天誅

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1名無しさん@ピンキー
新シリーズが出るたびに立ち、風のように去っていく
天誅シリーズのエロを語るスレ

天誅紅 PlayStation2 / プレイヤー人数1人 / 2004年7月22日発売予定/ 税込7,140円
現在予約受付中、予約特典は「団子付きストラップ」

〓公式サイト〓
 tenchu.net (参、回帰ノ章、紅)
  http://www.tenchu.net/index.html

【本スレ】天誅総合スレ 其ノ六 〜抜かせたお譲が悪いのよ〜
http://game6.2ch.net/test/read.cgi/famicom/1089169365/l50
2名無しさん@ピンキー:04/07/12 18:24 ID:ooruCcgT
〓天誅の歴史〓
98/02/26 立体忍者活劇 天誅 (PS)
99/02/25 立体忍者活劇 天誅 忍凱旋 (PS)
99/11/11 立体忍者活劇 天誅 忍百選 (PS)
00/11/30 立体忍者活劇 天誅弐 (PS)
03/04/24 天誅参 (PS2)
04/05/27 天誅参 回帰ノ章 (XBOX)
04/07/22 天誅紅 (PS2)

神楽タン(;´Д`)ハァハァ
3名無しさん@ピンキー:04/07/13 09:45 ID:te6NWzqh
もうちょっと気の利いたスレタイは思いつかんかったのか
4名無しさん@ピンキー:04/07/13 16:30 ID:PzC7NOyA
即死か…
5名無しさん@ピンキー:04/07/13 17:14 ID:te6NWzqh
本スレにつーほーした所で賑わいそうにないなぁ・・・
一応置いておこうか。紅が発売したらキャラ萌えやエロやで
本スレが迷惑こうむるかもしれないし
6名無しさん@ピンキー:04/07/13 18:06 ID:MHFFz2ao
参では主に外人で対戦する。
レバー一周の超必で捕まえたくノ一が
ビクビク悶えるのがなんとも言えず快感。
7名無しさん@ピンキー:04/07/14 03:23 ID:rl1Ubybv
とりあえず保守じゃ。保守るのだ。


たった2作しか出てないのに御伽エロパロスレは盛り上がってるよなぁ…ウラヤマスィ

同じ風呂無繋がりでここも盛り上がらないかのう。
8名無しさん@ピンキー:04/07/14 09:37 ID:RR00VF6W
絵かSSか、何かしら必要だろうな・・・
9名無しさん@ピンキー:04/07/14 11:55 ID:RR00VF6W
>>新作スレ717
俺が持ってるのはあやめが卍教にリンカーンされる話だったか
そんなんですた
10名無しさん@ピンキー:04/07/14 12:36 ID:Xn8WEmkt
ここなら(;´Д`)ハァハァしまくりですね。
>9
じつは天誅本はこれ初。
あんま見たことないというか探した事なかったが良本だった。
あと朱雀と雪蛍のH小話も入ってたよ。
11名無しさん@ピンキー:04/07/14 12:55 ID:RR00VF6W
俺も一冊しか持ってないです。
天誅の同人なんてカナーリ貴重
12名無しさん@ピンキー:04/07/14 15:04 ID:RR00VF6W
雪蛍たんハァハァ
13名無しさん@ピンキー:04/07/14 16:53 ID:aw9IJmoe
力丸×彩女ハァハァ
14名無しさん@ピンキー :04/07/14 17:27 ID:6ggfc4Lj
保守
15名無しさん@ピンキー:04/07/14 20:50 ID:CJTDNfWl
俺も一冊しか持ってない。
もっとほしい、ほしい、ほしい。
169:04/07/15 15:47 ID:I8Sb+z9x
漏れと>>10>>15でコカーンしたい
17名無しさん@ピンキー:04/07/15 16:54 ID:keDbl+hG
おい、このままじゃ落ちるぞ。保守だ保守
18名無しさん@ピンキー:04/07/15 16:56 ID:foiBkdD5
本は持ってないがサイト関係に幾つか彩女えろあった。
本命は力丸×彩女かな、やはり。ハァハァ
19名無しさん@ピンキー:04/07/15 17:02 ID:/2thjRCh
保守
のこり約10レスで即死回避だが…いけるのか?

とりあえず忍者モノ(;´Д`)ハァハァ
女性キャラ、結構魅力的だと思うけどな

20名無しさん@ピンキー:04/07/15 17:29 ID:R1vAJSC0
行ける、行けるさ
21名無しさん@ピンキー:04/07/15 17:49 ID:1IgVB65b
ほしゅ
22名無しさん@ピンキー:04/07/15 19:07 ID:zgMIVpM6
彩女タンと凛タンのために保守カキコ(*´Д`*)
23名無しさん@ピンキー:04/07/15 19:29 ID:92FhkQEL
よーし補習。
24名無しさん@ピンキー:04/07/15 20:58 ID:IIbJv/VQ
越後屋とアヤメ
25名無しさん@ピンキー:04/07/15 21:15 ID:Xfmt0I5C
彩女(;´Д`)ハァハァとりあえず保守
残り5か?
26名無しさん@ピンキー:04/07/15 22:15 ID:1E1+CO/X
神降臨の儀式を開始する…
27名無しさん@ピンキー:04/07/15 22:17 ID:wWVso6PB
彩女タン(;´Д`)ハァハァ
28名無しさん@ピンキー:04/07/16 01:41 ID:evR/euk7
彩女(;´Д`)ハァハァ
あと2レスか
29名無しさん@ピンキー:04/07/16 02:18 ID:f0mMN/i0
あと1レス。
神降臨キボンヌ
30名無しさん@ピンキー:04/07/16 08:24 ID:Wm8OKAza
これで大丈夫か?

神降臨カマーンキボンヌ
31名無しさん@ピンキー:04/07/16 13:57 ID:httupKFi
ハヤクー!
32名無しさん@ピンキー:04/07/16 13:58 ID:tic2lOdX
あげます
33名無しさん@ピンキー:04/07/16 14:06 ID:RK0CmiTG
背後から近づいて町娘をズブッと

34名無しさん@ピンキー:04/07/16 15:45 ID:httupKFi
強姦でしゅか
35名無しさん@ピンキー:04/07/16 16:09 ID:lzdi00tV
>>34
それも忍犬が。
36名無しさん@ピンキー:04/07/16 16:24 ID:httupKFi
獣姦でしゅか
37名無しさん@ピンキー:04/07/16 20:38 ID:httupKFi
神ヨー!
38名無しさん@ピンキー:04/07/17 12:51 ID:1QHoKtxR
パスはayame
ttp://uper.mine.nu/upload/sn_a/src/aaaup1262.zip


大きいファイル用鯖って初めて使ったけど重いなー
うpするのにかなり時間かかった・・・
39名無しさん@ピンキー:04/07/17 15:55 ID:xbdeCN8h
見れない・・・
40彩女:04/07/17 16:01 ID:KlYdYlGQ
それはとある暗殺任務に就いていたときだった…今思えばおかしい事をしたと反省する。

夜も更けきった闇夜…私は敵の兵士を一撃の元に仕留めようと吹き矢を構えた…
その時だった。
私は肩に熱い痛みを感じ肩を見ると…矢が刺さっていた。
「痛…ッ」
そう。私は知らぬ間に敵に見つかっていたのだ。
すぐさま草むらに隠れ、息を殺し、敵をやり過ごしていると…
「うっ」
体が熱い、とてつもなく。どうやら先程の矢尻に毒が盛られていたようだ。
毒が全身に回りきらないうちに今晩は撤退しようとした時

股間から足元にかけてビショビショに濡れていた…
毒で失禁でもしてしまったか…情けない…
だが液体は粘着質でヌルヌルとしていた…
…!!まさか…これは
何気なく股間に手を当ててみて…

そう…それだけだったのだが、私は隠密行動だったのだが

「アア…アアアアアアッ!!ぐ、ぐぅぅぅ…イ、イクゥ…ッ!」
少し触れただけなのに私は今度こそ失禁してしまった

「あ、あああ…と、とまらない…」

私は失禁しながら二回…いや三回ほど数秒のあいだにイってしまった…

「曲者がここにいるぞ!出会えー出会えー!!」
「!!!」
足腰が立たないどころか私はまだイってる最中だ。
私は…
41彩女:04/07/17 16:04 ID:KlYdYlGQ
それはとある暗殺任務に就いていたときだった…今思えばおかしい事をしたと反省する。

夜も更けきった闇夜…私は敵の兵士を一撃の元に仕留めようと吹き矢を構えた…
その時だった。
私は肩に熱い痛みを感じ肩を見ると…矢が刺さっていた。
「痛…ッ」
そう。私は知らぬ間に敵に見つかっていたのだ。
すぐさま草むらに隠れ、息を殺し、敵をやり過ごしていると…
「うっ」
体が熱い、とてつもなく。どうやら先程の矢尻に毒が盛られていたようだ。
毒が全身に回りきらないうちに今晩は撤退しようとした時

股間から足元にかけてビショビショに濡れていた…
毒で失禁でもしてしまったか…情けない…
だが液体は粘着質でヌルヌルとしていた…
…!!まさか…これは
何気なく股間に手を当ててみて…

そう…それだけだったのだが、私は隠密行動だったのだが

「アア…アアアアアアッ!!ぐ、ぐぅぅぅ…イ、イクゥ…ッ!」
少し触れただけなのに私は今度こそ失禁してしまった

「あ、あああ…と、とまらない…」

私は失禁しながら二回…いや三回ほど数秒のあいだにイってしまった…

「曲者がここにいるぞ!出会えー出会えー!!」
「!!!」
足腰が立たないどころか私はまだイってる最中だ。
私は…
42オロチ:04/07/17 16:07 ID:KlYdYlGQ
おっと、二重書き込みスマソ…_| ̄|○
43名無しさん@ピンキー:04/07/17 20:44 ID:MHlVT4Ux
続きが気になるハアハア
44名無しさん@ピンキー:04/07/17 21:54 ID:xbdeCN8h
続き(`Д´)カマン!!
45オロチ:04/07/17 22:30 ID:KlYdYlGQ
このまま続きを俺が考えるのは簡単だけど
誰かこのネタの続きを考えてみな
で、その続き→続き→続きてな流れにすれば
このスレももっと盛り上がるのでは?


…と勝手な事をほざいてみるテスト
46名無しさん@ピンキー:04/07/17 23:06 ID:2r72yQeV
彩女がヤッチマッタ…
と言ってるとこから、助けにきた力丸に愛の告白をした挙げ句、押し倒したことは容易に想像できる。
と言ってみるテスト
47名無しさん@ピンキー:04/07/18 14:59 ID:FuUiU7YI
続き激しくキボンヌ(*´Д`)ハァハァ
48名無しさん@ピンキー:04/07/18 16:26 ID:jN2V6Kez
誰かー
49名無しさん@ピンキー:04/07/18 20:24 ID:jN2V6Kez
前スレ(?)で終わらない死ってやつ創った人〜
50名無しさん@ピンキー:04/07/18 23:30 ID:ZNnSKaOu
今日たまたまゲーム屋ブラついてたら天誅紅のムービー流れてて、ボス紹介のときに主人公達が殺されていくのを見て興奮したのってオレだけかな?
特にあの女ボスに殺される場面が最高だった・・・
51名無しさん@ピンキー:04/07/19 16:07 ID:R+Y4GfPM
>>50おまい、それを一般受けできるエロ小説に変えて
ココで表現してみろ。
52名無しさん@ピンキー:04/07/21 14:21 ID:d2P24BJJ
発売直前保守
53名無しさん@ピンキー:04/07/21 16:26 ID:xXIbB4WZ
発売一ヵ月後には凛たんのエロ小説でイパーイね。
54名無しさん@ピンキー:04/07/21 16:29 ID:KCg4gtur
シナリオ無視でひたすらアブノーマルなシチュでよければ
何か書くけど・・・

零のエロパロスレでは「エロイ・キモイ」との評判だった
55名無しさん@ピンキー:04/07/21 17:10 ID:xXIbB4WZ
>>54頼む
56名無しさん@ピンキー:04/07/22 16:26 ID:H1VENeZV
>>54超頼む
57名無しさん@ピンキー:04/07/22 18:47 ID:Xt5QlaU6
>>54超々頼む
58名無しさん@ピンキー:04/07/22 20:44 ID:FC6laP9P
心の底より頼む
59名無しさん@ピンキー:04/07/23 00:18 ID:7twmbr20
飢えてきた、マジでお願いします>>54
60名無しさん@ピンキー:04/07/24 09:22 ID:F2Ek3TEV
那須×凛の構想ができてきてるんだけど・・・需要があれば近日中にあげますよ〜
61名無しさん@ピンキー:04/07/24 11:54 ID:AqtvxQ0V
需要あります多いに有ります
62名無しさん@ピンキー:04/07/24 13:49 ID:4lu7pUdK
>>60
(;゚∀゚)ゴクリ
63名無しさん@ピンキー:04/07/24 13:52 ID:Woum8mLJ
俺もキボンヌ
64名無しさん@ピンキー:04/07/24 14:47 ID:7QPTR/zj
ハァハァ
65名無しさん@ピンキー:04/07/24 17:02 ID:1O2JCYOu
あげるなら あげるまで待とう エロ小説



語呂悪。

誰かあげたら俺もあげるか…
66名無しさん@ピンキー:04/07/24 21:27 ID:hlXwm75I
あげまん
67那須×凛:04/07/24 21:30 ID:EldSldv2
「およしになってッ!!」
「こぉれこれ、そんなに堅くならずとも〜」
  なにやってんだか──
 襖の向こうには敷かれた布団、その上でもつれ合う男と女・・・
 一方的に男が絡みついてるといったほうが正しいんだろうけど。
 男の名は那須──今日の私の仕事はこの那須を始末することだ。
 深夜寝所に忍び込んでは得意の按摩を蓑に女子を弄くりまわしてたそうで。
 女子としては許すことのできない悪行である。
「嫌ッ・・・・・やぁッ!!」
「今何刻とお思いか・・・静かに療治を受けなされ」
 那須は能面を取り出すと抵抗する女子に強引にもその面を被せる。
「おぉ〜お似合いじゃ〜これで恥ずかしゅうのうなったでしょう?」
  んな訳ないだろうが──
 全くもって非常識な男である。
 これも己の欲がなせる技か・・・なんの恥じらいもなく良くそんな台詞を吐けること
「しばし待たれよ〜薬、お薬はぁ〜と──」
 那須が荷物へと向かい、こちらに背を見せる。
 面を被された女子もこれは機と逃げようと、襖を開けた。
 もちろん襖の前にいるキツネの面の私に驚いたが、私は彼女を引っ張り出して入れ替わりに部屋に入る。
「嫌よも最初だけ〜時期に極楽に行けまする〜」
「本当に極楽に行けるでありんすか?」
「はぁ〜い、お連れしましょう〜・・・・・・曼珠沙華ェッ!!」
 那須はこちらの姿も確認せずに、いきなり飛び掛ってくる。
 こんな馬鹿に捕まるような、マヌケではない。
 那須の体を軽く飛び越すと、那須は誰もいない畳へと不様に打ち付けられた。
「女子の寝所に忍び込み、按摩を蓑に己の欲を晴らす好色男・・・女子に代わって始末させてもらう!」
「なぁ〜にぃ?はばかりよって・・・まぁ良い・・・抜かせたお主が悪いのよ」




ここまではシナリオ通りです〜「〜茄子か姫か」のシナリオを一回見てから読むと宜しいかと。
68名無しさん@ピンキー:04/07/25 00:04 ID:mS2Y1P3/
これから先が楽しみでなりませぬよ。
ちなみに、「抜かせたお嬢が悪いんだよ・・・・」です。
69名無しさん@ピンキー:04/07/25 01:45 ID:B7cR06Lg
>>67
焦らさないで〜(:´Д`)
7067:04/07/25 09:53 ID:QU/Qeh/y
>>68
あら、そうでしたね〜次の冒頭で訂正します〜
>>69
すいません、もうちょっと時間掛かりそうです・・・
71名無しさん@ピンキー:04/07/25 14:56 ID:+4gtPvcG
「お待ちなさい」
「は、はい? …あ、ご、ごきげんよう。何か御用でしょうか」
「呼び止めたのはあたいで、その相手はあんた。間違いなくってよ。
 ――首巻きが曲がっていてよ。身だしなみはいつもきちんとね」
 それが、私、凜と、学園憧れの彩女さまの初めての出会いだった。


「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
さわやかな夜の挨拶が、澄みきった夜空にこだまする。
郷田の庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、
背の高い門を跳び越えていく。
汚れを知らない心身を包むのは、深い色の装束。
腰巻きは乱さないように、覆面は翻らせないように、
素早く走るのがここでのたしなみ。
もちろん、水際で音をたてるなどといった、はしたない生徒など
存在していようはずもない。

殿立・凛々庵 女学園。
嘉禄三年創立のこの学園は、もとは忍の令嬢のためにつくられたという、
伝統ある隠密系お嬢さま学校である。
郷田領下。鎌倉の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、殿に見守られ、
幼稚舎から大学までの一貫教育が受けられる乙女の園。
時代は移り変わり、元号が嘉禄から二十五回も改まった長享の今日でさえ、
十八年通い続ければ温室育ちの純粋培養忍者が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だ残っている貴重な学園である。


                お殿様がみてる 〜完〜
72名無しさん@ピンキー:04/07/25 15:40 ID:MWR4SvRh
>>71
正直、萌えた。
73名無しさん@ピンキー:04/07/25 15:59 ID:IG9epMqX
凛×彩女キボン
凛が押し倒し後半から彩女が攻m(ry

なんて言ってみるテスツ
74那須×凛(2:04/07/25 19:34 ID:oeu+rigq
抜かせたお嬢が悪いのよ・・・」 

 そう言って那須が取り出したのは、自分の性器── 
 しかも、大きさは尋常じゃない・・・一尺はあるかという巨根だった。

「なッ!なに出してるのよッ、変態!!切り落とされたい!?」
「落とせるもんなら、落としてみな〜」
「ッ・・・このド変態がぁッ!!」

 その巨根に目を合わせないように、拳を振ろうとするけど・・・
 普段見慣れないものに、目がいってしまう私──

「どうした?顔が真っ赤だぞ??」
「う、煩い!・・・変態が・・・この助平がぁッ!!」

 もうこのときには、私は平常心を欠いていたんだ。
 出した拳を取られると、そのまま那須の体に引き寄せられた。

「きゃぁッ!?」
「いらっしゃ〜い」
「離、せぇ・・・くぅッ・・・・・・」

 軽々と抱き上げられた私の脚の間にあの巨根が割り込み、抵抗しようと動くとソレが太ももを擦って気持ち悪い・・・・・

「もっと暴れたらどうだ?それとも堪忍したかな?」

 手も足も出ないとはまさしく今の状況だろう・・・
 抵抗したらしたで、那須の思う壺だ。



那須のしゃべり口調適当です〜そこらへんツッコミなしでw
75名無しさん@ピンキー:04/07/25 20:29 ID:uEcbfYIC
>>74
(・∀・)イイ!
続きキボンヌ
76名無しさん@ピンキー:04/07/25 20:57 ID:2av6w2rq
神キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

ちなみに堪忍→観念と思われ。
77名無しさん@ピンキー:04/07/25 21:11 ID:82X1AaQi
は、はやくつづき
7867:04/07/25 21:16 ID:oeu+rigq
>>75 >>76
 ありがとうございます〜 観念ですね〜間違いです 以後気をつけます〜
>>77
 小出しですいません〜早めに書き上げますので
79名無しさん@ピンキー:04/07/26 00:02 ID:7xksK3ZB
>>78今日朝6:00前に提出。
80名無しさん@ピンキー:04/07/26 05:39 ID:EfPtEf+W
マウスオンリィで描いてみた。エロクネェーナ( ゚д゚)、ペッ
ttp://maichy.s1.x-beat.com/up/data/oo4005.png
81望月の欠けたる事も無しと思へば:04/07/26 06:50 ID:lQn2Osqo
「其方さんに恨みは御座いませんが、御命頂戴致します!」

「よかろう…、参られよ!」

轟とばかりに放たれる抜き打ち。
咄嗟に交わしはしたものの、其の太刀筋は尋常ではない。
是まで凛が見てきた剣とは、本質的に異なるものだ。
恐れとも、焦りともつかぬ想いが胸に支える。

葛城某…。
仮にも、藩剣術指南を務めた程の男。
賊に身を窶したりとも、其の腕、未だ錆る事なく。
数多の罪なき血を啜ってきた刃が、凛を追い詰めてゆく。
82名無しさん@ピンキー:04/07/26 06:57 ID:lQn2Osqo
天与の才を秘めしと言えど、所詮忍之者、女たる身。
必死に身を交わし、間合を取るのが精一杯の凛であった。

”これだけの腕をもってるのに、なぜ野党ずれなんかに…”

退こうにも見出す隙は無く、じわりじわりと壁際に追いやられるばかり。
吉五郎も此方へ向かっている筈なのだが、些か先走りすぎたようだ。

”しくじったかな?”

身に刻んだ忍之心得さえ思い起こす事もなく、挙句の果てにこの様だ。
策もなく、だが直も打ち合う事数合、終には忍刀を弾かれてしまう。

…油断…慢心… 今更ながらの慙愧の念が脳裏を過る。

刹那、峰を打たれて凛はくたりと崩折れた。
83那須×凛(3:04/07/26 08:29 ID:TgtnaF3Y
「・・・・・・・・・」
「だんまりかい・・・」

 相手を刺激しないように沈黙を貫こうとした・・・・・・
 その間にも那須は腰の後ろに回った手を私の秘所に伸ばしてくる。
 
「我慢しないでよがってみなされ」

 指が割れ目をなぞり、ねちねちと表面だけを執拗に弄られる。
 
「くッ・・・・・ぅぅ・・・」
「ほぉ〜れほぉれ」
「ッ・・・ハァ・・・・・ぁう・・・」
「耐え忍ぶ顔も良いが・・・・・・お嬢の声を聞きたいのじゃよ!」
「ひゃぁぅッ!!」

 太い指が奥へと続く狭い道を見つけると、ゆっくり割れ目を押し広げる。

「ほぉ〜良い鳴き声だ〜それ鳴け鳴けぇ〜」
「はぁぅ・・・・・・う・・・う、ごかす、なッ・・・あぁッ!」 
「そぉらそらぁッ!」
「やあああぁぁぁぁッ!!」

 狭い道を行ったり来たり・・・
 終いには狭い道を抉るかの如く勢いよく突き進んだ。
 無理矢理道を広げられたにも関わらず溢れる愛液──
 私はこの男の指に屈してしまった・・・・・・

「体は素直よのぉ〜・・・逃した女子の分楽しませてもらおうか?」
84名無しさん@ピンキー:04/07/26 11:29 ID:nFC+nB/N
ハァハァ
彩女たんも待ってます…(´Д`;)
85名無しさん@ピンキー:04/07/26 12:45 ID:EWC26o7K
凛×彩女k(ry
86名無しさん@ピンキー:04/07/26 13:02 ID:nFC+nB/N
「くっ…」

暗い部屋には後ろ髪を結った女子と小柄な女子が二人きり。

「はぁッ…、ひぃッ…!!」
後ろ髪を結った女が喘ぐ。

「駄目だよ、彩女さん…これくらいでイッちゃ…」
ぐちゅぐちゅといやらしい音を立て彩女の股間をいじりながら小柄な女が言う。

「りッ、凛…!!も…駄目ぇッ!!!イッちゃう!!!イク!!!!」
そこは一気にヌルヌルとした粘液を吐き出し、彩女は余韻に浸っているようだった。
「ふふ、いやらしいなぁ」
凛がにやにやと笑いながら彩女を嘲笑う。
彩女は恥辱を受け、舌を噛み切ろうとした。
だが、菊姫の顔が頭を過ぎる。

耐えるしかない。
最初はそう考えたがふと、良い考えが浮かんだ。


彩女たん反撃に出るか!
初めて小説というものを書いたんですけどどうでしょう。
8786:04/07/26 13:05 ID:nFC+nB/N
あーんもう文章がおかしくて痛い!
スルーで…_| ̄|○
88名無しさん@ピンキー:04/07/26 14:42 ID:7xksK3ZB
>>エロイとオモウ、いやエロイ

さぁもっとコイ
89名無しさん@ピンキー:04/07/26 14:48 ID:o9EEDfFd
>>86
シュチュエーションはいいと思いますよ〜
菊姫との和みキボンヌ
90名無しさん@ピンキー:04/07/26 16:11 ID:2IASzrNN
神が数人降臨してるスレはここですか?
91那須×凛:04/07/26 16:33 ID:o9EEDfFd
はッ・・・くぅ・・・・・・ッ」

 那須は指を私から引き抜くと私の身体をさらに高く持ち上げる。
 そして私の真下にはいきり立つ那須自身が待ち構えているんだ・・・・・・

「味わうがいいさ・・・抜かせたお嬢が悪いのよ」
「あぁぁ・・・・・・」

 那須の豪剣が私の盾に触れる・・・

「舌を噛み切るような真似はしないのかい?」
「・・・あんたなんか原因で・・・死んでも死に切れないよ・・・」
「ほぉ〜・・・ますます楽しめそうよ・・・・・・容赦なくぶち込んでやる!」
「・・・来なよ、助平」
92ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:10 ID:mHBHyvUn
身体に縄を掛けられた凛が、引き摺られる様にして里の中央にある広場へと連れ出されてきた。
舌を噛み切って自害をしないように、口には竹で作られた猿轡を噛まされている。
彼女の後ろには屈強な男が二人付き、逃げ出さぬようにしっかりと彼女に括り付けられた
縄を握り締めていた。
広場には既に、複数の人間達が集まっていた。
凛の里を急襲した者共である。
篝火が作り出した陰影によって、彼らの表情をうかがい知る事は出来なかったが、時折ゆらゆらと揺れる
影がまるで物の怪のように歪み、凛をあざ笑っているかのように見えた。
―こいつらが、わたしの里を…!
凛はの心中は怒りに燃え、夜叉の形相で襲撃者たちを睨みつけた。
だがこの暗闇の中、その怒りが彼らに伝わったかどうかはわからない。
彼らは時折小声で話し合ったり、下卑た笑い声を立てたりしながらただ凛を見つめているだけだ。
93ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:11 ID:mHBHyvUn
ふと彼らの足元に目を落とすと、なにやら複数の西瓜のような物体が並べられているのが見えた。
凛には最初、それが一体何なのかまったくわからなかった。
暗闇の中、篝火に照らされるその物体に目を凝らすと、その物体と彼女の目が合った。
その瞬間、凛は慄然とした。
そこに並べられていたのは、切断された人間の頭部だったのである。
それらが、この里の人間の物である事はすぐにわかった。
襲撃者達は悪趣味にも殺した里の者の首をすべて切断し、広場に並べた後凛を出迎えたのである。
凛の呼吸が荒くなった。怒りと恐怖に彼女の身体は細かく震え、今にも腰が砕けそうになる。
それでも彼女は持ち前の気丈さで、何とか平静を保つ努力をした。
ここで我を忘れて泣き叫べば、それこそこの憎き襲撃者達の思う壺になると思ったからである。
94名無しさん@ピンキー:04/07/26 18:12 ID:nFC+nB/N
自害ブームハァハァ
>>86ハァハァ(´Д`;)
95ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:13 ID:mHBHyvUn
「おやおや、凛。よく来たねぇ。」
襲撃者達の一団の中から、突如聞き覚えのある声が彼女の耳に聞こえてきた。
聞き間違えるはずも無い。それは凛が姉と慕う双葉のものであった。
―双葉が生きていた!
凛の心が僅かに躍った。しかし同時に何故双葉だけが生き残ることが出来たのかという疑念も
彼女の心に湧き上がってくる。
声の主が、一団の中から凛の前に歩み出てきた。
暗闇の中、篝火の頼りない明かりの中では、その人物の輪郭を把握するだけで精一杯であるが、
凛にはそれが間違いなく双葉であるとわかった。
―しかし何故双葉がここに…。
凛の頭の中では、この事態を合理的に解釈する一つ回答が導かれつつあった。
この里の結束は固い。また里人達は皆忍術の手練でもある。そう簡単に敵の侵入を受けるものではない。
事実、以前にも敵が何度か里への侵入を試みたことがあったが、いずれも里人達の奮戦によって撃退されている。
―もし、敵に里への侵入を許すことがあるならば、それは里人の手引きがあったときだけだ。
幼い頃から凛はそう言い聞かされてきた。
96ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:14 ID:mHBHyvUn
だが今、侵入者達によって里は壊滅し、目の前には里人であった双葉がいる…。
そのことだけでも、双葉が手引きをした事は動かしようの無い事実であることが、凛にもわかった。
だが、彼女はその事実を受け入れることが出来なかった。
自分の慕う女性が裏切り者であったという事など、死んでも認めたくは無い。
この事態を何とか好意的に解釈しようと、頭を捻った。
しかし、そんな彼女の努力も空しく、双葉は勝ち誇ったような笑みを零して言った。
「ふふふ…いい格好だね、凛。とってもよく似合っているよ。
 ああ、いい気味だ。あたしはずっとこの時を待っていたんだよ。
 あんたが惨な姿を晒すこの時をね。」
そう言うと、双葉は目の前の首を足で蹴って、凛の前に転がした。
首は凛の二尺ばかり前のところまで転がり、虚ろな目で彼女を見つめた。
それは権蔵の首であった。権蔵は凛の育ての親である。
凛に忍びの術を教えたのも彼であった。
「まあ、こいつらにはちょっとばかり気の毒な事をしたけどさ、あたしには
 どうでもいいことだからね。こんな里がどうなったってさ。」
97ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:16 ID:mHBHyvUn
その言葉を耳にした瞬間、凛の心中で獣が目覚めた。
凄まじい咆哮を上げ、体中から濃厚な殺意が解き放たれた。
彼女の豹のようにしなやかな肉体が宙を舞い、双葉の首を一閃した。
…彼女の体が自由であったなら、そうなっていたであろう。
しかし、いまの彼女は哀れな囚われ人である。
双葉に飛び掛ろうとしたところを、たちまちの内に屈強な男達に取り押さえられ、うつ伏せに組み敷かれた。
―なぜ!なぜ裏切った!!
男達に圧し掛かられながらも、凛は叫んだ。しかし猿轡を噛まされているため、彼女の叫びは言葉の形を成す事が出来ない。
―なぜだぁっ!!なぜ里の皆をっ!!
声ならぬ声をあげのた打ち回る彼女の両の眦から、大粒の涙が零れた。
里は裏切り者の双葉によって壊滅した。
自分が尊敬し、誰よりも慕っていた女性の裏切り…それが何よりも赦せなかった。
凛の瞳からは涙が後から後から溢れ出し、頬を伝って零れ落ち、乾いた地面を濡らした。
98ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:17 ID:mHBHyvUn
「おやおや、そんなに泣くもんじゃないよ…。あんたにはこれからたっぷりと泣いて貰うんだからね。
 その時まで涙を取っておきな。」
双葉はそう言うと、凛の眼前に膝と付き、彼女の頬を伝う涙を指で拭った。
だが凛は、猛烈な勢いで首を左右に振って、そのの指を振り払った。
裏切り者に情けを掛けて貰うほど自分は落ちぶれてはいない。
獣の形相で自分を睨みつける凛に向かって、双葉は邪悪な笑みを浮かべて言った。
「これからあんたがどんな目に会うか、あたしが教えてやるよ。
 あんたはね、ここにいる男どもの慰み者にされるのさ。あんた、まだ男を知らないんだろ?
 よかったねぇ、ここにいる男どもはあんたみたいな餓鬼のねんねを嬲るのが
 何よりも好きなんだ。こいつらにたっぷり可愛がって貰いな。」
それは、凛が最も恐れていたことであった。
まだ男を知らない彼女にとって、彼らに嬲り者にされるということは、得体の知れない未知の恐怖であり、
ある意味殺されることよりも恐ろしいことである。
彼女は襲撃者に生け捕りにされた時から、そういう目に合わされるであろうことは予測していたし、覚悟もしていた。
しかしそれを面と向かって、しかもかつて自分が慕っていた女性の口から聞かされるという事は
やはり衝撃的であった。
99ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:19 ID:mHBHyvUn
そんな話は聞きたくないとばかり、凛は叫んだ。猿轡を噛まされているため、彼女の叫びは
単なる呻き声にしかならなかったが、それでも彼女は叫び続けた。
里を滅ぼされた悲しみと、裏切り者への怒りと、そしてこれから己が味わう生き地獄への恐れの叫びであった。
そんな凛の反応を、双葉は明らかに愉しんでいた。
彼女は嗜虐的な笑みを浮かべ、凛の髪を無造作に掴み上げるとその耳元で嫌らしく囁いた。
「散々嬲って嬲って嬲り尽くしてあげるからね。その後、もし男どもがまだあんたに飽きていなかったら
 まだ生かしておいてやるよ。ただし男どもの肉人形としてだけどね。あんたをあたし達の里に連れて帰って
 そこでみんなで飼ってやる。あんたは来る日も来る日も男どもに玩具にされるんだ。どうだい?楽しみだろ。」
その言葉に、男達が笑った。凛に何か卑猥な言葉を投げつける男もいた。
凛は喉も張り裂けんばかりに叫んだ。たとえ猿轡に阻まれても、彼らの声と言葉をすべてかき消してしまいたかった。
あるいは辱めを受ける前に、この場で舌を噛み切って自害してしまいたかった。
しかし今の彼女にはそのいずれも成す事は出来ない。彼女の生殺与奪を握っているのは襲撃者達なのである。
彼女に出来ることと言えば、ただただ涙を流し、呻き声を上げるばかりであった。
双葉の顔が邪悪に歪んだ。それは篝火の作り出す、あやしい陰影のためだけではない。
彼女の心底が、まさに表情に映し出されたためである。
「もしそこでの覚えが良いんなら、男どもがあんたに飽きた後、殺さないで吉原にでも売り払ってやるよ。
 おいたが出来ないように、手足を切り取ってね。そんな様でもこの里の奴らのように殺されないだけマシだろ?
 ふふふ…こう見えてもあたしは優しいんだ。なにしろあんたはあたしの大事な妹分だからね。ふふふふふふ…」 
そう言って不気味な笑みを洩らす双葉と、ただただ呻き声を上げ、もがく凛の姿を、物を言わなくなった権増の瞳が
鏡のように映し出していた。 

                                                    〜終〜
100名無しさん@ピンキー:04/07/26 18:22 ID:nFC+nB/N
ハァハァハァ
続きを妄想しただけでチンコ勃っちゃうよ…(´Д`;)
101ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/26 18:23 ID:mHBHyvUn
まったくエロくなくてすいません…。
          ∧_∧
    ∧_∧  ( ´_!_` .) 許してください…。 
   ( ´_!_` ) /   ⌒i   
   /   \     | |
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__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃
102名無しさん@ピンキー:04/07/26 18:52 ID:2IASzrNN
続きを・・・続きを投下してくだしぃ・・・
103名無しさん@ピンキー:04/07/26 21:25 ID:EfPtEf+W
ttp://maichy.s1.x-beat.com/up/data/oo4043.png
誰かまともに描ける神キボンヌ・・・orz
双葉に捕まった彩女タソは痺れて動けない間に絶対いろんなことさrウワナニヲスルヤメロー
104名無しさん@ピンキー:04/07/26 22:01 ID:nFC+nB/N
>>103
十分まともだハァハァ
ttp://osaka.cool.ne.jp/awabe/171.png
マウスオエビ速攻…スマソ。描けない
105名無しさん@ピンキー:04/07/26 23:17 ID:7xksK3ZB
神が降臨しまくってるでわないか(゜∀゜*)!イイぞ!
もっと書いてもっと描いてくれ!
そして俺も参戦、ぽぽ者タソの小説情景、期待はずれ間違いなし。
ttp://yuki.onioni.org/rin.jpg
実はエロ絵描けねえんだ( ノД`)
106名無しさん@ピンキー:04/07/27 00:08 ID:9u3zSMaR
ttp://osaka.cool.ne.jp/awabe/ayame.bmp
趣味の範囲だ、苦情なんて受け付けないゾ☆
ちょっとグロ気をつけて!
107名無しさん@ピンキー:04/07/27 01:20 ID:JSc1nnbc
>>105
うぉーGJ!
凛タンはぁはぁ(;´Д`)
108望月の欠けたる事も無しと思へば:04/07/27 01:25 ID:tLDyiVya
「ふ む、如何したものか。」

刀を鞘に収め、利成は足元に横たわる凛を見据える。
見れば、未だ幼ささえ残る顔つき。
と、通路の方から数名の足音。
どうやら押込働きに出ていた者達が戻ったようだ。

「先生!御無事でしたか!、…此者は?」

真ッ先に駆けつけた武士風の身形の者が問う。利成が片腕と恃む、
嘗ては門弟であった男だ。数石取りの貧しき出自ながら、剣の才はなかなかのもの。
政事の諍いに巻き込まれ藩を追われた際、利成を慕い数名の門弟が共に野に下った。

「始末屋だそうだ…、くく。己も甘く見られたものよ。」
「成る程。中程にて潜んでおった者は切り捨てましたが、四方や二匹如きで仕掛けてくるとは…」
「この年端で始末屋稼業、忍崩れであろう…。暇を潰すにはよい見世物であったが、さて。」
109望月の欠けたる事も無しと思へば:04/07/27 01:29 ID:tLDyiVya
始末屋風情にまんまと襲撃を許したは不覚であったが、
幸い働きに出ていた子飼いの者共は難を逃れた。
討たれた張り番などは容易に替えが効く、然して痛くもない。
何れの差し金か、少々気には掛かるが…。

利成はにやりと口の端を歪める。

「芸を拝んで、此の侭御役御免も不粋。皆で心を尽くし、礼を致すが道理であろう…くくく。」

忍崩れの始末屋とはまた滅多に与れぬ珍味。絶えぬ無聊の慰みに、
じっくり責めみるとしようか。折りしも、どうやら働きの方は成果も上々の様子。

今宵は、この娘の艶姿を肴に宴と参ろうか…。


                                ―――――― 絶 筆 ――――――
110名無しさん@ピンキー:04/07/27 01:32 ID:MU5HCnQj
リアルタイム遭遇キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
つ、続きは!?絶筆なんて、そんな!!
111名無しさん@ピンキー:04/07/27 08:10 ID:EtxuDh7X
勃起sage
112名無しさん@ピンキー:04/07/27 11:21 ID:5vTn6eh1
彩女×凜のエロSS書いてたら
投下分ができあがった時にエディタが落ちたぁぁ…・
彩女タソのうなじを返せ!凜タンの唾液を返せ!゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァァ〜

めっさ疲れた…
せっかく夜行が終わって一段落付いたから書き始めたのに…orz

その前に書いてたネタだけ貼り貼り
113名無しさん@ピンキー:04/07/27 11:21 ID:5vTn6eh1
 もしも天誅がエロゲになったら

シナリオ一筋ノベルゲーム
「忍 -にんさつ-」

キチークヘンタイ上等!
「隠密病棟」

ダンジョンと課した越後屋屋敷をひたすら潜るRPG
「てんちゅうにょ・ぱにょ〜ん」

天誅シリーズキャラ総出演!パクリネタ満載の地域制圧型SLG
「大天誅」

発売日は未定です
「tunchers〜恋に落ちたら〜」

貧乳でも童顔でも十八歳なんです
「はじめてのしまつやさん」

インストールに七時間、苦行の果てにたどり着く境地
「くれないいろ」

菊が力丸に、彩女が龍丸に、田鶴が尖十郎に(?)、雪蛍が朱雀に(??)甘えまくるゲーム
「恋する忍者は切なくて あにさまのことを想うとすぐHしちゃうの」
114名無しさん@ピンキー:04/07/27 14:22 ID:LAHv0hgf
>>107ども、エロクネケドモ(´`)

勃起age
115名無しさん@ピンキー:04/07/27 14:27 ID:PJUq0CFS
とりあえず忍たちの青春をえがいたハートフル東忍流コメディー
「東Heart」は要チェックだな('A`)
116仇花紡ぐは浮世の無情。(1/?):04/07/27 15:41 ID:H7D3vX5P
「じ、重蔵兄ィ。。。あふ、くぅお・・・うっ」
「ふふ、浅ましい声よ。」

重蔵の逞しい胸にもたれかかり、艶やかな喘ぎを漏らす硝。
無骨な指で乱暴に肉棒を扱かれる度に、思わず喉が呻くのだ。

「く、くァあっ・・・。。。だって、重蔵兄ィに構って貰えるなンてェ、
夢のようなんだものぉ。。。。ふぅっ!」

ゆっくりと硝の菊門を撫で擦っていた指が、不意に抉りこまれた。

「愛い奴よ、硝。ほれ、甘露をよこさぬか。」

嬉しさと歓喜のあまりだらしなく涎を垂れ流す硝の口に、がばと吸い付く重蔵。

「んんっ、ふぁ・・・・・・」
117仇花紡ぐは浮世の無情。:04/07/27 15:44 ID:H7D3vX5P
これにて打ち切りッ!!!





                             ∧∧
                            (´ω`;)<スンマセンスンマセン      
                              ∨)
                              ((
118名無しさん@ピンキー:04/07/27 15:54 ID:MU5HCnQj
腐女子はこのスレいるの・・・?w
119名無しさん@ピンキー:04/07/27 16:00 ID:5vTn6eh1
いいじゃないか、男色でも

嫌いならNG登録でも汁
120名無しさん@ピンキー:04/07/27 18:33 ID:1k+T4L5M
下腹部の中で、何かが千切れるような痛みが走った。
それが破瓜の痛みであることが、凛にもわかった。
彼女は思わず呻き声を上げそうになるのを堪え、何とかその苦痛を
無視しようと、猿轡を砕けんばかりに噛み締めた。
自分の胎内が異物感で一杯になる。今まで味わったことの無い感触だ。
―自分はついに破瓜を散らしてしまった…。
凛の胸に喪失感と絶望感が波のように押し寄せてくる。
しかもその相手が自分の思い人ではなく、憎むべき殺戮者であったことが
よりいっそう惨めな気持ちにさせる。
凛は苦痛と屈辱に涙を零しそうになった。
しかしそれを持ち前の負けん気で何とか押し止めた。
―泣いてはいけない。
彼女は胸の内で何度も思った。
泣いては彼らをより一層喜ばせることになる。
121名無しさん@ピンキー:04/07/27 18:36 ID:naMau60c
レイプっててスカトロっててヘボくて古いネタ(弐あたり)投下しても良いでつか?
小説晒すのは緊張だ(;´Д`)
122名無しさん@ピンキー:04/07/27 18:38 ID:1k+T4L5M
凛は自らの内で、自分が人ではなく、人形であると言い聞かせていた。
人形は痛みを感じない。人形は涙を流さない。だから、何をされても平気である、と。
彼女は夜空に輝く満天の星の数を数えることにした。
―ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ…
この星を全て数え終わる頃には、この生き地獄から解放されているだろうか、と彼女は思った。
―ふたじゅう、ふたじゅういち、ふたじゅうに、ふたじゅうさん…
三十を数えたところで、彼女を犯していた男が果てた。
凛の脳裏に子孕みの恐怖がよぎった。
しかしそれを意識的に無視し、再び星を数えることに没頭し始めた。
―人形がそんな事を恐れていてどうする。
星を数えながら、自分に強くそう言い聞かせた。
男が凛の股座から離れると、間髪入れずに別の男が割って入ってきた。
先程の男、凛の初めての相手が、自分の一物が破瓜の血で濡れている事を自慢する声が聞こえる。
しかし人形の凛にとっては、最早そんな事はどうでもいいことであった。
自分に課せられた使命はただ星の数を数え続けることだけだ。
星を七十五まで数えたところで三人目の男に代わり、百二十を数えたところで四人目の男に代わった。
しかし何人代わったところで、凛の反応は無い。無表情のまま、じっと宇宙を見つめているだけだ。
そのことが男達を苛立たせ始めていた。
「双葉姐さん、この餓鬼、いつもこんな感じなんですかね。」
髭面の男が、酒を煽りながら陵辱の様子を面白そうに眺めている双葉に話しかけた。この男は凛の二人目の相手である。
「そうですよ、初めてならもっと泣き喚くと思ったのに、これじゃ面白くねえ。」
それを聞いた小柄な男も頷いた。
「そうだねぇ…。」
双葉は小首をかしげて考える振りをした。
「取り合えず、剥いちまって裸を晒しておしまい。」
123ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/27 18:40 ID:1k+T4L5M
男は刀子を取り出すと、縄を切断しないように気を付けながら器用に凛の着物に切り込みを入れ剥ぎ取っていった。
凛の乳房が露となり、男たちの目に晒される。
しかしそれは乳房と呼ぶには余りにも未成熟な、僅かな膨らみに過ぎなかった。
「ははは…何だこりゃ、男みたいな身体してやがる。」
そう言って男は凛の乳房を撫で回した。「餓鬼みたいな身体だ。」
他の男たちもニヤニヤと嘲笑の笑みを浮かべ、凛の姿態を嘗め回すように見つめている。
同年代の娘と比べても、未成熟な自分の体の事は、凛も密かに気にしていた。
大体において凛の姿形は、少年と言っても差し支えないくらいである。
実際、これまでに何度も少年に間違われたことがあった。
その時は大抵笑ってごまかしていたが、内心は深く傷ついたものである。
しかしその内に秘めた悩みを陵辱者達に声高に指摘されたことは、
これまでのものとは比べ物にならない程の屈辱であった。
男達の手が凛の身体を無遠慮に弄っていく。
その上彼女の身体について「やれ肉付きが足りない」だの「痩せ過ぎ」だのと
あれこれと批評しては、下卑た笑い声を上げる。
まるで物を扱うときの態度である。事実、男達は凛を一人の人間として見ていない。
自分達の欲望を吐き出す、生き人形であると思っている。
124ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/27 18:49 ID:+B8xqnti
男の一人が自らの怒張を凛の眼前に突き出した。
凛は慌てて目を閉じる。
男の一物を見たのはこれが初めてであった。
しかも男は怒張を凛の滑らかな頬に擦り付け始めたのである。
顔中に擦り付けられる肉の感触とすえた匂いに、凛の背筋に悪寒が走った。
思わず顔をしかめ、首を振って抵抗するが、そうすると髪の毛をがっちりと掴まれ
ますます強く擦り付けられてしまう。
しかも彼女の顔を陵辱している肉は一本だけではない。
三人の男達が、代わる代わる凛の顔面の感触を愉しんでいた。
余りの出来事に、猿轡の端から凛のくぐもった吐息が洩れる。
男の一人が大きく溜息を付いたかと思うと、自分の顔が何やら暖かい液体に濡れた。
それが男の吐き出した精であるとわかるまで、そう時間は掛からなかった。
何ともいえない生臭い匂いが凛の鼻に付く。しかも男は自らの一物を使って、その白濁を
塗りたくり始めたではないか。
自分の顔面に射精されたという事実と、白濁の生臭さに溜まらず吐き気がこみ上げてくる
125ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/27 18:51 ID:+B8xqnti
―わたしは人形、人形なんだ!だから何をされても気にしてはいけない!
凛は心の内で、経文を唱える様に自己催眠を掛け続けた。
目を強く閉じているので、星を数えることは出来ない。
その為ただ只管自分を人形だと思い込むことで、この場を切り抜けたかった。
しかし生まれて初めて嗅ぐ白濁の臭いに、うまく精神を集中することが出来ない。
おまけに、ここにきて初めて見せた凛の嫌悪の反応に、男達が面白がって次々と凛の顔面に白濁を吐き出していく。
彼女の顔は、付着した白濁で白く染まっていった。
それは彼女の鼻腔の中にまで侵入し、息苦しさと生臭さで思わず咽てしてしまう。
その様子を見ていた双葉はさも愉快そうに笑った。
「おや、凛よかったねぇ。そんなに綺麗に化粧して貰って。
 これで男みたいなあんたの女振りが上がるってもんだよ。」
双葉の非道な言葉に、凛の忍耐もいよいよ限界に来た。
自分はやはり人形などではなかった。里を壊滅させた襲撃者達に陵辱されている
ひとりの無力な少女であった。
強く閉じていた凛の眦から、一粒涙が零れた。そしてそれは堰を切ったように後から後から溢れ出し、彼女に施された
白い化粧を洗い流していくかのように頬を濡らしていった。
126ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/27 18:53 ID:+B8xqnti

空が白じんできた。
里の広場には、体中から精臭を漂わせた凛が呆けたように中空を見つめていた。
彼女は一晩中男達に弄ばれ嬲られた挙句、胎内は勿論のこと、体中白濁塗れにされ
襤褸雑巾のように捨てられていた。

「さぁてあんた達、あの餓鬼どうするんだい?
 気に入ったんなら生かしておいてやってもいいけどさ。
 それともこのまま殺しちまうかい?」
双葉の問いかけに男達皆首を振った。
その中の一人が言った。
「いや、あの餓鬼生意気だから生かしておきましょう。
 ワシらの里でたっぷりと躾てやるんですよ。
 躾がいがありますよ、あの餓鬼なら。その時どうなるかが楽しみだ。」


―八百七十七、八百七十八、八百七十九…
男達が凛に陰険な笑みを向ける一方、彼女は朦朧とした意識の中、当の昔に消えて無くなった星をまだ数え続けていた。
八百八十、八百八十一、八百…

彼女の夜は、まだ終わってはいないのだ。
         
                            〜続く〜
127名無しさん@ピンキー:04/07/27 18:56 ID:TZwjoxGm
(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)/ヽァ/ヽァ

>>121
どーんとこい!!!( ゚Д゚)
128ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/27 18:56 ID:+B8xqnti
何かまだ続くみたいです…。
          ∧_∧
    ∧_∧  ( ´_!_` .) 設定とか全て無視して続くみたいです…。 
   ( ´_!_` ) /   ⌒i   
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃

おまけにコテハン付け忘れるわ、
PCの具合が悪くてID変わるわで散々です…。
          ∧_∧
    ∧_∧  ( ´_!_` .) 取り合えず生暖かく見守ってやって下さい…。
   ( ´_!_` ) /   ⌒i   
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃
129名無しさん@ピンキー:04/07/27 19:17 ID:yMRYwBQX
130名無しさん@ピンキー:04/07/27 19:18 ID:MU5HCnQj
            (⊃)     (⊃)
      ∧_∧ / / ∧_∧  / /
     [ `↓´]/ / ( ムΘラ)/ / エロエロだ〜
    /   ⌒ / /   ⌒./ 
    /   / ̄ ̄ ̄ ̄/  ./ 
   (_ニつ/彩女凛命/__|__
 ̄ ̄ \/____/
131名無しさん@ピンキー:04/07/27 20:05 ID:yVsDo1qX
>>128
乙です。非常に興奮しました。
続編期待して待っております。
132名無しさん@ピンキー:04/07/27 21:55 ID:yL7qvn6R
おほ、いっぱいキテルー!!!
d(´Д`_)右ヨシ(_´Д`)b左ヨシ(*´∀`)イってヨシ?   ウッ!

>>114
激しく期待してるYO!(・∀・)
133名無しさん@ピンキー:04/07/27 22:45 ID:LAHv0hgf
イイネイイネ、盛り上がってるね。
俺のテムポも萎えるという言葉をすっかり忘れて
元気よくうんぬんかんぬんしてるよ。
そろそろ彩女拷問編スタートの予感。
134龍丸×彩女:04/07/27 22:46 ID:naMau60c
「忍びも失敗する事がある。世の中には完璧は無いのは…わかるな?まぁ出来る限り完璧が良いのだが」
兄弟子である龍丸は、まだ忍びとしては幼い力丸、彩女に言い聞かせるように話した。力丸も彩女も、真剣な眼差しを龍丸に向けている。
「失敗は修行を積めば幾分減らせるが、今日は失敗した場合を想定して、其れへの対処方法を教える。彩女、こっちに来い」
「え、あ、アタイ?」
彩女は目を丸くして龍丸の元に歩み寄る。彩女は少しそわそわしていた。
「此処で俺に見えるように尿を出せ」
「え…!?何言って…」
「此も修行だ」
龍丸は呆然とする彩女の体を押し倒すと、脚を豪快に開く。まだ非力な彩女の手を片手で床に押さえつけ、白い下着を破り捨て、まだ誰も触っていないであろう桃色の割れ目を、龍丸は指で撫で上げた。
「ひゃぁっ…や…」
力丸は酷く戸惑いながら、彩女の割れ目を見ている。彩女はびくびく震えながら、指の刺激を耐えた。しかし、先程からかわやに行きたかった彩女には、耐え難い刺激に等しかった。
135龍丸×彩女:04/07/27 22:48 ID:naMau60c
「龍丸っ…ぅ…いやぁ…」
「出るなら出ると言え」
人差し指の平で、そわそわと彩女の小さな割れ目の間にある突起を撫でると、
「ふぅ…ん…っ」
等と色っぽい喘ぎ声を上げた。
「で…るっ…」
そう小さく言うと、龍丸は突起を撫でるのをやめて、
「俺たちが見ててやる」
そう言い放ち、まるでそこにかわやがあるかのような格好にした。
「…っ…」
密かに恋心を抱いていた龍丸と、共に修行してきた力丸を前にした屈辱に、彩女の頬を涙が伝う。

シュー…

彩女は遂に、黄色い半透明の液体を、男二人の前で漏らしてしまった。
「良い色だ、彩女…」
龍丸がいやらしい笑みを浮かべてまた彩女の体を押し倒した。
「お前の答えはそれか…よし、では次の段階に移る」
彩女の脚を持ち上げて、龍丸は自分の反り立った息子を、ヌラヌラと照る穴に押し当てた。
「や…やだ…龍丸やめ…っ」
龍丸は冷徹な表情を浮かべ、そのままゆっくりと腰を沈めた。
136龍丸×彩女:04/07/27 22:49 ID:naMau60c
彩女の体中を電気が走るかのような痛みが走る。
「ああぁぁ…っ」
彩女は叫ぶが、龍丸の腰は確実に沈められていく。そんな情景を、力丸は止めることなく眺めていた。力丸は、龍丸と同じいやらしい笑みを浮かべるのであった。
「ふぅっ…なかなかの締めだな」
龍丸が脚を前方に押しやって、しっかり膜の前まで息子を埋める。
「はぁっはぁっ…抜い…てぇ…」
龍丸はにたりと笑うと、一気に腰を引いてぎりぎりまで息子を抜いた。そして直ぐに最奥部を貫こうと体重を前にかける。
「ひ、はぁっあぁ…あ…」

ずっずちゅっ…

「いやらしい音だ…そんなに破って欲しかったのか?」
龍丸は一気に膜を破り突き進んだ。

ぷつっ…

「ああああぁぁ…っ!」
彩女の穴から血と粘液が流れる。其れもお構いなしに、龍丸は何度も荒々しく腰を打ちつけた。
137龍丸×彩女:04/07/27 22:51 ID:naMau60c
次第に彩女も感じ始め、息を荒げ、
「はぁっは…あんっあっあぁっ!!たつまるぅっ…」
必死になって喘ぐ。着物がはだけて、小さな胸が衝撃でぷるんぷるんと揺れた。
龍丸は苦しそうな表情を浮かべ、
「出すぞ」
と一言言い、嫌がる様子を見せた彩女の中を最後の一突き。
「…っうぅ」
「あああぁぁっんぅぅ…」
彩女の中へ龍丸の精子がぶちまけられる。彩女は痙攣した後、気絶してしまった。



落ち的には龍丸と力丸は実は黒忍者だったという感じで…その辺つらつら書くのマンドクs(ry
国語辞書買いに逝ってきます_| ̄|○
138名無しさん@ピンキー:04/07/28 02:16 ID:1z81rz6Z
>>137
エロイうまー

龍丸×彩女は好きなシチュなのでもっと書いてください
おながいします
139名無しさん@ピンキー:04/07/28 11:58 ID:I4mWzzBg
駄目だ、漏れのティムポが萎えてくれない。
これじゃぁ外に出られへん。
140名無しさん@ピンキー:04/07/28 12:52 ID:HUBlOk/g
>138
マリガトン(´∀`)
自信なかったのですが、安心しました。
また新しいのできたら投下してみようと思います〜
焼け落ちる梁。血に濡れた畳の上に横たわる、女の姿。
気丈に、事切れるその時まで、優しい微笑みを浮かべていた。
暖かな圭の面影。 今も、鮮明に覚えている。

託された、絆の姉妹鈴。

本当の姉妹のように・・・。

圭の情愛、菊の純心、様々な想いが流れ・・・。

  ちり、ちりん・・・。

ふいに夢は途切れ、意識が目覚めてゆく。
ここは・・・、そう、黒屋の巣。 土牢の、中だ。
少しずつ、意識が浮かび上がる。
142名無しさん@ピンキー:04/07/28 19:59 ID:o4DvbsAj
胸に痛みが走った。 霞がかったままのぼやけた視界。
自分を、犯している男が居る。 男が、乳房を噛んでいる。

「やっと目ぇ覚ましやがった。」

彩女を向いに抱いている男が声を上げる。

「鮪を抱く趣味はねぇんだよ。おら!気張って股を締めねぇか!」

がくがくと体ごと揺られる。
首に下げられた姉妹鈴が、虚ろに響く。

頭上に組んで縛られたままの両腕は、
もう痺れたまま感覚が無くなっている。
幾日、過ぎたのだろうか。
犯され、気を失い、又犯されて、目が覚める・・・。
「おゥ、起きてやがったか、雌猫ちゃんよゥ。」

また一人、別の男がやってきた。
元から居る肥えた男とは対照的に、
貧相な風体の小男だ。

「んじゃぁ、俺もちょっくら相伴するぜ!」
「へっ、締まりも緩んでうんざりしてた所だ。
 糞の穴にでも突っ込みやがれ。」

貧相な男は、衣を脱ぐ間も惜しいとばかりに彩女の体に寄ってくる。

「すう〜、くはぁ・・・たまんねぇな!極上だ!」

彩女の腋に鼻先を埋めながら感極まったように叫ぶ。
汗、涎、様々な体液が混ざり合い、凝り固まった腋の窪み。
「まぁたそれかよ、この変態野郎が。」
肥えた男が心底呆れたように呟く。
「放っときゃがれ!この痺れるような香りの良さがわからん奴こそ哀れよ・・・。」

吸い付くような肌、引き締まった二の腕、首筋から鎖骨に至る曲線美。
忍として生き死にの狭間を歩んできた彩女であったが、その肢体は
見事に花開き、男共を捕らえて離さぬ艶やかさを漂わせていた。

「す、はぁ〜、なんとかぐわしい・・・うぅんと凝縮された濃厚さ!
雄を狂わす魔性のにほひっ!!男ならいちころだぁ!?
この麗しい芳香の前には伽羅香だろうと何処吹く風ってなもんよッ!!!」

乳房をまさぐりながら、胸一杯に彩女の腋の臭いを吸い込む小男。
その表情たるや、正に至福、歓喜、恍惚の極み。
世に在りし興楽、其の悉くを取り揃えたるが如し。
まッこと女体とは奥深く、又諸人の趣とは捉え難きもの也・・・。
羞恥や怒りの感情など疾うに磨耗して果てた彩女は、
斯様な仕打ちに接しても只、されるがまま。

   すず、鈴の音が・・・  菊   待ってな・・・

「はぁ・・・さいでござんすか・・・。
 しッかしこいつ、すっかり威勢も無くなっちまってまぁ。
 さんざ暴れまわるのを張っ倒しながら犯るのが面白ぇんだがなぁ。」
「はっ!てめぇこそ変態だァ。乱蔵様と御同類って訳かよ。」

小男は彩女の伸び始めた腋の毛を丹念にしゃぶりながら、ここぞとやり返す。
所詮あぶれ者の集まり、おかしな連中ばかりが集まっている。

「じ、冗談言うねぇ!あのお人は話が違う・・・、ありゃぁ別モンだ・・・。」

別物らしい。
146名無しさん@ピンキー:04/07/28 20:57 ID:WUPe8Qbu
(;´Д`)ツ、ツヅキハ…?
衝動的に腋の下クンカクンカモノやりたくて書き殴った次第、
其の部分を終えた所でネタ切れにござんす・・・。

所詮あちきにゃ色事情事を描くは荷が勝ち過ぎるってもんでした。
御目汚しの程、平に御容赦下さります様 orz
148名無しさん@ピンキー:04/07/28 21:26 ID:WUPe8Qbu
(´・ω・`)ソウデツカ…オツデツ。

にしても、こういう時代がかった言い回しとか
話に合ってて非常にモキュウ(・ω・)なんですが
なんか良い資料とかあるんですかね?
独学とかだったらスゴー(・Д・)
149名無しさん@ピンキー:04/07/28 21:48 ID:+ab4UuBe
資料と申しますか、池波、山田、柴田と云った時代小説の巨人達の作品全般でしょうか。
下手の横好きって奴でござんす(;´∀`)
150名無しさん@ピンキー:04/07/28 21:53 ID:WUPe8Qbu
成る程、参考にします。アリガトン。
出来ましたら、これからもこのスレに書き込んでいって下さい。
151名無しさん@ピンキー:04/07/29 11:40 ID:ym/Hk9E4
ハァハァ
152名無しさん@ピンキー:04/07/29 16:31 ID:gA2r9XlQ
ひさしぶりにこのスレ覗いたらものっそい良スレになってて衝撃
153ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:01 ID:QliNiAvO
薄汚れた寝着を羽織った凛が、牢の片隅で膝を抱えるようにして横たわっていた。
まだ日も高い時分だというのに、牢に中はひどく薄暗く、おまけに湿気っている。
一間半四方の広さの中に、北向きの窓が一つ付いているだけという造りのせいである。
おまけに窓といってもほんの三寸四方の、窓と呼ぶには小さすぎる代物で、わずかに通気口の役割を
果たしているに過ぎない。
先程から凛はぴくりとも動かないが、眠っているわけではない。
襲撃者達の屯に連行されてきて以来、まともに眠りにつけたことは一度も無かった。
自分で自分を抱きしめるように、膝を抱えて時が過ぎていくのを只管待っているだけである。
屯に設置されているこの牢に入ってはや三ヶ月。
その間、屯の男達から陵辱の限りを尽くされてきた。
彼らは毎日のように、己の変態的な欲望を満たすためだけの人形として、
彼女を未発達な肉体を徹底低に簒奪し、それでもまだ足りないとばかりに骨の髄までしゃぶり尽した。
筆舌にし難い辱めを受けてなお、凛が自害しなかったのは、復讐の機会を覗っていたわけでも
大事な人を人質に取られていたからでもない。
ただ死ぬのが怖かった―それだけである。
154ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:02 ID:QliNiAvO
死を恐れず、また厭わないのが忍びの本分であると、里の人間から教えられてきた。
だが死を恐れ、死を厭っている自分は最早忍びではない。それどころか人間ですらない。
男達の欲望のはけ口である、ただの肉人形に過ぎないのである。
度重なる陵辱を受け、紅顔の美少年、いや美少女と言っても差し支えない彼女の顔色は
土気色に黒ずみ、疲労と睡眠不足のため目の下には隈が出来ている。
いつも明るく朗らかだった彼女はもはやそこには存在せず、今は表情も消え失せ、涙さえ枯れ果てた
哀れな人形が一つ転がっているだけである。
すでに凛は思考することすら放棄してしまっていた。
何かを頭の中に思い浮かべるたびに、それは男達の下卑た笑い声と、陵辱の屈辱と、
生臭い精臭に取って代わられ、彼女の心を怒涛のごとく侵略し、破壊してしまうからである。
最早彼女は、懐かしい古里を思い出す事も無かった。いや、思い出すことが出来ないのだ。
陵辱者達は凛の肉体だけでなく、思い出までも徹底的に奪い去り、穢し尽くしてしまったのである。
155ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:04 ID:QliNiAvO
四人の男達が、凛の入っている牢屋に近づいてきた。
朝から酒でも飲んでいたのか、皆顔が赤らんでいる。
酔い覚ましにちょっとばかり肉の玩具でも嬲ってやろうか、という風であることは
容易に知れた。
彼らは牢の鍵を開けると、ずかずかと牢内に侵入した。
男達の気配に凛の体がぎくりと震え、身体が鉄のように硬直する。
しかしこの男達の魔の手から逃れることなど出来ない事は、これまでの経験からよくわかっていた。
男達は凛の髪の毛を無造作に掴み、彼女の身体を引き起こすと、薄汚れた寝着を引き千切るように剥ぎ取り、
その姿態を露にさせた。
そして己の思い思いの方法で、凛の未成熟な身体を弄び、嬲り始めた。
男達にとって、これは退屈な日常におけるささやかな慰みにすぎないのであろう。
彼らは明日も、明後日も同じ事を繰り返すつもりでいる。
だが彼らは知らなかった。自分たちの命を狙う、黒い死神の影に。
この慰みが、彼らの冥土の土産になるということに。
156ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:05 ID:QliNiAvO
黒い影が男の背後に音も無く忍び寄り、冷たく輝く刃で彼の喉を撫でた。
声を上げる暇さえ無かった。
正確には声を上げるよりも早く、喉笛を切り裂かれてしまったと言ったほうがいいかもしれない。
男は喉から大量の血飛沫を上げながらどうと前のめりに倒れた。
それを見て、凛の口の感触を愉しんでいた太った男が、あわてて彼女の口から飛んで離れた。
しかし、それしきでその影から逃れることなど出来ない。
疾風のごとき一閃で、凛の唾液でぬらぬらと輝く一物ごと腹を真一文字に切り裂かれ、臓腑を撒き散らして即死した。
影の動きは止まる事は無い。
髭面の男が、壁に立てかけていた太刀を取るために背を向けた瞬間、影の刃が正確に男の心臓を貫いた。
髭の男は般若の形相で、太刀の束に手を掛けたまま息絶えた。
残る男はただ一人。
仰向けになり凛を己の上に乗せ、その青い果実を存分に味わっていた男だけである。
あまりの出来事に、男は堰として声も出ない。
凛を上に乗せ、淡い膨らみを握り締めたまま、硬直している。
これほど鮮やかに、そして冷酷に殺戮を行う存在を男は今まで見たことがなかった。
仲間の命を奪った下手人が、男なのか女なのかさえわからない。いや、それ以前に人間かどうかさえ判別できない。
まさしく黒い影という言葉以外にそれを表現するすべが見つからなかった。黒い影が、一瞬にして三人の男の命を奪ったのであると。
その影が、仰向けのまま凛と繋がっている男の喉に、血に濡れた刃を突き付けて言った。
「その娘から離れな。」
暴君に手打ちにされる時の家臣のような体で、男は影の言葉に従った。
その目は恐怖に血走り、全身から脂汗が溢れ出して来ている。
凛の胎内に納まっていた一物が抜け、彼女の体液が糸を引いて垂れ落ちた。
男の一物は先程のような勢いを失い、今は萎びた柿のように情けなく縮み上がっている。
男は恐怖に掠れた声で言った。
「こ、殺すのか?」
「ああ。」
影の声にはまったく躊躇いが無い。
直後、男の喉は垂直に刃を突き立てられ、口から大量の血液を吐き出した後、彼は絶命した。
157ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:06 ID:QliNiAvO
黒い影、いや彩女が屯に侵入し、凛を救出してから五刻(十時間)の後、彼女と凛はようやく宮坂峠まで到達していた。
ここまでくれば国境は目と鼻の先であり、最早安全圏内であると言えた。
廃人のようになった凛を連れての脱出行は、今まで経験したあらゆる役目より過酷であったが
彩女は文字通り凛を引きずるようにして、死力を振り絞って己の役目を全うしようとしていた。
二人は彩女が予め下見をし、目をつけておいた洞穴に潜り込み、そこで一夜を明かすことにした。
このまま峠を越えてもよいのであるが、今や日も暮れかかってきている。
彩女一人ならば夜半の峠越えも可能であると思われるが、今は歩くことさえおぼつかない凛を連れてきている。
おまけに彼女を担ぐようにして山道を急いできた彩女の体力も限界に達していた。
その為無理に峠を越えるのではなく、ここで一晩明かすのが最良の策であると彩女は判断した。
「ここまで来ればもう大丈夫だ。よく頑張ったね。」
そう言って、彩女は残り少なくなった自分の水筒の水を惜しみなく凛に与えた。
洞穴の中には彩女が予め食料と水、それに夜露をしのぐための厚手の布を数枚用意していたが、
今は水以外何も口にする気にはなれない。彼女は空になった水筒に、桶に溜めていた水を移すとそれをまず凛に与え、
自分は桶の中に顔を突っ込むようにして水を胃袋に流し込んだ。
158ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:08 ID:QliNiAvO
山の夜は冷え込みが激しい。
彩女はまず厚手の布で凛を包むと彼女の隣に腰を下ろし、今度は二人を包み込むように大き目の布を巻きつけた。
凛は人形のように押し黙ったまま何も言わない。
寒さのせいであるのか、それとも暗闇の恐怖によるものなのか、小さく小刻みに震えている。
彩女は黙って凛を抱きしめた。
こんな時、男ならばつまらない慰めの言葉の一つでも掛けていたかもしれない。
しかしそんな言葉など、全てを失った少女の前では何の役にも立たない事を彩女は知っている。
凛を胸に抱き、その髪を優しく撫でた。少女らしからぬ、艶を失ったぼさぼさの髪である。
その髪を手櫛ですくように、彩女はただ撫で続けた。
―これからどうするのか?などと彩女は聞かない。
そんなことはこの少女にもわからないに決まっている。
彼女には帰る場所も、頼る人間もいないのだ。
髪を撫でながら、一言こう言った。
「あたしの庵においで。」
この少女を引き取る義理は無いが、情けはある。
このまま棄て置くこと等、彩女には出来ない。
159ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:09 ID:QliNiAvO
―この娘は、孕んでいるかもしれない。
それが彩女の心配事であった。
そうであるならば、早急に然るべき処置を施さなければならない。
幸い彼女の知り合いに、腕のいい産医がいる。彼は出産だけではなく、同時に堕胎の専門家でもある。
かつて彩女も二度ほど世話になったことがあり、彼の腕のよさを自らの身体で実感していた。
万が一凛が妊娠していても、彼に任せておけばすべて上手くいくに決まっていた。
「あたしの庵は小さいけど、あんたならきっと気に入ってくれると思うんだ。」
彩女が優しく語り掛けた。
「そこにはあたし一人がいるだけだから、何も心配は要らないよ。怖い奴なんかいないんだ。
 だから安心していいよ。だからあたしの庵においで。」
彩女の表情は、娘を思う母親のように慈愛に満ちていた。
先程、一瞬のうちに四人の男を屠った女と同一人物とはとても思えない。
「あたしの庵にはね、鶏と猫がいるんだ。とても可愛い子達でねぇ…きっとあんたならすぐに友達になれるよ。
 庵の近くには川が流れていて、そこで採れる川海老が美味しいんだ。新鮮なのを油でさっと揚げて、塩を
 少し振って食べるんだよ。あんたにも食べさせてあげるからね。それから…」

                             〜続く〜
160ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/29 19:14 ID:QliNiAvO
何かもうエロ小説じゃないですね…。
普通の小説に若干のエロが混じっているというだけで…。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   まあ、ぽぽ者の中の人は   
     ( ´_!_` )  /   ⌒i     エロリストなんだけどな。
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

違います…。エロリストなんかじゃありません…。
ELO(エロティック解放機構)の議長です…。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)    同じようなもんじゃねーか…。
     (  ´_ゝ) /   ⌒i   
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

161名無しさん@ピンキー:04/07/29 20:38 ID:bGPZ3nbt
禿げ上がる程、GJ。
つーかエロで無くとも純粋に先の展開が気になります。
162名無しさん@ピンキー:04/07/29 20:55 ID:ym/Hk9E4
2人がレイープされるのかとハラハラしてたのは秘密。
163名無しさん@ピンキー:04/07/29 21:03 ID:eh93F65v
漏れもぽぽ者たんの中の人にあやかってFMV買おっかな(゚Д゚)
164名無しさん@ピンキー:04/07/29 22:41 ID:ZKjf5jSl
ヽ(`Д´)ノ ボッキシタ!!
ぽぽ神GJ、続きにも激しく期待

彩女たん陵辱シナリオの予感にハァハァしてたのは秘密。
165名無しさん@ピンキー:04/07/30 00:02 ID:eiJ0h3D0
絵がコナイ最近。
166名無しさん@ピンキー:04/07/30 04:56 ID:OPcFQvh+
ぽぽたんスゲー!!
えちぃ要素無くても十分楽しめる〜
激しくGJ!!(≧∀≦)
167名無しさん@ピンキー:04/07/30 05:25 ID:YiOcPfjJ
>>165ドンドンうpしていこう
ttp://maichy.s1.x-beat.com/up/data/oo4169.png
性懲りもなくマウスオンリィ
|ι´Д`|っ < だめぽ
168名無しさん@ピンキー:04/07/30 14:22 ID:6tC/p1yh
>>167
色使いは綺麗じゃないですかぁ
169名無しさん@ピンキー:04/07/30 14:23 ID:6tC/p1yh
失礼!sage忘れm(_ _)m
170名無しさん@ピンキー:04/07/30 14:52 ID:Y87/EG0j
>>168は偶然を装った間者
171名無しさん@ピンキー:04/07/30 15:37 ID:eiJ0h3D0
じゃあ漏れも、醜い部分カットしまくってたらココまで小さくなった。
http://yuki.onioni.org/HETADEMOIISA.jpg
救えねえなホント自分、誰かエロ絵の描き方伝授してくれ(´Д`)マヂデ
172名無しさん@ピンキー:04/07/30 17:09 ID:ca+N1AE9
>>171
口元とかにそこはかとないエロスを感じますなぁ。
てゆーかモロ好みな絵柄っぽいのでがんばってください(*´Д`)
173名無しさん@ピンキー:04/07/30 17:10 ID:dNurfwYL
>>171タソは>>105タソ??
今回もハァハァだ勃起sage
174名無しさん@ピンキー:04/07/30 17:12 ID:Y87/EG0j
>>171のURL削った先にある
妙にイケメソなのび太君が気になる
175名無しさん@ピンキー:04/07/30 17:26 ID:zF5IhkIj
>>174
ワロタ
176名無しさん@ピンキー:04/07/30 19:06 ID:TXoSORP8
二次元に貼ったがこっちにも貼っとくね、色々手抜きだが試しに描いてみた

ttp://with2ch.net/cgi-bin/pict/image-box/img20040730021121.jpg
177ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/30 20:43 ID:1eQimxqc
彩女の庵は郷田ノ庄のはずれ、天路山の麓にある。
麓の村から一里ほど山間に入った所にあり、まさに山居の邸といった感じだ。
もともと廃屋を改装したものであるだけに、お世辞にも立派とはいえない。
土壁はところどころ剥げ落ち、茅葺の屋根は苔むしている。
彩女の好みで、庭も敢えて手入れをせず自然のままに任せてある。
その茫漠たる雰囲気に、茶の大家なら「これぞ侘び寂びの極地である」と手を叩くであろうが
彼女はそんな事は知りもしない。ただ、この自然に溶け込んだような感じが好きなだけなのである。
庵の南側には小さい畑が設けられており、ここで僅かばかりの作物を育てている。
そこから南西に一町ほど足を運ぶと、山間を縫って流れる澄んだ清流を見ることが出来る。
この川からは季節ごとに様々な川魚を採ることが出来たが、彩女の楽しみは何といっても川海老である。
体長二寸ほどの川海老を菜種油でさっと揚げて、軽く塩を振って丸ごと食べる。
これが何よりも旨い。これを食べるために、人里はなれたこの不便な山庵に住んでいるといっても過言ではない。
この庵に彩女はたった一人で暮らしていた。
彼女の他には数羽の鶏と、一匹の猫が同居人だ。
鶏はてんで勝手に放し飼いにしてある。そのほうがいい卵を産んでくれる事を彩女は知っている。
猫も同様である。この時代においては猫はとても珍重されていたために、大抵絆を付けて飼われるのが普通であった。
しかしこの「風(ふう)」と名づけられた猫にはそんな物は付けられていない。
絆を付ける事は、猫の性に反するものであると思っていた。そんな訳であるから、この同居人は三日も家を空けて、腹が空くと
ふらりと帰って来るということもざらである。その名の通り、風のように気まぐれな猫であった。
178ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/30 20:44 ID:1eQimxqc
凛の救出の依頼を受けたのは、一月ほど前である。
いつも通り、庵の入り口にある小さな門構えに、矢文が刺さっていた。
差出人は不明。ただ、郷田の家紋が付いていた為に、郷田家を通しての以来である事は分かった。
しかし文には、凛の救出後のことは何も記されていない。ただ、凛を救出して欲しい旨だけが
切々と綴られていた。
庵の裏手にある、今は使われていない空井戸の中に、依頼料の半額の前金が放り込まれていた。
かなりの額である。今思えば、これは凛のその後の世話をも考慮した金額なのではないかとも思える。
しかし彩女にとって額の多少などどうでもいいことである。ただ目の前の凛が余りにも哀れで堪らなかった。
彼女にとって見れば、凛を引き取る決意をするには、十分すぎる理由であった。
179ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/30 20:45 ID:1eQimxqc
庵に戻った二人は、早速麓の村に住む産医、生田正賢(いくたしょうけん)のもとを尋ねた。
彼は生気を失った凛の姿を見て最初驚いたが、すぐに何があったのかを察し、黙って
彼女を診てくれた。
彩女が心配した通り、やはり凛は子を身篭っていた。
しかし孕んでから三月と経っていないために、子流れの妙薬を飲めば事が済むということであり、
一先ず胸を撫で下ろすことが出来た。
しかし子流れの妙薬といっても、一種の毒薬である。
今の凛に、その毒に耐えうるだけの力が残っているかどうか。
彩女はその事を何度も正賢に尋ねてみた。
正賢の答えは至極明快である。
「わたしが命を賭してでも、この娘を救ってみせる。」
180ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/30 20:47 ID:1eQimxqc
彼の懸命の努力のかいあって、凛は命を落とすことなく、
男達に産みつけられた穢れを洗い流すことが出来た。
凛は暫く正賢の館で静養した後、彩女の庵に引き取られたが、彼女の様子はまさに生き人形と呼ぶに相応しいものであった。
食事や排泄などの生理的行動をするときを除いては、ただ一日中縁側に腰を掛け
中空を見つめてるか、仰向けになり天井を眺めているだけなのである。
また闇を極端に恐れ、夜が近づくととたんに落ち着き無く部屋の中を右往左往することもあった。
当初は、夜、凛を一人きりで寝室に寝かせていたのであるが、そうすると時々夜中に突如泣き喚き出したり、
暴れまわったりすることが多々あったので、その度に彩女が共に一つの布団に入り、彼女を抱きしめて
眠ることになった。
彩女に抱かれていると落ち着くのか、凛の奇異な行動は即座に治まりを見せ、彩女の胸に顔を埋めながら
すやすやと安らかな寝息を立てるのであった。
そのため今では、就寝の際、常に凛と共に一つの布団に入り、彼女を胸に抱きながら眠ることが習慣化している。
そのかいもあってか、凛の表情に少しずつではあるが生気が蘇ってきたような気がした。
181ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/30 20:49 ID:1eQimxqc
彩女は凛に一つの役目を与えることにした。
それは彼女の飼っている、動物達の世話をすることであった。
現在ではアニマルセラピーといって、精神的外傷を負った患者や自閉症患者に対し
動物を使った治療方法があるが、まさに彩女はそれを実践しようとした。
勿論戦国人である彼女にそのような知識があったわけではない。
人間のように邪心を抱くことも無く、ただ素直に生きている彼らと交流することで
少しでも凛の慰めになってくれれば、と思ってのことであった。
凛は彩女から与えられた役目を忠実にこなした。
彼女の回復は思ったよりも早く、十日程もすると彼女の表情に変化が現れ始めた。
当初は眉ひとつ動かすことの無い、生き人形のようであった彼女の目尻が少しずつ下がり始めた。
やがてそれは顔全体に行き渡り、一月もする頃には歯を見せて笑うようになっていた。
彩女の目論見は、見事功を奏したのである。
こうなると元々元気のいい少女であった凛のことである。その回復振りは彩女も目を見張るほどであった。
彩女が話しかけても返事すらしなかった彼女が、短く、小さい声であるが少しずつ返事を返すようになり、
やがて日を追うごとに語呂も、声量も増えていった。
三月も経つ頃には、まだ若干の陰鬱さが見られるものの、傍目にはすっかり回復したように見えた。
この頃になると、凛は動物の世話だけでなく、庵の掃除や、畑仕事も手伝うようになっていた。

                                   〜続く〜
182ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/30 20:53 ID:1eQimxqc
何か話が長くなりそうです…。
気長にお付き合いくだされば幸いです…。

       ∧__∧⌒∧__∧     
      ( ´_ゝ`) (´<_` ;)\   どうでもいいが何で俺の布団に
   __/(⌒)(⌒) (⌒)(⌒)ヽ ヽ___ 入ってくるんだ?
  (___し'__!_ノ_し'__!_ノ_ヽ___)


弟者が泣き喚くといけないと思いまして。
       ∧__∧⌒∧__∧     
      (  ´_ゝ) (´<_` ;)\   …出てけ!
   __/(⌒)(⌒) (⌒)(⌒)ヽ ヽ___
  (___し'__!_ノ_し'__!_ノ_ヽ___)
183名無しさん@ピンキー:04/07/30 22:36 ID:Y87/EG0j
乙。これからも宜しくお願いします。
184名無しさん@ピンキー:04/07/30 23:17 ID:eiJ0h3D0
イイ(゜∀゜)!!なんだかエロよりも物語のほうが気になゆよ。
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか(´Д`*)ハァハァ・・・・

>>171にレスくれた人、アリュガトゥ、これから女体の描き方勉強してくるよ。
185名無しさん@ピンキー:04/07/31 07:06 ID:XMWubWQF
調子乗ってるな
186名無しさん@ピンキー:04/07/31 08:03 ID:y85f97g4
ゴメン
187名無しさん@ピンキー:04/07/31 12:36 ID:CNDecH++
こんな良スレがあったのか!
188ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/31 18:52 ID:Uvy/URRL
「さあて…そろそろ風呂に行こうか。」
彩女はそう言って凛を誘った。
野良仕事の後は、たっぷりとかいた汗を風呂で流すに限る。
「うん、待ってて!わたし着替え持ってくる!」
そう言って、元気よく庵の中に消える凛の背中に、彩女が慌てて声を掛けた。
「手ぬぐいも忘れるんじゃないよ!それから桶もね!」
はーい、という声が庵の中から帰って来る。
ぱたぱたと庵の中を走り回る様子に、彩女は思わず苦笑した。
この時代の風呂とは、今日で言うところのサウナ風呂の事を指す。
現在のような湯を張った形式のものは湯風呂と呼ばれ、当時としてはかなり特殊なものであった。
彩女の庵には勿論風呂などという大層なものは付いていない。
彼女の言う風呂とは露天風呂のことである。
庵から二町ほど離れた所にある河原の大岩の隙間から、温泉が湧き出ていた。
彩女はそれを利用し、自らの手で湯風呂を作ったのである。
この風呂は彩女の唯一の憩いの場であった。
忍びとしての役目を終え、庵に帰り着くと何よりも先にまずこの温泉に浸かる事が、彼女の楽しみであった。
189ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/31 18:53 ID:Uvy/URRL
彩女と凛は手ぬぐいと寝着を桶にいれ、仲良く手を繋いだまま温泉までの道のりを歩いた。
道すがら、彩女の胸は早鐘を打つように高鳴っていた。
このところ、いつもそうである。手を繋ぐたびに、胸の鼓動が凛に聞こえないか、心配になる。
実は、凛の裸体を観賞することが彼女の密かな楽しみになってきていたのだ。
正直なところ、彩女は凛の少女とも少年ともつかない中性的な魅力に、完全に参っていた。
彼女はその事を否定するであろうが、胸の奥底に燃える凛への思いはそうそう消えるものではない。
凛の裸体を存分に観賞した後、彼女に隠れて密かに自慰に耽った事も一度や二度ではない。
女である自分が、同じ女である凛のあられもない姿を想像しながら自慰に耽る事は、
自身をたびたび自己嫌悪に陥らせた。
しかしそれでも凛の事を頭の中に思い浮かべる度に、彼女の身体は例え様も無いくらいに熱く燃え上がり
気が付くとついつい一人、悦楽の世界を漂うことになる。
それが恋慕の情であるという事は、彩女も薄々気が付いていた。
しかし彼女の理性はそれを認める事を頑なに拒んでいた。
190ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/31 18:54 ID:Uvy/URRL
露天風呂に到着すると、凛は早々と着物の帯を解き、全裸になった。
彩女は自分と凛の荷物を整理する振りをしながら、それを横目で盗み見ていた。
まず何といっても最初に、彼女の乳房に目がいってしまう。
乳房と呼ぶには余りにも頼りないその膨らみの頂点に、これまた野苺のように可愛らしい乳首がちょこんと乗っている。
そこから腹部、そして臀部へと続くラインには無駄な贅肉一つ付いていない。まるで少年の裸身といっても過言ではないほどだ。
少年と違うところは、やはり股間の突起物が付いていないことであろう。そこには申し訳程度に陰毛が生え、
その隙間から、彼女の女である証が顔をのぞかせている。
四肢も驚くほど華奢で、長い。女鹿の四肢という表現が一番しっくりくる。
彩女はこの身体の虜になっていた。この世のあらゆる女の裸体の中で、最も美しい裸体の持ち主が
凛であると信じて疑わなかった。
191ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/31 18:56 ID:Uvy/URRL
彩女と凛は、並んで湯に浸かった。
凛のものとは明らかに違う、彩女の豊かな乳房が二つ、湯船にぷかぷかと浮かんでいる。
彩女の気持ちを知ってか知らずか、凛は彩女と腕を組んで甘えてみたり、彼女にお湯を掛けたりと無邪気に遊んでいる。
その内温泉内をすいすいと泳ぎ周り、少しのぼせたのか彩女の真向かいの岩に腰を掛けて涼み始めた。
足を閉じていないため、彼女の秘所が丸見えである。
目のやり場に困った彩女は、思わず顔を伏せてしまった。
胸が昂ぶるのが、自身にもはっきりとわかった。
―あ、あたしは女だぞ…!
彩女は心のうちでそう叫んだ。
―女同士、何故顔を伏せる必要がある!それに…相手はまだ子供だ…!
自分を叱咤し、ちらりと凛の様子を覗ってみた。
眼前の凛は、大股を開いて腿の内側を指でぽりぽりと掻いていた。
彩女は唖然とした。文字通り、口が半開きの情けない顔である。
先程の野良仕事の最中股を虫に食われたらしい。赤い小さな腫れが、そこにあった。
しかし彩女はそんな所には目も触れない。ただ一点、凛の秘所に目を奪われていた。
大股を開いているので、彼女の内部まで見えそうな勢いである。
「どうしたの彩女さん。」
彩女の視線に気が付いた凛が訊ねてきた。
不意を衝かれた彩女は、とっさに視線を逸らすだけで精一杯である。
192ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/31 18:57 ID:Uvy/URRL
「いや…その、蚊に食われたのか?いや…そうじゃなくて…。野良仕事のときに…。」
自分でも良くわからない奇妙な返答である。彼女は明らかに焦っていた。
だが凛は彩女の焦燥振りなど気にもしていない。
それどころか虫刺され後を彩女にもよく見えるように、股の内側を強調してきた。
「うん。そうなんだ。もう痒くって…。彩女さんは蚊に食われなかった?」
「…いや…、あたしも食われた。後で薬を塗ったほうがいいな。痒くて眠れなくなると困る。」
「そうだね。じゃあ後で塗りっこしようよ。」
凛はそう言って、無邪気ににっこりと微笑んだ。
「じゃあ、もう出ようか。」
言うよりも早く、彩女はざばりと立ち上がった。
この場に凛と二人でいることが、耐えられなかった。
「え?もう?入ったばかりだよ?」
凛が不思議そうな顔で声を掛けてくる。無理もない、風呂に到着してから現在の時間にして十分も経っていない。
「ああ、何だか今日はのぼせちまったからね、あんたは構わないから入っててもいいよ。」
そう言って早々に身体を手ぬぐいで拭き始めた。
凛は少々不満げな様子を見せたが、しぶしぶ彩女に従うことにした。
―今日の凛は目に毒だ。
身体を拭いながら彩女は思った。このまま風呂に浸かっていたら、自分は何をしでかすか分からない。
普段は自制心の塊のような彼女も、こと凛のことに関しては自身に信用が置けない。
その場から逃げ出すようにそそくさと寝着を着込むと、凛に背を向けたまま大きく息を吐いた。
背後で凛の肉体と寝着の擦れ合う音が聞こえる。
彩女はほぅと天を仰いだ。もう日が落ちかけている。自分の心同様、山が赤く燃えている。
もう一度大きく息を吐いた後、凛のほうを振り返った。
彼女はもうすっかり寝着を着込み、手櫛で髪をすいていた。彩女の心に、無念の感情と安堵の感情が同時に沸き起こった。
193ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/31 18:58 ID:Uvy/URRL
「また今度川海老を取ってきてやるからさ。」
庵へ帰る道すがら、罪滅ぼしもかねてそう言った。
「本当?彩女さん!やったぁ!わたし川海老大好き!」
凛のはしゃいだ声が、夕闇の中に響いた。
いつかの洞穴での約束通り、川海老の素揚げを凛に食べさせて以来、
彼女はすっかりその味の魅力に取り付かれてしまっていた。
素揚げが食卓に上がるたびに、彼女は子供のように手を叩いてはしゃぐのだ。
凛の喜ぶ顔が見たくて、彩女は何度も川に足を運んだ。
川海老を取るのは骨が折れる。連中は小さい上に、すばしっこいときているからだ。
それでも凛が嬉しそうに川海老を口に運ぶ姿を見ると、そんな苦労も吹き飛んでしまう。
「ああ、約束するよ。沢山取って来てやる。」
「うん!約束だよ!げんまん!」
凛はそう言うと彩女の胸の前に小指を立てた。
彩女は思わず苦笑した。そして凛がたまらなくいとおしくなった。
凛の小指に、自分の小指を巻きつけた。
「ゆーびきーりげーんまーんうそついたーらはりせんぼんのーます。…彩女さんも言って!」
「ゆーびきーりげーんまーん…」
もうすっかり日は落ちていた。星が瞬き始めた空に、二人の楽しげなげんまんの歌が吸い込まれていった。
 
                             〜続く〜
194ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/07/31 19:05 ID:Uvy/URRL
凛たんは俺の中の萌えランクで、かなりの上位に位置する
萌エロキャラです。
        ∬          ∬
        。。       ・。。。∬    
     o0o゚゚ ∧_∧   ヽ゚ ゚oo
    。oO   ( ´_ゝ`)∧_∧ O0o    
   (~~)ヽ        (´<_` ;)(´^ヽO,   そうなのか…
  (⌒ヽ             (⌒)(゙゙゙)~   つーかなんで俺が兄者と
   /~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ~ ~~  、、 温泉に入らなきゃいけないんだ…?
   ゝー ′ ''      ``'

ちなみに不等号にするとこんな感じです。

弟者たん>>>>>>>>>>>(超えられない血縁の壁)>>>>>>>>>>凛たん

        ∬          ∬
        。。       ・。。。∬    
     o0o゚゚ ∧_∧   ヽ゚ ゚oo
    。oO   (* ´_ゝ`)∧_∧ O0o    
   (~~)ヽ        (´<_` ;)(´^ヽO,   …出てけ…!この世から…!
  (⌒ヽ             (⌒)(゙゙゙)~   
   /~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ~ ~~  、、
   ゝー ′ ''      ``'
195名無しさん@ピンキー:04/07/31 19:14 ID:NSpjifzs
>>188-93
激しくGJ!
196名無しさん@ピンキー:04/07/31 19:30 ID:5cs3tANH
>188-93
チョト和んだ(´∀`)
197名無しさん@ピンキー:04/07/31 20:02 ID:D/uFRMtx
つ、続きが気になる・・・(;´Д`)ハァハァ
198名無しさん@ピンキー:04/07/31 20:07 ID:gWAYtbDR
GJ!やるせないアヤメの思いはいつはちきれるのか…
期待sec
199名無しさん@ピンキー:04/07/31 22:03 ID:QFQ6F97R
イイヨ(・∀・)イイヨー
ドキドキシテキタ(*´Д`)
200名無しさん@ピンキー:04/07/31 23:22 ID:MBEK8V0k
神々が集うスレはここですか?
201名無しさん@ピンキー:04/08/01 00:29 ID:dXfwScSI
>>200
正座して待とうぜ。
202ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:21 ID:WIlhtaKR
凛を胸に抱いて眠りに付き始めてから、一体幾日過ぎたであろう。
彩女の心の中で、凛に対する想いが日に日に風船のように膨らんでいく。
このまま放っておけば、いずれ心の内から破裂してしまいそうな勢いである。
―凛…可愛いあたしの凛…。
ここ最近、彩女はずっと寝付けない夜を過ごしてきた。
凛の寝顔を一晩中眺めているせいである。
夜は凛の顔をその目に焼き付けることの出来る絶好の時間帯なのだ。
凛の寝息を聞きながら、そっと彼女の頬に触れたり、鼻の頭をくすぐったり、
髪を撫で付けたりして夜を明かした。
203ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:23 ID:WIlhtaKR
「彩女さん、眠れないの?」
突如として凛が声を発した。
彩女は驚いて、僅かに身を反らせた。
眠っているものとばかり思っていたからである。
「そんなことないよ。どうして?」
「だって…彩女さん、ここ最近眠ってないように思えたから。」
まさか、自分のささやかな悪戯を知っていたのだろうか。
狼狽を悟られないように、わざと明るく笑った。
「ははは…そんなことないさ。よく眠れているよ。」
明らかな嘘である。声が浮ついている。
勘の鋭い凛にはそのことが伝わったはずである。
しかし彼女からは、彩女の言葉に疑問を抱いた節は感じられない。
ふぅ、と溜息を付くと彩女の胸に強く顔を埋めてきた。
「彩女さん…わたし、ずっとここに居ていい?」
彼女の胸に顔を埋めたまま凛が聞いた。
「ああ、勿論さ。ずっとここで二人きりで暮らそう。」
「本当に?」
「本当さ。」
彩女は凛の髪を優しく撫でた。
うれしい、と小声で呟いて、凛は瞼を閉じた。
彩女のふくよかな乳房の奥にある、心臓の鼓動が耳に心地いい。
204ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:25 ID:WIlhtaKR
子供のように甘える凛を、彩女は心底いとおしいと思った。
今だかつて、これほどまで人をいとおしいと思った事は無い。
突如、胸の中の凛を奪いたくなった。彼女の全てを己の物にしたくなった。
そう思うと居ても立っても居られなくなって、気が付いたときには
凛の唇に自分の唇を重ね合わせていた。
凛は嫌がってはいない。それどころか、さらなる愛撫を期待するかのような
甘い吐息を漏らし、潤んだ瞳で彩女の顔を見つめている。
彩女は凛の胸に手を伸ばしてみた。
寝着の上からでも、彼女の淡い膨らみを感じることができた。
その感触を直に味わってみたいと、さらに凛の寝着の懐から手を差し入れてみる。
凛の身体が僅かに震えた。
彩女は慌てて己の手を懐から引き抜いた。
「…嫌だったかい?」
少し間をおいて凛が首を横に振った。
「ううん。嫌じゃないよ。」
「本当に?」
「うん。嫌じゃない。」
その言葉が嘘ではないと証明するかのように、凛は彩女の手を取って自らの懐の中に導いた。
そして消え入りそうな声で呟いた。
「だって…わたし彩女さんのこと好きだもん。」
「そんなこと言ってくれるなんて…嬉しいよ…あたしもあんたのこと好きさ。」
「本当?彩女さん」
凛の声が踊った。
「ああ、本当さ。あんたと会ったときから…あんたのことが好きだった。」
「わたしもだよ、彩女さん。わたしも彩女さんのこと大好き。」
「じゃあさ、続きをしてもいいかい?」
彩女は凛の額に口付けした。
「うん…して…。」
凛は彩女の胸から顔を離すと、布団の上に身を投げ出した。
205ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:26 ID:WIlhtaKR
彩女は身体を起こすと、自らの寝着の帯を解き、前を肌蹴た。
彼女の豊かな乳房がまろびでて、凛の視線を釘付けにした。
そして凛の帯も同じように解いてやり、寝着の袷を左右に開いた。
まず、彼女の淡い膨らみが目に飛び込んでくる。彩女のそれとは違い、申し訳程度の膨らみである。
自分の乳房を、凛の乳房に重ね合わせるようにして、唇を合わせた。
彩女の乳房が凛の胸板に挟まれて、柔らかく形を変えた。
舌を絡ませ合い、互いの唾液を啜り合い、これから始まる悦楽の刻に胸を昂ぶらせた。
二人は一晩中愛し合った。疲れると少し休み、気持ちが昂ぶリ始めると再び肌を重ねあわせた。
闇の中に、二人の裸身が黒く、艶やかに浮かび上がった。
襲い来る悦びの波と共に、二人の吐息と愛の言葉が混ざり合い、
彼女達をさらに熱く蕩かした。
最初はぎこちなかった二人の動きも、夜明けが近づくにつれ、より大胆に、より的確なものに容を変え、
引いては返す漣のように二人は呼吸を合わせていった。
206ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:27 ID:WIlhtaKR
その日以来、二人は互いに激しく求め合うようになった。
寝食を忘れて身体を貪りあい、気が付いたら夜が明けていたと言う事も何度もあった。
彼女達が愛の交歓を交わすのは、何も庵の中だけではない。
時には縁側で、また時には日の光を体中に浴びながら、庭先にゴザを引いてすることもあった。
ある時は、川海老取りの最中に河原で、またある時は二人で一緒に竹やぶに筍を取りに来たものの、
互いに我慢が出来なくなりついつい時を忘れて求め合い、筍を取る事を忘れてしまっていたこともあった。
その時は体中藪蚊に刺されて散々な目にあったが、互いの刺され後を掻きあっているうちに、再びもよおしてきてまた…
ということになってしまい、後で二人で大笑いしてしまった程である。
時にはわざわざ里に降りて来て、神社の境内や寺院の軒先で肌を重ねたこともあった。
聖域で淫蕩な遊戯に耽るという背徳感に、二人の肉体は一層燃え上がった。
畑を耕している百姓のすぐ隣の大岩の影に隠れて、互いの肌を重ねたときは息も出来ぬほど興奮したものである。
途中、百姓が休憩のためにその大岩にもたれ掛かり弁当を食べ始めた。
それでも二人は互いの行為を中断することが出来なかった。
岩一枚隔てて人がいるという事実が、更なる媚薬となって彼女達を愛欲の渦の中へと引き込んでいった。
女二人の悦楽遊びは、何も互いの肉体を使って行うだけではない。
彩女が何処からか調達してきた張り形を使うこともあった。
張り形は当初、男達の怒張を思い起こさせるのか、凛が受け付けることはなかったが
彩女が徐々に細い形のものから慣らしていくと、十日も経たないうちにより太い形のものを甘えた声でねだるようになった。
また畑で取れたキュウリやナスを張り形の代わりに使い、
ぬらぬら輝く愛液がべったりと付着したそれらをそのまま齧ることもあった。
行為はますますエスカレートし、縄を用い身体を扇情的に拘束したり、互いの尿を飲みあうまでになった。
207ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:30 ID:WIlhtaKR
今日は村の夏祭りである。
村の衆が日頃の憂さを忘れて踊り明かす年に一度の晴れの日だ。
普段は閑散としたこの山間の村も、この時ばかりは途端に賑やかさを増す。
鉢巻にはっぴ姿の男衆が勇ましく神輿を担ぐと、色とりどりの浴衣を身に着けた女達が
黄色い声でそれに華を添える。
彩女は普段は祭りに足を運ぶ事はないが、凛が祭りに行きたがったので、今年は
久しぶりに祭り見物にやってきたのだ。
二人は彩女が仕立てたお揃いの唐紅色の夏着を着こみ、片手には巾着袋を提げ、仲良く手を繋いで
村の大通りを練り歩いた。
傍から見ると仲の良い姉妹のように見える。いや、姉と弟と言ったら、凛に叱られるだろうか。
二人は村の中心部から少し東に逸れた小高い土手に並んで腰掛けた。
一町半ほど前の眼下では大篝火の炎が美しく輝き、祭りの活気を伝えている。
村中の人々が祭りの輪の中に溶け込んでいるため、周りに人の気配はない。
十五夜の満月に照らされて、辺りは思いのほか明るい。暗闇の中でも二人の表情まではっきりとわかる。
208ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:31 ID:WIlhtaKR
凛が彩女の肩にしな垂れかかり、陰部が見たいと言い出した。
突然の淫らなおねだりにも、彩女は嫌な顔一つしない。
「おやまあ…この娘ったら…いやらしい娘だねぇ…。」
「だって…急に見たくなっちゃったんだもん…。」
顔を伏せて、凛が拗ねた様に彩女に訴える。
この仕草に彩女は弱い。
凛の望み通り、彼女は着物の裾をはだけて見せた。下には腰巻を付けていない。
素裸の上に着物を着込んでいた。
股を開いて凛に秘所がよく見えるように姿勢を変えた。
「ほら、あたしのいいもの、よく見えるかい?」
「うん、丸見えだよ。すごい…。」
凛は上ずった声で、彩女の秘所をまじまじと見つめた。
月明かりに照らされて、彩女の秘所は淫猥な陰影に彩られていた。
「あん…丸見えなんて…そんな恥ずかしいこと言わないでおくれ…。」
恥じらいの言葉を口にしても、彼女は股を閉じる事も裾を整える事もしない。
「だって…本当に丸見え何だもの…ねえ、もしかしたら村の人に見られてるかもよ。」
凛はそう言って彩女の秘所に手を伸ばした。
村の中で、しかも祭りの最中に最愛の少女に股間を弄られているという事実が
より一層彩女を燃え上がらせる。
「あんたのいいものも見せておくれよ…お凛…。」
「うん…いいよ…見て…。」
彩女と同じように着物の裾をはだけると、下半身を露出させた。
「ふふふ…相変わらずあんたのは可愛いねぇ…。」
209ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:32 ID:WIlhtaKR
彩女の手はスルスルと凛の股間に潜り込み、巧みな指さばきで凛の蕾を弄んでいく。
暫く二人は互いの秘所を愛撫しあった。すでに二人とも悦びに濡れているのが分かる。
そのうち凛が彩女の乳房を見たいと言い出した。
彩女は彼女の望み通り諸肌を脱ぎ、乳房を露出させたが、凛はそれでもまだ足りないという。
そこで思い切って帯の戒めを解き、着物の前を完全に肌蹴て見せた。
村人に見られるのでは、という羞恥心や警戒心があったが、それらも今の彼女には単に媚薬の役目を果たすに過ぎない。
凛は彩女の乳房を玩具にして遊び始めた。擦ったりしゃぶったりと休む暇がない。
暫く乳房を彼女の自由にさせていると、凛は荒い息を吐きながら自らの帯を解き放ち、
彩女と同じように着物の前をばさりと開いた。
そのまま彩女の乳房と自分の乳房を重ね合わせるようにして、唇を求めてきた。
「いいのかい…?誰かに見られちまうかもよ…?」
「そんなのいやだ…。」
その言葉とは裏腹に、凛の目は情欲に潤み、全身で彩女を欲しているのが一目で分かる。
「うちまで我慢できるかい…?」
「わたし…我慢できないよ…。」
そう言って、再び彩女の唇を奪った。
「じゃあ、見られても仕方ないねぇ…。」
彩女は淫蕩な笑みを浮かべ、そのまま凛を優しく押し倒した。
月の光が二人の影を一つに溶かし、彼女達の秘密の遊戯を闇に隠した。
祭囃子も、村の喧騒も、最早彼女達の耳には届かない。
ただ十五夜の月だけが、彼女達の営みを黙って見つめていた。

                       〜続く〜
210ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/01 18:36 ID:WIlhtaKR
ようやく…ようやくエロに辿り着くことが出来ました…。
かなり中途半端で微妙なエロですが…。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   物凄く長い前振りだったな。
     ( ´_!_` )  /   ⌒i   
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

どうやら次回ぐらいで最終回を迎えられそうです。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   やっと最終回か。
     ( ´_!_` )  /   ⌒i   
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    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃
211名無しさん@ピンキー:04/08/01 19:27 ID:BkRG+JVF
ここに置いときますね。
( ´・ω・`)つ旦 乙
       ̄ ̄ ̄
レズイイ〜
212名無しさん@ピンキー:04/08/01 19:53 ID:dXfwScSI
ウフォォォォォオオォォ!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

ぽぽ者氏グッジョブっす!
ぬ・れ・ば!ぬ・れ・ば!
213名無しさん@ピンキー:04/08/01 21:54 ID:1PtM0Ex+
ヽ(`Д´)ノ ボボボボボボッキサゲ
214名無しさん@ピンキー:04/08/02 11:53 ID:seyCVaiG
ヤベッ>>171タンのサイト見つけた
ルルルルルマk(ry
勃起sage
215名無しさん@ピンキー:04/08/02 14:02 ID:8Si0wV1U
最終回。
ついに凛の救出を依頼した人間の正体が明らかになるわけですな。
レズプレイ勃起でage
216名無しさん@ピンキー:04/08/02 20:04 ID:8Si0wV1U
>>214そのことについては伏せて置いてあげよう。
217名無しさん@ピンキー:04/08/02 22:52 ID:0+5lIbAZ
━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

激しく乙であります。
最終回も期待しております!!
218ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:12 ID:PuBAYY+I
彩女にはもう忍び働きをする気はない。
これまでも彼女に忍び依頼が複数舞い込んで来たが、そのいずれも丁重に断っている。
理由は至極明快で、凛が嫌がるから―それだけである。愛する者が死地に赴くのを喜んで見送るものはいない。
まだ幼さの残る凛ならなおさらだ。彼女は泣いて彩女にすがるのである。
こうなっては惚れた者の弱みで、彩女も凛を放っておくわけにはいかない。
これ以上凛の悲しむ顔を見たくなかった。
それに藩主の御為や、その他わけのわからない政の為に捨てる命を、最早彩女は持ち合わせていない。
自分の命は凛の為に在るのである。凛の為に捨てる命だ。
扶持が入ってこないので、暮らし向きは著しく悪化したが、彼女は裏山に生えている竹を使って道具を作り
それを売ることで何とか糊口を凌いでいた。竹細工は彩女の得意とするところである。まさに芸は身を助けるという
諺の意味を身をもって知った。
生活が貧しくなっても、凛がそのことに不満を洩らす事はない。
彩女が、自分の為に貧しい生活に甘んじているということが分からないほど凛は莫迦ではない。
実際、凛は今の生活に不満を感じていない。
どんなに貧しくても、糠を喰らっても、彩女が傍にいてくれればそれでよかった。
彩女が傍にいてくれるだけで、自分の全てが満ち足りていた。不満の洩らしようなどない。
また彩女も凛と同じ気持ちであった。例え飢えてこの身が果てても、凛と一緒ならそれも本望であった。
219ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:13 ID:PuBAYY+I
―風が、痛い。
縁側に腰掛けた彩女は、自らの裸身に吹き付ける風に奇妙な痛みを感じた。
夏も終わりかけた、九月のことである。
まだまだ暑さの残るこの季節、庭先では凛が大きな盥に入って水浴びをしている。
彼女のしなやかな肉体が水に濡れ、より一層瑞々しい輝きを放っていた。
今しがた、互いの肉体を心ゆくまで堪能していた。その名残を洗い流すための水浴びである。
彩女は先程まで凛と共に盥の水に浸かっていたのだが、今は裸のまま縁側に座り、無邪気に水と戯れる
凛を眺めていた。
晩夏の風を受け、彼女を濡らしていた水は半分乾きかけている。
その風が、肌にぴりぴりとした細かい痛みを残していく。こんな事は今までなかったことだ。
―胸騒ぎがする。
そう思った瞬間、彩女はすわと立ち上がっていた。
「お凛、水から上がるんだ!もう水遊びは終わりだよ!」
彩女の鋭い声に、凛が一体何事かという顔でこちらを見る。
「え〜、もう?わたしもっと遊んでいたい…。」
彼女は口を尖らせて不満を洩らした。
名残惜しそうに、水を掌に掬い取っては、再び桶の中に零していく。
なかなか水から上がろうとしない凛を、彩女は半ば乱暴に腕を掴み立ち上がらせた。
220ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:14 ID:PuBAYY+I
―痛いよ、何するの?そう抗議しようとした凛は、彩女の今までにない鬼気迫る様子を感じ取り、
慌てて口を噤んだ。
「さあ、はやくこれを着るんだ。」
凛の濡れた身体を手早く手ぬぐいでふき取りながら、彩女は言った。
彼女の指図通り、凛は着物を素早く羽織り帯を巻きつけながら、
自らも着衣に取り掛かっている彩女に向かって恐る恐る口を開いた。
「どうしたの、彩女さん。そんなに怖い顔をして…何かあったの?」
「うん…ちょっとね…何か嫌な予感がするんだ。」
少し何かを考える素振りをした後、彩女は答えた。凛を心配させたくなかったが、今はそれ以上に
得体の知れない圧迫感に胸を押しつぶされそうになっている。
それに凛は勘の鋭い娘だ。いずれこの怪しい気配に気付いてしまうであろう。
「もしかして…風が痛いこと?」
上目遣いに、凛は聞いた。
―やはりこの娘も気付いていたか。
少女とはいっても、凛はかつては忍びとしての鍛錬を受けていたこともある。
自分のように常人とは違う感覚を身に着けていたとしても不思議ではない。
「わたし、日に焼けたせいだと思ってた。」
彩女も最初はそう思っていた。だが、それとは明らかに違う。
肌が痛い、と言ったが本当は五感が痛いといったほうがいいかも知れない。
五感の全てが、只ならぬ気配にざわざわと騒いでいるのである。
しかもただの気配ではない。獲物を狙う、狩人の殺気である。
それも粘りつくような、それでいて空虚な不気味な殺気である。
そうでなければ、五感がこんなに痛みを感じたりはしない。
221ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:15 ID:PuBAYY+I
―遂に来た。
彩女はそれらの気配が一体何者のものであるかを瞬時に感じ取っていた。
復讐に燃えるその殺気―それがいつかの屯で葬った四人の男の報復の殺気であることは、容易に知れた。
敵の数は十や二十ではあるまい。五十、もしかしたら百はいるかもしれない。
流石の彩女もそれだけの数の忍びを相手にすることなど出来ない。
「ねえ、彩女さん。あいつ等が来たの?ねえ、そうなんでしょ!?」
半ベソを掻きながら自らの腕にすがる凛に、彩女は黙って頷いた。
「どうしよう…!ねえ、どうしよう…!」
どうするもこうするもない。侍ならともかく、相手は手錬の忍びである。
逃げ道など当の昔に全て塞がれているに違いなかった。
―あたしも、凛も死ぬ。
ただそう思った。そこには何の感傷も懊悩も無い。
忍びである彩女は、ひたすら客観的に、そして正鵠に己と凛に訪れる結末を予感した。
彩女は納戸に入り、奥に封印してあった二振りの小太刀を手に取った。共に一尺三寸の厚重ね、一分の狂いもない。
「架け橋」と「墓無し」と名づけられたこの二振りは、今まで幾多の修羅場を彼女と共に潜り抜けてきた、彼女の戦友である。
「架け橋」はこの世からあの世、此岸から彼岸へと死者を導く橋のことを、「墓無し」は「儚し」に掛けて付けられた名だ。
それぞれ生と死の狭間で生きてきた彼女の愛刀に相応しい名である。
もう二度と抜く事はないであろうと思っていたその小太刀を腰に指した時、彼女の瞳にかつての
獣の本能が蘇ってきた。
納戸から出ると、己の得物を手にした凛が、悲愴な表情で立ち尽くしていた。
得物の名は「振分け髪」。二尺三寸五分、備前長船長義作の名刀である。
年端もいかない少女の得物としては、過ぎた代物だ。
彼女は十三のときに、この太刀を里長から与えられた。一人前の忍びになった証だった。
しかし彼女は、この太刀の本当の送り主が許婚の重蔵である事を知らない。
222ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:16 ID:PuBAYY+I
凛は彩女の決死の覚悟を感じ取っていた。
「彩女さんだけでもいいから逃げて!」
彼女は彩女の腕にすがり付き、哀願する様な目で彩女にそう訴えた。
彩女の返事がないことに苛立って、彼女の腕を乱暴に揺すった。
「彩女さんだけなら逃げ切れるよ!わたし囮になる!だから…ねえ!彩女さんったら!」
しかし彩女は何も言わない。口を真一文字に結んだまま、ただ一点、真正面だけを見据えている。
堪らなくなった凛が再び何かを言おうとしたときに、ようやく彩女の口が開いた。
「莫迦言うんじゃないよ。どうしてあたしが可愛いあんたを置いて、逃げることが出来るって言うんだい?」
彩女の口調は毅然としたものであるが、そこに厳しさはない。それどころか、口元には薄く笑みさえ浮かべている。
忍びとして育てられた彩女は現実主義者であり、物事を合理的、客観的に見ることに長けている。
恐らく敵は二人を生かして返さないつもりなのであろう。その為には如何なる手段でもとるのが、忍びというものであることを
彼女は良く知っていた。
本気になった忍びから逃れる術などない事も、当然よくわかっている。
凛もそのことを理解しているはずであった。
凛の言葉は、文字通り万に一つの可能性に賭けた言葉なのである。
223ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:19 ID:PuBAYY+I
彩女は凛を抱きしめた。太陽と土の匂いがする。華奢で、すべらかで、いとおしいその肢体の感触。
それらを存分に味わってから、彩女は言った。
「いいんだよ、お凛。あんたと一緒に死んでやるよ。忍びのあたしが惚れた相手と死ねるなんて
 これほど嬉しい事は無いんだ。だから、いいんだよ。お凛、いいんだよ。」
彼女の口調は穏やかではあるが、同時に反論を許さない強さも併せ持っていた。
凛はそれでも彩女に逃げるように訴えた。しかしその言葉は最早彩女には届くことはない。
彩女の揺るぐことのない覚悟を悟った凛は、口を閉ざさざるを得なかった。
そして彼女もまた、彩女と共に死ぬ事を決意した。
「でも…わたし達が死んだら…風(ふう)はどうなるんだろう…?それから鶏達も…。」
224ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:20 ID:PuBAYY+I
蚊の鳴くような声で、凛が聞いた。風も鶏達もみんな彼女の親友だった。
「心配は要らないよ…。風も鶏達もみんな一人で生きて行ける…。
 一人で生きていけないのは人間ぐらいなもんさ…。」
「わたし…彩女さん無しじゃ生きていけない…。」
「あたしもあんた無しじゃ生きていけないよ…お凛…。」
彩女の腕が、より強く凛の華奢な身体に回される。凛もそれに負けじと、強く強く、息もできないほどに彩女を抱きしめた。
「…一緒に死んで…生まれ変わったら、またあたしと一緒に暮らそう。そして二人で一日中いいことして遊ぼう。
 あんたとあたしの大好きな事をしてさ…。」
彩女の脳裏に、凛との愛と悦楽の日々が鮮やかに蘇ってきた。二人と共に過ごした数ヶ月の日々が、彼女の全てであった。
彼女の人生はその為にあった。凛に出会うために生まれ、凛と愛し合うために生きてきた。
そして、再び凛とめぐり合う為に死んでいく。
彩女の心は満ち足りていた。死への恐怖すら、そこにはなかった。
「うん…約束だよ彩女さん…生まれ変わったら、きっと一緒に暮らそうね…
 わたしももっともっと彩女さんと遊びたい…。うんといいことして遊びたい…だから…きっとだよ…約束だよ…。」
「ああ、約束するよ。」
彩女はそっと凛にくちづけした。塩の味がした。涙の味である。
凛は泣いていた。黒目がちな瞳から、大粒の涙が溢れていた。
彩女も思わず泣きたくなった。だが、彼女はそれを必死で堪えた。
忍びとしての意地のためではない。これから死に逝くものとして、凛を不安にしたくなかったからである。
225ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:21 ID:PuBAYY+I
二人の前に、突如として血飛沫に染まった小面の面をつけた男が姿を現した。
考えられないことである。これでは自ら襲来を知らせてしまうようなものだ。
だから、これは自信の表れなのである。あるいは絶対の決意ともいえよう。
すでに庵を囲むようにして、必殺の陣が成ったということを知らせにきたのだ。
二人の生殺与奪を完全に掌握したことを、自ら姿を現すことで悟らせたいのである。
その証拠に、男は襲ってはこない。ただじっとこちらを見つめているだけである。
「怖いかい?」
能面の男を横目で見ながら、彩女は聞いた。
「怖くないよ。彩女さんと一緒なら。」
凛の声には暗さも戸惑いもない。涙も既に乾いている。
「そうかい。あたしもだよ。あんたと一緒なら何も怖いことなんて何もないさ。」
そう言って、再び凛にくちづけた。
「さあ、そろそろ行こうか。お迎えも来たみたいだしね…。」
「うん…。」
226ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:24 ID:PuBAYY+I
彼岸花が咲いている。あたり一面を覆い尽くすように、彼岸花が咲き乱れている。
彼岸花は彼岸の岸辺に咲く花だという。
だとするならば、二人は既にその岸辺に立っていることになる。
「お凛、行くよ。」
「彩女さん、行こう。」
彩女と凛は互いに手を取り合って、一歩を踏み出した。
濃厚に立ち上る黒い殺意の向こう側、紅に染まる、彼岸の岸辺のその先へ…。

                                    〜完〜
227ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:31 ID:PuBAYY+I
ようやく終わりました。
長丁場にお付き合いいただき有難う御座います。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   幾分強引な終わり方だったけどな。
     ( ´_!_` )  /   ⌒i   
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最後にレス番振っておきます。

>>92-99 >>120-126 >>153-159
>>188-193 >>202-209 >>218-226
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   
     ( ´_!_` )  /   ⌒i   
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228ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 19:32 ID:PuBAYY+I
それじゃあ俺らもそろそろ逝きましょうか。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   え?何処に行くんだ兄者?
     (  ´_ゝ)  /   ⌒i   
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紅に染まった、秋の葉が舞い落ちる
原っぱにです。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)   秋葉原かよ…
     (  ´_ゝ)  /   ⌒i   一人で逝って来い…。
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229名無しさん@ピンキー:04/08/03 20:01 ID:z4nhyfQ3
ん〜〜〜〜ぽぽ者乙ですッ!
なんか文学小説を読んでるようでしたよ。
心情とかが面白かったです。これからもいい作品の投下待ってるよ!
230名無しさん@ピンキー:04/08/03 21:06 ID:M/QGs6FT
感動したッッ!!!
乙!!!
本当にお疲れ様!!!!
231ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/03 22:01 ID:DLMMX2rx
レス番一つ抜けてました。
正しくは↓です。

>>92-99 >>120-126 >>153-159 >>177-181
>>188-193 >>202-209 >>218-226
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   
     ( ´_!_` )  /   ⌒i   
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232名無しさん@ピンキー:04/08/04 00:08 ID:2RN0sK1o
ぽぽ者さん乙!!
江戸の心中物を思い出す内容に感じられ。今日紅ゲトーしたから、余計感動しますた。
233名無しさん@ピンキー:04/08/04 02:07 ID:2WQnSZze
良スレだなぁ。ぽぽ者氏Zでした。しかし、アヤメたんも二度ほどお世話になってたんですね>産医

(-=・=- ∀ -=・=-)詳細詳細詳細詳細
234名無しさん@ピンキー:04/08/05 14:28 ID:pyuBw1Qr
ハァハァ…ウッ
235名無しさん@ピンキー:04/08/06 01:07 ID:EBoeVrkD
ぽぽ者さん
あんたの小説、イエスだね!
236名無しさん@ピンキー:04/08/07 15:30 ID:xVS65mX7
ぽぽ者タンの小説終わったとたん静かになっちゃったなぁ。
237名無しさん@ピンキー:04/08/07 17:43 ID:PYPyD6Uh
みんな忍者だから忍んでいるのでござるよ。
238名無しさん@ピンキー:04/08/07 20:07 ID:xVS65mX7
>>171タソはもう来なさそうだな…早いけどぽぽ者タン再降臨キボンヌ
239ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/07 20:47 ID:RKZnO/Ji
今ヤるだけストーリーの槍浪人二人×彩女書いてるよ。書き終わったら投下すっかも…
240名無しさん@ピンキー:04/08/08 00:32 ID:Lec3EeEu
期待sage
241名無しさん@ピンキー:04/08/08 13:01 ID:NAqZ5WhM
松之進様がみてる
松之進様がみてる 東忍流革命
松之進様がみてる かげろうの森
松之進様がみてる ハダ・カニンジャ
松之進様がみてる 陽炎座の贈り物 前編・後編

ここまで「弐」

松之進様がみてる いとしき越後屋 前編・後編
松之進様がみてる デバッグモード
松之進様がみてる リッキーブルー

ここまで「壱」
力丸が死んだまま終わるのを指して、俗に「リッキー止め」と
242名無しさん@ピンキー:04/08/08 15:08 ID:NAqZ5WhM
>>236-237

      //
    /  /
    /   /   パカ
   / ∩∧ ∧      呼んだ?
   / .|( ´∀`)_  
  // |   ヽ/   
  " ̄ ̄ ̄"∪
243名無しさん@ピンキー:04/08/08 15:16 ID:+4xRzPaS
二重カキコかモルァ
244名無しさん@ピンキー:04/08/08 15:19 ID:NAqZ5WhM
スマンカッタ
245名無しさん@ピンキー:04/08/08 22:06 ID:+4xRzPaS
とゆうか神まだかモルァ
>>239はまだですかモルァ
このさい>>241でもいいからモルァ
246名無しさん@ピンキー:04/08/10 12:40 ID:EdWaciC5
このスレまだ生きてるの?
247名無しさん@ピンキー:04/08/10 12:41 ID:EdWaciC5
妄想の方向が板違いとは知りつつも、
書いてしまったからには仕様が無い。
設定・キャラ等禿しく好い加減ではあっても、
同じく萌えには変わりなく。

「唐紅に染め上げて」 見切って投下致します
248唐紅に染め上げて(1):04/08/10 12:42 ID:EdWaciC5
たった今死んだはずの双葉が、ゆっくりと半身を起こす。
「甘いね〜」
そう呟きながらゆっくりと弓を構える。
狙いの先には、里の出口に向かう凛の後姿があった。
引き金に力が入る。

しかし、矢が放たれる寸前、何かがその視線を塞いだ。
‥誰?
見上げると、そこにいたのは重蔵だった。

でも、なんで? 双葉は疑問の表情を投げかける。

「あれは生かしておけ」
「なんでだよ重蔵? あんたが皆殺しの命令を‥」
「双葉!!」

「‥‥‥わかったよ」

配下の者たちは既にここに集まっていた。
重蔵が次々と命令を下すと、一人また一人と里を出て行く。
あっというまに残るは重蔵だけとなり、あたりは仮の静けさを取り戻す。

誰もいなくなって、重蔵はかすかなため息を吐く。
あろうことか、その表情にはかすかな微笑さえある。
しかしそのありえない光景は瞬きする間に消えうせた。
何事も無かったかの様に、いつもの重蔵がそこに立っているだけだった。
249唐紅に染め上げて(2):04/08/10 12:43 ID:EdWaciC5
夕日に染まる白い塗り壁の表面を、黒い何かが疾走している。
重力の法則にも従うことなく、
あっという間に六間ほどの塗り壁の端までたどりつき、
軽く跳躍すると地面に降り立った。
見れば、まだあどけなさの残る少年であった。

「すご〜い」

そばに立つ幼い少女がうれしそうに手をたたく。
少年は息を切らしながら少女の元に戻ってきた。

「ちゃんと‥ ハァハァ‥ できてたか? 凛?」
荒い吐息に上気した赤い顔を見せて、少年は少女に問いかける。

「うん、ちゃんとできてたよ、『壁駆け』
 すごいよ重蔵お兄ちゃん。なんかオトナの人みたい!」
「そうか?」
「うん、かっこいい」

そういうが早いか、凛は少年の首っ玉にかじりつく。

さすがに年上の重蔵は、凛のそんな直接的な愛情表現に、
戸惑いを隠せない。

そんな思いを知ってか知らずか、凛はさらに大胆な行動をとる。
そのまま少年の唇に自らの唇を重ねたのだった。
250唐紅に染め上げて(3):04/08/10 12:44 ID:EdWaciC5
口吸い。
大人の男女が、物陰で抱き合いながら、唇を接しているのを盗み見て、
好きな人にはそうするのが普通なのだと、凛は思い込んでいた。

思いもかけぬその行動に、少年はどう対処していいかわからぬまま、
凛の唇がもたらしたその甘美な味わいに、一瞬我を忘れてしまう。

数秒の陶酔の時間を経て、あわてて気を取り戻し、
力ずくで凛を引き離す少年。
「や、やめろ」

そんな重蔵の行動が理解できずに、凛はまじまじと重蔵を見つめている。
「え? お兄ちゃん‥ あたしのこと‥ きらい? なの?」
凛は今にも泣きそうな顔で問いかけた。

「オレは‥ オレは‥」
少年の気持ちの中に答えは見つからなかった。

物心つくかつかないかの頃から、二人は常に一緒にいた。
ごはんを共に食べ、野原を絡み合いながら駆け巡り、
草笛をならし、虫を追いかけていた。

凛を妹のように思い接してきた重蔵にとって、
女としての彼女の行動と言葉は、予想もしなかったものだった。

無言の時が過ぎる。
ヒグラシの鳴き声だけが、夕暮れの里に途切れなく響いていた。
251唐紅に染め上げて(4):04/08/10 12:44 ID:EdWaciC5
その日から、重蔵は凛と口を利かなくなった。
凛は想い人に冷たくされたと思い、布団で涙を流して耐えていたが、
その幼さゆえ、重蔵の複雑な思いにまでは考えが至ることは無かった。


「『抱き捕り』‥‥ 覚えたいんだ‥」
凛のその言葉に重蔵は驚く。

重蔵と凛が話をしなくなってから、既に三年の月日が経っていた。
二人とも体が大きくなり、顔もかなり大人びて、
ともに野原を駆け回った頃の面影は、既に薄くなっていた。

突然重蔵の前に立ちふさがった凛が、
修行の手伝いをして欲しいと告げたのは、ついさっきのこと。

『抱き捕り』。
それは奥義に属する技であって、とても危険なしろものだった。
修得過程の若者にいくたびか怪我人が出ている。
中には半身不随となる者もいると聞いていた。

「どうしてもやるのか?」
「そうだ」

やるといったらどうしてもやる。凛は昔からそういう気性だった。
他の連中に、こんな奴の練習相手をさせて怪我させてもまずい。
オレがやるか。そう、そのほうがいい。
252唐紅に染め上げて(5):04/08/10 12:45 ID:EdWaciC5
「わかった」

本当にそれだけなのか、我ながら自信のないまま凛の申し出を承諾すると、
重蔵は自然体で立ち、凛の接近を待った。

少女の華奢な体がフッと沈み込むように見えた次の瞬間、
影は重蔵の後ろに位置を変えていた。

「こいつ、いつのまにこんなに」
驚くべき上達であった。流石に三年の月日は長い。

そのとき、ふと何かの香りがした。
重蔵の鼻腔を刺激する、ここちよいもの。そう、これは凛の香り。
なつかしさが重蔵をとらえる。

そう考える間に重蔵の体は回転していた。
あざやかな技のキレに、あぶなくまともに地面に激突するところだった。
鍛え上げた重蔵の反射神経がぎりぎりの処でそれを避ける。
しかし咄嗟の間に完全に回避することは不可能だった。
頭を強く打って重蔵は気を失った。

彼我の能力差を前提に、凛は全力で技をかけていた。
里一番の能力を持つ若者に、返し技を食らうであろうことを想定して。
しかし予想に反して、目の前で重蔵は、凛の技をまともに受け無言で横たわっている。

まさか‥‥
253唐紅に染め上げて(6):04/08/10 12:47 ID:EdWaciC5
あわてて駆け寄る凛。着ている服の胸元を開き、心音を聴く。
大丈夫だ。死んではいない。安堵の気持ちが凛の胸に広がる。

頬に重蔵のぬくもりが伝わる。
ここちよく凛の体を包む温かさは、昔と寸分たがわない。
凛は押し当てた頬を離す気にはならなかった。

意識が戻るとともに、重蔵は胸のあたりに違和感を覚えた。
視線を向けると短い髪が見える。凛だ。
何事かと思い両手で頭をつかみ、持ち上げようとする。

「いやっ!」
凛が激しく拒絶する。

なにかが胸を濡らしていた。次々と新たに供給されているかのように、絶え間なく。
凛が‥ 泣いている‥ のか?

先程まで引き離そうとしていた両手が、
こんどは凛の頭を抱きしめる。

すすり泣きが嗚咽へと変わる。
凛は小さな子供のように声をあげ、肩を震わせて泣いている、
重蔵の体を強く抱きしめながら。
254唐紅に染め上げて(7):04/08/10 12:48 ID:EdWaciC5
重蔵は新たな事態にぶつかり、困惑していた。
鼻腔をくすぐる凛の香りと、服越しに感じる女体の柔らかさに、
彼の一物が力を得てしまったのだ。
すでに痛くなるほどに固くなったそれは、
ちょうど凛の下腹部を押し上げるように脈打っている。

その状態を凛に気づかれないことを重蔵は願っていた。
まだ情けを交わした経験が皆無だということもあるが、
凛に対して自らの欲望を気づかれる事が、恥に思えたからだった。

気づけば凛の顔が重蔵のすぐそばにあった。
にっこりと微笑んだかと思うと顔を寄せる。唇が重なる。
おずおずと凛の背中に重蔵の右手がまわり、片腕でその体を抱きしめる形になる。

その状態のまま、凛の右手がなにかを求めてさまよい始める。
重蔵の下半身へと伸びた手は、服の上から怒張をさぐりあてた。
強く握り締める。

「うっ!」
思わず重蔵は声を出す。

一度緩め、再び強く握りなおす。何度もそれはくりかえされた。
そのたびに、重蔵は味わったことの無い快感に襲われ、足をこわばらせる。

片手で器用に袴のひもが緩められる。
差し入れられた凛の手が、褌ごしに男の急所の形をなぞるように動く。
ふぐりを包み込むようにするかと思うと、一物の先端を輪を書くように刺激して。
255唐紅に染め上げて(8):04/08/10 12:49 ID:EdWaciC5
たまらず重蔵の左手が凛の胸へと伸びる。
胸元をかきわけ乳房を求める。
まだ固い少女の胸。さぐりあてた乳首を指が優しく摘まむ。

「あっ」
凛は体をこわばらせる。
重蔵の手は反対側の乳房を探し、今度はゆっくりと全体をもみ上げる。
まだ小さく、女としての丸みも不完全なものではあっても、
官能を享受する機能は既に十分であった。

凛の口からは、連続して吐息が漏れている。

凛の体が少しずつ動き始めた。ゆっくりと下方に向かって。
自然と重蔵の手は凛の胸から離れる。
今、凛の顔は重蔵の下半身へとたどり着いていた。
褌を器用に横にずらし、飛び出た怒張に唇をつける。

「凛!」

重蔵の呼びかけに構わず、凛は一気に喉の奥深くへと一物を飲み込む。
そのまま、唇と舌が怒張のそこかしこに刺激を与えて始めた。

柔らかく包まれる初めての甘美な感触に、
重蔵はもう、抗うことさえ出来なくなっていた。
256唐紅に染め上げて(9):04/08/10 12:51 ID:EdWaciC5
「凛! もう‥‥ 俺は‥‥」

はちきれるばかりとなったものを唇に咥えたまま、一瞬重蔵の顔を見上げる凛。
重蔵の切羽詰った顔が何を意味するか理解したのだろうか、
すぐに視線を元に戻し、強く咥えたままさらに大きく上下に動かし始める。

「うっ!」
重蔵がうめく。両足がこわばる。

凛の口の中の怒張が極限にまで膨らんだかと思うと、
先端から大量の精が吐き出され始める。
あまりの勢いに、凛はむせながら唇を離す。
しかし、怒張はなおも精を射出し続ける。

凛の顔、髪、胸。
所構わず白濁した液体がかけられていく。

凛は目を閉じたまま、重蔵のほとばしりを体で受け止める。
さも満足そうな表情を浮かべたまま。気持ちよさそうに。

ほどなく、重蔵が大きく息を吐き出す。
気づいて、凛の目に掛かった自らの精を、指でぬぐう。
ゆっくりと凛は目をあける。

「ひどい‥ 顔にしちまったな」
そんな重蔵の言葉に、凛はただ微笑むだけだった。
257名無しさん@ピンキー:04/08/10 12:53 ID:EdWaciC5
今回はここまでです。続きが出来上がったらまた来ます。
258名無しさん@ピンキー:04/08/10 15:03 ID:1vqluf96
|  |
|  |∧_∧
|_|´・ω・`)
|梅| o o○
| ̄|―u'
"""""""""""""""

|  |
|  |∧_∧
|_|´・ω・`)
|桜| o ヽo
| ̄|―u'     ○
"""""""""""""""

|  |
|_| サッ
|桃|ミ
| ̄|        ○
""""""""""""""""


|  |
|_|) 
|桃|
| ̄|       ○
""""""""""""""""
259名無しさん@ピンキー:04/08/11 19:04 ID:XF02QT+m
>>258
いる!まだいる!見えてるぞ〜ノシ
260SS保管人:04/08/12 01:27 ID:Wn1expsB
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

職人の皆様、
このスレに投下されたSSを当方の保管庫に収蔵させてもらってよろしいでしょうか?
261ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 06:17 ID:WN4vry8j
今やっと書き終わりましたんで、投下します。
待ってた方、遅くてすまんかっただよ
_| ̄|○
262ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 06:19 ID:WN4vry8j
「…ん…」
目の前には、あたいに背を向けて槍を持つ浪人二人。
あたいは今、浪人の背後にある茂みの中で、自慰行為をしていた。見つかりそうな場所で、淫猥な穴に指を押し込む時の快感…最近こうしないと感じられなくなっている。彩女は大事な任務を忘れて、ひたすら責め立てるのであった。
彩女の指が、穴を何度も往復する度、愛液がぐちゅっぐちゅっと、いやらしい音を立てて溢れ出す。
「…っう…んぁっ」
「ん?…何か声がしなかったか?」
浪人が茂みを見遣る。彩女は慌ててあいた手で口を押さえた。
「…そうか?」
少し遠くの浪人が首を傾げた。
263ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 06:20 ID:WN4vry8j
目の前の浪人は、じぃと茂みを睨みつけている。彩女は直感でやばいと感じた。
しかし其れは手遅れであった。
茂みに近づいた浪人と、目が合ってしまったのだ。
「!い、居たぞ!!」
「何!?」
首を傾げていた浪人も、血相を変えて此方にやって来る。
ああ、見つかっちまったよ…
逃げようにも半裸で穴に指を入れていた彩女には逃げる猶予はなかった。彩女を見て、浪人は怒りを露わにする。
「この…浪人をなめおって!!」
浪人は抵抗する彩女を茂みから引きずり出して、無理矢理脚を開いた。
「ひひ…ぐちゃぐちゃじゃねぇか…」
浪人が松明の明かりでぬらぬらと光る穴に、顔を埋める。浪人は彩女の穴を舐め始めた。
264ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 06:21 ID:WN4vry8j
「ん、んん…ぅ…」
彩女は身を捩って抵抗するが、もう一人の浪人が彩女の上半身を押さえつけていた。もう、浪人のなすがままである。
「なかなかでかい乳してるぜ、この女」
上半身を押さえつけていた浪人は、彩女の上着を捲り、形の良い乳房を露わにさせる。穴を舐めていた浪人が顔を上げて乳房を見遣った。
「随分と柔らかそうな乳だ…」
上半身を押さえつけていた浪人が、乳房を鷲掴み、激しく揉みしだき始める。
「ん…ぅっ」
穴を舐めていた浪人は、何かを思いついたように槍を手に取った。
「そろそろ仕置きの時間だ」
浪人がにやりと笑みを浮かべた。
265ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 06:25 ID:WN4vry8j
今回はこの辺で…
続きは今日の夜あたりにでも投下します。


しかしヘボですまなんだ…
266名無しさん@ピンキー:04/08/12 10:20 ID:c9wvhylG
>>265
めっそうもない!!
続きお待ちしておりまする
267ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 19:13 ID:WN4vry8j
>266 dクス!
続き投下します。

浪人は、彩女の穴に槍の柄を押し当てたのだ。彩女は何をされるか察知し、腰をずらして抵抗をするのだが、男二人に押さえつけている女の抵抗は無意味であった。
ず…ず…
「…!!いっ…いた…っ」
彩女は無機の侵入に恐怖した。浪人は遠慮なく槍を押し込んでいく。
「あっ…ぅあ…ん…」
最奥部まで突かれると、彩女の体がびくりと痙攣した。浪人は突然不機嫌そうに槍を抜き取った。
「どうした?」
「この女、処女じゃねぇのか…ちっ」
浪人は、槍で彩女の処女膜を傷つける手応えを感じなかったのだ。槍を投げ捨てて、自分の怒涛する肉棒を取り出した。
268ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 19:15 ID:WN4vry8j
「溜まってたやつを、目一杯中に浴びさせてやる」
浪人は、肉棒を彩女の穴に押し当てた。
彩女の穴は愛液で滑りやすくなっていたため、容易く太い肉棒は中に滑り込む。
「ひああ…あ、あっ…」
彩女はびくびく震えながら、体を捩った。しかし、容赦なく肉棒は彩女の中に侵入していく。完全に肉棒が埋まると、浪人はにやりと笑った。
ズッ…
「あぁ…!!」
浪人が腰をぐりぐり動かし、わざとらしくぐちゅ、ぐちゅと音を立てる。
浪人がまた胸に手を伸ばし、乳首を指でこねくり回した。
「ぁん…あ…」
彩女は本格的に感じ始めてきたようで、穴をきゅっと締めたり、腰を揺らしたりして、快感を得ようとし始めた。
269ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 19:18 ID:WN4vry8j
「ふん、遂に本音が出たか…っ!」
浪人が其れに応えるかのように、激しく腰を振り始め、彩女の中を突き上げた。
「んっ…い、いく…ぅあああっ!!」
「ん、く…!!」
浪人が彩女に最後の一突きを与えると同時に、二人は果てた。彩女の穴から浪人の精液が少量流れる。
「はぁっ…はぁっ…」
荒い息の彩女から、浪人の肉棒を引き抜かれると、彩女は極度の疲労によって気絶しそうになった。が、
「まだ終わっちゃいねぇぜ」
と胸をいじっていた浪人とイった浪人が交代し、完全に弛んだ彩女の穴へ、再度肉棒が入っていく。
「い、や…ぁああっ!!」
彩女は悲鳴のような叫び声を上げて抵抗したが、しかしその夜は幾度となく二人の浪人に地獄を味わわされた…



以上、これにて閉幕っ!!
彩女は処女だと論ずる方いたらスマソ…

またいつか投下しにきます…
270ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/12 20:41 ID:cg+eIg+d
   ウコンたん乙です〜♪
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   いいから兄者も早く新しいの
     (*´_!_` )  /   ⌒i   書き始めろよ。
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃
271ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/12 21:40 ID:WN4vry8j
大先輩、ぽぽ者さんから乙コール!!
感動です。

ぽぽ者さんの新作を期待してます!

俺も長編トライしてみようかな…無茶かorz
272唐紅に染め上げて(10):04/08/13 22:08 ID:tT7A9Yt5
凛は布団に寝転び天井を見上げながら、つい一刻前の事を思い出していた。

激しく精が放たれたすぐあと、遠くから重蔵を呼ぶ声がした。
あわてて二人は離れ、服の乱れを直す。
凛は川で顔と胸を洗い、あくまでさりげない風を装う。
とはいえ、見る人が見れば、
その二人の間に何事かが有った事は、簡単に推察出来たであろうが。

ひそひそ声で話す二人の様子が気になり、凛は振り返った。
重蔵と同じ年齢の里人は、険しい顔をして川面を見つめていた。
そして一方の重蔵の表情もまた、かって見たことも無いほど暗いものだった。
いったい何事なのか‥

そんな凛の視線に気づいたのだろう。
重蔵は、心配するなとでも言うように笑顔で軽く手を上げ、
里人と連れ立って歩み去っていく。
残された凛は、ただその後姿を見送るしかなかった。

重蔵の怒張の感触は今も唇に残されている。精を放つ瞬間の脈動の力強さも、固さも。
その時、ふと股間のあたりに違和感を覚え、凛は自らの女の部分に手を伸ばした。

指を差し入れた狭間は、
驚くべきことに、たっぷりとした粘液に満たされていた。
おそらく、女の部分からから沁み出した愛液‥ なのだろう。聞いたことがあった。

重蔵の怒張を口腔で受け入れ、愛撫しているうちに、
自らも快感を得ていた。そうに違いなかった。
273唐紅に染め上げて(11):04/08/13 22:11 ID:tT7A9Yt5
おそるおそるぬかるみに指を入れた。
無意識にそこは反応し、侵入したものを締め付ける。
すぐにぬるぬるとした粘膜は、指を咥えこむかのように動き始める。

背筋を駆け上る快感が連続して凛を襲う。
興奮と恥ずかしさで、その白い肌が一気に桜色に染まった。

重蔵のあれがここに入ったなら‥
それを思っただけで、はざまはさらに潤んでしまう。
渇望する粘膜が、重蔵を求めうごめく。

「重蔵‥‥‥」
激しく指を出し入れしながら、凛はいとしい人の名を呼ぶ。
満たされぬがゆえ、さらに激しく。

そしてすぐに、そのときが来た。

「重蔵!」
雄たけびにも似た呼び声とともに、凛の体は硬直する。
そして短い周期で全身が痙攣をくりかえす。
病のもたらしたものではない証拠に、
彼女の顔には恍惚の表情があった。
凛はこのときに生まれて初めて、絶頂を知ったのだった。

しかし興奮から覚めたとき、自らの淫らさが恨めしく思った。
せめて重蔵のものに貫かれてのことなら‥‥
そんな満たされぬ思いのまま、凛はいつしか眠りにつく。
274唐紅に染め上げて(12):04/08/13 22:13 ID:tT7A9Yt5
なにか‥ 誰かが私を呼んでる‥ あれは‥

先ほどの指戯のあと、疲れ果てた凛はそのまま眠り込んでいた。

あれは‥ 梟? そういえば‥

凛はからくり人形のように、布団の上に一気に起き上がる。
聞こえていたのは、子供の頃重蔵と決めた合図、梟の鳴きまねだった。
あのひとが来ている!!

急いで外に出る。家の陰になった場所に男が立っていた。
「重蔵?」
凛の問いかけにも影は応えない。
不審な思いのまま、用心だけは忘れずに凛は近づく。
やはりその影は重蔵だった。しかし、なにか様子がおかしい。

気配だけで間合いがわかるのだろう。
凛のほうに向き直ることなく、重蔵は言った。
「別れを‥ 言いに来た‥」
「え?」
「今夜、里を出る。もうおまえと会うことも‥ たぶん‥」

やっと‥ やっと重蔵の気持ちを確かめることが出来たというのに、
なんでそんな‥‥
275唐紅に染め上げて(13):04/08/13 22:15 ID:tT7A9Yt5
低い声で重蔵は語リ始めた。事件は今日、起きていた。

随分と前から、重蔵の父と母はとても大きな任務についていた。
恐ろしく準備期間の長い、多くの人手を要する面倒な仕事だった。

しかし今日、里に戻ってきた物見がもたらした情報は、
その二人が捕えられたというものだった。
問題なのは、一緒に町人となり潜んでいた里人たちが全員惨殺されたという事実。

裏切り‥
確かな情報はないにしても、疑惑を持つには充分な状況だった。

里の長からその話を聞いた重蔵はしばらく考え込んでいた。
そしてゆっくりと立ち上がると、里の長に向かい一礼し、その場をあとにする。

「惜しいな。あやつを手放さなければならないとは。
 あれだけの頭と、度胸と、そして技と‥‥」
里の長はしばらく、歩み去る重蔵の背中を見つめていた。


凛は話を聞いても、なぜ重蔵がこの里を出なければならないのか、
それがどうしてもわからない。

「あるいは、あの場で背中から太刀を受ける可能性もあった。
 しかしそうはならなかった。ならば俺は里から消えるしかない。
 そういうことだ」
276唐紅に染め上げて(14):04/08/13 22:17 ID:tT7A9Yt5
重蔵は既に大人の世界に身を置いていた。年下の凛には理解できようもなかった。
その距離を感じた少女は、あえて無駄な問いかけを発しようとはしない。
なぜなら、凛のとるべき道は既に決まっていたのだから‥‥

「わかった」
あまりに聞き分けのいい凛の言葉に、重蔵は驚きを隠せない。

「でも、ひとつだけ‥」
急に途切れた言葉を訝って、重蔵は初めて振り返る。
背の低い凛が、見上げるように重蔵を見つめていた。
頬に涙が流れている。

その瞳の中には、深い悲しみと、覚悟を決めた女の強さが同居していた。
今、ゆっくりと凛は目を閉じ、両腕を差し伸べた。

その姿を見て、重蔵は凛の思いの全てを理解した。

細い腰を抱き、唇を重ねる。
そのまま唇を吸いあう音が暫く続いた後、重蔵は無言で凛の服をはぎとり始めた。
裸で横たわる凛の上に、同じく裸となった重蔵が乗る形になる。

「いいのか?」
「馬鹿!」

そういって抱きつく凛を、重蔵はいとおしいと思った。
凛の両腿の間に足を入れ押し開き、腰を入れ両足を跳ね上げる。
脈打つ怒張が凛の叢をかきまわす。
277唐紅に染め上げて(15):04/08/13 22:21 ID:tT7A9Yt5
はざまを押し分けて重蔵の一物が奥へと進む。
生娘とはいえ、充分に潤ったその場所は、
重蔵の怒張を、たいした抵抗もなく受け入れる。
今、そのすべてが凛の体内に収められた。
包みこむものの温かさに、重蔵は我を忘れそうになる。

「うれしい‥」
「?」
「だって、喜んでくれてるから‥」
女がそういう考え方をすることを、重蔵は初めて知った。
自らの欲望を遂げること自体が、凛の幸せになるのだということを。

ゆっくりと動き始める。己の思いに忠実に。
凛の口から、声が漏れる。咄嗟におしあてた手は何の意味ももたない。
重蔵の動きが速くなるにつれて、凛の喘ぎ声は高まっていく。

更に激しい動きが幾度か繰り返され、押し込む度ごとに同時にうめき声を上げる。
そして大きな一撃が凛を貫き、二人の動きが止まる。

怒張の先端から、凛の体内の奥へと精が注がれているのだろう。
「凛‥」
重蔵が小さく呟いた。凛は重蔵の体を強く抱きしめる。

少しの間をおいて、重蔵がゆっくりと腰を引く。
怒張が引き抜かれると、凛の女の場所には鮮紅色の血が流れた。
痛みを気にする様子もなく、
仰向けになった重蔵にしがみつくような位置に、凛は体勢を変える。
278唐紅に染め上げて(16):04/08/13 22:27 ID:tT7A9Yt5
「‥やっぱりさ」
「?」
「あたし、重蔵と一緒に行く! いいでしょ?」

重蔵は起き上がる。

「それは駄目だ!」
「どうして?」
「どうしてもだ!」
「いいよ、勝手についていくから。あたしの好きにする!」

そう言って凛は重蔵の腕にしがみつく。
まるで、この先ずっとその腕を離す気が無いことを宣言するように。

じっと黙り込んでいた重蔵は、突然凛の腹部に強烈な拳を突き入れた。
たまらず気絶する凛。

服を凛の上にかけ、素早く自らの装束をまとう。
重蔵は凛の頬に手を当てて、独り言のように呟いた。

「お前のことは、好きだった。初めて会った日からな」

重蔵はその日を境に里から姿を消した。

それから一月も経たぬ内に、
凛は重蔵が死んだことを里の長から聞いた。
家族を殺された者が数人で重蔵を追い、その命を奪ったのだと。
279唐紅に染め上げて(17):04/08/13 22:31 ID:tT7A9Yt5
双葉を抱き起こす華奢な女を見た瞬間に、
重蔵はそれが凛だと気付いていた。

自分の生まれ育った里を皆殺しにする仕事を受けて、
凛がそこに居る可能性には、最初に思い当たっていた。
その他にも、懐かしい知り合いを殺すことになるかもしれない。
だからといって、重蔵の胸に特別な感慨などなかった。恨みも、懐かしさも。

しかし、凛の姿を見た瞬間、忘れていた思いが記憶の底から蘇えり、
切ない思いとなって胸を塞ぎ、反射的に双葉の攻撃を遮ってしまった。

様々な修羅場を潜り抜けてきたはずの自分が、
人の生き死にさえ感動を覚えない世界でずっと過ごしてきた日々が、
その女の前では何の意味も持たなかった。

といって、それでどうなるわけでもない。
今更、あの日の二人に戻れるはずも無かった。

忘れる為の偶然の出会い。それでいい。
重蔵はそう答えを出していた。
280唐紅に染め上げて(18):04/08/13 22:37 ID:tT7A9Yt5
二対一での死闘は小半刻を経て、漸く決着を迎えようとしている。
今まさに、一葉が凛にとどめを刺そうとしていた。
さすがにまだ非力な凛に、手練れの忍び、乱造との戦いは荷が重すぎた。
重蔵はすぐそばで、それを他人事のように見ている。
一つの記憶が終焉を告げる瞬間が来た。そう感じながら。

振り上げられた獲物が凛の胸に届く刹那、
残像すら見えぬ速さで、影がその隙間へ割り込んでいた。
咄嗟に出た行動であった。重蔵に考えがあってのことではなかった。
一葉の刃が重蔵の胸を貫くと同時に、一葉の腹部にも刀が深くめりこむ‥

ほどなく意識を取り戻した凛が見たのは、
刺し違えて倒れている黒屋重蔵と一葉の二人。
どうしてこの二人が‥ 

黒屋重蔵の顔をしげしげと見る。
そのうち、なにかが、凛の記憶の淵から大事なものが蘇ろうとしているのに気づく。
もどかしい時間が過ぎる。

そしてわかる。
この人は、重蔵だ。自分が初めて抱かれた重蔵に‥ 間違いない。
今まで、同じ名前であることは単なる偶然だと思っていた。
重蔵は死んだはず。里の長がそう言ってたし‥ 里人も皆同じように‥‥

重蔵が身動きする。ゆっくりと目を開ける。

「おまえか」

言葉も、その目も、まぎれもなく凛が昔から知っていた重蔵その人だった。
281唐紅に染め上げて(19):04/08/13 22:42 ID:tT7A9Yt5
「生きて‥ いたの‥?」
「あぁ」
「でも‥ どうして? それに里の長は」
「あれは里の長が考えたものだった。俺が追われないようにするために」

「ま、結局のところ、それも無駄になったわけだがな」
「もう話さないで! 体にさわるから」
泣きながら凛は重蔵の体を抱きしめる。

「いまさら‥ もう‥ 遅いさ」
それは凛もわかっていた。わかっていてもなお‥

凛は苦しそうな息を繰り返す重蔵を抱きしめたまま涙をこぼす。

「凛‥ 俺が壁駈けを修得した日のこと‥ 覚えてるか?」
「うん」
「あの時のおまえの笑顔、とても‥‥‥」

しばらく言葉が途切れたままなのを訝って、凛は重蔵の顔を覗き込む。
その目は開かれたまま、既に重蔵は事切れていた。

凛は指でそっとその目を閉じる。
腕枕をして体を寄り添わせ、自らも目を閉じ唇を重ねる。

凛の瞳の奥では、まぶしいぐらいの夕陽のきらめきの中、
頬を上気させた少年が、いつまでも凛に微笑みかけていた。

いつまでも‥‥

                - 完 -
282名無しさん@ピンキー:04/08/15 18:23 ID:fQSy6C/6
>>ウコンさん(・∀・)イイ!!
ナイスです〜!!ハァハァ
283ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/16 03:02 ID:Rj/gx8Xg
>247
GJ!重蔵と凛なんてなかなかみられませんですな…

>282
dクス!
こんなんでハアハアしてくれたら幸いです。
284ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/17 20:30 ID:/Ozo3bBp
誰か見てる?(;´Д`)
過疎化すんの早いな此処…

重蔵×双葉書いてみたんだけど、需要ありますか?
285名無しさん@ピンキー:04/08/17 20:54 ID:4XAkJdja
>>284
ウコン様、
>>260の保管庫に収蔵してもらうのは大丈夫でしょうか?
せっかくの作品を流してしまうのはもったいないですし。
286名無しさん@ピンキー:04/08/17 22:09 ID:G9voUOKq
今日はじめてこのスレをみて、一気に全部読んでしまいました。
最高です。とくにポポ者様。あの小説は売れると思います(どこに?

神降臨続出ですねこのスレは
287名無しさん@ピンキー:04/08/18 02:42 ID:t5XCFzIC
彩女がエロい。
288ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/18 03:05 ID:9FVA/zMg
>285
少なくとも俺は許可するけど…作者それぞれに許可貰った方が良いんじゃないでしょうか?
289ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/08/18 21:22 ID:r9dONtNB
ウコン様、本当にお疲れ様でした!
この頃忙しくてこのスレに来ることが出来ませんでしたが
今ハァハァしながら読ませていただきました。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   
     ( ´_!_` )  /   ⌒i   
    /   \     | |
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  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

実はぽぽ者も今新しいのを書こうかなと
思っているところなんですが、いい刺激になりました。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   だけど最近の兄者は本当に忙しいからな〜。
     ( ´_!_` )  /   ⌒i  果たして何時完成することやら…。 
    /   \     | |
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  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃
290ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/18 21:50 ID:9FVA/zMg
ぽぽ者さん、本当に有り難う御座います!
新作、気長に待ってますんで、無理をなさらずに書き上げて下さい。

需要なさげですが、明日にでも重蔵×双葉投下してみます。
軽くストーリー触れた話です。
291名無しさん@ピンキー:04/08/18 23:43 ID:0gNnCBLk
職人さんたちがんがって!!
292ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/19 17:42 ID:zj27X95R
「じゅう…ぞぉっ…」
無表情の重蔵を見下ろす双葉。
双葉の白く美しい体の曲線が、蝋燭の灯りで妖しく照り出されている。双葉が身体を動かす度に、重蔵と結合している場所から艶めかしい水音がし、ふくよかな双丘が揺れた。
「あっあんっ…い…いく…!!」
双葉がそう叫ぶと、きりきりと重蔵を締め上げて、果ててしまった。双葉が前のめりに倒れた後、少ししてから、重蔵が自身を抜き、精液が双葉の顔に吐き出される。
双葉は荒げた息を整えてから、精液を拭って、無言で着物を着て部屋を後にした。



双葉は重蔵の為に尽くしているつもりだ。だが、重蔵はいつも遠くを見ていた。

双葉は、知っている。

重蔵の視線の先にいるのは、双葉ではなく、凛であることを。



「何であんな餓鬼が良いのよ…」
双葉は一人部屋に籠もって、星が輝く夜空を眺める。私達黒屋が葉隠れの里を襲撃した日も、こんな空をしていた。
「胸だって小さいし、美人でもない…なのに…重蔵…何で」



双葉は、知っている。



重蔵は凛の強さではなく、体を欲しているのだと。

「あたしは只の代わりってわけか…」
293ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/19 17:42 ID:zj27X95R
「凛に黒屋へ入れ、と言ってこい」
まだ重蔵は、凛を引き抜こうと目論んでいるのだ。双葉は怪訝そうに重蔵を見遣った。続けて、重蔵は言う。

「入りたくないと言ったら殺せ」

双葉は目を見開いた。
生かすのではなかったのか。
しかし、生かす生かさないの問題より、双葉は重蔵の想いの変化に心が躍るようだった。
「報酬要らないから、激しく抱いて」
双葉は着物をはらりと脱ぎ捨て、重蔵に寄りかかる。押し飛ばされるのを覚悟したが、重蔵は服を脱ぎ始めた。
双葉は重蔵の反応に驚く反面、嬉しかった。やっと気持ちが伝わった、と心の中で叫んだ。
重蔵は双葉を押し倒して、白い双丘を揉みしだく。
「あ…っ…」
悩ましげな表情を浮かべ、双葉は重蔵に揉まれる心地よさを感じた。重蔵は妖しく笑むと、指を双葉の中に滑らせる。
「やっ…ぅん…」
中は既に熱く、ぬめりを帯びていて、潤滑に指は出入りした。
くちゅ、くちゅと水音がたつ。
「何だ、いやらしい体をして…」
重蔵は指を少しずつ増やし、指を開いたり、曲げたりして刺激を与えた。
「あん…じゅうぞう…っ…」
身を捩り、少し抵抗する双葉。
294ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/19 17:42 ID:zj27X95R
重蔵は指を引き抜いて、糸を引く指をじろじろと眺めた。
「もうこんなにぬるぬるなのか?酷く淫乱だな、双葉?」
重蔵が指を舐めてから、双葉の脚を大きく開いた。重蔵が双葉の濡れる穴をじっと見つめる。重蔵に見つめられている、と思うだけで、双葉の穴から愛液が溢れた。
「水漏れを止めないとな…」
重蔵は怒涛する自身を穴に押し当て、ぐっと腰を押しつけた。

ずぶっじゅぷぷ…

「はあぁ…っん!!」
遠慮無く重蔵は双葉の中に侵入してくる。双葉の体中を痛みと快感が走り、双葉はびくびくと痙攣をした。
一気に最奥部を貫き、直ぐ引き抜き、また貫き…ぱんぱんと肌がぶつかり合うぐらい、始めから激しく貫くのだった。
「ぁんっあふっうんんっ…まだっ…もっ…あぁん…っ!!もっとぉっ!!」
双葉は重蔵に指図してしまった。が、重蔵はにやりと笑うと、双葉の腰を掴み、

ぐぷっ…

「んぁ…あっ…!」
自身を差し込んだまま、松葉崩しの体位にさせたのだった。
「脚をこんなに開いて…全く随分と淫乱な女だ…!」
重蔵は双葉の右脚を舐め回し、また激しく双葉の奥を貫き始めた。
「じゅうぞ…っいいっ…ふあぁっ!!」
295ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/19 17:52 ID:zj27X95R
ぱちゅっぱちゅっ

「いやらしい…お前の淫乱さが音に表れてるぞ…っ」
重蔵の煽り文句にも双葉は激しく興奮し、気付けば愛液が畳に染みを作っていた。激しさが段々と増し、水音も最高に艶めかしくなっていく。
「はぁっ!も…駄目っ…いく…っ!!」
「…っく…中に出すぞ」
「早く来てっ…っあああぁぁぁ…」

ぴゅぴゅ…っ!ぴゅっ…

溢れた精液が双葉の左脚を伝い、畳についた。
少し繋がり合い、荒い息を落ち着けてから、重蔵は自身を引き抜く。
「重蔵…」
夢の中のように双葉は呟いて、眠りについた。
296ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/19 17:55 ID:zj27X95R
果たして凛に勝てるのだろうか。

何時もあと少しのところで勝てない。

いや、単葉がいるから大丈夫だ。

あたしは…



「重蔵ーーーー!!」



一人じゃない。



声がした。
愛おしい、重蔵の声。



「お前が凛に勝てるわけがない」

「最後の望みに抱いてやっただけだ」

「だが…本当は…」


冷たい雨水の中、何故か温かい物が頬に滴り落ちてきた…気がした。
297ウコン ◆egoISMxcr2 :04/08/19 17:57 ID:zj27X95R
終わりです。
もっと修行します…(;´Д`)
298名無しさん@ピンキー:04/08/20 21:33 ID:wrbsLMKg
(;´Д`)ウッ………ピュピュッ
299名無しさん@ピンキー:04/08/24 15:27 ID:U2HdDbNo
何で止まるの(;´Д`)ウッ………ピュピュッ
300名無しさん@ピンキー:04/08/25 19:29 ID:tAnLsvUc
300get記念あげ
301名無しさん@ピンキー:04/08/29 19:54 ID:XJ0QI0K0
何で止まるの(;´Д`)ウッ………ピュピュッ
302名無しさん@ピンキー:04/08/30 17:02 ID:aWsMCCkG
何で止まるの(;´Д`)ウッ………ドピュッ
303名無しさん@ピンキー:04/09/01 16:19 ID:OpGOQ/S6
(;´Д`)ウッ………ドピュッ
304名無しさん@ピンキー:04/09/03 20:29 ID:tYhPrFL7
誰か神楽タソが部下の上人複数にHな悪戯されちゃうSSを!(*´Д`)ハァハァ
305名無しさん@ピンキー:04/09/04 16:55 ID:hM+8JT+g
(*´Д`)誰かと敵くのいちとの絡みキボンヌ。
306名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:16 ID:gCF4/VkE
「わちの子に〜何かするつもりぢゃな」
あたしの目の前にいる薄気味悪い奴の事なんてどうでもいい。
いち早く奴を始末し、奴の飲み込んだ“呪縛石”を取り戻す、それが郷田の殿様から下された命令だから…。
怨「お終いか〜?」
「そう簡単には殺らせちゃくれそうにないねぇ……」
あの石の影響が領民に影響が出始めている。
その焦りからか彩女の小太刀を握る手は汗でぐっしょり濡れていた。
「アンタになんか構ってる暇なんか無いんだよ!死にな!」
疾風の如き速さで石を飲み込んだ敵の腹に向けて勢いよく斬りかかった。だが敵もさるもの、両の小太刀を得物で力強く跳ね返す。
それと同時に汗まみれの彩女の両手から小太刀が勢いよく飛び、本堂の闇へと消えた。

ゴッ…!
敵の得物が彩女の腹部をとらえた。
「しまっ……ゲホッ、ゲホッ!」

怨「ほっほっほ、わちの邪魔、すなわち死。しかしただでは殺さぬ!そろそろ貴様にも『わちの子』の力が及ぶ頃ぢゃろうて。ほっほっほ!」

つづく。
307名無しさん@ピンキー:04/09/05 02:31 ID:gCF4/VkE
「あたいとした事がっ!くそっ!くっ…」
怨「そろそろ、ぢゃな……ほっほっほ」
「……?」
彩女の体は徐々に熱を帯び自由が奪われていく感じにおそわれた。
「体が…熱い…」
怨「さっきの威勢はどうしたのぢゃ?まぁ無理もないかの!ほっほっほ!いい気味ぢゃて」
彩女はふと下腹部に異変があるのに気付く。着用していた忍鎧の股の部分から何かが足元へと滴り流れてゆく……。それはとめどなく溢れ、足元に小さな水溜まりを作っていた。
怨「ほっ!盛大ぢゃの!これも呪縛石の力ぢゃ!」
そういうと彩女の忍鎧を強引に剥ぎ取り始めた。
「くっ、やめ…ろ」
胸部の鎧が外れ、形のよい乳房があらわになった。

怨「忍といえど所詮は女よ!ほれ、どうぢゃこうして欲しかったのぢゃろ!?」
彩女は両の乳房を激しく弄ばれ、ますますその秘所を濡らした…

つづく。
308名無しさん@ピンキー:04/09/05 04:07 ID:LxYashy1
つ、続きをっ!!(;´Д`)
309名無しさん@ピンキー:04/09/05 14:25 ID:gCF4/VkE
怨「ほほほ!とんだ淫乱なくのいちぢゃな!こんなに汁を垂れ流してからに!」
そう言うと下の鎧を剥ぎ取り、彩女の艶やかな裸身をあらわにした。
怨「ほっ!中々見事ぢゃて!ほれ、わちの子も天に届かんばかりにそそり勃っておるわ!」
「!!」
もはや常人のそれではないはち切れんばかりに昂ぶった一物が彩女の眼前に在る。
いや、“いる”と言うべきか。彩女の目にはもはや別の生き物に見えた。
怨「ほれ、どうぢゃわちの子は?これをこの穴に挿れて欲しいのぢゃろ!」
そう言いながらいやらしい汁にまみれた彩女の秘部に太い指でなぞった。
「あぁ…いや……だ…」
意に反しどんどん秘部の奥から蜜が溢れる…
彩女を四つん這いにし、そして怨はすかさず猛り狂ったモノを蜜壺に押しあて、そして…

…くちゅ…ズッ…

「ぅあ!あぁぁああっ!!痛ぁっ……!!」
怨は有無を言わさず一尺ぐらいはあろう火柱を彩女に突き立てると、その感触を味わうが如くゆっくりと腰を沈めた。
侵入した一物は容赦無く彩女の中を蹂躙してゆく…。
「…やめ…んっ…うぁぁ」怨「どうぢゃわちの子の味はっっ!」
グチュッ…ヂュ…
淫猥な音が本堂に静かに響く…。
その本堂のはるか上には、もう一つの影があった…。
つづく。
310名無しさん@ピンキー:04/09/05 14:32 ID:gCF4/VkE
ヽ(´Å`)ノふぅ…やっとここまで書けた…。やっぱ神の領域までには程遠い…自分の文章力の無さが恨めしいわい。神職人の偉大さを嫌というほど知らされた…
311ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/05 18:31 ID:GryHOtNk
>306
乙です!続き期待してます!



俺も書かねば…
312名無しさん@ピンキー:04/09/05 18:31 ID:gCF4/VkE
神待ちage!誰か!
313名無しさん@ピンキー:04/09/05 18:49 ID:gCF4/VkE
いえいえ、読ん下さって誠にありがとうござります!新作期待しております!
こっちも続き書かなくては…
314316:04/09/05 23:07 ID:gCF4/VkE
?「くっくっく…これは面白いモノを見たわ。あの石には斯様な力もあるのか……暫し高みの見物と洒落込むとするか…」

ぱんっ ぱんっ

肌と肌が激しくぶつかり、汁と汁が混ざりあう。
次第にそれは激しさを増す
怨「ほほ!快楽を存分に味わった後黄泉路を惑うがよいわ!」

この時彩女はまどろみ薄れゆく意識の中で、ある娘の姿が脳裏をよぎった

「菊……。」

怨「おほっ!出る!出るわ!貴様の中に腹一杯注いでくれるぅ!ぬああぁ!」

びゅ、びゅるるっドプッ!
彩女の秘所にはおびただしい量の白濁が吐き出された…。

…ズルッ
怨「おほ!わちとした事が少々溜めすぎたかのぅ。」
だが怨の一物は全く衰える様子もない。なぜならそれは呪縛石の力の所為である故。魔にはより力を与えるが常人にとっては害でしかない。

怨「さぁて次は“こっち”の穴で遊ぶとしようかの」
?「奴め、まだ戯れる気か…ちぃ」

つづく。
315314:04/09/05 23:16 ID:gCF4/VkE
↑名前間違えた…
(ノД`゚)・。
316名無しさん@ピンキー:04/09/06 01:42 ID:Nffo23mk
今度は後ろの穴でつね(;´Д`)ハァハァ
317315:04/09/06 16:20 ID:EOUpX1cE
(´Д`;)油断したらすぐ過疎化してゆく……早く、早く書かねば…続きを…。後ハンネつけた方がいいですかね?
318名無しさん@ピンキー:04/09/06 18:00 ID:Nffo23mk
付けるべきかと
319O脚王:04/09/06 19:14 ID:EOUpX1cE
これからこのハンネで逝きます(´Д`;)ハァハァ…
320O脚王:04/09/06 21:52 ID:EOUpX1cE
彩女「そ、そこ…は…嫌…嫌ぁ…」

だがもはや彩女に抵抗するだけの力は無かった。

怨「何を言おうが無駄ぢゃ!呪縛石の力からは何人も逃れられぬわ!」

そう言い彩女の後ろの穴を汁で濡れた指で弄ぶ。

「あぁ……ぅ」

怨「ほほ!後ろの穴がわちの魔羅を欲してヒクヒクしておるではないか!ならこれはどうぢゃ?どうぢゃ?」
指を彩女の後ろの穴に徐々に挿し入れてゆく…

ず、ずず、くちゅぅ…
「ふぁぁあっ…あぁ」

尚も奥へ、奥へと入り、侵掠し、彩女は淫媚な声をあげる…
「ん…んあぁ…やぁぁ」

怨「ほほ、そろそろ頃合いぢゃな。こっちの鞘にもわちの宝刀を収めて……」

ヒュンッ!…ズンッ

怨「…へ?」

「!?」
彩女は一体何が起きたか解らなかった…。だが…

怨「あで?わちの腹にぃ…?」

見ると怨の腹には刀が刺さっていた。彩女はその刀には見覚えがあった。
321O脚王:04/09/06 21:58 ID:EOUpX1cE
それこそ東忍流に伝わる名刀“十六夜”。
夜の闇の中、薄暗い本堂の中でも十分に妖しい輝きを放つ。
「力丸!」
本堂の入り口、月の光を背にたたずむ影があった。

力丸「彩女!その刀を取れ!今なら呪縛石の力は押さえられている!!」
彩女は怨の腹に突き立った刀を、思いの限りの力で引き抜いた!
怨「ひぎゃああああああああーーーっ!!!」
「よくもやってくれたねぇ……死になっ!!」

ザシュッ!!……ぶしゅッザァーーー……

怨は首と胴を離され、あたりに見事な血の華を咲かせた…。

力丸「遅れて申し訳ない」彩女「どこ見て言ってんだい…?」
力丸「す、すまぬ…」
彩女「はは〜ん、あんたもあたいの体に興味があるのかい?」
力丸「さぁ城へ還るぞ。これを着ろ。」
そう言うと力丸は上の装束をそっと、彩女にかけてやる。
彩女「ホントは見たいくせにさ」
力丸「……素直になったかと思えば…」
二つの影は闇に消えた……
?「ふん、あれが郷田の忍か…さて、ワシも帰るとするか… 」
得意げに梁から飛び、着地しようとしたその時……。
?「な!?ま、待ー……」
…ずどぉぉーん!

力丸「…ん?今、爆発音が…」
彩女「あぁ、奴との戦いの時仕掛けておいたんだ………“地雷”」

完。
322O脚王:04/09/06 22:08 ID:EOUpX1cE
(´Д`;)うえ〜、やっと終わった…。次は神楽タンの書こうかな…
323名無しさん@ピンキー:04/09/06 22:33 ID:3bmxPG4z
GJ!犯られる彩女より、最後のリッキーとの軽いトークに萌えた俺…ハァハァ

神楽タソキタ─────────────!!!!期待して待ってます!!
324名無しさん@ピンキー:04/09/06 23:07 ID:jpqxQG0r
神降臨しましたね
325O脚王:04/09/06 23:18 ID:EOUpX1cE
御二人共ありがd!
次は神楽タンの書こうと思ってる。そこで参をやりながら資料を探してるんだけど、どのステージが一番神楽タン度が高い?
326名無しさん@ピンキー:04/09/06 23:35 ID:kPpxBofb
神降臨!乙です。
神楽タンが一番喋るのは彩女任務8の鍾乳洞かな。
力丸任務7・8にも出てくるけど台詞少ないし・・・。
327O脚王:04/09/06 23:41 ID:EOUpX1cE
貴重な情報どうも!ではさっそく鍾乳洞に逝ってこよう(´Д`;)待っててね神楽タン…ハァハァ
328ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/06 23:57 ID:pQDyONCu
O脚王サン乙です!
最近ネタがないや゚。(ノД`)。゚

何か書けそうなものがあればいいんですが…うーん
329O脚王:04/09/07 00:46 ID:DesdM9Ft
ウコンさん程の神ならすぐにいい作品の案を思いつくに違い無いです!頑張ってくださいでありんす!

さっそく鍾乳洞逝って神楽タンの観察して来た!さぁどのように描いてゆこうかな(´Д`;)ハァハァ…
330名無しさん@ピンキー:04/09/07 03:04 ID:q5SRHLTA
ぶら下がった神楽タンを百鬼眼で下からのぞくのはたまりませんね
331O脚王:04/09/07 11:44 ID:DesdM9Ft
「いやじゃあああ〜!」
ドサッ

「だらしないわねぇ、もっと楽しませて欲しかったのに……うふふ♪」

闇夜の中、崩れ落ちる見張りの兵を横目に見ながら愉快そうに微笑む女がいる…。
―式神を操る秘術を持つ、天来六人衆が一人“神楽”の姿が郷田領内にあった
神楽「さぁて、次の獲物はどこかしら?私の式神が血を欲しているわ」
天来の命で部下の上忍数名と共に郷田領内の要所を奪う目的でやって来たのだった。
神楽「さぁあなた達、思う存分“遊んで”来なさい」上忍達「ハッ!」
そういうと部下の忍達は方々へ散開してゆく。
神楽「さて、私は天来様から賜った“コレ”を試す事にしようかしらね」
神楽の手には護符らしきものがあった。
式神使いは物質等を媒体に“神”や“もののけ”の如き類を召喚する秘術を用いる。
その護符らしき物も秘術に使われる媒体らしかった。
暫くすると遠くから悲鳴がや叫び声が聞こえた。
「ひ!命ばかりは助け…ぐあーーっ!」
「なんだ!?うわっ!」
「いやだぁーーー!!」

神楽「どうやら始めたようね…いい音色だわ」

聞こえてくる悲鳴に耳を傾けそれを楽しんでいる。
332O脚王:04/09/07 12:27 ID:DesdM9Ft
神楽「あはは!…疼いてきたわ。私もそろそろ遊ぶとしようかしらねぇ……」

手にした護符を数枚上に掲げると、それを空中に放り特殊な印を手慣れた手つきで結ぶ。たちまち辺りは妖しい光に包まれ、護符が人型に近い形を成してゆく。あっという間に数体の一反木綿の様な風体の式神が完成した。頭の部分には呪印らしきものが書かれている。
神楽「なんだ、どんな式神かと思えば普段の私のと変わらないじゃない」少し面食らった様な風に言う。
神楽「まあ、いいわ。せっかく貰ったものだし、使わない理由は無いわね。今宵も楽しい宴になるのは間違い無いのだから」
呼び出された式神達がゆっくりと宙に浮き上がると、主人の神楽の方に一斉に向き直る。
神楽「私の可愛い式神達、餌の時間よ!うふふふ…あはははっ!」
神楽がそう言うと式神達は動きだす

……神楽の方に向かって!
333O脚王:04/09/07 12:35 ID:DesdM9Ft
(´Д`;)やっとここまで来た…ハァハァ。仕事中ずっと妄そ…いや、構想して、やっと書くに至りますた。
>330さっそく試してみよう…ハァハァ。
思えば自分もここの小説を楽しみにしていた者の一人。素人のワシが、まさか自分で書くに至るとは…。
だから皆様も書いてみてはいかがかな?
334名無しさん@ピンキー:04/09/07 12:43 ID:b7c++ylJ
>>333

もしかしたらだけど、生で書いてる?
もしそうだったらワードとかテキストに練習で書いて、確認してコピペがいいんじゃない?
いや、ちょっと気になったもので…     続きに期待
335O脚王:04/09/07 12:48 ID:DesdM9Ft
ありがd(´Д`;)いや、生じゃないです。一応(試行錯誤しながら)ワードで書いてコピぺしてます。
336O脚王:04/09/07 14:31 ID:DesdM9Ft
式神達は一斉に神楽に飛び掛かってきた。

すかさず躱すが次から次へと飛び掛かって来る。
神楽「おのれ、これは一体!?」
神楽はもう一つの秘術である瞬間的な移動術を用いて脱出を計った。
神楽「しまっ…!」
だが移動先付近にいた一体の式神の俊敏な動きによって腕を捕まれ、背後に回られ羽交締めにされる。

神楽「この私の言うことが聞けないか!離せ莫迦者!!」

―その頃…
怪しげな光を放つ水晶玉を以てその光景を伺う者がいた。
天来「斯様な場所、ほんの数人の上忍で十分事足りるのだ。だが敢えてお前を行かせた。お前には“別”の任を与えよう」
337名無しさん@ピンキー:04/09/07 17:37 ID:q5SRHLTA
いーぞガンガレー!
338O脚王:04/09/07 17:46 ID:DesdM9Ft
式神達は数体で掛かり、巻き付き、完全に動きを封じた。
神楽「何故!?天来様!!どうして私が!?」

ビリ、ビリビリ!ビィー!
上半身の服がおもむろに裂かれ、二つの柔らかな膨らみが曝け出されると神楽の顔が紅潮してゆく。
式神にピンク色の突起を激しく刺激され硬さを増す。いよいよ、これから何をされるかを悟ると
神楽「おのれ助兵衛爺ぃめ!謀ったな地獄へ堕ちるがいい!」
と怒り狂い暴れるが、その甲斐もなくたちまち式神達に動き制される。
式神の内の一体が自らの体をねじり、ちり紙で作った大きな“こより”(鼻の奥に入れてくしゃみを出すためにティッシュをねじって作るアレ)のような形へと変化した。それを待っていたが如く、もう一体がぐんっと無理矢理足を開かせた。
神楽「まさか…」
こよりの先が腰巻きの下から侵入しようとする。それが入らぬように一生懸命身をくねらすが…

…ズル、ズズー…
神楽「…!」
敏感な部分に触れ神楽の体をびくっと体を仰け反らせた。尚も下着の隙間から容赦なく挿されてゆく。

ズル…ズル…クチュ…
神楽「ふあっ…あ…ん」
339O脚王:04/09/07 18:35 ID:DesdM9Ft
(´Д`;)今回は資料の少なさで苦戦しております故、も少し待ってね。ハァハァ…
340O脚王:04/09/07 21:04 ID:DesdM9Ft
侵入は淫汁の滑りも助け、止まる事無く、ついには全体が神楽の狭い胎内の中に収まった。
神楽「ぅ…あ…痛ぁ…」
だがそれでは終わらなかった。
神楽「ふあああぁぁっ!!!!あぁ!」突然神楽の腹の辺りが波打つ様にボコボコと動いている
中に入った式神が激しく膣内で蠢いているらしかったのだ。彼女の反応を確かめるかの様にリズミカルに…。
今まで味わったことの無い強烈な快感が神楽の体を突き抜ける。
ぐちゅ、ぐちゅ、と淫猥な汁が飛沫の如く音を起て溢れ出る。
神楽「嫌だ!逝く!逝くぅーーあーー……」

ぷしゅっ…しゃーーーー…
果てると同時に軽く失神し、小便が勢いよく噴出し弧を描く…。膣内の式神は微動だにしないかのは失神した際に術の効果が切れたからだろう。
341O脚王:04/09/07 21:31 ID:DesdM9Ft
放心状態でその場に倒れていた神楽を、要所の制圧を完了して戻って来た上忍達が見付け驚愕する。
上忍其の一「これは一体どうしたというのだ!」
上忍其の二「敵か!?」
上忍其の三「否、待て。これは神楽様が神に使う媒体だ。」
上忍其の一「じゃあ何か?俺達だけ行かせて自分は式神相手に楽しんでたってのか?冗談じゃないぜ」
上忍其の二「なぁ…俺らも楽しませてもらおうぜ?近ごろ女日照りが続いて溜まってんだ」
上忍其の三「そうだな。俺らの苦労は体でねぎらって貰うとするか」
上忍其の一「この生娘のような肌、たまらねぇな!はやく犯っちまおうぜ!」
持っていた手ぬぐいで神楽に目隠しをし、両手を縛った。
342名無しさん@ピンキー:04/09/07 21:55 ID:q5SRHLTA
ぅぉぉおおお!本番はこれからだというのかー!愚息が力つきてしまうー!
343O脚王:04/09/07 22:40 ID:DesdM9Ft
上忍其の一「俺が一番多く敵を始末した。俺が一番手だぜ!」
上忍其の三「じゃあ俺は…後ろからいくかな」
上忍其の二「まったく、お前も好きだなぁ!しゃあねぇ、俺は口で奉仕してもらうとするか」
上忍其の一「それでは各々方、準備は良いかな?」 上忍其の二「おぅ!万端だぜ!」
上忍其の三「行くか?」

上忍三人組「いっせーのーせー………そぉーれ曼珠沙華ー!!」

翌日、近隣の村々では領内の要所が夜襲にあい、陥落した事で、何処もかしこもその話題で持ちきりだった。
村人A「恐ろしい事よな。この村も危ないんでねぇか?」
村人B「あぁ用心しねぇとな、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
村人A「そういや、誰かが妙な事言ってたな。陥落した要所の近くで女の悲鳴さ聞いたってよ。えらく艶のある声だったって話だ」
村人B「そんなことあるわけねぇって」
少女「ねぇ、おじさん」
村人A「おわっ!?びっくりしたでねぇか!いつの間に後ろにいただか?」
少女「その話、詳しく聞かせて」
村人A「あぁいいぞ。昨晩…(かくかくしかじか…)」
少女「おじさん、ありがと!」そう言うと少女は去って行った。
村人B「あんな可愛らしい娘が腰に刀たぁ…それにあの“狐の面”…。」
村人A「人にゃ何かしら事情ってもんがある。ほれ、仕事に戻るぞ」
344O脚王:04/09/07 22:44 ID:DesdM9Ft
(´Д`;)ふぃー!まだまだ続くよ〜。次はあの娘が…ハァハァ
345O脚王:04/09/07 22:56 ID:DesdM9Ft
(´Д`;)言い忘れた!また明日投下します…ハァハァ
346名無しさん@ピンキー:04/09/07 23:02 ID:UV7K5QEA
GJ!!!d(´Д`;)ハァハァさせてもらいますた。
347名無しさん@ピンキー:04/09/07 23:02 ID:LzhL4nsC
>>342の愚息「……………」

へんじがない… ただのしかばねのようだ
348O脚王:04/09/08 11:43 ID:Q3JGeOiZ
>346(´Д`;)サンクス!
349O脚王:04/09/08 15:40 ID:Q3JGeOiZ
村を抜け、少女は野を疾駆する。昨晩、謎の忍達に襲撃された領の要所へ向けて…。

類い稀なる忍の才を併せ持つ少女。持ち前の素早さで半刻も経たぬ内に目的の要所へと倒着する。
辿り着いた先は敵に焼かれ、廃墟と化していた。少女はそれと同じような光景を見たことがあった。仲間の裏切りにあい、焼かれ、灰と化した生まれ故郷を…。
目の前のそれは確かに廃墟ではあった。襲撃により近隣の人間は怖れ誰も近づこうとはしなかったが“元忍”の勘が何かを察知した。
少女「……いる。」
辺りの様子を慎重に探りながら奥へと進んでいく…。
少女「…!」
耳を澄ませると微かに話声が聞こえる。
上忍其の一「なぁ、あれから何発犯ったんだ?」
上忍其の二「俺か?俺は五回だ。そっちは?」
上忍其の一「俺は七回だ。俺の勝ちだな」

少女は気配を殺し徐々に距離を詰めてゆく。距離にして約一丈。壁に張りつき始末する機会を伺う。

上忍其の一「また今晩も楽しませて貰うとするか」

ヒュッ

上忍其の二「あぁ、じっくりと……なはっ!?」
ぶしゅうううぅぅぅっ
喉元が裂かれ鮮血が勢いよく噴き出す。
上忍其の一「な、何っ……ひゃっ!」
もう一人の上忍の額には真っすぐに刀が突き立てられた。がくがくと身体が揺れながら崩れ墜ちる。
350ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/08 15:41 ID:q5RzrGOV
O脚王サン!!GJ!!
凛で書いたことないから、凛ネタ書いてみようかと目論み中です。
誰か良いシチュ教えてください(;´Д`)
351名無しさん@ピンキー:04/09/08 15:55 ID:DFkMLZ3n
>>350
黒屋屋敷に潜入した時に捕まってしまい
彩女ともども拷問部屋逝き・・・・なんてのはどうでしょうか?

あの部屋に転がってた、太い棍棒?が気になる今日この頃・・・
352O脚王:04/09/08 16:28 ID:Q3JGeOiZ
少女「…ふぅ。」
一息つくと竹の水筒の中身を一口ごくりとやる。
それが終わるとさらに奥へと素早い動きで、なおかつ慎重に進む少女…。

何人斬っただろうか…。 彼女の通った道には骸しか残らない。後は骸に成った忍達を束ねていた頭を始末するだけで“依頼”は達成される。
少女「…こっちかな?」
気配を読み、少女が行き着いた先は牢が並んだ少し狭い通路であった。
少女「あれは…」
並んだその牢の一つにボロ雑巾の如く横たわる女の人影が在る。口には猿轡、腕には手枷がつけられてある。それにほぼ全裸に近い状態で、あちこちに白濁の汁が付着していた。
少女「ひどい……大丈夫!?しっかり!」
少女は急いで駆け寄ると抱き起こしてやる。
少女「今外してあげるからね」
以前にも似た状況に出くわした事もあるのか、慣れた手つきで手枷を外す。
少女「もう大丈夫だよ、安心して」
353ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/08 16:52 ID:q5RzrGOV
>351
それで書いてみます。
あ、彩女は居ないかもですが(;´Д`)
354O脚王:04/09/08 17:05 ID:Q3JGeOiZ
倒れていた女は気が付くと少女を見た。

少女「 私は“凛”っていうの。こう見えても“始末屋”なんだ。内緒だよっ」
上忍達を全員抹殺したとは思えないくらい朗らかに喋る。
凛「あなたの名は?」
女「……神楽」
凛「そっかぁ、良い名前だね!」
一瞬だけ、昔姉のように慕っていた女の顔が浮かんだ
凛「ところで聞きたいことがあるの」
神楽「……何だい?」
凛「あの忍達には“頭”がいなかった?私はそいつを討ちに来たんだ」
神楽「……えぇ、“いる”かもしれないけど逃げたと思う」
そう言うと神楽の目つきが怪しくなった。
凛「逃げたにしても、まだそう遠くには行ってないはず!急いで追い掛ければ…」
神楽をおんぶし、身体を翻し、元来た道を戻ろうとした時…

凛「身体が…動かない?」神楽「あぁ、お凛ちゃん…追い掛けても多分無駄よ。頭は……“私”だからね」
355O脚王:04/09/08 17:54 ID:Q3JGeOiZ
凛「そんな…なぜ…?」
神楽「私だって被害者よ。訳もわからぬ内に手下に姦されたんだからねぇ…」

神楽の放った術がみるみるうちに凛の動きを封じる。
凛「畜生…身体の力が…」神楽「あなたには感謝しているわ。でも敵の頭である私を討つと言うならやってみせて頂戴。私の金縛りの術を解いてね…。出来るかしら始末屋さん?うふふ、あーっはっはっは!」

凛「何…を…」
動けない凛の身体の上にゆっくり腰を掛けて云う。

神楽「言ったでしょう?感謝してるって。だからせめて、あなたを殺す前に“楽しい”事をしてあげるの。こうゆう風にね…!」

そう言うと上着の裾から手を差し入れ、凛の熟しきれてない“ふくらみ”乱暴にを弄り始めた。
凛「痛っ、痛…い!や…めて…」
神楽「生意気にも感じるんだねぇ、ガキのくせにさ。ここが勃ってるのが証拠だよ」
凛「あぅ…ん…はぁあ…」ふくらみの上に在るより敏感な処をこねくり回されると、意に反して甘い声が漏れてしまう。
神楽「さぁ、あなたも産まれたままの姿になって一緒に堕ちましょう?」
356O脚王:04/09/08 18:39 ID:Q3JGeOiZ
神楽は生気に満ちた肌を舐めるように観察しながら時間をかけて一枚、また一枚と凛の身に付けていた衣服を剥いでいった。

神楽「今のあなたは私の欲望を満たす最高の“式神”よ」
そう云い凛の乳首に吸い付き貪る
緩急をつけて噛んでみたりじらす様に舐めたり…
実に淫媚な光景であった…
凛「…駄目ぇ…はぁ…はぁ…」
神楽「感じているのね……ならもっと良くしてあげるわ」
神楽の手がゆるりと凛の敏感な処へと差し伸べられてゆく…

…くちゅ……くちゅっ
凛「ふあぁっ!」

神楽の人差し指が膨れあがった突起を刺激し、中指がまだ未発達な孔のまわりを愛撫する。

くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ…
動きは次第に速くなり、凛の秘所からは淫らな汁が奥の方から溢れてとまらない。
神楽「いくよ…」
凛「んんんっ!!」
穴のまわりを撫でていた中指は次第に凛の中へと埋まってゆく…
凛の身体はびくっと仰け反り美しい弧を描くかの様。それに伴い凛の中を探る指をきつく締めあげる。
ゆっくり、ゆっくりと…

357O脚王:04/09/08 20:36 ID:Q3JGeOiZ
凛「〜〜〜!」
凛のあげる声はもはや言葉にならず、膣中を探れば喘ぎ声をあげるだけの淫奴と化している。

神楽「いい哭き声をあげるのね、でも自分だけ楽しむなんてずるいよ…」
指を抜き、凛の足を掴み股を広げさせる。
そうして彼女は自分の花弁を凛の十分すぎる程に潤った花弁へと重ねる。

くちゃくちゃ、ぐちゅ!ぐちゅ!
神楽「逝こう?ね、一緒に逝こう!?」
凛「〜〜〜!!!」
互いの秘部は激しくぶつかると紅色に染まり、穴の奥からむせるかえる程の女の匂いを立ち上らせる。
そして………。

神楽・凛「うぅぅ!逝くーーーー!!」
…………。
358O脚王:04/09/08 20:40 ID:Q3JGeOiZ
神楽「決めたわ……あなたは私のモノ、誰にも渡さない!誰にも!たとえそれが天来…あなたであっても」
…ズッ
神楽「………あ?」
神楽は視た。自分の胸から刄が突き出ているのを…。
ぶしゅうううぅぅぅー!
神楽「あぁ…私の…血が…流れていく…こ、これじゃ…死んじゃうじゃないか……凛んん…地獄で待ってるよ…ふふ…ははははははは……は」
?「……成仏しな」
突き刺さった小太刀を抜き、一振りすると華麗に腰の鞘に収めた。
?「凛、大丈夫かい?」
凛「……彩女……さん?」彩女「ああ、そうさ。あんた生きてたんだね」
凛「うん、何とかね」
久しぶりの再開に少し照れてる感じでいう。
彩女「あ、いけね!そういやあたい、外で人を待たせてあるんだ。そいつがまた“するめイカ”みたいな奴でさぁ!」
凛「えぇ〜変なの〜!!
……ん?するめイカ…?」どこかで聞いた事がある気がしたが別に気にも止めなかった。

吉五郎「ハァックショイシバーロー!!イカん………風邪引いちまったかな?」
完。
359O脚王:04/09/08 20:45 ID:Q3JGeOiZ
(´Д`;)やーーーーーーーーーっと終わったあぁぁっ!…ハァハァ…疲れた…。
ウコンさん、新作を書くのですね!?禿しく期待!待ち遠しいですハァハァ…
360名無しさん@ピンキー:04/09/08 20:57 ID:wGwLpVYD
神キタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!
激しくGJ!!とてもツボにきますた(;´Д`)ハァハァ
361ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/08 22:25 ID:q5RzrGOV
O脚王サン、GJ!!
スルメイカにワロタです。ビアンネタも良いですね…

期待にそえるかわからん駄作な悪寒します…そして短いです…多分(;´Д`)
362O脚王:04/09/08 22:34 ID:Q3JGeOiZ
>360>361
(;´Д`)ありがdありがトーン!また近々新作をうpしたいと思います。
ウコンさん、楽しみにうpうpを待ちます!
363O脚王:04/09/09 10:38 ID:jJtIytZx
(;´Д`)誰かうpしないかなぁ…ハァハァ…早く読みたい…
364名無しさん@ピンキー:04/09/09 18:01 ID:KzYgAqIl
なんかお前ら見てると天誅やってる奴ってキモデブ・オタクが多いんだろうなと思って鬱になってくる。
365名無しさん@ピンキー:04/09/09 21:41 ID:zPrC6XEJ
>>364
あぁ自己紹介か、お疲れ。



漏れ釣られたのかw
366名無しさん@ピンキー:04/09/09 22:52 ID:yQUHUk/a
神降臨しまくりだなこのスレは
367O脚王:04/09/09 22:55 ID:jJtIytZx
>365
>364はゲーム板から来た香具師のコピペらしいので普通にスルーしましょう。
368名無しさん@ピンキー:04/09/10 01:14 ID:mlwrSSD+
今、「松紳」で松っちゃんがはまってるって言ってた。
369O脚王:04/09/10 11:50 ID:yvV/BNVG
>368それは天誅に、ということ?
370O脚王:04/09/11 20:35:19 ID:U7UzEvhd
一応ageときます
371ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/12 14:15:39 ID:k3n5REKw
やっと書き終わったぁぁああ…(;´Д`)うp始めます…

ちなみに松っちゃんは天誅ファンですよ。
372ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/12 14:15:56 ID:k3n5REKw
もう半時程経っただろうか。
凛は重い頭を上げて、自分のおかれている状態を把握し始めた。
那須暗殺の為に黒屋屋敷に侵入して、確か足を滑らせて天井裏の薬倉庫から落ちたんだ。
凛はゆっくりと辺りを見回す。
蝋燭に灯された部屋は正方形に近く、床には何か太い棒が落ちている。出入り口は無かった。
刀を探すも、あるわけがない。
凛はふらつきながら立ち上がり、呆然と天井を眺めた。

「どうしよう」

凛が呟くと同時、天井が開かれて、禿親父が降りてきた。凛はその姿を見たことがあった。

「あんたは那須…」
「粋の良い生娘は久々というものよ」

那須はゆっくりと凛に近づいてくる。その顔の醜いこと。凛はいやらしい笑みを浮かべた那須を見て、眉間に皺を寄せる。

「ち、近づくなっ…」
「何を言っておる〜抵抗することはない、気持ちよくなると思えば良かろう〜」

那須の手が凛の着物にのびる。凛は振り払おうとしたが、いつの間にか背後にいた能面の始末屋に腕を引っ張られ、手枷をはめられた。

「これで抵抗できぬよ…」

那須のねっとりといやらしい動きをする手は、凛の着物の上から小振りの胸を包んだ。
373ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/12 14:16:13 ID:k3n5REKw
「やめっ…」
「小さくとも胸は胸よ…」

那須は胸を揉みしだきながら、着物をはだけさせた。桃色の乳首を指でこねくり回すと、凛の身体は脈打った。

「良い反応…期待できるよのぉ」

那須は見悶えする凛の右脚を持ち上げ、腰巻きを無理矢理引き剥がした。秘所が晒される。

「やああっ…何す…」
「こんなにしておきながら、何をするか判らないわけあるまいに…」

凛の秘所はぬらぬらと蝋燭の火で照らされていた。一気に凛の頬が赤らむ。

「いざ、極楽ぅ〜!」

那須は自分の太い竿を取り出し、其れを凛の秘所にあてがう。凛は身を捩って抵抗するが、もはや那須に犯されていく道しか残っていないようだった。

グプ…

「い、やああぁぁ…!!」
「堪らぬよ…生娘の締まりは…」

那須は凛の身体の心配一つせず、無理矢理凛の中へ竿を押し込んでいく。その上、限界まで膨れていたかと思わせた竿は、またみるみるうちに膨らみ出した。

「ひ、はぁっ…!!」

全く慣らされていない秘所は、ぎちぎちと那須を締め上げる。処女の凛に、その痛みはまさに生き地獄であった。後ろから、能面の始末屋が堅くなった凛の乳首を、指でいじり回し始める。
374ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/12 14:16:27 ID:k3n5REKw
「ああっ…あんっ…」
「気持ちええのんかぁ…?」

那須は凛の右脚を舐め上げ、にたりと笑った。那須は凛の奥手前まで来ている。しかし凛は抵抗する余地すらないようで、能面の始末屋の肩に寄りかかり、息を切らしていた。遂に、凛の奥に那須は一気に押し入った。

「んあああっ…!!」

那須の勢いは止まらない。凛の奥を何度も突き貫くのであった。突き貫かれる度に、凛の秘所はいやらしい水音を発する。

ぬちゅっ…ぬちゅっ

次第に腰の揺れと喘ぎが激しくなっていき、乳首をいじる指も早くなる。

「あぁ…あ、あ…んっんぁん…」

ふと、凛は太股に異物を感じた。其れが何かを確認した時には、既に其れは凛の中に押し込まれていた。
激しい痛みを伴い、凛の中に入ってくるのは、能面の始末屋の竿だった。前も後ろも凛の穴は塞がれた。

「ひ、いぁぁ…っ!!」

那須と能面の始末屋が、激しく揺れる。揺れる度に結合部から粘液が滴り落ちた。

「ふ、はぁっ…はぁん…っ」
「もう…出してもええかぁ…?」
「!!や…中は駄目…っ」

凛が抵抗しようとするも、二人に挿入されている身、無駄な足掻きとなった。
375ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/12 14:17:00 ID:k3n5REKw

どぷっ…

「んああぁぁ…」

凛の力が一気に抜ける。那須と能面の始末屋が竿を引き抜くと、穴から二人の欲望に満ちた白濁液が溢れた。
凛を乱暴に横たえさせると、二人は乱れた着衣を整えて、立ち去ろうとした。凛はそんな二人を呆けたように眺める。那須はそんな凛を見遣り、見下すように笑った。

「明日も、しっかり締めるんだよ…」



凛の地獄は、始まったばかりである。
376ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/12 14:20:39 ID:k3n5REKw
これで終わりです(;´Д`)
書きたかった太い棒ネタは…消えましたorz
那須の口調は適当です…
あといつもストーリー性が無くてすいません…
377O脚王:04/09/12 15:05:03 ID:TcsjDvP/
ウコンさんGOOOOOD!job!
(*´Д`;)bハァハァ…久しぶりなんで嬉しいかぎりでした!次回も期待しておりますゆえ!
378名無しさん@ピンキー:04/09/13 15:22:05 ID:0oz5HHeI
ウコン神ゴッジョブ!












ウコン神ゴッジョブ!!

379ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/13 22:02:21 ID:CmFgUNd2
ゴッジョブですか(*´Д`)
じゃあO脚王サンは神を凌駕しましたね…

書いたことない人とかも、この機会に書いてみてホスィ…
380名無しさん@ピンキー:04/09/13 22:15:37 ID:h59Uw8ZB
誰か!誰かおらぬか!?小説を書いてくれる者は!?
ウコンさん、私はトーシローです。まだ下忍です。
(´Д`;)ハァハァ…
381名無しさん@ピンキー:04/09/14 14:24:58 ID:xgQZ/c5u
あれ那須が盲人という設定は無視?
382名無しさん@ピンキー:04/09/14 14:31:46 ID:2V5Y/Eew
那須は盲人のふりをしてるだけ
383名無しさん@ピンキー:04/09/14 15:10:13 ID:xwbCtHy1
たけしかよ!
384ウコン ◆egoISMxcr2 :04/09/14 18:12:59 ID:dWXDOQFt
ああああぁぁぁ…orz
普通にその設定忘れてました…(;´Д`)



修業逝ってきます…゚。(ノД`)。゚
385名無しさん@ピンキー:04/09/14 20:24:35 ID:nrTAHjcW
鉄舟と凛の始末屋コンビでエロいSSを書く兵はおらぬか!?
妄想ばかりが先走って文章が全く纏まらぬのじゃ!゚。(ノД`)。゚

神降臨きぼんぬ…orz
386名無しさん@ピンキー:04/09/18 23:25:34 ID:fJN+Xooy
凛、義経英雄伝に出るんだね。
驚いたよ…
387名無しさん@ピンキー:04/09/18 23:33:34 ID:QvMey8bP
義経英雄伝?
388名無しさん@ピンキー:04/09/18 23:50:38 ID:Q64katUv
389名無しさん@ピンキー:04/09/18 23:59:07 ID:xxjqjsYT
フロムの新作>義経英雄伝。
天誅の凛が参入って今週のファミ痛に載ってた。


って、時代あってないんじゃ。
どうやって絡ませるつもりなんだろ。
390名無しさん@ピンキー:04/09/19 19:23:41 ID:kYt0qD45
>>389
まままままじか、うpうp!うpキボンだよ!!
391名無しさん@ピンキー:04/09/20 02:34:45 ID:TITfDR4S
>>390
立ち読みしただけで、しかも出ると決まったばかりみたいだから
あまり詳しくはわからんが、凛自体を戦闘部隊に組込みになるのかな?
しかし源平モノに凛を組込む意図はちょっと?だったが。
392名無しさん@ピンキー:04/09/20 12:34:22 ID:5jdv641j
本スレにカキコしたときは見事なまでに無視された・・・>義経
393名無しさん@ピンキー:04/09/22 20:52:43 ID:BUD6oKql
ageとこ。
394名無しさん@ピンキー:04/09/22 22:05:11 ID:n/ZLdhX1
age
395名無しさん@ピンキー:04/09/22 22:54:28 ID:iC3/lQGN
力丸×彩女はないものか…
396名無しさん@ピンキー:04/09/23 08:05:43 ID:ONONYtEf
>>392
そりゃそうでしょ。
本編は戦国時代末期〜江戸時代初期を想定しているみたいだからねぇ。
(天誅参と紅は「必殺シリーズ」を元ネタに使用している様だ)
397ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :04/09/23 11:05:03 ID:aE7zbpH3
暫く見ない間に盛り上がってますね〜。
職人さん達乙です〜♪
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )   いいから兄者も早く書けよ。
     ( ´_!_` )  /   ⌒i   
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

398名無しさん@ピンキー:04/09/25 11:49:33 ID:TfAKxQDL
おお!ぽぽ者殿!!
お暇が出来たら次回作投下宜しくお願い致します!!
399ウコン ◆egoISMxcr2 :04/10/05 17:37:39 ID:JSnmPfpZ
修行してきましたが、過疎化してますね…
まさに里をやられた凛の気分orz
400koi:04/10/05 17:41:27 ID:empX/DGK
400
401名無しさん@ピンキー:04/10/08 16:12:17 ID:yQ90CwWq
召集をかけられれば我等いつでも集まる所存!(`・ω・)つ
402名無しさん@ピンキー:04/10/11 02:42:46 ID:0EsMb8dj
age
403名無しさん@ピンキー:04/10/14 00:43:27 ID:vTpeKYqe
保守!
404名無しさん@ピンキー:04/10/14 06:37:36 ID:eyd67NPX
野郎ども、そろそろエロ絵投下のタイミングが来ましたよ(´д`*)
405名無しさん@ピンキー:04/10/18 21:24:20 ID:rQTPYq4V
神が降臨した貴重な文化遺産が消えてしまう!どこぞのサイトの方、全て保管してくれまいか!なくすには惜しすぎる!
406名無しさん@ピンキー:04/10/19 14:20:27 ID:x1XM4uoP
>>405
260 にエロパロ板の保管屋さん来てたから、頼んじゃおうよ。
別にここを仕切りたいわけじゃないけど、消えたらやだしね。
嫌なひと居ますか〜?
407O脚王:04/10/19 20:41:33 ID:RrliSJWD
自分の恥ずかしい小説でもかまわないなら全然OKですよ!
408名無しさん@ピンキー:04/10/26 01:23:45 ID:k1vrPB0C
勃起age
409名無しさん@ピンキー:04/11/05 01:36:13 ID:7C061EZ4
保守age
410名無しさん@ピンキー:04/11/05 21:46:28 ID:nzhKO5xU
鬼陰×彩女
彩女が鬼陰に犯されるのをきぼんぬ
411名無しさん@ピンキー:04/11/09 13:00:02 ID:7sqeMCSE
(´・ω・`)
412ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/12 22:58:01 ID:eGe5QIMz
お久しぶりです。
何だか過疎化酷いですね…
力丸×彩女でも書いてみます。エロなしかもですが…
413名無しさん@ピンキー:04/11/13 00:39:38 ID:r7T5mYrS
最近このスレの存在を知った者です!
ウコンさんの最高です
是非力丸×彩女お願いします!!
414名無しさん@ピンキー:04/11/13 22:11:12 ID:r7T5mYrS
期待age
415名無しさん@ピンキー:04/11/16 01:21:58 ID:8BPQDTdm
神楽がエロすぎる‥ちっちゃいのにタイトなミニでムチムチ…最高だ‥もー最っ高だよ!
ここは死んでるのか?だれか神楽をいぢめてくれー!
416名無しさん@ピンキー:04/11/16 01:34:36 ID:ztLbTd6p
>>415
レスを遡れ。神楽のあるから!
417ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/21 18:17:36 ID:0Z73NfdZ
書き終わりましたが、エロ無しです。
場つなぎ位の奴なので、次の方、投稿お願いしますorz
418ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/21 18:17:50 ID:0Z73NfdZ
其処は風が靡いていた。
枯れた笹の葉が舞い、黒く焦げた家々の上空を流れて、ゆっくりと空に飲み込まれていく。

「………」

家々の中で、一番高い崖の位置に建つ家の前に一人、彩女は立っていた。
其処から見える世界は、些か懐かしさと悔しさを思い出す。

「………あたい、どうして此処に…」

日も落ちぬ昼間に、黒づくめの女が、廃墟に一人でいたら、至極怪しい。
しかし、彩女を怪しむ人は此処には居なかった。居たのは、

「彩女」

物陰から姿を現す力丸のみであった。彩女は力丸の姿に目を丸くした。
419ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/21 18:18:53 ID:0Z73NfdZ

「アンタ、尾いてきたのかい…無言でついてくる男は嫌われるよ?」
「…一言多いぞ」
「あたいは事実を述べただけ」

力丸は銀髪を軽く掻くと、彩女の傍に歩み寄った。

「彩女が居なかったから心配してきたのだが…無用だったようだな」
「当たり前。アンタに頼るような人柄じゃないの位、付き合い長いんだから分かるはずだろ?」
「…まぁな」

また、風が靡いていた。
今度は強く。耳元で風音がする位。
彩女は唇に塩っぽさを感じて、慌てて力丸より一歩前に出た。
どうしてだろう?
どうしてこんなに胸が軋むのだろう?

「彩女、こっちを見てみろ」
「やだね」
「…彩女」
「五月蝿いね、女の要望には応えようとしなよ…」
「いいから、見てみろ」

420ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/21 18:19:36 ID:0Z73NfdZ
力丸が頑固にも言う。これはわかってて言ってる最低男なのか、全くわかっていない阿呆男なのか。彩女は振り向きざまに瞼を擦り、力丸を見遣った。

「いい加減…!?」



近い。
力丸の顔が霞んでて見づらかったが、唇から塩っぽさは無くなり、何かが触れている感触を感じ取った。

「!!」

彩女は重ね合う唇に動揺した。
慌てて力丸を突き飛ばすと、また眼下に広がる廃墟を見下ろす。

「…何するんだい、助平」
「嫌か…?」
「嫌さ」

彩女は唇を拭うと、空を眺めた。雲の向こうに、愛おしい兄様の顔が浮かぶ。もう会えない場所で、兄様は何をしているだろうか?

「龍丸を忘れられないのか…」
「…ッ!そんなこと…」

あるに決まってるだろ。
彩女は「たつまる」という言葉を聞く度、胸が苦しくなる感じがした。
421ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/21 18:20:21 ID:0Z73NfdZ

「…龍丸はもういないの位わかってる…けど、あたいはまだ…」

まだ好きだった。
まだ好きでいたかった。
だから力丸を好きになれない。
そんな理由で振られる力丸が可哀想だと、振る側の彩女が思うほどだ。
それでも、いない人を想いたかった。

「まだ、好きか…」
「ああ、この想いは変わらないさ」

はっきりとした言葉に、力丸は少ししかめ面である。

「そこまで好かれる兄者が、羨ましいな…」

力丸は呆れたように溜息を吐くと、何処かヘ歩きだした。
また一人の廃墟。
風が同じように靡いていた。

「あたい…忘れたくないけど…」

ゆっくりと力丸の去っていく後ろ姿を眺める。

「忘れるときが来るんだろうな…」

力丸の背中を見ると何時も思う。
次第に龍丸の姿が霞んできていて、力丸の姿は色濃くなってきていると、彩女は感じていた。

彩女はふっと空を見遣ってから、力丸の後に続いて立ち去った。
422ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/21 18:21:37 ID:0Z73NfdZ
い、以上です…
すいません、めちゃくちゃですorz

オナゴの考えそうな話になりました…
423O脚王:04/11/23 00:17:49 ID:7rBCTUHJ
「彩女VSプレデター」

東忍流の敵は忍や野盗に限らない。必要とあらば“妖怪”も相手にする。領内の民を脅かす存在は全て敵なのだ…。

この青き星に“それ”はやってきた…


郷田からの任務を終え、颯爽と森を駈ける影がある

彩女「すっかり遅くなっちまった…ん?」

奇妙なものが見えた。木にぶらさげられ、皮を剥がされた人間の死体…

彩女「なんだいこりゃあ…非道いね…」

ガサ…

彩女「!」

不意に葉と葉が互いに擦れ合う音が近くから聞こえ、彩女はとっさに木の影に隠れ辺りの様子を伺う…

ざわ…

彩女「そこかい!?」

シュッ…カッ、カカッ!
彩女の放った手裏剣が勢いよく空を切り裂き、見事に並んで樹木に突き刺さる。
彩女「…ちっ!確かにそこに……ぐっ!」
突然に背後から体に強い衝撃を受け、彩女は意識を失った。
失せゆく意識の中、一瞬だけ異形の化け物の姿が見えた様な気がした。
424O脚王:04/11/23 00:19:18 ID:7rBCTUHJ

彩女「……ん……ぅ………はっ!!!…ここは…?あたしは…?」
だが彩女は自分の置かれている状況を見て驚愕し、顔を紅潮させた。
衣服という衣服を全て剥かれ、一糸纏わぬ姿で、しかも四肢はワイヤーのようなものでそれぞれ別の木に括りつけられている。ぴんっと体が「大の字」を描いている。身動きもできようはずもない。
彩女の顔を紅潮させたのはもちろん裸であった、という理由でもあるのだが、さらに股は大開きになっていて秘所が露である事が一番の理由であろう。ひどく淫靡な姿だ。

彩女「くそっ!」
必死に体をふるわせ脱出を試みるがそれも能わず。

ザッ

彩女「!……なんだいありゃあ…?」
歩くような物音がする方へ、かろうじて自由な首を片向けた。

?「ヴシュルルルルゥゥ……」
彩女「!……妖怪…?」

目の前に不気味でいびつな形をした鎧を装着した巨躯の“何か”が姿を現した。
425O脚王:04/11/23 00:24:19 ID:7rBCTUHJ
ウコンさん乙!

さぁて、とりあえずゲリラうpしてみたわけですが…う〜ん…(*´Д`)

426O脚王:04/11/23 01:12:08 ID:7rBCTUHJ

彩女「……(妖怪か?鬼陰の手下か?異人か?いずれにしてもマズいことになったねぇコリャ…)」
目の前にいる“それ”に全神経を集中し、考えを巡らす」

?「フシュー、フシュゥゥゥ」
彩女「…(息が荒いねぇ…ま、どうせあたしの裸見て興奮してる、てとこか。さかりやがってさ。それよりどうする?)」

?「シュウウウウウウ……ヴルル」

“それ”は彩女に近付き、彼女の引き締まった美しい裸体を舐め回すように観察し始めた。

彩女「ちょっとアンタ!どういうつもりだい?何が目的だ」
その言葉に反応して彼女の顔を少し見たが、無視する様にまた肢体へと顔を向ける。じぃーっと凝視している様子だ。マスクから漏れる吐息らしきものが彩女の肌に触れるくらい近距離でじっと見ている。

彩女「…(無視かい)」

しばらく静観していたが不意に異形の者の右腕が彩女の胸のふくらみへと伸びる。
彩女「…んっ…!」
ビクッと体が無意識に反応してしまう。
爪の鋭い人差し指で肌を押してみたり、その頂きにある敏感な突起をこねくり回してみたり…
427名無しさん@ピンキー:04/11/23 13:59:50 ID:AXv8uWxK
ウコン氏もO脚王氏もGJ
428O脚王:04/11/23 14:09:12 ID:7rBCTUHJ
>>427ありがd(*´д`)
まだ続きます。

いつの間にか寝てた……もう年かも…ハァハァ
(プレデターはマズかったかしら…)
429ウコン ◆egoISMxcr2 :04/11/23 17:12:08 ID:nOixdqR1
>427もO脚王さんもdクス。
そしてO脚王さんの新作もGJ&期待!
430O脚王:04/11/23 17:32:53 ID:7rBCTUHJ
ヽ(´∀`)ノウコンさん久しぶりです!ハァハァ…。ここもずいぶん過疎がひどいですね(汗)でも頑張っていきましょう。
あ、続き書かねば…ハァハァ
431名無しさん@ピンキー:04/11/23 20:37:52 ID:INxgEzfj
プレデターを思い出した
432O脚王:04/11/25 23:34:52 ID:0CndV6Tp
あぁ忙しい…しばらくうpできそうにないです…
(´・ω・`)
433名無しさん@ピンキー:04/11/26 04:05:25 ID:/BghIGT3
握りしめて待ってます
434O脚王:04/12/02 23:26:14 ID:SOFJ3Gqs

彩女「く…あんたどうゆうつもりだい……ぅ…」

異形の怪物は彩女の胸をまさぐる手を止め、鎧の腰の小物入れらしき物から直径2aくらいの大きさの球体の物質を取り出した。
そして彩女の秘裂を指で押し拡げそれをあてがう。

彩女「くぁっ…何すん…ふあああぁぁぁ!」

怪物は球体を少しずつ、ゆっくりと彩女の膣へと挿し入れてゆく。

彩女「くっ…んふ…うぅ」必死に耐えるものの、意に反して声が漏れてしまう。
怪物は膣の奥まで球体が入ったのを確認し、腕に装着した端末らしき物を手慣れた手つきで操作する。
次の瞬間…

彩女「!!??ふぁぁあああああああっ!!!!」

彩女の腹あたりの肉がブルブルと小刻みに振動し波うっている。
彩女「あががががががが!!うぎぃっいひぃぃぃいいいあああ!!」
彩女に挿入された球体物質が端末の操作によって中で暴れだしたのだ。
あお向おけに縛られた体を目一杯仰け反らせ、激しく押し寄せてくる快感の波で彩女は悲鳴を上げた。
435O脚王:04/12/03 22:35:37 ID:fc4FvCrk

彩女「うぁぁぁあああ!!や、やべでぇぇぇ!んあぁああ!ふぁあっ!?」

プシッ…プシャァァアアアアッ
彩女「ヒギッ!?」

たちまち秘所から大量の愛液が堰を切ったように吹き出し、辺りの地面にパラパラっと撒き散らされた。

いきなりの過度刺激に耐え切れずに大量の潮を吹いて達してしまったようだ。

それを確認して異形の怪物は端末を操作し、彩女の中の球体はピタッとその動き止めた。

彩女「…あ…うぁ…あぁ」彩女は体をビクッビクッと痙攣させながら力なくうなだれる。股間からはいやらしい汁を滴らせて…。

怪物はまた道具入れをごそごそやって何かを取り出そうとしている。
436O脚王:04/12/03 22:39:54 ID:fc4FvCrk
うp遅くなってしまって、なんかグダグダになってしまいました…(´・ω・`)
_| ̄|○
忙しくて疲れる…
437O脚王:04/12/03 22:42:07 ID:fc4FvCrk
あっ、まだ続きます(汗
へたれですまぬ…
438名無しさん@ピンキー:04/12/03 22:46:03 ID:TtTeH6vA
プレデターですか〜GJです
自分もエイリアンで書いてみようかな〜
439O脚王:04/12/04 21:48:53 ID:VlRWTIUv

彩女「…ハァ…ハァ…何が…目的…だ…?」
息も切れ切れにどうにか声を絞り出す。

怪物「ヴシュゥゥゥゥ…ナニガモクテキダ…?」
彩女「!」
怪物「オマエハニンゲンノメス ナノニナゼタタカウ?」
彩女「…物の怪にゃ分からないさ(もののけのくせに喋れるのかい…)」
怪物「強イモノヲ狩ルノガ我々ノヨロコビ 目的…ダガメスハ狩ラナイノガ我々ノ掟」
彩女「じゃあ、アタイをどうしようってんだい?」
怪物「メスナノニ強イオマエニ興味ガワイタ ワガ星ノ研究ニ役立ッテモラウゾ…」
そう言って取り出したのは先端が丸い太さは2aはあろうロッド。その先端が彩女の下の穴…肛門に触れる。
彩女「そこは…!!や、やめ…」
ロッドのひやっとした質感と、何をされるかという恐怖で彩女の顔をひきつらせた
…メリ…メリメリ…
彩女「ひぎっぐ…ぅあ…あああ」
ロッドが徐々に彩女の後ろの穴を貫いてゆく…
440名無しさん@ピンキー:04/12/05 08:10:34 ID:O80brdoa
いーよいーよ〜
続けて続けて〜
441O脚王:04/12/07 21:53:03 ID:/22hwXJx

彩女「かはっ…あ…あ…」後ろの穴に無理矢理にロッドを突き立てられ恐怖と痛みで油汗が滲み、頬を伝って地面に零れ落ちる。

怪物「痛イノハ分カッテイルゾ サッキミタイニ泣キ叫ンデ暴レテミロ ソノホウガオモシロイカラナ」
彩女「…く、だれがあんたみたいの思い通りに…」
怪物「ホウ、ナラバコレハドウカナ?」そう言うとロッドを持つ手を勢い良くひねり、彩女の直腸を掻き回した。

彩女「!!!ぅぎっ…ぐ…う…」
怪物「ソレ!」
そのままロッドの全身が隠れるくらいまで一気に突き挿した。
ズグッ…
彩女「…っ…!」
今ので入り口が切れたようで、つぅっ…と鮮血がロッドを伝ってぽたぽたっと滴り落ちた。
彩女「はっ…こんな事…でアタイが屈する…かい」
442O脚王:04/12/07 21:57:17 ID:/22hwXJx
>>438是非!!
>>440遅れまして申し訳ありませぬ。

早く書き上げたいのに最近忙しくて嫌になるわ…
('A`)
443438:04/12/07 22:14:16 ID:YPks59xG
>>O脚王氏
さらにGJです!
エイリアンで書こうにも、どうも責めが喋れないのは痛手です…
どんな感じがいいんでしょうかね?
444O脚王:04/12/07 22:54:29 ID:/22hwXJx
>>443
たしかにエイリアンって喋りもしなければ、すぐ獲物を捕食するから凌辱とか難しそうだね。人間とエイリアンの特質を兼ね備えた、とか。もしくはターミネー(ry
445kuro:04/12/07 23:05:02 ID:YPks59xG
438です〜しばらくはここに根を降ろしたいと思います。
>>O脚王氏
エイリアンそのものは無茶でした…
「参」の機舞羅あたりの遺物って感じでターミネーターも…
なんか出来上がったらあげます〜

446O脚王:04/12/07 23:11:53 ID:/22hwXJx
>kuro氏
おおっ!それはいい案ですな!!是非!琴線に触れる思いにて楽しみに待っています!
って自分も早く書かねばっ
447kuro:04/12/08 18:01:00 ID:mpRS3goW
「大丈夫か?」
「大丈夫…って言いたいところだけど全然駄目だわ…」

風邪を引いてしまった。
それもかなり酷い…咳は出るし、寒気はするし、頭がボーっとする…
先日、菊が寝込んだというので見舞いに行ったが運悪く風邪をもらってきてしまったようだ。

「どうも彩女は風邪に弱いな」
「あんたと違って、繊細なんだよ…」

力丸はというと、長い付き合いであるが風邪を引いた、ということは唯の一つもない。
だから、こうして風邪を引くと看てくれるのはいつも力丸だった。
448kuro:04/12/08 18:02:13 ID:mpRS3goW
「食欲はあるか?一応粥を炊いたが…」
「ん…卵粥なら食べる…」
「お前はいつもそれだな」
「あんたがいつもそれしか作らないんだろ…」

風邪を引いたとなれば、力丸は粥を炊くが毎度毎度卵粥。
が、力丸の作る卵粥の味は格別だった。
二杯、三杯と食が進む。

「彩女…本当に調子が悪いのか?」
「病人が食欲あっちゃいけないのかい?」
「そんなことはないが…」
「なら、いいだろう?はぁ…ご馳走様…」

炊いてあった粥を綺麗に平らげ彩女はまた布団に潜り込んだ。

「後片付けをしてくる。大人しく寝てろ」
「はいはい…」

腹も膨れ、体も温まったところで睡魔に導かれるように私はゆっくりと目を閉じた。
449kuro:04/12/08 18:26:52 ID:mpRS3goW
私は夢を見ていた。
幼い頃の夢……夢の中でさえ私は風邪を引いていた。
そして隣には力丸…そういえば私がいつ起きても隣にいてくれたっけ…

「力丸…」

………
……


「…い!彩女!?」
「あ…れ?」

気づくと彩女は、寝ていたはずの布団にはおらず力丸の胸に抱かれていた。

「…何してんだい?」
「それはこっちの台詞だ!戻ってみればいきなり抱きついてきおって…」
「抱きついた!?アタイがかい?」

全くもってそんなことは頭にない。

「あぁ、そうだ。『寒い、寒い』と震えながらな。で、寒くないのか?」
「あ、あぁ…寒い…」
「なら大人しく寝ていろ」
450O脚王:04/12/08 21:00:01 ID:68fuHkBH
kuroさんグッジョブ!
(*´Д`)彩女大好き人間の自分は続きがかなり気になります…ハァハァ

451kuro:04/12/08 21:00:59 ID:mpRS3goW
「あ、ちょっと待った」

大人しく寝よう、とも思ったがどうもまた夢を見るような気がする。
彩女は再び、今度は意図的に力丸に抱きついた。
力丸の胸の中は布団のなかとは違った暖かさがある…

「…今度はなんだ?」
「体温高いね〜あんたの胸板は」
「何が言いたい?」
「…暖めとくれよ…アタイの身体の芯まで…ね?」
452O脚王:04/12/08 21:01:20 ID:68fuHkBH

怪物「マダ終ワリデハナイ」
腕に取り付けてある端末を再び操作し始める

怪物「真ノ勇者ナラバ耐エテ見セロ」
ピッと操作していた指を止めた瞬間…
彩女「っひぐ!ぐああああああ!!!」
身体の内からの激しい衝撃に、ビクンッとその肢体を跳ね上がらせた。
彩女の秘所に埋め込まれたままの球体が再び暴れ始め、容赦なく中を掻き回しているのだ。

彩女「うぎぃぃぃいぁあああああああはっ…ああ!」秘所からは淫猥な汁が溢れ、時には飛沫となって辺りに撒き散らされる。

怪物「次ハコレダ」
今度は汁だらけの秘所の下、後ろの蕾に深く突き挿れられたロッドの柄をその手が掴む。柄にはスイッチのようなモノが見える。
指がそのスイッチに伸び…
453名無しさん@ピンキー:04/12/11 21:43:30 ID:tQGvvIag
kuroさんGJ!
続き期待age
454kuro:04/12/13 21:58:14 ID:xDzNYVbe
一組の布団に大の大人が二人…
まるで一人で寝られない子供を寝かしつけているようだ。
彩女は力丸の胸に顔を埋めた。

「昔…一度だけこんな風に寝たことあるの、覚えてる?」
「いや…覚えがない」

無理もない答えだった。
彩女でさえ今の今まで忘れていた記憶だ。
まさか夢に出ようとは思ってもみなかったが…

「昔は昔、今は今…あたいみたいな娘抱いて、あんたにゃ情欲の一つもないのかい?」
「………」

彩女の一言に力丸は黙りを決め込んだ。
455kuro:04/12/13 22:03:31 ID:xDzNYVbe
遅くなっちゃいました…すいませぬ。
ここ数日自宅は寝るだけの場所となっとりました…
時間があき次第うpします〜
456名無しさん@ピンキー:04/12/14 00:45:07 ID:OQLsM5gW
>>455
ベネ!!

待ってますが、無理はせぬように!
457O脚王:04/12/15 22:20:41 ID:hxbmaMbG
>>455kuroさん乙華麗です!体には気を付けて!

さて…続き書くのやめとこうかなスレ汚しになるし…どうしよう…。
458kuro:04/12/19 18:27:51 ID:akfGrh6Q
「はぅんッ!」

力丸のやや冷えた手が彩女の胸元へと滑り込むと
手は優しく胸の膨らみを撫で始める。

「昔は昔…か。よくここまで豊満に育ったものだ」
「ぅ…ぁんッ!!」

力丸の指が着物の下で胸先の小さな果実を弄ぶ。
成すがままに彩女はそれを受け入れた。

二人の唇が重なる。
どちらが先というでもなく、求め合うのは同時だった。

「ん…ふぅ、ふむぅ……んぅ…」

互いに舌を絡めあい…時には浅く、時には激しく…

「…はぁ、んぅっ…ふぅ…んんぅッ!?ふむぅぅッ!!!」

胸を撫でていた手は、いつの間にやら片手だけとなり、
どこからともなく伸びていたもう片手が彩女の下腹部に忍び込んだ。
何の前触れもなしに彩女の身体に衝撃が走る。
459ウコン ◆egoISMxcr2 :04/12/19 23:12:54 ID:tK0z8AE9
kuroさん、O脚王さん、GJ!!

俺は世界の隅っこから眺めてます…(;´Д`)



スイマセン、書けません…orz
460名無しさん@ピンキー:04/12/27 22:05:54 ID:6WOsfku2
ていうか誰か保管庫作るなり、収容してもらうなりしてもらわないか?
461名無しさん@ピンキー:05/01/15 06:02:09 ID:K3bnTddx
前に半二次にあった今は亡き天誅スレで
たびたび神絵師が降臨したけど詳細が知りたい・・・
462名無しさん@ピンキー:05/01/15 07:09:47 ID:Rq2RqQ10
所々あぷされてた画像の再うぷきぼーん
463悶絶町人:05/01/15 14:50:39 ID:/5qvpGdK
東忍頭目 力丸はついに最期の時を迎えようとしてた。
満身創痍、神命丹も尽き、間が悪い事に散開策敵中のくのいちに見つかってし
まったのである。廃屋に身を潜め相手を追跡を振り切ったと力を抜いた、その
時、己の鳩尾から背骨に掛けて焼けた火箸を突き込まれた様な痛みを感じた時
点で、力丸は己の敗北を悟った。既に手足に力を入れることもできず、ただ最
後の一撃の勢いのまま後ろ倒しとなる。溢れ出る血の感覚が己の死を感じつつ、
力丸は股間に別の感覚を感じた。それは生への渇望か己の物がいきり立ってい
たのである。

力丸を仕留めたくのいちは特に感情の篭らない冷めた切れ長の目でその光景を眺
め、そして、死に行く力丸が予想だにしない言葉を放った。
「東忍流頭目 力丸。その卓越した力を我等が流派の為頂いていくぞ。」
「な、なんだと?」
「端的に言えば貴様の子種を頂くという事だ。生まれる赤子が男であれ、女で
 あれ我等流派の隆盛の為に大いに働いてもらえる。東忍流は潰え、我等の流
 派に新たな力が加わる。ただそれだけのことだ。」
464悶絶町人:05/01/15 14:55:56 ID:/5qvpGdK
「さて、貴様が死んでしまう前にこちらの準備をしてしまわないとな。」
くのいちは忍装束の裾を捲り上げ、己の秘部に指を這わせ始めた。
くのいちの無節操でまさに物を扱うような動作は、程無くして秘部を弄る
手付きに熱が篭り、呼気に艶が出始め、そして、感情の篭らない冷めた目から
情欲に澱んだ目付きへと変貌した。
背から尻へ回した手で己の秘穴を指で突き込み弄い、恥部に這わせた手は己の
陰核を激しく擦る。壁に寄りかかっていた肢体は、いつのまにか両膝を地
に付け、膝立ちの状態で腰を使い出していた。

「うぅぅぅっ、っく! ぁあっ!」
まるで見えない相手に秘穴を突き込まれているかのように激しくうねる彼女の
腰使いを横目に見つつ、力丸は迅速に己の命を絶つべく全力を振り絞り舌を噛
み切ろうとしたが、それを果たす事は出来なかった。
「ぅぐぶ!」
力を込めた瞬間、どのような加減か血が喉を逆流し、激しく吐血してしまったの
である。体は緩慢な死に向かいつつあるものの迅速な死を望む力丸の思いは果た
されなかったのである。
465悶絶町人:05/01/15 14:58:24 ID:/5qvpGdK
準備が整ったのか、伏した力丸に馬乗りになり力丸の腹部から顔に目を走らせた
「そろそろ逝ってしまいそうだな。高める為にもう少し時間が欲しいが萎える前
 に種を奪わなければ意味が無い。」
「う、ぅぅ・・・・・・」
最後の力を振り絞り腕を脚を腰を回して、くのいちを振り落とそうとするも、萎
え切った四肢に力は入らず、ただ股間の物が揺れて震えるだけであった
「抵抗は無駄だ。最後の悦楽に身を委ねるが良い。」
そしてくのいちは、忍装束を捲り上げ、膝立ちのになり、力丸の物を己の秘穴に導き、
ぐっちゅ
湿った音を発しながら一気に腰を落とした。

ぬっちゃ、ぬっちゃ、ぬっちゃ、ぬっちゃ、くぷり、ぐぷり、ぐにゅり
「どうだい私の穴は?我等流派の中でも1,2を争う名器と評価されている、こ
 の穴は?」
「あぁぁぁ     っく、ぐ、ぐぅ」
動けぬ力丸に代わり激しく腰を振り、そして、腰を使うくのいち。呻き声は力丸
に与えられた悦楽と、衝撃によって生じる苦痛に苛まされた物とも知らずに自分
に酔う。
ちゅぷぢゅぷちゅぶ、ちゅぶ、ずっぷ
「気持ち良過ぎて言葉も無いのか?」
「具合が良いんだろ?私の中でどんどんに膨れ上がってるよ!」
いつしか、くのいちの忍装束は脱ぎ捨てられ全裸で力丸を物を
貪欲咥え込んでいた。

466名無しさん@ピンキー:05/01/15 19:28:53 ID:0LNQoWri
お〜れ〜〜♪お〜れ〜〜♪
黒塗りサ・ン・バ!!

重蔵「凛たぁぁぁぁ〜〜んッ!!」
467名無しさん@ピンキー:05/01/22 17:52:07 ID:5vGQk0+u
唐突過ぎてワラタ
468名無しさん@ピンキー:05/01/24 11:23:49 ID:/R1X+Fyz
悶絶町人さんグッジョブ!!くのいちハァハァなので最高っす。
ぜひ続きを希望!
469名無しさん@ピンキー:05/01/29 08:58:26 ID:R3Ybb360
漏れも続きキボンヌ
470名無しさん@ピンキー:05/01/30 10:34:20 ID:1pgbCIp2
突然すいませんι

不躾な質問なのですが…
鬼陰×彩女の需要は御座いますか?

471名無しさん@ピンキー:05/01/31 23:05:39 ID:iP7bMRol
もちろんあるだろ。
472名無しさん@ピンキー:05/02/01 00:24:45 ID:Ptg9GXBd
あるのでつか。(ほ)

稚拙で幼稚ながら私めも書かせて頂きたいのですが…

宜しいでしょうか?

473名無しさん@ピンキー:05/02/01 00:29:26 ID:t9VKldC7
宜しい!てか、やってくださいませ‥m(__)m
474470です:05/02/01 01:24:45 ID:Ptg9GXBd
有難う御座います。m(_ _)m
稚拙でお恥ずかしながら書かせて頂きます。m(_ _)m
475470です:05/02/01 01:31:22 ID:Ptg9GXBd

まるで大量の墨を空にぶちまけた様な夜、郷田の城下から二里程離れた森の奥深く、光すら射し込まぬ程の木々が生い茂る、人、いや獣すら近付かぬ場所に建てられた武家造りの屋敷。
其の屋敷の縁側に座り、月を見上げる妙齢な女が独り。
名は彩女。郷田城城主の郷田松之信に仕え、命を賭して守る影…所謂、『忍』である。
何故此の様な屋敷に居るかと聞かれれば噺は長くなるが其処は簡潔に。
…実は二日程前、自分が仕える殿から直接、一週間の休養を与えられたのである。
勿の論、断りを入れたのだが、…流石に殿の言葉は絶対服従。
逆らえる筈も無く。
渋々此の力丸と彩女の為に建てられた屋敷に入り…

今に至る。

「…幾ら休みとは言え…身体が鈍るな…」
彩女は ふわぁ゜。 と延びをする。
476470:05/02/01 01:35:36 ID:Ptg9GXBd
「…ま、
偶の休みだし…暫くのんび…り…?」

空を見上げた時、見覚えの有る男が同じく、月を眺めていた。

「アタイ達の屋敷に一体何の用だ…鬼陰」
鬼陰は すくり と立ち上がり、華麗に飛び降り彩女の前に降り立った。

「ったく…人が休みだってのに」

彩女は職業柄か、常備携帯している二対の刀の柄を掴む…筈だった。
(仕舞った!寝間に置いて来ちまった!!)

鬼陰はニヤリと口角を上げ、
「…丸腰の様だな…」

と謂い乍(ながら)、一歩一歩確実に彩女へと近づく。

「…………」
(寝間に戻るも枝を折るも…時間がかかる!!)
477470:05/02/01 01:42:42 ID:Ptg9GXBd
「くそっ!!」

彩女が吐き捨てるかの様に発すれば、鬼陰は又 ひらり と近付き、彩女の顎を捉えた。
「…丸腰では殺す氣も失せる…」
「鬼陰っ離せ!!!」

離れようと彩女はもがくが其れは鬼陰に悉く抑えられる。

「お前を容易く括り殺せる事が解らないのか?」

白く細い両手は鬼陰の逞しい片腕に因って縫い止められる。
彩女は今迄感じた事の無い、其れは丸で空間凡てが緊張で構成され、 ぴん と張り詰め、体中の皮膚という皮膚を 針でちくちく と刺す尽くす様な痛みをも感じる殺気が鬼陰から発せられ、其れは彩女の中で恐怖へと生まれ変わり、
ふと『生かされている』のでは無いかと思って仕舞う。
縁側から見える造りの良い庭では、鬼陰から発せられる異様な殺気を感じ取ったか先程迄鳴いて居た虫迄鳴き止む。
478470です:05/02/01 01:44:46 ID:Ptg9GXBd
ああっ!!!
文才無しですいません!!!ιιm(_ _)m

下手くそな物を…
479名無しさん@ピンキー:05/02/01 05:25:17 ID:HS1cJyUj
いやいや、なかなかいいですよ!
情景が頭に浮かびます
早く続きかいてくだせー
480名無しさん@ピンキー:05/02/01 06:27:07 ID:t9VKldC7
つ、続きが読みたい‥‥‥!!
481470です:05/02/01 07:50:01 ID:Ptg9GXBd
お褒めのお言葉誠に有難う御座います
m(_ _)m
稚拙ながら続きを書かせて頂きますm(_ _)m
482470:05/02/01 07:55:50 ID:Ptg9GXBd
「…くっ…。」

彩女は両手を縫い止められた儘、己の未熟さと悔しさを感じ、下唇を噛み、鬼陰の顔から背ける。
鬼陰が彩女の顔を覗き込めば、大きな漆黒の瞳に泪を浮かべ、尚も下唇を噛む姿。
頸から下を視遣れば、薄手の寝間着を緩く帯で留め、先程藻掻いた所為か胸元ははだけ、白く抜ける様な肌と毬の如く張りと形の良い乳房が鬼陰の理性を断ち切らせようと視神経を刺激する。

「……………」

483470:05/02/01 08:02:09 ID:Ptg9GXBd
鬼陰は其の儘、縁側へ彩女を押し倒し、喰らい付くよな接吻を彩女に。

「ん…んぅふっ!…っうん!…うぅ…」

息もつかせぬ接吻はやがて深く絡み付く程に成り行く。
抵抗しようとも試みるが両手はまだ鬼陰に抑えられて居り、両足の方は間に鬼陰が入り込みどうとも抵抗が出来ない状態にされて居る。
そして彩女自身、、鬼陰の巧みな接吻に翻弄され、ぎこち無く鬼陰に合わせ舌を絡めるだけに。
鬼陰は時折角度を変えて絡ませ、彩女の柔く甘い舌を絡ませる。
彩女が感じ易いのか、それとも恐れか柳眉を寄せ乍 ふるふる と小刻みに震え、口端から形の良い顎にかけて淫猥な透明の線が伝う。
484470です:05/02/01 08:24:27 ID:Ptg9GXBd
「…っう…んぅ…」
鬼陰が口唇を離すと大層名残惜しそうに透明な糸が …つつぅ… と二人を繋いだ。

「…っは…も、もぅ…止めてくれ…こんな時に来て…ひくっ、ひ…卑怯じゃ無いか…。」
顔を背け、大きな瞳から流れ落ちる泪を鬼陰は舌で嘗め取り、 にやり と妖しく笑む。
「今迄の氣の強さはどうした?…ん?急に汐らしく成り居って…其の様な事を謂うても儂はお前を抱く。」
其の言葉に反応したか彩女はしゃくり上げ乍言い始めた。
「…アタイとアンタは敵同士じゃないか…殺すなら…ひくっ…さっさと殺せば良いのに…何でこんな方法で…えぐっ…えぅっ…ぅくっ…ひっ…ぐすっ…」
彩女の止めど無く流るる泪は其の白い肌に映え…。
鬼陰の男としての覚醒の時を迎える。

(…厭だ…力丸…力丸)
彩女は深く、きゅっと眼を瞑り、下口唇を噛む。
485470:05/02/01 08:38:59 ID:Ptg9GXBd
「…フ…、ささやかな抵抗のつもりか…ならば…」
鬼陰は懐から手拭いを二枚取り出し、一枚は彩女を後ろ手にして自由を奪い、一枚は猿轡として彩女の其の口の自由を奪った。
鬼陰は滑らかな肌に舌を這わす。

「…んっ…」

華の薫りと彩女自身の肌の薫りが交ざり逢い、此は又、好い薫りと鬼陰は微笑を洩らす。
生き物の様に蠢く手は、其の儘寝間着を開き ぷるる と弾む乳房を揉み解す。
そして又鬼陰は下へ下へと下がり、秘裂を細く長い指でなぞり、中指を

くぷぷっ。

っと秘裂に潜らせた。
「…んうぅ…ぅっは…」

暫く緩い指の挿出を繰り返すと粘着質な水音と曖液で溢れ、鬼陰の指と縁側の床を汚す。

「…むぅ…ふっ…」
ぴくり と跳ねる躯、頬は淡く桃色。
鬼陰は我慢が足らないか、急ぎ彩女の秘裂にいきり起った赤黒い肉契を当てがい、


ぐぷぷぷぷぷっ。


と捻じ込む。
486470:05/02/01 08:59:14 ID:Ptg9GXBd
彩女は突如ぶち込まれて仕舞った肉契の、電撃の様な刺激にあわや意識が吹っ飛びそうに成り、慌てて頭を横に振り振り、息は絶え絶え。
「…っふ…はぁ…ふぅ…」

せめて息だけでも整え様と呼吸をするが、其れは鬼陰の肉杭の激しい蠢きに遮られる。
「…ンんっ!!…んっくぅ!!!」

鬼陰はニヤリと笑み、彩女の長く細い両脚を自分の肩に掛け、腰を大きく『の』の字に成る様に態と彩女を突き動かす。

「───っんゔふっ!!…っぅ゙ん!!!…」

彩女の躯は折れて仕舞うのでは無いかと謂う程反り返り、双瞼はかっ開き、瞳から法悦の泪を流す。
鬼陰は彩女の自由を奪った猿轡を片手で しゅるり と解き放つ。
彩女は猿轡で抑えられていた所為か声が大きく上がる。
「…っはぁ…!!はぅん!…んくっ!!…あっ、あぅうっ!!!」
一方、鬼陰は、背筋をぞわぞわと駆け上がって逝く様な吐精感を口唇を噛み、何とか遣り過ごそうとして居た。
彩女の余りに締まるま●こは丸で生き物の様に男の肉杭をきゅうきゅうと締め付ける。
487470:05/02/01 09:12:28 ID:Ptg9GXBd
「…ぁうっ!…ゃめっ!…いゃあァっ!…ぁあ!!」
鬼陰は相変わらず獣の様に彩女のま○こ目掛け、凶器とも言える己の肉杭の挿出を繰り返す。
鬼陰は一度も達する事無く、既に十分以上は挿出を繰り返して居る。
彩女は気を遣る度、頬を叩き、起こす。
「…何が厭だ。よがり狂って居る癖に…」

と謂い彩女の腰を持ち上げ、肉契をま○この入り口迄引き抜き、思い切り ずずん と突き上げた。
「──あァひぃっっー!!」
頭のオカしく成りそうな終わりの見え無い肉悦に───…
彩女の何処かで何かが、 ぷつり と音を立てて斬れた。
「…あァぅっ──はぁン…鬼陰…」
と彩女は鬼陰に激しく揺らされ乍も赤い舌をチラ尽かせ、鬼陰に接吻を乞う。
「…んぅン…はぁァ…おっぱいも…シてぇ…」
「…やっと乗って来たか…」
そう謂いつつ鬼陰は彩女の謂う通りに鞠の様な胸の頂に付いた桃色の乳首にしゃぶり付く。
舌で転がし、赤子の様に ちゅぱっ ちゅぱっ と音を立て吸い付き、軽く歯を立てれば高く鳴く。
「っあん!!…はぁぅっ…も、もっと…ぅあん!!!…」
彩女は数えるも飽きる程の絶頂に襲われる。
488470:05/02/01 09:20:49 ID:Ptg9GXBd
「…─ぁあァんっ!!!!」

「…───っつ!!…」

彩女は一際高く鳴き、度重なる絶頂に耐えれず意識を彼方に手放した所で漸く鬼陰は濃厚な灼熱を彩女の ひくひく と収縮活動し始める膣にどぽどぽと吐き出した。
結合部からじんわりと彩女の愛液と鬼陰の放った灼熱とが交ざった物が じわり じわり と溢れて出て居た。
鬼陰は暫く息を整え、彩女の先程手首の自由を奪った物で泪を拭う。

手首を見れば少しだけ皮が剥けていた。

「…氣を失ったか…。」

鬼陰は彩女を蒲団に寝かせ、着物を翻し夜の闇へ去って行った。




終ッチマエ(をい)
489470です:05/02/01 09:33:01 ID:Ptg9GXBd
誤字脱字、阿呆な描写はお許し下さい
m(_ _)m
490名無しさん@ピンキー:05/02/02 00:23:51 ID:/NTRtTlc
GJです!!
イイですねえ〜
また投下してくださいね!
491名無しさん@ピンキー:05/02/02 00:41:30 ID:t3PWOMB0
めっちゃよかったです!!G〜J!! でも、「ま〇こ」より、「秘所」や「秘部」のほうがいいんじゃないかな?って、思いました
492470です:05/02/02 02:13:04 ID:OqKFSUYI
ご指摘誠に有難う御座いますm(_ _)m

今後は気をつけます

実は一年前に書いたもので、しかも自分の阿呆ページに載っけたやつを引きずり出してほんのだけ少し手直しした物で…(汗)

最初、こんなスレ汚しな物は如何な物かと思っていたのですが、読んで頂けただけで凄く嬉しいです。

拙い物ですが、又、書きに来ても宜しいでしょうか?
493名無しさん@ピンキー:05/02/02 03:28:01 ID:/NTRtTlc
これからも是非是非投下し続けて下さいよ!
ただでさえ過疎なスレなんだから…
あとハンネつけたほうがよろしいかと。
494名無しさん@ピンキー:05/02/02 07:21:42 ID:t3PWOMB0
これからも是非投下してください!!
495470改め初音です:05/02/02 08:03:20 ID:OqKFSUYI
お褒め頂き誠に有難うございますm(_ _)m
自信が無かったのですが、皆様に読んで頂けるよう投下します。

ハンネ、付けました。

初々しい音で、『初音』に致しました。

これから470改め、初音で宜しく御願いします。
m(_ _)m
496初音:05/02/02 11:41:07 ID:OqKFSUYI
…いつぞやか、



独りの忍は…



人の心を…



何処かに忘却して仕舞いました。



女、子供なぞ全くの御構い無しに…



其れは其れは人が出来うる所業に非ず。



只只、其処に独り、痛々しげに見えぬ傷を負うた独りの忍が…
497初音:05/02/02 11:44:34 ID:OqKFSUYI
辺りは血濡れ、醜き肉隗、廻りに漂う…血の…かほり。

月にも似た銀髪、同じく、血塗れ。



──…嗚呼…


どうしてこう迄己を…


抑えれぬのだろう…。


銀髪は敵から奪った刀をサク、リ。と地に刺す。

そして、

そうと、そうと自らの顔に触れ…る。

ぬ、る、り。


「……ふっ……」


不意に込み上げる笑い、

其れは人の心を彼方に棄て去った己への自嘲とも取れり。
498初音:05/02/02 11:49:01 ID:OqKFSUYI
銀髪は…


背後に立つ、見知りの者の気配に気付く。


「…彩女…か…?」


「…力丸…」


「…何だ……」


後、視ずに御回答。

「…さっき…あたいを…
呼んだじゃないか…」


「…呼んで等居らぬ……」

否、確かに名前を呼びました。
499初音:05/02/02 11:51:32 ID:OqKFSUYI
「…力丸…

あんたどうしちまったんだよ……?」


蛻(もぬけ)の躯を荒く揺さぶる其の手は、人肌温かい。



−−−…温かい?



…可笑しい、此は誠に愉快だ。


「…お前は…こんな『力丸』でも…愛せるか…?」


500初音:05/02/02 11:57:13 ID:OqKFSUYI
嗚呼…
彼方にも此方にも…『人』が居りまする…。
血塗れの儘転がり、命亡き瞳で────




「──いゃっだ!!
っ!!止めッろ!!!
どうしたんだ力丸っ!!
こんな場所で…間違ってる!!!
…っくぅ!!」



──…師匠…矢張り我は…己を抑えられませぬ。

元から露出の多い着物を引き千切る様に矧ぎ取り、桃尻を高く突き上げさせ柳腰を両手で押さえ付け、天高くそそり立つ肉契をまだ濡らしても居ない秘裂に、あてがい思い切り腰を進めた。

501初音:05/02/02 12:03:08 ID:OqKFSUYI
「─────…ひッ

っあ゙ァああ゙っ!!!」



細い躰は引き付けを起こして居るのでは無いのかと思う程、仰け反り、がりりと地面を力一杯掴む。
突っ込んだ部分…結合部を覗けばいきなり挿入した所為か紅い血と先走りが交ざり逢った物が白く柔い太股に つぃ と伝う。
はくはくと呼吸に成らない呼吸を繰り返し乍心体の痛みにぽろぽろと泪を産み流す。


「…な…んで………?」


銀髪は微量だが秘貝から流れて来た血のお陰で律動が滑らかに成り、きゅぅううと締まる膣壁に溜息を洩らす。


「…ふ…良く締まる…

流石久の一…名器だ…此の様にして今迄男を誘っていたのだろう…?」


…人間らしい易しさ等当に棄てました。


「…う…く…っは…

ち…違っ……

…あ゙ァあっ!!!」
502初音:05/02/02 12:07:07 ID:OqKFSUYI


「…お前にはこんな…『力丸』等…愛せ無いで有ろう…?」



腰揺り動かす度に、我の眼、水、溢れ流れます。

「…うっ…くっ…ふぅう…



あァっう痛……り…力……力丸……」

───…もし



──────…もし



憐れ、此の独りの忍に誰か─────


…『 』を…


503初音:05/02/02 12:13:07 ID:OqKFSUYI
───約束したでは御座いませぬか…?

幾ら忍と雖(いえど)も…女、子供は殺さぬ、と、

彼の時…

したでは有りませぬか────?

「…っ…う…はっう……くっ……」

口唇咬み、其れ程迄に厭なのか…。

「…其れ程…厭、と…
…ふ…
…為らば餓鬼を孕む様に…
たっぷり子種を仕込んで遣ろう……」


腰を ぶる、ぶるり。


「────っ!」


 ごぽっ、ごぽっ

「…あ゙あッぁ!!!!!」


額を地面に擦り付け、大量の灼熱を其の膣に吐精し、膣壁はひくひくと収縮し始め、萎え始めた肉契にまだ纏わり付く。
当のどくどくと白濁を流し込まれた本人は、既に氣を彼方に手放して居た。
504初音:05/02/02 12:20:13 ID:OqKFSUYI
「っはぁ…はァ…は……………


……くっ…ははっ…は…ははは…」

我、滑稽で、愉快で溜まり増せぬ。

「……り……力……力丸………」

意識を取り戻したか、伸ばされているたおやかな手は水に濡れた銀髪の頬を撫でる。
「……あんたは……独りじゃ無い……だろ…?

…あたいびっくりしただけだから…さ。」


貴方様の光も闇も凡て私が受け止めましょう。

貴方、私の光。
貴方、私の闇。
貴方、私の全て。

喩え私が先に朽ち果てても…。

505初音:05/02/02 12:25:18 ID:OqKFSUYI
「───…!!!」

我、漸く気付きました。


「……だから…あたいに…もう一度約束…」
────弱きも強きも…

貴方と私、
融け込ませて…

「…お…男の癖に…
…泣くんじゃないよ……」




私の前でだけ…
其の弱さを見せてはくれませぬか?

506初音:05/02/02 12:34:14 ID:OqKFSUYI
すいませんっ!!
一体私は何を考えていたのやら…もはやこれは小説とは言いませんね…
描写と言う描写もなしに誰視点なのか、何が言いたいのか、そして何もひねりが無いです。
このスレの皆様方、誠に申し訳有りませんm(_ _)m

続きは御座いますが、内容的にもの凄くキツい物が有りまして…
皆様のお声が聞きたいです。(土下座)

507名無しさん@ピンキー:05/02/03 07:23:42 ID:oe96JZGQ
いや、結構よかったと思う。
俺は続きも読みたいな
508初音:05/02/03 08:37:04 ID:R0PZ935M
彼(あれ)から一月過ぎ行き。



己は我、見失う事めっきり無く。



…余裕すら見え隠れ。



されど、
今も昔も変わらずに、人、死に逝きます。



其れは我すら避けられぬ。

もし、我、逝くなら…

509初音:05/02/03 08:39:33 ID:R0PZ935M
気付いた愛は余りに大きく。


己の生命としての火すらも此の愛無しには意味成さず。


…離れる事すら…


まま成らぬ。

毎夜繋がり、熱、埋める。


510初音:05/02/03 08:52:40 ID:R0PZ935M
淡い月光は艶めく男と女を照らし出す。
力丸は先程から彩女の秘裂を細く長い指で弄くり廻し、既に荒い息の彩女の細い脚を思い切り ぐいぃっ と広げ、黒光りする怒張を取り出す。
片手ではまだ彩女の秘裂をもて遊んでいる。
「…さぁ…どうして欲しい…?」

「…ふあ…ぁん……言葉で…苛め…ぃ…で…」

彩女は力丸の蜜壺に響く艶声を耳元で囁かれ、力丸の細長い指を膣で、

きゅうぅうっ!と締め付けた。

「…指をこんなに締め付けたら…動かしたく成るだろう…?」

力丸は謂うが早いか中で指を くにっくにっ と曲げ伸ばしを繰り返し、膣壁を擦る。
「…ぁあ!!…んぁあ!!…も、お願い…力丸の…」

力丸はニヤリと北そ笑み乍指を引き抜き、其の天井視詰める肉杭を彩女の蜜壺にあてがい一気に腰を進め、

じゅぶぶっ!!ぬぐぐっ!!

と膣の内壁を抉る様に出し入れを始める。
「―――…んあぁあっ!!!」

彩女は弓なりに肢体を反らせ、力丸の肉杭を其の華奢な躯に受け入れ乍、 嬌声をあげ、悦楽の所為か柳眉を寄せる。
511初音:05/02/03 08:56:19 ID:R0PZ935M

ずちゅっ゚。

ぐちゅっ。゚

絶え間無く耳に響く粘着質で淫隈な水音。
芯からとろとろ、とろける様な肉悦に彩女は涙を零し、いやいやと頭でかぶりを振り乍、其の小さな口唇から甘く切ない吐息が発せられる度に、 ちろちろ と赤い舌が覗く。
「…っはぁ…はぁあっ…あっ…あ…力丸……」

彩女は潤んだ瞳で力丸を見詰め、力丸の口唇を小さな舌で ぺろ と舐め接吻を乞う。

「…ん…んぅ…んんっ…むぅふ…っはぁっ……力丸っ!!…」

「…っ…彩女……」

力丸が吐息交じりで彩女の耳元に囁けば、膣が、
きちゅうぅっっ!と力丸の立派な肉刀を締め付ける。
512初音:05/02/03 09:22:46 ID:R0PZ935M
「あんっ!力丸っ…あぁああっっ!!」

彩女は一際高く鳴き、力丸の肉杭締め付け乍絶頂へと昇り詰め、荒い息を繰り返して居た。
程無く力丸もぬるりと膣から己の肉刀を抜き、
どぷっ、どぷっ
と白く滑らかな彩女の腹部に白濁した灼熱を惜しげも無く放出し、彩女の腹部の白濁を拭い取り一息吐くとまだ荒く呼吸をする彩女の横にごろりと横たわる。

「…済まない…やり過ぎた…」

彩女の頬を撫で乍、誠にすまなさそうに彩女に謝罪の言葉を述べる。

「…〜〜ん…別に…」

此方をじぃと視詰める力丸にふいと背を向け乍、彩女は答える。

「……誠に済まない……」

513初音:05/02/03 09:35:29 ID:R0PZ935M
「…別に…アタイの事、気遣わ無くて…良いのに…」

「…何故だ……?」
暫しの沈黙、背中を向けた彩女が其の沈黙を打ち消す彼の様につらつらと話し出す。
「…アタイが八つの時に…師匠に拾われて東の里に来たのは力丸…知ってるだろ…?」
背中を向けての会話に力丸は只相槌を打つ。
「……ああ……」

「…アタイが前に居た所ってのが…『遊廓』…だったんだ…
複雑っちゃ複雑何だけど…
売られたんじゃ無くて…遊廓の
…主の娘…だったんだ……」
「……ふむ……」

「…多分普通は…女衒が連れて来る娘達を『華』として…遊廓で売るんだろうけど…
…アタイの父親は……」

…年端もいかぬアタイを犯した挙げ句、 『商品』 として遊廓に出しました。

514初音:05/02/03 09:38:42 ID:R0PZ935M
「……!?……」

彩女は滑らかな背中を向けた儘尚も噺を続ける。
「…幼い頃から手加減無しに犯されてたから…女としての…その……『子を産む』……事が………」

極端に言葉の歯切れが悪くなり、其れは彩女の顔を見て居なくとも震えるその小さな背中で難なく見て取れた。

「…判った彩女…皆迄言うな…」

力丸はまるで腫れ物を触る彼の様にさうと彩女を抱き寄せ、自分の方に躯を向けさせる。

「…っく…ひッ…う…えッ………」



……泣いて居ました。


515初音:05/02/03 09:42:23 ID:R0PZ935M
嗚呼、貴女も…我と同じく、

見えぬ傷を…

「…っうぅ…えくっ…ひっ…っふぅ…」

皆悦び擲(なげう)ち

傷みと付き合っていく。

「…っ力丸…
ぅうっ…ふっ…ふぐっ…えぐっ…力丸……」

目を泣き腫らし脆く

過去悲しみ、雨の中。

516初音:05/02/03 09:45:38 ID:R0PZ935M

貴女は我を承け容れてくれました。

貴女、我の光。
貴女、我の闇。



…せめて今だけ我に、脆く弱い心体を…


其の震える心を…
総てを、

此の愚かな我に抱き締めさせて下さい。

517初音:05/02/03 09:49:00 ID:R0PZ935M
「力丸!左!!」

掛け声と共に勢い良く飛び散る人肌生温い紅飛沫。

「…終わったか…」

未だ どくどく と力無い肉塊から溢れる鉄錆臭は辺りを包む。

「…取り敢えず…
遣ることはやったんだ
…帰ろう」

自分の廻りに居た敵を斬り殺した所為か腕に付いた血液を手拭いで拭い乍、 さくさく と彩女は歩き、肩で呼吸する力丸に近寄る。

「……彩女……」


518初音:05/02/03 09:59:17 ID:R0PZ935M
「…あ…りき……ま……」

血濡れ滴る切っ先…。

「…お前が……
いや…お前の『総て』が……
…欲しい…」


ぐず…ぐぐぐ…


其れは剰りに鮮やか…
香しい華のかほり。

「…かはっ…り…き……」

途切れ途切れに言の葉紡ぎ、口唇に、朱、溢れる。

溢れる朱すら、誰一人とて渡さぬ。

「…ん…ん…っん……」

飲み干す朱の何たる甘さ、これぞ我の欲する…

「…彩女……『愛している』……」

「……力…丸………あ………」

声は小さく、謂わんとする言葉、聞き取れり。
「…最初で最期……お前だけ…後は何も要らぬ……」
519初音:05/02/03 10:05:33 ID:R0PZ935M
そして


銀髪はさうとさうと微笑い、


「…師匠…漸く…手に入れました…」


火は彼方、風の中。

…唯一つ、

遺した物は…




【終?】

520初音:05/02/03 10:20:17 ID:R0PZ935M
下手糞に私が書いた物ですから多分訳が解らないです
力丸は精神的に異常を来した人に見えた時期が有りまして(汗)

本当の彩女の設定は知っているんですが何故かこんな物に…

「誰か、こいつの心にパンツをはかしてやってくれ」

と、私に向かい父上が言ってました。

521名無しさん@ピンキー:05/02/03 15:17:49 ID:zMfSbWQT
GJです!
雰囲気がなんかええですな。力丸壊れてますね…^^;
またの投下を心待ちにしております。
522ウコン ◆egoISMxcr2 :05/02/04 08:08:26 ID:UKJLCAUC
GJです。そして久しぶりです。
俺も凱旋買ったら再熱して書くかもしれない予告しときます。

それまで消えるなこのスレ(;´Д`)
523ウコン ◆egoISMxcr2 :05/02/06 19:38:09 ID:7oHEzTuF
それまでに消えるなこのスレ

それまで消えないでくれこのスレ



意味的にはコレです。
初音さん、目一杯投下を!!
524初音:05/02/06 22:25:11 ID:fVlEqHib
ウコン様、
私も大好きな此の素晴らしいスレは消えて欲しく無いですι

がっががががが頑張りますっ

因みに…どんなネタでも宜しいですか?

ゑろ有りなのは変わりませんが(汗)

兎にも角にも、何か投下させて頂きます…

525初音:05/02/07 11:53:08 ID:KM7dNUXM
相当古いので、
今と感じがもの凄く違います…
名前が違っても、
何があっても彩女ちゃんと力丸です!(え)
二人共幼名なだけですから!!(待て)

何時もの通り、拙いですがどうぞ…

くっ、苦情は受けにくいでつ…(受けろコラ)

526初音:05/02/07 11:55:42 ID:KM7dNUXM
心寂しさ宿る秋の夕暮れ。
空朱く、雲紅く。
簡素な屋敷の屋根上で、空、雲の如く夕陽に赤く染まる彩女が独り。

「夕陽は、あんまり好きじゃないんだけどなぁ…」

暮れ始める朱い朱い夕陽を眺めつつ彩女は鼻で ふ と微笑う。

…兄様…を、…思い出す…。

嗚呼、どれだけ前だったかな…


『兄様!!
あたい大きくなったら兄様のお嫁さんになるの!!』

『そうか、おもん。俺の嫁になるのか?』

『うんっ!!』

『大きく成ったら…だぞ?』

『えへへ。分かってるよ!お約束っ!』

嗚呼、確かあん時約束したっけな。

『ゆ〜び切りげんまん、
嘘付いたら針千本の〜ますっ。…指切った!』

『約束だよ、兄様。
アタイ、力の所行って来るねー!』
527名無しさん@ピンキー:05/02/10 22:36:39 ID:kLA6VPse
女性キャラと那須の濃厚な変態プレイ見たいのは俺だけですか?
528名無しさん@ピンキー :05/02/10 22:50:12 ID:lWGaPd6z
>>527
もれも
特に、凛と那須が見たい
529名無しさん@ピンキー:05/02/11 01:24:51 ID:JiIKmFVa
あげ
530名無しさん@ピンキー:05/02/11 23:23:25 ID:qbRKcJH1
やっぱ彩女×那須が‥‥
531名無しさん@ピンキー:05/02/12 01:31:03 ID:k/S3iT7l
彩女なら誰とでもヨシ!
怨と絡ませた作品もあるくらいだから。
532名無しさん@ピンキー:05/02/15 15:45:14 ID:o9ryQmiG
初音さんやウコンさん来ないかなぁ‥‥‥‥
533名無しさん@ピンキー:05/02/18 05:40:55 ID:s3urjYLd
保守んぞゴラァ
534名無しさん@ピンキー:05/02/19 09:46:45 ID:ILjhrGB0
神様降臨しないかなー
力彩がスゴイ読みたいです。
535名無しさん@ピンキー:05/02/23 23:46:43 ID:AH388Bb6
敵くのいちとの絡みはどうなったんだろう・・・
536名無しさん@ピンキー:05/02/26 21:33:46 ID:N9iA3T7Y
半家
537名無しさん@ピンキー:05/02/27 23:24:46 ID:8S325pI0
あ〜げ

けへへ

538名無しさん@ピンキー:05/03/10 23:17:02 ID:egmudS3O
あげあげ
539ウコン ◆XJ96duvqgo :05/03/13 20:07:29 ID:M3+p9Wf+
ウコンです。
携帯厨だった俺ですが、携帯変えました…
今の携帯はアイモナ使えないので、此処に来にくくなりますた…(´A`;)
PC開いたときに書き込もうと思います。
スミマセンorz
540名無しさん@ピンキー:05/03/13 20:26:04 ID:wLeU/g3E
お〜!ウコンさん来たーーー!!お待ちしていますので、PC開いたらまた来てください!!
541名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:41:28 ID:zfpTG1YR
保守してあげ
542名無しさん@ピンキー:05/03/20 20:03:33 ID:TMXhReSE
彩女たんの殺られ声にハアハア
543まえ:2005/03/24(木) 23:36:21 ID:Gj5iilvT
 凛「ただいま〜。お吟さん、お腹すいたよー」
お吟「ああ、お帰り凛。今日は鮎の良いやつが手に入ったからね、塩焼きにしてあるよ」
 凛「やったー!鮎の塩焼き大好きなんだよねー」
   ガラガラッ
彩女「ああお帰り。じゃましてるよ(モグモグ)」
 凛「うわっ!?なんであんたがいるのさ…てゆーか私の鮎は…?」
彩女「(モグモグ)」
 凛「おまえかーーーヽ(`Д´)ノ」
彩女「アタイじゃない…って言っても信じないだろうね(モグモグ)」
 凛「だって食ってるじゃん!」
彩女「…いつまで隠れて食ってんだい。さっさと出てきな!」
  襖ガラッ
双葉「気づいてたのかい…流石だねえ(モグモグ)」
 凛「双葉っ!?Σ (゜Д゜;)」
双葉「塩焼きの匂いにつられて来てみれば…まさか紅屋だったとはねぇ(モグモグ)」
 凛「双葉…いいかげんにして。怒るよ」
彩女「勘の悪いやつだね…アンタの晩飯を食ったのはこいつの仕業さ(モグモグ)」
 凛「双葉…嘘だよね…嘘だって言ってよ!」
双葉「………ゲプッ」
 凛「殺す」
双葉「ちょっ、凛!なにいきなり竹鉄砲取り出してるのさ!晩飯盗られたからってそんな簡単に
   人の命を奪って良いと思ってんの!?」
 凛「うるさい!正しいとか悪いとか知るかっ!あんたは私の塩焼きを奪ったんだ!
   それだけは許せないんだ!」
544あと:2005/03/24(木) 23:37:36 ID:Gj5iilvT
お吟「待ちな、凛!」
 凛「お吟さん!?なんで止めるの!」
お吟「あんたは紅屋の始末屋だ。恨みつらみで殺しをするなんて許さないよ」
 凛「………お吟さん(´・ω・`)」
お吟「ところで凛。急で悪いが仕事を頼まれてくれるかい?」
 凛「え?」
お吟「アタシの分の晩飯まで食っちまいやがった、腐れ双子忍者の始末をね!」
単葉「なにぃ!?Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)俺は食ってないぞ!全部双葉が――」
 凛「任せて!(`・ω・´)天誅ぅう!」
  パンパーン!←竹鉄砲
単葉「グハァ!なんで…俺まで…」
双葉「クッ…凛…こんな事になっちまったけど…あんたの事好きだったよ」
 凛「私もあんたの事好きだったよ。…でも鮎の塩焼きはもっと好きだった!」
  パーン!←とどめ
彩女「(モグモグ)…終わったかい?」
 凛「Σ (゜Д゜;)あんたまだ食ってたの!?」
彩女「(モグモグ)お吟さん、おかわり」
 凛「しかもまだ食うの!?」
彩女「おかわり!」
 凛(この人の目…迷いがない!!)キュンΣ(´д`*)
545名無しさん@ピンキー:2005/03/25(金) 02:32:32 ID:qux7+ynE
めちゃワロタwwwwwwwww
あんた神だ GJ
546ウコン:2005/03/25(金) 15:17:24 ID:v9PSW48h
やっと書き終わったので、覗きに来ますた。
543-544、ものすごく面白かったです!

ネ申!!

…ってことで力丸×彩女を…
なんだか力丸が可哀想な話になった…
547ウコン:2005/03/25(金) 15:18:06 ID:v9PSW48h
龍丸や力丸とは気付いたときから一緒にいたから、居て当たり前の存在だと幼い頃は思っていた。
此が所謂、家族や身内に値する人への考えと同じなのだろう。

じゃあ、二人の事を家族や身内だと思ったか?

其れについては、否、と言い返す自信がある。
修行から毎日の生活を共にしたアタイ達三人には、家族や身内以上の絆があったと思う。
そう信じてやまなかった。



「はぁ…」
郷田城内の森で、アタイはクナイの刺さる木の的に寄りかかって溜め息を吐いた。
龍丸が居なくなり、いや、寧ろ東忍流の里が無くなり、アタイ達が城の下に転がり込んで早幾年。
人を殺めながら、アタイ達は共に居る。まだ。
「彩女」
「何だい」
的の反対側に腰掛ける力丸は、どうやら昼飯を頬張っているのか、声が曇っている。
ああ、今昼か。
「どうかしたのか?」
「はぁ?…何のことだい?」
「とぼけるな。さっきの溜め息、聞こえたぞ」
力丸がそう言って立ち上がると、アタイの前に来て腰を下ろした。
両手に小さなおにぎりを持つ、逞しくなった力丸は、少々ばかり滑稽に見える。
548ウコン:2005/03/25(金) 15:19:06 ID:v9PSW48h
「ほら、腹が減っただろ?」
そう言って力丸は左手のおにぎりを差し出した。固くずれの白いおにぎり。
アタイはそんなおにぎりを受け取ると、一口頬張って、一言。
「しょっぱい」
塩濃いおにぎりは、相変わらずである。
「すまない…」
微妙にへたれなのも、相変わらずである。
「ふぅ…」
アタイはまた溜め息のような、そんな息を漏らすと横になった。力丸はアタイのことを覗き込みに来る。

「龍丸、か?」

その一言に目を細めて、アタイは力丸を見遣った。
そう、家族や身内以上の人、龍丸。
アタイが愛しているただ一人の人、龍丸。
「…彩女…」
「煩いね…アタイはもう兄様の事は忘れたんだよ」
「だか、彩女…」
「いいよ、もう…其の名は忘れた…知らないよ」
風が吹いた。
森をざわめかせて、アタイの髪をなびかせて、去って行った。

まるで…其れはまるで…
549ウコン:2005/03/25(金) 15:19:43 ID:v9PSW48h

「力丸」
「ん?…───」
スッと体を起こして、アタイは力丸に抱きついた。
厚い胸板が、少々ばかり懐かしさを匂わせる。
「こ、こら彩女…何を」
しどろもどろな力丸の言葉は忘れて、アタイは手をゆっくりと力丸の下半身に伸ばす。
気付けば力丸は膨らんでいた。
「…アタイと話しながら勃たせてたのかい…?」
ニヤリとアタイは笑う。
力丸が物凄い頬を赤らめるものだから、此方は思わず悪戯したくなる。
アタイはそっと口付けると、力丸の服を脱がし始めた。
「彩女…!」
着崩れた力丸は、アタイを押し倒して首筋に舌を這わせる。
熱い息が首筋に掛ると、思わず腰が浮いてしまった。
「あぅ…」
自分の声とは思えない程甘い声で、アタイはあえぐと、力丸は切なげな表情でアタイの服を脱がし始める。
少しずつ露になるアタイの体は、力丸と比べると遥かに華奢で、色気地味ていた。
「アタイ、女なんだねぇ…」
しみじみと言う矢先、力丸の手は腰巻きに伸びている。
はらりとほどけば、あまり使われていない秘所に力丸の指は届く。
くの一なら沢山使う筈の此処は、男勝りなアタイには必要の無い部位だ。
だが、今日ばかりは力丸をくわえる為に、ヌルヌルの液体で濡れていた。
550ウコン:2005/03/25(金) 15:20:20 ID:v9PSW48h
「…濡れているな…」
「お互い様ってヤツだよ…ホラ、アンタのその欲望をアタイに頂戴よ?」
何時までも意地を張るアタイに、力丸は眉を下げて笑っていた。

いや、呆れてた?

力丸がアタイの白い脚を持ち上げて、肩に乗せる。

ちゅぷ…

「ん…ふぅッ…」
力丸の腰が少しずつアタイに近付いていくのが分かる。
力丸が、アタイの中を滑るようにゆっくりと…入ってきた。
「凄い…気持ちいい…っ!」
アタイの最奥部にまで、力丸は押し入ってくる。
力丸はとてつもない熱を帯びながら、アタイの中を動き回り始めた。
「彩女…ッう…凄い…!」
「はぁ…ぁ…ッんぁ…!」
次第にコツを掴んでいくアタイ達は、締め上げと突き上げを激しくしていく。
結合部からはグチャグチャと水音が溢れ、肌のぶつかり合う音も辺りに響いた。
「あぁっあ…ッぁんん…ッ!」
「彩女…あや…め…ッ!」
淀んだ意識の中、アタイの口から言葉が溢れていく。

「たつ…まるぅ…ッ!」

明らかに、力丸の目は見開かれた。
ヤバイとは思ったが、直ぐに力丸の突き上げに意識が飛んでいってしまう。
551ウコン:2005/03/25(金) 15:21:46 ID:v9PSW48h

クチュッパチュッ!

「…やはりお前は龍丸なのだな…」
「あっ…はん…ッ!りきま…るぅ…!」
そうじゃない。
そう言おうとしたが、力丸の突き上げに掻き消されていった。
「ちょ…りきまる…ッ!激しすぎ…!」
力丸の表情は怒りに震える「無」だ。
本気で怒らせてしまったらしい。
まぁ、無理もないけれど。
「中に出すぞ」
「ちょ…!やめ…ッ!中は駄目…!」
アタイの言葉が、水音とぶつかり合う音に紛れて居なくなる。
力丸は遠慮なく腰を振り乱して、アタイの中を犯し通していく。
「く…うぅ…」

ビュクッビュクビュクッ

「…く…ああああぁぁ…!!」
アタイの中で力丸が弾けた。
ドクドクと力丸の熱い粘液が広がる。
「はぁ…はぁ…」
力丸が何度か腰を揺する。
すると、結合部からは愛液か精液か分からない白い粘液がドロリと溢れでた。
糸を引きながら、粘液は青い草の上に落ちていく。
力丸がヌルヌルの自身を引き抜いて、アタイの脚を下ろした。
「中に出して…申し訳無い…」
いきなりの力丸の小さくはっきりとした声に、アタイは目を見開いた。
「彩女の言葉にカッとなってしまった」
力丸がアタイの体を起こして、ギュッと抱き締める。
552ウコン:2005/03/25(金) 15:22:22 ID:v9PSW48h
「アタイの方こそ、御免」
体を離してアタイは頭を下げた。
「…正直に話すと、アタイは…龍丸を忘れられない。兄様の全てを、力丸に重ねてた」
この言葉に、流石に力丸は眉間に皺を寄せたが、直ぐに首を横に振った。
振り終えた力丸は、微笑んでいた。
「憧れだった兄者と重なると言われただけで、俺は幸せだ…気にするな」
アタイの頭を二、三度叩くと、力丸自身を手拭いで拭き取り、しまい込む。
アタイも手拭いで秘所を拭い、着替えると、立ち上がった。
力丸もつられて立ち上がり、アタイを見下ろしている。
アタイはニコリと笑みを浮かべた。
「力丸も龍丸も…もしかしたら友以上、恋人未満…ってヤツなのかも、ね」
その言葉に少し残念そうな力丸。
面白いな、力丸という男は。
「まぁ此れからだって見込みあるかもしれないけどねぇ」
そう付け足すと、アタイは力丸の厚い胸板を叩いてさっさと走り去った。



「何時か恋人以上になる時が来るように…日々努力する」



そんな言葉が聞こえた。

其の言葉が、龍丸への想いを打ち破る鍵となるかは分からないが…

アタイは信じて力丸を待つことにしよう。
553ウコン:2005/03/25(金) 15:24:57 ID:v9PSW48h
以上です。
文才無くて鬱になってくる…

また時間があったら書こうと思ってたり。
でも時間がorz
554名無しさん@ピンキー:2005/03/26(土) 02:47:53 ID:wo+FWvDP
GJ
やっぱこの二人はええのう
555名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 12:59:04 ID:CPfvb72A
力丸オモロイ
よってGJ!!
556ウコン:2005/03/28(月) 00:47:44 ID:5+tH4Rxc
>554-555
マリガトン(´∀`)
力丸×彩女は和む感じにしたくてしますた。
でもまだまだ…ですな。

何か書きたくなったら、書きます。
(期待しない方が良いですが…)
無理矢理系でもタマラン!なので、次は無理矢理系です。多分。

あー早く天誅の新作出ないかな…
557名無しさん@ピンキー:皇紀2665/04/02(土) 01:13:40 ID:dbeBRfpr
凛たんのssマダー?
558名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 04:16:44 ID:WXNEtxu0
ふゆー
559名無しさん@ピンキー:2005/04/19(火) 21:07:02 ID:hrmRsdHo
あげr
560名無しさん@ピンキー:2005/04/27(水) 22:23:25 ID:s/mXafNa
ほす
561名無しさん@ピンキー:2005/04/28(木) 22:49:58 ID:ii3orq7p
どうもご無沙汰しております。ぽぽ者です。
スレの前半で彩女×凛を書いたヘタレSS書きです。
え〜、続編を書く、と言っておきながらこの放置の様…
すいません。ぶっちゃけ忘れてました。
実は半分ほどは書いていたのすが、それ以降マジ忘れです…。

最近漸く思い出して、また書き始めました。
たった今書き終わったので、さっそく投下させていただきたいと思います。
前作同様全くエロく無く、しかも無駄に長いですが
宜しければ読んでやって下さい。
.             /(∞))∧      ∧_∧
.             (´く_` ∬     (´<_`  )
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
     ( ´_ゝ`).   (::::†:::::::/| |     | |     |
    /   \.   ):::::::::(. | |    | |   | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/;:::: ⌒ヽ|    | |   | |
  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   | |    | |
      \/____/ ̄ ̄ ̄
562ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:50:44 ID:ii3orq7p





                 貝合わせ

563ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:51:15 ID:ii3orq7p
既に部屋には黒屋の面々が集合しており、思い思いに酒を煽っている。
凛の心は羞恥と屈辱で張り裂けそうになった。
重蔵だけならまだしも、何故彼らにまで裸体を晒さなくてはいけないのか。

「さあ、その桶に小便をしてみろ。」
―そんな!
凛の顔は青ざめた。
裸体を彼らに視姦された上に、放尿するところまで見せなくてはならないなんて。
「で…出来ない…。」
消え入りそうな声でそう呟いた。
重蔵は黙っている。
「そんなこと…出来ないよ…。」
哀願をするように重蔵を見た。
しかし重蔵の言葉は非情なものであった。
「出来なければ裸のまま縄をかけて大通りに捨て置くぞ。」
重蔵は嘘を付くような男ではない。
有限実行の男である。
小便をしなければ、本彼の言うとおり、本当に裸のまま大通りに放置されるであろうことは
間違いないであろう。そんなことになれば、有象無象の町衆の目に自身の裸体が晒されることになる。
あるいは狼藉者達に寄ってたかって乱暴されるかもしれない。
それは重蔵に犯されるよりも、黒屋の刺客たちに視姦されるよりも恐ろしいことであった。
564ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:51:46 ID:ii3orq7p
「さあ、早くしろ。」
重蔵が凛を促す。
刺客達も、少女が焦燥し、羞恥に悶える様を存分に愉しんでいる。
「出ないんだ…。まだ…したくない…。」
凛は既に半ベソをかいている。何とか時間を稼ぐつもりで咄嗟にその言葉が口から出た。
「ではお前がもよおすまで、一刻でもニ刻でも待ってやる。」
重蔵はそう言って酒を煽った。
小便が出ない、という凛の言葉は嘘である。
本当は先程から激しい尿意で膀胱が破裂しそうだった。
凛はそのこと知らなかったが、重蔵は彼女の食事に強力な利尿剤を混ぜていたのである。
今の重蔵の言葉も、彼女の尿意の昂ぶりを感じ取ってのものであった。
沈黙が流れた。
重蔵は相変わらず無表情のまま、黙々と酒を煽っている。
刺客達も、凛のその時を今か今かと待ち続けている。
ただ一人、凛だけが眼前に置かれた桶を凝視したまま動かない。
襲い来る激しい尿意と屈辱に、顔は赤く上気し、全身から脂汗が噴出している。
565ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:52:21 ID:ii3orq7p
その沈黙に耐えられなくなったのは、双葉であった。
彼女は凛の元へ歩み寄ると、その野苺のような乳首を摘まみ上げた。
「早くおし!皆待ってるんだよ!」
そう言って、親指と人差し指で乳首を押しつぶした。
凛の顔が苦痛に歪む。彼女の瞳には光るものがあった。
「あんたみたいな小汚い餓鬼はね、素っ裸のまま粗相をするのがお似合いなのさ!
 さあ、早くおし!早くおしったら!」
双葉はもう片方の乳首も乱暴に摘まみ上げた。
「まったく…強情な餓鬼だね!」
暫く乳首を痛め付けた後、ようやく解放してやった。
凛の乳首には双葉の爪の後がくっきりと刻まれており、赤く充血していた。
凛は何も言わない。俯いて、唇を噛み締めるのが精一杯だ。
―おや、と双葉が凛の顔を覗き込んだ。
彼女の頬を雫が伝っていた。
「おやおや、あんた泣いてるのかい?下からじゃなく上のほうが先に粗相しちまったってのかい!
 ははは…笑わせるね!泣いている暇があったらさっさと粗相をするんだよ!
 聞いてるのかい!この小汚い女狐め!」
566ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:52:51 ID:ii3orq7p
双葉の戯言に皆笑った。次々と凛に卑猥な野次が飛んだ。
自分の痴態が刺客達の酒の肴にされていることが悔しくて、凛の瞳からは益々涙が溢れ出てきた。
「取り消せ。」
不意に、重蔵が呟いた。場の緩みを引き締めるのに十分な凄みを持った声である。
一同、揃って重蔵を見た。
彼はただ一人笑っていない。瞬きもせず、刃のごとき隻眼で双葉を見据えている。
「今の言葉を取り消せ。」
独り言のような呟きではない。確固たる意思を持った、鉄のような響きがある。
重蔵の隻眼に捕えられた双葉は震え上がった。あれは彼が人を殺すときに見せる視線である。
その目で、今自分が見据えられている。重蔵の殺意がはっきりと感じられた。
―ははは…、と誤魔化すように双葉は笑った。これが重蔵一流の狂言だと思いたかった。
「ど、どうしたんだい?まさか重蔵さん、本気じゃないよね、こんなねんねの餓鬼に本気になって…。」
「取り消せ。」
重蔵の体から、黒い殺意が滲み出ているのを双葉は見た。
いや、恐怖に怯える彼女の心がそれを感じ取ったと言ったほうがいい。
567ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:55:01 ID:ii3orq7p
重蔵は間違いなく本気である。本気で自分の命を奪う気でいる。
もし、今己の吐いた言葉を取り消さなければ、次の瞬間には確実に自分の首は飛ぶであろう。
今度は双葉が脂汗を流す番だ。彼女の口内は恐怖に乾き、戦慄いている。
「わ、わかったよ…。取り消すよ…。」
掠れた声で彼女は言葉を搾り出した。誰しも己の吐いた言葉を取り消すのは屈辱である。
自尊心が人一倍高い彼女には尚更であろう。
しかし今はそんな誇りよりも、己の命のほうが大事である。
震え上がる双葉に、重蔵はさらに言葉を重ねる。
「凛に詫びろ。」
思わぬ言葉に、双葉の呼吸が一瞬止まりかけた。
重蔵の心のうちが全く読めなかった。
―この小娘を嬲り者にするのではなかったのかい?そのために私達を呼んだのでは…?
そう口から飛び出しかけたのを、彼女は慌てて止めた。
今何か物を言ったら、確実に自分の命が無いであろうと悟っていた。
568ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:55:35 ID:ii3orq7p
「わ、悪かったよ…凛…。」
凛の顔を見ずに、うな垂れたままそう呟いた。
それでもまだ重蔵は彼女を許そうとはしない。
今度はさらに手をついて詫びろと言う。
―これではわたしが嬲り者ではないか…!
双葉の心に重蔵に対する怒りと屈辱の波が押し寄せた。
そして次の瞬間にはそれが目の前の凛に対するものに変わった。
この小娘の強情のせいで、自分が恥を晒さなければならないことが、何よりの屈辱であった。
しかしその感情を表に出す事は己の死を意味する。
―この餓鬼め…後で覚えておいで…!
屈辱を何とか心の奥底に押し込んで、彼女は畳に手をついた。
「悪かった…この通り…許しておくれ…。」
暫く頭を下げていると、重蔵からようやく許しが出た。
もういい、席へ戻れ、と言う。
ふら付く足取りで自分の席へ辿り着いた双葉を隣の単葉が支えた。
569ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:56:12 ID:ii3orq7p
「凛、もう泣くな。」
重蔵はそう言って、凛の頬を己の指で拭った。
しかしその次には早く粗相をして見せろ、と言う言葉も忘れない。
双葉以上に、凛には重蔵の心が読めなかった。
この男は一体何がしたいのであろう。自分を辱めたいのである事は分かるが、
それならば先程の双葉に対する言葉は一体何なのか?それに今の自分の涙を拭った行為は
何を意味するのか?そしてその上で衆人環視の元、全裸のまま小便をしろと言う。
重蔵が凛の背中を優しく擦った。陵辱者のそれではない。愛しいものに対する行いである。
「さあ、もう出る頃だろう。意地を張るのは止せ。俺も皆もお前が恥をかくのを待っているのだ。」
重蔵が凛の股間の下に桶を置き、もう一度言った。
「さあ、恥をかけ。俺の見ている前で、うんと恥をかけ。」
重蔵に急かされて、凛にはもう何かを思考する余裕は無くなっていた。
ただ、下腹に力を込めた。
次の瞬間、堰き止められていた鉄砲水が堰を破って噴出するように、彼女の股間から勢いよく飛沫が上がった。
彼女の小便は見事に桶の中心部に当たり、飛び跳ねた飛沫が畳と彼女の足を汚した。
隣で見ている重蔵の唐紅の着流しにも彼女の水滴がついたが、彼はそんな事は気にも留めていない。
羞恥に悶える凛の表情と、股間から飛び出る小便を交互に眺めている。
「そうだ。それでいい。うんと恥をかけ。恥をかいて恥をかいて、俺に相応しい女になれ。」
凛の耳の奥で、そう呟く重蔵の声が聞こえる。
彼女の股間から小便が止まる気配は、まだ無い。

                         
570ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:57:30 ID:ii3orq7p
―ちっくしょう!
双葉が喚いた。秀麗な顔立ちは怒りに崩れ、般若のように歪んでいる。
「何だってんだい!あの餓鬼め!あたしに恥をかかせやがって!」
そう言って一気に杯を煽り、それでもまだ足りないと銚子に直接口をつけ、中の酒を胃袋に流し込んだ。
その様子を双子の弟の単葉が相変わらずの仏頂面で眺めていた。
部屋の中には双葉と単葉の二人だけの姿しか見えない。
ここは二人に与えられた彼らのための居室である。行燈が僅かに二灯瞬くだけの、薄暗い部屋である。
「恥をかいたのは凛のせいではないと思うが。」
単葉が抑揚の無い声で、怒り狂う姉を諭した。
正鵠を得た言葉であるが、今の双葉にはそれが気に入らない。
それをしゃくしゃくと口に出す、単葉も気に入らなかった。
571ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:58:40 ID:ii3orq7p
「五月蝿いっ!」
そう一喝し、銚子を弟の胸に投げつけた。
中に残っていた酒が零れ、彼の寝着と畳を濡らした。
八つ当たりもいいところであるが、それに対する単葉の特別な反応は無い。
黙って手ぬぐいを取ると、寝着と畳に零れた酒を拭き取った。
「くっそぅ…重蔵の奴…なんであんな餓鬼がいいってんだい…!
 あたしのほうが身体だっていい!伽だっていいに決まってる!
 それなのに何で…!」
地団太を踏んだ拍子に、彼女の乳房がまろび出た。
「ほらっ!見ろっ!この乳を!これで男は蕩ける筈なんだ!
 なのに何で何だいっ!」
彼女が暴れる度に、豊かな乳房が波を打って揺れた。
酒が入っているせいか、透き通るような白い肌にほんのり赤みが差し何とも扇情的である。
しかし単葉は姉の乳房など見ようともしない。今まで見飽きるほど見てきている。
今更どうこう言われても、何とも思わない。ただ黙って手ぬぐいで酒を拭き続けた。
572ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 22:59:59 ID:ii3orq7p
弟に無視されたと感じた姉はますます狂乱した。
諸肌を脱いで、上半身を完全に露出させた。
「見ろっ!見ろったら!!ほら!ほら!!ほら!!!」
自ら両の乳房を鷲づかみにし、弟に迫った。
重量感のある柔肌に、彼女の爪が痛々しく食い込んだ。
全くこうなっては色気もへったくれもあったものではない。
「ほら!ご覧よ!ほら!ほら!…ちょいと!何とか言ったらどうなんだい!!」
己の乳房を力任せに掴んで強調している姿は、まるで色情狂か山姥である。
彼女の美貌も、その激しい気性の前には何の役にも立たない。
「ああ、とてもそそる…堪らない…。」
姉の怒りを静める為に口にした言葉も、この美しき山姥には通じない。
「嘘言うんじゃないよ!!」
そう言うなり、いきなり弟の股間を鷲掴みにした。
これには流石の単葉も面食らい、いつもの無表情にも恐怖の色がありありと浮かんだ。
下手に彼女を刺激すると、このまま一物を握り潰されかねない。
彼の心情は虎の檻に入れられた、憐れな奴隷そのものである。
「何なんだいこれは!!何だって言うんだい!!!」
弟の一物は、当然のことながら萎えきっていた。
「ちっくしょう!!この皮被り!!」
双葉は棄て台詞を吐き捨て、弟を解放した。
573ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 23:00:38 ID:ii3orq7p
そのまま彼に背を向けて、ドカリと腰を下ろした。
「何でだよ…何であんな小娘が…何でだよ重蔵…。」
「それは直接重蔵に聞け。」
そう言おうとして、口を噤んだ。彼は腹立たしいほど鈍感な合理主義者である。しかし今それを口に出すと、
姉の怒りに油を注ぐ事になることぐらいは、彼にも判った。この場は黙ってやり過ごすに限る。
だが、双葉がそうさせてくれない。
自分と凛、どちらが女として魅力的か詰問してきた。
「俺は塩鮭がいい。」
そっぽを向いたまま、単葉がぼそりと呟いた。塩鮭は彼の好物である。
現代と違い、この時代では珍味の部類に入る。
「何だって!?もう一度言ってごらん!!」
からかわれたと思った双葉が凄んだ。目が据わっている。
「いや、何でもない…。」
単葉はそう言ったきり後は押し黙ってしまった。こうなっては暖簾に腕押しである。
怒りをぶつける相手が無反応では、面白くも何ともない。
彼女も弟を相手にするのを諦めたようだ。
「あーもう!面白くない!今日はもう寝るよ!」
そういい捨てて奥の寝室に入っていく姉の後姿を見て、単葉はほっと胸を撫で下ろした。
寝室には布団が二つ並んで並べられていた。その内の右側の布団の上に、倒れこむようにして双葉は身を横たえた。
隣の布団は当然単葉の物である。奇妙なことであるが、この姉弟はいつも二人一緒に行動を取る事を常としていた。
食べる時も、町をふら付く時も、そして寝る時もである。風呂に入る時さえ一緒であった。
幼い頃からそうして来たのであり、二人ともそのことに疑問を抱いた事は無い。

574ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 23:01:15 ID:ii3orq7p
―これで一人飲みなおせる。
単葉がそう思ったとき、寝室の姉から声が飛んだ。
「あんた!ちょっとこっちへ来な!」
杯に酒を満たしていた途中であった単葉が憮然とした表情を見せた。
―またか。
そう思った。
愚図愚図していると、再び声が飛んで来た。
「何やってんだい!?早く来な!あたしの言うことが聞けないのかい!?」
やれやれ…双葉に聞こえるように大きく溜息を一つついて、彼は寝室へと足を運んだ。
寝室に入ると、双葉が仰向けのまま寝着の裾を腰まで肌蹴け、大股を開いて弟を待っていた。
異様な光景であるが、単葉は驚きもしない。あられもない姉の姿を見下ろしたまま、襖の陰で突っ立っている。
愚図な弟を急かすように、双葉は言った。
「このままじゃ寝付けないったらありゃしない!あんた、しゃぶっておくれ!」
「…わかった。」
単葉は頷いた。
―たまには自分でやれ。
そう言おうとしたが、止めた。
これ以上姉を怒らせれば、一人酒を飲めなくなる。それならばここで彼女を二度三度満足させてやればそれで済む問題だ。
それほど時間も掛からないであろう。
「上手くしゃぶっておくれよ。」
双葉の言葉を聞き流し、彼は姉の股間に顔を埋め、秘部にしゃぶりついた。
575ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 23:01:55 ID:ii3orq7p
真に奇怪な光景である。だが、これが彼ら姉弟が物心付いた時から営んできた、秘事であった。
最初は性に対し好奇心旺盛であった双葉が、無理やり弟に処理させたのが始まりであった。
それ以来、双葉は寝付けなかったり心が昂ぶったときなど、決まって弟に慰めさせた。
単葉も姉に慰められる時もあるが、本当に彼女の気の向いたときだけである。
以前彼は自分が姉を慰めてやった回数と、自分が姉に慰められた回数を記録し、それを双葉に見せ付けてやったことがあった。
お前のほうがこんなに愉しんでいるじゃないか、これでは不公平だ、というわけである。
しかしたちまち彼女の癇癪が弾け痛い目にあったため、以後その記録は封印せざるを得なくなった。
だが彼は今でも姉に内緒で記録を書きとどめ続けている。
そしてこれまた奇怪なことであるが、二人の行為がそれ以上進行する事も無い。
ただ互いをの秘部を慰めあって、それで終わりである。
この歳になるまで、その行為を幾度となく繰り返してきた。
576ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 23:02:44 ID:ii3orq7p
「あんた…上手だよ…ああ…そこだよ…そこ…いいよ…。」
暗闇の中に、双葉の嬌声だけが響いている。
痒いところに手が届く、とはよく言ったもので、単葉の舌技は彼女の沸点を絶妙に捕え、
彼女を悦楽の渦の中へと引き込んでいった。何しろ年季が違う。姉の悦びを自在に操ることなどお手の物だ。
既に双葉は二回ほど絶頂を迎えている。
今までの経験から三回も満足させてやれば、それで自由にさせてもらえるはずであった。
だが今夜の彼女は、さらに尻の穴も舐めてくれとねだりはじめた。
単葉の動きがぴたりと止まった。別に姉の尻の穴を舐めるのが嫌だからではない。大体、これまでに何度も
舐めさせられてきている。だが反面、彼が双葉に尻の穴を舐めてもらった事は今だかつて一度も無い。
そのことに対するささやかな抗議のつもりであった。
そんな弟の心底を見透かしたのか、双葉が甘えた声で悶える。
「今度あんたのも舐めてやるからさ…だから早くしておくれ…。」
「本当だな?」
「本当さ…だからお願いだよ…。」
そう言って、腰を扇情的に揺さぶった。
―やれやれ、仕方ない。
単葉は、姉の願いを聞き入れてやった。双葉の身体がくの字に反り、嬌声が一オクターブ上がった。
577ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 23:03:18 ID:ii3orq7p
単葉の予想通り、三回の絶頂を迎えた双葉は悦びに疲れ、今はすやすやと寝息を立てている。
その寝顔は子供のように穏やかで、そして美しい。先程の般若の体が嘘のようである。
単葉は、愛液と自身の唾液で濡れた姉の秘部を手ぬぐいで拭ってから、乱れた裾をきちっと直してやり、
彼女の身体に布団を掛けてやった。
それから寝室に酒を持ち込んで、一人煽った。酒の肴は姉の寝顔である。
彼は先程の双葉の質問を思い出していた。
―凛と自分、どちらがよいのか。
彼が塩鮭と答え、はぐらかした質問である。
単葉はそっと姉の頬を撫でて呟いた。
「俺は、お前のほうがいい。」

                             〜続く〜
578ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/28(木) 23:05:10 ID:ii3orq7p
取りあえずは今日はここまでです。
これでもまだ五分の一ぐらいです…。
無駄に長くてすいません。
あとこの物語は、重蔵×凛ではなくて
双葉×単葉の物語です。
.             /(∞))∧      ∧_∧
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579名無しさん@ピンキー:2005/04/29(金) 02:26:29 ID:zeoOBaBZ
久しぶりの神こうりんに我感動也
GJです
580ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:38:30 ID:vsPYd5ka
凛が重蔵の手に堕ちて、二月が経った。
捕らえたのは他でもない単葉である。
拘束した凛を重蔵の元へ連行しても、彼は格別に驚きも喜びもしなかった。
たった一言、「ご苦労」と労いの言葉をかけただけに過ぎない。
何故あれほどまでに、重蔵があの小娘を所望したのかは、単葉の思いつく限りではない。
重蔵の嗜好等興味がなかった。彼にとってみれば、ただ普段通り自分に与えられた仕事をこなしただけである。

あの日以来、凛は毎日のように重蔵に責め苛まれているようである。
だが、彼があの小娘を憐れんだ事は一度も無い。
今まで殺戮してきた人間たちと全く同様に、である
581ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:39:00 ID:vsPYd5ka
重蔵に飼われている刺客たちは、常に黒屋に詰めているわけではない。
大抵は近くの村や町に点在して暮らしている。
無論彼らの正体を近隣の住人が知ることは無い。
単葉や双葉を始め、黒屋の幹部達には専用の居室が設けられているが、
彼らは余り黒屋に寄り付こうとはしない。
黒屋は表向きには薬屋という事になっている。
日常的に大量の薬を取り扱い、販売している。
そのため常に店の中に薬品臭が充満し、染み付いて取れない。
その薬品特有の臭いが彼らを遠ざける最大の理由であった。
忍び上がりの刺客は人一倍鼻が利く。
本来人を癒すはずの薬品の臭気で、息が詰って死んでしまっては本末転倒である。
重蔵が隠れ蓑として薬屋を選んだのは、彼が葉隠れの出であるという理由からであった。
忍びは様々な芸を使いこなすが、彼の故郷葉隠れの里では、特に薬芸が発達していた。
薬に関する専門知識や技術も、当時としてはおそらく日の本一であったと思われる。
彼の店は繁盛した。何しろ薬の質が他所とはまるで違う。連日多くの病人が訪れてくる。
売り上げも相当なものになっている筈である。
だが重蔵がこのまま堅気の薬屋に転身しようと思った事は唯の一度も無い。
彼は心底忍び芸を、そして殺人を愛しているのである。
582ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:39:51 ID:vsPYd5ka
双葉と単葉の姉弟は、黒屋から一里ほど離れた喉かな田園風景の中で暮らしていた。
空き家となった百姓の家が、格安で貸し出されていたのを借入したのである。
百姓の家と入っても、元は土豪の仮屋敷であり、中々立派な造りである。
本来ならもう少し黒屋に近い場所に住みたかったのだが、双葉が我侭を言った。
街にある長屋が狭くて嫌だというのである。
仕方なく単葉があちこち駆けずり回り、ようやく姉の満足いく住処を見つけたのは、今から三月程前の事だ。
当初、二人で暮らすには十分すぎる広さを持つこの屋敷にご満悦であった双葉も、次第に飽きてきた。
今度は街から遠いと言い出したのである。酒場からも、白粉屋からも、反物屋からも遠いと言うのだ。
583ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:40:24 ID:vsPYd5ka
これには流石の弟も呆れ果てた。
「では街の長屋に越すか?」と強い口調で問うても、「それも嫌だ。」と頸を振るのだから始末に終えない。
暫く禅問答を繰り返した挙句、
「勝手にしろ。」
単葉は餓鬼よりも手に負えない姉の相手をするのが馬鹿らしくなり、むっつりと黙り込んで無視を決め込んだ。
料理も洗濯もしてやらなかった。彼女の好きな酒も買って来てやらなかった。
三日後、この篭城戦に音を上げたのは言うまでも無く姉のほうである。
彼女は口をへの字に曲げながら、あたかも弟が悪いと言わんばかりに、
「仕方が無いからここに住んでやる。」と宣言した。
それでも単葉が背中を向けてると、急に猫なで声を出して擦り寄ってきた。
弟を背中から抱きすくめ、胸を押し付け、耳を齧り、着物の裾から手を差込んで一物を探り当てると
指先で優しくなぞった。
「ねえ、あんたまだ怒ってるのかい?そんなに怖い顔しないでおくれよ。ねえ、許しておくれ。ねえったら。」
「五月蝿い!」
一喝すると、今度は泣き真似を始めるという嫌らしさである。
単葉は溜息をついた。
この篭城戦に勝利したのはどうやら姉のほうであったようだ。
「…俺が悪かった。」
頭を掻きながら詫びた。
何が悪いのか、自分でもよくわからない。
とにかくこの姉の前に完全敗北した事だけは、よくわかった。

ただこの日を最後に、双葉が住居の事で文句を言う事はなかった。

584ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:41:03 ID:vsPYd5ka
凛は部屋の隅で、ただぼんやりと物思いに耽っている。
重蔵の陵辱が始まってから、既に二ヶ月が経っていた。
慣れ、とは恐ろしいもので、当初は何度も舌を噛み切ってやろうかと思っていた凛であったが
今はそんな気など毛頭無い。
時々その理由を自問するが、いつも答えは出ない。
いや、本当は答えが出ているのだ。ただそれを認めることがまだ出来ないでいる。
部屋の片隅には重蔵が凛のために特別に拵えた鏡台がある。
凛はこの歳に至るまで、ろくに鏡など見た事が無い。鏡台の上にはこれまた見事な細工を施された
櫛や簪が無造作に置かれている。七重にも漆が重ねられた最高級品である。
だが、それに凛が手を付けた様子は見受けられない。表面にうっすらと埃を被っている事からもそれが判る。
鏡台の引き出しの中には、白粉や口紅が納められているが、これもまったく手が付けられていない。
大体凛はそのようなものに興味が無いのだ。
凛ぐらいの年頃の少女であるならば、自分を着飾る事に全ての情熱を傾けるものであるが
彼女は今まで一度もそのような情熱を持ったためしが無い。
これまでにも重蔵から艶やかな小袖を送られたりしたが、彼女がそれに袖を通した事は一度も無い。
彼女は黒屋に連れてこられた時と同様の格好で、何時も過ごした。
それは重蔵に対する抵抗というよりも、着慣れた衣服を身に着けていることが好きだからという理由のためである。
その内重蔵も、凛がそれらの物に全く興味を示さない事を知ると、それ以上無駄な進物をしなくなった。
585ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:42:10 ID:vsPYd5ka
そんな凛であったが、たった一つ重蔵の進物を受け入れたものがある。
それは黒糖であった。
何時だったか、重蔵は琉球渡りの黒糖を凛に手渡した事があった。
生まれて初めて見るこげ茶色の奇妙な塊に、凛は初めて興味を示した。
だがその時は決してそれを口にはしなかった。
これを口にしたら、重蔵に敗北すると思っていた。
そんな彼女が、その琉球渡りの珍物を口にしたのは、重蔵が数日間留守にしていた時の事である。
最初はその珍妙な物体が、一体如何なる物であるかを確認するための行為であったが、
生まれて初めて味わう妙なる甘味は忽ち彼女を魅了した。
この世にこんな旨い物があったのか、彼女は正直驚愕した。
それからというもの、重蔵のいない隙を狙っては、この妙味の菓子を度々口にした。
どうやら重蔵もその事に気が付いていたようである。
黒糖が無くなる頃を見計らって、また新たに新しい黒糖を凛に与えていたからだ。
無論、凛の「盗み食い」に気付かぬフリをして…。
586ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:43:03 ID:vsPYd5ka
凛は徐に傍らに置いてある葛籠の中に手を入れた。
この葛籠には凛の持ち物が入っている。
横一尺、縦二尺、高さ一尺ほどしかない小さな葛籠に、彼女財産の全てが納められていた。
暫くごそごそ探っていた彼女であったが、やがてお目当てのものを探り当てると、そっと手に取った。
懐紙に包まれた拳大の塊である。
包みを開くと、細かく砕かれた黒糖が香ばしい香りを漂わせていた。
その欠片を一つまみ、口の中に放り込む。
忽ちの内に、えもいわれぬ甘みが彼女の口一杯に広がった。
そこには十六歳の少女の溢れんばかりの微笑みがあった。

587ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:43:45 ID:vsPYd5ka
物音がした。
凛は慌てて懐紙を丸めると、葛籠の奥にそれを押し込んだ。
口の中で柔らかに溶け始めていた黒糖も、一気に噛み砕き胃袋に流し込む。
音も無く襖が開いて、重蔵が入ってきた。
彼は何も言わず、着流しの帯を解いた。
それが合図であるかのように、凛は立ち上がり壁際に掛かっていた着流しをその手に抱える。
重蔵は既に着流しを脱ぎ捨て、褌一丁の姿になっていた。彼の歳は四十を超えているが
その肉体は鋼のように鍛えぬかれ、余分なものは一切削ぎ落とされている。
手錬の忍びの肉体であった。
凛は仁王立ちの重蔵の背後に回ると、代えの着流しをその背に当てた。
彼ほどの男が、無防備にも他人に背中を見せている。
この瞬間ならこの男を倒せるかもしれない。凛ですらそう思えるほどの開けっ放しの背中であった。
だが凛は、これまで一度もその背に牙を剥こうと思った事は無い。
別に腕に自信が無いわけでは無い。また死ぬのが怖いわけでもない。
その理由を、彼女は胸のうちの奥深くにそっと閉じ込めている。
588ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:44:18 ID:vsPYd5ka
凛の差し出した着流しに、重蔵は無言で袖を通した。
凛は甲斐甲斐しくも、その腹に帯を巻き、少しきつめに結んでやる。
少しきつめに巻くのが重蔵の好みなのだ。
何時からこんな事をする様になったのか、凛は思い出せない。
何時の間にか、重蔵が帯を落とすと条件反射のように彼の着替えを手伝うようになっていた。
すっかり着替え終わった重蔵が、その場にドカリと腰を下ろした。
その後に来る言葉はわかっている。
「酒をくれ。」
まだ言い終わらぬうちに、凛は葛籠の横に置かれていた酒瓶と杯を手に取っていた。
重蔵に杯を渡すと、彼の横にぴたりと着き酒をついでやる。
忍びが人前で酒を飲む事は、死ぬ事に等しいと凛は教えられていた。
だがこの男はそんな事はお構いなしとばかり杯を一気に煽る。
正直な所、重蔵はあまり酒に強いほうではない。
彼は時々部下と供に酒を飲むが、その時も酒を水で薄め、酔わない工夫をしている。
しかし凛の注ぐ酒にはそんな工夫はされていない。
その為思わず飲みすぎて、酔った挙句に眠りこけてしまう事も一度や二度ではない。
殺してくれ、と言わんばかりの無防備さに、凛ですら呆れ返ってしまう。
重蔵は里一番の使い手と言われた男なのである。
それが凛の前ではこうもだらしが無い。
589ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:44:55 ID:vsPYd5ka
「くの一が俺の頸を狙っているらしい。」
ぼそりと重蔵が呟く。
杯に湛えられた水面に映る彼の表情が、僅かに震えたように見えた。
「くの一」と聞いたとき、それが一瞬自分の事を指しているのではないかと凛は恐れた。
だがどうやら違うようだ。
重蔵は笑いとも怒りとも付かぬ奇妙な表情を浮かべ、静かに杯を見つめている。
頸を狙っているのは何者なのか、と凛は聞かない。
聞いても返答しないであろうということはわかっている。
重蔵がぐい、と杯を傾けた。
後に残ったのは、空っぽの杯。
それをしばし見つめた後、彼は言った。
「人の生など一杯の酒のようなものだ。飲み干せばそれで終わり。
 後に残るのは空になった杯だけ。」
それが彼の人生観のようなものであったのだろう。
同じ言葉を凛は何度も聴いた。
今夜のように凛と二人きり、酒を臓腑に流し込む夜に、彼は必ず同じことを言う。
それも一言半句も違えずに、己の生死の在りようをを独り言のように呟くのだ。
里を消滅させたのも、自分をさらって飼育しているのも、その人生観によるものなのかは知らない。
だがこの言葉を聴く度に、心のうちの最も脆弱な部分が締め付けられるような思いがして、
凛は何ともやり切れなくなる。
大体四十路の大の男が十六の小娘を捕まえて、吐き出す言葉ではないではないか。
この重蔵という男は口数が多い男ではないが、時々奇妙な言葉を口にする。
それでいて、凛には意味が良くわからない。いや彼の部下たちにも理解できないかもしれない。
その癖、言いたいことだけを言って満足すると、後は石のように押し黙る。
こちらが何を話しかけても、石が答えることはない。
―この人は、もしかしたらうんと子供なのではないか。
子供の凛がそう思うほどに、気まぐれで自分勝手な男だった。
「もう寝る。」
重蔵が告げ、二人は揃って閨に遊ぶ。
590ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 08:46:05 ID:vsPYd5ka
取り合えず此処までです。
また投下しに来ます。
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591ウコン:2005/04/29(金) 13:54:26 ID:ieuuiF8r
ぽぽ者さん、お久しぶりです!
新作、双葉×単葉の続き大期待です。

俺も書くか…でも忙しくて書けないですorz
592ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 14:59:39 ID:o8e/QtcH
双葉は重蔵に惚れている。
弟と二人酒を酌み交わしながら、重蔵がいかにいい男なのであるか、
自分がどれだけ彼に惚れているかを、大げさな身振り手振りと、稚拙な語呂を駆使して熱弁を振るう。
姉が怒らない程度の相槌を打ちながら、単葉はそれを聞き流している。
正直、双葉が誰に惚れていようと彼にはどうでもいい話だ。
このふしだらな姉の持ちかける話題は、そのどれもが低俗で下らないものであるが、
取り分けこの手の話題が最も唾棄すべきものであった。
双葉には貞操観念というものがまるで無い。流行の簪を買い替えるがごとく、男を替える。
今度もそれであろうと、単葉もいい加減うんざりしている。
大体において、惚れた男がいるというのに、この阿婆擦れは平気で他の男に抱かれるのだ。
この地に移り住んでから、彼が知っているだけで三人男を替えた。
一晩限りの男など、一々数えるのも面倒である。
593ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:00:19 ID:o8e/QtcH
弟がいるにもかかわらず、彼女は男を家に引っ張り込んで来る。
連れてくる男の種類も様々である。
浪人の時もあるし、ばくち打ちの時もある。
乞食のような雲水や、年端もいかない少年の時もあった。
大体においてこの女の好みは大変に変わっている。
美貌の男や、金持ちの旦那を好むといった事が無い。
いや、どちらかと言うと一風変わった奇妙な男を好む。
姉が男を連れ込むたびに、単葉は密かに彼らにあだ名をつける。
すぐにあだ名が思いつくほど、変てこな連中ばかりなのだ。
無精髭を生やし、体中傷だらけの汚い浪人は「髭田傷の守」。
極度の肥満で、一年中引っ切り無しに汗をかいている男は「湯気太郎」。
年老いた盲目の按摩は「メクラ爺」。
彼女が筆下ろししてやった、鼻が猪のように天に向って反り返っている少年は「猪若丸」。
ちなみにこの少年は、顔面中に無数の痘痕があったので「痘痕童子」にしようかとも思ったが
結局語呂のいい前者に落ち着いた。
このふしだらな姉が、今度は一体どんな奇妙な男を引っ張り込んでくるのか、
密かな楽しみにすらなっている。
仏頂面の単葉の姿を見ると、大抵の遊び男は困惑する。
だがその時もこの阿婆擦れは、
「あれはあたしの弟だよ。道端に立ってるお地蔵様みたいなもんだから気にする事は無いよ。」
と気にも留めない。
姉がこの弟につけたあだ名は「お地蔵様」であった。
そして双葉は襖一枚隔てた隣室で、あられもない声を上げて睦みあいを始める。
いくらお地蔵様でも、これではたまったものではない。

594ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:00:59 ID:o8e/QtcH
「ああ、お腹が空いた。何か作っておくれ。」
男が帰ると、双葉は決まってこう言う。
今日の男は頭がつるつるに禿げ上がった中年の男であった。
単葉が彼につけたあだ名は「鶴念」である。
彼女は薄い襦袢一枚を羽織ったままの姿で、胡坐をかいて座っている。
袖に腕も通さず、帯も締めていない。
白い肌が僅かに桜色に染まり、睦みあいの余韻を感じさせる。
「湯漬けでいいか?」
「いいよ。でも焼いておくれ。」
双葉は焼いた握り飯を湯漬けにして食べるのが大好きである。
単葉は早速仕事に取り掛かった。冷や飯で手早く握り飯を握り、囲炉裏で炙った。
この自堕落な姉は、何も出来ない。料理も洗濯も裁縫もまるで駄目だ。
そして彼女に忠実なこの弟は、何でもそつなくこなす。料理も洗濯も裁縫もお手の物だ。
米の焼ける香ばしい香りが狭い部屋の中に充満する。
「もういいんじゃないかい?早くお湯をかけておくれ。」
子供のように催促する姉に呆れつつも、彼女の言うとおりにしてやる。
焼いた握り飯を椀に移し、並々と湯をかけてやった。
「箸が無いよ。」
「わかってる。」
「ついでに瓜の香の物もね。」
「それもわかってる。」
595ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:01:41 ID:o8e/QtcH
弟特製の湯漬けを掻きこみながら、双葉は今日睦んだ男の具合をあれこれ語る。
あの男は早いとか、下手だとか、萎びたキュウリだとか、大抵いい評価は得られない。
「あたしはあんたの皮被りのほうが好きだよ。可愛くてさ。」
そうしみじみと漏らした後に見せる、弟の憮然とした表情が何とも可愛らしい。
それから男からの貢物を引っ張り出してきて、やはりあれこれ批評する。
彼女の採点はこれまた厳しすぎるほどに厳しい。
「あたしこんなの要らないや。あんたどこかで売ってきてよ。」
先ほどの男からの貢物は、黒漆の塗られた櫛であった。
様式化された二羽の鶴の蒔き絵が施されている。
「これさあ、二重塗りなんだよねぇ。貧乏ったらしいったりゃありゃしない。」
この時代の漆器で最も高価なのは、七重、八重にも漆を塗り重ねた多重塗りのものである。
漆を塗る手間隙が、恐ろしく掛かるからだ。その為漆の層が多ければ多いほど上等とされた。
だが単葉には漆器のことなどわからないし、興味も無い。
「自分で売って来い。」
「面倒だから嫌だよ。どうせあんた街に買出しに行くだろ。その時でいいからさ。」
男からの貢物を、双葉は大抵全て換金してしまう。その金は大抵酒か装飾品か男に消える。
だがそんな彼女にも、換金しなかった品物がたった一つだけある。
何年も前に弟にねだって買ってもらった、紅色の櫛である。
一重塗りの安物なので、所々漆が剥げ、地が顔を覗かせている。
それでも双葉は、今でもこの櫛を大切に使い続けている。
もっともそんな事を単葉は知る由も無いし、櫛を買ってやったことなどとうに忘れていた。

「よく飽きないな。」
男を変える度に、単葉は皮肉交じりに言う。
「五月蝿いよ。」
だがどんな男に抱かれても、彼女が満たされる事は決して無い。
この阿婆擦れは、男達に身体は開いても、その心まで開いた事はただの一度も無かった。
彼女が心を開く男はこの世でたった一人しかいない。そして未来永劫、死ぬまで一人きりだ。
596ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:02:23 ID:o8e/QtcH
単葉の顔が浮かない。
この男は多分に憂鬱持ちである。
だからこんな表情を見せるのは大して珍しいことではない。
だがこんな時に限って、お節介にも姉が顔を覗き込んでくる。
「あんた、誰かに虐められたのかい?」
―まさか。
彼は心のうちで苦笑する。
―この歳で、虐められるなど。
そんな事在るわけが無い。
彼を虐める者がいるとすればそれはたった一人、目の前にいる実の姉以外にはいない筈である。
「虐められたら、あたしにお言い。」
今度は口に出して笑った。
双葉は憮然とする。せっかく人が心配してやっていると言うのに、その人を喰った態度は何だ。
彼女は怒って、奥に引っ込んでしまった。単葉が視線が、寂しげにその後姿を追った。
597ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:02:56 ID:o8e/QtcH
幼い頃の単葉は皆に虐められた。
姉以外の人間と殆ど口を利こうとしない不気味な少年を、好く者はいない。
里の悪童供に散々虐められて、姉の待つ家に帰り着く。
生傷だらけの身体に、泥だらけの顔。涙をボロボロ零して帰り着く。
ボロ雑巾のような弟の姿を見た姉は、虐めっ子よりも恐ろしい形相で彼を詰問し、悪餓鬼供の名前を聞き出した。
それからはもう火花そのものだ。用心棒を引っ掴んで、巴御前よろしく駆け出していく。
悪童供は、この幼い巴御前に嫌と言うほど打ちのめされ、泣きながら両親の元へと敗走する。
悪餓鬼供の親もまた、彼ら同様邪悪である。
たかが子供の喧嘩ごときに徒党を組み、姉弟を糾弾する。
この姉弟に親はいない。彼らは棄て子であった。
一時の嵐が過ぎ去るまで、ただ只管強く抱き合って、決して涙を見せる事は無い。
その頑なな態度がさらに大人達の怒りを買ってしまう。
彼らは一方的に悪者にされ、疎外され、憎悪される。
そんな訳であるから、弟同様双葉も里人に愛されず、友達もまったくいない。
単葉の友達はたった一人、実の姉ただ一人であった。
双葉の友達もたった一人、実の弟ただ一人であった。
彼らは互いに唯一の肉親であると同時に、親友であり、また戦友でもあった。
「虐められたら、姉ちゃんにお言い。」
双葉はそう言って、孤独な弟を抱きしめてやる。
彼女は必ず報復を行う。泣き寝入りと言う言葉を知らない。
独りぼっちになると知りながら、この勇敢な巴御前は必ず弟の仇をとる。
弟の屈辱を打ち払い、彼の名誉を取り戻す。
だから単葉も孤独な姉を抱きしめた。
薄汚れた布団の中、二人は毎晩のように抱き合いながら眠りについた。
抱き合いながら、大人になった。
598ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:03:35 ID:o8e/QtcH
双葉は歩き巫女として育成された。
歩き巫女とは、特定の神社に所属しないフリーの巫女の事を言う。
彼女達はそれぞれ諸国を遍歴し、その土地その土地で謡や舞を神に奉納する。
そしてまた、その土地の神と対話し、その言葉を聴き、理解し、
土地の民に伝える役割を持つ。
と同時に、彼女達はまた遊女でもある。
謡や舞を見物に来ている男に金で身体を開くのだ。
歩き巫女の歴史は古く、日の本を様々な神々たちが闊歩していた時代から存在するという。
記紀神話にあるアメノウズメノミコトも、この系統にあると聞く。

時代が下るにつれ、諸国を遍歴する歩き巫女の性質に目をつける者たちが現れ始めた。
土地の豪族たちである。
彼らは巫女達を金銭で雇いいれ、間諜として諸国へと放った。
神に仕える彼女達は、関に留められる事も吟味される事も無く、易々と目的の場所へと潜入した。
彼女達は巫女であると同時に遊女でもあり、また忍びでもあった。
599ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:04:24 ID:o8e/QtcH
その内、この歩き巫女を端から忍びとして教練する大名家も現れた。
「間諜もこなす巫女」ではなく「巫女の姿をした忍び」として彼女達は育成され、諸国へと散っていった。
双葉はその後者のほうである。
巫女になりきるため、その立ち居振る舞いから芸事に至るまで徹底して叩き込まれている。
その為か、彼女の謡と舞はそれこそ本物以上に様になっている。まさに玄人はだしである。
それにもともとこの手の芸事に対する天賦の才が在ったのだろう。
彼女もまた己の芸を愛していた。
酒に酔った双葉は、度々声を張り上げて謡を唄う。美声である。
芸事に興味が無い単葉さえ、思わず聞き惚れてしまう程だ。
彼女が紡ぐのは大抵故郷の歌だ。
彼らに故郷は無い。自らの手でそれを永遠に消し去ってしまっていた。
しかしその喉はまだ故郷を忘れてはいない。

芸事を愛しすぎたためであろうか。その一方で、彼女はこと「始末」においてはからっきし駄目であった。
一応飛び道具を使うが、大して鍛錬をしていないので全くと言っていいほど役に立たない。
始末するべき人間に掠りもしない。味方である単葉に命中してしまった事も一度や二度ではない。
だから始末の最中は、成るべく弟の邪魔をしないよう遠間で事の成り行きを見守っているか、
精々色香で相手を誘き出すかのいずれかである。

だが弟は全く違う。彼は元々殺人鬼としての教練を受けている。
人間を殺す為のありとあらゆる技術を叩き込まれ、またそれを何度も実践している。
彼の実力は、里の悪餓鬼供の遠く及ばない所まで辿り着いた。
彼が虐められる事は、もう無い。
600ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 15:07:28 ID:o8e/QtcH
>>591
お久しぶりです、ウコンさん。
今まで放置していてすいません。

>俺も書くか…でも忙しくて書けないです

ご心配には及びません。
このSSはまだ半分も終わっていませんから…orz

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601ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:43:45 ID:M0L1q4DO
姉弟は濡れ縁に寄り添う。
涼しい日も続いたというのに、夏はまだしぶとくも居座り続けているようだ。
水を張った一つ盥の中で、二人仲良く素足を絡ませあいながら涼をとっている。
一輪の野菊が残暑の風を孕んで揺れている。
「あんなに咲き急がなくてもいいだろうに。」
ぽつりと漏らす姉の言葉が印象的だ。
「採ってきてやろうか。」
単葉の言葉にも頸を振る。
「採ったら気の毒だ。それに庭に居るほうが可愛くていいじゃないか。」
心も身体も薄汚れているというのに、この阿婆擦れの姉には妙な情けと美意識が在る。
それは弟には無いものであった。花も草も、彼には単なる風景に過ぎない。

602ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:44:53 ID:M0L1q4DO
「重蔵は何で凛が好きなのかねぇ。」
独り言のように問いかけてみる。
この朴念仁に大した答えなど求めていない。
彼もまた、その通りの返答をする。
「さあな。俺にはわからん。」
「あんたは凛が好きかい?」
「嫌いだ。」
「どうしてだい。」
弟は少し考える素振りを見せた。
「嫌いだ。」と答えたのは姉に対する配慮の為であった。
彼はこれまでにただの一度も他人を好いた事も嫌った事も無い。
庭で揺れる野菊同様人間もまた、単なる風景に過ぎなかった。
それは双葉にもよくわかっている。
だがそんな弟の朴訥な優しさが今は何よりも嬉しい。
「餓鬼だから。」
それが単葉の導き出した答えであった。
餓鬼と言えば、この双葉も相当な餓鬼であろう。
肉体は成熟した大人の女のそれだが、精神は何処までも幼い。
自身の欲望に忠実で、それが満たされないと激怒し、時には泣き喚き暴れ狂う。
単葉も彼女には相当泣かされている筈だが、だからと言って彼が双葉に愛想をつかす事は無い。
彼は双葉の唯一の肉親にして、最も忠実な家来であった。楠正成以来の大忠臣であった。
「餓鬼は嫌いかい?」
「ああ嫌いだ。」
双葉が苦笑した。これは己に対する皮肉のつもりなのであろうと勘ぐった。
もちろん弟にそんな意図は全く無い。
603ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:45:27 ID:M0L1q4DO
少し、涼んできたか。
風の色が変わった。
「もう上がろう。」
双葉の言葉を合図にして、弟は予め用意していた手ぬぐいで彼女の脚を拭ってやった。
それから自分の足を拭い、桶の水を庭に撒いた。
双葉は奥に引っ込み、乱れた裾を直していた。
至極当然のように、弟はその隣に納まる。

姉の掌が、単葉の大腿を撫でた。
無言のまま弟の着物の裾をはだけると、褌の横から一物を取り出した。
「あんたの皮被りはいつ見ても可愛いよ。」
この言葉が弟に対する最大の賛辞である。
双葉がたびたび弟の肉の玩具を取り出して遊ぶようになったのは、十を少し過ぎた頃であったろうか。
自分には存在しないこの不可思議な物体は、姉の好奇心と興味を大いに刺激した。
弟の中心に付着するこの物体が一体何物であるか、見定めたかった。
あの頃から何も変わっていない。姉は何時までも餓鬼のままである。
「餓鬼は嫌いだ。」と言う弟の言葉は嘘である。
彼はこの餓鬼が嫌いではない。


604ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:46:04 ID:M0L1q4DO
遊びやすいように、双葉は弟の帯を解き、褌もすっかり取り去ってしまった。
双葉と肉の玩具だけがそこに残った。
彼女はまずそれを手の内でたっぷりと弄び、その感触を十分に愉しんでから
鼻を近づけて鼻腔一杯に香りを確かめ、舌と口腔で味を確認した。
弟はもう何処までも姉に従順であり、玩具と戯れる彼女の邪魔をしないように唯の肉塊になりきった。
頬を赤く染めながら、夢中に遊ぶこの姉が、彼の全てであった。
玩具が爆ぜても、双葉は気にしない。いや、それこそがこの玩具のもっとも不思議で、愉快な瞬間でもある。
内容物が何処に付着しようとも、最終的にそれはすべて双葉の内に吸収され血肉へと姿を変える。
彼女の肉体の幾分かは、この弟の猛りによって形成されていたと言っていい。

半刻(一時間)程たっぷり遊んで、双葉は漸くこの玩具に飽きた。
唾液を散々塗り込められた玩具はふやけきり、気の毒なほど萎びている。
そろそろこれを元の持ち主に返却しなければならない。
名残を惜しむかのように、潤んだ瞳のまま言った。
「やっぱりあんたの皮被りが一番いいねぇ。」
605ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:47:42 ID:M0L1q4DO
しばし休憩。

           いいから先に進めなさいよ。
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606ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:48:22 ID:M0L1q4DO
単葉が一人、濡れ縁で思い出と睦みあっている。

幼い姉弟は、素っ裸のまま水と遊ぶ。
彼らだけがその存在を知る秘密の水辺で、二人は戯れている。
双葉は肉体は、今でこそあらゆる男を蕩かすものであるが、
あの日の彼女の肢体は、幼い少年である単葉と殆ど変わらない。
唯一の違いは、体の中心部に肉の突起物が付いているかいないかぐらいでしかない。
遊び疲れた姉弟は、岸辺の岩に腰を掛けて、太陽の熱で身体を乾かしている。

こんな時に限って、姉は議論を吹っかけてくる。
「おちんちんを女の股に入れると、赤ん坊が出来る。」
それが、彼女の自慢の知識であった。
双葉が一体何処でそんな知識を仕入れてきたのかはわからない。
ただ、この知識を披露する時の彼女は、まるで全世界の出来事を全て知り尽くした
大賢者よろしく鼻を鳴らして弟を見下す。
「そんなのは嘘だ。」
―そんな恐ろしい事があってたまるか。
幼い弟は、姉が誰かに誤った知識を植え付けられているものと信じて疑わない。
こんなに繊細で、柔らかなモノを女の股座に入れるなどと。
いや、第一入るわけが無い。コレはこんなにふにゃふにゃで柔らかいのだ。
それに双葉の股にだって、コレを受け入れるだけの余裕が無いではないか。
これほど恐ろしく、陰険で、背徳に満ちた行為で子供が生まれるわけは無いのだ。
607ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:49:56 ID:M0L1q4DO
里の者が「噛み付き岩」と呼ぶ奇岩が、葉隠れにはあった。
鎮守の森のそのまた奥。
殆ど誰も立ち寄らない「秘境」にその巨大な石灰岩は鎮座している。
長い年月を掛け侵食されたその岩には、深い筒状の穴が開いている。
その穴に手足を突っ込むと、忽ちの内に食い千切られてしまうという伝承から、この名が付いた。
単葉はこの伝説を殆ど狂信的なまでに信じきっている。
それをよく知っている双葉は、竹の切れ端や、魚籠や、花瓶など兎に角ありとあらゆる
筒状の物体を彼の目の前に掲げ、
「この中には、噛み付き岩の物の怪が入っている。」と脅して、逃げ惑う弟を追い掛け回してくるのだ。

「赤ん坊は、神様が連れてくる。」
弟も負けじと持論を展開する。
「祝言を挙げて、夫婦(めおと)になると神様が赤ん坊を連れてくる。」
それが彼の言い分であった。
姉がにやりと笑う。
―では、その神様が居るという証拠を見せてみろ。
弟は、その問いに答えることが出来ない。
―お前は神様を見たのか?
この幼い論客は、口を尖らせたまま顔を伏せる。
双葉はもうすっかり勝ち誇って、
―その神様を見たのか?それはどんな姿をしている?何故答えない?早く答えてくれ。
  神様はいつ、どうやって子供を連れてやってくるのだ?大体連れてくる子供自体どのように生まれたのか?
弟に反論の隙を与えないほど早口でまくし立てる。
両の眦に一杯の涙をためたまま、幼い論客が真っ赤な顔をして押し黙る。
こうなっては勝負あったも同然だ。敵軍は総崩れ。我先にと逃亡している最中だ。
だがそれでも追撃の手を休めないのが双葉である。
―隣の郷に住んでいる、兵五さんとお松さんは夫婦でも無いのに子供がいる。
  これはどういう訳だ。辻褄が合わないではないか?早く答えてくれ?これは一体どういうわけなんだ?
最早敵の大将頸は目前。双葉は得意の絶頂にいる。
608名無しさん@ピンキー:2005/04/29(金) 19:50:16 ID:zeoOBaBZ
ぽぽ者祭り?
609ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:50:39 ID:M0L1q4DO
窮鼠猫を噛む。
弟も最後の反撃に出る。
―ではそのコレをアレに入れると子供が出来る証拠を見せてみろ。  
  お前は見たのか。早く答えてくれ。コレをアレに入れると、どうやってどのようにして子供が出来るのか。
  それを詳しく教えてくれ。
先ほどの姉と全く同じ手法で、やり返す。彼の周囲を固めている馬廻り衆が、決死の覚悟で牙を剥く。
だが、それでもこの姉のほうが一枚上手であった。
「それならば、実際にあんたのソレをあたしの股に入れて、確かめてみればいい。」
弟は仰天した。そして大いに恐怖した。この姉は、さても恐ろしい事を平気で口にする。
―山に住む山姥が、姉に化けて自分を取って食おうとやってきたのではないか。
本気でそう思った。
「嫌だ!!」
一言そう喚くと、着物を引っ掴んで、まだ水滴に濡れている身体におっ被せ、帯も締めぬうちに逃げ出していた。

逃げ出しても彼がいく所は一つしかない。
山姥の姉と二人きりで暮す、襤褸の住処である。
彼は風のように走りに走り、襤褸に逃げ込むと慌てて用心棒をかけ、布団に潜って息を潜める。

610ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:51:18 ID:M0L1q4DO
姉弟は、一つの布団で抱き合って眠る。
今日の姉は格別に恐ろしいが、それでも暗闇にたった一人眠る恐ろしさに比べれば、まだ我慢できる。
単葉は「噛み付き岩」の物の怪と同じくらい、夜の暗闇に恐怖した。
「大きくなったら、あんたの赤ん坊を産んでやる。」
ぼそりと姉が呟いた。
―やはりこの姉は山姥なのでは無いか?
弟は心底肝を冷やした。
しかし彼はそれでも布団を出ることが出来ない。
「姉ちゃんの事、嫌い?」
山姥の癖に、悲しいことを言う。
―とんでもない!
慌てて頭を振った。
「じゃああんたの赤ん坊を産む。姉ちゃんの言っている事のほうが正しいって、あんたに教えてやる。」
山姥が、弟の頭を優しく撫でながら宣言した。

この時の事を思い出すと、単葉は今でも可笑しくなる。
果たしてこの時の姉は、本気で弟の子供を産もうと思ったのか。
あるいはただこの怖がりの泣き虫を、怖がらせたかっただけなのか。
今でもその評価に迷うぐらいだ。
611ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:52:29 ID:M0L1q4DO
―ちょっとあんた、またそんな顔をして!
姉の一言で、彼は思い出と別れることになった。
見ると、双葉が庭に立っている。
手には酒瓶がぶら下っていた。
いつもは弟に行かせるくせに、今日の彼女は珍しくその脚で好きな酒を買いに出かけていた。
「一人でにやにやするのはお止めって言ったろう?気味が悪いったらありゃしない。」
この様子だと、一部始終を見られたか。単葉の顔に若干赤みが増した。
「しょうのない子だねぇ。」
姉が微笑して、ぶら下げていた酒瓶を掲げた。
「飲るかい?」
断る理由は何処にも無い。
「ああ。」
彼はいつもの通りの仏頂面で返事をする。
それが双葉には堪らなく可笑しい。
612ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:56:43 ID:M0L1q4DO
          
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弟者。怖がる事はありません。
勇気を出して病院にいきなさい。
保険も利きますから。          
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     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
     (* ´,_ゝ).   (::::†:::::::/| |     | |     |
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  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   .| |    .| |
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613ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/29(金) 19:58:03 ID:M0L1q4DO
一応これで半分を過ぎたと思います。
長すぎですかそうですか…orz
614名無しさん@ピンキー:2005/04/29(金) 21:03:49 ID:BE7X8bCR
祭りage!!!!!!!!!
615名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 01:33:29 ID:/MrjRhpi
GJ!
天誅の新作も出るみたいだし楽しみ
616名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 11:09:16 ID:WSCgvBTO
双葉が珍しい客を連れてきた。
何と蛭吉である。勿論本名ではない。
彼には「佐吉」と言う立派な名前が在るが、誰もその名で呼ぶ者はいない。
生まれながらの足萎えで、まともに歩くどころか立つ事すらままならない。
おまけに発する言語も不明瞭だ。
その為彼は村の外れの海辺の近くで乞食をして何とか生存している。
元の素材が何で在るかも判らないほどボロボロになった布切れを身に纏い、
千切れかけた荒縄の帯を締めている。
そこからのぞく素肌には垢がこびり付いていて、これが酷く臭う。
彼の萎えた足は、体に比べてまるで幼児のように小さく、生気の無い土気色に萎びている。
蛭吉の前を通り過ぎるたびに、村人たちはこの男を嘲笑し、時には石を投げる。
それでも蛭吉が怒ることは無い。
彼はいつも不気味な程朗らかな笑顔を浮かべ、
ただ大人しく座っているだけであり、それが彼に出来る唯一の仕事であった。
617ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 11:10:20 ID:WSCgvBTO
「蛭吉か。」
単葉は糸のように細長い眼を、皿のように丸くした。
「佐吉さんさ。」
双葉はこの男を決して蛭吉とは呼ばない。
蛭吉は彼の住処でもある車台の上に載り、にたにたと意味も無く笑っていた。
この車台を、双葉が乳母車よろしく「えいこら」と押して二人は此処に辿り着いた。
「何故?」
「何故?」
姉は弟の質問の意味がわからない。
鸚鵡返しに聞き返した。
「いや、何故蛭吉を?」
ああ、と双葉が頷いた。
「この人、あたしのことが好きなんだってさ。」
ほう、と感心して単葉が蛭吉を見た。
彼は相変わらず戎様のような、ひょっとこのような笑いを浮かべてそこにいる。
一体この男はこの阿婆擦れの何処が気に入ったのか。
618ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 11:10:57 ID:WSCgvBTO
「こいつが、お前を?」
「ああ。そうさ。」
「そう言ったのか?」
返事をしたのは何と蛭吉本人である。
「俺は好きだ。」
彼は他にも言語らしきものを発したが、
単葉が聞き取る事が出来たのはその部分だけであった。
「寝るのか?」
弟の問いに、さも当然と言うように双葉は頷く。
大体彼女が男を引っ張りこんで来る理由はそれ以外に無い。
どこか合点の行かない様子の弟に、彼女は至極明快な答えを出した。
「この人、お女郎にも逃げられちまうんだって。だから、気の毒だろ。」
気の毒だから、抱かれてやると言うのだ。
単葉は呆れた。一体何処の世界にそんな女がいるのか。
だが同時にこの女ならそうかもしれないと思っていた。
この阿婆擦れには不思議な情けが在ることを、彼は知っている。
「…そうか。じゃあそうしろ。」
「ああ、そうするよ。」
「頑張れよ。」
「ああ、頑張るさ。」
619ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 11:11:50 ID:WSCgvBTO
まったく奇妙やり取りである。
双葉とは随分長い付き合いになるが、こんなにも奇妙なやり取りをしたのはこれが初めてであった。
姉に命じられるまま、単葉は蛭吉を抱え上げ、座敷に上げてやった。
彼は酷い悪臭がしたが、双葉はまったく気にならないようだ。
彼を寝室にまで運んでやると、布団の上に降ろしてやった。
「悪いね。」
双葉が弟の労をねぎらう。
このとき蛭吉も何か言葉を発したようであったが、単葉にはそれを理解する事が出来なかった。

二人を残して、単葉は部屋を後にした。
そのまま庭に出ると、草の上に横になり雲を眺めた。
もう秋の空である。夏は、去ったようだ。
奥から、姉の戯れ歌が聞こえてくる。


群れからはぐれた蟻の子や  
お前は何処に辿り着く
踏みつけられて潰されて
お足が二つも欠けている

群れからはぐれた蟻の子や
あたしと一緒に遊ぼじゃないか
あたしもお前と似たもの通し
夢に睦んで遊ぼじゃないか

群れからはぐれた蟻の子や
あたしも一緒に連れとくれ
遠いあの日の夢の国
いつかの契りのあの場所へ

620ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 11:12:30 ID:WSCgvBTO
一刻ほど経ったであろうか。姉が弟を呼んだ。
「佐吉さんを、元いたところに返してきておくれ。」
そう命じられたため、単葉はそれに従った。
この足萎えの乞食は、双葉とどのような睦事に興じたのであろうか。
車台をごろごろと押しながら、単葉はぼんやりとそんな事を考えていた。
蛭吉の顔を盗み見ても、彼は相変わらず戎様とひょっとこのあいのこのような顔をして笑っているだけだ。
彼の住処は、村の西の一番外れ、海へと通じる小道に在る。
家から、ゆうに半刻はかかった。
何故彼がこんな所を住処にしているのか、彼にはわからない。
それにしてあの面倒臭がりの姉が、よく半刻もかけてこの男を連れてきたものだ。
単葉はそれが何とも不思議で、愉快であった。
去り際に、小銭を恵んでやった。
蛭吉は礼を述べたようであるが、やはり単葉にはその言葉を理解できない。
早足でその場を去った。
ふと振り返ってみる。
蛭吉は相変わらず戎様とひょっとこの笑顔を浮かべたまま、
もう何百年も前からそこに住んでいる土地神のような佇まいで、風景と混ざり合っていた。
621ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 11:13:28 ID:WSCgvBTO
「佐吉さんはね、変な事を言うのさ。」
「どんな事だ?」
その晩、姉弟は酒を酌み交わした。
「この日の本の御國はね、あの人のおっ父とおっ母が造ったんだってさ。」
「ははは、蛭吉はそんなことを言うのか。」
久しぶりに酒に酔い、単葉はさも愉快と言う風に笑った。
存分に睦みあい、寝物語での話だろうか。
一体あの乞食はどのような面をして、双葉にそんな戯れ言を語ったのか。
それを思うと笑いが止まらない。
成る程、この姉があの乞食を連れてきた理由が、少しわかった様な気がした。
彼女は酔狂な女である。だからこそ酔狂な人間を好む。
そう言えば、この姉にはあの意味不明な言語を発する乞食の言葉が理解出来る様である。
なぜそうなのかは単葉にはわからないし、姉に尋ねようともしない。
ただ、
―酔狂者通し、何か通じ合うものが在るんだろう。
そう思って一人納得していた。
「佐吉さんはね、生まれついての足萎えだから棄てられちまったんだって。」
「そうか。俺たちと一緒だな。」
この姉弟の両親も、彼らを棄てた。彼らは葉隠れの里に拾われたのである。
「妹と弟がいるんだってさ。佐吉さん。」
「そうか。妹と弟がいるのか。」

二人はそれから、酔い潰れるまで酒を煽る。
622ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 11:15:25 ID:WSCgvBTO
           
取り合えずここまでです。
また投下します。
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.             (´く_` ∬     (´<_`  )  
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
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  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   | |    | |
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623ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 11:23:59 ID:WSCgvBTO
あの…申し訳ありませんがぽぽ者にエロは書けません…。
板違いかもしれませんが、なにとぞご勘弁を…いや、マジで…。
ただ皆様同様天誅が大好きなので、ここに留まる事をお許し下さい…。

これから先にも特にエロいシーンはありません…。
もし普通のエロSSを期待してくださっている方がいらっしゃいましたら、
申し訳ありませんがあまり期待されないほうが宜しいかと思います。
そうでないと
「てめえ!ぽぽ者!何だこりゃ!殺すぞ!」
と殺意を抱く事請け合いのSSが続きますので…。

624名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 13:38:59 ID:TmRbGKbT
俺はあまり気にしませんよ!!
ぜひ続けてください
625名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 15:46:32 ID:FsB+xY2g
エロなんかなくてもいい。
ぽぽ者の書くSSが好きだ。
スレ違いでも、兄者にいいように遊ばれてる弟者が好きだ。

頼むから止めないで。 オナガイ
626ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:36:04 ID:dV6HXFi0
重蔵は殺人を愛している。
多くの世人とは違い、彼は己の仕事に大いなる誇りと悦びを感じる事の出来る幸福な人種である。
彼は生まれながらの殺人鬼であった。
殺人鬼としての教育を受け、殺人鬼としての鍛錬をし、
そしてより完全な殺人鬼として生まれ変わり、この地上に君臨した。

殺人鬼といえば、単葉も重蔵同様の殺人鬼であった。
殺人鬼としての教育を受け、鍛錬をこなしてきた違う事無き一個の殺人鬼である。
だが、彼が生まれながらの殺人鬼で在るのか、というと疑問が残る。
彼にとって仕事とは、多くの世人同様生活の為にこなす、煩わしい行為に過ぎない。
仕事に誇りや悦びを感じたことなど無いし、
出来る事なら一生働かずにぼんやり庭を眺めながら暮らしていたいと思う。

それに双葉の事である。
彼は彼女にこの仕事をさせたくない。
殺人鬼であるのは自分ひとりで沢山だ。
酒を飲んでカラカラ笑ったり、弟に無理難題を押し付ける彼女のほうがよっぽどいい。
幾ら無駄使いしてもいい。男を引っ張り込んでもいい。外をほっつき歩いてきてもいい。
だがこの仕事だけはして欲しくない。
627ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:36:34 ID:dV6HXFi0
双葉と言えば重蔵である。
彼女は重蔵に惚れている。
それは弟である自分もよく知っている。
子供よりも色恋沙汰に疎い彼のことであるから、
姉が重蔵の何処を気に入ったのか、などと言うことは判らないし興味も無い。
―重蔵はなぜ姉の求愛を受けないのだ。
それが彼の目下の疑問であった。
阿婆擦れとは言え、未だかつて男が双葉の求愛を受け入れなかった事はない。
―減るものではなし、一度ぐらい抱いてやればいいのに。
この「減るものではなし。」と言うのは双葉の受け売りである。
男を引っ張り込んでくる時の彼女の論理でもある。
―重蔵はそこまで凛に惚れているのか。
一体あの小娘のどこがいいのか、単葉にはさっぱり判らない。

―重蔵は、一度あの阿婆擦れを抱いてやってくれないかなぁ。
 そうすれば双葉も悦ぶだろう。俺は双葉の悦ぶ顔が見たい。
 俺から重蔵に頼んでみようか。
 いや、駄目だ。そんな事が知れたら双葉が怒る。


姉弟そろって、酔狂の極みである。
628ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:39:11 ID:dV6HXFi0
>>624-625
有難うございます。
本当に励みになります。
長丁場になりますが、よろしくお付き合いくださいませ。
.             /(∞))∧      ∧_∧
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629ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:39:59 ID:dV6HXFi0
一仕事終えた女郎よりもだらしない格好で、
双葉が部屋の壁に寄りかかっている。
寄りかかったまま、庭で揺れる野菊をぼんやりと愛でている。
弟は彼女の視線の邪魔にならない場所で胡坐をかき、やはりぼんやりと風景を見ていた。

「口を吸っておくれ。」
全く視線を変えぬまま、彼女は言う。
「ああ。」
がばりと弟が立ち上がった。
双葉はふと寂しくなると、いつもこう言う。
こう言って、この世でたった一人、自分の思い通りになる弟と二人、密かに睦む。

だらしない格好をしていても、やはりこの姉は美しい。
小袖をまったくの無防備に身に纏い、やはり無防備に手足を投げ出した姿がこれまた何とも艶かしい。
弟の視線の先には、双葉の唇があった。
紅もさしていないというのに、艶めいてふっくらと柔らかく膨らんでいる。
あらゆる男を瞬時に蕩かすことの出来る魔法の唇だ。
「上手に吸ってくれたら、あたしのお乳で遊ばせてやるよ。」
奇怪で淫蕩な交換条件を持って、弟を誘う。

互いの視界から互いの表情が消えた。
二人は唇を寄せ合い、絡ませ合い、睦ませ合い、濡らし合った。
630ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:41:56 ID:dV6HXFi0
「次は口を吸って遊ぼう。」
木登りに疲れ、椎の大木の元、幼い姉弟はそっと寄り添う。
「大人はみんなそうやって遊ぶのさ。」
何処で仕入れた知識なのか、双葉が自慢げに言う。
「嘘だ。」
弟は信じない。そんな話しは見た事も聞いた事も無い。
この姉はいつも大人しく純朴な弟を謀って遊ぶ。
「本当さ。」
自信たっぷりの姉を、単葉は疑いの眼差しで睨んでいる。
大体「口を吸う」とかいう遊びはどんな遊びなのだ。
幼い彼には想像も付かない。
またぞろ双葉が自分をからかって遊ぶ為に、下らない戯言を思いたのだと思っている。
「やってみよう。」
双葉の表情は、これまた何とも真剣だ。
これから「遊び」を行おうとしている少女のものではない。
それが弟にはさらに気味が悪く映る。
「どうやるの?」
仕方なく聞いた。同時に、その「口を吸う」とかいう遊びがどんなものか、密かな興味も在る。
「あんた、あたしの真ん前にお座り。」
弟がその通りに身体を移動させると、
「遠すぎるよ。もっと近くにおいで。」
やはり言われた通り、姉ににじり寄る。
631ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:42:32 ID:dV6HXFi0
「もっとだよ。」
―もっと?
弟の顔が曇る。
これ以上近づいたら頭がぶつかってしまう。
「もっと近くに寄るの?」
「ああ、もっとさ。」
姉の目は何時に無く真剣だ。
弟が躊躇っていると、二言目には、
「大人は皆やってる。」と言う。
単葉は互いの鼻息が掛かるぐらいの所まで顔を寄せた。
「舌をお出し。」
やはり言われた通り、あかんべえをする時のように舌を出した。
姉も弟同様べろりと舌を出している。
真っ黒に日に焼けた、悪戯娘の顔がそこに在る。
姉弟は互いに舌をだらしなく垂らした仏頂面で、見つめあっている。
―何だコレは?
新手のにらめっこだろうか。
それにしては面白くもなんとも無い。
弟は呆れた。
コレが「口を吸う」とかいう遊びなのだろうか。
こんな馬鹿な事をして大人が遊ぶわけは無いではないか。
やはりこの姉の戯言であったか。
嫌気が差して舌を引っ込めようとした瞬間、目の前の姉が怖いくらい真剣な眼差しで
その舌を舐め上げた。
632ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:43:08 ID:dV6HXFi0
―うひゃっ!
余りの奇怪な行為に単葉は一間も後ろに跳び退っていた。
―一体この女は何て事をするのだ!
山姥だ。やはりこの姉は山姥なのだ。
彼の脳裏に、いつかの姉が通り過ぎていく。
まるで化け物でも見るかのような目で、目の前の姉を警戒する。
弟に拒絶されても、彼女が怒っている様子はない。
それよりも何かを思いつめたような、あの真剣な表情が何とも言えず不気味だ。
「逃げちゃ駄目だよ。ほら、もう一度。」
「もう嫌だ。」
こんな奇怪な遊びは真っ平だ。
第一、面白くない。
これならまだ噛み付き岩に見立てた「筒状の物」を持って、追いかけてきてくれたほうが断然いい。
「大人は皆こうして遊ぶんだ。」
痛々しいほど真剣に、姉が言う。
―またそれか。そんなの嘘だ。もしそれが本当であったら大人は皆馬鹿だ。大馬鹿だ。
  それに自分達は大人ではない。子供だ。子供の遊びをしたほうが良いに決まっている。
  そのほうが自然だ。第一大人の遊びはつまらない。子供の遊びのほうが遥かに面白いではないか。
弟は、これまたいつかの姉のように、早口でまくし立てる。
633ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:43:39 ID:dV6HXFi0
ふと気付く。姉が沈んでいる。真剣な眼差しのまま、目を伏せている。
流石に気の毒になり、弟もまた仏頂面をして黙りこくる。
何ともいえない気まずい沈黙に、単葉はもういても立ってもいられない。
―これなら少しぐらい大人の遊びに付き合ってやってもよかったのでは。
この姉に対しては、彼は気の毒なくらい善良だ。
沈んだ姉のほうが先に口を開いた。
「じゃあ、後一回。一回だけやって終わりにしよう。」
「…うん。」
まったくこの弟はどこまでも善良である。
双葉を一度でも拒絶した事が、彼の良心をしくしくと締め上げていた。
「今度は逃げちゃ駄目だよ。」
「…うん。大丈夫。」
姉弟は先程と同じように、舌を出したまま向かい合った。
「あんたは目を瞑っててもいいよ。」
双葉が弟を気遣った。
その通りに目を硬く閉じる。
そして姉の鼻息が彼の鼻をくすぐった瞬間、
―べたり
舌に生暖かいものが付着した。
二人の舌は不恰好なほど密着し、そのまま動かない。
―思ったほどではない。
単葉は生暖かい姉の感触を、その舌で感じながらそう思った。
―思ったほど気味が悪くない。蒟蒻か何かだと思えば、平気だ。
634ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:44:10 ID:dV6HXFi0
姉弟の秘密の遊戯の一部始終を、見ている者がいた。
それに気が付いたのは、弟とは全く対照的に目を大きく見開いていた双葉である。
「り、凛!」
今度は彼女が弟から跳び退る番だ。
岩陰に隠れて、洟を垂らした幼女がこちらを見ている。
この洟垂れは、幼い姉弟よりもさらに二周りは幼い。
「あっちへお行き!!」
まるで野良犬を追い払うかのように、双葉が喚いた。
洟垂れはやはり野良犬のように、その場から一目散に逃げていった。

幼い二人の「大人の遊び」は終わった。
「あんまり愉しくなかったね。」
「…うん。」
それが、この遊びに対する姉弟の感想であった。
家に帰り着く道すがら、姉に手を引かれながら単葉は思った。
―思ったほどではない。これなら十日に一度ぐらいなら、遊んでやってもいい。
635ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:44:58 ID:dV6HXFi0
双葉はもう殆ど無意識のうちに、その手を弟の褌の中に差し込んでいる。
その手で弟の感触を確かめながら、舌で睦みあう。
この弟の舌は、これまで閨を共にしたどんな男のそれよりも甘く、柔らかく蕩ける。
互いに舌を出し入れしながら、時に甘く結び、時に甘く齧り、時に甘く吸い付く。
「あんた、口を吸うの、上手になったね。」
―当然だ。
姉のお褒めの言葉にも、弟は驚かない。
何しろ他の男とは年季が違うのだ。
初めて舌を重ねたのは、まだ十を一つか二つ過ぎた頃であったか。
それ以来、こと在るごとにこうして舌を睦ませあってきたではないか。
姉をもっと悦ばせてやろうと、彼は今まで己の培ってきた知識と技術の全てを持って事に当たる。
双葉は鼻を鳴らし、弟に答える。そして彼よりもさらに豊富な知識と技術を持って、挑んでいく。
―ああ、愉快。
仏頂面に似合わず、単葉はこの愉快な遊びが何よりも好きだ。
姉を蕩かし、そして蕩かされるこの愉快な遊びが他の何よりも好きだ。
―ああ、愉快なり。ただ、ただ愉快なり。
636ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:45:44 ID:dV6HXFi0
双葉は一旦弟から口を離すと、口中の神経を総動員して唾液をかき集めた。
同様に、弟もそうしている。
よく訓練された銃兵のように、口先に弾を込めていく。
準備は整った。
姉弟はそれぞれの舌の上に蕩ける様な蜜を乗せ、それを絡ませ、溶かし、混ぜあった。
―ああ、愉し。
双葉の端正な面(おもて)は、もうこれ以上無いくらいに甘く蕩けきっている。
どんな男に抱かれていても、彼女がこのような表情を見せる事は無い。
弟との秘密の遊戯の最中にのみ見せる、彼女の素顔である。
―ああ、愉し。ただ、ただ愉し。

「そろそろあたしのお乳で遊ぶかい?」
「いや、それは後でいい。風呂に入った時でいい。今はもう少し…。」
「そうかい、あたしもさ。あたしももう少し…。」

―大人の遊びはただただ愉悦。


姉弟の秘密の遊戯の一部始終を、見ている者がいた。
庭の野菊が、風に揺られてこちらを見ている。
しかし二人がそれに気付く様子は、無い。
637ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/04/30(土) 17:49:05 ID:dV6HXFi0
弟者はエロゲーを愛している。
多くの世人とは違い、彼は己の生きがいに大いなる誇りと悦びを感じる事の出来る幸福な人種である。
彼は生まれながらのエロゲヲタであった。
エロゲヲタとしての教育を受け、エロゲヲタとしての鍛錬をし、
そしてより気持ちの悪いエロゲヲタとして生まれ変わり、秋葉原に君臨した。

.             /(∞))∧      ∧_∧
.             (´く_` ∬     (´<_` ;)  …そりゃお前だろ。
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
     ( ´_ゝ`).   (::::†:::::::/| |     | |     |
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638ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:11:45 ID:KBb6poRM
双葉は舌鼓を打ちながら、夕餉を摂っていた。
食事は意外と豪勢である。
山鳥の焼き物や、根菜の煮物、汁物に香の物、それに白飯が
膳の上に乗っている。
白飯に割り物は入っていない。双葉が嫌うからだ。
彼女は麦も粟も割り込まれていない、白い米の飯が好きなのだ。
高く付くが、二人にはそれを上回る収入があった。
食事は全て単葉の拵えたものである。
双葉は何も出来ない女であり、単葉は何でもそつなくこなす男だ。
料理の腕前は良いが、弟には美的な感覚が無い為、盛り付けは下手糞だ。
ただ盛ってあるだけの、所詮田舎膳に過ぎない。
だが、それがいいと双葉は思う。
余所行きの着物のように着飾った膳など食う気がしない。
好きなように箸を伸ばし、突っつきまわす事の出来る弟の膳が一番である。
おまけにああいう類のものは味が薄くて不味いのだ。
その点、弟の造る物は全て双葉好みに味が濃い。これがまた旨いのだ。
639ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:12:23 ID:KBb6poRM
単葉は姉の左横で、無言のまま箸を進めている。
彼にとって、食事は生命維持のための餌に過ぎない。
自分の拵えたものが、果たして旨いのか不味いのかも判らないし、興味も無い。
ただ姉の好む味に仕立て上げただけで、彼女が喜べばそれでよかった。
姉の横に侍っているのは、彼女に晩酌をするのが都合がいいからという理由からである。
よく躾けられた小姓のように、この我侭な姫君に毎晩酌をしてやるのだ。

食事を終え、風呂に入る事にした。
この時代の風呂とは、蒸し風呂のことを指す。
湯を張った風呂は湯風呂と呼ばれ、特別なもとして区別されていた。
土豪の仮屋敷である姉弟の住処には、その湯風呂がある。
もとはただの風呂であったが、双葉が村の大工に頼んで改装させた。
彼女は風呂を好まない。蒸し蛸のようにすぐ上せてしまうのだ。
二人は着物を脱ぎ捨てると、供に風呂場に足を踏み入れる。
風呂場は一間半四方の広さがあり、二人で入るならば十分すぎる大きさだ。
改装して間が無いので、檜の白木の香りが何とも心地よい。
風呂桶も檜造り。畳一条ほどの広さに、並々と湯が張られている。
640ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:12:54 ID:KBb6poRM
この姉弟は風呂に入るのも一緒だ。
幼い頃からそうしてきたのであり、それを疑問に思った事は無い。
―双葉は美しい。
湯に濡れた彼女の裸身を見ると、いつもそう思う。
美に対する感覚が極端に欠けている弟ですら唸るほど、双葉は美しかった。
単葉にとってみれば、「美しい」と言う言葉と感覚は、
この姉を表現するためだけに存在していたと言っていい。
重たく揺れる双葉の乳房に、無意識のうちに手を伸ばしていた。
それがさも当然のことのように、彼女は嫌な顔一つしない。
単葉の掌の下で、確かな重量感をもった豊かな双丘が柔らかく潰れ、彼の思うとおりの姿に変形した。
弟が己の乳房遊びの途中で湯冷めしないように、双葉は左手で湯風呂の湯を掬い、その背中にちろちろとかけ続けている。
彼が飽きるまで、何時までもかけ続けてやるつもりだ。
その一方で、空いた右手を弟の最も脆弱な部分に滑り込ませ、指先と掌をつかってころころと柔らかく転がした。
「あたしのお乳は愉しいかい?」
ああ、と弟は腰を浮かせながら答えた。
双葉が微笑む。
「そうかい。それはよかったねぇ。お乳が愉しくてよかったねぇ。」
夢中で乳房と遊ぶ仏頂面の弟の、何と可愛らしい事か。
思ったときには言葉に出ていた。
「あんた、可愛いや。やっぱりあんたが一番可愛いや。」
―もっとお遊び。好きなようにお遊び。
 あたしのお乳がそんなに好きなら、あんたの気の済むまでお遊び。

641ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:13:24 ID:KBb6poRM
「後で貝合わせをしよう。」
そっと双葉が囁いた。
乳房に夢中の弟は、頷いただけで承諾をした。
貝合わせとは、ハマグリを幾つか用意し、二枚一組の貝殻のつがいを外してバラバラに混ぜた後、
元のつがいに戻す、と言う遊びである。
現代で言う所の神経衰弱のようなものである。
ハマグリの殻は元のつがい以外にぴったりと合わさるものが無い。
それ故、夫婦和合や貞節の象徴とされ、都の殿上人の雅な遊具として、あるいは貴顕淑女の嫁入り道具として重宝されていた。
その貝合わせを、双葉は好んだ。
貞節の欠片も持ち合わせていない彼女が、貞節の象徴である貝合わせを好むとは何とも皮肉である。
そして単葉もまた、この皮肉めいた遊びが嫌いではない。
642ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:14:14 ID:KBb6poRM
しばし休憩。

.             /(∞))∧      ∧_∧
.             (´く_` ∬     (´<_`  )  
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
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643ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:15:21 ID:KBb6poRM
気持ちのいい秋の空。
何処かへ遠出するのにはもってこいのいい陽気である。
それにもかかわらず、単葉は一人濡れ縁で、ぼんやりと目に映る風景を眺めている。
彼は滅多にこの家から出ようとしない。
黒屋の仕事か、あるいは姉からの命を受け、
街まで買出しに行く時以外はいつもこの縁側でぼんやりしている。

「あんた、他にやることは無いのかい。」
そんな弟を見て、双葉は呆れたように言う。
しかし、彼にはやることなど無いのだ。
弟には趣味も無いし、世人のようにせかせかと独楽鼠のように動き続けるという事も無い。
さながら世捨て人か仙人のようなぼんやりとした生活を、相変わらず送り続けている。
彼にとって、世界の中心は姉と二人きりで暮すこの家であり、
それ以上に素晴らしい世界など存在しなかった。
だから、ここでこうしてぼんやりしている事が、彼にとっては最大の幸福なのである。
しかしこの姉にはそれが心配なのだ。
644ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:16:10 ID:KBb6poRM
「あんたたまには街に行って女遊びでもしておいでよ。」
弟の返事は間延びした欠伸であった。
双葉がいらついたように腕を組む。
弟と違い、彼女は実に奔放である。
何処に行くのか、朝早く家を出て、深夜に帰宅する事など日常茶飯事であったし、
二、三日家を空け、ふらりと帰ってくるといったこともしょっちゅうだ。
大体自分の知る限り、この弟が睦み相手を家に引っ張り込んでくる所など見たことが無い。
女と一緒に歩いている所も見たことが無いし、それどころか自分以外の女と会話をしている所さえ見たことが無い。
―若しかしたら、自分の見ていないところで女と睦みあっているのではないか?
と勘ぐってみても、この男は大抵家にいるし、
街に用事があってもそれをこなすと速やかに帰宅する。
女と睦みあう暇など無いはずなのだ。
―女を恐れているのではないか。女を嫌っているのではないか。
と心配してみても、姉との睦みあいは平気でこなすのだからわけがわからない。
645ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:16:53 ID:KBb6poRM
「街に行って、お女郎の一人でも抱いておいで。おこずかいやるから。」
単葉は自分の金銭を持たない。
姉弟の家計こそ預かっているものの、その家計そのものは全て姉のものだ。
彼女が好きな時に、好きな事に、好きな様に使った残りの金を、彼は上手くやりくりする。
耳垢をほじる事で彼は返事をした。
双葉はもういい加減呆れて、溜息をついている。
それでもまだ親切心で、
「街に行くのが嫌なら、あたしがここにお女郎を呼んでやろうか?
 一番の美人を呼んでやるからさ。」
と食い下がった。

―ブオッ。

それに対する返事がこの盛大な放屁である。
―この仏頂面め。
仏の顔も三度まで。
双葉はもうこの弟の相手をするのが嫌になった。
「皮被りだからって、お女郎は笑ったりしないよ!」
憎まれ口を一つ吐いて、奥に引っ込んでしまった。
それから床にべたりと腰を下ろし、この間買ってきたばかりの新しい簪を並べて、
一番自分に相応しいものはどれか値踏みを始めた。
彼女は自分で買ってきたものでも、それが気に入らなければ、売るか捨てるかしてしまう。その吟味をしているのである。

そんな姉の楽しくも真剣な様子を、さも愉快そうに弟は見ていた。
仏頂面がこれ以上無いくらい楽しげに微笑んでいる。

二君に見えず。彼は大忠臣であった。


646ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/01(日) 15:20:36 ID:KBb6poRM
弟者。たまには秋葉原に行って
エロゲーの一本でも買ってきなさい。
おこずかいあげますから。
.             /(∞))∧      ∧_∧
.             (´く_` ∬     (´<_` ;)  …兄者もたまには
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ  秋葉原以外の所に行け。
     (  ´_ゝ).   (::::†:::::::/| |     .| |     |
    /   \.   ):::::::::(. | |    | |   | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/;:::: ⌒ヽ|    | |   | |
  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   .| |    | |
      \/____/ ̄ ̄ ̄
647ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:02:09 ID:ZnM/Ym+/
双葉は凛が憎い。
自分に関心を向けない重蔵がではない。
彼の興味を一身に集める凛が憎いのだ。
重蔵が何故あのような小娘に執着するのか、彼女には理解が出来ない。
それが彼の好みなのだ、と単葉は言うが、そんな言葉で納得のいくものではない。
大体今まで自分の色香と魅力に抗した男など皆無である。
彼女は百戦百勝、生涯不敗の筈であった。
選択権は常に彼女にあり、男にそんなものは無かった。
―それなのに何故。
彼女の自尊心は鋼である。あんな小娘に敗北した事を認めることが出来るほど、柔ではない。
今夜も重蔵は側に凛を侍らせ、戯れるであろう。
そして凛の全てを味わい、凛もまた彼の全てを味わうのだ。
あるいは嗜虐的な性癖を持つ重蔵の事だ。
凛をたっぷり嬲るかもしれない。凛は泣き叫び、許しを請う。
泣きじゃくる凛を重蔵は優しく抱きしめるかもしれない。
それが許せない。
648ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:02:39 ID:ZnM/Ym+/
彼女は以前、黒屋に在る重蔵の居室を訪れた事がある。
お気に入りの白粉をはたき、怪しく艶めいた紅のべにをつけて。
流行の香も焚き染めた。
その時彼はなんと言ったか。
「ここは女郎屋ではない。臭いが移る。早く出て行け。」
彼の側には凛がぴたりと寄り添い、甲斐甲斐しく酌などをしている。
少し前までは殺したいほどに重蔵を憎んでいた、あの凛がである。
凛と目が合った。
小娘が、一瞬勝ち誇ったような笑みを浮かべた事を、双葉は決して忘れない。

黒屋の人間に聞くと、凛はもうすっかり重蔵に従順となり、彼の側から離れようとはしないと言う。
二人は歳の離れた夫婦同然であり、重蔵自身も彼女をそのように扱っていると。
それを聞くと、もう体がどうしようもないほど熱く滾る。
重蔵への愛情など、もはや殆ど持ち合わせていない。
いや、若しかしたらそんなものは端からなかったのかもしれない。
彼女に在るのは唯一つ、凛に対する憎しみだけだ。

649ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:03:22 ID:ZnM/Ym+/
重蔵と面々が、久しぶりに酒宴をはった。
当然のことながら、双葉と単葉の姉弟も列席している。
だが双葉の表情は沈んでいる。
重蔵の隣には、殆ど半裸の凛が寄り添っていた。
この嗜虐的な性癖を持つ隻眼の男は、度々こうして凛を皆の前で披露した。
当初、今にも泣き出しそうに震えていた凛も、今となっては中々どうにいっている。
目を覆うばかりの格好をさせられても、頬を少し赤く染めるだけで決して嫌がっていない。
「何だか臭い。」
その凛が重蔵の袖を引いた。
「確かに臭う。」
重蔵も同意する。
今日も双葉は香を焚き染めていた。
「ここは薬屋だ。女郎屋ではない。」
誰にとも無く、吐き捨てるように呟いた。
凛が笑っている。
650ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:03:54 ID:ZnM/Ym+/
皆それぞれ酒を酌み交わし、騒いでいると言うのに、
ただ一人、双葉だけが唇を噛み締めたまま、微動だにしない。
ただ目の前の一点だけを見据えている。
―まずいな。
単葉はそう直感した。
このような表情を見せたときの姉は何をしでかすかわからない。
それが例え己の身を滅ぼす結果に終わることが分かっていたとしても、
双葉なら実行しかねない。
危険を察知した単葉が隣の姉の耳元で囁いた。
「後で死ぬほど悦ばせてやるから、今は堪えろ。」
本来ならこれで機嫌を持ち直すはずの双葉であったが、今日はいつもと様子が違う。
単葉の胸に嫌な予感がよぎる。
「何でもお前の好きなようにしてやる。何でもお前の望む事をしてやる。
 だから、堪えろ。」
双葉からの返答はない。
やはり今日の双葉はどこかおかしい。
最早ここが引き時である事を悟った単葉が、一芝居打った。
「元締め。せっかくの余興のところすまないが、双葉の気分が優れないようだ。
 少し部屋で休ませたい。」
そう言うと重蔵からの返答を待たずして、石と固まった姉を強引に引き摺り起こした。
双葉の目を覚まそうとかなり乱暴に起こしたはずだが、彼女は今だ固まったままである。
そのまま双葉を肩に担ぎ上げるようにして、部屋を出た。
退出の間際、重蔵が何かを口走った。
「客は他所で取れ。」
確かに彼はそう言った。だが単葉は敢えて何も聞こえなかった振りをする。

651ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:04:27 ID:ZnM/Ym+/
二人の居室に入ると、手早く布団を敷き、そこに双葉の身体を横たえさせた。
先程のような乱暴さは微塵も感じられない。愛しいものに対する所作である。
そのまま彼女の着物の裾を腹まで捲り上げると、股間にむしゃぶりついた。
その瞬間、単葉の顔面に熱いものが走った。
双葉が無言のまま、彼の顔面にいきなり小便を引っ掛けたのだ。それが迸る怒りの為なのか、あるいは弟の勝手に対する
抗議の為なのかは定かではない。
彼女の小便は弟の顔を濡らし、布団を濡らしてもまだ止まらなかった。
だが、単葉はそれでもお構い無しとばかり、姉の股間から顔を離さない。
ただ一心に、彼女を悦ばせその怒りを解くことに集中していた。
―小便で気が済むのなら、幾らでも俺に引っ掛けてくれ。
 俺はまだ、お前を失いたくはない。
彼の気持ちが通じたのか、双葉が嬌声を洩らし、快楽に身をよじるまでそれほど時間は掛からなかった。
652ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:05:03 ID:ZnM/Ym+/
双葉が凛と事を起したのは、それから数日の後である。
黒屋内に在る彼女の居室に向う廊下で、凛と出くわした。
彼女が黒屋を訪れていたのは、
単に居室に置き忘れたお気に入りの香を持ち帰るためという理由からであった。
重蔵が店を空けていたことも、彼女にとっては都合が良かった。
今や重蔵は凛と並んで、彼女が顔を合わせたくない人物の一人である。
彼が店を空けた理由は、箱掛で仕事をするためだ。
凛は常に重蔵の側にいるが、彼の仕事の時は別である。
重蔵がそれを許さないのだ。
彼は誰に邪魔される事無く、たったの一人きりで仕事をこなす。
それは隻眼の殺人鬼の愉悦の一時でもある。
凛を愛するのと同様に、彼は殺人を愛した。
653ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:05:36 ID:ZnM/Ym+/
凛は双葉を待ち伏せしていた。
重蔵から言付かっていた言葉を伝えるためである。
双葉はこの生意気な小娘を一つ睨むと、彼女の横をさっさと通り抜けようとした。
「重蔵さんが。」
その言葉が、双葉の足を止めた。
「香を焚くの止めろって。」
「ああそうかい。」
顔も合わせずに、全く取り合わない。
そう言えば最後にこの小娘と会話をしたのは、何時の事であったか。
双葉にはもう思い出すことも出来ない。
「店に女郎が出入りしているのがわかると、評判が悪くなるから困るんだって。」
―女郎。
それが双葉に対する重蔵の評価であった。
燃え上がる怒りと凛に対する憎しみで、彼女の魂はじりじりと音を立てて焦げ付いていく。
「重蔵さん、女郎が嫌いなんだ。だから本当は双葉がここに出入りするのも嫌がってる。
 あたしだって嫌い。だってさ、女郎って凄く臭いんだもん。」
乾いた音が黒屋に響く。
双葉の平手が凛の頬を張っていた。
彼女は左頬を押さえて、口許に笑みを零した。
「重蔵さんに、言いつけてやる。」
654ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:06:17 ID:ZnM/Ym+/
「ああ!お言いよ!」
双葉は凛の腕を掴んで乱暴に揺さぶった。
「お言いったら!この性悪の餓鬼め!」
「痛いな!放してよ!!」
少女ではあるが、凛の膂力は双葉よりも上だ。
簡単に腕を外された。
「盛りのついた雌犬に性悪呼ばわりされたくないね!!」
店中に轟かんばかりに喚いた。凛の声はよく通る。
「何だって!?雌犬はあんただろ!
 重蔵にいいようにされてる癖に生意気言うんじゃないよ!!」
同様に双葉の声もよく通る。
店の従業員達はもちろん客までもが、一体何事が始まったのかと店の奥を凝視した。
「ははははは!双葉は知らないんだ!あんたが世間でなんて呼ばれてるか!
 あたしが教えてやるよ!!あんたはね!誰とでも寝る厠女だって呼ばれてるんだ!」
一体何があったと言うのだ。双葉の知っている凛は最早そこにはいない。
彼女の知っている凛はこんなことを言う少女ではなかった。
これも重蔵の躾によるものなのだろうか。
久しぶりに会話をする同郷の少女のあまりの変貌振りに、怒りと同時に悲しみがこみ上げてくる。
655ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:06:57 ID:ZnM/Ym+/
「おまけにあの蛭吉とも寝たんだって!?よくあんな小汚い乞食とやれるね!!それにカタワじゃないか!!
 もう男なら何でもいいんだろ!!この雌犬!厠女!淫売!色乞食!」
「五月蝿い!!佐吉さんの事悪く言うんじゃないよ!!!」
何故か双葉はあの足萎えの乞食の悪口を嫌う。彼女自身、何故なのかわからない。
ともかく彼の悪口を聞くと、あの戎様のようなひょっとこのような笑顔が頭に浮かび、切なくなるのだ。
「ふん!どうせあの気持ち悪い猿とも盛ってるんだろ!!」
「誰の事だい!!」
「決まってるだろ!!あんたの弟さ!!どうせ毎晩姉弟で盛ってるんだろ!!」
双葉の全身から血の気が引いた。近親相姦を指摘されたことに衝撃を受けたのではない。
弟を「気持ちの悪い猿」呼ばわりされた事に対し、体中に稲妻が走った。
「…もう一度言ってごらん…もう一度言ってごらん!!!」
双葉はもう殆ど狂気のごとく肉体が灼熱している。
秀麗眉目の彼女は、秀麗眉目の般若と化した。
この性悪が次に何か言ったら、自身がもう粉々に破裂するのではないかとさえ思う。
「ああ!何度でも言ってやる!!実の弟と毎晩盛りまくってる色キチガイめ!!
 あんたみたいな雌犬の厠女には、あの気持ちの悪い猿がお似合いさ!!!
 あんた頭悪そうだから教えてやる!!姉弟で盛ると蛭みたいな子が産まれるんだよ!!
 犬と猿で盛るとどんな子が産まれるのか、今から愉しみだ!!!」


双葉の記憶が消えた。 
656ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:13:03 ID:ZnM/Ym+/
上の凛の台詞は、いつも弟者が影で
姉者に対して言っているものです。
それを一字一句違わずに使わせていただきました。
               人人
.             /(∞))∧      ∧_∧
.             (´く_` ∬     (´<_` ;)   …言ってねーよ! 
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ  
     ( ´_ゝ`).   (::::†:::::::/| |     .| |     |
    /   \.   ):::::::::(. | |    | |   | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/;:::: ⌒ヽ|    | |   | |
  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   .| |    | |
      \/____/ ̄ ̄ ̄

…実の弟ながら酷い奴です…まったく…。

                …あ!?コラ!?
.             ∧(∞))ヽ      ∧_∧
.             ∬# ゚皿゚)     (´Д` ;)  だから言ってねーって!!!
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ  
     ( ´_ゝ`).   (::::†:::::::/| |     .| |     |
    /   \.   ):::::::::(. | |    | |   | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/;:::: ⌒ヽ|    | |   | |
  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   .| |    | |
      \/____/ ̄ ̄ ̄
657ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/02(月) 21:16:36 ID:ZnM/Ym+/
今回の作中には、現在では「差別的」とされる
表現が一部含まれております。
これは作中における、時代的背景および演出によるものであり、
ぽぽ者には、差別する意図やそれをよしとする意図は全くございません。
不快な思いをされる方もいらっしゃいますでしょうが、何卒ご了承下さい。
658名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 20:27:36 ID:zGbgPnZi
こんなにも続きが早く読みたいなんて思ったのは初めてだ‥‥
659ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:29:54 ID:2FPjYNZf
野菊が咲いている。
この何処までも透明な秋の日の午後。

憔悴した姉が、ふら付く足取りで帰ってきた。
双葉は凛を殺そうとしたのだ。
弟である単葉は一目でそれを見抜いた。
この間の酒宴の席での出来事以来、彼女の様子が少しおかしい。
心配していた所に、この憔悴振りである。
―双葉は凛を殺そうとした。
そしてそれが失敗に終わったことも容易く見て取れる。
凛は小娘であるが、忍びので芸は双葉より遥かに勝る。
激情に駆られた双葉ごときが殺せる相手ではなかった。
彼女の沈痛は、凛を殺し損ねた為ではないであろう。
これにより完全に重蔵を怒らせてしまった。
彼は生まれながらの殺人鬼である。
その殺人鬼を敵に回してしまった、恐怖と絶望によるためのものである。
だが単葉は、その事について姉を問い詰めるような真似はしない。
双葉もまた、弟に事の次第を話そうとしないし、悟らせようともしない。
二人は互いに平静を装い、沈黙したまま絶望の淵にいた。
660ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:30:25 ID:2FPjYNZf
唯一の救いは重蔵が黒屋にいないという事だ。
彼は己の仕事を遂行するために、ここ数日箱掛に出張ったきり、帰っていない。
だが凛の口から彼女の凶行が重蔵の耳に入る事は、時間の問題である。
今の凛はかつて双葉を慕っていた頃の凛では無い。
いまや完全に重蔵の手に堕ちた、一匹の犬である。
―重蔵が相手か…。
自分でも驚くほど明快に、単葉は重蔵との血戦を覚悟していた。
驚くべき事に、彼の内には姉の愚行に対する憤りも失望も無い。
彼女を咎め立てる気持ちすら沸き起こってこない。
―勝てるか…黒塗りの重蔵に…。
既に彼の思考は重蔵との一戦に絞り込まれている。
だがいくら策謀を巡らせても、全く勝ち目が見えてこない。
頭を振って、思考するのを止めた。それは全く無駄な事であった。
いくら策を練っても無駄―
これが彼の得た唯一にして確かな答えであった。
「酒を飲むか。」
長い沈黙の後、単葉が言った。
今は酒を飲んで気を紛らわせるぐらいしか、姉を慰める術が思いつかない。
「ああ。おくれ。」
姉も小さく頷く。表情に生気が無いのが気になる。
661ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:30:55 ID:2FPjYNZf
二人の寝室には、まことに奇怪な光景が広がっていた。
単葉が姉の乳首を口に含み、まるで赤子のように吸い付いている。
双葉はそんな弟の頭を飽きずに撫でている。
その表情はいつもの勝気なそれではない。疲れ切ったような、
それで居て何処と無く優しげにも見える複雑なものである。
かつて彼女がこのような表情を見せた事は無い。
しかし無心に乳首を吸いたてる弟に、それを窺い知ることは出来ない。



双葉はどうにも切なくなると、いつも弟に自身の乳を吸わせた。
無論妊婦でもない彼女に母乳など出るはずも無い。
ただ、赤子のように乳房を吸われると、彼女の寂莫たる虚栄に満ちた心が幾ばくか満たされるのである。
「どうだい?旨いだろ。」
この女がこれ程優しげに語りかけてくるのは、この時だけである。
乳首を口に含んだまま、頷く事で弟が返事をした。
「あんたの好きな塩鮭とどっちが旨い?」
不思議とこの時ばかりは単葉も「塩鮭」と答える気になれない。
「お前の乳のほうが旨い。」
「だろ?」
「ああ。」
「じゃあどのくらい旨い?」
こういうときの答えは決まっている。
変な話だが二人の間で様式化されているのである。
「天下一だ。」
予想通りの答えに、姉は嬉しそうに微笑んだ。
彼女が女の悦びの笑顔を浮かべるのも、やはりこの時だけである。

662ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:31:26 ID:2FPjYNZf
「あたしにはあんただけだよ…。もう男はウンザリだ…。」
ここで言う「男」というのは言うまでも無く重蔵のことだ。
彼女は必死に己の犯した大事を隠し通そうとしている。
痛々しいほどの下手な芝居だ。
「本当さ…あたしにはあんただけ…あんただけが最期まであたしに構ってくれるのさ…。」
芝居では在るが、彼女の言葉は真の本心でもあった。
どんなに男を替えても、自堕落に生きようとも、いつも側には単葉がいた。
彼の胸で泣き、そして彼を胸に抱いた。
「いつもの事だろう。」
これもまた、哀しいくらいに下手な台詞だ。
だが姉は気付かぬ振りして笑ってくれた。
「毎度毎度の事だもんね…でも今度ばかりは本当さ。もう男はこりごり…。」
そこまで言って、深い溜息を一つ吐く。
腹の底から、言葉を搾り出した。
663ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:32:01 ID:2FPjYNZf
「悪いね…。たった一人の姉さんが女郎みたいな女でさ。」
―突然何を言い出すのだ。
単葉は途端に哀しくなる。弟に詫びる彼女を初めて見た。
「女郎でも何でもいい。お前はお前だ。」
思わず声が引きつった。こんなに気弱な姉の姿など見たくは無い。
「女郎でも犬でも何でもいいんだ。お前で在るあらば。」
双葉の頬を両の手で包んでやった。
彼女の瞳が幽かに潤む。
「…あたし臭いだろう。香の臭いが染み付いちまった。」
「臭くない。とてもいい匂いがする。」
双葉の言うとおり、着物はもとよりその肉体までもに香の香りが染み付いていた。
だが弟は、それでも消す事の出来ない姉の匂いを嗅ぎ分けることが出来る。
それを鼻腔ではなく、彼は魂で嗅ぎ分けた。彼以外の人間には出来ない芸当である。
魂で嗅ぎ分ける匂いは、やはり彼女の魂の匂いであった。姉弟揃って同じ匂いがする。
如何ともしがたい孤独と、哀しみの匂いがする。
それだけは、どんな香をもってしても決して消す事は出来ない。
「あたしは本当に汚れちまった…。」
「汚れてはいない。…汚れてはいない!!」
単葉は叫んだ。
「昔に返りたい…まだ汚れてなかった頃の昔に…。」
「お前は汚れてはいない!!お前は昔からいつでも美しい!!これからもだ!!汚れてはいない!!」
双葉の言葉を打ち消すように、弟は殆ど絶叫している。
―そうとも。汚れているものか。
村人から迫害されていた蛭吉に、たった一人情けをかけてやったことを、彼は忘れていない。
単葉にとって、姉は常に正しい存在である。常に潔白である。弟は楠正成も遠く及ばない大忠臣であった。
「…御免ね…。…ありがとね…。…やっぱりあんたは優しい子だよ…。」
「…双葉…。」
単葉はもうやりきれなくなって、顔を伏せた。
涙は流さないでくれ、と心の内で懇願した。
彼女の涙を見れば、自分も涙を零してしまう。
故郷を消去した日に、涙は封印したはずであった。
664ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:32:36 ID:2FPjYNZf
「あたしさ…黒屋を抜けようと思うんだ。」
溜息とともに、悲壮な決意が姉の口から漏れた。
「本気か?」
「…ああ。」
二人はそれきり沈黙した。
あの重蔵から逃れる術など存在するのであろうか。
その答えが導き出されるまで、言葉が見つからない。
沈黙を破ったのは、姉のほうであった。
「ねえ、何処かに遁げようか。」
「遁げる?」
双葉の見つけた答えは、至極単純にして、非常に困難な、それでいて唯一のものであった。
「ああ、そうさ。何処かに遁げて…そこで二人きりで暮らさないかい。」
「遁げるって…何処へ?俺たちに行く所なんて無いだろう。」
「そうだったねぇ…。」
そう言って、双葉が哀しげに頭を垂れた。
弟の言うとおりである。二人には行く所など無かった。
彼らの故郷さえ、自らの手で消してしまっていた。
だからこの姉弟には、黒屋しかなかったのである。
黒屋こそ彼らの故郷であった筈なのだ。
だが、今の二人にはそれすらも過去のものとなりつつある。
「別に俺は構わんよ。」
単葉は幽かに笑みを零した。
自分の人生は常にこの姉に振り回されてきたと言っていい。
だが、それがまた嫌ではないから不思議だ。
命を賭けて忠誠を尽くすべき相手が重蔵で無いことは、彼自身が一番よく知っている。
どれだけ振り回されようと、
自分が忠誠を尽くすべき相手はただ一人。実の姉の双葉ただ一人である。


665ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:33:12 ID:2FPjYNZf
「あの頃が懐かしいねぇ…。」
懐古に耽る姉の姿も、単葉は初めて目にした。
己の死を、身近に感じ始めているからであろうか。
「あの頃はよかった…。」
「ああ…そうだな。あの頃はよかった。」
追憶に彩られた日々ほど、美しいものは無い。
単葉の脳裏にも、おそらく姉と同様の光景が浮かんでいる事であろう。
二人はいつも一緒であった。姉弟は正に一心同体であった。
「あの頃に戻って、もう一度あんたとやり直したいよ…。」
「今からでも遅くは無いだろう。やり直せるさ。」
この仏頂面の弟は限りなく優しい。双葉の胸が哀しく締め付けられるほどに。
「あたしが間違ってたのさ…あんたを巻き込んで…。」
「違う。」
単葉が即答した。
弟を重蔵の元に誘ったのは、言うまでも無くこの双葉である。
「あんたを誘わなければこんな事に…。」
「違う。俺の意思だ。お前は関係ない。」
666ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:33:50 ID:2FPjYNZf
―あんたは優しすぎるよ。
双葉はもう泣きたくなる。
こんな愚かな阿婆擦れ女に、一体何処まで情けをかければ気がすむのか。
「あたし、凛を殺そうとした…。」
「わかっている。」
それは一目見た時から知っている。
―そうとも。俺にはお前の事が全部わかっている。
彼は姉の頬を優しく撫でた。凍えるほどに冷たい。
「重蔵に殺されるよ。」
「俺が何とかする。」
「重蔵に勝てるかい?」
「やってみなければわからん。駄目だったら二人で死ねばいい。」
「あたし死ぬのが怖いよ…。」
「俺もだ。」
忍びともあろう者が、こんな弱音を吐くなんて。
可笑くなって、二人はどちらからとも苦い哂いを漏らしていた。
667ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:34:27 ID:2FPjYNZf
「あの頃に戻りたい…。」
「戻れるさ。」
「あたしを恨んで無いかい。」
「お前を恨むわけが無い。」
双葉が幽かに微笑んだ。
何か言おうとしたものの、言葉が出てこない。
「大丈夫だ…。」
そんな根拠など何処にも無い。自信など毛程も無い。
だが単葉は言った。
「大丈夫だ…何とかなる。大丈夫だ。」
双葉も言った。
「ああ、そうさ…大丈夫。大丈夫さ…。」
「そうだ…大丈夫だ。」
そう口にしていると、何故だか本当に何とかなるような気がしてくる。
互いに慰めあうかのように、確かめあうかのよう囁きあった。
少し安心したのか、双葉が微笑んだ。
「口を吸っておくれ。」
「ああ。」
乞われるままに、姉の唇を吸ってやった。
暫く互いの舌を絡ませて密やかに睦んだ。

668ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:35:02 ID:2FPjYNZf
睦みあいに飽きると双葉は弟の手を取り、自分の乳房に触れさせた。
弟の掌の下で、姉の豊かな乳房は柔らかく潰れた。
暖かい…。
掌を通じて、彼の優しさが胸のうちに流れ込んでくるように感じた。
「あんたさ…あたしの亭主になっておくれよ。」
この言葉には流石の単葉も呆れを通り越して、思わず笑ってしまった。
「おい…正気か?俺は実の弟だぞ。」
「そんな事わかってるよ…。でもいいじゃないか。弟だからって、それが何だって言うんだい…?」
この奔放な姉に世間並みの常識や倫理を求めても仕方ないのはわかっている。
しかし実の弟に亭主になれとは、あまりにも酔狂な頼み事だ。
「…遁げよう。」
双葉の手が弟の着物の裾を通り、褌の中に入ってきた。
一瞬単葉が腰を浮かせた。弟の素直な反応に、双葉は嬉しくなる。
「何処かに遁げて…夫婦(めおと)になってさ…所帯を持とう…そこで二人で死ぬまで静かに暮らすんだ…。」
双葉の脳裏に、遁世した姉弟夫婦の睦みあいが鮮やかに浮かんでは消える。
「本気…なのか?」
「ああ、本気さ。あんた、あたしの亭主になるのは嫌かい?」
「…別に嫌ではない。」
これは本当だ。単葉は姉には嘘をつかない。
「だったらいいじゃないか。」
「…ああ、悪くは無いな。」
単葉は苦笑した。
彼は姉には嘘をつかない。
「じゃあ決まりだね。」
「ああ、決まりだな。」
双葉が一夜を供にした男達は、実は全てこの弟の身代わりであったのかもしれない。
夢の中の出来事のように、姉弟は密やかな契りを結ぶ。

669ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:35:35 ID:2FPjYNZf
単葉は双葉がそうしているように、彼女の小袖の裾から手を差し込んだ。
迷いも無くその中心部に辿り着き、その柔らかな部分に割って入る。
互いに秘所を愛でながら、姉と弟は耳元で囁きあった。
「所帯を持つ前にお前に教えておきたいことがある。」
「おや?何だい?」
「実は俺は女を知らない。」
双葉の目が丸くなった。それから少し笑った。
まさかこのような時にこのような告白をしてくるとは。
姉に劣らず、弟もまた酔狂であった。
しかし流石にそれは嘘だろう。単葉は二十歳をとうに超えている。
自分を悦ばせる為に嘘をついたものと、双葉は勘ぐっていた。
「嘘じゃない。本当だ。」
単葉は姉に嘘をつかない。
事実彼は今まで女に興味を持ったことが無い。
それはやはりこの姉の影響であろうか。
幼い頃から睦みあい、時には許されざる悪戯をしあってきた仲である。
彼にとって女とは、この世でただ一人、双葉しかいなかった。
それ以外の存在はただの風景である。
「本当なんだ。信じてくれ。」
懇願するように念を押した。
双葉が微笑んだ。
「わかった。信じるよ。」
「本当か?」
「ああ、本当さ。」
670ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:36:09 ID:2FPjYNZf
―まったく可愛い奴だ。
双葉の胸が悦びに打ち震えた。
―このあたしの弟の癖に憎たらしいほど可愛いじゃないか。
「じゃああたしがあんたの初めての女になるのかい。嬉しいねぇ。
 ふふふ…こんなに嬉しいことは無いよ。」
「ああ、そういうことになるな。お前が初めての女で俺も嬉しい。」
「あんたのこと、うんと可愛がってやる。毎日嫌というほど可愛がってやるから楽しみにしておいで。」
「そうか。そいつは楽しみだ。それじゃあうんと可愛がってくれ。」
「あんたの子供も産んでやるからね。男の子と女の子どっちがいい?」
「どっちでもいい。お前の子なら。」
「じゃあ両方産むよ。」
「ああ、両方産んでくれ。」
「あたしたちはきっと良い夫婦になるよ。」
「ああ、勿論だ。きっとそうなる。」
「いつまでもあたしと仲良くしてくれるかい?」
「ああ、仲良くする。きっとだ。約束する。」
この透明な秋の日に、二人は透き通るような誓いを立てる。
671ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:36:40 ID:2FPjYNZf
「あんたが死んでも、あたしは死なないよ。」
いけしゃあしゃあと双葉は言う。
だが単葉はそうではないようだ。
「お前が死ねば、俺は死ぬ。」
「馬鹿だね。」
嬉しくなって思わず微笑んだ。
「あんたは馬鹿だよ。」
嬉しくて嬉しくて、白い歯を見せて笑った。
「一体何処まで馬鹿何だい。」
もう堪らなくなって、カカ、と笑った。
いつも仏頂面をしている弟がこんなにも愉しげに笑うところを、双葉は久しぶりに見る。
「おいで。お馬鹿さん。」
切なくなって、弟の笑顔を胸に抱いた。
「あんたが死んだら、あたしも死ぬよ。」
「馬鹿だな。」
「ああ、馬鹿さ。」
「そうか。姉弟揃って馬鹿か。」
「二人揃って大馬鹿さ。」
双葉も単葉も、声を上げて笑った。
心が溶けて、混ざり合った。

哀しいほど真っ直ぐに、野菊が咲いている
672ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 18:37:54 ID:2FPjYNZf
アク禁に巻き込まれて、連休中投下できませんでした。
ようやくアク禁が解除されたようなので、引き続き投下を開始いたします。
673名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 20:20:59 ID:vFkl5OTa
期待しております。 頑張ってくだせえ

にしても、双葉がこんなに愛しく感じる日が来るとは
思わなんだ。
674ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:03:49 ID:68Fq9Ct6
墨で黒く塗り潰された片割れの貝殻が届けられたのは、
やはり何処までも澄み切った秋の日の午後である。
どうやって侵入したのかは不明であるが、二人の寝室の床の上に、ぽつりと置かれていた。
差出人は不明。意味も不明。
しかしこの二人には十分過ぎるほどに、事の次第が理解できた。

―いよいよ重蔵が来た。

双葉はもうすっかり怯えきってしまい、弟の側を離れようとしない。
単葉が顔を洗う時にも、厠に行く時にさえ付いてくる。
弟もまた、彼女の側から離れようとしなかった。
暇さえあれば姉の震える肩を撫でてやり、青ざめた掌を握ってやる。
何処へ遁げても無駄なのは判りきっている。
そうやって互いに寄り添いながら、「その日」が訪れるのを待つしか術がない。

だが、この弟はそれでも策を練る。
今まで培ってきたありとあらゆる知識と経験を総動員し、策謀する。
―命を使うしかないか…。
忍びは生き延びる事を前提に策を立てない。
そこが侍と、彼ら人外の化生との違いでも在る。
675ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:04:27 ID:68Fq9Ct6
この愚かな姉は、今になってようやく己の愚行を悔いている。
後悔などとは無縁であったはずの彼女が、生まれて初めて、懊悩の淵に居る。
―確かにこの阿婆擦れは、馬鹿な女かもしれん。
肩を抱きながら、弟は思う。
しかしその馬鹿に、これまた馬鹿のように忠誠を誓う自身もまた馬鹿である。
いや、彼女より遥かに馬鹿であると言ったほうが、より真実に近い。
―それでいい。姉弟そろって馬鹿だ。それでいい。
単葉の口許に笑みが浮かぶ。

―俺が死んだら、この阿婆擦れはどうするのか。
双葉は何も出来ない女である。歌を歌ったり、舞を舞ったり、
あるいは男と睦み戯れる事以外能の無い女である。

「あんたが死んだら、あたしも死ぬ。」
彼女は確かに、そう言った。
だがそれは嘘であろう。
自害できるような度胸の在る女ではない。
その事は、弟である単葉自身が一番よく知っている。

しかし幸運な事に、この姉は類まれなる美貌の持ち主であった。
その肉体も匂うほどに甘く蕩けているし、房中術も匠の域に在る。
―男が、放っておかないだろう。
何処かの金持ちの旦那が、妾にでも拾ってくれればそれでよかった。
676ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:05:01 ID:68Fq9Ct6
「行かないでおくれ!」
双葉はもう、憐れなぐらい憔悴している。
美貌は青ざめ、体中が細かく震えて止まらない。
―だが、行かねばならぬ。
あの黒塗りの殺人鬼を屠らぬ事には、この姉の命もまた、無い。
「お前は例の場所にいろ。」
例の場所というのは、非常時における隠れ部屋である。いや、穴といったほうがいいかもしれない。
寝室の間の床板を外すと、一間ほどの深さの穴が穿たれている。
この屋敷に引っ越してきた当日に、単葉が掘ったものだ。
二、三日は潜んでいられるように、少量では在るが食料と水も保管されている。
無論、幾ばくかの金銭も同様である。
また、この竪穴からは屋敷の外へと続く横穴が掘られており、
いざという時の脱出口としても使用できるようになっている。
そこに隠れていろ、というのである。

「嫌だよ!!行かないどくれ!!あたしを一人にしないでおくれ!!ねえ!行かないどくれったら!!」
どこまでも食い下がる姉の口を、柔らかく吸ってやった。
それが、この姉弟の永遠の別れの挨拶であった。
「明日までに戻らなかったら、俺のことは忘れろ。」
残酷な言葉を一つ残して、弟は背を向ける。

677ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:05:43 ID:68Fq9Ct6
―たった一つ、策が在る。
彼の身体には、一見そうとは判らぬように、爆薬が巻き付けられていた。
左の二の腕に装着されたカラクリ籠手と連動して、爆発する仕組みになっている。
標的に密着、若しくは極力接近して作動させれば、
いかにあの物の怪じみた殺人鬼であっても一たまりも在るまい。
彼の鉄傘を持ってしても、防ぎきることなど出来ぬであろう。
―あの阿婆擦れの亭主になって、存分に抱いてみたかった。
憂鬱持ちの単葉の心は、大抵靄がかかったようにすっきりしない事が多い。
だが、今はどうだ。
何処までも透明に澄み渡り、この秋の空のように晴れ渡っているではないか。
こんなことはかつて一度も無かった事だ。
しかも彼はこれから死にに行く所なのである。

―俺のことはもう忘れろ。
 端から居なかったものだと思って、忘れてくれ。
 馬鹿な弟のことなど、酒でも飲んで忘れてしまえ。
死に行く仏頂面には、笑みさえこぼれている。 

―どこかの旦那に拾われて、うんと可愛がって貰え。
 旦那の事も、うんと悦ばせてやれ。
 酒もたんと飲ませて貰え。べべも買って貰え。 
 簪も櫛も買って貰え。
 そして年がら年中歌を歌い、舞を舞って暮らすんだ。
 


野菊が一輪、風に揺れている。
678ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:08:49 ID:68Fq9Ct6
双葉よりも、寧ろ単葉タンに萌えます。
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     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
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679ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:09:38 ID:68Fq9Ct6
殺気が舞い降りた。
それ全く突然の事であった。
街に続く一本道。周囲には長閑な田園風景が広がっている。
夕暮れが迫っているため、辺りに農夫の姿は無い。
すわ、重蔵か!
単葉は無意識のうちに身構えている。
だが殺気の主は重蔵ではなかった。
女である。
二振りの小太刀を手にし、濃紫の衣を纏った小柄な女だ。
「黒屋の単葉だね。」
「誰だ。」
女は答えない。
680ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:11:01 ID:68Fq9Ct6
代わりに「三刀流はとったよ。」と返した。
「三刀流」が鎬の事を指しているということは容易にわかった。
単葉は驚きもしない。
あれ位なら俺でもやれる。
荒唐無稽、奇抜な芸を持つものほど、実はたいした人間で無いことを、彼はよく知っている。
「ラッパか?」
重蔵の手の者であろうか。
しかしこんな女は見た事が無い。
そのいでたちや得物からそう判断した。
「いや。」
女が口許を歪めた。
「死神さ。」
「ほざけ。」
ついていない。単葉は己の運の悪さを呪わずにはいられなかった。
この大事な血戦を前にして、こんな訳のわからぬ女に命を狙われるとは。
「重蔵の手の者か?」
「知らないね!」
言葉が終わらないうちに死神が跳ねた。
681ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:11:37 ID:68Fq9Ct6
―ついていない…。
単葉は血の海の中に居る。
腹が真一文字に抉られている。内臓がはみ出ているのを、己の目で確認できる。
彼の身体には、相当量の爆薬が巻きつけられている。
それが、いけなかった。
彼は、たった一人、重蔵のみを見ていた。重蔵は自らは動かない。
先に動いた獲物を、それよりも迅く正確に仕留めるのが、あの殺人鬼の兵法である。
だからこちらから先に動き、それに反応した重蔵諸共爆死する手筈だったのだ。
だがこの俊敏な死神は、そうではない。
彼女は縦横無尽、自由自在に跳びまわり、爆薬に巻きつかれて動きの鈍い単葉を翻弄した。
彼の秘策は、重蔵を標的としたものであって、このわけの判らぬ死神に対してではないのだ。
この女と心中するわけには行かない。
単葉は只管不利な戦いを強いられ、その結果が、この有様である。
―…双葉…
薄れ行く意識の中、脳裏に美しい姉の笑顔が浮かんだ。
―どうやら俺もお前との約束を果たせそうも無い…。
姉の姿が幼女に変わっていく。
まだ里に居た頃の、お転婆の姿がそこにはあった。
幼女の姉は盛んに弟を呼んでいる。
幼いあの日の幻影。二度と戻ることのない、あの日の蜃気楼。
―すまん…俺にはもうそこに行く事は出来ないようだ…。
単葉が静かに目を閉じた。


―…姉ちゃん…


そして、静寂。
682ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:12:11 ID:68Fq9Ct6
―どうやら死神は仕事をしくじったようだ。

単葉の視界に色彩が戻る。
―俺は生きている。あの女はしくじった。
重傷を負い、意識を失っていたにも拘らず
彼は驚くほどの冷静さで、己の在り様を察知した。

単葉は一間半四方の小さな部屋に寝かされていた。
目の玉を横に反らすと、老婆が座って裁縫をしているのが見える。
老婆が単葉の異変に気付いたようだ。
「おやぁまあ、目を覚ましたよ。」
老婆が驚いて、素っ頓狂な声を上げた。
「あんたもう何日も寝ていたんだよぉ。」
彼女は裁縫を一休みし、単葉の枕元までにじり寄って来た。
「あんた死ぬとこだったよ…あんなに大怪我して…
 先生に診てもらわなきゃ本当に死んでたよ。本当によかった…あたしゃ心配で心配で。」
聞きもしないのに、老婆は事の成り行きを捲くし立てた。
意識を取り戻したばかりの単葉には少々耳障りである。
―ついている。
運良く命を拾った。死神もしくじる事があるのだ。
「俺は生きている。」
無意識のうちにそう呟いた。
老婆に返事をしたわけではない。
自分自身に宣言をしたのだ。
「そうだよ。生きてるよ。よかったねぇ、本当によかった。」
だがこの老婆に彼の言葉の意味が判るわけが無い。
この怪我人の思わぬ言葉に、涙を流さんばかりに喜んでいる。


683ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:12:45 ID:68Fq9Ct6
だが単葉には、この老婆の事等眼中に無い。
ただただ双葉と、そして重蔵の事が頭にあった。
身体を起してみた。途端に腹部に強い衝撃が走る。
「駄目だよ!」
老婆が狼狽した。
「先生は暫く寝てなきゃ駄目って言ってたよ。」
「どのくらいだ。」
これが、初めて行う老婆との会話であった。
「一月は掛かるって言ってたよ。」
―何と言うことだ。やはり俺はついてない。
この老婆の言う事は嘘では無いだろう。
今の身体では歩く事はおろか、身体を起こす事さえままなら無い。
いや、仮にそれが出来たとしても、重蔵と一戦交える事など到底不可能である。
「ここでゆっくりしておいき。どうせ婆の気楽な一人暮らしなんだしね。」
この老婆は何処までも善良である。
684ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:13:27 ID:68Fq9Ct6
「蛭吉があんたを見つけたんだよ。」
老婆が思わぬ告白をする。
「何だって?蛭吉が?」
蛭吉といえば、かつて姉が家まで連れてきたあの足萎えの乞食である。
双葉と一時の睦みあいに興じた事を、単葉はよく覚えている。
「蛭吉があんたを背負って先生の所に駆け込んだんだ。」
単葉が一瞬絶句した。
―一体どうゆうことだ!
 生来足萎えの蛭吉は、歩く事はおろか立つことすらままならないのではなかったか。
 それを決して軽くない俺を背負って医者の元に駆け込んだだと?
「蛭吉は…。」
単葉が言い終わらないうちに、老婆がその疑問に答える。
「そうなんだよ。あの乞食、足萎えの筈なんだけどね。確かにあんたを背負って走ったんだ。
 それも結構な疾さだったって言うよ。村の市松が見たんだけどさ、風のような疾さだったって。」
さも自分が目撃したかのように老婆がまくし立てる。
―どういうことだ…足萎えというのは偽りだったのか。
「それにね、蛭吉は乞食の癖に結構な銭を溜め込んでいたらしくてね、  
 あんたの治療代も全部置いていった。」
―何と、銭まで。
単葉の脳裏に、戎様のようなひょっとこのような蛭吉の笑顔が浮かぶ。
「蛭吉は今何処に?」
あの足萎えの乞食に命を拾われた。一言礼を述べたかった。
「それがねえ…。」
老婆の顔が曇る。
「あれ以来何処かに消えちまったんだ。みんなで探したんだけどね。何処にもいないんだ。海にも、森にも、池にも
 川にも山にも何処にもいないんだよ。いつもにたにた笑ってて、気味の悪い乞食だったけどね。
 いなくなるとそれはそれで寂しいもんだ。」

685ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:14:07 ID:68Fq9Ct6
蛭吉が、消えた―。

―あの乞食は物の怪の類だったのではないか…。
今では魑魅の類など頭から否定している単葉さえ、そう思わざるを得ない不可思議な話しだ。
―いや、神だ。あの土地の守り神だったのだ。
 双葉との睦みあいの礼に、弟である俺の命を救ったのだ。

あの蛭吉に命を救われた。
―お前の大事な双葉を救え。
今や彼の言葉は不明瞭で理解不能なものなどではなかった。
それは刃のような鋭さで、彼の心に明確に響きわたった。
単葉の心が、蘇る。
686ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/06(金) 21:18:15 ID:68Fq9Ct6
>>673有難うございます!
そう言っていただけると嬉しいです。
個人的には朝河蘭さんに双葉のコスプレを
して貰いたいと思っている次第であります!
…まあ、彼女は引退されてしまいましたが…。
.             /(∞))∧      ∧_∧
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     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
     (* ´_ゝ`).   (::::†:::::::/| |     | |     |
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いよいよ物語も終盤です。
長くなりましたがお付き合いの程、よろしくお願いします!

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  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   .| |    | |
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687名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 21:38:43 ID:UUXRGfNT
正座して続きを待ってます。
てゆーか、ぽぽ者さんおもしろすぎ。
サイコー
688ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:33:56 ID:GJq4y6B7
今回分は内容に一部猟奇的な表現があります。
その手の描写が苦手な方は、読まないほうがいいかもしれません。
689ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:34:29 ID:GJq4y6B7
―もう生きてはいないだろう。
あれから一月は経っている。
だからこれは殉死のつもりなのである。
蛭吉に拾われた命であるが、当の双葉が死んでしまっているのでは意味が無い。
双葉が居なければ意味の無い命である。意味の無い人生であり、意味の無い人間である。
身体の傷はすっかり癒えた。
だが心の傷が癒えることは無い。
単葉の脚はひとりでに黒屋に向かっていた。
―あの阿婆擦れに殉じる馬鹿が一人ぐらいいてもいいじゃないか。
690ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:34:57 ID:GJq4y6B7
「何処に行くんだい?」
単葉の目の前を、黒い影が遮った。
乱造であった。口元に、邪悪な笑みを浮かべている。
「行かないほうがいいと思うなぁ。」
思わせぶりにそう言って、顎鬚を撫でた。
乱造を無視して、単葉はその横を通り過ぎようとした。
しかし乱造が彼の行く手を塞ぐように立ちはだかる。
「行かないほうがいい。ひっひっひっ…お前さん、きっと後悔するぜぇ。」
「お前がやったのか?それとも重蔵のほうか?」
単葉が初めて口を開いた。
やったのか?と言う問いは言うまでもなく姉の双葉のことである。
単葉の問いに、乱造はニヤリと笑っただけで答えた。
「お前か?それとも重蔵か?」
単葉は再び同じ質問を繰り返した。月が出ているとはいえ、木立に囲まれた
お堂の広場ではお互いの表情を窺い知る事は出来ない。
「殺しちゃあいねえ。」
「何?」
単葉の表情が変わった。
「生きているのか。」
乱造は返事をせずに、口許を醜く歪ませた。
「生きているのか。」
乱造が長い舌を出しておどけた。
「生きているのか。」
単葉は執拗に同様の質問を繰り返した。
691ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:35:29 ID:GJq4y6B7
「ああ、生きてるっていやあ生きてるがな。」
肩を竦めて、乱造が答えた。
「お前さんの姉さんは犬になった。」
「犬だと?」
「女郎屋にいる。」
「何処だ。」
「さあてね。」
「何処だ。」
単葉の声に力が籠もる。
―双葉は生きている。
この言葉が、彼の内の暗黒に一灯の灯火を燈した。
女郎にさせられたのは、重蔵の命によるものなのであろう。
だが彼に衝撃は無い。もともと女郎のような女であった。
むしろ重蔵の仕置きがその程度で済んだことのほうが、彼には意外である。
「言え!何処の女郎屋だ!」
「万楽屋さ。」呆気ないほど簡単に白状した。
乱造にはこの異常なまでの姉狂いの男を殺すだけの自身がある。
死人に対して白状した所で、何の問題も無いはずであった。
「あの女郎屋か。」
万楽屋は知っている。
色町の外れにある、小さな女郎屋だ。
変態的な客が集まる事で知られており、評判は良くない。

692ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:36:01 ID:GJq4y6B7
単葉の肩は小刻みに震えている。
それを自分に対する怯えであると見た乱造は、まるで道化のような口調で話し始めた。
「お頭の指図でよぉ…仕方なかったんだよ…ひっひっひ…悪い事は言わねぇ、あの女の事は諦めな。
 あの女はもう人間じゃねえ。犬だ!犬になっちまったんだよ!ひゃははははは!」
彼は明らかに単葉を侮っていた。大体において、単葉という男はよくわからないとところがある。
極端に無口で、姉の双葉以外とは殆ど口を利くことはない。余程己に自信が無いのであろうと、
常々思っていた。
乱造はこの手の男が死ぬほど嫌いである。深淵のように暗く、底を見通す事の出来ない単葉を殺したいほどに憎んでいる。
だが同時に、単葉もまたこの滑稽で軽薄な道化師に殺意を抱いている事を乱造は知らない。
「俺も辛かったんだぜぇ、あんたの姉さん、いい女だからよぉ…ついつい殺したくなっちまうのを
 必死に堪えてたんだ。まあ俺の苦労も察してくれや。」
そう言うとひひひひひ、と不気味に笑った。爬虫類の威嚇を思い起こさせる笑いである。
「そうか。」と、一言、単葉が呟いた。
その瞬間、彼の左腕に装着してあるカラクリ篭手が火を吹いた。
乱造が物言わぬ肉塊に変わるまで、それほど時間は掛からなかった。
693ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:36:36 ID:GJq4y6B7
単葉が「万楽屋」に辿り着いたのは、それからやく一刻(二時間)の後である。
万楽屋は箱掛の宿の大通りから少し外れた遊郭街の一番外れにひっそりと建っている店だ。
女郎屋であるのに、意外とこじんまりとした、一見商家と見分けが付かない造りになっている。
地味な店構えであるのに、この店は数寄物達の間ではかなり評判の高い店であった。
その理由を、単葉はすぐ後に知ることになる。
門前で屯している野伏せり崩れの門番を一蹴すると、店の中に踊りこんだ。
店の中は仄かに行灯が灯っているだけで薄暗かったが、夜目の利く単葉にはそれで十分である。
この店は外見からも判るとおり、それ程広いものではない。
双葉を捜すのに、それ程時間は必要ないであろう。
門番が狼藉者に屠られた事を知った用心棒の侍が、店の奥からどかどかとやってきて単葉を囲んだが
今の彼に挑むのはあまりにも無謀すぎた。たちまち返り討ちにあい、乱造同様の醜い姿となって
息絶えた。
番頭も、女郎も、客も、出会う者は悉く殺した。殺して殺して、ただ只管双葉を捜した。
694ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:37:06 ID:GJq4y6B7
やがて姉を見つけた。
店の一番外れにある離れ部屋。
そこに双葉はいた。
単葉の巻き起こした殺戮も、この部屋に集まった客はまだ知らないでいた。
突如乱入した曲者に、客達は激しく動揺した。
だが、そんなことは単葉の目には映らない。
彼の視線はただ一点、双子の姉の双葉に注がれていた。

変わり果てた姿であった。
数々の修羅場を潜り抜けて来た単葉さえ、余りの惨い仕打ちに思わず言葉を失った。
双葉は一糸纏わぬ裸身であった。
四肢を間接部分で切断され、桃色の切断面には乱暴な縫合の後が見える。
おまけに首に絆を付けられていた。
ここでは彼女は人間ではなかった。獣同様の扱いを受け、毎晩のように猟奇的な客たちに弄ばれていたのである。
単葉の脳裏に、乱造の爬虫類の笑いが残酷なほど鮮やかに蘇って来た。
―お前さんの姉さんは犬になった。
その言葉は正しくその言葉通りの意味であった。
―甘かった。
姉の無事を楽観視していた彼は、己の甘さを心底悔いた。
重蔵は彼が思っていたより遥かに悪辣で、無慈悲であった。
単葉が吼えた。獣の咆哮である。
それから先は、彼自身も知らない。
気が付くと、姉とたったの二人きり、言葉も無く向かい合っている。
彼らの周りには、肉塊が転がるばかりであった。

695ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:37:42 ID:GJq4y6B7
双葉の白い肌には、無数の傷跡があった。
嗜虐的な外道供に散々嬲り者にされたのであろう。
単葉は堰として声も出無い。
姉の恐怖と絶望を思うと、胸が張り裂ける思いがした。
店の何処かから紅の小袖を調達して来ると、震える手でそっと姉を包み込んだ。
艶やかな紅は双葉の好きな色であった。しかしそれを纏っても姉は何も言わない。
それから彼女を繋ぎとめている絆も力任せに引き千切った。
双葉は解放された。しかしその肉体が解放されても、彼女の魂まで解放されたわけではない。
その魂は弟の手の届かぬ深い闇の中に囚われたまま、永久に彷徨い続けている。
彼女の頬を一撫でしてみる。まるで死人だ。目が虚空を彷徨っている。
双葉の心は黒く塗り潰されてしまった。同時に単葉の心も暗闇に閉ざされた。
それが重蔵の報復であった。
―犬になった。
あの惨い言葉が頭の中で何度も反芻される。
単葉は絶望し、生き地獄から姉を救い出すべくその喉に手をかけた。
反射的に、双葉と視線が合った。
彼女の黒目がちの瞳には、打ちひしがれた弟の姿が映っていた。
「犬」になっても、相変わらず彼女は美しいままであった。
―出来ない…。
単葉の喉が「くぅ」と鳴った。
―俺には出来ない…。
首に掛かっていた手が、いつしか彼女の背中に回されていた。
ただ強く強く抱きしめた。
それ以外に、この憐れな姉を救う術が彼には無かったのである。

696ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:38:22 ID:GJq4y6B7
単葉は、物言わぬ生き人形の姉をその背に負った。
驚くほど軽い。それは欠損した手足のせいだけではない。
彼女の魂が、すっぽりと抜け落ちていた。それは双葉の抜け殻であった。
その虚ろな軽さに、思わず涙が零れそうになる。
姉を背負い、彼は只管歩き続けた。女郎屋を出、町を抜け、野山に分け入った。
二人に行く所などなかった。古里を、自らの手で消去してしまっていた。
彷徨う、という言葉はまさに彼らのためにあった。
―この世に、二人きりになってしまった。
単葉の心が、如何ともし難い孤絶に戦慄いた。
彼らは孤立したのではない。まさに孤絶したのである。
二人はたった今より、人間から、世間から、そして運命から絶離し、永遠の闇を彷徨う孤児となった。
突如、戯れ歌を聞いた。
すわ、幻聴か。それとも我ら姉弟を狙う刺客の奏でる歌か。単葉は足を止め、身構えた。
しかしそうではなかった。
調べは、背中の姉の口から紡がれていた。
いつかの日に、蛭吉に歌って聞かせたあの歌である。
この歌を、双葉は葉隠れの里にいた頃からよく口にした。
一体何処で覚えた歌なのか。あるいは自身で創作したものなのか、単葉は知らない。
虐められて泣きじゃくる弟を抱いて、彼女は透き通るような声でこの調べを紡いだ。
この戯れ歌を知らぬ人間は葉隠れにはいない。
里全体に染み渡る程に、彼女はこの哀しい歌を愛した。

697ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:39:01 ID:GJq4y6B7




群れからはぐれた蟻の子や
お前は何処に辿り着く

―ああ、俺達は一体何処に辿り着く。

単葉もまた、歌を口ずさむ。


群れからはぐれた蟻の子や
あたしも一緒に連れとくれ

―許してくれ。俺にはもうお前を何処にも連れて行ってやることが出来ない。



698ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:39:32 ID:GJq4y6B7
あの頃の姉は男勝りのお転婆であった。
気が弱く、引っ込み思案の弟を、文字通り引きずりまわすようにして遊び暮れた。
その癖、遊び疲れるとすぐに眠ってしまうのである。
草原でも、森の中でも、河原でも、どこでもお構いなかった。
安らかな寝息を立てている姉を起こさぬようそっとその背に負い、家路に着くのが
単葉の役目であった。
あの日の温もりを、今その背に感じている。
―大丈夫だ。
単葉が呟いた。
―お前がどんな姿になっても、心を無くしても、俺はお前と共にある。
二人で一人。口には出さないが、互いにいつもそう思っていた。
―だから何の心配も要らない。大丈夫だ。俺達はこれからも上手くやっていける。
 双葉…俺の大事な可愛い姉ちゃん…だから安心してくれ。大丈夫…大丈夫だ…。
単葉の頬はいつの間にか濡れていた。何と彼は泣いている。
涙に架けられた封印を、姉の紡ぐ戯れ歌が解き放っていた。
―所帯を持とう。
消え入りそうな声で、そう呟いた
―俺はお前の亭主になる。夫婦になって、死ぬまで静かに暮らそう。
甘く密やかな双葉との約束。彼は忘れてはいない。
―戻れるさ…俺たちなら。きっと戻れる…。だから大丈夫だ…。
姉を背負って、弟は歩く。何処までも、何処までも。
野を越え山を越え、あの丘の遥か彼方に浮かぶ、しろがねの月をさらに越えて。
二度とは戻れぬ、あの夢のような日々に辿り着くその時まで。
699ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/07(土) 21:41:04 ID:GJq4y6B7
今日はここまでです。
若しかしたら明日辺りで完結するかもしれません。
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700ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:38:22 ID:41FpgZNf
胸騒ぎがする。
重蔵が帰らないのだ。日が沈んでから、もう大分経っている。
彼がこんなに遅くまで凛の元に帰らなかったことは、かつて無かった。
居ても立ってもいられず、凛は彼の所在を丁稚に尋ねてみた。
鼻が猪のように天を向いて反り返った痘痕面のこの丁稚は、主人の正体を知らない。
馬鹿正直にも、薬屋「黒屋」の主だと本気で信じている。
ついでに言えば、彼は目の前の少女の正体も知らなかった。
ただいつも重蔵と一緒にいる所を見ているので、主人の娘か養女なのであろうと推測していた。
主人の情婦であるかもしれない、という可能性に辿り着くには、彼はまだ幼すぎた。
凛に話しかけられた丁稚は、なぜかドギマギしながら
「旦那様は、お月見に出かけられました。」と答えた。
701ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:39:33 ID:41FpgZNf
―お月見だって!
丁稚の言葉に、凛の薄っぺらい胸は早鐘を打つように鳴り出した。
確かに今夜は十五夜の満月である。月見をするにはもってこいの夜だ。
しかし重蔵は月を愛でるなどという風雅の愉しみを、心の底から軽蔑するような男である。
そんな男が月見などするはずが無い。
―まさか…。
思い当たる節が一つだけある。
凛の頭の中で、いつかの重蔵の言葉が反芻された。
―くの一が、俺の頸を狙っているらしい。
確かに彼はそう言った。
「どこで!?重蔵さんは何処に行ったの!?」
無意識のうちに丁稚に詰め寄っていた。
丁稚の鼻に、彼女の息がかかった。
彼は顔を赤らめて、俯いたまま口をもごもごさせている。
「何!?聞こえないよ!もっとはっきり言って!」
「わ、私にはわかりません!旦那様はただお月見に行くと…。」
凛に圧倒された丁稚がそれだけ言うと、彼女の姿は丁稚の前から掻き消えていた。
702ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:40:03 ID:41FpgZNf
夜の潮騒は骨身に堪える。
今夜のような冷たい満月の晩はなおさらだ。
砂浜には二つの影。
それを群れからはぐれた一輪の野菊が、息を殺して見守っている。
これから始まるのは死闘である。
どちらかが死すまで、あるいは共に倒れるまで終わることのない修羅の宴だ。
彩女はあの世や極楽といったような都合のいいものは信じない。
死は全てを飲み込み、永遠に消し去ってしまう。そう信じている。
だがそれが何とも小気味いい。
大名も侍も地下人も乞食も男も女も、そして忍びも全て消え去る。
それを思う時、彩女の胸は悦びに打ち震えるのだ。

生死の間を漂う彩女には、生への執着も無かったし、死への恐怖も無かった。
だから明日果ててもよいし、永遠に生き永らえていてもよいのである。
彼女は生き人でも死に人でもない。
此岸と彼岸に同時に存在する、人外の化生であった。
703ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:40:33 ID:41FpgZNf
重蔵が傘の柄に仕込んだ得物を引き抜いた。
刀身は短く二尺ほど、反りも無いに等しい。
忍びが使う独特の刀である。
彩女は咄嗟に「架け橋」と「墓無し」を手に身構えるが、重蔵には構えなどない。
ただ人を斬る―。それが彼の兵法であった。

彩女が跳ねた。
流れるような斬撃を休むことなく重蔵に浴びせていく。
しかし重蔵は黒塗りの傘でそれをことごとく阻み、あるいははじき返していく。
ただの傘ではない。どうやら鉄が仕込んであるようであった。
だとするならば、それを軽々と振り回す彼の膂力は計り知れないものがある。
彩女の隙を突いて、重蔵の仕込み刀が彼女を袈裟に一閃した。
彩女は驚異的な反射神経で何とかそれをかわしたものの、凄まじい剣圧に正直彼女は圧倒された。
重蔵の剣は彩女が着込んでいた帷子を切り裂き、彼女の左肩から胸にかけて赤い直線を描き出していた。
彼女の左の乳房がまろび出て、月明かりに照らし出される。
だが彼女はそんな事は気にもしない。むしろそれが重蔵の視線を逸らす手助けになってくれれば、怪我の功名である。
しかし重蔵にその気配はない。彼は一個の羅刹である。羅刹が女の乳房などに感心を持つであろうか。
彩女もすぐにそのことに気が付いた。相手が羅刹ならばこちらは修羅になるしかない。
彼女は冷静に己の負った傷の度合いを計っていた。
致命傷ではないが、胸に走る違和感により今後の戦いに支障が出るのは明らかである。
出血も決して少なくはない。
早めに決着をつけなければ、負ける。そう踏んでいた。
704ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:41:06 ID:41FpgZNf
再び彩女が飛んだ。
四方八方から火のような斬激を叩き込むが、重蔵の仕込み刀に、あるいは鉄傘に阻まれ
髪の毛一筋の傷すら付ける事は出来ない。
しかも重蔵は畳半畳ほどの空間から殆ど動いていない。
盛んに動き回り、飛び回っているのは彩女のみである。
―まずい…!
表情に表す事は無いが、彩女は重蔵の底知れぬ実力と、己の体力の低下に焦りを感じ始めていた。
―この男は狩人だ…!
幾度と無く刃を合わせるうちに、彩女はこの男の本質を正確に見抜いていた。
真の狩人は狙った獲物を必ず仕留める。その確信が持てるまでは自分からは決して動かない。
動いた時には既に獲物の命は彼の手の内にある。
傍から見れば、手数に勝る彩女が優勢に戦っているように見えるであろう。
だがそれは大変な間違いだ。
追い詰められているのは寧ろ彩女のほうなのである。
彩女が叩き込む斬激を、この男は冷静に観ている。そして分析している。
何時如何なる時反撃に移れば、この獲物を確実に仕留める事が出来るか、
本能のうちに計算しているのである。
705ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:41:36 ID:41FpgZNf
かつてこんなに分厚い「壁」を持った敵と対峙したことは無かった。
いや、彩女にとってそれは「壁」などという生易しい物ではない。
重厚な石垣であり、幾重にも掘られた水堀にも等しい。

彩女の顔色が変わる。
呼吸も乱れている。額には汗の玉が月明かりに照らされて輝いている。
そんな獲物の変化に狩人が気付かない筈が無い。

―うっ…!
彩女が一歩踏み込もうとしたその時である。
額の汗の雫が、左の眼球を掠めた。

瞬間、彩女の全身を黒い殺意が突き抜けていった。




            
           ―死んだ。
706ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:42:05 ID:41FpgZNf
重蔵の必殺の突きが彩女の喉笛を捉えた。
…少なくとも重蔵にはそう見えた。
しかし実際には彼の刃は彩女の喉の中心から僅かに三寸ばかり右に空を切り、
彼女の肩越しに突き抜けていた。
目のせいである。隻眼の重蔵は目の焦点を合わせることが得意ではない。
完全無欠に見える彼の唯一の弱点であった。
必殺の一撃を外したとわかったとき、彼の心の内に如何なる思いが去来したかは定かではない。
刹那、殆ど条件反射といっていい彩女の一閃が、彼の喉笛を正確に寸断した。
獲物であると同時に、彩女もまた狩人であった。捉えた獲物は、やはり確実に仕留める。

重蔵の隻眼に映る光景は、忽ちの内に黒く塗り潰された。
彼は吹き出る血に押し倒されるように仰向けに倒れた。
左目をかっと見開いたまま、ぴくりとも動かない。吹き上がる血であたり一面血の海である。
その赤い海の真ん中で、重蔵は大の字のままただ虚空を見据えていた。

黒屋重蔵、黒塗りの重蔵は、虚無へと消えた。
707ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:43:11 ID:41FpgZNf
少女が重蔵にすがり付いて泣いている。
身体に付着する血も、全く気にする様子はない。
―重蔵さん!重蔵さん!
重蔵の血で紅に染め上げられた少女は、ただ只管に重蔵の名を呼んだ。
彼の身体はまだ温かい。このまま名を呼び続ければ、きっと目を覚ましてくれる。
少女はそう信じていた。
だが、重蔵は動かない。目を覚ますことも無い。
潮風に晒されて、徐々に冷えていく彼の身体を温めるかのように少女は重蔵の身体を抱きしめた。
抱きしめて、あとはもうただただ泣いた。いや、鳴いたと言った方がいいかも知れない。
まさに慟哭であった。
―何だこれは…。
彩女は目の前に広がる奇怪な光景を、呆然と見つめていた。
この少女の事は知っている。
確か、凛とか言う名のはずだ。
重蔵に里を焼かれたあげく、彼に飼育までされていると聞いている。
彼女にとっては、重蔵など殺しても殺し足りないほどの憎き存在のはずである。
その凛が、目の前に倒れてまま動かない重蔵を抱きしめて泣いている。
―.一体何なんだ…。
己の内に何度問いかけても、彩女には目の前の光景を理解する答えを持ち合わせていない。
まさに「奇怪」としか言いようが無かった。
708ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:43:42 ID:41FpgZNf
彩女は獣の殺気を感じた。
重蔵は既に死んでいる。だとすると、その殺気の主は凛しかいない。
「よくも…殺したな…。」
明らかな殺意と共に、言葉が放たれた。
「よくも…よくも…重蔵さんを…よくも…。」
怒りの余り、言葉が後から続かない。
ただ、自分に向けられた激しい憤怒と殺意が、彩女にははっきりと感じられた。
―何なんだこの娘は…まさか…あたしを殺すつもりなのか…?
彩女は驚愕し、混乱した。憎き相手であるはずの重蔵を仕留めた自分が、なぜ殺されなければならない。
全く理解不能の事態である。
唯一理解できるのは、凛が自分に激しい殺意を抱き、今にも飛び掛ろうとしていることだけである。
「この人は…わたしの亭主なんだ…よくも…よくも…。」
「何だって!?」
彩女の口から、思わず言葉が飛び出した。
凛と重蔵が夫婦だなどとは聞いていない。それに、歳が離れすぎている。
何かの戯れか、そう思った彩女に、凛は更なる言葉を吐き出していく。
「この人の子供を産むって約束した…それなのに…よくも…。」
直後、凛が吼えた。がばりと立ち上がり、彩女を睨みすえ、獣のごときうなり声を上げている。
その手には血の海から引き上げた、重蔵の仕込刀が握り締められていた。
「ちょっと待ちな!一体どういうことだい!?なんであたしとあんたがやりあわなくちゃ
 ならないんだい!?」
彩女の静止の言葉も、最早凛の耳には届かない。
獣が跳躍した。
709ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:44:25 ID:41FpgZNf
夜の潮騒は骨身にこたえる。
咽返る様な血生臭さに耐えかねたのか、十五夜の月も何処かに消えた。
砂浜には人影一つと野菊一輪。
微動だにせず、波の奏でる哀切な音色に身を委ねている。
吹き寄せる潮風が充満する殺戮の匂いをさらい、引いては返す漣が流れた血を洗い流していく。


ふと、戯れ歌を聞いたような気がした。
何時か聞いた哀切な調べ。
一体何処で聞いたものであったか。
今はもう手繰る記憶の在り処すら見当たらない。
胸に浮かぶ幽かな懐かしささえ、潮風がさらい、千切れて消えた。




         ―――後はもう、潮騒のざわめきだけ。

710ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 11:45:39 ID:41FpgZNf
次の投下で完結します。
いや〜、長々と続けてしまってすいません。

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  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   .| |    | |
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711ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:29:48 ID:d6OM8ctR
歩いて、歩いて、歩き続けた。
彼は夢遊病者のように、あてども無く歩き続けた。
姉弟には、最早彷徨う場所すらなかった。
行けども行けども草と森の海である。
行けども行けども果てしなく空が続いている。

単葉の背中は、姉の垂れ流す尿と糞で濡れている。
それは酷い悪臭を放っているが、彼にはそれすら感知できるだけの力が残っていない。
道端に、崩れるように倒れこんだ。
彼の両脚は蓄積された疲労により完膚なきまでに破壊されている。
力を込めても、歩く事はおろか立ち上がることすら出来ない。
―ここまでか…。
ここが姉弟の終着地点で在ることを悟った。
後はここで飢えて果てるだけである。
夜が彷徨い人を包み隠していく。

姉弟は暫し夢にまどろむ。
712ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:30:25 ID:d6OM8ctR
ふと目を覚ました。
空が白ぢんでいる。
単葉は隣で寝ている姉の頬を一つ撫でた。
再び脚に力を込めてみるが、やはりそれは破壊されたままそこに在る。
萎えに萎えきった彼の両の脚は、やがて腐敗し、泥のように熔けていくだろう。

ふわりとした気配を感じた。
見ると大きな岩が鎮座している。
―はて。
単葉は頸を捻った。あんな所に岩などあったか。
だがすぐに
「あったのだろう。」
疲労と絶望で気が付かなかっただけなのだ。
遥か彼方に見える山の稜線から、金色の光が放たれた。
夜は終わりを告げようとしている。
世界は再び鮮やかな色彩を取り戻す。
713ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:31:38 ID:d6OM8ctR
何とその岩が笑っている。
差し込んだ光の悪戯等ではない。
岩は確かに笑っている。
よく見ると、この岩は人間が胡坐をかいて鎮座しているようにも見える。
座ったまま、戎様とひょっとこのような笑顔で岩が笑っている。
―蛭吉。
単葉の脳裏にいつかの足萎えの乞食の姿がありありと蘇った。
その瞬間、彼は弾かれたように立ち上がっていた。
まったく不思議としか言いようが無い。
今しがたどんなに力を込めても、うんともすんとも返事をしなかったこの脚に確かな力が蘇ってくる。
何かに憑り付かれたかのように、再び姉を背負って歩き出す。
脚が、驚くほど軽い。疲労など、微塵も無い。
蛭吉岩の横を通り越え、彼は歩く。
暫く歩いて後ろを振り返ってみる。
―何と言うことだ。
岩がこちらを見て笑っている。
まるでこの姉弟を見送るかのように、くるりとこちらを向いて、戎様とひょっとこのような笑顔で笑っている。

―お前達なら、きっと辿り着ける。
痛いほどに澄み切った声を、彼は確かに聞いた。

ここに来て、ようやくあの足萎えの乞食が何者であるか、悟った。
彼は神の世界の住人であった。
あの意味不明な言語は、神の国の言葉であった。
双葉が彼の言葉を理解できた理由もそれ故である。
姉は歩き巫女として育てられた。
本分は忍びであっても、彼女は本物以上に本物であった。
巫女である以上、神と対話出来ても何ら不思議ではない。

巫女はまた、神の花嫁でもある。
神に抱かれ、神の祝福を受ける。
714ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:33:02 ID:d6OM8ctR
巨大な岩が目の前に立ちふさがった。
石灰岩の大岩だ。
この辺りには吐いて捨てるほどの石灰岩が転がっているが、
これは岩と言うよりも山である。
―これは…。
単葉には見覚えがあった。
それは違う事なき、かつて彼が畏怖した「噛み付き岩」であった。
しかし余りに巨大すぎる。故郷の「噛み付き岩」は精々田舎の神社の社ぐらいの大きさでしかない。
目の前に、風雨に浸食された筒状の穴が口を開けている。
いや、最早それは穴ではない。洞穴そのものである。一寸先も見渡せぬほどの暗闇が、そこに口を開けて待っている。
彼は戸惑った。
この奥には噛み付き岩の物の怪がいて、この姉弟を取って食おう待ち構えているのではないか。
思わず振り返る。
登ってきた筈の山道が綺麗さっぱり消えていた。蛭吉の姿も見えない。
白い靄のような霧が充満し、道を侵食し、溶かしている。
彼は一つ勇気を振り絞る。

―行こう。俺は、行ける。恐ろしくは無い。双葉となら、俺は何処までも行ける。

暗闇が、二人を飲み込んだ。
715ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:33:37 ID:d6OM8ctR
―「噛み付き岩」の物の怪など嘘であった。


懐かしい匂いが、彼の鼻腔をくすぐった。
いや、違う。単葉は魂でその臭いを嗅ぎ取った。
何時の間にか、彼らは噛み付き岩を抜けていた。
そこは、一面の草と森の海の中。
優しく降り注ぐ木漏れ日の中、姉弟は歩みを進める。
「この先を行くと、大きな椎の木が在る。」
彼は無意識のうちにそう呟いていた。
歩を進めると、確かにその木は在った。
あの頃、姉と二人でよく木登りをした、あの椎の大木が。
「ここから右に行くと池が在る。」
彼はもうそこがまるで自分の庭であるかのように、寸分の迷いも無く池に辿り着く。
ここで姉弟はよく水浴びをした。二人とも素っ裸になって奇声を上げながら池に飛び込んだ。
単葉の頬に望郷の涙が伝った。
「この池をぐるりと回っていけば竹やぶに着く。」
言葉通りに池をぐるりと回り、竹やぶに脚を踏み入れた。
ここで二人竹の子を取った。枯れ竹で竹とんぼを作って空まで飛ばした。
「そして…この竹やぶを抜ければ…。」


―俺達の家が在る。


在った。それは当たり前のようにそこに存在していた。
一歩、また一歩と歩を進めるうちに、それは確実に距離を縮め、主を迎え入れるべく大きく懐を開く。
単葉はもう馬鹿のように涙を垂れ流し、嗚咽で満足に呼吸すら出来ない。
716ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:34:15 ID:d6OM8ctR
「ほら、お家までもう少しだよ。頑張りな。」
姉の声を聞いた。
弟が歩を止める。呆然とその場で立ち尽くす。
「ほら、もう少し。もう少しでお家に着くよ。」
幻聴などではない。
抜け殻となった筈の背中の姉が、言葉を発している。
「降ろしておくれ。」
背中の姉はそう言って、弟の両腕から地面へふわりと着地した。
単葉が振り向くと、彼女は切断された筈の両足で大地にしっかと立っている。
それでもやはり元の身体より二周りは小さい。


「また、虐められたのかい?」



―いや、違う。これは…。
そこにいたのは、幼きあの日の双葉であった。
顔中日に焼けて、真っ黒だ。
「こんなに泣いて。可哀想に。あいつらの仕業だろ?
 馬鹿だね。あの森に行ったら駄目だって、言ったじゃないか。本当に馬鹿だね。」
敵の領域に足を踏み入れた弟の愚行を、姉は優しく嗜める。
この大きな弟は、彷徨いに彷徨った挙句、体中生傷だらけの泥だらけ、
それこそボロ雑巾のような姿をしていた。
717ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:34:47 ID:d6OM8ctR






      
       ―――これは夢か幻か…。





718ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:35:17 ID:d6OM8ctR
「おいで。お馬鹿さん。」
幼い姉は両手を広げ、大きな弟を迎え入れた。
単葉は二、三歩歩を進め、がくりと膝を突いた。
彼の両の脚は、そこで死んだ。
不思議な力も失われていた。
だが、それでよかった。彼の二つの脚は見事にその目的を達し、役目を終えた。

目の前に、双葉の薄っぺらい胸が在る。
彼女は弟の泣き顔を優しく胸に抱いた。
「こんなにひどく虐められて…。可哀想に。姉ちゃんに言ってごらん。
 あんなやつらやっつけてやるから。あいつらなんか怖くないんだ。
 ね、だから泣くのはおよし。ね。泣くのはおよし。
 そんなに泣く子は噛み付き岩に取って食われるよ。ね。だから泣くのはおよし。」
弟の頬を双葉が優しく拭ってやる。
それでも弟は泣き続けた。後から後から涙が零れ出して、もう止まらない。


幼い姉の胸で大きな弟は泣いて、鳴いて、哭いて………


「姉ちゃんと二人で遊ぼ。姉ちゃんは何時だってあんたの味方だよ。
 だから姉ちゃんと遊ぼ。いつものところで木登りしようか。
 それともあの池で水遊びする?
 竹やぶに竹の子を取りに行くっていうのはどうだい?」
719ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:35:59 ID:d6OM8ctR








         ―――それは夢でも幻でも無く。







720ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:36:39 ID:d6OM8ctR
「そうだ。姉ちゃんとお相撲とろうか。姉ちゃん負けないよ。
 お外で遊ぶのが嫌なら、お家で貝合わせして遊ぼ。
 ね、そうしよう。姉ちゃんと一緒にお家で貝合わせして遊ぼ。
 ね、ね、だからもう泣くのはおよしよ。ね、いい子だから泣くのはおよし。
 可愛い可愛い単葉ちゃん。あたしの可愛い単葉ちゃん。
 姉ちゃんがお歌を歌ってあげる。
 姉ちゃんと一緒にお家に帰ろ。お手々繋いでお家に帰ろ。お歌を歌ってお家に帰ろ。」


721ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:37:44 ID:d6OM8ctR
 群れからはぐれた蟻の子や  

お前は何処に辿り着く

踏みつけられて潰されて

お足が二つも欠けている


 群れからはぐれた蟻の子や

あたしと一緒に遊ぼじゃないか

あたしもお前と似たもの通し

       夢に睦んで遊ぼじゃないか


 群れからはぐれた蟻の子や

   あたしも一緒に連れとくれ

      遠いあの日の夢の国

        いつかの契りのあの場所へ
722ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:38:32 ID:d6OM8ctR









    
    
     

       


         ―――そして、姉弟(ふたり)は在るべき場所へと辿り着く。













723ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:39:33 ID:d6OM8ctR












                 ―完―












724ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/05/08(日) 18:41:30 ID:d6OM8ctR
え〜、如何でしたでしょうか。
天誅紅二次創作小説  「貝合わせ」。これにて終了です。
長々と続いてしまい申し訳ありません。しかもエロパロ板なのに全くエロく無く…。

それから話の矛盾点や、誤字脱字、おかしな文章などはご愛嬌という事で
お許しくださいませ。

この物語は当初、重蔵×凛で書き始めたのですが、何時の間にか
双葉×単葉の物語に変わってしまいました。
その為、重蔵×凛の話を大幅に削除し、代わりに双葉×単葉の話を
書き足して現在の形になりました。

ここだけの話、この話はさらにもっと長かったのですが、
余り長大だと返ってウザイと思いまして、少しコンパクトに纏めて
見ました。それでもかなり長く続いてしまいましたが…。

最後になりましたが、ぽぽ者の拙い小説に付き合って下さった皆様。
本当に有難うございました。励ましのレス、大変嬉しく思います。
ではまた機会がありましたらお会いしましょう!では!


                                    ぽぽ者


.             /(∞))∧      ∧_∧
.             (´く_` ∬     (´<_`  )
     ∧_∧.   ∬ヽ__ノ∬ )    /    ヽ
     ( ´_ゝ`).   (::::†:::::::/| |     | |     |
    /   \.   ):::::::::(. | |    | |   | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/;:::: ⌒ヽ|    | |   | |
  __(__ニつ/ 姉萌え ./;:::;:::;::::::⌒ヽ   | |    | |
      \/____/ ̄ ̄ ̄
725名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 19:24:56 ID:Z6y+KT45
いや、もうね。 アホかと。バカかと。
なんでこんなにヌテキSSが書けるんだよ
ぽぽ者ターーン!!!

激しくGJ! そして超大作乙でした。
726名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 22:01:39 ID:Xf5FhNFu
あんたネ申だな。
尊敬しますよマジで
727名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 23:08:55 ID:6xAyVLpp
内容、演出共に
最 高 で し た
728ウコン:2005/05/10(火) 23:23:02 ID:ZuGnx9kw
ぽぽ者さん、モツカレです!
子供の双葉と単葉が可愛いのなんのって…!感動です。

最近梅安読んで研究してますが、時代劇の文は個性的で難しいです。
ぽぽ者さんを尊敬しますた。



俺も頑張らねば…
729名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 22:05:20 ID:7AaAwAhA
今一気に読み終えた所
最早言葉すら出ない
震えた
730名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 01:47:04 ID:D1ckjc6t
今久しぶりに天誅紅やってて情炎針供養の任務を終わらしたんだが
単葉双葉姉弟の死に様がいつも以上に切ない。
ぽぽ者タソのせいだ、どうしてくれる!
731名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 00:31:45 ID:bLWOXSBR
力彩読みたいあげ
むしろネ申ぽぽ者様のSSが読みたい





























(*´Д`)ハァハァ
732名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 21:16:04 ID:k2rBTyfU
絵師さんこねーなー
733名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 01:03:03 ID:vsZg8sBV
ここは文のが主体だからね。
虹板のが供給度は高いんじゃなかろうか。
734名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 02:15:09 ID:YEk2HUs8
735暇だから書く:2005/05/18(水) 09:31:32 ID:5zP4/qd0
雪降る竹林に響く音、月夜に照らされたその音の発生源は郷田一と言っても過言では無いであろう、力丸その人である。
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、今回は一度も発覚は無かったからよ絶対にランクは上忍だぜ」と言いながら腰を降りまくるよつんばいになった相手は、天来七人集の一人である神楽。気を失っているので力丸が腰を振る度にガクンガクンと危な気に揺れまくる。
736省略できねぇ:2005/05/18(水) 09:40:35 ID:5zP4/qd0
パンパンパンパンパンとヤリ続けるうちに、だんだん寒くなってきた。
(仕方ない、大谷の温泉に行くか。)
と、神楽からイチモツを抜く。しかし、まだ昇天してないために、イチモツは力が溢れているではないか。
そこで力丸は天命水を取り出した。
続く、いや終わった方がイイな
737名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 19:50:54 ID:cOGK1yf9
力彩読みたい上げ


誰か!

誰か!


漏れに力彩SSを…!!!


おながいします…!!!!
738名無しさん@ピンキー:2005/05/24(火) 21:18:46 ID:WUMrLm6R
半年ぶりぐらいにこのスレのぞいた・・・
まだあったんだと驚愕した以上に、職人さんたちが多数いらっしゃるとわ!

感動した!!
739名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 16:09:46 ID:tLUqjUyf
あげ
740名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 23:44:29 ID:+toy8k3X
葉っぱブラザーズのSS、感動した。(泣きそう
足掻いても幸せになれず終焉を迎える結末は、黙阿弥の悪党シリーズ等を彷佛としますね。
純粋に面白く、本格的なエロがなかった事など本人自ら指摘されるまで忘れてました。
でも内容は大人向けなのでここで問題ないと思う。禿げしくGJ
741名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 19:38:23 ID:bQcf151M
あげあげ
けひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
ひひひひひひ
742名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 20:50:28 ID:wfoOWmU+
ほしゅ
ほへあ
あああ
あああ
あああ
あああ
ああぁ
743名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 23:54:39 ID:B8LsKaiN
保守
744ウコン:2005/06/21(火) 23:48:50 ID:gZIeQwYF
皆さん久しぶりです。
俺、PSP持ってないし…(ノД`)なウコンです。

最近天誅をやろうとしたら、コントローラーが破壊してて出来ませんでした。
その怒りを小説とか絵にぶつけたひ…

そういえば…
絵を上げる場はないんですよね?

やっぱり小説か…
745名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 23:52:28 ID:MnOwAESs
ウコン神の復活じゃあぁぁぁ皆の者、祭りじゃ祭り
746名無しさん@ピンキー:2005/06/22(水) 13:40:10 ID:OzcWjxpk
ウコン神祭り上げ

皆の衆、はよう準備してたもれ!!





















ウコンさんお久しぶりです。
747名無しさん@ピンキー:2005/06/22(水) 20:08:10 ID:8mNvJfU6
アゲアゲ祭〜アゲアゲアゲぇぇぇぇ
748名無しさん@ピンキー:2005/06/22(水) 20:08:20 ID:8mNvJfU6
アゲアゲ祭〜アゲアゲアゲぇぇぇぇ
749名無しさん@ピンキー:2005/06/22(水) 21:04:46 ID:C8uWEym8
ウコンさんの降臨ぢゃああああああ!
age奉れぇええい!
750名無しさん@ピンキー:2005/06/22(水) 23:56:08 ID:8mNvJfU6
アゲ奉るぞよ
751名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 17:32:04 ID:cEFAIlBr
まとめサイト作る?>ALL
752名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 18:26:37 ID:LTHIygNW
>>751是非ぃぃぃぃぃい!!!
753名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 20:56:49 ID:I/c2tFH3
お願いしますお代官様!!
754名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 23:20:30 ID:7iYc9pjP
アク禁きっつ。

http://tenchu.myfws.com
755名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 00:05:38 ID:5QUYJi8y
>>754夢にまで見たまとめサイト禿しくGJです!

神達再降臨を願ってage奉れぃ!!
756初音:2005/06/24(金) 08:22:28 ID:wucCcAXP
皆様お久しぶりです!

以前に拙い鬼×彩を投下させて頂いた者です。

Σ(Д)゚゚
纏めサイトが出来てる!!!
しかも私の拙い文章が!!
>>754様有り難う御座います。


又、恥文章を連れてやってきます。
では失礼致します(´∀`)ゝ
757ウコン:2005/06/24(金) 11:25:21 ID:NFhokDlK
>754
まとめサイト乙です!
家で見返してみますヽ(´∀`)ノ

>756
初音さん降臨!!
また素晴らしい小説を拝見させてください!

今、ちみちみと力丸×彩女(彩女×力丸?)書いてます。
俺も頑張ろう!!
758ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/06/25(土) 21:56:22 ID:QRspqV27
 あ〜…死にて〜…。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)  いきなりそれかよ…!  
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i  どういう登場の仕方なんだよ…!
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

そんな事より>>751さん乙!!
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)   何なんだよ…!
     (*´,_ゝ`) /   ⌒i  その話題のすり替えの速さは…!
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

759ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/06/25(土) 21:57:00 ID:QRspqV27
改めて自作のSSを読んで見ると…ガチで鬱になって死にたくなります…。
余りにも完成度が低すぎる…。
本当はあの五倍の長さがあった物語を
無理矢理縮めたSSなので…。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)  それが一コマ目の理由か…。
     (; ´_ゝ`) /   ⌒i
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

そんな事より職人の皆さん
お久しぶり〜!
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)   いいから早く死ね!
     (*´,_ゝ`) /   ⌒i
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃
760754:2005/06/26(日) 13:35:15 ID:Dbl4Gm4e
残りの部分のまとめはちょっと遅れるかも。
一日まるまる休める日が2ヶ月ほど無い今日この頃。
761名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 02:42:24 ID:SWpCE91a
むう、しばらく来ないうちに神様達が舞い戻ってるじゃなーい
やはりもうしばらくはROMっていた方が良さそうですな
そして>>754乙&GJ!!
762ウコン:2005/06/29(水) 19:55:30 ID:bnjGteFo
途中までアップしにきました。
まだエロく無いです。
此の続きはエロになると思いますんで、宜しくです(´∀`)
763ウコン:2005/06/29(水) 19:56:16 ID:bnjGteFo
天来を倒してから幾つかの時が経ち、郷田の領地は無事平和を取り戻した。
平和を取り戻した張本人である力丸と彩女は、何故か領内の山で休養をとっていた。

此は郷田松之信直々の「任務」らしい。

勿論始めは、二人共そんなものは要らないと主張した。
しかし松之信は、
「休養無しでは次の任務も十分に出来ないだろう?」
と勝手に解釈したのである。

やむを得ず、二人は修行で見慣れた山を訪れた。
この山には、二人が修行に隠る時に寝泊まりをするあばら家、疲れを癒す為に力丸が(彩女に命じられて)掘った温泉がある。
二人にとって休養は、此処以外考えられないらしい。

二人が松之信から頂戴した休養は、丸々七日である。

取り敢えず二人は、あばら家の片付けを済ませると、並んで縁側に腰掛けた。
空は、うっすらと赤みを帯びている。
烏が二人の居る山に帰って来る頃だ。
764ウコン:2005/06/29(水) 19:57:36 ID:bnjGteFo
「あーぁ、殿様も何を考えてるんだか」
彩女が唐突に言う。
力丸は彩女を見遣ると、ふっと笑みを溢した。力丸の其は苦笑い、のようである。
「一先ず殿に感謝すべきなのだろうが…休養を頂いても、安心し切れないな」
「ま、アタイらが休養貰える程、平和なんだろうさ」
「…そうか…」
「ほら、色々考えるのは止めにして、殿様がくれた任務を遂行しようじゃないか」
彩女が立ち上がる。
「アタイは此から温泉行くよ」
「そうか、行ってこい」
何の気無しに答える力丸。
ふと、彩女が力丸を見ながら小首を傾げ、そしてこう言った。
「一緒に入らないのかい?」



一緒に入らないのかい?



其の言葉に、力丸は忍とは思えぬ程長い間を空けて答える。
「………冗談はよせ」
「ははっ、何で冗談を言う必要があるんだい…昔一緒に入ってただろ?」
765ウコン:2005/06/29(水) 19:58:37 ID:bnjGteFo

「…もしかして」

彩女の白い手が力丸の股間に伸び、
「色気の無い、こんなアタイに意識してんの…?」
「止めろ」
彩女の手を払い除ける力丸。
表面上、冷静を装っている力丸の心の内では、激しい動揺が起きていた。

昔は何度も彩女と風呂に入った。
だが、力丸が彩女との違いを意識し始める頃、無意識の内に風呂は別々になった。

其れ以来彩女の裸体を見たことのない力丸としては、彩女の言葉は力丸の思考を停止させるに値するのである。
「意識、するに決まってるだろう」
力丸はそう言葉に表す。
彩女は間を空けて、爆発したように笑いだした。
「アタイの何処に意識する必要があるんだい?ほら、さっさと行くよ」
「…俺はまだ」
「早く入りたいんだ、ゴチャゴチャ言ってんじゃないよ」
「……………」
力丸は彩女に引きずられながら、竹林の中へ消えていった。
766ウコン:2005/06/29(水) 19:59:52 ID:bnjGteFo
今回は此処まで…
力彩?彩力?な感じですね。
かなりいいかげんな設定ですが、お付き合い下さい(;´Д`)
767名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 01:37:20 ID:5J92cPJV
乙であります!
引き続き楽しみに待つであります!
768初音:2005/06/30(木) 19:16:02 ID:B5p9w4TZ
ウコン様乙で御座いますです!!
続き楽しみに待っていますです!!!(`・ω・´)
769ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/06/30(木) 21:45:47 ID:BCIsDVq/
ウ○ン様激乙です!
続きが気になります!
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)   …つーか何で伏字なんだ?
     (*´_!_` )  /   ⌒i
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

…え?だって伏せないと色々と問題が。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)   問題なんかねーよ!!
     (  ´_ゝ)  /   ⌒i  伏せる必要はこれっぽっちもねーだろ!!
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃
770名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 19:06:52 ID:h2+LfnN+
ほす
771ウコン:2005/07/11(月) 19:42:17 ID:gsmcPUFg
(何故こんな事になったんだ)

力丸はぼんやりと思った。
岩壁と竹林に囲まれた温泉は、程良く広い。
だが、力丸は温泉の隅の方に腰掛けていた。前方では、彩女が手拭いで隠そうともせず、豊満な乳房と秘部を晒けだして、体を洗っている。
性格はさておき、中々女の色気が漂う彩女を、力丸は直視出来ずに空を見上げていた。
先程夕日に赤く染まっていた空は、もう紫と青に変わり始めている。
「力丸」
声に反応して、力丸が彩女の居る方を見遣った。
目の前で、彩女の乳房が揺れている。
慌てて力丸は、また空を見た。
「…ふっ…なぁに恥ずかしがってんだい?女の裸なんざ沢山見てきたんだろ?」
「見てきたとしてもだな…」
「アタイの体を見て興奮してんのかい?ハッ…力丸も男だねぇ…」
772ウコン:2005/07/11(月) 19:42:46 ID:gsmcPUFg
彩女が空を見上げる力丸の視界に入り込む。何時も結っている髪は下ろしてあり、しっとりと彩女の白い肌に引っ付いていた。
「………誘ってるのか?」
力丸は見下ろす彩女に真顔で訊いた。
「何、そういう風に捉えるのかい…ま、力丸がしたくなっちまったんならしても良いけどさ?」
彩女がそう言う。

そう返ってくるとは思わなかった。

彩女が冗談を言っている様には思えなかった。
力丸は、もう後戻りが出来ないという現実に、何故か少したじろいていた。
しかしゆっくりと、彩女の乳房に手を伸ばす。
細かい傷の多い骨張った手が、ふくよかで白い彩女の乳房を包んだ。
彩女がゆっくりと力丸の脚の上に腰掛ける。
「…いいのか?」
力丸は一応、念を押した。
彩女はその念押しを、首を縦に振る事により、打ち消した。
「力丸も、男になったね…まぁ、兄様には程遠いけどさ」
彩女が、くすり笑った。
773ウコン:2005/07/11(月) 19:44:35 ID:gsmcPUFg
「はぁ…はぁ…」
彩女の体は、本当に女としては上質の肌を持っていた。
力丸は、実際幾度か女を抱いた事はあるが、彩女程夢中になれそうな肌質の女はいなかった。
力丸が彩女の乳房を揉みしだいたり、乳首を舌先で舐め上げたりするだけで、彩女は身震いをする。
乳房を堪能し終え、力丸がふと、彩女を温泉を囲う岩の上へ座らせた。
彩女は、岩壁に寄りかかる。
「脚を開け」
力丸の言葉に、彩女はとろんとした表情でうなづくと、自分の脚を開いて持ち上げた。
秘部を晒け出す格好に、彩女が頬を赤らめている。
力丸はその秘部に顔を近付けて、彩女の秘部を眺めた。
「ぬらぬらと光ってるぞ…?」
「そ…そんなに近付いて見るな…っ」
「こんなに脚を開いて見せびらかしてるのは彩女ではないか?」
「そ…それは…っあぁッ!!」
言いかけた彩女の秘部に、喰らい付いた。
774ウコン:2005/07/11(月) 19:44:52 ID:gsmcPUFg
ついばむように彩女の敏感な部位を刺激する。

ちゅぱちゅぱ…くちゅっ…
「んぁ、あ、ふ…っ」

水音と喘ぎが辺りに木霊する。
力丸はいつも修行を共にしてきた彩女が、こんなにも魅力的な体をしているとは思いもせず、益々興奮が高まってきていた。
何故気付かなかったのか…
其れだけが不思議でならない。
「り、りきまるっ…早く…」
普段力丸に懇願などしない彩女が、淫らな格好でそう言う。
そろそろ力丸も理性を失いかけていた。
力丸は立ち上がり、固く勃ち上がった其れを、彩女の襞を押しやる。
「いくぞ」
力丸が彩女の腰に手を当てがい、彩女の中へ進んでいく。

ず、ず…

「…ッ…!」
思った以上に太く固かった力丸の其れに驚き、彩女はびくりと体を身震いする。
苦痛に歪む彩女の表情にさえ、力丸は興奮を覚えた。
775ウコン:2005/07/11(月) 19:45:32 ID:gsmcPUFg
彩女が待ってと言う前に、力丸がぐいぐいと中に進んでくる。
「い、やぁ…まっ…!!」

何か違う感覚が力丸にはわかった。
何かを押しやりながら進むと、彩女が激しく身悶えする。
力丸は、そんな事実に目を丸くした。
彩女が羞恥心をあおられて、視線を反らす。
「…血…」
彩女は処女だった。
意外だった為か、力丸の腰の動きは止まってしまう。

…か

「構わずやりなよ」
彩女が力丸の首に腕を回して、フッと笑みを浮かべた。
何時もは皮肉たっぷりに微笑む彩女が、今日は何処となく無邪気なように思えた。
「彩女…」
力丸が彩女の頭を撫で遣ると、ゆっくりと律動を始めた。

ちゅ…くちゅ…

「…ん、うぁ…あ」
彩女の中は、力丸の固い其れによってぐちゃぐちゃに掻き回されている。
乱れ、体を貪るようにして二人は律動を繰り返した。
776ウコン:2005/07/11(月) 19:46:36 ID:gsmcPUFg
ず…ずちゅ…

「はぁ、はぁ、り…りきまる…!」
彩女が恍惚の表情で力丸を見ている。
其の事実が更に力丸の衝動を高めていく。
「そろそろ出すぞ…っ」
律動は更に激しく、彩女の最奥を無遠慮に貫き続けた。
「力丸…中は駄目…っ!」
彩女がぎりぎりに保つ理性の限りでそう述べると、力丸は彩女の頭をぽんと叩く。
承諾してくれたらしい。
「あぁ、あ、く…ぅああぁぁっ…」
「………ッ…!」
彩女がびくりと体を震わせると同時、力丸が彩女の中から逸物を引き抜き、彩女の腹部に精を吐き出した。
777ウコン:2005/07/11(月) 19:47:52 ID:gsmcPUFg
「彩女」
「何だい」
「どうして、俺を選んだんだ?」
二人は寄り添うようにして縁側に腰掛けていた。
もう辺りは闇に包まれ、焚き火の明かりだけが二人を照らしている。
「…其れは、さ」
彩女が揺らめく火を、ぼんやりと見遣りながら言葉を続けた。
「アタイをよく知ってる誰かに、貰って欲しかったからさ…アタイの処女」
何時、何が起こっても、辛い思いをしないように。
「平和なこの世だ、そんな事…」
「平和程危険なものはないよ、力丸」
彩女は遮るようにそう言うと、力丸に微笑み掛けてみせるのだった。
778ウコン:2005/07/11(月) 19:50:46 ID:gsmcPUFg
終わりです。
終わりにしましょうorz

書き始めたのにオチがいまいち決まらず、
こんな事になりました(;´Д`)
すみません…

次はまた那須×凛で強姦の続き書こうか…
期待はしないでください…
書くかわからんです。
779初音:2005/07/12(火) 00:22:37 ID:+UtN+R9a
ウコン様GJで御座います!!!
力彩好きの私にはもうたまらんです!!(;´Д`)
萌へ死にさせて頂きます(; Д)゚゚

うわぁあすいませんこんな言葉しか浮かびませんん゙
780名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 01:28:36 ID:iEDG3K8E
GJ!
健気な彩女に萌えますた(*´Д`)
781ウコン:2005/07/12(火) 07:36:50 ID:7IIMk6PW
>779
力彩いいですよねハアハア(;´Д`)
初音さんの新作も期待してます!!

>780
彩女は見栄を張ったりしてるのに、実はまだ経験が浅い感じムンムンなんですよ。
私的観念です。はい。
782名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 08:52:07 ID:3JnHVFuS
>781
通りすがりにGJ
萌えた!

文章いいな…
783名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 11:23:29 ID:3JnHVFuS
popo者様の貝合わせも、たった今一気に読んでしまった。
凄いとしか言い様が無い。泣けた…


天誅買いに行くか…
784ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:04:59 ID:vqsaIkyn
ウコン様乙!やっぱり彩女×力丸は王道ですよね。
ぽぽ者もウコン様に触発されて
彩女×力丸ものの短編を書いてみました。
          ∧_∧
    ∧_∧  (´<_`  )
   (* ´_ゝ`) /   ⌒i  
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃



………勿論全くエロくありませんが。
          ∧_∧
    ∧_∧  (´<_` :)  たまにはエロいの書けよ…。 
   ( ´_ゝ`) /   ⌒i  
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃
785ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:05:58 ID:vqsaIkyn
寂れた安宿の一間半四方の薄暗い部屋の中は、
二人はお互い対面した壁を背にして座ったまま、沈黙を守っている。

「あんた、ちょっとこっちへ来ておくれよ。」
その沈黙を破ったのは彩女であった。
手持ち無沙汰に自身の髪を弄んでいた彼女は、対面している男に声をかけた。
この夜の暗闇の中、暇を持て余している馴染みの男女がする事と言えば、一つしかない。
「お前が来い。俺は疲れている。」
「あたいだって疲れてるんだ。」

力丸は幽かに苦笑し、彼女の言うとおりにしてやった。
「あたいも疲れている。」と言う彼女の言葉は嘘であった。
彩女は力丸が向こう岸に辿り着くや否や、彼に覆い被さるようにして唇を奪い、
その後は自身の思うとおりにした。
彼女の汗の臭いが力丸の鼻を突いた。
無論、彼女にも自身の不快な体臭が届いている筈だ。

「あんたは良い匂いがするよ。」

下になった力丸は、一個の肉の塊に成りきり、彼女の好きなようにさせている。
何故ならば彼は本当に疲れており、自ら動く気力が無かった。

「あんたの子供が欲しかったよ。」

―それは言わないでくれ。

彼女に為すがままにされながらも、力丸は悲しく呻いた。

786ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:07:00 ID:vqsaIkyn
彩女には息子がいた。
忍びとして育てられた彼女は、子供を一人生んだ直後にその子宮を破壊され、
最早二度と己の血を後世に残す事が出来ない身体となった。
そしてその最愛の我が子も、三つになるかならぬかという内に、流行り病でこの世を去っている。

「あんたの子供が産みたかった。」

力丸と違い、彩女は別段この相棒を愛していると言うわけではない。
ただ、彼女が信用出来る男はこの世で力丸たった一人だけであったし、
所帯を持ち、子を為しても良いと思える男もこの世でただ一人、彼だけであった。


上になった彩女が、まるで熱に浮かされたかのように繰り返し呻き立てる。

「あんたの子供が欲しい。あんたの子供が産みたい。」



―赦してくれ。俺にはどうする事も出来ない。
 これ以上俺を虐めないでくれ。



目の前で、彩女の乳房が揺れている。


787ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:07:51 ID:vqsaIkyn
翌朝目を覚ますと、隣で寝ている筈の力丸の姿が見えなかった。
しかし彩女は驚きもしない。彼はどこかへ遁げ出すような男ではないし、
また遁げる場所も無い。
その証拠に、彼の荷物が失われていない。路銀も残らずそこにある。



暫く部屋の中で待っていると、巳の下刻(御前十一時頃)頃、彼が帰ってきた。

相棒が何の託も無く姿を消した事には驚かなかった彩女も、
彼が抱えて来た物体を目にした途端、驚愕した。

「それ、どうしたんだい?」

何と彼が抱えて来たのは、一人の乳幼児であった。
薄汚れた麻布で包まれているものの、血色は良く元気そうだ。

「寺の門前に捨てられていたのを、拾って来た。」
彩女は眉を顰めた後、薄く笑った。
「拾ってきた。」と言われても、犬や猫ではない。
人間の赤ん坊なのである。

赤ん坊は男の子であった。
「おや、可愛い。」
彩女は無意識の内にその証に手を伸ばし、そっと指で触れた。

788ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:08:48 ID:vqsaIkyn
「この子をどうするつもりなんだい?」
彼女がそう尋ねようとした矢先、力丸は唐突に
「手を出せ。」
「え?」
「いいから手を出せ。」
彩女は彼の言う通りに、利き腕とは逆の左手をすらと出した。
「何だい?ほうか師(手品師)の真似事でもするのかい?」

その瞬間、彼女の左手首に違和感が走った。
見ると、力丸の右手には小柄(小型のナイフ)が握られている。

その研ぎ澄まされた刃が、彩女の左手首を真一文字に切り裂いたのだ。
「何をするんだい!」
咄嗟に右手で手首を抑えたものの、動脈を正確に切り裂かれた為
後から後から鮮血が溢れ出し、雫となって薄汚れた床板に零れ落ちた。

これはもうほうか芸(手品)どころの話しではない。
悪戯にしても、度が越えている。

789ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:09:44 ID:vqsaIkyn
しかしその力丸は、全く悪びれる様子も、言い訳する様子も無く
何と今度は自身の左手首に、同じように小柄で傷を付けたではないか。

―この男は物狂いか。

彩女にはそうとしか思えない。
一言文句を言ってやろうと意気込んだ彼女も、相棒の狂気の沙汰に恐れ戦き、
沈黙せざるを得ない。

そうしていると、その狂気の男が鮮血で濡れた自身の左の人差し指を
赤ん坊の口に含ませ始めたではないか。
腹が空いていたのであろうか。赤ん坊は力丸の血液を音を立てて啜りたてた。

「お前もやれ。」
「え?」
「いいからお前もやれ。」

彩女は彼の意図をはっきりと悟った。
力丸が赤ん坊の口許から指を引く抜くや否や、
今度は彼女がその口許に、鮮血の滴る左の人差し指を差し出した。

彩女の赤い乳を、赤ん坊は旨そうに吸った。


「俺と、お前の子だ。」


力丸が幽かに微笑んだような気がした。


                           〜終わり〜
790ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:11:47 ID:vqsaIkyn
こんなんですいません。
30分ぐらいで書き上げたもので。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  最速だよな兄者。  
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i    
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791初音:2005/07/12(火) 21:30:07 ID:+UtN+R9a
GJ!!で御座いますぽぽ者様!
あ、あ、あよめ…もとい彩女に子供が居たのですな…
流行病で亡くす何て…。・゚(ノД`)゚・。

うわぁあ皆さんが神過ぎて自分の書いた小説擬きが余計ただの文字羅列に…
792ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/12(火) 21:40:15 ID:vqsaIkyn
>>791
初音様。有難う御座います!
ぽぽ者はダーク系の話しが好きなので、
女性の方には少々酷な内容だったかもしれません…。

それから碌に推敲をしなかった為、
小説には若干の誤字が在ります。そこは何卒ご容赦を。




793名無しさん@ピンキー:2005/07/13(水) 00:22:16 ID:upMjpoza
天誅、キャラや世界観は好きなんだが、アクション苦手でプレイしたことがなかった
…が、神々の作品を読んで己の愚かさを悟った

朝になったら天誅買ってくる!
794ウコン:2005/07/13(水) 10:18:09 ID:51usRy4q
>790
ぽぽ者さん!!さ、最速乙です!!
30分で書き上げたとは思えないほどしっかり書かれていて、自分の稚拙さに泣けてきましたよ…

彩女の過去が切ない…(;´Д`)

>793
よし、買ってこい!
そして小説を書いてうpだ!!
795名無しさん@ピンキー:2005/07/13(水) 17:01:36 ID:HVq3Geuc
>>793
話を楽しむだけなら裏技使えば進められるよ。
796初音:2005/07/13(水) 22:18:12 ID:PifAY+Up
少年は青空の下で思考した。
何故、自分が此処に居るのだろうと。
何の理由が有り、産まれ堕ちたのか。
微かに世斬った記憶の断片。


『力、御前は…彼の少女を如何思う?
流れ逝く人を見詰める彼の少女を』

『…御師匠様、自分は…』

言わんとした所で突然胸の鼓動が激しく鳴ったのを少年は記憶して居た。
未だ、其れが何か等と気付く事は皆無に等しい。
其れを知る事無く少年は有りとあらゆる殺人術を叩き込まれ、絶える事の無い鉄錆の匂いと浴びる生温かさの中で生きて居た。

何故殺さ無ければ成らない?

そんな問い掛けを抱く日も有った。
どんな悪者でも人は人で有り、動植物と同じ命なのだ。
そう思う度少年の無垢な心は人の命を奪い去った罪悪感に苛まれ、締め付けられ、眠る事も出来ず、布団の中で独り自分を抱き抱える事が日常に成って居た。

少年は今も尚、聞こえぬ声で叫びを上げ続け、見えぬ泪を流し続けて居る。

そんな日々は少ならかず少年を蝕んで行き、本来の少年らしさ成る物を全て奪い去って行った。
若しかすれば、人間らしさもごっそりと欠落したのかも知れ無い。

少年は変貌を遂げた。
797初音:2005/07/13(水) 22:20:35 ID:PifAY+Up
其れは以前に、動植物を慈しみ愛でて居た少年の姿の片鱗すら視えない。
夜叉、鬼…今の彼を表現する為らば此の様な言葉に成り得るだろう。
だが、其の彼の変化を敏感に感じて居た者が居る。
何時かの川辺の少女で有る。
戦の所為で全てを喪った不運な落とし子の一人だ。
眼も視えぬ赤子の頃に師、紫雲斎に拾われた彼とは多少勝手が違い、己の名と歳しか謂わない少女に紫雲斎は如何対処すれば善いか、心底困り果てた。
在る日、紫雲斎は少女に一本の木刀を握らせ、足下の小石を蹴り付けた。
紫雲斎は小石が当たると十中八九思ったが少女は其れをかわして終ったのだ。

紫雲斎の行動に少女は怒り、木刀を握り直すや否や師である紫雲斎に飛び掛かり、すんでの所で少女を羽交い締めにし、紫雲斎は此の少女には天賦の才が有ると確信した。
少女は鍛錬でも敵だと見做した為らば其れが兄弟子だろうが何だろうが容赦無く打ち振るい、大人達の舌を巻かせた。
誰もが其の姿は羅刹、修羅と口々に言い放った。

少女は一本の木刀では厭き足らず、自身で削り、長さを揃え二本に増やし、修行に臨んだ。
腕力の差等微塵も感じぬは少女の異端成る才が開花したからで有る。
798初音:2005/07/13(水) 22:27:00 ID:PifAY+Up
彼は鮮やかな血飛沫に魅せられたのだ、と彼女はハッキリと理解って居た。
何故なら、時を同じくして少女も魅せられて居たからだ。

太刀から手、やがては全身に響く感触にえも謂われぬ何かが脳を、神経を、ジリジリと灼き焦がして逝くのを彼は快楽なのだと気付き、
彼女は両の小太刀が骨肉を断つ感触に氣の遠く成る程の絶頂を覚えた。

自慰で得られる悦からは到底比に成らない程の瞬間に二人は魅せられ、そして愛した。

『此の瞬間に自分は生きて居るのだ』


彼等は二人揃ってそう思考し、
次第に近付き、気付いた時には血と血飛沫の中、戦場で愛を育んで居た。
御互いが一番御互いらしく居られる瞬間が太刀で誰ぞの命を奪った其の時なのだ。
躰に浴びた血飛沫を互いに塗りたくり、舐め遭い、味わい、まぐわうのが彼等の日常に成った。
生と死の狭間で感覚は著しく鋭敏に成り、未だ稚拙な『人間』は其の度掻き消した。
799初音:2005/07/13(水) 22:31:35 ID:PifAY+Up
『此以上人間で居て傷付く成らば、我等は快楽求むる殺戮人形に成りませう』


二人は激しく、生を感じ、性を感じずば此処に居られ無いのだ。


「…あッ!あっあ!んん!!」

彼女は木を背後の支えにして、度重なる責めに身を悩ましげに捩らせ、激しく揺さぶられる度に、声を上げた。

着物を脱がず、只肌蹴させた儘で、彼は未だ膨らみきら無い彼女の乳房にむしゃぶり付く。

秘部からは快楽の証で有る愛液が流れ、彼は無言の儘彼女の丸で生き物の様に蠢き締め付ける膣(なか)を自身の肉契で味わい、勢い良くなかをぐりりと抉った。


「…ひあぁッ───!!!!」


彼女は白銀の背中にがりりと爪を立て、盛りの付いた獣の様に動きを止めぬ彼の耳元で一際高い嬌声を上げながら絶頂へと上り詰め、肩にがくりと凭れた。
暫く彼は動き続け、暫くすると彼女の中に灼熱を放った。


「……ッく……」


ごぽり…と子種を流し込まれた彼女は微かに震え、彼の着物をきゅっと掴み、囁く様に言葉を発した。


「…んぁぁ…アツいの…アタィ…のなかに…いっぱいきちゃう…」
800初音:2005/07/13(水) 22:33:34 ID:PifAY+Up
情事の余韻に浸る二人は息を荒げ、彼は自身を引き抜く事も無く律動を開始した。


終わり無き絶頂と白濁と愛液にまみれ、二人は元に戻れぬと悟った。
もうマトモな人間では無く成ったのだ。
一度太刀を握れば恍惚とした『彼の』甘い感覚を思い出し、思わず躰がひくりと震える。
戦、任務が終われば、空虚成る時間が二人をぎしぎしと締め付け、とてもでは無いが平常を保て無い。
そんな時に限って二人は人間を取り戻し、罪悪感に苛まれ、こんな事に成る前の、何も知らない、彼の幼き頃に戻りたいと心底願うので有る。

もし戻れる成らば、二人は命を投げ打とう、とも言う。
若しかしたら、命を投げ打つ事で過去に戻る事が出来るのかも知れないと二人は思い始めて病まない。

二人は其れ程、過去と云う残像に囚われて居るのだ。


さわ、さわり。
心地良く吹き抜ける風と草の音に少年は閉じた双眼をそっと開いた。
懐かしい山々に真っ青な空。
少年は隣で少女が訝しげに此方を視て居るのに気付いた。
801初音:2005/07/13(水) 22:36:06 ID:PifAY+Up
少年は少女の隣に腰を下ろし、後ろに手を付き、空を仰ぐ。

ふと、遠くで何かが聞こえた。
其れはまるで歌の様で、話し声の様だ。
二人は又目を瞑り、其れに耳を傾けた。

「舎利子よ。
この道理を悟って、この世の成立を見るならば、色あるものも形なきにひとしく、受も、想も、行も、識のはたらきすべて有ることなし。
また、それらの本なる眼も耳も鼻も舌も身も意もあるにあらず。
また、六根の対象たる色も声も香りも味わいも触も法もまたあることなし。
また、眼界もなく、以て意識界もなし、無明も無ければ、従って、無明の尽くるところもなく、また、老もなく、死もなくよって老と死の尽くるところもなし、苦も、集も、滅も、道も智慧もなく、所得もなしと悟れ。
一切心にとどむべからず、これを悟らば一切の圭礙心より去るべし。
心に圭礙なければ、迷いも恐れも欲も生ぜず、菩提薩捶はすべからく此の空の真理を体現すべし。
顛倒を離れてかならず涅槃を究竟つくさん。

802初音:2005/07/13(水) 22:37:07 ID:PifAY+Up
三世に住みたまえる一切の御仏は、このさとりによって因縁解脱を成就し給えり。
この故に、解脱を求めんとする人は、すべからく、般若波羅蜜多の大神呪を知らねばならぬ。
この大神呪は無上の呪文にして、無比の呪文なり。
いっさいの苦厄災難を解脱る呪文にして、その威力はかり難し、すべての真理の中の真理と云うべし。
真理であるが故に、いつの世、いかなる時においても変らず、虚偽ならず。
その呪に説いて曰く、「空の真理を身につけて、観自在の慈悲のもと、行ぜよ、行ぜよ、ただひたすらに。あゆめばやがて行き着かん。因縁解脱の彼の岸に」



【終…ッチマエ】
803初音:2005/07/13(水) 22:44:03 ID:PifAY+Up
すんませんすんませんすんません
下手なお目汚しを懲りずに又まき散らしてしまいました…(´・ω・`)

ウコン様やぽぽ者様の様な神に成りたいです…

では失礼致しました!!

804ウコン:2005/07/13(水) 23:52:50 ID:51usRy4q
>803
初音さんGJです!!
世界観と文体がかなり合ってて、尊敬です…

初音さんはネ申ですよ!
…俺は…未々です…orz



エロいの書くか…(書かない確率高いので、期待は出来ません;)
805名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 01:03:56 ID:jSrj5tnO
天誅(一番最初の)、1マップもクリアできねぇうちに神作品がまた…

>>801-802
般若心経ですか?

つーか、裏技使わないとホントに進まない罠orz
806初音:2005/07/14(木) 02:14:45 ID:HxEp+wF1
>>804
ウコン様!!
お褒め下さって有りがとう御座います!!物凄い嬉しいです!はい!
私もすっごくウコン様の新作、首がのびるほど楽しみにして居ります!!(`・ω・´)
>>805さん
はい!般若心経の一部です(待て
天誅は何となくシリーズ通してお経は般若心経かなって思いまして
参とか紅でも部分的に使われて居たのでやって仕舞いました。すいません(´・ω・`)
807名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 08:28:51 ID:GtYwRVeT
>>805
時間をかけて一人ずつ殺していけば楽に行けるよ。
808初音:2005/07/14(木) 21:25:55 ID:HxEp+wF1
「……
もっと…言って遣れれば良かった」


意識さへ彼方に飛んで行きさうな闇の静けさに男は呟ひた。
ドく、ドク、どクと、溢れて止まらぬ鉄錆び臭き液体に、尚更男は息を震わせ、一つ大きく溜息を。


「……
もっと…抱き締めれば良かった」


男は何処かを見詰めながら語尾の弱弱しひ言乃葉を発した。
思へば長く短ひ生涯だった。
物心付ひた時には既に血にまみれ、手を朱色に染めた。
善悪の区別つかぬに人の命を奪い去り、よくも生き長らへたものだ。
…死ぬ事は怖くなひ。

809初音:2005/07/14(木) 21:27:19 ID:HxEp+wF1
只、君を残して逝くのが余りに心残りだ。
互ひを刺し合って死にたひのでは無ひ。
残った君が此から如何やって生きて逝くのかが心配で堪らなひ。
せめて、早く、自分を忘れて、君成りに道を歩んで欲しひ。
だけれども、





今、自分には、
最期に君を力一杯抱き締める為の腕が無い。

息が苦しく成るほど抱き締めて、温もりを感じられなひ。
自分の最期の願ひは聞き取られなひだらう。
ずク、ズク、ズくと何処かが痛んだ。
壊れた涙腺から止めどなく温い水が溢れ、頬を伝う。
…嗚呼…。







810初音:2005/07/14(木) 21:28:42 ID:HxEp+wF1


彼女は縁側で、待ち人の帰りを待って居た。
今日はしっかり戸を開けるだらうか、其れとも裏から回って来るのだらうか。
案外、屋根から仏頂面で降り立つやも知れぬ。
久方振りに手料理の一つでも作って遣らう。
彼奴の好きな芋の煮物と糠漬けでも出して二人で飯でも喰おう。

…早く、帰って来い。

彼女は両の腕で自分を抱き締め、冷たひ地面を見詰めた。
ぽつ、ぽつぽつ、と、雨粒が空より降り落ちて来た。
其れは次々と数を増し、地面を濡らして行く。


ざぁああぁ…
雨足が強く成り、彼女の足を、彼女の腕を、水滴が伝う。
彼女は泣ひて居た。
居なければ成らなひ、居て当たり前の人間が居なひ。
其れだけで彼女の心は叫んだ。
喩へ戻って来なひと分かって居ても認めたくなひ者が此処に居る。

泣いても泣いても戻っては来なひ。
泣いても泣いても時は戻らなひ。

811初音:2005/07/14(木) 21:31:49 ID:HxEp+wF1
彼女はふと、水溜まりに映る自身を視た。
塗れ鼠に成った装束は重く、身体にぴたりと張り付き、首元を隠す彼の様な布は幾分か水を吸ひ込み、ぽた、ぽたぽた、と水滴を落として居る。
重さの所為か、首元が露わに成って居た。
熱の冷めた首元に微かに視ゆ、赤ひ紅ひ何時かの痕跡…









『泣くな、生きろ』







812初音:2005/07/14(木) 21:32:41 ID:HxEp+wF1
雨はもう晴れ、雨粒の一つも降って居なひ、だからとて水の中に入ってる訳でもなひ。

頬を伝うのは一体何なのだらう?
視る物全てがぼやけるのは何でだらう?

アンタが、アタイの側に居る様に感じるのは何でだらう?


「こんなモン、
遺すんじゃあ無いよ…
直ぐに消えて終うじゃあ無いか」


彼女は己の身体をきうと抱き締め、又、一粒、空をも知らぬ雨を流した。





【了】
813初音:2005/07/14(木) 21:37:40 ID:HxEp+wF1
すんませんすんませんすんませんすん(ry
力彩良いですよね!!
ネクロフィリア…とカニバリズムですかね?
あれもダークな話に入るのでしょうか?(マテ

では失礼致しました!
814ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/07/16(土) 17:38:22 ID:ggwJgGGP
初音さんニ連発乙です!
ダーク系&哀しい系大好きなぽぽ者的には最高です!

>>804 ウコン様。確かに初音様の文体は古風味があって良いですよね。
時代物が大好きなぽぽ者的には最高です!
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  何でも好きなんだな…。  
     (* ´_ゝ`) /   ⌒i    
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815初音:2005/07/17(日) 08:34:56 ID:+1u7OBsQ
>814
ぽぽ者様!!ありがとう御座います!!
エロパロなのを忘れて稚拙な文字羅列の投下をさせて頂きましたが本当に嬉しいです!!

>805さん!天誅のクリア頑張って下さい!草場の陰から見守っておりますじゃ!!


では失礼いたします(`・ω・´)ノシ
816名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 07:56:22 ID:tPr75R75
ほす
817名無しさん@ピンキー:2005/07/27(水) 07:28:39 ID:OOH7qG8c
ほす
818ウコン:2005/07/31(日) 00:28:56 ID:8BGUkpgC
みなさま天誅忍大全はやっておられますでしょうか…

俺は で き ま せ ん …

orz

凛の小説書いてます。
でもまだ全然書けてません…
うpするかわからないです…
819名無しさん@ピンキー:2005/08/10(水) 21:37:48 ID:c10Ffozs
ぽぽ者殿の再臨願う!!!
820名無しさん@ピンキー:2005/08/14(日) 14:50:17 ID:Ko85ZmEj
天誅の絵板って需要ある?
821名無しさん@ピンキー:2005/08/14(日) 21:02:43 ID:86d4Leno
>>あるある!
822名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 19:59:05 ID:OoyOt10Y
絵板!?神降臨の予感!

うおぉーー!ageえぃ!age奉れぇぇぇぇえい!
823名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 20:05:13 ID:OoyOt10Y
普通にsageてた…
スレ汚しスマソ

神SS&神絵師降臨を願う
824名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 23:41:49 ID:qRv3DiiC
うわわ…初音さん、良すぎる。
特に>810、猛烈に良いです。切ない。(自分、女性です)
825名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 19:48:07 ID:1sOAESXw
殆どのレンタル絵板、エロいの駄目なのか、、orz
826初音:2005/08/19(金) 22:02:11 ID:lI1ZlgcV
お久しぶりです皆様!
覚えて居られますでしょうか…
何時も何時も屁垂れ恥文を撒き散らす初音が来ました(笑)

ウコンさん…実は私も大全プレイしてません…(ノд`)

>>824さん
有り難う御座います!
とっても嬉しいです!!
活力になります!!(コラ)

827名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 14:25:44 ID:tYIZmHbg
ほしゅ
828名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 12:47:27 ID:FTnQP+5J
今一気に貝合わせ読みますた


最 高
829名無しさん@ピンキー:2005/09/02(金) 03:58:20 ID:zsovZqMZ
ほしゅ
830名無しさん@ピンキー:2005/09/02(金) 23:03:57 ID:AgTkMb+O
絵板、作ってみました
ttp://www3.oekakibbs.com/bbs/tenchu/oekakibbs.cgi
831ウコン:2005/09/05(月) 00:24:54 ID:uvuNfa93
久しぶりです。
絵板!(*´Д`)
俺も頑張っちゃおうかな…

ペンタブ無いからヤバいかもしれませんが。

暇になったら必ず見に行きます!
832名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 22:27:35 ID:GHHbOYQb
ほす
833名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 11:59:08 ID:G7EJTjqF
hosyu
834ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:19:26 ID:FhuaPLJU
どうも。ご無沙汰しております。ぽぽ者です。
力丸×彩女の新作を書きましたので投稿させて頂きます。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  当然全くエロくないよな。兄者。  
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i   
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835ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:20:47 ID:FhuaPLJU




               ―壁際の地獄―












836ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:21:20 ID:FhuaPLJU
木賃宿の、粗末な部屋である。
既に日も高い。
辰の下刻(午前九時頃)を過ぎた頃であろうか。
黴臭い寝床から、一人の男が這い出て来た。
名を力丸という。
髪にはフケが浮き、無精髭を生やしていた。
着たきりの夜着を着崩ずしながら胡坐をかいた姿は、
お世辞にも立派な男子の様とは言えない。
どちらかと言うと、与太者か乞食の体(てい)だ。

当時の起床時間は、現代のそれよりも遥かに早い。
日が昇ると同時に目覚め、
朝食を摂る前に労働に向うのが普通である。
この刻限まで床に着いているのは、怪我人か病人ぐらいのものだ。

しかし、彼の肉体には些かの損傷も病巣も見当たらない。
何日も体を洗っていない事を除けば、至って健康そのものである。
つまり彼は惰眠を貪っているという事になる。
当時に生きた人間であれば、そう言って男を非難するであろう。

その彼が起床して来た理由は、もうじき連れが帰参する刻限である為だ。
連れが帰れば、この褥をその者へと明け渡さなければならない。

    
837ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:21:56 ID:FhuaPLJU
「今帰ったよ。」
暫しの後に、連れが帰って来た。
男ではない。彩女という名の小柄な女だ。
濃紫色の地味な旅小袖を身に纏っている。
勝気そうな美貌面には、若干の疲労の色が伺えた。

「今日はこれだけ稼げたよ。」
開口一番、彩女は袂から巾着袋を出した。
この袋の中には、昨夜の彼女の稼ぎが納められている。

口紐を解いてその中身を床板の上に開けると、
数十枚の一文銭がジャラジャラと言う乾いた音を立てて散らばった。

この男女は、夫婦ではない。恋人同士でもない。
兄弟でもないし、友人と言うわけでもなかった。
元は、乱破稼業をしていた男女である。幼馴染であり、同僚であったそうだ。
詳細は明らかではないが、故郷を放逐、或いは逐電したとかで、
今はこのように二人して、乞食さながら諸国を浪々としている。

「いや、参ったよ。昨夜の客は三人なんだけどさ。
 二人目の男は銭払いが良かったけど、一人目と三人目が吝嗇(けち)でね、
 女だと思って甘く見て、しつこく値切ろうとして来やがってさ、
 はは、頭に来たからちょっとばかり脅かしてやったら、余計に銭を置いて遁げてった。」

彩女はケラケラと笑った。
この女の腕前は、並の男のそれよりも上である。
その彼女に睨まれたのでは、客の男も不運であった。
     
838ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:22:55 ID:FhuaPLJU
しかし力丸は彼女の話しに耳を傾ける事無く、
「…ああ、ご苦労だったな。」
たったの一言労いの言葉を掛けたきりで、
後は床に散らばった一文銭を掻き集め、その枚数を数え始めている。

「幾らある?」
「…まだ数えている途中だ。」
「じゃあ数え終わったらさ、
 その銭は何時も通りあんたが持っていておくれ。」
「…ああ。」

銭の枚数を勘定する力丸の表情は、幽霊そのものであった。
いや、人間の抜け殻であると言った方が良いかも知れない。
「昨日より多いかい?」
「…いや、少ない。」
一文銭の枚数は、九十八枚であった。
昨夜は百十枚。四人の男を相手にした。

「おや、そうかい。悪いね。
 今日はもっと頑張って稼いで来るから堪忍しておくれ。」

その言葉に、力丸は眩暈を覚えた。
この場に短刀が在ったのなら、
即座に白刃を我が腹に突き立てていたかもしれない。

しかし、それが出来ない。
金物は護身用の打刀一振りを残して全て路銀に替えられていた。
最後に残されたその二尺二寸も、
碌に手入れすらしない為、すっかり錆が浮き醜い姿を晒している。
        
839ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:23:34 ID:FhuaPLJU
―彩女。俺と所帯を持ってくれないか。俺の女房になってくれ。
 俺は百姓でも何でもする。何でもして、お前を食わせてやる。
 だから俺と一緒に暮らそう。

その言葉を何度口にしようとしたか、力丸にはわからない。
しかし、今に至るまで、終にそれが出来なかった。

力丸と違い、綾女は別段この男を愛しているわけではない。
彼はそれを良く知っている。
仮に今、彩女が息を引き取ったとしたら、
力丸は遅疑無く舌を噛み千切り、彼女に殉じるであろう。
しかしそれとは逆に、この場で力丸が絶したとしても、
彩女はやはり昨夜と同じように行き擦りの男に体を開き、日々の糧を得ているに違いない。

だから、言えなかった。
彼の魂は、碓氷(うすらい)よりも繊細で、破損し易かった。
万が一、彼女に拒絶された場合の事が、何よりも恐ろしかったのである。

     
840ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:24:37 ID:FhuaPLJU
しかしこの臆病者が、これまでたったの一文の銭も稼がなかったと言うわけでは、決して無い。
つい三ヶ月前程前までは、行く先々で日雇いの土担ぎ(土木作業)等の肉体労働に従事して、
幾ばくかの収入を得ていた。
しかし、日雇いの人足ではその稼ぎもタカが知れている。

汗と土に塗れて帰参する力丸を見て、彩女は半ば呆れたように
そして半ば愉快げに、
「あんた、土担ぎはもうおやめ。明日からあたいが稼いで来てやる。
 あたいの方があんたよりもずっと稼げるから。」
彼女が女を売り始めたのは、その翌日からである。

成る程、彩女の言う通りであった。
土担ぎではその労力と比較しても、得られる報酬は極めて吝(しぶ)いものだ。
一方女売りの方は、労力以上の稼ぎが期待出来る。

「こっちのほうが、割が良い。理に適っている。」と彼女は言うのだ。


その時から、力丸は一切の労働を放棄した。
841ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:25:57 ID:FhuaPLJU
「悪いけど、あたいはもう寝るよ。」
言うや否や、綾女は小袖も脱がずにのそのそと褥の中に入った。
昨夜一晩中、客の男を求めて彷徨い歩き、そして伽の相手をして来たのだ。
眩暈がする程の眠気に襲われている。

褥の中は幽かに暖かい。力丸の体温がまだ残っていた。
その為であろうか。
「あ、そうだ。」
彩女ががばりと半身を起した。
「あんた、あたいが眠っちまう前に、あたいを抱いておきな。」
無論、彼女は連れの男から金銭を徴収するつもりは毛頭無い。
これは全くの無償奉仕であり、
これまでにもこうして度々彼の欲求を満たしてやっていた。

―連れの力丸は幼馴染みであり、しかも男である。
 そうである以上、女を必要とするであろう。

「女郎を買われると、高く付く。あたいなら、タダだ。」
これが彩女の理屈であった。
842ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:26:50 ID:FhuaPLJU
しかし力丸は小さく頭(かぶり)を振って、その申し出を断わった。
「…いや、いい。」
「何でさ。別に汚くないよ。帰って来る前に水浴びしたから。」
「…そう言う事ではない。いいと言ったら、いいのだ。」
「…ははあ。」
彩女が口許を歪めて笑った。
「あんた、昨晩女郎を抱いて来たんだろう。」
彼女は、自身が女を売って稼いだ銭を使い、
この力丸が女買いをして来たのであろうと勘ぐっているのだ。
しかし、そこに憤怒の素振りは無い。
それ所か、彼女は半ば愉しげに苦笑しているではないか。

「…仕方の無い人だねぇ。女を買うのは別に良いけど、
 あんまり高い女は止めておくれよ。買うなら、あたいみたいな安い女にしておきな。
 でないと、あたいの体が幾つあっても足りないからさ。」

843ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:27:35 ID:FhuaPLJU
「違う!」
力丸は声を一段張り上げて否定した。
「そんな事はしておらぬ!」
彼は「する」と体の向きを変えたかと思うと、自身の荷物の中をごそごそとまさぐり、
「これを見ろ!俺は一文たりとも手を付けてはおらぬ!」
金銭の入った巾着袋を、彩女の眼前に投げ捨てた。
この中には、彼女の稼ぎ出した銭が納められている。

「この俺が女郎を買う筈が無かろう!
 嘘だと思うなら、この中身を確認してみろ!」

力丸は、彩女以外の女を知らない。
これから先も、知る事は無い。
生涯最初で最後、唯一無二の女が彩女であり、それ以外に女は無かった。

「わ、わかったよ。疑って悪かったよ。」
綾女は袋の中身を確認せずに、力丸に投げて返した。
確認せずともわかる。
巾着袋は昨日と寸分変わらぬ形状と重量を保っていた。

―子供みたいな男だ。別に女買いを咎めているわけでは無いのに、
 そんなに怒る事は無いだろうに。


     
844ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:28:36 ID:FhuaPLJU
「じゃあさ。」
力丸の子供染みた言動に半ば呆れながらも、彩女は聞いた。
「何であたいを抱かないのさ。あんた、最近あたいを抱かないだろう。
 もしかしてあたいに飽きたのかい?」
「…いや。」
力丸は俯いた。
「…お前が…疲れているだろうからだ。」
「ははは、何だ。そんな事かい。馬鹿だね。
 確かにあたいは疲れてるけど、寝る前にあんた一人ぐらいなら何でもないよ。
 ほら、あたいが眠っちまう前においで。あたいに遠慮なんてするんじゃないよ。」
彩女は小袖の裾を腰まで捲り上げて男を誘った。
彼女の白い両の足とその中心部分が、力丸の眼前に曝け出される。

それに釣られるようにして、力丸は無意識の内に立ち上がっていた。
殆ど条件反射のようなものである。
「…あ、ああ。いや、やっぱりする。」
呆気なく前言を翻したかと思うと、
気が付いた時には彼女の股座に割って入り、盛んに腰を動かしていた。

しかし、これは彩女を愛する為の行為ではない。
只管自身の欲求を満たす為だけの運動に過ぎなかった。

その為、連れの男の名を艶かしく連呼し、切なげに戦慄く彩女と違い、
力丸は一言も彼女の名を呼ぼうとしない。
それ所か、眼前にある筈の彼女の顔すら見ようとしなかった。
眼を固く閉じ、口を強く結んだままという殺風景の中で、行為を進行させている。
845ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:29:28 ID:FhuaPLJU
「あたいがきちんと朝夕二回、あんたにお飯(まんま)を食わせてやる。
 あんたの欲しい物も、買ってやる。」
下になった彩女が呻くようにして囁いた。
「だからあんたは何もしてくれなくて良いよ。
 時々こうしてあたいと遊んでくれるだけで良いから。」
これは、彼女なりの皮肉を込めた言葉では無い。
男の不甲斐無さを責める為のものでも無い。
ただ言葉通りの意味であって、他意は無かった。

天涯孤独の身の上である彩女は、連れの男との離別を何よりも恐れていた。
その彼を何時までも、出来る事なら一生涯に渡って自身の手元に繋ぎ止めて置く為には
こう言うしかなかった。
力丸同様、彼女もまた儚く脆い魂を有している女であり、
一個の脆弱な人間に過ぎなかったのである。

しかし、上の力丸にはそのような彼女の心底や人間性を見通す力は無い。
その為、下で呻く女が、遠まわしに自身を非難していると信じて疑わなかった。
力丸は彼女の言葉を無視し、意識の内から消去する事だけに務め、
その為にただ只管一心不乱に事を進め、一刻も早く終了させるべく動きを早めていく。

暫くして事が済むと、力丸は即座に彩女の股座から腰を離した。
彼女に優しい言葉を掛ける事も無ければ、その頬を撫でてやる事もしない。

欲望を吐き出し終えれば、最早彩女に用は無かった。
彼はそのままフラフラと木賃宿の片隅まで歩を進め、
土壁に背中を預けたまま、どかりと腰を下ろした。   

846ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:30:19 ID:FhuaPLJU
「何だい。たったの一回きりかい。」
彩女は明らかに不服の籠った言葉を漏らした。
「あたいに遠慮なんて要らないって言ったろ?
 ほら。あんたの気の済むまで好きにしておいき。」
そう言って、再び彼の方向に中心部分を晒してみるものの、
「…いや、もういい。」
壁の力丸は力無く頭(かぶり)を振り、彼女の申し出を今度は完全に拒絶する。
「…やっぱりあたいに飽きたんだろ?」
「…違う。」
「じゃあ、ほら。おいでったら。
 …愚図愚図してたら本当に眠っちまうよ?」
「…ああ、眠ってくれて構わない。」
その一言を最後に、力丸は俯いたまま沈黙した。
再度彩女が誘っても、彼が返事を返す事は無かった。

―何だい。やっぱりあたいに飽きたんだ。

彩女は抗議の意味を込めて鼻を鳴らした。
先程、連れの女買いを勘ぐった際には怒りを露にしなかった彼女も、
このつれない仕打ちには腹を立てたようだ。
「じゃあ、いいよもう。ああ、つまらない。」
不貞腐れたように一つ吐き捨てながら、
中心部分の汚れも拭い取らぬまま、小袖の裾を正す。
そして、

―…仕方が無い。あたい達の仲は長いんだ。
  そりゃあ飽きもするさ。

確かにこの二人の付き合いは長い。
供に十に満たない頃からの幼馴染みであり、
十代の半ばから、顔を合わせる度に互いの肉体を求め合い、
情を交し合って来た仲だ。
彩女は力丸をあっさり赦す事にした。

      
847ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:31:08 ID:FhuaPLJU
「やれやれ、じゃああたいはもう寝ようかねぇ。」
頭から布団をすっぽり被った彼女は、
「…じゃあさ、あんた。後三刻(六時間)もしたら、起しておくれよ。
 今日は日も暮れない内から客を探してみる。
 ここに来て五日も客を取っているから、大分銭も溜まっただろ。
 今日一日稼いだらさ、二人でお祝いに何か美味しいものでも食べよ。
 それからさ、あんたが前から欲しがっていた、煙管を買ってやるよ。
 勿論煙草も一緒にね。」

「…ああ。」消え入りそうな声で、壁の力丸が呟いた。
既に彼は土壁と同化している。
彼自身、このまま土壁に塗り込められ、風雨に晒されて朽ち果てた挙句、
やがては塵と消えても良いと思っていた。

その力丸に、今度は布団と同化した彩女が念を押してくる。
「きっかり三刻だよ。わかったかい?」

―彩女。俺の女房になってくれ。何処かに根を下ろし、そこで所帯を持とう。
 俺は百姓でも、鍛冶屋でも、馬喰でも、何でもやる。
 毎日休まず働いて、銭をたんと稼いだら、お前の欲しい物は何でも買ってやる。
 流行りのべべでも、櫛でも、白粉でも、何でも買ってやる。
 だから俺と所帯を持ってくれ。俺と一緒に暮らそう。

胸に秘めた想いを今この場で口に出来ていたら、力丸は直ぐにでもこの地獄から
抜け出す事が出来たであろう。

     
848ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:33:26 ID:FhuaPLJU
しかしその想いとは裏腹に、彼の口を付いて出て来た言葉は、
「…ああ、きっかり三刻だな。わかった。必ず起す。それから…。」
「何だい?」
「煙管の他にも、べべも買って良いか?俺のは大分擦り切れて、汚れているから…。
 それから酒も呑みたい。」
「ああ、いいよ。煙管の他に、べべと酒も買おう。あと他に欲しい物はあるかい?」
「…いや、今は無い。思い付いたら、後で言う。」
「ああ。そうしておくれ。じゃあ、あたいはもう寝るよ。」

それきり、二人は沈黙した。
彩女の方は早々に夢の世界に落ちたようだ。


しかし壁の力丸は、


―俺はどうすれば良い…。俺は…どうすれば良い…。
 …俺はこの先どうすれば良いのだ…。
 …誰か助けてくれ…。俺を助けてくれ…。
 誰でもいい…誰か…俺を助けてくれ…。俺はもう駄目だ…。頼む…誰か俺を助けてくれ…。
 …彩女…彩女…俺を助けてくれ…。俺にはお前しかいないのだ…。
 だから俺を助けてくれ…彩女…彩女…彩女…。


彼は未だ、地獄の中に居る―
  

                       〜終わり〜
849名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 19:33:52 ID:yNtefg+6
リアルタイムネ申キター!
850ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:35:02 ID:FhuaPLJU
弟者がバイトして貯めた金を使って
エロゲーを買いました。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;)   はぁ!?何だと!?
     (* ´_ゝ`) /   ⌒i    
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  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

心配は要りませんよ。
高いエロゲーじゃありませんから。
中古の安いエロゲーです。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´Д` #)   そんな事はどーでもよいわ! 
     (* ´_ゝ`) /   ⌒i     勝手に俺の金を使うなよ!
    /   \     | |   
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851ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/15(木) 19:36:07 ID:FhuaPLJU
それからついでにエロ漫画も買って良いですか?
すっかり染みがついて汚れてしまったので…
あとエロアニメも欲しいです。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´Д` #)   ふざけんな!! 
     (* ´_ゝ`) /   ⌒i    買って良いわけねーだろ!!!
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      \/____/ (u ⊃

あれあれ、良いんですか?そんな事言って。
出て行ってしまいますよ?この家から。
            ∧_∧
     ∧_,,_ヽ   (゚皿゚  #)  寧ろさっさと出てけや!!!  
     (*`,_ゝ´) /   ⌒i    
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852名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 19:39:52 ID:4dnLDyx7
GJ乙です!
ヘタレ力丸(・∀・)イイ!!
853名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 20:25:06 ID:vdw/LRUc
やったやったー!ぽぽたん新作だー!
854ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:32:05 ID:cgeZVUeC
「壁際の地獄」の続きを書きますた。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  ) いろいろつっこみ所がある話しかもしれませんが   
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i  何卒ご容赦を。 
    /   \     | |   
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855ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:33:13 ID:cgeZVUeC


          ―夫婦花、一輪。



856ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:35:15 ID:cgeZVUeC
良く晴れた、秋の日の事である。

北の果ての打ち棄てられた廃屋。
ムシロを褥とした女が一人、横たわっていた。

「…手間をかけて御免よ。」
「…いや、良いのだ。」
男が女の股座から這い出て来た。

あの力丸であった。
彼は別段、男女の営みを交わしていたわけではない。
その手には、藁束が握られている。中には女の糞便が納められていた。

言うまでも無い。
女は男の連れ、彩女である。
しかし一見して、彩女だとは気付かないであろう。

彼女の顔面は醜く崩れ、破損した表皮組織の下からは筋肉が露出していた。
一見して、腐敗した屍のようにも見える。
おまけに碌な治療も施されていない為、
傷口から細菌が入り込み、崩壊は更に深刻な状態となっていた。
栄養状態の悪化も、それに拍車をかけている。

しかもこの現象は顔面だけに見られるものではない。
無残な肉の崩壊は全身の至る場所で進行していた。

梅毒であった。
   
857ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:36:11 ID:cgeZVUeC
糞便の処理から戻った力丸が、彩女の枕元に腰を下ろした。

「…悪いね。」
再度、彩女が礼を言う。
「…いや。気にする事は無い。」

暫しの沈黙の後、彩女が口を開く。
この期に及んで二人が交わす会話の内容と言えば、
互いの馴れ初めの事しかない。

「…あたいさ。嬉しかったんだよ。あんたがあたいと遊んでくれて。 
 そうじゃなけりゃ、独りぼっちになっていた所だった。」
天涯孤独の身の上、彼女は常に茫漠の淵に佇んでいた。
「…ああ。」
力丸は小さく頷いた。
彩女と違い、彼には両親も兄弟も居る。
正し、険悪の仲だ。
両親は力丸を愛さず、元服を迎えた彼が忍びの道に入って以降、
碌に顔も合わせていない。
兄弟も同様だ。彼等の消息を力丸は知らない。

彩女が先天的な孤独者だとしたら、力丸は後天的な孤独者であった。
しかし、その二人が絶対的な孤独者で無かったのは、
やはり常に互いが側らに存在していたからであろう。
     
858ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:36:50 ID:cgeZVUeC
―すまぬ。

力丸の口からは何度もその言葉が出掛かった。
しかし、それは出来ない。
それを言えば、彩女の肉体ばかりではなく、
その魂までも崩壊させてしまう事になる。
これ以上彼女を傷付ける事など、彼には出来なかったのだ。

また、彩女の方もその言葉を望んでいない。
彼女には、力丸に対する憎しみなど一遍も無かったのだ。
我が身一つで力丸を養わんとした末にこのような無残に陥ったとしても、
少しも彼を恨んではいなかった。
謝罪の言葉を述べ、或いはそれを受け入れる必要が無い程に
二人の過ごした時間は余りにも過ぎたのだ。

その証拠に、この期に及んで彩女の思う事と言えば、

―これから先、この人はあたい無しで
 生きて行く事が出来るだろうか。

力丸の身の上の懸念ばかりである。
       
859ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:37:35 ID:cgeZVUeC
その彩女が一つ、本音を吐いた。
「…あたい、こうなる前に一度所帯というものを持って見たかったよ。
 いつかあんたにお願いしようかと思ってたけど、怖くて出来無かった。」
その瞬間、力丸の魂は砕け散った。
衝撃であった。
いつかの壁際の懊悩が、彼の脳裏に浮かんでは消えた。
力丸は彼女の言葉には返答せず、いや、返答を返す事が出来ず
「…水を汲んで来る。」
遁げる様に廃屋を後にした。

表に出ると、一面の曼珠沙華で大地が赤く染められていた。
秋も色濃さを増している。
何処までも澄み渡った透明の空は、
彩女の肉体の変化を知っているのであろうか。

この廃屋の側には、一衣帯水が存在した。
これが二人の命を繋ぎ止める唯一の流れである。
その水辺までふらふらと脚を進めた力丸は、そこでがくりと跪いた。


     
860ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:38:13 ID:cgeZVUeC
―俺達は脆弱に過ぎた。

力丸だけではなかった。
彩女もまた、水際を飛び交う蜉蝣のように儚く脆い存在であった。

―…あの時…少々の胆力を振り絞っていたとしたら。
  今の俺達は無かったかもしれない。
  彩女もあのような病を患う事など無かったかもしれない。
  そうだ、そうであったのならば、今頃はきっと俺達二人は何処かで…。

しかし、それも今は昔の話に過ぎない。
失われた時は還っては来ない。失われた魂は戻っては来ない。

―俺達は、余りにも失い過ぎた…。

せせらぎに竹水筒を浸しながら、力丸は密かに嗚咽を漏らした。
最早、何もかも遅過ぎた。失ったものが、余りにも大き過ぎた。

―だが。

清流に満たされた水筒の栓を締めた力丸は、
今度はせせらぎの中にざぶりと我が顔面を突き入れた。
流れる落ちる涙を洗い流したのである。
と同時に、決意の意味も込められていた。

―それでも、喪失の残骸を拾い集める事は出来よう。
 例え、元の形には戻らずとも。
  
     
861ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:38:54 ID:cgeZVUeC
廃屋に戻った力丸は、彩女の枕元に静かに腰を下ろした。
「俺と、所帯を持とう。」
いつかの日。伝える事の出来なかった秘想である。

「え?」と彩女の眼球が力丸の姿を捉えた。
彼女の顔面は、最早我が意思で自由に動かす事が出来ない。
その為、両の眼(まなこ)のみが彼女の驚愕を伝達する役目を果たしていた。
「俺の女房になってくれ。」
「…な、何を言ってるんだい…?」
彩女が驚くのも無理は無かろう。最早彼女は満足に動く事すら叶わない。
顔面は勿論その全身が爛れ、腐敗の始まった屍の様相を呈している。

「…馬鹿だね。」
その為、当初は力丸が自身をからかっているのだと思った。
しかし、それならそれで良い。
これが力丸の悪意から出た言葉では無いと、彼女には良くわかっていた。

「いや、俺は本気だ。俺と所帯を持ってくれ。」
「…はは。馬鹿だね。」
「契りの酒もある。」
そう言って彼が掲げたのは、先程清流を積めた竹水筒であった。
「中身は水だがな。水杯というものも悪くはあるまい。」

        
862ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:39:37 ID:cgeZVUeC
―この男は、本気か?

長い付き合いの為であろうか。
力丸が決して戯言を言っているのでは無いという事に、
彩女は薄々感づき始めている。

「…あたいをご覧。誰かの女房になれる様な女じゃないよ。」
確かに、好き好んで屍のような女を我が伴侶とする男は居ないであろう。
それに彼女は、近い内の自身の命運の行く末を予感していた。
「…ああ。世人の女房にはな。だが、俺の女房にならなれる。」
「…本気かい?」
「…ああ。本気だ。」

喪失の残骸は目の前にあった。
元の形に戻らずとも一つ一つ丁寧に拾い集め、
幾ばくかでも良い、過日の姿の一端にでも近づければ。

「…俺は本気だ。お前を嬲っているわけでは無い。」
「…あたいにお情けを掛けてくれるのかい?」
「…違う。情けではい。」

そう言って幽かに微笑んだ力丸は、彼女の頬の無事な部分を優しく撫でた。
「俺も前から一度、所帯と言うものを持って見たかったのだ。」
「…本気にして良いのかい?」
「…俺は本気だ。」

      
863ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:40:40 ID:cgeZVUeC
彩女は暫し沈黙した後、
「…そうかい。何だか嬉しいや。」
含羞の眼差しを力丸に向けた。
「俺の女房になってくれるか。」
「…ああ。わかった。あんたの女房になる。」
そうは言っても、彩女は力丸の言葉を心底から信じているわけではない。
この幼馴染の男は優しい人間であった。
今わの際に、自身に対し情けを掛けてくれているのだと内心思っていた。

―しかし、それならそれで良いではないか。

力丸の優しさに答えるには、例え一時の戯れであっても
彼の申し出を受諾する事が自身の役目だと悟っていた。

「では、夫婦(めおと)の杯を交わそう。」
力丸は水筒の栓を開け、まず自らが口を付け一口飲んだ。
そして、「今度はお前だ。」
水筒の飲み口を、彩女の口許に近づけた。
彼女の口唇は既に失われ、歯肉が露出している。
その爛れた口腔内に、静かに水杯を流し入れてやった。

「…有難う。」
彩女が微笑んだように見えた。いや、微笑んだのだろう。
崩壊した顔面からは僅かな表情の変化すら読み取る事が出来無いが、
彼女は確かに微笑んだのだ。

その瞬間力丸は救われた。
自責と呪詛から解放され、悔恨の日々は過去のものとなった。
救われたのは力丸だけではない。彩女も同様である。
彼女は今わの際にして我が伴侶と巡り合い、生来の孤独から解き放たれた。

そう、二人はたった一口の水杯を交わしただけで、
神を介さずに祝福され、仏を語らずに救済されたのである。

    
864ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:41:23 ID:cgeZVUeC


「何か、欲しい物は無いか。」
そう言って力丸がはにかんだ。
「契りの祝いだ。」
しかし彼は一文の銭も所持していない。
唯一の金物であった二尺二寸も、既に彩女の治療費に替えられている。
しかし残念ながら、彼女が犯されている病の特効薬の開発には、
遠く三百年以上待たなければならない。

「何でも言ってくれ。遠慮はするな。」
勿論、彩女は連れの男の甲斐性無しを知っている。
「…そうだね。」
小さく呟いた彼女は、
「…子捨て花が欲しい。」
ささやかな所望であった。
子捨て花と言うのは、曼珠沙華の別称である。
彼女は昔からこの花の事をこう呼んでいた。

「…ああ。わかった。今、取って来てやる。」
曼珠沙華ならば、掃いて棄てるほど咲き乱れていた。
力丸は早速表に出、乱立する花々の中から一番上等なものを手に採った。
そして廃屋に立ち戻り、彩女の胸元に置いてやると、
「今からこれは子捨て花で無く、夫婦花だ。」
下手な戯言を一つ述べ、照れ臭そうに微笑んだ。
「…ああ、そう呼ぶ事にするよ。」
彩女も同意した。

そしてこの花が、今より二人の契りの証となった。

        
865ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:42:11 ID:cgeZVUeC
「…あたいが死んだらさ、
 あんたはもっとちゃんとした女房を見つけるんだよ。」

―この戯事も、もうじき終わる。

死者は生者の永遠の他人である。両者が交わる事は決して無い。
彩女の言葉は、その日の為のものであった。

しかし一方の力丸はどうであろうか。
「…ははは、馬鹿な事を言うな。俺の女房ならもうここに居るだろう。」
「…その後の事だよ。あんたはもっと…、」
「俺の女房ならここに居る。」
「…ああ、嬉しいよ。でもね…、」
「俺の女房ならここに居る。」
「…でも…、」
「俺の女房ならここに居る。」

力丸は、彩女以外の女を知らない。
これから先も、知る事は無い。
生涯最初で最後、唯一無二の女が彩女であり、それ以外に女は無かった。

―俺の女房ならここに居る。
 そうとも。お前の他に一体誰が俺の女房だと言うのだ。

「…あんた…。」
彩女が嗚咽を漏らした。
肉が露出した眼孔から、果て無く涙が流れ落ちていた。
「…有難う…。」
「礼には及ばぬ。夫婦であろう。」
「…ああ。あたい達は夫婦だ…。」
「そうだ。俺達は所帯を持ったのだ。」

このささやかな契りの日。空は何処までも澄み続けていた。

        
866ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:43:22 ID:cgeZVUeC
それから十日間、二人は夫婦で在り続けた。
そして契りの夫婦花が色を失った頃、亭主はたった一人、残された。
しかしその亭主である力丸が、そのまま男寡婦(おとこやもめ)となったわけではない。
彼は廃屋の片隅に立て掛けられていた火串を手に取った。
中々重厚な造りである。
鉄棒全体に錆が浮き出ているものの、先端は棒手裏剣のように鋭利であった。

―今一度、夫婦花を咲かせよう。

枯れ果てた契りの花を、その火串に巻き付けた。

力丸は彩女の他人等ではなかった。
彼は彼女の亭主であり、それ故何処までも夫婦で在り続けようとした。

―俺の女房は、生涯ただ一人(いちにん)、彩女だけである。

夫婦花が一輪、鮮やかに咲いた。
これを持って、二人の契りは永遠のものとなった。




良く晴れた、秋の日の事である。


                    〜終わり〜
  
867ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 16:47:25 ID:cgeZVUeC
こんな暗い話ばっかりですいません。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  最早ここがエロパロ板であるという事を
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i  完全に無視してるよな…。
    /   \     | |  しかも元ネタが天誅である必要性も、 
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |    登場人物が力丸と彩女である必要性も全くねーし…。
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そうですよね。登場人物が俺と弟者でも
十分話しが通じますよね。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;) …いや、通じねーから。
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i  
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868名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 17:34:40 ID:zSK7ZNAM
ゆ、夢オチだと言ってくれぇぇぇぇ
869名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 18:50:51 ID:d8MtJQ5e
エロないけど…暗いけど…泣いたけど…

ぐ、グッジョブネ申!
。・゚・(ノД`)・゚・。
870ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/17(土) 22:11:20 ID:1e4Ayw8B
>>868さん。安心してください。
これは全部夢です。
この二人は無事に夫婦となって、
どこかで幸せに暮らしています。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  ほう。夢オチだったのか。
     (* ´_ゝ`) /   ⌒i  
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⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒○⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
              0
             o  モワモワ…

…と言う夢を見ました…。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´Д` ;)  兄者の夢オチかよ…!  
     (  ´_ゝ) /   ⌒i  
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871名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:10:29 ID:47Ino3+O
へたれで汚い力丸と遊んでくれたらいいからと
いう彩女がとにかくエロい〜と
何度も何度も読み返して萌えていたら続きが!
わくわくしながら読んだら、ひ、ひどい、
彩女もそんな姿を力丸には見られたく無いだろうに。
ぽぽ者さん、残酷すぎる。

でもめちゃくちゃ泣けたし、ぐちゃぐちゃの彩女が逆にキレイに思えて
たまらない。萌えてしまった・・・。
872ウコン:2005/09/19(月) 01:51:13 ID:NFYXMguI
ぽぽ者さん、ネ申!!
切ないですよ…!一人でなんか泣きそうになりました。

さて、俺も何か書くかな…
あ、あと掲示板描きましょう、皆さん!

俺はエロは描きませ(ry
873名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 14:51:09 ID:SCbsnU44
エロなくてもおk
874名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 07:08:37 ID:QuWDgCmd
ぽぽ兄様GJ!!!
引き込まれました。切ない…。

よく映画とかにあるもう一つのラスト、思いついたらで良いので待っていていいですか。
それから、また別の話も。
新作ありがとう!
875ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:06:51 ID:X7NMK73b
>>874様のリクエストにお答えして
別の話しを作って見ますた。
もう一つのラストと言うわけではなく、
パラレルストーリーのようなものですが…。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  一応、「壁際の地獄」から
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i  続いているみたいです。
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しかも今回はちょっとエロシーンもあります。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  ) 漸くこの板の趣旨を理解したようだな、兄者。 
     (* ´_ゝ`) /   ⌒i  
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876ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:09:06 ID:X7NMK73b
夫の気配を、彩女は殆ど動物的な勘で感じ取った。

慌てふためきながら表に出ると、力丸がこちらに向って
歩いてくる姿が目に飛び込んで来た。

夫の帰還は、五日ぶりの事である。
居ても立っても居られなくなった彩女は、
「あんたっ!」
小走りで駆け寄ったかと思うと、我が夫の胸に飛び込んだ。
「あんた、良く無事で帰って来てくれた…。
 中々帰って来ないから心配しちまったよ…。」
「…ああ、心配させてすまなかった。」
「寂しかったよ…ずっとあんたの事ばかり考えていた…。」
「…ああ、俺もだ。」
「ああ、力さん…。」
五日ぶりの再会をその口腔で味わう為、彩女は何度も力丸の口を吸った。
かつて女乱破であった彼女の姿はそこには無い。
彩女の過去は既に忘却の彼方へと消え去り、
今は夫の帰還を待ちわびる一個の女として、そして新妻としてそこに存在している。

「さ、さ、早く家の中に入っておくれ。」
力丸の腕を取った彩女が、盛んに急かした。
「ああ。わかった。」
その瞬間、力丸の手が彩女の尻をぺろりと撫でた。
思わず「あっ。」と身を竦ませると、今度は間髪居れず、胸を掴まれる。
「こ、こらっ…ふふ、いけない人だ。」
この手の夫の悪戯が、彩女は嬉しくて堪らない。
力丸を咎める事も無く、彼女はまるで少女のようにはしゃぎ立てた。
877ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:09:40 ID:X7NMK73b
この夫婦は、山の麓に立つ小さな庵で二人きりで暮らしていた。
周囲にはいくつか村落が存在するものの、
その何れの箇所に辿り着くにも、徒歩で半刻以上は掛かる。
正に人里離れた辺鄙に居を構えていると言って良い。

この二人が所帯を持ったのは、今から三月ほど前の事であろうか。
世間的な祝言も挙げず、二人きり、酒を酌み交わしただけで夫婦となった。
ただ、女である彩女としては祝言を挙げたかったのであろう。
その証拠に、今尚彼女の言葉の端々には、残心が顔を覗かせる時がある。
しかし、残念ながら当初は先立つものが無かった。
力丸のほうも「銭が出来たら、いつか何処かで祝言を挙げよう。」と言ったきり
現在ではその言葉すら忘れているようなのである。

また、彩女がそれとなく切り出しても、
「わかっている。とやかく言うな。」
その手の話は聞くのも嫌だ、とばかりに臍を曲げた力丸が露骨な苛立ちを見せ始める為、
我が夫の機嫌を損ねたく無い彼女は、沈黙を守るしかなかった。
力丸はこの手の祝い事には全く興味が無く、
ただただ煩わしい雑事の一つとしか考えていなかったのだ。

      
878ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:12:12 ID:X7NMK73b
さて、その力丸であるが、彼は現在猟師をして生計を立てていた。
帰還した際のいでたちもその生業に即したものだ。

そのいでたちに付いて、少々筆を加えておこう。
力丸は紺色の小袖の上に、熊革の袖無し羽織を着込んでいた。
この羽織は、山犬や狼の襲撃を抑止する効果がある。
同時に昼尚暗い山中に身を潜めるに当って、迷彩の役割も果たしていた。
裾絞りにした濃鼠の袴の腰には、あの二尺二寸。
腰周りにはその他にも、数種類の小袋や竹水筒がぶら下がっている。
その背には、一丁の鉄砲と一張りの弓、
そして十本ほどの矢が納められたウツボを括りつけ、左肩には
鉄砲用の火縄が二重三重に巻き付けられていた。

「俺と所帯を持ってくれ。俺は心を入れ替えて、まっとうな人間になる。
 お前と二人で、もう一度人生をやり直したい。」

その言葉を信じた彩女が、自らが女を売って稼いだ金で、
上記の道具の大半を我が夫に買い与えてやったのだ。
仕事の際に用いる鉄砲や弓は中古品ではあるが、別にいくさに使用するわけで無し、
狩猟程度なら何ら問題は無く機能した。

力丸はこれらの道具を自在に使いこなし、獲物を正確に仕留める事が出来た。
流石は元乱破者である。
暫く乱破家業から離れていたとは言え、一度得物を手にすると、
かつての本能が甦り、凄腕の「狩人」として部類の働きを見せた。

ただ「狩人」とは言ったものの、
彼の狩る獲物は鹿や猪の類では無い。山鳩や雉でも無い。
彼の狩猟の対象は「人間」であった。
いや、正確に言えば、人間の所持している懐の物、
と言い換えた方が良いかもしれない。

「心を入れ替え、まっとうな人間になる。」と言う力丸の言葉は嘘であった。
彼は最も安易で、そして危険な道へと足を踏み入れてしまったのである。

     
879ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:13:04 ID:X7NMK73b
妻に腕を取られながら土間に入った力丸は、
「まず、水を一杯くれ。」
彩女は彼の所望通り水瓶から柄杓で水を掬い、飲ませてやった。

「美味い。」一息付いた力丸は、土間縁に腰を下ろした。
その足元では、土間に膝を付いた彩女が、夫の脚拵えの脱着に取り掛かっている。
猟師の脚拵えは百姓のそれよりも厳重に装着されている為、脱着には少々手間が掛かる。
力丸が手を貸そうとすると、
「いいや、あたいがやるよ。」
彩女は頭を振りながら、柔らかく微笑んだ。

やがて両脚がすっかり解放されると、力丸はそのまま居間に上がった。
彩女は休む事無く、今度は夫の脱衣を手伝ってやる。
既に彼の足元には着替えの小袖が用意されていた。
熊革の羽織を取り、袴、小袖の順に脱がせていくと、
忽ち力丸は褌一つの赤裸となった。
彩女は濡れた手拭を用い、甲斐甲斐しくその体の隅々までを拭ってやる事で
妻の役目の一端を果たしていたが、やがて想いが募ったのだろう。

「あんた…。良く帰ってきてくれた…。」
手拭をその場に捨て、彩女が再び力丸に抱擁した。
夫の胸に頬を寄せ、その鼻で彼の体臭を嗅ぎ取り、その舌で肌味を味わった。
更に時折、褌の上から夫の中心部分に触れ、そこでも彼の息災を存分に堪能する。
彼女は夫が帰還するとこのようにして、その無事を確認する事を常としていた。

「お仕事大変だったろ?」
「…いや、そうでもない。」
彩女は我が夫の本性を知らない。
純粋に、鳥獣相手の猟師であると信じている。
この仕事を始めた頃、彼女は
「山で獲れた獲物をどのような経路で、何処に卸しているのか。」
と言ったような事を、二、三力丸に尋ねた事があった。
その時力丸は、
「色々だ。別に何処という所は無い。行き擦りの商人にも売る事がある。」
顔色一つ変えずに、嘯いて見せた。
この辺りは元乱破者であり、その言い様に澱みも無ければ動揺も面に出る事は無い。
彩女の方も彼の話を信用したのか、それきり追求してこなくなった。
   
880ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:13:46 ID:X7NMK73b
「本当に、寂しかったよ…。」
彩女はこの五日間、独り寝の寂しさに耐え切れず、
夫の姿を夢想しては何度も自慰に耽り、孤独を紛らわせて来た。
力丸が「今日の稼ぎだ。」と銭を渡しても、そのような事は二の次である。
彼女の頭の中には、今夜、褥での夫との一時以外思う所は無い。

「…今晩はあたいをたっぷり可愛がっておくれ…。」
「…ああ、五日分、たっぷり可愛がってやる…。」
「…ふふ、嬉しい…。じゃああたいもあんたの事、たっぷり可愛がってやるからね…。」
「…ああ、たっぷり可愛がってくれ。…」

暫く睦言を囁きあいながら抱擁を交わしていた二人であったが、
やがて力丸が「腹が減った。」と空腹を訴え始めた。
聞くと、彼は昨日から何も食べていないらしい。
勿論、食事の支度は出来ていた。

「ああ、そうだね。じゃあ、お飯(まんま)にしようか。」
「…ああ。そうしてくれ。」

名残惜しそうに抱擁を解いた彩女は、床の男小袖を手に取り、
慣れた手つきで力丸の裸身に着せ付けてやった。

上座に着座した力丸の前に、膳が運ばれてきた。
二菜一汁に雑穀飯が付いた質素なものであるが、
今日は特別に一献まで付いている。
妻の酌を受けながらのささやかな酒宴が、力丸の愉しみであった。

一方、彩女の膳は無い。
どうやら彼女は自身の事よりもまず、
力丸の食事の世話を優先させようという腹積もりのようだ。
881ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:14:24 ID:X7NMK73b
「ささ、力さん、たんとお上がり。」
力丸の隣に侍った彩女は、わざわざ小袖の帯を軽く解き、
胸元の合わせを緩め、裾から太腿を露見させた格好で、
彼の給仕や酌の相手を甲斐甲斐しくこなし始めた。
そうしながらも、たまにその手を夫の胸元から差し入れてみたり、
裾から入って太腿を撫で回してみたりと、彼を悦ばせようと工夫を凝らしている。
また力丸の方も時々箸を置いては、彩女の緩んだ合わせの中にそっと手を差し入れて
柔らかな感触を愉しんでみたり、或いはその手を今度は太腿や尻に這わせてみたりで、
なかなか食事が進まない。

この睦み合いに、より積極的であったのは、彩女のほうであった。
彼女の愛撫の手は夫の太腿を通り過ぎ、褌の横からその内部に進入し始めた。
目当てのものを探り出した彼女は、あくまでも力丸の食事の邪魔にならない程度の
手練手管を持ってこれを弄び、二、三男が悦びそうな睦言を彼の耳元で囁いて見せた。

その内、悪戯程度では気が済まなくなって来たのであろう。
彩女が褌の前袋を少し脇に逸らしてやると、その中身がひょこりと顔を覗かせた。
既に十分屹立しているものの、先端の中ほどまでは今だ包皮に覆われている。

―これが欲しかったのだ。

彩女の喉がぐびりと鳴った。
五日間、これを待ち望んでいたのである。

―ああ…可愛い。これだ。この可愛いのが、あたいの欲しかったものなんだ。

少年を残したままの力丸の中心部分。
彩女が欲して止まない、彼の肉体の内で最も愛しい箇所である。

―ああ、可愛い。ああ、可愛い。

暫くは指先を巧みに駆使しながら弄んでいた彼女であったが、
やがてそれだけでは満足出来なくなった。
気が付くと、無意識の内に我が口腔内に夫の屹立を含んでいた。
直後、自身の後頭部で力丸の吐息を聞いた。  
882ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:16:20 ID:X7NMK73b
その力丸も興が乗ってきたようだ。
椀の上に箸を乗せた彼は、空いた右手で妻の背中を扇情的に撫で回し始めた。
下腹部に顔を埋めている彩女にも、一層の熱が籠る。

―我が妻は、何と愛しいのだ。

頃合を見計らって、彼女の小袖の腰帯をするりと解いた。
彩女がわざわざ腰帯を緩めておいたのは、この為である。

さらに行きがけの駄賃とばかり小袖の裾を捲り上げてやると、
彼女の太腿から臀部までが夕刻の冷気に晒された。
力丸の手は、そのまま吸い込まれるように彼女の中心へと滑り込んでいく。
妻の中心部は既に露に濡れていた。

溜まらず口腔から屹立を解放した彩女が、濡れた瞳で情けを乞うた。
赦されると、最早着衣など邪魔だとばかりに即座に脱ぎ捨て、
そのまま自身の唾液で濡れた夫の屹立に手を添えながら、
彼と対面する格好で、ついに自らの胎内に屹立を迎え入れた。

―ああ、これだ…!これが欲しかったのだ…!

途端に彩女が蕩けた。
自らの体重の助けを借りている為、より深い位置での交合が実現している。
この体勢を、彼女は最も好んだ。

―この時を待っていた…!ああ…この時の為に、生きているのだ…!

胎内の奥深くに、力丸を感じる。
熱い。
熱に浮かされたかのように、彩女は盛んに夫の口を吸い唾液を交換し合った。
883ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:16:58 ID:X7NMK73b
力丸の唾液は汁物の味がした。
そう言えば、夫はまだ食事の最中であったのだ。
名残惜しそうに口を離した彩女は、
「…御免よ。お飯の邪魔をして…。つい我慢出来なくなっちまってねぇ…。
 お詫びにあたいが食べさせてやるから、堪忍しておくれ。」
力丸の耳元で艶めいた言葉を囁いたかと思うと、
詫びの印、とばかりに夫の両の掌取って自身の両乳房に触れさせ、
「…あんたはこれで遊んでいておくれ。ね、好きだろ?これ。」
「…ああ…俺は彩のこれが大好きだ…。」
力丸の方も何とも熱っぽく囁き返して来る。
既に彼は目の前で揺れる柔肉を弄ぶ事に夢中になっていた。
「ふふ、可愛い人…。」
彩女が目を細めた。

この力丸は、我が妻以外の女を知らない。
それ以外の女とは交合に及んだ事は勿論、
手を触れた事すら殆ど皆無と言って差し支えなかった。
この夫の純情が彩女にとってどれ程の愉悦であるか、口舌に尽くし難いものがある。

何しろ「あたい以上に慶(い)い仲の女が出来たらどうする?」と聞いて見ても、
「お前以上の女は居ない。お前以外は女ではない。」と返答が帰って来るのだ。
この世に、これほど愛しい存在など他にある筈が無いではないか。

彩女は我が夫を悦ばせる為なら、どのような事でもした。
彼の下知に忠実に従い、あらゆる要求に答え、またその所望を語らせずに見抜き、
ありとあらゆる技巧と工夫を凝らし、そして情熱と情愛を持って夫の忠誠に報いようとした。
884ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:17:44 ID:X7NMK73b
「…ほら、じゃあ食べさせてやる。」
二つの肉の玩具で我が夫を遊ばせつつ、
繋がったままの体勢から器用に半身を捻った彼女は、
椀の上に放置されていた力丸の箸を取った。
「…何が良いんだい?」
力丸の所望を一々聞き出しては箸で摘み、その口許に運んでやる。
「…美味しいかい?」
「…ああ、最高だ。」
夫が咀嚼を始めると、彩女もその動きに合わせて腰を振り、
飲み込むと、再び半身を捻って所望のものを与えてやった。

力丸は何もしなくて良かった。
彼はただ妻の乳房や臀部の感触をその手で味わっていれば良く、
後は全て彼女が万事上手くやってくれた。

「…彩、今度は酒が飲みたい。」
力丸が酒を所望すると、彼女はまず自らの口腔一杯に酒を含み、
口移しで夫に与えてやった。
飲み干しきれず、胸元に零れ落ちた酒を拭う手拭など、必要としない。
彼の妻が責任を持って舌で拭い取ってくれた。
 
885ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:18:20 ID:X7NMK73b
やがて膳の上の物は、綺麗さっぱりと力丸の胃袋の中へと納まった。
それでも二人は、今だ繋がったままでいる。
彩女が夫を咥え込んだきり、離そうとしないのだ。

その彼女が蟲惑的に囁いた。
「…お口直しにあたいの点珍(菓子)をお上がり。」
彼女の言う点珍とは、夫の掌の下で柔らかく潰れている二つの肉の事である。
これは、力丸の大好物であった。
妻に促されるまま、彼はその先端の突起を口に含んだ。

―ああ、可愛い。この人はあたいのやや子だ。
 可愛い可愛いあたいだけのやや子だ。

彩女の表情は蕩け切っている。
「…あたいの点珍は美味しいかい?」
「…ああ、う、美味い。」
「…あたいの作ったお飯と、どっちが美味しいんだい?」
「…こっち、こっちだ…。
 俺は今までこんな美味い物を食った事が無い…。」
彼はその後も、
「これ以上美味いものは、この世に存在しない。」
「天下一の点珍だ。」等など、実(げ)にも悩ましげな言葉を述べ、
妻を大いに悦ばせた。

「…あたい、もうずっとこうしてあんたと繋がっていたい。」
「…あ、ああ、俺もだ。俺もお前と繋がっていたい…。」
力丸は今だ妻の点珍から口を離そうとしない。
それ所か、ますます強く吸い付いてくる。
普段は無粋者を気取っている力丸も、
事、妻と二人きりになると、途端に幼児還りする所があった。
886ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:19:00 ID:X7NMK73b
「彩…彩…。」
幼児言葉で我が妻の名を呼びながら、盛んに乳房を貪るその姿は
とても一家の主のものとは思えない。しかし彩女にはそれが何とも心地良いのである。

―あたいのやや子だ。あたいのやや子だ。
 可愛い可愛いあたいのやや子だ。

彩女は、この大きいやや子が愛しくて堪らない。
愛しげに力丸の頭を撫でながら、彼女もまた乳飲み子を抱える母親同様の言葉で、
二、三睦言を我が夫に囁きかけた。

―もう一生涯、この人と二人繋がったまま、交合したまま暮らす事が出来たら…。

そう夢想した時には口に出していた。
「…ねえ、あんた、あたい、もうずっとこのままでいたいよ…。」
「…俺も…俺も…。」
力丸は今だ幼児のまま、乳房から離れようとしない。
「彩…俺も…彩…俺も…。彩…彩…俺もそうしていたい…。」
彼自身、我が中心部分を妻の胎内に納めたまま、
その乳房を糧として一生涯過ごしたいと夢想した事は、一度や二度では無かった。

しかし、それはあくまでも夢想に過ぎなかった。
これから数日の後には、再び「狩猟」に赴かなければならい。
だがその「狩猟」も何時まで継続する事が出来るであろうか。
最近では、身の危険も感じ始めている。
正体不明の野伏せりの襲撃が相次いだ為、
周辺の村落では若い衆が中心となって自警団を結成し、警戒に当り始めていた。
887ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:19:50 ID:X7NMK73b
「ねぇ…。」再び彩女が囁いた。
「…明日はお休みなんだろ?」
「…あ、ああ、休みだ。」
「…じゃあさ、明日一日、ずっとこのままで居ておくれ。
 あたい、あんたと離れたくないんだ。」

何と彼女は、明日一日交合の体勢のまま過ごして欲しいと言い出した。
しかし流石に途方も無い所望である。
力丸は思わず乳房から口を離し、
「あ、明日一日、このままでか…?」
「…ああ。このままさ…。ね…?いいだろ…?」
「いや…このままと言われても…。」
驚愕した事で、かえって興が冷めてしまった。
彼は幼児である事を一端休止し、極めて現実的な事柄について問い質し始めた。
「…しかし飯の支度はどうする…。あと洗濯や掃除は…。」
このままでは日常生活を送る事が困難になるのでは、
懸念した力丸がその事を尋ねてみても、
「そんなの平気さ…繋がったまますりゃあいい…。 
 繋がったまま、あんたがあたしを後ろから抱いていておくれ…。
 そうすりゃあ、お飯の支度も、洗濯も掃除も出来る。」
「全く問題無し。」とでも言うかのように、彩女は艶かしく鼻を鳴らしながら返事を返す。

「だ、だが、もし誰かが来たりしたら、どうする…?」
「…別に誰が来たって構いやしないよ…。
 寧ろ繋がっている所を見せてやりゃあ良いのさ…。」
「い、いや、しかし…。」
「…あたいねぇ。」
彩女は空いた乳房を夫の鼻面に押し付けるようにして、彼を抱き締めた。
「世間様にあたいとあんたが繋がっている所を見て貰いたいんだ…。
 世の中の人間皆に繋がっている所を見て貰いたいんだ…。」
すっかり夢心地と言った物言いである。
自身が一体何を口走っているのか、理解出来ているのだろうか。
   
888ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:20:50 ID:X7NMK73b
「ば、馬鹿、何を言っている…。そんな事…。」
「…あたいは本気だよ。あたい達が繋がっている所を、皆に見て貰いたい…。
 そうだ、明日誰かに見て貰おう、ね、いいだろ…?見て貰っても…。
 そうすりゃあ、あたい達がどれだけ仲睦まじい夫婦であるか、皆にわかって貰える…。」
これは、彩女の密やかな願望であった。

―.一度で良い。衆人環視の元、愛する夫と交合に及ぶ事が出来れば…。

これ以上の幸福はこの世に存在しないであろう。
そしてその時初めて、二人の結び付きはより高次のもの、更に完全なものとなる筈である。
彩女はそう信じて疑わない。

「…ね、いいだろ?一度で良いんだ…。ね、お願いだよ…。
 恥ずかしかったら、力さんは頭巾を被っていてもいいから…。」
うわ言の様に囁きかける彩女に対し、一方の夫は動揺を隠し切れない。
実の所、彼自身にも同様の願望が無いわけでは無かった。
いや、多分に存在していると言って良いかもしれない。
しかしそれ以上に力丸は臆病であり、実際に行動に移す所か
その願望を口に出す事すら躊躇われていた。

「ねぇ…駄目かい?駄目じゃないだろ…?ねぇ…ねぇ…力さん…。」
「だ、駄目に決まっているだろ…。
 俺は獲った獲物を村の連中に卸さなければならない…。」

―村の連中に顔向け出来なくなるから駄目だ。

力丸は咄嗟に嘯(うそぶ)いてこのやり取りをかわそうとした。

実は彼自身も、前々から我が妻の秘願に気が付いていた。
それでも「まさか、幾らなんでもそのような事は。」と内心本気にしてはいなかったが、
今の彩女の呆け具合を見るに付け、どうであろう。
彼女は本当に麓の村人を呼び寄せて、夫婦の交合の様を見せ付けかねない様相を呈しているではないか。
或いは二人して村まで出かけ、広場の中心で交合に及びかねなかった。
   
889ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:21:38 ID:X7NMK73b
慌てた彼は、話題を変えることした。
「…そ、それよりもこのままでは、
 しょ、小便や糞はどうするのだ…こっちの方が重要だろう…。」
彩女の答えは単純明快であった。
「…それも繋がったまますりゃあいい…。し終わったら水でも掛けておきゃあ心配ないよ…。」
「…いや、しかし…、」力丸は困惑した。「お前はともかく、俺は…。」
確かに、彼の屹立は妻の胎内に納まったままだ。これでは大便はともかく、小便が出来ない。
しかしそれに対しても彩女は、
「…そんなのあたいの胎(なか)でおし…。あたいは構いやしないんだから…。」
何と小便も我が胎(はら)の中でせよ、と言い始める始末である。

「あ、彩女…流石にそれは…。」
「いいから。」
突如、強い口調と供に力丸は後方に押し倒された。
直後彼の身体の上に、繋がったままの妻の肉体が覆い被さって来た。
「あたい…あんたに危ない事をさせたくない…。
 ずっとこのままで居て欲しい…。 ずっと繋がったままで暮らしたい…。」

―何…!?

力丸は絶句した。
我が妻には、全て露見していたのである。乱破者は自身だけではなかった。
現在ではその片鱗さえ伺う事が出来ないものの、彼女もまた、確かに乱破者の端くれであった。

「ねえ…力さん…危ない事はもう止めて遅れ…。お願いだよ…。」
懇願しながらも、彩女は腰を使い始める。
「ね、ね、お願いだから。…あたい、力さんにもしもの事があったら…。」
「い、いや、俺は…。」

―そんな事はしてはおらぬ。

嘯こうとした力丸の口を、彩女が我が唇で塞いだ。
   
890ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:22:22 ID:X7NMK73b
「ね、止めるって言っておくれ…。ねぇ、言っておくれ…。
 危ない事はしないって、言っておくれ…。」
「あ、彩…お、俺は…。」

―本当に、俺は危ない事などしておらぬ。

力丸は再度嘯こうとした。
しかし今更何を言っても無駄であろう。
真実無き言葉が説得力を持った験しなど、古今一度たりとも無い。
しかも相手は明敏な彩女である。
如何な嘯きであっても、たちどころに見破してしまうに決まっていた。
それに、既に我が身も快楽の渦に飲み込まれ始めている。
これには力丸も抗い切る事が出来ず、ただ妻の動きに身を任せるしかなかった。


   
891ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:23:05 ID:X7NMK73b
「あたい、貧乏でも良い…。お飯なんて、二、三日食べなくっても良い…。
 もしそれで暮らしていけないんだったら、
 あたいがまた女郎でも何でもして、銭を稼ぐから…。
 だからもう止めるって言っておくれ…。ねえ、あんた…力さん…お願いだよ…。」

彩女には夫の背信と虚偽を咎める気など、毛頭無かった。
彼の身の上の懸念だけが、その心中に在るばかりである。

「ねえ、あんた…ねえ、力さん…お願いだから、
 もう危ない事はしないって約束しておくれ…。
 あたい、あんたの事が心配なんだ…。ねぇ…何とか言っておくれよ…。」
力丸は無言のまま返事をしない。 
苛立った彩女の声が一段上がった。
「ねぇ…!何とか言っておくれ…!ねぇったら…!
 もしもの事があったら、どうするのさ…!あたいを独りにしないでおくれ…!」

彩女の動きが一層激しくなる。
彼女は我が胎内で夫の屹立が融解し、そのまま自身と融合する事を望んだ。
それこそが力丸の身の安全を保障し、同時に我が孤独を永遠に消却する事の出来る
唯一の手段であると、彼女は半ば本気で信じていた。

「離れたくない…!離れたくない…!ずっとこのままでいたい…!
 ずっと力さんと繋がったままで暮らしたい…!」
何時の間にか、彼女の発する言葉は絶叫に変わっている。
その動きも、まるで狐にでも憑かれたかのように一段と激しさを増した。

「だから危ない事は止めておくれ…!止めておくれ…!
 力さんにもしもの事があったら、あたい、生きていけない…!」

―さあ、屹立よ融けよ…!我が胎の中で融けよ…!
 融けて融けて…そして我が身と一つに…!

耐え切れなくなった力丸が爆ぜても、彼女の動きは止まらなかった。
     
892ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:23:55 ID:X7NMK73b
―まだ、まだだ…!この人を融かして一つになるにはまだ足りない…!
 まだ、まだ…明日一日かかっても、まだ足りない…!
 
「見て貰おう…!世間様にあたい達が繋がっている所を見て貰おう…!
 ね、明日見て貰おう…!明日二人で村に出かけて、皆に見て貰おう…!
 村の広場の真ん中で、繋がっている所を朝から晩まで見て貰おう…! 
 そうすりゃあ、力さんも危ない事をしなくなる…!
 きっとそうだ…!そうに違いないんだ…!」

夫の屹立が融解するまで、
後どれくらい繋がり続けていれば良いのであろうか。
容赦を乞う力丸の声も、最早彩女の耳には届かなかった。

「さあ、見ておくれ!」
彩女は存在しない筈の衆人に向って叫びかけた。
世界中の人間が環視するその中心で、何ら恥らう事無く交合に耽る二人の姿が、
彼女の脳裏に何度も浮かんでは消えた。
ある者は「これは新手の見世物か?」そう言って幾ばくかの銭を投げた。
又ある者は「それとも色狂いの男女か。」露骨に嫌悪の表情を作り、侮蔑の言葉を投げ付けた。
或いは「いやはや、これは何と言う行幸。」好色の眼差しで二人を見つめ、自慰に耽る者もいた。

しかしそうすればそうする程、彩女の興奮は昂ぶるばかりである。

「ほら、見ておくれ…!さあ、見て行っておくれ…!遠慮なんて要らないからさ…!
 これは見世物じゃないよ…!だから銭なんて取らないよ…!銭なんて要らないよ…!
 これは祝言なんだ…!あたい達の祝言なんだ…!」

そう、これは祝言であった。
彩女には、今尚祝言に対する残心が色濃く存在していたのだ。

―あたいも、力さんとの祝言を皆に見て貰いたかった。
 あたい達が夫婦になる所を、皆に見て貰いたかった。

彩女の肉体が歓喜に戦慄いた。彼女は既に我が幻想の住人と化している。

893ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:24:49 ID:X7NMK73b
―意味不明な祝詞を挙げられるより、契りの杯を交わすより、
 夫婦が繋がっている様を見て貰った方が、どれほど良いか。
 そっちの方が、夫婦の結び付きの場にはよっぽど相応しい。

これが彩女の夢想する祝言の在るべき姿であった。
この晴れの日、交合の様を白日の下に晒す事で、
初めて男女は完全な夫婦となる事が出来るのである。

「皆見ておくれ…!さあ、ほら、皆見ていておくれ…!
 あたいとこの人が繋がっている所を、よぉく見ていておくれ…!
 ほら、ほら、繋がっている…!繋がっている…!
 わかるだろ…!?あたい達は繋がっているんだ…!」

そしてその日を境に、力丸もきっと真人間へと変じてくれる筈なのだ。
暗鬱の世界から日の当る場所へと出頭する事で、
漸く世間様に顔向け出来る人間へと、生まれ変ってくれる筈なのだ。

「あたいと繋がっていれば、この人はもう危ない事なんてしない…!
 あたいと一つになれば、もう悪い事なんてしない…!
 あたい達には包み隠す事なんて何も無いんだ…!
 こうやって繋がってさえいれば、お天道様の元にだって出られるんだ…!」

彩女の胎内で、力丸が融解し始めた。
始めに中心部分が融け、続いて腹が融け大腿が融け、やがて融解部分は胸部から脛へと拡がった。
灼熱に融解した力丸はそのまま妻の胎内から取り込まれ、彼女と一つになるべく融合を開始した。

彩女が絶叫する。

「そうさ…!もうじきこの人とあたいは一つになる…!
 一つになれば、この人は全部あたいのものになる…!
 あたいを置いて何処かに逝かなくなる…!あたいは独りにならなくて済む…!
 そうだ…!あたい達は一つになる…!一つになるんだ…!
 だからお願いだよ…!あたい達が一つになるまで見ていておくれ…!
 あたい達が一つになるまで…!あたい達が一つになるその時まで…!」

                                 〜終わり〜
894ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/24(土) 21:29:34 ID:X7NMK73b
容量の関係上、これが最後の投稿ですかね。
雑な文章の上、訳のわからない
ストーリーで申し訳在りません。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  もう少し推敲すべきだったよな、兄者。
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i  
    /   \     | |   
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

…と言うわけで皆さんご機嫌よう。
このスレももうじき腐海に沈みます。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  次スレは…立つのかな? 
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i  
    /   \     | |   
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  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃

895ウコン:2005/09/25(日) 01:02:31 ID:LAeNnQ8v
ぽぽ者さん、GJ!
久し振りのぽぽ者さんのエロにハァハァしますた。
力さんが可愛らしいのが良かった(´∀`)

次スレ、立つんですかね?
俺は是非立てて貰いたいのですが、果たしてどうなるのやら。

PS2で新作出たらまた立つと信じるしか無いですね…
あーでもその頃はPS3か…orz
896874:2005/09/25(日) 14:03:57 ID:enu8q5w1
雨のような感謝と賛辞を。
しかし正直、ぽぽ兄様レベル高っ。いったい何者ですか。

彩女たんがとても可愛くて、健気で。嫁に欲しいです。
897ぽぽ者 ◆kPQnSLIzzk :2005/09/25(日) 21:06:11 ID:EvDQXoSN
>>895 ウコン様お久しぶりです。
お褒めのお言葉有難う御座います〜。
次スレは…どうなるのでしょうか…。
ぽぽ者が立てても良いのですが、
何やら即死しそうな雰囲気なので
今しばらく様子を見る事にします。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  )  兄者のネタも尽きたことだしな。
     (* ´_ゝ`) /   ⌒i  
    /   \     | |   
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃


>>896
>いったい何者ですか。

  ぽぽ者です。
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_` ;) OK。確かにそうだな。  
     (*´,_ゝ`) /   ⌒i  
    /   \     | |   
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃



898名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 23:59:00 ID:EOzQdxI3
GJ!つかエロ杉ハァハァ
そして次スレキボソヌ
899ウコン
>897
即死回避できなさそうな希ガス…orz
と、とにかく960辺りまではマターリとしましょう(´∀`;)