2 :
名無しさん@ピンキー:04/05/22 01:34 ID:HUV6hnvZ
2get
手際が悪くてスマソ。
ミス等あったら指摘よろ。
即死防止に、皆でシチュを考えるのはどうだろう?
キノ、同じ顔の国にて
「テニスと一緒ですね、キノさんも、ご滞在中いかがですか?」
「………はい、少しなら」
「そうですか!では、私がお教えしましょう。イロイロなコースがありますが、まずは初心者用で
や、この頃娘達が相手してくれなくて、ちょっと寂しかったんですよ」
「娘さん…とも?」
「ええ、帰ったらお見せしますよ。旅人さんが見たがっていると言えば、シてくれるでしょう。
それはそれは上手いんですよ。私なんてもう敵わない」
「……(こくり、と唾を飲み込むキノ)」
即死回避!
とりあえず乙。
乙。
でも検索に引っかかりやすいよう次はスレタイに
「キノ」の2文字も入れて欲しいです。
【キノ】【アリソン】にすれば一番良かったかもね。
こうやって見ると途中で終わってるの多いな。
乙。
ペースが遅いな。
即死しそうだ。
どれくらいで即死回避なんだっけ?
なんだかそくししそうだ。
確か2日で30だったはず。
sokusikaihi
即死回避に協力してみる
じゃあ俺も
即死判定にはレス数だけでなくdatの容量も関係しているようなので、
なるべく長文の書き込みを推奨。
ネタをお持ちの職人さんは途中でもいいから是非に。
カー :も、もうむりです。少し休むとき・・・じゃなくて休ませてください。
フィー:オーホッホッホ!“女王様とお呼び!”
ちょうどいいタイミングでアリソン3の下が出たのに即死は嫌だー。
みんな、私は夢を見た。
その夢では、連邦大に晴れて入学、アリソンと(彼女にとっては)同棲を始めて、
それでもあの通りだからなかなか進展せず、アリソンはアリソンでとうとうぶちぎれ強引に事を進め――ようとした矢先、
覚醒してしまったヴィルにあれこれされたあげく狙うべき物、真理を外さない愛撫やらキスやら××××のせいでめろめろになってしまうアリソンがこれでもかと登場していたんだ。
さらにはそんな身も心もおぼれそうな生活に怖くなって引こうとしたアリソンが結局逃れられないままヴィルの腕に閉じこめられてしまうと言う辺りまでそれはもう克明に描かれた夢だったんだ。
正直これを再現できるかどうかわからんが、しかし見てしまったからには記述するのがたぶん私のつとめだともう、だから
ぬ
?
イ`
あと少し!
これで即死回避?
アリソン終わったし、時雨沢さん次回作構想中かな?
31 :
名無しさん@ピンキー:04/05/24 23:33 ID:vuY3tRY9
序章〜ヴィルの日常〜
ロクシアーヌク連邦東地区空軍基地。
アリソンが所属してる軍部の名前だ。
正式名称はもっと長いんだけど、伏せておくことにする。
僕とアリソンは、アリソンが空軍に所属する前の軍学校に行くために離れ離れになってしまったころから、
アリソンが長期休暇があってこちらに休みに来る月以外には定期的に手紙のやり取りをしている。
その手紙の内容は、別に堅苦しいことばかりが書いてあるんで無く、ただ日常であった何気ない出来事を報告しあう、
それだけの手紙だったんだけど、僕らにしてはそれがただ1つの交流手段だった。
僕達があの壁画を発見して、ロクシアーヌク連邦とべゼル・イルトア王国連合との戦争は終戦協定の調印がされて、
何百年と続いてきた戦争があっさり終結し、両国の歴史的和平が成された。
近々、両国の間に国境は無くなるらしい。これからはもっと両国で交流化が進むと思う。
確かに戦争中の様々な出来事によって、両国ともに「昔の出来事」に引きずられている人達はまだ沢山いると思うし
戦争での犠牲、特に人的被害どちらの国も大きいと思う、それは抗えない事実だ。
だけど僕らはそれを乗り越えて行かなければ成らない。
両国が共に発展に手を貸し、互いに優れた文化を交流しあって、すばらしい世の中になることを僕は期待している。
ただ、僕は一つだけ気に掛かる事がある。
壁画を発見するまでの数日に僕たちは(殆どが彼女が主犯だけれど)法的にいろんな無茶をやった。
飛行機を盗んだり、領空侵犯を犯して国境を越えたりもした。
僕は、「無断外泊」でしか罪にならないけれど、アリソンは軍人だ、彼女は営倉入り30日を言い渡されたらしく、それから一切の手紙のやり取りをしていない。
最後の手紙は彼女が営倉に入る、と書かれた内容の手紙が届いた時は多少の心配はしていたけれども、
アリソンも手紙で大丈夫だといっていたし、
平和協定が組まれて軍規則が戦争の時より軽くなっているはずだと思うからそんなに僕も心配はしていない。
厳しい追求は無いだろうし、あったとしても減俸程度だろう。
アリソンは、営倉から出たらシャワーを浴びた後、すぐ手紙を書いて送ると手紙に綴ってあったので、僕はそれまでの時間が楽しみだ。
今日は休校で、特に予定が無いので学校の図書館で本でも借りて読んで1日を過ごそうと思う。
ちょうど今日はいい天気だ。そうだ、今日は外でいつもの木の下で場所で本を読もう。
いい読書日和になりそうだ。
「アリソン・ウィッティングトン伍長、貴官に営倉入り30日に処す。」
「・・・・・・、へっ?」
アリソンは拍子抜けした。思わず、そのまま思ったことを口に出してしまった。
「・・・・・・、アリソン伍長、聞えなかったのかね? もう一度言い渡す、貴官に営倉入り30日に処す」
「もう・・・拍子抜けしたわ、戦争の可能性が皆無になったとしても軍規は軍が存続している限り軽くならないから絶対、
減俸10分の2を3ヶ月とか、機で半年飛行禁止、最悪クビとか、かと思ってたんだけど」
アリソンは少し間を置いて続ける。
「たった、30日営倉に入るだけで国際領空侵犯なんて近年有数の大事件の罪を許されるなんて思ってもなかったわ」
アリソンは営倉に入る手続きをしている、白衣を着た20代前半程の男性に親しく話しかけた。
「ははは、今では、両国の間でお偉いさんたちが必死になって式に出て「戦争終結!これからは仲良くしよう!」って叫んでるからね、
もう、国超えたぐらいじゃ罪に問われなくなったんじゃないか?軍規自体が軽くなってるんじゃないかな、それに今は「その」ニュースでそれぐらいの事は気にならないとか」
手元にある資料から目を離さずに答えた。
「なるほど・・・・しっかし、前までは向こうの国に勝手に行こうものなら間違いなく首が飛んだのにねぇ」
アリソンが顔を少し伏せながら言った。そして、顔を上げて
「まあ、あっちの国と仲良く出来るならそれでいいかな」
「そうだね、自分も科学者として何だけど向こうの国の技術や知識がどんなものか早く知りたいよ、すでに両国で技術情報を交換する事が決まっていてね」
今度はうれしそうに顔を上げてアリソンに向かって言った。アリソンは少し考えて
「私は科学とか技術とか、難しいことは分からないけれど、とにかくそれっていいことなのよね?」
白衣を着た男は少し考えて、再び笑顔を作ってアリソンの方へ向き。
「いい事だね、とっても」
男が短く、笑顔で答えた。
「じゃあ検査するから腕を出してくれ、血圧を計るのと、血液検査の為の血液採取、そんでそれがokだったら、ウイルスの対病剤を投与だ、特に副作用は無いから」
アリソンは頷き、従って白い台の上に左腕を服をまくって出した。
まずは最初に血圧のチェック。中に空気が入るようになっている布の輪になったちょっと大きめのバンドのようなものを促されて腕に通す。
そして、特定の場所まで通すと、そこで糸状のゴムを使って軽く縛る。そして、中に空気が入り始めた。しばらくして
、その布につながっていた装置は空気を送ることを止める代わりに何かを知らせる音が鳴った。どうやら、終わったらしい。
男が結果を告げる。それを聞いて日ごろから軍で定期検査を受けているアリソンはすぐ、良い調子だと思った。
そして次に男は注射器を出して、殺菌された針を箱の中から取り出し、取り付ける。
アリソンの腕に針を刺し、慣れた手つきで血を抜いていく。そして立ち上がり、少し待ってて、と言って奥の部屋に消えた。
すぐに何かの機械の起動音ような音がして10秒ぐらいするとそれの音は止んだ。そして、彼は笑って結果を告げる。
それに答えてアリソンも微笑む。
そして彼は自分の椅子に座り、台の隣にある「 注意! 保温・低温管理薬品 」と書かれた戸棚の1つに手を伸ばし、
低温の棚から一つを見て選び、手に取る。
そのまま自分の手元に持ってきて、さっきとは違う針のついた注射器でその薬品を量を調整しながら注射器の中に液体を滑り込ませていく。
やがて、ある程度の量になるとそこでぴったりと吸引するのを止めて、薬ビンの中から、針を抜いた。
そして、その針をそのままアリソンが台の上に差し出している左手に刺し、その液体を流し込んでいく。
それが終わると、注射器を抜いて男は別の部屋の奥に消えていった。
「全く、軍ってのは健康診断の回数だけでもかなりの回数注射打つもんね〜もう、なれちゃったわよ」
そう、ひとり愚痴る。そして、むこうから男がアリソンを呼ぶ声。
アリソンは椅子から立ちその方向へ向かう。そして、男が立っていたのは地下営倉の入り口だった。
「さあ、いこうか」
男が言った。
「?、貴方が案内人なの?看守は?」
「僕は軍人だ、僕は勉学も結構出来てたからえらいさん方々から、最近不足してきている軍の医療に関する人間になってくれ、って言われたから、役職上はどっちの役もできるんだよね」
その言葉を聴き、アリソンは
「・・・・・・なんていうか、頭がいいのね軍人なのに医者もできるって事は」
「・・・・ん、まあ、そんなところなんかじゃないかな?」
また少し考えてから、男は微笑みながら言った。
アリソンがこれから入る営倉は東地区空軍基地の最下層の一番奥にあたる場所らしい。
かなりの距離を歩いているが、まだたどり着かない。それほど遠いのだろう。
「・・・・・・」
日が当たらず、ジメジメした通路の左右に汚い営倉の出口が続いていた。
さらに同じような通路が4回ほど続いて、同じように4回階段を下りたところでようやく男は足を止めた。たどり着いたらしい。
「ここだよ」
男が振り返りアリソンの顔を見て言う。
一方アリソンはとても何かい言いたそうな顔をしている。
「どうしたんだい?」
「・・・・・・マジでココに30日?」
男が黙って頷く。
「はぁ・・・・・・・、これなら減俸のほうが良かったかも・・・・・体が持たないわよ・・・」
アリソンがわざとらしく肩を落としながら言った。
「おいおい、さっきの言葉はどうした?、たった30日じゃないか」
「ん〜まあ、しかたないわね、やっちゃったモンはやったっちゃし、ちゃんと責任取らなきゃ、うん」
「ん、その息、その息、じゃあ、食事はちゃんと3食栄養のバランスが取れたものがちゃんと出るから安心して、それと、お手洗いはちゃんと部屋の中にある。今まで掃除も定期的にしてあるからキレイだよ、洗面所もある」
一度そこで何かを思い出したのか、言葉を止める。
「まあ、日が当たらないのは辛いけどね」
男が微笑みながら言う。
「確かにねぇ・・・さて、さっさと始めちゃいましょうかね30日の刑期を」
そう言って、アリソンが中に入っていった。
がしゃーん。
重い錠付きの扉が閉められた音があたりに響いた。そして、アリソンは牢越しにその男に向かって言った。
「まあ、たった三十日だし、我慢するわ」
そういって、単為ベッドの上によいしょ、と腰かけた。すると男は、
「クックック・・・・・・、アーハッハッハァ!」
突然笑い出したのだ、それは、邪悪な笑みだった。まさに他者を嘲け笑う、そんな、汚い笑みだった。
それはさっきまでの男の様子とはまるで違い、あまりに変貌している男をアリソンは別人を見てるよう錯覚したほどだった。
「ちょ・・ちょっと、何が可笑しいのよ!」
そしてその男は、やはり先ほどの口調と全く違った冷徹な口調で嘲け笑うように語り出した。
「ははは・・・、「たった」三十日だってぇ?「たった」? ははははは、笑わせてくれる!アリソン君!・・・」
彼は一旦、言葉を切った。そして、一言。
「地獄へようこそおいでなさいました。「たった」三十日ですが、どうか、ごゆっくりお楽しみください」
地獄の三十日間が始まった。
流れを無視して最初はキノを落とそうかと思ったのですが、
何となくスレッドの雰囲気的にアリソンって感じだったのでアリソンを急ごしらえで作りました。
まあ、アリソンはどうなるかは話の流れ的にどうなるかは分かるとは思いますが、
話の中で仕掛けは作ってありますので適当に流し目で見てやってください。
後、1回ageてしまいました。すんません。
即死回避な上に作品投下!
頑張ってください。
∧_∧
( ・∀・)ワクワク
oノ∧つ⊂)
( ( ・∀・)ハラハラ
oノ∧つ⊂)
( ( ・∀・)
∪( ∪ ∪
と__)__)
も、もしかして、「世にも奇妙な物語」のアレでつか?
>>41 あ〜それって「懲役三十日」って話でしたね。
ショットガンで人を7人も殺したのに懲役三十日しか食らわなかった主人公が
薬使って一分間を三十日に幻覚見させられて、廃人にするってやつでしたよね。(しかも夢の中での苦痛も感じ取れる)
違いますよ〜もう少し別なこと考えてます。
そういえば前スレで師匠とハンサム(ryのやつ書いてた人はドコいった?
アリソンは30日間ヤられ続けるンだな (´Д`;) ハァハァ
やられるんだったらやられるところもほしいなぁ。
いきなり寂れてる・・・
喝!
今更ながらやはりスレタイに「キノ」は必要だったな
もう即死回避はいらないの?
24時間経って落ちてないから平気みたいですね。
アリソン最終巻、幸せそうに寝てるのは久しぶりに熱烈合体したせいだと勝手に妄想。
年食ってからでは萌えポイントから外れるかな?
hosu
52 :
名無しさん@ピンキー:04/06/08 19:32 ID:vxdFS6XT
オフィシャルでキノのセーラー服姿クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
電撃Hと電撃Pですな。
通販限定とかやられたらまた転売ヤーが腰を上げるだろうね。
右下になんかいるんですが。
>>56 気にしてはいけない。
気にすると「ぬ?」されてしまう。
電撃Hと電撃Pの情報、何処に書いてあるの…?
>>58 電撃の缶詰っていう、電撃文庫買ったら中に入ってる小冊子。
多分次のhpにも載るだろうけど。
それにしても、セーラー服キノもいいが
今度こそサモエド仮面様をイラスト化してくれないもんだろうか、黒星氏・・・。
>>59 ありがd
今見たらホームページにも載ってたよ。
通販っていえば皆、アリソンのSPECIAL BOXドラマCD買う?
人がいない・・・
実はパースエイダ―・スミス×師匠の純愛物が頭にあるのだけれど、
形にならない……
そう言わずにがんがれ。
投下する気がないんなら期待するような事書くな、ヴォケ
>>64 きっと投下したいんだけど、創作に苦戦しているんだろ?
とにかく保守
保守。
誰もおらんのか
いる
おるぞよ
いるようないないような
保守ageしてみる。
ホシュ
梅干しをたべたキノタン
______
ミ=ロ:ロi_
リ;゚ *゚)
/ム'ゝ
…!?
75 :
名無しさん@ピンキー:04/06/25 19:38 ID:H+MNSiLQ
保守
608 イラストに騙された名無しさん _| ̄|○ sage 04/06/27 13:06 ID:md9Y58Jz
全裸で猿轡(穴の開いた玉のやつ)噛まされて、目隠しされて正座でプルプル震えるシズの後ろで
ぼーっとした表情で立っているキノ(ボンテージルック。低俗霊みたいな)を想像しちまった。
日曜の昼なのに。これからバイトなのに。
609 イラストに騙された名無しさん sage 04/06/27 13:52 ID:7nkSQdbo
楽しいバイトになりそうですね
610 イラストに騙された名無しさん sage 04/06/27 16:24 ID:Xoqqkkrt
>>608 (*゚∀゚)-3
まてまて
シズとキノの名前が逆だよな。 そうに違いない。
低俗霊みたいな・・・てことはキノたんのアソコはツルツル?
リリアとトレイズの初夜でも考えてみるか
>>7 前日くらいにリリアの目に付くところにエロ本とかを置いておいて
学習させそうだな。>トレイズ
で、本番になったらそれをネタに言葉責め
時雨沢作品メインの某同人サークルの夏コミ本は阿呆で軽い話のキノ本らしい。
ほす
エホバか・・・
アリソン3上巻列車内における、ベネディクトとフィーの初夜モノの需要はありまつか?
ありまつ
超・あります。
次期ι゙ょぅぉぅさま萌へ
今日のDLサイトでキノ調教ゲームがうぷされてた。
絵的にはアレかもしれんがネタ的に美味しいので購入を検討してみる。
漏れ、持ってる!
そういえば、まだCGが2枚(とエンド1種類)回収できてないんだった・・
攻略も読んだけど無理だたーよorz
果てしなく、需要あると思われます。
保守!
92 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 13:55 ID:zzng3K/v
おいおい〜選挙に行くか投下しようぜ〜
ししょうは黒のレースがよく似合う(*´Д`*)
キノには健康的な白が良い。
シズ様は実は花柄だと思います。
緑の海だった。そこに一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っている音が聞こえた。
あたり一面には小さい子供ならば行方不明になれる程の高さの草が、鬱蒼と茂っていた。
ふいに、音が止んだ。
銃の乾いた音が4回鳴った。
運転手だった少女は、黒いジャケットも、飛行帽のような、前だけに鍔がついており防寒用に耳を覆うたれが着いていた帽子も、
帽子のたれをバンドで押さえつけたゴーグルをも脱ぎ捨てていた。
靴以外に唯一身に着けている太いベルトには、ポーチがいくつかついて、後ろにはハンド・パースエイダー
(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)のホルスターをつけている。
その中には自動操作式パースエイダーが一丁、グリップを上にして入っていた。
右腿にはもう一丁、リヴォルバータイプのハンド・パースエイダーがホルスターに収まっている。
抜け落ちないように、ハンマーがホルスターから短く伸びた紐を噛んでいた。
モトラドが運転手に言った。
「キノのへんたーい。」
その言葉を耳にすると。『キノ』と呼ばれた少女は細い体躯を反らした。
と、同時に手にしていたハンド・パースエイダーを打ち鳴らした。次いで「どさっ」という音が続く。
その音を気にも留めない少女の表情は恍惚としており、
昂揚感の為か頬を赤らめている。おそらく「イッた」のだろう。
荒い息を吐き出した後。キノは言った。「もっと〜。もっと言ってよエルメス。」
エルメスと呼ばれたモトラドは嘆息しながらも応じた。
「もう5回目だよキノ〜 もう。 今日は本当にへんたいなんだから。」
「変態」という言葉にしっかりと身体は反応を示しながら、パースエイダーをモトラドに向ける。
「いーたーいー。へんたいキーノー。キノのへんたーい。」
今度は空に向けて銃声が響いた。別の場所からも同時に銃弾が発射されていたが、
それに気がつくものは
居なかった。
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
キノのへんたーい(;´Д`)ハァハァ
入れない国 〜another story〜
春の日のことです。
ある国の城門を、旅人が叩きました。
旅人は若い人間で黒いジャケットの軸を取ったベスト、その下に白いシャツ。
短い黒髪に鍔のある帽子とゴーグル。腰にはハンドパースエイダーをホルスターに吊っています。
白い競走馬用の馬に荷物を積んで此処までやって来ました。
「入国させてください」
旅人が言いました。すると門番の兵隊は目を吊り上げて言いました。
「ダメです! 貴方の様な人間の入国は一切認められません! 今すぐ立ち去ってください!」
旅人が訳を尋ねました。すると門番は、
「まず第一に貴方は男です! 全く、ムサ苦しいにも程がある!第二に美形で無い!それどころか、
もし貴方が国の中に入国し、貴方の顔を見たら女性は後ろに後ずさり、子供達は泣き叫ぶに違いないです!
どれを取ってもいい感じが得られない顔なんですよ貴方は!
次に貴方は体臭が凄まじい!、平気でシャワーや風呂に1週間以上入らないような生活を送っているのでしょう!?、そして存在自体が気持ち悪い!
何なんですか貴方は? オタクの三大要素「臭い・キモイ・汚い」の3Kを全て会得しているじゃありませんか!
どうせ、そんな人間は頭のおかしい人に決まっているんです! 入国を許可するわけにはいけません! さあ、訳は話しました、此処から去ってください!」
旅人は入国を諦めました。旅人は凄まじい程の敗北感を抱き、泣きながら自分の愛馬「トマホーク」に乗って去っていきました。
夏の日のことです。
ある国の城門を、若い旅人が叩きました。
旅人は茶色のコートを羽織り、その下には黒いジャケット。短い黒髪に、鍔のある帽子とゴーグル。
腰にはハンドパースエイダーをホルスターに吊っています。
モトラドに乗って此処までやって来ました。
「入国させてください」
旅人が言いました。すると門番の兵隊は目を吊り上げて言いました。
「ダメです! 貴方の様な人間の入国は一切認められません! 今すぐ立ち去ってください!」
旅人が訳を尋ねました。すると門番は、
「まず、第一に貴方は男です! しかも貴方は美形です!
最近我が国では格ゲーとやらが流行ってその煽りとして、美形の少年狩りが横行しているんです。
確か、鰤とか言われるキャラのせいです……、まあそれはいいです。
とにかく貴方が入国すると問題があるのです。
まあ、貴方が女性ではないことは明白です。なぜなら女性の象徴であるの胸が「ありません」からね。
全く、女性がそんなにまで完璧につるぺたになれる訳が無いんですよ! 第二に貴方は……」
かちゃん。
門番が力説している途中に軽い金属音がしました。何かと思い、旅人に視点を向けると、
「ボ ク ハ オ ン ナ ノ コ デ ス ヨ モン・バン・サ ン ?」
「え゛っ!」
門番が見たもの、それは、目を完全に開ききり、裂けそうになるまで頬を吊り上げた邪悪な笑みを浮かべた悪魔がそこに立っていた。
そして、その手には激鉄が起こされたハンドパースエイダーが握られていた。
モトラドが諭すように言いました。
「いけない。キノが怒りの余りに言語能力ですら戦闘能力に変換してる。門番さん、人の身体的特徴を付くのは良くないよ、弁解するなら今のうちだよ?」
門番が震える手で詰め所の奥にあるレバーを動かした。
ゆっくりと、門が開き始めた。それにあわせて旅人はホルスターにハンドパースエイダーをホルスターにしまった。
「ソレジャァ、ゴエンリョナク、シツレィシマァス」
顔が全く元に戻っていない状態で旅人はモトラドに跨った。
「キノ、まだ言語能力に問題アリだよ。」
そうモトラドが喋った後、エンジン音にあわせて旅人が国の中に入りました。
思いつきでやっちゃったけど許してくれ……
実に良い。
〜序章〜
あれっ?
もう朝かよ?
やっべぇなぁ……確か俺が捕まって今日で? 、、、、、10日目か。
確か今日、死刑だっけ?
やっべぇ、どうしよう、武器とかぶんどられてるし、コレは本当にピンチだな。ははははは
確か、処刑って何時だっけ? まあ、そんなことどうでもいいか、どうせ何も覚えてないし、あはははは
そして、男は言った。
「思い出す価値もねぇや、過去なんてよ……」
〜1〜
「いらっしゃい! 旅人さん。我が国へようこそ!」
その門番兵は、笑顔を作って言った。
キノが軽く会釈をする。
そして、キノは自分が3日間観光の為に入国したいとその旨を番兵に告げた。
番兵はこれにも笑顔で答えた。
「ええ、喜んで! それではこちらの方に必要事項を記入してください。」
キノは手渡されたペンを手に取り提示された用紙に記入を始めた。
その一連の記入が終わり、間もなく番兵が入国許可を出した。
エルメスを押しながらキノは開き始めた門に向かって歩き始めた。
「キノ、この国は何かあるの? この前の国なんか散々だったじゃん、ちゃんと目星は付けてあるの?」
「……実は無い。」
「えーっ! また詰まらないの嫌だよ〜この前の国なんか、疫病でやられた国だったじゃないか、次はちゃんと事前に調べておいてって言ったのに」
「そんな事言ったってエルメス、情報を集める手立てが無かったんだよ。他の旅人とも会わなかったしね、それにね」
キノは一呼吸おいて続けた。
「何が起こるかわからないから僕は楽しいけど?」
「……、いつか見に危険が及ぶかもしれないのに……」
「まあ、その時は」
「その時は?」
「その時さ」
キノがエルメスを押して国の門を潜り国の領土内に入ったその時だった。
からーん、からーん。
間の抜けた鐘の音が国中に響き渡った。
そして、門が閉まった。
「キノ、この鐘の音、なんだろね?」
「さぁ、分からないよエルメス」
「もしかして、僕たちが来たのを知らせてるのかも、歓迎してくれるかもよ?」
「さあ、それはどうだろ……」
すると、キノが入ってきた門の一番手前にある家から老人が杖を突きながら家を出てきた。
杖に全体を預けてふらふらした足取りでキノのほうに歩いてくる。
そして、老人は一息を付きこう言った。
「我が国へようこそ、心から歓迎しますよ」
その瞬間、その老人の頭部で鮮血が炸裂した。
打ち抜かれた頭部は、うな垂れたままそのまま地面に老人は倒れ付した。
老人は先ほどの発言をした瞬間にさっきの足取りが嘘だったかのように突然杖を振り上げ剣でいう切っ先の部分をキノに向けた。
そして、キノは杖先の部分が黒い筒状になっていることに咄嗟に気付いた。
キノは瞬間的にその事実から断定した、敵だと。
キノの手には銃口に煙が立ち上るカノンが握られていた。
キノの銃声の後、国中の様子が一変した。
あちらこちらから怒号とも叫びとも形容し難い声が聞えてきた。
やがてその声が近づいてくることも分かった。
「やられたね、キノまさか、国全体が敵だとはね」
「………さすがにコレは予想外だったよ、エルメス」
「呆然としてる場合じゃないよキノ、とにかく逃げなきゃ」
エルメスがそう言った瞬間、キノの足元の地面で銃弾の跳弾音が聞こえた。
キノは咄嗟に反応しその方向にいる人物に一発カノンを打ち込んだ。
1秒後、その人間は絶命した。
「お見事」
「エルメス、今はそんな事言ってる場合じゃない」
キノはエルメスを射殺した老人の家に入れて、その家の一室でエルメスを止めた。
キノは一つ息を吐いてからエルメスのキャリアからカバンを下ろした。
カバンを開けた。その中には分解されたライフルタイプのパースエイダーが入っていた。その横のポケットには爆薬と弾薬が箱に張った状態で幾つかあった。何個か手に取り、自分の腰のベルトに付けられた大き目のポケットに弾薬などをねじ込んだ。
銃弾を積み武器を調えた。
キノはフルートの弾倉に自分のポケットから弾を取り出し叩き込んだ後、フルートのボルトを引いて離した。続いてかちゃんっ、と乾いた金属音が鳴った。
最後にライフルタイプのスコープの付いたパースエイダーを組み立てて肩に賭けた。
そして、フルートを背のほうに寄せ、ハンドタイプのパースエイダー「カノン」の予備弾丸をキャリアーから取り出しポケットにねじ込んだ。
「エルメス」
「ん、いってらっしゃい、出来れば同じ人に乗ってもらいたいよ」
「一応は言っておくよ、さよなら」
「キノ」
「なんだい?エルメス」
「帰ってくる気無いんじゃないの? それじゃあ、二度と会えない見たいじゃないか」
キノは軽く微笑んだ。そして、
「ああ、またね、エルメス」
「またね、キノ」
キノはエルメスに踵を返し部屋のドアへ歩き始めた。
その顔は先ほどの笑みとは正反対に険しい顔付をしていた。
おお、何かすげえな
スゴイ香具師がキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
支援ヽ(´∀`)ノ
キノはその家の窓からゆっくりと顔を出した。
その場所は、レンガで造られた左右同じ作りの集合住宅地が通りを中央にして左右に真っ直ぐ広がっていた。
その通りの向こうに目をやると、一際大きいビルのような建物が見える。
その家々は通常の生活を営んでるとは思えない手入れの行き届いていない家屋が殆どだった。
キノは顔を窓枠から目を離した。
「8人か」
まずは、小手調べと言った所だろうか、気配が全く消しきれていない素人ばかりだった。
キノが家の扉を出た。
キノは全速で、ドアを出てちょうど正面に位置する建物の脇に向かって走った。
キノがドアを出た瞬間、ドアの開けられる音に続いて銃声が幾重にも重なった。
多くの弾丸がキノを襲ったが、それは殆どが彼らにとって見当違いの場所に着弾した。
キノは建物の脇に滑り込み、弾丸の軌道から位置を推測した。
「右の建物には3、左は2、通りの向こうの一軒家からは距離から考えて、ライフルで3」
そう呟いた。そして一つ小さな息を吐く。
キノは突然物影から身を大きく晒した。片膝をつき、キノは背中に担いでいた、フルートを手に構えていた。
続けて5発の銃声が通りに響いた。
それに続いて、通りの一軒家の2階の窓から胸部の右中心を赤く装飾され、打ち抜かれた男性が窓ガラスを破り外へ崩れ落ちた。
再び銃声。今度はキノの銃声ではなかった。
弾はキノを狙っているようだが、全く見当違いの方向へ飛んでいっている。
キノはその軌道と、発射時に銃口から発せられる銃光を頼りに3発続けて狙いを変えながら打った。
その銃声を最後にその場所からの攻撃は一切無かった。
「いたぞー! こっちだ!」
何処からか声が聞えてきた。当然、自分を追い立てるモノだとキノは気付いた。
声のする方向は通りの向こうだった。
再び銃を突きつけ、スコープを覗いた瞬間だった、彼方から銃声が響いた。
「ぐっ!」
キノは倒れふした。
倒れたキノは右肩を手で押さえている。そして、抑えている場所からは血が流々と流れている。
その倒れる拍子にフルートは投げ出されるような形で自分の倒れている位置から手の届かない位置に転がっていった。
その銃撃は恐ろしく正確だった。
銃撃は、肩に賭けられていたフルートのベルトの金具の部分、つまり、ベルト全体を支える中心の部分を正確にスナイプされていた。
キノはフルートを回収することを諦め、自らの身を優先し、先ほど身を隠していた建物の脇に滑り込んだ。
肩の怪我を見る。
キノが予想していたよりもその傷は重度だった。
キノはベルトについているポーチから針通しを大きくしたような先のとがった金具を取り出した。
そして、その銃弾を打ち込まれた部分に金具を差し入れていく。
「くっ……ぁっ」
やがて真紅に塗れた銃弾がキノの体内から取り出された。
右肩に今この状況で出来る応急処置を施した。
そして、キノは自分の体に打ち込まれた弾を手にとって、銃弾に付いた液体を手でぬぐい、その銃弾を確認した。
「………弾は[7.62×54R]、あのロングレンジからのスナイプ、木製ショットカートリッチ独特の発砲音。SVDか……」
SVD(通称:ドラグノフ)。
最大射程距離1500メートル、有効射程距離1300メートル、ボルトアクション式の狙撃銃の中でも命中精度、飛距離等の性能が極限まで高められた狙撃銃の中でもトップクラスの性能を持った銃である。
「罠だった。相手が素人だと思わせる。厄介だな、敵は……手強い。ましてや敵がSVDで武装しているとなったら尚更だ」
キノは負傷した自分の右肩に目をやった。
「利き手の右は使えない……厳しいな。」
誤字脱字が余りにも醜いですが、勘弁してやってください。
めちゃくちゃ続きをたのしみにしてるぜぃ
sugeeeeeeeee!!続き気になるyp
いろいろと細かく書かれてるし素晴らしいです
「うるせぇぇぇぇぇぇっ!」
突然少年が叫び、狭い部屋の隅に配置された単為ベットから、がばっ、と身を起こした。
「さっきから、むやみに聞えるあの発砲音は何なんだぁぁぁ! せっかく人が死刑前の最後の睡眠取ってるのに、バカうるせぇ!、次の俺の睡眠は永眠なんだぞ!」
「お前がうるせーよ! 静かにしてろ! 糞ボーズ!」
檻の外の監視員がキレた。
檻の中の少年は、にしし、と皮肉を交えた笑いを作った。
「でよ、おっさん。この発砲音なによ? まさか、射撃訓練じゃないだろ?」
「ああ、そうだそうだ、お前にまだ言ってなかったっけ?[アレ]だよ、[アレ]をやってんだよ」
「へぇ……?」
整った顔付きをした少年の顔が関心に満ちた顔つきになった。
「でさ、でさ、今回の的はどんなの?」
少年は監視員に尋ねた。
「はははっそれがな、今回はガキだ、それも女だ。もうすぐでボロ雑巾みたいな感じで死体に引きずられてくると思うけどな、まあ、面がよかったら、多少は[お相手]をしてもらってからだけどな」
「…最後の洒落になってないっす……、まあ、俺には関係ねーわ。静かにしてくれればいい」
「でもな、多少は腕が立つらしい。最初の8人で責めるやつ、あれ、過去最速記録だったぞ? ……8人に囲まれていきなり土下座して降参したお前と違ってな」
「うっ、痛いトコ突くな…、とにかく、面白そうなのは変わりないな」
「よし、俺とどうなるかを賭けるか? じゃあ俺は[割と早く死ぬ]にこれだけだ。」
そういって、監視員は懐から財布をそのまま机の上に放り投げた。
「豪快ですね〜、ん〜俺はどうしようかな……」
すると突然に銃声がした。それも複数だった。
少年の顔付きが一気に変わった。先ほどとはうって変わって、険しい表情になった。
幾重にも重なる銃声。しばらくして銃声は止んだ。すると、少年は顔に笑みを作った。
「……これは面白くなってきたぜ…」
「あ? 何が面白くなってきたって?」
少年は監視の男に向きを直した。
「おっさん。俺は、そのガキがしばらく生き残るに[コレ]を賭ける」
そういって少年は自分の心臓に当たる部分を指差した。
「お前こそ、ずいぶんな自信じゃないか、何を根拠にそんなバクチに出るんだ、説明してくれ」
少年は少し考えてこう言った。
「さぁねぇ」
「?」
監視員が、少年の意図をつかめずにいたその時だった。
突然、監視員の真っ直ぐに言った場所に位置する扉が開いた。
そして、そこには息を切らし、上半身を何も着ず上体を晒した男が立っていた。そして、息を整えて喋りだした。
「大変だ、バルト! あの「ラーゲリー狙撃部隊」が殺られた! それも、あのレインも含め15人全員! 久しぶりに大物がきやがったぜ! 」
「なに!?」
バルトと呼ばれた看守が驚愕で席を音を立てながら立った。
「全員、額のど真ん中か心の臓をぶち抜かれてな、それも、狙撃でだ。」
「あの、レインが狙撃で殺られただと? バカな!」
少年は笑みを浮かべていた。
「なぁ、おっさん? あながち外れてないんじゃないのか? 俺の予想はよぉ?」
看守は答えなかった。変わりに先ほど部屋に入ってきた上体を晒した男が口を開く。
「ボウズ、今の理由で今日のお前の死刑は見送ることが幹部会によって決まった。今はお前に構っている時間など無いからな。幹部達も久しぶりの[国技]だからな。バルト、お前も国技を見に来い。」
そういうと、男は部屋を足早に去っていった。
「チクショウ、久しぶりだなぁ! こんなところで看守やってる場合じゃねぇ! ボーズ!俺は国技を見に行って来る!」
そういうと、看守のバルトは部屋から先ほどの男と同じように部屋から去っていった。
「さて、どうなることやら……」
少年は一人呟いた。
期待age( ノ゚Д゚)ヨッ!
119 :
名無しさん@ピンキー:04/07/24 02:01 ID:yXA6hnQS
上がってなかった_| ̄|○
職人さん続き楽しみに待ってます。
おぉ〜(´∀`*)キノカコイイ!!
どうなるのかドキワク(゚∀゚)♪
今日は休みで時間が取れるので多く書けそうです。
後、こんな拙い文章を読んでくれる皆さんに感謝です。
ちょっと、長めのお話なのでエロは後のほうになります。もうしばらくお待ち下さい。
後、補足をいくつかさせてください。
SVDは存在する銃です。精度も本当です。
後、これから投下する内容で出てくる銃は実際に存在する武器ばかりです。
武器に詳しい方なら分かるかもしれません。
キノはフルートのスコープを除いた時、銃声が聞えただけで、人物は確認できていなかった。
どこから狙撃されたのか、銃弾が飛んできた軌道上から推測すると、先ほど身を晒していたあの通りの向こう側、のはるか向こうということになる。そして、その通りの向こうから銃撃されているとする。
狙撃には「場の状態」というのは大きな要素である。通常スナイパーと呼ばれる者達は、敵を一見しただけで何処にいるのかを判断できる相手より高度が高い建物などから見下ろすように狙撃をする。
そして、この条件に当てはまる高い建物。それは通りの向こうを更に奥に行った国の中心に位置する場所にあった。
それは、一見すると監視台のような趣を感じさせるが、所々にぽっかりと穴が開いている。
キノはそれを見逃さなかった。
太陽光に反射して光る、金属の光。スコープが輝きを放っていた。
「………保険として持ってきておいて良かったよ」
そう言ってキノは背中にフルートと同じように肩にかけていた、ライフルを手に手繰り寄せた。
「コレだけは使いたくなかった……」
漏れの知ってるSVDはAKを元に設計されたセミオートの狙撃銃で、
精度よりも軽さや環境への耐性が売りの、野戦向きのライフルなのだが
キノがあの国でパースエイダースミスにオーバーホールと整備をしてもらった時の話だ。
キノが「森の人」を譲り受け、帰ろうとした時だった。
「……すまん、もう一ついいか」
キノがパースエイダースミスに振り返った。
「何でしょうか?」
キノが訊ねた。
「お前、長距離狙撃用の銃は持っているのか? 必要になるかもしれん。持っておいたほうがいいと思うぞ」
「いえ、ロングレンジ用のスナイパーライフルは大抵は狙撃の性能を上げるために銃身(バレル)を長くしているじゃないですか、
だから持ち運びが物凄く不便なので遠慮しておきます」
パースエイダースミスが笑みを作った。
「…ならば、長距離狙撃が出来て、しかも銃身が短く、持ち運びをしやすいライフルがあったらどうする?」
「………そんな銃があるんですか?」
「あるんだよ。まあ、色々あって一緒に旅をすることになった時にある人に譲り受けたヤツだ」
「見せてくれますか?」
パースエイダースミスは無言で立ち上がり奥の部屋へ入っていった。そして、1分もしないうちにそれを持ってきた。
パースエイダースミスがそれを机の上に置いた。まず最初に驚いたのがその小ささだ、
通常、ロングレンジ用のライフルは下手すれば1メートルほどあるのだがこれは明らかに[森の人]より10センチほど小さい。
そして、次に弾を込める場所である弾倉が通常のライフルと比べて幾分大きかった。
む、すまん、妙なところに割り込んでしまった
「超長距離狙撃銃アンシュッツ。元々、この銃は素でも狙撃銃としては性能がぶっ飛んでるんだが、俺がそれを更に改良した。
薬室を大きくして超ロングマグナム弾を使用可能にすることで銃身が短くても薬室を精密化、巨大化することで距離を出せるようになり、小型化が出来る訳だ。
これは3つに分解できる。作成、解体は工具すら入らん。そして、このライフルの最大有効射程距離は1800メートルだ。
最大射程距離は計ったことがないから分からん。スコープは超望遠型レンズをつければ、目標ははっきり見える。
そして、軽量化を重ねてこの重量だ。さらにこのライフルは「森の人」と同じ弾を簡単に改良すれば使える。その方法は今から教える。条件は揃っているぞ?」
「しかし、そんな銃を購入するようなお金はありません」
「これもタダだ、持って行け」
キノはしばらく、考え込んでこう答えた。
「……ありがとうございます」
キノは一通りの説明を受けた。ロングマグナム弾の作成方法。作成、解体の方法。調整の仕方。
パースエイダースミスは全ての知識をキノに叩き込んだ。そして奥の部屋に行き試射をさせられた。
アンシュッツを一発打ったキノは驚愕の表情になった。
「……この低反動、軽量でこんな精度が得られるなんて……こんな銃は始めて打ちました、すごいです」
「クックッ、そうだろう? なんたって、俺の最高傑作だからな」
「本当にこんなものを、ボクがもらっていいんですか?」
「構わない。使うべき人間が持ってこそ「銃」だ、「森の人」と一緒に大切に使ってやってくれ」
「………ありがとうございます」
再びキノはパースエイダースミスに一礼をした。
キノはベルトについているポーチからアンシュッツ用の加工された弾を取り出した。
それを、弾倉にボルトを起こして一発弾を入れた。かしゃん、とレバーボルトが元に戻る音が通りに響いた。
「使わせてもらいます」
そう短く行ってキノは立ち上がり、構えを取った。
弾奏が国中に響き渡った。
えっと、そのドラグノフですが?
マガジンまで頑丈な設計になっている、ソ連製でPDIとも呼ばれているやつですよね?
後、ドラグノフはボルトアクションではなくセミオートマチックでした。
これは完全な間違いでした。すみません。
パースエイダースミスキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
すげー、正直銃のことは良く分からんけどマジカコイイ!
つづきもガンガレ!
a
今夜投下。
(´∀`*)
Å
/ \
キタ━━━ヽ(*´д`*)ノ━━━!
( へ)
く
_ ___
/::::::l,、-‐''"´  ̄``‐-、._,-''"´`‐、
__ , 、 -‐ー''"´l:::::,-'´ \:::::::::::::ヽ
,、-'"´::::::::::::::::::::::::::::::::l::ノ \::::::::::l
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/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::) 、、 i::::::::::::::::\ ';::: キター
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,イ::::::::/ /ヾ`‐ ヽ┘l::::::::::::::::::::::::::::ノ i´、___ __ ``"´ i:
/ ,ィ';::::::レ':::::::::::>、 ノ'"´ ̄ ̄``‐ く ',_ヽ__二ニ) __,イヽi', /
// //iヽ、, - ' ´ l l 彡 ヽフV‐ャェヽフヽ/ヽ/ .', /::
/ レ'´ l l ヽ、 l', /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.', _,、-''´:::
ルート選択
@:キノ、戦いに勝利
A:キノ、戦いに敗北
(ちなみにどちらも作って有ります、どちらもエロはあります)
一番最初に書き込んだ人の意見が反映されます。
そりゃやっぱ負けていぢめられてハァハァ・・・
Aに進みます。
キノは引き金を絞った。
火薬が炸裂する音と共に音速を超えた弾丸がスコープの中心の黒点に吸い込まれていった。
刹那、その黒い点を中心にして赤い花が咲いた。目標だったモノは崩れ落ち、動かなくなった。
「はぁーっ、はぁーっ……」
息を切らせながらキノはアンシュッツを下ろした。
止血した右肩から血が染み出ていた、当たり所が悪かったのだろう。その顔は苦痛に歪んでいる。
「早く止血しなければ、不味い……」
応急処置を施したが、それは一時的なものでしかない。
医療用具があるエルメスの居る家に向かおうと走り出した。
同じようなつくりの町並みを走り続けたキノは何回目かの大通りに出た。
もう少しで、医療器具があるエルメスのところまでたどり着ける。
「!?」
キノは「その」痛みに足を取られ、転んでしまった。
状況が理解できない。キノはすっと目を左足に向けてみた。
鉛の銃弾が太腿に禍々しく食い込んでいた。
「くぁぁぁぁぁっ!!」
突如襲い来る、痛みの本流。キノはそれに耐え切れず声を上げた。
「………っ!」
銃撃されている。
一刻もこの場所から離れなければ、そう思うのだが、負傷した足がそうはさせてくれない。
銃弾は太腿に着弾した。
よって、今のキノには移動力は皆無に等しい。
何とかキノは這うようにして建物の脇に入った。
「はぁーっ、はぁーっ」
息を切らしながら傷口を見やる、出血が止まらない。
止血をせず放って置けば、本当に命の危険すらある。それよりも、今はこの場所から離れなければ…
追っ手立ちの気配を感じ取った。
それも複数。
状況は絶望的だった。
移動力を失い、利き手を負傷し、一刻も早く治療を施さねば死に繋がる可能性もあるキノ。
かたや、複数の手駒を持ち、多く攻撃を仕掛けてくる相手。
その戦力的差は歴然、いかにキノに戦いのセンスがあり、武に優れていようとも「数」の前には無力、そう言うことなのだろう。
敵が等間隔にほぼ同じタイミングで距離を詰め、陣を取るように少しずつ攻めてくる、キノはその気を感じ取った。
「…………」
最悪だった。
おそらく相手は、ゲリラ戦に精通していて多角的な戦術を用いて相手を確実に追い込んでいく術を知っている、いわばプロだ。
数は把握できない。だがこの状況に置いて、敵が複数であること自体キノにとっては悪夢以外の何者でもない。
キノは立ち上がった。
表情はこの状況に相応しくないほどの美しい笑みを浮かべていた。
一瞬、距離を詰めてきていた敵の気配が消えた。
そして、次の瞬間それは殺意に変わった。
キノはそれに反応して、大通りに身を晒した。
キノはパースエイダーを突きつけた。
そして、キノが最初に見たもの、それは人ではなかった。
黒く、丸く、そして尾に煙を携え、放物線を描く塊。
キノは一瞬、判断が遅れた。キノはその塊を打った。
通りに爆発が起こった。
その爆発でキノは直撃はしなかったものの、爆発時の衝撃によってキノは宙を舞う様にして吹き飛び、建物の壁に体全体を打ち付けた。
「……っぁ!」
キノは全身を強打し、そのままうな垂れるようにして動かなくなった。
キノは痛みも感じずに意識を失った。
おおー。
「英雄達の国」みたいな展開ですなー。
よかよか。
ぅぉう!どうなるよ!?
キノタンの貞操の行方(?)はッ
今夜も投下します。
SEの仕事って本当に自由な時間が無い……
早死にしないよう健康には気をつけようぜ。
でもエロエロなの頼んだからな。
少年はその爆発音を聞いた。
「おいおい……、対人戦でグレネードランチャーぶっぱす事ねーだろうに、明らかにオーバーキル(殺しすぎ)だろ……」
その爆発音から銃声などが聞えない為、少年は戦いが終わったのだと悟った。
「うあぁ…通常弾でも直撃だったら粉々だよなぁ……ナンマンダブ、ナンマンダブ……まだガキだとか言ってたな、しかも女、全く無情なこって……」
少年は硬いシーツが敷いてあるだけの単為ベットの上に寝転んだまま、そう呟いた。
部屋のドアが開いた。
バルトだった。
手には木製ストック使用のグレネードランチャー(JRC M79)が握られていた。
バルトはいつも座っている監視員用の椅子にどっかりと座り込んだ、少年が切り出した。
「おっさん。もしかして、アンタが最後のトドメを打ったの?」
「ああ、そうだよ……って、なんで知ってんだよ?」
少年は間髪もいれずに答えた。
「勘」
沈黙。
「はいはい、そーですかぁ……」
バルトは全く興味が無いような口調で言った。そして、続けた。
「トドメじゃないぜ、あの野郎、いや、あのガキ、直撃する寸前に弾を打ち落としやがった。まぁ、爆風に吹き飛ばされて気絶したがな…」
バルトはそう言いながら、手に持っていたグレネードランチャーを手馴れた手つきで小型のドライバーを使って解体していく。
そして、バレルに布を先に取り付けた棒を突っ込んだ。何往復かして取り出すと、真っ白だった布が黒く汚れていた。
「毎日、自分の銃は整備しなきゃな」
「そうそう、旅人の基本だね」
「……てめーはのは全く使ってなくて、整備の必要が無いからだろ? チキン野郎」
「心外だなぁ……大体、俺がこの国に入ってきて最初の8人で降伏したのは、無意味な殺生したくなかったからだよ?」
バルトが呆れたように、ふっ、と鼻で笑った。
「…言ってろ、チキン野郎」
「はいはい……心の中で吼えまくってやりますよ……」
戦いの後での地下牢でのやり取りだった。
頬に冷たく、硬い感覚があった。
それに気付いて、自分の体をコントロールする。
ゆっくりと目を開ける。最初に気付いたことは、自分の手足が動かないこと、
次に気付いたのはその理由は手足を鎖で拘束されていることだった。
はっとするように、キノは失っていた気を取り戻す。
そして思い出す、自分は負けてこのような状態になっているんだと。
怪我の場所にちらりと視点を向ける。
血は滴り落ち、すでに傷口は化膿を始めていた、体を動かしてみる。ジャラジャラと鎖の音が鳴る。
手足を動かそうとするが、鎖が音を立ててそれを制御する。
口には猿轡がしてあった。断続的に痛みは襲いかかってくる。
「……っ」
どうやらこの鎖をどうにかしなければ、立つどころか起き上がることも不可能のようだ。
唐突に金属が擦れる様な音がした、それに合わせて、牢の中に光が差し込んだ。
その影のシルエットから、大きなコートのようなものを羽織っていて、その体つきから男のようだった。
男はリボルバー式のパースエイダーを握っていた。
「…………刑の執行を始める。」
一瞬の静寂。
キノが理解の色がまだ示せない中、静寂は打ち破られる。
銃声。
右足だった。
被弾したキノは口を塞がれているために、その痛みを言葉では表せなかった。
「!!!」
必死に轡を噛んで、耐える。キノはその痛みを体全体で味わった。
一部分を打たれただけなのに、まるで体全体が痛みに覆われているような感覚。
銃声。
右肩だった。
銃弾はキノの右肩に被弾した。
痛覚が激しく痛みを脳に訴える。
これ以上の刺激は危険だと、脳に直接訴えかける。
「……っ!!!、っ!!!!!」
血を各部から吹き出し、地面に赤い絵の具を塗りながらキノはのた打ち回る。
いっそ、気が飛んでしまえば痛みを感じなくなるので楽になれる。
だが、そうはいかない。
痛み余りに気が飛びそうになるが、痛みが強すぎてまた正気に戻らされる。
この世に、これ以上の地獄があるだろうか?
キノは涙を、なりふり構わず待ち散らしながら、必死に耐える。
銃声。
腹だった。
夥(おびただ)しい程の出血、それは今までの比ではなかった。
おそらくは致死量を十分にきたしているだろう。
キノはその弾を受けて完全に動かなくなった。
薄れていく意識の中で、自分の倒れている場所が朱(あけ)に染まっていくのが分かった。
意識が遠のく、全ての感覚が感じ取れなくなり全てが意識できなくなる………
銃が頭に狙いを向けられる。
男が短く言う。
「眠れ」
銃声。
キノの額を貫いた。
「あああああぁぁぁっっっ!!!」
目を覚まし、身を起こす。
目は涙で滅茶苦茶に濡れて、体中は冷や汗だらけだった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ………」
荒れた呼吸と心拍を少しずつ整えて、キノは少し自分の身を動かしてみる。
全身に痛みが走った、しかしその痛みを感じた場所は戦いで打たれた右肩、左足、爆風によって飛ばされたときに全身を打ったはあったが、先ほど打たれたはずの部分を見てみるが全くの無傷だった。
「今、のは………」
キノは呟くように言った。
「薬だよ」
唐突に声がした、キノはその声がした方向へと向いた。
白衣を着た若い男性が立っていた。
「幻覚作用のあるアルデンチセファローネ剤薬の結合成分を液体化させたものに、
ネルクエスカリンという聴覚、視覚に異常を来たすように分量配合された薬を粉末状に粉化転換し、
電磁結合調整を施した電他変則可能溶液を媒体させたものを結合して作った薬だ。
電磁波の調整によって人為的に人が見るいわゆる、「幻覚」「夢」などをコントロールできるようになっている。
しかも、その効果は身体全体に及ぶ為に、身体全ての部位に自由にあらゆる感覚をもたらすことが可能だ。当然「痛み」も…な。」
一言で言い切った。
「僕の発明だよ、凄い発明だと思わないか? 旅人さん」
汚い笑みを浮かべて男は言う。
「ところで旅人さん、さっきの夢はどうでした? いや、悪夢とでも言いましょうか……」
キノに悪質な問いを掛ける男。
「……」
キノは答えない。
男が少し怒りに顔を歪めた。
「フン、まあいいだろう、時期に泣いて、「助けてください」と言い出すようになるんだからな……」
「そんなことは絶対有りません、ボクはそんなことは絶対しません。」
キノが此処で始めて口を開いた。
医者は一瞬沈黙した。そして、
「……っはっはっはっはっはっはっはっはっはははっ!!!」
男は笑った。
「いやいや、失敬……そんな大口叩いているのにさっきの情けない叫び声、笑わせてくれるじゃないですか……」
男の表情が豹変していく、それは、同一人物とは思えない程に、
「さぁ…実験を始めようか」
男が一歩キノに近づいた。
その手には何かの液体が注入された注射器が握られていた。
「くっ……」
キノは自分が逃されていた寝台から逃げようとした。
男は銃を持っているもうひとつの手でポケットに手を突っ込みながらボタンを押した。
その瞬間、手術室のような広い部屋に何人もの武装した男達が突入してきた。
あっという間にキノはその男達に取り押さえられ、組み伏せられた。
いつものキノなら少しは抵抗できただろうが、今は怪我を負っている。そんな抵抗は出来ない。
「こっちの寝台に寝かせて」
白衣を着た男が指示すると、男達はキノを取り押さえたまま、寝台に寝かせて、手と足の足首と腹を縛り付けた。
キノも痛みを堪えながら抵抗するが、その抵抗力はこの状況に置いては無に等しい。なすがままにされるしかなかった。
「さぁ、実験を始めよう……」
男が距離を詰め、キノの手に触れた。
キノの左腕に注射針が刺さった。
「っ!、っ!」
キノの体内に流されていく液体、それは何を及ぼすのか、
キノがそう考えている途中に意識が遠のき、眠るようにして意識が飛んだ。
目を覚ます。
自分は立っている、此処はどこかにでもありそうな国で一般的な街並だ。
けれど人がいない。見当たらない。いる気配がしない。嫌に、肌寒い。自分の体に触れてみる。
「………!」
服を着ていなかった。反射的に秘所と胸部を覆い隠す。
「………っ」
恥ずかしさの余りに、顔を赤に染めるキノ。
「おお〜可愛いねぇ」
人はいなかった筈。驚愕の表情を浮かべてキノは顔を上げた。
キノの目の前にはいつの間にか、20代後半ほどの男が4人キノの前に立っていた。
「もう勃ってきたぁ、ああ、すげぇエロいよ〜キノちゃん」
「うわぁ、マジでロリだなぁ……しかも上物」
男達はキノに卑猥な言葉を言い立てる。
「くっ……」
キノは耳先まで真っ赤にしながら、そっぽを向き視点を男達から外す。
「うわぁ、マジで可愛い……もう、我慢できねぇ」
男はキノに寄った。
「………くっ」
キノは立ち上がり、逃げようとしていたのだが、突然、何かに足を取られ転んでしまった。
「うあっ!」
倒れてから足を見てみると、両足に鎖が巻き付けてあった。
「くっ……」
さっきまでは無かったはずなのに……何時の間に鎖が付けられていたのか、いずれにしても不可解だった。
「あれ?キノちゃんが逃げ出したと思ったら足に鎖を巻いてるぞ?」
「やっぱり、俺達にいじめて欲しいんだよ、なぁ、キノちゃん?」
少しずつ言葉を吐きながら近づいてくる4人、キノは鎖をどうにかしようとするが、どうすることも出来ない。
「ボ、ボクに近寄るなぁ!!!」
「うあぁ……キノちゃん、涙目だよ…ポイント突きまくりじゃんかよぉ、もう我慢できねぇ……」
男達がキノに襲い掛かった。
長文な上に、時間が無いため書くペースが異常に遅くなっています。
やっと、次回からエロに入ります。
後、
>>149と
>>150はこう言う表現がダメな人がいると思いますが、ご了承下さい。
続きは3日ぐらい後に落とします。
(; ´Д`)ハアハア
期待してますぞー!!
コミケ前の栄養補給させてもらいまつw
例の同人の方、夏コミ原稿落ちたそうなので(涙)、
俺の渇きを潤してくれる救いの神はあなただけになりました。
伏し祈りつつ待たせていただきますので、どうか頑張って下さい。
期待してます!
少しだけ書かせてください(話じゃなくてごめんなさい)
週5日残業は当たり前、自分のパソの椅子で朝を迎えることも当たり前、土日の追加残業も当然。
ごくたまに家に帰れることがあるのですが、自分のアパートが何処にあるのかも失念してしまったこともあります。
そんな世界でここ数年生きています。一日にある1時間程の休み時間でもう一つのこのノートパソコンで少しずつ続きを書いています。
平均の睡眠時間は3〜4時間、ストレスや精神的に追い詰められ、胃潰瘍なり倒れた同期の仲間もいます。
体力の限界の前に気が狂いそうになることもあります。
だから、どうしても遅筆になることは許して欲しいんです。
本文の方はもうしばらくお待ち下さい。
159 :
名無しさん@ピンキー:04/08/05 00:21 ID:rj5Conrd
:.,' . : : ; .::i'メ、,_ i.::l ';:.: l '、:.:::! l::! : :'、:i'、: : !, : : : : : :l:.'、: :
'! ,' . : i .;'l;' _,,ニ';、,iソ '; :l ,';.::! i:.! : '、!:';:. :!:. : : : :.; i : :'、:
i:.i、: :。:!.i.:',r'゙,rf"`'iミ,`'' ゙ ';.i `N,_i;i___,,_,'、-';‐l'i'':':':':‐!: i : : '、
i:.!:'、: :.:!l :'゙ i゙:;i{igil};:;l' ヾ! 'i : l',r',テr'‐ミ;‐ミ';i:'i::. : i i i : : :i
:!!゚:i.'、o:'、 ゙、::゙''".::ノ i゙:;:li,__,ノ;:'.、'、 :'i:::. i. !! : : !:
.' :,'. :゙>;::'、⊂‐ニ;;'´ '、';{|llll!: :;ノ ! : !::i. : : : : i :
: :,' /. :iヾ、 ` 、._. ミ;;--‐'´. /.:i;!o: : : :i :
: ; : ,' : : i.: <_ ` ' ' ``'‐⊃./. :,: : : O: i. :
: i ,'. . : :', 、,,_ ,.:': ,r'. : , : : !: : いいから!!
:,'/. : : . :;::'、 ゙|llllllllllllF':-.、 ,r';、r': . : :,i. : ;i : : 無理しなくていいから!!
i,': : : :.::;.'.:::;`、 |llllH". : : : :`、 ,rシイ...: : ; : :/:i : i:!::i:
;'. : :..:::;':::::;':::::`.、 |ソ/. : : : : : : ;,! ,/'゙. /.:::: :,:': :./',:!: j:;:i;!;
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・・・ていうか、無職の人なんてその辺にごろごろしてるのに、
何でこういう無茶働きさせられる人があとを立たないのだろう(´・ω・`)
>>158 何やってる人だろう?
仕事を2つ掛け持ちしているけど全然ゆとりがあるよ。
職場近いから毎日家に帰れるし、週半日は自由になる暇時間をもてるし。
睡眠時間は似たようなもんだけど。
たしか、ストレスが多いほど収入が多い国がキノであったような……
>>160 某有名なオンラインゲームのデーターサーバーの処理と管理をしています。
本当にこんなきつい仕事だとは思わなかったw
もうすぐ夏コミですが、SIG沢ものはどのくらい出るのかな?
ラノベ本スレの低年齢化がすさまじくて堪えられない・・・
ここ最近出してたところは原稿落としたみたいだし、心当たりのあるところではあと2,3サークルだな。
今更だが>147-153読んだyp
面白かった。アリガトウ。(-人-)
マターリと続きまちますデス(;´Д`)'`ァ'`ァ'`ァ
アリソンのSSってないの?
このスレの最初に途中まで出てるな。
漏れの脳内ではキノはA〜Bで
アリソンはB(〜C)。ハァハァ
あにあにめにBLACK EARTHが・・
死んでるよー
アリソンってイラストによってスタイルがだいぶ違うように見えるんだが
>>172 前スレに本人来てたスレでそういうのを言うな・・・
またまた死んでる・・・
______ ねんがんの
ミ=ロ:ロi_ キノ
Σリ*゚ д゚) をてにいれたぞ!
⊂KVゝつ _
Ll⊥l / ̄\ (っ)
| | | ー ー| | |
\\ \∀/ //
\ ̄  ̄/ …「美鳥の日々」的に。…いや、スマソorz
178 :
pepparoni:04/08/27 05:51 ID:PJV8LKJz
遅れて申し訳ない。
昨日付けで仕事内容が変わって普通の生活できるようになった。地獄も昨日で終わり。
1年半ぶりに8時間以上寝た。
今さらですが、続きを投下します。
今から書き始めます。
>178
おめっとさん。
とりあえず今まで良く頑張った。 感動した。
>177
ころしてでもうばいとる
あっちのスレは漏れには難しくてわからんことが多い…
漏れはヒトリでキノたんにハァハァしてやる・・
|保管庫| λ ...
ほっしゅ!ほっしゅ!
注射・ふかふかのベッド・熱いシャワー・
エプロンドレス子供時代・びんぼーしょー・・えっと・・・'`ァ'`ァ
ほしゅうううう
>184
それだけ萌えネタを振りまいている時雨沢は確信犯なんだろうか。
シズもロリコンストーカーだしな。
いきてますかー
あなたはそこにいますか?
おろーかでーいいのだろー
注文してた電撃hと電撃pがさっき届いた。
ブ ル マ キ ノ が っ ! ! !
ス ク 水 キ ノ が っ ! ! !
畜生…生きててよかった…!!!
ありがとう、黒星先生っ!!!
>>190 まぁ、その、なんだ……
……うpキボン_ト ̄|○
192 :
名無しさん@ピンキー:04/09/15 20:38:02 ID:n8xFSb+L
同じくキボンキボン_ト ̄|○
,./ ̄,.`¬-
/ L‐/ ̄ ̄` ‐ 、
/ /7' ,i 丶
l / /. L| !
l ir‐l l-,、!i 、i l <うpの神様マダー…?
! 弋_! lヒl !ヾiノ , ノ
`ー'ヽi、ト! リ/ N
/ ̄ ̄ヽ.、,>'、l - ノ/`
/ そ'_,..ヽ'.、T´_,_l
/ - 、 'ィ二_ヽ'i´, ヽ、
/i /i`-、 ` -' i-'、
i l / l `丶、 /,=-、 ___
! ー' ノ_ |'´ ` ‐-./ 、 ! ヽ
! `ーy' / 丶 i
l l´ / 丶 丶 丶
l ! / /ヽ 丶 丶
i ./ / 丶 ヽ `.
l. / / ハ `、 i
! ,.-' / / \ 丶 i
l / / / 丶 `、'、
! ! / / 丶 丶ヽ
丶 i ,イ / ヽ `、ヽ
丶 ! /´ l / ! ー-`=、_
゛、、_ ノ 丶__/ 、.___....,,_,_,,
 ̄  ̄ ̄
うpキボンです。お願い神様
>>193 うお、見事な再現度。職人さんてスゲェ。
でもブルマキノはさすがに難しいですか?
` =,ュ'三´ ̄`丶、 _
/´ __ 、 丶"´ ̄ヾ、
,..-‐‐‐/; l/___ ̄ヽ `i ノ !
_,.-‐,¬/,.-‐''´7,l l l1l ! i、 !ヾ!l , .i_l,.-'_..‐'
`´ヾ、/ ハ i l+-!l !`+┼! l7、´
!l iT5ヾ、l T.:ヲl ,lil 丶 <むりぽ・・
_,..z=l ,l` 、 '1i/'/i/ ` 、
,. ,-‐''" !ハ'` ‐-=''´ナ"/,.-' ´ヽヽ
, ,'´' i丶、ヽ、 /' .〉 !
/イ ト- ......,ハー--! /- l
/ / `Tー-ォ' i /- ...__ハ i
!__し‐-、 ! / ヽ>- ..._/ i l
`ー'´ヾ...ィ ノ i ,/ /ー‐┘ !
i l / , /、 ,.. - l
i i _/ ,イュ..___ !
i /‐''´/ ,ヘー- ....___-、‐┐l
,. -'´! ! / / _.`>-‐''´ 丶、 !
,.- ' ´ ! l / / ' ヽ/
! __ry' l-/ /' ,..._ i
L_r'y'´ ,.〃´ 〈! !丶、___.ノ,..,
と/_,-''/ ,ィ 丶、 ノ `' ‐-=ミヽ
/ ´iノ '‐',.-l┌、ヽi」T ‐- '----- ..., ! !
!ー'`><´ _'J_ ヽ.Y ! !___l l
V´ X  ̄`/ /<ニ> l
丶/ 丶、 _./ (´_メ
` ''¬−'' ´
|∀゚)ダレモイナイナ
ヴィル×アリソンのラブラブSS投下してもいいかな?
1t爆弾のごとく投下しろ!
アリソン!アリソン!
アリソン!アリソン!
今からヴィル×アリソンのSS投下させていただきます。
警告
1、携帯からの投下なのでなにか不備があるかもしれません。
2、ラブラブの甘甘のキャラ壊れで、エロ度低めになっとります。
3、導入長めで、全体としてもかなり長い話です。
以上のことに注意して拙作ですが、楽しんでもらえたら幸いです。
「素敵な初体験にするぞマル秘作戦」
ヴィル×アリソン
リリアーヌ。
イルトア山脈の麓に位置し、美しい煉瓦造りの建造物が立ち並ぶ町並は、歴史的建造物の保護法の対象にいち早く選ばれた。
そして初夏になると町中で花が咲き乱れ「麓の花の都」とも称される。
その美しい町並みの中でも一際目立つ煉瓦作りの巨大な建物。
スー・ベー・イル軍の高官御用達でもある高級ホテル。その中でもかなり値段が高いと思われる、最上階付近の一室に綺麗な金髪の少女と、薄い栗色の髪の少年がいた。
「うん。なかなか良い部屋じゃない」
アリソンは部屋を見渡すと振り向きながら言った。
「良い部屋過ぎるよ…いいのかなぁこんな部屋とってもらって…」ヴィルは部屋の雰囲気に、すっかり気圧されているようだった。
「いいの!せっかくの豪華列車の旅を台無しにされたんだからこれぐらい当然よ」
そう、彼らは先日とある事件に巻き込まれ、『大陸横断豪華列車の旅』を台無しにされてしまっていたのであった。
その後、紆余曲折を経てなんとか、めでたしめでたしとなったのだが、その旅行に勝負を賭けていたアリソンとしてはその後の軍の対応(アリソンは陰謀だと思っている)もあって、なんとも煮え切らないものとなった。
しかしそんなアリソンに助け舟が出る。
彼女たちの友人が埋め合わせにと、ここでの滞在を手配してくれたのだ。ちなみにその友人はこれから準備が忙しくなると言って、婚約者と一緒に一足先に首都へと向かって行った。
アリソンの父親であるアイカシア大佐は、この提案に難色を示していたが、英雄と次期女王に説得され渋々了承した。
そしてアリソンとヴィルは一日たっぷりと町を観光して今、ホテルへとたどり着いたのだった。
「今日はたくさん歩いたからね、汗かいちゃった。ぼくが、先にお風呂入ってもいいかな?」
ヴィルは荷物を置きながらアリソンに許可を取った。
「いいわよ…念入りに体洗っておいてね」
ヴィルはアリソンの言葉に一瞬眉根をよせたが、
「わかった」
と頷き、着替えをもってバスルームへと向かって行った。
ヴィルがバスルームへと入ったのを確認するとアリソンはバッグから小さな手帳を取り出した。それを開きながらぶつぶつと呟く。
「えーと、この前がこの日だったから………うん、大丈夫、やっぱり今日は安全日だわ」
そして手帳をバッグにしまうと、ベッドの上に仰向けに寝転んだ。
その真冬の晴れた日の空のような、どこまでも澄んだ蒼い瞳で豪華な照明を見るともなく見る。
(わたしはヴィルの赤ちゃんなら、いつできてもいいんだけどね…というかむしろ欲しいし)
(でもまだヴィルは学生だし重荷になったら嫌だからね)
(えっと…ヴィルがお風呂から上がったらわたしが入って…)
(やっぱり下着とかはヴィルに脱がせてもらった方がいいのかな?)
(初めてってやっぱり痛いのかな…)
アリソンは悶々とそんなことを考え続けていた。
(汗臭かったのかな?)
などと的外れな事を考えながら、ヴィルはシャワーを浴び、念入りに体を洗う。
(そういえば、まだ少し頭痛いや)
先日アリソンに痛め付けられた後頭部をさする。
(なんでアリソンはあんなに焦ってたんだろう?僕がアリソンの事が好きなんて、分かり切っていることじゃないか)
アリソンがヴィルを好きなのと同様に、ヴィルもアリソンのことが好きなのだ。
ヴィルは自分がアリソン以外の女性を好きになるなんて事は、一生無いと思っていたし。将来のパートナーも彼女以外にはいないとさえ考えていた。
もちろんヴィルも年頃の男の子なのだから、アリソンとのいろいろな行為を、してみたいとは思っていたが。もともとのんびりした性格のヴィルは、それほど焦ってはいなかった。
「アリソン、お風呂空いたよ〜」
ヴィルの呼び掛けでアリソンは現実へと戻される。
「う、うん」
着替えを持ってバスルームへと向かう、途中ヴィルとすれ違い、
「今日大事な話があるから、一人で寝ちゃわないでね」
と言ってヴィルの同意を得た。
(いよいよだ…)
アリソンはシャワーを浴びながら考えていた。
(いよいよヴィルと…一つになるんだ…)
体を洗う手にも自然と力が入る。
(でも、ヴィル鈍感だからな…やっぱりわたしから誘うしかないわよね)
アリソンは、まるで戦場に出撃する戦闘機乗りのように、気持ちを昂らせていった。
アリソンがバスルームから出ると、ヴィルは背を向けて手帳に筆を走らせていた。
「…ヴィル」
アリソンが声をかけるとヴィルは手帳をポンと、閉じて振り向いた。
「ああ、アリソンあがったんだ」
「うん…もう、日記いいの?」
「うん。ちょうど書き終わったところだから。で、話って何?」
アリソンは意を決して話し始めた。
「ねぇ、ヴィル。わたし達一緒に住むのよね?」
「うん」
「朝も昼も夜もずっとずっと一緒よね?」
「うん」
「て、ことはもちろんHなこととかも、もちろんするんだよね」
文法が乱れ、“もちろん”が二回もある。
「うん…えぇっ!」
思わず頷いてしまったが、ことに気付きあわてるヴィル。
「しないの?」
アリソンは少し悲しそうに言った。
「えっ!あっ…ちょっと、、その、あの…」
ヴィルはしどろもどろになる。手があちこちにせわしなく動く。
「ヴィル…わたしとじゃ嫌なの…?」
アリソンは蒼い目を潤ませてヴィルをみつめている。
「い、いや、じゃなくて、もちろん、それは、その…したいけど…」
「じゃあきまりね!」アリソンは満面の笑みを浮かべてヴィルをベッドへと押し倒した。
「うわっ!」
いつかのような体制になる二人。
「Hなことしよ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ。そ、それは一緒に住んでからの話しじゃないの?」
少し強くアリソンを押し返すヴィル。
アリソンは思わぬ抵抗に驚き、また目を潤ませた。
「やっ、やっぱりわたしとじゃ嫌なのね」
「ち、違うって」
「う、ぐすっ…わたしはヴィルじゃなきゃ絶対嫌なのに…ヴィル以外の男の人なんて考えられないのに…うっ、うっ」
ついに泣き出してしまったアリソン。
幼なじみのおよそ一年半ぶりの涙に驚き、なんとかなだめようとするヴィル。
しかしアリソンはその美しい瞳からながれる涙を止めようとはしなかった。
(えぇい!こうなったら、ぼくも覚悟を決めよう)
ヴィルはアリソンをぎゅっと、抱き締めるとその唇に優しくキスをした。
「んっ………」
アリソンは突然のキスの驚きと喜びに、涙を止めた。
アリソンの涙が止まったことを確認すると、ヴィルは唇を放し、はっきりと言った。
「アリソン、ぼくとHなこと、しよう」
アリソンはまるで無邪気な子供の様に、
「うん!」
と元気良く頷いた。
Hなことー!!
「アリソン好きだ、愛してるよ」
「ヴィル…わたしも愛してるわ」
言葉をかけながらアリソンを優しくベッドに押し倒して、ヴィルは再びキスをした、しかし今回は深い。
唇に何度か吸い付いた後、舌をいれようとする。アリソンもそれに応え、口を開き舌を出す。二人の舌がいやらしく絡み合う。
「んっ!ヴィルっ…はぁん、あっ…」
唇を離すと二人の間にはキラキラとひかる唾液が糸を引いた。
「アリソン…服、脱がすよ?」
「うん…」
ヴィルはアリソンの上着に手をかけて、それを捲くり上げ、手早く脱がしてしまった。その後ズボンにも手を伸ばし、これもあっという間に脱がす。(アリソンがわざわざ脱がせやすい服を選んだことなど、もちろんヴィルは知らない)
続いて下着も脱がせる。
「やっぱり、ちょっと恥ずかしいわね」
アリソンは顔を赤らめる。
あらわになるアリソンの胸。透き通るような白い肌、ふくよかな乳房、ピンク色のかわいい乳首、それらはアリソンの金髪とあいまって、見る者にどこか神秘的な印象さえ与えた。
「綺麗だ…」
ヴィルは思わず呟いてしまう。
(本当に妖精みたいだ…ところでアリソンは着痩せするタイプなんだな、胸大きいや)
ヴィルはそんな非現実的な事と、現実的な事を考えながら、行為を続ける。
ヴィルが胸に触れると、アリソンはビクッと身をよじった。
「あんっ!ヴィルぅ…」
「ご、ごめん、アリソン。痛かった?」
「ううん…大丈夫、続けて…」
言われた通り続けるヴィル。アリソンの両胸を鷲掴みにして揉みしだく。
(うわぁっ…すごくやわらかい…)
心地よい感触がヴィルを刺激する。たまらなくなり、右胸に吸い付く、左胸は手を使い熱心に愛撫する。乳首を舌で転がし手で弄ぶ。
「はぁんっ!あっ!あっっ…き、気持ち良いいよぉっ…」
ヴィルはアリソンの下半身へと手を伸ばす。そこへアリソンが声をかけた。
「わ、わたしもヴィルの裸見たい…服、脱いで」
「あっ、ああ、そうだね」
ヴィルはあわてて服を脱ぐ、もじもじしながらも最後の一枚も脱いでしまう。
アリソンはまじまじとヴィルの身体を観察する。
(ヴィル、結構逞しい身体だ…それに)
視線が股間に固定される。
(おちんちん、すごく…おっきい…)
ヴィルのものはすでに大きく勃起していた。
(あんなのが入って来たら…わたしどうなっちゃうんだろう?)
ヴィルは、アリソンの視線を恥ずかしく思いながらも、何も言わずに行為を続行する。
ヴィルがアリソンのショーツに手をやると、そこはすでに湿っていた。
「アリソン…もう濡れてる…」
「ふわっ!違うの!ヴィルの…ヴィルのせいだもん」
わけが解らない言い訳をするアリソンに、ヴィルはさらなる興奮を覚えた。
「これも脱がすよ」
「…うん」
ヴィルがアリソンのショーツを取ると、アリソンの秘部からつぅーと糸を引いた。
ヴィルはアリソンの両足を開かせる。薄い陰毛に隠された秘部が、あらわになる。それは愛液によってキラキラ光ってるようにも見えた。まだ誰も入ったことのない、ピンク色の綺麗な秘部。
「アリソンのここ、すごく綺麗だよ」
アリソンは恥ずかしそうに声を搾り出す。
「いやぁ…恥ずかしいよぉ…」
顔を近づけ、指でそれを開き舌で上にある突起を刺激してみる。
「きゃうんっ!あん!あっ!そこは…だめぇぇっ、はぁ…んくっ!いやぁぁ…」
アリソンの喘ぎ声が大きくなる。
ヴィルはさらに指も使い、熱心にアリソンを愛撫する。さらに愛液が増してくる。
「あっっ!ヴィル…ヴィル!気持ちひいよぉ…はあんっ、も、もういいから…ヴィルのおっきぃの挿入れて欲しいのぉ、わたしのおまんこに挿入れて欲しいのぉ…お願い…」
アリソンの秘部に、自分のものをあてがい、挿入れ易いように手で広げるヴィル。
「ん、くうっ!いっ…っう」
アリソンの口から少し鳴咽が漏れる。
「だ、大丈夫?」
「へっ、平気。続けて…」
(うわぁ…それにしてもこれは…)
まだ先っぽしか入ってないのに凄い快感がヴィルを包んでいる。
暫くするとヴィルの動きが止まった。アリソンの処女膜にあたったのだ。
「くっ!いっ…たぁい…う、うっ」
さらに辛そうな声をあげるアリソン。ヴィルはなんとかこの状況を打破しようとアリソンに声をかける。
「ア、アリソン、すごくきつくて…挿入いっていかないよ…ちょっと力抜いてみて」
「う…うん…わ、分かった。やってみる」
ヴィルの言う通りに力を抜いてみるアリソン。
「ゆっくり、ゆっくりするから…」
少しずつヴィルのものが入っていく。
「いっ!くっ!痛っ…っう」
破瓜の鮮血が、アリソンの秘部から流れる。目にはうっすらと涙が浮かぶ。
(他のところをやりながらなら少しは気が紛れるかな?)
ヴィルはアリソンに体をぴったりと密着させて、キスをする。さっきよりもさらに深く。舌でアリソンの口の中を撫で回す。
「はぁん…はぁ、はぁ、うっ!あぁん」
さらに畳み掛けるように首筋から、鎖骨、胸へと舌を這わせる。ゆっくり、いやらしく音を立てながら。その間も両手は胸を攻めるのを忘れない。胸に顔をうずめ舌でなめ回す。(んっ!だんだん下の方も良い感じになってきたみたいだ)
「はぁん!いやぁ…気持ち良いよぉ〜、あそこもなんだか…」
アリソンが気持ち良くなってきたらしい。
「ヴ、ヴィル、わたしはもう大丈夫だから、動いてもいいわよ…」
「で、でも…」
「いいの…わたしも、もっと気持ち良くなりたいし、ヴィルにも気持ち良くなって欲しいの…」
アリソンの要望を受け入れ、ヴィルは腰を動かし始める。始めはゆっくり、次第に速く、力強く。
「あ、あっ!あん!んっ、ああっ、あっ…はあっ」
すっかり気持ち良くなってきたアリソンは、大きな嬌声をあげ始めた。
ヴィルの方も、言葉にもできない快感を感じていた。
(うわぁ、な、なんなんだこれは)
童貞のヴィルには、分からないことだったが、女性器には男性の快感を引き出すことに特に優れた、名器というものが存在する。アリソンの女性器は正しくそれだった。
(まるでアリソンの膣内が別の生き物みたいに…絡み付いてきて、それにすごく暖かくて…)
「ううっ!アリソンの膣内、ものすごく気持ち良いよ」
「わ、わたしもすごく気持ち良いわ…初めてなのに…きっとヴィルが、優しくしてくれたからね」
もう一度キス、深く、長く、いやらしく。
「きゃうっ!なにか、わたし…変になりそう…」
アリソンの膣内がヒクヒクと、容赦なくヴィルを締め付ける。
「んっ!僕も、もう射精そうだ。ぬ、抜くよアリソン」
ヴィルが抜こうとした瞬間、アリソンがヴィルを強く抱き締めた。
「だめぇっ!一緒に、一緒にイッて!膣内に、わたしの膣内にヴィルの精液射精してぇ!」
「で、でも避妊もしてない…くうっ!もう限界だ、ア、アリソン!」
「だ、大丈夫!今日、安全日だから、だから射精してぇ!ヴィルの精液全部、わたしの膣内に頂戴っ!」
いつものヴィルであったら、安全日とはいえ、膣内射精は避けただろう。
しかしアリソンのこの提案は、童貞だったヴィルの理性を失わせるには充分だった。
ヴィルは抜こうとしていたものを奥へ、さらに奥へと入れ直す。
「ああん!奥まで、ヴィルが奥まできてるぅ〜。わたしもう、くうっ!!」
「はぁ、はぁ…アリソン。僕もう限界だよ、アリソンの膣内に射精すよっ!」
ヴィルはアリソンの一番奥へと、破裂寸前のものを進める。
「はぁっ!!わ、わたしも、もう…ああんっ!イクッ!!ヴィル、イクゥッ!!!」
ドクンッ!ヴィルのものが大きく脈を拍つ。それと同時に彼は腹部に温かいものを感じた。
アリソンも絶頂をむかえたのだった。
「くうっ!」
ヴィルはアリソンの膣内に勢い良く精液を流し込む。
(はぁ…最高だ…)
「ああっ!膣内にでてるぅ。凄く熱いよぉ。…あんっ!とまらないよぉ」
アリソンは、絶頂をむかえた朦朧とした意識の中で、ヴィルの精液を感じていた。
「…はぁ、はぁ……アリソン…アリソンの膣内に全部射精しちゃったよ…」
ぐったりとして、アリソンに体重を預けるヴィル。
「ヴィル…わたし今すごい幸せ…やっとヴィルと一つになれた…」
「僕も…すごく幸せだよ」
二人は幸せを噛み締めるようにしてもう一度キスをした。
唇を離すのと同時に、すっかり萎んでしまったものも、引き抜く。どろっとした白濁液がアリソンの膣内から零れ落ちる。
全てを終え仰向けに寝転がるヴィルとアリソン。
アリソンの美しい髪を撫でるヴィル。二人の間には、まったりとした幸せな時間が流れる。
「ヴィル…」
僕が、隣で寝ていたアリソンの髪の感触を、楽しんでいると、彼女が話し掛けてきた。
「ねぇ、わたしのこと本当に好き?ずっと一緒にいてくれる?」
アリソンは初めて会ったときと同じキラキラと光る瞳でそう言った。
僕はただ、その妖精のような彼女を見つめていた。だから………。
「わたしはヴィルのことが本当に大好きよ。愛してるわ」
アリソンが先に言った。
「…僕も本当に大好きだよ。アリソン、愛してる。ずっと…ずっと二人で一緒にいよう」
アリソンは蒼い瞳を潤ませ、微笑みながら僕をぎゅっと抱き締めた。
僕も同じようにアリソンを抱き締める。
そして僕達は一緒に、幸せな眠りへと落ちていった。
や、やっと終わった…作業しているうちに夜明けちゃったよ………
コピペしてる時にかなりのところ書き直したから、やたら時間かかりました。長々とスマソ
感想等ありましたら、聞かせてもらえると幸いです。
次回からは、すっかりHなことに味をしめたアリソンが、同居しているのをいいことに、ヴィルと激しく交わりまくる「痛快あばれアリソン」シリーズをお送りします。(大嘘)
218 :
名無しさん@ピンキー:04/09/20 06:07:12 ID:BYNUpOS8
自分でやるのもなんですがageときます。
GJ!
職人さん乙(;´Д`ハァハァしますた
次回からは、すっかりHなことに味をしめたアリソンが、同居しているのをいいことに、ヴィルと激しく交わりまくる
「痛快あばれアリソン」シリーズをお送りします。(大嘘)
嘘といわずにやっていただこうか!
GJ!!ネ申降臨!
GJ!
文庫のオビの台詞が使われてたのに感動した
ネ申!!乙です!
超GJ!(*´Д`)ハァハァ
>209の「Hなことー!!」が不意打ちでワロタ・・
キノタソ調教生活を自給自足――できねえ_| ̄|○
頭ではエロ調教分を練成できるのに文を起こす才能がねえ。アリソン分は職人様の
お陰でギリギリ補給できた。黒髪つるぺた分が足りねえ。
お前もそうだろ
>>226よ?
うむ。足りない。
だが、キノタソ調教分は保管庫で、補給すべし。
そして、がむばって練成してくれ。
SS神も降臨したところで、
スク水・ブルマ・制服(見逃した・・・)キノたん
のどれかひとつでもうpしてくれるうp神降臨を願う・・・!
うpろだ教えてくれたらうpするかも?(・∀・)
>>229 じゃあそこでいっか。二日後ぐらいには消すよ
ブルマとスク水うpしておきましたYOヾ(・ω・)ノ
>>227タンになんか母性本能をくすぐられて、ついw
うあわああわああああああああうああああああああああああああああああああ
ブルマキノ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
最高すぎ(゚д゚**********)
キノ!キノ!キノ!
(軍曹っぽく)
「お前等の萌えキャラはなんだっ!?」
キノ!
(ナポレオン風に)
キノはぁぁぁぁ
キノをとことん堕とすSSキボンヌ
シズ×キノたん萌え!
まぁ当然シズは鬼畜
スク水の「木乃」にワロタ
>>239 学園編のキノは“木乃”だよ。一人称は「ボク」じゃなく「あたし」。
変身後の名前が“謎の美少女ガンファイターライダー・キノ”という。
ちなみにシズは“静”で、変身後が“純白の正義の騎士・サモエド仮面”
改め“剣と愛と真実の伝道師・サモエド仮面α”で、
陸が“犬山・ワンワン・陸太郎”(人間の姿の時)、変身後が
“ワンワン刑事”だったりするw
>>240 その「変身」ってのは何なんだ(;゚∀゚)=3
すげー読みてー
キボンした本人がみられなかった・・・!
。・。(´Д`)。・。僕は泣かないよ・・・
ちょっと・・・
目に・・・
ゴミが入っただけさ・・・(ニコッ)
>243
あはははははははは!
ごめん。笑えた。
なあ知ってるか?
>>243 このスレの伝統では再うpをキボンするときは
頭にリンゴをのっけて踊りながら叫ぶんだぜ。
俺も聞いたときは驚いたが伝統てのは、いいものだよな。
というわけで
>>243、俺と一緒に
δ
(○ノ <再うpキボン!再うpキボン!
ヘ|
>
δ
(○ノ <再うpキボン!再うpキボン!
ヘ|
>
δ
(○ノ <再うpキボン!再うpキボン!
ヘ|
>
δ
(○ノ <再うpキボン!再うpキボン!
ヘ|
>
素でミスった・・・(つД`)
うpキボンのダンスワラタw
…前と同じのうpしておいたから、今度こそ一緒にハァハァできるようにチェックしろよな!
(おまいから放たれるドジッ子の助けたくさせるオーラに免じてだぞ…明日の夜まで!
某所で拾ったのを同所にうpってきますた。
(´∀`)ついに見れた・・・!
今なら ぬ? されても構いませぬ・・・!
δ
(○ノ <?クス! ?クス! ?クス!
ヘ|
>
355 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/28 00:10:04 ID:W201ar1X
いいえ!師匠はとんでもないものを盗んでいきました。
356 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/28 00:14:12 ID:SqSVM7da
あなたの貞操です。
360 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/28 16:36:26 ID:vcUjcL9Q
>>317 鉄球男で、あさま山荘事件を思い出しますた。
「もっと放水圧上げろー!」 ターン 特車隊長が撃たれたぞー!タンカ、タンカァ!
革命の国〜チョイスオブハーキュリース(すまん、つづり忘れた)
>>355-356 朗らかにワラタ
361 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/28 20:19:51 ID:EHTTr0hH
貞操で済んでよかったな。
俺なんかタマとられるところだったよ
>>253 ((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
つーか師匠の得ろ画像をあまり見かけないのは
裏で師匠が動いているからなのか!?そうなのか!!?
255 :
sage:04/09/29 15:30:59 ID:NZKG33sH
小説のほうもうpキボン!
神様お願い!
贅沢?
>>255 贅沢っつーか、分量的に無理だろう。
スク水編とブルマ編はショートだけど、たぶんこれだけじゃ
わけが解らないんじゃないかと。
「魔物退治」とか学園編特有の台詞とか出てくるし、
本編とキャラ違い過ぎる奴もいるし(シズ)。
師匠がふつうに負けて犯されるなんてことはないのだろうか
375 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/29 19:51:36 ID:q/isvZA7
「俺は貴女の右腕じゃなかったんですか?」
「右腕? 私の右腕ならここにあります」
376 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/29 19:57:23 ID:GGvkemDk
>>375 不覚にもワロタ
377 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/29 20:01:54 ID:T+Zgjzkw
ただの専属スミスです
378 イラストに騙された名無しさん sage 04/09/29 21:05:34 ID:QL6HzOUH
>>377 兼専属ドライバー兼専属囮
379 イラストに騙された名無しさん sage New! 04/09/29 21:48:20 ID:h8v9/m6M
兼性欲処理係
380 イラストに騙された名無しさん sage New! 04/09/29 22:44:31 ID:4Wc7/t90
もちろん加虐嗜好。
ここって燃えもOKなの?
はっきり言って過疎スレだから、人がいるだけで、OK。萌えでも燃えでも
なんでもOKですよ。
キノの旅アニメ化決定だって。
すでに13話+α放映してるのにアニメ化決定ってのもおかしな話のような気もするが。
そういえばpepparoni殿はどうなったんだろうな
>262
仕事が変わったってのは実は偽者で、本人はもう過労死してるのかも。
南無。
264 :
259:04/10/03 12:16:36 ID:xAAQ6AB1
AA軍団 VS 某戦争劇画キャラ二人組みを書いてます、たぶん今日投下できるはず
題名だけ見ると謎ですけど、某戦争劇画キャラがキノを拉致って、AA軍団+エルメスがキノを取り返しに逝く話です。
連続レススマソ
ひゅぅっ!
「うわっ!」
ぱーん!
「狙撃だ!」
「キノぉ!」
「エルメス!飛ばすよ!」
ひゅうっ! ぱーん!
どうにかこうにか道の脇の大きな岩の陰に身を潜める
「エルメス、撃たれたりしてない?」
「キノらしくない、僕なら大丈夫だよ」
よかった、さっきから弾が空気をつんざく音と銃声がひっきりなしに聞こえてくる
かなり遠くからの狙撃みたいだ、聞こえてくる音を頼りに相手のことを鑑みるに、
相手はコッキングタイプの小銃を使用しているらしい。
ひゅぅっ! ぱーん!
岩肌が削れる、これでは埒が明かない、動けない。
ひゅうっ! ぱーん!
「二秒ちょいか、おおよそ700メートル・・・素人か?」
素人でもどこにいるかわからなければ脅威だ、素人が撃った弾でも当たれば死ぬ。
戦歴なんてものはまったく強さには関係しない、漫画じゃないんだ
「どうするの、キノ」
すこし怖気づいたのか、エルメスが声のトーンを落として問いかけた
「食料もないんだ、どうにかするさ」
そう言うとキノはエルメスにくくりつけてあったフルートにスコープをつけた
「ゼロインできるかな」
ぱん!
「・・・」
スコープの中央にある突起のふたを開けて、キノはカリカリと十字を調整する
「・・・」
「まるでゴルゴだね」
「・・・」
「ちぇ」
「できた。」
準備は済んだみたいだ。
「キノ、行くの?」
「うん」
「気をつけてね。」
「うん」
言葉少なにキノはキャンパス地をかぶると、もそもそと岩の裏のほうへ回っていった・・・・
一方、キノを狙っている張本人
ぱん!
・・・がちゃ。
「畜生、あたらねぇな」
「何してるんだい中村くん」
「ひぃっ!」
「弾の無駄遣いはよせって言わなかったっけ?中村君
一発でモトラド止められなきゃさっさと帰って来いって言ったのも聞こえなかったかな?」
BLAM!
中村と呼ばれたメガネ男は、後ろから来た体格のよい男にブン殴られるとそのまま気を失った。
体格のよい男は、中村の握っていた小銃を拾い上げると、中村が狙っていたほうを照準し始めた。
「ほぉら、こうやって隠れられるとやりにくいんだ、このボケ!」
DOM!
気絶している中村のわき腹に男のブーツが食い込んだ、中村は何にも反応を示さない。
「さて、参ったな、命令は生け捕りだ、どうするんだ中村、エェ!?」
BLAM!BLAM!BLAM!
「こんな遠いところから撃ちやがって、当たるわけねェだろうが!このカス!」
BLAM!
もはやただの屍のようだ
「バッドカルマ、現本のボスへ繋いでくれ」
「・・・・静だ、どうした」
「不味い事になりました、生け捕りはかなりの危険を伴います。」
「まずったのか・・・。」
「申し訳ありません」
「よし、仕方がない、減薬弾で急所をはずせ、向こうの被害同様にこちらの被害も最小限に抑えたい。」
「了解」
「・・・動かない、どうしたんだろう。」
数分同じ体勢で待ち続けている、緊張感がばかばかしくなってきた。
キノは変な感覚に襲われた、なんだかこの世界から取り残されたような感覚だ
基本的にキノは待ち伏せなんてしたことはない、よく考えてみると初めてこんなことをした。
このまま待っていると日が暮れてしまうんじゃないか、それどころか、死ぬまでここにいる羽目になるんじゃないか?
だんだん不安になってきた、新兵がよくかかる病気のようなものだ
たった数分しか経っていないのにもう数時間ここにいるような気がしてくるのだ。
「・・・帰ったのかな・・?」
小高い草原の岡の上、多分あそこから撃ってきたんだろう、でも人影らしいものは何も見えない。
「・・・ちょっと動いてみよう」
もそもそと立ち上がる
「立った!馬鹿め!」
しゅっ! ぼす!!
「きゃぁっ!ああぁぁぁっ!」
こもった音がして、キノはその場に倒れた、右足を抜かれたのだ。
「ああ・・・ぁぁああっ!!!」
どくどくと血が流れに出る。
「キノ!大丈夫!ねぇっ!キノっ!キノおっ!?」
悲鳴を聞きつけたのか、エルメスの主人を呼ぶ悲壮な声が聞こえた。
「止め・・・・なきゃ・・。」
動転しているのが自分でもわかった、頭が、目の上の辺りがひやりとしているような感覚。
頭の中を訳のわからない旋律が繰り返し流れる、何だこれは、訳がわからない
心臓の鼓動にシンクロしてどくどくとどす黒い血が流れ出るのが良く見えた。
「あ・・・・あぁ・・・あ・・・・・ぁ・・・・ぁ」
足元の草叢をどす黒い血が満たした、意識が飛んだ・・・・。
「よし、中村、いってこい」
「・・畜生、いつか殺してやる。」
のそのそとふもとの岩に向かって歩く、相手は気絶している、何も怖いものはない。
「さて」
女の子が倒れているところまで来た
「何だあのデブ、生け捕りじゃねぇのかよ、かなり血が出てる。」
おいしょ、と抱えあげると、元来た道を戻ろうと歩き出す・・・・すると
「ちょっと待ってよお兄さん。」
「!!」
中村は持っていた9mm拳銃を抜くと草叢に身を隠した
「お兄さん、キノをどうするつもりだい。」
「・・・?」
人影は見当たらない、岩の裏から声が聞こえてくる、謎だ。
「・・こちら中村、対象増せ1、おくれ。」
「増せじゃねぇクズ、さっさと逃げて来い、お前も殺されるぞ。」
「・・・畜生。」
中村はまたキノを抱きかかえると一目散に道を上がる
「遅いじゃねぇか、モニタしてたけど誰もいねぇぞ、頭がイカれたのかこの中卒のクズ!」
BLAM!
「さっさとその子に包帯巻け、撤収だ。」
「畜生・・絶対に殺してやる。」
中村は確かな殺意を新たにするのであった。
キノの処置が終わると、中村と太った男はカーキ色のトラックのような乗り物に乗り、さっさとその場を去った・・・・
今日はここまで、燃え小説なので濡れ場は無しになると思います。
オメガキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
「キノ・・・、キノぉ・・・。」
岩の裏でさめざめとエルメスが泣いていた、もう主はいないのである、自分はここで風雨にさらされて朽ち果てるのか・・・。
しかしそんなことよりも、キノがいなくなってしまったことがもっと悲しかった
自分が一人で動けさえすれば最愛の相棒を助けることができたのである。
エルメスは、悔やんだところでどうすることもできないこの状況に絶望したのはそのすぐ後だった。
・・ところが
がさごそ、ごそごそ
「はーい、ここがキノたんの世界だモナー、ここで30分休憩して近所の国へ向かうモナー。」
へんてこな動物が「モナー観光」と刺繍の入ったペナントを持って大勢の動物を連れている。
「おいおまいら、写真とるぞ」
「オドルナライマノウチ・・・・」
「なんだ・・・うるさいなぁ」
エルメスは不機嫌そうにつぶやいた、こいつらいったい何を考えているのかと、この辺に国はない。
「おまいら!なんか声がしましたよ。」
「声優キターーーーー!?」
「エルメスモナ〜」
ふわふわしたチビギコがこっちによってきた
「何してるでちか?」
「・・・私の名はエルメス、過去を捨てた男だ。」
「キノさんはどうしたでちか?」
「めがね男につかまった」
「祭りだ、祭りの合図だ・・・。」
フッサールがリュックサックからたくさんパースエイダーを取り出した。
「やつらはどっちへ行った?」
血走った目で八頭身が尋ねた、クックルもそれに続く
「あの岡の向こうへ・・・・キノを助けてくれるのかい?」
「もちろん、スレがなくなる。」
「・・ギブミーチョコって奴だね」
「・・・・キノ役は僕かい? それはギブアンドテイクだね、エルメス。」
一行はぞぬバスに乗ると、クックルの乗ったエルメスを先頭に岡の向こうへと走り出した。
岡の上に上がると、長ぁーく黄砂色の道が森の中に続き、地平線のすれすれの所をカーキ色のトラックのような物が走っている
「あれだな、隊長、見つけた。」
バスの中の八頭身が答える、なぜかバスの中のAA共はみんなカーキ色の戦闘服を身にまとっている。
「了解、チヌークと接触されて空に逃げられても困る、祭り進行で逝くぞ!」
「エルメス、飛ばすぞ。」
「はいな。」
飛ばんばかりの勢いでトラックを追う、まだこちらに気付いていないのか、トラックは一向にスピードを上げる気配はない。
見る見るトラックが大きくなってきた、これならどうにかなる。
「中村」
「何ですか三佐」
「バイクはどうした?」
「そんなもの有りませんでしたが?」
「・・・そうか。」
嫌な予感がした「キノ」という少女を連れ帰るようにとの命令だが、この娘は常にバイクに乗っている筈なのだ。
「本当にこの娘は対象なのか?」
「・・・間違えありません、顔写真とも一致してます」
中村は懐から写真を取り出した、ご丁寧にラミカードになっている、静幕僚会議長の割り印紙付だ。
「・・じゃあ、バイクはどこへ行ったんだ?」
「待ってください・・・佐藤三佐、なんか聞こえます。」
佐藤は助手席から顔を出すと後ろに眼をやった、トラックの数メートル後ろで、エルメスにまたがったAAがトレンチガンを構えている。
「まずい、止まれカス!降りろ!戦斗準備、中村、お前ミニミやれ!!」
「ヒィィィィ!カァちゃん!!」
佐藤は席のしたから89式を出すと、すぐにトラック下にもぐった、ぞぬバスからAAたちがわらわらと降りてきて周囲に紛れるのが見えた。
「・・・・まずいな、場数踏んでるぞあいつら、軍者か・・・?」
そう、実はこのAAたちは国際問題で荒れた軍板からラノベ板に観光に来ていた生粋の軍人たちだったのだ。
すばやい動きで散開し、バスの中には誰もいなくなってしまった。
「よし、フサギコ隊はトラックに陽動を仕掛ける、クックルはその間にキノたん奪取
その他AAは周囲から援護しつつ肉薄しろ!死ぬんじゃないぞ!ハァハァ。」
「了解!!」
八頭身の号令の下すばやく風景に同化したAAたちはインカムで連絡を取る。
「よし、おまいら、覚悟はいいなゴルァ、いょうとしぃは道に出て派手に動け、クックルにもしものことがあったらお前らがかわりにキノたんを奪取しろ
俺はめがねの撃ってるM294を黙らせるぞゴルァ。」
「了解したいょう。」
街道は静まり返っている、広い道幅の外にはうっそうとした森が茂っている、道を挟んで右側に佐藤、道のトラックの中には中村
そして道の左側にAA軍といった布陣である。
「中村、動くぞ、抜かるなよ。」
『ははぁはぃ』
「だらしねェ野郎だ、お前死んでもトラックを死守しろよ。」
そうは言ったものの、正直なところここまで大勢だとキノを死守することはおろか、生きて帰る事もままならないかもな
そう佐藤は覚悟を決めた。
きょうはここまで。
AAVS佐藤と中村…どうなる。
>>278 まさかこのスレでその名前を見るとは……
だが(・∀・)イイ!
今日も明日もそこまででいいです。無理しないで。
281 :
名無しさん@ピンキー:04/10/05 21:23:55 ID:iQhBfaGU
ハァ?
じゃあ
>>280が続きを書いてくれるのかな?
晒しあげ
>280
便尉こんなところにまで出張してんの?
ご苦労なこった。
このスレはベンゼン中尉がのっとりました。
中尉おつw
でもまさかねぇ、ここまでくるとは
守備範囲広いね、ベンゼン中尉、借金の返済は終わったかな、このクズ!
新刊発売age。
新キャラ・ティーたん萌え〜。
紅白さん、少し絵柄変わったね?
最後、シズたん大変なことに・・・でもどうやら大丈夫の模様。
シズ様はやはりロリコンだったか。
え、シズ様の青少年保護条例違反がとうとうバレたの?
でも陸が警官を噛み殺して、何とか逃亡したから大丈夫? そりゃ良かった。
萌え萌え12歳少女ゲットおめでとうシズ様!!
(キノにはふられたけど)
地方は発売まだだー
>276の続きマダー(AA略
292 :
名無しさん@ピンキー:04/10/10 10:02:00 ID:ykPGeZ+I
個人的には メガネキノがものすごく可愛いんですが
>>290 地方でも昨日買えたおれは勝ち気味・・でもないか
今後のシズの旅
| \
| ('A`) ギシギシ
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ アンアン/
↑
陸
シズが言った格言。
「上と下どっちがいい?」
>>294 そして上を選ぶティー…
ティー×シz(ry
>>294 それも印象的だが、「歴史のある国」で獰猛そうに笑って燃えに燃えちゃう弟子の姿に、
師匠と弟子は野獣のようなセクースしてそうだなと思った。
三日三晩の篭城で寝たり寝なかったりした二人にハァハァ
さあ皆さんご一緒に
∩
( ゚∀゚)彡 メガネ!メガネ!
⊂彡
_ト ̄|○ キノタソスゴクイイヨ…
298 :
名無しさん@ピンキー:04/10/11 20:52:28 ID:Xgt7/6W4
∩
( ゚∀゚)彡 メガネ!メガネ!
⊂彡
>296
師匠×弟子の同人1冊もってるー
>299
俺も持ってる。
多分、同じヤツだ。
アリソンも描いてたりするなかなか期待できるサークルだ。
>>300 レヴォの新刊ももう書店売りされてるよ。
内容はキノ×シズというオーソドックスな組み合わせだけど、
それでもきっちり捻ってるのがよかった。
∩
( ゚∀゚)彡 メガネ!メガネ!
⊂彡
8巻のキノかわいすぎる・・・
181 イラストに騙された名無しさん sage New! 04/10/13 22:01:15 ID:Dt7Ku73C
ところで「いつものセーターにゴーグルだけの姿」という表記で、
下半身裸!?
とか思ったのは俺だけですか。
182 イラストに騙された名無しさん sage New! 04/10/13 22:18:14 ID:mMzrK+cd
>>181 ワロタ
しかもこの2ページ後に「兄さん美形だな。いくらなら──」だもんなw
オイシすぎるw
『「衣食住」の「衣」以外は』、というくだりでも、「へっ?素っ裸なのか?」と思っちまったい。
ティーに淫語を教え込むシズ様の夢をみた。
で、キノと再会したとき大事になるわけだ。
死ぬほど驚くかもね
なんにしろティーにシズ様式教育が施されるのは間違いない。
意外とティーのほうが手玉に取ったりしてな。
なにしろあの船内を自由にプロ並みの気配の消し方をもって歩き回った子だ。
夜の営みもしっかり観察しているに違いない。
対してシズ様は童(ry
シズ様には陸がいるじゃないか
二刀流シズ様ハァハァ
シズ様
引き出す
アイテム
二刀流
肉斬骨断
ょぅι゛ょ発見移動
>>313 二刀流というか・・・
片手に刀でもう一方にカノンってかんじだな。
「船の国」のP189の台詞で、こんな妄想が一発で浮かんだ。
シズ様は格子を丁寧に外し、できた穴に身を滑らせる。すーっと滑り落ちていく音が止んだ瞬間、
「せいっ!」
シズ様の気合と、何か揉み合うような音が穴から聞こえた。下に逃げていたキノさんと戦っているらしい。
パースエイダーの音は聞こえないまま、しばらく争う音が続く。
私は穴の奥を覗き、シズ様のように滑り降りるべきか否か迷っていた瞬間、
「あっ、ちょっと、どこを触っているんですかシズさんっ!?」
キノさんの慌てた声が響いてきた。
「どこと言われても、君の大事な処だよ、キノさん?」
「そ、そういう意味ではなくてっ、やっ、それは、反則っ……ひゃん!」
「真剣勝負に反則はないと思うけどね?」
「けどこれはっ、勝負とは関係な……んんぅっ!」
……シズ様、ここで発作が出ますか。ティーには手を出す様子が無いので安心していたのですが。
とりあえず無表情なままのティーに耳を塞いでいるように告げる。いささか教育上よろしくない。
耳を塞ぐことの出来ない私は、シズ様の声とキノさんの切れ切れの喘ぎを意識的に聞き流す。
「いっ、いいかげんにして下さいっ!」
パァン!
肉を打つ高い音の後、軽い足音が遠のいていくのを確認してから、私は穴を滑り降りた。
その音に気付いたのか、シズ様は私の方をくるりと振り返った。
「逃げられたよ」
シズ様が楽しそうに言った。下ろしかけていたズボンを引き上げて、カチャカチャとベルトを締める。
濡れ光る中指を親指と擦り合わせ、間で糸を引く液体を私に見せ付ける。
「でも、びしょ濡れにはさせてやった」
ええと、シズ様、当初の目的を忘れてはいませんか?
頬に赤い手形を浮かべた情けない姿に、私は部屋の隅でさめざめと泣き濡れたくなった。
やっぱり「びしょ濡れ」はそういう意味なのか…
シズ様GJ!
八巻、プロローグの出だしの会話に驚いたのは俺だけ?
「キノさん……。行くのかい?」
「ええ。起こしてしまってすみません。まだ寝ていていいですよ。何も言わず、
できるだけこっそり静かに行くつもりでしたから」
おいおい、一夜のアバンチュール(wですか!?とマジで思った。
∩
( ゚∀゚)彡 メガネ!メガネ!
⊂彡
∩
( ゚∀゚)彡 オッパイ!オッパイ!
⊂彡
・・・ゴメン、キノ
漏れもシズ様みたいに幼女ゲトしたいな。
>>314 元ネタはあのF○の名前がついている癖に
全然有名じゃなくて本筋忘れてレベル上げ
に没頭してしまう某SRPGゲーム
でいいんだよな?
メガネ萌え
メガネになりたい(*´Д`*)
最近ゲーム版購入して、「優しい国」プレイ時にふと思いついた
師匠×ハンサムネタ、とりあえず導入部だけ書いてみたので乗せてみる。
需要はあるかな?
ある愛の話・b
−Make Love! b−
ドンッ!
森の中に銃声が鳴り響き
バサバサバサッ!
驚いた鳥達が木々の間から飛び立っていく。
銃声の主は、鬱蒼とした森の中にポツンと一軒だけ建つ小屋の前にいた。
十歳前半と思われる少女。両手に握った八角形バレルのハンド・パースエイダー(注:パースエイダーとは銃器。この場合は拳銃)の銃口からは、硝煙が吹き上がっている。
少女は、草の生えた地面にへたり込んで、眼を白黒させていた。
パチ、パチ、パチ。
少女の左側、少し離れた場所から拍手があがる。少女がそちらに白黒させたままの眼を向けた。
そこには、拍手を続ける老婆が立っていた。老婆とはいったがその背筋はピンと伸び、身体が弱っているような様子はない。腰にはパースエイダーの入ったホルスターをつけている。
老婆はやがて拍手を止め、口を開く。
「初めての実射で後ろに倒れこむだけなら、大したものです。少しでも構えを間違えていたら、肩を脱臼くらいはしたでしょうが」
「うわ。師匠がキノを誉めるなんて明日は嵐だよ」
今度は、少女の右側から声があがる。少年のような甲高い、少しおどけた声だ。
老婆が声の方に笑むような細い視線をスッと向けると、
「なんでもありません」
声はいきなり弱気になる。
そこにあったのは、一台のモトラド(注:二輪車。空を飛ばないものだけを指す)だった。
老婆は視線を少女の方に戻す。
「もちろん、今みたいに撃って倒れこむようではダメですよ。次は身体をしっかり支えて倒れないように。最終的にはその『カノン』を片手で苦もなく連射できるところまではいってもらいますから」
「は、はい」
少女が慌てて立ち上がり、お尻についた泥をはたきながら頷く。
「でもさー、師匠。キノも一応女の子なんだし、その大口径リヴォルバーは厳しくない? もうちょっと小口径で、できれば自動式の――」
ドンドンドンッ!
モトラドの声が『自動式』と発言してから0.1秒。師匠と呼ばれた老婆の視線は少女の方に向けられたまま、その手には腰にあったパースエイダーが銃口をモトラドの側に向けて握られ、硝煙を吹いていた。
グラリ、とモトラドが揺れたかと思うと、
――ドサッ!
軽く地響きを立てて、倒れた。
そこから老婆は身じろぎ一つせぬまま少女の方に向けた笑みを強くする。
「キノ。間違っても自動式、特に22口径のパースエイダーなんか使ってはいけませんよ。あれは最低です」
コクコクコクコク――!
キノと呼ばれた少女は大慌てで、首がもげてしまうのではないかと思えるほどの勢いをつけて頷き続けた。
(完)
ある愛の話・a
−Make Love! a−
夜。
荒地のど真ん中に一台の車が停まっていました。かなり程度が良くなくても、今にも自重だけで崩れてしまいそうな車です。
その脇には焚き火が一つあり、その周囲で二人の人間が野営の準備を行なっていました。
人間の一人は若い男です。焚き火の明かりに映し出されるその姿は少し背が低くハンサムでした。
そしてもう一人は、弱い明かりでは夜に溶け込んでしまいそうなつややかな長い黒髪を持つ妙齢の女性でした。
焚き火の周りで黙々と準備を進めた二人は、やがて食事をしました。ハンサムな男は携帯食料を、妙齢の女性は缶詰を食べました。
食事を済ませると、男はゴミをまとめるなど後片付けをしました。
女性はそんな男を尻目に荷物から自分の寝袋を取り出して、さっさと入り込んで横になってしまいました。男はそれを見ても別に不平はもらさず、テキパキと片づけをすませました。
片づけを済ませた男は、同じように荷物から寝袋を取り出しましたが、こちらはすぐに入りませんでした。女性の脇に片膝をついて座ります。
「師匠、お話があるんですが」
「――なんでしょう?」
師匠と呼ばれた女性が閉じていた目を薄く開けて、男を促します。
「×××しませんか?」
「――は?」
実に爽やかに言う男に、師匠は眼の開き具合を二倍程にして問い返します。
「やっぱりあれですよ、師匠。二人旅をする男と女、そしてやがて愛が芽生え結ばれる、というのが本来あるべき姿じゃないでしょうか?」
男はググッ、と拳を握って主張しました。
本来ならとっくにパースエイダーで男の脳天を打ち抜いているところですが、あまりの唐突さと男の邪気のなさに手が動きませんでした。
「……映画の見過ぎです」
眼は細いまま――というより半眼になった女性は、ただ声音を少し低くします。
「そんな! 師匠は俺が嫌いですか?」
「好きも嫌いもありませんでしたが、今しがた嫌いになりました」
女性が言うと、
「――それじゃ仕方ありません」
少し残念そうに言うと男は女性が拍子抜けするほどあっさりと引き下がり、今度こそ自分の寝袋にモソモソと入ると、横になりました。
(……なんだったんでしょう?)
女性はしばらく男の呼吸に耳を澄ませ、それがすぐに寝息に変わるのを確認してからもしばらく眠らず考えていました。
とりあえずこんだけ。「ある愛の話・b」の続き・本番はまた今度気が向いたら……。
グッジョブソルジャー
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
(続き)
秋特有の高い空の下。
「いやー。気分爽快ですね、師匠」
城壁を背にオンボロの車を走らせながら男が言いました。
「あなたが捕まらなければあんな面倒なことはせずに良かったんですが、結果的には儲かりましたから、まあ良しとしましょう」
女性がそう答えます。
「捕まったのは不可抗力ですよ」
男は言いながら、ハンドルを握ったままチラリと女性の腰についたホルスターに視線をやりました。
「ところで師匠。儲かったはいいんですけど、パースエイダーを変えたりはしませんでしたね。もっと最新式のもよりどりみどりだったのに」
「私はこれが一番性にあっています。あなたこそ、もう少し威力のあるパースエイダーに変えたら良かったんじゃないですか?」
「これですか? この『森の人』は自動式の最高傑作ですよ。確かに小口径ですけど、急所にあてるならこれで十分ですし」
「私は自動式自体あまり好きではないんですがね」
「そんな! 師匠は俺が嫌いなんですか!」
「……銃に対する嗜好と、あなたに対する評価はなんの関連もありません」
師匠と呼ばれた女性は小さく息を吐きます。
「まあ警察に捕まったのは減点対象ですが、その後の活躍で少しは見直しました」
「本当ですか!」
男は物凄く嬉しそうに表情を輝かせると、
「それじゃ師匠、今夜にでも×××しませんか!」
片手をハンドルから外してグググゥッ握り締めて主張しました。
女性は冷淡に答えます。
「見直した分が今一瞬で消えてなくなりました」
「そんなー。……じゃ、いいです」
(本当になんなんでしょう?)
何事もなかったように前を向いてオンボロ車を走らせる男を横目に、女性はこめかみに軽く指を当てました。
色々な種類の木が雑多に茂る森。その中に一本だけ伸びた太い道を、ボロボロの車が走っていました。
「本当にこんな森の中に国があるんですか?」
「本当ですって。俺を信用してください」
助手席に座る女性の疑わしげな言葉に、ハンドルを握るハンサムな男が自信満々といった風に答えます。
そのまましばらく車を走らせ続けると、道から少し離れた脇に木より高い建物の天辺が見えてきました。
「ほら、あったでしょう?」
「なるほど。――あれは学校でしょうか?」
城壁もないその国は、入国検査もなく車ごと素通しで入ることができました。
もっとも、城壁があったとしても素通しで入れたことに違いはなかったでしょうが。
「人が、いませんね」
「あ、あれ? いや、二年前には人が普通に住んでたんです! 本当ですよ!」
最初に見えた建物前に車を止めた運転席の男は、大慌てで釈明します。
「別にあなたが嘘をついたとは言っていません」
女性はどうでも良いことのように答えます。
ある国がしばらくの間に滅びるという話自体、珍しいものではありません。理由は色々あり、そのもっとも多い例は流行り病による全滅ですが――
「死体が散乱しているという風はありませんね。流行り病は流行り病かもしれませんが、全滅ではなく、残った国民がちゃんと死体を埋めた後、別の国に引っ越したと見るのが妥当でしょうか」
「はあ」
「放っておけば、何十年かで森に飲み込まれてしまうでしょうが――ともかく、泊まる場所が必要ですね」
女性が言いました。日は、そろそろ落ちかけています。
「それなら、この学校でいいんじゃないですか?」
男が目の前の建物を指して言います。
その横長の木造建築は中央に時計台のようなものが伸び、男の言うように学校に見えました。
「そうですね」
女性が頷くと二人は車から荷物を持って降り、その建物に入っていきました。
「綺麗なものですね」
適当な一室に入った女性は、呟きました。机と椅子がズラッと並んだ教室らしき部屋は、一番最近掃除してからあまり経っていないようで、埃もたまっていませんでした。机と椅子をどけるだけで、一晩の宿に問題なくできそうです。
「それじゃあ……」
と、後ろについてきた男に振り返りながら言いかけた女性の言葉が止まります。男は、女性の向こう側、誰もいない部屋に向けて挨拶するよう気さくに手を振っていました。
「……まさか、いるんですか?」
女性の声音が低くなります。
「あ。えっと……」
男が、しまった、という顔をしました。
「いるんですね」
「えっと……はい」
「どこに?」
「どこにと言いますか……」
男は言い淀みましたが、やがて続きを口にします。
「蒼い人たちが、部屋中に。数えきれないほど」
「…………」
女性は後ろを振り返って教室全体を見渡します。やはり、そこには机と椅子以外何も見えません。
「……数え切れないほど……」
小さく呟くと、何を想像したのか女性の上体がフッと揺れ、その場に倒れこみました。
ペチペチ。
「大丈夫ですか、師匠?」
頬を軽く叩かれる感触に、女性は目を覚ましました。あたりはスッカリ暗くなっていて、日は完全に落ちてしまったようです。
横になった自分に膝枕している男の顔を見て、
「……まだ、いるんですか?」
「あ、いえ。俺がお願いすると出て行ってくれました」
「そうですか……」
珍しく力ない声を出すと、女性は上体を起こします。
机と椅子は脇にどけられており、教室の中央には焚き火まで用意されて夜営の準備はすでに完了していました。
「手間をかけさせてしまったようですね」
女性の言葉に男は少し驚いたように眼を見開きました。
「し、師匠! なんというか、これは好感度が大アップって感じですか!?」
「好感……まあ、そうですね」
男は勢いに乗って身を乗り出しました。
「それなら師匠、今夜こそ×××――」
「あなたはそれしか考えることはないんですか?」
女性は冷たく言い放ちます。
「第一そんなにしたいんだったら、さっき私が気を失っている間にでも……」
「何を言うんです、師匠! 愛のない×××なんて最低じゃないですか! 俺は師匠と愛し合いたいんです!」
男は手をグググググゥッと握り締めて主張しました。
「…………。あ〜……」
女性はしばらくこめかみに指を当て、悩み込むように眼を閉じてうつむきます。
やがて片目だけ開いて男の方に向けると、
「……そんなにしたいんですか?」
「はい!」
「……一度だけですよ?」
そう、言いました。
今回はこんだけ。
よーやく前振りが終わった……長くてスマソ。
いや、師匠に愛ある×××をさせようとするとどうしても前振りが長く……。
続きがいよいよ本番シーン。実は苦手なんで、あんま期待せんでくれ(ぉ
期待しちゃいます(・∀・)ニヤニヤ
グッジョブですGJです。
(・∀・)イイ!!
ニヤツキが止まらない。そんな期待作
なんか、台詞と勢いを見てたらGS美神を思い出した
師匠の愛のある×××期待!
すてき。期待してます。
(続き)
暗闇の中、直立する男の背中側にただ衣擦れの音がスルスルと響いていました。
パサリ、と服が床に落ちる音。男は緊張した風に喉をゴクリと鳴らします。
「……いいですよ、振り向いて」
背中からの声に促されてからも数秒の逡巡を置き、男はゆっくりと振り返ります。
そこには、女性が一糸纏わぬ姿で立っていました。焚き火の明かりに照らし出されるその身体はほとんどが闇に覆われ、しかし起伏のある部分だけは光に浮かんで強調されています。
「師匠……綺麗です」
「そうですか」
口を付いて出た男の感想を、女性はなんでもないことのように受け流します。
男は一歩近寄ると、まず女性の胸に右手の平を重ねました。大きすぎず小さすぎず、柔らかでいて張りのある感触。そして女性の心臓の鼓動が手の平を通して伝わってきました。外見的には平然としているようですが、女性も緊張していることがやや多い心拍数から分かります。
男は右手の平は女性の胸に添えたまま、左腕を女性の背中に回し、その身体を手繰り寄せます。そして顔を付き合わせると、唇を重ね合わせました。
女性は一瞬身を硬くしますが、やがて力を抜きました。それを受けた男は、重ねた唇から舌を差し出し女性の口腔へと侵入していきます。
「んむ……」
女性も侵入してきた舌に対抗するように自身の舌を這わせ、二つの舌は女性の口内でぶつかり、互いに舐め合い、そして一つになろうとするかのように絡み合います。
それと同時に男は女性の乳房に添えた右手の指を立て、その乳首を弄ります。
「くふ……」
小さな吐息を漏らす女性。その桃色の乳首は、弄るたびにピンと立って硬さを増していきました。
やがて男は舌を出したまま唇を離し、そのまま女性の身体の中心を沿って下へと舐め進みながら身をかがめていきます。顎、乳房の谷間、ヘソ、そして――
「そこはっ……!」
女性は自分の股間を両手で押さえようとしますが、すでに男性の顔がピッタリと張り付いて、逆に男性の頭を押し付けるような形になってしまいます。
男はそこにある豆に上顎の歯を軽く当ててこすりました。
「ひっ、はっ……」
女性は、自分の口に左手を当てて喘ぎ声をあげます。
その様子を男は上目遣いにチラリと見ると、すぐに視線を戻して、眼前にある花びらに両手の親指を添えました。ググッと左右に開きます。
奥に、膜らしきものはありませんでした。
男は少し残念そうな少し安心したような微妙な表情をすると、改めて舌を差し出してその周辺をねぶります。
「やっ……!」
女性の足がガクガクと振るえると、やがてビクン、と全身を震わせてその場にへたり込みました。
「師匠……今、イキました?」
「……知りません」
凄く嬉しそうに聞いてくる男に、女性は荒くなった息を整える余裕もないまま、軽くそっぽを向きました。
今日はこんまで。
正確を期すなら『本番シーン』には今回も届いてないな。スマソ。
実際の『本番シーン』も半分以上書いてるけど、締めと合わせて
次回まとめて載せて仕上げとする予定。多分明日にはあげられるんで。
>>352 Zです、無理せんで自分のペースでがんがってくだせぇ。
師匠女っぽい(;´Д`)ハァハァ
>>352 神!文章も上手いし師匠に(;´Д`)ハァハァ
師匠可愛い(;´Д`)ハァハァ最高です神様
師匠(;´Д`)ハァハァ
おぉ神よ
久しぶりに覗いてみれば…ししょー萌エロ!!(;´Д`)ハァハァ
スミス最高。これだけでゴハン3杯はイk(ry
>316の変態エロシズも禿ワロタ。上手いね。
師匠にもだえた。
「じゃあ、師匠……」
「……ええ」
女性はそっぽを向いたままに頷くと、あらかじめ脇に敷いておいたタープに身を移しました。普段は木の枝などにかけて雨よけに使うものですが、こういう時にはシート代わりにもなって重宝します。
女性はまっすぐ立った姿勢を倒しただけの体勢で、タープに仰向けで横になっています。いかにも、『好きにしろ』という感じでした。
男は頭をポリポリとかいて苦笑しますが、そんな女性の態度の半分は照れ隠しだと分かっているので気にしません。――残り半分は地だろうとも思いますが。
男は女性の身体に覆いかぶさります。左手は女性の乳房に添え、唇は女性の唇に合わせ、そして右手は女性の股間へと伸ばします。
女性は、左手に肩を震わせ、唇に身を強張らせ、そして右手に息を呑みました。
男は右手で、女性の花びらがすでに濡れそぼっているのを確認すると、とうに硬直していた自分の棒をその入り口に添えます。
女性が眼を硬く閉じるのを見たのと、男が腰を突き出したのは同時でした。
ズブリッ!
予想以上に硬い抵抗がありました。
と、
「あ……あーっ、あーっ! あああああぁぁーっ!」
重ねた唇を振り払って上げられた女性の絶叫が、耳をつんざきました。女性は死にそうに大きく眼を見開き、両手は男の背中をガリガリと爪で削ります。
「がっ、あがっ……! ぬ、抜き、抜きなさ……抜いて、抜いて、抜いてぇぇーーーーっっ!」
いくらなんでも異常な反応に男は面食らいます。初めてという訳でもなにのに……と、そこでふと思い当たることがありました。
「あの、師匠……ひょっとして、初めてだったんですか?」
「はっ、はっ、はっ、はぁっ……! ……そう、ですが、それが、どうか、しましたか?」
数度大きく息を吐いて、ほんの少しは落ち着いたのかなんとか答えてきます。
やっぱりそうだったのか、と男は愕然としました。女性によっては身体を動かした結果などで膜が自然と破れることがある、という話はしっていました。この女性ならそうであっても不思議はないのですが、気付かなかった自身の不明を恥じます。
「あ、あの……抜きましょうか?」
「かっ、かっ……構い、ません。続け、なさい」
女性は脂汗を流しながら、しかし男をキッと見据えて毅然と言い切りました。
「…………」
男は数瞬ためらう様子を見せましたが、やがて意を決したかのように頷くと、大きく腰を突き出しました。
「あっ!」
女性の上体が大きく弾け上がりました。男は反り返る女性の身体を無言で強く抱きしめると、ゆっくりと腰を前後させます。
「ひあはっ、やはっ、ひぃっ……!」
男が腰を動かすたび、女性の喘ぎが上がります。それは痛みに耐えているようであり、わずかに陶然とした響きを交えているようにも聞こえました。
「師匠……出ますっ!」
ドクッ、ドクンッ!
「あはぁぁぁっ!」
男が欲望を女性の中に吐き出すと同時、女性はガクッと首をうなだれさせました。
「あ……。こ、これで、お、終わりましたね……?」
女性は首を持ち上げる気力もないまま、自身の中からしおれた棒を引き出す男見上げて、小さく呟きます。そこには、いつもの毅然とした女性の姿はどこにも見られませんでした。
それを見た男は、新しい感情が湧き出てくるのを感じました。
「師匠」
「はい……?」
「俺、もっと師匠としたいです」
「……え?」
女性は、呆然と呟きます。
「さ、最初に一度だけと……」
「すいませんっ!」
「……やっ!」
逃げるように女性は床にうつ伏せになって這い進もうとしますが、起き上がる気力もない状態のこと、すぐに男に組み伏せられてしまいました。
女性の身体は床から横向きに倒され、左足を持ち上げられて大事なところが露になります。男はそこに目掛けて再び自らの棒を突き込みました。二人の身体を松の葉に見立てるなら、ちょうど松葉崩しの形になる体勢です。
「あ、ああ、ああっ!」
男は女性の左足を担ぎ上げたまま、無我夢中で腰を前後させます。締め付けはさすがにきついですが、二度目ということで先ほどのように簡単には達しません。
「師匠、気持ちいいです。……まだ痛いですか?」
「あ、ひ、は……い、痛い、いい、いいい、いいっ……いたっ、いいっ……!」
判然としない女性の言葉を塞ぐように、男は上体を倒して自分の口を女性の唇に重ねました。
「あふ、む……」
今度は女性からも舌を伸ばしてきて、二人の舌は互いの口の間で絡み合います。
男は舌を絡ませながらも、腰の動きを間断なく続けました。
「あふっ、あふっ……、あふぅっ」
女性の舌からは徐々に力が失われていきます。やがて女性は男の口を振りほどき、
「あがっ、あ、はっ、いくっ、い、いくぅぅっ!」
最後の絶叫を上げました。
ドクンッ!
そして自分の中に新たな欲望が吐き出されるのを感じると同時、女性の意識は遠のいていきました。
窓から朝日が差す、机や椅子が脇に片付けられた教室。その中央に横になっている女性を、部屋の外から蒼い人たちが見ていました。
女性の下には雨よけに使われるタープが敷かれ、上には毛布が幾重にもかけられています。
やがて、教室の外の森から、チュンチュン、と鳥のさえずりが聞こえてきました。それに合わせたように、女性が上体をガバリと跳ね起こします。そんな様子も、蒼い人たちはただ黙って見ていました。
女性はキョロキョロと、座り込んだままあたりを見渡します。途中で蒼い人たちとも目線が合いましたが、女性は蒼い人たちが見えていないように周囲を見回し続けます。
その内に、女性の視線は床の一点で止まりました。
そこには一枚の四角い紙がありました。中央に重しのような石を置いています。表面に何か文字のようなものが書いてあります。
女性は手を伸ばしてその紙を拾い上げ、片手にもって眺め始めました。
それを見た蒼い人たちの一人が、音もなく教室に入って女性の後ろ側に歩いていきました。それに続くように、次々と蒼い人たちが女性の後ろに並んでいき、全員で女性の背中越しに問題の紙を覗き見ます。
そこには、たくさんのことが書いてありました。
男が昔なにをやっていたか。それを何故やめたのか。その後にした女性との旅が楽しかったこと。女性が受け入れてくれて嬉しかったこと。けれど欲望に負けた行動を取ってしまったこと。愛だの言っていて恥ずかしい、もう女性に合わせる顔がないということ。
そして最後に別れの言葉と、女性のことが本当に本当に好きだったという、愛の言葉で締めくくられていました。
「…………」
蒼い人たちが読み終わると同時、女性も読み終わったのか、無言のまま片手で紙をパサリとたたみます。
「つまりこれはあれですね」
ポソリ、と呟きます。
「や り 逃 げ で す か」
蒼い人たちは皆けっして音は立てず、しかし蜘蛛の子を散らす勢いで女性の周りから逃げ出しました。
世界は 憎しみに満ちている
−The greatest hate proceeds from the greatest love−
完了〜。どないでしょか?
とまれ、前回の分まででも色々と感想・声援サンクス。また機会があったら会いませう。
>>363 GJ!GJ!原作の世界を残しつつ、素晴らしきエロ!アンタすごいよ!!
オチもワロタ。そして切ねぇ。
きっとこのあと師匠はハンサムを追うに違いない
何はともあれGJ!
いかにもキノの旅らしさの漂うエロでした。
GJでござるよ。
特に落ちのタイトルが見事につぼりました……いやー、素晴らしかった。
朝からにやけさせてもらいました。神様ありがとう!
GJです神様
…が、当方携帯の為>361にあるであろう本番が見れないんだがorz
あと、最後の英文の意味は?辞書引けとか言わず、教えて!エロい人々
憎しみは愛情から生まれる、とかなんとかだろ
意訳すると、「可愛さ余って憎さ100倍」
>368のために、以下>361前半部(良く分からんが、長いから見れんのだよな?)
「あ……。こ、これで、お、終わりましたね……?」
女性は首を持ち上げる気力もないまま、自身の中からしおれた棒を引き出す男見上げて、小さく呟きます。そこには、いつもの毅然とした女性の姿はどこにも見られませんでした。
それを見た男は、新しい感情が湧き出てくるのを感じました。
「師匠」
「はい……?」
「俺、もっと師匠としたいです」
「……え?」
女性は、呆然と呟きます。
「さ、最初に一度だけと……」
「すいませんっ!」
「……やっ!」
逃げるように女性は床にうつ伏せになって這い進もうとしますが、起き上がる気力もない状態のこと、すぐに男に組み伏せられてしまいました。
女性の身体は床から横向きに倒され、左足を持ち上げられて大事なところが露になります。男はそこに目掛けて再び自らの棒を突き込みました。二人の身体を松の葉に見立てるなら、ちょうど松葉崩しの形になる体勢です。
以下>361後半部
「あ、ああ、ああっ!」
男は女性の左足を担ぎ上げたまま、無我夢中で腰を前後させます。締め付けはさすがにきついですが、二度目ということで先ほどのように簡単には達しません。
「師匠、気持ちいいです。……まだ痛いですか?」
「あ、ひ、は……い、痛い、いい、いいい、いいっ……いたっ、いいっ……!」
判然としない女性の言葉を塞ぐように、男は上体を倒して自分の口を女性の唇に重ねました。
「あふ、む……」
今度は女性からも舌を伸ばしてきて、二人の舌は互いの口の間で絡み合います。
男は舌を絡ませながらも、腰の動きを間断なく続けました。
「あふっ、あふっ……、あふぅっ」
女性の舌からは徐々に力が失われていきます。やがて女性は男の口を振りほどき、
「あがっ、あ、はっ、いくっ、い、いくぅぅっ!」
最後の絶叫を上げました。
ドクンッ!
そして自分の中に新たな欲望が吐き出されるのを感じると同時、女性の意識は遠のいていきました。
>370
そなんだが、この場合はやや直訳気味に訳した方がシックリ来るな。
「もっとも深い憎しみは、もっとも深い愛より生ずる」
>>363 ネ申!!GJ!暇な時があればまた降臨してください。
保守
キノは眼鏡を売った金で新しい肌着を買うと言っていたが、
どんなものなのだろうか(*´Д`)ハァハァ
ふんどし
股ぐりの浅い生成りの綿のぱんつと、同じく綿のTシャツ。
ブラは一番小さいのを手に取ったあと、自分の胸元と見比べてから、こっそり溜息をついて戻します。
キノは女だよね?
小学生の頃、隣のクラスに田中ナブロウという子供がいた。
男女男郎。
親は多分バカだと思った。
すまそ、遅レスなんだが、
>351の
>奥に、膜らしきものはありませんでした。
これの意味がわからない。厚かましいが、作者さん説明おながい。気がついたときでいいからさ。
>383
すまない、釣りではないよな?
処女膜だろと取りあえずマジレス。
ところで誰か>361(だったと思う)の本番シーンの所もう一回貼ってくれ。何故か見れないorz
>384
え・・・だって、処女膜が実際は「膜」じゃないってことは、ここの住人なら
当然知ってると思ったんですが?
今更、そんなこと信じてる人なんていませんよね?21禁板だし。
>385
エロ小説としての表現の仕方じゃね?
よくあるじゃん、「何かの裂ける音が〜」云々
>383
処女膜が膜じゃなかったことを最近知って皆に知らせたくて仕方がないのか?
牛乳を温めてラムスデン現象が起きてもラムスデン現象が起こったなんて言わないで膜がはったっていうだろ?
同じように処女膜のことをいちいち処女膜といわんでも膜といえばそれでいいじゃないか
>>387 お前もラムスデン現象のことを自慢したがってるように見えるからやめようぜ・・・
このスレは「ラムスデン現象について語り合うスレ」になりました。
このスレは「キノの体内、大事なトコロのラムスデン現象を
下半身裸のロリコンストーカーと蒼い人たちが狙うスレ」になりました?
ぬう。
エロ小説的修辞表現ってやつを理解していない自分が不粋でした。
すんませんですた。
とりあえず、処女のあそこにはラムスデン膜があるということで(BLAM!!LAM!
「ある愛の話」見直してみると、「膜」以外にも
隠語は「豆」「花びら」「棒」って比喩的表現で、直接表現はしてないのな。
直接表現だと××にしなければならんので避けてる、という作者の拘りか?
俺的には「ある愛の話」は男性向けのように直裁的すぎず女性向けのように
ぼかしすぎず、まさに直球ストライクだったわけだが。
>>384 とりあえず自分の閲覧環境を書いてみなよ。
1つのレスだけが見えないという意味がわからない。
>394
携帯で閲覧中だけど>344以降をロードしようとするとエラーになる。
レス番指定で本番シーンの>361辺りを飛ばしてみると何故か最近のレスは見れるんだが。
やり逃げですか、っていきなり落ちだった時は凹んだ
>395
>371
>372
長文だと携帯ではエラーになるんかね。
うぃ、「ある愛の話」作者です。
『膜』については結論の出てる通りで。
あと>392のいう事も大体正解。単にあからさまな表現が苦手ってこともあるけど。
私は恥ずかしがり屋なのですよ。その点キノネタは、×××で誤魔化せて都合が良い(ぉ
見えない携帯の人は状況が良く分かりませんので対処不能で失礼。とりあえず>396を見てくださいな。
とまれ、「ある愛の話」が好評のようで気を良くして新作投下。
まー「ある愛の話」は自分的にも会心作なので、それより落ちると思いますが。
とりあえず以下に導入部をどうぞ。
398 :
店の話・2:04/11/03 04:18:57 ID:k3cuVVVc
店の話・2
‐For Sale 2‐
店舗日誌十七冊目。店長記す。
開店二〇四七日目(晴れ)
今日も、たくさんのお客さんが来た。
おかげで趣味の読書をする暇がない。しかし自分の店が確実に発展している様を見るのは嬉しいものだ。国を出ていった兄が建てたという店が同じように順調に成長していっていることを、切に願う。
なぜここで兄のことを思い出したのかを考えてみると、今日に来た珍しいお客さんのせいだろうか。
旅人さんだった。ひょっとしたら、兄の店に寄ったことがあるかも知れない。聞いてみれば良かったと、今になって後悔する。
ともあれ、今日の日誌はその旅人さんのことを中心に記していこうと思う。
今日も、私はいつものように店に出ていた。従業員から店長自ら出ることはないと言われることもあるが、やはり自分の商品を買うお客さんの顔は、自分で見るべきだ。その心がけを忘れないからこそ、私の店は順調に発展しているのだと思う。
そのお客さんが来たのは、昼過ぎのことだった。
鈍いエンジン音が近付いてきたかと思うと、店の前でキキキィというブレーキ音が響いた。
そして十代半ばだろうか、白いシャツを着て黒いベスト姿の少年が入ってきた。この年頃のお客さんは珍しいので、それだけで少し驚いた。
彼はまず、モトラドを店の中に入れられるかと聞いてきた。
残念ながら、私の店はモトラドを乗り入れられるようには出来ていない。丁重にお詫びしながらその旨を告げると、彼は
「気にしないでください」
と言うと、いったん店の外に出てモトラドに説明しているようだった。そしてモトラドの抗議の声らしきものを背に、また店に入り直した。
私が、
「モトラドに乗られるんですか」
と尋ねると、彼は旅人で、キノという名前だと自己紹介してくれた。
私が少し驚いて
「どちらでこの店のことを?」
と尋ねると、
「『この国ならではの何かはありませんか?』と道で尋ねたら、このお店を紹介されました」
と答えてくれた。
私も自分の店のことを、他所の国にも似たような店はあるかも知れないが、これだけ品揃えと質を兼ね備えている店はないと普段から自負していた。それを肯定されたようで、非常に嬉しかった。
399 :
店の話・2:04/11/03 04:20:32 ID:k3cuVVVc
「ところで、ここは何のお店なんでしょう?」
今度はキノさんが尋ねてきた。なんでも、行ってからのお楽しみと店の詳しい説明は聞いてこなかったらしい。
私は少し困った。聞かずに来たとなると、キノさんくらいの年齢だとうちの店の商品に激しい嫌悪感を覚えるかもしれない。旅人さんに嫌な思いをさせるのは避けたかった。
とはいえ、黙っている訳にもいかない。私は店の商品の中では一番無難で、一番小さい"七号"を棚から取り出し、キノさんの前に持っていった。
迂闊な説明を入れるのはやめて、まず見てもらうことにした。カウンターの上に置いて、自由に見てもらう。
「これは、何ですか?」
ひととおり見て、キノさんが聞いた。
「何に見えるでしょうか?」
私はほんの少し焦って(もちろんお客さんに悟られないよう気をつけて)言った。
かなりあからさまな形をしているはずなのだが。
『商品は機能性重視。その機能をもっとも良く表す、分かりやすい商品を心掛けろ』
そう本に書いてあった。だからうちの店には、そういう商品しか置いていない。
「ピンク色の、キノコに見えます」
キノさんの答えに、私はなるほどと私は思った。確かにそうも見える。キノさんは旅人なので、旅の間の非常食になるキノコの方が連想しやすかったのだろう。
さらに推測するなら、おそらくキノさんはまだむけていない、いわゆる象さんなのではないかと思われる。もちろん、私が笑えることではないが。
「これはですね――」
少し言葉を選んだ。
「――男性器を模したものなんです」
私は言った。
キノさんは一瞬、ぽかんとしていた。
「……"拡声器"?」
「違います」
私はかぶりを振った。
とりあえず以上。以下雑談。
本キノでの「店の話」、私は淡々と読むもんだと思ってたけど
ゲーム版での音声は全然違って予想外に面白い。声優さん良い仕事してますな〜。
いいねいいね〜。
/ めざせ / ゙i, ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
j 日本一 ,ィ/ | | <
lィ' ,ィ/j/ | iリ |
| /l / '"` | j |
リ! /,ノ _,、-''''` /リ | 私の素晴らしい名を世間に知らせるときがキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
| _.._ l/ ,.--;==ミ 、 ___,.ノ /{.○-゙‐rV |
http://www.tv-asahi.co.jp/best/top.html ヽ,/`ヽヽト、 ´ {,.○-`‐‐ 、,.-ト| ,ノ | 諸君もここの「もう一度見たいアニメ名場面」に私の名を書いて
∧ ゙i, `ヽ,r'´ ノ. ゙、--‐''´| | 「目がぁっ!目がぁっ!」と投票したまえ。TVであの名場面をもう一度流してやるのだ。
,,.く ヽ ゙i ヽ、 __,,、-'" 〉 / |
ハ'´ | ゙i | ' ' iヽ'" ̄ | ムスカ祭が今始まろうとしている!!!
゙、゙i,_r'シニZ`ー┬ト'i _____ , | \ |
_゙V ヽ,.レ''ヽヽ `ー─''''"´ / | あぁ、最後に行って着たいことがある。
/./ ヽ/ ,」ヽ __,,、-─‐-、j | 他のスレにコピペきぼんぬ。
/ r'´ --‐‐'''"´ ヽ \ (.r‐'''""゙゙`ヽ,`)
l .| __,,、--`ヽ \ ___ヽ /´| | 以上だ。
j | ,⊥`ー 、 ゙! レ' | |
| | -‐''"´ ヽ、⊥ヽ| |彡'|
PS2の店の話は結構いいよな。店長かわいいよ店長。
キノたんの無知っぷり萌え(;´Д`)ハァハァ続き楽しみ!
例によって(?)男の子と間違われてる点にも注目だ。
405 :
店の話・2:04/11/04 00:48:27 ID:pHVFbW/T
「すいません。えっと、その、男性器というのは、つまり×××××のことですよね?」
キノさんはややしどろもどろになって言った。
しかし、×××××とは。その、幼児言葉にも近い可愛らしい表現に、私はなんというか、感動に近いものを覚えていた。うちの店にくる客は、御婦人方でも×××だの×××だのケレンもテライもない表現をされてしまう人ばかりなので、非常な新鮮味を感じてしまう。
「それで、あの……この×××××の張型で一体何をするんでしょうか?」
キノさんは顔を少し赤く染めながら、それでも好奇心が抑えられないように聞いてくる。――私に男色の趣味はまったくないが、今だけはその手の趣味を持つ方々の気持ちがなんとなく理解できそうな気がした。
「その、ですね。愛し合う男女の夜の営みについては御存知ですか?」
私はキノさんに合わせ、極力遠回しな表現を用いて説明することにした。
これが、なかなか難しい。普段の客相手なら、あからさまな表現を多用したセールストークのパターンなどいくらでも用意してあるのだが。
「えっと……一応。知識だけは」
目線をそらし気味に頷くキノさんに私も頷き返し、
「その際における×××××の代用品として、使うわけです」
気がつくと、私も×××××などという表現を素で使っていた。
キノさんが驚いたように眼を丸くして、こちらをしっかりと向き直して尋ねてきた。
「え……でもそういうのって、本物でないと意味がないんじゃないでしょうか」
なんという純粋さだろう。私は感動に目も眩む思いだった。
「はい、確かに本物が一番です。それは否定しません」
私は素直にキノさんの言い分を認めた。
「しかし――しかしですね。愛ある行為だからこそ、本物だけでは足りないということもあるのです」
「は、はあ」
「キノさんには、愛する人がいますか?」
「えと……いえ、残念ながら」
恥ずかしげにうつむくキノさんに私はゆっくりと頷く。
「そうですね、キノさんのような旅人ですと難しいでしょう。――まあとにかく、そういうお相手がいるものとして想像してください」
「は、はい」
406 :
店の話・2:04/11/04 00:53:51 ID:pHVFbW/T
キノさんは非常に恥ずかしがっているようではあるが、嫌悪感を覚えている様子はなかった。思春期の好奇心が勝っているのだろう。その様子に、私の舌も普段の滑らかさを取り戻していった。
「例えば、です。本物の×××××を、女性の方が口でいたしている時など」
「口、ですか?」
「はい」
「口で、えっと、×××××をくわえる?」
「はい。二人の間に愛があるのでしたら、それくらいは普通です」
「そ、そうなんですか」
キノさんの顔は真っ赤になっていた。頭の中で、自分の×××××をくわえてもらっている場面を想像しているのだろう。
「男の方は、もちろん気持ちが良い訳です。愛する人にくわえられ、さらに丁寧に舌で舐められたりするわけですから」
「舌、で……」
「ですが、それではやはり不平等です。もちろん愛する男性に奉仕するというのも悦びでしょうが、女性の方ももっと直接的な悦びを得られるべきだと思いませんか?」
「えっと……はい、思います」
「そういう時、この代用×××××がお役に立てるわけです。愛する人のものをくわえながら、自分の大事な所にはこれをあてがう。それにより愛し合う二人の悦びは初めて一つになる訳です」
「な、なるほど」
頷くキノさんの左手は、いつのまにか自分の股間を押さえていた。勃ってしまったのを隠しているのだろうかと思いチラと見たが、そういう様子はなかったので、私はトークに熱を加えた。
「もちろん、大事な所にあてがうばかりが芸ではありません。たとえば、女性の豊満な胸――」
「あ……すいません。そんなに豊満じゃなくて」
キノさんが非常に申し訳なさそうにうつむいた。
「ああ、そうでしたか。失礼」
キノさんの頭の中のお相手は貧乳らしい。彼ぐらいの少年は皆、豊満な女性に憧れるものだとばかり思っていたが、例外はどこにでもあるようだ。これは今度の新製品開発に活かせるかもしれない。
「いえ、小さい胸というのも確かに趣があって良いものです。大きい胸より敏感だとも言いますし」
「は、はい……」
キノさんの声は、とても消え入りそうだった。
「とにかくその感じやすい胸に当て、気持ちよくなったりすることもできるわけです」
私の説明を聞いたキノさんは、左手を股間に添えたまま今度は右手で自分の胸をジャケット上からそっと撫でていた。
今回はこんまで。
いちお、次回で完結予定。
GJ!!お疲れさまですー
続きが気になる(;´Д`)ハァハァ
GJ!!!まるで羞恥プレイだw
シュッシュしないで待っとります
お疲れ様です職人さま
(;´д`)ハァハァしながら待ってます
411 :
店の話・2:04/11/06 01:08:10 ID:tT8vchSt
「……ただ当てるだけだったら、直接手でやった方が早いんじゃないでしょうか。その、指も使えますし」
胸に手を当てたままキノさんが首を傾げた。
もっともな疑問だった。そういえば、この代用×××××の機能の大事な所はまだ説明していなかった。
「はい、これがただの張型だったらそうでしょう。――ここを見てください」
私は代用×××××の根元にあるスイッチを指してみせた。
「なんのスイッチでしょう?」
「これは、実はですね――」
私はほんの少しもったいぶってみせた。キノさんは、少し身を乗り出してくる。興味津々のようだった。あまりもったいぶるのも悪いので、実際に押してみせた。
「――ポチッとな」
私がボタンを押すと同時に、ブィンブィンという音を立て、幹の部分をくねらせながら振動を始めた。製品の品質チェックは完璧にしている。機能になんの問題も見受けれなかった。
「こ、これは……」
「はい、バイブレーション機能と名付けております。キノさんのおっしゃる通り、確かに手の方が繊細な動きができます。しかし手ではこのような振動を起こすことは無理でしょう」
「た、確かに……」
キノさんは胸に当てた手を微妙に震わせていた。どうやら手では振動を真似できないことを確かめれているようだった。
「もちろん、この機能は胸に当てている時だけでありません。本来の使い方である、女性の大事な所に当てている時にも使えます」
ゴク、とキノさんが生唾を飲み込む声がはっきりと聞こえた。
私はここで、またチラとキノさんの股間に目線を向けてみた。ズボンに手が当てられた場所が膨らんでいる様子はなかった。かなりの性的興奮を覚えているのは間違いないのが、おかしかった。
ハタと気付いた。なんという事だろう。ここまで気付いていなかった。キノさんは――
私と同じで、不能だったのか。
果てしない同情を覚えた。男として、これは非常に辛いものだと私には良く分かる。
そもそも私がこの類の種々の製品を開発したのは、その性的不能をなんとか補おうと考えてのことだ。必要としているからこそ、開発する。これは非常に自然なことだと思う。
412 :
店の話・2:04/11/06 01:09:08 ID:tT8vchSt
ともかく私は気が付くと、思い余ってキノさんの胸に当てられた右手に手を重ねて掴んでいた。
「大丈夫です、キノさん。その問題は必ず克服できます」
「そう、でしょうか」
キノさんは私の手にさらに左手を重ねた。丁度、キノさんの胸の上に三つの手が重なり合う形になった。
私は力強く頷いた。そう、たとえ本物が用なしだったとしても、女性を悦ばせることは必ずできる。
「……そういえば、キノさんはモトラドに乗られるんでしたよね」
「はい」
「私が以前モトラド乗りのお客さんに聞いた話ですが、この代用×××××をモトラドのシートに立てその上に女性をまたがらせエンジンをかけると、凄い事になるそうです」
「す、凄い事ですか」
「はい。さらに先ほどのバイブレーション機能まで併用すると、それはもう、とんでもない事になるとか」
「と、とんでもない事……」
キノさんが生唾を飲み込む音がまた聞こえた。今度は、ゴクリという音だった。
「……あ、あの。ちょっと、御手洗い貸して頂けませんか」
キノさんが言った。私は頷いて、その場所を教えてあげた。キノさんはなにかモジモジしながら、そちらに向かっていった。
トイレの時間は、妙に長かった。
そして戻ってきたキノさんは、妙にスッキリした顔をしていた。
もしかして――先ほどの説明で治ってしまったのだろうか。もしそうならとても良いことなのだろうが、少し物悲しい気分も覚えずにはいられなかった。
店を出て行く前、キノさんは深々と頭を下げた。
「色々面白い話を聞かせて頂き、ありがとうございました。……ところで、あの、その商品は、おいくらでしょうか」
私は、代金はいらないから旅人仲間に会った時にこのお店を紹介してほしいとお願いした。キノさんは快諾してくれた。
私の店の名前が世界に拡がるのも、遠い日のことではないかもしれない。
413 :
店の話・2:04/11/06 01:10:09 ID:tT8vchSt
開店二一八○日目(曇り)
今日も、旅人さんが一人(と一匹)店にやってきた。
最近は、ちょくちょくと店に旅人が訪れるようになってきた。以前、キノさんという旅人が来て以降のことだから、彼が約束どおり仲間に紹介してくれて、そこからさらに口コミで拡がっているのだろう。嬉しいことだ。
キノさんといえば、そうだ。今日の旅人さんが買っていった新製品も、キノさんの貧乳好きからインスピレーションを得たものだ。
『水車とチューリップの国の奥さん』と名付けている製品のバージョン3にあたる。バージョン1と2は巨乳女性型だが、3はそういう訳で、貧乳仕様となっている。
ふと思うと、バージョン3は体格や顔立ちが、キノさん自身に似ていたかもしれない。開発中、無意識に影響を受けていたのだと思われる。――まあ面影がある、という程度だし、そもそも性別が違うので問題になることはないだろう。
売り上げはあまり良くないが、買っていった人たちの間ではそこそこ評判が良いようだ。こういうマニア向けの商品も、たまには出すべきなのだろうと思った。
今日買っていったお客さんも、マニアらしかった。買っていく時、物凄く嬉しそうだった。連れていた犬には呆れられているようだった。
喋る犬は、珍しかった。
終了〜。
××××にはちょい不向きかも知れんけど、想像力を駆使してくらはい。
では、また機会があれば。
GJ!GJ!ボケボケな店主にワロタです。。。
ロリコンストーカーシズ様も出てキノはハァハァしてておなかいっぱいです
(;´д`)ハァハァ
GJ!!(;´Д`)bハァハァ
とってもおもしろかったです。
あぁもう!キノ檄萌えー!(;´Д`)ハァハァ
ごちそうさまです神様!
GJGJGJ!!!!!
GJ!!
しかしナンですな、私としてはその、バージョン3、
>「ゆずってくれ! たのむ!」
いや、俺なら
>ころしてでも うばいとる
そんで返り討ちにあう、とw
勘違いされるくらいのつるぺた感(*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
motenai
シズ様がでると話がより締まりますね
760 -On the Beach・c- sage 04/11/07 23:39:33 ID:FWOoa7lU
闇夜の浜辺で1人の男と1頭の犬が焚火を囲んでいる。
「案外容易かったな」
「えぇ。しかし、まさかナイフをあえて避けないなんて、さすがに胆が冷えました」
犬が喋る。
「シズ様ほどの方なら気付いていたでしょうに、まったくあなたの気合の入れようには感服いたします」
グフフと犬はこの世のものとは思えないほど、不気味に顔を歪める。
「でも効果覿面だっただろ?」
そう言って、シズと呼ばれた男は少し離れた所にあるバギーで小さな寝息を立てている少女を見やる。
そう、全ては綿密に練られた計画だったのだ。
事前にある筋からあの国の詳細、ティファナという少女の事を聞いていた。
「しかし、まさかキノさんがいらっしゃるとは驚きましたね」
「あぁ、もうけものだったな。それにしても相変わらず難攻不落というか隙がないというか・・・」
「ですが、"女だと気付いていない作戦"や"偶然を装って運命の再会作戦"など徐々に効果が出てくるはずです」
「うむ。今度こそ足取りを見失わないように"奴等"にキツく言っておかなければな」
「あの邪魔な糞忌々しいポンコツは、次の機会には必ず」
「あぁ、あのモトラドは陸にまかせるよ。 まだ1人目・・・、作戦は始まったばかりだ」
陸と呼ばれた犬は、眼をギラつかせ静かに吠える。
「幼女の国をつくる為には少なくとも100人・・・記念すべき100人目はキノさんだ」
クククと邪悪な笑い声を出しながら醜悪な笑みを浮かべるシズ。
「しかし、シズ様。将来またキノさんとお会いした時、もしスタイル抜群の大人の女性になっていたら、その時は・・・」
「そんな事は考えたくもないし、ありえない事だが、もしそうなっていたら、私は―――」
「死ぬほど驚くかもねw」
焚火を囲み談笑する2つの影を少し離れたところから薄目を開けた少女が無表情で見つめていた。
ロリコンストーカーにとって重要なのは、スタイル抜群でないことなのか、年齢制限なのか。
王冠の似合わない王様による「幼女の国」では一定の年齢になると「大人にならない手術」を…
って天使に撲殺されるロリコンSさんと変わらないような気もするがキニシナイ。
キノのつるぺたは永遠!永遠にキノはつるぺた!つるぺたは永遠にキノ!(夢を見る元王子・シズ談)
5,6,7(8巻は読んだ)読んでないんですが
シズ様の他にキノにわずかでもくっつく可能性のある男はいませんか?
いません
まぁだからこそカプ最大手でもシズ様との強引な絡みになってしまうわけです。
俺はシズ様には陸で十分だと常日頃から(ry
エルメェスがいるぢゃないか。
ここのシズ様像は
ロリ嗜好のサモエド仮面まんまということでよろしいでしょうか
保守
hosyu
私の名前はティー。人だ。
白くて、普通の毛を持っている。いつも仏頂面で怒っているような顔をしているが、
別に仏頂面で怒っている訳ではない。生まれつきだ。
シズ様が、私のご主人様だ。
>ご主人様
(*´Д`*)
ほす
ロリコンストーカー保守
ほす
pepparoni神の降臨まだー?
ほしゅ
443 :
名無しさん@ピンキー:04/11/22 21:25:37 ID:soSxkTdD
hoshu
pepparoni神の降臨まだー?
このライトノベルがすごい2005でアリソン8位げと。
おめー。
hosyu
キノ「誰もいない・・・ ハァハァするなら今のうち・・・」
キノがハァハァしているのを見てハァハァしつつ保守
(;´Д`)ハァハァ
キノぱんつはいてない
そういやブラもしてないね
ほら、あれだ、pepparoni神は、苦しいデスマーチの末に、遠いところへ旅立ったんだよ。
その直前、辛い仕事から解放された幻を見て、夢現でここに
>>178を書き込んだんだ。
とか言ってみるテスト兼保守
エルメスパンツはいてn(ry
そういやブラもしてn(ry
陸パンツは(ry
シズ服きてな(ry
アリソn(ry
さ(ry
(ry
師匠のことは誰も言わない
師匠は一人えっちをするときに、カノンをあそこに挿入している。
カノンの予備が大量にあったのは実射用とオナーニ用に使い分けるため。
キノに貸したのはもちろん(ry
師匠が22口径の自動型を嫌っているのは、
ハンサムとのH中に、ハンサム棒と森の人で2穴挿しをされた思い出があるから。
・・・・・そんな設定でSSを書こうと思ってたんだが挫折。あと任せた。
そういえばキノはいらない服とか売って金にしてるんですよね。
(゚∀゚)持ち込み先はもちろんブr
ブ(rは冗談として
私が着てたものです、と言えば普通に高値で売れそう
ねぇシズ様?
むしろ良く知らないで利用してたり。
「あれキノ。もういらない服は売ってきたんでしょ? 何でまた荷物探ってるのさ?」
「うん、そうなんだけど。今行ってきた古着屋が、下着はもっと高く買ってくれるって言うから」
「え?」
「ここは面白い国だねエルメス。皮のジャケットよりも、使い古しの下着の方が喜ばれるなんて」
「えーと、キノ。他に何か言ってなかった?」
「ああ、そういえば、一緒に写真も撮らせて欲しいとか。意味は良く分からないけど」
「もしかして、それって古着屋じゃなくて、ブ……」
「何か言ったかい、エルメス?」
「……ううん、いや、いいや。僕としては、それでオイルでも換えて貰えればそれでいいし」
「おまけに新しい下着までくれるらしいよ。しかも国を出る時に持って行けば、それも買ってくれるって」
「へっ、へえ、それは良かったね」
その後、その国を訪れた某旅人が、くだんの店で狂喜乱舞したとかしないとか。
>>464 をい。その某旅人は今や子持ち(マテ ではないのか?
>464-465
オイ、って事はだ!
キノタンの着ていた物をあの子に着せて´`ァ´`ァするワケですな、シズ様!
何ていけない御方なんだ(;´Д`)´`ァ´`ァ
467 :
462:04/12/06 16:30:48 ID:Cv435mTa
まさかSS化されるとは思ってなかった。今は反省している。
_ト ̄|○
>466
いや自分ではいてr(ry
>462-463
ブ
θ゙゙ ブイィィィン
>468
自分ではいて、子供に言葉苛めされるシズ様萌え(違
おいシズ様! ワンワン野郎とボクッ娘とどっちが好きだ?
キノとティーとシズと陸とエルメスでの夢の5P!!
エルメスのタンク内に劣情をぶちまけるシズ様
>>473 や め と け
ただキノ×ティーはチョト見てみたい気もする。
>474
なんだと。
漏れはもの凄く見たいです。
何を言うか、発情したキノたんがパースエイダーでティーたんを脅して
あれシズさんどうしたあわびゅ
なぜだ!
フルチンだからさ。
フルチンは時雨沢世界の戦闘服ですよ?
キノティーはどっちが責めでも受けでも萌えるな。誰か書いて下さい。
俺は服を脱ぐことまでしかできません。
素手対素手ならシズ様がいくらなんでも勝つよね?
シズ様はマグナムを一丁持ってるしね。
シズ様やたら寝技に持ち込むよ
>>483 シズキノ派としては何が何でも勝ってもらわんと。
キノたんはKOされると服が破けますよ
瞬発力や反射神経は互角がいかんせん力がやはり違いすぎる、
シズ様のチョーク・アルゼンチン・バックブリーカーでイチコロだ!
問題はどうやってキノを武装解除するかだ。(首に鈴かよ)
時雨沢×キノ
なるほど その組み合わせならキノも抵抗できまい
「──やめて下さい、時雨沢さん」
(*´Д`*)
でも 時雨沢×アリソン なら普通に抵抗されそうだ。
時雨沢×ティー
タイーホ
アリソン×時雨沢で、時雨沢が
「やめろー!私は天下の時雨沢だぞー」(声フェードアウトしながら)
見たいなイメージ・・・。ヤラレキャラ・・・?
ワラタ
じゃあ俺は★×キノでハァハァするよ
じゃあ俺は自称キノの某電話相手にハァハァしとこ
今更ながらアリソン買ってみた。萌えた。
誰か書いてくr
公式ページがリニューアルしたらしいですよ
500をキノたんに捧ぐ
あとがき×時雨沢なら実現可能・・・ッ
ちいさな「つ」がキモくて仕方ないんです。
っ
ライトのベルでたまに、どう読めばいいかわからないセリフがあります。
「・・・・・っ!」
「・・・・・ッ!」
「・・・っっっっ!」
ライトのベル全体がこうだとは言わん、だがしかし。
こんな原稿描いてる馬鹿は一度地の文からセリフから音読しろ。
>504
一応漏れ的にはそういうのは最後の「っ」の所で息を呑むような発声だと解釈する事にしとるぞ。
気持ちは分からんでもないがな。
君が望む永遠やってみれ。
どう発音するのかわかる。
それとラノベに旧来の文章作法的な縛りは求めるな。
そんな細かいところに小説の楽しさはないと、喧嘩を売ってみる。
まあ、半分同意だけどね。
活
保守
510 :
名無しさん@ピンキー:04/12/31 20:28:52 ID:Ev9H5WHS
保守age
511 :
名無しさん@ピンキー:04/12/31 22:19:51 ID:xXriyZ4+
秋葉原メロンブックスにキノ本と師匠本が入荷してますた。
キノたんと姫始めしますた
初めての晴れ着姿にはしゃぐキノタソは可愛かったな。
携帯食料ばっかじゃ味気ないからモチをプレゼントしたら喜んでくれたようだ。
いきてますか
ひんに
ゅう。
キノ「……いけませんか?」
>517
素晴らしいですよ。
むしろそのままで。
520 :
シズ:05/01/04 10:48:47 ID:IymLiJ54
>>517 ・・・は?(本気で分からないといった顔で)
シズとティーの子づくり…。危険な香りが(;´Д`)
サモンナイトっていうゲームにキノとアリソンが出てると聞いたのですが。
とらのあなで、師匠本の新刊を買ったが、やはり師匠はエロいと再認識。
>>523 2の女主人公 キノ
3のパートナー アリソンですよ。
>>529 ぜひ裸にしてほしい(;´д`)ハァハァ
今までROMってハァハァしてた俺だが、最近職人さんが全く光臨しない。
こうなったら思い切ってスレの為に小説を書き始めてみようと思う。
今書いてるんだけど、此処まで怖いんだな、人に見られる作品を作るってのは('A`)
今週にまともな形にして投下するわ。
下半身裸って何のことかと思ったら
>>304のことか
ところでおまいら、キノの同人本(エロ、非エロ問わず)出してるサークルってどこがあるのでしょう?
今手元にある師匠本は(英語で)プラネットポルノってサークル。
あとは知らない。
>>535 横買いもだしてるねそこ、何気にしつこく買ってたりする。
前スレか前々スレで本人が来たことあったぞ。
某同人サイトでキノ本が出てる→うちだよ・・・って感じだった。
エロでは“少年病監”ってサークルもキノ本出してる。
“PLANETPORNO”に比べればレベルは落ちるけど(失礼)、
最初の頃に比べれば随分上手くなってると思う。
あと非エロだけど、キノと銀河鉄道999のコラボって同人があった。
色物かと思いきや結構ちゃんとした話で面白かったよ。
前にとらで買ったんだが、どこにしまったのか見つからないので
サークルは不明。
一文字さんのシピリカだね。
独特のタッチが大好きだ。
すまん、ちょい遅れた。
一応完結まで書いてみたけど、拙い文章なのは承知で投下してみる。
<b>
「しかし、冗談にしては趣味が悪いと思うよ………」
「あら?あなた完全に信じてたじゃない?」
「さすがにあの状況で嘘はないと思ってたよ………まぁ、今となってはいい思い出じゃないか」
「ふふっ、そうね………」
〜静かなる嘘と調和〜
「じゃあ明日にしよう……。僕も眠い頭でそんな話聞くわけにもいかないし」
そう言ってヴィルは豪華なベッドに寝転がって列車特性の毛布をかけて眠りにつこうとした。
「ちょっと待ったぁあ!」
アリソンがタオルを放り出して、ベッド脇に駆け寄って跪いた。
「ヴィル! ちょっと、いい加減にして!」
「何が? それに僕昨日はちゃんと寝てなかったんだ。寝かせてくれないか? アリソン……」
何も悪びれずに答えるヴィル。そして、ヴィルは5秒もしないうちに闇に意識を落とした。
二言目を発する前にヴィルは寝てしまったアリソンは呆然としばらくそこで立ち固まった。
どれぐらい時間が経っただろうか、
「………………………………………あはっ♪」
同じ年の男なら誰もが一瞬で恋に落ちてしまいそうなほどの天使の笑顔を浮かべたアリソン。
このシュチュエーションでそんな態度を取るヴィルに対してついにアリソンの堪忍の尾が切れた。
「ヴィルゥゥゥゥゥッ!!!」
恐ろしい形相でアリソンはヴィルに襲いかかった。
このときのアリソンの顔を例えるなら鬼か般若だった。
アリソンはヴィルが寝ているベッドに飛び乗り、すぐさまヴィルに覆いかぶさっていた毛布を剥ぎ取ったが、それでもヴィルは眠ったままだった。
「覚悟なさい……数年分の鬱憤を今日で晴らしちゃうからねぇぇぇぇぇ」
アリソンはヴィルのズボンを下ろしにかかろうとしようとした、その時。
「えっ? きゃあっ!」
横になっていたヴィルが突然、目を開けてアリソンを逆にベットに押し倒した。
ヴィルのいつもの、のんびりした感じは一切無く、射撃で獲物を狩る時の真剣な表情になっていた。
「えっ? えっ? ヴィル?」
突然の強襲に気が動転してさっぱり訳が分からないアリソンは完全に混乱状態に陥っていた。
ヴィルが静かに口を開いた。
「………遊びはこれぐらいにしておくよ、アリソン」
「一体どういう…ンッ!?。」
ヴィルはアリソンの口を塞いだ。
「んっ…んむぅ!んんんっ……んむ……んぁ……」
ヴィルは舌もからめる、深い、愛情のこもったキスをアリソンに繰り出した。
ヴィルの舌はまるで違う生物のようにアリソンの口内を動き回った。
「っ………」
アリソンはヴィルの唇が離れても、その感触を忘れる事が出来ずにぼーっとしていた。
行為の効果だろうかアリソンの顔は真っ赤に染まった。
「………ヴィ、ル?」
「今までゴメン、アリソン。今日僕はキミの願いを適えるよ」
ヴィルはアリソンにセカンドキスを敢行した。
先ほどより更に激しく、アリソンの唇に何度も吸い付くようにして、それから口を覆い舌を出し、アリソンの中に侵入しようとする。
「ちょっ、ヴィル。そんな、あっ!」
アリソンが驚きで口を開くと素早くその中に舌をねじこんだ。
くちゅっ、ちゅっ、くちゃ。
部屋の中に二人がディープキスを行ういやらしい音が無駄に広い部屋の中に響き渡る。
「ふぅ……ぁぁ……んんっ……んぁ……んんんっ……ん……」
アリソンはヴィルの超絶キステクニックで完全に頭がやられていた。先ほどから頭の中が真っ白になって完全に何も考えられずに侵入してくるヴィルの舌にぎこちなく絡めることぐらいしか出来なかった。
再びヴィルはアリソンの口から身を離す。しかし、ヴィルは10センチも無い距離からアリソンの視線を離さない。
「あ、あの、ヴィル? ちょっといいかしら?」
「何? アリソン」
「も、もしかして、他の女の子とさ……キスしたことあったりするのかなー、なんて思ったりして……あのさ、物凄くヴィルが……その、キ、キスが上手いからさ………」
ヴィルはいつもどおりの口調でいや初めてだよ、と答えた。
「ふぅ…………、アンタは何をやらせても一級品らしいわね……」
「?、なんだかよく分からないけど続きをするよ」
そう言ってヴィルはアリソンの胸へと手を伸ばした。
「んっ、ちょっと……きゃっ…両方!あんっ!」
アリソンのパジャマの上から胸を揉み解すように上下する。
「あっ……ヴィ…ル、ん……ん……んんん……んあ……んっ……ん……」
「アリソンけっこう感じてるね、胸が弱いんじゃないかな?」
そう言ってヴィルは更に手を素早くこねくり回した。
「わっ……、ヴィル!優しくしてっ、あんっ!」
「やっぱりね」
「〜〜〜〜っ!」
自分が否定した場所が弱点だと言い当てられふてくされるアリソン。ヴィルにはとても可愛らしく見えた。
「う〜っ………ヴィルの………………ばか………」
いつもの口調とは違って、子供が照れ隠しをするときの口調だった。
ヴィルはアリソンの服を手早く脱がせたがブラをしていなかった。
あらわになるアリソンの胸。白く豊麗な膨らみの上に、ピンク色の綺麗な乳首。
アリソンは恥辱からか頬を朱に染めている。
「は、恥ずかしいからそんなにジロジロ見ないでよ………。」
そっぽを向いてヴィルから視線を外しながら言った。
ヴィルはアリソンの豊かな胸にしゃぶり付いた。膨らみのカーブに舌を這わせ、触れた突起を口に含む。片方の乳首を口で入念に愛撫し、もう片方は手を使って優しくつねってみた。
「んぁっ!」
感高い反応が起こった。やはりアリソンは胸が弱いらしい。
「ヴィ、ヴィル、うっ、あ…あん、はぁ、……はぁん、何か、胸が、おかしいの……」
アリソンの顔は郵便ポストのように赤く染まっていた。
「あぁん、いやっ……なんで、なんで、こんなに、気持ち良いの?」
頃合いを見計らって、下着の中へと手を侵入させる。辿り着いたそこは、すでにスコールの後の密林のジャングルのごとく湿気に満ちていた。
「そ、そこは、だめぇ……あんっ!下着汚れちゃうから……ヴィル……脱がせて」
アリソンの膨らみから顔を上げて、足の間に体を入れる。
下着を手に取り、ヴィルはゆっくりと下着を脱がせた。
まだ幼さの残るアリソンを守る布は無くなり秘部あらわになった。
ヴィルは無言のままアリソンの秘部へと愛撫を開始した。
「ダメよっ、ヴィル! そんなところなんて、汚いわよ!」
「アリソンの体に汚い所なんてないよ」
短くアリソンの意見を却下してヴィルはアリソンの秘部を指で広げ、愛液が溢れている中に舌を入れて触れてみた。
「うわぁ……ヴィ、ル……あっ、あっ………」
突然充血した突起が顔を出した。ヴィルはそれにそっと舌先を触れてみる。するとアリソンが陸に打ち上げられた魚のように体を反らせて劇的な反応を示した。
「ーーーーーっ!!ヴィル!だめぇっ、そこは、そこは……はぁん、あ、ああっ!!」
ハルヒの秘部から大量の愛液が溢れ出す。そして、奥の肉壁もヒクヒクと物欲しそうに痙攣していた。
「あっ、ああっ、ヴ……ィル、おねが……い、もう私、我慢できない……」
「……僕もだ、アリソンと一つになりたい」
ヴィルが自分のパジャマを下ろす。そして最後の一枚をゆっくりと脱ぐと、まるで親の仇を取るがのごとくの猛々しいイチモツが現れた。
アリソンは初めて見た男性性器に興味心身だったが次第に双眸を見開きそのあまりの大きさに唖然としていた。
「ヴ、ヴィルのすっごく大きいよ…………って言うか大きすぎるよ、こんなの私に入らないよ」
「だ、大丈夫、濡れていれば入ると思うから………」
そう言ってヴィルはアリソンの秘部に自分のペニスをあてがった。先端に湿潤したものが触れた感覚がした。
「・・・・・・んぁっ……こんなに・・・・・・ぴくぴく・・・・・・して……」
「それじゃアリソン、入れるよ」
当然答えは決まっていた。
「………うん」
アリソンは静かに目を瞑った。
ヴィルが腰を押し進めるとゆっくりと柔肉を裂きながら、アリソンの膣内へと入っていく。
それはギチギチと締め付けられる。アリソンの膣内は先っぽが入っただけでも凄まじい快楽を生み出した。
ヴィルが挿入の快感に浸っていると、普段気丈なアリソンではあまり見られない苦痛の表情を浮かべている。
「あっ、あっ! い、痛い!ヴィル、痛いよ! 全然気持ちよくない! 本とは全然違うわ!」
目に涙を浮かべながら憤怒するアリソン。
「でも、でもね? 私、嬉しいな………私達、やっと一つになれた。私の夢が適ったんだ………。」
「アリソン………」
どちらともなく自然な動作で二人はつながったまま軽くキスをした。
「でも、痛いの?そんなに痛いのなら抜こうか?」
アリソンが首を横に振る。
「ダメ、ダメ! もうヴィルと離れたくないもの!それは絶対に許さない!これは命令よ!」
ヴィルはその言葉に苦笑いしつつ、5秒ほど考えてアリソンに切り出した。
「多分だと思うけどどちらも力みすぎなんだと思うよ、ゆっくり慣らしていけば大丈夫だと思う」
「そう、かな………」
ヴィルはゆっくりと身を起こし、アリソンの体に覆いかぶさり密着した。
アリソンの顔が目前に迫る。次にアリソンの堅く握られた指を解き、それに自分の指を絡め掌を重ねる。
ヴィル腰が強く動き出さないように気持ちを鉄の自制心で押さえ付け、ゆっくりとアリソンの奥へ進んでいく。
「んくっ、つぅ……痛いっ!」
相変わらず言葉では苦痛を言うが、表情からそれほど痛みを感じている様子はなかった。
それを見てヴィルはアリソンの痛みが弱まっていると推測しピストン運動を開始した。
カリまで引き抜いて、そこから一気に根本まで挿入する。
「んくっ!……ああんっ、いい。な、んで?はっ、初めてなのに気持ち良いよ〜。ああっ!ヴィル、ヴィル!」
「うわぁ………アリソン…気持ちいいよ……締め付けも最高だ………」
ヴィルはアリソンのいつもとは違う嬌声と、ぬちょっ、ぐちゃあ、といった音。そしてアリソンの女の子の匂い。それらが合わさり相乗効果でヴィルはいやおうとも興奮した。
最初はぎこちなかった動きも徐々に速く激しいものに変わってきていた。
「ぁあっ! はゃ……すぎるぅ、んん!」
もうアリソンは意味のある言葉を出す事も難しかった。
「きゃ…ぁん、うぁ……ふぁっ!あんっ!」
「はぁ、はぁっ、ふっあぁ……っ!」
アリソンの膣内は動く前とは比べものにならないほどの快感をはヴィル感じていた。ヴィルは狂ったように腰をグラインドさせた。
「やぁっ……ヴィル! はっ……はげし、すぎるわっ!ひ……っ、あうっ!」
アリソンの凄艶な姿と一際大きな嬌声がヴィルを快楽の底へと導く。
「うぁ……はぁ、アリソン、アリソン!」
ぐちゃぐちゃ、といういやらしい音と二人の喘ぎ声しか耳に届かない。アリソンの膣はまるで意思を持っているかのようにヴィルのペニスに絡み付いてくる。
「あぁつ…!あ…っ、あ〜っ!ひっあっ、あぁ、ヴィル、ヴィル!あたし、もう……うぁん!!」
「はあっ、はあっ……アリソン! 僕、ももうダメだ。抜くよ……」
抜こうとヴィルが腰を引いたのだが、ヴィルの四肢でその動きが止められる。
「だめぇっ!膣内でいいから!膣内に、ヴィルの精液、全部中で出してぇ!!」
この言葉にヴィルは完全に理性を失った。ヴィルは更にピストン運動のスピードを上げてハルヒの一番奥でペニスを打ち付けた。
「はぁん! ヴィルがっ、一番奥まで、奥まで……なんかっ、へ、変なのっ…くるっ!一緒に、ヴィル! 一緒にイこっ!! あぁっ!」
アリソンの膣がヴィルの精液を搾り取ろうと蠕動運動を行った。
ヴィルはもう限界だった。
「出すよっ!アリソンの膣内に全部出すぞっ!くぅっ!!」
「きゃうっ!!あ…あっ〜〜〜っあっああああああ!!」
アリソンの中でヴィルのペニスが大きく脈を打ち、恐ろしい量の精液を膣内に送り込んだ。
「ふぁっ、あたしもイっちゃったみたい……ヴィルのすごく熱いわ……まだ出てる………」
アリソンは息も絶え絶えに肩を上下しながら焦点の合わない目でヴィルを見ている。
ヴィルは快感の余韻に浸っていた所、あることに気付いた。
「アリソン、ちょっといいかな?」
ヴィルがアリソン
「はぁ、はぁ、なに、よ?」
「じゃあ聞くけどさ、中で出して大丈夫だったの?」
その言葉にアリソンは完全に沈黙した。
「あっ………………」
しばしの静寂を経てヴィルが再び訊ねた。
「え? ホントに?」
「………ゴメン、今日、ホントは危険日だったんだ………、でもさ今日ぐらいしかないじゃん、二人きりで誰にも邪魔されないなんてベストタイミングってさ………ところでこの行為の責任とってね♪」
まだつながったままでアリソンが素敵な笑顔を浮かべた。それはヴィルの目にはいつものアリソンの笑顔ではなく、自分の知らない女のアリソンがいた。ヴィルは決意してこう答えた。
「分かったよアリソン、一緒になろう。僕と一生添い遂げてくれるかい?」
アリソンはその言葉を聞いて呆然とした表情を作りながら、静かに涙を流し始めた。
「あ、あれ? 何だろう? 私、なんで泣いてるんだろ? なんか胸の辺りがあったかくてさ、もの、すごくうれ、しいん、だけ、ど………」
ヴィルは静かにアリソンを抱き寄せた。
「アリソン、好きだよ愛してる。」
その言葉を聞いた瞬間、アリソンの感情が決壊した。
「うっ……うわぁぁぁぁっ!あり、が、とう、ありがとう! ヴィル!」
しばらくアリソンは泣き続けた。
ヴィルはその間ずっとアリソンを抱き続けていた。壊れやすい割れ物を扱うかのように、優しく赤子を護るにそっと抱いていた。
「落ち着いた?」
アリソンが泣き止んでからヴィルが優しく問いかける。
「うん、大丈夫……ちょっとグッときちゃってさ………ねぇ、ヴィル? あのさ………」
アリソンが言う終わる前にヴィルがアリソンをベッドに押し倒した。
「アリソン、………僕はもっと君としたい」
アリソンは優しく微笑んで、
「ヴィル、………私はもっともっとHなことをしたい」
二人とも同時に微笑んで、それから静かにヴィルはアリソンを抱きしめてキスをした。
深い深いキスをした。誓いとなり、契りとなるキスを………。
<a>
「それでキミの話によると………つまり、あの時の言葉は嘘だったんだね?」
ヴィルがコーヒーをすすりながら苦笑いで言った。
「そりゃそーよ、あたしだってその頃は年頃の女の子なんだから、生理の周期と排卵日ぐらいちゃんと把握してるわよ、バリバリ安全日だったんだから!」
胸を張ってそんなことを言われても、と再び苦笑いをして、コーヒーを口に含んだ。
万感の思いが混じったコーヒーはいつもと変わらない豆を使っているはずなのにおいしく感じられた。
それは、目の前に最愛の人、君がいるからかもしれない。
はい。人生初のエロパロでした。
仕事の合間にも時間を費やして1週間以上掛かるという遅筆な上に拙い文章
&エロくないという作品が出来上がってしまいました。
しかし、初代スレから居る俺の記憶ではアリソンもので完結するのは初めてではないでしょうか?
もうね、皆さんの言いたいことは分かります。
エロパロなのに全然エロくねぇw
そこらへんは勘弁してください。初ですからw
後、一応確認しましたが、誤字脱字があるかもしれません。
次はこのスレで終わりにいったことがない師匠×男で行ってみようと思います。
これ書いている途中に師匠を落とす方法を思いついたんですw
適当に時間作って書けたらまた投下しに来ます。
後、下手で見てられんってヤツがいたら遠慮なく言ってくれ、ソッコーで去るからw
では今日の仕事に備えて寝るとします、では。
ハルヒって誰?
ハルヒが誰だか知らんがとりあえずGJ!!
ハルヒつーと谷川流の涼宮ハルヒか。名前誤爆以外はGJ
GJ! 良いじゃん良いじゃん。
>次はこのスレで終わりにいったことがない師匠×男で行ってみようと思います。
んーと、>332- の「ある愛の話」はそなんでね? もちろん532のそれも期待しちゃうが。
ホシュ
死んだヴィルを想いつつもカー少佐に抱かれるアリソンてのは
アリソンIII上巻の引っかけで誰もが妄想したであろうな
いいや、列車の中で仕込んで17歳でシングルマザーになったものかと。
シングルマザーとして暮らすアリソンが、
首都に単身赴任してきたベネディクトと再会して
寂しさからつい身を任せてしまい…って話か(;´Д`) ハァハァ
でもやっぱヴィルとのラブラブがいいや。
やっぱりベネは列車内でもうフィーと済ませてたんだろうか。
何を今更。
本編の描写だけで鉄板だしな…
ホシュ
531タンGJ !
エルメェス
グロリアの分だあーーーーーっ!!
見えない何かが攻撃してくる !
ほしゅ
ほっしゅ
571 :
名無しさん@ピンキー:05/02/08 22:59:58 ID:h1JGnyoz
ほしゅ
572 :
名無しさん@ピンキー:05/02/10 23:50:14 ID:yxW+AajW
ほしゅ
リリトレあげ
3月に出る新作って子供たちの話だったのか。
DLsiteでキノ本出てるぞ。
ここでも話題になってたやつの2冊セット。
片方持ってなかったので早速買った。嬉しい。
(もう一方ダブったけど、絵がクォリティアップされてるのでよし)
うあー、メイドキノ最高ー。
ほしゅ
貧乳なのにメイドなのか。
貧乳だからメイドなんだろ?
否。
メイドだろうが猫耳だろうが、貧乳だからキノなのだ。
>>581 今年一番の名言。
次スレのテンプレ入り決定だな。
【貧乳だから】時雨沢作品総合スレ6【キノなのだ】
584 :
ベルフラウ:05/02/23 00:41:30 ID:kp7ffGkS
誰か忘れてない?
アリソンよりリリアに萌えたやつ挙手
・・・・俺はフィー派ですが。
まだリリアを確認できてない俺は負け組('A`)
>>587 どのへんが「キノの」なのかを小一日問い詰めたい。
キノがパンをちらつかせてる画像なら許してやったんだがな。
おまえ、キノいねえじゃん
594 :
茂みの中でA:05/03/06 05:44:30 ID:??? BE:43136036-
おーと。
おとこのあのあれがああいうふうにおんなのあのあれにすいこまれていって。
あれがあれだからあれはあんなにああなっていてあれがああだからあれなんであって。
あれをああするとあれがああなって。あれになるから。あれがああでああなんだな。
うん。よくわかったよきの。
・・・///エルメス・・・
どうしたの?キノ?
実況はヤメテ・・・///
どうしていつもならそれは・・・だよっていってくるのに。
595 :
茂みの中でA:05/03/06 05:46:13 ID:??? BE:38342382-
だってエルメス。
XXXがXXXXXでXXXXなのにXXXXをXXXしたらXXXXXXなんてとてもいえないよ。
いってるじゃん。
ガスッ ドカッ バキッ ガンッ ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッ
ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッ
ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッ
・・・
きのさまもうしません。
596 :
茂みの中でA:05/03/06 05:48:19 ID:??? BE:14379023-
ヤメテ本気でそんな目(?)でこっちを見るの。
はいはいあっちみてていいから。
デモ機の?
バグってるよエルメス?
え。あれおかしいな。ははははっはははは。
だめだこわれた。整備しないと。
ふいに。弾丸が飛んできた反射でかわした物の。あと一瞬遅れていたら致命傷だったろう。
597 :
茂みの中でA:05/03/06 05:49:22 ID:??? BE:23964252-
いてっ
それはエルメスのハンドルに当たった。ゴムが擦り切れる。
こげたにおいがする。
その事実に驚愕し目を向けると。そこに彼女が居た。
598 :
茂みの中でA:05/03/06 05:50:39 ID:??? BE:83874757-
長髪で妙齢の女性が。
すこしハンサムな男の上にまたがって。
XXXを一生懸命もう何R目だろう。
数えるのさえ。諦めた。
599 :
茂みの中でA:05/03/06 05:51:43 ID:??? BE:129405896-
その彼女が此方へ向けて。何発も銃弾を撃ち続けてくる。
だが第二射以降は全てエルメスのハンドルに向かっていた。
600 :
茂みの中でA:05/03/06 05:53:10 ID:??? BE:28757434-
しかたがない。
諦め。そしてエルメスから離れる。
そして。着地。しかしバランスが崩れた。
当たり前だ。もう股間は既にどろどろで。
そこに、きてのあの銃撃。
足元がおぼつかなくて当然なのだ。
601 :
茂みの中でA:05/03/06 05:54:27 ID:??? BE:83874375-
しかたなく覚悟を決め。手を上げる。銃は持ったまま。
だが相手は此方に見向きもせず。
ただ
いてっ いたた いたいよー きーのー
エルメスのハンドルを執拗に狙っていた。
602 :
茂みの中でA:05/03/06 05:56:43 ID:??? BE:43136429-
なにかが終わったのだろう。満足げに立ちあがった女性は
ごめんねといってキノの頭にピストルを突きつけた。
ぱぁん。
そう言った彼女は。
エルメスのハンドルを。握り締めて。鑢で研いでいた。
そしてどこから用意していたのかハンドルを元に戻し。
此方に促す。
603 :
茂みの中でA:05/03/06 05:58:19 ID:??? BE:38343528-
おぼつかないあしどりでエルメスにまたがると。
うしろから。動かなければあたらないたまが飛んできた。
そして今度は逃げていればあたらない弾が。
もう池ということなのだろう。アクセルを吹かす。
其のとき感じた違和感をもみ消しながら。
604 :
茂みの中でA:05/03/06 06:00:03 ID:??? BE:33550627-
師匠。良いんですか?
いっつも殺してたのに。
だってあの子はまだ子供よ。女性として殺すわけにはいかないわね。
そうですか。ま。いいですけど。
それよりも続きをやるわよ。
へぇ。まだまだ満足してないみたいですね。
なにいってんのこれからよ。
へいへぃ。
605 :
茂みの中でA:05/03/06 06:01:46 ID:??? BE:35946353-
−−−−−−−−−−!
ふいに力が緩んで転んだ。
震える手でゴムを剥ぎ取る。
そこには自分の性器にぴったりな。XXXがそびえていた。
服を脱ぐのもまどろっこしそうに。XXXをXXXに突っ込む。
銃弾が響いた。
606 :
茂みの中でA:05/03/06 06:02:15 ID:??? BE:28757243-
終わり。
あとがき。
いやーキノって本当にエロイですね。
GJ
608 :
茂みの中でA:05/03/06 23:04:12 ID:esa5ZA3i BE:76684984-
あげ。
リリトレいいね!!
田舎もんだからまだだよ(’・ω・`)ウラヤマ
>611
撲殺天使は好きだが、ここではスレ違いだろう。
もまえか。マルチで貼りまくってる馬鹿っていうのは。
613 :
名無しさん@ピンキー:05/03/15 10:10:51 ID:++w3paZ1
新作でたぞー。
新たなキャラに萌えろー。
614 :
名無しさん@ピンキー:05/03/16 14:22:42 ID:jcC9icTF
アリソンとヴィルの娘に乾杯。
どなたかベネディクト×フィオナを。
616 :
名無しさん@ピンキー:2005/03/24(木) 20:11:39 ID:MGHIgBrL
保守
保守
キノとかエイプリルフールで誰かに騙されたりしたんだろうか(;´д`)
>>618 「ナイスバディ」と言われたがあえて騙された
貧乳なのに騙されたのか。
621 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/02(土) 08:36:33 ID:i0HsmsJK
あーこちら。機動隊ロの39号。
>>620の死亡を確認しました。
頭部はすでに形を保っていませんでした。
その近所にいる貧乳少女を連れ帰れ、損害を問わず、生け捕…ぬ?
「旅人の話」は買ったか、皆?
前に話題になった、ブルマキノとスク水キノが載ってるぞ。
あと廉価版DVD5巻ジャケットを初めて見たが、エロすぎ。
そのヒップラインは犯罪ですよキノさん。
>>623 ブルマキノとスク水キノってホント?
なら買うかもしれん
>>624 まぢです。
これだけのためにでも買う価値はある。
>>625 サンクス
買うことにしたよ
キノたん(*´Д`)ハァハァ
キノって水浴びしているところを除かれても怒らなかったよな。
撃ったのは向かってきたから。
と、いうことは除き放題か・・・。
気付かれないようにこっそり息を殺して物陰から除けば…
キノたん(*´Д`)ハァハァハァハァハァハァ
ターン
;y=ー ――――――――( ゚д゚)・∵.
ぬ?
629 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 01:14:31 ID:FIjx9OxX
>>628を背後から一撃したのは一体誰なのか?
次回、その正体が明らかに!
ジャジャーン!!
>>628が狙撃される前後に飛行機が飛んでったんだけど、何か関係あるのかな?
やけにたわんだ洗濯板だな。
こんなのキノタンじゃない!
僕のキノタンはもっとつるぺt
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
なんか死屍累々だなあ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 次でボケて! |
|______|
`∧∧ ‖
(゚д゚)‖
/ づΦ
虚ろな瞳にキノSSが投稿されますた。
556 イラストに騙された名無しさん sage 2005/04/12(火) 20:43:59 ID:m8i20Hyg
キノの淫靡 Tell my Mom I've done my best
時雨駅悪一 イラスト/白星赤黒 ICBM÷8402×2075=?
窓を開けて、朝からオ○ニーにふける少女キノ。切迫した声を上げる彼女のその唇からはよ
だれが糸をひいて……。そんな彼女の前に、突如現われた謎の旅人の正体とは――。表
題作ほか全6話を収録。股間に響く待望のエロチック・ファンタジー!
ぬ?
640 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/22(金) 08:14:44 ID:zBS24ilO
超期待age
え?キノって女だったんだ?
いやほら、だって、「ボク」って言ってるし胸はぺったんk
落とし終えた俺がとりあえず一通りやってみたぜ!
んで、お前ら待望の覗き見シーン解明。
まず最初の選択肢、ここでは「2.もっとよく見てみる」を選ぶ
「1.あれはトートだ」を選ぶと射殺ルート一直線。
2を選ぶと赤の他人だと分かる
2つ目の選択肢、どうする?では「2.様子を見る」を選ぶ。
「1.覗きは良くないな」を選ぶとさらに分岐するが、先に2の方を書く。
で、2を選ぶと画面が足元の方から上へとゆっくり動いていって
水浴びシーンキタ━━(*゚д゚*)━━!!になる。
んで覗き終了。最後にキノに声を掛けられ冷たい眼差しで見られる。
最後に出る評価が下がってしまう。
1を選ぶとさらに選択肢。
「2.覗き見は良くないよな!覗き見は!」を選ぶと射殺ルート一直線。
勢い良く立ち上がっちゃって誤解されてシボン。
評価も下がる。
が、この選択でしか見れない「胸を隠しながら銃を構えるキノ」が見れるので選ぶ価値有り。
「1.誤解されないように慎重に」
これ選ぶと手を撃たれるが、死にはしない。(当たり前だが)
そして重要。ここまでの総評価(他の話含む)が高いとキノが手当てしてくれる。
それは勿論キノと接近するということなのでアップ(ズーム?)になる。
一応言っておくが、この時とっくに服を着ている。
あと、水浴びシーンの絵は逆光というか、シルエットっぽい感じなので素っ裸のキノが
そのまま拝めるわけではない。(少し影になって見難い)
以上が俺の報告。
645 :
644:2005/04/24(日) 23:46:03 ID:GFSLZp7v
何でこんなトコに書き込んでんだ俺 |||○| ̄|_
>>644 いや、お前は正しい。強いて言うなら世の中が狂ってる。
病んでいるのは世の中なのか?それとも俺たちなのか?
おそらく両方かと
>>644 何のゲーム?
もの凄くやりたいんだが
確かに俺達も世の中も両方病んでるだろう。
しかし俺達はそれを理解した上で生きていくと決めたんだろう?
そう。
もう僕達は後戻りできない道を歩き始めたんだ。
僕達はどこから来たのか?
僕達はどこへ行くのか?
行くあてのない旅を僕達は歩き続ける。無限の彼方へ。
652 :
エルメス:2005/04/26(火) 18:49:03 ID:nCiT/9PI
遙かなる赤字ってやつ?
653 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/26(火) 20:46:33 ID:Hb4+xUhF
>652
………「遥かなる旅路」?
654 :
sage:2005/04/26(火) 21:08:43 ID:VAV42/3R
最近音も似てないよ>653
>>652 例えば漏れなら、「遥かなるタヒチ」とか。
657 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 15:03:46 ID:G4Q6x1Kh
≫656
禿げになるダヴィンチ。
ぷっぷくちゃんを見るとティーを思い出すのは俺だけか?
>>658 ウェブテントネタをここでお目にかかるとは思わんかった。
ちなみにそこはかとなく同意(・∀・)ノ
SSコナーイ
661 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 02:43:49 ID:9y314IKB
そーですねー。
やっぱり書くとしたら緑のセーターとキノなんだろうな……
うぅむ、食指が動かん……ここはひとつエルメスで……
リリアとトレイズはダメか?
じゃあ、下半身裸のキn(ry
>>663 設定が出揃ってからって感じ?
そう言えば下巻出たんだっけ。
まだ買ってないや。
>>665 面白かった。感想書くとスレ違いな上にネタバレになるから言わんが
せっかくだからセーター×茶のSSを希望してみるぜ!
ネタ風味の人カムバックプリーズ
「ツンデレの国」 ―name name―
「おやすみ」
皮肉と受け取ったトレイズが、苦笑いしながら、自分の部屋に入っていく。
パタンとドアが閉まって、廊下に誰もいなくなった瞬間、
「何言ってるのよ、わたし…」
リリアはドアに背をつけ、右手を下着の中にすべらせた。
「…濡れてる」
腰をぶるっと震わせて、リリアはそう呟くとそのまま右手をうわなにするあwせdrftgyふじこlp
神が光臨したと思ったのに、チクショウー!!!
ということで続きキボン
>>668 本スレのコピペじゃねえか。中の奴は本人か?使いまわしか?
ΩΩΩ<な、なんだってー!?
もちろんアリソン&リリトレのエロもOKなんだよね?
なんかキノがイパーイだけど
674 :
カルロ:2005/05/15(日) 22:37:45 ID:F1ggZkaZ
ぜんぜん問題ねーぜ。ただ、俺のエロシーンは勘弁してくれよな。
リリアとカル男、もしくはトレイズとカルロぐらいか
まあ俺はあんま好きじゃないが首都のお偉方による陵辱とか
陵辱は萌えないよな
やっぱハートフルえっちじゃないと…
アリソンによるトレイズ逆レイプなんかはどうだろうか。
そんなものよりあとがきのエロを…
ほしゅ
680 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 16:27:07 ID:YAguxLsd
681 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 10:09:38 ID:teZdMkDo
ぴちゃぴちゃと薄闇の中に粘着質な音が、絶え間なく続いていた。
暗いベッドの上、二つの人影が重なっていた。
「…うあ、やめ…」
影の一つ、短い髪の少年、ヴィルヘルム・シュルツが弱弱しく声を発する。
「なんで…、なんでなんです?フィオナ…さん」
もう一つの影、フィオナはヴィルの呼びかけには答えず、ズボンを下げられて剥き出しになったヴィルのモノをしゃぶり続ける。
(本当に…、何でこんな事になったんだろう?)
ヴィルはアリソンと一緒に、イクス王国に住むフィオナとベネディクトの家に遊びに来ていた。
しかし、再会を喜びながらも、ヴィルはフィオナとベネディクトの態度に違和感のようなものを感じていた。家の中の空気も何かよどんでいて、体から少し力が抜けるような感覚があった。
それが、強烈な脱力感に変わって、ほとんど身動きが取れなくなったのは、夕食のしばらく後だった。
そうして、動くに動けずベッドに横たわっているところに、フィオナがやって来たのだ。
「なんで…、こんなことをするんですか…?」
もう殆どうわ言の様に、ヴィルがつぶやいた。
ぴちゃぴちゃと続いていた音が、不意に止まった。
「違うわ。私はなにもしない…。するのはあなたよ…」
顔を上げ、意味ありげに微笑んで、フィオナは言った。
682 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 10:10:34 ID:teZdMkDo
その時、ギィッという音が静寂の部屋の中に響いた。
ヴィルの視線の先、部屋のドアが開いて見慣れた顔が覗いた。
「アリ…ソン」
今の自分の姿を見られたら…。ヴィルは思わず顔を背けようとして、ふと気がついた。
ドアの向こうのアリソンの表情は妙に弱弱しい。
さらに大きくドアは開き、ヴィルはその理由を知った。
「……ヴィルぅ」
現れたアリソンは逸しまとわぬ姿で、後ろからベネディクトに支えられてようやく立っていた。
「やあ…、見ないで……」
アリソンが普段からは考えられないような小さな声で言った。
ヴィルは、アリソンの後ろに立つベネディクトの顔を必死の思いでにらみ付けた。
「どういう…ことなんです?アリソンに何をしたんです?」
ヴィルの視線を全く気にする様子もなく、ベネディクトは部屋に入ってきた。
「夕食に…、何を入れたんです?どう見たって…アリソンの様子は普通じゃない…」
ベッドの脇までやって来て、ベネディクトはヴィルを見下ろして微笑みかけた。
「とても良いお薬を少し…。アリソン君には効きすぎたみたいですが…」
そう言ってベネディクトはすこし屈みこんで、アリソンの足を抱え込む。
「それに少し誤解もあるみたいです。私は何もしていません。何かするのは私ではありません」
ベネディクトがアリソンを、股を大きく開くように抱き上げた。
「君がするんですよ。ヴィル君…」
683 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 10:11:21 ID:teZdMkDo
ヴィルは一瞬で、その意味を理解した。同じように察したのか、アリソンも首を振り必死で拒否の姿勢を見せる。
しかし、体に力が入らず、なすがままの二人には殆ど抵抗も出来なかった。
ベネディクトに抱えられて、アリソンの体がヴィルの真上に、アリソンとヴィルの秘部が触れ合うような距離に移動する。
「こんな…やだ、ヴィル…」
「……アリソン…」
もう殆ど泣きそうな顔で、二人は視線を交わす。互いの思いは、あの列車での旅行の終わり、リリアーヌの街で確かめ合っていた。
だからこそ、今の二人にはこの事態は辛いものだった。
「ベネディクトさん……」
すがるような目つきで、ヴィルが言った。
「私もフィオナも、大切な友人二人がもっと仲良くなるように願っているだけです」
ベネディクトが残酷に微笑み、フィオナが頷く。
愕然とするヴィルの前で、アリソンの体がゆっくりと下ろされた。
「ひあっ……」
ヴィルのモノがアリソンの中に入り込んでいく。身を縮めて耐えようとするアリソンの体から、不意にベネディクトは手を放した。
ズブリ!と、ヴィルのモノが一気にめり込む。急激に訪れた快感に、ヴィルの意識が一瞬、真っ白に吹っ飛ぶ。先ほどまで頭の中を占めていた混乱も、遠く彼方に吹っ飛んでいく。
684 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 10:13:07 ID:teZdMkDo
ヴィル以上に薬の効果を受けている、
アリソンの反応は更にひどかった。破瓜の痛みと、
薬によって増幅された快感が、
神経を焼き尽くすような勢いで、アリソンを襲った。
訳のわからぬまま、しかし体は快楽に反応し、
アリソンの意思を無視して痙攣したかのように腰が動く。
そこで生まれたさらなる快感と痛みが、アリソンの意識を蹂躙する。
「やあぅっ…、壊れるっ!私壊れちゃうよお!!」
未知の感覚に飲み込まれる不安感に、アリソンは髪を振り乱し叫ぶ。
凄まじい感覚の奔流に流される自分を繋ぎ止めようと、
アリソンは目の前にある唯一確かなもの、自分の最愛の人にしがみついた。
「ヴィルぅ!!ヴィルっ!!!」
弱弱しく泣き叫び自分の名を呼ぶアリソン、かつて見たことのないほどボロボロな、
一番大切な人の姿を、ヴィルは受け止めないわけにはいかなかった。
ただ、アリソンの心を少しでも慰めたくて、初めての行為の感覚で意識をぐちゃぐちゃにされながらも、ヴィルは必死でアリソンの背中を抱きしめた。
「アリソン!!アリソン!!」
互いの名を呼び合い、激しく交わる二人を見ながら、ベネディクトとフィオナは満足げに笑っていた。
685 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 10:13:47 ID:teZdMkDo
その時、ヴィルは自分の中で高まりつつある感覚に気がついた。
「…アリソン!!ダメだ!もう、射精そうで…」
二人ともその意味はわかっていた。少し正気に立ち返り、ヴィルが腰を引こうとしたその時だった。
「ダメですよ。ちゃんと膣内に出してあげないと…」
ベネディクトがアリソンの体を、ぐいとヴィルに押し付けた。
全く予想外の所からかかった圧力で押さえつけられ、生まれた刺激がアリソンとヴィルにととどめを刺した。
「うあ!射精るぅううぅ!!!」
「ひう!!きゃひぃ!!やああああああああ!!!!!」
アリソンの膣内に、ヴィルの精液が一滴ももらさず注ぎ込まれ、その感覚すらも二人の頭の中を塗りつぶしていった。
686 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 10:14:30 ID:teZdMkDo
精根尽き果て、繋がったままぐったりとしているアリソンとヴィルを横目に、フィオナとベネディクトは立ち上り、ドアに向かう。
息も絶え絶えのヴィルがその姿をぼんやりと眺める。
ドアを開きかけて、何かを思い出したようにフィオナが立ち止まり、ベッドのほうに戻ってくる。
「…フィオナ……さん?」
にこりと笑ってフィオナは、ぜえぜえと息を切らすアリソンの背中を大きくゆすった。アリソンとヴィルの繋がったままの部分に、電流のように刺激が走る。
「…ひっ!!」
それをきっかけに二人はまた腰を動かし始めた、体力などもうとっくに尽きているのに、止めることが出来ない。
「もう嫌ぁ!!」
「うああ!!!」
再び行為を始めた二人を、本当に愛しそうに眺めてから、今度こそフィオナとベネディクトは廊下に出て行った。
部屋の中には、止まる事の許されない行為を強いられた二人だけが残された。
リアルタイム遭遇神きたあああああああああ
メイキング・オブ・リリアーヌか・・・
これがトラウマとなったヴィルは
身重のアリソンを残してスーベーイルへと逃亡するのでした
キノが黒木と岩本を嬲り倒す
691 :
581:2005/05/29(日) 10:49:05 ID:2F9YpwTX
昨日の駄文を残していったものです。
書き込んですぐに、逃げるようにパソコンの前から姿を消しました。
エロパロなんてはじめて書きましたから…。
…実際、どうだったでしょうか?
>691
漏れはアリソン1巻しか読んでないのだが、十分楽しめました。
激しくGJだと思います。
私的には、シチュと表現がツボ。是非キノ物も書いて欲しく存じます。
安ホテルの部屋より狭い。
あちらこちらペンキが剥げて錆が浮いた鉄板の壁。天井にはパイプが走る。
汚れた丸窓が一つにまるで短歌のような二段ベッド、
むき出しのトイレが一つ。
「むき出しのトイレが一つ」・・・?
・・・(´Д`*)
リリアがカルロ(ラ)を女だと認識した上でキスしたり抱きついたりしていた件について。
気付いてたのか
699 :
581:2005/06/03(金) 21:20:04 ID:t2Jrnxjq
懲りもせず、またしても駄文を投下します。
…ごめんね。
700 :
581:2005/06/03(金) 21:20:53 ID:t2Jrnxjq
大きく開け放たれた窓から、爽やかな風が吹き込んでいた。
首都のアパートの最上階、その一室からすーすーと安らかな寝息が聞こえていた。
長い金髪をそこらに撒き散らして、幸せそうに眠りこけているのはアリソン・シュルツ、ロクシェの空軍のエースパイロットだ。
アリソンの眠るベッドの端に腰掛けて、その寝顔を静かに眺めているのはトラヴァス少佐、スー・ベー・イルの駐在武官でアリソンの恋人、実はその正体はアリソンの幼馴染みヴィルヘルム・シュルツである。
「よく眠ってる」
トラヴァスが呟く。
以前から楽しみにしていた今日のデート、はしゃぐだけはしゃいで疲れたアリソンはトラヴァスに家まで送ってもらって、そのまま眠りこけてしまった。
「もっと色々話したかったけど…」
それはそれで、幸せそうにトラヴァスは笑う。
ヴィルが見ている目の前で、アリソンが大きく寝返りをうち始めた。
アリソンの寝相はすこぶる悪い。ぶつけられないうちにベッドの上から逃げようとしたトラヴァスだったが、突如上半身を起こして自分のほうに向かってくるアリソンをかわしきれなかった。
そのままベッドの上で、トラヴァスはアリソンの体の下敷きになった。
「……んん、ヴィルぅ〜?」
「アリソン、ちょっと重い」
トラヴァスの言葉を聞いて、アリソンは少し動きを止めてから、
「……好きぃ〜……」
「寝ぼけてる、寝ぼけてる」
苦笑しながら、トラヴァスはアリソンの体をどけようとする。
701 :
581:2005/06/03(金) 21:22:12 ID:t2Jrnxjq
「寝ぼけてる、寝ぼけてる」
苦笑しながら、トラヴァスはアリソンの体をどけようとする。
「…そーゆーことをいってるんじゃないのぉ…」
トラヴァスの体の上からどかされながら、アリソンはごにょごにょと喋り続ける。
「ふつーだんじょがいっしょにくらそーといえば…むにゃむにゃ……とかかんがえないのヴィルっていったいなにかんがえてるの…」
トラヴァスの手が止まる。なんだか聞き覚えがある言葉だった。
「…わたしのこと…どーおもってるかってことよ……」
「これって……」
ずっと以前、大陸横断列車の旅で事件に巻きこまれて、偶然行くことになったリリアーヌの町、その教会でトラヴァスがアリソンに言われたことそのままだった。
あの頃も、トラヴァスはアリソンのことは好きだった。
「でも、僕は鈍くって…。大好きだったのに、そんなふうに考えることが出来なくて…」
アリソンに言われて、アリソンの気持ちを知って、同時にトラヴァスは自分の気持ちを知った。
自分で思ってるより、ずっとアリソンが好きなんだと気がつかされた。自分はアリソンを愛してるんだと。
702 :
581:2005/06/03(金) 21:22:59 ID:t2Jrnxjq
「……そんなこと…じゃなくて……」
なおも寝ぼけるアリソンを、トラヴァスはじっと見ていた。
「アリソンは、変わらないな。本当に変わってない…」
確かにアリソンは、あの頃とは変わっている。今でも本当に若々しいけれど、年を重ねた分だけの外見の変化がある。
でもその一方で、無軌道で勇気いっぱいの行動も、底なしの元気も、最悪な寝相も、何にも変わらずにいる。何にも変わらずにトラヴァスを、ヴィルを好きでいてくれる。
嬉しそうに微笑んで、トラヴァスは決めた。
「…ねえアリソン、キスしていい?」
アリソンが言うよりも早く、アリソンが言うはずの言葉を言った。
そう言った瞬間に、トラヴァスの心はあの頃の自分、ヴィルヘルム・シュルツに立ち返っていた。
「……えっ?えっ?ヴィルぅ?ウソ?…」
混乱するアリソンを抱き起こして、ヴィルはその体を抱き寄せてキスをした。
「……ん、んむ、ぷはぁ……」
「アリソン…、大好きだよ。愛してる」
寝ぼけたまま、ぽーっとしてるアリソンの体を横たえて、今度はヴィルが上に覆い被さる。
703 :
581:2005/06/03(金) 21:23:51 ID:t2Jrnxjq
「……ヴィル…、ほんとにわたしがすきって……、ひゃんっ」
ヴィルは素早く、アリソンの服の中に手を滑り込ませていた。そのまま、アリソンの上着も下着もまとめてたくし上げる。柔らかいその乳房を、ゆっくり優しく揉み解す。
「うん、僕はアリソンが大好きだ。誰よりも、何よりも僕はアリソンのことが大好きだ」
「…ひゃぅ…ヴィル…それ……」
ヴィルの指が、アリソンの乳首をつまんで転がす。刺激を与えられる度に、アリソンの体がピクンッピクンッと反応する。
「うあぅ…ひあっ…」
さらにヴィルはアリソンのショーツの中にも手を進入させる。すでにじっとりと湿っている秘部に指を入れて、中をかきまわしてやる。あたたかい蜜がヴィルの指にねっとりと絡みつく。
「…ねえ、ヴィル…すき…なのよ…ね……わたしのことすきなのよね…ひうっ…」
「アリソン…、僕を信じて…」
ヴィルはアリソンへの責めをクリトリスへと切り替える。絶え間なく与えられる快感にアリソンはヴィルにしがみついてきた。アリソンが快感にブルッと身を震わせるごとに、その感触がヴィルにも伝わる。
704 :
581:2005/06/03(金) 21:24:54 ID:t2Jrnxjq
乳首を舌でもてあそばれ、秘部を指でまさぐられ、その度に震えるアリソンの体がヴィルには愛しくてたまらなかった。
「アリソン、好きだよ…。アリソンは昔から僕に勇気をくれるような…」
「…ヴィル…ひあっ…だからそーじゃな…くて…」
ヴィルは首を振る。
「本当だよ。僕はずっとアリソンに勇気をもらってきた。アリソンのやることを見て、一緒に冒険をして、僕一人じゃ出来なかったことをいっぱいした。
そうやって、アリソンと一緒にいるのが楽しくて、嬉しくて…。それで、ずっとアリソンだけを見てたんだ。そうやって好きになっていったんだ。」
「……ヴィル……」
ヴィルは両手をアリソンの背中にまわし、ぎゅっと抱きしめて、耳元でささやいた。
「大好きだよ、アリソン」
705 :
581:2005/06/03(金) 21:25:39 ID:t2Jrnxjq
寝間着のズボンとショーツを脱がし、ヴィルはアリソンの秘部に自分のモノをあてがった。
「いくよ、アリソン…」
「…うん」
そう言ったのを合図に、ヴィルのモノがアリソンの中にゆっくりと入り込んでいく。
ヴィルを受け入れながら、アリソンの体は何かに身構えるように震えて縮まっていた。
(そうか…。昔に戻ってる今のアリソンにとって、これは初体験と同じなんだ。)
「アリソン、大丈夫?」
「……へーき、なん…だか、あんまり…いたくない…」
「うん。でも、無理しないで…」
そう言ってから、ヴィルは腰を動かし始める。あくまでゆっくりと、優しく、アリソンを気遣うように慎重に動かす。
「…うあ、やあ…あっ…あん…」
段々とアリソンの顔が上気して、あえぎ声が漏れる。
アリソンの反応を確認してから、ヴィルは動かすスピードを徐々に早めていく。
「…ひあっ…あはっ!…あっあっ…ひゃあん!…」
動きが激しくなるにつれて、アリソンは縮めていた体を動かし始める。ヴィルにひときわ深く突き入れられて、アリソンが背中を仰け反らせると一緒に長い金髪も浮き上がり、辺りに撒き散らされる。
706 :
581:2005/06/03(金) 21:26:21 ID:t2Jrnxjq
それを見て、ヴィルがため息を漏らす。
「綺麗だよ、アリソン。本当に綺麗だ」
「…ヴィル…うれし…ひぅっ……」
やがてヴィルの動きは、クライマックスに向けて激しさを増していく。
「…あっ…あっあっ!…すご…ヴィル…きもちいい、きもちいいよぉ!…ひゃうっ!……」
アリソンの声も徐々に大きくなっていく。ヴィルは自分も限界に達しようとしているのに気がついた。
「アリソン、そろそろいくよ!」
「…ヴィル、きてえぇ!…」
アリソンはヴィルの体を強く抱きしめ、ヴィルが今までで一番強く突き入れる。
「…うあっ!あん!あっあっああああああぁ!あああぁ!〜〜〜あああああぁ!!!…」
絶頂に達したアリソンは、そのままくてんとヴィルにもたれかかった。
707 :
581:2005/06/03(金) 21:27:14 ID:t2Jrnxjq
「…変態だ。僕はとんでもない変態だ…」
アリソンのベッドの端に座って、トラヴァスは激しい自己嫌悪に駆られていた。
「いくらなんでも、眠ってる相手にあんなことをするなんて…」
アリソンは服を着替えさせられて、トラヴァスの横ですやすやと寝ていた。
その顔は金髪で半分隠れて、ともするとあの頃の、十代のアリソンのようにも見える。
「昔はこんなふうじゃなかったのに、僕は…」
そう言ってため息をついたトラヴァスは、アリソンの顔にかかった金髪をそっと払い、その幸せそうな寝顔にしばし見入る。
「本当に、変わらないな…アリソンは…」
自分は変わってしまったと、トラヴァスは思う。年をとり、国家の裏方の仕事をこなす中でものの見方も変わってきたかも知れない。……変態になったし…。
でも、それはアリソンも同じじゃないのか?
(アリソンだって変わっているはずなのに、どうして僕は変わってないと感じられるんだろう?)
そう考えながらも、トラヴァスは知っていた。アリソンが変わってないと感じるわけを…。
708 :
581:2005/06/03(金) 21:28:06 ID:t2Jrnxjq
それは簡単なことだった。アリソンは持っているのだ。あの頃から変わらないものを、たった一つだけ…。
トラヴァスは、ふとそれを確かめてみたくなった。
眠るアリソンの耳元に顔を近づけ、そっとささやく。
「ねえアリソン、僕のこと好き?」
アリソンはこっくりとうなずく。
「ずっと一緒にいてくれる?」
「…………うん…」
それを最後に本当に深い眠りに落ちようとするアリソンに、トラヴァスは自分の変わらないものを告げた。
「心から愛してるよ、アリソン」
709 :
581:2005/06/03(金) 21:30:40 ID:t2Jrnxjq
またしても駄目っぽかったですが、感想等ありましたら聞かせてください。
それでは…。
gj!
GJすぎです先輩・・・!
リリアのエロ画像まだー?
713 :
581:2005/06/09(木) 21:48:41 ID:Hsr9v5mm
3度目の駄文投下
みんな「こいつはいい加減懲りないのか」と思ってるかもしれませんが…
今度はキノさんを酷い感じに
714 :
581:2005/06/09(木) 21:48:51 ID:Hsr9v5mm
3度目の駄文投下
みんな「こいつはいい加減懲りないのか」と思ってるかもしれませんが…
今度はキノさんを酷い感じに
715 :
581:2005/06/09(木) 21:49:34 ID:Hsr9v5mm
ってなんかミスってる。
ごめんなさい
716 :
581:2005/06/09(木) 21:50:37 ID:Hsr9v5mm
晴れ渡った空の下、流れる景色を眺めながら、キノは電車に揺られていた。
相棒のモトラド、エルメスは修理に出されている。
移動手段のなくなったキノは、今日一日はこの国の交通機関の中でも最も発達している列車を利用することに決めたのだ。
通勤ラッシュはとっくに過ぎ、車内に客はまばらである。
窓からの暖かい日差しを浴びて、キノはのんびりとくつろいでいた。
「降りるのは次の駅かな…」
路線図を確認して、切符をなくしてないか確かめる。
「よし」
そうして、また窓の外に目を向ける。
それからまもなく、線路の先に次の駅が見えてきた。
列車から降りるため立ち上がったキノは、そこで異様な光景を目にすることになった。
ラッシュを外れているはずなのに、駅のホームはびっしりと人で溢れかえっている。
いや、たとえラッシュ時でもこれほどの人数がいるものだろうか。
「こんなのじゃ降りられるのかな?」
キノがそう呟いているうちに、列車は停止する。
キノは人ごみにもみくちゃにされる覚悟を決めてドアの前に立った。
プシューッと言う音と共にドアが開き、キノはホームに出ようとして押し戻された。
717 :
581:2005/06/09(木) 21:52:03 ID:Hsr9v5mm
プシューッと言う音と共にドアが開き、キノはホームに出ようとして押し戻された。
「うわっ!」
キノが降りるのを待たずに、ホームからどっと人が流れ込む。
たちまちキノは人の流れに巻き込まれて、車両の奥へと追いやられる。
「すいません、この駅で降りるんです。どいてください」
キノが叫んでも、人の波は止まらない。
「押しつぶされそうだ…」
次々と乗り込んでくる乗客に圧迫され、キノがそんなことを呟いたとき、どこかでボキッと骨の折れるような音がした。
「えっ!?」
驚くキノの目の前で、一人の男がつまずいた。
もがく男を、次から次へと乗り込んでくる客が押しつぶし、踏みつけていく。
男が踏まれるたびに、グギッとかバキッといった音がして、やがて男はピクリともしなくなった。
乗客はさらに車内に入ってくる。それに合わせるように、あたりでミシッとか、ゴキッといった音がし始めて、キノは呆然とする。
「なんだこれ…?」
718 :
581:2005/06/09(木) 21:53:04 ID:Hsr9v5mm
それでもドアへと進もうとしたキノは、前からぶつかってきた男と目が合った。
言葉を失った。
その目つきは人間の物とは思えないほどに空虚で、眼前にいるキノを捉えていないように見えた。
発車のベルが鳴り、キノは我に帰った。慌てて前に進もうとしたが、時すでに遅くドアが閉まる。
ホームにはまだ大勢の人間が残されており、ドアが閉まっても列車の方に押し寄せてくる。
窓にべったりと張り付いた彼らは、一様にキノが見た男と同じ目をしていた。
ガタンと列車がホームから滑り出す。
窓の外の人間たちは列車に追いすがるように併走し、ホームの端っこからも飛び出して、何人かが列車の車輪に巻き込まれた。
また、何人かは列車の外装の金具に引っ掛けられ、列車に引っ張られて線路脇の電柱にぶつかり、窓ガラスに血しぶきを散らした。
どこかでガラスの割れる音がして、悲鳴が聞こえたような気がした。
その様子をキノは呆然としながら、乗客たちの間から僅かに見える窓から見ていた。
その時、キノは自分のお尻を触る何者かの手の感触を感じた。
(痴漢?こんなときに…?)
異様な光景から、現実に引き戻される。
手首の一つも捻ってやろうと、キノが腕をつかむと、今度は逆にキノの腕が捕まれる。
その手を振り払おうとキノが腕に力をこめようとすると、それより早くさらに別の手がキノの腕をつかんだ。
719 :
581:2005/06/09(木) 21:54:07 ID:Hsr9v5mm
「くそ!?」
そう言った瞬間には、もう一本の腕もつかまれていた。
(何?)
すると今度は別の手が、キノの胸を触ってくる。
「ひゃうっ!?」
キノが反応してピクンと跳ねた体を、また誰かの腕が押さえつける。
気がつけば両腕はいくつもの手によって、四方八方から押さえつけられていた。
身を翻して振り払いたいが、ギュウギュウと乗客たちの体に押さえつけられてままならない。
太ももを誰かが掴んだ。お尻を触る手はいつの間にか5つに増えていた。首筋を撫でられた。
腹を触られた。貧弱な胸を鷲掴みにしようとする手が、代わる代わるにやってくる。信じ難いことに、足首を掴む手もあった。
視界は乗客たちに遮られて、自分の体がどうなっているのかを確認することもできない。
無数の乗客に自由を奪われ、体中を触られながら、キノは事態の異常さを悟った。
「こんな…やめっ…ふあっ!?」
何者かがキノの股の内側に手を伸ばし、キノの一番大事な部分をズボンの上から執拗に撫で回し始めた。
720 :
581:2005/06/09(木) 21:55:01 ID:Hsr9v5mm
「くぅっ…」
誰とも知れない指が秘部を触る不気味な感触に、キノは身を縮めるようにして耐える。
ぶるぶると体を震わせるキノをあざ笑うように、今度はお尻を触っていた手の一本が後ろからキノの股間に手を突っ込む。
「…やあ、やめ!…ひうっ…ああぁっ!」
もう一本の腕とは対照的にかなり乱暴にキノの秘部をまさぐる。
ズボンの布地越しに割れ目に指を突き入れるかのようにして、キノに激烈な性感を与える。
その間にもキノの体をもてあそぶ腕は徐々に数を増やしていく。
(…はやく…逃げないと…でも、どうやって……?)
すし詰め状態の車内では、パースエイダーも、ナイフも、格闘術も、キノの持つ技術も武器も一つとして役に立ちそうになかった。
(…そうだ、次の駅…次の駅でなんとか抜け出して…)
幸いドアからもそんなに遠い位置ではない。ドアが開けば、この圧迫された状態も少しは緩むはずだ。
脱出の算段を巡らせるキノは、しかしまたしても襲ってきた異様な感覚に思考を中断させられた。
721 :
581:2005/06/09(木) 21:55:49 ID:Hsr9v5mm
「うあっ…何?…やあ!?」
無数の腕にもみくちゃにされて、いつのまにかシャツははだけていた。
そのあらゆる隙間から乗客たちの手が侵入を始めたのだ。
今までは布地越しに触られていた部分を、今度は直に刺激される。
「………っ!!?」
ぞわぞわと全身を駆け巡る感覚に、キノは声を発することもできない。
乳首をつまんだ指に力がこめられるたびにキノの体がビクンと波打つ。腰の、ほとんどお尻に近い部分を誰かが舌で嘗め回し始めた。
「…はやく、はやく次の駅へ…逃げなきゃ……」
脱出について考えることで、キノはなんとか自分の正気を保とうとする。
乗客たちの合間に、まだドアは見えていた。
しかし、停車駅を必死の思いで待ち望むキノは、間その外に信じられないものを見ることになった。
猛スピードで駆け抜ける窓の外に、停車するはずの駅のホームが流れていった。
「…うそだ……」
呆然とするキノの視界から駅のホームが消えて、キノは悟った。
(この列車は……、停まらない!?)
722 :
581:2005/06/09(木) 21:56:57 ID:Hsr9v5mm
絶望感がキノの体から、心から、力を奪っていく。
茫然自失のキノの心は、次の瞬間には電流のような感覚によって現実に引き戻される。
いつの間にか、乗客たちの手はズボンの中、下着の内側にまで入り込んできていた。
「そんなとこ、やめ…っ!ひぁあああぁん!!」
前から後ろから、あわせて3つの手が性器を弄り回す。
「……ぅああっ、やめっ!…そんな…」
ぶんぶんと首を振るキノを無視して、三つの手はそれぞれにキノの膣内へと進入を始める。
「…………っ!!だめぇ!ひあっ!?」
膣内はすでにねっとりと湿り気を帯び始めていた。三つの指が思い思いにかき回し、ヌチャヌチャと淫靡な音をたてる。
(…そんなうそだ…ボクは感じてなんか……)
しかし、膣内を指が動き回るごとに、幼い胸を荒く揉まれるごとに、体中で蠢く手の平が行き来するごとに、キノの体は反応し、呼吸は荒くなる。
「…やめろぉ……こんな……いやだ…いやだよ……」
否定の言葉を発するキノの声は、だんだんと力ないものになっていった。
723 :
581:2005/06/09(木) 21:58:06 ID:Hsr9v5mm
なすがままに全身を愛撫されるキノの瞳から、光が無くなっていく。
確実に抵抗する力を失っていくキノの体を、とどめとばかりに3本の指が突き上げた。
「…っうあああああああぁ!!?」
ギリギリまで追い詰められていたキノの肉体は、簡単に絶頂へと登り詰めた。
(……そんな…ボクは…イかされた?)
キノの体から最後の力が抜け落ちて、ぐったりとなった体は無数の腕と、乗客の体に支えられる。
キノが完全に無抵抗になったのを確認して、前後左右から伸びてきた腕がキノの服を剥ぎ取り始める。
「……もうやめ……ボクはもう…こんな……」
コートが、パースエイダーが、ホルスターが、シャツが、ズボンが、体中に仕込んだナイフが次々と奪われて、乗客たちの向こうに消えていく。
どんどん無力になっていく自分を、キノは呆然と見ているしかできなかった。
最後の一本のナイフで下着を乱暴に切り裂かれ、キノは靴だけを履いて丸裸にされた。
「……うぅ、…こんな…うそだ……うそだよ……」
724 :
581:2005/06/09(木) 21:58:48 ID:Hsr9v5mm
自分に言い聞かせる様につぶやくキノの周りのいたるところで、ジーッ、ジーッという音がし始めた。
「……何?…」
わけがわからず辺りを見回すキノの眼前に、赤黒い肉茎が突き出される。
「…えっ!?」
そこかしこで、ジーッとファスナーを開ける音が響き、いつのまにかキノは何十本もの肉茎に囲まれていた。
「…ひっ!?」
一本の肉茎がキノの顔に押し付けられる。さらに何本かがキノの顔に押し付けられ、ついにそのうち一本がキノの口の中に侵入した。
「やあっ!?…ん…、んむぅ…」
それを合図に、無数の肉茎がキノに押し寄せる。
あるものはキノのほっそりした足にこすりつけられ、あるものは拒むように突き出されたキノの手の平の指の隙間を犯していく。
キノの背中にぐりぐりと亀頭が押し付けられ、柔らかな腹を何本もの肉茎が圧迫する。
その間にも、無数の手の平が同時にキノの体中を愛撫し、キノの思考力を奪う。
725 :
581:2005/06/09(木) 21:59:54 ID:Hsr9v5mm
(…もう…わけがわからない…)
混沌の海へと堕ちていこうとするキノの意識は、しかし、唐突に現実に引き戻された。
キノの秘部の入り口に、ひときわ太い肉茎があてがわれたのだ。
「…そんな…それだけはやめっ…!!!!」
くわえさせられていたモノをなんとか引き離して、キノが叫ぶ。
しかし、キノの哀願を無視して、肉茎は一気に奥まで突き入れられた。
「うわぁああああああああぁああぁ!!!!」
破瓜の引き裂くような痛みがキノを襲う。
「…くあっ!そんな…動かさないで……あひぃっ!!?」
必死で痛みに耐えるキノの体を、今度は別の衝撃が襲う。
股間に伸びた手の一本がクリトリスをつまみ、捻り上げたのだ。背骨を突き抜けるような快感に襲われ、キノの体が仰け反る。
快感の余韻が消え去るより早く、再び強く突き上げられて、キノはまた痛みに震える。
交互に押し寄せる痛みと快楽はいつしか渾然一体となり、キノは突き上げられる苦痛の中に快感を感じ始めていた。
全身をくまなく愛撫する無数の手と、肉茎の感触とともに、キノが許容できる量を超えた性感を与える。
(…なに…こんな……ボク…気持ちよくなってきてる?…)
726 :
581:2005/06/09(木) 22:01:40 ID:Hsr9v5mm
いつしか、キノは自ら腰を使っていた。自分の膣内をえぐられ、蹂躙される快感に、キノは身を任せ始めていた。
「……ひうっ!…うぁああぁ……気持ちいい…やぁぅ…気持ち良いよぉ…」
そんなキノの変化に対応するように、キノの周りを囲む無数の手が、肉茎が、キノの秘部を攻め続けるピストン運動が、その激しさを増していく。
「…やあっ!…ひゃうっ!?あっ!あああぁん!!…いやぁ!…うあああぁあ!!!」
もはや言葉を発することも出来ず、キノは嬌声を上げるばかりになった。
(……ああっ…もうこれ以上は……)
激しすぎる快感にキノの理性は焼ききられていく。体はもはやキノの手を離れ、快感を求めて動くばかりになっていた。
「………っ!?いやああぁああっ!!!」
キノの秘部をえぐる動きがさらにスピードを増して、キノを一気に高みへと押し上げる。
そして、ついにキノは限界を迎えた。
「…イクッ!イっちゃう!…ボクもう…ふああああああぁああぁぁぁっっ!!!!!!」
キノが絶頂に達するのと同時に、キノの体を蹂躙する何十本もの肉茎がキノめがけて発射した。
顔を、胸を、足を、背中を、腹を、手の平を、そして膣内を白濁した液が埋め尽くし、満たしていく。
「………っ…うあ…ああぁ……もう…こんな…いやぁ…」
全身をくまなく汚されたキノは、絶頂の余韻の残る体を震わせながら、殆どうわ言のように呟いた。
727 :
581:2005/06/09(木) 22:02:22 ID:Hsr9v5mm
部屋に戻ったシズが最初に見たのは、ティーにすがり付いて嗚咽を漏らすキノの姿だった。
自分よりずっと年上の人間に泣きつかれて、ティーはどうしていいかわからず困惑しているようだった。
助けを求めるように視線を送ってきたティーにうなづいて、シズは自分の方へキノの体を抱き寄せた。
「……出してぇ…ここから出してよぉ…もう…ひっく……もう許してぇ…」
「大丈夫だ!!キノさん!もう大丈夫なんだ!もう安心していいんだ!!」
シズが必死で叫び、キノの震える背中を抱き締めてやる。
「…キノさん、もうここにはキノさんに乱暴を働くような人間はいない。もう大丈夫なんだ」
「シズ…さん」
キノは今はじめて気づいたという感じで、キノを心配そうに見つめるシズ、ティー、陸の顔を順に眺める。
「…エルメスは?」
「修理屋から引き取ってあるよ。明日、一緒に出国しよう…」
「……本当にもう大丈夫なんですね?」
「そうだ。もう、安心していいんだ」
シズの言葉を聞いて、ようやく安心したような表情を見せて、泣き疲れたキノは眠りに落ちていった。
728 :
581:2005/06/09(木) 22:03:31 ID:Hsr9v5mm
「これが…あのキノさんなのか?」
シズが暗い表情でつぶやいた。
弱弱しく震えるキノの姿は、二度にわたってシズを打ち負かし、二度もシズの命を救ったあの少女のものとは思えなかった。
10時間にわたって、乗客を満載したまま暴走を続けた列車が停止したとき、シズはその場に居合わせた。
野次馬と警官隊がひしめいてどよめく中、車内から虚ろな目をした乗客たちが現れ、蜘蛛の子を散らすように辺りに散らばっていった。
わけがわからず見ていると、車内から運び出された担架の上に、シズは見覚えのある顔を見つけた。
精液にまみれ、痛めつけられ、ぼろぼろな姿のその少女がキノだった。
警察に掛け合って、キノを引き取ったのが今日の夕方だった。
「シズ様、明日出国というのは早すぎませんか?キノさんの体力はまだ…」
言いにくそうに告げる陸に、シズは首を振って答えた。
「この国は危険だ。なるべく早く出たほうが良い」
「どういうことです?」
729 :
581:2005/06/09(木) 22:04:13 ID:Hsr9v5mm
「…どうもな、こういう事件はこれで初めてというわけじゃないらしいんだ。
この国では数年前から、あの乗客たちのようになってしまう人間が増えていたらしい。
これほど大きな事件はこれまで無かったそうだが…。刑事たちに言われたよ。
『この国は狂い始めてる。タガがはずれてしまったんだ。早く逃げたほうがいい』って……」
「…そうですか」
シズは寝息をたてるキノの髪をそっと撫でた。隣ではキノを心配したティーが寄り添って眠っている。
「だから、明日はなるべく早く起きて、出発しよう。後のことは国を出てから考えればいい」
そう言ってシズは窓の外に目をやって、違和感に気がついた。
「…外が騒がしい」
窓を開けると、遠くに何百、何千、何万もの虚ろな目をした群衆がひしめき、たまたま居合わせた不幸な人間を叩きのめしたり、陵辱したりしていた。
「シズ様……」
愕然とするシズに陸が気遣うように声をかける。シズは黙り込んだまま窓に背を向けた。
(……逃げ切れるのか?)
ティーを起こし、キノの体を担ぎ上げながら、シズはこれから始まる脱出が、気の遠くなるほど絶望的なものになることを予感していた。
730 :
581:2005/06/09(木) 22:06:23 ID:Hsr9v5mm
という訳で、エロどころか何か変なホラーみたいになっちゃいました。
感想等あったら、お願いします。
乙(;´Д`)ハァハァさせてもらいますた
いいねー。
タイトルは「たまたま居合わせた人」なんてどう?
733 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 03:58:03 ID:qmtstkcl
ここでタガの外れたキノがタガの外れた人たちをシズの用意した武器で大虐殺して心の傷を克服するわけですね!
片手にショットガン、片手にマシンガンを構え、容赦無くぶっぱなし進路を作るキノ。
バギーにバルカン砲やらバズーカやらを満載し、ティーに運転を任せて撃ち捲るシズ。
それでも無表情なティー。
吠える陸。
勇敢だ!かっこいいぜ!進めキノ小隊!
とまぁ無理な注文を付けてみるテスト
個人的に弱いキノを見たくないので。
だけど、ティーにはバギーの運転はできなかった。
ガードレールにつっこんで、キノたちは宙に舞う。
「なんか、またトラウマになりそうです。シズさん…」
「すまない、キノさん」
シズが運転して無表情で打ちまくるティーの方が良い。
むしろ陸に運転させて刀をぶんまわすティー
何だかよくわからんがホッシュ
今週は581来ないの?
740 :
581:2005/06/24(金) 21:25:25 ID:ftpFR0iy
4度目の駄文投下です。申し訳ありません。
キノさんです。
本番無し、長い、エロ比率低め、なんだか怒られてもしょうがない気がします。
741 :
581:2005/06/24(金) 21:26:14 ID:ftpFR0iy
「どうしたもんだろう。まったく…」
とある国の、午後の光の差し込む明るい部屋の真ん中で、キノは溜め息をついた。浮かない顔でキノは首を振る。その格好はいつものコート姿ではなかった。
今、キノが身にまとっているのは、純白の、いくつもの飾りのついた、おそらくは上等な、ウェディングドレスだった。
「こんな国に入国するんじゃなかった」
ぼやきながら、キノは今朝のことを思い出す。
どんな旅人も旅を終えて定住してしまう、そういう触れ込みを聞いてキノはこの国にやって来た。
国はそれ自体が一つの巨大な建物だった。それは、幾度も増改築を繰り返したためかいびつな形をしていて、正直キノは定住したいと思う理由がわからなかった。
豪華な内装の部屋で入国審査を受け、国の中に一歩踏み込んだ瞬間には、キノは包囲されていた。
恐らくはこの国の国民であろう人々が、入国したばかりのキノを取り囲み、キノの顔をまじまじと見つめ、最初に口にした言葉が
「こりゃあ、なんとも可愛い花嫁さんだ」
「…はい?」
周囲で同意の声が上がり、呆然とするキノをこの部屋まで連れて来て、あっという間にウェディングドレスに着替えさせてしまった。
そして、結婚式は夜の7時からだと告げられて、キノはエルメスと共にこの部屋に残されてしまった。
742 :
581:2005/06/24(金) 21:27:17 ID:ftpFR0iy
「一体どういうつもりなんだろう?」
今日この国にやって来たばかりの自分が、何で見知らぬ男の花嫁にならないといけないのか?
理由はわからないが付き合ってやる義理は無い。いざとなったら力づくでも…。
キノはそう思い、露骨な拒否の意思表示の意味もこめて、パースエイダーを装備していくことに決めた。
「でも勿体無いよ、キノ。折角キレイなのに…」
エルメスの言葉にキノの手が止まる。
「エルメス、そんなこと言ってる場合じゃ…」
「でも、今のキノほんとにキレイなんだよ。鏡を見てみなよ」
鏡なんて着替えるときにいくらでも見ていた。何を今更、と思いながらキノは鏡を見て、驚いた。
「ねっ、言ったとおりでしょ。いつもの味気ない格好と違って女の子らしいし」
鏡の中に映った黒髪の少女は、確かに美しかった。それこそ、キノがしばらくの間、ソレが自分であると受け入れられないほどに。
「…これが、ボク?」
キノは呆然と、鏡の中の自分の姿を見つめ続けた。
結婚式の直前、花婿に引き合わされたキノは、またも愕然とさせられた。
「…キノさんだよね。間違いなくキノさんだ。私のこと憶えてるかい。今度こそ私の名前忘れてないよね」
「…はい。シズさん」
743 :
581:2005/06/24(金) 21:28:05 ID:ftpFR0iy
純白の衣装に身を包んだ花婿は、間違いなくシズだった。キノと同じく逃げ出すつもりなのか、腰にはいつもの刀を吊るしている。
「えらいことになったな…」
「ええ、お互いに…」
並んで式場への廊下を歩く二人の表情はさえない。二人を案内する男に気付かれぬように、二人は小声で言葉を交わす。
「でも、シズさんがいてくれて助かります。脱出するときには当てにしてかまいませんよね?」
「ああ、こっちも頼りにしてるよ。キノさん」
やがて、二人は式場の大きな扉の前にたどり着く。
「いよいよか。……ところでキノさん、そういう格好もなかなか似合うね」
シズが唐突に言って、キノが顔を赤らめる。
「な、何を言って…」
シズはキノの言葉には答えず、視線を前方の扉に向ける。二人の目の前で、扉は大きく開け放たれた。
『新郎新婦の入場です』
怒涛のような歓声が二人を迎える。恐ろしく広い式場の中を恐ろしい数の人間が満たしていた。奥の方には陸や着飾ったティー、エルメスの姿もあった。
744 :
581:2005/06/24(金) 21:28:47 ID:ftpFR0iy
「さあどうぞお進みください、花婿さんに花嫁さん」
一番奥にある壇の上から、真っ白なローブに金の飾りを身につけた男が二人を手招く。シズとキノはためらいながらも式場へと足を踏み入れた。
促されるままに式場の奥へと足を進める二人に、人々から祝福の言葉が送られる。壇の前にたどり着いた二人に白いローブの男が微笑みかける。
「おめでとう、お二人とも。祝福しますよ」
そう言って男は二人に向けて手を伸ばす。
その手にパースエイダーのようなものが握られていることにシズが気付くのと、キノの放った弾丸がそれを男の手から弾き飛ばしたのは、ほとんど同時だった。
「どういうつもりですか…」
カノンを男に向けたまま、キノが問う。男は困ったような顔で首を振り、弁解した。
「あの、誤解してらっしゃいませんか?さっきのアレ、パースエイダーか何かと見間違えていませんか?」
「それじゃあ一体アレは何なんだ?」
シズが男を睨み付ける。緊迫した空気が流れる中、壇上の男も、会場に集まった人々も笑顔を崩そうとはしない。
「やっぱりこうなりますか。仕方ありませんね…」
男がもう一度首を振って、パチンと指を弾く。それと同時に、キノとシズの体を電流のような感覚が襲った。
745 :
581:2005/06/24(金) 21:30:11 ID:ftpFR0iy
「…っ!?えっ?うわぁ!!?」
「なんだ!?」
キノの体がブルブルと震え、膝から崩れ落ちて、その場にへたり込んだ。
シズはわなわなと震える自分の手の平を忌々しげに見つめて、再び男を睨み付ける。
「驚きました?それね、お二人の服の方に細工をいたしまして、
電気的な刺激で神経に働きかけて、性感を増大させる仕掛けになってまして」
得意げに笑う男が指をもう一度弾くと、今度は会場中の人間が先ほどのパースエイダーのようなものを懐から取り出した。
「さっきも言いましたが、これはパースエイダーじゃありません。強力な催淫効果のある薬を塗った針を飛ばす装置なんですよ」
男の説明を聞き流しながら、シズは心配そうにキノの方を見る。
床に崩れ落ちたキノは、身を震わせて、襲ってくる感覚に耐えていた。
「どんな旅人も定住を決めてしまう理由がこれか?」
シズに問われて、男が心底嬉しそうに笑う。
「そうです!これまで来られた方は皆さん夢中になって、この国に永住することを決めてくれました。ですが、不思議ですね…」
746 :
581:2005/06/24(金) 21:30:57 ID:ftpFR0iy
そこで男は、震えるキノに嘗め回すような視線を送る。
「これまでの皆さんは薬を打ち込まれて、やっと心を決めてくれましたが…。キノさん、どうやら貴方はもうメロメロだ」
言われたキノは愕然とし、ブンブンと首を振る。しかし、体の熱い疼きは否定しようもなかった。
「キノさん、貴方もしかして、かなりお好きでいらっしゃるんじゃ…」
涙目のキノに男が追い討ちをかける。
その時、二人を心配したティーが駆け出して、後を追うように陸も走り出した。壇上の男はそれを見て、また指を弾く。
「きゃあっ!!?」
バチバチとティーの服から火花が散り、ティーはその場に倒れた。シズと陸が駆け寄って、ティーを助け起こす。
「気絶してもらっただけです。性的に未熟な子供には、服の仕掛けは効かないので…。ティーちゃんにはあとでお薬を使いましょう」
「…貴様」
睨み付けてくるシズを無視して、男はキノの側に歩み寄る。もはやカノンを構えることもままならず、キノは男の顔を呆然と見つめる。
「まだ何もしてないのに、本当に気持ちよさそうな顔をしてますね。」
「…やぁ…ちが…こんな…」
「何が違うんです?」
男の指に首筋を這いまわられて、キノの体がビクンと反応する。
747 :
581:2005/06/24(金) 21:31:45 ID:ftpFR0iy
「……ぅあぁっ…はあっ…」
「こんなのは序の口だ。さあ、キノさんもっと体中で快感を感じるんだ」
体を動かすたびに、ドレスの布地が肌を擦るたびに、キノの全身を快感が襲う。息も絶え絶えのキノに式場中の人間が絡みつくような視線を送っていた。
「花嫁さんは随分と感じやすいようだなあ」
「本当だ。こんなに気持ちよさそうにして、うらやましい限りよ」
「薬も使ってないのに、こんなに乱れるんだもの」
「キノさん、乳首をいじってみたらどうだい?」
「いやいや、やはり大事なところを…」
式場のあちこちからこんな言葉がキノに浴びせ掛けられた。そんな言葉を聞きながら、キノは式場の真ん中で身悶えていた。
(…いやだ…みんな…ボクを見て……そんな…)
視線を意識すればするほど、キノの体を襲う快楽の衝撃は大きくなっていく。
そして、より大きな反応を見せる自分を意識すればするほど、キノの体は敏感になっていく。
涙で霞んだ視界の中に、エルメスや、ティーの傍らで辛そうに目を伏せるシズと陸、よく見知った者達の姿もあった。
(……もう…ボクを…見ないでぇ…)
748 :
581:2005/06/24(金) 21:32:27 ID:ftpFR0iy
泣きそうな心の中で、キノは自分がこれほどまでに乱れてしまっている訳を悟り始めていた。全てはこのウェディングドレスが悪いのだ。
例の仕掛けのためだけではない。このドレスを着ているということ自体が、キノの心に微妙な変化を与えていた。
これまで、キノは色んなものを押し殺してこなければならなかった。過酷な旅を続けるためにはそれは仕方の無いことでもあった。
そうしてキノが殺してきたもののなかには、女の子らしさとも言うべきものもあった。
下着や入浴にもこだわって、キノ自身にそんな意識はなかったが…
しかし、それでも男性のような格好をして、当ての無い旅を続ける中で、キノは自分が女の子であることを、どこかで忘れていたのかもしれない。
そして、純白のウェディングドレスを着た自分の姿を鏡の中に見たとき、それが一気にキノの中に蘇った。
それこそが、自分が女の子であると過剰に意識していることこそが、今のキノを苦しめていた。
(でも…もう……ボクは…もう…)
鏡の中に映ったあの美しい自分の姿は、大勢の人間の視線を浴びながら崩れようとしていた。
体中を駆け巡る快感に人目も憚らず震えている淫らな姿が、今のキノの全てだった。
唐突に取り戻した女の子としての意識は、最も残酷な形で打ち砕かれようとしている。
749 :
581:2005/06/24(金) 21:33:16 ID:ftpFR0iy
「…あっ…いやぁ…も…許して…」
「ううん、キノさん随分と辛そうですねえ。お気の毒に」
ローブの男が愛想笑いを浮かべたまま、キノの傍らにしゃがみこんだ。
「我慢は体によろしくないですよ。もっと素直にならなくちゃ」
男がカノンを握ったまま震えるキノの手をとり、そのままドレスの布地越しにキノの震える秘裂の方に持っていく。
「…うぁ…そんな……それだけは…」
「遠慮なさらいで良いんですよ。ほら!」
男がそう言ったのと同時に、キノの秘裂にカノンのグリップがグイグイと押し付けられた。
「……………っ!!??うぁあああああぁあっ…いやあぁっ!!」
今までに無い強烈な快感にキノの体が仰け反る。無抵抗のキノをもてあそぶように何度かカノンで苛めた後、男はカノンから手を放した。
男の手から自由になったにも関わらず、キノはカノンを持つ手を止めることが出来なくなっていた。
「…くぁっ…あふぅ…なんで!?…なんで止められないのぉ!!??」
嬌声を上げ続けるキノを、式場中の人間が今度は言葉も発さずに、ただじっと見つめていた。
無数の視線を感じながらも手を止めることが出来ない自分に、キノの心は絶望の底へ堕ちていく。
750 :
581:2005/06/24(金) 21:33:52 ID:ftpFR0iy
「…もっ…だれも……見ないで…ひうっ!!…おねがい…見ないでぇ…」
快感に体中の神経を焦がされ、恥ずかしさに泣きじゃくりながら、キノの体も心も、いつしか限界を迎えようとしていた。
「どれ、手伝ってあげましょう」
男がとどめとばかりに、キノの乳首をつまみあげた。
「きゃひいいいぃっっっっ!!!!!!!」
キノが叫び声を上げ、カノンを動かす手は激しさを増していく。
「…だめぇ…もう…イっちゃうぅ!!…みんなの…うぁ…見てる前でぇ…ボク…イっちゃう!!…イっちゃうよおおおぉおおぉっっ!!!!」
キノの意識が真っ白に吹っ飛ぶ。
純白のウェディングドレスの自分、それがもはや手の届かぬ所へといってしまう、そんな絶望の中でキノは意識を失った。
「うんうん、良かった。彼女ほど、わが国の国民にふさわしい人もいないだろう」
白いローブの男は満足げに呟きながら、ぐったりとしているキノを見下ろす。
「どれ、仕上げを行うとしようか…」
男に促されて、近くに立っていた女性が針の発射装置をキノの首筋に向けて構えた。
「祝福するよ。おめでとう」
751 :
581:2005/06/24(金) 21:34:53 ID:ftpFR0iy
男が指を弾いて合図を送るより早く、女性の持つ発射装置が真っ二つにされる。
「君はまだ動けたのかい?神経を狂わされて、平気なはずも無いだろうに…」
男の視線の先にいたのはシズだった。その体は、男の言うように服の仕掛けのためにふらふらのはずだった。
シズはずっと怒りを押し殺して、脱出の機会をうかがっていた。しかし、キノに向けて毒針が向けられた瞬間に、彼の中で何かが切れた。
気がついたときには、シズは刀を抜き放っていた。
「…キノさん」
力なく横たわるキノの体を担ぎ上げ、ティーを背中に背負い、シズは立ち上がった。
シズと陸、それぞれが前後に睨みを利かせながら、ゆっくりとエルメスの方へ移動していく。
シズの気迫に押されて、式場の人間たちがシズの前に道を空け、シズはなんなくエルメスの元にたどり着いた。
エルメスの上にまずキノを乗せ、次に陸を乗っける。
752 :
581:2005/06/24(金) 21:35:23 ID:ftpFR0iy
「なんでバカ犬まで乗せるのさ。っていうか、まさか全員で乗るつもりじゃ…」
「そのまさかだ」
「ねえ、モトラドなんて殆ど運転したこと無いでしょ…」
「残念ながら、全く一度も運転したことはないよ」
最後にかなり強引にシズが乗っかり、エンジンに火を入れる。
「逃がすか!!」
どこかで叫び声が上がり、背後からシズに向けて針が発射される。シズは振り返りもせず刀でそれをなぎ払った。
「行くぞ!!」
シズが叫ぶのと同時に、エルメスが馬鹿げたスピードで発進する。人ごみをかき分けて式場を突っ切り、シズ達は扉の外へと飛び出した。
「……火事場の馬鹿力というヤツなんだろうねぇ」
後に残されたローブの男が首を振りながら呟く。
「ま、どのみち門からじゃなきゃ、この国を抜けることはできん。焦らずにいきますか」
753 :
581:2005/06/24(金) 21:36:10 ID:ftpFR0iy
色んなものが台無しになった。色んなものを滅茶苦茶にしてしまった。暗闇の中で、キノは自分の体を抱えるようにして泣いていた。
もうどうでも良い。どこまでも堕ちていこう。そう思って全身から力を抜いたキノの体を、暖かい何かが受け止めた。
そこで目を覚ましたキノは、自分がシズの腕に抱きかかえられていることに気がついた。さっき、暗闇の中で自分を受け止めてくれたものだ。
(…なんだか、久し振りだな。こんなの……)
自分のことを誰かに委ねてみる。キノが長らく忘れていた感覚だった。
キノを抱えたシズの腕はぶるぶると震えていた。シズもまた、服の仕掛けの影響下にあるのだ。
(…そんな状態で助けてくれたんだ。ボクを…)
何だか嬉しくなって、その腕をぎゅっと握った。それでシズもキノが目を覚ましたことに気がついたようだった。
「ん、目がさめたのか?キノさん」
「はい…」
こちらを向いたシズの顔にキノは微笑みかけた。
「もう…大丈夫ですから」
754 :
581:2005/06/24(金) 21:36:36 ID:ftpFR0iy
目が覚めてから、キノに対する仕掛けの影響は格段に小さくなっていた。シズに支えられて、キノはなんとか立ち上がる。
「キノさん、起きて早々に申し訳ないが、ここから移動する。一所に留まって、奴等に捕まるわけにはいかない」
「逃げるんですか?」
「そうだ。今のままで、勝ち目は無い」
暗い顔で告げるシズに、しかしキノは不敵に微笑んで見せた。
「いえ、打って出ましょう。今のままではいずれ追い詰められます」
「それはそうだが…」
「大丈夫です。ボクに少し考えがあります」
なにか自信ありげなキノの表情には、先ほどまでの弱気は微塵も感じられなかった。
755 :
581:2005/06/24(金) 21:37:18 ID:ftpFR0iy
国のいたる所で爆発が起き、黒煙が立ち上り始めたのが2時間前だった。
それ自体が一つの建築物で、逃げ場の無い国の中はとてつもないパニックに襲われていた。
「キノさんたちの仕業か…」
この国の入り口にあたる門の前で、何人かの部下を従えたローブの男が呟いた。
「爆破でみんな良い様に誘導されてる。統率の取れた行動を取れないんだもんな。もはや打つ手なしだ」
男はそこで、閉ざされた巨大な門を見上げる。
「だが、私がここを押さえてる限り脱出は出来ないぞ。さあ、一体何を考えている」
その時、今度は男の頭上で爆音が轟いた。男が上を見上げると、無理やりに増築された塔が爆発で崩れ落ちようとしていた。
音を立てて、塔が男の方に倒れてくる。倒れる塔は建物の他の部分も巻き込んで崩壊し、男の左手の壁を破壊した。
「すごいな…」
それを皮切りにいたる所で爆発が起き、無理やりな増改築を重ねた建物は連鎖的に崩壊していく。
その様子を見ながら、男は悟った。
「これが狙いか…」
756 :
581:2005/06/24(金) 21:37:40 ID:ftpFR0iy
国のいたる所で爆発が起き、黒煙が立ち上り始めたのが2時間前だった。
それ自体が一つの建築物で、逃げ場の無い国の中はとてつもないパニックに襲われていた。
「キノさんたちの仕業か…」
この国の入り口にあたる門の前で、何人かの部下を従えたローブの男が呟いた。
「爆破でみんな良い様に誘導されてる。統率の取れた行動を取れないんだもんな。もはや打つ手なしだ」
男はそこで、閉ざされた巨大な門を見上げる。
「だが、私がここを押さえてる限り脱出は出来ないぞ。さあ、一体何を考えている」
その時、今度は男の頭上で爆音が轟いた。男が上を見上げると、無理やりに増築された塔が爆発で崩れ落ちようとしていた。
音を立てて、塔が男の方に倒れてくる。倒れる塔は建物の他の部分も巻き込んで崩壊し、男の左手の壁を破壊した。
「すごいな…」
それを皮切りにいたる所で爆発が起き、無理やりな増改築を重ねた建物は連鎖的に崩壊していく。
その様子を見ながら、男は悟った。
「これが狙いか…」
757 :
581:2005/06/24(金) 21:39:03 ID:ftpFR0iy
ミスった。
すみません。
755の続きからやり直します。
758 :
581:2005/06/24(金) 21:39:27 ID:ftpFR0iy
別の塔が再び男のいる方に崩れ落ちてきて、外への道を閉ざしていた門は完全に破壊された。
「随分無茶な増築はしたけど、ここまで脆いとはね。増築部分を別の増築部分で支えたりしてたしなあ。
局所的な爆発でその均衡を崩したのか。しかし、脱出のためだけにここまでやるかね」
ぼやいた男の目の前で爆発が起こり、その煙の中から一台のバギーが飛び出した。
「こうなっては、無事に出すわけにはいかないなあ」
男は毒針の発射装置をバギーに向けて構える。
「かすりでもすれば、こっちの勝ちだ」
バギーの上で、その男をまっすぐに見据えるものがいた。震える腕で、しかししっかりとカノンを構えたキノだった。
男が反応するより早く引き金が引かれ、飛び出した弾丸が男の眉間を撃ち抜いた。
バギーは倒れ伏す男の横を抜けて、崩れた門を強引に乗り越え走り去っていった。
その直後、建造物全体が音を立てて崩れ落ち、地図の上から国が一つ消えた。
759 :
581:2005/06/24(金) 21:40:31 ID:ftpFR0iy
あれからどれだけ走ったのか、キノ達はとある湖のほとりにバギーを停めていた。
ドレスの仕掛けは国を脱出した時点で止まっていたが、しばらくは誰も着替える気力は起きそうになかった。
疲れ果てた体を横たえて、キノはシズの顔をぼーっと見ていた。そして、そんな自分に気付いたキノはあわてて視線を逸らす。
そこでキノは初めて、シズの下半身に目をやった。
外から見ても明らかに見て取れるほどの変化が生じているそこを、キノはじっと見つめる。
一方、ぐったりと座り込んでいるシズは、キノのその視線に気がつく様子は無い。
キノは一度そこから目線を外し、ためらう様な表情を見せる。しかし、しばしの逡巡の後再びシズの方を向いたキノの眼からは迷いの色は消えていた。
「シズさん…苦しそうですよ」
「どうした?キノさん……っうわぁ」
すばやい手際でキノはシズの股間に手を伸ばし、ファスナーを開けてシズのモノを取り出す。
「…キノさん何をして!?…まさか、まだ…」
シズの制止も聞かず、キノはシズの大きくなったモノを手の平に握り、口を近づけていく。
「…そうかもしれません。ボクはまだ、あの国の空気にあてられているのかもしれない」
「キノさん…」
「…だから気にしないで、すぐに終わらせますから」
そう言って照れたように笑うキノの表情に、シズはそれ以上何も出来なくなってしまう。
760 :
581:2005/06/24(金) 21:41:07 ID:ftpFR0iy
キノは舌先を伸ばしてシズのモノに触れ、そこからゆっくりと口にふくんでいった。
「…ん……うむぅ…んぅ」
シズが不安そうに見つめる中、キノは拙いながらもあくまで丁寧に舌を使いシズに刺激を与える。
「…んはっ…シズさんのおっき…」
キノは小さな口に入りきらないモノを持て余しながらも、先端から根元までまんべんなく舌を這わせる。
そうして、時折舌を止めて、愛しげにシズのモノを見つめ、再び行為に没頭する。
しばらくの間、辺りにはキノの荒い息遣いと、ピチャピチャと湿った音だけが聞こえていた。
キノの舌使いは、神経の昂ぶっていたシズを間もなく限界に導こうとしていた。
「…っ、キノさんもう出してしまいそうだ…」
シズの言葉には構わず、キノはシズのモノをしゃぶり続ける。キノの舌が先端をぬるりと舐めたのがとどめになった。
「くっ!……キノさ…もう本当に…」
「…………っ!??」
シズが言い終わるより早く溢れ出した精液がキノの口腔内を汚していく。キノはそれを時間をかけて、ゆっくりと嚥下した。
761 :
581:2005/06/24(金) 21:41:50 ID:ftpFR0iy
「…すまない」
申し訳なさそうな表情で、シズはキノを見つめる。そんなシズの顔を見たキノは、また照れたような笑いを浮かべる。
「…そんな顔をしないでください。そもそも全部、コレが悪かったんですから」
キノは自分のドレスを摘み上げて言った。
「…だから、ほんとに気にしないで…ほんとにボクが好きでやって…」
言いながらキノはふらりと倒れ、シズにもたれかかる。
「……ほんとにもう……ボクはただ…」
シズはキノの体を受け止め、なんとか支える。とろんとした目のキノは、眠りに落ちようとしているようだった。
「……だから…シズさん………ありがと……」
それを最後に寝息を立て始めたキノの顔を眺めながら、シズは溜め息をつく。
762 :
581:2005/06/24(金) 21:42:49 ID:ftpFR0iy
「情けないな、俺は…キノさんにこんなことさせて…」
「…そうでもありませんよ」
呟いたシズに、陸が答える。
「情けなくなんかなかったですよ。少なくとも、今までキノさんに見せた姿の中では一番良かったです。…ただ、ソレはもうしまった方が…」
陸に言われて、シズは自分の丸出しのモノを慌てて納める。
熟睡するキノは、シズにもたれかかったまま起きる気配も無い。シズがその頭をそっと撫でた。
「…俺もあてられてるんだろうな、あの国の空気に…ああ、間違いない。そうだ…俺は」
シズは嬉しそうに笑ってから、今度は自分も眠りに落ちていった。
763 :
581:2005/06/24(金) 21:43:20 ID:ftpFR0iy
一台のモトラドと一台のバギーが道を並んで走っている。
「そろそろだね」
エルメスに言われて、キノはこっくりと頷いた。
2台の進む先で、道は二つに分かれていた。分岐点の手前で、2台は停車する。
「ボクは予定通り、こっちに向かいます」
ゴーグルを上げ、キノが左に伸びる道を指差した。
「私たちも予定通り、こっちに向かうよ」
シズが右側の道を指差す。
それ以上言葉が続かず、二人の間に沈黙が流れる。
キノが再びゴーグルを下ろし、自分の進む道の先を見据えたときだった。
「キノさん!!」
シズが叫んだ。
764 :
581:2005/06/24(金) 21:43:46 ID:ftpFR0iy
「キノさんはこれからもずっと旅を続けるんだな!!」
キノはシズの方を振り返った。
「前に言ってたように、きっと私が住む場所にだってたどりつくんだな!!」
キノは叫ぶシズの顔をじっと見つめている。
「だったら…だったら、これで終わりというわけじゃないよな!!」
「……はい!!!」
嬉しそうに、キノが叫び返した。
「それじゃあ……、また会おう!」
「…はい」
笑顔で答えて、キノはエルメスを発進させた。
キノの姿が道の先に霞んで見えなくなるまで、シズたちはその場で見送る。
そして息を一つついて、シズもバギーを発進させた。
765 :
581:2005/06/24(金) 21:45:28 ID:ftpFR0iy
こんな感じでした。
もうお天道様に顔向けできる気がしません。
…感想等あれば、よろしくお願いします。
久々に神キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
(・∀・)イイヨイイヨー ウエディングドレスにパースエイダーとは、なんとも味な演出ジャマイカ!
767 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 07:22:51 ID:lVLXia6s
(・∀・)イイ!!
GJ!
(;´Д`)ハァハァ
GJ!(*゚∀゚)=3 ムッハー!!
(;´Д`)ハァハァ とってもイイです。神様
771 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 19:30:00 ID:z9LsOUEY
772 :
581:2005/07/01(金) 21:31:21 ID:C43fzdeK
5度目の駄文投下なんですが…、
今回は今更ながらのヴィルとアリソンの初エッチな話です。
すでに同じネタで2本もの作品が書かれている現状では、みなさんすでに食傷ぎみ
かもしれませんが、それでもやっちゃいます。
正直な話、ずっとこのネタがやりたかったんです。これをやりたいがために、この
スレにやってきたんです。
しかし、そのときには既に前述の2作品が存在したため断念しました。
その分の反動が、1本目と2本目に噴出しています。特に2本目の寝ぼけた大人ア
リソンをトラヴァス少佐がやっちゃう話は、ヴィルアリ初エッチ話用に考えたアイ
デアを改変させたものです。
今週思い立って、前々から考えていたものを書き上げました。上記のとおり、微妙
に以前のものとかぶってます。申し訳ないです。
でも。どうか許してください。読んでやってください。
それでは、いきます。
773 :
581:2005/07/01(金) 21:32:37 ID:C43fzdeK
月は分厚い雲に遮られて、灯りは窓から差し込んでくる街灯のわずかな光だけだ。
ベッドに横たわったまま眠れない僕は、暗い部屋の天井を見るともなく見ていた。
隣のベッドに目をやると、毛布にくるまったアリソンの姿が見えた。いつも寝相の悪いアリソンが、今夜はピクリとも動かず、穏やかな寝息だけをたてている。
僕は起き上がり、アリソンのベッドの脇に立って、暗くてほとんどわからないその顔を見つめる。自然と昼間のことが思い出された。
「ねえ、わたしのこと好き?ずっと一緒にいてくれる?」
あの時、アリソンは僕に言った。
答えはひとつしかないはずなのに、なぜかまったく言葉が出なくなって、僕にはただうなずくことしかできなかった。
「ずっと、好きだったから…。」
それは僕にとってあまりに当たり前なことで、だからこそ、どう言っていいのかわからなかった。
僕はあまりに鈍かったから、それがどれだけ大事なことなのか、ずっと気付かずにいたんだ。
あの時、精一杯の勇気で僕に問いかけたアリソンに、僕は返してあげられる言葉を持っていなかった。
「どうしたら、答えてあげられるんだろう」
今も確かに自分の中にある気持ち、それをどう言い表して良いのか、どうして伝えればいいのか、それがわからなかった。
774 :
581:2005/07/01(金) 21:33:20 ID:C43fzdeK
アリソンの顔を覗き込む。暗闇の中でも、寝顔の穏やかさは何とかわかった。
昼間のキスの感触が唇に蘇った。もう一度口づければ、アリソンにどう言ってあげればいいのかわかるような気がした。
「好きだった。ずっと好きだったんだ」
知らずに僕とアリソンの顔が近づいていく。
アリソンの唇に届きそうになったとき、真っ向から見つめてくる青い瞳と目が合った。
「えっ!…ヴィル?」
「うわぁ!?」
アリソンの声を聞いて、僕は一気に正気に戻った。とたんに今までのことが恥ずかしくて仕方なくなる。
「えっと!…あの…ヴィ、ヴィルの気持ちは…その、とっても…すごく嬉しいんだけど…でもそのあのその」
アリソンも相当に慌てている。
「ゴ、ゴメン…アリソン僕は」
「…うあ…ヴィルのほうから来るなんて…全然思ってなかったから……ドキドキして…」
そのまま二人とも言葉をなくして、互いに見詰め合った。沈黙を破ろうと、僕はアリソンに声をかける。
775 :
581:2005/07/01(金) 21:34:08 ID:C43fzdeK
「……起きてたんだね」
「うん」
それ以上言葉が続かず、またも沈黙が部屋を支配する。僕は恥ずかしくて死んでしまいたいような気分だった。
うつむいた僕に、アリソンがためらいがちに声をかける。
「ねえ、ヴィル…」
僕はおそるおそるアリソンの顔を見た。
「眠れなかったの。……ずっと昼間のこと、…ヴィルのこと、…考えてたから…」
アリソンはポツリポツリと言葉を重ねる。
「さっきはいきなりで驚いたけど、そもそもヴィルがあんなふうにしてくるなんて思わなかったし……でも、嬉しかったわ。すごく」
本当に恥ずかしそうに、だけど本当に嬉しそうに、アリソンが顔を赤らめる。
いつしか僕は恥ずかしさも忘れ、そんなアリソンの顔を見つめていた。そして、僕は心を決めた。
「僕も…ずっとアリソンのことを考えてた」
たぶん、僕の気持ちをうまく言ってあげることはできないだろう。それでも、今は伝えたかった。少しでも僕の気持ちを伝えたかった。
776 :
581:2005/07/01(金) 21:35:26 ID:C43fzdeK
「アリソンのことどう思ってるかって聞かれて…昔からアリソンはずっと僕に勇気をくれるって、あの時僕は言ったよね」
「…うん」
「自分でも、とんでもなく見当はずれな言い方だったと思う。アリソンが怒ったのも仕方ないと思う。でも…」
僕は、アリソンのまっすぐな瞳を見つめながら続ける。
「でも、僕にはあれ以上どう言っていいかわからなかったんだ。あの時も、今も……。本当のことだから」
アリソンは真剣なまなざしで、僕の話を聞いている。
「一番最初に会ったとき、僕のこと選んでくれたよね。一緒にいろんなところへ行って、いろんなことをしたよね。
未来の家を出てから、最初に手紙をもらったときは嬉しかったよ。僕にとってアリソンといた時間は全部大事なものだった」
「……本当に?」
「アリソンと一緒にいるときはいつだってそうだった。強引で、無鉄砲で、ヒヤヒヤさせられて、
アリソンと一緒にいるときは僕はそんな思いばっかりさせられてて、でもそれが僕にはとっても大事なものばかりだった」
僕はアリソンの瞳に負けないくらい、まっすぐにアリソンを見つめる。
777 :
581:2005/07/01(金) 21:36:21 ID:C43fzdeK
「僕だけじゃできないこと、僕だけじゃいけないところ、アリソンといられたから僕はそれを見ることが出来た。
アリソンそういう勇気をもらい続けたんだ。僕にとって、それはなにより、きっと大事なものだから」
「………ヴィル」
「あんな言い方じゃ、全然伝わりきらないのはわかってる。でも、あれが僕の本当の気持ちなんだ。本当の言葉なんだ」
僕はアリソンの体をぎゅっと抱き寄せた。
「また、勇気を貰うよ。アリソン………」
僕はアリソンにそっと口付ける。
「アリソン、好きだよ……」
「ヴィル、私も…」
もう一度、アリソンにキスをする。今度は長く、熱く、お互いの舌が絡み合って、鼓動がどんどん高鳴っていく。
アリソンがキスに夢中になっている僕の手をとり、胸元に運ぶ。パジャマの布地越しに柔らかな乳房が、僕の手に触れた。
「……ねえ、ヴィル…」
「…うん」
778 :
581:2005/07/01(金) 21:37:10 ID:C43fzdeK
一枚、また一枚とアリソンの服を脱がせていく。アリソンも僕の服をゆっくりと脱がせる。
互いに裸に近づくにつれて、アリソンの体温を、愛おしいぬくもりを、間近に感じられるようになる。
「……ドキドキするわね」
「僕も…ドキドキしてるのわかるよね?」
アリソンの心臓の音が、聞こえてくるようだった。生まれたままの姿になった僕たちは、暗闇の中で、互いの姿を見つめあう。
その時、分厚い雲の合間から、月が姿を現した。窓から差し込んだ光が、部屋の中を明るく照らし出す。
白い光がアリソンの素肌を照らす。月光を反射したアリソンの髪が、揺れて輝く。
初めて会ったときと同じキラキラ輝く瞳。僕はただ、その妖精のような彼女を見ていた。
「アリソン、綺麗だよ」
「えへへ…」
嬉しそうに、恥ずかしそうにアリソンが笑った。
僕はアリソンの髪の毛をそっと撫でて、そのまま背中に指を這わせる。
僕の指に触れられて、ピクンと反応するアリソンの体を抱きすくめるようにして、アリソンの上に覆いかぶさる。
779 :
581:2005/07/01(金) 21:38:00 ID:C43fzdeK
柔らかな乳房に触れると、それだけでアリソンの体はふるふると震える。
「…ふぁ…ひゃんっ……そこぉ!」
しばらく揉み解すように手の平を動かし、僕はおもむろにアリソンの乳首をつまみ上げる。
「きゃうっ!…ヴィルぅ……だめぇ!…そこ…だめぇぇっ!!」
僕が指を動かすごとに、アリソンの体が小さく仰け反る。さらに、僕は左手はアリソンの乳房を揉み続けながら、右手をアリソンの大事なところへと這い入らせた。
「…うあああぁっ!!…あっ!…ヴィル…そんな…まだぁ!!」
すでに湿り始めていたそこからは、僕が指を軽く入れるごとに、どんどんと蜜があふれ出す。
「ひあぁんっ!!…ひゃう!あぁ!……ヴィル…すご…あうっ!」
「アリソン、好きだよ…」
僕はアリソンの体の柔らかさを、熱を、体中で感じることに夢中になっていた。乳房から、お尻、再び背中へ、アリソンの体中に指を這わせる。
荒い息を漏らす、アリソンの口にもう一度キスをする。アリソンの舌を絡めながら、僕の指は休むことなくアリソンの体中に刺激を与える。
「んぅ……んむぅ…ふぁあ…はぁはぁ…ヴィル…」
体中から与えられる快感に翻弄されて、アリソンは息も絶え絶えの様子だ。
「も…きて…ヴィル……きてぇ…」
アリソンが涙目で訴えかける。
780 :
581:2005/07/01(金) 21:38:53 ID:C43fzdeK
「ヴィルのが…ほしいのぉ……ヴィルと…あんっ!!…いっしょになりたいのぉ…」
アリソンの言葉に、僕も心を決めた。
大きくなった僕のモノを、アリソンの大事なところへとあてがう。もう、これ以上ないぐらいに高まっていたはずの鼓動が、さらに早まる。
「いくよ…」
ゆっくり、ゆっくりと僕のモノがアリソンの中に入っていく。アリソンの中は熱くて、とろけそうにドロドロで、僕は出してしまわないように必死でこらえた。
「…くぅ!…あっ…痛ぅ……」
さらに進入を続けると、アリソンが辛そうに声を上げた。僕は心配になってその顔を覗き込む。
「大丈夫?ゴメン、僕が急ぎすぎたから…」
僕の問いに、アリソンは首をブンブン振って答えた。
「うぁ…大丈夫…だい…じょぶ…だから、ヴィル…動いて良いよ」
僕の瞳を見つめながら、アリソンが言う。目に涙を浮かべながら、それでもアリソンは微笑んでいた。
「…思ったより…はぅ…ぜんぜん痛く…ないから、…ひぅ…平気だから…」
言葉とは正反対に、アリソンは辛そうに体を震わせている。痛みを堪えるためなのか、その手はシーツを必死で握り締めている。
僕はアリソンになるべく痛みを与えないように、アリソンの背中に手を回し、その体を抱きしめた。
そのまま動かずに、ただアリソンの鼓動だけを感じる。
「…ヴィル…ほんと…へーきだから…ひゃん…動いても…だいじょぶだから…」
「わかってるから、じっとしててアリソン」
781 :
581:2005/07/01(金) 21:40:06 ID:C43fzdeK
「わかってるから、じっとしててアリソン」
僕はアリソンの背中を、何度もゆっくりと撫でてあげた。柔らかな肌に舌を這わせ、かわいらしいピンク色の乳首を甘噛みした。
アリソンはシーツから手を放し、僕の背中に両手をまわしていた。僕がなにかするごとに、その両腕にぎゅっと力がこもる。
「あぁ…やぅ…はぁ……」
段々とアリソンの体の震えがおさまり、声からも辛そうな様子が消えていくのがわかった。
「アリソン、もう大丈夫?」
「…ありがと…ヴィル」
そこで僕はやっと腰を動かす。ずっと繋がったままだったから、すぐにも出そうになるのを堪えるのが辛い。
それでも、少しでも長くアリソンと繋がっていたい気持ちが、僕を限界で踏みとどまらせる。
「うぁ…ヴィル……きもち…あうっ…」
アリソンの声は段々と大きくなっていく。アリソンの方でも、自分で腰を動かし始めたのがわかった。
「…きゃうっ!…あぁん…あぁっ!…ヴィルぅ…好きぃ」
「アリソン…ぅあ…僕も…」
僕の名を呼ぶアリソンの声が、触れ合った肌から伝わる熱さが、僕から理性を奪っていった。
ただ、目の前にいるアリソンが愛しかった。
782 :
581:2005/07/01(金) 21:41:35 ID:C43fzdeK
「…ふぁっ…はぁっ!!…すご…きもちいいっ!!…はぅ…きもちいいよぉ!!」
僕たちの動きは少しずつ激しくなっていく。交わりながら、何度も口付けを交わした。
「…ぁああぁっ!!!……ひあっ!……ヴィルぅ!!ヴィルっ!!! …ヴィルっ!!」
「…っ!…あぁ!…アリソン!アリソンっ!!…アリソン!」
荒い息の合間に、互いの名前を大声で呼び合った。折れそうなほど細く、柔らかなアリソンの体を強く強く抱きしめる。
下半身に湧き上がる熱さが、僕が限界に近づいていることを伝えていた。
「…あんっ!…っああぁ!!…ヴィル!…も…わたし…イッちゃいそ…」
「アリソン…僕も…もう」
僕も、アリソンも必死だった。後のことなど考えられず、僕は腰を動かした。
ただ、今目の前にいるアリソンのことを放したくなかった。
「あぁっ!!…ヴィル!!きてぇっ!!…わたしの中に……ぜんぶぅ…ぜんぶ!!!」
アリソンの腕が、ひときわ強く僕の背中を抱きしめた。僕がアリソンの体を思い切り突き上げて、僕たちは同時に絶頂に達した。
「ああああぁっ!!!イクっ!!イクッ!イッちゃうぅ!!!ぁああああっ!!!!ヴィルぅうううぅっ!!!!!」
「アリソン!アリソンっ!!!」
783 :
581:2005/07/01(金) 21:42:38 ID:C43fzdeK
僕のモノから放たれたものが、アリソンの中を満たしていくのがわかった。そのまま僕らはへたりこんで、しばらく呼吸を整える。
へばった体を無理に起こすと、僕の方を見つめていたアリソンと目が合った。
「アリソン…」
「ヴィル…」
どちらともなく目を閉じて、僕らはもう一度口づけを交わした。
全てを終えてから、僕らは何をするでもなく、ベッドの上に寝転んでいた。
「ヴィル…中に出しちゃったわね」
「ゴメン…僕も必死で」
申し訳なさに、僕は縮こまる。
「大丈夫よ。こっちは全然平気、安全日だもの」
784 :
581:2005/07/01(金) 21:43:36 ID:C43fzdeK
アリソンがピースサインを僕に向けて、ニヤリと笑って見せた。
「うん。…でも、アリソンの子供なら、欲しいかも…」
「…えっ!?…うあっ…ヴィ、ヴィルなに言って…いやでも私だって……」
顔を真っ赤にして言葉に詰まるアリソンを、僕はじっと見つめていた。
そのとき、僕の気持ちをアリソンに伝える言葉が、不意に頭に浮かんだ。
それはあまりに簡単な言葉で、思いつけなかった僕がなんだかとても馬鹿みたいで、それでも、これ以上にふさわしい言葉は無い様に思えた。
不思議そうに僕の顔を見ていたアリソンの体を、僕は強く抱きしめた。
「えっ!?どしたの、ヴィル?」
たった一言のあまりに簡単な言葉、でも僕はずっとこれだけを言いたかったのかもしれない。
戸惑うアリソンの耳元で、僕はそっとささやいた。
「心から愛してるよ。アリソン」
785 :
581:2005/07/01(金) 21:44:23 ID:C43fzdeK
「心から愛しているよ。アリソン」
そう言って僕は受話器を置いた。今ごろ受話器の向こうでアリソンがどんな反応を見せているのか、想像してクスリと笑う。
あれからいろんなことがあった。
僕は今、ヴィルヘルム・シュルツの名を捨てて、スー・ベー・イルの駐在武官として働いている。
互いの立場も、取り巻く状況も昔とは大きく変わっていく中で、僕はこの言葉を何度もアリソンに言い続けてきた。
僕のこの思いがアリソンに伝わるように。僕もアリソンと同じ気持ちなんだと伝えるように。
「そうだ。僕はアリソンを心から愛してる」
再び頭を仕事のことに切り替える前に、僕はもう一度つぶやく。
僕は鈍いから、呆れるぐらいに鈍いから。
記憶力に不安を感じてるわけじゃないけれど、それでも、本当に大切なものをいつだって見失わないように。
いつだって、何度だって繰り返す。
この言葉を……。
786 :
581:2005/07/01(金) 21:50:46 ID:C43fzdeK
こんな感じでした。もう先人の2作品のエロさには遠く及ばない感じです。
でも、本当に書きたかったんですよ。腹の内に溜め込んでおくことができなかったんですよ。
ええ、もう俺はアリソン至上主義者のヴィル原理主義者ですから、二人いちゃついてる所が
どうしても書きたくて…。
本当に、お目汚しスイマセン。
感想等あったら、是非にお願いします。
ヤヴェ、この前のキノもよかったがアリソンxヴィルもイイ(*´д`*)ハァハァ
581タン GJ!!
(;´Д`)ハァハァしっぱなしです。
禿げしく萌えました。
時雨沢板・・・とかってどこにあるの?
保守
792 :
581:2005/07/14(木) 13:38:25 ID:HjgkOQOM
6度目の駄文投下、たびたび申し訳ありません。
今回はリリアとトレイズ、2巻の二人が最後にホテルに泊まった夜にリリアの見た夢の話です。
それでは…。
793 :
581:2005/07/14(木) 13:39:39 ID:HjgkOQOM
「リリア、好きだ」
夢の中、私に真剣な眼差しを向けて、トレイズが言った。
そう、夢だ。これは間違いなく夢だ。
理由は二つ、まずはトレイズの格好だ。今目の前にいるトレイズはキラキラと輝く衣装に身を包んだ、まるで王子様のような格好をしている。
もちろん、あのトレイズが王子様なわけが無い。これだけでも充分に夢だと言うことがわかる。
次に、今の私の格好が問題だ。王子様のトレイズにあわせたように、私もまるでお姫様のような格好をしている。
リリアーヌという私の名前はスー・ベー・イルの有名な女王にちなんだものだけど、私がお姫様なんかじゃないのはよくわかってる。そう、だからこれは夢に違いない。
馬鹿げた格好をしたまま、私たちは見詰め合っている。
そこまで確認してから、急に腹が立ってきた。
旅行に行った先で事件に巻き込まれて、起きてる間中ずっと顔を付き合わせっぱなしだったのに、この上なんでコイツの夢なんて見なくちゃいけないの?
その上にさっきの言葉だ。
コイツ、夢だからって好き勝手なこと言って……、そんな格好をしたって、別にあなたは私の王子様でもなんでもないんだぞ
そう言ってやろうとトレイズの顔をギロリと睨みつけてみたが、真剣な表情を崩さないトレイズに言葉が出なくなってしまう。
794 :
581:2005/07/14(木) 13:41:07 ID:HjgkOQOM
トレイズの眼差しに、私の方が動揺しそうになる。
私は何をやってるんだろう?なんで、こんな夢を見てるんだろう?
トレイズから視線を逸らすことも出来ず、段々と混乱してきた私の思考が空回りを始める。
なんで、トレイズの夢なんか見てるんだろう?………なんで?…………………夢?………夢って?
夢っていうのは………私の頭の中?じゃあ、これは私が考えてることなの?………私がトレイズのことを?
どんどんワケがわからなくなっていく私に向かって、トレイズがもう一度口を開いた。
「本当に好きなんだ。リリア……、俺は君のことが…本当に」
心臓がうるさいぐらいに鼓動を早める。
……でも、私………だってトレイズは……でも……だけど……
言い返そうとする舌がもつれて、なんにも言えなくなって、その内に何を言いたかったのかもわからなくなってしまう。
気がつくと、トレイズの顔が目の前まで迫っていた。トレイズが何をしようとしているのかはわかったけど、私には止められなかった。
トレイズは私に優しく口付けて、それから照れたように私に微笑んだ。
「……リリア」
なんで、こんな夢を見てるんだろう?なんで、こんな気持ちになってるんだろう?
グルグルと同じ疑問ばかりを繰り返す頭の中で、私は起きていた時の、昼間の出来事を思い出し始めていた。
あの時、飛行機が着水した湖でトレイズが溺れて、助け出したけれど息をしてなくて、そして私は………
ぼーっとしていた私の体をトレイズが優しく抱きしめ、耳元で囁いた。
795 :
581:2005/07/14(木) 13:42:06 ID:HjgkOQOM
「ずっと好きだったんだ。……ずっとリリアのことだけを見ていたんだ」
トレイズは胸のうちを搾り出すように、一つ一つの言葉を探るようにして、必死に言葉を重ねる。
そうだ、いつだってトレイズは必死だったんだ。
飛行機も、言葉も、どんなことでも私が出来る以上にトレイズは上手にやってのける。私はそんなトレイズに嫉妬してた。
何でもかんでもそつなくこなすトレイズが憎ったらしかった………だけど。
トレイズが溺れて、初めてわかった。アイツだって、私と変わらない。出来ないことだって、きっとたくさんある。
そう見えなかったのは、アイツが、トレイズがずっと必死で、全力を尽くしてたから、外から見てわからなかっただけ…。
たぶん、私はそのことに気がついていた。うっすらとわかっていたのに、気付かない振りして、勝手に嫉妬なんかして……。
だけど今度の事件で、ずっと必死なトレイズを見続けたから、だから……。
「……リリアのこと考えてると、ずっと胸が張り裂けそうで」
これは夢なんだ。ウソなんだ。現実じゃないんだ。私は自分に必死で言い聞かせる。
でも、これが夢なら、私の心の中のことだと言うのなら、もしかしてこれは私の望んでることじゃないの?
ああ、なんで私こんな気持ちになってるんだろう?私はトレイズのことをどう思ってるんだろう?
「だから、一緒に居てほしい!……ずっと、一緒に居てほしいんだっ!!!」
最後の言葉を言い終えて、トレイズが肩で息をする。私はその悲壮にさえ思える顔をずっと見つめる。
気がついたときには、私はトレイズの体をギュッと抱きしめていた。
796 :
581:2005/07/14(木) 13:43:04 ID:HjgkOQOM
「えっ?………リリア?」
「トレイズ……」
トレイズを抱きしめたまま、私は仰向けに寝転がる。自然に、トレイズは私の上に覆い被さることになる。
私、何をやってるんだろう?なんで、こんな事をしてるんだろう?
バクバクとうるさい心臓の音が、私の思考を塗りつぶして、何にも考えられなくなっていく。
しばらく、私に抱かれたまま呆然としていたトレイズの表情が、ゆっくりと決意に満ちた表情に変わっていった。
「リリア、愛してる……」
そうつぶやいてから、トレイズはまるで壊れ物でも扱うように、優しく私の乳房に触れた。
「……ひあっ」
トレイズの指が私の乳房を優しく揉みほぐし、乳首を軽く摘み上げて、私は思わず声を上げた。トレイズはそのまま指を服の下に這い入らせて、私の体を包むドレスを脱がせていく。
「……あっ…うぁ……ひあっ」
トレイズの手の平が、指が私の体中に触れていく。優しく、強く、私の肌の上を滑るその感覚は、私には馴染み深いものだった。
昔握ったあの手の平、会うたびに、何かの機会に、触れてきたあの指先だ。
腐れ縁だって思ってきた。特別なにか感じてるなんて、そんなことはないと思ってきた。ずっと、そういうふうに思ってきた。だけど……。
「…ふあっ…そこぉっ!……あんっ!…」
トレイズは私の体の気持ちよくなる部分を的確に見つけて、その指先で、舌で責め立てた。やがて、その指先は私の大事なところまで伸びてきた。
797 :
581:2005/07/14(木) 13:44:04 ID:HjgkOQOM
「……トレイズ!そんな、そこは!…ひああぁっ!!!」
トレイズの指が押し開くようにして、私のアソコからどんどんと熱いものが溢れ出してくる。
トレイズの舌先がそこをチロリと舐め上げた。途端に背骨を突き抜けるようにして、快感の電流が私の体中を駆け巡った。
「やぁっ!そんなとこっ!!きたな…っ!!だめぇ!!!」
恥ずかしさに身をよじらせる私を無視して、トレイズは舌を使い続ける。
「…汚くなんかない。リリアの体だもの……。汚いところなんて…ない」
顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうにトレイズが言った。その言葉で自分が耳まで真っ赤になっていくのがわかった。
私はトレイズにこんなふうにされたいの?私はトレイズにこんなことを言ってもらいたかったの?
これが私の夢?私の願い?
わからない……。もう、なにもわからない。
「あっ!ひぁっ!…はぁ、はぁ…あぅっ!!」
トレイズとの行為に私はどんどん夢中になっていく。
トレイズの手の平が、私にはお馴染みのあの手の平が、私の体中に快感を与えて、私の体が私のものじゃないみたいに反応して…。
そして、私は認めた。たとえ夢でもこの手の平に触れられて、私はうれしく思ってるんだって…、トレイズに触れられて、私はうれしいんだって…。
「あぁっ!!ひゃんっ!……あっ!あんっ!!…はうっ!!」
息を切らせながら、快感に翻弄されながら、私は願った。一緒になりたいと…、トレイズともっと一緒になりたいと。
「…うあっ…トレイズ!も、きてぇ!おねがい…もう私…私ぃ…」
798 :
581:2005/07/14(木) 13:45:05 ID:HjgkOQOM
私に促されて、トレイズも服を脱いだ。逞しいその体が露になる。胸元には、あの時見た金色のペンダントが揺れている。
トレイズの大きくなったものも露になったけど、なんだかぼんやりしてよく見えない。まあ、私がそんなもの見たことないんだから当然か…。
そうして今更これが夢であることが実感されて、私はちょっと残念な気分になっている自分がいることに気がついて、また恥ずかしくなる。
トレイズが私の大事なところに自分のものをあてがう。緊張しているのか、その動きはギクシャクしていて、私にはそれがなんだか本当に可愛く見えた。
やっとのことで準備が整い、トレイズが私の方に視線を送ってきた。私がこっくりとトレイズにうなずき返して、トレイズは挿入を開始した。
「くっ……うあっ!…はぅ、あぁっ……あっ」
「リリア、大丈夫?」
気遣うトレイズに、私は必死で首を縦に振って答えた。それでもまだ心配そうな顔をしながら、トレイズは進入を続ける。
トレイズが私の中に入って来るのがわかる。お腹のあたりが痛くて、苦しくて、………とても熱い。
トレイズの体の熱さを全身に感じながら、私はやっと自分がトレイズのことをどう思っているのかに気が付いた。
そうだ、嫌いじゃない。私はトレイズのこと、全然嫌いじゃないんだ。本当に、とても、凄く、心から、私はトレイズのことが嫌いじゃない。
だから、これまでもずっと、途切れることなく二人でこうしていられたんだ。
「やっ…ああっ…はあ、はあ」
奥まで入ったものを、トレイズがゆっくりと動かし始めた。
「…うぁっ!…トレイズ!…トレイズぅ!!」
私は涙を流しながら、トレイズの体に必死でしがみつき、その名前を呼んだ。何度も、何度も………。
799 :
581:2005/07/14(木) 13:45:51 ID:HjgkOQOM
トレイズの体が、顔が、息遣いが、鼓動が、全部私の触れられるところにある。ただ、それが嬉しかった。
「あっ!ああんっ!!あっ!……はうぅ!!」
「リリアっ!リリアっ!!」
トレイズが私の名前を名前を叫ぶ。私はそれに答えるように、トレイズの体を強く強く抱きしめる。
熱い。体が熱い。私の、そしてトレイズの体が熱い。その熱さを求めるように、私の動きは激しくなっていく。
「あっ…やぁ!あん!あっ…あぁ!!…トレイズぅ!!!」
熱が私の体の中を駆け巡る。頭が真っ白になっていく。そして、私は体の内側から一際大きな熱の波が押し寄せようとしているのを感じた。
「あぁっ!くるっ!!きちゃうよぉ!!トレイズぅ!!」
「…くっ…あぁっ!!リリアぁ!!!」
トレイズが突き上げてきて、私はその波に飲み込まれる。
「やぁ!!ああんっ!!!…あっ!あああっ!!!ふあああああああぁっっっ!!!!!」
私たちは一緒に絶頂に達した。
800 :
581:2005/07/14(木) 13:47:55 ID:HjgkOQOM
乱れた息を整えて、トレイズが体を起こした。そして、まださっきの余韻で頭のくらくらしている私の頭をそっと撫でる。
そのまま、互いに言葉も交わさず見詰め合った。
そこで私はあることを思いついて、なかなか言うことを聞こうとしない体を無理やりに起こした。
そんな私の背中に手をまわし、しっかりと支えるトレイズの顔を、私はじっと見つめて…。
その額に、そっとキスをした。
たちまち、目の前のトレイズの顔が真っ赤になる。
「約束してたわよね。…まあ、人工呼吸はもうしてあげたし、普通のキスもさっきしたけど…。約束はおでこだったから…」
私も恥ずかしくなって、目を伏せながら言った。
「……それに、まあ夢だし。現実だったら、こんなにサービスしないんだから…」
そう、これは夢だから…。夢の中でぐらい、せめて素直な気持ちを…。
嫌いじゃないから…。私はトレイズのこと、嫌いじゃないから。……ずっと、嫌いじゃなかったから。
目が覚めて、本物のトレイズに会っても、きっと私はこんなに素直にはなれないから…。
驚いたような顔をしていたトレイズは、恥ずかしそうに嬉しそうに目を細めて、私に微笑みかけた。
801 :
581:2005/07/14(木) 13:48:39 ID:HjgkOQOM
それから何かを思い出したようにトレイズは脱いだ服の中を探ってから、私の目の前に拳を差し出した。何かが握られているらしい。
「…リリア、俺も約束を守るよ……」
差し出した私の手の平の上に置かれたのは、トレイズが付けているのと同じような、あの金色のペンダントだった。
細かな細工が施された、キラキラと輝くそれを、トレイズは優しい手つきで私につけてくれた。
「…リリアに、あげるよ…」
そう言って、私を見つめてくるトレイズの瞳はあくまで真剣だった。それで、私はトレイズのくれたものが、とても大事なものなんだとわかった。
ただのペンダント以上の意味があるんだって、なんとなくわかった。
なんだか嬉しくて、とても嬉しくて…、よくわからないけど、ただ嬉しくて…。
私はトレイズの真剣な眼差しを、真っ向から見つめ返して、心からの感謝の言葉を告げた。
「ありがとう…トレイズ」
802 :
581:2005/07/14(木) 13:49:45 ID:HjgkOQOM
私は目を覚まし、ガバっと起き上がった。
辺りを見回す。窓から差し込む朝日で照らし出されているのは、昨日と変わらないホテルの一室だ。
なんだか憶えていないけど、とても大変な夢を見ていた気がする。とんでもない夢を…。
「…夢かぁ」
どんな夢だったかわからないけど、取り敢えずつぶやいてみた。
そこで私は自分が凄い量の汗をかいているのに気が付いた。下着までぐっしょりと濡れている。
どうも、ろくな夢ではなかったらしい。なんだか、まだドキドキしている。
「夢でよかった……のかな?」
私は取り敢えず、下着を着替えることにした。パジャマの上着を脱いで胸元に手をやったとき、違和感を感じた。
何かが足りない気がした。
何かが…無い。何か大切なものをもらった筈なのに、それが無い。
しばらく考え込んで、私は気が付いた。
「そっか……夢だったんだ…」
夢なら仕方が無い。本当に、とても、すごく大事なものをもらった筈だったんだけど、夢だったのなら……きっと仕方が無い。
「……なんだ、夢だったんだぁ……」
なんだかもの凄く残念で、それに何故だか切なくって、私はもう一度、ポツリとつぶやいた。
803 :
581:2005/07/14(木) 13:50:32 ID:HjgkOQOM
『そのころ、隣の部屋では……』
「うあああぁっ!!!俺はなんて夢をっ!!」
俺は恥ずかしくて、リリアに申し訳が無くて、頭をブンブン振り回す。夢の中の俺は、リリアにあんな事やこんな事、あまつさえ、そんな事まで…。
穴があったら入りたかった。トラヴァス少佐にあんな話を聞かされた後だっていうのに、なんでこんな夢を見るんだ?
変態って、俺のことじゃないか!!
「うあ〜、リリア、ごめんよぉ」
頭からシーツをかぶって、俺はウンウンとうなった。そして、ひとしきりもがいた後、なんだか大切なことを忘れているような気がした。
夢の最後に、リリアに何かをあげたはずだ。それが思い出せない。
夢の中のリリアは、まるで本物のリリアみたいで、キラキラ輝いていて、だから俺は……。
無理に思い出そうと考え込むと、また別の恥ずかしい記憶が蘇ってきた。
「うあ〜、リリアぁ〜本当にごめんよぉ〜」
思い切り情けない声をあげて、俺はまたうなったのだった。
804 :
581:2005/07/14(木) 14:04:58 ID:HjgkOQOM
こんな感じでした。
もう世間様にどう言い訳すればいいのかわかりません。
リリアとトレイズの二人は、現状でやっちゃうのはなんか違うだろうということで、こんな話になりました。
ところで、いつも俺が気になっていることなんですが、俺が駄エロパロを書く上で、一応工夫して書いている
エロ以外の部分は、どういう風に見られてるんでしょうか?
例えば、駄文の4本目、キノがウェディングドレスを着る話での脱出までの過程であるとか、前回書いた話での
ヴィルのアリソンへの告白であるとか、そういったこっちが工夫のつもりで書いたことが、呼んでいる側には
余計なこと、いらないことと思われてないか、気になってしまうのです。
他にも、若干ヘタレな俺の書くヴィルや、微妙に乙女なキノがどういう風に感じられているのかも気になります。
今回の感想とともに、お答えいただけたら幸いです。
805 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/15(金) 10:24:47 ID:AKL892HL
gj
グッジョブ!
807 :
581:2005/07/17(日) 17:22:09 ID:Z1TkjCNJ
先日の自分の質問の
「俺が駄エロパロを書く上で、一応工夫して書いているエロ以外の部分は、
どういう風に見られてるんでしょうか? 」とか
「他にも、若干ヘタレな俺の書くヴィルや、微妙に乙女なキノがどういう風に
感じられているのかも気になります。」っていう質問って、
普通に答えにくい上に、質問してる俺が過剰に意識しすぎている部分もあって、
空気を濁らせちゃったかなという気がしてます。
まあ、今書いているこの文章自体にも、そんな自意識過剰なニオイがぷんぷんしますが…。
とにかく、スミマセン。
保守
保守
>>581 ちゃんとストーリーにもなってていいよ〜。
俺は陵辱は嫌いだし、エロ描写もふくめてイチャイチャな会話のほうも楽しんでる。
811 :
581:2005/07/28(木) 17:33:29 ID:PyH7XjWM
>>810
答えてもらってありがとうございます。
そう言ってもらえるとうれしいです。楽しんでいただけていれば、それが何よりなので…。
というわけで、7本目の駄文を投下します。
キノさんのお話です。とても、馬鹿な話です。
それでは…。
812 :
581:2005/07/28(木) 17:34:46 ID:PyH7XjWM
とある国、入国審査のための部屋に通されたキノは、目の前に座った審査官の姿に目を丸くしていた。
「ああ、驚いてらっしゃるのは…ふんっ!…わかります。旅人さんには失礼なことだというのもわかってるんですが、
どうぞご勘弁ください。何分、…はぁはぁ…これがわが国の伝統ですので」
審査官が笑顔を浮かべて、弁解する。
「いえ、構いませんから、入国審査を始めてください」
キノがやっとのことで、言葉を発する。顔を真っ赤にしたキノは、視線をどこに定めていいのか決めかねているようだった。
「いやいや、スイマセン。…うぉ…わかりました。始めさせて…むんっ…いただきます」
あくまで笑顔を絶やさない審査官の体には女性がしがみついていた。
キノは顔を伏せながら、審査官と女性の様子を観察する。
服こそ着ているものの、顔を紅潮させ、荒い息を漏らす女性は、どう見たって審査官と性交の真っ最中だ。
審査官の質問を上の空で答えながら、キノは体をモジモジと動かす。
(こんな、ここまでの物だなんて、聞いてないよ……)
キノはこの国がどんな国であるか、わかっていてやって来た。
かつて、キノが訪ねた国に嘘っぱちの伝統をでっち上げて、やってくる旅人を騙すことを楽しみとしていた国があった。
この国は、いわばその成人向けバージョンだった。3ヶ月に1度のペースで企画を立てて、破廉恥な伝統をでっち上げ、やってくる旅人を騙しているのだ。
まあ、別に旅人に対してそれ以上の害を与えることは無いのだけれど…。
813 :
581:2005/07/28(木) 17:35:55 ID:PyH7XjWM
「ということで、…くぅ!…わが国はキノさん…の入国を認めます」
そう言われて、キノがハッと顔を上げる。当然に審査官と女性の姿がもろに目に入ることになる。
「うあっ!…は、はいっ!!」
慌てて答えたキノの舌がもつれる。審査官と女性がそんなキノの顔を見て、微笑ましげに笑う。
「なかなか、慣れないこともあると…うっ!…思いますけど、まあ人生何事も経験ですよ。旅人さん」
「楽しんで…ああんっ!…いってください…ね」
笑顔で二人が送った言葉も今のキノの頭には入らない。フラフラと立ち上がったキノは、逃げるように部屋から出て行く。
「遅かったね、キノ〜。大丈夫だった?」
外に出ると、待たせておいたエルメスが声をかけてくる。
「入国審査はね…。まったく、なんて国なんだ」
ブツブツと文句をいってエルメスに跨るキノ、そのショーツの下は既にじっとりと濡れ始めていた。
(入国審査でああなら、こうなることも予想はしてたけど…)
街中に入り、エルメスを押しながら、キノは顔を伏せて歩いていた。
街の中では、そこかしこに先ほど見たような男性が女性を抱え、性交しながら歩いている姿が見えた。
「あっ!あっちにもいるよ。ん、あれよく見たら男同士じゃん。ホントとんでもない国だねえ」
エルメスがいちいち報告するのを無視して、キノは今日の宿を探すことに専念する。
814 :
581:2005/07/28(木) 17:36:48 ID:PyH7XjWM
なるべく上の方、看板だけを見るようにするが、それでも街行く人々の姿が目に入って来る。
街のそこかしこで交わる男女には2タイプがあった。
動きにもそつが無く、女性を抱えたままでもふらつくことが無く歩いていいるのは、この馬鹿げた冗談のために練習を重ねてきたのであろうこの国の人間だ。
一方で、女性の重さにフラフラと歩いているのは、この国にやって来た旅人たちだ。
この悪い冗談を目当てにやってくる旅人は跡をたたない。この国では、そういった旅人たちを相手にした商売が産業の大きなウェイトを占めているのだ。
いやらしい表情を隠そうともせず、白昼堂々と交わる旅人たちをチラチラと横目で見ながら、キノはのろのろと歩を進める。
(ボクはなんでこの国に来ちゃったんだろう?)
キノはこの国の隣の国に用があり、ここはただの通過点のはずなのだ。
しかし、この国がどういう国なのか、キノはそれをわかってやって来た。少し遠回りになるが、迂回路もあったのに…。
耳に入ってくる嬌声に、キノの背中の神経が粟立つ。腿の内側がジンジンしてくる。自分が一体どういうつもりなのかが、段々とわからなくなっていく。
「ん、あそこの人は一人だけなのかな。珍しいな……」
相変わらず、見たものをまんま中継していたエルメスが不思議そうに呟いた。つられてキノも、エルメスの見ている方に目をやる。
「本当だ。………って、あれ?あの人って!?」
そこにいたのは緑色のセーターを着た、長身の男だった。その足元に、タタッと白い大きな犬が駆け寄る。
「エロ犬!?」
「シズさん…!?」
815 :
581:2005/07/28(木) 17:37:49 ID:PyH7XjWM
シズの案内で、シズが利用している宿にたどり着いたキノ達は、シズの部屋で一息ついていた。
キノとシズは椅子に腰掛け、ベッドの端っこではティーが退屈そうに足をブラブラさせている。
陸とエルメスは、なにやらどうしようもない言い争いをしていた。
「本当に助かりました。こんな国なので、ボクもどこに行っていいのかわからなくて…」
キノがシズに礼を言う。
「いや、構わないよ。困ったときはお互い様だ」
シズも笑顔で答える。
「でも、まさかこの国がこんな事になってるなんて思いませんでした…」
「ああ、こんな状態じゃ迂闊にティーを外に出せないし、私も正直参ってるよ…」
二人そろって溜め息をつく。しかし、キノは内心ホッとしていた。知り合いがいるなら、この国の妙な雰囲気に呑まれずにすむだろう。
そう思いながら、キノは宿屋が用意してくれたお茶をすする。
「できるなら宿にこもっていたいですけど、そういうわけにもいきませんし…」
「そうだな。全く……いくら昔からの伝統だからって、こんな……」
シズの言葉に、キノの湯飲みを持った手がピタリと止まる。
(えっ!?この人もしかして……)
「伝統を守るというのは素晴らしいが、やっぱり、ここまで特殊なものだとそう簡単には馴染めないな……」
つぶやいたシズの表情はしごく真面目なもので、冗談で言っているわけでは無さそうだった。
816 :
581:2005/07/28(木) 17:38:36 ID:PyH7XjWM
キノがふと目をやると、エルメスと陸も言い争いをやめてこっちに注目している。
「伝統といえば、こんな国もあったな…。確か、国民全員が頭の上にりんごを載せて暮らすのが、その国の伝統で…」
周りの空気の変化にも気付かず、シズは話を続ける。その様子を見る陸は心なしか少しうなだれている。
話を聞けば聞くほど、キノは愕然とするほかなかった。
(うわ、シズさん気付いてないんだ……)
どうも、話の筋から察するに、シズは例の「伝統のある国」でもまんまと騙されたらしい。
「……しかし、伝統を否定するわけじゃないけど、この国の伝統には正直付き合いかねるな…」
そう言って笑顔で話を締めたシズに、どう答えてやったものかわからず、キノはシズの顔を呆然と眺めていた。
宿屋の一室、キノはあてがわれた部屋のベッドに、うつ伏せの状態で寝転がっていた。その口からははぁはぁと、荒い息が漏れている。
「キノ、大丈夫?」
「…全然ダメ」
枕に顔を押し付けたまま、キノがか細い声で答える。
「そう…。まあ、キノもこんなのずっと聞いてたら、そりゃあ、おかしくなっちゃうよね」
窓の外に面した広場からは、ここ1時間ほど男女が交わる嬌声が聞こえてきていた。
一体、何が起こっているのかと、キノが窓から外を見てみると、そこには信じがたい光景があった。
広場には多くの人が集まり、男が女性を抱え性交をしている状態で、輪になって踊っていたのだ。
817 :
581:2005/07/28(木) 17:39:44 ID:PyH7XjWM
その光景は一度キノの網膜に張り付いて離れようとしない。窓の外から聞こえる声と合わさって、キノの脳裏に淫靡な踊りが何度も再現された。
頭の中でグルグルと回るその光景が、キノの理性を徐々に破壊し、堪えがたい体の疼きをもたらしていた。
(ダメだ…。もう、熱くて……)
キノはうつ伏せになったまま、ベッド脇の小さなテーブルの上に置かれたティーカップを手に取る。
このお茶も、今のキノの飲むべきものではなかった。どうやら、この国のお茶には全般に神経を昂ぶらせる効果があるらしいのだ。
しかし、キノはそれに気付いていながら、その中身を一気に飲み干した。飲めば飲むほど、のどが渇くような気がした。
そして、またベッドに突っ伏したキノは、自分の手が下半身へと向かいそうになっているのに気付いて、慌てて引っ込める。
(どうしちゃったんだろう、ボクは………?)
この国は確かにおかしい。しかし、その悪い冗談に乗るかどうかは、あくまでもやって来た旅人に任されていた。
窓の外の声が気になるなら、無視すればいい。カーテンを閉めれば少しは違うはずだ。
お茶だって、そんな劇的な効能があるものじゃない。それでも気になるなら、お湯でも沸かして飲めばいい。
やりようはいくらでもあるはずなのに、今のキノはどんどんとドツボにはまっていた。
(それは、やっぱりボク自身が…エッチだからなの……?)
あんまり、考えたい話ではなかったが、今キノの体中を覆っている熱を前にして、そのことを考えないわけにはいかなかった。
それを証明するかのように、キノは自分でも気がつかない内に、体をベッドに強く擦り付け始めていた。
僅かな摩擦だけで、キノの体中に甘痒い感覚が走る。快楽を求め蠢く体に、キノは次第に翻弄されていく。
818 :
581:2005/07/28(木) 17:41:03 ID:PyH7XjWM
「……あっ!…あん!…うぁ…やぁんっ!!」
あえぎ声さえ漏らし始めていたキノの耳に、その時、コンコンとドアをノックする音が飛び込んできた。
「キノさん、いますか?」
聞き慣れたシズの声だった。
「……はい」
フラフラと体を起こし、キノはドアの外のシズに答える。
「外があの様子なので、私の部屋で一緒に夕食を食べないか?色々と積もる話もあるだろうし…」
ありがたい申し出だった。今のキノが正気を保つには、他人の目が必要だった。
キノはベッドから起き上がり、ドアに向かおうとして、自分に起きたある異変に気が付いた。
「……濡れてる…」
キノのズボンの股間は、まるでお漏らしをしたかのようにぐっしょりと濡れていた。キノの秘裂を濡らしていたものが、外まで染み出してしまったのだ。
(着替えなくちゃ……)
どうにもぎこちない手つきで、キノはズボンのベルトを外しにかかる。ベルトの金具が立てるカチャカチャという音が妙に大きく聞こえた。
やっとのことでズボンを下げて、キノはびしょ濡れになっているショーツに手を掛けた。
生暖かい布が肌から引き離されて、剥き出しになったキノの女性の部分に冷たい外気が触れる。それだけでゾワリとした感覚が、キノの背骨を駆け抜けた。
(うあ、こんな……すごい)
キノの秘部は溢れ出したもので湿って、脱ぎかけのショーツとの間に糸を引き、てらてらと光を反射していた。
819 :
581:2005/07/28(木) 17:42:32 ID:PyH7XjWM
自分の意思とは関係なしにすっかりいやらしくなった自分の秘部、それを見ているだけでキノの頭はクラクラとしてきた。
「キノ〜、着替えるなら早くしないと。待たせちゃまずいよ〜。………ってなにやってんの、キノ!?」
エルメスが声をあげる。ズボンとショーツを半分下ろした状態で、部屋の真ん中に立ったまま、キノは自らの体を慰め始めていた。
「……はっ…んっ!…あんっ!…やあぁ!」
キノの口からは小さくあえぎ声が漏れている。
「キノ、外にはシズがいるんだよ。いい加減にしなよぉ」
咎めるエルメスの声も、キノの耳には入ってこない。右の手で自らの秘裂の間に指を入れ、左の指がクリトリスを摘み上げる。
今のキノにとっては、エルメスも、ドアの向こうのシズの存在も、自分の体をより熱く燃え上がらせるだけのものだった。
キノの手の動きは段々と激しくなり、口の間から漏れる息も大きくなっていた。
「ふあっ!…やんっ!……ああぁっ!!!…あんっ!」
「キノ〜、本当に外に聞こえちゃうよ〜」
それでもキノは止まらない。いや、止まれない。キノは右手を滅茶苦茶に動かして秘部をぐちゃぐちゃになるまで弄び、余った左手で乳首を強く摘み上げた。
「あっ…あっ!!ああああぁぁぁぁん!!!」
今まで最大の快感の波がにさらわれて、キノは頭が真っ白になるほどの絶頂に達した。
瞬間、全身から力が抜けたキノは、脱ぎかけのズボンに足をとられて倒れる。
「…っ!?キノさん、大丈夫か!?」
ドアの外で、心配したシズが叫ぶ。キノはベッドに寄りかかりながら、フラフラと立ち上がった。
820 :
581:2005/07/28(木) 17:43:29 ID:PyH7XjWM
「キノさん、さっきから様子が変だぞ。体調でも悪いのか?」
「…だいじょうぶです。ただ、きがえるのに手間取ってるだけです。すぐに着替え増すから…」
今度はちゃんとズボンを脱ぎ、着替えようとしているキノを見て、エルメスもようやく安心する。
しかし、ズボンとショーツを畳んでしまったキノは、着替えを出そうとはしなかった。
「…えっ!?キノ、ちょっとまさか……!?」
「…大丈夫だよ、エルメス……。外に出る準備をするだけだから……」
振り返ってエルメスに微笑みかけたキノの表情は、快楽に蕩けきっていた。
部屋の外、ドアの前でキノが出てくるのを待っていたシズは、様子がどうもおかしい部屋の中のキノを心配していた。
「キノさん、本当に大丈夫か?」
「…大丈夫です。もう、着替えも済みました。今、ドアを開けますから…」
待ちくたびれたシズの前で、ゆっくりとドアが開く。目の前に現れたキノは、いつもの帽子とコートまで着用していた。
「ははっ、キノさん、別に宿の外に出るわけじゃないんだから、そんなに着込まなくても…………ん?……えっ!?…そんな!?」
キノは下半身に靴以外何も身につけていなかった。愕然とするシズに、キノがニッコリと微笑む。
「…シズさん、…はぅ!…伝統を守るのは、…あんっ!?…悪いことじゃないって言ってましたよね…」
そう言ってから、身動きできずに固まってしまったシズの体に、キノはぎゅっと抱きついた。
821 :
581:2005/07/28(木) 17:44:34 ID:PyH7XjWM
「…キノさん、これは一体?…どうして!?」
「…だから、…あぁ!…シズさんといっしょに…やぁっ!…この国の伝統どおりに……一緒になりたくって……」
キノが蕩けきった表情で、シズに語りかける。
シズは自分の体が止めようも無く熱くなっていくのを、頭の芯が蕩けて理性が流れ出ていくような感覚を感じていた。
この国の状態をシズが好ましく思っていようがいまいが、目の前でまざまざと見せつけられるこの国の人々の行為のせいで、
否応無くシズの中には欲望が渦巻いていた。
正直な話、シズだってもう限界だったのだ。
「……だからぁ…ひゃうっ!…シズさんも一緒に…あん!…伝統…しましょう……」
シズの中で、最後の理性の砦がガラガラと崩れ落ちていった。
「……ねっ…」
そう言って、淫靡な微笑を浮かべるキノの唇を、シズの唇がふさいだ。シズの舌はキノの小さな口の中に侵入して、その舌を蹂躙する。
「ん…んむぅ…んんっ…はぁはぁ…」
キスだけでトロンとした表情になったキノの体を、シズは抱き締め、人目もはばからずその場に押し倒した。
部屋の中のエルメスにも、ドアの辺りで起こっていることは見えていた。
「ああ、もう知らないからね。二人とも勝手にやってよね」
心底うんざりした様子で、エルメスはつぶやいた。
822 :
581:2005/07/28(木) 17:45:34 ID:PyH7XjWM
キノの体中をシズの指先が這いまわっていた。敏感な部分を触れられるたびに、キノは快感でブルッと体を震わせる。
「あっ…ああんっ!!あっ!!あんっ!!…やあんっ!!…」
シャツの布ごと、シズに乳首を甘噛みされて、キノは体を仰け反らせて叫ぶ。
「ひあっ!ああんっ!!やんっ!!あっ!あっ!ああああぁぁんっ!!!」
服の布地越しにでも感じられるシズの体の熱、それだけでキノは狂いそうになるほど感じてしまっていた。だが……。
(もう…ボクのアソコが…熱くて…)
この国に入ってからずっと性欲を抑え続けてきたキノにとって、これ以上焦らされるのは酷というものだった。
キノは自分の体をまさぐるシズの手をつかむ。
「…はぁはぁ………ん、キノさん?」
そのまま自分の下半身の方へシズの手の平を持って行き、溢れ出たものでしとどに濡れた自分の秘所にその指を触れさせる。
自分以外のものが触れる感覚に、キノの体がビクンと反応する。
「もう…ずっと待たされてたから…はぁはぁ…ボクのここ、こんなになってしまって…あんっ!…もう限界…なんです…」
シズの指先をより深く侵入させる。目の端に涙さえ浮かべながら、キノはさらに哀願する。
「…して…ください…うぁっ!…はぁ……これ以上待たされたら…あんっ!…ボクもう…」
そんなキノの表情を見ていたシズは、今度は自分の意志で自分の指先をキノの中に深く突っ込んだ。
「…あっ!?ひゃああんっ!!!」
突然襲ってきた感覚に、キノは叫び声をあげる。
823 :
581:2005/07/28(木) 17:46:30 ID:PyH7XjWM
「わかったよ。…キノさんの言うとおりにしよう…」
そう言って、シズは自分のズボンに手を掛ける。今のキノにはその時間さえも惜しい。
やがて、ファスナーが開く音がして、キノの視界にシズの大きくなったモノが姿を現した。
「うあ、…おっきい」
思ったことがそのまま口に出てしまう。
シズはそれを、まだ幼さの残るキノの秘所にあてがった。先端が触れて、その熱さだけでキノの意識がとびそうになる。
「キノさん、いくぞ」
身構えるキノの前で、シズのモノが一気に突き入れられる。奥の奥までぐっしょりと濡れたキノの秘部は、それをあっさりと受け入れてしまう。
「あっ!あっ!!あああっ!…すごっ!こんなぁ!ひゃうううっ!」
自分の指でやるのとは比べ物にならなかった。シズのモノが行き来するごとに、キノの視界に火花が散る。
「あああっ!!ああああぁあああんっ!!!ひゃうううんっ!!あっ!あぐぅううっ!!」
それはまるで絶叫だった。突き入れられるたびに体中を走る快感を求めて、キノは痙攣したように腰を振る。
「うああああんっ!!!ふああ…は……やぁ…ああああんっ!!もっと!!もっとぉ!!!」
キノの言葉に答えるように、シズのピストン運動も激しさを増していく。
キノを襲う快感はさらに大きなものとなり、キノは段々と自分が何をしているのかもわからなくなっていく。
824 :
581:2005/07/28(木) 17:47:10 ID:PyH7XjWM
下腹部に感じる狂ったような熱の中で、キノはシズのモノが一際熱くなるのを感じた。限界を迎えようとしているのだ。
突き入れられるシズのモノに、アソコも頭の中もぐちゃぐちゃにかき回されていたキノも、限界を迎えようとしていた。
「シズさんっ!ボクもう…っ!!!ああああっ!!!…だから…シズさんも一緒にぃっ!!!…ボクの中、ぜんぶだしてえええぇぇっ!!!!」
瞬間、シズのモノからとてつもない熱が放たれるのが分かった。
「ああああああぁっ!!!!!ひゃあああああああぅ!!!!イっちゃううううぅぅぅ!!!!」
一際大きく叫び、キノは達してしまった。
「…うああ…シズさんの…あついのが…ボクの中に……」
キノは自分の中に放たれたものの熱を感じながら、呆然と呟く。そして、思った。
(…まだ、足りない。……全然足りない)
欲望を放って、こちらも少し呆然としていたシズに、キノは耳元で語りかける。
「……シズさん、外に出てみませんか?」
「…えっ!?」
驚くシズの胸に顔をうずめて、キノはもう一度言う。
「…外に出ませんか?………このままの状態で…この国の人みたいに…」
825 :
581:2005/07/28(木) 17:47:49 ID:PyH7XjWM
数時間に渡り、宿屋の表の広場で行われていた狂乱のダンスパーティーだったが、疲れ果てた参加者が徐々にいなくなって、間もなく終わろうとしていた。
女性と交わったまま踊る男たちの足はふらつき、その場にへたり込んでいるものもいた。
そこに、宿屋の扉を開けて、今更ながらの新たな参加者が現れた。
シズとキノである。
疲れ果て無気力になっていた参加者たちが、こちらに歩いてくる二人を見るとも無く見る。
「あんな厚着されてちゃ目の保養にもならねえ……。それに見たとこ、まだガキじゃねえか」
ぼやいた男の表情は、しかしキノの顔を見たとたんに大きく変わった。
快楽に心底から蕩けきった表情、こんな国でもそうそう見られないようないやらしい表情…。
キノの表情を、漏れ聞こえる息遣いを聞くごとに、広場の人間は言葉を無くす。
やがて、ダンスの輪にたどり着いたシズは、ゆっくりとステップを踏み始める。
一歩踏み出すごとに、キノの体が上下し、絶頂の余韻の抜け切らない体に強烈な性感を与える。
「あっ!…あんっ!…やっ!はっ!ふあぁんっ!…ああぅ!」
キノの、そんなに大きくないあえぎ声が広場中に広がっていく。広場にいる全ての人間の視線がキノに集まる。
「あっ!!ああっ!!ふぁっ……!!きゃううっ!!!きもちいひぃぃっ!!!あああああんっ!!!」
キノの嬌声は、踊りのテンポが早まるごとに大きくなっていく。
(うあっ…みんな…ボクを見てるぅ……)
視線を感じれば感じるほど、自分の体が熱く燃え上がるのをキノは感じていた。
826 :
581:2005/07/28(木) 17:48:28 ID:PyH7XjWM
(…そうだ…この国に来てからボクは…ずっと…こういうふうにされてくて…)
恍惚とした表情を浮かべるキノを見た人々が、一人また一人と立ち上がり、踊りの輪に加わってくる。
やがて、辺りは何十、何百もの男女の嬌声が混ざり合い異様な空気に包まれ始めた。
「あっ!!!あああんっっっ!!!!きゃひいいいいぃっ!!!すごひぃぃっ!!!すごいのぉっ!!!!」
その熱狂のさなかで、キノは全身に快楽を感じ、身をくねらせ、叫ぶ。もはや恥ずかしがる必要はなかった。
「あっ!ああんっ!!すごっ!!!うあああっ…またぁ!ボク、またイっちゃうよおおっ!!!っあああああああああああんっ!!!!!!」
群衆の中で、キノは先ほど感じた以上の絶頂感に登りつめ、そのまま気を失った。
翌日、閑散とした町の中に、エルメスを押しながら歩くキノと、シズ、陸にティーの姿があった。
「シズさん、昨日はその、………ごめんなさい」
「いや、こっちこそ、……すみません」
「いえ、本当にごめんなさい」
「いや、その、すみません」
「ごめんなさい」
「すみません」
「ごめんなさい…」
「すみません…」
827 :
581:2005/07/28(木) 17:49:13 ID:PyH7XjWM
お互い後ろめたさに耐えかねて謝ると、それ以上、会話の続けようがなくなってしまう。
通りに面した店はすべて閉まっていた。
昨夜、キノとシズに焚きつけられた人々は、あの後もあの狂ったダンスパーティーを続け、精根尽き果てて家で眠りについていた。
(とんでもないことをしちゃった……)
自分の招いた事態にキノは青ざめるばかりだった。一晩明けてしまえば、自分が何故あれほど乱れていたのか全くわからなくなっていた。
残ったのは、何ともいえない後悔、罪悪感……。
「まあ、欲望に任せて突っ走ったんじゃあ、人間も獣と変わらないよね〜」
エルメスが皮肉たっぷりに言う。
キノもシズも、その言葉に同時に溜め息をついて、顔を見合わせる。
その途端、再び昨日の恥ずかしい記憶が蘇ってくる。
828 :
581:2005/07/28(木) 17:49:58 ID:PyH7XjWM
「うあああああぁ。シズさん、その、………ごめんなさい」
「キノさん、えっと、その、本当に………すみません」
「ごめんなさい」
「すみません」
「ごめんなさい」
「すみません」
またも二人の謝りあいが始まってしまった。
「あ〜あ、また始まっちゃったよ〜」
エルメスはそんな二人の様子を見ながら、心底うんざりした様な口調で呟いたのだった。
829 :
581:2005/07/28(木) 17:55:54 ID:PyH7XjWM
こんな感じでした。
今回は、意識的にエロを多めにしようとしたんですが、どうだったでしょうか?
感想等いただけると幸いです。
ところで、これまで書いたキノのエロパロではシズの出現率が100%になってます。
意識してそうしたわけじゃないんですが…。おかげで最近は、シズ×キノよりの思考になってきました。
でも、このスレでそういう需要はあるのかな?少し気になります。
GJ!!
普通にエロ以外のところも好きですよ。
シズ×キノ好きなのでこれからも頑張って下さい。
個人的にはトレイズ×リリアが一番好きですが(*´Д`)
久しぶりに来るとGJな作品が!
GJ!!(;´Д`)ハァハァ
シズキノを読みにきているようなものなんで、
激しくGJ!!これからもシズキノを投稿してください
ティー…
ごちそうさま!
うほいいSS
エロ部分も実によいのですがそれと同じくらいごめんなさいのラリーになる落ちが良かったですな、微笑ましくて。
性格設定がエロに傾くのとよわよわになるのはセットだから不自然でもないですし。
837 :
581:2005/08/01(月) 16:43:08 ID:XywPw0Xi
なんだか一杯7本目の駄文に感想をいただいて、嬉しい限りなんですが、また空気の読めないことをします。
8本目の駄文を投下します。
いつもの悪い病気が出ました。ヴィルアリの発作です。
どうにも止まらなくなって、昨日一晩で書いてしまいました。
内容は俺の書いた一本目の駄文、681〜686の続きです。激しく蛇足っぽいです。展開が強引です。
どうか許してください。読んでやってください。
それでは……。
838 :
581:2005/08/01(月) 16:44:49 ID:XywPw0Xi
暗い視界の中、アリソンは自分の体の上に覆い被さった何かが動くのをずっと見ていた。その度に体中を駆け抜ける感覚が、アリソンの意識を何度も寸断する。
あれ、私、なんでこんなふうになってるんだろう?
漠然とした疑問が浮かぶ。段々と目の前のものがハッキリと見えてくる。
自分の上に覆い被さっている影、これは………この人は……。
「ヴィル………?」
段々と記憶が蘇る。
(そうだ。私もヴィルもベネディクトさんとフィオナさんに薬を盛られて、それで訳がわかんなくなって、二人とも嫌がってたのに無理矢理………きゃうっ!?)
強烈な衝撃がアリソンの思考を断ち切る。
「…ひうっ!?…あっ!あんっ!?……何!?」
戸惑うアリソンに、再び下から突き上げるような衝撃が襲う。同時に押し寄せる凄まじい快感でアリソンの頭が一瞬真っ白になる。
その衝撃を与えているのは、アリソンの上に覆い被さり蠢く影………。
「……やぁっ!?…ヴィ…ヴィル!?…ひゃんっ!?」
その声には何の反応も見せず、アリソンの体を押さえつけたまま、ヴィルは行為を続ける。
「…やめっ!!…うあっ…ヴィルぅ!!…やめてよぅ!!…なんで…はうっ!!…なんでこんなことっ!?」
自分の言葉に答えようともしないヴィルに、アリソンは半ばパニックになりながら叫ぶ。
839 :
581:2005/08/01(月) 16:45:55 ID:XywPw0Xi
わけのわからないまま、アリソンはヴィルの顔を覗きこんで言葉を失った。
「……ヴィル!?…うそ?」
ヴィルの目つきは虚ろで、その焦点の定まらない瞳は眼前にいるはずのアリソンが見えていないかのようで……。
「……そんな!?ヴィルっ!!ヴィルっ!!?……きゃふううぅっ!!?」
再びヴィルに強く突き上げられて、アリソンの意識が吹っ飛ぶ。
(…………今のヴィル、私が見えてないの?……………私の声が届いてないの?)
アリソンの心が絶望の闇に堕ちていく。
できるなら、目の前のこの現実を否定してしまいたかった。だが、アリソンにはヴィルがこうなってしまう理由などいくらでも思い当たった。
閉鎖されたこの異常な状況、信頼していたベネディクトとフィオナの手でこんな仕打ちを受けていること、そしてその二人に盛られた薬………。
あの薬は、与えられてから殆ど間をおかず、アリソンからまともな思考を奪うほどの効果を発した。
ヴィルはアリソンほどに薬の効果は受けていなかったが、それが後から効き始めたのだとすれば………。
あの時、押し寄せてくる快感と苦痛のために、壊れそうになっていたアリソンをヴィルは強く抱き締めてくれた。
アリソンの名前を何度も呼んでくれた。
あの腕のぬくもりが、あの声があったからこそ、アリソンはギリギリで持ちこたえることが出来た。
だが、今のヴィルは泣き叫ぶアリソン無視して、その体を蹂躙している。声も発さず、まるでそこにアリソンがいないかのように………。
840 :
581:2005/08/01(月) 16:46:48 ID:XywPw0Xi
「…あんっ!!…も、やめっ……やぁっ!…ヴィルぅ…ひあっ!…こんな……こんなのやだよ……ああんっ!!!」
アリソンが必死で発する言葉は、ヴィルに突き入れられるごとに断ち切られて、途切れ途切れになる。
ヴィルのモノで膣内をかき混ぜられるたびに、薬の効果の残るアリソンの体は、アリソンの意思を無視して快感に身をくねらせる。
自分の言うことを聞かない体が恨めしかった。
「……うあっ!!あんっ!!やだっ!!やだあああああああっ!!!!…やあっ!!」
なんでヴィルにこんな乱暴をされてるんだろう………。
なんでヴィルにこんなことを言わなければならないんだろう……。
自分の口から、ヴィルに対する拒絶の言葉が発せられるなんて思っても見なかった。叫んだその言葉が、何よりも深くアリソン自身を傷つける。
嫌われたならそれでも良かった。でも、こんなふうになるなんて、ヴィルの中から自分のことが消えてしまうなんて………。
悪い夢のようだった。夢なら覚めてほしかった。
「…ひあっ!!ああんっ!!!あっ!ふあっ!!!」
もうこれ以上何も言う気力がなかった。与えられる快楽に身を任せ、アリソンはただ喘ぐ。
(……そうよ……きっとこれは夢だから……こんなの夢に違いないんだから……)
待っていればきっとヴィルは戻ってくる。こんなのはウソに決まってる。だから、もう暗いことを考えるのはやめてしまおう。
「あっ!いいっ!!ヴィルぅ!!いいよおっ!!!ひああああんっ!!!!」
いつしか、アリソンは自分から腰を振りはじめていた。動かすたびに電流のように走る快感だけを追い求める。
841 :
581:2005/08/01(月) 16:47:39 ID:XywPw0Xi
アリソンの変化には気付く様子も無く、ヴィルは黙々と行為を続ける。ヴィルの舌がアリソンの首筋を舐めあげ、アリソンの体がビクンと反応する。
「うあああっ!!ヴィルぅ!!ヴィルっ!!ヴィルっ!あああんっ!!!」
「……………」
何度もヴィルの名を呼ぶアリソンの声も、今のヴィルの耳には届かない。
どんどん乱れていく自分を、アリソンは呆然と眺めていた。
崩れていく。台無しになっていく。
自分とヴィルが今まで築き上げてきたものが、積み重ねてきた大事な思い出が、絶え間なく与えられる快感と絶望感によって壊されていく。
(…まるで他人事みたい…もっと焦らなきゃダメなのに………)
ヴィルがいつも自分に見せてくれた優しさも、出会ったあの日からずっと持ち続けてきた想いも、みんな壊れていく。
自分の中の感情がだんだんと死んでいくのがアリソンにはわかった。
(でも、それで楽になれるならそれでいいや……ヴィルが…気持ちよくしてくれるんだから……もう…それでいいんだ……)
アリソンのまっすぐな瞳から、光が消えていく。目じりからすうっと一筋の涙がこぼれたのが最後だった。
「ヴィルぅっ!もっと!!突いてぇ!もっと突いてぇ!!!もっとおおおっ!!!!」
虚ろな目つきで、与えられる快感に蕩けきった微笑を見せながら、アリソンが叫ぶ。
心にポッカリとあいた穴を埋めるように、アリソンは快楽だけに身を任せる。
「そだ…ゆめだったんだ…ひあっ!!…こんなふうにヴィルといっしょになるのが…あんっ!!…わたしのゆめだったんだ……」
アリソンはまるで自分に言い聞かせるかのように、叫ぶ。
842 :
581:2005/08/01(月) 16:48:34 ID:XywPw0Xi
「…あはっ……うれしいな…あっ!……ヴィルといっしょだぁ…ヴィルといっしょなんだぁ………ああんっ!!!」
だが、アリソンの瞳はもはや目の前にいるヴィルの姿さえ捉えていなかった。暗い部屋の中に、アリソンの壊れた嬌声だけが響く。
口の端から涎をたらし、痙攣するようにアリソンは腰を振る。
燃え上がるアリソンの体を全く無視して、ヴィルの行為は黙々と続けられる。
二人だけの地獄がそこにあった。
「すごひぃいいいっ!!!ヴィルのおっきいのがわたしのなかをえぐってるのぉ!!!おくにあたってるのぉ!!!」
ヴィルに深く突き入れられて、髪を振り乱してアリソンが叫ぶ。
ぜえぜえと息を切らすアリソンに追い討ちをかけるように、ヴィルがアリソンのクリトリスを摘み上げる。
「きゃひいいいいいっ!!!!しぬぅ!!ひぬうううっ!!きもちよすぎてしんじゃうのおおおぉっ!!!!」
何度も意識が白く霞む。自分のこともヴィルのことも頭の中から追い出されて、ただ快楽のことだけを考えるようになっていく。
最後に残されたひとかけらの理性で、アリソンはぼんやりと考える。
(…ああ、もうダメなんだ。わたしも、ヴィルも……もう全部こわれちゃうんだ……)
その思考も押し寄せる怒涛のような快感でかき消されてしまう。言葉にならない絶望と快楽が、アリソンの意識を塗りつぶしていく。
「ああんっ!!!ヴィルきてえええぇ!!!!ヴィルのどろどろしたので、わたしのなかぜんぶよごしてえええっ!!!!!」
全身に感じられる快感に任せて、アリソンが叫ぶ。ヴィルの動きが一気に激しくなる。
「うあああっ!!!イクっ!!イクッ!!!イグウウウッ!!!!!!ひあああああああああぅっっっ!!!!!!!!!」
体を大きく仰け反らせ、アリソンが絶頂を迎える。同時にヴィルのモノから放たれた熱がアリソンの膣内を満たしていく。
843 :
581:2005/08/01(月) 16:49:27 ID:XywPw0Xi
「うあ……ヴィルの…あつい……」
もう完全に壊れた微笑を見せて、アリソンが呟く。
「…ねえ…ヴィル…すきぃ…だいすきぃ…あいしてるぅ……ヴィルぅ…」
そんなアリソンの言葉に答えることも無く、ヴィルは再び行為を始める。
しばらく、アリソンはヴィルにされるがままになる。
だが、そんなアリソンの意識を覚醒させるものがあった。
「…あれ、ヴィル……なにかいった?」
ヴィルの声が聞こえた気がしたのだ。ぼんやりと霞む意識を集中させ、アリソンは必死に耳をすませる。
「………ソン…」
「……えっ!?」
「………アリソン……アリ…ソン……」
か細く悲しげなその声は、確かにアリソンの事を呼んでいる。
アリソンはヴィルの顔を覗き込むが、その瞳は虚ろなままでアリソンのことなど目に入っていないかのように見える。
しかし、ヴィルの口からはなおもアリソンを呼ぶ声が発せられる。まるで、アリソンを探しているかのように………。
「……さがしてる?……わたしのことを?」
今のヴィルには、アリソンのことが見えないのかもしれない。アリソンの声が聞こえないのかもしれない。
それでも、アリソンのことを忘れたわけじゃないのなら……。
844 :
581:2005/08/01(月) 16:50:17 ID:XywPw0Xi
「アリソン……アリソン…どこなの…」
アリソンの顔にぽちゃりと熱い滴が落ちる。
ヴィルの目からとめどなく流れる涙が見えた。
「ヴィルっ!!ヴィル……わたしはここよ!!ここにいるから……」
力の限りアリソンが叫ぶ。ヴィルのなかから自分のことが消えたんじゃないなら、ヴィルが自分のことを求めているのなら……。
(わたしは何をやってたんだろう…。ヴィルはずっと助けを求めてたのに、私のことを探してたのに、わたしは勝手に絶望なんかして……)
精一杯のアリソンの叫びは、しかしヴィルには届いていないようだった。
(でも、諦めるわけにはいかない。ヴィルがわたしのこと、よんでるんだから……)
名前を呼ぶ以外に、今のアリソンに出来ることは一つしかない。
上手くいくかどうかはわからない。それでも、この一手にかけるしかなかった。
「…ヴィル」
ぼろぼろと涙をこぼし続けるヴィルの目をまっすぐ見据え、アリソンはヴィルにキスをした。
王子様にかけられた呪いを解くのは、いつだって女の子のキスだ。
稚拙な考えだというのはわかっていた。それでも、ヴィルになら通じる。ヴィルなら答えてくれる。アリソンはそう信じていた。
(……ヴィル、お願いっ!!!!)
息が苦しくなるほどの、長い長いキスを終えて、アリソンはヴィルから唇を離す。
845 :
581:2005/08/01(月) 16:53:53 ID:XywPw0Xi
ヴィルの瞳に僅かな光が戻ったのが見えた。ぼんやりとではあるが、アリソンの顔を見つめてくる。
これが最後のチャンスだ。この最後の希望の一掴みを逃すわけにはいかない。
アリソンはゆっくりと息を吸って、自分の気持ちを、心の底からの真摯な思いをヴィルに向けてぶちまけた。
「ヴィルゥウウウウウウウウゥッッッ!!!!!!!!!大好きだぁあああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!」
肺の中の空気を全て出し切ったアリソンは、肩を上下させて荒く息を切らす。
落ち着いたところで、おそるおそる顔を上げると、そこにはいつもの優しげな瞳でアリソンを見るヴィルの姿があった。
「……アリソン?」
「……ヴィル、ヴィルだぁ……」
今にも泣きそうになるのを堪えて、アリソンは必死で笑顔を浮かべる。
しばらく呆然としていたヴィルだったが、アリソンの目の端に残る涙の跡や、ボロボロなアリソンの姿から何が起こったのか、自分が何をしたのかを悟る。
「……アリソン、…僕はアリソンに酷いことをしたんだね………」
辛そうに呟くヴィルに、アリソンは返す言葉も無い。
「……あの後、何度も意識を失って…それで気が付いたときに……僕の上でアリソンがぐったりしてて………」
アリソンが意識を取り戻すずっと前、幾度も意識の明滅を繰り返したヴィルがその末に見たのは、虚ろな目でいくら呼びかけても答えようとしないアリソンの姿だった。
「……僕は怖くなって……いくら薬を盛られてても…やったのは僕だから……。いや、違う。本当はアリソンがあんなふうになったのが、怖くて、悲しくて………。」
アリソンが考えたように、薬が後から効き始めたこともあったのかもしれない。
アリソンを傷つけたのだという恐怖に、アリソンが失われる恐怖に、ヴィルの心は壊れてしまった。
846 :
581:2005/08/01(月) 16:54:44 ID:XywPw0Xi
現実を受け入れられなくなって、ただ体だけが薬の命ずるままに動いた。
「………でも、それで……そうやって、僕が現実から目を背けて、……その間に、またアリソンを傷つけていたんだね……」
そう言って、ヴィルは再びボロボロと涙をこぼし始める。
そんなヴィルをアリソンは言葉も無く見つめていた。
(同じだ…。さっきまでのわたしと同じだ………)
最愛の人を失う恐怖に、ヴィルは叩きのめされ、正気を失ってしまったのだ。
(同じ気持ちだったんだ………)
堪えてきた涙がすうっと流れ落ちていくのを、アリソンは感じた。
いつまでも、涙を止めないヴィルの手をとり、その手の平を自分の顔に押し当てる。零れ落ちてきたアリソンの涙が二人の手を濡らす。
「……だいじょぶ……ヴィル…わたしはここにいるから……」
アリソンがそっと囁く。しかし、ヴィルは首を振り、辛そうに目を伏せる。
「……でも、僕は……アリソンに酷いことして……」
そんなヴィルに、アリソンは精一杯の笑顔を向ける。
「…大丈夫…大丈夫だから……私は全然平気だから………ヴィルがいてくれるなら…どんなことだって平気だから……」
本当にそんなことはどうだっていいことなのだ。そんなもの全然平気なのだ。
「………好きだから…」
ヴィルが、ヴィルの心の中から自分が消えてしまう。ヴィルを失ってしまう。アリソンにとって、あれ以上の恐怖などあろう筈も無かった。
847 :
581:2005/08/01(月) 16:55:26 ID:XywPw0Xi
「それに、まあ今回のは……ヴィルが私の魅力に思いっきり参ってメロメロになって、夢中になっちゃたってことで……」
冗談めかして言って、アリソンが無理に微笑む。
それを見て、ようやくヴィルもぎこちなく微笑む。
「…そうだよ。……アリソンがあんまり素敵だから……僕はアリソンに夢中になっちゃったんだ………」
そう言ってから、二人微笑み合う。
「……今日は、ノリ良いわね…」
「いつもは…、ノリ悪いかな……」
「うん、てんでつれないもの……」
そこまで言ってから、アリソンはヴィルの胸にそっともたれかかる。
ヴィルはそんなアリソンの背中にそっと手を伸ばし、自分の方に抱き寄せる。頬と頬が触れて、互いの涙が混ざり合うのがわかった。
ヴィルの手が何度もアリソンの頭を撫でる。自分を慰めようとしてくれてるんだと、アリソンにはわかった。あの薬のせいで心が壊れそうになったあの時と同じだ。
アリソンを傷つけてしまった、そう思ってヴィルは自分自身を責めているに違いない。
それなのに、そんな辛い気持ちを堪えて、ヴィルはアリソンを気遣ってくれている。それがアリソンにはたまらなくうれしかった。
「…もう、しばらくはエッチなことはしたくないけど………こういうのは良いわね……」
「………うん」
そうして抱き締めあったまま、二人一緒にいられる喜びを、アリソンは、そしてヴィルは噛み締める。
小さな窓から灯りが差し込む。夜はもう、明けようとしていた。
848 :
581:2005/08/01(月) 16:56:21 ID:XywPw0Xi
「さあ、ふざけた事しでかしてくれたあの二人をとっちめに行くわよ!!!」
「殺る気満々だね………。ちょっと可哀想だな、あの二人……」
「ヴィル、何か言った?」
「……ううん」
「なら良いけど…」
ヴィルの服を借りたアリソンを先頭に、二人は廊下を進む。二人の寝室までたどり着き、慎重に中の様子を窺ってから、一気にドアを開けた。
「観念なさいっ!!……って、アレ?」
ヴィルとアリソンがそこで見たものは………。
「なんていうか、人騒がせな話だったわね…あの二人ときたら……」
「まあ、もう責めても仕方が無いよ…」
あの谷の中の隠された村、その外れを二人は歩いている。時刻は夕方近く、辺りは雪で真っ白だった。
あの後、寝室に踏み込んだ二人が見たのは、幸せそうに眠りこけるベネディクトとフィオナの姿だった。
アリソンに揺さぶられて目を覚ましたベネディクトとフィオナは、二人に向かって眠そうに挨拶をして、それからまた眠りに落ちそうになって……。
「真っ青になって、あやまってたね」
どうも、昨夜の記憶が蘇ったらしかった。その様子に、わけがわからないアリソンとヴィルは二人に事情の説明を求めた。
849 :
581:2005/08/01(月) 16:57:44 ID:XywPw0Xi
「…あの二人も、薬にやられてたなんて……もうっ!!」
発端はちょっとしたボヤ騒ぎだった。
アリソンとヴィルを迎えるためもあって、家の片付けをしていたベネディクトが、フィオナのおじいちゃんの残した各種の薬草に誤って火をつけてしまったのだ。
その薬草の中には、麻酔代わりに使われるものや、幻覚作用をもつものなど、本来少量ずつ使われる危険な薬もあった。
火はすぐに消されたが、ベネディクトとフィオナはその煙を大量に吸い込んでしまった。
その煙が、ベネディクトとフィオナの精神を狂わせ、秘めていた願望や思いを歪んだ形で噴出させてしまうことになった。
「こんなのじゃ、無理に責めるわけにもいかないね。責任能力の欠如ってところかな…」
「ムシャクシャするわね……」
先頭に立ったアリソンは、ずかずかと大股開きで歩を進める。
「でも、本当はホッとしてるんでしょ。アリソンも……」
苦笑しながらも、ヴィルが問い掛ける。
「……うん。まあ、ね。…あの二人のこと、嫌いじゃないから……」
「僕も二人が本当に悪人だったんじゃなくて、ホッとしてる。……甘すぎるかな?」
「ううん。それで良いわよ。二人とも大事な友達だから……」
そう言ってアリソンは振り返り、ヴィルに笑いかける。ヴィルも答えて、微笑み返す。
「あの二人、今頃すっごく落ち込んでるわよ」
「そろそろ戻って、慰めてあげようか……」
850 :
581:2005/08/01(月) 16:58:31 ID:XywPw0Xi
そう言って、フィオナの家へと戻ろうとするヴィルの胸に、アリソンが飛び込む。
「うわっ!?アリソン、どしたの急に?」
「えへへへ」
自分の胸に顔を埋めたままのアリソンの背中を、ヴィルはそっと抱いてやる。
「割とすんなり抱いてもらえるようになったのは、今回の収穫かな…」
ヴィルの背中をぎゅっと抱き締め、しばらく離れてくれそうも無いアリソンに、ヴィルは苦笑を浮かべる。
「アリソン、もう日が暮れちゃうよ……」
「ごめん、もうちょっとだけ…」
気がつけば、太陽は山の端にかかり、辺りは薄闇に包まれ始めていた。
それでも、もう少しだけ…、二人は抱き締めあったまま動かない。
互いが互いを想っていることを確かめ合うように、互いの存在を見失わないように、それ以上に、ただ二人きりでいたいがために……、しばらく二人は動かないのだろう。
この後帰れなくなって、お気楽に雪中ビバークなどしていた二人のところへ、半泣きのベネディクトとフィオナが二人を探しにやって来るのは、また別の話……。
851 :
581:2005/08/01(月) 17:13:16 ID:XywPw0Xi
こんな感じでした。……なんじゃこりゃって思ってらっしゃるでしょう。強引なオチにあきれてる事でしょう。
でも、ごめんなさい。衝動を抑えられんかったんですよ。
本当はバッドエンドも用意しようかと思ったんですが、単に同じような描写を重ねるだけになりそうなので止めました。
でも、やっぱりあった方がよかったかな。こんなオチで納得できるのは、俺ぐらいのもんだよな。
一応この話は、1本目の駄文を用意しているころから考えていました。これとセットで完結させるはずでした。
ああ、でもやっぱこの二人は良いなあ。
世界の50%はアリソンのヴィルへの愛、もう50%はヴィルのアリソンへの愛で出来てるに違いないんですよ。
まあ、アリソンが本当に壊れちゃわなかったのは、俺に書く度胸がなかったせいでもあるんですが…。
どうしてもダメだって人は、一本目の駄文とは切り離して、忘れてしまっていください。
本当に、お目汚しスイマセン。身勝手でごめんなさい。
もし感想などいただければ幸いです。
超乙!
えがったえがった。
小難しい感想はかけないが、とってもえがった。
何この神スレ。GJ!
やたらと卑屈になったり感想クレクレ厨したり言い訳だらだら書いたりするのがうっとうしいのは事実だが
小説投下してくださるだけで嬉しいです、ほんとです。
856 :
581:2005/08/06(土) 10:08:07 ID:Rvv/VWe7
>>855
あっ、やっぱり、そう思ってました?ごめんなさい。気をつけます。
一応、また書いてきました。
それでは…。
857 :
581:2005/08/06(土) 10:10:30 ID:Rvv/VWe7
照りつける陽射しの中、カルロは街の中を当ても無く歩いていた。その顔はうつむいて、足取りは重い。
「……みんないなくなっちゃった」
この何日かの間に随分いろんなことがあった気がする。
始まりはあの2人の素敵な旅行者、トレイズとリリアに出会ったことだった。
2人に会った直後に警察に捕まるなんていうマヌケもやらかしたけど、そのおかげで、モルソーという優しげなおじさんのところでお世話になることが決まった。
その後、生まれて初めて飛行機に乗ることになって、しかもその飛行機にはあの二人の旅行者も乗り合わせることになった。
だけど、その飛行機から操縦者がいなくなって、トレイズが操縦をすることになって、自分が2人のために手伝いをすることになった。
とんでもなく大変な事態だったのはわかってたけど、なんだかワクワクした。
戦闘機が現れて、着水した飛行機が沈み始めて、トレイズが溺れて、リリアに指示して人工呼吸をさせて……。
だけど、そのまま2人と別れてから、一夜明けるとモルソーが死んだというニュースが飛び込んできた。
別にどうってことないって自分に言い聞かせようとした。孤児院の世話になれなくなったって、それならそれで、今までと変わりないって…。
だけど、寂しかった。寂しくてたまらなかった。トレイズもリリアもモルソーもいなくなって、自分だけが取り残された。
3人ともつい最近知り合ったばかりの人たち、ちょっと縁があって偶然に出会った人たちでしかないのに……。
ただ、この数日があまりにめまぐるしく過ぎて、楽しくって、……だから、なんだか色んなものを一気に無くしたみたいで……。
大きな通りに出て、カルロはあたりを何気なく見回す。その瞳が道路をゆっくりと走っていく1台のサイドカーに吸い寄せられた。
858 :
581:2005/08/06(土) 10:11:18 ID:Rvv/VWe7
気が付いたときには駆け出していた。
サイドカーに乗っている見覚えのあるあの顔は………。
「トレイズお兄ちゃんっっ!!!!!」
「まったく、もう少しで轢いちゃうとこだったんだぞ。気をつけろよな…」
「えへへ、ゴメンな、お兄ちゃん」
あの後カルロは、走り去ろうとするトレイズのサイドカーを止めるために、道路へと飛び出した。そうまでしてでも顔が見たかった、話がしたかったのだ。
二人は人通りの無い建物の陰にサイドカーを停めて、湖で別れてからトレイズとリリアがどうしていたのかを話していた。
「えーっ!!お姉ちゃんを一人で帰らせたのかよ!!」
あの後、二人は同じホテルに泊まってから別々に帰途に着くことになったらしい。
「いや、まあ俺も少し思うところがあったんだよ……」
トレイズは苦笑いで誤魔化そうとする。憮然とするカルロの前で、トレイズは立ち上がって伸びをした。
「そろそろ行くかな…。最後にお前と話ができて楽しかったよ」
唐突なトレイズの言葉に、カルロは目を見開く。
「そんなっ!?だって、さっき会ったばかりじゃないか!」
「うん、まあそんなに急ぐ用事はないんだけどな。さっき言った通り、思うところってのがあってな……」
呆然とするカルロの目の前で、トレイズは再びサイドカーにまたがる。
859 :
581:2005/08/06(土) 10:12:09 ID:Rvv/VWe7
行ってしまう。せっかく、また会えたのに、またいなくなってしまう。そんなのは、もう嫌だった。絶対に嫌だった。
「…じゃあな。また、縁があったら会おう」
そう言って微笑みかけるトレイズに、カルロは体当たりをした。予想外の攻撃に踏ん張りが利かず、トレイズがサイドカーの上から落ちる。
「痛っ!!いきなりなにするんだ!?」
地面に尻餅をついたトレイズの上に、カルロがのしかかる。トレイズのズボンのファスナーに手を伸ばし、手早く開けた。さらにその中のパンツに手を掛ける。
「…っ!?おい、なにしてるんだ!!?」
カルロのしようとしていることに気付いて、トレイズが叫ぶ。しかし、カルロはその声を無視して、トレイズのモノを取り出す。
「やめろっ!!自分が何してるかわかってんのかっ!!!」
カルロを引き剥がそうするトレイズの手が肩にかかる。そんなトレイズの顔を、カルロは泣きそうなほどに必死な顔でにらみつけた。
「……オレのしてること無理にやめさせるっていうなら、叫ぶぞ……」
「なっ!?」
カルロの言葉にトレイズが凍りつく。
「…大声で叫んで人呼ぶぞ!お兄ちゃんのこと、変態だって、乱暴してきたって、警察に突きだすぞ!!」
「そんな、どうして……」
トレイズの言葉には答えず、カルロはまだ大きくなっていないトレイズのモノを口に含んだ。
「…ぅん…ふぅ…んむぅ…ふぁ…」
カルロは拙い舌使いで、トレイズのモノに刺激を与える。トレイズはどうすることも出来ず、呆然とその様子を見ている。
860 :
581:2005/08/06(土) 10:12:58 ID:Rvv/VWe7
くちゅくちゅ、ぴちゃぴちゃと自分の舌の立てる湿った音がカルロの耳にも聞こえた。その音がカルロの心をちくちくと突き刺してくる。
「…なあ、なんでだ?なんでなんだよ?…くっ…お前、こんなことする子じゃないだろ?」
トレイズがうわ言の様につぶやく。
トレイズの言うとおりだった。本当はこんなことしたくなかった。これがどんないやらしいことなのかも知っていた。
それでも、今のカルロにはこの方法以外トレイズを引き止める方法を思いつかなかった。
カルロは以前に一度だけ、この行為をした事があった。1年前、警察に捕まったとき、見逃してやるかわりにと警官にこの行為を強いられたことがあった。
いやらしく脂ぎったあの警官は、かなり興奮して自分のモノを何度もカルロに舐めさせた。
「…んぅ…うぁっ…くちゅ…ぴちゃぴちゃ……はぁはぁ…お兄ちゃんの大きくなってきた…」
膨張し始めたトレイズのモノは、段々とカルロの小さな口では扱いきれなくなってくる。トレイズのモノを嘗め回すほどに頭がぼんやりとしてくる。
今の自分がトレイズにできること、それを考えたときとっさにその経験が脳裏に蘇ったのだ。
こうすれば男の人は喜ぶんだって、こうすればトレイズも気持ちよくなるんだって、喜んでくれるんだって思った。
だけど、ちらちらと覗き見るトレイズの表情はとても辛そうで、喜んでいるようには見えなかった。また、カルロの心がちくりと痛んだ。
(でも今やめたら、トレイズお兄ちゃんは帰っちゃう…。そんなのは嫌だ…)
辛い心を誤魔化すように、カルロは自分の股間に手を伸ばし、大事な部分を撫で回し始めた。
あの警官に、何度も触られ、また自分でも触るように強制されたところだ。カルロは今、そこを自ら刺激していた。
「…んむぅ…うあっ…ああっ…んぅ…ぴちゃぴちゃ…ふあっ…やぁ……ふむぅ…」
触ったところを中心に、自分の足と足の間にジンジンとした感覚が広がっていくのがわかった。
861 :
581:2005/08/06(土) 10:14:19 ID:Rvv/VWe7
その感覚はトレイズにこんなことをしている罪悪感を少しは紛らしてくれるはずだった。
しかし、沈んだ心は少しも晴れず、大事な部分に走る感覚と合わさってカルロの頭はぼんやりとしてくる。
「…もうやめるんだ…うぁ…も…やめ…」
他にどうすることも出来ず、トレイズは拒絶の言葉を発し続ける。カルロはその言葉を聞かないように行為に集中しようとする。
もう、自分が取り返しのつかないことをしたということはわかり始めていた。
(…そだよ、こんなこと、こんなやらしいことお兄ちゃんがして欲しいわけないのに…きっとオレのことも呆れてるにきまってる…)
泣きたい気分だった。考えてみれば、トレイズがあのやらしい警官と同じ事を望むはずが無いのだ。
こんないやらしいことをする自分なんか、もう嫌いになってるに決まっている。
これが終わったら、すぐにいなくなってしまうに決まってるんだ。そして、自分はまた取り残される。
その証拠に、トレイズの表情はさっきよりずっと険しく、悲しそうなものになっている。
(オレがあんな顔にしたんだ……)
今にも泣き出しそうなカルロは、さらに行為に没入する。
もう、持て余すほどに大きくなったトレイズのモノにまんべんなく舌を這わせ、自分の大事な部分に指を嫌というほど擦りつける。
だが、カルロは気付いていなかった。トレイズの表情が険しくなっているわけを…。
目を背けたくなるほど必死で、悲壮といっていいほどの、切羽詰ったカルロ自身の表情を……。
「…うぁ…んむぅ…くちゅくちゅ…うぁ…ああんっ……んむぅ……」
舌を這わせるトレイズのモノが熱い。指を擦りつける股間が熱い。頭がくらくらして、どんどんワケがわからなくなる。
862 :
581:2005/08/06(土) 10:15:04 ID:Rvv/VWe7
体中が熱くて、汗が溢れて、ズボン越しにじっとりと何かが染み出してきて、もうカルロには自分の行為を止めることが出来なかった。
「…ふあぅ…んぅ…くちゅ…ぴちゃ……うあぅ…ふむぅ…」
リリアの優しい笑顔が瞳の裏に浮かぶ。優しくしてくれたあの人のことも、今の自分は裏切ってるんだと、カルロは絶望感に打ちのめされる。
それらを振り払うように、カルロはトレイズのモノをしゃぶる舌を、股間を弄る指の動きを激しくする。
「…っ…うあ…もうダメだ…これ以上はもう限界だ…」
トレイズがうめき声をあげる。
(…アレがくるんだ。あの警官の時と同じ、アレが……)
出してしまう前に、カルロを振りほどいてしまおうと、トレイズの手が伸びる。しかし、カルロは地面についていた手をトレイズの腰に回し、ギュッと抱きついた。
(……ここまできたんだから…最後まで……)
戸惑うトレイズをよそに、カルロはさらにペースアップする。
(…もう会えなくなるなら…せめて…最後まで……)
大事な部分が、蕩けそうに熱くなってるのがわかった。口に含んだトレイズのものが一瞬ビクンと脈打ったのが最後だった。
「…うあぁ…出るっ!!!」
「……んぅっ!!!??ふあっ……んむぅっっっ!!!!?」
トレイズのモノから口の中に、熱くてドロドロした何かが放たれた。カルロ自身も下半身から押し寄せる熱に意識が白く霞む。
二人は同時に達してしまった。
863 :
581:2005/08/06(土) 10:15:53 ID:Rvv/VWe7
「…んぅ…んんっ…かはぁっ…けほけほ…」
口から溢れる程に大量の白く濁ったものに、カルロは思わず咳き込む。
それでも、呼吸を懸命に整えなんとかそれを嚥下しようとするカルロの肩に、トレイズの手がかかった。
瞬間、1年前のことが思い出された。あの時、欲望を吐き出した警官はそれでも満足せず、カルロの体を押さえつけ、押し倒し……。
(……そんな、トレイズお兄ちゃんが………)
カルロの体が凍りつく。想像したくも無いことだった。
あの時は警官の首に噛み付いて、隙を突いて逃げ出すことが出来た。しかし、今のカルロは指一本動かすことが出来ずにいた。
自分で仕掛けたこととはいえ、トレイズにそんなことをされるのかと思うと、体が強張って何も出来なくなる。
思わず目をつぶるカルロ、その唇に暖かく柔らかい何かが触れた。
(……えっ!?)
恐る恐る目を開けると、すぐ目の前にトレイズの顔があった。
(オレ、今、お兄ちゃんと……)
それは一瞬にも思えたし、永遠にも思えるほど長い時間のようにも感じられた。呼吸の止まりそうな時間の後、トレイズの顔はゆっくりと離れていった。
(……キスしたの?オレ……)
「とっときだったんだぞ………」
固まったままのカルロに、トレイズが顔を赤らめながら語りかける。
「男にせまるんだったら、キスぐらいにしとけよ……。驚くから……」
864 :
581:2005/08/06(土) 10:16:33 ID:Rvv/VWe7
自分が耳まで真っ赤になっていくのがわかった。トレイズの腕が伸びて、カルロの体をそっと抱き寄せる。
「……トレイズお兄ちゃん…オレ……」
「……大変だったんだな。知ってるよ…」
トレイズの手の平が、カルロの頭を優しく撫でる。カルロは目の端にあふれ出た涙を悟られぬように、トレイズの肩の上着の布で拭う。
しばらくトレイズの体に寄りかかり、その暖かさを噛み締める。
(……優しいな…お兄ちゃん…)
ゆっくりと体を起こすと、慈しむようなトレイズの笑顔が目に入った。
「大丈夫か?」
「……うん、もう大丈夫だよ」
心配そうに訊ねるトレイズに、カルロはぼそぼそと小さな声で答えた。顔を真っ赤にして、モジモジと俯きながら、カルロは立ち上がる。
「…ゴメンな…本当にゴメンな、お兄ちゃん…」
「いいよ、気にしてない」
トレイズは立ち上がって自分の服装を直し、それからカルロの服装も直してくれた。
二人顔を見合わせて笑ってから、トレイズはサイドカーにまたがる。
「送っていこうか?」
「…大丈夫、一人で行ける」
そうか、と微笑むトレイズの顔が、カルロにはひどくまぶしく感じられた。
865 :
581:2005/08/06(土) 10:17:17 ID:Rvv/VWe7
「…さよならだね」
「縁があれば、また会えるさ…」
大きく頷いてから、カルロはトレイズに背を向けて走り出す。その背中をトレイズが見送る。
突然、カルロが何かを思い出したように立ち止まり、振り返った。
「あの…、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「さっきのキスだけどさ、実はあれ、トレイズお兄ちゃんにとってはファーストキスにはならないんだよ。実は……」
「えっ!?」
カルロの言葉の意味するところがわからず、トレイズは戸惑う。
「リリアお姉ちゃんに聞いてみなって!!……まあ、絶対教えてくれないだろうけどっ!!」
「あっ!おいっ!!それはどういう……」
トレイズの言葉を無視して、カルロは走り出す。
もう寂しくは無かった。自分のことをこんなに思ってくれる人にめぐり合えたのだから、たとえ離れることになっても、それは失うこととは違うはずだから……。
トレイズから大分離れたところで、カルロはもう一度振り返り、叫ぶ。
「トレイズお兄ちゃん、だいすきだぞお〜〜!!!!!」
苦笑しながらこちらに手を振るトレイズに手を振り返して、カルロは町の中へと駆けていった。今度こそ、振り返らずに………。
866 :
581:2005/08/06(土) 10:19:51 ID:Rvv/VWe7
こんな感じでした。
カルロでのエロには踏み切れても、ティーでのエロには踏み切れない俺……。なぜだ?
それでは、また……。
相変わらずええ仕事ぶりですな! GJ!
>>866 よし、カルロで踏み切っちゃったんだし、もうティーでも踏み切っちゃえ。
いやあ、つるぺたは色々と扱いやすいですなあ。
でも、やはりキノはそのことを気にしているのか?
気にしてないフリしている
871 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 04:52:38 ID:3iwAvam6
age
872 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 01:57:08 ID:8YW4O4uL
age
アリソン読んで禿しく萌えた
妄想爆発させようとここに来たけど現在執筆中でSS初心者でケータイからだけど投下していい?
おう、派手にやれ。
>873
誰ももまえの妄想を止める権利は無い。
一応初心者にありがちな事を注意しておくと、一度ローカルの目も超か何かに書き終えてから、それを纏めて投下する形にしてね。
書きながら投下するのはご法度。
876 :
アリソン書き:2005/08/16(火) 09:16:12 ID:8YW4O4uL
873です。アドバイスありがとう。とりあえず出だしだけ投下させていただく
877 :
アリソン書き:2005/08/16(火) 09:18:47 ID:8YW4O4uL
ただひたすらに考える。
「自分には何が足りない?」「どうすればあの鈍感を振り向かせることができる?」
苦悩する彼女の元に【英雄】から手紙が届いた。機嫌がすこぶる悪い彼女は机の上にあったそれを鷲掴みにして、「あんたからの手紙なんて待ってない…」
そう言ったあと少し黙って「ごめんなさいおばあちゃん…」とつぶやき、「あなた様のお手紙なんかお待ちしておりません」と言い直した。
そして手の中にあるそれを机からゴミ箱にお引っ越しさせた。もちろん未開封のまま…。
小一時間ほどして突如彼女はベッドから跳ね起きた。(またみんなで会おうとか書いてあったりして…)女の勘がささやいたようだ。
そしてそれは的中した。旅行という最高の形で…
878 :
アリソン書き:2005/08/16(火) 09:22:12 ID:8YW4O4uL
小躍りをしたあとすぐに手紙を書く。相手は英雄様。手紙の内容は、
「まずはお招き下さってありがとう。いきなりだけど本題に入ります。この旅行で一つ重要な任務に協力してほしいの。
【作戦名K・S・T】…内容は簡単よ。私たち二人っきりの時間を作ってあとは邪魔をしないでちょうだい。細かいことは追って説明するからよろしくね。」
蒼い瞳を輝かせ、彼女は手紙の返事を待った。
879 :
アリソン書き:2005/08/16(火) 09:27:03 ID:8YW4O4uL
とりあえずこんな感じです。舞台はお察しのとーり大陸横断列車です
もう少し前振りが続きます。
エロは薄いと思うのでその辺のご理解を頼んます
880 :
アリソン書き:2005/08/16(火) 22:29:44 ID:8YW4O4uL
後日返事が届いた。「作戦については了解した。
こちらも同じような計画があるのでむしろありがたい。
では検討を祈る。」
追伸:K・S・Tとはどういう意味か教えてくれないか?
シャワーを浴び終えた蒼い瞳はその手紙を読み、
ひとしきりニヤついた後で、「こうなったら・責任・取ってよね」作戦の全容を長々と書き記した。
作戦内容に呆れたのか感服したのか
英雄から返事の手紙は来なくなった。
881 :
アリソン書き:2005/08/16(火) 22:30:15 ID:8YW4O4uL
作戦当日、大陸横断特急にウィッティングトン伍長の姿はなかった。
そして彼女のいるべき場所には、
薄い黄色のワンピースドレスを着た少女アリソンがいた。
アリソンは列車が四番ホームに入るとデッキに出て、
その蒼い瞳を輝かせて獲物を探しだした。
そして警官ともめる彼を見つけると、
「ターゲット確認。確保する。」
警官を一蹴して獲物を作戦実行場所に招き入れた。
882 :
アリソン書き:2005/08/16(火) 22:36:38 ID:8YW4O4uL
日本語おかしいときとかあるけど見逃しておくれ
仕事の合間見つけて書いてるけど
うまくいかないなぁ
一日休み取れたらまとめて投下するんで
こんな駄文でよければ付き合って下さい
883 :
581:2005/08/17(水) 17:00:10 ID:n8A26A8l
>>873
ぐはあ、すごいアリソンが来てる。すごく良いよぉ。なんかドキドキしてきたよ。続きがとても楽しみです。
横槍入れる形になるような気もしますが、また書いてきたものを投下します。
シズキノで甘甘です。
それでは……。
884 :
581:2005/08/17(水) 17:00:59 ID:n8A26A8l
夜更け過ぎ、寝ずの番についていたキノは焚き火の炎を見つめていた。パチパチと舞い散る火の粉を追って視線を上に向けると、満点の星空が目に入る。
一つ溜め息をついて、キノは視線を自分の目の前にあるテントに向けた。
ポツリとつぶやく。
「……本当に、あの人は………」
テントの中で眠っているはずの男、シズは大きな傷を負っていた。
西の大陸に渡るために入国した船の国、キノはそこでシズと再会することになった。
自分とは関わりの無い船の国の行く末のために、シズは奔走し、しかしそれは結局徒労に終わった。
挙句、そのためにシズ以外に頼るものを無くした少女、ティーに腹を刺され、危うく命を落とすところだったのだ。
「……なんだってシズさんは…」
またポツリとつぶやいてから、キノは立ち上がってズボンについた砂を払った。少し伸びをしてから、シズの様子を見るためにテントへと向かう。
無言でテントの入り口を開けて、中に入る。シズの寝息は穏やかで、一頃よりは大分具合も良くなったようだった。
それだけ確認して再び外に戻ろうとしたキノだったが、ふいに振り返ってシズの側に戻る。
キノはシズの横に座り、その手をとって、ぎゅっと握った。大きな手の平はキノの小さな手には余って、両手を使わなければならなかった。
「……どうしてこの人は……いつもこうなんだ?」
シズと顔をあわせるのはこれで2回目だ。その2回が2回とも、シズは何がしかの厄介ごとに巻き込まれていた。
と言うより、シズの方から進んでトラブルに首を突っ込んでいる。初めて会ったときの事は、シズにもそれなりの因縁があったが、今回は全く違う。
それがシズの生き方なのだろう。それは解る。解るが、しかし………。
885 :
581:2005/08/17(水) 17:01:57 ID:n8A26A8l
キノはいつしか目を閉じて、自分の額をシズの手に押し当てていた。
「…………大丈夫か?……キノ…さん………」
不意に声をかけられて、キノはゆっくりと顔を上げる。力なく微笑みかけてくるシズの顔が目に入った。
キノは驚き、慌ててシズの手を握っていた手を放す。自分のやっていたことが急に意識されて、少し頬が赤くなる。
「…起こしてしまいましたか?」
なるべく平静を装って、キノは尋ねた。
「………いや…ずっと起きてたよ……今日の…ことで…さすがに落ち込んでいてね…」
キノの顔が真っ赤になる。しかし、シズはキノの様子には構わず、ポツリポツリと話し続ける。
「……それにやっぱり…傷が痛くて……でも、キノさんに手を握ってもらって…少し楽になったよ」
そう言ってから、シズは手を伸ばしキノの手の甲を撫でる。
「……起きてたなら……言ってください…」
俯いたまま、キノがボソボソとつぶやく。
「…すまない」
少しもすまなくなさそうに、シズが微笑んだ。
「……すまない…キノさんの手があったかくて……それで、何か言おうっていう気分になれなかった」
キノは言葉を返すことが出来ず、ただ自分の手の甲を撫でるシズの手を握り返した。
そのまま、しばらく二人は声も発さず、互い手のぬくもりだけを感じる。
886 :
581:2005/08/17(水) 17:02:41 ID:n8A26A8l
「…………すごいな…キノさんは…」
再び口を開いたのはシズだった。シズはさっきより少し表情を暗くして言葉を続ける。
「……私は考えなしにあの国の問題に関わって、結局事態をもっと悪い方に持っていってしまった。…ティーの気持ちも知らず、闇雲に問題をかき回して…」
シズの口元に自嘲的な笑みが浮かぶ。
「……キノさんのように…傍観者でいる勇気を持てなかった…私は……」
シズの手の平を握る、キノの手にぎゅっと力が込められる。
「……馬鹿だな……私は……」
最後にそう言ってから、シズは疲れたように目を閉じた。そんなシズの顔を見ながら、今度はキノがたまりかねたように口を開いた。
「…そうです…シズさんは馬鹿です」
その口調には苛立ちのようなものが含まれていた。
「…関わり合いになる義理もないのに、すぐに首を突っ込んで……解りもしないのに、飛び出していって…」
シズは目をつぶったまま、特に反論する様子も無くキノの言葉に耳を傾ける。
「それで結局こんな目にあってる。会う度に命を危険にさらしている。おかしいですよ。変ですよ。間違ってますよ」
キノは辛そうに言葉を重ねる。
「…おかしいですよ…本当に…」
言い終えてから、キノはうなだれ黙りこくり、二人の間に沈黙が流れる。
887 :
581:2005/08/17(水) 17:03:29 ID:n8A26A8l
しばらくの後ごそりという音がして、キノは顔を上げた。キノの目の前で、シズが起き上がろうとしている。傷の痛みに小さく呻き声をあげる。
痛々しいその様子を見て、思わず肩を貸したキノにシズはもたれかかり……。
「……えっ!?」
気が付いたときには、キノはシズに抱き締められていた。
「……本当に優しいんだな、キノさんは……」
呆然とするキノの頭を、シズの手が何度も撫でる。
「…優しいからこそ、傍観者でいることも出来る。一歩身を引いて相手を尊重できる……か」
優しい声音がキノの心に染み込んでいく。
「…本当に辛いだろうな、そういうのは」
キノもいつしかシズの背中に腕を回していた。
「本当に心配をかけたみたいだな……」
何度も、ただ何度もキノはうなずく。
旅を続けていくために、自分自身の考えのために、キノは訪れる国、出会う人に対して距離をとって不干渉であるように努めてきた。
でも、それは平気であることとは違う。物事を受け流せることと、何も感じない事は違う。
目の前でシズが死んでいこうとするのを、黙って見ていられることとは違う。
シズの腕が緩み、キノはシズの胸から離れる。俯いた顔を上げると、穏やかなシズの瞳が目の前にあった。
何も言わず、キノは目を閉じる。それだけでシズには充分に伝わった。
888 :
581:2005/08/17(水) 17:04:30 ID:n8A26A8l
シズの唇とキノの唇が重なり合う。シズが再びキノの背中に手を回すと、キノもシズの背中をぎゅっと抱き締めた。
「…好きですよ。キノさんのこと」
長いキスを終えて、シズは頬を赤く染めたキノの顔を見つめる。
「…………シズさん」
恥ずかしそうに目を伏せて、聞き取れないほどの小さな声でキノが言った。何もかもわかっているというふうに、シズはうなずく。
シズは傷の痛みに苦労しながら、ゆっくりと服を脱いでいく。
キノも自分の上着のボタンに手をかけ、ひとつひとつ外していく。胸の高鳴りに手元が狂い、作業は遅々として進まない。
先に脱ぎ終えたシズにシャツを脱がしてもらい、キノは最後に一枚残ったショーツにためらいがちに手を掛けた。
ショーツを下ろす手が震える。シズに見られていることを意識するとドキドキして、自然と伏せ目がちになってしまう。
ようやく一糸まとわぬ姿になったキノの体を、シズが抱き締める。
「…やっぱりあったかいな、キノさんの体は……」
「…………シズさんの体も…」
小さなキノの体は服を脱いでしまうと一層華奢で、抱き締めるシズの腕は大きく余ってしまう。
キノはシズの胸に顔を埋め、その体温と鼓動を全身で感じた。自分よりずっと大きな体に包まれているのが心地よかった。
シズはゆっくりとキノの全身に指を這わせ始めた。殆ど経験のないキノは、シズの僅かな愛撫だけでブルブルと体を震わせる。
「…あっ……あぅ……はぁ…はぁ……」
シズは愛撫に息を漏らすキノの耳たぶを甘噛みする。
889 :
581:2005/08/17(水) 17:06:03 ID:n8A26A8l
「…っひゃう!?…あっ……あぅ…」
思わず小さく叫んだキノの耳たぶから、シズはそのまま首筋へと舌を這わせ、さらにふるふると震えるかわいらしい乳首を舌先で刺激してやる。
「…あっ…あんっ!…あぅ…はぁはぁ…ああんっ!!…あっ…」
キノの息が段々と荒くなっていくのが、シズにはわかった。シズの腕の中で、キノの小さな体は快感に震えるばかりになる。
「…あぅ…あっ!ひゃんっ!!…あっ…シズさぁん…」
キノの口から漏れた自分の名前を呼ぶ声に、シズはキノへの責めをもう一段進めることを決める。
キノの体を押し倒そうとして上体を傾けたとき、腹部に鋭い痛みが走った。
「……痛ぅ!」
シズの手が止まり、気付いたキノも心配そうにシズの顔を覗き込む。
「…シズさん、やっぱり傷が…」
「いえ、……平気です」
結構な傷を負ったのだから、この程度の痛みは当たり前だとシズは腹をくくっていた。再び行為に戻ろうとしたシズを、キノの言葉が阻んだ。
「……ボクにも…やらせてください…」
そう言って、キノはシズの腕からするりと抜け出る。
「傷があるのに、無茶しちゃいけませんよ…」
シズに横になるように促し、キノは既に大きくなり始めていたシズのモノに手をかけ、ニコリと微笑んだ。
890 :
581:2005/08/17(水) 17:06:45 ID:n8A26A8l
「…キノさん、前にもやったことがあるのかい?」
「……ないですけど……でも、なんとかやってみます…」
そう言っては見たものの、キノの口では持て余すほどに大きくなったシズのモノに、キノはしばし手を出せなくなってしまう。
それでも心を落ち着け、両手で握ったシズのモノの先端をゆっくりと口に含んでいく。
「…うあっ…はむぅ…くちゅ…くちゅ……ぴちゃ…」
上目遣いにシズの様子をうかがいながら、キノは慎重に舌を使う。くちゅくちゅ、ぴちゃぴちゃという水音が暗いテントの中にやけに大きく響いた。
大きすぎるモノに懸命に奉仕するキノの表情に、シズはキノへの愛しさを抑えきれなくなった。
シズはキノの体を持ち上げ、下半身を自分の顔の方に持ってくる。腹の傷は痛んだが、今のシズはキノともっと深く交わることを望んでいた。
「えっ!?うあっ?ひゃあんっ!!?」
戸惑うキノが事態を理解するより早く、シズはキノの濡れて輝く秘裂に舌で触れた。
「…あっ!?ひゃうっ!!…きゃああんっ!!シズさん!?」
途端に駆け抜けた快感に、キノの舌が一瞬止まる。
「…構わず続けてくれ、キノさん……」
「でも……あひぃ!ふあっ!!あんっ!!!…そんなとこぉ!!!!」
キノの叫びを聞くほどに、シズの責めは激しさを増してった。与えられる快感の大きさに翻弄されながらも、キノもシズのモノに必死で舌を這わす。
「…はぁはぁ…くちゅ…ぴちゃ…ひゃああああん!!!…あぁ!…」
シズの舌先にくまなく愛撫され、キノの意識は朦朧としていく。とどめとばかりにクリトリスを刺激され、キノの意識は快感の波にさらわれた。
891 :
581:2005/08/17(水) 17:07:53 ID:n8A26A8l
「…ぁう!ああんっ!ひあああああんっっっっ!!!!!」
同時にシズのモノがビクンと脈打ち、キノの顔めがけて白濁したものをぶちまける。絶頂に達した体から力が抜け、キノはシズの横に体を横たえた。
「…うあ…ひあああぁ……はうぅ…」
シズは体を起こして、茫然自失となっているキノの顔についたものを拭ってやる。
「……汚してしまったな……」
シズがすまなそうにつぶやくと、キノは言葉の代わりに首を横にふって答えた。
シズはそんなキノの体を抱き寄せ、しばらく背中を撫でてやりながら、ぽつりぽつりとつぶやいた。
「好きだよ、キノさん。優しく強い君が大好きだ。俺は君のことを愛している。キノさんとこうなれて、俺はとても幸せだ」
やがて呼吸も整ったころ、キノは体を起こしシズの体にもたれかかった。そして、キノの背中を撫で続けるシズの耳元で、こうつぶやいた。
「…………ボクもです」
再びキノの体は押し倒されて、シズがその上に覆い被さる。目が合って、二人は互いに照れ笑いを浮かべる。
キノがそっと目を閉じると、シズは自分のモノをキノの秘部にあてがい、ゆっくりと挿入を開始した。
「………くぅっ!…あっ…痛ぅ…」
破瓜の痛みにキノは小さく呻き声をあげる。シズが心配そうにキノの顔を覗き込んむと、キノはシズの腹の傷の近くに手を触れた。
「……痛いの…いっしょですね……」
そう言いながら、目の端に涙を浮かべて微笑むキノに、シズはもう一度キスをしてやる。
そうして、キノを気遣うようにあくまでゆっくりとシズは動き始めた。
892 :
581:2005/08/17(水) 17:09:48 ID:n8A26A8l
「…あっ…はっ…ひうっ……あんっ…くぅ…」
小さく押し殺したような声でキノは喘ぐ。触れ合った肌は、痛みと初めて経験する感覚に細かく震えている。
「…ああっ…あうっ…ひゃうっ……あっ…ああんっ…」
その間にもシズはキノの体中を愛撫した。傷のためにあまり無茶は出来なかったが、少しでも痛みを紛らわしてやろうとキノの全身に刺激を与える。
キノの滑らかな肌の上をシズの舌が這い、キノはビクンと体を震わせる。
「…あっ…うあっ…シズさ…そこぉ…」
じわりじわりと押し寄せる快感に、キノは次第に翻弄されていく。息も絶え絶えのキノは、シズの背中に腕を回し必死でしがみつく。
「…あっ!…ああんっ!!ひぐぅ!…あっ!や、あうぅ!!」
キノの口から発せられる声は次第に大きくなっていった。シズに与えられる痛みと快感と熱を求めて、キノも腰を動かし始める。
「…あっ!やぅ!!…シズさ…シズさんっ!!シズ…さんっ!!!シズさぁん!!!」
激しい交わりの中でシズの存在を全身で感じて、キノは何度も名前を叫んだ。愛しさがこみ上げて、今まで言わないでいた言葉がこぼれ出る。
「うあっ!はうっ!!…好き…ですっ!…シズさ…ん!!好きですぅ!!好きっ!!…好きですっっっ!!!!!」
シズは自分の腕の中で体を震わせるキノを抱き締める。耳元に口を近づけ、ちょうど少し前にキノが言ったように耳元でささやいた。
「………俺もだよ」
その言葉に、シズの背中に回したキノの腕にぎゅっと力が込められる。高まり張り詰めたキノの体に、シズは自分のモノをひときわ深く突き入れた。
「ふあああああああああっ!!!!!シズさんっ!!!!シズ…さぁんっ!!!シズさんっっっ!!!!!!!」
シズの名を呼びながら、キノは絶頂へと登りつめた。同時にシズも、キノの中へと熱いものを放つ。
893 :
581:2005/08/17(水) 17:10:41 ID:n8A26A8l
体の内に、外にシズの熱を感じながら、キノはしばらく荒く息を切らす。
「……シズさん」
少し落ち着いてから、キノがシズに呼びかける。しかし返事が無い。
キノがふらふらの体を起こして横を見ると、シズは体力の限界が来たのだろうか気を失い、ぐったりとしていた。
少し心配して見ていると、静かな寝息が聞こえてきて、キノはホッと胸をなでおろす。
キノがシズの目元にかかった前髪を払うと、穏やかな寝顔が目に入った。
キノは再び横になって、そんなシズの顔を見つめる。いつまでも、飽くことなく、夜が明けるまで……。
「キノ、本当にいいの?」
「うん、シズさんが起きる前に出発しよう」
自分の荷物を一通りエルメスの上に積み終えたキノは、今まさ出発しようとしているところだった。
「本当の本当にいいの?」
「何度も言わせないでよ、エルメス」
いつものコートを羽織り、帽子をかぶる。これで出発の準備は整ったはずだ。
「でも、……昨日はラブラブだったんでしょ?」
冷やかすようにエルメスが尋ねる。
「うん、そうだよ」
894 :
581:2005/08/17(水) 17:11:44 ID:n8A26A8l
キノが平然と答えて、エルメスは驚く。
「ベタベタだったんでしょ?」
「うん」
「イチャイチャだったんでしょ?」
「うん」
「アツアツだったんでしょ?」
「うん」
立て続けのエルメスの質問攻めに、キノは微笑さえ浮かべて、嬉しそうに答える。
「じゃあ、なんでなのさ?なんでシズが起きるまで待たないのさ?」
全く納得がいかない様子で、エルメスは憮然とする。
「だから、もう決めちゃったんだよ」
最後にキノは困ったような笑顔を浮かべて答えた。
そうだ、もう行かなくちゃいけない。長引けば、それだけ別れが辛くなるのはわかっている。
それでも、もう一言でいいから、シズと言葉を交わしたいというのもキノの本音だった。
キノはテントに向かい、シズの寝顔を確認する。
「これで最後かもしれない……」
屈みこんでシズの寝顔を見つめる。ぐっすりと眠るシズが、起き出す気配はなさそうだった。
895 :
581:2005/08/17(水) 17:13:04 ID:n8A26A8l
「いや、きっと、これが最後だ………」
名残惜しそうにシズの顔をチラチラと見ながら、キノは立ち上がる。シズに背を向けて、辛そうに目を閉じた。
「………最後なんだ」
行かなければと思うのに、一歩目を踏み出す勇気が湧いてこない。エルメスにたどり着くまでの距離が異様に長く感じる。
堪り兼ねて、もう一度シズの方を振り返った。シズはやっぱりピクリとも動かず、さっきと変わらぬ穏やかな寝顔があるばかりだった。
それを見て、ようやくキノの中でも踏ん切りがついた。エルメスに向けて一歩を踏み出す。
二歩目、三歩目、エルメスとの距離が縮んで、その分シズとの距離が開いていく。エルメスのハンドルに、キノの手が手が届きそうになったその時だった。
「キノさん……」
キノがはっと目を見開く。呼吸が止まりそうになる。
「行くのかい?」
目を閉じてシズの声を、言葉を頭の中で反芻する。別れが辛くなるだとか、そんなことは忘れていた。
どうにも言葉が出なくなってしまう。キノが落ち着くのを待つように、シズはそれ以上の言葉を発しなかった。
しばらくの沈黙の後、キノはやっとのことで声を搾り出す。
「ええ。起こしてしまってすみません」
まだ薄暗い空を仰ぎ見てから、ゆっくり、ゆっくりとキノは振り返った。
896 :
581:2005/08/17(水) 17:17:05 ID:n8A26A8l
こんな感じでした。
やっぱ、あの時何もなかったってのは嘘だろう、ってことで…。
妄想は膨らむばかりです。
それでは、また……。
すごく
すごくよかったGJ!
モエス
神さま激しくGJです!!
いつも美味しい作品ありがとうございます!ハァハァ
gj
581のエロパロも通算10本目か
ともかく乙!
神降臨ハァハァ(´Д`;)
GJ!萌えすぎ・・・
902 :
アリソン書き:2005/08/19(金) 01:40:20 ID:j93oKY4z
ネ申キテター!
あれ?漏れの駄文が見えないや…
ネ申の作品が眩しすぎて消えかけてらぁ
キノはやっぱりイイね
gj!です
負けてらんねえや!ってことで投下します
結局まとまった休みは無理だったので少しずつになります
読みにくくてスマソ
903 :
アリソン書き:2005/08/19(金) 01:41:43 ID:j93oKY4z
"ヘルマン"さんとも無事に合流し、計画は順調に進んでいった
そしてアリソンは作戦を第2段階へと移行させる
「久しぶりに会ったんだから二人だけにしてあげましょう。」
「そうだね。気が回らなかった。」
うまいことヴィルと二人っきりになったアリソンは
部屋に戻ると作戦の段取りを確認し、妄想を膨らませる
(夕食まで時間はあるからここで雰囲気を作って、食後のデザートに私を…)
などと少々破廉恥なことを考えていたが、ヴィルの一言でその計画は儚い夢と消えた
「展望車に行って来る。」
「――はい?」
しくじった。奴の性格を忘れていた
さっきから妙にそわそわしていた原因はこれだったのか…
この空気を読んで自分の気持ちを理解してくれていたと思ったが…甘かった。
904 :
アリソン書き:2005/08/19(金) 01:42:52 ID:j93oKY4z
だがここで引き下がるわけにはいかない
「寒いわよ?」
「だからコートと手袋を」
「いつでも見られるわよ?」
「今とても見てみたいんだ。やっぱり嬉しくて」
「部屋からでも見られるんじゃない?窓大きいし」
「デッキなら三方広々と見られるし」
「落ちたら危ないわよ?」
「そうだね。気をつける」
…だめだ。こうなったら止まらない…
次の言葉を考えていたアリソンに彼は容赦なく追い打ちをかける
「部屋で待ってていいよ」
とても優しく、思いやりのある言葉だった
…冗談ではない
このまま彼を行かせては計画は丸潰れだ
意を決したアリソンは、
「ひ、一人じゃ寂しいの!」
ここまで言われたらいくら鈍い彼でも思い留まるはず…そう確信していた
「…分かった。じゃあ部屋で話でも…してくる?」
「うん!うぃ?……してくる?」
905 :
アリソン書き:2005/08/19(金) 01:43:24 ID:j93oKY4z
このおかしい言葉を理解するのに数十秒かかった
聞き間違いかと思ったがどうやら違うらしい
彼はアリソンに「寂しいならベネディクト達のところで話をしてくるといい」
と言っているのだ
先程どんな理由で部屋を出たのか忘れたのだろうか?
アリソンは少し黙って
「あー…いや…そのー…」
「やっぱり私も展望車行くわ」
ついに折れた
906 :
アリソン書き:2005/08/19(金) 01:47:08 ID:j93oKY4z
「沼だ。水鳥もいる……」
「そーね」
「家がほとんど見えないのは……」
「そーね」
「それとも……」
「そーかもね」
ヴィルが楽しそうに喋るのを横目に適当に相づちを打つアリソン
『…ねえアリソン?』
『なーに?』
『綺麗だね』
『あの夕日?そーね綺麗ね』
『夕日じゃないよ』
『……?』
じゃあ何が?と聞こうと振り向いた彼女の唇は別の唇に阻まれて声が出なかった
『!!!っぷはぁ!』
907 :
アリソン書き:2005/08/19(金) 01:47:59 ID:j93oKY4z
数十秒の長いキスを終えたアリソンは驚きを隠せない
目の焦点が合わない彼女の耳元でヴィルは囁いた
『君がね』
「……わかった。そろそろ行こうアリソ…」
言いかけて
「そんなにお腹すいたの?」
ヴィルは隣でかなり大量のよだれを垂らすアリソンを見て心配そうに呟いた
「うぃ?」
どうやら無事に自分の世界に帰って来れたらしい
908 :
アリソン書き:2005/08/19(金) 01:50:55 ID:j93oKY4z
とりあえずここまでです。ネ申には遠く及ばず…
次かその次あたりでエロに入る予定です
もう少しお付き合い下さいませ。ではまた…
909 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 17:36:54 ID:5SVaxRLy
保守
910 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 08:24:13 ID:WZ04sNR5
保守その2
911 :
& ◆vDn3MDiuZY :2005/08/21(日) 17:48:13 ID:0xfRVRcu
キノSS投下します
912 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 18:27:20 ID:YQVhdXKW
「エルメス、もう寝たかい?」
「・・・・・・・・」
深い緑の森の中で二人は野営している。
キノは何回かモドラド(二輪車。空を・・・以下略。)の前で手を振った。
彼女はいつも持ち歩いているパースエイダーをはずし、荷物の中から棒状のものを取り出した。
「はぁぁ・・あっ、ん」
それを彼女は自分の穴に出し入れしている、そんな中、彼女以外にも起きている人物?がいることにキノは気づいていない。
(な〜んて寝てるわけないじゃないか。)
「んぁあん、イ、イクっ・・・・。」
そんな間に彼の乗り手は絶頂に達した・・・・。
(あんなの見せつけて、僕も人間なら真っ先に処女膜をやぶってやるのに・・・・。
ありえないことを願いつつ、モドラドのエルメスは眠りに付いた。
913 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 18:55:20 ID:YQVhdXKW
「おはようエルメ・・・!!!」
キノがエルメスのほうを見ると、エルメスの隣に裸の小柄な少女が横たわっていた。
とりあえず、モドラドを自分が寝ていたところに引っ張ってきた。
「おいエルメス、あの子はなんなんだ。」
「・・・・・・・・・。」
なんどか叩いたり蹴ったりしたが全く返事が無い・・・・。
「やぁキノおはよう。」
かわりに後ろのほうで少女が目覚めたらしい。
キノは無言で振り向きざまにカノンを向けた。
少女と目が合った、少女は「何のことか」、と言いたげな顔をしていたが、キノはもっと別のことで驚いていた。
「え・・・・僕?」
そう、自分にそっくりなのだ。
「どうしたんだい?そんなに慌てて?」
914 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 19:17:49 ID:ieVFHZ3G
そう言うと少女は立ち上がった。
「ったくも〜キノは〜。}
「そんなことはいい、エルメスに何をした!」
キノは自分にそっくりの少女にパースエイダーを向けたままいった。
「なにいってんの?エルメスは僕・・・・えっ!今、僕立ってる?わ〜人間になっちゃった。」
「君、エルメスか?でもなんで人間に?」
キノはとりあえず人が来るとまずいのでエルメスに自分の服を着せた。
それからなぜ人になってしまって、モドラドが抜け殻になっているのか、またなぜ自分にそっくりなのか話し合ったが全く分からなかった。
「これはおやつ族ってやつだね。」
「お約束ね・・・、何でまた僕にそっくりに・・・・」
「うんそれそれ、どうせなら男がよかったよ、そしたらキノを・・・・・」
エルメスが服を着た後、エルメスが言った
「射撃とかもキノ並みなのかな?」
「かもね。」
ためしに森の人、カノン、フルートで試したがキノと同レベルで、他、体力、走力、パンチ力までもがだいたいおなじだった。
「ってことは感度も?」
「冗談でもおこるよ」
915 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/21(日) 19:26:07 ID:ieVFHZ3G
続きは明日?
やっぱ難しいですね。
916 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 08:52:24 ID:S8dR+rT8
「でも次の国までどうやって行くんだいキノ。」
そうモドラドは一人乗りだ、しかしそこに一台の車が通りかかった。
「珍しいねぇ、双子の旅人さんかい?なんかこまってるみたいだねぇ。」
どうやら商人らしい。キノは「モドラドない?」と聞くと
「無いねぇ、でも一台持ってるのならこれはどうだい?今ならサービスで取り付けてやるよ。」
商人はサイドカーをとりだす。
エルメスの目は輝いていたが、キノは値がはるのでなやんでいるようだった。
仕方なく買うと、商人は慣れた手つきでそれを取り付け、使い方を教えてくれた。
「じゃ、レッツゴー。」
「君が運転するんだよ。」
「・・・・・・・・」
「今日は僕はキノ、こっちはエルメス三日間の入国を希望します。」
衛兵は丁寧な対応でいくつか質問してキノとエルメスと名乗った旅人に入国の許可を出した。
「じゃ、運転変わってくれ。」
「なんでまた?」
「国の中では僕の行きたいとこにいくから。」
「・・・・・ひどい。」
二人はいつもどうりホテルを探す。今回はすぐ見つかった。
「僕は買い物に行ってくるよ。」
「何買うの?」
いつもならシャワーを浴びて休んでから行くが、今日は違った。
「君の分の銃とナイフ、かかるお金が2倍だよ・・・・・」
「・・・・・・びんぼーしょー。」
キノは部屋から出て行った、音からするとモドラドに乗って行ったようだ。
(じゃ、ぼくも買出しに行こ〜)
917 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 09:13:56 ID:VXdZZK5B
キノが帰ってくる頃にはもう日が暮れていた。
買ったのは四五口径の自動式一丁とナイフ少々、さすがに高いので少なめにした。
キノが部屋のドアを開けた。
「やあ、キノ、遅かったね、奴隷にでもされたかと思ったよ。」
「僕はそんなにやわじゃないよ、シャワーシャワー。」
エルメスに一言言うと、すぐに風呂場に向かって行った。
(ふぅ、気持ちい・・・・・)
キノがシャワーを浴びていると・・・・・・・。
「キノ〜一緒にはいろ〜よ〜。」
「やだ。」
エルメスが突然ドアをあけて入ってきた。
「いいだろ〜、同じ顔と同じ体なんだし。」
「・・・・・・・・・。」
キノは無視して備え付けのボディーソープで体を洗い始めた。
918 :
& ◆vDn3MDiuZY :2005/08/22(月) 17:16:36 ID:FH9GYQZO
人いないな〜〜。
スレのタイトルに具体的な作品名入れなきゃダメだな〜
ていうか、途中で止まってる作品ばっかりだから感想とか入れにくいんだと思う。
>>875が折角忠告してるのに、なんで無視するんだろう。
アリソン×ヴィル(純愛)、ヴィル×アックス(浮気)
どっちが需要ある?
アリソン×ヴィル(純愛)
アックスはまだキャラ弱いから、萌えね。
922 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 14:55:28 ID:dhThRwrb
アリ×ヴィルだね
アリ×ヴィル×友達の妹
で、ヴィル搾り上げ無間地獄
920です
アリ×ヴィルで書いてますが、書きたいことが多いので2〜3部にする予定。
とりあえず三巻の事件のあとのやつ書いてるんでよろしくお願いします。
次スレまでには完成する予定
925 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 09:55:35 ID:3WD9RXsB
保管庫の管理人がんばってこうしんしてほしい・・・・・・・。
926 :
581:2005/08/25(木) 16:51:08 ID:6nqhUsUu
ひとつ思いつきがあったので、書いてみました。
キノさんの話です。
それでは………。
927 :
581:2005/08/25(木) 16:51:57 ID:6nqhUsUu
暗い部屋の中、短い黒髪の少女に何人もの男が群がり、陵辱していた。
その傍らに、モトラドが1台。
モトラドは叫び続けていた。
「やめろっ!やめろっ!!やめるんだっ!!やめろぉ!!!やめろ……やめろぉ……やめて……やめてよぉ……
お願いだから……本当にお願いだから……
もう……ひどい事をしないでよ……キノにひどい事をしないでよ………
なっ!?何してるんだ!!?やめろっ!!!!やめろぉ!!!……キノが…それ以上は、キノが……
頼むやめて、お願いだからやめて、キノが死んじゃうよ…………
うわあああっ!!!!やめろっ!!!やめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!!!
駄目だっ!!もうそれ以上はっ!!!キノが壊れる!!!キノが壊れちゃうよぉ!!!!!
なんだよ!?なんで笑ってるんだよ?………なんで笑ってられるんだよっっ!!
………笑うなああっ!!!!!!!!!!!!
……………………何?
……何を、見ろって?
うあ…………
928 :
581:2005/08/25(木) 16:53:21 ID:6nqhUsUu
えっ?…キノ?……ウソだよねぇ?ねえ、キノ………キノ!?キノ!!?…キノ!?…キノ、しっかりして!!!
どうしたの?…なんで、キノが笑ってるの?……
…そんなことされて、なんで笑ってるの?………キノ?…
ねえ……キノ……キノ、答えてよ!?僕の声が聞こえないの?僕の言ってることがわかんないの?
……ねえ……キノ……
……………ひっ!!!?
やめろ……そんなの無理に決まってるよ……そんなのがキノに入るわけ無いよ………キノ…駄目だ、キノ逃げて……キノっ!!!!!!!!
うわあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!
やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!
そんな……………
酷い……
………嫌だ。……もう嫌だ。……もう沢山だ。……もう、何も見たくないよ。何も聞きたくないよ………
……………………………………………………………………………………
…………あいつら、出て行っちゃったね……
……ねえ、キノ?……キノ、聞いてるの?………聞いてないよね……
……あっ!うわ、キノ無理しちゃだめだよ!!足がふらついてるよ!?
……ねえ、僕に乗っかるならちゃんとシートに座りなよ、キノ…
929 :
581:2005/08/25(木) 16:54:34 ID:6nqhUsUu
……でも、キノ軽くなったね……あっ、いつものコートとかつけてないからかな?
……でも、ほんとに軽くなったね……うん、やっぱり軽くなったよキノは…ダイエット成功かな………まあ、キノには元々必要なかったけどね……
………本当に軽くなったね………
……ひゃっ!?くすぐったいよ、キノ!…変なとこ押し付けないでよ………
…体擦り付けて気持ちいいの?……僕は人間の男じゃないから全然嬉しくないよ………
あはははは……あはは……だから、くすぐったいって……
もう、やめてよね……自分だけ気持ちよくなって、勝手だねキノは……
だから、やめてってばあ……くすぐったいんだよぉ……
……わかったよ、もうキノが気持ち良くなってるのはわかったから、そんな大声ださないでよぉ……
えっ?何?
………もう一度言って?
……ああ、……うんうん、……うん、僕もキノのことは好きだよ……うん、沢山乗ってもらったからね……
……色んなところに行ったよね……
……そういえば、あの国はきれいだったなぁ……
…ゼッケンかな、なんてね………あはは……ツッコミ入れてくれないんだね……絶景かな、だよね……
930 :
581:2005/08/25(木) 16:55:40 ID:6nqhUsUu
…あれ、もしかして、あの時のこと憶えてないの?僕らが一番最後に行った国じゃない。キノ、もしかしてボケちゃった?
……ほら、最後に行ったあの国だよ……僕らがこうやって捕まっちゃう前に行ったところだよ……
……あはは、別に構わないよ。気にしてないよ……
…………忘れたって仕方が無いよ。あの後、ずっと大変だったからね………あのオッサンたちにあんな事されてさ………
………よく頑張ったと思うよ、キノは………本当に、よく頑張ったよ………
………………でも、もう一度キノと一緒に走りたかったよ……
……うん、どういたしまして……こちらこそ、ありがとう……
…あはは、キノにこんなこと言われるの、初めてじゃないかな………照れるなあ……
……うん、大好きだよ。当たり前さ……
あっ、足音だ………帰ってくるね、あいつら……
ははっ、おかえり、オッサンたち……
あれ?それって、もしかして………」
「そうだ。その通りだ。おい、モトラド。お前の願いをかなえてやるよ」
「うわ……ありがとう……なんだ、オッサンも結構良いヤツじゃん……話がわかるじゃん……
ほんとに、ありがとう……
……じゃあ、さっそくやってもらおうかな……
あっ、キノは危ないから下がってて……
931 :
581:2005/08/25(木) 16:56:33 ID:6nqhUsUu
………駄目だよ、ワガママ言っちゃあ……ほら、僕から離れて……
うわあああ、くすぐったいよぉ……
…あはは………あははははは………キノ、いいかげんにしてよぉ……もう…
………うん、それでいいよ…そこなら大丈夫だ……
…………それじゃあ、オッサンそろそろ頼むよ……
………良い子にするんだよ、キノ………
……オッサンたちに可愛がってもらいなよ………
………キノ、元気でね。幸せでいてね……
…………………出来たらで良いから、チャンスがあったらでいいから、なんとか逃げ出してね………」
男が構えた馬鹿でかいパースエイダーが火を噴いた。何発もの弾丸がモトラドのボディをえぐる。
そして、爆音。
「……さよなら、キノ……」
最後に何とかそれだけつぶやいて、モトラドの意識は途絶えた。
932 :
581:2005/08/25(木) 16:59:30 ID:6nqhUsUu
こんな感じでした。
キノもエルメスも、それぞれ別の意味で壊れちゃいました。
想像力の働く余地がある方が良いかなと思って、こんな形にしてみましたが、いかがだったでしょうか?
それでは……。
俺あんま想像力ないけど、なんか鬱になったよ・・・
934 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 04:01:33 ID:MeaABSyS
せりふながいよ…。
なんか激鬱になったんだが・・・・
こんなに鬱になったのは久々だ……
937 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 16:22:23 ID:MeaABSyS
それって褒め言葉?
938 :
581:2005/08/26(金) 17:57:08 ID:3neTFEwk
うう、みなさん申し訳ないです。昨日のやつは、自分で読み返してみても、確かに凄く暗い話だと思います。
思いつきを勢いで形にしてしまったので、ちゃんと配慮できていませんでした。反省です。
お詫び代わりに、アリソンのエロパロを投下します。
今度は暗くないです。馬鹿な話です。
それでは……。
939 :
581:2005/08/26(金) 17:58:02 ID:3neTFEwk
「うう、恥ずかしい……」
夕日の差し込むリビングの真ん中に立って、アリソンがつぶやいた。今、アリソンは町に出かけていったヴィルの帰りを待っている。
なにが恥ずかしいのか?問題は今のアリソンの服装だ。
心なしか頬を染め、そわそわしている彼女が身につけているのは、日ごろ使い慣れたエプロンがただの一枚だけ。要するに、裸エプロンの状態である。
「……でも、これくらいしないと、ヴィルは……」
そう、全てはヴィルのためなのだ。大陸横断鉄道の旅で、アリソンはヴィルへの告白に成功し、今現在はこの首都のアパートで一緒に暮らしていた。
ヴィルと一緒に暮らすのは、やっぱり楽しかった。何も特別なことではなく、ただ毎日ヴィルと言葉を交わし、同じ時間を過ごせることが幸せだった。
ふとした時のヴィルの表情、言葉、思いやり、そういうものにドキドキさせられて、ヴィルを好きな気持ちはますます深まっていくようだった。
何よりも、ヴィルが自分といることで幸せそうにしているのが嬉しかった。
それに………、えっちな事もした。二人とも気恥ずかしさがあって、そう回数は多くなかったが、それは幸せな時間だった。
まあ、とにかくアリソンは現状に満足していた。満足していたが、だが………、しかし………。
アリソンはヴィルと、もっと色んな事がしたかった。今までやらなかったような事を沢山してみたかった。
っていうか、こう、もっと、………なんていうか………
「そうよ!!現状に甘んじていては、未来を拓くことは出来ないわ!!!!」
アリソンは拳を突き上げて叫び、自分を奮い立たせた。大仰な台詞が部屋の中に空しく響いて、アリソンはうなだれる。
「やっぱり……恥ずかしすぎるわ……恥ずかしすぎる……」
明日のヴィルのお休みに合わせて、かなりの無理をしてアリソンは休みを取り、色々と作戦も考えてきたのだ。
940 :
581:2005/08/26(金) 17:58:54 ID:3neTFEwk
テーブルの上に乗っかっているのは、どれもこの日のために用意したものだ。
綺麗な色のボトルに入っているのは、口当たりは良いけれど、実はかなりアルコール度数が高めのお酒だ。酒に酔わせて、ヴィルを篭絡しようという魂胆だ。
まあ、お酒が飲める年齢にまだ手の届かないヴィルが口にするかどうかは、かなり分の悪い賭けではあったが……。
えっちなお店で買ってきた男性のモノの形をした張り型は、帽子とサングラス、勝手に借りたヴィルのコートで完璧な変装をして手に入れたものだ。
しかし、訳もわからずに買ってきたそれは、なんだかアリソンが使うには大きすぎるようにも見えた。
さらに、びっしりと文字で埋まった数枚の便箋は、徹夜で書いたエッチの台本だ。
これに沿ってエッチをすることで、上手くヴィルを乗り気になるように誘導するのだ。
まあ、どうやって読ませるのか見当もつかないし、後から読み返してみると、粗悪なポルノ小説みたいな内容で、書いたのが恥ずかしくなってきた。
そして、ヴィルに積極的にせまるための秘策が、この裸エプロンだった。だったのだが…………。
「………どう考えても、おかしいわよね……」
こうして決行の時が迫るにつれて、これまでの準備した作戦は、全て空しいもののように感じられてきた。
何をしたって、こんな格好を見たところで、ヴィルが困るだけのような気がしてきたのだ。
「うん、やめよう……やっぱり、よそう……」
意を決して、アリソンは立ち上がり、傍らに置いてあった自分の服に手をかけたその時だった。
「ただいま」
がチャリとドアの開く音と共に、玄関の方からヴィルの声が聞こえた。
「えっ、こんな早く帰ってくるなんて!?」
941 :
581:2005/08/26(金) 17:59:35 ID:3neTFEwk
ツカツカと足音が近づいてくる。慌てたアリソンは机の上の恥ずかしいものを、まとめて近くのチェストの引き出しに放り込んだ。
服を手に、とりあえず寝室へ逃れようとして、アリソンは思いっきりこけた。
「いたた……」
したたかに打ち付けた頭をさすりながら、立ち上がったアリソンの目の前で玄関へと通じるドアが開いた。
「アリソン、大丈夫?…………って、…………ええっ!!!?」
アリソンの視線の先には、ポカンとしたヴィルの表情が見える。
一方、アリソンの方の格好は、唯一身につけているエプロンすらも軽くはだけている様な状況で………。
「………あっ……ええと……あはは…その、おかえり……」
ずり落ちたエプロンの肩紐を直しながら、泣きたいような気持ちで、アリソンもヴィルに挨拶をした。
「うう、どうしよう………」
机に突っ伏したままでアリソンがぼやく。あの後、アリソンは自分の服を手早く拾って、ヴィルの顔も見ずに自室へと駆け込んだ。
あれ以来、ヴィルと顔を合わせるのが怖くて、アリソンは自室にこもり切りだった。
「……あんなこと、考えるんじゃなかった…とんでもない不覚だわ……」
自室に戻ってエプロンを脱ぎ、普段の服に着替えようとしたとき、アリソンは部屋の壁にかけた鏡を見た。
冴えない顔をしてエプロン一枚きりをつけたその姿は、なんだかとても馬鹿みたいで、アリソンは酷く落ち込んだ。
ヴィルだって今頃、相当戸惑っているはずだ。呆れているはずだ。
942 :
581:2005/08/26(金) 18:00:22 ID:3neTFEwk
頭を抱えて、嘆いているはずだ。異常な事態に耐えかねて、出て行っちゃうかもしれない……。
「うわ〜〜〜〜ん」
暗い考えばかりが浮かんで止まらなくなる。今、アリソンは人生のどん底にいるような気分だった。
その時、コンコンとドアをノックする音が部屋に響いた。
はっとして顔を上げたアリソンの耳に、ドアの外から優しい声が届いた。
「アリソン、夕食できたよ」
足をもつれさせながら、ドアにたどり着いたアリソンはドキドキしながらドアノブに手を掛ける。
やけに大きな音を響かせて開いたドアの向こうには、いつも通りの笑顔を浮かべたヴィルの姿があった。
「ごちそうさま」
夕食を食べ終えたアリソンは、そう言ってヴィルに微笑んだ。気分はもう持ち直していた。
「でも、今日は私が夕食を作るはずだったのに、ごめんね…」
「別にそれぐらい構わないよ」
そう言って笑うヴィルを見ているだけで、アリソンの暗い気持ちは吹き飛んでいくようだ。
夕食を食べる前、なにか言いにくそうにモジモジとしていたアリソンに、ヴィルは何も言わなくていいと言うような視線を送ってくれた。
まだ恥ずかしい気持ちは消えないけれど、これはこれで幸せじゃないか。アリソンは今、そう思っていた。
何も変な作戦など考える必要などなかったのだ。ヴィルと過ごす時間、それだけでアリソンには充分に楽しいものだった。
943 :
581:2005/08/26(金) 18:01:04 ID:3neTFEwk
まあ、さすがにえっちなことを期待するのは、今日の雰囲気では無理かもしれないが、それはそれでいいじゃないかとさえ、アリソンは思い始めていた。
上機嫌なアリソンは、ふとある事を思いついた。
「そうだ。アレがあった……」
立ち上がり、リビングのチェストの引き出しを開け、中に入れたままになっていた張り型や台本を奥に押しやり、お酒のボトルを取り出す。
「アリソン、それって……」
「えへへ、まあいいじゃない。ねっ」
アリソンが微笑むと、呆れたような表情を浮かべていたヴィルも、仕方ないという風に笑った。
「ちょっとだけだよ…」
「わかってるわよ」
この時、すっかり幸せ気分になっていたアリソンは自分の持っているお酒の特徴を忘れていた。
そのお酒は、口当たりの良さの割りにアルコール度数はかなり高いということを、アリソンはすっかり失念していたのだ。
(良かった。アリソン、元気が出たみたいで……)
すっかり明るくなったアリソンの様子を見ながら、ヴィルはお酒の入ったコップを傾ける。
部屋に閉じこもって出てこなくなったときはどうしようかと思ったが、この様子ならもう大丈夫だろう。
(それにしても……………………、なんだったのかな、アレは?)
帰宅したときに見たアリソンの格好が、素っ裸にエプロンのあの格好には一体どういう意味があったのだろうか?
944 :
581:2005/08/26(金) 18:02:30 ID:3neTFEwk
あの時、つまずいて唯一の着衣であるエプロンがはだけ、顔を真っ赤にしたアリソンを、ヴィルは呆然と見ていた。いや、見蕩れていた。
何と言うか、単に裸を見てドキドキしてしまったという以上の何かが、自分の中に生まれたのをヴィルは感じていた。
(………なんだか、可愛かったな)
あの恥ずかしそうな顔、着ているものがエプロンだけだというアンバランスさ、その布地と対比して一層引き立ったアリソンの肌の白さ、柔らかさ……。
「ヴィル、どしたの?私の顔になんかついてる?」
アリソンに声をかけられて、ハッと気がつく。どうやら、ずっとアリソンの顔を見つめていたらしい。
「い、いや、なんでもないよ…」
ヴィルは慌てて答えてから、コップのお酒をもう一口飲んだ。
「ふうん、変なの…」
何だか恥ずかしくて、そう言って自分の方に微笑んでくるアリソンの顔をまともに見ることが出来ない。
(うう、お酒のせいかな……)
そう言えば、もう随分な量を飲んでしまった気がする。思っていたよりも飲みやすかったお酒の味に、ついつい飲みすぎてしまったのかもしれない。
(でも、こういうのもたまには良いかも……)
こういうふうに楽しい夜が過ごせるなら、それも良いのかもしれない。元々、アリソンの無茶や暴走に付き合うのは性分みたいなものなのだ。
「そろそろ片付けなくちゃ」
いつの間にやらボトルは空になり、アリソンが立ち上がった。手伝おうとヴィルも立ち上がるが、アリソンに引き止められる。
「私がやるわ。夕食の準備、ヴィルに任せ切りになっちゃったから」
945 :
581:2005/08/26(金) 18:03:12 ID:3neTFEwk
そう言いながらアリソンは汚れた皿を流しに運び、エプロンを身につけた。ヴィルはそんなアリソンをぼーっと見つめる。
そうしてる内に、ヴィルは自分が今のアリソンの姿とあの時の姿とを重ねて見ていることに気が付いた。
今のアリソンは普段着のセーターとズボンを着て、その上にエプロンを身につけている。あの時とは全然違うのだ。
だけど、なんでもないいつものエプロンとお酒のせいか赤く染まった頬が、顔を真っ赤にした裸エプロンのアリソンにダブってしまう。
なんとなく罪悪感を感じて視線を下に落とすと、そんなヴィルの戸惑いに呼応するようにヴィルの下半身は変化を見せ始めていた。
(……やらしいなあ…僕……)
見ているうちに罪悪感はさらに大きくなる。ヴィルはどうにも色事、性に関することには慣れなかった。苦手だった。
全く興味が無いわけでもなかったが、生来のマイペースさと淡白さ、鈍感さのためにヴィルはこれまでそういう事にはてんで疎かった。
しかし、アリソンと初めてえっちなことをして以来、ヴィルはそれに向き合わざるを得なくなってしまった。
正直、ヴィルはそれに戸惑うばかりだったのだけれど…。
「やっぱり僕も手伝うよ、アリソン」
もやもやする気持ちを振り払うように、ヴィルは立ち上がる。しかし、1歩2歩と歩いて急にふらついてしまう。
(あっ、これが酔っ払うって事なのか……)
夕食後、やたら饒舌になったアリソンの聞き役に回っていたヴィルは、自分でも気付かぬうちに結構な量のアルコールをとってしまっていた。
「大丈夫、ヴィル?全部私が片付けるから、座ってていいのよ……」
ヴィルを心配して振り返ったアリソンは、しかし次の瞬間凍りついた。
進むに進めず、ふらふらなヴィルが自分を支えようとして寄りかかったのは、あの恥ずかしいものを隠したチェストだったのだ。
946 :
581:2005/08/26(金) 18:03:57 ID:3neTFEwk
しかも、ヴィルはよりによって、あの引き出しの取っ手を掴んでいた。
「ヴィ、ヴィル!ダメ!!!……そこはっ!!!!」
アリソンが叫んだのと、ヴィルの体重を支えきれずチェストが倒れたのはほぼ同時だった。
「う、うわああああ!!!」
「ヴィルっ!!!!」
チェスとの引き出しが吹っ飛び、中身がぶちまけられた。ヴィルは前のめりに倒れて、散乱した引き出しの中身に突っ込む。
「の、飲みすぎた……」
痛みに顔をしかめるヴィルの目の前を、棒状の何かがころころと転がっていく。体を起こしたヴィルは足元にあった数枚の便箋に目をとめる。
「ん、これ、なんだろ?」
なんとなくそれを拾い上げたヴィルの耳に、つんざくようなアリソンの悲鳴が響いた。
「ヴィルっ!!!それを読んじゃ、ダメぇ〜〜!!!!」
しかし、時既に遅く、ヴィルはその紙に書かれた文章に目を通し始めていた。
そこに書かれていたものは……
947 :
581:2005/08/26(金) 18:04:44 ID:3neTFEwk
ヴィル『乳首だけでイっちゃうなんて、アリソンはとってもいやらしいなあ』
アリソン『やぁ、ちが……はうっ…そこ、だめぇ…』
ヴィル『ほら、アソコだって、もうこんなに濡れてるよ』
アリソン『ちがう…ちがうのぉ…あっ!…ふあぁん!……』
ヴィル『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
アリソン『嫌ぁ…も…言わないでぇ……』
果たしてどうやって使うつもりだったのか。それは台本というより、アリソンのやばい妄想をそのまま書き出したみたいで……。
ヴィルが紙から視線を外すと、足元にはさっき転がっていた棒状のものがあった。男性のモノをかたどったそれが、何に使われるものなのかは一目瞭然だった。
何が何やら理解できず、ヴィルは完全に凍り付いてしまう。
「うわあああああ!!!!!ヴィルううううううう!!!!!!」
その時、パニックに陥ったアリソンが叫びながら、ヴィルに突っ込んできた。二人の体はもつれ合い、アリソンがヴィルを下敷きにする形となる。
そのまま二人は見つめ合う。なんとも複雑なヴィルの表情は、アリソンに事態がもう手遅れであることを悟らせた。
「あの……アリソン……あれは一体?」
ヴィルの問いかけにも答えられよう筈が無かった。アリソンの頭の中はグルグルと空回りを始める。
(あわわわわ……一体どうしたら良いの?)
訳のわからぬままアリソンは、とんでもない行動に出てしまう。ヴィルのズボンのファスナーに手をかけ、一気に開き、ヴィルのモノを取り出す。
948 :
581:2005/08/26(金) 18:05:32 ID:3neTFEwk
「アリソン?…何?何なの?」
既に大きくなり始めていた自分のモノを外にさらされて、ヴィルは顔を真っ赤にしてうろたえる。しかし、一方のアリソンはそんなことには気付く余裕も無い。
「ヴィ、ヴィ…ヴィル………しましょう!!!」
「えっ!?」
「え、えっちなこと…しよう!!!!」
もうヤケクソだった。戸惑うヴィルをよそに、剥き出しになったヴィルのモノに口をつける。
「え?えっ!?…今、ここでなの?」
唐突に始まった行為にヴィルの頭はついていけない。その間にもアリソンはたどたどしくヴィルのモノに舌を這わせる。
(そ、そうよ。もともと、こういう計画だったんだから……)
そう思いながらもアリソンは、今の状況が本来のヴィルをえっちに積極的にさせるという計画の骨子からは、ずれ始めていることに気付いていた。
(とにかく、これは計画通りなんだから……何も恥ずかしいことなんて無いんだから…大丈夫なんだから…)
果たして、何がどう恥ずかしくなくて、大丈夫なのやら………。とにかくアリソンには、行為に没頭する以外の選択肢は無かった。
「はむっ…ぅむ…くちゅくちゅ…ぴちゃ……はあ、はあ…」
アリソンが舌を絡めるたびに、ヴィルのものをムズムズとした刺激が襲う。ヴィルには眼前で繰り広げられる行為を、呆然と見ていることしか出来なかった。
(なんなんだ?…一体、アリソンはどうしちゃったんだ?)
さっき見た便箋や、張り型は何だったんだ?いくら考えても、朦朧とするヴィルの頭は答えを出せそうにも無かった。
今のヴィルの目に映るのは、目の前で淫らな行為を続けるアリソンの姿だけだった。
「あっ…うむぅ…ぴちゃぴちゃ……ふぅ…んぅ……」
949 :
581:2005/08/26(金) 18:06:23 ID:3neTFEwk
音を立てながら自分のモノをしゃぶるアリソンの顔に、いつしかヴィルは見入っていた。
(……なんだか、アリソン……いつもより…)
それは、アリソンの裸エプロン姿を見たときの感覚に似ていた。
いつものエプロン、いつもの服装、いつもの部屋、そんな日常の延長の中で、今二人は淫らな行為に耽っている。その何とも言えないギャップ……。
(…今のアリソン…エッチで……かわいい……)
なんとなく、ヴィルはアリソンの肩に触れてみた。セーターの分厚い布地越しに感じられるアリソンの体の熱が、何だかとても、いやらしく思える。
自然と下半身に感じる熱が高まっていくのを、ヴィルは感じていた。
(……あれ、…ヴィルの……前にしてあげた時より、熱い………)
ヴィルのモノに奉仕を続けるアリソンも、その変化に気付いていた。口の中に、舌先に感じるその熱に、アリソンは段々とペースを早めていく。
「ふぁ…くちゅ…ぴちゃ…すご……ヴィルの、すごいよ…ふあっ…ふむぅん…」
我慢できずに、アリソンは自分の股間、ズボンの中にも指を這い入らせる。ショーツの中は既に、ぐちゅぐちゅに濡れていた。
軽く指で触れるだけで、電流のような快感がアリソンの背骨を走りぬける。アリソンは夢中になって、自分のアソコを指でかき混ぜた。
「ふあっ!…ああんっ…んんっ!!くちゅ…ぴちゃ…んうぅ!!…ふうんっ!!」
「アリソン、ダメだ。…あっ!!くぅっ!…もう、もう僕、イっちゃうよ!」
激しさを増すアリソンの舌使いに耐えかねて、ヴィルのモノは熱い欲望を吐き出してしまう。
大量に吹き出たそれは、アリソンの口には収まり切らず、アリソンの顔を、セーターを、ズボンを、そしてエプロンを白濁に汚した。
「うあ…いっぱい…」
自分に降りかかったものを呆然と眺めながら、アリソンはつぶやく。
950 :
581:2005/08/26(金) 18:07:12 ID:3neTFEwk
「ご、ごめん…こんな、汚すつもりじゃ…」
体を起こして、ヴィルは謝った。アリソンの顔についた汚れを拭おうと伸ばした手は、しかし、アリソンにつかまれてしまう。
驚くヴィルに、アリソンは微笑んで……。
「アリソン?」
ヴィルの唇はアリソンの唇に塞がれてしまった。
アリソンの口に残るお酒の香り、さっき自分が出したものの粘り気とにおい、それにアリソンの唾液の甘さがいやらしく絡まりあう。
唇を離すと、糸を引く唾液がキラキラと光る。
言葉も出せず固まったヴィルの目の前で、アリソンがもう一度微笑む。
アリソンがいつも通りの服を着てそこに居るだけのはずなのに、白濁に汚されたその姿が、その笑顔が、どうしようもなくヴィルを欲情させる。
自分の中に渦巻く今まで感じたことの無いほどの欲望が、ヴィルの意識を朦朧とさせる。
「ヴィル、さっきは、いきなりごめんね…」
語りかけるアリソンの笑顔が、ヴィルにはとってもエッチに見える。
「……でも、私はヴィルとしたいの。……もっと、いろんなことを…」
「ああ、うん…」
ヴィルには生返事をするのが精一杯だ。不意にアリソンが視線を下ろして、ヴィルもなんとなく下の方を見る。
「ヴィルも、私としたいみたいだし……」
アリソンの視線の先では、先ほどの射精で萎えてしまったはずのヴィルのモノが再び頭をもたげようとしていた。
951 :
581:2005/08/26(金) 18:07:58 ID:3neTFEwk
「うあ……」
「ねっ……」
もはやヴィルには、言い返す気力も残っていない。ただ一度だけ、目の前で微笑むアリソンに、ヴィルはうなずいた。
こんなにドキドキするのは、告白したとき以来だろうか、初めてヴィルとしたとき以来だろうか。
今、アリソンはズボンとショーツを脱ぎ捨て、裸の下半身をヴィルの前にさらしていた。
さっきから次々と出てくる言葉は、とても自分が発したとは思えないようなものばかりで、それだけでアリソンの頭はクラクラしてしまう。
どんどんと行為にのめり込む自分がいる一方で、それを覚めた視線で見つめるもう一人のj自分がいるのを感じた。
そのもう一人の自分が、このままじゃヴィルに嫌われるんじゃないのかと、ずっと語りかけてくる。
こんなにいやらしい自分をさらけ出していることが、不安で不安でたまらなくなってくる。
それなのに行為を止められない自分に、アリソンの混乱は深まる一方だった。
「ほら、ヴィル、これ……」
アリソンは床に転がっていた張り型を拾い、ちろりと舌先で舐める。
「これ、何に使うかわかるわよね?」
張り型を凝視したまま、答えられずにいるヴィルに、アリソンはその張り型をそっと手渡す。
「ヴィルに入れて欲しくて、買ったの……」
解ったのか解らないのか、アリソンの言葉にヴィルは無言のままうなずく。張り型を手渡してしまうと、アリソンの鼓動はさらに早まっていくようだった。
(あれを、入れられるんだ……)
952 :
581:2005/08/26(金) 18:08:42 ID:3neTFEwk
改めて見ると、それは夕方見たとき以上に大きく見えてしまう。
(しかも、ヴィルの手で………)
もう取り返しがつかないという不安感、今から自分がされようとしていることへの期待感、二つが混ざり合い、アリソンは背中が粟立つような感覚を覚える。
「お願い…ヴィル……」
アリソンが促すと、ヴィルは言われるがままに張り型をアリソンの濡れそぼった秘部にあてがい、ゆっくりと挿入を開始する。
ヴィルのものとは違う、杭を打ち込まれるような異物感にアリソンは身震いする。
「…ひうっ…なに…これ……ふあああっ!!…すごっ……ああああんっ!!!!」
予想以上のアリソンの反応に、思わずヴィルは張り型を持った手を止めてしまう。
「…ア…アリ…ソン…だ、だいじょう…ぶ…?」
舌をもつらせて、ヴィルがなんとか言葉を発する。
「うあ…あんっ…ヴィ…ル?…だいじょぶ…うごかして大丈夫だから…」
挿入されたままで止まった張り型に、もどかしさを抑え切れないアリソンは、ヴィルの手をとり、自ら前後に動かす。
「はうっ!あんっ!!あっ!ヴィル、もっと突いてぇ!!!ああああんっ!!!!」
自分の発するいやらしい嬌声が、視界の中を激しく動くヴィルの腕が、アリソンの理性を破壊し、さらに欲情を煽る。
「ふあっ!ああんっ!!!ひあっ!!気持ちいいっ!!!気持ちいいよぉ!!!!」
張り型が前後するごとに、えぐるような快感がアリソンの背骨を突き抜ける。
どんどん快楽が高まるごとに、一方で、ヴィルに恥ずかしい姿を見せていることへの不安感も膨らんでいく。
そして、その不安が、恥ずかしさが、さらなる快感を呼び寄せ、アリソンはもはや自分が何をやっているかも解らなくなっていた。
953 :
581:2005/08/26(金) 18:09:32 ID:3neTFEwk
(ああ、私どうなっちゃうんだろ………?)
そう思いながらも、どうすることも出来ず、与えられる快感をアリソンはむさぼる。
「すごっ!気持ちよくて、気持ちよすぎて!!もう私、私ぃっ!!!!!」
もはや、アリソンの体は高みに登りつめようしていた。
だが、しかし…………。
「……ひあっ……あれ?……なんで止めるの?…ヴィル?」
張り型を持ったヴィルの手が止まり、アリソンは現実に引き戻される。ぶるぶると肩を震わせるヴィルに、アリソンの中の不安感が急に頭をもたげてくる。
「ヴィル、どうしたの?」
しかし、ヴィルはうつむいたまま答えない。アリソンの中の不安はむくむくと大きさを増していく。
(こんなの……やだ……これじゃあ、まるで)
ヴィルは、頭の中をぐるぐると回る嫌な考えを振り払おうとしていた。
(……まるで、アリソンをいじめてるみたいだ)
今、ヴィルの頭の中では例のアリソンが書いたエッチの台本に書かれた内容が繰り返しリフレインされていた。
『乳首だけでイっちゃうなんて、アリソンはとってもいやらしいなあ』
『ほら、アソコだって、もうこんなに濡れてるよ』
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
あそこに書かれた言葉は、まるでアリソンを責め立て、いじめてるみたいに、ヴィルには思えてならなかった。
しかも、それを言っているのはヴィルだということになっている。自分がアリソンを汚い言葉で責め立てている。考えたくも無いことだった。
954 :
581:2005/08/26(金) 18:10:24 ID:3neTFEwk
しかし何度振り払おうとしても、酔いが回って朦朧としているはずの頭の中に、その言葉は何度も蘇ってくる。
そして、太い張り型を使いアリソンの秘部を責める内に、ヴィルはなんだか自分がアリソンをいじめているような気分になっていた。
そんなのは、そんなのは絶対に嫌だった。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
違うよ。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
そんなわけない。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
そんなこと、僕は言いたくない。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
違う。アリソンは、アリソンは……。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
僕がアリソンに言いたいのは……。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
僕がアリソンに本当に言いたいことは……………。
「ちがああああうっ!!!!!!!」
ヴィルが大声をあげて、アリソンはびくりと後づさる。
ヴィルの頭が、ついに許容範囲を越えて、オーバーヒートしてしまったのだ。
955 :
581:2005/08/26(金) 18:11:15 ID:3neTFEwk
「ヴィ、ヴィル、ごめん、私が悪かっ…」
「アリソンっ!!!!」
不安げな顔のアリソンの肩を、ヴィルはガシッと捕まえる。
「な、何?」
もう殆ど泣きそうな表情で、アリソンは尋ねる。
「…………アリソンはっ!」
「はいっ!?」
「きれいだあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
「えっ!?」
目の端に涙さえ浮かべていたアリソンは、ヴィルのその発言の意味を図りかねて、ぽかんと口を開ける。
「アリソンはきれいだし!かわいいし!勇気があるし!やさしいし!……だから…だから、僕はそんなアリソンのことが昔から大好きで……」
一度口火を切ったヴィルの言葉は、とどまることを知らなかった。
「えっ!えっ?ええっ!!?」
訳のわからぬまま、いつもは口にしないようなヴィルの熱烈な言葉の数々が、アリソンの耳を直撃する。
(な、何?ヴィル、どうしちゃったの?)
当然浮かんだそんな疑問も、ヴィルの熱烈な言葉にかき消されていく。
「うあ、ヴィ、ヴィルぅ…」
ヴィルにとって、色事、性に関することが苦手であるのと同じように、ヴィルの今の言葉はアリソンの心の弱点を鋭く刺激してきた。
956 :
581:2005/08/26(金) 18:12:05 ID:3neTFEwk
何年も、言えない思いを胸に秘め、アリソンはヴィルに恋焦がれてきたのだ。
これだけの愛の言葉を前に、耐え切るだけの免疫をアリソンは持っていなかった。
「僕はアリソンが好きなんだ!あんなこと言いたいわけが無いんだ!!」
酔いの回ったヴィルの口からは、いつも胸に秘め、自分でも意識してこなかったアリソンへの思いが溢れ出していた。
「ちょ…ちょっと、ヴィル?」
「アリソン、好きだ!!好きだっ!!!!好きなんだ!!!僕は、君のことがっ!!!!」
勢い任せに、ヴィルはアリソンを抱き締める。
「僕はっ!アリソンのことをっ!!心からっ!!!愛してるっ!!!!」
「ヴィル!?うあ!…んむぅ!?」
そのまま、アリソンの唇にキスをする。長く長くお互いの唇を味わい、唇を離したときにはアリソンの瞳はとろんと蕩け切っていた。
「……アリソンが、何のつもりであんな物を書いたのかは知らないけど、僕は、……僕はっ!!」
いまや、形勢は完全に逆転していた。ぽーっとしながら、アリソンはヴィルの顔を見つめる。
「ねえ、ヴィル……」
叫び疲れて肩で息をしていたヴィルに、アリソンは呼びかける。
「私、やっぱり、ヴィルのを入れてほしい………」
恥ずかしそうに頬を染めながらおねだりをするアリソンに、ヴィルは愛しさを抑え切れなくなる。
ゆっくりと張り型を抜き、アリソンの体を抱きすくめ、床に押し倒す。さっきまでとは逆にヴィルの方が上になる。
「アリソン、好きだよ……」
957 :
581:2005/08/26(金) 18:13:16 ID:3neTFEwk
改めて言われて、また顔を赤くするアリソンにそっと口付けてから、ヴィルは挿入を始める。
「うわあああっ!!!ヴィルぅ!…すご!ふあっ!!!ああんっ!!さっきより、ひあっ!全然!!!!」
「くうっ!アリソンの中もっ!!」
限界まで高められた二人の神経は、互いの熱を感じるだけで、強烈な快感を二人に与える。
「ヴィルぅ!!あああんっ!!!ひあっ!もっと!突いてぇ!!かき混ぜてぇ!!!!」
自分の口から卑猥な言葉が漏れるのも、アリソンにはもう気にならなかった。ただ、ヴィルの存在だけを求めて、アリソンは激しく体を動かす。
「アリソン!好きだっ!!!大好きだっ!!!!アリソン!!!アリソン!アリソンっ!!!」
「ヴィルぅ!ふあっ!私もぉ!!あああんっ!!!私も、ヴィルがぁ!!ふあああっ!!!ヴィルのことがぁ!!!!」
互いの名を呼ぶ声が、さらに二人の体を燃え上がらせる。ヴィルが動くごとに、アリソンは背中を小さく仰け反らせ、快感に身を震わせる。
「あっ!ひううううっ!!!!ヴィルぅ!ヴィルぅ!!!!あああんっ!!やあっ!!」
アリソンの腕が、ヴィルの背中をぎゅっと抱き締める。ヴィルはアリソンの体を、思いっきり突き上げた。
「ひあっ!!イクぅ!!!!イっちゃうぅっ!!!!!!ヴィルのが熱くて、私ぃ!!もうっ!!ああっ!ひあああああああんっ!!!!!!」
「好きだあああああっ!!!!!!アリソンっ!!!!!!」
今まで感じたことの無いほどの絶頂感を感じながら、二人は同時に気を失った。
窓から朝日が差し込んでいる。さわやかな休日の朝だ。
昨夜、気を失ってから、二人は床に転がったままだった。二人とも、ちゃんと服装は直っている。
気配から、お互いに目を覚ましていることはわかっていたけど、昨夜のことが気恥ずかしくて、お互いに背中を向けて黙っている。
958 :
581:2005/08/26(金) 18:14:21 ID:3neTFEwk
「へっくしゅっ!!!」
アリソンがくしゃみをした。しまった、という顔を浮かべるアリソンの後ろから、ヴィルの声が聞こえた。
「風邪、ひいちゃったの?」
戸惑っているような声音だ。アリソンもしばらく迷ってから、やっとのことで言葉を搾り出す。
「大丈夫。ただ、ちょっと寒かったから…」
それ以上は言葉が続かず、再び部屋に沈黙が訪れる。
しゃべりづらい。だけど、いつかは昨夜のことを触れないわけにはいかない。
「………ごめんね、昨日は……」
先に口を開いたのはアリソンだった。昨夜、ヴィルの言葉で吹き飛んだ不安が、また浮かび上がってくるようだ。
「ううん。楽しかったよ、あれはあれで……」
思いのほか明るい声で、ヴィルからの答えが返ってきた。いつも通りの優しい声音からは、昨日の大暴走は想像できない。
「本当に?」
それでも不安そうに、アリソンは尋ね返す。
「うん。本当に……」
怒ったり、ウソをついてるような口調ではなかった。
「そっか……」
アリソンは、ようやく嬉しそうに微笑んだ。
「………それに、スッキリしたし……」
959 :
581:2005/08/26(金) 18:15:12 ID:3neTFEwk
「スッキリ!?」
アリソンが小さく叫ぶ。
「えっ!?なにか変だったかな…?」
意味が解らず、ヴィルが聞き返す。
「……いや、スッキリしたなんて、ヴィルって結構いやらしいんだなって……」
恥ずかしそうに言ったアリソンの言葉で、ヴィルはやっとアリソンの言いたいことを理解する。
「あはは、違うよ。そういう意味じゃなくて……」
「じゃ、どういう意味」
いぶかしげにアリソンが尋ねると、ヴィルはしばらく沈黙してから………。
「アリソン、大好きだっ!」
「ひあっ!?」
唐突に叫んだヴィルに、アリソンも驚いて声をあげる。
960 :
581:2005/08/26(金) 18:36:21 ID:3neTFEwk
「あんなに『好きだっ!』って叫んだの、生まれて初めてだよ……」
嬉しそうに語るヴィルの言葉に、アリソンは顔を真っ赤にする。
「でも、まだ言い足りない。もっと、言ってあげたい………」
そう言ってから、ヴィルは背中を向けたままアリソンの方に体をすり寄せる。二人の背中がぴったりとくっつく。
「だから昨日みたいのも、たまには、ね………」
そう言って、ヴィルはアリソンの手を握った。しばし躊躇ってから、アリソンもその手を握り返し、言葉を返す。
「……私も…言いたいよ……」
恥ずかしそうに、とても恥ずかしそうに、アリソンはつぶやいたのだった。
961 :
581:2005/08/26(金) 18:40:42 ID:3neTFEwk
こんな感じでした。
ううん、やっぱり暗いよりは明るいほうがいいのかな。本当にごめんなさい。
ヴィルとアリソンの馬鹿っぽい奴ということで書いてみました。
この二人は本当に良いです。
それでは、また………。
乙&GJ!!初めてリアルタイムで見れた。
俺はあまりバカっぽく感じなかったなぁ。むしろ互いにデレデレな二人に萌えた。
激しくGJ!920です。
ネタが被った…裸エプロンの部分が…
路線変更して書き直すのでもう少しお時間下さい。
神様その文才をオイラにも分けて…。
投下はやはり次スレになります。神作品の後では萎えるかもしれないけど許して下さい
超GJ。あとこの場合鬱になった…とかは褒め言葉だからキニシナイ!
激しくぐっじょぶ。ヴィルの「きれいだあああ(ry!」にちょっと噴きました。
切れるとアリソンより激しく暴走するヴィル、というのも面白いですね。
あれだけ悲惨なのとこんなにブッ飛んだのと両方書けるとは、芸風が幅広いなぁ……。(褒めてますよ念の為)
>>963さんも次スレでの投下楽しみにしてます。
このスレは大分作品が投下されてるよね。
次スレも近いことだし、そろそろ保管庫に収蔵してほしい。
保管庫の管理人さん、見てたらよろしくお願いします。
967 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 11:27:56 ID:2i3YZPOu
968 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 11:30:13 ID:2i3YZPOu
とうとうキノの旅\が10月発売だ!!
これは、キノとエルメスがとある有名な動物園
に行ったときのあほな話し
「あれ?どうしたのキノ。」
『触れ合いコーナー』と書かれた看板が掛かった、柵のドアから、
なぜか、この動物園の飼育係と同じ、青緑色のジャージを来たキノ
が出てきた。
「うん、ちょっとね。服が汚れちゃったから、係員の人に貸しても
らったんだ。」
「汚れたって、何かどじったの?」
「いいや。カンガルーがね、後ろか襲ってきたんだ。いつもは大人しい
らしいんだけど、なんかじゃれ付いてきてね、僕のお尻に腰を何度も
ぶつけてきたんだ。」
「・・・・・それで?」
「飽きちゃったみたいで、やった開放されたと思ったら、お尻のとこに
なんかべとべとした白い液が付いてたんだ。そのカンガルーの
仕業だろうね、やっぱり。」
「うわ・・・・・。」
「そしたら、係員の人が来て、凄い勢いで謝ってきたんだ。
そんなヒドイな事されてないのにね。で、クリーニングに出し
てくれるって言うから、ついでにジャケットも頼んじゃった。それで、
今はジャージ姿ってわけ」
「・・・・・そりゃ謝るだろうね。そんなことされたんだから。くそ、
カンガルーごときがキノにぶっ掛けるなんて・・・・・・。僕に体が
あれば・・・。」
「どうしたんだいエルメス?さっきからぶつぶつと。」
「なんにもー。」
以上でーす。後、ウミショーとのコラボねたあるんすけど、
それはまた次スレで
972 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 13:01:30 ID:TboWSP8W
保守
973 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 16:59:52 ID:Q/jISCKN
次スレまだたってないよね?
yes
975 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/07(水) 16:17:14 ID:AlWsS9AW
一応ageとくかな。
976 :
581:2005/09/08(木) 16:59:49 ID:w3ElNJCG
また、書いてきました。
キノさんのお話です。
それでは……。
977 :
581:2005/09/08(木) 17:01:27 ID:w3ElNJCG
こんな事になるなんて、思ってもみなかった。
「あっ…やぁ……も…やめ……ふあっ…」
ベッドの上で、キノはシズに押し倒され組み伏せられていた。
シズの舌が敏感になった肌の上を這う度に、キノの小さな体がビクンと震え、切なげな声が唇から漏れる。
「うあっ…はっ…こんな…こんなの…嫌で…す…シズさ…ああんっ…」
必死に哀願するキノの声を無視して、シズはキノの体を責め立て続ける。
的確で執拗なシズの責め、それが与える快感に、体はキノの意思を裏切り抵抗する力を失っていく。
「…も…やめ…あんっ……も…シズさん…許し…て…」
今のキノに出来ることは、シズがこの仕打ちをやめてくれるように、ただ何度も哀願の言葉を発し続けることだけだった。
そうでなくても体格差は歴然、大きなシズの体に押さえつけられてしまえば、キノにはほとんど抵抗のしようがない。
偶然の再会に浮かれて、言われるがままにシズについていった自分が愚かだったのだ。
陸もティーもいない薄暗く狭い部屋に通されて、キノが違和感を感じたときには勝負はついていた。
キノはパースエイダーを抜く暇も与えられず、シズに押し倒されてしまった。
押さえつけられたままのキノは乱暴に服をむしられ、シズにされるがままになっている。
「…も…やだ…あぅ…シズさん…もうこんな酷いこと…ああんっ…やだぁ…」
ぽろぽろと涙をこぼし、キノは頭を振る。そんなキノの様子を見ながら、シズはキノを責めたてる舌を止め、言った。
「キノさん、本気で言っているのか?」
978 :
581:2005/09/08(木) 17:02:23 ID:w3ElNJCG
「…えっ?」
わけがわからないキノに、シズは微笑みながら言葉を続ける。
「私にこんなふうにされて、本当に嫌なのか?」
「それは…嫌に決まって……ひあっ!!?」
混乱するキノの首筋を、シズの舌が舐めあげる。長々と責め続けられた体は、たったそれだけの刺激でキノに死ぬほどの快感を与える。
「ほら、キノさんの体は、私に責められてこんなに喜んでいるじゃないか」
キノの反応に満足げな表情を見せて、シズはさらにキノの乳首を甘噛みする。
「…そん…な…くぅ…嘘ぉ…うあっ…ボクは喜んでなんか…はぅ…」
必死で発する否定の言葉も弱弱しい。
「なら、どうして抵抗しようとしない。今の私は刀も脇に置いて、キノさん以上に無防備だ。キノさんなら、どうとでもできるんじゃないのか?」
「…でも…だって…」
「ナイフだって、まだまだ隠し持っているんだろう?格闘だって、私に劣らないはずだ」
もはや、反論する言葉を思いつくことも出来ず、シズが投げかける言葉に、キノはただ身を震わせる。
「抵抗しないのは…………、こうして欲しかったからなんだろう?」
「…………」
「私にメチャクチャにしてもらいたかったんだろう?」
「………ちが…」
目を硬く閉じて、キノは首を横に振り続ける。
979 :
581:2005/09/08(木) 17:03:28 ID:w3ElNJCG
シズに目覚めさせられてしまった欲望をなんとか振り払おうと、ただ首を振り否定の意思を示し続ける。
このままシズのなすがままになっていたら、本当におかしくなってしまう。シズの与える快感にこのまま流されてしまえば、いずれ自分は……。
そんなキノの様子を見ながら、シズは一つ溜め息をついて、こうつぶやいた。
「仕方ない。キノさん、素直になってもらおう」
そう言ったシズの指が、素早くキノのショーツの中に這い入り、キノの一番敏感な部分に触れた。
「…あっ!…やっ!…ひあああああっ!!!!」
未だシズの触れていなかったそこは、しかしシズのこれまでの責めに耐えかねて、いやらしく汁を垂れ流し、どうしようもなく熱く震えるばかりになっていた。
「これでも、まだ嫌だと言うのかい?」
シズの指に撫で回され、弄られ、かき混ぜられて、キノの最後の理性が飴のように溶けていく。
「…らめぇ!!…そこぉ!…も…らめえぇ!!…やめっ!!!…もうやめ…て…」
髪を振り乱し、キノはただ叫んだ。意識が朦朧としていく。体も心も限界だ。もし、これ以上のことをされてしまったら……。
「どうしても素直になれないか……。まあ、それもキノさんの可愛らしいところだ」
キノの反応に気を良くしたシズは、いよいよ自分のモノを取り出した。
大きくそそり立つそれは、涙と汗とでぐちゃぐちゃになったキノの視界には、何か恐ろしげな凶器のようにも見える。
「…あっ!…やっ!!…おねが…シズさ…お願いだから…あぅ!…も…ゆるしてぇ…」
既にシズの腕はキノの体を押さえつけることをやめていたが、もはやキノに起き上がり逃げ出す気力は残っていなかった。
たとえ、直接に力を加えられていなくても、この男の腕の中から逃げ出せる気がしなかった。
「大丈夫だ。すぐにもっと気持ちよくしてあげよう」
980 :
581:2005/09/08(木) 17:04:21 ID:w3ElNJCG
シズのモノがキノの秘裂にあてがわれ、キノはぶるっと身を縮み上がらせる。
「…ゆるして…ゆる…して……ゆるして……」
うわ言の様につぶやき続けるキノをもてあそぶように、シズは自分のモノで何度かキノの秘裂の入り口辺りを撫で回す。
死んでしまいそうなほどの恥ずかしさ、快感、絶望感、そういった物たちに自分の心が時の経つほどに浸食されていくのをキノは感じていた。
そして、突然にそれは、キノの膣内へと侵入を開始した。
「ひあっ!!ふああああっ!!!!ああぅ!ああんっ!!はぁ、はぁ、ひうっ!?…なにこれぇ!!?なんなのぉ!??」
ゆっくりとシズのモノが挿入されていく動き、それだけでキノの全身を快感が矢のように貫く。
頭が真っ白になる。声が抑えられなくなる。快感で、頭がおかしくなってしまう。
「あっ!?やぁ!!も…やあああっ!!!そんなっ!?動いたら!!ああっ!!ひあああああああああっ!!!!」
ゆっくりとシズが腰を動かし始める。抜き差しを繰り返されるたびに、キノの頭の中で小さく稲妻が弾ける。
絶えがたい快感の奔流に、キノの心と体は押し流されていく。
せめて、動きを少しでも緩やかなものにしようと、キノはシズの体にしがみつく。
しかし、シズはそんなキノをあざ笑うかのように動きを早め、まるで杭を打ち込むように、キノの小さな体に腰を撃ちつける。
「うああああっ!!?すごひいいいぃ!!!!ああんっ!!あうぅ!!こんな…ひうううぅ!!!やああんっ!!!」
キノの発する嬌声が激しくなるごとに、シズの動きも激しさを増していく。
どろどろの膣内をかき混ぜられて、エスカレートしていく快感にキノの頭の中は塗り潰されていった。
もはや何も考えることが出来ず、何もすることが出来ず、キノの中はシズから与えられる快感だけで満たされていく。
やがて、止まるところを知らない快楽の波はキノを絶頂へと押し上げていった。
981 :
581:2005/09/08(木) 17:05:19 ID:w3ElNJCG
「ふあああっ!?なにかきちゃうぅ!!?へんなのきちゃうううっ!!うあああっ!!!イクうううぅ!!!イっちゃううううぅ!!!!!」
激しすぎる絶頂にキノは小さな体を弓のように仰け反らせ、大声で叫ぶ。体がビクビクと痙攣し、意識が何度も明滅を繰り返す。
「……あううう…も…らめ……こんな…もうボクは…あんっ!?えっ!!?……なんでまだ?ひあああああっ!!!!」
しかし、絶頂の余韻に浸るほどの余裕もキノには与えられなかった。
「まだ、私は満足していないからね」
シズが再び腰を動かし始め、達してしまったがために敏感さを増したキノの体を責め立てる。
「ダメェ!!も…ボク…限界で…ああんっ!!…これ以上されたら…もう…ふあああんっ!!」
泣き叫ぶキノの体は、何度もシズのモノにえぐられ、かき混ぜられ、その度にキノの体は小さな絶頂を迎える。
「ああああっ!しぬぅ!!しんじゃうぅ!!!も…こんなぁ…ボクぅ!!こんなのボクぅ……しんじゃうううぅ!!!」
やがて全ての感覚はその絶頂の連続の中に呑み込まれ、キノの白い闇の中に消えていった。
「可愛いよ、キノさん。君はとても可愛い」
全ての衣服を剥ぎ取られ、白濁の中に沈んで体をビクビクと震わせるキノの姿を見ながら、シズは満足げに微笑んでいる。
「…あ……うあ………や……だめぇ……」
か細い声で喘ぐキノの秘部には、その体には不釣合いなほど大きなバイブレーターが刺さり、絶えることの無い振動で快感を与え続けている。
シズは自身が達した後もキノを解放せず、このようにしてキノを責め立てていた。
「…シズさ…シズさん……もう許してぇ…もうボクを許してぇ…」
焦点の定まらない瞳のまま、キノはシズに許しを請い続ける。その姿はさらにシズの欲情を誘った。
982 :
581:2005/09/08(木) 17:06:11 ID:w3ElNJCG
キノの唇を己の唇でふさぎ、シズはキノの口腔内に舌を這い入らせる。
「ふあっ?うむう!?んんっ!!んぅ…ぷはぁ…」
シズの唇が離れ、唾液が糸を引いていく様をキノは呆然と眺める。そしてキノは気付かされた。
口の中を、舌を犯されて、乱暴にシズの舌に蹂躙されて、それすらも自分は感じてしまっていることに、キノは気付かされた。
シズによって与えられる快感なしには、いられなくなってしまっている自分に気がつかされた。
自分の変化に愕然とするキノの目の前で、バイブレーターが引き抜かれた。
「ひあっ?あっ!?やああっ!!!?」
今まで自分の中を満たしていたものが無くなる喪失感に、キノは身震いする。あれがなくては、もう我慢することはできないのに……。
未練を残した視線でバイブレーターを見つめるキノに、シズは耳元で語りかける。
「ずっと、やめてくれって言ってたのに、アレが欲しいのかい?キノさん…」
「……そんな…こと…」
否定の言葉はあまりにも弱弱しく、キノ自身にも自分が本気で言っているようには聞こえない。
「無理はしなくてもいい。キノさんが望むのなら、私がいくらでも気持ちよくしてあげよう」
いつの間にか、大きさを取り戻していたシズのモノが、再びキノの中に挿入されていく。シズの腕に抱きすくめられたまま、キノはその感覚に身震いする。
ゆっくりとしたシズの動きが、今はもどかしくさえある。もっと激しくえぐってほしい。もっと深く突き入れてほしい。
そんな考えだけが、キノの頭のなかを満たし始める。
それを見透かしたように、シズはキノの耳元で囁いた。
「キノさんが望むなら、私はいつだってしてあげよう」
983 :
581:2005/09/08(木) 17:07:12 ID:w3ElNJCG
「いつでも?」
「ただし、それには条件がある」
蕩けきった瞳で見つめてくるキノの顔に微笑みながら、シズは言った。
「私のものになるんだ、キノさん」
………………って感じの夢を見たんですよ、シズさん!」
拳を硬く握り締め、感極まれりという表情でガッツポーズをとるキノの姿を、シズは呆然と眺めていた。
狭い部屋の中、ベッドの端っこに座ったキノと、備え付けの簡単な椅子に座ったシズは向かい合っている。
偶然、同じ国でキノにめぐり合ったシズは、キノが宿泊している宿の部屋に招かれていた。
「こんな夢を見たときに、ちょうどシズさんとめぐり合うなんて、もう運命以外の何者でもないですよ!」
そう言ってキノは小さく、くぅっと唸る。話に着いていけず、目の前で小さくなっているシズのことなどお構いなしといった風情だ。
「あの……キノさん……それは一体どういう意味で…?」
なんとなく、もう察しはついてはいるのだけれど、一応シズはキノに尋ねることにしてみる。
「やだなあ、シズさん……決まってるじゃないですか…」
満開の花のような、満面の笑顔を浮かべて、キノが答える。
「シズさん…………しましょう!!!!!」
やっぱり、そういうことか。うんざりした表情のシズの胴体に、キノはひしっと抱きつく。
984 :
581:2005/09/08(木) 17:08:06 ID:w3ElNJCG
「せっかく、今日はエルメスを修理屋に出して人払いをしてるんですから……」
なるほど、キノの相棒のモトラド、エルメスの姿が見えないのはそう言うわけか。
しかし、今現在シズが置かれている状況は、さきほどの夢の話でのキノの状況にまるっきり酷似していた。
偶然の再会を喜んで、キノのほかに誰もいない部屋にのこのことおびき出されて、抱きつかれ、今にも押し倒されそうだ。
「まあ、野良犬にでも噛まれたと思って…据え膳食わぬは男の恥ですよ、シズさん!」
喩えがメチャクチャだ。据え膳と言われたところで、こっちにだって心の準備というものが必要だ。
発情期の動物じゃあるまいし、そんなにすぐに準備OKとはいかない。
「あの…キノさん……やっぱり…こういうことは…もっと落ち着いて……」
しかし、キノはキラキラと目を輝かせたまま、シズの体を離してくれそうな気配はない。そもそも、この娘はこんなキャラだったか?
「シズさん、しーまーしょ!!!」
まぶしいばかりの笑顔に目がくらむ。抱き締められたことで、背中にまで回された腕の細さ、体の小ささが手にとるようにわかる。
確かに、ぎゅっと抱き締めたくなるほどに可愛い。しかし、それでも今は気分じゃないのだ。
時間だって早すぎる。太陽の明かりはまだ西の空を明々と照らしている。
なし崩しにされてたまるものか……!!!意を決して、シズはキノの肩を掴んで強引に引き剥がす。
「えっ!?シズさん……なんで?」
呆然とつぶやくキノは、シズに拒絶されたことが全く信じられない様子だ。
「なんでも何も、こんな無茶苦茶なやり方は無しだ!!」
思った以上に大きな声が出てしまった。怒鳴りつけるような形になって、シズは一瞬、しまったと後悔する。
985 :
581:2005/09/08(木) 17:09:03 ID:w3ElNJCG
罪悪感に駆られるシズの顔に、キノが上目遣いに不安げな視線を送ってくる。
「………シズさんは、ボクのこと嫌いですか?」
「いや…そんなことは……」
シズ目をじっと見つめてくるキノの瞳は、涙で潤みキラキラと輝いている。それを見ているだけで、シズの体は身動きがとれなくなってしまう。
明らかにおかしい。いつものキノのテンションではない。
それは解っているのだけれど、目の前で小さな肩を震わせるキノの姿は、シズの心をちくちくと突き刺して、追い詰めていく。
「……シズさん……ボクは…」
そう言ってしなだれかかって来たキノの体を、シズは思わず抱き締めていた。シズの腕の中にすっぽりと収まってしまうほどに、キノの体は小さい。
自分の体全体で、キノを包み込んでいるような感覚に、シズは頭がくらくらするような感覚を覚える。
………愛しすぎる。
「……キノさん」
つぶやいたシズの背中に、するりとキノの腕が回されて、シズの体もキノに抱き締められる。
「えへへ……やっと抱き締めてもらえた」
得意満面といった感じのキノの台詞に、シズは自分が上手く乗せられてしまったことを悟る。
しかし、事ここに至っては、もはやそんなことを気にするような気分にはなれなかった。シズはキノを抱き締める腕に力をこめ、ベッドの上に押し倒す。
「……なんだか、納得がいかない…」
そう言いながらも、シズは手早く自分の服を脱ぎ捨て、キノの服を脱がせにかかる。
「ま、良いじゃないですか」
986 :
581:2005/09/08(木) 17:10:05 ID:w3ElNJCG
あっという間に、全ての衣服を脱がされて、キノは丸裸になる。
一糸まとわぬその姿は、まるでガラス細工のように細くか弱く、触れれば壊れてしまうのではないかと、シズには感じられる。
思わず行為を始めるのを躊躇うシズに、キノは再びぎゅっと抱きつく。
「シズさんの胸だ……」
シズの胸板に顔を埋めたまま、本当に嬉しそうにつぶやくキノの言葉が、シズをさらに躊躇させる。
いつもと違ってずっと積極的なキノの様子は、一方ではなんだかとても不安定で、頼りなさげに見える。
(一体、キノさんはどうしてしまったんだ?)
さまざまな疑問に頭を悩ませながらも、シズはキノへの愛撫を始める。
少し触れただけでピクリと反応するキノの体は、以前よりずっと敏感になっているようだ。
陸にしてやるように、背中を撫で回してやるだけで、キノの体は嬉しそうに震える。
「ふあっ!ああんっ!…はぁはぁ…シズさぁん…あっ!」
首筋をそっとキスしてやるたびに、乳首を指先で転がしてやるたびに、キノは嬌声を上げ、シズの名を呼ぶ。
異常なほどのキノの反応を見て、シズは試しにキノの秘部へと手を伸ばし、指を侵入させてみる。
すでに湧き出たものが外にまであふれ出ていたその中は、蕩けそうなほどの熱をもち、淫水にまみれてシズの指が動くたびにいやらしい音を発する。
「ひあっ!ダメェ!!シズさんっ…そこ…まだダメェ!!」
さらに奥へと指を侵入させようとしたとき、突然にキノの腕がシズの体を押し返した。
呆然とするシズの前で、キノは自分のしたことが信じられないという風に、自分の腕とシズの顔を交互に見る。
「すまない……キノさん」
987 :
581:2005/09/08(木) 17:11:23 ID:w3ElNJCG
震える小さな背中を見下ろしながら、キノを気遣うようにシズが声をかける。
「だってボクの体、もう敏感になりすぎてて、アソコを触られたらそれだけでイっちゃいそうで……」
キノの瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれる。
「イっちゃたら、終わっちゃったら、シズさんが行ってしまうから……」
今にも大声をあげて泣き出しそうなキノの体を、シズはそっと抱き締めてやる。
「大丈夫だ。自分だけ満足したら、どこかに行ってしまうような薄情な人間じゃないよ、俺は……」
シズは、小さな子供にしてやるように、キノの背中をポンポンと軽く叩いてやる。それでようやく安心したように、キノはシズに体を委ねる。
「シズさん、好きです。……好きなんです…」
「わかってる」
静かにそう言ってから、シズはキノへの行為を再開する。先ほどまでよりも優しく、穏やかに、キノの体中をいたわるように愛撫する。
「…あっ…はぅ…あっ…やあぁ!!…あぁん…はうう…はぁ…はぁ…」
体中を撫で回すシズの腕に、キノは今度こそ本当に全てを任せ、感じるままに喘ぐ。
「ああんっ!!…シズ…さん…ひうぅ!!……お願い…も…きてください…ボクの中に…ふああっ!…きてくださいっ!!!」
小さな体の全てを投げ出して、必死に自分を求めてくる姿が、シズの心を燃え上がらせた。
言われるがままに、シズは自分のモノをキノの秘裂へとあてがい、挿入を開始する。
「ああっ!!ふああああっ!!!やぁ!すごひぃいいっ!!!あああんっ!!!」
シズの体にしがみつき必死で叫ぶキノの体を、シズのモノが何度も突き上げる。
深く、激しく、シズの体が動くたびに、キノの体は波の上に浮かぶ板切れのように翻弄される。
988 :
581:2005/09/08(木) 17:12:47 ID:w3ElNJCG
「ああんっ!!ひあっ!!あっ!こんな…ボク…へんになっちゃうぅ!!!きもち…よすぎてぇ!!へんになっちゃうっ!!!!」
「……くぅ…キノ…さん…」
いつに無く弱弱しく見えるキノの姿、自分の中で抑え切れないほど湧き上がるキノへの愛情、二つに挟まれて揺れ動く心が、シズの責めを激しくしていく。
シズに貫かれたキノの体が、快感を与えられるたびに踊るように跳ねる。
「ふああああっ!!あああんっ!!!シズさんっ!!シズさぁんっ!!!…もう…ボクぅ!!…ボクぅ!!!!!」
限界まで高まったものが、キノの中で一気に押し寄せる。体全体で快感を感じながら、キノの意識は絶頂へと昇りつめ、はじけた。
「ふあああああああああっ!!!!ひああああっ!!!イクっ!!イっちゃううううううぅ!!!!シズさぁああああんっ!!!!!」
「キノさんっ!!!」
同時に放たれたシズの熱いものを感じながら、キノは気を失った。
「実は、あの夢には続きがあるんです」
絶頂感に体中の力が抜けて、ぐったりとベッドにうつ伏せになったままのキノがつぶやいた。
キノの横に寝転がるシズは口を挟まず、ただ静かにキノの言葉に耳を傾ける。
「あの夢の最後に、シズさんに『私のものになるんだ』って言われて、もう何も言い返す気力も無いのはずなのに、ボクはこう言うんです」
自分の発する言葉の一つ一つにキノは体を震わせている。
「『それは出来ない』って………、もう身も心も溶かされて、シズさんに逆らうことなんて出来ないはずなのに……」
硬く目をつむって、キノは必死で言葉をつむぎだす。
989 :
581:2005/09/08(木) 17:14:30 ID:w3ElNJCG
「それは、今も同じなんです。今、シズさんに一緒に来ないかって言われても、ボクの答えは同じだ。
ボクはシズさんとは一緒には行けない、ずっと一人で旅をしていく………」
シズの方からは、キノがどんな表情を浮かべているかを読み取ることはできない。
いつもと変わらない淡々とした口調、しかし、今この少女は泣いているんじゃないだろうかと、シズは思う。
「……変ですよね。自分が好きでやってることなのに………。こんなこと言うの、変ですよね………」
寂しげにそう言ったキノの背中を、シズはそっと抱き締める。
「キノさん、好きだよ……」
キノの手が、シズの腕をぎゅっと握る。もう絶対放したくないとでも言うかのように、強く強く握り締めてくる。
「……明日は、この国の中を見て回るんだろう。三日間、私も付き合うよ」
「……はい」
少しだけ明るさを取り戻した口調で、キノが答える。体を起こしてシズがその顔を覗き込もうとすると、同じくシズの顔を見ようとしたキノと目が合った。
花のような笑顔だ。
(まったく調子がいい、ゲンキンなものだなぁ、この娘は……)
やれやれとばかりに、心の中でそうつぶやくシズの顔も、キノと同じ笑顔だった。
990 :
581:2005/09/08(木) 17:19:33 ID:w3ElNJCG
こんな感じでした。
異様にエッチに対してノリノリなキノさんを書きたかったんですが、妙にしおらしくなっちゃいました。
まあ、こんなのもアリかな、と個人的には思ってるんですが、どうだったでしょうか?
この作品を投下したことで、いよいよこのスレも限界のようです。
それでは、また……今度はおそらく次スレで……。
いつもいい仕事ですなー
積極的なキノもいいかな、と思ってしまった
992 :
& ◆vDn3MDiuZY :2005/09/08(木) 18:49:18 ID:DVa542g6
カルロエロネタ希望
993 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 19:24:48 ID:uI1Mcy3q
GJ!!
神様いつもありがとう!!
次スレは?
立ってないから立ててくれば?
俺は無理だったけど。