少女漫画・少女小説全般スレ 3

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59名無しさん@ピンキー
のだめカンタービレで投下します。
LESSON 53の酔いつぶれたのだめをホテルの部屋まで送った千秋。
その一室での出来事です。(コミックスにはまだ収録されていませんが)

シチュエーションはもちろんですが、千秋の指と表情に萌えたので。
あんまりエロくないです…
60千秋×のだめ:04/06/15 23:14 ID:IwUrzbAA
**パリ初日の記念すべき夜**

千秋真一はベットに腰掛け、左腕で上体を支え、
無防備に眠っているのだめの寝顔を見下ろした。
そしてアルコールの所為か薄く朱に染まっているのだめの頬を、そっと指で触れた。
化粧気のないその頬は、子供の肌のように滑らかだ。

(こいつの肌が妙にきれいなのは、変態だからだな。)
(本能のままに生きているからな。ストレスも少ないよな。)

「…んっ」

と、鼻にかかった甘い声が、のだめの薄く開いた唇からもれた。
目覚める様子は無いが、首を少し傾ける。

(へぇ、こいつでもこんな声だせるのか。)
(こんな時でも、はうん、とか、あへー、とか奇声を上げるのかと思った。)
61千秋×のだめ 2:04/06/15 23:16 ID:IwUrzbAA
彼の指は、彼女の頬を離れ、耳元から首筋をなぞり、
ゆっくりとそのまま鎖骨のゆるやかな曲線をたどった。
そして、胸のふくらみへとそっと移動していく。

(こいつ、見た目より胸あるよな。色気はないけどな。)

指はふくらみをそのままたどらずに、一度外に出され彼女のワンピースのすそへと移動した。
ベットに投げ出された彼女の素足を、彼の右手の指はすべっていく。

(思ったよりは筋肉質だな。)
(まぁ、そうじゃなきゃあれだけハリセンから逃げ回れなかったか…)

足から腰へと続くまろやかな曲線をたどり、指は腰骨の上あたりまで這ってきた。

(やっぱこいつ、くびれはないなぁ…)
62千秋×のだめ 3:04/06/15 23:17 ID:IwUrzbAA
指は、ゆっくりと彼女の胸のふくらみにたどりついた。
そのまま指で円を描くように暖かな肌の上を滑らせる。
そして、そっと頬にキスをする。
耳元に、首筋に、鎖骨に、胸元に、キスをする。

布越しに手のひらで、そのやわらかなやさしい感触を確かめた。

(色気のないブラだな、おい。)
(らしいといえばらしいが…もう少しどうにかならんか…)
(でもこいつ、抱きごごち良さそうだよな…)

「ほわぁ、千秋せんぱい…」

彼、千秋真一は我に返った。
63千秋×のだめ 4:04/06/15 23:18 ID:IwUrzbAA
千秋は、その瞬間動けなかった。
ベットで横たわるのだめに覆い被さり、右手はワンピースの中。
しかも胸の上に置かれている。
言い訳できる状況ではない。

幸いなことに、彼女、野田恵は起きる気配は無い。
単に寝言だったようだ。
寝返りをうち、よだれを垂らさんばかりに幸せそうな表情をしている。

千秋はのだめが深く寝ていることを確認し、
起こさないようゆっくりと慎重に右手を服から出し、
そして、自分の右手を信じられないものを見るような目で見つめた。

(オレは…、何をしていたんだ)
(このオレ様が、のだめごときに欲情したというのか)
(いやっ、ありえない、そんなことは絶対に!!)
64千秋×のだめ 5:04/06/15 23:19 ID:IwUrzbAA
立ちつくした千秋の頭の中を思考がぐるぐると駆け巡る。

(そうだ、オレは長時間のフライトで疲れているんだ)
(その上ヴィエラ先生の音楽を聞いて気分が高揚している)
(だから、今夜は酔っているんだ、あらゆることに)
(そうだっ、今のオレには冷静な判断力が無いんだっ)

ベットの上ののだめが、千秋のいる方へ寝返りをうった。
大きめに開いた胸元からは、ふにっとつぶされた胸の谷間が見え、
腰のあたりまでめくりあげられたワンピースのすそからは、
あまり色気のない下着が見えている。

(………くそっ)
(とりあえず、これをベットの中に押し込めよう)
65千秋×のだめ 6:04/06/15 23:20 ID:IwUrzbAA
のだめを抱き上げ、いささか乱暴にベットに押し込んだ。
それでも起きる気配は無く、相変わらず幸せそうな寝顔を浮かべている。

千秋は思わず深いため息をもらし、ベット脇にしゃがみこんだ。
そして眠っている顔の横に添えられたのだめの右手を、そっと握った。

自由に、歌うように、世界中どこにも無い音楽を奏でる手。
この手を引っ張ってきたつもりでいたが、
今ここに自分を連れて来てくれたのは確かにこの手だった。

誓うようにその手に口付け、部屋を出た。

「………また明日」