妄想的時代小説

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695 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:48:16 ID:peZcbWCm

「な・・なに?」
心なしか動きを上げた香織に遅れないようにと縺れそうになる脚を必死で動かしながら不安げな顔を香織へと向けると、
香織は顔を動かさないまま緊張しきった目だけをこちらに向けてきた。

「後をつけられているようです。小汚い浪人のようですね。」

「ま、まさか。」
「しっ」
思わず大きな声を出した私に厳しい一瞥を呉れると香織は歩みに似合わない、
まるでいつもの手遊びの時のような、ゆっくりとした話し方をした。

「良いですか?長七郎様。長くお話しする時間はありません。
私の合図と共に、左手の藪に走って下さい。そして私が声を掛けるまで息を潜めて決して動かないで下さい。」

「いやだ。香織と一緒にいる。」
頭を振った私に香織はなんだか場所にそぐわない、いつも通りの笑顔を見せた。
696 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:48:51 ID:peZcbWCm

「心配する事はありません。唯の物取りであれば身分を明かし、お金を渡せば良いのです。
残念ながら相手の人数、意図が判らない以上、長七郎様には安全な所にいて頂きたい。香織が考えているのはそれだけです。」

「でも、でもあの、怖い奴らだったら?」

「走って下さい。」
香織は変わらぬ笑顔で続ける。
「隣町まで3里程です。藪を抜け、お日様の方向に一生懸命走るのです。」

「でも。」

「着いたら何処の旅籠でも構いません。走り込んで身分と名前をお告げ下さい。香織はすぐに追いつきますから。」
697 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:49:44 ID:peZcbWCm

「おい。そこの女子供。」
思わぬほど近くから掛けられた太い声に全身の毛が総毛立つ。

香織と同時にくるりと振り向くとそこには2人組みの浪人と思わしき男が2人、のっそりと立っている。
「走ってください!」
そう言うと香織は私の頭を優しく撫で、そして私の肩を押した。

----そして。
私は香織の声に押されるように藪の中へと走った。
698 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:50:35 ID:peZcbWCm

@@

香織は、私の養育係である。
国内の名門、古田家の長女として産まれたそうだが数えで8歳の時に国主である私の父に跡継ぎ、つまり私が生まれて、
その遊び相手及び養育係として城内へと入ったらしい。
今、私が12なのだから香織は20と云う事になる。

勿論これは聞いた話で、私には古田というといつも怒っているような顔のいかめしい爺の印象しかなく、
どうも香織があの爺の長女などと言われてもしっくりとは来ない。
私にとっての香織の印象とは、子供の頃から剣に学問にと実に口煩く、
その割りに泣き虫で稽古事の無い時は手を繋いで庭を散歩するのが好きな年上の養育係という印象である。

ただ、周りにいる家来や端女と、香織とは違った。
それは名門・古田家の長女としての香織というよりも、香織そのものの在り方にあったように思う。
699 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:51:49 ID:peZcbWCm

香織は決して私に遠慮をする事が無かった。
私が悪戯をすれば毅然とした態度で叱り、稽古をさぼって遊んでいれば怖い顔で必ず私を探し出して稽古場へと連れて行った。
刀や火を使った悪戯をした時には尻に火が付く位叩かれた事もある。

かといって厳しいばかりではなかった。
叱られてしょんぼりとしていると必ず夜にこっそりと遊びに来てくれ、
殆ど城の外に出るこのの無い私に珍しい城の外の話が書いてある本を読んでくれたりするのも常であった。
そういうときの香織はとても優しい声で私が寝るまで添い寝をしてくれて、
それは怒られてささくれ立った様な私の気分をとても安心したものにしてくれ、怒られた事も素直に反省する事ができた。

唯一つ不満があったとすれば、それに関しては香織が朝になると必ずいなくなってしまっている事だった。
温かい朝に香織の匂いのする寝具で起きられて、いつも途中で寝てしまう話の最後まで聞けたら良いと思ったからだ。

しかしそれに関しては香織も朝まで寝ていけば良いのにと言った所、
「女は殿方に寝顔を見せる物ではないのです。いつか長七郎様が私の寝顔をごらんになる事があれば良いな、と香織は思いますが。」
まだまだ早いですし、屹度その頃には私以外の寝顔をごらんになるのではと、
珍しくあまり見せない悪戯っぽい笑顔で謎掛けの様な言葉をかけられて結局は断られてしまったのだが。
700 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:52:30 ID:peZcbWCm

そんな正常な日常が不安定に変わったのは昨年の事だった。
国主である父が死んだのだ。
元より国元にいる事が少なかった父の死は、私の心情的にはなんら変化を及ぼすものではなかった。
私にはそれが私が国主になると云う事と同義であるという事と直接的に結び付いていなかったのだ。
しかし周囲にとってはそうではなかったようだ。

一度も会った事の無い親戚や後継人候補とやらが何度も私の元を訪れ、
毎日は俄かにざわめかしくなり、同時に色彩を失っていくように感じられた。
701 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:53:52 ID:peZcbWCm

その内に、どこからか後継人と云うものが決まり私は今の部屋からやたらと広い部屋に移された。
その途端、私に面会する人間はまるで何かが壊れたかのようにぱたりといなくなった。
香織や爺も遠ざけられた。

私には判らない。
こちらの部屋に行けと言われればそちらへ行き、何かを書けといわれれば意味など判らずそれを書いただけだ。
全てが私に知らされず、全てが蚊帳の外で進んでいったのだ。
あまりにも無力だった。と云う言葉も適当では無いように思う。
私は何も知らないのだから。
香織や、爺はずいぶんと骨を折ってくれたようだ。
一月前、爺は私の前に出てさめざめと泣いた。
そして、香織に連れられて、町人に扮した格好をさせられて私は城を出たのだ。
702 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:54:50 ID:peZcbWCm
@@

藪の中で膝を抱えて丸くなった私を、浪人達は追っては来ないようだった。
かさり、かさりと虫の音だけが聞こえてくる静寂の中、私は藪の枝が自分の肌を刺さない様に気をつけながらじっと丸まった。
香織の事が胸に残ったが、顔を出して私が見つかってはいけないとじっと蹲った。
香織は養育係であって、私の護衛でもあるが、一通り以上の武術は使えない筈だった。
城で習った武術がどれ程のものか試した事の無い私には判らないが、
香織があのような浪人2人を相手に無事に切り抜けられるとは思えなかった。

物取りなら金を渡せばよい。という言葉には物取りならという意味がある。
もし、城からの追っ手であったら、金を渡して済むという物ではないのだろう。
城を出て数日、私に直接は言わなかったが、香織はそれを一番恐れていたように思う。
そうであった時、私は香織を後に残して走れるのだろうか。

そうやって蹲って、どの位たっただろうか。
私には悠久にも思える時間だったけれども、案外と直ぐだったのかもしれない。
もういい加減に首を上げようか逃げようかと思ったその時、激しい金属音が響いた。
ばたばたと怒号が響き、走り回る音、罵る声が聞こえた。
思わず首を持ち上げようとして案外と音が近い事に気がついて慌てて引っ込めた。
703 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:55:31 ID:peZcbWCm

そして。

「長七郎様っ!長七郎様っっ!!」
と何時に無い切迫した香織の声を聞いて私は立ち上がった。
藪の中を香織の声に向かって走る。

ぬかるみに幾度か脚を取られながら、香織の名を呼びながら藪を掻き分けて行くと、
香織も気がついたのか声がこちらに向かってきた。

そして私は香織にふわりと抱きとめられた。
添い寝の時のような、庭を散歩していた時の悪戯のような抱き止められ方ではない。
私より細身に見える香織のどこに、と思われるような力で私は抱きしめられた。
私はその時、泣いていた様に思う。
情けないとは思うが、香織に抱きとめられた時、
香織が無事だった事に私は足腰が立たないほどの安心感を得たのだ。
704 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:56:18 ID:peZcbWCm

首を回すと、山道で2人の男が激しく刀を打ち合っている姿が見えた。
一人は既に藪にもたれかかるようにぐったりと座っており、血塗れの手から刀が毀れている
香織は私を抱きとめながら私の着物の泥をゆっくりと払うように撫でている。
「に、逃げなくて」
まだガチガチと歯の根が合わないような言葉しか出てこない。

「大丈夫です。どこの者か判りませんが、かなりの遣い手のようですね。私達を害する気持ちもないようです。」
そんな私をゆっくりと落ち着かせるように香織は言った。

「香織は、大丈夫だったの?」

「香織は大丈夫です。何にも心配は要りません。」
そう言いながら香織はまたぎゅっと私を抱きしめた。
しかし何時に無く口調は硬く、恐怖にか強張っていた。
香織も怖かったのかもしれない、と思うと私は訳も無く不安になり、私も力を入れて香織にしがみ付いた。

藪の向こうで先程の浪人だろうか、断末魔の声が聞こえてきた後、山道はまた先程の静寂を取り戻した。
さわさわとした風の音と、それに合わせて暗い山道にちら、ちらと細かい光が当たる。
705 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 18:56:57 ID:peZcbWCm

どれくらいそうしていただろうか。
藪ががさがさと音を立てたかと思うと、
「やあやあ、この道を女性と子供が2人旅とは尋常じゃない。」
と明るい声が聞こえた。
近くに川でもあるのだろうか。決して品のよいとはいえない動作で濡れた手を着物の袷部分で拭いながら
その男は近づいてきた。

人を斬った事などあるべくも無いが、悪戯で人に怪我をさせただけでどんよりと暗い気持ちになる私にとっては奇妙にも思えた。
その男が今まで斬り合っていたのが嘘のような笑顔を浮かべていたからだ。
香織は私を後ろ手に回すとその男に向かってさっと立ち上がった。

「大丈夫でしたか。」
精悍な顔をしたその男はそう云って、笑った。

「助けていただいた事は有難く思いますが、誰でしょうか?」
初めて聞くような尖った口調に驚いて香織を見る。
香織は警戒も露にじりじりと後ずさっていた。
男は気にするような素振りも見せず、笑顔を変えないまま少しおどけた素振りで

「申し遅れました。右田佐ノ輔と申します。」
と言った。

(続く)
706 ◆/pDb2FqpBw :2006/02/06(月) 19:01:24 ID:peZcbWCm

--------------
架空です。

しかし資料の無い時代物は突っ込み所多そうです。
言葉遣いなどは無理やり直さず、ある程度現代に即してます。

3回くらいで纏めます。

では。
ノシ
707名無しさん@ピンキー:2006/02/11(土) 14:40:38 ID:kbZykiQ6
>>706
最小限守れば波状したほうが良いという言葉もある頑張れ。
708エビチリ:2006/02/11(土) 23:46:53 ID:lGoKlmSR
久々に再開します。
少尉殿! 〜決意の入隊編〜(7)

操は士官候補生として名古屋の歩兵第六連隊に入隊した。
既に竹山が連隊長へ話をしていた。そして連隊長が操を担当する将校へ話をしていて
操が女である事を秘密に出来る様にしていた。
だが、竹山はこうも連隊長に言った。
「女でありますが、男と思うて指導して下さい」
それは操も望む所であった。あえて気遣いや手を抜かれると入った甲斐が無いと感じて
絶望するだろう。
こうして操は男として軍人としての日々が始まったのであった。

第六連隊での基礎訓練が終わり、操は念願の陸軍士官学校へ入校する事になった。
ここでも竹山が話を同じように通していて事無きを得て三年間を市ヶ谷で過ごす事と
なる。
だが、その市ヶ谷時代で操は事件に出会う。
休日に東京を一人で散策していた操の目の前で一人の同期生が馬車鉄道に轢かれた
のだ。
その同期生は馬車鉄道の前に飛び出した少女を助けようとして走り、突き飛ばす形で
馬車鉄道の路線上から少女を助け出した。しかし、その同期生は馬車鉄道の馬に踏ま
れて重傷を負った。
直ぐに操は同期生を通りかかった青年と共に病院へ運んだ。しかし、同期生は亡くなっ
てしまった。
「同期生をここまで運んでくれたのは貴方か?」
病院の待合室で操は声をかけられた。そこには二人の同期生がいた。一人は面長で
柔らかな顔つきをしていて、もう一人は濃い眉に大きな目をしている。話しかけたのは
面長の方だ。
「ええ、貴方は?」
「同じ連隊で士官候補生だった私は村田。こっちは槇田です」
「そうでしたか。今回は惜しい人が亡くなってしまいました」
こう操が言うと村田と槇田は顔をうつむいて「本当にそうです」「本当に残念だ」と悔やむ
様に言った。
「最後に何か言い残してはいないか?」
槇田は操に尋ねた。
「助けた少女がどうなったか聞いて来ました。大丈夫だと答えると、そうか良かったと言い
ました。それが最後の言葉でした」
操がこう言うと槇田は涙を浮かべながら「あいつらしいな」と震える声で言った。
これが操が市ヶ谷時代で経験した悲しい出来事になったが、また槇田と村田に出会うと
は操は知る由もなかった。

(続く)
709エビチリ:2006/02/12(日) 00:21:36 ID:hmZHOfbl
少尉殿! 〜決意の入隊編〜(8)

操は士官学校を卒業した。
卒業すると士官候補生でいた連隊へ戻る訳だが、操には転属命令が出た。
「静岡歩兵第三十四連隊に配属を命ずる」
この命令で操は静岡に向かう事となった。
「あっ、あの時の」
「おお、奇遇だ」
静岡に向かう東海道本線の列車の中で操は槇田と村田に出会った。
「原隊は何処だ?」
槇田が聞いた。
「名古屋の第六連隊なのですが、命令で静岡の第三十四連隊に転属になりました」
「これこそ奇遇だ。俺達は原隊が第三十四連隊なんだ」
槇田が驚く様に言った。
「多分。木村(東京で馬車鉄道に轢かれた同期生)が亡くなったから一人欠員が出来
たからですかね」
村田がそう言うと少し空気が重くなった。
「まー、ここ取りあえず。原隊へ新たに迎える事を喜ぼうじゃないか」
重い空気を振り払おうと槇田は笑みを浮かべて操と村田に交互に向かいながら言った。
「そうだな。そういえば、貴方の名前は?」
村田が操に聞いた。東京では聞きそびれていたからだ。
「榊原操だ」
「そうか、よろしくな」
「よろしく」
「こちらこそ、よろしく」
三人の新米軍人を乗せた列車は東海道を西に向かっていた。

(続く)
710名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 04:03:04 ID:kS4fkpvE
おれ個人としては壇ノ浦夜合戦記ネタを希望しやす。
711名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 17:13:58 ID:81/vrY6h
エビチリさんGJ! 短編ながら緻密な設定に毎度唸らされます。
「逃亡」の作者さんも頑張って下さい。
712名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 00:54:07 ID:1yPdN12n
>>220さんのネタが素晴らしい(とくに葵と六条)
>>710の壇ノ浦もの、検索したらヒットしました。なかなかすごかったっす。
713名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 02:32:32 ID:1yPdN12n
文治元年3月24日。この日ついに、源義経は壇ノ浦に平家を葬った。資盛、教経、経盛といった
落ち目の平家を支えて来た将たちは勇戦の末に波間に消え、ついには幼い安徳帝までもが海の藻屑
と消えていった。が、その一方で捕らえられた者達もいた。「平家にあらずんば人にあらず」と
豪語した平時忠とその子息達。最期の戦いで醜態をさらす羽目になった平宗盛、清宗父子。
義経の妹でもある廊の御方などの女たち、そして安徳帝の生母、建礼門院徳子である。
合戦が終わり、源義経達は赤間関一帯に兵船を停泊させ、勝利の美酒に酔いしれていた。捕虜たちは
何人か毎に分けられて、大船に拘束されていた。そして、徳子は義経のいる船に、10人ほどの女官
と共にいた。義経の徳子達に対する扱いは丁重だった。だが、徳子の気が晴れようはずはない。

「今までよく戦こうてきたものよ」
「しかし、継信殿はじめ多くの将もまた・・・」
「いや、討ち死には武者の名誉。兄者も本望でござろう」
「然り。・・・・今宵は飲み明かそうではないか」
佐藤忠信、武蔵坊弁慶、堀弥太郎といった義経の郎党たちであった。彼らは奥州以来の仲である。
そこへ義経がやってくる。
「おのおの方、今までよくやってくれた。いづれ恩賞の沙汰も鎌倉よりあろう」
そう告げると、義経は軽く手を叩いた。すると、徳子付きの女官たちが酒宴をしている胴の間へ
と入って来た。いづれも若い娘たちばかりである。
「この酒宴はそなた達のためだけのものではない。女子衆の悲しみと憂いを晴らし、慰めあうため
にも、共に飲む、共に歌い、共に楽しむがよい」
「殿は?」
伊勢三郎が聞く。彼も又義経の股肱の臣のひとりである。
「女院様はご気分がすぐれぬとのこと。それゆえ、わし一人でお慰めつかまつろうと思う。そなたら
だけで好きに楽しむが良い」
そういうと義経は胴の間を出て行った。

714713:2006/02/18(土) 03:03:51 ID:1yPdN12n
義経は胴の間を出ると、徳子のいる奥の部屋へと向かった。
「失礼つかまつる。九郎義経でござる」
返事がなかったが、義経は部屋へと入っていった。徳子は部屋にいたが、俯いて悲しみに暮れている
様子だった。出された食事にも全くては付けられてはいなかった。傍らに2人世話役の女官が宴に行かずに残っていた。
「太后さま、いかばかりのお嘆きか、この義経痛いほどに察しておりまする。されど、何もお召しにならぬ
のでは、お体に障りまする」
徳子は俯いたままだ。そこで、義経は何とかして徳子の気を引こうと、考えを廻らす。
昼間に助け出された徳子の姿をみた義経は「花海棠の雨に濡れたる風情だ」という感想を抱くとともに、
絶対にものにしてみせる、そしてその折は今しかあるまいと決意していたのだ。
「そうだ、太后さま、憂さを晴らし、お心を強く持つためにも、一献いかがでございましょうか?」
酒に酔わせてしまおう。これが義経の考えた作戦であった。しかし、効果はないようだ。
そこで、義経は粘り強くすすめる。と、そこに思わぬ掩護が入った。
「女院さま、ここはなにとぞ、判官さまのご厚情をお受けくださりませ」
「お心をおしずめなされませ」
女官たちであった。いかに皇太后とはいえ、所詮は捕虜である。だから、勝者の
すすめにはなるべく従っていた方が、女院のためにも、自分たちのためにも得策
であると考えた上での発言であった。3人に強く薦められては、仕方が無い。そして、
女官たちの考えも察したのであろう、徳子は杯をとり、酒を飲んだ。義経は矢継ぎ早に
数杯をつぎ、徳子はそれを飲み干した。
(そろそろ、よかろう)
義経は頃合いを見て、女官たちに酒宴へ加わるように命じた。女官たちははじめ徳子に
付いていなければならないと言ったが、人払いだと義経は言い、女官たちを去らせた。
こうして奥の部屋には義経と徳子の二人きりとなった。
715?713:2006/02/18(土) 03:32:40 ID:1yPdN12n
二人きりになった義経は、徳子にもう一杯薦めた。普段あまり飲まないのであろう、徳子の
白い頬はうっすらと赤く染まっていた。
「・・・・いえ、もう・・・・」
徳子が初めて口を開いた。もう飲めないという意思表示であった。すると義経は、いままで
杯などをはさんで上座(徳子)と下座(義経)にいたが、にわかに席を立ち、徳子の横へと動いた。
「・・・・っ!」
驚く徳子。しかし義経は気にする様子は無い。気を取り直して徳子は、
「判官、妾はこのような身の上になったとはいえ、皇太后、国母と言われた身。それを
一介の判官が同じ座に登るとは・・・・」
無礼ではございませぬか、続けようとしたが、言い切る前に徳子の唇は義経の口がとらえてしまった。
「ん、むぅん・・・・」
くぐもった声を上げる徳子。義経が口を放した。払いのけようとする徳子。
「女院さま、内府(宗盛)殿や大納言(時忠)殿、もろもろの女子衆や(守貞)親王様がどのようになるかは、女院さまの
お心ひとつでござりまする。よくよくご熟慮くださいますよう・・・・」
残った一門を盾に取られては、どうする事もできない。守貞親王もまた、実子では無いにせよ
兄知盛夫妻が乳母の、平家一門で慈しんできた親王である。困り果てる徳子であったが、やがて
腹を括ったのか、小さく、俯きながらも頷いた。
716713:2006/02/18(土) 03:55:42 ID:1yPdN12n
徳子が頷いたのを見ると、義経は再び徳子と唇を合わせた。両腕はすでに徳子の背中にまわされて
いる。義経は徳子の唇や舌を自らの舌を使って味わった。その度に徳子は
「ん、んむぅ・・・」
と小さな声をあげ、息づかいを荒くする。そして、徐々に悶えはじめた。
義経は酒を口に含むと、口移しで徳子に飲ませた。酔えばより春情が刺激されるのだ。
口からすこし零しながらも飲む徳子。段々状況に乗せられて来たようだ。
頃は良しと判断した義経は徳子の着ていた表着や赤い袴を脱がせ、肌着の白い小袖一枚の
姿にした。そして、口を合わせ、舌を使って口の中を弄びながら、小袖の上から臀部や背中など
を愛撫し、やがて小袖の胸元に手を入れ、徳子の乳房をさぐり始めた。
「あっ、あっ、あっ・・・」
声を出し始める徳子。義経は徳子の乳を揉みしだきながら、徳子を仰向けにして倒れこんだ。
乳首をいじってやると、徳子はヒッ、と小さく叫んだ。これに気を良くした義経は小袖の裾を押し広げ
両乳房をさらけ出し、それに吸い付き、舌で乳首を弄った。と同時に徳子の太腿へと裾の隙間から手を伸ばした。下半身
の愛撫が乳への攻撃に加わる形となったのだ。
「ああっ、あっ、ああ、あううぅ、あ、はあぁ・・・・!」
それに伴って徳子の声のあがる回数と大きさも増えていった。
717?713:2006/02/18(土) 04:28:47 ID:1yPdN12n
「あっ、ああん、あ、あ、ああぅん」
義経の唇と舌が徳子の乳をいじりまわしていた。その度に徳子は声をあげている。
そして乳への攻撃にプラスされた下半身への愛撫も激しさを増していった。太腿から、内股、尻と
撫で回していき、ついに春丘を押さえた。しかし、徳子は膝頭を合わせ、腿を閉じてそこから
先に行かせようとはしなかった。
「何故股を開かぬのです?」
義経は徳子に問いつめた。すると徳子は潤んだ目で義経の方をみると、小さく告げた。
「・・・・どうか・・・お許しを・・・ここだけは・・・・恥ずかしいのです・・・」
すると義経は徳子の耳元で囁いた。
「ほう・・・事ここに至りて太后さまは、嫌と仰せになるか。さては、未通女の真似を
して、この私を弄ぼうとお考えでございますのか?どうなんです、太后さま?」
「・・・・・」
徳子は黙ったままだった。すると義経は押さえていた徳子の股間に生えていた毛を数本力
をいれて引っ張った。2、3本は抜けてしまったほどである。
「ひっ、痛い・・・・何て事をなさるのです」
やむなく徳子はゆっくりと股を開いた。義経は春丘を経てついに徳子の恥部へと到達した。
見なくても感触で見当はついた。毛はさほど濃くなく、毛並みもしなやかで細め。そして、義経
の指は勃起していた大きめの陰核に触れた。それを軽くつまんで愛撫した。
「ヒッ、あああ、いや、いや、止めてくださりませ・・・・、あ、あ、ヒッ・・!!」
「これほど太后さまのサネは立ち上がっているのに、なぜです?」
義経は意地悪い口調で聞いた。大方察しは付いている。
「あっ・・・先の帝はと、契り交わしたとはいえ、ここをこのようにされたこと、アッ、
無いのです・・・・ああ、ああ、止めてくださ・・・、ああ、あああっ」
察し通りだった、徳子の夫高倉帝は年若くして徳子を娶り、そのような熟練した術を知る事無く
若くして世を去っていた。だから当然徳子もサネをいじられたことなどない。生まれて初めてかもしれない。
「あああ、いや、もう、お許し・・・・・・、ああ、ああ、もう、かんにん・・・ひい、ああ、ああ・・・」
しかし弄られることで徳子のサネはさらに勃起し、それとともに一層たくさんの淫液があふれて、徳子の小袖
を濡らしていった。
718713:2006/02/18(土) 04:37:11 ID:1yPdN12n
「口ではいやと言っておいでなのに、どんどん濡れておりますぞ、太后さま」
徳子の耳元で囁いた。そして
「こんどはこれならどうです?」
義経は左手で徳子の乳を嬲り、首筋に吸い付きながら、右手で徳子の恥部の中へと指を
差し入れた。もちろん、陰核への攻めは続行である。
「い、いや、はあっ、ヒッ、ヒッ、ひあああぁぁ!!」
徳子は激しく全身を振るわせ、その快感に身悶えした。

続く

719713:2006/02/19(日) 02:02:53 ID:H+wUkmvD
さらに義経は攻撃を続行した。徳子の悶えは更に激しくなり、やがて一度目の絶頂に達した。
「太后さまも、お一人でいってしまわれるとはお狡い」
徳子は黙ったままだ。義経は体勢を立て直して再び徳子に抱きついた。そして、耳元で囁く。
「それがしは太后さまをお慰めたてまつろうと思い、ここへ参上つかまつった次第。なれど
太后さまにおかれましては、お体はともかくお心は未だ安んじになられていないご様子。
そこで、それがし、太后さまが安んじてこの快を受け、心をお慰めすることができまするように
するためにも、一つお願いしたき儀がござりまする」
「・・・・何を、なさろうというのです・・?」
徳子は小声でこたえる。義経は続けた。
「それがしと鴛鴦の契りを結んでいただきとうござりまする」
「・・・・・・!」
鴛鴦の契り・・・・言うまでもなく夫婦の契りのことである。徳子が驚くのも無理はない。
「判官は、妾が先帝の皇后であったことを知ってそのような事を申すのですか・・・?その
ような無体なこと、先帝に対し申し訳が立ちませぬ」
義経は徳子の言い分を聞くも、それを顧みる様子もなく、自説を述べた。
「太后さまも、赤の他人であり、敵方でもあった一介の判官の慰めを受けられるのは確かに
心穏やかではありますまい。されど、同じことでも御自らの背の君の慰めを受けられるのならば
またお気持ちも違うというもの。どうしてもそれがしに慰められるのが嫌だと仰せなら
それがしにも考えがありまする。よくよく熟考なされよ」
まさに一分の道理もない屁理屈とういうものであった。だが、徳子にとっては他に選択肢は無かった。
先ほどと同じく、無言のまま小さく頷いた。
720?713:2006/02/19(日) 03:10:59 ID:H+wUkmvD
それをみた義経は再び囁いた
「では、太后さま・・・・いや、徳子。そなたの背の君であるわしが、そなたの今まで
味わって来た憂いを、悲愁を慰めてやろう。安んじるがよい」
優しい口調であった。義経は先ほどまでの、太后に対する言葉遣いを改め、呼びかたも
「徳子」と呼び捨てに変えた。実は義経、徳子をモノにしたいという下心とともに、
己のかつての境遇ゆえか、徳子に対して本気で憐れんでいる気持ちも少しあった。
ふいに義経は体を起こしあおむけになっている徳子の股を開いて、股間に顔を埋めた。
「・・・・ああ、何を・・・・・!・・・・・そのような、恥ずかしい・・・」
徳子は17歳で高倉帝のもとに入内したものの、その当時高倉帝はまだ少年。そして宮中
奥深くで育て、若くして崩御した彼が股に顔っを突っ込むなど、徳子はされたことがないに
違いなかった。だが、義経の顔はすでに徳子の両腿の間だ。そして、義経の目の前には、徳子
の恥部があった。今まであまり経験は無いのか、恥部そのものは桃色で、初々しいの一言
につき、回りには薄めの柔らかい毛が生えている。そして、先ほどから愛撫され続けていた
大きめの陰核は濡れながら勃起している。
「ほ、ほう。徳子、今までの振る舞いにも喜んでくれておるな。何よりじゃ。だが、
いささか少し濡れすぎているのう。わしが浄めてやろう」
濡れに濡れた徳子の恥部を見て言うと、義経は徳子の恥部に吸い付いた。徳子は恥ずかしさ
のあまり腿を閉じようとうごめいていたが、恥部を、サネを吸われると、力が入らなくなってしまった。
「あああ、はあぅ、あっ、あっ、ああ、あああ、は・・・ああううううぅ」
徳子はその快感の波に逆らう力など無く、舌と唇が恥部のうえで踊るままに声を出してよがり続けた
「あ、あ、ンあ、ンああ・・・、はう、ひ・・・、そのような、は、はああああ・・・」
徳子の恥部からは止めどなく淫液が溢れていく。浄めるどころか、さらに濡れていった。

721713:2006/02/19(日) 03:24:51 ID:H+wUkmvD
義経は徳子の恥部から一旦口をはなすと、今度は徳子の顔が義経の股間に、義経の頭が徳子
の股間に来るように体勢を変え、再び吸い上げた。
「あああ、はああ、ひい・・・、んあ、んあっ、んあああ・・・」
徳子はよがり続けるのみだ。義経は再び口を放すと、徳子に命令した。
「徳子、一人でよがるのも良いが、わしの事も慰めよ」
察しはついた。徳子はその快感のなかで、最早逆らう力も気持ちも失せていた。怒張した義経の一物に
舌と唇を絡めた。
「んぐ、んぐ、んぐ・・・」
だが、下半身からの快感の波によって、義経の一物を吸うどころでは無かった。
「んぐ・・・、ぷはぁ・・・あああ・・・ああ、あっ、ヒッ!!」
その様子に義経は恥部を吸うのを止めた。

722?713:2006/02/19(日) 03:44:57 ID:H+wUkmvD
(そろそろ頃合いだな)
義経はそろそろ行為に及ぼうと心に決めた。そして、徳子を仰向けに組みしくと、恥部へ指をやりながら言った。
「徳子、ここをどうして欲しいか申してみよ、どうなのじゃ、ん?」
「いいえ、そんな、・・・・・言えませぬ・・・・」
「ならば、何もしてはやれぬな」
恥じらう徳子だったが、今までの行為を受けてすっかり発情していた。だから、ここまでされて
何もなしというのは我慢できなかった。顔をすっかり俯けながら、義経の一物を指差して
「・・・・判官殿の、これを・・・・」
と小声で言った。だが、
「判官殿?徳子よ、わしはそなたの背の君になったのだ、もっとそれらしい呼び方をせい」
と言って受け付けなかった。そこで徳子は
「・・・・我が君、義経さまのを・・・・徳子に、くださりませ・・・」
切れ切れの声で懇願した。義経、それを聞くや、徳子の恥部に一物を一気に挿入した。
「あ、ああ、はああーっ」
濡れに濡れているため、義経の一物は一気に徳子を貫いた。そして、義経はその締まりのよさ
に酔いしれた。
「おお、徳子。よく締まるではないか・・・・」
「ああ、ああ、はあ・・・・、んん、あああ」
徳子は無我夢中だった。義経が腰を動かすと、たまらず徳子も腰を震わせる。
723713:2006/02/19(日) 04:04:01 ID:H+wUkmvD
義経は徳子の膣の締まりに快さを覚えつつも、徳子を責めることを忘れてはいない。
左手は徳子の乳を押さえて転がしているし、右手は徳子の尻や陰核などを広範囲にわたって
撫で回していた。そのうちに、不意に義経は徳子の尿の排出穴をなでてしまった。
「あ・・・はうう」
その刺激を受けた結果徳子は尿を漏らした。一瞬驚いた義経だったが、
「ほう・・・国母と言われたほどの女が、お漏らしか・・・まるで赤子じゃな」
と徳子の耳元で囁く。すると徳子は恥ずかしげにして、同時に締まりはさらに良くなった。
義経の右手は次には流れて来た露に濡れた菊の門を押さえていた。軽く押してやると、指は
小さな茶色い菊の穴の中に入っていった。徳子の快感はさらに高まっていく。
「徳子!先帝とわしと、どっちとのわぐわいがよいか、申してみよ!」
「比べるまでも・・・・ひあああん!!」
「申せと言っておる!!」
「あああ、はう・・・ひ・・・よ、義経さまに・・・ござりま・・・はああっ」
続けて義経は問う。
「では、わしと先帝と、どっちのほうが恋しいか、言うてみよ、徳子」
「あ、あああ、我が・・背の君・・・あっ、あっ、ああっ、よ、義経さまに、
ご、ござりまする・・・あああ、あああ」


724?713:2006/02/19(日) 04:25:33 ID:H+wUkmvD
義経、それを聞き上機嫌。腰の力も一層入ってゆく。すると今度は徳子が言った。
「あああ、我が君・・・・どうか、どうか、徳子のことを憐れんでくださりませ・・・
慰めてくださりませ・・・・あああ、あああ・・・、徳子を・・・、見捨てないで、
くださりませ・・・・んああ」
今までの攻めの過程で発情しきった徳子は、先帝とのあいだには得られなかった快感の
ゆえか、そんな言葉を口走るまでに義経に対しての感情は変わっていた。
「あああ、徳子は・・・初めて君(殿方)を恋しいと思うことを、知りました・・・・なにとぞ、
徳子を、可愛がって、くださりませ・・・・」
「勿論じゃ」
ついに徳子の体のみならず心をも手中に収めた義経は一気にせめ立てた。出し入れのペースもあがる。
と、同時に徳子のよがり声も激しくなり、膣の締まりも一段と激しくなった。
「徳子・・・そろそろだ、そろそろいくぞ・・・・」
義経が告げると、徳子は
「ああ、あああ、わらわ、いきまする、あっ、あああ、はああああああん・・・・」
と、先に絶頂に達した。そして、義経も続いて昇天、精を放出した。
「うおお、徳子、わしもいくぞ・・・!」
義経の言葉に反応した徳子もまた、快感の極みに達し、
「いきまするぅ、いきまするぅ・・・」
と叫んでその場に四肢を投げ出した。義経は、歓喜の涙と涎に濡れた徳子の顔を見ながら、
満足して一物を膣から抜いたのだった。

その後の二人がどうなったかは、皆さんもご存知の通りである。
725713:2006/02/19(日) 04:29:46 ID:H+wUkmvD
どうも、駄文のうえに長文、失礼致しました。初めて故か、内容も稚拙な感が否めませんでした
が、今回は頼山陽著(マジかよ!?つーか多分仮託)の「壇ノ浦夜合戦記」をもとに書いてみました。
誤字脱字もあるかもしれませんが(例>>723わぐわい→まぐわい)、多めにみてやってください。
敬語が変なのは勉強するしかないですね・・・
726?725:2006/02/19(日) 04:31:03 ID:H+wUkmvD
多め→大目ですね・・・失礼いたしました。
727エビチリ:2006/02/19(日) 20:21:09 ID:GQY/LDRX
>>713さん。GJです。
728エビチリ:2006/02/19(日) 20:22:32 ID:GQY/LDRX
少尉殿! 〜決意の入隊編〜 (9)

操と槇田・村田が連隊に着任したその日の夜にはそれぞれの直属の上官である中隊長
三人に連れられて着任祝いの祝宴の為に料亭に来ていた。
槇田と村田は気心の知れた三人を前に和気藹々と市ヶ谷での事を話す。だが、操は初
対面の三人に緊張してほとんど無言でいた。
「緊張するな榊原。これから一蓮托生の仲になるんだ」
操の直属の上官である大須賀雅宜中尉が柔らかな顔で徳利から酒を操の杯に注ぐ。
「はっはい」
「だから固くなるなよ」
大須賀は操の肩を優しく叩く。

宴は終わった。
全員が酔い潰れ畳の上で寝ていたのだ。
その中で一人が目覚めた。「う〜ん」と唸りながら身体を起こしたのは大須賀だ。
大須賀は周りを見る。皆が寝息を立てて寝ている。中には軍服の上着のボタンを
外していたり、脱いでいたりしている。
「!?」
そんな姿の同期や部下を見ていた大須賀が驚くものがそこにあった。操だ。
(俺は相当酔っているのか?そうで無いとしたらこんな事が本当に・・・・・)
戸惑う大須賀の目に映るのは軍服の上着を脱いで更にシャツのボタンを外して
肌を晒す操の姿があった。そこには小振りながら女性の乳房があった。
(幻ではないな)
大須賀は頬をつねったり、両手で叩いてしっかりと目を覚まさせた。だが、操に乳房
がある事は事実だと認識する。
(取りあえず、シャツを戻してやらんと)
大須賀は操に近づく。近づくにつれて大須賀の心臓の鼓動が大きくなる。
女性との経験はあるが、状況が状況だけに大須賀の心は落ち着きが無くなろうとして
いた。
(戻すだけだ。乱れたシャツをな)
大須賀は自分に言い聞かせながら操のシャツに手をかける。だが、そこで手は止まる。
何故なら操の瞼が開いて大須賀と目が合ったからだ。
二人はそのまま時間が止まった様に固まっていた。

(続く)
729こういうのはどうじゃ:2006/02/20(月) 02:46:12 ID:SFM/dzJN
古代
壹与×大和の大王 孝謙天皇×道鏡 源氏物語の世界(>>220氏のような)

中世
木曾義仲(×巴御前)×関白基房の娘 後醍醐天皇倒幕の無礼講(文観×女官たち)
足利尊氏×登子 足利義満×公家の妻たち 
730短編:2006/02/24(金) 03:25:28 ID:ryUObnK8
秀忠「今宵は・・・・お江のやつ遅いのう・・・我慢できぬわ・・・」
しこしこしこしこしこしこ
お江「上様、お待たせいたしました」
しこしこ・・・・ピュ
秀忠「すまぬ・・・今宵は無理じゃ・・・・・」
731名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 17:51:10 ID:x/kkLaSP
ほしゅ
732名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 01:07:09 ID:jV/LXD8q
age
733名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 04:00:22 ID:WsmjR8QB
 個人的には
静御前X源頼朝(義経追討時・寝取り・静の子供の命で脅迫もの)
ジャンヌ・ダルクX異端審問官(陵辱・妊娠もの)
なんかをリクエスト。ぺこ <(_ _)> 
734名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 00:05:44 ID:pPpgE6wn
735名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 12:10:34 ID:f9+/T2dS
ほしゅ
736名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 12:37:46 ID:ozqf08a/
ほしゅあげ
737名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 20:03:38 ID:fg3hdiTM
保守
738名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 13:10:15 ID:jLB/c9gc
黼鬚
739名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 21:28:22 ID:uatQ4wDQ
淡い初恋の延長みたいな関係で、功名が辻風の光秀×濃姫が見たい。
740エビチリ ◆NYKahXpmWk :2006/06/25(日) 19:37:07 ID:srSJPGjc
少尉殿! 〜決意の入隊編〜 (10)

「すまん」
大須賀は操の目を見て呟くように言った。
しかし、驚きが大きいのは操の方だった。胸を見られた事で自分が女だと言う
事がばれたのだから。
「・・・・・・・・」
前を直しながらうつむく操。大須賀はばつの悪そうな顔をして操に背を向ける。
「榊原少尉」
「はい」
大須賀と操の声は小さく低い。
「貴様はその・・・・」
大須賀は向き直って話そうとしたが二の句が継げない。続く言葉を懸命に探っている。
「中尉殿。私は女です」
操ははっきりと言った。
「そうだったのか」
大須賀はそう言ったが納得していない。陸軍将校に女性がいるのは聞いた事が無い。
「聞かせてくれないか、何故陸軍に入隊したのかを」
大須賀は全てを理解する為にこう操に求めた。操は「はい」と答える。
「ここでは何だから」
こう大須賀は言って操を部屋から連れ出す。
料亭の一階にある庭に面した廊下で夜風に当たりながら操は話し始めた。陸軍に入っ
た動機にこれまでの事を。
「成る程、そう言う訳か」
大須賀はそう言ったものの理解はしたが納得はしていない。
「だが、覚悟はちゃんとあるのか?言葉だけでは納得し難いな」
その言葉に操は顔をしかめる。
「では私の覚悟。明日からの日々の態度で見せてみます」
操は大須賀を真っ直ぐ見つめて宣言する。
「では、見せて貰うぞ。お前の働きを」
大須賀も操を真っ直ぐ見つめて言った。
翌日。大須賀は大隊長に呼ばれた。
大隊長は神妙な顔で大須賀に言った。
「良く聞け。昨日着任した榊原少尉は女だ」
大須賀は既に知っていたが驚いた様に振る舞う。後は榊原少尉は上層部のある人物
(竹山為善の事)との知り合いでもあるが何も特別に扱う必要は無い。と大隊長は言った。
「後は本人次第だな」
大須賀は大隊長と話を終えるとそう思った。操の周囲は一部だが操が女だと知っている。
環境は整っているのだから後は操次第だと大須賀は考えたのだ。
741エビチリ ◆NYKahXpmWk :2006/06/25(日) 19:38:04 ID:srSJPGjc
少尉殿! 〜決意の入隊編〜(11)

操の軍人としての生活が本格的に始まった。
操は第二中隊第三小隊の隊長となり六〇名の兵士が初めての部下となった。
小隊の先任軍曹の野瀬泰三が新米少尉の操の世話役となった。兵卒からここまで
昇進した叩き上げの兵隊が軍隊と言う社会一を番よく知る人物であるから士官学校
を出たばかりの新米少尉の面倒を見る事となっている。
「よろしく。軍曹」
操は初対面の強面の軍曹に挨拶をした。その顔は何処か引きつっていた。
「はっ、少尉」
野瀬は姿勢を正して形の良い敬礼で操に応えた。
「少尉殿」
敬礼を終えた野瀬は操に話しかける。
「もう少し力強くやりましょう。私の顔がヤクザみたいでおっかなくても表情は変えない
様にしませんと兵に見下されますよ」
野瀬は低い声ながらも優しく言った。
「分かった。気をつける」
操がそう言うと野瀬は今度は操に近づいてこっそりと言った。
「私は知っています。少尉殿が女性である事を。何か不都合があれば私に言って下さい
。それに少尉に手を出すような不埒な兵がいれば私が守ります」
野瀬の懸命の言葉に下男の田原を思い出す。仕事とはいえ、田原は懸命に操が子供の
頃から世話をしてくれた。その姿が操の脳裏に一瞬よぎった。
「ありがとう軍曹。その時は世話になるよ」
操が少し笑みを浮かべて言うと野瀬は照れた顔になり、「小隊の兵舎に案内します」と言い
ながら操に背中を向けて歩き出した。
742エビチリ ◆NYKahXpmWk :2006/06/25(日) 19:41:40 ID:Ljn5Z/4W
久しぶりに投下ですがエロで無くてスマンです
743名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 21:49:49 ID:gvdbTfy4
エビチリさん待ってましたよ。
744名無しさん@ピンキー