【妖怪】人間以外の女の子とのお話7【幽霊】

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1名無しさん@ピンキー
幽霊妖怪天使に悪魔、ロボットだってエイリアンだって何でもOK!
オカルト・SF・ファンタジー、あらゆる世界の人間以外の女の子にハァハァなお話のスレです。
これまではオリジナルが多いですが、二次創作物も大歓迎!

<前スレ>
【妖怪】人間以外の女の子とのお話6【幽霊】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1084053620/
<過去スレ>
【妖怪】人間以外の女の子とのお話5【幽霊】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077123189/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話4【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1072/10720/1072019032.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話3【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10657/1065717338.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話U【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1047/10479/1047959652.html
人間じゃない娘のでてくる小説希望(即死)
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1046/10469/1046994321.html

<保管庫>
2chエロパロ板SS保管庫 (サーバーが重くて繋がりにくいです)
http://adult.csx.jp/~database/index.html
 →「オリジナル・シチュエーションの部屋その3」へどうぞ。
2名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:29 ID:ePerzyCj
<関連スレ>
かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その9】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067243766/
【獣人】亜人の少年と亜人の少女の絡み【人外】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1061197075/
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1078822739/
触手・怪物に犯されるSS
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067867411/
猫耳少女と召使いの物語2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071622872/
33 ◆MABOUp7up. :04/06/24 04:29 ID:ePerzyCj
「ふ〜う…ただいま〜……」
ううむ……久々のバイトは堪えるねえ……などと考えながら、家に入る。……っと……。
「えいっ! くそっ! このっ!」
部屋の中では、コントローラーを振り回しながら、必死にゲームに興じる貴代子の姿があった。

実は彼女はいわゆる鬼らしいのだが、節分の時に俺の家に上がりこんで以来、
何が気に入ったのか、我が家に居座るようになってしまったのだ。
理由を聞いても曖昧に笑みを浮かべるだけというのがまた微妙だったりするし。
だが……こうやってゲームに熱中する姿を見ていると、ただ単に遊んでいたいからここにいる、
ってだけな気がしなくもない。まあ、炊事洗濯はしてくれるから、俺としても文句は無いんだけど。

っと……ゲームに熱中するあまり、帰って来た俺の気配にまったく気づいていない。
……ちょっくら、悪戯してみっかな……。そう思った俺は、こっそりと貴代子の背後に立った。
それでも貴代子はまったく気づいていない。………ふふふ。ここまで来たら、こっちのもんだ。
「ただいまっ」
「ひ、ひゃっ!?」
耳に息を吹きかけ、帰りの挨拶をしながら、トラ柄のタンクトップ越しに貴代子の胸を鷲掴みにした。
貴代子は悲鳴と共に、握り締めていたコントローラーを取り落としてしまった。……いい反応だねえ。
「ちょ…ちょっと、裕…二……あ、ああんっ…」
振り向きざまに、俺をたしなめようとする貴代子だが、早くも胸の刺激に耐えられなくなったようで、
甘えた声になってしまっている。ちくしょう、こっちも興奮してくるじゃねえか……。
「ゆ……裕二ってばあ…んっ……」
タンクトップをずらし、直接胸を撫で回してみる。正直言って、揉み心地がいいとは決していえないが、
感じ方は普通以上で、早くも胸の頂は硬くなっていた。
「くふ…ん……ゆ…ゆう…じい……」
胸の頂を突っついてみたり、指先でコロコロ撫で回しているだけで、
貴代子の口からは甘えた声が次々と漏れ出していく。………よっしゃ、今日は久々に……。
そんなことを考えながら、貴代子の短パンに手を伸ばしたそのとき――
43 ◆MABOUp7up. :04/06/24 04:30 ID:ePerzyCj
「あんっ…い…いや……手…手、止めないで………」
貴代子が俺の手をしっかりと握り締め、再び自らの胸へと誘導する。
おい、このままじゃ、こっちが生殺しだろうが。
「お…お願い……自分で…自分で脱ぐから、揉むの止めないで……あんっ」
俺の心を読んだのか、貴代子はこちらを振り返りながらつぶやく。
ううむ……こういう場合、こちらが脱がすのに醍醐味があるんだが……ま、これはこれでいいか。
「くは…あ……んっ…あは…あっ…」
あえぎ声を漏らしながら、貴代子はゆっくりと自分の短パンに手を掛けた。
ホックを外し、ファスナーに手を掛ける。ジーというファスナーを下ろす音が聞こえ、
思わず貴代子の肩口越しに、そちらのほうを覗いてしまう。黒のレース……っと。
「へえ…今日はまた、随分色っぽい下着を付けてるようで」
「ば…ばかっ……あ…ああんっ」
俺が下着を目にした感想を口にすると、貴代子は顔を真っ赤に染めながら手を止めてしまった。
ん? これは……俺も手を止めようか。
「いや……手…止めちゃ……いや…」
手を止めた途端、このリアクション。……う〜、可愛い。
「え? だって、いきなりバカなんて言われちゃあ、ねえ」
「ああっ……ご、ごめんなさい。ごめんなさい………あ、ああっ…」
こちらを向いて謝罪の言葉を口にしながらも、俺の手を握りしめ、
必死に自分の胸へと誘導しようとする貴代子。
でも、普段と違って力がこもってないから、容易にふりほどくことが出来るけど。
……ホントに可愛い。でも、こうされるといじめたくなっちゃう俺って、やっぱサドなのかね?
「なあ、貴代子が普段からよく言っているじゃない。人に何か頼むときはどうすればいいか、ってさ」
「……あ…ああ…お、お願いします……お願いしますう……」
じわじわと涙を浮かべ、こちらをじっと見返しながら懇願してくる貴代子。
………辛抱たまらんかも。だが、だがここで素直に『うん』と言ってしまっては、サドの風上にも置けない。
「んん〜? 何をかな〜?」
貴代子の耳に軽く歯を立て、息を吹きかけながら問いかけ………
「あの…手を止めないで……もっと…もっと胸…揉んでください………はああっ!」
53 ◆MABOUp7up. :04/06/24 04:31 ID:ePerzyCj
サド返上。もうダメだ、もう辛抱できん。俺は両手に力を込めて、貴代子の胸を揉み始めた。
「イイ…イイよ……裕二………」
「ああ……貴代子…貴代子……もう…もう俺……」
あられもない声で、あえぎ続ける貴代子の声に反応するように、夢中で貴代子の胸を揉み続けながら、
半ば無意識のうちに、貴代子の背中へ自分のモノを押しつけ始めていた。
「んあ…は……何か…何か当たってるよ……裕二……」
「く……うっ…貴代子……もう、我慢出来ないよ、俺……」
俺のズボンの膨らみに腰をくねらせ、そのまま押しつけてくる貴代子。……くううっ、すげえ気持ちイイ。
「ま…待って……今…今、脱がしてあげる……だから…だから胸…揉むの止めないで……あんっ…」
貴代子は目を潤ませたまま、手を後ろに回して俺のズボンのベルトに手を掛けた。
「ん…しょっと……は、ああんっ……」
甘い吐息をこぼしながらも、貴代子はバックルをカチャカチャ鳴らしながら、ベルトを器用にほどく。
……結構こういうの、慣れてるんじゃないだろな?
「…っと……あ、あれ? ジッパー……が? ……っ」
さらにファスナーを下ろそうとするが、上手くいかなくて貴代子が戸惑い気味な声をあげる。
………そりゃあ、膨らんでたらスムーズには、下りていかないだろうな……。
「あの…さ……もう膨らんじゃってるんだけど……くあ…あっ!」
「え? えっと……あ、本当……あ、ああんっ! あああっ!」
俺が耳元でささやくと、貴代子は両手で膨らみ部分を優しく撫で回してきた。
下腹部から伝わる刺激を誤魔化すように、必死に貴代子の胸を揉みしだくと、
貴代子はたちまち嬌声をあげながら悶え始めた。
「き、貴代子……あのさ…もう俺……我慢できないって………」
「あは……あっ…ゴ…ゴメンなさい………」
腰をよじらせながら貴代子の耳元でささやくと、貴代子は俺に向かって詫びの言葉を述べながら、
どうにかズボンのファスナーを下ろす。ようやく姿を現したトランクスは、すでにパンパンに張り詰め、
モノから溢れ出した先走り液で、張り出した先端部分は湿っていた。……くう…もう、限界かも……。
63 ◆MABOUp7up. :04/06/24 04:31 ID:ePerzyCj
「ん…あ……ああっ…裕二……イイようっ……」
恍惚とした表情で、ゆっくりと黒レースのショーツを短パンと一緒に下ろしていく貴代子。
早く…早くしてくれえ……。
「裕二……い…いくよ……?」
「う、うん…早く、早くして……あ、ああっ!」
下半身は何も身につけてない状態で、中腰になりながら、貴代子はこちらを振り返って言う。
俺が頼み込むように返事をすると、貴代子はトランクスの隙間からモノをそっと取り出した。
貴代子の手によってもたらされる、優しい刺激に思わず悲鳴が漏れ出してしまう。
「凄い…準備万端だよ……裕二……ん…んんっ…」
「あ、ああ……あっ! ああっ!」
軽くモノに指をつつっと這わせたかと思うと、貴代子はモノ目掛けて一息に腰を落とした。
あまりの刺激に一瞬、息が止まりそうになりながら、俺はあえぎ声を漏らしながら、
それでも一心不乱に貴代子の胸を揉み続けていた。

「あは……あっ…。裕二……もっと…もっと胸……揉んで……」
「くっ……き…貴代子………いい…いいよ…貴代子……」
貴代子は上半身を上下させながら俺の手を握り締め、自らの胸を揉みしだくように懇願してくる。
俺はまるで、操られるかのように貴代子の胸を揉む手に力を込めた。
「あっ! ああんっ! イイ! イイようっ!! もっと…もっと…もっとおっ!!」
「き…貴代子……貴代子おっ!!」
胸を揉む手に力を込めた途端、それに合わせるかのように、貴代子は体の動きを激しくさせる。
俺もまた、下腹部から伝わる快感を貪欲に味わいたくて、突き上げるように腰を動かし始めた。

「はあ! あ! ああっ!! もう…イッちゃうっ! イッちゃううっっ!!」
「貴代子……お、俺も、俺もイッちゃいそうだっ………!」
しばしの間、まるでお互い打ちつけ合うように、腰を激しく動かし続けていたが、
貴代子が甲高い声をあげながら、上半身を俺にもたれかかせてきた。も……ダメ…だ…。
「くあ…あ……ああっ!!」
「あんっ! あ、ああああっっ!!」
俺が全身を震わせながら、貴代子の中で果てたと同時に、ずっと揉み続けてた両胸の乳首を
思い切り摘まみ上げた途端、貴代子は絶叫とともに体を痙攣させていた。
73 ◆MABOUp7up. :04/06/24 04:33 ID:ePerzyCj
「あ………せっかく、あとちょっとでお姫様助けられたのに……ん…んんっ……」
快感の余韻が覚めやらぬ中、ちらりとテレビ画面を見た貴代子は、
振り向きざまに俺に向かって恨めしげにつぶやいた。そんな貴代子の、
ちょっと拗ねた表情に魅かれた俺は、そのままくちびるを奪っていた。
画面は既にゲームオーバーになり、デモ画面になっている。
「ははっ……でもね、アレを倒してたとしても、助けられたのは姫様じゃなくて、姫の召使いだよ」
「えっ!? そ、そうな…の……? ……あんっ」
くちびるを離した俺は、貴代子の胸を優しく撫でまわしながら、ささやいた。
俺の言葉に、貴代子は心底驚いた顔で問い返してきた。
……胸揉んでいるから、時々悩ましげに顔を歪めるのがまたなんとも……
で、この顔に魅かれてずっと貴代子の胸を揉み続ける俺がいる……と。
「ああ、貴代子がいたステージは1面のエリア4。それが全部で8つ、あるんだよ」
「そ…そんな……んっ……それじゃ、いつになったらクリア出来ることか……ああんっ!」
呆然とした顔で、天井を見上げる貴代子。ううむ…そこまで思いつめなくても……。
「ま、結局は慣れの問題だよ。それに、出来なくても誰も困るわけでもないし」
「でもさ……あっ……な、慣れたとしても、凄い時間掛からない? 全部で8面って……んんっ…」
「ああ、実はこのゲーム、ワープがあってさ。それ使えば15分もあればクリア出来るよ」
「な……じゅ…15分でって……あ…はあ……あっ……」
あっさり答えた俺を見て、目を丸くさせる貴代子だったが、乳首を軽く摘まみあげると、
すぐに悩ましげな表情に戻って吐息を漏らす。……いかん、俺も興奮してきたかも……。
83 ◆MABOUp7up. :04/06/24 04:35 ID:ePerzyCj
「うん。もっとも、後から出た2は……さすがに、もっと難しいけれどね……ちょ、ちょっと!?」
段々言葉よりも、あえぎ声のほうが多くなってきたな。ホント、感じやすい胸だなあ……。
などと思った途端、貴代子はいきなり俺の腕を振り解いたかと思うと、そのまま俺を押し倒した。
「も…ダメ……我慢出来ない………もう一度…もう一度……いいでしょ?」
「うあ……あ、ああ……ん……んんっ……」
俺の上に跨り、下腹部をモノに擦りつけながら涙目で訴える貴代子。
あう……そんな風にされると………。
下腹部から伝わる刺激に、一瞬腰がピクンと動き、思わずあえぎ声が漏れ出す。
貴代子は、そんな俺の動きを肯定の合図と受け取ったのか、
しっかりと抱きつき、無言でくちびるを奪ってきた。ピッタリと体を密着させ、俺は思った。
……しかし、やっぱり胸小さいねえ……。


>3-8で続きますです〜。
9名無しさん@ピンキー:04/06/24 06:12 ID:r64JGpez
10名無しさん@ピンキー:04/06/24 07:17 ID:oMawAmKq
即死回避
11名無しさん@ピンキー:04/06/24 07:28 ID:tkiH5/pG
イイネイイネ〜
12前スレ511:04/06/24 10:00 ID:8hNmwtmn
>>ひでぼんの書作者代理様
>>SS保管人様
乙です。
なんだか弾幕洗濯機のようなモノ貼っときますね。
ttp://vladimir.ddo.jp:8888/cgi-bin/futaba/src/1087999114092.jpg

>>イゴーロナク様
お気遣い感謝します。修正、お手数おかけしました。

>「邪神を胸で判断するのは」で
(・∀・)イイ!! ぜひこれでお願いしたいと思います。
ここ代替符に悩んだ所なんですが、他人から見るとあっさり見つかってしまうモノなんですね。

>Bにランクアップ
こちらはだいぶ語呂が強いので、そのままが自然かと…
 いっそ
そのままひでぼんがてぃん君の♀を弄りつづけて、
そのうち女性ホルモンの分泌でそっち方向に大きくn

 ぅわ部屋のカドから犬が?!いたいなnwすrかむのやめt
13名無しさん@ピンキー:04/06/24 12:15 ID:GDwesxym
即死はさせない
14名無しさん@ピンキー:04/06/24 17:19 ID:CQ+EdRhC
>>12
恋の迷路かYO!
思わず笑ってしまった
15名無しさん@ピンキー:04/06/24 19:25 ID:w763PF2t
期待に鼻の穴を膨らませつつ回避
16前スレ520:04/06/24 21:33 ID:MjqbO5pF
上書きして一部ロスト。
なので書き直し。微妙に展開に変化…。
17「ぼくの人魚姫」(6):04/06/24 21:34 ID:MjqbO5pF
前スレ>519
「りょーた」
 女の子に近付こうとしたぼくを、キョウちゃんの手が止めた。
 ぼくはポケットに手を突っ込んで中にあったキャンディを取り出し、キョウちゃんを見る。それでキョ
ウちゃんもなんとなくわかってくれたのか、胸ポケットに入れていたM&Mチョコレートの袋を差し出し
てくれる。
「りょーた」
「大丈夫」
 どうしてなのかわからないけれど、ぼくには目の前の女の子が、さっきより恐くなくなっていた。
 女の子は、ぼくを見る時ものすごく嬉しそうに見るのだ。“ほにゃほにゃ”とした、なんだか脱力しそ
うなくらいやわらかい微笑みだった。
 だからなのかもしれない。
「りょーた!」
「大丈夫だってば」
 ぼくはすたすたと女の子に近付くと、M&Mチョコレートをざらっと右手に数個乗せて、ピンク色の包
み紙に包まれたキャンディと一緒に女の子に差し出した。ぼくが近付くと女の子の顔がとろけそうな笑顔
になる。
 女の子はその笑顔のまま、ぼくの手とぼくの顔を何度も何度も交互にみやって、今度は不思議そうに首
を傾げた。
「食べない?おいしいよ?」
 ぼくがそう言って微笑むと、女の子も微笑んだ。しばらくにこにこと、お互いに微笑みあう。
「…そうじゃなくて、これ、食べない?」
 言葉が通じないのかな?と思いながら、手を女の子の顔の近くまで上げる。
 すると女の子は犬や猫がそうするように、鼻を近づけて“くんくん”と匂いを嗅いでもう一度ぼくを上
目遣いに見上げた。
「食べたこと、ない?」
 ぼくは左手でM&Mを一つ摘み、口に放り込んでもごもごと食べてみせた。すると彼女は、また何度も
ぼくの手の平と口を交互に見て、ようやくそろそろと右手を伸ばして一つだけ摘み上げると、それまでの
慎重さがウソみたいにポイッと口に入れる。
 もごもごと、白いほっぺたが動く。
18「ぼくの人魚姫」(7):04/06/24 21:36 ID:MjqbO5pF
>17
 …と、
「あ」

 ――吐き出した。

 “ぷっ”と柵の向こうの黒い海に向かって、行儀悪くM&Mを吐き出した女の子は、“むうっ”と唇を
突き出してぼくを見上げる。
「おいしくなかった?」
 そう、ぼくは聞くけれど、女の子の目は違うところを見ている。
 視線を辿ると、放り出したままのクーラーボックスに注がれていた。中には、今日の収穫のハゼとボラ
とちっちゃいヒラメなどが入っている、ちょっと重い青色の箱だ。
「魚?」
 頷いた。
 ちゃんと言葉はわかるんだなぁ…と、ぼんやりと思う。これまでの女の子の行動があまりにも動物的だっ
たから、ひょっとして言葉は通じないんじゃないか?って思ってた。
 不意に女の子が警戒したように一歩飛び退いた。
「りょーた」
 いつの間にか後に、キョウちゃんが立ってる。
 女の子は、キョウちゃんが苦手みたいだ。そのキョウちゃんは、女の子の態度になんだか傷ついたみた
いな顔をしている。黙ってれば十分二枚目で通る顔だから女子には人気が高いキョウちゃんは、女の子に
こんな態度をとられた事が無いんだろうな。
 ぼくは倒れたクーラーボックスを立て直すと、しゃがみ込んだまま蓋を開けて、女の子を見た。
「魚が食べたいの?でもこれ、まだナマだから食べられ」

 あっという間だった。

 女の子の手が伸びて、今日一番の獲物の30センチはあるボラを掴み出し、まだビチビチと元気に暴れ
るそのボラの身体にかぶりついたのだ。
「あ」
「げ」
 思わずぼくとキョウちゃんが声を上げる。
19「ぼくの人魚姫」(8):04/06/24 21:37 ID:MjqbO5pF
>18
“みちみち”
“ごりごり”
“ぶちぶち”
 と、皮を裂き身を引きちぎり、ウロコもヒレも何もかも、女の子はボラをナマのまま食べてゆく。時々、
“ぷっ”と硬い部分や内臓などを吐き出して、頭と骨だけになったそれを放り投げると、今度はハゼを掴
んで頭から“ばりばり”と噛み裂き、飲み込んだ。
「うえっ……」
 思わず吐き気がこみ上げる。
 綺麗な子なのに、している事はまるで原始人か動物だった。
 ……火を使う分だけ、原始人の方が遥かに文明人かもしれない。
「おーい!」
 不意に、公園の入り口から声が聞こえた。懐中電灯の明かりが二つ、揺れながら近づいてくる。
「キョウちゃん」
「…警官…かな?」
「あっ!」
 ぼく達が、近づいてくる警官らしい人影を見た一瞬の隙に、女の子は立ち上がって走っていた。
 その人影の方へ…じゃない。

 海と陸を区切る、柵に向かって。

 次の瞬間、派手な水音が響いて、何か重たいものが落ちたのだとわかった。
「え?」
 呆けていたんだと、思う。
 「人が落ちたぞ!」という声にハッとして立ち上がり、ぼくはキョウちゃんに少し遅れて柵に飛びつく。
 おだやかにうねる海面には、波紋が立っていた。女の子は沈んだまま、浮かんでくる様子が無い。
「君達!何してるんだ!」
 振り返れば、やっぱり警官だった人影の一人が、顔を真っ赤にして駆け寄ってくるところだった。もう
一つの影は、慌てたように元来た道を走ってゆく。
「何もしてません。突然女の子が」
 警官に説明を始めたキョウちゃんを横目に、ぼくはもう一度海面を見る。
20「ぼくの人魚姫」(9):04/06/24 21:39 ID:MjqbO5pF
>19
 その時、雲が切れて一瞬だけ海面に月明かりが注いだ。

パシャ…

「ヒレ…?」
 でっかいヒレだった。
 たぶん、尾びれだ。
 それは、イルカとかシャチとか、そんな感じの尾びれに、よく似ていた。

■■【2】■■
 ぼくの父さんは、2ヶ月前にお母さんのところに逝ってしまった。

 薬品会社の研究員だった父さんは、お母さんが死んでからは、家にほとんど滅多に帰ってこない人で、
ぼくは毎月振り込まれてくる莫大なお金のため、特に生活に困る事も無く、たった一人で暮らしてきた。
 お母さんが交通事故でぼく達を置いて逝ってしまったのは、ぼくが小学校5年生の時だ。研究所へ行く
途中の崖から車ごと海へ転落して、発見された時には、綺麗だった顔も身体も魚に食い散らかされて、すっ
かりボロボロだったらしい。
 どんな形であれ、ぼくはお母さんをひと目見ておきたかったけれど、父さんが家に連れ帰ってきたのは
白い白磁のツボに入った一握りの骨だけで、そのせいか、お母さんの車が崖から落ちてから今までずっと、
ぼくの中ではいまだに「決着」がつけられずにいる。
 もう、4年にもなるのに。
 お母さんが死んでから、ぼくは隣の早川さんに面倒を見てもらっていた。
 幼馴染みの優華の両親はとてもいい人で、いっそのこと一緒に住むよう言ってくれたけれど、ぼくは父
さんとお母さんと一緒に住んでいた家を離れるつもりは無かった。

 警察に連れられて事情聴取を受けていたぼくとキョウちゃんは、一時間もしないうちに家に帰る事が出
来た。
 キョウちゃんはお母さんが迎えにきてくれて、ぼくは身元引受人の早川のおじさんと一緒に帰った。
 あの警官が、白い服を着た白髪(本当は銀色なんだけど)の少女が自分から海に飛び込むのを見ていた
し、ぼくもキョウちゃんもあの女の子の事なんて全く知らなかったから、何も答えようが無かったからだ。
 ただ、女の子の特徴だけは正直に言うべきだと思ったから、何も隠さず全部話した。
21「ぼくの人魚姫」(10):04/06/24 21:41 ID:MjqbO5pF
>20
 「ぼくより高くて、キョウちゃんより低い身長」
 「“なみなみ”で腰まである銀色の髪」
 「青とも緑とも違う、エメラルドグリーンみたいな色の目」
 「綺麗な顔」
 「でっかいおっぱい」
 「白くて薄くて半袖で裾は足首まである、でもすごく汚れていた服」
 「それから、魚をナマでバリバリ食べたこと」
 警察の人はぼくとキョウちゃんの話を「ナニを言ってるんだ?」というような顔で聞いていたけれど、
近くを通りかかった頭に白いものが混じり始めた年配の刑事さんが「ちいと、絵に描いてくれるか?」と
言ったのでキョウちゃんが描いてみせた。

 ――あんまり似てなかった。

         §         §         §

 早川のおじさんと別れて、ぼくはセキュリティーコードをパネルに打ち込み、自分の家のドアを開けて
玄関のスイッチを入れた。
 釣り竿を玄関脇に立てかけ、なんだかイロイロと疲れた身体を引き摺るようにしてのろのろと靴を脱ぐ。
 まだたくさんのハゼとかちっちゃいカレイとかが入ったクーラーボックスは、早川のおじさんに渡して
きたから、きっとたぶん明日の御飯はハゼのテンプラとか刺身かもしれない。ぼくが持って帰っても料理
なんて出来ないから、全部あげて正解だ。ナマイキな幼馴染みの優華は、ハゼのテンプラが大好きだから、
おじさんも喜んでくれたし。
 キッチンに行くと、週に2回来るハウスキーパーさんのメモがテーブルの上に置いてあった。コンロの
上にはビーフシチューの入った鍋があり、テーブルには食事の用意がしてある。冷蔵庫には明日の朝食用
のサラダが、冷凍庫には冷凍パックされたシチューとかボイル野菜とかが入っていた。
 火曜と金曜はハウスキーパーさんが、こうして家の事をしてくれる。それ以外は、早川のおばさんとか
優華が来てくれて、ぼくは簡単な掃除とか洗濯をするだけでいい。
22「ぼくの人魚姫」(11):04/06/24 21:44 ID:MjqbO5pF
>21
 釣りをしながらお菓子とかを結構食べたから、実を言えばまだあんまりお腹は空いていない。
 ぼくはとりあえず、海風に半日晒された身体をサッパリしたくて、バスルームに向かった。

 バスルームは、キッチンから出て1階の廊下の突き当たりにある。
 地元では一応「お金持ち」に入るかもしれないぼくの家は、それなりに広くてそれなりに立派だ。
 父さんとお母さんが死んでから、家の中のものは処分したり人にあげちゃったりしたから、金目の物な
んかほとんど無いけど、やっぱり子供が一人で住むには無用心だから…と、警備会社と契約してホームセ
キュリティーなんてものがオンラインセッティングされていたりする。
 でも、見た目は立派で「お金持ってるぞ!」と宣言しているような家だけど、実際には僕が20歳にな
るまで父さんの遺産は凍結されているから、使えるお金は学費と生活費を除けば微々たるものだし、銀行
には常時10万くらいしか入っていない。使えば使った分だけ補填されるけど、一月に下ろせるお金は2
0万までと決まってるし、ぼくも別に不自由はしていないから文句も無かった。
 それでも強盗とかに入られたらお金よりも何よりもたった一つの命が危ない…ということで、毎月ぼく
の生活費よりも高いお金を払ってホームセキュリティーが稼動していた。
 もっとも、ハウスキーパーの笹本さんにセキュリティーコードを教えている時点で、なんだかもうセキュ
リティとか関係無くなってる気がする。あの人を信用していないわけじゃないけれど、あの人はどうにも
どこか抜けてるから、どこでコードが漏れるかわからないのだ。
 長い廊下を歩きドアを開けると、脱衣所にも、その奥のバスルームにも電気が点いていた。
 キッチンの集中コントロールパネルで操作すれば、それだけで家中の電気が点くはずだ。だけど、各部
屋は個別のスイッチを入れる必要があり、そしてぼくはまだ、バスルームの電気は点けていないはずだっ
た。
23「ぼくの人魚姫」(12):04/06/24 21:46 ID:MjqbO5pF
>22
「…ま、いいか」
 またハウスキーパーさんが消し忘れたか何かだろう。そう思ってさっさと服を脱ぎ、バスルームへ続く
引き戸を開ける。

 ――そのまま、閉めた。

「……あれ?」
 閉めた引き戸の前で俯く。ちょっと小さいけど、標準的日本人中学2年生らしいちんちんが目に入った。
 もう一度、引き戸を開ける。

 閉める。

「ええと…」
 深呼吸して、もう一度、今度はゆっくりと引き戸を開けた。
「なんで……」
 それなりに立派でそれなりに広い家の、それなりに広いバスルームにある、それなりに大きなバスタブ
の中に、

 あの女の子がいた。

 しかも、すやすやと気持ち良さそうに寝ている。
 バスタブは西洋タイプで、底の浅いものだ。湯気が出ていないから、たぶんお湯ではなく水を張ったそ
のバスタブの縁に頭を載せて、女の子は仰向けのまま、ゆったりと全身を伸ばしている。銀色の髪が水藻
のように水の中で揺らめき、水面から出た肩や首の白い肌に絡みついて、すごくすごく綺麗だった。
 そして、水面から出ているのは、なにも肩から上ばかりじゃない。
 たっぷりと大きくてやわらかそうで、「これでもか」と言わんばかりに自己主張しているのは、女の子
のでっかいおっぱいだった。
 乳首は唇と同じ濃い赤で、それは身体に流れる血が赤いことを示している。
『あ…』
 ―――思った通りだ。
24「ぼくの人魚姫」(13):04/06/24 21:48 ID:MjqbO5pF
>23
 おっぱいはどんなグラビアアイドルよりすっごくでっかいのに、ウエストは“きゅ”と締まって細かっ
た。それに、流れるような流線型の下半身はどうだろう。尾びれだけが水面から出てバスタブの端に乗っ
かり、時々ふるふると揺れるのが可愛い。
「あれ?」

 ……尾びれ?

 ぼくは素裸のままバスタブに歩み寄ってしゃがみ込むと、まじまじと女の子の下半身を見た。
「………イルカ?」
 腰骨の辺りから色が青白く変わり、表面もつるつるとした感じに変わっているのは、まさしくイルカと
かの海生哺乳類の下半身だった。
 「夢ではないだろうか?」と思いながら、同時に、あの時見た尾びれは「夢ではなかったのだ」と思っ
ている自分がいる。
 女の子は、すやすやと実に気持ち良さそうに眠っていた。こんなに近くにぼくがいるのに、気付く様子
が全く無い。
『人の家のお風呂でリラックスしまくってるよ…この子…』
 あの、警官が近付いてきた時の素早い動き、そしてキョウちゃんに対する警戒心剥き出しの仕草を、今
のこの子に重ねるのは難しかった。
『あ…ヘソ、あるんだ…』
 こんな異常な事態だというのに、ぼくは妙に冷静だった。バスタブに横たわる女の子の身体を、失礼に
もじっくり見てしまうような余裕さえある。

 ―――女の子の身体?

『人間じゃないかもしれないのに…』
 けれど、なめらかなお腹も、水面から小島のように突き出した大きなおっぱいも、お人形さんみたいに
可愛くて綺麗な顔も、やっぱりどこからどう見ても“女の子の身体”だった。

 ……イルカの下半身を除いて。
25「ぼくの人魚姫」(14):04/06/24 21:49 ID:MjqbO5pF
>24
 なだらかなラインを描いてお腹から落ち窪むところは、人間で言えば股間に当たるのだろう。そこに陰
毛は無くツルリとしていて、ひどくあからさまに“穴”が穿たれていた。一見、大きなヘソのようにも見
える。おしっこの穴もうんちの穴も、それから“オンナノコの穴”も、全部ひとまとめになってるのだろ
うか?
『ムチャクチャだなぁ』
 こぽ…と、その穴から空気の泡が浮かび上がってくる。
『おなら?』
 う…と、ちょっと水面から顔を引いた。
 けれどその泡は、弾けても臭くはなかった。
『おならじゃないのかな…』
 ぼくは“オンナノコの穴”から何が出て来るのか知らないし、ひょっとしたら中に入った空気が出てき
ただけなのかもしれない。
 そんな事を考えていると、ぼくは自分のちんちんが熱く、硬くなってきたのを感じた。想像してるだけ
で何もしていないのに、ちんちんはぼくの意志と関係なくびくびくと動く。健康な中学生男子だから女の
子の裸を見た当然の結果…とはいえ、あまりにも節操が無い気もする。
 それでもぼくの視線は、自然と初めてナマで見る女の子のおっぱいに吸い寄せられていた。
『やわらかそう…』

 さわりたい。

 だめだ。

 さわりたい。

 だめだったら。

 相反する心が、胸の中で葛藤する。
 漫画とかアニメとかで、よく自分の顔をした小さな天使と悪魔に例えられているアレだった。
 結果は………。
『うわっ……やーらかい…』
 悪魔に完敗したぼくは、女の子の右のおっぱいに、右手を乗せて“ふにゅ…”と揉んでみた。
26「ぼくの人魚姫」(15):04/06/24 21:51 ID:MjqbO5pF
>25
 体が震えるほど気持ちがいい。おっぱいは、もちもちとした手触りで、それにほんのりとあたたかかっ
た。生まれてから今まで、ぼくはお母さん以外の人のおっぱいを触ったことなんて無かったから、これは
ちょっとした感動だった。お母さんのおっぱいだって、赤ちゃんの頃だけだと思うし。
 でも、この女の子のおっぱいは、すごくきれいだ。
 水だと思ったバスタブの中身は、ちょっとだけぬるい。その水に浮かぶように水面から出ているためか、
ブラジャーとかしていないのに大きく盛り上がってて形もまんまるだった。水に濡れてつやつやしてて、
そこに銀色の髪が絡んで、なんだかものすごく貴重なものを触ってる気がしてくる。
『きもちいい…』
 もにゅ…たぷっ…と、女の子のおっぱいは、ぼくの手の動きに合わせて自由に形を変えた。下半身と違っ
て、上半身は普通の人間の肌と変わらない。産毛があり、それが銀色に光っている。脇からは、もじゃっ
とした腋毛が生えていた。
『腋毛……手入れしてない…のかな?』
 それからもう一度ぼくは、女の子の股のところにある“穴”を見た。
 まるで呼吸するように“ひくひく”と動くその部分を見ていると、ぼくのちんちんは、まずます硬く、
お腹にくっつきそうなくらい勃起してしまう。
 女の子は目覚めない。
 そのことで、ぼくはいつもよりずっと大胆になっていたんだと思う。
『両手で両方のおっぱいを…』
 我慢出来なくなったぼくは、女の子に覆い被さるようにして両手を、
「くしゅっ!」
 突然、何の前触れも無くくしゃみが出た。
 素っ裸で冷えたバスルームにいれば当然の結果だった。
「あ」
 その途端、「ぱちり」と女の子の目が開く。
 まるで機械仕掛けのような、眠りの余韻も感じさせない開き方だった。
 慌てておっぱいから手を離して身を起こそうとした時、ぼくは彼女のエメラルドグリーンの瞳を真正面
からまともに見てしまった。
「きゅ?」
「え?」
 女の子はぼくの顔を見ると、ちょっと首を傾げてイルカが啼くような声を出した。
「きゅ?」
27「ぼくの人魚姫」(16):04/06/24 21:52 ID:MjqbO5pF
>26
「…あ、ええと……」
「きゅう?」
 女の子の視線が、おっぱいを揉んだままのぼくの右手を見た。慌てて手を離すものの、女の子の瞳から
目をそらす事が出来ず、バスタブの縁に両手をついて体を支えた。
 なんだかまるで、“襲っている”ような気分だ。
「…えと、その…ごめん…あの…」
「きゅ…」
「その……」
「きゅぅ……」
 答えられなくて返答に困ったぼくの顔を、彼女は子供のような無垢な瞳で不思議そうに見ていた。その
視線がぼくの顔から首、胸、お腹へと下がっていき、そして…
「きゅっ!」
 彼女の顔が、まるで花が咲いたように明るく、可愛らしい笑みを浮かべた。
 ……何を見たのかは、あえて触れずにおくけれど。
「え?」
 そして彼女は、突然ぼくの首に両手を差し伸べると、身体ごと飛び込んできた。
 “バシャ!”と尾びれでバスタブを打った…と気付いたのは、彼女の全体重がぼくに圧し掛かってきて
からのこと!
「うわ!ちょっと!」
 普段からもうちょっと鍛えておけば良かったな。
 そんな風に思いながらも慌てて彼女を支えようとしたぼくは、不恰好にもタイルで滑り、そのまま後に
倒れ込んでしまった。
「うわわわわわわっ!!!………んぎゃっ!」
 ガツンと後頭部に衝撃を感じて瞼の裏に火花が散り、

 そして暗…転………。

 ぼくは薄れゆく意識の中、裸の胸に押し付けられた彼女のヴォリュームたっぷりなおっぱいを感じながら、
『ああ…女の子の身体ってやーらかいなぁ…』
 …などと、ものすごく馬鹿なことを考えていた。
28名無しさん@ピンキー:04/06/24 21:55 ID:MjqbO5pF
>27
ここまで。
29名無しさん@ピンキー:04/06/25 00:38 ID:fdpzRk0T
>>28
何気にいいとこで切っちゃってるし!
続きに期待してるっす!
30名無しさん@ピンキー:04/06/25 07:34 ID:XLHbvbOV
そうか。下半身はイルカなのか。
でもイルカって魚じゃn
31名無しさん@ピンキー:04/06/25 07:58 ID:jhHvwjjy
>>30
でも魚類じゃないからオッパイがあっても不自然じゃないとw
32ツァトゥグア信奉者 ◆r7nnPP0.C. :04/06/25 19:55 ID:rH2q9m4T
魚類→オッパイ→ディスカスミルク と連想が進み、ぐぐってみたら・・・・

ttp://meme.biology.tohoku.ac.jp/INTROEVOL/Page24.html

乳をなめるカモノハシの図に思いがけず激ハァハァ
33名無しさん@ピンキー:04/06/26 09:08 ID:Gxkpmv/8
守備範囲が広過ぎです!!ロム兄さん!!
34名無しさん@ピンキー:04/06/26 14:34 ID:lmc3nYkj
>>32
あんたきっと良い人だ
35名無しさん@ピンキー:04/06/27 08:58 ID:UykqtWPc
絹代と佳乃の話の続きが非常に気になる。
主人公はどうするんだろ?
36名無しさん@ピンキー:04/06/27 12:00 ID:Esp+U2uY
>>35
俺も気になるが、気長に待とう。
37名無しさん@ピンキー:04/06/27 18:28 ID:bwtdBQIV
320さん投下遅いよ!なにやってんの!
38名無しさん@ピンキー:04/06/27 19:24 ID:dPgy+bNw
このスレの住人で
エンジェル フォイゾン
を知っている香具師いる?
俺はあれに出てるアトラック=ナチャさんが好きなのだが
39名無しさん@ピンキー:04/06/27 19:28 ID:RRgrgcrp
じゃあそれでSS書いてくれ。
一度脱いだ回があったな、あそこからの分岐で一つ頼むわ。
あれって何巻収録だっけ?
40名無しさん@ピンキー:04/06/27 19:35 ID:dPgy+bNw
>>39
ここって二次創作もありだっけ?
ありならそのうち書くよ。
ちなみに、脱いだのは1巻9話
41名無しさん@ピンキー:04/06/27 19:37 ID:RRgrgcrp
うん、1によると虹もオケーだね。
1巻か、ありがと。
42名無しさん@ピンキー:04/06/27 21:27 ID:8yuG9J33
>>37
ブライトさんハケーン
43名無しさん@ピンキー:04/06/27 21:57 ID:3xRW5+Xw
>8の続き

「それじゃ……行ってくる………」
「ああ、気をつけてな」
翌日――裕二は多少フラフラしながらバイトに出て行った。
それにしても、たかだか5回くらいで、あんなになるかね……。
ま、いいや。天気いいし、とりあえず洗濯でもするか。

「ふ〜うっ。終わった終わった……っと。ほんじゃ、買い物でも行ってくるか」
シーツをベランダに干し終え、軽く伸びをしながらつぶやきが漏れる。
えっと……今日は玉ネギと玉子が特売……っと。
などと今朝のチラシを手に取りながら、近所のスーパーへ向かった。

「さって……今日はオムレツにでもするかね。………ん?」
買い物を終えて帰宅する途中、公園の片隅で女の子がうずくまっている。
何だか気になったワタシは、女の子の元に近寄ってみることにした。

「何やってんだい、お嬢ちゃん?」
「うわっ!? ………こ…このコに……お薬塗ってあげてるの……」
声を掛けると、女の子はようやくワタシに気がついたようで、叫び声をあげた。
くりくりっとした目が印象的な、おとなしそうな女の子で、おどおどしながらワタシの問いに答える。
……こりゃ、悪いことしたかねえ。ふと見ると、女の子の側には鼬みたいな生き物
――正式名称は知らないが、少し前にペットとして流行っていた生き物だ――が蹲っていた。
「ああん………こりゃあ…もうダメだな……」
鼬みたいな生き物は、腹部に深い傷を負っているようで、かなり血を流した痕がある。
さらに流れた血が、毛皮にこびりついたまま乾き、ドス黒く変色していた。
すでに息も絶え絶えで、見た目に助かりそうにないのは明らかだ。
44名無しさん@ピンキー:04/06/27 21:57 ID:3xRW5+Xw
「何てこと言うの! 命は大事にしなきゃいけないんだよ!」
「そうか…そりゃあ悪かった。でも何で、ここでこんなことしているんだい?
家でゆっくり治してやれば、いいんじゃないか?」
と、ワタシの言葉に女の子は目を剥いて、食って掛かってくる。
あまりの剣幕にワタシは思わず詫びの言葉を述べ、女の子に質問した。
「だって………おかあさんが、ペットを飼うって言ったら、絶対ダメだって言うんだもの」
ワタシの質問に、女の子は顔を伏せながら答えた。……まあ、それは仕方ないやな。
というか、情が移って飼ってやっても、すぐ死ぬんだろうから寂しい思いをするだけだろうし。
「でもねでもね、このコすっごい頭いいんだよ。今日だって私が来るの、ちゃんと待ってたんだもん!」
女の子はくちびるをとがらせながら、傷口に薬を染み込ませたガーゼを当て、
包帯を巻きつけていった。ふと見ると、横には赤黒く変色した包帯が転がっていた。
待っていた、というか、動けなかっただけじゃないのかあ? ……ん? ちょっと待てよ?
「なあ、もしかして毎日包帯を変えているのか?」
「うんそうだよ! だって、毎日綺麗にしないとバイキンが入っちゃうじゃない!」
ポリポリと頭を掻きながらつぶやくワタシに、元気に答える。……おいおい……。
「あのな……心配する気持ちは分からなくもないけど、
そう毎日包帯を取り替えてたら、いつまで経っても傷は治らないと思うぞ」
「………ええっ? そ……そうな…の?」
「ああ。特にこんな深い傷の場合は、傷口を押さえつけたまま、しばらくそうっとしとくべきだ。
毎日毎日ガーゼを剥がしてたら、せっかく塞がりかけた傷口をまた開かせてしまうことになっちまう」
「そ……そうなんだ…。じゃ、もしかしたら私、余計なことをしちゃってたの?」
「ん〜。でもま、コイツのこと思ってのことだし、そんなに気にするなよ。
それより、体力をつけさせる為に、何かエサをあげたほうがいいと思うが……」
眉を曇らせる女の子を尻目に、買い物袋の中身を漁る。あ、日○ハムのウイニーがあった。
45名無しさん@ピンキー:04/06/27 21:58 ID:3xRW5+Xw
「……ええっと……これなら皮が無いし、柔らかいから丁度いいかな? ……ほれ」
ワタシが口元にウイニーをぶらさげてやると、鼬もどきはゆっくりと口を開けてウイニーを咥えた。
「あ、食べてる食べてる。……頑張って!」
こぶしをぎゅっと握り締めて、女の子は応援している。
その声援に応えるように、鼬もどきは少しずつ少しずつ、ウイニーを飲み込んでいった。
「わーい、食べた食べたー!」
やがて鼬もどきが、ウイニーを完全に飲み込んだのを確認して、
女の子は拍手をしながらこちらを向いて、こぼれんばかりの笑みを浮かべる。
柄にも無く、ワタシも釣られて笑みを返していた。

「あ、もうこんな時間! 私、もうおうちに帰らなくちゃ!
……ねえ、お姉ちゃん? お姉ちゃんも明日ここに来る?」
「え? あ、ああ……どうせヒマだし………」
気がつくと、すでにお昼を回っていた。………しまった、買い物袋の中身が心配だ。
女の子は声をあげながら、立ち上がったかと思うと、ワタシを見て言った。
「そっか。じゃ私、明日もここに、同じくらいの時間に来るから、また一緒に遊ぼう? ねっ!?」
「んん? ………分かった、明日もここに来るよ」
まっすぐにこちらを見つめる、女の子の目に押されるかのように、ワタシは返事をしていた。
……この鼬もどき、多分大した長持ちしないだろうけど、
この娘がそれで満足するんなら、付き合うのも悪くないか。
それに、その事実を一人で受け止めるのは、年齢的にも辛いだろうしな……。
463 ◆MABOUp7up. :04/06/27 21:58 ID:3xRW5+Xw
>43-45また名前忘れてますた……。

「ただい……ま……」
「あ〜! またやられた〜!」
俺がバイトから帰ってくると、例によって貴代子はゲームに熱中している。
ただ、昨日の出来事を思い出し、悪戯は自制した。昨日の今日であれじゃ、下手すれば死んでしまう。
……やっぱ、貴代子って人間じゃなかったんだよな……。
改めてそんなことを、ぼんやりと考えていたが……いい加減気づいてくれないと、ちょっと寂しい。
「げ! 何だコイツ! カベすり抜けやがった〜!」
えっと………このカベの配列は……9階か。まあ、初登場だしな。
というか、宝物をロウソクしか手に入れてないじゃないか。ま、出し方を知らなきゃ仕方ないやな。
多分ロウソクを手に入れたのも偶然だろうし。
「ちくしょう〜! またゲームオーバーだ〜っ!!」
「あ…あのう……」
ゲームオーバーになったので、恐る恐る声を掛ける。……コントローラーを投げつけないで欲しいのだが。
「ん? あ、ああお帰り。あと一回やったら夕食の支度すっから、もうちょっと待ってて!」
指をピシリと突きつけて、再びゲームにかぶりつく貴代子。
……ううん、俺も昔はハマったけどねえ。というか、何階で終わりだと思ってたんだ。
「えっと……このゲーム、全部で60階まであるんだけど……?」
「へ?」
貴代子の動きがピタリと止まった。
「………10階で終わりじゃないの?」
「全然。ついでに言えば、各フロアに隠しアイテムがあるから、それをゲットしていかないと、
絶対クリア出来ないよ。おまけにこれをクリアしても裏モードがあるし」
「…………夕食の支度するから、ちょっと待ってて」
ファミコンの電源を切り、のっそりと立ち上がって、エプロンをつける貴代子。
………何だか目に見えて落ち込んでいるけど。ここで上下左右下上右左左……やめやめ。
473 ◆MABOUp7up. :04/06/27 21:59 ID:3xRW5+Xw
「なあ、裕二」
「ん、何? このオムレツ、美味しいよ」
「あ、ありがと……って、そうでなくてさ。数年前に、鼬みたいな生き物を飼うのがブームになったろ?
あれって何て名前の生き物だったっけ?」
「ああ…フェレットだろ? それがどうかした?」
俺の返事に、貴代子は一瞬目を丸くさせ、顔をほころばせながらも、改めて問いかけてきた。
しかし、何を言うかと思えば……最初に家に来た時は、○ュリアナファッションでやってくるわ、
今どき初代のファミコンゲームに熱中するわ、ホント、時代遅れな感覚の持ち主だな……。
「いや……ちょっと、な………」
?? どうしたっていうんだ? 変なヤツだな。

ピンポーン

「ん? 夕食時に誰だ?」
呼び鈴が鳴ったので、俺は玄関へ向かった。多分、回覧板かな?
483 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:00 ID:3xRW5+Xw
「は〜い」
「すみませ〜ん、お届け物で〜す」
玄関越しに声を掛けると、ドアの向こうから若い女性の声がする。
……届け物? いったい誰から誰宛てだ? 実家から……ではないだろうな。連絡も無いし。
「ああ、はいはい。ちょっと待ってくださいな」
「えっと……中澤貴代子さんは、こちらで間違いないですよね?」
多少訝しげに思いながらも、玄関を開ける。目の前には、ポニーテールのお姉さんが立っていた。
はあ? 貴代子宛? まさか、鬼の棲家からとかからか?
「あの………? 間違いだったですか?」
「………あ、いえいえ。間違いないっす」
黙り込む俺を見て、不安げに問い直す彼女に、俺は慌てて返事をした。
「じゃ、こちらに受け取りのサインをお願いします」
「ほいほい……っと」
「どうも、毎度さまでした〜」
一抹の不安を感じながらも、言われるままにサインをする。……宛て先は……書いてないし。

「………ねえ、貴代子宛てに何か届いたんだけど、心当たりある?」
「あ、届いたのか? いや〜待ってたんだ、どうもありがと」
小包を抱え、部屋に戻りながら話しかけると、貴代子の顔がぱっと輝いた。
「? 何だったのいったい?」
「…………秘密だ。詮索するな」
「う……わ、わかったよ」
荷物の中身に非常に興味があったのだが、貴代子のひくーい声の前に、
これ以上の追求は断念するしかなかった。いや、今はこんなだけど、鬼だけに怒ると本当に怖いし。
493 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:00 ID:3xRW5+Xw
「ねえ…ねえ、裕二………」
「んん〜? 眠いんだよ、明日にしてよ〜」
眠っていた俺は、貴代子に突然揺さぶられて目を覚ます。時計をちらりと見ると…午前1時。
寝返りを打ちながら、俺は返事をした。さすがに今日は、エッチする気にはなれないぞ……。
「そ、それがさ……どうしても、今じゃなきゃダメなんだよ……」
「ど…どうしたんだよ、いった……ふあ〜あ………」
ところが、貴代子は深刻そうな声でポツリとつぶやく。
何となく不安になってきた俺は、欠伸を繰り返しながらも、ゆっくりと上半身を起こした。
「あのさ……何も聞かずに、この本のとおりに胸揉んで欲しいんだ」
「は、はあ!?」
布団の上で正座していた貴代子は、俺に向かっておずおずと本を差し出しながら、つぶやいた。
貴代子の言葉に、思わず俺は欠伸を飲み込みながら、叫び返していた。
「こ、声が大きいよ、真夜中なんだから……でさ、頼むよ」
くちびるに指を沿え、静かにするようなポーズを取りながら、俺に本を押しつける貴代子。
「んあ? 何がどうなって………ああ?」
本をペラペラと捲り、そのタイトルと内容に、思わずあきれ声が出てしまう。
タイトルはずばり、『豊胸への道』 ………まったく、捻りも何も無い。が、呆れた理由はその内容だ。
曰く、『女性の胸は夜に成長するから、夜中に揉むことでさらなる胸の成長を促すことになる』とか、
『胸を揉む時は、自分で揉むよりも、身近な男に揉んでもらったほうがいい』とか書いてある。
さらに、具体的な揉み方まで書いてあるが、絶対何か違うだろ、これ。
……こんなふざけた本、いったいどこで手に入れ……あ、もしかして、さっきの届け物って……。
「な、なあ、お願いだよ………」
「ああ……わかったよ………」
切実そうな貴代子の目を前にして、さすがに俺は断ることは出来なかった。
それにしても、未だに胸にこだわっていたのか………。
もしかして、ここに居座ってる理由って、このためだったのだろうか?
503 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:01 ID:3xRW5+Xw
「ん……っ…」
背後に回って、手のひらで貴代子の胸をしっかりと掴み上げてみる。
貴代子は体をピクンと震わせた。ううん、それにしても、やっぱり揉み応えの無い……。
……隣の奥さんなら揉みがいあるだろうな……と口に出したら、多分2秒後に殺されるな、うん。
「あは…あ……ああっ!」
次に胸を掴んだまま、人差し指と中指で胸の頂を挟みこみ、ゆっくりと円を描くように手のひらを動かす。
軽く体をよじらせる貴代子。……でもやっぱり、胸への反応は素早いねえ。
ま、胸が大きくても、反応が鈍かったら本末転倒だからな。これはこれで十分魅力的だし……。
「くう……うあ…はっ………」
今度は一度手を離して、親指と人差し指で胸の頂を摘まみ上げ、引っ張った。
………って、これのどこが豊胸と関係あるんだよ。
「うあ! あ! あはあっ!」
さらにそのまま残りの指で、胸を包んで何度も揉む。そう、まるで牛の乳絞りのように………
……胸の出っ張りが無いんだから、そんな風に揉めるはずないだろ。
せいぜい乳首を掴んだまま、根元周辺をマッサージする程度しか出来ないし。
「は! ああっ! んはあっ!!」
手を離して、貴代子の前で両手を交差させて、右手で左胸を、左手で右胸を揉む。
……だからこれ、普通に揉むのとどう違って、いったい何の意味があるのよ。
「あ…あ……ああっ……」
胸の端に手のひらを沿え、そのまま中央へ寄せるように動かす。
おお、やっと胸の運動らしいことが……しかも、少しだけ胸があるように見えるし……って、
ここまで寄せてもあまり大きく見えないのが寂しい。
「……ん…っ………っ…」
中指の腹で胸の頂を擦るように、撫で回し続ける。
硬く勃ちあがっている、乳首の当たる感触が指に心地いい……だから、俺が心地よくなってどうする。
以上これを、毎晩深夜1時より決行すべし。…………深夜1時は何の意味があるんだ。
513 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:01 ID:3xRW5+Xw
「んあ! あっ! あぁっ………」
すでに1セット半こなしているが……貴代子は、上半身を前のめりに崩しかけ、悶え続ける。
気持ちは分かるが……ここまで大声出すと、隣近所に声が響きかねないのだが。
「あ! あああっ!! あはっ! はあっ!! ああーーっ!!」
で、結局胸の頂に刺激を送った途端、貴代子は嬌声をあげ、絶頂に達した。
同時に貴代子の頭がガクンと落ち、支える腕が重くなる。……やれやれ、失神しちゃった。
ゆっくりと貴代子の体をあおむけにして、布団に寝かせ……てっか、昨日の今日だけど、
あそこまでしたら、さすがに我慢出来ないや。俺は気を失ったままの貴代子の胸に、舌を這わせた。
一瞬、ピクンと動いたような気がしたが、意識は戻ってはいない。
「んふ……ん…ふんっ……」
鼻息も荒く、しばし舌と手で貴代子の胸を堪能していた。

「……しょっ………と…」
気を失ったままの、貴代子のパジャマの下をゆっくりと脱がす。
今日はブルーの紐パン……っと。しかも既に、股間の部分は湿ってシミを作ってるし。
などと毎度の下着チェックを果たしたのち、俺は結び目を片方だけ解いた。
すでにしとどに濡れている、割れ目が姿を現す。……何だか、このままイタすのは心苦しいが、
目が覚めるのを待っている余裕など、すでに俺には無い。
両足を開かせ、痛いくらいに勃ちあがったモノを、貴代子の割れ目にあてがった。
そのまま貴代子の腰に手を回し、モノを一気に貴代子の中へと潜り込ませた。
全身に冷水を浴びせられたような錯覚と共に、快感が脳を駆け巡る。
あまりの心地よさに上半身を仰け反らせつつも、腰は無意識のうちに動き始めていた。
うう……やっぱ気持ちイイ……。
ゆっくりと上半身を貴代子に覆い被らせ、目の前にある貴代子の乳首に吸いついた。
いつもなら、喘ぎ声とともに身をよじらせる貴代子だが、今はさすがにリアクションはない。
それはそれで寂しいと思いつつ、欲望に従うままに舌と腰を動かし続けていた。
523 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:02 ID:3xRW5+Xw
「うあ………あ……」
昨日5回も果てたから、長持ちすると思われたが、さすがに限界が近づいてきた。
俺は最後のスパートとばかりに顔をあげ、腰の動きを早める。く……う………。
頭の中が真っ白になったかと思うと、俺は全身を震わせながら、絶頂に達した。
その途端、一気に疲れが俺を襲い、貴代子の体を抱きしめるように覆いかぶさっていた。

「はあ…はあ……はあ…はあ……」
荒かった息がようやく収まってきた。あ……そういえば、貴代子の中に挿れっぱなしだったっけ。
などと思いつつ腰を引き始めた途端、うっすらと目を開けた貴代子と、しっかり目があった。
次の瞬間――
「う、うわっ!?」
貴代子は四肢を俺に絡ませ、身動きを取れなくさせた。この状況…ま、まずいかも……。
「何をしているんだ? ここまでしろ、なんて本に書いてあったのか?」
「あ、あの…その……」
ゆーっくりと、低い声でつぶやく貴代子。舌がもつれて、声が声にならない。
「昨日の今日だってのに、随分と張り切ってるな。それじゃ、2回戦といくとするか?」
い、いやーっ! ……と叫ぼうとしたが、頭を胸に押しつけられ、声を出すことは出来なかった。
「ん! イイ……イイようっ……」
グリグリと揺さぶられる頭の片隅で、貴代子の嬌声がかすかに響く。
………自業自得とは言え、今日は何回果たすことになるのだろうか……。
533 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:03 ID:3xRW5+Xw

あれから一週間、ワタシと女の子は毎日出会っていた。
ワタシの予想に反し、フェレットは少しずつ元気を取り戻しているようだった。
最初は息をするのも苦しそうだったのに、今では自力で動けるようにもなっている。
もっとも、フェレット本来のすばしこい動きには、まだ程遠い状態ではあるのだが。

「ほらね! こんなに元気になったでしょ!?」
「ああそうだな。これも美沙ちゃんのおかげだろ」
女の子――美沙ちゃんと名乗ってた――は、フェレットを抱えながら、得意満面な笑顔を見せる。
ワタシは肩をすくめ、素直に頷いていた。……にしても、あれから回復するかねえ……。
「わかったでしょ? 命は大切にしなきゃならないんだから!」
「ん、そうだね。美沙ちゃんの言うとおりだよ」
白い歯を見せ、にぱっと笑う美沙ちゃんを見て、ワタシも笑みがこぼれていた。
543 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:03 ID:3xRW5+Xw

「あ、あれ? どうしたんだ? まさか連れて帰るのかい?」
「うん。思い切っておかあさんに、クーちゃんのこと相談してみたんだ!
そしたら、私が最後まで大事に面倒見るんなら、飼ってもいいよって!」
夕方、そろそろ帰ろうかというとき、美沙ちゃんはクーちゃんを抱えながら立ち上がった。
クーちゃんってのは、『クー、クー』という鳴き声から名づけた、このフェレットの名前だ。
「そうか、そりゃあよかったな。何でも聞いてみるもんだ」
「うん! ねえ、貴代子お姉ちゃんもクーちゃんに会いたいでしょ?
また明日も、いつもの時間にここに連れてくるからね!」
「ああ分かった。また来るよ」
ここまで面倒見がいいのなら、責任もってクーちゃんを最後まで飼い続けることだろう。
そう思いながら、ワタシが美沙ちゃんに話しかけると、美沙ちゃんは上目遣いでワタシに問い掛けてくる。
もちろん、断る理由なんて無いワタシは美沙ちゃんの頭を撫でながら返事をした。
「うん、約束だよ! 絶対来てよ!? 嘘ついたら、閻魔様に舌抜かれちゃうんだから!」
「分かった分かった、約束するよ。それじゃまた明日、いつもの時間にな」
閻魔って……あのおっちゃんにかよ。
ワタシは普段のおっちゃんの行動を思い出して、苦笑いを漏らしながら返事をして美沙ちゃんと別れた。


次の日、ワタシはいつもと同じ時間に公園に行った。
だがそこで、一時間くらいぼうっとしていたけど、美沙ちゃんとクーちゃんは現れなかった。
たまたま用事があっただけで、明日は来るだろう。そう思っていた。
ところがその次の日も、またその次の日も、美沙ちゃんたちは現れることはなかった――
553 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:04 ID:3xRW5+Xw

「ただい……あ、あれ?」
バイトから帰ってきて、思わず声が漏れる。玄関のカギは開いてるが、部屋の中は真っ暗だからだ。
……しょうがねえな。カギ掛けて外出してくれよ……泥棒が入ったらどうするよ。
などと思いながら部屋の灯りをつけ、
「う、うわっ!?」
思わず叫び声をあげてしまう。部屋の中央には膝を抱えてじっと座り込む、貴代子がいたのだ。
「ど……どうしたの?」
「……………」
おずおずと、貴代子に問い掛けてみるが反応が無かった。
ゲームが上手く進まなくて沈んでいる、というわけでは、どう考えてもなさそうだが……。
「ね、ねえ貴代子?」
「あ…あ……」
ポンと肩を叩くと、初めて俺に気づいたように、顔をあげた。虚ろなその目には……涙?
鬼の目にも涙……って、んなこと言ってる場合じゃねえ。
「ど、どうし………」
「う、うわーーーっ!!」
両肩を抱いて、問いただそうとした途端、貴代子は俺にすがりつき、泣き崩れた。
俺は訳が分からず、ただ貴代子の背中に手を回し、支えることしか出来なかった――
563 ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:04 ID:3xRW5+Xw

「ゴ…ゴメン……。じ、実は………こ、これ……」
どれくらい時間が経っただろうか、ようやく落ち着いてきた貴代子は、今日の夕刊を示した。
そこの1面には……

――誘拐か? 山林で女の子惨殺される――

今日昼過ぎ、浦山市の山中で同市に住む会社員、中村幸治さんの娘の美沙ちゃん(9)が、
遺体で発見された。美沙ちゃんは3日前から自宅に戻らず、家族が警察に捜索依頼を出していた。
犯人からのメッセージ等は無く、警察では悪戯目的の犯行と見て捜査を進めている。

―――お知らせ・浦山新聞は美沙ちゃんの安全のため、報道を控えておりました―――

……こ、これってまさか、いつも貴代子が会っていたっていう、女の子?
ふと顔をあげる俺を見て、貴代子は無言で頷いた。俺が浮かべた疑問を肯定するかのように。
「まさか…まさか……ワタシと別れてから、こんなことになっていたなんて……。
昨日、何も知らずに公園で待っていた時には、もうすでに美沙ちゃんは……」
そこまで言って、貴代子は声を詰まらせ、うなだれた。
俺は掛ける言葉が見当たらず、ただ貴代子をそっと抱きしめることしか、出来なかった。
「あのとき……あのとき、ワタシが家まで送っていってあげてたら、美沙ちゃんは…美沙ちゃんは……」
『それは、貴代子が責任を感じることじゃない』、そう言おうとしたが、
言ったところで、何の慰めにもならないのが分かっていたので、
ただ無言で、震える貴代子の背中を擦り続けていた――
57つぶやき ◆MABOUp7up. :04/06/27 22:07 ID:3xRW5+Xw
>43-56で続きますです〜。

>35-36
気長にお待ちくださいませ。
58名無しさん@ピンキー:04/06/27 22:11 ID:u6cuadKa
ダメだ・・・・・・・・・・。





どうしても、貴代子が貴理子に見えてしまう・・・・・・(滝汗
それはそうとして、乙。
59名無しさん@ピンキー:04/06/28 00:36 ID:INyoBiOg
。・゚・(ノД`)・゚・。
↑もらい泣き
60名無しさん@ピンキー:04/06/28 01:54 ID:b21vTwA3
はーい、みんな、ちょっと黒板に注目。

『楽綿』

はーい、じゃあ、みんな目をつむってー。
えー、悲しいことに全年齢対象板にひでぼんの書のことを
書き込んだバカチンが二名ほどいまーす。
子供も見る板ですよー。
今、先生が黒板に書いた言葉に憶えのある人。
先生、誰にも言わないからちょっと手をあげなさーい。
61名無しさん@ピンキー:04/06/28 03:59 ID:3tE96fhV
>>60
どこの事?
62名無しさん@ピンキー:04/06/28 04:04 ID:3tE96fhV
失礼、途中で送信してしまった。
クトゥルフ系のスレに、エロパロ板だって断って話に出した事があるけど、やっぱりまずかったかな?
その時は特に何事も無く話が進んだけど。
63名無しさん@ピンキー:04/06/28 05:27 ID:WvYjhBNf
>>60って、
子供に赤ちゃんの出所を聞かれたら
コウノトリの話をするタイプ?
64名無しさん@ピンキー:04/06/28 05:58 ID:XPyfMpYa
>>60
どこかわかったYO!
65名無しさん@ピンキー:04/06/28 08:28 ID:OfqGZA1R
>>62
あんまりいいこっちゃないだろ。
URL貼ったってことは、エロパロのトップの21歳未満お断りの警告文飛ばして入ってこれるわけだし。

警告メッセージ入れて免罪符にしたがってるようだけど、暗に「来い」って誘ってるようなものだと思うけど。
66名無しさん@ピンキー:04/06/28 08:41 ID:XPyfMpYa
>>65
URLは張ってなかったYO!!
67名無しさん@ピンキー:04/06/28 08:41 ID:aSGr437Z
以前に、クトゥルフファンとそれ以外の住人との温度差で荒れたことを忘れたのかな?
68名無しさん@ピンキー:04/06/28 09:12 ID:OfqGZA1R
>>66
あ、そうなんだ。そりゃ失礼した>>62

>>67
確かにね。じゃ、この話題はこの辺で。
69スペースモグタン:04/06/28 10:30 ID:4D0doHT1
六月の某日、某国航空宇宙局が有する人工衛星から、未確認飛行
物体の襲来を知らせる緊急連絡が入った。それは、秒速三百キロ
メートルという速さで大気圏を突破し、地球内へ落下すると予測され、
局員たちの肝を凍らせる。落下時の衝撃による、甚大な被害が予想
されたからだ。
「東京を直撃だ」
軌道計算によると、物体の落下先は日本だと判明した。それも、東京
の魔界である秋葉原のあたりらしい。
「ヘンタイ文化の聖地が・・・なんて事だ」
微妙に日本文化に通じた局員が頭を抱えた。見ると、局員が着ている
シャツには『萌え』という日本語が書かれている。日本の恥ずべき文化
が、それとなく世界を席巻しているようだ。が、それはさておく。

時を同じくして、魔都秋葉原──では、某大手家電ショップの店員たち
が互いに威嚇をし、がなり声を上げていた。手には自社のチラシを持ち、
道行く人々に購入を促している。そんな殺気立つ喧騒の中を、一人の
ボンクラ高校生が歩いていく。
「学校をサボってのアキバ巡りはたまらんな」
両手に、ポスターやら雑誌やらが入った紙袋を持ち、へこへこと足早に
歩く少年の名は、柊弾正(ひいらぎ・だんじょう)。十七歳にしてアニメ
好きの同人好き──という、若くしてダメ人間決定の烙印を押された、
高校二年生である。
70スペースモグタン:04/06/28 10:56 ID:4D0doHT1
「いつか、ロボットメイドが実用化される日が来ますように」
これが弾正の口ぐせ。当節の流行ではあるが、彼の存命中にその
願いは叶わないだろう。こんな愚かっぷりを見せてはいるが、実は
弾正、三百を越える知能指数を有し、学問では常にトップクラスの
成績。特に、興味を持った物理や機械工学には長けていて、常温
核融合を紙コップの中で行えるほどの技量を持つ。しかし、今の所
その才覚は同人ショップでレアものの同人誌を、誰よりも早く見つけ
る事以外には、使われていなかった。

「さて、お目当ての物も買ったし、さくさくと家に帰るか」
あたら才能を浪費しつつ、弾正は帰途につこうとする。手には同人誌
が一杯だ。更には、見るも恥ずかしいお姉ちゃんたちのイラストが載っ
た、販促用のチラシまで頂戴してきている。ダメ人間決定なり。しかし、
本人は満足そうな笑顔を見せているので、情け無い。と、その時・・・
「ん?曇ってきたな」
今まで快晴だった秋葉原の上空を、急に暗雲が立ち込めた。否、それ
は雲ではない。全体が銀色に光る、大きな円盤形の物体──しかも、
大きさは直径一キロメートルはあろうかという、銀盤だったのだ。
「UFOだ!」
今まで客引きをしていた、ビックリカメラの店員が、叫びながら店内へ
駆け込んだ。そして、山田山電気や小痔満電気の店員たちも、それぞ
れ自社の中へ入っていく。
71スペースモグタン:04/06/28 11:11 ID:4D0doHT1
「空飛ぶ円盤だ。すげえ、萌え!」
空を見上げつつ、弾正がのたまう。全体が光を放つ円盤は確かに
威風を見せてはいたが、やはりアニメバカ。一般の人間の反応とは
程遠い。すると、通りに設置された割れたスピーカーから、
『これより、トランスフォーメーションを行います。近辺にいる方々は、
避難を開始して下さい』
という、放送が流れた。そして次の瞬間──
「なんだあ?」
ゴゴゴ・・・と、弾正の足元が揺れ、ビックリカメラ、山田山電気、小痔
満電気各社の自社ビルが地響きを立て、変形を始めた。ビルはそれ
ぞれ人型のロボットに変形し、大地へ聳え立ったのである。
「マOロスのパクリだ!」
各電気店のロボットを見た弾正が、盗作疑惑を指摘。この辺が、オタク
くさい。
『秋葉原を死守せよ』
割れたスピーカから、号令が下された。何という事か、各電気店はこの
日を予期し、自社ロボを所有していたのだ。そして、未確認飛行物体に
対し、迎撃の構えを取る。が、しかし・・・
「わッ!まぶし・・・」
円盤が閃光を放った。その光に目が眩み、弾正が目を細める。そして、
次の瞬間──
72スペースモグタン:04/06/28 11:29 ID:4D0doHT1
ズン、という地鳴りがした刹那、各社のロボは皆、くず落ちてしまって
いた。閃光は光学兵器だったらしく、まるで鋭利な刃物で斬ったかの
ように、ロボットの胴を薙いでいる。
「即死かよ!」
一矢も報いる事無く朽ちたロボットを見て、弾正が吼えた。そして、円盤
が少しずつ高度を下げて来ている事に気づく。
「拉致される?」
沈む船から脱するねずみのように、危険を察知する能力に長けるのは、
オタク共通の事柄。弾正は迫る円盤に背を向け、走り出した。でも、同人
誌の入った紙袋は手放さない。これも、オタク共通のあさましさ。
「はあ・・・はあ・・やべえ!」
廃墟となった秋葉原の街並みを、弾正は死に物狂いで逃げた。だが、
上空を覆う円盤は的確に彼を追ってくる。どうも、狙いをつけられたようだ。
「今日は・・・はあ、はあ・・・花・・左京・・メイド組があるんだ・・ここで捕まる
わけには・・・」
弾正の脳裏には、深夜枠で放映しているアニメが浮かんでいる。日本が、
いや、地球が危機に瀕しているというのに、のんきな物である。しかし、
悲しいかな弾正は、圧倒的なオーバーテクノロジーを持つ追っ手からは、
逃れられなかった。
「うわッ!体が・・・浮く?」
銀盤が間近に迫った時、弾正の体は光に包まれぷかりと浮かんだ。身に
纏わりつくものは、紐一本すらありはしないのに、宙を舞ってしまったので
ある。
73スペースモグタン:04/06/28 11:42 ID:4D0doHT1
「わーッ・・・」
声がフェードアウトしていき、ついに弾正は円盤の中へ吸い込まれて
しまう。その様を、今や瓦礫となった家電ロボの残骸が、悲しそうに見
ていたのであった・・・

「これが、地球人?なんか、あんまりあたしたちと変わらないね」
「遺伝子的には、まるっきり変わりませんね。同族なのかも」
「でも、ちょっとゴツゴツしてる。野性味があるわ」
円盤内に吸い込まれた弾正が、最初に耳にした言葉は、聞き慣れた
日本語だった。
「こ・・ここは・・?」
大理石を模したような床板の上に、弾正は立っていた。そして、その
周りには三人の宇宙人と思しき少女が居る。
「しゃべったわ!声が低い」
「知性はまあまあってコト?でも、なんかバカっぽい」
少女たちは遠巻きに弾正を見て、はしゃぎ始めた。見れば、三人の宇
宙人は地球人と何ら変わらない容貌をしている。ただ、少々年若いが。
「き、貴様らは・・・宇宙人さまですか?」
宇宙少女を見咎めた弾正が問う。最初は威勢良く口を開いたが、語尾
に気弱な所を見せる所が、小心者。
「まあ、あなたから見たら、そういうことね」
三人の中から少女が一人進み出て、言った。年の頃で言えば、まだ
十歳かそこらの、可憐な美少女である。
74スペースモグタン:04/06/28 12:02 ID:4D0doHT1
「あたしは、モグタン皇帝閣下。宇宙を統べる、女帝と思って貰って
結構」
モグタンと名乗った少女は、腕組みしつつ口上を述べた。装いは、緑色
のウエストニッパーとガーターベルト。パンツは辛うじて大事な所が隠
れる小さな物。それに、半透明のローブを肩からかけて、頭には王冠
を乗せている。が、あまり威風は感じられない。何せ、あまりにも幼く見
え、子供が上等な口を利いているとしか見えないからだ。そこへ、後の
二人が割り込む。
「あたしは、モグスキー参謀。主に、戦術担当の武官です」
「・・・私はモグベルト大使。外交を担う、文官である」
モグスキーとモグベルトは、好戦的な軍服に身を包み、弾正を見上げて
いる。二人もモグタンと同じく、十歳かそこらにしか見えないので、威風
を持つには程遠い。しかも、軍服は上半身だけで、下半身はパンツ丸出
しという有り様。何か、怪しいアダルトビデオのモデルさんのようだ。
「あざとい!」
少女たちの出で立ちを見た弾正が叫ぶ。萌えに詳しいダメ人間である故、
チビッ子にこのようなコスプレをさせる事が卑怯に感じるからだ。ちなみに
言うと、彼はお姉さん萌えの人。
「とりあえず聞いておくけど・・・目的はなんでしょう?」
宇宙を統べる皇帝閣下が、武官と文官を引き連れて地球へ来た。と、なれ
ば、目的は大抵見当がつく。でも、弾正は聞かずにはいられなかった。それ
が、自分の役割だとも思う。勿論、キャラ的にだ。
75スペースモグタン:04/06/28 12:13 ID:4D0doHT1
「恥丘・・・じゃなくって、地球を譲渡して貰いたい」
目を光らせ、モグタンは言う。この時ばかりは、皇帝としての威風が
備わっていた。
「譲渡って・・・地球人はどうなるの?」
恐る恐るではあったが、弾正は聞いてみた。すると・・・
「月にでも、住んでもらう事になりますかね。断れば、皆殺しです」
武官、モグスキーがにっこりと笑いつつ、恐ろしい言葉を弾正の背へ
浴びせかけた。
「そんな!」
月へ住め、と言われても、住める訳が無い。しかも、断れば皆殺し。
弾正は、人類滅亡の宣告を突きつけられたも同然だった。背に冷や
汗が流れる。
(人類が絶滅する・・・そうなったら、アニメはどうなるんだ!)
ダメ人間のダメ思考。弾正はこの期に及んで尚、アニメの事を心配
した。しかし、ダメ人間にも五分の魂はある。
「返答や、如何に?」
モグタンが弾正に詰め寄ってきた。と、その時無駄に有した知能指数
をフル回転させ、弾正が打って出る。
「皇帝閣下。ひとつお聞きしますが・・・お供の方々は、これだけ・・?」
モグスキー、モグベルトの両名を指差し、モグタンに問う弾正。巨大な
円盤ではあるが、辺りに人気が見られない。
76スペースモグタン:04/06/28 12:27 ID:4D0doHT1
「そうだ。円盤の操縦など、自動化されておるからな。従者は、武官
ひとりに文官ひとり・・・それで、十分である」
えへんと咳払いをしつつ、自慢げに答えるモグタン。ちょっぴり頬を
染めるあたりに、愛らしさを感じる弾正。萌え、と。
「だったら」
弾正は急に語気を荒げ、ふんぞり返った。モグタンを含む、三人の
少女の前へずいっと進み出て、鼻を鳴らして得意顔。
「お前らは、ただのガキって訳だ」
モグタンの頭をぽんぽんと叩きながら、弾正はあざ笑う。それは、ま
るで陵辱系のエロゲーの主人公の如く。
「無礼者!」
モグタンが弾正の手を払った。顔を赤くして、怒気を見せている。しかし、
弾正はまったく怯まない。どころか──
「調子に乗ったガキどもには、お仕置きしてやらなくちゃな」
と、モグタンの体を引っつかみ、パンツを下ろしてしまった。
「いやーッ!」
パンツを剥かれたモグタンが、可愛い悲鳴を上げる。いかに皇帝閣下
とはいえ、下半身を露呈させられては、恥ずかしいというもの。
「やめて下さい!」
「やめろ!閣下を放せ!」
モグスキーとモグベルトが皇帝閣下の危機を見て、弾正に飛び掛って
いった。だが、体格差は否めず、いとも簡単にあしらわれてしまう。
77スペースモグタン:04/06/28 12:39 ID:4D0doHT1
「お前らは、後で可愛がってやる!」
ぴしん!とモグスキーとモグベルトの頬を打ち、ふたりをいなした
弾正は、モグタンの小さな割れ目へと指を滑らせていく。
「キャーッ!やめろお!」
「じたばたするな!」
ここからは鬼畜モードだ!と、弾正は叫んだかと思うと、おもむろに
自身のズボンのベルトをカチャカチャと鳴らした。犯る気だぜ!と。
「入るかな?ファーストコンタクト、開始」
弾正はジッパーから男根を剥き出し、モグタンの恥部へひたりと寄せ
る。するとモグタンは──
「そ、それは・・・なに?」
と、明らかな怯え顔を見せて、見苦しい欲望の塊を凝視した。
「これは、チンポだ。性器ともいう」
説明の順番が逆になったが、律儀にも答える弾正。それを耳にした
モグスキーとモグベルトは驚愕した。
「チンポ?性器?ということは、あなたは男?」
「何ということだ!デ・カルチャー!」
おののく二人を見て、弾正は首をかしげる。男が珍しいのかな、など
と思いはしたが、またマクOスのパクリかよ!というツッコミも忘れては
いない。どうやら、彼女たちは男の存在を初めて見るようだ。
78スペースモグタン:04/06/28 12:53 ID:4D0doHT1
「詳細は後で聞こう。とりあえず、犯る!」
弾正はモグタンを這わせ、犬のような姿勢を取らせた。そして、有無を
言わせず、男根を挿入。
「キャーッ・・・」
円盤の中に、少女の悲鳴が上がった。みしっと空気が歪み、宇宙を
統べる皇帝閣下の純潔は、散らされてしまう。
「どうだ、地球征服どころか、お前の恥丘を征服してやったぜ!」
ググッ・・・と前のめりになり、少女の尻に乗っかっていく弾正。男根は
まだ半分しか入っていないのに、モグタンはすでに意識を失いかけて
いた。
「う・・うう・・やめて」
「地球は俺が守る!そして、アニメも」
女を侵され呆け顔のモグタンと、狂気に浸る弾正。絵的には、高校生が
少女に悪さをしているとしか思えないが、地球を守るという大義があるの
で、何とかセーフ。だが、ソフ倫は通らないと思われる。
「閣下ぁ〜・・・」
モグスキーとモグベルトが、犯されるモグタンを見て、力なく泣いた。だが、
圧倒的な体格差の前に、救出を試みることさえ出来ないでいる。ただ、
悲劇を見続けるしかないのだ。
「中出ししてやる!」
早々と弾正が絶頂を得た。ギャルゲーにおけるスキップ機能の如く。
「やだあ!何か出てる!やめてーッ!」
とくとく・・・というよりは、どばッ!という感じで、弾正は射精した。それを
胎内で感じたモグタンは、涙に暮れるばかりであったとさ・・・
79スペースモグタン:04/06/28 13:09 ID:4D0doHT1
その日、世界中で号外が配された。東京に地球外生命体現る!と。
無論、それはテレビも同じで、どこもかしこも緊急報道番組を組み、
二十四時間体制で電波を流していた。そして、弾正は──
「あの〜・・・皇帝閣下」
「なあに?」
いまだ秋葉原上空で浮上している円盤の中で、モグタンとモグスキー、
それにモグベルトの三人が尻を突き出している。弾正を含む全員が裸
で、床には男女問わずの粘液が滴っており、荒淫の名残を残していた。
「わたしは・・・帰して貰えるんでしょうか?」
「イヤ、帰さない。お前は、あたし・・・いや、余とつがいになるのだ」
今、弾正はモグスキーの尻に挑んでいる。幼い真っ白な桃尻は、男根が
出し入れされるたびに波打ち、いやいやと悩ましく振らされていた。
「チン先が痛くなってきた・・・」
先ほどまで、果敢に地球を救おうとしていた弾正は、すっかり疲れ切った
ご様子。それもそのはず、今、彼は五度目の性交に及んでいるのだから。
「腰の動きが、お留守になってますわよ・・・あんッ!」
女を貫かれているモグスキーが、男根の働きに不満なのか、激しく腰を
揺すった。途端、弾正の顔が歪む。
「いてて!チンポ、折れるって!」
弾正は後悔していた。地球を救うとか言って、三人の宇宙少女を犯した
はいいが、彼女たちはすぐさま性交に馴染み、貪欲にそれを求めてきた
からだ。
80スペースモグタン:04/06/28 13:25 ID:4D0doHT1
犯しながら彼女たちの歴史を尋ねると、モグタンたちは女系民族で、男
の存在は皆無との事。無論、今日、この日に至るまで、ただの一度も異
性を見た事が無く、当然、性交も初めてだと弾正は聞かされた。
「子孫は、遺伝子操作で作るのです」
モグベルトは犯されながら、そう言った。しかし、そんな事はもう、弾正に
とっては、どうでもよくなってきている。あと、地球の事も。
「高出力の電波を傍受・・・これは、娯楽番組かなにか・・・?」
不意に、モグベルトが円盤内のモニターを見た。見れば、そこには報道特
別番組と銘打たれた、ニュースが流されている。
『ひとりの高校生が、円盤内に取り込まれたとの情報があります』
ニュースキャスターの言葉を、弾正はぼんやりと見ていた。正直、犯り過
ぎで意識が朦朧としているのだ。そこへ、
『あっ、ただ今、新しい情報が入って参りました。円盤内にいるのは、柊弾正
君、十七歳。そして、地球外生命体・・・宇宙を統べる・・?皇帝閣下・・・モグ
・・タンとの婚礼の儀が・・・発表されたあ?』
と、頓狂な声で言葉が繋がれる。それを聞いた時、弾正は目を見開いた。
「余が、連絡しておいた。内閣という、この国の政府機関に」
モグスキーを犯す弾正を横目に、得意顔で言い放つモグタン。まだ、膨らん
でもいない胸を、ぐんと反り返らせながら──
81スペースモグタン:04/06/28 13:38 ID:4D0doHT1
『ここで、政府からのコメントがあります』
モニター内に、総理大臣が映った。誰もが見知った涼やかな笑顔と
共に、手には何故かトロフィーを持って。そして──
『よく犯った!感動した!円盤に捕われながらも、よく頑張った!』
と、やらかしてしまう時の人。それを聞いた時、弾正はついに力尽きた。
『人生いろいろ。結婚もいろいろ』
その言葉を、弾正は薄れゆく意識の中で聞く。少女三人の女を犯し、散
々に精を放った身ではあったが、それでも自分は不運としか思えない。
(俺に選挙権があったら・・・絶対にあの人には、投票しないな・・・)
十七歳ゆえ、弾正に選挙権は無い。だが、思う所はあった。すると、ここ
でモグタンがそっと弾正の傍らに寄り、
「お前は、余のものだ」
そう囁いて、甘い口づけを捧げたのであった・・・・・



おわり。
82名無しさん@ピンキー:04/06/28 14:07 ID:K5RVuJXP
GJ!
ありそでなかった宇宙人モノ。
君の新しい試みに敬礼!
83名無しさん@ピンキー:04/06/28 17:23 ID:bENmM9ak
いや、これは面白い文章であった。
84名無しさん@ピンキー:04/06/28 18:39 ID:QGIQw+2s
既にこれはエロパロじゃなくてギャグだな。

いや、これ、褒め言葉よ、ホント。
85名無しさん@ピンキー:04/06/29 01:16 ID:DIe9n6hw
面白く、そしてハァハァ。
これ最強。
86名無しさん@ピンキー:04/06/30 02:39 ID:oNYx6Twx
アホだ…アホすぎる…w
こんな楽しいエロは

大好きだ!
87名無しさん@ピンキー:04/06/30 09:43 ID:Nb2J7XUB
>>79
>>無論、それはテレビも同じで、どこもかしこも緊急報道番組を組み
そんな中でもテレビ東●系だけはいつも通りに放送やっていると信じたい。
それが彼らのプライドだから。
88名無しさん@ピンキー:04/06/30 16:15 ID:8VmVkAPq
サ○テレビも阪神戦を最後まで中継し続ける、とw
89名無しさん@ピンキー:04/06/30 19:25 ID:IxYEnZxP
>>88
でもって試合中に解説の有田修三辺りが、
「なんや、えらいことが起こってるみたいやね」
とかのん気にコメントしてたりw
90名無しさん@ピンキー:04/06/30 22:32 ID:JwqQC8q2
2ちゃんではニュー速とオカ板がどうなってる事やらw
91SS保管人:04/07/01 00:13 ID:gSpDUkN1
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/


保管庫を移転しました。
今までの所と比べると非常に軽くなっております。
92名無しさん@ピンキー:04/07/01 01:10 ID:ku8pN/0Y
>91
あ…早い…。
御苦労様です。
93名無しさん@ピンキー:04/07/01 01:31 ID:8Ak6SOAv
>>69
神キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!
無茶苦茶ウケました。是非また書いて下さい。
94名無しさん@ピンキー:04/07/01 17:32 ID:fGMA3HCu
保管庫にはアクセスできるけど、
ひでぼんの書一話一話のページにアクセスできない。
移転作業に手間取ってるのかな?

管理人タン、頑張れ。
95SS保管人:04/07/01 18:40 ID:mNml3Geq
>>94
たった今、全てのファイルをUPし終わりました。
これでどの話も読めるようになったと思います。
96名無しさん@ピンキー:04/07/01 20:53 ID:fGMA3HCu
>>95
お疲れ様です。
ああ、これで存分にハァハァできるな。
97駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 02:24 ID:QHA5vihD
「はあ?」
「ですから、死んで頂けますか?」
目の前で正座した女性はにっこりと微笑むと、冗談じゃない一言を口に出す。
ちょっと整理しよう…オレは事態を飲み込むために状況を振り返る。

それは平和なはずの土曜日の夕方、
一日、暇だったオレはのんびりとP●Oのオフライン、今日こそはあのレアをと未だに延々と周回をしていた。

コンコン

そんな時にノックが聞こえた。
妹か?
マルチモードでも手伝わせるかな?
と思い、部屋のドアを開ける……誰も居ない……
そもそも、天下御免の帰宅部のオレと違ってアイツは学校で部活のはずだ。
単純作業を一日やって疲れたかな?
オレが首をかしげ再びコントローラー握った時、

コンコン

またノックが聞こえる。
オレは落ち着いて音の方向を確かめると、それは背の方に
ある窓の方。
しかし、ここは家の二階…
「本格的に疲れているなあ…」
もうゲームは止めてちょい寝るか……
そう思い、ゲームをセーブした時、三度目。
今度は少し強めに

コンコン

確かめるだけ確めた方が良いかな?
98駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 02:35 ID:QHA5vihD
でも、見えちゃいけないモノとか見えると嫌だなあ…オレは霊感ってやつが強い。
よく血塗れな武者とか痣だらけの女性とか見えちゃったりする、慣れてはいるが気持ちが良いモノじゃない。
しかし、ほっとくわけにも行かず振り向いたオレの目に彼女が入った。

その瞬間、オレは彼女に目を奪われた。
腰どころか膝まである夕日をキューティクルで反射する艶やかなストレートの金髪。
序々に育ち形作られる生命体であれば有りえない完全な左右対称、そして凛とした美を称えた顔。
なにより、碧眼というよりもっと赤味掛かった……
そう紫水晶のような透明感じのある紫の瞳。
「あの…飛ぶのって見た目より疲れるので部屋に上げて頂きたいのですが?」
「え…ああ…」
間抜けな生返事をして窓を開けようとしたオレは、体を動かしたことでやっと我に返った。
「飛ぶ?」
ちょっと待ていっ!!
よく見ると彼女の美貌に脳内削除されてたが、彼女、格好が妙だ……
服は正式な名前は知らないけどギリシャ彫刻がよく着ているゆるい感じの布みたいな服。
いや、それは良い。
幽霊なら外国人から見れば鎧武者だって時代かかってるって意味じゃ同類だろう。
……幽霊に話かけられるが良いか悪いか別にすれば……
問題は背中だ。
羽?…というか翼だな。
彼女の身長、よく見るとけっこうある170cm位上は有りそうだ、そして背にそれと同じかそれよりも大きいかもって位の、真っ白な翼が生えている……
「…つかの事、お聞きしますが?どちらさんでしょう?」
それが、オレが彼女の出会いとオレが彼女に初めてかけた言葉であった。
99駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 02:49 ID:QHA5vihD
「あ、はい天使ですけど?
 名前はベアトリスと申します」
何を当たり前の事をとでも言わんばかり態度で彼女はあっさりと答えそのまま部屋に入りこんでくる。
天使っていうとキリスト教とかユダヤ教だよな?
葬式の時位しか仏教にさえ関わらない信仰とは無縁なオレに言われてもピンとこないが……
「で、その天使さんが何の用だよ?」
いつの間にか座布団を出して他人の部屋の真ん中で正座している彼女にオレは向かいあうように話しかけ自分も座ろうとした。
その瞬間、オレは自分の格好に気づいた……
一日、ゲームしながらゴロゴロしてたオレのファッションは、トランクスとTシャツ一枚……
トランクスは今時滅多にない漢の下着、青縞だぜ。
ってンな事どうでも良い!
一瞬にして赤面したオレは床に脱ぎ捨ててあったGパンを掴むとそのまま部屋を飛び出る。
何、動揺してんだ……
扉を閉めGパンを穿きながらほてった頭で考える。
ある漫画の影響で別段、サルマタは恥ずかしくないはずのオレが自室で女性にソレを見られたくらいで……
しかし、現実問題として赤面している。
オレは耳まで上気してしまったのが冷めるまでの時間稼ぎに階段を降りると一階の台所に行き、蛇口を捻ると顔を洗い。
そして、冷蔵庫から作り置きのアイスコーヒーを二つのグラスに注ぎ、それをお盆に乗せると今度は階段を上がり再び自室に戻る。
そこには彼女が居た。
先ほどと寸分違わぬ姿勢のまま、
オレは少々安堵し、
「コーヒー飲むか?」
と声をかける。
「はい、頂きます」
凛とした見かけや声に似合わない穏やかな口調で返事が返ってくる。
オレは彼女にグラスを渡すと、彼女に向かい合うようにあぐらで座り取り敢えず、気になった事を聞く。
「で、天使さんが何の用?」
つーか、なんでまたオレはこの異常事態に早々に慣れてんだ?
100駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:03 ID:QHA5vihD
「その前に質問しても宜しいでしょうか?」
「ん?答えられることなら」
何気なく答える。
「名前は金刀比羅神の金刀(こと)と書いてコンドウに成功の成でシゲル、年齢は16歳。 家族は1つ歳違いの妹と伯父で合ってますか?」
「うん」
「趣味は寝ること」
「…ああ」
「勉強はやらなくても出来るからしない主義、授業中は寝る時間と決めていて教室に居ない事の方が多い」
「……悪いか?」
「スポーツ万能だけど部活は面倒なのでしない」
「……」
う〜ん、真実だけど他人の改めて言われると駄目人間さ加減を実感するなあ……
「生徒会など選挙では人格で失格のはずなのに必ず推薦されるが、これも面倒なので一度もひき受けた事はない」
「もしかして、怠けで天罰でも与えに来たんですか?」
「そうですね。それも有ります」
「……罰、なるべく痛くないのが良いなあ」
「大丈夫ですよ〜死んで頂くだけですから」
ああ、そうか。……って
「はあ?」
ちょっと厳し過ぎやしませんか?という気持ちを込めて聞き返す。
「ですから、死んで頂けますか?」

彼女談によると、オレ…というかオレの魂か?は天界では結構偉い天使で、こっちには使命があって来てたらしい。
……が、
「実は、この時代って貴方が要るような事起こらなかったんですよ」
……手違いがあったらしい。
「救世主様の要るようなサタンの復活も、勇者様の必要な魔王も無し、預言者様になって宗教活動をされる必要もありませんし、下手に規格外な貴方が人間のなかに居られては世界自体混乱し兼ねませんし、
このままこちらに居られますと七つの大罪の内、傲慢と怠惰に魂が堕ちそうですし、一刻も早く天界に戻って頂こうという事になったんですよ」
そこまで言った彼女は立ち上がり軽く微笑む。
「大丈夫ですよ、痛いのは最初にちくっとするだけですから」
いつの間にか彼女の手には例えるなら蛍光灯?のように全体が光を放つ、槍状の物が握られている。
「って注射じゃあるまいしンな事ありゃあせんだろっ!?」
101駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:08 ID:QHA5vihD
「危ねっ」
空気を切り裂く音もなく彼女の光の槍が迫ってくる!!
オレはそれを立ち上がると同時に、体の軸を右に回し避ける。
と、同時に体重が掛かってない方の足を思いっきり踏み出し、彼女の懐に入り槍を振り回せないように両肩を掴みそのまま力一杯押す。8畳間じゃ禄にかわせない。
つーか、槍振り回させて物壊されたらタマらん……そんな考えからの行動であったのだが、
予期せず、彼女を後ろにあったベッドに押し倒す体勢になった。
「どうして……どうして抵抗するんですか……」
先ほどまでとは打って変わり弱い声…
それはオレに心臓が止まるかと思うほどの罪悪感を与える。
しかし…
「やっぱ、オレはまだ死ぬのは嫌だ」
オレの生まれる前、死んだ後、生きている理由さえが彼女の言う通りだとしてもそれでも死ぬのは嫌だ。
「私はただ…ただ貴方に帰って来て欲しいだけなのに……」
彼女の紫水晶のような瞳に涙が滲んでいる。
オレの一番好きな瞳に……
「ああ…そうか」
オレは口の中で呟いた。
何で、こうも簡単にこの状況に適応したのか?
彼女の存在、彼女の言葉に疑問を持たなかったのか?
そして、今感じる罪悪感の正体。
答は簡単だった。
オレは彼女を好きなんだ。
多分…彼女の言う所のオレであった前から……
そう自覚したオレは哀しむ彼女を放っておけなかった。
肩を掴んだ力を緩めると、彼女の顔に自分の顔を寄せ、そのまま口付けをした。
102駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:13 ID:QHA5vihD
気持ちが高揚した為に思わずしてしまった口付け、
慌てたオレは唇を急いで離そうとした。
……が、
驚いたのか押さえた彼女の肩から伝わる一瞬の体の硬直の後、彼女の方から更に強く唇を押し付けてくる。
「う…ん…」
彼女との長い長いキス。
その柔らかい感触、甘い声と匂いを感じたオレの腕は自然と彼女の肩を解放し代わりに彼女を抱き締め、
彼女の腕もそれに答えてくれる。

「ふう…」
どの位の時間たっただろう?
ようやく唇を離したオレは大きく息をつき呼吸を整える。
「もしかして、息止めてました?」
クスっと笑い、彼女がオレに尋ねる。
「……うっ」
仕方ないだろ?
ファーストキス、正真正銘若葉マーク付きなんだから…
「ねえ?一つ聞いて良いですか?」
「ん?」
103駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:15 ID:QHA5vihD
「私の瞳、どう思います?」
「……綺麗だと思うよ」
一瞬、質問の意味を計りかね言葉が遅れるが、考えても仕方ないと正直に答える。
「有り難う……変わりませんね」
「なんの話?」
「これは刻印なのです。
 弟…と言うのも変ですね、私たち天使はすべて主の作り給うた兄弟ですから……
 でも、その中でも私のもっとも近しかった彼が堕天した
時に、私の瞳の色も赤く変わりました」
そこで彼女は目を一度伏せ、
「…不浄を嫌う天使たちの中で、私の瞳を綺麗だって言ってくれたのは貴方だけだったんですよ……
 私はだた貴方に帰って来て欲しいだけっ!!
 この10数年、天界に居た私にとってまばたきの時間、
 でもっ!でもっ!!
 それでも我慢できなかったっ!!
 ……だから、だから…」
語調が感情を現し激しくなり、やがて涙が掻き消して行く。
「…うん…ごめん」
何に謝っているのか解らないが自然と言葉が出、彼女を抱
き締める腕に力が入る。
そしてもう一度口付けをする。
104駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:18 ID:QHA5vihD
二度目のキスは先ほどの失敗を踏まえ手早く唇を離す。
「……あ」
名残惜しそうな彼女の声が耳に痛い。
が、オレはその声が終わるか終わらないかの間に次の行動
に移り、それが彼女から違う声を引き出す。
「あ…ん…」
オレは彼女の唇から離した自らの唇を、今度は彼女の首筋
に優しく這わした。
「あの…欲情は大罪…です」
甘い吐息を吐きながら彼女は弱々しくオレを止めようとする。
それに対してオレは
「欲情じゃなく愛情だよ。
 それともオタクは違う?」
普段のオレじゃあ絶対、言えない台詞だが何故か今は口から出てくる。
「…いえ、その……」
言葉がなくても彼女の返事はオレの言葉に対する態度で明らかだった。
オレはそれに満足すると、続きを続ける。
彼女の服の肩の部分に手を掛けるとそれを引き下ろす。
105駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:22 ID:QHA5vihD
背が高いし、見掛けは白人という事であったちょっとした先入観
というか青少年の期待が裏切られる……
下ろされた白い布から形こそ良いが小ぶりな丘…有り体に言うと微乳が現れる。
オレはその左の胸まで唇を這わせて移動させると、
同時に左手で彼女の胸を優しく触れる。
「……あうっ」
先ほどまでの甘い声と違い初めて聞く、彼女の高い声。
その声はオレの理性を容易に飛ばしそうになる。
それをオレは危うい所……
まさにあと一歩で踏みとどまる。
「すう…はあ…」
深呼吸を一度し、自分を落ち着ける。
そして、
左手の中にある彼女の胸をゆっくりさする。
「…んんっ」
想像してた女性の胸より少し固い気もするが、その固さが生み出す弾性が心地良い。
オレは手のひらを少し浮かし動かすと、中指と薬指の付け根に感じていた突起を軽く人指し指と中指で挟む。
「きゃぅ」
再び彼女の先ほどよりも高い声。
オレはそれを聞きながら再び、先ほどより力を少し込め彼女の胸をさする。
いや、これは揉むというのだろう。
「あ…うん…ん」
彼女もそれに慣れたのか声を殺しつつも、オレの手の動きに反応し答えてくれる。
106駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:25 ID:QHA5vihD
どっくん…どっくん…
心臓の音が体に響く。
落ち着け…落ち着け……
オレは自分に心の中で言い聞かせ、左手を彼女の胸から離し自分のGパンとTシャツをせわしなく脱ぎすて、
少し悩み縞パンも脱ぎ捨てる。
そして…
先ほどの胸への愛撫の時に、観て予想した彼女の服の作りを頭に描きながら、
その腰についた帯を外すと長いスカート部分の裾をそっとまくり上げる。
「……あ」
彼女の口から小さな声が漏れ、裾を掴むオレの手に添えられる程度に彼女の手が触れる。
とっさに出た彼女の反射的な言葉と動作だろう……
だが、オレは心配になって聞いてしまう。
「いい?」
言ってオレは後悔した。
女性がそう聞かれて「はい、どうぞ」って言うわけにいかないだろ……
ここは何もなかったことにして流すべし!
そう決心したオレは握った裾をさっと上に引き抜き彼女の服を脱がす。
ブラジャーが無かった事から予想していたが、やはり下着の類は彼女を着けてなかった。
「あの…あまり見られると恥ずかしいのですが……」
赤面し目を伏せ、腕で大切な所を隠した状態で小さく呟くように言葉を発した彼女に露になった彼女の白い肌に目を奪われ、思わず手を止めて彼女を直視していた自分に気づく。
「ああ…ごめん」
オレは彼女の首筋に唇を寄せ、同時に彼女の太股に腕を伸ばす。
107駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:29 ID:QHA5vihD
オレは首筋から彼女の白い肌にキスを重ねていく。
「う…あん…」
彼女はオレの頭を抱えるように抱き締め背筋を逸らせ小さな声をあげる。
その間も彼女の太股に伸びたオレの手は彼女のしっとりとした彼女のきめの細かい感触を伝えてくる。
「暖かいですね……貴方の手」
オレの頭を抱いたまま、彼女がオレの耳元で呟く。
その言葉が、こそばゆいような感情をムズムズとオレにもたらす。
オレはその感情に止まりそうになる手を必死で、しかし、ゆっくりと彼女の大切な部分に這わせて慎重に指先を動かす。
「く…ん……そ…そこは…」
指の腹を申し訳程度に生えた彼女の髪と同じ色の淡い茂みがくすぐり、指先に序々にゆっくりと湿った感触が伝わってくる。
「……まだ…だめ…」
彼女はそう言うと太股を締めて閉じようとする。
…が、すでにそこにたどり着いているオレの手はそれを無視して指先を優しく動かす。
「あ…あ……」
指を摺りつけるたびに、彼女の口から甘い吐息が洩れる。
その様子を見ながら、少し指を奥にと滑らせたオレの腕を今までオレの頭を抱き締めていた彼女の腕が突然止める。
「……え?」
何か悪い事したかな?
焦りすぎた?
力を入れすぎた?
幾つもの疑問視と不安がオレの頭を駆け巡った。
しかし、彼女の意図はそのどれでもなかった。
108駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:31 ID:QHA5vihD
「その…なかを初めて…は、その……貴方自身で……」
お願いします。と聞こえるか聞こえないかの声で続ける。
これは、オレとしては実は有り難かった。
正直な話、痛いほどに感じていたオレはすでに理性も限界に近いし……
なにより、何がというわけではないがその彼女の言葉が無償にオレには嬉しかった。
「…辛いかも知れないぜ?」
オレは確認というより警告に近い言葉を彼女に言い。
その言葉に対して彼女が顔を紅潮させ頷くのを確認すると、
先ほどから指先で感じていた彼女の形を思い出し、自分自身を握るとそっとその入り口に当てがった。
彼女の微かな震えが、伝わってくる。
オレは少しでも不安が和らぐようにという気持ちを込め、
彼女の唇に自分の唇を重ね気持ちが伝わるように願いキスをし、
そのまま、彼女の体に覆いかぶさるように体勢を沈めゆっくりと挿入していく。
109駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:39 ID:QHA5vihD
「……くっ」
彼女の噛みしめた歯の隙間から押し殺した声が漏れ、柳眉の間に苦悶のしわが浮かぶ。
明らかに辛そうだ。
「だ…」
大丈夫か?
と言いかけたオレを彼女は制し、言葉を紡ぐ。
「そのまま…きて……ください」
そう言うと、彼女はオレを抱き締め太股をさらに大きく開けオレが進みやすいようしてくれる。
確かにこのままの状況を続けても彼女の苦痛が長く続くだけかも知れない。
オレは彼女の言葉に従い、自身をゆっくりとだが確実に彼女の中を進めていく。
やがて…
というっても実際には大して入っていなかっただろうが、オレにとっては気の遠くなるような時間と思える程進み、
微かな抵抗にあう。
本能なのか一瞬でそれがなんなのか理解したオレは躊躇するが、
一呼吸置いて、意を決すると
少し腰をひき、勢いをつけるとそのまま一気に奥まで貫く。
「……くうっ!!」
彼女の口から歯を食いしばっても尚、苦悶の声が洩れる。
「くう……ふう…」
オレは終わりそうになる自分を抑えるために歯をくい縛りそのまま、呼吸を整える。
オレを包み込む彼女から純血の証が滲み出ているのが見える。
「は…入りましたか?」
「ああ…全部、入ったよ」
110駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:42 ID:QHA5vihD
オレは彼女の質問の答ながら、微動だに出来ない自身を慎重に抑えながら、彼女にもう一度キスをする。
「あ…ん」
そして、キスをしたままオレはゆっくり慎重に、
出来れば永遠に…
しかし、それが無理なのは解っている、
だから少しでも長く……
せめて…彼女が感じるものが痛みだけでなくなるまで……
そう願い、オレは彼女のなかを前後に動く。
「く…っ……ひとつに…なっ…ている…んですね?」
「ああ…」
まともに言葉もすでにオレは発っせない。
……彼女をちゃんと良く出来ているんだろうか?
オレの動きは先ほどより無意識に幾分速くなっている。
もう…動きを理性で抑えるのも限界である。
と、同時にオレは自身の終わりを抑えるのも限界だった…
「−−−あ」
オレの終わりと同時に彼女の声が聞こえる。
それはあ、a、母音の最初の音、
原初の音であった……
111駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:47 ID:QHA5vihD
「ふう……」
オレたちは余韻を楽しむように、もう一度キスをして抱き合った。
そして、どのくらいたっただろう?
抱き合ったまま眠ってしまったオレはふと目を覚まし、辺りを見渡す。
…すでに夜。
時計は午前3時を指している。
横で寝てたはずの彼女が居ない。
焦り…
オレは胸が締め付けられる痛みに慌てて跳ね起きると、
「起こしてしまいましたか?」
安堵…
良かった…居てくれた。

……は良いけど…
「それは?」
「では、そろそろ」
しっかり服装を直し、光の槍をオレめがけて構えた彼女が居た。
「はい?」
「帰りましょうか?」
「いや…それは断ったんですが……?」
「…私は貴方と離れるのは嫌だともお伝えしたはずですが?」
112駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 03:50 ID:QHA5vihD
彼女はにっこりとオレの大好きな笑顔で微笑むと、何気なく聞けば嬉しいが、よくよく考えると恐ろしい事をあっさり言う。
「しかも、その気持ちをちゃんと受け止めて下さいましたよね?」
……確かに
「では」
そう言うと彼女は槍を矢とし、自身の体を弓のようにひき絞る。
「いや!ちょっと待った!
 ほら…オタクがこっちに住むとか!」
彼女と別れたくないが、
当たり前だが、死にたくもない。
彼女とオレはよくても全く何の解決にもなってない提案と解っていながらも他に思い浮かばず、口走る。
「…そんなに嫌なのですか?」
彼女が槍を握った腕を落としうつ向き訪ねる。
「確認するまでもなく普通は嫌がると思う…」
少なくとも人間は……
彼女と自分の今の違いを認めるのが嫌で、最後の言葉は胸の中だけに止める。
「…そうですか…」
彼女は暗い声で呟くと
「そんなに簡単に天使がこちらで住めるわけないでしょう!
 もう勝手にして下さいっ!!」
彼女は怒鳴るとオレに光の槍を投げつけ、振り向きもせず最初に来た窓から翼を広げ飛んでいってしまった。
彼女が居なくなると光の槍も消え、あとにはその槍が掠めオレの頬につけた傷だけが残った……
113駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 04:00 ID:QHA5vihD
ー・ー・エピローグ・ー・ー

彼女の怒鳴り声は眠っていた妹の耳に届き、オレは言い訳に四苦八苦した……

あれから一ヶ月たった。

取り敢えず死後、天界とやらに戻れる程度にはなっておこうとオレなりに頑張っている。
死にたくないのは本心だし、それ自体は悪くないと今でも思うが言葉に思慮が欠けていた事を彼女に謝りたい、
それに…許してくれたらだけど、プロポーズもしたい。

「起きて下さい」
妹が起こしに来たらしい。
今日も目覚まし時計を知らない間に止めてしまったのか…

駄目人間返上はまだ出来ないな……
覚醒しかけの惚けた頭でそんな事を考えながらいつもの返事をする。
「あと…5分…」
嗚呼…駄目人間…
「美迦さーん、あと五分だそうですが宜しいですか〜?」
「駄目っ!!起きないならその辺にある物で叩いてでも起こして!!」

美迦は妹だ。
その声が遠く一階から聞こえる。
って今、オレを起こしているのは妹じゃない……
というか、凛とした声の癖にそれの合わない丁寧語。
どっかで聞いた事あるぞ……

オレはおそるおそろる目を開けるとそこには
「お久しぶりです」
彼女が居た……
114駄目人間と天使 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 04:07 ID:QHA5vihD
「天界で新しい仕事を頂きました。
 貴方が帰ってこないならせめて大罪に触れないように生きて頂くように監視しろと。
 それで私の立場なんですけど、貴方の……」
彼女の言葉はオレに抱き締められ中断された。
「もう、話の途中ですよ。
 私はずっと、貴方と一緒に居たいので同居の従兄弟でハーフって事でお願いしますね」
そう言ってオレの抱擁に答え、彼女もオレの背に腕を回してくれる。
「…というかオレの妹、洗脳とかせてませんか?」
「それから……婚約者ですよ」
オレのささやかな疑問を無視して、彼女は今まで見た彼女の中でも最も綺麗な笑顔でぽつりと付け足す。
「はい?」
「文句有りませんよね?」
例の光の槍がいつの間にかオレの喉元に突き立てられている。
なんか性格変わった?
とういうか実はまだ怒っている?
もしかしたら、監視より寝首をかきにいらしゃった?
など疑問は残るが、

取り敢えず、オレは前よりも笑顔が綺麗になったオレの大切な天使が帰って来た事を喜ぼうと思う。
115 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/02 04:14 ID:QHA5vihD
初めまして。
乱文&駄文&長文で失礼しました。

それにしても文章って難しいですね。
自分で書いてみて職人さんたちの偉大さをしみじみ実感しました。
116名無しさん@ピンキー:04/07/02 07:01 ID:OujPIWqO
117名無しさん@ピンキー:04/07/02 19:41 ID:HOfDrgal
> >◆I3tGz4xJ9E氏
(*゚ー^)b<GJ!
118名無しさん@ピンキー:04/07/03 07:18 ID:T/stpSr4
>115
GJっす! GJっすよ!
帰ってきたら性格が変わってるなんて、ツボっすよ。
これからも楽しみにしてるっす!
119ごめんなさい:04/07/04 15:20 ID:XyJONGfF
『郵政事業 自由化』
その言葉を聞いて久しいが、今の所、民間企業が郵政事業に参加
するという話は聞かない。たとえ、政府からの具体案が出たとしても、
どの企業もリスクを恐れ、新たな業種に金を注ぎ込もうとはしないし、
銀行だって易々とは資金を貸してはくれないだろう。となれば、必然的
に公社と大企業の間を縫って、ニッチ・マーケットを開拓していこうとい
う輩も出てくるというもの。これは、ある時の人が郵政民営化をぶちあげ
たがために、野心を持った起業家が蒙った悲劇を描いた物語である。

震度三の地震が来ただけで倒壊しそうなアパート、『万古草荘(ばんこ・
くさそう、と読む)』に、一人の男子大学生が住んでいた。彼は、地方から
上京し、ボンクラ大学生活を満喫する青年、足蹴定元(あしげ・さだもと)。
「母ちゃん、今日、仕送りするって言ってたな」
日曜の昼間だというのに、金無し、まともな友達無し、彼女無しという無い
無いづくしの定元は、母親から送られてくる補給物資を待っていた。比較的
裕福な家庭に生まれた定元ではあるが、生来の浪費癖がたたり、いつも
懐が寂しい。実家から送られてくる潤沢な生活費は、手にした途端、使い込
んでしまうという有り様で、月末が近づくと大抵素寒貧となる。要するに、抑
制が効かないダメ人間という事。
「米と缶詰・・・後は、下着類かな。本当は、金が一番ありがたいが」
仕送りの内容を思い浮かべながら、定元はテレビのスイッチをつけた。別段、
見たい番組がある訳ではないが、やる事が無いので休日はいつもこんな感じ
のボンクラ学生っぷりを見せる定元。故郷の親御さんが見たら、さぞや嘆くこ
とだろうが、当人はどこ吹く風であった。
120ごめんなさい:04/07/04 15:43 ID:XyJONGfF
「ごめんくださ〜い・・・足蹴・・さ〜ん?お届けものです〜」
昼下がりの気だるさが定元の眠気を誘い始めた時、彼の耳に年若い
女性の声が聞こえた。自ら届け物と知らしめているので、定元はこれが
母親からの仕送りと分かる。
「開いてますよ」
ドアを開けるのさえ面倒くさい──そんな事を考えつつ、ボンクラ青年
は立ち上がった。しかし、
「そっちじゃ、ありませ〜ん」
玄関の方へ向かおうとした瞬間、上記の如き声が定元の背へかけられた。
「ん?ん?ん?」
顔を玄関に向けているので、背は窓側を向いているはず。ここは、倒壊
目前のアパートで、部屋だって四畳半一間のみ・・・それも、部屋は二階に
位置し、ベランダなんぞも無い。なのに、声はそちら側、すなわち窓の方か
ら聞こえてくる。
「どうして、窓から声が・・・」
一旦はドアを前にしたが、定元は踵を返し窓を見た。その瞬間、
「わあ───ッ!」
寝ぼけ眼をかっと開き、おののく定元。何故ならば、窓の向こうには全身
黒づくめの姿をした少女が、ほうきに跨って宙に浮いていたからである。

「ま、魔女?」
定元は思わず叫んだ。窓から見える少女の容貌が、魔女と呼ばれる異端に
酷似していたからである。しかも、彼女はほうきに跨り、足場も無いのにぷか
ぷかと空に浮かんでいるではないか。これに驚かない訳が無い。
121ごめんなさい:04/07/04 16:01 ID:XyJONGfF
「お母様から、お荷物を預かってまいりましたよ。認めをくださいな」
驚愕する定元をよそに、少女は小包みを指差し、受け取りを求めた。
荷はほうきの先にちょいとひっかけられて運ばれてきたらしく、今も尚
少女の指先でぶらぶらと揺れている。
「魔女の宅配便か・・・なんてこった・・・」
どこかで聞いた様な話だと思いつつ、窓を開ける定元。すると、少女は
滑り込むように部屋へ闖入し、
「ふう、疲れたあ・・・群馬県から夜通し飛んできたから、大変だったんで
すよ」
そう言って、ほうきからよろよろと下りた。立ち姿の少女を見ると、背丈は
百二十センチ程度。年齢は十二歳前後で、黒いマントを小粋に羽織り、頭
にはつばの大きい帽子を被っている。その出で立ちは、書物や映画で見ら
れる、いかにも魔女然とした装いであった。
「ご苦労様です・・・っていうか、君・・・魔女?」
「はい、そうです。ルーマニアっぽい所から、日本に移住してきたんです。
ジャパニーズドリームを夢見て」
判子を手にした定元が尋ねると、少女は自ら魔女と認めた。更に、
「故郷だと、いまだに魔女は異端だとか言って、裁判にかけられるんです。
でも日本だと、萌えとか言って魔女を大事にしてくれる人が多くて、安心し
て生活できるんですよ・・・いい国ですね、日本って」
少女はにこやかな顔を見せ、おじゃ魔女ソミドや、魔法使いペッサリーちゃん
などという、日本を代表する魔女の存在をひけらかした。そして、それらの
魔女萌えを自負する、ダメ人間たちとの触れ合いも。
122ごめんなさい:04/07/04 16:34 ID:XyJONGfF
「この前、秋葉原って所へお届けものしたんですけれど、何故か街往く
人々がわんさか集まってきて、全員がいきなりあたしに土下座したんで
すよ。それで、写真を撮らせて下さいって頼まれて・・・別にいいですよっ
て言ったら、みなさん女神降臨だ!とか叫びながら、無駄にハイテク化さ
れたデジカメをパシャパシャと・・・」
少女は得意顔で、先だって身に起きた椿事を話し始めた。この手の光景
は、秋葉原あたりでは良く見られるので、都内に住む人間ならば、別段
珍しくも何とも無い。だが、外国育ちの彼女にとってはそれがある種のカル
チャーショックだったらしく、鼻をふくらませてその時の出来事を、身振り手
振りを添えつつのたまった。しかも、写真撮影をお願いした愚か者どもは、
少女を激写した後、金まで支払っていったという。
「日本の人は魔女に優しいんですね、やっぱり。故郷では、迫害されるだけ
の存在だったあたしが、あんなに感謝されるなんて・・・夢みたいでした」
少女は帽子のつばを啄ばみ、えへっと笑った。愛らしい微笑の中に憂いを
含んでいるように見えるのは、故郷で受けたという魔女たちの迫害を、暗に
物語っているのかも知れない。が、しかし・・・
(それはともかくとして、日本の恥がソフトに伝わって良かった・・・しかし、
魔女萌えのやつらども!)
昨今の『萌え過ぎ』を懸念している定元は、この異国からやってきた少女
が、恥ずべき日本文化を良く取ってくれた事に謝し、また、けだものの如き
アキバ住人たちをなじった。ただでさえ、過熱する萌えであの近辺は都内
でもきっての高温多湿地帯になっている。しかも夜になると、放射冷却で気
温は夜の砂漠並みに下がり、それを知らない地方人が薄着のまま到来して
は、凍死するという事態が頻発しているのだ。
123ごめんなさい:04/07/04 16:55 ID:XyJONGfF
「あ、ご紹介が遅れましたが、あたしマリエールと言います。マリー
で結構です」
少女は名乗りながらマントの裾をちょいとつまみ、お愛想を見せた。
年若い・・・というよりは、幼ささえ残した魔女は、よく出来た令嬢の
ように振る舞い、大学生になってもボンクラっぷりを見せる定元に対し、
礼にかなった挨拶をする。魔女とはいえ、躾がなされているようだ。
「若いのに感心だね。荷物、確かに受け取ったよ。判子はここでいい?」
「はい。ありがとうございます」
荷物を受け取った定元がみとめを押すと、マリーは職務をまっとうした
安心感からか、相好を崩して子供らしい笑顔を見せる。しかし、両手を
前で合わせ、定元を見る瞳がそわそわと落ち着かない。
「どうしたの?」
「あ、あのう・・・」
そわそわがもじもじに変わり、マリーがいたたまれないような顔をして
いる事に気づき、定元が問いかけると、
「お、おトイレを・・・拝借してもよろしいでしょうか?」
群馬から夜通しほうきに跨って飛んできたという魔女は、頬を赤らめな
がら、用足しの旨を告げた。
「ああ、トイレならそこだよ」
「す、すいません」
定元が手洗いの場所を指差すと、マリーはいそいそとマントの前合わせ
を留めているカメオを外す。いくらこれが魔女の正装とはいえ、夏場の今
にこの服装は暑かろうと、定元が少女を見遣っていると・・・
124ごめんなさい:04/07/04 17:13 ID:XyJONGfF
「マント、お預かりしていただけます?」
ばさっと黒衣を脱ぎ捨てたマリーは、それを定元へ手渡した・・・
のだが・・・それはいいとして、問題はマントの中身である。
「な、なんだあ?」
定元はマントの下──もっと手っ取り早く言うと、マリーの体を見て
仰天した。何故ならば、十二歳かそこらの少女の肢体には、見るも
禍々しい荒縄が打たれていたからである。それも、マリーは素っ裸
で、肌着の類は何一つ身に纏ってはいない。素肌に荒縄。まさに、
某鬼六先生もびっくりの艶姿だったのである。
「マントの下・・・裸・・なの?」
口をあんぐりと開けて問う定元。もちろん、自分の知る魔女っ子の
フォームとは違う、いかがわしいにもほどがあるような、マリーの御姿
から目が離せないのは言うまでも無く。すると、
「ご察しの通り、マゾの宅配便です──なんちゃって!」
ルーマニアっぽい所から、迫害を逃れて日本へやってきたという魔女
は、大らかな微笑みと共に言い放ったのであった。

「本当は、ここが落とし所だったんですが・・・」
用を足した後、マリーは定元から出されたお茶を啜りつつ、呟いた。
「まあ、ありきたりだったんで、小ネタを重ねようと・・えへへ」
今も魔女は全身に荒縄を打ったままで、全裸に等しい姿。それを、
定元は食い入るようにして見つめている。心の中で、何やら危険な
予感を感じ取りながら──
125名無しさん@ピンキー:04/07/04 17:24 ID:HZSCg39c
マゾの宅急便吹いたw
126ごめんなさい:04/07/04 17:34 ID:XyJONGfF
「日本に来るまでは、故郷で調教されてたんです。もちろん、男の人の
物もズブリとねじ込まれました。スタジオ、ズ・・・」
「余計な事は、言わないでよろしい!」
マリーが身の上を語り出すと、その凄惨な運命を定元は眉をしかめて
聞かされる羽目となった。何とこの魔女は、幼き日々から様々な責めを
受け、マゾとしての教育をされてきたと言う。
「あたしの家は魔女っぽかったんで・・村々の人たちに吊るし上げ食っちゃ
って・・・たぶん、ムラムラしたんだと思います。あたし、可愛かったから」
「また駄洒落かよ」
話半分で聞いてはいるが、どうもこの魔女の言う事は怪しいと感じる定元。
確かに、迫害を受けた身は哀れだとは思うが、何せ話しっぷりが不真面目
に思える。
「ママも魔女っぽい人だったんで、あたしたち母娘は、よくお尻を並べて男の
人に犯されました。不思議なもんで、母娘でも妙なライバル心が起こるんで
すね。どっちが、たくさんの男の人を喜ばせたかなんて・・・あ、ちなみにパパ
はいません。ママが魔女って知って、すぐ逃げちゃったらしいんです。やる事
はやって、あたしが生まれてから」
「そうか・・・可哀そうに」
マリーは、父親が逃げたという所だけは、悲しそうに話した。幼くして、父性に
触れ合う事が出来なくなった少女を、この時だけは定元も不憫に思う。が、
「パパから見れば、魔女のママは・・つまり、奥様はマゾ・・・って事ですよね」
マリーは手をはたき、自らのギャグに冥利を尽かせた。それを見た定元は、
「くだらねえ!」
と、目を吊り上げ、前言を翻し鬼のような形相となる。何だか、年端もいかぬ
少女に、自分が翻弄されているような気がしたからだ。
127ごめんなさい:04/07/04 17:51 ID:XyJONGfF
出されたお茶が冷えた頃、街並みには夕暮れが迫っていた。勿論、
定元が住まう万古草荘にも、夜の帳が下り始めている。しかし、マリー
はまだまだ話し足りないらしく、いよいよ饒舌になっていった。
「浣腸って、凄いんですよ!こう、ドバーッって出ます、便が!しかも、
こんな太いのが。まあ、よくもこれほどの物がって、感心しますよ」
「はあ、そうですか・・・」
身振り手振りを以って、マリーが調教された日々を聞かせ続けるので、
定元はいい加減まいってきた。十二歳前後の少女が荒縄に身を打たれ、
マゾとして育成された過去を話す。それは、悪夢以外の何物でも無い。
「恥ずかしい話なんですが、浣腸された後はすっごく従順になれるんです
よ。もう、どうでもいいやって感じに・・・ここまで見られたら、いくとこいくぞ!
そんな気になりますよ、ホント」
「ふうん・・・」
熱っぽく語るマリーに対して、定元は冷ややかだった。正直、早く帰って
くれないかなあ、なんて思ってさえいる。すると、調教済みの幼い魔女は、
「ああ、もうこんな時間・・・そろそろ」
と、切り出した。これを、定元はそろそろご無礼をいたします、と取った。
「ああ、そうだね。そろそろ・・・いや、大したお構いもしませんで」
マリーに出した茶器を引こうと、手を出す定元。そこへ、魔女の手が重なっ
てきた。更に──
「そろそろ・・・ムラッ・・・ときてません?あたしなら、いいんですよ・・・」
と言いながら、マリーは定元の手を自分の胸元へといざなっていったの
である・・・・・
128ごめんなさい:04/07/04 18:10 ID:XyJONGfF
「き、君!いけない、こんな事しちゃ・・・」
「調教済みのチビッ子魔女・・・に、興味はありませんか?」
嗜めようとした定元に、マリーが艶やかな笑みで誘う。見れば、頬を
はじめ縄を打たれた肌も上気し、男をしたたかに惹きつける色香を見せ
ていた。まさに魔性──そんな感じ。
「うッ、それは・・・ごくり・・・」
定元がつばきを飲む。しかも、先ほどまでは呆れて聞いていた筈の、少女
の身の上話が、生々しく蘇ってもきた。調教を受けたチビッ子魔女というの
も、何だか新しい境地に思える。そこへ、マリーがとどめの一撃を放った。
「いいのよ、お兄さん・・・ううん、お兄ちゃん・・・」
立てひざをついた後、そのままヒップを落とした魔女は、指を吸いながら定元
を濡れた瞳で射抜いた。彼が、妹萌えの人物と踏んだのである。
「お、お兄ちゃんと呼んで・・くれるのか?」
マリーとの間合いを膝で詰め、定元が食いついた。すると、魔女はぷいっと顔
を背け、しかし、横目で食いついてきた哀れな妹萌えの男を見据え、
「呼んで欲しい・・・?お兄ちゃんって・・・」
まさに、妹でいきなされという雰囲気を醸し出しつつ、ぺろっと指を舐めたので
ある。そうなれば、定元はもういけない。
「マリー!」
「ああん!お兄ちゃん!」
情欲にほだされた定元が、少女の肢体に打たれた荒縄を、引きちぎらんとばか
りに取った。当然、引き絞られた荒縄は、マリーの股間を食い込ませ、ぎりぎりと
女体を締め上げていく。
129ごめんなさい:04/07/04 18:26 ID:XyJONGfF
その晩、定元は母親から送られてきた荷物の事も忘れ、散々に
マリーを嬲った。マゾの魔女は、持参した調教グッズの数々で責め
を乞い、純朴だったボンクラ青年を化生の世界へと引きずり込む事
に性交・・・じゃなくって、成功する。倒壊寸前の万古草荘はぎしぎし
と軋み、あわや往生を迎えるかと思ったが、激しい魔女と青年が紡ぐ
荒淫にも耐え、何とか朝日を拝むことが出来た。そして、二人は──

「マリー、おはよう」
「あ、おはよう・・・お兄ちゃん」
廃れた四畳半の真ん中で、定元とマリーは抱き合いながら朝を迎えた。
マリーはまだ縛られ、バイブレーターと呼ばれる淫具を女芯へ穿たれて
いたが、それを何ともせずにこやかな顔。マゾの本領を発揮した形である。
「お兄ちゃん、昨夜は頑張り過ぎちゃったかなあ・・・ははは、太陽が黄色いや」
定元が、魔女を迎えた窓から外を見た。すると、不思議な事に万古草荘の
周りには人だかりが・・・・・
「あそこから、悲鳴やら怒号が一晩中聞こえて・・・何があったんでしょう」
人々が、定元の部屋を指差し何やら囁き合っている。中には、通報しました
とか言う人も──
「ヤ、ヤバイ!」
昨晩の荒淫が世間へ筒抜けになっていた──定元は、ここでようやく人
だかりの意味を悟った。そして、マリーを嬲った自分というのは、傍目に見れ
ば少女に悪さをした青年としか映らないであろう事も。
130ごめんなさい:04/07/04 18:43 ID:XyJONGfF
割と近いところから、パトカーのサイレンが響いてきた。本当に誰かが
通報したようだ。
「本格的にヤバイ!マリー!」
定元は魔女に戒められた荒縄を懸命に解こうとする。しかし、気が焦って
か、縄の結び目はなかなか解けてはくれない。
「どうしたの?お兄ちゃん」
「マズイんだ!とにかく縄を解いて、服を・・・」
状況が理解出来ないマリーへ、定元は必死に危機を訴えかけた。しかし、
ここではたと思うことが──
(マリー・・・裸で来たんだったよな・・・マント一枚羽織って・・・)
たとえ縄を解いても、自分が全裸の少女を部屋に招いている青年である
事に違いは無い──と、定元は考えた。そして、そうこうしている内に、サイ
レンはどんどん近づいてくる。
「絶対絶命だ!」
愕然とする定元。次いで、自分の人生は終わったも同然と、絶望の淵へと
立たされた。そして、サイレンが、部屋の真下あたりから聞こえて来たその時・・・
『時の人でございます。参院選、比例はぜひ我が党へ』
と、例によって例の如く、郵政改革をぶち上げた人物が、選挙カーに乗って、
万古草荘の前へ現れた。にこやかな顔に、たすきがけという勇姿で。すると、
マリーが全身を縄で打たれながらも、窓へ詰め寄り、
「あッ、あの人がマゾの宅配便を認可してくれた人よ!」
そう言って、時の人をうやうやしく見遣った。
131ごめんなさい:04/07/04 19:00 ID:XyJONGfF
「郵政改革バンザーイ!頑張って、時の人!」
『応援ありがとう、お嬢さん!』
マリーが声をかけると、選挙カーに乗った時の人はにこやかに
手を振った。優しい笑顔が、市井の皆さんの間を通り抜けていく。
だが、人々は時の人よりも、マリーの御姿を見て驚嘆してしまう事
となる。
「あッ、裸の少女が!」
「しかも、縄で縛られて・・・確か、あそこにはボンクラ大学生が一人
で住んでいたはず・・・」
市井の皆さんから驚愕の声が上がった。ここで、定元は犯罪人決定。
ついでに言うと、罪状もほぼ確定。状況から言えば、何の言い訳も出
来そうにない危険人物・・・・・と。
「ははは・・・郵政民営化・・・マゾの宅配便か・・」
ずるずると力無くくず落ちる定元。もう、服を着る気力も無かった。
「都の治安を預かる当局だ!ここを開けろ!この、けだものめ!」
ドアの方から聞こえてくるそんな怒声も、定元にはもう聞こえない。ただ、
心の中でこう呟くばかり──
(民営化、民営化って・・・何でも民営にすりゃ、いいってもんでもない
だろうに・・・それで委員会(駄洒落)!)
ろくすっぽ審議も行わず、何でもかんでも法制化する時の人に毒づく
定元。彼は、遠ざかる意識の中でこんな声を聞いた。
『民営化もいろいろ』
・・・・・と。

おしまい
132名無しさん@ピンキー:04/07/04 21:24 ID:Pt2LNhDf
ワケワカンネw
もう最高。GJ。

もしかしてリアルタイム書きですか?
一応、まとめて上げた方が良いのでは……とは思う。
133名無しさん@ピンキー:04/07/04 21:42 ID:Pay82UB3
勢いをつけたいときはリアルタイムの方がいいものができることも。
つーか、モグタンの作者さん?
134名無しさん@ピンキー:04/07/04 22:23 ID:1UUQSf7m
相変わらず最高ですw
わけわからなさがいいなあ。
135おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 00:40 ID:E1DMx8zE
生物工学の魔術師
機械の鬼才
科学の万能者
昭和の狂科学者
など、様々な異名をとった僕の唯一の肉親だった祖父がこの世を去って4年……
祖父の残してくれた屋敷に一人で暮らす僕に何故かその祖父から今日、僕の17歳の誕生日に手紙が届いた。

「拝啓、積羽(つみは)正樹(まさき)様。
 まずは17歳の誕生日おめでとう。
 君がこの手紙を読んでいるという事は既に、私は君を残して逝ってしまったという事だね。
 本来は私が直接口頭で伝えるべき事だが生前、私が君に伝えられなかった事をこの手紙に託す。
 この手紙がつつがなく君の手元に届く事を願って。積羽大樹」

そんな文で始まった手紙には古い鍵が同封されていた。
真実と共に……
136おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 00:44 ID:E1DMx8zE
「まず謝らねばならない、私は君の祖父ではない」
僕は……
おじいちゃんのクローン?
嘘だ……
いや…でも、そういえば両親の記憶がない。
世間では何年か前に羊とかのクローンの成功ってニュースを聞くけど……17年も前に人間だなんて……
「あの人なら有りえる」
僕には優しい祖父だったが、屋敷の中にはニトロだの青酸カリだのが転がっていた……
僕はため息を一つつくと手紙の続きを読んだ。
「検査の結果、君の体は間違いなく正常である。
 しかし、不測の事態はおこらないとは限らない書斎の地下に造った実験室の鍵を同封しておく。
 出来れば、君に私の全ての遺産を受け取って欲しい」
勝手だなあ。
要は実験室を残すから、自分の研究成果(遺産)について勉強して問題が起こったら自分で対処しろって事だよな?
あまりにショックが大きいからか、それとも僕は祖父という人物を知っているからか不思議に取り乱したりしない。

僕は、同封された鍵を握り締めると書斎に向かった。
137おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 00:47 ID:E1DMx8zE
僕が祖父の手紙にあった地下室に降りると、むせ返るようなホコリの臭いがした。
部屋には製図用らしき机と、もう一つ普通の机、
それに本棚が二つ。
なにげなく僕は本棚から一冊の本を取りパラパラとめくる。
「手書きだ」
祖父の書いた物だろう、これでも僕は理系には自信はあっただが、その本は当然ながら僕の高2レベルの自信など通用せずまったく意味が解らなかった。
だが、それでも僕は引き込まれるように時間がたつのも忘れ一気に一冊読みきってしまった。
そして、僕はその本を本棚に戻そうとそて、本棚の横に目立たない扉があるのに気づく。
「まだ奥がある?」
好奇心につき動かされ僕はその扉を開いた。
それが自分の出自に対する物なのか、科学者だった祖父(オリジナル)譲りの向学心なのか自分でも判らないが…
138おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 00:50 ID:E1DMx8zE
扉を開けた僕の目にいきなり飛び込んだのはよく漫画である、いかにもな培養槽……
「ハハ…これで僕を作ったのかな?」
やはり現実を確認すると少し動揺する。
可笑しいわけじゃないのに笑いがこみ上げ、
膝の力が抜けその場に崩れ落ちる。
そして、目線が床に近くなったため最初は薄暗い風景の融け込んで気づかなかったが、その横に金属製の風呂にまた風呂を被せて蓋をしたような物がある事に気づく。
「これも僕の関係品かな?」
少し自棄気味になった僕はなんとなく気になってそれを開けて見た。
油圧かなにかだろう、見るからに重そうな金属の蓋は音もなく静かに上に上がって開く。

そして、その中には
「女の子?」
僕と同じ年頃の小柄で黒髪を肩に触れるか触れないかの所で切りそろえた少女。
その少女は綺麗よりも可憐という言葉の似合うまだあどけなさの残る顔立ちでまるで眠っているようだ。
「…死体?」
とも思ったがどうやら違う……
胸の部分が開いていて、そこから機械が覗いている。
これは……
「アンドロイドっ!?」
139おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 00:58 ID:E1DMx8zE
翌日、僕は一晩悩み友人に相談する覚悟を決めた。
と言っても悩みとかの相談じゃない。
僕の親友に一人、彼女を……あのアンドロイドを動かせそうな心当たりがあったからだ。
「…やつれたね、成君」
一日の授業を終え燃え尽きている彼に僕は出来るだけ普通に声をかける。
「ああ…普通に授業を受けるのがこんなに辛いとは……
 お前らずっとやってたのか?尊敬するぜ」
そう言うと成君は机に伏してしまう。
…それにしても、そんな事で尊敬されても……
「ところでどうかしたのか?」
「え?…どうして」
机に伏したまま僕の顔を見上げた成君に図星を刺されて思わず驚きの声があがる。
「答えは簡単だよ、ワトソン君。
 単に君が今日一日挙動不審だっただけさ」
普段通りだったつもりだけど、やっぱり態度に出てたのかな…
「そんなに変だったかな?」
「いや、言うほど変じゃなかったから声かけてくるまで黙ってた」
…面倒だし
と成君を小さく付け足す。
…友人止めようかな……
ふとそんな考えがよぎるが、いつもの事と諦め本題に入ることにする。
140おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:02 ID:E1DMx8zE
翌日、僕は一晩悩み友人に相談する覚悟を決めた。
と言っても悩みとかの相談じゃない。
僕の親友に一人、彼女を……あのアンドロイドを動かせそうな心当たりがあったからだ。
「…やつれたね、成君」
一日の授業を終え燃え尽きている彼に僕は出来るだけ普通に声をかける。
「ああ…普通に授業を受けるのがこんなに辛いとは……
 お前らずっとやってたのか?尊敬するぜ」
そう言うと成君は机に伏してしまう。
…それにしても、そんな事で尊敬されても……
「ところでどうかしたのか?」
「え?…どうして」
机に伏したまま僕の顔を見上げた成君に図星を刺されて思わず驚きの声があがる。
「答えは簡単だよ、ワトソン君。
 単に君が今日一日挙動不審だっただけさ」
普段通りだったつもりだけど、やっぱり態度に出てたのかな…
「そんなに変だったかな?」
「いや、言うほど変じゃなかったから声かけてくるまで黙ってた」
…面倒だし
と成君を小さく付け足す。
…友人止めようかな……
ふとそんな考えがよぎるが、いつもの事と諦め本題に入ることにする。
「ちょっとここじゃ難だから僕の家に良い?」
「今日は彼が夕食当番なんですけど?」
「ベアトリス!」
141 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:06 ID:E1DMx8zE
済みません、ちょっとミスして文章がダブってしまいました。
ただでさえ稚拙の文なのに余計に……

>>139
は無かった事にして飛ばして下さい。

済みませんでした。
142おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:08 ID:E1DMx8zE
今までだらけていた成君が隣の席から声を掛けられ、バネ仕掛けのおもちゃみたい素早く跳ね起きる。
ついこの間転校して来た成君の従兄弟でベアトリス・ジーベンビュルグさんだ。
彼女は背が高い上に金髪、そして有り得ないほどの美人なので目立つ。
当然、もてそうなのだが、
転校当初は高嶺の花として、近寄り難く。
現在は成君とべったりの為に近寄れない。
そもそも成君以外の男性は拒絶するオーラがある。
…というか、時々恐い気がする。
「成君って家事は妹さんに押し付けてなかった?」
「最近、やり出したんだよ……文句あっか?」
何故か、成君はそっぽを向いて顔が赤い。
「まあ、良いや…相談だったな」
成君はそう言って鞄を持って立ち上がると突然、
「あ!」
と叫んで教室の扉を指さす。
その声に何事かと、教室に居たほぼ全ての人間がつられて扉を見てしまう。
そして、
「わりい、ベアトリス今日の登板は頼む。
 正樹、先にお前ンチ行ってるからな!」
つられてよそ見をして居た僕が突然、名前を呼ばれて振り向いた時には、
成君はするりと窓から飛び降り、そして下から
「痛ってえ、足しびれた!!」
と声が聞こえ、それに気づいたジーベンビュルグさんが
「あっ逃げましたね!」
と叫び成君を追って窓に向かう所だった。
あわてて僕は窓から下を覗くと、飛び降り騒ぎに騒然とする中を走り去って行く彼の後ろ姿しか見えなかった。
…ここ三階だったよね?
成君…君は三階から飛び降りて「足しびれた」程度で済むのか…
…それよりもそこまでして逃げなくても……
僕は親友に呆れつつ帰り支度を始めた。
143おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:12 ID:E1DMx8zE
一通り話は聞いた後、例の彼女を見た成君は今、祖父の手書きの本を読んでいる。
恐ろしいスピードで……
「驚かないの?」
「ん?オタクのじいさんの技術にか?
 確かにスゲエな」
「いや…そうじゃなくて僕の…」
「ん?色々あってな…最近は驚き疲れたからな……
 きちんと戸籍もあるみたいだし不便ないだろ?」
…そうなんだ、自覚してるのかしてないのか、この人はとことんこだわらない人だった。
「さて…」
成君は読み終わった本を置くと、
「研究内容から言うとサイバネティクス、
 身体の欠損部分を機械で補う研究なんだけど、同時に生体も使ってベストな組み合わせを模索してたみたいだな。
 各部品ごとの実験の前に試験的に生体と機械でそれぞれ完全な一人を作ってみたという事らしい」
「彼女はその機械の方?」
「そっ」
軽く答える彼に僕は本題を聞く。
「…で、彼女は動くの?」
「ん?」
成君はその質問を無視するように歩きだすと、彼女をもう一度調べ、その横の棚にある部品を調べる。
「動かしてどうするんだ?」
「え?どうって?」
144おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:16 ID:E1DMx8zE
考えてなかった。
彼女を見て、彼女の存在を知ってから僕は彼女を動かす。
それだけに何故か執着していた。
そして、聞かれようやくその意味を考え解った。
「……同類が欲しかったのかも」
「家族だろ?」
ニヤリと笑うと成君は幾つかのパーツを棚から選び、手早く組み合わせると彼女の開いている胸の組み込みそこを閉める。
驚いた事に閉めた後は触ってもまったく継ぎ目も解らなくなってしまった。
「おいおい、女の子の胸をそうベタベタ触るなよ」
「えっ…あ」
僕は成君に声をかけられようやく自分がしている事に気づき赤面してしまった。
「正樹くん、17の春か……」
「馬鹿な事言わないでよ!」
「さて…あとは動力の水素電池の分解時に必要な糖の補給だけだな。う〜んと濃い砂糖水、いやガムシロップのを溶かした奴の方が良いかな。
 それを飲ませれば動くぜ。一度、動き出せば器官が働くから以後は普通に甘いものとか食べると思う」
そう言うと背を向け成君は帰ろうとする。
「え?もう帰るの?」
「あとはお前で充分だよ。
 それから上の書斎にある本、ぱっと見あれで基礎的な知識は充分得られるようだから彼女を動かすなら、しっかり勉強してじいさんの本読めるようになれよ?
 メンテまでオレはやんねえからな」
145おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:20 ID:E1DMx8zE
彼女…小枝(こえだ)さんが動きはじめた日から、一週間がたった。
貨幣概念など基本的な生活習慣は最初からデータが入っていたらしく、そういう苦労はしなかったが、
「ただいま」
問題がないわけじゃない。
「おかえりなさい、正樹様」
問題とはこれだ。
祖父の趣味かな?
行動というか思考がメイドさんなのである。
服も祖父が用意していたカチューシャにメイド服とエプロンだし、
僕の事は様付けだし、
ご近所の噂になったらどうしようなどと考え、彼女を家から出せない。
しかし、それもそれで噂が立ちそうだ…いい加減限度だよね。
「さあ、準備は出来ておりますよ」
彼女がワラで編んだ買い物袋を下げてなにやら気合いを入れている。
そう、今日は初めて彼女に買い物をさせる予定なのだ。
…といってもさま付けで呼ばれるのは困るが、さすがに不安なので僕もついて行くけどね。
146おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:25 ID:E1DMx8zE
「正樹様、ずいぶん車が多いですね」
当然というか予想通りというか、
初めて出た外が余程珍しかったのか、些細な質問を連発しその度に「正樹様」を連発してくれた……
「そんな大声で呼ばれたら、恥ずかしいよ」
買い物を一通り終えた帰り道でもそれは変わらない。
「御免なさい。でも嬉しくって」
そう言うと、彼女は青になった横断歩道を小走りに走ると、
「正樹さま〜今日の夕食は腕により掛けますよ〜!」
と振り向いて叫ぶ。
可愛いよ…可愛いんだけどさあ……
「…じいちゃんの趣味なのかなあ……」
僕は恥ずかしさとちょっぴりの嬉しさで周りが見えてなかったのかも知れない。
「正樹さま危ない!」
え?
思わず目の前の視界を確認する。
小枝が走ってくる。
信号は青、大丈夫。
しかし、

キキキー

高い音が鳴り響き、視界の横に何か……
まさか!?僕は急いで走りだろうとした。
しかし

ドン

車のブレーキ音に続き何が重い物が何かにぶつかった音が
耳の中で響く。
147おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:31 ID:E1DMx8zE
背中から落ちたらしくが背中が痛い、
視界のなんだか見にくい……
どうやら逆さに転がっているようだ。
いや、それどころじゃない。
僕は車にひかれたんだろうか?
走ろうとして足を上げた瞬間跳ね飛ばされた覚えはある。
あまりに酷い痛みは感じないというから、死ぬ程大げさな痛みが無いのは当てにならない……
「正樹様、大丈夫ですか?」
「小枝さん?」
えっと…反転した視界に慣れ序々に状況がつかめてくる。
僕の元居た場所には小枝さんが……
つまり、小枝さんは僕を突き飛ばして……
そして、その腕が……
「あ…ああ…小枝さんの…腕が……」
小枝さんの前には大きくフロントの歪んだ車、
そして、歪んだ小枝さんの細い右腕……
「間に合って良かったですよ、ほら私は100万馬力有りますからこの位なんでもないんですよ〜」
成君の話では人体への部品移植前提の試作品である小枝さんは人間と同じ感覚があるという…当然、痛覚も……
それなのに小枝さんは僕の無事を喜び、笑顔を見せてくれる。
…痛いはずなのに……
本当なら僕がひかれてたのに……
僕を突き飛ばして助けて…小枝さんが腕を……
148おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:34 ID:E1DMx8zE
どこをどう通ったか、
集まってきた野次馬をかき分け、小枝さんは動く左腕で動揺する僕を守るように肩を抱き屋敷まで帰りついた。
ただ動揺しているだけで何も出来ない僕に何度も何度も
「心配する事はないですよ〜」
と笑顔を絶やす事なく励ましながら……

情けない……
屋敷についた僕は自分の情けなさに泣きそうだった。
しかし、一番情けないのは
「大丈夫ですよ〜私は直せば良いだけ何ですから〜
 それに外装は破れませんでしたから、多分、私の事は誰にも解りませんよ〜」
直す。
そう、屋敷に着いた僕は「自分」の情けなさばかり考え小枝さんのことを考えていなかった……
それが一番、情けない。
「成君に電話…するよ……」
僕は無力感に脱力し幽鬼のようにふらふらとたち上がると、玄関脇にある電話の受話器を取りのダイヤルに指を掛け、回す。

プルルル…プルルル

受話器の向こうで呼び出し音が何度か鳴り、
149おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:37 ID:E1DMx8zE
…チン

繋がった。

ツーツーツー

んじゃなかった。
「小枝さん、何を……」
電話は小枝さんによって切られていた。
「私は金刀さんでなく正樹様に直して頂きたいんですよ」
「えっ?…でも」
僕には無理だ……
成君みたいに祖父の本を読んで理解する事すら出来ないのに……
「知っているんですよ〜正樹様、私を起動させてから、ず〜っと勉強してらしたって、大丈夫ですっ!!
 正樹様なら出来ますよ」
勉強してたって言ってもたかが一週間……
しかし、小枝さんは祖父の人生の集大成。
追い付けるわけがない。
小枝さんが僕の修理で取り返しが付かない事になったら僕は…
「手…どけてよ、成君呼ぶから」
卑怯だけど僕は僕を守りたいんだ……
しかし、
「正樹様以外の方に、私の体をいじらせたくないんです!!」
いつもニコニコと微笑んで……
今の今まで、あんな事故の後でもそうだった小枝さんが初
めて僕に感情剥き出しの大声を上げる。
…僕は…僕は……
150おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:43 ID:E1DMx8zE
「まずは、損傷を確認するよ」
僕は結局、押し切られるように小枝さんの修理を始めた。
地下の実験室で祖父の本から腕の設計図らしきページを探し、
「肩の付け根から腕部分でメンテとかの為に外れるはず……」
なんけど…継ぎ目が全く滑らかな小枝さんの肌は、いくら目をこらしてもどこからどこまでがそうなのか解らない。
「あの…触るよ?」
僕は緊張しガチガチになりながら手を伸ばす。
アンドロイドだと自分の言い聞かせても、ほとんど効果はない。
「…はい」
肩の付け根を見るために上半身を下着だけになっていた小枝さんが小さく頷く。
「えっと…」
僕は両手で小枝さんの肩を探る。
彼女の肩は二ヶ所ロックがあるのだが、それを同時に押さないと外れない、片方だけ外れても即座に自動で戻る。
こういう仕組みじゃないと何かにぶつかっただけで外れる危険があるからの処置だろうけど……
おおよそでしか解らない今の僕はこの仕組みのせいで彼女の腕を外す作業に手間取る。
151おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:47 ID:E1DMx8zE
「御免、小枝さんもう少し我慢してね」
「いいですよ、ゆっくりで。
 正樹様の手、冷たくて気持ちが良いですし……」
そう言えば、小枝さんは暖かい……
「小枝さんは暖かいよ」
僕は思わず、呟く……
「正樹様……」
不意に小枝さんの肩が下がり僕の手から離れ、上半身を捻り僕の方を向き、
「…小枝さんっ…」
僕に口付けをした。
「そんなに緊張しなくても平気ですよ〜」
まるで子供に言い聞かせるような語尾を延ばした優しい口調で小枝さんは僕に微笑みながら話しかける。
そう言えば、事故の直後もこんな口調だったな。
心配ごととか掛けまいとする時の小枝さんの強がりというか癖かなんだろうか?
「大丈夫ですよ。
 きっと僕が直しますから」
きっと今、一番不安なのは小枝さんだ。
そう僕を頼っているこの女性(ひと)なんだ。
僕はこの時、少しだけ強くなれたような気がした。

……30分後、四苦八苦して外した腕と設計図を見比べて自分の無力さを痛感するまでの短い時間の間だけだったけど……
152おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:53 ID:E1DMx8zE
小枝さんの腕はあれだけ苦労したけど大した故障は無かった。
補助骨格に大きな歪みができた分、それが衝撃を吸収してくれて他に影響を及ぼさなかったらしい。
それさえ判れば、それを予備と交換すれば良い。

って、そんなに簡単に行くわけがない……
そもそも僕は昼間は学校が有るため作業時間も無いんです。
というわけで結局、3週間掛かって組み上げたそれを今、
祖父が残した機械で人間らしく見せるコーティングをしている。

「正樹様、有り難う御座います」
タイマーの数字が減っていくのを見ながら小枝が僕に深々と頭を下げる。
「そんな、お礼なんて良いよ。
 それにこんなに時間掛かっちゃって僕の方こそ御……」
「どうかしましたか?」
「いや、待っててくれて有り難う」
遅くなった事を御免と謝るつもりで途中まで言って僕は、
なんとなくここで御免は合わない気がして途中で言い変える。
「どういたしまして」
「うん…」
そうして笑いあった僕らの唇が自然と重なりあう。
153おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:56 ID:E1DMx8zE
僕はゆっくり小枝さんを押し倒すとメイド服のエプロンをずり下げ、ブラウスのボタンを外し胸をはだけブラジャーを外す。
大きくも小さくもないが形の良い白い乳房があらわれる。
そして、その上ではすでにピンっと立ったピンク色の乳首はその存在を主張している。
「…好きです……小枝さん」
僕は小枝さんを見つけ、一緒に暮らしている間に育った有りったけの気持ちを込めて言葉にする。
「正樹様……私も好きです」
「うん」
僕は小枝さんの返事に頷くと口付けをし、少し悩んだが
「……ん」
舌を伸ばし、最初は小枝さんの閉じている歯を開けるために歯茎をこするようになめ、
そしてそれに反応し緩んだ歯の間に舌をすべりこませ、彼女の口内へ侵入させる。
「はっ…うん」
小枝さんも拙いながらも僕の舌の動きに答えてくれる。
僕は小枝さんの舌の感触、口内の暖かさを楽しみながら彼女の胸に手を伸ばす。
手の平に心地いい弾性がかかる、僕はその弾性を押し返すように彼女の胸を強弱をつけて揉んでいく。
「く…っん」
小枝さんは僕のキスに口を塞がれているため声を出せずに苦しそうに呻く。
154おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 01:59 ID:E1DMx8zE
「ふう…」
僕が唇を小枝さんの唇から離すと。
「あ…ふっ…ん」
とたんに小枝さんの口から甘いあえぎ声が洩れ出す。
その声に我慢出来なくなった僕は、小枝さんのスカートをエプロン毎、まくり上げると彼女の白い可愛らしいショーツを脱がせ、
彼女の大切の部分に顔をうずめ、祖父のこだわりの造り込みに感謝しつつすでに湿ったそこに口付けをする。
「ひゃっ…」
小枝さんは一際大きな声上げ、
「そ…そんな…ダメ……です」
羞恥から軽く拒絶する。
「これでも?」
その可愛らしさに悪戯心を刺激された僕は軽く笑うと彼女の潤いを指にすり付け彼女に見せる。
「ううぅ…恥ずかしいから、もう止めます」
僕の指を見た小枝さんは涙目を潤ませ、足を閉じそっぽを向いてしまう。
「ご、御免」
僕は恥ずかしさに涙目になっている彼女に胸に締め付けられたような痛みを感じ素直に謝る。
「うぅ…ただでさえ恥ずかしいんですから…あまり、からかわないで下さいよ〜」
小枝さんはそれでも納得行かないという感じで愚痴を言いつつも、僕の方を向き直しそっと足を開いてくれる。
155おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 02:02 ID:E1DMx8zE
僕は彼女と正面で向かい合うと、そっと彼女の大切な部分に大きく起立した自分自身をそのまま正常位で彼女の中に自分自身をうずめていく。
「あっはぁんっ」
さすがに彼女には処女膜までは造られてなかったらしく、
きついながらもスムーズに僕は彼女の奥に進んで行く。
「ふう…」
僕は小枝さんの一番奥に到達し、一息つくと……
「動くよ」
小枝さんに宣言しゆっくりと動き出す。
「あっはぁ…やあっ」
そして往復速度を序々と上げていく、
やがて、
「やっ…ん…ま、正樹様…そんなに激し…く…しないで…」
小枝さんは音を上げる。
しかし、僕は
「はっくっ…メイドが御主人様に意見しちゃ駄目じゃないかな…?」
腰を止める事なく更に激しく小枝さんを求める。
「そん…な、正樹様…あぅん……ずるい…」
「くっ」
激しくし過ぎたかな……
僕は限界が近いのを感じる。
「っ…わ、私…もう…」
小枝さんも限界が近いらしい。
僕は小枝さんを強く強く抱き締め、
「正樹様っ正樹様っ…ああっ!!」
「小枝さんっ」
僕は小枝さんが僕を呼ぶ声を聞きながら、
彼女の名を叫びながら、彼女のもっとも奥に僕の気持ちを放った。
156おじいちゃんの遺産 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 02:08 ID:E1DMx8zE
ー・ー・エピローグ・ー・ー
「どう?腕、調子良い?」
夢中になって愛し合っていた間にとっくにコーティングが終わっていた腕を小枝さんに取り付け感想を彼女に求める。
取り付け自体は今までの苦労がアホらしくるほど至極、簡単であった。
肩を胴に合わせてやると骨格、動力回路、制御回路などの正しい接続を小枝さんのコンピューターが勝手にしてしまうのだ。
小枝さんは、そうして付けられた腕を色々な方向に動かし、
指を一本一本動かして具合を確かめ、そして…
「はいっ、正樹様の愛情がたっくさん詰まってますから」
と微笑み、僕に軽いキスをして
「では、さっそく買い物に行きましょう」
満面の笑みを浮かべ、僕の手を引いて立ち上がる。
「正樹様、期待してて下さいね。
 今夜はあの日作れなかったご馳走を作りますから」
僕は
「楽しみにしているよ」
僕の手を握る彼女に微笑み返し一緒に歩き出した。
きっと普通の人よりこの先も色々有る。
でも僕らはぞっと一緒に歩いていくだろう、たった二人の家族だなのから……
157 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/05 02:15 ID:E1DMx8zE
二本目のSSですが、
まず、読んでくださった方(居ないかも…)有り難う御座います。
それにしても、進歩の跡がないですね。
今回も誤字有りますね。
上げる時は気づかないのに上げてから気づく……

>>119ー131
笑い転げてしまいました。
そのセンスが羨ましいですよ。
158名無しさん@ピンキー:04/07/05 02:24 ID:T09Ndlf+
>>157
GJです!
天使がいたりメイドロボがいたり、素敵な世界だ
159名無しさん@ピンキー:04/07/05 02:30 ID:Xp+3RZKU
それがいるんですよ。
激しくGJ!
160名無しさん@ピンキー:04/07/05 03:49 ID:iP8TpDBI
>157
いや、GJっす! GJっすよ!
こんなに早く来てくれるなんて!
……正直、馬力と頑丈さに何の相関関係があるのかとか思ってしまったりしてますが、
これからどんな人外キャラが登場するか、楽しみに待ってます〜。
161名無しさん@ピンキー:04/07/05 14:26 ID:9nasCaJr
アンドロイドで秘密研究室でゴーストダビングでー。
やべえ、イノセンスじゃねえか。

悪い。ちょっと文句言わせてもらうよ。
胸触るのに赤面するようなシーンと、ラヴラヴのシーンにちょっとギャップがあるかな。
あと、「今日の夕食は〜」あたりでも、まだ恋愛感情はなさそうだし、
「他の方に体を弄らせたくない〜」の発言は、ちょっと不自然っつーかラヴメロドッキューンな爆弾発言だと思うなw
その3週間後には、体を許しあう仲になっている、というのも。
その期間の間に、何か心境の変化があったのかもしれないけど、
そこら辺ももうちょっと詳しく書いてくれると嬉しいでつ(;´Д`)ハァハァ
162  ◆M8E1jrtRWk :04/07/06 21:17 ID:2O1GC+iX

「こーんばーんわー♪」
ガタガタ、と窓が開く音に私は眼を覚ましました。
生ぬるい風と、人とは違う気配が部屋に入ってくるのがわかります。
というか、この声は……またきましたか、この人…いえ、このサキュバスは。
「何の用ですか、イリア」
はあ、とため息をついてベッドから上半身を起こします。
先ほど飲んだアルコールが程よく頭を揺らしています。
気持ちよさを感じながら、私は目の前にいる怪異に視線を向けました。
眠り賭けを起こされて少々不機嫌ですが……
「何の用って、ねぇ?」
きまってるじゃない、と続け、イリアは着ていた長いローブに手をかけました。
プラチナブロンドの髪がなびき、瞬く間に一糸纏わぬ裸体を晒します。
すらりと伸びた足、小ぶりな胸、引き締まったウェスト、小さなお尻。
「……」
なぜこの人(?)は抵抗無く人前で脱げるのでしょうか……ああ、
人外には人の常識など通用しないのですね。
「ふふん、やっぱ見とれちゃうでしょ?」
「いやぜんぜん」
私はピクリとも反応しないムスコを確認し、彼女に向かってそう言いました。
だって、ねぇ?
普通サキュバスというのは豊満な肉体を持ち、色香を振りまいて若い男性から精を吸収する。
そういう定説が、イリアにはまったく無いのです。
なんというか、スレンダー。いえ、それなりに胸はあるのですが。
確かに綺麗だと思います。しかし、私の好みではないのです。
「なっ!?この千人切りのイリアルアの裸だよっ!勃たないなんて
 不能者かホモ野郎だけよっ!!」
「ずいぶんな言い草ですね。単純に好みではないだけです」
「好み云々ッ!?それを凌駕するのがわたしたちなのに!!」
「ああはいはい。私は明日仕事ですので寝かせてもらいます」
163  ◆M8E1jrtRWk :04/07/06 21:17 ID:2O1GC+iX
携帯の目覚ましをオンにして布団にもぐりこみました。
さーて、明日はお得意様巡りですからね……ぐぅ。
「わっ、ちょっとちょっとぉ!せめて一発ぐらいしてもいいじゃないよぉ!」
……ん、ん〜…すうすう……
「う〜!んじゃ勝手にやっちゃうからね……っとと」
……ん?
「……うわ、やっぱ…お、おっきい…ていうか歌麿?」
なんか…股間がスースーします…
「すご、やっぱり今までで一番おっきい……ん、やば…」
あ、なんか…柔らかくてあったかいものが……!?
「んちゅ、じゅるる……お、おいすぃー!?」
「なにやってんですかっ!!」
某お笑い番組ゴチ風に私の局部を舐めて歓声を上げやがってますよこの淫魔は!
「いやだってだって!ちゅるるぅ……あぁ、おいしぃ……」
説明になってませんし…
股間に顔うずめたまま恍惚の表情浮かばされても……気持ちいいですけど。
さすがに好みではないとはいえ、私も成人男性。
局部を美しい女性に舐められて何も感じないはずがありません。
「んふふ〜♪ねえねぇ、勃ってきたよん?」
意地悪く私のペニスを摘みながら笑っています。
まあ、気持ちいいのは事実ですが……どうも、私の意思を無視してやっているのが
気に入りませんね。
「男性の正常な反応です。貴女の言葉を借りるならこんな事をして勃たないのは
 不能者かホモ野郎だけですよ」
さらりと流します。イリアはこういう挑発に乗りやすい性格のようですしね。
「あ、あんだってー!?」
…いや、案の定ですね。
私のペニスをつかみながら眉を逆立ててます。あー、怒ってますね。
164  ◆M8E1jrtRWk :04/07/06 21:18 ID:2O1GC+iX
「にゃろう…絶対イかせてやルー!!」
「う、わっ!?」
イリアは口を大きく開け……一気にペニスを根元までくわえ込みました!?
「ふ、んっ。ちゅうぅぅ…じゅ、るるっ」
―――!?
「か、は…」
脳髄を揺らす快楽、背骨が下半身と同化したように痺れが走りました。
こ、れが…淫魔の与える快楽です、か……最初の時と、は、桁が……
「ぺちゅ…ん、ふうぅぅ」
意識が快楽の波に飲まれそうになる寸前、イリアは口を離して陶然とした笑みを
浮かべて私を見ました。
「んふ〜、ね、どうだった?」
先ほどの男を惑わす笑みではなく、底抜けに無邪気な笑みで私を見ています。
正直、魂の先をつかまれたような快楽で腰が砕けそうですが…私は気を入れて
普段どおりの表情を浮かべます。
「…まあ、気持ちよかったのは認めます」
事実私の一物は天を突かんがごとく聳え立ってます。
それを見てイリアは「うたまーろ!」とか似非外国人風なことを言ってましたが。
まあ事実、私の男性器は日本人どころか欧米人の平均すら超えているらしいですからね。
「ふふん、素直じゃないねぇ♪」
…あー、お見通しですか。
というか、
「貴女のも、もうこんなになってますよ?」
勝ち誇っているイリアの股に手を這わせます。
そこはすでに性交が可能なほどに濡れていました。
「んー、さすがに濡れちゃったか〜」
…辱めようとしたのですが、なんでもないように切り替えされました。
流石はサキュバスというわけですか。
「ま、手間省けていいよね。ちゃっちゃと精気わけてもらうよん♪」
165  ◆M8E1jrtRWk :04/07/06 21:18 ID:2O1GC+iX
先ほどの快楽のおかげで腰が砕けたままの私を仰向けにベッドに寝かし、
その上に腰を下ろしてきました。
「ふふ、お客さん初めてかしらん?」
「どこの風俗嬢ですか貴女は」
ちなみに私は経験あります。とはいっても3人ぐらいですけど。
「だーいじょぶ♪おねぇさんにぜんぶまかせて、ね?」
「百年以上年上の貴女をお姉さんと言うのは無理があるかと。というか
 見た目は私のほうが年上でしょう。精神年齢も」
「……えぇい!問答無用ッ!!ふ、んっ!」
「―――!?」
ずるり、という感触が私のペニスを覆います。その後、信じられないほどの
うねりと締め付け、温かさが性器に纏わりついて……!!
「んあっ!は、ふぅ―――……」
な、なんなんですかこの、快感は……!?
いままで性交してきた女性とは比べ物にならない快楽、一瞬でも自制を無くせば
その瞬間に射精をしているでしょう……
必死に左手に爪を立てて堪えます。痛みが快楽を和らげるのを期待してですが。
「あ、うぅんっ!お、っきすぎ、るよぉ…」
この快楽を与えているイリアはというと、騎乗位のまま私の股に座り込んでいました。
腰を動かす余裕なんて無いのでしょう、必死に私のものに慣れようとしています。
「――ッ!」
それは私も同じです。動かなくても膣の内壁が私から精を搾り取ろうと蠢いています。
「あ、ぁ、ぁ、んぅん…」
その細やかな快感すらイリアには辛いのでしょうか、か細い声を上げて視線を宙に浮かべています。
その表情は先ほどまでの小悪魔的な表情ではなく、とても―――美しく見えました。
166  ◆M8E1jrtRWk :04/07/06 21:20 ID:2O1GC+iX
「ひあっ!?」
たまらず無意識のうちに腰を跳ね上げました。
ほんの僅かな上下運動、それだけで私の快楽は頂点まで昂ぶり、
「んあぁぁあぁ――――!!!!」
イリアもまた絶頂に達しました。
「ん、くっ…」
一瞬遅れて私も絶頂を迎え、イリアの中に精を放ちました。
「は、あ……んぅ―――おいしぃ…」
恍惚の表情で私の精を感じているイリア。
「あんっ…これで当分は大丈夫かな……ッ!?」
腰を上げて私のペニスを抜こうとしたイリアの手をがっちりと掴みました。
「え、え?あのー、も、もういいんだけどなー?」
「……私はこの程度で満足できないのですが」
一度精を放ったはずのペニスはいまだ硬度を一定に保ってます。あと2、3回は
性交を行えそうですね。
「えー!?でもでもこれ以上やったら命ヤヴァイよ!?」
「それは後で考えます。それよりも―――気を入れてくださいね、その気にさせたのは
 貴女なのですから」
先端まで抜けかけたペニスを、イリアの腰をつかんで一気に秘所の最奥まで貫きました!
「ひはあああぁぁあぁぁあっ!!!!!」
ずん、ともどん、ともつかない音を立てて私の腰とイリアのお尻がくっつき合いました。
その勢いでまたイリアがイッたようですが、そんなことは関係ありません。
見た目どおり軽いイリアの腰を掴み、腕力だけでイリアを浮かし、
「はあぁ……」
重力を使って最速で腰を叩きつけます!
「〜〜〜〜〜〜っっっっ!!」
ぶちゅ、と液体がこぼれる音とともに完全に私とイリアは密着しました。
またイリアはイッたようです。凄まじい締め付けが私のペニスを襲ってきました。
しかし私は一度出したらとことんまで遅漏になるのです。この程度ではまだ絶頂には
いたりません。
167  ◆M8E1jrtRWk :04/07/06 21:21 ID:2O1GC+iX
「はっ、ふっ、あ、ひっ、んうぅっ―――!!」
ひたすらイリアの秘所を貫き、時には腰をグラインドさせて、時には体位を変えて、
イリアの体を貪ります。
「や、やあぁっ!もう、だめ、ダメ、こわっ、れ、ちゃうぅっっ!!!!」
「―――ッ!私ももう、イキますよっ!」
後背位でイリアを犯していた私は挿れたまま正常位に戻し、さらに深く腰を打ち付けました!
「翔、翔、だめ、もうだめぇえぇぇっ!!」
「んっ、くうぅっ!!」
私はイリアの体を思いっきり抱きしめ、深く口付けを交わしながら彼女の中へと精を放ちました。
「あ――は、あぁぁ……」
イリアも同様に私の体を抱きしめて絶頂を迎えました。
脈動するペニス、そこから今までに無いほど大量の精を放っていることがわかります。
「あぅ……おいしい、よぉ…」
上の空で私の精を感じながら、イリアはくたりと脱力して――
「ん……むにゃ――」
眠りました……私に抱きついたままで。
「……あー、イリア。できるなら離してください」
「ん〜ん〜、やー」
というかまだ貴女の膣内に入っているのですが、内も外も完全に捕まえられてしまいましたね…
私は心地よい柔らかさに包まれながら、やれやれとため息をつきました。
……あー、そうでした。自己紹介がまだでしたね。
私の名前は鳥尾 翔。ごく平凡な会社員です。
ただ――
「んふ〜♪」
人でないモノに少々好かれやすい会社員です。
 
 
続く?
168  ◆M8E1jrtRWk :04/07/06 21:24 ID:2O1GC+iX
投稿させてもらいました拙い字書きです
このスレの神々に比べればたいしたことないかもしれませんが、ひとつよろしくおながいします
169名無しさん@ピンキー:04/07/06 23:08 ID:qmZ7g41j
いいっスね〜。
ささ、遠慮せずに(藁
170名無しさん@ピンキー:04/07/07 01:10 ID:wI/+jqe1
勃ちますた。
171名無しさん@ピンキー:04/07/07 05:04 ID:tKpVT4UK
>>170
まあ、正直な。
172名無しさん@ピンキー:04/07/08 18:42 ID:u/ODLVSx
七夕ネタがなかったなー・・・
173名無しさん@ピンキー:04/07/09 08:19 ID:3ZAO4alZ
やっぱり織姫様を寝取るのはマズいからじゃねぇ?
174魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 15:52 ID:085mldTb
カキ氷は何味がお好き?と問われれば、迷わずイチゴ味!と答える
甘々な高校生、万丈渉(ばんじょう・わたる)は、隣家のベランダに干し
てある洗濯物を見て、目を丸くしていた。
「なんだ、あれは?」
渉の視線の先には、隣人の物と思しき下着や衣服、タオルなどという、
生活感を漂わせる物が風になびき、天日の恩恵にあずかろうとはため
いている。それらはいいとして、彼を驚かせたのは、その中にある一着
のワンピースの存在だった。
「何か、コスプレマニアが着るような・・・変わった服だな」
赤を基調としたその服は、内に幾重も純白のフリルをあしらえ、遠目には
魔女っ子の変身着のごとく映る。さらに、背には天使の羽をあしらった模様
が打たれており、まるで、カードでもキャプっとけ、さくら、と言った様相。
「隣には子供もいないし・・・おばさんの服かな」
渉は隣家に住まう人妻、嬉野恵美子(うれしの・えみこ)の姿を思い、見る
も魔女っ子然としたワンピースを重ね合わせてみた。恵美子は三十半ば
の美麗な熟女──ではあったが、年齢的に見れば魔女っ子コスプレ姿など、
かなり厳しいと言わざるを得ないと、常識人であれば思うはず。しかし・・・
「おばさんの魔女っ子コス、萌え!」
熟女好きを自負する渉は、恵美子のコスプレ姿を妄想し、萌えてしまう。彼は
隣家の人妻に、ぼんやりとしたものではあったが、あこがれにも似た恋心を
持っていた。だから、丈がやたらと詰まったように見える魔女っ子コスを、恵美
子が気恥ずかしそうに着る姿を思えば、もう最高!──とか考える、ダメ萌え
嗜好を持っているのだ。
175魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 16:22 ID:085mldTb
「おばさん、あんなの着て何するんだろう・・・まあ、だんなさんがいる
んだし、うん・・・」
渉は、隣家の夫婦が夜の営みに、あれを利用しているのだと踏んだ。
おおよそ大きなお世話ではあるが、倦怠期を迎えた中年夫婦がめりはり
をつけようと、オプショナルなプレイに傾倒する気持ちも、分からないでも
ないな、などと思いつつ、ひとり悦に入っている。と、その時──
「大変!大変!変身しなくっちゃ!」
隣家のベランダをドタドタと踏み鳴らし、少年を恋焦がす人妻が現れた。
(おばさんだ!)
洗濯物を盗み見るような真似をしたせいもあって、渉は恵美子の姿を認め
ると同時に、物陰へ潜んだ。潜みつつ、憧れの淑女を控え目に見遣る。
(年の割りに可愛いよな、やっぱり)
渉の目に、薄緑色のミニスカートを穿き、サマーセーターを着た美熟女が
映った。加齢を感じさせない麗しさは、熟女好き以外にも十分鑑賞に堪え
得るもので、誰の目にも美しいと映る。まして、淡い恋心を持った少年であ
れば、それは尚更の事。
(ああ、おばさん・・・パンティが見えそう)
熟女のスカートの奥に、まだ見知らぬ秘境を思い、心を焦がす渉。少年は
これを僥倖とし、せめて麗しい御姿を拝見しようと身じろぎもしなかった。

「生乾きだけど・・・仕方がないか」
恵美子が件のワンピースを手にして、眉をひそめた。まだ、生地が乾いて
いないのか、魔女っ子コスはしんなりと腰砕け気味である。しかし、何やら
意を決したように表情をきっと引き締めると、
「プリティチェンジ、アンスコエミー!」
手を天にかざし、呪文のようなものを唱えた。次の瞬間──
176魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 16:43 ID:085mldTb
「わッ!まぶしい──」
恵美子を見ていた渉が、彼女の体から発せられる透過光に目を眩ま
せた。光は恵美子を包み、あたり一面を恐ろしく明るく照らしていく。
「なんだ、なんだ?」
潜んでいた渉は、よろけながら物陰から出た。そして、光が徐々に収束
していく中に恵美子の姿を探す──すると・・・
「うふっ、アンスコエミー、登場よ!」
ベランダでは、魔女っ子服に身を包んだ恵美子がそう叫びつつ、にこやか
に決めポーズを取っていた。丈を思いっきり詰めたワンピースから生足を
つるりと出し、三段フリルが縫いこまれたアンダースコートも丸出しという
艶姿で。
「お、おばさん!」
驚愕のあまり、激萌え!という言葉は出なかったが、憧れの人妻が魔女
っ子コスに身を包み、変身をした事実に思わず叫んでしまう渉。熟女萌え
の少年にしてみれば、今の状況は望外の思いが叶ったと言っても過言で
はない。だが、驚いたのは渉だけではなかった。
「あ、あら・・・渉クン?い、いいえ、あたしは、おばさんじゃなくって、魔法少女
アンスコエミー・・・です」
魔女っ子スティックを小粋に持ち、言い放つアンスコエミー。しかし、先ほど
変身時に見せた気勢はどこへやら、隣家の少年に痴態を見られた素の熟女
になっている。そこへ、
「どう見たって、おばさんじゃないか」
ベランダを見上げ、渉は恵美子の魔女っ子コスを食い入るように見た。無論、
生足の奥にあるアンダースコートを凝視しつつ。
177魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 17:11 ID:085mldTb
「恥ずかしい所を見られちゃったわね、渉クン」
隣家に招かれた渉は、アンスコエミー姿の恵美子から出されたジュース
を飲んでいた。人妻は少年に口外無用を条件に、自分の身に課せられた
魔女っ子・・・ならぬ、魔法熟女としての使命をとつとつと語り出す。
「今から二十年ほど前までは、確かに魔法少女だったんだけどねえ・・・」
恵美子は、自分が魔界から派遣されてきた魔法少女だった事を渉に告げた。
更に、この世界に蔓延する悪者を駆逐し、平和を保つ任を背負っていた事も。
「まあ、悪者はたいがいやっつけたんだけど、こっちの水に慣れちゃって、魔
界へ帰るのが嫌になったの。好きな人・・・だんなの事ね・・・も出来ちゃったし。
おばさんね、この世界がとっても好きなの。うふふ、子供はまだ出来ないけれ
ど、お隣には渉クンみたいな可愛い子もいるからね」
そう言って、恵美子は渉を優しく見つめた。若干、気恥ずかしそうに頬を赤らめ
ているのは、やはり魔女っ子コスのせいだろうか。
「おばさん・・・」
可愛いと言われた渉の顔が上気している。目の前には、彼の心の琴線を弾く
ようなコスプレ熟女──
「おばさんは、渉クンを我が子のように思ってるの。えへへ、迷惑だった?」
恵美子は無邪気に微笑んでいるが、渉の理性が少し傾いてきている事に気づ
いていない。隣家の人妻を己の欲望として見る、男の情欲に。
「実はね、渉クン・・・おばさん、魔女っ子の正体がばれちゃうと、魔界へ強制送還
されちゃうの・・・だから、黙っててくれる?」
うつむいて話を聞いている渉に、恵美子が縋るように詰め寄った。この人妻は少
年をまだ子供だと思っている。幼い日々から見知っている、隣家の小さな子供と。
178魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 17:30 ID:085mldTb
(おばさん・・・は・・・僕が黙ってないと・・・この世界に居られない?)
恵美子が漏らした真実を、渉は都合良く解釈する。己が、彼女にとって
の絶対君主になったと理解したのである。そうなれば──
(おばさんを自由に出来る!)
そう思った瞬間、渉は恵美子の体の上へ覆い被さっていた。それが、
あまりにも唐突で、アンスコエミーは完全に不意を突かれた形になる。
「やめなさい、渉クン!やめて!」
自宅の客間で、人妻は隣家の少年に圧し掛かられた。やめて、と必死に
抗うが、渉は恵美子の肢体に縋りつき、まったく離れようとはしない。それ
どころか、いよいよあつかましく柔らかな女の膨らみ──すなわち、乳房へ
顔を押し付け、素肌を貪ろうとした。
「おばさん、おばさん!」
「やめるのよ、渉クン!ああ・・・」
渉の唇が自分の乳房へ吸い付いている!──恵美子はそれを知ると、少年
の頭を押しのけようと試みた。このままでは、少年の思いは良からぬ方向へ
行ってしまうと、気が気では無い。すると、
「僕を拒めば、おばさんが魔法少女だったって言い触らすぞ!」
渉は乳房を力任せに掴みながら、恵美子の弱みをついてきた。
「そ、そんな!ああ、許して、渉クン・・・」
天井を仰ぎながら、恵美子は背を仰け反らせて涙した。少年の手が乳房から
女を包むアンダースコートへ伸びてきたからだ。そして、夫がある身でありな
がら、隣家の少年と紡ぐ事になった禁忌に、人妻は恐怖を覚える・・・・・
179魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 17:48 ID:085mldTb
「やっぱり、人妻だけあってフェラチオが上手だね、おばさん」
「んッ・・・んんッ・・・」
男肉を啜る淑女の鳴き声が、室内を満たしていた。今、恵美子は
渉の男根を頬張り、舌を使った愛撫を捧げている。件の魔女っ子
コスをしたまま、アンダースコートを半脱ぎにさせられた格好で、
互いの上半身と下半身を対峙させる、いわゆるシックスナインと
呼ばれる姿勢で──
「ああ、夢にまで見たおばさんのオマンコだ・・・」
男根を咥えさせられ、上目遣いに己を見る人妻の表情がたまらない
と、渉はにやついていた。未だ女を知らない身ではあるが、舌が男根
を擦ってくる度に沸き起こる射精感にも耐え、淑女の口唇愛撫を愉し
んでいる。更には鼻っ面に突きつけられた淑女の陰部を指で掻き開き、
僅かに色が染みた女肉をまざまざと凝視した。
「なんかグズグズしてるね、おばさんのココ。だんなさんとやり過ぎな
んじゃないの?フフフ・・・」
三十半ばの人妻の恥肉である。多少、形が崩れていても何の不思議も
無い。だが、渉は恵美子を辱め、夫との交わりを思い起こさせるために、
わざと持ち物の評価を下したのである。それに対し恵美子は涙ぐみ、
少年に逆らえなくなった自分の身の上を嘆き、ただ、すすり泣くばかり。
「そんな事を・・・言わないで、渉クン」
咥えていた男根を唇から離し、恵美子は呟く。その目は涙に光り、これ
以上の要求は許して欲しいと訴えかけていた。しかし──
180魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 18:07 ID:085mldTb
「まあいいさ。どうせこれからは、ココは僕のものになるんだから。じゃあ、
おばさん、四つん這いになって」
渉は言いながら、指で女穴をずぶりと穿った。今まで散々にいじられた
ためか、そこはしとどに濡れそぼり、少年の指をいとも容易く招き入れて
しまう。
「あひいッ!だ、駄目よ・・・それだけはッ!」
自分の女穴が肉汁を滴らせている──その事を、恵美子は少年の指に
よって知らされた。ぬめる女穴は、指で恥液を掬われる音に満ち、いやら
しい泣き声を放っている。そして、男を知った女がいかにあさましいかを
この人妻は十分すぎるほどに教えられていく。
「欲しがってるね、おばさん」
「ちッ、違うわ、ああ・・・」
少年の指が、胎内で開いたり閉じたりという、艶めく蠢きを見せると、恵美子
は思わずその動きに合わせ、腰を使った。無意識の内に──というよりは、
女の本能がそれを求めてしまうのである。
「オマンコって、吸い付いてくるんだね。おばさん・・・」
「ああ、言わないで・・・」
ちゅくっ・・・ちゅくっと、女肉が指を奥へ迎えようと受動していた。渉の指使い
に合わせ、膣口が勝手にすぼまり、拒もうとするつもりが反対に欲してしまう
──恵美子は、まるで白昼夢を見ているような感じだった。
(ああ、渉クン・・・これ以上はかんにんして・・・)
目を閉じると、いっそう性感が高まっていく。今、まぎれもなく自分の女は少年
の指で愉しませて貰っているという自覚が、恵美子にはあった。そして、この後
間違いなく訪れる、男肉と女肉の交わりの予感も──
181魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 18:42 ID:085mldTb
「ああ・・・僕、もう我慢できないや・・・挿れるよ、おばさん」
四つん這いになった恵美子の桃尻へ、渉が男根をなぞらせた。もう、
女穴までは数センチ足らず。
「駄目・・・もう、かんにんして・・それだけは・・・ああッ!」
許しを乞う恵美子に、渉はついに引導を渡してしまった。ぐぐ、と花弁
が分けられ、少年の男根は人妻の女穴へと飲み込まれていく。
「やった!入ったよ、おばさん!僕は、魔法少女アンスコエミーを・・・
いや、魔法熟女アンスコエミーを・・・犯ったんだ!」
「ああ・・・ああッ・・・あああ───ッ!」
渉のものが膣内を遡ってくる感覚に、恵美子は目を見開いて哭いた。
かつては魔法少女として、悪人を薙いだ経験もあるアンスコエミーは、
今やただ一人の少年の前に屈してしまう、か弱い女でしかない。
「う・・・うう・・・あなた・・許して・・・あたしが、馬鹿でした・・・うッ、うッ・・・」
渉の男根が淫らに抽送を始めると、恵美子は身を崩し、夫へ不義を詫
びた。弱みを握られたとは言え、魔界へ戻りたくない一心で、少年の男
を迎えてしまった自分を罵り、またその運命を呪う。
「おばさん・・・うッ・・・そんなに締めちゃあ・・・すぐ、いっちゃうよ」
嘆く恵美子を他所に、たっぷりとした熟女の女肉の艶めきを貪る渉は
ご満悦だった。男を知った体ゆえなのか、人妻の順応は極めて早いと
色めきたってもいる。それが、ひくつく男根の先にも表れていた。
「渉クン・・・あなたは、ひどい子だわ・・・ああ・・・」
魔女っ子コスのまま、犯される。こんな羞恥にまみれた行為など、恵美子
は夫とだって経験していない。しかも、魔法少女の戦闘服といえる姿で辱
めに遭うというのは、戦い抜いた自分の昔日を貶められる思いだった。
182魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 19:04 ID:085mldTb
この日を境に、人妻は少年の性奴と化した。家屋が接しているのを
良い事に、渉は夜な夜な恵美子を訪ね、犯す日々を重ねていく。
「だんなさん、仕事で忙しいんでしょ?知ってるよ」
多忙な恵美子の夫の帰りが遅いことを聞きつけ、散々に人妻を貪る
画策を練る少年。彼は、決まって恵美子を陵辱する際には、魔女っ子
コスを身にまとうよう命じた。
「そんな・・・普通にすれば・・・」
「それじゃあ、面白くないんだよ。さあ、おばさん、魔女っ子・・・じゃなくって
魔法熟女に変身して」
嫌がる恵美子を魔法熟女に変身させた後は、鬼畜の如く昂ぶる渉。激情
とでも言おうか、熟した女を羞恥にまみれさせる事が心底楽しいようで、
「どうだ、アンスコエミーめ!そらッ、そらあッ!」
と、まるで悪の首魁にでもなったつもりで、人妻を恥辱の淵へと追い込んだ。
しかも、恵美子への執心は尋常なものでは無く、ついには熟女の排泄器官
までも、欲望の対象としていく。

その日は雨が降っていた。薄曇の空が悲嘆に暮れる恵美子の心情を表して
いるようで、切ない。だが、渉は何のお構いも無く、恵美子をいつも通りに魔法
熟女へと変身させ、縄で縛り上げた挙句、夫婦が褥を共にするベッドへ転がし
ていた。そして、アンダースコートを淑女の太ももあたりまで下ろし、桃尻をさす
りながら、淫靡な趣に目を光らせている。
「そろそろ、普通のセックスも飽きてきたな」
恵美子の尻の割れ目へ指を這わせつつ、渉が囁いた。表情には暴虐者の悦を
浮かばせ、一端の男を気取っている。
183魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 19:21 ID:085mldTb
「ああ・・・そこは、駄目・・・いじらないで・・・」
少年の指が人妻の菊座を弄んでいた。恵美子は、ここをただの排泄
器官としか認識していないので、意地悪な蠢きに嫌悪感を持つ。まして、
それが他人の指であれば、尚更だった。
「おばさん、お尻の穴でセックスした事ある?」
「な、無いわ・・・そんな、恐ろしい事・・・ひいッ!」
訪ねる渉の指が、ずぶりと熟女の菊門を穿った。指は第二関節のあたり
まで埋まって、くりくりと捻り回されていく。
「あひィーッ!や、やめて、渉クン!」
「そうか。じゃあ、おばさんはアナルバージンなんだね」
「そ、そこは・・・そういう事をする所じゃないの・・・やめてッ!」
肛内に埋め込まれた指が暴れる衝撃が、恵美子を泣き狂わせた。上気し
た桃尻をいやいやと振り、悪戯な指捌きから逃れようと必死になる。
「面白いな。ほら、おばさん、もっとお尻を振って」
「キャーッ!いやあーッ!だめえーッ・・・」
恵美子が喘ぐ様を見て、我が意を得た渉はよりいっそう激しい肛虐に耽っ
た。弄ばれる尻穴は、鈍い肉音と共に少しずつ花開き、辺りへ汚物の異臭
を漂わせる。
「臭いな。おばさんのウンチの臭いがするよ」
「いやッ!言わないで、ああ・・・」
恵美子は渉に汚物の臭いを嗅がれるという、これ以上無い辱めで羞恥を極
めた。強制されたとは言え、自分の半分も生きていない少年に、濃厚な便臭
を確かめられては、かなわない。
184魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 19:45 ID:085mldTb
雨が強くなっていた。薄曇りの空は闇へと変化し、人妻と少年との間に
紡がれる罪を覆い隠しているかのよう──
「おばさん、力を抜いて。裂けちゃうよ」
「だめッ!む、むむ・・・」
縛った恵美子をベッドの上で前のめりにさせ、渉は高々と上げられた桃
尻の中心部を、己の男根で狙っていた。無論、少年は人妻の尻穴を穿つ
つもりで、そこを狙っているのだ。
「先っぽが・・・入ってくよ、おばさん・・・」
「ああ・・・やめてちょうだい、渉クン・・・かんにんして・・・お願い」
放射状に広がった恵美子の肛門の皺が一斉に伸びた。そこで、男根が
欲望の無理強いをしているからだ。
「いやあ・・・広がっちゃう・・・だめよ、だめッ!」
「先っぽが入ったよ、フフフ・・・おばさん、もうちょっとだよ」
はあっと恵美子が全身から脱力すると、渉の男根はずずっと肛内へと
招かれていった。そして、茎の部分が半分も入った所で、男女それぞれ
は新たな世界を垣間見る事となる。
「おばさんのアナルバージン、もらったよ!ああ、なんて気持ちいいんだ」
「いやあ───ッ!」
歓喜と絶望──少年と人妻は、ひとつになったままで、まったく反対の感情
を得た。渉は、人妻に君臨する絶対者として──そして、恵美子は少年に
魔法少女としての誇りを砕かれた、哀れな一匹のメス犬として──
「いやッ!いやッ!いやッ!こんなの、いやあーッ・・・」
どれだけ犯され抜いても、涙は枯れない事を、恵美子は知らされている。
だが、今は尻穴を男根で穿たれたまま、ただ、少年の欲望の前に傅くしか
術が無い事も。僅かな救いといえば、肛姦で泣き狂う人妻の叫び声を、雨
がかき消してくれていただけだった──
185魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 20:01 ID:085mldTb
翌日、渉は学校を終え、帰途についていた。その足取りは軽く、また
しっかりと歩を進めている。
「今日はおばさんを、どうやって辱めようかな」
渉の脳裏には、麗しい恵美子の裸身が浮かんでいた。散々に味わっ
た肢体だが、いくら貪っても貪り尽きない事が不思議に思えている。
今だって、彼女の羞恥につけこんだ荒淫の跡が、男根に生々しく感じ
られるのだ。
「とっとと、帰ろう」
いち早く恵美子に会いたい。その一心で、渉は心を逸らせた。それは、
横断歩道を渡る彼に、信号無視を気づかせない程に──
(あ、あれ・・・マジ?車が・・・)
歩行者信号が赤──それに気づいた時、渉は自分の周りがスローモー
ションになっていく事を感じた。車道を走ってくる車のドライバーの顔が
引きつっている。そして、向かい側にいる歩行者が自分を見て、悲鳴を
上げている様もはっきりと理解出来た。更には、このまま自分は車から
逃げる事が出来ないという現実も──
(死ぬ!)
危機に瀕した渉に出来たのは、目を閉じる事だけだった。急ブレーキ
を踏む、タイヤのスキール音が聞こえる。そして、次の瞬間、ふわりと
体が宙に浮き、渉の意識は消えた──

『渉クン、しっかりして』
幾許かの時が流れ、渉はぼんやりと誰かの声を聞いた。声の主は女性
のようで、いかにも心配げな雰囲気で問いかけてくる。
186魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 20:17 ID:085mldTb
「おばさん・・・?」
恐る恐る目を開け、渉は状況を再認識した。声は紛う事無き、恵美子の
物。そして、自分が宙に浮いたままである事も知る。
「ああ、よかった!気がついたのね、渉クン。怪我は無いから、安心して」
渉は、魔法熟女アンスコエミーに変じた恵美子の腕の中にいた。自身の
体に異常は無く、恵美子の言うとおり無傷である。
「助かった・・・のか?」
「うふふ。たまたま、おばさん通りかかってね・・・ちょいと魔法で時間を止め
て、空を飛んで渉クンをさらったの。間一髪だったわ」
例の魔女っ子服を着た恵美子に抱かれ、渉は空を飛んでいた。高度は百
メートルもあろうか、真夏にしては体を掬う風も冷たく感じる。話を整理する
と、恵美子が自分を助けてくれたと理解出来た。しかし、疑問も残る。
「おばさん・・・どうして、僕を助けたの?」
「どうして、って?」
「あんなにひどい事した僕なんて・・・見殺しにしてもよかったのに・・・僕は
おばさんを・・・」
恵美子の弱みを握り、散々に辱めた自分を何故助けたのか──渉はそれ
が不思議だった。ただ、今も彼は中空にあり、恵美子の腕の中にいる。もし
ここで手放されれば、死は免れないだろう。だが、恵美子は渉の体を、これ
以上ないくらいに、強く抱きしめていた。それはまるで、慈母が我が子を抱き
しめるが如く──そして、恵美子は言った。
「前にも言ったでしょ?おばさん、渉クンの事を我が子のように思ってるって。
どこの世界に、我が子を見殺す母親がいますか」
ふふっと頬を緩め、かつてこの世界の治安を守っていた魔法少女──現、
魔法熟女アンスコエミーは、こう言って渉を優しく見遣ったのである。
187魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 20:35 ID:085mldTb
それを聞いた時、渉は顔をくしゃくしゃにして、涙を流した。自身に対し
て、陵辱の限りを尽くした男を彼女は許してくれている。そして、危機
を救ってくれもした。これは、慈愛だ──渉はようやく理解出来た。女
性が持つ本能、母性。恵美子は誰よりもその愛を豊かにし、渉へと傾
けていてくれたのである。
「ごべんなだい」
鼻詰まって、ごめんなさいがうまく言えない渉。だが、恵美子はにこやか
に相好を崩し、
「いいのよ」
とだけ言った。そうして二人は、暮れなずむ街の中へ蕩けていったので
ある・・・・・

その日、インターネットの掲示板に、都市伝説まがいの小話がひとつ寄
せられて、ネットランナーたちからの失笑を買った。その内容を一部抜粋し、
おしまい。

『今日、車運転してたら、学生っぽい奴と、空飛ぶ魔法少女・・・っていうか、
魔法熟女って感じの・・・いや、やめとこう。どうせ、誰も信じちゃくれない』

投稿者は最後は投げやりになり、こう結んでいる。

『アンダースコート穿いてたよ、そういや。ああ、なんか頭から離れねえー
熟女のアンスコ・・・もう、駄目だ、俺』

──と。
188魔法熟女アンスコエミー:04/07/09 20:37 ID:085mldTb
スペースモグタン、マゾの宅配便とやらかしたので、
真面目な感じに・・・
長々とすいません。それでは・・・
189名無しさん@ピンキー:04/07/09 21:28 ID:T+impqfZ
リアルタイムキタ―――(・∀・)―――!!!!!
ハァハァ…GJ!!
あなたのセンスが羨ますぃ…
190名無しさん@ピンキー:04/07/09 21:30 ID:34067DsZ
最後いい話にまとめやがってッ
191名無しさん@ピンキー:04/07/12 19:37 ID:tZ/Tq7qy
hosu
192銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:11 ID:FQIRu1gu
「さあ〜て、正樹、成、今日も一日終わったしモスで飯食ってゲーセンにでも繰り出そうぜ」
一日の授業を終えた俺はいつものように親友たちを遊びに誘う。
「あっ御免、銀次君。
 今日は小枝さんと買い物行く約束してるんだ」
「ちょっと待て正樹、それ何のためにメイド雇ってんだ?」
一人で大きな屋敷の切り盛りは大変だから雇ったんじゃないのか?
買い物くらい任せろよ……
「色々、事情があってね……」
正樹の奴が幸せそうに笑う…
……まさか
「お…まえ、そのメイドさんとデキ…てるってワケじゃ?」
「いや……その、そうなんだけどね」
がーーーーーんっ!!
あ…憧れのメイドさんプレイっ!!
「…お前、スゲエ阿呆な妄想しとりゃせんか?」
という言葉と同時に後頭部に軽いチョップ。
落雷にも等しいショックを受けた俺を横で見ていた成が現実に戻してくれたらしい。
嗚呼…真の親友は君だけだ……
俺は気を取り直して、
「裏切りモン(彼女持ちの軟派野郎)はほっといて飯行こうぜ」
そう言うと俺は成(真の親友)の肩に手を回そうとした…
「わっりい…今日はオレ、ベアトリスと映画見る約束してんだわ」
ぐはっ…
ブルータス!!お前もかっ!!
しかも、パツキンの超絶美人の従兄弟と禁断の近親○姦っ!!
「だから、阿呆な妄想は止めい」
ぐはっ
成の左手での熊手が俺の胸に決まる。
…一瞬、心臓止まったぞ……
193銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:13 ID:FQIRu1gu
そんな俺を無視し成は
「お前も彼女作れば良いだろ?
 もっともその頭(リーゼント)じゃ無理だろうけどな」
とのたまう。
「うるせえ!!この頭も女作らねえのもポリシーなんだよ!」
俺は渾身の右フックで成の顔面を狙う。
が、成の野郎はそれを簡単にかわしやがる。
…当たらないってわかってるから本気で殴っているんだけど、
やはり悔しい……
「でもさ、何度も言った事だけどこの学校ではその頭浮いているよ?」
このやりとりに慣れた正樹が冷静に会話に参加する。
そうなんだ…結構良い進学校であるここでは俺はまるで珍獣扱い…
「いや、今時ヤンキー校行たってコイツは絶滅危惧動…」
俺の頭を指さしてそこまで言いかけた成の言葉が止まる。
そして
「上映時間に間に合わなくなりますよ」
凛と張った声、
この成(馬鹿)の従兄弟ベアトリスだ。
「ああ…今、行く」
彼女の一言であっさり成(薄情者)は俺ら(親友)との語らいを終わらせさっさと鞄を持って行ってしまった。
「じゃあ、僕も待たせると小枝さんに悪いから行くね」
「おい…」
……男の友情ってこんなモンか?
親友に裏切られた俺は教室に一人寂しく残された……
194銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:17 ID:FQIRu1gu
結局、俺は一人で吉○屋で晩飯を済ませ、一人でゲーセンで時間を潰した。
「ちっ」
親友の裏切られ傷ついた俺は道端の隅に置いてあるゴミカゴを蹴り上げる。
俺の蹴りの衝撃に止め金のビスを全て飛ばしたゴミカゴは満載の空き缶を巻き散らしながら歩道に転がる。
そして、軽いためカゴより高く上がった缶がやや遅れ落ちてくる。

ガンっ!!

「痛っ」
缶が落ちる中俺の頭の上に小気味音が響く。
これが因果だろうか?
空き缶程度じゃない、もっと重く固い物が俺の頭の上に落ちたらしい……
俺は頭をさすりながら、そのにっくき仇を目で探した。
…空き缶…空き缶…ペットボトル…
「分別しろよ」
ゴミを散らした俺の言えた事じゃないけど……
「ん?あれか?」
俺はゴミの中から見つけた仇を拾いあげる。
「じょうろ?…いや、水差しか?」
黄銅らしき金属製で、なにやら幾つも宝石らしき物でオリエンタルな飾り付けがされていて、足が付いている。
「本物の宝石って事はないだろうが……」
報復に持って帰ってこき使ってやろう。
なんとなくそれが気に入った俺はそれを拾うと帰路についた。
195銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:22 ID:FQIRu1gu
武南(たけみな)銀次郎(ぎんじろう)

高級マンションに俺の名前の表札がかかっている。
家族とは同居して居ない。
中学の時に喧嘩で警察沙汰を起こした時、代議士「様」のクソ親父は対面を気にして、このマンションを与えて俺を家から追い出しやがった。
もっとも、使い切れない仕送りは有るしその時の転校で正樹や成と知り合ったんだから差引プラスと言えばプラスなんだが……

「そういえば」
部屋に入った俺は手に持ったじょうろを思い出す。
明るい所で見ると薄汚れている……
「たしか、何かの番組で金属の黒いくすみは修正液で擦ると良いって聞いた気がすんな」
一人暮らしを始めてから増えた独り言をつぶやきつつ、机の引き出しから修正液を取り出しソファーに腰を掛けると試しに少し修正液で擦ってみる。
「おっ、けっこう落ちるぜ」
くすみが落ちて金属の肌が元の輝きを取り戻す。
俺は面白くなってもう少し強く擦ってみる。

ゴシゴシ…

夢中になって磨いた為、ほとんどじょうろは元の金属の輝きを取り戻し始めている。
「ん?」
今、じょうろが光った?
いや、今までも最初は気の所為か反射かと思ったが光ってた、
……が、
光り方はだんだん激しくなる。
196銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:28 ID:FQIRu1gu
俺が光源を調べようとじょうろをのぞき込んだ瞬間、
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」
じょうろは光ったと思うと、口から激しく煙を吐き、
その煙からその間抜けな言葉は聞こえた。
「……な…なんだ?」
思わずじょうろを投げ捨てた俺は辺りを見渡し呟く。
異変はない?
投げ捨てたじょうろも別段変わった様子はない。
「ゲーセンの帰り際に飲んだビールで酔ってたんか?」
じょうろを拾い上げて調べてみる。
異状無し
「アホらし…」
童話じゃあるまいし、じょうろが光るなんてな……
俺は呟いてじょうろを投げ捨てた。
「ちょっと、それ大事に扱いなさいよ!」
はあ?
気の強そうな姐御風の言葉が背後から聞こえ、
視界に褐色の太股?
が入り、そして同じ色の指が俺の投げ捨てたじょうろを拾い上げる。
「アタシの家なんだから!」
その指に拾い上げられたじょうろと共に俺の視線も上がって行く。
褐色の肌に露出の多い……インドかアラブの踊り子のような服装、ウェーブのかかった銀髪を金属の髪止めでポニーテールで纏めた後ろ姿が俺の目に映る。
「誰だ…あんた!」
197銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:32 ID:FQIRu1gu
「ふふ〜ん、さっそく軟派?お姉さんの魅力に惹かれたかな?」
振り向いたその女性は自信満々の笑みを浮かべながら爆乳……
もとい、胸を張り
「ランプの魔神、ジル様だ!」
と名乗った。
俺は……
「コスプレ強盗?」
いや、他に考えれないだろ?
常識として…
「違う!ランプの魔神だって言ってるだろ?
 耳詰まってんのか!?」
「…どっかの病院から抜け出して来たんか?」
さすがに頭が気の毒な病気の女性を殴る気はせず、俺は仕方なく携帯を取り出し110番しようとする。
……と
「坊やの癖に疑り深いのは可愛くないぞっ」
彼女は俺の手からいつの間にか携帯を取り上げ電源を切ってしまう。
…というか、俺のとこまで手届かない距離だよな?
俺は彼女の方に手を伸ばして確かめる…
…全然、届かない……
これは…つまり…
「手品師で気の毒な病のコスプレ強盗?」
「ええい!しつこい!話が進まんだろ!」
彼女は冷静に分析した俺の答を、拳骨で却下する。
仕方ない、実害は今の所無いし100歩譲って話を合わせてやろう。
「つまり、あれの中から呼び出した人の命令を聞くってあれか?」
じょうろじゃなくランプだった物を指さして俺は彼女に聞く。
「ノンノン!呼び出させただけで言うこと聞く義務なんぞ無い!」
こいつ…せっかく人が合わしてやってるのにいきなり自分で設定否定しやがった……
198銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:38 ID:FQIRu1gu
結局、ジルと名乗った「自称」魔神は結局、
「ガキ一人でこ〜んな贅沢暮らしなんて生意気!」
とか言って俺のマンションに住み着きやがった……

少なくともアレな病気っぽいが強盗というわけではなさそう(いい歳してホームレスか家出か?)なので、
突然暴れたりしたらその時は取り押さえて警察に突き出せば良いやと思い、
置いてやる事にして三日、

この間に分かった事は、
主食はビールとタバコ。
野球中継を見ながら飲むのが一番好きらしい。
応援している球団はタ○ガース。
勝ては機嫌が良く、負けると機嫌が悪くなり「〜だったら」「〜がなければ」を俺に愚痴愚痴とこぼす。
朝はまず起きてこない、
俺は学校へ行くから何時に起きるかは知らないが風呂を使った形跡があるから朝(時間は朝とは限らないが)風呂が日課のようだ。
夕食は俺を無理やり引き連れ居酒屋(洋服を何着か俺が買って来て、さすがにあのコスプレで外出させるのは阻止した)で酒を飲みながら大声で騒いで……

結論、こいつは銀髪に色素の薄い鳶色の瞳、褐色の肌の美人の皮を被ったオヤジだ…
それも病気がどうかを別としてでさえ、社会不適合者のオヤジである事は間違いない……
199銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:48 ID:FQIRu1gu
生活費は余裕あって貯金は溜まる一方だったし、
(親父の金で別に俺が稼いだわけじゃないけど)
部屋は一人じゃ広いし居候の一人や二人、別にどうってことない……んだけど……

我慢ならない事が一つ……
「半裸でうろちょろすんな!」
こいつは家に居る時は例の踊り子風の服なのだ……
「おっし!」
しかし、巨○×阪○戦を観ているジルは全く俺を無視しテレビに熱中している。
他人はタイミングが悪いと思うかも知れないが、
こういう時じゃないとこいつは勝手に占拠た元俺の部屋(因みに俺は書斎に寝袋で寝ている)に逃げる。
さすがにそこまで文句を言いに行くのも難だし、
テレビのあるリビングから動けない時に言うしかない。
しかし、
「おい!聞いているか!」
「ああ!馬鹿、打ち上げやがった!」
聞いてない……
仕方ない強行策だ。
俺はリモコンを握ると電源を切ってやる。
「あ!なにすんだ!コラ!!」
俺は腕を目一杯伸ばしてリモコンをジルから離した体勢で抗議を無視してこっちの言い分を通させてもらう。
「きちんと服着たら付けてやるよ」
「はあ?着ているだろ?」
「だああああ!ンな水着のモドキじゃなく買ってやっただろ!
 そっちを着ろって言ってんだ!」
「な〜に興奮してんだか……」
ジルはたビールに口を付けるととポーニーテールにした銀色の髪と全身に付けられた金属や宝石のアクセサリーを揺らしながら頭をかく…
そして、ビールを置くと同時に
「これはアタシの決まったカタチだ!文句あっか!」
力説する。
200銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:51 ID:FQIRu1gu
こいつ、追い出してやろうか?
しかし追い出して駅前でのたれ死にしている所でも見かけたら後味が悪い。
俺は根気良く説得を続ける。
「出かける時は素直に着てくれただろ?
 だったら……」
「あれはお前が泣いて頼むからだ」
泣いてねえ…
つーか、本当に泣いて頼んでやろうか?
「さて、話も解決した所でそれよこせ」
解決したか?
少なくとも俺はしてないと思う。
というわけでリモコンは渡さないままでおくと
「アタシが笑っている内によこさないと知らないぞ」
何を馬鹿なことを?
こっちは中学時代は(成に会うまでは)負け知らずの喧嘩屋だ。
多少がたいの良い女一人軽くいなしてやるぜ。
と余裕の笑みを浮かべてやる。
「渡す気はないっと……
 じゃあ、実力行使!」
そう言ってジルがこっちを指さした。
瞬間
「ぎゃああああ」
俺の前身に恐ろしい痺れと熱、そして痛みが走る。
「おとなしく渡せば痛めみないで済んだのにねえ」
……スタンガン?
昔、喧嘩で発禁前の強力なのを振り回す奴がいてくらったのと似ている。
しかし、そんなの持って無いよな……
大体、そんなんが触れる距離じゃない……
俺の薄れゆく意識の中、最初にジルのした自己紹介が響いていた……魔神……もしかしてモノホン…?
201銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/13 23:56 ID:FQIRu1gu
額が冷たくて気持ちが良い。
濡れた布が乗っているのか?
「…やりすぎちゃったかな〜」
ジルか?
彼女が軽く笑った息が濡れた布に当たって一層、冷っとした感触となり曖昧な意識が戻る。
「う…ん」
「起きたか?」
「起きた…」
というか膝…膝…まくら!!
目が覚めた俺はジルに膝まくらされていた。
その状況に驚いた俺は慌てて彼女の膝から転がり落ち、床で頭をしこたま打つ。
意識を失った俺はいつの間にかジルの膝の上で看病されていたらしい。
「あ…つつ」
「アンタ…バッカだねえ」
頭をかかえる俺をのぞき込んでジルは笑う。
「大体、こ〜んなスタイルの良い美人がこ〜んなイイ格好してるのに止めろだなんてねえ?」
一息ついて
「……ホモ?」
確かにそこらの女より成は綺麗だし、正樹は可愛いかったりする……
って違うっ!
「なんでそうなるっ!
 俺はただ、倫理的にだなあ……」
「なるほど、君はアタシのこの格好を見て我慢出来ないってわけだ」
そう言うとジルは頭をかかえて転がっている俺の頭に胸を近づけてくる。
…やはりでかい……
じゃなくてっ!!
「だから止めろって!」
俺はジルから離れようと寝返りを
…うてなかった…
「しっかり、こんなんしちゃってるのに?」
ジルはしっかり俺の意志を無視しているムスコを捕らえズボンを脱がしにかかっている。
202銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/14 00:00 ID:zd6DT/s5
「……」
「ごめん…さすがに悪ノリしすぎた」
「……」
「ほら、そんなに気にしないでも…」
「……うるさい」
俺はジルに触られたまま、逃れようともがいた俺は
「ああっ!!もうっうじうじとおっ!!
 そんなんだから早漏なんだよっ!!」
刺激だけで、イってしまった……
そんな俺をジルは最初は慰めたかと思うと、いきなりキレやがった。
キレたジルは俺を押さえつけると、
「大体、発情期のガキの癖にエロ本の一冊も持ってねえ異状な生活してるから溜まるんだよ」
「てめえ俺のガッコ中に家捜ししやがったな!」
この3日でついた習性か…こんな状況にも関わらずつい釣られて怒鳴ってしまう。
「ん?」
怒鳴ってというか、怒鳴った時に反射的に彼女を払い退けようとして気づいた……
…動けない?
「ちゃんと元気あんじゃん」
「よ…よせっ……ん」
ジルは俺を押さえつけたまま、優しく微笑むと一方的に金縛り状態の俺の唇を奪う。
203銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/14 00:10 ID:zd6DT/s5
つぅーっと
俺の唇から離れたジルの唇との間に一本銀色の唾液の糸が伸び、
切れた…
「こ…の、何考えてんだ!
 この金縛りもお前のしわざかあ!?コラっ!!」
自由になった俺の口から怒号がほとばしる。
「そうしないと銀ちゃん、逃げるでしょ?」
そら逃げるに決まっているだろ
…俺は他に打開策は思い付かないぞ……
大体に男って奴は生涯、惚れた女一人ってもんだろ?
会って三日でどうこうってのは間違っている!
「おお!立派、立派!偉いぞ、それでこそ男の子」
俺を組み敷いたままジルが拍手してやがる。
って
「おい」
もしや…
「心まで読めるのか?」
「アタシを呼び出した人のはね。
 その方が願い事をかなえてた頃は便利だったしね」
……勘弁してくれ……
っていうか、かなえてた頃はって…そういうのってやらなくて良くなるものなのか?
「だから、銀ちゃんも安心しなさい。
 そりゃあ会って三日だけど、アタシはちゃんと銀ちゃんの心に惚れてるから」
…惚れ…?俺にか?
「そっ、銀ちゃんが初めてなんだよ。
 アタシを呼び出して損得抜きでおいてくれたのは…他の人はうんざりするほど欲まみれだったのに」
欲まみれか……
そりゃあ魔神と知ってジルを意図的に呼び出すなんて願い事、つまりなにかしらの欲があるに決まっている。
そんなのをジルは見てきたのか……
「…魔神ってのも結構、大変なんだな」
「だから、銀ちゃんが何の見返りも考えず黙ってアタシを置いてくれたの本当に嬉しかったんだよ?」
ジルの言葉と微笑みになんだか抵抗する力が一気に抜けた気がする……
204銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/14 00:14 ID:zd6DT/s5
その隙を突き、ジルは俺の服を脱がしにかかる。
彼女の両腕がカッターのボタンを引きちぎり、
ベルトを爪でなぞるとあっさりと皮のベルトが切れる。
そして、彼女のその細い指がゆっくりとズボンと共にトランクスを、にちゃっと暴発の跡の音をさせながら下げて……

「ってちょっと待てよ!!」
その音が蘇らせるトラウマになりかねない暴発の悪夢のお蔭で俺の思考はようやく復活する。
「俺の方の気持ちはどうなるっ!?」
「……」
おっ、分かってくれたか?
ジルの動きが止まったの事に俺が安心した、
その瞬間。
「そんなんアタシは知らん!」
げっ!!
心読めるのに知らんって……
「ん〜今の顔、カワイイっ
 持ち上げて落とすのって面白いよね〜」
おいおい……
「いい加げ…あうっ」
文句を言いかけた俺の乳首をジルの爪がひっかきその刺激に思わず、声を上げてしまう。
「女の子みたいな声、あげちゃって〜」
ジルはそんな事を言いながら俺の気がそがれた隙に一気にズボンとトランクスを膝まで下げ下半身を剥き出しにする。
205銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/14 00:20 ID:zd6DT/s5
「結構…イイモノ、持っているじゃない…」
相変わらずに俺の乳首を弄びながら、俺の下半身を見てジルは呟く。
そして、ジルは俺自信を握り締めると彼女自身の大切な部分に誘い、そのまま腰を沈めていく。
「……っ」
俺自身が暖かく柔らかいモノに包まれる感覚と同時に彼女の食いしばった歯から息が洩れる。
「おい…無理してねえか?」
その苦しそうな表情に自分の置かれた状況を忘れつい心配してしまう。
「優しいね」
その俺の言葉にジルは満足気に微笑すると、再び俺の唇を奪う。
「うっ…ん」
そして、そのままゆっくりと腰を動かし出す。
序々に彼女の動きの度に少しづつ、俺を包む暖かさにぬめりが加わってそれに応じて彼女の動きも大きくなっていく。
「あ…あう…ん」
そして、いつの間にか苦しそうに歯を食いしばっていた彼女の声は別の物に変わっていた。
そして、俺も男の哀しさか……
唇の感じる柔らかさ、甘い吐息、
彼女の動きと、
それにあわせて胸に当たるジルのボリュームのある胸の重さ、
それら全てが俺から思考力と理性を根こそぎ奪っていく。
「……くっ、じ…ジル、俺もう…」
さっきの暴発がなかったような速さで俺に限界が訪れる。
「んっ…良い…よ、なかで……」
俺はそのジルの言葉を最後まで、聞き取る事も出来ずに俺の意識は真っ白に飲み込まれていった……
206銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/14 00:34 ID:zd6DT/s5
 ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー
しくしく……
「あ〜、男がめそめそすんなよ…うっとおしい」
「うるせえ…俺はなあ」
「はいはい、生涯たった一人の女に捧げたかったんだろ?」
すでに衣服を整えたジルはビール片手にバラエティー番組を見ている。…こいつは……
「そんなに言うんなら、アタシをその生涯一人の女性にすれば良いだろ?」
落ち込む俺の背にジルはでか過ぎる胸を押し付けて言う。
「な…なにを馬鹿な」
「そう馬鹿な事じゃないんだけど?
 アタシたちみたいなのを呼び出すのは偶然じゃなく、必然のなのよ。そうじゃないとアタシたちがそこらじゅうで現れたら大変じゃない?
 そうね、運命って言い変えても言いかもね」
……運命?
「プっ……キャハハハ」
真面目に俺が考えはじめた一瞬後、いきなりジルが笑い始める。
「な…な…」
状況を掴めない俺にジルは
「そんなわけ無いに決まっているじゃない!アハハ……真面目になっちゃって〜やっぱり銀ちゃんからかうの最高だわ」
「こ…この…」
俺が文句を言おうと口を開けた瞬間、
「まっ、銀ちゃんの悩みは置いておくとして、
 アタシの処女は安くないからね。銀ちゃんはそっちの覚悟を決めておくように」
「はあ?」
嘘だろ?男襲う処女がどこの世界に居んだ……
「そうね、まずおつまみに焼き鳥の缶詰とビーフジャーキーでも買って来てもらおっかな〜」
「お…い、ちょっと待て」
どうしてそうなる?そもそも、そっちが一方的に……
「はい、急ぐ」
俺の質問を無視したジルが俺を指さすとその指が光りビリッっと軽い痛み俺の全身に走る。

こうして俺のパシリ人生が始まった……
207 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/14 00:45 ID:zd6DT/s5
三本目のSSをようやく上げられました。

本来は>161さんに指摘された点を含め誤字などを直した前作の改訂版にすべきなのでしょうが、
もともと、大した文でないので直そうとすると泥沼になってしまって、挫折してしまいました……
本当にご免なさい。

今回も拙い文ですが、宜しくお願いします。
208名無しさん@ピンキー:04/07/14 01:16 ID:I4yfFxAX
乙です。リーゼント万歳。カカァ天下万歳。
個人的に「おねぇさん」系の人が好みなので、坪でした。

ただ、自分的には「ジル」と聞くとどうしてもナウシkcfvghkl、ふじこlp;
209名無しさん@ピンキー:04/07/14 13:19 ID:fbFvWj/6
もちつけ。文字化けしてるぞ(笑
210名無しさん@ピンキー:04/07/15 02:00 ID:4mPsCPpU
はて?
修正液で金属のくすみってとれるのだろうか?
除光液とかじゃなくて?
211名無しさん@ピンキー:04/07/15 02:29 ID:8JiXmTbE
取れるというより、正確には削れる。
修正液の細かい粒子がやすりになって金属の酸化して黒ずんだ表面を削って落とせるらしい。
ただし、これは金属の彫刻部分の細い部分とかに修正液が入って取りにくくなったりするのであまり良い方法じゃないかも。
212名無しさん@ピンキー:04/07/16 15:33 ID:62QWVppf
いたくぁさん=シーチキンたん

この真理、如何に?
213名無しさん@ピンキー:04/07/16 18:10 ID:MdK9IZnZ
巡回ルートで朝スレの次に来てみれば…
しばらく笑死したぞ>>212!!
じゃあ何だ!?チキ姐は尻が弱くていたくぁさんは夜な夜なデミカップをつけて悶えてるってか!?
……萌えるじゃねえか。
っていやこれは違いますよ姐さんて言うかなんでここにあらいたくぁさんもご一緒に漏れに何の用で(凍結&粉砕
214 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/19 03:44 ID:yAaYalwU
こんばんは、

大して良くなって居ないと思いますが
『おじいちゃの遺産』
ちょっと修正&加筆分を上げます。
ネット環境の関係で全てのデータ保存をしてない為に全体UPでなく直した所だけという形になるので不完全な修正だと自分でも思いますが、ご容赦下さい。

直した箇所としては
>>152
の文、全てを入れ換えとなります。
小枝さんの腕はあれだけ苦労したけど大した故障は無かった。
補助骨格に大きな歪みが出来た分、それが衝撃を吸収してくれて他に影響を及ばさなかったらしい。
それさえ判れば、それを予備と交換すれば良い。

…調べもしないで成君に修理を頼んだら、僕はこれからも成君に頼り続けていたかも知れない。
…いや、きっとそうなってしまっただろう。
そして僕はきっとずっと小枝さんに対して、
そして自分に対して背を向け自信が持てないままで居続けたんだと思う。
あの時、小枝さんが必死に僕に修理を頼んだのは、弱っていた僕に立ち直る機会を与えてくれるためだったのだと今は解る。

…しかし、そう簡単にはいかないんです。
そもそも僕は昼間を学校が有り、作業時間は限られる。
それでも何とか時間を工面し結局、3週間掛けて小枝さんの腕を修理を続けた。
この間、小枝さんと一緒に居る時間は自然と増えた。
それまでも彼女との時間がなかったわけじゃないけど、
片腕でも働くと聞かない小枝さんを僕が支える必要が出て、
資料整理などで小枝さんは僕を支えてくれた。
共通の目的とそれに向かう作業は、ゆっくりだけどそれまでより確実に僕らを心の通じ合える本当の家族に育ててくれていた。

そしてようやく今、
祖父の残した機械で人間らしく見せるコーティングをしている。

「正樹様、有り難う御座います」
タイマーの数字が減っていくのを見ながら小枝さんが僕に深々と頭を下げる。
「そんなお礼なんて良いよ。
 それにこんなに時間が掛かっちゃって僕の方こそ御…」
「どうかなさいました?」
「いや…待っててくれて有り難う」
遅くなった事を御免と謝るつもりで途中まで言った僕は、
なんとなくここでは御免は合わない気がして途中で言い変える。
「はい、どういたしまして」
「うん…」
そうして笑いあった僕らの唇がまるでお互い言葉にして申し合わせたかのように自然に重なりあう。
217名無しさん@ピンキー:04/07/21 02:05 ID:hc+YrmM+
レスザンTV
218名無しさん@ピンキー:04/07/21 23:07 ID:0r8WPqD0
保守
219ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 15:08 ID:/feLK5lL
平成十六年、夏──東京の秋葉原へ二つの飛行物体が急降下し、萌え
る街を直撃。千人に上る死傷者を出す大惨事となったが、場所が場所な
だけに、世間からの同情がまったく得られず、むしろ良いゴミ掃除になった
という意見が大半を占める事となった。何故かと言うと、被害にあった人々
というのが、真昼間から同人ショップを何件もはしごするような、アキバ住
人たちだからである。が、それはさておく。

「う〜む・・・いったい何が・・?」
瓦礫の山と化した秋葉原の一角で、御結山基樹(おむすびやま・もとき)は、
今だ砂煙が舞う中で、ようやく立ち上がる事が出来た。彼は萌える専門学校、
『ヨモギアニメーション学院』
に通う十九歳。生来の萌え熱が嵩じ、その身をアニメ界へと投じた青年である。

「何か落ちてきたらしい・・・って事は分かるんだが・・・ああ・・・ナロンブックス
も、コミックけつのあなも跡形も無い・・・何てこった」
基樹はよろけながらも、廃墟となった秋葉原に昔日の面影を追った。かつて、
自分を萌え上がらせてくれた店舗がくず落ち、今や影も形も無い。基樹はそれ
に落胆し、再び地へ膝をついてしまう。
「アキバがこれじゃあ・・・大須(名古屋の萌え地)まで足を伸ばすしか無いの
か・・・くっそう・・・」
甲子園球児のように秋葉原の土を握り、基樹は泣いた。首都がこんな有り様だ
というのに、考える事がこの程度。
「通販じゃ、駄目なんだ・・・直に・・店へ行かなきゃ・・」
店舗で買っても、通販で買っても物は同じ。しかし、萌える男たちはそれを許さ
ない。何でも手にとってみなければ、納得がいかないのである。もっとも、通販
は通販でまた、送られてきた商品を開ける楽しみがあるのだが・・・
220ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 15:39 ID:/feLK5lL
「う〜ん・・・さくらぁ・・」
「いんくたん・・・はぁはぁ・・」
周囲から、基樹と同じダメ人間たちの呻き声が聞こえた。彼らも秋葉原
を徘徊していたがために、この惨劇に見舞われたようで、それぞれが虫
の息状態になりながらも、信望する萌え対象の名を叫ぶ。
「み、みんな・・・大丈夫か?」
声を聞きつけた基樹が、灰燼の中をさ迷い歩き始めた。どこかに知った
顔が居ないか──そして、けが人を救助しなければ──と、ダメ人間な
がらも、人としての良心を以って。と、その時──

「おっ!生きてやがったか、御結山基樹。ずいぶんとしぶといな」
煙る廃墟の中から、やたら露出度の激しい黒のボディスーツに身を包ん
だ、悪魔──という表現がぴったりな、美しい女性が現れた。
「だ・・・誰?」
「あたし?ああ、お前の命を貰いに来た、見習い悪魔シェリー様よ」
問い掛けた基樹に向かって、シェリーと名乗った女は大鎌をすらっと抜き、
にっこりと微笑む。だが、その笑顔とは対照的に、言ってる事があまりにも
物騒だ。
「俺の命?何故・・・」
大鎌をあご先に突きつけられ、基樹は身震いした。今、出会ったばかりの
女に、どうして命を奪われねばならないのか、納得がいかないご様子。

「え〜と・・・御結山基樹・・・お前さあ、前世であたしたち悪魔の敵だったん
だよ。詳しくは聞いてないけど、前世のお前は物凄い力があったらしいな。
それで、数え切れないほどの悪魔が霧散させられたらしいよ」
見習い悪魔シェリーは目に殺気を携え、基樹に迫った。是が非でも、お命
頂戴と決め込むつもりらしい。
221ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 16:07 ID:/feLK5lL
「そんな訳で、命〜・・・くれない・・・いけね、歌ってる場合じゃなかった。
ぼやぼやしてると、邪魔が入る・・・」
シェリーが大鎌を握る手に力を入れた。その瞬間、基樹は目を閉じて今
際の時を静かに迎える。
(し、死ぬのか、俺・・・?こんな、訳も分からないままに・・・だが、アキバ
で死ねるだけ・・・幸せか・・・)
死を覚悟した基樹の首を、今、まさに大鎌が薙ごうとしたその刹那、十一
時の方向から一筋の白き風が吹いた。そして──

「キャッ!」
見習い悪魔シェリーの体が弾け、手にしていた大鎌ごと吹き飛んだ。更に、
「基樹様、ご無事ですか?」
そう言って、純白の羽を広げた天使──が、亡き者にされる所だった基樹
の目前に現れたのである。

「今度は天使かよ!」
「はい。わたくし、セレナと申します。天界からやってまいりました」
薄手のロングドレスを身にまとい、宙を舞う天使──セレナと名乗った少女
は、地にまみれた基樹の手を取り、素晴らしい笑みをたゆませている。その
笑顔は慈愛に満ち、まさに天使という身分に相応しい。
「基樹様・・・危ういところでしたが、間に合って良かった・・」
純白の天使セレナが基樹をそうっと抱き寄せ、耳元で甘く囁いた。見た目で
はまだ十五歳くらいだが、何やら聖母のようなふくよかさを持っている。
222ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 16:31 ID:/feLK5lL
「く、詳しく説明して・・・くれないかな」
セレナの乳房の間に顔を挟まれ、戸惑う基樹が尋ねた。天使の胸の
谷間は案外育っており、中々の弾力を持っている。それが、あまり女
性と縁が無いアニメ青年の心を逸らせた。

「先ほど、基樹様を亡き者にしようとしていた悪魔・・・彼の者立ちと対極
を成す天界の使い・・・それが、わたくしです。あなた様をお守りするた
めに、地上へと派遣されてきたのです。あなた様は前世において、魔界
と戦う天界の武神でございましたから」
「また、前世・・・か」
「ええ。先の戦いでは、天界が魔界を薙ぎました。その後、天界を勝利に
導いた武神は輪廻転生し、あなた様のお体へ魂を宿されたのです。だか
ら、魔界のものどもは、基樹様の魂を魔界に引きずり込み、次の転生を
防ごうとしたのです。それを天界はいち早く察知し、わたくしに命を下しま
した」
「俺を守れ・・と?」
「ええ、そうです」

セレナの説明は足早ではあったが、基樹は何となしに自分の置かれた
立場が理解出来た。要するに、自分は前世の行いの為に悪魔に命を
狙われ、また、天使の庇護を受けているのだと。そして、納得こそ出来は
しないが、今はこの天使に縋るしか無い事も──
(何てこった・・・)
秋葉原を無に帰した二つの落下物。あれは、どうやら悪魔と天使だった
らしい。しかも、それぞれが自分に対しての含みを持っている。それと
分かり、基樹はこの惨状の原因が己である事を知り、背筋を寒くさせた。
223ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 16:52 ID:/feLK5lL
「はいはい、話はそこまでだよ」
まだ、秋葉原大崩壊のショックが覚めやらぬ間に、先ほど天使に吹き
飛ばされた見習い悪魔、シェリーが基樹たちの前へ現れた。彼女は大
鎌をなくしたらしく、無手で二人の前へ歩み寄って来る。

「よくもやってくれたね、この堕天使が」
「悪魔め・・・天の罰を恐れるがいい」
天界と魔界、両の使いが正対し、一触即発の事態を迎えた。このとき、
秋葉原の地に伏せっていた瀕死状態のダメ萌え人間たちが、
「あッ!ベOダンディー様だ!」
「ウOド様もいるぞ!」
と、いっせいに色めき立ったことを追記しておく。

「基樹は魔界へ連れて行く」
「そうはさせない」
シェリーとセレナが互いを威嚇し、戦闘体勢を取った。見習い悪魔は武器
を失ってはいるが、不適な笑みを漏らし、自信ありげ。また、天使は天使で
無手の戦う術を心得ているのか、迷いの無い戦意を見せている。

「なんか・・ヤバそう・・・」
悪魔と天使の間に、ぴりぴりとした空気が張り詰めていく中で、基樹はただ
ひとり、不安に駆られていった。ここで両者が戦えば、更なる甚大な被害が
秋葉原を覆うと感知したのである。
224ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 17:12 ID:/feLK5lL
『魔都、秋葉原を、天、魔の使いが直撃!その原因は、ヨモギアニメ
ーション学院に通う、ダメ萌え青年にあり!』

そんな朝刊の見出しが、基樹の頭の中へ浮かんだ。更に、そうなった
ら自分は、アキバ住人たちから槍玉に上げられてしまう・・・とも思う。

「おーい!やめてくれ!よそでやってくれ〜!」
悪魔と天使の間に割って入り、基樹が叫んだ。命も惜しいが、アキバも
捨て置けない。そんな一心で、ダメ萌え青年は両雄向かい合う中へ、飛
びこんでいったのである。

「なんだよ、お前・・・気が散るから、あっち行ってろ。それとも、ここで魂
引っこ抜いてやろうか?」
勝負に水を差された悪魔、シェリーが不機嫌そうに言うと、
「そんな事は、絶対にさせない。お下がりください、基樹様」
天使セレナも一歩も引かない。そうなると、基樹はいよいよ困ってしまった。
「戦うなら、もう少し穏やかな方法をですね・・・」
シェリーの顔色を伺いつつ、セレナを懸命になだめる基樹。自分がこの
いさかいのキーマンである事も忘れ、悪魔と天使の両方を、何とか丸め
込もうと躍起になっている。

「お前が魂を呉れれば、一番穏やかなんだよ。だから、死んでよ」
見習い悪魔、シェリーが呆れ顔で言う。しかも、本人を前にして死ね、と。
「そうは言っても、命は一個しかないし・・・おいそれと魂をあげる訳には」
う〜む・・・と考え込む基樹。懸命の説得で、両雄の殺気を削ぐ事は出来
たが問題解決の糸口が見つからない。
225ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 17:38 ID:/feLK5lL
「もしかして、お前・・・魔界が恐ろしい所だと思ってるのか?だと
したら、とんだ見当違いだぞ」
腕を組み、肌の露出がやたらと多いボディスーツから、乳房の大半
を剥き出させたシェリーが、愚図る基樹の顔を小馬鹿にするが如く、
覗き込む。そして、
「魔界っていっても、娯楽もあるし・・・もし、お前が望めば、あたしが
・・・うふふ・・何をしてやってもいいんだぞ」
と言いつつ、基樹の股間にある男を指でなぞった。

「あう!」
男根を的確に捉えられ、慌てて腰を引く基樹。すると、シェリーは何
か意を得たように瞳を輝かせた。
「お前、中々のモノを持っているじゃないか・・・これを、あたしに使って
みたくはないか?何をしてもいいんだぞ、これで・・・お前はあたしに
君臨し、思うが侭に振舞える。魔界は、そこにいるお子様の出身地とは
違って、自由なんだ。なあ、あたしと魔界へ行って、楽しくやろうよ・・・」
持ち前の魔性をたゆませ、シェリーは基樹をいざなおうとしている。彼と
て男、淫靡な性を生まれ持った悪魔に、心惹かれぬ訳が無く・・・
「ほ、本当?」
と、思わず聞いてしまった。すると、その遣り取りを聞いていた天使、セ
レナが激昂する。
「いけません!基樹様!」
悪魔が淫らがましい誘惑で、基樹を貶めようとすると、天使も負けじと
対抗した。
「天界は魔界とは違って、それはそれは・・・美しい場所でございますのよ。
そこでは、無垢な乙女たちが歌い、水浴びなどを・・・」
あさましいとは思ったが、無垢な乙女たちと水浴びの所を強調し、セレナ
は基樹をなだめつつ、気を引こうとする。天使とは言え、こうなってはなり
ふり構っていられないからだ。
226ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 17:54 ID:/feLK5lL
「乙女たちの・・・水浴びかあ・・・」
命の値踏みをされているにも関わらず、迷いを見せる基樹。魔も良い
が、天も捨て難い──それが、正直な所であった。

「あたしとよろしくやろうよ・・・何でもしてあげるから・・・ね、基樹」
「基樹様、清らかにいきましょうよ。わたくしが、お側でお仕え致します
から・・・」
悪魔と天使がそれぞれの利点を強調し、ひとつの魂を奪い合う。最早、
基樹はそのどちらかに駒を進めるだけだ。
(シェリーの小悪魔的魅惑も捨てがたいが、セレナの清楚な雰囲気も
いい・・・)
すっかりいい気になって、いよいよ迷う基樹の心。こうなっては、もう
どちらかに転ばなければ、うそである。となれば、問題は彼の嗜好に
かかってくる。

「う〜ん・・・どうしよう」
シェリーをちらり、セレナをちらりと見遣っては悩む、ダメ萌え青年。だが、
どちらも魅力に溢れた美しい女性である。故に、決定打が見つからない。
すると──

「ん、もう・・・はっきりしなよ」
基樹の態度に業を煮やしたシェリーが焦れた。魔の使いゆえか、積極性
を持った悪魔は基樹の手を取って、非常にふくよかな乳房へと招きつつ、
「これが欲しくないの?」
そう言って、艶めく仕草で青年の魂を揺さぶったのである。
227ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 18:12 ID:/feLK5lL
「や、柔らかい!」
乳房の弾力を感じ取った基樹の心がぐらついた。シェリーの母性は
むっちりと肉付き、触れて良し、揉んで良しの超一級品である。元々、
魔性としてある彼女が、淫靡な性を持っているのは当たり前だとして
も、その魅力的な肉感はどうだろう。

「これを・・・お前の好きに・・して・・・いいんだぞ」
基樹の手に自分の手を重ね、悪魔は己の武器を散々に披露した。ぐ
っと張った乳房はなるほど魅惑に満ち、女性に縁遠いダメ萌え青年の
ハートを、がっちりと鷲づかむ。
「ああ・・・感じるわ・・ふふッ・・案外やるじゃないか、基樹・・」
基樹の手が自然と乳房へ馴染み、あさましい動きを見せた途端、シェリ
ーの頬が緩んだ。そして、女の性をこれでもかと匂わせていく。
「シェ、シェリー・・・」
「うふふ・・・ようやく、名前で呼んでくれたな・・・嬉しい・・ぞ」
基樹に名を呼ばれ、ふふんと鼻を鳴らすシェリー。勿論これは、すぐ傍
らで事の成り行きを見ている天使へのあてつけである。

「い、いけない!基樹様、お離れになって!悪魔の誘惑に負けては駄目!」
一心不乱に悪魔の乳房を揉む基樹に食い下がる天使、セレナ。だが、
この時点において、彼女にアドバンテージは無い。それだけシェリーの
肢体は魅力に優れ、色香に溢れているからだ。

「堕天使に、用は無いってさ・・・ああん・・基樹ッ!」
乳房を弄ばれているシェリーが、勝ち誇ったかのように言った。見れば
基樹は悪魔の乳首を指で啄ばみ、アンプのボリュームを絞るように捻っ
ている。いよいよ魔性に惹かれていっているらしい。
228ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 18:36 ID:/feLK5lL
(このままでは・・・いけない)
きゅっと唇を結び、天使セレナは拳を握り締めた。今、基樹は完全に
悪魔の手中に落ちてしまっており、彼女の方を見向きもしない。
(それにしても、これがかつて天界を救った、武神だったお方のなれの
はてなのかしら・・・まったく!)
魂を魔界へ持っていかれるのも困るが、天使は何より自分では無く、悪
魔であるシェリーになびいた基樹が許せない・・・と思っていた。そして、
彼の心を取り戻すべく、純白のロングドレスの裾を引いたかと思うと、
「基樹様、こちらをご覧くださいな」
ひらりと宙を舞い、天使は惜しげも無く素肌を晒してしまったのである。

「わ、わあ!は、裸だ!」
背に羽根をなびかせ、肌を見せてはいたがセレナの清らかさは変わらな
かった。いや、むしろ清楚ゆえのエロスが垣間見え、ダメ萌え青年の心
の琴線を弾く。
「こちらへ、おいでませ・・・基樹様・・セレナと遊びませんこと・・?」
天使は、ロングドレスの下には透けるような素肌──ただ、それだけを
携えていた。無論、そのドレスを脱ぎ捨てた今、セレナはしなやかな肢体
に純白の羽根を持った以外は、生まれたままの姿である。

「て、天使・・・ああ、天使だぁ・・・」
あまりの美しさに心奪われ、シェリーの乳房から手が離れる基樹。そして、
逃げるように誘うセレナのしたたかさを追い、悪魔の元から開放された。

「ああ、ちょっと!基樹!」
エサに見立てた乳房を、いい加減に弄ばさせてやった挙句、獲物に逃げ
られたシェリーは地団駄を踏む。これではまるで、釣果の芳しくない釣り人
では無いかと憤っても、すでに後の祭り。基樹はセレナを追い、ふらふらと
足をふらつかせていく。
229ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 18:57 ID:/feLK5lL
「ふふ・・・基樹様、セレナをお捕まえになって・・そうしたら・・・」
天使は舞いながら、基樹を更に昂ぶらせようと煽り文句を繋いだ。
もう、こうなったら天界からの使いである事も忘れ、彼の心を我が
物としたい・・・そう思っているだけである。
「ま、待って!セレナ〜・・・」
つかず離れずの距離を保つセレナを追う基樹。その姿に、天界に
おいて危機を救った武神と崇められた過去と、また、魔界では魂の
存在さえも恐れられるという前世の面影は無し。ただ、異性に翻弄さ
れる悲しい性(さが)を持った、一人の男でしかなかった。

「ちくしょう!こうなったら、肉弾戦だ!」
悪魔が天使に誘惑合戦で負けたとなれば、名がすたる──シェリー
はそう考え、自らもボディスーツを脱ぎ捨て、素肌の勝負を挑んで
いく。そうして、廃墟と化した秋葉原の中を、ダメ萌え青年と天使、
それに悪魔の御三方が、つらつらと走っていくのであった。

時は流れ、晩夏──都内の某所では一人の青年を囲み、二人の
女性がなにやら言い争いをしていた。
「セレナ、お前は昨夜、基樹とヤッただろう!今夜は、あたしの番だ!」
「シェリーさん、ヤッた・・・などという、お下品な言葉はおよしになって
下さいな。愛を紡いだ・・・そうおっしゃって欲しいものですわ」
六畳一間のアパート。その部屋の中心で、悪魔と天使の罵声が飛ん
でいる。無論、これが夢の類であれば、ただの笑い話にしか過ぎない
のだが・・・
230ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 19:10 ID:/feLK5lL
「実はまだ、決めかねているのです」
誰に言うでもなく、基樹がぽつり・・・と呟いた。彼は布団の上に寝転が
り、頭上を飛び交う侮言に顔をしかめている。

「何と言おうと、今夜はあたしが基樹と寝る!いいな、セレナ!」
「それは、基樹様に決めて頂きましょうよ・・・うふふ・・まあ、結果は見え
ていますけれどね」
シェリーとセレナは言い合いに疲れたのか、勝負のゲタを基樹へと預け
た。しかし、彼もそうは言われても・・・と、優柔不断な向きを見せるだけ。

「それが出来れば・・・今日の事はない訳で・・・ははは・・・」
三人が初めて出会った、秋葉原大崩壊の日──あの日から、基樹は
悪魔と天使の誘惑を秤にかける日々を送っている。結局、彼は持ち前の
ダメ萌え嗜好に見切りをつける事が出来ず、シェリーとセレナ、両名との
共同生活を余儀なくされていた。もっとも、魂を持っていかれる身であれ
ば、これが一番良い選択である訳だが。

「じれったいな・・・」
魅惑的な小悪魔、シェリーが焦れて、基樹の体に覆い被さっていくと、
「あん、抜け駆けは許しませんわよ」
遅れをとるものかと、今度は清楚な天使、セレナがダメ萌え青年の足元
へ傅いた。そして、なんとも淫蕩な夜の帳が下り、艶かしい男女の睦み
合いが始まっていく。
231ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 19:28 ID:/feLK5lL
「キスって、大事だよな」
シェリーがそう言って基樹の唇を奪い、ちゅうっとひと吸い。それも、舌を
すぐには絡めず、目で語り合おうと頬を摺り寄せながら・・・だ。すると、
「そうかしら?基本は奉仕の気持ちよ、シェリーさん」
今度はセレナが基樹の男根を手にし、そこへ顔を埋めていった。そして、
薄く色づいた唇の中へ、張り詰めた男の情欲を招いていく。

「ああ・・・シェリー・・・セレナ・・」
艶かしいキスと男根への口唇愛撫で、基樹の理性は蕩けていった。二人
の対を成す美しい女性に責め立てられては、ダメ萌え青年などはいちころ
となるに決まっている。

「キスって美味しいね、基樹」
異性の唾液を啜るシェリーの表情が淫らに歪んだ。悪魔ゆえ、女の見せ所
を心得ているらしい。

「おちんちんも美味しいです、基樹様・・・この塩気が、何とも良いお味で・・・」
あくまでも品良く男根をねぶるセレナも、天使としての気品と理知を失っては
いなかった。彼女は、基樹と褥を共にする時だってつつましく、控え目である。

「ふたりとも・・・うう・・いいよ、俺は・・幸せ者だぁ・・・」
悪魔と天使の両名に、男の本懐を果たさせて貰う──数奇な運命を辿っては
いるが、自分は何という果報者なんだろうと、基樹は思っていた。しかも、二人
は絶世の美女である。これを果報と言わずとして、何と表すれば良いのか、と。
232ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 19:46 ID:/feLK5lL
「ああーん!基樹ッ!もっと、突いてッ!」
布団の上で犬のように這ったシェリーが、奔放な腰使いで男根を
迎え込んでいた。基樹は、今宵の伽を魔性の魅力に従わせる事と
し、悪魔との交わりを先に求めたのだ。

「まあ、シェリーさんったら・・・あんなに腰をお振りになって・・・そん
なに気持ち良いんですの?」
シェリーの尻を掴み、思うが侭に男根を吼えさせている基樹の背後
に回ったセレナが、玉袋を揉み込みながら毒づいた。天使の彼女
から見れば、男根に屈した悪魔の姿が滑稽な様でもあり、また、淫ら
がましさが羨ましくもある。心のどこかで、自分もあのように奔放な
蜜事を楽しみたいと思っているからだ。

「最高よ・・・ああ、基樹のオチンポ・・・ひいッ!す、素敵ッ!」
女肉が左右に捲れるほどの激しい抽送。基樹は、シェリーを愉しむ
時は手加減をせず、彼女が気を失うまで激しく責める。それも、余り
に厳しい行為で、及び腰となったシェリーのクリトリスを引っ張り、
逃げる事を許さないという残虐さ。また、そうする事で、荒淫好きな
悪魔もいよいよと本懐を遂げさせて貰えるのだ。

「基樹様・・・後で、わたくしも可愛がってくださいな」
「ああ、いいよ」
男根に付随した玉袋をそっと手に取り、セレナが可愛くおねだりを
すると、基樹は優しく笑った。彼も、この天使の笑顔には弱い。
「セレナには、うんと恥ずかしがって貰いたいな」
「いやですわ、基樹様の意地悪・・・」
セレナにハードな責めは似合わない。基樹はそれを悟り、天使の
清らかさにつけこむことにしている。
233ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 20:02 ID:/feLK5lL
セレナは従順で、奉仕することを喜びとする。だから、基樹は彼女を
自らの意志で、男根へと跪く性奉仕奴隷としたい。優しい言葉で接し、
天使、天使と持ち上げているのはそのためだった。清楚な女が恥ずか
しがる様に、基樹は男児の本懐を見たのである。

「イ、イクーッ・・・ク、クリトリスを引っ張ってッ!基樹ッ!」
男根を貪っていたシェリーが絶頂を得て、狂乱した。そして、基樹も
男の欲望の発射準備に入る。
「クリ、引っ張ってやるからな、シェリー。俺もイクぞ」
「ああ、最高ッ!な、中でイッてね・・・」
シェリーの剥いた肉真珠を指で啄ばみ、基樹が一段と激しい腰使いを
見せた。そして──

「ああッ!」
がくんと頭を振って、シェリーが果てた。しかも、絶頂が腰骨を揺らした際、
「こ、ここは天国よッ!うわああッ・・・」
と、その身を省みず、叫ぶ。

「悪魔が、天国を見てどうするんだい?」
基樹が呆れ顔でそう呟いた。すると、お預けを喰っていたセレナがずいと
一歩進み出て、
「ふふ・・・シェリーさんも悪魔なんかやめて、天使におなりなさいな。きっと、
悔い改められるから」
と、微笑んだ。その笑顔があまりに淫蕩で、これではどちらが天使で悪魔か
分からない。
234ヘブンズ・ゲイト:04/07/23 20:16 ID:/feLK5lL
「ふう・・・あたし、もう・・・ダメ・・・」
女を責めぬかれたシェリーが横たわると、今度はセレナが基樹の
情けを受けようと布団の上へやってくる。そして、
「基樹様、よろしくお願いしますね・・・」
そう言いつつ、しずしずと両足を開いていった。

「セレナ、あそこを目いっぱい指で開いてごらん」
「は、恥ずかしいですわ・・・」
「いいんだ。恥ずかしがるセレナの顔が見たいんだよ」
当初、魂を狙われていた青年はいつしか支配者の立場となって
いた。基樹は悪魔と天使の純情を奪い、前世で奮った武神の魂を
取り戻しつつある。もっとも、今は本人を含めここにいる全員がそれ
に気づいてはいないのだが。

「ひ、広げますよ・・・」
乞われるがまま、女穴を自らの指で掻き広げる天使、セレナ。むず
がる顔が、羞恥に染まって淫らながらも愛らしい。

「濡れてるね、セレナ」
「ああ、言わないで下さい・・・恥ずかしい」

きゅっとひくつく天使の生肉は、蜜でぬめっている。見るからに、淫ら
な何かを求めた、女の恥ずかしい涙で──
「一生可愛がってやる、二人とも」
従順な天使と奔放な悪魔。その二つを手中に収めた基樹は、欲望に
顔を歪め、そう言い放つ。そして、深まった宵の間中、二人を相手に
散々と男液をほとばしらせたのであった・・・・・

おわり
235名無しさん@ピンキー:04/07/23 20:32 ID:6wjQBZ7m
乙かれー

236 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/23 20:51 ID:1P4cRbwV
お疲れさまです。

う〜ん、文(特にエッチシーン)がうまいのが羨ましい……
しかも今、書いてたりするのにちょびっと被ってるから僕のヘタレっ文ぷりが大きく露呈してしまうかも……
237名無しさん@ピンキー:04/07/23 22:16 ID:y6v+Ba9W
>234
どうもお疲れさまでしたです。いやはや眼福眼福。

ですが、ひとつ意見というか質問が。
天界追放された訳でもないようなのに、
シェリーがセレナを「堕天使」呼ばわりするのはどうなのかな、と思ったり。
238名無しさん@ピンキー:04/07/23 22:52 ID:2jP4gsKJ
現世に降りて来る任務に就かされた→落とされた→打点氏って事で
納得してた一名無しならここに。
239名無しさん@ピンキー:04/07/23 23:46 ID:wk47pmrz
長文乙ー。

>>237
やってる事(誘惑)は十分に堕天使な希ガス
240 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/23 23:47 ID:L6vp1Fdb
>>234さんと被りまくっているので悩んだんですが、
せっかくなので上げてみます。

>>234さんのを読んだあとなので駄文に見えると勘違いしてくれるかもしれないし……
241名無しさん@ピンキー:04/07/23 23:49 ID:O+GgpY1z
来い!
242駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:00 ID:R51wc7ps
「自殺するの?自殺するくらいだったら…」
その声を僕は
いじめに耐えられなくなり、その日死ぬつもりで居た深夜の学校の屋上で聞いた。

帰りに一階のトイレのカギを開けておいた僕は、そこから忍び込み屋上に上がった。
教室で首吊りも考えたが、飛び降りの方が早く終わりそうだった……
そう考えて金網の登ろうとした僕に彼女が声を掛けた。

黒髪のストレートをなびかせた黒衣の女性。
「自殺する位なら、私に君をくれない?」
年齢は二十前半くらいに見える。
「僕を……」
夜の暗闇の中、恐ろしいほどに存在を主張する白い顔。
「そう…私には君が必要なの」
彼女の黒い髪の隙間から赤い瞳が見えた気がした、
そして呪いのような彼女の言葉が僕をその瞳に引き込む。
「あの人を私たちが手に入れる為に……」
もう僕には彼女の声は聞こえていながら、聞こえていなかった。
僕は霧がかった思考の中で自分が頷いた事だけが解った。
243駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:03 ID:R51wc7ps
うなずいた僕に彼女がゆっくりと近づいてくる……

ひたり…

そして、彼女の冷たい手がゆっくりと優しく僕の頬を撫で、
そのまま僕の顔を引き寄せ唇を合わせ、
そのままの状態で呟く
「死を選ぶ程の貴方の闇を…私に頂戴」
意味の解らない言葉……
「せめて、快楽のうちに眠らせてあげるから……」
にも関わらず、僕はその言葉…そして、彼女の行動に抗う事が出来ないままに…
いや、抗う事を含む…全ての思考を放棄したまま、彼女のなすがままに唇を貪られるように犯される。
「…くっ…ん」
やがて、彼女の甘い息が僕の呼吸が苦しくする頃、

ぴちゃ…にちゃり

わざと音を立てて僕の口内に彼女の舌が侵入してくる。
「く…んんっ…うん」
彼女の甘い息と温かく柔らかい舌に荒々しく口内を侵される感触に僕は背に震えを感じる程の快楽を感じ膝に力を入れていられなくなって座り込む。
「あ…」
崩れ落ちる僕の唇から彼女の唇が外れ、そこで初めて彼女が艶のある声を僅かに漏らす。
244駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:07 ID:R51wc7ps
「ふふ…さ、立って……」
彼女はへたり込んだ僕と同じ目線にまで体勢を沈ませ僕にそう優しく言葉をかける。
僕はその言葉に誘われるままにフラフラと立ち上がると、
彼女はすでに大きく膨らみズボンを押し上げる僕自身に頭の高さを合わせ、
ゆっくり器用に片手を僕の服に差し入れ腰から胸までを優しく愛撫しながら、もう片手でズボンのチャックを下げると限界にまで達した僕自身を取り出し、
それを掴むとゆっくりと唇とそこから這い出た赤い舌を使い、くびれの部分や裏を刺激し、先から洩れた滴を嘗め取っ手ゆく……
「あうぅぅ…くぅ」
すでにいつ達しても僕は可笑しくなかった。
苦しくなる呼吸に併せて洩れる声だけが、霞んだ僕の意識が感じられる快楽以外の全て……
もはや、時間の概念すら僕には存在しなくなって居た。
「あうっ」
そんな僕に今までの緩やかな感覚を一瞬で打ち破る鋭さが襲った。
「うぐ…はあっ……ん」
彼女が僕自身を口の中に…先を喉の奥に当たるほどに飲み込むと同時に、僕の体をまさぐっていた彼女のしなやかな指が僕の後ろの穴を突き破ったのだ。
それも一度に3本もが無理やりにその穴を広げながら……
「あぐ…ぅう…くふ…」
本来ならそれは恐ろしい程の痛みであるはずなのだろうが、
僕にはそれさえも、背筋に…延髄に…そして、脳にしびれるような快楽として全身に震えを催す。
「駄目よ…倒れちゃ…」
僕を飲み込んだまま、彼女はその美しい声をくぐもらせて倒れそうになる僕を残った腕で腰を支え囁き、
口の中の僕を吸い上げ、嘗め回し、甘噛み、責めあげ、
同時に、僕の後ろの穴を征服したままの三本の指をうねらせる。
「あ……あ…ああっ…あーーー」
ついに耐え切れなくなった僕の意識を白い光が霞を吹き飛ばすように包み、
あとには……
…闇……
黒い…黒い……闇……

もう…僕はどこにも存在して居なかった……

245駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:12 ID:R51wc7ps

「次は今朝、遺書とともに発見された意識不明の少年ですが、
 少年からは薬物などは検出されず……」
平和な土曜日の午後、
TVのニュースは相変わらずに暗い話題を喜んでショッキングに放映している。
「これ近く…ですよね?」
まったりと本屋家のばあさんが遥々、名古屋から(しかし、伊勢名物のはずが何故に名古屋に……)こっちまで冷蔵便で送ってくれた赤○をかき氷に乗せた氷○福をつつく手を止め、TVを見ていたベアトリスが呟く。
「ん?そう言えば近いな」
特にそのニュースに興味のない俺はこし餡と共に氷を口に放り込み、襲いくる頭痛を楽しみつつ更に一気に頬張り、
「溶けるぞ?」
と、ベアトリスの手が止まったまま音もなく上に乗ったこし餡に包まれた餅が氷に沈んでいくベアトリスの器をスプーンで指す。
「あっ…はい」
彼女はオレの指摘でようやく再び、氷をつつきだす。
それを確認したオレはふとTVに目をやり、
「また、近くの公園では同じ高校の4名の少年が意識不明で発見され…」
先ほどの関連がどうとかと続くTVの音を聞きながら俺は、
確かに珍しい事件かも知れないけど…程度にしかその時は思わなかった。
246駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:18 ID:R51wc7ps

あれからか?
ベアトリスの様子がおかしいのは……
時々、考え事をしている。
「…なにか悩みでもあんのか?」
「なんでも有りません!」
しかも、その事を質問させない。
彼女はこちらに来て以来、なにをどうやったのかオレと同じ高校のに通っている。
クラスまで一緒の上、担任曰く、従兄弟の近くの席の方が良いだろうと隣の席だ……
嬉しいんだけど、お約束過ぎやしませんか?
その学校の帰り道、口を開いたオレの言葉を強く一言で否定すると、
彼女は口を閉ざしたままオレの横を歩く。
四六時中、一緒にいる相手。
しかも、ソレが好きな女性となるとさすがにオレもこの態度はこたえる……
そんな彼女に歩調を合わせ歩きつつ、オレは天を仰いで呟いた一瞬の事だった。
「…困ったモンです」
「本当にね、こう天使様のガードが堅いとね」
オレの呟きに答えるように聞こえた女性の柔らかい声、
そして、
オレの横を抜けて行くベアトリスの光の槍。
そして、制服の背を破り現れている彼女の大きな白い翼。
…久々に見たけどやはりベアトリスの翼は綺麗だ…
ってそんな場合じゃない……
「いきなり酷いわね」
そして、槍の穂先を身をかわして避けたらしい女性。
黒い長い髪…黒い服…
手には黒い…もやが形になったような縄…いや鞭か?
そして、背には……
彼女がベアトリスと対極であることを象徴するかのように黒い大きなコウモリの翼があった……
247駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:21 ID:R51wc7ps
「問答無用?
 相変わらず天使様方はお厳しい事で」
槍の間合いの外に出た黒い服の女性は緊張した面持ちで槍を構えたままのベアトリスとは対称的に髪をかき上げいかにも余裕といった態度で言葉を発する。
それに対してベアトリスは無言で槍を構え直し答える。
…というかこの状況……
幸いにも人通りが無いが、そこからの家の窓から見られたり……
しかも、先ほどのベアトリスの一撃は当たってもいない黒い服の女性の脇から後ろの家のブロック壁が大きく穿たれに大破している……
…オレ、襲った時はあんな武器じゃなかったんだが……
いやいや…それより、
…オレは壁の弁償なんぞ出来んぞ……
まして、向こうの女性の方はこの槍の破壊の跡を見ても余裕…
10中8、9対抗手段がある。
つまりほっとくと被害が広がる…
「この状況…目立ちませんか…?」
そう言うとオレは、
三十六計逃げるにしかず、その場を離れようとベアトリスの手を取るが、
現状ではベストと思われるオレの提案もベアトリスに手を払われ無言で却下される。
「…そちらのわからず屋さんは場所を変えてはくれないでしょ?」
黒い服の女性のその言葉にオレはベアトリスの表情を覗きみる。
…そこには初めて見る彼女が居た。
言葉が無かった……
まるで表情のない…ただただ氷の冷たさを思わせる厳しさのみを持った美貌を持った存在としての彼女……
「先に帰っていてくれませんか?」
その彼女の口からオレに向かって半ば予想してた言葉が出る。
…しかし、今目を離したらどんな惨事が起こるか……
オレが居ても止めれる気は微塵もしないが……
「それはないんじゃない?
 私は彼に用事があるって貴方も判っているんでしょ?」
248駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:24 ID:R51wc7ps
…また…というか、やっぱりか……
ええ、どうせオレが悪いんですよ……
なんだかやる気が無くなるのをオレは感じつつもベアトリスの手を慎重に抑え、
「…で、用ってのは?」
黒い服の女性に話しかける。
「悪魔に話しかけるなんて!!」
後ろでベアトリスが抗議しているが、これ以上暴れられるのは面倒だ。
今がしか車を穿った時は大した音がなかったお蔭か、まだギャラリーも居ないが、これ以上はどうなるか分からん……
オレは効果があるのか判らないが、ベアトリスを安心させる為に手を握ってやる。
「ふ〜ん、天使と行動している割に貴方って柔軟なのね」
黒い服の彼女は軽く微笑むと、
「私の名前はオリビア・トーデスウァタイル、かってそこの彼女たちに創世記戦争において負けた者たちの一人です」
彼女の声は凛と張ったベアトリスとは逆に柔らかく染み入るように届く。
「名前より用件を簡潔に頼むぜ…ベアトリスを怒らせたくない」
彼女はオレの言葉を聞き、
「やはり呪は聞かない…」
と呟く。
同時に握っていたベアトリスの手から緊張が微かに薄れるのを感じる。
なるほど…彼女の言葉自体に力があるらしい。
「ベアトリスがオレが話す事自体を諌めたのはそういうワケか……」
そんなオレの言葉を無視し未だ槍を構えるベアトリスとは対象的に、
彼女…オリビアは柔らかい表情を崩さずに軽く長い黒髪をかき上げ言葉を続ける。
「もっとも効くわけがないんだけどね。
 で、本題なんだけど」
その時、初めてオレは彼女の瞳が赤いことに気がついた。
249駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:28 ID:R51wc7ps
「私と一緒に堕天しましょう。
 先の天使長様しかり、強大な天使は強大な魔と成りえます。
 増して神の一人子である人に転じる事を許された貴方は
人と同じく光と闇の両儀性を備えています」
…そう来たか……
要するにあれだ…勧誘ってわけだ。
…となるとオレの回答は決まっている。
それを言葉にする為に
「断ります!」
一瞬、意識がオリビアと名乗った彼女に向いた瞬間。
再び、ベアトリスが飛び出す。
…なんでオタクはそう攻撃的になってしまったんだ……
初めてあった時はもっと柔らかった気がするんだがなあ……

いや、感慨にふけっている余裕はない…止めないと……
そうオレが思った時、すでに二人はベアトリスの槍をオリビアが鞭で逸らしたところであった。
「すごいでしょ?
 死のうとする程に人を追い込んだ心の闇から造ったのよ」
オリビアは槍を逸らした鞭を軽く振るう。
道路がえぐれ、彼女の左右のブロック壁が崩れる…
「やっぱり…あの意識不明の人たちは貴方が…」
ベアトリスが槍を構え直し呟く。
「当然でしょ?幾ら受肉して十全の力が無いからってなんの準備もなく貴方の槍に挑むのは御免だわ。
 苛めっていうのね?被害者と加害者どちらも良い材料になってくれたわ」
250駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:31 ID:R51wc7ps
オリビアの説明の間にも順調に破壊活動が進んでいる。
…しかし…あのニュース以来ベアトリスの様子が変だったのはそれを予想してたってわけか……
だったら、オレだって無関係じゃないんだし相談くらいしてくれたって…
…そもそも、こうベアトリスが攻撃的なのって、もしかしてオレの事信じてないからじゃないのか?
なんか考えたら段々、腹が立ってきた。

オレは二人の攻撃を避けながら近くに歩いて行くと、
路駐してある車がベアトリスの槍で穿たれ大破し、わずかにベアトリスの動きが止まった隙にそのベアトリスの腕を掴んで二人の間に割って入り、
「…っのくそだぁきゃあどもっ(このくそ田分けどもっ)!!」
思いっきり叫んでやる。
すっきりした…と、それで終わったら仕方ないな。
まずは…
「そっちの黒いのっ!!
 答えはNO、さっさとその鞭の材料になった人をなんとかして帰れっ!!」
オレは緊張状態でいきなり怒鳴られ唖然とするオリビアに要点だけ的確に伝えると、
掴んだベアトリスの腕をそのまま強引に引っ張り、そのまま急ぎ帰路につく。
野次馬集まって来たのか、ざわざわとにわかに騒がしくなる気配を背に感じながら。
251駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:37 ID:R51wc7ps


「ったく…」
家についたオレは自室にベアトリスを連れ、座らせる。
もちろん、説教のためだ。
さすがにこんな事が度々あって貰ったら困る。
「オレが怒っているの判る?」
オレは彼女と向かい合って座り、真っ直ぐ彼女の目を見据えて質問する。
「…ええ」
「なぜ怒っているのかは?」
「…私が予想してたのに黙っていた事でしょうか?」
彼女がオレの視線を避けるようにうつむいて答える。
「たしかにソレもある。
 …が黙っていた原因の方が問題だ。
 ……オレの事、信じてないんじゃないか?」
だから、オレが何が何か解らない間に事を片付けようと問答無用でオリビアを攻撃した……
状況を理解したオレは誘惑に乗ってしまうかも知れないから。
「…それは…」
ベアトリスが言葉に詰まる。
どうやら、そうだったらしい……
「そりゃあ、オレは…怠けモンだし適当だって自覚してるよ」
都合の良い話だろうけど…それでも、彼女が好きだって気持ちだけは信じて欲しかった。
表現し難い感情がオレを苛つかせる。
「…でも…貴方、初めて会った時以来…愛してくれてない……」
彼女が絞り出すような小さな声で、最後はほとんど聞こえないような声で言う。
252駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:39 ID:R51wc7ps
「え?」
思わず、オレはいままでの憤りの毒気が一気にその言葉に抜かれたオレは思わず間抜けな返答をしてしまう。
「言葉でさえくれない……」
「いや…それは…男はほいほいと言えることでは……」
完全にすでに立場的に押されているオレはしどろもどろに答える。
「それに…抱いてくれない……」
いや、待て…この家の主で自称冒険家でヨーロッパの方の大学に考古学で客員教授として招かれて単身赴任の伯父は居ないが、妹が家に居るんだし、そうそうとは出来ない…
よね?
オレは同意を求めるようにベアトリスに笑顔を向けてみる。
……が、効果はないようだ……
「私の体…嫌でしたか?
 貴方より背が高いのが駄目だったのですか?
 痛がったからですか?」
…どうやら、彼女は自信が無かったんだ……
…だから、オレの気持ちを信じられなかった……
253駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:42 ID:R51wc7ps
だったら…
彼女に解らせなければならない。
オレはベアトリスじゃなきゃ駄目だって事を……

そう決心しオレは腕を延ばしベアトリスを抱き締め、
「あ……」
寸刻前の決心は何処へやら…
愛していると言おうとしたんだけど、言葉が出ない。
嗚呼…軟弱者……
オレは赤面したまま、酸欠の金魚のように口をぱくぱくし必死に声を絞り出す。
「あ…アイシテイルよ」
嗚呼…駄目人間……
声が裏がえってしまった。
バツの悪いオレは失敗を誤魔化すように彼女の口を塞ぎ、
キスをする。
これなら言葉が出なくても良い。
オレはそのまま口付けたまま彼女を抱き締め、彼女の制服の上着をまくり上げ、
そこに腕を入れ背に回すと少々手間取りながらも彼女のブラジャーのホックを外す。
支えを失った白い布で出来たソレはゆっくりと重力に引かれ、
まくり上げた制服の間から隠すべき真っ白なささやかな膨らみとその頂点に存在する白色に近い桃色をゆっくりと露にしながら落ちる。
…正直、うまく外せて良かった…いくら初めて外すからってドジったら格好がつかない……
そんな緊張のため、
オレは彼女と合わせた唇が合わせただけで何もしていなかったのを思い出し、
彼女の唇を自分の唇で押して、その感触を味わう。
254駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:45 ID:R51wc7ps
オレは彼女の唇の弾力を自分の唇で楽しみながら、
強く吸い…そのまま、舌を彼女の唇の裏に滑り込ませ歯茎をなぞるように嘗める。
何回目のキスだったか、たしか5回目か……
さすがに慣れ鼻で静かに呼吸しながら、長く長く彼女の口の中にオレの気持ちを込めて刻む。

その間にオレの右手は彼女の胸だけでなく、背や脇など上半身全てを愛しさを込め愛撫して行き。
左手で彼女のスカートの脇のチャックを下ろすと、そこから腕を入れ彼女の太股を…そして、ショーツの上から彼女の大切な部分を愛撫していく。

前回は初めてだったし、ただ自分のオレは愛を押し付けただけだった。
だが、今回は彼女の全身にオレの気持ちを刻まなければならない。
言葉でうまく言えない分、彼女の全てがオレは愛していると…
ベアトリス以外の女性じゃ駄目なんだとしっかり教えてやる必要がある。

やがて、ショーツに上からでも解る位に彼女が潤って来たと感じたオレは一度彼女を放すと、
ズボンとトランクスを脱ぎ捨てすでに限界まで大きくなった自分自身を取り出す。
255駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:49 ID:R51wc7ps
すでにオレは、彼女と一つになりたくて仕方なかった。
それは自制など利かないほどに……
…が、まだ大切なことが残っている。
「ベアトリス…その…あの……」
「…どうかしましたか?」
先ほどからのキスと愛撫で軽く達したのか、彼女は潤んだ紫色の瞳をオレに向ける。
「あ…その、足を…開いてくれないか?」
「え?」
前回も今回も今までオレ任せだった彼女が初めて促される彼女からの行動に戸惑いの声を上げる。
「…見たいんだ…ベアトリスの全てが……」
決してオレの言葉は滑らかに出てはいないが、愛してるの一言を言えなかった時よりはマシな程度には言葉が出た。
そんなオレの言葉にベアトリスは目を伏せ戸惑いながらゆっくり足を開き答えてくれる。
脱げかけたスカートをオレはゆっくりとまくり上げと、その下にあるショーツを少しづつずらし、
彼女の金色の淡い茂みとその下に隠れた彼女の大切な部分をゆっくりと撫でる。
「あ…ああっん」
彼女のソコはすでに充血し鮮やかなピンク色をしていた。
オレは初めてはっきり目の当たりにするソコの構造をしっかり把握しながらあます所なくオレの指の感触を刻み込んでいき、
そして、オレにも彼女の感触を刻み込んでいく。
256駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:52 ID:R51wc7ps
「愛しているよ…ベアトリス」
そして、充分に彼女を愛撫し一つになろうと体を起こし彼女を抱き締めたオレの口から、
驚くほど自然にあれほど苦労した挙げ句に失敗した言葉が出てくる。
心のそこから素直に湧き出してくる言葉だ。
そして、
「成さん…私も…愛しています」
「もしかして…初めてオレの名前呼んでくれた?」
今、彼女の口から名前を聞いて気づいたが最初の確認の時以外、彼女はオレの名前を呼んでくれていなかったんだ……
オレはそんな事も気づかなかったのか……
無意識だろうけどとっくに彼女はオレにサインを送っていたのだ……
自分がオレの名前を呼んで良いのかさえ迷っていたんだ…
オレはそんな彼女への愛しさが一層強くなり、強く強く彼女を抱き締め一つになった。
257駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 00:57 ID:R51wc7ps
まだ、ベアトリスには二回目とはいえ痛みがあるらしい……
オレの背に回した彼女の腕に力が一瞬入り、同時に彼女の眉間に苦悶のしわがよる。
オレは抱き締めた腕の力を少し抜き、彼女を優しく抱きゆっくりと腰を回すように馴染ませる。
前はそんな気遣い出来なかった……
そんな反省もこめ、ゆっくりゆっくり優しく行う。
「んっ…あんっ」
とたんにベアトリスが反応した声をもらす。
その声に誘われる絶頂感にオレは必死に耐え、少しづつ少しづつ円の大きさを大きくし、前後運動を加えていく……
すでに散々の愛撫で達しかけていたオレ達はそれだけで二人で同時に絶頂に向かっていってしまう。
「あんっ…成…さんっ」
「ベアトリスっ!!」
オレ達は初めて最も大切な人の名前をお互いに確認し心に刻みながら達した。
258駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 01:04 ID:R51wc7ps

−・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー
あれから3日…
ベアトリスとオリビアの破壊活動は結局、テロの可能性?
などとワイドショーにずっと取り上げら続けて大事になってたり、
オリビアの鞭の材料にされた意識不明者の内、2名が目覚めその二人はオリビアに襲われた時の記憶が無かったり、
ベアトリスの話ではオリビアはあくまで心の闇を抜いただけで、精神の一部が抜き取られたショックで意識を失ってただけらしい
…つまり、ストレスとか破壊衝動を抜かれて良い奴になるんだそうだ……
悪魔がそんな事をするのは妙な気もするが、まあこの件は結果オーライだろう。

そして世間の話題は原因不明の二件の話題で持ち切りだった。
幸いにも、オレやベアトリスの関連はどうやら疑われていないらしいが、それにしても疲れる……
259駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 01:12 ID:R51wc7ps
そして、四日目……

「はあ…まだ世間様はあの話題なんだよなあ」
家を出た途端にため息が飛び出す。
「すみません」
横に並び家を出たベアトリスが最近、ようやく自分の行為が大事になったと気づきオレに向かって頭を下げる。
「いいよ…反省してくれたんならさ…」
うなだれたベアトリスにオレは無理やり笑顔を作って答える。
「いや、そう簡単にゆるしちゃ駄目でしょ?」
……?
いきなり横から入ってきた声にオレとベアトリスは顔を合
わせる。
「大体、天使っていうのは融通が利かないのが良くない」
……オリビア
偉そうに横から講釈をたれる悪魔にオレは呆れる。
余裕はないっ!!
オレは急ぎ隣のベアトリスを抑える。
案の定、彼女はすでに槍を構えていた……
260駄目人間と天使2 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 01:15 ID:R51wc7ps
「ジーベンビュルグさん?教師に暴行は良くないんじゃないですか?」
オリビアはそんなベアトリスに全く動じることなく、
人指し指をたててからかうように笑う。
そして、
「簡単には諦めませんよ。
 だって…私たちを恐れずに怒鳴った彼かっこよかったんですから」
そうクスクスと笑いながら、オレたちの学校の方に去っていく……
「って…おい…教師ってもしかして……」
オレは一瞬横切った嫌な予感を口に出すが、
いや、今はそれより
「ストップ!!ストップっ!!
 オタクは反省したばかっじゃねえのかっ!!」
そんな彼女を槍を構えたまま追いかけようとするベアトリスをオレは必死で押しとどめる。
彼女を押しとどめながら、オレは予感した……
……オレのまったりの日常はしばらく帰って来ないのかもしれない……
その予感に怠け者のオレは目の前が暗くなるような感覚を覚えた。
261 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/24 01:23 ID:R51wc7ps
今回のものは題名の通り『駄目人間と天使』の続きとなります。

今回も文章は成長してないし、やはりエッチは難しいのでうまく書けてませんが、読んで頂けると嬉しいです。
262名無しさん@ピンキー:04/07/24 01:35 ID:4LR07W+F
思い切りリアルタイムで読んでおりました。
○福は美味いっすよねえ…。

ライバル役が現れて、今後の展開が楽しみになってきたっす。
263名無しさん@ピンキー:04/07/24 08:13 ID:5Q0G92ym
最近新作が多くて眼福ですなぁ。みんなGJでスレ住民としては幸せだ。

ところで、ひでぼんの中の人の新作はまだかなぁ。
264264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:16 ID:4LR07W+F
「ふ〜う。……それでは、お先に失礼しま〜す」
「おうお疲れ。……って、何だか妙に素早いな。親子3人でデートか?」
「ち、違いますよっ! それではっ!」
会社を定時であがろうとする僕を、先輩がからかい混じりに声を掛けてきた。
僕は思わず声をうわずらせながら、会社をあとにした。


「ふう……」
帰り道、電車に揺られながら先輩の言葉を思い出し、ため息をこぼす。
あの先輩、人がいいんだけど、僕が雪枝さんと千奈美と一緒に暮らしているからって、
いっつもああやって僕をからかうんだ。ま、困ることでもないからいいんだけど。
でも2人の正体が、疫病神と座敷わらしだって知ったら、さすがに驚くと思うけどね。

そう、我が家はどういうわけか、疫病神と座敷わらしが同居しているという、
普通の家ならば、まずお目にかかることは無い、複雑な家庭事情だったりするのだ。
それ以前に、人ならざるものが同居している家自体が、ここくらいしか無いという話もあるだろうけど。
で、今のところは、僕の身に厄が回ってくるわけでも、逆に福に恵まれているわけでもなく、
平々凡々な生活を送っていたりする。………2人が一緒にいるから、相殺されているのかな?
まあ、雪枝さんが家事一切を引き受けてくれたおかげで、確かにその辺りは便利になったけど。
でもって2人とも、普通の人間とまったく見分けがつかない上に、親子みたいにそっくりだから、
ご近所の人や会社の人達からは、親子3人暮らしの家庭に思われてるらしい。
………もっとも、件の先輩みたいに、千奈美と僕の見た目の年齢差から、
僕が子連れの雪枝さんと、再婚したのだろうと思ってる人も、少なからずいるみたいだけど。
というか僕が今年23で、千奈美の見た目があのくらいだから……そう思うのも、無理はないか……。
265264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:16 ID:4LR07W+F
「ただいま〜」
「あ、亮太さんですか。お帰りなさいませ。今お料理が出来上がりますから……」
「ん〜、いい香りだね。………あれ、千奈美はどうしたの? 買い物かい?」
……そうこう考えてるうちに、我が家に着いた。中に入るとエプロン姿の雪枝さんが、
フライパンを片手で持ちあげて、ハンバーグを見事にひっくり返しながら、にこやかに迎えてくれる。
と、いつもなら雪枝さんとともに、元気に迎えてくれる千奈美の姿が見えない。
何か買い忘れでもあって、買い物に出てるのかな?

ちなみに雪枝さんには、『一人で買い物禁止令』を出してたりするわけで。
何せ、特売の牛ひき肉を買ってくるはずが、特選の松坂牛ステーキを買ってくるわ、
テレビで豆まきをやってるのを見たからって、ずた袋で豆を買ってくるわって、
時々訳の分からない買い物をしてきたりするのだ。
………それだけなら、金銭感覚に疎い浮世離れした人、で済むんだけれども、
しょっちゅう財布を置き忘れたり、給料日にキャッシュコーナーで現金を引き出すだけ出して、
お金を取り出すのを忘れて帰ってきたりと、そら恐ろしいことを何回かやらかしているし。
そんなことがあって以来、我が家で買い物に行くのは、いつも千奈美と決まっていた。
で、千奈美が買い物に行くと、どういうわけか福引券やらクーポン券やらを貰えることが多い。
…………よく考えたら、やはりこれが疫病神と座敷わらしの差、なのかなあ?
266264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:17 ID:4LR07W+F
「ああ、千奈美ちゃんですか? 遊びに出て行って、まだ帰ってきてはいないんですよ。
最近は物騒な事件が多いから、暗くなる前に帰ってくるように、言ってはいるんですけれど……」
「ふうん、そうなんだ……」
僕の問い掛けに、雪枝さんは軽く顔をしかめながら返事をした。
……本人は自覚が無いみたいだけど、その表情は、完全に娘を心配している母親なのですが。
「亮太さんからも、あの子に言ってあげてくださいな。
あんな事件があってから、まだひと月も経ってないんですから」
「うん…そうだね……そう、だよね……」
ハンバーグを皿によそいながら、僕に向かってつぶやく雪枝さん。
その言葉を受けて、スーツをロッカーに掛けていた僕も、思わず声を落としてしまう。
……そう。実は何週間か前に、同じ町内の女の子が誘拐された挙句、殺されていたのだ。
しかも犯人は未だ、捕まってはいない。おかげで、小さい子を持つ家庭は注意するようにとの、
回覧板が回っていたっけか。一瞬、関係無いやと思ったけれど、よく考えたら千奈美の場合、
実年齢はさておき、見た目が完全にアレだから、怪しい連中の標的には十分なり得るか。
………言ってて思ったけれど、僕自身が初対面でいきなり、千奈美に手を出したんだっけ………。
267264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:17 ID:4LR07W+F
「ただいま〜!」
「ん。お帰り、千奈美………って、何てカッコしてんの!?」
などと考えながら、ズボンを脱ぎかけたそのとき、千奈美が元気な声とともに部屋に入ってきた。
……どこで遊んでいたのか、全身泥まみれで、いつも着ているお気に入りの、
真っ白いヒラヒラした服も、茶色く斑模様に染まっている。
「まあ、千奈美ちゃん。夕食の前に、まず体を洗わなきゃ……って、いったい何を抱えてるの?」
「え? あ、ああ?」
口調は厳しくも、ほっとした表情で千奈美を迎える雪枝さん。うんうん、本当に親子だよ……え?
どこか微笑ましい気分を覚え、軽く聞き流そうとした僕は、
雪枝さんの最後のひと言に釣られ、千奈美を改めて見返し、思わず声をあげた。
千奈美の胸には、小さな鼬みたいな、見たことも無い生き物がフルフル震えていたのだ。
「うふふ〜、可愛いでしょ〜」
僕と雪枝さんがぽかんとした顔で、生き物を見つめていると、千奈美は上機嫌で微笑みながら、
生き物の頭をちょんちょんと突っついた。
「いや…可愛いとか、そういう問題じゃなくってさ……」
「………なあに?」
僕の途切れ途切れの声に、千奈美は丸い目をきょとんとさせて問い返してきた。
そのあまりに邪気の欠片も見当たらない瞳に、まるで射すくめられたかのように、
次の言葉を発することが出来ず、沈黙する僕。……見せようとして連れてきただけ、じゃないよね。
「このコ、飼ってもいいでしょ? ね? ね?」
千奈美は、僕が口を開かないのを見て、両手で生き物を突き出しながら、無邪気に笑いかけてきた。
や、やっぱり……!
268264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:18 ID:4LR07W+F
「あのね、千奈美ちゃん。生き物を見て、可愛いって思う心は大事だけれども、
その気持ちと、これからずっと飼い続けるというのは別の話で、凄く大変なことなのよ。
毎日ご飯をあげなきゃいけないし、運動だってさせなかったら健康にもよくないし、
万が一、怪我や病気になったときの手当ても必要だし、
これからそのコが死んでしまうまで、千奈美ちゃんがずっと面倒見なければいけないんだから」
しばし部屋の中では沈黙が漂っていたが、先に冷静に戻った雪枝さんが、
千奈美の前にしゃがみ込んで、ゆっくりと諭すようにつぶやいた。
「大丈夫だよ! わたし、このコは大事にするもん!」
「だ、か、ら。千奈美ちゃんが、これは大事にする、あれは大事にする、って言って、
結局すぐに飽きてしまって放り投げたのが、今までにいくつあると思ってるの?
このコは、今まで亮太さんが買ってきてくれた玩具と違って、ちゃんと生きているのよ?
飽きてしまったからって、ガラクタ箱に放り投げてしまうとか、外に放してしまうとか、
そういう訳にはいかないんですから。さ、今のうちに居たところに返してきましょう? ね?」
雪枝さんの言葉に、千奈美は顔をプイと横に向け、頬っぺたを膨らませながら答えた。
それでも雪枝さんは、千奈美の手を取りながら、あくまでも優しく諭し続ける。
「ねえ、おにいちゃん? おにいちゃんは、反対しないよね? このコ、飼ってもいいよね?」
と、千奈美は雪枝さんの手を振り解き、今度は僕に向かって話しかけてきた。
千奈美は期待に満ちた目で、雪枝さんは不安げな表情で僕を見つめる。
269264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:18 ID:4LR07W+F
「…………うーん……今回の話に関しては、雪枝さんの言うとおりだよ、千奈美。
僕も、賛成することは出来ないね」
ホッと安堵のため息をつく雪枝さんと、対照的に見る見る頬を真っ赤に染め、
今にも泣き出さんばかりの千奈美の顔が、同時に視界に入り込んでくる。
千奈美には可哀想だけど、これはどう考えても、ねえ。
見るとは無しに隣の部屋を見ると、大きな箱から溢れんばかりの、山積みの玩具が見える。
先ほどの雪枝さんの言葉どおり、千奈美が『大事にするから!』と言って僕が買ってあげた玩具だ。
確かにいずれの玩具も、次の週には手にしている姿を見たことがない。……でも、まあ……。
「もし、千奈美が……」
「ふーんだ! おにいちゃんのバカ! もう、二人とも知らない!」
もう少し大きくなって、物を大事にするようになれば、考えてもいいかな、と言おうとしたが、
千奈美は舌をベーと出し、悪態をつきながら、パタパタと玄関に向かって駆け出した。
「あ、おい! 千奈美!」
「ち、千奈美ちゃん! ……亮太さん、早く追いかけなくちゃ!」
「う…うん……しょっと……う、うわあ!?」
雪枝さんが、慌てて僕に向かって声を掛ける。言われるまでもなく、立ち上がろうとしたが、
ズボンを脱ぎかけだったのをすっかり忘れていた僕は、思い切りつんのめってしまった。
「な、何をしているんですか、亮太さん! 大丈夫ですか?」
「え…あ、ああ……」
呆れ顔で、僕を助け起こす雪枝さん。……うう、情けない……。
「私も千奈美ちゃんを追いかけます! 携帯持って出ますから、何かあったら連絡しましょう!」
「う……うん…痛っ………。っと………うわっ!?」
エプロンを脱ぎ捨てながら、雪枝さんは僕に声を掛け、千奈美を追って外へと駆け出す。
急いでその普段着に着替えた僕は、二人を追いかけようとして……
雪枝さんがたった今、床に脱ぎ散らかしたエプロンを踏んづけて、再びつんのめっていた。
270264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:21 ID:4LR07W+F
「ふんだ…二人とも……二人とも…っ……」
山の中で、千奈美は件の生き物を抱えたまま、座り込んでいた。
口を開くたびに、同居人に対する不満の声が漏れる。
「何さ……雪枝さんなんて、わたしのすることなすことに、反対しているだけじゃない……。
おにいちゃんだって、雪枝さんの言うことには、何でも賛成しちゃってさ……」
言葉が通じるはずもない、目の前の生き物に向かって千奈美はつぶやき続ける。
例え相手が意味を理解していなかったとしても、ただの独り言よりはずっと気分が晴れやかになる。
当の生き物は千奈美の腕の中で、自分を抱き上げる相手を不思議そうにじっと見つめていた。
「いっそ、あの家捨てちゃって、別のとこに住んじゃおうかなあ……」
今度は生き物に向けて、ではなく天を見上げてぽつりとつぶやいた。
どこからどう見ても、遊び盛りのお転婆娘にしか見えない千奈美だが、
実はそこらの人間よりも、遥かに長い時を生き続けた座敷わらしなのだ。
今はたまたま、あの家に住んでいただけだ。居心地が悪かったら、引っ越せばいいだけなのだ。
「でも……」
再び顔を俯かせ、つぶやく。鼬を抱く腕に、ほんの少しだけ力がこもる。
本心は違っていた。――二人と離れたくない。このままずっと、三人で一緒にいたい。
でも、二人の気持ちは……分からない。優しく頭を撫でてくれたこともある。
それどころか、凄いエッチなお仕置きをしてくれたこともある。
……さすがに、チューをしてくれたことは無かったけれど、それは子供が出来るから、だと思う。
でもそれだけじゃなく、ちょっとしたことで、わたしを叱ったりすることもある。
「分からない……分からない…よ………」
何で叱ったりするんだろう……何で……何で………? わたしが…嫌いだから……?
わたしがいると、二人の邪魔になっちゃうの……?
自らの膝に顔を埋めながら、千奈美は考え込んでいた。
考え込むうちに、いつしか深い眠りに落ちていた――
271264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:22 ID:4LR07W+F
「ん……あ、はぁあっ!?」
「あれれ? お嬢ちゃん、目が覚めちゃったかい?」
どれくらいそうしていたか、千奈美は妙な感触を体に覚え、目を覚ました。
それと同時に、頭の上から下卑た男の声が届く。
「い、いやあっ!? な、何っ!?」
「ふふふ、心配すること無いって。おとなしくしてれば、悪いようにはしないからさっ」
一瞬、夢の続きかと思っていたが、今自分が置かれている状況に気付き、思わず叫んでいた。
千奈美は一糸纏わぬ姿で、両足を大きく開かされ、その間に男が潜り込んで舌を這わせている。
さらに声がした方向を見上げると、同じ顔をした男が自分の両手を掴みながら、
ニタニタといやらしい笑みを浮かべ、再び口を開いた。
「あ! はあ! い、いやあっ! お、おにいちゃん! 雪枝さんっ!!」
「痛ててっ! こらハヤタ! しっかり押さえてろっ!」
背筋にぞっと寒気が走った千奈美は、必死に手を振りほどいて、
自分の股間に舌を這わせる男を、ポカポカと殴りつけながら叫び声をあげ、
この場にいない2人に助けを求めた。聞こえるはずがないと、分かっていながら。
殴られた男は顔をあげ、千奈美の手を押さえつけていた男に向かって文句を垂れた。
「ああ悪い悪い。こらこら、暴れるんじゃないよ。………っと」
「いやあ! 離して! 離してえっ!」
ハヤタと呼ばれた男は、じたばたしている千奈美の両手首を掴み上げ、頭の上で押さえつけた。
「まったく…暴れたって無駄だっての。こんな山の中、誰も来やしねえよ……っ……」
「い、いや! あっ! はあっ! ああんっ!」
手の自由を失った千奈美は、必死に体をよじって男たちの手から逃れようとするが、
いかんせん体格差があり過ぎる上に、二人掛かりで押さえつけられては、抵抗のしようがなかった。
さらに、両足を抑えていたほうの男が、すでにピンク色に充血している千奈美の肉芽を、
まるで飴玉のようにしゃぶり続けながら、絶望的なひとことをつぶやく。
千奈美は抵抗の声をあげながらも、股間から伝わる刺激に思わず上半身が仰け反ってしまう。
知らず知らずのうちに、千奈美のつぶらな瞳からは、ポロポロ涙がこぼれていた――
272264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:23 ID:4LR07W+F
「ひぐ! あっ! んふぅっ……んああっ……」
「おいおい、ガキのくせにすげえ反応がいいぜ。もうグチャグチャだ」
千奈美の幼い割れ目に、軽く指を差し入れて男がひとこと。
言葉どおり、千奈美の割れ目は完全に濡れそぼっていて、男の人差し指を難なく受け入れていた。
「へえ。こんな純情そうで、かなり遊んでいるのかも、な。それじゃ俺は、こっちを確かめてみるかな」
ハヤタが半分呆れたように、肩をすくめながらゆっくりとズボンを脱いだ。
目の前でゆらゆらうごめく半勃ちのモノを、千奈美はぼんやりと見つめていた。
「なるほど……顔を背けようともしないとは……慣れてるのかもしれないな……っと……」
「んあ……あっ………んぐ…ん…ぐ……ぐううっ……」
ハヤタは独り言のようにつぶやきながら、自分のモノを、半開きの千奈美の口の中へと潜り込ませた。
さらに千奈美の右手を掴み上げ、親指を千奈美の口の端に添える。
――歯を立てられないようにするため、だ。
「ぐ…ぐぐっ……んふ…っ……っ……」
「くうっ、こっちは……さすがにきつい…かな……」
小さい口は、モノを咥え込むには十分とはいえず、半分ほど咥え込んだところで、
千奈美は苦しそうに、あえぎながら首を振っている。
「でも…よ……結構…まんざらでもなさそうだな……く…うっ……」
首を振るたびに、モノと千奈美の歯が擦れ、モノを優しく刺激していく。
ハヤタはその刺激をこらえようと顔をしかめながら、愉悦の声を漏らしていた。
273264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:23 ID:4LR07W+F
「おーい。まさかこんなガキに、イカされそうってのかあ? 情けねえなあ」
「うるさい」
「ん…んんっ……んあ……んごおっ!? ぐ! んは! ぐ! ぐうう! ん! ぐぶうっ!」
そんなハヤタの様子を見て、千奈美の割れ目を弄っていた男が、小馬鹿にしたように、
肩をすくめてハヤタに向かって笑いかけた。自分を嘲るような声を耳にしたハヤタは、
悪態をつきながら、千奈美の髪を強引に掴み、頭を前後に揺さぶり始めた。
突然のことに、千奈美は苦しそうにくぐもった悲鳴をあげる。
「はははっ、無理しやがって。そんなことしてたら、すぐイッちまうぞ?」
「ん! ん…あ……ぐう………うっ……」
男は肩をすくめながら、ハヤタに向かってつぶやいたかと思うと、
千奈美の割れ目に潜り込ませている、指の動きを速めた。くちゅくちゅと湿った音が辺りに響く。
途端に、千奈美は堰を切ったように、嬌声をあげはじめた。頬は上気し、腰はガクガク震えている。
「く……こ…これ……シャ…シャレになってない……シャレになってないよ…………く……うっ!」
「おいおい、シャレになってねえのはお前だろうがよ。ガキより先にイッちまったら情けないぜえ?」
同時にハヤタも、思わず上半身を仰け反らして腰を引きながら、悲鳴を漏らしていた。
潜り込ませる指の数を二本に増やしながら、ため息混じりに苦笑する男。
「うるさいよ。このガキ、かなりのスキ者だぜ? 何せ自分から舌を絡めてくるんだからな」
「はあ? マジかよ? やれやれ、恐ろしい世の中になっちまったもんだねえ……っと…」
ハヤタの抗弁に、男は呆れ顔でポツリとつぶやきながら、千奈美への愛撫を続けた。
実際、ハヤタの言葉どおり、千奈美は自分からモノに舌を絡めていた。
まるで、下腹部から伝わる堪えようの無い刺激を、手足の自由が利かない今、
唯一、まともに動かすことの出来る舌を動かすことで、必死に誤魔化すように――
274264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:24 ID:4LR07W+F
「う……も…ダメ…だ………くっ…う…うううっ!」
「ごぼ! ぐぶ! ぐ! ぐうう……っ…!」
「はははっ! マジでイッちまったのかよ? いくらなんでも早すぎるぜえ」
突然、ハヤタが千奈美の頭を揺さぶったまま、自らの腰を動かし始めたかと思うと、
嬌声とともに、全身をブルブル震わせた。
同時に、千奈美の口の端から、白い液体がつつっと糸を引いてこぼれ落ちる。
それを見て、男がゲラゲラ笑い出した。
「いやあ……コイツ、すげえ気持ちイイぞ……ん…っ……」
「けほ…けほ……かは…あ…っ……あ…ひああっ……」
快感の余韻を味わうためか、絶頂に達してもしばらくの間、
ゆっくりと腰を動かし続けていたハヤタが、ようやく千奈美の口を解放しながら答える。
千奈美は苦しさのあまり、何度も咳き込みながら、どろりとした白い液体を吐き戻していた。
「ったく……自分が短いのを、相手のせいにすんなよな……」
「あっ! んんっ! ひゃあっ! ああっ!」
肩をすくめながら、男は千奈美への指の動きを遅くする代わりに、根元まで潜り込ませる。
嬌声とともに、千奈美は全身を打ち震わせ、悶え狂っていた。
「……にしても…コイツはすっげえ拾い物かもな。ここまで自分から腰動かすの、初めてだぜ」
「ゃあっ! あっ! はあ…あっ!」
男が再び、少しずつ指の動きを速めながらつぶやく。
だがその言葉も、千奈美の耳にはすでに届いていなかった。
今は千奈美の頭の中は真っ白で、ただただ下腹部から伝わる刺激しか感じられなかった。
「ああっ!! ああんっ! ああああっ!!」
やがて、千奈美は全身をビクビク震わせながら、快感の中で意識を失っていた。
275264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:24 ID:4LR07W+F
「ん? どうした? イッちゃったのかい?」
「そのようで。まったく、敏感な体だねえ……ハヤタよりも、な」
ぐったりと動かなくなった千奈美を見て、ハヤタがひとこと。
もう一人の男が、ハヤタに向かって皮肉そうに笑みを浮かべながら答える。
「うるさいな………ハヤト!」
「え……あ、ああ……」
男の返事にハヤタは顔をしかめ、後ろに向かって叫ぶ。
ハヤタが声を掛けた方向には、木の陰にコソコソ隠れながら、様子をじっと見ていた少年がいる。
「なにオドオドしてるんだい? こっちに来なよ」
「い……いや……」
「グダグダ言わずに来いって。せっかく俺たちが、順番譲ってオマエに筆卸しさせてやろうってのに」
ハヤトと呼ばれた少年は、ハヤタの再度の呼びかけにも、声を震わせていた。
そんなハヤトの姿を見て、男は舌打ちしながら苦笑いを浮かべる。
「さて……と。何だかんだ言って、お前も男だな。お嬢ちゃんの艶姿見て、こんなにしてるし」
「ああっ……ハ、ハヤタ兄ちゃん……」
クックックッと笑い声をかみ殺しながら、ハヤタはハヤトのズボンの下腹部を擦った。
そこはすでにハヤタの言葉どおり、パンパンに膨らんでいる。ハヤトは下腹部を襲う刺激に、
歯をカタカタ打ち鳴らしていた。腰は完全に砕け、背後からハヤタに支えられている。
「ほうら。ここにオマエのその、いきり立ったモノを突っ込むだけだって。
そしたら、オマエがいつもコソコソやってるオナニーよりも、ずっとイイ気分が味わえるんだぜ?」
「ええっ!? あ…そ、その……」
男は、失神している千奈美を背後から抱えながら、ハヤトに向かってニヤニヤ笑い掛けた。
その言葉に、ハヤトは明らかに動揺していた。
276264 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:25 ID:4LR07W+F
「へえ、兄ちゃんたちに隠れてそんなことしてたんだ。さ、そうと決まれば……って、まだ皮かむりだな。
ほら、挿れる前にちゃんとムイておかないと、お嬢ちゃんに失礼だろ?」
「ふあ! ……あっ!」
言いながら、ハヤタはハヤトの手を掴み、親指と人差し指でハヤトのモノを挟み込ませたまま、
手前に引っ張った。ハヤトの弛んでいた皮が剥け、ピンク色の亀頭が姿を現わした。
先ほど、ズボンの上から擦られた時よりも、遥かに強い刺激に堪えられず、
ハヤトは涙までこぼしながら、声を震わせる。
「ん。これで準備完了……っと。ほらほら、お嬢ちゃんが待ってるぞ」
「うあ……あああっ!!」
大人の形になったハヤトのモノを見て、満足そうな笑みを浮かべたハヤタは、そっと手を離した。
すでに、自分の力で立つことすらおぼつかなかったハヤトは、そのまま千奈美の上に覆いかぶさる。
と、モノが千奈美の下腹部に触れ合った瞬間、ハヤトの興奮は限界に達し、
モノから白い液体があふれ出し、そのまま失神してしまった。


「あ〜あ、ダメだこりゃ。これじゃ、コイツの筆卸しはいつになるのかねえ?」
「ま、そう言いなさんな。いつかは大丈夫だろ。さて、仕方ないから俺たちで楽しむとしようか?」
気を失ったハヤトを、脇の草むらに寝かせながら、男は呆れ顔でつぶやいた。
ハヤタは肩をすくめながら、千奈美に目を向けた。
「へっ。まったく、しゃあねえな。………さて、オマエは口で一回ヤったんだし、俺から始めるぞ」
男は舌打ちし、下半身を露わにさせながら、千奈美に覆いかぶさった――


……ところで続きます。
2773 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:27 ID:4LR07W+F
>56の続き。

「ふう……。今日の晩メシは何かねえ………」
一日の労働を終え、自宅に戻る。あれから、貴代子は3日間泣き通しだった。
だがその心の傷もようやく癒えたのか、今は普通どおりに暮らしている。
もしかしたら、忘れようと振る舞っているだけ、なのかもしれないが。

「う、うわっ!?」
アパートの入り口に差し掛かったとき、出会い頭に何かとぶつかり、声をあげてしまう。
「………っ!」
「あ、あれ? だ、大丈夫かい?」
ふと見ると、それは隣の家の女の子だった。いつもなら「ごめんなさい!」と元気に
謝罪の言葉を述べてくるはずだが、今日に限っては何も言わずに、俺の隣を駆け抜けて行く。
よく見ると、いつもの愛嬌のある笑顔とは違って、頬っぺたをぷくっと膨らませ、
泣いていたのか、目はうっすらと赤くなっていた。
……ううん、泣いている顔でも結構可愛いかったな……いや、そうでなくてよ。
でも、何か抱えてたな……あれって……そういえば?
思わず女の子の後ろ姿に向かって、声を掛けながらそんなことを考えていた。と、
「う、うわっ!?」
「あ、す、すみません! 大丈夫ですか!?」
再び誰かにぶつかり、思わず悲鳴を漏らす。振り返ると、そこには隣の奥さんがいた。
ううむ……本当、親子そっくりだねえ……。しかもあんな大きい子がいるにも関わらず、すげー若いし。
「い、急いでいますので、これで失礼します!」
「あ…は、はい」
俺に向かってぺこりと頭をさげ、奥さんは駆け出した。……こりゃあ、娘を追っかけてるのかな?
駆け出す奥さんの後ろ姿を見送り、そんなことを考えながら、礼をしたときに一瞬だけ見えた、
奥さんの胸の谷間を思い出す。………本当に同じ女なのかね?
我が家に転がり込んでいる鬼、貴代子の胸を思い浮かべ、俺はそんなことを考えていた。
2783 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:27 ID:4LR07W+F
「あ、すみませ〜ん」
玄関のカギを開け、中に入ろうとする俺に向かって、何者かが声を掛ける。
声のした方向を見ると、包みを抱えたポニーテールの女性が立っていた。
えっと……どっかで見た記憶があるけど……誰だっけ?
「丁度よかった、お届け物です」
ああ思い出した。貴代子が買った変な本を届けにきた、バイク便の姉ちゃんだっけか。
……にしても……この姉ちゃんは自給自足か、それとも本の指示に従ったのか……。
ジャケットのおかげで、くっきり浮き出た彼女の胸の大きさを前にして、そんなことを考えていた。
というか貴代子のせいで、女性を見たら胸を見る習慣が、身についてしまったような……。

「あ、お帰り。丁度出来上がった頃だよ………なんだい、そりゃあ?」
「えっとさ、いつだかの宅配便がまた着てたよ」
「そ、そうか! ど、どうもありがと! も、もらっとくな!」
部屋に入ると、貴代子が台所でカレーの入った鍋をかき混ぜていた。
が、件の宅配便の話をすると、大慌てでこちらへ飛んできて、俺の手から荷物をひったくった。
……まあいいけどさ。今度は何を頼んだんだ? いったい?
2793 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:28 ID:4LR07W+F
「しっかし…お隣さんも飽きないねえ。また喧嘩してたみたいだけど」
「はあ? またかよ……ったく、喧嘩するほど仲がいい、とは言うけれど、よくネタが尽きないなあ」
カレーを食べながら、先ほど隣の親子とぶつかったことを思い出し、貴代子に話しかけた。
貴代子は苦笑いを浮かべながら、自分の皿に福神漬けを追加している。…カレーが真っ赤だよ。
「あはは、そだね。でも今度は多分、ペットを飼う飼わないじゃないのかな?
さっき、家を飛び出す娘とぶつかったんだけど、フェレットみたいなの抱えてたし」

ガチャン

「な、何? どしたの?」
俺の何気ないひとことに、貴代子はえらく動揺して、手にしていたスプーンを取り落とした。
突然の出来事に、思わず俺は目を丸くして、貴代子をじっと見つめていた。
「……悪い! ワタシ、ちょっと出掛けてくる! 後片付け頼むな!」
「ちょっと! 本当にどうしたのさ!?」
貴代子は、ぱっと立ち上がったかと思うと、食事もそのままに玄関へ向かう。
わけが分からない俺は、再度貴代子に問い掛けた。
「時間が無い! 後で帰ってきたら説明するよ!」
振り向きざまに俺に向かってそう叫びながら、貴代子は飛び出していった。
まったく……何があったって言うんだよ……。
2803 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:28 ID:4LR07W+F
「はあ…はあ…はあ……」
裕二から、隣の女の子がフェレットを抱えながら飛び出したと聞いて、反射的に駆け出していた。
まさかとは思うが、美沙ちゃんが面倒を見ていたフェレットかもしれないと思って。
それに、美沙ちゃんを殺した犯人は、未だ見つかっていないのだ。
関係が無かったとしても、こんな時間に一人で出歩くのは、危険な状態なのは間違いない。
だが、しかし……。
「どこに……行ってしまったんだろう……?」
肩で息をさせながら、ポツリとつぶやく。思わず飛び出していたが、女の子がどこに行ったのか、
まったく見当がついて無かったのだ。……それも無理も無い。
何せ隣の娘とは、回覧板をやり取りする程度で、面識があるわけじゃないのだから。
かと言って闇雲に探すのも、体はひとつしかないのだから、無理がある。
「………まさか…まさか、な………」
先ほど自分が思いついた、突拍子も無い可能性を思い出し、ワタシはある場所へと足を向けた――


ガサッ、ガサガサ……
木々の擦れあう音が、静寂を破るように響き渡る。ワタシの姿は山の中にあった。
既に日は落ち、辺りは闇に包まれている。女が一人で立ち入るような場所や時間では無かった。
ましてや、ひと月ほど前に殺人事件が起こった現場、なのだから。
そう、ここは山は山でも、美沙ちゃんが殺された山だ。
美沙ちゃんのフェレットがどうなったのかは、新聞でもテレビでも取り上げてなかった。
もしかしたら、ここに連れ去られる途中で、投げ捨てられたのかもしれない。
それ以前に、あの娘が抱えていたフェレットが、美沙ちゃんのと同じフェレットだとは限らない。
だがそれでも、ワタシは何かに突き動かされるかのように、山の中を歩き続けていた。
まるで、美沙ちゃんがワタシを呼んでいるかのように………。

「……あああっ!!」
木々の擦れあう音の中、かすかに聞こえる………これは…悲鳴? ワタシは思わず駆け出していた。
2813 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:31 ID:4LR07W+F
「へっ。まったく、しゃあねえな。………さて、オマエは口で一回ヤったんだし、俺から始めるぞ」
声のした場所へと駆け寄ると、二人の男が横になっている女の子に前で、ニタニタ笑っている。
次の瞬間、ワタシは思わず、女の子に覆いかぶさろうとしている男目掛け、とび蹴りをかましていた。

ドカッ

ワタシの足は、寸分たがわず男の横っ面に命中し、弾みで男は吹き飛んでいた。
「な…何だあ?」
「手前ら……こんな小さい娘に、何やってやがんだあ?」
娘の手を押さえていた男が、呆気に取られた声をあげる。
言わずもがなのことだが、ワタシは男たちに向かって声を掛けずにはいられなかった。
「まったく……まさかこんな時間に、しかもこんな場所に人が来るとは、ね。
ま、いいか。……ハヤテ兄さん、動ける?」
「ぐ……くく…。せっかくイイところだってのに、邪魔しやがって……」
だが、男は大して動揺する様子も無く、ワタシが蹴りを見舞ったほうに声を掛ける。
ハヤテと呼ばれた男は、首をコキコキ鳴らしながら、ゆっくりと起き上がった。……な、同じ顔!?
「痛つつ……このアマ……容赦しねえぞ」
ワタシが呆気に取られている隙に、ハヤテが猫背になり、両手をだらりとぶら下げた。
「!? …………痛っ!」
かと思った次の瞬間、ワタシの視界は天地が逆転していた。同時に、左腕に鈍い痛みが走る。
2823 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:33 ID:4LR07W+F
「ぐ……な、何だ……?」
尻餅をついたワタシは、ゆっくりと体を起こそうとしたが、
不意に全身を痺れと痒みが襲いかかり、思うように体が動かせなくなっていた。
「……おいおいハヤタ、傷の入りが甘かったんじゃないかあ? まだ動いてるぞ?」
「うわ、ホントだ……可笑しいなあ? ……ま、これなら大丈夫でしょ?」
物凄く緩慢ではあるが、体を動かし続けるワタシを見て、ハヤテはハヤタに話しかけた。
ハヤタは首を傾げながら、ワタシの両腕を頭の上で揃えて手錠を掛ける。
「な! き……貴様ら、いったい何をした!?」
「えっとね、俺たち3人は実は鎌鼬なのさ。今キミを転がしたのも、ハヤテの力。
でもって、その傷と痺れは俺の力なわけ」
自由の利かないワタシは、目だけをハヤタに向け、叫び声をあげた。
肩をすくめ、ハヤタは何気なく答える。
「……な……鎌鼬だって? じゃあ、3人目はどうしたというんだ?」
「あ〜。ハヤトなら、そこの草むらでおねんねだよ。
余程興奮してたのか、その娘に挿れるまえに気ぃ失っちまった」
ケケケッと笑いながら、ハヤトが肩をすくめて傍らの茂みを指差す。
つられてそちらを見ようとしたが、体の自由が利かないワタシは、そちらを向くことは出来なかった。
2833 ◆MABOUp7up. :04/07/24 11:39 ID:4LR07W+F
「くっ……こんなことして……何をする気だ?」
「たっく、ガキじゃあるまいし。こんな状態になったら、どんなことをするかくらい、分かるだろう?」
「ちなみに、今のあんたの傷と痺れは、ハヤトの力を使わないと、癒えないからね」
ハヤテが私の上に覆いかぶさり、ワタシの服を引き裂く。
同時にハヤタがワタシの耳元で、そっと耳打ちしてきた。
ワタシは思うように動かない体に歯軋りしながら、ハヤタに向かって唾を吐きかけた。
「気の強い姉さんだなあ……。ま、いいや。抵抗するのを無理矢理ってのも、キライじゃないしね。
ああそうそう、ハヤタは傷を癒やすついでに、その間の記憶も奪っちゃうから、
今どんな目に遭ったとしても、綺麗さっぱり忘れてしまうから、大丈夫さ」
頬についたワタシの唾を、シャツの裾でゴシゴシ擦り落としながら、
ハヤタはその笑みを崩すことなく、ワタシに向かって語り続けた。
最初に会ったときから、何ひとつ変わらない淡々としたハヤタの口調に、ワタシは言い知れぬ嫌悪感と、
滅多に感じることがない恐怖を覚え、背筋に冷たいものが走るのを感じていた――


……ところでこちらも続きますです。
お分かりとは思いますが、
今回の二つの話は同時進行で、時系列的には、
>269=>277、
>276=>280-281
に当たります。

こういう場合、今回みたいに時系列を遡る形で、視点毎に投下したほうがいいでしょうか?
それとも時系列に従って、視点をコロコロ変えて投下したほうがいいでしょうか?
284名無しさん@ピンキー:04/07/24 17:04 ID:WteZHQe7
久しぶりにたくさんキテルー!!

>>261 ◆I3tGz4xJ9E氏
文を気にしているようなので一応指摘を。
一気に文をつなげてしまって、読みづらくなっているところが結構あるようなので、
頭の中で音読したりして文章の調子を整えてみると良くなるかもです。
読点を入れたり、長くなりそうな文は区切ってしまったり。
あと、同じ文の中で似た言い回しが重なってしまうと(「〜して」が連続するとか)
読みにくくなるので、その辺りも気を付けてみると良いかも。
285名無しさん@ピンキー:04/07/24 19:22 ID:VVNNOX0U
頭の中でよりも出来るなら声に出して読んだ方が日本語的にはいいらしいぞ。
声に出して読む日本語とか何とかそんな本がバカ売れしてたし。
286名無しさん@ピンキー:04/07/24 19:49 ID:spIfZkHj
>◆MABOUp7up.さん
久々の作品、激乙です。
投下方法については、保管庫収蔵を考えると「視点ごと」にした方がいいかな?
今までもそういう形式ですし、中の人にもそちらの方が収蔵時に困らないと思います。
287名無しさん@ピンキー:04/07/25 01:22 ID:jukoJhBR
>>261
にぎやかな世界になってきましたね。

ところでベアトリスが正樹や小枝さんのことを知ったらどうなるんだろ?
教条的な天使にとって、人が人を創るという、まさに神をも畏れぬ所業ですし。
288幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 02:44 ID:MDP52imh
「珍しい組み合わせの登校ね、悟ちゃん」
珍しい組み合わせで教室に入って来た幼馴染みの阿蘇(あそ)悟志(さとし)が、彼と分かれ席についた所で私はすかさず悟志に話しかける。
「ああ、鳴か…
 それが金刀が職員室から出たトコを捕まえてさあ。
 何かと思って声をかけたんだよ」
「へ〜?
 で、何だったの?」
「やっぱり水泳部の星、健磐(たけいわ)鳴(めい)も女の子だねえ〜好きな男のことは気になる?」
悟ちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべながら、明らかにからかっている。
「ちょっ!!馬鹿な事言わないでよっ!!」
そして、私は赤面しそんな彼を喜ばすだけと解っていながらも彼の望み通りの反応を示してしまう。
「くくっ…大声出すと目立つぞ〜」
彼は笑いを押し殺し笑っている。
私は赤くなった顔をうつむけたままその状況を耐える。
289幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 02:45 ID:MDP52imh
そして、
「ふう…」
笑いを堪えきった悟ちゃんはため息をつくとようやく本題に入る。
「なんでも、金刀のいとこが転校してくるんで職員室まで送ったらしいぞ」
「いとこ?男子?女子?」
「女性だ!!
 しかも、ドイツだかなんだかのハーフだ!!ハーフ!!」
いきなり悟ちゃんは拳を握り締めぐっと嬉しそうに言葉に力を込める。
「……別にそんなにハイにならなくても……」
「バカヤロウ!!
 金刀の従姉妹でハーフ、ここまでの高スペックに期待せずにはおれんだろ?男としてっ!!」
……確かに気持ちはわかる気がする。
私は席についてすでに週刊の漫画雑誌を広げている金刀君を見る。

白い肌をコントラストで際だたせるさらさらと音がなりそうな長めの黒い前髪。
整っているというより整いすぎている女性的な顔立ち。
背は165くらいだったかな?
少し低めなのが細身の彼に合っている。
そして長いまつ毛に縁取られた入学時、一日にして私も含め男女を問わず全校を魅了した漆黒でありながら強い輝きを放つ魔性の瞳。
…これでは期待するなという方が無理だ。
私は今日のHRは騒がしくなるなと思い苦笑しつつ席に戻った。
290幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 02:48 ID:MDP52imh
しかし、予想してた騒ぎにはならなかった。
金刀君が魅きつける美なら、彼女のそれは拒絶の美。
転校生の存在に誰も声も上げられず、
授業の合間毎に別のクラス、学年から遠巻きに見にくる人たちまで来る異状な状態なのに誰も話しかけられずに時間が過ぎていった。

やがて、彼女が女性徒とはそれなりに普通に接すようになる頃、
彼女と金刀君はつき合っているという噂が流れはじめ多くの生徒を落胆せしめた。
それは私も例外でなく……

お風呂あがりに鏡を眺める。
水泳のためにショートカットにし、日焼けした顔が鏡にうつる。
笑えばけっこう可愛い方だと思う。
…んだけど……
笑えないなあ……
…笑えないよ……

失恋…と呼べるほどのものじゃない。
単に遠くから見てただけ、これは失恋とすら呼べない。
それでも胸を締め付ける苦しみと、
今更のように何もしなかった自分への憤りが混じりあった感情が心の奥から……
暗い…暗い部分から涌き出てくる……

…それは衝動……それは欲望……
私の中の抑圧されたそれが、きっかけを得て心をタガを破りゆっくりと、鎌首をもたげて来た事を私を感じていた。
291幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 02:51 ID:MDP52imh
暗い…暗い中、
私は歩いていた……
私はそれに呑まれ、その暗い物も私であった……

「お〜い〜もう放課後だぞ〜」
…暗闇の中、声がする……

がたっ

私は声に反応するように飛びかかり、固い物のぶつかる派手な音がする。
「お…おい…寝ぼけているのか?」
…この声は……
序々に明るく意識に私は私に戻る。
…夢だったのかな……
「悟ちゃん…?」
ゆがんだ視界で辛うじて彼だけを認識する。
「悟ちゃん?
 じゃねえよ…声かけたら急に押し倒しやがって」
「え?」
始めは私は目に映った映像の意味が解らなかったが、
それが私が悟ちゃんの両肩を押さえつけ彼の後ろの机を倒した状況だと気づく……
「ごめん!」
私は慌てて彼を放すとそのまま、動転し教室から走って出ていく。
292幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 02:53 ID:MDP52imh
校門までは知り抜けた所で、
ぬるり…と
指先に…いや爪の先にぬめりと温かい感覚を覚え、私は指
先を見る。

そこには血……まだ乾いていない血……

爪……

心臓が高鳴る…
気持ちが悪い……

私はワタシの腕を見て吐きそうになり疼くまる。
「大丈夫?保険の先生呼ぶ?」
見ず知らずの生徒が私を気遣い声をかけてくれるが、
私はその人を振り払い、再び逃げるように走り出す……

腕に浮き出た黒い黒い……
鱗を隠し……
293幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 02:57 ID:MDP52imh
わけが解らない……
家に帰った私は、急いで手を洗うと自室に閉じ篭った。

失恋…意識の混濁…鱗…
そして…血…
ぐるぐるとそれらが私の頭を廻る。
助けてよ……
助けてよ……悟ちゃん…
ぐるぐると回る暗闇の中、
好きなはずの彼でなく、
たまに私の頭に浮かぶいつも、笑ってくれていたちょっと意地悪な幼馴染みだけが私をつなぎ止めてくれる気がした……

どれくらいたっただろう、
いつの間にか眠っていた私は覚醒すると、父さんが心配して私の様子を、見にきてくれたらしい事を枕もとにあったおにぎりで気づく……

でも、そんなモノ……
今はいらない……
…私は……
294幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:01 ID:MDP52imh
あの日から私は学校に行っていない。

もう…行けないのかも知れない……
父さんには風邪とだけ言っている。

父さんの元にはいつまで居られるのだろう……
私は人間じゃない……

…黒い鱗……
始め気づかなかったが、私の短い髪の毛に埋もれる程度だけど後頭部には小さな角が二つ……
まるで漫画かアニメの竜みたいな……

…そして、私は欲している事に気づいた……
…それはおぞましいはずの物……
片隅に残った私の意識はそれを拒否する……
…でも、私をそれを求め、
実際に何度も手にしている……

最初は小さな野良猫…
その内にどこかの家の犬……

…爪をそれらに差し込み引き裂き…喰らう……
温かい血と肉の感触に私は酔い…止められなくなる……

私はきっといつか…人を殺すのだろう……
…血を求める化け物なのだから……
295幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:05 ID:MDP52imh
「いつつ……」
鳴に押し倒された時に出来た傷が痛み、
授業中の眠気から俺を現実に戻してくれる。

あの日から鳴は学校に来ていない……
「……本気だったんだな」
金刀とジーベンビュルグの噂が流れてから鳴が元気がなかったのは知っている。
そして…この間の出来事……
俺は…胸の奥を締め付けられるような感情を感じながら、
誰も座っていないあいつの席を見て呟く。
鳴に好きな奴が出来たと相談された時、と同じ感覚……
…俺はずっと鳴が好きだったんだけどなあ……
もっとも相手が金刀だと聞いた瞬間には多分、タレントに憧れるようなものだと思って俺は安心していた。

……いい加減、鞄持っていってやらなきゃな……
あの日、鳴は鞄を忘れたままだ。
クラスでは近所に住んでいる俺の役目だと言うのが当然のごとくになっているが、
俺が持っていかない為に、鞄は放置されていた。

何度かあいつの友人に鞄のことは頼まれているし、
もう持っていかないと、他の奴が持っていく事になるだろう。

それは俺と鳴の接点が希薄になることを意味する気がする。
俺は今日こそは絶対に鞄を持っていく、
そう心に決めた。
296幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:08 ID:MDP52imh

鞄を二個持った俺は学校の帰り道、家の近所の公園に居た。
鳴と子供のころ、よく来た公園だ。
最近、この近所はよく惨殺された犬猫の死体が捨てられた事件がおこる為、
まだ薄暗い時間であり、普段ならまだ犬の散歩をする人が居たりするが今日はもう誰も居ない。

「…引き裂かれたような死体か…まさかな」
俺は意識した為に肩に痛みを感じ鞄を二個ともベンチに置き、
自分も深く腰を掛けた。
…その時

「キャイんっ!!」
辺りに甲高い犬の悲鳴が響く。
まさか…まさか……

俺は肩の傷を思い出し、自分の恐ろしい想像を振り払う為、
その悲鳴のもとに走る。
そして…そこで見たものは……
297幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:11 ID:MDP52imh

温かい肉に爪のささる感触…
…ココチイイ……
そして、その爪を伝わり滑り気のある血が指を…腕を伝わる…
…キモチイイ……
私は目に映る赤の快楽に沈みきっていた。
血の溢れる傷口に唇を当て、
舌で血をなめ取り…牙をたて肉を食んだ…

「……鳴」
暗い愉悦にひたる私に突如、後ろから声が掛けられる。
見られた!
とっさに私は、身を翻すと声の主に向かい爪をたてる。

柔らかい肉の感触が再び私の爪先から私に愉悦を与える。
とっさに反射的に飛びついただけのはずが、
その愉悦は目的とすげ替わった。
今までで最も大きな欲望……
これは性的な興奮だ……

相手は人間の男だと本能が理解したんだ。
私の愉悦は性へと初めて移行してしまい、
それに興奮しきった私は刺さった爪をそのままに自分の残った手で、自分の呼吸を邪魔する服を破りさる。
298幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:14 ID:MDP52imh
「ふう…はあ…」
服を破り捨て下着だけになった私は、爪でさえつけた獲物の首筋に舌を這わせる。
「よ…せ……」
痛みと出血に抗う力を奪われているのだろう、
獲物は自由になる腕と足で必死に私は跳ね退けようとするが、その力は弱々しい。

私は私を跳ね退けようとした足を掴んでやると、
そのまま爪で相手の足が傷つくのも構わずに一気にズボンを下着ごと引き裂いて彼自身を剥き出しにてやる。

まだ萎えているそれだが、布から解放された事で臭いを巻き散らす。
それは更に私を興奮させる。
次いで私は相手の口を私の口で犯す為に、這わしていた舌を首筋から離し、
相手の顔を正面から初めて見る。

…まって…
…知っている…
…彼は……

「…悟ちゃん…」
299幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:16 ID:MDP52imh
初めて目があった…
そう思った瞬間、彼女の口から俺の名前が漏れ彼女の手が止まった。

もっとも行為は止まったが、未だに彼女は息を荒立てたまま俺を組み敷いている。
腕の付け根に刺さった彼女の爪もその俺に激痛を与えたままだ……
…だが、そんなことはどうでも良い。
「鳴…大丈夫か?」
俺はただ彼女を気遣い声をかける。
「…悟ちゃん…悟ちゃん…
 私…どうしよう……恐いよ……」
俺の声に安心したのか、高ぶっていた彼女の感情が涙と一緒に流れてくるのを感じる。

俺はそっと彼女に手を伸ばし涙を指で拭いてやる。
「もう…大丈夫だ……
 もう…大丈夫だ」
何の根拠もない言葉だと解っていたが、
俺は彼女の爪が一層傷をえぐるのも構わずに俺は体を起こし彼女を抱き締め、ただゆっくり囁く。
300幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:19 ID:MDP52imh
抱き締めた彼女の体がまだ息が荒く、熱も持っている事に俺は気づく……
「…鳴、大丈夫か?」
「あんまり大丈夫じゃないかも……
 でも、悟ちゃんほどじゃないよ」
そう言って俺を見つめた鳴は、まだ興奮状態なのだろう…
息が荒く目が潤んでいる。

彼女のそんな状態に否応無しに俺は反応してしまう。
「悟ちゃん…こんな私に感じてくれているの?」
「…いや…これは俺の意志とは無関係で……」
俺は焦り、
思わず腰をひいて彼女から体を離してしまう。

「そうだよね…」
そんな俺の反応に鳴は心底悲しそうな反応をする。
「…って、お前の好きな奴は金刀だろ?
 それなのに、こうゆう状況でどうこうってのは俺は嫌なんだよ」
「じゃあ、どういう状況なら?」
「そりゃあ、俺がお前にちゃんと告白して……」
「ふ〜ん、悟ちゃん私に告白したいんだ」
「そう、ちゃんと告ってだなあ……」
「でも、今のそれって告白だよ」
……
……なんだってええええええっ!!
301幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:22 ID:MDP52imh
今までの自分の言葉を思い出す。
……いや、まだぎりぎりセーフだろ?
そう納得しようとする俺を無視して鳴は
「私ね…体がおかしくなってから、金刀君のこと思い出さなかったよ……
 でも、悟ちゃんのことはよく思い出したんだ。
 悟ちゃんに助けて欲しかった、よく解らないけどきっと私は悟ちゃんが好きなんだと思う」
「……俺ははっきり解っているぞ。
 鳴が好きだ」
俺は言い切って鳴を再び強く抱き締めてやる。
背や肩の鱗がすべすべして肌触りがいい。
「悟ちゃん…お願い。
 私、我慢がもう出来ないよ」

……正直、俺は出来れば鳴の体を堪能したいんだけど、
だが、すでに彼女の方はこれ以上待たせるのはどうかと言うほどに興奮しきっている。
俺は仕方なく彼女を抱き締めていた腕をゆるめ、体をある程度動かせるようにして彼女の足の間に自分の腰を入れる。
302幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:25 ID:MDP52imh
鳴の体の変化のせいだろうか?
ショーツをずらすとすでに濡れた彼女の大切な部分は、本来はそこにあるべき茂みがなく、つるつると潤いで濡れ照かっている。

俺はそこに自分自身を沈める前にと、彼女の柔らかい唇に自分の唇当ててそれを初めて味わう。
「あっ…あくん」
唇から彼女の甘い息が漏れ、俺を興奮させる。
俺は彼女の牙が俺の唇を傷つけるのも構わずに彼女の唇をむさぼり、
同時に自分自身に手を添え、彼女の大切な部分に導いて行く。
くちゃ…
「あうんっ」
彼女の潤いと俺の先が当たった音と同時に、彼女は声を上げ反り返り俺の唇から離れてしまう。
俺はそれを名残惜しみながら、彼女と一つになる事に集中する為に敢えて彼女の唇を追わずに腰を押し進める。

「んっ」
「んんっ」
うまく入らずに彼女の大切な部分の表面を何度かこねた後、
ようやく先端が入り二人の吐く息が重なり、
そのまま俺は彼女の中はきついにも関わらず、潤いに滑るように自然に奥に入って行く。
「あっう……ん」
しかし、それもすぐに止まってしまう。
俺の自分自身が中程までも行かない間に抵抗に引っかかってしまった。

しかもその時、彼女が苦悶の声と表情を表したのだ。
「大丈夫か?」
俺が不安になって鳴に声を掛けると、
鳴はそんな俺の心情を察したのか、自ら腰を動かし俺を奥に導く。
303幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:27 ID:MDP52imh
一度、抵抗を乗り切った後は再びスムーズに俺は鳴の中に自身を埋没させて行けた。
「ふう」
そして、奥にたどり着いた所で一度息をつくと、
再び鳴の唇に自らの唇を押し当て、
「うん…っ」
自身を奥まで到達させた事で、必要無くなった添えていた手が自由になったので彼女の充分な大きさを持つ胸に添える。

下から胸を支える形で添えると、その心地いいボリュームが手のひらに伝わってくる。
俺はそのままの形でゆっくり腰を前後させてゆくと、
「あっ……あうんっ」
彼女の甘い声と同時に、手のひらに伝わる胸の重さも弾む。

俺はまだまだこの感触を楽しみたかったが、
すでにこみ上げていた終わりの感覚に速度を上げる為に体
を支えるため胸から手を離して速度を上げる。
「あっああ……さ…さとちゃん……私、もっ…う…ああっ」
彼女の最後の声と共に、俺も達し彼女の胸に崩れ落ちた。
304幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:31 ID:MDP52imh
しばらく、抱き合って余韻を楽しんだ俺はふと気づく。
「どうしたの悟ちゃん?」
「…いや……」
俺は確認の為に彼女の背に手をまわし撫でる。
「あんっ…悟ちゃん、またしたくなっちゃよ」
「…そうじゃなく」
やけに可愛い声を出す鳴の誘惑を俺は、後ろ髪をひかれる思いで却下し、今度は頭を撫でくる。
……間違いない。
「お前、鱗も角も消えているぞ」
「え?」
俺の言葉に鳴はさき程、俺がしたようにぺたぺたと自分の頭と肩や背中を触る。

「……本当だ、満足したからかな?
 今まではその……」
鳴は俺の肩の傷を見て目を伏せる。
……多分、この辺りの犬猫の事件はこいつの所為だろう。
それで満足すると鱗とかが消えるんだ……
もっともこの事は触れてやらない方がいい。

「…なんかいい加減な物だな……」
「いい加減って…どうしても戻らないから困ってたんだよ」
俺のため息まじりの言葉に一度、沈みかけた鳴の表情が再び明るくなる。
うん、こいつはこうじゃなくちゃ。
「じゃあ、いつでも俺が消してやるよ」
俺はそう思い更にちょっとふざけてみる。
「悟ちゃんのエッチ…」
鳴はそんな俺の期待通りに可愛い笑顔に舌をちょっと出しべーをしてそっぽを向く。
俺はそんな彼女を自分の方に向かせると、
「ちょとっ悟ちゃん」
彼女の抗議を無視して、軽いキスをした。
305幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:35 ID:MDP52imh
ー・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー・ー

あれから俺たちは、服はお互いぼろぼろだわ。
俺に至っては流血してるわで家に帰ることさえ四苦八苦した。
何とか二人の服を寄せ集め、
俺がまず家に帰り彼女の分の服を持ち出しなんとかしたが、

その後、怪我や服について親からこってり絞られた。
…いや、冷静に考えると絞られる程度で済んだのは奇跡だ。
俺の肩の傷から見れば警察に通報されて然るべきだろう……

鳴の方は父子家庭だったがはずだが、そっちがどう話したのかは知らない、
もしかしたら、話してない可能性も高いと思う。

そして今も彼女の鱗が出たりするのは、実はまだ続いているが、
手を握るとか、ひどくてもキスで直ってしまうようになったし、
なにより彼女は興奮したりしなくなった……
…俺としてはちょっと哀しい気もするけど……

「またエッチなこと考えているでしょ?」
感傷にふけるオレに並んで登校してた鳴が横から声をかけてくる。
「…ああ…鳴が好きだからな」
俺は鳴にそう言って笑いかけてやる。
「え…あ…あの」
自分から話題を振っておいて鳴は真っ赤になってあたふたする。
そんな鳴を見て俺は確信する、
「もう大丈夫だ」
…と
306 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:45 ID:MDP52imh
>>285さんと>>286さんのアドバイスを少し試してみたくて、
ちょっと早いと思いますが投稿させて頂きました。

実はこれ、駄目人間と天使の一本目のすぐ後に書いたんですが、
二人の視点や場面がころころ変わるなどの理由で、
書いた本人も解読出来ない物になってしまいお蔵入してたものを改修しました。

>>287さん
ええ、大変なことになります。
制作者が逝ってしまっている為に一番、危険なのは小枝さんを動かした金刀君になりますね。

…その内にネタにさせて頂くかも知れません。
307 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 03:48 ID:MDP52imh
お礼を書き忘れてしまいました。

>>285さん
>>286さん
アドバイス有り難う御座いました。
308 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/25 12:06 ID:RxLPQ8t5
済みません。

アドバイスは
>>284さんと>>285さんでした。

改めて、お礼を言います。
有り難う御座いました。
309名無しさん@ピンキー:04/07/25 17:37 ID:OdMGny14
早くも続き、キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
鳴タンの正体に興味津々です。
続き、激しく期待してます。
3103 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:16 ID:nHRbk+0w
>283の続き。

「さってと……って、何だよ。随分小せえ胸だなあ。これじゃ、あのガキと変わんねえじゃん」
「ちく…しょう……う! は…あ……ああっ……」
ワタシの胸をそっと撫で回しながら、ハヤトが嘲るように言った。
悔しさのあまり、唇を噛みしめるが、胸から伝わる刺激には抗えず、喘ぎ声が漏れ出してしまう。
「んん〜? もう感じてんのかよ? けけっ、ハヤタの薬の効果はてきめんだな」
「くは……あ…はあ……あん…あっ……」
「どんなに乱れても、一回ヤったら終わっちゃうのが欠点だけどね。
………それにしても、ここまでで効くはずは無いと思うんだけどなあ……で? 下はどうだい?」
そんなワタシを見て、ハヤテは呆れたような笑い声をあげながら、胸を撫で回し続ける。
ハヤタはワタシの腕を押さえつけたまま、ハヤテに話しかけた。
これ以上肌を晒されないようにと、必死に体をよじらせるが、力がまるで入らないワタシは、
抵抗むなしくあっさりと、ショーツを脱がされ、下半身が露わになる。
ミニスカートはそのままという状態が、ワタシの羞恥心を煽っていた。
さらにそのまま、ハヤテの右手がワタシのアソコへと潜り込んでくる。
「うあ……あ…はあ…っ……あっ……」
「待て待て……っと……へえ、もう濡れてるよ。さて、さっき邪魔された礼に、早速楽しませて貰うぜ」
こんな状態にも関わらず、アタシは敏感に男のアレを受け入れやすくなっていた。
アタシの状態を確認して、ハヤテは笑みを浮かべながら、自分のモノをアソコに擦りつけてきた。
「くうっ……やめ…っ……あっ……」
抵抗の声をあげるが、体は意思に反して、ハヤテの男を受け入れようと、腰を突き動かしていた。
「この前の娘は、濡れる前に突っ込んでたから、痛いくらいだったからね。
いや〜、久々の大人の女か〜、楽しみだねえ」
が、ハヤタの何気ないひとことが、ワタシの頭に反響した。
……この前の娘? まさか……やっぱり? ……次の瞬間、ワタシの頭の中で、何かがキレた。
3113 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:16 ID:nHRbk+0w
ボグッ

鈍い音が辺りに響き渡った。貴代子の渾身の力を込めた膝蹴りが、ハヤテの股間に命中したからだ。
さらに、貴代子が両腕を力一杯広げたと同時に、戒めていた手錠の鎖が、バキンと音を立てて割れた。
「ぐ…ぐぎ……いっ……」
「グウ……ウッ………」
ハヤテは股間を押さえながら、うめき声とともに、泡を吹き出している。
貴代子は、自らの手首に残っていた手錠――鎖が外れ、腕輪のようになっていたが――を見つめ、
反対の手で引っ掴んだかと思うと、事も無げに引きちぎった。弾みで、腕から血が滴り落ちるが、
まるで気にした様子も無く、もう反対側の手錠も同じように引きちぎっていた。
「な…な……」
ゆっくりと立ち上がる貴代子を見て、ハヤタはまともに声を出すことが出来なかった。
染めているのか、やや赤みを帯びた髪は、まるで天を突くように逆立ち、
紅蓮の炎を連想させ、多少釣り目気味な瞳も、いつの間にか怪しく輝いている。
それに顔立ちだけでなく、体格もひと回り大きくなっているように感じられた。
極めつけは――何故、何故動くことが出来るんだ? 何なんだ、この女は? 
ゾクリと背筋に冷たいものを感じたハヤタは、無意識のうちに後ずさっていた。
「ミサチャン……コロシタノハ、オマエタチカ?」
ゆらりと顔をあげ、貴代子はハヤタに向かって話しかけた。
声自体は今までと同じだが、さっきまでの強気な声とは違う。むしろ、感情が何もこもっていないのだ。
かえってその方が恐ろしい。まるで、地の底から響いているような声だった。
これは……逃げたほうが、いい。ほんの少しだけ、我に返ったハヤタはそう考えていた。
ハヤテやハヤトを見捨てることになるが、今は自分が生き残るのが先だ。
そうと決まれば………。ハヤタは貴代子に背を向け、駆け出した。――が。
3123 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:17 ID:nHRbk+0w
「!?」
突然ハヤタは襟首を掴まえられた。目の前の貴代子によって、だ。
な……何でだ!? 思わず後ろを振り返るが、そこには貴代子の姿は見えない。
まさか……こんな一瞬のうちに、俺よりも素早く移動した、ということか……?
「コノ……ヤ…ロ……」
貴代子は左手で襟首を掴みあげたまま、うなり声とともに、右拳を大きく振りかぶった。
ハヤタは貴代子の左手を振りほどこうと、必死にもがくが、どうしても振りほどけない。
これ……殴られたら、絶対死ぬ! 死んでしまうって!
目の前の女の腕力を思い出し、ハヤタは反射的に、両目をしっかりと閉じ合わせていた。

ペシ
「……ん?」
頬に何かが触れる感触を覚え、そっと目を開けるハヤタ。
そこには、貴代子の握りこぶしがあった。……何だ、こりゃ?
などと思っていると、貴代子は再び右拳を振り上げた。……ま、まさか………?
今度は、目を閉じずにしっかりと拳の動きを見ることが出来た。

ペシ
再び、貴代子の握りこぶしがハヤタの頬に当たるが、予想通り、まったく痛くなかった。
……そうか、手錠を壊すので力尽きたのか。だったら話は早い。
そう思ったハヤタは、落ち着いて貴代子の左手を掴みあげた。
今度は難なく貴代子の左手は解け、自由になった。
と、同時に貴代子が前に一歩踏み出し、右足でローキックを放ってきた。

ペシ
だがこれも、まるで威力と言うものがない。急に余裕が出てきたハヤタは、右手に力を込める。
すると、ハヤタの右肘から先が、見る見るうちに姿を変え、鋭利な刃物のように姿を変えた。
そのまま貴代子の腹に突きたてようと、右腕を構えた途端、
「な、な?」
貴代子は自分の左腕をハヤタの首に回し、くちづけを交わしてきた。
思いもよらない突然の行動に、ハヤタの体が硬直してしまった直後――
3133 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:17 ID:nHRbk+0w
ハヤタは目も眩まんばかりの閃光と、腹部から爆発するような衝撃を受け、吹き飛んでいた。
「…………っ……?」
何だ……何が…起きた………? ハヤタはそう喋ろうとしたが、口を開いても声が声にならず、
どろりとした赤い塊しか出てこない。目の前には、仁王立ちの貴代子がいる。
「………………」
「ミサチャンノ、クルシミ……オマエラモ、アジワエ…………」
た……助けて……。わずかに動く右手を伸ばし、貴代子に声を掛ける。
だが貴代子はハヤタを見下ろし、冷たく言い放ったかと思うと、右手を目まぐるしく動かし始めた。
するとどういう原理なのか、貴代子の右手に炎が灯りだす。
ま…まずい……これ…マジで殺され、る……。
ハヤタは必死に草むらを這いつくばって、貴代子から逃れようとする。
そんなハヤタに向けて、貴代子は軽く右手を突き出すと、炎がまるで意思でも持っているかのように、
一直線にハヤタの背中へと飛び移り、背中全体に燃え広がった。
「あ……ああ…あ…ああっ……!」
「ジゴクノカマノ、ノコリビダ。ソノママ、タマシイマデヤカレルが、イイ」
目をカッと見開き、苦悶の表情を浮かべるハヤタ。貴代子は眉ひとつ動かさずにハヤタに言った。
「ぐあ……あ…あっい…! あつ……いい…」
「………! ぐあ……ああっ!?」
ハヤタが炎をもみ消そうと、必死にゴロゴロ転がった弾みで、ハヤテにぶつかる。
するとどうしたことか、炎がハヤテにも物凄い勢いで燃え移り、たちまち大きな火柱になってしまった。
熱さのあまり、意識を取り戻したハヤテも、ハヤタと同じようにゴロゴロ転がりだした。
だが不思議なことに、二人がどれだけ転げまわっても、周りの草や木には、
まったく燃え移ることが無かった。それどころか、火の粉はおろか、煙すら立っていないのである。
「あづ……あづ………た…助け……」
「ゆ…許じ……て……」
「シルカ。ソノママシネ」
火達磨になりながらも、助けを求めようと必死に、貴代子に向かって伸ばす二人。
だが貴代子は、千奈美へと歩み寄りながら、振り向きもせずに答える。
と、突然、千奈美がぱっちりと目を開けて、喋りだした。
3143 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:19 ID:nHRbk+0w
「止めて! 止めてあげて、貴代子お姉ちゃん!」
「……? まさ……か……美沙……ちゃん……?」
一瞬、我が目と耳を疑った貴代子だが、目の前の女の子は、いつの間にか隣の家の娘ではなく、
貴代子が何日間か、楽しく遊んだあの心優しい女の子、美沙の姿になっていた。
美沙は寂しそうに微笑み、人差し指をピシリと突きつけながら、貴代子に言った。
貴代子は美沙の姿を見た瞬間、髪の毛は重力に従って垂れ落ち、
目の怪しい輝きも消え、元の姿に戻っていた。
「やっと……やっと聞こえた……。ダメだよ貴代子お姉ちゃん、命は大事にしないと……」
「だ、だがコイツらは、美沙ちゃんをそんな目に遭わせた張本人だろ!? そんな連中に……」
混乱しながらも、貴代子は美沙の両肩をしっかりと掴んで答える。
だが、美沙の次の言葉を受けて、貴代子は全身に鳥肌が走るような衝撃を受ける。
「ううん、違うよ。私を殺したのは、この人たちじゃないよ」
「え!? ど…どういうことだい!? こいつらは、前にもこんなことをしたって………」
美沙が目の前に現れたときよりも、明らかに動揺した声で、貴代子は美沙に問い掛けていた。
「……えっと………。あの日、貴代子お姉ちゃんと別れて、家に帰ろうとしたとこまでは、
はっきりと覚えているんだけど、その後は気がついたら、クーちゃんもいなくて……ここで……
…この人たちに……は…裸で………エ…エッチなこと……され……」
「わ、分かった。それ以上は言わなくていい。言わなくていいから……」
視線を落とし、口ごもる美沙を優しく抱きしめ、首を振る。
今の状況を考えれば、どんな目に遭わされたのか、大体の想像はついたからだ。
3153 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:20 ID:nHRbk+0w
「でも……でもね。この人たちはそれだけだったんだよ? 私を殺したのは…別の……女の人……」
「女!? い…いったい……誰………?」
「し、知らない…見たことない人だったし……お願い、この人たちを殺さないで……」
「…………わ……分かったよ……」
美沙は弱々しく首を振りながら、それでもきっぱりとした口調で貴代子に話しかけた。
軽く頷いた貴代子は美沙から離れ、二人に向き直ると、再び右手を目まぐるしく動かし始める。
すると、二人にまとわりついていた炎が、ぱっと姿を消した。
まるで最初から、存在などしていなかったかのように、忽然と。
「ありがとう……貴代子お姉ちゃん………。私……そろそろ…行かなくちゃ………」
「美沙ちゃん………」
美沙の声に、貴代子は振り返った。と、美沙の姿が薄っすらと光に包まれ、ぼやけかけている。
「私、あれからずっと、貴代子お姉ちゃんのそばにいて、呼び続けていたんだよ。
でも、貴代子お姉ちゃん、私のことにずっと気づかないでいて………」
「あ……いや…それは………ご…ごめん……」
寂しそうにつぶやく美沙を、貴代子は優しく抱きしめ、詫びの言葉を述べた。
その目には、大粒の涙が次々とあふれている。
「貴代子お姉ちゃん、ずっと私のこと、気にしててくれたみたいだね。……嬉しかった」
「……み…美沙……ちゃん……。…………こ、これ…やるよ……」
いつの間にか、美沙の声も涙まじりになっていた。
貴代子は自分の耳につけていたピアスを片方外し、美沙に手渡す。
3163 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:20 ID:nHRbk+0w
「な……何…これ……?」
「なあに。お守りみたいなもの、さ」
手の上で光輝くピアスを見て、美沙は目を丸くさせた。貴代子は涙を拭いながら、涙声で答える。
そう……ワタシは、ワタシは立場上、美沙ちゃんに『この世に残れ』なんて言えるはずがない。
だから…だからせめて……無事に、あの世へ旅立てるようにするしか……。
「……あ…ありがとう、貴代子お姉ちゃん! 私……私………貴代子お姉ちゃんの…こ……」
ピアスを握り締めた美沙は、上目遣いで貴代子に極上の笑みを浮かべたまま、
ゆっくりと輪郭が崩れ、光り輝きだす。眩しさに、貴代子が瞬きした次の瞬間、
目の前の少女は美沙ではなく、千奈美の姿に戻っていた。
だがそれでも、涙が止まらなかった貴代子はしばらくの間、千奈美をしっかりと抱きしめ続けていた。

「……お前ら………美沙ちゃんに感謝するんだな」
「ぐ…う………」
「いいか、今回だけは見逃してやる。だが、今度同じことをした場合、次こそは命が無いと思え」
「う……あ……ああ……」
気を取り直した貴代子は、眠ったままの千奈美を背負い、未だ地面に転がっている男二人に言った。
地面に転がっている男たちは、全身を襲う痛みに耐え切れず、苦痛の声を漏らし続けている。
まさに、地獄の鬼もかくやという声で、貴代子は男たちにそう言い残し、立ち去った。
3173 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:21 ID:nHRbk+0w
「う……うう…ん……。あ、お…おにいちゃん!?」
「ぐ…ハ……ハヤ、ト……」
貴代子の姿が見えなくなってしばらくしてから、草むらに転がっていたハヤトが目を覚ました。
上半身を起こして、首を振るハヤトを見て、ハヤタは声を掛ける。
「ど…どうしたの二人とも? だ、大丈夫!?」
「み…見りゃ分かるだろ。これが大丈夫に見えるかあ?」
心配そうに駆け寄るハヤトに向かって、ハヤテは地面に転がったまま悪態を吐く。
「あ、う…うん! ……よいしょ……っと」
大慌てでハヤトは二人に手をかざした。するとどうしたことか、
見る見るうちに真っ青だった二人の顔色が、元に戻っていった。
「………ふーう。まったく……死ぬかと思ったぜ。何だったんだ、あの女?」
「さて、ね。とりあえず俺たちと同じ、人間じゃないってのはよく分かったが…………あ」
むっくりと起き上がり、軽く腕を回すハヤテと、いつもの口調で答えるハヤタ。
だが、ハヤタは何かに気がついたように、声を漏らす。
「? 何かあったかあ?」
「いや……あの女に、ハヤトの薬を渡してないやと思って」
「知るかい。あんな目に遭わせてくれたんだ。ほっときゃいいだろ……にしても……許せねえなあ」
ハヤタの言葉に、舌打ちしながらハヤテが答え、天を見つめながらつぶやいた。
「………もしかして、あの娘を殺した犯人かい?」
「まあ……な。こんな俺たちが言えた義理じゃねえが、どうにも腹の虫が収まらねえ」
「………探すかい?」
「ん。一泡吹かせてやらなきゃ、気がすまねえや。……ハヤト!」
「え? な、何!?」
二人の兄の会話をぼんやりと聞いていたハヤトは、突然振られて驚きながら返事をした。
「オマエなら、犯人の匂いを嗅ぎわけられるだろ? 行くぞ!」
「あ、ま…待ってよ!」
すっくと立ち上がり、山奥に向かってスタスタと歩き出したハヤテ。
何が何だか分からないハヤトは、慌てて兄のあとを追った――
3183 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:21 ID:nHRbk+0w
「ん……あ…あれ……?」
「あ…起きたかい?」
千奈美は、貴代子の背中で目を覚ました。気遣うように、そっと貴代子が声を掛ける。
「えっと……お隣の、お姉さん?」
自分を背負ってくれている、相手の正体に気がつき、千奈美はポツリとつぶやいた。
「ああ、貴代子でいいよ。隣同士なんだし、今さら他人行儀にすることもないし」
「……あ。わ…私、千奈美って言います……あの…一人で歩けるから……」
自己紹介を済ませた千奈美は、貴代子の背中から降りようと体を揺さぶる。
「そっか。千奈美ちゃん……か。いいよ、気にすることないさ。
それより……何でこんな時間に、家を飛び出したりしたんだい? 両親が心配しているぞ?」
「あ、あの二人なんて! 私のこと、心配なんかしてないもん!」
だが貴代子は、千奈美を自分の背中からおろす代わりに、優しく語りかける。
その言葉に、千奈美は甲高い声で答えた。
「? 何でそんなこと分かるんだい?」
千奈美の慌てふためきぶりに、多少驚いた貴代子は首を巡らせ、
背中の千奈美をじっと見つめながら問いかけた。
「だって…だって、あの二人は………分からない、分からないよ………分からないよ……」
「おいおい、いったいどうしたって言うんだい?」
「あのね、あのね。……あの二人、私のことをさ………」
千奈美は多少、涙声になりながら、同居している二人に対する不満を、貴代子にぶつけた。
一応、亮太に言われてたとおり、自分や雪枝が人間ではないことは伏せたままで――
3193 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:22 ID:nHRbk+0w
「ふう……ん。時々叱りつけるから、ねえ……」
「そうでしょ!? 本当に大事に思っていたら、叱るなんてこと、するはずないじゃない!」
千奈美が話し終え、貴代子がポツリとひとこと。千奈美は興奮しているのか、未だ声を荒げている。
「………じゃあさ、ひとつ聞きたいんだけど、千奈美ちゃんは、怪我をしたら痛くならないかい?」
「それは……痛いよ。…………で、でもそれと何の…」
貴代子の言葉に、千奈美が一瞬だけ沈黙する。
――いつか怪我をしたときに、雪枝が血相を変えて、優しく手当てをしてくれたことを、思い出したからだ。
そういえば……雪枝さんのあんな心配そうな表情、初めて見たっけ……。
首をブンブン振りながら、感傷を振り払い、貴代子に話しかけようとする。
「うん、痛いよね。でも、怪我をしたら痛いってことは、大事なことなんだよ」
「怪我が痛いのが……大事?」
千奈美は目を丸くして、貴代子の言葉を繰り返した。……言葉の意味を、分かりかねて。
「そうさ。もし怪我をしても、まったく痛みが無かったら、気づくのが遅くなってしまうかもしれないし、
放っておいて、傷口からバイ菌が入り込んでしまうかもしれないだろ? そんなことにならない為に、
体を大事にするために、『怪我をしてるから治してね』って意味で、怪我をした場所は痛くなるんだ」
「……………」
「親が子を叱るのも、同じようなことなのさ」
「……そう…なの?」
「そうだよ。誰だって、相手が可愛ければ叱ったり、痛い目に遭わせたくはないさ。
でも親は、子どもが悪いことをしてしまったら、そこをぐっと堪えて叱らなければならないんだ」
「じゃあ…じゃあさ……おにいちゃんたちは、私のこと、大事に思ってくれてるのかな?」
千奈美が期待に満ちた明るい声で、貴代子に向かって話しかけた。
3203 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:23 ID:nHRbk+0w
「うん……そうだろうね。でも、覚えておくんだよ? 親が子どもを叱る時、痛い思いをするのは
子どもだけれども、親も心の中では、それ以上に痛い思いをしているんだ、ってことをね」
「………心の、中で……?」
「ああ。『顔で怒って心で泣いて』ってヤツさ。……千奈美ちゃん、不動明王様って知ってるかな?」
「………知ってる……いつも怒ってる、凄い怖い顔した神様……」
思わず身震いしながら千奈美は答える。大昔出会ったあの姿は、忘れようとしても忘れられなかった。
「そうそう、その怖い顔。あの人……っと、神様はね、確かにいつも厳しい顔をしてるけど、
本当は凄く優しい神様で、相手を叱る時は、いつも心の中で泣きながら叱っているんだよ」
どこか懐かしい相手を思い出すように、貴代子は天を見上げて答えた。
――もっともワタシだって、それに気づいたのは、かなり経ってから、だがな……。
心の中で、そう呟きながら。
「……私…二人に謝ったほうが、いいのかな……?」
「ん……そうだね。仲直りしたいなら、それが一番手っ取り早いかも、な」
「うん………貴代子お姉さん……。どうも、ありがとう……」
貴代子からの返事は無かった。素直に礼を言う千奈美に、どこか照れくさくなっていたからだ。
しばらく何も言わないで歩き続けていたが、そのままでは不自然だと思った貴代子が、
何か答えようかと思って振り返ってみると、千奈美は貴代子の背中で、すうすうと寝息を立てていた。
3213 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:23 ID:nHRbk+0w
「あ! ち、千奈美!」
ワタシが背負っている千奈美ちゃんを見て、男が叫び声をあげ、駆け寄ってくる。
あの姿は確か……。
「す…すみませんでした。…千奈美……大丈夫だったかい?」
「んあ……う…うん……」
予想通り、男は向かいに住んでいる、千奈美ちゃんの父親だった。
……裕二が言ってたとおり、親子にしては年の差が少なすぎる気はするが、まあいいや。
父親はワタシに礼を述べながら、背中の千奈美ちゃんに声をかける。
千奈美ちゃんは、目をゴシゴシ擦りながら、寝ぼけたように返事をした。
「あ…ど、どうもありがとうございました……。
そ、それで……あ…あの……千奈美は…いったい、どこにいたんでしょうか?」
素直に答えて、無闇に心配させるのもどうかと思うが………ここは正直に答えたほうがいい、かな。
「えーっ……あー……あの山の中、ですよ。何となく、心当たりがあったんで」
「あ……そ…その…そう……だったんですか。重ね重ね、ありがとうございました。
さ、千奈美。早く降りないと」
やっぱり驚くよな。……そりゃそうだ。美沙ちゃんの事件があった現場だし、な。
「んん? いいですよ別に。どうせお隣なんですから」
「いや、そういう訳にも参りません。さ、千奈美……」
と、父親は背中の千奈美ちゃんを引き受けようと、ワタシの肩に触れた。その途端、
!? ………体が…熱い。それに、心臓の鼓動も早くなってきた。……な、何でだ?
「? ど、どうしたんですか? いったい?」
「い……いや…何だか…少し……」
千奈美ちゃんを抱えながら、父親が心配そうにつぶやく。
………欲しい。男が、欲しい。たまらなく……欲しくなってきた。……何故なんだ?
「大丈夫ですか? 脂汗が出てますが」
「え、ええ大丈夫です。……そ、それより…急用を思い出したので、先に帰らせていただきます。
そ、それではこれで!」
ワタシに触れようとする父親を振り切って、ワタシは全力で駆け出した。
これ以上触れられたら、本当に押し倒しそうになるくらい、理性が飛びかけていたのだ。
「あ、は、はい。お、お気をつけて」
背後から、父親が声を掛けてきたが、返事をする余裕など、今のワタシにはどこにも無かった。
3223 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:24 ID:nHRbk+0w
「く……はあ…はあ…」
家に着き、手つきももどかしく玄関のドアを開ける。
すでにアソコは疼き、まともに立ってられないくらいだった。ああ…欲しい………。
「あ、お帰り、貴代子。いったいどこ行って……う、うわあ!?」
中に入ると、テレビを見ている裕二がゆっくりと振り向いた。
その顔を目にした時、ワタシの理性は完全に吹き飛び、次の瞬間、ワタシは裕二を押し倒していた。
「ゆ……裕二………むぐ…ん…んふうっ……」
裕二の後頭部を押さえつけ、強引にくちびるを奪う。ああ……男…イイ……。
「はあ……はあ…ゆ…裕二……」
「ちょ…ちょっと貴代子!」
くちびるを離し、上半身を起こしたアタシは、裕二のズボンに手を掛けた。
裕二が叫びながら、手を押さえようとするが、強引に振りほどき、裕二の下半身を露わにさせる。
まだ、用意は出来ていなかったが、今のアタシには、そんなことは関係なかった。
「ふあ…はあ……ん…っ……んんっ……」
「くっ! う……っ…」
迷わず、裕二のアレを口に含む。裕二は全身をビクンと震わせ、息を詰まらせる。
ワタシは委細構わず、舌をアレに絡ませ、顔を上下に揺さぶり始めた。
「はぐ……ぐうっ…ん………はあ…はあ……」
「ぐ……き…貴代子……」
3233 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:24 ID:nHRbk+0w
さして時間も掛からずに、裕二のアレは硬度を増し、ワタシの中へ入る準備が整った。
もはや待ちきれないワタシは、身に着けていたショーツを引き千切り、露わになったアソコを
裕二のアレに擦りつけた。それだけでワタシの目の前に、チカチカと火花が飛び散る。
「裕二……は…あ! ああんっ!」
ワタシはアソコを指で押し広げ、裕二の位置を確認して、一気に腰を落とした。
その途端、体の奥から耐え難い快感がこみあげ、吐息となって口から漏れ出す。
「ああっ! 裕二! あっ! あっ! あう、ああっ! はあっ!」
さらに腰を上下に揺さぶり続ける。自然と目は涙でかすみ、口からはよだれと、
はしたない声が次々と溢れていたが、全然気にはならなかった。
「ふああっ! あっ! ああっ! ああんっ!!」
裕二の手を引っ掴み、強引にワタシの胸を揉ませた。裕二の指が、ワタシの胸を押し付けるたび、
とめどもない快感がワタシを襲い、腰の動きを激しくさせる。
腰を揺さぶるとともに、口からはしたない声が漏れ続ける。
ワタシがはしたない声をあげるたびに、裕二は胸を揉む手に力を込める。
「あっ! ああっ! あああーーっ!!」
こんな快感の循環を繰り返すうちに、ひと際大きな快感の波がワタシに押し寄せ、
叫び声とともに、ワタシの頭は真っ白になっていた。
3243 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:25 ID:nHRbk+0w
「ん……こ、ここは……」
「あ、大丈夫だったかい、貴代子?」
目を覚ますと、裕二の心配そうな顔が見える。ここ…は? 家……か。
「え…あ……ワ…ワタシ……」
「……おいおい、何があったか覚えてるかい?」
「あ……ああ。す、済まない……」
……ああそうか、思い出した。裕二を押し倒して、そのまま意識を失ったんだっけか。
「まあ、気にするなって。……正直、すっげえ気持ちよかったし」
「ば……馬鹿野郎っ!」
裕二の言葉に、思わず顔がかあっと熱くなり、思わず拳を振り上げる。
「あ〜冗談冗談。それより、シャワー浴びたほうが、いいんじゃないか?」
「そ、そうするっ」
苦笑いする裕二の言葉に、思わず自分の体を見返すと、ワタシの体は汗と泥にまみれている。
ワタシは裕二に捨て台詞を残しながら、風呂場へと向かった。

シャー

蛇口を捻ると、シャワーからぬるま湯が吹き出る。火照った体には、このくらいが丁度よかった。
でも……いったい何で、あんなことになってしまったんだ?
そう思いながら、今日一日の出来事を思い出していた。

隣の娘――千奈美ちゃんが、鼬を抱えて家を飛び出したと聞いて、思わずあとを追っ掛けた。
追っ掛けた先では、男たちが千奈美ちゃんを嬲っていた。
助けようとしたが、男たちは実は鎌鼬で、ワタシも切りつけられた。
途端に体が疼きだした……。あれはワタシ自身、ああされるのを望んでいた、のか?
いいや……まて、よ……確か……アイツら…あんなこと言ってたっけか……。
3253 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:25 ID:nHRbk+0w
『けけっ、ハヤタの薬の効果はてきめんだな』
『どんなに乱れても、一回ヤったら終わっちゃうのが欠点だけどね』

そう……か。連中の”薬”の仕業だったのか。……そう考えれば納得がいく……。
いや、もしかしたら……”薬”のせいにしたいだけで、あれがワタシの本性だったのだろうか……?

「そんな…そんなハズは……無い……」
今度は口に出して、壁を軽く叩きながらつぶやく。だがそれでも、葛藤は収まらない。
頬を伝う熱いものは、果たしてシャワーから出てきただけ、なのだろうか……?

「ふう……」
ため息をつきながら部屋に戻ると、裕二が不安げな視線でワタシを見つめている。
……さすがに……説明しなきゃいけないよな……。
「すまなかった、な……」
「いや、気にしなくていいよ。大丈夫だったかい?」
「あ、ああ……。最初から説明するとだな………」
ワタシは裕二に、今日起きた出来事をかいつまんで説明した。
3263 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:26 ID:nHRbk+0w
「ふうん。じゃあさっきのは、連中に変な薬を仕込まれたから、ってことか」
「……ああ、多分」
ワタシの説明を聞き終え、裕二はポツリとひとこと。ワタシは自信無さ気に答える。
「連中がそう言ってたんだろ? だったら大丈夫だろうさ」
歯切れ悪く答えるワタシを見て、裕二は大袈裟に肩をすくめながら言った。
「でもまあ、死んでしまったのは残念だけど、美沙ちゃんは成仏したようだし、
それだけは、安心してもいいんでないのかな?」
「ああ……」
ワタシの説明を聞き終え、裕二はポツリとひとこと。ワタシは窓から空を見上げながら答える。
そう、さ。あんなにいい娘なんだし、ワタシのピアスも持ってるし、大丈夫だろう。
「……にしてもなあ。これでお隣さんも、少しは喧嘩が減ってくれれば、いいんだけど」
「ううん……どうなんだろうかね」
ペタッとテーブルに突っ伏して、裕二が言った。
ワタシはつられて、同じようにテーブルに突っ伏しながら答える。
……そればっかりは、別の問題だからなあ……。と、

『あ〜〜〜〜っ!!』
「な、何だあ?」
どこか遠くで叫び声が聞こえたかと思うと、ドスンバタンという振動が、かすかだがしっかりと、
突っ伏しているテーブルに伝わってきた。やれやれ……また始まったのか……。
「……無駄な願いだったようだな」
「はははっ……どうやら、そうみたいだねえ……」
テーブルに突っ伏したまま、顔だけをワタシに向けて裕二が苦笑いしながら言う。
ワタシも同じように、苦笑いしながらそう答えていた――


おしまい。
327264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:29 ID:nHRbk+0w
>276または>318-320の続き。

「さ、千奈美。とりあえず、シャワー浴びたほうがいいぞ」
「う……うん………おにいちゃん……ごめんなさい………」
「いいよ……いいんだよ……千奈美……」
家に着いてから、僕は千奈美にシャワーを浴びるように勧めた。
千奈美は素直に頷き、バスルームへ向かおうとしたが、こちらを振り向いて、ぽつりとつぶやく。
僕は笑みを返しながら、千奈美の頭を優しく撫でた。
それで千奈美は安心したのか、にっこり微笑みながらドアを閉めた。

あれから結局、僕は千奈美を見つけることは出来なかった。
隣の家に住んでいるお姉さんが、千奈美を背負って連れてきてくれたのだ。
しかも、この前殺人事件が起きた、山の中にいたらしい。
二人とも、衣服がところどころ乱れていて、どんな目に遭わされていたのか、
大体想像はついていたが、あえてそれを聞くことは出来なかった。
彼女は、僕が千奈美を受け取った途端、息を荒くして先に家に戻ってしまった。
多分、急用を思い出したのだろう。そんな中、千奈美を探してくれていたんだ。
今度、何かお礼でもしなければな……。
328264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:30 ID:nHRbk+0w
「ねえ、おにいちゃん?」
「ん? なんだい、千奈美?」
ぼんやりとそんなことを考えていたら、いつの間にか風呂からあがって
バスタオル一枚でジュースを飲んでいる千奈美が、僕に話しかけてきた。
千奈美は、ストローを咥えたまま、次の言葉を続ける。
「おにいちゃん、私のこと、大事に思ってくれているの?」
「……! ……ど、どうしたのさ、急に?」
「教えて。大事に……思ってくれているの?」
「あ、ああ……」
唐突な問いに、思わず目を丸くして聞き返してしまう。……何だよ…何があったって言うんだよ……?
それでも、じっと僕を見つめる千奈美に、何だか照れくさくなった僕は、目を逸らしながら答えた。
「そっか………ね、おにいちゃん! わ…わたし……わたし……」
突然千奈美が、僕に飛びついてきた。不意を突かれた僕は、そのまま押し倒されてしまう。
「う、うわっ!? ど…どうしたの千奈美!?」
「大事に思ってくれてるんだから、いいでしょ! ねっ! ねっ!」
僕に馬乗りになった弾みで、千奈美が身に纏っていたバスタオルが、はだけてしまう。
千奈美の頬はすでに赤く染まり、目はとろんと潤んでいる。
まるで、その顔に吸い込まれるように、僕は千奈美を抱きしめ、そのままくちびるを奪っていた。
329264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:30 ID:nHRbk+0w
「ん……ん…んっ……んんっ…」
「んふ…ん……ん…っ……」
しばしの間、僕は千奈美と舌を絡め続けていた。自然と息が荒くなる。
「……千奈美………」
「お…おにいちゃん……」
くちびるを離し、お互いを呼び合う。
千奈美は、抱きしめる僕の腕を離れたかと思うと、その小さい手を僕の服に伸ばし始めた。
「だ……だめ…私が……私が脱がしてあげるの……」
服を脱ごうと手を掛けたとき、千奈美が首を軽く振りながら、僕の手を握り締め、そうつぶやいた。
「ん……しょ…っ……と」
中々脱がすことが出来なさそうだったので、ほんの少しだけ背中を浮かせる。
その隙間を確認して、千奈美は僕の服を脱がした。
「あ……ううっ……」
露わになった僕の胸を、千奈美が優しく撫でまわす。その心地よさに、思わず声が漏れてしまう。
「……っ……」
「ち…千奈美っ!」
さらに僕の胸の頂を、舌先でちょんちょんと突っついてきた。
くううっ……くすぐったいような、気持ちいいような……。
「……おにいちゃん………あ、ああんっ!」
再び上半身を起こし、僕のズボンのベルトに手を掛ける。
少しだけ悪戯心が芽生えた僕は、手を伸ばして千奈美の胸を軽く揉んでみた。
「お、おにいちゃ……あ…ああ…あんっ」
途端にベルトを外そうとする手が鈍り、喘ぎ声を出し始める千奈美。ううん………可愛い。
330264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:31 ID:nHRbk+0w
「ふあ……あ…ああっ……あっ! ああっ!」
両手を伸ばして、今度はそれぞれの胸の頂を軽く摘まんでみた。
たちまち千奈美は手を止め、上半身をブルブル震わせだす。……もう、我慢出来ないよ。
「あっ! ああっ! ふあんっ! ああんっ!」
上半身を起こして、千奈美の胸に舌を這わせた。コリコリとした舌触りが心地いい。
千奈美は僕のズボンを脱がすのも忘れ、涙まで流しながら喘ぎ続けていた。
「お……おにいちゃん……おにいちゃあん………んぐ…ぐ…っ……」
「くっ……ち…千奈美ぃ……ん…っ……」
快感に打ち震え、千奈美が身をよじらせるたびに、僕のズボンの膨らみが擦られる。
……ああ……気持ちイイ……。たまらず僕は、再び千奈美にくちづけを交わしていた。
「んふん……っ……お…おにいちゃん……」
僕にしがみついたまま、ひたすら体をよじらせ続ける千奈美。僕は自由になった手で、
ゆっくりとズボンとパンツを脱ぎ、下半身を露わにさせた。既にモノは臨戦態勢に入ってます、はい。
「千奈美……いくよ……」
「え? あ……う…うん……」
千奈美のお尻を抱え上げ、モノの先端を千奈美の割れ目にあてがう。
中腰の姿勢になった千奈美は、虚ろな笑みを浮かべ、コクリと頷いた。
すでに千奈美の割れ目は、僕のモノを受け入れようとヒクヒク震え、
溢れだした液体が、太ももをつつっと流れだしている。
331264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:32 ID:nHRbk+0w
「ふあ…あっ! ああんっ! あああっ!!」
「くふうっ……千奈美…っ……」
僕は、千奈美を支えていた手を少しだけ緩めた。
それだけで、ずぶずぶと音を立てて、モノがゆっくりと千奈美の中へと潜り込んでいく。
モノから伝わる快感に、思わず声が漏れだした。
「お、おにいちゃん! おにいちゃあんっ!!」
「くううっ……ち…千奈美っ……」
二人が繋がっている場所から、ずちゅぐちゅと、湿った音が響き渡る。
音につられるように、二人でお互いを呼び合いながら、ひたすら腰を動かし続けた。
「ち…千奈美……千奈美………んっ…んんっ……」
「……ん…っ……んっ…」
夢中になって千奈美を抱きしめ、くちびるを奪い、そのまま舌を潜り込ませる。
千奈美もまた、僕をしっかりと抱きしめ返し、舌を絡ませてきた。
「ふ…! ん! んふ! ん! ん!」
しばらく二人で抱き合いながら、お互いの舌を貪りあっていたが、少しずつ千奈美の息が荒くなる。
そんな千奈美の吐息に、まるで操られるかのように、僕は一心不乱に腰を動かし続けた。
……う……もう…イッちゃうかも………。
「はあ…はあ……ち…千奈美…千奈美……」
「お…おにいちゃん…おにいちゃあんっ!!」
それから、ほどなくして僕たち二人は、ほぼ同時に絶頂に達し、
気を失った千奈美は、そのまま僕にもたれかかってきた。
332264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:32 ID:nHRbk+0w
「千奈美………」
寝息を立てる千奈美の頬をそっと撫で、ポツリとつぶやく。
頭の中では、さっき千奈美が口走った言葉が駆け巡っている。

『大事に思ってくれてるの?』

……山で、いったい何があったのだろうか? もちろん、大事に思っているさ。
最初は、小うるさい居候だと思っていたけれど、今では………。あ、あれ?
そういえば……何か忘れてるような………。

「…………亮太さん……」
背後から、冷たい声が聞こえる。………こ、この声は……。
心臓が痛いくらいに拍動するのを覚えながら、そっと後ろを振り向くと……。
「……私がずっと、外を探し回っていたのに、二人で何をしていたのですか〜!」
「あ……雪枝……さん……」
そうだった……雪枝さんのこと、すっかり忘れてたよ。
「見つけたのなら、携帯に連絡くれればいいじゃないですかっ!」
怒ってる…怒ってるよ。まあ、あんなに心配していたのだから、当たり前だろうけれど……。
「それが……その……」
「もう! 亮太さんの携帯に掛けてもずっと出ないし、途方にくれていたのですよ!」
え? 慌てて携帯を取り出す。……う、不在着信が雪枝さんの番号で埋まっている。
マナーモードにしていたから、全然気がつかなかった……。
333264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:33 ID:nHRbk+0w
「………亮太さん」
「え、ええっ?」
雪枝さんの迫力に、思わず声が裏返る。……正直言って怖いです、はい。
「まさかとは思いますが……千奈美ちゃんと二人っきりになりたくて、
こんな手の込んだ芝居をした、と言うわけじゃないですよね?」
「そ、そんなまさか! そんなはず、ないでしょう?」
「本当ですか? ……私のこと、大事に思ってくれてますか?」
「え? う、うん、もちろんだよ! ……むぐ……っ……」
何だか、さっき千奈美から、同じようなことを聞かれたのを思い出し、反射的にそう答えてしまう。
と、雪枝さんはいきなり、その豊かな胸に僕の顔を押しつけてきた。むぐ……く、苦しい……。
「それじゃ……早速、証明していただきましょうか?」
窒息する前に、雪枝さんは自らの胸から僕の顔を解放し、上着をはだけながら優しく微笑んだ。
……こ、これは………。
「…それとも……やっぱり、私のことはどうでもよかった、ですか? ……あ、ああんっ」
寂しそうに微笑む、雪枝さんの流し目に魅かれ、僕はそのまま雪枝さんの胸に吸いついていた。
「ゆ……雪枝さん…雪枝さんっ……」
息を荒くさせ、雪枝さんを押し倒し、着ている服を強引に脱がせにかかった。
「亮太さん……あ、ああっ……」
雪枝さんの白い肌は、すでにほんのり赤く染まっている。
そっと胸に手を触れると、雪枝さんは身震いしながら声をあげた。……もう、耐えられない……。
「ふあ! あ! ああっ!」
僕が夢中で、雪枝さんの胸を揉み続けると、雪枝さんは面白いように悶え続けた。
雪枝さんの胸は手に余るくらい大きくて柔らかく、それでいて弾力があり、
揉んでも揉んでも飽きることが無かった。……ああ……本当、最高………それに……。
334264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:33 ID:nHRbk+0w
「あっ! ああ! ああんっ!!」
軽く胸の頂に舌を這わせると、雪枝さんは今までにもまして、大きな声で悶え始めた。
それに、こんなに敏感に反応してくれるんだから……。
「うっ! ……ゆ…雪枝さ…んっ!」
不意に、モノから刺激がこみあげ、腰が引けてしまう。雪枝さんが、僕のモノを優しく握り締めたからだ。
……当然のことながら僕のモノは、雪枝さんの艶姿を前にして、とっくに戦闘状態に入ってます、ええ。
「早く…早く、亮太さんのお情けを……」
雪枝さんは、僕のモノを優しくしごきながら、ゆっくりと両足を開く。
すでに雪枝さんの割れ目は、しっとりと濡れそぼって、僕を迎え入れる体勢が整っていた。
でも……くうっ……これじゃもたない……かも。
「ゆ………雪枝さん…っ……」
僕は歯をカチカチ鳴らしながら、そっと割れ目へとモノを突きたてた。
「ああんっ……亮太さあんっ…は、早くうっ……」
「はああっ……ゆ…雪枝さん…っ…」
その言葉に導かれるように、僕は一気にモノを雪枝さんの中へと潜り込ませた。
腰が抜けるような快感に、僕は吐息とも声ともつかない悲鳴を漏らす。
「亮太さん……亮太さん…っ……」
「……雪枝さん…雪枝さんっ………」
雪枝さんが僕の名を呼びながら、両手をこちらに向ける。
僕も雪枝さんの名を呼び返し、しっかりと雪枝さんの両手を握り締める。
そんな中でも、僕は雪枝さんへ、ひたすら腰を打ちつけていた。
「あ…ああんっ……亮太さん……あ、ああんっ…亮太さんっ……っ……!」
「う…あっ……ああっ…雪枝さん……雪枝さんっ……」
が、一回果てたにも関わらず、僕は早くも限界が近づいていた。……我ながら情けない……。
「雪枝さんっ! も……もう、もう………う…ああっ!!」
僕は叫び声とともに、雪枝さんの中で果てていた。
335264 ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:34 ID:nHRbk+0w
「はあ…はあ……雪枝さん……っ…」
「………亮太さん……ん…んっ……」
肩で息をする僕を抱きしめ、雪枝さんは僕に抱きつきながら、そっとくちびるを重ねてきた。
僕も優しく雪枝さんを抱きしめ返す。……ああ…幸せ……。

「あ〜〜〜〜っ!!」
な、何だ!?
突然響き渡る声に、僕と雪枝さんは思わず飛び上がって、声のした方向を振り返り、
「ち、千奈美?」
「千奈美ちゃん?」
僕と雪枝さんは、やはり思わず叫んでいた。
そこには頬っぺたをぷくりと膨らませ、腕組みして立ちつくす、千奈美の姿があったからだ。
「も〜うっ! 私が眠ってる間に二人して〜!」
「まあ、千奈美ちゃん。私がいない間に、同じコトをしていたんじゃなくて?」
食って掛かる千奈美に、しれっとした顔で雪枝さんが答える。
……表情は冷静そのものに見えるけど、ちょっとこめかみがピクピクしてるのが恐ろしい。
「だってっ! おにいちゃん、私を大事にしてくれるって、言ってくれたんだもんっ!!」
「まあ。私にも同じことを、おっしゃってくれましたよね、亮太さん?」
「え? あ…うん……」
いきなり話を振られ、僕はしどろもどろに答えた。……た、確かにそうだけれどさ……。
何だか身の危険を感じ、僕はそうっと後ずさろうとして……
「むう〜? おにいちゃん、何で後ずさってるの〜?」
あっさりと千奈美に見破られた。これは……まずい、かも……。
「そう……ですね。どうやら亮太さんは、私も千奈美ちゃんも、
同じように大事に思ってくれているようですから、今度は二人一緒に……」
「そっか! そうすればいいんだ! ね、おにいちゃん!?」
「ぐ…ぐえっ!?」
雪枝さんが微笑みを浮かべ、流し目を送ってくる。……いや、確かにそのとおりなんだけれどさ。
などと思うまもなく、千奈美は雪枝さんの言葉に、満面の笑みを浮かべ、僕の首にしがみついてきた。

…………課長、明日会社休んでも、いいでしょうか?
336つぶやき ◆MABOUp7up. :04/07/25 18:40 ID:nHRbk+0w
>335でこちらの話もひとまず終わりです。

……絹代と佳乃の話は……正直言って、
進んでんだか進んでないんだか、よく分からない状態です。

あまり期待しないで、気長にお待ちくらさい。
337名無しさん@ピンキー:04/07/25 23:09 ID:ZysA04+2
お疲れ様です。

せっかく助かったのに、殺人犯なんか追いかけちゃった鎌いたちブラザーズのその後が微妙に気になりますね。
338名無しさん@ピンキー:04/07/26 21:09 ID:DtjGyIj1
山海経かなんかに出てくる燭龍の擬人化で日中は元気な運動が好きな女の子ショク(仮名)
日が沈むとおとなしくて読書好きな女の子イン(仮名)に変化するってキャラを思いついたんだけど…
需要ある?あるなら週末に投下しようと思ってんだけど。

ほかにも、泳ぎが得意で小さいけど大食いな幼女レヴィアとか
嫉妬深くて火を噴く女の子キヨとかネタはいろいろと…
339名無しさん@ピンキー:04/07/26 21:27 ID:05OfkVQh
オッケーщ(゚Д゚щ)カモォォォン
340340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:44 ID:VIHCtOTh
今回の話は、一部アレな表現が混じっております。
そこはトリップとIDと名前欄を変更させますので、ご了承くださいませ。


「あ、御主人サマ、お帰りなさい!」
「ん、ただい……んっ…ん……」
会社から帰ると、例によってアイリスが満面の笑みを浮かべ、
駆け寄ってきたかと思うと、僕の首にしがみつき、優しくくちびるを重ねてくる。
僕もまた、手にしていた鞄を床に落としながらも、アイリスを優しく抱きしめ返した。
「……んっ。ね、御主人サマ、今日はお風呂にする? お夕食にする? それとも…ワ・タ・シ?」
「え……あ、ご、ご飯にしようか……な?」
くちびるを離した途端、アイリスはいきなり、とんでもないことを口走る。
思わず吹き出しそうになりながらも、僕はどうにか答えた。
………ど、どこでそんな言葉、覚えたというんだ、いったい。
「そ〜お。今日はね、お魚が安かったから、フライにしたよ♪」
床に落ちていた僕の鞄を手に取り、スキップしながら部屋へと戻るアイリス。
あ〜あ。尻尾がピコピコ揺れてるし、余程機嫌がいいみたい。
「どしたの、そんなところで固まっちゃって? 何かあった?」
「い、いや何でもない…何でもないよ……」
アイリスはぱっと振り返り、呆気に取られる僕を、怪訝そうな顔でじっとこちらを見つめる。
僕は首を振りながら、苦笑いを浮かべ、アイリスのあとを追っかけた。
341340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:46 ID:VIHCtOTh
「ん。いつ何を食べても、アイリスの料理は美味しいね」
「ふふっ、ありがと。……ところでさ、最近帰りが遅いけれど……明日は、早く帰ってこれる?」
魚のフライを頬張りながら、感想をポツリと漏らす。アイリスは嬉しそうに微笑みながら、
そう答えたかと思うと、期待に満ちた目で僕に話しかけてきた。何だよ、突然。
「うーんどうだろ? 仕事次第だけど………ね」
「そっか……出来るだけ、早く帰ってきてね」
頭の中で、仕事のスケジュールを思い出し、曖昧に答える。するとアイリスは、
寂しそうに眉をひそめ、声のトーンを落としてしまった。うう……ちょっと気まずい雰囲気……。

「ふう……アイリス…怒らせちゃったかな……明日…早く帰れるかなあ……」
風呂場で頭を洗いながら、思わず独り言をつぶやく。
そういえば……いつも文句ひとつ言わずに、僕の帰りを待っていてくれたんだもの、ね。
たまには、言うことのひとつくらい、聞いてあげないと、バチが当たっちゃうよねえ。
スケジュール、見直してみるかな……などと考えていると、背後の扉がカラカラ開く音が聞こえ……、
「さって御主人サマ、背中流しに来たよ〜」
「へ? ア、アイリス!?」
例によって、アイリスの明るい声が聞こえる。……この声は……いつもどおりだ。機嫌、直ったの?
「毎日のことなのに、なあに今さら照れてるの? さ、体をラクにしてっ」
ふわわ……。背中越しに伝わる、柔らかい胸の感触があああ……。
342340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:46 ID:VIHCtOTh
「あらら? ラクにしてって言ったのに、こんなに硬くなっちゃって、どうしちゃったのかなあ?」
「はあう……ア…アイリスう………」
反射的に膨らんでしまった、僕のモノを目ざとく見つけ、優しく握り締めてきた。
あ……そんなに擦られると………。
「ふふっ……どんどん大きくなっていくよ? ……あれあれ? ピクピク震えてきた?
ね、どうしちゃったのかな、御主人サマ? 私に教えて欲しいなあ?」
耳を軽く噛みながら、アイリスはゆっくりとささやいた。……あう…も…ダメかも……。
「ちょ……ア……アイリス……」
「ええっ? 何? 聞こえないよお?」
モノをしごくピッチをあげながら、アイリスは再び僕にささやきかけてきた。もうダメだってっ!
「ふああっ! アイリスっ!」
僕はたちまち、腰を仰け反らせながら、モノから大量の精を噴き出させていた。

「小さい御主人サマ、相変わらず元気だね。……うふふっ」
「ア……アイリスが上手すぎるから、だよ……」
湯船に一緒に浸かりながら、アイリスが嬉しそうに微笑んだ。反射的に、感想が口をついて出てくる。
「まあっ……うっれしい。……でも御主人サマ、自分がエッチなの棚に上げて、そんなこと言うかなあ?」
「うああっ……ア…アイリス………」
再び背後から抱きつき、さらに僕のすぼまりへと、尻尾を潜り込ませるアイリス。
痺れるような快感とともに、声が漏れだす。……何だかすっかり、調教されているみたい……。
343340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:47 ID:VIHCtOTh
「ほうら。こんな簡単に、はしたない声あげちゃって。……まったく、イヤらしい御主人サマ♪」
「そんな……そんなこと言ったって……」
「え? じゃ、今すぐ止めろって言うの? それはそれで構わないけれど〜?」
思わず顔がかあっと熱くなり、反論しようとした途端、アイリスはぱっと体を引き、尻尾も引き抜いた。
「ああうっ! ……や…止めないで……つ…続けて……」
「んん〜? よく聞こえなかったな〜? 御主人サマ、今何て言ったのかなあ?」
「つ……続けて、続けてください……お、お願いします……」
欲望には勝てず、僕はアイリスに懇願した。が、アイリスは容赦なく、再び聞き返してくる。
僕のすぼまりのあたりを、尻尾でちょんちょんとつつき回しながら。
その微妙な刺激に抗えず、僕は体を震わせながら、途切れ途切れな声で、どうにか答えていた。
「あらら。じゃ、質問に答えてね……私と御主人サマ、どっちがイヤらしいのかなあ?」
「ああっ! ぼ……僕がイヤらしいです! 僕のほうがイヤらしいですっ!」
それでもアイリスは、尻尾を僕のすぼまりと、袋の間を行ったりきたりさせながら、質問してきた。
僕は涙を流しながら、そう叫んでいた。
「ね? 私が言ったとおりでしょ? ホント、イヤらしい御主人サマっ♪」
「はああっ! あっ! ああっ!!」
アイリスは、僕の答えにやっと満足したように、うんうんと頷きながら、尻尾をすぼまりに潜り込ませ、
右手でモノを激しくしごきだし、左手で袋をくにゅくにゅと優しく揉みあげる。
焦らされたことで、感度が異常に高まっていた僕は、アイリスが何回かモノをしごきあげただけで、
あっさりと今日2回目の精を、湯船の中に噴き出していた。ああ……気持ちイイけど、体力が……。
344340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:48 ID:VIHCtOTh
「さ、御主人サマ。……スッキリしたところで、夕食にしようか?」
フラフラする体をどうにか支えながら、風呂から上がろうとする僕に、アイリスがひとこと。
………………え?
「どうしたの? 今日はスーパーで特売していた、お魚のフライだよ」
僕がぽかんと口を開けているのを見て、アイリスが小首を傾げながらつぶやく。
い……いや、風呂入る前に食べたじゃない。
「もう、御主人サマ? お魚キライなの? 好き嫌いしてたら、健康に良くないよ?」
眉をしかめながら、まるで母親が子どもを諭すように、優しく僕の鼻を突っついてくる。
そ、そうじゃなくて……ほ、本当に覚えてないの?
「御主人サマ、今日は本当におかしいよ? ………うん、熱は無いみたいだけど……大丈夫?」
「えっと……そ、そうじゃなくて。………夕食は、風呂に入る前に食べたじゃない?」
心配そうな顔で、おでこを軽くコツンとぶつけてくる。そんなアイリスに、僕は思い切って話しかけた。
「…………………え?」
「…え? って……本当に、覚えてないの?」
今度は、アイリスがぽかんと口を開け、立ちすくむ。……ど、どういうこと?
「え…あ………ああ……あ……」
「アイリス!」
アイリスは天を仰ぎ、震える声でつぶやきだした。僕はアイリスの肩をしっかりと抱きしめ、叫んでいた。

「そ……それが、その………。正直に言うと、これが初めてじゃないんだ」
「え?」
しばらくの間、アイリスはうなだれたまま、口をもごもごさせていたが、やがてゆっくりと顔をあげ、
僕の目をじっと見つめながら言った。予想だにしない言葉を耳にして、思わず聞き返してしまう。
「………今みたいに、ちょっと前のことを忘れてしまったりとか、
気がつくと、全然覚えの無い場所にいたりとか……」
「そ、それって、いったいいつからなの!?」
「……性格には分からないけれど、自分ではっきりおかしいな、と思い始めたのは、
今から大体、ひと月くらい前から………」
ひと月前から………。でも、何かきっかけとか、あったっけ……?
345340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:48 ID:VIHCtOTh
「……御主人サマ………私……怖い……」
「………え?」
そんなことを考えていると、アイリスは体を震わせながら、ぽつりとつぶやいた。
「このまま…このまま、どんどん色々なことを忘れちゃって、そのうち御主人サマのことまで、
忘れてしまうんじゃないかって………不安なの………」
「アイリス………」
弱々しく首を振りながら、アイリスは言葉を続ける。僕はしっかりとアイリスを抱きしめた。
「私……私、御主人サマと離れたく、ないよ……」
「ああ。僕もだよ、アイリス……」
僕の背中に手を回し、声を震わせながらつぶやくアイリス。そのまま僕の胸に顔をうずめ、
クスンクスンと鼻を鳴らしだす。思わず、アイリスを抱きしめる腕に、力がこもった。

「……ねえ、御主人サマ?」
「何?」
どれだけそうしていたか、アイリスはぱっと顔をあげ、僕をじっと見つめながら、話しかけてきた。
アイリスの綺麗な顔は、涙でくしゃくしゃになってしまっている。だが、その美しさは衰えるどころか、
むしろ僕が今まで見たことがないくらいの、妖しい美しさを際立たせていた。
こんな時にも関わらず、僕はアイリスの美貌に心を奪われ、そんな自分を心の中でなじっていた。
…………アイリスはこんなに悩んでいるのに、何でこんなことを思いつくんだ? 僕は。
「………明日は…明日は、早く帰ってきてくれる?」
「……あ、ああ分かった。明日は何があっても、早く帰ってくるよ」
さっき、『夕食を食べている時に』聞いてきたことを、アイリスはもう一度尋ねてきた。
……多分、夕食の記憶が無いのだから、質問したこと自体も、忘れているんだろうけれど。
そう思った僕は、さっきとは違う返事をした。……少しでも、少しでもそばにいたい。そう思って。
仕事に関しては……まあ、なんとかなるだろ。
「ありがとう、御主人サマ………ん…んっ……」
僕の返事を聞いて、アイリスは眩しいくらいの微笑みを浮かべ、そっとくちびるを重ねてきた――
346340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:49 ID:VIHCtOTh
「あ、アイリスさん?」
バイトの帰り道、目の前をフラフラ歩く女性を見て、思わず声を掛ける。
そこには時々通っている、料理教室の先生である、アイリスさんがいた。
料理教室に通っていると言っても、まともに料理を覚えようと言う気は、半分以上無い。
じゃあ何故、わざわざ通っているのかと言うと、アイリスさんに会うのが目的だったから、だ。
……実際美人だし、体型的にも申し分ないし。彼氏持ちってのが少し悔しいところだが、
まあそれはそれ。かえってそのほうが、楽しめることもあるし。

「…………?」
アイリスさんは、怪訝そうな顔で振り向いた。……ああ、こんな顔もイイなあ……。
「あ…オ、オレっす。アイリスさんの料理教室に通っている、橘ですよ」
「…………あ、ああ……?」
「ど、どうしたんですか? どこか、具合でも悪いのですか?」
オレの言葉を聞いていたのかいないのか、虚ろに返事をするアイリスさん。
心配になってきたオレは、思わずアイリスさんのおでこに手を当ててみた。
………ううん…熱は特に、無いようだけど……。
「………ん………少し………」
「そ、それはマズイです。オレの家、近くですので、少し休んでいってはどうですか?」
「…………そう、させて、もらおう…か……」
軽く首を振りながら答えるアイリスさんの肩を抱き、オレはアイリスさんを誘った。
……下心がまったくなかった、とは言えない。むしろチャンス到来とも言える。
そんなオレの下心を知ってか知らずか、アイリスさんはオレにもたれ掛かりながら、軽く頷いた。
ちょっと罪悪感が出てきたが、具合が悪そうにしているのは確かなので、
オレはアイリスさんを支えながら、家へと急いだ――
347340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:49 ID:VIHCtOTh
「あ、どうぞ。……ちょっと、散らかってますけれど………」
「………………」
「ア、アイリスさん!?」
玄関のカギを開け、アイリスさんを部屋に案内する。
……こんな形とはいえ、アイリスさんを部屋に招待するなんて……
もう少し、部屋の掃除をしておくべきだった……。
などとオレの考えを意に介するわけでもなく、アイリスさんは部屋に入るや否や、
ベッドに上半身を預けるように倒れ込み、そのままぐったりとしてしまった。
オレは大慌てで台所へ向かい、コップに水を汲んで戻ってきた。
コップを手渡そうと、アイリスさんに手を伸ばした途端――
「さ、とりあえず、お水です………わ…ちょ…ちょっと!? …ん……んふ…ん…っ……」
アイリスさんは、突然オレを押し倒し、そのままくちびるを奪ってきた。
心のどこかで期待していた展開とはいえ、不意を突かれたオレは、動揺を隠せなかった。
「ん…っ……んんっ…っ……」
オレをしっかりと抱きしめ、口中へ舌を潜り込ませてくるアイリスさん。
女性経験はそれなりにあるオレだったが、アイリスさんの積極性に、成すがままになっていた。
……ちくしょう。こんなんだったら、もっと早く声を掛けておくべきだった。
「ふあ……あっ……」
くちびるをそっと離し、アイリスさんはオレをじっと見つめる。
……虚ろだから、オレを見てたのかどうか、はっきりしなかったけれど、
それでもオレは、アイリスさんの視線に射すくめられたかのように、声ひとつ出せなかった。
「あっ……ア…アイリスさん……う…ううっ……」
ゆっくりとアイリスさんは、オレのシャツをはだけさせ、露わになった胸にそっとくちづけしてきた。
くすぐったいような心地よさに、思わずあえぎ声が漏れだす。……ああ…すげえ気持ちいい……。
「はあ……ア、アイリスさん………は…ああっ……」
オレがうっとりとした表情を浮かべている間に、アイリスさんはオレのズボンに手を掛けた。
反射的に、アイリスさんの手を掴もうとするが、上目遣いに見つめられた途端、手が止まってしまう。
「……っ……ア…アイリスさん…っ……」
オレの手が止まったのを確認したアイリスさんは、ひと息にズボンとトランクスをずりさげた。
すると、すでに完全に勃ちあがっていた、オレのブツが姿を現わす。
348340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:50 ID:VIHCtOTh
「………ん…っ……んんっ……」
「くああっ…あっ……」
右手で、オレのブツを優しく撫で上げながら、くちづけする場所を、胸からヘソへと少しずつ降ろしていく。
オレはあまりの心地よさに、ただひたすらあえぎ声を漏らし、快感に打ち震え続けていた。
「んふ……んっ……」
「うああっ!? ア…アイリスさん!?」
ヘソからくちびるを離したかと思うと、アイリスさんはおもむろに、オレのブツを優しく咥えだした。
手で撫でられていたときよりも、遥かに強い刺激がオレを襲い、思わず叫び声をあげてしまう。
そんなオレを、上目遣いにじっと見つめながら、アイリスさんは優しくオレのブツを、しゃぶり続けていた。

「は……ああ…イッちゃう……イッちゃうっ……」
下半身からこみあげる快感を覚え、腰を震わせながら、思わず吐息が漏れ出す。
すでに何も考えることが出来なかった。……もう…もう…イキたい……イカせて……。
まさか……まさか、ここまで上手かったなんて……。
「ん…んんっ……ん…んんっ……」
「ア、アイリスさん! アイリスさんっ!!」
オレのつぶやきを聞いた途端、アイリスさんはモノに絡ませる舌の動きを活発化させ、
顔を上下に激しく揺さぶる。その直後、オレのブツはアイリスさんの口中で爆ぜていた。
「あ……あ…アイリスさん……」
「ぐ…ん……っ…んぐっ……」
オレがあっさり果ててしまったにも関わらず、アイリスさんはブツから口を離そうとせず、
頭を上下に動かし続ける。オレは全身を痙攣させながら、襲い来る刺激に必死に堪えていた。

「んふ……んっ……」
「うく……あ…っ!」
しばらくして、ようやくアイリスさんがブツから口を離した。
と、思う間もなくアイリスさんは、そのままオレの上に馬乗りになった。
下半身から再び沸き起こる刺激に、オレはなすすべも無くあえぎ続けるしか無かった――
349340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:50 ID:VIHCtOTh
「ああ……ア…アイリスさん………」
ベッドの上で、男が横になりながら、女に声を掛ける。
アイリスと呼ばれた女は、ゆっくりと振り返り、妖しく微笑む。
その微笑みは、どこか感情のこもっていない、冷たいものだったが、
男にはその笑みがまるで、女神の祝福の笑みに見えていた。
「………フェン、……リル。もう、いいわよ」
アイリスは両手を高く掲げ、ゆっくりとつぶやいた。
するとどこから部屋に入ったのか、新たに女が二人現れていた。
「うわ…ちょ、ちょっと!?」
女たちは、ベッドで横になっている男へと音も無く近寄る。
「んぐ…っ……んん…っ……」
戸惑う男に構うことなく、片方の髪の長い女は、そっと男にくちびるを重ねた。
もう片方の髪の短い女は、男のモノをゆっくりと咥えこみ、袋を優しく撫で回す。
突然の二人の女の愛撫に、男は興奮して息を荒くさせていた。
よく見ると、女の頭から犬らしき大きな耳が生え、まん丸のお尻からはふさふさの尻尾が生えている。
だが、男はそんなことも気にせず、女たちがもたらす刺激に、ただ体を任せていた。
ブチッ!

突然、そんな激しい音がしたかと思うと、男がピクピク痙攣し始めた。
髪の長い女が、男の咽喉笛を切り裂き、髪の短い女は男の腹を食い破ったのだ。
男は必死に悲鳴をあげようとしたが、咽喉が裂かれているため、ヒューヒューとした音しか出なかった。
助けをもとめようと、手を伸ばそうとしても、女たちに圧し掛かられているため、それもままならない。
女たちは、食い破って開けた男の腹の穴に、指を潜り込ませ力を込める。
メキメキという音を立てて、穴が少しずつ広がっていく。血しぶきが噴水のように飛び散り頬を濡らすが、
女たちは気にするどころか、美味しそうにお互いの頬に舌を絡め、ペロペロと舐めあっていた。
その間にも、女たちの手の動きは止まらず、男の腹をえぐり続ける。
やがて男の腹から、細長い白い紐のようなモノがずるりとはみ出した。
途端に二人は目の色を変え、白い紐を奪い合いながら口に含む。
心底美味そうな表情を浮かべ、クチャクチャと音を立てながら、咀嚼し始める。
「まあ、二人とも。ちゃんと残さず、食べなきゃダメよ?」
そんな二人を見つめながら、アイリスは優しく言った。
まるで、親が子どもに向かって『好き嫌いしちゃダメですよ?』というような、自然な口調で。
返事も無くただひたすら、男をむさぼり続ける二人に背を向け、窓から空を見上げるアイリス。
351340 ◆MABOUp7up. :04/07/26 23:54 ID:VIHCtOTh
「さて……お遊びは、これまでね………」
空には、血の色のような満月が浮かびあがっていた。その満月をじっと見つめ、
小指の腹でくちびるを撫でながら、アイリスは妖しい笑みを浮かべていた――


……で、続きます。

>338
週末を楽しみにお待ちしております。
352名無しさん@ピンキー:04/07/27 00:51 ID:nHezJUFE
うわあ、、、、もしかしてアイリスが……だったりするんだろうか、、、、
353名無しさん@ピンキー:04/07/27 06:07 ID:OflzuRyy
354名無しさん@ピンキー:04/07/27 18:56 ID:5qr9dVB9
しかし、
クローンに人型ロボット、悪魔に魔神、
そしてドラゴン=サタンの化身、、、

ベアトリスの周りは敵だらけだぞw
これで神道か仏教系の異教の神を出せば完璧だねww
355名無しさん@ピンキー:04/07/27 20:14 ID:52ywJHBk
だって、まず神様そのものが「自分に従わない者は全て敵」を地でいくわけだし。
356名無しさん@ピンキー:04/07/27 20:36 ID:QNk+zF0+
ダディャーナザァーン!!

スミマセン _| ̄|○
357名無しさん@ピンキー:04/07/27 20:43 ID:YOZ91mdO
YHVHなんて、そらもう・・
358名無しさん@ピンキー:04/07/28 07:51 ID:cDCPL7I7
そういう意味では、つぁとぅぐあさん達クトゥルフ神話の神様達は平和的だ。
……人類に対する脅威度では最強最悪だろうけど。
359名無しさん@ピンキー:04/07/28 19:17 ID:plqk6StL
そこで萌え神聖四文字という、文字通り神をも恐れぬネタをkanpkimpakn
360名無しさん@ピンキー:04/07/28 21:16 ID:2cHz60vn
妬む神だから、ツンデレ系なのかな…
361名無しさん@ピンキー:04/07/30 20:00 ID:VdTS+oXY
しかし、例えば天使だ悪魔だ、或いは日本みたいな掃いて捨てる程神様のいる世界ならともかく
仮にも世界を作りたもうた唯一神様をどうやって主人公と出会わせるか
何かいいアイデア無い?
362名無しさん@ピンキー:04/07/30 20:29 ID:OPcFQvh+
1、主人公の頭にドーナツを載せる
下級の天使だったら会えないだろうけどね。
でも少なくとも近づけるかも。

2、成君みたいに「勇者」っぽく?
3、Dieの大冒険
でも、天国と地獄の門に行っても閻魔様か聖パウロさんにしか会えない。
363名無しさん@ピンキー:04/07/30 20:42 ID:OPcFQvh+
4、寧ろいっそ大悪人に
天界でも公開処刑になるくらいの罪を着て、脱走。
で、神様を拉致る。

・・・・・・ルパン三世でも無理そうだな。

5、終末の日に
大審判の日に、やはり逃げ出して神様を拉致る。

すまん。俺の貧相な脳じゃあこれぐらいしか思いつかないよ。
364名無しさん@ピンキー:04/07/30 21:03 ID:NJYdyKQc
義人には時々直接会いに来てくれる事もあるよ。
365名無しさん@ピンキー:04/07/30 21:38 ID:VdTS+oXY
>>362-363
来なけりゃ、こっちから行ってやる。ってのはいいですな
とりあえず主人公死亡。→審判の日のスケジュールにあわせる為に煉獄の先行テストに選ばれる〜、とか

>>364
ふむり、家のどっかにあるはずのポケット聖書でも読み直してみますかね
366名無しさん@ピンキー:04/07/30 23:35 ID:8sBX5PI1
エノク書によるとエノクは確か、天使二人に連れられて神の居住している第七天まで行っているね。
367名無しさん@ピンキー:04/07/31 00:00 ID:v1/RoidI
鬼畜王ランスでは、創造神のクジラ野郎を騙し込んでいたっけか。
……どちらかというと、>363氏の4に近いか(w

というか逆に、創造神の設定から考えてみるのもひとつの手かも。
368名無しさん@ピンキー:04/07/31 03:34 ID:zzVSek1c
6.楽園目指して頑張ったけど全ては神様のゲーム。
 チェンソーならぬチンソーでお仕置き
「なんで一度やって、あまつさえ答え合わせまでした問題が解けやあせんのかねっ!?」
放課後の図書室、成の情け容赦ない怒号が響く。
「そんな事、言われても…なあ?」
大体、成の説明はあっちこっち飛ばしていきなり答えが出るから解り難いんだという気持ちを込めて、
せっせと横で俺にために練習問題を作成してくれている正樹に同意と助けを求める。
…が、正樹は正確に現実を突き付けてくる。
「そうやって逃げるのも良いけど、
 銀次君は来週の追試クリアしないと補習授業が待ち受けているんだよ……もう今日、入れたって3日なんだよ」

……そうなのだ。
先の期末試験で惨敗した俺は事もあろうに物理と数学、おまけに現国で赤点を取ってしまい……

追試っ!!

なのだ。
これに合格しないと、実質高校最後の夏休みとなる2年の夏に俺は、

恐怖っ!!補習ツアー30日間の旅プレゼントキャンペーンに当選してしまうのだっ!!
「思えば…高校受験の時、お前に勉強教えてくれって言われて初めて勉強で苦労したんだよなあ……
 それから、試験の度に毎回毎回、よく頑張ったよ…オレ」
成がしみじみと呟き、
「もう、諦めろ。
 留年でもして一年やれば、きっとなんとかなるぜ」
とんでもねえ、一言で締める。
更に正樹まで……
「銀次君、学年違っても友達だからね」
…彼ラハ本当二俺ノ親友ナノデショウカ?

「さて…冗談はそれ位にして、
 いい加減、図書室閉まる時間だけどどうしよう?」
本当に冗談だったのか?
けっこう感情こもってた気がするが…?
「仕方ねえな…
 明日は土曜だし今日は深夜まで銀次んチで特訓だな。
 正樹が張ったヤマだけでも一通り説明しねえと…」
おお!
やっぱり見捨てないでくれるのか!
君達の友情を疑って済まないっ!!

……いや…待てよ。
「俺の家?」
聞き逃しそうになったが途中、ヤヴァイ単語が混じっている事に俺は気づく。

…そういえば俺、我が家にジルが居ること二人に言ってねえ……
「ちょっと同居人に話してくるから待っててくれ」
「あれ?正樹君って同居している人なんて居たの?」
あまり突っ込まれたくない俺はその正樹の質問にあいまい

「ああ、最近ちょっとした縁でね」
答え、

二人を玄関前に待たせると、玄関を開け不自然だと感じな
がらもそれを素早く締め鍵をかける。
ジルとの交渉次第では最悪、このまま二人には悪いが帰っ
てもらう事になるからな……
となると、正樹の予想問題は自力で解いて勉強するしかな
い。

……無理だ。
追試より教科数が多かったとはいえ、
ヤマを張った予想問題は期末前にもらったし、それが出来
るなら追試になんてなるわけがない。

背に腹は変えられん。
最悪の事態だけは避けれるなら妥協すべき所は妥協する覚
悟で俺は、リビングでごろごろして菓子を頬張り、バラエ
ティー番組を見ているジルに状況を手早く説明し服を着る
ように説得すると、
予想外にもジルはあっさり、
「良いよ」
と二つ返事で返してくる。
俺はジルの着替えが終わるのを待って、
玄関を開けると二人を招き入れる。
「遅かったな」
人の気も知らずに成が文句を言いやがる。
「こっちにも色々あるんだよ」
ジルのことは魔神という所を抜かして説明すると、
絶対に面倒なことになるしボロも出そうなので色々だけで、これまでの苦労を言い表す。

「へ〜良いじゃん。
 銀ちゃんの友達ってからてっきり角刈りとかアイパーとかが来るのを期待してたのに。
 これはお姉さん一本取られたなあ」
大人しくしててくれるわけもないジルは、さっそく俺の後ろから顔を出して二人をのぞき込む。
しかも、わざとらしいし……

あんたは俺の心が覗けるんだから二人の容姿は知ってんだろ。
ジル曰く、人間の心は外的刺激(音とか視覚など)や浮かんでは消える雑多な思考などノイズの塊だから集中してくれないと、
希望通りの情報はなかなか読めないらしいが……
いくらなんでも、こいつらの容姿くらい知っているだろう。
「ど…同居って女の人だったんだ……」
ジルを見た正樹が意外そうに呟く。
そりゃそうだろうよ……
と俺が思い、どう言い訳するかと思っている矢先に、
その正樹の言葉にすかさずジルが
「アタシは銀ちゃんの恋人様のジル・バース、宜しく」
と答える。

ん?
何か変だ?
ジル…名字なんて持ってたのか?
初めて聞いたぞ……
……というか、それってあの人から取ったのか……?
ってことは、こいつが読○○人軍のファンだったらクロマティとでも名乗ったんだろうか?

「って違う!!
 そこじゃねえっ!!」
俺はその場の他の誰にも分からない自分のボケにツッコミを入れ、
「恋人ってなんだ!!
 恋人ってっ!!」
しかも様付……
「照れんな、照れんな」
抗議する俺の背中をジルは笑ってバシバシ叩きながら勝手に既成事実しようとしてやがる。
結局、俺は二人の誤解を解けないまま(…というか、多分二人とも事実よりネタを楽しんでいる)仕方なく勉強を始める。

せめてもの救いは、勉強中はジルが大人しかった事だ。
さすがに俺の心を読めるだけあって、俺の切迫した状況を解ってくれているんだろう。

……と思った俺が甘かった……

「朝日が眩しいぜ……」
徹夜で俺を絞った成がマンションから出るとふらふらと帰って行き、それに続き、正樹が
「良い、追試なんて前のテストのおさらいなんだから、
 今晩やった所を覚えるだけで楽勝なんだから頑張ってよ…」
と最後まで俺の心配をしながら帰って行く。

二人をマンションの外で見送った俺は、
「寝る前にもう一通り目を通して……」
俺はさっぱり働かない頭を振ると背伸びをして部屋に戻った。

瞬間、固まった……
「…なにやってんだ……」
ジルは手に正樹の作った問題集のノートをひらひらとさせている。
「ここからはアタシが勉強見てあげるんだよ」
……お前に勉強を教えられるとは到底、思えない。
というか……

「なんで全裸だ!!」
そう俺が固まった理由はこれだ……
なぜかジルは今まで着ていた服は愚か、いつもの水着モドキすら着けていない。
「知りたい?」
「知りたくない、それよりノート返せ」
「ふ〜ん…そういう事言って良いのかな?」
ジルはそう言うとノートを投げてよこす。
「良いも悪いも……
 って…なんじゃこりゃあああああああっ!!」
正樹の書いた練習問題は?
成の解いた模範回答は?
二人に聞いて俺が書いた質問の説明は?
俺は白紙のノートを隅々まで見る……

…全部消えている……
「中身、どうした?」
「ふふふ……」
ジルは指でちょいちょいと俺を呼ぶ、
俺は仕方なくジルに近寄る。
「ちょっと胸揉んでみ」
ジルは手の届く距離まで来た俺に胸を突き出す。
「…それどころじゃねえんだっ!!」
「良いから良いから」
ジルは笑いながら、無理やり俺の手を胸に持っていく。
「仕方ねえなあ…」
俺は手にあまるサイズのジルの胸を揉む、
指の間からはみ出た胸がとむにゅむにゅと心地良く、俺はつい強弱をつけその弾力を楽しんでしまう……
「あんっ…上手になったじゃない」
ジルはそんな俺の揉み方に素直に感じてくれる。

……って
「おい」
「ん…なに?」
「字が浮き出て来たぞ」
ジルの褐色の肌に白い文字が浮かび出てきている。
しかも、見覚えのある……
「そ…アタシが感じると、そこのノートから写した文字が体に浮き出るの。
 さあ!勉強したかったら頑張って、アタシを満足させなさい!」

…お…お前はなんて事を……
ノートに戻してくれって頼んでも無駄なんだろうな……
それどころか、頼めば間違いなく余計に面白がる。
「ほかに手はないのか…」
俺は覚悟を決めると、服を脱ぎ捨てるとジルをその場に押し倒した。
まずは俺は指と舌をフルに使って、ジルの全身を愛撫する。
ジルの張りのある肌が俺の指や舌を押し返す感触に、不眠で疲れているはずなのに俺の下半身が反応する……

って…それどころじゃない。
俺はざっと読み取った内容を頭の中で記憶と照らし合わせる。
どうやら、今は物理しか浮き出ない。
「残りは?」
もの凄く嫌な予感を感じた俺はジルに質問する。
「残りって?」
手を休めた俺に不満そうにジルは聞き返す。
「ノート全部に足りないだろ?」
「ああ、さすがに全部一度には無理だから、キリの良いとこで一回毎に変えたぞ」
キリの良い所とは多分、1教科毎だろう…
それが1回ってことは……
…最低…2回……
無駄に元気になった下半身を我慢しつつ、
俺は再び、ジルの体に指を這わせる。
「ん…んっ」
ジルの甘い声に意識の集中がいきそうになりつつも俺は、
問1は確か…左太股の辺りに……
頭に入っているのか入っていないのか、とにかく問題を読み進めていく。

「…って次の教科は?」
一通り、物理を読んだ俺はジルに訪ねるが、
返って来た言葉は冷たく予想通り……
「アタシが愛撫ごときで達するわけないだろ?」
……だそうです……
「俺、徹夜開けなんですが…?」
「でも、こっちは元気だぞ」
そう言うとジルはしっかり俺自身を握り締める。
「!!」
まずい…今日は無駄撃ちは出来ない俺はそう感じ、
ジルの手を押さえると慎重に動かないよう指を一本一本外して行く。
「ちぇ…」
そうして、自由になった俺自身を見ながらジルは面白くなさそうに呟く。
危なかった…ジルのこの反応からするとあのまま、無駄撃ちさせる気だったな……

俺は指でなぞり、先ほどから長々とした愛撫でジルが充分に潤っている事を確認すると、
彼女の足の間に体を入れ、俺はその潤いを俺自身になすりつけ、
「あぅんっ…」
そのまま、彼女の中に入っていく。

「うぅ…」
俺は軽いうめき声をあげ、彼女に包まれた事で襲ってくる終わりそうになる感覚を必死で堪え、
その感覚が治まるのを待って俺は彼女の奥までゆっくりと入れて、ゆっくりした速度のまま前後運動に入る。

「……あ…ぅん…あんっ」
愛撫の分でかなりジルも登り詰めかけてたらしい、
ゆっくりとした、俺の動きに彼女はすぐに声を押し殺すことも出来なくなったらしく甘い声を上げる。

…が、それは俺も同じだった。
元々、早いってのもあるが暗記に集中してたつもりが(そもそも無理な気もするが)愛撫している間にすっかり俺も興奮しきっていたらしい。
限界が近い…そう感じた、瞬間
「ああっ…あぅん…あーっ」
ジルが達したらしく、筋肉を緊張させ背をのけぞらせる。
それに伴い、彼女の大切な部分も収縮し俺自身をこの上なく締め付けてくる。
「くっ…」
俺はその刺激に抗えないまま、彼女の中で達してしまう。
「…あん」
疲れきった俺が、達した事で腕で体を支える力もなくし崩れ落ちると、
それを胸で抱き止めてくれたジルが、甘い吐息混じりの声を漏らす。
俺をそのまま余韻にひた…

れないっ!!
やばかった……今、余韻にひたったら絶対寝てた。
…寝たら、おそらく今日一日は完ぺきに潰れてたぞ……
俺は気力を振り絞ると、愛撫をまた始めた。

「ちょっとぉ…銀ちゃん、休ませてよ」
そんな俺にジルは抗議するが、
「駄目だ」
昨晩ゆっくり寝たジルと違い、俺は寝不足だ。
ハイになって意識の続いている内になんとか、昨晩のおさらいとして記憶の定着をしなければならない。

結局、俺はジルの抗議を無視し、そのまま立て続けにもう1回と半分をやり遂げそのまま眠りに落ちた。
ー・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー

「……なぜだ」
俺は返ってきた追試の答案を見て呟いた。
「銀次君、追試の結果どうだった?」
そんな俺に声をかけたのは正樹だ。
あれだけ苦労したんだ、当然、正樹と成の二人も結果が気になるんだろう。

俺はそんな二人に無言で三枚の答案を見せてやる。
「……」
「……」
二人とも言葉がない……当然だと俺も思う。
成のこういう表情は初めて見た気がする……
…やがて
「嘘つきゃあせ!!」
「……銀次君、カンニングは良くないと思うよ」
…いや、二人のその反応は正しい……
普段なら、俺を信じてないのかっ!!
と怒鳴っても良い所だが、この
382銀次君とランプの魔神 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/31 06:38 ID:0prnoydd
100点×3枚

を見せられては俺だって、何か無意識にやらかしたんじゃないかと自分を疑う……

…もしかして、ジルのお蔭なのか?
いや…有り得ないな……
俺はふと頭に浮かんだ考えを即座に否定する。
…が
「一応、今日はエ○スビールでも買って帰ってやるか……」
俺はそう思いながら、答案を丁寧にたたむと鞄に大切にしまい込んだ。

こうして銀次は無事夏休みをゲットした。
……しかし彼は知らない、
40日後、課題の山に囲まれ再び正樹(成は端から宿題類はやった例がないので戦力外)に泣きつく自分が居ることを……
383 ◆I3tGz4xJ9E :04/07/31 06:51 ID:0prnoydd
今回は銀次君とランプの魔神の2作目です。
初めて季節ネタ(でも半月遅れ)やってみました。

他のお話もぼちぼち書くと思うので宜しくお願いします。
384名無しさん@ピンキー:04/07/31 11:51 ID:cQRaffMo
>>369-382
ネ申キター
GJ!!
385名無しさん@ピンキー:04/07/31 17:10 ID:00D+xjDv
>>銀次&ジル
はっはっはっはっは。懐かしいな…
高校時代、就職するってのに赤点取りまくって、マジで泣きながら補習&追試受けてたな…
………(自分で自分の傷をえぐり落ち込んでいる
386名無しさん@ピンキー:04/08/01 04:31 ID:EX5QtEUT
八岐大蛇とか大妖怪の擬人化エロはないだろうか
387名無しさん@ピンキー:04/08/01 16:14 ID:1yLseqLf
>>386
 ぬらりひょんを擬人化してみる?
388名無しさん@ピンキー:04/08/01 19:10 ID:xWlH4oYE
スサノオVS擬人化八岐大蛇
八番勝負(もちろんエッチ勝負、一本くらい呑み比べ勝負でも良いかも)

って感じかな?

いや、僕は書けないけど……
389名無しさん@ピンキー:04/08/01 20:08 ID:G2uzyaSj
>>388
で、スサノオが全勝
その後八岐大蛇が擬人化天叢雲を産むとか?

いや、書けないけど
390名無しさん@ピンキー:04/08/02 01:24 ID:u8oJADuI
いやここは一本目が呑み比べでその後大蛇がベロンベロンになったまま
なし崩しに残りの七番を…
391名無しさん@ピンキー:04/08/02 21:41 ID:SkVAlU8x
スサノオは十拳の剣という「拳10個分の長さの剣」で
八岐大蛇を退治したそうな…
392名無しさん@ピンキー:04/08/02 21:55 ID:ybH5/BeL
あえて現代日本に八岐大蛇。
大災害に巻き込まれ、河に飲み込まれた主人公が、
生贄を欲する荒ぶる八岐大蛇(少女)に食われる。アレな意味で。
しかし八ラウンドの戦いを終えると、すっかり力を使い果たした八岐大蛇はダウン。
だがダウンした後の八岐大蛇を平気で犯す主人公。絶倫どころの話じゃねえ。
そして彼女が大事にしていた天叢雲の剣をこっそり盗み、以後返してくれるように頼みに来る八岐大蛇としっぽり。
そんなストーリー。
393名無しさん@ピンキー:04/08/02 22:54 ID:rJm8YiY0
竜の八人姉妹ってのはどうだ
394名無しさん@ピンキー:04/08/02 23:11 ID:Xw0UVPl0
ヤマタノオロチ。マタが八つ。ってことはやっぱり八人だよな。ドラコケンタウロスみたいな
8人姉妹。それぞれ主人公の呼び方が違うわけだ。スサノオだけにスー君とかスーさんとか。
395名無しさん@ピンキー:04/08/02 23:12 ID:AttOxPUC
>>393
(・∀・)イイ!
396名無しさん@ピンキー:04/08/02 23:21 ID:CbIF0WgK
>>391
って事はこの場合、
アレの竿の長さが拳10個分あるのか・・・
397名無しさん@ピンキー:04/08/03 01:28 ID:sfVnUKla
>>392
>>393
>>396
の三つを合わせたらどうだろう
398名無しさん@ピンキー:04/08/03 01:57 ID:Mdyr5xBe
問題はだ。
その八姉妹のそれぞれの名前をどうするかだ
399名無しさん@ピンキー:04/08/03 07:36 ID:7CztzSxS
キングギドラじゃないが
12,3〜と数字になぞらえるとか
400名無しさん@ピンキー:04/08/03 14:38 ID:iG603Jjg
ここの作家さんが1人1首ずつキャラを担当して、リレー小説風に合作してみるのはどうか。
401名無しさん@ピンキー:04/08/03 21:44 ID:66F0vBRH
剣関係のネタ考えていたよ…
十握剣とか天之群雲とか村正とか。

でもおもしろそう…参加はしてみたいでつな
402名無しさん@ピンキー:04/08/03 21:59 ID:r1NugyJu
剣ってーと、剣に宿った守護精霊ってネタを考えた事がある。
剣の精霊ゆえにすぐに人を斬りたくなるストレスをエチーで解消っての。
挫折したが。
403名無しさん@ピンキー:04/08/03 22:27 ID:/ucPxFFb
八岐大蛇姉妹を股間の十拳の剣で破る主人公…
色々な意味で人間超えてるな
404名無しさん@ピンキー:04/08/03 22:37 ID:N/A9OKZz
十拳の剣とはすなわち十擦の剣の意・・・・・。
主人公は十擦りもしないうちに達してしまう!
つまり、主人公は早漏なんだよ!!

>>396
いやまて、太さかも知れんぞ。
405名無しさん@ピンキー:04/08/03 23:04 ID:/ucPxFFb
ナニがでかいのに早漏…
だから八岐大蛇を酔わせて前後不覚にしてから襲ったんだよ!

406名無しさん@ピンキー:04/08/03 23:27 ID:LKZ9MDF5
むしろ八重人格のおぜうさんキボンヌ。
407名無しさん@ピンキー:04/08/04 13:03 ID:aos5eCH1
>406
そしてイクたびに人格が変わるんだな。人格が変わる度にレッツプレイ。
一度イった人格がまた出てきたりしたら……全部で何ラウンドになるんだろうな。
408406:04/08/04 17:46 ID:SgzA5dKC
>>407
…漏れは一周すれば終わりと思ってたが…コウイウカンガエカタガ…
最低でも4〜5周かな?(32〜40回前後)
…絶倫じゃなきゃ死ぬぞ、こりゃ…
とりあえず一人格一回ということで。
409名無しさん@ピンキー:04/08/04 18:56 ID:Q3EBf9O+
そこで酒を飲ませべろんべろんに酔わせて相手の体力を消耗させる作戦ですよ。
410名無しさん@ピンキー:04/08/04 21:09 ID:PASLJGFp
しかしそこはそれまがいなりにもヤマタノオロチ。
大昔同じ手を食らっていたのでそれ以来お酒の修行を積んでいく星霜、
ついに笊を超え、枠と呼ばれるまでになっていた!とか
411名無しさん@ピンキー:04/08/04 21:11 ID:MpSZz9AI
強気な女の子と
弱気な女の子と
お嬢様な女の子と
メイドさんな女の子と
メガネっ子な女の子と
女王様な女の子と
エロエロな女の子と
清純な女の子が

一度に楽しめるわけですな。
ああ、そういえば多重人格障害では、性別の違たうぇあいおhのうじこlp
412名無しさん@ピンキー:04/08/04 22:18 ID:66eUUXhK
>>389
で、スサノオが全勝
その後八岐大蛇が擬人化天叢雲を産むとか?

擬人化天叢雲と言ったらなんといっても
天野先輩こと薙だよな?
413名無しさん@ピンキー:04/08/04 23:33 ID:k7ZmtgXw
>>411
それは単なるキミの趣味だ(断言)
っていうか、メイドやメガネっ子は性格なのか?
414名無しさん@ピンキー:04/08/05 07:47 ID:zzK6mxFw
ショタも完備しているオロチたん(;´Д`)ハァハァ
 
「駄目だよぉ、僕男なのに…スサノオお兄ちゃんの十拳の剣気持ちいいよぉ!」
「ふふ、お前の天群雲もこんなになってるじゃないか」
「あぁっ!握らないで…ひんっ!」
 
 
勢いに任せて投げっぱなし
415名無しさん@ピンキー:04/08/05 11:16 ID:SZ3mZA/K
一人称「儂」、これだけは譲れない
416名無しさん@ピンキー:04/08/05 13:41 ID:s4jHWlzX
>>414
嫌すぎ
417406:04/08/05 17:19 ID:lnpAQT/b
>>413
あと、清純とお嬢様は一緒っぽいとか言ってみたり。
とりあえず、
幼女
お姉さま
姫口調(主人格、一人称「わらわ」で。)
男勝り(一人称「俺」ならなお良し)
おとなしめ
寡黙
電波(難しいか?)
普通
の八つですな。

>>414
大蛇丸かy(カプッ)

418名無しさん@ピンキー:04/08/05 21:16 ID:nWZUb8py
えーと、結局八姉妹と八重人格、書いてほしいならどっち?
419名無しさん@ピンキー:04/08/05 21:19 ID:Or1S2zK0
八姉妹
420名無しさん@ピンキー:04/08/05 21:58 ID:W9/obUhu
やえ人格。
ただ人外スレなんだし人格だけでなく体格も変わってほしいかも
421名無しさん@ピンキー:04/08/05 22:14 ID:adYkYyB6
>>420
その場合、変化は不定形状のモーフィングではなくて、
脱皮で行ってほしいな…グロくならない描写で。
422名無しさん@ピンキー:04/08/05 22:48 ID:W9/obUhu
お相手の家には過去脱皮した大蛇の皮が大量にもっさりと・・・(||゚Д゚)、
423名無しさん@ピンキー:04/08/05 23:11 ID:jbSwVtZ0
姉妹の方向で
3Pとか普通に出来るし…ハッ、9P!?煤i゜Д゜)
424名無しさん@ピンキー:04/08/06 05:59 ID:s1NUkns6
なんだってー!?
425名無しさん@ピンキー:04/08/06 10:28 ID:Ev9dl+aV
基本ボディが1つではロリや爆乳といった肉体的要素のバリエーションに乏しくなるので、八姉妹か肉体変貌に一票。
426名無しさん@ピンキー:04/08/06 13:17 ID:UfBiJJHm
ってか……

9Pって文章表現にすると、おそろしい文章量が必要になるのではありますまいか…?
427名無しさん@ピンキー:04/08/06 15:03 ID:pF5O+B6b
さすがに9Pは無理ぽ……
せめて3か4ぐらいでお願いしまつ
428名無しさん@ピンキー:04/08/06 15:16 ID:NOcQt+5M
ヤマタノオロチネタを真面目にやるとゲーム一本分ぐらいになりそうだな
429名無しさん@ピンキー:04/08/06 15:26 ID:Ev9dl+aV
ひでぼんの書も登場人物がバカ多いけど、ちゃんとまとまっているのだから、8人くらいなら大丈夫じゃない?
430名無しさん@ピンキー:04/08/06 21:20 ID:APU1x2fs
ヤマタノオロチってことは、下半身は1つ?
431名無しさん@ピンキー:04/08/06 21:52 ID:jDqf++hh
普段の異形時はラミアみたいなのが八本延びてて
事の最中は妖術なりで分離、人間形態に変化、くらいでいいんじゃない?
ギリギリ穴はあるにしても足が無いと、愛撫とか抱えあげるの大変そうだし

しかし、一人とやってる時、まわりを囲まれて見られてるのかw
432名無しさん@ピンキー:04/08/06 22:00 ID:mjzIPAc4
見逃しがちなんだけど、ヤマタノオロチって尻尾も8本あるんだよね。
433名無しさん@ピンキー:04/08/06 23:28 ID:yK+rJe29
何で頭八個なのに八つの股なんだろうな。股が八つなら九頭竜じゃんよなあ?
434名無しさん@ピンキー:04/08/06 23:32 ID:mjzIPAc4
>433
むかし、ドラえもんのスペシャルかなんかでのび太が同じこと言ってたな。
435名無しさん@ピンキー:04/08/06 23:34 ID:jDqf++hh
単純に横並びなんじゃなくて、前から見て環状に生えてるんじゃない?
誰か見たことある奴報告よろ
436名無しさん@ピンキー:04/08/06 23:40 ID:Ah+3XGG+
単純に八って数字は、多い数量を表しているだけじゃない?
八百万の神々とか八百屋とかみたいに。

>>432さんの話によると尻尾も8本だし、
そうなると股の数なんて8どころ(頭8つの7股、更に尻尾8つの7股、ついでに両縁の頭と尻尾の間にも股2つあると言えなくもない)の話じゃないし……
437名無しさん@ピンキー:04/08/07 01:56 ID:zWlAcfXS
ヤマタノオロチは八岐大蛇。
「股」が八つあるという意味では無く、八つに分岐しているということの様な気が。
「岐」は枝状のまたにわかれた山・細い山道を示す。えだみち、わかれる、という意味。

もとから(この怪物の名前が)そういう意味でつけられたのかは無教養にして知らないけど、
自分はそのように解釈してきたっす。
438名無しさん@ピンキー:04/08/07 02:03 ID:zWlAcfXS
あー、なんか「八俣遠呂智」でぐぐったほうが面白い話が出てきますね。
つか神話板向けか…
439名無しさん@ピンキー:04/08/07 02:21 ID:QMVGZkMR
八人姉妹の方向だと天叢雲の扱いはどうなるんだろう
八岐大蛇一家の家宝とか?
440名無しさん@ピンキー:04/08/07 03:03 ID:Zs2673sk
このスレには合わないかもしれないけど、


尻尾から出てきたわけだし、
末娘を思い切ってふたなりにしてしまうという手も・・・
441名無しさん@ピンキー:04/08/07 03:39 ID:J9eesC2K
>440
「姉妹にゃのぉおおにせーしっせーし れりゅぅ れひゃいぃましゅ
みるく ちんぽみるく ふたにゃりみるくにゃかにらししひゃう〜〜!」


                               orz
442名無しさん@ピンキー:04/08/07 11:21 ID:6qJJkO5D
>441
みさくら一級
443名無しさん@ピンキー:04/08/07 12:36 ID:zBURdkkf
人間界で生きていく為の偽名はもちろん

 山 田

って事は八人の内の一人は貧乏マジシャンに違いない
444名無しさん@ピンキー:04/08/07 15:18 ID:V1GDuwoc
>>439
孕ませ最強
445名無しさん@ピンキー:04/08/07 20:18 ID:9SbJ37EV
かつてない盛り上がりだなW
まあ問題は肝心の書き手さんがいないということだ

ダレカカイテクレマセンカ-
446340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:20 ID:+aExfss/
>351の続き

「あ、き、貴代子おねえさ〜ん!」
ある日、公園で千奈美ちゃんと一緒に遊んでいるワタシに、誰かが声を掛けてきた。
声のした方向を振り返ると、半そでシャツと短パン姿で、野球帽を後ろ向きに被った男の子が、
こちらに向かって一目散に駆け寄ってくる。
「はあ……はあ…はあ……はあ……。……た…助けて……兄ちゃんたちを、助けて……」
「……? 兄ちゃん? ……どういうことだ?」
ずっと全力で走ってきたのだろう、ワタシの目の前にたどり着くと、両手を膝に当て、
肩で息をしたまま、話しかけてきた。………必死なのは分かるのだが、いったい誰だ……?
「えっと……その…。………あ」
男の子は顔をあげて、口を開きかけた途端にぱっと顔色を変え、
何かを避けるようにワタシの後ろに隠れた。
振り返ると、そこには可愛らしく小首を傾げる、千奈美ちゃんがいた。
「なあ坊や。急いでいるのは分かるのだが、どういうことなのか、ちゃんと説明してくれないかな?」
「う、うん……でも…その前に……」
ワタシは再び男の子に向き直り、中腰になって彼の両肩に手を掛けながら問い掛けた。
だが男の子は、やはり気になるようで、チラチラと千奈美ちゃんのほうを見ながら言葉を濁す。
「貴代子お姉さん、大事なお話があるの? だったら私、一人で遊んでるよ?」
そんな雰囲気を察したのか、千奈美ちゃんはこちらに向かって、
ニコニコと満面の笑みを浮かべながら、ジャングルジムへと駆けていった。
「え? あ……す、すまないね、千奈美ちゃん。さて……まずキミは、いったい何者なんだい?」
「あの……ボ…ボク、ハヤトって言います」
千奈美ちゃんに礼の言葉を述べ、男の子に話しかけると、ようやくポツポツと喋りだした。
「ハヤト? あ、ああ。鎌鼬3兄弟の末っ子かい。で、お兄ちゃんたちが、どうしたんだ?」
思い出したよ。確かあの時は、草むらで気を失っていたとかどうとか……。
………道理で千奈美ちゃんの姿を見て、オドオドするわけだ。
それはそうと……どういうことだ? ”お兄ちゃん”てのは、この前ボコボコにした、あの連中だろ?
447340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:20 ID:+aExfss/
「それが…その……。兄ちゃんたち、あの娘を……美沙ちゃんを殺した犯人を捜す、
って言い出して、見つけたまではいいんだけど……その………」
「何か……あったのか?」
思いもよらない言葉を耳にして、思わずハヤトくんの肩に掛けていた手に力が増す。
……何を考えて、犯人を追いかける気になったんだ? ”あんなこと”をした連中が……。
「い、痛いよ……貴代子おねえさん。………兄ちゃんたち、自分だけなら逃げれたハズなのに、
ボクをかばって捕まっちゃったんだ! ハヤタ兄ちゃん、貴代子おねえさんなら、
力になってくれるはずだからって、言ってたんだ! お願い! 兄ちゃんたちを……助けて………」
軽く顔をしかめながら、ハヤトくんは言葉を続けた。それにしても……捕まってしまっただと?
いくら自分達が人間ではないとは言っても、仮にも相手は殺人犯だろうに。少しは後先を考えろ。
「わ……分かったよ、話の続きは道すがら聞くとして、とりあえず兄ちゃんたちはどこにいるんだ?」
………だからと言って、無視するわけにもいくまい。何しろ、相手は美沙ちゃんの仇、だしな。
「あ、う、うん! こ……こっちだよ!」
「………っと、千奈美ちゃん。悪い、ワタシ急用が出来たから、また今度ね!
遅くならないうちに、家に帰るんだよ!」
「分かった〜! 気をつけてね〜!」
ワタシの言葉にハヤトくんはぱっと体を翻し、先導するように何歩か踏み出した。
はたと気づいたワタシは、振り返りざまに千奈美ちゃんに向かって叫ぶ。
千奈美ちゃんは、ジャングルジムで逆さまになり、真っ白いパンツが丸見えなのも気にせず、
ニコニコと笑顔を振りまきながら、ワタシに向かって手を振っていた。
ハヤトくんは、そんな千奈美ちゃんの姿に耳まで真っ赤にさせ、
顔を背けてはいたが、目だけはチラチラと千奈美ちゃんのほうを、しっかりと見ていた。
こんな状況にも関わらず、ワタシは思わず肩をすくめ、苦笑いを浮かべていた。
448340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:21 ID:+aExfss/
「それにしても、ハヤトくんはどうしてワタシの名前を知っていたんだ?
キミの兄さんたちにも、名乗った覚えは無いぞ?」
二人で山の中を駆けながら、ワタシはハヤトくんに声を掛けた。
やはりずっと走っていたせいか、ハヤトくんは息が荒く、少しずつワタシから遅れている。
「えっと……ボ、ボク、貴代子おねえさんとは初対面じゃないんだ。
……あの時は、この姿じゃなかったけれども」
この姿じゃない……? まさか…まさか……。
「…………まさかキミ………クーちゃん、なのか?」
「う……うん……」
思わずワタシは足が止まり、ハヤトくんをじっと見つめながら問いかけた。
ハヤトくん――クーちゃんは、バツが悪そうに、視線を逸らす。
「なあ。するとアンタ達兄弟は、最初から美沙ちゃんに悪戯しようとして……」
「ち、違うよ! ボク、本当に死にそうな怪我をしてて、治してくれた美沙ちゃんには凄い感謝してて、
でも、でもあの時……ボクを抱えている美沙ちゃんを見た、兄ちゃんたちが………あんなことを……」
血相を変え、ワタシの言葉を遮るように、くちびるを噛みしめ、拳をぎゅっと握り締めながら、
必死にまくしたてるハヤトくん。後半は歯切れ悪く、途切れ途切れに……。
「それで、すっかり味を占めちゃって、さっき貴代子おねえさんが一緒にいた娘を……その………」
「ま、いいさ。過ぎたことを、とやかく言う趣味は無いし、ハヤトくんが悪いわけじゃない。
それに、今さらどうこうして、美沙ちゃんが生き返る訳でもない……」
うなだれるハヤトくんを見て、ワタシはため息をつき、額に手を当てながら首を振る。
そう……今さら、どうなるわけでも無いのだから……。
「貴代子おねえさん………」
「………ところで兄ちゃんたちは、まだなのかい?」
ワタシに向かって手を伸ばすハヤトくんに、再び問い掛けた。
いくらあんな連中とはいえ、危機が迫っていて、しかも助けを求めてくる相手を、
見捨てることは出来なかった。我ながら、かなりお人よしだとは思うが。いや、鬼だったか。
「うん……ほとんど、山の反対側のほう、なんだ……」
「そうか……。それじゃ出来るだけ、先を急ぐぞ」
ハヤトくんの答えに、ワタシは再び山道を走り始めた。
449340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:21 ID:+aExfss/
「……はあ…はあ……あ、あの、岩! あれを、越えると、沢が、あって……」
「そう…か……っと……。うっ………」
前方の岩を指差しながら、ハヤトくんは息も途切れ途切れに叫ぶ。
走る速度をあげ、岩の上に駆けのぼったワタシは、眼前に広がる光景に息を詰まらせた。

そこには、凄惨な光景が広がっていた。
元は、ハヤトくんの兄であったと思われる肉片が、そこかしこに散らばり、
辺りは真っ赤に染まっていたのだ。
さすがのワタシでも、しばし頭が真っ白になり、呆然とするしかなかった。

「はあ……はあ…はあ……はあ……き、貴代子おねえちゃ……」
「見るな! 見るんじゃない!」
ようやく追いついたハヤトくんが、息を切らせながら岩をよじのぼってくる。
我にかえったワタシは、この光景を目にさせるまいと、思わず叫んでしまう。
「………はあ…き…貴代子、おねえさん? ま…まさ……か……。はあ…はあ……」
「あ、ああ………」
ハヤトくんは一瞬、怪訝そうな声をあげるが、光景を目にしたのか、すぐに声が沈んでいく。
その声が痛々しくて、ワタシはハヤトくんの顔を見ないで答えていた。
「ハヤトくん。ここでじっとしてるんだ、いいね?」
気を取り直したワタシは、ハヤトくんに声を掛けながら、岩から飛び降りようとした。が、
「え!? い、いやだよ。ボクも、ボクも一緒に行くよ!」
「だが……」
真っ青な顔で、首をブンブン振りながら、ワタシの腕を握り締めてきた。
「お…お願い……」
「………わ、分かったよ」
ハヤトくんの、まっすぐに見つめる視線に押され、ワタシは思わずそう答えていた。
450340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:22 ID:+aExfss/
「……しかし、こりゃあ………」
「うっ……兄ちゃ……ん…」
沢に降り立つと、血の匂いがさらにきつくなっていた。
ハヤトくんは大粒の涙を流し、口元を手で押さえながら、嗚咽を漏らしている。
その痛々しい姿に声を掛けることも出来ず、じっと見つめていたが、
不意に何者かに見られている気配を感じ、思わず顔を見上げると、
先ほどこの沢を見下ろした岩から、ワタシたちを見下ろす人影が二つあった。
「なあハヤトくん。犯人はアイツらで、間違いないのか?」
「え? あ……ああ…あ………う、うん……ま、間違い…ない…よ……」
未だうずくまる、ハヤトくんに声を掛ける。ハヤトくんは、ワタシの声にぱっと顔を上げ、
ワタシが見つめている相手に気づき、歯をカタカタ打ち鳴らし始めた。
「そう…か。ハヤトくん、ワタシの側を離れるんじゃないよ?」
コクコクと糸の切れた操り人形のように、ハヤトくんは何度も頷き、ワタシの背中に隠れる。
人影は、互いに何か目配せしたかと思うと、こちらに向かって飛び降りてきた。

目の前に降り立った二人を見て、ワタシは思わず息を飲んだ。二人はまったく同じ顔で、
髪型だけが違っていた。片方は金髪のロングヘアで、もう片方は銀髪のショートカット。
もし髪型が違わなければ、区別がまったくつかなかっただろう。
だが、ワタシが息を飲んだのはそんなことではなかった。
女たちは、犬らしき大きな耳と尻尾を携えていた。まるで人間では無いことを証明するかのように。
しかし、ワタシが息を飲んだ理由は、それでもなかった。
彼女達からは、生きている気配がまるで感じられなかったのだ。
そう、ワタシたち鬼とも違う、何か別の生き物のような……。
451340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:22 ID:+aExfss/
「シャーッ!」
まるで蛇のような声をあげながら、銀髪のほうが襲い掛かってきた。
その手には、鋭くとがった長い爪が生えている。
「はっ!」
ワタシは掛け声とともに、後ろ回し蹴りを繰り出した。
銀髪は軽く頭をさげ、ワタシの蹴りをかいくぐりながら、ワタシの腹を目掛けて腕を伸ばす。
「キャウンッ!」
爪がワタシの腹に突きたてられた瞬間、ワタシの拳は銀髪の顎を捉えた。
銀髪は犬コロのような悲鳴をあげながら、空中で一回転して地面にうつぶせに倒れ込む。

「な、な!?」
次の瞬間、ワタシの目の前に金髪が立っていた。驚く間もなく、金髪はワタシにくちびるを重ねてきた。
「む……むぐ…うっ……」
突然のことに、頭の中が真っ白になっているワタシの頭に手を回し、舌を潜り込ませてくる。
「んふ…っ…んっ! んん…っ……」
さらに舌を絡ませたまま、左手で優しくワタシの胸を撫でまわしてきた。
思いもよらない刺激に、ワタシはビクンと身をすくませ、塞がれていた口から吐息を漏らす。
「ふあ……あ…ああっ……」
金髪は、ワタシのくちびるをようやく解放したかと思うと、そのままワタシの頬に舌を這わせ始めた。
相変わらず左手は、ワタシの胸を優しく撫でまわし続けている。
絶え間なく続く刺激に、ワタシは腰が砕けそうになり、そんなワタシを金髪はしっかりと支えていた。
452340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:23 ID:+aExfss/
「は……あ!? あ! ああっ! ああんっ!」
不意に胸を撫で回していた左手が、ぱっと離れる。
刺激を中断されたワタシが、怪訝そうな顔をした途端、ワタシの首筋を舐めている金髪と目が合った。
金髪は悪戯っぽく微笑んだかと思うと、ワタシのタンクトップをずりおろし、胸を露わにさせる。
あっと思う間もなく、金髪はワタシの胸を荒々しく揉みしだいた。嬌声が口から次々と漏れだす。
「ふああっ! あっ! あっ! あっ!」
硬くしこった胸の頂を、金髪は親指と人差し指で軽く摘まみ上げる。
もはや我慢しようとしても、我慢しきれなかった。腰がガクガク震え、自然と金髪に体を預けてしまう。
……もう…もう何も、考えられない………。

「うああっ! あっ、ああっ!」
どこか遠くで、誰かが何かを叫んでいるような気がする。ぼんやりした頭で、声の方向を振り向くと、
すぐ目の前でハヤトくんが体中を震わせ、口をパクパクさせている。
ズボンはずりさげられ、剥き出しのアレを誰かが後ろからしごいていた。
さっきまで倒れていたはずの銀髪が、ハヤトくんを背後から押さえ込んでいるのだ。
舌を伸ばして耳たぶをペロペロしゃぶり、手のひらで優しく胸を撫でまわしながら。
余程嬉しいのか、銀髪の尻尾が千切れんばかりに激しく揺れている。
あ……ハヤトくんぐらいでも、アレってあんなになるんだ……。
ハヤトくんの”男”である部分を目にして、どこかピントのズレたことを考えながら、
ワタシはただひたすら、金髪の愛撫に身を任せていた。

「はあ…あっ……あっ! あっ! ああっ! あああんっ!!」
頭が真っ白になり、絶頂に達しそうになった瞬間、
453340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:24 ID:+aExfss/
ブチィッ

一瞬、そんな音が耳にではなく、頭に直接響いた気がする。
次に感じたのは、咽喉元に焼きごてでも当てられたような熱さ、だと思った。
だがそれは熱さではなく、痛さだった。ワタシは思わず咽喉元に手を当てる。
ぴちゃりと濡れた音が響き、手を見ると真っ赤に染まっていた。
目の前の金髪は、口から一筋の血をこぼしながら、クチャクチャと何かを噛んでいる。
「ぐは! …あっ……」
あまりの痛さに、口から悲鳴がこぼれた。思わず仰け反ろうとするワタシだが、
ワタシの首に、金髪の腕がしっかりと回っていた為、それもままならない。
金髪は大きな口を開け、再びワタシに噛み付こうとしてきたとき――

ドスッ ガシッ

ワタシは金髪の腹に、拳をめり込ませた。表情ひとつ変えずに、体をくの字に折り曲げる金髪。
丁度いい位置になったため、ワタシはそのまま金髪の顔面に、思い切り膝蹴りを見舞った。
金髪は後方に吹き飛び、大の字になって地面に倒れ込んだ。
「な…な……」
ところが金髪は次の瞬間、まるで何事も無かったかのように、すっくと立ち上がった。
無性に胸騒ぎを覚えたワタシは、咽喉の痛みをこらえ、”切り札”を呼び寄せるべく動作に入った。
右手の指を目まぐるしく動かすと、”力”が右耳のピアスから、右手に流れ込むのを感じる。
念じた次の瞬間、右手の”力”は炎として姿を現わした。
「くそ…っ……これでも……くらえ……」
ワタシは、それをそのまま金髪と、すぐ後ろにいた銀髪目掛けて放り投げた。

ジュッ

「な、何っ!?」
まるで、火を水に浸けたような音が響きわたり、炎とともに二人の姿が消える。
そんな予想外の出来事に、ワタシは思わず驚愕の声を口にして、地べたに座り込んでいた。
454340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:24 ID:+aExfss/
「うぐ…ぐう……っ……」
「あ、貴代子おねえさん、大丈夫? ……………っと」
咽喉の痛さにうずくまる、ワタシのそばにハヤトくんが駆け寄ってきて、そっと手をかざした。
するとどうしたわけか、見る見るうちに咽喉の怪我が治っていく。
「な…何だ? 何がどうなっ………うっ」
不思議に思ったワタシは、ハヤトくんに問い掛けながら立ち上がろうとするが、
立ちくらみがして、再びその場にへたりこんでしまった。
「あ、む、無理はしないで。流れた血まで、癒やされたわけじゃないから……」
ハヤトくんはワタシを心配しながらも、気まずそうな様子で、ワタシの顔をまともに見ようともしない。
そりゃあそうかもな……こんな微妙なお年頃の男の子が、あんなことをされたんじゃ……。
まあ、それはそれ、だ………。ワタシは座りなおして、ハヤトくんに再び尋ねた。
「なあ、いったいどういうことだ? ワタシにいったい、何をしたんだ?」
「これが……これが、鎌鼬であるボクの力。ハヤテ兄ちゃんが相手を転ばして、
ハヤタ兄ちゃんが相手を切りつけて、ボクがその傷口を塞ぐ薬を塗る……って」
「そうなのか……でも、その……」
「この力は、ボク自身には効かないんだ………」
――その力があれば、美沙ちゃんと出会うことはなかったのに――
口には出さなかったが、雰囲気は察したようで、ハヤトくんは目を伏せてつぶやく。
「なるほどな……しかし、それにしても……」
「え? ど、どうしたの……?」
気を取り直して舌打ちするワタシを見て、ハヤトくんが不安げに問い掛けてくる。
「………ヤツら、実体ではない。式神というか、使い魔というか……」
「そう…なの?」
「今の炎を見ただろう? 本来アレは、魂を燃やし尽くさせるはずなのに、一瞬にして消えてしまった。
ということは彼女たちは魂そのもの、もしくはそれに近い実体はないモノ、ってことなんだ。
……失敗したよ。おかげで”残り火”を使い果たしてしまった」
「そんな……それって……」
「ああ、どこかに本体がいるということだ。しかも、尋常ではない力を持った、な」
…………使い魔でさえ、ここまでの力を持っていたのだ。本体となるとどうなるものか……。
455340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:25 ID:+aExfss/
「貴代子おねえさん……ボク、行くよ」
「お、おい。まさか……」
ワタシの葛藤を読んでいたのか、ハヤトくんは顔をあげ、きっぱりと言った。
「ボク……どうしても、兄ちゃんたちの仇を取りたいんだ。あんな……あんな兄ちゃんだったけれど、
ボクにとっては優しい兄ちゃんであることには、変わりなかったんだから……」
「ハヤト……くん…。しかしな……その実体がどこにいるのか……」
軽く首を振りながら、ハヤトくんに答えるともなく、独り言とも言わず、思ったことを口に出す。
そう……確かに美沙ちゃんの仇は取りたいが、相手がいなければ取りようもない。
「さっきの傷を癒やす力の他にも、ボクはそういうものに鼻が効くんだ。
今ならまだうっすらと、匂いが残っているから……」
「そうか、分かった。その代わり、ワタシも最後まで付き合うよ?」
ワタシのつぶやきに答えるように、ハヤトくんは言った。ふと見ると、その体がブルブル震えている。
言葉とは裏腹に、虚勢を張っているのが見て取れた。何だか、このコ……カッコイイかも……。
そんなハヤトくんをしっかりと抱きしめながら、ワタシは自分の心に言い聞かせるように、言った。
「え……い、いい……の?」
「ああ。このままハヤトくんを置いて帰ってしまうのも、寝覚めが悪い。
………それにワタシも、美沙ちゃんの仇を取りたいんだ」
「う、うん、分かった。………こっちだよ! 着いてきて!」
意外そうに見つめるハヤトくんに、ワタシは拳を握り締め、ゆっくりと立ち上がりながら答える。
ハヤトくんは、そんなワタシの姿に一瞬身震いしながらも、ぱっと身を翻して再び駆け出した。
456340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:25 ID:+aExfss/
キーンコーンカーンコーン……

あ。もうお昼なのか。ふう……アイリス…大丈夫かなあ……。一応会社に来たことは来たが、
正直言って仕事がまるで手につかなかった。いったい、アイリスの身に何があったのだろう……。

「あれ? 係長、どうしたんですか? 見取り図なんて広げて」
「ん、これかい? 実は我が家のなのさ」
「へえ〜、係長も一国一城の主ですか。……結構大きいですねえ」
ふと顔をあげると、同僚二人と係長が、何やら楽しそうに話し込んでいる。
いつもなら、僕も参加しようと席を立ってたのかもしれないけれど、
さすがに今日はそんな気分になれず、三人の会話をぼうっと聞いていた。が、
「まあ、2世帯住宅だからね。それに一国一城と言っても、まだ仮契約の話だよ」
仮契約………何故だか妙に、その言葉が頭から離れなかった。
………契約の前に、仮契約……。ま、まさか……まさか……。

ガタン

「ん〜、どうしたんだ? 新條?」
気がつくと僕は席を立っていた。怪訝そうに、係長が僕を見つめる。
「あ、す、すみません! 家族の体調が悪いんで、早退させてもらいますっ!」
言いながら、僕は慌てて荷物をまとめた。妙に胸騒ぎがして、心臓の鼓動がどんどん高まる。
「ん、そうなのか。何だか、朝から様子が変だとは思っていたけどね。
家族は大事にしたほうがいい。早く帰って、そばにいてやりなさい」
「へ? アイリスさんの体調が? それは心配だね。……お大事にね」
「つーか、長いこと一緒に暮らしてんだから、命中したんでないの? 諦めて、さっさと結婚しちまえや」
「………だと、いいんだけどね。それじゃ」
三者三様に見送りの言葉をかけられ、僕は会社を後にした。
457340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:31 ID:+aExfss/
僕は会社を早退し、自宅へと急いだ。アイリスの身に、何が起きたのかは分からない。
アイリスと出会ったのは、今から……あ、そういえば…………丁度1年前、だ。
もっともあの時は、僕が試しに彼女を召喚して、その挙句にあんなことがあって……。
でも何だかんだ言って、今では僕にとって、かけがえのない人であることは確かだ。
……だが、会社で聞いた言葉、”仮契約”の3文字が頭から離れなかった。
今まで思いもしなかったが、アイリスと僕は”契約”を交わしていた。
もしそれが”仮契約”で、期限が一年だったとしたら、アイリスの変調も説明がつく。
そうだとすると、”仮契約”が終わる前に”本契約”を果たせば、元に戻るのではないのだろうか?
問題は”本契約”とは、何をすればいいのか分からないこと、だけれども。
それともまさか、同僚の言葉どおり、子どもができたとかいうのだろうか?
いや。だとすると、アイリスは僕に何か言ってくるはずだ。それに悪魔と人間って、子どもが出来るの?


そうこうしているうちに、家に辿りついた。……ええい、あれこれ考えても仕方ない。
まずはアイリスに会おう。……でも、いくら早く帰って来いと言われたからって、
こんな時間に帰ってきたりしたら、呆れかえられるかな? などと思いながらカギを取り出した。

「た、ただいま! アイリス!」
玄関のカギを開け、中に入る。……が、いつも笑顔で迎えてくれる、アイリスの姿は無かった。
いったいどうして……。絶望感に苛まれながら、ふと食卓を見ると、作りかけの料理が並んでいる。
まさか……まさか本当に、いなくなってしまったのか?
全身の力が抜け、がっくりと膝をついてしまう。………アイリス、どこに行ってしまったんだ?

ピンポーン

不意にドアのチャイムが鳴った。アイリス! 帰ってきたのか!?
僕は喜び勇んで、玄関へと向かった。
458340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:31 ID:+aExfss/
ガチャ

「アイリス! いったいどうし……あ」
興奮してドアを開けたが、一瞬にして喜びは落胆と動揺に変わった。
そこには、見たことも無い女性が腕組みをして立ち尽くしていたのだ。
やや吊りあがった目、多少強気そうな顔立ち、やや浅黒い肌。
服装は虎柄のタンクトップに、真っ黒いレザーのジャケットとお揃いのミニスカート。
………まったく見覚えが無いんだけど、いったい……誰?
「単刀直入にいこうか。ちょっとアンタに聞きたいんだけど、この家に人間じゃないのがいるよね?」
な……何者だ!? アイリスが人間じゃないって知っているなんて!?
驚いた僕は思わずドアを閉めようとして……
「い…痛たたた。何考えてるんだい? いきなりドアを閉めるんじゃないよ」
彼女がとっさに伸ばした、腕ごと挟みそうになっていた。
ところが、彼女は片手であるにも関わらず、あっさりと挟み込んだ腕だけで、難なくドアを開けてしまう。
僕があっけに取られていると、彼女はいきなり僕の首を絞めてきた。
「な……なな…ぐええっ!?」
「ま、そういう態度に出るのなら、話は早い。……どこなんだ?」
「……げ…ぐえ……えっ………」
首を締め上げたまま、片手で僕を宙吊りにしながら、さっきよりも厳しい口調で問い詰めてくる彼女。
…………喋ることが出来ない……そ、その前に、い、意識が………。
「ちょ、ちょっと貴代子おねえさん。そんなことしたら、声ひとつ出せないじゃない。
それにこの人……そんなに悪い人に見えないけれど……」
「あ、ああそうか。……で? どこに行ったというんだい?」
「げほ……げほごほ…っ……は…はあ…はあ……。
……あ、あんたたち、こそ、いきなり、こんな、ことして、何者、なんだ?」
薄れ行く意識の中、甲高い声が頭に響き渡ったかと思うと次の瞬間、僕は床に尻餅をついていた。
あまりの息苦しさに涙がこぼれる僕は、ひたすら咳き込み続けながら、どうにかしてつぶやく。
「と、とりあえずさ……2人とも、中に入らない? このままじゃ、ちょっと……」
「ああそうだな。……ちょっとお邪魔するよ」
さっき聞こえた甲高い声が、家に入るように促す。彼女はその言葉を受け、部屋に上がり込む。
ここは、僕の家なんだけど………と言いたかったが、声が声にならなかった。
459340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:32 ID:+aExfss/
「悪かったね。いきなり首なんか絞めたりして」
「………で、いったいぜんたい、あなたたちは何者なんですか?」
部屋にあがり、お茶を啜りながらペコリと礼をする、謎の女と謎の男の子。
どうやら、さっきの甲高い声の持ち主は、この男の子のようだ。
僕は首を押さえ、二人の顔を見比べながら言った。
「えっと……ワタシは貴代子。で、こっちの子はハヤト。
一応、人間では無かったりするんだが……信じるかい?」
「え、ええまあ……あ、僕は秀人と言います」
彼女、貴代子は首をしゃくらせて男の子を指し示し、自分のくちびるを軽くめくりながら、自己紹介をする。
めくれたくちびるの内側には、普通の人間よりも遥かに長い犬歯――いや、ここまで来たら牙だ――
が生えていた。………そりゃ、信じるなというほうが無理だ。僕はつられて自己紹介をしていた。
「それで、ひと月くらい前に、近くで殺人事件があったのを覚えている?」
「………確か女の子が誘拐されて、山の中で殺されたんだっけ?」
突拍子も無いことを問われ、戸惑いながらも先月起きた事件を思い出す。
何とも痛ましい事件だったっけ……しかも、犯人は捕まっていないし。
「そうそれ。ただその事件、誘拐犯と殺人犯は別人で、しかも犯人は人間じゃなかったんだ」
「へ!? そ、そうなの!?」
思いもよらない言葉に、僕は呆気に取られながら、思わず声を裏返して聞き返していた。
「まあ、な。………彼の兄は殺人犯を追いかけ、見つけたところで逆に殺されたんだ」
「はあ!? ということは………警察?」
「それは無い。まあ、詳しいことは後回しにして、ワタシたちもまた犯人に出会い、襲われたんだ。
で、その時に分かったことだが、犯人は何かの使い魔のようだった」
僕の問い掛けに即答する貴代子。口調こそ冷静そのものだったが、
何かを思い出したかのように一瞬だけ、こめかみがピクピクと動いていた。ん? でも……。
「使い……魔?」
そんなの本当にいるのかい。アイリスにさえ、そんなのいなかったと思うけど。
などと首を傾げていたが、貴代子の次の言葉を耳にしたとき、僕の全身は凍りついた
「そう、そして使い魔を使役している黒幕を追いかけようと、痕跡を追って辿りついたのが、ここだ」
460340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:33 ID:+aExfss/
「な、そ……それって……」
「まあそういうことだ。……そういえば、さっき玄関を開けたとき、アイリスとか叫んでいたが、
それがそいつの名なのか? 今、どこにいるんだ?」
「そんな……バカな……」
反射的に否定の言葉を口にしていた。だが、真っ白になっていく頭の中では、
さっき思いついた”仮契約”の話と、今の貴代子の話が、どこかで繋がっていくのを感じる。

一年の”仮契約”が終わりかけているから、記憶がところどころ途切れ、
無意識のうちに本来の悪魔の姿に戻ろうとして、使い魔を呼び出していた。
その使い魔が人を襲うようになり、貴代子たちがそいつらの痕跡を追って、ここへやってきた………。
確かに、話の筋は通っている。でもそうだとすると、アイリスは今どこにいるんだ……?

「なあ秀人さん。今回の件に関して、ワタシが知っていることはすべて話した。
今度は秀人さんに、そのアイリスに関して知っていることを、すべて話して欲しいんだ。
………正直に言うが、ワタシはアイリスが黒幕だと、今でも思っている。
でもそれは、ワタシがアイリスのことを知らないからだ。知ることによって、
ワタシはとんでもない思い違いをしていた、と分かるかもしれないし、逆に秀人さんも知らない、
アイリスに関する新たな事実を見つけることが、出来るかもしれないんだ。……頼む。このとおりだ」
貴代子は軽く身を乗り出し、僕の肩に軽く手をつきながら、僕の目をじっと見つめて話し出し、
最後に深々と頭を下げてきた。でも彼女のことを、果たして信じていいものかどうか……。
「ひとつだけ…聞きたいんだけど、キミたちの話が本当であるという証拠って、どこにあるの?」
461340 ◆MABOUp7up. :04/08/07 21:34 ID:+aExfss/
「はっきり言う。……無い。それに関しては、ワタシたちを信じてもらうしかないな」
「そう…ですか」
まるでアメリカ人みたいに、大袈裟に両手を広げながら、答える貴代子。
僕は、ソファの後ろにそのまま倒れこんで、ため息をつく。そこまできっぱり言われてもねえ……。
「…………あ、あのう。確かに信用出来ないのも、無理はないと思うけれど、
ボクたちが、ピンポイントでここに来たってのも、証拠のひとつにはならないかなあ?」
ハヤトとか言う男の子が、おずおずと喋りだす。まあ、それは一理あるかな。
それに、アイリスが何者なのかを話したところで、大した害は無いだろう。……と、思う。
「わ、わかったよ。貴代子さんの想像通り、彼女はアイリスと言って……」
僕は椅子に座りなおしながら、アイリスと初めて出会ったときのことを話し出した――

「ふうん。古本市で10円で売ってた本から、ねえ……」
「でも、そのアイリスって人、今はどこに行っちゃったというの?」
話を聞き終えた貴代子は、左手で頬杖を突き、右手の人差し指で、
トントンとテーブルを叩きながらつぶやく。いっぽうのハヤトは首を傾げながら、僕に問い掛けてきた。
それは僕が今、もっとも知りたいことだよ……。
「……さあ、僕も今さっき帰ってきたけど、誰もいなかったんだ。
夕食の支度を、中途半端に残したままで、ね…………あ!」
「な、何だどうした? 何か分かったのか?」
貴代子の言葉を無視し、隣の部屋へと向かう。そこには、アイリスを召喚した本がある。
その本になら、今のアイリスの変調の原因が、記されているかもしれない!
僕は藁にもすがる思いで、例の本を探し始めた。

「あ、あった。えっと、確かこのページに………あ、あれっ!?」
押入れを探し回り、ようやく本を発見した。本の中身を確かめた僕は、思わず声をあげていた。


……続きます。
462名無しさん@ピンキー:04/08/08 02:02 ID:N4fRik7h
いくつものストーリーを巻き込んで大激動の予感…
463名無しさん@ピンキー:04/08/08 03:39 ID:tarN0CWk
386-445まで八岐ネタ…色々すごいな
464名無しさん@ピンキー:04/08/08 23:39 ID:0/OKK33Q
か…鎌いたちブラザーズが…

残ったハヤト君は果たして仇討ちが出来るのか?
アイリスさん秀人さんの恋愛、
もしかして昔話とかの異種恋愛ではお約束だけどここでは滅多にない悲恋になるのか?

色々と先が楽しみなハードな展開……

>>◆MABOUp7up.さん
続き、楽しみに待ってます。
頑張って下さい。
465340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:37 ID:GhPqdqfC
>461の続き。

「何だ? どうしたんだい?」
「中身が……中身が変わっている……」
頬杖をついたまま、貴代子は僕に話しかけてきた。……そう。そのページには、
かつては確かにアイリスの召喚方法が出ていたはずなのに、全然違うことが書かれていたのだ。
「へ? ページ間違えてるだけじゃないの?」
「いや……ちゃんと栞を挟んでおいたし……しかも…これって………」
ソファに座った僕は、貴代子の言葉を否定し、書かれている内容を読みふけった。
そこには、驚くべきことが書かれていた。

〜警告〜
本章では、具体的に悪魔を召喚する方法を載せていたが、この方法での召喚には問題がある。
125回目に召喚された悪魔は、”名無き真の悪魔”なのだ。”名無き真の悪魔”は、その状態では、
何の力も持たない非力な存在なのだが、召喚された124人の悪魔を取り込むことが出来る。
そのたびに少しずつ力を増していき、124人全員を取り込んで、最後のひとりとなったとき、
”唯一の存在”となり、絶大な力を持つことになってしまう。

この警告が現れたときこそ、”名無き真の悪魔”がこの世に現れた証である。
もし”名無き真の悪魔”に出会ったときは、下記の魔法陣を描き、これから述べる呪文を唱えること。
さすれば次元の間から、”導きの手”が現れて”名無き真の悪魔”を引きずり込むことが出来るであろう。

〜”導きの手”使用時の注意〜
”導きの手”は相手を選ぶことをしないので、術者は魔法陣から2メートルは離れること。
また、呪文を途中で唱えるのを止めたり、呪文の完了時に魔法陣の上に対象者がいない場合、
”導きの手”は術者を襲おうとするので、使用時には注意されたし。
466340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:37 ID:GhPqdqfC
「……こういう警告文ってさ。普通はこんな手の凝った方法じゃなく、最初から載せておかないか?」
「うん、ボクもそう思う……」
本を読んだ貴代子は、しばしの間テーブルに突っ伏していたが、顔をあげてつぶやく。
ハヤトは本で頭をコンコンと叩きながら、そう答えていた。それは僕も思う。しかし、それにしても……。
「だとすると、アイリスはどうなってしまったんだ………」

ガチャ

「ただいま〜。御主人サマ、今日は本当に早く帰ってきてくれたんだ。……あ、あれ? お、お客さん?」
唐突に、買い物袋をぶらさげたアイリスが入ってきた。
アイリスは、僕の顔を見てにっこり微笑むが、貴代子たちを見て目を丸くさせていた。
「あれ? ア…アイリス……?」
「そうか……彼女が………」
思いもよらなかったアイリスの登場に、僕の頭の中は真っ白になる。
いや、ここはアイリスの家だから、帰ってきてくれて当然なんだけれどさ……。
何かを納得したように、貴代子はつぶやいている。
「お醤油……切れてたから、買ってきたんだけど………ど、どなた?」
「………なあ秀人さん、説明してあげたらどうだ? 本に書いていたことを」
買い物袋から醤油を取り出し、アイリスは僕に声を掛ける。
その声には、明らかに疑念の色が浮かんでいる。……もしかして、疑っている? ハヤトもいるのに。
顔をアイリスに向けたままで、貴代子は僕に目配せしてきた。……そう、だね。それがいいかも。
「あ、あのさアイリス……実はね……」
僕はアイリスを見つめ、貴代子がここに来た理由と、本に書いていたことを話し始めた――
467340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:38 ID:GhPqdqfC
「そ……それじゃ、私……。これから、どうなるって…いう……の?」
「えっと……そ、それは……」
アイリスは、僕の話を最後まで黙って聞いていた。聞き終えてから、震える声でポツリとひとこと。
明確な答えなど、あろうはずもなく、しどろもどろになる僕。と、
「あるべき場所へ戻る。ただそれだけ、さ」
「な、何っ!?」
背後から突然、聞き覚えのある声がして、驚きとともに振り返ると、そこにもアイリスがいた。
まるで、見えない椅子に腰掛けるように、フワフワ宙に浮き、悪戯っぽい笑みを浮かべている。
その笑みはまぎれもない、アイリスの笑みだ……で…でも……。

「あ…あ……ああ………」
先に現れたアイリスが、全身をガクガク震わせながら、声を漏らす。

「……っと。まったく……”呼びかけ”にも中々応じないから、どうしたことかと思ったら……。
しかも、自分を召喚した相手と、ま〜だ一緒に暮らしているなんて……ねえ……」
トンッと床に降り立ち、両手を腰に当て、首を傾げながらつぶやくアイリス。
よく見ると、こちらのアイリスは、僕が初めてアイリスを召喚したときと、同じ服を着ていた。
……服っていっても、いわゆるヘソだしレオタードと、同色のレザーブーツだけなんだけど。

「う、うわああああっっっ!!」
「ア…アイリス!?」
突然、先に現れたアイリスは、頭を抱え、叫び声をあげたかと思うと、一目散に駆け出した。
後を追おうと、立ち上がりかけ――
468340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:39 ID:GhPqdqfC
「うふふっ。どこへ行こうと言うの? 私はちゃんと、ここにいるよ?」
「そ、そん……ん…んんっ…んっ………」
背後から、もう一人のアイリスに抱きすくめられた。アイリスは、いつもの甘えた声でささやく。
振り返りながら引き剥がそうとしたが、両手首をしっかり掴まれ、そのままくちびるを塞がれる。
「んふ……ん…っ……んんっ……」
アイリスの舌が、僕の口の中へ潜り込んでくる。……あ、いつもと同じ、アイリスの舌、だ………。
僕はアイリスの背中に手を回し、しっかりと抱きしめながら、舌を絡ませた。

「…ふう……んっ…ん……んっ……。ふふっ……それじゃ……お次は……」
「ああ……あ…ア、アイリス………」
アイリスは、僕の口中をしばし堪能していたかと思うと、おもむろに顔をあげ、
悪戯っぽく微笑み、僕の下腹部を優しく撫でまわす。その刺激に耐えられず、あえぎ声が漏れ出す。
「ふふっ……すっかり立派になっちゃって。さて、と……ん…ふう……っ……」
「うああっ! アッ! アイリスうっ!!」
ズボンとパンツをずりおろし、剥きだしになったモノを軽くしごき、嬉しそうに微笑んだかと思うと、
舌なめずりをしながら、そのままモノを自らの口に含ませるアイリス。
毎日、同じことをされていたはずだったが、今日感じる刺激は、今までとは何かが違っていた。
そのあまりの心地よさに、思わず声を裏返させてしまう。ああ……気持ちイイ……。
469340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:39 ID:GhPqdqfC
「んふ……んっ…んんっ……」
「…あっ…ああっ……イイ…イイよ…アイリス……」
アイリスは顔を上下に動かし続け、口中では舌先で僕のモノを、ピタピタと引っぱたいている。
僕は思わずアイリスの頭を抱えながら、上半身を仰け反らしていた。
「……ん? ……うっ! うわっ! アッ! アイリスッ! アイリスッ!!」
いきなりアイリスは、モノの先端だけを咥え、顔を動かすのをピタリと止める。
僕が怪訝そうに見下ろしていると、いきなり右手でモノを凄まじい勢いでしごき始めた。
さらに、左手のひらに袋を乗せてコロコロ転がしながら、中指はすぼまり周囲をまさぐりだす。
立て続けに襲い来る刺激に、僕は全身をビクビク震わせながら叫んでいた。

「んふ……んっ……」
アイリスは、頬が凹むほどの勢いで、モノを吸い込もうとする。
そのいっぽうで、舌先はカリの裏側部分をほじくろうと、うごめき続けていた。
……もう、もう限界……だ……。僕は思わず腰を浮かせ、アイリスの口中で爆ぜようとして――
「………しょっと」
いきなりアイリスは、ぱっと僕から離れた。……な、何で!?
「うふふっ…あわてんぼさん……。まだまだ、これから…でしょ?」
僕の鼻先を、ちょんちょんと人差し指でつつきながら、アイリスは妖しく微笑んだかと思うと、
おもむろにレオタードを脱ぎ捨てた。形のいい胸が、僕の目の前でぷるんと弾んでいる。
「はあ…あ…ああんっ……」
僕はまるで、引き寄せられるように、アイリスの胸にむしゃぶりついていた。
アイリスは喘ぎ声をあげながら、僕の頭を両手で優しく抱きしめる。
「ん……っ…んっ……」
「…あ…あんっ……」
胸の頂を、舌先でちょんちょんと突っついてみると、アイリスはたちまち、甘えた声を漏らす。
だが、そんなアイリスの嬌声も、僕の耳には半分以上届いていない状態で、
夢中になって、アイリスの胸を堪能し続けた。
470340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:40 ID:GhPqdqfC
「……! んぐ! ん! んんっ!!」
アイリスの胸を堪能していた僕だったが、不意に下腹部を刺激が襲った。
後ろ手ながら、アイリスは再び僕のモノをしごき始めたのだ。
たちまち、モノから全身へと広がる刺激に、身悶えしながら悲鳴をあげようとしたが、
アイリスが、僕の頭をしっかりと押さえつけているため、くぐもった声を漏らすのが精一杯だった。
「……ふふっ……私も…気持ちよく、させてね………あ、ああんっ!」
「う! うああっ! あ…ああっ!!」
僕を胸から解放したアイリスは、妖しい笑みを浮かべたまま、そうつぶやいたかと思うと、
ゆっくりと腰をあげ、モノの位置を確認し、そのままいっきにそこへと腰掛けた。
今までの、口や手でしてもらっていた時よりも、遥かに強烈な刺激が全身を襲い、僕は悲鳴をあげる。
「はああっ……イイ……イイッ……」
「くあ…っ……ア……アイリス……」
自らの胸を荒々しく揉みしだきながら、アイリスは腰を上下に揺さぶり続ける。
繋がっている僕は、ただひたすら快感の波に溺れ、声を震わせていた。
ああ……もう…もう、イッちゃう…イッちゃ…っ………。
471340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:40 ID:GhPqdqfC
ドンッ

突然、そんな音が響いたかと思うと、アイリスが壁に叩きつけられていた。
何が起こったか分からず、辺りを見渡すと、拳を振り下ろした姿勢の貴代子が、
厳しい表情で、すぐ横に立ち尽くしている。……何? 何がどうなっているの? 
「秀人さん! 何をぼうっとしている!? 早く、早く彼女を追いかけないと!」
左手で玄関を指し示し、叫ぶ貴代子。……彼女…え? ええ? 追いかける?

ガチャン

僕がぼうっとしていると、玄関の扉が閉まる音が聞こえる。……これって、まさか?
「……まさか、私の幻影が通じないとは、ね。少し、みくびっていたかな?」
口から流れる血を右腕で拭いながら、アイリスは笑みを浮かべた。………幻影?
「まったく……せっかく、”私”を召喚してくれた礼をしていたのに、邪魔するなんて野暮なんだから」
小指の腹で、くちびるを撫でながら、アイリスはゆっくりと立ち上がる。
「ええい、秀人さん! 何があったか知らないが、今の出来事はすべて一瞬の幻影だ!
早く、早く外に出て行った彼女を追いかけるんだ! 今ならすぐ追いつく!」
アイリス相手に、何かの拳法みたいに身構えながら、僕に向かって再び叫ぶ貴代子。
……今の出来事が……一瞬の…幻影? すると…本物のアイリスは……。
次の瞬間、僕は玄関に向かって駆け出していた。


「それにしても……あなたって……フェンとリルは消してくれるわ、私と彼の邪魔をしてくれるわ、
私がひとつになるのを邪魔するわ、いったい何者なの? …………許さないわよ」
「ふざけるな! 許せないのはこっちのほうだ! ……覚悟しろよ!」
外へ出ようとした時、部屋のほうから、二人の殺気立った声が聞こえてきた――
472340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:41 ID:GhPqdqfC
アパートから出て辺りを見渡す。アイリスは……いた! すぐ横の、河川敷を走っている。
僕は全力でアイリスを追いかけていた。

「ア、アイリス! はあ…はあ…はあ……はあ…」
「ご…御主人サマ……。わ、私…私……」
アイリスに追いついた僕は、肩で息をしながらも、そっと背後から彼女を抱きしめた。
涙をボロボロこぼし、戸惑い気味に声を震わせているアイリス。
二人とも何も言わずに、いや、何も言えずに、しばらくの間、じっと抱きしめあっていた。

「御主人サマ……あの本の出来事、本当だった。もう一人の私を見たとき、私が私でなくなる
怖さもあったけれど、どこか安心できるような、落ち着けるような気持ちも……心のどこかであった……」
「アイリス………」
「で、でも! 私…私、御主人サマと別れたくない! ずっと、ずっと一緒に、そばにいたいよ!」
「……アイリス……僕もだよ……」
しばらく抱きしめあっていると、ようやく落ち着いたのか、アイリスはポツポツと喋り始めたが、
ぱっと顔をあげ、叫ぶように訴えかけてくる。僕は優しくアイリスを抱きしめながら答えた。
「でも…でも私…私、どうしたらいいの……」
「………大丈夫だよ。もう一人のアイリスを、どうにかすれば、多分……」
首を振り、弱々しくつぶやくアイリスの頭を撫でながら、天を見上げてつぶやく。
まったくの思いつき、ではない。あの本に書いてあった方法を使えば、あのアイリスはいなくなる。
そうすれば、また今までどおりの生活に戻れ………
473340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:41 ID:GhPqdqfC
ドサンッ

不意に、何か重たいものが地面に落ちる音が聞こえ、その方向を向く。
そこには、血まみれで横たわる貴代子がいた。
「な……き、貴代子…さん………」
震える声で呼びかけるが、ピクリとも動かない。……ま、まさか………。
「もう一人の私がどうしたって?」
声のほうを見ると、返り血を浴びて真っ赤に染まった、もう一人のアイリスが、フワフワ宙に浮いていた。
これって……やっぱり………。
「く……う………」
「……おや、まだ息があるのかい。まったく、しぶといものだね」
呆然と二人を見ていると、貴代子がうめき声をあげた。もう一人のアイリスは、
それを聞きつけて、呆れたようにつぶやき、貴代子のそばに降り立った。
「ち……ちく…しょ…………」
「そんなに悔しいかい? ま、次があれば、また遊んであげるわ。………さて、と」
憎々しげに、もう一人のアイリスを見上げる貴代子に、もう一人のアイリスは冷笑を浮かべながら、
ゆっくりとこちらを振り向いた。思わず、アイリスを抱きしめる腕に力がこもる。

「本題は、こちらなのよね。もう逃げてもムダ……さあ、こちらへいらっしゃい………。
言うことを聞くのなら、彼は殺さないでおいてあげる………。それとも、力ずくで一緒になる……?」
「ふ…ふざけ……」
「…………その言葉、本当なのよね?」
「な…な、なな……」
悠然と、もう一人のアイリスは、こちらに向かって手を伸ばした。
僕は、ふざけるなと答えようとしたが、アイリスはぱっと手で僕の言葉を遮り、
もう一人のアイリスに向かって話しかけた。その言葉に思わず我が耳を疑ってしまう。
474340 ◆MABOUp7up. :04/08/09 04:42 ID:GhPqdqfC
「ええ。自分で自分に嘘をつくと思う?」
「アイリス! そんなの信じたりするな! 僕は…僕は……」
アイリスと別れるほうが、アイリスがアイリスで無くなるほうが、辛いんだ!
と、叫ぼうとしたが、アイリスは僕のくちびるに人差し指をそっと当て、言葉を遮った。
「……御主人サマ………私、御主人サマと別れるのも辛いけれど、
目の前で御主人サマがいなくなるのも、耐えられないよ………」
「そんな……アイリ………」
アイリスの言葉に納得できない僕は、なおも反論しようとしたが、
優しくくちづけをされ、再び言葉を遮られる。
「大丈夫……私が私で無くなっても、御主人サマが覚えていてくれる限り、
御主人サマの心の中に、御主人サマを愛した私は、ちゃんと残っているのだから……」
「ア、アイリス!」
長い長いくちづけが終わり、アイリスは、にっこり微笑みを浮かべ、僕の手から離れた。
そのまま、もう一人のアイリスの元へと歩き出す。
「……御主人サマ……さようなら…………そして、ありがとう………」
もう一人のアイリスの目の前まで行くと、こちらを振り向き、ぽつりとひとことつぶやいた。
今まで、僕が見たことがないくらいの、儚い笑顔と、頬に光るひとすじの涙を見せて――
「アイリス!」
堪えきれず、アイリスに向かって手を伸ばした瞬間、もう一人のアイリスが、
背後からアイリスを抱きしめ、そのまま二人のアイリスが、激しく光り輝き始めた。
あまりの眩しさに目がくらみ、思わず目を閉じてしまう。

光が消え、再び目を開けたとき、そこにはもう、アイリスが一人しかいなかった――


……続く。
475名無しさん@ピンキー:04/08/10 09:37 ID:1bSoinRz
476名無しさん@ピンキー:04/08/10 10:14 ID:uiUYyYNK
477名無しさん@ピンキー:04/08/11 01:09 ID:9r4MuDhR
八岐大蛇の職人未だ誕生せずか
478名無しさん@ピンキー:04/08/11 02:18 ID:wJyEYNSR
まあ、あれだけ盛り上がった後で「書いた」って出せるのは相当肝の据わった奴だろうなあ……。
いろいろ食い違う意見もあったし。
479名無しさん@ピンキー:04/08/11 07:24 ID:GcAxUjAe
・・・・・・アイリスタンに、バッドエンドフラグが立っているように見えるのは、俺だけか?

食い違う意見は意見として、自分自身で飲み込むとか黙殺とかしてしまえばなんとかなるかもしれないけど、やっぱり難しいのかもしれないな。
八岐大蛇のネタ出しで盛り上がってたころ、(名無しで書き込んだのかもしれないが)作家さんが誰一人として反応していなかったし・・・・・・。
480名無しさん@ピンキー:04/08/12 00:36 ID:HgP9+kHi
そういやちょっと前に流行った唯一神ネタも出ないねえ。

関係ないが、やはり萌え唯一神の名前は又吉○○なんだろうか。
481名無しさん@ピンキー:04/08/12 07:40 ID:zP7ynMdj
盛り上がったって事はそれだけネタに幅が広かったり、縛りが多いって事だからな
しかし唯一神ネタをダラダラ書いてるけど、濡れ場ってのは難しいねぇ
482駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:09 ID:N8h4xjF4
日本というのは、
戒律による禁欲の要らない豊かな風土故か、
それとも宗教による縛りがなくとも、元々、協力して生きていくことが当然な農耕民族だからなのか、
単一民族国家故なのか、
多くの人は宗教に対して緩い。

古くはご都合主義の神仏習合、
現在では、
寺の住職が幼い我が子にクリスマスプレゼントを贈り、
神社のネギさんが近所の人と一緒に除夜の鐘を突き、
カソリック教会の門前に正月、門松が飾られる。

「…で、オレが何を言いたいかと言うと」
オレは眼の前に突き付けられた、光で出来たような槍の穂先をゆっくりと指先でそうっとずらしながら、
「夏祭りに誘った位で槍出さないで欲しいなあ…と」
と、オレの前で槍を両手で構えているベアトリスに言う。
483駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:11 ID:N8h4xjF4
…いや、こうなる気はしてたんだよ。
近所の神社が天照大神かそれに従っている神様辺りを祭っててくれれば良かったんだよ。
唯一神と対立した宗教と違い地母神が天の神を負かす宗教と違い、同じく天の神で多くの神がその部下、
つまり天使と同義だとか何とか口先で魔化せる。
実際、日本に戦国時代にキリスト教が入って来た当時は、神はデウスだったわけだし、基本的に政治背景など人間の都合が入らなければ、天の最高神=唯一神で問題ないはず。
希望的観測も含んでいるが、その神仏習合もどきな理屈で押し通せる気がしないでもない…
…ベアトリスは見かけに反して、思考回路はけっこう単純だし……。

けど、悲しいかな…
というか夏祭りだから当然といえば当然だが、土地の氏神様の神社だ……
つまり最高神に明確に従ってるわけじゃない神様なわけだ……
その上、地の神様……

だから…端っから銀次や正樹を誘ったんだけど、
正樹は最初から断り、
銀次はつい30分程前にバースさんに連行されて行った。
いや、それだけなら別にこんな命知らずなマネはしない。
問題は銀次が連行された後、
諦めて一人で屋台巡りでもと思ったトコまでは良かったんだが……
484駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:16 ID:N8h4xjF4
「だから、言ったじゃない。
 私と行きましょうって」
オレが槍を横にずらした所で、タイミング良くオリビアが窓から顔を覗かせる。
とっさに槍をそちらに向けるベアトリスよりも、
これを予想していたオレの方が一瞬に速く横に抜けようとする槍を思いっきり掴み止め壁の大破を回避することに成功する。

というか
「……うちの二階の廊下窓を浴衣を胸まで大きくはだけて、背中の黒い翼を羽ばたいて、覗くなよ。
 近所の人に見られたら体裁が悪いどころの話じゃないぞ」
オレは同時に目線で、オタクの槍もだよ。
とベアトリスに伝えるが通じたのか通じてないのか、全く槍をひいてくれない……
…因みに学校では、さすがに槍や翼は出ないが一日に数度はこういう事態がある……
悪いことに最近は、オレの困る顔が可愛いだの、良いストレス解消になるだの言ってオリビアは面白がりはじめている……

「…で、行く?」
オリビアはわざわざ窓枠に手をかけ、
その手から伸びる腕で胸をはさみ谷間を強調しながら、オレの方に身を乗り出してくる。
……ベアトリスの無い胸じゃ出来ない芸当だ……
間違いなくオリビアは面白がって挑発している。
ここでオレが下手なことを言うと、今日寝る家が無くなる。
485駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:18 ID:N8h4xjF4
「行くけど、オレは一人で食べ歩きに行くだけだぜ」
オレはあくまで一人でと、食べ物目当てであって宗教儀式じゃないと言う所を強調して、言う。

……が、オリビアの返事は
「じゃあ私も一人で行こうかな。
 偶然、君の隣を歩きながら」
ソレ全然、偶然とは言わせん……
「成さんは行きません!!」
そこに今までオリビアを睨んでいたベアトリスが凛とした声で、言い切り、
槍をオリビアに向けたまま片腕を離し、その手でオレの腕を握り締める。

オレは柔らかく、その手を離させると
「いや…それは出来ない」
だってそうだろ?
焼そば、たこ焼き、いか焼き、フランクフルト、綿菓子、りんご飴、
一晩で臨終する金魚に、3日で萎む水風船、いんちき臭い輪投げの景品、
日本男児なら諦めきれまい?
486駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:24 ID:N8h4xjF4
「綿菓子でも食べるか?」
「いりません」

二階の廊下が風通し良くなるという多大なる被害(伯父貴になんて言おう……)を出しつつ、
オレはベアトリスにオレの監視とオリビアからのガードという名目を与えることで、なんとかあの修羅場を脱したわけだが、
当然、そうなるとベアトリスが夏祭りにオレを見張りに着いてくるわけで……

「じゃあ、五平餅は?」
「一昨日、成さんがスーパーで買って来た物を食べました」
「さいでしたね…」

あからさまに不機嫌な彼女は万事がこの調子で、生まれて初めて恋人と夏祭りという男の夢の達成にも関わらず、
…ぜんっぜんっ楽しくない……
来て速攻で食べた、たこ焼きで思い知ったが、
連れが居るのに一人でバクバクと食うのは空しいし、いらん気を使う。
…だから、オレは最悪でも一人で来ようと思ってたのに…

「はあ…」
仕方ない。
幸い、家の二階からでも花火は見えるし…
適当に一つ二つ遊技系の夜店で遊んだら、帰ろう……
オレはそう考え
「じゃあ、ちょっと射撃でもしてくる」
射撃の屋台を指さして固まった……

何故に?
どう考えやあしても景品としておかしいやん?
神様…オレ、何かわりい事でもしたんきゃも?
よりによって景品に
「何で、ロザリオのネックレスなんかがあるんだ……」
487駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:28 ID:N8h4xjF4
「早くされたらどうです?」
…ベアトリスの恐ろしく冷たい声が、固まったオレの後ろから聞こえる……
「…いや、止めておきます……」
ここで台座に当てるだけだとか、オレはアレは狙わないとか下手な言い訳しようものなら、
今日がオレの命日になるだけじゃなく、この辺り一帯が地獄絵図になる気がする……

…仕方無い…
ツイてない日ってのは、誰にでもあるもんだ、
本当はバースさんに引き連り廻されてペース乱されまくっている銀次でも見つけて笑ってやりたがったが、
こういう日はさっさと帰って、ふて寝に限る。

「……帰ろうか」
今日はたこ焼き食べただけで良しとしよう、
オレはその他の楽しみを諦めてベアトリスに声を掛ける。
「はい」
オレの声に即座に反応して、ちょっと機嫌が良くなったような声で返事が帰ってくる。
……やはり、単純だ。
もっとも、そんな考えオレはおくびにも出さずに、返事をするや否やさっさと歩き出したベアトリスに着いて歩き出す。
488駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:35 ID:N8h4xjF4

ドーン

大きく響く音、
そしてワンテンポ遅れてバチバチと弾けるような音が鳴る。
「あ…やべ」
もう始まったか…
玄関先で鍵を開けようとしたオレの耳に花火の音が届く、
と同時にオレはとんでもない事を思い出す。

……花火が見える部屋ってベアトリスの部屋側だ。
南東に位置するオレの部屋だと、ベランダに出れば少しくらい見えるか?程度で……
これ以上、怒らせたくないしなあ…
仕方無いベランダで見るか。
そうオレが決めた時、
「花火…一緒に見ますか?」
意外な一言をベアトリスの方から言ってくれる。
「いいのか?」
オレが聞き返すと、彼女は申し訳なさそうに
「これでも反省はしてますよ……
 ただ、あの悪魔が……」
と呟く。
「…しかし、オリビアの介入前からオタクはしっかりオレに槍を突き付けてたんだけどなあ……
 最も、オレはそんな事は口が裂けても言わないけどね」

「言ってますよ…」
ベアトリスはオレに突っ込みを入れると、ため息を一つつく。
しかし、それに対してこの反応という事はどうやら冷静になってくれたらしい。
「……声に出てた?」
だから、オレも必要以上の反応はせず軽く返事をし彼女に微笑み返しただけで、
家の中にさっさと戻った。
489駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:40 ID:N8h4xjF4
元々は物置になってた空き部屋だったこの部屋が、ベアトリスの部屋になってから初めて入ったけど……

ぬいぐるみとかある部屋を想像はしてはなかったが、
その心構えを持っても殺風景な上に旧約と新約、コーランと数種類のハディースまで学校の教科書と一緒に並んでいる様はシュールだぞ。
…そもそも、この本(後者二つ)どこに売っていたんだ?
アラビア語で書いてあるし…
オレは売っているトコ、見たことないぜ。

「興味お有りなら貸しましょうか?」
…どうやら、オレが二冊の本を見てた理由を勘違いしてくれたお蔭で、彼女の完全に機嫌は直ったらしい、
ベアトリスは嬉しそうにオレに訪ねる。
「アラビア語は読めないから良いよ」
せっかくの機嫌を損ねるのも難なので、オレはちょっとだけ嘘をついて回避しておく。
「では、今度日本語訳を探しておきますね」
……最悪、適当に流し読めば良いか……
オレはそう考え適当に頷いておき南西に向かった窓を開ける。

とたんに轟音が部屋に響き、
目映い光が窓枠いっぱいに広がる。
…ってのは大袈裟だな……
所詮は都会の町内行事、
近隣住宅に気を使った申し訳程度の打ち上げ花火なので大したことはない。
少し最初の方は見逃した事もあって、あっと言う間に花火は終わってしまった。
490駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:42 ID:N8h4xjF4
「花火、けっこう綺麗だったろ?」
花火が終わった後、
肩を並べた姿勢のまま座っていたが、
互いの存在の間にある溝を埋める為に、もっと彼女に触れたくなったオレがその一言でその沈黙を破り、
更に彼女の返事を待たずに自分の唇で彼女の唇を合わせる。

「あっつ」
いきなり不意討ちに合わせられた唇の奥で、互いの歯が当たりその痛みから彼女の声が洩れる。
当然、オレの方も痛い……
「もうっ、急にキスをなさるから歯当たっちゃいましたよ」
オレが痛みから唇を離したとたん、彼女は文句を言いながら唇をさする。
もっとも、その声色は怒りなどを含んでいるものでなく逆に多少の喜びを含んだ明るさを帯びている。
「御免、その…ベアトリスに触れたくなったんだ」
オレはそんな彼女の明るさに合わせて、軽く微笑み正直に申告し、今度はしっかり彼女の肩を抱き、もう一度唇を重ねる。
491駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:46 ID:N8h4xjF4
「ふう」
軽く合わした唇を離したオレの口から、感嘆のため息が洩れる。
…ベアトリスの唇って柔らかくて凄く心地良いんだよ。
オレは本番より、彼女とのキスの方が好きって位。

彼女の肩を抱き締めながら、オレがそんなキスの余韻に浸っていると、
「…あの…いつも、して貰うだけですし…その……
 今日のお詫びも含めて…私も成さんの事……」
彼女が小さく呟くように、
……肩を抱いていた為に彼女の口が耳元になければ聞き逃してしまったかもしれない程の声で、
「させて…ください」
と言う。

…それって……
まさか……
「…口で?」
丁度、彼女の唇の感触に酔っていた事も有り、
恐ろしく希望的観測だと自覚して居ながらも、つい口から出てしまう。
「えっ!?
 …いえ…その手で……」
オレの一言が意外だったのか、
驚愕の高い一言をあげた後、序々に小さくなる声で彼女はオレの希望を申し訳なさそうに否定するとそのまま、固まったようにうつ向いて固まってしまう。
492駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:49 ID:N8h4xjF4
「どう…すれば良いのでしょう?」
しばらくの間、うつ向いて固まったままだった彼女がゆっくり動き出しオレのGパンのチャックを下げながら訪ねてくる。

しかし…どうすればって聞かれても……
人にしてもらった事なんてないし…してもらう心構えもなかったオレは答えに困る。
そもそも、すでに限界まで膨張しチャックから飛び出ているとはいえ、
実はオレのは中学の修学旅行の風呂で、銀次に皮付きミドリガメと笑われた程度のモノでしかない……
チャックを下ろしただけでは充分な大きさが露出しない……
取り敢えず、

「悪いけど、服脱ぐから」
せっかく決心して貰った所、悪いけどオレは一旦彼女から離れると上下の服を全て脱ぎ捨てる。
彼女の方もオレにやや遅れ、服を脱ぎ横に畳むとオレと向き合う形で座る。
493駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:51 ID:N8h4xjF4
オレはそんな彼女に覆い被るさる形で近づき、
「じゃあ…えっと」
彼女の右手を左手でそっと掴むと、オレ自身導く…
「うっ…」
彼女の指先がそれに触れた途端、
そこを起点にした鋭角的な痺れにも似た快感がオレの全身に走る。

「今、びっくって動きましたけど……」
中でしか感じた事にない、彼女にとって未知であろうオレの反応に驚いたのか、指先がぱっと離れる。
…そのお蔭でなんとか踏みとどまったオレは自分を落ち着かせる為に深呼吸を一呼吸し、
「別にその動きは変な事じゃなくて…気持ち良かったから……」
…言い難いさを感じながら、オレは彼女の質問に答え、
「それで…それをさすってくれれば良いから……」
もっと、先もあるんだけど…
説明するのも難だし、何よりもオレの方もベアトリスの準備をしなければならない。
正直、今でも限界なんてすぐ来そうなのに、そんなに刺激されても困る。

「さすれば良いのですね」
彼女はオレの言葉を確認し、その言葉にオレが頷いた事を確認すると、
ゆっくりと指先を上下させるようにオレ自身をさすり始めてくれた。
494駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:54 ID:N8h4xjF4
「ぅ…くっ」
オレは思わず出そうになる絶頂感を声と共に、歯を食いしばって殺す。
彼女の指のもたらす刺激は緩やかで単調、本来ならそんなに即達するような刺激ではない。
…はずなんだが、オレはそれをいっぱいいっぱいで辛うじて堪えるのがやっとだ。

「…どう…ですか?」
そう訪ねるベアトリスの言葉も所々で途切れ、
彼女の方も自分の行為に対して、精神が高揚していることが解る。
「うん…気持ち良い…」
彼女に返事をしつつ、
少し慣れ落ち着いたオレは自分の手を彼女の大切な部分に溝に合わせて這わせる。
「あうっん…そんな突然……」
オレの手に突然刺激された彼女は声を上げ、手を一瞬止める。
「だけど、準備しとかないと」
実際、触れた彼女のその部分は小さな突起が固くなってはいるが、まだ充分に潤っていない。
「そう…ですよね」
納得した彼女は、再びオレ自身を手を動かしさすり始める。

「う…くっ」
「あっ…うんっ…」
互いの切ない声と指の感じられる暖かさが、互いを高めていく。
「…そろそろ」
その行為にまた、オレは限界を感じ一言かけ彼女を止め、
彼女の白い足に手を掛けそれを開くように力を込める。
「うん」
そして、オレの行動に彼女はゆっくりと頷き、そっと足を開いてくれる。
495駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 01:57 ID:N8h4xjF4
足から手を離したオレは、
添えられたままになって二人に体の間にあった彼女の手を取り、そのまま体の外側で握り締め、
「…いくよ」
と優しく宣言し、彼女のなかに自身を埋没してゆく。
「あぅ…んっ」
それと同時に彼女の唇から甘い吐息とも呻き声とも取れる声が洩れる。

彼女にしてもらい、すでに限界が近かったオレは一度、奥まで到達すると、一息も入れずそのまま腰を使って前後に動き出す。
「えっ…?あっ…あくぅ…ん」
ベアトリスにとってそれは予想外だったのか、動き始めに驚いたような声を出すが、
すぐにオレの動きに合わせて下から、ぎこちなく動いてくれる。
「…ベアトリスっ…ベアトリスっ…」
オレあ自分の動きと、それとはタイミングのずれた彼女の動きの二重の刺激に夢中になり、序々に自分の速度をあげてしまう。

「あっ…あっ…成さっ…ん…あくぅん…あああっ」
絶頂の近づいた彼女はオレの名を呼び、きつく抱き締めてくる。
オレはそんな彼女に答え、抱き締め返し、絶頂を一気に引き寄せるように彼女の唇を貪る。
「はっ…くっん…うぅんっ!」
塞がれた彼女の口から声は出る事が出来ず、
くぐもった呻き声だけが漏れ、その最後の一息の大きさが彼女が達した事を知らせると同時に、
「くっ…」
オレも彼女に包まれたまま達した。
496駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 02:01 ID:N8h4xjF4
ー・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー

「窓、閉めてエアコンつけましょうか?」
「…いや、良いよ」
ベアトリスの火照った体の暖かさが、急激に冷やされ失われるのはもったいない、
それに彼女を出来るだけ長く抱いていたかった為、オレは彼女の申し出を断り、
オレは彼女を抱き締め、余韻のまどろみに目を閉じようとした。

その時、
「なにっ!!この穴!!」
夏祭りに友人と行っていた美迦が帰宅したらしく、例の大穴を見て大声を上げている……
「お兄ちゃんっ!!これどうしたのっ!!」

矛先がオレに向いた……
まあ、ガキの頃からいろいろと前科あるから仕方ないか……
オレは諦めると、立ち上がりついてこようとするベアトリスを手で制すると、
急いで服を着け、部屋から出る。

「あっ!!お兄ちゃん!!この壁の穴…
 って…お兄ちゃん、どこから……」
ん?
どこからって…

……ベアトリスの部屋からだあああああっ!!
しかも、よくよく自分の格好を見ると急いで着たTシャツが裏表逆……

その夜、一晩かけて金刀家では緊急家族会議(といっても3人)が執り行われた。
因みにベアトリスは家に来た時みたく、洗脳だか催眠だかしてくれませんでした…
彼女曰く、
「家族公認って良響きですね」
…だそうです。
497 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/13 02:18 ID:N8h4xjF4
今回も季節ネタです。
お盆が終わる前に書けて良かった。

>>◆MABOUp7upさん
アイリスさん、バッドED一直線な展開……
貴代子さんもぼろぼろだし、
どうなるんだろ…?
期待に震えて待ちます。

>>481さん
濡れ場って本当に難しいですね……
僕も毎回、詰まります。
でも、期待して待っているので頑張って下さい。

>>八俣大蛇ネタ
期待が大きいと確かに手つけ難いですね。
それに加えて8人って人数がかなり大きな枷になっている気もしますね。
少なくとも僕は8人は書ききる自信は無いです。

もしかしたら、出た意見は誰も使わないようなら別のネタの参考にさせて頂いても良いならば使うかも知れないけど。
498名無しさん@ピンキー:04/08/13 15:06 ID:plxrAhYj
保管庫にて過去SS見てきたものです。萌死にました。書き手の皆さん、GJ!
…どうせならハッピーエンドがいいけどね。
499名無しさん@ピンキー:04/08/13 16:02 ID:xO2Xoodx
ここってやっぱり人間以外の「女の子」のスレなの?
例えば、♂の幽霊さんとか妖怪さんとかぐれーとれーすおぶいすの人とかが
地球に襲来してきておにゃのこを(ry
とかいうネタってない?

「触手」か「魔法、超能力」の方に移った方がいいかな。
500名無しさん@ピンキー:04/08/14 01:17 ID:Fr1PHH6X
>>497
大丈夫だ!
あの世界にはまだ弁天の沙羅も、夢魔の魔夜も、名も無き死神タンもいるんだ!
501名無しさん@ピンキー:04/08/14 01:46 ID:e+9w2upb
そういえば
魔法怪盗団 はいぱぁ☆ぼれあ
とやらはどうなったんディスカ?製作準備中?
502駄目人間と天使3 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/14 03:07 ID:TSzYh0+N
「だから、言ったじゃない。
 私と行きましょうって」
オレが槍を横にずらした所で、タイミング良くオリビアが
窓から顔を覗かせる。
とっさに槍をそちらに向けるベアトリスよりも、
これを予想していたオレの方が一瞬に速く横に抜けようと
する槍を思いっきり掴み止め壁の大破を回避することに成
功する。

ベアトリスを誘ったのは彼女が原因だ。
一人で神社に行こうとしたオレは、オリビアに捕まった。
しかし、彼女と夏祭りに行けばどうなるか、
…特にベアトリスにバレたら……
そう考えたオレは、仕方なく逃げるように家に引き返しベアトリスを誘う事でオリビアを諦めさせようとしたわけだけだ。

というか
「……うちの二階の廊下窓を浴衣を胸まで大きくはだけて、背中の黒い翼を羽ばたいて、覗かくなよ…
 近所の人に見られたら体裁が悪いどころの話じゃないぞ」
オレは同時に目線で、オタクの槍もだよ。
とベアトリスに伝えるが通じたのか通じてないのか、全く槍をひいてくれない……
…因みに学校では、さすがに槍や翼は出ないが一日に数度はこういう事態がある……
悪いことに最近は、オレの困る顔が可愛いだの、良いストレス解消になるだの言ってオリビアは面白がりはじめている……

「…で、行く?」
オリビアはわざわざ窓枠に手をかけ、
その手から伸びる腕で胸をはさみ谷間を強調しながら、オレの方に身を乗り出してくる。
……ベアトリスの無い胸じゃ出来ない芸当だ……
間違いなくオリビアは面白がって挑発している。
ここでオレが下手なことを言うと、今日寝る家が無くなる。
503 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/14 03:13 ID:TSzYh0+N
済みません。
あげる時に一文抜けてしまってました。

>>502>>484の差し替え文になります。

出来れば
482→483→502→485→486→以下略
の順番で読んで頂けると有り難いです。

度々、済みません。
504名無しさん@ピンキー:04/08/18 15:32 ID:pgpDN0So
ほっしゅ
505名無しさん@ピンキー:04/08/20 13:11 ID:S1lJP8eL
(´・ω・`)うめうめ
506名無しさん@ピンキー:04/08/21 02:04 ID:8SKHc/z1
大蛇保守
507幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 03:55 ID:tGuDorbD
「あ…、おじさん、おはよう御座います」
朝、呼び鈴の音に玄関を開けた目に髪を短く刈りまとめた少年の元気な顔が飛び込む。
娘の幼い頃からの友人だ。
最近、またよく見かけるようになった。

「ああ、おはよう阿蘇くん。
 鳴なら、さっき起きたからもう来るよ」
「さっき…って、あいつは遅刻したいのかよ……」
「最近、あの子は疲れたみたいだからね」
愚痴をいう彼を僕は微笑ましく思え意識せず笑みがこぼれる。
もしかしたら、彼は鳴の事を助けてくれたのかも知れない。
彼がまた鳴を迎えに来たりしだした時期を考えると、それが自然な気がする。

「ちょっとお父さん!
 余計な事、言ってないでしょうね」
食パンをくわえた鳴が器用にそのまま叫びながら、
ふと懐かしい感傷にひたりかけた僕を押し退け、慌ただしく靴を履くとそのまま彼の手をひいて
「行ってきます」
と簡単に一言言うと出ていく。
そんな二人を見送り、僕の少し昔を思い出していた。
508幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 03:59 ID:tGuDorbD


「忍(しのぶ)お兄ちゃん」
山の斜面で木に背をもたれ、うとうととしていた僕を、
妹(…と言っても義妹なわけだがけど)の龍美(たつみ)
が起こす。
「ん?」
学校から帰ってすぐ僕を探しにきたのだろう。
彼女は近くの町の高校の制服に身を包んだまま、髪を三つ編みにしている。

客観的判断として、かなり可愛いと思う。
…子供の頃にはこんなに可愛くなるとは思わなかったのになあ。
僕がそんな事を考えている間にも彼女は本題に入る。
「また、こんな所で寝てて義父さんに怒られるよ」
大学を卒業したら村に戻るという父との約束で、
希望進路を捨て村に戻った僕はなんとなくやる気が起きず、
本当なら父の事業を継ぐ準備のため、父について回らないといけないのだが、こうして日々を無為に過ごしていた。
「そうだな……
 まあ、怒鳴られついでだし夕飯まで寝ていこうかな」
再び、木にもたれ眠ろうとした僕を彼女は引き起こし、
「駄目だよ!ここは不入(いらず)の沼のすぐ近くだし危ないよ」
かなり強めの口調を僕を諭す。

言い伝えでは龍神が住んでいる沼で、
年に一度生け贄を捧げる時以外は近寄る事を禁じられている。
もっとも今では生け贄は当然やっていない為にただ近寄る事のみが禁じられている場所だ。
509幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:02 ID:tGuDorbD
「不入ずの沼か…」
僕は呟いて林の奥を眺める。
そこには沼を囲んだという柵が小さく見えている。
子供の頃、友人と一緒に柵を越えようとして祖父に酷く怒られた事を思い出す。

「ちょっと見てみようか?」
間違いなく、只の沼で見る意味も無いという事は頭では解っているのだが、
昔、怒られた反動からか、好奇心が僕の中に生まれる。
「駄目だよ!」
龍美はその僕の提案を意外な程、強く否定する。
とは言え、それは考えれば可笑しくないか……
龍美を引き取って来たのは祖父だ。
その祖父は生前、散々に沼に近づくなと言っていた。
言い方は悪いが、祖父に恩のある龍美の中でその言葉が強くなっても仕方ない。

「…じゃあ、夕飯までここで話でもしようか?」
彼女を怒らせてまで見るようなものじゃないな。
そう考え諦めた僕は、怒り顔の彼女の機嫌を和らげようと微笑みかける。
「…義父さんに怒られても知らないよ」
、一応という感じで僕に忠告する彼女も嬉しそうに、僕の横に並んで座った。
510幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:07 ID:tGuDorbD
そんな風に龍美と話した、数日後。

父の跡を継ぐしかないというのは、僕も承知しているし覚悟のしているつもりだ。
元々、目指していた道は誰でもという物でなかったし、父に無理を通して入った都会の美大で、一つ下の後輩のお蔭で才能が無い事は思い知らされた。
…だが、頭で解っているから余計に父の跡を継ぐ事に身が入らない。
閉塞感だけが募り、無為に過ごす日々が続いていた。

その日も僕は、家で一番遅く昼過ぎに起き、
居間で蝿帳を被せて放置してある朝食に箸をつけながら新聞を広げる。

「くそっ!!」
一面の記事を見た僕は思わず、声を出して新聞を畳に叩きつけてた。
そこには僕の美大ので僕に、才能という物をまざまざを思い知らせた後輩の欧州の絵画コンクールでの活躍が大きく取り上げられたいた。

腹が立った……
何に、
というわけでなく、とにかく腹が立った。
511幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:10 ID:tGuDorbD
苛立った僕は、
とりあえず、一人で頭を冷やしたくて家を出て舗装もされてない田舎道を歩いた。

だが、この狭い村にそうそう一人になれる場所はない。
特に、元々は村長の家だった名家の跡取りなのに昼間からふらふらしている僕は御近所の噂の的だ、
どこに行っても人の目に触れる気がする。
その時、僕の頭に浮かんだ場所は例の不入ずの沼……
何も無い上に、禁忌になっているあそこなら誰も居ないはずだ。

そう思い付いた僕は、沼のある林の方に足を向けた。
512幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:12 ID:tGuDorbD
山の斜面を廻り、
林を抜け、柵を登る。

子供の頃、越えようとして一苦労している間に大人に見つかった難攻不落だった柵は、
この年齢の僕にはあまり障害物として用を為さず、簡単に僕の侵入をあまりにもあっけなく許してしまう。

僕の腰の辺りまである背の高さの草の繁った、全く人の手の入ってない地面に柵から僕は降り、足をつけ辺りを見渡す、
草に奥に、黒く淀んでいながら陽の光を反射する水面が見える。
「ふう」
僕は一呼吸つき、そのまま柵にもたれ草に埋もれ座る。

静かな隔離された環境は僕の閉塞感を霧散させていくように感じる。
「スケッチブック持ってくれば良かったかな」
先ほどまでの苛立ちが嘘のように、僕は素直に絵を描きたくなった。
両手の親指と人指し指で四角い枠を作り、
その枠に風景を納めることで絵の構図を考える。

「いい感じだ」
僕はその中心に龍美の笑顔を想像し、それを絵に完成した状態を思い浮かべて満足する。
513幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:15 ID:tGuDorbD
しばらく、そうして幾つか想像していた僕の構図は突然、
本物の龍美に塗りつぶされる。
「忍お兄ちゃん!
 ここに来たら駄目だってっ!」
僕に気づいた龍美は、いきなり僕の腕を掴むと引き起こし引っ張ろうとする。

「っと、待ってくれよ。
 どうして、お前がこんな所に……学校は?」
突然、想像の世界から引き戻されたが時間の感覚くらいはある。
まだ、龍美は高校に行っている時間だ。
「そんな事は良いからっ!!
 早くしないと気づかれちゃうからっ!!」
慌てるというよりも、もっとせっぱ詰まった感じで、龍美は僕を急かして引っ張ろうとする。
僕が、わけの解らないまま、
その様子に圧倒され、立ち上がろうと足元に目を落とした時、

ごぽ…ごぽ…
と沼が泡立った。
その音に僕が気づき、ふと顔を上げる。
その時には

ザザザっ
っと大きな音を立て水柱が立っていた。
514幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:20 ID:tGuDorbD
「この人は違うのっ!!
 忍お兄ちゃんっ!!早くっ!!」
龍美が横で叫んで僕を必死で引っ張っている。
しかし、僕はその場を動けなかった。
轟音が終わり、水が流れ落ちたそこに現れた物に僕は言葉を失った。

これが身がすくむと言うのだろう……
座り込んだ姿勢のまま、足に力が入らず立ち上がれない。
あまりに巨大さに、その在りようを簡単に把握出来なかった。
沼の水面と同色の黒い…巨大な鱗の並んだ体。
桁外れの大きな鰐のような、牙の並んだ真っ赤な裂け目のような口。
それだけで大人の体の半分程も有りそうな角。
……言い伝えの龍神様……?
515幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:21 ID:tGuDorbD
僕が動かない体で、その巨きな存在に圧倒されている間も龍美は、その恐怖に負けず僕を強くひっぱり、
「早く逃げてっ!!
 ここは私に任せて!!」
と恐怖に負けないというより、まるで自分に害がない事を確信しているような言葉を叫ぶ。
その言葉に僕は違和感を感じるが、
「何を言っているんじゃ?
 久しぶりの人の肉じゃないかあ……
 男だというのは気に入らんが、二百年ぶりの贄ではないか」
地に響くような声が、僕の思考を遮る。

「やめてよっ!父さんっ!!」
父さん?
僕を庇うように前に立った龍美の口から意外な言葉が出る。
まさか……
「何を言う、昔からわしは頭と胴、
 お前は四肢と、親子で仲良く分けてきたではないか」
親子……
まるで突然、ハンマーで殴られたみたいだ……
……簡単な単語なのに、突然過ぎて理解出来ない……
516幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:26 ID:tGuDorbD
「もう良い!ならば、わし一人で喰らうわっ!!」
事態を全く飲み込めない僕を置いてけ堀し、続けられていた言い争いは轟音のよな叫び声で突然に終わり。
その轟音を発した巨大な口が僕に向かってくる。

情けない事に恐怖に僕の意識が黒く反転する。
そして、その意識の最後に
「駄目っ」
という龍美の大きな声、
「ぐぅうるぅぅ…」
続いて、大きな山鳴りのような音が聞こえた気がした……

どれ位、たったのだろう……
どうやらまだ生きていたらしい、僕はおそるおそる目を開くと、
そこには二匹の龍が絡み、その内の一匹がもう一匹の首元に喰らいついていた。
「ぐぅうう……」
喉元を喰いつかれた方の龍が、苦しそうに唸り声を上げ、
そのまま力を失ったように、絡み合った体をゆっくり解き水面に沈んでいく。

「どうなったんだ……」
何に対しての疑問なのか、僕自身も解らないままに言葉が出る。
「もう…大丈夫…」
残った目の前の傷だらけの龍が龍美の声で僕に話しかけてくる。
「……龍美なのか?」
よろよろと僕は立ち上がり、その傷だらけの体に手を伸ばす。
「…忍お兄ちゃん……御免ね」
何に対して謝ったのか、僕にはすぐに判った。
伸ばした手を避けるように龍は沼に沈んでいこうとする。
…ああ…龍美が行ってしまう……
……僕は……
517幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:28 ID:tGuDorbD
「待てっ!!
 待ってくれ!!」
気づけば、水に入り藻を分け進み、
手のひら大の鱗についた体にしがみついていた。

「…私のこと、恐くないの……」
多少、低く響くような声になっているが、
確かにそれは龍美の声だと判る声…
だから、両手に感じる鱗の硬さ、巨大さに負けそうになるのを抑え、答える。
「…龍美のことは恐くない…かな」
そうか…
自分で言って、僕は気づいた。
そう、どんなに大きくても龍美である事は変わらない。
その事に気づいた僕は自信なく答えた答えを、もう一度、
はっきりと答える。
「龍美のことは恐くないよ」

「お兄ちゃん…」
いつの間にか、
巨大な体な龍に抱きついていたはずの僕の腕の中に、元の姿…
いや…服は破れてしまったのだろうか……
一糸纏わぬ姿で治まっていた龍美が呟く。

「取り敢えず、水から上がろう」
僕は彼女の体に寄り添いながら、引っ張るように沼から上がる。
518幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:31 ID:tGuDorbD
「…あぅ」
沼の辺についたとたんに彼女は微かな声を漏らし、
ふらりと体制を崩してしまう。
「龍美っ!?」
僕は、とっさに彼女を抱いていた腕に力を込めて彼女の体を支える。

「くぅん…」
触っていた場所が悪かったのか、
強く力を込めた僕の手が龍美の身体の柔らかい弾力に埋もれる感触が伝わると同時に、彼女の口から艶のある吐息が洩れ出る。
「ごめんっ!変な所触ったっ?」
僕は慌ててとっさに謝る。
が、彼女の体に力が入ってないが手から伝わっているので、ばつが悪いとは思いつつも手を放せない。

「そうじゃないの…忍お兄ちゃん…」
龍美は自分を抱いたままの僕の手を自分の手でなぞりながら、
「…今はどこを触ったとか…あんまり関係ないの……」
彼女の息が段々と荒くなり声が上擦って来ている……
「ずっと、本性を抑えつけてたのに……久しぶりに…戻ったから……」
「龍美?」
彼女は僕に強くしがみついて言葉を続ける。
「…抑えられない……」
「え?」
あまりの言葉に僕の思考が停止した瞬間、
龍美は僕を沼の辺の草むらに押し倒し、
「忍お兄ちゃんが欲しいの…」
そのまま、僕の唇奪う。
519幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:37 ID:tGuDorbD
「う…うぐ…ぅ」
突然のことに何が何か解らない僕の唇を彼女は暫く唇で貪った後、
「はぁ……ん」
自らの甘い声と共に解放する。
「…龍美…」
僕にかかった彼女の甘い吐息に僕は酔ったように、彼女に引き寄せられ、
今度は僕の方から彼女の唇を求める。
そして、口付けをしたまま、片手で彼女の背筋を、もう片手で彼女の腰を優しく撫で、指先でこそぐる。

「…あうぅん」
そして、彼女がその感触に耐えかね、腰を浮かした瞬間を狙い、
彼女の浮いた腰と自分の腰との間の隙間を利用して、スボンのチャックを下げると自身を取り出す。

「あっ…お兄ちゃん…」
大きく起立したそれが彼女の太股に当たり、
その感触を感じた彼女が、興奮状態の中でも多少不安になったのか、少し弱い声で僕を呼ぶ。

「…龍美」
僕はその声に答えて彼女の名前を呼ぶ、
彼女の不安を少しでも拭うために出来るだけ優しく。
520幼馴染み日記 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:39 ID:tGuDorbD
そして、
彼女の背をなぞっていた手を彼女の下半身の割れ目に這わせる。
「んっ…はぁっ…あっ…」
その部分は、もうおそらく受け入れる事が可能であろうほどに潤っているが、
僕は念を入れて、ゆっくり指を動かし愛撫を始めた。
「ああっ…あんっ…あうっん」
指が動き、力を少し入れるたびに彼女の声が高くなって行き、
指に感じた突起を軽く指先で弾いた時、
「あっ!ああぅんっ!!」
龍美の身体がびくびくっと軽く痙攣する。

僕はそんな彼女に口付けする。
「あぅ…はあ…はあ」
苦しそうな荒い息が暖かい唇を通して僕に伝わる。
「行くよ」
僕は、唇を離すと潤んだ彼女の瞳を見ながら宣言し、
彼女の返事を待たず、そのまま両手で腰を抑え彼女の腰を下げながら、僕の方はゆっくり腰を上に上げて行く。
彼女も僕のその行動に自分の指で、自分の大切なところを開いてくれる。

その彼女の大切な部分は、僕の先端が触れた瞬間、ぴちゃっと濡れた音がし、そのまま歪み先端を飲み込んでいく。
「っ…くっ…」
龍美は表情を少し固くしたが、そのまま目を閉じ腰を落としていく。
521幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:43 ID:tGuDorbD
「龍美…一度、抜くよ」
僕は、そんな龍美の表情に求められるままに応じていた事に、急に罪悪感を感じ、
ここで止めることも考慮に入れた言葉を彼女に掛ける。
…が
「嫌…」
龍美はそう短く返答をすると、そのまま僕を自ら更に奥に埋めていく。
「…龍美…好きだよ」
僕はその龍美の行為に答える為、はっきりと宣言すると
そのまま、彼女の腰を抑える手に力を入れ彼女の腰を固定するとゆっくりと下から突き上げ、奥まで入れる。
「うああぁ…っん」
一際、大きな声を上げた龍美がそのままぐったりと僕に体を預けてくる。
僕はその体を抱き止め、しばらくそのまま彼女の体重を感じながら、そのまま動かず彼女が落ち着くのを待つ。

やがて、僕は肩で息をしていた彼女の呼吸が整いはじめた事を密着する彼女の身体から感じ、
「…動くよ」
と、彼女に囁くように優しく言う。
それに彼女が頷いたのを確認した僕は、彼女の腰を両手で持ち上げ、膝立ちの姿勢にすると、
そこに出来たスペースを利用して、腰を突き上げゆっくりと動きはじめる。
「きゃあっ…ああんっ」
龍美は悲鳴に近い声を上げ、背をのけ反らせ痛みの耐える。
僕は彼女が慣れるまではと、動きを一動作毎に止めゆっくりと動いていると、
やがて腰を前後に動かす拙い動きだが僕の動きに彼女も答えてくれる。
「くっ…う」
もともと、動き出す前から彼女の中の絡みついてくるような刺激に、限界が近かった僕はその刺激に一気に昇りつめていくのを感じ、思わず夢中で腰の速度を上げてしまう。
「…ぁああっ…あんっ」
急激に速度を上げた僕の動きに、龍美は大きく声を上げて反応する。
僕はそんな龍美の声を聞きながら達した。
522幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:55 ID:tGuDorbD
ー・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー

一年後……

あの後、父の反対を押し切り僕は龍美と結婚し、
子供も生まれた。
なんとか、仕事にも慣れて最近は父も少しづつだが認めてくれてきた。
その矢先の事である。

「本当にそれしかないのか?」
「…貴方…黙っていて、ご免なさい」
龍美は抱いていた子供を僕に渡すと立ち上がる。
彼女の父親…例の龍神様は、人間をあまり好きでなく、
当然、その混血なぞ存在も認めたくないというらしい。
「私の時は、私を殺してまで引き留めようとはしませんでしたけど…その子はどうするか……」
龍美は、その父親を自分の体を使って封じるつもりだから、
僕と子供は父を刺激しないようにこの土地を離れて暮らしてくれと言う。

…僕は何も言えなかった。
先に話してくれれば…子供を作らなければ…
良かったなどと、この子の生まれた時の彼女の笑顔を見てしまったら、僕に言えるわけもない。

「鳴…」
龍美は僕に抱かれて眠る子に名を愛しげに呼ぶ。
龍の母親は離れて居ても子の鳴き声は聞こえる……
だから、龍美は生まれた子供に鳴と名付けた……
どこに居ても、子供の存在が自分と僕や子供を繋いでいてくれるようにと。

523幼馴染み日記2 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 04:56 ID:tGuDorbD
「僕はあの時も、
 今回も何も出来なかったなあ……」
学校に出ていった鳴の出ていった玄関の扉を見つめ、思い出から戻ってきた僕は呟く。
食事を取らなかった鳴に、夜食に作ったお握りを持って行った時に鳴の腕にあの鱗があるのを僕は見た。
気づかないふりは、最後の最後まで鳴の帰る場所であり続ける為だったんだけど……
…結局、大した時間も掛けずに鳴は自分で乗り切ってしまったらしい。

良い事なんだけど…
それはそれで寂しい……
僕はため息を一つつくと、自らの出社準備の為に奥に戻った。
524 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 05:07 ID:tGuDorbD
今回は幼馴染み日記2となってますが、
実質は別の話です。

それも、本来はエピローグの別れの話も最後のエッチを入れて2本に分けられるお話ですね。
湿っぽいを表現出来る自信が無いから、こういう形で無理に押しこんじゃったけど・・・
525名無しさん@ピンキー:04/08/21 07:34 ID:8g9E4yun
>>524
>エピローグの別れの話も最後のエッチを入れて

「3」では、その時できた鳴ちゃんの妹が押しかけて来ますか?
526名無しさん@ピンキー:04/08/21 15:05 ID:K/oXBMcl
>>524
乙です。龍娘ハァハァ、と。

何か昔少年サンデーに乗ってた漫画を思い出すのは気のせい?
(特に娘さんの名前で)
確かタイトルは「蒼い妖魔たち」…(ダメだ思い出せない
527名無しさん@ピンキー:04/08/21 17:48 ID:X/U0NKZt
>>525さん
その展開、良いかも、
放置しておくつもりだったけど、そこから龍美を救出して家族が揃う話に持っていけそうだし。

問題は妹が10数年間も何をしてたのかを考えないといけない事かな・・・

>>526
あと、微妙に某RPGゲームからも混じってます・・・

更に名前関係は
サトシ、シゲル、マサキはポ○モン。
他、色々と・・・
528名無しさん@ピンキー:04/08/21 17:49 ID:X/U0NKZt
>>525さん
その展開、良いかも、
放置しておくつもりだったけど、そこから龍美を救出して家族が揃う話に持っていけそうだし。

問題は妹が10数年間も何をしてたのかを考えないといけない事かな・・・

>>526
あと、微妙に某RPGゲームからも混じってます・・・

更に名前関係は
サトシ、シゲル、マサキはポ○モン。
他、色々と・・・
529名無しさん@ピンキー:04/08/21 17:51 ID:2gjVSiVX
まあ落ち着け
530 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/21 17:51 ID:X/U0NKZt
二重投稿になってしまった上に名無しで投稿しちゃいました。

しかも、RPGゲームって・・・
531340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:49 ID:UtPgpJPY
>474の続き。

「ふ……ふふ……これで………これで……」
「何故……何故、アイリスを取り込まなければ、ならなかったんだ? しかも、しかも120人も……」
”アイリス”は、自らの両手を見つめながら、何事かつぶやいている。
僕は頭の中が真っ白になりつつも、”アイリス”に向かってつぶやいていた。
――どうしても、これだけは聞いておきたかったから。
「……何か勘違いしているな。オマエたちの目からは、そう見えるのかもしれないが、
私はただ単に、元の私に戻ろうとしただけなのだぞ?」
「元の……アイリス………?」
こちらのほうを見ようともせずに、右手をうごめかしながら、”アイリス”は答えた。
まるで、『雨が降ってきたから、傘をさした』くらいに平然と。
……それはまさに、興味が無い相手に適当に返事をする時の、アイリスの口調そのものだった。
こういうところを見ると、確かに彼女はアイリスそのもの、みたいなんだけど……。
「そう、オマエが呼び出した魔法陣だと、私はそのままこちらへ来ることが出来ぬのだ。
だから、断片的な意思を共有させた”私”を、124に分けることによって、
こちらへ来ることが可能になったのさ。そして最後に私がこちらに来ることによって、
125に分かれた”私”は、本来の私の姿に戻れる……そういうことさ」
「そ……んな…」
僕がそんなことを、ぼんやりと考えているのを知ってか知らずか、”アイリス”は平然とつぶやく。
震える声とは裏腹に”アイリス”の説明に、妙に冷静に納得している自分がいた。

――要は僕と一緒にいたアイリスは、分割ファイルの一部みたいなもので、目の前の”アイリス”は、
それぞれの”アイリスたち”を結合させるための、解凍ソフトみたいなもの、なのか――

頭ではそう理解していた。だが感情が、理解しようとはしなかった。
そう、僕と一緒にいてくれたアイリスは……アイリスは、僕のことを………!
532340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:50 ID:UtPgpJPY
「ふん。本来話す筋合いは無いのだが、仮にもオマエは”私”を召喚してくれた者だ。
それに敬意を表して、事実を述べたまでだぞ? まあ、信じる信じないはオマエの勝手だがな……」
まるで興味が無い、と言うふうに首をコキコキ鳴らしながら”アイリス”は言葉を続けた。
依然として、うごめかしている右手を見つめたまま、で。
「でも……アイリスは…ひとことも、そんなことを………」
「まあ、言う必要はないからな」
「いや! そ、それどころか、何も知らなかったみたいだし……!」
地面に視線を落とし、ぽそぽそつぶやく僕に、”アイリス”は冷たく答える。
僕はその言葉を打ち消そうと、ぱっと顔をあげ、必死に”アイリス”に向かって叫んでいた。
「さあそれよ。今までオマエと一緒にいた”私”は何かおかしいのだ。召喚されて一年も経つのに、
未だに召喚主と一緒に暮らしているわ、私の”呼びかけ”には応じようともしないわ……。
おかげで、使う予定のなかった使い魔を、使わなければならない羽目になるわなんだで、
ここまでなるのに、ひと月も掛かってしまったわ………」
初めて僕に向かって顔をあげ、”アイリス”は答えた。……ひと月……そういえばアイリスも、
ひと月くらい前から物忘れとかが激しくなってきたとか、言っていたっけか……。
それって”アイリス”が言っている、”呼びかけ”のせいなのかな……。
ぼうっとした頭の中で、そんなことを考えていた。
もっとも、アイリスがこんなことになってしまった今となっては、もうどうでもいいこと、だけれど。
僕は半ば諦めたように首を振り、ため息をついた。
533340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:50 ID:UtPgpJPY
「でもまあ、それもこれも今日で終わり。これで私は、私に戻れる………」
右手から視線を離し、初めて僕のほうに目を向けながら、”アイリス”は言った。
恍惚としたその笑みは、エッチのとき先にイッた僕を見て、心底嬉しそうに微笑むアイリスのそれだった。

………といっても、いつも僕が先にイッてるんだけど。そういえば、アイリスが先にイッたことって、
今まで一度もなかったよね。召喚した途端、僕とエッチし始めて、先にイッた僕が主人になって、
それからはずっと……ある意味、男として情けないような……。

でも、エッチだけでなく、僕が風邪をひいたときに、優しく看病してくれたこともあったし、
どんなに仕事で帰りが遅くても、ずっと起きて待っててくれているし、ご飯も毎回作ってくれるし、
それに何より……僕が初めて『女神サマ』と呼んだ時に、驚きながらも涙を流して喜んでくれた、
あのアイリスの笑顔は……まさに僕にとって、かけがえのない女神様そのものだった――


「ね、ねえ。ひとつだけ教えて。今まで僕と暮らしていた、アイリスとしての記憶は……」
初めて出会ったときの頃から、今までの出来事が走馬灯のように脳裏をよぎった僕は、
”アイリス”に最後の質問をした。未練がましいかもしれなかったが、せめて、
せめてアイリスが、僕の『女神サマ』であることだけは、覚えていて欲しい……。そう思って。
「ふん。あくまで私は私。124の”私”の意識や記憶はあくまでも仮初めのもので、
あっても邪魔なだけ。そんなもの、残しておく理由は無いわ……」
「………そん……な…」
だが、僕の願いもむなしく、”アイリス”は鼻を鳴らして冷たくあしらった。
……アイリスが、僕の女神サマが、この世にはもういない……。
その事実を受け止めきれずに、全身から力が抜け、がっくりとその場にへたりこんでしまう。
胸に何かがこみあげてきたと同時に、段々視界が歪んでいき、頬を熱いものがつたっていた――
534340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:51 ID:UtPgpJPY
「?? やはり……おかしい……? 何故…何故、私に戻らない?」
前方から声が聞こえ、思わず涙にまみれる顔をあげた。言葉の意味を理解したわけではない。
ただ単に、何か聞こえたから、反射的にそちらを見ただけだ。
そこでは”アイリス”が、自分の両手をじっと見つめながら、疑問の表情を浮かべていた。
「そうか。今までの”私”の召喚主は、私が来たときには、すでにこの世にはいなかったからな。
それが関係しているかもしれない、か。さて……会ったばかりで悪いが、お喋りはこの辺にしておこう。
悪いとは思うが、やはりオマエには死んでもらうぞ」
やがて、何かを納得したように、羽をパタパタさせながら、”アイリス”は僕に近寄り、右手をあげた。
その指には、長い爪が生えている。

……それを、僕に突き立てるというのか。………いいさ。
僕が愛したアイリスが、僕の女神サマがいなくなった今、もうこの世に何の未練もない。
そう思った僕は、今さら”アイリス”に抵抗しようという気など、さらさら無かった。

「随分といさぎよいな。まあいい、せめてもの慈悲だ。苦しまぬように、一瞬で葬ってやる」
肩の力を抜き、顔を落としている僕を見て、”アイリス”は嬉しそうに残酷な笑みを浮かべた。
……女神サマの姿をした”アイリス”に、あの世へ送ってもらうのも、悪くないのかもね。
そう思いながら、僕はゆっくりと目を閉じた。アイリスの、女神サマの優しい笑みを、想い浮かべて――
535340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:52 ID:UtPgpJPY
目を閉じている僕の肩に、ぽんと手が置かれる。……ああ、”アイリス”の手か。
そう思うと、覚悟はしていたはずなのに、思わず体が強張ってしまう。
「………御主人サマ」
そんな僕の耳に、聞き覚えのある声が聞こえ、僕はそっと目を開けた。
「……ア、アイリス……?」
「ご、御主人サマ! 御主人サマあっ!」
目を開けると、一糸まとわぬ姿のアイリスが、儚げな表情を浮かべ、僕の肩に手を置いていた。
もう……あの世に来ちゃったのかな? そう思いながらつぶやく僕を見て、
アイリスは大粒の涙をこぼし、僕の首筋にしがみついてきた。
「アイリス……よかった……。こっちに、来てくれたんだね………」
……この感触……この温もり……生きていた頃と何も変わらないなあ……。
これなら、アイリスと一緒にいれるのなら、あの世も悪くないのかも……。
そんなことを考えながら、僕はアイリスをそっと抱きしめ返した。
536340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:52 ID:UtPgpJPY
「く…ぐ……ああ…な…何故……何故、オマエが出てくるのだ!? …あ…ああっ……」
「え? ……ア…アイリス……?」
不意に、苦しそうに悶えるアイリスの声が聞こえた。顔をあげると……両手で頭を抱え、
上半身を仰け反らせるアイリスの姿があった。え? じゃあ…僕が抱いているアイリスは……?
少しだけ冷静さが戻ってきた僕は、今の状況を確認して、腰を抜かさんばかりに驚いた。
僕はアイリスを、しっかりと抱きしめていた。そのアイリスと、目の前で悶えるアイリスは、
腰のところでひとつに繋がっていたのだ。………何が…どうなっているの……?
驚く間もなく、形容しがたい音が響き渡り、アイリスは完全に二つに分かれていた。
じゃ、じゃあ……まだあの世には、来ていないの?

「ぐあ……あ…あ……。何故……何故………く…ううっ……」
「うあっ! あ…あ…あ…ああ………」
悶えるアイリスは、右手で顔を覆いながら、左手を触手のように伸ばして、僕が抱きしめている、
アイリスの頭に絡ませた。触手が絡みついた途端、僕が抱きしめているアイリスは、
まるで金魚のように口をパクパクさせながら、苦悶の表情を浮かべる。
僕は必死に、触手を引き剥がそうとするが、完全にアイリスの頭の中に潜り込んでいるらしく、
剥がすことも出来ずに、ただアイリスを抱きしめることしか出来なかった。
537340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:53 ID:UtPgpJPY
「………………………キ、キサマ! ”私”を召喚するとき、方法を間違えていたなっ!?」
やがて触手を左手に戻しながら、アイリスは僕を指差して叫んだ。
あ……そういえば……アイリスを召喚するときって、図形を間違っていたんだっけか。
だからあの時は、あんなことがあって……僕がアイリスの『御主人サマ』になったんだよね……。
「道理で……道理で、”呼びかけ”にも応じようとしないわけだ………」
僕がそんなことを考えている間も、アイリスは全身を震わせながら、何事かつぶやいていた。
でもそうすると、今、僕が抱きしめているアイリスは………?
ふと見ると、胸にはかつて僕がプレゼントした、ネックレスが光り輝いている。
「アイリス! アイリスッ!!」
その輝きを目にしたとき、僕はアイリスを抱きしめる腕に力を込めた。
女神サマが…僕の女神サマが……帰ってきてくれたんだ……。
先ほどと同じように視界が歪んできたが、今度は絶望ではなく、嬉しさに全身が熱くなっていた。
「………まあいい。こうなったからには仕方ない。一度戻して、呼び直せばいいだけだ………。
………だが、私にここまで手間を掛けさせてくれた礼だ。キサマにも、この世から消えてもらうぞ」
と、”アイリス”は冷静さを取り戻したのか、ぱっと顔をあげ、僕たちに向かって言った。
その声にはわずかながら、苛立ちと怒りの感情が伺える。
確かに、分割ファイルの一部が破損してた場合は、ダウンロードし直せばいいんだけど……って、
そ、それって僕たちを!? そう思う間もなく”アイリス”は、こちらへ飛びかかってきた。
「ご、御主人サマ……」
「アイリス……アイリスっ!………」
抱きしめていたアイリスが、僕の顔を見上げながら、弱々しくつぶやく。
僕は女神サマの名を呼びながら、アイリスを抱きしめる腕に力を込めた。
538340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:53 ID:UtPgpJPY
「!? どこだ? どこへ行った!?」
僕たちに爪を突きたてようとした”アイリス”が、不意に何かの気配を感じたのか、後ろを振り向く。
あ、あれ? 貴代子が……いない?
……そう。先ほどまで、血まみれで横たわっていた貴代子が、どこにもいなかったのだ。
確かに…確かに、貴代子のものではあろう、血溜まりはあるのに………?
「こっちだ!」
”アイリス”は、あたりをキョロキョロ伺っていたが、不意に上から声がして、その方向を見上げた。
次の瞬間、貴代子が手刀を振りかざし、”アイリス”目掛けて宙から舞い降りた。

ズシンッ

「な! ぐわああっ!?」
手刀は見事に炸裂し、直撃した”アイリス”は絶叫とともに、地面に叩きつけられる。
「ぐ…ぐう……何故だ…キサマ……何故動ける………?」
「はん、答える必要は無いね。……それより、『次があれば、また遊んでくれる』んだろ?」
地面に這いつくばったまま、顔だけは貴代子をじっと見据えながら、”アイリス”は声を絞り出す。
だが貴代子は、皮肉そうな笑みを浮かべながら、”アイリス”の髪を引っ掴んで体を無理矢理起こさせた。
「ちっ……かは……か…体が……ぐはあっ!」
”アイリス”は舌打ちしながら、貴代子の腕を掴み返そうとしているが、
先ほどの、貴代子の一撃がかなり効いているようで、その動きは恐ろしくゆっくりとして弱々しい。
貴代子は容赦なく、中腰になっている”アイリス”の顎に膝蹴りを見舞った。
こらえきれずに、”アイリス”は2メートル近く吹き飛び、そのまま大の字に倒れこんだ。
539340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:54 ID:UtPgpJPY
……少し、やりすぎかも。そう思う間もなく、貴代子は一足飛びで、
”アイリス”の目の前に跳び寄ったかと思うと、右足を天高くかかげ、その姿勢でピタリと止まった。
……よくあそこまで、足があがるなあ……。何だかまるで、新体操の選手みたい。
などと、どこかズレた感想を頭に浮かべながら、僕たちは事の成り行きをじっと見守っていた。
「……今のは、ハヤトくんの兄たちの分。そして、これが……」
「あ…あ……も、もう、や、やめ……」
右足を高くかかげたまま、貴代子は”アイリス”に向かって静かに、でも怒りのこもった声で言った。
”アイリス”は上半身を起こし、左手を貴代子へ伸ばし、声を震わせながら弱々しく首を振る。
「これが、美沙ちゃんの分、だ!」

グシャッ

「ぐぎゃああっ!!」
貴代子は叫び声とともに、右足を”アイリス”目掛けて打ち下ろした。……今は亡き、ア○ディ・○グか。
鈍い音が響いたかと思うと、”アイリス”は悲鳴をあげながら、その場にゆっくりと崩れ落ちていた。
……ああ。『殺人犯の痕跡を辿って、僕たちの家を見つけた』って言っていたけれど、
被害者は顔見知りだったのか。確かにそうでもなきゃ、殺人犯を追ったりはしないか。
正直、怒りに任せて”アイリス”をボコッてるのかと思ったけれど、ちゃんと理由があったんだね。
540340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:54 ID:UtPgpJPY
「ひ、秀人さん! こ、これ! 今のうちに!」
「え? あ、ああ……。我、命ずる! 彼の者を彼の地に!」
そんなことを考えていると、不意に僕を呼ぶ声がする。振り返ると、ハヤトが件の本を差し出していた。
あらためて周囲をよく見ると、”アイリス”の倒れこんだ場所に、不可思議な図形が描かれている。
そうか……姿が見えないと思ったら、魔法陣を描いててくれてたのか!
貴代子のカカト落としによって気を失ったのか、”アイリス”は魔法陣の上で、
身動きひとつ出来ずにうずくまっている。い、今のうちに唱え終われば!
ハヤトから、本をひったくるように受け取った僕は、中に書かれている呪文を急いで詠唱し始めた。

「…………今ここに、真紅の終幕を!」
「な、何だこれはっ!? は、離せっ!」
僕が呪文を唱え終わるや否や、地面から真っ赤な腕のような触手のようなものが、
何本も生えてきて、魔法陣の上に横たわる”アイリス”に、次々と絡みついていった。
ようやく気がついた”アイリス”は、自らの体に纏わりつく触手に驚きの声をあげ、
振りほどこうと必死にもがいていたが、どんどん触手の数が増していき、”アイリス”を覆いつくしていく。
541340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:55 ID:UtPgpJPY
「こ、このや……う、うわあああっっ!!」
やがて、触手に全身を覆いつくされた”アイリス”は、この世のものとは思えない絶叫をあげた。
いくら別人(?)だとは分かっていても、その声は紛れも無い、アイリスそのものだった。
僕は思わず、抱きしめていたアイリスの胸に顔をうずめてしまう。
そんな僕の頭を両腕で包み込むように、優しく抱きしめてくれるアイリス。
ああ……アイリスは……僕の…僕の女神サマは、ちゃんとここにいてくれる……。
これ以上無い安心感を覚えた僕は、今置かれている状況も忘れ、アイリスに体を預けようとしていた。
「うあ……あ……あ…っ………」
が、”アイリス”のか細い悲鳴を耳にして、我に返った僕は、再び”アイリス”のほうを仰ぎ見た。
そこでは、触手が何本も複雑に絡み合い、まるでひと塊の、巨大な肉塊のようにも見える。
時々、中心部がビクンビクンと動いているが、あれってまさか………。
あまり想像したくないことを想像してしまい、それを振り払おうと、首を思い切り横に振った。
よく見ると、時々うごめく心臓のような肉塊、もとい触手は、ずぶずぶと地面に沈みはじめていた。

やがて、真っ赤な触手が完全に地面に姿を消した時、”アイリス”の姿はどこにも無かった。
僕は念のため、アイリスを抱きしめたまま、恐る恐る魔法陣のあった場所に足を運んだ。
そこは、周りとは何ひとつ変わらない、ただの草むらが広がっていた。
不思議なことに、ハヤトが描いたはずの魔法陣さえ、その形跡ひとつ無かったのだ。
これで……終わったの……か? 僕は思わず、その場にへたり込んでしまう。
アイリスは何も言わずに、そんな僕の手を優しく握り締めてくれていた――
542340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:55 ID:UtPgpJPY
「……さて、と。美沙ちゃんの仇は取れたし、帰るとするかい? ハヤトくん」
「う、うん……」
どれだけそうしていたか、不意に背後で貴代子とハヤトのやり取りする声が聞こえた。
「き、貴代子さん……?」
「秀人さん。おかげで美沙ちゃんと、ハヤトくんの兄さんたちの仇が取れたよ。
どうもありがとう。縁があったら、また会おうや」
「えっと……あ、いや、こっちこそ……」
僕が貴代子たちのほうを振り返ると、貴代子はこちらに向けて親指を突き立てながら、
白い歯を見せ、にっこりと微笑む。………ううん、やっぱり牙が生えている。
そんなことを考えながら、僕は貴代子たちに向かって、ペコリと頭をさげた。そう…だよね。
彼女たちがいなかったら、僕たちは今頃………。
不意に、”アイリス”の残酷そうな笑みを思い出し、身震いしてしまう。
「それじゃあな。彼女を大事にしろよ!」
「秀人さん、さようなら……」
「あ……ありがとうございました!」
いつの間にか、貴代子たちは土手のほうにあがっていて、こちらに向かって手を振っている。
気がつくと、僕とアイリスは二人に向かって、深々と礼をしていた。
543340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:56 ID:UtPgpJPY
「さあ、帰ろう……アイリス……」
「……うん、御主人サマ……」
ふと、アイリスを見ると、一糸纏わぬ姿でプルプル震えている。
僕は着ていた上着を、アイリスに羽織らせ、そっと肩を抱きしめた。
アイリスは体を震わせながらも、コクリと頷き、僕に身を寄せてきた。


家に戻ってから、アイリスはずっと泣きじゃくっていた。どうにかなだめて、シャワーを浴びさせたが、
それでも、アイリスの泣きべそは止まなかった。そう、ベッドの上でも………。
「御主人サマ……ごめんなさい……ごめんなさい………」
「……アイリス…もういいんだよ、アイリス……ん…っ……」
未だに泣きじゃくってるアイリスを、そっと抱きしめながら、僕はくちびるを重ねる。
アイリスは抵抗を見せる様子も無く、僕の舌を難なく受け入れてきた。
いつまでも、泣き止まないのなら、実力行使しかあるまい。……って、本当か?
「んっ……ん…御主人サマ………あ……あんっ……」
「アイリス……愛してる……愛してるよ………ん…んふ…んっ………」
そっとくちびるを離すと、アイリスは目をとろんとさせ、僕をじっと見つめてきた。
うん、泣き止んだ。効果はあるのか……などと考える余裕もなく、
アイリスの潤みを帯びた視線に魅かれた僕は、アイリスの耳元でうわ言のようにつぶやきながら、
再びアイリスのくちびるを奪った。今度はアイリスも、僕の舌に自らの舌を絡ませてくる。
僕は鼻息も荒く、口中に潜り込んでくるアイリスの舌を、夢中になって味わっていた。
544340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:57 ID:UtPgpJPY
「ご……御主人サマ………」
存分にお互いの口中を味わってから、どちらからとも言わず、そっとくちびるを離した。
二人の口の間を、唾液で出来た透明の糸が引かれた。まるで、激しい口づけの余韻を残すかのように。
「ああ…アイリス……ん…っ…んんっ……」
「……あ…あはんっ! あんっ!」
僕はアイリスの名を呼びながら、そのままその豊かな胸にむしゃぶりついた。
アイリスは、ビクンと身をよじらせながら、あえぎ声を漏らす。
すでに、ピンと勃ちあがっていた胸の頂を軽く咥え、そのままチューチュー音を立てて吸ってみる。
「あ! ああんっ! 音! 音立てちゃ! ああっ!!」
僕の頭を両手で抱え、抗議の声をあげるアイリス。だが僕は委細構わずに、そのまま歯を立ててみた。
途端にアイリスは全身を仰け反らせ、あられもない声で悶え始める。
そんな反応が何ともいとおしくて、僕はアイリスの胸に舌を這わせ続けていた。

「はあ……あ…御主人サマ………はあ! ああんっっ!!」
舌を伸ばして、胸の頂をチロチロと舐めまわしながら、ちらりとアイリスの顔を見上げてみた。
涙でベチャベチャになりながらも、真っ赤に染まったアイリスの顔は、この上なく色っぽかった。
何だかこの反応……すっごく新鮮なんですけれども。
僕は胸から舌を離し、今度はアイリスの頬を舐めまわしながら、ゆっくりと秘所に手を伸ばした。
「あ! ああ! 御主人サマ! 御主人サマあっ!!」
割れ目はすでに、熱い液体で満たされ、難なく僕の指を飲み込んでいった。
さらに、潜り込んだ指をゆっくりと出し入れさせると、くちゅくちゅという湿った音が響く。
アイリスは、その音に合わせるように、悲鳴のようなあえぎ声をあげていた。
「うあ! ああっ! ああんっ!!」
アイリスの嬌声を耳にして、段々興奮してきた僕は、指の出し入れを少しずつ速めていった。
同時にアイリスの声も、少しずつ断続的に甲高くなっていく。まるで、指の動きに合わせるかのように。
「ああっ! 御主人サマ! 御主人サマッ!」
アイリスが悶えるたびに、緑色の長い髪の毛が、まるで生き物のように艶めかしく波を打つ。
545340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:57 ID:UtPgpJPY
「ああんっ! ご、御主人サ!……」
突然アイリスは、あえぎ声を中断させたかと思うと、大きく痙攣して、それっきり動かなくなった。
…………これってもしかして、失神しちゃった、のかな?
今まで経験したことが無い出来事に、思わず動揺してしまう。
……そりゃそうだ。これまでアイリスには、何度も失神させられたことはあったけれど、
僕がアイリスを失神させたことなんて、一度も無かったし。……それはそれで情けないが。


えっと……でもこれから、どうしたら…いいのかな? などとあたふたしていると、
「う…うう……ん……」
「ア、アイリス! ……だ、大丈夫!?」
アイリスの目がうっすらと開いた! 僕は思わずアイリスの手を取り、叫んでいた。
「ご…御主人サマ……私…私、イッちゃったんだ………」
「え……えっと…その……」
「ごめんなさい……御主人サマ………」
きょとんとした目で、それでもすべてを理解したように、アイリスはポツリとつぶやく。
何と答えていいのか分からず、しどろもどろになってしまう僕に、アイリスはさらに言葉を続けた。
「え!? な、何が!?」
アイリスの言葉の意味が分からずに、思わず声を裏返らせてしまう。
「わ…私一人で、勝手にイッちゃって……御主人サマ、まだでしょう?」
「い、いやそんな……」
悪戯をしすぎた子どものような、申し訳無さそうな表情で、上目遣いに僕を見つめるアイリス。
ううむ……何でしょうか、このリアクションは。ここまでしとやかなアイリスって……。
「……御主人サマ……お願い…私に……私に、御主人サマ、ください………」
「う、うん……」
両手を広げ、誘うような姿勢のアイリスを目にして、僕の思考は中断させられた。
まるで、糸の切れた操り人形のように、カクンカクンと首を縦に振りながら、
そのままアイリスの上にのしかかる。ああ……柔らかくて、温かい………。
僕はアイリスをじっと抱きしめ、その温もりを全身で確かめていた。
546340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:58 ID:UtPgpJPY
「………ご、御主人サマ……は…早くう………」
しばらくの間、じっと二人で抱きしめあっていたが、やがて我慢できなくなってきたのか、
アイリスは僕の耳元で、じれったそうに甘えた声でささやく。整った可愛い顔は、
まるで茹でたカニのように真っ赤に染まり、下半身をせわしなく、もぞもぞとうごめかせながら。
「ア……アイリスッ!!」
「ああっ! ご、御主人サマ! 御主人サマあっ!」
その目に、じわりと浮かぶ涙を目にしたとき、僕の理性は弾け飛んでいた。
僕は、アイリスの両足をがばっと広げ、ひと息に割れ目の中へとモノを突きたてる。
たちまち、全身を痺れるような快感が襲い掛かり、こらえきれずに声を漏らしてしまう。
アイリスもまた、この刺激を待ち望んでいたように、嬌声をあげながら、自ら腰を振り乱してきた。
あまりの心地よさに、意識が半分飛んでしまいそうになるのをどうにかこらえ、
僕は腰をゆっくりと動かし始めた。――出来るだけ長い間、アイリスと交わっていたい――
意識とともに、理性がほんの少しだけ戻ってきた僕は、そんなことを考えていた。
……そうでもしないと、すぐにでもイッてしまいそうなくらい、心地よかったから。
ああ……でも本当に…気持ちイイ……。
「うあ……あっ…アイリス……アイリス………」
アイリスの中は、いつもと同じように熱くて柔らかく、僕を優しく包み込んでくれる。
その感触を、もっと激しく味わいたいと思う衝動と、もっとゆっくりと味わいたいという衝動が、
頭の中でぶつかりあう。だがその葛藤さえも、新たな快感と興奮となっていた。
547340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:58 ID:UtPgpJPY
「御主人サマ……御主人サマ………もっと…もっと、激しく…キテ…っ……」
「ん? ……これ……」
かすれるような声で、アイリスがつぶやく。同時に、ピタピタと僕の頬を叩く何かがあった。
手にとってみると……それは、アイリスの尻尾だった。
そういえば確か、アイリスって……そう思いながら、軽く尻尾をしごいてみた。
「んあっ!? あっ! ああっ! ああんっ!!」
僕の予想通り、アイリスは今までよりも、ひときわ甲高い声で悶え始めた。
「ああっ! そ、それ! それダメえっ! ご、御主人サマ! 御主人サマっ!」
手でしごいたまま、軽く舌を伸ばしてチロチロと舐めすさってみると、アイリスは面白いように喘ぎだす。
さらに僕は、そのままアイリスの尻尾を口の中に含ませた。
「くあ! ああっ! あ、ああ! あああっ!! ああんっ!!」
「うぐ……ア…アイリス………」
アイリスは、狂ったように叫び声をあげ、全身を震わせる。
同時にモノの締めつけも力を増し、僕もまた沸き起こる快感の前に、悲鳴のような嬌声をあげていた。
「ん…ん……んんっ…ぐっ……」
「んぶ…ん……んっ…んふ……ん…ふん…っ……」
僕は尻尾を咥えたまま、おもむろにアイリスのくちびるを奪った。
突然のことに、ビクンと体の動きが止まるアイリスだが、すぐに舌をうごめかせ始めた。
二人の舌とアイリスの尻尾が、複雑に口の中で絡まりあう。
僕はアイリスとくちづけを交わしたまま、少しずつ腰の動きを速めだした。もう……もう、限界かも……。
548340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:59 ID:UtPgpJPY
「うああっ! ご、ごひゅびんひゃまっ! あっ…あ、ああっ……あああんっ!!」
「……ぐう…アイリス……っ………」
だが、限界が近づいていたのは、アイリスも一緒だったようで、舌を絡めたまま嬌声を漏らし続ける。
アイリスの嬌声を耳にして、理性が完全に吹き飛んだ僕は、叩きつけるように腰を動かした。
「あっ! あう、ああ! もう…もう……! イ…イッ……!」
それからほどなくして、アイリスは全身をビクビクと仰け反らせ、絶頂に達していた。
「…ア…アイリス…アイリス…っ……あぐ! ああっ!!」
絶頂と同時に、アイリスの締めつけがさらに勢いを増す。その締めつけが最後の刺激となり、
僕は絶叫とともに、全身をブルブル震わせながら、アイリスの中に精を放出していた。

……は、初めて…初めて、アイリスより長持ちしたけど……こ、これって………。
同時に何かが、何かが変わった気がする。”何が”と言うわけではないが、大事な何かが………。
549340 ◆MABOUp7up. :04/08/21 23:59 ID:UtPgpJPY
「……ご、御主人サマ………」
アイリスが僕から離れ、ゆっくりと上半身を起こしながら、寂しそうに呼びかけてきた。
僕は何も言わず、アイリスをじっと見つめ返した。

「……………契約、解除しちゃったね……」
長い長い沈黙の後、アイリスがポツリとひとこと。……そうか、さっき感じた”何か”って、これのことか。
でも…でも何で? 何があって、契約が解除されちゃったの?
「御主人サマ……。私と契約したときのこと、覚えてる?」
「う、うん……」
疑問の表情を浮かべる僕に、アイリスが諭すように優しく語り掛けてきた。
反射的に、頷く僕。そ、そう…あの時は、いきなりアイリスがあんなことを……。
「あの時は御主人サマ、私より先にイッちゃったよね? それで契約が成立したから……。
だから、解除するには、逆のことをすればいいわけで…その………」
そこまで言って、アイリスは恥ずかしそうに、視線を逸らした。
つ、つまり…アイリスが先にイッちゃったから、契約が解除されたってこと、か……。
でもそうすると…そうすると、アイリスはこれからどうなるの?
「契約が解除されたから、本来は”私”に取り込まれるべきか、元の世界に還るべきなんだろうけど……」
「そ、そんな! 還るなんて言わないで! もう、もうアイリスがいない生活なんて、考えられないよ!」
アイリスの独り言に、僕はぱっと顔をあげ、思わず叫び声をあげていた。
「でも、”私”はどこか違う世界に行っちゃったし、元の世界には還り方分からないし、
行くとこ無くなっちゃったなあ……」
「ね、ねえアイリス」
「な、何?」
だがアイリスは、僕の声に目を細くさせながら、小首を傾げて寂しそうにつぶやく。
そんなアイリスの姿を見て、安堵のため息をついた僕は、思い切って声を掛けた。
緊張のあまり、思わず声が裏返ってしまう。アイリスはそんな僕を見て、目を丸くしていた。
ああ……驚く顔も、やっぱり可愛いな……。
550340 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:00 ID:ev2X7GT5
「アイリス……お願いがあるんだ。………僕と、結婚して欲しい」
「…………え?」
アイリスがじっと僕を見つめている中、僕は深呼吸をしてから、思い切って告白した。
丸くしていた目を、さらに大きく見開いたアイリスが、唖然とした顔で聞き返してくる。
「その……本当は、もっと早く言うべきだったんだろうし、指輪も用意してなかったけれど、えっと……」
「…………御主人サマ………」
しどろもどろに説明する僕を、アイリスが不安げな顔でじっと見つめてくる。
「だからそのー…何て言えばいいのかな? 契約とか関係無しに、アイリスがずっと僕のそばに、
いてくれたらなーって思って……い、いやもちろん、アイリスにはアイリスの考えがあるんだろうから、
僕の言うことを、無理に聞く必要があることも無いわけで……」
……やっぱり、嫌なのかな? そう思った僕は、ボリボリと頭を掻き、軽い口調でまくしたてた。
動揺している内心を、悟られないように。
「………本気で、言ってくれてるの?」
「本気……だよ。だって、女神サマと結婚出来るなんて、これ以上のしあわ……わ、わわっ!?」
「ご……御主人サマあ! 御主人サマあっ!!」
首をすくめ、上目遣いにアイリスがポツリとひとこと。間髪いれずに僕は答える。
だが、僕が答え終わる前に、アイリスが涙声で僕に抱きついてきた。これは……OK、かな?
「僕と……結婚してくれる? アイリス」
「……………」
アイリスを優しく抱きしめ、耳元でそっとつぶやく。アイリスは感極まったのか、
大粒の涙をボロボロこぼしながら、無言で首を縦に頷かせていた――何度も、何度も。
551340 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:01 ID:ev2X7GT5
「……そう、か。私が…私が御主人サマの妻に………」
ようやく泣き止んだアイリスは、まるで祈るように両手を胸の前で合わせ、
うっとりとした顔で、天を見上げながらつぶやく。
その顔は、涙のあとでくしゃくしゃになっていたが、彼女の美しさは少しも損なわれていない。
いや、それどころか、妖しい美しさが、かえって増していたかもしれない。
「ああ、女神サマが奥さんになってくれて、凄い嬉しいよ……え? ええっ!? な、な!?」
アイリスの独り言とも、僕への語りかけとも言えるような口調に、
僕は笑みを浮かべながら答えていたが、いきなりアイリスに押し倒された。
「だったら…だったら早速、新妻の役目を果たさないと……」
「ちょ、ちょっとアイリス!?」
僕の肩に両手を乗せ、体重を掛けたまま、アイリスは独り言をつぶやく。
この豹変の仕方に、僕の頭は混乱をきたしていた。
あれ……? でも何だか、前にもこんなことがあったような気が……。
「新妻だと……旦那様が満足するまで、夜の相手をしなければならないのだろ?
早速始めないと……夜が明けてしまうから、な」
平然とした顔で、そら恐ろしいことをつぶやくアイリス。その目は…本気だ。
「ちょ、ちょっと待ってよ! いったいどこで……ん…んんっ」
そんな話、聞いたんだよ! と言おうとしたが、やはりいつかと同じように、
アイリスにくちびるを塞がれてしまい、その言葉が口から出てくることは、無かった。
「んふ……んっ…。御主人サマ………」
「な……何? アイリス……」
長い長いくちづけで、頭がぼうっとしてきた僕に、アイリスがくちびるを離してつぶやく。
「もし、浮気とかしたりしたら……許さないからね?」
「わ、わかったよ、アイリス。……んぐ……んっ……」
指をチチチッと鳴らし、ウィンクしながら悪戯っぽく微笑むアイリスを見て、僕は思った。
………これ、捕まったのは僕のほう、なんだろうなあ……と。
「うふふっ。御主人サマ、ふつつかものですが、よろしくお願いしますねっ♪」
いや、どちらでもいいか。女神サマがそばにいてくれるのは、同じことなんだから――
552552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:03 ID:ev2X7GT5
>542からの続き。

「ハヤト……くん。興奮……しちまったかい?」
「え? ええっ!?」
秀人さんたちと別れたワタシは、ハヤトくんの肩を抱いて、そっと聞いてみた。
ハヤトくんは、あからさまに動揺している。
「ふふっ……無理することは無いさ。……ほうら……こんなにしちゃってさ……」
「う、うあっ! き、貴代子おねえさん!?」
ワタシは、ズボン越しにハヤトくんの股間を優しく撫でまわした。
予想通り、ハヤトくんの”男”の部分は、すでにカチカチに硬くなっていた。
腰を引いて、抵抗の意思を見せるハヤトくん。……これはこれで、イイかも……。
「アイリスさんの体を見て、興奮してしまったんだろ? ……いいさ、ワタシがなだめてやるよ」
「き! 貴代子おねえさん! な、何を!? ああっ!?」
言うや否や、ワタシは戸惑うハヤトくんの、ズボンのチャックを開け、パンツごと一気にずりおろす。
同時に、重力に逆らってピンと上を向く、ハヤトくんのアレが姿を現わした。
「貴代子おねえさん……あ、あああっ!!」
いつも見る裕二のアレとは違って、ハヤトくんのアレは、先端まで皮に覆われ、毛も生えていなかった。
ワタシは親指と人差し指で、そっと皮をつまみあげ、根元に向けて引き下げた。
するとピクピク震える、ピンク色の亀頭が姿を現わした。
ハヤトくんは腰を引き、涙声になっている。……少し、やりすぎたかな?
「な、なあ……やっぱり、やめようか………?」
「え? あ……い、いや…つ、続けて……」
上目遣いに、ハヤトくんの顔を見つめながら問いかけてみた。
ハヤトくんは、天を見上げ、恍惚とした表情を浮かべていたが、
ワタシの質問に顔を真っ赤にさせ、慌てて震える声で弱々しく答えた。
「あ……ご、ごめん………じゃ、続けるよ……ん…んんっ………」
「うああっ! ああっ! き…貴代子おねえさあんっ……」
質問の内容と問い掛け方が、ハヤトくんの男としてのプライドを著しく傷つけていたことに、
ようやく気がついたワタシは、詫びの言葉を述べながら、ハヤトくんのアレを根元まで咥えこんだ。
553552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:04 ID:ev2X7GT5
「んぐ…ん……んんっ……」
「ああっ! あっ! ああっ!!」
ゆっくりと、頭を前後に動かしてみる。もちろん、舌先はアレに絡ませたままで。
ただそれだけのことなのに、ハヤトくんは身じろぎしながら、可愛い声で喘ぎはじめた。
「んふ……ん…んっ……」
「あ……あ…ああ…あっ……」
亀頭部分だけを咥え、舌先を鈴口に押し当てる。そのまま、右手で軽くアレをしごいてみた。
ほんの少しだけ苦味を感じる液体が、鈴口から次々あふれ出し、ワタシの舌を刺激している。
ハヤトくんは腰砕けの姿勢になり、両手でワタシの頭を押さえ込んできた。
そんなハヤトくんを支えるように、気がつくと、ワタシは左腕をハヤトくんの腰に回していた。
「はあ…はあ……ん…んん…んっ……」
「あっ……ああ…貴代子おねえさん! あ! ああっ!! ああっ!」
一旦、ハヤトくんのアレから口を離し、そのまま横から咥え、顔をゆっくり左右に動かしてみる。
さらに、空いた右手でアレの下にぶらさがる袋を、軽く握り締めてみた。
握り締めた途端、袋の中の玉がキュッと縮こまった、ような気がする。……何だか、面白いかも。
そう思ったワタシは、アレを舐めまわすのも忘れ、夢中でハヤトくんの玉を、こねこねと握りまわす。
ワタシが面白がっているのを他所に、ハヤトくんは腰をよじらせて涙声で悶えていた。
「んぐ……んぐ……ん…んんっ……」
「うあ…あっ……ああっ……き、貴代子おねえさん! ボク、ボク…で…出る、出ちゃうよおっ!」
再び、ハヤトくんのアレを根元まで咥えこむ。もちろん、右手でハヤトくんの玉を、こね回したままで。
「! むぶ! ぐ……ぐう…っ……」
その途端、ハヤトくんは我慢の限界に達したのか、震える声で叫び声をあげた。
同時に、玉がキュッと縮こまったかと思うと、アレがビクンと脈打ち、
ワタシの口の中に、苦みばしったハヤトくんの精液があふれ出した。
「ぐ…う……ぐう…ごく…ん…ごく……」
ハヤトくんのアレは何度も脈打ち、次々と精液をほとばしり続ける。
ワタシは顔を前後に動かしながら、必死に咽喉を鳴らして精液を飲み下していた――
554552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:05 ID:ev2X7GT5
「……ハヤトくん……き、気持ち…良かったかい……?」
「う…うん……と、とっても……」
草むらにへたり込むハヤトくんの肩を抱き、ワタシは微笑みかけた。
ハヤトくんはズボンを上げるのも忘れ、肩で息をさせながら、ガクガクと頷く。
ワタシは、そっとハヤトくんのおでこにキスをした。……マズイな。クセになってしまうかも……。
などと考えていると、ハヤトくんがぱっと顔をあげ、ワタシの顔を上目遣いにじっと見つめてきた。
「き、貴代子おねえさん! こ、今度はボクが……その……えっと……」
勢い込んでワタシに話しかけてきたが、段々声が尻すぼみになっていく。
ふと見るとハヤトくんのアレは、一度果てたにも関わらず、早くも勃ちあがり始めていた。
「なあ、ハヤトくん。キミ、筆おろししたこと、あるのかい?」
「え? ええっ!? …………………」
ワタシの問いに、ハヤトくんは目を剥かんばかりの勢いで、驚きの表情を見せていたが、
顔を背けて、無言で頷いた。………ここまで来たら、一緒だよな。
「そっか……。ワタシでよかったら、筆おろしさせてやるけど、どうだ?」
「……え? ええ? そ、それって………」
背けていた顔をあげ、ワタシをじっと見つめるハヤトくん。何だか、信じられないものを見た表情だ。
やっぱ……いきなりじゃ、引かれるかな?
「それとも……ワタシが初めてじゃ、嫌か?」
「…………そ、そんな……嫌だなんて……。ボ、ボク…実は、貴代子おねえさんに、
初めて出会ったときから…その……ん…んぐ…っ…んんっ……」
首を傾げながら問い掛けると、ハヤトくんは、千切れんばかりに首を横に振りまわしながら答える。
何て可愛いんだ、このコは。そう思ったワタシは、気がつくとハヤトくんのくちびるを奪っていた。
555552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:05 ID:ev2X7GT5
「……それじゃあ、ハヤトくん。………おいで……」
「う……うん……」
ワタシはショーツを脱ぎ捨て、草むらに横たわり、ハヤトくんに微笑みかけた。
ハヤトくんは、ゆっくりとワタシの両足を広げ、その間に座り込んだ。
「……え…えっと…その………」
「さあ……ハヤトくんの立派なおちんちんを、ワタシのここに……」
座り込んだはいいが、何をしていいのか分からずに戸惑うハヤトくんに、
ワタシは自らの両手で割れ目を押し広げ、ハヤトくんを誘った。
ああ……ワタシは…ワタシは、こんな小さな男の子に、自分の全てを晒して喜んでいるんだ……。
不意に理性的な感情がワタシを襲う。……でも、でもこれは…相手がハヤトくんだから……、
ハヤトくんだからこそ、ワタシは全てを晒しているんだ………決して誰でもいいわけじゃない……。
言い訳じみた感情が沸き起こり、理性を振り払おうとする。

事実、ワタシはハヤトくんに魅かれていた。あのとき、『兄の仇を追いかける』と宣言したハヤトくんは、
確かにブルブル震えていた。実際、仇が討てる力があるとはとても思えなかった。
だがそれでも、勇気を振り絞って強大な相手に、敢然と立ち向かう行為そのものに、
鬼であるワタシは、強く魅かれていた。ハヤトくんについていったのは、そういう理由もあった。
そのハヤトくんに、ワタシは男としての悦びを教えようとしている………。
そう思うだけで、ワタシのアソコは、いつの間にやら熱く疼きだしていた。

「き……貴代子おねえちゃん……い…いくよ………」
「あ、ああ…………」
ハヤトくんの声で我に返った。ハヤトくんは期待に目を輝かせながら、
右手で自分のアレを握り締め、左手でワタシのアソコの位置を確認している。
ワタシは軽く頷きながら、自ら両足を大きく広げ、ハヤトくんが入ってきやすいようにした。
556552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:06 ID:ev2X7GT5
「……ん…ああっ!」
「んんっ!」
アレの先端が、ワタシの中に入り込んできた。
それだけで、ハヤトくんは上半身を仰け反らし、あえぎ声を漏らしていた。
「うああ…あっ……ああっ…」
「……んっ……あ、はああっ……」
ずぶずぶと音を立てて、ハヤトくんがワタシの中に入り込んでくる。
体がどんどん熱くなり、頭の中がだんだんぼやっとしてきた。
「あっ…ああ……ああっ……」
「…あっ……。どう、ハヤトくん? 気持ちイイ?」
やがて、根元まで入り込んだかと思うと、ハヤトくんはおもむろに、腰を前後に動かし始める。
虚ろな目で、歓喜の声をあげるハヤトくんを見て、思わずワタシは感想をもとめていた。
「あ、ああっ……熱くって、ヌルヌルして……凄い…凄い気持ちイイ……あ、あ……んっ…んんっ……」
喘ぎ声を混じらせ、ハヤトくんは素直に感想を述べたかと思うと、ワタシのタンクトップに手を掛ける。
あっと思う間もなく、剥きだしになったワタシの胸に、ハヤトくんが吸いついてきた。
「……あんっ…あ…ああ、ああっ! あああん!」
その途端、全身を痺れるような快感が襲い、ワタシは絶叫に近い喘ぎ声をあげていた。

「んぐ…っ…んっ……」
「はあっ! ああっ! あんっ! あ、ああっ! あああっ!」
ハヤトくんはパンパンと音がするほど、激しく腰を打ちつけながら、舌と手でワタシの胸を味わっていた。
すでにワタシは、ハヤトくんに筆おろしをさせてあげる、などという余裕は完全に消えていた。
今はただひたすら、ハヤトくんの行為に身を委ねるしかなかった。
「あっ! ああっ! き、貴代子おねえさん! もうボク、出ちゃう! 出ちゃうよおっ!!」
「…あっ! あんっ! イ、イイッ! イッちゃうっ! イッちゃううっ!!」
ハヤトくんが絶叫すると同時に、お腹の奥に何か熱いものが、流れ込んできたような感覚を覚える。
同時にワタシは、ハヤトくんの愛撫と交わりによって、絶頂へと押し上げられていた。
557552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:06 ID:ev2X7GT5
「き……貴代子おねえさん………」
目を覚ましたワタシを、心配そうにじっと見下ろすハヤトくんの顔。……そ、そういえばワタシ!? 
今自分が置かれている状況を思い出し、顔どころか全身がかあっと熱くなる。
ハヤトくんに、筆おろしをさせてあげるなどと言い出し、あまつさえ自ら快感を貪り、
挙句は失神してしまったのだ。恥ずかしさのあまり、ハヤトくんをまともに見ることが出来なかった。
思わず、ハヤトくんから顔を背けるように、上半身を起こす。
「あの……ボ、ボク、初めてだったけど……凄い、気持ちよかったよ……。
どうもありがとう、貴代子おねえさん……」
だがハヤトくんは、ワタシの背中に抱きついてきて、恥ずかしそうにつぶやいた。
「い、いや、ワタシは……その……。ハ、ハヤトくん!? いったいどうしたんだ!?」
ワタシは、しどろもどろに返事をしていたが、肩に置かれたハヤトくんの手を取った瞬間、
その手のあまりの冷たさに驚き、ハヤトくんのほうを仰ぎ見た。
「い…いや……だ…大丈夫……何でもな………わ、わわっ!?」
「何言ってるんだよ? どこをどう見ても、大丈夫じゃないじゃないか? 何があったんだ?」
心配するワタシを他所に、ハヤトくんはワタシから手をぱっと離し、二、三歩後ずさりながら答える。
ワタシはハヤトくんを、逃げられないようにしっかりと抱きしめ、さっきよりも強い口調で問い詰めた。
「それが……その…元の姿に、戻るだけだから………」
「も、元の姿!? な、何で!?」
観念したのか、ワタシの腕の中でハヤトくんは、ぼそぼそとつぶやく。
驚いたワタシは、ハヤトくんをこちらに向かせながら、その意味を尋ねた。
558552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:07 ID:ev2X7GT5
「ちょっと……”力”を使いすぎちゃったから………」
「使いすぎた……って、まさか…まさか、ワタシのせいで………」
ハヤトくんが言う”力”とは、鎌鼬3兄弟の末っ子としての、癒しの力だった。
ワタシは先ほど、アイリスによって半死半生の怪我を負わされたが、
ハヤトくんがその”力”を使って、回復してくれていたのだ。もしあのとき、ハヤトくんがいなかったら、
今頃ワタシや秀人さんたちは、いったいどうなっていたことか……。
でも…でもそのせいで、今の姿を失ってしまうなんて………。
「そんな……そんなこと、ないよ。貴代子おねえさんは、ボクの頼みを聞いてくれて、
兄ちゃんたちの仇を取るの、手伝ってくれたんだから、それを手伝うのは当たり前でしょう?
それに…元の姿に戻るってだけで、別に死んでしまうわけじゃないんだから、
しばらくじっとしていれば、またいつか、この姿に戻れる日が来るよ」
「ほ……本当か?」
「うん、本当だよ。だから…だから、心配しないで」
「そうか……分かった……。その日を…待っているからな……ん…んっ……」
にっこり微笑むハヤトくんに、ワタシも笑みで返しながら、そのままそっとくちびるを奪った。
不意を突かれたハヤトくんは、顔を真っ赤に染め上げ、おずおずとワタシの背中に手を回してきた。
しばらくの間、そうして抱き合っていたが、段々ハヤトくんの体が小さくなってきた。

やがて――ワタシの腕の中では、一匹のフェレットが「クー、クー」と鳴いていた。
559552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:07 ID:ev2X7GT5
――数日後――

「じゃ、行ってきま〜す!」
「千奈美ちゃん、夕方までには帰ってくるんですよ」
「は〜い!」
元気よく出掛けようとする千奈美に、雪枝が声を掛けてくる。
千奈美は、雪枝の言葉に素直に頷き、玄関の扉を開けた。

「あ、千奈美ちゃん。丁度いいところに! 実はうちに、いいものがあるんだけど、見に来ないか?」
「も〜お、貴代子お姉さん、それじゃ誘拐犯の誘い文句だよ〜?」
外に駆け出そうとする千奈美とばったり出会った、買い物袋を抱えた隣人の貴代子が手招きをする。
だが、千奈美は眉をしかめながら、小首を傾げた。
「はははっ、確かにそのとおりだ。……で、どうする? 見に来るかい?」
「うんっ! おっじゃまっしま〜っす!」
そんな千奈美を見て、苦笑いを浮かべながら玄関のカギを開け、再び千奈美を誘う貴代子。
今度は、千奈美は元気一杯な声で頷きながら、貴代子の家へ入っていった。
560552 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:08 ID:ev2X7GT5
「いいもの、ってのは、これなんだけどさ……」
「うわあっ……ねえ、貴代子お姉ちゃん。このコ、ここで飼うの?」
部屋の奥のケージに入っている、フェレットを指差す貴代子。
千奈美は歓声をあげ、ケージの前へ走りよって、貴代子のほうを振り返った。
「ああ、まあな」
「いいなあ〜、いいなあ〜。私、こっちの家に住もうかなあ?」
千奈美はケージの前でコロンと横になり、頬杖を突きながら、ポツリとつぶやく。
「コラコラ、そんなことくらいで家族を捨てるんじゃない。遊びたくなったら、いつでも来ていいから」
「ホ、ホント!?」
呆れながらつぶやく貴代子の言葉に、千奈美は目を輝かせて振り向いた。
膝から下を、パタパタと上下にせわしなく動かしながら。
「ああ。もちろんさ」
「わーいわーい! ………で、このコ、お名前は何て言うの?」
「ん。クーちゃんさ」
「クーちゃんか〜。よろしくねっ、クーちゃん!」
千奈美は満面の笑みを浮かべながら、ケージからクーちゃんを取り出し、軽くキスをした。
クーちゃんは、まるで照れくさそうに首を軽く振りながら、「クー、クー」と鳴いていた――
561561(触手プレイです) ◆W/KpcIbe5Y :04/08/22 00:11 ID:vXzZb0cO
>542からの続き。

「ぐ…ぐう…うっ……ううっ……」
”アイリス”は、闇の中で悶えていた。無数の触手が、身体中をまさぐり続けていたのだ。
ある触手は、胸に螺旋状に巻きつき、まるで何かを絞りだすようにうごめく。
また、ある触手は”女性の部分”の奥深くに潜り込み、縦横無尽に暴れまわる。
さらに別の触手は、すぼまりを激しい勢いで行ったり来たりしている。
口の中で、うねうねとうごめく触手もある。四肢を動かして抵抗しようにも、
その全てに無数の触手が絡みついているため、指一本動かすこともままならない。
「ぐぶ…ん……ふあ……あ…ああっ……」
だが、身体が動かない以前に、”アイリス”の意思が、すでに抵抗を諦めていた。
というよりも、無数の触手によって及ぼされる、刺激の虜になりかけていた。
「ごぼっ! ……うあ…あ……ああっ……あ…あっ……あっ……もっと…もっとお……」
口の中を弄んでいた触手が離れると、”アイリス”はあえぎ声とともに、ねだるような甘えた声をあげる。
まるで、その言葉を待っていたかのように、触手が一斉に倍の太さに膨らんだかと思うと、
先端から白濁した液体を、”アイリス”目掛けてドクンドクンと噴き出させた。
液体のあまりの量の多さに、あっという間に”アイリス”の体は真っ白に染まる。
さらに、胎内に潜り込んでいた触手も同時に爆ぜたため、お腹がプクリと膨らみはじめた。
「うあ……あっ!!」
ぐちゅりという音を立て、触手の一本が”アイリス”の割れ目から抜け出る。
同時に、割れ目から白濁した液体がごぽごぽと音を立てて、次々に溢れだしてきた。
「あ…ああ……あ…あ……」
お腹が倍以上に膨れているにも関わらず、苦痛を感じる様子も無く、
”アイリス”は恍惚とした表情を見せ、あえぎ声を漏らし続ける。
ぽっかりと開いた割れ目はヒクヒクと震え、さらなる快感を貪欲に貪ろうとしていた。
「うああっ! あっ! あああんっ!!」
そんな”アイリス”に、触手が再び絡まり始め、”アイリス”はさらなる快感に、身を委ねていた――
562562 ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:12 ID:ev2X7GT5
>541または、>561の続き。

「ぐ……ぐうっ!」
どれだけ触手たちに弄られ続けていたのか、もはや覚えてはいなかった。
だが突然、触手が一斉に離れ、宙に放り出された。
受身を取る余裕も、羽ばたく余裕も無く、”アイリス”は、硬い床に叩きつけられた。
あまりの痛さに悲鳴をあげ、しばらくの間うずくまってしまう。
ふと顔をあげると、無数の人影が”アイリス”をじっと見つめている。
”アイリス”は、痛みをこらえながらゆっくりと立ち上がり、目の前の石段を上り始めた。

「俺がもらった」
「可愛い尻尾をしてるわネ」
何歩か上ったところで、人影の中の誰かが口を開いた。
その言葉を耳にして、”アイリス”がゆっくりと振り向きながら叫ぶ。
「私は私! アイリスのものだ! 誰のものでもない!」
人影たちは一瞬たじろぐが、すぐに気を取り直し、再び”アイリス”の元へ歩み寄ろうとする。
「よく聞きな! 私が、ここの主だ。よく覚えることね、私の名前を!」
そんな人影たちに、”アイリス”は不敵な笑みを見せ、宣言した。
「……ぐ、ぐわあっ!?」
不意に背後から一人、”アイリス”に殴りかかったのがいたが、あっさりとかわされ、逆に蹴り飛ばされた。
蹴り飛ばされた人影は、無様な悲鳴とともに何人かを巻き込んで、石段を転がり落ちていく。
「フン。どうやらここには、頭の悪いのがいるみたいだね。
……よし、今日は特別だ! 文句があるヤツは、どんどんかかってきな!」
石段の頂上で、”アイリス”は吼える。
その声に釣られたのか、無数の人影が次々と、石段を駆け上り始めていた――
563つぶやき ◆MABOUp7up. :04/08/22 00:28 ID:ev2X7GT5
>562で終わりです。
…というか、スレの残量8KBまで投下してよかったのかどうか……。

>479氏,>497氏
第一話にて、既にグッドエンドフラグを立ててました(w

◆I3tGz4xJ9E氏
>駄目人間と天使3
ベアトリス…色々な経典を持っているようだけど、彼女の主神はいったい何者なんだ?
>幼馴染み日記2
何だか切ないお話ですね。龍美と忍が再会出来るお話を激しく希望したりします。
564名無しさん@ピンキー:04/08/22 01:33 ID:4JWZFhXW
>>562
これってもしかして1ですか?
565名無しさん@ピンキー:04/08/22 01:35 ID:DF7mQWGH
>>563
やっぱり、YHVHじゃないのか?
566名無しさん@ピンキー:04/08/22 01:39 ID:1FLsuzr8
【妖怪】人間以外の女の子とのお話8【幽霊】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093106312/

新スレ立てたよ!
職人が来るまで保守を頼む
567名無しさん@ピンキー:04/08/22 01:47 ID:GYIaybiD
>>565
火炎・氷結・電撃・衝撃・神経反射のくせになぜか破魔が効く唯一神のことですか?
568名無しさん@ピンキー:04/08/22 02:05 ID:sECap4+l
>>564
1の前のtheが抜けてしまった。
569 ◆I3tGz4xJ9E :04/08/22 02:14 ID:r1365h8s
>>◆MABOUp7upさん
お疲れ様です。
まさか、最初の魔法陣のミスがここでの伏線になるとは……
ハッピーEDのどんでん返しって良いですよね。

ベアトリスの主ですが、
あそこにある教典は、一応、全部が同じ唯一神となっています。

要は
旧約(ユダヤ教)のYHWH
=新約(キリスト教)のヤハウェ
=コーラン(イスラム教)のアッラー

ただ、
ユダヤ教的にイエスは神の子でなく、単なる預言者の一人、
キリスト教的にはモーセの交わした契約(旧約)はユダヤ人だけだったのを、キリストは人類全員を範囲として契約し直した(新約)、
イスラム教的にはモーゼもイエスも神の言葉を聞いた預言者だけど、
その後に続く人が彼らが聞いた神の言葉を理解しきってないから、神は契約の原本(コーラン)をムハマンドに授けた。
で、ハーディスはムハマンドの行動とかの記録。

結局は全部、同じ神様という話です。
宗教研究家じゃないから詳しいことは知らないんですけどね。
570名無しさん@ピンキー:04/08/22 12:26 ID:3PR22JXX
寝取られ。というか、浮気に大興奮した。
571つぶやき ◆MABOUp7up. :04/08/23 01:32 ID:6Oo1AAkI
>564氏
……大当たりです。りんちぇマンセー。というか、”125人”て時点ですでに……。
ついでに言えば、他の場面では色々とゲームネタを搭載してたりします。

気が向いたら、探してみてください。


◆I3tGz4xJ9E氏
まあ伏線と言っても、誰も覚えていなかったという説もありますが。

あ、全部同じ神様なんですね。ご説明ありがとうございます。

ところで、ジル・バースの姉御はいつになれば、この衣装で登場するのでしょうか?
ttp://www.triumphjapan.com/triumph/release/030716_main.html
ttp://www.triumphjapan.com/triumph/release/030912_image.html
572名無しさん@ピンキー:04/08/23 18:54 ID:M/CYZPU0
ついに出る。河童ゲー
ttp://www.konamijpn.com/products/kappa/
573名無しさん@ピンキー
>>572
ぐぐったら、こんなん出てきた↓
ttp://www.you-go.net/kappa/