痛みはあるのに、誰にも見せたことのない部分を大股開きで千秋の前にさらし、
その上千秋がその部分を自分に宛てがっているということが、異様なほど昂ぶらせていて。
「…の、のだめ……」
千秋はその状態のまま身体を倒し、慎重にのだめにのしかかった。
■■30
「…っぁ、ん!」
二人がつながっている部分が僅かに動き、のだめは闇雲に声が出てしまう。
千秋はのだめに覆い被さると、細い首に腕をまわし、片手でその小さな頭を抱え込んだ。
のだめの髪は汗でしっとりと湿っているのに、相変わらず心地良いシャンプーの香がする。
千秋は再びのだめに入りかけている自身に手を宛てると、またゆっくりと、少しだけ差し込もうとした。
「っつ……!」
途端に、悲鳴のようなのだめの声。
のだめの身体中が強張り、その腿が千秋の腰を締め付ける。
「い、痛いか…?」
小さく、しかし小刻みに激しく首を横に振るのだめ。
千秋は、息を荒げながらも腰を止め、のだめの顔を見下ろした。
のだめは相変わらず強く目を瞑ったままなのに、先ほどとは全く異なった表情で顔を歪めている。
奥歯を噛み締めているのは、唇が白くなるくらい引き結ばれていることからも容易に想像がつく。
潤いは充分すぎるほどなのに、まだ、亀頭すらも入りきっていない。
千秋は快感と罪悪感の両方に苛まれ、のだめの額に唇を落とした。
「悪い……、ゆっくり、する、から、……」
これ以上ないくらいの締め付けと、のだめと一つになれた昂揚感で、千秋は上手く言葉を選べない。
その状態で二人、息を荒げて止まっていた。
暫くすると、のだめがゆっくりと口を開いた。
「だ…イジョブ、みたいデス、よ……少しラクに……」
のだめはハァハァと肩で息をつきながら、か細く変に上ずった声で、囁いた。
千秋はそっとのだめの頭を撫でながら言う。
「…本当か……?」
頷くのだめ。
背中にまわされたのだめの指先には力が込められ、痛いくらいだが。
…のだめの痛みは、こんなもんじゃない筈だ……。
■■31
「…痛かったら、同じだけ、オレの背中に爪立てろ。いいな?」
のだめはゆっくりと目を開けた。
その目には、溢れるほどの涙が浮かんでいる。
のだめが首を振ると、その一滴が滑らかな曲線を描く頬に伝った。
「ヤ…です……先輩が痛いの、ヤ……」
「…………。」
千秋は胸を突かれて言葉に詰まった。
久しく忘れていた感情が込み上げてくるのを感じる。
口を開けば、嗚咽が漏れてしまいそうなほどに。
それほど、いじらしいのだめが……愛しかった。
「…………バカ、我慢するんじゃねぇって……」
言いながら、こんなにものだめを痛めつけてまでセックスをすることに、疑問すら感じてくる。
「…無理に、しなきゃいけないものじゃ…ないんだぞ……」
千秋はのだめの肩に顔を埋めた。
じわりとにじんだ温かいものが、自分のほほからのだめの肩を伝っていくのがわかる。
……オレ、泣いてるのか……?
「……先輩」
それは、いやにはっきりとした声だった。
■■32
今しがたの痛みを耐え抜く声とは明らかに違い、凛とした響きさえも持っていた。
「先輩、がんばってくだサイ。のだめ…がんばってるんデスから、先輩もがんばらなきゃだめデスよ?」
のだめは、千秋の背中にまわしていた手を引き寄せ、千秋の頭をそっと撫でてやった。
「のだめは、先輩ともっと一つになりたいんデス……」
…またこの感じだ。
千秋は思った。
自分がのだめを抱いている筈なのに、逆にのだめに抱かれているような感覚。
のだめは、自分が思っているほど弱くないんだ、そう思った。
…でも、だからこそ、守らなければ。大事にしてやらなければ……。
「…いいんだな」
千秋は自分にも言い聞かせるようにゆっくりと言う。
「先輩がいいんです」
「男のオレにはわからないけど、多分これからもっと痛いぞ…?」
それは賭けだった。
わざと怖がらせたいわけではない。苦痛を与えたいわけではない。
でも、今こんなに痛がっている以上、それは事実なのだ。
もしのだめが少しでも躊躇するようなら、何も急ぐ必要なんかどこにもないのだ。
…自分さえ我慢して、待ってやればいいことだ……。
しかしのだめは、はっきりと頷いた。
頷いて、千秋の瞳を見つめた。
お互いに、涙をためた瞳。蛍光灯の光に反射して、キラキラ光った。
千秋もまた頷き返すと、のだめに口付ける。
この上なく優しく。
そして、また少し腰を押し進めた。
■■33
のだめは千秋の後頭部に手を伸ばし、千秋の唇に、力の限り自分の唇を押し付けた。
「……ン、んぅ…、ん、ん、ん……」
声は、漏れない。
千秋の唇に全てを吐き出すように、逃がしているから。
千秋は、ゆっくりとだが、徐々に深く挿入していく。
のだめの唇からもたらされるくぐもったうめきと熱い息を、充分に理解しながら。
頭を撫で、肩を撫でる。
少しでものだめの痛みがやわらぐように、のだめを労わる自分の心が少しでものだめに届くように、
想いを込めて。
のだめの膣内(なか)は。
とろけるようなやわらかさで千秋に絡みつき、きつく締め付ける。
その感覚といったら。
今まで自分はセックスをしたことがなかったんじゃないだろうかというくらいの快感だった。
のだめの柔らかい肌を抱きしめ、焦れながらも溶かされるような、
激しく突きたい衝動を必死に抑えながら、千秋はゆっくりと挿入していった。
どのくらい挿入(はい)っただろうか。
千秋は、のだめの身体に余計な負担がかからないよう細心の注意を払いながら、
下半身に目を遣った。
やっと、半分くらい。
半分が、のだめの中に埋もれている。
どこか安堵して、千秋はのだめの顔に視線を戻したが。
「…のだめ――――」
のだめの表情は、苦痛そのものといった感じで歪められていた。
■■34
涙の伝った跡は、一つ二つではない。
長い睫が濡れ、その濃さをしっとりと増していた。
しかしのだめは目を瞑ったまま、
その声から伺いしれる千秋の雰囲気に、泣きじゃくるように嗚咽を漏らし、首を振った。
「ヤ、ヤデス、先輩、やめないで、やめないで…のだめがんばりマスから、だからやめないで……!」
「のだめ」
千秋はそっとその名前を呼んだ。
のだめは嗚咽の合間に、肩を上下させて息をついた。
「のだめ、嬉しいんデス。先輩が好きなんデス。だからお願い、やめちゃわないでくだサイ……!!」
「のだめ」
再び、呼ぶ。
のだめはうっすらと瞳を開けた。
涙で曇るその目尻を、千秋はそっと拭ってやる。
「わ、悪い……オレ、も、もう、やめられない。いいな……?」
のだめが目を閉じて頷くと、唯一身につけているハートのルビーのネックレスも揺れた。
キラキラと、光を反射させながら。
「先輩、大好きデス…」
「…ん、オレも……」
千秋はのだめに口付けた。
もう幾度めのキスなのかなんてわからない。
「歯、噛むな。いいか、オレの肩をくわえて。歯でも唇でも何でもいい。
痛みは全部オレに戻せ。わかったな」
のだめは眉間に皺を寄せ、口許を歪める。
「いいな」
千秋はのだめの返事を待たずに、その口に自らの肩を宛がった。
■■35
「…力、抜けよ……」
拒否がないのを受諾と理解し、千秋は再び腰を押し進めた。
「…、ン、ン、〜〜〜!!!」
どうしても強張ってしまう身体を千秋に預けながら、のだめは唇で千秋の肩を食む。
もう、千秋は、止まることができない。
ゆっくりと、だが、断続的に挿入する。
のだめの閉じた膣内を押し進み、めりめりと突き破るかのようにのだめを痛めつけているのに、
気を抜くとイッてしまいそうなほど気持ちがいい。
そんな自分に罪悪感を持ちながらも、腰を勧めた。
どんどんキツくなる締め付け。
とろけるような熱さ。
肩に感じる、のだめの強い唇。
……と。
長い時間をかけて、やっと最奥まで到達した。
深く息をつく千秋。
……気持ちよすぎる……
のだめの華奢な身体を一層強く抱きしめ、そっとキスした。
「…どう、だ……?」
しばらくして、千秋は、のだめの額の汗を拭ってやりながら、遠慮がちに訊いた。
痛くない筈がない。
しかしのだめは、先ほどよりは強張りの解けた身体で、千秋をそっと抱きしめた。
「…ん、さっきより、大分ラクになってきたみたいデスよ……」
「そっか」
千秋は心の底から嬉しさが込み上げ、微笑んだ。
「よくがんばったな」
えへへ、と、未だ多少引きつりながらも笑顔を見せるのだめ。
■■36
「…オレが入ってるの、わかるか?」
「……わかりマス。千秋先輩の……」
そこまで言いかけて、のだめは蒸気した頬を更に紅く染め、視線を外す。
「………って…マス……」
「聞こえない」
千秋は意地悪く微笑んだ。
「……もう〜〜〜先輩は………」
未だ引きつりながらも、照れたように返事をするのだめ。
千秋がぴくりと動いた。
「…んあっ」
「…『んあ』って、オマエなあ……」
のだめは口をとがらせて抗議する。
「だって、先輩がいけないんですよ〜。ぴくんってなるから〜〜」
そののだめの言葉に、千秋の中で静まっていた激情に再び火がついた。
「先輩?」
千秋は、答えない。
のだめの目も見れない。
なぜなら、今顔を見てしまえば、もう、きっと、抑えがきかないから。
するとのだめは、そっと口を開いた。
「…いいデスよ。先輩、動いてください……」
■■37
「男の人って、入れてから、動いて気持ちよくなるんデショ?
のだめ、もう、ダイジョブ…デス。だから、先輩に気持ち良くなって欲しいんデス」
微笑むのだめ。しかし、その表情はまだどこか引きつっている。
「でも…お前、痛くないわけ…」
「も〜、やっぱり先輩ってば的外れ!」
「ま…的外れ……?」
千秋は初めて唇を奪った時と同じ、その縁起でもない言葉に顔を引きつらせる。
「先輩はのだめが好きだから心配してくれてるんデショ?
のだめだって…先輩が好きなんデスよ。先輩に気持ち良くなって…欲しいデスよ……」
千秋の胸は、ドクドクと高鳴る。
もう、限界だ。
「ん…なるたけ痛くないようにする…から……」
千秋は、あまり膣内を擦らないようにほんの気持ちだけ腰を引くと、
ゆっくりと、しかし力強く押し込めた。
「……ん、」
快感に顔を歪める千秋。
そんな千秋の肩に顔を再び埋め、痛みに顔を歪めるのだめ。
こんな表情、千秋に見せられないから。
こんなに幸せなのに、もし痛がってるのがバレたら、この人はきっと自分を気遣ってしまうから。
千秋はそのグラインドを繰り返した。
膣内を殆んど擦ることなく、逆に子宮の奥を鈍く突くように。
「…う……」
千秋は低い声でうめく。
■■38
のだめは、千秋の首にまわした腕にありったけの力を込める。
ゆっくりだが、何度も何度も繰り返される突き。
その度に歯をくいしばり、ジェットコースターから振り落とされまいとしがみつくようにその痛みに耐え、
千秋の熱と満ち足りた感情に酔う。
もしのだめの千秋への想いの深さを測るとしたら、その腕に込められた力が、何よりの証拠だった。
千秋は、まとわりつき締め付ける膣内に、とうに理性を奪い取られていた。
押し込んだモノを飲み込むのだめの膣内。
千秋は、指先で揉み解した時と同じように、今度は自身のモノで内壁をまさぐった。
すると。
「…ふわぁっ!!」
首にまわされていたのだめの腕の力が急激に抜け、
天から降ってきたかのような、はっきりと快感が滲む高い喘ぎが漏らされた。
「…の…だめ……?」
千秋は快楽に歪む表情を隠しもせず、のだめを見下ろした。
のだめは、驚いたような顔をして視線を彷徨わせている。
「…い、今のなんデスか……?」
「…どうした…?」
怪訝な表情をしながらも、千秋は再び内壁をこねた。
「これか?」
「ゃぁんっ!」
紛れもなく、嬌声だった。
■■39
「気持ちいいの…か……?」
半信半疑で問う千秋。
しかし、そうしながらも千秋の腰は、止まらない。
のだめの上気した頬と濡れた瞳は世界一美しい。そう思いながら。
「きゃんっ!…ゃ、なんかのだめ、おかしいデスッ…!い、痛いのに、ぁ、おかしいデス…!!」
「イイんだな?」
千秋は確信を持ってのだめをこねくりまわした。
「ゃんっ!…あ、先輩、千秋先輩……」
「ここにいるよ」
のだめはその声に力なく微笑むと、またすぐに、瞑る目に力を込めてしまう。
「せ、先輩、のだめがんばりまシタ、だからもう許してくだサイ…!
のだめ、ほんと、は、すごく、痛いんです、でも、幸せなんデス、なのに…
…な、なんか…おかしいんデス……ヘ、ヘンな感じ……もう今日は許してくだサイ…!!」
「ん」
千秋は、満足に答える余裕もなく、慎重に、しかし激しく内壁をこねまわす。
「あ…オレも、もう、…う………のだめ…っ!!」
一層強く最奥に押し込むと、千秋の身体ばびくんっと大きく波打った。
その振動はのだめにも伝わり、揺さぶられてのだめの身体が一瞬浮き、ベッドに深く沈みこんだ。
■■40
ハァハァと未だ荒い息を交わしながら、千秋はのだめに口付けた。
「…ん……」
ぴくりと身じろぎするのだめ。柔らかくてほっとするような、あたたかいキスだった。
「抜くぞ。…力抜いて……」
そろそろと千秋が自身を引き抜くと、のだめは卵をぐちゃぐちゃにかき混ぜたような表情をする。
「っんゃ…ッ……」
先端が抜ける時、またのだめの口からは嬌声が漏れて。
千秋はそっと微笑んでのだめの隣に横たわり、その弛緩しきった華奢な身体を抱いた。
ゆっくりと首を廻して自分を仰いで力なく笑みを零すのだめに、千秋はそっと微笑んだ。
「大丈夫か?」
「だいじょぶデス……」
千秋は、そう小さく言うのだめの髪を優しく撫でてやった。
「……痛かっただろ」
そう言って、千秋は、のだめのその紅い唇に口付けた。
そっと。労わるように。
「先輩…、ちゃんと、気持ち良かったデスか?」
千秋はのだめの額に唇を落とした。
「…うん」
その唇の感触に癒されるように、のだめはくすぐったそうに柔らかく微笑む。
…あの破天荒な音楽。すぐはねるピアノ。
好きデスと言いながら、オレがその気になるとすぐ話題を逸らした、……蝶。
「……つかまえた」
千秋は快感の渦に飲まれながら、笑みを零した。
のだめもまた、顔を引きつらせながらも千秋を見上げ、微笑んだ。
「…捕まっちゃいまシタ、ね」
そのまま二人は微笑みを交わし、互いの体温を感じながら、ゆっくりとまどろんでいった。
<終>
【Kiss it better】:キスして治す
終わりです。
初めて、という事をテーマにしてなるたけ大事に事を運ばせようとしたら、
なんだか中継したみたいに長くなってしまいました…。すみません。
次号の早売りも出始め、キス祭りを経て新たなお祭りとなりそうですね。
休載の1ヶ月間、みんなで妄想して耐え忍びましょう(w
投下おつかれさまです。
リアルタイムで読ませていただきました。
健気でかわいいのだめと優しい千秋に萌えました!
461 :
名無しさん@ピンキー:04/12/24 02:26:05 ID:K/icgEuk
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
生中継で読めて感無量ですッ!!
あんた神や…
ピアノさんの甘エロはクリスマスイブに相応しい〜!!GJ!
ほんとにGJ!!です。ピアノさんの作品とKISS本誌があれば、
1月半だって耐えられそうです!
のだめの健気さにじーんと来ましたよ……千秋もいつもの俺様はどこへやら、って
感じで素敵です。読んでてドキドキしましたよー。また期待しています!
464 :
名無しさん@ピンキー:04/12/24 05:05:47 ID:VjV3kjvB
キターーーーーーーーーーー!!!
ていうかまたうった後に書かれとる・・・・。
股が・・・股が・・・・サ ケ マ ツ タ!!!!!!!!!!
千秋とのだめのエロ書かせたらピアノタソ天下一じゃあああ!!
あの、もっと書いてください。もうホント。お願いしますよ。(素願)
465 :
名無しさん@ピンキー:04/12/24 06:05:11 ID:lISrP1sW
なんか恥ずかしくなってきた…。
>>459 萌えました、GJ! 仕事速いし。ありがd
>>もしのだめの千秋への想いの深さを測るとしたら、その腕に込められた力が、何よりの証拠だった。
ここがすごくいい
>>464 メール欄に半角でsageと挿れて欲しいなぁ
大人版ですよ( ̄ー ̄)
466>>入れてみますた。sageって分からなくてちょっと調べました。
とりあえず・・・・スマソでした。気をつけま酢。。。
468 :
名無しさん@ピンキー:04/12/24 09:13:11 ID:ZhEh9Slj
黒木くん×のだめもみたいなあ、、
469 :
名無しさん@ピンキー:04/12/24 11:28:26 ID:lQnR+Aqb
ピアノさん、ホント、素敵です。
処女喪失なんてしばらく前のことで忘れかけていたピュアな気持、
甦りました。最初は痛かったわぁ。(遠い目)
のだめちゃんも心の気持ちよさが、
体の気持ちよさに変わる日も近いんだろうな。
千秋の愛の深さを感じるSSでした。
何よりも作品に対するピアノさんの愛情が溢れています
ありがとうございました。
お互いの思いやり、労りあいが美しいぃ…(涙)。
クリスマスにホント、素敵なSS読ませていただきました!
勝負下着にひっかけて「勝ちましたか?」
つかまえて蝶だいにひっかけて「つかまえた」
「捕まっちゃいまシタ、ね」というセリフも気が利いててGJ!
ネ申・・・!
(´Д`*)萌えた
ぎゃ、ぎゃぼ…。心温まるコメントをどうもありがとうございます…!
嬉し恥ずかしで鼻血が出そうです。
こちらこそ、読んでいただけてどうもありがとうございました。
また、他の書き手さんのご登場も楽しみにしていますね。
Merry 千秋! みなさま素敵なクリスマスを☆
こんなにも、彼女に対する思いやりを表しながら
抱く事のできる男子って、いいですねー 惚れちゃう。
つか、実際ありえんよーな...だからこそウラヤマシー<のだめ
本誌の方でも三度目の正直で正面からゴ〜〜〜〜ル!!(変態の森へ)
でしたから、いずれこういう甘いムードになる日も…
(作者はエッチシーンを描かない人だから誌面には登場しないだろうけど)
「おまえら、やっただろ!?」
って思わせるコマはあるかもね。
ていうかあって欲しい。
千秋のベッドの上に、例の勝負下着が脱ぎ散らかされてるとか、そういう類の。
音楽にはエロ部分が不可欠だから
二ノ宮先生らしくうまくその部分と音楽を絡めていってほすぃ。
千秋とのだめじゃ笑いを取りながらあっさり結ばれちゃいそうだな〜。
ケエコ×佐久間 は無理でしょうか。
最中にもポエムを披露する佐久間さんとか・・・
佐久間は女性相手というよりオナヌーオンリーのような気がする。
くろきん×のだめかな
くろきん悶々としてそう
くろきん×のだめ…激しく読んでみたい。
今までありえない、絶対千秋とじゃなきゃと思ってたんだけど、本誌で
ああなった今、パラレルとして読んでみたい。
でも、武士だし、「可憐で清純な恵ちゃんにそんなことは出来ない!」とか
言いそうだけどw
くろきん×のだめ
何度かチャレンジしてるんだけど、うまくかみ合わない。
乙女・黒木の域を出ないんだよな……エロに持ち込めない。
483 :
名無しさん@ピンキー:04/12/27 21:32:33 ID:P/32O44Y
佐久間は女より男が好きそうな気もする。
美少年系の。実際にやるんじゃなく空想の中で。
くろきんは…千秋に相手してもらえなくて溜まったのだめに
襲われるって感じ?
ついでに千秋がのだめに「…風呂、一緒に入るか?」と言うシーンが
今頭に思い浮かびました。
>>482 くろきんは紳士(ナイト)系なのかなーと思っておりまして、
「恵ちゃんを泣かせるなんて…。千秋クンにはもう任せておけない」
というシチュがあれば、いろいろ行動を起こしてしてくれそうな
気もするんですが…でも…自分で書けない!辛い!
ぜひ、くろきん×のだめは読んでみたいので、お願いします…!
>>483 >千秋がのだめに「…風呂、一緒に入るか?」と言うシーン
「先輩ー、のだめがシャンプーしてあげマスー」って
セリフが思い浮かんでしまった。これじゃ、萎えちゃうね…。
えー、くろきん×のだめが所望される中、空気嫁!と言われそうですが、
パリに戻るちょっと前の千秋inフィンランドを書いたので、つなぎに呼んでいただければ幸いです。
細かいところは突っ込まないでください……
架空の女と絡んでます。苦手な方、お気をつけください。
「さあ、今夜はパァーっとやりまショ〜パーッとね〜〜」
すっかり風邪が完治した途端、これだ。
それにしても、なんでここフィンランドにまでキャバクラがあるんだ?
右手にプラチナブロンド。左手にブルネット。
マエストロ・シュトレーゼマンは両手に花状態でにやけた顔をしている。
手はしっかり腰に回されていて、時折なで回すような動きをしていた。
「どうしてそんな顔をしてるんデスカー、千秋」
「あまり飲み過ぎないでくださいよ、全く……風邪がぶり返したらどうするんですか」
千秋の両隣にもホステスが侍らされていて、水割りだの、煙草の火付けだの、なにか世話したくてそわそわと千秋を伺っている。
「そしたら千秋がやればいいでショ」
「簡単に言わないでください!!」
これから毎年エリーゼがバカンスをとる間、この師匠の面倒は自分が見なければいけないのだろうか……。
あんな作戦に負けていなければ、こんな事には……
千秋は目眩に頭を抱えた。
「疲れた……」
靴を脱ぎ、ベルトをはずすとベッドへダイブする。
飲み過ぎたシュトレーゼマンは酔いつぶれ、最悪な事にタクシーはつかまらず、
結局のところ千秋がおぶってホテルへ帰ってきたのだった。
千秋もついつい飲み過ぎていたようで、短い道のりとはいえ体に応えた。
もう、あの事務所やめたい……
時計を見ると午前2時を回っていた。
起きているかな、あいつ。
電話、してみようか?
ユンロンって……ユンロンって誰なんだよ……
俺の部屋で何をしてるんだ、のだめ。
シャツのボタンをはずしながら、大きく、ため息を一つつく。
そういえば、あのネックレス。
勢い余って買ってしまったけれど、いったいどうするつもりなんだ、俺は……。
どう、言い訳をしたらいい?
「…………風呂入らなきゃ」
自分の思考を遮りたくて、千秋は無理矢理に体を起こした。
濡れた髪をタオルで拭いていると、部屋のチャイムが鳴った。
誰だ?こんな時間に……
バスローブを羽織り、前を合わせる。
いぶかしげにドアスコープで確認すると、キャバクラでシュトレーゼマンの隣にいたモニカだった。
「こんな時間にごめんなさいね。起こしてしまったかしら?」
何事かと思いながら、千秋はドアを開けた。
「大丈夫です。起きてましたから……それより、何の用です?」
「歩いてきたら冷えてしまったわ。……部屋に入れてくれる?」
いったん躊躇したけれど、千秋は彼女を部屋に招き入れた。
「すいません、こんな格好で」
千秋は、ボクサーパンツの上にたっぷりとしたパスロープを羽織っているだけだった。
「いいのよ。気にしないで。濡れた髪がセクシーだわ」
モニカは紅い唇の端をあげて微笑み、ウインクをして見せた。
誘われている。
そんな事は薄々感づいていた。
「あ、あの、えーと……それで用件は?」
「あなた、私のライターを間違って持っていったみたいなの。代わりにあなたのが店に残っていて……」
モニカは、脱いだコートのポケットから、千秋のライターを取り出した。
「……どうもすみません。わざわざここまで足運ばせちゃって……」
千秋はクローゼットのコートのポケットに手を突っ込み、モニカのライターを探した。
胸の内ポケットにふくらみを感じ、手を入れると自分のものではないライターを見つけた。
「あった…すみません、間違えてしまって……ちょ、ちょっと、何を…!」
モニカはそのふくよかな胸を千秋の背中に押し付けながら、強く抱きしめた。
その手はバスローブの中に入り込んで、千秋の胸板をやさしく擽る。
「やめ…!!」
身を捩ってモニカを振りほどこうとしたが、酔いに力が入らない。
勢い、もつれ合いながらベッドに倒れこんでしまう。
モニカは千秋に馬乗りになり、ハイネックセーターを脱ぎ捨てた。
自分の置かれた状況に絶句すると共に、千秋はモニカの迫力ある肢体から目を離せずにいた。
黒いレースに縁取られたブラにの中に、窮屈そうに収まっている豊満なバスト。
胸の谷間は甘い芳香を放ち、誘うように揺れている。
「ミルヒーにね、冗談半分に言われたのよ。あなたを慰めてやって欲しいって」
……あのジジイ……!!
千秋は、数日前に交わしていたシュトレーゼマンとの会話を思い出した。
「どうしてそんなにカッカするのー」
「あなたがいいかげんな生活をしてるからでしょう!!」
「…わかった。千秋、溜まってるんデショ」
「な…何を言いだすんですか!!」
「だから怒りっぽいんデスよ。あ〜イヤですね〜」
「…ジジイ……」
「彼女いないんだから、楽しめばいいんデス。言い寄る女性はいるのに、なぜ据え膳食わないデスか?男の恥というものデス!…アバンチュールも音楽家に必要なことデスよ」
「俺はあなたみたいに節操無しじゃないんですよ……!」
「それとも誰かに操立ててマスか?のだめちゃん?ん〜、でものだめちゃんは彼女じゃないんでショ〜?」
「……」
「あ、それとも…千秋、まさか、チェリーボーイ……」
「…殺すぞ、ジジイ」
確かに、溜まってる。
最後に女を…彩子を抱いたのはいつだったか思い出せないくらい、SEXしていない。
事後のむなしさから、マスターベーションはあまり好みではない。
それでも、どうしても吐き出したい時にだけ、半ば事務的に自己処理してきた。
「ミルヒーは冗談のようだったけど…私自身があなたとしたくって来たの」
モニカはめくれたスカートを更にたくし上げ、官能的なガーターベルトを千秋に見せつける。
そして、より深く密着しようと腰を千秋に擦り付けた。
柔らかな内腿の感触に気が遠くなりそうだ。
そして、目の前の乳房。薄いレース地から乳暈が透けて見える。それが徐々に近づいて……。
モニカは覆い被さるように体を倒すと、大きな胸を千秋の胸に押し付け、前後した。
「あぁん・・・」
突起がこすられ、モニカは鼻にかかった甘い声をあげた。
両手首をやさしく押さえつけられて、ぎりぎりのところで千秋は戦っていた。
耳にかかる吐息。やさしく甘く、耳朶を擽る唇。
「……ぁ」
思わず、声が漏れ出てしまう。
モニカはその声ににっこりと微笑み、唇を重ねてきた。
紅く、そして柔らかな唇だった。
頬にかかる髪からココ・シャネルの香りがして、千秋はモニカの舌を甘んじて受け入れた。
歯列をなぞられ舌を引き出されると、濡れた音が部屋に響く。
モニカは紅いマニキュアで彩られた指先で、千秋の胸板を擽った。
「意外と、逞しいのね…」
悪戯っぽく微笑んで、すでに合わせの乱れているバスローブを大きく広げた。
脇腹をなでる優しいタッチに、千秋はくぐもった声をあげる。
「う・・・あっ・・・・・・」
滑らかな指先で千秋の乳首を撫で、赤い爪先で突起をはじく。
それが合図であるかのように、体中の血液が中心部へと集まり始める。
抵抗、できない。
モニカは身体をずらし、浮き出た鎖骨にキスの雨を降らせた。
徐々に顔を下ろし、舌先が乳首へと伸びる。
濡れた音を立てて、モニカは千秋の乳首を優しく舐った。
こんなことは、されたことが無い。
千秋は初めての快感に身を捩り、白い喉元をさらけ出した。
ボクサーパンツへ入り込んだモニカの指が恥毛をなで、首をもたげはじめた千秋のペニスに指がかかったとき、千秋はベッドのスプリングを軋ませてモニカを組み伏し、その胸に顔を埋めた。
差し込む日の光に、千秋は目を覚ました。体が気怠く、うまく言う事を聞かない。
眠い目をこすり、ベッドの中で何度か寝返りを打つ。
鼻をくすぐる、コーヒーのアロマ。
「おはよう、シンイチ」
「えっ……?!」
千秋はベッド脇に立つモニカを見て飛び起きた。
「ゆ……昨夜……俺……えっっ?!」
「……素敵だったわ、シンイチ……私あんなの初めてよ」
やっちゃったのか……?……俺…………。
「コーヒー、まだ暖かいわよ。飲むでしょ?」
「い、いや……水……水を……」
千秋は昨夜の記憶を一生懸命たどってみるが、思い出せない。
モニカがライターを取りに来たところで、どうしてもその先に記憶が進まない。
明らかに動揺する千秋。やったんだ……マジかよ……
モニカからエビアンを受け取り、半分を飲み干す。
サイドテーブルのラッキーストライクに手を伸ばしたところで、モニカが肩をふるわせて吹き出した。
「な……なに?!」
「なんて顔してるの、あなた」
モニカは腹を抱え、長い黒髪を振り乱して笑った。
おぼろげに記憶に残るセクシーなモニカと裏腹に、意外なほどにけらけらと良く笑う。
「安心していいわよ。私たち何もしてないから」
「はあっ?!」
「ほんとに、"あんなの初めてよ"」
モニカは千秋の口に銜えられたままの煙草を抜き取り、自分で火をつけてから千秋の口に差し戻した。
「その気になったと思ったら、私の胸に顔埋めて寝ちゃうんだもの。がっかり〜」
千秋は最後までいかなかった安堵感と、自分の格好悪さに頭を抱えた。
「……ゴメン」
何を言っていいのかわからずとりあえず謝る千秋に、モニカはさらにけらけらと笑った。
「ねえ、シンイチ」
「……はい?」
「"のだめ"って誰?あなたの恋人?変わった名前ね」
千秋は水を吹きだして、大きく咳き込んだ。
「なっ……何でその名前を……?!」
「あなたが眠ってるとき、何度もその名前を口にしてたわ」
俺が、寝言でのだめを?
「それは多分悪夢だから……大学の後輩だけど、恋人じゃない」
「あら、違うの?……とても愛しそうに、何度も呼んでたわよ」
千秋は、自分の血が逆流していくような感覚を覚えた。
……とても愛しそうに、何度ものだめの名前を……?!
「だから、あなたが寝ちゃった後無理矢理襲ってやろうとしたけど辞めたわ。あんまりにも優しい声でその名前を呼ぶんだもの。気が引けたの」
絶句して言葉が出ない。
「好きなのね?その人の事、とても」
千秋は、否定も肯定も出来なかった。
思い当たる事はいくつもあって、けれどもその度無視し続けてきた。
思わぬところで突きつけられる現実に、千秋は愕然とした。
「さ、行かなきゃ。学校に遅れるわ」
「……学校?」
「ええ、そうよ。私、本業は学生なの。あのお店は、アルバイト」
「モニカ、君いくつなの?」
「……二十歳だけど。言わなかったっけ?」
「えっ?!……嘘だろ?」
「なによ、その反応。傷つくわね。どうせ老けてみられるわよ」
日の光の元で頬を膨らますその顔は、そう言われればあどけなさもあって、千秋はゴメン、と笑った。
「……行くわ。素敵な夜をありがとう。最後に、キスしてくれる?」
千秋は黙って目を閉じたモニカに顔を寄せた。
モニカは自分の頬に優しい唇を感じた。
「……ゴメン、もうこれ以上は出来ない」
モニカは目で頷いて、千秋から体を離した。
「また、フィンランドに来たらお店に寄ってね…そのころまだ働いているかわからないけど」
「そうするよ。……いろいろありがとう」
コートを手にし、モニカはドアへ向かう途中で振り返った。
「一つ、言い忘れてたわ」
何?、と千秋が問いかける。
「あなたが寝てしまった後、あなたのペニスを元気にしようとしたんだけど、何をしても駄目だったのよね……。飲み過ぎると勃たない体質みたいだから、のだめさんとやるときは飲み過ぎないように気をつけた方がいいかもね!」
そう言うとモニカはニヤッと笑い、「Bye!」と部屋を出ていった。
千秋はぐったりと疲れた上に、二日酔いの頭に「寝言でのだめの名前」と「飲み過ぎると勃たない」が交互に浮かんで苦しめた。
「とりあえず、シャワー……」
青ざめた顔におぼつかないあしどりで、千秋はシャワーに向かった。
明日は、パリへ戻る。
千秋はまだ答えを出せず、熱いシャワーで酔いを醒ます事に専念した。
━━━━━━━━━━━終
嗚呼、7が2つになってしまったorz
ごめんなさい、間違えました。
千秋には場数を踏んでいて欲しいと思ったので、勢いで書いちゃいました。
登場キャラとの絡みでなくてスミマセン。
497 :
名無しさん@ピンキー:04/12/27 22:36:52 ID:tQyOe6P2
今くろきん書いてるから待ってて
おおぅ〜、神様から予告が!?
お待ちしてます!
>>495 GJ!です
本誌でのキス祭で全然思いつかなかったけど、4ヶ月も離れ離れ、しかもミルヒーのお供
だったんですよね。今まではのだめの目が光ってたわけだけど、こんなこと
本当にあってもおかしくなかったわけで……千秋、実は隠してないかw?
と思いました。
飲みすぎると…ってことは、酔ったいきおいで「うっかり」のだめとする
わけにはいかなさそうだねw
485さん乙です〜。
架空の女と絡んでるとあったのでちょっと身構えたのですが、これがなかなか。
オリキャラなのに、千秋の個性がしっかり出ていたので非常にナチュラルに読めました。
自慰が好きじゃない理由とか、飲みすぎると勃たないとか、
千秋らしくってよかったです。
のだめの名前を呼んでいたことに動揺するのも、イイですね。
サイドストーリーとして、とても面白かったです。GJ!!
501 :
1:04/12/27 23:12:51 ID:tQyOe6P2
やっぱりスケールが違う・・・
ここオーストリアの地でなんとか地に足をつけて
市民オケに所属する黒木は思い悩んでいた。
井の中の蛙・・・
お山の大将・・・
故郷を離れ遠い異国の地に来て、初めて自分の実力は日本でだけ通用するもの
なのだと思い知っていた。
世界で通用するとは思っていなかった。
ただオーボエが好きで、この繊細な音色に惹かれてずっと
吹き続けてきた相棒、伴侶とも言えるオーボエが、周りとの
距離を感じるにつれてなんだか悪意を持っているように思えてくる。
502 :
2:04/12/27 23:13:07 ID:tQyOe6P2
「いつも味方でいてくれるとおもっていたのに・・・」
インナースペースに入り込んで、練習後、オケの日本人メンバーに
教えてもらったこの日本小料理屋"春日"で日本酒を煽っていた。
「好きだから、オーボエが好きだからという動機ではもう限界なのか・・・。
上を目指してたつもりはないが、演奏欲に駆られた結果、今、僕はここにいる訳だけど・・・」
金魚鉢の中の出目金に話しかけても、寂しくなるだけである。
「帰ろう・・・」
ねじり鉢巻の怪しい台湾人、ツァオのいつものように片言の
「アリガトぉーー」という宇宙語に後押しされ、黒木はのれんを掻き分け
暗い雑踏に足を踏み出していった。
503 :
3:04/12/27 23:13:38 ID:tQyOe6P2
「千秋先輩!」
「なんだ・・・」
早朝5時。のだめのピンポン連打に起こされ、ドアを開けた千秋は
視界がカラフルな世界で彩られた。
「見てくださいこれ!!」
カラフルの正体。こちらでいう明星のようなアイドル雑誌"アシッジュ"の見開きだった。
「お前・・・こんな朝っぱらから・・・」
眠りを妨げられ、のだめの意図を無視し、怒りを露にし、胸倉をつかむのだった。
「ジャンが・・・!!」
聞き流せないライバル、白王子の名前を聞き、朦朧とした目線で
足元の雑誌に目を向けると、確かにあのジャンがカメラ目線でこちらを見ている。
「はぁ?なんだこれ・・・?」
のだめから拳を離し、足元のジャンを拾うとはっきりしつつある頭で
記事を追った。
「ね!やっぱりジャンですよね!あの人有名人だったんデスねー
あなたが選ぶ2004年イケメンランキング5位ですよ!
サインもらっとけば良かったのに!!
あ、でも千秋先輩はマイナーランキングだったら1位だったかもなのに!
ぎゃぶーー!!」
「マイナーで悪かったな・・・。はぁ、こんなこと伝えるためにわざわざ起こしにきたのか?
平和な奴だな。じゃ。」
「あーーー!!待って!まだナシはついてませんよ!!」
「はぁ・・。分かったから入れ。」
あくびをしながら、のだめの頭をこずいて中に促した。
504 :
4:04/12/27 23:13:52 ID:tQyOe6P2
「黒木君!!」
レッスン前の譜読みをしていた黒木はこの地では違和感を感じる日本語で
呼びかけられ、顔を上げた。
彼、須藤は、この市民オケでバイオリンを弾きながら、音楽院に通っている日本人だ。
「あぁ・・おはよう。どしたの?」
「君、バカンスどうするの?予定決まってる?」
「いや、一回日本に帰ろうかと・・・おじいさんの墓参りしたいし・・・」
「あぁ、そう・・・で、でも墓参りよりエキセントリックなバカンス過ごそうよ!
シンディーのおばさんがノルウェーのオスロにいて、招待してくれるんだって!
あぁーオーロラ見たいなー見たくない人なんているわけないよね!」
「そ、そりゃ人生で一回見れたらいいなとは思うけど・・」
「決定!!じゃあ俺あと何人かに声かけなきいけないから行くね!」
「・・・」
日本で己の生き様について今一度考えようと思っていた黒木は
こうして半ば強引にノルウェーにオーロラツアーに出かけることになってしまったのだった。
まだオーボエとは仲直りしていない。
もやもやとした絶望感にも似て、灰色のベートーヴェンを一人奏でるのだった。
505 :
5:04/12/27 23:14:15 ID:tQyOe6P2
「はぁーーー!!寒いですねー!千秋先輩!」
「お前が連れてきたんだろ・・・。いっとくけど俺ここの言葉はわからねーからな。
自分の身は自分で守れよ。」
「新婚旅行なのに冷たい夫デスね・・・」
オスロの地に降り立ち、ムートンのブーツのつま先を見つめ、のだめは唇をとがらせた。
コンセルヴァトワールは今2週間の休暇を迎え、千秋も次の公演はまだ先。
束の間の休息であったが、のだめの強引さに加え、千秋自身も息抜きがしたかった。
「夫じゃねぇ!」
「はいはい・・・むっきゃーーー大道芸ですよ!ピエロ!
千秋先輩見に行きマスよ!!」
「あ、おい!のだめ!!」
大道芸のジャグリングに誘われおおはしゃぎで駆け出すのだめ。
その足の速さに(ハリセンとのバトルの成果)千秋は人ごみの中にのだめを見失うのだった。
やった!風船一番乗り!
ピエロの配る黄色い風船を子供をかきわけゲットするのだめ。
ピエロは帽子を脱ぎ、東洋人に向けるがチップの習慣のない日本人。当然無視である。
「千秋せんぱー・・・あ、あれ?」
振り返ったのだめは懐かしい黒髪を見つけられなかった・・・。
506 :
6:04/12/27 23:14:33 ID:tQyOe6P2
シンディの叔母の家に着き、一通り歓迎パーティーを受け、みな一様に酔っ払っていた。
ただ一人、黒木を除いて。
いまいち洋酒では酔えない黒木は酔いつぶれた友人たちを尻目に、暗い気持ちを抱え、
頭を冷やすために外に出ることにした。
「さむ・・・」
自分の白い息をみつめ、つぶやく。
一体僕はここで何をしてるんだろう・・・
寒さに耐えかね、来た道を戻ろうとする黒木の前にうなだれて歩く一人の少女。
「・・・・・・・・・」
「う・・・う・・・じあきぜんばい・・・」
「・・・?恵ちゃん・・・?」
なわけないか・・・酔ってるのかな。
「ぎゃぶーーーーーー!ダンケシェーン!!くろきん!!」
間違いでは無かった。2年ぶりの再会が、こんな日本の裏側だったなんて・・・
507 :
501:04/12/27 23:14:59 ID:tQyOe6P2
続きはまたー
>>496 こういうパターンもアリだね
妄想力高いね。楽しく読めました。
>>501 いい感じ。続きに期待したいな。
…ふと思う。ネットを徘徊してファンサイトを見るたびに。
男女比率がそう変わらない漫画だと。そういう漫画はヒットするよね。
そうなんだ? このスレは女性ばかりに見えるけど……
最近、このスレ活気があってイイね〜
やっぱり、本誌がああいう展開だと、妄想かきたてられるね。
しかも、読みごたえのある力作ばかりだ……スヴァラシィ
エロもそうでないのも胸キュンキュンでタマラン。
何度も読み返して、萌え死んでいます。
暫く、ここを覗けないのがツライ。
作家さん、皆さん、よいお年を……
みんな有明方面行ってて閑散としてるのかな…
ほんと、本誌の流れでここも活気づいて楽しいね。
他の板よりも、素で妄想語り合える感じだし。
職人さん皆さん、来年もまたよろしく〜
くろきん×のだめ、楽しみにしてるよ〜
512 :
名無しさん@ピンキー:05/01/04 00:08:52 ID:EdDzRDQW
あけましておめでとうございます。
下がり過ぎのようなので、職人さん待ちage
あけましておめでとうございます。
夜型になってしまい、朝から仕事だというのに寝れん…。
ちゅーことで、変なもん投下します。
すいません…。ぜんぜん創作してないです。
1巻を思い出しながらエロい目で読んでやって下さい。
「す・・・すげ〜。一発でイッちゃたよ。
ブラボーのだめ!!最高のフィーリングだ!!オレたちは最高のパートナーだ!」
峰に見初められ、のだめは試験のパートナーになった。
「のだめ、ますますわかりませーん!!」
行き詰まり、茶碗片手に千秋の部屋を訪れるのだめ。
「おまえな・・・わからないならビデオぐらい観ろよ!」
「わたしと峰くんのと全然ちがいマス・・・
・・・先輩、ちょっと相手してくれませんか?」
「1回だけだぞ。
じゃあ風呂入れ。」
(1回ビデオ観ただけでこれだ・・・恐ろしい奴・・・。)
「くっ・・・!」
「あへ〜・・・。気持ちよかったデス、はうん〜」
のだめ昇天。
「オレはあわせるのでいっぱいいっぱい。
最近やってなかったし、やっぱだめだな。」
「え〜〜!?すごくうまいですヨー千秋先輩!」
「なんでだろー?峰くんとはうまくあわせられなかったのに・・・
でも峰くんは“気持ちよかった”って―」
「そーゆーのはいわゆる・・・」
「オナニープレイってゆーんだよ!デスよ。意味はひとりよがり。
「は・・・はい?」
「それから―峰くんは前戯がわかってねぇ!デス!
水音ちっともきいてないだろ1?ひとりで気持ちよく先走ってどうする!?
それから〜、テクニックばっか気をとられるな!
ふい〜・・・以上4つ!のだめからのアドバイスでした―。」
落ち込む峰。
(なにもかも見透かしたように・・・)
「どうせオレはヘタクソだよ!才能なんかねーよ!」
「でも・・・千秋先輩峰くんのことヘタなんて言ってませんでしたよ〜?
‘体位がおもしろい‘とか‘前戯はダメだけど体力はある‘とか、ホメてたしー」
(千秋・・・)
「ね、だから練習しよー峰くん。」
試験当日―
風邪をひいて使い物にならないのだめ。
「もういい・・・わかった。峰の相手はオレがする!ただし、おまえが受だ!」
一発勝負だ!
「そんなーー!」
そして、峰の番―。
「今日はテクニックとかそんなに気にするな。でも、オレ様の技はちゃんと感じろよ―
あとはてきとーに、好きに動いていいから。」
本番開始―。
(ったく・・・好きにしろって言ったとたん素直な奴!
のだめといっしょでメチャクチャだ。でも、あわせてみせる!)
(あ・・・すごい。来てほしいときに来る・・・。
千秋が指揮する。すごい安心・・・。
気持ちがいい――。)
――花畑―――
教官室にて―
「いやーしかし、やっぱり千秋くんてすごいですねー。」
「まったく・・・感動しましたよ。」
「あんなのにあわせられるなんてねぇ。」
「ああ・・・峰くん。」
「でも・・・あのふたり、すごくルックスのよいカップリングでしたねー。」
「ああ!それ、わたしも思いました!」
「迫力あったね―」
「ドキドキしちゃいましたよ―」
・・・教官たちの萌えトークはつづく――(完)
大変失礼いたしました。
職人さん、お帰りお待ちしております。
あっ、ネ申さまが読んでるから逝かなきゃ…!
わはははははは!!!!
超━━━━GJ!!!!最高!!!!こうゆうのってまさにエロパロならでは!!愛してます!!!!
そしてまた書いて!!
私も職人さんに刺激されてヘタレSSを書きました。
来月のkiss発売までの繋ぎ程度に読んで頂けると嬉しいです。
私を温泉へ連れてって
「わあー!すっごい旅館デスね!」
無邪気にはしゃぐのだめの横で俺は
「そうだな・・・。」
とわざと気のない返事で応じた。
今は大晦日。
俺達は山陰地方の有名な温泉街の中でも一番の、全国的にも有名な老舗旅館に来ていた。
―もうすぐコンサートだっていうのに、なんでこんなとこにきてんだ、俺・・・―
と、思わず溜息をついていた。
始まりは12月初めにかかって来た母さんからの電話だった。
「帰ってこいだぁ!?」
母さんからのいきなりの命令に、思わず声を荒立てた。
「そう♪冬休みもパリで過ごすつもり?折角のバカンスぐらい帰ってきなさい。」
言葉は優しいが、その口調には有無を言わせないものがあった。
「悪いけど、来年早々コンサートだし、練習しなきゃならないんで・・・。」
丁重に断ろうとしたら、
「あら、楽団員さん達にクリスマス休暇も与えないつもり?労働基準法違反で訴えられるわよ。」
と、冗談半分ながら、やはり有無を言わせない。
「でも・・・、その飛行機が・・・。」
まだ完全に慣れてないんだけど・・・と言おうとしたら、
「あら仕事でなら乗れるでしょ?母さんの言うことなら乗れないって言うのかしら?
あなたの留学費用は誰が出してると・・・。」
「わかった!わかったから!」
と俺はついに白旗を揚げた。
「そう、よかった♪そうそうのだめちゃんもちゃんと連れて帰ってくるのよ!
旅費は私が全部出してあげるから。」
母さんはけろりといった。
「な、なんでのだめまで!」
と思わず、動揺する。
「あら、のだめちゃんは私の大切な友人よ。当然でしょう?
それにもうすぐ家族になるかもしれないし・・・。」
「なんか、言った?」
小声でぼそぼそ言った内容に思わず聞きとがめると、
「いえいえ、こっちの話・・・。とにかくちゃんと連れて帰って来るのよ。いいわね!」
と半ば強引に押し切られて電話を切られた。
結局、クリスマス休暇に久々に2人で帰国することになった。
無理やりとはいえ、三善家に滞在し、懐かしい仲間に会うのはそんなに悪いとことではなかった。
のだめも、短い期間ながら福岡に帰省し、随分楽しんだようだった。
のだめが福岡から帰ってきた大晦日の前夜、久々に一同が集まった三善家の食卓で、
母さんがおもむろに口を開いた。
「私達、明日から一週間ハワイに行ってくるから、あとよろしくね♪」
彼女の爆弾発言に思わずのけぞった。
「はぁ!?どういうことだよ!人にパリから帰ってこいと言っといて、自分達はハワイかよ!」
「わぁ、ハワイデスか〜。いいデスね〜。」
俺の横でのんきにのだめが答えた。
「まあまあ、なにここで留守番してくれっていってるわけじゃないのよ。
ちゃんとあなた達に正月にふさわしいバカンスを用意しといたから。」
と母さんはおもむろにチケットを取り出した。
「あなた達、明日、ここの旅館予約しといたから行きなさい。列車も手配済みよ。」
そのチケットにあった旅館名は、欧州育ちで温泉に一度も行ったことのない俺でも知っている、
超がつく有名な老舗温泉旅館だった。
「ほわぁ〜、そこすっごい有名な温泉旅館じゃないデスかー。
のだめ、一度でいいから行ってみたかたんデスぅ!」
横からのだめがのぞきこんで感嘆の声を上げる。
「確かに有名な旅館だけど、自分達はハワイで俺達は旅館ってなんか、なんかずるいじゃないか!」
思わず声を荒立たせると、母さんが俺の腕を引っ張って部屋の隅まで連れて行って、俺にそっと耳打ちした。
「馬鹿ね!気を利かせているのがわからないの!」
へっ?と目が点になった俺に母さんは少女のようにいたずらっぽく笑った。
「真一のことだから、忙しくてのだめちゃんのことずっとほったらかしにしてたんでしょ?
クリスマス休暇だってほっといたらのだめちゃんをほったらかして勉強してそうだったし。
お膳立してあげるっていってるの!こういう時はね、しゃれたバカンス地より温泉の方が燃えるのよ♪」
と、笑いながらウインクした。
「・・・・・・!!!」
思わず首まで赤面して俺は絶句した。
―バレてる・・・。俺とアイツがつきあってることも。一線を越えた、そういう関係だっていうのも・・・―
「ということで、早く準備しなさいよ〜。3泊4日だからね♪」
すっかり石化した俺を、母さんは鼻歌を歌いながら背を向けた。
「やったぁ、正月に先輩と温泉ですよ!温泉!先輩、早く準備しましょうよ〜!」
「えー、のだめちゃんいいなー!由衣子もハワイじゃなくて、真一兄ちゃまと温泉行きたいー!」
無邪気にはしゃぐのだめと由衣子にまとわりつかれながらも、俺の石化はなかなか解けなかった。
こうして次の日に、母さん達は全員ハワイへと旅立って行った。
「真一、頑張るのよ♪」
という意味深な発言をウインクとともに残しつつ。
「何を頑張るんですかねー、先輩?」
と俺の顔を覗き込むのだめの顔がなんだか気恥ずかしくて、まともに見ることができなかった。
―こうして今、旅館の前に立っているわけである。
「先輩、先輩!早く入りましょうよー!のだめ寒いデス〜!」
しんしんと降り積もる雪に耐えられなくなったのか、俺の腕を引っ張る。
「あ、あぁ・・・。」
とつられて旅館に足を踏み入れた。
―こいつ、本当にわかってんのかよ。俺と二人っきりで温泉に来るってことはどういうことなのか・・・―
と、のだめのあまりの無邪気さに思わず溜息をつく。
俺が、どんなに今お前を滅茶苦茶に抱きたいと思ってるかなんてまるでわかっていないんだろうな・・・。
もちろん、彼女を体を重ねたのは一度や二度ではない。
もう、何度も重ねているし、正直のだめとのセックスがここまでよいとは思わなかった。
なんというか、体の相性が抜群によくて、そのうえ童顔で無邪気なところから普段はまるで子供みたいなのに、
脱ぐとすごいHな身体をしていて、俺の前だけは恥ずかしがりつつもすごく乱れるところなんか、
俺の好みになんというかぴったりで・・・。
もう、他の女では絶対に満足しないんだろうなと思ってしまう。
もともと性欲は強い方ではない・・・と思う。(峰は俺のことをムッツリスケベとかいうけど)
そりゃあ、男だし、セクシーな女性にまったくぐらつかないといったら嘘になるけど。
彩子とも、お互いその気になった時だけだったし、無理に求めるということはしなかった。
遊びで女を抱くなんてことは、浮気して母と俺を捨てた父への反抗心からも絶対にしたくなかった。
本当に好きになった女しか抱かない・・・これが今でも俺のポリシーだ。
だからこそ、今本気で惚れたと自覚したのだめのことを、
本当は毎日でも一日中でもずっと抱いていたいって思っている。
だけど、のだめの前で本当の自分を出すのが正直怖かった。
俺がどんなにお前を激しく求めているか、
いつも滅茶苦茶にしてしまいたいと思っているか、
それを知られた時・・・嫌われるのが怖かった。
のだめが自分の前からいなくなるということが、
自分にとって耐えられるものではないということがわかっていたから。
それに、のだめに夢中になりすぎて、自分にとって命より大切な音楽をおろそかにしてしまったら・・・
という恐れもあった。
だから、確かにこの一月ほどは忙しさに理由をつけてのだめのことほったらかしにしていた面もある。
自分なりの冷却期間のつもりだったけど、確かに母の言う通り、冷たすぎたかも知れない。
だからこそ・・・折角の母の(よけいな)好意に甘えてみるのも悪くないかなと思い、
のだめに追いつき、その肩を抱いた。
「折角来たんだから、楽しもうな!」
そう言うと、のだめは嬉しそうに俺を見上げて、
「ハイッ!先輩!」
と言って抱きついてきた。
―ヤバイ・・・俺、本当に自分をセーブ出来るんだろうか・・・―
「こらっ人前で抱きつくな!」
と心とは裏腹にのだめを叱りつつ、俺は心の頭を抱えた。
「ふぉぉ・・・、すっごい部屋デスよ〜、ねー先輩!」
部屋に入ったのだめは、嬉しそうに俺に話しかけた。
「あぁ・・・そうだな。」
と俺も部屋をチェックしながら答えた。
確かにすごい部屋だった。
おそらくこの旅館の中でも一番の部屋だろう。
広大な部屋が2室あり、居間と寝室に分かれいる。
部屋から続く日本庭園はいわゆるプライベートガーデンで隅々まで手入れが行き届いている。
それになにより・・・立派な檜風呂でもある大きな部屋風呂とは別に、石造りで出来た露天風呂までその庭についていた。
―いわゆるプライベートバスだな・・・―
その意味する所に思いをはせ、思わず顔を赤らめた。
「ほぉぉ、庭に露天風呂があるんですね〜!すごいデス!
雪で寒そうだけど、入りたいデス〜・・・って何赤くなってるんですか?先輩?」
唐突に俺の顔を覗き込んだのだめは不思議そうに言う。
「な、なんでもない!それより俺は来月のコンサートのために勉強するから邪魔すんなよ!」
と、俺はわざとつっけんどんに言った。
このままだと、俺のだめのこと本当に滅茶苦茶にしそうだ。
―とにかく今は音楽に没頭しよう。のだめとのことは夕食後までに自分を落ち着かせてからにしよう・・・その方がいい―
俺はそう自分に言い聞かせた。
「ええぇ!折角温泉に来たのに、のだめつまんないデス〜!さっき先輩も楽しもうな!って言ってたのに・・・。」
と、案の定のだめが不満の声をあげる。
「うるさい!俺の邪魔すんなよ!」
と言うと、のだめはブツブツ文句を言いながら、うつむいてかばんから荷物を出し始めた。
ちょっと冷たすぎたかなと後悔しつつ、俺もかばんから荷物を出して整理し、勉強を始めた。
「・・・先輩、のだめちょっと出かけてきますよ・・・いいですか?」
のだめがおずおず言ってきた。
「ああ、あまり遠くに行くなよ。」
と、さきほどのこともあり精一杯優しい声で言った。
「大丈夫デス。館内ですから。」
そういってのだめはガラガラと引き戸を開けて出て行った。
―何やってんだろ俺・・・。折角の二人だけの旅行だっていうのに・・・―
我ながら、自己嫌悪に陥る。
どんよりとした気分のまま勉強を続けていること小一時間、ようやくガラガラと引き戸が開き、のだめが帰ってきた。
「遅かったな。どこ行ってたんだ?」
内心ほっとしながら振り返ると、のだめがふすまの隙間から顔を出して笑っていた。
「エヘヘー、ジャーン!見てください!先輩!」
と行きおいよくふすまから飛び出してきたのだめが着ていたものは―
「・・・色浴衣?」
「そうです〜!ここの旅館自慢でたくさんの種類の色浴衣が毎日無料で選べるんデス!
着付けやメイクもタダしてもらえるんデスよ!のだめは3泊4日なので4回違う浴衣が着られるんデスよ!
だから今日は蝶の柄にしてみました。どうデスか〜?テーマはもっとしっかりつかまえて蝶だいデス!」
とくるくるまわるながら、にっこり笑いかける。
「どうって・・・」
淡い水色の生地に色鮮やかな蝶が舞っているその浴衣はのだめの可愛らしさを見事に引き立ている。
栗色の髪には蝶の髪飾りまでついており、薄いナチュラルメイクまでほどこしたのだめはいつもとはまるで別人だった。
―ものすごく似合ってる。すごく色っぽくて可愛いよ。―
なんてこの俺様が言えるわけがない。
「まあ、馬子にも衣装かな。」
と憎まれ口を叩いてみる。
「ぎゃぼー!先輩酷いですぅ!」
とのだめがぷぅと頬を膨らませた。
そこはかな色気をただよわせる普段とは違う浴衣姿と、子供っぽいその行動とのギャップに
思わず笑いがこみ上げる。
「先輩も浴衣に着替えませんか?先輩忙しいと思って一応のだめが今日の分選んでおいたんですけど・・・。
気に入らなかったらいつでも代えていいそうですよ。」
と紺色の浴衣を俺に手渡ししながら言う。
「いや・・・これでいいよ。ありがとうな、のだめ。」
とのだめの頭をくしゃりとなでながら礼を言った。
やわらかい栗色の髪にふれ、彼女の無邪気な笑顔を見て俺は思わずドキッとした。
―ヤバイ・・・俺今すごく欲情してないか?―
思わず手を引っ込める。
「そだ、先輩!外湯めぐりしませんか?さっき女将さんから温泉手形もらったんデス。
折角温泉に来たんだし、勉強もいけど、いい気分転換になりますよ。」
そんな俺の気持ちに知ってか知らずか、俺に木でできた温泉手形と温泉マップを渡しながら無邪気に笑った。
「いや、俺勉強あるし・・・遠慮しとくよ。」
なんだかのだめの目をまともにみれず、顔をそむけながら答えた。
「先輩がそんなこと言ってるなら、のだめ一人で外湯めぐりしちゃいマスよ。いいんデスか?」
また頬をぷぅと膨らませながらのだめが言った。
「勝手に行けば?普段風呂に入ってない分の汚れをここで落としといたほうがいいぞ。」
わざとつれなく答えると、のだめは完全に怒ったようで、
「最近はちゃんと毎日入ってマス!先輩全然私を見てくれないから気づかないだけです!
いいですよ、わかりました!一人で行ってきマス!!」
と言いながら、温泉手形とマップを俺の手から引ったくりながら部屋から出て行こうとした。
俺はやれやれと思いつつ、ふとのだめの言葉が頭にリフレインした。
―最近は毎日ちゃんと入ってますよ!先輩全然私を見てくれないから気づかないだけです!―
そういえば・・・本当に毎日ちゃんと風呂に入って頭もきちんと洗っているようだ。
部屋も綺麗とはまだいい難いけど、それでも以前よりははるかに綺麗にしている。
あんなにズボラだったのだめが・・・そう、確かあれは俺と一線を越えてから・・・。
そこまで思い、俺は思わず立ち上がってまさに部屋から出て行こうとしたのだめの手首をつかんでいた。
そのまま引っ張り、強く胸に抱き締める。
「・・・ごめん・・・」
「先輩、酷いデスよ・・・。ちょっと前までは・・・あんなに優しかったのに、最近すごく冷たくて・・・。
のだめのこともう嫌いになったのかなって・・・飽きちゃったのかなって、すごく不安だったんデスよ・・・?
先輩のために毎日お風呂に入って・・・部屋も精一杯掃除して・・・清潔にしてたのに・・・
先輩全然・・・まともに見てもくれない・・・」
俺の胸野中でうつむきながら、半泣きの声でとぎれとぎれに言う。
「ごめん・・・」
のだめを抱き締める腕に力をこめながら、思い切って胸に秘めてた思いを口にした。
「俺、怖かったんだ。お前に本当の俺を知られるのが・・・。」
そういいながらのだめを見下ろすと、のだめは相変わらずうつむいていたのでそのまま続けた。
「俺さ・・・本当はいつもお前を欲しいと思ってる。毎日でも一日中でも・・・それこそ無茶苦茶に抱きたいっていつも思ってる。
でも、お前にもし嫌われたらって思うと怖くてそんなこと知られたくなかった。
それに、お前に溺れきったら・・・俺の大切な音楽がおろそかになりそうで・・・怖かった。
臆病だったんだな・・・最低だよな・・・俺。」
「陰湿で粘着なのは今に始まったことではないデスけどね♪」
妙に嬉しそうな声に思わず見下ろすと、のだめが嬉しそうに俺を見上げていた。
「なっ!?お前・・・」
思わず絶句すると、
「聞きましたよ!先輩の熱〜い告白!」
と嬉しそうにより一層強く抱きついてきた。
「のだめ・・・!お前なあ・・・!」
と、思わず声を荒立てようとすると、
「嬉しかったデス・・・すごく。」
と再び、顔を胸に埋めながら涙声が聞こえ、思わずトーンダウンしてしまった。
「先輩は、知らないんです。のだめ、先輩だったら無茶苦茶にされたって全然かまわないんですよ?。
ううん、むしろそうされたいって思ってる・・・淫乱な女だってこと・・・先輩全然分かってないデス。
それに、先輩は自分のこと知らなさすぎです。先輩はどんなことがあっても、
絶対に、のだめなんかで音楽をおろそかに出来ない人だってことも・・・のだめ、ちゃんと知ってマスよ?」
小さな肩を震わせながら一生懸命にしゃべるのだめが愛おしくてたまらなかった。
頬に手をやりそっと撫でると、のだめが涙目で見上げてきた。
―愛おしい・・・この女が愛おしくて堪らない―
その感情で心がいっぱいになり、涙に濡れたまぶたにそっと唇を寄せる。
唇で涙をぬぐうと、そのまま頬に流れた涙も唇でぬぐっていく。
そして、唇にたどり着くとそっと唇を落とした。
初めは触れるだけ、そして徐々にお互いの舌を相手の口内に差込みゆっくりと蹂躙していく。
深く・・・激しく・・・お互いの舌に歯茎に自らのそれを絡ませ舐め上げ蹂躙していく。
「ふぅ・・・ん・・・ぁ・・・」
甘い吐息がもれ、静かな室内にくちゅり、くちゅっと淫らな水音が何度となく響き、唾液が唇からもれ顎を伝って首まで達していく。
もう何度となく千秋とのキスを交わしているのだめは、初めての頃とは比べ物にならないほどキスが上達している。
お互いの腕をそれぞれの背中や頭に絡ませ、お互い息をするのももどかしいというように、
深く、激しくお互いの唇をむさぼりながら、強く強く抱き合った。
どれほど時間がたったか・・・やっとなごりおしそうにお互いの唇が離れたとき、つつっと唾液がお互いの舌の間で糸を引いた。
「はぁ・・・」
甘い吐息が漏れたのだめの顔を、千秋が思わず見つめると、その唇からは絶えず甘い吐息が漏れ、顔は真っ赤で、
瞳はは明らかに快楽に酔っていた。
「そんなに・・・よかったか・・・?」
いたずらっぽく聞くと、
「先、輩こそ、顔真っ赤、デスよ・・・。」
とのだめが精一杯の反撃をする。
そんなのだめをもう一度強く抱きしめながら、耳元でそっとささやいた。
「俺・・・今日自分に自信ないんだ。お前を、無茶苦茶にしても・・・いいか?」
すると、のだめも俺の耳にそっと唇をよせてささやいた。
「私こそ、淫乱・・・な女になっていいデスか?」
そう言って、俺の耳にそっと口付けた。
―それが、導火線に火をつけた。
もう、止まらない。誰にも止められない。
今夜、新しい二人が始まる―
とりあえず、今日はここまでです。
エロなしの導入部分で終わってすみません<(_ _)>
続きが出来たらウプします。
お目汚し失礼しました。
537 :
517:05/01/04 19:32:17 ID:4QfwPrzw
>518
ありがd!またネタができたら調子こいて投下するかも…。
ヴァイオリン様、温泉エロ――!!!!!!
つ…続きを〜!!!
股ガクスタンバイおk!!!!
さあ、(エロぃの)来いやあああああああああ!!!(`Д´)/
いや、あの、もうホント、お願いしまつ・・・かうぃてくださぁぃ・・・。
('A`;)
まちどおしいでつ
とりあえず、1回目のH分ができたのでウプします。
なんだか千秋先輩が鬼畜で変態チックに、のだめちゃんが淫乱になってしまいました。
そんな二人は嫌だ!という方はどうかスルーして頂けるとありがたいです。
初回、読み返すと誤字脱字ばかりで本当に恥ずかしいです。
ヘタレssとして見逃していただけると幸いです。
>517さん
ヘタレssなのに続き期待して頂きありがとうございます。
私も517さんのには大笑いしました。
ぜひぜひ、次のネタをお願いします!
>538さん>540さん
続きを期待して頂いて嬉しいです。
こんなヘタレssでも満足して頂けるか心配ですが・・・。
私を温泉へ連れてって
のだめの唇が俺の耳に触れた瞬間―
身体が震えた。
心臓がドクンと鳴り、全身の血が身体の中心に集まってくるのを感じた。
もう自分を止められなかった。
目の前の女が欲しくて欲しくて堪らなかった。
のだめの華奢な身体を強くかき抱き、再び口付ける。
・・・深く、激しく・・・。
何度も何度も角度を変えのだめの口内を存分に味わった。
舌が唾液が絡み合う淫らな水音にますます煽られる。
何分そうしていたか・・・ようやく彼女の唇を解放してそっと見つめ合った。
「大好きデス・・・センパイ・・・」
そう言って、にっこり笑うのだめの顔は真っ赤に上気しており、明らかに快楽に酔っていた。
俺の・・・俺だけの前だけに見せる女の顔・・・。
今までも、今も、そしてこれからも、この顔を見られるのは・・・見ることができるのはこの俺様だけだ・・・!
胸の中に優越感と独占欲が占領し、この上ない幸福感に満たされる。
「本当に滅茶苦茶にするぞ。・・・いいんだな?」
彼女の右の耳朶をそっと甘噛みしながら優しく囁いた。
「こちらこそ・・・望むところデス♪」
のだめもお返しとばかりに俺の左の耳朶に唇をよせ、ふっと甘い息を吹きかけ、小さな赤い舌でペロリと舐める。
思わず、ぞくりとした。
左の耳朶は、のだめが俺との何度目かのセックスの中で見つけた性感帯の一つ。
ここを攻められると、快感が全身を貫きもうどうしようもなく煽られる。
「宣戦布告だな・・・いい度胸だ・・・!」
俺は笑いながらそう言うと、のだめをもう一度強く抱き締めた。
再び唇を耳朶に寄せ、そのままうなじから鎖骨へとなぞっていき、強く吸い上げて所有の証を刻む。
のだめの華奢な身体を壁に押し付け、浴衣の上から胸を優しく揉む。
浴衣の上からもその豊かさ、柔らかさを実感し、ますます煽られた。
強引に衿を肌蹴させ、肩まで押し下げてその豊かな胸を露出させる。
十分に暖房が効いてるものの、外気に触れて一瞬鳥肌が立つ。
だが俺の愛撫を受け、その白い肌が徐々に紅く染め上がっていった。
「・・・下着、つけてなかったのか・・・?」
まろやかな胸を直に揉み、もうすっかり硬くなった乳首を舌先で転がすように優しく愛撫しながら俺は聞いた。
「・・・下着をつけると・・・ん・・線が写っちゃうから・・・あぁ・・・つけないほうが、
いいって・・・はぅ・・・言われたんデス・・・・」
俺の愛撫にもう酔ったのか、のだめが途切れ途切れに答えた。
「へぇ・・・じゃあ下もつけてないの?ぜひ確かめないとな・・・」
俺は意地悪く笑って、左手を浴衣の前みごろから強引に差し入れた。
「ひゃあ・・・!下はちゃんとつけてマスよ!先輩!・・・あん・・・!」
のだめの抗議を無視して、柔らかい太腿をゆっくりと撫で上げる。
赤ちゃんのように、白く吸い付くように柔らかいのだめの肌。
まるで極上の真っ白な絹を撫で上げているかのようだ。
ゆっくりと太腿の内側を撫で上げ、足の付け根に到達する。
そのまま、ゆっくりと下着に触れると・・・もうそこはその役目を果たしておらず、ぐっしょりと湿っていた。
「やらしいな・・・のだめ・・・すごい・・・濡れてるぞ・・・」
そのまま人差し指と中指でゆっくりと下着の上を往復する。
「やん・・・あぁ・・・気持ちいいデス・・・センパイ・・・」
のだめはもう力が入らないのか、ガクガク震えながら、俺の背中にしっかりとしがみ付く。
俺はそんなのだめをしっかり抱きながら、下着の紐を指にかけ、引っ張っりながら取り去った。
そのまま指で、その濡れそぼった部分をそっと優しく撫でる。
くちゅっ、くちゅっと淫らな水音が響き、指に次々と甘い蜜が絡みつき、
堪らずぐいっと人指し指を花芯に突き入れる。
「あぅ・・・!はぁ・・・!」
のだめは堪らず頤をそらした。
のだめの中は相変わらず熱く狭くて、甘い蜜で溢れかえっていた。
俺の指を咥え込んできゅうきゅうと締め上げる。
「あぁ・・・すごい・・・」
俺は思わず溜息をつかずにはいられなかった。
しかしのだめはそれ以上に快感に溺れていた。
―舌先で右の乳首を転がされ、左手は左胸を揉まれ、右手の人差し指で割れ目を貫かれ、
その中指で突起を押しつぶされ―
同時に4箇所を攻め立てられたのだめはもう頭が真っ白になっていた。
「セン・・・パイ・・・のだめ・・・もう・・・」
のだめは堪らず懇願する。
「まだまだ・・・これからだ・・・!」
俺はわざと意地悪く笑う。
―まだまだ俺の欲望はこんなもんじゃない・・・もっともっと滅茶苦茶にしてやる・・・!―
「のだめ・・・中に入っているのはどこの指だ・・・?」
「・・・ふぇ・・・?」
間の抜けたのだめらしい返事に思わず苦笑いする。
「ちゃんと答えないと・・・このままやめるぞ・・・」
そんなこと出来もしないくせに、わざと苛めてみる。
「・・・そ、そんなのヤデス!・・・えっと・・・右手の・・・中指・・・?」
必死に答えるのだめが可愛らしくて、思わず笑いがこみ上げる。
「正解・・・じゃ、これは・・・?」
と次は人差し指指を思いっきり突き入れてみる。
「ひゃぁん!・・・えっと・・・右手の・・・人差し指・・・デスか・・・?」
「正解・・・じゃ、これは・・・?」
「やぁあ!親指・・・以外・・・全部デス・・・」
「正解・・・!よく出来たな・・・」
恋人達の淫らな個人レッスンだった。
四本の指を激しく出し入れするとじゅぶじゅぶと蜜が飛び散り、
その蜜は俺の手首やのだめの太ももをゆっくりと伝っていく。
その指をゆっくりと音を立てて引き抜くと、
「・・・ぁん!・・・」
となごり惜しそうなのだめの声が響いた。
「・・・物足りなかった?」
のだめの顔を覗き込み、わざと意地悪く囁く。
「し、知りまセン・・・!」
真っ赤な顔でのだめはそっぽ向く。
その顔に笑いを堪えながら、のだめの前にしゃがみこむ。
「・・・どしたんですか?先輩」
不思議そうにのだめが俺を覗き込む。
「・・・いいから・・・脚を広げて・・・俺の肩につかまって・・・」
「・・・え?・・・て・・・ひゃあっ!・・・」
のだめは思わず悲鳴をあげる。
俺はのだめの脚を広げ、浴衣の前身ごろを肌蹴させた。
そのまま、のだめの濡れそぼった部分に口付け、舌を差し込んで舐め上げ、溢れる蜜を音を立ててすすり上げる。
静かな室内に二人の荒い息遣いと、ぴちゃぴちゃ、ズズズッと淫らな水音が響き、否応なしに気持ちが高ぶってきた。
「・・・ふあぁっ・・・気持ち、いいデス・・・!・・・センパイ・・・!・・・あぁっ!・・・もっと・・・!」
のだめはもう完全に力が抜けたようで、俺の肩に必死にすがりついてすすり泣くような喜びの悲鳴を上げる。
「・・・のだめ・・・どうして欲しい・・・?言ってみろ・・・」
正直限界を迎えていた俺だが、それでもどうしてものだめにおねだりさせたかった。
「・・・センパイが・・・欲しいんデス・・・お願い・・・入れて、入れて下サイ・・・!」
すすり泣きながら、最後は悲鳴のように泣き叫んだ。
普段の子供のような無邪気さは微塵もなく―そこにはただ愛する男からの快楽に溺れる、淫乱な女の姿があった。
そんなのだめの姿に否応なしに興奮する。
「・・・了解・・・」
高鳴る気持ちを隠し、わざと冷静さを装う。
わざとゆっくりと立ち上がり、ズボンを下着とともに脱いで、ポケットから取り出したゴムをつける。
そんな俺の様子を、のだめは壁にもたれ掛かりながらぼんやりと眺めていた。
浴衣はすっかり乱れきり、袖衣から両方の華奢な腕が脱げて剥き出しになり、
いくつもの所有の証を刻まれた豊かな胸も当然剥き出しで、前身ごろはすっかりはだけきって、
辛うじて帯の部分でのみ引っかかっているという状態は―ただの裸体より遥かにエロティックだった。
「・・・のだめ・・・後ろ向いて・・・」
その言葉に、のだめは素直にゆっくりと後ろ向く。
「・・・壁に手をついて・・・そう、腰をこっちに突き出して・・・」
その言葉にもゆっくりと素直に従う。
乱れきった浴衣を捲し上げ、形の良い白いヒップを剥き出しにした。
ゆっくりとその丸みを撫で上げ、濡れそぼった部分に俺自身を二度三度擦り付け、蜜で潤す。
くちゅりと音がし、その熱さに一気に突き入れたい衝動に駆られた。
「・・・あふっ・・・」
待ち切れないっという風に、のだめは甘い声を上げ、腰を揺らした。
そんなのだめを満足げに見下ろし、先端をゆっくりとのだめの花芯に差し込んでゆく。
「・・・あぁん・・・!」
「・・・あぁ・・・・・!」
思わず同時に声を上げていた。
1ヶ月ぶりののだめの中は相変わらず熱くきつく濡れそぼっていた。
入り口でぐぐっときつく締め付けた後、まるで別の生き物が住んでいるかのようにねとねとと俺自身に熱く絡みつく。
子宮の奥深くまで引き込むようにどこまでも吸い込むその吸引力は・・・抱くたびに常に最高の快感を俺に与えてくれる。
そんなに女性経験が多い方ではないこの俺でも、この身体が極上であることであることはよく理解していた。
―よく1ヶ月も、この身体を抱くのを我慢できたもんだ。―
忙しさにかまけていたとはいえ、自分の忍耐力に我ながら敬服する。
「・・・はぁ・・・」
ぐぐっと最奥まで到達し、お互い身体から湧き上がるあまりの快感の凄さに、同時に溜息を漏らしていた。
「さて、のだめ、どうして欲しい?」
優しくのだめの耳元で囁く。
「・・・ふぇ・・・?」
相変わらずののだめらしい間の抜けた返事に、思わず笑いがこぼれた。
「・・・リクエストは?・・・ソフトに?それとも普通に・・・?それとも滅茶苦茶がいい?」
うつむいていても、顔が真っ赤になっているのが良く分かる。
「・・・滅茶苦茶で・・・お願いしマス・・・」
真っ赤な顔でうつむきながら、ボソボソ小さな声で言うのだめがなんとも可愛らしい。
「・・・了解・・・仰せのままに・・・」
そう耳元で優しく囁くと、ゆっくりと、そして徐々に激しく突き上げを開始した。
わななくのだめの中は俺自身にキツク締め付け、すがりつくように熱く絡みつき、
えもいわれぬ極上の快感が全身を支配していた。
身体中の汗腺から汗が噴出し、俺の唇から絶えず荒い息が漏れ、のだめの背中の上にこぼれた。
「・・・あぁ!・・・そこ!すごく・・・すごくいいデス!・・・センパイ!・・・」
悲鳴のようなのだめの甘い声が響き、思わず腰をつかんでいた両手を離し、そのまま抱きすくめて、
たぷんたぷんと揺れている豊かな胸を揉み上げる。
乳首を摘み上げると、硬く尖り快感を強く主張していた。
左手で左胸を揉み上げ、右手を二人の繋がった部分へ伸ばした。
そのまま、のだめの突起を人差し指で押しつぶすと、
「・・・やぁっん・・・!」
と甘い悲鳴と共に、俺自身への締め付けがより一層強くなった。
小刻みにのだめの身体を揺らしながら、円を描くみたいにぐちゅぐちゅと音を立ててこね回し、
そして激しく突き上げる。
「あんっ!あっ!あんっ!あっ!」
俺の動きに合わせて豊かな乳房をより一層激しく揺らしながら、短く喘ぎ声を上げる。
繋がりから蜜が溢れ、お互いの太ももを伝ってゆっくりと畳に流れていった。
のだめが一番感じる部分―俺が以前見つけたのだめのGスポットに俺自身を擦りつけると、
「きぁあっっ・・・・・・・・!!!」
と絶叫し、膣内を激しく痙攣させ、身体中を震わせて昇りつめたようだった。
だから何度も何度もその部分を擦るように突きあげる。
「・・・センパイ・・・!・・・いっちゃう・・・またっ・・・!・・・あぁっ・・・またっ・・・!」
どうやらいきっ放しになったようだった。
雪積もる大晦日の、一流の旅館の特別室の中―静かな和室で繰り広げられる激しくも淫らな行為は、
ある意味背徳を感じさせ、それがより一層行為を盛り上げさせた。
―俺達まるでケダモノみたいだな―
思わず苦笑いする。
一旦指揮棒を握ると、そこから美しい旋律を奏でだし、その音楽に聴衆すべてを魅了する―
そんな俺が女一人にこんなにも夢中に乱れ溺れきるなんて、師匠も楽団員も聴衆も友人も家族でさえ誰一人
想像できないんだろうなと思う。
のだめも―変態だし、ズボラだし、無神経だし、一見色気ゼロだけど、だけど本当は誰やりも優しくて、
明るくて、童顔で無邪気で、まるで子供みたいで、でも天才的なピアノの才能に溢れているこの女が、
こんなにも可愛くて色っぽくて、俺の前でこんなにも淫乱に乱れるなんて、
誰も想像なんてできないんだろうなと思う。
―お前を誰にも渡さない!絶対に・・・!!!―
のだめを激しく突き上げ、強く強く抱き締めそう強く心に誓った。
「・・・セン・・・パイ・・・わ・・・たし・・・もう・・・ダメ・・・!」
いよいよ限界に近づいてきたのか、もう息絶え絶えという風に、悲鳴のような声をあげる。
俺も身体の中心から射精感を感じ、そろそろ限界に近づいているのがわかった。
「・・・俺も、限・・・界・・・のだめ・・・い・・・いくぞ・・・」
二人の荒い息遣いが部屋を充満する。
ギリギリまで自身を引き抜き、子宮奥深く激しく突き上げた。
「・・・センパイッ・・・!!!」
「・・・のだめっ・・・!!!」
同時に二人の悲鳴をあげ同時に昇りつめた。
のだめの膣内がまるで逃さないという感じで、激しく痙攣しながら収縮し、俺自身を強く絞り上げた。
身体中に甘い痺れが走り、身体の中心に強い射精感が走りぬけた。
思わず顔を歪め、のだめの中にすべての欲望を吐き出した。
のだめは完全に力が抜け、俺達は繋がったままずるずると床にへたり込んだ。
しばらくの間、静かな室内に二人の荒い息だけが響いた。
そっと後ろから優しく抱きしめ、のだめの柔らかい栗色の髪を撫でながらうなじにキスを落とした。
放心状態からようやく意識が戻ったのだめがゆっくりと振り向いた。
そのまま、どちらからともなく口付けを交わす。
室内にくちゅり、くちゅりという音が新たに加わり、なんともいえない幸福感に満たされる。
「よっと・・・!」
俺は繋がったまま、手を伸ばしてティッシュの箱を掴んだ。
そうしてのだめとの繋がりをようやく解く。
・・・ずるり・・・とのだめの中から抜き出すと、
「・・・ん・・・」
と名残り惜しそうなのだめの声が響いた。
素早くティッシュで自身の後始末を行い、のだめの花芯を見る。
のだめの花芯は快感の余韻からか、いまだひくつき、中から蜜がどんどん溢れ出していた。
それをやさしくティッシュで拭う。
「・・・あんっ・・・」
その刺激に思わず甘い声が漏れた。
「どうした?まだ物足りない?」
わざとからかうと、のだめは真っ赤になってそっぽを向いてしまった。
そんな子供っぽい姿が堪らなく愛おしかった。
「・・・のだめ、風呂入ろうか?」
そんなのだめに二度目のお誘いをしてみる。
ちらりと横目で俺を伺っているのがわかる。
「汗、かいただろ?すっきりしないか?」
そう言って優しくのだめの髪を撫でる。
「・・・どっちが、先入るんデスか?」
のだめがそっぽを向いたまま聞いてきた。
「別に一緒に入ってもいいけど?なんなら洗ってやろうか?」
からかうように言うと、のだめはむっくり起き上がり乱れた浴衣に腕を通し始めた。
「一人で、入れマスよ・・・!先、入りマス。」
相変わらず、そっぽを向いたまま風呂場に向かう。
やれやれ、ちょっとからかいすぎたかなと思ってると、風呂場のドアの前でぴたりと立ち止まった。
「先入って・・・待ってますから・・・。」
そう言ったのだめの顔は後ろから見ても明らかに赤くなっているのがわかった。
そう言うなり風呂場のドアをあけ、ぴしゃんと閉めてしまった。
冗談で言ったのに・・・なんだかつられて俺まで赤面してしまった。
でもまあ・・・それも悪くないかもしれない。
そういえば風呂場でスルのは、初めてだということに気づく。
「まあ大晦日だし・・・温泉だし・・・勉強は明日でも・・・」
と我ながら苦しい言い訳を呟きながら、入浴の準備を始めた。
一応、1回目終わりです。
次の露天風呂編は続きが出来次第ウプしたいと思ってます。
ヘタレすぎてもう来るなと言われたらどうしようかと正直ドキドキしています。
では、お目汚し失礼しました。
ネ申降臨・・・!!
おつかれさまです。すばらしくエロくてたっぷり堪能させていただきました。
意地悪な千秋が素晴らしくエロいです。
もう何回でもしてくださいって感じです。
ヴァイオリンさん、もう来るなどころかむしろ毎日来て欲しいです(w
首を長くして待っておりますので、焦らずがんばってくださいね。
と、いうか、ここ最近のこのスレって凄くないですか…?
来る人来る人、職人さんのレヴェルが物凄く高い気がする。
職人さん方、残らず読ませてもらってますのでいつでも降臨してくださいね!
>514-516
禿ワラタ。まさにGJ!て感じ。
こういうのも大好きですよ〜!
「オレがする」とか最高です。GJ!!
新年早々萌えてしまいましたよ…!
千秋が若々しくていいですねー。
続きお待ちしてます。
峰の裏試験には爆笑しました。まさかこういう発想があったとはww
GJです!
ブラッッヴォーーーーーーーー!!!!!!!!!!
乙です。爽やかに股ガクキターーーーーーーーーー!!!!!!!!! ∧∧
そして続きがあるって言うじゃない???? Σ(゚Д゚;)
是非!!露天風呂編を!!!!〈ハアハア) ( \/) ガクガク
待てマス!!!キボンヌ警報発令中。 ")Y(”
∪ ∪
ヴァイオリン様
激しくGJです!
>「・・・了解・・・仰せのままに・・・」
このセリフに完全にノックアウトされました。
千秋萌え〜〜〜!!
続き楽しみにしてます。
本年最初の投下おつかれさまです。
新年一発目の投下で年の暮れにもう一発ってことですね。(再びオヤジギャグ失礼)
とても萌えました!
濃厚なエロさが伝わってきて、千秋とのだめの表情が思い浮かびます。
文章上手いですね。
プライベート・バス、楽しみにしてますよ〜。
>557
気持ちは非常にわかるんだが、同志よ、もう少し落ち着こう。
空気を読んで、まずは他の人の書き込みに合わせることから始めような?
>559 スマン・・・・。_| ̄|○
あの時はちょっと一人で盛り上がってしまた・・・。切腹したい・・・。
以後気をつけます故、おるゆしください。(お許しください)
しばらくレスるのを自粛しまつ・・・。パタ。
職人の皆様、凄すぎます。。。
激しく萌えますし、その上いろんな勉強になるわー。
ハジメテの時の作法(?)とか。「普段は理性が勝ってる男」の心の内?とか。
ヴァイオリン様の前半の千秋モノローグ、とっても良かったです。上手いですね!
ちゃーんとポケットにゴム入れてた千秋にニヤニヤ。
感想に、股がどーのとか書く人がちょっと気持ち悪いです。。。
そうですか?エロパロ板だし、あれくらい別にいいのでは?と思いました。
でも落ち着きはないかもしれませんね…。
私も千秋に温泉旅館で滅茶苦茶にされたひ…。
>563、564
こんなの書いたら、ブラクラみたいですね。説明が足りませんでした。スミマセン。
『のだめカンタービレキャラクターチェック』です。
ちなみに私は『清良タイプ』でした、、、、
>565
「彩子タイプ」ですた。
そういえば彩子タンにはついつい感情移入してしまうのね・・・
もう出てこなさそうで、残念。
>564
千秋様タイプですた。
のだめのモノローグって、考えづらいんだよね。
作中でも、千秋のモノローグで進んでいくからなー。
今、いろいろ書いてるんだけど、エチー導入部までがすごく長くなってしまったよ。
その代わりすごくエロくしてやろうと考えている…フフフ……
露天風呂編、出来たとこまでウプさせて頂きます。
前回、のだめちゃんがあまりにも淫乱だったので
のだめちゃんを主体にして、少し補完させて頂きました。
その分、エロ極少です。
露天風呂どころか、洗い場までしかいっていません。
二人が別冊少女コミックのように純情です。
正直、のだめちゃんを主体にするととても難しかったので、
次は千秋先輩を主体にして、今度こそ濃厚エロにするつもりですので、
どうか、どうか怒らないでお待ち下さい。<(_ _)>
皆様、身に余るお言葉ありがとうございます!
皆様の暖かいお言葉が、こんなヘタレss書きながら
すごく創作意欲の励みになります。
本当にありがとうございました!
>557さん
そんなこと言わずにまたぜひ感想を書いて下さい。
本当に嬉しかったです。
>567さん
ありがとうございます!
出来たらぜひ読ませてください!
楽しみに待ってます。
カコーンと檜でできた湯桶の音が響き、温泉の注ぐ水音が静かに聞こえる。
「ふうっ・・・」
汗だらけの身体に熱い湯を浴び、ほっと溜息をつく。
ほんのり檜の香がする檜風呂は外からガラス張りになっており、
外に続く露天風呂が見え、その向こうで見事に手入れされ、雪に彩られた美しい日本庭園が見えた。
風呂椅子に座ってぼんやりそれを眺めていると、先ほどの先輩との激しい情事が嘘のように思えた。
ふっと自分の身体を見下ろす。
その胸に鎖骨に腕にその情事の証である、紅色の刻印が無数にしっかりと刻まれていた。
ついさっきまで、先輩の美しい唇が指が手がそして先輩自身が、
私の唇に、耳朶に、うなじに、鎖骨に、胸に、乳首に、腕に、手に、太ももに、そして私の一番恥ずかしい部分に触れ、
舐め上げられ、愛撫され、激しく突き上げられたていたことが、まるで夢の中のようで信じられなかった。
そんな先輩の愛撫に我を忘れてあえぎ声を上げ、快楽に酔っていた自身を思い出し、急に恥かしくて堪らなくなった。
「はうぅ・・・、先輩どう思ったんでしょうね〜。」
学生時代から、部屋の汚さとか、不潔さとか、料理の不味さとか、全部ばれていて(というより自らばらしていて)、
今更という気がしないではないものの、やはり男女の情事に関しては、さすがの私も恥じらいを感じずにはいられなかった。
あの日―初めて先輩と一線を越えてから、先輩は夜毎私を求めてくるようになった。
でもそれは、先輩らしくあくまで紳士的で、けっして無理強いはせず、いつでも私の身体を労わりながらのセックスだった。
だから、先ほどの嵐のような激しいセックスは初めてで、私も正直戸惑いの中にいた。
―本当はいつもお前を欲しいと思ってる。毎日でも一日中でも・・・それこそ滅茶苦茶に抱きたいっていつも思ってる。
でも、お前にもし嫌われたらって思うと怖くてそんなこと知られたくなかった―
さきほどの先輩の告白を思い出し、思わず顔がかあぁと火照ってきた。
そんなこと思っていたなんて・・・思われていたなんて・・・全然知らなかった・・・。
てっきり、嫌われてると・・・飽きられてると思っていたから・・・。
つい1ヵ月前の夜をふと思い出す。
あれはオクレール先生の特別レッスンが夜遅くまで続いたある夜、千秋先輩が久しぶりにパリに帰って来ていた。
久しぶりの再会に、
「千秋センパーイ!会いたかったデース!」
と抱きつきながら喜びを表現しつつも、欠伸をしつつ自室に帰ろうとした私の首根っこを先輩が掴んだ。
「・・・おい・・・どこ行くんだ・・・?」
明らかに不機嫌に凄む。
「どこって・・・のだめの部屋デスよ?もう寝に行かなきゃ。お休みなさ〜い♪」
能天気に答えてくるりと背を向けると、さらに強く首根っこを掴んで引っ張られた。
「おいっ!折角久しぶりに会ったっていうのに・・・!色々・・・することがあるだろ?」
明らかに真っ赤になった先輩に、けろりと言った。
「先輩〜、のだめ最近レッスンが忙しくてすっごく疲れてるんデス。話なら明日にして下サイ!」
そう欠伸をしながら言うと、呆然としている先輩の鼻先でバタンとドアを閉めたのだっった。
その夜から、先輩は一度も私の身体を求めなくなった。
いつも忙しそうで、たまに帰ってきても自室に閉じこもってずっと勉強と練習をしていた。
食事を共にするものの、なんだかまともに目を合わせてくれず、話もなんだか上の空で、
食事が終わるとすぐ部屋から追い出された。
そんなこと、以前の先輩なら日常茶飯事だったのに、やはり一線を越えた後の行動だっただけに、
先輩に嫌われたのかとすごく不安で寂しくて・・・おにぎり作りに行ったり、頑張って部屋の掃除をしたり、
念入りに身体を洗ってみたりしてみた。(入浴や洗髪は、一線を越えてからは毎日するようにしたけれど。)
でも、無視され続けた状態が続いたある日、先輩から突然日本に一緒に帰るように言われた。
「むきゃ?のだめも一緒に帰っていいんデスか?」
洗濯物が溜まっていてパジャマの着替えがなく、しかたなくTシャツ一枚で応対したのだめに、
先輩はなぜか赤面した顔をそむけながら答えた。
「ああ、母さんの命令だからな。お前も早く洗濯物を洗濯しろよ!日本に着替えを持って行けなくなるぞ!」
そう言うとバタンと乱暴にドアを閉められた。
―先輩・・・まだあのこと怒ってるんデスかね・・・先輩はもうのだめのことなんか嫌いになりましたか・・・?―
その時、ふっと窓から月の光が差し込み、辺りを照らした。
―パリの月光浴デスね―
そう思い窓際に行って満月を見上げていると、ベッドサイドにいつかのミルヒーから貰った時計が
淡い月明りに照らされていた。
「・・・これ・・・前に先輩がここに置いていったんだ・・・。」
―先輩の幼少期の傷を見せてくれ、癒さす手伝いをさせてくれた、魔法の時計―
そっと手に取り、そのまま洗面台の鏡の前に立つ。
「のだめにも、魔法をかけてくれませんか・・・?」
そう小さく呟くと、時計の鎖を振り子のように揺らしながら、のだめは時計と鏡の中の自分の顔を同時に見つめる。
「・・・どうか、先輩が今度私を求めてきたら、素直に受け入れることが出来る・・・可愛い女にになれますように・・・。」
そのまま、じっと揺れる時計を見つめていた。
「・・・バカみたいデスね・・・時計なんかに頼らないで、自分で解決しなかきゃいけないことなのに・・・。」
そう呟くと、時計をいつかのハート型のオルゴールにしまった。
「日本に帰ったら、先輩に思い切ってぶつかってみましょうネ・・・。」
ベッドに潜り込み、窓から見える月を眺めながら、まどろみの中、そう呟いた。
―もしかして、あの催眠術が本当に効いちゃったんデスかね〜!!!―
そこまで思い、のだめはサーッと血の気が引いた。
そう思うと、普段言わないような恥ずかしいことをいっぱい言ったりやったりしてた・・・気がする・・・。
淫乱な女が・・・どうとか・・・滅茶苦茶・・・とか・・・。
「はうぅ〜!恥かしいデス〜!!!」
思わず両手を押さえて絶叫していた。
「何が恥ずかしいって?」
風呂場によく響くこの素敵な声の持ち主は・・・。
「何さっきからお前青くなったり赤くなったりしてんの?ほんっと変な女。」
そう言いながらも先輩の声と表情は優しさに満ちていた。
「せ、先輩〜!な、何入ってきてるんですか!」
思わず、慌てふためく。
「何って・・・おまえが待ってるって言ってたからだろ?」
そう言うと、先輩はに右手に持っていた湯桶を水道台の上に置き、左手に持っていた風呂椅子を私の後ろに置いた。
「さて。」
と先輩は私の後ろに座りにんまりと意地悪く笑った。
「ほぇ?」
思わず、身体を隠すことも忘れて聞き返す。
「さっきの約束。身体洗ってやるって言っただろ?俺は約束を守る主義なの!」
そういうと、シャンプーを手に取り、掌に出した。
「久しぶりに洗ってやるよ。頭。」
そう言って、優しく私の髪に触れた。
「先輩・・・いいデスよ〜!」
と慌てふためきながら逃げようとした時、ふと、目の前の洗面台の鏡の中の写っている自分の目が合った。
すると―
「・・・先輩。優しく・・・お願いしマス・・・。」
そう言いながら、振り向きつつ先輩の首に手をまわして自ら唇を重ねた。
―あ、暗示、まだ解けてなかったんデスね〜!!!―
と内心思いつつも、こうして先輩に素直に甘えることが堪らなく心地よかった。
―なんか、このままでも悪くないかも・・・―
暗示にかかっていることを自覚しつつも、それに甘んじて受け入れることにした。
先輩の唇を、舌を絡ませ、歯茎をなぞり、強く吸い上げる。
「・・・ん・・・あふ・・・」
風呂場の中でお互いの舌が絡まる音や吐息がエコーされ、身体の中から何かが熱く燃え広がった。
じんわり、先ほど先輩が入っていた部分に再び熱いものが溢れ出すのを感じた。
そのまま、全裸のまま強く、強く抱きあい、お互いの唾液をむさぼり合った。
やっと先輩の唇を解放したとき、先輩はなんだかワインに酔っているような顔をしていた。
「・・・今日のお前って・・・本当に別人みたいだな・・・。」
そう言いながら強く抱き締め、私のうなじに唇を落として強く吸い上げた。
「・・・こんな・・・のだめは・・・ん・・・イヤ・・・デスか・・・?」
内心ドキリとしながらそう聞く。
「・・・とんでもない!・・・ただな・・・」
そう言って先輩は私の拘束を解き、優しく見つめる。
「俺は・・・のだめなら、なんでもいいよ・・・。
変態でも、無神経でも、ズボラでも、恥ずかしがりでも、淫乱でも、痩せてても、太っても、年取っても・・・
そのままの、ピアノが大好きなのだめがいいな・・・。」
優しくそう言って、再び強く強く抱き締められた。
「・・・さ、髪洗ってやるぞ・・・って、おいっ!何泣いてんだ・・・!」
今度は先輩慌てふためく番だったが、私はボロボロ零れる涙を止めることが出来なかった。
―私は、何をこんなに悩んでいたんだろう・・・
目の前のこの人は、誰よりも優しくてこんなにも私を想っていてくれたというのに―
私は、ただ大好きな胸の中で子供のようにわんわんと泣くことしか出来なかった。
先輩はただ、優しく私の身体を抱きながら子供をあやすようにずっと髪を撫でてくれていた。
「・・・落ちついたか・・・?」
やっと落ち着いてきた私に、先輩が優しく囁いた。
「・・・ハイ・・・ゴメンナサイ・・・。」
私はしゃっくりをあげながら答える。
「・・・全く、いきなり泣き出したりして、おまえって本当に変な女だな・・・。」
言葉はきついけど、私を抱くその手と口調はいつになく優しかった。
「・・・先輩・・・。」
「・・・ん?」
先輩は優しく私を見つめる。
「・・・1ヶ月前は・・・先輩を拒んで・・・ゴメンナサイ・・・。」
うつむきながら、1ヶ月間ずっと言いたかった贖罪の言葉を口にした。
「・・・いや、俺こそ・・・ごめんな?無理強いして。」
そう言って、先輩は私をより一層優しく抱きしめた。
「・・・あの後、すごく反省したんだ。おまえも一生懸命ピアノを頑張ってんのに、無理に抱こうとしてさ・・・。
俺のやってることはすごく無神経なことだって気付いたんだ。
だからおまえと少し距離を見守ろうって思ったんだけど・・・。」
そこで一旦言葉を切った先輩は、なんだか妙に顔を赤らめながら続けた。
「・・・だけど、おまえを身近に見てると・・・その・・・無理やり抱きたくて・・・我慢できる自信がなかったんだ。
だから、わざと突き放して、冷たくしてたんだ。・・・本当にごめんな・・・?」
そう言って、私の唇にそっと唇を寄せてきた。
触れるだけのキスなのに・・・まるでしびれるように体中に快感が広がってゆく・・・。
―なんてこの人は優しくて・・・そして暖かい人なんだろう・・・―
この人の腕に抱かれ、愛情を注がれることに、体中が幸福感に満たされる。
―この人が求めることなら、どんなことでもしたい・・・どんなことだって・・・―
先輩の腕に抱かれながら、ふと、鏡を見る。
そこに映っている自分を見つめていると、やっとわかったような気がした。
―私は暗示にかかってたんじゃない。大好きな先輩のためだからこそ、先輩の望む女になりきりたかったんだと―
「・・・先輩?」
「・・・うん?」
先輩は優しく答え、私の顔そっと覗き込んだ。
「・・・さっき、先輩はのだめならなんでもいいよ・・・!って言ってくれましたけど、本当デスか?」
真剣な顔で先輩の顔を見つめる。
「もちろん・・・!嘘じゃないぞ?」
と、先輩は優しく答える。
「・・・じゃあ・・・今日はどんなのだめがいいデスか?」
「はぁ!?どんなって・・・。」
突拍子のない質問に明らかに面食らっていた。
「いつも通りの、恥ずかしがるのだめがいいデスか?それともさっきの淫乱なのだめがいいですか?」
なおも食い下がる。
「・・・どっちかって・・・まあ・・・どっちかっていったら・・・そりゃあまあ・・・さっきの・・・淫乱な・・・のだめかな〜!?」
顔をあさっての方を向けて、真っ赤な顔をしながらぼそぼそと呟く。
「・・・わかりました!先輩!今日は先輩の希望通りののだめになりマス!」
「はぁ!?おまえ何言って・・・。」
戸惑う先輩を尻目に、風呂椅子に座りなおし、
「先輩!シャンプーして下サイ!」
そう言ってにっこりと先輩に笑いかけた。
以上です。
(題名を付け忘れましたが 私を温泉へ連れてって です)
なんだか、書いてて2人がなんだかのだめと千秋とどんどん離れていくようで、
すごくあせりました。
次回こそは・・・!
千秋先輩主体で濃厚エロにリベンジしたいと思っています。
こんなヘタレssにお付き合い下さって本当にありがとうございました。
ただのエロ小説の登場人物をのだめと千秋に置き換えただけだな(;´Д`)
>>579 ここ、エロパロ板だからね。いーーんじゃなぁい??
>ヴァイオリン氏
GJ!今回ものだめかわいくて良かったですよ。
前回、のだめが少し大胆だと思ってたらそういう事情があったのかw
次も楽しみに待ってます。
な、なんか幸せな気持ちになりまつた。カムサムニダ。
なんかこれだけは言いたくて・・・。(自粛するって言ったのに・・・)
ヴァイオリンさんのお言葉に甘えて感想をレスってしまいました・・・。
幸せ温泉小説有難う御座いました。
次回も楽しみにしてます。
のだめ&ヴァイオリンさんマンセー。
ヴァイオリン氏GJ!!是非温泉旅館続編を!風呂場で何が!
皆様、感想本当にありがとうございます!
どの感想もすごく嬉しかったです。
創作意欲の原動力にもなり、本当にありがとうざいました。
でも、こうして読み返してみると、他の職人さん達があまりにも素晴らしいだけに
自分の文章の稚拙さや痛感し、推敲段階では見つけられなかった誤字脱字を見つけるたび、
我ながら本当に恥ずかしいです。
正月休みも終わったことですし、新刊を読んで、改めて大好きな千秋&のだめ萌えを
十分に充電してから続きを含めて出直しできたらいいなって思います。
その時にお付き合いして頂けたら幸いに思います。
他の職人さんの降臨もぜひぜひお待ちしております。
では、失礼します。
>ヴァイオリン氏
うおー、GJだよー。
待ってるから、是非続き書いて欲しい。
温泉、って淫靡でいいよね。そのシチュエーションにもかなり萌えたよ。
そしてのだめが可愛い……。
ほんとにまってるんで。よろしくお願いします。
んで、つなぎといえないほど長いのですが、しかも完結してなくて途中までですが、
投下させてください。すいませんです。
一ヶ月ぶりのシャルル・ド・ゴール空港。
南ヨーロッパでの演奏旅行を終え、続いて北米へと向かうツアーの合い間にパリへと帰ってきた。
滞在期間は二日間。
それほどゆっくりもできないが、それでも気持ち的にはほっとする。
ただ、やはりまだ飛行機には慣れない。
「もー、いいかげん慣れたらどうなんデスか」
「…すいません」
千秋は青ざめた顔で、師匠の後ろをよろよろと歩く。
「あのフライトアテンダント、とおーっても好みだったのに、千秋がずっと腕組んで離さないから、
変な勘違いされたじゃないデスか」
「…まさかそんな……勘弁してください……」
「勘弁して欲しいのはこっちデス!!」
ぶつくさ言われながら到着ゲートをくぐると、派手な日本語の文字が目に飛び込んできた。
「あ、センパーイ!!こっちこっちーー」
『千秋先輩おかえりなさい』と書かれた紙を手にして、のだめが大きくてを振っている。
「おー、のだめちゃーん。お出迎えご苦労サマー」
「おぅーミルヒー!ミルヒーも一緒だったんデスか。久しぶりですネ!元気でしたか?」
「なんだ、来てたのか…ていうか、何ソレ」
「午前中でガコ終わったから、迎えに来たんデス。来る事言ってなかったから、
のだめがいるのすぐわかるように書いてきました」
下手な字、色使いのセンス無し、とこき下ろしながらも、千秋は顔がうっすらと微笑んでしまうを隠せない。
のだめは頬を上気させ、嬉しさが溢れんばかりに笑っている。
「…のだめちゃん……ほう、へぇ……」
「何デスか、ミルヒー?」
シュトレーゼマンはのだめの全身を何度か上下に見やった後、これ以上ないくらいいやらしい顔つきで視線を千秋に向けた。
「へえ、そういうことでしたか、千秋。うぷぷ」
ニヤニヤと笑い、千秋の顔を覗き込む。
「なっ、なんですか?!」
そう言いながらもシュトレーゼマンの視線と言葉の意味する事はなんとなく理解でき、千秋は赤くなった顔をそむけた。
「のだめちゃん、大人になってしまったのですネ…何だかフクザツです」
「えー?のだめ、先生にまだベーベちゃんって言われますけど?」
「あはは、そういうところは相変わらずなんですネ…ちょっと安心デス」
「…のだめ、カート持ってこいよ。荷物多いから」
これ以上詮索されちゃたまらない。話をそらせるため、のだめにそう促す。
のだめははーい、と返事をしてロビー端の方へ駆けて行った。
「……ちゃんと二つの気持ちに決着つけたわけですか」
「…そのつもりです」
真顔にかえったシュトレーゼマンに問われ、千秋も真顔でそう返した。
シュトレーゼマンは大きくため息をつき、のだめの行った先を見、目を細めた。
「……やっぱり処女喪失すると、女性は変わるものですネ〜」
千秋は飲みかけていたエビアンにむせ、激しく咳き込んだ。直接的な言葉を言われ、羞恥に赤面する。
「な…何言って…何でわかっ……」
「言ったでショ。百戦錬磨の私をナメるんじゃないですヨ。それ位の事察知するのは朝飯前デース」
「くっ…このエロジジイ……」
「千秋だってエロイ事をのだめちゃんにしたんでショ」
千秋はもう何も言えず、項垂れるだけだった。
「しかし。しばらく会わない間にあんなになるなんてネ…」
「何の話です?」
「気づかないんデスか、千秋。のだめちゃんに漂い始めた色香に」
「はぁ〜?色香〜?!…あいつには縁遠いモノですよ。相変わらず、まんまですよ」
心底呆れた、という顔で、シュトレーゼマンはまたも大きくため息をついた。
「わかってないですネ、千秋は。追いかけられるのに安心してると、いつの間にか追い越されますよ」
「……?」
「…これからが大変だと言ってます。彼女は磨けば特等の女性になるでしょう……私の目に狂いはないデス。
……千秋は色恋と女に関してはまだまだ勉強不足ですね!」
そう言って、シュトレーゼマンは得意げに、そして意地悪げに笑った。
人をかき分け、がらがらとカートを押しながらのだめが帰ってくる。
「持ってきましたよー」
「おー、のだめちゃーん、メルシィ〜」
のだめに、女の色香?まさか、そんな馬鹿な……あののだめだぞ。
そう打ち消しながら、しかし千秋はのだめの顔をはっきりと見る事が出来ない。
シュトレーゼマンにのだめと関係を持った事を気取られ、且つ、のだめの変化について指摘された途端、
何故かやけにのだめの笑顔がまぶしく見えて、気恥ずかしい。
「ミルヒー、おみやげの袋ばっかですね。誰かに配るんですか?」
「色男はね、大変なんですよ〜」
「キャバクラでばらまくつもりなんだろ、どうせ。どこ行ってもこれなんだからな。
やるだけ無駄だからやめればいいのに……」
「千秋!うるさい!!いいから運びなサイ!!!」
二日後のスケジュールを確認して、シュトレーゼマンと千秋たちは空港のタクシー乗り場で別れた。
タクシーは陽の落ち始めたパリ市街を抜けていく。
千秋は、別れ際にシュトレーゼマンの放った言葉が頭を離れないでいた。
『捕まえておかないと、横から奪われますよ』
まさか、こんなヤツを好きになるやつがいるだろうか?
パリの街をタクシーの窓越しに見ているのだめの横顔をちらと見やる。
いや、黙ってればそれなりに可愛く見えない事もないか……?
黒木君の事もあったし……。
いやいや、だからこそ実態を知ったら幻滅だろ……ってちょっと待て、実態を知ってる俺は何なんだよ……。
「はああぁぁ……」
「どーかしましたか?先輩」
「え……いや、なんでもない……」
「飛行機慣れたみたいですねー。よかったデスね!」
「……慣れねーよ、まだ」
「うきゅ……まだデスか」
いつも通りの会話を交わす。
……初めて抱き合った日から、もう3ヶ月もたつ。
幾度となく体を重ねてきたものの、甘い時間を過ごすのは二人きりでどちらかの部屋にいるときだけ。
外で、誰かの目のあるときは今まで通りの状態を保っている。
『恋人同士です』と言わんばかりの恋におぼれたバカップルの真似のような事を、のだめは
したがった事もあったが、今更そんな事も出来もしなかったし、なにより千秋の性質がそれを許さなかった。
恋に溺れるなんて、愚かな事。
そういう考えが、どこかにあった。
「……なんだ、お前。口紅塗ってんのか」
のだめの唇がきらりと光るのを見て取ると、窓の外を見ていたのだめの顎を掴んでこちらを向かせた。
「グロスですヨー。この間買ったんです。キスキスグロスって言うんです」
似合いますかー、と唇を突き出してみせる。
千秋の良く知る、ぷっくりとマシュマロのような感触の唇が、ピンク色に色づいて艶々と光っている。
それは誘うように艶やかで……
「ふん!……のだめのくせに色気づきやがって!!」
千秋はすぐにでもその唇を堪能したかったがその衝動を抑え、代わりにのだめのおでこをぺしっと叩いた。
「ぎゃぼーーひどいデスー!」
シュトレーゼマンがああ言ったのは、きっとグロスを付けているせいだったのだろう、と千秋は心の中で結論づけた。
「先輩のためにつけたんですヨー。熱烈にキスしてくれるかな、と思って……先輩、グロスは嫌いデスか?」
拗ねたように頬を膨らませて、またのだめは窓の外へ目を向けた。
「大好きな先輩に一ヶ月ぶりに会えるから、おしゃれして来たのに……」
ちくりと胸が痛んで、千秋は悪かった、と謝った。
のだめに出会って、あのピアノの連弾を終えたときだったか。
あれからのだめには事あるごとに、思いをぶつけられてきた。
うっとうしいだけだったものが、今では快く優越感を刺激して、甘く心を満たす。
そうなのだ。
のだめは、誰よりも自分を愛しているはず。
この、俺様を。
そういう慢心が少なからずとも千秋の中にはあった。
「のだめ、お腹ペコペコですー。何か食べに行きましょ、先輩」
「そうだな。俺も飛行機に乗るために朝から何も食べてないんだ。一段楽したらカフェに行こう」
「ぎゃはぁ、賛成!」
「…ところでお前、俺の部屋汚してないだろうな?」
「もちろんデス!!のだめ、がんばりました!!」
自室のドアを開けると、一ヶ月前自分が出かけて行った時の状態が保たれていた。
「へえ。綺麗じゃん…」
えっへん、とのだめは誇らしげに胸を張る。
「まさかこういうところに全部突っ込んでないよな?」
黒のロングコートを脱ぎながら、千秋はクローゼットを空けた。
中はきちんと整理整頓されたままだ。
「ぎゃぼ…!ひどいですネ。よく見てくださいヨ、ほらほら!」
続きの部屋へとのだめに引っ張られ、千秋は驚いた。
保たれているどころか、ダイニングテーブルには色鮮やかな切花が、窓辺には可憐な花を咲かせた鉢植えが置かれている。
「どーしたんだ、これ?」
「綺麗ですよねー。通りの花屋さんのお兄さんが、いつものだめに、ってくれるんですヨ」
「はあ〜?なんで……」
「さあ、どうしてでしょうね?……それより、先輩……」
のだめは千秋の腕に、自分の腕をそっと絡ませた。
「一ヶ月ぶりなのに、まだキスしてくれないんですか?もう、誰も見てませんよ……」
いたずらっぽく千秋の顔を覗き込み、ふっくらとバラ色に染まった頬で囁いた。
その囁きに誘われるように、千秋はのだめに顔を近づけていく。
キス。
さっきからずっと待っていた、柔らかな唇。
甘い甘い、ヴァニラの香り。
腰に腕を回して軽く抱きしめると、そのうれしさにのだめは鼻を鳴らし、腕を千秋の首に優しく絡めていく。
ちゅっと音を立てて、唇を離した。
「……おかえりなさい」
「……ただいま」
片方の手でのだめの柔らかな頬を愛しげに撫でる。
もう一度深く……
「RRRRRR……RRRRRR……」
……不意な電話のベルに中断される。
あからさまな不機嫌顔で、千秋はのだめから離れて受話器を手に取った。
コンクール事務局からの電話に、千秋はバッグからシステム手帳を取り出し、スケジュールの確認をし始めた。
コンクール優勝者に与えられる一年間のプロモーション期間。
昨年のパリデビューの公演で成功を収めてから、ありがたいことにいくつかの楽団からオファーが来ている、という。
どうやら、この電話は長引きそうだ……。
千秋は荷物を解き始めたのだめを手招きし、手帳の端にペンを走らせた。
"長引きそうだから先に行ってて"
のだめは頷いて千秋の手からペンを取り、その下にこう書いた。
"早く着てくださいネ"
語尾に、かわいらしくハートが踊る。
そうしてペンを千秋の手に戻すと、のだめは千秋の肩に手をかけて精一杯背伸びをし、頬にキスをした。
千秋は受話器の向こうの人間と話を続けながら、口の端を緩めて頷いた。
ようやく受話器を置いた頃には、既に30分が経っていた。
千秋はとりあえず荷物の中からランドリー袋を取り出し、中身を洗濯機に入れスイッチを入れた。
ジャケットを脱いでVネックのセーターを着ると、クローゼットからピーコートを取り出し、羽織りながら部屋を出た。
外はもうとっぷりと日が暮れて、冷たい風が頬を刺すようだ。
のだめのことだから、腹をくうくうと鳴らせて待っている事だろう。
その姿が目に見えるようで、千秋は苦笑した。
自然と足早になる。
交差点で足を止められ、向かいの角のカフェに目をやると、窓際にのだめを見つけた。
頬杖をついて、カフェオレをスプーンでかき混ぜている。
その時、千秋の心臓はどきっ、と一瞬大きく波打った。
唇に薄く微笑みを湛えて目を伏せたその横顔は、はっとするほど綺麗で、千秋の知らない別人のようだったから。
……いつの間に、あんな表情をするようになったんだろう。
自分の知らない間に、のだめが綺麗になっていってしまうようで、焦りにもにた感情が胸を占める。
ぼんやりと見つめていると、見知らぬ男がのだめに声を掛けているようだった。
ずうずうしくも隣の席に腰掛け、必要以上に顔を近づけて、何かを話し掛けている。
……ナンパされているようだ。
のだめは首を横に振りながら、必死に断っている様子だったが、いつのまにか手を握られている。
「あのヤロー……」
千秋はイライラしながら交差点を足早に渡った。
「俺の連れに何か用か?」
のだめの髪に触れようとしていた無骨な手を払いのける。
見知らぬのその男を見下ろし、にらみつけて威嚇する。
「あっ、先輩!遅いですよーー」
「おい、出るぞ」
カフェオレの代金をテーブルにたたきつけるように置き、千秋はのだめの腕を取った。
「えっ、あっ……ちょっと、先輩……?」
半ば強引に引っ張るようにして店を出る。
千秋は何も言わず、自分の歩幅で歩いていってしまうので、のだめは腕を取られたまま小走りで後をついていく。
「……先輩……先輩ってば……」
背中が、怒りに満ちている。のだめにはそれがわかった。が、のだめには理由がわからない。
「何、怒ってるんですかーもーー……ぎゃぶっ!」
千秋が急に立ち止まるので、のだめは勢い余って背中に突っ込んでしまう。
「なんなんですか、もーー!!痛いデスよ!!」
「おまえ、なんなんだよ」
「なんなんだよ、って何の事デスか?」
「見ず知らずの男に手なんか握られて……隙がありすぎるのもいい加減にしろよ!」
「……あの人、花屋のお兄さんですよ?……カフェで会ったから話してただけじゃないですか!」
「……ちょっと知ってるからって、手も髪も触らせるのか、お前は」
俺以外の、別の男に。
「指が長いね、って言われてただけだし、今度お店に来てくれたらまたお花いっぱいあげるヨ、って……」
「下心見え見えじゃねーか、そいつ」
心がざわついて、頭が整理できない。
「ピエールはそんな人じゃありません!!」
胃のあたりで何かが渦巻いていて、むかむかして仕方がない。
「ふぅん……ピエールね……お前の貞操観念がどんなもんかわかったよ。モノくれるやつなら誰でもいいんだな」
違う、こんな事を言いたいんじゃない。
「峰にもあっさりなついてたし。俺のいない間に、別の男と何してたかわかったもんじゃな……」
びしゃり、と乾いた音が千秋の左頬に響いた。
「いってぇ……何すんだよ!」
「……ヒドイ……ヒドイです、先輩……」
瞳からは大粒の涙がいくつもいくつも溢れ、頬をいっぱいに濡らしてのだめはしゃくり上げる。
「いつもいつも、のだめ……ヒック、先輩の事、大好きで……ヒック、先輩の事だけ、いっぱい……」
「お、おい……そんなに泣くなよ……」
人目を気にして、千秋は泣きじゃくるのだめを宥めようと、腕を伸ばして抱きしめかけた。
「イヤ……!!」
伸ばした腕を払いのけ、のだめは強く千秋を拒否した。
「……嫌いデス、そんな先輩、ヒック、……大嫌いデス…………!」
その言い残して、のだめは背を向けて走っていってしまう。
千秋は引き留める事も追いかける事も出来ずに、しばらくただ呆然と立ちつくしていた。
ずいぶんと遠回りをして、千秋はアパートへ帰ってきた。
途中で買ったウイスキーの小瓶は、すでに飲み干してしまった。
どれだけ飲んでも酔えそうにない。
だから、それ以上飲むのはやめた。
涙いっぱいののだめの顔、カフェの窓越しに見たのだめの顔、キスをせがんだのだめの顔。
そんなのだめの顔が交互に浮かんでは、千秋を苦しめた。
……あんなに泣かせてしまった。
……あんな事、言うつもりじゃなかった。
ただ、どうにも苦々しい気持ちが溢れて、自分でも我を忘れるほど、むかついて……
そう、嫉妬したんだ。
自分が離れている間に自分の知らない顔が出来るようになって、そんな風に綺麗になっていくのだめを、
どこかで見つめているやつがいる。
そう考えると、どうにも我慢が出来なかった。
のだめに触れるのは、自分だけでありたい。他の誰かになんか、指一本だって触れさせたくない。
髪の先から、爪の先まで、自分だけのものにしておきたい。
…これほどまでの独占欲が自分の中にあった事実をわからされ、千秋は愕然とする。
『追いかけられるのに安心してると、いつの間にか追い越されますよ』
『捕まえておかないと、横から奪われますよ』
……今なら、シュトレーゼマンの言っていた事が良く理解できる。
のだめがいつでもストレートにぶつけていてくれた自分への気持ちに、安寧と胡座をかき続けてきた罰だ。
捕まえたようで、捕まっていたのは……自分の方だ。
部屋に入ると、冷えた指先でのだめの部屋の電話番号を押した。
「……はい」
5コール待って、のだめが電話に出た。
「のだめ……」
呼びかけてものだめは無言のままでいる。
「切らないでくれ。……そのまま聞いて欲しい」
千秋は言葉を続けた。
「さっきは悪かった。ゴメン……。勢いであんなヒドイ事言ったけど……本心じゃない。
お前の事を信用してない訳じゃない。……それだけは、わかって欲しい」
言葉を選びながら、慎重に、千秋は自分の気持ちを吐露していった。
「……パリを離れる時、いつも不安に感じてるよ。俺が知らない間にお前が変わっていくのを、
そばで見られないのを歯がゆく思ってる。本当は気づいてた。……お前、綺麗になった。
だからなおさら……。あんなの見て、動揺したよ。誰にも触れさせたくない。嫉妬したんだ………」
心の中で、のだめの名前を狂おしく呼び続ける自分がいる。
「お前を失いたくない……」
こんなにも、恋に溺れきって……今は愚かな、ただの男だ。
「……お前を、愛してる」
受話器の向こうはずっと静かなままだった。
喧嘩する為に、パリへ戻ってきたわけじゃないのに……。
「…じゃあ、おやすみ」
のだめが何か言ってくれるのを待っていたが、受話器の向こうは無音だった。
名残惜しく受話器を耳から離した時、玄関のドアの開く音がした。
勢いよく部屋に入ってきたのだめは、一直線に千秋へ駆け寄り、抱きつき、涙でぐちゃぐちゃの顔をその広い胸にうずめた。
「のだめ……?!」
ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、といいながら、まるで子供のようにしゃくりあげる。
「何でお前が謝るんだよ…悪いのは俺だぞ」
「…ぶったりして、ゴメンナサイ……」
「そうされてもしょうがないくらいひどいことを言ったよ」
のだめはぶんぶんと頭を横に振った。
「……嫌いなんて嘘デス…大好きです……」
嗚咽に震える肩を、千秋は優しく抱きしめた。
「うん…ごめんな……」
シャンプーの香りのする洗い立ての髪に、千秋は何度も口付けた。
愛しくて、ただ愛しくて。
「大好きなのは、先輩だけです。…ほんとデス……」
溢れてとまらないのだめの涙を、千秋は唇でぬぐっていく。そうして、柔らかな唇へとたどり着く。
優しく触れた後で、口全体で吸い込むようにのだめの唇を包み込み、自分の唇でのだめの唇のやわらかさを堪能する。
「…愛してる」
その言葉はまるで魔法のようで、先ほどの苦々しく渦巻いた感情は嘘のように消し去り、
千秋の心の中をひたひたと暖かなもので満たしていく。
「頼むから、俺の知らないところで綺麗になっていかないでくれ…。
こんなに自分が嫉妬深いとは思わなかったよ……格好わりーな、俺。余裕無くて……」
「もし、…もしものだめに変わったところがあったとしたら…それは全部先輩のせいですヨ……。
だって、のだめはもう、この先ずっと先輩だけのものなんですから…」
のだめは千秋の腰に腕を回し、子猫が甘えるように身体を擦り寄せる。
「それに……どんな先輩でも、わたしは先輩のことが大好きデス……。
ヤキモチ焼きの先輩も、ちょっとカコ悪い先輩も。ずっとずっと前から、愛してマス……」
千秋を見上げるのだめ顔は、睫に涙が滲んではいるものの、もう既に泣き顔ではなかった。
優しく、だけど強く、千秋はのだめを抱きしめた。
もう、この女を二度と手放せない。
「のだめ……」
「…ぐーきゅるるる……」
「えっ?」
「…先輩、先輩のお腹が鳴ってマス……」
「げっ…あー、もう……。ほんとに格好わりーー」
恥ずかしさに顔が赤くなっていく千秋を、のだめはくすくすと笑った。
「おにぎりありますヨ。食べますか?部屋から取ってきますネ」
「…後で食うよ。今は」
部屋に帰ろうとするのだめの腕を引き寄せ、耳元で囁いた。
「今は、お前を食べたい」
舌を絡ませながら、千秋は右手でワンピースのジッパーを下ろしていく。
と同時に、器用にも同じ指でブラのホックをはずした。
左手は既にスカートの裾から差し入れられ、丸いのだめのヒップを撫でまわしている。
時々割れ目を伝ってはもっと奥へと指が動いていくのに、肝心な部分には触れず、内股へそれていく。
合わさった唾液は飲み込みきれず溢れてのだめの首筋へこぼれていくが、その度千秋の舌が追いかけてはすべて舐め取った。
唇が離れても舌を絡めたまま、千秋はワンピースをブラごと肩から抜いた。
ワンピースが床に落ち、のだめのたわわな白い乳房がまろび出ると、下から救い上げるように揉み上げた。
柔らかなその胸は千秋の掌の中で自在に形を変える。肌はなめらかなのに吸い付くようで、次第に指先に力がこもっていく。
裾野から円を描きながら胸の頂へ向けて指をたどらせる。ゆっくりと、焦らしながら。
そして、とうとうたどり着く。
「んんぅ……」
指先で尖りきった乳首をはじくと、のだめは甘く鼻を鳴らした。
千秋はのだめを抱き上げ、ベッドへ降ろすと手早く自分の服を脱ぎはじめる。
のだめはしばらくそれをぼんやりと見ていたが、手を伸ばしてボクサーパンツの上から千秋自身に触れた。
硬さを持ち始めたその形を、たどたどしく指でなぞっていく。
そしてパンツに指をかけ、下ろした。
千秋がのだめの頬にかかる髪を耳にかけてやると、それで合図であるかのように、のだめはその柔らかな唇で千秋を銜えた。
一旦すべてを含み、唾液を絡ませながら唇で刺激を与えていく。
すべてを含みきれなくなると、尖らせた舌先で筋をちろちろと舐めあげ、たっぷりと唾液を乗せて亀頭に舌を絡めた。
添えられた右手は、舌の動きと連動するように屹立した幹をこすりたてる。
数を重ねたセックスの中で、のだめはそんなテクニックを身につけていた。
「……はぁ……ぁ……」
目をつぶったのだめの顔は上気して、腰をくねらせながら時々くぐもった声を上げている。
「のだめ……」
千秋は愛しげに栗色の髪を梳いた。
「俺にもさせろよ」
ベッドに体を横たえると、千秋はのだめのヒップを引き寄せた。
促されるまま、のだめは下半身を千秋の顔に向けてまたがる格好になる。
「またこんなカッコ……恥ずかしいんデスよ、このカッコ……」
今更、とつぶやいて、千秋は目の前の柔らかな内股にきつく吸い付いた。
「あっ、イヤン……」
可憐なショーツの中央部分は既にぐっしょりと濡れ、ぴったりと張り付いた布越しでも形がはっきりとわかってしまう程だった。
その襞をゆっくりと、布越しに舐めあげる。
「んっ、んふん……」
千秋を口に含みながら、のだめは声を漏らした。
くびれに口腔内で舌を這わせ、添えた指でゆるゆると屹立した幹を刺激していく。
千秋は舐めあげるごとに跳ねるのだめの腰をがっしりとつかみ、さらに足を開かせた。
ショーツの両サイドの蝶々結びをほどき、濡れたショーツを取り払うと、粘性を持った雫が滴り落ちそうになる。
千秋はそこにむしゃぶりついた。
溢れて止まらない蜜を舐め啜り、舌を泉に差し入れては掻き出し、なおも啜った。
千秋自身に舌を這わせていたのだめだったが、今はそれどころではなく嬌声をあげては体をくねらせた。
暖かな舌に敏感な膣口をぐるりと舐めまわされ、次第に体が快楽に支配されていく。
千秋はのだめ自身を左右に大きく開き、快感を主張しはじめた突起に舌を這わせた。
「ひゃあぁん……」
舌先で優しくくすぐり、唇をつけて軽く吸い上げる。
のだめは、殊更ここを責められるのが好きなようだった。
初めの頃は敏感すぎて痛がった事もあったけれど、今ではちょっと乱暴にされるくらいでも身をよじって悦ぶ。
自分が、そのように体に覚えさせてきたのだ。
剥き出しになったその突起を歯の間に軽く挟み、尖らせた舌先で左右にはじいた。
「あっ、イヤ……ああっ……ァ……ァ……」
のだめは髪を振り乱していやいや、と顔を横に振り、腰を震わせながら艶のある声を上げる。
ぴちゃぴちゃと水音をたて、今度は8の字を描くように突起を愛撫していく。
「だめっ、だめっ、……いやぁーー」
腰をびくびくと震わせ、胸を千秋の下腹に強く押しつけながら、のだめは登りつめた。
「いっちゃった……?」
仰向けに返したのだめの横に添い、千秋がそう問いかけると、のだめは無言で首を縦に二度振った。
悩ましげに眉根が寄り、薔薇色の頬には汗で髪が張り付いている。
はあはあと荒く息をし、ピンク色に染まった胸元が上下する。
「……センパ…イ……私……もう…」
「もう、何?」
千秋は太股をなで回していた手を、のだめの足の付け根に差し入れていく。
「……入れて欲しい…デス」
消え入りそうな声で、恥ずかしそうにのだめはそういった。
千秋は答えず、のだめの絹糸のような恥毛をかき分けて指を進入させていく。
「あぅん……」
すっかりほころびきったのだめのそこは、何の抵抗もなく二本の指を飲み込んでしまう。
「入れたよ」
「そうじゃなくて……あっ、ああん」
差し入れた指をのだめの中で開いたり、閉じたりする。その度にくちゅり、と卑猥な音が響いた。
のだめは抵抗できず、とぎれのない愛撫を受け入れる。
されるがままに、足を大きく開いてしまう。全部、見られているという羞恥。
でもそれさえも今は快楽だった。
長く美しい千秋の指が、自分のそこに入っていると考えるだけで、それだけで登りつめてしまいそうだった。
「はぁ……あぅん、センパイ、意地悪……」
千秋は中で指を折り曲げ、のだめの中のざらざらとした部分を強めになでた。
「あっ、イヤ……ッ……!」
背筋を抜けるような快楽に、のだめは体をびくりと揺らした。
痛がらないのを確認して、千秋は突起の裏あたりのその部分を激しく責め立てた。
「あっ、あっ、だめ、そこ……」
小刻みにピストンさせながら、その部分に指を強く押しつけては震わせる。
泡立つほどにかき混ぜられた蜜が溢れては、シーツへと落ちていく。
粘性を帯びた水音は部屋中に響き渡っていた。
……ここまでなんです。申し訳ないです。
ある程度書き溜まったら、また投下させていただいてもよろしいでしょうか。
とりあえず、週明けになっちゃいそうですが……。
そのころには11巻出ているんですよね。
また、萌えの日々なんだろうな。
キスしたシーンと、ハグしたシーン、携帯カメラで撮っていつも見られるようにしてるなんて……
ホント、誰にも言えないよ……orz
でもすごく幸せな気持ちになるんだよな……あれ見ると。
じゃ、寝ます。おやすみなさいませ……
最近すごい活気ですね。
これが、ぼへぇーっ効果か。
どちらの職人さん方の作品も楽しみです。
リアルタイムで読ませていただきました。
素敵な恋愛が自分で体験したみたいです。
今夜はdrop様のおかげで素敵な夢をみることができそうです
11巻も出るの楽しみですね。
kissのほうも待ち遠しいですね・・・
ありがとうございました。
すごい感激しました・・・。
いやあ、これはもう続き読むしかないですね。
ずっと待ってます!!続きをどうか書いてください!!!(ペコリ)
dropさん、凄く…素敵です…………
しっとりと優しい叙情に満ち溢れた雰囲気作り、
自然な言動を見せるキャラクター、
思わず克明に想像のできるほど上手く表現された綺麗なのだめの横顔、
文章から伝わる二人の心のつながり……
どれを取っても素晴らしいです。
こんな素敵な小説が読めるなんて、私、このスレの住民でほんと幸せです。
セックスの描写は静と動の”静”なのかな、と思っていたら、
これがまた読み進めるうちにじわじわと、官能的な感覚となって伝わってきました。
また、ミルヒーと千秋の会話もイイですね。
のだめ本人がいないというのに、非常にエロティックな感じでした。
千秋の反応がまた、イイ。
長文感想ですみません。
dropさん、ぜひこの後も楽しみに待っていますね。
因みにトリップつけてるということは、他のスレでもご活躍されてるんですか?
お差支えなければ読んでみたいので、教えてくださいませ。
キスとハグシーン、私も携帯に撮ってます。
まさか同志がいたとは……
609 :
名無しさん@ピンキー:05/01/07 15:36:51 ID:2T6KdzpV
608の書き方がドロップさんそっくり
流れ豚切りスマソ。
人気がある作品はそれだけ痛いファンもつきやすいんだな・・・
キス祭りからコンスタントに良い作品が投下されるようになって
喜んでいたら、感想コメントが鳥肌ものになってきた・・・・
オバチャンがはしゃいでるというか、なんというか。
・・・・・チラシがないのでここに書き込みました。
感想は短く、かつ的確に!
>dropサンGJ!!続きをお待ちしております!
何はともあれ、作品書いてくれる人あってのスレ
書き手さん達が投下しやすい雰囲気にしておきたいと思う
>>604 嫉妬と誤解→和解の流れが良いですね
千秋はのだめに対して独占欲が強そうだと思ってたので、こういうの読めて嬉しい
>>612 ほんと、そうだね
雰囲気がいいスレのほうが盛り上がるし。
dropさん続きお待ちしてます〜!
614 :
517:05/01/07 22:33:37 ID:aczwPSGP
>ヴァイオリンさん
温泉タンノウしました!またお待ちしてまつ。
>dropさん
冒頭からの流れがイイ!続きガンガって下さい。
レス下さったみなさま、ありがとうございました。
良作が多いので当分ロムって楽しんでマス。
GJ!GJ!GJ!
エチーまでの話も本当に自然で、エロも最高!
dropさま、続き心から待ってます!変なカキコは、気にしないで!
携帯から失礼します。
皆さんの暖かいお言葉、また御感想、有難うございました。
明日への励みになります。
連休中はPC環境がないので続きが書けないのが辛い所ですが、
出来上がりましたらまた投下させてください。
トリとコテハンは、ただなんとなくつけてみただけです。
ほかのスレに投下したことはないです……紛らわしいですかね、すみません。
うざかったら無くします。
短いものでも、長いものでも、感想を頂くのは、私は嬉しいです。
ほんとに、読んでいただいて感謝です。
誤字脱字多くてすみません。
dropさんGJ!
千秋視点がとても自然でいいですね。
続き楽しみにしてます。
608さんは確かにちょっと陶酔してる感じだけど私は痛いとは思わなかったな。
読み込んでる感じ。
むしろ自分が良いと思った作品を他の人がどう感じてるのか知れて嬉しい。
私は絵を描く方だけど、こんな感想もらったら嬉しくなっちゃうよ。
dropさんも許容されてる感じだし、いいんじゃない?
dropさん、すっごいよかったです!
千秋の嫉妬は大好きなので読んでてすごく萌えました。
エロも最高で続き楽しみに待ってます!
最近ほんとに名作揃いですね。
このスレ読んでるリアル男性に聞きたいんだけど、
ピアノさんやヴァイオリンさんやdropさん作品に出てくる「千秋」の心情って、
男性から見ると、同意する?
女性はどうしても感情が伴わないとセックスできない構造なわけですが、
男性はそうでもないと聞いたんで、男の人がこういう「千秋」をどう思うのか
聞いてみたい。というか、ぜひ教えて。(スレ違いだけど)
してる時に、愛(いと)しいとか愛してる〜とか激しく思いながらスルことって、あるの?
なんかこの「千秋」って、女性がこうあって欲しいと望む理想像なような気がして。
もちろん萌えだけど。
男なんておんのか?
>619
私は女だけど、原作の千秋真一自体がある意味女性が望む理想像だと思う。
ハンサムで才能があって俺様だけど努力家で、家事全般こなせて面倒見がよくて
モテまくってるのに女遊びしないでなんだかんだいってのだめ一筋のところなんて、
ある意味ガラかめの紫のバラの人か、エースをねらえの藤堂先輩みたいだし。
現実にこんな条件のそろった男がいたら、本命と遊びは別と割り切って、
女遊びしまくりそうだし。
他の雑誌や違う作者なら、彩子とセフレ関係のままだったり、清良や鈴木姉妹とも
関係もってそうだもの。
ただ、やっぱり本命と遊びとでは快感の深さは違うんではないかな・・・?と思うけど。
まーな。見事に少女漫画のヒーロー像というか。
623 :
名無しさん@ピンキー:05/01/09 01:23:15 ID:KLwd3JI2
ヒーロー・・・か?
漏れはヘタレなところが好きなんだがw
私も、千秋のかっこいいけど人間味があってヘタレなとこが大好きです♪
>621
紫の薔薇の人or藤堂 ワロタ
私は入江くんとかぶる。
とんでもない女に迷惑かけられながらも面倒見て、結局惚れちゃったり。
入江くんと違うのは、落ち込んだり、へこんだり、結構人間くさいとこだな。
一般的に男の方が、簡単に愛情のないセックスをしがちだとは思うけど、
愛情なしにセックスできないという男もいるよ。
既男板とか、過激恋愛板とか覗いてみるといいよ。
まあ、その逆の人達もいるわけだけど。
ヘタレか。
まぁなんでも出来て決めちゃうよりかいいな。
千秋が全部完璧だったらつまんないと思う。
他の作者がのだめカンタービレを描くとどうなるかちょっと気になって作ってみました。
スレ違いと怒らずに、職人さんが降臨されるまでのネタとして許して下さいね。
もし作者が江川○也だったら・・・
主人公ピアノ学科千秋は学園のアイドルピアノ学科のだめに一目惚れし、共にオーケストラへ道を歩むものの、
次々と楽団員の美女と関係をもつ。
最後は小学生のだめの妄想でした・・・で終わる。
もし作者が北○司だったら・・・
女癖の悪い指揮者千秋とピアニストのだめはコンビを組み、紆余曲折のすえハッピーエンド。
しかし10年後パラレル連載が再開し、のだめは交通事故で死に、その心臓が一人のピアニスト少女に移植され、
指揮者をやめていた千秋と再びコンビを組む・・・で始まる。
もし作者が北○みゆきだったら・・・
指揮者千秋と、頭と股のゆるいピアニストのだめが出会い、いきなりセックス。
のだめはそのあと峰や幼馴染の黒木とも関係を持つが、その黒木はのだめを庇って交通事故死。
そのあとのだめは松田にレイプされるが、最後は千秋とハッピーエンド・・・で終わる。
つづき・・・
もし作者が新○まゆだったら・・・
学園のアイドル指揮者千秋が、平凡なピアニストのだめにピアノの個人授業と偽ってレッスン室でレイプ。
幼馴染の黒木が助けようとするが、最後は千秋の「おまえが好きだったんだ。」の一言で許されハッピーエンド・・・で終わる。
もし作者が刑部○芯だったら・・・
幼いのだめは大富豪で指揮者の千秋に引き取られ、ピアノの教育と共に性的虐待を受ける。
同じ富豪で誠実な黒木が助けようとするが、「千秋じゃないと感じない」と振られ、最後は千秋とハッピーエンド・・・で終わる。
もし監督がユン・○クホだったら・・・
5分に1回涙を流す心の美しい女性ピアニスト志望のだめは、指揮者志望千秋と出会い初雪デートするが、その後すぐ千秋が交通事故死。
10年後のだめは幼馴染黒木と付き合うが、同級生彩子の恋人として交通事故で記憶を失った千秋と再会。
二人は恋に落ちるが、その二人に兄妹疑惑発生。
最後は二人のうちどちらかが白血病か交通事故で死ぬor生きていてハッピーエンド・・・で終わる。
こうしてみると、二の宮先生で本当によかったと思う。
(でもちょっと冬ソナバージョンは見てみたいが・・・w)
千秋ヘタレってのも完璧過ぎるのを隠すため
一つ位欠点をととって付けた感じに思えるんだよなあ。
>627-628
笑えた。
こうやって文章で見ると最近の一部の少女漫画は狂ってるなw
二ノ宮漫画で本当に良かったよ。
つなぎ程度に峰×清良を投下させていただこうと思うのですが、
清良の峰への呼び方は「龍」(8巻173ページを参照)、
地の文の表記は「龍太郎」でも、大丈夫でしょうか?
「峰」という表記に慣れてると思うんですけど、
清良が峰を下の名前で呼んでるのに地の文が「峰」のままだと、なんとなく違和感があって…。
できれば今夜中に完成させて投下しようと思うのですが、
もし投下時までにご意見がなければ、上記の形でいかせていただこうと思います。
よろしければどなたかアドバイスをお願いします〜。
そうですね。
たしかに峰という表記に慣れてしまっているけど・・・
でも龍太郎、って言うのも新鮮でいいかも!
投下楽しみにしてますv
私も投下楽しみにしています♪
632さん、633さん、こんな時間なのにどうもありがとうございます!
それでは峰(龍太郎)×清良を投下させていただきますね。
dropさんの素晴らしい千秋×のだめを待つ間のつなぎに読んでいただければ幸いです。
「龍太郎」という表記に違和感感じられる方は、脳内補完でお願いしますです。
前夜
■■1
「…楽しかったな、千秋くんのオケ。また一緒にできるかしら……」
清良はワイングラスを傾けると、テーブルについた腕を突っかえ棒にして
うっとりと目を瞑った。
栗色の髪がさらさらと流れ、彼女の頬に美しい陰影を生む。
「そりゃできるだろ。戻るたびにコンサート組むからさ、客演でもいいから乗れよ」
龍太郎は微笑むと、そっとその髪の一房をかきあげてやり、指の隙間からこぼれさせた。
「向こう行ってもがんばれよな」
「言われなくたって」
龍太郎の言葉に、清良は得意気に微笑んだ。
「がんばるつもりよ。もっと練習して、勉強してくる。
じゃないとみんなにダメ出しくらっちゃうもんね。
特に高橋くんには……」
だんだんと険しい顔つきになる清良は、そこまで言うと視線をテーブルに落とす。
「…ヴッフォン国際で3位ですってぇ…?!
押コン2位なんてなんの武器にもなりゃしない…!!
見てなさい高橋、私…」
「…もっと上手くなってあんたの鼻っ柱を折ってやる、だろ?」
龍太郎は、グラスを手にしたままワナワナと震える清良の手をそっと握った。
「わかってるって。おまえ、飲みすぎ」
そんな龍太郎をきっと睨みつけると、まるで吐き出すかのように語気を荒げた。
「だって、だって悔しいんだもん!」
■■2
ぷいと顔を背けて頬を膨らませるその横顔は、アルコールで上気して桜色に染まっている。
清良の整った顔立ちが子供っぽい表情を見せるその様は、
普段の凛とした印象とはかけ離れ、可愛らしいものだった。
清良のその言葉が龍太郎に向けた雑言ではなく、
自身を鼓舞するかのような自戒を込めたものだということは、龍太郎にはわかっていた。
清良は、普段「悔しい」なんて軽々しく口にしない。
しかしひとたびアルコールがまわると、必ずこの話題を口にするのだ。
聴きなれた言葉ながら、龍太郎は横槍を挟まずに聞いてやる。
「押コンのことは、後悔はしてるけど、もう立ち直ってる。
コンクールの結果とか高橋とか、そんなことじゃない。私…私は……」
龍太郎はその頬にそっと掌を宛てると、自分の方に向かせた。
「そうよ…悔しいのよ……私これでも、いつも精一杯やってきたわ。
毎日、朝から晩まで練習して、色んなこと勉強して。
なのに、まだできないこといっぱいある」
顔を上げ、にやり、と微笑む清良。
「絶対、何か掴んでくるわ。
また龍に弟子にしろって言われたって、今度はそう簡単にいかないんだからね。
ひざまずいて、清良様、ってお願いされたって、ダメなんだから」
清良はそう言うとにっこり笑って、上機嫌で目を細めた。
■■3
龍太郎は苦笑を漏らす。
「はいはい。
…でもオレだって、おまえが戻ってくる頃にはもっと上手くなってるんだからな。
おまえがコンマスの座を争うのは、高橋じゃなくてきっとオレだぞ」
龍太郎は真面目な表情で答える。
言った言葉は本心だが、正直、笑い飛ばされるかと思った。
特に、酔いのまわった清良には。
しかし清良は笑わなかった。
代わりに、とびきり優しく目を細める。
「……うん。龍、ほんと上手くなったもんね。
オケで必死にさらってるあなた見て、私もがんばらなきゃって思ったよ」
繋がれた手をそのままに、清良はテーブルにつっぷして目を瞑った。
「弟子にしろって言われた時はさぁ……何この男馬鹿なんじゃないの、って思ったんだけどさ〜」
「言いすぎだっての…」
肩を落とす龍太郎の掌の中で自分の指を遊ばせながら、清良は饒舌に話を進める。
「でも、千秋くんと一緒に、あのオケを一番大事に思ってたのが龍だったのよねぇ……。
昨日ヘタレてた音が、今日は輝いてる。明日はもっと……。
…毎日、楽しかったな。いつの間にか、私、龍に触発されてた。
弟子になったのは、どっちなのかしらね……」
そのまま夢見心地で語尾を弱める清良。
「おい、寝るか?今日は一晩中腕枕してやるぞ」
「…腕枕だけ?」
清良はつっぷしたままそっとと目を開け、悪戯っぽくまたたいた。
「……だけのわけ、ねーだろーが」
龍太郎もまた、笑みを零す。
■■4
そっと誘(いざな)われて、清良はベッドに腰を降ろした。
龍太郎は清良の薄い唇にキスを落としながら、彼女のシャツのボタンを一つずつ外していく。
清良の紅潮した頬と、閉じられた双眸の長い睫。すっと高い鼻梁。
そして少しずつ露わになる白い肌。
「…ん、……」
もう何度も見慣れた光景なのに、龍太郎の胸は高鳴っていた。
…綺麗だ、清良。オレの真っ赤なルビー……
白いカッターシャツをそっと取り去ると、
深紅のブラジャーに隠された、二つの双丘が露わになった。
浮き出た鎖骨、細い肩。
決して大きくはない小振りな胸は清良の華奢な身体には丁度いいサイズで、
美しいフォルムを形作っていた。
背を支えてベッドに横たえながら、龍太郎は清良のベージュのカプリパンツのジッパーを下ろした。
そのまま脱がせてしまおうと思っていたが、清良のそっと開けられた切れ長の目に捕らわれ、
思わず龍太郎は清良にのしかかった。
「清良……」
再び重ねられる唇。
唇は、顎を伝って首筋へ。そのまま音を立てながら鎖骨をなぞる。
「…ん……ん、……」
龍太郎はホックを外し、幾分急いてブラジャーを取り去るとそのふくらみに唇を落とし、
大きな掌で味わうように揉みしだく。
清良の乳房は夢のように柔らかく、まろやかで。
龍太郎の硬い掌は、優しい愛撫で彼女のふくらみを自在に揺り動かす。
その頂は紅く、開花を待つ桜の蕾のように、淡く、はちきれそうに尖っていた。
龍太郎は、つと、その蕾を長い指でなぞる。
「…ゃ、ひゃぁ……」
頭から抜けるような清良の嬌声に笑みを零すと、
唇で挟み、舌で舐め取り、快感に震える清良のその蕾を思うがままに蹂躙した。
この夜を境に暫く彼女を抱くことができないと思うと、
龍太郎は一層燃えたぎる欲望と共に、羽交い絞めにして閉じ込めておきたい衝動にかられた。
…羽交い絞め?……そうだ。
■■5
「ちょっと待ってろ」
龍太郎はそう声を掛けるとベッドを離れ、
自身もTシャツを脱ぎ捨てて上半身裸になると、
テーブルの脇に落ちているリボンを手に戻ってきた。
先ほど二人で食べたケーキの箱に結ばれていたものだ。
ぼんやりと目を開けた清良は、龍太郎の手にしているそのリボンを見て、不審気に眉をひそめた。
「な…なによそれ……」
龍太郎は無言のまま薄く微笑むと、清良の両手をその頭上に押さえつけ、
いそいそとそのリボンで戒める。
「ちょ…ちょっと!何するのよ!」
龍太郎の思惑に気付いた清良が焦って声を上げるが、龍太郎は意に介さない。
白く細い両の手首に巻きつけられた、ブラジャーと同じ、深紅のリボン。
清良の手はその可憐な拘束具に瞬く間に捕らえられてしまった。
「ちょっと、龍ってば!」
「逃がさない」
清良の抗議の声に、龍太郎は落ち着いた声で答えた。
「…て……、手首ひねっちゃったらどうするのよ…!」
「だから、怪我しないようにおとなしくしてるんだな」
龍太郎は、拘束した手首を優しく押さえつけながら、この上なく優しく口付けた。
「逃がさない…清良……せめて今夜は、どこにも」
■■6
再び胸の頂に唇を落とし、硬く張り詰めたせいで一層深く刻まれた僅かな割れ目に舌を差し入れ、
なぞるように往復させる。
「…んっ…はぁ……」
吐息を熱くさせ、身をよじりながら身悶える清良。
抵抗しようにも、両腕は頭上で戒められているため叶わない。
そのもどかしさに清良は身をよじり、首を左右に振っては、なんとか快感に耐えようともがく。
抵抗とも取れるその動きに制されることなく、龍太郎は執拗に清良の乳房をいたぶった。
と同時に、右手で清良のズボンを脱がしにかかる。
龍太郎の硬い指先が素肌に触れるたびに清良はびくりと身体を震わせるが、
腰を浮かし、長い脚を伸ばし、龍太郎が自分のズボンを脱がせるのを手伝った。
ズボンを引き抜いてベッドの向こうに放ると、龍太郎は身体を起こしてにやりと微笑んだ。
「随分と協力的だな、清良。縛られて、なのに脱がして欲しかったのか?」
龍太郎の端整な顔が優越に歪む。
清良は眉を寄せて、屈辱的に唇を噛んだ。
「だって龍が脱がせようとするから……」
「オレが?オレがしたいだけ?ならいいよ、やめるよ?」
胸は高鳴り、自身も熱い吐息を漏らしているのがわかる。
既にズボンの中で硬くなった自身のモノの存在を意識しながら、
龍太郎にはやめる気なんてさらさらなかった。
それでも、清良を縛り付けて野獣の如く猛った興奮は、彼女に意地悪を言うことで益々火がつくのだ。
「…やぁ……やめないで、…続き……して……」
「してください、だろ?」
■■7
「…………。」
清良は目を潤ませて、龍太郎を睨んだ。
拘束されて、胸をさらけ出していて。
下着一枚で何の抵抗も許されないこの状況で、全身を視姦する龍太郎の前にさらされている。
恐ろしいくらいのその羞恥心は、身体の隅々の神経をも敏感にさせた。
胸への愛撫は続けられていて。
硬く尖った蕾を丹念にこねられて、清良は吐息と共に弱々しく言葉を紡いだ。
「して…ください……」
すると龍太郎は途端に情けなく破顔し、
いつもの優しい笑顔を宿して、清良に口付けた。
「…ゴメン。ちょっと意地悪言ってみたくなった」
「バカ……」
頭を優しく撫でる龍太郎の肩に顔を埋めて、拗ねたように、にじんだ涙をこすりつける清良。
龍太郎は少しの罪悪感を感じながらも、至福に満たされていた。
ステージでは鮮烈にして大胆、慈悲深いビブラートをもって迫力の音を奏でる、まごうことなき輝石。
ルビーの如く光り輝き、薔薇の如く妖艶に咲く彼女が、
自分だけには、意外なほど可憐で慎ましやか…そして淫らな面も見せてくれる。
龍太郎は、彼女――三木清良を、心から愛しく思っていた。
そして、籠の中に閉じ込めておきたい気持ちと、
果てしなく広い大空へ無限の可能性をもって飛んで欲しい気持ちの両方に苛まれるのだった。
■■8
龍太郎は清良の頬に口付けてから、そっとその滑らかな肌を撫でた。
撫でる、いうよりは、撫で回している。
まるでその感触を自身の掌に刻み付けるかのように、丹念に指を滑らせていった。
「ねぇ……外してくれないの?これ……」
清良は、慈しむかのようなその愛撫にとろけるように身を委ねながらも、手首の戒めを示した。
「似合ってるから、ダメ」
龍太郎は、撫でるだけでは飽き足らず、清良の肌のそこここに唇をおとしてゆく。
「!なによ、それ……」
「おまえのさ」
龍太郎は、清良の目を見つめて言った。
「強気な顔が屈辱に歪むのって、物凄く綺麗だ…」
今や圧倒的な優越に彩られた龍太郎は、淫靡に笑みを零す。
「…あ、ヴァイオリンのことじゃないからな。
縛られて抵抗できない清良、すげーそそられる……」
「何バカなこと言ってるのよ!…っあ、……」
龍太郎は清良の脚元まで移動すると、その両脚を抱え上げ、
しっとりと汗ばんだ内腿に舌を這わせた。
つつ――、とその中心に向かってゆっくり舌を進め、
かと思えば、その付け根に触れる一歩手前で避けてしまう。
そんなことを何度も繰り返した。
中心に近づくたびに清良の息が上がり、離れるたびに、押し殺した吐息が漏れる。
清良の美しく整った顔は快感ともどかしさに翻弄され、苦しそうに歪められた。
「…して。龍……私もう我慢できない……」
熱い吐息の合間に途切れ途切れにそう漏らすと、
龍太郎は、清良のショーツの端に指をかけ、ゆっくりと引き下ろして取り去った。
そこは濡れそぼり、溢れ出た愛液が茂みをしっとりと濡らしている。
龍太郎は誘われるままに、その中心に顔を近づけた。
■■9
「ヤ…そこはダメだって言ってるじゃない……!」
途端に抗議の声を上げる清良。
綺麗じゃないからと、龍太郎がそこに口を寄せるのを、いつも拒むのだ。
しかし今日の龍太郎は止まらなかった。
清良の静止を無視して、溢れた愛液で妖しく光を宿すそこに、口付ける。
「やぁっ…!や、ひゃん!やだってば、龍!や、イヤ!」
激しく抗議しながらも、自由にならない腕でもがき首を振りつつも、
龍太郎の舌の愛撫に堕とされる清良。
龍太郎はかまわず、清良のそこに口付けていく。
割れ目をなぞり、ひくひくとうごめく皮膚を追い立てるように舌を這わす。
思わず浮いてしまう清良の腰をしっかりと押さえつけ、
しっとりと濡れて粘着を伴った谷間をほじくるかのように舐め取り、舌と唇で愛撫する。
そのたびに頭上からは鋭い嬌声が漏れる。
「気持ちよくないか…?」
清良はハァハァと荒い息をつきながら、必死にもがく。
既に脚の間に入り込んだ龍太郎の身体に阻まれて、抵抗など何の意味ももたないのに。
「…気持ち…いい、け…どっ!でも、イヤ!恥ずかしいからっ……!!」
「イヤだ、やめない」
龍太郎は、清良の必死の懇願に凛とした声で答えた。
「向こう行っても、オレのこと忘れられなくしてやる」
清良は、ハッと龍太郎を見遣った。
■■10
顔を上げた龍太郎の瞳は、この上なく真摯で。
その視線の熱さに、快感も相まって清良は眩暈さえ覚えた。
「…忘れるわけ…ないじゃない、バカ……」
力なく微笑みながら、優しく龍太郎を見つめ返す清良。
その瞳には、涙が浮かんでいて。
「私、龍が好き。龍じゃなきゃいやだからね…!!」
龍太郎は、頷いた。
微笑みながらも僅かに瞳を潤ませながら。
そうして再び、顔を戻す。
龍太郎の舌がささやかに硬く勃ち上がった清良の芽を探り当てると、
清良は、抵抗する余裕もなく背をのけぞらせた。
「きゃあっぅ……」
龍太郎は清良の両腿をしっかりと抱えて広げ、その芽を丹念に舐め取る。
粘り気のある愛液をたっぷりと塗りたくりながら、
その柔らかな部分を押しては啜り、繊細な舌をもってなぶる。
その度に清良の腰がびくりと引きつる。
龍太郎の挿入を待つかのようにひくひくとうごめくくぼみに舌を差し入れて、
その周囲をなぞるように味わいながらかき回すと、
そこはびくびくと、面白いように波打った。
「清良…いいか?」
■■11
龍太郎は清良から身体を起こし、返事も待たずにベルトに手をかける。
清良は弛緩しきった身体をベッドに預け、その光景をぼんやりと見ていた。
龍太郎が全ての衣服を脱ぎ去ると、鞄からゴムを取り出そうとしたが。
「いいの……つけないで、生で、して」
快感の波に堕とされながらも、清良は口を開く。
龍太郎はさすがに驚いて清良を見遣った。
「そんなわけいかねーだろ。おまえ、自分の人生もっと」
「いいの。ピル飲んでるから平気」
そう言って清良は、悪戯っぽく微笑んだ。
龍太郎はあっけに取られて手を止める。
「大丈夫、私だって色々考えてるよ。
だけど、向こうに行く前に、龍を生で感じたかったから、処方してもらっておいたの」
そっと微笑む清良。
龍太郎はベッドに腰掛けると、そっと清良の肌に手を伸ばしながら言った。
「オレと…したくて?」
「うん」
腿を撫でる、さわさわと優しい感触にこそばゆい感覚を覚えてそっと微笑みながら、
清良は、まっすぐ龍太郎を見つめて頷いた。
「そっか……」
龍太郎は、思わず潤みかけた目を慌てて拭うと、清良に覆いかぶさった。
「…何泣いてるのよ、バカね……」
「泣いてなんか、ないって…」
■■12
そこまで言って、龍太郎は突如笑みを零した。
「啼くのはおまえだから」
そうして龍太郎は、清良の身体を一度抱きしめてから、うつ伏せに寝かせた。
清良は龍太郎の思惑に気付いて、
自由にならない身体をもてあましながらも慌てて龍太郎を振り返った。
「な、なにすん…」
「入れるぞ」
抗議の余地もなく、龍太郎は後ろから清良のその部分に自身を宛がうと、
ズブズブと押し入れていく。
「…う……」
「あぁ…!りゅ、龍……!!」
清良は自分の身体に押し入ってくる快感の渦に引き込まれ、
思わずベッドに顔を埋めて、眉を強く寄せた。
柔らかな自身の内側を、龍太郎の硬く太い幹がどんどん割って入ってくる。
押し流されるような引き込まれるような、わけのわからない快感。
拘束され有無を言わさず後ろからされる、まるで動物のような荒々しさに、
快感を逃がせない清良はただベッドに身体を押し付けて耐えるしかなかった。
「…は、ぁ、すご…清良……」
根本まで入れると、龍太郎はその背中に唇を落とし、すぐさま腰を前後に動かし始めた。
「あぅっ…あ…!龍太郎…!!」
清良の指は、真っ白なシーツを無意識の内に懸命にたぐりよせた。
そのまま強く握りしめて、爪が白くなるほど強く掴む。
「清良…すっげ気持ちいい……」
清良は、返事をする余裕もない。
身体の奥深くを間断なく突かれるあまりにも直接的で淫靡な快感に、
歯を噛み締めて耐えることしかできなかった。
■■13
突かれるたびに圧迫感を伴って、否応なく身体が揺さぶられる。
龍太郎のその部分の輪郭をはっきり意識できるほどの摩擦を感じる。
その圧倒的な激しい快感は清良に抵抗の余地を許さない。
「…っぁ…んぅ……」
…と、突然。苦しげに吐息を漏らす唇が、大きな掌によって力強く閉ざされた。
つながった姿勢のまま、龍太郎が清良の口を掌でふさいだのだ。
「…ん、ん……!!」
その圧迫感とまるで陵辱されているかのような屈辱に、清良の意識は一瞬錯乱した。
「…おまえ、後ろからされるの好きだろ。気持ちいいんだろ?
…もっと犯してやるよ……」
清良はいつにない龍太郎の強引な責めに、身を震わせながらも必死に首を振った。
正直なところ、イヤなわけではない。
龍太郎に後ろから組み敷かれて、屈服させられることに、倒錯した快感さえ覚える。
もっと、して欲しい。
自分の抵抗などものともせず、もっと強引に攻め立てて欲しい。
…そう思えば思うほど、清良はなぜか抵抗せずにいられないのだ。
首を振り、自由の利かない身体で必死に龍太郎から逃れようとする。
そうすれば、龍太郎は自分を逃すまいと一層激しく捕らえようとするのは予想がついた。
しかし身体で抵抗を示せば示すほど、清良もまた燃え上がり、
本気で龍太郎から逃げなければという考えに支配されるのだ。
犯して欲しいと願う気持ちと、逃げなければと思う切迫感。
その二つの気持ちに清良は翻弄されていた。
当然といえば当然だが、龍太郎はそんな清良に少しの隙も見せない。
「…ステージでは清純そうな顔してるくせに、おまえってこんなにエロいのな。
綺麗な顔が台無しだぜ…自分で腰突き出してるんだからな……」
「……ッ…」
龍太郎は覆い被さるようにしてその首筋に口付けながら、より強く清良の唇を掌で押さえる。
清良は僅かに残された通気孔から、苦し気な荒い息を必死につく。
そうして、羞恥と快感の両方に苛まれるのだ。
■■14
両手も縛られて、龍太郎のなすがまま、清良は文字通り犯されていた。
龍太郎は、今度は空いた左手で自分たちがつながる部分に指を這わせる。
「……ッ!!」
「おまえ、ここいじられるの好きだよな…。
こんな、なんにも抵抗できなくて、今触ったらどうなる……?」
龍太郎の指先は、ことさらゆっくりと結合部を辿る。
その指先が求める場所を察知して、清良は無我夢中で腰を引こうとする。
まるで、追い詰められたウサギが生命を守ろうと必死で逃げ道を探すように。
しかし龍太郎は決して逃がさず、一層清良を突き立てた。
「いいから、黙って犯されてればいいんだよ…」
「…んぁぁっ……!!」
龍太郎の指は清良の突起を捕らえ、揉みしだくようにこねくりまわした。
ズン、ズン、と重く突かれる快感と共に、
その敏感な芽をいたぶられて、電流のように激しい快感が清良を襲う。
「…やあぁ…許して、龍、あ、もうダメ……!!」
「何がダメなんだよ。じゃあやめるか?」
龍太郎は自身も荒く息をつきながら清良の腰をがっちりと掴んで、
より深く、強く腰を打ち付ける。
その芽を激しく弄びながら。
「…やぁっ、だ、い、イっちゃうの……!!」
清良はベッドに強く顔を押し付け、
拘束された手首をもどかしげに震わせながら、指先が白くなるほどにシーツを強く握りしめた。
快感に耐えるようにシーツにしがみついていた清良の指先は、
今や快感を逃すまいと、浮き上がる自身の身体をベッドにつなぎ止めていた。
抵抗の末に龍太郎の掌を振りほどき、清良は快感を搾り出すように声を上げる。
「ゃあぁぁぁっん…!
「イくのか?オレに犯されてイくのか?やらしいな、清良…!」
龍太郎の芽を擦る指先がこの上なく速くなると、清良の背はひときわ大きくしなった。
■■15
「ん、やあぁ……!!」
びくり、びくり、と清良の華奢な身体が跳ね、ベッドに深く沈み込む。
同時に膣内は激しく収縮し、龍太郎を締め付けてこの上ない快感を与えた。
「…っく……!」
龍太郎はその急激な締め付けに全身全霊をかけて耐えると、
手を伸ばし、くったりと力を失った清良の手首の戒めを解いた。
「…りゅ、龍、やだ、顔が見たい……」
肩を上下させて荒い息をつく清良が絞り出すように言うと、
龍太郎は自身を差し入れた状態のまま、清良を仰向けにさせた。
当然、結合部は卑猥な水音をさせながら、激しく摩擦する。
「ふ…ぁぁんっ……」
仰向けにされて龍太郎に再び組み敷かれると、清良は自由になった両腕を広げて、龍太郎の首にしがみついた。
龍太郎は闇雲に清良の唇に口付け、
激しく舌を絡ませながら、より一層突きを激しくする。
一突きごとに清良の身体はベッドから浮き、真っ白なシーツはその振動で波打つ。
清良は龍太郎を抱きしめる腕に力を込めると、再び眉根を寄せた。
「ん、ぁ、もっと…もっと!龍!」
龍太郎は清良に舌を絡ませながら、答える余裕もなく清良に腰を打ち付ける。
押し入れては回し、清良の膣内のざらざらした部分を幹に感じながら、こねるようにぐちゃぐちゃと掻き乱す。
清良は、龍太郎と自分の唾液でしとどに濡れた唇を引きつらせて、悲鳴にも似た声を上げた。
「や、また、い、イちゃっう、龍ぅ……!!」
力を失っていた清良の身体が再び強く龍太郎に絡みつき、
その爪先までもがピンと張ると、その強張りを受けて、龍太郎の身体もまた強張ってゆく。
「あ、すっげキツ…き、清良、」
龍太郎は激しい締め付けを感じながら清良の小さな頭を強く抱きしめた。
「や、ゃあぁぁぁ…!!」
「…ぁああっ…清良、好きだ…っ!!」
ひときわ大きく身体を震わせて清良が嗚咽のような嬌声を上げると、
追い立てられるように深く腰を突き、龍太郎もまたぎりぎりまで絞られた快感を吐き出した……
■■16
ズルリ、と力を失ったモノを引き出すと龍太郎は清良の横に倒れこみ、
震える華奢な身体を手探りで抱き寄せて口付けた。
「…あ、はぁ、あ…ん、……」
美しく眉根を寄せた清良は未だ荒く息を弾ませながら、龍太郎のその広い胸に顔を埋める。
お互いの早い動悸を感じながら、二人は暫くの間、そうして快感の余韻に浸る。
そうして暫くの間、互いの体温に身を預けていた。
「もう、龍のバカ……!」
幾分落ち着きを取り戻すと、清良は恨めしそうに龍太郎を見遣った。
「縛るなんて信じられない!ヤだって言ってるのに、あんなとこ…舐めるし……もうっ!」
頬を膨らませながらも自分の胸から離れない清良に人知れず微笑みながら、
龍太郎は清良の乱れた髪を撫でてやる。
「いや〜ははは……明日からまた暫く会えなくなると思うと盛り上がっちゃってさ〜…
でもたまには良かっただろ…?」
清良はそんな龍太郎の胸をペチリと叩くと、そっと背中に手を廻した。
「ったく、ほんとしょうがないんだから……んっ…」
そんな清良の額に唇を落とすと、龍太郎もまた清良を抱く腕に力を込め、そっと背中をさすってやった。
「……清良、オレもっとうまくなるからな。今は見送ることしかできないけど、
R☆Sで弾いて、待ってるからな。だからおまえもがんばれよ」
そっと告げる龍太郎に、清良はその胸の中でゆっくりと頷いた。
閉じた双眸を、整った鼻梁を、龍太郎の胸に押し付けるようにして。
「…うん。がんばる。龍のこと、忘れられないよ……」
二人はどちらからともなく視線を交錯させ、頬を寄せ合った。
互いに感じるあたたかな感触に、二人は幸せそうに微笑みを交わす。
そうして先程の激しい営みとはうってかわった、静かな、触れるだけの、……キス。
まるで想いを重ね合わせるかのように、唇を重ねた。
「好きよ、愛してる……」
キスの合間に、囁くように奏でられる清良の声。
龍太郎はその言葉に微笑んで、再び唇を落とした。
「愛してる、清良。おまえなら、きっとやれるよ……」
■■17
* * *
ゴォォ…………
飛行機の轟音が小さく遠く、しかり途切れることなく響くロビー。
清良の見送りには、龍太郎の他にも千秋が駆けつけていた。
「色々ありがとう。オケ、楽しかったわ。
今度会うのは向こうでかしらね」
差し出された手を堅く握って、千秋も答える。
「あぁ、そうなるかな。こちらこそ楽しかったよ。また一緒にやろう」
清良は千秋と笑顔を交わすと手を離し、龍太郎に向き直った。
「じゃあそろそろ行くわね」
龍太郎は頷くと一歩前に出て、清良の身体を抱きしめた。
千秋が傍に居るのにもかかわらず、清良もまたその背に腕をまわす。
「がんばれよ。…真っ赤なルビー……」
「もう、バカ!それ恥ずかしいってば!」
清良は眉を寄せて苦笑する。
「…帰ってきたら、また昨日のやってやるから楽しみにしてろよ」
含み笑いする龍太郎に清良は、咎めるように頬を膨らますと恨めしそうに見上げた。
「……バカ。昨日のせいで、私腰痛いんだからね!飛行機で体調悪くなったら龍のせいよ!」
そうしてすかさず身体を離そうとする清良の耳元で、龍太郎はささやく。
■■18
「…だっておまえが何回もねだるから……ギャ!」
頬を染めて軽く龍太郎の頬を軽く叩くと、
清良は、横顔に感じる千秋の呆然とした視線を振り払うように髪をかきあげた。
「浮気なんかしたらただじゃおかないんだからね!」
そして背を向けてゲートに歩き出す清良を、龍太郎は呼び止めた。
振り返る清良。
龍太郎は清良を抱きしめて、唇を重ねる。
一度目は、軽く。
僅かに離して、吸い寄せられるように再び重ねると、舌を絡ませあう。
そして三度目。優しく口付けると、龍太郎は清良を強く抱きしめた。
「がんばってこいよ。待ってるから」
清良は頷いて、龍太郎の胸の中で目を閉じる。
そして二人は名残惜しそうに身体を離し、笑顔を交わした。
「行ってくるね」
清良を載せた飛行機が、空高く舞い上がってゆく。
屋上に上がってそれを見届けると、龍太郎は千秋に「じゃあ帰るか〜」と声を掛けた。
ずっと黙っていた千秋が、やっとの思いで呆然と口を開く。
「お前ら一体いつの間に…そんな……」
龍太郎は僅かに頬を染めながらも、千秋の背中をバンバンと叩いた。
「まあ、まとまる時はまとまるもんなんだよ!
お前も、一緒に留学するからってあぐらかいてねーで、ちったぁオレを見習って早いとこのだめ捕まえとけよ!」
「…のだめとだぁ?!…オレはそんな……」
固まる千秋を残して、龍太郎はご機嫌で空港を後にするのだった。
心の中で清良の飛び立った空に語りかけながら。
「オレの真っ赤なルビー…待ってるからな!」
――Legend of Mine&Kiyora!!――
<終>
終わりです。
初めに書き忘れてしまって申し訳なかったのですが、ちょっと強引な感じに見せかけた部分もあるので
そういうのがお好きでない方には申し訳ありませんでした。
この二人ならもうある程度の付き合いなので、
バリエーションとしてそういうプレイもありかなーと思った上での流れでした。
>dropさん
素敵なお話ですね!エロもとても萌えます。
続き楽しみにしています〜。
因みに……わ、私も携帯に収めてますよ…?結構多いんでしょうかねー……(w
ピアノさんGJ!!
ちょっと強引な峰、意外にハマって楽しめました。
このふたり大好きなので、うれしい。
だから、本編でも再登場して欲しい。このままフェイドアウトは寂しいよな〜。
ふあああ〜〜素敵です!!真っ赤なルビーです!!!ww
とても二人が幸せでとっても愛し合っているのが伝わってきます!!
読めて私も幸せでした!!
ピアノさん、素敵峰×清良SS有難う御座いました!!
是非また書いてください!!千秋×のだめも!!ww
おお〜!!!
ピアノさん、相変わらず、素晴らしいです!
幸せな二人がすっごく素敵でした!
ぜひぜひまた描いて下さい!
千秋×のだめもぜひぜひぜひ!!!w
ピアノさんお疲れ様です!
とっても素敵でしたよ!清良も可愛くて。
素敵SSご馳走さまでした。次回の投下も楽しみにしていますねw
ピアノさんGJ!ピアノさんの文は、いつも綺麗で好きです!
dropさん、SS素敵すぎてどきどき+ぞくぞくして鳥肌たちました…。
続きを熱烈に待ってます!
659 :
名無しさん@ピンキー:05/01/11 12:53:00 ID:1T4Sor9q
GJです!
相変わらず良かったです(´∀`)
峰と清良のカップル、好きなので、登場してくれてうれしいです。
とても、雰囲気が出ててヨカッタ!
ところで、のだめで初めてここの板をのぞくようになったので
初歩的な質問ですみませんが、「SS」って、何の略なんでしょうか?
SSって、ショートストーリー?
ショートストーリーですよ。
サイドストーリーじゃないの?
どっちの説もあるみたいだけど。
あとはショートショートとか。
ストリートストーリーですよ。
666 :
660:05/01/11 21:02:46 ID:1Zumgtej
皆さん、教えて下さってありがトン!(´∀`)
いろいろあるねー。
シチュエーション・ストーリーではないの?
668 :
名無しさん@ピンキー:05/01/11 22:00:17 ID:9xrf6ZJL
セックルストーリーだYO!
dropさんまちどおしいでつ
読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。
そして、温かいレスをどうもありがとうございます……。
お言葉を励みに精進しようと思います。
私もこの二人が好きで書かせていただいたので、とても嬉しいです。
またぜひ出てきて欲しいですね〜。
私も…dropさんが待ち遠しいです(´∀`*)
あう〜。。。
閑散としてまつね。
ちがうよ息を潜めて待ってるんだよ(・∀・)
キス祭りの前までは大方こんな感じだったしね。
ここ一ヶ月の盛り上がりは激しかった…
このままネ申と住民が居ついてくれることをキボンヌ
そして明日は11巻発売日
早売りのところはもう出てるらしいね〜
そうそう明日ですね!11巻。
今回、表紙ののだめが凄いセクシーだと思うんですが。
のだめは巻を重ねるごとに綺麗になっていってるよね!
初めは汚い部屋をコタツを背景にひょっとこ口でピアノだったのに。
最終回はまだ見たくないけど、最終巻の表紙がどんなんか楽しみだ。
(個人的には正装した指揮千秋&ピアノのだめのコンチェルトにして欲しい♪)
ところで質問。
黒木くんって人気高いけど、のだめ×黒木って需要ある?
やっぱり千秋萌えの人はのだめが千秋以外なんてダメとか思うのかな。
それとものだめ×黒木で嫉妬する千秋が見たいとかなのかな?
自分も色々考えるんだけど、黒木くん乙女すぎてどうしても最後までいかないんだよな・・・。
あるある
くろきんはけっこうキレたら怖そうなタイプじゃない?
止まらなさそうだし。
自分のヘタレ妄想ではここまでが精一杯
のだめ風呂場かプールで失神
↓
黒木、人工呼吸
↓
千秋、それを知って激怒、のだめを襲う
↓
のだめ、傷つき黒木元へ
↓
黒木、のだめを慰めそのまま・・・
だめだ、こんなのしか思いつかない自分ヘタレすぎ。
誰か、萌えシチュ考えて・・・。
ちょっとそれみたいかも・・・
あと、他のヘタレ妄想
千秋、彩子と浮気疑惑?発生
↓
のだめ、黒木に愚痴を飲みに行って酔い潰れそのままお泊り、黒木もんもんとしつつ我慢
↓
朝帰りしたのだめに千秋激怒、大喧嘩
↓
傷ついたのだめ、黒木の元へ、そのまま・・・
やっぱり、ヘタレだ・・・。
のだめ×黒木の時、千秋鬼畜すぎ。
誰か、萌えネタ考えて・・・。
黒木くんが基本的に優しすぎるんだよね、きっと。
でも黒木×のだめも見てみたい。
なんだか黒木ファンって多そうじゃない?
酔った勢い・・とか考えたけど、だめだ。くろきんは酒強いから。
じゃあ私も…
千秋になかなか構って貰えないのだめが黒木に酔っぱらって愚痴↓
酔いつぶれて黒木の家に運ばれ朝まで悶々と黒木耐えるが
朝起きたのだめに「黒木さんは千秋先輩と違って羊だから安心デスね」発言に
黒木のスイッチが押されてしまう。↓
また飲み会で酔っぱらって愚痴↓
黒木宅に搬送↓
朝方に目を覚ましたを確認してのだめ黒木に押し倒される↓
何か違うか…
自分もくろきん大好きですね。
基本はやっぱり千秋×のだめなんだけど、黒木×のだめも見てみたい!
でも、くろきん優しすぎて、いい人の枠からはみ出せないのが問題かなあと思う。
キャラ的には松田、菊池の方が動かしやすいんだけど、それだと萌えないし。
さらにもう一個
黒木の家にのだめ遊びに行き、黒木高熱で倒れる
↓
のだめ、千秋のコンサートをすっぽかして一晩中黒木の看病
↓
千秋激怒「黒木の元へ行け」等の暴言
↓
のだめ、傷つき、黒木切れる。
「恵ちゃんは僕がもらう」と押し倒す。
なんか、まるで韓国ドラマだ・・・。
私も基本は 千秋×のだめ萌えだが、黒木×のだめも見てみたい!
先生!いっそのこと3Pはどうですか?
くろきん×のだめは、千秋を絡めずに
くろきんの妄想ビジョンがいいなぁ。
夢オチとか。
そう!
千秋が知っても後の祭り状態とか。
千秋、嫉妬深そうだから、もしそうなったら切れるんだろうな〜。
大暴れする千秋に激萌え♪
黒木×のだめも見たいんだけど、それプラス激しく嫉妬する千秋を見てみたいな。
本誌ではそんなに嫉妬場面がないからよけいに。
>なんか、まるで韓国ドラマだ・・・。
やばい、サンヒョクがくろきん画像でしか想像できなくなってきた。
黒木くん大人気だね〜。
コンチェルトの「だからそれはそのままに」を
「だから恵ちゃんは僕のものに」と変換して読み返す今日この頃。
みたいよ〜!誰か書いてくれないかな〜!
>690
チュンサン→千秋
ユジン→のだめ
サンヒョク→黒木
チェリン→彩子
だめだ!のだめはともかく他はまりすぎ!
くろきん、留学先決まってないって伏線じゃないかと思ってたんだけどな。
次の連載再開の時にぜひ再登場して欲しい。
千秋の恋のライバルとして、千秋を嫉妬させて欲しいな。
どもです。
続きが出来たので、投下しに参りました。
かなりツメツメで書いたので、最後足早になってしまった感が拭いきれないのですが、
読んでいただければ幸いです。
のだめはやめて、やめてと喘ぎながら懇願したが千秋は動きを緩めなかった。
「だめっ……あっ、漏れ……ちゃう……」
悲鳴にも似た喘ぎを途切れることなくあげながら、腰を浮かせてシーツをぎゅっと握りしめた。
「━━━━━━━━っっ!!」
声が途切れ、喉元まで体をのけぞらせた瞬間、のだめは潮を吹きながら登りつめた。
一回、二回。
その暖かな飛沫は千秋の手・腕をぐっしょりと濡らし、腹にも降りかかった。
「……あっ、すげー…のだめ、すごい……」
「イヤ……イヤ……見ないで、見ないでくだサイ……あっ、ああん」
のだめは体を起こして手を伸ばし、千秋の動きを止めようと腕を押さえる。
が、千秋は指をきつく締め付けられながらも動きを止めない。すると、やがて三回目のしぶきがあがった。
「やだ……やだぁ……ううっ、うーー……」
それを目のあたりにして、びっくりしたようにのだめは泣き出した。
「ふぎ…ゴメンナサイ…っ……き、嫌いに、ならないで…くだサイ…ひっく」
「どうして?」
「だって、だって…のだめ……おもらし…おもらししちゃいまシタ……」
「バカ。違うんだよ、これは……」
嫌いになんか、なるわけが無い。
千秋が指をゆっくり引き抜くと、その動きにのだめはまた体をくねらせた。
自分の与える愛撫を受け止め、体いっぱいに感じ、そしてそれを惜しげもなく自分の前でさらけ出してくれる。
幼ささえ見せていた小さな蕾は、今や自分を求めて開花し、誘うように淫らに濡れていた。
充血しきった花びらの間で、小さな膣穴が腰の痙攣に合わせて開いては閉じ、開いては閉じ、その度雫が溢れ出している。
もう、爆発しそうだ。
じんじんと脈打ち始めた自分自身に目をやると、鈴口から先走りが恥ずかしいほどに滴っていた。
千秋はベッドサイドの引出しからゴムを取り出すと、手早く自分にかぶせていく。
そしてのだめの顔にいくつものキスをし、抱きしめた。
「お前の中に入りたい……」
「…センパイ……来て…くだサイ……」
その甘い囁きに、千秋はもう我慢できなかった。
弛緩したのだめの片足を肩にかけ、千秋は腰をのだめにあてがった。
濡れそぼる秘裂を亀頭でなぞりながら少しずつ押し込んでいく。
「んぁあ…はぁん……」
のだめの膣内はとろとろに溶けて熱く、油断したら一瞬ではじけてしまいそうだった。
入口の強い締りを抜けると、ひくひくとした締め付けがまとわりつき、まるで吸い込まれるように奥へ導かれる。
その気持ちよさに、荒い息に声が混じってしまう。
「はぁ…はぁ……はっ…ぅ……」
「先輩…あぁっ、…気持ち、いいデスか……」
官能を秘めた表情で千秋を見上げ、息も絶え絶えに千秋に問いかける。
「…いいよ…のだめの中、すごく気持ちいい……」
「……よかった…ぁん、うれ、しい…」
そう言ってうれしそうに微笑むと、千秋はたまらず突き上げた。膝を胸に押し付け、腰を激しく前後にゆする。
扇情的にたぷたぷと揺れる胸に指を這わせ、音を立てて乳首を舐め、吸った。
ピンク色に上気した滑らかな胸元に、いくつもの薔薇の花びらのような印を散らしていく。
のだめの喉から出る息はすべて艶を持った声に変わっていた。
最愛の人の手によって、自分が変えられていく、幸福感。
その幸福感が、つながった中心からじわじわと体に染みてくるのをのだめは感じていた。
それはくすぐったくて、うれしくて、けれど泣き出してしまいそうな、甘美に満ちた感覚だった。
「あっ…あぁん、…ああっ」
千秋は先端に周りとは違う固い感触を感じると、そこへ向けてえぐるように突き立てた。
「ひあっ……?!」
途端、のだめの体は跳ね上がる。得体の知れない快楽から逃れようとするのだめの肩を抑え、更に奥へと腰を打ちつけた。
「やっ…イヤぁ……せんぱ…あっあっ、千秋先輩…!」
長い睫が小刻みに震えている。
千秋はのだめの足を下ろし、深くつながったまま、より体を密着させてのだめを抱きしめた。
「大丈夫だから…もっと……もっと、俺を感じて…」
こくこくと頷くと、力一杯掴んでいたシーツを離し、千秋の背中へ腕を回した。
その手は優しく、時に強く爪を立て千秋の背中を這い回る。
「いくときは、いく、って言えよ…」
「…ふぁ…ふぁい……!」
先端近くまで引き抜いては一気に突き立て、何度も律動を送り込む。
その圧倒的な摩擦感に、のだめは切なそうに声をあげ、そして自ら腰を揺すった。
それは、千秋をよりもっと深く導き、飲み込もうとする動きだった。
のだめの体の示す、最も感じるらしい部分・最奥を先端でノックしていると、やがてのだめの体が緩やかに痙攣し始める。
「いく…!いきます、あっあ、先輩…、いくぅ━━━!」
体をびくんびくんと揺らしてのだめは絶頂を迎えた。が、千秋は動きを緩めない。
肌のぶつかりあう音。
溢れる、粘性を伴った水音
ベッドの軋み。
のだめの切なく甘い声。
それらが快楽への音楽となり、千秋を次第に官能の淵へとおいやっていく。
「やあっ、ダメ…ダメです、先輩…ぁぁあ…また、また…いっちゃう━━━」
白い喉をいっぱいにのけぞらし、のだめはすぐさま二度目の絶頂を迎えた。
急速に収縮し、食いちぎらんばかりののだめの締め付けに自分の終わりが近いのを感じ取ると、
千秋は体重を掛けて最奥のこりこりとした部分に先端を押し付け、腰を回した。
せりあがってくる射精感。
いくつもの汗が、顎を伝わっては落ちる。
「のだめ……」
半開きの唇に舌を差し入れ、ねっとりと絡ませる。
そして、吐息に言葉を載せ、のだめの口腔に吹き込んだ。
「愛してる……」
きっと、のだめは知らない。
自分がどれだけ思っているか。どれだけ、求めているのか。
その思いをのだめの中に封じ込めるように、唇を押し付けた。
のだめの膣内が千秋の亀頭をひときわきつく締め付けると、怒張しきった自分自身を大きく痙攣させながら千秋は己を解き放った。
「うっ……あぁっ…っく……」
「あんっ、はああぁぁぁ……」
勢いよく吐き出されたほとばしりは、薄皮越しにのだめの敏感になりきった頸部を刺激し、何度目かの絶頂へと押し上げた。
「…千秋…センパ…イ……」
肩で息をし、力無くのしかかる愛しい重みを、のだめはぎゅっと抱き締めた。
……荒く乱れた息を少しだけ整え、千秋は気だるい眩暈を感じながら腕を伸ばしてティッシュを手にした。
自分の吐き出した物が漏れ出ないように、慎重に自分自身を引き抜いていく。
ずるり、とした感触は敏感な互いのその部分を緩やかに摩擦して、事の終わりに余韻をもたらす。
どちらからともなく甘い吐息が漏れ、そしてその吐息を漏らすまいと唇を重ね合わせた。
重なり合った体を横たえ、千秋は汗ばんだのだめの頭を抱きしめるように腕枕の形をとった。
端正な顔を上気させ、これ以上ない優しい眼差しで千秋に見つめられている。
もう片方の手はゆっくりと優しく髪を梳き、時折耳朶をくすぐるように触れていく。
のだめは快楽とは違う、うっとりとした温かみが胸に湧き出すのを感じていた。
シアワセ。……なんてシアワセ。
未だ官能に揺らめく体を摺り寄せながら、のだめはゆっくりとつぶやく。
「…先輩。……あんまり、のだめの体変えていっちゃわないでくだサイ……」
「……何?」
「段々、自分がエッチになっていってる気がして……のだめ、恥ずかしいですヨ…」
「……いいじゃん、別に。…どんなにエッチでも、乱れてよがっても、俺は嬉しいけど」
"乱れてよがっても"に心当たりを感じて、のだめは赤くなっていく。
「気持ちよかったんだろ?」
耳元でそう囁かれて、のだめは素直に頷いた。
「……何回、いった?」
「…ぎゃ、ぎゃぼっ……そっ、そんな事、知りまセン…!!」
のだめは火を噴出しそうなほど赤くなった顔を手で覆い隠して、千秋に背を向けた。
「そんな事言う先輩、イヤ…!」
くっくっく、と笑いながら、千秋はその小さな背中を胸の中にすっぽりと包み込む。
「いっぱいに濡らして、何回もいっちゃって、お前の体、エッチだな〜」
「だって、だって、先輩がそゆこといっぱいするからですヨ!のだめのせいじゃ、ありまセン!!」
「…エッチな事する俺は、嫌いか?」
一瞬間を置いて、のだめはぶんぶんと首を横に振る。
「さっき言ったじゃないデスか……。どんな先輩だって好きですヨ……」
「……俺だってそうだよ。お前がどんなでも、のだめがいいんだ」
首筋に頬を寄せると、肌から微かに立ち上る甘い香りが鼻腔を擽る。
千秋はうなじに吸い付き、所有の証を刻んだ。
「シャワー浴びよう。……体がべとべとだ。シーツも替えなきゃな……」
「ぁ……ゴメンナサイ…のだめ、粗相しちゃったから…」
「違うって。あれ、おしっこじゃないし……」
「そうなんデスか?……私、先輩の目の前で漏らしちゃったのかと思って……」
恥ずかしくて泣き出しそうな顔で、のだめは体を向き直った。
「いっぱい感じた証拠だろ。……うれしかったよ」
ほっとした顔ののだめをもう一度抱きしめてから、名残惜しく千秋はベッドを抜け出た。
「先にシャワー使えよ。俺、シーツ替えるから」
「ふぁーい。……あ、あれ?……はううぅー」
新しいシーツを取り出しベッドへ戻ると、のだめがベッドの脇にへたり込んでいる。
「……何やってんだ、おまえ」
「…力入んなくて……立てまセン……あへー」
「しょーがねーな、ほら」
「はぎゃっ」
背中と膝の裏に腕をまわし、いとも簡単にのだめを抱き上げてしまう。
「じゃ、一緒に入るか。久しぶりに、頭洗ってやるよ」
「おねがいしマス……」
のだめは千秋の首にしがみつき、鎖骨に首を預けた。
空腹を満たしたら、二人は再び肌を合わせた。
疲れてはブランケットにくるまってまどろみ、目覚めては求めるままに抱き合った。
快楽に身を寄せ、その波間に二人たゆたい、何度でも深く落ちていった。
……そうして、二度目の朝を迎えた。
千秋は軽やかなピアノの音色で目が覚めた。
半分だけ開いた続きの部屋の扉の向こうで、のだめがピアノを弾いているのが見える。
のだめのピアノを、久しぶりにきいた気がする。
相変わらず、跳ねて、飛んで……けれど、楽しげなのだめのピアノ。
いつものように口を尖らせたかと思うと、満足そうに微笑んだりして、表情がくるくると変わる。
揺れる体に合わせて、さらさらとこぼれる栗色の髪に、窓からさした朝日が光って、まぶしい。
その愛しさに、千秋は目を細めた。
表情と同じように色彩豊かなその音色を楽しみながら、千秋は再び眠りへ誘われていった。
再び目が覚めると既にのだめの姿はなかった。
ベッドから抜け出し、近くに脱ぎ捨ててあったパジャマを着ると、散らかった部屋を片付けていく。
ワインボトル、グラス、食器、シーツ、ブランケット、枕…そして、自分とのだめの下着。
「………………」
……いくつかの丸められたティッシュ。
拾い上げるたびに、この散らかり具合からわかる二日間の情事を思い出して赤面してしまう。
初めてのだめを抱いた時、既に多少の片鱗を見せていたものの、まさかあれほどまで乱れる体だったのかと、正直驚いている。
一つ一つのピースがぴったりとはまっていくように、数を重ねるごとにセックスが良くなっていく。
それに、今までになかった一体感を、のだめは自分に与えてくれた。
つながり、密着して抱きしめたとき、自分とのだめとの境目が無くなり、まさに一つのモノになる瞬間がある。
その度、千秋はもうのだめから離れられない、と自覚するのだ。
千秋は部屋に篭る濃密な空気を逃がすため窓を開けた。
「寒っ…」
強い風が入り込んで、その冷たさに千秋は体をちぢこませる。
『風強い=飛行機大揺れ』
そんな図式が頭をよぎって、紅潮していた顔は途端に青ざめた。
乱れたベッドをなおしていると、キャビネットの上にのだめの置手紙を見つけた。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃先輩、おはようございます
┃今日は学校があるので行って来マス。
┃午前中だけなので、出発の飛行機にはまにあいそうです。
┃待っててくださいネ
┃ジュテーム★
┃ のだめより
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「なにが"ジュテーム★"だ……。きたねー字!」
のだめの書き置きを読みながら、千秋はクスリと笑った。
便せんの端には、わざわざ口紅を塗って付けたのか、ご丁寧にピンク色のキスマークが記されている。
そのかわいらしさに千秋はまたも笑った。
手馴れた手順で一週間分の荷物をそろえ、再び旅支度をし始める。
これが終われば、しばらくはパリに留まれるはずだ。……エリーゼが予定外のバカンスを取らなければ。
あんな事務所と契約した事を、千秋は甚だ後悔していた。
……黒のロングコートを羽織り、皮の手袋をはめる。
そして、千秋はのだめの置き手紙を丁寧に畳むと、ジャケットの胸ポケットにしまい込んだ。
「さて、行くか」
「……フーン」
空港でシュトレーゼマンに会うなり、二日前のだめに向けたそのいやらしい視線が、今度は千秋へ向けられた。
「何ですか……?」
また、何か見透かされてるのか?
「すっきりした顔しちゃって……随分とお楽しみだったわけデスカ。ぷぷ」
「なっ……!」
「若いですねー、ほーんと、のだめちゃんも、千秋も」
「……からかわないでくださいよ。結構、いっぱいいっぱいなんですから」
千秋は真っ赤になって答えた。
「ま、いっぱい悩む事ですネ。……音楽も、恋も。……おー、のだめちゃん来ましたヨー」
振り返ると、のだめがちょうどロビーに入ってくるところだった。
サーモンピンクのニットワンピースが、のだめの白い肌に似合っている。
フィット感のあるニットは体のラインを強調して、幾分かのだめをセクシーに見せていた。
「…………」
千秋はぼんやりとそれを見つめていた。
「ほーらね。私の言ったとおり……」
ほんとに、出会った頃に比べると信じられないくらいに綺麗になった。
「センパーイ!!ミルヒー!」
こちらに気づくと、のだめは手を振りながらこちらに駆け寄ってきた。
迎えに来たときと同じように、ピンク色のグロスが唇を彩っている。
「はー、良かった、間に合いましたー」
「のだめちゃん、その服とっても素敵デスよー」
「そーデスかー?少しは大人っぽく見えますかね?」
「とってもセクシーです。……千秋もね、今うっとり見とれてましたヨ」
「えー?ほんとですカー?」
「…!!何言って……-ほら、もう行きますよ!!」
千秋はろくにのだめを見ずに、シュトレーゼマンの荷物を取ってスタスタと歩き出してしまう。
「……まったく、素直じゃないネー」
「のだめちゃん、またね。今度、私のうちに遊びにいらっしゃい」
「はい、ゼヒ!……おいしい物ごちそうしてくだサイねー」
欧米式に頬を合わせて、のだめとシュトレーゼマンは別れの挨拶をする。
「部屋、汚すなよ」
「わかってマス!……ピアノも、がんばりまス!」
敬礼をして、のだめはそう答える。その口元がちょっとだけ寂しそうで、千秋は胸が痛んだ。
「じゃ、行って来る」
いつもそうするように、千秋はのだめの頬をはじいた。
「行ってらっしゃーい」
そう見送るのだめの顔は、笑いながら、だけど泣き出しそうな顔だった。
……二人はのだめと別れ、搭乗者ゲートを向かう。
たったの一週間。たった、それだけ。そう自分に納得させる。
が、裏腹に足が動いていた。
「…ちょっと、千秋?!」
「そこで待っててください!!」
振り返りながらそう言うと、千秋は駆け出した。
のだめを追いかけ、その背中を見つける。
「のだめ!!」
「えっ?!センパ……」
振り返ったその手を取り、抱きしめながら口づけた。
バニラの香りが広がる、その一瞬の甘い口づけに酔いそうになる。
出来る事なら、このままつれて、そばに置いておきたい。自分だけの物に、誰の目にもさらすことなく。
「センパイ……」
でも、それは出来ない願いだと言う事を、千秋は重々わかっている。
「一週間で帰ってきたら、後はしばらくこっちにいられるから……」
いつからか、気づいていた。
一人の女として、のだめをつなぎ止めたい自分と、ピアニストとしてのだめに羽ばたいて欲しい自分とがいる。
……いつか、羽ばたいてしまっても、自分の所に帰って欲しいと願うのは、エゴだろうか。
「……ハイ。待ってマス……」
もう一度、キスをした。今度は、少しだけ深く、長く。
「飛行機、頑張ってくださいネ」
名残惜しく搭乗者ゲートへ向かう二人の手は、しっかりと絡められていた。
「うん。……お前がお守りくれたから、多分大丈夫」
そう言うと、優しく微笑んで千秋は胸元に手を添えた。
「お守り?……そんなのあげましたっけ?」
「……じゃあな」
「行ってらっしゃーい」
今度は、いつもの笑顔が千秋を見送った。
搭乗ゲートの向こうでは、やっぱりシュトレーゼマンがニヤニヤしていたが、そんな事はもうどうでも良かった。
「あらー、千秋。口紅がついてますヨ〜」
「フン!もう何とでも言えばいいですよ……」
唇を舐めると、再びバニラの香りが口の中に広がった。
それは、のだめの唇の余韻を感じさせ、千秋の心を甘い思いでいっぱいに満たしていく。
……羽ばたいてしまったら、また捕まえに行けばいい。
どんなに逃げていっても、絶対に捕まえてやる。
「じゃ、また一週間頑張りましょう。楽しい音楽の時間ですヨ」
「……よろしくお願いします!」
千秋は再び、機上の人となった。
━━━━━━━━━━━━━━終わり
お疲れ様です。
またまた、リアルタイムで読ませていただきました。
素敵な情景描写。
清清しいですね!
ホンとにお疲れ様でした。。。
おやすみなさい
以上です。
おつきあい有難う御座いました。
誤字脱字あったらスミマセン。
明日(もう今日か)11巻発売ですね。
お昼に買いに走ろう……。
--
私もいろいろ黒木×のだめを考えたんだけど、黒木君がどうにも動かない……
乙女なんですよね、ホント……。
神光臨お待ちしてます。
以前、途中まで書いてた方はどうされちゃったのでしょうね。
続き、待ってるよー
本当にお疲れ様でした。
今回初めてリアルタイムで読ませていただきました。
本当に美しい情景描写で激しく萌えました。
ぜひぜひ、またSS書いて下さいね!
では、おやすみなさい・・・。
うわあ…すごいです。萌えました!
千秋ののだめへの気持ちがこそばゆいですね。素晴らしいです。
お時間があったら、またぜひぜひ!書きに寄ってくださいね。
深夜の投下、おつかれさまでした。ありがとうございます!
dropさんお疲れ様です!
ほんと、期待以上で素敵でした!ありがとうございますw
黒木くんは理性が勝ちそうですもんね。
でも、何か大きなキッカケがあれば!それが思いつかないけど。
うーん。
たとえば千秋の浮気とか?がメディアで報道されるとか。
それで周りからのだめも色々言われて、
そこに心配した黒木くんが出てくる、とかどうかな。
やっぱり乙女だな。展開しなさそう。
千秋とおわらい芸者・のだめでせっかくだから生娘独楽まわしやってほしい・・・
11巻発売日ですね
712 :
名無しさん@ピンキー:05/01/13 15:42:17 ID:2puah0cX
甘くて優しい千秋も素敵〜!!dropさんお疲れさまでした☆
私の中では永久保存版ですわぁ…。また書いてくださいね!
初カキコ☆
こういうの好き。
11巻買った。職人さんブラボー!
わほおおお!!!DropさんGJ!!
私もなんてシアワセ・・・・デス!!
今11巻を読んで興奮してたのでほんと萌えました!!!
また素敵なお話を宜しくお願いします!!!
ビバ☆チアノダ!!
さむっ。
716 :
名無しさん@ピンキー:05/01/14 00:39:05 ID:3mwDAZh9
ネ申が多いな〜。楽しませてもらってます。
でも、この二人の場合、エッチよりも一緒に音楽やってるときのほうが
官能に浸れるのではないかという気がするのは私だけでしょーか。
そういう関係になってちょっと経ったら、
エッチはあっさりしたカップルになりそうな感じ。
でも、創作は楽しんで読ませていただいてますので引き続きよろしく!
二人の演奏シーンをエロなメタファー/描写で読ませてくれる、
音楽とエロに強いネ申も待ってます!
いやーこのスレ、レベル高いですねー。
この手のSSで、こんなにも男性視点に感情移入できるのは初めてです。
千秋のモノローグに萌えるーーー!エッチなしでも全然いいのーーー!
(11巻ではティル演奏時の千秋の笑顔が一番萌えたし)
神のみなさま、期待しております。
つたない物を読んでいただいて、有難う御座いました。
暖かいご感想、ホントに嬉しいです。感謝です。
今読み返すと、最後本当に駆け足で書いてしまった……
精進の旅に逝ってきます。
--
何度も11巻を読み返してはニヤニヤしています。
そしてミルヒーに萌え。眼鏡ミルヒーよかです。
最近すごく好き……。なので書いてても楽しいです。
あと、千秋は柄モノが似合わないな、とつくづく感じました。
drop様
お疲れ様です。本当にGJですよ。
11巻読んで、スケベな千秋&のだめの物語思い出して、悶々としてしまいました。
リクしたいのですが、、、
中出し千秋が読みたいです。ゴムはイラナイ。生で、生でオネガイシマス。
ほら、ゴムってめちゃくちゃ薄いくせに、二人の間に距離を作っちゃうものなので、
『のだめ、千秋のためにオギノ式勉強』ってのはどうでしょう?
今日は安全日デス、、、、って言うのだめ、いじらしくないです??
私の脳内、、、どうなっちゃったんでしょか。
いじらしくなんてないよ…
まあオギノ式にこだわらなければ、中出し望むってのはアリだと思うが。
もし今子供できたら千秋はともかくのだめは間違いなくプロデビューなんて無理。
演奏活動に支障が出るかもしれないようなこと、二人とも望まないだろ…
そんな本末転倒な話は萎える
まあ言いたいことはわからないでもないけどさ…
生理が遅れてることをさらっと告げられて、超あせる千秋なら見たい。
悩んで悩んで、決心して(何をか)それをのだめに言おうとしたら、
昨日生理来て二日目でつらいんでほっといてください、とか言われるへたれ千秋なら見たい。
中出しに関して言えば、
フィクションなのだからロマンティックに
なんでもありでFA?
でも千秋の責任感からしてゴムつけるのは自然な気がする
>>721 それ見たいw
アマアマもいいけど、たまにはそういうのも。
誰か書いてくだはい
今、季節外れですが、クリスマスモノ書いています。
まだ途中なので、よろしければ、中出し挑戦してみます。
一度抜かずの何発・・・とか言うのを書いてみたかったので・・・(笑)
ただ、ちょっと長編になりそうなので、完成したら投下しますので、
それまでよろしければお待ちください。
ぜひぜひ!
頑張ってください!
楽しみにしてます!
728 :
名無しさん@ピンキー:05/01/15 18:14:57 ID:JP8nMxzN
千秋のおちんちんどんな形かなぁ?
キノコみたいなんじゃない?
(´ι _` )
酔ったのだめをユンロンが仕方なく介抱…
胸チラにどきどき、というとこにターニャとフランク登場
てのが読みたい…
>731
どうせならそれくろきんでみたいな。
733 :
名無しさん@ピンキー:05/01/17 00:19:55 ID:ERtMS/Vg
のだめ×千秋でこういうセックスして欲しいのとかある?
萌えシチュとか体位とかなんでもいいから、リク出して〜。
顔射?w耐え切れなくてやっちゃったとか。ww
騎乗位希望します。前あったかもしれないけど。
お風呂Hとか?
お風呂イイ!読みたい!
738 :
名無しさん@ピンキー:05/01/17 05:28:45 ID:XYrMJhRC
今まで千秋はのだめの風呂のぞきとか
「洗ってあげます」攻撃に抵抗していたけど
突然受け入れるとか…
コートダジュールで青カン。
千秋ママ所有の別荘とかでね〜。
740 :
名無しさん@ピンキー:05/01/17 18:59:50 ID:kxYiwBLO
ファゴット奏者のお姉さんがいいなと思ったけど、カップリングが思いつかない
ピアノの前で座位。
あったけ…?
742 :
名無しさん@ピンキー:05/01/17 20:56:03 ID:XYrMJhRC
>>740 ロラン君か、団内のおじさま(妻子あり)あたり、いかがでショ?
最初のキスは勢いとか弾みでできるけど
セカンドキスが難しいってどこかで読んだから
千秋とのだめの次が楽しみだw
ピアノの前で、っていいね。
ピアノ弾いてるのだめに欲情して、ちょっかい出しちゃったり。
……映画のピアノ・レッスンみたいな、ああいう叙情的なイメージで淫靡なのが読みたい。
744 :
名無しさん@ピンキー:05/01/18 00:14:24 ID:rGDt5kXc
なんかみんなで、まったり飲みながら
話したくない?
私の周りって、のだめの話で
盛り上がれる仲間がいなくて。
のだめ貸し出ししたんだけど
「真澄ちゃんがさ〜」とか言っても
「???」って感じで。
「ティンパニーだよ」でやっと
「ああ〜っ」って感じで。
さらって読んでるだけなんだよね、
きっと。
あ〜っ、のだめについていっぱい
語りたい〜!!
>744
少女漫画板の本スレ読みながら、1人で晩酌汁。
今スレなんか、やたら細かい伏線やら構図やらって話をしてっぞ。
>>742 lesson66で、千秋デビュー公演成功のハグのあと
きっとチューをしているのではないかと思われ…
個人的に、そして勝手にそれをセカンドキスと脳内認定してたりする。
(え、違うの?だってのだめ、楽屋で昇天してたよ?)
私もハグの後二度目してると思う。
さすがに人通りの多い廊下ではせずに、楽屋に連れ込んで上着とタイ外してからリベンジしたはずだ。
二度と拒むな、とか言って。
精一杯優位に立とうと、甘い告白はせずにそんなこと言いそう。
>747
禿同。
ハグだけであんなにはならんでしょ。キスくらいしてるでしょ。
絶対に舌も入れたはず、、、、に20ユーロ。
749 :
過去ログ倉庫番:05/01/18 08:21:02 ID:Khmz/HjE
二度と拒むな
千秋らしくてヨイネー。
ベロチューそのものよりこっちのセリフの方が腰が砕けるw
黒千秋のハーレム読みたいです
>>749 乙です!最初の方をみると、65、66の影響で、このスレ
最近めちゃ活気がでてるのがよくわかりますね!
どなたか、レスーン66の「空白の時間(舞台袖ハグ→楽屋昇天)」
の真相を書いてくださらないですかねー。
>752
書き途中のが放置してある……
出来たら投下してもよろしいかな…?
752さんではないけど読みたいです。
投下お願いします。
>753です。
これが真相かどうかは別として、自分が脳内補完した内容を書きつづってみました。
「こういう考え方もあるね」程度に読んでいただければ。
……では行きます。
パリへ帰ってきて1週間が経つ。
8時には起きて街を軽く走り、シャワーを浴びた後で朝食をとる。
エスプレッソとラッキーストライクを傍らに、デビュー公演でやる曲の総譜をチェック。
オケと合わせた翌日は、練習での反省も踏まえ、改めて自分の音楽をどう響かせるかを考える。
イメージを構築し、感情を奮い立たせ、どう作り上げていくか。
時間はあまり無い。……そんな忙しさに、今は多少の安堵を覚えていた。
あれからのだめには会っていない。
時折あのピアノの音が聞こえて、何とも言えない気持ちになったりもする。
けれど、どう切り出していいのかわかりかねて、無意識に避けようとしている自分がいる。
……千秋はアパートの階段を上がり、フランクの部屋のドアをノックした。
「あ、千秋……どうしたの?」
「デビューコンサートのチケットが来たから、渡そうと思って」
「ええっ、くれるのー?!」
「ハーイ、千秋」
「……ちょうど良かった。ターニャ、君にも」
「うわー、メルシー!…うれしーぃ。絶対行くから」
「じゃ、また」
「あ、千秋…のだめには…?チケット、渡した?……私から、渡しておこうか?」
「……自分で渡すよ。…じゃ」
1階に戻ってきても、部屋にのだめの気配はなかった。
直接、会って渡すか?……いや、やめておこう。今は、まだ……。
ドアの向こうの静寂が、やけに寒々しく心にしみる。
ドアノブに触れてみても、ぬくもりはそこにあるはずもなくて……。
千秋は封筒にチケットを入れ、のだめの部屋のドアに挟むと自分の部屋へ踵を返した。
薄暗い部屋に風が通り、奥のカーテンを揺らす。
ピアノの前に座ると総譜を開き、チェックした部分をもう一度さらっていく。
……何もなかったように、あのドアを開けてのだめが入ってきたら。
いつもの、今までと同じように。
そうしたら、俺は……。
デビュー公演まで、あと10日━━━━━━━━━━━━━━━━━━
沸き上がるスタンディング・オベーション。
こだまする「ブラヴォー!!」の感嘆の声。
顔が火照り、早くなった鼓動はさらに加速する。
「デビューおめでとう!」
「おめでとう!!」
「チアキ、おめー!」
鳴りやまない拍手を背にして舞台袖へと戻ると、心地よい汗が額を伝う。
デビューしたんだ。
指揮者としての第一歩を、今踏みしめている。
……海外へ渡る事すら出来なかったこの自分が、今パリで、この場所に立っている。
夢のようだ。
……のだめに出会わなければ、こんな事になっていなかったのかもしれない。
あいつ、来ているだろうか。
聞いたかな、俺の音楽を……。
喜んでくれているだろうか。
「おめでとう!」
「メルシー」
楽屋への階段を下り、受け取ったタオルで汗を拭う。
「おめでとうございます」
「え……」
千秋はその聞き慣れた声に顔を向けた。
「あの……サインください」
そこに、いた。
「一番でス」
鼻息荒く、ノートを差し出す。
「おまえ……早すぎ!!」
「ステージ出てくださーい」
1度目の挨拶の為ステージに再び立ち、戻ると、千秋はのだめの頭に汗を拭いたタオルを乗せた。
「す……すみません」
あきれた顔で、のだめの手からペンを取る。
全く……何を考えてる、こいつ。
「あの……それから」
千秋はキャップを取り、ノートへサインを走らせた。
「先輩このまえ、キス……しましたよね?」
「……」
「よく記憶に残ってないんで、もう一度お願いしマス」
のだめはそう言うと、目を閉じてねだるように唇を尖らせた。
千秋はその頬に、黙ったままぐるぐると落書きをたっぷりとしてやった。
「ステージ出てくださーい!早く早くー」
……『よく記憶に残ってない』だと?あのやろー、ふざけやがって。拒んだのはお前だろ。
再びステージに立ち、割れんばかりの歓声に答える。
なんであんな、いつも通りに……あいつ、やっぱり馬鹿だ。アホすぎる。
そう思いながら、千秋は顔がゆるんでしまう。
あんまりに馬鹿で、どうしようもない程アホで……。
でも、そんなのだめが、そう、俺はのだめが……
階段を下りると、正面楽屋前にのだめを見つける。
愛しい。……愛しくって仕方がない。
顔を上げたのだめが声を発するより早く、千秋はのだめをその腕の中に強く強く抱きしめた。
今なら、素直に認める。
自分はのだめのピアノに惹かれつつ、本当はとっくにのだめに惚れていたのだという事を。
「せ……センパイ……はうぅ……」
もう、こいつを離したくない。きっともう離れられない。
千秋は腕を緩めて、のだめの顔を見つめる。
うっとりと上気した頬に、落書きしたぐるぐるが不似合いで、思わず笑ってしまう。
「……ヒドイです!こんな落書きするなんてーー!!」
「ハハハ……来いよ。落としてやる」
千秋はのだめの手を取り、楽屋へ引き入れた。
ジャケットを脱ぎ、タイをはずす。シャツの第一ボタンをはずして、ふとのだめの腕を取った。
「もう一度って言ったよな」
のだめの腰を抱き寄せ、背中に手を這わせた。
「ぎゃ……ぎゃぼ……!」
千秋のいきなりのその行動に、のだめは息がうまくつけなくなってしまう。
「センパイ……あの……えっと、顔……」
「……二度と拒むなよ」
耳元でそうささやくと、千秋は有無を言わさずのだめにキスをした。
あの時と同じ、柔らかな唇。うっとりと甘やかに、吐息を濡らす。
軽く触れた後で少しだけ唇を開き、自分の唇でのだめの柔らかな唇を包み込んだ。
そして、舌をそっと差し入れる。
……と、のだめの体は急に弛緩して、膝から崩れ落ちてしまう。
「あっ、おい!……のだめ?!」
のだめは千秋の腕の中で幸せそうに笑い、手にノートを握りしめて昇天していた。
「……おれ、まだキスしかしてないんだけど」
昇天したのだめをあきれて床に転がすと、千秋はベストを脱ぎ、カフスボタンをはずした。
キスくらいで気を失われてたら、先が思いやられるな……。
「せっかくその気なんだから、今までみたいに積極性を見せろよな……」
「━━━━━━━━━━━━!!!!(ポエム)」
「<訳>千秋君、デビューおめでとう!!」
「真兄ちゃま〜〜〜〜〜」
「久しぶり」
「近所の人に色紙を頼まれちゃってー」
「よくやったな、真一!」
昇天したままののだめを片づける暇もなく、千秋は立て続けの楽屋訪問に対応せざるを得なかった。
「どうも」
「あっ、なにあれ?」
「Σ(゚Д゚;」
「 のだめちゃん!?死!?」
隠そうとしていたつもりが、由衣子にのだめを見つけられてしまう。
「笑ってるよ。気持ちわりー」
「なにか変なものでも食べたのか?」
何も気づかない様子の3人をよそに、訝しげな視線を送る母に気づき、千秋は詮索されるのを恐れて佐久間を呼びに楽屋を出ていくのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━終わり
以上です。
>747は私なのですが、一回目のちゅーでも、舌は入ったと思ってます。
だって、背中にあった手が首筋に来てますし……ねえ。
本誌に載るのは次々号だけど、次号には予告つきますよね?
二人は進展してるんですかねー。
……悶々としてしまうよ。
おお、dropさん!素晴らしかったです〜!!!
激しく萌えました!
私も次号の展開が激しく気になります。
とりあえず、次回のkissの予告待ちですね。
またぜひ次の作品も期待して待ってます!
dropさんお疲れ様です!
わたしも一回目のキス、舌入ってると思いますよ。
次回掲載は4号でしたよね。予告付くと思いますよ〜!
次回作も期待します。
>>752です!
ぎゃー!ひょっこりのぞいてみたら「レスーン66・空白の時間」が!
それもドロップさん作!ええもんよませてもらいました。
深刻なのだめ欠乏症が多少和らぎましたありがとうございます。
レスーン65を描いた「ヘタレ千秋」(
>>289〜
>>294)とつなげて読むとさらに萌え倍増デスね!!また新作楽しみにしております!
連レスですみません。
私も1回目のキス、舌入ってる説に一票投じます。
千秋の手がのだめの頭固定してるし、のだめは苦しそうに眉潜めて
汗かいてるし…。(これらの状況証拠によりベロチューは明白かと)
あえて口元を描かないことで、読者の妄想をたきつけるところが
所長らしいですよね。
私も一回目絶対ベロチューしてると思う。
のだめすごく苦しそうだし、手は移動してるし。
あのままのだめが拒絶しなかったら勢いでベッドに押し倒してたかも。
>764
実は「ヘタレ千秋」私なんですよ……
ていうか、とっくにばれてます?
つなげて読んでもらえて、すごく嬉しい。ありがとうございました。
やっぱり1回目舌入ってる説濃厚ですね。
千秋、やらちいw
おお〜!
ヘタレ千秋はdropさんだったんですね〜!!!
すごく心理描写がうまいなあと思ってたんでたんですよ。
ぜひぜひ次回もお願いしますね!
待ってます!
>>764です。
「ヘタレ千秋」、dropさん作ってわかりますよー!
たしか「千秋×のだめ」
>>226もイコール…でしたよね?
いつもハイクオリティなSSで萌えをありがとうございます!
dropさん超乙。
「二度と拒むなよ」という台詞が効果的に使われていてGJです。
悶々とした千秋の心情がいいですねー。
このスレもいよいよ後半になってきたので、勝手ながら、ひとまずここまでの目次を作ってみました。
間違い等あった場合には訂正のほどよろしくです。
有り難いことにまだまだ増えると思われますので、よろしければまた頃合を見て更新しようかと思います。
771 :
770:05/01/19 15:35:02 ID:Laz6/reh
エロパロ板のだめスレ SS目次(レス番770現在)
◆完結SSリスト
01.「のだめ×千秋」……19さん作
>>20-27 02.「千秋×彩子」……46さん作
>>36-46 03.「 題名ナシ 」(菊池×いずみ)……名無しさん作
>>103-105 04.「千秋カンタービレ」(エリーゼ×千秋)……ピアノさん作
>>131-142、>145-155
05.「Kiss away」(千秋×のだめ)……ピアノさん作
>>234-251 06.「千秋×のだめ」……226さん(=dropさん)作
>>259-265 07.「へタレ千秋」……285さん(=dropさん)作
>>289-294 08.「千秋×のだめ」……名無しさん作
>>332-335、>344-347
09.「千秋×のだめ」……名無しさん作
>>359-365、>377-382
10.「Kiss it better」(千秋×のだめ)……ピアノさん作
>>397-414、>437-458
つづく
772 :
770:05/01/19 15:36:40 ID:Laz6/reh
773 :
770:05/01/19 15:37:42 ID:Laz6/reh
774 :
770:05/01/19 15:39:18 ID:Laz6/reh
◆未完SS
「 題名ナシ 」……71さん作(鈴木姉妹×千秋予定)
>>84-88 未完
「 題名ナシ 」……501さん作(黒木×のだめ予定)
>>501-506 未完
◆ネタ
「峰の裏試験」……名無しさん作(原作のギャグエロパロ)
>>514-516 「他の作者がのだめカンタービレを描くとどうなるか」……名無しさん作
>>627-628 以上です。
一度に乗せられるアンカー数が10個までのようなので、
ちょっと妙な形になってしまいました。
見づらかったらすみません…
>775
ありがとう!すごく見やすいよ!
少女マンガスレで投下されてる、良妻日記の、のだめ1ダースの家族計画購入って
ネタにならないかな?
「先輩!144個もあるんですから劣化しない内に早く使いましょう♪」とかってw
パリにまで持ってきてるのかw
のだめのことだからパリまで宅急便で送ってそうw
781 :
770:05/01/19 18:00:18 ID:Laz6/reh
目次作成人です。ありがとうございます!
>dropさま
リアルタイムな本誌パロという事だということと、
>>764さんのレスをふまえて、
3作を勝手に連作をさせていただいてしまいました。
投稿した後に気になったので事後で申し訳ありませんが、よろしかったでしょうか?
もし連作認定にはしないで欲しい、又はこの1作ははずして欲しい…
などありましたら遠慮なく教えてくださいね。
>770
乙です!!
全然問題ありません。ありがとうございます。
皆様、ご感想ありがとうございました。
自己満足のために書いてたものなので、後半は紙面まんまになってますね。
スミマセン、ひねりがなくて。
あー、私ものだめ欠乏症です……来週のKISS本誌の予告に期待したい。
飯が何杯でも食べられそうな予告キボン!!
dorpさんの「ヘタレ千秋」「変態の森へ」はどちらも
エロ描写がないけど、すごーく萌えますね。千秋のもんもんとした
心理描写にヤラれました。本誌、どういう始まり方するんでしょうね?
のだめは(ベロ)チューで失神されるベーベちゃんだから、
ほんと、千秋じゃないけど先が思いやられます。
いきなりルビーの首輪がのだめの胸元を飾っていたらどうしよう…
(あの所長ならやりかねん)
また、渡すシーンを脳内で妄想するしかないのか…。
>>783 いきなりルビーの首輪がのだめの胸元を飾っていたらどうしよう…
(あの所長ならやりかねん)
多分そう。
くろきんのすずらんもいつ渡したのかまったく描かれてないのに
いきなり千秋に留守の間に託してましたもんね。
花がついてなかったから、読者も千秋もよく見ないと気付かなかっただろうし。
あんな感じで、何気なくのだめつけてそう…。
あのすずらんはコンクール前の合宿に行く時に
置き手紙と一緒に千秋のドアの前に置いてあったよ。
あ、ごめん!
くろきんがいつ渡したのかってことですね。
すずらん渡しに逝ってきます…orz
スズランって見た目は可憐なのに花にも茎にも根にも毒があるんだよね・・・。
しかも異常に丈夫で、かなり雑に扱っても平気。
なんか・・・のだめみたいw
>788
すずらんのだめw
そういう意味では、くろきんの見る目は確かだったかも。
くろきん、のだめの実態を知る日がくるのだろうか…
知ったら幻滅しちゃう?それとも?
791 :
名無しさん@ピンキー:05/01/21 21:59:00 ID:HQigj+jM
いや、かえって惚れ直すかも。
だって、根は明るくて優しくて可愛くていい子だし。
優しいかは微妙。
……そもそもいい子は友人の弁当盗んだりはしないか。
マキちゃんはおべんと取っても許してくれるってみこして
やってたんじゃないのかなーと解釈してたよ。
(卒業式のとき、まだ喰わす発言してたし、マキちゃん)
そーゆーあたりは、のだめって本能というか動物的勘で
人を選んでる設定かと…考えすぎ?
のだめって誰とでも仲良くなれるし(真澄ちゃんやゆうことか)
人見知りする由衣子ちゃんともすぐ打ち解けたし、優しくていい子だから
じゃないかなと思うけどな。
まとめサイトがそろそろ( ゚д゚)ホスィ
ここはマターリ静かでつね。
改めて全作品読んだけど、このスレ本当にレベル高いなあ。
しかも、キャラに違和感がない。本当にそういう言動とりそうなんだもの。
職人の皆様、素晴らしいです。
リクが許されるなら、そろそろエチーが読みたい……
神の降臨、お待ちしています。
少女漫画板、荒れまくってましたね。こちらは平和でよいですなぁ。ほっこり。
ネ申の降臨、お待ちしてます。
そうそう、「俊彦(千秋の従弟)×のだめ」ってのはだめですかね。
799 :
名無しさん@ピンキー:05/01/22 12:31:15 ID:/pbG0dn7
具体的なエロがなくてもいいので、
ちょっとしたエロハプニングくらいで
ちあきとくろきんとのだめが絡むような話をキボン
自分でも投下できないか何とか頭絞ってミルー
すいませんアゲてしまいました…
俊彦×のだめ いいかも。
色気なし、と思ってたのだめが意外に胸でかいのを知って、悶々としたりとか。
暫く三善家にいたりしたんだから、ありだよね。
思春期まっさかりの俊彦くん(パパそっくりのアゴ割れを
気にしているところがなんともまた愛おしい…)。
のだめのことは「色気がなくて無神経で変な女」と嫌っていたのに、
意外と胸はでかいし、黙ってればかわいいし、ピアノの才能はすごいし…で
気が付いたら…胸がときめいちゃったりなんかして?
作家様、もし、よろしければ、悶々俊彦くん、お願いします。
2/10はまだ遠ひ〜…
僕を見つけた彼女は一目散に飛び込んできた。
よほど長い間さまよっていたのだろうか。
頭をなでると、その髪は冷たく触れ、その体は小刻みに震えていた。
「だ、大丈夫・・・?恵ちゃん・・だよね?」
「う・・う・・・ダイジョブ・・・のだめ、一人でこんな
知らないとこで・・うっ・・どしていいかわかんなくてっ・・」
やっぱり本物だ。
なんでここにいるのかは分からないけど、とにかくこの冷え切った
体を暖めなきゃ・・・。
黒木は泣き止まないのだめを促し、シンディーのおばの家へと再び
戻っていった。
「あは!クロキー、どこでそんな少女買ってきちゃったのぉ?」
家に入り居間を抜けようとした時に酔っ払った友人たちに
下品なジョークを飛ばされながらも反論することもなく
のだめを客室に通し、紅茶を入れる。
ポットがしゅんしゅんと湧き上がる湯気を見つめ、この非現実な事tuduki実に
とまどっていた。
「ヨーロッパ・・・来てたんだ・・千秋君の噂は聞いてたけど、まさか
恵ちゃんまで連れてきてるなんて思わなかった・・・
あ、でもひょっとして恵ちゃん、一人で観光旅行してたり・・なわけないか・・」
「…何をぶつぶつ言ってるの」
「わぁっっ!」
一人あーでもないこーでもないと悩む黒木の後ろに目の据わったシンディーが立っていた。
「な、なにって色々と・・・」
「クロキ、さっきの子・・・本当に拾ってきちゃったの?」
「ち、違うよ。ただの友達・・・それで、こっちで困ってるみたいだから
とりあえず、今晩泊めてもらっていいかな。
って言ってももう客室に勝手に通しちゃったんだけど・・・」
「そりゃあ構わないわよ。どうせ今夜はみんな酔ってて訳わかんないわ。
部屋も余ってるしね。
ただ、いつもなんか思い悩んでるクロキが家に入ってくるなり
真っ赤な顔して小さな女の子連れてくるんだもん、びっくりしたわよ。」
小さな女の子・・・
含み笑いをするシンディーに何か誤解されてるような気もするけど
とりあえず彼女の元に行きたかった黒木は、ありがとう、と小さくつぶやき
カップを手に客室への階段を上がっていった。
事tuduki実てのは何ですか……?
ノックを二回。
中からの返事は無い。
「恵ちゃん・・・入るよ?」
ガチャリと音を立ててドアを開けると、膝を抱いて、恵はまだ泣いていた。
暖炉の赤さに照らされて泣いている彼女は本当に子供のようで、こんな状況なのについ微笑んでしまう。
「恵ちゃん、そろそろ泣きやんで話してみて。多分力になれるから。」
「はい・・・」
顔を上げた恵にティーカップを渡し、黒木はそっと彼女の横に腰掛けた。
「千秋先輩と、一緒に来てたんですけど、先輩・・・迷子になっちゃって・・・
で・・・探してたらこんな時間になっちゃったから・・・うっ・・・
お金も無いしどしていいかわかんなかったんです。人も誰も歩いてないし・・・」
「うーん・・・千秋君とはぐれたってことはさ、今頃向こうも恵ちゃんのこと探してるんじゃないかな。
泊まる予定だったホテルとかは?携帯とかは持ってないの?」
恵はふるふると首を横に振る。
・・・・・弱った。
とりあえず連れ帰ってきたものの、保護者と連絡手段が無いのでは正直どうしていいか分からない。
「有名どころのホテルを一個一個当たるしかないか・・・電話帳取ってくるよ」
「あ、待ってください!確か、スパで有名なホテルかもしれません。
先輩、当日までのお楽しみって、名前教えてくれなかったけど、のだめがずっと
そこがいいって言ってたからひょっとしてそこかも!」
「スパで有名って、エクリンスターホテルか・・・セレブ御用達の」
「そなんですか?あー、確か星のマークはあった気がします!」
「・・・恵ちゃん・・・」
電話帳を取りに立ち上がりドアに手をかけていた黒木は、再び彼女の傍に膝立ちになった。
「ピアノは・・・続けてるの?」
「えっと、いちお頑張ってますよ。フランスの音楽院に受かって・・
急にどうしたんですか?そんな怖い顔・・・」
「いや、別に・・・電話かけてくるよ。もし千秋君がまだホテルにいなくても
ここの電話番号にかけるように伝言残しとくから」
「あ、そか。ありがとうございマス。」
のだめは笑顔で応えた。
つい先ほどまで、知らない土地でどうしていいか途方に暮れていたのだめは
おもわぬ再会で、危機から救われつつあった。
黒木の心に渦巻いている思いを知る由も無かったのだった。
くっそー・・・あいつどこ行ったんだ・・・
道行く人に、のだめの風貌を伝え、手がかりを得ようとしてた千秋は
その頃、段々と暗くなっていく町並み、同時に少なくなってゆく人影に
のだめと同じように途方に暮れていた。
「すいません、この辺で日本人で、小学生ぐらいの女の子歩いてませんでしたか?
髪はこれくらいで・・・」
「知らない」
まばらになっていく人影に、一人一人声をかけても
もうここでは情報が得られないだろうと千秋は半ばあきらめつつあった。
疲労はピークだった。
焦りと不安が千秋の中に広がっていき、最悪の予想までしてしまいそうだ。
最初のような安易に見つかるという期待は消えうせ、オスロ警察へ歩みを進めたのだった。
「電話・・・こないデスね・・・」
3杯目の紅茶を飲み干し、のだめは隣に座る黒木に話しかけた。
暖炉からはパチパチと薪がはじける音がし、二人を赤く照らしていた。
「心配?」
「ぎゃぼ!そりゃそうデスよ。先輩あぁ見えて結構抜けてるから・・・。」
「そうなの…?僕の中の千秋君はきっちりしてるイメージなんだけど…志が高くて自分に厳しいから」
「そいうカズオ度の高さでたまに損してマスよねー」
「カズオ…?よくわかんないけど、でもこっちでしっかり実績作ってるとこなんかは
尊敬に値するよ。僕なんかこっちに来てはみたものの、成長してる実感もないし…。
恵ちゃんだって大学院受かって着実に夢追いかけてて…正直うらやましいな…」
「そんなことないですよ!のだめだって先生に赤ちゃん扱いされて、色々悩んでますよ…
だから黒木君も自分だけなんて思わないでくだサイ。
そだ!パリに遊びに来てくださいよー。三人でエッフェル塔見にいきましょう!」
自分だって今大変な状況なのに、一生懸命言葉を選んで励ましてくれる。
また、つい誰にでもネガティブな部分を吐露してしまう己の弱さに嫌気がさしつつも
黒木はのだめに対して暖かな優しさを感じた。
「恵ちゃん・・・」
「オペラ座もありますよ!」
誰かに甘えたかった。誰かに認めてもらいたかった。
そして、そんな自分に両方を許してくれるかつての思い人が自分の左隣にいる。
黒木は左手で彼女の腰を抱き寄せ、そのまま彼女の言葉を遮り荒々しく
唇を重ねた。
・・・そっと彼女から離れると、のだめは目を大きく見開いて微動だにしなかった。
「恵ちゃん…?ご、ごめん!つい…」
焦ってなんとか言い訳をする黒木に焦点を合わせることもなく、
のだめの瞬きも忘れた瞳から大粒の涙がほろほろと流れ落ちた。
「なんで…そんなことするんデスか…?」
「なんでって…………ごめん!ほんとに魔が差した…じゃなくて、あの、なんていうか…」
「魔……?」
やめてくれ…
「ついキスしたんですか…?」
僕を否定しないでくれ…
「のだめ、千秋先輩のことだけ…」
歪んだ愛情の源は千秋君へのコンプレックスだったのかもしれない…
それでも僕は…
811 :
501:05/01/22 22:15:22 ID:xC6An1wm
これ以上は漫画の雰囲気を壊す恐れがありますので
これにて完結とします。
501さん乙!
黒木くんの気持ちが切なくてすごくいいですね!
か、完結と言わず、ぜひぜひ続きを〜!
>501さん
続きが読めてうれしいでつ。GJ!
のだめの反応が自然でイイヨー!
続きを期待したらダメでつか…?
814 :
501:05/01/23 05:32:02 ID:QJfJwuAj
なんとか原作からはずれないように修正してみましたが
嫌悪感を感じる人もいるかもしれませんがいいでしょうか
切り取り線からのスタートですので、スルーおねがいします。
-----------------------------------------------------------------------23R
「恵ちゃん………っごめん!」
「やだ…やめ……っ!」
何か糸が切れたようだった。
指揮者として確実に実績を積み重ねてる千秋君。
ピアニストとして一歩一歩進んでいる恵ちゃん。
二人は恋人同士で、バカンスをリッチなホテルで過ごす…。
それに比べて僕は…。
嫉妬と羨望と愛しさが滅茶苦茶だ。
こんな事をして、日本での居場所さえ失う事になるかもしれないのに…。
反対に、彼女なら許してくれるかもしれないというずるい考えもあった。
そんな事を考えながら本能的に彼女を押し倒してしまった。
両手を床に押さえ込んで彼女の表情を伺おうとするが
顔を背けてしまってよく見えない。
彼女の手首を通じて、僕のものか恵ちゃんのものかどちらかわからない
小刻みな震えが伝わってきた。
「おねがい…やめて…!やめてください!」
泣きながら僕をにらんできた彼女に再び唇をそっと重ね、吐息のかかる
距離で、ごめん、と小さくつぶやき、彼女の首筋に唇を寄せた。
押さえ込んだ手首から痛いくらいの反発を感じていたが、次第にそれも弱々しくなる。
聞こえるのはすすり泣く声と薪がはじける音だけだ。
彼女の左手の戒めを解いて、そのまま彼女の胸を服越しに触ると、ビクっと体が一瞬はねた。
それは快感から来るものでは無く恐怖から来ているとは分かっていても
今の僕を興奮させるのには十分だ。
今度は右手をワンピースの裾から滑り込ませ、彼女の右足を撫ぜる。
そして、その手で厚手のタイツを半ば強引に引っ張った。
「だめ…ちょっほんとにやめてください…!黒木君…!やだ…」
茫然自失だった彼女も下半身を露にする行為に再度抵抗する。
体を起こし、なんとか黒木の手を押さえようとする。
しかし、その抵抗も空しく、彼女の足は暖炉の赤さに照らされ、同時に
スカートはめくれ臍までむき出しになっている状態だ。
「やだ……」
必死になってスカートを元の位置に戻そうとする彼女に、再び覆いかぶさろうとしたその瞬間
のだめは黒木の頭をその胸に抱きしめた。
「え……恵ちゃん……!?」
「よしよし」
「……!」
そのまま優しく頭を撫でられ、黒木は次の行動が取れずにのだめに身を任せている。
柔らかくて、なんて暖かいんだろう…
どれくらいの時間そうしていただろうか…
ただのだめは黒木を抱きしめ頭を撫で続けるのだった。
「あの…恵ちゃん…」
「落ち着きましたカー?」
のだめはそっと微笑んで黒木の顔をのぞきこんだ。
「……怒らないの……?」
のだめは優しく首を横に振る。
「黒木君の方が…いっぱい傷ついてるから…」
そして、再度黒木を抱きしめ背中を撫でるのだった。
オスロ警察についた千秋は警察官に事情を説明した後
とりあえずチェックインが遅れる旨を伝える為、手帳に書き記した
エクリンスターホテルの番号をプッシュした。
「あの、今日予約していたチアキですが…」
「シンイチチアキ様ですか?伝言をお預かりしております…
キロキ様からです---------」
キロキ?そいつの家にいるのか…?
とりあえず無事で良かったが、あいつノルウェーでもう知り合いが出来たのか…?
全くあいつのことだからきっと変人なんだろうな…
今のだめがかつてのライバル黒木と抱き合っていることなど創造だにせず
安堵のため息と共に間抜けなことを考えつつ、今度はシンディーの家の番号をプッシュしている千秋だった。
静かにのだめに身をまかせ、子供のように甘えていた黒木の耳に、静寂を切り裂くように電話のベルが響く。
「あ…千秋先輩かも…」
黒木を抱きしめながら、のだめの声は弾む。
恐らくその推測が当たっているだろうと二人とも感じてはいたが
どちらともなんだか動けずにいた。
電話のベルが止む…と同時に階下からシンディーの大声が聞こえる。
「ちょっとクロキー!男から電話だけどー!私英語話せないのよー!
多分あなたにだと思うんだけどー!」
「恵ちゃん………出るよ」
「あ!はい!私も英語喋れませんからおねがいしマス!」
「いや、千秋君相手なんだから日本語でいいんじゃないかな」
「あ、そか…」
なんだか照れてしまってお互いの顔が見られない。
黒木は自分の赤い顔を隠すように客室を出て、電話に向かった。
『Excuse me.So…』
「千秋君、僕だよ。黒木です。」
『はぁ………え!黒木君!?なんでこっちに…?のだめは!?』
「お、お、落ち着いてよ千秋君。彼女なら無事だから……あ、今代わるよ」
階段の途中から心配そうに見下ろしていたのだめだが、黒木のアイコンタクトを察して
ダッシュで受話器に向かってくる。
「先輩!!もー!何してたんですか〜!いい年して迷子なんて…のだめ探したんですヨー!」
『な……!お前なぁ……!………まぁその、なんだ事情は会って聞くから
とりあえずそこの住所を言え!』
おおはしゃぎののだめの背中を見ながら、黒木はこれで良かったんだと思った
同時にのだめに対する感謝の気持ちが溢れてやまなかった。
恵ちゃんだったから、間違いを犯さずに済んだ…
こんな弱い、今にも挫けそうな僕を癒してくれた…
それだけで十分だ…
「20分くらいで着くそうです!!」
受話器を置いたのだめは満面の笑みで振り返る。
「そう、良かったね。それと……本当にごめん…ありがとう…」
「なに言ってるんですか!(千秋先輩と)同じ釜のR★Sオケじゃないですか!!」
「…?う、うんそうだね…でもほんとにありがとう」
そう言って黒木はのだめを力強く抱きしめた。
これで、最後だ。
恵ちゃんへの思いを完全に断ち切り、明日からはもっと自分を信じてあげよう。
今日恵ちゃんの腕の中で生まれ変われたような気がするから…!
その後、迎えに来た千秋と黒木はしばしの再会を喜び合ったが、なにせ誰もが疲れ果てていた。
ゆっくりとした時間を過ごすことも無く、のだめと千秋はやっとの思いで
ホテルにチェックインできたのだった。
「おい…反省会だ…」
千秋はぐったりと体をソファに預け、ため息をつきながらのだめに向かって声を掛ける。
「な、何がですか?のだめ地中海スパに行ってきますよ…無事に再会できて良かったです。
それじゃあ、先に寝てていいので…」
「おい、なぜ目を逸らす…?」
そう言いながらのだめの右肩を掴み、こっちを向かせようとした千秋は
彼女の首筋に赤く残る印を見つけた。
「…ていうか、なぜ素足にブーツ…?」
首筋から足元に視線を移した千秋の中に、疑惑は広がるばかりだ。
「お前…まさか…」
「な、何ですか…」
「黒木君と……」
威圧感を持って見下ろしてくる千秋に二の句を告げないのだめだったが
今日の事は千秋には絶対言ってはいけない事だった。
言ったら、黒木君の名誉を傷つけてしまうから。
「まぁいいや。言いたくなったら言え。俺…今日は疲れたから寝るよ。
誰かさんのせいで…全く」
何かを察したかのように、急に追求をやめ、ベッドに身を預けた千秋。
その優しさに、のだめは涙が出そうになる。
思わずその背中に寄り添った。
「千秋先輩…今日…心配してくれました…?」
「全然」
数日後
オーストリアの市民オケの練習場。
ひと際華やかなオーボエの音色を響かせている黒木がいた。
その色は以前のような灰色でも、日本にいる時のようなピンクでもなく
未来への希望を感じさせるような虹色の音色だった。
-----------------------おわり------------------------------------
822 :
名無しさん@ピンキー:05/01/23 11:38:19 ID:jdhCmk13
おお〜!501さんGJ!
黒木くんが切なくて、のだめがすごく優しくて可愛いですね!
何か感づきながらも追求しない千秋も男らしくてかっこよかったです。
続き読めて嬉しかったです。
ありがとう!
お疲れさま!GJ!
原作への愛情が感じられる良い一編でございました
うっほー
くろきん×のだめ キ・キ・キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
壊すだなんてとんでもない。
3人の「らしさ」が出ててとってもよかった。
んでもって、次の日は無言のまま嫉妬して、ついつい激しくしちゃう千秋がいるわけですね?
ニヤリ。
続きありがとう!GJ!!
ほんと、みんならしくてイイ!!
「よしよし」のとこ、のだめの母性愛(?)が描かれててよかったです。
千秋に催眠術をかけたところを思い出しましたよ。
「もういいんですよ」って優しく語りかけるシーン。
原作のイメージも全然崩れませんでした。続き描いてくれてありがとう!
乙!素晴らしく乙でした!
本当に、キャラっぽさが出てますねー
自分はくろきん×のだめ、どうやってもストーリーが作れなかったんだけど
すごく自然な流れでした。まさしく、って感じ。
ありがとうございました!!
予告を読んできたんだけど、進展があるんだか無いんだかわからんよママン……
千秋と一緒に、絵画を見に行ったんだろうか……デート?
あと半月か……長い……長いよ。
コミックで読んでるからネタばれ勘弁してください
>829
今更何を……
ネタバレ関係って、このスレで出た事ないけど、少女漫画板のスレに準ずると考えていいよね?
831 :
501 1:05/01/26 02:27:21 ID:3WCfMZNW
「じゃあ、もういいよ」
言った後ですぐに後悔の波が襲ってきた。
のだめは俯いて泣いてるようにも見える。
傷付けたくないのに、なんでこんなことに…
事の起こりは今日の夕食時
いつものように、のだめは俺の部屋でたらふくカルボナーラを食って
食後のまったりした時間を過ごしていた時のことだった。
「お前、今度の課題曲何やるの?」
「えと、まだ迷ってるんですよ。のだめはハイドンやりたいんですけど
先生はモシェレスやってみたらって言うんですよー。
千秋先輩はどっちが好きですか〜?」
「モシェレス…
お前みたいに、勢いで弾くタイプにはぴったりじゃないか?
先生が薦めるのもなんとなく分かるよ」
「えー…でも付き合ったことないデス…」
832 :
501 2:05/01/26 02:28:02 ID:3WCfMZNW
音楽院での、解釈授業の成果か、のだめとはその曲や音楽に対して
情緒的な話や、のだめなりの思いなども会話にできるようになってきた。
それは、以前の好きな曲を好きなように演奏していた時に比べ
音楽に正面から向き合えるようになってきたこいつの成長を感じさせて
千秋は少なからず好ましく思っていた。
「確かレコードあるような気がするけど…ちょっと待ってろ」
「はーい。あっ、アイス食べてもいいデスか?」
「んー………」
千秋が目当てのレコードを探し当て、居間に戻ると、のだめはカップアイスの蓋を取り
幸せそうにソファに腰掛けていた。
そんな彼女の姿を横目に、持ってきたレコードに針を落とす。
と、同時に荘厳で華やかなメロディが部屋に響き渡った。
「この人の作る曲は、結構緻密で、まぁ難易度は高いけど、ノッてしまえば…」
そう薀蓄を話しながらのだめの隣に腰を下ろす千秋。
しかし、のだめは一心不乱にアイスクリームに立ち向かっているのだった。
「な…お前人がせっかく…それに、俺の好きなチョコミントじゃねーか!!」
「だ、だってのだめも好きだし…あ、じゃあ一口あげますから〜はい、あーん」
そう言ってのだめは小さなスプーンにアイスを乗せ、千秋に近づけた。
833 :
501 3:05/01/26 02:28:53 ID:3WCfMZNW
(せっかく音楽のまともな話ができると思ったのに、全くこいつは…)
そう考えながらも、のだめのそんな仕草につられて、誘いに乗り
顔を赤くしながらアイスを食べさせてもらうのだった。
他人から見たら典型的なバカップルだ。
でも、ここにはその他人はいないし、千秋を必要以上に王子様扱いする奴もいない。
(一応…俺たち付き合ってるんだし…ってことはこいつ俺の彼女になるのか…
見慣れてるとは言えこうして見ると可愛く…見えないこともない…か?)
口の中の爽やかな甘みを飲み込みながら、そんなことを漠然と考えていたが
のだめの声で現実に引き戻される。
「いいダシ出てますかー」
「ぶっ、アホか…」
穏やかな時間が音楽と共に流れる。
ふと、うれしそうに笑うのだめの口角にアイスが付いてるのを見つけ
千秋はそっと舐め取った。
びっくりしているのだめに再度唇を重ねる。
逃げられないように右手で腰を抱き、左手で彼女の頭を支えてやると
後ろに傾いていた重心は唇を重点とし、千秋に寄ってくる。
そのまま、舌で口の中を味わっていると、息苦しそうに
のだめは千秋から離れ、呼吸を再開した。
834 :
501 4:05/01/26 02:29:37 ID:3WCfMZNW
「もう……先輩、今のだめモシェレス聞いてんデスから、邪魔しないでください……」
「嘘付け、好みじゃないんだろ?」
吐息のかかる距離でそんな会話を交わし、千秋はまたキスをする。
舌をからませようとする千秋に対してのだめは少ない経験ながらも応えようとし
それが千秋を興奮させるのだった。
その内に二人は唇を離し、舌だけをからませ、湿った音が音楽にかき消されながらも
大きくなっていく。
もう千秋はその気だった。
少しずつ、のだめの背中を支えながら、押し倒していくと、思ったより抵抗は無い。
(お、俺たち付き合ってるんだし、そろそろいいよな…
もう3年近くヤッてないし…いやいや、もちろんこいつのこと好き……だし。
まぁ自覚したのは最近だけど、結構我慢した部類だよな…)
のだめのことはいい面も悪い面も含め、愛している千秋も、
‘あの’のだめを恋人と認め、抱くとなると、それなりの覚悟と言い訳が必要なのだった。
キスをしたままのだめの上半身ををソファに寝かせ、その腕を自分の首にからませる。
唇を離し、見詰め合う二人の荒い息に合わせ、曲も第二楽章のロマンティックな
メロディへと調子を変えた。
のだめの頬に軽く三度キスをして今度はその唇を耳元にスライドさせる。
耳たぶを甘噛みし、わざと音を立てるようになめるとのだめは甘い声を出して反応する。
「は…あっ、だめ、先輩……あぁっ…」
今度は耳穴付近をくちゅくちゅと音を立てて執拗に舐めてやるとのだめは顔をずらし、逃げようとする。
「ちょ…だめ…先輩…」
「耳…弱いんだな…」
息のかかる距離でそうつぶやかれ、のだめの顔はみるみる赤くなっていく。
しかし、それがさらに千秋の支配欲を刺激していることなど、のだめは想像もしていない。
835 :
501 5:05/01/26 02:30:27 ID:3WCfMZNW
耳への愛撫はそのままに、今度は右手でワンピース越しにふくよかな
胸に触れ、その感触を味わう。
耳と胸を同時にせめられ、がっちりガードされ、逃げることもままならないのだめは
目をぎゅっとつぶり、歯を食いしばっていたが、鼻にかかった声は止めることは出来なかった。
「ん…んっ…ん…」
(エロいな……)
もちろんそんなことをしているのはむしろ千秋の方だったが、おそらく処女であろうと
思われるのだめの新鮮な反応に、千秋は喜びを感じていた。
彩子の様に、もっともっとと千秋を鼓舞するのではなく、
あくまでも千秋の愛撫を受け入れ、純粋に感じてくれているのだめを
逆に滅茶苦茶にしてやりたくなる。
そんなことをぼんやりと考えていたその時、予想もしていなかった言葉を聞いた。
涙目で息も荒くなっているのだめは、ふと口に出して言ってしまったのだ。
836 :
501 6:05/01/26 02:31:44 ID:3WCfMZNW
「彩子さんにも…んん……同じようにしたんですか…?」
千秋の動きがぴったりと止んだ。
彩子と付き合っていたのはのだめと出会う前の事で、長く付き合う恋人なら当然のこと。
なにも後ろめたいことはないはずなのに、突然ののだめの言動につい動揺してしまう。
そして、今まさに初めてのセックスをしようというのに、昔の彼女の名前を
出され水を差されたことに不快感があったのも確かだった。
「…なにそれ」
「なにって…どなのかな…って」
「なんでそんな事聞く?」
「だ、だってのだめ初めてだし、初めてだからこれで合ってるのか分かんないし、
そ、それに先輩だってもっと上手な人の方がうれしいかなって…」
ため息をつきながら千秋は体を起こす。
「…むかつくよお前…」
「ご、ごめなさい……」
長い沈黙の後、じゃあもういいよ、と一言だけ言って千秋はキッチンに水を飲みに行った。
少し冷静になろうと思ったのだ。
しかし、再びのだめの元に向かうと、もうそこにのだめの姿は無かった_______
837 :
501:05/01/26 02:32:59 ID:3WCfMZNW
続きはまたー
あー、次が気になる!
>>501タソこんな時間に乙です。
こんな時間にいきなり投下なんて素敵だ!
ありがとう!
501さん!ステキです☆
あー・・・続きが気になる!
お待ちしていますよ!
頑張ってください☆
501さん、GJですよ〜!
カッコとじ内の千秋の心情が良いですね。
このあとの展開がとても気になります。毎日スレ覗いてますので、
上がったら投下よろしくお願いします!
501さん乙です!!!
すんごい続き気になります!!
待ってますんで頑張ってください!!
リアルタイムで見られたらイイナ・・・。
初めて投下します。エロまでいけるかは、ビミョウですが…。
「それじゃ、のだめ先に帰りマス」
デビュー公演が無事に終わり、これからパリまで駆けつけてくれた
三善家の面々と食事にでもと話しているときだった。
由衣子は「え〜っ!? なんで〜?」と不満そうにのだめの腕にまとわりつく。
のだめは、ピアノの練習がありマスから〜と困ったように笑った。
眩暈
「そう。残念ね。のだめちゃんもがんばってね」
「ハイ。由衣子ちゃん、また遊びに来てくだサイネ」
征子の言葉にうなずきながら、のだめは由衣子の方に視線をおくる。
せっかく久しぶりに会えたのに〜、と由衣子はまだ少しむくれていた。
今度はいっぱい遊びましょうネ。約束デス。
小指をからませてニッコリ微笑むと、立ち上がって、
「それじゃ先輩、また明日」
ペコリと俺に向かって挨拶し、ターニャとフランクを引きずっていった。
あの二人は食事にありつく気マンマンだったらしく、
「はなしなさいよ〜っ!!」とか「ぼくのごチソウ〜!」とかいう
悲鳴(奇声?)が聞こえてきた。
いや、それどころじゃない。俺はのだめに言わなきゃならないことがある。
てっきり一緒にメシを食うものだと思って油断してたところに、予想外の
「帰りマス」で半ば呆然としていた千秋は、軽く頭を振って声のするほうに
向かって駆け出した。
「真一? どこに――」
「すぐ戻るから先に行ってて!」
843 :
842:05/01/28 16:49:00 ID:zlwSdwrS
先ほどからチクチクと視線が痛い。隣に座る母、征子がなにやら意味ありげな
目で俺の様子をうかがっているのだ。楽屋でもそうしたように、千秋は視線を
無視することにしてひたすら目の前の料理を片付けることに専念した。
「のだめちゃんってさあ……」
ぶほっ!! いきなりのだめの名前が話題にあがり、千秋は思わずむせた。
「どうしたの、真兄?」「いや、……なんでもない」
げほげほとムセながら顔をあげると、征子がニヤニヤしてこちらを見ている。
「由衣子ちゃん、のだめちゃんが、何?」
「あ、うん。なんだか大人びたなぁって」
あ、やっぱりそう思う? と女二人がうなずきあうと、
「そうかな。ぜんぜん変わんないと思うけど」「相変わらずだな」
と三善父子が結託して反論する。
……大人びた、か。
千秋はぼんやりと先刻ののだめとのやりとりを思い出した。
「のだめ!」
追いついた背中に声をかけると、のだめはちょっと驚いた顔で振り向いた。
「ほわぁ、先輩デスか」ビックリしましたヨ〜と言って、ふふ、と笑う。
ターニャとフランクは、先に行ってる、と歩いていった。
「どしたんですか? 忘れ物デスか? あ、のだめお金はありまセンよ」
「ばーか。財布忘れたワケじゃねーよ」
不覚にものだめの笑顔に見とれてしまった千秋は、自分の顔が赤くなるのを
ごまかすように、わざとつっかかるようにして言った。
――こいつ、こんな顔して笑ったっけ?
いままでさんざん色気ねーだの、変態だのと言ってきたけど。
「……あのさ、話あるから俺の部屋で待ってろ。ピアノ使っていいから」
――カギ持ってるよな? ――ハイ。待ってますネ。
そう言って笑うのだめは、やっぱり女の顔をしていた。
>501さん降臨待ちの間に、短めのを投下します。
----------------------------------------------------
ベッドの縁に腰掛けて下着を着けていくのだめの後姿を、千秋は見ていた。
前かがみになった時一際大きさを主張する乳房が、レースのあしらわれたブラで包み込まれていく。
寄せて上げるしぐさをしながら、のだめはあれ?と首をかしげた。
「何?どうかした?」
「…ん〜〜。……最近ブラがきついんですよね〜」
「……太ったんじゃねーの?」
「太ってまセン!!体重変わってないですヨ!!…レディーに対して失礼な!!」
「…誰がレディーだ……」
まあ、太った感じはしないよな。…いや、むしろ…最近、くびれができてきてイイ感じだ……。
のだめの体のラインをじっくり見ながら、千秋は顔を緩めた。
「やっぱりそうかも…」
「だから何だよ」
「……胸、おっきくなったみたいデス」
「マジで?!」
がばっと起き上がって声をあげた千秋を、のだめはゆっくりと振り返る。
「…随分と嬉しそうじゃあないですか。……何デスか、その顔。やらしー」
自分でも、顔がにやけてしまうのがわかる。
「えっ、いやー…ぅほん」
どうしてもにやけてしまうのを抑えられず、わざとらしく咳をしてみた。
いやらしげな表情の千秋をからかうように、のだめは唇を尖らせる。
「おっぱい星人……」
「……くそっ、何とでも言え…!」
「ぎゃぼ…!!」
後ろから覆い被さるようにのだめを抱きしめると、胸を隠そうとするのだめの腕をものともせず、掌でその豊かな胸を鷲づかみにした。
「確かめないと。どれどれ…」
「もうっ、先輩のバカー!ダメです━━!!」
千秋は無言で手指を動かした。
ブラの上から、突起にに人差し指が当たるようにし、小刻みに震わせながらすくい、寄せ上げる。
「…ホントに……駄目デスってば…ん……」
反応よく突起がしこり始めると、千秋はすばやくホックをはずし、ストラップを肩からずらせた。
腋の下から腕を通し、あらわになった白い胸を直に掌に包み込む。そして再び蹂躙していく。
それはどこまでも柔らかく、それでいてしっかりと指を跳ね返す弾力に満ちていて、飽きることなく千秋を楽しませる。
「でかいな…、おまえの……。マシュマロみてー……」
「駄目デスってば……先輩…ゃあん」
そしてまた、のだめの肩越しに見える自分の掌の中で形を変える双丘は、千秋の官能を奮い立たせるのに十分だった。
「なあ、のだめ……」
「駄目デスー!!」
いいだろ?と千秋が問い掛ける前に、のだめは腕をがっしりとつかみ、千秋の動きを静止した。
「言ったでしょ!これから学校なんですヨ!!」
「…そうだったな。忘れてた」
のだめは千秋の腕をすり抜け、再びブラをつけた。千秋は若干ふてくされ気味でベッドに寝転んだ。
「あーあ、このブラのセット、気に入ってたのに…」
「サイズが変わったらつけられないのか?」
「合わないサイズだと、胸の形が崩れちゃうんですヨ。だから、新しいの買わなきゃ……グスン」
「ふーん」
のだめはワンピースに袖を通し、コートを羽織る。
「…先輩のせいですヨ。いつも、胸ばっかり揉むから……責任とって下さいヨ」
「そっ、そんな風に言うなよ…。しょうがねーだろ、そんなの」
「おっぱい星人…!!」
「……うるさい!!早く学校行け!!」
『おっぱい星人』というレッテルは千秋の自尊心をいたく傷つけるらしく、千秋は真っ赤になってうろたえた。
その様は普段の彼からは想像できないほど滑稽でかわいらしく、のだめはくすくすと笑った。
「じゃ、行ってきまーす」
「あ、のだめ」
ドアノブに手をかけるのだめを千秋は呼び止めた。
「学校終わったら連絡しろよ。買い物、行くぞ」
「買い物?」
「…買ってやるよ、下着。……お、大きくした責任、取ってやる」
「ぎゃはあ…!やったー!しますします、電話!!」
「今日は部屋にいるから」
わかりましたー、とのだめは笑顔でドアを出て行った。…と思うと、細く開けたドアから顔だけのぞかせ、千秋を呼ぶ。
「何だよ。遅刻するぞ」
「先輩も一緒に選んでくれますよね?…たまには黒とかどうですかネ?先輩好みのセクシーなの…ギャハ」
じゃ、行ってきまーす、とのだめは元気にドアを閉めた。
「…何考えてんだあのバカ……」
セクシーな黒なんか似あわねーだろ、と毒づいてみるものの、想像の中でのだめに着せてみると意外にも似合いそうで……。
「…ま、まあたまにはいいか、そーいうのも……」
とつぶやいてしまう千秋なのだった。
━━━━━━━━━━━━━終わり
>842さん
ご…ごめんなさい……!!
ちゃんとリロードすればよかった…。
↓続きドゾー
848 :
842:05/01/28 19:02:00 ID:kbusMScG
〉dropさん
いえいえ。
こちらも続きが今日中に書けそうもないので
どうもすいません。
というわけで、つづく……
(ああ、これからいいトコロなのに! ごめんなさい)
↑のお二方乙です。
dropさん、話は終わってますが、千秋はどんな下着が好みなんでしょう?
黒のスケスケとかだったら、ムッツリっぽさアップですよねーw
それにしても最近のお話は千秋のエロ度が増してていいですね。
これからも楽しみにしてます。
542さん、dropさんGJ!です。
lesson66後の眩暈の続き、気になりますね〜!
また出来たらぜひぜひ、投下お願いします!
dropさんの書く千秋は可愛くていいですね〜♪
おっぱい星人千秋…w
そしてのだめの胸はどこまで大きくなるんでしょう。
この調子で千秋が頑張れば、EはおろかFまで成長するかも…。
でも、あまり胸が大きくなりすぎてピアノが弾きにくくなるから、
しばらくH禁止されて千秋が悶々するというのも見てみたいですね〜w
また新たな作品の投下を待ってますね。
851 :
850:05/01/29 00:17:22 ID:sJTEi0QN
すみません、542さんではなく842さんでした。
大変失礼しました<(_ _)>
852 :
501 7:05/01/29 05:00:17 ID:r9/mhZiW
(もうだめかもしれないな…)
スペインからの帰りの列車に乗りながら千秋は考えていた。
窓からは秋の日差しが刺し、遠くには近代的なビルの町並みが延々と広がり、都心に戻ってきたことを告げる。
あれから二日後、急なシュトレーゼマンの公演の付き人として
スペインで2週間過ごした。
公演自体は大成功の内に終わったが、自分でも、そしてシュトレーゼマンの目にも
覇気が無いのは明らかで、何かを学び取れた実感もない。
「いい加減にしなさいヨ。」
それが最後に聞いた彼の言葉だった。
そして、最後に見たのは彼の後姿のみだった。
無理も無い。空いた時間は心ここにあらずと言った具合にただのだめのことだけ考えていたのだから。
(あいつが俺のこと信じねーからこんなことに…
なんで、自信もってくれないんだ
確かに面と向かって好きだの言ったことは無いが分かってくれてたんじゃないのか?
この俺がわざわざ欧州まで一緒に…くそっ)
853 :
501 8:05/01/29 05:01:44 ID:r9/mhZiW
怒りと切なさが相まって、ただ身の置き場も無くやり過ごすことしかできない。
相手を傷つけることしかできなかった自分のふがいなさも、ただただやりきれない。
そして、のだめとの不安定さが自分の音楽にまで影響を及ぼしたという事実
メンタルの弱さによってせっかくの師匠に与えられたチャンスをふいにしてしまった事も
千秋の落ち込みに拍車をかける。
(なんであいつ今さら彩子のことなんか…ずっと気にしてたのか?
……だとしたら……。
確かに彩子は顔はきれいだしスタイルも良かったけど、
俺はのだめぐらい健康的な方が実はこ、好みだし…
いや、そういうことでなくて…今更だろ!?
わざわざ口に出して言わなきゃ納得しないのか?)
「つか…もう嫌われてるかも…セックスできずに切れて…死…」
「う…ママァァ…」
ぐったりと影を背負いぶつぶつと独り言を言う千秋に怯え、正面に座っていた幼女はとうとう泣き出した。
とりあえず、フランスに戻ったらすぐに会いに行こう、お互いの気持ちを確認しようという
決意だけは心にあった。
それで終わるなら仕方ない。
「絶対謝らねーけどな。悪いのはあっちだし…」
そうつぶやきながらも、早く着け、と逸る気持ちは落ち着き無く彼をせめ立てた。
854 :
501 9:05/01/29 05:02:35 ID:r9/mhZiW
とりあえず、フランスに戻ったらすぐに会いに行こう、お互いの気持ちを確認しようという
決意だけは心にあった。
それで終わるなら仕方ない。
「絶対謝らねーけどな。悪いのはあっちだし…」
そうつぶやきながらも、早く着け、と逸る気持ちは落ち着き無く彼をせめ立てた。
ようやくアパルトメントに着き、深呼吸をしてのだめの部屋の前に立つ。
チャイムに手を伸ばし、手を引っ込めること五回。
勇気を出して、その指に力を込める。
ジリリリリ…
ジリリリリ…
……………
部屋の主は出てくる気配は無い。
腕時計を見ると短針は13時を指していた。
(まだ学校かな…)
そう思うが早いか、千秋は早足で、大学院へと歩き始めた。
慌しく行きかう多国籍の学生の波を縫い、レッスンスケジュールの張ってある掲示板を探し
のだめの名前を探す。
「メグミノダ…メグミ…A18か…」
(め、めぐみ…)
なぜか顔を赤くする千秋だった。
A棟に着き、目当ての18号室を探す…までもなく、すぐに分かった。
聞きなれたピアノ、以前のような作曲や音とびはないが、千秋にはすぐに分かった。
久しぶりののだめのピアノに壁に背を預け、瞳を閉じて耳を傾ける。
曲は……あの時のマシェレスだった…。
「あれ〜?チアキじゃな〜い!!」
「Nein, es ist nicht Chiaki. (いえ、僕はチアキではありません)」
見慣れた派手なロシア人から身を翻して逃げようとする千秋。
「ばればれの嘘つかないでよ…どうみてもドイツ人じゃないし…
ノダメに会いに来たんでしょ〜?やっと解放してもらえるのね!!」
「どういう意味だ…?」
「やっぱり千秋じゃないの…
ここのとこ、ノダメにアフター5拘束されてるのよ
自分のピアノ聴いてくれって。だめなとこはどんどん言えって言うんだけど
正直オクレール先生の生徒にアドバイスできる訳ないし…
別にそれなりに弾けてるのに『まだ何か足りないんデス』なんて言って一晩中…
フランツかユンロンにでもバトンタッチしたかったわよ全く…
まぁチアキがいるならもういいわよね!なんとかしてよあの子」
一方的にまくしたてるターニャの言葉を聞きながら、一方の耳で
どこかがむしゃらなピアノの音色を聴く。
「完走してくれて助かったよ…ありがとな。
のだめの言う足りないところってのは…まぁ、なんとなく分かるから多分もう大丈夫…な気がする」
「何その発言!意味しーん。
じゃあ私もう行くわね。チアキ…あの、頑張ってね。色々と…」
同情の目を向けるターニャ。
「な…!どこまで聞いた!?」
「Auf Wiedersehen !」
(くそ…のだめの奴…ぺらぺらと…)
そう考えながらも、もうすぐ会える喜びになぜか微笑んでしまう。
(俺の音楽も、あいつのピアノも、もうお互い無しではどこか欠けてしまうみたいだ…
お互いに刺激し合って成長していけたら…!)
ピアノの音が止む。
ごそごそと荷物をまとめて先生に挨拶する声の後、ドアが開き、待ち望んでいた姿が現れる。
「ほわぁぁ…先輩…どしたんですか急に…
あ、ひょっとして道に迷ったとかデスか…」
「なわけねーだろ…いいから来い!」
「え…カズオの日?」
のだめの言葉を無視し、手を引いて屋外に連れ出す。
中庭、ひと際大きな木の生えた庭園、隅の方に人気の無い噴水を見つけると
そこに来てはじめてのだめの手を解放する。
「なんなんですかいきなり…はぁ…求心ください…」
「体力無いなお前」
そう言いながら肩で息をするのだめを力強く抱きしめた。
「ひぎっ…もう、今日はびっくりすることばっかり…」
「少し黙れよ…」
遠くで、色々な楽器の演奏と鳥のさえずりがが交じり合って聞こえる。
そして、腕の中ではまだ息もつかずに動悸だけ弾ませてのだめは千秋に身を任せていた。
長い沈黙の後、千秋は口を開く。
「……ハイドンだったら、どうしようかと思った…」
「………だって……でも、のだめ全然ノレないですよ。先生には初めて褒められたけど…」
「うん…明日からは、多分大丈夫…」
「?どいう意味ですか?」
「俺は、怒られたよ。全然だめだって。でも、取り返せるから。」
「んん?ますます分かりませんヨ…。大体、千秋先輩怒られた事ないからそんな独裁者になったんだし」
「殺すぞ…。だから、つまり…」
ゆっくりとした動作で、千秋はのだめにくち付ける。
まわりの音は協奏曲にその姿を変えた。
そっと唇を離し、千秋は再びその腕にのだめを抱きしめて耳元でささやく。
「好きだから……つ、付き合ってください…」
のだめの返事は無い。
「おい…のだめ…聞いてるのか?…のだめ!?」
思わず赤い顔を隠すことも無く離れて表情を伺うと、のだめは声も立てずに泣いている。
「い、嫌なのか?ご、ごめん…」
「ちがっ…も…嫌われちゃったかと…もってたから…」
「いや、俺の方こそ…。昔のことは、まぁ彩子とは、その、色々あったけどさ…
お前、もっと俺のこと知ろうとしろよ。
今はお前のことだけ大事にしたいと思ってるし…男だから…色々あるだろ普通!」
「支離滅裂デスよ…」
言いたいことが言えず、あたふたするだけの千秋だった。
「のだめ、彩子さんみたいに、ウエストくびれてないし…」
「だから!彩子のことは忘れろ!奴は架空の人物だ!」
「え…そだったんですか…?」
「そうだよ、鏡にうつってなかっただろ!?」
「ほわぁぁそういえば…」
「と、とにかく…………返事は聞かせてくれないのか…?」
ふいに、のだめが背伸びして、千秋の頬に口付ける。
「のだめ、ずっと前から先輩のこと大好きデスよ…」
目はまだ赤く、涙をたたえていたが、にっこりと笑顔でのだめはささやいた。
「のだめ…もっかい…」
「もう…恥ずかしいから…」
「痛かったか…?」
「少しだけ…でも平気ですよ…」
「じゃあもう一回…」
「もう…」
深いキスで言葉をさえぎり、正常位で再度挿入する。
のだめのそこは、まだ蜜をしたたらせ、千秋の二度目の侵入を拒むことは無かった。
「んん…あぁっ…あっ、だめ、せんぱ…ふ…んんっ…」
「くっ……」
(すごいな…こいつの……)
脳天まで突き抜けるような快感に、千秋は目の前が真っ白になってしまいそうだった。
さっき一回達したはずなのに、千秋自身はすぐ回復し、再度のだめを求めてしまうのだった。
一度目のその瞬間、のだめは痛みを訴え、千秋は労わりながらなんとか最後まで終えることが出来たが
二度目の今は、声の中に甘い響きを感じ、ただ無心に腰を動かしてしまう。
揺れる髪の間から見え隠れする上気した顔、打ち付けるたびに揺れる大きな胸は
その大きさに釣り合わず小さな乳首を頂に持ち、ただ千秋を興奮の只中に誘うのだった。
動きを緩め、その乳首を口に含み、吸ったりなめたりを飽くことなく繰り返す。
同時に空いた手でもう片方をつまんでこねくり回すと、のだめは喉を仰け反らせ
ひと際大きな声を出した。
「あ…あぁ…んっ…!!やっ……!」
「力抜いて…ふ…んっ…俺の事見ろよ…」
のだめがうっすらと目を開いて見下ろしてきたのを確認し、千秋は舌をのばし
わざと見えるように舌先でちろちろと乳首をなめてやる。
「………!!んぅ……んん…あっ!あぁ…」
自分の体が最高にいやらしく弄ばれている姿を見て、はずかしそうに快感の声を出すのだめの
耳をぐちゅぐちゅと唾液をからませ舐め上げると、もう息も絶え絶えのようだった。
「せ、せんぱ…」
「…なんだ…」
「のだめとせんぱ…あぁっ!い、今、今セックスしてるんですよね…」
「!エロい事言うなよ…くっ…あんまり余裕ねーんだから…」
のだめの卑猥な言葉を機に、千秋は一気に頂点まで登りつめそうになる。
今度は挿入しながら千秋は仰向けになりその上にのだめを乗せようとするが
何をするのか想像もできないのだめはうまく動いてくれない。
仕方無く一度抜くが、その先端はどちらのもか分からない液体をとろとろと滴らせている。
千秋は仰向けになり、腕だけでのだめを上に乗せようと抱き寄せた。
「な、なにするんですか…」
「いいから…上に乗って…」
「え…怖いデス…」
「大丈夫…そう…そのまま…入れて……!くはっ…そう…腰…落として…」
「や…奥に当たるから…あ…あっ…!あん!ちょ…!」
先端が挿入されるや否や、千秋はのだめの腰を支え突き上げる。
すると、のだめは全身を反らせ、胸だけをつき出す格好になるのだった。
その眺めを見て、千秋は己の限界が近いことを悟る。
一気にたたみかけると、のだめの声に細かいビブラートがかかり始める。
そして、そのまま千秋の目の前は白い光に包まれた__________
「ごめんな…なんか自分勝手で…」
のだめの顔に張り着いた髪を一房ずつ除きながら、千秋は語りかける。
「えへへ……可愛かったデスよ?」
「な…!…お前のが冷静だったのか…?」
「そんなことも無いデスけど、なんか変な感じ…こそばったい…」
頬を染めて笑うのだめを抱き寄せ、軽くキスをする。
「離れられなくなっちゃったな…」
「でも、先輩すぐツアーでしょ?」
「あぁ…うーん…次はツアーオブリベンジだな…」
「なんですかそれ?峰君英語…」
「俺のことより、お前、いい傾向なんじゃないか?」
「?何がですか?」
「ピアノ…褒められたんだろ?」
「でものだめ的にはあんまりでしたよ?」
「んー…なんていうかさ、俺と離れててもムラが出なかったっていうか
気分的なのがピアノに現れなくなったってのは、成長じゃないかな」
「な…!それじゃあ今まで千秋先輩に左右されてたみたいじゃないデスか!自惚れすぎデス!」
「だってほんとじゃん。ベーベちゃんなんだろ?」
くすくす笑いながら膨れたのだめの頬をなでる。
「違います!もう…大人に…なりましたよ?」
「そうだったな…ほら、もう寝るぞ。腕枕してやるから…」
「ほわぁ…幸せ…」
good night・・・・・・・・
Fin
>>501タソ
乙です。
彩子が架空人物にされてて、ところどころに笑いがあって
とても面白かったです。
千秋に萌えてしまいました。告白のところなんか千秋がかなり頑張ってて
命懸けてるっぽくてよかった。空港で…死…とか考えてたしw
しかし本当に千秋たまってたんだなぁ、と。
GJでした!ごちそうさん。
「ねえ、真兄はどう思う?」
由衣子の声に、千秋の意識は現実に引き戻された。
「え……えっ!? 何が?」
「んもぅ。真兄はさっきからなんだか上の空なんだから」
のだめちゃんがなんだか大人っぽくなったなって話、と由衣子は頬を膨らませた。
ああ、と千秋は内心ドギマギしながら
「アイツだって20過ぎてんだし、今さら大人っぽいっていうのも……。
まあ、ちょっとは成長したってことじゃないか?」
なんてったってD…と言いかけてあわてて口をつぐむ。
「Dってなあに?」と由衣子はいぶかしげに千秋の顔を覗き込んだ。
「い、イヤッ!? なんでもないよ」
真っ赤になって首を振る千秋の横で、ディアマンテ? ディスクロージャー?
と抜けた会話をする三善父子。
そんな二人を尻目に、征子はそうじゃなくてー、と話を進める。
「真一はわかってないわねぇ。女が変わるってことの意味が」
ねー、と由衣子も調子をあわせる。
「女が変わる原因はねぇ、オ・ト・コ、よ〜」
お、お前いくつだ?! どこでそんな物言い覚えてきたんだ?!
というツッコミもできずに、千秋は固まる。
「ほーんと、誰が原因なのかしら〜?」
クスクスと笑う征子の姿に、千秋はこの形勢不利な状況から一刻もはやく
抜け出したく、目の前のワインを一気に飲み干し立ち上がる。
「じゃ、じゃあ、俺明日も早いから」
挨拶もそこそこに出て行こうとする千秋を、征子が呼び止める。
「真一。あんたの演奏少し変わったわね。今日、とってもよかったわよ。
のだめちゃんに、よろしくね」
――君の変化。うれしい驚きだ。
楽屋に来てくれた佐久間の言葉を、千秋は思い出す。俺が変わったとしたら、
それは、のだめが原因なんだろうか?
急ぎ足でレストランのドアから出て行く千秋の背中を、征子は微笑みながら
見つめてつぶやく。
「ちょっと、いじめすぎたかしら?」「いいんじゃない? あれくらい」
征子と由衣子は顔を見合わせて、フフフ、と笑った。
パリの夜を、歩く、というのにはずいぶん早い足取りで、千秋はアパートに
向かってその歩みを進めた。
「母さんはもう、見抜いてんだろな。…クソッ!」
楽屋で向けられた疑惑の目を感じた時から、からかわれるのはわかってたけど。
まさか由衣子にまで……となんだか面白くなくて、舌打ちする。
でも、まあ、否定はしないけど。自覚した感情は、今の俺にとってすごく大切な
ものだってわかってるから。
千秋がアパートの前に着くと、美しいピアノの調べが聴こえてきた。
はやく、顔が、見たい。
すばやくオートロックのキーを押し、中に入ると、千秋は階段を駆け上がった。
続き、お待ちしております☆
866 :
名無しさん@ピンキー:05/01/29 23:29:03 ID:Lea6jYV/
ちあきとえっちしたいって思うアタシゎ変態かなぁw
どうなんでしょうね・・・。
あげないでね。
868 :
sage:05/01/29 23:43:58 ID:Lea6jYV/
ゴメンね!!w
間違えちゃった
いえいえ!そういうこともあるさ!
871 :
501 1:05/01/30 17:10:43 ID:pV1dXxtk
「ったく、あの二人いちゃいちゃいちゃいちゃ…!」
少年俊彦はいらついて、目的も無くキーボードを叩いている。
ディスプレイには、カチカチと落ち着き無く株式相場のレートが分刻みで
切り替わり、三善カンパニーの株価は、俊彦の心を表すかのように
上がったり下がったりを繰り返していた。
3月
千秋とのだめは、休暇を利用して、ここ、三善家に帰省していた。
心を通わせた二人は、以前ここで暮らしていた時とは比べ物にならないくらい
親密になっていることは、誰の目にも明らかだった。
照れ屋で意地っ張りの千秋は、人前で甘い言葉をささやいたりする事は無く
相変わらずのだめに悪態を付いたり、時に首を絞めたりしていたが
ふとした瞬間、愛しそうに見つめたり、のんびりと寄り添って庭でお茶をしている姿は
恋する男のそれだった。
また、のだめも安心して、当たり前のように真一の傍で笑っている。
飛行機にも乗れず、日本でくすぶっていた真一が、今、確かな実績を
重ねつつ、こうして日本でわずかな余暇を楽しんでいる姿に
三善家一同、微笑ましく思い、まるで家族の一員のようにのだめをも受け入れていた。
ただ一人、俊彦を除けば_________
872 :
501 2:05/01/30 17:12:02 ID:pV1dXxtk
「真兄の目ぇ腐ってんのかな。あんな変態女と…。
歴代の彼女とタイプが違いすぎるよ。あんな、ピアノだけしか取り柄が無いような…。
料理だっておにぎりばっかだし、ノックも無しに人の部屋入って来るし
由衣子だって、あいつと遊ぶといつもなにかしら破壊するようになっちゃったし!」
一人でぶつぶつとつぶやきながら、あいかわらず明々と点滅するディスプレイを見つめながら
俊彦はキーボードを叩き続ける。
「俊彦く〜ん!」
当たり前のように、バタンとドアを開けて入ってくるいつもの姿に、視線だけちらりと向けて
再びパソコンに向かう。
「何か用?」
「ご飯出来たから呼びに来たんデスよ〜。あっ!またパソコンいじってる!」
俊彦の肩越しにひょいとディスプレイを覗くのだめ。
接近し、耳元で話しかけてくるのだめに、意図せず俊彦は顔を赤くしてしまう。
「ちょ…!ど、どうせおにぎりだろ!今大事な仕事してるんだから邪魔しないでよ!」
「し、仕事…?働き者ですね〜。でも、人間はご飯で出来てるんだから、
食べなきゃダメですよー。食わざるもの働くべからずデス!」
「逆だろ!?もう、分かったから…」
のだめの肩を左手で押しのけようとしたその時、その手は
焦点を外し、首筋に当たってしまった。
「ひゃっ!」
「あ、ご、ごめん」
「冷た〜い…血の巡りが悪いんですかね。
のだめ、暖めてあげますよ…」
言うが早いか、俊彦の両手を包みこむのだめ。
「わっ…!何すんだ…」
「いいからいいから…」
873 :
501 3:05/01/30 17:13:20 ID:pV1dXxtk
俊彦の傍にしゃがみこみ、手を握り続けるのだめ。
実際に暖められた手から温もりが伝わってきて、俊彦は心地よさに、振りほどけなくなっていた。
また、椅子に座ってのだめを見下ろすアングルは、ワンピースの胸元から谷間が覗き
ますます俊彦を動けなくさせていた。
数分の後、ぎゅっと力強く握ると、のだめは立ち上がった。
「さっ、冷めちゃうから行きますよ」
「うっ、うん……先に行ってて…」
俊彦の真っ赤な顔に気づいたのか気づかないのか、のだめは、早くきてくださいね、と
声をかけて、階段を下りていった。
しばらく、同じ体勢から動けなかった俊彦は、ふと我に返ると、今の出来事を反芻しだす。
「なんだあの女!?今の何だ!?静まれ心臓!大丈夫!俺は三善家の跡取りだ!」
白目で、頭をかきむしりながら、なんとか冷静に戻ろうとする俊彦だったが、
その頭には、さっきののだめの姿が焼きついて離れなくなっていた。
874 :
501 4:05/01/30 17:15:11 ID:pV1dXxtk
「遅いな俊彦…」
「すぐ来ると思うんデスけど…。今日は自信作なのに〜」
「の、のだめちゃん、見慣れたおにぎりだけど、どこら辺が自信作…?」
「よくぞ聞いてくれました!実は具の梅干は、日本で漬けてたのをフランスまで持っていって
暖め続けた、一年漬けなんデス!」
「お前…一体何しに行ってんだ…?」
そんな会話を一同で交わしていると、俊彦が気だるそうにダイニングに入ってきた。
「遅いぞ俊彦」
千秋が声を掛けるが、俊彦は真一と目を合わせようとしない。
「ごめん…」
そう一言言って、椅子に腰掛けた。
「何かあったのか?」
「な、何が!?さぁ、今日のご馳走は何だい?」
(何かあったな…)
のだめ以外の全員が悟っていたが、あえて問いただすことも無く、晩餐を過ごした。
875 :
501 5:05/01/30 17:18:04 ID:pV1dXxtk
食後の時間を、真一とのだめは一つ部屋で過ごしていた。
大きな出窓から、外の景色を眺めているのだめを、その腕にすっぽりと包むように、逃さないように
背後から出窓の桟に両手を付いて寄り添う真一。
月明かりが二人を煌々と照らしていた。
「俊彦…なんかあったのかな」
「え?なんかあったんデスか?」
「いや、さっき変じゃなかったか?気づかなかった?」
「いつもよりいっぱいおにぎり食べてたのにはびっくりしましたけど…
変なのは血じゃないデスか…?」
「てめー…」
そう言いながら、征子のネグリジェの脇腹をこすぐると
のだめは、身をよじって逃げ出そうとするが、真一の両腕に阻まれた。
「ひゃひゃひゃ…や、やめてください、先輩!」
「ぷっ、もっと色っぽい声出せよ」
じゃれ合いながら、ベッドにさりげなくのだめを押し倒す真一だった。
876 :
501 6:05/01/30 17:22:03 ID:pV1dXxtk
翌朝、窓から差し込む光に目を開けると、隣で寝息を立てている真一の裸の肩に
ブランケットを掛け直し、のだめはベッドを後にした。
物音を立てないように、衣服を身に付け、部屋を後にする。
目指すは俊彦の部屋だった。
ドアをノックして、部屋に入ると、俊彦は制服のネクタイを締めているところだった。
「俊彦君…今からがこデスか?」
「見れば分かるでしょ…何か急ぎの用事でも…」
そう言いながら鏡から目を離し、のだめの方を振り返る俊彦だったが
またもや白目を向いて顔を赤くしてしまうのだった。
のだめは征子のお下がりのネグリジェを身に着け、その大きく開いた胸元には
昨日真一によって付けられた所有の跡が、花びらのように無数に散らばっていた。
「千秋先輩が…心配してましたよ…?なんかあったのかって」
「あ…はぁ…!?し、真兄が何!?」
「ど、どしたんですか?熱でもあるんですか…顔真っ赤デスけど」
「きょ、今日朝練あるから!急いでるんだけど!」
そう叫び、のだめの顔を見ようともせずに、風のように走り去っていく俊彦だった。
「パソコン部の朝練…」
そう不思議そうに、一人つぶやきながら、のだめは首をかしげた。
877 :
501 7:05/01/30 17:23:18 ID:pV1dXxtk
部屋に戻ると、丁度真一も目を覚まし、体を起こし、伸びをしているところだった。
「はぁっ…おはよ…どっか行ってたのか?」
そのまま、視線をのだめに向けると、腕を頭上に伸ばしたまま、固まってしまった。
「俊彦君とお話しに…」
「その格好でか!?」
「え…そですケド…でも、全然お話出来なくてー、嫌われてんですかね、のだめ」
「ばかっ、鏡みろ!」
「え…」
促されるまま鏡台の元に行き、真一の言いたい事が分かると、のだめも赤面してしまう。
「ほわぁぁぁ…」
「俊彦には刺激が強すぎだ…」
うなだれて猛省する二人だった。
878 :
501 8:05/01/30 17:25:16 ID:pV1dXxtk
俊彦が学校から遅めに帰ってきた時、のだめはピアノを弾いていた。
フランスに帰るとすぐに、進級試験があるため、気は抜けないのだった。
由衣子はその傍でうっとりと耳を傾けている。
穏やかな日暮れ。
しかし、真一は、俊彦が部屋に入るのを確認すると、その閉まるドアに滑り込んだ。
「うわぁっ!真兄、な、な、何!?」
「いや、謝ろうと思ってだな…その、今朝の…」
「べ、別に気にしてないから…」
「そ…そうか…」
男二人、沈黙の時間が過ぎる。
「お前、さ、最近学校の方はどうなんだ?」
「…父さんみたいな事言わないでよ、別に普通だよ」
「叔父さんみたいって…可愛くなくなったなお前。昔はもっと…。」
「真兄だって、昔のがセンス良かったよ!あんな無神経で変態な女と一緒にいるから
変になっちゃったんじゃないの!?」
「な…!確かにあいつは無神経で変態だし、ズボラで自己中だけど、
あれはあれでそれなりに…」
ピアノの音がひと際大きく鳴り響いた。
超絶技巧のショパンのffは、二人を黙らせ、同時にクールダウンさせた。
その和音に聞き入っていた真一は、ふいに俊彦の顔が耳まで赤くなっているのを見た。
「お前…」
「違う!断じて違うからね!」
あたふたと慌てる俊彦に、真一は優しい眼差しで声をかける。
「あいつ…結構すごいんだよ…(色々と…)」
「うん…(巨乳だし…)」
同じ思いで、ただ黙り込む二人だった。
879 :
501 9:05/01/30 17:27:03 ID:pV1dXxtk
数日後、のだめと真一がフランスに帰る日がやってきた。
由衣子はのだめの足にからみついているし、征子は自分の着なくなったステージ用の
衣装をのだめに渡すようにまとめている。
叔父さんは、ユーロに換金可能な小切手を渡してくるしで、朝から三善家は
慌しく流れていた。
しかし、俊彦の姿だけがその中に無い。
「やっぱり、のだめの事嫌いなんですかね…」
隣の真一にぽつりとつぶやいた。
「や…そんなことないんじゃないか?むしろ…」
そう言おうとした時、俊彦が息を切らせて部屋に入ってきた。
「ど、どしたんですか、俊彦君…」
「間に合って良かった…はぁっ…これ…!」
そう言って俊彦はのだめに手を差し出した。
その手の上には、上品なピンクサファイアのピアスが、台座に光っていた。
「の、のだめにデスか…?こんな高価なの…もらえないデスよ…」
「か、株で儲けたから…それに、ステージに立つ日ももうすぐだと思ったし…」
のだめは涙目で、俊彦を見つめ、真一はそんな俊彦を苦々しくにらんでいた。
飛行機から見下ろす景色が段々小さくなっている。
いつもはのだめの腕につかまり、小刻みに震えている千秋は、ただ腕組みして
目を閉じていた。
「先輩…みんな暖かくて…のだめ、また帰って来たいナ…」
のだめが感慨深げにつぶやくその隣で、ルビーのネックレスを
いつ、どういうシチュエーションで渡すか考えていた、負けず嫌いな男、千秋真一。
しかし、流し聞きしながらも、のだめの『帰る』という言葉に反応してしまう。
(まぁ、仮に三善家がこいつの帰る場所になったとしても、絶対あの家では暮らせない!危険すぎる!!)
そう考え、寝たふりを決め込む千秋だった。
880 :
501 :05/01/30 17:31:08 ID:pV1dXxtk
おわり
うぉぉ〜っ!俊彦くんっ!俊彦君だっ!(ハアト)
>>501さん!俊彦×のだめをリクしたものです!ありがとうございました!!!
ネット株でもうけたお金でピンクサファイヤのピアスを贈るなんて
オマセさんなところも俊彦くんらしくていいですね。
そしてライバル出現に千秋が焦るところも楽しゅうございました。
それにしても…千秋、まだハートのルビーの首輪を渡してなかったのか(笑
また次の作品、楽しみにしてます〜。
501さん、GJです!
前回の悶々としながら告白→初Hも激萌えでしたが、今回の俊彦くんと14歳に嫉妬する
千秋もすごくイイ!
また新作期待していますね!
ドアの前で呼吸をととのえて、ノブに手を伸ばしたその時。
「……なんだ!? この音」
シューベルトのピアノソナタ。その圧倒されるような音色に千秋の動きが止まる。
「こんな……、のだめが弾いてるのか?」
のだめのピアノは誰よりもそばで、ずっと、聴いている。でも……。
そっとノブを回し、何かを確かめるように静かにリビングを目指す。
――瞬間。
生い茂る緑の絨毯の上で、透明な光に照らされる中。
音を紡ぐ美しい女。
魅了されて立ち尽くす男。
そして、間を軽やかに過ぎるやさしい風。
あとは、なにもない。
そんな情景が、見えた、ような気がした。
「今の、のだめが見てる風景、なのか」
やがて音は止み、大きく息をつくのだめの背中に。
千秋はいまだ夢覚めやらずといった様子で、一言。
「ブラボー……!!」
そこには、見たかった笑顔が、あった。
「千秋先輩! おかえりなサイ♪」
今の聴いてたんですか? どでしたカ?
額は汗ばみ、上気させた頬を緩ませ無邪気に話すのだめに。
「ん。すごくよかった」
としか千秋は返せない。
まだ心がふわふわとしていて。足は地面をつかみかねている感じがする。
千秋の短くそっけない賛辞にも、のだめはうれしそうに
「えへー。この曲コンクルで弾いた曲で。オクレール先生にも褒められたんデス」
ハリセンせんせの家に合宿した時、先輩の言ったコト思い出して、いっぱいいっぱい
おしゃべりした曲なんですよー、と笑った。
「あ、何か飲むものでも……」
「いや、自分でやるから。それより、もっかい弾いて、今の」
立ち上がろうとしたのだめを静止し、幾分落ち着きを取り戻した千秋は
やさしさを込めた手でポンとのだめの肩をたたき、キッチンへ向かう。
それじゃ、もいっかいと再び流れ出すピアノソナタに身をゆだねながら、
千秋は今ののだめの言葉をかみしめた。
――お互いを大切に想う気持ちとは別に。
相手の音楽を尊敬し、理解し、共に高めあえたなら。
こんなうれしいことは、他に、ないじゃないか。
ピアノがその音色の羽を休めたとき、千秋はのだめにそっと口付けた。
「今度は、気絶すんなよ」
「し、しまセンよ! でも不意打ちは反則デス」
真っ赤になりながら、のだめは言い返す。
「それよりも!! 話ってなんですか?」
少しすねた表情で上目遣いに見つめるのだめに、千秋の心臓は跳ね上がる。
な、なにアガッてんだ、俺?
今度は千秋が赤くなり、目をそらしながら
「ち、近くの公園の桜が綺麗だなって……」
「10月に桜は咲きまセン! それにここフランスですヨ!」
う、と言葉につまる千秋に、のだめは無言の圧力をかける。
「……お、お前ももう何の話かわかってんだろ」
「ワカリマセン! そんなんじゃ蝶は捕まえられまセンよ」
ふふん、と鼻を鳴らすのだめに、千秋はわかったよ、と降参する。
「俺、ピアノとか抜きにしても、お前のこと……好きだよ」
瞬間、欲していたぬくもりが千秋の腕の中に舞い降りる。
「うれしーです。……先輩」
「俺一人が好きでも仕方がないとか言わねぇの?」
「もうっ! コレは先輩だけでいいんで――」
最後の言葉は、千秋に唇ごと飲み込まれ。
熱情に行き場を失った手は鍵盤をたたき。
ピアノは高らかな和音を歌い上げた。
何度も打ち寄せる快楽に翻弄されつつ。
お互いの身体が持つリズムに声をあげたのは、もう何度目だろう。
「センパイは、絶倫すぎ……デス」
数え切れない絶頂を迎えて、声にならない声を発したあと、のだめは意識を手放した。
「もう少し色っぽい発言しろよ」
クツクツ笑いながら、千秋はのだめにやさしく布団をかけてやる。
――バランスをとるのは難しいかもしれない。けれど……。
こうして隣にいながら、俺も、お前も、自分の道を歩んでいって。
そうして、いつか同じ場所に立ってあの風景を一緒に見ることができたなら。
ルビーのネックレスを手に取って、千秋は二人の未来を思い描く。
とにかく、今は一歩一歩前に進むしかないよな。俺も、お前も。
手にしていたものを、のだめを起こさないようにそっと首にかけ、つぶやく。
「いつか、一緒にコンチェルトやろうな」
それは、そう先のことではないかもしれない。
おわり
887 :
842:05/01/31 14:44:31 ID:YY8FJMzc
すっっっげー長くなりました。
しかもエロほとんどなし。
難しかったです……。
エロ期待していた方、どうもすみません。
10日までのつなぎということで。
842さんGJデス!!!
エロなしだけどすんごく萌えました!!!
なのでエロだったら一体どんなに悶える事か・・・。
なので是非今度はエチーのを!!!www
お待ちしてマース!!
>842さんのSS、アンカーつけてみた。あってるかな?
>>842-843 >>863-864 >>883-886 千秋、絶倫なんですね〜 のだめ大変だなあw
二人の心のつながりに萌え……また投下お待ちしてます。
>501さん
初H、さらりとすっごくエロくって萌えました……。何ども読み返してしまったよ。
俊彦くんはやっぱり、のだめが部屋を出てからオ(ry
来週ですか。あと1週間だ……
890 :
名無しさん@ピンキー:05/02/03 01:50:51 ID:HRX7vrH4
842さんGJ!
2人の心理描写が上手くてすごく萌えました。
絶倫千秋…w
3年も我慢したんだし、もう我慢しなくていいので千秋には頑張って欲しいw
また、新作まってます!
ちょっと下がりすぎなのであげます。
842さんよかったです☆
心理描写が上手いのはいいですね〜。
ていうかエロばっかというよりこーいう心理的なほうに
スポット当てたやつのほうが個人的には好みです。
(板趣旨に反するかもしれないけど)
892 :
842です:05/02/03 23:35:34 ID:LnXCx3w9
おお! たくさんの方から感想が!!
ありがとうございます。
私の書くのはどうしても原作寄りになってしまって
千秋×のだめのエチーがどうしても想像できない・・・。
み、未熟ですー。ごめんなさい。
なので、次に書くとすれば、10日発売以降か
未来系になってしまう、と思いますが。
それでもよろしければ、またチャレンジいたします。
842さん、乙です。征子ママや由衣子ちゃんにからかわれる千秋にニヤリとさせられ、千秋の不器用な告白に、萌えました。
(しかしその後、すぐエチーで、ゼツリンって…笑)
842さんの作品、もっと読ませていただきたいです。
2/10までに、ぜひ、ぜひ、未来形もお願いします!
501さん、842さんGJ!です。
どちらも不器用な千秋に激しく萌えますたw
ところでこのスレも、もうすぐ900ですね。
新スレは900、950のどちらを踏んだ人が立てた方がいいですかね。
投稿がしにくくなるし、やはり900の人の方がいいような気がしますが…。
895 :
名無しさん@ピンキー:05/02/05 23:54:55 ID:fnsLmXO/
保守あげ
なんか閑散としてる?
発売日前なのに……
896 :
名無しさん@ピンキー:05/02/06 04:33:47 ID:nSwAzLLC
なんでこんなに人がいないんだぁ
「先輩…離してください…!」 「やだ」
「もう、ほんとにぃぃ離してってば!」 「嫌だ」
「はぁっ…!もう…!!」
なんとか逃れようと身をよじるのだめだが男の力には敵わずに、ため息を付きながら千秋を睨み付けた。
千秋の部屋のベッドの中
いつものように情事を交わした二人だが、その日の千秋は飽く事も無く、何度でものだめを求めた。
三度目を終え、そろそろ明日の学校に備え、準備をしようとするのだめを後ろから抱きしめ、離そうとしない千秋だった。
最初は、いちゃいちゃの延長だと思っていたのだめだったが、あまりにもしっかりと抱き、離そうとしない千秋とのやりとりに疲れ果てていた。
「もう、いい加減にしてください先輩!のだめ怒りますよ!」
「別にいいよ」
「なんなんですか…もぉー…」
思い返すと今日は最初から違った。
いつもは、最中でものだめを労わり、性格に似合わず甘い言葉をささやいたりする千秋も今日はただ無言で、強引に事を進めていた。
それは、まるで動物のようで、それでいて背徳的な雰囲気で、一時はのだめを酔わせたのだが流石に今の状況は少し異質だ。
あまりに力強く抱きしめられ、息苦しくなると同時に言っても無駄だと悟ったのだめだった。
「もう分かりました。のだめこのまま寝ますよ。トイレもここでします。いいんですね!?」
「それは困るけど…」
「もう聞こえまセン!!ぐーぐー」「俺も寝る…」
「寝ちゃダメですヨ!」「ここにいてよ」
「いるじゃないですか…」「もっと…」
「のだめ明日学校デスから…」
「離れたくない…また明後日からツアーだし」
「たった一週間じゃないですか」
「長いよ」
「どしたんですかー急に…」
「お前が…悪いんだ」(フランクと…いつも一緒に…)
「なんでのだめが悪者なんですかー!」
おわり
897さん、乙です!
ダダっこ&甘えっ子千秋!
千秋って、絶対独占欲が強そうですよね(笑)
あと、幼少期にきっと両親に甘えられなかった分、こんな風に
プライベートなシーンでのだめにめっちゃ甘えそう!
非常に楽しく拝見させていただきました。
これで、3日後の発売まで、のだめ欠乏症を堪え忍べそうです。
899 :
名無しさん@ピンキー:05/02/06 14:46:01 ID:nSwAzLLC
甘えたな千秋かわいい。
オレ様で、ヘタレで、独占欲強くてそのくせ甘えん坊で、絶倫なんて最強だわw
あとおっぱい星人か。
みなさんのSSに出てくる千秋は裏側がリアルっぽくていいですね。
でもエロ欠乏症…。
ageてるから職人が投稿しずらいんだと思うんだが・・・・
待つ
職人さまー、お待ち申し上げております。
ところで、2/17は千秋の誕生日らしいのですが…。(酉年の24歳?)
そーゆーネタで何か…。いかがでしょうかー?
セントレア開港の日ですねー
飛行機ネタとかはどうでしょ
なんで、こんなことになったんだ……。
突き抜けるような青空の下で、千秋は一人肩を落とした。
新婚さんいらっしゃ〜い♪
成田空港からひどく青ざめて足取りもおぼつかないような様子で出てきた男が一人。
千秋真一である。彼は未だ飛行機が苦手なようで、日本のじめじめとした気候が、
さらに彼の身体に追い討ちをかけていた。
千秋は早々とタクシーに乗り込み、行き先であるあるマンションの住所を告げて、
そのままシートに深く沈みこんだ。車の中は空調が効いており、幾分か彼の気分も
落ち着きを取り戻す。
――久しぶりの日本だ。とにかくゆっくりと休みたい。
しばらくして、タクシーは千秋の行き先であるマンションの前に停まった。旅行鞄
としては少し小さめのものを運転手から受け取り、礼を言う。
タクシーは走り去り、千秋はマンションの一室を見上げてわずかに微笑んだ。
一年のほとんどをヨーロッパで過ごす彼がこのマンションの503号室を買ったのには
理由がある。そのひとつは、彼自身が創立者の一人であるR☆Sオケから客員として
呼ばれることが年に1〜2回あり、その時に腰を落ち着ける場所が欲しかったという
こと。もちろん他にも日本で指揮棒を振る機会はあるが。
もうひとつは、彼が3ヶ月前に結婚したことであった。
千秋は、自分より2週間前に着いているであろう妻のいる部屋へと足を進めた。
503と書かれたドアの前に立つと、中からわずかにピアノの音が聴こえた。
これは気づかないかもしれないな、と思いながらも、千秋はとりあえず呼び鈴を鳴らす。
ピンポーン、ピンポーン……。
するとピアノの音は止み、パタパタとスリッパの音が近づいてきた。千秋は一歩後ろに
下がって身構える。
彼の思案したとおり、「バターンッ!」ととてつもない勢いでドアが開いたかと思うと、
柔らかな身体が千秋の胸に飛び込んできた。
「おかえりなさーいっ! ア・ナ・タ♪」
「お前俺を殺す気か!? ドアは確認してからもうちょっと静かに開けろよ。」
それから、「アナタ」はよせ、と千秋は頬を少し赤らめて言う。
「えぇ〜? せっかくの新婚サン☆なのにぃ」
じゃあしんいちくんで、と笑うのは野田(旧姓) 恵。
二人は6月にフランスで式を挙げ、仕事の都合がついた彼女の方が一足先に
日本へ帰っていたのだった。新婚旅行の名目で約3ヶ月間の休暇を取ることが
出来た二人は、仕事でいつも忙しく飛び回っているヨーロッパではなく、次の
仕事先である日本でゆっくりと羽を伸ばすことに決めていた。
「ところでしんいちくん♪ お風呂にしマス? ごはんにしマス? それとも
あ・た・し?」
「ばーか」
ポカリとのだめの頭にお見舞いして、「風呂ー」と部屋の中に入っていく。
ムキー、とのだめも後に続いた。
タオルで濡れた髪を拭きながら、千秋がバスルームから出てくると、テーブルの上には
もう夕食の準備が整っていた。
「これ……、お前が作ったのか?」
台所でまだなにやらやっているのだめに向かって尋ねると、
「そですよ〜♪ なんてったって妻デスから〜」
お料理上手な妻を持って、しんいちくんは幸せものデスね〜と笑う。
――料理上手って……これカレーじゃねーか。
千秋は心の中でツッコミを入れながら、ふと疑問に思ったことを言う。
「で、飯は出来てるのに、お前はそこで何をしてるんだ?」
「い、いえぇ〜、なんでもアリマセン」
あわてた様子でガサゴソとしているのをいぶかしげに思い、千秋は台所を
覗き込んだ。そこには――
「何でカレー作っただけでこんなグチャグチャになるんだーっ!!!」
「ギャボ――!」
地獄絵図と化した台所があった。
「……もういーから、後の片付けは俺がやるからさっさと飯食うぞ」
力なくつぶやくように言う千秋に
「えへー、スミマセン」と悪びれた様子はあまりないのだめ。
これからはコイツに料理させないようにしよう、と堅く誓う千秋であった。
907 :
842:05/02/08 12:51:27 ID:nppLW1Xd
あ、番号間違えました!
↑のやつ、未来形Bです。
すいません。
そして、まだまだ続きます。
どんどん続いちゃってください(゜∀゜)!
この感じだと、引越しは950を踏んだ人ってことでいいですね。
続き楽しみにしてます。
でもタイトル(?)の丸で囲まれた数字はあまり使わない方がいいですよ
先ほどからもくもくと無言でカレーを食べ続ける千秋に。
「あのぅ。お味のほうは……どデスカ?」
と、おそるおそる顔色をうかがうのだめ。
「んー。ふつうにカレーの味」
「ムキー!! カレーがカレー味なのは当たり前デスヨ! そじゃなくて、愛妻の
手料理なんデスから、愛がこもってておいしーとかなんとか……」
「イヤ、ふつうにカレー味でこれでも驚いてんだけど」
のだめの料理の手腕を熟知している千秋は、たとえ野菜を煮込んだなべにルーを
入れるだけのカレーであっても、どこか違う星の未知なる味になっていないことが
奇跡的だ、と思う。
どういう意味ですかー!? と叫ぶのだめと、あははははと笑う千秋の声がマンションの
一角で響き渡った。
片づけをどうにか終わらせ、ふう、とリビングのソファーに座る千秋の前に、コトリ、と
コーヒーの入ったマグカップを置く。
「お疲れサマでした♪ はい、ドウゾ」
「ん、サンキュ」
千秋が台所で格闘している間にお風呂を済ませたのだめの髪はまだ濡れているようで、
照明から届く光をキラキラと反射させている。
「髪乾かせよ。風邪ひくぞー」
はーい、と返事をしながらも、のだめの足はピアノに向かう。
溢れる音は、シューベルトの子守唄。
初めのうちは、その調べにうっとり耳を傾けていた千秋だったが、心地よい眠りに
沈み込みそうになり、あわてて残ったコーヒーを飲み干す。
千秋がそっとのだめに寄り添ったとき、ピアノは最後の一音を静かに鳴らし終えた。
肩を抱き寄せ、頬に手を添えてこちらを向かせて。
恵、と彼女の名前をささやく。
すると彼女は頬を赤らめながらも、慣れた様子で目を閉じた。それを合図にして重なる
唇。時折、切なげに眉をしかめながら、んん、と息を漏らす。
千秋はその柔らかな感触をしばらく味わっていたが、彼女の苦しそうな様子に気づいて、
名残惜しそうに唇を離した。
とたんに、ぷはー、と息を吐き出すのだめ。
「お前って、息継ぎヘタだよなー」
笑いをこらえながら、千秋はのだめの髪をなでる。
「ち、しんいちくんが、熱烈すぎるんデス! オマケに絶倫だし」
ちょっとムッとしたのだめが言い返すと。
「そーいうこと言うか。じゃ、風呂も飯も終わったし、「ア・タ・シ」とやらを
いただくことにしよう♪」
えぇ!? ちょっと! とあわてるのだめを抱き上げて、千秋は寝室のドアを開けた。
「疲れてるんじゃないんですか?」と少し不安そうにしているのだめをベッドに下ろし。
「なんてったって新婚サン☆なんだろ? おまけに絶倫だしー」
クツクツ笑って、左手で彼女の両手を拘束し、右手でパジャマのボタンを外す。
「んもう、ムードがなさす……ぎ、っん……」
のだめの文句は千秋によってもたらされる快楽の波に打ち消され。
二人は白いシーツの海に沈みこんだ。
912 :
842:05/02/08 15:13:14 ID:nppLW1Xd
丸で囲まれた数字は、だめなんですか!?
す、すみません。知りませんでした(反省)
それじゃ、次から気をつけます。
>912
機種依存文字といってPC環境によっては文字化けするんですよ<丸で囲まれた数字
SSの続き待ってます。
素肌に伝わる唇は、まるで乾いた地面を潤す優しい雨のようで。
その感触にうっとりしていると、身体のそこここに触れる指に翻弄され。
そして、熱を帯びたその黒い瞳に見つめられたら、もう、どうしようもない。
それなのに。
身体の中で激しくリズムを打ち続ける彼を。恵、と優しく呼ぶ彼の声を。
感じていると「どうしようもない」上に、さらに真っ白になって。シーツを掴んで
いた手を彼の首に絡める。
あとは、遠くの方から聴こえる自分の悲鳴に似た声。彼の吐息。
そして、――残るのは、心音。
色素の薄い濡れた瞳は、まるで誘っているようで。
それを受けて本能のままに唇と指で身体をなぞると、耳元でささやかれる甘い吐息。
そして身体の中の熱と振動を感じると、もう、どうしようもない。
それなのに。
しがみついてくる彼女の腕が。大好き、と言う彼女のかすれた声が。
さらに理性を飲み込んでいく。
あとは、遠くの方から聴こえる彼女の悲鳴に似た声。自分の吐息。
そして、――残るのは、心音。
二人は腕を絡めたまま、幸せな夢に落ちていった。
「こしょこしょこしょー」
「うわこらばかやめろってぶっわははは……クッこのやろ」
「あっそれ反則デスそんなギャハハもうダメ……んっ……」
せっかくの休暇だからと、朝寝坊を決め込んだ二人は、時計の針が十時半を指す
までベッドの中で新婚サン☆ビームを撒き散らしていた。
バカップル二人を現実世界に呼び戻したのは、一本の電話であった。
RRRRR……と鳴る呼び出し音に、これからいいトコだったのに、と千秋は舌打ちしながら
受話器を取った。
「はい。もしもし?」
「おおー! 千秋か? 帰ってたんだな。俺だよ俺」
電話の主は、二人の大学時代からの友達、峰龍太郎だった。彼は今、R☆Sオケの事務所を
構え、その代表責任者になっている。
「おう。久しぶりだな」
「……なんか、機嫌悪いな? のだめもいるんだろ? あ、もしかして邪魔した?」
「イ、イヤ。それよりなんか用か?」
図星を指されてあせった千秋は、あわてて話題をずらす。
「んー、ちょっと仕事の話でよ。お前ら、昼空いてるか?」
「仕事って……今度の公演は12月だろ? 打ち合わせは9月の半ばからで」
千秋とのだめは、休暇の後日本でR☆Sオケと競演することになっており、そのために
日本でバカンスを過ごす予定を立てたのだ。
「そーなんだけど。ま、詳しいことは裏軒で話すから。じゃ、待ってるぞ」
ガチャン、とこちらの返事も聞かずに一方的に電話を切ってしまった。
峰の奴、と千秋は内心面白くなかったが、仕事の話と言われて無視するわけにもいかない。
「誰からですか〜?」
「ん、峰。なんか仕事の話があるから来いって。裏軒行くから用意しろー」
でもなんで裏軒? 事務所があるのに……と少し嫌な予感がした千秋だったが、
わほー裏軒〜♪ と喜ぶのだめを見て、ま、いいか、と自分も出かける用意をする。
この新婚ボケが、あとで自分を地獄に突き落とすとも知らずに。
916 :
842:05/02/08 17:07:54 ID:nppLW1Xd
今日はここまでになりそうです。たぶん。
まだ続きそうです。ながいなー。
題名からオチがわかりそうですが……。
ギャグになりそうです。
917 :
842:
ああっ!!! SSの日付間違ってる!
計算合いませんね。ああ……あほや。
一応訂正しときます。
今度の公演は3月です。打ち合わせは12月の半ば。
3ヶ月ずつずれてます。うぅ……。
気にせず読んでくださるとありがたいです。