カルドセプトでルシエン嬢を中心にハァハァ Book3
こんばんは。地王などと呼ばれた者です。
月末かつ新スレとなりましたので、前スレでの予告通り、続きを投下させて頂きます。
濡れ場がほとんど無いという体たらくですが、即死防止が第一義と、御容赦下さい。
「クラリスさんのここも、熱く、なってて、いやらし、い……」
「どうしたいの、ここを熱くさせて、貴女は何がしたいの?」
ルシエンが立ち上がったことも、ルシエンそのものが起き上がったことも知らず、二匹のクリーチャー
は貪り合う行為に没頭していた。
「したい、したい、したいんです!」
「何を、何を、いったい何を?」
肉欲の女王に押された異形の肉は、快感の階段をそのまま昇り続け、今や人間には達し得ない高み
でもがいていた。しかし、無遠慮に入り込んだ指は粘液に塗れた襞を弄ぶが、望まれる深みまでは潜
ろうとしない。焦れる。
「う、く、ぅん……」
それにしても、この媚態はたいしたものだ、とクラリスは唾を飲む。これほどに人間を模し、人間を上
回るほどに人らしく、人間を欺ききるだけの仕草を行えるこのクリーチャーは、本当にバルダンダースな
のだろうか。カルドセプトに記されたバルダンダースの定義に当てはまるというだけで、セプターに広く
知られたそれとは異なるものではないのだろうか──つまり、自分のように。
「し、したいんです! クラリスさんと、ひだひだを重ねて、ぐちゅぐちゅしたいんです!」
ハ、ハ、この舌足らずな声と卑猥な言、これが擬態だとすれば、いったい何を模してこうなった?
混ざり合い、視線を括り合った魔物を恐れることはない。障りとなるのはあの道化だ。こちらを見てい
るのか? 逃げようとする私を見ているのか?
目を口を心を隠すのが道化。その気が触れているのだ、何を考えているのかなど常人に知れるはず
もない。手毬を突いて歌う道化に怖気がしつこく頭をもたげるが、ルシエンの意志は、それを容易く握り
潰した。
「……でも、今しかありません」
走り出し、目指すのは、まだ見ぬ場所に続くあの出口。右の革靴と左の素足で床を蹴り、水を跳ね上
げ逃げる聖女、に気付いた気狂いは、物憂げな仕草を装ってそちらを見やった。
体を動かすことに慣れていない預言者ではあったが、あらん限りの力を絞り出して走る。長い裾が足
に絡み、倒れ込みそうになる。それでも、体よりも足を前に出し続ける。
「無駄だろうよ」
道化の声が背中を撫で上げた。
「そこは行き止まりだ」
扉の代わりに影の詰まった出口へとルシエンが辿り着くよりも早く、石畳が隆起した。亀裂から溢れ出
す、青すぎる水。
後ろに飛び退いた賢者は、裸足をぬかるみに取られ、尻と両手を付くことになった。その床もまた波
打ち、聖女を縦に横に揺らす。
「動かずとも良いだろうよ」
混乱の中、透けた声で道化が嘲る。
「そこは墓穴だ」
首を巡らせ、賢者はすぐに状況を読み取った。隆起は己を取り囲み、盆地を囲む山脈を為していた。
山々は見る間にその高さを増し、それが床であったことが怪しく思えるほどの様になっていく。
「ジェミナイ様は言ったね、おいたが過ぎるようであれば、殺しても構わないと」
ひときわ険しい山に飛び乗った道化は、麓の預言者を見下ろした。
「諦めて欲しいのだが」
「拒みます」
立ち上がり、強く静かに視線をぶつけるルシエンに、マッドクラウンは腕を組んで首を振る。
「ならば、確実な死が訪れる」
山が崩れる。石や泥が滑り落ち、その本性を露にする。
「クリーチャー、ですか」
「その通りだ、愚かな賢者殿。カードも剣も持たぬ人間が、果たして彼女に勝てるかどうか……」
太さは大木、長さも然り。数で言うなら林の如し。
「気狂いでも分かる、無駄なことはやめたまえ」
多頭の大蛇が、瞼を持たぬ数多の瞳で、聖女を見下ろしていた。
「この姿……ヒドラ!」
「ハイドラ、と言って欲しいね。ソルタリアの人間は発音が悪い」
ルシエンを囲んで立ち並ぶ蛇頭が、緩やかに動きながら獲物を値踏みする。
「なるほど。彼女の本体は、床下ですか」
「然り然り。つまり、分かるね?」
ハイドラが、ルシエンの知るヒドラと同じものならば、その特性が同じであるならば。
「分かっています」
半ば不死である首の群れと、しばらく戯れなければならないということだ。
「気狂いっ、何やってるの!」
少女と尼僧も駆け付けるが、蛇上の道化は、目も向けない。
「ジェミナイ様に従っている」
「そんな……ルシエンさまでは、もっと遊びたいのに」
「殺すことには異存無いけどさ、私たちは混ぜてくれないわけ?」
二匹の抗議にも、煩わしそうに手を振るだけで取り合わない。
「ここは道化師の領地だ」
そう言葉をかけるだけでも大儀だと言わんばかりの声色に、バルダンダースとサキュバスは顔を見合
わせ、呆れた溜息を吐いた。
「さて、賢者殿。さっそくだが終わりにさせて貰おうか」
蛇の一匹が鎌首をもたげ、預言者に狙いを付ける。
「やってみてはいかがですか?」
「お別れだ、最後の人間よ」
稲妻の閃きで、ハイドラの首が襲いかかった。
「ああ……ああ、悲しい幕切れだ」
蛇は噛み付くでも呑み込むでもなく、押し潰そうと首を伸ばし、床を貫いた。青い水飛沫に土煙が溶け、
泥の柱が上がった。
「気高さが生んだ悲しみだ、頑迷さが呼んだ死だ」
泥柱が地に落ち溶けたときでさえ、マッドクラウンは勝利を疑っていなかった。いかな熟達の戦士であ
れかわすことは出来ぬ、必殺の一撃に思えたのだから。
「気狂い! 外したぞ!」
そのため、クラリスの声が何を意味しているのか理解できなかった。首々の影から飛び出した聖女が
無傷で、泥すらほとんど被らぬ姿でいるのを見ても、すぐには反応できなかった。
賢者の手には、尖った石の破片が握られていた。床から引き抜いたばかりのハイドラの頭に、瞼の無
い瞳にそれが突き刺さったとき、ついに道化は気が付いた。
あの、カードも持たぬセプターは、ハイドラの攻撃をかわしたのだ。
傷付き悲鳴を上げる蛇頭を呼び戻し、気狂い道化師は考える。今の速さに反応できる者が、人間に
いるというのか。それも、このような女がそうだというのか。
信じられないながらも、叫ぶ首に飛び移り、刺さった破片を取り除いてやる。傷口が泡立ち、道化の考
えがまとまる頃にはすでに、ハイドラの目は完治していた。
よけられたのは何かの間違いであるからして、次かその次で、賢者殿は床の染みとなる。
よしんば逃げ続けたとしても、ハイドラの再生能力を打ち破る攻撃など、仕掛けられようはずもない。
「いやはや賢者殿、素晴らしい立ち回りだったが、残念、ハイドラにとってはこれくらいの傷など物の数
ではないのだよ。つまり、絶望的な状況は何一つ……」
「肩書きの割には、当たり前の話をくどくどと繰り返すのですね」
ルシエンは笑っていた。目を細め、口の両端を吊り上げるその顔は、道化が気狂いとなってからずっ
と忘れていた、怒りというものの残滓を揺り起こす。
「どうぞ、続けてみてはいかがですか?」
「強がりはやめたまえ」
ハイドラの首が、今度は二本動いた。
三匹の中にあって少女だけは、この事態を把握していた。ハイドラに繰り出させる攻めがことごとく、
それも魔法のようにかわされる理由。
「すごい……」
見ようによらずとも、明らかに怒り狂っている表情を仮面に浮かべた道化は、手毬の一つに己の魔力
を注ぎ込んだ。膨れ上がり、金色の髑髏へと姿を変えたそれを、ルシエンに投げつける。歯を打ち合わ
せながら空を滑る髑髏は、非力なマッドクラウンの攻撃とはいえ、ただの人間にとっては命を奪うに足
る一撃である。それも、あんな女など。
怒りの表情が和らぐ、会心の一手。低空を薙ぐようにして襲いかかったハイドラの首を、伏せることに
よってやりすごしたばかりの賢者には、よける余裕などあろうはずもない。
「無駄です」
口にしたのは少女だったが、預言者の表情も同じことを言っていた。
セプターは素早くも冷静に、伏せたまま転がって、すんでのところで死を逃れる。髑髏は聖女を噛み
損じ、そのまま床を滑って壁に歯を立てた。かちぃん。
「信じられぬ、信じぬ、これほどに、まぐれが、馬鹿な」
「道化、息が上がりましたか?」
本来セプター能力を有していないマッドクラウンでは、他のクリーチャーを御し続けるのには自らの魔
力を削るしかない。己を保つための力を残しつつ仕掛ける、そんな余裕はあと一回と、道化は踏んだ。
「万策尽きたわけではない、愉快なのはこれからだ」
「そうですか……」
ルシエンの呼吸も荒い。これで終わらないはずがない。
全ての首が狙いを定める。これまで控えてきた全方位からの攻めを行うにあたり、道化にはまだ必勝
の策が残っていた。
「では、今度こそさよならだ。美しくも強き賢者殿」
「こちらからも、そのまま。前半分だけ」
首が一斉に後ろに引いて力を溜めたその時、策が動いた。地下のハイドラが、大きく体を揺する。
「あわっ!」
少女が転びそうになるのを、夢魔がどうにか支える。速いが単調であった攻撃からの転調は、賢者と
いえど予想できるものではない。よろめき、足を奪ったところをハイドラが一斉に襲うのだ。もし転びでも
すれば、噛んで毒を流すくらいの遊びをしてもいいだろう。死にながら嬲り辱められれば、もうあのよう
な態度も取れないだろう。
「あ」
しかし、聖女は宙にいた。ほんの一瞬の跳躍は、ほんの一瞬の地震と完全に重なっていた。揺れの
収まりつつある床に降り立ったルシエンに思いを巡らせるのはやめ、気狂い道化師はハイドラをけしか
けた。ここで仕留めるしかないのだ。
「ハイドラァァ!」
裏返った声に従い、首が繰り出される。しなる巨木を横飛びでかわし、すぐに後ずさって垂直に落ちて
くる蛇頭をいなし、それを盾にして迫り来る一本を防ぎ、迷わず伏せて追いすがる二本を交差させて制
し、おそらく道化にとって最後の賭けであろう上下左右からの立体攻撃を、僅かに立ち位置をずらすだ
けで無効化する。
魔力も尽きかけ、ついにマッドクラウンは現実を受け入れた。
「気が……触れたのか、この道化は!」
「いかれてるだろ、とっくに」
笑いながら、クラリス。淫らな夢を統べるクリーチャーは、顎で道化を下がらせた。ハイドラもルシエン
の退路こそ塞いでいるが、動きから精彩が失せている。
「強いねえ、ルシエン様は。だけど私には分かってるさ、いちいち指示を出して、なおかつあんな大振り
ばかりじゃあ、ちょっと頭の回るやつには読まれても仕方ない。ま、気狂いの限界だわね」
ルシエンは答えず、一歩も引かず、サキュバスを見据えている。
「どうだろうね、私は殺し合いなんざしたくないから、またおとなしく、その臭くて品の無い、爛れた……」
「拒みます」
その言葉で、尼僧の口が喜悦に裂けた。
「そぉおうかい! じゃあ仕方ないね、壊しちゃおうか!」
右腕をゆっくりと、肩の高さまで水平に持ち上げる。
ぞっ、という音が鳴り、袖に穴が空いた。
「クラリスは。骨も残さぬ。そのつもり」
再び人間らしさの失せた道化は、平たい声で漏らす。
「これは、あはは、これは、あはははは、痛いよお?」
空いた穴は、内側から溢れ出す魔力による腐食だった。千切れた布は風もないのに舞い、そのまま
空気に溶けた。
現れたクラリスの腕は、紫色に染まっていた。その手首には、白銀の腕輪が嵌められている。
「パワーブレスレット……」
賢者が呟いたのは、カルドセプトに記された、破滅の力に満ちた腕輪の名。
「う、あ、あはぁ……力そのものが満ちてくる。これこそ、この世で最高の気分だよ……ブチ込まれるの
を別にすればねェ!」
腕が、関節一つ分長くなる。指はどれも二本分の長さになり、爪は三倍の長さにねじれて伸びた。
「さっそく濡れてきた。さっさと済まして、続きに戻りたいよ」
「分かりました」
法衣を突き破り羽根を生やし、サキュバスは飛びかかる。
「無駄ですよ」
少女はクラリスにそう言ってみたが、羽ばたきに散らされて届かなかった。
この後、もう少し我慢してお付き合い頂ければ、濡れ場に達する予定であります。
この新スレでも、気長にお待ち頂ければ幸いです。
>>1様
スレ立て有難うございました。
正直、自分が立ててることになって何か失敗をしまいか、戦々恐々としておりました。
>オルメク頭氏
書くには不得手な甘い恋物語、一読者として堪能させて頂きました。
しばらく投下は控えられるとのことですが、拙作のような変わり種が幅を利かせてはスレの
為にも良くありません。復帰の日を心待ちにしております。
それではまた、できれば近いうちに。
知らないうちに、大変なことになっていたようで……
努力して日曜あたりに続きを、少量でも投下できるようにします。
>>1氏
再録、有難うございました。
もっと早く帰宅できていればお手数をかけずにすみました、申し訳ありません。
>ぼじゃノロイさん
たまりません。色が付いたら、とてもけしからんことになっているじゃありませんか。
息遣いとかぬめり具合とかがもう何といいましょうか。
つくづく、その路線にしておけばよかったなあと悔やみます。
日曜更新分には、まだ濡れ場は含まれないかと思いますが、ご寛容下さいませ。
19 :
安打陰:04/09/04 01:10 ID:k8fytx00
1さん、スレ立て乙です。
即死って30レスなんですか?ならば少しでも埋めてみます。
20 :
安打陰:04/09/04 01:11 ID:k8fytx00
最近視える未来には、どこかに闇が付き纏う。
アトラ山の頂上にそびえる神殿で未来視を行っていたルシエンは、
ここ数日の神々の声が、人々に不安を掻き立てる恐れのあるものであり、
訪れる者に神託を告げる際に慎重に言葉を選んでいることに気付いた。
『人々を不用意に恐怖に陥れてはならない。
どのような未来であろうとも、わずかだとしても光は降り注ぐものだから。』
それは、ルシエンの名を受け継ぐときに、先代から固く、強く言われていた、
預言者としての心得であった。
だが、この声にとって、未来を輝かしく飾る言葉はもはやただのごまかしでしかなかった。
21 :
安打陰:04/09/04 01:12 ID:k8fytx00
今日も日が暮れる。
ルシエンは神殿の扉を閉め、やがて訪れる夜を迎える準備をした。
神殿の奥、侍女たちにあてがった部屋の並ぶ廊下のつきあたりの、
より重厚な扉の部屋がルシエンの寝室だった。
毎日の記帳と、セプターとしての研究の場を一端に担う机。
法衣、寝巻き、めったに着ることのない作業着が収められたクローゼット。
ルシエンの外見を特徴付けるメイクの道具とアクセサリーが活躍の場を待つドレッサー。
一日の疲れを癒す、軽くて暖かな布団と肌触りの良いシーツの備え付けられたベッド。
神殿の荘厳さとは対照的な、木の温もりが伝わる質素な部屋だった。
22 :
安打陰:04/09/04 01:13 ID:k8fytx00
寝巻きに着替えたあと、いつものように机に向かう。
布団に入る前に、過去と現在、そして未来を書き留めておくのがルシエンの日課だった。
神の声に含まれる闇は、いったい何をもたらすのだろうか。
ここのところ書き留めている未来は、それへの不安に尽きていた。
闇があることは確実であるのに、おぼろげで正体が掴めない。
知識と経験は、正体を知る手がかりとしては不十分だった。
「今日は、もう寝ましょう……これ以上考えていても、身体を悪くするだけ」
ルシエンは立ち上がった。どうも頭が重い。部屋の空気が澱んでいるのか。
空気を入れ替えようと、カーテンを少しめくり、そっと窓を開けた。
空はずいぶんと厚い雲に覆われていた。
確か今晩は満月のはずだが、そう考えるのは月齢を気にする者ぐらいだろう。
風もほとんど吹いておらず、一筋の月明かりさえ差し込むことはなかった。
しかし、このような空でも、漂う空気に雨の匂いは感じられなかった。
(少しでも開けておけば、そのうち新しい空気が入ってくるでしょう)
こうしてルシエンは、ようやく眠りに付いた。
23 :
安打陰:04/09/04 01:14 ID:k8fytx00
その日の夢は、奇妙だった。
心の奥の何かを呼び起こすような、それの存在を気付かせるような、そんな夢。
もともと自分の中にあった存在なのか、いつの間にか入り込んだ存在なのかは分からない。
だが、今となってはそんなことは問題ではなかった。
そろそろ、新しい世界を知りたいだろう?
華やかで不安定な思春期に欲を知ることなくその地位を守りぬいた聖女。
なに、怖がることはない。人間なら誰しも、たとえ聖女と言えど、
抱いているものだということを、教えてやるだけだからね。劣情を。
なめらかな曲線を描く身体に視線を送る。
布団の下で寝巻きを少しずつはだけさせる。
ルシエンの腕が、動き出した。
24 :
安打陰:04/09/04 01:15 ID:k8fytx00
そう、下のほうですね、腕を伸ばして……茂みの少し先。
ここには、少しぷくんとした突起があります。はい、確かに。
その周りを、この、指で、ゆっくり、やさしく、解きほぐしていくのですね。
これで、いいのでしょうか。何故だか、突起がおかしいのです。
触れてないのに、ぴりぴりして。全ての感覚がここに集まっているようで。
それに、だんだん、奥のほうがじんじんしてきました……
むずがゆいような、これはいったい何なのでしょうか。
そして、ここ、ぷくんと膨らんだここを、いじりたいんです。
ここもいじっていいのでしょうか。いじらせて……ください。
25 :
安打陰:04/09/04 01:16 ID:k8fytx00
いじりだしたら、とても、身体が、しびれて。身体が奥から熱くなって、火照って。
急にいけないことのような気がして、こらえようと力を込めたら、
腰が反れて突き出されて。そうしたら、よけいにしびれが高まってしまって。
怖くなって指をずらしました。曲げていた指を、伸ばして。
そうしたら、さらに奥のほうに触れてしまったんです。
それで、その……ぬるぬるしていたんです。少しとろっとして。
その場所の役割は、教養知識として学びました。
私には縁のないことでしたから、知識として必要なこと以上には考えないようにして、
そのまま記憶の彼方に追いやっていました。
そんな場所が、こんなに脈打って、濡れてきているんです。何? 何故?
こんな、こんな夢、誰もが見るのですか。おかしくなる。私、私の。
26 :
安打陰:04/09/04 01:17 ID:k8fytx00
指先はひととおり秘所を巡って、最初に触れた核へと戻る。
包まれたままの状態で、前後にさすったり軽く押したりと、愛しみ方を模索していく。
高まりと共に湧き出す蜜を指に絡め、周りをゆっくりと滑らせるようになぞる。
時折指先が入り口に触れる。でもまだ受け入れるのは怖い。
自分の身体のはずなのに機嫌を伺う。少しの快楽も逃したくない。
ああ、ここが、気持ちいい、そう、そうですよね、私?
身体が引きつってそこから何かが来る気配がした。
指先はあてがわれたまま動きを止めていた。
呼吸までも止めてそれの訪れを待った。
来たらもう戻れない。どこに行くのか分からない。
――だめ……っ!
27 :
安打陰:04/09/04 01:18 ID:k8fytx00
頭の中で光が弾け、奥で張りつめていた糸が一気にほどけた。
脈打つ秘密の泉から少しずつ滴っていたものも、
糸が緩んだことでとめどなく流れ出す。
宙を舞うような、同時に何かが崩れ落ちるような感覚。
止めていた息が吐かれ、自分でも分かる荒い息遣いが辺りを包んだ。
この感覚は、何に例えられる?
いいえ、初めてです。こんなにも甘く、激しく、身を蕩かせる、
そんなことを、自身の手で味わわせられる事実が、私の中にもあるなんて。
でも、これは夢です。私はこのまま何事もなく眠るのです。
目が覚めれば、いつもの私です。神々の声を聞く、いつもの……
高まった緊張が全身から急速に抜けていく。身体の火照りも汗も引いていった。
脱力した四肢を投げやって布団に身を預けた。何かを思考する気力も失っていた。
ぬめりを拾って伝染させた指先は、いつしか乾いていた。
その余韻を指先に残したまま、ルシエンは深い眠りへと入っていった。
28 :
安打陰:04/09/04 01:19 ID:k8fytx00
ルシエンは目を覚ました。
神殿の主としての生活のリズムはどんなときでも身についている。
その身体がもう夜が明けたことを告げているが、カーテン越しに日は差し込んでいなかった。
空を見ると、昨晩の雲は一向に晴れる気配がない。
それどころか、寝る前にはなかった雨の匂い、嵐になりそうなほどの匂いを漂わせていた。
「今日からしばらく、大雨になりそうですね」
このような日に訪れる者はいないだろうと思いながら、支度を始める。
汗と湿気で肌にまとわり付いた寝巻きを脱ぎ、いつもの法衣に着替えた。
薄手の衣を重ね、アクセサリーを身につけ、最後に白いフードをかぶる。
夜が更ける色とも明ける色とも取れる色をしたチュニックブラウスは、
ルシエンの肌の白さを際立たせていた。
自分でもそのことがよく分かる、大きく開いた胸元に目をやる。
29 :
安打陰:04/09/04 01:20 ID:k8fytx00
「私も、ここに来てずいぶん経ったものですね」
この神殿に来たときからずっとこの法衣だった。
当時はまだこの法衣は大きかった。着丈はまだ調節が効いたが胸元はゆるく、
しばらくはブローチで留めていたものだった。
ブローチが必要でなくなったのは、いつごろだっただろう。
「昔はこの法衣を、こうして着ていたんですよね……」
当時を思い出し、左右の身頃を重ね合わせるように中心へ引き寄せると、
その下で乳房が形を変え、頂が窮屈そうに布地を持ち上げた。
「あら……いやですわ、私ったら」
法衣が擦れて隆起した胸の頂に、ルシエンは顔を赤らめた。
「そんな、私、これだけでこんなになるなんて」
意識したそのとき、羞恥心とその裏に潜む快感を自覚した。
ぴんと張った布地の上を、頂へと指を這わせる。
すぐには到達させない。触れてしまうのが怖い。
指先が触れた瞬間、全身に流れる甘い刺激の存在。
もう知っている。法衣越しの指先でさえ、私の身体を迫り立てる。
椅子に座り、机の上の時計を見た。朝の会合の時間が近づいている。
自分が行かなくては神殿は動き出さない。扉を開けるのは、神殿の主の務めだった。
「……まだ時間はありますよね。遅れても、少しですから……」
30 :
安打陰:04/09/04 01:27 ID:k8fytx00
今回は一応ここまでで。もうちょっと早く書けるようになりたいです…
カルド世界に時計があるのかよく分からないので、そういうもんだと見逃してください。
再録の神々の作品は、このあとゆっくり見ます。楽しみです。
ではおやすみなさい。
判定侍の即死を逃れていますように。
乙でした!>スレ立て、再録、新作全てに
安打陰神のルシエンは、なんとも淫靡でいいのです。
これからどう堕ちていってしまうのか、もしくは壊されてしまうのか、
目が離せないですよ。
地王の更新も楽しみですし(即死回避しそうだから延期、だなんて言わないで下さいな)
ぼじゃノロイ神のルシエンはぬるぬるだし(溜息出ます)
もう胸躍らせてお待ちしておりますよ!
ルシエンぬるぬるぽ
…えーと、なんだかよくわからないんですけど
とりあえず『ガッ!!!ゴイル』配置しときますね。
ここらへんに→
そしてめちゃめちゃ遅ればせながら…
>>1 乙
素敵スレ復活感謝感激でございます
モロックの発明品絡みでエロいことできないかな
リビングソード、リビングスピアに続くリビング武器第3弾
その名もリビングヌンチャク!
これでルシエンと誰かに片方ずつ突っこんで…
ギャグにしかならんね。すまんね。
>>34 なんか、「リビングヌンチャクを奪取するためにモロックの館ヘ突撃していくクレリック」という図が浮かんでしまった。
しかも、表情が怖い(←ハァハァした表情だからか?)
いや、俺は書けませんよ?
新スレお疲れ様です。
神が3柱連続で書き込まれるとは門出がいいですね。
>安打陰様
夢と自慰行為っていうネタが激しく被っているssを書いたんですが
投下してもよろしいですか?
今日明日中には、自宅に帰れそうもありません。
幸いにして安打陰氏の素晴らしいSSも投下され、即死は免れていそうですので、
少し猶予を頂きたく存じます。
>>31氏には特に申し訳ありません。
もう少し文章を練りたい気持ちもありますので。
取り急ぎ、上のお詫びまで。
となれば、できることは保守しかあるまい。
残業食らい倒して、満身創痍で帰宅した。
申し訳有りません地王、仕事で疲れていても、書こうと思えば書けるのでは?とか思ってました。
無理無理、これは死ぬです。
ですので、死なないように書いて下さい。
日曜に。
これで日曜日まで生きる理由が出来た…。
地王様、
>>39にもあるようにくれぐれもご自愛くださいませ。
身体を壊されたら元も子もありませんから。
42 :
安打陰:04/09/09 01:31 ID:QanfzzxU
>36氏
無問題ですよ。いろいろな方の作品を読みたいです。
43 :
アズテク族:04/09/10 03:53 ID:0jV7WKdR
安打陰様からお許しが出たので早速、投下します。
読んでくれると嬉しいです。
このssは前スレの埋め立て用に書いた物の
加筆修正版です。
作者は同じですので、よろしくお願いします。
44 :
アズテク族:04/09/10 03:53 ID:0jV7WKdR
いつからだろう。この淫らな一人遊びを覚えたのは。
最古の記憶は10歳の頃から始まる。
毎夜、夢に現れる見知らぬ男性に恋をした。
夢の中でも彼の微笑み、ぬくもり、眼差し。
その全てがルシエンを捉え放さなかった。
分からなかったのは、その名だけだ。
45 :
アズテク族:04/09/10 03:55 ID:0jV7WKdR
ただただ彼に想い焦がれ、毎夜見る夢が何よりも楽しみだった。
彼はいつか自分をこの牢獄から助け出してくれる白馬に乗った王子様。
幼い娘ならだれもが夢見る絵空事。ルシエンも例外ではなかった。
神殿の扉が開かれる度、誰かが未来視を求めに訪れる度、
ルシエンは一目散に駆けて行き、そして失望のため息を吐いた。
『あの人』が神殿を訪れる事は一度たりともなかった。
ルシエンは親に捨てられた子だ。愛された覚えはない。
神殿での生活だってそうだ。
師から叱責された事はあっても賞賛された事など一度もない。
それに加え友を作ることすら修行の妨げになると咎められた。
ルシエンは一人ぼっちだった。ずっとずっと。
彼女は寂しさの癒しを全て夢に求めた。
夢裏の彼は常に彼女をぬくもりで包み込んでくれた。
愛されない哀しみも、心許せる友のいない心細さも全て。
彼さえいればルシエンは他に何もいらなかった。
46 :
アズテク族:04/09/10 03:56 ID:0jV7WKdR
彼を想う気持ちは変わらなくとも歳月はルシエンを確実に
美しい女性へと変貌させていく。
それに伴い、湧き上がる性欲、肉欲、劣情。
彼を想う度に疼く身体と、熱を帯びる下腹部。
初めての感覚にルシエンは戸惑っていたはずだ。
その正体が分からなかったはずだ。
それなのに右手が秘所へと伸ばされていた。
何故だかは今でも分からない。ただ自然とそうなっていた。
最初は秘所を弄くる指も拙く、くすぐったいような感じだったけれども
徐々に弄り方にも慣れ、どこを触れば気持ち良いのか分かってくると
時折感じる甘い刺激。それに加え眼を閉じ夢裏の人を思い浮かべると
背が仰け反るほどの快楽。そして一体感。
ずっと一人ぼっちだったルシエンにとってそれはかけがえのないものに思えた。
日々の寂しさを忘れられるその行為がルシエンを虜にするのも無理はなかった。
それからというものルシエンの見る夢は変わった。
王子様は馬を降り、一人の男としてルシエンを求め、抱いた。
それは淫らで、いやらしく、それでいて暖かな夢だった。
47 :
アズテク族:04/09/10 03:57 ID:0jV7WKdR
昼は彼を待ち、夜は彼を想い、夢裏では彼に抱かれる。
ルシエンは幸せだった。
彼女がルシエンと呼ばれるのが当然になる頃。
アトラの神殿に聖女がおられると人々の口に上がる頃。
ルシエンは齢24を数えていた。
未だ夢裏の彼が訪れる事はなかったが
ルシエンの心は彼に捉われたままだ。
もう神殿の扉が開く度に駆けて行く事は無くなった。
それでも、もしかしたら。と思うのは変わっていなかった。
それまでの間も、そして今も、幾人もの男たちがルシエンに愛を囁いた。
どこか憂いを含んだ瞳。
大きく膨らんだ乳房。
すらりとして無駄な贅肉など一切無い身体。
礼節をわきまえた言動。
誰もがルシエンの心を渇望し、果たせずに終わった。
それほどまでにルシエンは夢裏の彼に惹かれている。
ルシエンは彼の存在を確信している。
幼い頃見た夢は予知夢。将来、自分を待つ未来。
あの頃と違って彼の年齢を超えてしまったようだけど。
彼女は待ち続けている。ずっとずっと彼一人を。
それでも彼と逢う事は無かった。
48 :
アズテク族:04/09/10 04:03 ID:0jV7WKdR
神殿の奥まったところに造られた庫裏のさらに奥、そこにルシエンの寝室はある。
そこには彼女の年齢や趣味を感じさせるものは一切置かれてはいない。
ルシエンにとってそのような事は興味が無いのだ。
彼女にとって大切なのは『ルシエン』の名と夢裏の彼だけなのだから。
(ああ…今日も来なかった)
湯浴みを終えたそのままにベッドに身を投げ出し、眼を閉じ彼の姿を思い浮かべる。
それだけで身体が熱くなり鼓動も高まる。
すでに秘所は愛液を分泌し、これからの行為に備えている。
姦淫を禁じた神の言葉を思い出し、
これは男女の交わりではないのだ。だから神もお赦しになるだろう。
いつものように、そう自らを欺き、誤魔化し今日も秘所へと手を伸ばす。
眼を瞑り、茂みの中から肉芽を探り出す。ひどくもどかしい。早く触れ、弄りたい。
しかしルシエンは直接自らの性器を見たことは無い。見てしまうのが怖かった。
見てしまったら淫蕩な自分を直視してしまいそうで怖かった。
ようやく探り出した肉芽はすでにじんわりと湿りルシエンの指先を濡らした。
肉芽を摘み上げてみる。
「はぁああ…」
思わずこぼれる吐息。すでにその色は淫らに染まっていた。
49 :
アズテク族:04/09/10 04:04 ID:0jV7WKdR
残った左手でもって乳房を包み込む。
その感触を確かめるかのように掌を折り曲げる。
大きく、形もよく、そして柔らかい乳房は彼女の動きに合わせ
形を変えた。雪を欺くほど白い肌が指に合わせ紅く痕が残る。
何かが掌を押しのけるかのように隆起していくのが分かった。
そっと乳房から手を放して隆起している何かを軽くつねる。
「あ、ああぁ…」
甘い疼きが脳を焼く。
まだ足らない。もっと欲しい、貪りたい。
指を二本に増やし膣内をかき乱す。余りの快楽に理性が蕩け始める。
それでもまだ、まだ足りない。未だルシエンの身体は満足してはいない。
しかし彼女の劣情を満足させる術など存在するのだろうか。
この淫らで、いやらしく、そして清廉な聖女を。
50 :
アズテク族:04/09/10 04:08 ID:0jV7WKdR
ごめんなさい、名乗り遅れました。僕が36です。
前回は時間と容量との勝負だったんで
余り長く出来なかったんですが、
自分で言うのもなんですが好きなテーマだったんで
加筆修正してみました。
もう眠いので続きは明晩に投下させて頂きます。
それではお休みなさい。
俺も好きだよ!好きですよ!
これが続くってんだから待ち切れませんよ、神よ!!
GJ―━―━―━―(゚∀゚)―━―━―━―!!!!!
日曜はブレイドもやるし地王殿も降臨なさるし楽しみだ( ´∀`)
53 :
アズテク族:04/09/11 03:28:09 ID:YbieBy2U
昨晩の続きです。完結です。
読んでくれると嬉しいです。
54 :
アズテク族:04/09/11 03:29:43 ID:YbieBy2U
膣内で指を二本、まるで肉壁を引っかくように折り曲げる。
二倍以上の太さに膨れ上がる侵入物をルシエンの膣はいやらしく締め付けた。
それと同時に肉壁から痛いような、痺れるような甘美な刺激が走る。
「ああっ、あああッ!」
ルシエンの身体が仰け反った。ルシエンの膣口からトロリとした液体が溢れる。
それでもルシエンの指と腰は別個の生き物のように蠢き続けていた。
膣内で指を伸ばす。膣はさらに締め付ける。それでも構わず、伸ばす。
再び感じ甘い刺激。しかしそれでもルシエンを至らせるには、足りなかった。
それなら。と、今度は指を折り曲ると同時に硬くしこった乳首を強く握りつぶす。
55 :
アズテク族:04/09/11 03:32:52 ID:YbieBy2U
途端、全身を貫く、何か。
ルシエンにはそれをどう表現していいか分からない。
ただ、それはルシエンを至らせるには充分すぎる刺激である事は確かだった。
「あ、あああああああッ!」
意識が一瞬、途切れる。もう口から何が発されているのかすら分からない。
背もこれ以上無いくらい仰け反る。
秘所から飛沫が飛び散り、残りの指、そして掌を濡らす。
全身から力が抜ける。重力に引かれるルシエンをベッドが優しく受け止めた。
「はぁ…はぁ…。ふぅ」
左手の甲を額に当て、荒く乱れた息を静かに整える。
ゆっくりと差し込まれた指を引き抜き、乳首から指を放す。
膣からは出口を見つけた愛液がこぼれ出てシーツを濡らした。
乳首には未だぴりぴりと痺れが残っていた。
56 :
アズテク族:04/09/11 03:39:13 ID:YbieBy2U
天井のしみがやけに大きく見えた。前に見たときはもっと小さかったような気がする。
しみを見つめ続けるうちにルシエンはふと思った。
――あのしみは私の心だ。あの人を想う私の心なのだ。
最初は片隅にあった小さな恋心も、気付かないうちに私の心を覆い尽くしてしまったのだから。
そんな感傷的なことを考え、一人苦笑した。
(私にもこんな一面が…。ふふ、そんな歳ではありませんね)
57 :
アズテク族:04/09/11 03:42:13 ID:YbieBy2U
思いついたように右の中指を顔の前に持ってくる。見事にふやけていた。
「今日も、こんなに…してしまいましたか」
劣情の残り火か、それとも羞恥の所為か、ルシエンの頬が紅色に染まった。
それでも自らを慰める遊びをしたことを後悔などしてはいない。
ただ、この遊びだけで満足し、終わりたくはないのも事実だ。
いつかは彼に出会い、抱かれたい。
「ああ…。逢いたいです。」
頬の色はそのままに眼を閉じる。
いくら外が寒々としたアトラの気候でもこの暖かな寝室なら
このまま寝てしまっても風邪を引くことはないだろう。
58 :
アズテク族:04/09/11 03:43:27 ID:YbieBy2U
明日も早い。
彼女は賢者であり預言者であり聖女でもあるのだ。
やらねばならぬ事は山のようにある。
それに最近視える、禍々しい闇。
何かがこのソルタリアで起ころうとしているのかも知れない。
その時は賢者としてそれを正し、預言者として神の意志を人々に伝え、
そしてまた聖女として人々を導かねばならない。
ただ、その闇にどこか懐かしさと安らぎを覚えてしまうのは何故だろうか。
とにかく、いつまでも自分の事ばかりを考えている訳にはいかないのだ。
そう一息つくとルシエンは全身から力を抜く。
頬から赤みがひく頃、彼女は穏やかな寝息を立て始めた。
今夜も彼女は夢を見るのだろう。
彼の腕に抱かれ眠る夢を。
ルシエンが黒衣のセプターに呪われる前夜の事であった。
59 :
アズテク族:04/09/11 03:48:20 ID:YbieBy2U
三柱神の後という事で少しばかり緊張していましたが
楽しかったです。
後、僕の拙作に感想を下さって有難う御座いました。
安打陰様と地王様の作品の続きと、ぼじゃノロイ様を始めとする神々の
新作を期待しつつ、おやすみなさい。
いい、とてもいいです!!
この後のルシエン様は、堕ちるんでしょうか持ち直すんでしょうか!?
堕ちていかない聖女なんて、我らがルシエン様ではありませぬ!!!
と言う事で、運悪く持ち直してしまわれた場合は、ノレシエソ様と呼びませう。
62 :
アズテク族:04/09/12 01:51:01 ID:woCP/+ib
再び感想を頂き有難う御座います。
この後のストーリーはゲーム本編に続いていく設定なので
答えは皆様のお心の中にあるのでしょう。
しかし…僕は恐ろしい事に気付きました。
>左手の甲を額に当て、荒く乱れた息を静かに整える。
>ゆっくりと差し込まれた指を引き抜き、乳首から指を放す。
…って明らかにおかしいですよね。
済みませんが二つの文の上下を逆にして読んでください。
推敲不足申し訳ありませんでした。
63 :
ぼじゃノロイ:04/09/12 11:03:11 ID:+rtl3a7O
おおおGJ!
俺の魔力も枯渇寸前ですよ!?
俺(の股間)は限界だと思った
ジーニアス!!!
まさに、『生』ファウンテン!!!
しかも、ニンフ以上に凶悪な効果が最大パワーで発動中!!!
あぁ、猛暑を乗り越えたその先に、それよりも熱いパラダイスが
存在した幸せをしみじみと噛み締める事が出来た休日の昼下がり。
…生きていて良かった…。
ソルタリアの常識に照らし合わせれば、爪が石畳に触れた時の音は、かつっ、こつっ、力強き生物の
手による場合は、がきっ、ばりっ、といったところである。少なくとも、少女がこの世界で見聞きしたぶんに
は、固く弾かれるか逆に砕くかの二つに分けられた。
「いきなり終わっちゃつまらないからね! そうこなくちゃあ困るってもんだよ!」
しかし、聖女に避けられ続け、むなしく空を裂くばかりだった尼僧の爪が、勢い余って石畳を舐めた時
は違った。ぎ、ぎ。
「ハ、よけたのかい? 今のを?」
低空を蛾のように飛びながらの攻防から一転、海鳥のように上空からの急襲に切り替えたサキュバ
スは、結果を信じるのに時間を要している。少女はといえば、腕に腕を滑らせて力を逃がしきった賢者
には驚かず、地を舐めた爪に注目していた。軋んだ音を立て、煮凝りのように裂けている石を見れば、
その鋭さがいかほどのものであるかが知れる。
「どうして、どうして当たらない!」
今度は両足で地を踏みしめ、腰を捻って聖女の胴を薙ごうとする。しかし、ルシエンは爪が迫る前に、
腰が捻られる前に、両足で地を踏みしめられる前に、後ろに下がっていた。
「糞尼が、どんな、ペテンを!」
サキュバスは、四肢の自由を奪うその能力にばかり目を向けられがちであるが、肉体的な闘争力も
決して低くない。腕輪によって高められた膂力は、魔力が獲物に染み渡るよりも早く、意識も命も千切
り飛ばすだろう。しかし、賢者はクラリスの選択に感謝していた。
人間の自分にとっては、一撃でも貰えば致命傷であることに変わりはない。死体の損壊度にこだわる
のでなければ、パワーブレスレットなど無用の長物だった。この状況では、使われたくない道具が他に
幾らでもある。
「この雌豚、二つに裂いてやるよ!」
横薙ぎをかわされ、毒づいたサキュバスが、地を蹴って直進し、高く掲げた手を爪を、縦にまっすぐ振り
下ろし、ルシエンが鮮血を吹いて裂けるのを、預言者の目は捉えた。
クラリスの弓手側に、身をずらす準備を始める。
「この雌豚、二つに裂いてやるよ!」
横薙ぎをかわされ、毒づいたサキュバスが、地を蹴って直進し、高く掲げた手を爪を、縦にまっすぐ振り
下ろし、ルシエンを左右に裂こうとしたが、預言者はすでにそこにはいなかった。
「なんだってんだ……私が、悪い夢でも見せられてるっていうのかい!」
縦横に繰り出される爪に幾度も殺されながら、ルシエンは常に、そうならない未来を選択し続けていた。
セプターとしてではなく、聖峰の賢者として持っていた、予知の力によって。
「あれが、アトラのルシエン……」
少女がソルタリアへとにじみ出したのはジェミナイよりも遅れてのことだったので、呪いによって弱めら
れたルシエンしか見ていない。しかし今となっては、不完全であった頃のジェミナイがどうして、真っ先に
預言者を手中に収めようとしたのか、肌で理解できた。鳥を模したつもりもないのに、泡立つ皮膚。
「こ、この、この……!」
動きを読まれているのかと、外れてはいないが正しくもない予想に従って、爪がめくらめっぽうに振り回
される。ルシエンはそれに逐一付き合うこともせず、法衣に風をはらませ、後ろに大きく飛んだ。裾すら
裂けぬ夢魔の殺意が、聖女の肉に触れることはできなかった。
「テケリ・リ!」
噴き上がる感激に擬態が保てず、少女の下半身がぐずぐずと溶けて崩れる。
予知の力は、多大な負担を賢者に強いていた。
「こ、この、この……!」
動きを読まれているのかと、外れてはいないが正しくもない予想に従って、爪がめくらめっぽうに振り回
される。ルシエンは右に左にとかわし続けていたが、やがてクラリスの小指が聖女の腿を横に滑った。
吹き出す鮮血に意識を奪われたルシエンは、一呼吸の間に八つに裂かれ、ばらばらと床に散らばる。
──いけない、これでは。
鋭い痛みが、目の奥から頭の後ろまで抜ける。浮かぶ未来。
「こ、この、この……!」
動きを読まれているのかと、外れてはいないが正しくもない予想に従って、爪がめくらめっぽうに振り回
される。ルシエンはそれに逐一付き合うこともせず、法衣に風をはらませ、後ろに飛んだ。しかし尼僧の
中指の、爪の、先の先が、法衣の裾に触れる。それが武器であるだけでなく、自在となる肉体であるこ
とをセプターが思い知ったときには、もう逃れる術は無くなっていた。裂かずに絡みついた爪で軽々と引
き戻され、空いていた腕が胸板を突き破る。
──これでも、いけない。
頭の中央で、痛みが弾ける。血が涙となり、未来が見える。
「こ、この、この……!」
動きを読まれているのかと、外れてはいないが正しくもない予想に従って、爪がめくらめっぽうに振り回
される。ルシエンはそれに逐一付き合うこともせず、法衣に風をはらませ、後ろに大きく飛んだ。裾すら
裂けぬ夢魔の殺意が、聖女の肉に触れることはできなかった。
「テケリ・リ!」
預言者が血の涙を流したとき、四つの解釈が生まれた。
──本来すべきではない、予知のやり方。こうして直近の未来を見続けることも、それに合わせて体を
動かすことも、もうそろそろ限界が来ようとしているようだ。
「いけない……」
──どんな手を使っていたかは知らないが、参ってきたのは確かなようだ。勝利は近いのでは。
「おやおや、おやおやぁ!」
──狙いは隙をついて逃げることだったのだろうが、ハイドラに退路を塞がれたままでは、ただ徒に体
力を消耗しただけだったようだな。
「悲しいことだ」
──ああ、なんて
「綺麗……」
「無様だね、賢者様!」
クラリスに笑顔が戻った。
「残念だったね、体がついてきてないじゃないか」
余裕を取り戻したサキュバスの、体重を乗せない攻めの繰り返しに、ルシエンは汗を飛ばしながら体
を捻り続けていた。疲労を溜めさせることだけを狙いとした攻撃は、確実にセプターの足を奪っていく。
「慌てることはなかったね、どうやったって結果は変わらないんだから」
痛みと消耗が、セプターをただの非力な女へと近づけていく。
「ほら」
足がもつれる。
「ほうら」
足が滑る。
「ほおら!」
クラリスが舞い上がり、それを見上げようとしたルシエンは、床に背中を付けることになる。
「ああっ!」
「いいじゃないか、そこが祭壇、あんたが生贄!」
黒い羽根が、一杯に広げられた後、畳まれた。天井を蹴り、爪をかざし、矢となったサキュバスが賢者
を射ようと迫る。
「いけない、逃げろ」
道化が呟き、すぐに叫ぶ。
「逃げろ、ハイドラアァッ!」
逃げたのはセプターで、轟音とともに、クラリスの長い腕が石畳を深く貫いた。
「ハイドラ!」
床が砕け、泉とつながり、青い水が広間に溢れ、女性の悲鳴を上げながら、ハイドラの本体が姿を現
す。全ての首の球根であるそこは、四頭だての馬車ほどもある女の顔をしていた。左目を潰された痛み
に歪む表情を、二度見ることになったルシエンは、壁際に残った足場で荒い息をつく。
「嵌めやがったのか、淫売がっ!」
「クラリス、何をしている!」
道化師が厳しい声で、ばたばたと羽ばたく尼僧を叱る。
「いかなハイドラでも、道化が引かせなんだら、眉間を貫かれて死ぬるところだっ……」
叱責は途中で止んだ。足下の蛇に起こった異変を感じ、手を当ててみる。
「ル……」
傷は急速に治りつつある。
「ルシエン!」
全ての首から力が抜け、うなだれ、水に沈む。サキュバスの魔力を受けて沈む。
「貴様、クラリスの」
「こいつ、私を使って」
二人に対し、ルシエンは、うふ、と笑ってみせた。
「ごめんなさいね……」
出口は開けていた。壁際に残る床を走り抜ければ、ここから逃れることができる。
「行かせるわけが、ないだろうが!」
尼僧が襲いかかる。状況が変わったとはいえ、不利なだけではない。あの狭い足場、背に触れる壁、
こちらには羽根、長い腕。まだ勝てる。
安い希望と忘却に乗せられ、クラリスは飛ぶ。
「ここには……」
背を向ける聖女を見ても、夢魔は気付かない。
「これがあります!」
間近に迫ったサキュバスに振り返るセプターの手には、金の髑髏が握られていた。それが道化によっ
て魔力を注がれたものであること、この壁に噛み付いていたことをクラリスが思い出す間に、ルシエンは
腰を捻った力をそのまま使い、頭骨を投げつけていた。
「ひ、あぎゃあっ!」
口を開ききり、尼僧の頭にかじり付いた髑髏の顎から、鮮やかな血がばたばたと落ちる。硬質な音は、
歯がサキュバスの骨にまで達していることを示していた。
「ごめんなさいね……」
誰も見ていないので笑みを消し、頭巾の影でルシエンは呟いた。
走ればいいだけになった。バルダンダースが動く未来はまだ見えず、道化はハイドラと共に遠くで沈み
かけている。
四肢がまだ動いているのは幸運、意識を失わずにいるのは奇跡。私はまだ生きている。まだ生きられ
るし、やらねばならぬことがある。
「ジェミナイ」
小声だが、確かに口に出してみる。その名はやはり、彼女には似つかわしくないのだ。だから私はま
だ動けるのだ、戦えるのだ。
「ああ、賢者殿」
道化がはっきりとした声で嘆いた。地鳴りを伴っての言葉にも足を止めず、ルシエンは走った。
「よくやった。やりすぎた。一瞬で死ねるぞ」
走りながら、未来を見る。天井に亀裂が入るのが見えた。
「奥方をこんな目に合わされて……彼の御方がただで済ますと思うか」
未来を見た。真っ暗だった。
「大いなるダゴンが」
亀裂が入った。天井が崩れ、何かが現れた。すぐに視界が真っ暗になり、疲れきった意識がようやく
安息を得た。
ルシエン、ルシエン、ルシエン。
まだ生きているのですね、ルシエン。
ここまで来るつもりですか、私の名を呼びに。
意識が戻ったとき、預言者は布団の中にいた。柔らかく沈みこんでいる体と、そこから抜けている疲労
を知り、賢者は自分が救われたことを理解した。
「あ……」
戸惑いはあるが、四度目の覚醒ともなれば、慌てて自分を失うこともなかった。それに、この状況が現
のものであると信じきれない部分もある。
「私、まだ?」
半身を起こす。掛け布団が滑り落ち、血と汗と泥に塗れた法衣があらわとなる。それが純白の布団を
汚していたのを見て、ルシエンは軽い罪悪感を覚えた。
布団も、寝台の黄金の柱も、それに張られた薄い幕も、どれもが美しくまた豪奢なものだった。それを
取り巻く部屋は広く、物がほとんど置かれていない。扉と、敷物と、寝台だけの部屋。明かりはどこから、
と思って周囲を見回せば、柱や天井に光の玉があった。
──フェアリーライト。では、セプターが私を?
そうであれば、細かい擦り傷や疲労が抜けているのにも合点がいく。となると、そのセプターは自分に
危害を加えるつもりはないのだろうか。
「暖かい」
何より、その部屋は暖かかった。敵意が無いだけでなく、ルシエンにとって覚えのある、優しい匂い。
「いっ……!」
針で刺したような痛みが、頭に戻ってきた。どうやら予知の代償は癒しきれていないらしいこと、やはり
これは夢ではないこと、さすがに頭巾は脱がされているということを同時に理解する。
こんっ、ここん。
扉が叩かれる音で、ルシエンはそのセプターのことを思い出した。しかし信じるには至らない。ありえな
いことだから。
「ルシエン、起きているのね?」
覚えのある、女の声が聞こえても同じ。扉が開いても同じだった。
「そんな……嘘です、こんなこと」
薄布越しに見える姿は、法衣をまとっている。
「大変だったのよ、アポーツがなかなか上手くいかなくて」
そのセプターが近づいてくるにつれて、預言者の鼓動が早まる。予知もできずに不安に怯える。
「死んだはずです……」
「予知の力を、あんな風に使うものじゃないわ。仕方ないけれど」
幕の前に立つ。
「あな、た……なのですか?」
「こら、人の話はきちんと聞きなさい」
聞き間違えようも無い。信じないわけにもいかない。
「先代!」
ルシエンが慌てて幕を開けると、ルシエンが微笑んでいた。
「久し振り、ルシエン。私が死んで以来ね」
声も口調も同じだが、先代ルシエンの姿は変わっていた。もし預言者が頭巾を被り、法衣が汚れてい
なければ、それは鏡のようにも見えただろう。
「先代、あの、そのっ」
自分の前に、自分とまったく同じ姿をした者がいる。そしてそれは、自分のよく知る故人の言葉を喋る。
賢者は正気を疑ったが、それでも何か話さねばと思い、踊る舌を御そうとする。
「お、お久しゅう御座います!」
その場違いぶりに、先代が口元に手を当てて控えめに笑う。
「そうね、久しいわ」
「あ、あの」
「体は借り物。ドッペルゲンガーよ」
「それでは」
「私は死んでいるわね」
「ええと」
「安心なさい、ここにはダゴンたちも来れないから」
「な」
「事情は後で話すけど、私は味方」
「う、あ」
「礼なんていらないわ、親子みたいなものじゃない」
ルシエンがしがみつくよりも早く、先代は弟子の体を抱き締めた。泣くよりも早く、優しく頭を撫でた。
今回はここまでで御容赦下さい。
そろそろ板違いになってきたので、次回にはちゃんと濡れ場入れます。
>ぼじゃノロイさん
先制80%即死、発動致しました。
このような逸品を見せられては、次回も早めに更新せざるを得ません。
せっかく水場だったのに、何故こういう展開に(以下、前回と同じ)
リアルタイム乙
ルシエン殿カコ(・∀・)イイ!
先代も(*´Д`)ハァハァ
ハレルヤ!!!
まさに、『生』神様御光臨!!!
しかも、掟破り的にドラマチックな急展開が最大パワーで発動中!!!
あぁ、(中略)休日の宵の口。
もし、明日あたりわが身に何か起こっても、一遍の悔いなし!!!
あーなんかもうスゲー!!
尋常じゃねえ燃え(萌えにあらず)を見せてもらいました。
ここまでやっといてアレですか、次回はルシ×ルシまで見せてくれるのですか!!
先代がすんごくイイです。
いい日曜日をありがとうございました、神々。
いつも地王のネタ探しなんぞをしている者ですが、今回も熱い!!
派手な展開のように見せて、実は着実に伏線を回収しに来ていらっしゃったりとか、
やppり水地形の次は占い館なんだなーとか、
ハイドラの夫はダゴン、キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!とか、
見所満載でしたが、自分が今回最も熱いかったのは、
>「いかなハイドラでも、道化が引かせなんだら、眉間を貫かれて死ぬるところだっ……」
というマッドクラウン氏の発言です。
ここが聖堂中央エリア、レベルは5であるとして検証してみましょう。
サキュバスのST=40×2(パワーブレスレット)+10(隣の風土地の支援効果)=90
ハイドラ(ヒドラと仮定)のHP=40+50(地形効果)+10(応援)=100
で、なんとピッタリ「道化が引かせなんだら」死んでいる数値なのです!!
いや、きっと偶然ではなく、地王の計算によるものでしょう。
感動しました、これからも良い作品を書いて下さいませ〜。
すいません、表中の「隣の土地」は風じゃなくて無属性でした。それだけ。
87 :
某じぇす:04/09/13 17:54:47 ID:jHkmeXt7
地に頭を擦り付けたいくらい良質な作品がっ!
言葉が出ません…なんということでしょう
また何か出来ないものかと考えていたのですが、ドッペルゲンガーネタがかぶるというものになってしまいそうです
地王神…わたくしめをどうぞ贄に
最近、当スレではネアt被りが流行中ですか!?
しかし某じぇす神のドッペルゲンガーネタも、泣くほど読みたいものであります!
是非!!
>地王様
相変わらず高いクオリティで…いいです。もうね次回が、待ち遠しいです。
>某じぇす様
是非、読ませて頂きたいのですが…。だめ?
なんか僕も書きたくなってきたので誰かネタ下さい。お願いします。
思いついたのは殆ど書いてしまって面白げなネタが浮かばないんです…。
>>89 後味の悪い陵辱調教モノとか、実はあまり無いので見てみたい。
バーブルで信仰を揺さぶられ、トーチャーされ、チェンジリングで孕まされたりするのですよ。
善人ぶってたけど実は鬼畜な女主人公とかに。
あとは、前に話題に出てグッと来た、カルドラ陵辱モノとか・・・
とまあ、そんなところが胸躍るラインです(w
>>90 主人公を調教するルシエンというのでもいいんだが・・・
憑依ルシエンに敗北後、とか。
実際に対戦している雰囲気でエロというのはどうか。
静寂だけが支配する聖堂。風がカーテンを揺らし月光が差し込んでいる。
優しい光を全身で受け止めるのは一組の男女。おそらく恋人同士。しかも逢瀬なのであろう。
それらを証明するかのように二人とも何も身に纏ってはいなかった。
違うのは二人とも右手にカード、左手に厚い本を携えている事だけだ。
「アップヒーバルッ!」
「シンク」
静寂を打ち破る二つの声。なんと二人はセプターであったのだ。
発動したのは所謂、地形変更のスペル。しかし聖堂は何も変わってはいなかった。
風の音、月の光、それを照り返す床。何もかもが変わってはいない。
――二人の身体を別とすれば。
男の股間はこれ以上ないくらい滾っているし、女の秘所はとめどめなく愛液を垂れ流しているのだ。
驚くべき事に二人は自分自身にスペルを発動したのだった。
「ルシエン様。そんなにも涎を垂らしなさっていかがなされたんですか?」
「ふふ、ユリウス様こそ、そんなに腫らして…いやらしいですね」
ユリウスの意地悪そうな声にルシエンも平然と応えた。
「いやらしいのはどっちでしょうかね?――グロースボディ」
再び発動されるカルドセプト。ユリウスのリビングスピアが眩しい光に包まれる。
ようやく光が消え去る頃。否、光は吸収されていたのだ、リビングスピアに。
光に包まれた分だけ肥大化したリビングスピアは天を目指し、大きく脈打っていた。
ごくり…。
それを見たルシエンの喉が鳴らされる。雪を欺くほどに白い肌も赤く染まっていた。
「大きいでしょう、ルシエン様。欲しいでしょう、ルシエン様」
ユリウスから笑みが零れる。しかし彼は気付かなかった。ルシエンの手にカードが握られている事に。
「ええ、大きいですね。もちろん、欲しいですよ。――だから、バインド」
「なッ…っ!?。しまったッッ」
途端、ユリウスの身体を拘束する光。彼はそのまま床に倒れこんだ。天を目指し直立するリビングスピアを別として。
これはただの逢瀬ではない。お互いのセプターとしての誇りを賭けた戦いでもあるのだ。
新しい面白さを感じる・・・ような(笑)
「対戦風陵辱調教プレイカルドラ混ぜ」なら、皆が満足するのかもしれない。
この路線、シリアスにいけば使えるかもしれないのでは?
思えばこのスレも長いね。
もともとルシエン様は好きだったけど
このスレを読んでさらに燃え上がったのを思い出す。
ありがとう初代1さん。
同感。
「エロいな〜」くらいだったルシエンたん萌えの心を、
より具体的な物へと変えてくれた1に乾杯!!
そして(無理強いではなく)地王閣下の続きマダー?(AA略)
ルシエン様を愛でつつ100ゲット。
地王氏のもいいけど、今は安打陰氏の続きが読みたいです。
愛でつつ……愛でてやがるのか、今まさに!!
貸せ、よこせ、引き渡せ!!
安打陰氏の続きも気になりますよね〜。
しかしまあ、このスレの速度は天然スロウですから、慌てずまったり待ちましょうや。
102 :
名無しさん@ピンキー:04/09/24 20:31:18 ID:sw5Muaz6
フライ
103 :
地王:04/09/25 20:02:13 ID:TbK4Izos
万年グラビティがかかっているので、もう少しお待ち下さい……
一、二週間たてば、どうにか体を空けられそうです。
それまでは、神々の素晴らしい作品群でお楽しみ下さい。
ガバホ〜!!
待つですます。
まず一言。
こ の ス レ 最 高 !
地王様と安打陰様の両氏のssにぼじゃノロイ様の絵。
もう、限界です。続きを、続きを読ませてください。
まぁ、ルシエン様の耳輪でもビンビン引っ張って嬲りながら、まったり待ちましょうや。
ちょっと、スレにランプロかけておきますねー
「dat落ち」は複数瞬間スペルなのでランプロは効果がありません。
インビジ……も、だめか。
111 :
名無しさん@ピンキー:04/10/03 10:19:43 ID:VX+8kW2I
そうならないように…
・<パウダーイーターが華麗に保守!
112 :
地王:04/10/03 19:46:13 ID:Jog7CMuS
なんとか予定を繰り合わせ、執筆時間を取れそうです。
一週間以内を目標に、更新したいと思います。
>>106 その情景には、何か心惹かれるものがあります。
皆の衆!!地王が食いついたぞ!!
ルシエン様の耳輪を引っ張るんじゃああ!!!
文字通り、釣りなのかw
そういや聞きたいんだけど、以前出てたカルドのイラスト全集(高いやつ)に
ルシエンの書き下ろしイラストとかってあったの?
公式絵は、例の全身像しかないのかな・・・
>>114 “以前出てたカルドのイラスト全集(高いやつ)”を持ってるけど
残念ながら、ルシエン嬢(単独)の書き下ろしイラストは載ってないです。
ただ、傑 怪老 氏のカルドのイラスト全集用新作イラストは
『セカンドストーリー』と言う題名で、自分(=主人公)とカルドラ様を除いた
セカンドの登場人物全員(もう一人の自分とゴリガンまでいるのにっ!!!)が
一枚のイラストにぎっしりと配置されている『レイアウト、色配置等大変苦労した』
大作が掲載されています。
ちなみに、我等がルシエン嬢は『瞑想する青い人』になっていらっしゃいますよ。
116 :
114:04/10/05 19:12:32 ID:6CMTdMoM
情報dクス!
単独書き下ろしはないのですか、残念。
しかし『瞑想する青い人』という扱いとはいえ、いらっしゃって良かった良かった。
ふとイラスト集のことを思い出して、買おうかどうか迷ったもので。
探してみるかー。
このまったり感が心地イイネ
今朝、目覚める直前まで見ていた夢の中で、ルシエン様が
非常に嬉しそうに『貞操帯』についてレクチャーしてくれました。
うしろの黒板には『装着方法の図解』が大変詳しく解説してあり
一通りの説明が終了した後、彼女はにこにこ笑いながら
自分が装着している『実物』を、あの衣装の裾をめくって見せてくれました。
で、脱ぎたての『ソレ』を手渡しされて私が装着しようとする直前で
目が覚めてしまったのですが…。
…結構楽しかったですけど『年齢=彼氏いない年』である
私には、残念ながらまったく必要無い物ですよ、ルシエン様…。
いやいや、とんでもなくエロい夢ですなマドモアゼル!
混ぜてよ、一緒に見せてよその夢を。
脱ぎたてほかほかのルシエン様の貞操帯を装着させてよ!!
当方、「年齢=彼女いない歴」である男ですが。
連休取れたので、明日中に更新できそうです。八分がた。
更新できない場合は、罵って下さい。
エロが少ない場合は、軽く罵って下さい。
よし任せろっ!
思いつく限りの口汚い言葉で罵ってやろう。ルシエン様を。
ルシエン、ルシエン、ルシエン。
まだ生きているのか、ルシエンめ。
ジェミナイを諦めていないのか、私の玩具を。
「私、セレナ様を、ころ、殺して……」
溺れるほど泣いた後、ルシエンは事の次第を語り始めた。師が大抵のことは既知であろうと分かって
いたが、自分のために話した。
「外に出たら、私は、一人で」
「そう」
「道が二つあって、風の吹く方に誘われて」
「うん」
「歩いていたら、牢屋と、拷問の道具……が」
「ええ」
待て、とルシエンの奥が囁く。あそこについては、先代に聞きたいことがある。後でどうしても聞いてお
かねばならないことだ。覚えておこう。
「そうすると、クラリスと名乗る、尼僧が中に、でもそれは、サキュバスで」
このあたりから、どうにも話し辛くなってくる。
「私、ウィルスに薬を盛られて、気が遠くなって、その、淫らなことを──」
した。
「──させられて、どうにか逃げたのですが、その先で、バルダンダースに」
ここから先は、もう話したくはない。
「捕まり、とうとう、私、あの……」
もういいのではないだろうか? 話さなくても、先代は全て知っているのだから、いいのではないだろう
か? いいのでは、いい、いいのだろうか?
「純潔を、汚されました」
よくない。
「くそ、あの豚女、くそっ、鎖で吊るして皮を裏返してやる、畜生みたく屠ってやる!」
「クラリスさん、抑えて下さい。頭に血が昇ると、ほら」
だくりだくりと血の溢れる顔を押さえて毒づく尼僧。その肩を支え、いたわっているのは白い長衣の女
だった。端整な顔立ちを心配に染め、衣を赤に染めかけている。
「ほら、治しますから動かないで」
「癒し手、ヒーラーか。便利な生き物だな」
道化の言葉に、口を裂いてリ・リと笑う。
「気狂いの、心の傷も癒してあげようか?」
「結構。それに、信仰を持たぬ者の祈りは、聞くに堪えない」
「へえ。気狂いはどこの信徒?」
「ダゴン秘密教団」
「テケリ・リ!」
ひときわ愉快そうな声を上げ、サキュバスの治療に取り掛かる。それを尻目に、マッドクラウンは主を
追って出口へと向かった。
「そちらの神でも、あの壁は破れない?」
「手間取りそうだ、待つ気はない、来るなら早くしろ」
話し終え、ルシエンは改めて己に感心した。無論、多くのものに支えられてのことではあるが、よくこ
れだけの仕打ちに耐え、両の足で立てているものだと思う。
「そうだったの。本当に、よく耐えたわね」
師の暖かさに埋もれながら、これからどうすべきかを考える。
「先代……あ、その前に、その」
ん、と喉だけで返す先代ルシエン。
「何とお呼びすれば?」
便宜上、先代と呼んではいたが、師の名前はルシエンであって、出会ってから別れるまで、その名で
呼び続けていた。故人を語る時には先代としていたものだが、本人を前にすると難しい。
「そうね、以前のように私がルシエン、貴女が……という呼び合いも楽しそうだけれど、昔の名を捨てさ
せておいて、それも、ねえ」
姿形は違っても、考えているふりをする時の仕草は、懐かしい師のものだった。親指と人差し指を額
に押し当て、うむと唸る先代ルシエン。
「まあ、先代、かしらね」
「はい、先代、ですよね」
不思議を楽しむ顔で向かい合う、二人のルシエン。
「あ、それでは先代、まずお聞きしたいことは」
いけない、いけない、と表情を固め直すルシエン。このまま暖まっていれば、外に出ることが出来なく
なりそうに思える。
「ここは、どこなのですか?」
水の王ダゴンが威力は、風の王ベルゼブブや火の王フレイムロードには劣るが、それでも強大なもの
である。触腕による打撃は城壁を張り子のように破り捨て、大きく裂けた口は船団を丸ごと呑み込む大
渦を生み出す。
「おお、大いなるダゴン、おお」
しかし今、大広間にしつらえられた小屋を前に、水の王は打つ手を失っていた。いかなる攻めをも無
力と化す不可視の膜が、霊廟である建物を覆っていることは分かっても、それを破る手立てが無い。苛
立つ王は、粘液に塗れた体を波打たせていた。
「どうぞお怒りを静めて下さい、彼奴は、ここより出てくるほかありません」
そうなのだ、と気狂い道化師は己に言い聞かせる。
預言者殿が何者かにより連れ去られてすぐに、王はその痕跡を辿った。行き着いた先は、水の間か
ら少し北、ほとんど隣といってもいい広間で、歴代ルシエンの魂を祭るその霊廟には、いくつもの小屋
が建てられていた。それも今や、一つを除き、全て瓦礫となっている。
「この中に居る者が何者であれ、その力は失せてきております。今しばしの御辛抱を……」
まだ魂が薄れて消えることなく留まっているとすれば、それは先代ルシエンだろう。しかし、呼び寄せ
の魔法を使い、障壁で内を守っているその魔力は、少しずつ衰えてはじめている。もはや預言者殿を
遠くに飛ばすことも、この守りを一日と持たせることもできはしまい。最後にはここから出てくることにな
る。
そう、そこに問題は無い。
「では、道化が踊りましょう」
問題は、王の苛立ちがどこに向かうかだ。
「そう、ですか……先代は、ずっとここに」
歴代のルシエンがここに祭られるとは、ルシエンにとって初めて聞くことであった。賢者と呼ばれた自
分が、足元に師がいるのを知らなかったとは。
「貴女が封じ込めた因習よ、ルシエン。この地下を閉ざし、あれらを追い出してしまったことで、こうした
しきたりは闇に葬られたの。でもそれは、たぶん、良いこと」
知ってしまえば、その意図するところを察するのは容易かった。代々受け継がれる預言者の力、それ
が外に漏れ出さないようにする、魂の牢獄がこの地下墓所なのだ。祭られ、閉ざされ、薄れて消えるま
で、この暗闇につなぎとめておくのだ。
「私……」
知らなかった。知る前に、全てを拒絶し、蓋をした。
「詳しくは知りませんでした。この場所のことも、ここでかつて行われていたことについても」
困り顔で言葉を待つ先代預言者。
「ルシエンを継ぐとすぐに、典礼団を追い出し、アトラの影を晴らそうと致しました」
「そうね、もう、必要なかったのかもしれないわね」
「私、今は知りたく思います」
「ルシエンについて?」
「いえ、この場所で行われていた、もっと血に塗れたことです」
幼かった自分の耳にさえ聞こえていた、あの音。風の牢で見た、あの拷問具。
「審問会、ジャッジメントについて」
ひい、ひい、ふうう。クラリスの怒りは収まりつつあった。
「傷も癒えました。もう動けますよ」
ヒーラーであることをやめ、少女に戻った怪物が言う。
「さあさあ、早く行きましょう、気狂いも待ってます」
たぶん切実に、と胸で付け加える。猛る魔王のその脇に、誰が一人で控えたい?
しかし尼僧は動かない。怒りを憎しみに醸成している最中であるのがバルダンダースには分かった。
「ま、いいか」
気狂いが彼の神に食い殺されようと、少女の知ったことではない。
「それよりも」
淫魔に関心が移っていた。この、どうしようもなく愚かなサキュバスが気に掛かる。
「お話でもしましょうか?」
「ジャッジメントは……確かに存在していた」
先代が己の声で話すことに、ルシエンは虚心に耳を傾けようとしていた。
「貴女が聞いた噂は、全て真実よ」
苦しい。それだけで苦しい。
「では」
「私の代では収まりつつあったけれど、宗教上の内紛、そしてセプターの正邪の判定などを扱う審問会。
それはもちろん、噂通りの暗黒裁判」
その全ては、主神ソルティスの名で行われた。
「おおよそ、三のうち二は死罪。最盛時には四の三。餌食を連れてきた時点で判決文を書き始め、そこ
に記された罪状を確認するためだけの拷問を行って」
火、水、縄、鉤、万力、梯子、長靴、車輪。
「ほとんど冤罪であったこの裁判は、それでも教団維持に必要なものだったわ、少なくとも初期にはね」
後期の暴走。
「不要になってから慌てた。動き出したからくりを止めることは、誰にもできなくなっていたの」
徹底した管理によって、噂の域に留まり、伝説の覆いに隠され、多くの生き血と長い時間がその刃に
錆を浮かせるまで、ソルタリアの闇を統べて。
「貴女の数代前には、もうジャッジメントは機能しなくなっていた。それでも教団は、狂犬に餌をやり続け
た──貴女以外の誰もが、指をさすことができなかったのよ」
影に、影の影におびえてのことではあったが、ルシエンはそれを行った。
「知らない」
え?
「覚えてない」
では、
「そういえば、記憶にない」
それは、
「え、あ、いや、記憶がない」
いつの、
「昔の」
クラリスさんが、
「人間だったころの」
リ・リ。
「私は……閉ざしただけです」
「そうね、中も見ずに封じたわね」
「すると、ジャッジメントは」
「ここに生き埋めにされたわ、ほとんど全員が」
「それでは、飢えて──」
「ええ、飢えて──」
「死んで」
「待っている」
妄執が漂っている。それは、この階のどこかにいる。
影を恐れて蓋をすれば、より大きくなるだけだ。
東の法廷で、囁きが交わされはじめた。
朽ちかけた椅子が、いぃ、いぃ、と軋む。
ジェミナイの光も及ばぬ閉め切った屋内に、風が起こり、置き去りにされた本の頁をめくる。
ひひひ、いぃいぃ、ぱさぱさ。
──何か、いるのか?
その異変に気が付いたのは、シュベルトライテという名を持つ女だった。カルドセプトに記されるところ
のバルキリーであるそのクリーチャーは、鎧を纏ったままで音もなく鉄扉に近付いていく。
──静かになった。これでは、相手の人数も位置も分からぬ。
見回りを任されている彼女としては、その物音の正体を探らないわけにはいかない。この一画は己の
領分だ。主に託された以上は、責任を持ってここを守らねばならない。
──しかし、ここに入れる者など、いるのか?
この部屋は、ジェミナイがアトラに来てから一度も開かれていない。硬く鎖された扉の向こうについて、
ジェミナイは「何も入れるな、それで良い」と言ったきりだ。その言葉に従い、シュベルトライテは常に注
意を払ってきた。それに錠の魔術を施された扉を開くには、自分の持つ鍵が必要なはずだ。
──落ち着け。何者であろうと打ち倒す、それだけを考えろ。
極力、無駄な思考を締め出す。ここに入る者は、たとえジェミナイその人であろうとも殺すまでである。
鍵を開き、飛びこみ、切り伏せるのだ。
一瞬で状況を把握するため、視界を奪う兜を外しておく。肩で切りそろえられた銀髪が解放され、ふさ
と揺れる。護りが薄くなるが、彼女には相手に反撃の隙を与えぬ自信があった。
腰の剣を、そっと、抜く。火の王の力が宿ったそれを振るうシュベルトライテを、誰が止められるだろう。
視線が鋭さを増す。バルキリー屈指の手練れ、剣の申し子とまで呼ばれた自分だ、十人までなら雷
のように叩き伏せよう。刃筋の立たない化生がいようとも、炎の呪で焼き尽くしてくれよう。
──鍵を、開ける!
シュベルトライテの動きは、その速さゆえに風が爆ぜる音を伴った。破られた鉄扉が壁に打ち付けら
れるよりも早く、腰を落として部屋の中央に立ち、構えを取る。
──無人?
暗黒の中、気配を探る。人間はここにいない。
──いや、幽かなる者、霊の類か?
それに近い何者かを感じる。実体のない者からの視線に包まれているのを感じる。恐怖とは縁のない
バルキリーだが、今はそれに近いものが手足を萎えさせているのを知って戸惑う。
「賊め、姿を現せ!」
振り払うための大音声。剣の魔力を解き放ち、炎で周囲を照らす。無人の法廷が薄く浮かび上がり、
シュベルトライテは己が被告席にいることを知った。
「な……」
無数の蝋燭が、ひとりでに灯る。誰もいない椅子を挟み、高い壁に大勢の影が躍った。
かああん、かああん。
鉄槌が打ち鳴らされ、伸びきった影たちが審問を開始した。
「ジェミナイの他に、私は、それらとも対決せねばなりませんね」
聖女が力強く言う。
「ルシエンとして」
今ならやれる。私の手の届く因縁には、全て立ち向かおう。
「そう……強くなったのね、ルシエン」
師が微笑み、頭を撫でてくる。
「私はここを動けないけれど、協力させてね」
心強さに肩が震えるが、先のことを考えれば、先代に手伝ってもらうことはなさそうに思えた。ここから
出るにあたり、師に残されているであろう魔力では、自分を護るだけの術はあるまい。
「そのお気持ちと、こうして救っていただいたことだけで……」
「策があるわ」
まさか、いや、しかし。
「セプターである以前に、私は賢者なのだから」
自分の外見でそれを言われ、ルシエンはどうにも嬉しくなってきた。
「まず、外に待ち構えているのは、ダゴンとマッドクラウン、サキュバスにバルダンダースね」
「え、ええ」
「で、こちらはカード無し」
「そうです」
「でも、一枚だけ手に入れる方法があるわ。それも、この事態を切り抜けられる強力なクリーチャーを」
先代が何を考えているのか分からないが、賢者の知恵に身を任せる安心を、ルシエンは久し振りに
全身で感じていた。そのため、油断しきっていたのだ。
「それは、何のカード……」
「バルダンダースよ」
先代の両手に肩を掴まれたルシエンは、ベッドに押し倒される格好となった。抵抗するどころか表情
すら変えることもできず、呆けた様子で師の顔を見上げる。
「え、あ、はい?」
「バルダンダースならば、臨機応変に、どの相手にも対処できるでしょ」
馬鹿な弟子だな、という調子の返答。
「いえ、あの、そうではなくて、どうやってですね……」
「いるじゃない、ここに」
下腹に圧力を感じ、視線で追うと先代の手があった。法衣の上から、ルシエンの股間を押している。
「あ、なるほ、でもどうやっ、てとかではなくて、手が、やめ、くだ」
舌が、言葉の量に追いつかない。股を閉じようとするが、師の体が邪魔をして叶わなかった。
「ここで、あれとつながっているのでしょう? だから、逆にこちらに引っ張り出してやるの。そうしたら、
私がカードに変えてあげるわ」
道理だが、道理なのだが、嫌な予感というよりも、予知の裏書きもいらないほどの確信。
「ですが、その……」
自分と同じ顔が、目の前に近付く。これほど、私は、淫らな目付きができるのだろうか。
口付けを予想したが、それはなかった。艶めかしく光る真っ赤な舌が、頬を舐め上げる。
「ひ」
「いやらしい味ね、ルシエンの汗。それとも、色々と淫らな汁を、肌に刷り込まれているのかしら?」
ねっとりとした声は、自分と全く同じものだ。
「先代、やめて、お願いします……」
「そうやって誘う手まで覚えたの?」
違う、違う、それに私、先代にだけは、こんな姿を見られたくない。
「本当、ほんと、う……です」
「嘘つきね、貴女」
師は首を絡ませ、弟子のうなじに鼻を付ける。聞こえるようにすうすうと息を吸う先代に、赤面して悶
えるルシエン。
「やめて下さい! 汗が、私」
「うわ、くさあい」
喉で笑う。
「鼻にくるわね……でも、つんとした、若い汗じゃなくて──」
状況を掴みきれないまま、ルシエンは涙を浮かべて懇願する。
「いや、いやっ! そんなこと、仰らないで!」
「──むっとして、蒸れたような、熟れた女の臭い。疼いた肉から漏れる、雌の臭気だわ」
先代と淫らなことをしている。自分自身と肌を重ねている。こんなにも汚れた体が、弄ばれている。
「や……や、やです……」
「何を言うのかしら。隠れちゃったバルダンダースを引っ張り出すためじゃない。清らかな貴女だけれど、
今だけは雌豚になってちょうだいな」
先代の言葉は、揶揄を隠そうともしていない。
「私、でも」
「あ、そういう演技か。ごめんなさいね、気付かなくて。そうかそうか、ルシエンは、聖女面しているけれ
ど本当は肉欲に抗おうともしない雌預言者が、虐めを誘うために嫌がってみせている、そんな役だった
のね。真に迫ってるわあ」
涙がこぼれ、体が芯から弛緩する。
師の苛みは、演技なのか? それとも本当に、堕落してしまった私に幻滅しているのか?
もちろん分かっている。後者なのだ。私は、先代に顔向けできないほどに、ルシエンの名を汚したのだ。
さっきは優しくしてくれたけど、本当は嫌われていたのだ。
「怒らないで……下さい……」
それでも、許して欲しい。頑張ってもだめだったことを、分かって欲しい。
「何言ってるの、淫乱聖女さん」
ルシエンの顔で、ルシエンに。
「まだまだ、これからよ」
今回はここまでです。
>>121さん、存分に罵って下さい。
お膳立てが整ったので次回は濡れ場から入れそうですが、身辺の忙しさが予想以上で、
間を空けてしまいそうです。どうぞ御海容下さいませ。
しかし、これだけ好き勝手に原作を歪めている作品であることに、不安が募ります。
原稿用紙換算で330枚ほどになってきましたし、不愉快に感じる方が多くいらっしゃれば、
早めに終わらせる方向も考えております。
それでは、また、なるべく近いうちに。
あ、熱っ!!
いや、半端なくジャッジメント燃えなんですが!!
地王のSSは悪役好きにはたまりませんなあ。
エロについても、期待大なのです。てか、今回のだけでいいパンチもらってます。
142 :
スッゲ:04/10/12 01:45:52 ID:xmE5W80w
もうそんなに書かれておりましたか・・・>330枚
単行本クラスですな・・・
今回、ジャッジメントが異端審問ぽくて(・∀・)イイ!!
シュベルトライテ嬢のその後も描かれますよね?
(由緒正しきワルキューレの名前だったと、ググって知りました。余談ですが検索結果の一番上のイラストがエロい)
先代との羞恥プレイもドキドキモノです。
ま、何が言いたいかっていうと、この路線を突き詰めて欲しいってことです。
ヽ(`Д´)ノ コレカラモ ガンバレ!!
地王様が降臨なさっていたか
……途中から読むとルシエン二人、とか敵キャラの外設定とかの濃い部分が分かりにくいかもしれない。
間が空いたからなあ
これからもがんばってくだされ
お、今回は、映画「アマデウス」のキャッチコピーが混ざってらっしゃるのか…(メル欄)
というくらいの濃い地王読者である自分はさておくとしても、単行本クラスとなると
さすがに把握するの難しい量になってきたか…
今こそ、まとめサイト様復活の時か!?
ところで
>>142様、そのサイトの剣子さんはいいものですな。情報多謝。
145 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 21:40:23 ID:ml1texUG
>>地王様
GJ(*´Д`)ハァハァ
燃え萌え(*´Д`*)ハァハァ
上げスマソOTL
147 :
名無しさん@ピンキー:04/10/13 21:44:58 ID:8/9kpTZe
皆さん、拙作への暖かい御感想有難う御座います。
どうにか短いスパンで更新できるよう、調整してみます。
ただ現在、私の一存ではままならない体のため、何のお約束もできぬ有様です。
(以下、女々しくもスレ違いの話題。お許し下さい)
さて、本日こうして、手土産も持たずに参上した理由なのですが。
実は、先日自分の書いた
>>140を読み、誤解を招く表現があることに気付き、、
釈明せずにはいられなかったためなのです。
>しかし、これだけ好き勝手に原作を歪めている作品であることに、不安が募ります。
>原稿用紙換算で330枚ほどになってきましたし、不愉快に感じる方が多くいらっしゃれば、
>早めに終わらせる方向も考えております。
まるで、「やめちゃおっかなあ(引き止めてー)」というような下卑た意図で書かれた文章とも取れ、
肝を冷やしました。
そのようなつもりは全くなく、ただ反応が気になって漏らしただけの戯言であります。
それこそ不愉快に思った方がいらっしゃれば、申し訳ありません。
もともと創作に関しては独善的なたちであるため、慣れぬ顔色伺いが裏目に出ました。
文章書きが誤読を招く悪文を書き、こうしてくどくどと弁解をすることは見苦しい限りです。
作品で挽回したいと思いますので、どうぞ平に御容赦を。
責める者などこのスレにはいませんよ。
応援しています。頑張って下さいね。
もっと馬鹿になれ
誘い受けするSS書きは世に多いが、
それを『下卑た意図』と言い放つ漢は稀だ。
こんなに生真面目な人から、
どうやったらあんなに狂った(最上級の褒め言葉です)小説が出てくるのだろう。
人間ってミステリー。
とりあえずなんも感じなかったけど、そういう意図で書かれることもあるんだなあとためになった。
とりあえず他の神もふくめてのんびり待ちますよ、地王のこった文体とか衒ったネタ、エロより好きだったり……
安打陰様の続きを待ちつつ保守。
まあ、この位の放置は余裕のうちよ。
今度、地王の小説に出てくるキャラ説明とか、まとめてみようかなぁ。
捕囚
159 :
155:04/10/24 20:05:57 ID:pPSBHjBM
難航中・・・
>>155さん
難航なさっているようでしたら、次の更新時に、こちらで紹介をつけましょうか?
161 :
155:04/10/26 08:50:25 ID:RXgTWqV0
すいません、物凄くお願いします・・・
台風で吹き飛ばされかけた後、田舎に帰った途端に地震で骨折(震源地ではなかったが)。
死に体の僕ですが、このスレへの執着で生きています。
全ての神々にdクスと言いたい。
そして続きを所望したい。
あと、ブックからテンペとEQは抜こうと思います。
亀とゾンビのメダルが、まとめて素で回収できそうなほどの目に遭いましたな・・・
ここで癒されるのなら、どうぞごゆっくり・・・と、神でもないのに言ってみたり。
164 :
109:04/10/28 22:54:19 ID:a/eAkFXw
すでに忘れ去られているかもしれませんが、けじめはつけておきたくて恥をしのんで再開です
「はぁっ、はぁ、うううううっ……」
壁に叩きつけられ寄りかかる形になりながら、エルアは脇腹から昇ってくる痛みに声をあげていた
服に仕込まれた鎖かたびらは自らが切り裂かれることによって刃は止めてくれた。が、衝撃までは受け止めてはくれない。
どうやらあばら骨が二三本粉砕されてしまったようだ
痛みのあまり涙がにじみ、おぼろになった視界の片隅に迫ってくる影が見えた
まばたきを繰り返しながら顔を持ち上げたとき、雲の切れ目から光が差し込み、襲撃者の顔を照らし出す
「バル……キリー……」
淡い光に映し出された甲冑に身を包んだ少女の姿を認め、エルアはつぶやいた
火の精霊にして戦乙女の名を持つクリーチャー。だが、彼女を呼び出し使役するはずの召喚師の気配はどこにも感じられない
(なぜ……?)
ぼやけた頭に疑問が浮かぶ。だが、考えがまとまる前にバルキリーが動いた
倒れているエルアに無造作に近づくとズボンに手をかけ、一気にむしりとる
「や、ぁっ……?」
エルアの口から悲鳴が上がった。だがバルキリーの手は止まらず現れた白く飾り気のない下着をも剥ぎ取ってしまい、ちぢこまったペニスとそれに隠れた女性器が露になってしまう
ふたつの性器を見られる恥ずかしさにエルアは痛みを一瞬忘れて弱弱しくもがきだす
だがバルキリーは片手で暴れる体を押さえつけ、もう片方の手が自身の下半身を覆う甲冑をかき上げた
165 :
109:04/10/28 22:57:25 ID:a/eAkFXw
「きゃぁっ!?」
むき出しになった股間には完全に勃起したペニスがあった
へそまで反り返ったそれは息づくように動き、獲物を狙う蛇のように身をよじらせている
(お、犯されちゃうっ!)
恐怖のあまりエルアは痛みも忘れ暴れだした。だが彼女の体はがっちりと押さえ込まれ逃げられない
もがくエルアを無視し、狙いを定めるかのように怒張が二、三度女性器をこすり、
そのまま腰を突き出されるとペニスはエルアの秘唇に無造作にねじ込まれていった
「やぁぁぁぁぁぁっ! いやぁっ! やめてっやめてぇっ! 痛いよぉっ!」
エルアの口から悲痛な叫び声が上がった
まったく濡らさないまま入れられたペニスはただ痛みのみをエルアに与えていく。同時に心も貫かれるような衝撃に襲われ、
心と体両方の痛みに耐えかねてエルアは泣き叫んだ
悲痛な懇願にもかまわずバルキリーの腰が激しく叩きつけられ、その衝撃に折れた肋骨が内臓を傷つけたのか、悲鳴を上げる口から一筋の血が流れ落ちていく
「かふっ、くっ、けほっ……」
涙に濡れ、宙をさまよっていたエルアの目がふとバルキリーの顔を捉えた
瞬間、エルアは心底からの恐怖におののいた
166 :
109:04/10/28 22:58:27 ID:a/eAkFXw
彼女を犯すバルキリーの顔はまったくの無表情だった。快楽や興奮などまったく現れていない、ただ昆虫のような目が彼女を見据えていたのだ
それに気づくとともにひどい脱力感が身を包んでいく
(やだ……、精気、吸われて……るよぉ……)
最後の力を振り絞り、体を押しのけようと両手でバルキリーの体を殴るが子供のように弱弱しい
やがて手の力も抜け、音を立てて地面に落ちた
痛み、そして脱力感で徐々に意識が霞んでいくなか、エルアの心には姉たち、セシル、そしてルシエンの柔らかい笑顔が流れていった
(ルシエンさま、おねえちゃん、せしるさまぁ……、もっといっぱい、えっちしたかったよぉ……)
がくん、と頭が力を失い、青白くなった喉を向けてエルアの体が動かなくなった
風が吹き、月を雲が覆い隠していく
辺りが闇に包まれたとき、バルキリーの腰が止まると剣を逆手に持ち上げエルアに振りかざされる
持ち上げられた剣が止まり、闇の中にも鈍く光る刃が振り下ろされようとした刹那
きん、じぃんっ!
かすかな風切り音と共に飛来した何かが真っ二つに切られ地面に転がっていく
エルアの体から離れ切り上げた型のままバルキリーは飛来した方向を凝視した
月の光が雲を割り、姿を現わしながらあたりを淡い光に染めていく
それに逆らうかのように闇が色濃くたゆたう森の中から、にじみ出るように黒い影が姿を現わした
今日はここまでです
続きをお楽しみに〜
おいおいおおい!
凄い人帰ってきちゃったよ!!
恥とかそんなことはいいのですよ、待った甲斐があった!
このスレのこういう不死身ぶりが好き。
そして久々ながら気になりすぎる展開。
こっからどんな話になっていくのやら・・・期待して待ちまする。
>>109さん
お帰りなさいませ。
再びお会いできて、とても嬉しく思います。
拙作で長々とスレッドを汚してしまい、お顔を見せづらくさせてしまったのではと気を
揉んでおりました。
109さんの記念すべき復帰作、続きを楽しみに待たせて頂きます。
私の方の続きは、今週末か来週頭にでも投下したいと思っておりますが、109さんの
SSが来た以上、しばらくは一読者でいたくもあります。
どうぞ、半ば忘れてお待ち下さいませ。
>>109 神様
今、このタイミングで『レイズデッド』を唱えれば
愛しのエルアたんは、漏れの手札になりますよね!!!
……しまった、【『ダークエルフ』50枚ブック】にはスペルが一枚も入ってない……
とにかくルシエン成分を補給したい。話はそれからだ。
よし、それなら書く。二、三日待て。
神ラッシュの予感!?
109氏は、初期のダーク系の調教ノリが好きだったので、
今回の引きは楽しみ〜。
当然、ルシエン嬢も出ますよね、ね。
109氏、地王氏、そして171氏……
過去現在未来の三柱の神々が揃おうというのか……
やっぱ、此処は最高だ。
SSが投下されるたびに何故か新規ブックを作成してるよ。
書き手の皆さん、お疲れ様です。
あ、俺も作るな。
こないだ、マッドクラウンとダゴン様が出た状態で、ハイドラ(もといヒドラ)が土地護って、一人でうむうむと悦に入っていた。
相手はルシエン様じゃなくて、レオだったけどorz
帰宅パソコンこのスレッド。
そんなハイソなこの俺は、
171神を待ってやまない。
そりゃハイソすぎるな。
だが、暇さえあればゲームを起動させている俺も居る。
お相手は勿論、ルシエン嬢(AI改良済み)だ。
179 :
171:04/11/06 01:05:14 ID:NXJKEqvf
2、3日と言っておきながら結局一週間近くかかってしまったぜ。
すまねえな。後、俺は神と呼ばれる器じゃないぜ。神と呼ばんでくれ。
では行きやす。
180 :
171:04/11/06 01:06:30 ID:NXJKEqvf
陽が差し込む窓。
ルシエンは眩しそうに目を細め、窓を見上げた。
大地を照らす太陽も、もうすぐ眠りに就く頃だ。聖堂は紅く染まっている。
紅く染め上げられた聖堂には、ルシエンと、そして静寂だけがあった。
静寂には慣れているつもりではあったが、今はとても堪えられそうに無かった。
いつからだろう。こんなにも弱くなってしまったのは。
独りでいることを寂しいとは思ってはいなかった。むしろ自然な事だと思っていた。
なのに今、ルシエンは静寂が、一人でいることが、堪らなく辛く感じている。
それはきっとあの方のせい。あの方に出会ったときに知ってしまったのだ。
独りきりの寂しさと、愛する者の傍らにいることの幸福を。
181 :
171:04/11/06 01:07:13 ID:NXJKEqvf
(今日も終わり。これで三日ですか…)
先日、彼がこの神殿を訪れた日から指折り数え、一つため息をついた。
彼に課せられた使命が、この宇宙の命運を握っている事は想像に難くない。
その使命が果たされるように助力を惜しまないのが賢者である自分の務めであるのも分かっている。
もちろんルシエン自身の私情など挟まれるべきものではあり得ない事も。
それでも、ルシエンは彼に会いたかった。彼の声が聞きたかった。
そして、抱きしめて欲しい。愛を囁いて欲しい。
夢の中でしかなされない行為を、現で、この世界で彼にして欲しい。
(賢者失格、ですね…)
窓から床へと目を移すと、口元に自嘲の笑みが浮かんだ。
もし、自分が賢者ではなかったら、預言者でなかったならば、単なる市井の娘であったならば、
彼は私を、見てくれるだろうか、必要としてくれるだろうか。
ここまで考えて、ルシエンの口から笑い声が零れた。
そんな事あるものか。馬鹿馬鹿しい。
自分でも分かっているではないか。自分にはこれしかないと。
私は私として生きているのではない。『ルシエン』として生きているにすぎないのだ。
もし預言者としての力を失くしたならば彼だけでなく、世界の全てがルシエンを見捨てるだろう。
それでも、もしかしてと思ってしまうのはなぜなのだろうか。
(理由など、どうでもいいのです。ただ今だけはあの方の事を想っていたい…)
182 :
171:04/11/06 01:07:37 ID:NXJKEqvf
ふと思い出したように窓を見上げる。太陽はもう見えない。
先程までは夕陽が射し込んできた窓からは冷えた風だけが入り込みルシエンを包んだ。
「ふう…。やはりここは冷えますね」
思わず身をすくめる。自然と胸元が目に入った。白い肌が薄い闇の中でもはっきりと見える。
(こんな格好をしていれば当然、ですね)
もう一度胸元を見る。大きく胸元の開けられた法衣。胸の頂きが微かに見えた。
あの方は私をどのように思っているのだろうか。ふしだらな女だと思われてはいないだろうか。
それとも神殿を訪れる男たちのように頭の中では好色めいた笑みを浮かべているのかもしれない。
(そんなことは無い。あの方はそんな方ではないわ…)
軽くかぶりを振り、頭から暗い考えを振り払う。気分はまだ晴れなかった。
183 :
171:04/11/06 01:08:23 ID:NXJKEqvf
夕餉を終え自室へと帰る。いつも一人だ。傍らには誰もいない。
いつかこの廊下を誰かの傍らで、寄り添い、愛され、渡る事はあるのだろうか。
立ち止まり、窓から空を見上げる。月が輝き、そこにあった。今夜は満月だ。
月は太陽の光を受け、輝いていると何かの書物で呼んだ。その時はどうという感慨をも見出せなかったが
今は何か漠然としながらも強い力をもってルシエンの心に響いた。
(太陽は月が無くとも輝ける。でも月は違う。太陽が無いと輝く事すら出来ないのですね)
かるく頭を振り廊下へと目を戻す。目的地はもうそこだ。
184 :
171:04/11/06 01:10:54 ID:NXJKEqvf
続きは今度こそ2、3日後。まじで。
切ない導入じゃないですか、このゴッドめ。
やはり、ルシエン様には影が似合うというか何というか・・・
>続きは今度こそ2、3日後。まじで。
無理はせずとも、じっくり良い物を書いて下さい。
とても推敲されてて、いい文章だと思いました。
実は、他スレで活躍なさってるゴッドですか?
(情けない話、自分は、このスレ用のSS書きにチャレンジして、挫折した組です。
行き詰ってる時に地王が光臨して、読んですぐに諦めた。このスレ、レベル高いって)
物凄く楽しみですので、幾らでもお待ちしてます〜。
諸々の期待を込めて保守
187 :
安打陰:04/11/07 07:51:51 ID:TAy8U7JI
>>187 GJ!!!
そしてコッソリ『五番目』に立候補してみたりする罠(w
あ、あー!あの方だったのか安打陰神は!
テケリ・リ
190 :
109:04/11/07 22:33:28 ID:37oJeCYZ
静かな、だがよく通る声が響いた
「ずいぶんと大胆なまねをするわね。ここは預言者の神殿。それを知っての狼藉かしら?」
「お、おねえ……ちゃ……」
弱弱しくエルアが声をかける
「エルア、あとでたっぷりあとでたっぷり鍛え直してあげる」
感情を持たない声にエルアの顔がひきっ、と硬直し、そのままぐったりとしてしまう
闇の中から現れた人影……、サイアは妹のほうには目もくれない
その鋭い視線の先には、バルキリーがいた
今までの痴態を感じさせない隙のなさで剣をかまえ、サイアに負けぬほどの殺気を放っている
自然とサイアの持つクナイを握る手に力がこもった
と、ばたばたと足音がしたかと思うと、エルアが倒れている石壁に備え付けられた扉が開き、慌てた顔のルシエンが顔を出した
「いったい何事ですか今の音は……、きゃぁっ!?」
おぼろな月明かりの中、ルシエンの目に飛び込んできたのはぐったりと倒れているエルア、その側に立つ見慣れぬ炎の精霊、
そして今まで感じたことのない雰囲気を漂わせたサイアの姿だった
突然の乱入者にバルキリーの注意がほんの一瞬、ルシエンに注がれる
瞬間、サイアの体が跳ねた
肉食獣の跳躍を思わせる勢いでバルキリーの懐に飛び込み、銀の光を引いたクナイが首を狙い走る
しかしバルキリーは首をひねるだけでかわし、大剣を振り下ろした、が、これもサイアは難なくかわす
戦いが、始まった
ルシエンはその光景に一瞬見とれたがすぐに頭を振り、エルアの元に駆けつけていく
壁にもたれかかったままぐったりとしているエルアはすでに意識がない。その無残な姿にルシエンはおもわず祈りの言葉をささやいてしまった
今はネグリジェに上衣をひっかけただけの姿だが、セプターのたしなみで懐に入れてあるスペルカードを取り出し、詠唱に入る
「キュアー!」
完成したスペルの力が光の粉となってエルアの体を包み、きらきらと輝きながら体の中に吸い込まれていった
191 :
109:04/11/07 22:35:32 ID:37oJeCYZ
いまだ夢の中にいるようで焦点が合わない
でも、自分を呼んでいる声がする。その声に導かれるようにエルアはゆっくりと目を開けていく
目の前に、涙を浮かべたルシエンが自分を覗き込んでいた
「あ、ルシエンさま……ぁ」
本当に自分を心配してくれたんだ、そう感じた瞬間、エルアはルシエンの柔らかい胸にすがりつき、泣きじゃくっていた
「ふぇぇぇん、ルシエン様ぁ……、痛くて、辛かったです……っ」
「大丈夫、もう大丈夫だから。でも、どうしてこんなことに?」
「それは……」と、エルアはルシエンの背後に目をやり、ルシエンもまた視線を追う
その先には、すさまじい戦いがあった
両手に持った短剣を駆使し、金属のすね当てをつけた足で蹴りを交えながら切れ目なく攻撃をしかけるサイア。
だが、バルキリーもサイアの鋭い攻撃をいなしながら素早く大剣を繰り出していく
生死を賭けた戦いにもかかわらず、彼女たちの動きは滑らかで、完成された舞踏を見るようだった
「うわ、おねえちゃん、本気になっている……」
エルアのつぶやきを聞きとがめるようにルシエンがエルアのほうを見ると、そのままエルアは言葉をつなぐ
「あ。お姉ちゃん、いつもは蹴りは使わないんです。早さを保たないといけないからって」
「ということは、サイア、本当に怒っているんですね」
ルシエンはつぶやいた
「でも、あのバルキリーも強いです。お姉ちゃんの攻撃、すべて受けきっています。鎧だけで、中まではダメージは通っていない……」
「ええっ、ではサイアは……大丈夫なんですか」
不安そうにルシエンが言った瞬間、重い金属音が響いた
192 :
109:04/11/07 22:36:19 ID:37oJeCYZ
首を狩るようなサイアの蹴りをバルキリーが肩で受け止めたのだ
体重を乗せ、力に任せて一気に押し返す。その強引な押し込みにサイアの体勢が一瞬崩れた
刹那の好機を逃さぬかのようにバルキリーは神速の勢いで剣を振り下ろす
「サイア!」
「おねえちゃん!」
二人の悲鳴が修道院の壁にこだました
……綺麗……
ルシエンが、つぶやいた
サイアの足が、天上にある月を描きながら昇っていく。その曲線から弾かれ堕ちる天女のようにバルキリーが飛ばされる
サイアは体勢を崩しながらも踏みとどまり、相手の腹に強烈なカウンターである蹴りを放ったのだ
反動を殺そうとはせず、エルアの体は宙に舞う
バルキリーの手から大剣が飛び、彼女の体は壁に叩きつけられた
円を描き終わったエルアの体が地面に降り立つ
同時に大剣が地面に鈍い音と共に突き立った
ほっ、と息をつき、立ち上がると姿勢を正し、サイアはルシエンのほうに向き直った
魂を奪われたかのように自分を見つめているルシエンに微笑み、うやうやしく礼をして言った
「ルシエン様、今、賊を制圧いたしました。安心してお休みくださいませ」
193 :
109:04/11/07 22:48:43 ID:37oJeCYZ
と、今日はここでおしまいです
……はっ!? しまったエロがない!
まあ今回は間奏曲ということでご勘弁を
さてドンパチの末見事サイアたんはバルキリーをノしたわけですが、結末がちょっと決めかねています
一応二通り考えてあるのですが
その一 陵辱を! 一心不乱にリョージョクを!
その二 まったりまったり。バルキリーたんも可愛がってハァハァしようぜ!
皆様はどちらが見たいでしょう?
あと、拙作を待ち望んでいた皆様方、まことにありがとうございます
なぜここまで間が開いたかというと自分の表現のつたなさに我慢が出来なくなり、一度勉強しなおしていたのです
果たして結果が出ているかどうかは皆様の批評待ちということで
進歩していないなら容赦なく指摘を。サアキヤガレ
文章について批評がお望みとあらば、神になれなかった自分からお耳汚しをば。
句点を排してスピーソド感を付ける手法、が好きです。
静と動で言えば、動の文章として完成度が高まっていると思います。
(例えば、地王の戦闘シーンに通じるものがあるなー、と。地の文は落ち着いているのに、
表現技法で緊迫感を出すというか)
以前と比べ、より一層ドキドキして読んでおります。
選択肢ですか?
「陵辱! 陵辱! 陵辱!」
その道には明るくないが、上達していると思うですよ〜(^^
>運命の二択
心を鬼にして、ルシエンたん陵辱希望(チョトチガウ
いや、容赦無いやつが読みたいものです。
2もいいけど、やはりここらで1ですよ、大隊指揮官
俺は見切ったね。
答えはこれだッ! …というより妄想。
その三 リプレイスでバルキリーと置換されたダンピールによる姉妹丼。
地王は宣言どおり一時的に読者に戻ってらっしゃるのだろうか。
できれば、少しでも補給を・・・!!
そこでネクロスカラベの出番。
どのような生前でも人型ゾンビに変えてしまうあれは、もはや変身アイテムといった方がいいよな。
つまりネクロスカラベになった地王は、某じぇす氏の降臨によってHPが+20されるわけか。
お久し振りです。
病と仕事をなだめすかしているうちに、長い時間が過ぎてしまいました。
109さんや171さんに楽しませて頂いているだけでは申し訳ないので、
書きかけではありますが、多少の更新を致します。
まとまった更新は、12月に。
生きていれば。
生きますが。
御要望にお答えし、主な登場人物の紹介を。
現状ではあまり役に立ちませんが。
ルシエン/3賢者の1人。詳細は原作を参照。
ジェミナイ/かつてはセプターであったが、名を消し、闇の神となった女。原作の主人公。
サキュバス(クラリス)/尼僧の姿をしたサキュバス。牢獄の中からルシエンを辱めたのが出会い。
バルダンダース/少女の姿を中心に、様々な変化をする怪物。ルシエンの純潔を奪い、心を砕いた。
マッドクラウン/気の狂った道化師。ダゴンやハイドラと縁が深い。
先代ルシエン/ドッペルゲンガーに魂を宿した、現ルシエンの師。
バルキリー(シュベルトライテ)/剣の申し子。聖堂地下の見回りを担当している。
ジャッジメント/妄執。
どうしたの、と頭を上げる。かしら、と額を当てる。
「怯えてるの? 悲しいの? 両方? それとも気持ちいいの、ね」
ルシエンの視界いっぱいに、淫女の顔が広がっていた。
「先代ぃ……私、わた、し」
鼻を鼻に押し付けられ、潰れ気味の声で答えようとするが、師は待たなかった。愉悦に細めた眼差し
でセプターの呼吸を縛りつけ、赤くぬめる舌で預言者の唇を溶かす。垂れ、伝わり、溜まっていく唾液
が、賢者の理性を痺れさせた。
「ん、う……!」
「飲みなさい、自分のよだれなんだから」
同じ姿の陵辱者から注がれた唾を、震える唇の谷間で受け留めながらも、ルシエンはそれを受け入
れることも拒むこともできず、息と涙で許しを乞うだけだった。
「仕方のない子ね、手がかかるわ」
人差し指で、汗に濡れた髪を絡め取る。それを掌に握り込む。皮が引きつる痛みを与えるため、強く
握り締める。
「おい、ルシエン」
弟子が民にそうするように、優しく微笑んでやる。髪が抜けるほどに手首を捻り、道に迷った齢二十四
の子娘に、救いと導きを与えてやる。
「早く飲め」
それだけで、聖女の肉体は情欲に囚われた。
「う、ぷ」
唇の合わせを解くと、生ぬるい感触が滑り込んできた。歯を茎を舌を滑って喉へと向かう唾液は、ル
シエン自身のものと違和なく溶け合い、勢いを増して流れ落ちる。
「ん、ん!」
覚悟を決めて飲み下そうとするが、隙間が足りずにうまくいかない。仕方なく鼻から空気を吸うと、師
が放つ、己と同じ吐息の臭いが広がった。
「ん、ぐ、はぁ」
濃い臭みに眩暈を覚えながらも、どうにか全てを嚥下する。ほっと息をつくと、改めて唾液の味が沁み
た。自分の臭気で辱められるのは、怪物に嬲られるよりも強く、嫌悪を誘う。
「ひどいです、先代、こんな……あ!」
「そうね、ひどい感じようね」
師の手が、大きく開いた法衣の胸元に置かれた。ルシエンのかいた汗を引き伸ばしながら、乳房の周
りを撫で回す。
「すごく熱くなってるわね、肌。同じ体で触れてそう感じるんだから」
指を立て、両乳房の半分ずつ、内側の半円をなぞる。布で隠されていないそこは、部屋の灯りを照り
返し、先代の目を悦ばせていた。
「あ、ルシエン。胸が大きいと大変ねぇ」
白く滑らかな指が、乳房の付け根、普段は自重で隠されている箇所に押し込まれる。幾本もの指が蠢
く感触に、ルシエンは背を反らせた。
「ほら、汗でぐちょぐちょになってる。指が窒息しちゃいそう」
房の裏と胸板との間で蒸れた潮に溺れ、苦しげにのたうつ。
「あ、いや、先代……駄目、おかしくなります、そんなに」
優しくされたら耐えられない。足を踏ん張れないほどに、柔らかい床。
「使い道もないのに、こんなに大きく育って。本当に困った預言者ね」
「は、は、う」
「てらてら光って、淫らな果実。誰かに食べさせたかった? あの女に齧られたくて、仕方なかったとか、
かしら」
己の三つめと四つめの手が、乳房に刻まれた獣欲の火傷を晒す。
「見せて、もっとよく」
ジェミナイが、ジェミナイでなかった頃、ルシエンに抱かせた鉄の偶像。赤く熱した表面に浮き彫りにさ
れた数多の欲望が、強く抱き締めた聖女の肌に、今も跡を残していた。
「綺麗ね。真っ白で、血の筋が抜けて見える」
「く、ふぅ……! 先代、見ちゃ、あ」
「でも、ふふ、あはは、下品な乳首ね。そんなに、高く雄々しく勃起して」
中途半端なところで、今月は御容赦下さい。
では、生きに行きます。
(*´ω`) キター
地王キトゥァワーッッ!!
いや、あなた本当にフェ地王ですよ。
絵がエロい、これに尽きます。
そして、物凄く参ってらっしゃるのが文面から伝わりますので、
御自愛しまくって下さいませ・・・
>生きに行きます。
至言だ。
さりげなく保守
212 :
109:04/11/18 21:27:57 ID:iIrbsRd3
あーうー、どうもうまく書けない…
話の構成上陵辱にしたらつながりがなくなってしまうのです
期待している皆々様、まことにすみませんが今回はまったり風味ということでよろしいでしょうか?
そのかわりセレナに陵辱は頑張ってもらうとして(マテ
うむ、問題無しでございますぞ!
>>212 109神様へ
勿論、『陵辱』も大好物ではありますが
カチューシャの雨降りあんにゅいセレナたん…
の続きがいまだ猛烈に読みたいのであります
どうぞ、よろしくおながいいたしまつm(__)m
215 :
名無しさん@ピンキー:04/11/20 17:46:05 ID:tFGb+oJg
┗0=============0┛
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/三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
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[二] | ::| |::|┏━━━━┓|::| | ::l [二]
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>>1 ┃|::| ┌┬┐| ::|. |□| ◎○@※◎○@※
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@※◎○@※◎○ | ::| | ::|└┴┘ |::|┃( ´∀`) ┃|::| └┴┘| ::| | ::| @※◎○@※◎○
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◎○@iiii※◎○@ ┣┳┳┳┳┳┫|::|┗━━━━┛|::|┣┳┳┳┳┳┫ ◎○@iiii※◎○@
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|l ○ ● ∫∬∫∬ ● ○ ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|li
○○ ●● iiiii iii ii iiii ●● ○○
[ ̄ ̄] [ ̄ ̄] ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]
|_○_| .|_○_| |_____| |_○_| .|_○_|
ここの連中でオフしたい。
皆バルダンダースだよ
218 :
171:04/11/22 02:22:47 ID:bAggKMdu
「ただいま」
扉を後ろ手に閉め、シンとした空間へ声をかける。
――返事は無い。
「返事があるわけ、ありませんよね」
一人苦笑し寝台へと腰を下ろす。月明かりがぼんやりと部屋を照らし出していた。
「ただいま…」
もう一度、確かめるように口に出し呟く。声は誰にも出会わぬまま弾けて、消えた。
何の言葉も返ってこない。返ってくるのは深い静寂。月の光。
ルシエンは静かに窓を見上げ、やがて目を逸らした。太陽はまだ見えなかった。
219 :
171:04/11/22 02:24:37 ID:bAggKMdu
頭巾、耳飾、首飾りなどと一つずつ手に取り、卓子に置く。預言者の、聖女の時間は終わりを告げていた。
無言で立ち上がり、肩から手を入れするりと法衣を床へと落とす。法衣は音も立てることなく床へと沈んだ。
軽くなった身体で部屋を見回すと片隅に置かれた姿見が目に入った。
その身体は例えるならば美の女神ビイナス。雪を欺く肌は月光を受け白く輝き、
眉目秀麗な顔立ち。豊満な乳房。形の良い尻。
それとは対照的に折れそうに細い腰。そしてすらりと伸ばされた足。
その全てが調和し、形作られた身体は美しいという言葉さえ陳腐に聞こえるほどであった。
神殿を訪れる者は老若男女を問わず数知れない。しかし彼らに美醜や貧富の差はあろうとも
男は例外なく淫欲を覚え欲情し、彼女を頭の中で陵辱、或いは優しく抱き、
女は例外なく羨望と嫉妬のこもった眼差しを向け、自らの身体の不完全さを呪った。
もし彼女の身体に不幸があるとすれば、それは主人がその魅力に気付いていない事だろう。
220 :
171:04/11/22 02:28:14 ID:bAggKMdu
世界でもっとも幸運にして不幸な身体の主人は深くため息をついた。
それはまるで姿見を見たことをひどく後悔するかのようでもあった。
しかし憂いを秘めた佇まいであっても彼女の魅力は少しも損なわれる事はなかった。
それどころか彼女の陰のある美しさを一層際立たせていた。
(醜い身体だ。このような醜い身体で愛されたいとは私は何と愚かなのだろうか)
無意識の傲慢さで姿見から目を逸らし、寝台へと飛び込む。身体は柔らかな布団の海へ潜った。
(もういい…。愛されなくてもいい。ただ、彼を見つめていたいだけなのだ。――でも)
太陽の匂いがする布団を抱きしめて目を閉じる。彼の笑顔が瞼の裏に浮かんで、消えた。
目を強く瞑り、もう一度彼の姿を思い浮かべる。闇に差し込む一筋の光。それが彼だった。
(この布団が、今私の抱いている布団が彼だったらならばどんなによい事だろうか)
目を閉じたまま想像する。自然と布団を抱く腕にも力が入った。
布団に顔をうずめたまま深く息を吸う。太陽の残り香が胸一杯に拡がった。
221 :
171:04/11/22 02:31:37 ID:bAggKMdu
もう、駄目だ。前に宣言した期日を全く守れてねえや。
でも、頑張る。超頑張る。
出来ない約束はしない方がイイっすね。
キタワァー!!
丁寧な描写で盛り上がり(・∀・)イイ!!
SSが期日に間に合わないのは、住人も慣らされてるかと。
・<GJ!
171氏を待って、ズボン下ろしっぱなしの俺。
じゃあ漏れは
109氏の為にズボンを脱ぎ、
地王の為にパンツを脱ぎ、
ぼじゃノロイ氏の為に皮を剥いておくぜ。
その覚悟、分かるぜ・・・・>皮
俺も、地王なみの濃いシチュ絵をぼじゃノロイ様が描いてくださったら、
いっちょレーザーメスでも使うかってなもんよ。
ここは包茎の多いインターネットですね
ひとつ上野男
ルシエンさんのは、剥けてるのがいいか被ってるのがいいか
ルシエン様はね、
普段は、大きいくせに被ってるよ。
でも、手で簡単にズル剥けにできるよ。
仮性包茎だから、臭いチンカスが溜ってるよ。
先代様がそう言ってたもん。間違いない。
ネット離れしてて、久々にここを訪れましたら、全然変わってなくて案心しました。
これは凄いことですよ。
神増えてるし。
そして、231氏の言い分を鵜呑みにする僕です。そりゃゴイスだぜ!!
カルドキャラがオールスターで出るゲームとかないのかねぇ。
もし出たら、ルシエン様とグルベル様がツインで楽しめるのにさ。
グルベル様・・・・・・ナルシストで、少年食いが好きそうなイメージ
ルシエン様・・・・・・マゾヒストで、レズっ気がありそうなイメージ
ベル様こそドッペルゲンガープレイだろう
かねこ氏の描いたグルベルは、ぼじゃノロイ氏の描くルシエンなみに心騒ぐものだったヨ。
237 :
名無しさん@ピンキー:04/12/10 22:35:54 ID:zRvjERe7
保守age
かねこ氏といえば、カルド漫画はまだまだ続きそうだな。(日記より)
今一番楽しみにしている漫画なので、嬉しいったら。
ナジャラン陵辱ものとか妄想したことあるな・・・
もし書けたら書いてみるぜ!(信頼度:ニンフ成功率)
それは・・・・・・実に信頼の置けない確立ですが・・・・・・
しかし、期待してしまいますぞ!!リトルグレイの誘拐確率くらいに!!
捕囚
か、可愛い・・・
味わい深い手付きだなぁ。
>全身像
公式全身絵はなさそうです。
これまでの神絵でも、服装が公式準拠のものってなかったような・・・
自分も攻略本でしか見たことないのであります。
日にちがあれば、スキャンできる場所を探してうpしますが・・・
すぐには無理そうでする。
247 :
171:04/12/21 00:15:40 ID:2p3w0Mmh
思えば初めて彼と逢ったのもこの寝室の、この布団の中だった。
――あの日は最高の日だった。彼に出逢い、恋という物を初めて知った日だから。
――あの日は最低の日だった。呪われていた身とはいえ、彼を害そうとしてしまった日だから。
しかし、彼女は時折思うのだ。もしあそこで運命の歯車が狂う事があったならば、
もし私が彼を打ち負かしていたとしたら、時の女神カルドラは私にどのような未来をもたらしただろうかと。
それを想像する事自体カルドラへの冒涜であるという事は分かっている。分かりすぎている。ルシエンは賢者なのだから。
それでも、それでも想像してしまうのだ。
悪いのは私では無い。悪いのは彼だ。
聖女という鎖から、預言者という枷から、賢者という牢獄から、ルシエンを救い出そうとしない彼が悪いのだ。
「きっと…その未来では――」
彼の傍らにはルシエンが立っている。
口煩い木切れでも、姦しい小娘でも、愚直な餓鬼でも、他の誰かでもなく、ルシエンが寄り添っているのだ。
夜になれば二つの影は重なる。不思議な事ではない。二人は夫婦なのだから。
248 :
171:04/12/21 00:16:42 ID:2p3w0Mmh
(本当にそのような未来が来たならば――)
こんな世界は取るに足らない。ルシエンはそう思う。
仮にそのような未来があり得ないとしても、
もし彼が、私を愛してくれたならば、選んでくれたならば、その未来さえも価値を失くす。
彼女は今、賢者でも聖女でも預言者でもない、ただの愛を求める『女』なのだ。
性を抑圧する教えを説くソルティス神の声は彼女には届きようもなかった。
その『女』は布団を抱きしめる右手を緩め、尻から、その前の茂みへと滑らした。
指先に触れる秘所は暖かく、それでいてじんわりと湿っていた。
(ひぅ…。この、この手は、この指は、彼の物だ。私の物ではないのだ…)
彼女の物でない指は、優しく、丁寧に秘所を撫で回す。
しかし突然、未だ濡れきっていない膣へと指が挿入された。
(ひぎぃ…。い…痛い、痛いです…。もっと、優しく、優しく…ッッ)
予想通り彼女の身体は悲鳴を上げた。鋭い痛みが彼女の身体を射抜く。
それでも『彼』は膣内の指を止める事はない。強引に指を奥へと進めていく。
しかしルシエンにはその指を止める事は出来ない。なぜなら今、彼女の膣内にある指はルシエンの物ではなく
『彼』の物なのだから。
249 :
171:04/12/21 00:17:26 ID:2p3w0Mmh
膣を奥へと、奥へと進んでいた指が止まった。どうやら最深部へと来たようだ。
先程感じたような鋭い痛みは引いてきて、鈍い痛みがルシエンの身体を支配した。
鈍痛で混濁する意識の中でも、痛みのあまり身体が意識の支配から逃れようとも、
『彼』の指先だけは止まることなく、ルシエンの秘所を蹂躙する。
止まっていた指がそのままの位置で蠢き始める。時に強く、乱暴に、時に優しく繊細に。
しかし優しい指の動きはルシエンを気遣ったものではない。あくまでも乱暴な指の動きをさらに
強調させるために行われているものであった。
(ああああぁ…ッ!――様…ァ!)
布団を噛み締めたまま呻く。ルシエンの秘所は本格的に濡れ始めていた。
250 :
171:04/12/21 00:20:08 ID:2p3w0Mmh
布団を手放し、寝台の上で仰向けになる。冷たく清浄な夜の空気が火照った身体に心地良かった。
先程まで身体を支配していたのは痛み。しかし、今、ルシエンを支配するのは劣情。
痛みは劣情を呼び、劣情は快楽を生む。痛みは快楽の始まり、そして快楽そのもの。
左手も秘所へと伸ばし、茂みの中の陰核をまさぐり出す。その手も今は『彼』の左手。
ようやく左手の支配下に入った陰核はすでに鞘を自らの力で脱し、ぷっくらと膨らんでいた。
陰核を左の親指で押し潰す。少しの遠慮すらない。
(ひぃぃ…ッ!あはぁ…っ!)
唇を噛み締め声を押し殺す。近くの部屋に侍る侍女、下僕たちに聞かれたくないという事情もある。
唇から伝わる痛みすらも欲しいというのもある。しかし、もっとも大きな理由は別にある。
神託を受けるこの神聖な神殿の中で、私は、ルシエンは、その神の禁ずる行為をしている。
きっと、神は、お怒りになっている。淫蕩な聖女を軽蔑している。
もっとも神と近い預言者が、人々を導くべき賢者が、その世界の神に背いている。裏切っている。
そんな背徳感が、ルシエンにとってはかけがえの無い快楽の呼び水であった。
251 :
171:04/12/21 00:28:37 ID:2p3w0Mmh
言い始めてから一ヶ月以上立っているのにほとんど更新できなくて申し訳無いです。
他の職人さん(いわゆる神)の方々は多分、冬コミなるものでお忙しいと思うのですが
全く関係のない僕がだらだらしてはダメッすね。
>225氏
風邪を引くとまずいのでズボンは上げてお待ち下さいませ。
まさか下ろしっぱなしって事は無いですよね?
待っていてくれる人がいるとこれ以上心強い事は無いですね。では年内に。
252 :
225:04/12/22 00:46:01 ID:mGsSuIFN
凄ぇです……ズボン下ろしてた甲斐がありました(ヘックシ
いよいよダメダメになっていくルシエン様にメロメロですわ。
これからどうなるのか、目が離せないものです。
さて、パンツ下ろして待つとしますか。
じっくりネットリしてて美味です。
そうだなー、やっぱりルシエンのキーワードは“背徳”だな。
255 :
246:04/12/25 21:08:10 ID:AtZAcNUb
>>246 乙
ルシエン様のエロテロリストとしての破壊力は、斜め上よりありえねー(w
改めて見ると、とんだ破廉恥聖女だな・・・
でも俺、嫌いじゃないぜ、こういうの。
そしてやっぱり、多くの神々はコミケ後までは忙殺されているのだろうか・・・
全てをあらわにした両の乳房は、法衣の合わせによって左右から根元を押さえられ、上を向いて並ん
でいた。先端を指で弾き、鼻を鳴らす先代。
「ねえ、ルシエン。はしたないと思わない? 自分でも」
「……こんな、こんな、あ、ひ」
「隆起してるのよ、分かるでしょ。貴女の乳首、男の人のアレみたく……あ、でも、どうかしら。アレって
何だか、分かってる?」
「わ、分かっておりますけれ、ど、そんな」
「ふうん、じゃあ、言ってみて」
師の言葉に抗うよりも、抜け道を通る方が得策だと、痺れた頭で考える。
「そ、それはその……生殖器、です」
本にあった、堅い名を口にする。十分に恥ずかしいものだったが、これならまだ耐えられる。
「生殖器、か……生前には、あまり聞かなかった言葉だわ。もう少し、くだいた単語はないの?」
底意地の悪い笑みが、自分と同じ顔に広がる。逃がすつもりがないことを先代の態度から悟ったルシ
エンは、腹を決めて、艶本にある単語を選び出す。
「つまり、あの……肉棒、です」
「へぇ」
もっと下卑た、賎しい言葉を言わせようかとも思ったが、弟子がそこまでは知らないことを察し、妥協
することにする。もとより、そこが狙いではない。
「なるほどね、よく分かったわ」
預言者が安堵する間も無く、言葉が被せられた。
「そうか、ルシエンは自分の乳首が、男の肉棒みたいに隆起しているって思っているのね。私は、男の
筋肉みたいに……なんて思っていたけれど、なるほどなるほど、言われてみれば」
ひゅっ、と息が詰まる。汚いやり口に怒りを感じるよりも、自分の汚れに愕然とした。こうも容易く誘導
される私ではなかった、本当に肉棒を連想してしまうルシエンではなかったはずなのに。
「じゃあ、聖女ルシエンの勃起した肉棒乳首、可愛がってあげるわね」
手の平で房を、指の先で首を絞り上げられ、ついには舌で蹂躙される。う、う、と震えを抑えながら師
に目をやり、ルシエンは後悔した。不埒に育った醜い胸を、縦横に這いずり回る赤い舌。その舌に唾液
を垂らし込む、不潔な赤い唇。そしてその上で淫らに染まる、赤く火照った自分の顔。
「こんな、狂いそうです、私……」
「もう狂ってるのよ、貴女」
ず、ぞ、ぞ、と吸い上げ、鳴かせた後に先代は続ける。
「汗がもう、雌の匂い。肌はもう、精の臭い。嬲られて跳ねる腰が、私の腹を打ち上げる」
「先代、私、は」
「狂ってないなら、根っからの淫乱ね」
言い返す言葉が探されているうちに、師が弟子の歯で、乳を噛んだ。鋭く訪れ鈍く広がる痛みに、ル
シエンから悲鳴が上がる。
「きゃ! あ、やめてくださ、やめてください先代! 痛いです、私、痛いです!」
無言のまま、箇所や強弱を変えるドッペルゲンガーに、セプターは抵抗することもできなかった。
──そうです、恐怖で!
恐怖を騙る期待で。
「痛いんです、ですから、やめてくだ──」
「知ってるわよ」
ちゅぶ、と口を離す。
「でしたら!」
「痛いのも、それで興奮してるのも知ってるわよ」
笑むが、蔑みを隠そうともしない。
「そんなこと──」
──私だって分かっている。
「はいはい、それじゃあ確かめるわね。確かめて欲しいんでしょ?」
「あの、私、先代が何を仰っているのか」
「最高だわ、ルシエン」
何とか予告通り、12月に更新できたとはいえ、
とても「まとまった更新」とは言えない量のダークマスターです。
人生の一大事とかが挟まりました。
年内にあと一回、続きを書き込むのが当面の目標です。
しかしまあ、こいつの言うことですからね。
ぐ、ぐ、こ、これは。
女体より異形に反応する私には、とてもスパックですよ!
(スパック=SPAC オルカ参照)
こちらも大変お世話になりました。
ぼじゃノロイさんも、よいお年を。
265 :
171:04/12/28 02:16:25 ID:aw3/Xkw7
甘露を飲み干し、杯は祭壇へと投げつける。杯は祭壇にぶつかり、砕けて、散った。
左手が秘所を手放し、白い膨らみへと、指を滑らせる。
ゆっくりと、いやらしく、まるで肌の感触すら楽しむかのように、弄ぶようかのように。
愛液を含む指先。それが這いずった跡はなめくじの行路のようにてらてらと輝いていた。
ようやく辿り着いた乳房は大きく、そして柔らかく、なめくじの動きに合わせ容易に沈み、形を変えた。
ルシエンの口から、吐息が漏れる。その吐息は甘い匂いがした。
頂の蕾は濃い桜の色。触れてもいないのに硬く、立っていた。
(こんなに硬くなっている…。――責任、取ってくださいますよね…?)
硬くしこる蕾を軽くしごき、瞼の裏の想い人に向かって、妖しく、艶やかに微笑む。
途端、『彼』の左手が蕾を摘み、しごき、引っ張る。彼女の期待通りに。
変形した乳房はどこか滑稽にすら思えた。
「ぐぅぅ…ッ!はぁ…はぁ…、気持ち、いいです…」
苦痛で噛み締められる口も、やがては快楽でだらしなく開けられ、よだれが溢れ、あごを濡らす。
一旦、蕾から手を放し、掌全体で左の乳房を包み込む。
「んあっ…、ああ」
掌の中央に、硬くしこり、未だ痛みの残る蕾が当たる。
その刺激で、再びルシエンの身体に痛み、いや快楽が走った。。
ルシエンは思わず身を震わせた。どうしようもないほどに淫らな吐息と共に。
266 :
171:04/12/28 02:17:00 ID:aw3/Xkw7
部屋を覆う闇を窓から射し込む月光が切り裂き、照らす。
その中で蠢く、白く艶かしい裸体。それを見つめるのは、満月。もっとも太陽に愛された月。
「あっ…ッ!!ああああああっっ…ッ」
抑えきれない衝動と、甘く淫らな声。
乳房を覆う掌をやわらかく動かす。掌の下の白い肉は、ひどく汗ばんでいた。
そっと、乳房を解放し、下半身を陵辱する『彼』の右手へと意識を向ける。
膣内の指が、引き抜かれ顔の前へと運ばれる。トロリとした液体がこぼれ、シーツを濡らした。
ルシエンの眼前へと運ばれた指を、ごくり、と唾を飲み込みまじまじと指を見つめる。
指は粘り気のある液を纏い、そしてふやけていた。
「これが、私の内へと這入っているのですね。では――」
舌を伸ばし、愛液を舐め取り、嚥下する。愛液は相変わらず妙な味がした。
指をさらに口元へと運び、咥える。舌を使い愛液をこそぎ落とす。
垂れ落ちそうなよだれと愛液を逃さぬように吸い込む。じゅるり。そんな水音が聞こえた。
娼婦が、淫売が、客の陰茎を口で愛撫するように、丁寧に、そしてねっとりと舌を這い回す。
舌の上に残る愛液も唾液と混ぜ合わせ、転がし、嚥下する。やがて熱を持つ喉、胸。――そして下腹部。
生まれ持ったの淫売の血か、それとも日々の生活の中での妄執か。ルシエンは、今、堕ちていた。
ワオ、地王、ぼじゃノロイ様に続き、171様も降臨なさったー!!
盆と暮れと正月が一緒に来たような感じです。
いやむしろ、これからが正月か!?
物凄く丁寧で密度の濃い自慰っぷりに、いてもたってもいられません。
268 :
171:04/12/28 20:36:48 ID:Iuzy9Wlx
ええと、今さら現れて何なんですが、こんばんわ。
実は、年末の忙しい時期なので更新した直後に用事が入り、この後書きっぽいのが
書けなかったのです。
そして、もの凄い細切れ更新申し訳ないです。というのも年内に
一度は更新しときたかったからなのです。
年内に完結させる事の出来なかった事が少し心残りです。
>225氏
新年はパンツとズボンをしっかり履いて迎えてくださいね。
>243氏、地王氏、ぼじゃノロイ氏
皆さんの素晴らしい作品は眼福になるだけでなく創作のエネルギーになっています。
来年もよろしくお願いします。
それでは皆さん良いお年を。
師の手が、胸から脇へと移動する。柔らかい肉に堕落の波を送り込もうと、白い指が蠢いた。
「や……」
口だけは律儀に拒絶を続けているが、目は閉じて逃げ、肌は火照って求めている。陵辱の手は百足
のように指を踊らせながら、くびれた腰を滑っていった。
「う、ふ、あぁ!」
「綺麗な作りよね、ルシエンの体。それを台無しにするくらい、いやらしく育っているけれど」
脇腹と腰骨の継ぎ目を嬲り、先代は笑った。しばらくそこの肉を弄び、弟子がたまらず腰を浮かせたと
ころで、尻の下に手を差し込む。
「あらあら、凄い肉」
「や!」
「もう、腰を落とさないで。ルシエンの大きな尻で、手が潰されちゃうでしょ」
先代ルシエンは五指を二組、後継者の尻肉と布団との間で存分に暴れさせ、熱気と弾力を楽しんだ。
後に、手を引き抜く。羞恥によって満足な言葉を奪われた獲物を見下ろす顔は、セレナの、クラリスの、
少女の姿をした化け物の、ミュリンを苛んだルシエンのそれと同じだった。
「寄り道はこれまで。さ、確かめさせて」
両の足首を掴み上げられ、聖女の下半身が持ち上げられた。
「いやっ! いやいやいやっ!」
「だだをこねてはいけないわ、賢者なら」
浮かせたままで、器用に股を開かせた後、自然の力を使って法衣の裾を落とそうとする。ルシエンは
慌て、両手でそれを抑え込んだ。
「どうしたの?」
「みっ……見せたくないのです!」
「どうしてかな」
それは、と言いかけて止まる。それを話すことは、つまり、
「まさか、見せられないほどに──とか?」
こうした問いにも答えねばならないということだ。
認めれば、私は堕落する。嘘を返せば、私はやはり堕落する。
できることはと言えば、無言のまま事実をさらすことだけだった。悩むまでもなかった、私はすでに敗
北しているのだから。堕落だけはしたくない。
「あれ、観念したのね」
力の抜けた弟子の足から、その選択を知る。それでも、ルシエンの手は裾を押さえたまま固まってい
て、どうにも具合が悪かった。
「じゃあ、じっくり確かめさせて貰うわよ」
腰を寝台に下ろしてやり、凍った指を一本ずつ、丁寧に溶かす。それに合わせ、閉ざされていた生贄
の瞼も、薄く開きだした。
「ふ、あ、あ」
「息を弾ませるのは、期待のせい」
最後に残った小指を溶かしきり、固まったままの両腕を胸元に置いてやる。そうされてはじめて、ルシ
エンは自分の鼓動がいかに早いかを知った。
「見る、の、ですか……?」
「不安なのは、狂う予感のせい」
裾に手がかかる。ルシエンは動かない。
「いいわね?」
「は、い」
「受け入れるのは、渇望のせい」
素直に伸びた脛と、その裏で膨れたふくらはぎが現れる。収穫を待ち、熟れきった腿が外気にさらさ
れる。その奥が見えたとき、先代とルシエンは、まったく同じ顔になった。
今年最後の更新、ダークマスターです。
年内は、このスレに大変お世話になりました。
長々と続いている本作ですが、来年中の完結を目指しております。
滞りがちな更新で恐縮ですが、どうぞ来年もお付き合い下さい。
あけましておめでとうございます
このスレに集う数多の神々&ルシエン信者の皆様へ
今年も沢山良い事が有ります様、お祈り申し上げます
されど、完結してしまう『来年』なんぞ永遠に来なくても良ろしいですわよ!!!
あけましておめでとうございます。
今年も、色々とお世話になります。
>地王
大晦日の更新、お疲れ様でした!!
おかげで煩悩たっぷりの年明けです。
完結・・・・・・単行本とかにできますよ、このボリューム。
凄い、このスレ、二年半続いてるのか!
新年初の保守。
今年も頼むぜ、相棒
このスレ、神は多くROMは少ない予感。
漏れも神になりたいが、実力不足です.
281 :
171:05/01/11 00:26:03 ID:+rZEZyhf
果たして今、ここにいる淫売は、誰なのだろうか。
――ルシエン?それは彼女を縛る鎖だ。彼女ではない。
彼女は名を持たない。名は親に売られた時、先代に買われた時、どこかへ失くしてしまったのだろう。
幼少時の名は、『あれ』もしくは『これ』。いつしか彼女自身、名を忘れた。
何も持たず、持つ事さえ知らなかった今までの私。
そんな中、初めて見つけたのだ。自分だけの物。――彼への想いを。
しかしそれは彼女が全ての戒めから解き放たれる闇の中で、
縋りつく偶像は彼以外には何一つ無い事を意味する。それでも彼女は微笑んだ。
最初は偶像を抱いて夢を見るだけだった。だが偶像はやがて現し身を求めた。
彼女はそれに疑いもせずに求められるままに、求めるままに差し出した。
敬虔な信仰心も、暖かい肉も、身を覆う冷たい鎖すらも、全て。
282 :
171:05/01/11 00:27:15 ID:+rZEZyhf
舐る舌。絡まる唾液。溢れる淫汁。
その全てが彼女の劣情より湧き出でて、そして劣情を煽る。
しかし何か足りない。蕩けて僅かに残る頭でぼんやりと考える。
――ああ、分かった。足りないのは陰茎。私を穿つ物。
濡れる唾液はそのままに、指を、快楽を呼ぶ天使を上の口から下の口へ。
最後に舌が名残惜しそうに指に唾液を垂らした。
やがて辿り着く右手。『彼』はもういない。ここにいるのは堕ちた女のみ。
茂みで混じり合う、唾液と淫汁。違うようで似てる汁。
腹を空かし、待ちわびる陰唇。姉妹揃ってだらしなくよだれを垂らしていた。
「んんっ。ああっ…!あああああっっ…ッ!!」
肉壁が強く、強く指を締め付けた。指を、そして彼女自身を押しとどめるように。
少し力を込める。だが進まなかった。肉壁は、膣はルシエンを拒んでいた。
283 :
171:05/01/11 00:28:41 ID:+rZEZyhf
苦痛がルシエンの身体を包む。この苦痛も、やがては快楽へと転じるのかもしれない。
しかし今、彼女が求めるのはこれではない。
一息吐き、指を呼び戻して胎内を穿つ槍に、もう一本肉の槍を添える。
指を挿す寸前、彼の姿が浮かんだ。
彼は寄り添う影と共にあった。
幸せそうに微笑みあう二つの影はやがて重なり、獣じみた声を上げて絡み合った。
――寄り添う影は、セレナだった。
振り払うように、忘れるように、深く身を穿つ。抵抗を感じても少しも躊躇する事は無く。
「ぐっ…ッ!!くあああああっ!」
仰け反り、白く艶やかな弓となった身体を優しく受け止める寝台。濡れた布団は雌の匂いがした。
284 :
171:05/01/11 00:33:21 ID:+rZEZyhf
明けましておめでとうございます。
今年もこのスレに居させて下さい。お願いします。
後、一、二回でひとまずの終わりを見る形となりますので
拙作でありますけれども今しばらくお付き合い下さい。
それでは、また次回。
ぐわわ、堕ちまくってるなルシエン様・・・
素敵極まりない。
そしてやっぱり、このスレ的には先代は悪っぽいのか(笑)
GJっすよ御大将。
ぜひ、コテハン名乗って下され
未来を保守
神々の降臨を切に希望しつつ保守。
289 :
代理:05/01/18 00:41:36 ID:7c8Z9SpX
ダークマスターが、現在アクセス規制を食らっているようです。
どうぞその間、他の神作品でお楽しみ下さい。
この命かけて保守
かねこしんやのカルドセプトがエロ面白いから、エロパロ無いかと思って探したら、ここに突き当たりました!!
セカンドやってないのですが、ルシエン様というのは、そんなにエロい人なのですか!?今度やってみます。
過去ログにざっと目を通しましたが、レベルの高さとだけではなく、スレの落ち着いた空気にも感銘を受けました。
進行中のどのストーリーも楽しみですので、神には大いに期待したい!!
当スレは、まったり進行の極みなので、力んで待つと疲れちゃいますぞ。
293 :
171:05/01/24 03:25:52 ID:A3e/OIGl
「あはぁ…。入ったぁ、入った…ぁ」
荒く乱れた息を整えつつも、嬉しそうに笑う。深く穿たれた指は胎内を感じていた。
そこは火傷しそうなほどに熱く、呑み込んだ指を今でも強く締め付けてくる。
しかし、拒絶のそれは余り、無い。むしろ歓迎の気配すら感じる。ルシエンの愉悦に唇が歪んだ。
そっと槍を引く。ざわりと肉が蠢き、惜しむ。そっと槍を押す。ぎゅっと肉に掴まれ、拒まれる。
最初は遠慮がちな動きで、指を前後させる。それに合わせ少しずつ下腹部と胸の奥に熱がこもる。
甘美な熱は蛇のように絡みつき自由を奪う。甘美な毒が全身を巡る。
「はぁ、はぁ、もっと…。もっとぉ…。欲しいっ…、欲しいんですっ。深いのが、もっと欲しいんですっ…」
あなたの陰茎が、精液が、そして――温もりが。
湧き上がる熱を持て余すように、溢れる汁をこぼさぬように、布団の上を這いずって背を丸める。
その姿はさながら白い海に漂う胎児のようで、ルシエンは秘所からの臭気に少し眉を顰めた。
だが、その体勢はもう一つの変化をルシエンにもたらした。肩が陰部に近づいた事で容易に指が届くのだ。
自然と指の動きが大胆に、繊細に、確実に性感帯を刺激して蠢く。ルシエンはわなないた。
294 :
171:05/01/24 03:27:43 ID:A3e/OIGl
「ふぁ…っ、あはぁ…、ひゃあっ。ああっ!」
下腹部に集まる熱を掻き出すように指を動かす。しかし掻き出されるのは淫らな汁だけ。
掻き出す度、こぼれ出す度、どこか分からない所から途切れる事無く熱が込み上げてきた。
その熱を掻き出そうと、再び秘所を指に任す。するとやはり熱が込み上げる。ルシエンは狂いそうだった。
下腹部の熱。この奔流はルシエンの正気を呑み込みそうなほどに荒く、飛沫を上げている。
堕ちている身とはいえ、未だ狂ってはいない。はずだ。――本当はもう狂っている?
それならば、ルシエンがそっと微笑む。
呑み込むならば、呑み込めばいい。狂うならば狂えばいい。
どうしようもないほどの熱、肉欲、劣情。――あの方への恋慕の想い。
それらに誰が抗えるものか。もし抗える者がいるのならばそれは人ではない。
いや、この世に生きる全ての命のどれでもない。肉ある存在の宿命。
性愛と精神が結ばれ生まれ来る子。その名は歓喜。――それを誰が否定できようか。
295 :
171:05/01/24 03:29:03 ID:A3e/OIGl
急激に込み上げる熱。必死になって膣から掻き出す。しかしその全てが徒労に終わった。
むしろさらなる熱の呼び水となり、ルシエンの身体を苛んだ。背も伸ばされ、しだいに弓なる白く濡れた肉。
淫らな嬌声、吐息、水音。その全てがルシエンの内から生まれ、熱を呼ぶ。
それでも指は止まらない。ひたすらに秘所を愛撫し続け、汁を掻き出し続けている。
「あぁ…あああぁっ! やだ、我慢できませんっ…。まだ、もう、いや、そんな…ァァ! ――様…ぁぁ!」
臨界点を超え溢れ出す熱。全身を駆け抜け、脳髄を溶かす。再び弓と化す身体。
白い闇がルシエンの全てを包み込む。そして闇はルシエンを溶かし出し、一つになろうとする。
やがて込み上げるどうしようもないほどの歓喜。そのままルシエンは意識を手放した。
この夜、視えた彼とセレナの睦み事の光景は未来視で、やがて来る未来なのか、
それともルシエンの嫉妬が生んだ妄想なのかは、誰にも分からない。それがカルドラであろうとも。
296 :
171:05/01/24 03:30:09 ID:A3e/OIGl
――夢を見ていました。
私の隣にはあの方がいて、あの方の隣には私がいました。
当たり前だと仰られるかもしれませんが、私にはその当たり前がとても嬉しくてただ微笑んでいました。
あの方が私の名前を呼びました。
聞き覚えの無い名でしたが、不思議な事に私の名前だとすぐに分かりました。
だから私は喜んで返事をしてあの方の顔を見つめました。
彼の瞳に映る私、私の瞳に映る彼。私は恥ずかしくてすぐに俯いてしまいました。
そんな私を、あの方はただ微笑みまた私の名を呼びました。
再び顔を上げると彼はただ一言「あなたを愛している」と言いました。
悲しくもないのに涙が溢れ、彼の顔が滲んで見えました。
そのまま彼の胸元に顔をうずめた私を彼は強く、強く、優しく抱きしめてくれたのです。
297 :
171:05/01/24 03:30:59 ID:A3e/OIGl
陽が差し込む窓。
ルシエンは眩しそうに目を細め、窓を見上げた。
大地を照らす太陽も、もうすぐ眠りに就く頃だ。聖堂は紅く染まっている。
紅く染め上げられた聖堂には、ルシエンと、そして静寂だけがあった。
「――ルシエン様」
静寂を破る声。ルシエンは驚いたように声の主に向き直った。
「どうしたのです? カッサンドラ」
動揺を隠すように、ゆっくりと目の前の下僕、フェイトに声をかける。
カッサンドラと呼ばれた女予言者は少し遠慮するかのように逡巡すると口を開いた。
「実は、ですね。ルシエン様に面会を求めている方がいらっしゃっているのですが…」
それを聞いたルシエンは不愉快そうに眉を顰め、ひとつため息をついた。
すでに門を閉ざす時間は過ぎている。こんな時間に訪れるのは礼を欠いている証拠だ。
「――非常識な方ですね。本日はもう扉を閉ざしています。また明日に来るように言って頂けませんか?」
「ですが、その方というのが…。やっぱり、その」
「知っている方なのね? その方のお名前は?」
大陸の王にも折らぬ膝を持つ賢者。跪く相手は神のみ。誰が来ようと扉を開けるつもりなど毛頭ない。
ただの興味本位でその無礼者の名を聞く。ルシエンの問いに女予言者は嬉しそうに答えた。
「あのルシエン様を救って下さった――」
「会います。すぐに扉を開けて、お招きして下さい」
――賢者の膝は容易く折られた。
走り去る背中を見つめルシエンは嬉しそうに微笑んだ。
もう一度、窓の外を見る。空には太陽と月。その両方が輝いていた。
298 :
171:05/01/24 03:32:09 ID:A3e/OIGl
ひとまずの終わりを迎える事となりました。ここまで、読んで下さってありがとうございました。
そしてごめんなさい。当初は一ヶ月かからずに完結するつもりだったのですが
生来の遅筆が災いして四ヶ月近くかかってしまったのは痛恨の極みでした。
ですので、失礼を承知を伺いたいのですが>170氏はルシエン分は補給できたでしょうか?
そしてルシエン様。以前ルシエン熱が冷めたとか言ってごめんなさい。やっぱりルシエン様は最高です。
最後に、また性懲りもなく僕が訪れるときがありましたら、生暖かく迎えてください。では。
痺れる!
どんどん堕ちていくルシエン様と、
どんどん上達される171様に、
ドキドキさせられっぱなしでした。
我等がスレの神々は、本当にレベル高いのですなあ・・・
幾らでも性懲りなくと言わず、訪れて下さいませ!!
170って俺か!!
いやもう、お腹いぱいになったですよ。
ですが、あまりのおいしさに、舌が贅沢を覚えてしまいそうです。
マタキテネ
補充
カルドセプトの続編って出るのか?
出るよ。
1と2の世界が融合する話で、グルベル様がルシエン様と仲良くなる話だよ。
あと、ベルカイル様とバルベリトが手を組むよ。
待ったり
現在、書き溜め中です。
時間の作り方を探り探り、細々と綴っております。
取り急ぎ、生存報告まで。
地王〜!!
つ【ランプロ】
凄い久々にカルドやった。
リアル対戦相手もいなくなり、定石も忘れていたが、
ルシエン様と戦うだけでも楽しかった。
その後、新鮮な頭でスレのSS類を読み返してみた。
半端じゃなかった。
お勧め。
>>307 やってみた。
なまっていた腕に愕然として、それどころじゃなかった・・・orz
hosh
310 :
地王:05/02/13 22:55:16 ID:scFJnGwF
今週末に更新したいと考えております。
実績を差し引いてお聞き下さい。
山が動くのか!?
バレンタインデーに、期待できる話なのです〜
(二行目を見ずに小躍りしてみるテスト)
期待sage
ジェミナイが、あの黒衣のセプターが眼前に現れてもルシエンは少しも驚きはしなかった。
ただ、ため息が一つ漏れただけだった。視えるのは、もう闇だけだ。
神の声は絶えて久しかった。神の姿を写すものは、この聖堂のもっとも高い位置に造られ
た祭壇に置かれた魂のこもらない偶像しか残されてはいない。
神すらいないこの世界。誰がこの傲慢なる者を打ち倒せるというのだろうか。彼女の知る
限り、もっとも高い技量を持ち、そしてまたもっとも強い心を持つセプターでさえもこの黒衣の
背信者を討ち取る事は適わなかった。
帰ってきたら、無事に帰ってきたのなら伝えたかった想いは、外気に触れる事無く終わった。
どうせ消え去る身と心。賢者として、聖女として、そして一人の女として謗りを受ける事無く最
期まで戦ってやろう。――ただ、独りでは死ねない。目の前の魔人を道連れにしなければなる
まい。
(ソルティス様、カルドラ様、そして――。今、あなた様の御許へ参ります)
神の視線を背中に受けて、汗で滲んだカードを握り締め、胸を張り、声を張る。誇りだけは捨
てたくはなかった。
「ジェミナイよ。神に弓引く背信者よ! 三賢者が一人、聖女ルシエンがあなたの最期の相手
となりましょう!」
仮面の裏側の表情は杳として読み取れなかった。――ただ、どこか寂しそうに見えた。
握り締めるは死を呼ぶ巻物『デス』のカード。使用者の命と引き換えに相対する者の命をも打ち
砕く禁呪。
使役する下僕に持たせるのがセプターの常識、そして鉄則だった。セプター自身が使用する
とは誰が予測できるだろうか。
淡い闇と共にカードから這い出る死の触手。逃れ得る術は、どこにも無い。はずだ。
ねとつく触手が黒衣に絡みつく寸前、初めて仮面の裏から声が漏れた。――ひどく懐かしい声。
どこかで聞いた声。しかしとても遠い声。
「死を恐れぬその姿、見事です。ルシエン様」
光の速さでジェミナイの右手にカードが閃く。
「しかし」
――それは無駄な行為なのですよ。
ジェミナイは唱える。鎮魂の歌を、葬送の歌を。最後に残るルシエンの希望へと向けて。
仮面の眼前で空間が歪み、渦を成す。渦は触手と聖女の驚愕の声だけを飲み込み、やがて
消え去った。淡い日光で照らされた聖堂は少しも変わりなかった。しかしいまだ空間に魔力が
満ちているのもまた事実だ。
「ボーテックス……ですか」
眼前の魔人を睨みつけ、呻く。カードが消え去り自由になった両手を握り締める。どちらの手
もひどく汗ばんでいた。
――諦めてしまおうか。
頭によぎるその言葉。追い出したはずのその言葉。そしてひどく甘美なその言葉。
ともすれば、飲み込まれてしまいそうなその誘惑を自らを奮い立たせて退ける。
――いや、まだだ。まだ私の心臓は止まってはいない。
ならば戦おう、冥界であの方に笑われないように最後まで。
何を恐れる事がある? 何も無いはずだ。ただ、あの方に笑われるのだけが怖いだけだ。
目を見開きジェミナイの仮面を正面から見据える。戦いはまだ始まったばかりだ。ともにかすり
傷一つ負ってはいないではないか。まだ、諦めるには早すぎる。
ブックを広げ、三枚手に取り、流れるように呼び出す。呼び出されたのは全てハーピー。
天空を自在に翔け、全てを掠め取る乙女。彼女らの鉤爪は容易く肉を裂く。地を這う者にとっ
ては空を翔ける者は常に恐ろしい存在だ。
ハーピーたちはルシエンの周りに侍ると、金切り声を上げ、主人の敵を睨みつけた。
「天翔けるハーピー。それが三人。いかなあなたといえども逃れる術は、今度こそ無い。――行
きなさい。アエロ、オキュペテ、ケライノ」
彼女の掛け声でハーピー三姉妹が翼を羽ばたかせ一斉にジェミナイに襲い掛かる。左右、そし
て上空。死角は、無い。しかしその速度は凡庸なクリーチャー並みのそれだ。これならば対応策
などいくらでも取れる。ジェミナイは余裕の仕草で、ルシエンに話しかけた。カード一枚、手に取る
事なしに。
「愚かな…。恐怖で冷静な判断すらもできないのですか?」
「その言葉、そのままお返ししましょう」
ルシエンはブックからカードを手に取るとカードに目を移す事無く、そのままカードを開いた。
ジェミナイは窮鼠の力を過小評価していた。だから気付かなかった。ルシエンの意図に。そして
空間へと干渉している魔力が消え去った事に。
途端、ハーピーたちが急激に加速し、そのままジェミナイへと突っ込む。虚を突かれた魔人は微動
すらできずに鋭い鉤爪をその身に受けた。
ハーピーたちはそのままジェミナイの背後に飛び去ると聖堂の天井近くで翼を羽ばたかせ空中
で止まった。視線はジェミナイから外す事無く。鉤爪から滴り落ちる血は床に小さな血だまりを作
っていた。
「バカな…。何故…ハーピーたちが突然? ――そうか、あれはリムーブカースか……」
傷口を押さえ、膝をつく。白い仮面はひび割れ、今にも音を立てて床に落ちそうだった。
羽根が一枚、頭上に舞い降りてくる。ひらり、ひらりと。それを見上げ、ジェミナイはようやく気付い
た。ルシエンの意図に、そして改めて知った。ルシエンのセプターとしての高い技量を。
「その通りです。では……止めです。あの世であの方に詫び続けなさい。ジェミナイ!」
ルシエンが右手を高々と上げる。その手が振り下ろされた瞬間、再びハーピーたちがジェミナイ
の肉を、そして命を抉り取るのだろう。
突然、ジェミナイが笑い出す。最初はくっくっと低く、最後には哄笑で。傍から見れば、ジェミナイ
にとって確実なのは、敗北と死だけだ。何を笑うというのだろうか。まさかジェミナイが望んでいた
ものがこの二つであるというわけでもあるまい。
ルシエンはジェミナイの真意を測り終えないまま右手を真っ直ぐ振り下ろした。
しかし、ハーピーたちは動かない。ただ、恐怖に染まった金切り声を上げるだけだ。
「どうしたのです! 行きなさい!」
それでもハーピーは動かない。顔に恐怖の色をたたえ、羽ばたくだけだ。
今まで、こんな事などあったろうか。下僕が主人の命令に背く事など。無かったはずだ。クリー
チャーにとっての本能は主人に絶対服従する事だ。まさか本能すら超える恐怖?
まさか、そんなはずは。仮にそうだとしても、目の前の敵はすでに傷を負い、膝をついている。
何を恐れる事があろうか。
ルシエンはハーピーたちから目を離し、ジェミナイを見詰めた瞬間悟った。膨れ上がる魔力。
膨大な魔力。神に匹敵、いやルシエンの知る限り、この世界にこれほどの魔力を御する存在など
無かったはずだ。メドロスも、アンバスも、そして主神ソルティスですらも。
「まさか、まさか、まさか。神すらも超えたと言うのですか…」
襲い来る絶望感。分かっていたはずだ。目の前の魔人、いや魔神は神を滅ぼした存在だと言う
事は。そしてあの方すらも殺されたという事も。
「申し訳ありません。ルシエン様。私は少々、あなたを甘く見過ぎていたようです。流石は賢者様。
あなたこそ、この世界で最強のセプターですよ。――私を除いては、ね」
「バカな事を、私は最強ではありません。あなたは忘れているのですか? あの方を…」
「――あの方? ああ、なるほど。確かに『あの人』が最強でしたね。ふふ」
一枚、カードを取り出し、開く。淡い光がジェミナイを包む。光が消え去った後に残ったのは両足
でしっかりと大理石の床を踏みしめる魔神。ルシエンは声を失った。
「私の希望は今、完全に消え去りました。しかし、諦めません。きっと、あの方がなさったように」
「――死にたいのですか?」
「死など、怖くありません。むしろ――」
嬉しいのです。そうすれば、もう一度、あの方に会うことができるのですから。
「私は、あなたを殺したくありません。ルシエン様」
「黙りなさい! あの方を、あの方を殺しておいて…。よくもそんな口をォォ!」
激昂し、ブックからカードを二枚引く。一枚は、忠実なる騎士ナイト。もう一枚は、魔剣ストームコー
ザー。ルシエンの持ちうる限り最強の組み合わせだった。
「忌々しき魔神よ。大恩ある我が主のため。参るぞ!」
忠実なる騎士はルシエンとジェミナイの間に立ちはだかり魔剣を正眼に構える。少しだって怯む
事無く。そして吼える。
「ハルピュイアども! 我らがルシエン様より賜った恩義を忘れたわけがあるまい! 今こそその
恩義に報いる時ぞ!」
騎士の叫びで天翔ける乙女たちの瞳に決意の色が浮かぶ。恐怖を忘れた瞳ではなく、恐怖を
乗り越えた瞳だった。
「やはりクリーチャーたちに信頼されていますね。そういう所が大好きですよ」
「我が主を侮辱する事は許さぬ!」
ナイトが咆哮とともにジェミナイに剣を振り上げ突進する。その背後からは三体のハーピーたち。
前後左右、ジェミナイがその身だけで避ける事などは不可能だった。
「なれば、来い。ミゴール。そしてリザードマンよ」
ジェミナイの周りに初めて下僕たちが現れる。二人の堕天使と二人の爬虫人。一人の堕天使は
騎士の相手を。もう一人は黒と白の翼をはためかせ空へと翔ける。爬虫人どもは地上で空へと
矢を放つ。
地上ではミゴールがその剣と盾でナイトの魔剣をいなしかわす。空でもミゴールの優勢は変わら
ない。それどころかリザードマンの援護を得たその身では圧倒していた。
ミゴール族は生まれながらにして四属性全ての特性を見抜く瞳とそれを実行できるだけの体躯
を持つ。勝負が決するのは時間の問題だった。
「いかぬ。このままでは……。ルシエン様、我らに援護をお頼み申す!」
「ええ、分かっています。纏いし者に翼の如き加護を与えよ、ウイングブーツ!」
ルシエンがナイトに翼の具足を纏わせる。翼の具足の加護は足だけではなく全身へと及ぶ。そ
の証拠に明らかにナイトの動きがよくなったのが見て取れた。
「ふん。いくら素早くなろうとも貴様の剣など我が身には届かぬよ」
ミゴールが口元を歪め、嘲け笑う。
その間も硬い剣戟の音が鳴り響き、頭上では金切り声と、そして鉤爪と剣のぶつかり合う音が
耳に届いていた。
「愚か者めが。貴様にはルシエン様のお考えが分からぬようだな」
ナイトが一気にその動きを加速させてミゴールの剣を受け止めず、かわす。そのままの速度で
ミゴールをすり抜け、今度こそジェミナイに真っ直ぐ突進する。
「なんだと!? しまった! ジェミナイ様!」
ナイトがミゴールの声を背中に受けてジェミナイに対して唐竹割りに剣を振り上げる。
「ふふふ。流石です。こんなにも楽しい戦いは天空の祭壇以来ですね」
ジェミナイが笑う、楽しげに笑う。笑いながらブックから一枚、カードを取り上げる。そのカードの
名はテレキネシス。カードが開かれると騎士の身体は見えない力に包み込まれた。その力は圧
倒的で、騎士の身体はそのまま弾き飛ばされた。最後の膂力で剣を振り下ろす。その切っ先は
ジェミナイの仮面をかすめるだけに終わったが、それは仮面を寸断し床に二つの軽い音を立てて
落下させるには充分だった。
そのまま騎士がソルティス神の像へ叩き付けられると、多くの巡礼者を見続けてきたそれは、
砂煙を立てながら簡単に崩れ去った。
「申し訳ありませぬ。ジェミナイ様」
砂煙の中からナイトが現れない事を確認するとミゴールは跪き深々と頭を下げ、主に詫びの
言葉を述べた。
ジェミナイは軽く頷くと、それ以上ミゴールを追及する事は無かった。ただ頭上を見上げると
ただ一言だけ、口を開いた。
「彼らの援護へ向かえ」
「はっ」
背後で翼をはためかせる音を聞きつつ、ジェミナイはルシエンに向かって微笑みかけた。最
後に会ったあの日と同じ笑みを。
その笑顔をルシエンは呆然と見続けていた。もう二度と、死ななければ見られないと思っていた
笑顔。そしてこの魔神の顔に張り付いている事など想像すらしていなかったあの方の、笑顔。
「そんな…嘘です。これは…夢です。こんな事がおこり得るわけがありません。そうです。みんな
夢だったんです」
――それならば、ソルティス神が、カルドラ神が、そしてあの方までもが逝かれたのに私だけが
無様にも生き残っているのにも納得がいきますから。――そして目の前の光景にも。
ルシエンの足元が、縋り付いていた柱が、ルシエンを形作る全ての物が音を立てて崩れ去って
いくのが分かった。
「夢ではありませんよ。これは――現実です。そしてお久しぶり、というべきですかね。ルシエン様」
「いやぁぁぁぁ――!」
顔を抑えて、叫ぶ。そんな自分の声をルシエンはどこか遠いところで聞いていた。理性も、感情も、
眼前の光景を認める事を頑なに拒んでいる。
「ルシエン様? いかがなされたんですか? 久しぶりに会えたというのに……」
ジェミナイが笑顔を崩さずに歩を進める。仮面は地に落ちたそのままに。
一歩。アエロの悲痛な金切り声。
二歩。オキュペテの断末魔の叫び声。
三歩。ケライノの墜ちる音。
「来ないで、来ないで、近づかないで下さい……。その顔で、その姿で、私を見ないで下さい」
大理石の冷たい床にへたり込み、哀願する。頬に涙の筋をつくり、顔は両手で覆いながら。
悪夢なら早く覚めて欲しかった。現実なら――それは考えたくなかった。
323 :
171:05/02/18 00:41:50 ID:lg6W6/Ja
――続く――
続きも頑張ります。
感想いただけると非常に嬉しいです。
そしてまた現れた僕を生暖かく見守ってください。
濡れ場は次回には必ず入れますのでどうぞご容赦を。
では。週末の地王氏を楽しみにしつつさようなら。
good ゚+.(・∀・)゚+.゚ job!
濡れ場の方も期待してます!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
キタ━━━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━━━!!!!
キタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
キタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!!
(・∀・)GJ〜!!
三姉妹ではオキュペテーが可愛いよね!!(真U)
それにしても、神話関係のネタ仕込みとか文体とか、
地王と171氏は兄弟のように似てますな。
何より、エロよりその過程に燃えるところとか。
(勿論、別人だとは存じております)
二人は生き別れの兄弟だったんだよ!
な、なんだってー!!(AA略
「ああ、本当に、この、淫乱聖女ときたら」
どうにか言葉で嬲りつつも、先代の目も表情も呼吸も全て、眼前の光景によって縛られていた。
「う……あぁ」
どんな言葉も失い、ルシエンの目も表情も呼吸も全て、下半身の疼きによって支配されていた。
まったく同じ、早すぎる鼓動。まったく同じ、堕落の顔。
「ルシエン……だめ、もう、駄目よ、私」
ぎこちなく体をくねらせ、両肩でルシエンの太い腿を支えると、先代は肌着に包まれた秘所と向き合う。
かつて、聖峰の女賢者が、抑圧の中で女を主張していた下着。市井の娘には履けぬほどに高値で、薄
く、肌に密着し、腰骨に引掛けるようにして結ぶその布は、隠すのではなく晒すためにあった。
「狂ってしまいそう」
神に仕える女預言者の、ジェミナイのための背徳は、純白であることだけが言い訳だった。だがそれ
も、長い監禁によって汚れきっている。
「そうよね、長いこと吊るされて……仕方なく漏らしたのよね、まず」
幾度も水気を含み、溢れさせ、染み付いた布地は、まるで最初からそうであったかのように、汚れた
斑を浮かせていた。そこに鼻を寄せ、小さく震えながら息を吸い、大きく震えながら吐き出す。
「ふ、あぁ、うう。でも、それだけじゃないわ。脱走して、試練を受ける間に、ルシエンのはしたないここは、
違う汁をたっぷりと垂れ流していたのだものね」
秘肉に貼り付き、包み込む下着を、指の腹で押してみる。羞恥に唇を噛むルシエンは声を上げなかっ
たが、限界まで水を含んでいた股布は音を上げた。
ぐち、ぐじゅり。
「漏らして、濡らして、溢れさせて、注がれて、十重二十重に染み込んで……こんな卑猥な下着越しに
出てくるものだから、濃くて、粘ついて」
じゅっ、じゅ、ちゃ、と両手の指で弄び、絡め取る。
「もちろん、物凄く、臭いわよ」
先代がルシエンに掲げて見せた十指には、聖女から分泌された粘液が、蜘蛛が巣を張るように橋を
架けていた。
「どう?」
「もう、もう、やめて、下さい」
「賢者として断言させてもらえば、明らかに異常な量ね」
「先代……!」
それでも、視線を逸らさない。次の言葉を待つ。
「生まれついての淫売なのかしら。普通、どんな売女だって、こんなに沢山、こんなに濃く濁った、こんな
に糸を引く、こんなに臭い立つ汁を垂れ流したりはしないものよ」
預言者は泣いていたが、その腰がくねり、浮く。見下ろしてくる似姿は目を細め、唾のように侮蔑の言
葉を吐きつけてくる。
「さかりがついたの? 希代の淫乱ね、賢者ルシエン」
「は、う、ん……違うのです、違うんです、私は、本当は、もっと違っていて」
水底の藻がたゆたうようだ、と先代ルシエンがたとえると、先代賢者が然りと受ける。この女はすでに、
欲情の沼に沈んでいるのだ。まずは頭から落ち込み、腰が流れに揺られているのだ。
「これを、どうすればいいかしら。こう?」
「それ、それ、私の、汚っ」
口元に近づけて舌を伸ばしてやると、弟子が切れ切れの言葉で制止する。
「知ってる、こうしてほしいのでしょう」
「でも、でも」
「嫌がっても、こんな不潔なもの、早く綺麗にしないといけないわ。代わりにルシエンが舐める?」
何の気無しの言葉だったが、反応があった。打てば響く、良くできた弟子。
「そん、な……」
「はい、乾いて染み込む前に、お願いするわ」
ルシエンは差し出された手を見て、自己欺瞞に取り掛かった。
大目的ジェミナイ、小目的バルダンダース、手段としての交わり、師の命令。ほら、簡単。
「わ……かりました」
論理的だ。舐めるべきだ。素直に従う。ぺち、ぺとぺと。
「態度は結構、でもね」
──そう、足りないはず。
「まだるっこしくて、かなわないわ」
手が、強く顔に押し当てられた。唇の先で捕らえていた指先は口内へ滑り込み、残った指と手の平は、
頬や鼻腔をぬるると滑る。
「あ、ぷ、むぁ」
「すり込んであげる。ほうら」
ぬたぬたと顔に塗りひろげられる汁に、ルシエンの尊厳は嬲られた。心地良い悪臭に、全身の筋が
収縮し、一拍の後に弛緩する。
「変態」
達したことを一言なじると、先代は水源へと視線を戻す。
「うわ、ひどい。これはもう、濡れているなんてもんじゃないわね」
顎で襞をこねてやり、ぐっちゃぐちゃりと音を立てる。
「ぬかるんでいて……沼みたいよ、この腐れ穴」
先代の我慢もそこまでだった。頭巾をたなびかせながら股間に噛みつき、むしゃぶりつき、吸い上げ、
食べ散らかし始めた。
「んっ、ぉ、ああっ!」
獣の咆哮を上げると、ルシエンはのけぞり、寝具の敷布を足指でつかみ、師の頭を押さえた。全身か
ら汗が流れ落ち、部屋が雌の臭いに満ちていく。
「これ、この味、素敵よ、不潔で、淫らで、濃く濁ってて!」
口を大きく開け、股間全体に齧りつく。歯が食い込むたびに粘液がこぼれ出し、歯を滑らせるたびに
腰が跳ねた。
「い、う、いい、です、私、いいんです!」
がじゅがじゅ、むちゃむちゃと顎を開閉し、ルシエンの女を貪る。汗で濡れた太股に指をめり込ませ、
握り潰そうとする。先代の口も鼻も頬も髪も、ぬらつく液にまみれていた。
「賢者ルシエン、この肉穴はどうなってるのかしら……こんなに罰当たりな穴、見たことも聞いたこともな
いわよ」
「それ、は、それはぁ──」
「それは?」
「──申し訳ありま、せん……」
強く吸い上げられ、忘我の境を越えた預言者は、頭の頂を枕に突き立て、果てる。先代には顎の裏し
か見えなかったが、震える様から陥落を知った。
濡れ場だけの更新に挑戦してみました。ダークマスターです。
もう3レスぶんありましたが、ひどい文章なので、書き直して近日お見せしたいと思います。
まだ完結までの道程は長そうです。
お付き合い頂いている方々には、感謝の言葉もありません。
それではまた、できれば近いうちにお会いしたく存じます。
ついに地王氏が降臨なさった――!!
今回も先代がねちっこくて……エロいですね
感謝の言葉も無いのはこちらです。
こんなええ小説を無償で読ませて頂けるなんて本当にあなたは神様ですよ。
近日中に再び降臨なさるそうですけれども楽しみにしています!
できれば、それがいつ頃になるか教えて頂きたいのですが……。
GJ〜〜〜!!
フェ地王の面目躍如ですな!
触覚系エロというか・・・たまりません。
と言うか、先代様を、僕のお嫁さんに下さい。
夢の中でしか聞く事が無くなった声。何よりも聞きたいと切望していた声。まさかこの
ような時に聞く事になるとは予想すらしていなかった声。
「ルシエン様」
――懐かしい声。
「お顔をお上げ下さい」
――優しい声。
「ルシエン様?」
――愛しい声。
硬く冷たい床を蹴る音がルシエンのすぐ前で止まった。きっと顔を上げればすぐそこに
ジェミナイが立っているはずだ。それともあの方が?
鼻をすすり上げ、ゆっくりと顔を上げる。瞳に映るのは彼女に絶望を与える顔。そして
どこかで期待していた顔。
「ああ、どうして、どうしてなのです。神よ、どうしてなのですか……?」
もういない神に問いかけてもそれは滑稽で意味の無い事だ。それでも、聞かずには
いられなかった。目の前にある現実からすれば些細な事だ。
「ふむ、どうしてなのでしょうね。――ルシエン様、さあお立ち下さい」
「はい……」
ジェミナイがそっと手を差し伸べる。慈愛に満ちた表情、まるで全てを包み込む大地を
思わせる表情。ルシエンは思わず手を伸ばした。その瞳はまるで無垢な赤ん坊のようだ
った。
「ジェミナァァァァイィィィィィィ!!」
突如、咆哮が大分収まってきた砂煙を破って聖堂へと響いた。
その声に聖堂に残るおよそ全ての瞳がそちらへと向けられた。その先にあるのは白銀
色をした塊で、見れば所々鎧はへこみ、そして外れてしまった所すらあったが、その騎士
は烈火の如き様相でジェミナイだけを見据えている。携える魔剣もジェミナイの心の臓だ
けを見ていた。
「アリージェンス!!」
振り向き、伸ばしかけた手を引き戻すとルシエンは誇りある騎士の名を叫んだ。その声に
騎士アリージェンスは振り向き、薄く笑みを浮かべると軽く会釈をした。
「お待ち下さい……ルシエン様、今、参ります……。この背信者どもを冥界に放り込んだら、
すぐに……」
「これは驚いた。まさかまだ息があるとは…」
感心するジェミナイの背後で下僕たちの慌しい声が聞こえ、すぐにアリージェンスに矢が
雨のように飛んだ。数本が鎧の合間を抜け突き刺さる。しかし騎士は怯まない、止まらな
い。ただジェミナイだけを目指して。
やがて矢の雨が止んだ。矢では堅牢な鎧を完全に貫く事はできず、そして鎧の外れた
所だけを狙うには爬虫人と騎士の間の距離は遠すぎたのだ。
「ジェミナイ様! 今、お傍に!」
代わりに翼をはためかせる音と共に騎士の前に二つの影が舞い降りる。その影たち
はすぐに剣を構えて、迫り来るアリージェンスを睨みつけた。
「死に損ないが…。我らが主に触れる事は許さぬぞ」
「待て、兄者。そもそも何故、奴は生きているのだ? もう魔剣に命を喰われてもよい頃
だろうに……」
「考えるな! 我らの使命はジェミナイ様をお守りする事だ。それ以外は、必要ない」
そのミゴールは傍らに立つ弟を叱責すると目の前の騎士に斬りかかった。しかし騎士
は剣を構える事も無ければ、盾をかざす事も無かった。堕天使の剣を甘んじてその肩口
に受けただけだった。
「殺ったか!?」
「いや、まだだぞ! 兄者。まだ奴は死んではいない!」
その言葉に驚き飛び退くと、騎士はようやくその手に持つ魔剣を構えだしたところだっ
た。そして見る見るうちに肩の傷が癒えて、消える。斬りかかったミゴールはそれを呆然
と見つめていた。
「弟者よ、これはどういう事だ……?」
「分からぬ。だがあいつの好きにはさせる訳にはいかないのは確かだ。兄者、首を狙う
ぞ」
二人が鋭い音を立てて剣を構えなおす。いかな不死の者といえども首を斬られては無
事では済みまい。それを弟者は狙っていた。
◇
「ルシエン様、お立ち下さい。さぁ、早く」
剣三振り分の剣戟の音を聞きながら、ジェミナイはもう一度、聖女に手を差し伸べた。
しかしルシエンはジェミナイの顔を見てはいなかった。ただ剣戟の音のする方をぼんやり
と見つめていた。
視線の先には二人の堕天使と一人の騎士らしき者の戦い。明らかに堕天使側が優勢
であった。だが驚異的な回復力を持つ騎士に対し決定打に欠けている。勝負が決まるに
は今しばらく時間がかかるだろう。
「この気狂い騎士が!」「早くハルピュイアどもの後を追え!」
「我は……負けぬ……誇りあるルシエン様の下僕として……無様に負けられぬ!」
――アリージェンスはどうして私のためにあそこまで戦うのでしょうか? 分からない。
剣戟の音と共に響く声。誇り高き騎士の魂からの叫び。しかし、それはルシエンの心を
揺り動かすにはまだ足りなかった。
「ルシエン様、早く。余り私を困らせないで下さい…」
ジェミナイの声に怒気が混じる。その声は容易くルシエンの心を掴み、握り締めた。
「はっ、はい。す、すぐに…」
――ですから、私を嫌わないで下さい。もう置いていかないで下さい。
ルシエンがおどおどとジェミナイの手を取り立ち上がった。それを認めるとジェミナイは
ルシエンを自らの胸に誘い込んだ。黒く、暗く、歪んだその胸に。
聖女がそれに顔を埋めるのを認めるとジェミナイはゆっくりと両手を彼女の背中へと回
した。
(ようこそ。ルシエン様。ずっとお待ちしておりましたよ)
ジェミナイの温もりが全身に回る頃にはルシエンは深い眠りに落ちており、その身全て
をジェミナイに委ねていた。
◇
「何をしているのだ。たかが手負いの騎士一人に」
ミゴール兄弟の肩がびくりと震える。背後から聞こえる絶対的な声。ミゴールたちは一
旦、飛び退くとジェミナイに答えた。
「しかし、この気狂い騎士は――」
「そうです。いくら斬りつけても斬ったその場から再生してしまうのです」
騎士が開いた間合いを埋めようと剣を振りかざしてくる。それを弟者は盾で受け止める
とすぐさま叫んだ。
「ジェミナイ様。お下がり下さい。ここは危険です!」
「心配には及ばん。ここは忠実なるアリージェンス君に敬意を払い、私自身が相手となろう。
それに今の彼には生半可な攻撃は聞かぬようだからな……」
「しかし!」
なおも食い下がる下僕たちに有無を言わせぬ口調で命じる。
「二度も言わせるな。下がって爬虫人とともに壊れた像でも片付けておけ。ああ、あとルシ
エン様を頼む。彼女には傷一つ付けるなよ」
後ろを見れば爬虫人どもは騎士が立ち上がる前はハーピーだった物に喰らいついてい
たのだろう。口の周りを真っ赤にしていた。
アリージェンスが剣を振り上げるのを見計らい、素早く弟者が離脱する。
「――分かりました。ですが、お気をつけて」
兄の方にルシエンを託すと、右手を軽く振ってミゴールたちを離れさせる。残ったのは
ジェミナイと狂信の騎士のみだった。
「ジェミナイ! ルシエン様が貴様が死んだと聞いてどれだけお心を痛められたのか分か
るか!? なのに貴様はそれには飽き足らずジェミナイとして現れた。ルシエン様を二度
も裏切った。そして今も……。我がそれを許すと思うかァァァ!」
「――許されるとは思ってはいない。だが、私にはこうする他なかったのだよ」
「黙れェェェ!!」
一気に魔剣を振り上げ、振り下ろす。受ければそのまま断ち切る。そして避ける余裕な
どない筈だ。ましてやそれが人間であるのならば。
しかし魔剣が哀れな犠牲者の魂を喰らう事はなかった。空を切り、大理石に鋭く深い傷
を残しただけに終わった。
「バカな…」
「さらばだ。勇敢にして忠実なる騎士よ。――バニシング・レイ」
(ルシエン様………力及ばず……申し訳…ありませんでした……)
白色の眩しい光がアリージェンスを包み込む。最初は白銀の鎧が、最後にはその崩れか
けた身体が光と溶けて消えた。光が全て消え去った後には一枚のカードだけが残っていた。
「ふう。まさか、スカラベ無しにゾンビに転生するとはな……。げに恐ろしきは想いの力とい
う事か……」
屈み込んで『ナイト』のカードを拾い上げるとジェミナイはため息を一つ吐いた。そうする
と、ゆっくりと自らの下僕たちの待つ方へと歩いていった。
◇
小さな雫。頬を流れてシーツを濡らす。しかしそれはルシエンの覚醒を促すには充分だ
った。
(ん…。んん…)
柔らかな布団に沈む身体を起こし、目覚めた頭そのままに周りを見渡す。大きな鏡の
化粧台。ちびた蝋燭を抱える燭台。風に揺れる絹のカーテン。その全てがルシエンの記
憶にある自分の寝室と寸分の狂いもなかった。
(夢…。夢だったのですね……)
思わず、安堵のため息が漏れた。そうだ、落ち着いて考えれば分かる事だったのだ。ま
さかソルティス神が、カルドラ神が背信者に敗れる道理は無いのだ。ましてやその背信者
があの方であるだなんて。質の悪い冗談にすらなりはしない。
しかし、それは本当か。これも夢を見ているにしか過ぎないのではないか? 本当の
私は今、ジェミナイの手の中にいるのではないか?
――その問いに答える者は誰一人としていなかった。
「誰か、誰かいませんか」
静寂が支配する部屋。耳に届くのは風に揺れるカーテンの衣擦れの音のみ。
怖かった。独りぼっちが。この世界に自分独りしか存在していないような錯覚。
その恐怖を振り払うべく声を張る。ここが夢で無いならば、すぐに侍女が走り寄ってくる
はずだ。
誰でもいいから顔が見たかった。声が聞きたかった。
ルシエンの願いは声が寝室の壁と出会う前に成された。左手から扉の開く音。
「おはようございます。ルシエン様」
耳に届く涼やかな声。ようやくルシエンは二つ目の安堵の溜め息を吐いた。
「ああ、良かった。すみませんがお水を――」
そんな、まさか、これも夢? 私は今、蝶なのかそれとも人なのか。
「ふふ、お目覚めはいかがですか? よく眠られていましたから」
微笑みながらジェミナイが寝台の脇に立った。その顔は仮面で覆い隠される事無く紛
れも無いあの方の顔、そのものだった。纏う衣は、先程までの芝居がかった衣とは違い、
見た事もなく簡素な衣ではあったが今までルシエンが見たどの色よりも黒く、そして深い
色だった。
「ああ、水が欲しいのでしたね。済まないがマリー・ゴールド、ルシエン様にお水を。そう、
なるべく、ゆっくりとな」
「――畏まりました」
ジェミナイは傍らに立つ護衛役を務めているのであろうバルキリーにそう声をかけた。
バルキリーが扉を開け出て行くのを見送るとジェミナイは改めて、ルシエンの顔を見つめ
た。
「さて、ルシエン様」
「ひっ…」
「そんなに怖がらないで下さい。あなたの命をとる気は毛頭ありませんよ」
ルシエンの顔は恐怖と困惑に満ちており、身を固まらせて寝台の上で後ず去った。そ
れを見てジェミナイは寝台脇の椅子に腰を下ろしながら苦笑と共にそう言った。
それを見てルシエンはようやく少々の落ち着きと、疑問を取り戻した。
「あなたは、あなたは、一体何を考えてらっしゃるのですか……? ――む、ふぅ!?」
ジェミナイはルシエンの問いに答える代わりに彼女の顎を取り、その唇を塞いだ。その
まま舌を彼女の咥内へと侵入させると驚き縮こまるルシエンの舌を自らの舌と無理矢理、
絡め合わせた。ようやくルシエンが自らの置かれている状況を認識し、必死になって抵
抗を試みた。しかしその頃にはジェミナイの手が彼女の後頭部に回っており、いくら力を
込めようが、いくらジェミナイの身体を押し戻そうとしようが、齢二十四の女の身ではそれ
が適う事は決してなかった。
流れ込む唾液。息をしようと喉を開く度に奥に流れる。その内ルシエンは諦めて唾液を
嚥下する他無い事に気付いた。ごくりという低い音が響くとようやくルシエンの唇は解放
された。
「はぁ、はぁ、はぁ。あ、あなたは、何を……。いや、止めて、近づかないで下さい…」
「嘘をつかないで下さい。あなたはこうなる事を望んでいた。――そうでしょう?」
――確かにそうだ。私は望んでいた。こうなる事を願い自らを慰めていた。淫らに喘い
でいた。でも、どうしてそれを知っているの? 私があなたに向けていた想いも知ってい
たの?
「知っていました。聞こえていました。あなたの想いも、淫らな声も。
知っていましたか? 聞こえていましたか? 私の想いを。あなたを想う声が」
――知らなかった。聞こえなかった。あなたの想いも、声も。私は聖女なのに。
――知られていた。聞かれていた。私の想いも、淫らな声も。私は聖女なのに。
ジェミナイはいまだ身を固くして震えるルシエンの肩を掴むとそのまま寝台へと押し倒し
た。二人分の重さを受け止める布団は、やけに柔らかく二人を包んだ。
「いや、止めて下さい……。やはり、嫌です、こんな、こんなのは……」
弱弱しく抵抗するが、やはり陵辱者を押しのけるにはまだ足りなかった。ジェミナイは彼
女に答える事無く再びルシエンへとその唇を落とした。
唇は押し付けたままで、法衣の上からでも分かる乳房に手を伸ばす。ふにふにと弾力
を楽しむかのように圧される。意志とは反して大きく育ったそこは、やがて意志に反して
乳首を硬く尖らせていった。
「ルシエン様。愛しています。心の底から、あなたを愛しています……」
唾液の糸で繋がった唇から響くその温かい言葉。圧される胸から伝わるその甘美な刺
激。思わずルシエンの瞼が閉じられる。長い睫毛も官能の風に揺れていた。
「わた…私も……あ、愛しています。ずっと、こうなりたいと思っていました。ですが、です
が……」
高々数ヶ月の想い。十六年間、絶える事無く抱き続けてきた神の偶像。そのどちらもが
今のルシエンを形作る大切なものだった。
その言葉にジェミナイは口元を軽く歪めると自らの緩く閉じられた帯に手を伸ばした。す
るりと帯が解くと、そのまま衣を脱ぎ捨てる。全てが一枚の布で構成されているその衣を
脱ぐとジェミナイの身体を隠す物は何も無くなった。
全裸となり一息吐いたジェミナイがルシエンの法衣の肩口から指を滑らせ肌に直接触
れる。思わずルシエンの鼓動が跳ね上がった。しかし、ルシエンの期待は中々叶う事は
無かった。ジェミナイの手は肩口辺りを撫で回すばかりで、少しだって乳房に手が降りて
くる事は無かった。
「あの……お触れにならないのですか……?」
少しばかりの不満と苛立ち。ルシエンはそれらが入り混じった言葉を思わず吐いた。本
当は淫らに触って欲しい。乳房を、下腹部を、官能の全てを掻き乱して欲しい。いつか夢
想したように触れて欲しい。それらを羞恥のため、道徳のため、口にできないもどかしさ。
ルシエンが恥ずかしそうに顔をジェミナイから背ける。顔は真っ赤だった。
「触れて欲しいのですか?」
少しの嘲笑も、侮蔑も、下卑た響きも無い単なる問い。ルシエンは顔を背けたままで遠慮
がちに頷いた。
「ああ……っ!」
待ち焦がれた瞬間、ルシエンの喜悦が響き渡る。彼の手が優しく、でも確かに乳房を蹂
躙する。硬くしこった乳首は掌にあたり、擦れる。ルシエンはその度に淫らで甘い吐息を
吐き、ジェミナイを酔わしていった。
先程までの自制とジェミナイへの恐怖はいつしか消え去り、彼女はもどかしげに上着を
脱ぎ捨てると欲望のままに彼の腕の中で喘いでいた。しかし、それは彼女だけではない。
陵辱者であったはずのジェミナイもいつしかルシエンの虜となっていた。頭は彼女の事で
満たされ、陰茎もそれを証明するかのように熱く滾り硬くなっていた。
ジェミナイはその滾りの赴くままにルシエンのスカートの裾を掴み引き下げると彼女の
秘所へとその指を這わせた。下着は着けていなかった。
「だ、だめです……! ここは、ここは……堪忍して下さい……」
「どうしてですか? あなたが触れて欲しいと言ったのでしょう」
「ですが……ですが……恥ずかしいのです。あなたに触れられ、溢れています。こんな
はしたない所をあなたに知られてしまうのは……恥ずかしいのです」
ルシエンはさらに顔を赤く染めると両脚を閉めて自らの秘所を両手で覆い隠した。その
手はいまだ溢れ来る自らの淫汁で少し濡れてしまっていた。
「恥ずかしがる事は無いのですよ。私を感じてくれているのでしょう? こんな嬉しい事は
無いのですよ。それに私も、あなたを感じているのですから……」
ジェミナイはいまだ秘所を覆い隠しているルシエンの手を一本取ると自らの陰茎に這わ
せた。ルシエンの目が大きく開かれる。少しばかりの驚きとそして喜び。ルシエンの両脚
にかけられた力は次第に弱まりやがて消えた。
そこは熱く、硬く、逞しかった。片方の手はいつしか両手に。その熱が、炎が、握り締め
る手に移り始める頃には彼女の秘所を隠す物は黒々として濃い陰毛だけとなっていた。
もう一度、お互いに唇を重ねる。今度は一方的なものではない。ルシエンも懸命に舌を
絡め、積極的に唾液を嚥下する。その唾液はまるで媚薬のように、口を、喉を、胃を、お
よそ唾液が触れたであろう全ての場所を熱く燃やした。
「ああ……。愛しています。あなたがいれば他には何も要りません」
――ソルティスも、この世界も。カルドラも、この宇宙も。あなたがジェミナイでも少しだっ
て構いません。ただお傍に置いて頂きたいのです。
「ルシエン様。挿れますよ」
「あの、――様。私、この歳でお恥ずかしいのですが……は、初めてで、そのつまり、処
女なのです。優しく…お願いできますでしょうか……?」
魔神が人間だった頃の名を呼び、そう願う。その名が空気を震わす事は決して無かっ
たがルシエンは単に声がかすれただけだと考え、大して気にも留めなかった。
ジェミナイが頷き、ルシエンの中に這入っていく。それは先程触れた熱く硬く逞しい体だ。
ルシエンは圧し掛かるジェミナイの身体に必死になってしがみ付いた。彼女の純潔が、
二十四年間守られてきた貞操が、こそぎ落とされていった。
「あ゛ぁああああ!」
それにともなう激しい痛みはしばらくの間、彼女の身体を駆け巡っていたが、耐えられ
ない物ではなかった。
これ以上の痛みはもう味わった。あなたが死んだと聞いた時に味わった。それが今、
あなたはここにいる、私の腕の中にあなたはいる。そう思えば、今の痛みは充分に耐え
る事ができた。
その内、堪らなく甘美が溢れ出して来た。彼が動く度に甘美が溢れ、波になる。その波
は彼女を押し流すのではなく包み込むもので、いつしかルシエンは波に身を委ねた。
陰茎をただ突き入れるだけでなく、ジェミナイはルシエンを労わり、愛した。決して彼女に
無理のあることはしようとはしなかった。ルシエンが涙を流せばその瞼にキスをして、ルシ
エンが求めれば、それに応えて官能を与えた。
「あんっ…。ああ…。気持ちいいです……。もっと、もっと、下さい。あなたを、あなたの全
てを……私に下さい」
ルシエンがジェミナイの肩に爪を立てしがみ付き、腰には足を絡めてはしたない嬌声を
上げ続けていた。
そしていつしかルシエンは、自分とジェミナイとの境目が曖昧になっている事に気付い
た。――あなたは私で。私はあなた。
ジェミナイが大きくルシエンに突き入れる。それにルシエンは大きくわななくと、そのま
ま恍惚と官能の中、意識を手放した。
◇
目を覚ました時には、隣には誰もいなかった。そっとシーツに手を触れる。少しだけぬ
くもりが伝わる。ルシエンは頬を緩ました。
「い、痛ぅ……」
下腹部に残る鈍痛に眉を顰めながら、先の情事で彼が這入った所を見つめる。そこに
は薔薇の花びらがおびただしく散らされていた。
彼女の頬が同じ色に染まる。そっとあたりを見回す。ちょうどジェミナイが腰を下ろした椅
子が目に入った。その上に、何か置かれている。ルシエンは寝台の上に乗ったまま、手
を伸ばした。
椅子の上に置かれていたのは数枚のカードと、紅いアネモネの花。
「あら……これは……アエロ、オキュペテ、ケライノ。それに――アリージェンスとストーム
コーザー、ウイングブーツ……」
手の中にあるのは全て彼女の忠実な下僕。神をも殺した魔神に臆する事無く戦いを挑
んだ、勇敢さを併せ持つ彼女の掛け替えのない下僕たち。
(ごめんなさい……ごめんなさい……。あなたたちの戦いを無駄にして、本当にごめんな
さい……)
知らぬ間にルシエンはカードを抱いたまま涙を流していた。ぽつりぽつりと涙は彼女の
肌を濡らしていった。
ルシエンは裏切ったのだ。神を、十六年間の自分を、忠ある下僕たちを。
私はあの方に、背信者に、ジェミナイに抱かれたのだ。愛を囁いたのだ。
辱められただけならまだしもルシエンは自ら、はしたない声をあげ、彼にしがみ付き、
足を絡め、心の底からジェミナイを受け入れてしまっていたのだ。
(……もう一つは……紅い、アネモネの花)
カードは枕の下に潜り込ませて、ルシエンは可憐に咲き誇るその花を手に取るとしば
らく眺めていた。ふと気付き、ルシエンが思わずもう一度頬を紅く染める。
――彼も本気だったのだ。
彼の言葉を疑っていたわけではない。信じていなかったわけじゃない。ただ、あまりに
も変わってしまった彼の事を恐れ、不安に思い、疑心を持っていた事もまた紛れようも無
い事実であった。
預言者、賢者としてのルシエンと背信者、神殺しとしてのジェミナイ。一組の男女として
の私とあの方。
二つの矛盾した関係。決して同時には成り立たない関係。
ルシエンが可憐な花もまた胸に抱く。
――私はどうしたらいいのだろう。
下腹部の痛みはじくじくと彼女をさいなみ、まるで彼女を追い立てているようだった。
352 :
171:05/02/22 01:34:04 ID:hUnRveUW
――続く――
長々とスレを占領してしまい申し訳ないです。
実は、今回投下分で終わる予定だったのですが
>>327の書き込みを見て、
「なんで、ルシエンとジェミナイは実は、生き別れの姉弟って
いう話の筋がわかったんだろ……」
と早とちりして話を書き換えていたら、どんどん長くなってしまったのです。
それでは次回も読んでいただけると嬉しいです。さようなら。
こ、これからどうなってしまうのか!!
ところで、以前に171氏と地王が似ているてt書いた者ですが、
やはりそれぞれ個性がありますね・・・
そして、どちらにも代えがたいものがあります。
どうぞこれからも我々を楽しませて下さいませ・・・
上品なエロも(・∀・)イイ!!
ここからどう結末を迎えるのか・・・・・・楽しみにしております。
捕囚
人、いないね……。
( ´д`) イルヨー
|・∀・)
359 :
ブリンクス:05/03/02 23:20:24 ID:L5FBznAg
,-、 ,.-、
./:::::\ /::::::ヽ
/::::::::::::;ゝ--──-- 、._/::::::::::::::|
/,.-‐''"´ \:::::::::::|
/ ヽ、::::|
/ ヽ|
l l
.| ● | いるにゃん
l , , , ● l
` 、 (_人__丿 、、、 /
`ー 、__ /
/`'''ー‐‐──‐‐‐┬'''""´
夢見るままに待ちいたり
ドエロなSSも、激萌えのSSもある。
こんな夜は、ぼじゃノロイさんに会いたい。
カルド対戦したい。
うちのCPUルシエン様が、ヘビーローテーションで息も絶え絶えなので、
対人戦でもやって休ませてやりたい。
そこでセレナとナジャランをいれて乱こ…じゃなくて
多人数対戦をすればいいんだよ
ナジャランかミュリンかが究極の選択だな。
とにかく362よ、休ませる必要は無いさ。我らがルシエン様は底無しでいらっしゃる。
ところで、このスレでエロネタにされてないセカンド女キャラって、ナジャランくらいか?
あの性格だと、和姦じゃギャグになっちゃいそうだし、強姦だと悲惨すぎるしなあ・・・・・・
あとは住民の趣味が、グラマー路線(?)だからか。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 スパッツ!スパッツ!
⊂彡
裾詰めてミニスカにして、スパッツ履いたルシエンがどうしたって!?
来たヴァー!!
畜生!濡れハーピーだよ!
けしからんことはなはだしい!!
こうした不死族っぷりが、ここの真骨頂ですな・・・
ぼじゃノロイさんはマイカルドのオフィシャルイラストレーターです。
「ハーピーでハッピー」というギャグを、書き込んでもいいものだろうか。
>>370 許されざる行為のうえ、
すでに書き込んでやがる。
誰だ!レスの内容をバニシングレイした奴は!
SUMANU
ふむ。初期BOOKでストーリークリアできないと見れないということだな。
383 :
名無しさん@ピンキー:05/03/15 19:10:33 ID:IKvxVsum
このスレを来たのは初めてです。
ハズれ無しの神々に、感動しました。
それで、できればで良いので、リクを・・・
私はルシエン様を心より愛しておりますが、
同時に大のカルドラ様信者です(特に漫画版)。
神聖な女性が好きというのもありますが、
それが汚されるのはもっと大好きであります。
前スレでも既出ていましたが、カルドラ陵辱SS
というのは、投下されないものでしょうか?
もちろん、ただの無責任なリクですので、無視
して下さっても一向に構いません。
どうぞ、SSを書こうと思い立った神がいらっしゃ
御一考していただきたく思うばかりです。れば、
すみません、最後の行は
×御一考していただきたく思うばかりです。れば、
○れば、御一考していただきたく思うばかりです。
でお願い致します・・・
スレ汚し、失礼致しました・・・
コッソリドウーイ
俺はオバコンじゃないから
同意しとくぜ!!
388 :
安打陰:05/03/20 12:56:08 ID:wQF8hCPw
記憶の途切れている夜がある。
今のこの深い霧は、おそらくそこが境目で。
寝食を共にする者たちも、同じ霧に包まれていて。
そして、きっと、我が主が、最も深い霧の中。
今の記憶の始まりは、喋るアーティファクトを連れた青年が、アトラ山の頂上で我
が主が神託を人々に告げる場であるこの神殿に現れてからだ。私はこの神殿で、歴代
の預言者ルシエンの名を受け継いでいる我が主に仕えている。表向きは一般的にいう
侍女だが、ルシエン様に仕える者は、この世界を構築する事象の中でも数少ない、特
殊な能力を持った女性に限られていた。武術に長けた者、木々と会話する精霊の化身、
この神殿よりさらに空高くを自在に舞う者。
私は人の運命を垣間見ることができる。この能力をして、主の手を煩わせるほどで
はない些細な未来を人々に与えていた。ここには、不確かで些細な未来を少しでも見
通したいと、日々多くの者が訪れる。そのようなときに、ルシエン様に仕えながら修
行したのだと方便をふるまいながら、その者の運命を言霊に籠めて渡していたのだっ
た。
389 :
安打陰:05/03/20 12:57:42 ID:wQF8hCPw
私はいつも考える。運命を知ったところで一体どうするのか。私が垣間見ているそ
の者の運命は、神による絶対的な決定ではなく、その者の過去と現在から導き出され
る予定調和である。現在はいつも一瞬で、こうしている間にも刻一刻と姿を変えてい
る。だから、全ては調和でありながらも、この姿を変える現在にその者自らが働きか
ければ、その行為によって望まない未来を変えることが可能なのだ。しかし、それに
気付いている者は少ない。未来が確かなものであるという事実こそがその者たちの安
息であり、そのような者にとっては未来は甘んじて受け入れるものであるからだ。私
は未来は変えられるものであると知っているが、それを人々に伝える術を持たない。
それを言霊に籠めることは、この能力の消失を意味するのだ。
そして私は、深い霧に包まれた我が主と、それに仕える自らの運命が、闇であるか
光であるか判別できないでいる。
390 :
安打陰:05/03/20 12:58:45 ID:wQF8hCPw
◆◇◆
「ファーレン、入りますよ」
主の声だ。私の部屋へ主が顔を見せたのは、夜も更け、侍女も見回りの者を残して
皆眠りにつこうかという頃である。私は今となっては驚かなかった。ここ数日はいつ
もこの時間に主の訪問を受けている。
主は軽くドアを開け私が部屋にいることを確認すると、返事を聞く前に部屋の中に
入り、ドアを閉め鍵をかけた。
私は無言で主の訪れを待っていたのである。待ち続けなければならないほどこれか
らの事は儀式的になっていた。ベッドに腰掛けていた私は、主の姿が目に入ると立ち
上がって迎えた。主が私に近づく。私は寝巻きではなく普段の務めのときに着ている
紺のシルクサテンのワンピースのままで、主が私の前に着く前に首の後ろに手を回し
て留めを外した。腕を下ろすと、前身ごろが首部分と胸の装飾の重さで前に折れ、胸
を全て露にする形となった。いつしか私と距離を縮めた主は主自身も普段の法衣のま
まで、私の胸に視線を注いでいた。主は私より頭半分ほど背が高い。胸に視線を感じ
て顔を上げることがためらわれた私には、主の表情は分からなかった。私はうつむい
たまま、さらにワンピースに手をかけ全てをさらけ出した。いや、まだ全てではなか
った。前髪を押さえる髪飾り、肘まで覆う長い手袋と二の腕の飾り、そして腰と局部
を包む下着だけは残していた。
主はそこまで身を整えた私に、準備はできたというように、肩に手を置いて声をか
けた。
「ファーレン、あなたは賢い子ですね。賢いあなたには、この次にどうすればよいか
分かっていますね?」
「はい、ルシエン様。……失礼します」
391 :
安打陰:05/03/20 12:59:41 ID:wQF8hCPw
私は主の法衣に手をかけ、胸の右側をはだけさせた。あまりにも堂々と法衣の隙間
から見える胸の谷間から予想できるとおりの乳房が、窮屈そうにたわんだのちに姿を
現した。その中心で、褐色の乳首が萌芽を待つ種のようなおとなしさで膨らんでいた。
私は自分の両胸をすくい、自分の乳首を主の乳首と同じぐらいの高さまで持ち上げ、
乳頭同士を絡めた。
「……っ」
行為を意識している私には、それだけで胸から全身へと甘い疼きが広がり、歓喜に
も困惑にも似た声が漏れそうになる。しかし今は与える側で、あくまでも冷静でいる
必要があった。私は甘い疼きに抵抗しているそぶりさえ見せないようにして主の芽生
えを促し続けた。乳房を押し付けた。乳輪をなぞった。乳頭をさらに絡め合わせた。
主の乳頭の中心に自分の乳頭をあてがい、窪みの中心の筋を剥くように回した。主の
乳首は徐々に血色を帯びてきて、その血が先端をきつく、硬くそそり立たせていた。
主の身体にもあの甘い疼きが広がっているのか、それはしっとりと汗ばみ、ねっとり
と芳香を漂わせ、また吐息は耳を立てる必要もないほど荒くなっていた。そして、そ
れは私も同様だった。私の乳首も硬くなっているのが、見た目にも、主の乳首と触れ
合う感触でも分かる。隠してきた恍惚感が、私を身体の内側から愛撫し、私はそれに
耐え切れず腰を振るわせた。
392 :
安打陰:05/03/20 13:00:39 ID:wQF8hCPw
その震えを見て、主の手が私の下着を引き上げた。女陰が生み出す蜜が流れるのを
抑えていた布が、溜まった蜜を含んでそこに張り付く。布地はひんやりとねっとりと
私を外側から辱めていった。染み出した蜜が下着の色を変える。主が色の変わった箇
所に指を這わせると、蜜はその指にまで絡みついた。
「ファーレン、あなた、随分と……」
「も、申し訳ありません」
「私の前だというのに、こんなにも淫らに濡らしてしまうなんて」
主の指は、濡れて透けて食い込んだ下着とともに私の辱めへ加わった。下着越しの
主の指が、私の襞を、入り口を、少し離れたつぼみを撫でる。私はすっかり歓喜に震
えて膝を折り床に寝そべった。主は私の下着を取り外しにかかる。蜜が布地と女陰と
の間で糸を引き、太腿を汚した。そして主は、ひくひくと歓喜の脈動を繰り返す女陰
を、蜜まみれの指で外から内から掻き回した。私の深みから秘められた喜びを引き出
すように。その深みで何かが生まれる。熱が全身を沸騰させる。身体が反れる。力が
こもる。張り詰める。思考が止まる。脳裏を何か得体の知れない物が覆いつくして、
何か、来る。過去数回のこの儀式で、主に覚え込ませられた、あの――
393 :
安打陰:05/03/20 13:01:35 ID:wQF8hCPw
「んんうあぁああんっっ!」
弾けた。私は思いもよらぬほどの嬌声を上げ、主を置き去りにして目の眩むような
光の中に堕ちていった。蜜を垂れ流していた箇所がびくびく、ぱくぱくと開閉を繰り
返し、新たに作られた蜜を惜しげもなく溢れさせた。私は独りで自分の作り出した波
に激しく揺られながら、やがて消えてゆく恍惚の光をただただ全身で味わっていた。
そんな中で、忘れかけていた主が存在を示した。主のいるところはあの光が射さず、
表情がよく見えない。主が近づく。ああそうだ、私の仕えるべき主だ。どこか冷静な
主の声が私に届く。
「ふふ、すっかり絶頂の味を覚えてしまって……おいしい? ファーレン、かわいら
しいこと」
「……ルシエン様、おいし、です、私、こんな、やらしくて……」
恍惚の表情が抜けきらない私の髪を、主は軽く、優しく撫でた。主の柔らかな笑み
が私に注がれる。ここ数日、日の当たるときには見なかった表情。これが見れるなら、
私はいくら淫靡な高揚で辱められようとも構わなかった。
394 :
安打陰:05/03/20 13:02:36 ID:wQF8hCPw
もうすぐ、いつもの儀式は幕を閉じる。あとは、私が立ち上がって主の崩れた服装
を整えてやるだけだ。絶頂の余韻でほとんど動かない身体をどうにか起こそうと、顔
を主のほうに向けた。しかし、今日は主がそれを制した。
「もう少し、遊びましょう」
主はそう言って、うつ伏せになったままの私の両手を背中に回し、私の手袋を脱が
してそれで手首を縛った。次に足を掴み、膝をつき腰を上げるよう命じた。汗と自分
の流した蜜とでぬらぬらにべとついている太腿の内側に指を這わせて足を開かせると、
私の秘所に熱気を失いかけている空気が届き、そこを軽く冷やす。主の指は私の秘所
ではなく下腹部へと移っていた。私は身震いした。私は過去数回、この淫らな儀式の
あとに、決まって尿意をもよおしていた。高まった身体が冷えるせいなのか、緊張と
弛緩が呼ぶのか、はたまた単に排泄の周期と重なっているだけなのかは不明だが、と
にかくその生理的欲求が身体を襲う。
「今日は、問題ないのかしら」
「ルシエン様、そこは、おやめください……」
私は主の手から逃げようと身をよじりながら、かすかな声を絞り出して要求した。
同時にそれは、主の言うところの問題を、私が今回も抱えていることを示した。主の
口角が上がる。
「そうなの、そうだろうと思っていました」
下腹部を、優しく優しく撫でながら。
「今日は、ここでしておしまいなさい」
395 :
安打陰:05/03/20 13:03:28 ID:wQF8hCPw
命令だった。主は私に動物の原始的な欲求をむき出しにする瞬間を見せつけろと言
うのだ。まだ主の口調は柔らかい。私は必死でこの状況を回避する道を探した。
「……でも、それでは、床が汚れてしまいます」
そう言うと、主はそれもそうね、と考えたのち、肩にかけているグリーンのロング
ストールを外し、幾層にも折り畳んで、私の足の間に敷いた。
「ここにしなさいな。これなら床は汚れませんよ」
もう逃げ場はなかった。唯一の問題を主自らが解消した今、私は主の命令を忠実に
聞くより他はなくなった。かくして私は、忠誠心と自尊心と羞恥心を耐え難い生理的
欲求の元に戦わせることになった。一部とはいえ主の法衣を便器代わりにして。
私は耐えていた。主の手は、私がはしたなく動物に戻るときを待ち焦がれ、急かす
ように私の下腹部と尿道口とをいじくり続けている。ほんの数分前に甘い堕落を与え
られた箇所は、そこで挟んでいる尿道口への苦い刺激で、すでにあのときの快感を忘
れ去っていた。もう片方の主の手は、私の下腹部を時に四本の指先でゆっくりと這い
ずり回り、時に手のひらで押した。膀胱は役目を終えた水分を蓄えてぱんぱんに膨れ
ていた。痛い。私はここまで排泄を我慢する必要があるのか。我慢することをやめる
だけで私は苦痛から解放され、主の命令を果たすことができる。それなのにその一線
を踏み越えることを理性が必死で食い止めている。しかしそれももう限界に近く、身
体ががくがくと痙攣していた。主はこの行為に飽きないだろうか。理性の糸をそんな
かすかな望みで繋いでいた。
ふっ、と主の手が離れた。
396 :
安打陰:05/03/20 13:04:13 ID:wQF8hCPw
パァァァァァン!
「ひいっ!」
ちょろっ……プシュッ! しゃぁぁぁぁ……
他でもない主の手が私の尻を叩き、限界まで細く伸びた理性の糸がついに断ち切ら
れた。力が抜ける。本能の解放を全身で求めた私の身体は、ようやく手に入った大い
なる原始的な快感に身を委ね続けた。鼻をつく臭気が後方から辺り一面に充満する。
はしたない音が何か軟らかいものに注がれている。あの主のストールだ。私は床など
よりもはるかに大切な主の法衣に排泄していた。ストールがたっぷりと水分を含み、
部屋に響く音が水が跳ねる鈍い音に変わったとき、私は背徳感と嫌悪感と羞恥心とが
ない交ぜになって、知らずのうちに泣いていた。それでも身体はあの快感をむさぼっ
て、満足げに口の端から唾液を流している。後方で一部始終を見届けた主が私の視界
に入ってきた。視線を合わせるようにしゃがんで私の顔に手を伸ばす。
主は私の口元からだらしなくあふれる唾液を指に取り、
「ファーレン、どうしてしまったのです? ファーレン?」
閉じることを忘れた私の口腔内を弄ぶ。
「る、るしえんさま、わ、わたし」
すでに私の唾液まみれの主の指を舐めながら。
「ご……めん、な、さ……わたし、お、おしっ……あ……きも、ちいー、です……」
397 :
安打陰:05/03/20 13:04:56 ID:wQF8hCPw
◆◇◆
この記憶の始まりを作った青年は、その後幾度も神殿に訪れた。少しずつ、我が主
に笑顔が生まれていた。深かった霧が徐々に晴れてきているのが分かる。完全に晴れ
るには時間と外部からの力が必要であるが、この青年がその力の持ち主であり途切れ
ている記憶を呼び戻す鍵であると、私の能力が告げている。青年はルシエン様と直々
にお会いになるため、私は神殿の門で送迎をするのみでそれ以上の接触は持たないが、
私は青年の無事を祈り、今青年とルシエン様との間に見える運命を待ち望んでいた。
しかし今はまだ霧は残っているのだ。霧の向こうに隠された光と対になる闇が主を
通じて具現化したときに、解放して消し去ってしまう必要はまだ常に付きまとってい
た。その手段があの淫靡な高揚で、主の闇を受け取りながら高揚に囚われることなく
自らを保つのは、侍女として選ばれ仕えている者の役目であった。本当は、手段は何
も一つではないのだ。しかし主はそれしか望まなかった。おそらく、今はない記憶が
そうさせるのだろう。ならば私は従者として、闇を恍惚を堕落を恥辱を、霧が完全に
晴れるまで主に代わって一手に引き受けるのみである。
私は、人の運命を垣間見ることができる。しかし、運命を変える術は、持たない。
398 :
安打陰:05/03/20 13:07:38 ID:wQF8hCPw
399 :
遅王:05/03/20 15:36:49 ID:Xqb6QBAC
素晴らしゅうございます。
美しい雰囲気と、品のある濡れ場に唸らされます。
御本を出されるようで、どうにか時間を作って入手に向かいたく思います。
投下直後で恐縮ですが、拙作も今日明日中には投下できそうな見込みです。
他の方々に比べ、随分と浮いている内容になりつつありますが、どうぞ御海容下さい。
イ(・∀・)イ!!
401 :
遅王:2005/03/21(月) 20:25:19 ID:jCqCX146
クラリスについて少女らしきものがどうにか理解したのは、これがサキュバスではないということだった。
カルドセプトに記されたサキュバスとは違う。一枚目の挿絵とは、特徴においてそう異ならない。存在
を規定する、二枚目の記述にも沿っている。
「クラリスさん、そろそろ行きましょう」
「あ」
だがおそらく、三枚目の解説。それが問題だ。
「道化が食われる前に行きましょう、食べられるところが見たいですもの」
「ええ……ええ」
予想が正しければ、この尼僧は己と同じ構造だ。ただ、それが人為的なものであるだけで。
「ほら、しっかり立って」
頭をいじられたせいで、クラリスの足がふらついている。腕を取ってやりながら、バルダンダースは考
えていた。口を裂いて吊り上げながら、楽しく考えていた。
黒幕がいる。ジェミナイを含めた全ての闇に、母たる暗黒がいる。
402 :
遅王:2005/03/21(月) 20:26:15 ID:jCqCX146
破壊の女神は、聖堂で膨れていた。
ジェミナイは、己が身の変貌に、恐れを抱こうとしたが、それは叶わぬ望みだった。恍惚の侵食と戦い
ながら、選択の正しさを疑う。地下牢にいるはずの、あの暗黒について考える。
あの闇がいなければ、ソルタリアを愛せたかもしれない。あの囁きに耳をふさげば、ルシエンを愛さず
に済んだかもしれない。あの穴を覗かなければ、自分を愛していられたかもしれない。
あれとルシエンが出会うことはあるのだろうか。そしてあの暗黒、大いなるダゴン、ジャッジメントという
妄執、そして内なる淫婦、それら全てを全て打ち負かし、私と滅びを競う時が訪れるのだろうか。
賢者のように、未来を見れば分かることかもしれない。しかし、彼女はそれをしないからこそジェミナイ
であり、それゆえに今、神を模した人の身を捨てようとしているのだ。
再び、まどろむ。
暗黒が目覚め、闇を吐き出す。
403 :
遅王:2005/03/21(月) 20:28:44 ID:jCqCX146
陥落した聖女は、汗の海に浮かびながら胸を上下させ、光を恐れるかのように腕で目を覆い、荒い息
を整えようとしていた。
「そろそろ、かしらね?」
そろそろ──頃合なのはルシエンの体で、我慢できないのが先代の肉だった。汁を含んで貼り付いた
弟子の下着に手をかけて、股下まで引き下ろす。布地と襞が離れるときに、べちべちと音が鳴る。
現れた秘所は、粘つく膜に覆われ、膨れ、少なくない恥毛が堕落の紋章を形作っていた。
「う、ふ……ルシエンの襞々、ぬちゃぬちゃって、蠢いてるわよ」
弓手で汚れた白布を押さえながら、馬手で穢れた女陰を愛でる。刃も通らぬほどに滑る唇へ指を這
わせ、ほう、と感嘆の息を漏らし、肉の芽を弄ぶ。
「ひ、ふ! だ、だめです」
「布越しであれだったものね。直接なら狂っちゃうかしら」
「痺れて、きて……や、あぅ」
「皮もほとんど剥けてるし、そろそろ解放されたい?」
解放、という師の言葉が意味するところを、溶けかけた頭で理解することができず、それでも単語の
響きに誘われて、賢者は何度も首肯する。
「そうね、じゃあ、そうしましょうか」
顔を近づけ、口を開け、舌で探った後、歯で噛んだ。
404 :
遅王:2005/03/21(月) 20:30:32 ID:jCqCX146
異変を感じたバルダンダースは、それを表情に表すことはしなかった。普段であればこの怪物は、そ
うした無意味なことに気を配るのを好んでいるのだが、今回ばかりは頭を回すのに必死だった。
クラリスと歩き出してから数歩、体を襲ったこの感覚は、自分の存在が侵されていることを示している。
「どうしたの?」
数歩前とは逆に、サキュバスが気遣ってきた。化物はその目を覗き込んでみたが、異変の原因がそ
こに無いことを確認しただけだった。
痛み、快楽、そうしたものが流れ込んでくる。これはどうしたことだろうか。私の体には、どこにも異変
はない。手も足も、頭も胴も、どこも、ああしまった──リ・リ!
気付くまでに二呼吸を要し、事態は手遅れになっていた。
「ルシエンさまの中……か。油断しました」
膝を突き、崩れ落ち、震えながら霞と消える少女を、尼僧は息を呑んで見つめ続けていた。
405 :
遅王:2005/03/21(月) 20:32:59 ID:jCqCX146
「ひ、ぐ、あはあっ!」
ルシエンの絶叫は心地よかったが、それに溺れて肉芽を離すわけにはいかない。今を逃せば、バル
ダンダースは二度と出て来ないだろう。ありったけの呪を前歯に込め、先代ルシエンは闘争していた。
この状況でも快楽を感じ、溢れされ、身悶えている淫乱聖女には、あとでたっぷり楽しませてもらうとし
よう──それだけの時間が、自分に残されていれば。
「う、む、むぶっ!」
呪が染みたのを感じ、全力で顎を引く。常人であればちぎれてしまうほどの力が、預言者の芽にかけ
られる。しかしその宝石は、台座から外れようとはしなかった。
「ん、い、いいです、私のそこ、とっても……!」
苦労も知らずに嬌声を上げるルシエンに、やれやれと呆れつつも、先代は最後の力を込め、弟子の
腿に指を食い込ませながら、体ごと引いた。
「いっ、いい、ああ!」
たたらを踏み、冷たい床に尻を付いた先代は、どうにか体を起こし、寝台の上のルシエンを見た。目
に入ったのは、だらしなく開かれた肉付きの良い両足と、その間でやはりだらしなく開かれた秘所、そし
てそそり立つ、先代にもあまり馴染みのない、男性器だった。
やりとげたことに、満足の笑みが浮かぶ。
「はじめまして、バルダンダース」
406 :
遅王:2005/03/21(月) 20:33:42 ID:jCqCX146
元は同一の肉体とはいえ、それを辿って本体を引き寄せるなど、並のセプターにできることではない。
近似要素による三段論法的召喚は、魔術の基本ではあるとはいえ。
──やるものです、ここの人間も。
まもなく自分も、カードへと封じられることになるのだろう。奉仕する立場に回るのは久しぶりだが、そ
れもまた良いかもしれない。長い時間は御免だが、この乱痴気騒ぎが終わるまで、ルシエンさまと一緒
にいるのも面白いことだろう。
暗黒の母を見たい、クラリスを貶めた者を見たい、ジェミナイの正体を見たい。
いいでしょう、しばしの従属を誓っても。
それに、ここは心地良い。
407 :
遅王:2005/03/21(月) 20:35:10 ID:jCqCX146
「ルシエン、起きなさい、ほら」
先代に起こされ、ルシエンは引き戻された。股間の違和感には覚えがあり、恐る恐る目をやると、や
はりあの肉棒が生えていた。
「あ、は……こんな、私」
羞恥に股を隠そうと思ったが、触れるのもおぞましく、両手で顔を覆った。腰を捻って師の視線から外
そうとするが、力の入らない脚を押さえ込まれ、腹をよじるばかりだった。
「恥ずかし、やだ、ほんと、うに」
「そう、恥ずかしいわね、でも萎えないわね。好きなのね、これ」
否定する根拠はどこにもなく、事実これを使い、ミュリン相手に快楽を貪ったものだが、それを認める
のには抵抗があった。なので、無言を選ぶことにする。
「しっかりしなさい。これを出すのが、目的だったでしょう」
そこで初めて思い出す。
「そう、そうでした……ありがとうございます」
「では、これを、カードに封じるわね」
言い、手をかざし、術を行う。その動作が緩やかすぎることに、ルシエンは気付けなかった。残り火は、
熟れた肉をなかなか冷ましてはくれない。
「あの、先代!」
408 :
遅王:2005/03/21(月) 20:37:23 ID:jCqCX146
とりあえず声をかけてみた。しかし
「どうかしたの?」
と返されては、
「いえ……すみません」
と引き下がるしかなかった。
術が進む。どうすればいいのかもわからず、聖女は己の肉棒を見つめていた。如何なる修辞であろう
と、この望みを包みきれるものではない。口に出す以上、浅ましい自分を認めざるをえない。
「あのっ」
ままよ、と再び。先代は顔を上げるが、言葉は無い。
「私、その、それを」
首を傾げる師の、意図を汲んで覚悟を決めて、預言者は続ける。
「私の肉棒を、使って、もう少し……先代と」
目元には軽蔑と愉悦、口元には母の笑み、ルシエンの望み通りの表情で、先代は術を止める。これ
まではバルダンダースの召喚のために責め立てていたが、弟子はもしや本当に、被虐に溺れる、底無
しの淫売であるのかもしれない。
「アトラの面汚しね、変態聖女」
言われ、涙を溜め、腰をくねらせる。先端からは濃い蜜が漏れ出し、器官全体を鈍く輝かせていた。
409 :
遅王:2005/03/21(月) 20:38:25 ID:jCqCX146
「でも、時間はあまり無いのよ。とろけた頭で、思い出せる?」
「やっ、あ……覚えています、分かっております、でも」
これほど欲情を誘う賢者が、かつてこのカルドラ世界にいただろうか、と先代はルシエンの痴態を眺
めつつ考える。清らかで聖なる、肉の奴隷。
「だから、前置きは無しよ。それに、これ一度きり」
膝で立ち、裾を上げ、二枚の唇を分けてみせるドッペルゲンガー。セプターはここで初めて、師が肌着
をつけていないのを知った。
「一度……きり」
「そう、これで最後」
「お別れ、ですか?」
「二度目のね」
己と同じ粘液が、己と同じ太股を伝っている。指で広げられた女陰から、淫らな汁が湧き出している。
「どうしても、ですか」
「するの、しないの?」
「先代っ」
腿を、尻を、指が埋まるほどに強く握り、引き寄せる。聖女の欲望を聖母が導き、かくて二人は結合を
果たした。
410 :
遅王:2005/03/21(月) 20:46:28 ID:jCqCX146
どうにか更新できました、ダークマスターです。
どうにも暇が取れず、間を空けての更新となってしまいました。
年内の完結を目指し、ペースを上げていきたく存じます。
今日は、行き詰まりを感じたので、衝動的に上野で降り、魂の故郷である
国立科学博物館へ行ってきました。
すると、一昨日から「恐竜博2005」なるものが行われており、至福の一時を
過ごすことができました。
ここで得たイマジネーションを拙文に生かしたいものですが、そうすると
ますます濡れ場の比重が少なくなりそうです。
こっそりやります。
では、なるべく早い更新を目指し、予定を調整してまいりますので、これか
らもお付き合い頂ければ幸いです。
余所見してたら、神が連続後輪なさってたとは!!
もう最高すぎて踊り死にそうですよ!!
>安打陰氏
フェイトへの熱い情熱が伝わってまいりました。
いっそ主人公を差し置いて、二人に結ばれて欲しいものです。
いやむしろ、強く希望したい!!
同人誌、ぜひぜひ欲しいのですが、東京に出るのは難しいです・・・でも、可能なかぎりゲットしようと思いますです。
フェイトとのラブっぷりも、ぼじゃノロイ氏のイラストも、気になりすぎてしょうがないです!!
>地王氏
何というか・・・本当に、タダで読ませてもらっているのが申し訳ないのですが。
完結なさったら(して欲しくない気もするのですが)、本にまとめてみるとかどうでしょうか?
挿絵つきで単行本サイズとか・・・夢見てすいません・・・
今後の展開も、果てしなく楽しみにしております。
スケベな情景描写だなあ・・・・肉感がある。
「スー」はどうでしたか?>恐竜博
「来た、見た、勃った」
───カエサル
熱烈保守
171氏の続きを気にします。
フェイト、次に神が降臨するのはいつか、未来視してくれ!!
417 :
フェイト:2005/03/30(水) 23:54:10 ID:f4iG5C/f
今週末に、五分五分で降臨なされる未来が見えます
五分五分かよ!
つまりあれですか、分からな……
(ビクッ)
……い方が、未来は楽しみであると、そういうことですね!
いやあ深い、深いですな!!
よし! フェイトの未来視に従って、今からssを投下します。
拙作ですが、読んで頂けると嬉しいです。
まさか、エイプr
今日中に、少量でも更新できればいいなと考えています。
濡れ場はあまり多くありませんが、ご容赦下さい。
どれだけ長く剣を振るおうと、どれほど深く影を裂こうとも、シュベルトライテを取り巻く闇は晴れなかっ
た。汗で重くなる瞼を拭い、周囲を見渡す。そこに見えたのは絶望で、それは無数の黒い手だった。
「静粛に、静粛に」
兜を脱いで正しかったと、剣の子は思う。これで視界が狭められていれば、たちまち己は静粛にさせ
られていただろう。揃えられた銀髪を振り、雫を払う。
「席に、席に」
影という影から伸び来る手は、生娘のように細くしなやかだったが、夜より暗く、槍より長く、蛇のよう
に素早かった。
幾百の腕を切り落とそうと、墨のように溶け落ち、混ざり、立ち上がる。戦乙女の全身は痺れ、焼ける
ほどの熱を持っていた。鈍った動きに、手がつけこみはじめ、鞭で打つように素早く、しかし嬰児を撫で
るように優しく、手の平や指先が触れる。
──しまった。
体が重い、そのことに気付いた時には、脚を絡ませていた。瞬きするよりも早く体勢を立て直すが、そ
の間にも、幾度も接触を受けていた。
──自由を奪い、嬲るつもりか。軽く見られたものだ。
更に重くなった体に喝を入れ、長い両脚の全てを使い、地を蹴る。一点に集中していた手から距離を
取り、僅かな余裕を作り出す。
これが最後の攻勢になるだろうと、戦いの女神には分かっていた。
ゆらめく審問官らに応じ、壁を背負った被告に向けて、数限りない黒の手が鎌首をもたげる。半円を
描く山脈のような席らが隠れる、それは高波となっていた。
「化生がっ!」
恐れを声で散らし、バルキリーは剣に封じられた炎の王を解き放った。刃が燃え、踊り、弾ける。神を
焼くために生み出された破壊の魔王、フレイムロードがシュベルトライテと並び立った。
「魔だ、王だ」
「汚れた炎だ」
「静粛に」
遥かな天井を焦がさんばかりの巨体は、ジャッジメントに一驚を喫せしめた。戦乙女は剣を水平に構
えると、その切先に闘志を集中させる。ただ一度きりの助力を終えれば、魔王はその契約を果たし、己
の世界へと帰るだろう。
機会は一刀、敵は束。
「炎の主よ、亡霊どもに熱と死を与えよう。神すら灰燼に帰すその灼熱を、今こそこの世に現そう」
解放された歓び、力を振るう喜び、真の自由を得る悦びに、巨躯が震える。神の名を借りた法廷に、
魔の炎を満たそうと、両の腕が広げられる。
シュベルトライテが腰を落とすと、魔王もその炎を赤から青へと変じた。
「バルキリーに、フレイムロード」
「及び、ここより地続きの、火の領域からの支援」
「加えて、この者はこれまでに、数多の者を斬っている」
「罪状はおそらく、百と六十は用意できよう」
ジャッジメントの間で交わされる囁きには、驚きはあっても恐れはない。しかし、ここで迷うことはでき
ない。石畳を踏みしめる足に力を溜め、剣の子は跳んだ。
「静粛に」
フレイムロードはその身を完全な炎と化し、シュベルトライテを護る鎧に、空を翔るための翼に、敵を
討つための刃となる。
「席に」
黒い波となった手らは、罪人に触れる前に溶かされ、落ちていく。矢となった戦乙女は、それらに注意
を払わずに、ただ一点、審問官らの中心にいる、長らしき者を目指していた。
「その首、頂くぞ!」
黒い腕が寄り集まり、一本の巨大な手を作り上げる。体ごと握り潰せそうなそれが、長の姿を隠しても、
バルキリーは止まらなかった。突き出した剣が手の平に刺さり、焼き、貫き、散らし、道を作り出す。
壁に刺さり、炎も失せた刃は、その半ばでジャッジメントの喉元を貫いていた。二つ角の黒頭巾と、髑
髏の仮面によって隠された頭が、ふうらりと揺れると、漆黒の法衣が内側から燃え始める。炎の王は剣
を離れ、長の中で荒れ狂っていた。
「終わったか……」
シュベルトライテは、その背中で、闇の手が全て、地に落ちて溶けるのを感じた。おそらく、この法廷そ
のものが一つの存在であり、その脳にあたるこの長を倒すことが唯一の勝機であるというのが、剣の子
の読みだった。
後の無い賭けではあったが、自分はそれに勝利したのだ、と安堵の息を吸おうとした瞬間、長が手を
伸ばす。
「こいつ、まだっ」
「おおよそは分かった」
バルキリーは、内より溢れ、仮面の隙間からも吹き出している炎が、黒衣の審問官に何ら破壊をもた
らしていないことに気付き、凍りついた。
ジャッジメントの手袋が、戦乙女の腕を握る。
「はな、せ!」
「それでは、そろそろ始めよう」
今やフレイムロードは、法衣の内側で滅びようとしていた。剣の子は恐れに強張り、冷汗に溺れかけ
ていた。
「では、席に」
逆らわねば、という思考を最後に、シュベルトライテの抵抗は終わった。
貫いた先代の体を、突き上げて揺らしながら、ルシエンは快楽を貪っていた。肩と踵と爪先で二人の
重さを支え、一心に交合を行う。
「先代、ああ、先代!」
「お、ふ、あはぁ……」
腰と尻が打ち合わされるたびに、びちゅ、どちゅ、と粘つく音がする。それが耳に届くたびに二人のル
シエンは肉を燃やし、脳を溶かした。
「ふ、う……先代、濡れすぎ、溢れすぎです」
「ん、く、でもね、ルシエン……これ、貴方の体なのよ」
「や、そんな、私、こんな──」
「──異常な淫乱女、なのよ」
「私、うそ、そんな」
浮かんだ聖女の尻肉から、半ば濁った粘液の糸が寝台へ垂れている。結合部から漏れ出す汁は、賢
者の知識にも無いほどの量になっていた。
「あ、ふ、神に見捨てられる日も、近いでしょうね、ルシエン。淫蕩な、あぐ、預言者様」
「わ、私、まだ、達しておりませんもの……先代なんて、さっきからずっと……だから、淫らなのは、私の
体じゃなくてっ」
「でも……私が幾度も気を、あっく、気をやっているのは、ルシエンの体のせいだし、貴女が果てていな
いのは、一度きりの交わりを、長く楽しむ……あう、ためなのでしょう?」
先代の指摘は的を射ていたので、ルシエンは言葉を返さずに、交合に集中した。触れ合っている肉は
まったく同じ温度であるがために、どこまでが己の体であるのかが分けられなくなっていく。
「い、ぐ、いい、熱い、凄くあつ、い」
ただ、鏡の交わりにおいてただ一つしか存在しないもの、二人を接続する陰茎だけが、熱かった。
「駄目です、もう、本当に、終わってしまいます、出してしまいます!」
聖女の弱音に、聖母は身を倒すと、腕を回して抱き締めた。胸を押し潰し合い、唇を重ね合い、唾液
を与え合う。
「ん、ぶ、あ……私、もう、抑えきれません」
「いいの、いいのよ、好きなだけ淫らに吠えなさい、ほら!」
「出します、ぐ、出ま、す! ルシエンから、汚い汁が、ねばねばした、濃くて、ぐちょぐちょの、あぐ、精が、
精液が、噴き出します!」
叫びと息を合わせ、肉欲が放たれた。細い管の中を、塊となった粘液が球のように連なって排出され
る衝撃が、預言者の脳を打つ。
「う、お、ああっ!」
「ああ、出てる、来てるわ、ルシエンの精液……」
「凄い、です、心が焼ける、頭が割れる」
射精に酔いながら、賢者は涙を流し、唾液を零し、汗を散らして腰を振り続けていた。そうすることに
よって、この行為に終わりが訪れず、師の体温にいつまでも包まれていられるかのように、祈りじみた
願いをもって突き続けた。
「まだ、まだ出るの、長いわ、いつまで……」
もちろんいつまでも。そう念じながら、ルシエンは体を入れ替え、師に覆いかぶさるようにして、腰だけ
を叩きつけ続ける。しかしいまや、排出の勢いは弱まり、肉管も萎えはじめていた。
「ね、そろそろ……んっ、いい、でしょう……?」
──嫌だ、もう少し、もっともっと、出し続けたい。
──せめて、この体が動かなくなるまで、射精し続けたい。
──お願い、まだ、終わらないで!
その声に応えるものが、己の中にいることを、セプターは忘れていた。
「ほら、もう……うっ、え、ちょっと、ルシエン?」
師は、弟子の異変を膣で知った。柔らかく萎びつつあった陰茎が膨れ始め、勢いよく粘液を撃ち出し
はじめる。
「あ、はぁ、よかった、まだ、出続けてますよ、先代」
目から正気が失せ、笑顔でぶつかってくる聖女に、聖母は恐れを抱いた。
「やだ、ちょっと、これ、おかしっ」
「ほら、ほら、ぶちゅぶちゅ、ぶじゅぶじゅ、溢れてきますよ」
うふ、と笑いながらルシエン。
「出てきますよ、いくらでも。どくどくって、びゅくびゅく、って……ほら、こう!」
腰を引くと、肉棒が跳ね、白く濁った汁を先代に浴びせかける。止め処なく噴き続ける精液に汚され、
先代の、ルシエンの体は火照り続ける。
「あ、あ、う」
「臭いですか、私の精液? もっともっと、注いでさしあげますね」
出すたびに、萎えるどころか膨れていく肉管を、再び沈める。あれほど溢れていた師の液を薄めて消
し去るほどに放たれた弟子の汁が、ぐじゅぐじゅと泡立って滑りを助ける。
「お、お! おあぁ、う、ふうっ!」
「私、気が、遠く……このまま気が途絶えるまで、こうして交わりましょう、ね、ね!」
「う、ぎ、あふ、ぐ、え……!」
先代と体液を交換し、汗で互いを輝かせ、己の似姿を汚し、ルシエンは狂気と幸福に心を任せ、苦し
みと快楽に溺れる肉体を、蹂躙し尽くした。
「死ぬ、死ぬ」
二度目の死を予言する先代に、預言者は、最後の記憶でこう言い放っていた。
「死ねばいいでしょう……ね、気持ちいいから、二人で死にましょう!」
お久しぶりです。
どのくらいが適当な更新ペースであるのか、見失っているダークマスターです。
>>411 それほどに評価して頂いて、恐悦至極です。
ただ、拙作程度では、わざわざ購入して下さる方がどれだけいらっしゃるのか……
加えて、現行の内容は、連載形式であるために、一本の物語としてはいびつなものです。
構成、配分、完成度等、見直すべきところが多々あります。
完結した後に、改めて考えさせて頂きます。
>>412 50/60を感じました。
確かにあの巨躯であれば、バ=アルを素で食い殺せそうです。
開催期間中、幾度か足を運ぶつもりです。
今日も行ってまいりました。
ではまた、できれば近いうちにお会いしたく存じます。
GJ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ノ[エクソシズム]
これが神というものか
ルシエン様もいいが、バルキリーを待つ拷問(エロ?)にも期待が高まる。
ところで、ローカルルールに変更があったが、
このスレはギリギリで作品スレかな?
セーフじゃね?投下された神作品らを見てると、バラエティに富んでるし。
甘ったるくてギトギトの、レズものが読みたい。
甘ったるくてギトギトのレズ・・・
このスレには、すでに結構あると思うが。
しかし、
>>437の意図が、「まだまだ足りねえ!」だったら、激しく同意だぜ!!
ル私怨
ルシ園
また、神々は休眠期かな?
くる時はまとめて来るけれど、来ない時は閑散と。
442 :
本スレ13:2005/04/20(水) 07:54:56 ID:x9S5mh45
ここに感動して定住しようかと思いましたが、年齢不足でした・・・
でもこれだけは言わせていただきたい。
「ルシエン、最高!!」と・・・
443 :
フェイト:2005/04/21(木) 00:38:04 ID:IDc1ZR/Z
誕生日を迎え、自家発電に耽っている貴方が見えます。
スレッドは逃げません。どうか先走らぬよう。
周回保守
シェラザード攻め、ニンフ受けキボンヌ
そりゃもうね、こちらとしてもね、嫌がらせのようなルシエロ絵が見たいですともよ!!(謎)
あと、地王の続きとか凄え待ってたりしますし(ヘビーローテーションでお世話になってます)、
新神とかきたら失禁したりしますよ!!3ガロンくらい。失禁ダイエット。
てなことを思う、独り酒。
分かるぜ。
あと、いたずらに水連鎖増やすなよ。
目覚めの回数が、日の数と同じではないここ暫くだったが、ルシエンは此度の覚醒こそ、半日の眠り
を経てのものであると確信していた。肉体の治癒、精神の平癒、預言者の肉体には活力が漲っていた。
己が絡み、体温を混ぜ合っている女を見る。半ば露になった柔肌がフェアリーライトを受けて浮かび
上がり、聖女の残り火に油を垂らす。
「そうでした、私、先代と……」
身を起こそうとすると、快感が賢者を刺した。肉の管は相変わらず、同じところより生え、同じところに
納まっていた。
にちゃ、むち──のろのろとした剥離音。威を取り戻したものを引き抜こうと軽く動かすだけで、音が
粘りが、その行為を阻んでくる。是非も無し、再び沈める。
「んっ」
肉の中は、ルシエンの最初の予想を否定していた。いまだに蜜の壷となっている秘所から考えるに、
自分が意識を失っていたのは、ほんの短い時間だったのだろうか。
「先代、起きて下さいませ。先代」
そろそろと理性が起き出してきた。快楽に身を任せ、アトラの賢者、聖峰の聖女とまで言われた己を
裏切ったことに、胸が圧される。ここが一人の寝所であるならば、涙で薄めてしまいたい出来事だった。
「先代」
しかし、これら全ては、果たすべき願いのためだ。汚れようと、汚れきりはしない。
まずはこの、行為の目的であり主役でもあった、肉の結晶を取り外そう。
「ふ……あぁ」
抜こうとした肉棒に、襞が引き摺られる。先ほどよりも強くなった接着を、ルシエンは訝しんだ。強く腰
を引こうとしても、最初からひとつなぎの肉体であるかのように、貼りついて離れない。
「これ、は……先代、先代?」
体を揺すっても、何も起きなかった。揺する、執拗に揺する。
「先代、どうなさったのですか、先代!」
まさか、と思ったその時に、頭がぐらんと転がった。胴とつながってはいるものの、筋肉の張りは首に
無く、人形じみた無抵抗で、死を示した。
──え、な、あ、うあ、なに、何です、これは何なのですか。
思考が背骨を失い、つながったまま、ルシエンは尻を床に付け、呆然とした。
自分が殺したのだろうか。激しすぎる性交が、師の命を奪ったのだろうか。死ねばいい、という繰言が
悪かったのだろうか。
──待って、待ちましょう、もう少し考えてみましょう、ルシエン。
そうだ、これはおかしい。明らかにおかしい。
──体温?
そうだった、師の中は温かく、それは死人ではない証だ。
──いや、ミュリンは温かかった。
では、ゾンビなのか。いや、それは外れた考えだ。動かぬからこそ、死を疑っているのだから。
──それに、死はすでに、先代を捕らえていた。
そう、あくまでもこれは、ドッペルゲンガーへの憑依だ。師の魂がこの器に、
──ああ!
恐ろしいことだが、理解した。
「先代さまの魂は、消え去りましたよ。ルシエンさま」
「ひっ」
突然の声に、息を呑む。あらぬ方へ首を捻りながら、それは笑顔で語りかけていた。
「どうなさいました? 私が、欲しかったんでしょ」
喉から、ルシエンの声で漏れるのは、冒涜的な鳴き声。
「バルダンダース……貴女、何を」
答えず、愉快そうに、怪物は、テケリ・リと笑った。
「答えなさい!」
この化物がしているのは、先代への侮辱だ。それを看過できようか。
しかし、ようやく応じたバルダンダースの言葉は、理に適ったものだった。
「何を怒ってるんですか? この肉体はドッペルゲンガーですし、姿はルシエンさまのものですし、何ひ
とつ先代さまを貶めることはしてませんのに」
「それはっ!」
そうなのだが。
「それに、先代さまを消耗させ、薄れさせ、消してしまったのは、淫らなルシエンさまですよ」
指摘され、怒りと羞恥と後悔で、血が上下する。それをさせたのは、体内の貴女ではないのか。それ
を望んだのは、私ではないのか。先代はもう、戻らない。
「先代さまには、ここの護りを少しでも長く保ち、ルシエンさまに大切なことを伝えようという考えがあった
のに、うふ、あんなに激しくまぐわうものだから……」
「黙りなさい!」
セプターに怒鳴りつけられたクリーチャーは、肩をすくめてみせる。
「賢者さま、何故そんなことを知っているのか、と聞いて下さらないと」
それもまたまったくの正論で、ルシエンは賢者としての自分を取り戻すために、ひとつ深呼吸をする。
少し考えれば、そこに不思議は無い。
「何故、とは聞きません。その体に残った、先代の記憶を盗み見たのですね」
「そうです、残り滓でしたけれど、いろいろ分かりましたよ」
聞きたいか、という話し振りに、頷かざるをえない自分を恥じた後、預言者は先を促した。
「時間も無いので、ここを切り抜けたらゆっくりお話ししますけど……ジェミナイを狂わせた者のこととか、
ある程度は。リ・リ」
その言葉が、ルシエンの頬を打った。
平静を保つのは難しく、またそれに割く心の余裕は無かった。肩を揺さぶり、ドッペルゲンガーの中に
言葉をぶつける。
「今、何と言いました! ジェミナイを、狂わせた者と」
「誰なのかは分かっていなかったようですよ、先代さまも」
主人となるべきセプターをけらけらと笑う。
「でも、その予想と、起こった事実、そしてルシエンさまの知恵があれば……と」
膝が震えた。しかし、考えなかったわけではない、信じなかったわけではない、彼女がジェミナイと化し
たその時、そうさせた者の存在を。
「さあさあ、まずは参りましょうよ、ルシエンさま」
ドッペルゲンガーの肉体は光の粒となって消え、ルシエンを狂わせた肉管も失せ、輝く霧の中に、あ
の少女が立った。
「ね、手にはカードがあり、敵が待っている。逃げる旅も、迷う旅も、もう折り返してしまいましょう」
動揺を抑える。思考を研ぐ。迷いを切り、視線を収束させる。
「わかりました。これからは帰り道です。因果の元へ向かい、この旅を終わらせましょう」
まったく時間が取れず、推敲不足の文をお見せするのも、それを言い訳するのも
見苦しいことなのですが、生存報告を兼ねて更新させて頂きました。
濡れ場も無く、消え入りたい心地です。
これから次の濡れ場までしばらく間が空いてしまいそうなので、そこまで書きため
てから、まとめて更新したく存じます。
面目ありません。
ゴールデンウィークも無く、ぼじゃノロイさんの御本を、入手する術がありません。
今度は是非に! と意気込んでいたのですが……無念です。無念です。
途中で切れてしまいました。
ともあれ皆様、身辺が片付くまで、末永い目で見守って頂ければ幸いです。
ではまた、ここで、必ず。
スレ的にはアウトでも、個人的にはエロ抜きでも嬉しいです・・・
地王のルシエン様は、スッゲエエロイのに、カッコイイのが痺れるです。
もしかしたら漏れ、バル子たんを愛しているのかも
地王の書き込み
>>453を見て、ぼじゃノロイ神のサイトに行ってみた…
俺も、無念です… orz
連休って美味しい?
カルドセプトをプレイする時って、常時半勃ちだよね?ね?ね?
久々にカルド2をやって、ここの存在を数ヶ月ぶりに思い出して来てみた
変わってなくていいなあ・・・・・・
まだまだこれからですよ。
462 :
マジレス:2005/05/12(木) 23:46:33 ID:N1/w/pLW
ログ整理中、ここの初代スレをナナメ読み
・・・・・・いた
2年以上前から、一作品を投下し続けている猛者が
599から、今と同じ腰の低さでひょっこりと登場してた
463 :
マジレス:2005/05/12(木) 23:47:42 ID:N1/w/pLW
l `t ,-、 _,,,..,.,,.,.,,,,__、
.、_j ~`しイ ) /"~ヾ"ニ==----‐''~ー‐- 、.
`-´ ノ"´ -‐'''ー=-、._ノ `ヽ、
i" Y i. \ i´~~\
S フ レ」 _,,..==、., ヽ :| \
ね `~ ノ /-=、r‐、`i ! ,.=-、 i
S (´ ノ  ̄`'" ノ i"r''>ノ .l
エ >K l `^",- ノノヽ~フ´ \
じ `ー、l ノ i彡-'"",イ" .. ̄~) ,;; ヽ.
: ,,..、ノノ | ィ,(::フ j.入ヾi l
: ゃ ノ l ; L ,ノ ノ^l;l,>,;;iilllllliii、_ .! SS=Short Story
: ゝ,y'、 /,,;ill!!''",,..=-、,ノll 't
: ,,...,, ノ l,,il'" j,イニ!ニ!=`iノ i
,,,、 ,__ヽ T l / l ノ ,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| l
.-っ ,-l;;;;i r''ヾ / .人 : ∧ ノ Y´;;;;;;;::r+ロ==ノ、 ,ノ
/ / 〉ノィ i、l i l ,! 〈 `ii~´l ̄,,, ノノ,) /
`''" l' ,,..-='''"'''''=ー-=、,_」 ノ ノ、 | j !入 ,/
,」-''" `ヽー-=、___;;; u l リ リ l _,,.,.,
,,i" `ゝヽー=、- \ j / u ノ、___,,.ィ"´ ̄
. ,i´ `i` `i、ヽ``ー―=''"tー-、`i、
/ l i ヽ、\ `ヽ| ゝ、 `i
,,、
,==) ヽ, ハ
,=''''"~´ ,/ ヒ
ノ ノ-、==、l ィ
`´iヲ i-i `i、 ィ
`'' ヽ l (
('") )
j'') (
V )
464 :
マジレス:2005/05/12(木) 23:51:41 ID:N1/w/pLW
ってな心境だ
いい意味で。
てか、物凄い待ってますので、どうか最後まで楽しませてください・・・・・・
(追記・投下の動機がぼじゃノロイ氏のイラストというのが不純で素敵です(笑)
マジレスといいながらのバキAA、実に汚い。
ビール飲みながら周回するものじゃないと実感させてもらっているよ。
__orz キーボードガスゴイコトニ
466 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 19:52:36 ID:xIjWBCGD
test
そろそろこのへんで、某じぇす氏でしょう。
古ういろう神を待つ俺をわすれてもらっちゃこまるぜ
安打陰氏は必ず戻ってくる。
いっそ全員、アポーツしてええ!!
漏れは、土水でセシルたんブックを作ったほどのヘビー109氏ファンですぜ!?
もちろんダークエルフ4積みでな!!
・・・・DC環境下で、風特攻4人ってさぁ・・・・OTL
471 :
保守er:2005/05/25(水) 23:50:56 ID:+Ro6zO1w
つ【バリケード】
>>470 水はブックワームのみか・・・
ヒドラ
ヒドラはルシエンのカードじゃなかったけ?
それにしても、467-470の流れで過去ログを読み直したけど
ここの神々はレベル高いと思った。未完結作品の続きが読みたいな……。
とうとうコミックでは萌えダゴンの登場が…
>>474 つまり、ルシエン様の究極目的とは
ズバリ“ょぅι゙ょ踊り喰い”でFA?
>>473 バルキリー萌えの当方は、109氏と地王氏の双方で寸止め食らってるんですよ。
あと、ょぅι゙ょに踊り喰われるルシエン様が読みたい、今日この頃
地王、今からでも遅くない、ダゴンをダゴンタンにするのだ!
アポーツワロタ
いやいや、やっぱ此処は濃いね。
今はあれだね。
作者達はパエティコインを稼ぐ為に
テレキネシスとボジャを配置、引き待ちだと思っておこうかな
つまりは、同人に力を入れてると。
>478
テレキネシスなど使われなくとも、こちらからHWで無理矢理そこに止まるのが基本でしょ。
>479
普通や短期決戦ではね
そりゃ基本だね
でも、俺はトリッキーなブックが好きなんだよ。グース入れたりね
…エロパロの話題じゃないなw
では作者達がまた戻ってくる事を祈りつつノシ
481 :
地王:2005/05/31(火) 01:28:53 ID:bL7RRRPj
手ぶらで恐縮の、ダークマスターです。
一週間の睡眠時間が、仕事時間の半分を切っていました。
>>478 ただひたすら、全てを投げうって、高速周回を続けている状態です。
応援して下さる皆様、有難う御座います。今を乗り切る支えになります。
ですが、更新はどう頑張っても6月末から7月頭になりそうです。御堪忍を。
早くコミックスを確認したいです。
それではまた。
なるほど、地王はほぼ終電生活か、大変だな・・・
・・・・・・
・・・と、待て待て、休日忘れてた!!
可能性1・休日が無くて、いつも忙しい
可能性2・休日はある・・・のに、やっぱりそのペース
どっちにしろ死ぬかもしれんペース・・・
お願いです、生きてくささい
続きが見れないとこっちが死にます
それより地王のID激スギ
フレイムタンハァハァ
コミック版のハードな奴を、書いて下さる神はおりませんか?
ナジャランなのか、キギなのか、ダゴンたんなのか。
それが問題だ。
□<ワンダーウォールが華麗に保守!
>487
つ無属性クリーチャー
このスレに触発されて久々にセカンド(EX)起動
初心に戻って新規セプターを作成。ちなみにシンボルは帽子マント(女性)
目指すは2周目クリアー。当時は見ることができなかった百合ルートを拝んでやる。
しかしこのシンボルのキャラがカードを出すポーズが少し変だと思うのは私だけかな…?
DCでは帽子女使ってたなあ。何週したか覚えてないけど、(n-1)回くらいは百合ルートだったね。
さりげないルシエン様の台詞に萌えるため、何度アトラ山を駆け登ったことか。
そして確かにポーズは変だ。
490 :
488:2005/06/11(土) 08:35:23 ID:pmMzzg0m
初心に戻ってとりあえず1周目クリアー。
ラストのレオとの展開に関してはまあ、男性キャラ使ってた時に女性モードしなくてよかったな、と
自分はカルド暦そこそこだけど、まともに女性キャラ使ったの初めてだったからなのかなー。
邪心様が凄くエロくみえた…なんかエロイな展開とか微妙に妄想してしまった…
実際のところ、このスレの影響なのか、出てくる女性セプター(何故かナジャ除く)が何か物凄くエロく見えたです…
もう清い心でストーリーモードできないですわ…
よし、次は二週目でエロるがいい。
一週目の邪心で妄想できる貴兄だったら、
二週目の百合主人公なんて生えっぱなし(?)のはず!!
好きなだけハァハァし、できればそれをスレにフィードバックして頂きたい・・・
。oO○<アルガスフィアが華麗に膨張保守!
これが噂の萌えダゴンか!?
頭をギュッと抱きしめると、キュポンとくっついたりしちゃうのか!?
誰だ?ナジャランか?俺か?
,,,,.,.,,,,
ミ・д・ミ <パウダーイーターガフワフワニホシュ!
""""
ダゴン相手にパウダーイーター♪
──バル大校歌
土地も無いのにシムルグか。
だけど
だけど
だけどだけどだけど
カルドにキャラボイスがついていなくて、良かったのか悪かったのか。
「ううっ」とか「ああっ」とか「ハァハァ」とか、どんなイントネーションなのか気になるお年頃。
普段の声→澄んだ音
苦痛の声→少しハスキー
あえぎ声→獣じみた低音
でFA
普段:「あなたのお役に立てるならば… →」
苦痛:「ああっ! ↑」「う…ううっ! ↑」
喘ぎ:「あ゙お゙ぉう、いぐうゔっ・・・! ↓」
なるほど、FAだ。
濁音だけで半勃起なんかしてないぜ?
全勃起だろ、分かってる
この流れなら言える!
俺脳内のルシエン様CVは佐伯ゆりこ
どマイナーな気もするが、イイ線かもしれない。
漏れ、田中敦子。
わたくし、最近の声優は知らなくてよ。
淫夢に登場する時のルシエン姉さんは井上喜久子ボイスです。
ねこねこ保守
じゃあこっちは、ねこねこ保守2で。
サードに熟女キャラを投入しないと、カルドから足を洗う
そんなプレッシャーを大宮にかけ続けるスレはここですか?
ルシエン様は熟女じゃねー!!
24つったらお前、中世じゃほらあれだ、行き遅れではあるけどさ、なんだその、時代に対する相対性から言うとオバサンだが、
現代に生きる俺としちゃ、お姉さまってことよ。
カードで言やあ、ニンフってとこよ。
正直、サードのゲーム性には期待してない。煮詰まってきてるし。
大鉈振るった新鮮なシステムと、このスレ的なサムシングがありゃいいんじゃね?
まあ、このジャンル自体が煮詰まってきてるしな。
でも二行目後半超禿同。
しかし、疑問文なのでエニシングな罠。
>>510 サード出るのか?
正直、セカンド+αでいいから、ネット対応の奴出してくれ。
で、セプターとかにはスキンを当てられる仕様な。
避妊はできないと困るよな
516 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 21:57:05 ID:pfkar+GF
妊娠しない中出しなんてツマラナイわよ
地王来ないかな・・・・
神は死んだ!何故か!!
我々が神を殺したのだ。
となると、今こそ、我々の中から超人を生み出さねばならないのか。
ナチュラルに博学な当スレ。
超人募集中。
このスレだけは保守する!!
109氏マダ〜? チンチン (AA略)
チンチン生えた賢者様マダ〜? チンチン(AA無し)
保守
暗い物語が好きな、少数派と思われる意見だが回答する。
1:陵辱というからには辱めるわけで、そうなると対象のバックボーンが必要となる。
短い内容が要求される場合(SSなど)においては、二次創作というのは説明を省けて良い。
もちろんオリジナル作品において、個性を立てることができているのならば問題は無い。
2:陵辱をするわけではなく、観賞するのが目的なわけであるから、自分を投影はしない。
故に、好き嫌いの感情を充足させようとは考えていない。
陵辱物語上の登場人物として、相応しいかどうかの別はある。
3:必然性があればどちらでも構わない。
対象にとってより効果的な方法が望ましい。
4:aで終わるか、aからdの流れで終わるかの二択。
bやcといった過程の段階で終わるような、徹底していない展開は好まない。
5:陵辱と調教は別物である。
調教要素を含んだ陵辱というのも悪くはないが、調教が完成してしまえば対象は幸せを感じるように
なってしまうため、好ましいとはいえない。
6:基本的には望ましくない。
だが、肉体にのみ作用するものであれば、精神への辱めになるので、意義はある。
7:aかc。後味は悪いほど良い。
b「レイプで始まったけどハッピーエンド」d「最後は助け出されて終わり」などはもちろん、
e「男は女に執着している」のように、愛情が芽生えるのも好ましくない。
また、選択肢には無かったが「実は淫乱女で、男が精を吸い取られて立場逆転」などは論外。
ただ、これは視点が当事者のみに向けられている場合の話で、対象の関係者が視点となっている
のであれば、bのようなストックホルム症候群じみた状態や、dのような奴隷化、eにおいて精神的な
障害が残るといった結末も、救いが無く感じられて悪くはない。
誤爆です。面目無い。
でも、あながち間違いではないな……。
その知識を是非、このスレに役立てて頂きたい!
「誤爆ではある・・・しかし、貴様は間違っていない」
コミックス5巻、まだ出ないのかな?
531 :
フェイト:2005/08/08(月) 22:55:28 ID:8J/U2BwE
ではここで、未来を観てしんぜましょう。
・・・むむむ、見えました。
コミケが終わると、神々に動きが!!
たぶん。
当たるように祈念。
だが、どちらかというと「予言」ではなく「予測」「推理」の世界では(笑)
その日を待って保守
乙<ケツァコトル様が華麗に保守!
535 :
不参加組:2005/08/14(日) 19:54:18 ID:DutyS76R
コミケ終了乙!
今回、カルドのエロ本はあったのだろうか。
・神の一柱であるカオスパニック。ルシエン×フェイト本。
・漫画版のキギ本とナジャラン本(コピー)
捕捉したのはこのくらい。
申し訳ありません、御無沙汰しておりました。
ダークマスターです。
早く書かねばと焦るほどに筆は遅れ、ついには止まっておりました。
エロパロの二次創作における長編というものの意義を見失い、自分を
納得させるものが作れなかったのです。
しかしこのたび、ぼじゃノロイさんがコミケに参加なさるという機に乗り、
エロパロという本分に立ち返った作品を書き下ろしました。
前述の煩悶は続いておりますが、小説そのものが書けなくなる前に、
リハビリを兼ねての創作です。
書き上がった作品は、すでにぼじゃノロイさんへ差し上げ、その上で
このスレッドへの転載についても快諾を頂いております。
加筆の後、日曜日に投下する予定です。
50レス前後になるかと思われますが、ご容赦下さい。
それではまた後日、改めて。
書き忘れましたが、設定等については独立しています。
ルシエンと非主人公セプター(メイド型)しか登場しない短編です。
数えてみたところ、50レスはどうにか下回りそうでした。
――ああ、それはまるで天使のよう。
きっと私は待ち続けていたのだ。この牢獄から解き放してくれる心在る者を。私の汚れ
をすべて覆い尽くしてくれるそんな者を。
真の天使は主の命で私を縛る。――ああ、それはなんと皮肉的。
空を見上げて羽根の一枚でも落ちて来ないかと待ち侘びる。これはまるで恋?
彼の人との逢瀬を思い出し、じんわり湿る私の陰部。淫らな私もきっと私の一部。。
それならば仰々しく神殿に佇むのも私の中の一部? まるで気違い鸚鵡のように預けら
れる言葉を右から左へとするだけの私が?
吹き荒ぶ高山の風は容易く私の体温を奪う。それを助長する私の淫らな法衣。
がちがちと打ち合わされる白い歯の音を止めることは私だけでは適わない。
――ふわり。
天使の両翼に後ろから抱きしめられれば容易に不協和音は掻き消える。翼から伝わる彼
の人の体温に目を閉じれば、ああ、なんと言う至福。
光も音も、目も耳も無くともこれだけは分かる。今私を抱くのは、私を救い出す天使。そして
私が想い続け求めてやまない彼の人ということだけは。
ゆっくりと光を得れば私を抱きすくめるは天使の翼ではなく暖かな両の腕。
「大丈夫ですか? ルシエン様、こんな所では御身体が冷えましょうよ」
「ええ、こんなに冷えてしまいました」
そっと陶磁器の掌で彼の人の手に触れる。まるで温かみのないそれはじんわりと触れた
部分から熱を奪っていった。
――それに。
耳元に囁く。その吐息は不釣合いなほど暖かく、湿っていた。
(あなた様が温めてくれるのでしょう……? 身も心も、蕩かせてしまうほどに……)
ルシエンが陶然としてた瞳で彼の人を寝台への道へと誘う。彼の人も同じ瞳でルシエン
の手をとり歩みだす。
ふわり、ふわりと空から白い天使たちが舞い降りる。彼らは下界の汚れを覆い尽くし、
今だけは何もかも忘れさせてくれるのだ。
――空を見上げればそこには暗澹な雲の海。
>>539 超感謝&超期待
残暑もまだまだ厳しい時節です
ご無理なさらず気長に取り組んで下さいませ
地王来るなら、その日までは全裸で正座するってばさ。
レス50近くって・・・(計算)・・・短編小説より長そうだ・・・
そんな労作を、個人にポンとあげてしまう義理堅さと、
快く転載許可しちゃうぼじゃ氏の心意気に萌える。
ってか、埋もれさせてたらタダじゃおかん!!
>>539神
「あの神」かと思へども、名乗られず。
叙情的な文章が綺麗だなぁ・・・
ハッ、これにより、地王の激しい陵辱(決め付けてる)を際立たせようとッッ!?
こちらの続きも読みたいなー。
保守も冴えるぜ
そろそろ投下をはじめようと思います。
長くなりそうですが、ご容赦下さい。
聖堂より繋がる塔の小部屋に、ルシエンが転がされた。それは無思慮無分別な、転がし
手の人格を表した乱暴さで行われ、聖峰の預言者に苦悶の声を上げさせた。
「あ、う!」
狼藉者は、風に座って足を組みながら、追って部屋へと入ってきた。倒れ伏した女に興
味も無さそうに、手に持った札束で爪を研いでいる。その札こそが、魔の術を為す触媒た
る品であり、今行われた術は、ルシエンを魔力で掴み上げ、この部屋に放り込むというも
のであった。セプターと呼ばれる魔術師にしか、出来ぬ芸当である。
「貴女は……なぜ、このような」
「テレキネシス、人間相手だと、加減が難しいわよね」
「答えなさい、なぜ!」
貴人賤民の別無く、畏れ敬い頭を垂れる聖女の声は、しかし札を弄ぶ若い女には通じず
に、小部屋の石壁に跳ね返って萎れてしまった。
「うるさいわね、賢者のくせになぜなぜなぜなぜ、一度聞いたことを理解できないのは、
馬鹿だから? それとも、理解するくらいなら馬鹿になりたいから?」
蔑みを隠そうともせず、浮かぶ女は濁った瞳で賢者を見下ろす。
痛みと痺れが去るのを待ちながら、預言者は先刻までの出来事を思い出していた。
世界の崩壊を止めようと、ルシエンの予知を携えて、一人のセプターが下山して半年。
その旅の無事を祈り、また折に触れては遠見もし、それでも聖峰アトラより降りられぬ聖
女は、礼拝の日々を送っていた。
そこへ今朝、その女が現れた。
無遠慮に聖堂へと入り込んできた彼女を、ルシエンは知っていた。面識こそ無いが、あ
のセプターと親しくしている者の一人であると、それも、旅の目的とは無関係に、ただ魔
術の技を競い合うだけの仲であると記憶している。
──ベラ。
あまり良い印象のセプターではない。修行にはなるだろうが、彼女にばかりかまけ、旅
の進みが遅れていることを知っていた。
──最近、あの方の周りで見かけないと思いましたら。
とにかく、自分が相手をせねばなるまい。セプター能力が高いことも、性格に難がある
ことも知っていた。侍女らに任せるのは危険すぎる。
「あいつが、聖地プロムスデルに入ってね」
短い名乗り合いの後、ベラが唐突に切り出した。しかし、その件のみならず、あのセプ
ターについての事柄は、遠見の術によってほとんど承知している。
「で、その後、ジェム教団の長、バルベリトを倒したの」
「ええ、存じておりますわ。そのために、わざわざ御足労を?」
普段であれば抜ききるはずの言葉の棘が、どうにもまばらに残ってしまう。初対面の相
手に対して、これほどの不快感を持つとは、二十四年の人生に無いことだった。
言葉遣いや態度が不遜だった。整った顔を台無しにする、腐った瞳がおぞましかった。
それらが気になりはじめると、下女とも姫ともつかない奇矯な服装が気に障り、耳下で一
直線に揃えられた黒髪が人形じみて不気味に感じられ、畢竟この女が嫌いであるというこ
とになってくる。
「違うわ、言伝があったから来たのよ」
「あの方から?」
嫌いな相手から出た言葉でも、それはルシエンの身が乗り出すのに十分なものだった。
ベラはその様を遠慮無しに笑うと、こう続けた。
「全てが面倒になった、旅は終わりだ。ってね」
言葉の端が耳に触れたあたりで、眼前の使者は手札を広げていた。聖女もそれに反応し、
懐の札束──ブックを取り出すが、先の言葉は脳に染みていなかった。
──あいつが、あの女が、この世界を守るのは飽きたって言ったのよ。
戦いを挑まれ、応じてから、ベラが話していたことを思い出す。
──もう幾度も繰り返した旅、カルドセプトの欠片も完全蒐集を果たしたしね。
ベラは強く、ルシエンは惑い、それは戦いではなかった。
──だから、私のように、異世界の……あら、知らなかったかしら。そう、私は異なる
世界のセプターで、あいつの退屈を紛らわせてやっていたのよ。
自分も、覇者たるセプターなのだと。ある世界を救い、支配し、滅ぼしたのだと。
──で、こんな旅はね、
繰り返すという言葉の意味を、理解してはいけないのだと、賢者は悟っていた。だから、
それを掻き消すために問うた。なぜ、戦うのかと。
──ああ、賭けに負けて、頼まれたのよ。あいつがこっちに来る前に、
言いながら思い出したように、遊びをやめた。札を全て奪われ、敗北しながら、預言者
は聞いていた。
──ルシエンの仕込みを、済ませておくようにってね。
小部屋。痛みは残ったが痺れは去り、震える足で立ち上がる。
「つまり……あの方は力に溺れ、道を誤ったのですね」
「ああ、まあ、その辺でいいわ。そういうことよ」
しかし理解できない。自分を襲い、かつ命を奪わない、その理由がつかめない。
「私を、どうするつもりですか」
「うぶな聖女様ね。簡潔に言うから咀嚼なさい」
あの方が。私を救い、心を奪ったあの方が、どう変わり、何を為そうというのだろうか。
「このソルタリアを見捨てる前に、貴女を犯しておきたいんだって。面倒をはぶくために、
私が諸々の前振りを済ませておくことになったの」
何と言ったのか。
聞いたはずだ、耳から掘り起こそう。
犯す、そのために今。
ああ──
狂っている。今聞いた言葉を、発した者も伝えた者も受けた私も、皆狂っているのだ。
驚愕する方法すら見つからず、ただ泣きたくなり、それを抑え込むのに意識を集中させた。
そうだ、狂気が自覚できるものか。これが世界で、現実だ。
だとすれば、迷わない。
「驚かせてやったり、倒してやったり、今みたいになぜなぜなぜなぜに答えてやったり、
ぜぇんぶ面倒なんだってさ。あと、いちいち抵抗されるのも」
ここで起きていることを受け入れるしかないとすれば、戦うしかない。敗北してはなら
ない。認めてはならない。
「まあ、それでも、処女は守っておくように言われてるから、安心して──」
ベラの話を聞くのはやめていた。頭巾に隠された、法衣の襟。そこに挟まれた、非常用
のカードに手を伸ばす。敵を焼き尽くすイビルブラストに、彼方へ逃げ去るテレポート、
今はどちらを使うべきか。最初に引いた方を、間髪入れずに唱えよう。
「──抵抗してくれてもいいのよ」
しかしその企ても、ベラが指先で閃かせた札によって打ち砕かれた。滅びの呪により、
ルシエンのカードは崩れ消える。
「どうせ、何したって無駄だしね」
嘲られ、唇を噛んだまま、走り出す。カードが無いのであれば、無謀でも足で逃げるし
かないのだ。僅かな希望があるとすれば、敵が空中に浮かんだままでいることだ。真下を
くぐれば、視界は通らない。呪文を唱えた直後、隙の生まれた今この時しか、逃げる機会
は無いだろう。
「勇ましい」
この塔から出れば、近くに蔵がある。まずはカードを手に入れて──
「でも、付き合えないわ」
袖をつかまれ、強引に部屋に戻される。人外の力を振るったその腕は、人ならざる者か
ら生えていた。
「そんな」
絡め取られながら聖女が見たのは、神々しい怪物だった。
それは、彫像だった。背に翼を生やした四本腕の女神像で、顔立ちは端整で気高かった。
鈍色の肢体は人間のように滑らかに動いたが、硬く冷えていた。
「聖域の守護者、サンクタムガード。もちろん御存知よね?」
知っている。神の威を示すその御使いは、ルシエンにとっては仕えるべき対象ですらあ
るのだから。
「貴重なクリーチャーよ。生きてお目にかかれて、良かったわね、ねぇ?」
神聖なる像は、二本の腕で、預言者の手首をつかんで両腕を開かせる。三本目の腕で腹
を押さえ、最後の腕を聖女の頭に乗せると、そのまま体を折り曲げた。
「あ、あっ!」
肩がひねられる痛みに、声が漏れてしまう。足を使ってもがこうにも、腹を押さえられ
ていては、力なく石畳を蹴ることしかできない。
左右に伸ばされた腕の中央、俯かされたルシエンの面に、手袋に包まれたベラの指が当
てられる。陵辱者はすでに床に降りており、本格的な仕込みを始めようとしていた。
「いい格好。本当よ。女神像に拘束された聖女様なんて、本当に興奮するわ」
品の無い、げらげらと耳障りな笑い声のベラは、東側の窓に近付いた。手を使わず、魔
術によって鎧戸を上げ、澄んだ空気を流し込む。
「ほら、見なさいよ。綺麗な空」
サンクタムガードの腕が、首の向きを曲げ、ルシエンに窓を見せる。雲よりも高いアト
ラの空は真青で、何も無かった。
「どう?」
何を言いたいのか量りかね、無言で睨むルシエンを、よどんだ目で嘲る。
「こっちじゃなくて、空を見ておきなさいって。見納めになるのよ?」
四角い青の横に立つ、黒いセプターを、賢者は初めて恐ろしく感じた。死を匂わせたこ
とそのものよりも、声の調子が恐ろしかった。脅かすでも愉しむでもなく、さりとて無感
動でもない。優しく気遣う響きの混ざったその声に、背が冷えた。
「じゃあ、閉めるわね」
「まっ」
待って、と言いそうになった。それほどに、青い色は魅力的に思えた。しかしベラは窓
と扉を閉ざし、後には暗闇しか残されなかった。
「暗いわね」
呼び出された鬼火によって蝋燭が燃やされ、部屋は陰鬱に明るくなった。
「何を、するつもり、ですか」
「具体的に言えば、辱めてみようかな、と」
「そのような、扱いを、受ける、くらいなら、私は」
毅然とした声色だったが、不自然な姿勢に肺が圧され、途切れがちになる。
「舌でも噛む? 脅しっこ無しよ。己の命を絶つなんて、教義に反するものね」
ルシエンが自殺を選べないことなど、ベラは見通している。そうでなければ、口を自由
にさせていたりはしない。
しかし、まだそうして凛とした態度を貫ける聖女を見て、油断ならぬ相手であることが
改めて認識され、愉快になってきた。
「いいかしら、ルシエン」
呼びかけに対し、無言を返す預言者に、肩を竦める。
「だんまりかあ。しょうがない、喋りたくしてあげる」
この上等の獲物で、久々に愉しんでみようかと、ベラは思い始めていた。
「サンク、顔を上げさせて」
頭巾ごと黒髪を鷲づかみにされ、ルシエンの顔が正面を向いた。拘束によってひねられ
続けた体は、負荷を汗という形で報せていたらしく、細い顎先から雫がはたはたと落ちる。
「汗だくね。艶があるわ」
唇を結んで耐えるが、痛みからは逃れようもなく、体をよじらずに姿勢を保つことでし
か、苦しみを和らげる術はなかった。
「じゃあまず、大声を出して、自分を解放してもらおうかしら」
ベラは札を一枚選び出し、微笑んでみせる。
「右腕からね」
くるりと札が回され、ルシエンはそこに記されている呪文を読み、息を呑み、全身を強
張らせた。行使される魔法の名は
「ペイン」
その効果は
「やっ、ひ、あああああぐうう!」
激痛、だった。
「ひっ……ぐ、あ、あ、お」
手の平に空けられた小さな穴から、のたうつ蛇が、腕の中に潜り込んできたと感じた。
痛みそのものに実体があるかのように、肉を押し広げ暴れ回るペインの効果に、腕を曲げ
ることさえ許されない預言者は、悶え叫ぶことしかできなかった。
「いあ、いやぁ、が、ぐ、ふ、うぅっ!」
腕が爆ぜる、とルシエンが感じたその時、痛みが霧散する。
「はい、よく耐えたわね。素敵よ、アトラのルシエン」
ベラが解いたわけではなく、それは単に呪文の持続時間が終わっただけのことだったが、
解放された喜びに、聖女は感謝すら抱いてしまいそうだった。
「長く感じたでしょうけど、十を数える間くらいだったわね」
「あ、あの」
「だから、次は心で数えてみれば、早く過ぎるんじゃないかしら」
次。何の?
「左腕、いくわね」
「ベラ、待ってくださ──」
蛇が、左から潜り込んだ。
「ぎ、ぎ、あああぐぐ、ひぃっ!」
頭の中で数えてみた、一つ、二つ。五つまでは数えられ、そこまでは通常の時間が流れ
たかもしれないが、意識が白くなってからは永遠に近かった。ルシエンが一つだけ、どう
にか頭の隅に残しておけた思考は、涙は決して流すまいということだった。
そして、解放される。
「あぁ、ふうっ、お……」
「どう、十秒だったでしょう?」
答えられない。
「どうなの?」
しかし、ペインのカードを弄んでいる姿を見せられれば、話は別だった。
「数え……きれませんでした」
嘘をつく、話を合わせるという考えは、聖女には浮かばなかった。へえ、と魔女が笑う。
「長く感じたの?」
「……とても」
「あぁらら」
嬉しそうに、カードを突き付ける。
「え、い、嫌っ」
「あと一回だけよ」
耐えきる自信は無かった。しかし、もう何を言っても無駄なのだろう。
「一回、一度きり、ですね」
「怯えてる? 平気よ、約束は守るわ」
その言葉に、信用できない約束に、すがってしまう自分を恨めしく恥ずかしく思うが、
許しを乞うことだけはしたくなかった。
それに、十秒で終わることなのだ。
「それじゃ、本当に、十で終わるってことを、保証してあげようかしら。ルシエンが数え
きったら、それでお終いにしてあげるからね」
待て。どういうことだろうか。
「それじゃ、全身、いくわよ」
局所よりは軽い、しかし耐え難い激痛が、体中で暴れ出す。
「あああっ! う、ぐうっ!」
「駄目よほら、早く数えて。声に出して」
「む、無理、そ、んああっ!」
この状況で、何を言うのだろう。いいから、早く時間が過ぎてほしい。
「ぐ、む……」
「十まで数えないと、終われないじゃない。ほら」
今、何と言ったのだろうか。
理解できないことを、この女は言ったのではないか。
「な、な」
「ペイン、かけ続けるわよ」
死ぬ、という恐怖が賢者を捕らえた。幻想の中での、甘い死ではない。激痛の中での、
惨めで無意味な死だ。
「あ、あ、い」
死にたくない、この死は嫌だ。
「ひ、ひと、つ」
これで、ベラにしてみれば一秒がようやく過ぎたことになる。
「ふたぁっ、つぅ!」
法衣の下、体のあらゆる場所に、蛇が入り込んでいた。
「み、み、ひぎ、い!」
筋肉と骨の隙間に、細長い体が入り込み、引き剥がす。
「みっつ! よ、っつぅ……いつつ!」
痛みは、焼けるような熱さと凍るような冷たさで、全身を斑に覆っていた。
「むっつ、な、ひん、うあぅ、な、ななつ!」
手遅れになってしまう、そういう不安が、心に忍び寄っていた。
「や、やあぁあ! やっつ!」
死ぬということではなく、もしかすると、もっと悪いことが起こる予感。
「こ、ここのつ、ここのつ、ここのつぅっ!」
慌てる。あと一つで終わりだ、あと一つ、ええと、九の次、次の数字。
ルシエンは愕然とした。数字を、忘れてしまった。激痛で、思い出せなくなっていた。
「ここのつ……あひ、やあ……う、ふぐ、うぐぎ」
もう駄目だ、もう、取り返しのつかないことになっている。
「ね、も、ここのつ、ここのつまで、いっ」
「そうね。早く終わればいいのに、そんなにこれが好き?」
「ちが、ここのつ、わた、もう」
もう、そこへと達してしまった。
「と、とお……? とお! じゅう! 十です!」
答えが、だいぶ遅れて辿り着いたころには、後戻りができなくなっていた。
「ほらね、十数えたら、終わりだったでしょう?」
ベラによって呪文から解放された瞬間、虚脱したルシエンは、サンクタムガードに体重
の全てを預けてしまう。優しく受け止めるように命じられた女神像は、四本の腕を使い、
預言者のどこにも負担がかからぬように抱き支えた。
「う、お、終わり、です、か」
「そうね、ペインはもうやめてあげる」
安堵に包まれながら、荒い息をつく聖女の全身は、脂汗に覆われてぬらりぬらりと光り、
法衣は濡れきって色を濃くしていた。口の端からは唾液を垂らし、あれほど堪えていたは
ずの涙も、目尻に溜まって零れるのを待っている。
「素晴らしい姿よ、今の貴女。あいつが怠惰なせいで、一番いいところは私が頂いたって
わけかしら……役得ね」
興奮を鎮めるため、息を大きく吸い込んだベラは、動きを止めた。眉根を寄せ、目を閉
じ、しばらく考え、そして大声で笑い出す。
「まさか、いや、あはは、そうかそうか……サンク、吊るして」
主の命令に従い、柔らかい抱擁から一転、ルシエンの両手首を一本にまとめ、軽々と吊
るし上げる。突然の苦痛に、当然の悲鳴が上がった。
「い、痛っ、あ!」
ベラが手でひらひらと合図すると、高度が下がり、賢者の両足が床に付く。腕を差し上
げられたまま、顎を胸の間に埋め、息を整える。
「ルシエン、漏らしてるでしょう」
魔女が耳元で囁く言葉は、預言者の表情を凍らせた。ベラはけらけらと笑う。
「ねえ、見せなさいよ」
頷けるはずもないことを命じられる。
「できるわけ、ありません!」
「立場、そろそろ理解したら?」
理解はしていた。敵対し合う者同士では、すでになくなっている。痛めつける者と抵抗
する者でもない。今の自分たちの関係は、陵辱する者と、許しを乞う者だ。
それを認めるには、ルシエンという存在は強すぎ、気高すぎ、純粋すぎた。しかしそれ
でも、それだからこそ、法衣の中を見せるわけにはいかないのだ。
涙を、自分に許した。
「お願い、です……それは、それだけは」
「聖女様が、泣いてお願いするだなんて──」
もちろん、相手がそれを呑むはずがないことも、賢者には分かっていた。
「──ますます、そそられるわね」
ベラは、法衣の裾をつまみ、蜥蜴の笑みを浮かべる。
「咥えて」
目を丸くする預言者に、丁寧に発音してもう一度。
「く、わ、え、て」
裾を、ということだろうかと賢者は察する。そしてそれが、いかに屈辱的な格好である
かも予想が付く。しかも、それより何より、股間をさらすことになるのが問題だった。
「ベラ──」
「誰のこと?」
「──ベラ、様」
とぼけてみせる態度に、即座に要求を理解し、訂正する。もちろん抵抗が無いではない
が、様と付けることでこの場が収まるのであれば容易いことだった。
「私、どうしても、それは」
「トーチャーやらパラサイトやら、躾に適したカードなら、幾らでも持ってるわよ」
脅しというよりも、警告だった。ここで意地を張り、痛めつけられて、結局は屈服する
ことになる未来が、はっきりと見える。
「どうなの、わかった?」
「分かり……まし、た」
差し出された己の裾を、白い前歯で噛む。しかし、汗を含んだ布は思ったよりも重く、
取り落としそうになるのを、慌てて深く咥え直した。
「そうそう、そのままね」
ベラが腰を折り、顔を寄せてくる。その動きが空気を風と変え、濡れて剥き出しになっ
た下半身を刺激する。
すーん、すーん。臭いを嗅がれる音に、ルシエンは目を瞑り、頬を染めて震える。
「やっぱり、漏らしちゃってるわね」
そう、そうなのだ、だからそういうことにして、早く顔を離して欲しい。
「いや、どちらかっていうと……噴いた、かしら?」
ああ!
「む、う、ふう!」
「苦しくて小便を漏らしたんじゃないわね。痛みで気持ち良くなって、不潔な淫ら汁を、
びくびく噴き出しちゃったんでしょ、あっは、はは!」
ベラにしてみても、見るまで嗅ぐまでは信じ難いことであった。あの仕打ちは、ただ苛
むためだけに行ったものだ。ところが、ところが、この聖女は賢者は預言者は。
「達したのね、この淫売! ちょっとぉ、普通じゃないわよルシエン、貴女ってこんな変
態だったの? ただ苦しめただけで、こんなに反応してくれるの、ああ、この女!」
己の体がこういうものだとは、賢者にとっても初めて知るところだった。肉体がそうさ
せるのか精神がそれを望むのか、どちらにせよルシエンは、痛みが限度を超えたとき、そ
れを快楽として受け入れたのだ。
「う……ひっぐ、う……」
「これだけ臭い汁撒き散らしておいて、いまさら綺麗な涙を零されましてもねぇ、聖女様」
ベラの指が、ぬらつくルシエンの太腿に触れる。手袋の滑る感触に、白い両足を突っ張
り、爪先立ちで耐えようとするが、もたらされる快感はおぞましいほどに鮮烈で、預言者
の脳を髄まで痺れさせた。
「もっと、脚を開いて」
言葉に従い、膝を曲げて左右に分かれさせる。それがどれほど淫猥な姿であるのか、分
からずにやったことではあったが、陵辱者がそれを教えてくれた。
「そこまでやるなんてね。凄い蟹股、あのルシエン様が、あは」
「んぅ、いぁ……」
「この辺も、汚れでびっしょびしょ」
人差し指が、股間と腿の境目、筋によってできた窪みに押し当てられた。強く撫でる。
「いっ、む、あ!」
痙攣し、軽く達した聖女の肉体は、更なる分泌を行った。
「ねえ、貴女、面白すぎるわ。あいつは、本性を見抜いて執着したのかしら」
柔らかい股肉を包み込み、持ち上げている肌着は、最初の噴出により湿り尽くし、純白
の布地に黄ばんだ染みを作っていた。そこには新たな汁気を受け入れる余裕は無く、小水
と混ざり合った粘液は糸を引いて、とうろとうろと股布から垂れていた。
「あは、はは、こんなに汁気の多い壷、初めて見るわ。痛めつけられたせいで、いろいろ
と目覚めちゃったのかしらね、あはは!」
盛り上がった肉の割れ目に、無遠慮に指を押し込む。入り口の襞の感触が、肌着と手袋
越しにもよく伝わり、ベラを愉しませた。
「う、いや、だめ、駄目です!」
ルシエンは叫び、そのせいで裾が落ちた。陵辱者はそれを咎めるでもなく、像に命じて
余った二本腕に持たせると、秘所を嬲ることに集中した。
「それにしても、薄くて少ない布地。清らかな法衣の下に、こんなにも淫らな女を隠して
いたってわけ?」
ぐじゅぐじゅ、じぷじぷと音を立てて、襞を弄ぶ。
「ちが……そうでは、ありませ……んぅっ!」
「嘘ね、こんなの履いて、万年発情してたんでしょ」
ペインを用いたときとは違い、どちらかといえば愛撫に近い行為であるのだが、対象が
肉体から精神に変わっただけで、陵辱は続いていた。蔑む言葉と甘い刺激が、賢者の心を
蝕んでいく。
「私、そんな、こと」
「分からないかしら。貴女の中身は性欲塗れで、こうして背中を押してやると、ほら!」
音をがちゅがちゅと鳴らす。
「あ──あ、あ!」
「簡単に達して、気狂いの淫乱聖女に落ちてしまうのよ、どう、分かった?」
「わか、わかっ」
薄布越し、肉の芽をつまみ、ひねり上げた。
「あいいいあああ!」
甘美な痛みに、意識が空へと放り出される。肉体が遠くに感じられ、ただ熱さだけが精
神を包んでいた。
──さて、どうしたものか。
ルシエンが戻ってくるまでの間、ベラは考える。
──仕込みは、十分に果たした。これであいつが来ても、この女は肉の疼きに逆らえま
い。それでいて、心の芯はまだ折れていない。完璧な仕上がりだ。
のけぞり、顎の裏を見せながら震える女体を眺める。これを引き渡せば、賭けの負けを
返して釣りがくる。
──ただ、私の作品じゃないけどね。
ベラには不満があった。この賢者は、半ば以上、自ら堕落したに等しい。これで良しと
するには、意地が邪魔をする。
──ああ、腹が立ってきた。
預言者が彼岸から帰ってきた頃には、陵辱者の腹は決まっていた。
──八つ当たりでもしておくか。結局のところ、約束さえ守ればいいのだ。
「おはよう、ルシエン。派手に乱れたわねぇ」
満面の笑顔で、聖女の瞳に色が戻るのを待ってやる。
「あ、わ……私、わたし」
何をされてどう応じたのかを思い出し、羞恥と悔恨で気が狂いそうになる。それを抑え
こむのに精神の幾ばくかを削り、どうにか耐える。
「全然、なってないわね。こんなことでは、これから先が思いやられるわ」
「これか、ら……? これから、まだ、何かしようというのですか」
声に張りは無いものの、言葉を発するだけの気力を見せられ、ベラは内心で唸る。これ
だけ淫らな肉体と、強く高潔な魂が同居しているのは驚嘆に値した。
「ああ、そうね。でも最初に言ったけど、純潔は守ることになってるから、安心して」
「私、もう──」
「まだ汚れきってないわよ、要はその淫穴さえ貫かれなければいいの、分かる?」
具体的なことを言われずとも、おおよそ理解できた。つまり、それ以外については、こ
れから犯し抜かれることになるのだ。
「こんな、こんなことを、貴女たち、どうして」
「あいつは、どうだかね。けど、私はほら、趣味だから」
ベラの視線が、つう、と上がる。ルシエンの頭上にある顔に話しかける。
「サンク、やりなさい」
何を、の部分は省略しても、彫像には伝わっていた。腕に背中に感じるサンクタムガー
ドの感触が変わっていくことに、賢者は気付いた。
「な、何です、柔らかくなっ……うっ!」
手が離され、床にべちゃりと落とされた聖女は、不自然な姿勢を取らされたために痺れ、
両手と尻で石畳を滑り、像から後退るのが精一杯だった。そうして見るうちに、女神像は
その外見を変え終えた。
「良かったわね、ルシエン。硬いより柔らかいほうが好きでしょ?」
白い肌には、血色もある。虚ろとはいえ、瞳が生まれ、ルシエンを見下ろしている。彫
られただけだった長い髪が、潤いのある銀髪になり、背と肩に垂れている。
「人間らしい肉を与えてやったのよ。これで貴女を、犯し穢せるわ」
四本腕と翼を広げ、歩み寄る女神らしきものに、預言者のできることは、これからの最
悪を考えることくらいだった。
「あら、怯えちゃって。もっとほかに、すべきことがあるでしょう、聖女様?」
汚れた手袋を拭きながら、ベラ。
「祈りなさいよ」
けらけらひいひいという笑い声の中、異形の女神がルシエンを捕らえ、恐怖による悲鳴
が、小部屋中に響き渡った。
「きゃああああ!」
引き起こされ、手足全てを背後より押さえられ、背筋を反らされたルシエンは、涙と怯
えを隠そうともせずに叫んでいた。
「いや、嫌ですっ! やめて下さい!」
「あらあら。今更どうして、そんなに喚いてるの?」
もちろん先程、目で見たからだ。今は法衣越しに、尻で感じるからだ。
「気持ち良いわよ」
女神もどきの、くびれた腰と長い脚との間、生えてきたものは蛇のような器官だった。
初めて見るそれが何であるのか、理解するのは容易かった。
「おと、こ、男の……あああ、やめてっ!」
「入れないってば。とりあえず、前の穴にはね」
そのようなこと、賢者は承知していた。
「いいじゃない、味を覚えておけば。後であいつに可愛がってもらえるかもよ」
重く張りのある乳房を法衣ごと握り、優しく揉んでやりながらベラが笑う。
「尻穴を犯してあげる。抵抗しても、苦しいだけよ」
腕をつかまれ背を曲げさせられ、痛みに呻きながらも身をよじって逃げようとするルシ
エンの裾が、持ち上げられる。豊かな尻肉とそこに食い込む股布が現れ、準備が整った。
「卑猥な尻の線してるわねえ。この齢まで、これを持て余してただなんて」
「お願いです、いっそ殺して下さい、私、そんなところ」
汗の玉を飛ばし、上目使いで死を乞う聖女に、情けをかける者はおらず、女神の手が二
つ、左右の尻にかけられた。指が肉に沈む。
「あ、あ、やめて、ぇ」
これまでの粘液により、にち、という剥離音をさせて開く。親指で下着をずらしてやる
と、割れ目の奥で息づく、ルシエンの肛門が晒された。
「ここに、男の物が捩じ込まれるなんて、想像したこともなかったかしら。悪くないもの
よ、前の穴と比べても」
ぴち、と女神の男根が当てられる。先端から感じる熱さに、賢者の脳が焼ける。
「まあ、最初は」
ぐ、と力がかかる。
「地獄の苦しみだけどね、たぶん」
女神は、一切の容赦なく、根元まで強引に突き入れた。裂ける音、血の暖かさ、腹が倍
に膨れたような異物感。それらに一歩遅れて
「う、ぐ、ううっ! おあああああ!」
先のペインを上回る苦痛が、預言者を壊しにかかった。
「お、あ、えぁ、ぐ」
目は見開かれていたがほとんど白で、上の端に、黒い瞳が僅かに残っているだけだった。
口は開かれていたが言葉は無く、舌が出、喉奥から断続して、呻きが漏れ出すだけだった。
ぱあん、ちゅぶ、ぱん、びちゃあ。犯し手の動きは一定の速度で繰り返され、早くもな
く遅くもなく、興奮も気遣いも無く、終わりなく続くように、ベラには思われた。
「ちょっとルシエン、死ぬわよ、意識あるの?」
頭巾の奥にある顔を覗き込むと、聖女ルシエンは死にかけていたが、それは予想のうち
だった。やれやれ、と声に出して、手持ちの札を探る。
傷を癒すキュアーの術ではない、もっと相応しいものがある。
「う……う、うぅ、わた、し、このま、ま、……ぐ、え、え」
目当てのカードを探し出したとき、預言者が言葉を話した。どこまで意識しているもの
かは分からないが、言葉を組み立てるだけの余力が、この賢者には残っているのだ。ベラ
は心底感嘆した。
「立派よ。助けてあげるから、こっち向きなさい」
耳で聞き、理解することはできるだろうかと、試しに口にしたところ、少ない黒目を動
かしてみせた。感嘆を通り越して敬服する。
「いい、これが分かるわね、聖杯よ」
金色に輝く杯が、聖女の前に差し出された。赤子の頭が入るほどのその中に、水がなみ
なみと張られていた。
「ホーリー、グレイ、ル」
「そう、不死を与える魔法の品。これだけ飲めば、当分はもつんじゃないかしら?」
そこに注がれた水や酒を飲めば、それが体の内にある限り、命を失うことはなくなる。
「ほら、飲みなさい」
唇に当てられた杯から、音を立てて吸い上げ、嚥下する。それは必死に生命へとすがり
つく、生物としての姿だった。
異変はたちまちに起こった。活力が手足に戻り、尻の裂傷が治癒する。激痛こそ消えな
いが、命に関わる傷や負担は、ルシエンから失せていた。
意識も鮮明になり、荒く息をつきながら、目の焦点をベラに合わせる。
「良かったわね。まあ、魔力を代償とはするけれど、そのへんはサンクに頼みなさい」
感覚が戻った肛門で、女神の男根が顫動するのを感じる。そしてまもなく、腹の中に何
かが吐き出された。
「で、出て、何です、これは……」
認めたくない事実を、陵辱者に確認する。
「ああ、精液よ。魔力がたっぷり含まれてるから、ちゃんと搾り取りなさいね」
──出された、精を、体の中、尻穴の奥に。
ついに言い逃れできぬほどに汚されたのだと、絶望する。それは深いもので、教義に反
するとは知りながらも、舌を噛んで全てを終わらせたいとすら思えてくる。
──あ、でも、今は、死なな
そこで、射精で動きを止めていた女神もどきが、腰の動きを再開し、思考は苦痛にかき
消されてしまった。
「い、やぁっ、休ませ……て、ぇ」
ベラは、いいえと突き放す。
「死なないのだから、しばらくそうしていれば? まずは穴を広げておかないと」
「そん、な、の、あぐぅ、む、無理で、す!」
しかし、弱音は聞き入れられず、女神による陵辱は明け方まで続いた。
「そろそろ、どうかしら?」
「あ、あ、え?」
そう声をかけられ、ルシエンは己が意識を失っていたことに気付いた。サンクタムガードは相変わらず動いていたが、痛みに疲労が勝っていたようだった。
「あ、いやぁ、こんなこと、まだ続けて……痛い、苦しいです」
滑らかに話していることに、預言者は気付いていなかった。
「そうかしら。痛くも苦しくも、なくなってきたと思うけれど」
「え、え?」
改めて心を向けると、そこからの痛みはほとんど感じられなかった。感覚が麻痺してい
るのかとも考えたが、そうでもないようだった。
「私……」
「広がってきたあたりで、サンクの動きも変えておいたのよ、気付かなかった?」
確かに、女神からは粗雑さが消え、丁寧で緩やかな出し入れになっている。
「どうして、ですか」
ずる、ちゅ、ずる、ちゅ、という音を聞きながら、ベラに問う。
「ん、だから、こういうこと。十分に広がったから、あとは一晩かけて──」
サンクタムガードは、射精もしていないのに、動きを止めていた。
「──じっくりと、開発してやったのよ」
指で指図する。男根が抜ける寸前まで引かれ、角度を変える。何が起こるか分からない
ルシエンをよそに、女神は狙いを定めると、子宮の裏を抉り込んだ。
「お、お──ああっ! ひ、い、い!」
それは背骨に沿って貫き、脳天まで突き通す、快感だった。
二の腕が凍えたように震え、背筋が痙攣し、秘所からは半日ぶりに汁が噴き出す。その
様を、ベラは大きく嘲笑った。
「あはっははは! どうやらそこが急所みたいね、聖女様は!」
がっくがっくと暴れる顎を下から押さえてやり、そのまま顔を上げさせると、預言者は
泣きながら狼狽していた。
「ど、ど、わた、きもち」
「とんだ淫乱だわ。尻穴ほじられて達する女、ってだけでも珍しいのに、一夜漬けでここ
まで感じちゃうなんて、ソルタリア屈指の変態かもね。あはは」
女神像の精妙な技をもって為したことではあるが、それでもここまで早く仕上がるとは
予想の外だった。ベラは満足し、最後の詰めに入ることにした。
「あ、ぐ、ひ、あああ、だめ、ぇ、私の、お尻、だめぇ」
長く続いた苦痛の後にもたらされた快感に、体は容易に流され、精神も崩れつつあった。
噴き出す汗や粘液の量も増え、ぽちゃぽちゃと泉を作っている。
「しばらく可愛がってもらいなさい」
「あ、い、嫌っ、勘弁して、くださ、私もう、溺れ、ちゃ」
枯れ葉のように翻弄されながら、ルシエンは幾度も達し、悶え続けた。
──そろそろ、かしら。
昼を前にしたあたりで、ベラは聖女に起こりつつある変化を捉えた。
「あ、ああ、い、苦し、乾いて、痛く、なって、う」
本人も程なくして体の異常に気付く。水分を失い、意識が遠のく。引っ張られていた両
腕が、軋んで痛む。
「あら、ルシエン。ホーリーグレイルの恩恵も、これまでみたいね?」
優しく教えてやると、賢者は怯え、取り乱した。
「そ、そんな、今、解けてしまったら」
「そんなに水気が抜けて、体が壊れるような不自然な姿勢をとらされ続けて……たぶん、
死ぬんじゃないかしら、うん」
「そん、な、飲ませて、飲ませて下さい!」
慌てるルシエンに、ベラは空の杯を見せる。
「でも残念、中身が無いのよ」
「み、水を、入れて下さい」
「とはいっても、この部屋にはもう……ああ、そうだわ」
目を細め、声を甘くして預言者に語る。
「どうしても、助かりたい?」
「はい!」
「聖杯から、飲みたい?」
「は、はい!」
「何でもできる?」
「……はい!」
「いいわ、助けてあげる」
ベラはサンクタムガードに、ルシエンの両腕を解放させる。腕には痛みと痺れが感じら
れ、ホーリーグレイルの効果が完全に失われたときには、何もせずとも捩れて砕けるので
はないかとルシエンを恐れさせた。
その手に、金色の杯が握らされる。
「いい、頑張らなければ、死ぬのは貴女自身よ」
腰を止めた女神の腕が二本、預言者の乳房を抱えるようにして、上半身を起こし直す。
ルシエンの目の前には、ベラの腰があった。
「ふふ、じゃあ、ほら」
裾が、持ち上がる。聖女はたじろぎ、賢者は理解する。
「貴女、それは……」
下着を履いていないベラの股間には、背後の女神像と同様に、二つの性器が存在してい
た。男性器は雄々しく立ち、女性器は潤って溢れている。
「両性を、具有してるのよ。気持ち悪い?」
異質ではあったが、ともあれその見た目に、嫌悪は起こらなかった。
「あ、いえ、そんなこと……ただ、驚いて」
「あ、ら」
嘘を言わない聖女から聞いた言葉に、ベラは微笑む。
「嬉しいわ。ま、ただの淫売に落ちただけかもしれないけど……で、話の続き」
男根は、賢者の知識に照らせば、大きいように感じられた。それが眼前に迫り、細部ま
でが目に染みてくる。
「丸一日、貴女の痴態を眺めていたら、たぎっちゃった。ここから、搾り出してもいいわ。
杯に入れる液をね」
予想はしていたが、抵抗はある。しかし、ここへ来て何を守ろうというのか、と覚悟を
決める。それが、陥落への最後の一歩とはいえ。
「はい……分かりました」
「さすがは聖峰の賢者様。やり方は……」
「こう、ですね」
舌を伸ばし、粘液に塗れた先端を舐める。それは白い味がした。
「あ、ちょっと! いきなり、なの」
鋭い快感に、ベラの背筋が伸びる。口での奉仕を要求するつもりではあったが、命じる
前にされてしまい、抵抗する姿勢を作ることが難しくなっていた。
「初めてなので、下手だと思います。至らないところは、教えて下さいませ……」
それは、射精されなければ命に関わるという、切実な理由から発せられた言葉だったが、
奴隷になりきったようにも聞こえる内容に、被奉仕者の昂りが増す。
「あ、ルシエン、いい、わぁ……っ」
「本当、なのですか?」
信用できなくはあったが、そう言われては思うように続けてみるしかない。吐きそうな
臭いと感触の男根を、長い舌を使って舐め回す。頭、首、竿。行きつ戻りつ、螺旋状に舌
を這わせていく。
「あ、ほ、本当に、初めてなの? 信じられない、すご、い」
そうは言っても放たないではないか、とルシエンは不安であったのだが、当のベラから
してみれば、射精を抑えるのに精一杯だった。これほどに、才能があろうとは。
しかしここは、甘い顔を見せているわけにもいかない。
「う、上手いけれど──」
舐めるだけではなく、口全体を使うのだと言おうとした。したのだが、先にそうされて
しまう。射精させるのに必死な賢者は、不潔な行為への抵抗に眉根を寄せながらも、奥ま
で男根を飲み込んでいた。
じゅこ、じゅこ、と鳴る音が、二人の脳を溶かしていく。
「──あ、あ、ふうっ!」
頬を染めながらも一心にむしゃぶりつき、舌を踊らせ、唇でしごきあげる聖女の姿に、
ベラは堪えきれずに果ててしまった。ルシエンの頭をつかみ、のけぞり、大量の精を口内
に注ぎ込む。
「む、ぷ、んんっ、んぶぅ!」
溢れそうになったのでルシエンは体を引き、男根から口を離す。射精を続けるベラは、
聖女の面を白く濁った精液で汚しぬく。
「ん、う、ああ……すご、かったわ……」
素直に感想を漏らしてしまった後、ルシエンを見下ろすと、汚された不快感に目を閉じ、
唇を結びながらも、頬や鼻筋をなぞって顎先から垂れ落ちる精液を、杯で受け止めていた。
祈りのようなその様に突き動かされ、萎えぬ男根で顔中を蹂躙する。聖女の白く柔らかい
肌に、性の臭いをすり込んでいく。
「ぶ、ぶあ、うぇ」
顔の粘液を垂らし終えると、口を開き、含んでいたぶんを吐き出した。唾液と混ざって
泡立った汁が、ぶじゅぶじゅと杯に溜まっていく。
「ほら、ルシエン」
「あ、う、う」
手の聖杯を見つめ、泣き顔を引きつらせるルシエンに決断させたのは、腕と肩に戻って
きた激痛だった。これ以上躊躇っていては、杯を口に運ぶことすらできなくなる。
両手で支え、ぐいとあおった。
「んぐっ、う、む」
ごく、ごきゅと喉を鳴らして、一息に飲みきろうとするがかなわず、鼻で息をしてしま
う。総毛立つ悪臭に挫けそうになる自分を叱咤し、嚥下し続ける預言者。
「う、ぐぇえ……」
それでも飲み終え、息をつくと、体の痛みは引いていた。
「お疲れ様、どう?」
「効いた、ようです……」
安堵している聖女の頭を、頭巾ごとつかむ。
「でも、この程度の量じゃあね。次に備えて、杯にいっぱい溜めておきましょうか」
「そんな、少し、休ませて下さ──いっ、やあ!」
尻穴に潜ったままでおとなしくしていた女神の根が、動き始めていた。快楽に反応し、
ルシエンの腸が潤滑液を分泌する。
「お、お、おふ、ぅ……動かないで、動かさないで下さい!」
激しさを増していく交わりが、肉がぶつかり合う音を響かせる。叩きつけられて震える
尻肉を眺めながら、ベラは男根の先端で預言者の唇を割った。
にゅ、ちゅ、ぶぼっ、ぼちゅ。
「たまらない……いっぱい激しくしてね」
「むぁ! お、ぶ、んんぅ!」
喉と腸を貫かれ、くぐもった悲鳴を上げながら、ルシエンは陵辱され続けた。
「んぶ……ちゅばぁ」
虚ろな瞳で、魔女の根に吸いついている聖女の尻は、女神もどきによって絶え間なく犯
されていて、腹の中は上下からの精液に埋まっていた。
何日こうしているのだろう、とルシエンは考えるが、こうして思考を巡らす余裕がある
ことに悲しむ。いっそ狂ってしまえば、日が年になっても変わらぬだろうに。
心は、どうしても壊れない。体は、底なしに落ちていく。
「ほら、出すわよ、ルシエン」
射精と同時に吸い上げる。快感を増すこういった術も、どんどん覚え込まされていく。
「そう、吸って……いいわよ。じゃ、零さないように杯に溜めておきなさい」
むちゃむちゃと口の精液を咀嚼しながら、頷いてみせる預言者。
「素直になっちゃって……あ、ちょっと離れるわよ」
何かに気付いた様子のベラは、男根を抜いてルシエンから離れると、扉へと向かった。
永遠に閉ざされているのではないだろうかと賢者が信じかけていたそれを、容易く開け放
ち、外へ出る。懐から出したカードに、耳を当てて話しかける。
それは、怒気をはらんだ声色だった。
「もしもし、遅いにもほどがあるわよ、いつこっちに来るの!」
ばん、と扉が閉まる。
陰鬱な小部屋の中に取り残され、肛門を犯されながら、ルシエンはホーリーグレイルか
ら精液を飲んでいた。この味にも慣れ、臭みによって興奮できるようにもなった。
いつまで続ければいいのだろう、とふと考える。ここまで開発されてなお、あの方に差
し出される生贄としては不足なのだろうか。
──次に会ったとき、ベラに尋ねてみよう。
それまでは、この女神からの悦楽に溺れていよう。結局のところ、射精してもらうには
こちらも感じることが早道なのだ。
──そしていつ、私の純潔を完全に奪って狂気をくれるのか、訊いてみよう。
狂気を渇望する精神は、強靭なまでに正気を保っていた。最後の一押し、それをもらわ
ぬ限り、永久に聖女の心を失えないのではないか、と恐ろしくなる。
──私、もう、気が遠く、
しかし二度と、ベラは帰ってこなかった。
煉瓦と漆喰で塞がれていく扉を眺めながら、そこでルシエンと交わっていた昨日までの
ことを思い出す。共に溺れたときには愛着を感じた相手だが、離れてみればそれも薄れた。
──カルドセプトそのものに飽きた、とはね。
依頼者からの、中止の連絡。
他に何か、興味を引く遊びでも見つけたのだろうか。ともかく、ルシエンへの執着も消
えたようで、仕込みも全て無駄になった。
──まあ、過程は楽しかったけれど。
暗示をかけた聖堂の住人らに、部屋を壁で封じてしまうように命じた。彼らには、ルシ
エンはあのセプターを追ってアトラを降りたことにしてあるし、この部屋には魔物がいる
ことになっている。大して考えもせずに作った話だが、魔術にかかった彼らには、疑うこ
とすらできないだろう。
──サンクタムガードには、淫穴も使うように命じておいた。永久に動き続けるから、
上手く付き合うといい。
それにしても、あの気高く強靭な精神が、いつまでも発狂を許さないのであれば、それ
は彼女にとって、とても不幸なことだろう。
だが、それを確かめるのも億劫だった。
──さようなら。
そうして、ベラもソルタリアを去った。
半年後、塔にある開かずの間から、大きな物音が聞こえた。
ひととき話題になり、それを最後に、そこは忘れ去られた。
遠い世界、ベラはときおり思い出す。
悠久の時が流れたが、ルシエンは果たして死んだのだろうか。
まず間違いなく死んでいる。だが、その確認はしていない。
──もしかして、
とベラは思い浮かべるのだ。
神も人も、あらゆる命が失せ、虚空に漂う死の世界となったソルタリアの、聖峰アトラ
の頂上には、まだ預言者の神殿が残っていて、塔の最上階の、通路のつきあたりの、壁の
向こうの開かずの小部屋では、聖女ルシエンと女神とが、いまだにまぐわい続けているの
ではないのだろうか。
狂えず、苦しみながら、時の終わりまで永遠に。
以上です。
濡れ場に特化した内容を目指しました。
誤字脱字乱文悪文等ありましたら、ご容赦下さい。
ぼじゃノロイさんへお送りしたものは、推敲があまりに不足していたため、
加筆修正を加えさせていただきました。
不完全なものを押し付けられた形となってしまったぼじゃノロイさんには
恐縮なのですが、私の右往左往ぶりを見比べることができるというあたり
でご海容願いたいと存じます。
連載中の作品「名」については、少しづつ筆を進めております。
放り出すつもりはありませんので、気長にお待ち頂ければ幸いです。
それではまた、できれば近日中に。
>加筆修正を加え
さっそく、駄目な文ですね。
猛省致します。
━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
531のフェイトの予言が見事に的中かぁ…
地王氏もほんとにお疲れ&GJです
メイドといえば、ぼじゃノロイ氏なわけだ。
邪悪メイドは守備範囲外じゃ?w
ココに続いて、某・スレにも素ん晴らしい『紙』が御降臨遊ばされました。
ちょっと遅めのお中元がまとめてやってきたような、幸せな八月最後の日曜日記念捕手。
おすそ分けキボンヌ
うっは、お中元thx
新発見
地王の読み切りでサンクトムガードが4本腕となっていたけど、
漫画版の二巻でかねこしんや氏のインタビューで、「4本腕は分かりにくいので没」
みたいなことを言っていた。
没ネタ=プロトタイプみたいなイメージの小ネタだったのでしょうか、ただの勘違いだったのでしょうか・・・>地王
600 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 01:54:23 ID:TYmfukpT
600は頂いた
オバコンが集うスレはここですか?
24歳(独身・聖者)をオバサン呼ばわりとは、貴様、21歳未満だな?
もしそんな内容が実装されていたら、
すぐさま飛び込んでしまいそうな俺ザンギエフ
>地王氏
ヤバ、バッドエンド最高です。
そして、萌えキャラでないのに、燃えてしまいました・・・俺もメイドセプター作ろう。
>カルドセプトモバイル
キャライラストがサラっとしてて、ちょっとカルドらしくない感じ。
傑怪老氏かぼじゃノロイ氏に描いてほしいさ。
正直、今となっては、ルシエン様抜きではカルドセプトという気がせぬわ。
コミックス期待保守
13ヶ月ぶりにエロパロ板に来たが、このスレまだ健在だったのね
記念カキコがてら保守
まだまだこれからよ。
来週あたり動きがあると予言
613 :
地王:2005/09/25(日) 23:34:21 ID:t+ZF/gTD
>>612 善処します。
もう少しかかるかもしれませんが……その時はご容赦を。
マッタリ期待!!
>地王様
家ゲースレで話題になってましたよ。
616 :
ぼじゃノロイ:2005/10/02(日) 15:18:43 ID:e/Nn8tuN
家ゲスレワロスw
ダゴン描いたので久しぶりに貼りにきますたよ。書き込んでませんが年中見てんですけどね(´_ゝ`)
ttp://zaku6.sakura.ne.jp/img/051002.jpg サンクタムは僕も4本ウデのデザインの方が好きでしたね。メカっぽくて。
でも2EXでケンタが追加されたから結果的に今のでよかったのかな。
邪悪メイドっつうかサンクに犯されてる絵も描きたいですね。暇を見つけ次第また来ます。
>606
ちょwww 漏れが描いたらエロゲになる罠www
わあお
超神絵、超神予言!!
タコヤキ、ドゾー
先制80%即死キター!
さすがぼじゃノロイさん、GJッス!
濡れた
>616
>621
やっぱりこのスレさいこーーー!!
それだけには留まりませんが、もちろん執筆速度は大きな欠点の一つ。
こんばんは、ダークマスターです。
日曜と月曜に休みがとれそうなので、そのあたりには更新したいと思います。
と、ワーウルフのような発言をしに参りました。
一連のダゴン絵にインスパイアされようにも、すでに拙作では蛸王として登場
させていることに気付き、惜しいことをしたと悔やんでおります。
とりとめも無く書き込ませていただきましたが、次回には作品を携えて参上し
たく存じます。
それではまた。
漫画版のダゴン様、足は普通に人型のがあるのに手は無ェのな。
…ところで、漫画の中でカリンが使ってた「斬撃の光輪(ティアリングハロー)」って
ゲームに出てきてたっけ?記憶に無いんだが。
>>625 ティアリングハローはPS2のカルド2EXで追加されたカードっす。DCのみのプレイなら知らないとは思う。
>>624 今からでも遅くないです。
中の人がいるということで!!
628 :
625:2005/10/06(木) 15:45:32 ID:Fsg+s658
>>626 おお、サンクス。やっぱPS2版のほうか。
ネット対戦が出来ないから、買ってなかったんだよね、アレ。
カルドセプトの真骨頂は、見知らぬ相手との辻対戦と思ってるので。
あぁ…ネット対戦の出来る新作カルドセプトが早く出ないかしら。
モバイル版はイマイチ、食指が動きません。
ところで、ここはルシエン中心スレだけども
カルド1ネタのSSってどうなんだろう
>>629 来るもの拒まず、去るもの追わず
もはや『カルドセプト』の文字だけででも丼飯3杯は
イケル我が愚息に、好き嫌いだのえり好みだのが有ろうはずは無い
でも、カルド1ネタのSS(っーか、小ネタ)って一応初代スレに投下されてますよ
去るものにはバインドミスト
来る者にはクイックサンド
力尽きた者あればレイズデッド
>>630 キングトータスレス失礼します。過去ログ見たらゼネスネタ見つけました。
うーん、自分は1stしか持っていないので嬉しかったw
なんかもう2ndがどこにも売っていない罠。
というかエロパロ板は過去ログ見れるのね…
日付はまたぐと思いますが、おそらく今夜中には更新できそうです。
深夜になると思われますが。
そう書いて、自分を追い込むことにしました。
地王氏に期待しつつバイタリティの呪いを付加
じゃあ漏れはクイックサンドをかけておくぜ
じゃあ俺は自分にスリープかけて、もう寝ます。お休みなさい。
これ以上の執筆時間の延長は生活に関わるため、ある程度のあたりで更新しておくことに致しました。
今回、あらかじめ説明させて頂きますと、話の流れ上、濡れ場がどうしても入りそうにありませんでした。
そこで、ある一点でストーリーの分岐を行い、濡れ場が発生するようにしております。
具体的には、名前欄に「分岐点」と入っている書き込みから、今後続いていくストーリーと、濡れ場に派生
するストーリーとに分かれる形です。
ですが、この二つに上下関係はなく、派生して終焉を迎える流れも、便宜上本筋となる物語も、まったくの
等価と捉えて頂きたく存じます。
そして何より申し訳ないことなのですが、そちらの派生ぶんが、完結しないままに今回の更新となります。
そのため次回は、こちらの完結と、本筋の続きを書く予定となります。
どうぞ、変則的な物語で恐縮ですが、お付き合い頂ければ幸いです。
640 :
「名」:2005/10/11(火) 02:14:54 ID:O6/wS+iz
ダゴンの怒りを散らすため、踊り続けた代償に、道化師が溜め込んだ魔力はほとんど空になっていた。
このままでは、この身を維持することも危うい。
しかし、見れば小屋を護る光も失せかけているではないか。霊廟を満たしていた清冽な毒気は、もう
魔の者らを圧することもなく、じっとりと肌に絡むだけの湿気に場所を譲っている。
──残念至極、死にそびれた。
二呼吸前までの自分と決別し、新たな危機と不満を求め、仮面の奥で冷笑すると、気狂いは憤怒の
水源を見遣った。王は、槍襖の如き牙の奥から、暴君の唸りを漏らし続けている。
──さて、どう出て、どうなる?
札無き預言者は、如何な芸を披露してくれるのだろうか。先刻は見事な動きに肝を潰したが、それも
王による圧倒的な暴威の前には役立つまい。いや、実際のところ、先代ルシエンの足掻きがなければ、
あと一手で肉を骨を押し潰せていたはずだ。
──おお、おお、気狂いは奮え、道化は待つ!
いつまでたっても現れない小娘らのことなど、マッドクラウンの思考に影を落としはしなかった。
641 :
「名」:2005/10/11(火) 02:16:07 ID:O6/wS+iz
「まだ暫し、護りは保たれそうですね」
立ち、己を見下ろし、嘆息する。これからの戦いは、過酷なものとなるだろう。かといって、このままで
は、集中が乱れないとも限らない。
「どうなさいましたか、ルシエンさま?」
「身を清めます」
水はあるかと訪ねると、怪物は否と答えた。
「先代が、ルシエンさまを介抱するために用意なさった、水差しの中にしか」
「それで十分です。清潔な布と合わせて用意しなさい」
主として使い魔に命じる。緩んだ高音で返事を返すと、バルダンダースは扉の向こうへ消えた。
──まずは、ダゴンら水の怪物を討ち滅ぼさねば。
緑に透ける瞳の少女が語った、ジェミナイを作り上げた存在に、どうしても思考が引き寄せられる。そ
して、先代の告げた因縁、審問会ジャッジメントにも。
──来た道は、危険だ。風の牢獄にウィルスを蔓延させられてしまえば、それで終いだ。
どのみち、進む方に全てが待っているだろう。果てには彼女も。
体が勝手に震えるので、ルシエンは両の腕を抱き締めた。性の臭いが、鼻に這い登った。
だが、それだけだった。
642 :
「名」:2005/10/11(火) 02:17:07 ID:O6/wS+iz
「お待たせしました」
「なっ」
戻ってきた少女を見、預言者は言葉にならない声を上げた。手には畳まれた布、その上には銀の水
差しが乗っている。
「何です、その──」
「仰せの物を」
「──奇な出で立ちは」
黒と白の服はそのままに、純白の前掛け、透かし布をあしらった小さい帽子、が加わっている。城の
女中を思わせる装いで、化物はにいにいと笑んでいた。
「ああ、ドモビーですよ」
雑役をこなす、火のクリーチャーを挙げる。
セプターは緊張がたわむのを感じながらも、どうにか対話を試みることにした。
「ドモビー」
「変身しました」
「なぜ」
「身の回りのお世話を」
「その、帽子と」
「前掛けだけ、取り入れてみました」
「どうして」
「ルシエンさま、こういうのがお好きなのでは、と」
「好き、とか、嫌いとかではなく」
「お好きなのでは?」
「好きになさい」
643 :
「名」:2005/10/11(火) 02:18:40 ID:O6/wS+iz
早くも従者との旅路に不安を覚えはじめていたが、それでも支度にかかる。腰紐に手をかけ、解き、
少女を見る。見られ、バルダンダースは小首を傾げてみせる。
「どうぞ、お気になさらず」
しばし逡巡したが、ここで恥じらってみせては、セプターとクリーチャーの関係としては相応しくない。
聖女は合わせに手をかけると、白い肩を抜き、極力抑えながらも少しくねりながら、上着を脱いだ。
「そういえば、あなたは」
話題がどうしても欲しくなり、記憶を探れば、どうしても質問したいことが出てきた。
「何でしょうか?」
「好きな姿に変身できるのですね」
「ええ、知性によって」
「それには、どれだけの時間を費やすのですか?」
その問いを聞いたバルダンダースは、感心した表情を作って、賢者に答えた。
「さすがです、ルシエンさま。大きさによっても異なりますが、二呼吸はかかります」
やはり、とセプターは両脚を法衣から引き出しながら考える。
おそらく、長く時を経るうちに知性を身につけたこの怪物は、本来バルダンダースが制御しきれない
変身能力を、御するだけの知性を持ちえたのだ。それはこの上なく頼もしい能力であるのだが、知性は
本能より遅い。
望む姿に変ずるためには、幾ばくかの余分な時間を必要とする。それでは、実戦の中、必要とされる
変身を行うには遅すぎる。
「私が命じて、二呼吸ですか」
「予知されて、命じられて、変わり始めて、現実には一呼吸遅れますね」
644 :
「名」:2005/10/11(火) 02:19:37 ID:O6/wS+iz
何という理解力であろうか、しかしそれには発展が無く、故に知恵には届かない。
「そうです。指示無くして、己で判断できますか──如何に変態するかを」
「ルシエンさまったら、私を馬鹿みたいに。少し考えれば、きっと決められますよ」
しかし、それで、更にひとつふたつと呼吸を使う。これでは、天を裂く名剣はあれど、振り回す膂力が
欠けているのと同じことだ。
聖女は股を隠す下穿き一枚になると、羞恥の裏より覗く悔恨を散らすため、背を伸ばし、顔を上げ、
朗々と下女に命じた。
「衣を清めなさい。身は私が洗いましょう」
「その汚れきった下着は、どうします?」
頭痛に耐えて後、預言者はどうにか返す。
「今から、脱ぎます」
腰骨の上に掛かっている紐をほどくが、布地は股の肉に貼りついて剥がれない。平静を装い、手をも
て取り除く。べり、べちち。
「ぬちぬちっと、音がしました。だいぶ染みているようですし、お時間を頂きますね」
「早くなさいっ」
音こそ抑えたが語気は荒くなり、それを押し隠そうと、肌着を投げつけるという狼藉をはたらいてしま
う。すぐに悔いたが、そのまま押し通す。
「半刻で終えなさい」
「はぁい」
その様を笑い、従者は一礼しつつ下がった。
645 :
「名」:2005/10/11(火) 02:20:52 ID:O6/wS+iz
水を引き伸ばして使い、布を強く当てて汚れを拭き取るうちに、考えが纏まってくる。思い付いた策を
行うには勇気が必要だが、さりとて懐にあるのは知恵と勇気だけだ。
「ルシエンさま、入ってよろしいですか?」
半刻を待たずして、少女の声がかかる。しかしすでに、無駄なく使い切られた水によって、ルシエンの
体は輝きを取り戻していた。
「入りなさい」
衣服を重ねて捧げ持ち、部屋にするすると入り込んだバルダンダースは、早くも従者としての佇まい
を身に付けつつあった。
「御苦労でした」
受け取った法衣や肌着は、かつての清浄な色合いを取り戻しており、聖女を安心させた。どのように
して清めたのか、不安もないではなかったが、ドモビーとしての魔力のなせる業だろうと、想像を打ち切
ることにして、下穿きに手を伸ばす。布を股に通し、紐を腰で結ぶ。
「あ、それ、好きです」
少女が明るい声を上げる。
「その、履いたあとに、指で直す仕草、好きです」
尻肉と布地の間に指を差し入れ、履き心地を整えている姿勢のままで、セプターは止まってしまう。つ
いに声を荒げるべき時なのかと思うが、すぐに考え直し、平常心を示すために急ぎもせず、その行為を
完遂する。
このクリーチャーとの付き合いには頭痛が絶えないだろうという暗い予感に囚われつつも、更なる頭
痛の種となるであろう提案を口に出すべき時が来ていた。
「いいですか、聞きなさい──」
646 :
「名」:2005/10/11(火) 02:22:08 ID:O6/wS+iz
さて、そろそろ頃合いか。道化は踊りをやめ、王の怒りを解き放った。静寂の後、触腕が持ち上がり、
打ち下ろされる。次いで二度三度、やがてはめくら滅法の暴れぶりに。
巻き添えをくらわぬよう、舞いながら出口へと近付いていた気狂いはまんまと逃げおおせた。後には
水の王と、その贄となるべき預言者だけが残される。床を天井を結界を打ち据える太い手足は、どう掠
めたところで、あの人間が耐えられるものではないだろう。
──見物も悪くないが、はは、明晰な頭脳の気狂い道化師としては、だ。
それは理性ではなく本能の深みで感じたものではあったが、狂えるクリーチャーは迷わず従った。事
態は、おそらく悪い方に転がるだろう。
──保険がいるな。
選んだ出口は、ルシエンが向かおうとする先だった。
647 :
「名」:2005/10/11(火) 02:23:03 ID:O6/wS+iz
「伝達が遅れなければ、負ける相手ではありません」
霊廟の幕を上げ、王の暴虐を目の当たりにした賢者は、傍らに控える従者に宣言する。リ・リと応じる
バルダンダースには自信が満たされていた。
「知恵もなく、身ひとつで向かい来るクリーチャーであれば、恐れることはありません」
触腕が打ち下ろされるたびに、結界の輝きが薄れていく。あと十を数えぬうちに、水の魔王は聖なる
護りを破るだろう。
「ルシエンさまの体が持つかぎり、ですよね」
「そうです、行きましょうか」
不安を探すことはしなかった。いくらでも転がっているそれらの石ころを、知ったところで取り除く術は
持たないのだから、あとは走るだけだった。
「報酬の件、絶対ですからね?」
「その条件も含めて」
「テケリ・リ! 早く片付けましょうね」
聖女の右腕が一振りされ、結界が解かれ、ダゴンとの間を隔てる物はなくなった。
648 :
「名」:2005/10/11(火) 02:24:06 ID:O6/wS+iz
ルシエンともう一人が現れたことに気付いた水の王は、怒りに任せて壁を叩いていた。この護りを破
り、彼奴に苦痛と死と滅びを与えてやるのだ。
あと少し、もう四か五度叩けば、隔てるものは割れ砕ける──そう思い、強く振り下ろした腕は、何の
妨げもなく霊廟に打ち込まれた。
虚を衝かれ、体勢を崩し、預言者を見失ったダゴンが、結界はそのために解除されたのだと思い至っ
たところで、女たちは蛸じみた巨躯の懐に入り込んでいた。
ざわ、ずるずるずるる、ざわざわ。
胴を守るように全ての腕が構えられる。それが動き出すより早く、ルシエンは無言で指示を出した。記
号と視覚で伝えられるそれに従い、バルダンダースは地を蹴る。
鈍色の翼が背に生まれ、王冠と剣を輝かせながら、勝利の女神ナイキーが舞った。
649 :
「名」:2005/10/11(火) 02:25:17 ID:O6/wS+iz
「ふぅっ、良い心地」
正面から迫る触腕の波は、幾重にもなっているため壁に見えた。それでも預言者から送られる画は、
それが立体であることを教えてくれる。ナイキーは指示の通りに羽ばたくだけで、一本、また一本と死
の腕をくぐり、膨れ上がった王の腹を目指す。ダゴンは牙の奥から溜め込んだ水を吐き出した。
オ、ボ、オ。
咆哮ではなく、沈んだ都の古語だった。空気を震わせるようには作られていないその言語も、目的に
は不都合を生じない。内より溢れる魔力を破壊に向ける、それは呪文だった。
──間に合います。
「だと、いいですね!」
舌が喉が螺旋にねじれ、臓腑で練られた悪意の産道を形作る。それはありふれたスペルの一つ、冷
気を持って敵を討つ、フリーズの呪文であったのだが、水の王が唱える威は比類ない。
翼を畳み、一本の矢、一条の閃光と化したナイキーが謁見したとき、王の口は胴の半分ほどに開か
れており、冷気が喉元まで満ちていた。
──上!
そこへ動くのか、そこが危ないのか、一切の説明なく流れ込んできた賢者の言葉には、警告と指令と
が詰め込まれていた。
「まるで──」
己がルシエンの一部になったようだ、と続けるには、ダゴンのフリーズは早過ぎた。白さも遅れてくる
ほどの勢いで、冷気の束が吐き出される。女神は津波に向かい、左腕の盾を投げつけた。
それからの出来事は、ルシエンが二呼吸する間に起こった。
650 :
「名」:2005/10/11(火) 02:27:08 ID:O6/wS+iz
色の無い吹雪の先陣に投げつけられた木の葉は、瞬く間に全ての温もりを失い、ひら、と閃くと圧し
戻された。フリーズの先駆けとして返ってきた己が盾を踏み付けると、ナイキーは蹴った。ここまでの勢
いに縦の力が加わり、山なりに舞う。冷気を爪先に薄く感じただけで、王の怒りを軽くいなす。勝利の女
神はそのまま羽ばたき一つ、ダゴンの額と思われる一点へ剣を突き立てた。その刃に込められた破邪
の理がダゴンの全身を縛りあげる。
──まだ、封じただけ。滅ぼすには、まだ!
ルシエンが息を吐ききり、大きく吸う。
剣を刺したまま、ナイキーが飛び上がる。切り上げるようにして、王の額に縦一文字の傷跡を残した
女神は、天井を背にして朱に輝く。先刻とは異なり、赤い色の槍と化したバルダンダースは、王の皮膚
に突き当たり、それを食い破る一瞬だけ、その姿を明らかにした。溶岩を纏った、蛇とも芋虫ともつかな
い生物。火のクリーチャー、ラーバワームはそのまま体内に潜り込むと、聞いている聖女の骨が砂と砕
かれるような悲鳴を奏でながら、縦横無尽に食い荒らした。
ルシエンが息を吐ききる。
命の抜けていく水の王から顔を出し、鎌首をもたげてみせるラーバワームの口中では、少女がけらけ
らと笑っていた。
吐いた息と同じ量が吸われ、戦いは終わっていた。
651 :
「名」:2005/10/11(火) 02:28:30 ID:O6/wS+iz
「リ・リ、こんなところでしょうか」
化生の笑顔で媚びてくる少女を見上げ、預言者は溜め息をつく。自らが命じたこととはいえ、敵が魔
王であるとはいえ、気持ちの良い光景ではない。
「良くやりました」
それでも、ねぎらう。責は己にあり、剣に負わせるわけにはいかない。
──あとは、道化と夢魔……ああ、いけない!
意図して予知するつもりはなく、ただ瞼を下ろしただけだったが、ルシエンはその時、死の未来を見た。
脳を焼く苦痛に耐えながらも、知り得た全てを即座に送り込む。
ラーバワームはそれを受けて身をよじらせ、輝く粒子に散り、気中に満ちた水滴を集め、瞬く間に氷
の塊として再構成する。
ぎぎ、がぎぎっ、かぁん、きん。
冷たい音を撒き散らしながら、十を超える三叉の銛が投げかけられた。削り、刺さり、弾かれるそれら
を投げていたのは人の手だが、飛ぶ先を見つめるのは魚の目だった。
──魚人、マーフォーク!
「ダゴン秘密教団のお歴々ですか」
彼等の神の現身の、骸の上の憎き仇。多くの魚人は喪失に打ちひしがれるばかりだったが、仇を討
ち、主に報いんとする輩もあり、これらの銛には全霊の害意が込められていた。
「効かないのに、無駄なことを」
湿気より氷を生み、体を太らせ続ける氷塊には、その芯に届かぬ刃など意味を持たない。バルダン
ダースは裂け目を口と変え、言葉にしてマーフォークらを嘲っていた。
「さて、どうやって捌いてやりま……」
──いけない、戻って!
魚人の注意が、ルシエンにも向いていた。粒となって飛来しながら怪物は盾へと変じ、最初の銛が主
に届く前に、右手に収まる。
652 :
「名」:2005/10/11(火) 02:30:15 ID:O6/wS+iz
とぉん、と害意が突き刺さり、苦悶するバルダンダース。生ける盾として、その顔をかたどった防具に
変身した少女の、眉間から銛が生えていた。
「くう」
「いけません、この数では」
仇が消えたことで、魚人の目は預言者に集中する。彼我は遠く、間に神の骸はあったが、ダゴン信者
の数は百に近い。
幾ら予知と変化をもってしようとも、抗いきれる軍勢ではなかった。憎悪に燃えるひと突きがルシエン
に届けば、赤と暗黒が聖女を包むだろう。
「逃げますよ」
「そうですか──痛っ!」
更に一本、今度は少女の頬から銛が生えた。しかし飛来したのはそれだけで、他のマーフォークは、
怨敵の肉を貫く感触を求め、得物を握り締めたまま動き出していた。泣いていた信徒も立ち直り、害意
の波に加わる。後ずさる預言者は、魚人に混じって行軍する、より大きなクリーチャーを見た。人を倍し
た体躯に、蛸を頭とした異形。水神イクシアの僕たるクラーケンは、その身を鎖で貫かれ、口元の触手
を蠢かせながら、戦奴隷として牽きたてられていた。
「走らないんですか?」
「その機を待っています」
こちらが走れば、相手も津波と押し寄せるだろう。こうして睨み合いながら、可能な限り出口へと近付
くのがルシエンの考えだった。
653 :
「名」:2005/10/11(火) 02:31:39 ID:O6/wS+iz
「でも、いつかは」
「そうですね」
クラーケンの一歩につき、軍と聖女は二歩、睨み合いながら通路へと近付く。
「いつです?」
マーフォークらは、冷たい生物であるから、血が頭に上るまで時間がかかるのであろうかと、バルダン
ダースは考えてみた。
「もう少し、もうすぐ」
戦いにおいては、こうした緊張状態が生まれるものだと、賢者は知っている。ふとした弾みで産み落と
される、死神が首を巡らせる瞬間。示し合わせたわけでもないのに訪れる、全面衝突前の空白時間。
しかしその膠着を利用するのも、通路まで十数歩を残したあたりまでであると、預言者は知っていた。
「すぐって、いつ?」
「すぐ、は」
──今です!
盾は魚人らに向けたまま、ルシエンが爪先を転じ、全力で走り始めるのと同時に、先頭のマーフォー
クが、落ちている銛に躓いた。からぁん。
セプターの靴が石畳を叩く音は一度しか響かず、轟く百の水音が、嵐のように広間を支配した。
654 :
「名」:2005/10/11(火) 02:33:02 ID:O6/wS+iz
「わあ、凄い勢いですよ」
激流となって襲い来る魚人の群れに突き出されながら、暢気な声で感想を漏らす盾に、預言者は指
令を叩き付ける。
──散りなさい。
「はぁい」
そこで少女は口を開く。盾いっぱいに広がる黒い穴となったとき、そこから色が弾けた。溢れ出る色彩
が、教団の進行方向を覆い尽くす。
それが何であるのか、マーフォークはすぐに理解できなかった。それが、鱗に貼り付いて水分を奪うも
のであること、風に乗っていくらでも押し寄せてくることは、彼等を恐慌状態に陥れた。めくら滅法に腕
を振り回し、その軟らかい壁を裂くのだが、うまく運ばない。
──増え続けなさい。
盾であったものは、すでに綿毛の固まりになっていた。セプターの手にあるそれは、大きく裂けた黒い
口から、彩り豊かな分身を吐き出し続けている。
風に属するクリーチャー、パウダーイーター。
それらは決して強い力を持つものではなかったが、際限なく増え続けるという特徴により、魚人の足
止めを行っていた。
──通路に入りました、もう少し!
655 :
「名」:2005/10/11(火) 02:35:28 ID:O6/wS+iz
預言者は背後にパウダーイーターを差し出したまま、床を蹴っていた。その後では色鮮やかな綿毛
が増殖し続け、四角い通路は密生した軟らかい壁で塞がれていく。
どれほどか走り続け、聖女は開けた場所に出、足を止める。呼吸を整えるために壁に寄りかかり、落
ち着くまで辺りを見回すと、天井の隙間から漏れる薄明かりに浮かび上がるそこは、どうやら部屋では
ないようだった。
「ルシエンさま、休憩ですか?」
綿毛が、黒い裂け目を動かして質問してきたので、変身を解除するように伝える。粘液を経由して少
女に戻った怪物は、上機嫌だった。
「広めですけど、まだ通路ですね。今までとは違う雰囲気です」
ルシエンがこれまで通ってきた道は、単調なものばかりだった。考えたくないことだが──
「迷路になってたら、困っちゃいますよねぇ」
──分岐が、あるのかもしれない。
嘆息する。
予知と意思伝達を組み合わせた戦法は、これまでに倍する負担を聖女に強いていた。未来視を濫用
すべきではないという、師の言葉が蘇る。しかし、他に手札は無いのだ。
ともあれ、全力で走り続けたこともあり、しばらく体を回復させるのが良いと思われた。
「少し、休みます」
「わあ!」
歓喜を模した声で、怪物が反応する。なぜ、と思う間もなく二の句。
「じゃあ、御褒美を下さい。報酬」
656 :
「分岐点」:2005/10/11(火) 02:38:53 ID:O6/wS+iz
「なっ」
「ですから、魔力の代わりに、ルシエンさまを犯して良いって話ですよ」
確かに、先刻そう約束していたことを思い出す。
計画を話し終えた後にクリーチャーが持ちかけてきたその取引は、気持ちの問題を除けば、望ましい
ものだといえた。今は魔力の一滴も惜しく、そのほとんどは予知に費やすため、この怪物の使役にかか
るぶんを節約できるとなれば、どれほど負担が和らぐだろう。
「ねえ、そうでしたよね?」
「分かっています……しかし、条件も提示したはずです」
時間と安全が確保されている場合でなければ、報酬の支払いは後回しとする。これが二人の間に交
わされた約束、セプターとクリーチャーの契約、聖女の誓約だった。
もちろん、難癖を付けて断りきる、というつもりはない。だがこの取引によって、目的が果たせなくなる
ことがあってはならない。
「この状況で、払えるわけがありません」
いつ、あの壁を破ってマーフォークらが突入してこないとも限らない。呆れながら、そう理由を説明し
てやる。
「じゃあ、じゃあ」
聞くと、一層笑みを大きくした少女は、粘つく声で確認してきた。
「安全なら、犯しても良いんですね?」
657 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:40:51 ID:O6/wS+iz
ルシエンは反射的に応じた。それは決して、普段の賢者であれば言わぬほどに愚かな、普段の聖女
であれば言わぬほどに歪んだ、普段の預言者であれば言わぬほどに短慮な、感情任せの言葉だった。
「ええ、もしそうでしたら勝手になさい」
だが、どうやっても安全ではないだろう、と含んでのことだった。
「なるほど、それもそうです」
疲労さえなければ、少女の声音をいぶかしむこともできたはずのルシエンは、自分が迂闊な答を返し
てしまったことに気付いていなかった。バルダンダースの裾から緑が伸びる。
「ちょっ、待ちなさ──」
生暖かい触手は壁際の聖女に絡みつくと、通りの中央まで引き寄せる。それは有無を言わせぬ、陵
辱者の強引さだった。
「契約は、破れませんものね」
「そうです、ですから──」
「破れないんですよ、ルシエンさま」
658 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:42:19 ID:O6/wS+iz
緑の縛めを解く。しかし少女の両手は、獲物の腕と腰をつかんだまま放そうとしない。
「つまり、ね」
「う、く」
体を捩っても、ルシエンが逃れることはできなかった。全身をくまなく流れ落ちている汗が、ぬるりぬる
りと滑りはしたが、それだけだった。
「安全なら、いいわけですよ」
預言者は、魔物が融ける様を見た。少女の首だけを残し、肩から下が灰色の泥と変わる。その色が、
銀が密集したためのものであることを、足元に広がっていく粘液が、量が増すごとに輝いていく様子で
理解する。
「あ……あなた、なに」
「何に変わるでしょう?」
泥と化した両手で拘束を続けながら、少女といえなくなりつつある異形は、愉悦している。
変化は終わりに近付いていた。賢者は、融け広がるバルダンダースの形が、正確に単純な図形を描
いていることに気付く。一辺が女性二人ぶんほどの長さを持つ、それは正方形だった。
預言者が息を呑むなか、少女がテケリ・リと叫ぶと、四辺から粘液が垂直に吹き上がった。より薄まっ
た泥を眺めながら、銀色が、半透明が密集したためのものであることを理解する。
「ほら、できましたよ、安全」
変身は終わっていた。セプターを囲むのは、半透明で滑らかな、六枚の正方形だった。立方体に閉じ
込められたこと、そしてここが確かに安全であることを知り、気が遠くなる。
「ワンダー……ウォール」
「ええ、そうですよ。四界のクリーチャーでは、破ることのできぬ壁です」
耳元で淡々と話すバルダンダース。
「ではこれで、報酬を頂けますよね?」
659 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:44:39 ID:O6/wS+iz
──マーフォークらでは、これを破ることはできまい。マッドクラウンにせよクラリスにせよ、正面突破
は不可能だ。考えられる対抗手段は、後者二人が呪文なり道具なりを携えてきた場合だが、そこまで
条件を付けてしまえば、もとより報酬を払うつもりなどなかったことになりかねない。
ルシエンは、その逡巡によって、助かる道を閉ざしてしまった。
「頂けますよね?」
「一つ、条件があります──」
せめて、これだけは言っておきたいと、視線を合わせ、クリーチャーに確認する。
「──私が少しでも、この安全が破られると感じたら、すぐに止めなさい」
「もちろんですよ。ルシエンさまの考えは、すぐに伝わりますから」
これ以上、遠ざける方法を見つけられなかった賢者は、怪物に向き直る。すでに束縛はなく、状況は
監禁に変わっていた。
地面より、その材質と同じ茎で生えている。葉も無く、根も無く、少女の頭を花と咲かせている。半透
明の密室の中、ルシエンはこの物体と二人きりだった。
「ふふ、ふふ」
茎が伸び、少女の顔が寄せられる。聖女はおぞましさに震える身を叱り付け、毅然とした態度で少女
を待っていた。
「堅くなられて、どうなさいました?」
「早くなさい」
霊廟での決意が、預言者の声に再び、凛とした厳かな響きを与えていた。それに打たれ、悪の側に
ある興奮が、クリーチャーの中に生まれる。
「駄目、だぁめですよ」
660 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:46:21 ID:O6/wS+iz
くつくつと喉の奥、半ば茎と同化しているあたりから笑いを漏らすと、少女の顎を、ルシエンの両乳
房の上に乗せる。
「犯すんですから、頼みなんて聞き入れるはずないじゃないですか。人間扱いしてもらえるとでも?」
蔑みを隠そうともしない物言いが、聖女の体に灼熱を生んだ。
「意外と、頭悪いですよね」
胸元から侮蔑の言葉を投げかける花を、押しのけようと腕を動かしたあたりで、手首が絡め取られた。
天井から伸びた粘液まみれの触手は、預言者の手をまとめると、頭上に揚げさせる。
「うっ!」
「ばぁか」
今、自分に自由は無いのだと、ルシエンは理解する。檻の中で嬲られ、犯され、めちゃくちゃに扱われ
るだけなのだと。
「それにしても、何度嗅いでも、絶品ですよね」
胸の間からうなじにかけてを念入りに嗅ぎながら、少女が法悦に浸る。
「動いたせいで、肌は熱くて、ぬるぬると汗に濡れて、こういうこもった場所なんて……うはぁ」
髪と頭巾に隠された箇所に鼻を差し込むと、感嘆の声を上げる。
「臭いです、ほんと。肉に飢えた、雌の臭いがします」
「そんな……」
抗議の声を、半ばで止める。いくら反論しようと、相手には届かないのだ。
「違うんですか? まあ、これだけ強いと、魅力的というよりも、気味が悪いくらいですよね、体臭。正直、
クリーチャーの私でも、辟易するくらいです」
661 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:48:11 ID:O6/wS+iz
己の体臭が、この数日で強くなっていることは、ルシエンも知っていた。それが肉の味を知ったことに
よるものかどうかは分からなかったが、原因がそれしか考えられないことも事実だった。
つまり、この体は本来──
「そうですよ」
思考が伝わっていたらしく、耳に口をべったりと付け、少女が肯定する。
「ルシエンさまの体は、淫らなことのために作られた、臭い肉塊なんですよ」
「違います!」
相違ないことは、聖女も承知していた。どうしたことか、神は己に預言者としての運命を与えると同時
に、淫売の肉体をも与えていたらしい。
「臭いですよね、どこもかしこも」
茎をルシエンの胸の間と右肩、背中へと滑らせながら、少女は脇へと辿りつく。法衣には汗の濃い染
みがあり、そこを嗅いで笑い出す。
「ふ、あは、凄いですよね! ちょっとの間に、こんなに」
かつてと比べ、より濃厚になった雌の香に、喉も茎も壁も震える。
「リ・リ! ルシエンさま、人間とお付き合いするのをやめておいて、良かったですよ。これじゃあ、どんな
相手にも、もちろんジェミナイにも、軽蔑されちゃいます」
黙って耐えるのは、限界だった。違う、そんなはずはない、と大声を出して抵抗するべきだ。そうしな
ければ、ルシエンではいられない。
「私は……」
「さぞ、罵られるでしょうね──なんだ、三賢者の一人、アトラの聖女ルシエンは、さかった雌豚以下の
畜生だったのか、って」
預言者は、それを想像してしまった。
662 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:50:50 ID:O6/wS+iz
「あれ、あれれ、ルシエンさま」
想像してはいけなかった。
「どうしたんですか? 仰け反って、小刻みに震えて……まさか、ですけど、まさか?」
ルシエンは、達してしまっていた。直接の官能ではなく、想像の中、それも性交ではなく罵倒と軽蔑に
よって、頂へと押し上げられてしまっていた。
「う……あ、はぁっ、う、ぅ」
空気を貪る熱した肉塊に目を細めると、バルダンダースは動いた。
「淫乱にも程がありますよ、変態聖女さま」
嘲った口のまま、脇全体にかぶりつく。それは頂上から下りようとする預言者を、再び高みへと登らせ
る刺激だった。歯で甘く噛み、音を立てて汗を吸い上げる。
「ひうっ! ひ、あ、いやぁっ!」
ぞちゅ、ぞちゅ、と舐めて吸って噛み締めながら、足元から賢者を犯しにかかる。床にあたる箇所が
粘液状に溶け出し、不定形のまま、靴を足首を這い登り始める。
「あ、いや、やめっ……」
しかし、それ以上の拒否はできなかった。これは、己が約束したことなのだから。
「臭くて、もどしそうです。他もそうでしょうか」
体が浮き上がる感覚、また達したのかとも思ったが、実際に浮いていた。粘液は、ふくらはぎの半ば
まで這い登ると、腕のように力強く、ルシエンの体を押し上げたのである。
「な、そんな、そっちは、私」
「こっちのほうが臭いに決まってますよ。淫売の根がここにあるんですから」
聖女は空中で、椅子に浅く座らされた形になっていた。膝を曲げ、両腕を上げたその様を満足そうに
眺め、開かれた脚の間に陣取る。
「苦し……痛っ……」
「ああ、大きなお尻の下に、何もありませんものね。しばらくの我慢ですよ」
法衣の裾は根元まで上がり、白い太腿がぬらぬらと光っているのが、余すところ無く見えた。首だけ
の少女は満足そうに一声上げると、肉付きのよいそこへと口を当て、脇よりも強く噛み、大きく音を立て
て舐めまわした。
663 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:53:14 ID:O6/wS+iz
「あ、あ、私のっ……ふとも、も、食べない、でくださ……ああっ!」
「いやです」
もちゅ、もじゅ。
「やっ、上がっ、て、こないでくださ、い」
「暴れると、苦しいだけですよ」
べちゅ、べちゅる。
「そこ、ほんっ……そこ、だめで……す」
「脂ぎってておいしいですよ」
がちゅがちゅ。
「や、やっ、も」
「気にせずどうぞ」
太腿への攻めだけで、ルシエンは幾度も跳ね上げられていた。肩と脚に苦痛を覚えながら快楽に身
をよじる聖女の、ある一点を見つめたまま、怪物は嬲り続ける。
「いっ、届く、また、私」
「次に達したら、見せて貰いましょうか」
少女の言葉に、預言者の背が冷えた。何を見せることになるのかは明白で、それはおそらく、今以上
の恥辱をもたらすことになるだろう。
「いやで、す、そんな、絶対に嫌ですっ!」
「そうですね」
「私、そこまで、落ちたくな……いぃっ!」
賢者、聖女、預言者としての自分を意識すればするほど、次の辱めを想像すればするほど、爆発は
早まる。視線を動かさない少女が腿の付け根を吸い上げた瞬間、耐え切れなかったルシエンは忘我の
境を越えた。
閉じた瞳の裏で、乳白色の光が爆ぜ、一時の遊離が魂に訪れた。
664 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:55:25 ID:O6/wS+iz
「は、ぁ、う……んっ」
時を計る術は無いが、長くない時間であったと確信できる痛みが、ルシエンの肩に残っていた。しかし
それはやわらいでいて、なぜかといえば、腰の下に支えがあるせいだった。
「おはようございます、淫乱聖女さま」
体勢こそ変わっていないが、丈の高い椅子のように、軟らかいが芯の通った塊が、尻と床との間に生
まれているようだった。賢者は、少女と見つめ合い、先刻の言葉を思い出し、目覚めぬ方が良かったと
いう悔いすら覚えていた。
「あな、た、まだ」
「続けますよ、安全な限り」
口惜しいことに、危険が迫っている気配はない。危ないといえるのは、この状況そのものだけだった。
「では、こちらを」
茎が伸び、少女の顔がぐいぐいと、股間へと近付く。ルシエンは慌てて脚を閉じようとするが、無駄な
こととも分かっていた。
「お願い、です、どうか、そこだけは」
哀願してみせても、何の意味もないことは、己が感触として承知していた。
「何言ってるんですか。物凄い悪臭をぷんぷん漂わせて……今だって、こんなに、法衣を持ち上げて」
裾を歯でつかみ、聖女の股間を露出させる。覚悟があったにもかかわらず、ルシエンは悲鳴を上げた。
そうしなければ、狂ってしまうと思われた。
665 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:57:09 ID:O6/wS+iz
──いいですか、聞きなさい。先ほど話したように、私の予知に応じてあなたが変身するのに、言葉
では遅すぎます。
身を清め、戦いに赴く前、セプターはクリーチャーに、策を話していた。
──ですから、直接、私とあなたの意識をつなげます。
普段はともかく、ルシエンが強く念じることによって、バルダンダースに思考をそのまま流し込めれば、
というのが、賢者が導き出した解決策だった。
──どうやって?
──同化します。
それは、先刻までと同じ状態を作り上げるということだった。体内に分身の一部を同化させ、二つの
存在を一定の段階で同調させるようにして、伝達経路とする。聖女にしてみればおぞましい手段だった
が、他の手段は存在しないように思われた。
──なるほど、じゃあ、さっきの場所ですね?
──それ以外の場所だと、問題があるのですか?
──以前に根を張った場所だと、やり易いです。
真実を確かめるには時間が足りず、賢者は最も確実な場所での同化を選んだ。
666 :
「名」派生:2005/10/11(火) 02:59:09 ID:O6/wS+iz
「凄い凄い、あはは、ぐっちゃぐちゃですよ」
清められた法衣の裏も、純白だった下着も、濁り、悪臭を放つ精液に汚されていた。それもこれも、肌
着を押し退けて屹立する、雄々しい男性器から撃ち出されたものだった。
「ひ、や、いやぁああ!」
「意識が無くても、立ちっぱなし。立派な男根ですよ、リ・リ」
バルダンダースが喋るたびに、吐息が先端に当たり、快感に貫かれた。発狂しそうな己に鞭を打ち、
言葉での抵抗を試みる。
「こ、これは、あなたが、させているのでは、ありませんか!」
「あ、預言者さまが嘘をおつきです。それとも、分かっていない、分かろうとしていないせいだったりしま
すか?」
最後が正解であることは、ルシエンにも分かっている。
「いいですか、これはただ、胎内に埋め込んだだけですよ。勝手に、以前お好みだった姿に変貌させて、
びゅるびゅると快楽の道具に使っているのは、どなたですか、賢者さま」
「それはっ!」
「ルシエンさまですよねぇ」
ふうっ、と強い息を根の裏、先端近くの一点に吹き付ける。羞恥で昂っていたルシエンは、その衝撃
に己を抑えることができなかった。勢いよく噴き出した粘液が、聖女の胸にまで飛ぶ。
「いっぱい飛びましたね、簡単に達するんですね、変態で淫乱で節操無しですね」
「わ、私……ひ、ひっ、う、ぐ」
ルシエンが涙と嗚咽を抑え込むまで待ってやるほど、バルダンダースは悠長ではなく、少女の口を先
端へと寄せると、軟らかい唇を当てた。
「ひぃあ、それは、う、まだ、ああ!」
667 :
「名」派生:2005/10/11(火) 03:02:02 ID:O6/wS+iz
先の先、裂け目の入った敏感な頭で唇を押し割るように、少女の頭が下げられていく。強い圧力の入
り口と、それを抜けてからの熱くぬめる内部、包むようにえぐるように奔放な動きで絡みつく舌に、聖女
の男根は限界を超えた快楽を表現しようと模索する。
「あ、ひんっ、い、くぅっ! あ! や、な、なんで! 私、どうし、こんな、ううっ!」
その結果は、休みなく続く射精だった。波が打ち寄せ、それが去る前に次の波がまた寄せる。そうし
て水かさは増していき、全てを濡らし、沈め、腐らせようとする。
「お、おかし、こんな、ちがうんです! 止まら、ない、私の、死ぬ、死にます!」
ぐぼちゅ、ちゅぼっ、と音と泡を立てながら、唾液と精液を混ぜ続ける少女は目を上げ、理性を失いつ
つある賢者を見た。しかし、行為を止めることはしない。狂いそうになってから、この聖女がいかに持ち
こたえ、立ち直ってみせたかを、何度も見ている。
「そっ、ち、ひぁっ! そっち、も、や、いや、そこまでしたら、そこまで、されたら──」
尻を受け止めていた椅子から、蠢く突起が二本、生え出していた。それらは蜜に誘われてルシエンの
秘所にそれぞれ辿りつくと、その頭を入り口に当てる。
「ん、ああ、それはですね、前みたいなブックワームの一種と思って下さい」
「では、その……食らう、のですか」
「ええ、片方はやっぱり糞を食べるんですよ。で、もう一匹は淫らな汁を」
腰を浮かせる抵抗を見せる間も無く、一方がルシエンの腸まで潜り込み、もう一方は円形の口を開く
と、襞ごと秘部にかぶりついた。
「お、おぉ、ううっ……い、いやあああっ!」
糞を食い荒らされる感触で達し、汁を啜られ襞をねぶられる快感で達し、少女に吸われる音と刺激で
達し、それらは意識を手放すまで続けられた。
申し訳ありませんが、今回はこのあたりで力尽きました。
果たして皆様のご期待に応えられているのかどうか不安でなりませんが、一度やり通すと決めた以上、
この物語を最後まで書き通す所存であります。
それでは、できれば近いうちに、また。
いや、眼福眼福。
五巻の表紙とダゴンたんにハァハァ保守
・・・しようと思ったが闇王キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GJJJJJJJJJJJJJ
地王→闇王→闇皇帝
くらいにクラスアップしてる。GODjob!!
御毒味役がこんなに良い仕事をし続けている限り
今日のオヤツが御膳に上るのは、何時の日になるのやら……
この価値で、まだスレッドレベル3とは・・・
どんだけ連鎖してんねん。
バルダンダースが、これほどにエロ向けのクリーチャーだったとは、驚きです
675 :
ルシエン:2005/10/24(月) 22:10:20 ID:vYHP+mIj
>>1-674 ちょwwwwwおまえらwwwwwハゲシスwwwwwww
とりあえず地王氏や他の神が来やすいように
つゴールドアイドル
つ【ソウルハント】
「インテリにして馬鹿野郎」
「モラルにあふれた変態」
それが当スレクオリティ
>>678 ちょっとわからない
「俺は人種差別と黒人が大嫌いだ!」みたいなもんか
678を意訳するに、
「博識だが、いい意味でバカ」
「大人な態度だが、嗜好は変態チック」
みたいなとこか?
神々にはそういう傾向が強い気もするな。
ところで、
>>679みたいな大統領は良く居る気がする。
神々が・・・・・・社会人でさえなければ・・・・・・!!
今必要なのは、保管庫なのかもしれない
だ、な。
神の作品を納める、神域の番人【サンクタムガード嬢】を求む。
>神の作品を納める、神域の番人【サンクタムガード嬢】を求む。
思わず「何所に?」と呟いてしまった俺は骨の髄から地下板住人orz
「いや!駄目!もう(容量が)一杯で、これ以上入りません・・・」
こんなサンクタムガードがいたら、そりゃおめえさん、神も奮い立つよ
3年間カルド2EXをやってきたが、昨日ふとミュリンがなかなかいいことに気づいた。
ミュリンはいいよな
あの、19歳とは思えぬ老け…成熟した美貌は
おいそれと出せるものじゃあない
お久しぶりです、夜緋歪雪です。
今度はバックギャモンではなく、旅行中の巡回依頼の返礼でごく短いのを一本上げました。
しばしお付き合いをお願いいたします。
空が白む頃、ルシエンは夢を引きずりながら目を覚ました。
膝をつき、背後から貫かれている夢だったのは覚えている。
「ん・・・」
下肢を探ると、ねっとりとした潤いが残っていた。
しかし、夢の内容はほとんど覚えていない。
夢を思い出そうとすると、じんわりと身体が火照ってくる。
ルシエンはため息をつき、ひとまず朝食を済ませてから書庫に入り、役に立ちそうな本を読みあさった。
「どんな夢だったかしら・・・」
ルシエンにとって、夢は重要な問題だった。
預言が夢の形をとって現れることもあるし、何かの予兆かも知れないからだ。
夢占いの本を読みながら、昨夜の夢を思い出そうとする。
覚えているのは、膝をつき、背後から貫かれている夢、と言うだけだ。
自分を犯していたのがどんな男なのか、そもそも人間であったのかさえ判然としない。
だとすれば、それが誰なのか、と言うことは夢においては大した問題ではないのだろう。
だが、膝をつき、背後から貫かれているというだけでは手がかりが少なすぎる。
肝心の夢が曖昧なままでは、数多くの蔵書も役には立たない。
ルシエンは目を閉じ、薄まりつつある夢を再び脳裏に浮かべた。
夢は暗闇の中だった。膝には冷たく、堅い感触がある。
おそらく下は石畳だろう。
衣服は大きく乱れ、下半身は剥き出しになっていた。
腰はがっちりと掴まれているかのように動かない。
「んん・・・」
いつの間にか、下肢が潤っていた。
ルシエンは下着の上から秘裂をなぞる。
布地が濡れ、皮膚に張りつく。
ルシエンは強く秘部をまさぐった。
曖昧だった夢の輪郭が、はっきりとした具体性を持った妄想で塗りつぶされていく。
夢の中ではただ動かなかった腰を、妄想の中で大きな手が掴む。
いくら足掻いても、がっしりと捕らえられ、動かない。
「ん、んんっ・・・」
ルシエンは指を強く押しつけた。腰が疼き、椅子の上で動き出す。
妄想の中の手に力が込められ、秘裂が割り開かれた。
男の視線が欲情した秘裂に注がれる。
ルシエンの背後で、嘲笑をこらえるような気配があった。
「んくっ」
自らの妄想に辱められ、ルシエンの心は一層高ぶった。
下着から蜜が浸みだし、指に絡む。
「ん、はぁ、はぁ!」
指が汚れるのにも構わず、下着越しに秘裂を責め立てる。
指先をぐりぐりとねじ込み、リズミカルに秘部に圧迫を加える。
「あっ、くっ!」
妄想の中で、男がルシエンの中に侵入した。
ルシエンは指の動きを強める。
「ん、んん・・・」
物足りなさに、焦れた声が漏れる。
下着越しに何度なぞり、押しつけても、物足りなさは癒されない。
身体がこじ開けられ、男が侵入してくる。
侵入される場面だけを何度も繰り返し、自分を高める。
ルシエンは指を下着に滑り込ませた。
「んぅ・・・」
下着の中は蜜でべとべとに溢れていた。
秘裂が直接なぞられる快感に、ルシエンは背筋を震わせた。
「んう、うぅっ!」
だが、小さな下着の中では、指の動きにも限界がある。
窮屈な下着の中、執拗に秘裂をなぞるが、高ぶった身体は不満を訴える。
「ん、しょうがない・・・」
ルシエンは苛立たしげに呟き、妄想を打ち切った。
腰を浮かせ、面倒な衣服と下着をまとめて手近な小机に放ってしまう。
座っていた椅子には下着から浸みだした恥蜜が、僅かに痕跡をとどめていた。
冷たい空気が身体を撫でる。高ぶった身体が冷めないうちに、再び椅子に腰を下ろし、秘裂を指でまさぐる。
「んんんっ!!」
花弁を指に挟み、震わせる。
下着越しには味わえない快楽に、ルシエンは身体を震わせた。
男の腰が打ち付けられ、肉槍がルシエンの身体をえぐる。
ルシエンの二本の指が秘裂に深々と沈みこみ、掻き回す。
ぐちゅぐちゅっという蜜の音が響く。
現実とも妄想ともつかないその音に、心は高ぶった。
会陰へと下った左手が、蜜の音に合わせてこすりたてる。
身体の中で快楽が渦巻き、ルシエンはしきりに身体をよじった。
どっしりとした椅子がカタッと小さな音を立てて揺れる。
巧みに身体を駆り立て、息が浅く早くなっていく。
会陰をこする左手が更に伸び、指先で肛門をくすぐる。
指は深々とえぐるように沈み、動きもだんだんと早まった。
「ん、んんっ・・・」
男の動きは力強さを増し、ルシエンを突き上げた。
指をねじり、秘芽を押しつぶす。
「んはっ! あ、ああっ!!」
ルシエンは声を上げ、絶頂に達っした。
力無く腕が投げ出され、胸が大きく上下する。
それから、夢がルシエンの生活を蝕んでいった。
毎晩のように淫夢が襲い、ルシエンの身体を疼かせた。
夢は日に日に淫らさを増し、神殿を清掃している時、食事をしている時、沐浴をしている時、あらゆる時に夢が思い出され、ルシエンの集中力を乱した。
神々への祈りを捧げている時に、自分が鎖で縛められて鞭で罰せられている夢を思い出し、祈りを中断したことさえあった。
そんな夢であっても身体は潤み、指を求めて疼く。
当然のように、寝室での自慰行為は、大きく頻度を増やした。
朝は淫夢によって起こされ、日の高いうちに一度か二度、眠る前に一度、身体の飢えを癒さなくてはならない。
始めの数日は自分の指で慰めていたが、すぐに配下のサキュバスやクレリックを使うようになった。
ルシエンはゆっくりと堕落していった。
「おはようございます」
七日後の朝、サキュバスに起こされてルシエンは目覚めた。
すでに日は高く、昼が近い。
ルシエンは気怠く身を起こし、片膝を立てて脚を開いた。
「失礼します」
サキュバスは膝をつき、ルシエンの湿った下着を剥がした。
「んぅ・・・」
サキュバスの舌が恥丘を舐め回す。
舌は徐々に淫唇に近づき、また遠ざかり、ルシエンを焦らす。
「ん」
ルシエンの踵が、サキュバスの脇を小突いた。サキュバスは慌てて舌を淫唇に潜り込ませる。
「んんっ、そうよ、その調子・・・」
吐息が漏れる。サキュバスの舌が秘裂に差し込まれ、唇が淫唇を挟み、じっとりとねぶられる。
目覚めたときから潤っていた秘裂に、蜜が溢れる。
「手は?」
「ん、あ、あい」
サキュバスの手が、ルシエンの内股を撫でた。
唇が秘芽をきゅっと挟む。
ちゅぷ・・・
サキュバスの冷たい指が、ルシエンの秘裂にもぐった。
恥蜜を掻き出すように、指が蠢く。
「んんっ!」
ルシエンは仰け反り、サキュバスの頭を太股で挟み込む。
唇で秘芽を転がし、指で淫穴をほじくる。
左手は下側から会陰部をこすりながら、後門をつつく。
職人じみた手慣れた動きに、ルシエンの身体はどんどんと高ぶっていった。
後門に指が潜り込み、淫穴に入り込んだ指が鉤状に曲げられる。
サキュバスは莢を唇で剥き、秘芽を吸う。
ルシエンの身体が、一気に駆け上がっていく。
「い、いいっ・・・!」
小さく震え、ルシエンは達っし、汗と蜜を拭って神殿に向かった。
身を清めもせずに形だけの祈祷を行い、食事を摂り、書庫へ向かう。
やがて書庫に籠もることさえ止め、ただ快楽を貪る日々を送るようになった。
預言者の力は少しずつ失われていったが、ルシエンは気にも止めず日々を過ごした。
黒いセプターの訪れによって、悪夢は終わった。
その時になって初めてルシエンは、悪夢がルシエンの力を削ぐための呪いであることを知った。
しかし、知ったときには遅すぎた・・・〈終〉
いかがでしたでしょうか。
短いというか、2レス半しかなかったですね。
今回は特に指定はなかったですが、ルシエンはしみじみ絡ませにくいです。
そして、絡みがないと会話がないので、地の文が延々々々と続きますねえ・・・
御返りなさいませ、そしてGJ!!
GJ!!としか言えんな。うん。
ああ、まったくもってGJだ
696 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/09(水) 05:26:07 ID:oFp9lmBc
最下層age
自分で長編を投下したり、書き手を召喚したりしてる地王になら、生贄にされようが報酬取られようが構わない気がしてきた。
周回保守
ルシエンに顔面騎乗されたいよね
ウィ。
カルドスレがマルチに荒らされまくってるが、
ここは安泰で何より。
ここで、俺の話を聞いてくれ。
まず、夢で、このスレにぼじゃノロイ氏のイラストが投下されてたんだよ。
以前予告があった、地王の挿絵のサンクタムガードがらみのやつで、凄い良かったって記憶がある。
台詞とか入ってて、ムチムチの汁絵(という脳内記号)でさ、そりゃズボン下ろしたよ。
で、目が覚めるじゃない。で、夢だって気付いて、ファーストガッカリ。
でももしかして正夢かもって思って、スレのぞいてセカンドガッカリ。
仕方ないから、久々にルシエン監禁プレイでもしようかと思ったら、
思ったら、
どう見てもデータロストです。
本当にありがとうございました。
>>702 イ`
カルド3出すならルシエン嬢出してほしいな。
あの呪われVer.のイラストつかって対戦するときに漏れに向かって
ツンデレみたいな態度をとったりするの。
監禁プレイみたいな強力なやつは口調も濃厚になっていって。
んで、緊縛するときとかはバインド使った場合は一応抵抗してみたりとかしてさ。
ルシエン嬢なら××いじるだけで即昇天できるみたいだし、
淫乱だから後穴に常時突っ込んである××も抜かずに
××立ち上げてそれを挿入するだけでOKだから
すごく簡単に性欲処理が実現できるのもいいよね。
ルシエン嬢は陵辱して何ぼだし。
ひとりでオナニーみたいにシコシコ妄想と戯れてる時間は終わる。
ルシエン嬢が終わらせる。
カルド3は呪われルシエン嬢Ver.に決まりだね。
>>702 いいから、さっさとその脳内画像を念写してください。
>>703 いいから、さっさと大宮ソフトに就職してください。
頼みます、心の底から。
>>702 トロトログチョグチョなルシエンイラスト(絵師:御大)をテレパシーで送信したから、それを励みにデク回ししててなさい。
よーし藻前等そこまでだ。今から一人一人マインドシーカーするぞ。並べッッ!!
さて、神々の黄昏でたるコミケが近付いてまいりました
この時期は保守中心となる当スレ
>>706 エスパー育成ゲームの方が先に浮かんだ俺おっさん
冬場の神殿は、寒そうですね。特にあのカッコですと・・・
神殿の窓一面に霜の花が咲き乱れるこんな朝は
かじかむ指先にいくら息を吹きかけてみても全然暖かくならない
……あの方の事を思い続けている私の胸の内はこんなにも熱いのに……
(その後『カードを上手く扱う為』という口実の元、自分の秘唇で指先を暖めるルシエンたん萌え)
その口実、俺もアリだぜ
>>708 さあ、念をこめてボタンを押せッ
・・・だから会陰部のポッチでは無いというにw
ワシもおっさんというかオヤヂだ・・・
>>710 僕も手がかじかんじゃって、カードが上手く扱えないんです、ルシエン様……
でも俺、そういうプレイ、嫌いじゃないぜ
>>713 つ[ラルバ]
腋の下なんかものすごく暖かそうでつよ
718 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 19:10:25 ID:Pr2FSaGk
つ[フレイムピラー]
冬は焚き火が一番です
つ【サルファバルーン】
呑めば体内からカッカと温まりますよ
ルシエンの手札にある中から選んでやれよお前らw
「まあ。それは、それは。お可哀そうに……」
流れるような柳眉を顰めて、
>>713の手を優しく掌で包み込んだ。雪のように白い肌。
しかしそれはとても暖かかった。じんわりとルシエンの熱が彼を温める。ようやく
>>713 の顔にも笑みが戻った。それを見たルシエンも微笑をこぼした。
「ですが……まだまだですよね?」
心なしか潤んだ瞳で
>>713に小首をかしげる。その妖艶な眼差しに見惚れているうちに
ルシエンは
>>713の手を己が胸に当てて、ゆっくりと法衣の中へと誘っていった。
掌に響く彼女の鼓動。じんわりと湿るルシエンの肌。しっとりとした手触が心地良い。
やがて掌の中心に固くしこる何か。見れば、彼女の頬は真っ赤だ。しかし淫蕩な笑みも確
かに浮かんでいた。
「いかがですか……? 暖かくなりましたでしょうか?」
722 :
713:2005/12/07(水) 01:36:14 ID:X9ymyi2A
う、あの、とっても、イイです……ルシエン様……
>>714-729の、暴虐を耐えた甲斐がありました……
この後、6レス分も暴虐を耐える気満々な
>>713 に謹んで【ペイン】×4
保守しないと
つい最近、
「俺はね、かねこしんやの描いたルシエンが見たいよ」
と言おうとして、
「俺はね、金子一馬の書いたルシエンが見たいよ」
と言ってしまいました。
どう見ても泉の聖女です。本当にありがとうございました。
>>725のレスを見て、
金子一馬→女神転生→アトラス→(昔社員だった)村田蓮爾→
対戦ホットギミック→脱衣麻雀でルシエンにおしおき
という連想ゲームが瞬時に脳内で開催された事を正直に白状したい
勝つとアレか、胸元をボタン連打で左右に引っ張って、胸ぽよよよんとかできるのか。
それともあれか、ウィザードアイとかいって、ボタン連打で服が透けていったりするのか。
悪くもねぇ。
ぼじゃノロイ氏のサイトが更新されるたびルシエン成分がないか目を凝らしてしまうけど俺だけじゃないと誰か言ってくれ
729 :
sage:2005/12/15(木) 22:14:31 ID:V1sXUma1
ノシ 拙者も拙者も
ルシエンの足指を一本ずつ舐め回したい。
な、そうだろ?
俺はむしろ足指の股を丁寧に舐め回したい
変態が多いのぅ。
俺はルシエンに俺の足の指を一本ずつ舐め回させる。
ナジャランたんをスケベ椅子にでも腰掛けさせて、お尻の穴に人差し指を突っ込んでにゅっこにゅっこしてあげたい
で、「集中力を強化すればどんな状況でも確実に的を狙えるはずだ!」ともっともらしい事を言いながら、
その状態のままでスクロール攻撃の命中精度を上げる修行を積ませたい
735 :
大岡裁き:2005/12/18(日) 17:34:33 ID:9faVM8f2
731と732が、片足ずつ担当して、
口では733を相手させて、
その横で734がナジャランとお楽しみしてればいいじゃない。
俺はルシエンの胸の谷間を頂く。
穴二つに関しては、神々に譲っておこう。
◎<グーバがぷにぷに保守
グーバクィーンって、単性生殖なのかな
細胞分裂っぽくはあるけど
それを聞くってことは、
まさかグーバクィーン陵辱SSを・・・?
のこのこと顔を出しに参りました。
ダークマスターです。
どうにかようやく、執筆に割く時間が生まれましたので、年内の更新ができそうです。
長々、遅々とした物語にお付き合い頂いている皆様には、感謝の言葉も御座いません。
どうぞ今しばらく、と頭を下げるばかりです。
冬のイベントには参加致しますが、ルシエン関係ではありません。
>>736-739 人間の体内に入って操り、生殖を行うという展開だとこのスレ向きですね。
「ああなっちゃうと、聖女様も哀れなものね。正気を保ってるぶん、悲惨だわ」
「ん、むぶぅ、ぷ……や、め……」
「グーバ人形の連中に、何日も輪姦され続けているのですもの、間違いなく着床してますわ」
「これ、以上、注がないで……ひうっ……もう、許し……」
「孕んだら、穴という穴からグーバを垂れ流すんでしょ? 死んだのと同じね」
「いっ、ぐっ! ああっ!」
「彼女には、リジェネレーションがかかってますわよ。グーバの次は、何にしましょうね?」
クィーンを妊娠させるためのグーバ人形にされるのは、聖堂の修道女たちで。
もちろん生殖可能なように変態を遂げています。
それでは、また。
……と、レスしようとしましたら、アクセス規制となっておりました。
これは友人に頼み、書き込んでもらっております。
規制が長引かないと良いのですが。
そうか、地王もクリスマスは暇だったのか・・・
ところでそのシチュはいつ本編に収録されますか?
742 :
sage でも早く読みたくもある:2005/12/27(火) 23:00:54 ID:uSHgoKbJ
待ちきれないものの、俺としては地王の規制が1/1まで続くことを願ってやまない。
何故かって?そりゃあ・・・・・・
>>272の予告が外れてくれるからさ・・・・・・
やべ、本音隠せてねえw
ageスマソ
大急ぎで、年内に間に合わせました。
推敲や整合性で問題があれば、来年どうにか修正します。
>>656-667 の続きです。
745 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:30:50 ID:iM9XxOo5
放り出された意識が、再び肉体を探し当てたとき、そこはかつてとは大きく異なっていた。快楽に陥落
した臓腑には熱気が満ちており、聖女の帰還を絶望で祝っていた。
「今度は長いお休みでしたね、ルシエンさま」
「な……ん、おぉ、うっ!」
何かを、自身でも分からないがおそらく何かを問う言葉を、発しようとした預言者の喉を、獣の咆哮が
押し広げた。尻穴の奥まで達した侵入者が身をよじるだけで、ルシエンの身中に悦楽の波紋が広がる。
「良い子でお留守番してましたよ、褒めてくださいな」
くるくると笑う少女は、相変わらずの異形だった。茎をうねらせながら、花たる頭を左右に振り、花弁
にあたる髪を乱している。
「もう、じゅうぶ、ん……でしょ、う」
そうは言ったものの、周囲の状況をつかめていない賢者は、混乱した意識を収斂させ、認識を広げた。
「ひ」
認識し、再び混乱した。
「離しなさい! こんな!」
寝床のように盛り上がった床の上で、ルシエンの肉体は開かれていた。手首は頭の上方に、触手に
よってまとめられ、床に縫い止められている。脚はといえば、天井から伸びた肉紐に足首を吊り上げら
れ、太腿は支えられ別れさせられ、子供でも産もうかという格好になっていた。
「不十分ですし、離しませんよ。だって、まだまだ安全ですし」
それは正論で、当然の権利だった。セプターが誓った約束だった。
「もちろん、本気で危険を感じましたら、テケ、もちろん取りやめますよ、リ・リ」
しかし、バルダンダースの望みは明らかだった。
746 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:33:32 ID:iM9XxOo5
「とにかっ、これ、抜きなさ、い……!」
腰を振り、体内に潜り込んだものを抜き落とそうとするが、寝床から伸びた二本の根には通じず、そ
の仕草によって少女の目を楽しませるばかりだった。
「そんなこと仰って。今までずうっと、意識もないのによがり狂っていらっしゃって、今だっていっぱいの
快楽を与えられて、達し狂いそうなくせに。ね、ほらほらぁ」
怪物の意を受け、二匹の僕が動きを早める。片や不浄の尻穴をえぐり、片や淫靡な唇を舐めしゃぶ
る。腰まで捲れた法衣は、聖女の本性を隠す役には立たず、のたうつ下半身を晒していた。
「あ、はぁっ、う!」
「それでも、悪いと思って、膣を使うことはしませんでしたのに。お尻でも大差なく感じていらっしゃるなん
て、ほとほと呆れ果てちゃいますよ」
腐った声音に嬲られて、浮いた腰からねとねとと糸が落ちる。
「から、だ、私の体、やぁ……」
本当に嫌だった。ルシエンは、己の肉体を嫌悪していた。これほどの辱めを受けながら、激しければ
激しいほど、惨めであれば惨めであるほど、それに応えて痴態を晒す肉塊。清くありたいと願う魂が、
そこに囲われていることが恐ろしかった。
「ああ、こっちが寂しいんですね」
少女のすぐ横に、新たな触手が現れた。先端が百合の花を想起させるそれを、何処に使うかは賢者
にとって明白だった。
747 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:35:47 ID:iM9XxOo5
「やめて、やめてくださ……」
言葉だけはまだ魂の支配下にあったが、声の方は体に従っていた。
「こんなに勃起させておいて、やめろと申されましても。全身で欲しがっていらっしゃいます」
「そんな、こと、されたら、私、もう」
「わぁ、それは嬉しいです」
透き通った傘が、ルシエンの股間で屹立する男根に被せられる。包んだ獲物を締め上げようと、筒と
なって密着する。
「ひぐっ!」
不快感に容易く達し、精を放ったその瞬間、空気を交えぬ吸い上げが始まった。
「ひ、い、あああっ! ぐうっ、いやぁ!」
容赦ない吸引によって、射精は途切れることを許されない。絶頂の快感が絶え間なく続き、賢者の脳
を焼いていく。
「や、あ、がっ、くひぃ! 終わらな、私、ずっ、ひあぁ!」
合わせて、尻穴の陵辱も激しさを増す。ずぱ、ずぱっと粘液を撒きながら、聖女の肉体を掘り返す。
「お尻、いいですか?」
「い、いい、なんて、私」
「糞穴、いいですか?」
「う、いいっ、あ!」
品の無い言葉で己の体を指されると、一層の恍惚が預言者を包む。耳と尻から注がれる快楽を、根
からびくびくと放ち続ける。
「あはぁっ……私、壊れて、いきま、こん、な、いやぁ……」
「まぁ、それでは急ぎませんと」
748 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:38:18 ID:iM9XxOo5
触手が体内で暴れ回り、己の精魂が抜き去られていくのを感じながら、ルシエンは選択を誤ったこと
を悔いていた。もう、注がれる快楽に抵抗することはできないだろうと、肉体が教えてくれる。髄まで淫
欲が染み渡った肢体は、心より一足先に狂い、舞っていた。
このバルダンダースについて、賢者はまったくの勘違いをしていたのだ。善悪の概念を持たぬ、無垢
で残酷なクリーチャー。そうした、易い枠に当て嵌め、怪物の本性を見誤っていたのだ。
──愚かな。
善悪、といった抽象的なものではない。無垢や残酷、などと乱暴に分けられるものではない。
──人ではありませんか。
欲望を満たすためだけに存在し、二極を常に併せ持つ、それは人間そのものであり、カルドセプトの
「記述」に拘束されるクリーチャーには、到達することのできぬ深みであったはずだ。
──特性ゆえ? 進化した?
しかし、答えは預言者の手が届く場所には存在しない。
──この怪物を、私は信じ……
戦いの中、多少なりとも心が通じたとまで勘違いをしていた。
バルダンダースが数多抱えている興味や欲望の中に、ルシエンを苛み破壊することが含まれている
ことに、なぜ思い至らなかったのか。どうしてこの少女らしきものが、契約の裏をかかないと思い込んで
いたのか。驕りか、甘えか。
──愚かな女。
畢竟、勝ったのはジェミナイでもルシエンでもなく、一匹のバルダンダースだった。
749 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:40:24 ID:iM9XxOo5
陵辱がどれだけ続いたのか、預言者にはつかめなかった。幾度も気を失い、そのたびに激しい刺激
で起こされ、時間の感覚はまったく失われていた。
己の汗に浸かりながら、ぼうっとワンダーウォールの天井を眺めていたルシエンは、動きが止まって
いることに気付き、身をよじる。するとそれを助けるように、細い触手が差し出された。
数本のそれらに支えられ、寝台から身を起こす。股間を嬲る三つの器官から解放され、震える脚のル
シエンは、ぬらぬらとした壁に押し付けられ、怯えに振り向くと、少女はそこにいなかった。
「ひゅ」
声にもならない、息を呑む音。
「あ……ぁ」
触手の束が、背後で鎌首をもたげていた。それは人よりも丈高く、寄り合わされば灰色となり、半透明
の花を開いていた。その花弁、蠢く無数の先端は、突き出された聖女の腰に興味を持っていた。
「や、あぁ……お願い、です……」
「おねだりですか?」
耳元で声。回していた首を正面に戻すと、壁面に少女の笑顔があった。
「もう、私、駄目なん、です……もう、直らな、い」
「そうかもしれませんね」
「だか、もっ……殺して……」
750 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:42:19 ID:iM9XxOo5
儚い望みだった。壊れ、変質したルシエンに飽き、命を奪おうとするのであれば、その瞬間に主従の
関係は消失し、先に交わした約束も反故となる。そうすれば、無駄かもしれぬが抵抗の余地が生まれ、
この地獄から抜け出すことができるかもしれない。
「そんな、信用してくださいませ、ルシエンさま」
しかし、笑ったまま少女は望みを絶つ。
「ちゃんと、契約は守ります。ルシエンさまには危害を加えませんし、外に危険が迫れば、解放します」
「う、ぁ」
短慮で破滅を招いた賢者に対し、怪物は抜け目が無かった。残された希望は、敵意を持ち、属性の
加護を持たぬ者がここへ訪れるくらいだが、それまで壊れきらずにいられるだろうか。
「ですから、ほら、安心なさって、唇をこちらに」
どれほど恐れようと、そう促されれば、断ることはできない。後悔と絶望から目を逸らすために、ルシ
エンは少女と唇を重ねる。無遠慮に入り込んできた不自然に長い舌をすくいとり、吸う。
涙は涸れても乾いてもいなかったが、眼球は堕落の膜に薄らと覆われていた。
「ん、むぁ、ふぅ」
じゅぱ、ちゃぶ、と音をたて、脳内を満たそうとする。助けを待つだけだとすれば、行為に没頭でもして
いなければ、自己嫌悪に発狂してしまうかもしれない。
と、狂った頭で判断した。
「あむ、ちゅ、ぶ、んっ」
人間にしては長い、自在に動く舌を楽しみながら、バルダンダースは触手の束を操ることにした。
751 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:44:37 ID:iM9XxOo5
「うんっ、ぷぁ……それじゃあ、ルシエンさま、たっぷり犯させていただきますね」
「あ、はぁ、あ」
束のうち四本が、自身の粘液を滴らせながら聖女の下半身へと伸びる。二本は腰に、二本は両の太
腿に巻きつき、引く。少女と接吻し、壁に胸と掌を押し付けたまま、背を反らし尻を突き上げ、股を広げ
た格好は、当の預言者に暗く激しい期待を呼び起こす。
「あ、わた、し……こんな、獣のように」
「ずうっと放っておいた、ルシエンさまの孕み穴。たっぷり掻き回してさしあげますね」
「あ、ああっ!」
次に伸びてきたのは、十を超える数だった。それらは賢者の肉体に好き勝手に絡みつき、汗で変質し
た法衣ごと、豊かな乳房やくびれた腹を締める。強く絞られる痛みは、認識に先んじて快感へとねじ曲
げられ、淫婦の情欲に薪をくべる。
「いよいよですよ」
「は、ぁ……はい」
「リ・リ」
幾本もの触手がより合わさり、一本の太い生殖器を形作る。
少女と唾液で繋がったまま、預言者の唇は緩んでいた。熱い吐息を漏らしながら、約束の瞬間を待っ
ている。
「あ、はぁっ……い、ああああぁっ!」
そして、焦らしもせずにそれが訪れた。
752 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:46:44 ID:iM9XxOo5
「お、お、あ、はぅ、ぉおっ!」
聖女の膣を最奥まで貫き、なお腹を押し上げる陵辱器官。
「うう、お、ふ……」
「本当に獣ですね、けだもの」
極限まで緩み、期待に濡れていた肉穴は人外の大きさを持つ器官を、伴侶のように迎え入れた。
「激しいのが、お好きですよね。人間扱いされないほうが」
「あ……う、んむ」
答える代わりに口付けし、舌を唾液を吸って飲む。そうして胎内の恥辱に備えようとする。しかし、そ
れは僅かな間だった。
ぐぼ、ごぶちゅ、ぐぼっ。
抜き、挿す。
陵辱器官が性交を開始すると、容易く聖女の意思は攪拌される。
「あ、ああ、ぎ、ぎぃ、くはぁっ!」
じゅ、じゅぱ、ぼっちゅ、ごるっ。
「凄い顔なさってますよ。雌豚、って言ったら豚に失礼なくらい」
「かたっ、かた、ち、変わっ」
器官の形状は、ひと突きごとに最適化し、肉襞の集まる点や窪みをえぐっていく。それは聖峰の預言
者として生きてきたルシエンの、いびつな空洞をみっしりと満たす形だった。
「ひぃっ、ぐ!」
余った触手は、腋の汗を啜り、耳を舐め、首を絞め、全身を犯していた。うち一本は、先刻までと変わ
らぬ姿で、股下を潜って男根に達する。
「あ、そっち、も……なのです、か」
筒に吸われ、再び絶え間ない射精が開始された。
753 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:48:32 ID:iM9XxOo5
「ルシエンさま、ルシエンさま」
ずぼ、ぬちゃ、ぶじゅる、じゅぱ、ばちゅん。数え切れないほどの粘った音が響く中で、少女の声が賢
者の耳へ届いた。意識の切れ端をそこに集中させ、聞く。
「は、はっ、いぃ」
「安全についてですけれど」
何を言っているのか理解できないが、言葉を待つ。
「問題は無いのですが、変化がありましたので、お知らせしますね」
内容の半分も脳に届かぬまま、呆けているルシエンの眼前で、少女が失せた。透き通る壁のその向
こう、ワンダーウォールの外が見渡せる。
「あ、あ、あ」
目が丸く開かれる。血の気が失せる。狂った意識に冷水が浴びせられる。
「いやああぁぁっ!」
見えたのは、数十の魚人だった。
口付けよりほどなく、この場所に辿り着いたマーフォークらは、壁を壊そうと銛を突き立ててはみたが、
中に衝撃も、音すらも伝えることはできずに、取り囲むのが精一杯だった。そうして集まった彼等は、立
方体に体を押し当て、覗き見ることしかできていない。
「やだ、やだ、いやあ!」
「まぁまぁ、何もできませんよ」
狂乱するルシエンを、背後からなだめる少女。触手の一本から顔を生やし、ころころけらけらと笑う。
「こんな、こんな! 私、見られっ」
そこで動きが再開された。
754 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:51:07 ID:iM9XxOo5
「ひぃっ、や、見られてる、見られてます、私!」
魚人の目には、人間らしい色も熱もなく、ただただ聖女の狂態を見つめているばかりだった。しかし視
線だけで、ルシエンの肉体は大きな影響を受けている。
「あぁ、お願い、許して、こんな辱め……私、耐えられません……!」
腰がくねる。蜜が溢れる。精が放たれる。
先刻までに数倍した奔流が、預言者の五体を弄んでいた。壁に押し当てられ、肉で膨れた太腿を震
わせ、目から耳から内から与えられる衝撃に、その体は最後の変質を遂げる。
「きっ、気持ち、いい、気持ちいい……私、心を汚されて、どうして、気持ちいいの、ああっ!」
貶められるべき清く脆い心と、陵辱に応えて燃え狂う淫らな肉体が、ルシエンという一個人に固定さ
れる。それはいつまでも嘆き続け、それに反して快楽を求め続ける、永遠に性に支配され続ける聖女
が誕生した瞬間だった。
「もっと、ああ、だめ、だめなのに、見ないで、欲しいのに!」
「あぁ、あぁ、もうどろどろですね、ルシエンさま。じゃあ、これ、返してあげます」
陵辱器官から、精が放たれ、預言者の子宮に叩きつけられる。それは、これまでにルシエンが放った
情欲の塊と同じものだった。
「あ……うぐっ」
「出したもの、欲望から栄養から空気に水まで、全てこの中から出ることはないんですよ」
つまり、ここにいる限り
「ルシエンさま、死なすようなことは絶対にいたしませんから、安心してくださいね」
どうやっても、終わりがこないということだ。
755 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:54:54 ID:iM9XxOo5
それからどれだけ時間が流れたのか、ルシエンには分からない。強靭な意志と覚悟を持って、最初
の一年までは、終焉の時を待っていたはずだ。しかし、それからも果てしない時が過ぎてしまった。
「あん、む、ふあぁ!」
どうしたことか、ジェミナイはこの場所を訪れなかった。時折クリーチャーが通りかかり、中を眺めてい
くのだが、ルシエンに危害を加えることができそうな者はいなかった。
「んあ、い、ひぎぃ!」
かつて着ていた服は、精を浴び、汗を吸い、穢れをなすりつけられながらも、この中においては腐るこ
ともなく、いまだにルシエンにまとわりつき、脱げ落ちることはあってもまた着せられて、この肉人形が、
かつては、もしかすると今でも、聖女なのだと示し続けている。
「あ、あううっ! いや、ぁあ!」
つい先刻、ジェミナイがこの世界を去り、どういう気紛れによるものか、失われた名をルシエンの記憶
に戻した。それが何を意味するのか意識する暇も与えられず、狂いかけのまま永劫を過ごすことにな
るルシエンは、彼女の名を呼び続けていた。
「お願いです、もっと──の、優しく、私の中に……ああ、──!」
幸福でなく、不幸でなく、ただ渇望と満足の間に揺られながら、ルシエンは聖堂の地下にあり続けた。
756 :
「名」派生:2005/12/31(土) 23:58:27 ID:iM9XxOo5
御無沙汰しておりました、ダークマスターです。
年内に完結、などと申しておりましたが、この派生の完結をもってご容赦願います。
>>639での通り、これは等価の結末ですので。
どれだけ長編にすれば気が済むのかという向きもありましょうが、来年中には、必ず。
それでは皆様、良いお年を。
神様キテタコレ!?
あけましておめでとうございます、素晴らしくエロい結末ありがとうございます。
来年中の完結頑張ってください。
地王殿お疲れ様です。
そしてあけましたおめでとうございます。
良ければ740にあったSSをもっと詳しく…してくれたらいいなぁ…
>2005/12/31(土) 23:58:27
きわどすぎる
地王超乙!!
今年は、神多き年になりますように。
761 :
フェイト:2006/01/02(月) 22:08:23 ID:ye5M7BpI
ハッハーン読めました
今年の大晦日あたりに【派生その2】が完結するという予言をします
フー、旅行帰りにスッキリさせて貰いました。
家族旅行でもてあました性欲の捌け口になってくれるルシエン嬢は
最高の淫乱聖女だと思います。
>フェイト
だが、それがいい。
流れ止まってる今だからこそ、
ルシエン様にエロ相談持ちかけて困惑させておきますね。
ディープスポーンで触手保守
ダゴンたん陵辱マダー?
767 :
765:2006/01/14(土) 03:58:43 ID:vz3qv1MN
オッケー、抜いといたw
ツワモノはさておき、質問なんだが。
ぼじゃノロイ神が大昔に投下したルシエン陵辱絵で、目隠しされて調教されてる絵ってどなたか持ってないですか?
HDD吹っ飛んだ時に消えてしまったんだけど、こないだの地王作品における肉牢無限陵辱エンドを見て、まさに挿絵のようなイラストがあったことを思い出しまして・・・・・・
再うp希望とかいったら、本人在中スレッドではマズいでしょうか?
770 :
768:2006/01/17(火) 01:01:09 ID:jk5ZXbFp
ほsh
ここらでひとつ、神SS/神イラストではないだろうか。
いやいやゲーム新作だろう
…出ないのかな(´・ω・`)
いや、俺の夢では出てたよ。きっと正夢だ。
シリーズキャラがEカードのクリーチャーになるというメダルボーナスがあって、
ルシエン様はクレリック+フェイトの領地能力という微妙さだった(イラストは書き下ろしだった)。
モロックがボージェスの上位互換とかだったりしたが、結局最強は、先制持ちガルーダなワールウィンだった。
こんな内容で良ければ、俺の脳内からダウンロードしてくれ。
775 :
手ぶら地王:2006/01/25(水) 21:37:33 ID:v7F21iPU
ダウンロードさせて下さい。
書き下ろしルシエン下さい。
御無沙汰しております。
ところで、現在少しずつ執筆中なのですが、アストラルクィーンの設定について、
情報を頂けたらと存じます。
使い易ければ、拙作に生かしたいと考えております。
生業と仕事に追われ、遅筆に磨きがかかっておりますが、どうぞ皆様、今年も
よろしくお願い致します。
力になりたいのですが、ダウソカードは持っておりませぬ・・・
お忙しいようですが、無理はなさらず〜。質あってこその地王ですよ。
>>775 【アストラルクィーン:ASTRAL QUEEN】
カードアーティスト:加藤直之 入手方法:ダウンロード
カードタイプ:クリーチャー 属性:無属性 カードレアリティ:E
ST:30 HP:40 召還コスト:70G+生贄カード
配置制限:無 アイテム制限:無
特殊能力:戦闘中HPに、配置されている無属性クリーチャーの数×5が加算される(能力値変化)
配置されている全クリーチャーにカモフラージュの呪いを付与する(領地能力:コスト60G)
カードテキスト:四属性の魔王の暴走を抑えるべく創り出された星霊界の女王。
しかし、彼女はその力を四柱神に対してさえ行使し始めたため、ソルティス神によって封印された。
ザゴルのブックをチェンジリングでゴブリンだらけにした後、おもむろに彼女を降臨させるプレイは、大層愉快でございました。
>>777 丁寧な解説、有り難う御座います。
面白い設定なので、組み込む方向でいきたいと存じます。
>>776 無理はしておりません。
むしろ、そこをなじって下さい。
779 :
酔っ払い:2006/01/29(日) 22:56:18 ID:v9dBQnN/
初代スレの超初期(1桁台)から住人な俺だが、ここ1年ほどネットできていなかった。
久々に来たら、スレが残っているどころか、まったく同じノリが俺を出迎えてくれる。
大げさだが、生きててよかった。
これからもよろしく頼む。
ここの巡回が、生活の一部になってるからな
そろそろ109氏だと思うがどうかな?
唐突だが激しく同意しておく。
あー、カルドラもの黄泉たいなあ。
萌え系と陵辱系、どっちが好き?
ルシエンかナジャランかとかでも変わってくるだろうが
俺はキャラに関係なく萌え系だな。
というか、単に陵辱系を受け付けないだけなんだけどね。
>785
>陵辱系を受け付けない
俺も俺も。
なので、地王が一人で頑張ってる現状では、抜くに抜けないという悲劇(^^:
萌え系SS書き超キボンヌ。
じゃあゴリガン×ナジャラン
ほら杖って突起状だし
私は萌えと陵辱、半々かもしれませんね。
でも最近、萌えが不足している気がします。
>>786 確かに地王くらいだと、ちょっと読むのも辛いと言いますか・・・w
>>787 是非、書いて頂きたい!!(ぉ
なんつーか、ナジャランはアレな子過ぎて、萌えとかエロスの対象に見れんw
やっぱダゴン様だぜ
>なので、地王が一人で頑張ってる現状では、抜くに抜けないという悲劇(^^:
>確かに地王くらいだと、ちょっと読むのも辛いと言いますか・・・w
書いて貰ってる立場で、酷い言い草だ…
792 :
788:2006/02/11(土) 22:21:30 ID:tx3f4wgK
いえ、意見がたまたま合っただけで、自演とかではないです・・・
そう思ってるヤシもいるってことでw
>>789 ナジャランがアレな子過ぎるからこそエロスの対象に見れる俺はどうなるw
食欲が異常発達していて、おそらく睡眠欲も発達していそうなナジャランに
ヒトの三大欲求の最後の一つについて、じったりとレクチャーしてあげたいですハァハァ
×sagw ○sage
ミスタイプで自作自演失敗する奴、初めて見た。最高。
こいつが本気でムカツク、そんな俺は
・陵辱大好き
・萌えも大好き
・地王の続き超気になる
という純粋培養のスレ住人です。ルシエン様に全てを捧げた男です。
でも、おまいらがナジャランの話なんかするから、ちょっと勃ってきた。賢者様テラゴメス。
>>792 「たまたま合っただけ」ですか。それは大変珍しい。
GJ!
触手たまらんwwww!
>>796 ちょwwwww、ゴリガンの書き込み気合入り杉wwwww
>>796 季節柄、ゴリガンが『チョコバット』に見えたwwww
雑君保プ?とかおもってしまった
ホロビッツ先生×ダゴン様
ホロビッツ先生×グルベル
ホロビッツ先生×ナジャラン
ダゴン様×グルベル
グルベル×ナジャラン
なら良し。
ホロビッツ先生×ハーシグ理事
も可。
もう一枚トーチャーいくかね?
ルシエンって、むっちり? スレンダー?
書き手(描き手)によっても異なるだろうけど激しく確かめたい、朝勃ち状態(単体呪い)の小生。
しかたなしに、溜め込んだSSで呪い解除でもするか。
個人的には、熟れた肉体を持て余してるな
俺が見た時は、熟れて熱く火照った肉体を持て余しながら迫って来たからゴールインしたよ。
ぼじゃノロイ氏の地王系陵辱イラスト単騎待ちの俺
>>807 お前が並んでいるのは、
俺の後ろだということを
ゆめゆめ忘れるな。
ドリームテレイン保守
これから先、モバイル版で欲情した場合は、ここで吐き出せばいいですか。妄想とかイラストとかSSとか。
ターンウォールでホシュ
カルドしながら九分九厘勃起するのって危険ですか。
暇さえあればルシエン嬢とスパーしています。
モバイル版には、そんな危険なゲームにはなってほしくないです。
アナチャプには、ここ的な価値があるのかどうか、プレイした人のレポ求む。
神を待てり
Quo Vadis Domine?
>>815 I is god.
This is a pen.
Rusien is haahaa(*´Д`)
Thank you. Fuck you.
このスレを半分ほど読み返してみた…
皆のカルド愛に涙が出そうだった…
俺は、このスレに降臨した(そしてまた、いまだに貢献し続ける)神々に、最上級の感謝を捧げてるぜ
>>816 Eli, Eli, Lema Sabachthani?
>>819 I is god.
Please don't eat.
All things come to those who wait.
This is a pencil.
Rusien is haahaa,
Haaaaaaa(*´Д`)
Thank you. How much?
>>820 Libera me, Domine, de morte aeterna
822 :
813:2006/03/19(日) 23:58:52 ID:RpTGUdGA
誰もプレイしていないということか……
みんな、ルシエン様に操を捧げているのか……
漫画版、6巻まだかな〜
某スレに、超ダ(ゴン)級の【ネ申】が御降臨あそばされますた
と言う訳で、漫画版6巻が出るのが一万年後でも(個人的には)全然無問題でつ
kwsk!
kwsk!!
詳細!詳細!!
やばい、神職人だ。
半端じゃねえ。
ちょっとO脚っぽくなってるのが残念。
ルシエンに改造できそうなフィギュアってないかなぁ
カルドセプター立体化するも、ルシエン様だけ15禁。
ピケット18禁。全裸だから。
預言者の神殿を周回しつつ保守。
明日、地王が帰ってくるよ
>>833 言っておくけどエイプリルフールは4月1日であって、3月32日じゃないよ。
だから嘘ついたら、許さないからなww
さらに言っておくと、エイプリルフールで嘘をついていいのは午前中だけだ。
ルシエンたんの場合、上の口で嘘をついてても
下のお口は正直なので、それはそれで萌え保守
あれ、俺、04/01のログ飛んでる!?
地王が来てたはずなので、誰かうpしてくれ!!
おい……新作来たぞ!
サーガってことは、あれなのか、集大成ってことで、既存キャラ(ルシエン嬢ほか)は出るってことなのか!!
ぐは、×箱かぁ
でもこの機種ってことはネット対戦出来るってことだよな?
そう考えると悪くない・・・のか?
kwsk
詳細は来週14日ということだそうで、
来週の週末あたりカルドセプトの公式サイト行って見ればいいと思うよ。
サードじゃないんだ、サーガなのか。
斯様な重大事件を目にしては、スランプに甘えているわけにもまいりません。
来週末、書けているところまで更新致します。
サーガに聖女様が、ちらとでも登場していることを祈りつつ、上報告まで。
地王も無理せん程度に!
ってかX箱て…このためだけに買うのはちょっときついぜ。
移植容易なんだからPCプラットフォームで出してくれんかねぇ。
まあPC版が一番望ましいのは事実だが、売れないんだろうなぁ
一般PCゲームなんてコーエー、工画堂、ファルコム以外は壊滅状態だし
まあ箱でも出るだけ良いんじゃないか?
箱ってことはネット対戦はほぼ確実にあるだろうし
845 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 15:19:38 ID:Xb0xyqJW
hoshu
×箱360かぁ…
かねこキャラ出るのかなぁ・・・
ぼじゃノロイ氏が描くなら×箱360でも買うんだが
バルダンダースがおかっぱ少女なら箱買いなんだが
ハーピーたんのお胸のぽっちりを完備してくれたら(ry
百合ルートが残ってるなら(ry
あとイトケン…
>>849 ×箱って乳首OKだっけ?
完全スルーの予定だったが、849の言うとおりだったらそれだけで買いかもしれん。
しかし360だとメガテンNINE出来ないんだよねぇ…。もどかしい。
ゴールドアイドル保守
ゲ板でサーガのフラゲ情報(ハミ通のな)見て鼻血出そうになったわw
イラストレーターは総勢28名!
加藤・開田・寺田に加えなんと末弥御大まで参戦の豪華っぷり!(無論かねこ絵師は当然参加!)
音楽はもちろんイトケン!
自キャラのカスタメイクはもちろん自ブックの想定までカスタム可能!
ストーリー構成はカルド小説の沖方!
マップ数2倍!音楽2倍!さらにシールド戦まで可能だとぉぅぅぅ!?
現在の発売予定は夏!
すまん。360買う。誰が何と言おうと買う。
カルドのためだけに3万5千払っても全然惜しく無い。
浮かれてたから間違えた。
× ブックの想定
○ ブックの装丁
あぁ…しかし待ったかいがあったわ…。
大宮ソフトばんじゃい。
ついに、か・・・
このスレ的に、内容が豊かであることを期待してしまう。
good:新たなるエロパロ向けキャラが登場
better:上記+カスタマイズでルシエン嬢が再現可能
best:ルシエン嬢が登場
じっさいのとこ、これだけ長くフェイバリットなキャラってのはなかなか出せないものだ。
せめてbetterでお願いします無理っぽいけど。
ゲーム性への期待は、向こうのスレでしてくるぜ。シールド戦キタコレ。
ストーリーが沖方ってのが何気に一番期待できるなぁ
シナリオに期待してる人間が結構居るんだな
小説版カルド、俺はあんまり・・・な感じだったから
どうかなとは思ってたんだが
主人公固定、恋愛要素とかうたってるけど
これは選択肢でEDでのヒロインが変わるとかそういう事か?
本当に「うぶかたとう」って名前の字の誤植が多いなとw 本当はにすいだし。
やっぱりね! と思ったのはカード絵の斉藤氏復帰。
(セカンドでやらなかったのは開発当時■社員だったからなんだろうか?)
このスレ住人的意見言うなら
初代のバインドみたくぎりぎりエロスなカード絵があればいいなと。
雑誌キャプ見た
とりあえずあきまんのイラストのむっちりした肉の感覚がエロすぎる
(;´Д`)ハァハァ
シナリオに期待持てない。色々な意味で。
主人公が男固定なのか…百合百合が見たかったから少し残念
まあゲーム内容に関しては相当期待持てそうだから×箱360買ってしまいそうだ…
ハミ通見た。
主人公が男キャラ固定なのは、あんま気にならんな。まぁデザインがアレだけど。
このスレ的に気になるのは、やっぱ女キャラだと思うが、
メインヒロインの女の子もカワイイが、チラリと画面写真のみで出ている
ゴブリンを召喚しているお姉さんがモロ好み。
記事によると、どうやらこのお姉さん旅の途中で主人公に対立する盗賊の女のようです。
つまりはゼネスやライバーンのようなライバルキャラなのかな?
ストーリーに恋愛要素もアリとのことなので、めっさ期待してます。
あぁ、楽しみ…。
(
>>656からの分岐)
喜悦の問いかけを吟味し、置かれている状況を考え、賢者は眉根を寄せて決断した。
「いいえ、まだ十分に安全であるとはいえません」
その言葉は申し訳ないという声音で発せられたのだが、少女らしきものは不満を表すように、顔を変
態させて抗弁した。
「でも、安全なら……」
「マーフォークらを振り切れたとは思えません。それに、姿を見せなかったサキュバスやマッドクラウン
のこともあります。少したちましたら、次の部屋へと向かい、状況を整えましょう」
それで、バルダンダースはひとまず黙ることにした。とにかくこの聖女が約束を守るつもりであるのは
確からしく、使役者でありながら今しも謝罪の言葉を吐きそうに見えた。セプターとしての立場がそれを
言わせないことで、預言者の清い心は自傷しているようだった。
──なんて素敵
な、食材でしょう。
「では、腰を下ろします。あなたも」
「溶けていいですか?」
「あ……ええ」
床に張り付く緑色の粘液となったバルダンダースから目を逸らしながら、ルシエンも僅かな休息を己
に許した。
宇宙の果て、無窮の闇に浮かぶ、輝きの神殿。最奥の玉座に絶対神カルドラの姿は無く、虚ろな円
がゆらめいているばかりで、いかなる神性も残されていなかった。
──ああ、カルドラ、女神、絶対神、カルドラ……
あらゆる世界の数多の神が、その不在を嘆く。究極絶対神なくては、宇宙の理そのものが砕け、降り
注ぐ破片は全ての存在を打ち壊すだろう。
──ジェミナイ、ジェミナイ、究極を破壊する邪神、忌わしい魔!
かつて起こった、反逆神バルテアスによる破壊。それは、変革と再生がための、陣痛だった。
しかし黒衣の破壊神ジェミナイとは、陽根を切り落とす、女陰を切り裂く、命の輪を断ち切る冷たい鋏
であり、もたらすものは死と終焉でしかない。カルドセプトが紡いできた宇宙は、一人のセプターによっ
て滅びようとしている。
その仕上げは、ソルタリアの女賢者を交えて行われる予定であって、これより開かれる宴は、いわば
前夜祭のようなものだった。
──何処、何処?
玉座に残された穴の向こう、暗黒の中、時間に見捨てられた虚空で、ジェミナイとカルドラが対峙して
いた。
865 :
「名」:2006/04/16(日) 23:41:38 ID:V/+x96HX
「カルドラ様におかれましては、御健勝で何より」
二柱を囲むように、四柱の亡骸が浮かんでいる。地水火風を司るカルドラの従神は、各々の色でゆっ
くりと燃えながら、決着の場を照らしていた。吸うに足る空気らしきものも漂ってはいたが、それに頼っ
ているのはカルドラだけだった。
「愚かな破壊者よ」
冷たい瞳で見据え、厳かな声でなじるカルドラ。究極や絶対といった衣こそ失われていたが、女神とし
ての品格は奪われておらず、万物の頂点に立つジェミナイの背筋すら正すほどの輝きを放っている。
「お前は私を捕らえました。お前は宇宙を破壊するだけの力を持ちました。誰もお前を指差しません」
「然り」
「お前を守る者はいなくなりました。お前の居る場所はなくなりました。誰もお前を必要とはしません」
「……然り」
「それが、望みだったのですか?」
「そう、ですわね」
そうではないと、女神は知っていた。しかしそれでも、勝負は終わりだった。
「では、貴女を滅ぼして終わりにしましょうね、カルドラ」
「好きになさい」
たった一つの、とても小さな希望を、ソルタリアの聖女に託す。
己の死を受け入れ、カルドラは目を閉じた。
「それではさようなら、せめて一瞬で──」
恐れは無かった。最後まで背を伸ばしているつもりだった。
「──などと、冗談を申してみました。わたくし、甘くありませんわよ」
しかし、それを恐れさせ、背をくじくのがジェミナイなのだ。
866 :
「名」:2006/04/16(日) 23:43:31 ID:V/+x96HX
「何を……」
閉じた眼を再び開き、僅かな動揺を交えてカルドラが問うた。それに気を良くし、黒衣の破壊神が笑う。
「いけませんわね。全知がゆえに、知恵を磨くことをおろそかになさっていたのでは?」
闇に深く腰を下ろし、組んだ脚を女神に突き出す。見えない肘掛を使って頬杖をつき、嘲りの眼差し
をカルドラに注ぐ。
「少し考えれば、おわかりになるでしょう」
「私を、貶めようというのですね」
「さすがは、元究極絶対神であらせられる」
頬にかかる黒髪を左手で払うと、そのまま指先を賞賛の対象へと向ける。放たれたる呪は茨の戒め、
ソーンフェター。地より伸び両足を縛るはずの緑は、邪神の力に歪められ、天より垂れ両手を括り上げ
る黒へと変じていた。
「このようなことが、望みなのですか」
頭上で組み合わされた両手首に、棘が食い込む。皮が破れようとする痛み──悠久の中、初めて感
じる肉体の苦しみに耐えながら、それを表すことなく、ジェミナイに言葉を叩き付けた。
「然り」
勝つためではなく、背筋を伸ばすために、カルドラは視線を逸らさない。
「そうですか、つまり」
「ええ」
「私は、ルシエンの代わりなのですね?」
黒衣の女は、表情を消した。
867 :
「名」:2006/04/16(日) 23:45:00 ID:V/+x96HX
寝るに眠れぬ休息の一時、預言者は過去のような夢を見ていた。
聖堂で過ごす、彼女との優しい時間。熱く激しい想いを秘めて過ごす、暖かく穏やかな時間。
「ルシエン様は、美しく」
そうだろうか。彼女の評に、どう応じるべきかが分からない。
「清く」
そうだろうか。私の中は、欲望に穢れている。
「気高く」
そうだろうか。それは鹿爪らしい仮面だ。
「私の心を騒がせる──」
幸福に胸が詰まる。
「──それはそれは、蹂躙しがいのある雌豚ですわ」
ああ!
彼女の浴びせた、畜生への言葉。それによって湧き上がる肉の悦びに、ルシエンは二人の出会いが
必然であったことを知る。
戸惑い、拒むうち、彼女の強引さは増していき、遂には聖女の全てを陵辱し尽くす。それは彼女の欲
望を満たし、ルシエンの肌を温める。二人は溶ける、互いに混じる。
そうなったはずだ。今にしてみればそう思う。
なぜ、そうならなかったのだろう?
868 :
「名」:2006/04/16(日) 23:47:19 ID:V/+x96HX
棘は、まだ刺さっていなかった。カルドラに残された僅かな力によるものだったが、それは痛みまでは
抑えてくれない。糸鋸にも似た黒茨は、物質の最小単位にまで収斂された刃をもって、絶対神の護り
を破ろうと食い込んでいる。
「ジェミナイ」
気を集中させるため、破壊神への語りかけを続ける。
「あなたは、ルシエンを──」
ジェミナイが、止まった顔のまま、哄笑した。それは余りにも唐突な笑いで、カルドラだけでなく、ジェミ
ナイ自身ですら虚を突かれた。
やがて表情が追いつく。
「これは、これは。そうやって、わたくしを貶めようとなさるのですね。理解できる、卑小な器に押し込め
て、名前を付けて小突き回そうと」
その言葉は、カルドラの柔らかい部分を切り裂いた。
「私は」
「カルドラ様ともあろう御方が、随分と暗愚な手段で攻撃なさるので、驚いてしまいましたわ。そうやって
高みから諭すのも、力の多寡を読んでからになさいませ。惨めで滑稽ですわよ」
爪先で力を行使する。虚空に浮かぶ二柱にとっての便宜的な概念であった天地が、ソルタリアと同様、
高きより低きに落ちる理によって生まれ直した。
「グラ……ビティ」
物の理である重力を操る術は、ジェミナイの背を尻を柔らかい闇椅子に沈ませ、カルドラの体を奈落
へと引き寄せる。手首の痛みは、耐えられる限界に達した。
「……くっ」
女神の眉間に、苦悶の皺が刻まれる。カルドラの背に、細かなひびが入りはじめていた。
「もしかして、意外と太っていらっしゃるのかしら? ひどく辛そうになさって」
869 :
「名」:2006/04/16(日) 23:49:46 ID:V/+x96HX
口をつぐむ生贄に、穏やかな声をかける。
「遠慮なさらず、どうぞお叫び下さいな。とっても楽になりますわよ」
屈しはしないと目で返すカルドラを、ひどく美しいと感じ、ジェミナイは憤怒と歓喜に包まれた。
──よしよし、この創造神は、どうやら最終的な勝利を信じているぞ。時の始まりから終わりまでそう
あり続けたように、どれほど悪と歪みがはびころうとも、光と摂理が勝利を収めると。
「ねぇ、カルドラ様」
今はもう、何もかもが終わった後だというのに。虚無が続くだけだというのに。
「今まで、本当にご苦労様。死ぬ前、滅ぶ前、消える前に、貴女の望みを適えてさしあげますわ」
指を突きつけ、それで招くと、茨が応えた。四色の光に彩られた場から、強い勢いで引き上げられた
カルドラは、望まぬ声を上げる。
「く、あっ!」
光と破壊神を遥か足下に置き去りにし、闇を上昇するうち、棘が皮膚を破って肉に食い込んだ。苦し
み悶える自由も無く、造物主の意識が霞む。
薄れていく自我は、それでも最後まで、カルドラとしての矜持を保つことを要求していた。もう悲鳴は
上げまい。苦痛とはいかなるものであるか、もう身をもって知ったのだ。ならば、それに耐えることもでき
る。自分は敗北したが、敵を喜ばせるつもりはない。
──ジェミナイによって宇宙に撒かれた苦しみの全てを思えば、砂の一粒にも満ちません。
だしぬけに、苦痛が弱まった。
870 :
「名」:2006/04/16(日) 23:52:26 ID:V/+x96HX
──なぜ?
それはカルドラが覚悟を決めたためではなかった。女神の肉体は宙に踊り、頭上では黒い茨がたわ
み、一拍の静寂があった。
──何ということでしょう。
目を閉じようとしたが、できなかった。
あるという実感も無いままに悠久を過ごしてきた、内なる臓腑。それらが押し上げられる感触とともに、
カルドラの落下が始まった。
──胸が、息が、身中が、詰まって──
ジェミナイの姿が、段々と大きくなる。鋭く高い山を描くようにして、創造神は破壊神の膝まで運ばれ
ているのだった。待つのは激突か迎撃か、衝撃と死を女神が予想すると、視認できるようになった悪意
の表情がそれを打ち消した。
わたくし、甘くありませんわよ。
──そんな。
二柱が接触する寸前、伸び続けた茨が止まった。これが痛みであり、これまで感じていたのは痒みに
も満たないのだとカルドラは悟る。
衝撃の瞬間、悲鳴などあげる余裕はなかった。代わりに、全身が伸びきり、激痛が身を食い荒らし始
めると、肺に残った空気らしきものを使い、一声鳴いた。
「ひ……ひゅぁ、ぐっ……」
「あら、意外と脆くていらっしゃいますわね」
871 :
「名」:2006/04/16(日) 23:58:33 ID:V/+x96HX
死にはせぬよう加減していたが、まだ意識を保っている女神を見ると、その頑丈さに喜びが湧き上が
る。絶対性の残滓は、持ち主を苦しめる役にしか立っていないようだった。
「いけませんわね。全能がゆえに、身を鍛えることをおろそかになさっていたのでは?」
山の輪郭のように、左右に垂れているカルドラの冠帽子。急な停止の衝撃によって、そこに隠されて
いる髪がはらはらと零れ出ていた。
「ふっ、くぁ……」
全身の間接が外れ、腕が根元からもげ、内臓が破れて死ぬほどの苛みだったが、そのどれもが防が
れていた。しかし、護りの力で打ち消せるのは破損だけで、本来受けるはずの苦痛は少しも減じていな
い。死ぬことも、意識を失うこともできず、カルドラは苦悶するしかなかった。
「貴女は己に似せて人を作った。確かに、力を奪われた肉体は、人間そのものですわね。面白い顔」
眼が裏返りかけ、口を開いて荒く息をつく女神の全身から、汗が滴っていた。寝るように深く腰掛けた
ジェミナイの、ちょうど真上に吊るされているカルドラは、初めて流す汗を、邪神の黒衣に染み込ませて
いる。その一滴を、ジェミナイは手で受け、舌に運んだ。
「魔力の流出なのでしょうね、この汗。あと、その血も」
破れた手首の肉からは血が溢れていたが、肌を汚すより早く、茨が蛭のように吸い上げていた。創造
神の魔力で膨れ、黒い戒めが興奮に脈打つ。
「こ、んな……こと、が」
苦しげに、それでも言葉を紡ぐ。
「あな、た、の……望みなのです、か……?」
二度目となる問いかけは、やはりジェミナイの奥を刺したが、傷を与えることはできなかった。
「とんでもないことでございますわ。事前の戯れです、ここまでは」
カルドラには、責任を取ってもらわなくてはならない。先の言葉通り、ルシエンの代わりとなってもらお
うではないか。いや愉快、愉快。
「これより、約束通り、貴女の望みを適えてさしあげましょう」
ダークマスターです。
まずは申し訳ありません、今回では濡れ場まで達しませんでした。
スレの主旨からしてまったく無意味な更新になってしまいましたが、どうぞご容赦下さい。
5月いっぱいは、職場から自宅に帰れそうにないので、今月中に続きを出したいと存じます。
理想は来週末ですが、怪しいものです。
サーガについては、本体ごと購入してオンライン参加するつもりでおります。
拙作とは無関係な名前にして、問われても名乗らないとは思いますが、皆様と良き戦いができることを期待
しております。
しかし、長々と駄文を連ねているうちに新作とは、感慨深いものです。
サーガでも、このスレッド的に良い登場人物と出会えることを期待しつつ、ルシエンとの付き合いを続けて
いきたく存じます。
年内完結に向けてほどほどに頑張って参ります。それではまた。
>>872での、言葉足らずな部分を修正します。
>まずは申し訳ありません、今回では濡れ場まで達しませんでした。
>スレの主旨からしてまったく無意味な更新になってしまいましたが、どうぞご容赦下さい。
スレの主旨→スレにおける私の立ち位置
でお願いします。
急いで書くものではありませんね。まるで違う意味になってしまいます。
失礼致しました。
地王氏お疲れ様です!
更新楽しみにしてます!
カルドラ陵辱キタ?
本当にカルドラ様が犯される展開なら、かなり萎え展開。
気分悪いというか・・・・・・そういう目で見れないよ、母性あるし。
でもまぁ、結局は書き手の自由ではあるんだけど・・・・・・
期せずして、新作の発表じゃん。間が悪いよマジで。
待ってた更新だけど、今回はまったくガッカリだ。
しょうがないけど、これが正直な感想。
てか、神少ないのに、アンタだけ張り切りすぎ。
まぁ、保守にはなってるから感謝はしてるけど。
すまんね、空気読めなくて。
確かに空気読めてないな
自分の気に入らんもんならスルーすりゃいいだけなのに
とりあえずこういう予知夢を見たってことにしておこうぜ!
よし、お前らが地王大好きなのは分かった。俺もそうだ。ああ好きだとも。
だからこそ、空気よりも大切なものを読め。
いいか、
読
む
ん
だ
盾黄泉・・・このタイミングでっ・・・
これがツンデレか・・・!
>>876 グハw
縦読みレベル高え。今の今まで釣られてた。
■ランプロ保守
デザートストームで上書き保守
巷じゃ、「カルドセプト サーガ」が話題のようだが、
俺にはここのSS、即ち「カルドセプト 性(サガ)」のほうが興味深々だぜ?
886 :
安打陰:2006/04/29(土) 21:47:02 ID:cLFPIT0d
887 :
安打陰:2006/04/29(土) 21:49:16 ID:cLFPIT0d
あー漢字間違えました。貼りです。
>>886 触手メチャGJ!フェイトさんメチャカワエエ…
でも、タコっぽいとなると、シーボンズ、ハイド、クラーケン、ダゴンとかいるけど
どれになるんでしょうか?
貼り逃げなんてだめだー!貼り続けて下さいませー!
>>885 誰がうまい事を言えt
水土地が少ないデスヨ皆さん!
このスレには純愛分が足りないね。うん。
ちょっと長いけどお借りしますよ。
こつり、こつりと石造りの廊下に跳ね返る足音。扉を通して微かに聞こえるその音色は
いつもルシエンの鼓動を高鳴らせる。それは幾つもの夜が巡ろうとも決して変わることは
なかった。そしてこれからもきっとそうに違いない。
そっと鏡台に微笑みかけてみる。鏡の向こうからはまるで少女のように頬を染めた女が
微笑み返してきた。――ええ、大丈夫。あなたは美しい。
もう一度ルシエンは微笑んだ。
湯浴みは疾うに済ませ、薄化粧も終えた。後はただ抱かれるだけだ。あの暖かな胸に包
み込まれるだけだ。それでも不安で、しきりに髪を梳く。艶やかな黒髪が流れ、薄闇の中、
更なる闇を見せる。
こつり、こつり。
足音が止まる。鼓動は高まる。ルシエンはゆっくり目を瞑った。そして「ルシエン様」
短く、それでいて明確な声。ルシエンはこれほどまでに美しい響きを知らない。
「どうぞ」
幾分、上ずる声。すぐに扉のきしむ音。待ちきれず振り向くルシエン。変わらぬ笑みで
迎える青年。
ルシエンはもつれる足に構うことなく彼の胸へと身を躍らせた。
暖かな胸は変わらずルシエンを迎え、優しく包み込む腕もやはり甘美なままだ。ルシエ
ンはゆっくりと顎を上げた。すぐに寄せられる唇。うっとりと余韻を楽しむ。やがてその
余韻が部屋に拡がる頃、
「ルシエン様。ただいま戻りました」
「ええ、お帰りなさいませ」
くすくすと声を立てて笑い合う。そして、どちらともなくもう一度唇を寄せる。
「――ただいま戻りました」
「――ええ、お帰りなさいませ」
先と同じ言葉。しかし異なる重みで響く声。穏やかな笑みで見つめあい、また唇を重ね
る。今度はゆっくりと、互いの熱が唇に移るまで。
「ふふ、こうして口付けを交わすのも随分と、久しぶりな気がしますね」
「寂しかったですか?」
「ええ。寂しかったです。寂しさの余りどうにかなってしまいそうでした。ですが、今、
この時、あなたはここにいる、私を抱き締めて下さっている。それで、それだけで私は満
足なのです」
はにかむように頬を染めるルシエンがどうしようもなく愛しくて、青年が腕に力を込め
る。ルシエンの細く、華奢な身体が悲鳴を上げる。しかしルシエン自身はその痛みすらも
心地良いように、ただ微笑んでいた。
そんな彼女の体温を感じて、しかし青年は不安げにゆっくりと口を開いた。
「知っているのでしょう。ソルティス様よりお聞きになったのでしょう。私がジェミナイ
であったことを。私の邪まな心があの日、あなたを傷つけたことを!」
「――知っています。分かっています。理解しています。だから何だというのですか。そ
れはこの最上の時を妨げるほど重要なことなのですか? 私には到底、そうは思えません
が」
「ですが! 私は怖いのです。確かに今回、ジェミナイは征しました。カルドラ様の予見
された未来も潰えました。しかし、『私』はまだ生きています。いつかまた邪心を生み、
果ては再び、あなたを害してしまうかも知れません。それがどうしようもなく怖いので
す!」
「傷つけてください。苦しめてください。それがあなたの意思ならば私はそのすべてを受
け止めましょう。私はあなたの妻なのですから。夫の苦しみ一つ受け止められぬならば妻
ではありません、過去に妻に迷惑一つかけずにいた夫など果たしておりましたでしょう
か?」
白くしなやかな指が紅の走る熱い頬を包む。困ったように微笑むルシエンの掌はひんや
りとして、どこか心地良かった。
「そうか、私たちは夫婦であったのですね。妻、夫。何と心地良い言葉なのでしょうか」
呟くような青年の声にルシエンははっと気付いたように慌てて手を引く。すぐに青年の
手がそれを追いかけ、掴まえる。
「す、済みません。め、迷惑でしたでしょう? 勝手に先走って、夫だの妻だの差し出が
ましい口を利いてしまって」
ルシエンの言葉に青年の込める力が増す。
「迷惑? 妻にかけられる迷惑を受け止めることこそ夫の甲斐性です。それにあんなにも
嬉しい言葉のどこに迷惑など覚えるものでしょうか?」
そのまま、ルシエンの赤みを増した頬に自らのそれを寄せる。どちらも熱く、熱を持っ
ていることがありありと分かる。どうにかなってしまいそうなほどの熱さ。しかしこの熱
こそ愛の証。この初々しい夫婦を夫婦たらしめているものだ。
結婚とは儀式だ。ならば儀式の前の二人を定義付ける言葉とは何だ。やはり夫婦と言う
言葉がもっとも適しているように思える。恋人とは恋で結び付けられた関係だ。しかし彼
らの感情は恋というにはあまりに深く、そして色を持ち過ぎている。それはもう愛だ。愛
で結び付けられた関係はすでに夫婦と呼ばれるべきなのだ。
「本当、でしょうか」
不安げに揺れる瞳で青年を射抜くルシエンに、彼女の夫ははっきりと頷いた。
「――ならば証明してください、確かなもので私に証明してください」
ルシエンはゆっくりと白い顎を上げ、淡い紅の引かれた唇を差し出す。おずおずと近づ
けられる青年の唇。
そしてちろりと差し入れられる真っ赤なルシエンの舌先。すぐに青年も応えた。なめく
じは粘液を滲み出させて絡み合う。溢れる粘液は糸を引き、水音はすでに部屋を満たす。
そっと青年は胸元に手を伸ばす。柔らかなふくらみは静かに彼に従う。彼の指の赴くま
ま形を変える。ふにふにとした肉とは別に硬くなる桜色の蕾は絹の衣を押し上げる。ルシ
エンはうっとりと目を瞑り、ただ頷いた。青年はルシエンの胸元から手を差し入れると、
指先で胸から肩口へと艶やかな、しっとりとした肌をなぞる。漏れる吐息は甘やかで、こ
ぼれる声は歓喜と期待に震えていた。
「ああ……! ウィリアム様」
すとりと床に沈む無粋な衣。燭光を照り返し、うすく汗の染み出た肌はどうしようもな
いほどに美しい。どんな賛辞も彼女の美しさを表すには充分ではなく、如何なる詩人も彼
女の前ではありふれすぎてつまらない賛辞にしか口に出せない。
柔らかで穏やかな風がルシエンの身体を持ち上げ、真白いシーツが引かれた寝台へと彼
女を運ぶ。ルシエンのその首筋に己の手を回し、二人で微笑み合った。
「ルシエン様。愛しています」
柔らかな羽毛の布団に沈むルシエンにウィリアムが囁く。一瞬、ルシエンはきょとんと
するとすぐに微笑を形作った。
「――そんなこと分かっておりました」
くすくすと悪戯っぽく笑うルシエンに、青年は『ああ、私は彼女に夢中なのだ。ずっと
今までも、そしてこれからも!』と思い知らされた気がした。幾分、悔しい気持ちを隠そ
うと、彼女の笑みを真似てみる。
「ならば、これから私がすることもご存知でしょう?」
しかし帰ってきた答えはまたもルシエンの強さを感じさせるものだった。
「ええ、もちろんです」
目を瞑り、顎を上げる。そして重なる唇だ。青年はそのまま首筋に舌を這わす。それは
首筋から胸元へ。乳房を舐め上げ、蕾をゆっくりと口に含んだ。ルシエンはそんな彼を赤
子のようだと思った。もちろん本当の赤子ならばこんなにもいやらしくは無いだろうし、
自分だってこんなにも蜜を溢れさすまい。しかしいつか彼の子を産むだろうと信じてなら
ないルシエンには何故かそう思えてならないのだ。
青年の膝がゆっくりとルシエンの両脚を開こうと滑り込んでくる。彼女は逆らうことな
く受け入れると、青年の汗の浮いた首筋へと手を伸ばした。胸元から顔を上げて、二人で
見つめ合う。恥ずかしそうに微笑み合う。この羞恥の窮みにあるような行為の中でも微笑
み合っているのだ。
ちろり。蛇の舌先が茂みに触れる。ルシエンの形の良い眉が寄せられる。切なげな吐息
がウィリアムの頬をくすぐる。――ああ、あった、あった。これだ。ねっとりとした粘液
に包まれ、茂みの中で息づくその宝玉にそっと撫でるように触れる。
「――ッ!」
びくりと震えるルシエンの肢体。軽く触れただけでこれだけの反応だ。もし、押し潰し
たら彼女はどうなってしまうのだろうか? ぞくりと背中に走る末恐ろしい好奇心に抗す
るようにルシエンに唇を落とす。慌てることは無い。これから幾度と無く彼女を抱くのだ。
別に今で無くとも構わないではないか。時間は永遠にあるのだから。心の隅に残る好奇心
の残渣が最後の力でウィリアムの指を突き動かす。ほんの、少し。ほんの少しだけ力を込
めて肉芽を弾いてみる。
「――――――ッッッっ!」
寝台を揺らすほどにルシエンの腰が跳ね上がる。ウィリアムは驚いたように彼女の身体
を掻き抱いた。
「ウィリアム様……。ひどいです」
荒れた息を整えながら、眦に涙を浮かべて頬を膨らませる彼女を労わるように優しく頭
を撫でてやる。
「申し訳ありません。こんなにも過敏に反応されるとは思いませんでした故……。それに
しても――可愛いです。ルシエン様」
「し、知りません! 今宵のウィリアム様は意地悪でいらっしゃる。そんな方は――」
「お嫌いですか?」
「い、いえ。――好きです。愛しております」
顔を背け、頬を今まで以上に赤くする愛しい人にウィリアムはくすりと微笑みを落とし
た。少しくらい先程の復讐をしてもバチはあたるまい。
「それは良かった」
余裕の笑みを持って見つめ落としてくる青年と対照的な自分が何だか悔しくて、ルシエ
ンは頬を膨らませ、強くウィリアムを掻き抱いた。その顔は怒っているのか、喜んでいる
のか、よく分からなかった。
仕切り直すようにウィリアムがルシエンの額に唇を寄せる。うっとりと目を瞑り、それ
を迎える。その余韻が溶け切る頃。
「よろしいですか?」
「ええ」
ごく短い問いにごく短い答えでもって応える。
「ですが、その前に――」
女が言い終える前に男がそっと燭台を見やり、何か呟く。するとどうだろうか、静かに
揺れていた炎は音も無く姿を消した。
そして、彼らは闇に包まれた。
おずおずと開かれたルシエンの両脚の間から濃密な花の蜜にも似た香りが漆黒の闇に溶
け出す。潤んだルシエンの瞳だけが闇の中で輝いて、浮き出て見えた。
「ああっ……!」
歓喜にうち震えるルシエンの肢体。それは数多くの信徒たちに羨望と嫉妬のため息を吐
かせてきた身体だ。創造神でさえもとうとう作り得なかった自然の産物。美の極致。
甘露を纏った熱く硬い陰茎がルシエンに押し入ってくる。それらをルシエンの身体は拒
むように、誘うように、包み込む。
この熱さは何だ。浮かすように頭を包むこの熱は何だ。それは愛だ。目の前の、抱き抱
かれる者への混じり気を持たぬ純然たる愛そのものなのだ。
闇の中、ルシエンは己が上で揺れる炎の腰に脚を絡める。彼の動きが分かった。彼の筋
肉が分かった。逞しい背中を掻き毟るほどに爪を立ててしがみつく。彼の暖かさが分かっ
た。彼がここにいる確かさが分かった。おぼろげな愛情がはっきりと形を持って、ルシエ
ンに差し出されているのが分かった。ならば、ルシエンからも奉仕することに何の不思議
があろうか。
腰を振り、彼の陰茎がなるべく深く、そして己が肉で包み込まれるように誘いように揺
れる。真上の青年の顔が快楽で歪むのが嬉しくて、歓喜を持って奉仕する。上品とはお世
辞にも言い難い水音も、愛の証だと思えば心地良い天上の音色だ。喜びを持って迎えよう。
閃く汗はきっと甘い。
歓喜の調べが闇を切り裂く。
ウィリアムの脈動がひどく雑になる。そして幾分、リズムを取り戻したかと思うとまたず
るずると不規則な動きへと落ちていく。ルシエンだってそうだ。淀みなく揺れていた下腹
部も今や緩慢なものへと変わっている。どうやら彼らが達してしまうのも時間の問題のよ
うだった。
――まだだ、まだ足りないのだ。まだ満足できていないのだから。まだ相手を感じきっ
ていないのだから。
思いついたように唇を重ね合わせて唾液を交歓する。まるで媚薬だ。こくり、こくりと
嚥下するたび二人の身体は炎となる。絹糸のような髪は寝台に無遠慮に大きく拡がり、白
すぎる肌には水晶の玉が浮き出ている。媚薬にひりつく喉でただ一言のみを叫ぶ。それは
胸を満たすたった一つのものの名だ。ひどくかすれて聞き取りづらい声でも確かに互いの
耳朶を打つ。そしてそれは次の言葉を紡ぐ力となる。
――愛しています!
余りにありふれすぎていて、陳腐にすら聞こえるこの言葉も吐き出す口が変われば意味
を持つ。覚えず一致した言葉に照れた笑みを浮かべて、口を重ねて、舌を回す。こぼれる
唾液に構うことはなく、交歓の脈動は絶やすこともなく。まるで唇が離れてしまえばすべ
てが終わってしまうような気さえしているかのように。
「ねえ、ウィリアム様?」
しっとりとして血色の良い頬を青年の胸に寄せて、ルシエンが呟く。己が肩を抱く腕を
くすぐったそうに微笑みながら。
「これから、どうなさるおつもりなのですか?」
彼がソルタリアの覇者となったことは知っている。神の座位を蹴って、いまルシエンの
頬の下にいることも知っている。そしてそれが僅かの時に過ぎないということも、だ。
ルシエンのおずおずとした問いにウィリアムは迷う気配すら微塵も感じさせること無く、
はっきりと明瞭に答えた。
「決まっています。私は、神となります」
「そう、ですか」
「喜んでいただけないのですか?」
「喜ぶですって?」
先まで寄せられていた柳眉が逆立つ。頬を上げて寝台に手を突いてウィリアムの顔を見
下ろす。
「どうして、喜ぶことができましょうか! 神になること。それはこの世界からの完全な
解脱に他なりません。確かに賢者として、『ルシエン』としてならば喜ばしきことでしょ
う。あなたほど強く、立派なセプターを私は見たこともありませんし、書物の上でも見出
すことはできないでしょう。しかし分かっているのですか? 神になる。それは私たちの
別れをも意味しているのですよ!」
ぽたり、ぽたりと青年の頬に暖かな雫がこぼれ落ちる。ウィリアムはそれを避けようと
も、止めようともせず、ただ受け止めていた。ルシエンが鼻をすすり上げる頃、ウィリア
ムは彼女の細く、しなやかな腕を払った。「きゃっ」少女のような悲鳴と共に青年の胸は
ルシエンを再び、受け止めていた。
「私の傍らにはいつだってあなたがおりましたし、あなたの傍らには私がいたと信じてい
ます。それはこれからも変わって欲しくありません。ですので――共に永劫の時を歩んで
いただきたいのです。ソルティスの巫女としてではなく、たった一人、私の妻として私の
傍らに佇んでいただきたいのです。そしてあなたの傍らに私を置いていただきたいので
す」
「それは、まさか……」
「ええ、私と共に神となり新たな世界の創造の旅路の手助けをしていただきたいのです。
だから、その――夫婦の契りを結んでいただきたいのです!」
きょとんと上目遣いで見つめるルシエンをそっと、その翼で包み込む。くすぐったそう
に目を細めた彼女が、眦の涙を払って微笑んだ。
「もし、私が断ったらいかがなさるおつもりですの?」
「――そうですね、ジェミナイにでもなりましょうか」
「まあ。それは恐ろしいですね。断ることなどそれこそできませんわ」
くすくすと笑い合う。やがてその声が消える頃、「謹んで、お受け致しますわ」とルシ
エンが真っ直ぐに宣言する。
そして、彼らは形の上でも、夫婦となった。
後に綴られた創世神話に二人の名はほとんど見当たらない。
しかし時折彼らを訪ねる、口煩い人面杖、竜眼の青年。彼らだけはその治世が穏やかな
ものであったということの数少ない証人であった。
――終わり――
じゃあ、皆さん。よいGWを!
GGGGGJ!!
なんだこの清涼感は!
新作を前に、ついに結ばれたという感慨すらあります。
>純愛分が足りない
この地は長らく、暗黒の王による支配が続いておりましたゆえ・・・
光と闇のバランスを保つため、貴公のような勇者を待っておりました。
良いですか勇者よ、これからが本当の戦いの始まりなのです。
(現代語訳:「純愛も陵辱も読みたいので、今後とも純愛分の補給をよろしくお願いします」)
>>899 バッキャロー!最高のGWになりそうだぜ!!
いやほんと、いいハッピーエンドでした。男前だぜウィリアム。
(プロポーズあたりでは、モニター前でニヤニヤと)
ところで、見覚えのある文章ですが、過去に降臨済みの神ですか?
>>900 >>544-587 >>892-898 こういった真逆の“結末”が同居するのが、ここの醍醐味だよな。
俺ら人間には、光も闇も必要なのさ・・・・・・
地王召還のためにワイルドグロースホシュ
嫁のepic3-2で詰まり気味です。ていうか挫けそうです。
要するに、途中のローパーどもも残らずヌッコロさないとゲートは開かんわけですか。アレは。
904 :
903:2006/05/06(土) 19:18:48 ID:BI+APpIR
スマーヌ ゴバーク
でも地王さま、気長に応援してますからね。
バリアーしつつ保守
誰か、マナを…
まぁな
ギャー!全ての火属性クリーチャーに20ダメージ!!
そろそろ次スレの季節だが・・・
来月あたりに地王が帰還したら、その投下をもって新スレの狼煙(即死回避)とするか?
ファウスティナってチンコ生えてるよね?
俺にとって『塔の小部屋』と『「名」派生』は神SSだった。趣味が違う人もいるだろうが、あそこまでの性格悪い展開は中々無い。しかもルシエンだし・・・
だから、気長に待ってります、地王閣下。
スレ立てなら、必要な時が来れば担当しても良いです。容量よりもレス数でリミット来るかな?
今だと、大型の投下が来ると、スレ移動が難しくなりそうではあるな。
そうだな、空も落ちてくるかもな。
You are shock!
杞憂ってことか
ミューテーション!ミューテーション!
ミューテーション!ミューテーション!(計4枚)
キャトルミューティレーション
ついにリトルグレイの出番ですね
リトルグレイの誘拐を食らって、
酷い陵辱を受けて放心状態になった感じで
空き地に放り出されるルシエン嬢というイメージが
確かに心に浮かんだぜ!?
思いついたら
そこで執筆開始だよ
みんなそんなに年増聖者が好きか。
女セプターにスクイーズで搾り取られるナイトとかグラディエーターとかいうのはどうなのか
>>925 ごめん、実はそんなに好きじゃない
セカンドのクレリックとかエルフとか、キャラクターならセレナの方が・・・
>>926 漫画版のせいでナイトはロボなイメージが
>>925 むしろ、年増だからいいんじゃないか。
ルシエン様が15歳くらいの少女聖者だったら逆に萎える。
…というか、24歳で年増扱いってのもひどい気がするが。
まあ、他の女キャラは全員10代だしな
>>926 ルシエン様にスクイーズで搾られるクレリックやフェイトならOK
>>925 いろいろ間違いがあります。
>みんなそんなに
いや、人それぞれです。
>年増
24です。女盛りです。
>聖者
個人的には、聖女って響きのが好きです。
>が好きか。
もっと激しく卑しい感情です。
あと、ルシエン様が好きな理由としては、このスレが好きだからというのが半分を占めている気がします。
残り半分は劣情。
>>926 技量が未熟ゆえに自身の呼び出したクリーチャーを制御しきれず、
ハーピーやグリマルキン辺りの亜人クリーチャーに搾り取られる少年セプターとか。
…スクイーズがどっかへすっ飛んじゃったな
932 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 16:51:45 ID:dOqyDLvi
ほしゅ
ここで一発、ぼじゃノロイ神が、サンクタムガードのエロ絵で降臨する夢を見た俺がこんばんは。
もちろん夢だったわけで、駄賃に
>>933頂いていきまっせ。さいなら。
夢も、俺とお前で見れば希望に変わるさ。
新クリーチャーのフェイは女の子であり、領地能力では任意のクリーチャーのST+20を持っている
これはもうエロに使えと言わんばかりだ
ただいま戻りました。
不義理の書き手、ダークマスターです。
仕事の拘束が前後に大きく伸び、執筆どころか帰宅も自由にならず、
音信不通を続けてしまったことを御容赦下さい。
合間に書きとめておきました断片を統合し、形とするには一週間ほど
かかりそうです。よほどの事情がなければ、日曜日に更新できる予定
です(が、話半分でお願い致します)。
地王生きてたー!!
いやもう、放り出さないだけでもあなたは凄いと思うです。
息長く、カルドエロ界の星として頑張っていただきたい・・・
・・・では、日曜の周回ボーナスを楽しみにしております!
カルドラ期待保守
ところで、投下が来るんであれば、
新スレ移行したほうがいいか?
次スレはスレタイこのままなの?サーガはいつ出るの?
942 :
「名」:2006/07/02(日) 04:07:33 ID:aALnWwSh
落下の苛みで靴は脱げ、金と銀で彩られた衣も乱れている。汗でぬめる頬に数条の髪を張り付かせ
ながら、カルドラは邪神の言葉を咀嚼していた。
──私の望み。私の願望。
「貴女の欲望」
それは、最も女神から縁遠いものだった。欲望。戯言だ。
「誰にも、気付かれなかったのでしょうけれど──」
初めから存在しないのだから当然のこと。
「──それこそ、女神カルドラにすら」
どういうことか。
物問いたげな眼差しに、ジェミナイが下から嘲りを返す。
「そうでしょう? 全知全能の究極絶対神を、欺ける者がいるとしたら。それは、カルドラその人だけの
はずですわ」
つまり、つまり、何が明かされようとしているのだろう。
「そして私が、ジェミナイが、全知全能の究極絶対神を殺せる者がいるとしたら、それはどうやって生ま
れてきたのでしょう」
「ジェミナイ──」
「苛み、犯し、貶め、殺し、滅ぼしてくれる相手を欲したのでしょう、カルドラ様。滅びを撒いたのは、貴女
が抱える、下品で卑しい、被虐への期待、満たされない肉の疼きですわ」
「それは」
まったく理の通った話で、全知でなくても真実と知れた。
「突飛な、妄想ですね」
しかし、認めるわけにはいかない話でもあった。
943 :
「名」:2006/07/02(日) 04:10:17 ID:aALnWwSh
「妄、想。わたくしの邪推であると。つまり、そう仰るということは──」
順序を踏み、悪意を言葉に乗せて、ジェミナイ。
「──確かめることを、お許し下さる、と?」
すぐにも行える蹂躙を先へ延ばしているのは、こうした陵辱を破壊神が楽しむためだった。カルドラは、
力づくで犯し殺された女神であることを許されない。卑しい心根を晒され、自ら神性を踏みにじらされ、
全てを汚されて屠られる雌畜生にされようとしているのだ。
「お許し下さるのですね?」
無言で目を閉ざすカルドラにもう一度、ジェミナイ。
女神は、耳を腐らす汚泥に、定められた返答を。
「拒めぬのは、承知のはず」
「怖いですわ」
品のある微笑を卑劣な害意に貼り付け、黒衣の内より白い腕を伸ばす。掌を天の絶対神に向けると、
小指から親指までを、楽師の滑らかさで折りたたむ。
「いっ」
深く食い込んだ棘に曳かれ、カルドラの肉体は振り子となり、ジェミナイへと寄せられた。痛み、激痛、
浮遊感、懐かしい安定。
「はぁ、う……」
「いい格好ですわね」
闇にもたれる破壊神の、両肩に腿を乗せて座る己を知り、女神は羞恥に唇を噛む。正面からの肩車
は、裾を捲るだけで、秘中の秘を敵に明かすだろう。
944 :
「名」:2006/07/02(日) 04:13:06 ID:aALnWwSh
「熱気。苦しいくらい」
不必要な呼吸をして、かすれた声を漏らす。ジェミナイの眼前には、熟れて肉味のある太腿が二つと、
その付け根あたりまでずり上がった裾、そしてそれらが作り出す淫猥な闇があった。
深奥より漂う香りは、腿の汗を呑み込んで、熱と湿気とを伴った実体として黒髪にまとわりつく。
「さて、確かめるには、この裾が邪魔なのですけれど」
濁った笑いで、意図を伝える。
「そうですか」
「わたくし、手が回せませんの」
「そうですね」
「ですから、確かめて欲しいと仰るならば」
少しずつ、すりかえて。
「カルドラ様が、捲り上げて下さいな」
諦めてはいたが、疑問は残った。
どうやって?
「縛されたままでは、能わぬこと」
──せめて腕の痛みからは解放されたい、と仰る。
自由になったところで勝ち目などないこの状況では、腕の解放を求めることは、ただ苦痛の忌避を望
む意味しか持たない。それに気付かぬカルドラは、短慮にも餌に食らいついてきた。知らずのまま、己
が立場を下だと認め、上なる者の慈悲を乞うているのだ。
ジェミナイは、全知を失った絶対神の失態に、呆れ笑いを浮かべる。
「いいえ、いいえ。人間であれば、そこで工夫をするものですわ。ここはカルドラ様も、知恵を絞って下さ
いませ」
945 :
「名」:2006/07/02(日) 04:15:56 ID:aALnWwSh
笑いの濁りは、濃さを増していた。
「ほら、考えて」
身を揺すってみる。多少の動きはあれど進展しない。
「裾を、捲り上げて、中を見せるには」
脚を動かしてみる。大きく動いては体重を支えられない。
「どうしたらいいでしょう?」
腰を曲げてみる。
と、その動きでカルドラは正解に思い至った。しかしそれは、痛みと恥辱を伴う、責め苦に近いもので
あり、とても実行できないと思われた。
「ジェミナイ──」
「それでは、どうぞ」
仕方無しに、覚悟を決める。手首が引きちぎられるのではないか、という苦痛。腰を曲げ、脚を僅かに
持ち上げ、それでも届かない。首を精一杯に伸ばす、身を縦に揺する。
短くない挑戦の後、ふと浮かび上がった裾の端を、女神の白い歯が捕らえた。
「ん、む、ふうっ……!」
「そうですね、そうすべきですわ」
黒い神が、軽く掌を打ち合わせて賞賛する。
背骨が訴える痛みに眉を寄せつつ、カルドラはどうにか目的を果たした。
「素敵。とっても扇情的で、惨めきわまる姿ですわね」
946 :
「名」:2006/07/02(日) 04:20:06 ID:aALnWwSh
裾を咥え、自らの秘部を陵辱者に晒す女神に、邪神の総身が震える。
冠帽子から溢れ出す長髪は条数を増し、屈辱に上気した表情を横切っている。卑猥な輪郭の両腿はその付け根までを明らかにし、恥辱に汗し、ぬらりと輝いている。奥の奥に隠されていた股間には純白
の肌着が貼り付き、最後の護りを固めている。
「本当に──」
しかし薄布の内より染み出す粘液が、声高に敗北を謳う。それは数度に分けて溢れたために、幾重
もの跡を作り、その上で最も新しいものが、垂れるほどに供給され続けていた。
「──卑しい女」
認めざるを得ないのだが、それでもカルドラは無言を貫いて抵抗する。それは有限のあがきであって、
時間は無限だというのに、言葉を封じて理解を止める。
「喜ぶ勇気が無いのですか? 受け入れる隙間が無いのですか?」
──ああしかし、この格好では、口を閉ざすことも耳を塞ぐこともできはしない。
「カルドラ様は、滅びを望んだのですわ。絶対で不可侵の己を、踏みにじり、汚しぬいてくれる破壊者を
欲したのでしょう。私から、ジェミナイから与えられる、恥辱の悦楽を求めたのは、貴女だ」
その言葉だけで、カルドラの腰が跳ねた。
947 :
「名」:2006/07/02(日) 04:23:18 ID:aALnWwSh
「と、いうことを」
歯の根が合わず、裾が零れ落ちそうになるのを懸命に堪える。悠久の時において、二度目の涙が零
れ落ちそうになるのを懸命に堪える。
「わざわざ言って欲しくて、必死にそんな格好をして下さったと、そういうことですよね」
そういうことになるのだろうか。カルドラは熱に膨張した思考で認めてしまう。滅ぶ世界も、滅ぼすジェ
ミナイも、濡れて透けていると分かっている下着を晒すために裾を咥え上げるカルドラも、全て己が願
望の産物なのだ。
「う……あ、ぁ」
理性は受け入れたが、感情は拒んだ。内から二つに裂ける苦痛に、身が悶え腰がくねる。
「下劣な心根。カルドラ宇宙の誰もが幻滅しますわ」
反論できるだろうか。全知でも全能でもない自分に、できるだろうか。
とにかく不幸にも、今は唇が塞がっているのでできない。
「んっ……ふ、く……」
「その、ざま」
ジェミナイは、己を唆した悪意を思い出す。あれの言葉に踊らされるうち、気付けば絶対神カルドラは
愚かな肉玩具に貶められて眼前に吊るされ、名を失った自分はそれを貪ろうとしている。
どこまで戻れば、選択の自由があるのだろう。天空の祭壇で、闇を選んだときか。クレイトスで、魔物
と邂逅したときか。アトラで、ルシエンと出会ってしまったときか。
どれだろうか。何度目の、どれだろうか。
「本当……嫌に、なります」
ジェミナイの腕が、カルドラの腿に、外から回される。
「ん、むっ」
「では、わたくしも、創造主の意思に従うといたしますわ」
948 :
「名」:2006/07/02(日) 04:26:37 ID:aALnWwSh
くんっ、と半身を起こし、汁気溢れる果実へと顔を寄せると、邪神は大きく息を吸った。
「ん、ふふ、はぁ──」
先ず詰まり、次いで笑い、終いに嘆息する。
本当に、ルシエンに良く似ている。神殿の地下に迷う聖女も、このような香りを漂わせていた。
「淫らな液が蒸れた、ひどい悪臭……人の身に近付いたとたんに、売女の本性が外に表れるだなんて。
どれだけ長い間、変態じみた欲求を溜め込んでいらしたのやら」
「く、はぁっ……! 戯れるのも、いい加減に──」
女神の口から落ちた裾を、二本の人差し指で受け止め、するすると腰へ纏めてやりながら、黒衣の
神は鼻先を下着に当てる。
「──なさ、ぁあっ!」
粘液にまみれ、秘所に溶け込んだ薄布は、それでもカルドラ自身のように、張りを失っていなかった。
そこを圧され、行き場の無い欲望が容易く溢れ出す。
「何ですか、これは。本当に、どうなのでしょうね、これって」
じゅく、ぐじゃ、と染み出す汁に鼻を濡らしながら、蔑みの目でカルドラを見上げる。
「この時を待ち焦がれていたのですわね。卑しい畜生が垂らす、渇望のよだれのようですわよ」
「私は──」
「豚にも劣る、この恥知らず」
そう断じたジェミナイは、如何なる神よりも端整な顔を突き出すと、大口を開けてカルドラに齧り付いた。
「いっ、ぐ、いやぁあっ!」
949 :
「名」:2006/07/02(日) 04:36:03 ID:aALnWwSh
全ての歯を立てるように、深く噛む。全ての汁をこそぐように、強く引く。
「ひ……う……」
がじゅがじゅと繰り返される咀嚼が、女神の全身を痙攣させる。
際限なく粘液を分泌しながら、カルドラは視界がぼやけていくのを感じていた。何が起きているのか理
解しようとするも、注がれ続ける快感がその余裕を与えない。
「い、ひぅ……く」
ぞちゅ、ぬじゅ。
「く、う……ひ、ああっ!」
ジェミナイの前歯が、秘所の中で最も丈高い突起を、布地の上から強く抉る。カルドラの許容を超え
た快楽の波は、身体の制御を困難にし、意思とは無関係な動きを許してしまう。
「はあ、うっ!」
柔らかく、湿った太腿で邪神の頭を強く挟む。陵辱者の背で踝を交差させ、股間をより密着させる。
「うぅ、くぁは……い、いやっ、私、こんな」
女神の肉体は、狂喜に踊っていた。絶対神自身でも知り得なかった、カルドラ宇宙最奥の秘密が暴
かれていく。
──本当に、ルシエンと双子のよう。
そろそろ貫きたいのだが、カルドラの腰が激しくくねり、ジェミナイを解放しようとしない。時の流れが無
い世界で焦る、その愚を思い、しばらく女神の淫蕩な腰使いを堪能することに決めた邪神は、たっぷり
とした尻肉に十指をめり込ませながら目を閉じる。
「ひ……わた、私……こんなの、ちが……うぃいっ!」
カルドラの膣より湧き出す、不透明な粘液を啜る。魔力が具現したその味は、ひどく濃いえぐみがあり、
ジェミナイの臓腑を潤した。
思ったよりも少ない量しかまとめられませんでした。ダークマスターです。
まとめていない内容が少しあるので、来週の日曜日にでも、また更新できる
見込みです。もちろん、話半分でお願いします。
>>938 恐縮しきりです。
持ち上げられるほどの密度と頻度では御座いませんが、これからも書き続けて
いきたいと存じます。
>>940 容量が厳しいようであれば、私がスレ立てと更新を同時に行ないましょうか?
あまり得手な分野ではないので、どなたかが立てて下さるのであれば委ねたく
ありますが、そのあたりはお任せ致します。
>>941 次スレのタイトルについて、個人的な意見を述べさせてもらえば、ルシエンの
名は残しておきたいです。もちろん中身はよろずで構わないのですが、やはり
ルシエンというキャラクターによって生まれ育ったスレッドですから。そこは
大切にしたいという感傷があります。
それではまた、できる限り近いうちに。
丸二日もレス着かない(GJの一行レスすら)状況が、全てを物語ってるよな。
やっぱ次スレはカルド総合にして、オバキャラ臭を減らすべきなんじゃねの?
地王の努力や筆力は評価するけど、そろそろサーガも出ることだし、キャラ幅広くするべき。
ナジャランやダゴンたんのSSが出しにくい現状は問題だと思うし、みなさんどうでしょうね?別(スレ立てるよりは、このスレの方向変えた方が板にも優しいし)
そういう内容でいくならば、スレ立て引き受けてもいいが?
んじゃROMってたけど地王GJ
まあスレ速度遅くなってるのは確かだよね
スレタイは変えても変えなくてもどっちでもいいと思うよ
変えたからといって他キャラ題材のssが投下されるかどうかは別だと思うし
今の状態でも他キャラ題材のss投下しにくいとは思わないのよね
別に書き手がいないだけで他キャラネタが出しにくいとは俺も思わんな
初代は「ルシエン嬢でハァハァ」ともっと狭かったが普通に投下されていたし
サーガが出るだけで十分活気付くんじゃないかね
しかし、次スレをいつ立てるかは真面目に考えなきゃいけないな
即死とか食らってもアレだしな
954 :
951:2006/07/04(火) 07:22:55 ID:CRPvX/SB
既にいる連中はいいとしても、新しいSS書きが来ないと衰退する。これ絶対。
建設的に考えると、カルド総合(漫画含む)にしたほうがいいと思われ。
キツイ言葉であえて言ってるんだけど、とにかくオバキャラの名前のスレタイでは人も集まらんと思われ。
結局色んなSS見るのが最終目的なんだから、間口広くしたほうがいいってこと。
Book3になってからルシエン以外のネタってどれだけ投下されたっけな。
よし! 誰かルシエン以外のネタを教えてくれ。頑張るから!
ここを地王一柱だけの独壇場にはさせないぜ。
くっ・・・ネットから離れていなければ・・・即レスしてれば、こんな輩は湧かなかったものを・・・俺の馬鹿!!
俺はもっとルシエン様のネタが読みたいし、連載中のSSが投下しにくくなる雰囲気は困る。(もちろん、他ネタも大歓迎だけど)
タイトル変えるとかどうこう以前に、
>>954からは書き手を軽んじてる雰囲気が漂ってるし。
>>950 とりあえず遅ればせながら地王GJです。
ルシエン様もいいけどカルドラ様も熟れててイイ!!
950というキリバンも取ったことですし、次投下時にスレ立てもされてはどうでしょうか?
>>956 く・・・俺には、"女セプターによるルシエン様の調教”とか、"ルシエン様による女セプターの調教”とか
ルシエンネタしか出てこねえ・・・許してくれ。
ネタ自体はスクイーズで(ryとかちょっと前出てたし
他のスペルとかアイテムも結構面白いのあると思う
ただ使用者の問題があるかもしれんね
セカンドで負の感情を増幅させる為に輪姦される女主人公とか
呼び出した女性型クリーチャーを性欲処理の道具として扱うセプターとか
セカンド後EDに良い感じになった男主人公×セレナ、あるいは女主人公×レオとか
ネタだけなら幾らでも
自分で書けって言われても無理だがな
地王の意見は組みたい・・・・・・スレ最大の功労者だし。
しかし、総合にするというのは時代の流れ。
初代スレからの流れに敬意を払いつつ、現代に対応するなら
【ルシエン嬢】カルドセプトエロパロ総合【ハァハァ】
なんてどうだろう?
あと、ルシエン絡みのネタでスマンが、ショタ主人公をジェミナイ化するためとかで、
強制的に聖女ルシエンとの交わりを要求される(バルテアスとかあたりに)展開を思いついた。
>>961 それいいな。
ちょっとアレンジしてみた。
【ルシエン嬢】カルドセプトでハァハァ総合 Book4【ナジャラン】
【ナジャラン】の部分をスレごとに変えて新作や漫画小説にも対応とか。
別にルシエンも絶対に固定化しなけりゃならんという事は無いと思うが・・・
特にサーガ出たらネタも増えそうだし
シナリオで「恋愛要素あります」とか謳ってるしな
サーガの文字も入れた方がいいんじゃないか
カルドセプト総合なんだから、サーガの文字はいらないんじゃないか?
変化を求めるのもいいが、徹底しすぎるのはどうかと思うし。
うん…・・・ルシエン好きとしては、とりあえず残しておけばいいんじゃないかと思う。
事実、中心はルシエン嬢なわけだし。
どうしてもスレタイからルシエンを外したければ、このスレッドは3で終わらせて、
新規スレッド扱いにするって手もあるけど…・・・
とりあえず、今までの流れを総合して
セカンドで負の感情を増幅することによって
ショタ(か女)主人公を
ジェミナイ化するために強制的に聖女ルシエンと交わらせたあげく
調教を命令して
スクイーズで絞ったり絞られたりしつつ
呼び出した女性型クリーチャーを使って
エロSSを
>>956が書く
という案を出しておく。
で、結局、スレ立てはどうするの?
思ったより進みが遅く、更新は火曜日か水曜日になりそうです。
スレ立てについては前述の通りです。
私が立てる場合、ルシエンの名は残すと思われますが……
>>975あたりに立ててもらうか。
スレタイは
>>950からの流れを参考にしてもらって
>>975任せ
最低限「カルドセプト」の文字さえ入っていればたぶん大丈夫だろう
何にしても、続きが読めれば無問題でございます
973
土地防衛!
サーガの敵キャラの一体が漫画版のカリンに見えて仕方が無い
>975は超えたが。
私がスレ立てていいのかな、とりあえずチャレンジ。
そろそろ埋めにかかろうか?
979 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 22:33:21 ID:x5asNJ3h
さあチェックポイントを通過したから後は…埋めるのみっ!
埋め
tp://momon.sakura.ne.jp/karudo/ru.jpg
>>981 (水属性クリーチャーのキングトータスとは別亀)きたか
>982
マジボケだすw