◆兄さんは変態仮面 ジルオール闇小説 その2◆

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1日蝕
職人が書きし闇小説を読む。
私とあなたがたの目的は同じ。
私とあなたがたは協力できるはずです。

前スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1014221126/l50

本スレ
http://game6.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1086627294/l50

闇お絵かき板(18禁)
ttp://w1.oekakies.com/p/zillion2/p.cgi
2名無しさん@ピンキー:04/06/16 05:11 ID:82HX7NYX
2
3名無しさん@ピンキー:04/06/16 07:22 ID:kfDaMk0J
>>1
乙。と書きつつ即死回避。
4名無しさん@ピンキー:04/06/16 08:46 ID:/CnFyBzb
おつー。そくしかいひー。
5名無しさん@ピンキー:04/06/16 09:59 ID:u3wuKj5Z
保守や回避だけだとアレなのでおまいらハァハァ汁!

ちっちゃいルルたん(;´Д`)ハァハァ
6名無しさん@ピンキー:04/06/16 14:20 ID:3z8p+e6k
乙です。
なにも知らないフレアたんハァハァ
7名無しさん@ピンキー:04/06/16 21:32 ID:pUBDgPn9
こう…普段見ないようなカップリングはどうだろう。



フゴー×フゴー夫人とか。
8名無しさん@ピンキー:04/06/16 22:07 ID:aVmminVw
そーですわねー
9名無しさん@ピンキー:04/06/16 22:19 ID:kfDaMk0J
>>7

寝台に横たえた妻の顎とも首すじともつかない、まさに豚の脂身のような
喉に舌を這わせる。香水の甘い匂いを感じながら、ゆるゆると耳元へ
滑らせると、見事としか言い様のない曲線を描いた胸が切なそうにぶるんっと震える。

「お前はあいかわらず耳がよわいのー」
「・・・・・・ほーっほっほ、そーですわねー」

妻の台詞を聞きつつ、悠々と第二間接まで飲み込んでくれそうな胸に
指を沈みこませる。脂肪越しに感じる心臓の鼓動。
むにむにと指をあそばせれば、手の中でいかようにも形を変える。
舐めれば甘く、すべらかな肌の感触は乳白色のゼリーのようだ。

「どうじゃ、きもちよいか?」
「ほーっ、ほ、ほ・・・・・・そー、です、わねー」



・・・・・・つか萌えられんし、堪えられんし、台詞激萎え。ごめん、_だった。
10名無しさん@ピンキー:04/06/16 22:26 ID:pUBDgPn9
>9
心からごめんなさい。でも乙です。
11名無しさん@ピンキー:04/06/17 00:59 ID:gUswUFyG
>9
いや、ワロタよw
でも続きが読みたいかと言えばちょっとな…
しかし文章がウマイ
12名無しさん@ピンキー:04/06/17 11:30 ID:as6buO0h
アトレイアたんの白いうなじ(*´д`*)モハァ
13名無しさん@ピンキー:04/06/17 23:01 ID:I8qD5Ivx
レーグたん…はここで萌えるのはまずいから
ユーリスたんかわいいよユーリスたん
14名無しさん@ピンキー:04/06/17 23:17 ID:xDJBe6zw
新スレ乙&オメ&即死防止パピコ。




15名無しさん@ピンキー:04/06/17 23:17 ID:rmzjqkOR
リクエストがあるなら、何か書きましょうか?
鬼畜モノや強姦モノとかは勘弁ですけど。
16名無しさん@ピンキー:04/06/17 23:31 ID:vzQvT1/E
>>1
お疲れ
>>15
うーん、主人公×カルラ希望
17名無しさん@ピンキー:04/06/18 00:58 ID:dNlRViB/
セラ×女主キボン……
闇小説ではセラを見かけない。
さみしい。
18名無しさん@ピンキー:04/06/18 01:43 ID:Ngfdv5k0
セラは当て馬が多いな。。

ロイ兄×女主を希望します。
19名無しさん@ピンキー:04/06/18 03:05 ID:okZzmkDC
もうすぐ誕生日なレムオソきぼん
20名無しさん@ピンキー:04/06/18 03:21 ID:QaXJ9Bki
ココはスレタイに敬意を表してシェスター×ロイの変態プレイを希望します。
21名無しさん@ピンキー:04/06/18 10:40 ID:MmaU+DO3
このスレ、今はもしかしたら女性の住人が殆どなのか?
昔は男性キャラ×女主を書くとスレが荒れる恐れがあったんで
そのへんは皆書き控えていたように思えた。
22名無しさん@ピンキー:04/06/18 11:38 ID:cMr+dVP4
絵板とかで女主萌えが増えたからだと思う。
過去ログ見たけど別に荒れるから書き控えみたいなのはなかったと思うよ。

ノエルキボン
23名無しさん@ピンキー:04/06/18 13:06 ID:tJnjlvnx
フェティ×男主×ユーリスの3Pきぼん
24名無しさん@ピンキー:04/06/18 15:20 ID:R2kLbaYq
女主のふともも小説求む
25名無しさん@ピンキー:04/06/18 15:30 ID:MmaU+DO3
>22
このスレに作品投下すると叩かれそうで怖い云々と
発言があったのは同人スレだったと思う。
もともとこのスレが過疎化したのは
女主マンセーの同人女ウザーてな叩きのせいもあっただろうし。

確かに絵板で女主たんはカプ絡み含めよく見るので、
昔みたいなことにはもうならないと思ってもいいのかな。
なら職人さんも増えるかもしれん。

頼むよ・・・気に入らないならスルーしてくれよ。
また荒れられたら今度こそこのスレあぼーんになりかねん。

シェスター×ロイというかアーギル×サイフォスきぼん。
26名無しさん@ピンキー:04/06/18 17:03 ID:0ZJnCxsp
>22
同意、ノエルキボン。
でもこのスレ的には、ノエルって相手は男主?レイヴン?
俺的には、男主もいいが、ここはいつも報われないレイヴンに一票。

>25
最近は女主萌え絵が多いからな。
女主の小説なら、百合よりは男性キャラと絡めたほうが…と思うが。
あ、これも完璧に私見だから、気に障った方がいたらすまん。
色々な考えの人がいるわけだし、俺の意見が気にいらなかったらスルーしてくれ。

荒れないようにマターリいきたいね。
27名無しさん@ピンキー:04/06/19 01:17 ID:PlWsRJH/
前スレがあがっておりますよ。。。
28名無しさん@ピンキー:04/06/19 12:29 ID:oaSYfSVT
>>26
ノエルの相手は女主以外ありえねぇ!!!
アーッヒャッ(゚∀゚)ヒャッヒャ
29名無しさん@ピンキー:04/06/19 17:45 ID:6lS2I4aK
ちょっと考えたんだが・・
ディンガルvsロストール戦争時を設定として

1.カルラxアイリーンのレズもの(軽く調教)
2.ゼネテスx女主のねちっこい絡み

はどうおもう?
女主・アイリーンが夜伽みたいなかんじで
別に男主でもいいけど・・・ホモは萎える
30名無しさん@ピンキー:04/06/19 20:17 ID:Cyb57N+L
>>29
どうおもうと言われてもな
とりあえず書いて投下してみてくれ
31名無しさん@ピンキー:04/06/20 00:58 ID:RqtMs/Mw
まあ、マターリ妄想書き込む&見るだけでも楽しいのでこれでもいいかと。
(もちろん投下大歓迎w)

カルラの協力による男主×アイリーンも見たいなあ。

カルラ「ほら、ご開帳〜♪」
アイリーン「やめて下さいカルラ様!っていうか見ないで○○!!」
男主「(゜∀゜)」
みたいな。

32名無しさん@ピンキー:04/06/20 02:57 ID:G+7OMPLz
>>31
男主を女主にすると素敵な世界が見れる気が
33ロストール側:04/06/20 21:36 ID:wldZijVJ
ロストールとカルラ率いるディンガル軍との間には壮絶な争いが続いていた。
戦場ではーおそらく魔法によるものであろうー焼けた肉のにおいがたちこめ、
人の形をとどめていない、無数の死体が転がっていた。

ロストール軍兵士にとってその光景は死神による死の宣告のようにとれた。

だが連夜に及び、その陣営では貴族達は享楽にふけっていたのである。
ー女達に自分を‘慰めて’もらう形で。

それは、ゼネテスも例外でなかった。
彼にとっては女と酒は欠かせないものらしい。
342.:04/06/20 21:43 ID:wldZijVJ
ゼネテスの部屋で一人の女が横たわっている。
おそらく先ほどの‘薬’が効いているのであろう。
彼女、ルーティはゼネテスの副官であった。
副官としての役目は補佐をするだけでない、
上司を慰安するのも彼女の仕事だった。

ゼネテスはしばらく彼女を視姦したあと、口移しでその薬をまた飲ませる。
女はその薬を無意識に飲み干す。のどに冷たいものが流れていくのにきづき、
急速に覚醒をはじめる。

「・・ゼネ・テス・・」
「ようやくお目覚めか?」
女は寝起きのせいか、いつもより力が入らない。
ゼネテスはそれを良しとして、体をねじ伏せ口内をより深く犯していく。
舌だけでなく、唾液も女の口の奥へ奥へと流し込む。
長い間口腔を楽しんだあと、ゼネテスは彼女から離れた。
353.:04/06/20 21:56 ID:wldZijVJ
女は羞恥心からか、抵抗をこころみる。
しかし、ゼネテスはそれを許さない。彼女の上に馬乗りになり、
再度深い口付けをする。

「あ・・・・はぁ・・・はっ・・」
女は呼吸が整わないのかそれとも既に感じてしまっているのか、
ゼネテスを切なげな眼差しで見上げながら胸を上下させていた。

「ずいぶんと淫乱だよな、お前さんも」
「・・・お互い様よ」
「どうやら薬が効いてきたみたいだな・・・体、熱いだろう?」
そう囁き、彼女の耳を舐めまわす。
「ひゃ・・?!や、やめて・・・んん、あぁ!だから媚薬なんて・・ああ!!」

3629:04/06/20 22:03 ID:wldZijVJ
試しにロストール側から書いてみた。
まずはノーマルで(でも薬プレイ)

エロまだすくなくて申し訳ない。で、どーするよ?
1.つまんないからストップ
2.やっぱレズもの。カルラ様で
3.このまま続ける
37名無しさん@ピンキー:04/06/20 23:07 ID:eK5ONWIJ
>>29
乙。このまま続けるのもイイと思うが、
個人的に調教モノが読んでみたいので2で。
38前スレ933:04/06/21 00:30 ID:Be5BWJYG
リアルでちょっとあって、SS書けそうもない・・・
ルルアンタ物の期待してた人、もしいたらごめんなさい・・・
気力が奮い立てばまた書くかもしれませんが、今は無理でつ。
つか何もやる気しないよ・・・

もうだめぽ・・・
39名無しさん@ピンキー:04/06/21 01:42 ID:M1TloNQZ
>38
生`

無理しなくて良いから
いつまでもマターリ待ってるよ
40名無しさん@ピンキー:04/06/21 15:29 ID:jVaLH/6d
>38
無理するなよ…帰ってきたくなったらいつでも戻って来い。
漏れもずっとここで待ってるよ。
41名無しさん@ピンキー:04/06/21 19:29 ID:HRc3udGo
>29
まず投下に感謝。
俺としてはせっかくここまで投下してくれたんだし、続きも気になるし読みたい(つまり3)。
それでまた余裕があったら、2も期待してる。
がんがれ!
42名無しさん@ピンキー:04/06/22 00:27 ID:2nhrSol3
投下キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
今の所、上司が慰安してるっぽいですが気苦労が絶えない上司を慰安する形で3希望。

ところで、裏絵掲人来ないねえ・・・。
43名無しさん@ピンキー:04/06/25 04:02 ID:pgC/Uqv+
前スレ、しりとり埋めで進んでるがこっちがとまっちまってるなぁ。
ま、鯖落ちもあったようだから仕方ないのか。

せっかくスレタイになったんだし、
サイフォス×アーギルシャイアの投下こないかな。
44名無しさん@ピンキー:04/06/26 11:09 ID:6aHYo3yU
>43
兄さんが義姉さんにひたすら奉仕。
(゚∀゚)イイ!
職人さんを待つ。
45名無しさん@ピンキー:04/06/26 15:13 ID:n+bV13B7
前スレのしりとりが綺麗に終わっててちょと感動した。
お前ら偉い!少し参加した俺も偉い!
46名無しさん@ピンキー:04/06/26 22:09 ID:bfQsN2eX
主人公の二つ名でソウルと性格が予想できないかな。
駆け抜ける風だったらcool高くて、攻め・タチ・おねーさまタイプとか。

黄金の業師…なんて二つ名もあったよね…
47名無しさん@ピンキー:04/06/26 22:14 ID:CfP2voIL
黄金の業師……… ゴールドフィンガーかw

前スレ本当に綺麗に埋まってよかったなぁ
いい思い出として皆の記憶に残ることだろう

48名無しさん@ピンキー:04/06/27 01:08 ID:kIs+2V+8
黄金の○○とか栗色の○○とか○○の業師なんて通り名見ると
つい、あらぬ事を考えてしまう・・・大人だから。
49名無しさん@ピンキー:04/06/27 03:26 ID:/z6cOXIT
でも最後は竜殺し・・・
504.慰め:04/06/27 21:11 ID:se2+O9FX
「さて、今日は何をしてもらおうか?
そういえば、一度女の自慰を見てみたかったんだよな。
見せてくれ、ルーティ」
「・・・・っ!!そんなこと、出来る訳・・」
「返事は?」
「...了解しました、閣下...」

そう言うと女は自ら秘所に手を差し伸べる。
元々全裸姿であったため、その部分からは大量の愛液が流れていることがわかる。
既にそのトロトロとした液は、シーツに大きな染みを作っていた。

ルーティは躊躇いながらそこに指を入れる。
彼女にとって、この行為は始めての事ではない。
今までと違うのは上司が見ているということ。こんなにも卑猥な行為をしている自分を。
だが、彼女にはひとかけらの理性も残っていなかった。

「あん・・・・うっ、くふぅ・・」
入っている指は一本なのに、厳しく締め上げる。
「はっ・・・はっ、はっ、ああぁああ」
次第に指の抜き差しは速くなる。
その指は、いやらしく濡れて光っており、
いまでは指から手首あたりまでたれていた。

「こら、一人でイくなよ」
思わずゼネテスは彼女の指を止める。

「俺への奉仕を忘れるな」

515.奉仕:04/06/27 21:13 ID:se2+O9FX
そう言うと、ゼネテスは彼女を跪かせその前に仁王立ちする。
「これを可愛がってくれ、お前さんの口で」
おそらく女の自慰で反応したのだろう、
下着の上からもそれは隆々しく自らを主張していた。
女は躊躇わず下着を取り、男根にむしゃぶりつく。

ルーティの舌使いは素晴らしいものがあった。
奥へ咥え込み、時には口から離し先をペロペロと舐める。
両手は男の袋を刺激していた。

「くっ・・・相変わらず上手い、な。
誰、から習ったん、だっ?」
女は答える代わりに、ペニスを吸い上げ甘噛みする。
「もっと、大事にあつ、かえ・・・よっ・・」
頭を押さえぐっと腰を押し込み、より一層の奉仕を求めた。

「んん・・・っ、ん・・・ううっ」
涙目で何かを訴えてくるルーティ。
「・・・・ほしいの、か?」
女は顎を縦に振った。
526.懇願(前編):04/06/27 21:20 ID:se2+O9FX
ゼネテスは満足げに微笑むと女に深いキスをする。
彼女の口を開かせより濃厚なキスを求め、
しがみつかせるように腰に手を回し抱き寄せる。

「ん・・・ふぅ・・」
女の体から力が抜けていくのを感じる。
その隙を逃すゼネテスではない。
すかさず、柔らかな内股を撫で上げた。
そして滾々と湧き出ている泉の周りを撫で回す。

「ふぁ・・・!やっ、やっあ!・・や、ん・・!」
秘所に触られてはいないのにそれだけで感じきってしまい、淫らに腰をよじる。
もっと続けて、とねだるように豊満な胸を男の体に押し付け、背中に爪を立てた。

彼女の淫らな反応に苦笑し、今度は胸に吸い付いた。
かすかに果実に当たる歯の感触に面白いくらい体を痙攣させる。
血が出るくらい強く噛み付いてみても、全て快楽にしかならないようだ。
それどころか、腰をくねらせ更なる刺激を求めている。
537.懇願(後編):04/06/27 21:21 ID:se2+O9FX
ー薬の効果がこれほどとは。

ふと、思いついたかのように周りを見渡す。
ドロドロしたゲル状の薬が入っている小瓶を見つけ、
その薬を女の膣内に丹念に擦り込んでみる。
既に洪水状態であるそこは、ゲルを瞬く間に吸収していく。
何度も同じ行為を繰り返しながら、全体にくまなく塗りこんでいった。

まさか媚薬を膣内にも使われるとは思っていなかった女にはひとたまりもない。
ただでさえ敏感な体であったが、薬の効果か、
体のあらゆる部分全てが性感帯へと作り変えられていく。

ルーティは既に限界に達していた。
今まで経験したことが無い快楽に耐え切れず泣きじゃくり、
抱きついた男の体に強く爪を立てる。

ーこの状態から解放してほしい・・・!

「どうした・・・?言いたいことあんなら、言ってみな」
「下、さいっ・・・お願いです・・・閣下っ・・!」

548.名器とは:04/06/27 21:24 ID:se2+O9FX
その言葉に口付けで合図をし、
ゼネテスはゆっくりと女に覆いかぶさった。

「・・・・力抜いてろよ・・・」
足を左右に広げ、
先程から同じように解放を望んでいた自身をゆっくりと内部に侵入させる。

「あん、ふぁ・・・・・んん!・・・あ、っく!」
洸惚とした表情浮かべているルーティ。
中はあつく潤っていて、男をキツク締め上げる。
女の膣は少し変わっており
ヌルヌルとしているが所々で突起物があって、これが男根に更に刺激を与える。

「・・っ、‘天は、二物(にぶつ)を与えず’というが
あれは嘘、だなっ、お前は無限のソウルだけじゃなく、
・・・こんなに素晴らしい名器を持ってる・・・っ、だろっ?」

559.最愛・最奥:04/06/27 21:31 ID:se2+O9FX
「んんっ!・・・・ああ・・っ!」
「もう少し、力抜くんだ・・」

女の耳元で甘く囁く。
うっとりとした表情をみせる女の顔からは、苦痛の色は見て取れない。
一度、軽く突き上げるとルーティの体が反射的に跳ねる。

「閣下・・・・っ、も、もっと・・!」
ゼネテスの腰を優しく愛撫しながら、女は淫乱にねだる。
その言葉を聞いて気を良くしたゼネテスは激しく腰を動かし始めた。
「ああ・・・っ!!やっ、やっ、・・・・あぁんっ・・!」
激しい突き上げに翻弄され、女は慌ててしがみついている腕に力を込める。
それと同時に、男とより深くつながる様に自らも腰を動かし始めた。

「・・っ、ここ、いいんだろっ・・・?」
「あああっ!!・・・だめぇ!や、やぁ・・・・ふぁんっ!」
女の性感帯を正確に突き上げる。
徐々に激しくなる動きと共に己の快楽も高まってゆき、
女は背に爪を立てた。
限界が近いと感じ取ったゼネテスは、激しく口づけ片手で花芽を探ってみる。

「んふっ・・・っ!・・・んあ・・・っんん・・!!」
強引に口を塞いだまま、深々と最奥を突き上げる。
「んんー・・・・・・・・っ!!!」
女の絞り上げるようなきつい締め付けに、
ゼネテスも耐え切れず女の中に自分の精を放出する。
ドクドクと熱いものを注ぎこんだ男は自ら意識を手放した・・・・
5610.オンナと総司令:04/06/27 21:33 ID:se2+O9FX

翌朝。

ゼネテスが目を覚ますと、隣に副官の姿はなかった。
綺麗に身は清められており、ちゃんと寝具を身につけている。

「閣下、起きて下さい。そろそろ軍議の時間です」
そう言って、天幕の外から顔を出すルーティ。
「・・・あ、悪りい。今行くわ」
「早くお願いしますね」
態度はどことなくそっけない。

でもゼネテスは気づいていた。
彼女の顔がほんのり色づいていたことを・・・。


ー・・・また今夜も可愛がってやるよ、副官さん。



5729:04/06/27 21:37 ID:se2+O9FX
やった、やっと終わった・・・
初めて書いたんだが、小説書くのってむずかしいんだな。よく分かった

あんまエロくなくてごめん
これが自分の精一杯でしたorz

カルラ編は書けたら、いずれ投下すんよ
こんな拙い文でよければ、だが

58名無しさん@ピンキー:04/06/27 22:12 ID:8GP3RBze
うぉぉ、一気に投下キターーー!!
何はともあれ、>29乙!
楽しませてモラターヨ。
少し唐突な部分も感じられたが、初めてにしては上出来だと思われ。
長さも飽きないし短すぎないし、いい具合だと思う。
また気が向いたら投下お願いしまつ。
待ってるYO
59名無しさん@ピンキー:04/06/28 15:18 ID:flhOkSiV
前スレ読み返してたらナッジ×女主の風邪ネタに激しく萌えた。
続きが気になるので、脳内補完してみた。
さすがにうpしたら失礼かな。
作者さんが戻ってくる可能性があるならやめとくが、皆どう思う?
意見があったら聞きたいんだが。
やはりやめといた方が安全かな。
60名無しさん@ピンキー:04/06/28 19:39 ID:uxKtZ4vw
俺も前スレ読んでみた。
ナッジとルルアンタの身長差が萌え。

>>59
いっそ続きだけじゃなくて前半から自分で書いたらどうだろうか?
そしたら続きとかじゃなくて風邪ネタで競作ってことになって問題ないんじゃ?
61名無しさん@ピンキー:04/06/28 19:51 ID:0V/OFUEs
>>29
乙。大人の色気な女主が新鮮だった。
事後のやりとりがなんか秘書っぽくて可愛いな。
カルラ編をのんびり待ってる。

>>59
個人的には60に同意。単純に読みたい気持ちもあるし。
6259:04/06/29 00:48 ID:n9xt9Mn4
>60,61
ご意見ありがd。
ナッジ×女主の風邪ネタ、一応前半部分、自分で書いてみました。(話の流れは前スレのものに沿っています)
とりあえず少し投下してみて、残りは反応で検討します。もしマズーだったら言ってください。
ではとりあえず投下開始。
631、ナッジ×女主:04/06/29 00:50 ID:n9xt9Mn4
常春を思わせる陽気と、港で働く男達の熱気を適度に保つ、心地よい潮風。
ここはエルズ。
天地千年を見通す風の巫女、エアが治める、四方を大海原に囲まれた港街である。
そんな穏やかな気候の中、無限のソウルを持つもの───シルヴィは、病の床に臥せっていた。
なんのことはない、単なる風邪である。
宿の一室のドアが小さく開く音がして、シルヴィがまだ駆け出しの頃から共に旅を続けているコーンスの少年が、コップ1杯の水と乳鉢を持ってそっと入ってきた。

「あ、起きてたんだ。だいじょうぶ?シルヴィ。薬、持ってきたよ」
「う、うん……迷惑かけてごめんね、ナッジ」

シルヴィは弱々しく微笑む。そんな健気な彼女に、ナッジは胸に熱いものを感じた。
一緒に旅をするようになって、もう、かなりの月日が経つ。その間に、色々な事があった。
親友の仇も討つ事が出来たし(結局見逃したけど)、力の意味もなんとなく分かってきた。
それも全て、シルヴィがずっとそばに居てくれたからこそ。
ナッジの心の中では、仲間以上の想いが少しずつ、だが確実に育っていた。

「なんで船から落っこちたりしたのさ?いくら気候がいいからって、風邪ひくの当たり前だよ。」
そんな気持ちを払拭するように、ナッジは平静とした表情を装ってシルヴィの枕元に腰掛け、乳鉢の中の粉末をかき混ぜつつ尋ねる。
「あは…ゴメン。飛んでいった帽子を取ろうとして…ドジっちゃった。あ、でも、平気だよ?ちゃんと明日は予定通り、エア様の所行くから。
 その為に来たんだし、きっと明日には熱もさがっ………ハックション!」
「ほら、ちゃんと寝てなくちゃダメだよ。予定は延ばせばいいんだから」
こういう少女なのだ。無論、飛んでいった帽子だって、見も知らぬ人のもの。
他人のために、簡単に自分を犠牲にする。その強さに、ナッジは憧れにも似た気持ちを抱いていた。
642、ナッジ×女主:04/06/29 00:52 ID:n9xt9Mn4
「でも…」
「いいから。……予定より、シルヴィの身体のほうが大事………だし………」
顔を赤らめながら言うナッジに、シルヴィも布団を口元まで上げながら小さく、ありがと、と呟いた。
その潤んだ瞳と、熱で紅潮した頬を横目で見ながら、ナッジの心拍数は否応無く上がっていく。

──ダメダメ。こんな時に、やましい気持ちを起こすなんて。
ふるふると首を振って自分の心に言い聞かせながら、ナッジは薬を取り分ける。
「あ、そうそう、この薬はね。僕たちコーンスに伝わる秘伝の薬なんだ。
 すっごく良く効くんだよ。僕も熱出したときには良くおじいちゃんに作ってもらって………」
照れ隠しのためか、どうでもいいことばかり口に出してしまう。そんな彼に、シルヴィは丁寧に相槌を打っている。
それでも何とか準備を終え、ナッジはシルヴィの上体を抱え起こした。
瞬間、ふわりとシルヴィの香りが漂い、同時に熱で艶めいた肌に触れた事も手伝って、ナッジの中心部には一瞬で血が集まってきた。

「わっ、ちょ、ちょっと作り方うろ覚えだったけど、効くはずだから!安心して!」
慌てて手を離し、ベッドの縁にしゃがみこむような形でなんとか誤魔化す。
「うん…ありがと、ナッジ」
シルヴィは微笑んで、こくりと秘伝の薬を嚥下した。
「あ、何だか元気になってきた気がする。身体が暖かいし、効きそう」
そう言いながら、シルヴィは再びベッドにもぐりこむ。そして、片手だけをそっとシーツの端から出して、ナッジの袖口を握った。
「ね、もしナッジが良かったら、少しここに居てくれないかなぁ。話してたほうが、楽みたい」
「え、あ、うん。その方が楽なんだね。僕で良かったら、ここにいるよ」
シルヴィに笑顔で応え、ナッジは深呼吸して、中央に集まった血を分散させるように努力した。
だが、上気した頬や潤んだ瞳、しっとりとした胸元が視界に入るたびに、またじわじわと大きくなってきてしまう。
653、ナッジ×女主:04/06/29 00:55 ID:n9xt9Mn4
──何やってるんだ、僕。熱で苦しんでいる仲間を見て、欲情してるなんて。
1時間ほど他愛ないおしゃべりを続けながら、だんだん自己嫌悪に陥ってきた頃、ナッジはシルヴィの様子が少しおかしい事に気付いた。
先程よりも息が荒い。顔もほてっている気がする。うっすらと汗ばんだ身体は、熱のはけ口を求め、呼吸に合わせて胸元を上下させているようだ。

「シルヴィ、大丈夫?苦しそう…だけど」
「あ、うん……何か、ちょっと…おかしい、かな」
シルヴィが申し訳なさそうに小声で言った。ナッジはさっと青ざめる。
反射的に右の掌をシルヴィの額に当てると、そこは尋常ではない程熱を持っていた。
「ご、ごめん……!僕の薬のせいで………!!」
自分の作った薬で、シルヴィの容態を悪化させてしまった。それに気付いて、一瞬にしてやましい気持ちどころでは無くなる。
「あの、さっきの薬って、解熱剤だよね?」
確認するように問うシルヴィに、申し訳なさでいっぱいになる。どう見ても、下がるどころか、明らかにシルヴィの熱は上昇しているのだ。
「ほんとにごめん、僕……僕の責任だ……。
 あの、ちゃんと治るまで、僕 つきっきりで看病するから。ごめん、シルヴィ………!」
罪悪感と情けなさで、泣きそうになる。せめて、夜も寝ずに看病しなくては。
ナッジは、力無く右手をシルヴィの額から下ろそうとした。だがその手は、熱くなったシルヴィ自身の手で繋ぎ止められる。
664、ナッジ×女主:04/06/29 00:56 ID:n9xt9Mn4
「いいよ……わざとじゃないって、わかってるから………。それより………」
熱っぽい声で囁かれ、ナッジの思考回路は一旦停止した。動きを止めたナッジの手を、シルヴィの下がぺろりと舐める。

くちゅ…… ぷちゅ………

いやらしい音を立てて、シルヴィはナッジの指先を1本1本舐めあげる。
「シ、シル……ヴィ………?」
しばらく呆然とされるがままになっていたナッジだったが、なんとかそれだけ絞り出すように口に出すと、ハッとしたようにシルヴィはナッジの右手を離した。

「ナッジ………ご、ごめん。私……やっぱり少し、おかしいみたい。
 悪いんだけど、あの、ひとりにしてくれるかな………。」
熱に浮かされたような表情で言うシルヴィ。だが、ナッジとしては、ここで放っておくわけにもいかない。
「どうして?僕のせいだよ。僕に看病………」
「お願い!ひとりにして………っ……」
ナッジの言葉を遮って、シルヴィは懇願する。
それを聞いて、ナッジは一瞬ためらいを見せたが、それ以上何も言う事が出来ず、小さく頷いて、部屋を後にするしか無かった。
675、ナッジ×女主:04/06/29 00:58 ID:n9xt9Mn4
「はぁ……。どうしてだろう……。シルヴィに、イイとこ見せたかったのに………。」
シルヴィの部屋を追い出されたナッジは、しかし自分の部屋に戻る気も起きず、ずるずるとシルヴィの部屋の扉の前に座り込んだ。
こうなったら、もしシルヴィが自分を呼んだ時、すぐに駆けつけられるよう、ここで一晩過ごしてやる。
そう、男らしいのか男らしくないのか分からない決心を胸に抱き、ナッジは額を膝にあてて息を吐いた。

──シルヴィ、苦しいのかな………。
そう考えると、じんわり涙が浮かんでくる。しかし、泣くわけにはいかない。辛いのは、シルヴィなのだから。
激しい自己嫌悪に苛まれつつ、ナッジは顔を上げ、シルヴィの部屋の扉に寄りかかった。

……んっ、……ぁん………イヤ………

「!!?」
僅かに聞こえてきた声に、ナッジは慌てて身を起こす。
混乱した頭で少し考え、早鐘を打つような胸を落ち着かせながら、もう一度扉に耳を寄せる。
「はぁ……はぁ……あんっ………」
今度はしっかり聞こえた。紛れもなくシルヴィの声だ。しかも、普通の声ではない。
──シルヴィ、苦しんでる………!?
あんなに声を挙げるほど、悪化させてしまったという罪悪感で、いてもたってもいられなくなり、ナッジは立ち上がり、ドアノブに手をかけた。
──でも、もし、眠っていた場合は?ただ、夢を見ているだけかもしれない。起こしてしまったら、かわいそうかもしれない。
そう思い直し、シルヴィに気が付かれないようにそっと、僅かな隙間を開けて、部屋の中を覗く。

「…………!」
シルヴィは、眠っていなかった。
だが、自らのしている行為に夢中で、ナッジがドアを開けた事に気付いていないだけだ。
686、ナッジ×女主:04/06/29 01:00 ID:n9xt9Mn4
「やっ、あん、ダメっ………どうして………んっ、こんな………」
シルヴィは、小さく声を漏らしながら、右手で自らの秘所をまさぐっていた。
掛けていたシーツはほとんど床に落ち、身体を隠す洋服も、胸元を大きくはだけ、その役目をほとんど果たしてはいない。
シルヴィは、無意識のように左手を胸元に移動させ、身体の線の割りに大きな胸を、荒々しく揉みしだく。
ナッジは、その昔、祖父が薬の作り方を教えてくれた時の事を思い出していた。

(──ナッジ、良くお聞き。このお薬は、確かに良く効くけれども、分量を間違ってはいけないよ。副作用があるからね)
(──ふくさよーって、どんなの?おじいちゃん)
(──ううん、簡単に言うと、元気になりすぎてしまうんだよ。お前には少し早いかのう)

当時のナッジは、元気になりすぎる事の何がいけないのか理解できなかった。
よって、その副作用に関する認識も、曖昧なものだった。
だが、今やナッジは、すっかりその事を理解した。つまり、こういう事だったのだ。

──媚薬……!!

そんなものをシルヴィに飲ませてしまったという罪悪感はあったが、今はそれより、目の前の光景から目が離せなかった。
697、ナッジ×女主:04/06/29 01:02 ID:n9xt9Mn4
「あっあっ、ダメぇ………」
シルヴィの嬌声と交じり合って、秘所から溢れ出す愛液が奏でる、ぐちゃぐちゃとした音。
そして、自らその細い指で、淫らな蜜壷を激しくかきまわすその姿に、ナッジの牡は完全に屹立していた。

「あんっ……!!」
左手が、シルヴィの乳首を捕えたようだ。
すでにそこは尖りきって、刺激を待つようにそそり立っていた。喘ぎ声が一際大きくなる。
同時に、秘所に伸びた右手も、すぐ下の無限の泉から粘液をすくっては、ぽっちりと顔を出した肉芽の頂上に塗りたくる。
十分にヌメリ切った肉芽を人差し指と親指の腹でつまみ、ぐりぐりと弄り回す。

シルヴィの身体が、びくびくと大きく跳ねた。絶頂が近いようだ。
その顔は上気し、荒い息遣いは止むことが無い。
左手で乳首を押しつぶすようにもてあそび、右手の人差し指で狂ったようにハイピッチで肉芽を叩くようになぶる。

「あぁ…………っ!!」

ナッジの目の前で、シルヴィは電流が流れたように背中を弓なりにそらし、秘所から愛液を溢れさせながら果てた。
708、ナッジ×女主:04/06/29 01:05 ID:n9xt9Mn4
はぁ、はぁ………

荒い息をつきながら、シルヴィはベッドに崩れ落ちる。
ナッジは、自身を完全に直立させながらも、瞬間、迷った。

──このまま、何も見なかったことにしたほうがいいのか?

そうすれば、そう、ナッジが黙っていれば、今までの関係が続けられるだろう。
シルヴィは、決して自分の弱さを人に見せようとしない。
こんな痴態が見られていたと知ったら、きっとナッジの前から永遠に姿を消してしまう。
そんな、予感がした。
ナッジの中心で張り詰めたそれは、彼を鼓舞するかのように、盛んに強度を増している。
それでも。

──自分の部屋に戻ろう。僕は………何も見なかった。

シルヴィを失いたくは無かった。ナッジはシルヴィに気付かれないよう、そっとドアを閉めようとした。
その時、涙声で発したシルヴィの声が、ナッジの耳に届いた。

「これだけじゃ………おさまんないよぉ………
 助けて、ナッジ………!」

理性が飛んだ。
もちろん、シルヴィは、そこに居るナッジに向けて言ったわけでは無い。ナッジもそれは気付いていた。
だが、ナッジの身体は意思に反して、シルヴィの部屋に足を踏み入れていた。
7159:04/06/29 01:11 ID:n9xt9Mn4
とりあえず、第一部といったところをうpしました。
小説というジャンルに初めて取り組んだので、改行や言葉づかい等、見にくい部分もあるかと思います。
前半つまってる感じしたんで、後半は改行入れましたが、どうなのでしょうか?
長ったらしい文章でスンマセン……

…って、8まででこれしか進んでネーのかよ!
小説は難しいですな。もし完結させるなら相当長くなりそうだ。

72名無しさん@ピンキー:04/06/29 13:25 ID:qMS+kuKt
59氏GJ!!
73名無しさん@ピンキー:04/06/29 19:49 ID:GMg9jpoo
ナッジ行ってまえ!!
自分は改行なくても気にならなかったよ。
描写も丁寧だし、長くなってもこのまま続けてほしいYO!
続き楽しみにしてます。グッジョブ(・∀・)b!!
7459:04/06/30 00:43 ID:Q52JA+XV
>72、73
反応ありがとうございます。
調子に乗って、本日も少しですが投下したいと思います。
本当に進むの遅くて申し訳ないです。
では、投下開始。
759、ナッジ×女主:04/06/30 00:45 ID:Q52JA+XV
「……シルヴィ」
「!!!」
ナッジは、声がひっくり返らないよう注意しながら、絞り出すように、まだ惚けている彼女の名を呼ぶ。
シルヴィは、文字通り飛び上がった。火照った顔が、一瞬にして青ざめる。

「……ナッ………ジ」
数秒の間、シルヴィは信じられないというように、ただ呆然と侵入者に顔を向けていた。
そんなシルヴィから目を逸らす事無く、ナッジは後ろ手にドアを閉める。
カチャ、と錠の閉まる音で、シルヴィは突然我に返り、はっとしたように両手で自らの肩を抱く。
「あ、あの、……たし、……わたし………」
言葉にならない声を小さく発しながら、慌てて乱れた衣服を整え、シーツを直そうとするが、あまりの恥ずかしさで指先が震え、いつまで経ってもうまくいかない。
顔色はみるみる真っ赤に染まってゆき、大きな瞳には涙が溢れる。
ナッジは、そんな彼女にゆっくりと近づいていった。

「やだぁ……来ないで!…見ないでぇ………!」
泣き声の入り混じった声で小さく叫ぶと、シルヴィは手元にあった枕を力任せにナッジに向かって投げつけた。
ぼすっ、と乾いた音がして、羽毛が数枚、風に舞う。
ナッジは一瞬ためらいを見せたが、唇を噛みしめるとまた歩き出し、震えて身体を縮こめるシルヴィにそっと近づくと、目の前に座り込んだ。
7610、ナッジ×女主:04/06/30 00:48 ID:Q52JA+XV
「シルヴィ、泣かないで……。君は、何も悪いことはしてない」
そう言って、ゆっくりとシルヴィの頬に左手を寄せた。
触れる寸前、シルヴィはびくっと身体を震わせたが、ナッジが親指で優しく頬をなでると、大粒の涙がぽろりとこぼれた。
「私のからだ………っ…、おかしくなっちゃった…の………」
それだけ言うと、シルヴィは顔を隠すように、ナッジの胸に額を押し付けた。嗚咽するたびに、シルヴィの小さな背中が震える。
シルヴィが少しでも動くたび、形の良い胸がナッジの下腹部のあたりに触れて、彼の思考能力を泡立たせる。
ナッジはもう、自らの中にありありと浮かぶ男としての本能に、逆らう事は出来なかった。

「ごめん、シルヴィ!!」
そう口にすると同時に、ナッジは柔らかなベッドの上に、シルヴィを押し倒した。
驚きで声も出ないシルヴィの両手を、左手一本で押さえ付け、覆い被さる。
無我夢中でシルヴィの白い首筋に顔を近づけ、鎖骨の辺りから耳の後ろまで一気に舐め上げた。
「ひゃぁ………っ……」
羞恥心により一旦は冷めた身体は、薬の効果か、それだけで先程までの熱を反射的に呼び戻す。
それに気付いたナッジは、片手で器用にシルヴィのはだけた衣服を脱がしつつ、そのまま耳や首筋を一心不乱に責め立てていった。
耳に優しく息を吹きかけ、舌で蹂躙する。鎖骨のくぼみを円を描くように舐めていたと思うと、不意打ちで首筋に軽く歯を立ててみたりもした。
そんな1つ1つの行為に従順に反応する、熱を帯びた過敏すぎる身体。
静かな部屋に、ふたりの吐息と、ぴちゃぴちゃという淫らな音だけが響いている。
7711、ナッジ×女主:04/06/30 00:50 ID:Q52JA+XV
ナッジはそっと、押さえていた両手を離した。
少し身体を持ち上げて、愛しい少女を見下ろす。
生まれたままの姿のシルヴィの身体はピンク色に上気し、うっすらと汗をにじませていた。
鎖骨から首筋にかけては、ナッジの唾液であやしく濡れ光り、淫猥さを一層強調させているようだ。
瞳を閉じて声を殺し、だが堪え切れずに熱い息を吐く少女を見つめながら、ナッジは空いた左手で滑らかな髪をなでる。

しばらくその感触を楽しんだ後、ナッジはゆっくりと、震える乳房へ手を伸ばした。
途端に、弛緩していたシルヴィの身体に緊張が走る。
「シルヴィ………だいじょうぶだから」
安心させるように耳元で囁き、その柔らかなふくらみを左手で包み込む。
それは、ナッジが想像していたものよりもずっと暖かく、柔らかく、手に吸い付いてくるかのようにしっとりとしていた。
その先端はすっかり立ち上がっており、ナッジが指先でコリコリと触れるたびに、痺れるような快感を生み出す。
ナッジはシルヴィの首筋に点々と赤い跡を残しながら、だんだんと舌先を胸元に移動していった。
その、ぴくぴくと切なげに震える乳首の先端を、しばし指先で弄んだ後、ナッジはおもむろに、それを口に含む。
びく、と大きくシルヴィの身体が跳ねる。
「や……ダメ、ナッジ………」

シルヴィの懇願を無視して、ナッジは勢い良く、口に含んだままの乳首を舌先で勢い良く弄り回した。
舌の全面を使って大きく撫で回すように舐め、また、吸いながら舌先で先端に円を描くように舐めまくる。
「ふゃぁぁん………!!」
薬によって敏感になっている性感帯にいきなり激しく刺激を与えられ、シルヴィの身体はびくびくと波打つ。
同時に、開いている方の乳首も、指先でクリクリとしごかれ、電流のような快感に、彼女の頭の中は真っ白になっていった。
「あ、あ、あっん………!」
シルヴィの嬌声を間近に聞きながら、ナッジも、自身がそろそろ我慢の限界に近づいて来ていることを自覚する。
次の段階へ進もうと、秘所に向かって手を伸ばした。
7859:04/06/30 00:52 ID:Q52JA+XV
今日は、とりあえずここまで。
お付き合いくださりthxです。ではまた。
7972:04/06/30 16:12 ID:ZCkBj+kz
自分もラブエロ好き
鬼畜なのも好きだが
とにかくGJ!!!
80名無しさん@ピンキー:04/07/01 18:34 ID:lcoOXOpM
男が無限の生死だったら女主は?
81名無しさん@ピンキー:04/07/03 00:03 ID:5AyOnhg4
無限の乱視?
82名無しさん@ピンキー:04/07/03 00:31 ID:PYYTFcEX
無限の…穴…?
83名無しさん@ピンキー:04/07/03 03:02 ID:B7hq6rhP
女主のフトモモには無限の可能性が…
84名無しさん@ピンキー:04/07/04 02:04 ID:mc++4Ugx
>82
毛 穴 かとオモタYO!

59さん応援してます
8559:04/07/04 03:37 ID:v49t3ekL
>72
>84
ありがとうございます。そう言ってもらえると励みになります。
ただ今オフラインが少々忙しいので、もう少し待って頂ければありがたいです。ちゃんと完結させたいと思っております。

あ、勿論その間に他の作品もどんどん投下待ってますYO!
8659:04/07/06 22:09 ID:lXEFuFYZ
続きが出来ましたので、また少なめですが投下させていただきます。
遅筆でほんとすいません。
それにしても、書いても書いても話すすまねーな!!w

注意。
今回は、結構ラブラブな表現が出てくる箇所があります。
そういうのが苦手で、ウゼー!!ヽ(`Д´)ノ
という感性の方は、メール欄に注意を入れますのでスルーでお願いします。
8712、ナッジ×女主:04/07/06 22:10 ID:lXEFuFYZ
ここから先は、ナッジにとっては完全に未知の領域であった。
眠れない夜、シルヴィのそこを貫く妄想をして自分を慰めた事はあっても、実際に体験するのは、いや、見る事さえ初めてだ。
湧き上がる興奮を抑えきれず、ナッジは急ぎ手を進め、太股の付け根に触れる。

──濡れてる……!

そこは、先程の自慰で溢れていた以上に、蜜壷で収まりきらない愛液で、ヌルヌルといやらしくぬめっていた。
──こんなに濡れるんだ……。これなら………。
これから起こる事への期待に、ナッジの胸は高鳴る。
シルヴィを驚かさないようにそうっと手を進めてゆき、秘所の入り口まで指を伸ばす。
入り口を、愛液をぬりたくるように撫でると、シルヴィの身体が羞恥に揺れた。
声を出さぬよう、両の拳を口に当てているのに気付き、たまらなく愛しくなる。

更に指を進めようとしたところで、だが、そこで突然、シルヴィの手がナッジを制した。
「ナッジ……もういいの……。もう、やめて………」
予想外の出来事に、ナッジは一瞬あっけにとられ、まじまじとシルヴィを見つめた。
──どうして。こんなになってるのに。ここでやめたら、シルヴィだって辛いでしょ?
自分勝手な考えが、頭の中をぐるぐると回るが、うまく言葉にする事ができない。
少しの間の後、シルヴィが震える声で、絞り出すように言った。
「おねがい……もう、これ以上、みじめにしない……で……」
8813、ナッジ×女主:04/07/06 22:12 ID:lXEFuFYZ
気付けば、シルヴィは両手で顔を覆っている。どうやら、泣いているようだ。
「どうしたの、シルヴィ。嫌だった?痛かった?」
うろたえるナッジの問いに、シルヴィは首を振って答える。
「だったら、どうして。シルヴィが悪いんじゃないんだよ?僕の薬のせいで、こうなったんだ。だから………」
「だから?責任取って、えっちしてくれるの?」
涙を浮かべた大きな瞳が、ナッジを正面から見据える。凛としたその表情に、ナッジは息を飲んだ。
「私、そんなのイヤ。自分の責任だから、…だから……抱くだなんて、そんなの……いやだよぉ………。」
最後のほうは、涙でかすれて、ほとんど声にならなかった。

「シルヴィ………」
──傷つけてしまった。自分が、ちゃんと言葉にしなかったから。
ナッジはゆっくり上方に移動すると、手の甲で瞳を覆い、息を殺して泣いているシルヴィを見つめた。
「ごめん……。ちゃんと…言ってなかったよね。」
そっと、髪を撫でる。
「そのままでいいから、聞いて欲しい。
 僕は、君が好きだよ。ずっとずっと、ずっと好きだった。
 だから、抱きたい。シルヴィの、全てが欲しい。
 ………ダメ……かな……?」
8914、ナッジ×女主:04/07/06 22:14 ID:lXEFuFYZ
しばしの沈黙。
シルヴィは、うさぎのように赤くなった瞳を向けた。
頬が、かすかに朱に染まっている。涙のせいでは無い。
ナッジは、自分の角が当たらないよう首を傾げながら、そっと顔を近づける。シルヴィが瞳を閉じた。

一瞬の間の後、どちらからともなく、ふたりの唇は静かに重なった。
それと同時に、ナッジの右手の中指がとろりとした愛液をすくい、シルヴィの秘所に進入を開始する。
シルヴィはびくんと身体を震わせたが、溢れる愛液と薬の効果で、痛みより快感が勝っているようだ。
中指の腹にあたる内部がひくつき、ナッジの指を不規則に締め上げる。
ナッジは更に口付けを深くしつつ、親指でシルヴィの陰核にさわさわと触れた。
「はぁっ………」
シルヴィは堪えきれずに顔を離し、熱い息をついた。
そんなひとつひとつの動作が扇情的で、ナッジの牡はこれ以上ない程張り詰めてゆく。
ナッジは、おもむろに人差し指も、溢れる泉へと滑り込ませた。

じゅぷ………

いやらしい音が響き、シルヴィの秘所は何なく2本の指を飲み込んでゆく。
ゆっくりと出し入れしながら、親指で尖った肉芽をぐりぐりと撫で回した。
「ひゃ……あぁぁんっ!!」
声を我慢する暇もなく、シルヴィは高く嬌声をあげる。
「シルヴィ、かわいい」
ナッジがにこりと笑いながら、左手で乳首をつまみあげた。シルヴィの身体がまた跳ねる。
「はっ、や、ナッジ、ずるい」
快感にとぎれとぎれになりつつ、シルヴィは懇願するように言った。
「私ばっかり脱いでて、ずるい」
そう言うが早いか、シルヴィはナッジのローブに両手をかけ、不器用ながらもするするとその衣を解いていった。
9059:04/07/06 22:16 ID:lXEFuFYZ
ども、今日はここまでです。
この調子で行くと本当に長くなりそうだな……SSじゃなくなっちゃうか?
他の職人さん、居ましたら気にせず投下してくださいね。スレ止めたくはない!

ではまた会う日まで。
9172:04/07/07 14:23 ID:xGwp9nkJ
59氏今回も乙でした!
自分も文才が欲しいでつ
92名無しさん@ピンキー:04/07/09 20:37 ID:rOr+iPqY
もげ
9315、ナッジ×女主:04/07/11 02:48 ID:dRzX6hVX
竜殺しという通り名にはとても似合わない細い指先が、ナッジの下半身を覆うローブの一点に触れる。
「………あっ」
そこがこれ以上ないほど隆起している事に気付き、シルヴィは頬を染めた。
熱いそこに触れながら、ちらりと瞳を上げて目の前の少年を見ると、彼は恥ずかしそうに目をそらす。
その表情に悪戯心を刺激されたシルヴィは、ローブの上からそのそそり立つ牡を撫で始めた。

始めはやわやわと右手で触れているだけであったが、だんだんと左手もそれに加勢し、両手で包み込むようにして撫で上げる。
その慣れない不規則な動きが更に興奮を呼び起こし、ナッジの息は荒くなる。
左手で根元を押さえ、右手で上下に激しくしごく。
その後ろにある袋を揉み解しながら、先端部分を優しくひっかく。

「あ……シルヴィっ」
裏筋の部分を親指の腹でこすられ、ナッジは無意識に声をあげた。
一瞬の後にそれに気付き、あわてて口を手で抑える。シルヴィは満足気に微笑んだ。
「ナッジ、ローブの先が濡れてきてるよ?」
その言葉を証明するかのように、猛りきった先端が触れている部分は、薄緑から深緑に変化していた。
「…〜〜仕方ないじゃないかっ」
唇を尖らせるナッジを見て、シルヴィはよしよしと彼の髪を撫でた。
そして、ナッジの下半身を覆っていた残りのローブを全て取り去る。
9416、ナッジ×女主:04/07/11 02:49 ID:dRzX6hVX
外はすっかり暗くなり、空には静かな光を放つ星々が浮かんでいた。
カーテンのすきまから注ぐ月光のみを灯りにして、薄闇の中でふたりは生まれたままの姿になる。

再びくちづけを交わしながら、ナッジはシルヴィをそっと寝台に横たえた。
そのまま舌を、首筋から乳首へと移動させていく。
シルヴィの身体がびくりとはね、我慢できないと言うかのようにふとももをすり合わせた。

ナッジは少女の両足をそっと開かせると、更なる刺激を求めて濡れ光るそこに、自らの欲望の証をあてがう。
溢れる愛液によって先端がすべり、いまやはっきりとその姿を現した少女の肉芽とこすれた。
途端に少女から甘い嬌声があがる。
「これが気持ちイイの?」
意地悪くそう問いかけながら、ナッジはぐりぐりと互いの性感帯を擦り付けあった。
張り詰めた大きな陰柱によって、小さな陰核は思うさまぐにぐにと形を変える。
「あっ、あっ、あっ」
快感の集中する陰核に強く与えられる刺激に、シルヴィは声を抑える事が出来ない。
シルヴィの肉芽はヌルヌルとした愛液を纏ってそそり立ち、ナッジの亀頭をまるで舌でチロチロと舐めさするかのような刺激を与える。
もう、限界だった。

「入れて………いい?」
ナッジの問いに、シルヴィは紅をさしたような顔でこくりと頷く。
それが合図となり、ナッジは少女のふとももをしっかりと押さえながら、狙い定めて身体を進めた。
9517、ナッジ×女主:04/07/11 02:51 ID:dRzX6hVX
「い、痛ぁ……っ!」
シルヴィが悲鳴を上げた。
いくら冒険者として痛みに慣れているといっても、これは全く違う種類の痛みであった。
身体が無理矢理押し広げられるような痛み。シルヴィはシーツを掴む。
「シルヴィ………」
「だ、大丈夫。んっ、でも、少しだけ、このままで………」
心配そうに見下ろす少年に、シルヴィは気丈にも笑顔を作ってみせた。
人間と比べて背の高いコーンスは、その男性器も比例して大きめである。
小柄な少女は、巨大な侵入者を何とか受け入れようと小刻みに息をついた。

ナッジはそっと上半身を下げ、シルヴィに顔を寄せる。
「つらかったら、やめてもいいよ。シルヴィが嫌がる事は、したくないんだ」
囁くように告げた。
シルヴィは涙目でナッジを見上げ、爪の先が白くなるほど強く掴んでいたシーツからそっと手を離す。
そのまま両手をナッジの背中に回し、ふるふると首を振った。
「やめないで………」
ナッジははっとして、腕の中の愛しい少女を見つめる。
カーテンが風に揺れ、流れる青白い光がシルヴィの身体を照らした。

「お願い、私を、ナッジで めちゃくちゃに、して………?」

震える声でそう告げられると、もう、止める事は出来なかった。
ナッジは少女に覆い被さるようにして、唇を、舌を、激しくむさぼる。
同時に、勢いよく腰を進めた。ナッジの顔の下で、シルヴィがかすかにうめく。
根元まで埋め込まれた陰柱を揉み込むように、シルヴィの内部が収縮を繰り返す。
身体の中心に直接与えられる快感に、ナッジは軽い絶頂感を迎えそうになるが、何とか堪えた。
9659:04/07/11 02:54 ID:dRzX6hVX
毎度毎度少量ずつの投下で申し訳ない。
暇を見つけてちょこちょこ書くので、またしばらくしたら投下しますね。
やっと本番に入りましたので、あともう少しです。
では、失礼します。
97名無しさん@ピンキー:04/07/15 01:23 ID:I1NmVMNJ
>59
乙でやんす。続き楽しみにしています
9818、ナッジ×女主:04/07/15 16:44 ID:FiIpsh7H
シルヴィの身体から力が抜けるまで、ナッジはしばらくそのままで居た。
一刻も早く腰を動かしたい衝動に駆られるが、シルヴィの負担が少しでも減るまで、その身体を抱きしめて待つ。
荒く息をつく少女を見下ろしながら、これは夢ではないかという感覚が一瞬頭の中をよぎる。
だが、繋がった部分からじんじんと響いてくる快感は、確かに現実のものであった。

きつい内部の煽動によって呼び起こされた射精感を深呼吸でやり過ごし、落ち着いてきたシルヴィにそっと声をかける。
「動いても……いいかな?」
その言葉に恥ずかしそうに顔を赤らめ、少女は小さく頷いた。
汗で張り付いた前髪と、誘惑するように潤んだ瞳に、ナッジの心の枷は音を立てて弾けとんだ。

少女の頭の横に両手を着いて、思い切り腰を引く。
「ひゃぁ……っ!!」
一気に無くなった圧迫感に、シルヴィは息を飲む。
抜けそうな程に強く引いた次の瞬間、再び勢いよく最奥まで打ち付けた。
「ぁくっ…!!」
じゅぷりという淫らな音が響き、少女の泉から溢れた愛液がシーツを濡らす。
びちゃ、ぐちゃ、ずちゅっ……
ナッジの動きに合わせて、シルヴィの細い身体はびくびくと波打った。
始めはまだ痛みがあるのか、僅かに眉を寄せていたが、だんだんとその表情に快感の色が見えてくる。
「あ、あ、あっ、あっ、」
一度覚えた蜜の味を逃すまいと、シルヴィの膣内は貪欲にナッジの中心を締め上げ、振動させた
9919、ナッジ×女主:04/07/15 16:45 ID:FiIpsh7H
「…シルヴィ……気持ちイイ……」
やわやわとしめつけられ、時折きゅっときつく引き締められ、ナッジは素直に快感を口に出した。
何か言っていないと、すぐにでも絶頂を迎えてしまいそうであった。
不規則にぴくぴくとしまる膣内に肉棒を弄り回され、想像以上の快感に目の前がチカチカする。
腰の動きを意思の力で止める事など、もう不可能であった。

「あぁ、んゃッ……ひやぁぁっ!!」
ずっちゅ、ぐちゃ、ぬちゅっ……

静かな部屋に、濡れた肌が合わさる音と、高い嬌声が響き渡る。

先端の部分のみを中に残して引き抜き、また奥まで突き上げる。
その一往復ごとに、暖かくせまい肉壁に激しくしごかれ、しびれるような快感が下腹部から生まれて弾けた。
単純な前後運動だけでなく、ぐりぐりとこすりつけるように腰を動かすと、おもしろいように反応が変わる。
その反応から、賢い少年はシルヴィの感じる部分を的確に学んでいった。
向きを、深さを、速さを変え、何度も何度も強く打ち付ける。
シルヴィは歓喜に染まった淫らな表情を隠す事も出来ず、ただ素直に嬌声をあげた。

最奥まで貫いた時、亀頭のあたる面にざらざらとした突起がある事に気付き、そこを重点的に攻める。
数え切れない指先で肉棒の先を嬲られるような感覚が走り、一度は抑えた射精感がぐっと頭をもたげてきた。
同時にシルヴィの声もどんどん切羽詰ったものへと変化してくる。
「あ、ダメ、そこっ、ナッジ……あぁっ!!」
真っ白なシーツの上で、びくんと魚のようにシルヴィの身体がはねた。
絶頂が近いようだ。
10020、ナッジ×女主:04/07/15 16:47 ID:FiIpsh7H
それに気付いたナッジは身体を起こし、シルヴィの両足を大きく左右に広げ、身体を引いた。
張り詰めた野蛮な肉棒に貫かれ、快感の涙を溢れさせている濡れそぼった秘所が丸見えになる。
「あっ、ヤダ、見ないでっ、あ、はっ……!!」
シルヴィは涙目で懇願するが、その恥じらいの表情と淫らな秘所のギャップは、ナッジの中心を更に張り詰めさせた。

そのまま激しく突き入れると、出入りする肉棒にからみつく肉壁と、その上でひくひくとしこり立つ陰核が、刺激を求めて切なげに震える。
ナッジは右手の指先で、ぬめった入り口を左右に広げ、顔を出した肉の真珠を親指と人差し指でぐりぐりと撫でさすった。
「やぁぁっっ!!」
電流のような快感が走りぬけ、シルヴィの膣は収縮を繰り返した。
その揉み上げるような動きに、ナッジも限界点が見えてくる。

「シルヴィ……ん、いくよっ」
絞り出すような声に、シルヴィはただこくこくと頷いて応える。
シーツを握り締めていた細い腕が、ナッジの背中に絡んだ。
陰核をいじる指の動きを早め、腰を奥へ奥へというように速く、強く突き入れる。
何度目かの突き上げの時、シルヴィは蚊の鳴くような声で告げた。
「あ、ナッジ、私、もう、いっちゃ………!!」
そこまで言うと、シルヴィの白い身体がびくびくと波打ち、ナッジ自身を包み込んだ肉壁が激しく痙攣する。
その動きに併せて、ナッジの肉棒からも渦のような快感が生まれ、出口を求めて身体中を駆け巡る。
張り詰めた肉棒が少女の中で収縮を繰り返し、あまりの快感に我を忘れそうになる。
10121、ナッジ×女主:04/07/15 16:48 ID:FiIpsh7H
──出る…っ!!
射精の瞬間に生まれる絶頂感が全身をしびれさせる。
だが、ほんの僅かに残った理性が、中で出す事をためらわせた。
慌てて絡みつく膣内から自身を引き抜く。
その瞬間、入り口が肉棒を力強くしごきあげる感覚が走り、ナッジは腰を震わせて果てた。
快感の証である白い液体が堰を切ったようにあふれ出し、シルヴィの紅潮した身体にびちゃびちゃとふりかかる。
若いナッジの精液は、少女の顔から下腹部の辺りまでまんべんなく飛び散り、注がれていた。
白い粘液にまみれたシルヴィの姿は月光に照らされ、それはこの上なく淫らな光景であった。

しばし絶頂の余韻にひたっていたナッジであったが、はっと我に返ると、自らの精液によって汚された身体を見て青ざめた。
「ご、ご、ごめんっ!!き、気持ち良すぎて………あのその」
意味不明な言い訳をしながら、おろおろと枕元のティッシュを数枚引き抜き、甲斐甲斐しくその白い液体を拭き取る。
そんな仲間の少年を見て、シルヴィはぼんやりと残る快感の中で、くすりと微笑んだ。
何となくけだるい身体を、肘を使って起こし、申し訳無さそうにうつむく少年の顔を覗き込む。
その頬を細い両手で優しく包み、驚くナッジの唇に、自らの唇を静かに重ねた。
数秒して顔を離すと、目の前には真っ赤になったコーンスの少年が映る。
「……ありがと、ナッジ」
ゆっくりと、言葉を選ぶ。
口に出してから、薬を飲む前にも同じ台詞を告げていた事をぼんやりと思い出す。
だが、その時よりも、お互いの間に流れる空気が暖かいという事に、ふたりとも気付いていた。
102エピローグ:04/07/15 16:49 ID:FiIpsh7H
「あーっ、何だか運動したら元気になっちゃった!」
「うん、汗をかくと熱も下がるっていうからね」
うーんと声を上げて猫のように伸びをするシルヴィの隣に寝転び、ナッジは柔らかく微笑む。
シルヴィはシーツの中でくるりと反転し、いたずらそうな目をナッジに向けた。
「違うよ。きっと、ナッジの薬が効いたんだよ」
人差し指を立ててきっぱりと言うシルヴィに、ナッジは複雑な気持ちになる。
「あはは、ありがと。でも、次は薬無しでも……いいよね?」
愛しい少女から目を逸らさず告げる。森のおりこうさんは、自分がまた、少し強くなった気がした。
その言葉に頬を真っ赤に染め、少女は小さくばか、と呟き、そして、頷いた。

「と、ところでっ!熱も下がったし、明日は予定通りエア様に会いにいこうねっ!」
シルヴィは、照れ隠しに明るい声を出した。
いつものようにすぐ同意が得られると期待したのだが、予想に反してナッジはそれに答えず、曖昧な笑顔を浮かべている。
「どしたの、ナッジ?」
きょとんと問いかけるシルヴィに向かって、ナッジは困ったように、ぼそぼそと呟いた。
「うーん、あのさ、エア様って、天地千年を見通すって言うでしょ。実際、会ってないのに僕らの事知ってたし。
 だから、もしかして、これも……見られてたりして………」
後半に向かうにつれて、声が小さくなる。
シルヴィはそれを聞いて、始めは理解できない様子であったが、数秒後、漫画のように湯気を噴き出して紅くなる。

──いいものを見せてもらったぞ、無限の魂よ。
ほんの少し笑みを含んだ声が、風に乗ってどこからか聞こえた気がした。

優しく涼やかな風が、カーテンを揺らして通り過ぎる。
月はどこまでも明るく、ふたりを照らしていた。
10359:04/07/15 16:54 ID:FiIpsh7H
完、です。
ここまでお付き合いくださった方、応援してくださった方、本当にありがとうでした。
鬼畜好きな方はすみません。また機会あったらそういうのも書きたいとおもいまつ。
長々と書いてしまい(しかも本番短い!?)、そのために他の方が投下出来なかったのかもと思うと申し訳ないです。
でも、俺としては、非常に楽しんで書く事が出来ました!ありがとうございます。

俺は小説書いた事はありませんでしたが、やろうと思えば出来るものなんだな、と。
だからROMってる方々、もし萌えなシチュでも思いついたら書いてみる事をお勧めします。
では、また会う日まで。ありがとうございました。ノシ
104名無しさん@ピンキー:04/07/19 00:17 ID:CFA8lxCm
乙ー。
やはり女主はいいですね〜。
気が向いたら次回作も書いてください。首を長くしてお待ちしてます!
105名無しさん@ピンキー:04/07/20 21:36 ID:1cTdFrd9
おつかれいやー
ところでぼぼふじゅんしょうはいなくなっちゃった?
すんげーすきだったんだけど
106名無しさん@ピンキー:04/07/25 01:05 ID:PqVs/PQe
ほしゅ
107名無しさん@ピンキー:04/07/27 01:05 ID:+y6JOctG
ジルオール完全版出ないのかな・・・
108名無しさん@ピンキー:04/08/01 16:44 ID:d9W2CKo0
ENDほぼ固定されるってのに、もう重傷だな自分。
またクリュセイスルートに入ってしもうた…

女主で。
109名無しさん@ピンキー:04/08/01 22:31 ID:x0oqLR5W
ははははははははははははは
110名無しさん@ピンキー:04/08/02 01:40 ID:MI8rU/t2
>>108
女同士で新婚旅行でつね。

ジルの世界は性別とかにあんまり拘らない大らかな世界なんだろうな。
111名無しさん@ピンキー:04/08/04 21:02 ID:A3lycq8X
冒険者連中は特にその辺ゆるそうですね。

ところでヴァンて女主と絡んでるとこ見ないよね。
あってもギャグにさえならなさそうだけど…。
112名無しさん@ピンキー:04/08/05 18:57 ID:obEoFA9R
ヴァンは駄洒落しか思いつかん
113名無しさん@ピンキー:04/08/05 22:55 ID:ef4k8vwO
test
114名無しさん@ピンキー:04/08/11 22:18 ID:NPWpUbwD
保守
115名無しさん@ピンキー:04/08/17 21:16 ID:/XZ/vRW5
忘れないでね。
116名無しさん@ピンキー:04/08/18 08:55 ID:8l8XxA7k
保守がわり故続かない。ついでにエロくない。
>>12からの派生妄想。
「乱れた服の背中を男主に直してもらっているアトレイア」な状況ということで、以下。

 *** ***

灯りのない部屋に、白い娘のうなじが浮き上がる。
肩の横に流した長い髪とのコントラストが、いっそうその白さを引き立てて、
普段は儚げな肌の色が、今は男を誘う誘蛾灯のように艶めかしく思える。

「アトレイア・・・・・・」

おぼつかぬ仕種で乱れた襟の縁を指でたどる。
僅かな震えが指先から伝わって、男の心に熱の影を落とす。
一度も陽の光にさらされたことがないような白さに目を奪われながらも
なぜだか胸が痛くなる。暗い部屋。光のあたらぬ場所。白い肌のままの彼女。

「──? どうか、なさいましたか?」
「い、いやその。こ、これはどうやってとめたらいいのかと」
「ああ。それはこう、上の方にボタンが──」

振り返ることもなく服の構造を答えてくる姫に言葉を返しながら、
男は突き上げてくる衝動を宥めることに労力を割かねばならなかった。
乱れた襟からのぞく背中の曲線がちりちりと熱を煽るようで。
その肌の白さに胸の痛みを覚えるのは事実で、
けれど同じほどに欲望が高揚していくのもまた事実。
誰も、陽の光さえも見たことがない姫の肌を目の当たりにしているという思いが
どうにもならない下心を炙る。
117名無しさん@ピンキー:04/08/18 21:08 ID:RsxVTDi1
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

続き・・・続きは・・・(;´Д`)ハァハァ・・・
118名無しさん@ピンキー:04/08/19 00:15 ID:qInXXT/P
hosyu
119名無しさん@ピンキー:04/08/29 16:53 ID:5ivi8PzL
本気で人がいないな。本スレは賑わってるのでいいんだが。
ここ今何人が見てるんだ。
120名無しさん@ピンキー:04/08/29 19:29 ID:UGzw2c4E
はい見てます。ノシ
職人さんがこないのは他スレと比べて感想が少ないからじゃ
と言ってみるテスト。
人口自体少ないんじゃどうしようもないんかね…。

遅れましたが、29さん59さん乙ですた。
良かったです。気が向いたら続編待ってますよ。

もう見てるかどうかわからんけども。
人こねーかなー
121名無しさん@ピンキー:04/08/30 02:44 ID:SA/GiYkn
本スレあるんだ
まだまだ人気があるんだね。嬉しいな〜
122名無しさん@ピンキー:04/08/30 09:50 ID:LnERI1s/
いま38スレか37スレ目かだったっけか>本スレ
キャラ萌えなんかもあっちですませられてるようだし、
こっちの需要はより少ないのかもしれんなぁ。
123名無しさん@ピンキー:04/09/01 00:21 ID:pDV5xxzM
闇小説と銘打っているだけにここでキャラ萌えトークは
し辛いのかも。

久々にジルやって初めてヒルダリアイベント進めてたら
いきなり姐さんが主人公と二人きりの部屋の鍵を閉めてビクーリ。
しかも良い返事しないと返してくれないと来たもんだ。

流石男主人公限定EDキャラだと思いました(;´Д`) '`ァ '`ァ
124名無しさん@ピンキー:04/09/01 23:33 ID:JuAg0Mp7
二人きりの部屋にカギをかけて〜ってシチュだけ聞くとやらしい感じだな。

自分が驚いたのはクリュセイスのイベントで突然連行されるやつ。
女主が部屋に転がされて周りを男達に囲まれてる図が衝撃だった。
125名無しさん@ピンキー:04/09/02 00:44 ID:KC02wzOO
124
自分もそれ思った。黄金畑発ノーブル伯だっただけに
余計に密偵ズが嫌になったよ。

絶対ヤられてるよね(みうらじゅん風)
126名無しさん@ピンキー:04/09/04 14:00 ID:5vSb6ZA1
衝撃といえばパンチラ・・・
127名無しさん@ピンキー:04/09/06 00:32 ID:kkwxETNR
うろ覚えなんだが、旅先女でゼネと盗賊のアジトに潜り込む時
ボスが「可愛がってやる」とかなんとか言ってなかったっけ。
(自信なし(´・ω・`)

まあ、汁世界だったら男相手でも同じ事いわれるんだろうけど。


128名無しさん@ピンキー:04/09/06 15:45 ID:AlM6QyYq
旅先はつい男ではじめちゃうんだよな。
そのせいかその台詞が記憶に残ってない・・・・・・
女主で確認しに行ってみようかな。
129名無しさん@ピンキー:04/09/09 00:51 ID:/9gtzq+n
ヒールやらクリアスやらゴッドハンドで
あらゆる怪我や毒や呪いが直ってしまうこの世界では
「蛇にかまれた傷口を吸う」とか「服を脱がせて包帯を巻きかえる」とか
いう萌え(?)シチュが生まれないんだよなあ・・・
130名無しさん@ピンキー:04/09/09 08:02 ID:rXOnYYMF
病気は魔法では治せないっぽいから、風邪をひいて看病するシチュはありですぞ。

毒はどのレベルまでかな。既に失明したのを治すのは無理だけど
回った直後に魔法かけたら治癒できるレベル?
131名無しさん@ピンキー:04/09/09 10:24 ID:FyyhEQQx
>129
いや、できんことは無い。
魔法に頼ってばかりでは身体の抵抗力が落ちるから…、とかなんとか設定つ
ければどうとでもなる。
132名無しさん@ピンキー:04/09/09 21:35 ID:5P6ImqL7
>129
互いに魔法が使えないキャラ同士なら無問題
133名無しさん@ピンキー:04/09/10 02:07 ID:gCl0RSgm
>130->132
レスサンクスです。とはいえ文章力とかないから何も書けませんが・・・
風邪引いたらサマシごけ食わされそうですね・・・不味そうだな。

鉱毒とかはどうなのかな・・・クリアスって生物的な毒しか直せない気がする・・・

そーいや本スレのほうでゼグナ伯ってのが垣間見えたが
ゼグナ鉱山の持ち主か・・・?
134名無しさん@ピンキー:04/09/10 13:50 ID:Oe+M9n6T
ゼグナ伯なんて名は無かったと思うが…。シドア伯なら聞いた事ある。
エリス曰く、三時間待たせても構わない程度の人物らしい。

ところで新作が来ないな。こういう状態だし、近い内に何か書いても良いかな?
135名無しさん@ピンキー:04/09/10 15:57:26 ID:o9vaUAUK
>134
是非・・・・・・・!!
書いてくだちい。楽しみにしてます。
136名無しさん@ピンキー:04/09/11 00:55:21 ID:sDgAuhln
>134
同じく・・・・・・・・!!
裏絵掲も新作ないし最近さみしい・・・・。
137名無しさん@ピンキー:04/09/11 18:58:26 ID:lQtfhR6J
裏絵板はすっかりさびれてるな・・・
134氏の新作期待してます。
138名無しさん@ピンキー:04/09/12 03:21:30 ID:QifFOOxU
>134
当方に(;´Д`) '`ァ '`ァ の用意アリ!
是非とも出撃されたし!!
139名無しさん@ピンキー:04/09/12 18:34:45 ID:7BEtbFNB
このゲームって主人公に決まった名前が無いじゃん
このスレでの固定名とか決めてたら
職人さんにとって主人公関係のSSって書きやすくなるんじゃないかな
もちろん強制ではなくだけど
140名無しさん@ピンキー:04/09/12 19:05:22 ID:doHAwqSc
>139
どうだろうね…
以前どっかに名前のリストがあったと思うけど
個人的にはそれで十分なような気も。
141134:04/09/12 23:40:07 ID:Q1EDPMbb
では書かせて頂こうかと思います。2〜3日お待ちを。
142名無しさん@ピンキー:04/09/13 00:19:39 ID:25x9RMHu
>>141
がんがって下さい期待してまつ!
143名無しさん@ピンキー:04/09/16 01:10:04 ID:RmcJj536
>>141
お待ちしてます。
144名無しさん@ピンキー:04/09/17 04:55:54 ID:ci53lJO9
作品集ってないんですか?ケータイだからか過去ログとか見れなくて…。
145134:04/09/17 20:55:23 ID:QbudEGsx
荒れた内装と凶悪な魔物。
凝縮されたかのように漂う闇の気配・・・・。
エンシャントの廃城はそういう所だった。多少腕に自信がある程度では、
冒険者とて近づこうとはしない。
そんな場所に、ある種の悲壮さを秘めた三人の戦士が佇んでいた。

1人は黒装束に身を包み、両手に短剣を持った男。名をレイヴンという

もう1人は赤い装束に片手剣を携えた長身の女。名をカフィンという

そして最後の1人である、彼らのリーダー格の少女、ノエル

彼女はその小柄な身体を白銀の全身鎧に包み、背には巨大な両手剣を背負っ
ていた。人形のようなあどけなさを残した面影に、歳相応とはとてもいえな
い、張り詰めた色を浮かべている。
「さて、それではそろそろいくとしようか」そんな三人の背後より、
1人の男が現れた。金髪のソバージュを靡かせた神官服の男だった。
暗い表情のノエルたちに対し、全く気負った雰囲気を持たないその表情は、
この場では不自然にさえ感じる。
「ナーシェス…、あんたは今のノエルを見て、何も感じるものが無いのか!」
その余裕の表情に対し腹を立てたのか、レイヴンは怒りを込めた言葉を、
神官服の男=ナーシェスに投げつけた。
146134:04/09/17 21:02:25 ID:QbudEGsx
しかしナーシェスは怒り返すこともせず、その口元に嘲笑に近い笑みを
浮かべる。
「感じるもの?もちろんある。竜王様に選ばれた戦士として、秩序を乱す
あの男を仕留めるだろうという、期待を感じているところだ」
「……よくもそんな事を…!」
「争うのは止めて。あたしは大丈夫ですから」一触即発の雰囲気を、
ノエルが力無い声で宥めた。ナーシェスの言うあの男とは、
冒険者として名高い、とある青年の事だ。
レイヴン達ともそれなりに見知っていて、ノエルに取っては、
尊敬する先輩冒険者だった。ノエルは彼に追いつくのだと、
今日まで剣技を磨いてきたのである。
しかし皮肉な事に、彼女が今、やらなければならないのは、
その青年を殺すことだった。それもカフィンとレイヴンのために。
二人の未来のためにノエルは、尊敬する人間を殺す事を選んだ。
――――あまりにえげつない。
少なくともレイヴンはそう思う。恐らくカフィンもそうだ。
こんな事を考えるナーシェスや竜王を殺してやりたかった。
だがそれはノエルを裏切る事にもなる。
しかし二人が生き続ける事はノエルを苦しませることにもなるのだ。
先程から堂々巡りだった。どうすればノエルのためになるのか・・・・。
それを考えながらも結論は出ず、ついにここまで来てしまった
147134:04/09/17 21:02:54 ID:QbudEGsx
「ナーシェスの言う通り・・・。行きましょうか」
ふとノエルが口を開いた。潔く見えるほどに、
躊躇わず目の前の扉を開く。そこにいたのは・・・・・


1人は奇跡将軍と呼ばれるロスト―ルの名将
     
1人は獅子帝と呼ばれる冒険者の神
 
そして最後の1人は竜殺しと呼ばれる戦いの王だった
148134:04/09/17 21:05:27 ID:QbudEGsx
いきなりのノエルたちの登場に、青年たち三人は戸惑いを見せた。
「やはり、勝ってしまったのですね…」分かっていたことだが、
ノエルはあえて言った。その言葉には、弱冠の躊躇いが含まれていたが、
それでも彼女は、青年の方へと、その歩みを進める。
カフィンとレイヴンは、居たたまれない思いで、その後に続く。
「ノエル…。ここにたどり着くとは、随分腕を上げたな」青年は言った。
ノエル達三人は、その青年の方を見やる。黒衣に群生色の鎧、
そしてその背には、身の丈を越えかねない大剣。
細身な体躯であるにも関わらず、彼の両左右にいるゼネテスやネメアを
上回る、異様な存在感があった。
――――……勝てない。
ノエルは即座にそう思った。そう思うのも、無理はなかった。
青年の戦士としての名は、大陸中に知れ渡っている程のものだ。
四邪竜、封印の巨人、邪神、三聖竜の一角…、青年はそれらすら、
造作も無く殺した。伝説の破壊神といわれるウルグですら、そのソウル
ごと取り込まれたのだ。もはや彼は、人の姿を借りた化け物だと、
その戦い振りを見た者は言う。しかしその化け物を前にしても、
ノエルは臆する様子も見せず、真っ直ぐな視線を崩さない。
「大陸を覆うほどの闇ですら、貴方はいとも簡単に払ってしまった。
そのおかげで、バイアシオンは危機を免れました」彼女は静かに言った。
青年は黙ってその言葉に、耳を傾ける。
「でも現在、この大陸は新たな危機にさらされています。闇をも取り込む
強すぎる光…、貴方です。」言い切った。

「……」

沈黙。

「私は竜王様に選ばれた戦士として、貴方を倒さなければなりません」

また沈黙。
149134:04/09/17 21:08:36 ID:QbudEGsx
しかしもちろん、青年達は気づいている。それが完全な宣戦布告で
あるということに。
「おいおい。いきなり、それはねえんじゃねえか。必ずそうなるとは限らん
だろう?」ゼネテスが、割り込むように言った。
「それにもしそうなったなら、俺たちで止めてやればいいだけだ」
ノエルに対し、ゼネテスは、あくまで反論する姿勢だ。
「果たして、そう巧くいくかな?」その時である。ノエル達の背後より、
その声は聞こえた。金の長髪を靡かせた神官服の男、ナーシェスだった。
「その男の力は最早、史上最強。誰も勝てぬ。そしてまだ強くなるやも
しれん。今は違うとして、いつかの未来、破壊願望がその男の中に生ま
れたなら、一体誰が止められるというのだ?今の内にその芽を摘んでお
こうというのが、竜王様のお考えだ」ナーシェスは言う。
鼻持ちならない言い方だったが、一理はある。確かに、青年には誰も勝
てない。ゼネテスは先ほど、自分が止めると言ったが、もし青年がその
気なら、そんなことはほぼ不可能だ。
「本当に残念だわ。こんなことになってしまって…」
「…俺はノエルの敵を倒すだけだ」とは、カフィンとレイヴン。
ノエルも表情を崩さないまま、背中の剣を抜く。
「私の最後の剣。受け止めて下さい」その言葉が開戦の合図だった。
青年も背の大剣を抜き、半身に構える。
ゼネテスはカフィンと、ネメアはレイヴンとそれぞれ対峙した。
三者三様の睨み合いが、しばしの間続く。
そこから最初に動いたのは、ノエルだった。
叫び声を上げ、青年に斬り掛かる。少し遅れて、
カフィンもゼネテスに攻撃を仕掛けた。ノエルの攻撃に対し青年は、
愛剣を振り降ろす。
互いの得物がぶつかり合い、噛み合う音がその場に響いた。
「流石ですね」鍔迫り合いの中、ノエルは青年に言った。
「君こそな。だが…」
150名無しさん@ピンキー:04/09/17 21:11:59 ID:DN5GTpoG
151134:04/09/17 21:13:11 ID:QbudEGsx
次の瞬間、ノエルはわき腹の辺りに重い衝撃を受けた。
剣によるものではない。蹴りだ。そういえば、青年は拳士としても名高い。
マンティコアを殴り殺したという逸話もある。剥き身にくらえば危なかった。
鎧のおかげもあって、ダメージは無いが、鍔迫り合いの体制を崩される。
「くっ…!」
ノエルは即座に、天動地鳴を縦に構え、そのままバックステップで後退する。
しかし、そこからの青年の追撃は、恐ろしく速い…、いや、もはや迅いと
しか言い様のない程のものだった。
一足飛びで距離を詰め、それと同時に、こちらの首を片手で突いてくる。
大剣での片手突きというだけでも、人間離れした技だが、その上狙いまで
正確とあっては、脅威以外の何物でもない。何とか避けることはできたが、
肩当てが甲高い音をたてて、吹っ飛ばされた。同時にバランスを崩され、
肩からは僅かに出血したのが分かる。しかしそれを気にしている暇はない。
この状況から守りに入れば、負けは確定だ。
152134:04/09/17 21:13:44 ID:QbudEGsx
「やぁっ!」
そう判断したノエルは、倒れた勢いを利用し、青年に渾身の斬撃を放った。
苦し紛れの一撃で、正確さには欠けるが、鋭い斬撃だった。
青年はそれを大剣で受け止めるが、そこから攻撃することはせず、
一旦距離を置く。ノエルも間合いを置き、愛剣を構え直した。
互いに、攻撃できる間合いのぎりぎり外。
どちらかが動けば、また斬り合いになる距離だった。
ノエルは肩に傷があったが、出血はそれほどのものではない。痛みについて
も、特に問題なかった。降参には早すぎる。
しかし実際に戦ってみてよくわかる。この青年の恐ろしさが。
彼は今まで、ノエルの力になってくれることも良くあった。
しかし今の彼がこちらに向けているのは、純粋な殺意のみだ。
恐らく誰であれ、敵対する者にはそうなのだろう。
たとえ昨日までの仲間であれ、敵となれば容赦なく斬り捨てることが
できるのだ。末恐ろしいと、心から思う。しかし今の状況では、
好都合でもあった。
青年がどうであれ、ノエルがその命を奪わなければならないことに、
変わりはないのだから。決死の覚悟で、彼女は愛剣を握り直した。
153134:04/09/17 21:20:09 ID:QbudEGsx
SS書けたところまで投下します。
しばし色気の無い展開が続きますが、よろしければお付き合い下さい。
154名無しさん@ピンキー:04/09/17 23:56:08 ID:ojrdcrEO
乙です。この先のノエルの気持ちが気になります。
155名無しさん@ピンキー:04/09/18 00:17:23 ID:py91DuAZ
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
156名無しさん@ピンキー:04/09/18 02:39:04 ID:uaqsWW+u
肉体と精神のせめぎ合いにこそ色気を感じます。
続きが待ち遠しい。
157名無しさん@ピンキー:04/09/18 19:40:22 ID:7zD1/l3/
乙です。
重厚そうですねー、続き楽しみにしてます。

ところで、過去スレはいつでも見られるようになってるけど
それとは別にSS保管庫って需要あるかな?
本スレや同人スレの流れ見てたら自分も何かしたくなってきた。
158名無しさん@ピンキー:04/09/19 01:38:02 ID:vNaDsJ3e
>157
保管庫、もし出来るなら作ってほしいです。
まとめてあると、またあの作品読みたい・・・って時にわざわざ探さなくてすむので。
ぜひぜひお願いしますです!
159名無しさん@ピンキー:04/09/19 10:55:09 ID:63tIWpE8
なにげにここの小説質はいいほうだと思うしね
160134:04/09/20 02:22:52 ID:zGYlrM9a
青年とノエル、カフィンとゼネテス。先程から数度打ち合っているこの二組に対し、ネメアとレイヴンは微動だ
にすることも無く互いを睨み合っていた。ただその目から読み取れる感情の色は、それぞれ対極に位置する
といってもいい。巨大な槍を構え、雄雄しく立つネメアはまさに黒き獅子であった。
そこから感じるのは王者の威厳、その目に映すのは慢心を欠片ほども含まない余裕だ。
対してレイヴンが感じるのは、まさに恐怖のみだった。彼は黒い閃光と呼ばれる一流の暗殺者であったが、
この目の前の男には勝てる気がしなかったのである。二刀を構え、常に臨戦態勢なのだが、攻撃を加える隙
が見付からない。かといってあと僅かでも踏み込めば、そこはネメアの間合い。即座に身体を貫かれて終わり
だ。
相手の仕掛けた攻撃は避けられる自信がある。しかしこちらから間合いに入った場合の攻撃は、防ぎ様が無い。
武器のリーチに差がありすぎるのだ。
「私を倒さねば仲間の援護には行けぬ。いつまでもそうしてはいられぬのだろう?」ネメアは静かに言った。
レイヴンとネメアの隣では、二組の戦士達が死闘を繰り広げている。そして言うまでもなく、レイヴン達は劣勢。
ゼネテスと戦っているカフィンはまだしも、ノエルの方は、一刻も早い援護が必要だ。
「そう焦るな。今あんたを倒すための算段を練っている」
レイヴンが言った。しかしはったりでしかない。そんな方法は思いつかなかった。まともに動くことすら出来ていない
のである。その頬を冷や汗が伝い落ちるばかりだ。勿論、獅子帝の名を持つ男の前にそんな虚勢が通用する筈も
なかった。ネメアは全く表情を変えることはない。レイヴンの強さなど歯牙にも掛けていないのである。
「以前にも言ったな」ネメアの声は、冷厳でありつつ諭すような色を帯びていた。
「お前は強い。故に私の強さが分かる。そしてまた、そうであるが故に恐怖も知ってしまった」

161134:04/09/20 02:23:39 ID:zGYlrM9a
レイヴンは脳裏に過去の記憶が甦るのを感じた。
かつて彼が施門院の暗殺者であった頃の話だ。ある時一つの任務を受けた。

―――――ネメア暗殺。

今は無きエルファスの私情によって、与えられた任務だった。イズを自身の許から攫っていったネメアへの報復である。
この任務に就いた事により、レイヴンはその後の人生を変えることになった。
最初はどうとも思わなかった。当時のレイヴンは言われるがままに、標的を殺していただけの、いわば道具でしかなっ
たのだから。『ネメア』とか言う奴の急所に、一本のナイフを突き立てればそれで終わる。同じく任務に就いていた、他
の暗殺者達も、その程度の認識だったはずだ。
しかし実際にネメアを目の前にし、レイヴンの今までの世界は崩れた。
仲間達と協力し、彼を路地裏に追い詰めたまではよかった。まさに予定通りである。
暗殺者達はレイヴンを含めて、5人いた。
「……覚悟」その内の三人が同時にネメアに飛び掛る。
162134:04/09/20 02:24:24 ID:zGYlrM9a
……次の瞬間どうなったかは、最早説明するまでも無いだろう。ある者は頭蓋を割られ、ある者は串刺しにされ、またある者
はその首を飛ばされた。ようは三人の暗殺者が、三つの死体となっただけの事である。それを見た四人目の暗殺者は、
臆する事もせずネメアに攻撃を仕掛けた。感情を持たぬが故の恐れを知らぬ蛮行は、そこに観衆でもあれば、ある意味で
勇敢にも映っただろうが、その結果は四つ目の死体を生み出したというだけだった。
「お前は私の命を狙わないのか?」
微動だにせず、事の成り行きを見守るレイヴンに対し、ネメアは声を掛けた。しかしレイヴンは無反応。が、無理も無かった。
その時既に、彼の頭の中には恐慌が起こっていたのだから。
「死の羽音…。お前のことは知っている。その恐るべき強さもな」ネメアは言った。
その言葉を聞いたレイヴンの身体に、震えが来る。今まで感じた事の無い『何か』が、彼の内側でうごめいていた。
「…ううっ……あああっっ」呼吸困難に陥ったような喘ぎが、喉の奥から溢れ出す。
カラン――という音を立て、両手に握っていた短剣が路上に落ちた。
「お前はこの四人より遥かに強い」転がる死体に目をやり、ネメアは続ける。
「故に私の強さが分かる。それであるが故に、もう私とは戦えない。お前は初めて恐怖を知ったのだ」

163134:04/09/20 02:25:11 ID:zGYlrM9a
――――恐怖を知ったのだ。その言葉が頭に反響する。

「わぁぁぁぁぁっっーーー!」気付けばレイヴンは逃げ出していた。任務などもうどうでもよかった。
この瞬間、彼は何も感じない人形ではなくなった。人間となったのである。

「だからこそお前はかつて、私から逃げた」その声で、レイヴンは現実に引き戻される。
短剣を握る手には、大量の汗。ネメアの話に完全に呑まれていたようだ。そしてそこから、思
い出す必要も無い過去を思い浮かべ、それに恐怖していた。
(情けない。しかし俺はやはり、自分より強い者が怖い……)
偽らざる気持ちだった。レイヴンは強い。だがネメアはそれ以上に強い。それが分かるから
こそ、レイヴンはネメアに勝てないということも知っている。そして勝てない相手と対峙したとき、
恐怖を感じるのは至極当然のことであった。
164134:04/09/20 02:25:44 ID:zGYlrM9a
―――……ただ。
ただ一つ、かつてとは違うことがあった。

この圧倒的な存在感を持つ男に恐怖を感じるのは昔と変わらない。
しかし今のレイヴンは逃げ出す事をしなかった。勝ち目はほとんど無い、恐怖も感じている。
暗殺者であった時の彼は、その時点で逃げ出した。
しかし今のレイヴンは違う。その恐怖の存在に対して向き合うことが出来ている。
それが意味する事は、つまりネメアと戦えるという事だ。レイヴンの精神はいつの間にか、
叩き上げられていたのである。恐怖を征すほどに。
(ノエルのおかげだな…)
彼女を悲しませる者は許さない。彼女の敵は倒す。
それが今のレイヴンだった。
「俺は確かに逃げ出したさ。そして今も、あんたのことが怖い。しかし今の俺は、あんたとも戦える。」
そう断言する。自分でも意外なほど、静かな、そして落ち着いた声であった。
「ほぅ…、ならば向かってくるがよい」
ネメアは腰を落とし、破滅の槍を構える。その目には相も変わらず余裕が漂っていたが、その余裕の
色は先程より弱くなった。逃げ出した男が、帝王を僅かにでも動揺させた瞬間であった。
「「いざ……」」二人の体躯は攻撃に移る。
その時だった。

キィィィィィン!
甲高い音が響いた。戦闘開始直前だった二人は、ほぼ同時にそちらへ目をやる。カフィンもゼネテス
も同様であった。彼らの戦いを中断させるほど、その響きは何かを感じさせたのである。

165134:04/09/20 02:28:01 ID:zGYlrM9a
そこにいた全員が見たのは、防戦を強いられている青年と、その青年に鬼神の如く斬る掛かるノエルの
姿だった。年端もいかぬ一人の少女が、人の姿を借りた化け物と、そうまで揶揄される男と互角に打ち
合っている。先程の甲高い音は、青年の胴鎧の一部が壊された音のようだった。

竜殺しが鎧に命を救われる始末―――

この事実は歴戦の戦士である者達にさえ、衝撃を与えた。皆が一旦戦うのを止め、青年とノエルに釘付
けとなる。
「信じられねぇ。なんて嬢ちゃんだ…」とはゼネテス。
「ノエル…、まさか」レイヴンは不安そうな声を出した。

「大した剣さばきだが…。」青年は、鋭いノエルの斬撃を、紙一重で避ける。

―――俺を殺すには、まだ10年早い。

そして愛剣を振り上げた。
横凪に振るわれた大剣は、大気を潰すような音を立て、ノエルを襲う。だが青年の狙いはノエルの命とは
別にあった。その手に握られている天動地鳴、即ち武器破壊が狙いだ。
青年の得物はノエルのそれより劣るが、彼の両手持ちの斬撃ならば、希代の名剣であれ損傷は避けられ
ない。こちらの武器も無事では済まないが、剣を失えばほぼ無力となるノエルに対し、青年には武器無しで
も戦う術があった。
しかしこの狙いは見事に外れる。ノエルはいとも簡単に青年の一撃を受けてみせたのだ。

166134:04/09/20 02:28:29 ID:zGYlrM9a
ガキィィィン!

大剣同士が打ち付け合う音が響く。激しい音に対し、天動地鳴はびくともしない。
「私は退けないんです…! 絶対に!」そう言うノエルの表情は、今にも泣き出しそうだが、そこからはとてつ
もなく強い意志を感じる。
「やぁっ!」ノエルはその体制のまま、青年の剣を弾き返した。そして返す刃で斬りつける。
(迅いな……)
避けられない一撃だった。ノエルの剣は青年の鎧を貫き、脇腹を斬り裂いた。瞬間、鮮血が舞った。青年は
たまらずに後退し、間合いを離す。その動作があと僅かにでも遅れたなら、確実にやられていただろう。首の
皮一枚の差で、何とか生き残れたのであった。しかし受けた傷は、かなりの深手には違いなかった。
口から血が伝うのが分かる。斬られた箇所は、火が出るような激痛だった。おそらく内蔵がやられている。こ
の傷は相当まずい。

―敗色濃厚―

現在、まさにそれだ。だが今、青年の頭にあったのは、別のことだった。ノエルの強さについてである。戦い始
めてから今に至るまでに、明らかに動きが変わった。
身のこなし、打ち込みの鋭さ、剣さばき……。全てが急激に進化しているのか、今のノエルは青年を倒しうる。
青年は今まで幾多の死線に遭遇してきたが、今回の戦いはその中でも最も死に近いと感じていた。それほど
に、今のノエルは強い。
(さて、どうするか…)
そこまで考えて、現状に思考を戻した。今、下手に打ち合えば、おそらく負ける。予想以上に傷は深く、血が止
まらない。動けば血塊が口から溢れる。そしてそれを差し引いても、二人の力量に差は無い。
(気は引けるが…)
やはり殺すしか無い。生き残るためには。そして今のノエルを殺すには、自分を殺すことが必要だ。そう覚悟を
167134:04/09/20 02:29:12 ID:zGYlrM9a
決めた時だった。

168134:04/09/20 02:29:48 ID:zGYlrM9a
青年は気付いた。ノエルの両手が血塗れであることに。それだけではなく、足も震えているし、歯を食いしばって
いるせいか、唇からは血が出ていた。顔色は悪く、その表情に見えるのは、死相という言葉に近い。
(限界か…)
そう、ノエルの身体はとっくに限界を超えていたのだった。おそらく青年と渡り合うための代償だろう。彼女はこの
戦いを通して進化したのではなく、自分を殺すつもりでこの戦いに臨んでいたのだ。だからこそ、あれだけの力が
出せたのだろう。どうしても勝ちたい。そのノエルの思いは、竜殺しの剣すら破ったのだった。

人間は、リミッタ―が外れたならば、普段以上の力を発揮し、同時に身体が壊れていくという。それに気付かずそ
ののままでいれば、その身が迎えるのは破滅だとも聞く。そんな芸当が可能な者など存在するはずがないと、青
年はそう思っていたが、その考えは今日で撤回せざるを得ないようだ。
―――末恐ろしい。

二人とも既に限界だった。これ以上戦えば、ノエルの身体は壊れていく。そして青年の出血量は、既に相当なもの
だった。しかし二人とも引かない。徐々に距離を詰め、互いに満身創痍なれど、剣を構える。
そして斬りかかろうとしたその時だった。
「待ってくれ!」
男の声が張り詰めた空気を破った。漆黒の暗殺者、レイヴンだった。
169134:04/09/20 02:30:27 ID:zGYlrM9a
彼は二人の間に割り込み、青年の方を睨む。
「レイヴン…?」ノエルが不思議そうな、そして憑き物が落ちたような顔で呟いた。
レイヴンはそれには答えず、青年に対し、「勝負は終わりだ」と言った。
青年の方はというと、訳が分からないという様子である。
「何のつもりだ?」訝しげに、青年は尋ねる。そしてその声音には、威圧感を含む冷酷さもあった。
―邪魔をするな―とその目が言っている。
だがレイヴンはそれに臆することもなく、目の前の竜殺しと対峙する。
「ノエルはこれ以上戦えば、無事では済まない。そちらもだろう?」
「その通りだな。だから?休戦したいとでもいうのか。随分慎重なことだ」
「……」
「俺は別に構わん。元々お前達と殺し合うつもりなど無かったのだからな。しかし、一人だけ納得してない奴がい
るようだぞ」
そう言い、青年はノエル達の背後の男を見やる。ナ―シェスは険しい目つきでこちらを睨んでいた。
「その様なこと、お前達には許されてはいない」予想通り、にべもない答えだ。だがそれで納得するレイヴンでは
無かった。
「無理だというなら、あんたを倒す。」断言した。が、ナ―シェスは冷笑を返す。
「話にならんな。私を殺せば竜王様を敵に回す。どのみち、お前達に未来はなくなるのだ」
「そうだとしても、その前にあんたを殺す。……俺を助けてくれたのには感謝してるさ。だがこれ以上、ノエルを悲
しませることは許さん」
本気だった。両手に構えた短剣が、ナ―シェスに狙いを定める。
「レイヴンやめて!」ノエルは悲痛な声を上げた。だが場の雰囲気は、より張りつめたものとなる
170134:04/09/20 02:32:09 ID:zGYlrM9a
「一日後だ」

今にもレイヴンが襲いかからんというときだった。その場に低めの声が響いた。青年のものである。
「明日の今頃まで、休戦するというのは?」
「……」
「事情は知らんが、戦うなら意見を一致させてから来い。俺とて出来るなら彼等と戦いたくはないのだ。
一日あれば話し合えるだろう。その末にまだ戦うというなら、その時は相手になってやる」
「巫戯けたことを……。戦いの放棄とは、天地無双の竜殺しが聞いて呆れる」今度は嘲笑を見せるナ―シェス。
「ほぅ…、お前は戦う気か。では今すぐにお前を殺し、竜王も始末してやろう」青年は大剣を引きずり、歩みをナ
―シェスに進める。瞬間、ナ―シェスは背筋に冷たいものを感じた。

目の前にいるのは、竜殺しとはいえ、たかが一人の死に損ないでしかない。その身体は限界の筈だ。
事実ノエルにやられた傷からは未だに
出血しているし、顔色は青白いを通り越して土気色ではないか。そんな男に何が出来る。
私が直々に止めを……。

だがその思いとは裏腹に、本能の部分には恐怖があった。死の感覚が、青年が接近するごとに増していく。
「……い、いいだろう」気が付けばそう言っていた。
「だがお前が逃げた時、お前が知る者全ては、竜王様に粛正される。それを覚えておけ」それだけを言い残し、
ナ―シェスは去っていった。

「……」

その場に沈黙だけが残った。
「……感謝する」そんな中、レイヴンは青年に礼を言い、ノエルに肩を貸しながら、踵を返した。カフィンもそれに
続く。彼らのその背中には誰にも癒せない哀愁が漂うようだった。
三人が部屋から出ると、ゼネテスとネメアが青年に近付いてきた。
「傷を見せてみろ」ネメアが言う。
青年は答える代わり、その場に座り込んだのだった…。
171134:04/09/20 02:45:15 ID:zGYlrM9a
改行がおかしくなってしまったようです。申し訳ありません。

それで、内容に関してなのですが、次からは色気のある展開です。
次で全てUPしようと思ってますので、読んで頂ける方は
よろしくお願いします。
172134:04/09/20 02:53:54 ID:zGYlrM9a
すいません。お手数ですが読まれる時、出来れば検索バー消してみて下さい。
それなら、改行が普通になるようなので。
173名無しさん@ピンキー:04/09/20 02:56:20 ID:Er6DSaf/
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
リアルタイムでリロード連打してました。
ネメアVSレイヴンの対決の緊張感が素敵です。
ネメアの威厳と余裕っぷりがネメアらしくてIf展開にかなり燃え。
必死なノエルもすごーく良かったです。次回を楽しみにしてます。
174157:04/09/20 13:49:31 ID:LTbQ04Mh
>134
緊迫感のあるやりとりに引き込まれます。
続き頑張ってください!

>158,159
レスどうも〜。
特に反対意見がないようなら作業に入ろうと思います。
が、他に賛同してくれる人がどのくらいいるか見当つかなくて
正直辛い。もしかしてあんまり人いないのかな…?
175名無しさん@ピンキー:04/09/21 03:00:38 ID:sAbHZrQH
>>134
休戦協定を結ぶノエルVS男主、
緊迫した空気の中で色気のある展開になるんですね。
続きを楽しみにしてます。

>>157
是非お願いします。
176名無しさん@ピンキー:04/09/21 18:26:09 ID:lbJBQcJC
>>157
お願いします。
レイアウトとか贅沢はいわないのでコピペ保管だけでも。
作品群を埋もれさせるのは惜しいです。
177名無しさん@ピンキー:04/09/21 20:48:51 ID:K2YzChAr
>157
お願いします。
質の良い作品、探さずに読める程嬉しいことないです。
178157:04/09/21 22:11:19 ID:txHDGuV3
レスありがとう。ただ今作業中です。
改めて見るとものすごい量でびっくり。
179157:04/09/23 20:15:42 ID:foDyQaJm
保管庫、とりあえずできました。
ttp://red.ribbon.to/~argil/shaia/
保守・未完含め、目に付き次第拾ってます。
掲載されたくないな〜という職人さんは一言下さい。

それと、モノカキの方に質問です。
今後投下される作品については
ひとつひとつ掲載許可を求めた方がいいんでしょうか。
年季が入った作品も多いんで
今回はガバーっと一気に載せてしまいましたが、
当方文字書きではないのでその辺判断がつきません。
倉庫行きが慣例になれればいいのですが…。
保管庫作るの初めてなんで、指摘やアドバイスなどをお持ちの方は
そちらもいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

>134さん
流れ止めてしまってすみませんでした。
続き、連日心待ちにしてます。
180名無しさん@ピンキー:04/09/23 22:30:30 ID:Uy44D4Mg
>179
おお、おつですー
181名無しさん@ピンキー:04/09/23 22:59:40 ID:uW2Yjs3x
>>179
もつかれー
182出陣前夜(?):04/09/25 00:04:49 ID:MXaa+EIS
間に割り込むのは、非常に心苦しいのでどうしようかと思ったのですが、
134氏の更新までのお暇つぶしにでもどうぞ。
お邪魔ならあぼーんしてくださいまし。

初めてSSを書いたのでアレですが、
アトレイアものです。(最後までまとめて載せるっす)


 芒とした月明かりを受け、華麗な城が闇に浮かぶ。
 ロストール王宮。南の大国、その中枢。
 その一角に昼夜問わず、常に薄闇に包まれている部屋がある。
 そこには、闇に囚われた一人の姫君が居ると云う。

美しく、そしてひどく儚げな声が薄闇に波紋を広げる。
「どうしても行かれるのですか?」
「ああ。見て見ぬ振りなんて出来ないよ」
 不安そうにこちらを見上げる姫君に、大丈夫だよ、と笑いかける。
 決して翻る事のない強い決意を込めたその答えに、アトレイアは僅かにためらい、けれどしっかりとこちらの目を見て頷いた。
「わかりました。私も……私もこの国のために何か出来る事をしようと思います。
私に出来る事など、ほとんどないけれど」
それでも何か出来る事をするのだと、アトレイアははっきりとそう続けた。
その言葉に、僅かに目を見張る。闇の中に留まり、自信を持てず、ティアナ王女に劣等感を感じ、いつも何かに怯えていた彼女が、必死にこの国の―――誰かの力になろうとしている。
その事がひどく嬉しかった。そして、安心する。
もし自分がいなくなったとしても、きっと彼女は一人ぼっちにはならない。いつだって一生懸命な彼女だから、きっと多くの人が好いてくれる事だろう。
「そっか。うん、頑張れ」
「はい」
 控えめに、けれどはっきりと頷く。
183決戦前夜(?):04/09/25 00:06:40 ID:MXaa+EIS
「さて、そろそろ」
「あ、あの」
 夜も更けて来たことだし、とクローゼットへと向かおうとするが、ためらいがちなアトレイアの声に振り返った。
「ん?」
 何、と僅かに首を傾げる。
「あの……」
少し俯いて、何か言いたげに口を開き、閉ざす。それを何度か繰り返した後、アトレイアは真っ赤になりながらこちらを見上げた。
「あの……その、私、に………勇気を、ください」
 一歩、踏み出すための勇気を。彼女はそう言ってこちらを見つめる。
そして、静かに目を閉じた。
「ア、アトレイア?」
 予想だにしていなかった事態に狼狽する。けれど、目の前の姫君の肩が僅かに震えている事に気が付くと、不思議と動揺が消えた。
 そっと唇を重ね合わせる。
「………ん」
 触れ合っていたのは僅かに一瞬。顔を離すと、僅かに声を漏らしアトレイアが目を開けた。これまでに無いほど近くにある瞳に、意識が吸い寄せられる。
 僅かに潤んだ瞳―――それは恐ろしく艶かしく蟲惑的で、思わず押し倒しそうになる。その衝動をこらえ、彼女から離れようと……。
「……え?」
 離れる前に、袖を小さな手に掴まれる。
「アトレイア……?」
 アトレイアが、その声にビクリと肩を震わせる。
 それでも。
 それでも、彼女は手を離そうとはしなかった。
 その様子を見て、こちらも覚悟を決めた。
「アトレイア……いいよね?」
 その言葉に、耳まで真っ赤になりながら深窓の姫君はコクリと頷いた。
184決戦前夜(?):04/09/25 00:10:48 ID:MXaa+EIS
 シュルリ、と衣擦れの音が薄闇を震わせる。
 闇の中に、白い裸体が浮かび上がった。そのあまりの美しさに息を飲む。
「……あの」
 言葉を失い固まる自分に、アトレイアが不安そうにこちらを見上げる。
その声に、ハッと我に返った。
「あ、ごごご、ごめんっ!! あんまり綺麗だったから」
「…………ゃ」
 その言葉に、アトレイアは恥ずかしそうに顔を両手で覆う。
 その仕種に、思わず抱きしめたくなる衝動に襲われながら、彼女の手をそっと取り、動かす。
 そしてもう一度、唇を重ねた。
「……ん……ぁ、ぁ」
 そのまま、何度も何度も口付けを交わす。
 そして、そっと彼女をベッドの上に横たえ、小さな紅い唇から頬へ、あごの丸いラインへ、華奢な首筋へと口付けをする。
185出陣前夜(?):04/09/25 00:11:46 ID:MXaa+EIS
「ぁ……ゃぁ、―――っ!」
 かすれた声で名前を呼ばれると、理性が吹き飛びそうになる。
「ぁ……あっ………、んぅっ!!」
 思わず乳房を鷲掴みにすると、アトレイアが眉をひそめて小さく呻いた。
 その声を聞き、あわてて手を離す。
「ご、ごめん!!」
「い……いえ。大丈夫、です」
 アトレイアが、目じりに涙を浮べたまま優しく微笑む。その頬にキスし、今度はそうっと、壊れ物を扱うように乳房を手で包み込む。その頂点で慎ましやかに色づいた薄桃色の突起を、やさしく唇で挟み込み、舌先でそっと転がす。
「は。あぁっ、……やぁ……!!」
 ビクリと体を震わせ、甘やかな声を漏らすその姿に逸る気持ちを抑えながら、彼女の白い太ももの内側へと左手を伸ばす。
「んっ、く―――あぅ………、
ぁ―――あ、ああっ! や……待って下さい、そ、そこはっ!!」
「大丈夫だから」
「ん………んんっ!」
 慌てたようにこちらの手を押し留めようとするアトレイアを、口付けで大人しくさせると、そうっと誰にも触れさせた事のないだろう聖域に指を触れた。
 ちゅ……くちゅり、と粘着質な音がする。そこは既にしっとりと湿っていた。
「あ―――ゃ、……あああっ!!」
 そこに指を添え、優しく滑らせると、アトレイアが今までに無く大きな声を上げる。直後、慌てて彼女は手で口を塞ぐ。
 その様子を、微笑ましく思いながら彼女の耳元で囁く。
「ね、声を聞かせて……」
「…………っ!!」
 時折、体をビクリと震わせながら、ふるふると彼女が首を振る。やがて、彼女の秘所を探っていた指が、小さな突起に触れる。
「……っ!! ぁ―――はああああぁぁっ!!」
 瞬間、白い体が弓なりに反り、ひくっ、ひくっと大きく痙攣した。
「アトレイア?」
「は―――ぁ、はぁ、はぁ、はぁ。…………ひどいです」
 荒い息を吐きながら、アトレイアが涙目になって抗議する。
 その可愛らしい抗議に、ごめんな、とキスをすると彼女はくすぐったそうに微笑んだ。そして、こちらの目をしっかりと見つめる。
「挿れるよ……」
「……はい」
 彼女の目に逡巡の色はなく、しっかりと頷いた。
186出陣前夜(?):04/09/25 00:12:42 ID:MXaa+EIS
 ゆっくりと、細心の注意を払ってアトレイアの奥へと進む。
「……っ、―――っ!」
「……アトレイアっ!」
 涙を流しながら、必死に歯を食いしばって耐える姫の姿に心が痛む。だが、ここで止めて傷付くのはアトレイアだと、罪悪感を押し殺しさらに進める。
 と。
 先端が一際強い抵抗を受ける。
「…………アトレイア、いくよ?」
「―――はい」
 しっかりとこちらを見て頷く彼女にそっとキスをすると、一気に膜を突き破った。
「―――っっ!! あああぁぁぁっ!!」
 破瓜の痛みに悲痛な声が上がる。
そのまま更に進めると、こつりと先端が最奥に突き当たった。 
 動きを止めてアトレイアが落ち着くのを待つ。
「はぁ、はぁ―――はっ、………ん」
「全部、入ったよ」
 痛みを逃がすためか、何度も何度も小さく息をはき、やがて少し落ち着いたのかこちらを見上げる彼女に笑いかける。
 汗で額に張り付いた前髪をそっと払うと、アトレイアは幸せそうに微笑んだ。
「私の中に、貴方がいるのですね」
「そうだよ」
「嬉しいです。あの、動いて……ください」 
 アトレイアがこちらへと手を伸ばす。その手を取って、指を絡めた。
187出陣前夜(?):04/09/25 00:13:39 ID:MXaa+EIS
「はっ、あっ、くぅ―――んんぅっ!」
 ゆっくりと腰を引く。引き抜いた自身に、姫君の破瓜の印が付着しているのが見えた。
 そして、再び奥へと押し入る。
「はっ、ぁ、ぁ、ぁ、ぅんっ!」
 じゅぶぶ、じゅぶ。
 アトレイアの表情を見ながら、注意深く腰を動かす。
 やがて、アトレイアの最奥から溢れ出した潤いがその動きを徐々にスムーズにしていく。
「はぁっ、あっ、あっ、くっ―――あぅ、はぁんっ!!」
 いつの間にか、アトレイアの声から苦痛の色が消えていた。腰を打ちつけながら、目の前で揺れる乳房をこねる。
「やぁ……んっ! はぁん、あっ、あっ、あぁんっ、ゃ……っ!」
「もう少し、激しくしても大丈夫?」
 耳元で囁くと、彼女は小さく頷き首の後ろへと手を回してくる。
「ひぁっ! あっ、ああぅ、んんっ!! ゃ、何か……へ、ん……
くふっ―――ああああぁぁっ!!」
 首にしがみつきながら、アトレイアが悲鳴を上げる。
 その切羽詰った声を聞きながら、さらに激しく腰を打ち付けていく。
「やぁ―――っ! あっ、あっ、あっ、はぁぅ!! 
 だめ……だめ、私―――あ、ああっ! あああっ!!」
 ガクガクと腰を震わせ、アトレイアが高く啼く。彼女を強く抱きしめ、大きく腰を動かす。
 意識が白く染まっていき。
そして―――
「……っ!! アトレイアッ!!」
「はぅっ!! あ―――はあああああああああっ!!」
その叫びと共に、アトレイアが全身を激しく痙攣させる。
直後、彼女の肉壁が強烈な勢いで収縮する。
その締め付けに耐え切れず、
アトレイアへの想いと共に、灼熱する白濁液をその最奥へと注ぎ込んだ。
188出陣前夜(?):04/09/25 00:14:47 ID:MXaa+EIS
 胸に白い小さな体を抱き、緩やかにウェーブのかかった髪を指で梳く。
「ん……」
 トロンとした表情で腕の中にいる姫君が、そっと肩に触れる。そのしなやかな指先が触れていたのは古い刀傷の痕だった。
 それに気が付いたアトレイアが少し顔を曇らせる。
「……あの、一つお聞きしても宜しいですか?」
「うん?」
 こちらを見上げるアトレイアに、
一つ頷いてみせると彼女は躊躇いがちにその疑問をぶつけて来た。
「なぜ、貴方は戦わられるのですか?」
 こんな怪我をして、痛い思いを、苦しい思いをしてまで、
なぜ戦うのかと、彼女の目は問うてくる。
 その問いに、目を閉じて考える。
答えはすぐに出た、元々考えるまでも無いことだったから。
「大切なものを、大切な人を護りたいからだよ」
 そう告げて、少しだけ昔の話をする。
 まだ、本当にどうしようもなく弱かった頃の話を。


189出陣前夜(?):04/09/25 00:15:21 ID:MXaa+EIS
「……姉弟みたいに一緒に育った人がいたんだ」
 強情な、強い意志を秘めた双眸を思い出す。
 大した才能を見出せなかった自分とは対照的に、非常に高い剣の才能があると師に言われ将来を期待されていた姉。父の後を継ぎ、騎士になる事が夢だった少女。
「その人は強くてね。いつもいじめっ子とかから守ってもらってたな」
「貴方が、ですか?」
 少し驚いた表情を浮べるアトレイアに、その頃は本当に弱虫だったんだよ、と苦笑しながら頷く。
 自分は、いつも颯爽とした様子の姉の後ろを付いていくだけだった。
「そんなだから、きっと強くなれなかったんだろうね」
 そう。だからあの時、何一つ出来ずに、
彼女が自分を庇って傷つくのをただ見ているだけだった。

 魔人、アーギルシャイア。あの絶対的な力の前では、少々力があった所で何かが変わるとも思えないけれど、それでも彼女の足を引っ張らないだけの力があれば―――。
 自分の目の前で光に包まれ消えていく姉代わりの少女を見て、自分がどれだけ甘えていたのかが良く分かった。
「何も守れず、逆に大切な人に守られる始末だったからね。
情けなくて、悔しくて―――
だから次があるならば、今度こそは守る側に立ちたいと思ったんだ」
 そう締めくくる。
「あの、その女性の方は、今……」
 ひどく心苦しそうな様子のアトレイアに小さく笑いかける。
「ん? ああ、ちゃんと生きてるよ。
今、どこに居るかは知らないけど、どこかで元気に冒険者やってると思うよ」
「よかった」 
その答えに安心したのか、彼女は穏やかに微笑んだ。

190出陣前夜(?):04/09/25 00:16:30 ID:MXaa+EIS
 疲れが出たのか、アトレイアはすぐに静かな寝息を立てて眠りに落ちた。
 そのあどけない寝顔を眺めながら、静かに決意を、覚悟を固める。
「またね。アトレイア」
 そう告げて、彼女の寝顔にキスをすると服を身に纏い、部屋を後にした。

 翌朝。王宮に来ると、若い衛兵が敬礼をしつつ声を掛けてきた。
「龍字将軍閣下、ファーロス総司令閣下が謁見の間にてお待ちです」
「分かった。ありがとう」
 それでは、と再び敬礼をして立ち去っていく衛兵を見送り、静かに謁見の間へと向かう。
 カツン、カツン、カツン―――
 靴底が床を叩く音が響く。
 その音を聞きながら、これから戦う敵軍の事を考える。
 敵はこちらの四倍の数を有するディンガル帝国、東部方面軍。
 敵将―――青竜将軍、カルラ・コルキア
 敵副将……

 敵副将―――アイリーン・エルメス

191名無しさん@ピンキー:04/09/25 00:21:55 ID:MXaa+EIS
あげてしまった。スマンっす
192名無しさん@ピンキー:04/09/25 20:08:15 ID:4tZC/aLg
おお。新作が来てる。イイヨイイヨー
アトレイア可愛い。
わかっちゃいるけど、相手方のところでちょっと切なくなった。
193名無しさん@ピンキー:04/09/27 22:31:46 ID:SL7sJ5Hj
>>182
投下直後とかじゃなければ気にせず投下していいと思われ。
職人が増えるのはいいことだ。

あまりエロを見かけないクリュセイスものをキボンしてみる。
134氏の続きもまっています。
194名無しさん@ピンキー:04/10/03 11:47:42 ID:JVI+fADC
ザギヴの触手エロとかこないかなー
195名無しさん@ピンキー:04/10/03 17:46:09 ID:Jfvs1Hyr
そこでマゴス様ですよ
196名無しさん@ピンキー:04/10/10 23:44:45 ID:KzMM6Nm8
保守
197名無しさん@ピンキー:04/10/13 17:46:23 ID:ndM72hWU
フェリコタンのエロ絵はエロくない。
198名無しさん@ピンキー:04/10/13 19:28:14 ID:sHPtFMd4
だがそこに萌える。フェリコタンの描く女主(*´∀`)
199名無しさん@ピンキー:04/10/14 16:52:47 ID:iJj2PykG
むしろフェリコタンという呼び名に萌え。
200名無しさん@ピンキー:04/10/15 08:36:03 ID:WwggUUik
フェリコタンは十九歳(*´Д`)
201名無しさん@ピンキー:04/10/15 19:04:21 ID:qhOYPQrJ
フェリコたぁ〜ん♥

・・・ってなんじゃこの流れは!w
202名無しさん@ピンキー:04/10/16 23:47:57 ID:sAoyCQuS
神が降臨しないからね。
203名無しさん@ピンキー:04/10/17 00:15:57 ID:98+lW21+
職人さんの降臨も勿論だが、ネタだし、雑談も少ないからな。
204名無しさん@ピンキー:04/10/17 01:59:59 ID:eFdwy69Y
綺麗なお姉さんに手やら口やら足やらでヌかれたり(挿入は無し)
「や ら な い か」なシチュの受け側になった時
その男は「童貞」とは言わないのかなあ。

ジルとあんまり関係ないけど気になった。
205名無しさん@ピンキー:04/10/17 15:53:46 ID:Nm2BcDEM
>>204の全部をザキヴ様で想像した俺は勝ち組。
206名無しさん@ピンキー:04/10/20 23:04:54 ID:zsyDrPu/
リメイクキタ━━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━━!!!
記念に誰かネタ出汁を!
207名無しさん@ピンキー:04/10/21 01:18:59 ID:pjHOapW1
>>206
マジでっ? マジなのかっ?
俺はもうあきらめて本スレも見てなかったよ
208名無しさん@ピンキー:04/10/21 01:37:01 ID:5PN7KXsx
>>207
マジマジ大マジ!ソースの雑誌記事も出て本スレ祭り状態。
もう行ってるかもしれないけど…こっちにも嬉しい記念パピコ。
209名無しさん@ピンキー:04/10/21 01:53:27 ID:rPVOJ89V
一応こっちにもソースをぺたし。

ttp://ranobe.com/up/updata/up9200.jpg

ちくしょう嬉しいよ ・゚・(ノД`)・゚・ウワーン
210名無しさん@ピンキー:04/10/21 02:19:36 ID:V3WbRYvN
本スレ見てきた





正直泣いた。・゚・(ノД`)・゚・。こんなに嬉しいことはない…。
211名無しさん@ピンキー:04/10/21 16:27:45 ID:jbRcprxq
どんなネタ画像が出るか期待して>209踏んだ。

キタ━━━━━⊂(゚∀゚⊂⌒`ツ≡≡≡≡≡≡ ━━━━━━━!!!
212名無しさん@ピンキー:04/10/21 20:55:36 ID:zwlwIIrp
汁系スレ、ここしか見てなかった。
マジで? 
マジだ!
嬉しいよー。本気で泣けてきたよ。
213名無しさん@ピンキー:04/10/21 22:11:14 ID:ConxjsLA
やっと、やっときたんだ!
2005春・・・先は長いが

キタ━━━━━⊂(゚∀゚⊂⌒`ツ≡≡≡≡≡≡ ━━━━━━━!!!
キタ━━━━━⊂(゚∀゚⊂⌒`ツ≡≡≡≡≡≡ ━━━━━━━!!!
キタ━━━━━⊂(゚∀゚⊂⌒`ツ≡≡≡≡≡≡ ━━━━━━━!!!

さあ,皆!
ほかの人達にも教えるんだ!!
214名無しさん@ピンキー:04/10/22 01:08:44 ID:8RQZS1vB
リメイク記念ssキボン!!!!!!!!!!!
215名無しさん@ピンキー:04/10/22 01:11:15 ID:yTOf0Rg7
皇帝ハァハァ
216107:04/10/22 02:46:44 ID:t6xLOhIj
ま まじっすかー!
ヤッタヤッタヤッター!!!!!!
驚きと喜びを隠せません。









言ってみるもんだな
217まとめサイトの中の人:04/10/22 14:48:34 ID:RcsDuNq6
必要なこととはいえ、どうもマルチポストというのは気が引ける


したらば事件以来、livedoorの管理運営に信頼が置けないのでaaacafeは引き払いました
まとめサイトはこちらになります
http://drinkordie.hp.infoseek.co.jp/zilloll/index.html
218名無しさん@ピンキー:04/10/22 15:24:52 ID:JdvLcI62
記念カキコ・・・

5年は長かったよ〜。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
219名無しさん@ピンキー:04/10/22 22:22:24 ID:8RQZS1vB
>217乙

誰かssー
読みてーよー
ここでももりあがろうぜー
220名無しさん@ピンキー:04/10/24 02:03:19 ID:nc6WEx9X
kinennhosyu
221名無しさん@ピンキー:04/10/24 05:57:25 ID:5dppLjZ/
>>217 おつ
おおお、絶対に買うぞ。
あと半年くらいか。待ち切れん。
222名無しさん@ピンキー:04/10/25 01:58:10 ID:vGBQeWnu
まず本体買わなきゃなあ。
記事見た。グラフィックがさらに綺麗になってないか?
楽しみだなあー
223名無しさん@ピンキー:04/10/26 12:20:24 ID:lWWsknQB
准将まだー?
224名無しさん@ピンキー:04/11/01 16:48:07 ID:cNdqYDgJ
裏の絵掲に絵が多いー(*´д`*)。
225名無しさん@ピンキー:04/11/02 14:36:05 ID:gDS5eI/J
裏に増えたねー。
うれしいなぁ。
226名無しさん@ピンキー:04/11/03 02:33:20 ID:vjMixG+X
自分も何か描こうかと思ったけど・・・裏絵って難しくないかっ?
227名無しさん@ピンキー:04/11/03 03:08:38 ID:lPgwdFvq
>>226
ほんと難しいよな裏絵って。
人体描くのに自信がなきゃおいそれとは描けない。
そんな俺は表にしか描き込めないヘタレ。
228名無しさん@ピンキー:04/11/03 03:31:03 ID:BZhdnz8f
(;´Д`)ハァハァ
229名無しさん@ピンキー:04/11/03 06:07:38 ID:vjMixG+X
頑張って人体描いても萌えるかどうかはまた別の話だしな。
230134:04/11/03 11:37:55 ID:9MOqwm0a
前までノエル関連の話し書いてたものです。長い間の放置、本当に申し訳ありません。
実は結構な大怪我をしてしまい、入院生活を送っていたためネットに向えずにました。
今さら遅い気もするのですが、何か作品保管庫とか作ってくれた方もいたことですし、
続きをUPしようと思います。


231134:04/11/03 11:39:10 ID:9MOqwm0a
荒廃したエンシャントの一角、冒険者ギルドの向かいの宿屋で、レイヴン達は佇んでいた。
冬場である今の時期に、野宿は堪える。だから悪いとは思いつつ、無断で宿屋の一室を借りていた
のだった。
青年達との戦いから約三時間たっている。もう日は完全に沈んでいた。窓から見下ろす景色は壮絶
の一言。夜の闇とも相まって、まさに地獄が突如現れたかのような光景である。闇の軍勢は既に退け
られていたが、今回の襲撃によってディンガルが受けた被害は、凄まじいものであろうことは想像に難
くない。
(この街の復興には手間が掛かるのだろうな…)自分とは関係無いことながら、レイヴンはこの後予定
されているであろう、エンシャント復興に携わる人々の苦労を思った。
「なに黄昏てるのよ。あんたは」
そんなレイヴンにカフィンが話しかける。レイヴンは部屋の中に視線を戻した。
暖炉の前の椅子に、カフィンは佇んでいる。ノエルはベッドの中で眠りについていた。彼女の怪我は大した
ことはなく、治療の方はさほど手間も掛からなかったが、両手に巻いた包帯が痛々しい。戦いに疲れたの
だろう。ノエルは引き上げる際も一言も喋らなかった。この部屋に入り、治療と少量の食事を終えると、彼女
はすぐに眠りについたのだった。途切れる事も無く、健康的な寝息が聞こえる。

232134:04/11/03 11:41:01 ID:9MOqwm0a
外とは違い、この部屋の中は平和だった。平和で、暖かい。恐らく仲間がいるからだろう。
しかし今は、平和で安らぐからこそ哀しくもある。
レイヴンは覚悟を決めていた。明日にはこの世から消えようと。
この命はノエルのために使うつもりだった。だからネメアとも戦うことが出来る。
しかし気づいた。レイヴンが生き続けるということ自体が、彼女を束縛するということに。
この命は竜王から与えられたものだ。彼女はそれを盾に、一生操り人形のように使われてしまう。
「カフィン。俺達はもうここにいるべきじゃない」レイヴンが言った。いや、断定したと言った方がいいかもしれ
ない。それほど確固たる口調だった。それに対し、カフィンは暖炉の炎から目を離して、再度レイヴンへと目
を向ける。
「俺は竜王から与えられた命を使い、ノエルの為に生きようと思った。だがそうするには、ノエルは傷つき過ぎ
る」
青年を殺せたところで、ノエルはそれを引き摺り続けるだろう。恐らく一生、彼女はそれを忘れられまい……。
ノエルには、過去に縛られる生き方はして欲しくなかった。
「その通りね」静かにカフィンも同意する。
「私達は一度は死んだ。あんたの言う通り、ここにいるべきではないと思うわ。坊やを犠牲にしなければならな
いというなら尚更ね…」
「……では――」
233134:04/11/03 11:41:36 ID:9MOqwm0a
「でもね」
レイヴンの言葉を遮るように、カフィンは言った。
「ノエルと離れるのは、やっぱり辛すぎるわ。何を犠牲にしても生きたいと。そうも思ってる」
互いに沈黙する。
数瞬、その状態が続いた後、レイヴンがそれを破った。
「それは俺もだ。死にたくなど無い」しかし考えてもみろとレイヴンは言う。
「こんな言い方はしたくないが、今の俺達は死体と変わらん。つまり今のノエルは死体に縋って生きていこうとし
てるも同然だ。それも親しい人間を殺してまでな。そんな風に過去に縛られる彼女など、俺は見たくない。ノエル
には前を見て生きて欲しいのだ!」最後の方では声を荒げていた。まさに感情の八方塞である。ノエルの側には
いたいが、彼女には自分たちの事で縛られて欲しくない。現状ではその思いは矛盾している。
「……少し風に当たってくるわ」カフィンはマントを羽織り立ち上がると、部屋から出て行った。
「寝るなら窓は閉めなさいよ。ノエルが風邪ひくといけないから」
「おいカフィン!まさかおかしなことは考えていないな!?」カフィンの言葉をかき消すようにレイヴンは声を荒げ
た。
「あんたは私のことを何だと思ってるの!彼らに殴りこみでもすると思うわけ!?」
「いや、そういうわけでは…」
怒鳴り返してくるカフィンに対し、レイヴンは臆したように声を小さくした。
「すぐに戻るわよ。仲間の気持ちを裏切るような事、私はしないわ」
ドアが閉まるバタンという音と、遠ざかるカフィンの足音だけが耳に残った。
234134:04/11/03 11:42:06 ID:9MOqwm0a
「ふぅ……」
やれやれといった風情でレイヴンは溜息をつく。先程のカフィンの怒鳴り声で少し気が楽になった。普段通りの
日常を連想させたからである。やはり仲間とは良いものだった。どれ程絶望的な時にでも、少しは前向きにな
れる。
「ん……」
その時ノエルの寝息が途切れた。どうやら目を覚ましたらしい。ベッドから起き上がり、眠たげな瞳で此方を
見つめてくる。
「まだ夜だ。眠る時間は充分にあるぞ」なるべく柔らかい声を意識し、レイヴンは言った。
「疲れているだろう。俺が側にいるから、もう少し休むんだ」ノエルに近付き、彼女の頭をポンと叩く。
しかしノエルは無表情のままこちらを見つめ返すだけだ。
「レイヴン…。何故私を止めたの?」ノエルは突然言った。悲しげな声だった。
「ノエル?」
「あたしが勝つには、あそこで勝負を決めるしかなかった…。もうあたしじゃあなたもカフィンも助けてあげられ
ない……!」最後の方は涙声だった。
「お前はそれ程に俺達のことを…」
「当たり前です。あたしは1人じゃ何も出来なかった。レイヴンやカフィンがいてくれたからここまで戦う事も出
来たんです。誰を殺しても二人がいるならそれで良いと…」
ノエルの嗚咽は止まらない。ずっと閉じ込めていた思いが爆発したのだった。
レイヴンは自分がそこまで思われていたということに対し、どうしようもなく胸が熱くなる。しかしその後に襲っ
てくるのはそれ以上にどうしようもない虚無だ。
この先も仲間達とやっていけた筈の人生の可能性―――もう手の届かない未来だった。
心の深い部分では、まだ死ぬのは早いと思っていたのかもしれない。しかし目の前で泣き崩れるノエルを見て、
そんな思いは消し飛んだようだった。ノエルは死者に対して涙を流しているのだ…。
『生きたい』という燃え上がる思いに、冷たい氷がジュッと音を立て、押し当てられたような気がする。
(死ぬとはこういうことか…)
今さらながらに分かった。いくら死線を巡ろうが、『死ぬ』という事はその直前になるまで分からない…。
そしてレイヴンは今まさに、自身の死を意識したのだった。
235134:04/11/03 11:42:44 ID:9MOqwm0a
「ノエル、もう泣くな」レイヴンはノエルを抱きしめる。
「返事はしなくて良い。話だけ聞いてくれ」そう言い、彼は静かに語り始めた。

「俺もカフィンももうこの世にいるわけにはいかない。お前が俺達を望むのだとしてもな。お前には未来がある。
恐らくは輝かしい未来が。だから死人の事を引き摺りながら生きる事は無い。それはお前を駄目にしてしまう」
そこで一旦言葉を切った。
「俺達のことは覚えていてくれれば嬉しい。だが、俺達に囚われるな。今すぐとは言わない。いつかの未来で良い
から、過去と向き合えるぐらい強くなるんだ。そして……」

――――――そして、幸せになれ。

レイヴンは立ち上がるとノエルに背を向けた。これ以上ここにはいられない。
しかしすぐにノエルはその背中にしがみつく。
「…あたしも言いたいことがあります。聞いてくれますよね、レイヴン」レイヴンは少し迷ったが、ノエルのほうを振り
返った。
「話というよりお願いですけど」声はしっかりしている。多少涙声ではあったが。
「お願い?」レイヴンは訝しげな様子だ。
「ええ。レイヴン、最後にあたしを抱いてください」
驚きの表情は見せず、レイヴンはノエルを見つめた。
「ノエル…。お前はまさか俺のことを?」
「気付いてなかったんですか?本当、鈍いんだから」泣き笑いのような表情を見せ、ノエルは言った。
数秒呆気に取られたレイヴンだが、彼もやがて微笑を返す。
「考えもしなかったよ…」
続く言葉を待たず、ノエルはレイヴンの背中に手を回した。彼女は、もうレイヴン達の死を覚悟している。この先
彼らに依存せずに、生きていかなければならないという事にも。ただこのまま死に別れるのは耐えられなかった。
彼のことを引き摺らないようにとは思えど、忘れる事など出来ないのである。ならせめて、限りある時間だけでも
彼とは恋人同士でありたい。そう思った末での行為だ。
「俺も最後まで幸せ者だ」そう言うとレイヴンもまたノエルを抱きしめた。こちらを見上げるノエルと目が合う。
まだ年端もいかないあどけない顔立ちだった。
――――せめて今だけは幸福な時間を…。
そう思い、互いに唇を重ね合わせた。
236134:04/11/03 11:43:30 ID:9MOqwm0a
「ん……んんっ…」初めて重ねられた唇の間から、僅かな声が漏れた。それは女の声だった。
愛する男に飢えた女の声。それを聞き、レイヴンの頭の中に欲望が渦巻き始める。彼は口付
けを交わしたままで、ノエルをベッドに押し倒した。しかしノエルの身体は、先程の言葉に反して
僅かな震えを見せる。目は怯える小動物のよう。戦いの時とは明らかに違う、今まで見せたこと
が無い表情だ。聞くまでもなく分かる。彼女は男を知らないのだ。なるべくノエルの恐怖や不安な
どの思いを刺激しないよう、柔らかい手つきで彼女の服に手をかけた。次第に汚れの無い白い肌
が露になっていく。レイヴンは僅かに残る理性を働かせながら、ノエルの衣服を全て剥がしていった。
小柄な彼女の身体は、女としてはまだまだ発展途上だが、大人になる一歩手前の独特な色気に満ち
ていた。
「そんなにじっと見つめないで下さい…」
さすがに恥ずかしさを感じたのか、ノエルは両の腕で胸を隠し、僅かに視線を逸らす。レイヴンはそれ
には答えず、しかし出来るだけ気を遣いながらノエルの身体に触れていった。その手が彼女の胸へと
伸びると、次第にノエルは艶を帯びた声を上げ始めた。

「ん…!レイヴン!!」

レイヴンはノエルが上げる声に対応させるかのように、胸を掴んだ手の動きを速くする。直立した乳首
が指に触れる度、ノエルの喘ぎはその間隔を短くした。

「う…ん……!そんなに強くされたら…あたし……」

呟く様にノエルが言う。

「大丈夫だ」そんなノエルに対し、レイヴンは包み込むような口調でそう言った。
そして胸に回していた右手をノエルの秘部へと這わせる。
237134:04/11/03 11:44:15 ID:9MOqwm0a
「いやぁん!!」僅かに触れただけで、ノエルは一際大きな声を出した。レイヴンは口付けでその声を
塞ぐ。そして同時に右手の指をノエルの中へと進入させた。
「……ん、あぅん…!レイヴン…凄く気持ちいい……!!」
レイヴンがノエルの秘部内で指を動かす度に、彼女の頬に熱が差してきた。その目に映るのは快楽。
先程まであった恐怖や不安等の感情は、そのほとんどがなりを潜めている。
「あぁん…。もうだめ…!あたしの中…とても熱くて……ああぁんっっ!」
レイヴンの指の動きに耐えられず、ノエルはその身体を弓なりに反らせる。シーツが乱れるのも気にせずに、
彼女は本能のまま乱れる。身も心も未発達な少女のその様子に、レイヴンは自身の男根がより大きくそそり
立つのを感じた。レイヴンはノエルへの手を休ませる事は無く、空いている片手で自身の服も剥がしていった。
現れた体躯はアサシンというかつての立場からか相当痩せていたが、男根の大きさは他に劣るものでもない。
空気に直接触れ張り詰めたのか、さらに大きさを増す。そろそろ彼の理性も完全に吹き飛ぶところだった。
ノエルの秘部から指を引き抜き、脚をM字に開かせる。そして自身のモノをノエルの秘部へとあてがう。
ヒクついている彼女の性器は、レイヴンが動くまでも無く、彼の先端に吸付いた。それを目の当たりにしたレイヴン
は躊躇うことなく自身のモノを突き入れる。
238134:04/11/03 11:44:46 ID:9MOqwm0a
「いっっ!うぅ……、あああああん!!」
レイヴンの男根は一気にノエルの奥にまで達した。ノエルの口からは悲鳴にも似た声が上がる。それにレイヴンは
僅かに罪悪感を感じたが、ここまで来て止めるわけにはいかない。彼がうろたえた分、ノエルは余計に傷つくからだ。
「ノエル。俺がついている」
そうとだけ言った。それに対して、ノエルは痛みに歪む表情ながらも健気にも頷いた。苦痛はあれど、レイヴンに
対する嫌悪や、ここまでの行為に対する後悔は見られない。
「あたしは大丈夫だから…。レイヴンの好きにして」そしてはっきりとした言葉でそう言った。
その言葉がレイヴンの理性に対するとどめだった。いったん自身のモノを抜く。同時にノエルの性器からは僅かな
血が伝い落ちた。しかしそれの行方を気にするでもなく、レイヴンの動きは激しさを増す。ノエルの奥をさらに突き
上げ、再び抜いてはまた突き上げる。その度に互いの性器は擦れ合い、卑猥な音を立てた。ノエルの女の部分が
レイヴンのモノに押し広げられていく。しかしその度にまた、彼女の性器はレイヴンを強く締め付けた。まるで突き
入れられたモノを、二度と離すまいといった風な強い締め付けだった。程なくしてレイヴンの腰の動きは速くなる。
限界が近いのだ。
「あぁんっ!あたし何だかおかしくて…ああっ、…いい!!凄くいいのぉ!!!レイヴン、そのまましてぇ…!!」
痛みを伴いながらも、ノエルはかつて無いほどの快楽を感じていた。既に自分からも腰を振り出している。互いに触れ
合う性器はさらに卑猥な音を立てた。

じゅぶ…くちゅ……どく…―――

まもなくノエルは絶頂に達し、レイヴンは限界を迎えた。その時レイヴンのモノはノエルの最奥部に達していたが、
しかし最後の一線で彼の理性が再び甦った。レイヴンは自身のモノを引き抜きノエルの腹の上に精液をぶちまける。
大量の白い液体は、まだ幼さを残す身体に、いやらしく広がった。
「うぅ…、あ…ん……」
しばらく二人はベッドの上で放心状態だった。荒い息を繰り返すノエルの傍ら、レイヴンには彼女との行為が正しいもの
だったかどうかは分かりかねていた。しかし…

239134:04/11/03 11:45:18 ID:9MOqwm0a
「レイヴン…ありが…とう……」今の彼には充分過ぎる言葉を、ノエルは言ってくれた。
その言葉のお陰で、彼の胸に希望が沸いてきた。すぐにこの世から消えなければならないのに、だ。
「ノエル、俺の台詞だ。それは」
もう既に寝息を立て始めているノエルに対し、レイヴンは呟く様に言った。恐らくこの声は彼女には届いていないだろう。しかしそれでも良かった。
自分は彼女の為に生きることが出来、そして最期を人として迎えることが出来る。今の状況で、これ以上のことは無い。

「感謝している。さらばだ」
身支度を整え、レイヴンは部屋を出た。二度と後ろを振り向く事は無かった。
240134:04/11/03 11:47:14 ID:9MOqwm0a
「あら、ノエルはどうしたの?」宿を出た途端、レイヴンはカフィンと遭遇した。
「眠っている。当分は起きないだろうな」
「そうかしら?いったん目を覚ましてもおかしくは無いと思うけど…」
カフィンの言葉に、レイヴンは全てを見透かされているような気がした。不意に目をそらしてしまう。
「何よ!?露骨に目を逸らして」
「いや、何でもないんだ。本当に」
出来るだけ平静を装ったつもりだが、声が裏返るのが分かった。これでは何かあったと認めているようなものだ。
しかしカフィンはそれ以上の追求をする事はしなかった。
「ま、別に良いわよ。ノエルを傷つけたとでも言うなら、拷問にでもかけてやりたいところだけど…」
物騒なことを真顔で言うカフィンに、レイヴンは半分本気で冷や汗をかいた。しかしその後に続く言葉は、『仲間』に向けられた信頼の言葉だった。
「あんたがそんなことをするわけもないしね」
その台詞に、レイヴンはまた胸が熱くなった。カフィンもノエルも自分の事を心から信じてくれている。


(俺は本当に…)


「それよりいきましょうか。ナーシェスの鼻を明かしに」

「納得してくれたのか?だがカフィン、ノエルとの別れがまだ…」

「いいのよ。今あの子に会うと、私は坊やを殺してでも生きようとするだろうから。そんなことすればあの子を悲しませる…。…だからいいのよ」

「…そうか。ありがとう。……すまんな」

「あんたが素直なのって、気味が悪いわね」

「あのな…」


―――――本当に、良い仲間を持った。
241134:04/11/03 11:47:41 ID:9MOqwm0a
次にノエルが目を覚ましたのは、完全に日が昇ってからの事だった。
「レイヴン…、カフィン」
仲間達の名を呼んでみる。返事は無い。今までノエルが目覚めた時、側にはいつも二人がいたのに…。
その時点で彼女は全てを悟った。レイヴンもカフィンももうこの世界にはいないのだと。
ふと立ち上がり、窓から空を見上げてみる。朝方の風は冷たかったが、気持ちいいくらいに晴れ渡って
いた。

―――レイヴンとカフィンもこの空のどこかにいるのかもしれない。

二人が自分の事を見ている。そう思えば、今に悲しんでいる暇は無かった。彼女にはまだ、やることが残
っているのだ。
242134:04/11/03 11:48:05 ID:9MOqwm0a
―――廃城

「来たな」
竜殺しの名を持つ男は、双剣を両手にノエルを迎えた。顔は相変わらずの土気色。ノエルから受けた傷口
からは包帯が覗く。満身創痍そのままの姿……。
双剣を構えているのは、愛用の大剣を破壊されたからという以上に、今の状態では大型の武器を振ること
は出来ないからだろう。
こちらを見つめる青年に対し、ノエルは天動地鳴を抜いた。そしてそれを構える事はせず、足元に置く。
「「?」」
ゼネテスとネメアは僅かに訝しげな表情を見せた。
「あたしは、これ以上あなたとは戦えません」
そのノエルの台詞に、青年は安堵にも似た息をつく。
「そうか…。それは良かった」
青年も既に気付いていた。レイヴンとカフィンが一緒にいない時点で。
「ゼネテスにネメア。帰るとしようか」そう言い、青年は廃城の出口へ歩き始める。
「ごめんなさい」
ノエルとのすれ違い様、彼女は謝ってきた。しかしそれは、昨日負わせた怪我の事ではない。

243134:04/11/03 11:48:31 ID:9MOqwm0a
―――――グオォォォォォォッッーーー

瞬間、腹を抉る様な咆哮が轟いた。憤怒の色を帯びたそれは、この大陸の統制者のものである。
「竜王か…」
ネメアが呟くように言った。
「俺を見逃す気は無いようだな。ならばこちらから乗り込むとするか」
さほど動じた様子も見せず、青年は言った。ノエルは申し訳無さそうな、複雑な目を青年に向ける。
それは絶望に近い死者を見る目…。
「俺は竜王如きに負ける気は無い」
そんなノエルに対する青年の言葉は、強気なものだった。今にも倒れそうな顔色をした人間の言葉とは
とても思えないものだ。動揺が欠片ほども見当たらない。
「それよりノエル、この先、何とか幸せにな」
青年とノエル。二人の無限の魂が交わした言葉は、それが最後だった。

244134:04/11/03 11:49:17 ID:9MOqwm0a
竜殺しの青年と、その青年を唯一破った少女。二人はその後も冒険者として生きたが、二人が顔を
あわせることは二度となかったという。しかし青年は生きている間、よく聞くことになった。
身体に似合わぬ大剣を振るう、冒険者の少女の武勇伝を。
彼女は色々な人間に慕われ続け、その冒険者としての人生を生きたということだ。
245134:04/11/03 11:57:44 ID:9MOqwm0a
終了です。あらためて、長期間の放置をお詫びさせて頂きます。
246名無しさん@ピンキー:04/11/03 11:58:25 ID:ZmFkVi8I
バカ力な頭の弱い大男が少女をFUCK!
あまりの怪力に、少女の両肩、両股関節、体のありとあらゆる関節が脱臼!
あり得ない方向に折れ曲がった手足
激痛についに白目を剥いて気絶寸前の少女。
ついには背骨をねじ折られ、上半身と下半身が180度回転。
意識完全喪失!
247名無しさん@ピンキー:04/11/03 16:00:45 ID:TDYHNGvT
134さんお疲れでした。
素敵すぎます。
248名無しさん@ピンキー:04/11/03 19:30:06 ID:LtI6XNfN
134さん、お疲れさまでした。
レイヴンの心情に胸がずきっときました。
カフィンとレイヴンの選んだ結末も、Ifの良さがあって好きでした。
体の方もお大事に。
249名無しさん@ピンキー:04/11/04 19:59:07 ID:SDTOz9lS
キテタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
250樽様大爆発 1/8:04/11/05 15:35:46 ID:UGoFvbsy
樽様で一発書いてみたのでお付き合いください。
文章力があまり無いですが、そこはご容赦を。


「レムオンに妹だと?」
レムオンの領地であるノーブルを治めていた代官ボルボラが事故死したのち、
レムオンの妹が新たにノーブル伯となり治めることになった話は瞬く間に
ロストール中の噂となった。タルテュバの耳にもその話は伝わってきた。

従兄弟であるレムオンの妹となれば、その女もまた従兄弟となる。
「くそっ!くそっ!くそっ!!しかも騎士の地位まで叙勲されただと!?」
タルテュバは苛立ち爪を噛む。
指に生えている爪はいずれも深くまで削られており不揃いだった。

リューガ家の当主であるレムオンの兄弟が義理であれ増えたとなると
ますます自分が当主となる機会が遠のいていく。
そうなると、ティアナへの求婚が難しくなる。

ままならない自分の境遇を呪っては、湧き上がる怒りのままに周りを破壊しつくす。
「くそっ!くそぉぉぉ!!」
部屋の中をめちゃくちゃにするタルテュバを止めることができず、
従者の男はその矛先が自分に向かないようにするのが精一杯だった。
「おい!スラムに行くぞ!!何人か着いて来い」
「はっ、はいっ!」
タルテュバは気に食わないことがあると体格のいいならず者を数人連れてはスラムへ行き
権力を盾に住人達に乱暴をはたらいていた。

門を潜り王宮へと続く大通りに出る。
タルテュバばすぐ近くにあるレムオン邸を呪いを込めて睨むと
スラム街へと歩いていった。
251樽様大爆発 2/8:04/11/05 15:37:26 ID:UGoFvbsy
「…ん?」
貴族の邸宅が揃うこの通りに似つかわしくない格好をした女の姿に気がつく。
上半身を鎧で覆い、腰には剣を携えている。しかし、短い衣からはすらりとした足が
剥き出しになっており艶かしかった。女はこの場所に慣れていないのかキョロキョロ
しながら歩いている。あたりまえだ、ここは貴族ばかりが住む場所でそれ以外の人間
が堂々と歩いていることは少ないのだ。
「おい、女っ!」
「…え?」
タルテュバは女に声をかける。
女はタルテュバを先頭に何人もの男を連れて歩いているので警戒した顔をする。
「ここは貴族の屋敷がある場所だぞ!
 お前のようなみすぼらしい格好をした者が何ゆえここを歩いている?」
卑下た笑みを浮かべながら、女に問う。
「何ゆえって……え、と。あ、私レムオン邸に行く所で…」
「レムオン邸だと…?
 レムオンはお前のような者が門をくぐることを許しているというのか?」
女は言葉を詰まらせると困惑した表情を浮かべながら何かを考え出した。

この女、格好から察するに冒険者だな。
なぜ、レムオンの所へ行こうとするんだ?

女を眺めていたテルテュバは腰にぶら下げられている盾の存在に気がつく。
騎士の叙勲式の時に与えられるシールドだった。

女が騎士になることができないロストールで、
今現在、騎士の盾を持っているのはただ一人。

「ノーブル伯…」
タルテュバの呟いた言葉に女ははっと顔をあげ反応を示した。

こいつが…、この女がノーブル伯…レムオンの妹なのか!?
252樽様大爆発 2/8(続き:04/11/05 15:38:16 ID:UGoFvbsy
貴族の女の格好ではないが、整った顔立ちで可愛らしかった。
格好だけの騎士だと思っていたので、
まさか本当に戦士の様な姿をしているとは考えてはいなかった。
しかし、その腰に下げている盾が間違いなく騎士であり、ノーブル伯であることを示していた。
「くくく、お前がレムオンの妹とやらか…」
「…なぜ、それを?」
「馬鹿か?お前のその盾を見ればわかる。ロストールじゃ女は騎士になれないかならなぁ!
 女でありながら騎士が許されているのは…ノーブル伯だけなんだよ!」
「…あなたは誰?」
女の問にいっそう耳障りな笑い声を上げる。
「ひひひっ!俺様か?俺様はお前の従兄弟。
 タルテュバ・リューガさ!」
「リューガ…!」
女は驚いたらしく目を見開いてタルテュバの方を見た。
「いろいろ噂は聞いてる。義理の妹だそうだな」
「え…、ええ」
女は言葉を詰まらせながら答える。
「ああ…そうだ」
タルテュバは空中に視線を移し、にいっと口を広げた。
「せっかく、会ったんだ。俺様の家に招待しよう。
 なぁに…義理とはいえ従兄弟同士なんだ。遠慮はするな」
タルテュバのその申し出に従者の男たちの方が驚いた。
253樽様大爆発 3/8:04/11/05 15:39:47 ID:UGoFvbsy
豪華な家具の揃う部屋に通されたエレは落ち着かない様子で、屋敷の主を待った。

まさか、あんな男が従兄弟だとは思わなかったなぁ…。
レムオンやエストとは顔の作りが全く違うわ。

最初に出された紅茶をすするぐらいしかやる事のないエレは
少しずつ口を付けながら、すっかり飲み干していた。

「待たせたな」
前触れも無く扉が開く。着替えでもしているのかと思えば衣装はそのまま。
自分を待たせたこの長い時間は一体なんだったのだろうと考える。
「さて…、従兄弟とはいえ初めて会う者同士だ。
 いろいろと話そうじゃないか」
「はぁ…」
エレは気の無い返事をする。いろいろと言われても何を話していいものか。
自分は今、しょうがなく貴族の真似をしているだけであって本物の貴族ではない。
貴族の常識は持ち合わせていないので、レムオンに人前ではあまり喋るなと言われていた。
254樽様大爆発 3/8(続き:04/11/05 15:40:29 ID:UGoFvbsy
「そういえば名前を聞いていなかったな。名前は?」
「エレです」
これぐらいならば問題なく答えられる。
「レムオンも酷い奴だ。
 ノーブル伯となった妹をちっともリューガ家の席で紹介しない」
「あはは…。えーと、私はずっと田舎の方に下がっていて
 あまり礼儀作法とか詳しくないもので…。レムオン兄さんは私が
 大勢の前で恥をかかない様にと気を使ってくれているのです」
とりあえず、思い浮かんだ言葉を口に出して誤魔化す。
「…ふんっ。それにしても作法を勉強しているようには見えんがな。
 まぁ、騎士の位を貰ったくらいだ。たいそう腕がたつんだろう」
「ええ。私は剣を振り回している方が好きで」
「ははっ、勇ましいな。
 ならば俺様の部下もお前にかかれば一捻りだろうな」
パチンとタルテュバが指を鳴らすと、ぞろぞろと部屋の中に男達が入ってきた。
いずれもガラの悪そうな者ばかりであった。
「…これはどういうことで?」
途端に険しい表情になるエレ。キッとタルテュバを睨んだ。
「そう恐い顔をするな。なに、面白いことを思いついたんでな。
 少し付き合ってもらおうかと思ってな」
部屋の中に入ってきた男達はエレを逃がすまいと囲うように並んだ。
255樽様大爆発 4/8:04/11/05 15:41:11 ID:UGoFvbsy
4人か…。幸い、部屋は広いし襲ってきても剣は振れる。
こいつってば何考えてんのよ?

「…ああ、ところでエレ。体の調子は大丈夫か?」
「体…?」
不可解な言葉に顔をしかめる。こんな時に一体なぜ?
そう思った瞬間、自分の体がおかしい事に気がついた。
「っ……あ」
目頭が熱くなりじんわりと涙が浮かび視界がぼやける。
体はピリピリと刺激が走り、軽く麻痺しているようだった。

まさか毒を盛られたのか?
自分の身に起こっていることにエレは恐怖した。
一応とはいえリューガ家の当主であるレムオンの妹なのだ。
権力争いで命を狙われたとしてもおかしくはない。
「死にはしない。そういう薬じゃないからな」
目の前に座っていたタルテュバはニヤニヤしながら
エレの飲み干した紅茶のカップの淵を指でなぞった。

死なない…?じゃあ、なぜ…?
疑問は次々と浮かんでくるが、何一つ口から言葉は出なかった。
256樽様大爆発 4/8(続き:04/11/05 15:41:33 ID:UGoFvbsy
「おい、お前達。服を脱がせ」
「はいっ!」
エレを取り囲んでいた男たちはタルテュバの命令に従い
エレを包んでいた鎧を剥がし、服をも奪い去った。
痺れた体では抵抗することができずエレはされるがままだった。

次にされるであろう行為がはっきりと頭の中に浮かんだエレは
焦点の定まらぬ瞳でタルテュバを探した。
「俺様は優しい男だからな。従兄弟を酷い目に遭わすわけないだろう。
 気持ちよくしてやるだけさ」
最初に会った時の様な耳障りな笑い声を立てながら
タルテュバは男たちに何か指示を出し始めた。
エレは麻痺した体とは別に、奥底から熱いものがこみあげてくるのを感じた。
「ふっ……ぅぅ」

や…だ…、なにこれ…おかし…い…。
頭がぼうっとする…。

「お前に使ったのは惚れ薬さ。薬を使った相手を意のままにできるってな。
 まぁ、簡単に言えば媚薬だ。本番に使う前にお前で試しておこうと思ってナァ…」
タルテュバの言葉が頭の中に響く。
媚薬…。その卑猥な意味合いを含む言葉を聞いただけでエレの体は熱く火照ってきた。
裸のままで男達の前に晒しだされたエレにタルテュバは近づくと
形のいい胸を鷲掴みにした。
257樽様大爆発 5/8:04/11/05 15:42:14 ID:UGoFvbsy
「ひぃっ…!」
タルテュバに胸を触れられエレはひきつった声を漏らした。
胸の感触は手頃な大きさで心地よい柔らかさだった。
「いい形をしているな。さすが、鍛えているだけある」
そのまま胸の形が変わるほど強く揉みまわす。
「んっ……んんっ!」
エレの顔は薬のせいか、羞恥のせいかだんだんと赤く上気していった。
次にただ揉むのを止め、頂点にある突起を指で挟む。
柔らかかった突起は数回強く摘むと段々と硬さを増していった。
「ああっ…んっ!」
「ふんっ。薬の効果は抜群の様だな」
刺激に翻弄されるまいとエレはキュッと唇を噛んで耐える。
タルテュバがエレにする行為を見て、周りの男たちから段々と荒い息が漏れ始めた。
「おい、お前ら。いつまで見ている。
 さっさと出て行け!」
「は、はい!」
テルテュバの怒声に男たちはしぶしぶ部屋を出て行った。
「ったく、クズどもは気がきかない!」
力任せにエレの胸をつねる。
「痛っ…!」
強い痛みにぼうっとした思考に刺激が走る。
「お前もクズだっ!何がレムオンの妹だっ!!
 俺様の邪魔ばかりしやがって」
「あぐっ!!」
タルテュバは乳房に強く噛み付く。きれいな乳房には歯型がくっきりと残り血がにじんでいた。
エレは身に覚えのないことへの責めに戸惑った。
「今日は本物の貴族ってやつをたっぷり教えてやるからなァ」
エレを見下ろすテルテュバの目には狂気が宿っているようにみえた。
テルテュバはひとしきり胸を弄ると、視線を下の方へと移した。
「ふぅん…見ろよ。こんなに汁を垂らしてやがる」
「えっ…?」
テルテュバはエレの割れ目からあふれ出した蜜をすくうと胸に塗りたくった。
258樽様大爆発 6/8:04/11/05 15:42:42 ID:UGoFvbsy
「…!」
「ほら、こんなに。まだまだ溢れてくるぞ」
タルテュバは次々と蜜を溢れさせる秘所に指を添えると
割れ目にそって軽くなぞらせたり刺激を与えていった。
「ふぁぁっ……」
軽い刺激に奥底から快感がじんわりと溢れ出し、蜜は濁流のようにあふれ出した。
「ちょっと触っただけでこうだ。レムオンの妹君はいやらしいな」
責めの言葉にエレはますます顔を赤くするが、嫌だと思う反面
タルテュバにもっと刺激を与えてもらいたいと思い始めていた。
「…ひあっっ!!」
「おおっと、指を2本も軽く飲み込んじまった」
タルテュバのごつごつとした指がエレの膣中へと簡単に沈んでいってしまった。
指の動きに合わせてグチュグチュと卑猥な音が部屋の中に響く。
テルテュバの愛撫は決して上手いわけではないが、薬の効果も相まって
膣中で動く指は確実に快感を与えていた。
「いやぁぁぁ…ぁっ」
潤んだ瞳からは涙が、喘ぎを声を出す口からは唾液が垂れていた。
思考は快感に犯され、与えられる快楽をより深く感じようと身をよじる。
タルテュバはそのエレの乱れように満足げな笑みを浮かべながら手淫を続けた。
「おいおい、凄いな。手がヌルヌルになったぞ」
膣中で暴れるのを止めると、エレの愛液でべっとりと濡れた手を舐めた。
「十分気持ちよくしてやったんだ、次はお前が奉仕する番だろう」
タルテュバのいやらしく笑う口からは荒い息が漏れ、
すでに布越しでも硬く存在を主張している己の分身を取り出した。
エレはぼうっとする意識のまま、タルテュバの動きを見つめていた。

ああ、あんなに大きくなって…。
先っぽから何か液体が出てる…。

最初に感じていた怒りや羞恥心などすでに吹き飛び
エレはただ、快楽を与えられるのを待つ雌と化していた。
259樽様大爆発 7/8:04/11/05 15:43:09 ID:UGoFvbsy
取り出した一物をエレの入り口に添えるとぐっと力を込めた。
「ぁぁんっ…!」
異物が挿入され、膣内が擦られた快感で大きく喘ぐ。
エレの膣中は手淫によってドロドロになっており、難なくテルテュバの侵入を許した。
タルテュバは挿入をすると共に激しく腰を動かし、
グチャグチャと派手な水音と、愛液が飛び散った。
「うぁっ…!はぁっ…!んんっ…!」
テルテュバがエレの最奥へ到達し強く打ち付ける度に、一層大きな喘ぎ声を上げる。
「どっ…どうだ!気持ちいいか?」
「ああんっ!!」
律動的に喘ぐ声に邪魔されてエレは答える事ができない変わりに
瞳をうるませ、かすかにコクンと頷いた。
「よっ…よし…!もっと突っ込んでやるからなっ…」
片足を持ち上げより深く密着し、そのまま揺れる様に腰を動かす。
激しい挿入は無いが、膣中で深く繋がったまま振動が伝わってくる。
「あっ…もっ…もっと!もっ…とお願いっ…!」
それでは物足りないとエレが懇願してくる。
タルテュバはそれに応え、再度激しく腰を振る。
それに合わせてエレも腰をくねらせる。
 グチャッ…グチャッ…
またも水音が響く。
「ははっ…お前はいやらしい女だなっ……!」
「うぁぁ…もっとぉぉ…もっとぉぉ…!」
タルテュバの首に腕を回し体を密着させる。
「そっ…そこっ…!気持ちひぃよぉ…っ!!」
タルテュバがある一点を攻めた時に一段と甘い声を上げてよがる。
そこに何かを感じたタルテュバは、その一点にさらに激しい打ちつけを行う。
「あっ…あっ・・・ああああああ!!」
段々と大きくなっていく喘ぎ声。エレの快感は頂点へと高まっていた。
「ひっ…ひゃああああああっ!いぐっ!いっちゃうよぉぉぉぉっ!!!」
体を弧を描くようにのけ反らせると絶頂を迎えた。
260樽様大爆発 8/8:04/11/05 15:47:20 ID:UGoFvbsy
「あぅっ・・・あっ…」
断続的に押し寄せる快感にエレの膣中は規則的に収縮を続ける。
「くぉっ…おっ・・・俺様もいきそうだ…」
絶頂によってさらに強く締め付けてくる膣中にテルテュバの分身も射精の時が近くなっていた。
腰を振る動きが一層、激しくなる。
「くそぉぉっ…くそぉぉぉっ…!!」
訪れた絶頂によって痙攣しているエレをタルテュバは己で激しく攻めたてる。
肉と肉がぶつかりあう度にパンパンと音がする。
その音がさらに淫欲をそそり、快楽を導き出す。
「あぐっ…そっ…んなにされたら…またぁっ!!」
「うぉぉぉっ!出るぞっ!出るっ!!」
タルテュバは獣の様な咆哮をあげながらエレの膣中に白濁液を注ぎ込んだ。
「うぁ…なっ…なんか出てるよぉっ…」
タルテュバは精子を搾り出し、すべて注ぎ込むように何度も何度もエレの最奥へと分身を打ち付ける。
「うっ…くぅぅっ……!」
その射精の振動のせいで、エレは二度目の絶頂を迎えた。
またも膣はきつく収縮し、ドロドロと湧き出てくるテルテュバの精液を搾り取り膣中へと導いた。

ふんっ…レムオンの妹もなかなかいいじゃないか。
俺様がティアナと結婚したあかつきにはコイツを側室にしてやるのもいいな…。

プルプルと震えるエレに、射精の疲労を抱え倒れこむタルテュバ。
未だ結合されたままの淫部からは白い粘液がトロトロと溢れ出していた。


これで、終わりです。
樽様がえらくかしこくなってしまいました('A`)
口調とかイメージと違ったらすみません。
261名無しさん@ピンキー:04/11/05 19:53:07 ID:5jA3EOFG
( ゚∀゚)=3ムッハーグッジョブ!
裏絵掲といい樽様率高いな!
262名無しさん@ピンキー:04/11/06 00:21:19 ID:oDcMTISy
立て続けに萌え小説が…キタ━━━━━━!!!!
裏板活性化といい、リメイク決まってからおまいら元気すぎですよ(*´Д`)ハァハァ
263名無しさん@ピンキー:04/11/06 00:57:31 ID:pdbVrDfW
乙です。タルテュバ伝説の始まりのヨカン(;´Д`) '`ァ '`ァ

ノーブル伯はよく薬責めに遭うように思えるのは気のせいだろうか・・・
薬責めキャラ?
264名無しさん@ピンキー:04/11/06 01:11:59 ID:oDcMTISy
ボルボラ曰くいい尻してるらしいですからね(;´Д`) '`ァ '`ァ
勝気系キャラなので薬で黙らせるのが1番良いのでしょう
じゃないときっとぶったぎられ…
265名無しさん@ピンキー:04/11/06 09:08:05 ID:9bclMm+a
象に麻酔銃使うようなもんですか…

小一時間尻を嬲られるプレイも有りですなあ。
266名無しさん@ピンキー:04/11/06 09:18:52 ID:ZdHkweJJ
つかテルテュバ?
267250:04/11/06 17:39:13 ID:3kZ0J5b0
タルテュバと打つつもりが途中どうしてもテルテュバになってしまうことがある。
キーが近いからさ…気にしないでくれ
268名無しさん@ピンキー:04/11/06 18:00:18 ID:sdPlNp98
響きがエロイよ、ティルテュバ
269近親相姦 1/9:04/11/07 02:19:30 ID:qhxK9iPL
チャカと女主でいかせていただきます。
誤字脱字があるかもしれませんが、まぁ気にしないでください。


今日からしばらくの間、街に滞在することになり
旅の仲間達は久々に自由な時を過ごしていた。
チャカはといえば、大人数での移動ばかりなので溜まりに溜まった欲望を
解放するために宿の部屋に篭っていた。

「ふぅっ……あ、あと少しでっ……」
自身の肉棒を手で慰めているチャカの声が漏れる。
竿の部分を手で擦るたびに激しい射精感が募っていく。
すぐに出しては快感が終わってしまうので、
できるだけ長く射精するのを留めながら擦り続ける。
先端からは我慢できずに溢れ出した先走りが垂れていた。
「チャカー?いるー?」
聞きなれた声と共に扉が開き姉であるエレが自慰を行っていたチャカの部屋へ入ってきた。
「うっ…!うわぁぁっ!!」
予想外の姉の出現にチャカは慌てて充血した肉棒を手で覆い隠す。
もちろん勃起したそれが手で隠れるわけがなく隙間から顔を覗かせていた。
「あっ………!」
エレは弟の痴態を見てしまった事に驚き固まっている。
「いっ、いきなり入ってくるなよ!姉ちゃんっ!!」
「だっ…だって、こんなことしてるって思ってなかったから……」
チャカは恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になり、
全身の血流が激しく体中を駆け巡るのを感じた。
270近親相姦 2/9:04/11/07 02:20:08 ID:qhxK9iPL
「姉ちゃんの馬鹿っ!!」
「……誰が馬鹿よっ!」
いつもは姉に逆らうことのない弟の乱暴な言葉にカッとくる。
いつもの癖でついつい右腕を振り上げてしまう。
「うわっー!なんだよ!殴ることないだろっ!!」
「まだ、殴ってないっ!!」
同じく条件反射で頭上を守ろうとするチャカ。
隠していた分身がピンと跳ね上がり、二人の間に姿を現した。
「………」
「わっ!」
またも気まずい空気が流れる。
「お、大人になったね……」
「なんのフォローだよ!それっ!!」
いい加減、チャカは泣きそうになっていた。
「もう、何の用なんだよ!」
「あっ…、どうせだから一緒にご飯でも食べに行こうかと思って…」
エレは空中に視線を泳がせ、人差し指で顔を掻きながら言う。
チャカはエレの姿を直視できるわけなく、ただじっと黙る。

なんて姉ちゃんは気が利かないんだっ!
普通、人のこういう所を見たらさっさと出て行くってのが
優しさってもんだろ!?

姉の気の利かなさをチャカは心の中で嘆いていた。
271近親相姦 3/9:04/11/07 02:22:27 ID:qhxK9iPL
「ねぇ、チャカ…」
ギシッとベットが鳴ったかと思うと、エレはチャカの隣に座った。
「……手伝ってあげよっか?」
「…へぁ?」
姉の言っている意味がわからず間抜けな声を出す。
「だって、チャカこんなに大きくして……辛そう」
そう言うと、チャカの怒張した肉棒に触れてきた。
「ねっ、姉ちゃんっ!!」
チャカは驚き、眼を見開きエレを見る。
エレは構わずチャカの肉棒に触れる手を上下に動かし始める。
優しく、強く、時には指を絡ませ竿に当てる部分を変化させる。
「っあ……姉ちゃん…止めっ…」
「…嫌なの?」
「い…やっていうか…。俺たち…姉弟だし…」
「でも、ここはこんなになってるよ?」
頭をことんとチャカの肩に預け囁きながら話す。エレとチャカの体はさらに密着する。
その間も手の動きは止めず、チャカの肉棒を慰める。
「姉ちゃんっ……」
姉の大胆な言動にチャカの思考は混乱する。
今までずっと一緒に育ってきたが、エレがチャカに対して
こういう事を行ったのは当たり前だが一度もない。
「ねぇ、チャカ。何を考えてココをこういう風にしたの?」
エレの声が耳元で囁かれる。
「それは…っ」
チャカは言葉を詰まらせる。
「教えてよ」
なおもエレは囁く。チャカは耳まで赤く染め、全身から熱気を出していた。
「うぁっ…」
答えなさいと言わんばかりに肉棒を掴む手に力を込める。
急に加えられた圧力にチャカは呻く。
272近親相姦 4/9:04/11/07 02:23:36 ID:qhxK9iPL
「ね、姉ちゃんのことを…考えてた!」
ギュッとズボンを握り締め答える。
実際、チャカはエレに姉以上の感情を抱いていた。
度々、姉の姿を欲情をかきたてる道具にすることがあった。
「私ね、知ってたの」
チャカの肉棒を掴む力を緩め、再び優しく動かし始める。
「チャカが私のことをいやらし目で見てたってこと」

知っていた…?

心臓がドクンと高鳴る。
知られてはいけない感情を知られていた事実にチャカの心の中は切り刻まれた。
「チャカ…そんな顔しないで。私、ちっとも嫌じゃないのよ」
「え…?」
「私、チャカのこと大好きよ。
 チャカも私のこと好きでしょう?」
エレはとろんとした目つきでチャカに顔を近づける。ツンと唇を尖らせた仕草をする。
チャカの鼓動はさらに激しくなり今にも心臓が飛び出しそうだった。
大好きな姉がすぐ隣に…、しかも今まさに自分の肉棒を手でしごいてくれている。
そう意識するだけでチャカの理性は簡単に飛んでしまった。
「っ…!!」
チャカはエレを抱き寄せると唇に貪りつく。
勢いのままにエレの口内に舌を入れ乱暴に掻き回す。
「んっ…ふっ」
そのまま舌でエレの舌を引き寄せ絡めとる。

姉ちゃんの口の中熱い…それに柔らかい。

上へ、下へと舌で口内を舐めまわす。
「ふぁっ…チャカ!」
繋がっていた唇を無理やり剥がされる。エレとチャカの唇には一筋の糸が引きすぐに切れた。
273近親相姦 5/9:04/11/07 02:24:42 ID:qhxK9iPL
「ね、姉ちゃん…?」
自分は何か悪いことをしてしまったのだろうかと戸惑う。
「もう…キスはこんなに乱暴にしちゃダメよ。こうやって優しくするのよ…」
そう言うとエレは上下の唇で優しくチャカの唇を引っ張り刺激した。
引っ張ったり、吸い付いたり、何度も何度もそれを繰り返す。その度にチュッという音がたちそそられる。
焦らされチャカはすぐに唇を繋げようとするがその度に上手くかわされる。
「もう、ダメだって。そんなに激しくしちゃ…」
「だ、だってどうやっていいかわかんないし…」
情けない表情で言うチャカはとても可愛くエレの母性を刺激した。
「チャカったら…」
「なぁ……姉ちゃん…俺…入れたい」
チャカは充血し天を仰ぐ分身を握り締めた。
「うん…いいよ」
エレは少し顔を赤らめながら言う。
「じゃあ、チャカが服を脱がしてよ」
「…わかった」
チャカはエレと向き合うと、エレの身を覆う服に手をかける。
まずはベルトを外し床に落とす。次にクロース裾を掴む。

この下には姉ちゃんの裸が…。

今までは隠れて覗き見するしかなかった姉の裸だったが
この布を剥がせばすぐに見られるのだ。心臓の鼓動は早くなり興奮が増していく。
ごくりと生唾を飲み込むと、手を震えさせながら下から上へとゆっくりとクロースを捲った。
まずはエレのむっちりとした太股が現れた。次に引き締まった腰。徐々に上へと捲っていく。

もう少しで姉ちゃんの……。
274近親相姦 6/9:04/11/07 02:25:56 ID:qhxK9iPL
そして二つの柔らかそうな丸みが現れた。
シュルシュルと衣擦れの音がし、クロースも床に投げつけた。
エレは下着だけを身に着けた格好でチャカの前に座っている。
「な…なんか恥ずかしいな」
ぎゅっと腕で露になった胸を隠す。
その圧力で乳房は形を変え、隙間からぷるんと溢れていた。
チャカはすぐにその胸を触りたくてたまらなかった。
「ねぇ、チャカも脱いでよ」
「わ、わかった…!」
チャカは姉の催促に焦りながら服を脱ぎ捨てる。
「……恥ずかしいね」
そう言うとチャカも剥き出しになった自分の分身を手で覆いかくした。
「チャカ…」
”おいで”と示すようにエレは腕を広げチャカの体を抱き寄せる。
「姉ちゃん…」
そのまま二人は後ろへと倒れこんだ。
チャカの胸板にはエレの柔らかな胸の感触が伝わってきた。
チャカの腕の下になったエレは少し恥ずかしそうにチャカを見つめ返す。
「好きにしていいよ」
エレの呟いた言葉を皮切りにチャカは体にむしゃぶりつく。
まずは、吸い付きたくて堪らなかった乳房に唇を立てる。
「ひあっ…」
チュパチュパと音をたてながらチャカは先端にある突起に吸い付く。
「ふぁっ…ん」
舌でそれを嘗め回したり転がしたり弄ぶ。
その度にエレは身をよじらせたり、甘い声を漏らす。
「チャ…カぁ…」
二人の体は密着しているので、エレの太股に何度も硬いチャカの肉棒が当たる。
その度に足を浮かせつんと刺激する。
「ね…姉ちゃん……」
エレの太股はチャカから溢れる先走りでヌルヌルになっていた。
チャカはようやく胸に吸い付くのを止めると、体を起こし下の方へと視線を移した。
275近親相姦 7/9:04/11/07 02:28:34 ID:qhxK9iPL
豊かな毛で覆われている姉のそこを見てみようと、
チャカはエレの膝を押し上げ秘所がよく見える格好にさせた。
そこは濃い紅色をしており、淫らなにおいが漂ってきた。
鼻から性を刺激されたチャカは性急に挿入したい衝動に駆られる。
「ね、姉ちゃん入れるよっ…」
チャカは自身を掴みエレの挿入口を探す。
こ、この穴かな…?

前部にぽつりとある小さな穴に亀頭を押し付ける。
「んあっ…」
穴を突く刺激にエレは腰をくねらせる。
「チャ…チャカ、そこじゃない。もっと…下」
「下…?」
言われて自分が違う穴を刺激したことに気がつく。
「こっ…ここかな…」
独り言を呟きながら膣口と蕾の間にぐいぐいと棒を押し付ける。
当然、入るわけがなく柔らかな肉に押し返される。
「くあっ…そ、そこじゃないわ…」
エレは指で挿入口を指し示してやる。
「ご、ごめん姉ちゃん。俺…初めてで…」
「ううんっ…いいのよ、そんなの。ね、ここに入れるの」
身を少し起こすと指で挿入口をチャカに指し示してやる。

ここだったのか…。
276近親相姦 8/9:04/11/07 02:29:35 ID:qhxK9iPL
エレの示した場所にはぱっくりと口を開きひきつく淫らな肉の穴があった。
「入れるよ…姉ちゃん…」
「うん…きて」
チャカは確かめるように膣口に先端を押し付けると勢いをつけて挿入した。
「あんっ…!!」
奥まで入れた自身を引き抜こうとするとカリの部分が肉のヒダに引っ張られ
もの凄い勢いで射精感が昇りつめてくる。
「くぅぅ……」
チャカは射精するのを我慢しようと動きをとめ呼吸を整える。
「ふぁぁ…チャカぁ……」
姉は腰を動かして欲しいと腰をくねらせ結合部を刺激する。
「ねっ…姉ちゃん、そんなに動いたらでちゃうよっ!」
「んぁっ…で、でも…もっと欲しいんだもん」
「まっ…待って…もうちょっと」
荒く乱れる呼吸を整えると自身を抑制しながらゆっくりと腰を動かす。
「あああぁぁっ……」
ずちゅっ、ずちゅっと動く度に音がする。
「姉ちゃんの膣中っ…熱くてぬるぬるしてるっ………」
「チャ…チャカのもおっきくて気持ちいいよぉ…」
ゆっくりとした動きをやめ次第に腰をふる速さをあげていく。
穏やかだった水音も激しさを増し、さらに派手で淫らな音をたてる。
「ふぁっ…んんっ…いっ、いいよぉー!チャカっ…もっとっ…あんっ!」
チャカは夢中で腰を振るう。頭の中はまっしろで次々と溢れる快感を受け止めるのに精一杯だった。
「だっ…だめだっ……もっ、いきそう……」
「っぁ…いっ、いいよっ…イっていいよっ!」
エレはチャカの頬に手を優しく当てると愛しそうな目で見つめる。
「ねっ、姉ちゃん…姉ちゃんっ!姉ちゃんっ!!」
「うぁぁぁぁんあんっ」
絶頂への激しい突きに一層大きな喘ぎ声を上げる。
277近親相姦 9/9:04/11/07 02:29:56 ID:qhxK9iPL
「ふっ…くぅぅっ……」
チャカのエレの足を掴む手に力が入る。それまで規則的に動いていた腰をめちゃくちゃに振りはじめる。
肉棒をより深くエレの膣中へと打ち付けるとドクドクと己の精を解き放った。
「うあぁっ……チャカのが出てる……」
ドクン。ドクン。ドクン。
肉棒がエレの中で脈打っているのがはっきりと伝わってくる。
チャカは止まらず溢れてくる精を全て注ぎ込もうと何度も体をゆすり肉棒を突きたてた。

「ねぇ…ちゃん……」
エレはチャカの下ではぁはぁと息を荒くしぐったりとしていた。
衝動が収まるとチャカはエレから肉棒を引き出す。
それと同時にエレの膣中に大量に撒き散らされた白濁液もドロドロと出てきた。
「んぁっ……ねぇ…見て…チャカのがこんなに……。
 いっぱい溜まってたのね」
秘所に指をあてがいチャカに見えるようにと膣口を広げる。
姉のその淫乱な光景を見て、今しがた縮みかけていたチャカの肉棒に
また血流が駆け巡り硬さを増していった。

やべぇ…今出したばっかりだっていうのに。

自分の若すぎる分身を見て情けなくなる。
「わぁ…!また硬くなってる」
「ごめん…。姉ちゃん…もう一回いい?」
「うふふ。チャカは元気ね。うん、いいよ。もっともっと出してね」
チャカはもう一度、姉へと体を重ねた。
278近親相姦:04/11/07 02:30:45 ID:qhxK9iPL
近親ものきらいな人ごめ。
半分眠りながら書いたからちょとおかしいかも。
じゃあ、おやすみ
279名無しさん@ピンキー:04/11/07 05:06:34 ID:W+hukLUm
いやいやGJでしたよ
280名無しさん@ピンキー:04/11/07 08:19:53 ID:LNVMfbmj
なかなかでしたよ。
281名無しさん@ピンキー:04/11/07 11:04:59 ID:/MnQnCVT
>>278
絵も文も両方こなせるなんてあんた凄杉。
282名無しさん@ピンキー:04/11/07 16:58:51 ID:zhJNZFFa
図らずももえてしまいました。GJ!!
283名無しさん@ピンキー:04/11/07 22:54:37 ID:A1l3/lED
投下キテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
あまり見ないチャカものを見れて( ゚∀゚)=3ムッハーGJ!!
284名無しさん@ピンキー:04/11/08 02:05:55 ID:mHwBMp1h
GJ!!
お疲れさまでした。(;´Д`) '`ァ '`ァ

似たようなシチュで
イズ姉さん
「姉さんのこと考えながら一人でしてたの?いけない子ね。
ほーら、エルファス、姉さんの手でいっぱい出しちゃいなさい!」
エルファス
「ひぐぅ!らめぇ、でちゃう!ぴゅーって、ぴゅーって!!ああぁぁl!!」
みたいなの考えたことがある・・・文章力ないからSS書けんけど。
285名無しさん@ピンキー:04/11/09 20:36:49 ID:HaN1NpGa
どなたかフェティのツンデレ純愛コメディティクビ弄り小説を恵んではくださらんか?
286名無しさん@ピンキー:04/11/09 23:11:35 ID:wI9Bxasj
じゃあ俺にはガルドランが改・激・烈!なのを恵んでください
287名無しさん@ピンキー:04/11/11 03:10:51 ID:YW0EE8EX
>>284
何故にみさくらなのですか下乳ヘソ出し生脚放り出し救世主様
288名無しさん@ピンキー:04/11/11 09:36:36 ID:a7cyxtUF
>>287
下乳ヘソ出し生脚放り出し救世主だからです。
289134:04/11/12 01:52:57 ID:IuRA3qnA
>247 248
感想の方、ありがとうございます。
自分の身体にまで気遣って頂いて…。もう完治しましたのでご安心を。
これに懲りて、次書くときは一気に投下することにします。
290闇の神亀:04/11/15 00:25:42 ID:Tj+XuF/K
はじめまして、初SSです。なので文章がナンセンスだとか、イメージしているフェティ様じゃない!&こんなガキんちょ男主違う〜とか誤字脱字もあるでしょうがそこはすみません。ご容赦下さい。
「どなたかフェティのツンデレ純愛コメディティクビ弄り小説を恵んではくださらんか?」という意見を見ましたので、男主×フェティで作ってみました。内容はかなりそれましたが(汗)…季節感を出してみました(笑)
男主の名前が思いつかなかったので、最悪にセンスのない名前で進めています(爆)かなり長いですしエロ少なめですがよろしければお付き合い下さい。


「見てみなよ!フェティ。」
小高い丘の上から街の景色を見下ろし、満面の笑顔で冬の空気を胸いっぱいに吸い込む仲間を見て、フェティは不満そうに口をとがらせてみせた。
「フェティ「様」ですわよー!ジップってば、ようやく街についたのよー!とっととあなたの仕事を済ませますわよー!」
フェティ様の声にかまわず、ジップは今度は空を見上げると、防寒のためのマントを外して両手で広げ、右に左に歩いて空から舞い落ちてくる白い光をうけとめようとしている。
「なあ、フェティ!雪だよ!雪が降ってきたんだ!ひゃっ、冷たくって、きれいだ。ほら、この黒いマントの上に乗せると、大きな結晶が見えるよ!」
「それがどうしたっていいますの!」

「俺はいつも何か発見しているんだ」

茶目っ気たっぷりにそういってのけるジップ。ジップはフェティの至極微々たる表情の変化を見逃さなかった。初雪を面白がって珍しそうな表情を彼女がちらりとのぞかせたのが嬉しくてならなかった。
「寒いから、マントと手袋、ちゃんとしろよ」
「何をする気ですのー!アタクシの手をお放しなさい!勝手にこの高貴なエルフたるアタクシを引っ張り回すなんて許さなくってよー!」
「まあまあ、予定より早くこの街に着いたんだし、ちょっとくらい探検していったっていいじゃないか」
ジップはフェティの手を引いて強引に街の手前の森の中へ入った。
「またいつもの変な好奇心で高貴なエルフのアタクシを振り回す気ね!デリカシーがないわ!なさ過ぎるわー!!」

291闇の神亀:04/11/15 00:28:00 ID:Tj+XuF/K
森の中は穏やかな空気に包まれ、モンスターの気配はほとんど感じられない。かなりの時間進んでいくと、木の生えていない小さな野原のような所に出た。しんしんと積もり続ける雪が、ミルクのようにその空間に満たされている。
「ほら、ここはまだ誰も来たことのない所だ!あはっ、なんにもない雪の上に初めての足跡をつけるぞ、フェティ!」
ジップは野原の真ん中まで一気にスキップでもするように歩いて、きどった足跡を残すと、それだけでなくぽすっとミルクの真ん中に寝転がり、両腕をばたばたさせ「天使」のマークを地面に残した。フェティはイライラしながらその一部始終を眺めていた。
「雪があったってなくたって、なんにもなくってよー!」
その言葉に、ジップは天使マークから体を起こして言った。
「なんにもないわけじゃないさ。春になれば、いい香りのするものがいっぱい生えてくるんだよ!花が咲いたり、鳥が歌ったりするのをみれば誰だってつむじまがりになる必要なんかないさ。君だって。そうだろう?」
「誰がつむじまがりですってー!?」
フェテイはしかめっつらをして、ジップの方を睨んだ。イライラは限界まで高ぶっていた。
「リルビーみたいに騒いで!リルビーもうっとうしいけれど、人間も本当に、本当にくだらないわ!」
それを聞くと、ジップは少し落ち着いた表情に戻って口を開いた。
「リルビーにはリルビーの考え方や、やり方があるんだ。ぼくらがとやかく指図することじゃない」
「まーったく、くだらなくてよー!」
292闇の神亀:04/11/15 00:33:49 ID:Tj+XuF/K

「でも、俺はこれでいいと思うよ…。」

ジップは立ち上がってフェティに向き直った。
「エルフ、リルビー、ボルダン、コーンス、人間、モンスター…いろんな命があるから、世界って驚きに満ちているんじゃないかな。」
ジップはなおも言う。
「誰にだっていいところ、悪いところ、違ったところがあるから、助け合えるんじゃないかな…。」
「そんなのただの足のひっぱりあいではなくてー?だーかーら、人間はくだらなくってよー!!」
フェティはかんかんになって怒鳴り散らしていたが、無邪気なジップはただじっとみつめているだけなので、どうしたらいいのか次第に不安になってきた。
すると、急にさみしさが込み上げてきた。エルフの里から遠く離れ、自分が知っているものや自分を知ってくれているものから遠く離れて今ここにいるのだと思うと、たまらなくなって大声を上げた。

「人間なんて、下等生物なんてみんなくだらない!!救いようがないわ!!!」

293闇の神亀:04/11/15 00:36:19 ID:Tj+XuF/K

それを聞くと、無邪気なジップの顔に少しのとまどいが一瞬浮かび、その後、かすかな優しい微笑みが広がった。
「そんなんじゃない。俺は旅をしていて気がついたんだ。このくだらない生きものに、すこしでも救いが残っているとするなら、それはお互い理解しあうことなんだ。気持を伝え合うことがとても大切なんだ。一人じゃ、それはできないだろう?「孤独感」は癒せないだろう?」

しかしフェティはむっつりしたようなそっけないような顔をして黙って聞いているだけだった。ジップの話を面白いともなんとも感じなかった。
「…気持を伝え合うって、なんなのよ!具体的に言ってみなさいよ!やってみなさいよー!!実際に!!!」
その言葉にジップは一瞬きょとんとしたが、すぐに今度はにやりと笑って答えた。
「うーん…たとえばさ、……こんなのとか」
ジップはフェティの胸をいたずらな目つきで狙った。
バシャッ
「キャーーキャーキャー!!!何をするのっ!信じられない!非常識過ぎてよー!」
「あははっ!…ちょっとやりすぎた?ちょっとひねくれた表現かな、これは。」
フェティの胸に混乱と怒りが一気にこみ上げた。
「やりすぎたもなにもあったもんじゃないわよ!一体何なのよ!キャッ!またやろうっての!」
「ははっ!これは親愛のしるし!」
「高貴なエルフに対していきなり雪だんごを投げつけるのが、人間の親愛の示しかただっていいますのー!?」

294闇の神亀:04/11/15 00:39:43 ID:Tj+XuF/K
フェテイはおもいっきりジップに雪玉をなげつけた。小さい雪玉だったが、ジップはそれをわざと顔に受け止めて、しばらく笑い続けた。あまり悪気もなく笑うので、フェテイはどうしたらいいのかわからなくなってきた。その笑いの波が静まって、ジップはようやく口を開いた。
「はははっ……。ごめん。本当にあやまる。じゃ、今度はもっと素直なやり方に変えるよ。」
「どうせ!ろくなものでなくって…えっ…むっ…ふ……!??」
ハイエルフの訴えは、ジップの突然の口づけによって遮られた。ほんわりあたたかい感触が、お互いの唇を包み込む。ゆっくり、ふんわりと口づけを味わった後、ジップはゆっくりと唇を離した。
「高貴なエルフだって、こうやって愛情を示すんだろ?」
295闇の神亀:04/11/15 00:46:12 ID:Tj+XuF/K
「そんなことしたってだまされなくってよ!」フェティはそういって思い切り顔をしかめてみせたが、それは嬉しがってなんかいないのだと思わせるためのものだ。
「だれもアタクシにはかなわない――それがアタクシの考えでしてよ。それに…むぐぐ…。」
再び唇で唇を塞がれたフェティは、混乱でかえって冷静になって目の前の冒険者の顔をじっとながめた。
不思議と悪い気はしないが、しかし一体全体、この下らない生き物は、なんだってこの高貴なエルフの鼻先で、こんな無礼なことをし続けるのだろうのだろうといぶかしんでいた。
が、ジップはおかまいなくフェテイの唇に貪るように吸い付いた。そしてその手が、フェテイの形のいい乳房に伸びる。
「高貴な種族は、こうやってお互いの気持を理解するもんだろ?」
あいかわらずの茶目っ気をみせながら、こんどはぐいぐいとフェテイの乳房をもみ続ける。フェテイの乳房は、手のひらにあわせて面白いほどに柔らかく変形する。
フェテイは突然の、そして初めての愛撫に驚いてひっくりかえりそうになり、崩れ落ちるように雪の中へ倒れこんだ。
そのとたん、ジップは今までの柔らかい物腰とはうってかわって、強くフェテイの体を雪の中に押し付ける。
寒さと驚きと羞恥心でフェティの体はほてって熱く燃え、そしてジップの分身も同じく熱くそそりたっていた。
296闇の神亀:04/11/15 00:47:57 ID:Tj+XuF/K
ジップは硬くなった自分の物をフェテイの太股に押し付けてささやいた。
「世界は驚きに満ちているんだぜ。もちろん俺のズボンの中にもな。」
「な…何を言ってらっしゃるの?その手をお放しなさい!」
突然不愉快な気持ちに襲われたフェティはあらんかぎりの身をよじってジップから逃げようとしたが、ジップはそのままフェティをうつぶせに押さえ込んだ。
そして今度は荷物の口を止めていたロープをさっとほどいて、トヅカネの枝でも束ねるようにあっというまに彼女の両手足首を縛ってしまった。
「何だよー。あきらめが悪いな、フェティ。」
両手で太股を広げ、スカートの下に手を入れるジップ。
「ひぃっ…!」
さらにジップは彼女の下着を取り、ハイエルフの秘められた場所に手を伸ばした。
「何ですのッッ!?」
297闇の神亀:04/11/15 00:51:33 ID:Tj+XuF/K
今まで感じたこともない感覚を知り、フェテイは仰天して背をのけぞらす。両手を自由にしようと条件反射で手首を必死で動かした。
「本当はロープなんて使いたくなかったんだけど、新しい世界に踏み出すには、勇気も必要だからね。」
フェティの細い両足のあいだからクチュ、グチュと音が響きだした。
「俺はお前が好きだ。最初に酒場で会ったときから。俺の愛を見てみたくないかい?フェティ」
フェティはうつぶせのまま頬と耳の先を真っ赤に上気させ、縛られた手首を動かし手袋で雪をたたきつけていたが、その声をきくと、きっと顔を上げてジップの方を睨んだ。
「なんなのー!くだらなくって、くだらなくって、くだら、なくってよー!」
「くだらない」をひとつ言うたびに、フェティは縛られた両手両足を思いきり雪に打ちつけた。
息が切れ、喉がつまっていたが、この衝撃な自分の状況を前にかまってはいられなかった。
298闇の神亀:04/11/15 00:52:19 ID:Tj+XuF/K
「フェティ…でもきみのココはこんなに正直に濡れているよ」
ジップはフェテイの割れ目を何べんも撫でながら言う。ジップの指に併せてグチュグチュと割れ目からは卑猥な音が洩れ、愛液がとめどなく流れ出している。
「くだらなくっ、てよっ…!」
「「きみがやってみろっていったんだぞ。高貴なエルフだって…いや、高貴なエルフだから、こんな愛の表現をするんだろう?」
その言葉に赤くさせた頬をふくらませ、フェティはうめいた。
「こんな習慣は高貴なエルフにはなくって…う…!」
ジップの指がフェティの秘所の一点を刺激した。今までに想像したこともない強烈な快感の波に襲われ、ビクンと肩を震わせ、縛られた手が無意識に雪をつかもうとする。
「はあっ、はあ……っ!」
こんな体勢でこんな行いをすることは確かにエルフの習慣ではなかった
299闇の神亀:04/11/15 00:55:55 ID:Tj+XuF/K

「俺の気持ち、見てみたいかい?」ジップは愛撫をやめることなくもう一度きく。その言葉を聞いたフェティは躊躇した。
「……。」
アタクシは今までなにかを「見たい」なんて思ったこと、一度もなかったけれど…。
フェティはしばらく黙ったまま宙をみつめていたが、愛液に触れているジップには、彼女の考えていることがよくわかった。
意地悪そうに、フェティを見つめ、膣中に、一本の指先を、そっと差し入れる。
「ひあ…。」
不思議な感触に身をよじらすフェティ。
「エルフには、とても見れないのかな?ん?」
残りの指でゆっくりとフェティの割れ目を愛撫しつつ、エルフ特有のとがった耳に息を吹きかけ、ごく低い声で、ささやくように聞いた。
その言葉にフェティは泣きそうな顔になり、体をひねってジップの方を向き、たたきつけるようにいった。
「もちろん見られてよ!」
300闇の神亀:04/11/15 00:57:14 ID:Tj+XuF/K
その言葉にジップは彼女の割れ目から手をはなすと、一気にズボンを下ろし、フェティの目の前に自分の分身を晒した。
「うっ…これが…?」
初めて目にするグロテスクな肉棒に、フェティがうめく。
「はは、口ではなんのかんのいっても、フェティの瞳はいつも、新しいものをみているときは、まるでお皿のようだよ。」
フェティの表情を満足気に見つめながらジップが言う。
「君の気持ちも教えてくれるなら、このままくわえて欲しいんだけどな。ほら」
身動きの取れない彼女の口に無理矢理肉棒をくわえさせ、上下にしごく。
「うー、うー!」
いきなりのジップの動作にどうしたらいいかわからず、喉がつかえそうなほどの肉棒を味わいながらフェティは肉棒の動きにあわせて首を振る。
そんな彼女を見ていると、ジップは愛おしさが込み上げてくるのを感じた。
町の人間達から神秘的な存在と羨望の目でみられているハイエルフが、そして今までそっけなく、それでもあの出会いからずっと苦楽を共にした仲間が。
いまここで、自分の肉棒をくわえ込んでいる……。

301闇の神亀:04/11/15 00:59:23 ID:Tj+XuF/K
「ううっ…」
ジップはすでに気を失いそうなほどの快感に包まれていた。
「さあ、そろそろ、いくよ。一緒になろう。」
ジップは再びハイエルフの柔らかい尻に手をあてると、そっと彼女の中へ自身をすべり込ませた。
「あーッ!あーッ!」
驚きと怯えの入り混じった声をあげるフェティ。やがて、ジップは先端に違和感を感じ、自身の進入を止めた。
「うっ……。」
「大丈夫だから…。そっと、やるから……いくよ…。」
彼女の腰に手を回し、自分に言い聞かせるようにつぶやき続け、ぐっとフェティの中に挿入する。

302闇の神亀:04/11/15 01:00:22 ID:Tj+XuF/K
「うっ…はああ…あああ…あああああッッ…!!」
破瓜の激痛と恐怖でフェティのきちがいじみたうめき声はジップの動きにあわせどんどん大きくなっていった。
大きく見開いた瞳からさまざまな感情の入り混じった涙が零れ落ち、高貴なエルフの顔を濡らしていった。
「―――つッ」
肉棒の先に最深部まで挿入した感触をたしかめると、ジップはあまりの快感に自身の動きをゆるめた。
「はあ、はあ、はあッ…。」
やや小刻みに荒い息を立てて破瓜の衝撃から自分を落着かせようとするフェティ。
寒さの中、二人の体は火のように燃えていたが、意識は真っ白に燃え尽きそうだった。
「フェティ…好きだ…」
「あうう…アタクシ…アタクシ…」
こみあげてくる泣き声で、フェティは喉が苦しくなった。
しかしやがてジップがゆっくりと腰を動かすにつれ、痛みと恐怖が少しずつ和らぎ、ゆっくりと快感に変わっていくのをフェテイは感じていた。
「あッ…んん…」
「最高だよ、フェティ…。」
手を彼女の胸に移動させてジップはだんだんと腰の動きを激しくしていく。
パンパンとお互いの体の音が響き渡る。
303闇の神亀:04/11/15 01:01:45 ID:Tj+XuF/K
「はあ…う…ん………。」
膣内で擦られる感覚に、フェティはいいようもない快楽を味わっていた。
「フェティ…。世界って…さ、……驚きに満ちている、だろ………?」
両手で胸を愛撫し、さらに激しく腰を打ちつけながら、ジップは問いかける。
森の中は静かで、二人の声と結合部からいやらしく響く音を除けば、体温で雪の溶ける音が聞こえてきそうなほどだった。フェテイはふと、懐かしいエルフの里を思いだした。
この森も、エルフの里にすこし似ているかもしれない。そう思ったとたん、フェティの中に不思議な感情が湧き上がった。
「ああ…。アタクシ……。」
フェティは今まで、自分がへそまがりに見られていたのは、さみしさからもきていたということに気がつかなかった。
しかし、今、人間と一つに繋がっている状態の中、フェティは、今までにない、不思議な気持ちが自分の中に満ちていくのを感じていた。
この世界にあるたくさんの命の鼓動を、今、自分の中に感じているようだった。
「もっと、多くのものを見ていくんだ。俺たちでさ……一緒に……。」
より深く繋がっていようと何度も激しく腰を打ち続けるジップ。やがて、絶頂の時が二人を迎えた。
「あああ…もう出るよ、出ちゃうよ……!!」
「はああん…あああ……あああああーーーーーっ!!」
「ああっ……………フェティ………!!!」
強烈な締め付けに包まれ、熱くたぎる人間の精液が、ハイエルフの膣内にほとばしった。
「はあ、はあ、はあッ…。」
ぐったりと力がぬけるフェティを、柔らかく包み込むように抱きしめるジップ。
304闇の神亀:04/11/15 01:03:04 ID:Tj+XuF/K
「ごめんね…。こんなことして、悪かったよ、フェティ。」
ゆっくりと彼女の両手足首を縛っていた綱をはずし、綱と皮膚が擦れたその痕に優しくキスの雨を降らす。
フェティは、珍妙な行動に出た。起き上がると体を前にかがめ、エルフの里を出てから自分では夢にも考えたことのなかったような質問を投げかけた。
「あなた、本当に、アタクシが、好き?」
「ああ!」ジップは勢いよく答えた。「好きだ。大好きだ!」
そしてそのまま、フェティを力強く両腕いっぱいに抱きしめた。
世の中が面白く変わったように思えて、温かい気持ちが心の中に満ちていくのをフェティは感じていた。
「フェティ、愛している…。」
ジップの腕の中で、フェティはぼんやりと、こんなことを考えはじめていた。
この冒険者とこれからも旅をしていたら、自分は今まで知らなかったことを次から次へと教わることになるのではないかと――。
305闇の神亀:04/11/15 01:05:16 ID:Tj+XuF/K
フェテイはつぶやくように言った。
「ジップ、あなた、野蛮人にしては、いえ、高貴なエルフを含めても、なかなかかっこうよくってよー!」
いつものきんきんした声ではなく、とても静かな優しい声で話したのに、ジップは驚いた。
「君も、こんなに優しい、いい声が出るんだね。正真正銘の「高貴なエルフ」みたいだよ。」
「……!!!「高貴なエルフそのもの」のアタクシに対して、何てことを言いますの!やっぱり、野蛮人は野・蛮・人!!ですわね!!!」

終わりです。長文付き合ってくださってありがとうございます。最初の「ツンデレ系純愛コメディ」とはいくらか離れてしまいましたが。
306闇の神亀:04/11/15 01:21:57 ID:Tj+XuF/K
今気がついたが、
長い上に59さんのナッジ×女主のメール欄のような配慮を
全くしていなかったことに気がついた!ごめんなさい。
回線切って(以下略)
307名無しさん@ピンキー:04/11/15 20:17:42 ID:QFa5SppY
フェティ様キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
GJです!!
308名無しさん@ピンキー:04/11/16 00:16:07 ID:zglFGBxF
ええね〜。男主も良い感じ。
309名無しさん@ピンキー:04/11/17 13:28:46 ID:HpteTtHY
ハァハァ
310男主×エア ラドラス攻略後:04/11/19 17:07:45 ID:q7JifbFk
「……は?」
エアの放った言葉に、黒髪の男、無限のソウルを宿す者は、その肩書きに似合わない間抜けな音と表情を現す。
さも可笑しげに笑い、エアは己の言葉を繰り返した。
「聞こえなかったか?わらわはやるぞ、と。自然の摂理にしたがって、子孫を残そう、とな」
笑顔のままで告げるエアとは対照的に、青年は困りきった表情で辺りを見渡すが、
いくらかの扉と柱、それからかつて翔王の座していた辺りの床が苔生しているのが判るだけで、
聖光石のほの白い光に照らされた神殿内に他の人影は無い。
あ〜、と、なおも視線をさ迷わせ、言葉をしばし探していたが、溜息混じりに視線を、胸の高さに有る少女の顔へと戻す。
「……あ〜、エア様、風の巫女様。ご自分の言葉の意味が判っていらっしゃる?つか、そんな事を俺に告げてどうし……ろ……って?」
頭を掻きむしりながらの困りきった言葉を言い終える前に、それを遮るようにエアは詰め寄り、小さな拳を男の胸元へとぶつける。
「みなまで言わせるつもりか?そなたがそれほどに頭の回らぬ奴だとは思っても居なかったぞ……つまりは、そういう事だ」
歳相応の──少なくとも外見には相応しい、唇を尖らせ拗ねたような顔をして、しかしやはりどこか楽しげに答える。
だが見上げた視線が、未だ目を白黒させ、ぱくぱくと口を閉じ開きしているのを映すと、その表情も消えた。
「……己が身の危険をも顧みず、翔王様を滅し、そして今日、忌わしきラドラスからわらわを開放してくれた男だ。
 よもや断るまい、と思っていたが……勝手な思い込みだったか。すまんな、忘れてくれ」
一方的とも言える口調で言いきると、踵を返し、何事も無いかのような足取りで神殿の奥、己の自室へと向かうエア。
だが、その直前、『翔王様』のくだりから彼女の瞳へと浮かんだ悲しげな揺らぎは見逃せるはずも無い。
「ちょっ……待って!」
叫び、男は駆け寄る。行く手を遮る相手に視線を合わせず、エアは
「どうした?判っているだろう、今日は疲れていてな。さっさと休みたいのだ」
それだけを答え、脇を擦り抜けて歩を止めない。
311男主×エア ラドラス攻略後:04/11/19 17:08:26 ID:q7JifbFk
「だから待てって言ってるだろ!?」
「……ッ」
こちらの言葉を聞こうとしないエアの様子に業を煮やし、乱暴とも言える勢いでエアの肩を掴み振り向かせる。
振り返り、普段の彼女からは想像できないほどに歪む表情に、
「悪い……」
謝るが、口にしてからそれが痛みだけによるものとは思えず、続くべき言葉を失う。
「言うな。そなたの想いも考えずにこちらの勝手な想いを告げただけだ。もう一度言う。忘れてくれ」
痛々しげな囁き、寂しげに彩られた微笑には、かけらほどの説得力も無い。
掛けるべき言葉を見失った男は、再び背を向けた少女を抱きしめる。
完全に予想外の行動に、エアは身を竦ませる。
硬質で、しかし穏やかなぬくもりを男の持つ肉体は、荒れるエアをより昂ぶらせ、同時に得体の知れぬ落ち着きを与えてくれた。
知らず、膝が振るえ、漏れる吐息が掠れる。知られてはならないと、気づかれてはならないと、声を振り絞る。
「……何の戯れだ?同情なぞは欲しくない。離してくれ」
「戯れなもんか……同情なもんか……」
声と共に、己の髪に男の吐息が降りかかる。
振りほどこうとする手足に力は入らず、せめてもの抵抗と見上げたエアの瞳に移ったのは、初めて彼を見たときと変わらない、
否、それ以上の力強さを湛えた、真摯な男の表情。
「ならば……ならばなんだと言うのだ……」
その答えを確信しながらも問わずにはいられなかった。見詰めて居たいのに、視界が滲む。
曇る世界の中、神に聞かれることすらも拒むように、男の唇がエアの耳元へと寄せられる。
「……」
無言で頷きあい、一度その身を離す。神殿の奥、エアの居室へと向かう二人の指は二度と離れぬとでも主張するかのように、しっかりと絡み合っている。
312名無しさん@ピンキー:04/11/19 17:09:08 ID:q7JifbFk
こんなところでひとまず。
駄文スマソ。
313名無しさん@ピンキー:04/11/19 22:40:27 ID:osu+sJLS
エア様キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
気丈な振る舞いのエア様かわええ。
続きをお待ちしてます(*´д`)
314名無しさん@ピンキー:04/11/21 10:26:43 ID:fMbVTswr
エア様(*´д`)ハァハァ
ゲーム中でもあの台詞言われたときは、誘っているんだろ!?と思ったよなあ
315名無しさん@ピンキー:04/11/22 21:02:03 ID:NkzTgsL8
前スレにもあったなあ
エア様×男主だったけど、未完でもあったが
316闇の神亀:04/11/23 00:23:24 ID:mfGkgpA7
エア様、すげえあ!(寒ッ)
いや、ほんとGJです!
今まで巫女ものあまりなかったし、新鮮w
私は実は最初アトレイア×男主かチャカ×女主を書こうかと考えていましたが、
二つとも既出;
とりあえず今回はフェテイ嬢でいかせてもらいましたが、
次はアトレイア×女主にしてみるか、
やっぱりチャカ×女主か、
それともレムオン×女主+略奪愛wか
どれかを書いてみようかと考えております。
しかし女主がらみはやめた方がよいのでせうか…?
リクエストある方いましたら上記以外でもリクお願いします;;
317名無しさん@ピンキー:04/11/23 13:27:45 ID:f/JOytEu
えーと、人が増えたのはいい事だ。
>310さん、続き頑張ってくらさい。
318名無しさん@ピンキー:04/11/23 13:43:34 ID:f/JOytEu
書き忘れ。
>316
それだけ候補があるなら、とりあえずどれか書いて投下みてしてはどうだろう。
最近は雑談する人も少ないみたいだし、じっとリク待ってる間に一本できちゃうかもよ。
319男主×エア :04/11/23 15:16:47 ID:wE+VBcNv
神殿の廊下を、二人が並んで歩む。
構造上か、あるいは亡き翔王の加護によるものなのかは解らないが、
日の射さぬこの通路も風が通り空気が淀むということはないようだ。
今もまた、柔らかな風が火照る二人の頬をそっと撫で、通り過ぎる。
その心地よい感覚すら気恥ずかしく思えて、共に交わす言葉もなく、静かな足取りでエアの居室へ。


その部屋へと足を踏み入れたとき、男は驚きを隠しきれなかった。
どちらかと言えば実用主義を伺わせるものが多いとはいえ、
室内を飾りたてる調度類は本殿の無機質で簡素な装飾と比べれば、豪華と言っていいほどであった。
廊下などと同じく明り取りの窓すらなくて、そこだけ敷物のない床の中央に埋め込まれた聖光石が照明代わりだった。
やはり空調は整っているようで石室にありがちな重苦しい雰囲気は感じられない。薄灯りもあいまって、いっそ幻想的と言って良いほどだ。
一介の冒険者とは言えその実力を評価され、また個人的なコネもあって幾度となく宮廷へと足を運んだことのある身だったが、
そこのものに勝るとも劣らぬ柔らかさで足を受け止める絨毯が、どうにも落ち着かない。
その様子が伺えたのか、エアは、しかしどこか満足げな様子を覗かせて、眉を顰めて見せた。
「立派なものだろう?町の民がな、こちらがいらぬと言うておるのに、予言の謝礼にと。
まあ、わらわ一代で受け取った貢ぎ物の数なぞ、多寡が知れておるがな」
じゃがと、あどけない、と呼んでも良いほどに表情を和らげて続ける。
「こうして見せても恥ずかしくはない部屋に出来てそなたを招いたことを思うと、やはり皆へ感謝せねばならぬな。
320名無しさん@ピンキー:04/11/23 15:17:40 ID:wE+VBcNv
……さあ、こっちじゃ」
手招きのように手を差し伸べ、躊躇いのない足取りで寝台へと。
「あ、ああ……」
などと情けない声を立てて後に続く男に、エアは寝台の上で思わずにもクスリと笑い声を漏らしてしまう。
それを手の甲で隠し、
「いや、すまぬな。じゃが、そなたのそんな顔を見れるのも……いや、なんでもない」
促されるままに隣へと腰掛ける相手を見上げながら、あまりに「青い」己の発言を、首を振って否定する。
「ええと……それじゃ、宜しくお願いします」
ぎこちない動作で頭を下げてくる男の様子が、普段の凛々しさとは全くに違い、それがまたエアには妙に可笑しく見えたのだった。
「何、緊張することは無い……わらわとて、初めてなのだから。そうじゃな、まずは……」
しばし天井を見上げ考えていたが、敷布との間に衣擦れの音を引いて体を滑らせる。不意に詰め寄られ、男はなす術も無く──
「……!?」
首にきつく腕が廻され、胸元と、唇に柔らかな感触が。唇を何かが割り開き、己の舌にぬめりを持ってしなやかに絡み付いてくる。
口の中に入り込んできたものが舌であり、ディープキスなのだと気が付いたときには押し倒された形になっていた。
エアが不慣れな接吻に、落ち着ける位置を取ろうと顔を動かすごとに、唇という粘膜同士が擦れ、稚拙な愉悦を互いへと与える。
時折、歯が唇へと、あるいは相手のそれへとぶつかる事も有るが、その痛みすらも快楽の火種となり得るものだ。
互いに絡まりあい、刺激のやり取りを続ける舌に応えてか、唾が沸き、粘りついた水音が響き始める。
淫らな水音が、これまでの──こと性的なものに関しては禁欲的と言っても良い二人の昂ぶりを煽り、
より深く、より深くと相手の唇を求め、互いの背へと廻した腕を、よりきつくする。
321310:04/11/23 15:19:27 ID:wE+VBcNv
取りあえずベロチューまで。凝りすぎて読みにくいだけであんまりエロく無いかもしれない。
でも多分本番もこんな感じなんで、生暖かい目で良いので見てくれると有りがたいです。
322310:04/11/23 15:21:22 ID:wE+VBcNv
> 闇の神亀 様
アトレイア×女主タンを希望してみます∈(・ω・)ノシ
323名無しさん@ピンキー :04/11/23 18:25:45 ID:qTctn/nG
レムオン×女主+略奪愛!

略奪愛が気になるので。
324闇の神亀:04/11/24 00:07:35 ID:nz9Z4uRo
うわぁ、早速リクありがとうございます!w
>318さん、いいアドバイスありがとうございます。確かにその通りですw
実は、フェティものを書いてはみたものの、いまいち楽しめるものか自信がなく、
次作を書くべきかどうか早々に悩んでいたところですw
しかし皆様の予想以上に温かい意見に元気を頂きました…w
今少々忙しい所なのですが、ちょこちょこ書いていずれ投下しようかと
考えております。ありがとうございます。とにかく今は男主×エアに釘付けw
325名無しさん@ピンキー:04/11/29 12:07:11 ID:cTwxk19p
レズとかに走るとノーマルえち嗜好の人が逃げてますます寂れちゃうよ。
326名無しさん@ピンキー:04/11/29 20:43:37 ID:NgelNlex
何もないよりはずっといい
327名無しさん@ピンキー:04/12/01 23:43:29 ID:vAtKILPy
エア様サイコー(゚∀゚)
大変かも知れませんが、続き期待してます!
頑張ってください!
328310:04/12/02 15:03:30 ID:hrSp0kfF
どもす。でも年内は生きてるので精一杯かもしれない状況ですんで、少し余裕無いです。
ぼちぼちと書き進めてはいるんですが、纏まってエロを掛けるほど心に余裕を持てないもんで……
期待して頂いている方、本当に申し訳ありません。
329インテグラル:04/12/02 22:53:30 ID:eeI+YDtr
男主×フレア(?)です。
ああ、どうか怒らないで…


「そう・・旨いよ、フレア・・・」
フレアのアムドゥシアスに、俺はインフィニットしていた。
こういうことが初めてのフレアには、トリックスターは期待していなかったのだが、
予想以上に激しいフレアのアムドゥシアスに俺のシャイニングレオは早くもタワーブレイブしていた。
「どうですか?…気持ちいいですか?」
「あぁ・・・すごく、マジカルステッキだよ・・」
シャイニングレオから顔を離したフレアとしばらく見つめ合ったあと、その視線を未開の森の下へと移す。
フレアのデヴィルゲートからは、既にしぶきの群島がギガバーストしていた。
「その…入れていいかな…?」
フレアが俺の問いにうなづいたのを見ると、シャイニングレオを罪深き者の迷宮へと近づけた。そして、ゆっくりと挿入していく。
「ん…はぁ……っ!」
フレアの身体が硬直したのが、レオ越しにでもわかる。
シャイニングレオのタナトスエッジは、すぐにバリアヴェールにシャドウノックした。
330インテグラル:04/12/02 22:55:48 ID:eeI+YDtr
「大丈夫だから………リフラックスして」
フレアはこくりとうなづく。俺は勢いよく腰を動かし乙女の鏡をファーストブレイクした。
「い…痛いっ!!」
俺はフレアが落ち着くまで、ファニーフェイスに優しく口づけをしていた。
「あの…もう大丈夫ですから、その……続けてください」
痛みに耐えながらも笑顔を向けてくるフレアを愛おしく思いながら、シャイニングレオを中へ進めていく。
「ん…なんだか……変な気分です…」
もう感じ始めたのか、フレアの肌は紅潮し、上気していた。
しばらくすると、フレアはより強い快楽を求め自らデコイダンスしてきた。俺もディテクターの速度を速め、スペルラッシュする。
「くっ…フレア、そろそろクライオスだよ」
「わ、わたしもです……一緒にスパークしましょう!」
フレアの幻惑の洞窟が、一段と強く俺のシャイニングレオを締め付けた。
「あっ、あっ、あっ、だめ……だめ、わたし………いくっ! いくぅ―――っ!!」
「フレア……好きだ!!」
フレアのズォ━(゚∀゚)━ルと同時に、俺もフレアの中にオーラパームをスペルドライブした。
331インテグラル:04/12/02 22:59:44 ID:eeI+YDtr
「うれしい… わたしも―――好きです!」
メンタルゲインを使い果たした俺達は、そのままベッドの上で重なり、深い眠りに落ちたのだった。



はい、終了です。
携帯からの投下なので、PCで見ると改行とかいろいろ微妙かも知れませんが、その辺はスルーでお願いします。
332名無しさん@ピンキー:04/12/02 23:47:42 ID:VkYDRSTA
あえてフレアにするとこが…
ワラタ。グッジョブ。
333名無しさん@ピンキー:04/12/03 02:52:39 ID:8pNHpF0H
ハゲ ワロス
深夜なのに声立てて大爆笑しちまったよ!
GJ!
もうシャイニングレオをつけるたびに思い出し笑いしそうだ。
334名無しさん@ピンキー:04/12/03 12:55:16 ID:Lfsu5//r
はげしくおもしろかったです
335名無しさん@ピンキー:04/12/03 23:04:04 ID:9/U2m/7z
ワラタ、おまい凄いよ!
リフラックスしてとか…上手過ぎるw
336名無しさん@ピンキー:04/12/06 22:49:50 ID:ohY6NgZC
age
337名無しさん@ピンキー:04/12/08 04:33:25 ID:h4jKlr5o
フレアを選んだセンスに拍手
>一緒にスパークしましょう!
っておいw
338名無しさん@ピンキー:04/12/08 06:08:38 ID:4pYQeO5X
さんざん我慢したのにデコイダンスでうどん吹いた。
339名無しさん@ピンキー:04/12/12 01:18:56 ID:CmyRGjCc
うけたー!!!
す ご す ぎ る w
340闇の神亀:04/12/12 01:24:24 ID:CmyRGjCc
310さんに敬意を表して。
アトレイア×女主。
と思ったが女主×アトレイアか…。微妙な展開になってしまいますた;;
長々なんでスレ汚しスマソ。
341闇の神亀:04/12/12 01:25:37 ID:CmyRGjCc
長くなってしまったので、タイトルに番号をつけました。
エロが後回しなので、前フリはすっとばしたい方は25番あたりからおながいしますです。それでもながひ…(;;)
女同士が好きでない方はどうぞあぼーんしてください。誤字脱字、変な所あるかもですが、それもご容赦ください(;;)

しかし女主×アトレイアは永遠のロマンです…(;w;)
では。
今日も朝から暗い部屋の中、アトレイア王女は一人ベッドの上で、彼女が来るのを待っていました。
今日の午後に来ます、と彼女は言い残して行きました。だからといってそれまでにやることもなく、目を覚ましたときから彼女がくるのを待っていたのです。
王女は、一人の冒険者の慈愛と冒険の賜物で見えるようになった目を半ばうつろにさせ、薄暗い壁や天井の隅を見つめ続けていました。
この目が覚めなければと思う日もたびたびあったほどです。そう、少し前までは。

アトレイアの目に光が戻ってからしばらくして、彼女が度々アトレイアの部屋を訪問するようになりました。
彼女が来るようになってから、アトレイアは日付の見方というものを教わり、初めて暦を数えることを覚えたのです。
暦によれば今は冬。彼女は早く春が来たら嬉しいと笑っていましたが、王女は春というものがなんなのか知りません。
今日は彼女が王女に春を教えてくれるといっていた日です。
彼女はうつぶせになって、枕に顔をうずめました。しかし泣いているのではありません。
ただ横になったまま、静けさに耳をかたむけていたのです。
もう眠ることはできません。時間の遅い歩みに心をかきむしられたようになり、目が覚めたきりです。
どのくらい時間がたったでしょうか。
誰にも縛りつけることはできないであろう、あの風のような、いや、
風をも思いのままにする鴎のような女騎士は、この部屋に舞い降りることを忘れてしまったのでしょうか。
と、ふいに誰かが小走りにやってくる音が聞こえて、アトレイアはびくっと頭を上げました。
キィ、と耳障りな声を発して、音の主が走り去りました。ネズミでしょうか。
上体をそろそろと半分起こして耳を澄まします。人の気配はしません。
王女は倒れこむようにふたたび枕に顔をうずめました。
ひとりぼっちで寝ていて、様々なことをわすれまいとすると、体中痛くなり、大きな声で泣きたくなる衝動にかられます。
私が最近、気分がよくなってきているのは、私の闇を忘れさせてくれる人が現れたから……。
そんな思いが浮かび、また沈みしながらアトレイアが何度目かのまどろみを始めたとき、ふたたび誰かが廊下を走る音がしましたが、
半分眠りの渕に立っていたアトレイアには聞こえませんでした。
「アトレイア様!お待たせいたしました!」
ジルがそばへよると、アトレイアは壁に反射するロウソクの光に気がついて、こちらを向き、
目をゆっくりと大きくあけて待ち焦がれていた来訪者をじっと見つめました。
彼女がドアの所に立っていました。彼女はそのまま部屋の中へ入ると、テーブルの上にロウソクを置きその横に数冊の大きいが薄い本をのせました。
急いできたのか、乱れた髪の毛。外の空気を吸って、いきいきとした表情。艶めかしいほど健康的な肢体に、部屋が霞みます。
その体から、ふんわりと外のにおいがするのを、アトレイアは感じました。
「来て下さって、嬉しいです。ジル様、今日もこの前のように、すぐにお帰りになってしまうのですか?
嬉しくて、今、目の前に立っていて下さることが、信じられないほどです。
今見ているのは、私のはかない幻ではないでしょうね…?」
「いいえ、今日は時間があるのです。仕事も入れていません。見てください。ほら、この服にさわってみます?」
アトレイアはゆっくりとベッドから立ち上がりました。
王女のどっしりしたしゅすの服は、足まで届いて、足のまわりにふわっと立っていました。彼女はゆっくりとジルの方へ歩みより、裾をそっとつかみました。
「ごわごわした布ですよね、冒険者の着る服なんです。幻ではないでしょう?
アトレイア様、また、お部屋を暗くしたままで…。せっかく絵本をもってきたのに、このままでは読みにくいではないですか。
せっかく目が見えるようになったのですから、文字を覚えていただければ楽しみが増えると思いますよ。
春の花や生きものが、この絵本にはいっぱいついています。
少しずつ、あせらず文字と、外の季節を覚えていけると思います。」
アトレイアはものめずらしげに首を小さく傾げました。
「まあ…。きれいな絵…。この小鳥はなんていう小鳥かしら?」
「その小鳥はヒバリですね。春になると、外に出てきて、きれいな声で歌いだすんですよ。」
ジルはそういって壁の方を向きました。
「アトレイア様、窓を開けましょう。そうすれば、小鳥のさえずりが聞こえてきますよ。」
太陽は、よろい戸の中まで、いくつもの細い線になって差し込んできていました。
その斜線をたどるようによろい戸を押して窓を開けると、いきおいでほこりを撒き散らした後、
いい香りのするさわやかな風がさっと流れ込んできました。
風が二人を包み込み、部屋に魔法がかかったかのようです。やさしいさえずりが聞こえてきます。
ジルは窓から手を出して、太陽にあててみました。それを見たアトレイアも、おずおずと真似て片手をかざしてみます。
「あったかい…。」
アトレイアは思わず大きく息を吸って、風の匂いを嗅いでみました。その様子を見たジルは、微笑んで言いました。
「アトレイア様、これが外の風ですよ。新鮮な空気です。深く吸ってみると、体がそれだけでいきいきしてくるんです。
このロストールの風に守られて、花や作物がぐんぐん育つんです。」
話に聞き入るあどけないアトレイアの瞳を見て、ジルは村にいた頃の気分になって楽しそうにしゃべりつづけました。
「今日は久しぶりにいいお天気ですよ。ちょっとの間、嵐がやんだんです。
それはですね、春が近づいてきたからなんです!毎年今頃はこうなるんです。
まだまだ先のことですけど、春は確実に近づいてきているんですよ!」
「そうなのですか…!?」
目の見えなくなる前から宮廷育ちのアトレイアは、本当は春のことなどなにも知りませんでしたが、
ジルの無邪気な様子を見て何かに心を動かされるように胸がどきどきしてきました。
「私の故郷では、春が近づくと、苗を育てるために一生けんめい土をならしたり、水のかんがいの準備をしたり、そりゃもう
大混乱で、それで、春になれば、チョウもひらひら、ハチもぶんぶん、ヒバリもぴいぴいばたばた。うたったりわめいたり大変なさわぎですよ。
アトレイアさまもそれをみれば花や小鳥と一緒に歌ったり踊ったり騒いだりしたくなっちゃうと思いますよ。
私の故郷では、春になれば花まつりもあって、アトレイアさまでしたら、きっと最後の儀式の時に使う、
巫女の花かんむりのあの白い花が一番お似合いに…。」
「そんなところまで私はいけるのでしょうか…?」
王女ははるか地平線の方の青色にかすんだ縁を、窓から潤んだ目でじっと眺めながら、つぶやくように言いました。
それは本当に珍しい、ロストールの家々や平地を見渡す広々とした見事な眺めであり、
神々しいほどの美しいたくさんの色に包まれていました。
「さあ…どうでしょうか。王女さまは今まで、御自分の足を使ったことがないのですものね。私のうちはここから、少し、遠くにあるのですよ。
でもきっと大丈夫です。行けると思います。アトレイア様は行きたいとお思いになられたのですか?もしそうだとすれば、私は嬉しいです。」
ジルの言葉にふっと我にかえったアトレイアは、午後の太陽のまぶしさと自分の発した言葉に、とまどったように目をしぱしぱさせました。
「……。行きたいと思ったのでしょうか、今、私…。」
「アトレイア様は、ほんのたまにでも、お部屋や宮殿からでることはないのですか?外へ出たいとお考えになることはないのですか?」
ほとんどしめきりの部屋に、自分まで閉じ込めてすわりきりでいる王女に、ジルは思いきって聞いてみました。
アトレイアは、まだ片手でジルの上着の端をおさえていましたが、それをひっぱり、苦しそうな声で言いました。
「……。よくわかりません。他のところへどうやっていけばいいのかわからないし、行っても何をすればよいのかわかりません。
だからこの部屋にいるのです。外へ出たら、くたびれてしまうので。」
「ずっとここにいては、発見も経験も少ないでしょうし、さぞや退屈ではないのでしょうか?」
「しかたがありません。なんのために私がここにおいておかれていることになっているのか、
私は存じません。おそらく最も簡単だからでしょうか」
アトレイアは、無表情のまま、他人事のように答え、またいつもの遠くをみているようなまなざしになりました。
「エリス様は、人に私の話をさせたがりません。
召使いの方達は、私のことを話してはいけないことになっているようです。
それで、ときおり、私のことを口に出すときは、……………私のことを――。」
アトレイアは、階下の下働きの部屋にうつろな視線を送るように、床の向こうを眺めました。
その無表情のヴェールをかけた目の奥の苦痛を、ジルは痛いほど理解していましたので、
自分の服をつかんでいる彼女の手にそっと自分の両手を添えました。
「……話の中では――。私のことを、こういうのです―――「闇の王女」と。」
かわききって喜びも悲しみも感じられない瞳には、ひとしずくの涙さえありません。
「アトレイア様……。」
「私は生きていれば、病気になるかもしれません。しかしこの闇の中で、そう生きることもできないのかもしれません。
私は、むしろ生まれてこなかった方がよかったのです。」
「!アトレイア様っ……!それは違います……!!アトレイア様は優しすぎますから、こんな……!!」
ジルは思わず彼女の手を握り締め、そのまま騎士の礼をしてその手に口付けました。
なんと言ったらよいかわからず、そのように体が自然に動いたのです。
アトレイアは一瞬驚いた表情を浮かべ直立しましたが、またもとの空虚なまなざしになり、
王女自身にも聞こえるか聞こえないかの喜びとも悲しみともつかぬため息を一つつきました。
ジルは自分に力がこみあげてきたような、それでいて無力になったような、変な感覚に襲われました。
同時に、彼女を愛したい、騎士としてではなく一人の人間として彼女を愛したいという欲望にかられる自分に気がつき、そして今の自身の立場が脳裏に浮かび、
ジルはためらいました。
このアトレイアへの想いに嘘偽りはありません。
しかし、ジルはアトレイアと知り合う前から、ティアナ姫のおつきの騎士としてつとめを果たすよう王妃から厳重に言われていました。
そして、アトレイアと出会うまでは、その任務を申し分のないほど忠実に果たしていたのです。
女騎士のいなかったロストールにおいて、ティアナ様を身体的にも精神的にも支えるジルの存在はとても貴重で、突然ふってわいたリューガ家の人間という、
はたから見れば非常に胡散臭い存在であるにもかかわらず、ジルは特にエリス王妃には非常に気に入られていました。
一方アトレイアについては、今までジルは、ティアナの他に王位継承権を持つ王女の存在すら公には聞いたことがありませんでした。
初めて隠し部屋でアトレイアを見つけたときも、シャリに教えられるまで彼女が何物か知らず、そのくらがりの怪しさと彼女の美しさになにかのまやかしではないかと思わず剣をぬいたほどです。
この、ほこりの積もるほど放りおかれたアトレイアの部屋自体が、ロストール宮廷のアトレイア王女への考えを如実に表しています。
ロストールの貴族達が王女の存在を隠したがっているのは周知の事実でした。
ジルはアトレイアを知っている事を自ら厳重な秘密にしていました。
ティアナ付きの騎士がアトレイアの部屋に通っていることが知られれば、周りは彼女が密かにアトレイア王女に肩入れしていると見るでしょう。
ロストールの至宝、ティアナ姫は絶大な人気を誇る美しい王女です。
ティアナ様は何とも思わなくとも、ジルの行いを周囲が黙ってはおかないだろうことは、深く考えなくともジルにはわかっていました。
ロストール宮廷にはどんな人物が集まっているのか、まだジル自体も把握しかねていましたが、今までの散々な体験から貴族というものに閉口していたジルにとってはろくな集団には思えませんでした。
もし、アトレイアの目が見えている事や、かつジルとの事が知れたら、ティアナ様の周りの人達はティアナの地位を危ぶみアトレイア王女を完全につぶそうとするかもしれません。
エリス王妃をよく思わない人達が―義兄上はティアナ様につくだろうが―これを機にアトレイアを利用してティアナを攻撃し、あげく王権を奪おうと動き出す可能性もあります。
王女と、それに対する勢力の騎士。
ジルの抱えるそれは禁じられた想いでした。
ジルも、ロストールに来た当時心から忠誠を誓ったティアナ様自身には、悪い感情をもっているわけではありませんでした。それどころかお互い熱く慕いあい、ロストール王宮では唯一気兼ねなくつきあえる女友達でもあったのです。
およそ王女らしさをみせない屈託のない笑顔でたわいのない話に花を咲かせ、別れ際にはいつも自分の旅の成功を祈って愛の女神に祈る光の天使。
しかし、アトレイアと出会ってから、ジルの中で何かが変わってしまいました。
「もっと、窓をいっぱい開けてみましょうか。そうすれば、この部屋も明るくなってきっと何かが変わりますよ。」
ジルは、ほこりの落ちるままにもうひとつの小さな天窓も開け、
他に窓はなかったか薄闇の部屋の中を目を凝らしてぐるりと見渡しました。
すると古めかしい模様のついた炉棚の、その上の壁に、ひものついたバラ色の柔らかそうな絹のカーテンがかかっているのに気がつきました。
そのカーテンの端をジルは無造作に引っ張りました。しかし、その中は窓ガラスではありませんでした。それどころか、一人の若い女性の微笑んだ目と出会ったので、ジルは仰天しました。
彼女は光って柔らかそうに波打つ髪の毛を桃色のリボンで結いあげ、楽しそうな澄んだ目をジルに向けています。よく見るとその目は、アトレイアの寂しげな目とそっくりでした。
その絵を見たアトレイアの目は、さきほどの外の感動とは別の色を映してみるみる大きくなりました。
「ああ…お母さま!」
アトレイアはしばらく身動きもすることができずに、絵と向かいあっていました。
「お母さまが生きていらしたら、私もっとちがう暮らしがあったと思います。」
ジルは何と答えたらよいかわかりませんでした。
「お母さまはあなたとよく似ていますね、特に目の色と形がおんなじです。」
アトレイアは体の芯が痛むように、母親の方へ体を前のめりに動かしました。
そして、体の奥から搾り出すような声を出しました。
「アア…。お母様…。どうして…。」
彼女はしばらく絵を凝視したまま立ちすくんでしまいましたので、
ジルはまるで彼女とその周りだけ時間が止まってしまったかのように感じられました。
突然、アトレイアは視線を絵から外し、体をかがめ、ひきつけを起こしたように体を激しく震わせました。
ぎょっとしてジルが思わずその背に腕をまわして彼女を支えようとすると、
彼女は自分の頭を抱えている手から、こわばったその指を動かし、
バラの彫刻を施した額に囲まれている母親を指差しました。
「私のことをじっと見ていらっしゃる…。ひとりぼっちの私を見てお母様は笑っていらっしゃる…。
私がかわいそうなときでも、こんなに、にこにこ笑って…。」
「いいえ。アトレイア様、あのお母様は貴女と一緒にいて、
さびしくない時の貴女を見て笑っていらっしゃるのです。」
それ以上なんと言えばいいのかわからず、
ジルはくちびるをきゅっとかんで灰色の壁に目をやりました。
もしもあの忌まわしい事件が起こらずに、この美しいお母様が生きていたら、
アトレイア様の心の支えになっていていろいろなことを楽しくしてあげたことでしょうし、
アトレイア様もお母様と一緒になって、ティアナ様のようなレースやフリルがたくさんの服を着ていたに違いありません。
この部屋のドアも出る人や入ってくる人に何度も開け閉めされ、彼女もパーティーにでかけたり殿方と踊ったりしたことでしょう。
けれどもその方は、もうここにはいないのです。
孤独と悲惨の中へ一人の少女をおきざりにして、ロストールの政争の一つは闇の中に消え去りました。
アトレイアはジルの腕に包み込まれて、自分の両手で頭を押さえ込むようにして背をまるめ、うずくまっていました。
ジルは彼女の長い髪にそっと頬をよせました。アトレイアはうわごとのように何かを繰り返しつぶやき続けていました。
「ああ、お母様、どうして私をおいていってしまったの…。」
「お母様、私、お母様を助けたい、私を助けて、お母様……。」
アトレイアはなおも闇に語りかけます。
「おきざりに…。」
「お体が冷たい…どうして、……。」
「待って、お母様……!」
幼い頃のことを思い出しているのでしょうか。
その無垢な幼女の頃から、今にいたるまでどんな思いが彼女を駆け抜けたのでしょう。
その長い期間の気持ちを知るのは、ただ闇のみなのです。
「エリス様………?」
「彼女……ティアナ…様が………。」
「光……ずっと闇……また闇…光は……。」
「ああ…」
「お母様……アア……ア……。」
「アトレイア様……?」
異変に気がついた時には遅すぎました。
はっとしてジルが自分の腕をアトレイアから放すと、
彼女の体から、黒い霧のようなものがおぞましい気配をみせて湧き出していました。
「アトレイア様!アトレイア様!?」
ジルはもう何も考えられずただ無我夢中で、
叩きつけるような勢いでアトレイアにまとわりつく黒い霧を払い落とそうとしました。
が、それにかまわず払い落とそうとしても払い落とそうとしても、黒い霧はアトレイアの体から湧き出てきます。
それを見た瞬間、ジルは過去にギルドの仕事で同じような黒い霧に出会ったのを思い出しました。
「アトレイア様!御自分に負けては駄目です!!!」
ジルはアトレイアの両肩を荒々しいほどしっかりとつかみ、
無理矢理彼女の顔を上げさせて生気を失いつつある目をはしと見つめました。
「心をしっかりお持ち下さい!
あなたのお母様は貴女を捨て置こうとしたわけではないのです!それに……」
部屋のロウソクが、ふっと何かに揺れるように消えました。
その瞬間激しい気配を感じて、ジルは彼女から体を離し腰の短剣をつかみました。
「……!」
単なる邪気とも違う、しかしジルにとって激しい違和感を感じるこの空気の持ち主。
この見えない相手に向かって、王女を護らんとする女騎士は、
ロストールの兵士相手に使う時の厳しい声を部屋全体にはりあげました。
「シャリ!!またお前か!!!どうしてこのようなことをする!」
顔も感情も見えないままに、返事が返ってきました。ジルの頭に声が響きます。
「ふうん、君こそどうして僕の邪魔をするんだい。僕のやりたいことは
前にもいったはずだろう?」
「アトレイア様に手を出すな!!一体彼女が何をしたというのだ!?」
ジルの問いかけに、無邪気なほど感情の見えない答えが返ってきます。
「何も。でも、そのままで、闇の王女は僕たちに必要とされているのさ。
この王宮よりもね。」
ジルは床と天井の間の空虚に向かってのどもつぶれる勢いで叫びました。
「やめろ!やめろやめろやめろぉっっっ!!」
その絶叫も空しく部屋の中に吸い込まれます。
「王女を、アトレイア王女をそのように言うな!」
激しい怒りと悲しみに気持ちが高ぶり、冷たい汗が健康的に焼けた首筋を流れました。
「これ以上アトレイア様を闇に染めるのはやめてくれ…!
アトレイア様はこのまま闇に置かれるべき方ではない!!」
「ふうん。で、君はどうしたいの?せっかくの闇の王女を、闇から解放しようっての?
それで、どうしようっての。その闇はどこに行ったらいいんだい?
それとも王女の闇を倒す気かい?闇を殺すつもり?」
からかうようにシャリは続けます。
「ふふっ。王女の闇は王女自身のものさ。彼女から生まれ、彼女の中で生き続ける。
闇の王女から闇をなくしたら、終わりだよ?」
「そうではない!アトレイア様は、闇を遠ざけたり殺したりはしない!
アトレイア様は自分の闇を自分の生きる力に変えられるお方だ!
お前に利用されなどしない!」
ジルが叫んだその瞬間、部屋の中のものがとたんに静まり返ったような気がしました。
壁の絵にかかっているカーテンのみが妖しく揺らぎ、闇の中に人の輪郭が浮き上がりました。
その人影は、かげろうのように揺らぎながらしだいに異国の服を身にまとった子供の姿へと変化していきます。
ジルは、きつく唇をかみしめ、短剣を握り締めました。
「シャリ……!!」
「待ってよ、無限のソウルと戦う気はないよ。」
あいかわらず遊戯を続ける幼児のような調子でシャリは話しかけます。
「かわりに、王女の心の闇と遊んであげなよ。王女が気のすむまでね。
でも、さっきいったように、王女の闇は王女自身だからね、闇が傷つけば彼女も傷つく。
ま、せいぜいがんばりなよ。」
シャリが最後の言葉を言い放った途端、周囲に黒い霧が一気にたちこめ、
ジルがその中で目をこらそうとしたときには、部屋にジルと闇に苦しむ王女二人きりを残して、
彼の姿はかき消えていました。

「ウウッ………!!」
アトレイアの「闇」はまだ消えずに彼女の周りで激しい邪気を出しつつ湧き続けていました。
ジルはその闇を引き剥がそうと、腕を伸ばしました。
「!!!……アアーーー…っ!!!」
激痛が、のどをひきさく叫びと共にジルの全身を貫きました。
とびのいて腕を見ると、闇に触れた部分が焼けただれたように
赤黒く変色しています。痛みが脈打つように脳天までつきささります。
「アトレイア様……。」
「ジル様……アア……ア………。」
闇の王女はうめきながら床に両手をつき、闇とともに苦しみに身を置いていました。
ジルは自分の腕にかまわず彼女に呼びかけました。
「アトレイア様!大丈夫です!!アトレイア様は…。」
「アア…ジル……サマ……。」
アトレイアは、自分の闇をまとったまま、ジルの方に這いずるように身を動かしました。
「アトレイア様?」

「……サ………ジ…ルサマ…」
「私を呼んでいらっしゃるのですね?私はここです。どこにも行きませんからね。」
ジルは王女の心になんとかして語りかけようとしました。
「流れの冒険者からきたような女騎士ですが、アトレイア様に絶対の忠誠を誓います。
貴女を何があっても、何がきても、お護りします!」
「ジル……サ…ドウ……テ……ワタシニ……」
たくさんの針でたえず刺し抜かれるような腕の痛みに耐えつつ、ジルは、王女が自分に必死で何かを訴えようとしているのに気がつきました。

「ドウ…シ…テ……ワタシニ……ヒカリ……ヤミ……ワカ……ナイ………。」
「………アトレイア様。」
苦しげなアトレイアを前に、ジルは押さえられない熱い気持ちが一気に噴き出してくるのを感じました。
今、彼女が自分の名を呼び、助けを求めている。
しかも彼女にその苦難のもととなった光を与え、闇を教えたのは自分なのです。
王女が光と闇を受け入れるため、この自分を知る苦痛を乗り越えて、
彼女自身を生きてもらうために、自分には大いなる責任がある。
ジルは、熱っぽく潤んだ瞳で王女をまじまじと見ました。
王女自身の苦しみを抱えて、たどたどしいほどの声ですがるアトレイア。
ジルは、初めてアトレイアに出会った時と同じ、熱い激しい想いにつきうごかされ、
突然彼女の闇ごと彼女をきつく抱きしめました。
とたん、部屋中にどす黒い音が響き、激しい痛みがジルの全身を貫きました。
しかし、ジルが感じていたのは自分の痛みよりも彼女の痛みでした。
強く抱きしめられて、びくりと大きくアトレイアは体を震わせました。さらにジルはアトレイアをしっかりと抱き寄せ、
王女の震える唇に優しく、しかしありったけの情熱を込めて口づけをしました。
「アトレイア様…。」

その瞬間、不思議なことにアトレイアの瞳にみるみる生気が戻ってくるのをジルは見ました。
「ああ…ジル様!ジル様!!ああ!ああ!!」
ジルの情熱的なキスは、アトレイアの疲弊した精神を、水をあびせかけたように目覚めさせました。われもしらずアトレイアは、息をのんでジルを仰ぎ見ました。
アトレイアは全身の力がぬけたようになり、両手をジルの方へいっぱいに差し出しました。それと同時に、
王女の周りを厚くとり囲んでいた闇の気配が、まやかしだったかのようにすっとかききえるように消えていくのをジルは感じました。
「う………ふぇ…ジル様……。」
今まで彼女の体を縛っていた闇が解け、体中の神経が一気にゆるんで、アトレイアの両の瞳から涙がとめどなくあふれてとまらなくなりました。
それは、闇の呪縛から自分自身を解き放つことのできた、安心の涙でした。
アトレイアはジルの胸の中で、全身を震わせて涙をふるいおとすように泣き続けました。ジルはその涙を一滴もこぼさせるまいとするように彼女の瞳のふちに
キスし、頬にキスをし、白く柔らかい首筋にキスの雨を降らせ、王女を全身全霊で包みこみました。

「ジル様…うっ…私は……うっ………もう……大丈夫…です。」
「アトレイア様、私を助けていただいて、ありがとうございます。」
「違います!私は、ジル様を傷つけてしまいました。その腕、そのお体……。」
ジルは彼女を抱きしめる手に優しく力を入れました。
「いいえ、いいえ、アトレイア様が、私を助けてくださったのです。アトレイア様には、私を救う、その力が
こうしてあるのですよ。」
アトレイアは、ゆっくりと、長いため息を少しずつ、何回か吐き出しました。
そのたびに、安心の気持ちが徐々に彼女の心を満たしていくのを
ジルは感じ取りました。
「ふふ、初めて会ったときの事を思いだします。私は、王宮の隠し通路で、なにげなくそばの壁に手をかけたのです。
そのとたんに、おもわずぎょっとしてとび下がっちゃいました。
その崩れかけた瓦礫の山のかげはドアで、その向こうには小さな部屋のようなものが続いているのですから。
私は自分が夢か幻をみているのではないかと思いました。
その向こうには、この世のものとは思えない、とても神々しく美しい…王女がいたのですもの。」
「ジル様、美しいなんて……」
「いいえ、アトレイア様はとてもお美しい方です。そのお顔も、そのお髪も、そのお体も、そのお心も、何もかも。」
「違います!私は…ずっと闇の中にいて、病気なのです。体中にできものがあって、変で…それに、ほら、こんなに震えるのです……震えが今も止まらないのです。」
「アトレイア様は病気なんかではありません!!」
ジルが突然声を荒げたのでアトレイアはびっくりして顔をあげました。ジルはその不安やまない顔をまっすぐ見つめました。
「震えがとまらないのはお体が冷えていらっしゃるからですよ!ほら、手もこんなに、氷のように冷たくて、この頬も、肩も冷えておられて…」
ジルはアトレイアの手や、頬や、体をいとおしそうに何回も撫ぜました。
「今日はまだ湯浴みをなさっていないのでしょう?侍女を呼んで、湯浴みをなさったほうがよろしいですよ。
湯浴みで体が温まれば、この震えもおさまります。」
アトレイアは震えを少しでも抑えようとするように、自分の体を抱きしめた。
「侍女は…私の目が見えるようになってから、暇をとらせています…。」
「そういえばそうでしたね。
では、私がつきますから、一緒に入りましょう。
アトレイア様が病気かそうでないか、他の方と変わっておられるか
そうでないか、この私がきっちりと見てさしあげます。」
ジルはそう言って、アトレイアの肩より下のすらりとした流れるようなラインを、やや古びた、しかし高級な布地の上から確かめるようにそっと撫で続けました。
アトレイアは、決められた侍女以外の人間に裸体を見せたことはなかったので、
かすかな上目づかいでジルを見ました。
乙女の恥じらいから、すぐには返事をしかねたのです。
しかし、闇から逃れた自分を見てみたいと思っている気持ちが、大胆にさせたのかもしれません。
まずそろそろと両足に力を込め、床の上に立ちあがりました。
二人は浴室の中に入り、なんともいえない恥ずかしさにお互い一瞬、顔を見合わせました。しかしその気持ちを押し隠すように、ジルは自分の服を手早い動作で脱ぎました。
護身用の短剣やら服の止め具やらが鈍い音を立てて隅に置かれ、冒険者のごわごわした質素な服が足元に脱ぎ捨てられると、
あつぼったい布から解放されたとばかりの生き生きとしたつややかさで、豊かな胸と、しまった腰、そして、はりのある太股があでやかにアトレイアの眼前にさしだされました。
ランプのほのかな明かりをうけて、端々を激戦の傷跡で縁取られたそのきらめきが、痛いほどのまばゆさでアトレイアの目にしみます。
自分の肢体をみたアトレイアが、真っ赤になって、視線をはずし、うつむいたのにジルは気づきました。
「アトレイア様…、すみません。冒険者とは文字通り危険がつきまとうものですし、騎士もまさにそれが勲章ともいわれるほどに生傷のたえない身分なのです。
といっても、私の場合は、九割方冒険で無茶ばかりした傷なんですけれどもね。王女様には御見苦しい体を見せてしまって、申し訳ないです。」
アトレイアは返答に困って少しの間視線を泳がせていましたが、しかしジルの顔をしっかりと見つめなおして素直な気持ちで答えました。
「いいえ。あまりにジルさまのお体がお美しいので、真正面からはとても、自分が恥ずかしくて見られなかったのです。
ジル様の体は、私とは全然違いますので……。ジル様のお体は、まるで……。暗雲をかき分けて大地を照らす朝日の光のようです。」

ジルはその思いがけない言葉に、その白い太股から首筋まで真っ赤に染めて、息もできないほどの気持ちに喉をつまらせ、
しらずしらずの内に涙まで自分の頬をぬらしていることにも気がつきませんでした。
「アトレイア様……。私、今まで誰かからそのような言葉をかけられることがあるなどと、思ったこともありませんでした……。
あれ…まだお湯もかけていないのに、私の顔、濡れていますよ。悲しくなんてないのに…、私、どうかしてしまいましたね。」
彼女はそのてきぱきした動作で王女の服も脱がせようとしましたが、
平民達の普段まとう仕事着ならいざ知らず、その作業には思いのほか手間取ってしまいました。
なにせジルは今まで一度も貴族のドレスというものを人に着せたり脱がせたりということをしたことがないばかりではなく、
何かのおりに自分がそういった衣装の必要な場に出席しなければならないときは、
たいてい男物の服を着るか、(何せこの国には騎士の衣装は男物しかないのだ。)そうでなければ数人のメイドに取り囲まれ、
すったもんだの格闘の末に、これならモンスターの相手をしたほうがましとひいひいいって、
何がなんだかわからぬうちにきついドレスに身を押し込められるような忌まわしいケースしか記憶にありませんでしたので、
王女の服を脱がすのに大変な難儀がかかってしまいました。
そうしながらもジルは、闇が今まで周りの何物からも遠ざけ守ってきた宝を開けるような感覚に、すでにその裸体を紅色にほてらせていました。

何とか脱がせてあげようとして、あちこち布をひっぱったりもどしたり、紐をのばしたり絡めたりとして、
ひどく時間がかかりましたが、なんとかかんとか王女の服をジルがそろそろと脱がせていくと、
華奢な鎖骨からするすると布が下がり、厚ぼったくて重いドレスがゆっくりと床の上に折り重なって、気品のある薄いベージュ色のドレスの中から、
その帯の締め付けから放たれて、ミルクのようにきめの細かい肌が表れました。
そのほっそりとした白く輝く肢体を見たジルは、思わず感嘆のためいきをもらしました。
「アトレイア様、何と美しい…まるで朝の海に洗われた真珠のようにまぶしく、なめらかで…、素晴らしく綺麗でいらっしゃいます。」
生まれて始めて自分の姿を美しいと言われたアトレイアは、その信じられない言葉に驚愕といえるほどの衝撃を受けてわなわなと体を震わせていました。
鏡をごらんになりますか?と言いたげにジルは細い腰をよじって鏡をさがそうとしましたが、鏡は一枚もありません。
いや、人の姿を映せる状態にあるといえる鏡は一枚もない、と言ったほうが正しいでしょう。
部屋の鏡はみな、割られていました。アトレイアが自ら割ったのです。視力の戻った眼で今の自分の姿を見てしまうことは、アトレイアにとっては耐えがたい苦痛でした。
しかしその急に自分の信じていた見方を変えられたとまどいに、アトレイアの顔にもあつい涙がほとばしります。
二人はお互いの姿に打たれ、言の葉も湯気と一緒にどこかへ舞い散ってしまったかのように、ただただ相手の生まれたままの姿を見つめあっていました。

「アトレイア様のお体は象牙のように白く、鳥のように優美な形をもっていらっしゃるのですね。」
ジルは思わずまた彼女を抱きしめました。アトレイアは遮るものの一切無い
肌の感触をじかに感じて、驚きとともにうっとりとした表情を顔いっぱいに浮かべました。
「ジル様…。ジル様は、とても柔らかくて、外の匂いがします。」
「ふふ、傷だらけの体ですよ。
しかし、血なまぐさい戦を村々に撒き散らして、日々の人びとの生活を脅かすようなまねは、なんとしても避けるようにしています。
それに今のロストールの女騎士はディンガルと違って、謁見の間や会議室の円卓の上が戦場みたいなもんですからね。」
「ジル様はいい匂い…。花のような匂いがします。なんのにおいでしょう?つめたくて、でもあたたかくて、とっても甘い匂いです。」
「それは風のにおいです。」
ジルはま白の肌に白い泡をのせながら、話し続けました。
「小鳥やリルビーや人間や、みんなのいる街に吹いている風のにおいです。」
ジルは白い湯気に紅色に染まりはじめた顔で、微笑んで見せました。
「さあ、あちらを向いて、背中をお見せ下さい。」
「は、はい…」

「アトレイア様のお体を見ながら、隅々まで洗って差し上げます。」
そう告げるとジルはていねいに王女の体を調べ始めました。熱心に彼女の体をさすり、うすぐらいランプに照らされながら、
ほとんど手探りで彼女の髪の毛、うなじ、肩、腰、足と、すみずみまでいとおしさをこめて撫でまわしました。
「あ、ジル様…。あたたかい…。」
王女は自分とは違う体温の擦れ合うのに感じて、不思議な感覚になり、後ろから見えないジルの手が彼女の体を滑らすたびに、心臓のどきんどきんという音が、ジルの耳にきこえてくるのではと思いました。
「私の体は他の人とは違うのでしょうか?ずっと闇の中で暮らしていたので、
何か重い病気があるのではないでしょうか?それで外に出ようとすると体や頭が痛くなるのでは
ないのでしょうか?いつもそうで、それで、決まって最後には、立ち上がれなくなってしまうのです。」
「あまり歩かず、お食べにならないから、お背中がほんの少し弱っていらっしゃるのですよ。」
「でも、腫れ物が、体に……」
ジルは神妙なほどにアトレイアの背すじや腰を指先でまんべんなくさすってみせた。
「お痩せになっているので、骨がほんのちょっぴり出ているだけです。これは腫れ物なんかではありませんよ。今度はこちらを向いていただけますか?」
ジルは話しながら、向かい合わせになった王女のいたるところに泡を伸ばして丁寧に優しく包むように洗い始めました。
ときおり二人の目があい、その視線は熱っぽい輝きでお互いにからみつつ、また恥じらうようにはなれ、再び交錯を繰り返すのです。

「アトレイア様は何も病気ではありません。部屋の外の事を考えるとあちこち痛みはじめるのは、不慣れからくる不安ですよ。
外の空気に慣れれば、そんな痛みは徐々に、気がつかぬうちに消滅するでしょう。」
彫刻を施した柱にかこまれた浴室の中は、小さなランプがただひとつ灯され、
ときおりそのゆらめきに、お互いのやわらかな肢体が映えて浮かび上がる他はほとんど闇に包まれている中、
なかば手探りで王女の体を、まるでロストール唯一の国宝を扱うような丁重さで優しく丹念に撫でるように洗い続けました。
ときおりジルの手がアトレイアの柔らかい胸や脇に伸びてこすれ、王女はあえぐような声を出しました。
「ああっ、ジル様……。なんだか、くすぐったいです。いい気持ち…。」
「ああ、アトレイア様、この流れる水も、泡も、アトレイア様の曲線の間で、こんなにも楽しそうに遊んで流れていらっしゃる。」
闇に浮かぶ白い泡のあいまからは、牛乳に果実の汁を溶かしこんだように
ほんのりと二人の桃色の唇、肌、そして揺れる乳房の先が見え隠れしています。
王女の体を磨くように洗いながら、合間に彼女自身も手早く体を洗い湯をかけ流すと、ジルは王女にも頭、そして首筋からゆっくりお湯をかけはじめました。
そして、温かいお湯に濡れてつやめいていく彼女の髪と、それがかかりおちている肩、そして鎖骨やほど良い大きさの形のいい胸などをいとおしく触り、
撫で回しました。そのふくらみの先のやや小さめの乳輪にお湯をかけると、まるで摘みたての果実のように、きらきらとその突起が光ります。

アトレイアは気持ちよさげにうっとりとその長いまつげを頬にかからせています。縁にユリの模様のついた桶を傾けながらときおりジルは、そのまま彼女がうとうとと寝入ってしまうのではないのかと思いました。
泡を流しきり、泡をのせる前より血色がよみがえったアトレイアの肌はさきほどとはまた別の魅力を輝かせていました。
ジルがアトレイアの髪の毛を端々まで撫ぜていると、自然とアトレイアの顔にジルの豊満な胸がはからずも密着する体制になりました。
「ジル様の、気持ちいい、……」
ふと、眠ったようにも見えていた王女が口を開いたので、ジルは自分がうたたねから引き戻されたような気持ちになりました。
「私の何がですか?」
アトレイアは自分の両手を握り、もじもじと首筋を動かしました。
「ジル様の、あの、………、が………。」
「私のような…女騎士めのおっぱいが、気に入ったのですね。興奮するのですか。」
顔を紅潮させて、思いきりこくこくとうなずいたアトレイアは、熱っぽい瞳をさらに潤ませた。
「胸が、柔らかいです…。私とは違って…。」
「いえ…。アトレイア様のお胸も、柔らかな花の蕾に美しくて素晴らしい…。
アトレイア様は、とても、形の良い乳をしていらっしゃいます。淑女のまとうドレスで綺麗に整えられ続けていたのですね。」
王女は紅く染めた頬を上げてゆっくりと上目づかいになってジルを見た。
「触っても、よろしいですか…?」
「ええ……。もちろんですとも。」
アトレイアは、おずおずとその白魚のような指先を、ジルの豊かな乳房にすべらせた。
「ジル様の、大きくて、とてもやわらかいのですね。
………私のお願いを聞いてください。
今だけ…今だけ、私を子供のように甘えさせてください………。
こうしていると、ジル様とこうしていると、私は外の世界が見えるのです。ジル様の体験したたくさんの冒険が私にも見えます…。
この宮廷の隅の薄暗いくぼみから遠く離れて、自由な旅を感じることができるのです。」
そういうと淑女を脱ぎ捨てた王女は女騎士の豊かな胸に顔をうずめ、まるで赤子のように無心に彼女の乳房を自分の頬でゆっくりと下から上へともてあそび、
やがていきいきとした張りを持つその敏感な先端にそっと唇を寄せました。

「ん……あっ………。」
ジルは彼女の細い体にしっかりと手をまわし、その弾力性のあるふくらみに半ば無意識にアトレイアをさらに踏み込ませようと彼女の頭をいとおしげに撫でました。アトレイアの柔らかい髪がジルのなめらかな体をくすぐります。
いっそう体をよせあい舌でちろちろと乳首を舐めはじめるアトレイアに、しかしジルはふいに我にかえりました。
「アトレイア様……。いけません……。私は…。
一介の騎士が、王女さまとこうしている資格などないのです……。
どうして、どうしてこのようなことをしでかしてしまったのでしょうか。」
「ジル様………?」
「……ああ、ああ、でも、しかし、それでも喜びを感じる私がここにいます…。……私は自分がわからない…。こんな行いに走るべきではないのに………。」
それでも快感を感じてしまう自分に、ジルは己を見失いそうになっていた。
そして、アトレイアの形よく膨らんだ胸に手をかけ、何度も何度も撫でまわした。
「ああ、アトレイア様、どうしてそんなにじっと私を見るのです?」
さきほどから乳房をもてあそびながらもひしと自分の顔へ向けているアトレイアの瞳に、ジルは言葉をかけた。
「本当のような夢ではないかと思うからです。」
アトレイアはたまらないような声を絞り出しました。
「ときどき、目を開けていても、目が覚めているとは思えない時があるのです」
「私たち二人ともはっきりと目が覚めているのですよ」
ジルはそういって、薄暗い部屋の隅だの、湯に濡れた床だの、ぼんやりした浴室のランプの小さな光だのをながめまわしました。
そしてゆっくりと、視線を、アトレイアのつややかな、お湯の温かさに色めいた肌に移し、そのみずみずしさを得た頬にキスをしました。
「本当に夢のようにも思えますが、しかし、はっきり私たちは目がさめているのです。」
「夢でなければいいのに…。」
アトレイアはなおも、もどかしげにささやきました。
そして清らかに澄んだ瞳にいっぱいに開いて、ゆっくりと、花がひらくように微笑みました。
しかしその露のように透き通るような瞳には切なさを浮かべているのがジルには見えました。

ジルの脳裏に、まぶしく笑いかけるティアナが浮かび、今、目の前のアトレイアの花のような微笑みがかさなりました。
無心に愛撫を受けるアトレイアの、つややかな髪のゆれをみつめながら、ジルは乱れる思いにそのやや薄めの唇を強くかみしめていました。
ロストールの国は王権が命です。
ティアナに絶対の忠誠を誓っている騎士が、このようなことをしているということが知られれば、
この王権、ロストールを脅かすようなことになるかもしれません。
そうなれば義兄上にも迷惑がかかるのでしょうか。
いや、むしろ義兄上のこと、王権に混乱を生じさせ機を得たりと、とんでもない行動に出るかもしれません。
ジルは、政争にまきこまれて苦しみ続けたアトレイアの、
幼いときより全人格を打ちひしがれるほどの悲しみを想いました。
これ以上の悲惨を生み出さないためにも、
これから先の政争は何としてでも避けなければなりません。
それがジルの心奥深くに根ざした決意だったのです。
しかし、王女を愛すれば愛するほど、その争いに歩みを進めてしまうのではないかという不安に、ジルは身が引き裂かれる思いでした。

ジルの胸には、また、世の中を知らない無垢な王女に、どうにかしてのびのびと外の世界を見て欲しい、飛び立ってほしいと強く望む心とはうらはらに、
あたかも彼女を独占したがっているかのように彼女を求めてあつく焦がれきっている己のこの身にも戸惑っていました。
自分は彼女を愛している。だから世界を見て欲しい。
しかし、そうしたら彼女がそのままどこか遠くに行ってしまうのではないか……。
このまま彼女の前にいるのは自分だけであってほしい……。
それは自身の奥深くからとめどなくあふれるどうしようもない感情でした。
「いっそのこと、あなたに会わなければよかったのかも知れません。」
ジルの体を無心にもてあそぶアトレイアの口からこぼれる言葉に、ジルはどきりとしました。
「あなたに会わなければ、私はこんなにも苦しまずにすんだ…。闇の中で、何も知らずにいることができました…。」
手に沿うように柔らかく変形する乳房を愛撫しながら、アトレイアの目からとめどなく涙があふれました。
「うっ…う…ひぃあ……あ…。」
「アトレイア様………うっ……。」
声無き声を振り絞り、ジルも静かに涙を流し始める。
二人はそのまま、愛撫の手も止め、しばらく涙の流れるままにまかせていた。

「ジル様……。」
ひとしきり涙を流しきるとともに、今は心の闇を乗り越えたアトレイアは、思いのたけをジルにぶつけました。
「ジル様、ジル様がいなければ、私はさみしいという気持ちを知らずにすんだ…
何も知らずにこの部屋で、いつか闇に消えることだけを考えていることができた…
けれど、ああっ!ジル様が来て、私は自分がわからないことがわかってしまいました!……。見なければよかった。知らなければ楽でした!
自分の姿を!自分の力を!光を得て、自分の闇を見てしまいました!」
ジルは何も言わずお互いの流しきった涙も拭わずにアトレイアをさらに強く、しっかりと抱き寄せました。
ジルの体温に包まれて、アトレイアはジルの胸に顔をうずめましたが、体を震わせ目はしっかりと開けたまま続けました。
「しかし、私は、何があろうと、何にも誰にもジル様を傷つけさせません。
私は弱い存在です。悲しいことですが弱くてはジル様のために生きる事はできません。
それでも、………、私はジル様のために生きたいと思うのです。
ジル様は私の大切な人ですから。
でも、私は、自分の力がいまだわかりません。
それとも、やはり、私は、もう、終わりなのでしょうか。」
ジルは王女から体を離し、彼女の瞳をまっすぐに見つめた。彼女も震えと不安を必死でおさえようとしてその瞳を見つめ返した。
「いいえ。アトレイア様にはご自分に逃げず向かい合える強さがあります。それで充分です。」
「ジル様……。」
アトレイアはジルの首に思いきりひしと抱きつきました。
しかしアトレイアを受け止めたジルは心の中で決意を固め、優しく、けれど弱々しげに微笑みました。
「アトレイア様……もう……やめましょう。
これ以上アトレイア様を苦しめたくはないのです。辛い思いをさせたくはないのです、アトレイア様だけには!私は間違っているのでしょうか?
お放し下さい、その手を。お願いします……。」

アトレイアは、まだジルのふくよかな胸に赤子のようにむしゃぶりついていましたが、首をすっくとあげ、
柔らかな彼女の体に両手でしがみつき、自分の方へさらに引き寄せるようにして激しい目つきで彼女を見据えました。
その時、アトレイアの瞳に、うまれて初めて燃えるようなまなざしが宿りました。
「だめ。いなくなったら、私は貴女のことを夢だと思ってしまう。
もしも、貴女が本当の人間だというのなら、もっと…続けてください。
貴女のことを知りたいのです…。」
言い募るアトレイアのまなざしの色に、ジルへのひたむきな想いが満ちています。王女への耐えられないほどのいとしさが、その時ジルの全身をつらぬきました。
ジルは自分でも気がつかないままに、彼女の名を呼び続けていました。
「ああ、アトレイア様。アトレイア様。」
声いっぱい、体いっぱいに王女への愛を叫びながら、力のかぎり王女を抱きしめました。
同時に、下腹部につきあげるような激しく燃えるものを感じていました。

「アトレイア様………。」
ジルはアトレイアにとろけるほどの長い、深い口づけをし、彼女の口の中深くまで舌を這いこませました。
「ああっ…あんっ……っ」
「う…………ふっ……。」
「あ……ふう…あ…っ。」
柔らかな唇をためらいがちに放すと、お互いの唾液がゆっくりと糸をひいて二人を結び続けています。
どちらからともなく二人の白い指と指が優しく絡まりあいました。
「ああ…ジル様っ………・。」
ジルは王女の白い清らかなうなじにもキスをし、そのまま肩から体へと唇を、そして指も走らせました。
そして膨らんだパイの上の果実をつまみとるように彼女の乳首を細い指と指の間に挟み、コリコリと優しく指先を動かしました。
「やっ!ああーっ!イヤっ、あーん!」
今までに想像したこともない快感に身をよじらせ反応するアトレイア。
「あっ……。おいやなのですか?それならばもういたしませんが…。」
「イ、イヤ、いいえ、それはイヤなんです、やめるのは、いやなのです。続けてください、お願いです……。」
狼狽して、それでも真っ赤な顔で懇願するアトレイアのこのうえもないかわいさに微笑むジル。

「アトレイア様…。ええ、もちろんやらせていただきます。」
ジルはアトレイアの乳首だけでなく、肩や腹と、周りのいたるところも揉み、さすり、愛撫した。
「ああ……気持ちいい………もっと…、もっとお願いします………。」
アトレイアの長らく凍てついていた感情が溶け出し、水を得た魚のように欲望が生き生きと動き出します。
「アトレイア様、もう他の何がどうなってもかまいません。……愛しています…。」
女騎士のその手は王女を放したくないとばかりにたえず彼女のいたるところを愛撫していました。
「はあ……ん……空を飛んでいるよう………。ジルさまとこうして………。」
水に濡れてなめらかに滑るお互いの肌と肌の感触にこのうえもない至福を感じる二人。
「うっ…ふ…もっと……。」
「あん……あ……。」
やがてジルはアトレイアのほっそりとした上半身から、初々しく美麗な曲線をなぞり下腹部へゆっくりと手を差し伸べました。

「ん………。」
まず形のいい彼女の尻にゆっくりと焦らすようにじっくりと指を這わせ、ジルは言いました。
「さあ……、ここも丁寧に洗わせていただきます。」
そして、アトレイアの花びらのような、対になった両のひだに指先をかけました。
「あっ……。」
彼女のひだの間は、アトレイアの肌よりもいっそう高い体温でジルを包みます。
尿道の先や奥の割れ目の端に触れられると、何とも変な感じがして、アトレイアは思わず足をすくめました。しかしジルは強引に足を開かせ、
奥の割れ目の端から、アトレイアの中へ、滑るように人差し指の先を侵入させました。
「ふぇ……はぁぁん……。あぁん………!!」
「アトレイア様……。初めてお会いしたときから、私は……。
貴女の闇を見つめる瞳に私を映したかった……。」
そうつぶやいてジルは彼女の、生まれてからずっと闇の中秘められていた割れ目の、その中をかきまわしました。

「あん、ああっ、ああっ!」
ぐじゅ、ぬぷっ、じゅぐっ………。
そこはすでに濡れきっていて、王女らしからぬいやらしげな音を立ててジルをより中へと迎え入れていました。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ。」
ジルの指が、吸い込まれるように1本、そして中指の2本目と、その縦に割れた深い彼女の中に引き込まれていきました。
「あーっ……あーん…ふぅぅ……んん………。」
アトレイアはとろけるような視線をジルに送りました。
じゅぷっ……。
滑るようにジルの2本の指が深く入っていきます。
「ああっ……。」
「アトレイア様のなかが、とても温かくて、きゅうきゅうと締め付けられます。ああ、素晴らしく、…気持ちいい……。」
ジルはその指を何度も彼女に入れたり出したりと抜き差ししながら自分のヴァギナやクリトリスも片手で激しく擦らせていました。

「アトレイア様……。」
ジルはいったん指を出すと、アトレイアの股間の花びらに包まれた小さな突起に触れました。
そしてそのまま激しく奥から手前へとこすりつづけます。
「ああっ、あん……………あ…。」
「ふぁあん……。ジル様……。ああん………あん……。」
あっというまにその花弁からは蜜がぐちゅぐじゅといやらしいおとをたててあふれ、白い彼女の足の間を滴り落ちていきます。
「ふうっ……んん………ああっ!………。あーっ、あーんっ!」
今までよりさらに激しい快感に突き動かされ、湧き上がる欲望に身を震わせるアトレイア。
ジルの愛撫が気にいったアトレイアはうっとりとした表情を浮かべ、ジルの為すままに体をまかせるだけでなく、もっともっととねだるように腰をよじらせてジルを求めます。

「ああ、ジル様、ああんっ、ああっ、ううっ…!」
次第に感情が高ぶり、しなやかに泡のすべらせるまま腰をくねらせ、甘い声を上げるアトレイア。
「ああっ、あんっ、ああんっ。」
流れる髪が、はげしく波打ちながらジルの胸に乱れてこぼれます。
柔らかい髪がはりのあるジルの胸に触れ、彼女の指の動きをいっそう速めました。
「あああーーーッ!やっ、あーん!」
ジルの激しい愛撫に耐えられず、アトレイアの体は絶頂に達しました。
「アアアーーーーーっ!!」
アトレイアのやわらかな股間からほっそりした足元へ、しずくが光って滴り落ちます。
アトレイアは快感の激しい波に打ち震えた唇を開きました。
「どうしたらよいのでしょう、ああ、おしっこが……。私、わたし、おもらししてしまいました!私はやはり病気なのですか!私の体は、一体どうなってしまったのでしょう!!」
「いいえ、おしっこではありません。病気などでもありません。私が綺麗にしてさしあげます。」
ジルはそういうと、アトレイアの恥部にゆっくりと舌を這わせ、ぺろぺろと舐め始めました。柔らかい温かいその唾液の感触に、アトレイアは再び絶頂を迎えそうな快感に震えました。
ランプの薄明かりにすかして、お互いを見上げ、深淵なる闇の底からくみ上げた生きる力をふりしぼり、からみあう二人。王女の恍惚とした表情で、瞳いっぱいの微笑みは目を見張るほどまぶしげでした。
やさしくうるんだ彼女の瞳は、もう剣も魔法も争いも、ただならない雲行きに追い込まれていく王宮のことも、忘れ去っていました。
ただ、王女の姿のみが、心いっぱいに広がっていきます。
アトレイアのほうも、胸の奥に密かにしまいこんでいた、争いさえなければ自分もそうだったかもしれなかったティアナ姫の華やかなありよう、エリス王妃への母親殺しの嫌疑、暗闇に支配されていた時間や今までの闇に縛られていた自分などもきれいに忘れ、
ただこの女騎士とともにいたい、彼女のかけがえのない支えになりたいという想いでいっぱいに満たされていました。

「ジル様、今日のこと、私一生忘れません。」
寝室のベッドの上で、アトレイアは、古びてはいるが洗いこまれて清潔なビロードの寝巻きにくるまって、
一面に細かい刺繍をした大きなクッションによりかかっていました。
浴室を出てから、屈託のない笑顔で二人は語り合い、とりわけアトレイアは、ジルに、故郷の事、どこに住んでいるのか、何をして暮らしていたのか、
旅はどのようなものなのか、自分と同じように世界で一人ぼっちになるような気持ちになったことがあるかどうか、そんなことを聞きたがりました。
ジルはその質問に全て答え、そのほかにもいろいろなことを話して聞かせました。
アトレイアはベッドに座ったまま、じっと耳をかたむけています。特に長く話したのは、旅の話でした。

「ずいぶん長いこといましたね。もう行きましょうか?アトレイア様の目はとても眠たそうです。」
「貴女がいるうちに眠ってしまいたいのです…。」
アトレイアははにかみながら言いました。
「それでは、目をおつぶりください。」
ジルは足台をそばへ寄せながら言いました。
「そうしたら、昔、母がしてくださったようにいたします。」
「わかりました。そうしてください。お願いします。」
と、王女は眠そうな声で答えました。
ジルも彼女を目を覚ましたままで寝かせておきたくありませんでした。
そこでベッドに寄りかかって、アトレイアの片手を自分の両手で包み込み、
小さな声で記憶にある母の子守唄を歌いました。
「いい気持ちです………。」
うとうとしながらもアトレイアはそう言ったので、ジルはなおも歌い続けながら、手をさすっていましたが、みると長いまつげが頬にぴたりとついています。
もうすやすやと眠ってしまったのでしょうか。ジルは静かにたちあがると、ロウソクをもって、音のしないように、部屋を出ようとしました。
すると、衣擦れの音にアトレイアが目を開け、部屋を去る彼女の方に首をかしげて、口を開きました。
「ジル様。ベッドの中で、考える事があるというのは、すてきです。それが楽しい事なのは、もっとすてきです。
ジル様となさった楽しい事が次々に心にうかんでくるのです。私は…とても幸せです。
もう行ってしまわれるのですよね…。ずっと一緒にいられたらいいのに…」
ジルはアトレイアの唇に優しいキスをして言いました。
「アトレイア様はずっと私と一緒です。
これからの私の旅は忘れられないものになるでしょう。
なにしろ初めての旅なのですから。」
「……?初めてとはどういうことですか?今しがたお話なされたように、ジル様は旅ならいつもなさっているのではないのですか?」
「単なる旅なら。しかし私は、他の人の気持ちも一緒に連れて行く旅は初めてなのです。」
「ジル様……。」
ありがとうございます。では、また…。
とアトレイアは言ったつもりでしたが、意識の半分は夢の中に入り込んでいたので、
別れの挨拶をしっかり言えたかどうか、はっきりとは覚えていませんでした。
王女は闇の底で柔らかな光に受け止められて、夢の中で愛しい人に再び会いに行く、初めての眠りについたのです。 
Fin
388名無しさん@ピンキー:04/12/12 02:27:30 ID:8pHgBvBc
リアルタイムキタ!!
しかもレズもん・・・
お疲れです。
良かったです。
389名無しさん@ピンキー:04/12/12 02:30:26 ID:CmyRGjCc
やはし男主×フレア(?)のパンチの効いた作品の後にこれはだるすぎ悪すぎだ。
欝だ氏悩
390闇の神亀:04/12/12 02:32:20 ID:CmyRGjCc
うわっスゴッ388さん早っ!!
391闇の神亀:04/12/12 02:37:23 ID:CmyRGjCc
何だか寝ぼけているのか自分のコメントがおかしひ…。
389は私です。見ればわかると思いますがw
388さん本当にありがとうございます!!(T_T)
392名無しさん@ピンキー:04/12/12 08:08:14 ID:ThVvnSGv
>>389-391
何はともあれGJ
しかし誘い受けとも取れる言葉はあまり吐かない方が良いかと思われ
393名無しさん@ピンキー:04/12/12 10:10:36 ID:+CiCPSe/
>>390
GJ!
かなり気合い入った作品ですな
楽しく読ませてもらいましたぜ。
394名無しさん@ピンキー:04/12/13 05:26:59 ID:RueMSKjx
>>390
読んでてマターリ出来た。何か絵本読んでるみたいだ
特に序盤のやりとりが激しくイイ。
まぁ、あんまりエロくは無いかな… 女体をもっと描写して欲しかったかも
女主の語り口が妙に漢らしくて全体的にワラタ。
395名無しさん@ピンキー:04/12/19 23:43:12 ID:uqTk7Rg7
早く2月にならないかなー
396名無しさん@ピンキー:04/12/20 23:33:17 ID:KmmLDfew
そうだね…。不安もあるにはあるけど、やっぱ楽しみ。
397名無しさん@ピンキー:04/12/28 18:15:43 ID:VbHswLnK
スレが動かない・・・
裏絵板も動かない・・・
サミシイ・・・
398名無しさん@ピンキー:04/12/28 18:21:17 ID:YYf2JmDn
裏絵板どころか表絵板すら廃れてるし。
399名無しさん@ピンキー:04/12/28 23:35:28 ID:VbHswLnK
そうか?
祭り絶頂の頃に比べるとスローペースだが一応動いてないか?
それより裏が〜〜
う〜〜ら〜〜がぁ〜〜
アイリーンも美人になり新ルルたんの評判も上々なのに
サンタさんもエロをプレゼントしてはくれなかった……
400名無しさん@ピンキー:04/12/29 18:10:19 ID:Zq3UgQkq
時期的に仕方ないんじゃないか?
401名無しさん@ピンキー:04/12/31 19:56:12 ID:7cGUr16M
大晦日…。エステルの誕生日だな今日は。彼女のSSは需要有りなんだろうか…。
402名無しさん@ピンキー:04/12/31 20:19:25 ID:1IW8dL21
>>401
おお、神降臨
403名無しさん@ピンキー:04/12/31 20:35:26 ID:1Qos4Z/i
>>401
期待してます
404名無しさん@ピンキー:05/01/01 01:29:36 ID:9HhuUqN0
エステル萌えの自分としては是非是非
405名無しさん@ピンキー:05/01/01 16:51:06 ID:rUhqMtcc
おお。返信ARIGATO。
今は少々忙しいので、正月明けまでお待ちを。
406名無しさん@ピンキー:05/01/06 02:37:10 ID:cNJCEGNV
裏止まってるなぁ…
407名無しさん@ピンキー:05/01/06 23:18:27 ID:P+mZP+ic
そりゃコメ付ける人もいなきゃねえ・・・
408名無しさん@ピンキー:05/01/06 23:38:34 ID:lZ3LO0k7
でもよっぽどうまくない限り
ただの絵にコメントするのって難しくね?
うまくても
スゴー
とかだけになる
となると心の中で思うだけになってしまう
409名無しさん@ピンキー:05/01/07 00:18:27 ID:nWLiBwrz
裏絵掲みんな正月ネタでもっと張っちゃけるかと思った。
408さんの言うとおりコメントつけるのって難しいしね。
410名無しさん@ピンキー:05/01/07 00:39:45 ID:HZqxkXEv
スゴーの一言も書き込まんことには伝わらないんだけどな。
自分も何か面白いこと考えついた時しかコメつけてないや。スマソー

絵描くのもコメ考えるのも同じくらい気力使うのかもね。
絵は体力要る分確実に大変だけど。
411名無しさん@ピンキー:05/01/07 00:47:24 ID:HZqxkXEv
>410 絵は体力要る分確実に大変だけど
 →体力要る分、絵の方が確実に大変だけど。
でした。失敬。
412名無しさん@ピンキー:05/01/07 00:49:23 ID:/Fbv0f5W
上手かろうがそうでなかろうが
レス付けて貰えんのだから描いた人は報われんね
裏は描く気力だけでなく投稿するのにも勇気がいるだろうに…
413名無しさん@ピンキー:05/01/07 03:07:32 ID:+5GP3bXN
>>412
「初春の喜び」さん?
414名無しさん@ピンキー:05/01/07 23:40:19 ID:+5GP3bXN
みんな急に頑張ってるね
415名無しさん@ピンキー:05/01/07 23:45:50 ID:Sa6/QA11
ホントだw
416名無しさん@ピンキー:05/01/07 23:59:43 ID:s/xozn60
>>414
レス付いてるんだからいいじゃん
ひやかしか?
417名無しさん@ピンキー:05/01/08 01:28:24 ID:CgrSZnJc
続くのかな、と
418名無しさん@ピンキー:05/01/10 07:15:21 ID:CiHgDT3W
続いてるっぽいぞ。
少しずつにぎわってきた感じw
419名無しさん@ピンキー:05/01/10 11:42:13 ID:ohn4I4JP
いいねぇいいねぇ
420名無しさん@ピンキー:05/01/10 23:57:27 ID:AJpWYjFu
こっちも賑わうといいねぇ
421名無しさん@ピンキー:05/01/12 19:55:16 ID:r1bewSBi
hosyu
422闇の神亀:05/01/17 00:11:55 ID:hQ5Sa3Fz
お久しぶり…一ヶ月位ぶりです。
前にリクのあった、略奪愛いきます。
423闇の神亀:05/01/17 00:13:20 ID:hQ5Sa3Fz
レムオンとラブな女主←略奪(エスト)という話です。
言葉で伝えあっていなくても想いは通じあっているレムオンと女主。けれどエストは…。って感じ?です。w
エストが一番年下という設定で。やや生真面目で、けれどもエストの前だけではお姉さんぶる女主です。
あの無邪気に研究に取り組む姿やセリフからして彼は一番年少っぽいと思う…というか、その方が萌えるんですけどねぇ…。(藁)
424ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:16:54 ID:hQ5Sa3Fz
「はあっ、ああっ、どうして、どうしてこんなことに……。兄上……。」
戦闘の終わった部屋で、息をはずませながら、部屋に兄と二人残されたジリアンは凝った竜の彫り模様のちりばめられたシャンデリアのかかる天井を仰ぎ見た。
つい今までの出来事の全てがジリアンには信じ難く、今にも自分が別の現実に目覚める事ができるのではと願ってしまう。
「まさか、まさかツェラシェルの言う事が、本当だったなんて……。」
目の前の天蓋つきのベッドに死んだように横たわる兄を見つめながら、あふれてくるのはただただ声にならない感情と零れ落ちる涙のみ。
今しがたの事件を思い出して、ジリアンは親指で自分のこめかみを押さえた。
女狐の手先たち。乱心した兄。おまけに、ツェラシェルはリューガ家の当主が一夜を共にする女性を求めているとふれまわって、うら若い女性を屋敷の周りに集めさせるという巧妙な策を使ったおかげで、門の周囲は今しがたまで大混乱。
もしも、あのまま兄がダルケニスとして錯乱したまま外に出ていたら…ジリアンは思わず身震いをした。
「まあ、その女性たちはゼネテスがうまく片付けてくれたからよかったけれど…。」
部屋の中に、兄と三兄妹がいるのを見つけた瞬間からはっきりとした記憶がない。かっとなって女狐の兄妹に剣を向け、ここから立ち去れと怒鳴ったことは覚えている。
その時に、肩に鋭い痛みを感じたことも。兄が自分に爪と歯を立てていたと気がついたのは、肩を流れる血が床に溜まって、足を滑らせそうになった時だ。
後を振り向くこともできず、自分がツェラシェルをま正面から刺しつらぬくようなまなざしで睨み続けていたこと、そこまでは確かに覚えている。

しかし、それから、兄をどうして静めたのか、どうやって三人を追い払ったのか、他の人たちはどうしたのか、覚えていない。
425ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:20:07 ID:hQ5Sa3Fz

ジリアンは這うように体を動かして、ベッドの脇の椅子にくずれるように座り込み、仁愛が生み出す強さと危うさで潤ませた目でベッドの上にまなざしを向けた。
「兄上、しっかりしてください……。兄上………。ご自分をしっかりとお持ち下さい……。」
彼女はいまだ信じられないというように一人頭をふった。
彼女自身も兄に対する噂は知らないことはなかったが、また兄上の地位をおびやかすためのデマを流す、女狐の策のひとつに過ぎないだろうと考えていた。
総ての始まりの、あの初めてロストール王宮にはせ参じたときこそ、彼の出生には何かあるのだとちらと思いが通り過ぎたが、
そんなことなど気にかけられるような状況ではなく、またリューガ家の一員として、「レムオンの妹君」を演じるのに必死で、兄上の出生など気にしたことすらなかった。
それよりも、兄上のために自分ができる事をなす、それこそが弟たちや、ひいてはロストールを守ることにつながる道であると、
ジリアンはただそれだけをひたむきに考え、実行し続けていたのだ。
「………これから、私たち、どうしたら………。」
途方にくれつつも、冷静に彼女は考えをめぐらしていた。今、口には出さずとも兄の考えをよく理解しているジリアンの頭にあるのは、
彼がダルケニスであったことよりも、そのことが暴露されたことを知る彼がどう動くかということだった。
兄の見かけによらないもろさを身をもって知らされていたジリアンは、ショックを受けた彼が自分に黙って予想もつかない行動に走らないか、
万が一そういった事態に陥った時、それに対して自分がどう動けばよいのか、とほうにくれてベッドのそばへ身を寄せ、意識の無い兄に呼びかけた。
「兄上、しっかりして下さい!これを機に、王妃はきっと動き出します。とにかく何か手を打ち、争いを避けないと!
ここで政争などしていては、ロストールそのものの安危にかかわります………!」
彼女は兄上の無事だけでなく、行動を起こしたリューガ家当主が、ゼネテスを逆に陥れようと動くのではないか、その大きな不安にも押し潰されそうだった。

426ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:22:33 ID:hQ5Sa3Fz

ジリアンがベッドから顔を上げると部屋中に散乱した高価な家具や小物に飛び散った血がそこかしこについていて、先ほどの悲壮な出来事を物語っていた。
この事件をいっそ忘れたいと切望しても、肩の傷がずきずきと痛み出す。
ジリアンは、痛みを吐き出すように大きく息をつき、汗のうく額にかかる乱れた黒髪をかき上げた。
「ああ…。でも…、とにかく、兄上が、多分……御無事で、よかった。」
昏睡状態の兄上の手をとると、彼女はその手をそっと自分の両手で包み込んで祈りの形に指を組み、その冷たさの中の温もりを確かめるようにゆっくりと目を閉じた。
「どうか神様、兄上をお助け下さい。どんな時でも私を助けてくれた、私の兄上にお力をお貸し下さい。そのためなら、私がどうなったってかまいません。そもそもこの人に助けてもらった命なんです。私の生きる力を兄上にお与え下さい……。」
そこにいるのは、勇ましい女騎士でもなく、名誉を背負って立つ誇り高き貴族でもなく、金の陽射しと金の穂の中で育ち、今はただ愛しい人の無事を願う、一人の少女だった。
「兄上、しっかりして……。」
香を追い出す為に開けたカーテンが夜風に吹かれてそっと揺れる。その布も破れていて、窓を縁取っている竜の紋章をあちこちに施した高価な装飾も、見るも無残に破壊されていた。
そのカーテンの他には動くものも無く、リューガ家の屋敷は不気味なほどの静けさに包みこまれている。
「兄上……。」

427ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:24:30 ID:hQ5Sa3Fz

「兄さん、あのままにして良かったの?あのじゃじゃ馬、このままじゃすまないわよ、きっと。
ああ、レムオン共々私達に処分させてくれればよかったのに!どうしてあんなところでひいてしまったの?」
「そうね、私もヴィアに賛成だわ。いくら危険といっても、このままあの二人を泳がしておくほうが危険だわ。
それにジリアンの行動は私たちにも予測がつかない。兄さんも、あの娘がこちら側に引き込めるか、いろいろ手は打ったのでしょう?
それでも駄目なら、いっそのこと、兄妹一緒に葬ったほうが……。」
「おいおいおい、ヴァイ、ヴィア、お前達の気持ちはよーく分かるが、俺たちは何も暗殺に来たわけではないぞ。
エリス王妃もそのつもりはない。あいつらはいたほうがロストールの為になっているからな。特にジリアン姫は。……それに。」
「でも、このままじゃ任務をこなしたことにはならないわ、ジリアンに妨害されたもの!」
「それにひょっとしたら彼女がそのままあのダルケニスを鎮めてしまったかもしれない。そうだとしたら今までの努力が水の泡だわ。」
「ああ…。」

428ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:26:21 ID:hQ5Sa3Fz

ツェラシェルは妹達の演説に気のないあいづちを打って夜空を見上げた。
「それにしても、あの娘もがんばるねぇ。いくらももらっているわけじゃないのにさ。
それにあいつら、ロストールじゃ潔癖で有名な兄妹だけどさ、新月のダルケニスは処女の血しか吸わないっていうもんな、その噂は本当だったんだな。」
「兄さん、話をそらさないで!私たちは兄さんを心配して言っているのよ?」
「ああ、わかっている。しかし、あのままあの屋敷に留まれば、俺たちが危なかった。お前たちもジリアンみたいに血を吸われていたかもしれないしな。……それに。」
不自然なほどの中途半端な退却に、妹達が納得するわけがないだろうことはツェラシェルにはわかっていた。
「けどな、こんなこと考える時なんて、大酒飲んだって滅多にないんだけどな。」
ツェラシェルは、リューガ家の屋敷で出会った視線を思い出していた。
いつも自分を助けに来る時の妹達と同じ、あの命を懸けるような視線を。
彼は軽くまぶたを閉じてふうっと息を吐き出しながら、
「……俺も、ヴァイやヴィアは金より大事だもんな。あいつにとってもな。」
すでに遠くにあるリューガ家の屋敷の屋根のてっぺんの方を何げなく見やり、つぶやくように言った。

429ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:27:27 ID:hQ5Sa3Fz

「おいチャカ、どうした?屋敷がまだ気になるのか?」
今は貴族街から離れた広場で、チャカは今も心配そうに、貴族街に立ち並ぶ屋根でもひときわ際立つ大きさのリューガ家の屋根を仰ぎ見ていた。
「うん……。だって、姉ちゃんが……。」
「またお前の姉ちゃん姉ちゃんがはじまったな。」
「だって……。ゼネテスさん……。」
チャカはゼネテスがレムオンの屋敷に集まった女性達を追い払うのに手を貸す為にいったん屋敷を離れたが、すでに全く自分の出番は無いと感じていた。
「んもう!レムオン様がお屋敷に誘ってくださるっていうから来たのに、ゼネテス様のいたずらなのねぇ〜。」
「ゼネテス様ったらぁ〜〜。」
ゼネテスのいつもながらうまいやり口で、レムオン目当てに集まった女性たちは今はすっかりゼネテスにしなだれかかっていた。
「ねえっ、ゼネテス様、夜はまだ長いのよん。行きましょうよぉ。」
「そうだな。こんなかわいい子猫ちゃん達を集めて、ムゲに返すほど俺は冷たくないぜ。今日は子猫ちゃんの集まるこの夜を祝って、「舞い上がる白竜亭」で俺のおごりだ!」
その声に、キャアッと女達の歓声が上がる。女達の騒々しさは夜の虫も静まるほどだが、チャカにはそれすらはるか遠くの喧騒に聞こえていた。

430ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:29:03 ID:hQ5Sa3Fz

一人、騒ぎから離れ、ひたと貴族街の方を見つめ続けるチャカに、ゼネテスはとにかく貴族街の方から離れるよう声をかけた。
「ほら、チャカもいくぞ。姉ちゃんが気になるのもわかるがな……。」
その声に、チャカは思いあまったようにゼネテスの方を振り向くと、堰をきったように話し始めた。
「姉ちゃんがああいうとりみだし方をしたのって、初めてなんだ!ほら、レムオン兄さんが倒れた時、姉ちゃん泣いてただろ?
俺以外の人の前で、姉ちゃんがああやって泣くのを初めて見たんだ……!!だから、だから俺、心配で……。」
「ふー………ん。ジリアンが、ねぇ…。」
ゼネテスは、やはりというようににやりとして見せた。
「けどな、あいつのことだ、その、前に泣いてたって時は、やっぱりお前の事が大事で、おそらくお前の身を案じて泣いていたんだろう?」
「え?あ、うん、そ、それはその時はそんな感じだったと思うけど………。」
「で、今回は、兄上の身を案じて泣いていたと。」
「う、うん……。」
「つまり、お前と同じくらい、ジリアンはレムオンの事も大事に考えているってことだよな。いやぁ、あん時の様子からしちゃ、それ以上に想ってるってことじゃないのか?いい妹君をもって、本当にお兄様も幸せ者だよな。」
「え………?えと……あの………、ちょっ、それは、あの、ってことは、つまり、そのっ、」

431ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:30:13 ID:hQ5Sa3Fz

チャカは周りの何もかもが見えなく聞こえなくなるほどの衝撃に叩き落とされた。ゼネテスの言葉の後半部分はもはやチャカの耳には届いていなかった。
「て…ことは…姉ちゃんは……レムオン兄さんのことを…え……、でも…………、
周りからは兄妹だけど、ホントは……で、レムオン兄さんも…だから…つまり……。
んで、今、屋敷には二人きりで……………………ウッ、ウワアァァァァァン!!
帰る!帰る!!やっぱ帰る!絶対帰る!!今すぐ帰る!!!」
チャカは走り出そうとしたが、すでに襟ぐりをむんずとつかまれているのに気がつかなかった。
「ワアァァン!行かせろ!帰らせろぉ!!」
そのままゼネテスの方にぐいと引き寄せられるチャカ。
「おい、みずくさいまねはよしておこうや。な。」
ゼネテスはにやりとしたままウィンクして見せた。
チャカにとってそれは破滅の宣告だった。
「ウワァァァッァアアン!!帰らせてくれよぉーーー!!姉ちゃーーーん!!!」
ゼネテスにひきずられつつ、チャカは月の無く星も雲に隠れた夜空の暗闇に絶叫を響き渡らせた。

432ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:30:44 ID:hQ5Sa3Fz

「ウ………。」
暗闇の中で、彼は夢を見ていた。
どこまでも深淵な闇の縁に彼は立っており、その眼前に広がる行き先の見えない暗闇が、その奥へ入れと誘っているように彼には思えた。
「フフッ、ここにおいでよ。闇の玉座がレムオン殿下をお待ちしているよ。」
「この中に行けということか……?」
頭がズキズキして、何も判断ができない。
闇の手招きするまま前に歩もうとしたとたん、体の中を、何か嫌なものが走った。
「俺は……行きたくない。」
(誰か俺を、他のところに導いてくれ。)
そう思って闇と反対側に伸ばした手を、誰かがつかんだ。
「母上………?」
その白い手に引っ張り上げられるように、レムオンは闇と反対のほうへ走っていった。
「ああ…また彼女が邪魔をする。ホントにわかってくれないんだから、もう!」
声がゆっくりと後ろに遠ざかっていく。
この声と違う方向なら、どこでもいい。レムオンは、走りながらつかまれたその手をきつく握り締めた。

433ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:31:56 ID:hQ5Sa3Fz

気がつくと、彼はベッドの上にいた。
(……夢…?だったのか………?)
先ほどと同じように頭は痛み、周りは暗闇に包まれている。そして、片手は夢と同じ、今しがた導かれたその白い手に握られていた。
レムオンが無意識にきつく握り締めたために、爪がくいこんで血がにじんでいる。
「………!」
今の出来事が夢か現か確かめようと顔をあげた彼の目の前に、両目を固くつむり、一心に祈りを捧げ続ける彼女の姿があった。
消えそうなランプのほのかな光に、頬の涙が照らされている。
(泣いていたのか……………俺の為に………?)
今まで、レムオンは誰かが自分の為に泣くなどということは考えもしなかった。
自分と他人に、そんな感情的な接触をつくることがあろうとは思いもよらなかった。
「ジリアン……。人の可能性を呼び起こす力があるのか……お前には………。」
半ば混乱し痛む頭で、彼はつぶやいた。それにも気づかず、彼女は両目をつむったまま、祈りを捧げている。
彼女がなぜ泣いていたのか、それはレムオンには理解できなかった。ゆっくりと半身を起こして、ジリアンに声をかけた。
「ジリアン、何をぼうっとしている。」
その声に、はっと気がついて彼女は目を大きく見開き兄を見た。人の泣き顔に、一瞬にしてこんなにも喜びの表情が満たされるのを、彼は見たことがなかった。
「ああ、兄上!無事で良かった!!体は大丈夫ですか?今、お水を持ってきますね!」

434ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:33:01 ID:hQ5Sa3Fz

「無事?何があったのだ?俺は一体………。」
まだ混乱している頭で、レムオンは一人つぶやいた。
「さあ、お水を……。」
差し出された水を、乾ききった喉にがむしゃらに流し込んだレムオンは、しかし、ジリアンが持ってきた水差しの先が欠けているのに気がついて顔を上げた。
「……!」
暗がりからランプの光をすかして散乱した周りの状況を見たとたん、この夜の全ての記憶が頭の中によみがえった。レムオンは水差しをジリアンの手から払い落とした。
「!…兄上……?」
水差しは、鈍い音を立てて床の上に破片を散らし、それにもかまわずレムオンは立ち上がると搾り出すような声でジリアンに問い詰めた。
「俺は……お前ッ!……………見たのか……!?」
その問いを受けとめたジリアンは、背筋を伸ばし、ややかたくさせた表情でレムオンをひしと見つめた。
「兄上、ツェラシェルを侮ってはなりません。あの人達は、また私達を陥れにやってきます。
エリス王妃は、私達を何処まで利用することができるか瀬踏みしていましたよね。…王妃はもはや私達を見限り、政界から追い出すつもりです。すぐにこちらも手を打たないと…。」
「うっ…!」

435ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:34:39 ID:hQ5Sa3Fz

それ以上レムオンは耳を貸さなかった。
「来るな!!俺は……。あっちに行けっ!」
レムオンは部屋の中にある散乱した家具や置物をなぎはらうように壁に叩き付け、もの凄い剣幕で彼女を追い払おうとした。
「兄上。」
ジリアンは落ちついて兄を制止しようとした。
「お待ちください、兄上。」
「あっちに行け、行ってしまえ!!」
ジリアンは強い意志を秘めたまなざしで兄を見つめていた。その瞳には一点の曇りもない。
「兄上、こちらもうまく行動すれば、きっと首尾よくいくはずです。どうか…。」
「行け!行ってくれ……!俺は!!」
「どうか逃げないで下さい。私の話をお聞き下さい。」
「去れと行っているだろう!」
「兄上。どうなさるおつもりですか?」
「貴様の知ったことではない!!くそっ……。」
レムオンはそばの棚にどんとこぶしを打ちつけた。勢いで端に乗っていたいくつかの壺の破片が床に落ちる。
「兄上……。」
ジリアンは、レムオンの気迫に押され、もはやここから立ち去るべきかと躊躇した。
切迫した空気の中、入り口の方の人影に、二人とも気がついてはいなかった。

436ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:35:52 ID:hQ5Sa3Fz

バタン。
突然扉の閉まる音がして、はっと二人は全身を緊張させてドアの方を向いた。
「兄さん、姉さん。安心して。僕だよ。」
突然の来訪者を見て、二人は思わず驚きと安堵のため息を漏らした。
「お前か………?どうして……?」
「エスト!一体今までどこに行っていたの?」
ジリアンは再び目を潤ませ、ロストール唯一の女騎士らしからぬ柔らかな声を上げて弟に駆け寄った。
存在を確かめるように彼のその両手を強く握り締める。
「んもう!いつもいっつもあちこち駆け回って……私が言えた事ではないけれど……せめて屋敷に連絡くらいはよこすようにこの前も言ったじゃない、
なのに、またどっかいっちゃって…今まで大変だったの、ね、エリス王妃が……」
「知ってる。説明は不要だよ。だから来たんだ。」
話したいことがごちゃまぜになってあふれようかとしているジリアンに、エストは深くうなずいてみせた。
「え……?」

437ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:36:25 ID:hQ5Sa3Fz

エストは兄の方を振り向いて続けた。
「兄さんも安心して。僕だって遊んでいたわけじゃない。闇の神器の研究が、いよいよ大詰めになったんだ。
エリス王妃の最近の動向を知って、兄さんや姉さんを守るために、急いで研究を進めていたんだ。」
「エスト……?」
「もう大丈夫だよ、兄さん。さあ、ゆっくり休んで。後は僕に任せてくれればいいよ。」
頼もしげに胸をはるエストを見て、二人は弟の意外な言葉に驚いたが、しかし彼の身を案じたレムオンは口を開いた。
「エスト……本当に大丈夫なのか?」
「心配しないで。僕の研究が、ようやく、兄さんの役に立つときがきたんだ。…ああ、兄さんも姉さんも傷だらけじゃないか…。
さあ、兄さんはベッドで休んで。詳しいことは後で話すから。」
それを聞いてレムオンは、緊張の糸がふつりと切れてベッドに座り込んだ。
「エスト、お前というやつは、まったく…。政争にはかまうなと言ったではないか。」
「僕だって兄さんの役に立ちたい。だから、こうして僕にしかできない方法でがんばってきたつもりだよ。」
「…いざというときに、よもや、お前が来るとはな……。ハハッ、女狐め、目にものみせてくれる…。」
「詳しくは後で。さあ、まず兄さんは休んで。姉さん、行こう。」
「兄上…。では、私もう行きます…。」
部屋のドアを静かに閉め、エストはジリアンの手をぐいとひくと、別棟の自分の研究室へと移動する為に、ジリアンを連れて長い廊下を歩き出した。

438ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:38:04 ID:hQ5Sa3Fz

「エスト、まったくあなたったら奔放な子で、しばらく出かけて屋敷にいないと思っていたら…、一体これから何をするつもり?
あなたは私達の大事な弟よ、あまり兄上や私に心配をかけないで…。」
手をひかれながらジリアンは聞いたが、エストはただ黙ったままジリアンの手を強くひっぱってすたすたと彼女を自分の部屋に連れて行った。
その普段見せたことのない強引さにジリアンは首をかしげながらも、彼に導かれるまま寒々とした廊下を歩いていった。

439ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:39:34 ID:hQ5Sa3Fz

「エスト、それで、これからどうするつもり?」
壁いっぱいの本棚に囲まれ、テーブルや床にも不可思議な魔道具や分厚い本が不安定に積み重なった部屋の中で、ジリアンはなおも質問した。
「神器の研究って言っていたけれど、一体どういうことなの?どこまで進んでいるの?それで何をするつもり?」
部屋の中央に進んだエストはようやくジリアンの手を離して、本の山を背景に彼女の方を向き、まっすぐに目を見据えてゆっくりと、彼女の質問に対して話しはじめた。
「神器の研究なんて、とっくに終わってるさ。僕はこの政争にピリオドをつけたいんだ。もうこんなくだらない争いなんて、やめて欲しかったから。」
その目に、今までの柔和な彼とは違うものを見て、ジリアンははっと驚いた。
「え?どういう事?」

440ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:40:20 ID:hQ5Sa3Fz

「僕はもう戦争も、政争も、くだらない人間同士の争いはやめて欲しいんだ。だっておかしいだろ?助け合って生きなければならない人間が、憎みあったり殺しあったりするなんて!
だから、もうこれ以上争いを続けて欲しくないから、………。」
エストはそこでしばらく言葉をきり、辛そうに長いまつげを伏せた。
「…だから闇の神器を集めて、争いを止める力を創ろうと思ったんだ。
僕は異国の少年に依頼し、闇の神器を集めてきた。
彼も僕の平和への願いに賛同してくれてね。快く協力を申し出てくれたんだ。
自分で集められそうもなかったところは、彼がうまく魔人やなんかの力を利用したり、他にダークエルフにも協力してもらい、神器の収集は効率良く進んでいったんだ。
ん?ああ、ネメアかい?あの人はいい人だけど、時どきうんざりするよ。僕の平和の願いを無視して、争いばかり大陸にまきちらすんだもの。
おまけに僕の神器を欲しがっているしさ。けれど、一通り僕の平和への道は順調に進んで行った。…でも……。」

441ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:42:34 ID:hQ5Sa3Fz

そこまで言って、エストはふいにすがるような目でジリアンを見ると、喉の奥の奥から搾り出すような声で苦しげに言った。
「でも、思い通りにならなかったのは、君だった…。君がリューガ家に来るずっと前から、君のことを知っていた。
まだ闇の神器の研究に着手したばかりの時、初めて立ち寄った村で……。」
エストはまた遠くを見ているような目になり、しばらく思いふけるように黙っていたが、やがて言葉を続けた。
「…ボルボラが君達の村を困らせていた時、兄さんはボルボラのすることなんか全然気にかけていなかった。
でも、なんとか兄さんにノーブルに目を向けてもらいたいと思って、ボルボラに僕の父さんの手紙をこっそり送りつけたんだ。
そうすれば、兄さんはノーブルへ行ってボルボラを始末する為に動かざるをえないだろう?」
エストは一人うなずいて続けた。
「あ…あ……。」
ジリアンは、何か言おうと口を開きかけたが、エストの口から出てきた言葉がとても信じられず、そのまま固まってしまった。
「それから様子を見にノーブルへ行ってみたら、あんまり万事うまくいっていて驚いちゃった。しかも君が僕の家族になるっていうんだもの、これ以上嬉しいことはないよね。」
エストの口から立て続けに出てくる信じられない言葉に、ジリアンは何をどう受け止めて聞けばよいのかわからなくなってきた。

442ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:44:20 ID:hQ5Sa3Fz

「けれど、それから…、」
エストは辛そうに長いまつげを伏せ、しばらくの沈黙のあと再び口を開いた。
「姉さん、姉さんは僕の願いとは別に、どんどん戦争にまきこまれていった。エリス王妃にいいように利用されていたんだ!」
ジリアンは胸をしめつけられたような思いになり、大声で言った。
「私はロストールの人達を守りたかっただけ!もう…、人や町が死ぬのを見るのはいやだから…!!」
「人殺しが嫌だから人殺しに参加するの?そんなの絶対駄目だよ!!」
今までの彼とは違うその目のきらめきに、ジリアンは息をのんだ。
「アンギルダンとの戦いに、君が参加したときは驚いたよ。闇の神器を捜すので忙しいと思っていたのにさ………。
君に神器を追いかけさせていれば、そうすれば、もうジリアンは忙しくなって、戦争にいかなくてもすむと思ったのに……。」

443ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:45:54 ID:hQ5Sa3Fz

エストのその透き通った目でジリアンを見つめていた。その目の輝きに、彼が今まで進んできた道にわずかな迷いすら無いということをジリアンは悟った。
ジリアンはエストが今までしてきたことと、自分のしてきたことを考えた。二人の、大陸の平和のために闇の神器を集める、という行動は同じだが、
そこには想いのすれちがいやずれが生じているようだった。今までの自分の努力は、一体なんだったのか……。
これまでの自分の想いは、本当の願いをすりぬけて別の方向に流れていっていたのか。行き場の無い怒りや悲しみが彼女の頭の中でぐるぐると廻った。
しかし、エストのにごり無く真摯な目を見ると、さっきまで渦巻いていたものが不思議にすっと消え、なぜか落ち着きを取り戻すのをジリアンは感じていた。
闇の神器のことより、戦のことより何よりも、それを今ここで話したエストの心を理解したいとジリアンは思った。

444ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:46:58 ID:hQ5Sa3Fz

「エスト、ごめんなさい。今まで、姉さんは、何にもあなたの事をわからないで…。いえ、わかったつもりになっていたから、それ以上知ろうとしなかった…。
エストは平和のことをとても考えて、本当によく頑張って来た。私たちは大陸の行く末のためにもっと話し合うべきだったわ。
だって、争いを無くしたいという気持ちは同じなのだもの…。」
「じゃあ何で戦争なんかに参加したんだ!争いを無くしたいのなら、どうしてあんな女狐の命令にあっさり従ったりしたんだ!!どうして殺し合いに参加したんだ!!!」
これまでずっと胸の中で自問自答しつづけていた迷いをつきつけられたジリアンは、何も言えず黙ったままエストを見つめた。
「兄さんだって、本当は……君が争いに身を投じるのをいつも嫌がっていたのに……。」
エストは抑え難い感情に身を震わせ、悲しみを重ね置くようにかたくまぶたを閉じて両のこぶしを握り締めた。
「兄さんも…兄さんもだ…僕が先に姉さんを知っていたのに、兄さんは、体裁の妹としてではなく、君を愛してしまったんだ。」
その言葉にジリアンは飛び上がるほど驚いて叫んだ。
「兄上は、私のことなんて何とも思っていません!妹にでっちあげた以上、仕方なくここにおいているだけ。
でも兄上は私とチャカの命を救ってくれたの。私はそれに報いる為、そして自分達の身を守るために、全力でがんばらなくては……。」

445ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:50:54 ID:hQ5Sa3Fz

それを聞いたエストは燃える両目をいっぱいに開いてジリアンの手を握り締めた。
「ジリアン、僕は弟だよ。大好きな兄さんのことなら何でも知ってる。
兄さんの力になりたくて、兄さんの役に立ちたくてずっとがんばってきたのに!」
エストは握ったジリアンの手を強く手前へ引っ張り、ジリアンの華奢な首に片方の手をかけた。
「兄さんには渡せない!ジリアンは僕のものだ!もう戦にも行かせない!
ジリアン、君が欲しい!君は僕のものなんだ!!」
「エスト?何をする気!?」
ジリアンは、自分を抱きしめた思いがけないほど強い力に驚いた。この白い腕に、こんなに力があったなんて。
ジリアンは、エストの思いをはかりかねて、平静を取り戻そうとしながら、一言一言かみしめるように聞いた。
「エスト、でもあなたは弟よ?家族じゃない。
たとえ本当は赤の他人でも、保身のためのごまかしに過ぎなくても、
今まで協力し合ってきたから、少なくとも私はずっとそう思ってきた。
兄上に対してだって、とにかく私のできることで役にたちたいと思っているだけなの。」
「嘘だ!君はまだ偽りの家族だ、でも兄さんには譲れない!」
「エスト。偽りだなんて、そんな風に思っていたの?じゃあ、今までどんな思いで私と話していたっていうの!」
エストはじれったそうに頭をふって続けた。
「君が欲しいんだ……。ずっと君のことが好きだったから……。
だから、リューガ家に来た時は、この想いを伝える事より、同じ屋敷の下でジリアンと一緒にいられる事のほうが大事だと思ったんだ。
…でも、兄さんが僕のジリアンをとろうとするなんて思わなかった。だから!もう!姉弟ごっこは終わりにさせるんだ!!」

446ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 00:51:57 ID:hQ5Sa3Fz

エストは、駄々をこねた幼子のようにジリアンをきつく抱き寄せた。ジリアンはいまだエストの言い続けている意味が理解できず叫んだ。
「エスト!!何をするの!?やめ………ッ!!」
激しいキスに口を封じられてジリアンは頭の中が真っ白になった。
「うう…ッ。」
ジリアンは普段のおとなしい彼とは全く違う目をさせたエストに怯えて強く身を引こうと体をそらしたが、
この手を払いのけることで、エストがショックを受けるのではないかと思い、それ以上は逆らえなかった。
この敵の多いロストールの政争から、我が道をひた進むエストの身を守ってやれるのは、自分と兄上だけなのだ。
あくまでも姉としてエストの精神的な支えでありたいと願っていたジリアンにとって、エストを拒絶し、その支えを外すような真似はできなかった。

447ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:02:58 ID:hQ5Sa3Fz

「……う……ん。」
今まで誰とも経験の無かった唇に、突然あまりにも情熱的な口づけを味わい、ジリアンは止まりそうな思考をなんとか繋ぎとめようと、エストを自分から離そうとしたが、
エストはジリアンをしっかりと抱き寄せてその手をゆるめなかった。
エストはゆっくりとジリアンの唇から顔を離して言った。
「兄さんには渡さない。空中庭園で、ジリアンから気をそらして、兄さんをティアナ王女に集中させようとしたけど、でもダメだった。
それどころかエリスが兄さんをつけこむ機会を与えてしまった。」
「!じゃあ、あれは……!!」

448ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:04:54 ID:hQ5Sa3Fz

ジリアンは、エストにしがみつかれるように抱きしめられたまま、ようやくの思いで言葉を発した。
「エスト、あなたは一体何をしたいというの?自分の一族まで利用して……。
闇の神器は危険な力よ。私はあなたが闇にのみ込まれないか心配なの!
依頼を受けたシャリがその為に何をしたのか知っているの?
それから、それに関わってしまったばっかりに命を落とした人達のことも……。」
「タルテュバは、すでに人間らしい生き方を失ってしまっていた奴だ。僕は、一人一人が人として尊重されるロストールを創っていきたいんだ。
王宮のごたごたさえ片付けば、兄さんにはそれができるのに……。
最近の兄さんは政治ではなく、ティアナ王女ではなく、ジリアンのことばかり見ている。僕のジリアンを……。
どうしても今ここで、君を手に入れるからね。」

449ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:06:34 ID:hQ5Sa3Fz

そういうとエストは、ジリアンの体を壁の本棚に叩きつけるように押さえつけた。その勢いに本棚の中からバランスを失った本が何冊かばさばさと床に落ちる。
その内の一冊の角がジリアンの肩の傷に当たり、痛みに思わずジリアンは顔をしかめたが、
エストが夢中になって彼女の両腕をきつく本棚に押さえつけたので打った所をさすることも出来なかった。
エストはそのままジリアンを散乱した本の上に押し倒すと、彼女の黒髪を払いのけその首筋に強く唇を押しあてた。

450ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:07:58 ID:hQ5Sa3Fz

「ジリアン……。」
ちぎれた布をはねのけて現われた、彼女のその豊かな胸を見たエストは、愛おしげにその柔らかい中へ顔をうずめ感触を確かめるように頬をすりよせ続けた。
「エスト、お願いだから、もうやめて、あなたが今まで苦しんできたことはわかった、だけど………お願い…やめて………!!」
ジリアンはショックで気を失いそうになりながら叫んだ。
「そして兄さんに君を渡せっていうの?そんなことはできない。僕が先にジリアンと出会ったのに…僕が先に好きになったのに…。」
そこまで言うとエストはむしゃぶりつくように乳房をくわえこんだ。

451闇の神亀:05/01/17 01:13:01 ID:hQ5Sa3Fz
あっ、順番まちがいた!450無しにしてちょんまげっ(藁)
452闇の神亀:05/01/17 01:13:54 ID:hQ5Sa3Fz

「エスト!!いやっ、やめて!やめて!!!」
その乱暴なふるまいにジリアンはエストのただならない決意を理解して震え上がり、今度は何も考えられず、本気でエストを拒絶しようともがいたが、
今までのことで体力、精神力ともすでに消耗しきっている上に、彼女には自分がすばやいかわりに相手に先制されると非常に弱いという泣き所があった。
ジリアンはあらんかぎりの思いを込めて叫んだ。
「私は自分に嘘はつきたくない!だからあなたを受け入れられない!だから、お願いだからやめて、やめなさい!」

453ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:15:57 ID:hQ5Sa3Fz

エストはそれに応じず、ジリアンの首に更にキスをしようとして、肩の傷に気がついた。
「この傷の形は…ダルケニスの……そうか、兄さんが………。僕が治してあげる……。」
そう言うとその傷口にむしゃぶるように舌を沿わせる。
「やめて………!!エスト………!!!」
ジリアンの首や肩にたくさんのキスのあとをつけると、研究に没頭している時のように心躍らせて彼女の胸の谷間と服の間に手を差し入れ、
そのままジリアンの質素な薄い布地の服を思いきり両側にびりびりと腰の辺りまで引き裂いた。
「いやーーーっ!!やめて、お願い!!」
ジリアンの細くしまった美しい裸体が、恐怖におののく彼女がもがく度に、皮肉にも破れた服の合間からあらわになっていく。
幾度もの冒険を越えて美しく引き締まった絶美な太もも、そして柔らかに揺れる豊満な胸。
「ジリアン……。」
ちぎれた布をはねのけて現われた、彼女のその豊かな胸を見たエストは、愛おしげにその柔らかい中へ顔をうずめ感触を確かめるように頬をすりよせ続けた。
「エスト、お願いだから、もうやめて、あなたが今まで苦しんできたことはわかった、だけど………お願い…やめて………!!」
ジリアンはショックで気を失いそうになりながら叫んだ。
「そして兄さんに君を渡せっていうの?そんなことはできない。僕が先にジリアンと出会ったのに…僕が先に好きになったのに…。」
そこまで言うとエストはむしゃぶりつくように乳房をくわえこんだ。

454ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:16:35 ID:hQ5Sa3Fz

「ああっ………!!」
エストはゆっくりと、ふっくらとしたジリアンの胸の麓から頂上まで駆け上がるように舌先を転がし、
そのままその先端の突起を口の中に含み、舌一杯でそれを包み込んだ。
舌の中で何回もその突起を上下左右に転がし、歯を立てずにそっと噛みしめる。
乳輪のふちにも舌を沿わせ、一つの丘陵を堪能しつくすと、快感に満ちた表情で谷間に顔をうずめ、もう一つの丘陵へと舌を登らせる。
「イヤ……!気持ち悪い………。やめて……!」
初めての感触に恐れを抱き、ジリアンの頬に涙が流れたが、エストは愛撫に夢中で気にとめなかった。
「うう…イヤ………ああっ………。」

455ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:17:11 ID:hQ5Sa3Fz

「やめて…お願いだから…ああ……。」
「兄さんもジリアンのことが気に入ると思っていたけど、ここまでとは考えなかった…。まさかエリスの前で妹にしちゃって、しかもそれ以上に愛してしまうなんて……。」
それ以上言葉を続けず、エストはジリアンが腰につけていた騎士の勲章に手をかけた。
「僕は、金の大地を守っていた君も、旅をしている君も、ドレスを着ている君も、みんな、みんな好きだ。…でも。」
そう言って、エストは騎士の勲章をちぎり捨てた。
「僕は、騎士の格好をしている時の君は好きじゃない……。騎士として、みんなの前でもてはやされて、
でもそれは君がみんなの為に犠牲になるからだ、戦争なんか…。戦を止めるにはもっと別のやり方があるはずだよ……。」
そこまで言うと、エストはそのままジリアンの腰に残っていた布に両腕をあて、ほんのお飾り程度に腰のまわりを隠していたそれを引きちぎった。

456ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:18:05 ID:hQ5Sa3Fz

「キャッ!……やめて………!!!」
ジリアンは羞恥で体を真っ赤に染め、嫌がって腰を振ったが、そんなしぐさすら彼にとっては一層そそられるものでしかなかった。
彼はうっとりとジリアンの女らしい美麗な線を描く体を隅々まで眺めた。
「ああ…ずっとこの時を夢見ていた。兄さんと君が一緒にいる所を見るのがつらくて……。ゼネテスと一緒に戦に行く君を見るのも耐えられなかった。
そうなってしまうのが嫌だから、だから魔人に闇の神器のありかを教え、賢者の森に君を導いてそれを追いかけさせたのに…。
そうすれば君はロストールに留まらない、兄さんのそばにいないと思ったから……。
だけど君は、帰ってきた。このロストールに……騎士として戦うために………。そんなの、結局はエリスのいいなりになって争いを増やすことになるだけなのに……!!」
「エスト……あなたは…………ううッ……。」

457ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:21:40 ID:hQ5Sa3Fz

「ジリアン………。」
今や激しい欲情に我を抑えきれなくなっていたエストは、彼女の艶やかな太ももをつかんで押し広げた。
足をいっぱいに広げられ、今まで日の目を見なかったピンクの女性器がエストの前にあらわになる。
エストはその秘められていた両のふとももの間に指をさし入れた。
「ヒイッ!いや!ダメッ!!」
花びらのようなひだを指先でなぞり、そのままつまんで左右にひっぱる。
「もうやめて、ね、エスト、いい子だから…………。」
かすれた声でなおも懇願するジリアン。エストは彼女の全身をながめながら至福のため息をついた。
「ジリアン……やっぱり君はステキだ……とても…。」
エストは更にジリアンの股間に顔を近づけた。
「ヒャアッ!!ああっ!!いやっ!やめてっ!!エストッ!!やめて!やめて!」
舌を使いジリアンの股間の隅々を調べつくすように舐めていると、ふいに舌先が彼女の深くまで入り込んだ。そのまま舌をぬぷぬぷと中へ中へさし入れる。
「ああっ!!!やめて!お願い、入れないで!!」
どうにかして彼を離そうと足を曲げ、太ももをエストの頭に押し付けてなんとか引きはがそうとしてみるが、
かえって彼の頭を自分の股間に押さえつけているような格好になってしまった。

458ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:22:13 ID:hQ5Sa3Fz

「やめて!やめて!お願い!!」
「ジリアン……。どうしてそんなこと言うのさ……。」
エストはゆっくりと、そしてだんだん激しく舌を出し入れさせていった。
「やめて……やめて…………うっ……。」
口の中に入る涙が苦いほど塩辛い。
「ああっ………。何でこんなことに………。」
ジリアンは最後まで彼を拒みつづけようとしたが、エストの激しい舌使いに反応して彼女の蜜がぬちゅぬちゅと音を立ててあふれ出てきた。
エストはしたたりおちるその液体を自ら舐めとるように舌を這わせ、口の端からあふれ流れるそれを指先でひだや太ももにも塗りつけた。
「あん……いや……あ………。」
エストはジリアンのひだをさらに押し広げようと手を股間に押さえつけるようにあてがい、その間中彼女のあちこちにキスをし続け、半ば無心に語りかけた。

459ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:23:34 ID:hQ5Sa3Fz

「ジリアン。ようやく、僕の願いが叶う…。いつもいつでも、君のことを想ってた…いや、考えるのをよそうとしても君の事が頭から離れないんだ。
旅先で君の噂を聞くと舞い上がるほど嬉しくて、なのに実際に会えたときは何を話したらいいのかわからなくなったり…屋敷に帰ってちょうど君がいたときは嬉しいような、
君が兄さんといるのを見て悲しいような、複雑な気持ちだった…。でも、これでようやく、僕の想いが……。」
それ以上何も言わず、彼は自分の衣服をずらした。
「ヒィィッ………!!」
すでに硬くそそり立っている、予想をはるかにこえた大きさの彼の肉棒を見て、彼女は怯えきった悲鳴を上げる。
「ジリアン……!!」
彼は彼自身の本能に従い、濡れた液体にすべるように導かれジリアンの中へその肉棒の先端を侵入させた。
「ああっっっーーーーーー!!!!!」
これ以上だけはやってほしくなかった行為をされて、彼女の絶望のうめきが部屋中に響き渡る。エストは彼女の感触を味わう嬉しさに身を震わせた。
「ああっ………ジリアン………。」
エストがそのまま慎重に肉棒を進ませると、途中に抵抗を感じるものがあった。
「ああ……。」
「ううっ………。エスト、何で……………やめて…お願いだからやめて……。」
「ジリアン、一緒になろう。兄さんではなく、他の誰でもなく、この僕とだよ。」
エストは肩をひきしめるとジリアンの体をはしとつかみ、そのまま勢いよく肉棒をすべりこませた。

460ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:27:04 ID:hQ5Sa3Fz

「痛い!やめて!やめて!やめて!あっ!ああっ!ああーーーーーっっっ!!!」
処女の最後の絶叫が部屋を揺るがす。エストはジリアンの感触に全神経を集中させ、彼女の奥深くまで自身の肉棒を進ませた。
「あーーッ!!!ウウッ……!!!」
ジリアンの涙がとめどなく頬を流れ落ちたがエストは彼女の中を感じるのに夢中だった。
「ああっ…温かい………。……ジリアン……最高だよ…………。」
エストの肉棒をジリアンの膣が吸い付くように深く包み込み、そのざらざらとした感触がエストにこの上ない快楽を与える。
エストは己の本能のままに、激しく腰を動かし始めた。
「ハア、ハア、ハアッ……。……ジリアン……。」
「ううっ、ああっ、ああっ、ああーっ!」
激しく全身を貫かれ突き上げられ、ジリアンはもう何が何だかわからなくなってきた。
「あんっ、ハアッ、ハアッ……。い、痛い……痛い……。」
エストは興奮に充血させた目でジリアンをこの肉棒から放すまいと見つめた。
「ジリアン!ジリアン!!誰にも渡さない!絶対!絶対!!」
「あんっ!!痛いっ!!!ああっ…。」
「ハアッ、ハアッ……。」
「エスト!私は……。ハアッ、ハアッ、ううっ…。」
「ハアッ、ハアッ。どうして、そんなに泣くのさ。僕が嫌いなの?」
「そうじゃない……。ハアッ、でも………。」
「ああっ…………。」
ぬちゅっ、ずちゅっと肉と肉、肉と液体のぶつかる音が響き渡る。
「ハア、ハア、ハアッ。」

461ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:27:37 ID:hQ5Sa3Fz

「ううっ、あんっ、あ、あうっ……。」
「ああッ!ああーッ!」
エストは彼女に対していままで積もりに積もったあらん限りの欲情を彼女自身にぶつけ続けた。
めちゃくちゃなほど荒々しく腰を動かし、ジリアンは己が壊れてしまいそうなほどの衝撃と、処女を奪われた悲しみに、ただただ悲鳴のような嗚咽を漏らすのみだった。
「あッ、あッ、ああッ、………ううっ……。」
「ウッ、ハアッ、ハアッ…。」
「はあッ、はあッ、ああっ!!」
「あっ…!!もう、さすがに……ああっ!!」
エストはジリアンの初々しい締めつけに限界を感じ、彼女の中に欲望のつまった白い液を放出した。
「あああーーーーーっ!!!」
どくどくと自分の中に流れ込む熱いものを感じて、ジリアンは背をのけぞらせ再び悲壮な絶叫を響き渡らせた。
「ううっ………。」
ショックに遠ざかりそうになる意識を何とか留まらせるために震える体をこわばらせようとするが、
エストはなおもジリアンの体をきつく押さえつけたまま、最後の一滴まで注ぎ込もうと肉棒を深く差しいれて腰をふりつづけ放そうとしない。
「ああっ、はぁっ……。」
「ハア、ハアッ。」
「はぁっ、はぁっ………。」
「う……。」
「ハアッ、はぁっ………。」
「エスト………。」
ジリアンの中に心ゆくまで射精しきったエストは興奮がやや落ち着くまで、そのまましばらく彼女を抱きしめたまま余韻を味わうように目を閉じていた。
ジリアンはショックに目を大きく見開いたまま震えていた。

462ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:30:14 ID:hQ5Sa3Fz

衝動がややおさまったエストがゆっくりと腰をひくと、彼の肉棒と一緒に、精液の混じった紅い血がだらだらと流れ出てきた。
「ああっ………。」
ジリアンが見あげると、エストは恐怖すら感じさせる笑みを浮かべて、彼女に話しかけた。
「ああ……。良かった………。兄さんとは、まだ……。世間じゃ人を寄せ付けない潔癖の兄妹なんて言われているみたいだけど、
兄さんが手を出していないかずっと気が気じゃなくて……。でもようやく、僕のものにできた……。」
「ハアッ、ハアッ……エスト、どうして、…………。」
ショックでジリアンは体の震えがとまらない。
「ジリアン……。」
エストはしばらく快感と喜びに酔いしれていたが、ジリアンの体を抱きしめ、再び彼女と唇を重ねた。
「うっ……ああ……。」
「ジリアン、もう戦には行かせないよ。争いなんて……。」

463ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:30:43 ID:hQ5Sa3Fz

「エスト!!このばかっ!!」
そのまま彼女の乳房を愛撫しようと手を伸ばした隙をつき、ジリアンはエストの興奮に上気させた頬に乾いた音をたてて平手打ちをくらわした。
「!!」
ふいの反撃にうろたえたエストは一瞬身を引き、そのチャンスを逃がすまいとジリアンは後ろに身をひねってはいつくばり、本棚に手をかけ立ち上がろうとしたが、
あっという間に背後から両手がのびて、彼女の乳房をわしづかみにしてしまった。
「ジリアン!」
「やめて!!」
そのまま体当たりされるような形で本棚に体を押さえつけられたジリアン。
柔らかい乳房が本棚に押し付けられて変形し、たぷんと両脇にはみ出る。
どうしようもなくなったジリアンは泣き叫んだ。
「エストのばか!!私だって、私だって本当は、どんなことがあっても争いを避けなければいけないと思ってる……!!
戦を止めるために戦いに出るなんて、間違った事だとわかってる……!
でも、私が戦に出なかったら……アトレイア様やティアナ様は………。兄上は………。
ロストールの人達を守る為には、どうしても剣を持たなくてはならないのよ!!!…………うっ…………助けてぇ、兄上ぇぇ、うわああぁぁん、あああぁぁーーん!!!」
彼女は子どものように泣き叫び続けた。その他に何が出来ただろうという疑問と行き場の無いやるせなさに身を震わせて。

464ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:31:50 ID:hQ5Sa3Fz

「ジリアン………。」
彼女は泣きじゃくりながらなおも叫び続けた。
「このけだものエスト!人間の心はどこにいったのよ!あなたは闇の神器に正気を奪われているわ!!
持っている神器をすぐに渡しなさい、どこか遠くに捨ててやるから!!!」
エストは表情を変えず、彼女の存在を確かめるように胸を愛撫し続けながら言った。
「ジリアン、僕は正気だよ。狂ってなんかいない。闇の神器の研究は、もう……終わったんだ。
せっかく人類の新しい可能性を求めて取り組んでいた研究だけど、それで分かったのは、あれには人間の未来を豊かにする力なんてないって事だけだった……。
あれは人の心を虚無に返す力しかないんだ。人間がそれを利用して敵を陥れる事は非常に危険だし、下手したら自分が闇に堕ちてしまう。
その事に早い時点で気づいた僕は、研究を取りやめることにした。神器も、すでに全て手放している。」
「!!じゃ、じゃあ、神器は、今、誰が………?」

465ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:33:43 ID:hQ5Sa3Fz

「僕の集めていた分は全て、彼が持っていった…。
あいつは勝手に神器を持ち去ると、そのまま姫をさらい、行方をくらましたんだ。
でも、僕は闇の神器の研究にはあいそをつかした。あとはそれで彼が何をしようと、僕の知った事じゃない。
神器を狙う他の奴等にも、いいかげんうんざりだったし……。」
「エ、エスト………!!!ばか!!ばかっ!!!それで多くの人達が危険にさらされるとは考えなかったの!!!」
「そんな事にはならないさ………。神器はもともと、人間の弱さが出ているところにのみ力が働くんだから………。」
「エスト………ばかっ………!!!」
「それより僕は、新しい研究を始めるんだ。君には、無限の可能性がある………。
君の力なら、竜王の支配だって退ける力があるんだ………。
僕たち人間自身で未来を切り開く事ができるんだ………。」
「エスト………もうやめて………。」
「そのためには、くだらない目の前の戦争にかまっている暇なんかないんだ。ジリアン………。」
ジリアンが何か言おうと口を開きかけたとたん、彼女の弾力を持った肉づきの良いその尻に、再び硬くなったエストの感触を感じ、瞬時に全身を寒気が走りぬけた。
「エスト!もうやめて!!」
「嫌だ!!ジリアン!!!」
彼は叫ぶと、再びジリアンを貫こうとふくよかな彼女の尻に手をあて、股間をまさぐった。
「ハアッ、…ハアッ……いやぁっ、やめて、やめて……。」
冷たい汗が彼女の背中を流れ落ちる。
「ハア、ハアッ………。」

466ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:35:04 ID:hQ5Sa3Fz

「エスト、どうして、…………。」
「ハアッ、ハアッ、ハアッ。」
「ハアッ、ああっ……やめて………。」
彼女は女性らしく弓なりに背をそらせ、はい上がろうとでもするように棚の上の方へわなわなと血の気を失った指先を伸ばす。
「ハア、ハアッ。……。ジリアン…逃がさないよ………。」
「はん……いや……どうして………私は……ひっく……うう……。」
再び強く本棚に押し付けられジリアンは苦しげにうめいた。彼女の肩や胸にはエストの爪痕がくっきりと残されている。
「ジリアン………僕のものだ……逃がさない………!!」
エストはジリアンの中に再び、その硬くそそり立った肉棒を挿入した。
「いやぁっ、痛い、痛い!!」
無理やり股間を広げられ、今度は背後から入れられて、彼女はかれた声で叫び続けた。
「ああっ、熱い、やめて、もう、お願いだからぁ!!」
「ハアッ、ああっ、いいよ、ジリアン、ジリアン!!!」
「やめて………やめてぇ………。」
「ハアッ、ハアッ。」
「ああっ……。はうっ……痛い……いや………。」

467ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:36:49 ID:hQ5Sa3Fz

「ハア、ハアッ、ハアッ。」
「そんなに……………しないで………痛い………!!」
「ハアッ、ハア、ハア、ハアッ。」
「ハア、ハアッ、何で…こんなことに……。やめて……!」
「ハア、ハアッ、ジリアン………愛している………。」
「あんっ、ああっ、エスト、もうやめて………もう自由にして………。」
今までひたすら嫌がり暴れ続けていたジリアンだが、それでもとうとうエストの激しい快感の波には耐え切れず、
無意識のうちに柔らかな尻をふり始め、エストのそれを一層自分の中へ送り込もうと身悶えするように体をよじらせた。
「ハア、ハア、君のためだ……君が自由になるためだ………。」
「うっ……ハア、ハアッ………どうして………こんなことに………エスト………。」
「ハア、ハア、ハア、ハアッ、ハアッ。」
「はあんっ、アンッ、アアッ。」
「ハアッ、ああっ……。」

468ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:39:14 ID:hQ5Sa3Fz

「はああん、はうっ、ふうっ。」
「ハァ、ハァッ…。」
「ああん、あぁっ!!」
「ハアッ、ハアッ!」
「あんっ、あっ、あんっ、あああああーーーーーーーーーーーっ!!!」
脳天まで快感が駆け上がり、ついに彼女は闇を切り裂く悲鳴を轟かせた。
「ああっ、ジリアン、ジリアンッッ!!」
その膣の締めつける威力にエストの精液が再び激流となって彼女の中に流れ込む。
「ジリアンっ………!!」
「ううっ………。」
ジリアンは全身の力を失い、ぐったりと両手足を投げ出しその場に倒れこんだ。体がびくんびくんと痙攣したようになり、震えがとまらない。
「ジリアン………っ。」

469ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:40:43 ID:hQ5Sa3Fz

「ああっ………。エスト………。私………。」
秘所に再び熱い快感を感じて、ジリアンはすぐに意識を取り戻した。
「エスト、何を………。ああっ……。」
「ジリアン…。」
床の上に倒れた自分の体に、エストがまたも覆い被さっていのをジリアンは見た。
「はあん………やめて、そこは………。あぁん………!!!」
エストは彼女の穴と、そしてそのそばの突起を激しくこすり上げていた。
「ああぁん!!やんっ!!はぁうう………。」
再び彼女の愛液が噴き出していて、エストの指をぬらぬらと包み込んでいる。
ジリアンはまたもや絶頂を迎えてしまいそうな衝撃に全身を震わせた。
「ああんっ……。私……もう………。」
「ああ、大好きだよ、ジリアン……愛している………。」
「エスト………。」
「誰よりも、誰よりもこの僕が、君を正しい方向に連れて行くことができるんだ………。」
エストは彼女のひだや太ももに自身の、すでに様々な液体であやしく光る肉棒をこすりつけ始めた。
「ああっ………。」

470ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:43:06 ID:hQ5Sa3Fz

ジリアンの体にはもはや、抵抗する力も愛撫に応える力も残されていなかった。
先ほどから痙攣したようにがくがくと体の震えがとまらず、頭の中は真っ白で、ひたすらに正気を保とうと努力する事だけで精一杯だった。
「ジリアン………。」
エストはそのまま彼女の中心へと、すでに復活し先走りの液まで垂らした肉棒を擦りながら進ませ、
再び彼女の、快感の波にひくひくとさせている穴の先へと先端をあてがった。
「ああっ………。」
またもや貫かれてジリアンの唇の端からうめき声が漏れる。
「ハアッ、ハアッ、ああんっ。」
「ハア、ハアッ。アアッ、ハアッ。」
エストは少しでも深く繋がろうと何度も何度も腰を打ちつける。
「ハア、ハア、ハアッ。」
床の周りは流れ出る二人の色々な体液であちこちにしみができていた。
「アアッ、うんっ、あうっ。」
膣から伝わる熱い感触に思わず腰を浮かせると、エストはより一層締めつけられるその快感にうめき声を出す。
「ああっ、ジリアンっ。ああっ…。」

471ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:44:20 ID:hQ5Sa3Fz

「ああっ、エスト…、私、もうだめ、もうだめっ………。」
「ハァ、ハァ、ハァ。」
エストはより彼女の奥深くに入り込もうと、がむしゃらなほどに腰を動かした。
「ああっ、エスト………。」
彼は夢中で腰を動かし続け、ジリアンもそれにあわせて腰を振ろうとするが、激しい疲労からか体が思うように動かない。
「ううっ、ああっ、あんっ!!!」
「はぁっ、はあっ、あんっ!!」
「あうっ、はんっ、ふぁっ、ああーーーっ!!!」
どくんどくんと膣中に流れ込むものを感じて、ジリアンはすでにかれてしゃがれたような悲鳴を上げた。
「ううっ、はああっ、くううっっ!!」
「も、もうやめて……………出さないで………。」
ジリアンの哀願に応えず、エストはどこまでも己の液を注ぎ入れようと腰を振り続けた。

472ロストールの長い夜と闇を翔ける白翼:05/01/17 01:45:52 ID:hQ5Sa3Fz

「ああっ、やめて、エスト、もう………。ふぁっ………。」
「ジリアン………。ああっ………。」
さすがに彼自身も疲労しきったのか、二人ともしばらくぐったりと力が抜け倒れていたが、エストがようやく腰を上げると、肉棒につられて流し込んだ白い液体が膣からたらたらと漏れ出した。
「ああ………エスト………私は一体これからどうすれば………。」
絶望をもらすジリアンの唇にエストは自身の唇を重ねた。
「ジリアン………。ずっと一緒だよ………。僕と一緒に争いの無い世界を創るんだ……。」
「エスト、…何をする気なの………。」
エストはジリアンの手を自分の胸に持っていくと、ジリアンを見つめて言った。
「ジリアン、一緒に戦争を終わらせよう。君と一緒なら僕はできる。僕と一緒に行こう。禁呪を解放し、平和のために新しい力を手に入れるんだ。」
それ以上何も言わず、立ち上がったエストは、ぐったりと無抵抗になったジリアンを抱き上げ、新しい旅立ちのために部屋を出た。窓から見える空は、朝焼けに輝いていた。


Fin

473闇の神亀:05/01/17 01:47:15 ID:hQ5Sa3Fz
なんだかだらだらといまいちやる気が感じられない文章で申し訳ありません…。
誤字脱字もあったらごめんなさい。あと投下間違えて恥ずかしい…(笑)、ごめんなさい。

474名無しさん@ピンキー:05/01/17 02:10:40 ID:KSm30lyR
>>473
久々に新作キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
投下乙です!
475名無しさん@ピンキー:05/01/17 03:38:52 ID:5c4MRfoQ
>464の辺りでキレた女主に萌えた。
476名無しさん@ピンキー:05/01/18 00:14:14 ID:I5SW9Zib
乙カレ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

一番かわいそうなのはレムオンではなく、ゼネテスに連行されて(作戦か?)
不安が現実になったチャカでFA?
477名無しさん@ピンキー:05/01/18 23:49:25 ID:g4hsyLTE
>473
乙でした。黒エストも良いですな。
後、チャカ負けるな頑張れw
478闇の神亀:05/01/23 17:31:00 ID:ZKuFsQQK
コメントしてくれた方々本当にありがとうございます。
エストはこの後女主を利用して禁呪を取りにいくつもりでしょうね。

>476
正解!でも相手が違いますね(藁)
479闇の神亀:05/01/25 01:24:04 ID:tal3sXHi
もう投下しばらく止めようと思ったんですが………(汗)
「ロストールの長い夜と〜」が、書いてて非常に楽しかったので、勢いで黄金主人公ネタもういっこ書いちゃいました。ゼネテス×女主です。
480ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:28:54 ID:tal3sXHi

星がちかちかと綺麗に瞬く夜、ミネルヴァは、眼下に広がる穂の海を眺めていた。
穏やかな風に吹かれて、ノーブルの金の海は暗がりの中でしなやかにうねる。
「今日は何かあるのかしら…?領主の館も、道も、不自然に静かね……。」
ゆるやかに赤毛をなびかせながら一人つぶやくと、ミネルヴァは不審者がいないか畑の周囲をゆっくりと歩き始めた。
晴れが続いて作物の豊かに実るこの季節はよく、夜のくらがりにまぎれて、
治安の悪化に乗じたこそ泥が自分達の努力の結晶を狙ってきたり、ボルボラの手先が執拗に畑を荒らそうとやってくるので油断がならなかった。
田畑を荒らせば、税を納められなくなる。税をまともに納められなくなれば、代わりに父から受け継いだこの田畑を奪い、
ミネルヴァ達をノーブルから追い出そうというボルボラの狡猾な計略なのだ。

しかし、今日は何もない。いや、不穏なものがなく落ち着いているというわけでもない。違和感を覚えるほど静かすぎるのをミネルヴァは感じ取っていた。
自然の中で育った自分の第六感を信じようと、隅々まで見回ったが、何も異常は無かった。
「……戻ろ。…気のせいみたい。…もう疲れちゃった……。」

481ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:30:25 ID:tal3sXHi

昼間の巨大ナメクジとの激しい戦闘で疲労にこわばった体をひきずって、ミネルヴァが夜の畑の見回りから戻ろうとすると、家の中が異様に暗いことに気がついた。
いつもなら、チャカが明りを灯して、明日の農作業の準備に追われながら待っているはずなのに。
「……?」
ミネルヴァは不審に思いながらも扉に手をかけた。
「チャカ、どうしたの?起きなさい。私と交替して、畑に行って欲しいの。
今日は何か嫌な予感がするから……。」
言いながら家の扉を開けると、中はろうそくの明りすらなく真っ暗だった。
彼女がランプに明りを灯そうと手探りでテーブルに手を伸ばそうとしたその途端、一斉に、あらくれ男達のいくつもの無骨な手が襲い掛かった。
「!!何をする!!!」
「姉ちゃ………!!」
すでに縄でがんじがらめにされ、うめいているチャカ。
「チャカ、チャカ!!」
暗闇の中、弟の声の方へ手を伸ばそうとしたが、あっという間に大勢の毛むくじゃらな腕に女らしく細い体を床へと押さえつけられてしまった。

482ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:32:11 ID:tal3sXHi

「………姉ちゃん、逃げてぇ………!」
「チャカぁ!うっ、やめろ!!放せっ!!」
必死の抵抗もむなしく、大人数の不意の夜襲に、多勢に無勢でつかまるミネルヴァ。大勢の腕が彼女に襲い掛かる。
暗がりのせいで、一体何人が自分の体に触れているのか確認できないが、とにかく大勢の手が自分の体をまさぐっているという感覚にミネルヴァは恐怖を覚えた。
闇の中で感覚のとぎすまされた体をあちこち撫で回され、敏感に反応して、床の上で彼女は無意識にその肢体をくねらせる。
「ううっ……、やめてぇ………。」
彼女の懇願に周囲は一切応えず、四方八方からびりびりとクロースが、下着が、身につけているもの全てが引きちぎられた。
「きゃぁっ!!何を!!野蛮人!!」
「うひょぉ、いい体しているじゃねぇか!」
男達はミネルヴァの体をじっくりと鑑賞しようと、ランプをつけた。
その明かりに浮き上がった予想以上のならず者の人数に彼女は絶句した。チャカが、姉のあられもない姿を見て悲鳴を上げる。
「おい、このままやっちまうか?」
野蛮な集団の一人が世にも恐ろしい事を口にした。

483ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:33:05 ID:tal3sXHi

男達はいやらしい笑いを浮かべ、じっくりとミネルヴァを視姦していた。
彼女は、日々の農作業と剣の修行にひきしまった綺麗な体のラインに、実にふくよかな、大きすぎるほどの乳房と形の良い尻を、この野蛮な男達の前にさらけ出していた。
その表情は驚愕と怒りで引きつっている。
「いや……、もったいないが、今はまず先に連れて行ったほうがいいだろう。それが命令だからな。」
頭らしい男がそういうと、残念そうに男達はロープを取り出し、ミネルヴァを、大きな胸を強調するようないやらしい形になるようにぐるぐる巻きにした。

484ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:34:10 ID:tal3sXHi



「……………。」
領主の館の一室にひん剥かれて引き出されたミネルヴァを見て、ボルボラはいやらしく口をゆがませ含み笑いをして言った。
「減税、ということか?まったくお前は同じことばかりうるさいやつだ。」
一糸まとわぬ姿で領主と周りの男達の前に引き出されても少しもひるまず、ミネルヴァはきっとボルボラを見据えた。
「はい、私たちは、もうこの重税には耐えられません!!畑を耕す私たちは、税を納めてしまえばもう口にするものは来年の種しかありません。これを食べてしまえば、来年の畑に蒔く物がなくなってしまいます!
…他の町の人たちも日々の生活に苦しんでいます、なのに領主館で毎夜聞こえる、らんちき騒ぎ……。
あなたたちは人の幸せを奪い、苦しみを与える化け物です!」
「この小娘が、勝気な事をいいよるわ。」
「幸いに、人の考えに税はかかりませんので!」
ミネルヴァの言葉に、そばにいた兵士が欲情に血走った目を向けながら言った。
「娘。余計な返し口は利かないほうが身の為だぞ。」
「税を自由に使うあなたたちでも、地獄行きからは自由ではないはずよ。いつかきっと、あなた達は破滅に追い込まれる。」
「!この女、言わせておけば……!!」
「まあいい、ぐひ…。」
ボルボラは兵士にそう言うと、ミネルヴァの卑猥な姿を頭から足の爪の先まで眺め回した。
「まったく、このはねっかえりは、どうしたものか……。ぐひひ……。」

485ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:35:30 ID:tal3sXHi

ボルボラはその腐りきった頭に、世にもおぞましい考えを思いつき、下品に分厚い唇を醜くゆがませた。
「そうだ、貴様は女のくせに、乗馬が上手かったな。」
こんな状況でも凛とした態度を崩さず、ミネルヴァは答えた。
「母譲りです。」
「そうだな、母親に似て、お転婆のあばずれだ。」
「違います。母は立派な方です。」
素っ裸だがしかし冷静なミネルヴァの受け答えに、ボルボラはにやりとしたので、平静を装いつつも彼女は嫌な汗が背中を走るのを感じた。

486ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:37:01 ID:tal3sXHi

「よし、ぐひひ、お前の言う事を聞いてやってもいいぞ。税を半分に減らしてやってもいい。」
「え………。」
まさか本当に、と信じられない表情でミネルヴァは顔を上げた。
「しかし………。条件付だ。」
ボルボラは太り過ぎで汚いしわのよった顔一杯に、残忍な笑みを浮かべた。


487ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:38:16 ID:tal3sXHi

「もしもお前が、明日の正午、この格好のまま馬に乗り、ノーブルを一周するのなら、そうしたら、ノーブル中の全ての税を今の半分にしてやろう。」
ボルボラの世にもおぞましい考えに、チャカが縛られたまま言葉にならない悲鳴をあげる。
ミネルヴァは黙って毅然と一糸まとわぬ姿で立ちつくしていたが、その頭からつま先まで震えが走った。

488ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:38:58 ID:tal3sXHi

そんなことをしたら、一生、ノーブルで顔を上げて暮らせないだろう。結局は、この残虐な領主は、ミネルヴァをノーブルから追い出すつもりなのだ。
「ヒィィィッ、嫌だぁぁぁぁっ、ダメ、だめっ、そんなことできるわけないじゃんか!結局、俺たちをノーブルから追い出す気じゃねぇか!!!」
「うるさい!!このガキ!!!」
「姉ちゃん、姉ちゃんッ!!!」
「…………。」
ミネルヴァは父と母の事を考えていた。忠誠を誓った主を戦火の中に失い、逃亡兵として流れ流れてたどり着いたこの地に、平和を築こうとした父。
そして身分の高い身でありながら、戦で貧困に苦しむ人々を見捨てることができず、癒しの魔法のみを携えて生家を飛び出し各地を放浪して、父と出会った母。
平和な町を創ろうと、二人が願い、なし続けてきたことをこんな所でつぶす訳にはいかなかった。
(父さん、母さん、私は………。)
両親の想いを継ぎ、ノーブルの人たちに生きる道を、未来を拓くには。
それには、他に道が無い。
彼女は観念したように長いまつげをふせた。

489ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:40:23 ID:tal3sXHi

「…………………わかりました…やればよいのですね………。」
「やめて、やめてーー!!姉ちゃんやめてぇ!!!こんな馬鹿なこと、絶対にやめてくれ!!!」
チャカの悲鳴とも懇願ともつかないうめきに、ミネルヴァは心を塞いだ。本当に、それしか道が残されていないのだ。
「その代わり、ちゃんと減税を保証してくれるんでしょうね。」
「ああ、もちろんだ。この領主様にまかせろってんだ。ゲフフッ………。」
「その事をきちんと書面に記さねば、私は承諾できません。」
「まったく、こざかしい奴だ………。書類は後で、執務室で書いてやろう。明日持ってくるから、心配するな。」
「…………………わかりました。」

490ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:41:18 ID:tal3sXHi

「やめて、姉ちゃん、そんなこと絶対にだめだよ!!こんなの、この成金デブがまぐちのでたらめに決まってる!!姉ちゃんを利用する気なんだ!!」
チャカが叫び、ならず者が彼の縄を締め上げた。
「黙れ!ガキが!!」
兵士の乱暴な行動に、初めてミネルヴァが悲鳴を上げた。
「やめてぇっ!……チャカは、弟だけは自由にしてくださいっ!!この子は関係ありませんっ!」
ミネルヴァの初めて狼狽した姿を見て、ボルボラも周りの兵士も、ようやくこいつに一杯くわせられると残酷な笑いを見せた。
「弟は、人質にとらせてもらう。もしも、明日途中でおかしな真似をしたら、こいつの命は無いと思え。」
「……………くっ…………!!」
ミネルヴァは家畜のように裸で綱につながれたまま、がっくりと首を落とした。

491ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:43:14 ID:tal3sXHi

次の日、約束の時間―――。
ミネルヴァは凛とした表情で、しなやかに太股をあげ馬にまたがった。
足をいっぱいに広げて彼女の茂みが広がり、馬の鞍に女の花びらが押し付けられる。
いつもと違う感触にミネルヴァはとまどったが、何とか平静を装うと膝に力を込め、いつものように勢いよく手綱を引いた。
邪魔な袖がなく、普段より動きが軽くなっている腕は、力あまって彼女の頭の方まで手綱を引き上げ、馬はキュェーといななきながら前足を高々と宙にそらせた。
「やっ!!!」


492ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:44:13 ID:tal3sXHi

ミネルヴァが減税と引き換えに裸で町を奔り回るという噂は、一晩の内にまたたく間にノーブル中に知れ渡っていた。
よく晴れたまっ昼間のさなか、女性たちは雨戸を閉ざし、窓という窓を固く閉め、
小さな子を連れた母親は子どもたちを部屋の隅に集めると、ミネルヴァの非常識なふるまいを見せまいときつく抱き寄せ、この嵐が通り過ぎるのをひたすら待った。
男たちは、いったんは外を見るまいと窓を閉めたものの、細く開けてこれから始まる事に期待する者、
また完全に分別を忘れ、陽光の下に登場する彼女の裸を一目見ようと窓に集まりやんやと騒ぎ始める者―そこにはあの長老の息子もいた―等町に騒ぎを生じさせていた。
年寄りたちは、ミネルヴァの破廉恥なふるまいは実に愚かな事だとささやき合い、
ただ巻き込まれたくない一心で、家の奥にひっこんでいた。長老は周囲の人々に彼女はきちがいだといいふらした。
が、しかし、ボルボラの重税や残虐な行いに苦しみ続けていた人々の多くは、心の奥で密かにミネルヴァの勇気に畏敬の念を抱き、これでボルボラの圧制が少しでも緩むようにとひたすら願い続けているのだった。

493ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:45:01 ID:tal3sXHi

ミネルヴァは約束通り、ノーブルをあられもない生まれたままの姿で走り抜けた。
家々の雨戸に挟まれた道を走り続け、民家の密集する道を駆け抜ける。
馬の上でゆれて上下左右に波打つ大きな乳。大衆に見られているという緊張もあってかその先の紅色の突起は立っていた。
高々と天をあおぎながら馬の動きにあわせてリズミカルに動く尻、むきだしの割れ目。
ミネルヴァの艶めかしい姿に野次が飛ぶ。
「ひぇーっ、いい眺めだ!!」
「この淫乱女!!」
しかし一切彼女の耳には入らず、なおも店の並ぶ市場へと馬を走らせ続けた。


494ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:46:05 ID:tal3sXHi

「いい気味だぜ、まったく!」
「ああ、ミネルヴァめ、いいケツしていやがる!…んぁ、な、何だよ!」
長老の息子たちはミネルヴァに物を投げつけようとしたが、いつの間にか部屋に立ち入っていた年上の男たちに腕を掴まれていた。
「…やめろ!!ミネルヴァが誰の為にこんな事までやっていると思っているんだ!!」
「あんだよ、放せよ!!どうせこんなことやったって、ボルボラが税を軽くするわけがないだろ!?」
「それでも、俺たちには、これしか残されていないんだ。
ここで生活する糧を得るには、生きていくには、今の彼女にすがるしかないんだ。」
「あの女はボルボラに遊ばれているだけさ!」
「ミネルヴァだって、それはわかっているだろう。だが、少しでも可能性のある事なら、
やらなければいけないと考えているんだ、町のために、俺たちのために。」
「だからって何にもならねぇじゃねえか!!俺達が平和に暮らす為には、とにかくあいつらに関わらずに今を我慢するしかねぇんだよ!どうせ、どうせ!!」
「『どうせ』なんて言葉は、ミネルヴァは一度も使ったことがない。
あいつは勇気のあるやつだ…。『どうせなら』懸けてみようと思ったんだろう。
どっちにしろ、このままじゃ俺たちはのたれ死ぬだけだからな……。」
「……………。ケッ、またあいつばっかり………。」
「……そういえばお前はミネルヴァと同い年だったな。だが、それでやっかむくらいならもっと人の役に立つことをしてみたらどうだ?」
「………………。」

495ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:46:50 ID:tal3sXHi

時折冷やかす青年達にもかまわず、減税への祈りを込めてもしくは関わるまいと異様に静まり返っている町並みをミネルヴァはひたすら走り続けた。
「なんという愚行であろう…。」
首をふる長老達にも気づかず、町の中央の街道を走りぬける。
今のミネルヴァには、周りの景色も自分の姿を見物する野次馬も、今の自分自身も何も目に入っていなかった。
今、ミネルヴァの目の前にあるものは、ボルボラが来る前、両親が生きていた頃の、畑が、家が、町全体が豊かさに満ち溢れた平和なノーブルの姿だった。
「ああ、父さん、母さん……!!」

496ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:47:33 ID:tal3sXHi


その時突然、母の建てた孤児院の前で、ミネルヴァの事を祈るように見ている美しい女性を目の端に捉えた。
以前、ボルボラの残酷な行動によって恋人を失ったと話していた女性だ。
「みんなを助けたい、これで町が救われるなら………!!!」
ボルボラのむごたらしい暴政に恋人や親兄弟を失い、毎日を自分よりも辛く苦しい思いをして過ごしているノーブルの人達を考えると、
耐えたい、耐え抜いてこの地に平和な暮らしを築けるようにしたいと思った。
「あのノーブルが、あの町がもう一度戻ってくるなら………!!!」
走り続けている間、ミネルヴァの頭にはその事しかなかった。

497ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:48:25 ID:tal3sXHi

そして約束の終点地、町の一番大きな広場にたどり着いた。
「!!」
眼前に広がる光景に、ミネルヴァは目を疑った。
広場の地面に柱が深々と打ちこまれ、周りにはボルボラと、その手下の男達がにやにやと笑いながら柱の周りを囲んで人垣を作っている。
ボルボラの脇には惨めに縛られたまま、情けなく絶望に頭をうつむけたチャカもいた。
「何をする気だ!!」
男達はそれには答えなかった。
「こんな事、約束には………!!!」
ミネルヴァが何か言う間もなく、彼女は後ろからまたもやロープをひっかけられ、きつく縛り上げられてしまった。
ここでようやくミネルヴァはボルボラの策略に気がつき、絶句した。残忍なことを心から喜び好むこの領主は、約束を破るばかりでなく、
町でも一番目立つここの広場でミネルヴァを柱につなげ、大衆の見世物とする気なのだ。

498ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:49:07 ID:tal3sXHi

広場にはミネルヴァの噂を聞いて、野次馬根性まるだしの旅行者たちも続々と集まっていた。
元々遺跡などが近くにあり、その中継地として研究者や観光客が集まるノーブルだが、
噂を聞きつけて近くの村々からもぞくぞくと野次馬が集まってきていた。

499ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:51:09 ID:tal3sXHi

この町に住む町民よりも多いのではないかというような大勢の観衆の前で、ロープで体中を杭に繋がれ、縛られるなやいなや、そのまま無理やり両腕を上に引き上げられそうになってミネルヴァは苦しさに呻いた。
ボルボラは澄んだ青い空高く、どす黒いほど不気味な笑い声を響かせた。
「このボルボラ様に刃向かうやつらは、みんなこういうみじめな末路になるんだよ!!!」
その濁った声に、悲壮に満ちた表情のチャカが顔を上げる。
「姉ちゃん、姉ちゃーーーん!!!」
いつも弟には粗暴な態度のミネルヴァだったが、この時ばかりは、チャカを慈しみの目で見つめた。
「チャカ………姉ちゃん、何もしてあげられなくて、……ごめんなさい………。」

500ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:52:43 ID:tal3sXHi

彼女の両腕を頭の上に持ち上げ、ロープがピンとはったその瞬間だった。
シュッ。ヒュン。
観衆のあいだから二本の短剣が飛んできた。
短剣はミネルヴァの体すれすれをかすめ、
一本はミネルヴァを引っ張り上げようとしたロープ、
もう一本は彼女の体を縛り付けていた杭に刺さり、ロープの切れ端が二、三本、下にだらりと落ちた。
「!!」
その機をもちろん逃さず、ミネルヴァは体をねじって綱を払い落とすと、
杭に刺さった短剣を勢いよく引き抜き、裸のまま近くの男たちに当て身をくらわすと、観衆の中へと走り出そうとした。
「馬鹿が!逃げられると思っているのか!!!」
即座にミネルヴァは周りにいた男の一人に片腕をつかまれたが、思い切りひざで男の股間を蹴り上げ、
その手を振り払うと身をひるがえして柱の冷たくそそり立つ台へと引き返した。

501ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:53:37 ID:tal3sXHi

「おとなしくつかまるんだな!!」
他に逃げ場はない。ミネルヴァは身軽に柱をよじ登ると、ひらりと大股を広げ近くの屋根へ飛び移った。わっと人々の観声が沸きあがる。
「!!この、小娘がッ!!」
ボルボラの周りにいた男達が柱に群がったが、その途端屋根からたくさんの火の玉が落下し、見上げた男達の眼を直撃した。
「ぐわっ!!!」
「魔法か!!」
ミネルヴァは屋根づたいにノーブルの町を走りぬけた。下の広場ではミネルヴァを追って、怒鳴り声を上げる者、どさくさにまぎれて喝采をあげる者、屋根から屋根へと舞う女体という絶景を見逃すまいと走り出す者、様々な人間が入り乱れて大混乱に陥った。

502ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:56:42 ID:tal3sXHi

ミネルヴァは必死で叫んだ。
「チャカ!チャカぁ!!逃げて!逃げてぇ!!!」
先ほど観衆の中へと走り出したとき、彼の方へ短剣を放り投げていたのだ。
ミネルヴァはその後までは確認できなかったが、チャカは即座に落ちた短剣を足で掴み、この混乱に乗じてちゃっかりと綱を切るとその短剣をもったまま人波の中へ走り出していた。
人ごみに紛れてしまえば、何とか逃げきる事もできるだろう。ミネルヴァは弟の無事をただひたすらに祈った。
彼女は煙突や大きな家の二階の壁などに身を隠しながら、何とか逃げ切ろうと走り続けた。裸のまま動き続けたおかげで、その体にはあちこちに擦り傷や切り傷、あざができ、痛々しい程になっていた。

503ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:57:35 ID:tal3sXHi

このまま逃げ続けていたとしても、この裸の身で、結局は捕まってしまうだろうことは目にみえていた。しかし、ミネルヴァは走り続けるしかなかった。
ボルボラが約束を守る気などまったく無いとわかった以上、ミネルヴァの頭にあるのは、とにかく弟を無事に領主の手から逃し、生き延びさせることだけだった。
とにかくこうしてボルボラの気を自分に向けさせてさえいれば、その分チャカが逃げ切れる率も高くなる。広場から離れるように逃げ続けてさえいれば…。
ミネルヴァは、チャカの無事がわかるまでは、けして捕まるまいと決心していた。捕まるのは、チャカが逃げ切ったことを確認してからだ…。

504ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 01:58:55 ID:tal3sXHi

そうして屋根をはい上がり、家々を飛び越え、逃げていたが、追っ手の数は増えるばかりだった。
下の道路では、領主に反対する人達が怒りに震え立ち上がり、武装した領主の兵士と乱闘がくりひろげられている。
「みんな、ごめんなさい。わたしのせいで……。私がボルボラにだまされなければ、くっ……。」
激しい怒りとくやしさにこみあがる嗚咽をかみ殺す。

505ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:00:35 ID:tal3sXHi

逃亡劇ももうこれまでかと彼女は思った。最後の抵抗をしようと町一番の大きな宿屋兼酒場の屋根に飛び移り、
二階の壁に身を隠しながら、その先の集落へ逃げようと細い裏路地に飛び降りようとしたとたん、
その二階の窓からたくましい腕が伸び、彼女の細い腰をつかんだ。
「ひゃっ!!?」
抵抗する暇も、振り向く暇も無い恐るべき早業で、彼女は宿屋の中に引きずり込まれた。

506ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:01:55 ID:tal3sXHi



ノーブルの町は大混乱に陥っていた。
怒りに立ち上がる民衆、抵抗をおさえようと武器を構える兵士たち、
かかわるまいとしながらも、好奇心に勝てず遠巻きに見物する観光客や町の人達。

507ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:03:28 ID:tal3sXHi

バタバタと音をさせて宿屋のひげもじゃの主人が階段をかけ上がる。
「ゼネさん、ゼネさん!あのミネルヴァがまだ捕まっていないんだ、
何でも、屋根を鳥みたいに飛び移って、そのまま見えなくなっちまったそうだよ!
兵士達はどこかの屋根が抜けて家の中に落ちたんじゃないかって言っているけど、みんな外にでているもんだから、気がつかなくて、それであわてて探し回っているんだ!ゼネさんも、窓からなんか見えなかったかい!?何か気がつかなかったかい!?」
主人は狼狽のあまりノックもせずに客室の扉を開け、ベッドに伏せている男に声をかけた。
「おっと、俺は何にも知らないぜ。あいにくと今はお楽しみ中なんでな、邪魔するとは無粋じゃないのか?」
そう言って男は毛布をひじで持ち上げて、しっかりと抱きくるめた女の白い背中をちらと見せた。

508ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:04:14 ID:tal3sXHi

それを見た主人はあきれたように両手をあげる。
「まったく、町がこんなだってのにこの人は……。まあ、こんな小さな町の騒ぎなんぞ、あんたみたいな風来坊には知ったこっちゃないんだろうがな。」
「そういうわけでもないさ。このまえだって、皆が投げ出していたギルドのあの仕事、片付けたのは俺なんだってこと、忘れたわけじゃないだろう?」
「はいはい、感謝してますよ。だけどね、ゼネさん、」
主人はひげを撫でながらちらと視線を女体に戻すと、
「あんまり関わると、ろくなことがないよ。今騒ぎを起こしているミネルヴァという女は、暴政をする領主にかなり前から刃向かっているんだ。
ちょっかいださないほうが身のためだからね。」
そして主人は背を向けドアノブに手をかけたが、まわそうとする手をそこでとめたまま、独り言のようにつぶやいた。
「………でも、心の中じゃ、みんな彼女と同じ気持ちさ。領主の暴政にみんな苦しんで、大事な家や人を失ったりしているんだからね。
けれど、結局、みんなわが身が大事だから、おおっぴらに彼女に賛同する勇気がないんだ。
だけど彼女がああやって行動しているから、動き始めた人もいる…。
ノーブルの町は、変わりはじめているんだ。」

509ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:05:32 ID:tal3sXHi



「だと、よ。ミネルヴァさん。」
ゼネテスは腕の中の震える背中に声をかけた。
「………ふがー!!!むがー!!!!!」
ゼネテスが口をふさいでいた手を放すと、ミネルヴァはおし殺したような声でうめいた。
「な、なんなの、あなた、変態!!非常識じゃない!放しなさい!」
「お前さんの格好も、屋根を走り回るにはちょっと非常識じゃないのかい?」
ゼネテスは微笑を浮かべて言ったが、その笑みはさっきのごろつきや兵士達とはまったく違った、どこか温かさを持った、それでいて彼女の心まで見透かしたような微笑だった。
「…あなたは何も知らないの?今日の事を……。」
「知っているさ。お前さんは町の人のために、こうやって自分を犠牲にして、馬で走り回っていたんだよな」
「!!なら、放して!私、行かなくては…、ボルボラは約束を破った、私は逃がさなきゃいけない人がいるから、兵士に追われていなくちゃいけないの!放して!!」

510ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:06:31 ID:tal3sXHi

「いや、悪いが駄目だ。今飛び出したら、すぐに捕まっちまうぜ。
お前さん自体がまず追っ手から逃げ切ることが先決だろう。」
「やめて!……私は、私は逃げるわけにはいかないの!」
窓から、民衆と兵士のぶつかる乱闘騒ぎが聞こえてきた。
「私のやったことで、町の人たちが暴動を起こしている…、
止めに行かなきゃ、みんな殺されてしまう!!」
「大丈夫だ。そこまでの騒ぎにはならない。」
「どうして、そういうことが言えるのよ!!」
「ボルボラへの反乱を企てているリーダーはお前さんなんだろう?なら、リーダーのいない間は、おそらく皆も本格的には立ち上がらない。ならば、ボルボラも本気では手を出さないだろう。今はまだ、この騒動も大きなものにはならずにすぐにおさまる。
…それにボルボラの目的は、お前さんを捜しだすことだ。お前さんが見つからないことには、本格的に兵を出しはしない。」
「あなたはよその人だからわからないのよ!ボルボラにはそんな事通用しない、あいつは気分次第で戦闘モンスターを繰り出してくる!私、行かなくちゃ!!」
「まて。……今お前さんが出て行けば、確実に捕まる。そうしたら、何もかもおしまいじゃないのか?お前さんがここで生き延びられれば、後で再び反乱の仲間を集結させることができる。弟を助けに行く事もできる。」
さきほどから、自分が反乱の集団のリーダーだという事や弟の事まで知っているのに、ミネルヴァはとまどった。
「あなた……一体誰?何者なの?本当は、全て知っていて私を……?」

511ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:07:18 ID:tal3sXHi

ゼネテスは口を開かなかった。
「……私に、何か用があるっていうの。私は行かなくちゃいけないんだけど!」
「とにかく、追っ手がこの周囲から去るまで、ここにいて、俺の相手をするんだな。」
ミネルヴァは一瞬なにがなんだかといった表情をしたが、最後の言葉の意味を飲み込んだとたん、気が狂ったように暴れだした。
「いきなり何を言っているの!!失礼ね!!名前を言いなさいよ、あなた、何なの!」
「俺はゼネテス。しがない冒険者だ。少なくともお前さんをボルボラに引き渡すつもりはない。」
ゼネテスはしっかりと自分の腕を暴れる彼女にからめたまま力を緩めない。ミネルヴァの抵抗は無駄に見えた。
「行かせて!私は行かなくちゃいけないの!」

512ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:09:02 ID:tal3sXHi

ゼネテスは相変わらずその願いに応えなかった。
ミネルヴァは、階下に酒場がある事も忘れ興奮に声をかん高くさせて言った。
「私の言ってることがわからないの!何回も同じ事言わせないでよ!
行かせてっていったら、行かせなさいよ!!失礼な、人の苦しみも考えない、礼儀知らず!」

「大勢の民衆の前に、裸体をさらけ出した女の言うこととは思えないねぇ…。
今日は町中の男達が、お前さんの真っ白い肌を見て欲情していただろうな。」
その言葉に、今まで考えるまいとしていた羞恥の感情が一気に噴き出し、ミネルヴァは体が燃えるように火照るのをかんじた。
男の、服からはだけた胸板に自分の素肌がぴったりとくっついて、その自分とは違う体温の感触が、今まで昼間の陽光の下で自分は何も身につけていなかったのだという実感となって一気にミネルヴァを襲った。
ただならない恥ずかしさに涙があふれだし、シーツを濡らしていった。
「ううっ……。」
突然今までとうってかわって絶望にうち震え泣くミネルヴァに、ゼネテスは優しく声をかけた。
「町のためにやったことだろう。何にせよ、お前さんは度胸のあるやつだ。」
ゼネテスはそう言って彼女の耳を、歯を立てずやさしく噛んだ。
その唇の間から舌をちろちろと出して、彼女の耳たぶに沿わせる。
「はうっ……。」
ミネルヴァは、つい先ほどの、威圧するような声とはうってかわった、うろたえた声を出した。
「わ、私………。あいつに騙された…。あんな恥ずかしい格好で……もうこの町にいられない………。」

513ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:09:52 ID:tal3sXHi

「一度、お前さんと話がしてみたかった。どうしてそんなに領主と戦おうとするんだ?大変なのはわかるが、今の生活を我慢し続けていれば、すぐに命を狙われるような事もなかっただろう。
この町が嫌になったのか?畑仕事が嫌になって、俺みたいに剣でも振り回したくなったのか?」
ミネルヴァは潤んだ目で、強く握り締めてしわのついたシーツを見つめた。
「あなたは旅の人だから何も知らないのね。私たちの苦しみを………。
私は畑仕事が好きよ、この畑を守りたい、この町を、ノーブルを守りたい……。
父さんと母さんが必死で守り続けてきたものを、それを、……あんなやつに、…あんなやつに………。
食べ物を奪われ、家を奪われ、のたれ死んだ人もいる。
子どもたちも飢えて泣いているのに、私たち何もしてあげられない……そして私は、………あんな、たくさんの人の前で辱められて………。」
「……………そうか……、しかし、それももうじき終わるだろう……お前さんが立ち上がらなくても、あの領主は、他からも恨みをかっているからな…じきにまた、落着くようになる。」
それが、気休めでない事が、彼の口調から感じ取れたので、ミネルヴァは頭を上げた。
「!どういう事!?他からもって…?」

514ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:10:32 ID:tal3sXHi

「……………。」
「………ひょっとして、……広場で助けてくれたのは、あなた……?」
「……違う。……そいつもじきに現れるんじゃないのか?あいつもボルボラを倒すために動き始めたみたいだからな…。」
「やっぱりあなた………私たちより事情を………どういう事?」
彼はそれには答えなかった。
ゼネテスは、だいぶ前から、逃げ回るミネルヴァの裸体を見ていたが、
なまめかしいほど美しく、いやらしく胸を揺らして動き回るそれをわずかの間目にしただけでも体の中心が急速に熱くなるのを感じ、今やすでに彼の中心部はギンギンにそそり立っていた。
このノーブルの実態を知ろうと、ミネルヴァと接触したまでは良かったが、彼女のまっすぐな想いを感じ、そしてしなやかな肢体を抱きしめて、もはや、彼の理性ではその欲情を抑えることができなくなっていた。

515ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:11:18 ID:tal3sXHi

ゼネテスは彼女の体をいっそう強く抱きしめ、そして、町中の人々の目にさらされ、しかし誰も触れることの叶わなかったその肌に舌を沿わせた。
「はぁん……。やめてぇ……。」
彼女は、とにかく敵ではないが、得体の知れない旅人に体をいじくられ、不思議な快感に襲われるのを感じていた。
「やぁん……。あん……。」
彼女の大きすぎるほどの豊かな胸に手を伸ばし、紅色の乳首を指先でもてあそんだ。
「きゃっ、ああっ、いやぁん!」
彼女は乳首に弱かったらしく、身をよじらせてしかし恍惚とした表情を顔一面に浮かべた。
ゼネテスは彼女の胸を愛撫しながら、高々とそそりたった自分の物を彼女のふとももに沿わせた。
とにかく本能にしたがい彼女と交わりたくて仕方が無かった。こんなにも欲情のままに必死になった事はない。
ゼネテスは自分のがむしゃらさに我ながら驚きつつ、ミネルヴァのふとももを開かせようとした。彼女は最後の抵抗で足を固く閉じていたが、胸を愛撫し続け乳首をこりこりとこすると、その快感に彼女の力がゆるんだ。その機を逃さず太ももに膝をあてがいむりやり開かせる。

516ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:14:50 ID:tal3sXHi

「いやぁっ、やめてぇっ!」
茂みの中を見たゼネテスは、驚きを隠せなかった。
「ふー…ん。お前さん、俺がまだろくにしていないのにこんなにぐっちょり濡らして……さては、町の人達に見られて、感じていたな?お前さん、実はかなりの淫乱のようだな。」
「いやっ、ち、違うッ、違うーッ!」
「本当か?実のところは、見られて、感じていたんだろう?大勢の人に裸を見られて、あられもない自分自身を見られて………。」
「………。」
言葉の矢で的をすぱりと言い当てられて、彼女は真っ赤になってシーツに顔をうずめた。
ゼネテスは言葉に感じてさらにあふれつづける彼女の愛液をかきだそうと指を一本、そっと彼女の穴に挿入させた。そのまま指をゆっくりと手前に、奥にと動かす。
「ふぅっ……いやぁん……。」
そのゼネテスの指の動きに彼女は完全に自身を忘れ、いやらしく腰を動かして無意識に指を自分の中へひきいれようとした。
優しいため息ともうめきともつかないあえぎに、彼の肉棒も我慢できないと汁を垂らし続ける。

517ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:16:44 ID:tal3sXHi

「あっ、あっ、あんっ!!」
ゼネテスの指に彼女の膣が敏感に反応して収縮を繰り返す。
彼女の膣の中はざらざらとして、ゼネテスのごつごつとした指にぴったりと吸い付こうと動き続ける。
「ああん……き、気持ちいい……」
非常時という今の状況に、体が敏感になっており、彼女はいっそう快楽が感じられてしまうのだった。
「はぁん……。」
「すごいな……こんなに溢れて……。すでにこんなに濡れているんなら、手間がはぶけるってもんだ……。」
「はぁ………あん………。」
ミネルヴァは快感に他の事が考えられなくなっていた。すがるように涙を浮かべてゼネテスの方を見る。

518ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:19:32 ID:tal3sXHi

「ああっ…………。」
「ん?どうした?」
「……しいの……欲しいの………。」
「ふっ………お前さん、やっぱり淫乱だなぁ。何が欲しいんだ?」
「…あなたの……下さい……お願いします………。」
ミネルヴァの眼前にそそり立つゼネテスの太くたくましい肉棒は、今や彼女から言葉、いや思考すら奪ってしまった。
「わかった……………、俺も、もう………っ!」
ゼネテスは思いきり彼女の体をつかむと、彼女の濡れきった膣に自分の肉棒を突き刺した。
「ああーっ!あんっ、ああん……!!」
滝のように流れ続けている愛液で、彼女の穴はゼネテスの侵入を難なく許し、更に奥へ奥へと絡みつくようにゼネテスを導き続けた。

519ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:20:45 ID:tal3sXHi

「やあん……おっきい、いっぱいだよぉ………。」
彼女はその肉体をゼネテスの肉棒で貫かれて、震え、とまどい、泣いているようにも見えた。
ゼネテスは欲情のままに激しく腰を打ちつけ、ミネルヴァはその勢いに押されてシーツにしがみついていた。その白い布はすでにほとばしる彼女の愛液で、あちこちにしみを作っている。
「はぁっ、あんっ、あんっ。」
「うっ、ハァッ、ハァッ。」

520ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:22:25 ID:tal3sXHi

「はんっ、イタイッ。そんなに、……したらぁっ、…こわれるよぉ……。」
「ハァッ、ならず者に、たくさん、剣を向けられても、ひるまなかったのに、お前さん……っ。」
「……ああんっ、何よぉッ………。」
「ハァ、ハァッ、…かわいいぜ…………。」
「……………ううっ。ああんっ。ヒィッ……。」
「……はぁっ、ハァッ、こいつぁ、ちょっとばかし、キツいねぇ………っ。」
「アンッ、アンッ!」
「ハァッ、ハァッ、ハァッ!」
「ああっ!!!」
絶頂の時を迎え、ミネルヴァはびくびくっと体を震わせた。
その痙攣にこれ以上耐えきれないと思い、脳天にしびれるものを感じつつもようやくの思いでゼネテスは腰を動かしミネルヴァから自身をひきだそうとした。
「ふぅ………っ、もう少し、続けさせ…………。」
しかし、あと少しでミネルヴァから肉棒が離れる、という時、ミネルヴァの穴の入り口が、肉棒の先の敏感な部分を強く刺激した。
「うっ………。」
ゼネテスはそれ以上我慢できず、肉棒を引き抜いたと同時に、彼女の体中にどくどくと精液を放出してしまった。
気がついたときには、彼女の赤毛にも、体にも、太ももにも、いたるところにゼネテスの白い液体がべっちゃりと飛び散っていた。
「はぁ、はぁっ。」
二人は、しばらくの間、余韻に身を震わせ放心状態で抱き合っていた。

521ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:23:53 ID:tal3sXHi



「あちこち、いろいろべとべとしちまったな。まず風呂に入って、洗い流してきたらどうだ?」
ゼネテスのすすめるまま湯浴みをし、ミネルヴァが浴室から出ると、ゼネテスは、彼女の為に服を用意して待っていてくれた。
「あ、ありがとう………。」
サイズがあまりに違いすぎるぶかぶかの服だったが、服を着たミネルヴァはようやく人心地ついて、ゆっくりと感情が落着いていくのを味わった。そして彼が身をまとう物を与えてくれたことに、かくまってくれた事にミネルヴァは心から感謝した。

522ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:25:17 ID:tal3sXHi


気がつくと外は静かになっていた。
窓の外を見ると、宿屋の周囲からは皆立ち去ってしまっているようで、人の気配はほとんど無かった。
丁度宿屋に誰かが帰ってきたので、二人は階下の酒場の方に耳を澄ました。
「どうだい、ヨサ。ミネルヴァは捕まったかい!?」
「いや、まだだ。だが弟は捕まったらしい、領主はそいつを人質にして、ミネルヴァをおびき出すつもりらしいぜ。」
その言葉にミネルヴァははっと全身を緊張させ、ゼネテスの袖をつかんだ。
「ああ!やっぱり!!チャカを助けなきゃ、私行くわ!!」
「そうだな。これを持っていけ。」
ゼネテスは素直に応じると、一振りの冒険者用の身軽な剣を渡した。
「あ、ありがとう……。」
「ここの裏口から出て行ける。今人払いをするから、その隙に行きな。」
その言葉にミネルヴァはゼネテスの顔を見て言った。
「あなたは一緒に行ってくれないの?腕のたつ冒険者なんでしょう、
あなたも協力してくれればいいのに……。」
「いや、お前さんの力でなんとかなるだろう。俺は他にやることがあるんでな。」
「でも………。」
「ここでお前さんを助けるのは俺の役目じゃない。俺には俺のやらなきゃいけない事がある。」
「………あなたにも、何か事情があるのね………、わかったわ。」
ゼネテスの指図で宿屋を抜け出し、一人ミネルヴァは走った。





領主館の近くまできたミネルヴァは、目の前の人影に驚いて足を止めた。
「あっ、あなたは!?」
そこには、昨日の昼間、そして今日も彼女を助けてくれた二刀流の旅人が立っていた。

523ノーブルを走り抜けた炎:05/01/25 02:25:58 ID:tal3sXHi


エピローグ


数日後―――。
「レムオン公の妹君、ミネルヴァ、ねぇ……。」
改造ナメクジの残骸を前にして、息を切らしたミネルヴァに、ゼネテスはノーブルの時と同じ、温かみに満ち、かつ彼女を見通した微笑みを投げかけた。
「あっ………!!あなたは………!!!」
酒場から突然出現し、ナメクジを一刀両断して振り向いた彼の顔を見て、ミネルヴァは絶句した。同時にその頬がみるみると紅に染まる。
「……………、また、助けてもらっちゃったわね。」
「何だよ、姉ちゃん、知り合いなのか?」
恐るべき第六感で何かを感じ眉をひそめるチャカを見て、ゼネテスは微笑んだ。
「弟さん、助けることが出来てよかったな。」
「………通りすがりの、二刀流の旅人が協力してくれて、それで、一緒に、チャカを助けに行って……………。」
ミネルヴァは驚きでしどろもどろにつっかえながら説明しようとしたが、何をどう伝えたらよいのか自分でも理解できなかった。しかし、ゼネテスは彼女を見た時に、全てを理解していた。

彼らの物語は、まだ始まったばかりだ。


Fin


524闇の神亀:05/01/25 02:27:18 ID:tal3sXHi

少々手抜きです…。(汗)また萌えない上にかなり粗い文章ですが、お付き合いくださり本当にありがとうございます。個人的には、今までのやつでは「ロストールの〜」が一番楽しく書けました。
しかし、これでチャカがMY最萌えキャラ(男性陣で)とは信じてもらえなさそうだ…(笑)

もうそろそろいいかげんに自粛しますので、他の職人さん心おきなく投下お願いします。(笑)

いつも保管庫の方ありがとうございます。
保管庫のリストにはないようですが、ミネルヴァもおまかせに入っている名前ですよー。

525名無しさん@ピンキー:05/01/25 22:07:32 ID:BpxSbNS7
バレンタイン前にチョコレート屋のネタですかw
関係ないところでちょっと笑ってしまった。
お疲れです。

余計なことですが、誘い受けはやめといたほうが身のためだと思います。
たまたまここは平和なので大丈夫ですけど。
526名無しさん@ピンキー:05/01/25 23:13:20 ID:UGDC6EJ3
乙でした。
もし次があるのなら、チャカの話でも書いてくだされ。
チャカのカップリング…誰が合うのかなあ。やっぱ年上の姉さんになるんだろうか。
527闇の神亀:05/01/25 23:40:54 ID:N3Lhwj1X
>525
了解。なんとなくくせになっている気もする…。
まあ、こんなにスレ汚しまくってても皆さん温かく見守って下さっているので助かりました。
もう多分当分は投下しません…。充電しないと…。(藁)

>526
女主ラブ同士でエステル希望です。
528名無しさん@ピンキー:05/01/26 01:01:50 ID:0RgKlyyj
お疲れ様です。
流石に女主人公の裸を見た奴の目がつぶれたり、
ピーピング・ゼネテスとか言う単語が生まれたりはしないかw

脳内で池上良一画の素っ裸で走る女主が浮かんできたのは秘密。
529名無しさん@ピンキー:05/01/26 13:23:59 ID:psg3U5Nn
チョコレート屋のネタって何かと思ったらゴディバか。
んな高級店、縁がないよ…orz
530名無しさん@ピンキー:05/01/26 15:57:34 ID:rKQD21gm
今日はエストの誕生日だな…
531闇の神亀:05/01/26 23:00:51 ID:E+ReMBCG
エスト、おめでとう!本当はエストはいい子だって信じています。
完全版で闇落ちして悲惨な目に遭いませんように……。

>528
私は走り回るところは何となくもののけ姫っぽいイメージ自分の中にあったんですけどw
その発想も良いですね。気がつきませんでした。レス見たときちょっと固まっちゃいました(笑)
532名無しさん@ピンキー:05/01/28 07:02:13 ID:2MXtbb9y
ううむ、ザギプー人気ねえなあ
533名無しさん@ピンキー:05/01/29 01:43:59 ID:Qbtx3FVU
挿入したら中の魔人に食いちぎられちゃうからねえ・・・。
534名無しさん@ピンキー:05/01/29 02:03:49 ID:7iFKbvJg
身体の中に魔人がいるってどういうかんじなんだ

別人格になったりするのかな
535名無しさん@ピンキー:05/01/30 00:10:30 ID:fz8QOd2T
別人格にはならないだろうがザギヴの意識には介入してたんじゃね?

もう一回墓参りからプレイしなおしてみるか
536名無しさん@ピンキー:05/01/30 03:01:27 ID:Y4OP3scq
「まだ私でいられている…」て言ってたから、意識を支配されたりするのだろう。
537名無しさん@ピンキー:05/01/30 12:29:04 ID:xLrCDK3f
ザギヴは人気ないというより、これからが楽しみなキャラでは?
538名無しさん@ピンキー:05/01/30 23:17:39 ID:zA4PnUN+
ナイトメアの雫イベントやって思ったんだけど。
主人公って、冒険者達に殴られて気絶したんだよな。
あれ、女主だったら殴られる以上のこともされたんじゃ…。
539名無しさん@ピンキー:05/01/31 01:11:17 ID:L4DTkOYN
>>538
そうだねえ。エロゲならその後違約金返済と、クリュによる
復讐もあって変態貴族(大商人)やらスラムの人々相手に
凄い事になってると思う。

ただ、バイアシオンは男主でも安心してられない気が・・・
540名無しさん@ピンキー:05/01/31 04:20:47 ID:JQTkC71+
ダイダロになら掘られてもいい
541名無しさん@ピンキー:05/02/01 22:40:14 ID:MA6UpaNI
ダイダロは譲れないな
542名無しさん@ピンキー:05/02/08 20:42:06 ID:wcFr7TGe
543名無しさん@ピンキー:05/02/08 21:10:36 ID:BRMcl3z4
ダイダロ・・・ああ、あの執事か
544名無しさん@ピンキー:05/02/08 23:36:08 ID:4aCz4VR/
強そうで実はそうでもない。
545名無しさん@ピンキー:05/02/13 14:53:47 ID:d+ZS0DyB
>544
ワロタ
546名無しさん@ピンキー:05/02/13 17:10:45 ID:Fu6Hrn1/
しかし夜は(ry
547名無しさん@ピンキー:05/02/13 21:14:30 ID:m2HwBCAo
夜は栗ようかん?
548名無しさん@ピンキー:05/02/19 20:55:55 ID:wFLh95v8
今小説書いてる。まだ完成度60%くらいな上に長編なんだけど、需要はあるのかな?
549名無しさん@ピンキー:05/02/19 21:35:41 ID:C9XQXKmI
長編というのがどのくらいの長さかよく分からんが、投稿するのが大変なら
メモ帳にまとめてロダに上げるという方法も。
550名無しさん@ピンキー:05/02/20 01:58:33 ID:rpQ+X713
いや、投稿するのが大変というわけではないです。
ただエロ以外の部分も多いし、ここの方達はそれでも良いのかなーと思いまして。
551名無しさん@ピンキー:05/02/20 03:10:05 ID:wgAaE7yH
逆にエロだけっつーのもナニだからいいんでね?
つか550神降臨待機。
552名無しさん@ピンキー:05/02/21 15:00:07 ID:EcbU0FD/
そうですか。なら今月中には何とか。
553名無しさん@ピンキー:05/02/22 00:02:24 ID:ecNBCzzc
キタイ(・∀・)シテマス!!
554552:05/02/28 12:37:49 ID:AME3S+Fl
今月中と書きましたが、今日中には無理くさくなってきました。
そういえば2月は28日までだった…。
すんませんが、もうしばらくお待ちを。
555名無しさん@ピンキー:05/03/03 00:28:30 ID:+UzJGp6D
待つのは苦になりませんから、、、お待ちしてます。
556名無しさん@ピンキー:05/03/03 00:35:58 ID:IUjF8SwI
慣れてるしな・・・
557名無しさん@ピンキー:05/03/03 22:10:32 ID:DVwMLKY1
本スレがエロスネタで盛り上がってると、
ここの意味を思ってちょっぴり虚しくなるエロパロジルスレ住民。
一部でいいからこっち来てくれないかなあ。むこうだとしたくても参加できん・・・
558名無しさん@ピンキー:05/03/04 00:08:05 ID:jTJ6/3+3
然り。いっそのことこっちで止まらないハアハアネタを繰り広げて盛り上げて欲しい(゜∀゜)
エステルエロ可愛いスレがあるのと、こっちは闇「小説」ってなってるから来辛いのかな

まーともかく黒髪女主人公の太ももに挟まれときます(;´Д`) '`ァ '`ァ
559名無しさん@ピンキー:05/03/04 03:29:11 ID:KWG3OcQo
ついでに絵掲も……。
560名無しさん@ピンキー:05/03/04 23:21:48 ID:ta7wyTlT
女主に(;´Д`)ハァハァする密かな情炎の女…とかいうネタは
行き場すらないです
561名無しさん@ピンキー:05/03/04 23:44:56 ID:VjT+mU7n
いや、ここで受け入れる。
562名無しさん@ピンキー:05/03/05 00:00:17 ID:wWzgfBpT
>>560
大歓迎
563名無しさん@ピンキー:05/03/07 01:32:01 ID:nlgFhPhD
>>560
諸手を上げて大歓迎
564名無しさん@ピンキー:05/03/07 23:19:25 ID:y5EzAaBn
>561-563

(もうずっと離れたくない…
 二度とこの方を戦場などに…いいえ、誰かのもとへも行かせたくない…!
 この方が望むなら、それでこの方を私のもとに引きとどめておけるのなら、
 身も心も何もかも、すべてこの方に差し出せる…)


「○○○○…私だけの○○○○…。
 ずっと私のそばにいて…私だけのものでいて。
 忌まわしい闇を忘れさせて、私を慰めて。
 私が闇に呑まれた時は、あなたの手で…
 あなたのあたたかい手で、あなたの熱い愛で、私を一息に殺して…!」


おまいらホントにこんなの正視できるか?
言っとくが女同士だぞ。
565名無しさん@ピンキー:05/03/08 02:30:18 ID:bDeAqbFH
当たり前だ。その程度読めんでどうする。
と言うかそういうのを待っているんだ!
クリュセイスもティアナもアトレイアもザギヴもエステルもエアもフレアも百合の香りは似合う!
熱々甘々ラヴラヴトロトロ(ドロドロでない所がポイント)バッチコーイ!

……クリスマスやバレンタインや、花火大会の夜に花火の音を聞きながら読むと、ちと悲しくなりそうだが
566名無しさん@ピンキー:05/03/08 07:30:35 ID:5Y9j4Ufz
>>564
上等だぜ!おおいにやってくれ。
567名無しさん@ピンキー:05/03/09 19:16:25 ID:IOI4qzgl
>564
いつでも(・∀・)ニヤニヤする準備はできてるぜ!

フェティ様やユーリスあたりは主人公側が入れ込む必要があるな
あとはあとは……(・∀・)ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤ
568名無しさん@ピンキー:05/03/09 21:34:32 ID:66f++Ibw
>>564
静止するどころか、じっと凝視しますが何か。
569名無しさん@ピンキー:05/03/11 01:08:47 ID:bANyCB2f
みんな懐が深いな

百合もだけど、>>550さんもお待ちしてますノシ
570名無しさん@ピンキー:05/03/11 23:56:45 ID:mHsbN7yr
>569
期待されてる!?遅くて申し訳なく思っていたのですが、
近い内、必ずUPします。
571名無しさん@ピンキー:05/03/15 01:56:42 ID:bIeJy3uu
>570
いや、ゆっくりでも構わないですので!
楽しみにしてますノシ
572名無しさん@ピンキー:05/03/17 10:57:14 ID:DYKMnYn7
私はジルオールで百合に転んだ人間だッ!よって無問題!

…いや、実は結構隠れ同士がいそうなんだが…だって、ねえ?
573名無しさん@ピンキー:2005/03/25(金) 18:32:41 ID:tY4YU5bs
hoshu
574名無しさん@ピンキー:2005/03/30(水) 00:09:11 ID:brcooIUW
春だというのにこの静けさは何なのですか。



あ、春だからか……orz
575名無しさん@ピンキー:2005/03/30(水) 12:14:06 ID:h686A4QO
春はまだじゃないか?
まだ∞も出てないしな。
576名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 02:29:41 ID:rNPjSmzx
下がりすぎ、アゲ!

職人さん、こないな〜お茶冷めてもーた
∧_∧
( ´・ω・)
( つ□O ∫
と_)_) □
577名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 22:01:47 ID:KrKH/6R/
今更だが182はいいと思った。
エロもさることながら王城生まれでアトレイアをゲットして
アイリーンと決別覚悟で戦争というシチュが素晴らすい。
578ノエルネタです:2005/04/07(木) 23:37:47 ID:zyzi7qTg
パタン、と扉を後ろ手に閉めてノエルはため息をついた。
鎧と上着を脱ぎ、身軽な服装になった彼女は、寝台に倒れこむようにして体を横たえる。

『竜王様との契約を果たすのだ』

ナーシェスに告げられた言葉を思い出す。
その言葉の意味することを知っている。
だから―――、こんなにも胸が苦しい。
「…………」
あの笑顔を思い出す。
街の皆を失い、生きる気力を無くしていた私に道を示してくれたあの人。
冒険者になった事を伝えにいった時、ガンバレと笑ってくれたあの人。
ソウルイーターの前に、どうしようも無かった時、助けに来てくれたあの人。
ずっと目標にしてきた、ずっと憧れていた、ずっと―――慕っていた。

「ん……ぁ」
記憶にある彼の笑顔を思い出し、体が熱を帯びる。
その事に気が付いて、ノエルは赤面した。慌てて毛布に潜り込む。
「や、……だ、ダメ」
体を抑えられない。
一度疼きを自覚してしまった彼女の体は、急速に熱を帯びていく。
―――いけない。わたしにあの人を想う資格なんて。

背徳感が、彼女の吐息に熱を篭める。

「あ……んぅ」
鼻にかかった声が漏れる。これ以上はダメだと、頭の片隅で理性が警鐘を鳴らす。
これ以上は、我慢が出来なくなる。
579名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 23:41:21 ID:zyzi7qTg
焦燥感が、彼女の鼓動を加速する。

「んぁ……は、ぁ……んんっ」
気がつけば胸元に手が伸びていた。幼さを残す乳房に服の上から撫でるように触れる。
ツンと服を押し上げる乳首を爪弾くと、ビリっと電気が走った。
「ああっ……ふぅ、んくっ……っ!」
堪えきれず服をたくし上げ、直に乳房を揉む。
既に背徳感は要を為さず、むしろ甘い官能をより一層高めるだけだった。

ノエルの右手が股間へと伸びる。下着にそっと触れると、そこは既に湿っていて、
クチュ、という水音が漏れた。
「んあ、……あぁ……んふぅ、………あぁ、ん」
下着をずらし、直接秘裂に触れる。
指の腹で引っ掻くようにすると、甘い声が唇から零れ落ちた。
顎が上がり、つま先がシーツに皺を寄せる。
もっと強い刺激が欲しくて、陰唇を指でなぶり、ヒダとヒダの間を中指でこねくる。
華奢な体がヒクヒクと震え、蜜壷から愛液が溢れる。
「ひぁっ!!、……あ、あ、あ……んぁ……ああ、だめぇ……っ」
あの人に抱かれている事を想像する。いつもは大きな剣を握る指が、未成熟な身体をまさ

ぐる。愛液に指を絡め、蜜壷へと差し込む。
そのまま中指を出し入れした。
「ん、んふぅ……! あっあ、んんんっ……ひぁっ」
体勢を入れ替え、身体をうつ伏せにする。腰が浮き上がる。
580名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 23:41:56 ID:zyzi7qTg
半ば膝立ちになりながら、さらに人差し指を蜜壷に挿し入れる。
左手は乳房を揉みしだき、二本の指で乳首をつまむ。きゅっと強くつねってみると、
悲鳴に近い声が漏れた。
「や、あぁ……もっと、……わたしっ、わたしぃっ……!!」
指先に愛液をたっぷりとまぶし、秘唇から顔を覗かせる肉芽に触れる。
刹那、ノエルの全身を雷が走った。膝がガクガクと震わせながら大きく股を開く。
クニクニと肉芽をつぶすように刺激し、思い切って前後に擦り上げてみた。
途端に視界を火花が奔り、意識が急速に遠くなっていく。
ノエルは髪を振り乱しながら、ただ一心に指を動かす。
「んん……ああっ、もう、わたし……―――さん……、わたしっ……もぅ……っちゃう……!」
想像の中であの人が大きく腰を振る。深く身体の奥深くを抉られ、
蜜壷から愛液が溢れる。そのあまりの快感にノエルは思わず大きな声をあげた。
やがて、視界が真っ白に染まり―――
「あ、あっ、あっ……やはあああぁぁ、ひあああぁぁっ……!」
全身をそらし、ノエルが絶叫する。全身が細かく痙攣し、指を引き抜くと、ぱくぱくと秘

唇が開閉を繰り返しながら愛液がシーツの上に零れ落ちた。
「はぁ……ぁ、はぁ、ふぅ…………ぅ」
胸の奥が痛い。
こみ上げてきた物を堪えるように、ノエルは毛布を被り直し目を閉じた。
581名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 23:44:05 ID:zyzi7qTg
ディンガル帝国、エンシャント。
その旧市街の一角に既に廃棄された城がある。
魔王バロルが居城であり、今なお深い闇を残す魔境だ。
その最深部にて、闇を打ち払わんと激しい剣戟の音が響き渡る。

佇む闇の名はティラ。古き時代の地母神であり、闇の聖母。
それに挑むは五人の英雄。
ソレは―――神代の戦いの再現であった。
目前で繰り広げられる光景に、ノエルは息を呑む。

―――聖母の右腕を、リルビーの少女が華麗に回避する。
刹那、その小柄に似合わぬ大振りの短剣が閃き、火花を散らした。

―――聖母の左腕を、ドワーフの男が戦斧で受け止める。
凄まじい威力を秘めた一撃に一歩たりとて引く事無く、渾身の一撃を見舞った。

―――聖母の放ったエネルギーの渦を、勇者と呼ばれた英雄が槍で振り払う。
破滅の名を冠する槍は、文字通り必殺の威力を伴って闇の聖母へと撃ち出された。

―――聖母の唱えた闇の禁呪に対し、エルフの少女が聖なる禁呪で対抗する。
全てを呑みこまんとする闇と、収束する閃光が激突し、大気が鳴動した。
582名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 23:45:10 ID:zyzi7qTg
そして―――光が溢れる。
最後の一人、大剣を携えた剣士を中心に迸った金色の輝きが、
ティラを包み込むように螺旋を描きながら上空へと収束していった。

「……凄い」
闇の聖母の頭上に輝く光は正しく太陽だ。
何もかも焼き尽くすような金色の激光が、闇の全てを消し去らんと魔城を照らす。
息を呑みながら目を見開くノエルの視線の先で、金色の太陽は一瞬震えると中心に向かって収縮する。
刹那。光が弾けた。
黄金の輝きは、瀑布となって古の女神を呑み込み―――、一塵も残さず灼き尽くていた。


闇の王女と闇の王を退け、施文院の長を倒し、闇の巨人を滅ぼし……
その果てに古の神すら凌駕した彼らの姿に、ノエルは恐れよりも憧憬を覚える。
自分の大切なものの為に、自分の意志で、一介の冒険者は邪神に挑み、打ち勝った。
その後ろ姿に、どうしようもない思慕の念を抱きながら剣の柄を握る。

―――本当は戦いたくなんてない。
それでも、わたしはわたしの大切な人達のために。

その決意で小さな身体を支え、身の丈ほどもある剣を抜き放った。
広間の中へと踏み出す。

「さすがですね……―――さん。
全ての闇を消し去ってしまう程の強烈な光、それが貴方」
583名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 06:32:18 ID:m+RVYMp5
北〜
584名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 00:24:53 ID:tnX5mdFa
ノエルの切ないこころが沁みました。
585名無しさん@ピンキー:2005/04/21(木) 13:00:11 ID:SpItm0jY
えかった
586名無しさん@ピンキー:2005/04/26(火) 16:04:12 ID:A1Uktjnj
激しく笑ったボボブ准将様は復活してくださらないのだろーか。
587名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 02:09:02 ID:mZwu3Js/
そろそろ保守っとかないとマズイ気がする
ついでにageとくか
588冒険者、その旅路に果ては無く…1/46:2005/05/12(木) 02:04:48 ID:LB3rIYwk
「あ〜あ。また来ちゃったな」エステルは天を仰ぎ、一人呟いた。
ここはロストール。竜教信教で知られる南の大国である。
貴族階級の腐敗と、戦争での被害により黄昏を迎えているという事でも知られている
国だ。そんな先行きが良いともいえないロストールだが、それに反して今日の空の色は吸い
込まれそうな青。『悩みの無さそうな』という表現がぴったりと当てはまる快晴だった。
ロストールの能無し貴族達の象徴のようだなと、エステルの知り合いのとある二人は
思ってるんじゃないだろうか?それを想像し、彼女はふっと笑みを洩らした。
しかし、思考は現実に戻る。その過程で表情が引き攣っていくのを感じた。彼女の心
境もまた、現在のロストール程ではないにせよ、晴れ渡る空がむしろ憂鬱に感じられ
る程度には荒れていたのだった。
「面倒くさいなぁ。何でボクがこんなに縛られなくちゃならないんだよ…」
広場のベンチに座ったまま、悪態を吐(つ)く。

彼女は今から三週間以内に、故郷であるラドラスに帰らなければならなかった。
ラドラスとは神聖王国時代からの産物で、現在、学者達の間でもよく話題になる遺跡の一つだ。
しかし、まだ正式に発見されるには至っていない。実は、エステルはそこに住む砂漠の民達をまと
める族長なのである。外敵対策として、特定の期間、族長が不在であり続けるとラドラス
は砂の下に陥没する。その特殊な族長診査の為に、彼女は不定期にだが、里帰りする
必要があるのだ。自由な冒険を愛する彼女に取っては、それがたまらなく憂鬱なのである。

589冒険者、その旅路に果ては無く…2/46:2005/05/12(木) 02:05:48 ID:LB3rIYwk
しかしもし、エステルの地位が知られれば、水に落ちた家畜に飛び掛るピラニアの如く、彼女に多く
の学者先生達が寄ってくることだろう。それはそれで疲れる話だが、実際それを信じる者など、
そうそういるものじゃない。奇人変人扱いされるか、門前払いか。
97%くらいの確率で、そういうオチがついてくるであろうことは想像に難くなかった。
「……」
そこまで考えたところで、エステルは立ち上がった。
――仕方ないかな―
無駄な事を考えて、現実逃避しても、どうにかなるわけじゃない。結局、文句は言いつつも彼女は規則に
従う。エステルは自覚している以上に、真面目で素直だった。
まぁようするに、責任を放棄する事が出来ない人種というわけだ。
しかしそんなことだから、何時までもラドラスに飼われ続けてるんじゃないかと、そんな気もする。
そして、この先一生そのままなのかもしれないとも…。

――家畜――

ピラニア云々の時とは別の意味で、その言葉が頭を過ぎった。
「…そんな筈ないだろう」
マイナス思考を払拭するかのように声に出した。だが気持ちはさらに憂鬱という沼に沈む…。
「そんな筈…、ないよ。絶対……」
もう一度、声に出した。
590冒険者、その旅路に果ては無く…3/46:2005/05/12(木) 02:06:39 ID:LB3rIYwk
「さて、面倒な事になったな…」

――剣狼、奇跡の名将―

後の時代までその名を残す事になる男、ゼネテス=ファーロスはやれやれといった様子で
肩を竦めた。
「おいクリス。お前も災難だったな」
そして、隣を歩く青年に声を掛ける。クリスと呼ばれた青年は、口元だけを歪めて一つ息を吐いた。
「少し驚いてな。この状況で宴会するとは思いもしなかったぜ…」
彼は先の戦争での功績により、竜字将軍の地位を持つに至っている男だ。
ゼネテスとは冒険者時代からの仲で、二人の間柄は友人と言っていいものだった。
現在、総司令とその副将に当たる二人は当然の事、今日の軍議にも参加したわけだが、
それが終わるや否や、ある貴族がこう言ったのである。
『明日の夕方より、わが邸宅で園遊会が開かれます。主催は七竜家の一つである……、、、
…よって、各将軍達も参加されるように…』
つまりはこんな内容だ。これを聞いた瞬間、クリスは開いた口が塞がらなかった。
普段、固く結ばれている彼の唇だが、それすらも抉じ開ける破壊力があったらしい。

あの馬鹿貴族共は、今の状況が分かっているのだろうか?
兵力不足、ファーロス家とリューガ家の内紛、敵としてのディンガルの存在、民が募らせた不信感…――
ざっと挙げただけでも、これだけの不安材料が今のロストールにはある。そんな中で宴会を
開くなど…、尚且つ、各将軍達まで強制参加とは正気の沙汰とは思えない。
591冒険者、その旅路に果ては無く…4/46:2005/05/12(木) 02:07:44 ID:LB3rIYwk
ロストールは近い内に滅びてもおかしくないのだ。朱雀軍は退けたが、今の状況でほぼ無傷である
青竜軍に攻め込まれようものなら、まず次は無い。それについての対策を一刻も早く進めなければ
ならなかった。それとも彼等は、なるようになるとでも楽観視しているのか…?青竜軍の兵力がどれ
程かは分からないが、少なくともロストールの上を行く事は間違いないというのに。
別にクリスはロストールの行く末など、大して興味も無かったが、この国には数人の友人がいる。
出来る事なら守りたかった。
「噂に違わぬ貴族社会だろ?」
ゼネテスは、自嘲的な失笑を洩らした。

「随分晴れてるじゃねえか…。」
王宮の外に出ると、クリスは目を細めて、快晴の空を見上げた。悩みの無さそうな色だなと
思った。
「能天気な色だよな。お偉いさん方を象徴してるようだぜ」
ゼネテスは皮肉気に言う。
「一番のお偉いさんが何を言ってんだ」
クリスはすかさず返した。ゼネテスはロストール貴族の中でも名家中の名家である、ファーロ
ス家の跡取…、いや、今は当主である。
「ははっ。違いないな。だが、そんなことはすっかり忘れていたものでね」
息子がこれでは、今は亡きかつてのファーロス家当主、ノヴァンはさぞ頭が痛かったに違いない。
しかしゼネテスは、多くの平民から慕われてもいた。
『彼という人物』は場所により、長所にも短所にもなるのだった。
592冒険者、その旅路に果ては無く…5/46:2005/05/12(木) 02:08:30 ID:LB3rIYwk
「クリス?まだ帰ってないみたいだよ」
宿に戻ったエステルは、このナッジの言葉を聞いて、さらに気を落とすことになった。せめてクリ
スにだけは直接断りを入れたかったというのに…。今までパーティーを抜ける際、彼女は必ずそう
していたのである。
「そっか…。戻ってないのか」エステルは落胆したが、それは悟らせずに、仲間達に言伝を頼んだ。
フェティなどは、高貴なエルフを伝言板に使うなんて許されなk(略)などと叫んでいたが、
エステルは既に部屋の外に出ている。ナッジが諌めているようだ。

「まぁまぁフェティ。伝言くらいいいじゃな…」
「ワタクシを使い走りに出来て当然っていう態度が気に入らないのよ〜!」

こんな掛け合いが聞こえてきた。
ナッジは読書をしていたのに、悪いことをしてしまった。
しかし今はそれに付き合ってる暇もないので、仕方なく無視する。
彼には今度、お土産を持ってきてあげようなどと思った。
「暑っついなぁ。嫌になってくるよ」
外に出ると、陽の光が射してくる。まだ六月半ばだが、暑さ自体は真夏そのものだ。
汗が一筋、頬を伝い落ちる。憂鬱と共にどっかに飛んで消えればいいのにと思い、拳で拭った。
秋空が待ち遠しい。その頃にはまた、冒険者に戻れるだろう。クリスや仲間達ともまた会える…。
ふと素手で腰の短剣に触れてみると、ひんやりと冷たかった。その心地良さが、今は身に染みる。
593冒険者、その旅路に果ては無く…6/46:2005/05/12(木) 02:09:31 ID:LB3rIYwk
「あ、お帰り。クリス」
夕刻、宿に帰ってきたクリスを、ナッジは外で出迎えた。
「朝から大変だったね。部屋は取っといたよ」
「悪かったな。雑用を押し付けちまった」クリスはナッジに、感謝の言葉を告げた。
「ところで、その顔は……、フェティか」
引っかき傷の有るナッジの顔を見て、クリスは何が起こったのかを即座に理解した。
「はは、今は暴れ疲れて眠ってるよ…」
疲れた顔に苦笑いを浮かべ、ナッジが言う。
「相変わらず温厚だな。たまには文句の一つでも言ってやれよ」
クリスはフェティが眠っているという二階の部屋を睨んだ。
「君も同じじゃないか。流血しても文句一つ言わなかっただろ?」
クリスもフェティの癇癪に巻き込まれたことは、度々有る。血を見たこともあるくらいだ。
「俺のは、怒る程のことでもなかったからな」
「あれでそう言えるなら、充分だよ」
一人で納得したようにナッジは言った。
「どうだか」そうは思えないなと言わんばかりに、クリスは肩を竦めた。
「温厚な人間は、進んで殺しなどしないさ」
しかしナッジが思うに、クリス程穏やかな気性の冒険者というのも珍しい気がする。
彼は基本的にシビアな性格ではあるが、結局仲間達を含め、他人にかなり甘い。
事実、ナッジ達がどんなヘマをしても、それを責めたりしたりということは一度も無いのである。
今は成り行きで将軍の地位にいるが、厳しさの足りない彼に向いているとは思えなかった。
594冒険者、その旅路に果ては無く…7/46:2005/05/12(木) 02:10:40 ID:LB3rIYwk
「そういえばさ、エステルがしばらく一緒に冒険できないんだってさ」
部屋に戻るなり、ナッジはクリスに伝えた。今、言伝を頼まれていたことを思い出したのである。
「ならギルドに手紙を任すとするか」
クリスは、明後日よりアキュリュースに向う予定だった。近い内にディンガルが攻めてくるらしい。
傭兵としての契約がまだ有効な為、行かないわけにはいかないのである。報酬もかなり多いの
で、生き残れる腕さえあれば割に合う仕事だ。そのことをエステルに伝えておく必要があった。
「ミズチがいる限り、今度も簡単に勝てそうだね」
アキュリュース攻略を任されている白虎軍だが、今に至るまで負け続けだった。守護神である
ミズチの前に、殆どの兵士は湖を渡る事も出来ないのである。辛うじて渡り切ったところで、次
に待っているのは、クリスの剣だ。剣聖、竜殺し…。彼の呼び名は数多くあるが、
その名はどれも相手を竦み上がらせるのに十分な効果を持っていた。彼とまともに戦え
る者など、大陸中探しても片手の数にも満たないのだ。
「そうだといいけどな」
しかしナッジの言葉に反し、クリスの言葉は少々弱気なものだった。
「相手はディンガル。次辺り、アキュリュースは落ちるかもしれねぇぞ…」
「また何でさ?」
「ただの勘だ。どちらにしても、ディンガルはこのままじゃ終われん筈だ…。…まぁそれ以前に
明日の宴会から生きて帰れるかどうかだが」
真顔で冗談を言うクリスに、ナッジは苦笑を洩らした。
「ゼネテスさんも言ってたよ。行きたくないってね」
ゼネテスも堅苦しいのを嫌っている。
「俺よりはいい。やつは酒豪だ」
対してクリスは、どうしようもない下戸だった。無理に飲まされて、二日酔いになった事は多々有る。
「二日酔いって、そんなに苦しいのかい?」
「なってみればわかる。ただ俺はあの時、生まれてきた事を後悔したよ…」
顔色を悪くし、クリスは答えたのだった。
595冒険者、その旅路に果ては無く…8/46:2005/05/12(木) 02:11:41 ID:LB3rIYwk
リベルダムが破壊の限りを尽くされてから、約一ヵ月の時が過ぎている。殆どの施設が甚大な
被害を受けており、物の調達にも宿の予約にも困難な状況だった。
幸い、エステルはそのどちらも手に入れることが出来たが、それにしても金が掛かりすぎた。
宿は通常通り50Gのみだったが、食料には3000Gも掛かった。
四日分の食料でこれである。おかげで配達と魔物退治で得た報酬が、殆ど底を尽いてしまった。
防具の強化に使うつもりだったのに…。現在、この場所で生活するのは、なかなかシビアである。
「でも、これはやり過ぎだよね…」
二階の部屋から窓を開けると、凄惨な光景が目に入った。剥がれた地面に、何となく覇気の
感じられない人々の姿が見える。リベルダムは夢の叶う街と言われていたが、実現した幾つもの
夢の終わりが、正に今なのかもしれなかった。だとしたらこの世は儚く残酷なモノだと思う。
どんな夢も、いつかは終わるものなのだから…。
リベルダムを破壊した張本人であるカルラのことは、顔見知り程度には知っている。
以前、クリスは彼女と組んで、ロセンの暗愚王ぺウダを相手に戦ったことがあった。その時からの知り合いである。
変わり者だが根は優しい、そんな印象を彼女に持っていたが、今のこの景色を見る限り、
その意見は撤回せざるを得ないようだ。最も、彼女を詳しく知るわけでもない自分が、そんな
風に言うのもおこがましい事だろうが。
一つ息を吐くと、窓を閉めて部屋に入った。そしてベッドの上に倒れ込む。そこからの景色は
殺風景なものだった。ベッドが二つあるのに自分一人というのは、少々広く感じるのである。

596冒険者、その旅路に果ては無く…9/46:2005/05/12(木) 02:12:28 ID:LB3rIYwk
――――クリスは何してるのかな――
まどろむ中でふとそんなことを考えた。ラドラスへはあと一週間以内に帰ればいい。
結果として、彼に会ってからでも遅くは無かっただろう。自分の要領の悪さが少々恨めしかった。
彼との付き合いはまだ二年くらいだが、それでも仲間内ではルルアンタに次いで長い。
別に互いの全てを分かり合える関係などと、そんな自惚れたことを言うつもりは無かったが、
少なくともエステルに取っては最高の時も泥沼の時も、笑って肩を叩ける相手だった。
クリスの事を、恋だとか愛だとかの対象で見ているのかというと、それは分からない。
ただ、彼とはいつまでも旅をしていたいとは思っていた。
(またか。何か…、変なの…)
いつもの事だが、クリスの事を考えた後は身体が熱くなる。同じく今日も心拍数が上がり、
気持ちが落ち着かない。軽く寝返りを打っても、それは治まらなかった。そして気付けば、
その右手を身体の下の方へと伸ばしている。服の上から触れただけで、彼女は自身の
女の部分が濡れていくのを感じた。
「ん…、あ…ん……」
少し強く撫でただけで、艶の含まれた声が洩れる。
(何…してるんだよ…)
理性の部分が今のエステルを、正常な状態に引き戻そうとした。だがそれに反して、彼女の
動きはより淫らなものとなる。左手でベルトを外し、そのまま胸元へとそれ滑り込ませて、
既に直立している乳首を玩び始めた。ふと、今は夕方であることを思い出す。この階の客
が全員、晩餐のために出払っている事実も、連鎖的に頭の中に浮かんでくる。

597冒険者、その旅路に果ては無く…10/46:2005/05/12(木) 02:13:28 ID:LB3rIYwk
そこまで思い出すと、エステルの理性はさらに弱々しいものとなった。
下に履いていた服を下着ごとずらし、直接秘所に触れようとする。薄い茂みの上から右手を
這わせ、激しい動きで撫でた。
「うぅ…、あん…!…あぁん…」
徐々に大きくなる声に構わず、エステルの手の動きは徐々に早くなっていく。左手で豊かな
胸を揉み、右手で秘所を撫で続ける。
「ハァ…あん!もう…、我慢できないよぉ…」
しなやかな身体を弓形に反らせ、彼女は喘ぎ声を上げた。
そして人差し指と薬指で局部を開き、その中に中指を挿入させていく。
既に濡れていた膣内は、中指が抜き差しされる度に淫らしい音を立てる。シーツが乱れるのにも
係わらず、彼女は今の自分の行為に夢中になっていた。
「あ…ん!いやああああん!ボク!…なんだか…おかしい…」
さらに速い指の動きで、彼女は膣内を刺激し続ける。言葉とは別に、渦巻く欲望が加速する。
「……あん!あぁあん!!…クリス!…クリス!!凄い…!、イイよぉっ!」
彼女の局部が、自身の指を締め付ける力は異常に強くなってくる。
そして程なくして、エステルは絶頂を迎えた。数秒の間、身体の動きを静止させ、快感が全身を
支配するのを味わう。その間膣内が痙攣し、愛液を吐き出し続けた。
「…あ…ん」
反らせていた身体をベッドの上に沈め、荒い息を吐いた。秘所の部分は、愛液と汗でぐっしょりと
濡れている。身体の汗が引くのと同時に、欲情していた頭の中も冷えてきた。荒い息も治まり、
体温も心拍数も正常に戻りつつあった。
598冒険者、その旅路に果ては無く…11/46:2005/05/12(木) 02:14:10 ID:LB3rIYwk
(またしちゃったよ…)
上半身を起き上がらせると、エステルは苦い表情を造った。クリスのことを想像しながら、
この行為に及んだのは、これが初めてというわけではなかった。そして行為が終わる度にこうやって
自己嫌悪に陥るのもいつもの事だ。
「ごめん」
一人、静かに呟いた。
クリスには何度も世話を掛けたが、それに関して厭味を言われたり、恩を着せられたりということは一度も
無かった。多く…、という訳ではないかもしれない。だが彼を慕う者は確実に存在し、そして彼等の多くは
心底クリスに惚れ込んでいる。それはナッジやゼネテス、デルガドにルルアンタ。そして多分フェティ
もそうだろう。エステルも勿論、その内の一人に入る。しかしだからこそ、彼をだしにした自慰の後には、
自己嫌悪せずにはいられない。彼への恋心にも似た淡い感情や、彼自身が向けてくれる好意をも、自ら
進んで、汚しているように感じてしまうのだ。
「…身体を洗わないとね」
服を着ると、エステルは立ち上がった。宿に浴場は無いので、外にまで出なければならない。
道中、夕映えが彼女を照らした。眩しさに、ふと目を細める。ある種の不気味さすら感じられる、美しい夕映え
だった。しかしそれを見ていると、少し悲しくなる。その美しい夕映えに対し、思慕の気持ちを欲望に塗れた行為
でしか表現できない自分が、随分と淫らなものに思えたからだった。
「でも、やめないんだろうな…」穏やかな口調だったが、自嘲気味でもあった。
後で宿に戻ってみても、その日はあまり眠れなかった。
599冒険者、その旅路に果ては無く…12/46:2005/05/12(木) 02:14:59 ID:LB3rIYwk
翌日、朝早くに目覚めたエステルは、早々に宿を出た。食料と水を肩に担ぎ、竜骨の砂漠へと向う。
銀色の短剣と金色の長剣を腰に差し、いつでも使えるように、ゴーグルは額につけておく。
「これでよし」
歩きながら一つづつ確認した。一人旅のこういう部分は今でも楽しく感じる。
パーティを組んでいる時には味わえない感覚だった。時計塔の脇を通り、スラムへと進む。
空気が湿っていたが、昼ほどの暑苦しさは無い。歩いていると若干汗ばんでくるが、そう不快な感じは
しなかった。よく目を凝らしながら、薄暗いスラムを進んでいく。風に乗せられてくる潮の香りを感じながら
街の出口へと続く右の道へ曲がった。

――――……かたっ…―――

ふと、何かの音が聞こえた。立ち止まり、目を閉じる。今度は耳を凝らしてみた。

静寂

それだけだった。
「気のせいかな」まだ一般的な起床の時間には早い筈だ。態々確認するまでも無い事である。
この場を支配するのは、耳鳴りすら感じる静けさだけだ。湿った空気に張り詰めた静寂。

――――……かたっ…かたっっ!―――
600冒険者、その旅路に果ては無く…13/46:2005/05/12(木) 02:15:44 ID:LB3rIYwk
「…!?」
再びその音は、背後より聞こえた。それも今度ははっきりと耳に残る音だった。
―――何かがいる…。
直感で気付いた。生身の背中を、嫌な汗が伝う。エステルは振り返らずに腰の短剣に手を遣った。
両足を踏ん張り、いつでも攻撃に移れる体制と精神状態を築く。細く息を吐き、呼吸を整えた。
――――賊…じゃないよなぁ
その程度なら何も問題は無いのだが。クリスには劣るが、エステル自身、剣の腕も魔法の腕も鋭い。
しかしこの威圧感は何なんだろう?頭で落ち着けと命令しても、身体が言うことを聞かない。
短剣を握る腕は微かに震えた。だが振り返らないわけにはいかなかった。
「誰!?こそこそしないで出てきなよ!」
ポケットの勇気をはたいて、勢いよく振り返った。
振り返らずに逃げてもいいものだが、その辺り彼女にも意地がある。
しかし振り返ったその先にあったのは、エステルとは決して相容れない存在だった。
自身を破滅に導く運命がそこにはあったのである。
「な…、何なの……!」

ドサッ!

担いでいた荷物が落ちた。いやに大きな音だった。それを最後に気が遠くなる。
エステル自身、膝から崩れていくのが分かった。
「三人目…。君は僕の道具(モノ)になってもらうよ」
倒れる彼女の身体を支え、一つの漆黒は小さく笑った。
601冒険者、その旅路に果ては無く…14/46:2005/05/12(木) 02:16:46 ID:LB3rIYwk
エステルが消息を絶ってから二日後の事だ。ナッジとフェティはアキリュースの最前線で血路を開いていた。
ミズチの猛攻を潜り抜け、ディンガルを象徴する黒い鎧の騎士達が押し寄せてくる中、二人は果敢に槍を
振り続けている。湖を無事に渡り切るディンガル兵の数は、そう多くはなかったが、流石に個々の強さは相当
なものだった。大陸最強の軍隊という肩書きは、伊達ではない。
「な〜んで、高貴なエルフであるワタクシが、こんなに苦労しなきゃならないのよ!」
血染めの槍を構え、肩で息をしながらフェティは悪態を吐く。
「確かに少し疲れてきたね…」体力で勝るナッジですら、そろそろ腕が重たくなってきた。
特別劣勢というわけではないのだが、場の雰囲気としては、何故か押されている気がした。精神的な重圧を感じるのだ。
それはナッジとフェティに限った事ではないらしく、他の傭兵や敵であるディンガル兵達ですら、どこか様子がおかしい。
この場にいる全員が、共通の感覚を持っているかのようである。住民達を避難させているクリスが戻れば、
その威圧感も消えそうなものだが…。

「もぉ〜う、やってられないわ!」
そんな中、とうとう我慢の限界がきたらしいフェティが怒声を上げた。そして何やら魔法の詠唱を始める。
「…まさか」
瞬間、周りにいた味方の傭兵達の顔色が青ざめた。次にフェティが取った行動は…


……
「ブレェェ―イズ!!」
案の定だった。彼女は以前も仲間が回りにいる状況で、ハイスペルを発動させた前科がある。
それに学習していたのか、傭兵達はフェティがズの文字を言い終わる頃には、既にその場から逃げ出していた。
「まただ!フェティが癇癪を起こしたぞ〜!」
誰かが叫んだ。前の被害者かもしれなかった…。
602冒険者、その旅路に果ては無く…15/46:2005/05/12(木) 02:17:40 ID:LB3rIYwk
そんな事を知る由も無いディンガル兵達は、次々とその身を焼かれていく。
燃え上がる炎はとどまる事を知らず、恐慌を巻き起こした。フェティの癇癪が、偶然にも功を奏したのである。
こうなると、いかにディンガル軍といえど、士気が落ちるのは必然だ。そして戦意無き残兵を蹴散らす事など他愛も無い

…筈だった。
突如、一陣の風が巻き起こるまでは。その風は絶対零度を遥かに下回る温度を伴い、炎だけでなく、アキュリュ―ス側
の傭兵まで凍り付かせ、その場を去っていった。
「なっ…!」
ナッジとフェティは驚愕の表情を隠せず、目を見開いた。何せ、瞬きの瞬間に、味方全員が凍り付けにされていたのだ。
驚くなと言う方が無理だ。どうやら自分達二人だけが、凍り付いた炎が壁となったお陰で、直接の被害を避ける事が
出来たようである。ナッジはフェティの元から逃げ出さなかった事が幸いしたようだ。もし他の傭兵達と同じ行動を取って
いれば、間違い無く彼も死んでいた。フェティから逃げ遅れて良かったという経験は、これが初めてである。
しかしその事実に感動する暇も無く、野暮にも『疑問』という二文字が彼の思考に侵入してきたのだった。
ナッジはその感覚に多少の眩暈を感じながらも、理性を働かせようと頭(かぶり)を振る。
「一体…、何が起こったの?」
氷像となり、絶命した人々を見渡しながら、茫然と彼は呟く。それはこの場にいる者全ての疑問でもあった。
「……」
ナッジの隣にいるフェティが、何か答えを見付けたかというと、勿論そんな筈も無い。同じく、突っ立っているだけだった。
「フフ、それはね…」
そんな時の事である。ふと、少年の声が聞こえた。ディンガル兵達のいる方向からだった。
「この僕の力だよ」
黒鎧を左右にかき分け、一つの漆黒が寄ってくる。
「………!」
年若い少年の声音と容姿、そして、それには全く不相応な力を引っ提げ、虚無の子シャリはその姿を現した。

603冒険者、その旅路に果ては無く…16/46:2005/05/12(木) 02:18:28 ID:LB3rIYwk
「「シャリ!」」ナッジとフェティは同時に叫んだ。
「ハロ〜」そんな二人に、シャリは親しげな声を出す。そして、特に戦闘体制に入るわけでも無く、彼は只、
二人に近付いてきた。
「フフ…、そんなに身構えなくていいよ」警戒するナッジ達に対し、シャリは全く戦意を見せようとはしない。
「別にこれ以上、君達に何かしようなんて、全然思ってないし」
その口調は、ナッジ達の事など、どうでもいいと言わんばかりだった。躊躇いを見せることもなく、
シャリは二人の間を闊歩し、街へと入ろうとする。
「ちょ…ちょっとぉ!一体何のつもりよ!?」
ディンガル兵ですら唖然としている中、フェティが一人、シャリに噛みついた。
不意を衝かれて殺されかけるわ、小馬鹿にされるわで、ついに堪忍袋の緒が切れたらしい。
こういう時の彼女の反応は早かった。警戒しつつも、攻め倦ねていたナッジなどは、少しは見習いたいと、
場違いながら思う。
「何のつもりって聞かれてもねぇ…」
フェティに対し、シャリは惚けた風に答えた。
「だいたい想像付かない?僕がやろうとしてる事」
「付かないわよっ!」
シャリが言い終わる前に、フェティは怒声を上げた。
「あらら。一蹴されちゃったよ…」
シャリは肩を竦め、参ったなと呟いた。
「まぁ見てれば分かるよ。百聞は一見に如かず、ってね」それだけ言い終えると、彼は再び歩みを進める。
「…君が今思っている事を当ててあげようか」ふとシャリは立ち止まった。
言葉を向けたのは、ナッジに対してでも、フェティに対してでもない。いつの間にか、自身の前方に陣取って
いたクリスに対してだ。彼は背の大剣を抜くこともせず、シャリに歩み寄る。

「「またお前か」」

黒衣の二人は同時に言った。
604冒険者、その旅路に果ては無く…17/46:2005/05/12(木) 02:19:23 ID:LB3rIYwk
「君とは何かと縁があるね。禄でもない関係だけど」再び肩を竦めて、シャリは面倒臭そうに言った。
「お前が余計な事をしなければ、そうならずに済むさ」クリスは即座に皮肉を返す。
しかしそれはシャリの鉄面皮の前には、全く意味を為さなかった。
「お互いにね」クリスに臆す事無く、シャリはしゃあしゃあと言ってのける。
「戯けが」クリスはその言葉に、眉根を寄せた。
「お前が何を思おうが構わんが、ここは通さねぇぞ…」そして背の大剣を抜き、シャリの前に立ちはだかる。
ナッジとフェティもそれに倣い、各々の得物を構えた。
「たった三人で戦うつもりかい?」
「俺だけでも充分だ」クリスは僅かの動揺も見せずに言う。
流石にそれには逆上したのか、今まで事の成り行きを見守っているだけだった、
ディンガルの騎士達もどよめき始めた。
「我ら相手に、一人で充分だと?」指揮官らしき男が前に出て、得物を抜く。
「傲るな!たかが傭兵風情が!!」そしてクリスを一喝した。
「畏れ知らずが。竜殺しの前で剣を抜く意味を知らねぇのか。愚か者め」クリスも負けじと言い返す。
二人の間に火花が散る。竜をも殺すクリスを前にして、怯むどころか自身を奮い立たせるディンガル軍は、
流石にネメアの下に集った戦士達だけの事はあった。

605冒険者、その旅路に果ては無く…18/46:2005/05/12(木) 02:20:08 ID:LB3rIYwk
「あー、熱くなってるところを悪いんだけど、僕は出来れば戦いたくないんだよねぇ…。降参してくれない?」
だが、そんなのは知らないとばかりに、シャリは場違いな科白を平然と言う。
「却下だ」当然といおうか、それに対するクリスの答えは、にべも無いものだった。
「なら仕方無い。目を覚まさせてあげるよ」
言うなりシャリは、呪文の詠唱に入る。最初からその答えを予測してたかのような口振りだ。
「お前の小細工など効かんな」
クリスは愛剣を下段に構えた。動きを見せた途端に突き殺すと言わんばかりだ。
その構えには、一分の隙も無い。まともな神経の持ち主ならば、即座に逃げ出したくなるような殺意だった。
自分に向けられたものでは無いと分かっていながら、ナッジなどは全身が総毛立つ。
ナッジは一時、その強さに憧れを持ったものだが、今は羨望より畏怖の思いの方が強かった。
そう思えるのは、彼自身の成長の現れでもあったが、友といっていいクリスをそんな風に思うのは、多少悲しくもある。
「自惚れないでよ。君一人にこの術はもったいない」しかしシャリは、そんなクリスの殺意を前にしても、眉の一つも
動かさなかった。
宙へと逃れ、そして完成した魔法を解放する。
「これが僕の実力さ」シャリがそう言い終えた瞬間、晴天に青い光が轟いた。それらは爆音を伴いながら、湖面目掛けて
急降下する。それはほんの数秒の間に起こった出来事だった。雷光に打たれたミズチ達が、次々に倒されていったの
である。水平線に沈むミズチ達の、儚い最期だった。


606冒険者、その旅路に果ては無く…19/46:2005/05/12(木) 02:21:00 ID:LB3rIYwk
「あ〜あ。君が降参してたら、こんな事にはならなかったのに」
悲鳴を上げながら最期を迎えるミズチ達を横目に、シャリは嘲笑にも似た笑みを洩らす。
「そんな。一撃でなんて…」ナッジが唖然と呟いた。
「ユナイトスペル…?巫山戯けた威力だな」
クリスはギリッと奥歯を噛み締めた。
「まぁ朝飯前かな。軽いよ、この程度」肩を竦め、シャリは言った。
「で、どうする?降参時だと思うけどね」
「話にならん」クリスは一蹴する。
だが、本音はまた違った。シャリはその気にさえなれば、アキュリュースを廃墟にする事も容易いだろう。
そうなれば、住人達を避難させた苦労も全て水の泡だ。しかもミズチがいなくなった事により、
白虎軍の増援が押し寄せてくるのも、時間の問題ときている。
アキュリュース側にもまだ兵力は残っているが、その九割九分が、忠誠心があるわけでもない傭兵だ。
この状況では、彼らは即座に白旗を上げるだろう。
(勝てないか)
そう結論するしかなかった。
「ま、君の意思はもう関係無いみたいだけどね」
「何?」
シャリの目線はクリスの後方へと向けられていた。
「アキュリュースは降伏します…」水の巫女イークレムンの声だった。脇には数十人の側近達。
この瞬間、白虎軍は初めての勝利を収めたのだった。今までの敗戦はこれでチャラである。


607冒険者、その旅路に果ては無く…20/46:2005/05/12(木) 02:22:07 ID:LB3rIYwk
これを機に、ナッジもフェティも、クリスでさえ得物を収めた。
「行くとしようか」クリスは仲間達に声を掛ける。既にここにいる意味も無かった。
割り切れない部分はあるが、それを主張したところでどうしようもない。
それにディンガルはアキュリュースに対しては危害を加えないだろう。
現状では、何の確執も無い二国だ。問題は無い…。

「じゃあ、水の巫女はもらっていこうかな」

だがシャリのその科白により、クリスは再び、自身の得物に手を掛けた。
「お前の目的はアキュリュースの陥落だろう。今、『水の巫女はもらっていこうかな』とか、そんな事が聞こえた。俺の聞き間違いか?」
「耳を悪くしてる心配は無いよ。一字一句も間違えていないから」
シャリはその通りだと頷く。
「私を…?なぜ?」シャリの態度に対して、イークレムンは顔色を変える。その表情からは、不安と怪訝が読み取れた。
「僕の計画に必要なんだよね、君は。悪いようにはしないよ。さぁ…」
そう言って、シャリは手を伸ばす。
「いやっ…!」短い悲鳴を上げるイークレムンに対し、シャリは迫った。
そんな彼に何か文句を言う者は一人としていない。クリスなどは、隙あらばその首を落とすと言わんばかりに、鋭い視線を向けていたが、
アキュリュース全体を人質に取られているも同然なこの状況、下手に動くことは出来なかった。
「フフ。クリスのちょっかいがないと、ほんと楽で仕方ないよ」
見透かしたように、シャリは挑発的な言葉を放つ。そんな彼の手がイークレムンに伸びようとしたその時だ。
シャリの周りを、青く輝く霊体が取り囲んだのだった。
608冒険者、その旅路に果ては無く…21/46:2005/05/12(木) 02:23:17 ID:LB3rIYwk
「僕に対する敵意…?あぁなるほど。さっき死んだミズチたちだね」
ミズチはイークレムンに対し、その心を開いていた。彼等は死して尚、彼女を守ろうというのか…。
「皆なの?」
イークレムンの疑問符に答えるかの如く、霊体たちは彼女の盾となった。
彼らに向けられるシャリの嘲笑は、いつもクリスに向けるそれより、より一層冷たかった。
「…邪魔するんだね。じゃ、勝負といこうか!負けないぞっ!」
惨酷な程に、シャリは無邪気に言い放つ。その指に強大な魔力が集中していくのが、傍から見ていても分かった。

「デモリッ…」
「やめて!」
シャリの詠唱が終わるよりも早く、イークレムンはミズチの前に飛び出した。
「何処へでも行きます。だからこれ以上、皆を傷つけないで下さい…」
「ふ〜ん…」張り詰めた魔力が霧散する。
「僕としても嬉しいよ。無駄な事はしたくないからね」
満足したように、シャリはイークレムンの手を取った。
「そのままタダで行けると思うか」
「思うね」クリスに対し、今度はシャリが一蹴する。
「イークレムンが来てくれるおかげで、目的が達成できるんだ。何としてでも行かせてもらう」
「戯け」
「…と、そうそう。君の大事な仲間も僕のところにいるよ。少し手荒な事しちゃったけどね♪」
クリスの言葉は完全に無視だった。
しかし大事な仲間…。皆大事といえばそうだ。だが仲間内で、シャリに狙われていたのは一人しかいない。

エステルだけだ。
609冒険者、その旅路に果ては無く…22/46:2005/05/12(木) 02:24:51 ID:LB3rIYwk
「…お前。俺のいない時を狙ったのか。姑息な奴め」
頭に血が上るのを抑え、クリスは出来る限りの悪態を衝いた。
「褒め言葉をありがとう。じゃあ僕はもう行く。彼女を助けたいなら、自分で探すんだね。
勇者様らしく、奪い返してみなよ。この僕からさ」
シャリは自身とイークレムンを暗闇で包む。その中で二人が姿を消す直前、イークレムンの悲しげな表情が窺えた。

「クリス。シャリを追いかけるのよ!」
その場に残されたイークレムンの側近やディンガル兵がざわめく中、久しぶりにフェティが声を張り上げた。
「シャリのやつ、ワタクシを馬鹿にして許せないわッ!」
クリスとナッジは頷いた。
610冒険者、その旅路に果ては無く…23/46:2005/05/12(木) 02:25:29 ID:LB3rIYwk
アキュリュ―スを出て一週間後、クリスはリベルダムにいた。通常、二十日は掛かる道程を、
半分以下の時間で踏破したのである。その道のりは過酷を極め、ナッジとフェティの二人は、途中で体調を崩してしまった。
仕方無しに二人とは別れ、クリス一人でここまで来たのである。
「流石に堪えるな」
しかし彼にしても、やはりただで済んだわけではなかった。足が筋肉痛でズキズキ痛む上、脱水症状に近い状態に陥っている。
もう半日は何も口にしていない。
「水はねぇか…」
普通なら倒れていてもおかしくないところだが、クリスはそれを思わせない足取りで、荒れた街を散策する。
「あ〜!クリスじゃないか」
その時、クリスは自分の名を呼ぶ声を聞いた。
「随分、久しいのぉ」
そして立て続けに、もう一人が言う。振り返るとそこには、弓を携えたリルピ―と、大斧を背負ったドワ―フが立っていた。
子供と頑固親父の容貌を思わせるその二人は、レルラ=ロントンとデルガドである。
あまりのタイミングの良さに、クリスは一生分の運を使い果たしたかもしれないと、至極真面目に思った。
「二人とも久しいな」クリスは大股で、二人に近付く。
「だが今は、再会の祝杯というわけにはいかねぇんだ。…取り敢えず水をもらえるか」
「何か事情があるみたいだね。話してみなよ」
水を渡してやりながら、レルラ=ロントンが説明を求める。
クリスは駆け足で概要を説明した。
「なるほど…。水の巫女とエステルを、シャリの下から救出しに行くわけじゃな」
了解したと、デルガドが頷く。
611冒険者、その旅路に果ては無く…24/46:2005/05/12(木) 02:26:10 ID:LB3rIYwk
「でも、食料を忘れる程焦ってたなんて、君らしくも無いな。それでもここに辿り着く根性はらしいけど」
「そういう突っ込み所は逃さないんだな。まぁそういう時もあるさ」
「そっか。ある意味キレイで好きだけどね」
その言葉に、クリスとデルガドも苦笑するしかない。人を食った、レルラ=ロントンらしい発言だ。
「ところで、今からラドラスに行くんだよね?付き合うよ」
急に話題を戻し、レルラは言った。デルガドは聞かれるまでも無いと言わんばかりに、戦斧に手をやる。
二人共既に、冒険者の目付きだった。この辺りの切り替えの早さは、二人のキャリアを物語っている。
「悪いな。助かる」短いながら、出来る限りの感謝の意を乗せ、クリスはその言葉を言った。

612冒険者、その旅路に果ては無く…25/46:2005/05/12(木) 02:27:42 ID:LB3rIYwk
ラドラスへ辿り着くまでに、丸二日の時間が掛かった。
躊躇いもせずに内部に進入すると、クリス達三人は即座に異常な気配を感じ取る。
「様子がおかしいね…」周囲への警戒を怠らず、レルラは言った。
その一言は、思いもよらず反響して各々の聴覚を刺激する。
その音がなりを潜めると、今度は先程と同じ異常さが、その場を支配した。
そしてクリスはその時点で初めて、その異常の正体に気付く。

…音が無い。
どんな状況であれ、生きている限りは、何らかの音を耳にする。
それは樹海の奥で佇んでいる時や、一人歩く夜道の中、或いは恋人と熱い時を過ごした後の、
静寂が支配するベッドの上でも例外ではない。生物が息づいている場所である限り、
完全な無音状態などありえない筈だった。
だが今のラドラスにはそれが当てはまる。
今まで経験した事の無い、完全な静寂が造り出す耳鳴りに、鼓膜がどうにかなりそうだった。
しかし次の瞬間、静寂は恐慌へと変貌を遂げる。凄まじい轟音と共に、ラドラス自体が空中へと浮かび上がったのだ。
「何…」激しい揺れと足場の浮く感覚に、さすがのクリスとて動揺した。

フフ、招かれざる客が来たみたいだね。彼女を追ってきたのかな?―――――


613冒険者、その旅路に果ては無く…26/46:2005/05/12(木) 02:30:56 ID:LB3rIYwk
揺れが落ち着いても尚、戸惑いを見せる三人に対し、突然その言葉は投げ掛けられた。
その瞬間、異常な静寂により障害すら起こしかけていた耳は、完璧に正常な状態に戻る。
人間の聴覚というものは、音無しには正常な状態を保てないのかもしれなかった。
「シャリじゃな!?」デルガドは、何処からか聞こえてくる声の主を怒鳴りつけ、斧を構えた。
クリスとレルラもそれに続く。

アハハ!そういきり立たないでよ。心配しなくても、君とは話付けるつもりだしね―――――

姿を見せないままに、シャリはクリスをあしらう。

今僕がいる操舵室と、その部屋を繋いであげるよ。
           そんな事しなくても、君は勝手に来るだろうけどね。じゃ、待ってるよ―――

「巫女は任せた」そう言うとクリスは、拳大の水晶を一つ、鞄から取り出した。
その水晶は、エステルの首飾りと引き合う造りになっている。
水晶さえあれば、彼女の元へも辿り着ける確率は高い。
「君はどうするの、…って聞くまでもないか」レルラは僅かに肩を竦めた。
「ふむ、大任じゃな。ではクリス。また後で酒でも飲もうぞ」デルガドは既にやる気である。
レルラ=ロントンとデルガドは、クリスも一目置く名うての冒険者だ。何がでても、そう遅れは取らない。
今、スムーズに行動を起こせるのは二人のおかげだ。

「シャリは俺がやる…」

614冒険者、その旅路に果ては無く…27/46:2005/05/12(木) 02:33:14 ID:LB3rIYwk
「将来の夢?」クリスは訝しげに聞き返した。ここはアミラルの宿屋。
現在、正午に差し掛かる時間帯で、部屋の窓からは光が射し込んでいる。
季節は秋。残暑も去り、比較的過ごしやすい時期である。
「人並みの幸せだな」
クリスは何か言われる前に、答えを返した。
「ふーん。そっか…」やや不満気に、質問の張本人は言った。エステルである。
「どういう答えを期待してたんだか」彼女の口調に含まれている、拍子抜けの色があまりに露骨なので、
クリスは僅かに眉根を寄せた。
「だってさァ…」非凡な強さを持つクリスの夢が、あまりに平凡なので、少々納得いかないという事らしい。
「具体的にはどんな感じなの?」ベッドの上で胡座を掻くと、エステルは続けて尋ねた。対してクリスはレベルティーを口に含み、
少しだけ考えた風な表情を見せる。
「帰る場所のある生活」
「帰る場所?」
「ああ」クリスはエステルから視線を外し、立ち上がった。
「心の平和を感じられる場所が欲しい。それがあるならこの先の人生、定住でも冒険でもどちらでもいい」
「そっかぁ…。なるほど。確かにそういうのって、素敵だよね」
「アテも無い夢だがな」そう言うと、クリスは僅かに唇を歪めた。
その様子からは、彼の強大な孤独が透けて見えるような気がする。
そういえば、彼は生まれてから今に至るまで、常に旅の人生なのだった。
その中で両親を無くし、成り行きで、何でもありの社会に放り出されたのだ。
クリスは年齢の割に、日頃から冷静沈着で少々の事では動じない男だったが、そうならざるを得ない境遇で生きて
きたのだと思う。そもそも普通、20やそこらの男が、『心の平和』などという言葉を使うだろうか。
確かに素晴らしい事だろうが、彼がそれを望むのは早すぎる気がする。まるで戦いに疲れた晩年の傭兵のようだ。
「…さてと。俺は昼飯に行ってくる」惚けているエステルに一言断りを入れ、クリスは部屋の出口へと向かった。
「あ、気を付けてね」エステルは慌てて応えた。            
615冒険者、その旅路に果ては無く…28/46:2005/05/12(木) 02:34:02 ID:LB3rIYwk
……
………      
(でも変わってるよな…)一人残った部屋でエステルは考えた。
年若くして冷たい風に晒されると、ああなるという事か…。
「今日は気持ち良い天気だね」突如、彼女は自分に向けられた声を聞いた。レルラ=ロントンだった。
「いつの間にいたのさ」エステルは面食らった顔をした。
「心の平和がどうとか」
「ほぼ最初からじゃん」
「まぁね」そう言い、レルラが浮かべたのは、人を食ったような笑みだ。
「ところで今、クリスの事を考えてたのかな?」意表を突かれた質問だった。

沈黙

「何でそう思うのさ」ワンテンポ遅れて、エステルは尋ねた。
「何か色っぽい顔してたからね〜。気になる相手の事でも考えてるのかなって。実は適当に言っただけ」
こういう所、妙に鋭い。
「…ま、ほぼ当たりだけどね。別にクリスとはただの友達だよ。」ベッドの上から足を投げだし、エステルは天井を仰いだ。
「確かに結構長い付き合いだし、あの人の事、もっと知りたいとは思うけどさ」
「ふ〜ん。そんなものか。でも、クリスと話してる時、君は良い顔してると思うよ」
「からかってるの?」そのエステルの言葉に対し、心外だねと言わんばかりに、レルラ=ロントンは肩を竦めた。
「いつか君の事も詩にしてみたいね。その時は宜しく」軟らかく笑い、レルラ=ロントンは言った。そして先ほどのクリスと同じく、
ドアに向かい部屋の外に出ていった。
「気になる相手…か」確かに異性に興味を持ったのは、生まれて初めてかもしれなかった。幼い頃の初恋などは今の想いに
近いだろうが、それは、さほど強いものでは無かった様にも思う。それに、彼との絆が欲しいと思ったのも事実だった。
だがさしあたっては、今のままで構わない。それなりに充実した生活だったからだ。
616冒険者、その旅路に果ては無く…29/46:2005/05/12(木) 02:36:43 ID:LB3rIYwk
懐かしい記憶が頭を通り過ぎると、その後にやって来たのは全身を襲う痛みだった。
「ああああッ!」たまらずにエステルは悶絶の声を上げる。
「痛ゥ…はァッ!はァッ!」何とか意識を保ってはいるが、それもいつまでもつか分かったものではなかった。
動力部に捕らえられて、かなりの時間が立つ。魔力も生命力も相当量、吸い上げられていた。
当初、各々の巫女達は抵抗を見せていたが、度重なる苦痛により、今となっては疲れ果てている。
(走馬灯ってヤツ…?)人間、死ぬ直前になると、突然昔の出来事が、記憶として頭をよぎるという。
仲間達との、冒険の一場面が甦った今の状況は、まさにそれではないだろうか。
(とうとう最期かな、ボクも)自分の命に係わるというのに、頭の中は暢気なものだった。
別に覚悟なんていう大層なものがあったわけではないが、特に動じてもいない。
人間とは、時にどんな状況でも受け入れる事が出来るようだ。
しかし仲間達に会いたかった。このままサヨナラするのは悲し過ぎる。
その想いだけが、今のエステルを支えていた。

「グロテスクじゃの…。ワシが叩き潰してやるわい!」
「確かに綺麗じゃないね。さっさと終わらせようか」
「…!!」いきなり聞こえてきた声に、エステルは自分の耳を疑った。間違い無く彼女の仲間、
デルガドとレルラ=ロントンの声だ。しかし何故、二人がここに?

「ふんっ!」
「ふっ!」

エステルが浮かべた疑問符にはお構い無しに、二人は動力部へと飛び掛かった。戦士としても一流な彼等は、
テンポ良く動力部へとダメージを蓄積させていく。それを阻止せんと、グロテスクな触手が動力部の手足となり
二人に襲い掛かるが、デルガドの大斧は触手をいとも簡単に叩き潰し、レルラ=ロントンの弓は、
一度も狙いを外す事無くそれらを貫いた。
617冒険者、その旅路に果ては無く…30/46:2005/05/12(木) 02:37:24 ID:LB3rIYwk
「終わりにするとしようか」そして、その声はふと現れる。
刹那、一欠片の炎が舞い上がった。下級魔法のファイアだが、
その炎はフェティのブレイズを軽く凌ぐ程に膨れ上がる。
そしていくつもの触手と共に、動力部を焼き滅ぼした。

スペルラッシュ。

魔力の消費を最小限に押さえ、下級魔法の威力を何倍にも高める技術だ。
詠唱の長い魔法を嫌う、クリスが多用する手段だった。

618冒険者、その旅路に果ては無く…31/46:2005/05/12(木) 02:38:01 ID:LB3rIYwk
ふと、宙に浮く感覚がエステルの全身を支配する。その次に感じたのは、床の冷たさだった。
顔を上げ辺りを見回すと、無惨にも焼き滅ばされた動力部が、消し炭となり転がっている。
各々の巫女達は自力で立ち上がって、クリス達の下へ集おうとしていた。エステルもそれに続き、慌てて立ち上がる。
「クリス!」
最初に口を衝いて出たのは、やはりその名だった。彼の元へ走り寄り、その顔をマジマジと見つめる。
「はは…。今回ばかりは、さすがに駄目かと思ったよ」
「だがまだ生きているみたいだな」
「御陰様でね」
エステルはニッと笑い、デルガドとレルラ=ロントンにも礼を言った。
「気にするな嬢よ。さて、脱出といこうかの。エステルよ。手はあるか?」
デルガドは問うた。
「ここが落ちるまではあと数分。この状況を打開できる手段はありません。結局、今も無意味です」
エステルが答えるより先に、フレアが冷徹にも聞こえる声で断言した。
「そんな事はないよ!助かる術はある。…エア!」
「分かっておる。あそこに行きたいというのじゃろ」
「ボク達全員を飛ばせるかい?」
「フ…、おぬしに心配される程、耄碌していないわ」エアはすまして言った。
「なら、そっちは任せた。俺は邪魔者を足止めしてくる」
クリスは背の剣を抜いた。デルガドとレルラ=ロントンもそれに続く。
「気を付けて。また後でね」エステルはその言葉を掛け、親指を立てる仕草を見せた。

ラドラスを巡る長い戦いも、終幕は近い…。
619冒険者、その旅路に果ては無く…32/46:2005/05/12(木) 02:41:32 ID:LB3rIYwk
エステルは自分の部屋で、上機嫌に鼻唄なんかを唄っていた。
これ程気分が良いのは久し振りだ。やはり生きているとは素晴らしい。
このラドラスにおいての激戦から、既に二週間の時が過ぎていた。
クリス達は再び冒険者に戻り、エステルは騒ぎが治まるまで、ラドラスに留まる事になった。

シャリによる空中浮遊、追い討ちを掛けるが如くのシステムの破損により、砂漠の民達は当初、
かなりの恐慌に陥っていたのである。今になってようやく、落ち着いてきている。
それも相まってか、エステルはそろそろ、冒険者としての自分に戻りたくなってきていた。
今、仲間達と一緒に冒険できるとは限らないが、とりあえず冒険に出てみようと思う。

…が、その前に着替えなければならない。巫女の衣装を着たままだった。
この服も気に入ってはいたが、機能美という点では、最悪に近い。
「もう旅に出られるのか」部屋の入り口より、男の声が聞こえた。言うまでもなくクリスである。
「あ、来てくれたんだ!」エステルは脱ぎかけていた巫女の服を整えながら、クリスの方を向いた。
「リベルダムまで来てたんでな」クリスは愛剣を立て掛けながら答える。
「何だよ。ボクはついでなの!?」
「まぁな」
ムッとしたエステルに対し、クリスは無表情のまま一言で切り捨てた。
がしかしクリスがエステルに会う為に、ここまで来たのは明らかだった。
確かにリベルダムはラドラスから最寄りの街ではあったが、それでも日数にして約四日掛かる。
リベルダムに行くついでに、ここまで来るなどという事は、まず有り得ない。

620冒険者、その旅路に果ては無く…33/46:2005/05/12(木) 02:42:22 ID:LB3rIYwk
「お茶煎れるよ。座ってて」
そういうとエステルは、棚から必要な物を取り出し、行動に移る。
手際良くそれらを終えると、二つのカップを机に置いた。
「レベルティーか。冒険者だな」
このお茶を美味しく煎れるにはコツがいる。
「お酒よりは飲めるよ。君にとってはね」
「全くだ」
クリスは椅子に座り、エステルが煎れたレベルティーを口に含んだ。
「及第点だな。なかなかいける」
クリスは意外そうに、しかし満足気な表情で言った。
「本当!?それは良かった」
エステルはニヤニヤしながら、クリスの方を直視する。
「まさか肯定の言葉が頂けるとはね〜」
「自信無いのに飲ませたのかよ…」
「…あ、別にそういうわけじゃ」
微妙にボロを露呈し、エステルはしまったと目を逸らした。
「とと、ところでさぁ、旅の方はどう?パーティーに空きがあるなら、ボクも入れてくれないかな?」
「構わん」
話も逸らされてはいたが、さほど気にした様子も見せず、クリスは返答する。
「ありがと。また頑張るからね」エステルは笑顔を浮かべた。
「そういえばこうやって、君とゆっくり話すのも久し振りだね…」
この1ヶ月、確かに二人で語り合う時間は無かった。
621冒険者、その旅路に果ては無く…34/46:2005/05/12(木) 02:43:29 ID:LB3rIYwk
何かが足りない気がしていた。
「まぁ生きてるんだから時間はあるだろ」立ち上がりながら、クリスは言う。
「ともかく今回、無事で良かった」無表情だったが向けられた視線は優しい。
エステルはそれに対し、感謝の思いを込めて微笑み返す。
「でもそんな風に言われると照れるな」すぐに目線を逸らし、エステルは顔を赤らめた。
突然、クリスはそんな彼女の肩を抱きしめた。そしてゆっくりとその薄い唇に軽く口付ける。
「ク…クリス!?」エステルは驚いたというより、キョトンとした表情を見せた。
いきなりの出来事に分けが分からないといった様子である。
「俺にも分からん。親愛の情を示すなら、他に方法はある筈だが…」
恋だとか情欲だとか、そういった想いの伴う行為では無かった。
エステルにもそれは分かる。そもそもクリスは仲間を性欲の捌け口にするような男では無いのだ。
だからこそフェティにしろエステルにしろ、彼の事を信用しているわけだが…。
いずれにしても、以前のクリスの行動としては考えられなかった。
ラドラスでの出来事が、彼の心境に少なからず変化を与えたのかもしれない
622冒険者、その旅路に果ては無く…35/46:2005/05/12(木) 02:45:23 ID:LB3rIYwk
しばし、互いに無言のまま目線を合わせた。
「一段落着いたら…」沈黙を破ったのはクリスだった。
一拍置く。
「二人で旅に出ないか?」クリスの声音はいつも通り落ち着いていて、やはりいつも通り柔らかい。
「いいよ」一瞬の戸惑いがあったが、エステルの返事は早かった。
「つまり俺は、お前を抱きたいって事だぞ?」念を押すように、クリスは言った。
「正直だね…。でも悪い気はしないよ。君が言う言葉なら。
           ね、一応聞くけどさ、それはどういう意味でなの?私に対する愛情?」
そう問うエステルの瞳からは、僅かな好奇心が伺えた。次にクリスが何を言うのか、楽しんでいるような雰囲気さえある。
「俺の伴侶になって欲しいんだ」また直球な科白だった。
「答えにならないか?」
エステルは何も言わず、今度は自分からクリスへと軽いキスをした。返事の代わりだった。
「君との二人旅なんて楽しみだな」
気の合う仲間との旅は、きっと楽しいものになるだろう。
クリスは彼女に、愛にも近い感情が芽生えるのを自覚していた。
これで、まだ死ぬわけにはいかなくなった。
生きて帰る為の戦い方とは、なかなか疲れるものだが、今はそれも悪くない気がする。

623冒険者、その旅路に果ては無く…36/46:2005/05/12(木) 02:46:22 ID:LB3rIYwk
「で、どうするの?」
「ん?」エステルの言葉に、クリスは訝しんだ。
「だからさぁ」
「?」
「君はボクを…その…」
「無理するなよ。俺の気持ちが伝わったなら、今はそれでいい」
ああやっぱりと、エステルは思った。クリスはそういう男だ。心地良い程度に気を遣ってくれる。
「律儀というか…、遠慮深いね」
友人でも恋人でも、大事な女には、そう簡単に手は出せないものだ。男の考えの根底には、そういった思想があると、
少なくともクリスはそう信じている。
「こんな俺だが」
「いいってば!」片手でクリスの口を塞ぎ、エステルは強調の意を見せた。
「君の事は色々知ってる。二人で何処へでも行こう」
その言葉に、クリスは胸が熱くなるのを感じた。
「なら近い内に、少し付き合ってくれ」冷静を装い、クリスは無表情を作り上げた。
もちろんいいよとエステルは頷く。
「俺にも妻ができると、親父に報せようと思ってな」
クリスが父親を殺されてから既に3年。たった一度の墓参りしかしなかった。あの時はルルと二人だったか…。
今度は別の意味で行かなければならない。出来れば彼が生きている内に、こんな日が来れば良かったのだが。
「妻なんて気が早いなぁ。でも付き合うよ。ちゃんと伝えとかないとね…。家族なんだもの」
『妻』という響きに照れを見せながらも、エステルは言ったのだった。

624冒険者、その旅路に果ては無く…37/46:2005/05/12(木) 02:47:23 ID:LB3rIYwk
次にクリスとエステルが二人の時間を持てたのは、それから二カ月後の事だった。
「星は見えないね」ウルカーンの宿のテラスより世空を見上げ、エステルは言った。
曇っていて、秋特有の涼しさが感じられない空だった。だがそれとは対象的に、エステルの心は晴れ渡っている。
希望と呼んでいい色が彼女の中にあった。勿論、若干の不安も存在していたが…。
「昨日までは晴れていたのだがな」クリスはベッドに腰掛け、テラスの方へ目をやった。
エステルは身を乗り出すようにして、空を見上げている。
―――のどかなもんだな。
数日前にその身を置いていた、エンシャントを舞台にしての激戦が嘘のようである。
多くの強敵を相手にし、その末に邪神ティラ、加えて竜王まで破ってしまった。どうにも大事に巻き込まれる質らしい。
あやふやな明日を決める運命の女神が存在するならば、きっと彼女は随分と気紛れな性格に違いない。
「考え事かい?」
ふと意識を戻すと、目の前にはエステルが立っていた。さっきまでテラスにいたのにいつの間に。
彼女の動きに気付かない程に、深く思考していたのかもしれなかった。今までの人生についてだ。
特に冒険者となってから今に至るまで、色々な事が起こりすぎた。
誰もが見つける事の出来なかった猫屋敷を見つけ、幾多の戦いを潜り抜け、
その末に、今の彼の力には何者も及ばない。
傲るつもりはない。だが自分は間違い無く選ばれた者だ。
言い換えれば、偉大な魂に愛された者だろう。

625冒険者、その旅路に果ては無く…38/46:2005/05/12(木) 02:48:07 ID:LB3rIYwk
「明日は何処へ行こうかと考えていた」
心にもない答えをクリスは返した。これからの旅は風任せでいい。わざわざ考えるまでもない事だ。
我ながら下手な嘘である。気付いているのかいないのか、なるほどねなどと言いながら、
エステルは大袈裟に頷く。
「で、君は何処へ行きたいんだい?」クリスの隣に座りながら、エステルは尋ねた。
「まだ決まっていないんだ」
「何だ」肩を竦めるクリスに、エステルも同じような仕草を見せる。
何故か、クリスはささくれ立った神経が和む感覚を覚えた。
自分を見つめているクリスに、エステルは不思議そうに首を傾げてみせる。
「何じっと見てるのさ」
「照れ性だな」
「誰がだよ」
クリスは一つ、ふっと細い息を吐き出すと、「一人しかいないだろ」と言った。
「勝手な事言うよ全く!」エステルは憮然と唇を尖らせる。
「ところでクリス」思い出したように、エステルはクリスを見た。
「何だ?」
「君は何でボクを選んだの?」
一瞬の沈黙。
「分からん」
実際、それ以上の事は言えなかった。
「そっか…。ま、ボクも大して変わらないけどね」
エステルがクリスに好意を持ったのは、かなり早い時期からだ。しかしその理由となると、はっきりとは言えなかった。
だが別に構わない。何を言っても、後付けにしかならない気がした。
その意味で、クリスの答えはなかなか理想的だったかもしれない。

626冒険者、その旅路に果ては無く…39/46:2005/05/12(木) 02:49:59 ID:LB3rIYwk
だが理由はどうあれ、二人の想いに嘘は無かった。
「ボク達、やっと一緒になれるね」エステルの言葉に、クリスはその無表情を微かに崩す。
答える変わりに、片腕で彼女を抱き寄せ、軽く唇を合わせた。その間、抵抗は無かった。
エステルはただ、こちらを見つめ返すだけだ。クリスは久し振りの感覚を覚える。彼女を抱きたかった。
「しようか」見透かしたかのように、エステルは言った。
「一つだけ言う」
「?」
「嫌ならそう言え」
真顔でそう言うクリスに、エステルはニッと笑う。
「そうならないようにしてよね」
「言ってみただけだ」クリスもニヤッと微笑い返し、言ってのけた。そして二人は身体を寄せ、抱き合う。
今度は重ねた唇の感触を共有した、濃厚なキスだ。
「ん…」舌が絡み合うと、エステルは身体をビクリと震わせ、艶のある声を出し始めた。
意志に反して震える身体を支えてやり、クリスはさらに深く舌を差し込む。
彼はディープキスに快楽を感じた事は無かったが、今は悪い気はしない。
相手によれば、大概の行為は良いものなのかもしれなかった。それに関しては、今回初めての経験である。
しばらく口内で戯れていると、エステルの方も段々と慣れた様子で舌を絡ませてくる。
しかしその辺りで一旦、クリスは唇を離した。

627冒険者、その旅路に果ては無く…40/46:2005/05/12(木) 02:50:51 ID:LB3rIYwk
エステルが何か言い掛けたが、クリスはそれより早く、彼女の胸へと手を伸ばした。
「あ…!」突然の事に、エステルは思わず声を上げる。服の上からとはいえ、胸を撫でられる事など、
エステルに取ってはかつて無い程刺激的だった。次いでクリスの手は、彼女の腰に伸びていく。
ベルトを外され、今度はベッドに押し倒され、直接胸を鷲掴みにされた。
人差し指では突起した乳首を弄ばれ、されるがままである。
(やだな…。もう…、濡れてきちゃったよ)自身の雌の疼きを感じ、クリスの腕を強く掴んだ。
「ぁ…ンッ…!」思わず、喘ぎ声まで出てしまう。
「恥ずかしいのか?気にするなよ。ここには俺だけだ」声を抑えるエステルへ、クリスは諭すように言った。
無茶言わないでと、エステルは無言のままクリスを睨む。
「こういう時は女なんだな」
そのクリスの言葉に、エステルはカッとなり声を荒げた。
「悪かったな!どうせ普段ボクは女らしくないよ!今まで君の……」
一気にまくし立てようとするエステルの口を、クリスは自身の唇で塞いだ。
突然の事にエステルは目を白黒させる。
「きゅ、急に何するのさ。ボクの事殺す気!?」
一瞬器官を塞がれたエステルは、ゼェハァ言いながら声を出した。
「悪い。ただこうでもしないと、お前は話を聞いてくれないと思ってな」
「それは君が…」
「あれは誉め言葉だぞ?」
「…」「…」
「…え?」
「俺はお前のそういう所が好きだ。だからいざという時は命も張れる」
クリスに取って仲間内でも、少なからずエステルの存在は特別だったと思う。
その理由は、身近な異性が彼女くらいだったからかもしれないし、二人の間に何か通じ合うものがあったからかもしれない。
今となっては分からないが、何にしてもエステルといるのは楽しかったし、癒される事も多かった。
「俺が言いたいのはそれだけだ」

628冒険者、その旅路に果ては無く…41/46:2005/05/12(木) 02:51:26 ID:LB3rIYwk
クリスは冗談を言う時も真顔だが、真面目な話をする時も真顔だ。だが彼は冗談にならない冗談は言わない。
「続けるか?」
エステルはコクリと頷いた。クリスはそれを確認すると、彼女の上半身の衣類を剥がしていく。
露わになったエステルの躯は、細身ながらしなやかだった。躯の割に胸が大きく、いかにも弾力がありそうなそれは、
挑発的というわけでもないのに、確かな存在感を示している。鎖骨辺りから締まっている腹回りまでは、
褐色に近い色をしていた。砂漠の民特有の独特な色だった。
クリスはそんな彼女の体を右手で抱きしめ、ピンク色をした乳首に舌を這わせる。空いた左手で服の上から局部を撫でた。
「やっ…。クリス。そんなとこまで…」抵抗を試みるエステルだが、内心はそう嫌ではなかった。
何せ相手はあのクリスなのだから。力無く脚を開き、彼の行為を受け入れる。
じきに下も脱がされ、彼女の濡れた局部が晒された。
ピンク色をしたそこは愛液が光沢を放っており、上部のクリトリスは小さく勃っている。
流石にこれには我慢できないらしく、エステルは顔ごと目線を逸らし、胸を腕で隠して脚も閉じた。
日焼けした頬には赤味が差している。
「怖いか?」
「少しね…。ところでさ…、き…君も脱いでよ」
その言葉に、ああ忘れていたと、クリスは自身の纏う服を脱いでいく。かなり手際がいい。
(う…、手慣れてる…)彼の経験はこれが初めてではないとわかり、多少妬けた。しかしそれにしても…
(な、何で躊躇わずに脱げるのさ!)瞬く間に服を脱ぎ捨てていくクリスから、エステルは思わず目を逸らす。
チラッと目を向けると、彼の精悍な体つきが目に入った。腕に対して胴は細く、瞬発力が感じられる。
戦いに向いた体格だ。

629冒険者、その旅路に果ては無く…42/46:2005/05/12(木) 02:52:14 ID:LB3rIYwk
「興味津々って感じだな」視線に気付いたクリスは、その生傷が刻まれた躯を隠す事もせずに、
再びベッドの上に座っているエステルに近付く。
「別に…」という言葉とは裏腹に、彼女の目はクリスの下へと向いてしまう。
(凄い…)そそり立ったクリスのモノを見た瞬間、エステルはそれにかき回される自分を想像した。
「あっ…」閉じた太股を愛液が伝う。自分は淫らなのかもしれないと、自虐するわけでもなく、
冷静な頭でエステルは思った。正直、淫らなのも悪くないと思う。
上から降ってきたキスに、エステルは素直な反応を示した。
彼女は再びベッドに押し倒され、膣内へと指を挿れられる。
「うぅん…アァんっ…!…もう、イっちゃう…よ」体をくねらせ、快楽を貪るかのようにエステルは乱れた。
そうして一人、絶頂に達する。いつもならここで終わりだが、今日に限っては違った。
「いよいよか…」この瞬間ばかりは、誰もが偉大な冒険者だ。
クリスはもう一度エステルにキスを落とすと、自身のものを彼女の局部に当てた。
上部のクリトリスを擦るようにして、膣への入り口を探し当てる。そしてゆっくりと差し込んでいった。
既に濡れてはいるのだが、エステルの中はかなり狭く、亀頭を飲み込むだけでかなりの時間を要した。
今までと比較するとかなり難しい相手だった。膣内からジワリと血が滲み出し、ポタリとシ―ツに落ちた。
エステルは目を伏せ、細い息を吐く。呼吸は荒いが、拒絶の意は無い。
彼女が、一端の男の巨大な男根を全て受け入れる事が出来るかどうかは分からないが、今止めるわけにもいかない。

630冒険者、その旅路に果ては無く…43/46:2005/05/12(木) 02:52:49 ID:LB3rIYwk
クリスは意を決し、腰を動かした。ズブリと音を立て、二人は深く交わっていく。
「ひ…ぁ…痛っ…!」真ん中辺りまで進んだ時にエステルは僅かに顔をしかめたが、
クリスは躊躇わずに彼女の中へと入っていく。
痛い目に遭わせたくはないのだが、時にはそれを避けられない時もあるのだ。
エステルの腰を両手で掴み、クリスは腰をさらに前へと出す。
「うぅ…あぁん…」何とか根元まで滑り込ませ、一端動きを止めると、彼女の呼吸も少し落ち着いてきた。
しかしクリスにしても心配ばかりしていられる立場ではない。
エステルの性器が思っていたより心地良く彼のモノを包み込むからだった。
適度に締め付けが強く、その上秘所全体が男根へと吸い付いてくる。動いてもいないのに、奥へと引き込まれそうな感覚すらあった。
少し動いてみただけで、全身に快楽が走るかのようである。
セックス自体が久し振りなクリスに取って彼女の名器は、頭の中を本能にまで遡らせかねない代物だった。
その通り、彼は腰を前後に運動させ始める。エステルの花弁に食らいつくような激しさだ。
「あぁ…んっ!駄目……、凄い…いやぁぁぁ!」痛みと快楽を同時に感じながら、エステルも腰を振り始めた。
M字に開いた脚の下で、細身で綺麗なラインをした腰回りが卑猥に揺れる。
女の体付きでありながら、まだ少女のあどけなさも残るそれが、さらにクリスの欲望を引き出す。
彼のモノは更に膨らみ、エステルの中を駆け巡った。
「アン!ああぁんっ!!ボ…、ボク!変になっちゃう…よ…」
「ああ…、俺も少し…おかしいようだ…な」
エステルが一番奥を突かれた時、クリスのモノはかつて無い程に膨張していた。
「ウゥ…、……ぁん…」エステルは何か温かい流れをお腹に感じた。
上体を起こそうとしたが、うまく力が入らない。頭の中は真っ白だった。
631冒険者、その旅路に果ては無く…44/46:2005/05/12(木) 02:54:02 ID:LB3rIYwk
「あ…痛ゥ…!」ベッドに寝転がりながら、エステルは呻き声を上げた。
外が静寂に暮れる時分の事である。二人は服を着ることもせず、同じベッドに佇んでいた。
行為後、エステルは腰が抜けたらしく、しばらく立てなかった。
今はマシなようだが、先程まではべッドの上で、完全にへばっていたのである。
「やっぱりか。俺ばかりが良い思いをしちまったな」エステルの頭をポンと叩きながら、クリスは言った。
「いいよそんなの。相手が相手だし…」
少々痛い思いもしたが、エステルに後悔は無かった。
肉体的には確かに辛いのだが、クリスをより近くに感じる事が出来て心は安らいだのである。
「それより体洗いに行こうか?汗だくで気持ち悪いし」
エステルは立ち上がりながら言った。
「最もだがな。この格好じゃ出られん」クリスは立ち上がり、服を着始める。
今は深夜だが、流石に全裸で出歩くことなど出来る筈もない。
しかしここ数日の激戦のせいもあり、クリスの服はボロボロだった。
長く着る方なのだが、流石に買い替える必要がある。
明日にでも行くか。そんな事を考えながら、クリスは手早く服装を整えた。用意が終わり、エステルの方を見てみる。
彼女はまだ裸のままだった。張りのありそうな日焼けした素肌を晒し、ふぅといった感じで立ち尽くしている。
クリスはその理由にすぐに気付いた。エステルの膣内から、血と精液が流れ出していたのだった。
彼女の薄い茂みを濡らし、その内股を伝っている。
「女は大変だな」クリスはエステルに近づき、彼女のピンク色の花弁にそっと触れた。
エステルは一瞬だけ恍惚とした表情を見せたが、すぐにいつもの顔に戻る。
「女『も』大変だね…。確かに」
クリスは彼が愛用しているマントを、彼女に被せてやった。
そして自分の鞄に、エステルの服やら下着やらを詰め込む。
「まさか…」
「温泉まで五分だ」
予感が当たり、 エステルはハァと溜息をつく。
「こんなスースーした格好で外に出るなんて…。仕方無いけどさ」
マントを器用に身体に巻きつけながら、エステルは言った。
632冒険者、その旅路に果ては無く…45/46:2005/05/12(木) 02:55:43 ID:LB3rIYwk
クリスとエステルがバイアシオンを出たのは、あの夜から一年程経った日の事だ。

海って本当、広いんだな――
大陸が遠ざかっていく中、エステルはそんな事を思った。
今まで見てきた内海だけでも、人間には手が余るほどの広大さだと思っていたが、
この外海にはそれすら小さく纏まっていた世界だと思わせる果てしなさがあった。
「海神がいるらしい。この先には」
船上で大海原を見つめていたエステルに、その声は掛けられた。
「聞いた話だね。バイアシオンの四方を守護している神様がいるとか」
エステルは振り返り、声の主に切り返した。
「人間をバイアシオンの外に出さない為、監視しているともいうぞ」
声の主、クリスは別の説を持ち出してくる。
「どっちも伝説だろ。考えても仕方ないよ」
「その通りだがな。未知の力を持つ海獣がいるのは確からしい」
バイアシオンが、海の向こうに進出できない理由の一つがそれだ。
もしかすると、外海の魔物は恐ろしい力を持っているかもしれない。
リスクを冒してまで、挑戦しようとする者などいなかった。
大陸の外に出るのは、クリス達が第一号じゃないだろうか。
傍から見れば、無謀な冒険だったかもしれない。
633冒険者、その旅路に果ては無く…46/46:2005/05/12(木) 02:57:51 ID:LB3rIYwk
だがエステルは、それに関して特に不安は無かった。
その理由はやはり、クリスの存在だ。彼は翼を持っている。
運命から翔び立ち、絶望を振り切ることの出来る翼だ。
空を征す事は出来ないが、与えられた命を全うするだけの力を備えている。
クリスとなら、この海の向こうへもいけると、エステルはそう思っていた。
「この先の海域の記録は無い。『冒険』だね」
「末恐ろしい」
「思ってもないくせに」
エステルは、クリスの手に自分の手を重ね合わせた。
気持ちの良い風は、潮の香りを運んでくる。
エステルの短い髪が静かに靡いた。
見つめる先には、水平線が柔らかく真っ直ぐに横たわっている。
それはまさに永遠のブルーだった。


                                終
634名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 07:03:25 ID:9E9GvR1N
最初に言えるのが誇らしいくらい…
G J で す よ!
635名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 11:09:34 ID:CddRM6Di
落ち着いた文章でとても好感が持てます。
いいですね。
636名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 11:43:46 ID:puilqcDB
ネ申キタ━━━━━━━!!
まじGJ!!!
637名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 23:55:04 ID:duIIvcCC
>>588
長編ごちそうさまです!
神乙!!!
638588:2005/05/13(金) 23:51:23 ID:KsUi1UJ/
御感想ありがとうございます。
この話、趣味で書いてた長編ジルオール小説に、
エロ要素を加えたっていう作品です。
発表する媒体も無く、陽の目を見る事もないだろうと思っていたので、
楽しんで頂けたなら、正直冥利に尽きます。
本当、ありがとうございました^^

次はカルラを書きたいなと思ってたりするんですが、
彼女を描くのは、かなりムズイです…。
639名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 04:07:46 ID:qJXyqsgl
>632を見て思うんだが、それってス(ry
640名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 10:56:06 ID:IYt/x3XV
>639
ス…何?
641名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 02:46:42 ID:yl+6fEAK
スレイヤーズか?
642588:2005/05/16(月) 12:51:51 ID:K+lKrpJk
スレイヤーズは良くは知らないので、何とも言えませんが…。
ちなみに632はキャラ白にも載ってる、公式設定だったりします。
643名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 14:48:17 ID:My2s++JD
レムオン×女主(*´д`)ハァハァな漏れの神はまだ降臨されないのか…
644名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 15:48:07 ID:c0vCUsi3
それなら王女姉妹丼を書いてくれる神は何処におわすのか。
645名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 17:42:28 ID:ellwcSA5
>>642
別に悪意は無いが気分を害されたならスマンかった。
しかし公式設定なのかい……コーエー恐るべし
646588:2005/05/16(月) 20:02:17 ID:K+lKrpJk
>645
海神ウォルホーンとか何とかいう名だった気が。

いえ、気分がどうのとかは無いので…。
気を遣わせてすいません。
647名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 01:54:30 ID:nNmyafvm
6月に発売決まったぽいのに
裏絵掲誰もいないなあ・・・

そういやメネアってネタにされて無いような。
元々ストイックなキャラで、薬打ってもなんとも無さげだからだろうか。
648名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 11:08:31 ID:1KrJZIoH
薬打たれてハァハァなネメアなんて嫌だ……
649名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 19:44:32 ID:Nk8PL+0Z
>647
ワロタ。獅子っていうより象みたいだね。
でも自分のイメージもそんなかんじだなー。
650名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 21:59:23 ID:HDGijS/z
ケリュネイアに薬仕込まれて強引に(ry
って展開ならちょっと萌える
651名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 01:16:29 ID:zL75Uj5B
ネメアははっきり言ってキャラ的に魅力が無いし。
ゼネテス並に完璧人間。
ゼネテスはまだウホッ、ネタがあるけど、
あいつはネタにすら出来ない。
652名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 01:24:14 ID:EMsiL/UV
そうでもないと思う。

昔どこかで「女主人公に一目惚れしてストーカーするネメア」
という内容のギャグ小説を読んだけど普通に面白かったし。
653名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 14:32:25 ID:hKEkoJLv
>>651
あのゴツい躯を見て萌えないのか。
おまいは人生の3分の1を損失している。

あのタテガミを……(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
654名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 17:43:53 ID:uRGSRDCA
三つ編みてぇー
655名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 01:13:55 ID:ZotWyALu
基本はまずモフモフだと思いまふ。
656名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 00:05:53 ID:HW2/H7RE
やべー
三つ編み発言によってネメアの女性化を想像してしまった・・・

筋骨隆々な女帝は萌えますか?
657名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:58:01 ID:yIUokgvl
>>656よ、それは禁域だと思う・・・といいつつ
ストイックな女帝ネメアを想像して萌えた。
しかし・・・その三つ編み姿を想像したらむしろ吹いた。
658名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 10:40:12 ID:6C2wIfWY
そうするとエリュマルク氏は相当アレだな
659名無しさん@ピンキー:2005/05/24(火) 23:48:05 ID:y/8dBztO
ああ、だから嫁さんとの間で葛藤が生じるのか
うっかり納得しそうになる罠
660名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 01:29:17 ID:YmhqR454
ワイルドなワルキューレみたいな奴かな?>三つ編みネメア
661名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 01:52:27 ID:JjNmbIdc
>三つ編みネメア
古いゲームでスマンが「マジックソード」の主人公1Pを思い出した
金髪三つ編み+上半身ファダカスカート
因みに2Pはブルマ履いたゼネテス。
662名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 02:09:16 ID:oEGahLNQ
>因みに2Pはブルマ履いたゼネテス
・・・超兄貴のごとくマッチョメンポージングした
ビキニなゼネテスが頭から離れなくなったんだが。
663名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 02:46:08 ID:FeuUfdaj
>661 >662
パツキンおさげでスカート一丁なネメアの周囲を
ビキニゼネテスが衛星のごとく旋回するのか。二匹も。
664名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 10:51:02 ID:eqLHa4Ho
そこはビキニのレムオンとゼネテスかな
665名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 03:21:42 ID:3E1iWdvN
とりあえず、ここでも
ジルオール発売日決定おめでとう!


べるたんのトンガリハァハァ
666名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 10:57:02 ID:1Tx7fa5k
>>665
トンガリでナニをする気だい?
667名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:53:55 ID:fKA6s7Tr
>>666
トンガリを挿入
トンガリほぐして筆プレイ
トンガリは気分で萎れたり急激に立ち上がったり、
なんか汁が出てきたり真珠で飾ってみたり動いたり
中の人が疲れると急に頑張ってみたり色々できると思うが
どれもギャグにしかならないな。
668名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 19:23:27 ID:pNAoYKaw
シリアスに登場させるのが
えれえ難しくなったなあw
669名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 21:25:31 ID:Ca3IqFbB
あの頭でシリアスは絶対無理だろw

帝国の人間も主人公も、初見では
笑いをこらえるのに必死かと思われ。
670名無しさん@ピンキー:2005/06/08(水) 22:41:28 ID:uE4bDYyV
話は変わるのだがジルに触手タイプっていたっけ(中の人とイカ除く)
671名無しさん@ピンキー:2005/06/08(水) 22:46:28 ID:dTx8PdKU
樽とかボルが連れてる可愛いブサイクちゃんとか?
672名無しさん@ピンキー:2005/06/08(水) 22:52:50 ID:aIpTnr0e
エンシャント城内に出てきた魔人の一人が触手っぽい。
なんかぶら下がってる感じの人。
触手っつーか使う技(髪のムチ)からして髪かもしれんが。

あと攻略本見た感じではワームとエクリプス、ナメクジ、
サンデュー、ラドラスの核くらいか。
673名無しさん@ピンキー:2005/06/09(木) 08:08:37 ID:gng3JwiK
イカ。
674名無しさん@ピンキー:2005/06/09(木) 16:19:55 ID:IqIRX9Le
インフィニット発売まで後2週間age
675名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 11:54:11 ID:51JfqS+9
早くレム兄に抱かれたいage
676名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 18:44:03 ID:nPxQ1d4U
>>675
お前の思いは口先だけだと目欄のsageが証明している。
677名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 11:27:55 ID:hkfUKnxo
うわっ!ほんとだ!乙女板の癖でsageてたyo(;´д`)

ダブルブレードで斬られてくる…orz
678名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 19:13:39 ID:oSw+d6vn
>>677
一般系のところで乙女だの何だの言わん方がいいぞ。
スレの空気を乱したくないならな。
679名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 19:41:40 ID:gPT8jv7p
まあまあ。ここは平和にインフィニット新規立ち絵における
巫女服の切れ込み具合と下着予想について話し合わないか
680名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 19:53:24 ID:P7TH6u5W
アイススケートの選手みたいなの付けてる、とか夢のないことを言ってみる。
漏れのアーギルシャイアたんみたく同色の服着てるだけだと思うがな。



というか下着なしでエロエロな服着てる巫女なんぞ逆に萌えないぜ!
681名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 00:11:19 ID:dki9G2GX
ジルの下着と言われて連想するのが何故か紐パン
682名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 01:15:17 ID:Elj15lJr
BASTARDに出てくる食い込みそう&すぐ破れそうなパンツと予想。
683名無しさん@ピンキー:2005/06/18(土) 11:55:55 ID:2hgAO1OQ
発売まで1週間をきり、前のカキコから1週間近く。
漏れの思いは先っぽから滲み出そうだ。
684名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 22:02:54 ID:h3Eet0hu
ゲー板のジルスレのぞいてきた
向こうのスレ速度はとんでもないな

685名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 00:48:34 ID:CSjNpozR
>>684
フラゲした人が来たからね。
ここもSS投下があれば少しは……
686名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 01:41:58 ID:rCQBJGK2
発売からしばらくの間は投下どころではないかも。
687名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 16:40:40 ID:NnwfMtHB
ゲーム中、妄想にかられたらここで吐き出せばいいじゃないか!
688本スレから誘導されてきますた:2005/06/23(木) 15:09:03 ID:+XdXiDy3
『あっ……』
武骨な鎧の下に秘められていた細くしなやかなアイリーンの肢体。
ツンとした張りのある双丘に触れると、その唇からこぼれたのは生意気な憎まれ口でもガサツで乱暴な言葉でもない。正真正銘の、女の声だった……。
その甘美な旋律に胸が高鳴り、衝動的に唇を重ねてしまう。
『んっ……む……ぅ……』
まるでそれを求めていたかのようにアイリーンは俺の背中に腕を回し、貪るように唇へ吹いついてくる。ふと、瞼を開いたその瞳に溜まった涙が月明かりを反射して仄かに煌めき、アイリーンの女の部分へ益々拍車をかける。
もう、俺達は幼なじみじゃない。ただの男と女なんだ。
その言葉が脳裏を掠め、俺の理性を狂わせる。
『んっ! ふぁ……』
小振りだが存在感のある乳房を手のひらに収めそっと握り締めてみる。柔らかくも弾力のある心地よい手応えに触発されて何度となく乳房を揉みしだいていく。
ほどなくして重ね合わせた唇の端からアイリーンの小さな喘ぎがこぼれた
689名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 20:39:01 ID:NhlCWlyR
続きを!
690名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 11:21:40 ID:cWxicFHH
新しいの出たのにこのスレが盛り上がらない
691名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 13:00:57 ID:tdkRhEi6
職人さんはバイアシオン大陸に出張中です
692名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 13:31:12 ID:C/CcXLNX
闇お絵かき板は祭りが無かったな・・・
693名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 14:40:33 ID:ZTS7J92P
ルルたんかわいいよルルたん。
ルルたんは偽りの森で唐突に逃げたのではなく、
ボタン取れっぱなしではだけた鎖骨に欲情したゴロツキの一人が抜け駆けで
味見しようとして、休憩中にこっそり降ろされて、奥に連れて行かれて犯されちゃったんだよ。
んで事後、股の痛みを我慢しながら隙を見て泣きながら逃げたんだよ。

でもルルたんは笑顔を絶やしたくないから主人公にも黙ってて暗い素振りを見せないんだよ。
694名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 22:14:55 ID:4QpieL49
ゲーム本編の方でいっぱいいっぱい
695名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 16:33:03 ID:Z4xpk5/7
漏れの脳内ではアトレイアに20回くらい中出汁してる
696名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 20:21:11 ID:H8cTC8bk
ヴァンの父親があんなに怒ってるのは、息子がオムコにいけない体にされたせいだな、きっと。。
697名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 22:46:02 ID:JYN6n4oi
息子のムスコにいたずらされて怒るヴァンパパン
698名無しさん@ピンキー:2005/06/26(日) 01:07:27 ID:haE1FKrj
盲目で箱入りだなんて、アトレイアはなんてエロいんだ。
道具なフレアもエロい
699名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 15:13:56 ID:W1itqAam
主人公が構ってやんないとアンティノに調教されてそうなクリュセイス。
宿屋で身体売って借金返してそうなユーリス。
身体の中から犯されるザギヴ。
エロキャラばっかだな、このゲーム。
700名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 18:05:11 ID:dFkIP6EY
ガルトラン相手に決闘したら
巫女服のエステルに冷たい目で「そんなにフェルムちゃんが大事なんだね」って言われた
701名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 22:51:35 ID:6uvRzemb
ラドラスイベントが熱かった。
702名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 01:18:51 ID:BPn4ulcL
砂漠だからね。
703名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 03:08:25 ID:7D4irHS2
男主×カルラがなぜないのか?

カルラ「みんな、敵がきたよ、しっかりね」

カルラ「ちょ、ちょっと!男主!!なにおしり触ってるのよ!や、やめて!戦闘中よ!」

男主「ハァハァ、だ、大丈夫だよ。敵はザギヴとエステルがなんとかしてくれるよ」

カルラ「そ、そういう問題じゃっ…こら!お尻に顔くっつけるなー!」

男主「も、もう我慢できない」

カルラ「っひぁあ!だ、駄目お尻に穴に舌いれちゃ…ダメー!」


こんな展開キボン
704名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 05:13:14 ID:aZPKCWXR
カルラは普段から開放しすぎて想像が膨らまないno……
705名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 06:58:10 ID:tAnW9D2e
カルラなら四年前のロセンの侵略時の話がいいな。
ロセン兵が笑いながら凌辱。納屋のすみっこで。好きだった人の死体の隣で。
706名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 14:09:55 ID:f+OR9K8Q
一緒に心中してと言われて最後にやり忘れないようにH突入。
     ↓
ネモ様出てきてこんにちわ
     ↓
そのままカルラの中に無限のソウルを
     ↓
ED甲板の上で責任取れやコラ!
     ↓
船室でズコバコ
     ↓
新大陸で新たな無限のソウルを持つ主人公誕生
707名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 14:53:58 ID:aL1N2E+6
インフィニットでみんなモエモエニラニラしてることだし、
裏絵掲誰か描いてくれないかなあ・・・
708名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 14:56:30 ID:FMH4d5uA
主人公を兄だと誤認しっぱなしのヴァイヴィア姉妹によるダブル奉仕(*´Д`)ハァハァ
709名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 16:26:39 ID:uG6QHkJQ
カルラって台詞が難しそう
独特だよな
710名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 17:56:15 ID:09tCWKcJ
エア「地の巫女よ、お主では男主を満足させることなぞ出来まいて」
エステル「な、なにを〜!じゃあエアなら出来るの!?」
エア「当たり前じゃ、妾と男主は相思相愛なのじゃぞ」
エステル「どういうこと!」
男主人公「汗…」
エア「のう、男主。そろそろ妾とそなたの子を作ろうぞ」
男主人公「!?」
エステル「酷いよ!ボクはどうなるんだよ!」
男主人公「…」
エア「ど、どこに行くのじゃ!」
エステル「あー!逃げるなんて卑怯だぞ!」
711名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 20:56:27 ID:9XZCBUni
争奪戦か……音楽胸にワロス
712名無しさん@ピンキー:2005/06/29(水) 01:35:13 ID:NcwAtbIl
そろそろエリス様の話を頼む
713名無しさん@ピンキー:2005/06/29(水) 06:53:54 ID:IhPuP0rb
人間達に裏切り者と言われ殺されたシスティーナ
冒険者に嬲り殺されたオイフェの妹
エリュマルクに略奪されたイヴ

誰か頼む
714名無しさん@ピンキー:2005/06/29(水) 21:58:53 ID:gFjNMO9o
>>711
 刺される?
715名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 00:09:27 ID:6yhILzg9
移植版から入った者だがやばいなこれ。エロ過ぎる。ティアナ王女に「寝室に来て」と言われた時は危うくスペルドライブしそうになったよ。
まだ一個しかエンディング見てないのだがお奨めのキャラはいます?
716名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 00:26:35 ID:MrRVeJ4M
>>715
ザギヴ・・・ツンデレの鑑その1
クリュセイス・・・ツンデレの鑑その2
ヒルダリア・・・EDフラグが立つイベントで、主人公を自室に入れてドアの鍵をカチャッ
ヴァイ&ヴィア姉妹・・・ブラコン妹キャラ。仲間になるとき、
               記憶操作で男主人公を兄だと思い込む。
717名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 13:52:53 ID:0m7wJxyw
>>710
その主人公だとアレだ、浮遊ラドラス行った時が大変そうだな。
718名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 15:45:56 ID:NZpmx4DU
>>710
別の大陸に行きたいわけだw
719名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 15:51:22 ID:iA0REBW8
エアの意見に賛成の巫女達【自然の摂理】。
つーか主人公が謙虚すぎるから4人に迫られたらマジ>>718状態になるな。
720名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 22:04:02 ID:qyNK7XMw
私の名前はザギヴ・ディンガル。
視察のためにロセンに向かう途中、
忌まわしいモンスターを連れた刺客に襲われました。
怪我を負った私は刺客に捕らえられ、木に縛り付けられました。
「たまらねえカラダしてるな、年増って言ってもバカにできねえぜ。
さあ、玄武将軍様のマ○コを見せてもらおうか!」
私はビスチェはおろか、下着まで脱がされ、一糸まとわぬ姿をさらされました。
男の人の舌があそこに延びてきて、
いやらしい音を立てながら私のあそこを味わいます。
「歳のわりにかわいらしい色しやがって。
まってろよ、たっぷり楽しませてやるからな!」
男の人は言うと、私のあそこに熱くたぎった肉塊を押し込んできます。
泣き叫んでも、それに答えてくれるのは木々のざわめきだけ・・・。
「ほれ、もっと愛情を込めてしゃぶるんだよ!」
私の胎内に欲望を吐き出した男の人は、
汚れたものを私の口で清めるように強制します。
私の口の中で、私を貫いた物がまた大きくなっていきました。
「ご馳走のついでだ。ケツの穴もいただいてやるから感謝しろよ!」
男の人は言うと、私のお尻の穴にむりやり肉塊をねじこみます。
何回もお尻を突かれ、気が遠くなった私はおしっこを漏らしてしまいました。
「ションベン漏らすほど良かったのか?だったらもっとしてやるよ!」
おしっこをする私に興奮したのか、
男の人の物が私のお尻の中でさらに硬くなっていくのがわかります・・・。
男の人は私の口を、あそこを、お尻を、何回も何回も弄びました。
一晩中私を嬲って満足したのか、
男の人は私の下着をあそこにねじ込んで帰っていきました。
ねじ込まれたそれを抜く気力もなく、
私は汚し尽くされた体を横たえて気を失いました・・・。
721名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 01:07:48 ID:RRaoFX0j
ここのスレエロパロ保管庫ないの?
722名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 01:44:53 ID:eovzz3j0
>>720
ってか刺客犯りにきただけかいw
723名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 02:31:14 ID:cBblFagm
724名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 03:24:52 ID:yPknTXt/
ボク、エステル・ズウ
媚中派の非国民です!
725名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 00:20:23 ID:OZaEQu4V
723
レスサンクス
726名無しさん@ピンキー:2005/07/03(日) 02:35:58 ID:1J2L6KYF
ED後のザギヴは主人公の頼みなら何でもやってくれそうだ・・・
机の下で奉仕とか、ローター的魔道具装着させつつ政務とか。
727名無しさん@ピンキー:2005/07/03(日) 14:15:07 ID:D+yI0FcW
age
728名無しさん@ピンキー:2005/07/04(月) 04:42:13 ID:UgN4SkFi
>>726
あなた、漏れですか?
729名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 03:44:30 ID:bln3JCQV
クリュセイス…今作でも女主とあのラブラブ空気を出してくれるんだろうか。
本体の方が今無いからわからんのよね orz
730名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 17:14:55 ID:8hKnF1Id
窓から差し込むやわらかな日差しを浴び、竜殺しと呼ばれる男が机に向かっていた。
鼻歌交じりに机を指で叩き、リズムを取る。
その豪華な部屋に似つかわしくないメロディは、どうやら彼の冒険者時代に流行したものらしかった。

「ザギヴ様、失礼します。…あっ」

一人の文官が扉をノックして部屋に入る。
文官は部屋にいたのがザギヴでなく竜殺しであったことに驚いたようで、
目を軽く見開き、それから慌てて深く礼をした。

「ザギヴならいないよ。僕も帰りを待っているところだ。…代わりに用件を聞いておこうか?」
「いえ、急ぎではありません。また後ほど参りますので、
 もし先にザギヴ様に会われましたらわたしが来たと…」

軽く手を上げて文官を招こうとした竜殺しに、彼は丁重に断りを入れる。
それから静かに廊下へと出て行った。
731名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 17:18:52 ID:8hKnF1Id
ザギヴに見せるはずだった書類の束を手にしたまま、文官は部屋を出た。
閉めた扉の前で佇み、緊張を解くように肩から力を抜く。

「…相変わらず、非凡な空気を纏った方だ」

竜殺しの英雄は決してこちらを威圧しているわけではない。
それでも何か近寄りがたいものを感じ、自分のような人間は臆してしまう。
かと思えば竜殺しは肩書きも無いような一般兵にも気軽に声をかけ、長年の友人のように打ち解けていく。
そんな彼の人気は今やネメアや国を治めるザギヴをも凌ぐと言って良い。
自分もまた畏怖の念を持ちながらも、『竜殺し』への憧れは強かった。

「それにしても…いや、私の気のせいだろうな」

あの英雄に限ってまさか、と誰にとも無く呟き、文官は長い廊下を歩き出す。
竜殺しはその気配を部屋でじっと窺っていた。
文官が完全に立ち去ってしまうのを感じ取ると、悪戯し損ねた子供のように溜息を吐く。

「良い刺激が味わえるかと思ったんだけどなぁ。…残念だなザギヴ?」

優しげな声で足元を見下ろす。
そこにいたのは、先ほど文官が探していたザギヴ本人であった。
彼女は竜殺しの陰茎を口いっぱいに頬張り、視線を向けられて頬を染めていた。
机の下には丁度人が一人しゃがみ込めるほどの空間があり、
ザギヴは文官が訪れた時もずっとそこにいたのだった。
732名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 21:42:18 ID:Cu7C1vGJ
マジで最初だけなの?
733名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 21:46:10 ID:30k9B8U+
>>730-731
こうして改めて読むと激しくエロゲ的だなぁ。
女主で顔を赤く染めて応対って妄想も、それはそれでハァハァ。
734名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 14:19:43 ID:WQokTaoa
男主人公に奉仕するザギヴ様。
女主人公に悪戯する玉葱宰相。

ディンガル政庁は腐れきってますなw
735名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 19:48:48 ID:8LI/Uxdm
革新な部分でクチクチと?
736名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 22:55:23 ID:Z3oo7FqP
玉葱はストイックなイメージがあるなぁ。

関係ないけどこのスレ見てナッジ×女主に激しく萌えた。
737名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 00:19:19 ID:+JAZV0dI
玉葱×女主に萌えてきた。
738名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 03:16:59 ID:zJ3Hhf09
>736
どちらも全身全霊で同意。
しかし一度は見てみたいな、玉葱の話も。
相手は女主でもザギヴでもいい感じ。
739名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 14:46:06 ID:KTmGZOKB
あいつが玉葱って呼ばれるのは解るんだけどさ・・・・・・そのせいでたまに本名が出てこない。
740名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 15:30:11 ID:y1ccedWz
ベルゼーヴァン
741名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 17:15:12 ID:gx09eZob
どうせならあのトンガリを駆使したプレイをry
742名無しさん@ピンキー:2005/07/07(木) 18:53:19 ID:T3bDtJSO
ロティ毒殺容疑で逮捕された女主が、白状するまでたっぷりエッチな拷問をくりかえされ、悶絶
743726:2005/07/07(木) 20:29:13 ID:P7FL4zaq
>>730
(;´Д`) '`ァ '`ァ
ありがとーございました。
744730:2005/07/07(木) 23:51:54 ID:2G5yv3BS
>>726 ノシ
本当はエロまで考えてあったんだけど文章が下手糞でそこまで書けなかった…ゴメソ

また機会があったら今度はエロまで書くよ。
書いてみてちょっと楽しかったしw
745名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 03:52:31 ID:3G9v9KBa
小説を書いてくれる神達はまだほとんどプレイ中か?
ルルアンタタン読みたいよルルアンタタン
746名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 16:23:42 ID:rI8Zu3r2
ここでダルい人×女主が見たいと呟いてみる
747名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 17:46:33 ID:1OvEsv0+
闇絵板に燃料キター!!ハァハァ
フルプレートの女主をなじるゼネテスきぼん!
748名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 00:49:01 ID:rgl3MUZg
閃光の弓入手イベントを見て以来、「ケリュネイア×オイフェ」や「ケリュ&オイフェと3P」もいいなぁ、と思うようになった。
749名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 02:13:22 ID:/9sy6sU4
フェティ×オイフェの百合がいい
750名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 10:57:15 ID:njd3mDqR
ダークエルフのくせに良くってよー!
751名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 13:35:23 ID:U8mdwHi4
つい最近まで不惑のお守りを
不感のお守りと勘違いしてた・・
752名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 15:57:27 ID:IcK0+uHm
エアEDを見て思った
行く先々でエアがあの台詞を言ってるとしたら、
主人公はきっと大陸最強のロリコンって呼ばれるようになるんだろうな、と

エルズにいた時より、性格がちょっとお茶目になっててワラタ
753名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 16:12:13 ID:vVkwOA7k
そして宿屋では「昨夜はお楽しみでしたね」の台詞がww
754名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 19:23:38 ID:t5VmWM7d
>>753
で、そのあと「シーツの洗濯が大変でしたよ」とか嫌味言われるんだな。
最後まで宿屋に放置されてたユーリスに。
755名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 20:00:16 ID:IcK0+uHm
なるほど
エルズでは領民の目があって宿には泊まれず、
船内ではさすがに憚りがあって我慢してたのを、アミラルで一気に解放した訳ダナ

そしてロストールのスラムでエアがあの台詞を言い、
それを偶然聞いていたハンナの母親に危険人物を見るような目で見られる、と

ところでエアの体型は普通にロリでいいのか?
それともモデルのように小柄だけどグラマーなのだろうか
756名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 21:52:07 ID:9XOcTmW9
後者だと勝手に思ってたり。にしてもあのED結構好きだ。
7571:2005/07/10(日) 15:44:54 ID:+Nh1TMVp
 夜の静寂に、漣が波紋を広げていく。
 エルズから六日間の船旅の後、アミラルにて。
 彼女にとっては、初めてのバイアシオン本土で迎える夜。
 そして―――
「……ふふふ」
「ち、ちょっと待て」
 柔らかな寝台の上で、必死に逃げ出そうとする青年と、
 その体に圧し掛かる少女の姿が影絵となって壁に浮かび上がる。
「待たぬ。もう随分と待ったのだからな」
「だ、だからって……」
 引き攣った表情を浮かべ、
何とか逃げ道を探そうとする青年の瞳を翡翠の瞳が覗き込んだ。
 近づき過ぎるほどに近づいた少女の吐息が、顔にかかる。
「……なんじゃ。わらわでは不服か?」
「い、いや……そういうわけでは」
 僅かに熱を帯びた吐息を受けて、顔が赤くなる。
その上擦った声に、少女は妖しげな笑みを浮かべた。
「ならば、問題あるまい?」
 そう告げると彼女は、青年の股間へと視線を移した。
7582:2005/07/10(日) 15:49:07 ID:+Nh1TMVp

『わらわは決めた。魔法で子を残すのはよそう、運命に抗おう、と』


 ぴちゃぴちゃ、と猫がミルクを飲む時のような粘着質な音が部屋に響く。
「……ちゅる……んむぅ…ちゅ……んはっ、……どうじゃ?」
 股間に顔を埋めていた少女が、上目づかいにこちらを見つめる。
 その薄桃色に上気した頬に、潤んで揺れる瞳に、
先ほどから早鐘のように打ち鳴らされていた心臓が更に狂騒する。
ドクン、と少女が咥えている肉棒に一層の血が流れ込んだ。
「―――っ」
「……んむっ!? ……ふふっ…ちゅっ、くちゅ……」
 一瞬驚いた様に目を見開いた彼女だったが、
すぐに気を取り直したように笑みを浮べ、手と口の動きを再開する。
「なん……で…こんな」
「……ちゅぅ……ぷはっ………、ふふふ。わらわを誰じゃと思うておる。
 わらわの風読みを以ってすればこの程度の知識を得る事など、造作もないわ」
 逸物から口を離し、誇らしげに笑みを浮かべる元エルズの女王。
 もはや、その言葉に突っ込むだけの余裕は残されていなかった。
 薄翠色の巫女装束に包まれた少女の幼い体を抱く事に、既に理性は抵抗できない。
7593:2005/07/10(日) 15:51:03 ID:+Nh1TMVp
 猛烈に膨れ上がった情欲に身を任せる。
「……エアッ!」
「ん、んんむっ!?」
 彼女の小柄な身体を抱きしめ、その小さな唇に貪るようにキスをする。
 そのまま、体勢を入れ替えて少女の上に覆い被さった。
「ん、んんんっ!? ……はふ、ちゅ……ん、むちゅ……」
 舌を差し入れ、彼女の口内をかき混ぜる。
「んんぅ……ぷはぁっ……ど、どうしたのじゃ、急に?」
「ごめん……あまり加減はできそうにない」
 目を丸くしてこちらを見上げるエアに、もう一度唇を重ねる。
 そのまま、薄い生地の上から胸に触れた。
「……ん」
 目を閉じてこちらの手を受け入れる少女の鼓動が、
自分に劣らず狂ったような速さであることに気付き、小さく笑みがこぼれた。
「な、なんじゃ……急に」
「いや、何でもない。続けるよ」
 不審そうに目を開けたエアに笑いかけると、ゆっくりと胸への愛撫を始めた。
 大胆に―――けれどその華奢な体が壊れないように、慎重に。
7604:2005/07/10(日) 15:51:35 ID:+Nh1TMVp
 何もかもを焼き尽くすような情欲はそのままに、
けれどソレを上回る少女への愛おしさが心を埋め尽くす。
「……んぅ…は、ぁん………はぁ……ゃ、あ」
 掌で包み込むように揉みほぐすと、エアが甘やかな吐息を漏らす。
 ツン、と薄翠の生地を押し上げる乳首を爪弾くと、彼女はビクリと身体を震わせた。
「ふぁっ……あふ、すこ……待、……んぅっ……ぁあっ」
 初めての感覚に震える少女の唇に、頬に、首筋に、何度も何度も唇を這わせる。
 そして、片手を深いスリットから覗く細い足へと伸ばし、その太ももをそっと撫で上げた。
「や、んふっ……そ、そこはっ…んんぅっ」
「大丈夫だから」
 慌てたように顔を上げ、こちらの手を押し留めようとするエアに口付けをしながら、
足の付け根……巫女装束に隠された聖域へ手を触れる。
「んんぅ……あぁっ!」
 くちゅり、と粘着質な音がした。
 そこは既に潤と湿っており、下着はすでにその用を成していなかった。
 そのまま、下着越しにぐっしょりと濡れた秘部を撫で上げる。
「ひぁっ! ……あっ、あっ、あっ……ま、待てっ!!」
 その刺激にエアが悲鳴を漏らしながら、全身を震わせる。
 そして―――指先が、下着越しに何かコリッとしたモノに触れた瞬間。
「あ、ゃ……っ! 〜〜〜〜〜っ!!」
 知識はあっても経験のない少女は、突如として襲い掛かった強烈な刺激に耐え切れず、
全身を弓なりに反らせ、声にならない絶叫を上げた。
7615:2005/07/10(日) 15:53:28 ID:+Nh1TMVp
 荒い息づかいと、どこか甘い―――男の精神を狂わせる匂いが部屋に充満する。
「はっ、はぁ……はぁ……す、すこ、しは加減せぬか」
 息も絶え絶えになりながら、エアがこちらを睨む。その少し涙目になった少女に、
キスをして詫びながら、装束の帯を緩め、肩口の留め金を外す。
「あ……」
 はらり、と薄い布地がはだけ、
少女の幼い身体には少々不釣合いな大きさの膨らみが姿をみせる。
 そのまま完全に脱がすこと無く、雪白の肌、その頂にそっと色づいた桜色の蕾を
口に含むと、エアの唇から再び嬌声が零れ落ちた。
「んっ……ふぁ……ぁ、ぜ、全部……あぁっ……脱がさぬ、のか?」
 中途半端に装束を脱がされたせいで、上手く身体を動かす事が出来ず、窮屈そうに
彼女が体を動かす。
 それには答えずに、下着を脱がし直に秘唇に指を這わせた。
「……っ! ひぁ……ひ、…んんぅ……わ、わらわの……あっ…問いに……あぁっ!!」
「悪い。このまま、挿れるよ」
「ま、待て……わらわが、上に」
 そう、荒い息の中告げると、エアは身を起こす。
 そして、こちらの体の上に跨り、肉棒を自らの秘唇にあてがう。
 そのまま、意を決したように腰を落とした。
「―――っ!」
「―――ぅあっ! ……あ、ぐ……っ」
 こちらを食い千切らんばかりの締め付けに、知らず呻き声が漏れる。
小さな身体で、己を受け入れている少女を支えながら、果てそうになるのを息を止めてやり過した。
 ギチギチ、と音が聞こえてきそうな程に窮屈な彼女の胎内を、
肉棒の先端がゆっくりと割りひらいて行き、やがて一際強い抵抗に出会う。
「……エア」
「…………」
 翡翠の瞳と視線が交錯する。エアが小さく頷くのを見て、彼女が腰を落とすと同時に下から突き上げた。
7626:2005/07/10(日) 15:54:55 ID:+Nh1TMVp
ぷつり、と何かを突き破る感触と共に突如抵抗が消える。
「〜〜〜〜っ!! あぐぅっ、はぁあああ――――――っ!!」
 エアの身体が大きく痙攣して、何度も小刻みに息をはく。
「大丈夫か?」
「……はっ、はふ……はぅ……ふ、ふぅ……ん、だ、大丈夫じゃ」
 小さな体を震わせながら、必死に痛みを堪える彼女の姿に言い様のない罪悪感が胸を占める。
だが、その罪悪感すら今の自分には快楽をもたらす麻薬となる。
「……んっ、なん……まだ、大き……んぅっ!」
 胎内に不釣合いな大きさの逸物を抱え、エアが苦しそうに呻く。
 少しでも彼女が痛みを紛らわせられるよう、
手を伸ばしゆっくりとこねる様に胸を揉みあげる。
ツン、とその頂で勃っている乳首を摘み、同時に片手を結合部へと伸ばすと、エアはびくりと体を振るわせた。
「んふっ……は、……ぅ」
 緩やかに腰をグラインドさせ始めた彼女に合わせて、クリトリスを親指の腹で刺激する。
出来る限り優しく、彼女が快楽を受け入れられるように……
7637:2005/07/10(日) 15:55:37 ID:+Nh1TMVp
 その甲斐あってか、しばらくするとエアの唇から再び悩ましげな吐息が漏れ始めた。
 トロンとした目がこちらを見下ろし、ゆっくりだった腰の動きが速く大きくなる。
「……ああっ……はぁっ……んん、あたって……」
 エアの動きにあわせて下から突き上げると、背を反らしながら彼女は悲鳴を上げる。
乱れに乱れた巫女装束から除く結合部では、小さな陰唇が肉棒をしっかりと咥え込んで
いる様が見られた。
破瓜の血の混じった愛液に濡れ、粘膜が妖しい光を放ちながら真っ赤に充血している。
「……あっ、あっ、あっ、あは……んんぅ……いぃ……ああんっ!」
 普段の凛としたエアと、快楽に酔っている今のエア。巫女装束を身に纏っているせいで、
否応なしにそのギャップを感じさせられ、こちらの思考を灼熱させる。
「はぁっ……あ、……あたるっ……奥にあたって……んんぅ!!」
「……く」
 エアの腰を掴み、大きく下から突き上げる。円を描くように腰を回しながら、
小刻みに何度も何度も彼女の膣内を擦り上げる。
「ひぁっ……やめ、……またっ! ああぁっ、ふあぁぁあああ―――!!」
グチュグチュ、と卑猥な水音が部屋中に響き、泡状になった愛液が結合部から漏れる。
ただでさえ狭い膣内が、更に締まりヒダというヒダが肉棒に巻き付いて射精を促す。
「ああぁ、あふっ……、んふぅ……ひあっ、ああああああぁ――――――っ!!」
「……くぅっ、エア……っ!!」
 エアの全身が痙攣し、膣が激しい収縮を繰り返す。こちらの精を搾り取ろうとする
その刺激に耐え切れず、彼女の中へと全てを吐き出していた。
「はぁ……ふ、ん……あぁ……はふっ……ふぅ、……この、ケダモノ」
 胎内に放出された精を受け止め、ゆっくりとこちらへと倒れこんできた少女を受け止めると、
彼女は恨めしげにこちらを睨んだ。
「手加減せよと、言うたではないか……」
「いや、申し訳ない」
 そっと乱れた髪を撫でながら謝る。エアはくすぐったそうに目を閉じて、こちらへと頬を寄せた。
「ま、よかろう。わらわから迫ったのだし…………その、気持ち良かったし」
 そう、耳元で囁くと彼女はそのまま、暖かな夢の中へと包まれていった。
7648:2005/07/10(日) 15:56:24 ID:+Nh1TMVp

『風の巫女よ……風になれ。
 お前の母たちが逃れたいと願っていた、地獄のくびきから逃れよ』

 ノーブル、そしてロストールへと伸びる街道を一組の男女が歩いていた。
 一人は冒険者という風体の青年。
もう一人は、どこか神秘的な雰囲気のある薄手の衣装に身を包んだ少女。
「で、これからどこに行く?」
 青年が、少しばかり前を歩く少女に声をかける。
 街道沿いに茂る木々の隙間から零れ落ちる陽光に、彼女は目を細めた。
「そう、じゃな」
 青年の問いに彼女は足を止め振り返ると、そのまま彼が追いつくのを待って横に並ぶ。
 柔らかな風を受けて、肩口で切りそろえられた髪が、薄翠の装束が揺れた。
「どこに行くにせよ、何をするにせよ……これだけは確かじゃ」
 木漏れ日の中、少女は目を細めて青年を見上げる。
「定めや運命などという魔物じみた存在にとことん抗い、魔法などに頼らず子を宿し、
子孫を残す事じゃ……。のう、―――――?」
楽しそうに青年の名を呼ぶとその腕を取り、小さき風の娘は優しい風の中、
軽やかに大地を蹴った。
765名無しさん@ピンキー:2005/07/10(日) 15:59:21 ID:+Nh1TMVp
とゆ〜訳で書いてみた
アトレイアといい、ノエルといい、俺の筆力さっぱり成長しないナ

ジルオール好きの方々の、お暇つぶしにでもなれば、幸いです
766名無しさん@ピンキー:2005/07/10(日) 17:21:49 ID:gl2xRT5s
キターー!!エア様!
767名無しさん@ピンキー:2005/07/10(日) 17:37:33 ID:KS4r6b0o
あげ
768名無しさん@ピンキー:2005/07/10(日) 18:16:16 ID:EJ+RTVXp
エア様キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
769名無しさん@ピンキー:2005/07/10(日) 21:43:06 ID:2FCXo55p
裏絵板が活性化してきて嬉しいかぎりですな
みんなコメントしようぜ
770名無しさん@ピンキー:2005/07/10(日) 23:03:22 ID:abg5ZUau
積極的なエア様萌え
GJ!!
771名無しさん@ピンキー:2005/07/15(金) 20:31:46 ID:jZ6dJj24
(*´д`*)パッション!!
772名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 00:28:40 ID:egplrnVu
連投地獄
773名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 15:06:26 ID:JXXfpdZ5
レム女主萌え ネメ女主萌え(*´д`*)ハァハァ
774名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 17:32:32 ID:siPIWlUM
色々考えたが、ヘタレで手を出せないレムオンに焦れて
自分から襲う女主しか思いつかなかった我を許せ
775名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 19:45:26 ID:W+OU5c9m
同じく色々考えてみたけど、色恋沙汰に疎過ぎて手を出してくれないネメアに痺れ切らして
自分からタックルを食らわせる女主しか思いつかなかった…
776名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 19:46:03 ID:cYKYghEw
>>774-775
許すから投下シル!
777名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 22:56:25 ID:D7YcRWQP
色々考えたけど、手料理に痺れ薬を入れて主人公を襲うエリス様をリクエストしたい
778名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 00:35:22 ID:hx01gH39
じゃあ漏れは、心の隙に付け込んでエリス様を堕とす主人公をリクエストしますです
779名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 00:40:07 ID:+UYBxJpA
>>774-778

う、すげえみてえ。
780名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 00:45:30 ID:GFXhRVrc
ヌコ先生に猫として調教される主人公が見たいです(;´Д`) '`ァ '`ァ
781名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 02:30:53 ID:ToDLnUMR
>>775
タックルしてネメアの背中に馬乗りする女主までは想像できたが
そこからが思いつかなかった。
あの鎧脱がせられねー

>>780
何故か間違って女主が猫になってしまい、猫先生(人間)に
尻尾掴まれて無理矢理尻を上げさせられ
「オス猫のアレは痛いらしいですからねー、少し解しておきましょうね」
ってアソコの入り口を指先で擦られてメロメロになってしまう
女主(猫)を想像してした。 orz オレ テラキモス
782名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 03:16:16 ID:dADSgSOe
猫はそのままいるだけでエロスだ…
783名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 15:08:34 ID:HbfrCtf2
>>775
 ネメアEDで宿に二人きりで泊まったとして、
二人とも純粋に寝ようとしたとき、
鎧を脱ぐのに手間がかかっている獅子帝を見かねて、手伝い。
 じゃあお礼にと女主が鎧を脱ぐのを手伝ってやって、それから……というのはどうだろう?

 個人的にはセラの方が想像つかないヨ……
784名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 15:15:36 ID:5AGka2vT
>じゃあお礼にと女主が鎧を脱ぐのを手伝ってやって
まて、そりゃただのむっつりスケベだ。
というかそれこそがセラに会っている気がするぞ
785名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 15:17:26 ID:5AGka2vT
誤字スマソ
×会って
○合って
786783:2005/07/19(火) 15:44:20 ID:HbfrCtf2
 いや、獅子帝の場合、下心も何もなしに本当に「じゃあ代わりに〜」
って感じかなと思ったのだが……。
 そうか、難しいな……。
787名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 17:05:09 ID:HS3Ev+0I
代わりに〜は個人的にレーグだとしっくりくるな'`ァ '`ァ
お礼も何もない格好してるけど、何するにしても下心はなさそう。

自分も以前、>775みたいなのにちょっとだけ挑んでみたんだが
恥ずかしさの余り打ってる途中で穴掘って埋まりたくなったよ…
萌えを形にできる職人さんの凄さを思い知りました。
女主ものじゃなくてもいいんで新作読みたいです(;´Д`)ハァハァ
788名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 18:12:14 ID:thk34mMi
カルラに捕まったクリュセイスは酷い目にあってそう。
しかし希望の持てない終わりは好きではないんで、書くなら少し工夫が必要か…。
あと最近、女主とエステルを書きたくなってきた。百合には興味無かったんだが。
789ミイス災難1:2005/07/19(火) 19:10:06 ID:4y3akXid
 兄さん、私は、兄さんのこと、お慕いしています。
 それはいけないことだって、分かってます。
血がつながっている者同士は、決して結ばれてはいけないと。
 兄さんがミイスを離れて何年が経ったでしょうか。
 私は、兄さんが居ない日々を、幾つもの夜を泣いて過ごしました。
 このまま、ずっとかえってこなかったら…そんな風に考えていました。
 それよりもずっと怖かったのは、兄さんに好きな人が現れるのではないのか
ということ…。
 兄さんは私のことを「大事な妹」とよく言ってくれていました。私が一番
大切だとも言ってくれました。
 だけど、もし、私以外の人を私以上に大切だと思ってしまったら…。


「ミイス、もう言ってもいい年頃になったようだな…」
 私が十四になった日の朝、父さんは私を神殿に呼びました。
「なんでしょうか、父さん」
 静まり返った神殿の中で、父さんは顔を強ばらせて口を開きました。
「ずっと黙っていたのだが…。心して聞いて欲しい」
「はい…」
 私は父さんの目をじっと見つめて、父さんの言葉を待ちました。
「ロイ…お前の兄は、お前とは血が繋がっていないのだ」
「え…?」
「お前は赤子のころ、森に捨てられていたのだよ」
 目の前が真っ暗になって、そのあとの父さんの言葉は、
私の耳には入ってきませんでした。
790ミイス災難2:2005/07/19(火) 19:12:16 ID:4y3akXid

 気が付いたら、私はいつも薬草を採りに行く森にいて、幼馴染の男の子と一緒にいました。
「そりゃショックだったな」
「…うん」
 彼は悲しくて涙もでない私に、ずっと手を握ってくれていました。
「ミイスはお兄ちゃん子だったしな」
「うん…あッ!」
 ふいに手を握っていた彼の手が離れたと思うと、いきなり私の顔を両手でつかんで…。
「んんッ!!」
 無理やり唇を、私の唇に合わせました。彼は唇を開いては私の唇を楽しむかのように
何度も這わせて、舌で私の口を開けようとしてきました。
 いきなりの出来事に混乱して、そして、彼に対する生理的嫌悪感で一杯になった私は。
「やめてっ、やめ、やあっ!」
 一生懸命振り払おうとしても、私の力では男の人の力に叶うはずもなく、されるがままに
地面に押し付けられてしまいました。腕をつかまれて、身動きができない。
足も固定されてしまっている…。
「ロイ様がお前の兄じゃないなら、ロイ様はお前を抱くかもしれない。お前もロイ様のことを、
兄以上に愛してたんだろ?」
 彼の目はいつかみた、狩りをする狼の目のようでした。私は怖くなって、身をよじってなんとか
彼のもとから離れようとしても、彼の目はますますギラギラと光るだけでした。
「わた、私は、兄さんのこと、好きだけど…そんなんじゃ…」
 嘘。
 私は、ずっと前から兄さんのこと、好きだった。
 彼は私の狼狽した顔をみて、にやりと笑って言いました。
「嘘だね」
 思わず顔をそらしたとき、首筋に彼は唇をあてがい、舌を這わせてきました。何度も何度も舌を上下させて、
私の首を犯すように、ゆっくりゆっくりと。
ぞくぞくとした初めての感情に、私は鳥肌が立ちました。
791ミイス災難3:2005/07/19(火) 19:14:27 ID:4y3akXid
「やだ!気持ち悪いよ、お願い、やめて!」
「ロイ様はお前のこと、ただの妹としかみてないんだよ」
 言わないで。
「お前がいくら思ってたって、ロイ様は他の女とこんなふうに乳繰り合うんだよ」
「言わないで!!」
 彼は顔を真っ赤にさせて、私の胸に顔を埋めたあと、私の服を力にまかせて脱がせようとしました。
「やだ!!やだ!!やめて、やめてやめて!!!」
 素肌は晒してはいけない。神殿を守護する者として、そう教わってきた私は解放された両手で必死に
彼の腕を止めようとして…。でも、恐怖からか、体に力が入らない。
「お前の素肌って、五歳のころ以来みてないな…く…フフ。ずっと、ずっとお前の裸を想像しながら
自慰をしてたんだぜ。想像しながらお前を抱いてたんだ」
 嫌悪で顔が歪む。そんな風に見られていたことに対するショック。
「ロイ様とお前が血が繋がってないとわかったら、お前はロイ様に迫るかもしれない。
ロイ様だって男だ。お前みたいないい女の誘いを絶対に断るとは限らない。
今しかないんだ…ほら、おとなしくみせろよ」
 あっという間に乳房があらわになって、私は顔が熱くなる。
「あ…」
「想像してたより、ずっとキレイだな…」
 彼は片手で私の乳房をまさぐり、顔を埋めての乳首を転がすように舌でもてあそび始める。
 今まで感じたことのない奇妙な感覚が、私の声を上ずらせて…。
「ぁッ!…う、あう…ひゃ、ひゃめ…」
792名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 19:15:38 ID:4y3akXid
初めてエロ小説です。エロい表現が苦手なので、
うぶそうなミイスっ子の視点から書いてます。

続きますー。
793名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 19:37:33 ID:qOmIpBEg
(*´д`*)保守
794ミイス災難4:2005/07/19(火) 21:27:11 ID:4y3akXid

「柔らかいな…ああ、俺、俺、もう…」
 彼は何を焦ったのか、ズボンのヒモを慌しくほどき始めた。
「ハァ、ハァ、ミイス…」
 嫌な予感がした。私は胸がはだけていることなど忘れて、必死に彼から逃れようとした。
 そんな私を気にも留めず、彼は私を全体重で押し付けている。
「みてくれ…ミイス…俺の、を…」
 みたくない。みたくない。みたくない!
「これをお前の中に入れたくて入れたくて、たまらなかったんだ」
 彼が私の顔を掴もうとした瞬間、私は隙をついて彼の頬を叩き、森の茂みのほうへ逃げた。
足がおぼつかず、四つんばいになりながら、必死に人を呼んだ。
「誰かっ、誰かあっ!助けて、助けて!!」
 よたよたと進んでいるのか進んでいないのかわからない。
 頭が真っ白で、ただただ彼の手から離れたい一心で。
「ここまできて帰すわけねえだろ」
 襟首を捕まれ、ぎゅ、と後方へひっぱられる。
 振り返ったとき、見てしまった。男性の、女性にはついていないモノ。
 グロテスクにそそり立ったソレは、今にも爆発しそうなくらいにぴくぴくとうごめいている。
795ミイス災難5:2005/07/19(火) 21:27:59 ID:4y3akXid
 おぞましくて、汚らわしくて、もう一度目をそむけた。
 今度は片手で両腕を取られた。
「触らないで!そこは、やだ…やめて!」
 ショーツをず、とずり下げて、つい最近、女性として成長したそこを、
彼の指がいやらしくなぞる。
「ひぁっ!!」
 敏感になってしまう部分をつままれ、私はびくっと体を振るわせた。
「もっとおとなしくしてくれたら、お前だってもっと気持ちよくなれるのによぉ…」
 ぐちゅ…ぐちゅ…。私の大切な部分が淫乱な音を立てる。
彼は手に付いた液体をいとおしそうにべろべろと舐めとった。
「濡れてきてるじゃねえか。俺の指だって、まんざらじゃないんだろ?」
「うう…いぁッ…はぁ、は…いや…」
 頭が真っ白になる。
「入れるよ、ミイス…」
 彼の宣言に、気を失いそうになる。
 ぐちっ。奇妙な音と共に、私の下半身が悲鳴をあげた。
「いたいッ!!!」
 ずぶ、ずぶ、ずぶ…彼は私の叫びなど聞こえないように自分のモノを入れていく。
 痛い。痛い。痛い。壊れてしまう、こんなのが全部入ってしまったら。
「痛い、痛いよ、やめて、やめてやめてやめて」
 やがて、侵入していく音がやんで、鋭い痛みが消えかけたとき、彼は言った。
「全部…入ったよ…」
「!!」
 いやだ。いやだ、いやだ、いやだ!!!
796ミイス災難6:2005/07/19(火) 21:29:37 ID:4y3akXid
「動かすよ…力入れると余計に痛いぜ」
 ずぶ、ぬちゃ、ぬちゃ…。彼のモノが出て行く音がする。
 痛い。はちきれてちぎれてしまいそうで、意識も遠くなる。
 ず…。ずちゅ…。
 出て行こうとしていたはずのものがまた入ってくる。ゆっくりと、ゆっくりと。
「ううううっ、痛い、痛い、ょ」
「ああッ、き、気持ちいい…これがミイスの中…暖かい、締め付けが…たまらねぇよ…ミイスう…」
 ずぶっずぶっぐちゅぐちゅ!
 彼が興奮していくにつれて、どんどん出たり入ったりが速くなる。
痛みもそれに応じてひどくなる。
 そんな私をよそに、彼は気持ちよさを求めて私を犯していく。
「あっあっあっ、いいッ、気持ちいい…、あふ…。好きだ、ミイス、好きだ!」
 唇をむさぼられる。
痛みに耐え切れなくて、頭の中が真っ白な私は、もはや声で抵抗することしかできなかった。
「あうっ、ううっ、くっ…つうぅ…」
 何度出し入れが行われただろう。彼は頂点に達しようとしていた。
「あああ、も、もうイク…ミイス、ミイス…!うあぁ…!」
「いやああああああッッ!!」
 ビュッ!ドク、ドク…。私の中に、彼の精液がどろりと満たしていく。
「は、は、ハァハァ、ハァ…気持ちよすぎて、思わず中に出しちまった…」
797ミイス災難7:2005/07/19(火) 21:30:25 ID:4y3akXid
ずぶ…彼は自分のモノを私の中から取り出して、自分で自分の物を愛撫して残りの液を出していた。
 その行為が、どんな結果をもたらすか、私は知っていた。母さんに、私に初潮が来たときに教わったのだ。
 子供ができる。と。
「い、あああああああああああッッッ!!!!!」
 私は叫んだ。誰も助けてくれなかった。父さんも母さんも。ロイ兄さん、ロイ兄さん…。

 彼は倒れて呆然としている私に服を元通りに着せて、そのまま去って行った。
「ああ…兄さん、私、汚れた…汚れちゃったよ…うっ…うううっ。うああああああああ!!!」

 ロイが長い修行の旅から戻ってきたのは、その翌日だった。
798名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 21:32:59 ID:4y3akXid
エロ表現がうまくできませんOTL
処女が無理やり犯されたら痛い、汚らわしいとしか感じないよなあ。
だんだん気持ちよくなるとか考えられないのでした。

ていうか、これが前座で、汚れた私をきれいにしてくださいって
ミイスがロイに迫るという小説を書きたかったんだけど…脱線しました。

エロくなくてゴメソ。
799名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 22:04:55 ID:9ogeMsd1
それにしても名前がミイスってことは、ロイの苗字がミイスだからして、
ミイス・ミイスなのか。

富野チックな名前だなぁ。
800名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 22:07:49 ID:qOmIpBEg
遅れたが>>798乙!十分萌えたよ( ´Д`)
801名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 22:32:19 ID:yUU78maW
>798
乙でした。そしてロイ兄さん編もぜひ。

ところで廃城での遭遇verを見て以来、唐突にジュサプブロスに萌え。
なんとか女主と絡ませられないかと頭ひねったけど、シチュすら思いつかない…
登場遅すぎ&接触少なすぎだよジュサプーorz
802名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 09:38:15 ID:BDHtCQm3
>788
エステルタソ(*´Д`)ハァハァ
803名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 22:16:31 ID:aDIzV3Ix
>>801
 ジュサプーは女主じゃなくてオイフェはどうだ?
 再度、闇への誘い〜みたいな。

 エステル×女主はいいなぁ……。同性だからこそイチャイチャしそう。
804名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 07:59:58 ID:34yMjfOA
ここでレムオン×女主を叫んでみる。
吸血鬼ってだけでなんかエロくないか?
805名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 11:40:07 ID:Jr74VRC+
なんかレムオンってだけでエロくないような。
806名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 11:44:10 ID:JLY+jDCT
イヤ、レムオンはヘタレエロキャラの筆頭w
普段はヘタレだがリミッターが外れたらもう大変。
807名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 13:04:22 ID:KnvajWCB
インフィニットのレムオン見てると奴の方が襲われそうな気がするよ・・・
阿部とか主人公とか闇ティアナとかエリスとか・・・
808名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 13:34:52 ID:Z+aZvXuu
そこでセバスチャンですよ
レムオンのいない所で女主に貴族としての夜のたしなみをお教えするのです
809名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 15:57:35 ID:34yMjfOA
わかった。
じゃあ女主×レムオンでいいよ
これなら違和感ないだろ?
810名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 19:42:42 ID:MOHzfNdV
>808
ごっつい読んでみたいそれ。
811名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 20:23:26 ID:Jr74VRC+
>>808
良いな、それ。
執事に調教されて身に付けたテクでレムオンを翻弄するとか
レムオンでは満足できずに夜毎執事の部屋に忍んでしまうとか。

妄想膨らみっぱなしだがやっぱりレムオンはヘタレ感漂うw
812名無しさん@ピンキー:2005/07/22(金) 15:41:18 ID:nJEgZiQJ
age
813名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 11:25:27 ID:yz7UK43o
待つ
814名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 13:42:55 ID:zuHAFOGs
職人さんが降臨するまでは、ある意味放置プレイだな…

だ、誰か、激しく狂おしいエロを…!
815名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 14:35:37 ID:jMJ72h+x
    〃〃∩  _, ,_    ヤダヤダ!
     ⊂⌒( `Д´) < エリス様萌え&救済SS書いてくれないとヤダァ〜!
       `ヽ_つ ⊂ノ 
              ジタバタ
816名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 01:18:32 ID:fOx5XdDt
ざくっと見てきたけど玉葱とかネメアとかないんだな。
扱いにくいよな確かに。
817名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 01:36:06 ID:Jbyvvven
玉葱はどんなにシリアスぶっこいても髪型で台無し。
ネメアはまあ、性格が掴み辛いからかと思われ。
818名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 16:43:37 ID:6XWsMaE5
玉葱はあの頭を使って変態プレイ…

すまん。正直マジですまんかった
819名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 17:29:19 ID:I1SHzZfa
エアたんは無いのか?
820名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 18:21:18 ID:7IFCyYwA
女主ロイを・・・
821名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 18:36:09 ID:6XWsMaE5
レムオンまだ?
822名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 20:20:53 ID:qbXh7G7J
天地千年を見通すエアが、無限のソウルによって未来を見忘れて
うっかり排卵日の計算を間違えて次世代風の巫女作成成功エンド。
823名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 00:06:30 ID:XHUMgX0B
次世代、風の巫女か。次世代ふうの巫女ってどんなんだろとか思った。
824名無しさん@ピンキー:2005/07/27(水) 13:22:15 ID:9PJ+Airz
レーグとリベルダムにいる成長したレーグファンの女の子
…なんてどうかなって思ったんだけどボルダンて寿命短いんだっけ…。
もしくはインビシブルレイプ。
透明化した主人公がアイリーンあたりの生意気なキャラを街の広場で犯す。
一人で興奮している(ように見える)アイリーンの周りに人だかりが…とか。
アイデアは出るけど形にするのは難しいよ…orz

825名無しさん@ピンキー:2005/07/27(水) 23:39:34 ID:59YVUuqE
インビジブルって映画があったな
あれでも確か透明化した主人公が女のこといじくりまわしたり
不法侵入したりしてて結構面白かった
まあ最後は焼かれて死んだっけ? そこらへんは覚えてないが

不法侵入インビジブルなんてどうかね?
826名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 00:29:40 ID:njLxoQEk
むしろストップのほうが好きだな。
抵抗できない相手にじりじり迫る、このハァハァ感。






そしていざ事に及ばんとしたときに切れる、持続時間の短さw
827名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 01:18:34 ID:YjANTWFl
ナジラネの実を食わせて沈黙状態にして助けを呼べなくなったところで

と思ったらナジラネのパンケーキがあるので無理っぽかった。
828名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 00:58:13 ID:d3xoCKMG
ヒューマスクスorパラライズトラップの宝箱に引っかかって
硬直しているところ、
抵抗できないルルアンタにいろいろいたす・・・
・・・って、リルビーだからパラライズきかね〜や。

じゃ、フェティ様で。

ところでナジラネのパンケーキと言えば
スライムのあんかけもあったけど、
スライムってそこそこレベル高いモンスターのような・・・
貧民街の酒場で出てくるようなもんなのかあれ
829名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 01:02:30 ID:ug1rBGqV
>>828
何のために阿部さんがあの酒場に入り浸ってると(ry
830名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 00:29:01 ID:XiOxi+D2
男主×アスティアありですか?とか言ってみる。
831名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 00:48:49 ID:dDTMJJ9N
>>830

無茶苦茶ありです。というかお願いします。
ワクワクテカテカ
832名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 03:31:42 ID:Pj8XfkfP
>>830
是非!
833名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 08:42:13 ID:3GEVjjNL
正直、ママンはいける
834830:2005/07/30(土) 20:30:10 ID:XiOxi+D2
ゴメン。落ちが思いつかなくて中途半端な形ですが職人様方もいらっしゃらない
みたいですしいかせて戴きます。まだエロパロ二回目で経験浅すぎですが
よろしくお願いします。
835始まりと終わりの地(男主×アス)1/9:2005/07/30(土) 20:33:26 ID:XiOxi+D2
「お帰りなさい――」

 全てを終らせたて帰ってきた俺を迎えてくれたのは、幻でなく本物の母さんだった。

 感動にむせび泣く俺を優しく抱きしめてくれた母さんの、色違いの瞳からも涙がこ
ぼれていた。その顔を見ると、何故か胸の高鳴りを感じる。すると母さんは俺の体を
一旦離して、
「今、お前のために晩の用意をしていたところなんだよ。もう少しで出来上がるから
待っていなさい」
と言って、台所に向かっていく。そういえば先ほどからいい香りが漂っていた。おそ
らくクリームシチューであろう。言われたとおりに俺は出来上がりを席について待つ
ことにした。
836始まりと終わりの地(男主×アス)2/9:2005/07/30(土) 20:35:04 ID:XiOxi+D2
 おたまにコトコトと煮立つシチューをすくって小皿にうつし、それを唇からいれる。
その動作に何とも言えない温かみを感じつつも、艶かしさまで俺は見てとってしまった。
内からふつふつと黒いものが湧き上がる。そして気付いた時には俺は母さんの後ろに立
っていた。

「ん…こんなものかな…」
自らの料理の味に納得したのか一つ頷いてそう言った母さんを背後からそっと抱きし
める。それに驚いて母さんは疑問の声を発っして振り返る。
「え?…どうしたの…ん!…」
俺はそう言った母さんの唇に自分の唇を強引におしあてる。
「ん…ん!」
母さんの上げたうめき声に引きずられるように、口腔に舌を入れる。
「んん?…ンン…ん!」
暴れようとする母さんの腕を抑える。更に夢中になって舌を絡めていく。甘いクリー
ムシチューの味がする。首をふっていやいや、といった素振りを見せる母さんだけれ
ど、そんなことは俺を興奮させる材料にしかならなかった。カラン、とおたまが床に
落ちる音がする。一瞬それに気を取られて、唇を離してしまった。
837始まりと終わりの地にて(男主×アス)3/9:2005/07/30(土) 20:36:10 ID:XiOxi+D2
「な…なんでこんなことを?私たちは親子…」
 わずかによろめき、そう言って困惑した表情で投げかける母さんに、心の中の大き
くなった黒が台詞をぶつける。
「でも、血は繋がっていないんだよ!」
「!!っ…それは…」
 一瞬、母さんの顔から赤がひいていく。そう俺たちは血が繋がっていない。それを
知ったときは確かにショックだったけど、同時にどこか嬉しく思ってしまったことも
否めなかった。母さんは昔からずっと美しかった。ここを訪れた冒険者たちもそろっ
て皆賛辞を述べるほどに。ずっと前から、密かに劣情を向ける相手は母さん一人だっ
た。あんなことがあってから世界中を見て回ったが、どんな美人も、帝国の将軍や、
王国の姫君、四人の巫女の美しさも、到底母さんに勝ちうるものには感じなかった。
形だけの美しさだけでなく。そのまとう雰囲気も。そして、今昔から秘めてきた想い
をぶちまけてしまっている。血の縛りがないならば、もう妨げるものは無いはずじゃ
ないか。真っ青になっている母さんを拘束している手を下にずらし、そのまま量感の
ある胸を後ろからがっしりと掴む。
838始まりと終わりの地にて(男主×アス)4/9:2005/07/30(土) 20:39:24 ID:XiOxi+D2
「い…いやぁ…」
 否定の声を上げはするけど、それは力弱いものであった。構わず服の上から乳房に
指を沈み込ませる。幾枚かの布に遮られても、しっかりと感じるその弾力に俺はます
ます興奮していく。
「あ…ああ…?んっ…」
 再び母さんの唇を封じるために舌をもぐりこませる。抵抗は段々と弱いものになっ
ていく。次第に掌と乳房の間にある布が邪魔に思えてきたので、ブラウスの前を開か
せる。ボタンが弾けとぶと、レースの刺繍を施したパープルのブラジャーが見えるが、
それをずらすと、ピンクの可愛らしい突起が目に入る。が、まずは真っ白くて大きな
乳房を堪能することにして、持ち上げるようにして形の良いそれを揉みしだく。
(や…やわらかい…)
 先ほどより直に触れている分、その感触の良さが圧倒的に伝わりやすい。無我夢中
になって好き放題に嬲り、段違いの感触に酔っていると、母さんの顔にも段々と朱が
差してくる。少しずつ自ら舌を差し出してくるので、こちらのほうの快感も倍化する。
それに気をよくして、ピンク色の突起を急に摘む。
839始まりと終わりの地にて(男主×アス)5/9:2005/07/30(土) 20:40:54 ID:XiOxi+D2
「んあああ!」
ピクリ、と急激な刺激に耐えられず、喘ぎ声を上げてのけぞる。それを見て取った俺
は、左胸のほうには刺激を与えたまま、右胸の先端にむしゃぶりつく。
「あっ…ああ…」
 恥ずかしさに目をそむけるような形でいる母さんを見つつ、さきっぽを舌で転がし
たり、赤ん坊がするように思いっきり吸いたてたりしてみる。気のせいか甘い香りが
するように思える。それが興奮を幾重にも煽りたてる。何度も何度も、感触に夢中に
なって吸いたてていると、
 ふわっと後頭部の辺りにやさしいものが舞い降りてきた気がした。
「えっ…?」
840始まりと終わりの地にて(男主×アス)6/9:2005/07/30(土) 20:41:52 ID:XiOxi+D2
上を見ると、俺の頭を優しく撫でる母さんの慈母の如き笑み。神々しさすらも感じさ
せる、その微笑を見た途端、俺の瞳からは涙が溢れ出ていた。
「ごめんね…」
急に謝る母さん。
「え?…」
何で謝られるかわからない。何も母さんは…
「お前の気持ちに、少しも気付いてやれなかった…私は、母親失格なのかもしれない」
違う。母さんは何も悪くない。悪いのは…俺一人だ…。
「ち…違う…母さん…俺は…」
 先ほどまで心を占めていた黒いものが流れさって残るのは、母さんに対する罪悪感だ
けだった。愕然としてへたれ込んで泣き叫ぶ俺。それを、母さんは優しく撫でて、少し
づつ癒してくれた。
841始まりと終わりの地にて(男主×アス)7/9:2005/07/30(土) 20:42:37 ID:XiOxi+D2
時間が経って、大分落ち着いてきたものの、母さんを抱いて手篭めにしようとしてし
まった事実は拭いされない。
「母さん…俺…」
その事実の重大さに思い至って、母さんの顔が直視できなくなる。だけど、母さんはこ
こでも俺を許してくれた。
「お前だって…『男の子』だものね…それに、お前は辛いものを背負わせてしまっている」
「辛い…もの?…」
「ウルグ様…その思念がお前の想いを大きく肥大化させてしまったのかもしれない」
頭を撫でながら、母さんはそういった。確かに、ウルグは俺の中にあのときから眠っている。
けれど…
「けれど…」
「それにね」
842始まりと終わりの地にて(男主×アス)8/9:2005/07/30(土) 20:43:45 ID:XiOxi+D2
声色を少し変えて、母さんは信じられないことを言った。
「私も、心のどこかで望んでいたみたい…」
「え…」
顔を上げて母さんを見ると、頬を染めて俯いてしまっている。
「ずっと…お前を拾ってから…逞しくなって育っていくお前に…」
すっと俺を抱きしめる。乳房が頬にあたるが、いやらしい感じはしなかった。
「お前を…心の中で男として見ていたみたい…」
「か、母さん…」
信じられない。母さんも、俺と同じように…
「気付いたのは、今なんだけど、ね…」
843始まりと終わりの地にて(男主×アス)9/9:2005/07/30(土) 20:44:50 ID:XiOxi+D2
「母さん…」
そう呟いて口付けを交わそうとすると、人差し指で唇を封じられる。
「イヤ…」
「え?」
お互い通じ合えたのに何故拒むのか、と言おうとする。すると母さんはクスリと笑って、
「こういうことするときは、名前で呼んで…」
あ…。だが、改めてそういう風に言うのは何か照れくさい。
「あ、アスティア」
「ええ、――」
お互いの名前を呼んで、唇を交わす。それは先ほどまでのどんな行為よりも優しく、目の前
の人への愛しさをあらたにするものだった。

一つの関係が、ここに始まった。

FIN(?)
844830:2005/07/30(土) 20:49:27 ID:XiOxi+D2
エロパロ二回目でも本番無しになってしまいましたウワァァァン!
この続き…は書くかどうかわかりませぬが、まあ書いたときはよろ
しくです。ホント職人さんは偉大ですな…では拙作にお付き合いい
ただきありがとうございました。
845名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 21:04:53 ID:/lOGIHVN
なかなか良いふいんき(ryでGJ!


でも単語の途中で改行はやめような。
846名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 22:20:22 ID:6S04WTxk
>>830
GJ!
ようやって下さった!!
847名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 22:28:14 ID:XiOxi+D2
>>845
うぉ…済みません。気にもしていませんでしたorz
ご指摘ありがとうございます。
848名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 00:12:49 ID:qb4sabkY
GJ!!
830、最近名を上げてきてるみたいだな!
849名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 00:52:35 ID:SfcpI9qG
ここってまだ人いるの?
850名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 00:53:42 ID:SfcpI9qG
ごめん間違えた!逝ってきます
851 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 19:55:48 ID:4oLaN2TB
男主×カルラ投下します
852 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 19:56:43 ID:4oLaN2TB

「入って」
扉を叩く乾いた音にカルラはぶっきらぼうに返事をした。
「失礼します。
 お呼びでしょうか青竜将軍閣下」
入ってきたのはいかにも冒険者といった風情の武骨な男。
見るからに腕の立ちそうな雰囲気を漂わせた男だが
見るものが見れば腕が立つどころの騒ぎではないのはすぐにわかるだろう。
「うん、呼んだよ。
 最近どう?」
およそ将軍という地位の者の言葉使いではないが
慣れているのか男は何も表情を変えない。
「特に何も・・・」
「ふふん、まあたそんな事いっちゃって!
 知ってんだよ、”竜殺し”」
カルラは少し自慢気に微笑むと男に人差し指を突きつけた。
「やるじゃん!
 さすがあたしの副将だわ」
さすがといっても別にこの男はカルラの副将として鍛えられた訳ではない。
ある事情で引き抜かれ抜擢されただけの事だ。
ゆえに副将などと言っても軍議などには参加させてもらえない。
その事もあってか、朗らかに笑うカルラとは対照的に男は表情一つ変えていない。
「ご用件はそれだけでしょうか、将軍閣下」
落ち着いた声が出されるとカルラは一瞬だけ笑みを止めた。
「違うわよ。
 用件つうか・・・ねえ、あたしとセックスしない?」
この発言は男の顔にも表情というものを作り出した。
「あら、いや?
 あたしとセックス出来るなんて光栄じゃなくって?」
冗談めかした言い方だが冗談でないのは声でわかる。
「いえ、驚いただけです。
 無論、私に異存はありません」
「んじゃ決まりね。
 鎧脱いで」
そう言うとカルラはさっさと自らの鎧を脱ぎ始めた。
853 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 19:57:54 ID:4oLaN2TB

「んーっとね・・・そうだ、あんたからやってよ。
 竜殺しのお手並み拝見ってことで。
 竜殺しは青竜将軍をもやっつけてしまうのか、なんつって」
露出度の高い個性的な肌着一つになってもカルラの口は滑らかに動く。
「一つよろしいですか?」
「ん、なーに?」
既に全裸となった男はカルラの瞳を覗き込んだ。
「何故、このような事を?」
「何故って・・・あたしがセックスしちゃいけない?
 死神だって性欲はあるの。
 あんたならまあいいかなって思ってさ。
 いーじゃん、もう、深く考えるような事じゃないっしょ」
カルラの言葉に対する返事は言葉ではなかった。
武骨な指がおもむろにカルラの胸を掴む。
「んっ・・」
男はふくらみを掴んだまま強引にカルラを引き寄せると荒々しく唇を合わせた。
当たり前のように差し込まれた舌に少女の口はこじ開けられ唾液を奪い取られる。
「んはゥっ!」
乳をまさぐっていた手が肌着をずらし直接潜り込む。
ねじるように乳首をつまむとカルラの身体からくぐもった悲鳴が上がった。
男が少女の口に噛み付いたまま離さないのだ。
普段はよく動く舌もこういう時にはそうもいかないらしい。
カルラの舌は男の舌に主導権を握られたまま、いいように弄ばれている。
押し返す事も出来ず口の中に唾液を注がれてカルラは身悶えしていた。
「ぷはぁっ・・!」
ようやく口を許された時、カルラは肩で息をしていた。
しかし、男は休息を与えるつもりは無かった。
剥き出しにされた乳房を指でつねり、口に含む。
そしてもう一つの手はさらに下の方へと伸びていった。
「ひゃうっ!」
男の指が引き締まった肉の山の間へと滑り込んだ。
出す事だけが役目だったはずの穴に指を挿しいれると少女の体がねじれ始めた。
責めから逃れるように身体をひねるが男の力には敵わず指先はさらに大胆に這い回る。
蟻の門渡りをなぞり、少女の女へと到達した。
「んぁっ・・」
毛の生えていない滑らかな丘を撫で、指先は肉の柔らかさを確認する。
854 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 19:59:06 ID:4oLaN2TB

「いっ!」
ほんの少しだけ侵入した指先にカルラの身体は跳ねた。
男が怪訝な顔で見るとカルラは微笑んだ。
「い、いいから・・続けて」
そう言った口を唇で塞ぐと男は遠慮なしにカルラの身体を撫で摩った。
鎖骨から始まり、乳房、脇、あばら骨を一段一段確認しお腹の肌を手で舐める。
腰骨を握り太ももを揉むと尻肉をつねる。
並んだ穴を突付いて引っ掻き擦り上げた。
「いくぞ」
その短い合図と供にカルラの身体は宙に浮かされた。
両足を上げさせられ尻をもたれると、カルラには抱きつく以外の選択肢は残されていなかった。
そして、その結果無防備に開かれた女の穴に男がねじ込まれた。
「っ・・・!!」
カルラの背筋が伸び、顎が上がる。
痛みを訴える汗がだらだらと流れ落ちる。
しかし、男は構いもせずに少女の奥まで一気に貫いた。
押し広げられた媚肉は粘液をまとい受け入れようと努力する。
男の性器に身体を乗せたカルラはただ耐えるだけであった。
首にまわした腕は震え突き上げられる身体は成すすべなく男の動きに従っている。
「ぅっ・・・ぅっ・・・」
ようやくにカルラの口から声が漏れ始めた。
無論、それは快楽を享受しているもののそれではなく
ただ苦しさを訴えているものであった。
粘膜と粘膜の擦れる音がカルラの泣き声に消えそうになった頃、
男は少女の胎に精を放った。
動きが止まり、二人の身体がただ重なっているだけになってもカルラの泣き声は止まなかった。
855 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 19:59:50 ID:4oLaN2TB

「初めてだったのか?」
床の上に座った男は自らの上に座っている少女に声をかけた。
寄りかかっていたカルラの上半身が少し離れ肩に乗せていた頭が浮いた。
繋がったままの苦しさから小さなうめき声を上げてカルラは男の顔と向き合った。
「そうよ、あんたはカルラちゃんの初めてを奪った男。
 どう?うれしいっしょ?」
カルラが薄い微笑みを浮べると男も微笑を返した。
「光栄です、将軍閣下」
その返事をどう思ったのかカルラはにっこりと笑い膝を立てた。
「んっ・・」
ゆっくりと立ち上がり男のものを抜くとカルラの中からぼたぼたと精液が零れ落ちた。
「あーあ、いっぱい出しちゃってもう・・・エロエロだね」
中腰になって自らの股間を見下ろしながらカルラがため息交じりに呟く。
「将軍の中が素晴らしかったもので」
男がそう言うとカルラは少し目を見開き、笑顔に戻した。
「じゃあさ、また来なよ?
 そんとき暇だったらさせたげるからさ」
そう言うとカルラはまた男の上に座りなおした。
吐息を胸板に吹きかけ、か細い腕を逞しい首にまわす。
「だからさ・・・裏切っちゃ駄目だよ?」
そう言って見上げたカルラの顔は青竜将軍のそれではなく
我侭を言う子供のものであった。
856 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 20:01:22 ID:4oLaN2TB
投下終了です
857名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 20:22:15 ID:rhB3lNwm
相変わらずキャラの特徴押さえたSSでGJ!
8581:2005/08/01(月) 01:00:30 ID:m/JM030V
玉葱×女主投下していいですか?
後ろからならトンガリ気にならないじゃんとか言ってみる罠。





エンシャントにあるディンガル帝国の城は、その威厳と重厚さを象徴するかのように冷たい石造りで天井が高い。
皇帝が座する謁見の間とまではいかなくとも、帝国宰相の執務室ならそのプレッシャーは尚更だった。
置かれているものも、実用性重視の、飾り気のないその癖高価な調度品(仕事に使う木製の頑丈な執務机、天井まで届く書棚、数人が座れる応接セット等)ばかりで、
素材は良くとも温かみというものが感じられない。緋色のカーテンは、明るさより権力の強さを主張しているようだ。
現在の持ち主の性格もあるのだろう。
無機質な部屋に、壁に掲げられたディンガルの旗。黄金の獅子のみが唯一の光源とばかりに眩い光を放っている。
そして、荒い息遣いと打ち合う腰の音、そして「何か」の濃密な匂いで満たされていた。

「や、あ、んん……っふ……」
下の唇をきつく噛み締めて、シーラは上がる声を堪えようと必死で執務机にしがみつく。
肌蹴られた上着からは大きな胸がはみ出て机に押しつぶされ、短いスカートはとっくに下着ごと下ろされて曲がった膝の辺りで引っかかっている。
とろとろと、白っぽい液体が彼女の太ももを流れて落ちていくのがなんとも扇情的だった。
短い呼吸で喘ぎ、目を細め、やり過ごそうと耐えながら、けれど否定できない快感にシーラは何度も体を引き攣らせる。
その様を見下ろしながら、ベルゼーヴァは呆れたように苦笑を零した。不安定な体勢のシーラを支えて結構な時間が経っているにも関わらず、少なくとも外見は平然としたものだった。
「全く、まだ仕事の途中だというのに」
前戯で散々ほぐした彼女の中は、既に愛液でどろどろにまみれている。言葉と同時に突き上げると、面白いように背中を反らした。かたかたと震える腕で何とか上半身を支え、熱っぽく潤んだ瞳でシーラは何とかベルゼーヴァへ訴えかける。
「だってもう、む、無理……んっ……!」
「無理ではないだろう?シーラ。お前は、ただ読みあげるだけでいいのだから」
ベルゼーヴァの長い指が、机に置かれた一枚の紙の上を滑る。下では扱えないと、宰相に回された書類の一部だ。
それを読み上げ、ベルゼーヴァに伝えてやる予定だったのだ。もっとも、彼女は普通に読むだけにするつもりだったのだが、今となっては読み上げようにも書類が目に入らない。
視界に入っても、内容を理解することは難しい。冷静になるには焦らされ続けている。
シーラの膣内を、ベルゼーヴァはくすぐるように下腹のソレをゆっくりと前後させる。シーラが書類を読み終えない限り、ずっとその調子で続けていくつもりなのだろう。
それだけでは満足できなかった。全然足りないのだ。狂ってしまいそうな程。
早くこの疼きをとめて欲しくてたまらない。もっと動いて欲しい。もう終わらせて欲しい(……そして、イかせて欲しい)。
今はそっちの方が重要だった。
「……さあ」
ベルゼーヴァはシーラの背にかぶさって、右の耳にそっと息を吹き込みながら続きを促す。
吐息の熱さに、じゅっと自分の中が潤みを増すのを自覚したシーラは首筋まで真っ赤に染めた。
何を期待してしまったんだか。恥ずかしい。当初の目的を思い出すと、震える唇を動かして目の前の文章を読み上げる。
「こ、このように……リベルダムの……りべ、リベルダ、の、そうに、そ、あああぁあん!」
声は途中で悲鳴になった。
読み上げた途端、タイミングを計ってベルゼーヴァがいきなり中へ押し込んできたのだ。待ち望んでいた刺激。それは歓声にも聞こえる。
「リベルダムの……何だ?ほら、まだ一枚も終わってないぞ」
「ひや……あんっ……あぅ……んっ……」
ぽろぽろと涙を流しながら、彼女は腕を震わせて頭を揺らす。
汗に濡れた髪がゆらゆらと流れ、うなじが露になったものだから、ふとベルゼーヴァはそこへ舌を這わした。
日に焼けていないうなじは白く、吸い付くように柔らかい。甘い花の香りがするようだと一人で思う。
「あっ、あああ……な、舐めないでぇ……いや、あ、はあぁ……」
震える声で哀願するシーラを無視して、ベルゼーヴァは焦らすようにゆっくりと腰を動かし始めた。ぐちゃぐちゃと、シーラの秘所から愛液が溢れて泡だっていく。
8592:2005/08/01(月) 01:01:28 ID:m/JM030V
続きを」
「そうに、しょうに、がぁ……っ!エンひャント、の、ひぅ……っ!」
喘いでいるのか読んでいるのか。シーラの掠れた声に混ざって、濡れたような乾いたような、異様な音が静かだった部屋中に響く。シーラの感じる箇所を重点的に攻めている音だった。
「エンシャン、はぁ……その、四方に……囲まれ、あ、ふ、あ、あああ!」
中途半端に疼いていた熱が、加速度的に高まっていく。喘ぎ声しか出せなくなったシーラの唇から、つうと涎がこぼれて書類の上に落ちた。
ぱたぱたと涎が落ちる。一部の文字が滲んで読めなくなってしまったことを確認すると、ベルゼーヴァは自分が苦笑を浮かべるのを感じた。摘み上げて、シーラの目の前まで持ってくる。
「わかっているのか?大事な書類だぞ。減俸ものだな」
お前の所為だろ。
突っ込む気力は既にない。
本当に大事だったならシーラに触らせない、そのことに気づく時間も彼女にはない。
ただ涎のつたう唇をわななかせ、潤みきった目で見上げて、しなやかな体をくねらせて帝国宰相に続きをねだる。恥ずかしい、と思う余裕はもうどこかへ溶けて流れてしまったようだった。
「おねが……もぅ、もうだめ……私……私……」
「……仕方ないな」
落とすのは嫌味っぽいため息。反して、汗と涙に濡れた頬を撫ぜるその手の動きは柔らかい。
うっとりと細めたシーラの目元にキスを送る。こうすると喜ぶことを彼は知っている。
そして、シーラの背中を抱きしめると、下腹に力を入れて激しく最後の数往復に入った。
「いっ、ああっ、ああぁあっ、ベルゼ、ベルゼーヴァあっ!!」
「くっ……シーラ……!」





コン、コンッ。

「失礼します、宰相閣下。入出の許可を」

理性に満ちた張りのある声。
執務室唯一の入り口、樫の木のドアを叩いた存在に
シーラは蕩けきっていた顔を一気に青ざめて、ベルゼーヴァは来るはずだった快感を思って不快気に眉を寄せたのだった。



860終わり:2005/08/01(月) 01:04:11 ID:m/JM030V
投下終了。
中途半端でごめんね!ただで終わると思うなよ。

続きは一応あるけど、そこまで面白い話じゃないよなあと自己嫌悪中だ。
だって玉葱より壁のほうがごふっ。
861名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 01:08:04 ID:xChoDQv6
ホント半端だな。
それはいいとして書類になんて書いてあったのか
気になってちょいと解読してしまったぞw

リベルダムの商人がエンシャントの、か?
862名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 03:45:27 ID:HVars54L
寝付けないので散歩……もとい覗いてみたら、神々キタ(゚∀゚)コレ♪
863名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 07:33:16 ID:hLYexiur
グッジョブ!
朝からいいもん読ませて貰いました。
中途半端だからこそ続きキボン
864名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 15:21:23 ID:lv1v3Nj/
GJ!!玉葱女主もいいね。萌えました。続きキボン!
865名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 16:11:42 ID:xs8N+6KX
エロー (*´д`)ハァハァ
シチュを上げてみた者ですが、言ってみるものだ…素晴らしい。
いいものをありがとうございます!

ど、どうか…どうか続きを…
866名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 19:25:05 ID:n68Sngoq
夏休みだからかお絵かき板が活気付いてますなぁ
867名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 23:13:10 ID:d2OWuLZB
こちらの職人さんももっと盛り上がりキボン
でも小説書くのってエネルギー要るよね・・
868名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 23:15:55 ID:RHwp29MI
うん。アス続き考えてるけど上手く浮かばない…orz
869名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 13:47:27 ID:djjRj+Q+
>>868

ガンガレ!おまいが描く物語が大好きだ!!
870名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 14:09:14 ID:emGKVjgl
>>860
壁の方が…気になる。
871860:2005/08/05(金) 13:16:26 ID:JxPbAk8D
>>870
外見同じでも中に壁が入ってると思うと玉葱より萌える(*´д`)

858の続きですが、馬鹿みたいに長くなっちゃったけど投下していいですか?
872名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 13:53:51 ID:YlDskT31
待ってたYO!! それはもうワクテカ(*´д`)
中身壁のベルゼ イイ(*゚∀゚*)!!!!
873名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 14:31:30 ID:XFLvZzJX
ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ
874名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 14:39:40 ID:jIcJobrx
は・・・はやく・・・(;´д`)
875名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 15:34:00 ID:rc37EcAy
プ。
お前ら踊らされてやんの




マダァ? モエシンジャウヨ
(*´д`)ハァハァ
876858の次:2005/08/05(金) 19:09:48 ID:of6kzkkd
858とだいぶ雰囲気違うし、本当に長いだけであんまりエロくないけどごめんしてね…
玉葱×女主です。





「失礼します、宰相閣下。入出の許可を」

何度も吐き出して言葉にするのに慣れた、それでも相変わらず緊張感を伴った声で扉を叩いてから待つこと数分。
待たされていたのは確かに僅かな時間だったが、男にとってはその何十倍も待たされていたような心地だった。
なにせ相手はベルゼーヴァ・ベルライン。なまじ自身が優秀な分、自分にも他人にも必要以上のノルマを課してしまう厳しい上司。
アカデミーを卒業して公僕に成り立ての当時、要領がなかなかつかめなくて何度も彼に叱責を受けたものである。
執務中のベルゼーヴァの動作は、酷く正確で機敏だ。おかげで今でもこのように明確な反応が返ってこないと、自分が何か不手際でも犯してしまったのでないか、身が竦んでしまう。
(完全にトラウマである。そのスパルタ教育のおかげで、現在のこの地位があるとも言えるのだが)
入出の許可が下りたときは、正直ホッとした。
再度声を掛けて扉を開ける。
石畳に広がる高価な絨毯。その先には大きな執務机があって、そして帝国の宰相ベルゼーヴァが腕を組んで座っている。
窓を開けているのが、特別な理由もなく珍しいと思った。
「どうした」
「あっ、いいえ。何でもありません宰相閣下。こちらが午後の分の書類です」
紙の束を渡して男は彼から数歩距離をとった。近づきすぎるのは不敬だと思っている。
書類を数枚めくると、彼の上司は面白くなさそうに小さく鼻を鳴らした。
まあ、そうだろうなあ。男は胸のうちで何度も頷く。戦後の処理なんて面倒以外の何でもない。
「それと閣下。ロストールから正式な会談の申し込みが」
「……ああ、そうか。もうそんな時期だな。先方はいつを指定してきた?」
「はい。こちらの都合に合わせるとありましたが、女王のアミラル視察が8月の――」


違和感を感じたのは、男が入出して数分後のことだった。
「……?」
男は典型的な文官タイプで、気配とか殺気とかの類には全く縁がない。
そのかわり。と言ってはなんだが、コトリと何かが揺れたような音が耳を掠って、不審そうにそっと周囲を見回した。
必要最低限以外の装飾を省いた、実務一辺倒の部屋。何かが床に落ちたということはないようだった。
それが妙に不安を煽る。
男の様子に気づいたのか、ベルゼーヴァが視線で問うてきた。
「あの、今、音が聞こえませんでしたか?何か物が当たるような」
「音?私には聞こえなかったがね」
返答はそっけない。
「風で花でも揺れたんだろう。そうでなければ幻聴だな」
「そうでしょうか……」
「それ以外に何がある?それに、私が必要なのは君の耳でなく、よく動くその口なのだが」
どこまでも威圧的に物事を進めるベルゼーヴァを見て、男は小さくため息をついた。
この程度の皮肉は可愛いものだ。人前にも関わらず、悔し泣きをぼろぼろ零して帰った青竜軍の青年を思い出せば。
……まあ、確かに自分の杞憂だろう。それに、そう、特に気にするほどのことでもない。
男は気を取り直すと、中断していた案件についてもう一度語り始めた。ベルゼーヴァは机に片肘を突いて、冷笑を浮かべたままそれを聞いている。


結論を言うなら男の方が正しかった。

877858の次2:2005/08/05(金) 19:10:33 ID:of6kzkkd

「ぅ……ふ、んん……ふぁ……」
くぐもったうめき声を上げて、シーラが苦しげにこっそり腰を揺すった。
声を上げることは出来ない。この部屋には自分とベルゼーヴァ以外の人間がいる。シーラは恨めしげにベルゼーヴァを睨みあげた。
彼は部下と話すので忙しいから、こちらを見下ろしはしない。けれど様子はわかっているのだろう、浮
かべている笑みがたまらなく憎らしい。
だって、髪を引っ張ることはないじゃないか。
宰相室の執務机は、つい最近以前より大きく頑丈なものを購入したばかりだ。
机の下には人が一人余裕で隠れられるスペースが空いていて、そこに彼女は座り込んでいる。
突然文官が扉を叩いて数分。身だしなみを整える暇はなかったから、素肌に上着を肩に引っ掛けただけのあられもない格好だ。
スカートと下着は机の隅に丸めて一まとめに。下腹にはまだ愛液と精液が乾かずにこびりついている。
今見つかったら、確実にシーラは羞恥心で別大陸に逃げることだろう。
まして、その小さな口いっぱいにベルゼーヴァの肉棒を頬張っている姿となれば。
二人とも達していない状態だったから、物欲しかったのかもしれない。いきなり咥えさせられた時は驚いたが、苦しいとは思わなかった。
いつ見つかるかわからない場所で、気づかれぬよう隠れてすることはそれだけで興奮するものがある。
シーラは口全体を使って、音を立てないようベルゼーヴァのそれに奉仕していた。
特別な技術もない稚拙な愛撫だが、一生懸命に口蓋や舌を使って絡み付いてくるのがたまらない。
口で呼吸が出来ない分、熱を帯びた鼻息が陰毛をくすぐってくる。
それでも、長時間口を使い続けるのは難しい。息継ぎをしようと、口から外した次にベルゼーヴァの左手が伸びてきた。
目で追っていなかったから、よく見えなかったのかもしれない。遠ざかろうとするシーラの髪を引っ張って、強引に引き戻してきた。
押し割られる唇。新鮮な空気の代わりに、また熱く波打つ肉棒が口の中に入ってくる。
一瞬の眩暈、シーラの身体がぐらりとよろめいて机に少し当たった。

部下が聞こえた音の正体はそれだった。
髪を掴まれた時は、ちょっと痛かった。

878858の次3:2005/08/05(金) 19:11:03 ID:of6kzkkd

噛み付いてやろうか。
そんな仕返しを思いついて、シーラは亀頭を悪戯っぽく甘噛む。
タイミングよく、今度は優しく髪を梳いてきた。宥めるように、と思ってしまったのは邪推だろう。机の上で交わす冷たい皮肉とは反対に、とても温かい手だった。
シーラは目を伏せると、その柔らかな唇を前後に滑らせはじめる。時々、ちろりと舌のざらみで擦ったり唾液をまとわりつかせたりして緩急をつけることを覚えた。
ゆっくりと丁寧に。焦らすように。
とふりと、音もなく彼女の股から愛液が溢れて落ちる。
彼女の口元から、涎と先走りの混じった粘液がだらだらとこぼれ落ちて、何もまとっていない白い胸元を汚していった。

「…………」
なんだか難しい顔をして書類を睨むベルゼーヴァの反応を、男は黙って見守っている。
状況は説明した。自分の意見も言った。あとは決断を待つだけだ。
まるで何かを耐える様に黙考していた上司は、やがて顔を上げて男ににやりと笑いかけた。
「……悪くないな」
「はい?」
「その線で進めることにしよう。ロセンに根回ししておくことを忘れるなよ」
「あっ、ありがとうございます!」
普段ボロクソに言い負かされる分、認めてもらうとかなり嬉しい。
艶やかなシーラの髪の毛を弄りながら、単純な奴だとベルゼーヴァは遠くで思っている。
滑らかな肌に玉の汗を浮かべ、一心に快楽をむさぼる彼女の顔は、酷く淫靡で美しい。
ベルゼーヴァはしばし顎に手をやってなにやら考えていたが、何かを思いついたらしくもう一度にやりと笑った。

「っ……!?」
一瞬上がりそうになった声を、シーラは必死で堪えた。
ベルゼーヴァの靴が、シーラの股の付け根に偶然触れてしまったのだ。
ぬちゅ、と水音が立って、とろりとした液体が漆黒のブーツにまとわりつく。ブーツは退かずに、その細いつま先で繊毛を梳いてくる。太ももをなぞる。中の愛液が乱雑にかき回された。
媚肉がびくびくと、それを迎えるように動いて愛液が次から次へと溢れてくる。
偶然なものか。あの玉葱め。
ぎゅっと固く目を瞑って、シーラはその乱暴な愛撫を堪えようとした。余計な力を入れた分、知らず、ベルゼーヴァを締め付ける唇の力も強くなる。
「……ぅ、んん……っふ……」
声にならない程度の吐息のような喘ぎ。
それに反応したのか、口の中がさっきより熱く窮屈になるのがわかった。髪を弄っていた手に、不意に力がこもる。引き寄せられる。
近い将来に来る限界を想像しながら、シーラはそれをねっとりと包みこんだ。


「失礼します」
文官のそんな声を聞いたのは、口の周りを白濁液でべとべとに汚し、欲望を吐き出し終わったそれの「後始末」をしながらの時だった。

879858の次4:2005/08/05(金) 19:11:54 ID:of6kzkkd

「失礼します」
パタン。一礼を残して部屋を出る。
サインの終わった書類を抱え、石畳の廊下を歩きながら男は内心首を捻っていた。
彼の上司のことである。今日はどうにも様子がおかしく見えた。
どこがおかしかったのか聞かれると、具体的に答えられないのだけれど。
(……おかしかったよなあ、やっぱり。怖いったらありゃしない)
疲れているのかもしれないなと、男はベルゼーヴァに少し同情した。
戦後の問題はまだ山積みだし、英雄ネメアは大陸を去ってしまって久しい。
けれどディンガルという国はまだ存在して操り手を欲してい、公僕である自分達は糸を取って国の歴史を重ねていく義務がある。
男はため息をついた。
早く家に帰って、愛しい妻の顔(結婚してまだ2ヶ月だ)を見たい気分だった。


執務机に軽く腰掛け、腕を組み、ベルゼーヴァは男が去っていく靴音に耳をすませている。
音が消えても暫くそのまま動かない。部下が戻ってくる気配のないことを確認すると、軽く息を吐いて後ろを振り向いた。
そこには、裸体に上着を引っ掛けただけのシーラが椅子にもたれてぐったりと座り込んでいる。
ぐったりとした身体には、双乳と下半身、口元の周辺にどろりとした粘液がこびりついていて痛々しい程の淫靡さがある。
精液と唾液で白く濁り、妖しい色に濡れ光った唇から目を離してベルゼーヴァは感想を述べた。
「酷い顔だな」
その声に、シーラは疲れた顔をのろのろと動かして一言だけ返した。
「……千切りにされてしまえ」
「何だそれは?意味がわからん」
それには返さず、シーラは開いた口からピンク色の舌を出して口の周りについた精液を舐めて取る。
美味くもなんともない。
むしろ不味いだけだが、長時間咥えこんでいた所為で味覚が麻痺しているのが不幸だった。
小さな口では納まりきらず、外に零れて顎や頬に飛び散った残滓は細い指先で絡め取って口へと運んでしまう。
ベルゼーヴァは無言で首を振ると、棚の引き出しから布を取り出して一枚をシーラに投げて寄越した。
無言の意図を汲み取り、身体の汚れを拭いて取る。
「……大切な書類だったんじゃないの?」
「どれが」
「これが」
文官が来る前にシーラが汚してしまった書類だ。エンシャントの商人ギルドが送ってきた嘆願状についての話だった。
なんでも、ソウルリープの所為で空けざるを得なかった商売の穴を、特にリベルダムの商人がこの短期間でほとんど埋めてしまったらしい。
リベルダム商人の食いつきの強さは有名だ。一度手に入れた餌場を易々と手放すことはないだろう。
挽回しようにも、取引先がいないのではどうにもならない。新しい市場を開拓するには時間がかかる。
面倒な話だ。
「ああ、それは草案の一つだからな。それに、誤字もあったからどの道書き直さねばならん」
軽く一瞥しただけで、面倒そうに切って捨てられた。
いつの間にそこまで読んだのか、思い当たる可能性にシーラは思い切り顔をしかめる。
この男、私を抱きながら書類を読んでやがった。
「あの部下の人……さっきのこと知ったら絶対ショックで倒れると思うな」
せめてもの仕返しに(反撃が来るのを見越して身構えながら)、ぽつりとそう呟いてやるとベルゼーヴァは軽く一笑して答えた。
その言葉の意味を噛み締めて、思わず自分の顔が綻んでしまうのをシーラは押さえきれない。


「たまには、こういう違った場所でやると喜ぶと思ったんだが」


力の限り引っ叩かれる音が、帝国宰相の執務室に響いた。
880858の次終わり:2005/08/05(金) 19:16:11 ID:of6kzkkd
ヤパーリ中途半端に終わる。あとネタガイシュツでごめん。
上のとあわせて、
エロ小説初挑戦だったからやりたいこと詰めすぎようとして大変なことになった気分。

858―にレスしてくれた人たちありがとー!
881名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 20:55:12 ID:dYav8U14
>>858
GJ!&乙かレーグ!

ベルゼーヴァの執務室の机が大きいのはこの為なんだな!
あのエロ宰相がッ!
882名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 22:59:30 ID:W9Jkkhfb
おつかれ〜GJ!!
883名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 00:15:58 ID:AVRUq3Yk
千切りにされてしまえテラワロスww
884名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 02:45:48 ID:B1wuFsYC
GJ!!
あの玉葱め!最後やさしくてかわいいジャマイカw
885名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 15:04:22 ID:XuFpj6Ra
おつGJ!!!千切りにしたい!
886名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 18:15:18 ID:NqOQ0E5z
>>858
シーラ、ふつうにしゃべるときはクールだけど
えちのときはかわいい・・・。
887名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 22:00:23 ID:baM+pPu1
闇小説保管庫の管理人さま
単発・非エロのページの表示内容がちょとおかしいです。
……ってここに書くべきじゃない?
888名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 08:26:40 ID:9cj+xYs8
次スレには移行しなくていいのかな。ここって何KBでやばい?
889保管庫番:2005/08/07(日) 09:37:16 ID:6MjEG5NW
>887
直しました。ご指摘dクスです。
890名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 16:24:46 ID:hXtdao6+
ロイ×ミイス女主だったら
血繋がってたほうがいいのかね?
それとも実は血繋がってませんでしたの方が萌え?
891名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 16:41:12 ID:MxzUVXdB
|-`)つ[繋がってる]
892名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 17:09:15 ID:HuZeaN9P
設定があるキャラは設定準拠が美しい
893名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 17:10:42 ID:hXtdao6+
ふぅむ…ほどなる
894名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 18:00:40 ID:bsYs/Nim
|*´д`)
895名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 18:12:27 ID:007LDodH
>888
495KBともなるとすぐにでも次が必要だろう
漏れは立てられない状態orz
896名無しさん@ピンキー
立てたよー。抜けがあったらすまん

◆エロパロの伝道師 ジルオール闇小説 その3◆
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