【ポップンギタドラ】★音ゲーエロ小説★【IIDXDDR】
「ひゃっ!なんか…んっ、達磨ぁ…あ、アソコが、熱い…」
ツガル同様、達磨も未経験なので、相手の反応を気にすると言うよりは、自分が初めて見るものを散策しているかのような愛撫だ。
自分の体が好きな相手に弄ばれる様子を見て、ツガルもまた素直に反応してしまう。
「…はぁ、気持ちぃ…こっちも、触って…?」
もじもじしつつも、自ら下着を下ろすツガル。
石段にツガルを座らせ、両足を閉じれないように押えて秘部と顔を交互に見る。
「え!?ちょ、やだぁ!やめて!恥ずかし…」
「ツガルのここ、すげぇヒクついてる…」
「や…ぁあ…んっ、…なんか、変な…?…あっ!待って!やだやだやだ!離し…!」
プシャアア、と音を立てて、そのまま放尿。足下のコンクリートの地面の色が濃くなるのを見て、ツガルは泣き出してしまった。
「ば…かぁ!ひ…ぅ…離して…くれないから…」
「ちょwお前が先にトイレ行かないからだろw…人のせいにすんなよ」
チュ…チュル
ツガルの秘部に達磨の舌や唇が触れ、水音が響く。
「ん!ちょっ…何してんの達磨…き、汚いよ…」
「汚くねぇよ、可愛い…」
「う…ぁはっ」
息を荒くし蜜を垂らすツガルの秘部から唇を離すと、ズボンを下ろし、いきり勃ったソレの尖端をツガルの秘部にあてがう。
初めて間近で男性器を見たせいか、ツガルの顔はいっそう真っ赤になった。
「あっ!待って達磨!やだやだ!」
「へ?今度は何だよ?」
「アタシ、まだ…。キ、キス…して貰ってな…」
言い終えるより先に、互いの唇が触れ合う。目を閉じた達磨を見て、「まつ毛長いなぁ、羨ましいな」等と思いつつゆっくり目を閉じようとする。
瞬間、秘部に熱い刺激が走り、閉じかけた目が開いた。
「んっー!!ぅー!!」
秘部に痛みが走っている事を訴えようとするが、達磨の舌が自分の舌を絡め取り、それをさせてくれない。
キスをしたまま達磨がゆっくりと膣の奥まで入ってくるのを感じ、ツガルはぎゅっと目を閉じ痛みに耐える。
ツガルの秘部は男性器を咥えたままで、暫く2人はキスをした。
やっと唇が離れたかと思うと、達磨はまだ腰を動かさずに、震えるツガルをぎゅっと抱き締める。
「ツガルの、なか…熱っ…」
「だ…るま、いた…い」
「え!?マジで、ごめ…」
「でも、気持ち…いいよ…?」
「…無理すんなよ?」
「大…丈夫…」
達磨がゆっくり動き出すと、くちゅくちゅと淫らな水音がコンクリートの壁に響いた。
「ふあっ!あっあっ…達磨っ!気持ちいいよ…もっと、奥ま…で、い…」
「ん…ツガル、可愛い…」
暫くゆっくり突いていたが、軽くキスをしたのを合図に、動きが止まる。同時に、愛液の糸を引いて男根が引き抜かれる。
「や…なんで…やめちゃうのぉ…?」
涙を溜めてトロンとした目で言うと、ふわっと体が持ち上げられる。
「今度俺が座ってるから、…乗って?」
「…だるま、へんたいくさいよぉ…」
「う、うるせー」
腰を持たれて下に押え付けられると、一度引き抜かれたモノがぬるっとした感触と共に再び奥まで入ってくる。
クリトリスを指先で摘まれ、ツガルの体に快感の刺激が走った。
「ふあっ…!!ちょ…ああぁ」
ビクッビク…
「ツガル?イっちゃった?」
「…達磨ぁ…」
首に縋り体を任せるツガルは緊張しすぎていて、もうへたりこんで呼吸をするのが精一杯。それでも達磨はまだ自分が満足していない事が不服だった。
ツガルの腰を持って、急に激しく上下に動かす。
「あっ!!達磨、もぉダメ…おかしく、なっちゃ…う」
「ごめ…我慢出来ない…」
「んっー!ひぁ!あ!あっ!気持ちぃ…!だ、めぇ!!」
ぐちゅぐちゅという淫水音とツガルの大きく喘ぐ声が響き、空はだんだん暗くなってきていた。
「ん…やば、イク…」
「やぁっ…ダメぇ!中に、出しちゃ…!」
ドクッ…ドプ…
腰を押え付けられ、膣内には精液を注がれる感触と、達磨の性器が脈打つ感触が伝わった。
ソレがゆっくり引き抜かれると、愛液と精液と血が混じり、薄いピンク色に濁った液体がツガルの内股を伝った。
「は…ぁ、ひ…ひどい…中はダメって、ゆったのに…」
「ツガル!」
ぎゅうっ!!!
「なな、なに…」
「結婚しよう!」
「えっ!?」
「絶対幸せにするから」
「達磨…、嬉しい!」
しかし彼らが結婚出来る歳になるまでは、まだ5年程かかるのでした。
end
>927-936
_n
( l _、_
\ \ ( <_,` )
ヽ___ ̄ ̄ ) GJ!!
/ / 久しぶりに覘きにきてヨカタ!!!
ほしゆ
今ギタドラのDesert rainの二人で書いてるんだけど、
このスレ的に需要ある?
後次スレ。立ってないよね?
この速度ではまだ立てるのは早い気がする
需要はある。
941の者ですが、Desert rainの二人取りあえず途中まで投下します。
かなりオリジナル色強いと思うので、苦手な方はNGワード登録お願いします。
久しぶりの雨が降った。
雲にも風にも何の予兆もなく、その日の正午を過ぎて程なく降り始めた最初の一滴に気
がついたのは彼の方が先だった。
木立の下で頬に冷たくぽつん、と一点を感じ、原因を探そうと振り仰いだ彼の額に、ま
た一滴が降り注ぐ。
「……あ」
連れの青年が何を見ているのか不思議そうにしていた少女も肩に雨滴を感じて、幾らも
しない内に笑顔になった。少し歩いた先の泉に波紋が幾つも浮かび出す頃にははしゃぎ出
す。
歓喜を持って見上げた小雨はすぐにスコールになって、乾いた空気はたちまちの内にむ
っと湿った軟質のものに塗り替えられる。
空の殆どは南国の晴れの青のまま、局所的に白く厚く積んだ雨雲が二人の頭上に聳え立
っていた。
まさに天然の緑のステンドグラスの中にいるようだった。強い日差しを葉に置いた露が
反射し、また日が照ったままという事もあって、周囲は晴れの時と大差なく明るいままだ。
「雨だよ!」
「聞こえてる」
傘を差す気にもなれなかったのか現在進行形でずぶ濡れの彼女は、真上を真っ直ぐ向い
て、額で雨粒を受けている。
「風邪引くって」
そういう彼の体も濡れていた。なんだか自分だけ差しているのも馬鹿らしく、またギタ
ーも心配だったから、彼の傘は現在彼のギターが使っている。
代わりに木陰に立っていたのだが、そうでなくてもこの一帯では通り雨と言えども激し
く降ってくる。濡れ鼠なのは少女と変わりなかった。
その少女が危なげなく走ってきて(あんなに高いヒールで走れる一点は尊敬している)、
何が嬉しいのか彼に笑いかける。
「引かないよ、ほら、気持ちいいから」
おいでよ、と手を引かれて、彼はまじまじと相手を見つめた。
ずぶ濡れになった彼女がとても綺麗だったからだ。
長いふわふわした猫っ毛が雨を受け、ワンピース諸共肌に張り付いて体の陰影を際立た
せていた。上気した頬はつやつやしていて、そこに涙のように滴が伝っている。
雨粒を転げ落として睫毛の下から現れた瞳は輝き、佇まいは瑞々しく透明な香気さえ漂
わせて、まるで妖精か何か現実離れした生き物のようだった。
「……っ」
――喉が、渇く。
衝動的に掴まれた手を引き返す。同時に彼は体の力を抜いて、後ろに倒れこんだ。
受身を取って二人分の衝撃を殺して、尻餅をつき背中を預けた先は木の根元だ。
「きゃっ!」
勢いのまま少女も彼の胸に頭を預ける。状況が掴めず上体を離そうとする少女を、咄
嗟に四肢を使って囲い込む。
胡坐を掻く彼の上に向かい合って座り込む形になって、彼女はぱちぱちと瞬いた。
「……なあに?」
訊かれても何も言えず、青年は黙り込んだ。
「どうしたの?」
「……」
相変わらずおっとりして優しい声に答えられなくて、青年は抱きすくめた腕に力を込め
た。
どうしてと言われても理由は説明できない。無性に欲しい、それだけ。ただ胸に燻った
飢餓感ばかりが、彼に今ある全てだった。
今すぐぶつけてしまいたい、そう思ってもどす黒い衝動をそのまま叩きつけるのは躊躇
われて、ただ朱鷺色の髪に鼻を埋める。
ややあってから、小さな声がした。
「……ねえ?」
「……ん」
拘束を緩めると困ったように彼女は目をしばたたいた。少し考え込んでから、唇だけの
動きでゆっくりと、告げてくる。
ア・ア・ア・オ、ア・ア・ッ・エ・ウ。
何の事か聞き返さずとも分かって、彼は赤面した。僅かに少女が腿を動かし、それが熱
を持った彼自身の存在を持ち主に知らしめたのだ。
(あなたの、当たってる)
「……」
耳まで赤く染まった彼に、少女はほわんと笑った。ほろ酔いの人間の浮かべるような柔
らかい、どこか浮かされた笑顔を作る。
「あ、気にしないでね? わたしも気にしてないから。……それにね」
お役御免とばかりに白い傘をそこらに放り出して、少女は彼の首に腕を絡ませ、頬に自
分の頬をすり寄せた。
拍子に彼の帽子が落ちるが構わず、そして、彼の予想もしなかった行動に出る。
「んぅっ!?」
少女が彼の耳をぱくりと咥えて、舐めたのだ。絹糸のような髪のすべらかさを感じる間
もない。
いきなり触れてきた舌は柔らかくどこか熱く、そうして濡れていた。遊びにしては念入
りに耳介の線を辿って、名残惜しげに離れる。
まだ呆然としている彼の前で、彼女は悪びれる様子もなく舌を出した。
「……わたしも」
「――!」
熱っぽく吹き込んで、少女は眉を下げて笑う。
「びっくりした?」
「……ううん」
その頬が自分と同じように染まっているのを見つけて、彼は微笑む。
「どうしたの?」
「……」
相変わらずおっとりして優しい声に答えられなくて、青年は抱きすくめた腕に力を込め
た。
どうしてと言われても理由は説明できない。無性に欲しい、それだけ。ただ胸に燻った
飢餓感ばかりが、彼に今ある全てだった。
今すぐぶつけてしまいたい、そう思ってもどす黒い衝動をそのまま叩きつけるのは躊躇
われて、ただ朱鷺色の髪に鼻を埋める。
ややあってから、小さな声がした。
「……ねえ?」
「……ん」
拘束を緩めると困ったように彼女は目をしばたたいた。少し考え込んでから、唇だけの
動きでゆっくりと、告げてくる。
ア・ア・ア・オ、ア・ア・ッ・エ・ウ。
何の事か聞き返さずとも分かって、彼は赤面した。僅かに少女が腿を動かし、それが熱
を持った彼自身の存在を持ち主に知らしめたのだ。
(あなたの、当たってる)
「……」
耳まで赤く染まった彼に、少女はほわんと笑った。ほろ酔いの人間の浮かべるような柔
らかい、どこか浮かされた笑顔を作る。
「あ、気にしないでね? わたしも気にしてないから。……それにね」
お役御免とばかりに白い傘をそこらに放り出して、少女は彼の首に腕を絡ませ、頬に自
分の頬をすり寄せた。
拍子に彼の帽子が落ちるが構わず、そして、彼の予想もしなかった行動に出る。
「んぅっ!?」
少女が彼の耳をぱくりと咥えて、舐めたのだ。絹糸のような髪のすべらかさを感じる間
もない。
いきなり触れてきた舌は柔らかくどこか熱く、そうして濡れていた。遊びにしては念入
りに耳介の線を辿って、名残惜しげに離れる。
まだ呆然としている彼の前で、彼女は悪びれる様子もなく舌を出した。
「……わたしも」
「――!」
熱っぽく吹き込んで、少女は眉を下げて笑う。
「びっくりした?」
「……ううん」
その頬が自分と同じように染まっているのを見つけて、彼は微笑む。
果実のようなそこに口付けて、キスの交換になった。
くすくす笑いながら軽く始まった小さな雨が舌を伴う深いものになるまで、そう時間は
かからない。
「……風邪引くから、脱ごっか」
「うん」
先ほど放り出した少女の傘を、寄りかかった幹の手近な二又の枝で落ちてこないように
支えれば即席のテントの出来上がりだ。
再開したキスで舌が相手の上顎、歯、唇、そして舌に触れる度に、青年の背筋に電流が
走る。甘い唾液が口の中に流れ込んでくるのに興奮を覚え、また向こうもそうであろうと
いう想像が胸を熱くする。
息継ぎの間さえ惜しんで、浅ましい位長く二人は口付けを続けた。大人しい熱さと柔ら
かさ、ぬめらかさが快い。初めてのキスさえ超える快感だった。
お互いに初めての行為が先に待つというのに、抵抗も後ろめたさも、何もなかった。だ
がその事に疑問さえ感じず、彼は浮き立つ気分のまま相手の唇を食み、舌を吸う。
さあさあと葉を打つ雨音が、気詰まりをどこかに追いやってしまう。
やがて細い指が青年の胸をシャツ越しに摩れば、彼は少女のむき出しになった白い喉を
擽った。
こちらも細い腰に腕を回してワンピースの肩紐を落とす。それを受けた少女は両手で一
度首の後ろの髪を掬って、脱がし易いように纏めて背中に流す。
五個ある内の二三個のボタンを外して、待ちきれないように自分でワンピースをずらそ
うとするが、雨でべったりと貼りついてうまくいかなかった。
「なんで脱げないのかな」
「絞ったら?」
その提案を受けて裾に手をやりかけ、つと少女は彼を睨みつけた。雨以外のもので甘く
濡れた唇を尖らせる。
「ずるい」
可愛らしい糾弾に首を傾げた青年のシャツに繊手が伸びる。
「え?」
「あなたも脱いで」
苦笑しながらその言葉に従い、少女が裾を絞っている横で、彼は苦労しながらべとつく
衣服を脱ぎ捨てた。シャツが予想以上に体温を奪っていったので、腕に鳥肌が立つ。
暖かくしなくちゃ、と冗談交じりに提案する少女が、その手を止めた。
嘆息する。
「きれい……」
「……それはこっちの台詞なんだけどな」
不満げに言う青年を無視して、少女は新しい玩具を前にした子供のように、彼の頬に手
を置いた。
事実、少女の目が初めて見た相手の半裸は美しかった。上を脱いだからか、最初に抱き
しめられた時よりずっと強く相手の匂いが漂っている。
暖かい皮膚の下から研ぎ澄まされた陰影を作る筋肉や骨の流れは武器のようで、女とい
う性が持ち得ない輪郭をしていた。
触られた途端に神妙になる青年の唇を親指でなぞった後、首筋、鎖骨と撫でさする。雨
に濡れて少し冷えた体は、いつもとはまた違う感触だった。すっと直線を辿ってから手は
肩の筋肉を確かめ、胸へ向かう。
押し返してくるような硬さに、知らず溜め息が出た。
「うわあ、すごい筋肉」
「そうかな」
「……どきどきしてるね」
掌を心臓の辺りにぴたりと付けて、彼女は花のように笑う。離した時に偶然指先が彼の
胸の突起を弾いた。同時に青年の背筋に、得体の知れない感覚が走る。
「うあっ……」
「え?」
自分でもどうして声が出たのか分からず困惑する彼に、少女は興味を引かれたようだっ
た。乳輪に触れるか触れないかのところを掠め、指で摘んで捻る。
擽ったいのとも痒いのとも痛いのともまるで違う、言いようのない淡い感触に彼は首を
すくめ眉を寄せた。
「……感じたの? 気持ちいいの?」
「感じた、って言うのか、これ……なんか、むず痒い感じ」
両方の指先で乳首を捏ね出した少女にそう返すと、
「じゃあ、こっちは?」
小利口な笑みが白い顔に閃く。まだぽたぽたと雨の滴る自分の髪の房で、少女が彼のそ
こをなぞり上げる。
二度、三度と纏い付く冷たさと髪の毛の異様な質感に、ぞくぞくと何かが押し寄せて息
が詰まった。
「ん、くっ」
「あ、声出した」
耐えかねて零した声が可愛いと少女はご満悦だ。その悪戯な手を彼が捕まえる。
「ずるい」
今度は青年が相手を詰る番だった。軽く笑いながら果物の皮でも剥く時のように、濡れ
たワンピースの上半分を脱がせた。ぷるんと現れ出た少女の乳房を撫でる。
文字通り乳のように白いそれは彼の手に容易く収まり、頂には暖かい薄い朱の蕾があっ
た。ふわふわと揉んでいると、
「んぅ……」と少女が喉の奥で啼いた。
激しい反応こそないが続ければ目許はすっかり染まっていって、それが何より確かに快
感を示しているようで、彼は嬉しくなる。乳房を押しつぶし、指先で拾った脈は速かった。
「そっちもどきどきしてる」
「うん……」
自然と声量を落とした青年に、少女が目を伏せて頷いた。雨の音がうるさい。
淡い色の髪が近づき、軽い痛みが鎖骨に走る。得意気な顔がゆっくり離れていくのを見
て、彼は何が起きたかを悟った。
「やったな」
こちらも同じ場所に口付け、吸い上げた。手加減したためにいくらか薄い、赤い色が咲
いて、お揃い、と二人でまた笑った。
本当に自分はこの子が好きなんだな、と愛撫を続けながら青年は再確認する。
少女といると何もかもが楽しい。喋るのも、手を繋ぐ事も抱き合うのも、喧嘩さえも楽
しくて堪らない。自分の、汚い部分はともかくとして、全てを与えたいし与えられたいと
思う。
どうやったら相手が楽しんでくれるだろう、とあちこちに跡を散らし合いながら触れて、
撫でて、抓ったり軽く引っ掻いたりする。
脇腹を摩ると華奢な肩が跳ね、乳首に吸い付くと高い声が上がった。逆に背中を撫でら
れ、喉笛に噛み付かれると息を呑んでしまった。
じゃれ合いに似た行為だったが長い裾を徐々に捲り上げていって、丁度良く張った白い
腿がすっかり露になる頃には、二人とも言葉少なくなっていた。
細い腰にたぐまったワンピースをそのままに、彼はそっと少女の腰を抱く。
「立って、膝で」
無言で娘はそれに従う。躊躇うような素振りの後に、彼の足を跨いだ。
柔らかい膝の皮膚が砂で直接擦れてしまうのに気づいて、脱いだシャツを下に敷いてや
る。
それを後で洗おうという軽口さえ出てこなくなった少女の頭を彼は撫でた。当然だろう。
こういう時に緊張しない方がおかしい。自分だってそうなのだから。
まして相手は今、他人には見せないような所を後一歩という所で見せられる体勢でいる
のだ。
951 :
941:2006/02/02(木) 02:21:03 ID:7IX3iq/e
946と947重複してるな。すみません。
gjそして保守
「女の子だけの新年会をやってみたい。普通は絶対やらないような場所で」
そんなことを言ったのはホームの女性メンバーの中では年長組になるナイアだった。
三が日も過ぎ、それぞれの正月を過ごした面子がホームのゲーセンに集まって年始の挨拶を終えた頃。
男共は野郎だけで新年会を兼ねたヤミ鍋大会などを催す、と言っていたのを聞いて、じゃあこちらも女の子
だけで新年を祝おう、ということになった。
アルコールにお菓子にジュースにつまみをしこたま買い込んで、いくつかあった宴会場候補からアミダで
引いたその場所に集まったのはナイア、セリカとエリカにリリスと彩葉の五人。茶倉は宴会場の場所が決ま
った時点で断固として参加を拒否し、中学生であるツガルとシアは義務教育中の身ということで次回全員で
集まった時に別所で遊ぶことを約束し、帰宅させた。――男達には内緒の、女の子だけの秘密な宴の場所
に選ばれたのは――去年新設されたばかりの、新しい――ファッションホテル。
本来は男女の一組が密かに使用するその場所も、最近はグループで集まって泊まることも少なくないらしい。
男同士、という場合はまた別なのだろうが、女性のみのグループにはホテル側も親切だ。特別広いホテル自慢
のスペシャルルームを1泊借りて、始まったその夜の宴。
天井から垂れ下がっている手錠や床に繋がった鎖と足枷、三角馬や鉄格子の中のベッド、という一種特殊な
雰囲気の部屋に、怯えるどころか興味深々でそれぞれ部屋の備品を弄りながら少しエッチな話題を肴に盛り
上がる宴の席。キングサイズのベッドの上で、スナック菓子を広げ片手にビールの缶を掲げたセリカが、ふと
思いついたように顔を上げて言った。
「王様ゲーム…じゃない女王様ゲームをやらない?」
割り箸に番号を書いて当たりを引いた者が王様、他の番号を引いた者は王様役の命令に従う、というアレだ。
男のいないこの席では、王様ゲームならぬ女王様ゲームになるのだが、丁度良い頃にアルコールの回った
面子は誰一人異を唱えることなく、コンビニの袋から未使用の割り箸を漁って用意し始めた。今日だけは無礼講、
ということで高校生であるリリスの彩葉もビールやチューハイの缶が振舞われ、二人共心地良い酔いと常とは少し
勝手の違う雰囲気を楽しんでいた。てきぱきと用意するエリカとセリカ、それに指示を出すナイアの様子を二人ほろ
酔い加減で眺めながら、何か楽しそう、と笑っていられたのはこの時までで。
「はーい用意出来た。それぞれ引いてー。色のついた先を引いたコが女王様だからね」
割り箸の根元を隠して掴んだナイアが、四人の前に突き出す。わっと集まって一本ずつ抜いた後に、残った
割り箸をナイアが握り締める。それぞれが他の者に見えないよう数字を見たのを確認してから、ナイアが再び
声を上げた。
「女王様は、手を上げて!」
エリカとセリカの腕は上がらなかった。箸を握ったナイアも同様。彩葉の数字は3番で、残るとすればただ一人。
ゆっくりと隣を見ると、リリスが少し困った顔で片手をゆるり持ち上げていた。
「はい女王様はリリスにけってーい!」
ナイアの宣言に皆が笑いながらリリスに拍手を送る。戸惑った顔で彩葉を見遣るリリスに、彩葉も皆と揃えて
笑みを浮かべ手を叩いた。こういう遊びに慣れていないリリスは黄色に塗られた割り箸の先と、楽しげな周囲を
交互に見遣っては戸惑い気味に微笑む。酔いが回って皆揃ってテンションが高い中、アルコールはあまり、と
一番控えめに飲んでいたリリスが一番素面に近い。ちょっとした酒の席のイベントに盛り上がりながら、彩葉は
リリスが女王様を引いてくれたことに少しばかり安堵していた。
女王様ゲームの用意をしながら、年上三人は小声で「折角こんな部屋に来たんだし、ちょっとエッチな命令して
みたいよね」等とひそひそと話をしていたのを聞いた。アルコールが回っている上、特殊な部屋の道具に皆が興味
を持っていた為、つい試したくなっていたのだろう。勿論それらあくまで冗談の範囲で、彼女達が女王様を引いた
ところで本当にやるかどうかは分からないのだけれど。その手のことに全く興味がないわけではないが、される側
になったらどうしようと余計な不安が彩葉の頭を過ぎっていた。だがリリスが女王様を引いてくれたお陰で、その
心配は無用となったのだ。彩葉よりもずっと奥手で物静かなリリスのことだ、そんな無茶な要求を言うことはないだろう。
「で、女王様。早速命令してもらえる?なーんでもいいのよ?」
ずいと顔を近付け、赤く染まった頬を寄せてナイアが言う。ちらと彩葉の方を向いたリリスが、声なしに「酔ってるね」
と小さく笑った。
「どーせならえっちーいのがいいなーっ!面白いしっ!」
「そーそー。なんだっていいんだからね、さあ言って言ってー!」
リリスと彩葉の肩にしなだれかかるセリカとエリカ。そない無茶言わんと…と比較的酔いの薄い彩葉がはたはたと
手を振る横で、リリスが一人俯きながらなにやら呟いている。顎に箸の先を当てながら暫し悩む様子で俯いていた
リリスが、思い立ったようにポツリと。
「――じゃあ皆で、3番に悪戯…っていうのは?」
「えっ…?」
「りょーかーいっ!」
「えーえー、じゃあアレ使いたいアレ!手枷とかー足枷とかー」
「どーせなら剥いちゃわない?女の子同士なら恥ずかしくないし」
それぞれの反応で、一人肯定も出来ず言葉に詰まってしまった彩葉に、みなの視線がいっせいに集まった。
エリカとセリカ、ナイアが視線を合わせて頷き合う。彩葉は嫌な予感を感じてずるずるとベッドの後ろへ手をつき
下がっていくが、後ろ手に伸ばした先にベッドの端が途切れて片手がすかすかと宙を掻いた。じりじり、じりじり、
近付いてくる三人の後ろで、申し訳なさそうなリリスがこっそりと彩葉に両手を合わせていた。
「――っほ、ホンマにこんなことするなんて……」
ショーツ一枚とニーソックスだけの格好で、部屋の中心にある枷に繋がれ両手足を大の字に伸ばされた彩葉が、
泣きそうな顔で自分を囲む四人を見遣った。
悪い冗談で、まさか本当にするとは思わなかったことを、アルコールでブレーキの外れた面子は迷うことなく
――彩葉のジャケットやアンダー、スカートを剥ぎ取って、これだけはと死守しようとしたブラさえも外していった。
両手で胸を隠す彩葉の腕を掴んで、天井から吊り下ろされた枷に繋げる。足首にもジェラルミン製の輪ががっちり
と嵌められた。彩葉の白い肌を覆うのは下半身のソックスと小さな白のショーツだけだ。
さらりと肩を滑る髪は、乳房を隠さないよう背中へと追いやられてしまった。まだ発育途中の瑞々しい膨らみが、
同性とは言え複数の人の目に晒されている。助けを求めて皆を見回したが、誰一人この行為をやめようと言う
様子はなく、拘束され羞恥に染まる肌を興味深げに見つめるばかりで、親友のリリスですら少し離れたベッドの
上で腰掛けたまま止めてはくれない。
「やっぱ若いコの肌って違うわよねー。なんていうか、水でも何でも弾いちゃうような…」
「言ってることが年寄りくさーい!そんなに年変わらないんだから、キニシナイ気にしない」
「でもホント、彩葉のおっぱいっていい形ー。お椀型って言うの?可愛いー」
顔を突き出して横から正面から、ナイアやエリカ達が彩葉の乳房を眺め回す。年頃になってからは家族にすら
見せなかった柔肌にいくつもの言葉と視線を感じて、彩葉は恥ずかしさで堪らず俯いた。唇を噛み締め嫌々と首を
振る。「もうやめてぇな」と懇願しても、彼女達にその声は届かず自分以外の同性の身体を観察するように見つめる
視線は膨らみから離れてはくれなかった。
元から室内の照明は薄暗く設定されているが、拘束具のあるその場所だけは特別スポットが当たるようになって
いる。眩しいくらいの照明の中、複数の同性に裸を観察される――。それは恥ずかしいだけのの罰ゲームの筈だった。
だが彩葉の意志とは関係なく、乳房の先にある淡い色の乳首がしこり始めていた。暖房がきいているとは言え、服を
全部剥かれた状態では肌寒い。乳首が固くなるのを感じて、それは寒さのせいだと思おうとした。――だが寒いと
言ってもその場所が張り詰めるほど冷えるわけではない。
思わず感じてしまったことを悟られまいと、固く目を閉じて俯いたまま顔を上げずにいると、少し心配げな声が離れた
場所から聞こえた。気遣うような調子で首を傾け覗き込む彩葉をリリス。
「……彩葉、寒いの?」
「……え…っ、さ、寒くなんかないっ」
リリスの言葉に、彩葉の乳房を観察していた三人の視線が紅い頬の彩葉の顔へと向かう。誤魔化すように慌てて
首を振ってみせた。
「けど、さっきから震えてるし…乳首も勃ってるみたい…」
つと白い指を彩葉の胸へ向けるリリスを追って、三人の視線がそこへと再び降りていった。乳房全体を眺めていた
為に気付かれずにいた乳首の勃起を、リリスの言葉で皆が気付いてしまった。カァッと頬が真っ赤に染まる。
「んぅううッ、ぁああああッ!お、おっぱいがぁっ…やァんんぅああっ!」
ジュルッと音を立てて唾液ごとエリカとセリカが彩葉の乳首にむしゃぶりついた。乳房を揉み込まれ、指で扱かれ既
に痛いくらい硬くなっていた乳首に柔らかい舌が触れて、絡みつく。下から掬うように当てられた舌の温もりと吸引される
感覚が乳首を突き抜けて身体の奥、膣をグズグズと蕩かせる。愛液がじゅわっと沁み出て来るのが分かった。
時折宛てられる歯がくれる痛みと刺激が一層愉悦を高めていく。痛みが痺れるような快感に変わる。ジャラジャラと
鎖の音を立てて、彩葉は髪を振り声を上げた。感じ入った悲鳴にセリカとエリカが乳首に吸い付きながら嬉しそうに笑う。
「んちゅっ…すっごい可愛い声。乳首もこんなコリコリになって…すっごい感じちゃってるんだぁ」
「歯で噛んでも気持ち良さそうなんだよね、ちょっとMなのかな、彩葉って」
喋る時でも二人は乳首を離してはくれない。指で挟んでクリクリと擦り上げる。唾液で濡れた場所に掛かる熱い息
と冷たい空気、指の擦り上げが息つく暇なく彩葉を感じさせた。
「ちゅ、チュルッ…ジュルルルッ…あ、あっ…ぁああっ!お、おっぱい気持ちェエよぉっ…!」
「グチュッ…、チュパッ、ふふっ、素直になってきたわね。ココもすっごい濡れてるし…ね…?」
彩葉のショーツをひき下ろし露わになった秘裂から、トクトクと零れて垂れる愛液を見つめてナイアが笑った。
床に膝をついたままの格好で、いやらしくヨダレを垂らす彩葉の秘裂を覗き込んでいる。充血しパックリと開いた
そこを両手指で押し開くと、長く糸を引いた蜜がダラリショーツに落ちて新たな染みを生んだ。
「おいしそう…彩葉のここ…。食べちゃいたい…」
陰毛を掻き分け、濃いピンク色に染まった秘肉の蠢きにナイアがうっとりとした表情で呟いた。双乳責めだけで
絶頂近く感じ入っている彩葉のそこは、狭い口ながらいやらしくヒクついていた。まだ数度しか男の雄茎を受け
容れていない秘裂は、摩擦での黒ずみもなく、鮮やかな色を保ったままだ。うっとりとそこを見つめていたナイアが、
不意に舌を狭い膣内へ突き入れた。ジュブッと音を立てて愛液が垂れる。
「ん、ァ、――ああぁああっ!」
舌がグリグリと敏感な内壁を嘗め回した。溢れる愛液で顔が汚れるのも構わず秘裂を塞ぐようにぴっちり唇を
宛ててむしゃぶりつく。別の生き物のようにビチビチと膣内を打つナイアの舌の動きに、彩葉の身体がガクガクと
震え仰け反った。
「あ、ぁああっ、だめ、乳首もっ、あ、オマ○コも両方なんてぇええっ…!」
「イッちゃうの?いいのよ、イッても…んちゅっ、じゅるッ…ジュルルルルゥッ!」
「イクのね?っちゅ、オマ○コと乳首弄られてイッちゃうのねっ?」
「イクの、オマ○コも乳首も気持ち良すぎるのぉっ、イッちゃうぅうっ!」
「イッて…、イッていいんだよ?いっぱいイキまくってほらほらぁ!」
「イくイくッ、イッちゃうぅうッ!あああっ、イク――っ!」
敏感な身体を襲う三箇所責めに、ギリギリまで高められた性感が堪えられる筈もなく、彩葉は双乳と膣を舌で
まさぐられ身体を揺らせて達した。ブシュゥっと噴き出た潮がナイアの顔を汚す。ダラダラ零れる愛液は止まる
ことを知らず、その後も太腿を伝ってショーツとソックスをぐっしょりと濡らした。
目の前が真っ白になるような快感に呼吸も荒げて事切れたように項垂れる彩葉。恋人の前では一度も口にした
ことのない単語を自ら発して、喘ぎ呻いてイッてしまった。本当ならば顔から火が出るほど恥ずかしい筈なのに、
淫語を口にした時ただそれだけで子宮が疼いた。煽られ答えて達した乳首と秘所舐めの快感は、肉茎で得るもの
よりも数段感じられた。女の手で乱れるのがこんな気持ちいいなんて――。
「ねぇ彩葉…もっと気持ち良くなってみない?」
目の前には、何時の間にかリリスが立っていた。何時の間に脱いでいたのか、白く大きな乳房を晒し、
ショーツの中央には革の硬質なバンドで締めた、黒いシリコン製の擬似ペニスがそそり立っていた。リリスは
相変わらずおとなしそうな常の表情に、戸惑いの色を滲ませ彩葉を見つめている。
ナイアがリリスの傍らに立ち、黒々と輝く擬似ペニスの先端を摘んでみせた。
「……彩葉、もっと気持ち良くなりたいでしょう?」
「どうせだから、女王様直々に入れて貰ったら?ねぇ?」
「きっとすっごく気持ちいいよ…?私達も――手伝ってあげる…」
耳元でセリカとエリカが囁いた。黒光りする男根のシリコンは大きく太く、狭い中を好きなだけ擦って犯してくれる
――惚けた表情でペニスを見つめ、彩葉は頷く。既に太腿を新たな愛液が伝って濡らしていた。
ゆっくりとリリスが一歩を踏むその度に、本物の肉茎のように上下揺れる黒いシリコンの擬似物。エラの広がりや
脈を浮かせた竿の部分を見つめてこくりと息を飲む。ああアレが、ウチの中を滅茶苦茶に…想像しただけでもう膣
の中はヒクヒクと蠢き始めている。直接的な刺激を受けなくとも、じれったい愛撫を受けているような、そんな感覚さえ
呼び起こす男根を強請る気持ち。
セリカとエリカが彩葉の脚を持ち上げ、広げる。ナイアが後ろ背から腰を掴んで受け容れやすいよう前へ押し出す。
リリスの白い手が黒い一物を掴み、濡れそぼった彩葉の秘裂に押し当てた。
「ァ、あぁああァああァアァッ、お、おち、お○んちん気持ちイイょおおおッ、リリスのチ○ポ、いいいィッ!!」
彼女達の狂った夜はまだ終わらない。
久しぶりの投下&保守代わりに。
彩葉しか書けない自分が情けない…。
959 :
941のもぽ:2006/02/07(火) 20:00:57 ID:yIX/UaJV
久しぶりに来たら彩葉キテタ――!
GJです! やっぱり攻められる彩葉いいなあ。
凄くエロくていいと思いますよ。
デザレの二人を書いてる者ですが、後一・二回ぐらいで投下終わります〜。
今週中を考えてますがまだ投下しないので、
他の職人の方、投下ドゾ〜
960 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 04:38:55 ID:HbP+YdiF
定期age
後残り一回になります。苦手な方はNGワード登録お願いします。
包装紙のような薄い布に手をかけると、こちらが驚くくらいに相手の体が震えた。
「あ、あの!」
手を離して彼は少女を見上げる。その額に自分の唇を落として、震える声で少女は言っ
た。
「……ごめん、ちょっと……あの、わたし、自分で脱ぐから」
幹に手をつけて立ち上がる拍子にスカートが滑り降りた。ミュールから脱いでいくその
動きが殊更乱暴なのは、恥ずかしさを振り切ろうとしているからか。
すぽん、と音のしそうな勢いで両足分が脱げてしまうと、案の定固まってしまった。
青年が名前を呼ぶ。少女は泣きそうな顔を向けた。
「大丈夫?」
「平気っ」
「……やめようか?」
「止めるなんて、だめ」
心配して見上げられたのが競争心に火をつけたのか、少女はきつく目を瞑った。
すっと下着を止める両横の紐を引いて解き、そのまま後ろに放り投げる。
「見せて」
「うん……」
立て膝に戻った少女に声をかけると、きゅっと唇が引き結ばれる。震える指がスカート
を摘んで持ち上げた。
その手を握ってから、彼は白い腿の奥を覗き込む。薄暗くてよく分からない。裾を引き
上げ、内側から腿を押す。少女は唇を震わせたが、何も言わずに脚を広げた。
ゆっくりと、穏やかな昼の光の中に、それが露になる。
最初に目に入ったのは髪と同じ淡色の柔そうな茂みだった。腰骨の尖りを覆うのと同じ
薄い皮膚の上に、小さく存在していた。
彼は顔を近づけた。緊張と興奮とで、思わず息を詰めてしまう。自分の心音が大きく聞
こえる。
和毛の下には慎ましく合わさった分け目が見えた。荒い息に合わせて震えている。血の
色を透かして薄赤いそれは閉じていて、それ以上の事は何も分からない。
「……」
そこまで見て取って、彼は詰めていた息を吐いた。図らずも長く吐いた呼気が内腿を刺
激した事には気づかない。
「だめ!」
だから脚を開かせた時に内股にあった手をそこに持っていって、合わせ目に軽く触れた
時、猛然と拒否されて青年は戸惑った。
「駄目って、何が?」
さらにまさぐろうとしたが少女の腰が上へ上へと逃げる。思い余って裾から手を離し、
逃がさないようにウエストに腕を回すと相手は引き剥がす様子を見せた。
それでも唇を捲り上げようとすると、
「ひぁッ!?」と悲鳴が上がる。
「……慣らさなきゃ、痛いから」
説き伏せようとしても彼女は顔を背けて、
「汚いよ……」と言い張るばかりだった。
「そっか」
嫌がる少女のそこから彼は手を引いた。僅かに粘り気を感じる。
濡らさないと入らないのだが、恐らく彼女はそれを曖昧にしか知らないのだ。どうやっ
て濡らすかなんて考えた事もないだろう。
(どうしようかな)
騙してでも触らせて貰えないと、ただでさえ痛い思いをする少女のそこが傷ついてしま
う。引き返すのは腹を括った相手に失礼だ。
取りあえず潤みが足りないかも、と思いついて彼は先程まで少女自身に触れていた指を
自分の口に入れた。僅かな酸味があった。
手で触れるだけでも嫌がった彼女なのだから、直接そこを舐めるなんて絶対に許そうと
しないだろう――
「……何してるの?」
問いかけた少女に思案気な顔を向けた相手が、何を考え付いたのか、含んでいた指を少
女の口元に差し出してきた。
「――舐めて」
いまいち理解できずにいるのに焦れたのか、唇に濡れた中指が押し当てられる。
「ちゃんと舐めて、濡らして」
その口調はどこかぶっきら棒だったが、彼女は笑顔を浮かべて指に舌を這わせた。何の
事はない、つい先頃まではこんな風だったと思い出したからだ。
「うん」
気恥ずかしくて目を閉じ、口だけでは辛いので片手を宛がって、少女は相手の指を湿し
始めた。ギター胼胝のない方なのが少しつまらないと感じつつもキスを送り、丁寧に唾液
を絡ませていく。
青年はそれを食い入るように見続ける。頬に濡れた髪が掛かるのを払ってしまうと、本
当に自分の物をされているようだ。
そう考えるだけで血が集まって、気分を紛らそうと彼は少女の背中に手を伸ばす。下の
方、ワンピース越しに尻に触れる。
「ん、ふッ!?」
「……止めないで。歯は立てないで、続けて」
途端利き手の指に痛みが走ったので、不安げな相手に彼は安心させるような笑顔を作っ
た。宥めながら触れるか触れないかの微妙な距離で、双丘や太腿やその先に触れるのは止
めない。
信じられない位滑らかな肌を撫で続けていれば力が抜ける。舌の動きが緩慢になって、
息が上がって、頬が薄赤く染まる。
後ろの方から最初にちらりと見ただけのそこに触れると、柔らかく湿っている。
突付く。
「ぁ、やめてっ」
口から指を外して、少女が悲鳴を上げた。
「なんで?」
いっそ子供のような、純粋に分からないという顔で見つめてきた相手に、彼女は一瞬言
葉をなくす。
「なんで、って……」
「汚くないから」
言い切られて少女は混乱する。汚いに決まっている、のにどうしてか、触らせたいと思
っている自分がいる。
「そんな……」
あまりの混乱に、彼女は含んでいた指が顔の前から消えたのにも気づかなかった。
青年には十分な猶予だった。
「汚くないわけな……ぁッ!」
語尾は悲鳴となって雨に溶ける。唾液で塗れた指が開きはじめた入り口をなぞり、どこ
が快感に繋がるのかを探り始めたのだ。
今更指を舐めさせられた理由を悟って喘いでももう遅い。違和感と心地よさで、自分の
脚が硬直して動かなくなる。絶望的に気持ちよくて、頭の中が真っ白になった。
隠れた膨らみが相手の指の腹で擦られる。
シアがダルツガと同じ学校の学生という事になっています。
苦手な方はNGワード指定お願いします。
「ねえ、放課後暇?」
自分とそっくりの褐色の顔に話しかけられて、津軽はぱちぱちと瞬きする。
いつもの昼休みだ。生徒会の仕事もなくのんびりとお昼を食べていた所に話しかけたの
は、夏天という一つ上の少女だった。
夏休みが終わった後異例中の異例の(だと思う。少なくとも津軽は聞いたことが無い)年度
途中からの編入を果たしてきた彼女は、今、日本語の猛特訓の最中だ。
寮もクラスも同じ所に振り分けられたため、彼女の手伝いは専ら津軽の役目である。ほ
とんど四六時中、津軽はシアと一緒にいた。だからわざわざ放課後に暇を作らなくてもいいと思うのに。
セミロングを揺らしながら、少女は首を傾げた。
「暇だけど……なんで?」
「渡したいのがあるから」
「渡したい??」
にこっと白い歯を夏天は見せる。殊更に声を潜めた。
「……今日が何の日か忘れた?」
「あ……」
思わず津軽は廊下側の三列の机に目をやった。窓側三列は女子、廊下側三列は男子の席と決まっている。
女子の気配を感じて追ってくるクラスの男子達の視線を恥じて、咄嗟に彼女は目を伏せた。
普段なら女子から見られようが何をされようがお構いなしの男子だが、今日この日だけ
はどこのクラスでも殺気立って、逆に女子の視線を待ち望むようになる。
今日は二月の第二週――バレンタインデーだった。
シアは朝一番でクラス全員にお世話になりました、と十円かそこらのチョコを配って回
ったのだが、それが学年主任に知れてお目玉を食らった。もっとも当人はけろりとして、何ら応える様子を見せないのだが。
「津軽にはものすごーくお世話になったから、後で渡したいんだけど、いい?」
「寮じゃだめなの?」
まだこちらを射抜く視線を感じて、津軽は居心地悪く聞き返す。見つめているのが誰な
のか、考えると鞄の底にあるそれにばかり気が行ってしまう。
「学校じゃなきゃ」
基本的に校舎への私物の持込は禁止だった。今日この日とて厳しく教師は指導するのだ
が、生徒達は挙ってチョコレートを持ってくる。
「わかった」
津軽はつとめて明るく笑った。シアの背中越しに喧嘩中の相手の顔が見えて、胸がきゅ
うんと絞られるように痛んだ。
(そんな顔しないでよ)
――こっちは悪くないのに、謝りたくなっちゃうじゃない。
「こっち、こっち」
シアの先導で、津軽は音楽棟を歩いていた。
管弦楽部や吹奏楽部、合唱部などの音楽関連の部が充実したこの学校では、音楽室は校
舎の中ではなく、独立した建物の中にある。渡り廊下を折れた先で備え付けのスリッパに
履き替え、第二音楽室を素通りした先が二人の目的地だ。
ファイル日誌に自分達の名前を書き、使用中の札を下げる。そうしてから向かったのは、かなり狭い個室だった。
「うわ、おっきい……」
沢山ある防音室の中でも特に奥まった一角にあるそこは、グランドピアノの入った珍し
い部屋だった。夕暮れ間近の薄暗さを解消するため蛍光灯にスイッチを入れながら、年上の少女は頷く。
「いつもここ使わせて貰ってるんだ。津軽がピアノ弾けて良かったあ。伴奏者ですって言い訳が使えるもん」
口を動かしても手は止めず、グランドピアノの長いカバーをはぐり、蓋を開けて楽譜を
置く。スリッパを部屋の下駄箱に仕舞い、蓋を閉める。
ふかふかした絨毯張りの床が足にくすぐったい。ドアを閉めて、床に直接座る。くすく
す笑いながら、二人はチョコレートを交換した。
「はい、津軽の分」
「ありがと。はい、シアの」
「さんきゅ」
寮で食べればいいのだから、二人ともこの場で開封はしない。小箱が行き交い、それぞれの鞄にしまわれる。
「……」
鞄のジッパーを開ける手が止まったのを見て、シアは津軽の顔を覗き込んだ。顔を近づ
けても気づく様子はなく、津軽は呆けたように鞄の奥を見ている。
「何見てるの?」
「み、見ないでっ!」
口を閉めようと動いた手から鞄をひったくって、褐色の少女はその中を見た。教科書、
ノート、参考書、筆箱、ヘアゴム……だが一際目を引いたのは、アイボリーの包装紙に包まれた小箱だった。
綺麗なサテンのリボンが掛かっているそれは、どう見ても、友人同士のじゃれ合いめいたお菓子のやり取りにはそぐわない。
本命用だ。なのに後は男女別々の寮に戻って寝るだけ、というこんな時間に、津軽の鞄の中にまだ残っている。
「……誰にも言わないでよ」
気を無くした手から学生鞄を取り返し、体の後ろに隠しながら津軽は言う。がっくりと
落とした首、染まった頬――シアは友人の肩にそっと手を置いた。
けんかしてるの、と聞かない内から、セミロングの少女はしゃくり上げる。
「先週、いつもみたいに達磨がセリカさん達にセクハラしてるの見ちゃって。止めなよって言ったら口喧嘩になって、向こうが『お前胸が無いからひがんでるんだろ』、って言って。
そしたらカーッときちゃって、はんかくせ、ってビンタして……ずっとしゃべってない」
おんおんと泣き出した津軽に、シアはティッシュを取ってやる。事件はその場にいたの
で彼女も知っている。仲直りしていないのも雰囲気で知っていたが、まだ一言も喋っていないとは。
洟をかみながら、相手は喋り続ける。
「どうしよう、今日、終わっちゃう。達磨に渡せないよぉ……」
塩の味のする唇に、ちゅ、っと湿った音が落ちた。
「しあ……?」
涙に濡れた目を開くと、予想以上の近くに、柔らかく輝く相手の目が合った。もう一度、
今度は音を出さない、だが触れた事がしっかり分かるタッチで、シアが津軽にキスをする。
いきなりの事に熟れた林檎のように耳まで染めて、津軽は膝で後じさる。苦労して稼い
だ距離を躊躇なく詰めて、壁で退路の無くなった津軽に、ボブの少女がのしかかる。
同じ生地の下、同じように色づいた二つの体が、ぴたりと寄り添った。
「私が貰ってあげるから。だから、泣いちゃだめ」
「シア? ……ここで、なの?」
髪を梳き、制服を脱がせてくる少女に、悲しみより戸惑いが先に立って、津軽は声を上
げる。このように触れられるのは、実は津軽には初めての事ではなかった。寮でも同室の
彼女に自分の楽しみ方を教えられ、年の暮れには指を入れていく事まで覚えた程だ。
達磨との初めては済ませていたからショックも少なく今まで許していたが、校舎の中で
は危険すぎる。
「いや? 誰も来ないよ。声だって外に出ない」
魔法のように指がうねって、ブラウスのボタンを全部外した。今日は暖かかったので、
その下はキャミソールとブラだけだ。色気のない白い小さなカップが俯いた視界にまともに入って、津軽は顔を赤くする。
「だって……明るいもん。恥ずかしいよ」
その言葉に、自分の制服を脱いでいたシアの手が止まる。ウールのベストを放りブラウスのボタンを面倒くさげに外して、現れたタンクトップをめくり上げる。とどめにスポーツブラをずらして乳房を丸出しにした。
「ほら、私のだって津軽に見えるよ。私の胸、恥ずかしい?」
恥ずかしいと言えばある意味そうかも知れない。どう客観的に見ても、シアの胸は津軽
の胸より小さかった。ワイヤーの入らないブラばかりしているし、勢いよく捲り上げた今
の動作でさえあまり揺れない。
だけれどシアには天性のものかそれとも生きる内に身につけたのか、独特の香気がある。
ただ幼いだけになりがちの自分達の年頃で、それは得難い大きな魅力だった。
現に今だって、頭のどこかではいけないと警鐘が鳴っているのに、こんなにも目の前の
体に見とれている。
「……ううん。きれいだよ……」
「ありがと」
頬の涙を舐められて、津軽はきゃっと小さく声を上げた。
「じゃ、胸を大きくしよっか。達磨を見返さなきゃ」
軽く笑って、シアが胸に手を伸ばしてきた。むにり、と力がこもった。丁寧に掌と指先
に力を与えて、探るような動きを繰り返す。痛くは無い。気持ちよくもないが、心が落ち着く。
経験などほんの四、五回ほどだが、津軽もどこを触られると気持ちがいいかくらいは分
かる。そして、弱い所ばかり攻められた時のつまらなさも。
全く無関係のところを揉まれた後にブラの上から突起を探り当てられて、仰け反った耳
に舌が入った。
「んうっ……!」
ぞくりと背筋が、頬がそそけ立つ。軽く曲げた足が弓なりに反って、緊張が走っていく。
そう思った時にはカップから両方の乳房がまろび出ていて、褐色の十指は牛の乳搾りで
もするようなてんでな動きを見せ、唇は稜線に吸い付いている。
――わたしばかりじゃ、不公平。
津軽は気持ちよさに痺れた手を動かしてシアの顔に持っていく。前髪に指を潜らせると、
上目遣いに見上げてきた赤銅色の目線と、真っ向からぶつかった。
不意に褐色の顔が微笑んで、薄紅色の突起に吸い付く。噛むような強い力だ。自分と寸
分違わぬ顔が、自分の乳房を吸い上げている事実に、自分の内部からとろりと濡れるもの
を津軽は感じた。
「はあぁっ!」
後はもう荒い呼吸ばかりで、悲鳴など出せなかった。同性だから遠慮会釈の欠片も無い、
激しい愛撫にのた打ち回るしかなかった。
そして相手も同じくらい興奮しているのだという証を、自分の腿に押し付けられたパン
ツのクロッチに感じ取ることが出来て、津軽はシアを心配するのは止めた。
今気を使わなくても、後で一緒に楽しめる。それに、自分を触るのが、今のシアには気持ちいいのだと悟ったのだ。
濡れてる、とからかうように言われても羞恥が湧かないのは、同性だからか自分そっくりの相手だからか、それとも一度いったからか。
「もう履けないね」と下腹がひやりとしたのは、多分下着を脱がされたからだ。
「津軽のここ、薄いピンクで、可愛い」
突付かれても弱々しい反応しか返せない。重い頭を巡らせると、すんなりと細い指が入り口と芽を摘み、よじっていた。
「……ぁ、ぅぁあ……っ」
自分の恥ずかしい所からぬめぬめと溢れたものが見えて、津軽は目を瞑る。その足を割
って入ってくる体温を感じる。上に載った、シアの足の重みも。
やがてお互いの弱い所が直に触れ合わされて、津軽は喉の奥でくぅん、と甘く呻いた。
温かい。冷たい。濡れている。湿っている。頼れる。壊しそう。いくつもの相反するイ
メージが頭の奥で爆ぜて消える。自分が腰に力を込めれば引いてしまい、諦めかけて退けば追いかけてくる。
粘膜同士の接触は最初のうちこそ怖じ気のために曖昧で、短く、ほんの少ししか触れ合
わなかったが、すぐに二人とも大胆になった。相手の着崩した制服が興奮の火に油を注ぐ。
体重ごと載せるような気持ちで擦り付け合えば、目の裏に火花が散った。気持ちいい。
「さわって……」
シアの声に目を開くと、血の集まった蕾が苺色に染まっていた。指先でつねるとソプラ
ノの悲鳴があがり、触れ合う芽に柔らかな潤みが増す。
互いの唇に食らいついた。舌を捻り合わせ腰を跳ねさせて、そうすると終着点はすぐだ。
「ん、あああっ!」
「ぅふうっ……!」
夥しいとろみが決壊し、二人の腿まで伝う。軽い甘い匂いが自分の胸に乗って、津軽も
不自然な形に掲げて曲げた足から力を抜いた。どこかでヴヴヴ、と携帯のバイブ音が鳴る。
「……え、……ねえ」
しばらく動けそうにない津軽と自分のそこをティッシュで手早く拭いながら、シアが問
いかけてきた。ぴたぴた頬を叩く手に、津軽は眉を寄せる。
「なあに……」
ブラとタンクトップを直し、ブラウスのボタンを見苦しくない程度にとめて、上からウ
ールのベストをすぽんと被る。そうするとすっかりシアの身支度は整ってしまった。
翻って津軽は、すっかり制服を肌蹴ている。大事な所が何一つ隠れていない。隠したい
が体が上手く動かない。シアが再度覆い被さってきて、やっと津軽は安堵する。だが至近まで迫った唇から、キスは降ってこない。
「仲直り、したい?」
「――!」
問いかけに、今まで忘れていた大切な面影が瞬時に蘇った。頬が冷たくすっと濡れた。暖かな色の眼差しが、優しく頷く。
「そう。――大丈夫だよ」
言葉尻に、きい、と軋む音が重なった。
開けたドアの向こうに広がる光景に、思わず達磨は息を呑んだ。誰だってそうしただろ
う。それだけの事が目の前で起こっていた。
「な……」
足から力が抜け厚いドアにぶつかって、大きな音を立てた。しっ、とそれを制したのは彼を呼んだクラスメイトだ。
「早く中入って」
促されるまま達磨は防音室の中に入り、背中にかちゃん、ことん、という普通のドアよ
り重い音を聞く。言われるがままにブレザーを脱いで、繊維で覆われた床に置いた。
帰る前に見た携帯には、放課後、音楽棟最奥の防音室に来いと、シアからメールが入っ
ていた。ついでに音楽棟に入る前にワン切りして、そうしたらいい事があるから、と。
何だか知らないが無視できず、少年はメールに従った。
入学以来初めて、他の生徒が部活動している中訪れた音楽棟は未知の世界だった。まし
て防音室などほぼ初めて入る。だからなんだか悪い夢でも見ているようだ。
夢に違いない。でなかったら蛍光灯の明るい学舎の中で、制服を体に引っ掛けた半裸の
格好で、津軽が瞳をとろんと蕩かしたままいるわけがない。
「津軽」
シアが屈みこみ、足を広げて仰臥している少女の頬を優しく叩いた。そこには白い線が浮いている。涙の跡だろうか。
「津軽、おきて」
穏やかに呼ばれて少女は目を動かした。そして――達磨の姿を見つけた。
「あ……や、」
涙が歪む。必死に細っこい手が衣服をかき集めようとする。
「はい、ストップ。謝るまで離しません」
それが哀れで手伝ってやろうと伸ばした手が、褐色の手にぴたりと掴まれた。
「何すんだよ」
「シア……?」
見れば津軽が体の前に持ってきた手も、褐色の少女が捕まえている。不審気な顔を物と
もせずに、彼女は津軽に優しく声をかけた。
「泣かないで、津軽。コレが私のプレゼントなの」
「どういうこと……?」
普段の気の強さが霧消したあどけない声に、シアは笑ってみせる。達磨にも軽く目配せした。
「達磨もさ、許してね。いい事って、これだから」
「……ざっけんなよ、泣いてんじゃないか」
変わらず慄く少女の半裸を見下ろして、達磨はシアの悠然とした顔を睨み付けた。
つまらない意地で先週喧嘩別れしてから、学校でもずっと避け続けてきた津軽の裸身は
眩しかったが、こんな形で目にするのは本位ではなかった。
嗜虐心をそそられるより先に早く何とかして泣き止ませてやりたいという気持ちの方が、今は強い。
だがシアは知らぬ気に肩をすくめた。心なしかその視線には毒さえこもっているようだ。
「最初に泣かしたのは誰でしたっけねえ」
さすがにぐうの音も出ない。
文句を封じ込めたと見るや、シアは二人の手首を握った両の手を軽く振った。保母がするように、
「さあ、二人ともごめんなさいして」と続ける。
「喧嘩してお互い辛かったでしょ。それを水に流すの。はい、ごめんなさいは?」
呆れて彼は押し黙った。この状況でするべき事がそれか、と怒鳴りつけてやりたい気持
ちを抑える。少なくとも一人が裸に近い格好でする物じゃないだろう。頭がおかしいんじ
ゃないのか、と思う。
膠着するかに見えた場の空気を変えたのは津軽だった。筋肉も皮膚も薄い真っ白な腕を
持ち上げて、達磨に差し伸べる。
「……達磨。ビンタしてごめん。無視してごめんね」
「……おれだって」
御免、と出てくれば後は早い。あんな事言って御免、と少年は頭を下げた。
あんな風に言ってゲーセンの女性陣を追い掛け回してはいるが、一番はやっぱり津軽な
のだ。それを分かって欲しかった。
「はい、どうぞ」
す、っと褐色の指が離れて、達磨は津軽の上につんのめった。達磨が身を乗り出してい
た事もあるし、津軽が達磨の腕を引いたせいでもある。
「シア、お前……」
少年は後ろを振り返った。ボブの少女は意味ありげな表情をしている。
「何でこういう仕掛けをしたんだよ?」
お膳立ての理由が分からずにいる達磨に、シアは明るく言う。
「二人とも最近仲悪かったでしょ。だから仲直りにどうかなって。嫌だった?」
「……そんなん言えるか」
赤い視線はズボンの下の膨らみにもちらりと投げられて、達磨は頷くしかない。
他人に何もかも準備されるのは腹立たしいが、しかしシアの悪企みがなければ今日中に
仲直りする事も出来なかった。
それに感謝するしかない自分に何よりむかついて、口をへの字にしたままの少年に、褐
色の少女が手を伸ばす。
「ほら、達磨も脱ぐ」
ネクタイを取られるのと同時に、下から白い手が投げかけられた。
「達磨、ダルマぁ……きて……」
「津軽……」
しがみついてくる少女の柔らかい体に否応なく自分自身が熱くなっているのを感じなが
ら、少年も相手を抱き返した。
ふわふわした津軽の髪の匂いを嗅ぐ。久し振りの深く胸を満たす感覚に、知らず達磨も
興奮した。
力いっぱい少女の体を抱きしめて、二人は互いにキスをする。舌が予想もしない所に触
れてくる感覚が快い。
合間に漏れる小さな吐息が、興奮を煽り立てる。やがて鎖骨に顔を移した少年に、囁きが降った。
「あれ、もう下行っちゃうの? 達磨、もったいない」
「……いちいち口出しすんなよな」
「そんな事言っていいのかなあ? 達磨の知らない、津軽の気持ちいいところ教えたげるのに」
自分の知らない、という所を強調されて、達磨は動きを止める。自分の顔のすぐ上で、
普段の快活さが嘘のように妖しく目を細めたボブの少女を見上げる。
「……知ってるのか?」
「女の子同士だもの」
嘯くその態度に、何となく達磨は事情を読み取った。津軽のこの痴態は文字通りシアがやったものなのだ。
「……おれのに手ぇ出すなよ」
「そうなの? ほったらかしてるから気付かなかった」
朗らかに笑い飛ばし、一転してねっとりとシアは囁く。当の津軽にも聞こえない、小さな小さな声音で。
甘い息を直に、達磨の耳に吹き込んだ。
「津軽はね、耳が弱いの。左の上の方、ぱくってすると鳴くよ」
「……嘘だろ」
口では否定したが体は逆らえない。気がつくと、達磨は教えられた通りに少女の左耳を
甘噛みしていた。
「ひゃあん……!」
シアの申告通り、今までに見た事がないほど腕の下の体が跳ねた。乾き始めていた腿に、
つうっと伝うものがある。
入れるには充分な濡れ方だったがどことなく面白くなくて、達磨はまだ愛撫を続ける。
(誰が渡すかよ)
津軽は自分のものだ。横から掻っ攫われるのを黙って見ていられるものか。
「あ、っあ、ああっ!」
躍起になってあちこちに指を伸ばし舌を絡める。「脇も弱いけど、今はデオドラントで苦
いから止めといた方がいいよ」と忠告めかして言われるのが拍車を掛けた。
女より、男の自分の方が、津軽をずっと気持ちよく出来るんだと見せ付けてやりたい。
そういう嫉妬心まで計算して喋っているだろうシアに無性に腹が立つ。
「……!」
頼りない腿が揺れた。と同時に、達磨の後ろで、シアがばね仕掛けのように鋭く首を動かした。
「しっ!」
なんだ、と聞く前に、褐色の指が唇の前で止まる。
「隠れて! ピアノの下!」
鋭く言われ、一拍置いて聞こえてきたゴム底の軋る音に、達磨は叱咤の理由を理解した。
音楽棟では生徒はみなスリッパに履き替える。薄っぺらなスリッパで、ゴムのきゅっき
ゅっといった足音は出せる訳がない。
ゴム底の足音の主は教師だと、決まっている。
慌てて膝立ちでグランドピアノの下に隠れると、ブレザーや鞄をぽんぽんと投げられ、
さらにその上からグランドピアノに掛かっていたピアノカバーを掛けられた。
黒い厚手の布はシーツほどの大きさで、頭から被れば小柄な二人の事、楽々隠れられた。
動かないで、と囁く声とノックは、ほぼ同時だった。
「はい」
「どうだ、調子は」
聞こえた声は担任のもので、それに皮膚が粟立つのを覚えた。見つかったらお終いだ。自分も、津軽も、夏天も。
「ちょっと待って下さい……」
小憎らしいほど落ち着いた声で、唯一隠れなかった少女は応対した。
ベスト姿のシアはドアを開けて外に出て行く。がちゃん、とドアが完全に閉まる音を聞
いて、二人はそのまま死んでしまいそうなほど安心した。
そうなると遮断された視界の中で、やたらに相手の体温が意識される。
息が近い。抱いた胸から脈が伝わる。自分の心臓の音がうるさい。相手の匂いと自分の
匂いとが混ざり合って、気が遠くなりそうだ。
達磨が手をそろそろと乳房に伸ばすと、だめ、と小さな声で制止が掛かる。
「津軽」
「だめ……っ、先生が行ってからじゃないと……」
「お前が黙ってりゃいい話だろ」
少年は構わず乳房を握りこむ。ついでに見当をつけて動かしたもう片方の手で、津軽の口を塞ぐ。
背後から抱きすくめて一切の逃げを許さずに、彼は蕾の頂点を弾いた。
「中でもいいんじゃないのか?」
「発売前の新曲なんで、ネタバレになっちゃうんです。それはだめだって言われてるから」
ぺろりと舌を出してシアは笑ってみせた。もちろん嘘八百の出任せだが、この遠目から
では市販のピアノピースと未発表の新曲と、譜面の違いに気づくはずもない。
それに今、中に入られたら、自分達が何をしていたか看破されてしまうだろう。防音室
は基本的に密閉された空間だから、中の温度が上がるのもすぐなら、換気も出来ない。
「そうか。学校はどうだ?」
疑う様子もなく頷いている担任の教師に一抹の罪悪感を覚えながら、少女は順調です、と応える。
数奇すぎる少女の境遇を思いやってくれている彼は、何かにつけてシアの面倒を見てく
れた。音楽業界関連などまるで分からないだろうに、分からないなりに気を配ってくれている。
先生ごめんなさい、と内心で舌を出しながら、教師の問いに彼女は笑顔で答える。
信用を裏切っているみたいだけど、セックスはスキンシップの一環でもあるし、避妊だ
ってちゃんとしてるし溺れる事もないから、あんまり気に病まないで下さい。まあ、して
るのは私じゃないんだけど。
「今日も八時位までやって行くのか?」
「はい」
「熱心だな。あまり無理して指や喉を壊すんじゃないぞ」
頭を撫でられて、シアは目を細める。
義父と長くあちこちを転々としていたから、シアは年上の男性に弱かった。同年代の男
子は可愛らしすぎて、まともに相手をする気になれない。
「そうそう、それと今朝の件だがな」
「はい」
「……あれが本命か?」
見つかったのか、と思わず少女はドアを振り返った。津軽の足にしろ達磨の腕にしろ、
完全に隠せていなかったのか、と肝が冷える。
だが教師の指したのはピアノの陰ではなく、楽譜を置く台の上の、ちょっとしたスペー
スだった。そこにはシアが先程津軽に渡した、使い捨てカメラ程の大きさの小箱が鎮座ま
しましている。没収などされたらまずい。
顔を青くしているのをチョコを見つけられたからだと思ったのか、彼は笑った。
「私物は規則違反だけどな。お前は頑張っているし、今日ぐらいはいいだろ。CD楽しみに
してるからな、頑張れよ」
「……ありがとうございます」
シアは深々と頭を下げた。
そのまま二、三語言葉を交わしていたが、やがてゴムの足音は遠ざかっていった。戻っ
て来た少女共々、ほう、っと三者三様に溜め息をつく。
「危なかったあ……」
シアはピアノカバーをはぐって、ドアの窓から達磨達を隠すように置いた。背面座位の
形でとっくに始めてしまっている二人に苦笑する。
「達磨、達磨、こっち、もうちょい奥行って」
指示通りに奥に進むとピアノの天板が抜けた所に出て、楽々上体を伸ばせるようになっ
た。気を無くしたのか動かない津軽を、少年は柔らかく押し倒した。
後ろでごとんごとんとシアが何かやっている。
「また人が来たらまずいから、ピアノ弾いてるね。あ、後」
振り向いた矢先、少女がブレザーの内ポケットから放って寄越したものに、達磨はあんぐりと口を開ける。
今の自分達二人が最も必要とするゴム製品――コンドームだった。
「ちゃんと着けてよ」
こんな物をどこで調達してきたのか、そもそもなんで今持っているのか、諸々の問いを
あっさり無視してシアはピアノを弾き始める。
ミュートペダルで篭った音で目を覚ました少女の秘部に顔を近づけながら、達磨は考えていた。
――何をしたら、シアがしたよりもずっと気持ちよくさせられるだろう。
下着を着けていない津軽のそこは、既に潤い熟れていた。とろとろと蜜を垂らして、生
え始めたばかりの薄い恥毛が濡れて肌に張り付いている。
そのまま挿入してやるのが一番、女には出来ないのだという単純な事実にも気づかず、少年は考え続ける。
「ダルマぁ……?」
所在無げな声に腹が決まった。
彼は自分の舌を、可憐な下の唇に押し付けた。
「ふぁあああ!?」
可愛らしい悲鳴を一拍遅れて、シアのピアノの音が掻き消す。
小さな割れ目や奥に縮こまった芽や入り口を、舌や唇や歯で思うさま突き崩し掻き乱し
てやる。溢れるほど湛えられた蜜を音を立てて啜る。
ぷくりと立ち上がった突起を歯で挟み軽く引く。緩んだ入り口に指を突き入れる。内壁
のざらざらした箇所を擦って、指を出し入れさせる。
あっけないほど簡単に、悲鳴が上がった。
「あッ、やだ……ぁっ、いっちゃ……!」
痙攣した所から指を抜けば、引き止めるように膣壁が収縮する。一度扱いてゴムを付け
て、彼は津軽のそこに自身を押し付け、捻り込んだ。
丁度重なった鍵盤を叩く音のせいで、少女が何と叫んだかは分からない。だが開いた口
と喉の震えで、叫んだ事だけは分かる。
手加減も何もなしに猛然と揺さぶる。先ほど指で擦った津軽の弱い部分を抉り、充血し
た突起を親指で押した。
「ひぁっ、あっああ、あッ、また――!」
ぱたりぱたりと髪の房が力なく絨毯を叩いている。掌が白くなるほど強く握り締められ
ている。
それでも勢いがまるで緩められない。また、緩めようという気も起こらない。
喉を反らして眉を寄せて歯を食いしばって、苦しそうな顔の癖に、同時にそれはとても
綺麗だったのだから。
「いっ、あ、あああっ!」
「……ツガルっ……!」
達磨は骨が食い込みそうなほど相手の腰を引き寄せ、自分のも押し付けて、離れないよ
うに力一杯抱きしめた。
脳が溶けそうな程の快感に我を忘れそうになりながら、二度、三度、と吐精する。
「……ふ、はあっ」
最後の波が駆け抜けていって、大きく息を吐く。気だるくて抱く腕から力が抜けると、「離
れないで」と、負けず劣らず荒い息の津軽が手を置いてきた。
「わかってるよ」
達磨は苦笑して、津軽の隣に倒れこむ。そのまま抱きしめあって、じっとしていた。
最高の気分だった。
「時間はあるから、二回目やってってもいいよ?」
とんでもない事を言う少女に達磨も津軽も首を振った。いつもながら後処理をする時は、
お互いを見られない。軽口を叩く事も出来なくて、かえってシアの存在は気まずい空気を
和らげていた。
和らげはするがほとんど強姦のように及んでしまった事も、私的な行為を第三者に見ら
れた事も、別種の気詰まりを生み出してしまっている。
自分はいい。だが津軽は辛くはなかったのだろうか。
「嫌? 久し振りじゃないの?」
「こういうのは二人っきりがいいの! するなら別のとこ行くよ」
顔を真っ赤にしたのはセミロングの少女だった。怒鳴ってから、あ、とこちらを見上げる。
「その……達磨がいいなら、だけど……」
「……いいに決まってるだろ」
辛くなかった、と訊けば、大丈夫、と返事があった。シャツの襟を直してブレザーを羽
織り、四つん這いになって防音室のドア側に出てから津軽を振り返ると、まだピアノの向
こう側でもじもじとスカートの裾を気にしている。
「パンツ、汚しちゃった……」
替えがない、と俯くセミロングの少女に、
「あ、それならね」
ボブの少女が台の上に乗った小箱を手に取る。担任に見咎められたそれの包装を素早く
器用に剥いていく。
「お前、自分が開けてどうするんだよ……」
「ふふん。まるっきり意味がないわけでもないんだな、これが」
にやにやしながらシアは最後の包装のテープをはがして、小箱の蓋を開けた。
紙箱の中は二つに分かれている。片方はさらにセロファンで包まれたトリュフチョコレ
ート、そしてもう片方は――
「私が自分で開けるとは思わなかったんだけどね」
笑いながら薄紙に包まれた繊細な生地の下着を広げられて、津軽はまた真っ赤になった。
達磨から見ても可愛いデザインの、ちょっと薄い生地だった。
「……お前なあ、仕組んでたのかよ」
「いけなかった? ……あ、穿いたね」
津軽の居心地悪げな様子を見つけて、シアはてきぱきと指示を下す。ゴミを纏めたビニ
ールは達磨の鞄の中だ。
二人一緒に出てしまうと怪しまれる。先に津軽を帰してから、「なあ」と達磨は声を潜め
た。二人きりになって、新しい避妊具と弁当用の調味料入れに入ったローションまで手渡
してきた相手に半ば舌を巻いて、彼は訊いた。
どう見ても未成年で、顔もそこそこ知れている褐色の少女が、ここまでアダルトグッズ
を集めるのに一体どういう手を使ったのか。
「こんなに一杯、どっから持ってきたんだ?」
「お姉ちゃんの部屋からくすねてきた」
「……マジかよ」
マジだよ、とシアは笑う。
「二人って一緒にいるのに、いつも素直になれないでもたもたもたもたしてるんだもの。
こっちがイライラしちゃうから」
「イライラってなあ」
馬に蹴られるって知らないのか、と呆れる少年に、褐色の少女は不遜に反論した。
「あのねえ達磨。私は、津軽に幸せになって欲しいの。お姉ちゃんが随分お世話になった
みたいだし、私も学校で迷惑掛けてるしね。だから言うけどさ、セクハラする順番間違え
てるよ、達磨は。まず津軽にするべきでしょ?」
達磨は鞄を手に取り、それからちょっと首を引いてまじまじと見つめる。なかなか見て
いないようで、見ている。
「……出来っかよ。本命だから手ぇ出せないってあるだろ」
「それが間違い。好きと信用してるは違うでしょ。これは私の視点からになるけど、津軽
は達磨が好きでもまだ信用してない。それで他の人に手を出したらどうなるか分かる?
自分じゃなくてもいいかもって考えて、だから津軽が泣くんだよ」
達磨は渋々頷く。反駁のしようがなかった。それでも悔し紛れに分かってるけど出来な
いんだと言うと、出来ないんじゃなくてやるの、とこれまた正論が返ってきた。
「あの子と上手くやってね? 今度泣かしたら、私が奪っちゃうから」
おざなりに手を振って、彼は防音室を出た。ドアが閉まるまでの僅かな間に、ポーン、
と澄んだピアノに合わせて、シアの歌声が追い縋ってくる。
You've seen the meadow, its wealth life so long……
窓から見た限り、音楽棟を出た先の並木の下で津軽は待っているようだった。辺りはすっ
かり暗くなって、明かりは月だけ。鞄から何か出しているのは、チョコレートだと思っ
てもいいのだろうか?
早く確かめてやらなくては、と彼は階段を駆け下りていった。
≪終≫
超GJ!
保守
保守
ほしゅ。
次スレの話はまだ早いか?
980超えたらdat落ちじゃなかった?
なので980頼む。
恵美「乙!」