【花咲け】 樹なつみ 総合スレ 【OZ】

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734名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 20:57:20 ID:NPY+/0ij
闇ちゃんとお姉さんが読みたいのですが
735名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 21:55:52 ID:2CpCl7uS
零と蕾が読みたいです。
736名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 13:49:58 ID:vlDlDuZr
寧子姉さ〜ん(*´Д`*)
737名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 06:02:57 ID:cn8VrVmJ
ホシュ
738名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 20:25:42 ID:ji4Jz9sV
寧子が闇己の唇を奪うシーンは、本気で興奮したな。
739名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 01:18:27 ID:JtIdWnZq
唇を奪うと言えば
安柘と闇己は唇同士がくっついてはいないんだよね。
闇己の相手は安柘派の自分としては残念。
740名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 08:53:35 ID:cLfRiOe2
保守
741名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 17:19:45 ID:c8mE1Zcp
もうここ3年近いんだな保守
どこかに樹作品いっぱいってとこないかな、もちろんノーマルで
742名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 23:37:35 ID:PZXFxfG6
今ユージィン×ナジェイラ書いています。
近日中に、こちらに出せたらなと思っています。
743名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 20:01:29 ID:Pj1MBmNN
ドキドキ"o(〃・ω・〃)o"ワクワク
744名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 23:50:43 ID:oSXN9vNp
保守
745名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:14:30 ID:bp4wjGI/
hosyu
746ユージィン×ナジェイラ:2007/03/13(火) 21:01:16 ID:/4p6mN4W
重い扉が僅かに軋み、ゆっくりと静かに開かれた。
部屋に差しこむ明かりと、人の気配を感じたユージィンが身を起こす。
「眠れないの?」
若い娘の高い声がした。

嘲笑を含んだ権高な口調が、時間帯を選ばぬ無遠慮な来訪者を知らせる。
さしもの彼も、ラギネイ王宮に身柄を拘束されるという突然の事態にあって、到底熟睡など
できなかった。
体を豪奢なベッドにあずけたユージィンは、薄明かりに浮かぶシルエットを一瞥し、眉を
ひそめた。
彼をここに幽閉した張本人、ナジェイラが後ろ手で扉を閉め、艶然と微笑んでいた。

「こんな夜更けに、どうされました」
彼女の気紛れだろうと分かってはいても、ユージィンの声には隠せない不機嫌さが滲んでいる。
彼の問いを無視し、ナジェイラはユージィンのいるベッドへと歩を進めた。
彼は素肌にガウンを羽織った。
「まるで本物の豹ね。僅かな気配にも感づいて、飛び起きるだなんて」
ナジェイラはベッド脇に立ち、ユージィンを傲然と見下ろした。
「ねえ。ムスターファ」
花鹿にしか許さない呼び名を遣われ、彼の柳眉が僅かに吊り上がった。

「殿下。申し訳ありませんが」
「怒った?……ふふ、こんなことで。花鹿とあなただけの呼び方よね」
ナジェイラは彼の抗議をあっさりと遮り、皮肉をこめてそう言った。
こんな深夜に、寝室に入りこまれてまで、からかいを受け嫌味を聞かされるのか。
ユージィンはこの傲慢で人を人とも思わぬ娘が苦手だった。
それに、この王女を手なずけているクインザという得体の知れない男も。
花鹿の為になればと思ってここまで来たが、囚われの身に落ちてしまった自分への苛立ちが
彼をいつも以上に神経質にさせていた。
747ユージィン×ナジェイラ:2007/03/13(火) 21:02:23 ID:/4p6mN4W
「ほら、怒ってる。全身の毛を逆立てて、警戒してるプラチナ色の豹そのものね、ムスターファ」
ナジェイラは顔を上げて勝ち誇ったように笑った。
「いいのですか?ナジェイラ殿下ともあろう方が、こんな夜中に外国人捕虜の元へ出歩かれるなど」

「あら、捕虜だなんて。そんな扱いをした覚えはなくてよ。あなたは私の特別なお客さまよ。
丁重におもてなしさせていただくわ、男爵さま」
ナジェイラは、ユージィンの貌のすぐ傍まで頬を近付けた。
体温を感じるほどのきわどい急接近に、彼は戸惑いを覚えた。
何かがおかしい。彼の警戒心を知った上で、あえてナジェイラがこうも大胆に接してくるには
邪な意図があるはずだ。
夜着とおぼしき薄布から、乳房の深い谷間がのぞく。
ほっそりとした肢体に似合わず、意外なほど豊かな乳房だった。
胸元を誇らしげに見せつけるような衣装をつけているのもうなずける。
ナジェイラはその量感を強調する意味で、わざとらしいほど前かがみの姿勢をとっているのだろう。

以前出会った時は、まるで少年のような野生の獣じみた気配を発散させていたが、この
変わりようはどうだ。
クインザとの関係が結ばれてからだろう、少女から一気に成熟した女性へと変貌しつつある。
かがみこんだ胸元、乳房の狭間あたりから芳香が漂う。
何を調合して作ったものなのかはわからないが、東洋的な妖しげな香りだった。
ユージィンの食指は動かないが、見る者が見れば権力を掌握する美しい王女としての魅力は
充分にあるだろう。
748ユージィン×ナジェイラ:2007/03/13(火) 21:08:22 ID:/4p6mN4W
「あなたって、本当にきれいね。どれほどの美女でさえも、あなたには勝てないわ。
どこの国の美人女優よりも、女王よりも、多くの人間を惹きつけずにはいられない」
彼にとっては何千回となく聞き飽きた、月並みな賞賛の言葉だった。
あらゆる国籍の、あらゆる身分の男女が彼に浴びせてきた常套句だ。
ただそれを、この王女がお世辞抜きの本心で言っているとは到底考えられない。
濡れたようにきらめく瞳がユージィンを捉える。

「花鹿が、そしてバーンズワースがあなたを離さないはずよね。それなのに、あの娘のために
わざわざこんなところまで来て。あなた、自分の価値を間違えているわ」
「ぼくには、たいした値打ちなどありませんよ」
「嘘よ。あなたには、財産も宝石も家屋敷を売り払ってもなお余りある価値があるわ。
それを試してみたいのよ」
この娘は何を言い出すのかと、ユージィンは訝った。
部屋の淡い光を照らすナジェイラの黒瞳が、不意に強い光を放った。
ナジェイラの唇が彼のそれと重なった。


甘い吐息とともに、ナジェイラの舌が彼の口内を探る。
慣れている。その動きで彼は悟った。
自分を見惚れる女とのキスなど、ほんの挨拶がわりと思っているユージィンからすれば
稚拙な技巧だが、彼女の舌遣いは男を知らぬ乙女のものではなかった。
それはどうでもいいが、さっきの言葉といい、何を考えているのかまったくわからない。

ナジェイラのなすがままにさせておいた彼の腰に、白い手が伸びる。
さすがに眉をしかめて、ユージィンはその手を押しやった。
彼女は唇を離すと、頬を淡く染めて含み笑いを浮かべた。
肩の薄布を押し下げ、淡く色づいた乳首が姿を現す。
749ユージィン×ナジェイラ:2007/03/13(火) 21:11:15 ID:/4p6mN4W
――まさか、こうして強姦されたと騒ぐつもりなのか。
こんなことが発覚すればただでは済まない。
ここは彼女の居城であり、唯一絶対の独裁者であるナジェイラが、ユージィンを罪人に
仕立てあげることなど造作もないはずだ。
嫌な想像を浮かべてしまい、ユージィンの背筋に冷たいものが伝う。

「およしなさい。殿下」
ユージィンは、努めて冷静に囁いた。
「あなたが、何を望んでいるのかはわかっている」
「そう。わかっているなら、言ってごらんなさい」
「ぼくをここへ留めておくこと。そして、花鹿を苦しめることだ」
「そうよ。それもあるわ。あの娘に、あなたと私がどんなことをしたか、教えてあげるわ。
あなたの大事な、宝物の聖少女、輝ける女神さまへね」
ナジェイラは淫らな笑みを浮かべ、ユージィンの耳たぶに唇をつけた。

「あなたはどうせ、あの娘を神聖視して寝てないんでしょ。あなたの自由を奪って、あなたを
弄んであげて、それを見せてあげようかしら。どんな反応をしてくれるかしらね、あなたの
素敵で純粋無垢なお姫さまは。泣いて喚くかしら、それともどんなふうに振る舞って、私を
楽しませてくれるかしら。考えるだけで、ゾクゾクするわ」

ナジェイラは再び彼の上に覆いかぶさると、キスを繰り返した。
羽織ったナイトガウンの下は、一糸まとわぬ裸身でいる彼の腰を手で探る。
反応はあった。
この上ないほどの美貌の男でも、こうして誘惑されれば、肉体的にはこんなものだ。
ナジェイラは唇を笑いの形に吊り上げた。
邪な美しさを湛えた高貴な女は、ベッドに腰かけて命じた。
「命令よ。私を抱きなさい。逆らうことは、許さないわ。今おまえの主人は、この私よ」


俯いたユージィンの美貌が、密かに冷たく笑ったのにナジェイラは気付かなかった。
750ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:32:08 ID:bRMaK0SC
「まずはあなたのお手並み拝見、といったところね。さあ、ベッドから降りるのよ」
「はい」
ユージィンはナジェイラに従った。
全裸にガウンを纏った彼は、それを脱ぐように言われる。
ナジェイラの強い視線を受けながら、ゆっくりとガウンを剥いでゆく。

まるでモデルのような長身……いや、凡百のモデルや俳優など及びもつかないほどの
魅力が、生まれながらに彼には備わっていた。
亡父譲りの冷たく妖しい美しさに加えて、磁力、引力ともいえる性的なオーラをまとい
ただ立ち尽しているだけで、女性を惹きつける物理的な誘引効果を持っていた。
美の女神に愛され、一身にその栄光を浴したかのような美貌と、口々に人は賛美する。
しかしそれは、おそらく邪悪な神の仕業によるものだろう。

彼の実父は彼の産まれる前に死んでいた。
金で彼の家に買い取られた母は死人の精を受けさせられ、彼を産み落とした後
狂気に身を躍らせて自らの命を絶った。
彼の生そのものが、命の営みを冒涜するに等しい、悪魔の所業の凝集であったからだ。
彼は常に死とともにあり続け、彼の醸し出すエロスとタナトスに惹かれた女たちはみな、
誘蛾灯に寄っては焼き尽されて死ぬ小虫のように、次々に幾人もが命を投げ出していった。

だが、彼についてまわる死の影さえユージィンの美貌をいささかも曇らせはしなかった。
たとえ荒れ果てた廃墟の中にあっても、どんな服装をし、どんなポーズをとっていたとしても
金を払ってでもポートレートを撮らせて欲しいという写真家が殺到するだろう。
他者をも巻き込み滅ぼさずにはいられない、強烈な自己破壊願望を抱き続けていても
その出生の秘密が織り成す彼の冷たい美しさに陰影を与え、磨きをかけさえした。


ナジェイラは、それを知ってか知らずか。

彼女は、単純に目の前にいる男の容貌の美しさに惹かれていた。
最初に出会った時は、ただの美しく高慢な男とだけしか思っていなかった。
幾人もの女が自殺するほどの虚無を抱えていた彼が、花鹿によって再生を促され、
彼女にかしずいている、それがナジェイラにとってユージィンへの興味を持たせた。
ここへ彼を閉じ込めておくことそのものが、花鹿を苦しめる材料にもなる。
その程度の思いであったはず、だった。
751ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:34:58 ID:bRMaK0SC
芸術家の手による彫像のような、見事な裸体が薄明かりに浮かんだ。
微かな笑みを唇に浮かべ、ナジェイラの瞳を斜に見入る。
ユージィンのその視線が、自分を視姦しているようでもあり、侮蔑しているようにも思える。
「ひざまずきなさい。ひざまずいて、私の脚を舐めるのよ」
「はい」
言われるまま、彼はナジェイラの足許に腰を折り、滑らかな足の甲に唇を這わせていった。

ユージィンの唇は、思いの他熱かった。
きっと冷たい肌だと思い込んでいただけに、体温の生々しさが逆に興奮を呼んだ。
「あ……」
か細い声が、思わずナジェイラの唇を割って出た。
ユージィンが、細かく舌を使って舐めたのだ。
ぞくりとする性感が、彼の唇から伝わって来る。
脚の脛を掌で撫で、舌と唇をゆっくりと這い上がらせてゆく。
彼の吐息がふくらはぎにかかり、そして白い手が太腿にまでそっとのびてきた。

「……ずいぶん、素直に従うのね。ムスターファ」
ナジェイラは、ともすればユージィンの愛撫に負けてしまいそうになるのを、喋る
ことでまぎらそうとした。

「私は、おまえにとって何人目?いいえ、何十人、何百人目くらいの女なの?」
「そんなには、女性との交際は多くありません」
「嘘おっしゃい。死にそうになった女、自殺した女だけでも両手で足りないはずよ。
……まあいいわ。さすがに、名打ての女蕩しでも、私のような王族の女を抱くのは
これが初めてじゃなくて?」
「はい。光栄です、ナジェイラ殿下」
「……よして。あなたのような男に、口先だけでそんなこと言われても……
嬉しく、なんかないわ」
よどみなくうそぶくユージィンの口調に、ナジェイラは苛立ちを感じた。
そのくせ、彼女の命令を逸脱することなく、微細な愛撫が続けられていた。
752ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:38:01 ID:bRMaK0SC
内腿をさする繊細な指先の動きを、奉仕に揺れるプラチナブロンドの輝きを、
ナジェイラは感嘆をもって見つめていた。
じわりと、奥から溢れてくるものがある。
ユージィンの寝室に忍び入る前から、そこは甘い予感に疼いていた。

クインザによって初めて女の歓びを教えこまれていた身体が、今は何故か、以前には
男として見てもいなかったはずのユージィンに、強烈な性的魅力を感じていた。
憂いと翳りを帯びた、比肩しうるもののない美貌の男が、今自分にかしずき、足元に
ひざまずいている。
どんな表情をしているのか、あとでベッドの上で見てやる。
ふくらはぎの内側を舐められ、ナジェイラははしたなく喘いだ。

クインザの中の冷徹さ、傲慢な悪を感じて興味を持っていた。
クインザは計算高く、ナジェイラを決して退屈はさせなかった。
ルマティに対して馬鹿馬鹿しいほどの忠誠心で尽しぬく、そのためには、他の王族も
臣下もすべてが彼にとってはルマティが王座につくための道具にすぎない。
自分は王冠になど興味はない。だが、クインザという男の併せ持つ矛盾が面白かった。
それまで神の託宣を一手に請け負い、ほしいままの名声を手にしていても、心の奥底に
広がる、退屈と空虚さが彼女を黒く蝕んでいた。
それは、クインザという男のもたらす嵐で、あとかたもなく消し飛んでいった。

彼に道具扱いされていると最初から知っているし、傷つきもしなかった。
お互いにうまく利用しあっている、利害が一致しているだけの関係だと承知の上でいる。
言い寄るクインザを寝所に導き、男と女の交わりを持ったのは、単に好奇心からだった。
だが、初めての性行為に喘ぎ悶えるナジェイラを、クインザは幾度も頂点にまで導いた。
彼女は生まれて初めて味わう感覚の虜となってしまった。
巫女としての処女性など、彼女にとってはさほどの値打ちもなかった。

聖なる乙女でいられなくとも、この邪悪な欲情の誘惑には勝てない。
おまえは、この男についてゆくがいい。そしてその欲するままに生きよ。
そう命ずる「神」の声を、めくるめく歓喜の中で彼女は確かに聴いた。
753ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:41:14 ID:bRMaK0SC
日ごとに、夜ごとに、彼女の中の女は目覚めていった。
自分にとっての王は、ルマティでもなく、もちろんソマンドなどではない。
ただひとりの男、クインザその人がナジェイラの「夫」であり「絶対者」であった。
輝きを増してゆく彼女の肉体を弄び、翻弄しながら、クインザは甘く囁いた。
美しい女王、われとわが身の忠誠をお誓いする、ただひとりの女王。
口先だけの睦言だとわかってはいても、その時には肉体が熱い歓喜の波にうねる。

彼女が歓びを訴えるたびに、クインザは冷徹な容貌を冴え渡らせていった。
与えられた快楽を貪るナジェイラは、彼に抱かれることをなによりも楽しみにしていた。
けれどそれと相反するように、次第にクインザの謀略事は増えていくばかりで、
熟していくその肉体は、深夜に及んでも謀議を企図するクインザの多忙により
放置され続けていた。

心などどうでもいい。
ただ、この日を追うごとに甘く疼いてゆく身体を鎮めてくれるものが欲しかった。
王宮の誰かではいけない、この弱みを知られてしまう訳にはいかないのだから。
そのための、望みうる限りで最上のものが今この手に入った。


太腿を這いまわる男の手を、どけようかとナジェイラは迷った。
さすがにユージィンの愛撫は巧みだ。
口づけをした時も、彼は舌先を小刻みに絡めてきた。
乳房をすり寄せ、舌を絡めながら彼の股間に触れると、そこはまぎれもない欲情を
示していた。それがナジェイラを喜ばせた。

少し前までは、未成熟な小娘とあなどられていた自分が、今ではこうして美貌の男を
身体で篭絡させることができる。
実際、クインザに抱かれてからは急速にナジェイラの女性らしさは増し、肉体も
丸みを帯び乳房も豊かになっていった。
以前の中性的な、少年のような無駄のない体つきから肉感的な成熟した女性へと
変貌を遂げている。
臣下やお付きの侍女たちからの絶賛を浴びるほどになっていった自分を、ナジェイラは
密かに誇りに思っていた。
754ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:45:44 ID:bRMaK0SC
高貴の生まれの肉体で、自分と同等かそれ以上に貴族の矜持を持ち、誰に媚びる
ことすらもしない、この男……
ユージィンを屈服させてやる。
ナジェイラは昏い欲望を胸に燃やしたまま、彼からの性戯に腰の奥を濡らして応じた。
内腿を執拗に指先で擦られ、唇と唾液をなすりつけられ、滑る舌先にナジェイラは
恍惚として声を漏らした。
快楽だけが全身を染め上げていこうとする中で、彼女の裡の鬱屈した感情も
目覚めていく。

ユージィンと、クインザはある点でとてもよく似ていた。
クインザがルマティだけに忠誠を誓うように、ユージィンはその愛情を、花鹿だけに
注いでいる。
クインザがルマティ以外の者たちを路傍の石程度にしか思っていないように、
ユージィンは花鹿をのぞく者たちなど、名もない雑草程度にしか思っていない。
もちろんそれは自分、ナジェイラもその雑草の一つであるに違いない。
いくら口先だけで、睦言で愛していると言っても、クインザはルマティだけしか
愛してはいない。
ユージィンも、愛しているからこそ花鹿だけは決して抱かないと言う。
それなら自分はなんなのか。
この二人の男たちにとって、ラギネイ王国四番目の王位継承者、ナジェイラの
存在価値など無いに等しいのか。
怒りと羞恥と、抑えきれない欲情と加虐の衝動がないまぜになり、ナジェイラの
肉体を熱い渦がとりまいていった。



「もういいわ」
ナジェイラは掠れた声で言った。
「ベッドに横になるのよ。ムスターファ」
755ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:49:20 ID:bRMaK0SC
嫌味のつもりで言ってやったが、ユージィンの冷たい美貌はいささかも感情の
揺らぎを覗かせず、ただ薄く微笑を浮かべたままでいた。
豪奢な天蓋つきのベッドに、ユージィンの真珠のような色合いの肌が映える。
銀色の光に輝くプラチナブロンドと相俟って、神々しいほどの白光を放っている
ようだった。

これでは、普通の女ならひとたまりもない。
ユージィンという存在そのものが、媚薬に等しい効果をもたらしているのだろう。
見つめているだけで、あの黄金色と緑のまだらの瞳で見つめ返されるだけで、
なにもかもを見透かされているような気分になる。
ラギ神の巫女である自分と、邪神の化身のような美貌の男。

クインザとてそうだが、このユージィンという男も、一体何を考えているのか
底が知れない。
たった一人の人間に絶対的な忠誠を誓い盲愛を注げる人間の、本音をさらけ
出させてやりたい。
この男の身体は、性の欲望をあからさまに示している。
花鹿に指一本触れてはいないという男が、自分に対しては男の本能を剥き出しに
しているのだ。
それを思い、ナジェイラはある種の勝利感を味わった。

ナジェイラは内心の興奮を押し隠して、彼の身体にまたがるようにし、そのものを握った。
「どう?こうされると、さしものおまえも、感じるはずよね」
熱くそそり立つものを、王女の手がはしたなく握り、男に快楽を与えるように動かした。
「……ええ。いいですよ、ナジェイラ殿下。とってもお上手でいらっしゃる」
相変わらず、ユージィンは微笑を浮かべたままで彼女を見つめている。
「殿下はやめて、堅苦しいわ。ナジェイラさま、と呼びなさい」
「はい、ナジェイラさま。気持ちいいですよ……」
756ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:52:08 ID:bRMaK0SC
たまらず、ナジェイラは夜着の前を押し開き、乳房を晒した。
ユージィンの手をとり、豊かな胸へと導く。
柔らかな手の動きと、白く長い指先が乳首をこするのを感じとる。
「あ、あんっ……」
乳首は彼女のもっとも敏感な性感帯のひとつだった。
桜色に恥じらったような色をつけた愛らしいそれは、ユージィンから存分に
刺激を与えられる。

「あ……。舐めなさい、ユージィン。私がやめろと言うまで、舐めるのよ」
今はもう、彼をからかう余裕など失われていた。
あるのはただ自己の快楽を貪欲に追求してゆく、淫らな女の本能だけ。
「はい。いつまでも、ずっと、ナジェイラさまが望むだけ、舐めてさしあげますよ」
仕方がないな、とでも言いたげな口調に聞こえる。
彼の美貌におおいかぶさり、乳房を唇に押しつけ、美しい舌先と唇が与えてくれる
精妙な愛撫に、ナジェイラの脳は白く溶けていった。

男を軟禁し、抵抗できないように言質を弄し、逆レイプじみたことまでしている。
サディスティックな欲望のままに、この途方もない美貌の男を犯しているつもりが、
反対に犯され自由にされてしまう恐怖を感じた。
クインザによってありえないほどの快楽の種子を埋め込まれてしまった肉体が、
今また別の男によって深い歓びに花開こうとしていた。

腰の奥からとめどもなく溢れてくるものが、荒く弾む息を吐き出させる。
「触って……。ああ、ここに……」
下着をつけていない秘部は、ユージィンの美しい指でさらなる快感に襲われた。

ナジェイラに組み敷かれた彼の貌が、満足げに笑っている。
「こぼれてきますよ……ナジェイラさま。こんなにもぼくを求めてくださるなんて、
光栄です」
757ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 21:57:47 ID:bRMaK0SC
見下したような視線に軽い侮蔑の意を感じても、ナジェイラの望むことは
ただ一つだった。
黙ったまま、ゆっくりと彼のものを受け入れていった。
「ああっ……」
「あっ……」
二人は、ほぼ同時に声をあげた。

美貌の若者のものが侵入してくると同時に、耐えがたい快楽の波がナジェイラを
翻弄した。
体中の力が脱けてしまいそうな、腰から下が溶け崩れてしまいそうな、味わった
ことのない衝撃が全身を貫いていた。
「あああ……!あ、ああっ……」
ナジェイラは細い声をあげて、快楽を訴えてしまった。
ユージィンの白い胸に両腕を突き、彼のものを深く捉えて離さず、そのまま
ゆっくりと腰を浮かせ、さらに沈める動きを繰り返した。

ああ、こんなに気持ちいいなんて……。
既に彼女の唇からは乱れた吐息しか出ず、固く目を閉じて快感に没入していた。
不意に、乳首から新たな刺激が加わった。
「あ、はあっ……!ああんっ!」
「いいですか、ナジェイラさま。こうすると、もっとぼくのを締めつけてきますよ。
そんなにぼくのが気持ちいいんですか?」
とろけるような柔らかな囁きが、官能的に響いた。
ナジェイラはユージィンの声に導かれるように、そっと目を開いた。
黄金色と緑のまだらの瞳に、霞がかかっているように思えた。
ナジェイラとの行為の快楽を感じているのか、それとも別な感情を持っているのか。

クインザでさえも、行為の最中に彼女の締めつけが加わると、声をあげて呻く。
それほどにいいのだと、彼はこらえきれない口調で告げて、彼女の中に果てる。
ただし、彼はいつでも避妊を怠らなかった。
ナジェイラはクインザの子を望んでいると口に出しても、彼は頑なに避妊をしなくては
ならないと説き続けた。
今は子を望むには早すぎる。
まだこの後、政治が安定し、王が落ちつかれ、正式な婚儀を挙げてからでないと
いけないと説得されていた。
758ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 22:05:11 ID:bRMaK0SC
底知れぬ快楽に身を浸しているナジェイラに、避妊しなくては、という意識が浮かんだ。
いわゆる膣外射精という方法は知っていた。
それをしてもらうには、ユージィンにあれを抜いてもらわなくてはならない。
でも、このまま続けてもらいたい。今、やめて欲しくはない。
確か次の月のものまでは、一週間以上の間があったはずなので明確な
安全日とはいえない。

ああ、だけど……。だけど……
クインザに抱かれて以来、およそ一月ぶりになるだろう絶頂の予感が、彼女を
この上なく貪欲にさせていた。
こんなに早い段階での絶頂など、彼女の経験ではありえないことだった。
それほどにユージィンの技巧は素晴らしかった。
どんな女でも、こんな男にこれほどの目に遭わされれば、彼から離れられなく
なってしまうはずだ。

「ユ……ジィ……ン……」
ナジェイラは、さすがに真剣な表情を浮かべているユージィンに声をかけた。
「ああ……。もう、いきそう……。でも、お願いがあるの。あなたがいく時、外に……
外に、出してちょうだい……」
「……ぼくも、もういきそうです」
言いながら、ユージィンは深々と彼女を貫き、そして引き戻した。
ナジェイラは最も感じるGスポットを突かれ、悲鳴のような声をあげた。

「あっ!ああっ!あっ!あ、お願い……お願い、外に、ああ!ああもう、ああ、
もうだめ……」
ナジェイラは、急激に突き上げてくる快楽の頂きを捉えようとしていた。
叫ぶ言葉は意味をなさない。
あと一息で達していこうとするその時、悪魔の預言が彼女にもたらされた。
「中に……出してあげますよ、ナジェイラさま。あなたは、ぼくの子を産むんです。
ぼくにそっくりな、色白の、プラチナブロンドの子をね……」
759ユージィン×ナジェイラ:2007/03/14(水) 22:17:22 ID:bRMaK0SC
刻みつけるような、ゆっくりとした、しかし断言する口調とともに、ユージィンは
とどめの一撃を浴びせた。
恐慌に襲われたナジェイラは、彼から離れようとしたが、ユージィンの意外な
ほどの腕の力で抑えつけられて、腰を浮かせることもできない。
対面座位のまま、彼に下から抱きすくめられていた。

「ああっ!いや、いやっ!やめて、あああ!ああっ、いいの、いい、
だめっ……」
ナジェイラは、暗い絶望に呑み込まれながら、自分の中に深々と
突き込まれるユージィンの震えを感じた。
男が射精を迎える予兆を確実に捉え、彼女の性感を昂ぶらせていった。
それは敗北を意味していた。
逃れられない。この男からは。
のぼりつめたい。
このまま彼の絶頂を身体の奥深くに受けとめてしまいたい。
恐怖よりも、彼を拒否するよりも、浅ましい性の欲求に神聖な巫女の肉体と
精神が犯され、堕落してゆくのを彼女が選んだのだ。

その瞬間、未だかつてなかった凄絶な愉悦が彼女を遥かな高処へと
攫っていった。
声にならない声が響き渡る。
彼女のすべてがユージィンに奪われ、汚されるのだと。
四肢を捕縛されながら、漆黒の谷底にひきずりこまれてゆくような錯覚のただ中、
ナジェイラの秘所は歓びにわなないていた。

白い神像のような美貌が彼女の脳裏をかすめて過ぎ去る。
勝ち誇った悪魔のような笑いを浮かべながら、ユージィンは彼女の首筋を吸った。
邪な計略に散った神聖な巫女の、敗北のしるしのような紅い花びらが残された。
760名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 02:46:23 ID:ud+kuoTI
いつの間にか神が降臨しておられた!
イイヨイイヨ
ナジェイラもユージィンも、すごく「らしい」のに
すごくエロくて最高っす
761名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 04:00:14 ID:Jd2ZpfrN
うわー!久々に来てみたらスゲー(・∀・)イイ!!!
ありがとうございます神様
762名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 05:00:13 ID:HLbBhZgh
今更ながらGJ!
しばらく見てない間にエロ神様が!
763名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 19:48:53 ID:DPu4iA6w
ほしゅ
764名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 08:05:52 ID:ba5ZF7Gx
hosyu
765名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 00:35:06 ID:HDayKOME
ほっしゅ
766名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 13:56:28 ID:2RwQm7Jy
ほしゅ
767名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 20:42:36 ID:ZaRPMI1Q
hosyu
768名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 23:29:29 ID:F3+Rd+l+
保守
769名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 09:57:21 ID:/ZWeR6Tz
hosyu
770名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:04:27 ID:lH7V9sj1
保守
771名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 13:17:20 ID:Suk3soud
忍とりなのを誰か書いてくださいm(_ _)m
772名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 21:23:19 ID:3CmY5aiY
>771
読みたい
773名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 00:06:20 ID:GAE+YvwB
age
774名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 17:37:54 ID:C34aNm7q
ほしゅ
775名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 19:24:30 ID:uDyHfVh5
保守
776名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:13:12 ID:cMjWhP1M
モナーとデーモソとミカは一瞬妄想したなぁ
777名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:17:45 ID:cMjWhP1M
>>759いいなあ(*´Д`)ハァハァ
股のお越しを
778名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 02:04:21 ID:WAh6XP5K
ひっそりカールとナジェイラがくっつかないかと妄想してたなあ
779名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 22:49:27 ID:RVdNjM1P
>>771
忍りなは、最終回に至ってやっと見た目が犯罪じゃなくなったから
ぜひとも読んでみたいww

…でもやっぱ忍ってロr(ry
780名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 12:31:35 ID:aSG5V/5j
終わったのか!
781名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 23:10:59 ID:88DTA40M
忍がロリコンなら大人になってしまったりなに興味をもてるのか?
782名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 23:46:19 ID:88DTA40M
どっちでもいいけど読んでみたいなww
783名無しさん@ピンキー
中身は超高校生!外見は小学生!その名は!