「おいおい。ただ逃げ回ってるだけかよ」
男からしてみればこんなものは戦闘ですらない。
あくまで余興。初めから勝つと判りきった戦いだった。
だから疲労も緊張もない。
「ぐっ…」
だが、クランは違う。
激しい攻撃の中、髪を切られ、肌を刻まれ、衣服さえ串刺しになっていく。
その窮地の中で致命傷を避けるだけで精一杯だ。
勝利の可能性がまったく見えない。
散々やられたが、気迫だけは負けないように見据える。
バズ=コックス使いは始まった位置から一歩も動かす、逃げ回るクランの姿を観察していた。
どれだけ呼吸しても心臓は落ち着いてくれない。
クランの体もそろそろ限界だった。
これ以上動けば胸が裂け、そこから心臓が飛び出しそうな勢いだった。
どうしようもない。
男に一撃加えることも出来なければ、あのチェンソーを止める術もない。
頼みの綱のディープ=ハンマーも出し惜しみなんてしていない。
だが、従来のチェンソーならともかく、今のあれは超高温のレーザーブレードだ。
原子を通り抜けるディープ=ハンマーとは言っても、原子事態を超高温で加熱されてしまえば、
クランの体はとてつもなく悲惨なことになるだろう。
判ったことは遠距離からの打ち合いは、ただ体力が削られるだけだということ。
せめて男の横に少女がいなければ、もう少し大胆な攻撃をしかけられ、
そこから活路を見出すこともできるのだろうが………。
(こうなったら危険覚悟で先に進むしかない!)
あの激しいチェンソーによる攻撃を躱しながら、なんとか男に近寄って撃つ。
もう、それしか勝機は残されていなかった。
「どうした?もう終わりか?」
その声の瞬間。
止まることなど許されないとチェンソーが振り降ろされた。
「ーーーくっ!」
スパッ!
アゴをあげて、ギリギリ、チェンソーを躱す。
たいしたことじゃない。
躱すのは簡単だ。
チェンソーによる攻撃は脅威ではあるが、それ自体は見切れないわけではない。
少なくとも銃弾などの見えない攻撃に比べれば、まだ目に捉えられるスピード。
だが、問題は見えない方向から来るチェンソー。
右側から来る攻撃だ。
血は未だ止まらず、動き回った後には大量の血が落とされている。
結果として死角を作らない為には激しく動き回るしかなく、
その間にも体は少しずつ切り刻まれ、体力は奪われていく。
体の動きは大分と鈍ってきている。
「っ。はぁ…はぁ…」
休む暇がない。
こんな状態じゃ近づくなんて出来ない。
走り続けるのも、それだけの体力と血液が必要だ。
今のクランはそれが絶対的にそれが足りてない。
それでも赤いチェンソーだけはなんとしても避けているが、
白いチェンソーまでは完全に避けられずに切られた体の箇所の感覚は失われていた。
血が流れ、肌が青紫色に変わっていく。
痛みがないことだけが何時の救いだが、
これが全身に渡ったとき、クランは自分が生きてるか死んでるか判らなくなるだろう。
そうなったら一環の終わりだ。
そうなりたくないのなら走るしかないが、そろそろ、それも難しくなってきた。
力尽きるのは時間の問題だった。
そして、逃げながら銃を撃ち続ければ、まぐれで男に当たるなんて幸運も絶対ないことも判った。
近づけない。
近づこうとすれば今以上のスピードでチェンソーが襲ってくる。
近づくチャンスが来るとしたらそれはこのチェンソーに対して何らかの対策を行なったとき…。
「ーーーーあっ!」
考えている最中に転んだ。
地面の断層に足をひっかけて転んだ。
無様に倒れたクランをバズ=コックス使いの男がゴミを見るように見下げる。
二つのチェンソーがクランに刺し向かれ、頭上でもたげた。
起き上がろうとしても起き上がれない。
ぬるりとした感覚。
倒れればすぐに血溜まりができるほどの流血。
足が言うことを聞かない。
よく見れば、右足も左足も信じられないぐらい真っ赤だった。
「そこまでだな」
「ーーーぐっ…」
顔を上げる。
頭の意識は今にも落ちそうだ。
男が号令を上げると、クランの体中に赤いチェンソーがまとわりついた。
ジュウウウウウ!
「ーーーーーーっっっ!!」
それはヘビが獲物の全身の骨をしめあげて砕くかのように。
服が燃える。
肌があつい。
じくりと毛穴から、硫酸でも流されているようだった。
それに歯を食いしばって耐えるも、この高熱の前には限界だった。
血が蒸発して赤い水蒸気が広がって―――、
ドシャン!!
倒れたクランからはプスプスと煙が上がり、服も体も何もかもがボロボロ。
立ち上がれるモノではなかった。
「アハハハハ。助けにきて、逆にやられるなんて、無様なヤツだな」
勝利を確信し、男はゆっくりとクランに近づいてくる。
「死なない程度にわざわざ出力を落としてやったんだぜ。
どうだ?聞かせろよ。自分の体が焼かれる感想を?」
「………うっーーーぐっ…ハァハァ…」
かろうじて、朦朧とだが、意識はまだ残っていた。
体の状態を確認する。
人間の原型は留めている。
耐火性能の高い制服の魔力が守ってくれたのだろう。
とはいえ結果は黒。
感覚もなければ動きもしない。
クランは向かってくる男を睨んだ。
それが嬉しいのか、男は厭な笑いを浮かべる。
「ククク…活きのいいオモチャだ。
その程度の気概がないとオモチャとしては話にならん」
不用意に前に立つ男。
これを勝機と悟ったか、
クランは動かないはずの腕を挙げ、銃口を向けた。
しかし、そんなものはすぐに踏み潰された。
グシャ!
「ーーーーーギッッ」
ブチブチと断線していく筋肉。
激痛から来る悲鳴を抑える。
死に至る際の苦痛と恐怖の泣き声はこの男にとっては喜びなのだ。
だから、叫び声をあげないことはクランにとってささやかな抵抗だった。
しかし、なお男は笑みを浮かべたまま、
「いいぞ。死を目前にした人間というのは飽きることなく楽しませてくれる」
ブチッ!ブチチチ!!
「ーーーーーあああっっ!!」
ドシャ!
今度こそ右手には何の力も入らなくなった。
「はぁ…………はぁ…………」
吐息が漏れる。
感じなかったはずの痛みがゆっくりと戻ってくる。
肌は焼かれ、体のあちこちは切り裂かれ、無残な姿をさらしている。
(…ぐっ………ああっ…はぁ…)
クランは完全に敗れた。
最後の希望だった銃も、引き金を引けないままに終わった。
制服が守ってくれていたものの、体の損傷は激しすぎる。
前日に受けた傷は次の日には完治しているクランの回復力をもってしても、
もうしばらくは動けないだろう。
―――そこへ。
「さぁて。これから…どうやって楽しんでやろうかなぁ…」
傷一つないバズ=コックスと共に、男が立っている。
冷や汗が流れる。
男の考えていることなどわかっている。
どうやって壊そうか、
どうやって形を変えていこうか。
男は簡単にクランを殺したりはしないだろう。
あらゆる苦痛、あらゆる恐怖を与えながら、
ゆっくりと、じっくりと、自らの欲望を満たしていくつもりなのだから…。
「………………」
倒れたまま、クランは男を見上げた。
今のクランには何も出来ない。
この男が望めば望むだけ、クランの体は汚されるだろう。
「ククク」
人間を解剖する為のナイフがクランの前で光る。
男はクランを覆うように四つんばいになり、
「まずはその右目からくりぬいてやろうか?」
「ーーぐっ…」
大きく開かれる目蓋。
眼光に向かって来る鋭利な刃物がゆっくりと大きくなっていく。
五感全てで感じるのは、この先、男に散々オモチャにされた挙句、
最後に待つどうしようもない死だけだった。
だが、クランの心はまだそれを受け入れてはいなかった。
ヘンタイを倒すことが使命だと思い、誰かを助けたいと走り回った挙句、
結局誰も助けられないまま、このまま死ぬなんて許されなかった。
だから立たないと、立って最後まで戦わないと思った。
何があってもこの男には負けられないと思い、倒れた体に力を込める。
痛みがあるならば、まだこの体は動くはずだ。
―――ならば戦わなくては。
このまま倒れて死を待つ事など、クランに出来よう筈がない。
―――立たなくては。
この男がこれほどまで異常なヤツなら、ハカナやチフユでは到底太刀打ちできない。
痛みだけを頼りにクランは四肢に力を込めた。
クランの最後まで足掻こうとする姿に、男は興奮し口元を釣り上げた。
「まだ、あきらめないのか?ククク。それでこそ俺の見込んだオモチャ。
俺のオモチャにふさわしいというヤツだ」
もう次の瞬間にも失われそうな緑の瞳で真っ直ぐと男を射抜く。
ふざけるな…戦いはまだ終わってないと。
―――全身に熱が戻る。
満身創痍だった体に、立ち上げる為の血が巡る。
こんな恐怖を、ずっと背負わされてきた少女のことを思ってムリヤリ巡らせた。
猛る気合。
クランは全身の力をのせ、右の足で男の無防備の股間に膝をくらわせた。
「ーはーーーーーは…うッ!」
男の動きが止まる。
なおも蹴り上げる。
いや、蹴るというよりは、めり込ませるという表現の方が正しい。
足裏を思い切りめり込ませ、その反動でバネを作って地面を転がり、距離を離して体制を立て直す。
「〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
男はこれほどの屈辱を受けたことがなかった。
悶絶はほんのわずかだがクランの体に休むだけの時間を与えてくれた。
「お、…うぐっ…………お…お、………俺の股間を………棗ェェェェェェェェェッ!!」
男はもはや許さんとばかりに睨み付ける。
両目を開き、
万が一つの勝算を見つめて、立ち上がった。
この体にまだ痛みが残っているうちに…感覚が残っているうちに。
この男を倒す。少女を救う。
「ーーーーっ」
「ーーーーーーー」
両者共に無言のまま、視線だけが絡み合う。
こうして立っているだけでも正直クランはきつかった。
全身から流れ落ちる血がそれを物語っている。
距離は10メートルほど。
先ほど身をもって体験したバズコックスの刃の嵐は、より恐ろしいものになると予想される。
…対してクランの体は自由が利かないも同然。
両足の機能とて本来の10分の1ほどもなく、銃を握る腕は力さえこもらない。
こつかれれば、どんな凡庸な一撃でさえ受けきれずに倒されるだろう。
されど、クランは一部の迷いもなく、ただ一点の勝機だけを見つめている。
先ほどに比べクランにとって有利になってる点は、男が少女から離れたことだった。
「ディープ=ハンマー!!」
ならばもう豆鉄砲などに頼る道理はない。
召喚したモンスターによる、ありったけの火力を敵にぶつけるだけだ。
「…………ほぅ…」
男とて、それを前にして構えられぬ筈がない。
バズ=コックスを携え、目前のクランへと向き直る。
「そんな小さいモンスターでこの俺のバズ=コックスと?正気かよ?」
「………」
クランは応えず。
その瞳だけが、決死の覚悟を告げていた。
「ーーーいいだろう。だったら先にその四肢を切り落としてやるっ」
大気が吼える。
バズ=コックス―――そのチェンソーによる切断能力は正確無比で美しい切り口を誇る。
それに加え、鋼鉄をも切り裂く電磁メスによる高温効果まで追加され、
今度こそクランを霧散させようと唸りをあげる。
収束する熱はチリチリとクランの体にまで届いていた。
「おらっ!今度こそ地面に這い蹲りやがれェ!」
チェンソーが振り上げられる。
会わせるように、クランはカードを掲げた。
「ルーンカード!全弾発射!」
絡みあった視線は一瞬。
クランのモンスター。ディープ=ハンマーの背面ポットから全てのミサイルが発射された。
「ぬっ!!!」
ディープ=ハンマーによる全弾丸の一斉射撃。
全てを巻き込み破壊するほどの弾丸の雨を浴びさせる。
「うおおおおおおっ!!」
バズ=コックスは嵐のような爆撃に飲み込まれた。
なおも、放たれ続ける弾丸の雨。
ディープ=ハンマーのミサイルの搭載量はハンパではなく、
一撃一撃は小さなものであっても、その総量は圧倒的な力となる。
目を潰す閃光。耳を覆う爆撃音。ディープ=ハンマーの作り出す破壊の渦。
しかし、その中においてもバズ=コックスは平然と立ち荒んでいた。
姿形一つ変えず。避ける必要もなく、召喚者の盾となり。
それを砕く攻撃などこの世には存在しないといわんばかりに。
跡形もなく消滅するような光と風の乱舞。
だが、それすらもバズ=コックスには通じなかった。
どんな力、どんな攻撃をもってしてもバズ=コックスを打ち破ることはできない。
この防御に対抗する手段などない。
それはクランにも男にも共通した確信だった。
「ーーアハハハハ!ーやっぱり、その程度かよ。それじゃあ遠慮なく死ねよぉっ!!」
未だ続く爆撃の中から、赤いチェンソーが容赦なく振り下ろされた。
ドゴッ!!
「ぬむっ!?」
驚愕を漏らしたのは舎弟のほうだった。
いつまでも同じ場所にいるクランではなかった。
「ーーー!」
そこからは血溜まりだけを残し、クランの姿は消えている。
チェンソーは大地に亀裂を走らせただけだった。
ミサイルによる爆撃の目くらましの合間に、クランの姿は完全に消したのだ。
そして、遥か先から、
荒れ狂う閃光と灼熱を受けたばかりのバズ=コックスに新たな一撃を加えられる。
ドォーーーーン!
バズ=コックスの体を揺るがしたのはアハト=アハトによる一撃だった。
それは間違いなく直撃だった。
今までの爆撃とは比べ物にならないほどの轟音。破壊力をもった一撃だった。しかし…
「ふぅ…びびらせやがって………」
他のモンスターならば間違いなく必殺と呼べほどの一撃…。
そんな完全な一撃ですらも、ほんの1メートル、後退させただけで、
バズ=コックスの装甲に穴を空けられるものではなかった。
男が撃ってきた方向を見据える。
無謀にも挑んできたアハト=アハトを制裁せんと狙いをつける。
「そこかぁーーーー!!」
チェンソーを振り上げ、回転は臨界に達し、アハト=アハトを切断せんとチェンソーが飛び出した。
男は鈍重なアハト=アハトにその刃を回避する方法はないことは知っている。
そして、モンスターが傷つけば、その召喚者も傷つく。
男は今度こそ勝利を確信した。
―――その直後だった。
バズ=コックスがアハト=アハトに対してチェンソーが伸ばした直後。
目標だったものはカードへと姿を戻し、
先ほどまでクランが存在していた位置には、
地面の中という空間から、ディープハンマーを背負ったクランがその姿を現した。
「な、棗!?」
舎弟のすぐ目前に現れたのは、紛れもなくクランだった。
ディープ=ハンマーの能力。
地面の中という闇に溶け込んで、
先ほどの泥の沼のように、溶け込むように大地と同化して、
ひたすらこの時を待っていた。
男に気づかれないようにソナーも使わず、潜望鏡もださず
アハト=アハトという囮と、
ただの直感だけでバズ=コックスが二本のチェンソーを使った瞬間を感じたのだ。
「はーーーーぁ!」
狙っていた。
チェンソーを巻き戻す際に生まれる、
バズ=コックスの攻撃が止まるほんの一瞬の隙を。
銃を携え、男から目を逸らさず全力で走る。
流れ落ちる血にも、全身を駆け巡る痛みにも耐えて。
体はまだ動いている。
これをおいて勝機はない。
今、この瞬間だけ体を全力で動かした。
チェンソーが巻き戻るまでが勝負。
銃は散弾銃のモードへと変更する。
思考は男を撃つ為に必要な最小限の行動だけを考えていた。
ジャカジャカ!ジャコン!!
始めにクランを狙った赤い刃が戻るのが一瞬早い。
そして、クランに対して余裕も手加減もない必殺の一撃が繰り出された。
この土壇場で
クランの集中力はこれ以上ないほどに高まっていた。
そのチェンソーの動きでさえ、スローモーションのように感じとれた。
クランにとって避けるのに許される体力は一度限り。
それも余り多く使うことは許されない。
制服にまだ残されている魔力を信じて最小限の動きでかわした。
左胸のすぐ横を通る高熱、
焼け落ちて行く制服。
神秘で編まれた制服が光となって本来なら身が蒸発するような高温から悉く身を守る。
身を溶かすような感覚に耐えながら走った。
それを乗り越えたときには、
クランの体を覆うのはすでに服と呼べるものではなくなっていたが、
それでも最後まで役目を果たしクランを守りきったのだ。
バズ=コックスに飛び乗る。
そのまま頭上から男に狙いをつける。
この時背筋に走る死神を、男は確かに見た。
だが間に合わない。
飛び退く事すらままならない。
今度、恐怖で動けなくなるのは男のほうだった。
「ま、まて……!まってくれ」
「ーーーーー」
男は目前に立つ全裸に近い幼女に恐怖して、
頭が回らない。
回避する方法は何も考えられない。
ひたすら振り払おうとする動きをみせるだけで。
「やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーー!!!」
男の絶叫。
その悲鳴はクランには聞こえない。
気を抜けば自分自身が意識を失いそうだからだ。
体が動くうちに男を倒そうと。それだけを考えて。
倒すべき目標を目前にし、
手にした銃を両手で構え。
ただ引き金に力を込める。
戸惑いはない。あるのは、わずかな同情だけ。
「うわあああああああ!!」
ドンッ!
渾身の銃弾を、男の全身に浴びせた。
「ぎゃあああああああああっ!!」
弾丸は男の全身に打ち付けられ、全ての抵抗する力を奪った。
ザシャ!!
全身に散弾銃を受けた男には立ち上げる力は残されていない。
クランはバズ=コックスから降り。
銃口を眉間に押し付けたまま、男を見つめた。
男は倒れたまま、クランの姿だけを見た。
「ーーーーー」
風の音だけが響く。
先ほどまでの荒々しさは、その面影さえない。
戦いは終わり、決着をいう結果だけが残っていた。
「げふっ…げぼぉ…」
息をする男の口からは血が漏れている。
全身には死ぬほどの激痛が襲っていた。
血を流し、肉の感触が失われていく。
命が削られていく恐怖。
舎弟はそれに耐え切れない。
「ご、ご、ごめんなさーーーい……!!急にとんでもない力を手にして、
ちょっぴり調子にのって悪ぶったりしてみただけなんです!!!
あ、…あの女のことも…ほんの少し間がさしただけで……!
…そそ、そうです…トウマのヤツがやれって言ったんです。
俺は……嫌だって言ったのに…!!
他には…何も…悪いことなんて何もしてません…ですから」
続けられる命乞い。
なんとしても生き残ろうと。
だが、眉間を押し付ける銃の圧力は増していく。
銃を押し付けるクランは、男の体に大量の血を落としながらも眼光だけは衰えていなかった。
「ままま。まってくれぇ………頼む……殺さないでくれぇ…。
お願いします、お優しい棗お姉様ぁ。同じ学校の仲間じゃないですかぁ…!!」
「………バズ=コックスを……カードに戻して……全てのカードをだせ!」
「そ…それは………」
「撃つぞっ!」
「ひぃ…ひぃぃ」
男はクランの命令には逆えなかった。
命はクランに握られているのだから。
力ない声で号令を上げると、バズ=コックスはカードに戻り、地に落ちる。
クランは男から全てのカードを奪い取った。
そして、男に背を向けその場を後にする。
「ままま、待ってくれ!こんな所に、こんな傷で一人でおかれたら、俺死んじゃうよぉ!
俺……全身が………痛くて…………死にそうなんだぁ…たぁすえてぇ!!!」
「うるさいっ!黙れっ!」
「頼むぅ!助けてくれぇっ!…俺こんなところで…死にたくないよぉ!
ごめんなさい。私が悪かったです。反省してます!!
もう幼女体型なんて馬鹿にしません。見捨てないで下さい。棗クラン様ぁ!!」
クランは不機嫌に舌を鳴らした。
奪ったものから一枚のカードを男に投げつける。
連絡通信用のカードだった。
それがクランが男にしてやれる精一杯だった。
「オマエにも仲間がいるだろう…あとは……自分でなんとかしろっ!!」
「ひぃぃ。ああああ、ありがとうございます。このご恩は一生忘れません」
男は脱兎の如く逃げ出した。
クランはあたふたと逃げる男に目もくれなかった。
男が消えると、クランは膝に手をやった。
やせ我慢していた体も限界だった。
だが、このまま倒れるわけにはいかない。
まだクランにはやるべきことがあるのだから。
戦いは終わった。
明確な敵がいなくなり、ようやく、最後の仕上げにかかる。
もう少女を助けるのにジャマをするものは誰もいない。
四肢を奪われ、胸まで切り開かれている少女。
その中の胎動はまだかすかにであるが続いているのだ。
「はぁ…はぁ…」
視界は何もかもが歪んでいる。
何もなくなった静寂の中でさえ
煽られる風で倒れそうになる。
クランのダメージは逃げ出した男以上に深刻なものだった。
歩いた後には血の道が作られる。
それでも最後の力を振り絞って歩いた。
ザッ!
ようやく解放された少女の前に立った。
手が触れ合える距離でも、無事を確かめる言葉はない。
少女が、かなり危険な状態なのはわかる。命に別状はあるだろう。
本来ならば、このまま目を覚ますことのない傷。
「……まってて……今……助けてあげるから…………」
少女に声をかけるように呟いた。
思案する時間は一時もなく、
クランは震える手で名も知らぬ少女のため、たった一枚のヒールカードを翳した。
これはもう決めていたこと。
クランにとってやるべき事。
カードに血が滲むほどの指で、唇をかんで、
話すたびに口からこぼれおちそうになる血に耐えながら。
「……ごめんね…わたし…が……あんなやつ…ほおってた…せいで………ごめんね…ごめんね…」
聞こえるわけもない懺悔の声を残して、
そうして溢れる緑色の光の中。
目の前の少女の無事だけを祈り、
そのままクランは膝を突き、カードを掲げたままの姿でゆっくりと目を閉じた。
全てを捨てて、傷だらけになりながらも、少女を守りきった。
クランの顔は与えられた使命をまっとうしたかのように、安らぎに満ちていた。
「ーーーーー」
体から全ての力が消える。
…少女がどうなるか見届けることもできないことだけが残念だった。
死の淵でさえ、他人のことを心配しながら、
深い意識の底へと沈んでいった。
クランは自分の幕が下りたのだと受け入れた。
続きます。
土日以外に来てるとは…油断した。乙彼様です。
ハズ=コックス強いですな。
遊戯王風カードゲームじゃなくカオシク型直接戦闘だと相手するのはデスレックス以外は
かなり厳しいみたいですね。
残るはシケイダーとスーパーデスだが…クランたん、ヘルトラマンを忘れたのか。
臓物を晒そうと恥辱にまみれようとも戦う不屈の闘志はどうしたw
そろそろ次スレのテンプレ考えたほうがいくないかい?
今までの流れだと
【モツ】カオシックルーンエログロスレ【ダルマ】
初代語り部:デス子
【キチガイ】カオシックルーンエログロスレ2【フリークス】
2代目語り部:とくになし
【モツ】カオシックルーンエログロスレ3【炸裂】
3代目語り部:ケイタロー
【モツ】カオシックルーンエログロスレ4【萌え】
4代目語り部:四屍マモル
次は…誰だろ?
時期的にパルコか、サエコのどっちかか?
パルコちんキボンヌ
貼ったら新スレ案もないまま
落ちそうなのでやめときますね……
【ゲロ】カオシックルーンエログロスレ5【萌え】
まだまだ使えると思う。
取りあえず妄想でも書いて埋めていこう。
ああ〜お腹を壊したクランたんのお尻に栓をしてあげたいなあ〜!!
|_-)じぃ
l_ <ゲロ痛ァァァァーっ!!
○| ̄|_
俺にはAAの技術がないのだが
パルコたんに二本挿しだと思ってくれ
じゃあ俺も挑戦
○
ノ□ヽ
lll
只
デッドゲームって読んだ?おれっち読んでないケド…そんな感じ。
あ〜ななかをヒイヒイ言わせたいぜ。
簡単にやらせてくれそうだし。
ななかって誰だ? そんなヤツはおらんぞ!
パルコならパルコと書けよ。
カレーはカレーと呼ばれているのに…
先生・・
ニット帽とやりたいです・・
「異界」
我々の住むこの世界の外側には多数存在する別の世界。
異界の住民は様々様々な手段でこちらの世界を侵食し支配しようとしている恐るべし存在だ。
そして、また一人。
ここは、とある青年の部屋。
男「ハァハァハァ…」
男は今日も朝のお勤めに大忙しだった。
男「………ハァハァ…ハァハァ…」
コンコンッ
窓を叩く音がする。しかし、夢中の男は気が付かない。
男「………ハァハァ…ハァハァ…うっ…」
コンコンッ
再度窓を叩く音がするのだが、男はまったく気が付かない。
???「エレちゃん。お願い」
???「ハーイ!加粒子砲撃っちまーす!!」
ドッカーーーーン
激しい音と共に窓が粉々に吹き飛んだ。
男「?」
壊れた窓から、羽の生えた少女が入ってくる。
ハカナん「愛の天使、ハカナん見〜〜〜参!!」
ゴシゴシ、シコシコ
男は、G行為の真っ最中だった。
ハカナん「きっ……きゃーーっきゃーーーっ!!いやーーーッ!!!」
エレ「うひゃー」
男「なんでスかキミは?ノックぐらいしたまい!!」
ハカナん「そっちこそちんこくらい隠しなさいよ!」
ダンダンダンと階段を駆け上がってくる音がする。
ハナコ「お兄ちゃんーーっ!うるさいわよ!ナニを騒いでいるの!?」
男「!!おお。我が妹」
ハナコ「キャア!お兄ちゃん下半身丸出しでナニしてんのよぉ!
なに?朝からオナニー?元気ねェ…」
男「それどころじゃない!聞いてよ!あのヘンな女が突然……」
ハナコ「…………………………だれもいないじゃない…
…お兄ちゃん…とうとう…」
男「い……いるじゃないか!ホラそこ!部屋のド真ん中!!」
ハナコ「…お兄ちゃん……………つかれてるのね。
大丈夫!就職先くらいお兄ちゃんなら見つかるわ!!
私とお母さんだけは最後までお兄ちゃんの味方だからね…しくしく」
男「いや。そーじゃなくて……」
ピシャっとドア閉じ、ハナコは階段を下りていった。
ハカナん「……あのー。私他人には見えないんですよ実は」
男「くそっ!誰だキサマ!いったい何を企んでいる!!」
ハカナん「んもうっ!ぜっんぜん聞いてない。
ちゃんと名乗ったのに…。だから女界から来た愛の天使ハカナんです」
男「はっ?愛の天使?」
ハカナん「ええっ!!ひとくちでゆうとキューピットってヤツね」
男「…」
ハカナん「で、こっちの子は使い魔のエレ」
エレ「オーーース」
ハカナん「こっちのがポカポカよ。可愛いでしょ。ウフッ」
ポカポカ「フモフモ」
男「…」
ハカナん「普段はこの女界の裏側、女界にいるんだけど、
ひとたび、助けの電波を感じるや否や…」
男「うるせぇ!何が愛の天使だ!ふざけんな!」
ハカナん「え?あれ…??」
男「人ン家の窓、派手にブッ壊しといてふざけんな!
壊した窓どうしてくれんだ!ちゃんと弁償してくれんだろうな!ゴルァッ!」
ハカナん「……え…そ…それはその…」
男「だいたいなんだ、そのけしからん巨乳は
オッパイばかりに栄養いって、頭がおかしくなってんじゃねぇのか!え、コラ」
と言ってハカナんの胸の豆ポチ辺りをツンツンつつく。
ぶちっ。
ハカナんの中で何かが切れた。
ハカナん「エレちゃん!うんとやっちゃって!」
エレ「電磁スピア!!」
バリバリバリ。
男「ギャアアアアアアアアアアアアア」
青と白の光が迸りながら、部屋中が破壊されていく。
男「わ…わかった。オマエが愛の天使だというのはわかったから、もうやめてくれ」
ハカナん「わかってもらえてうれしいわ。
そう、私は愛のキューピット。
困った人たちを助けてあげるのが、わたしのお仕事!!
あなたの強い願いが私をここに導いたの!
ほらっ。悩みがあるんでしょ。言ってごらんなさい。こう見えても私有能なのよ」
男「うるせぇ。この疫病神が!とっとと帰れ!!」
ハカナん「えーーーそんなわけないわ。
それに今なら女界創立50周年記念でサービスもつくわよ」
男「いらん!帰れ!!」
ハカナん「うう……わかりました。無理強いはしません。そこまでいうなら帰ります。
んもうっ何よせっかく来たってのに。失礼しちゃう」
トボトボと空に帰っていくハカナん。
男「!壊した窓そのままにしていきやがった!くそっあの極悪天使めっ!!
…何が『あなたの強い願いが私をここに導いたの』だ。
おれに悩み事なんてあるわけ……。
………………………………ところで悩み事というのは、恋愛相談はOKなのだろうか?」
大急ぎで戻ってきたハカナん。
ハカナん「ウフフフ。あなた運がいいわ。
恋の悩みは私のもっとも得意とする分野よ。
なにしろ私は恋のキューピット2段の凄腕なんですから。
あなたの愛を成就させてあげましょう」
男「わ……わたくしの愛を……!?」
ハカナん「そのとトり!!
私のこなした仕事は成功率100%
その私が来たからにはあなたの愛にはもう何の心配もないわッ!!!」
男「!!!
わたくし…実は25年間生きてきて、彼女なんか一度もいなかったとゆうかなんとゆうかその」
ハカナん「エエ……それは確信とゆうかパッと見でわかったわ友達も少ないでしょ」
男「ホントに愛しの彼女と激ラブになれるんでスね。
もうモニター見ながらちんこニギらなくてもイイんでスね!!?」
ハカナん「イヤ…その……。
別にどーやって発散させてるのかは詳しく言わなくてイイから、とにかく私に任せて!
さて!それじゃ、その片思いの相手のカオでも拝みに行きますか!!」
男「頼もしいとみたーーーーーッ!!!」
男に連れられて、辿り着いた先は幼稚園だった。
ハカナん「……………………あーーーーーーーーーーーー………
その……なに?彼女って先生か何かなんだ…………よネ?」
男「しっ!来たでスよ!!」
クラン「きゃっ。きゃ」
ハカナん「…………………………………………………………………………………え?」
男「幼稚園大組、棗クランたん!
特技お兄ちゃん体操。好きな番組ヘルトラマン!!」
ハカナん「あの……えっと、その……犯罪?」
男「なっ………ナニを失敬な!愛に年の差は関係ないハズ!」
ハカナん「………でも犯罪?」
男「うーーーーーん。クランたん。今日もモエモエ〜〜〜〜ハァハァ!!」
ハカナん(コイツ!ダメ人間だあーーーーーッ!!
プーでオタクでロリータ。おお……おお女神様…コイツ、ダメ中のダメ人間………!!」
男「ゴチャゴチャうるさいなキミは。100%ってのはウソなのか?」
ハカナん「言ってくれるわね?そもそもなんであの子を好きになったのよロリッ!」
男「よくきいてくれたネ。そう、あれは一週間前。
法にふれるタイプのエロ本。ウルトラ写真塾を古本屋でゲットして買える途中、
転んだ拍子に紙まで破れて周囲の人間共に笑い者にされる中、わたくしの目の前に現れ
『大丈夫?はい、これ。ねェねェブランコとか好きなの?』
そう言って本を拾いボクに優しく話しかける彼女の笑顔。
自分と同じ年くらいの子のコラ満載のエロ本とも知らず……
そんな状況にセッシャの愚息はもう……………もう!!!!ハァハァズヒッフゥ」
ハカナん「ゆがみっぱなしね。あなた」
ハカナん「……仕方ない。彼女と相思相愛になれる方法を考えてみます」
男「お願いします」
ハカナん「……ダメだわ。ひとつも方法が出てこないなんて………
……あなた……本当に………人……間……?」
男「ししし、失敬な」
ハカナん「よく言うじゃない。ホラ。
自分は他の兄弟アヒル達とはどっか違うと思ってたら実は別んちの子だったとか。
そーゆう童話ライクな」
男「もおいい!!キサマみたいなのには頼まんわッ!
このドブス!!くされま○こ!!!」
ハカナん「………まあイイわ。とにかくこのままじゃ当たって砕けた上で
児童福祉法違反でエライことになるのが目に見えてるし、いったん帰って対策を考えるわよ」
男「ハーイ」
ポカポカ「フモフモ」
家に帰ってきた二人。
ハカナん「ダメダメ人間。ロリータ彼女ゲット計画」
男「いえーーー」
エレ「いえーーー」
ハカナん「このままじゃ彼女なんて不可能っぽいにもホドがあるので、
いい男になるためにまず自分の欠点を見つめなおしてみよう!!」
男「ボクの……欠点………?
うーん……そうだネ。強いてあげるとするなら
やさしすぎるとゆうトコロかナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜?」
ハカナん「ムウ……殺したい!
ハッキリゆうけど全部ダメ!彼女がマセてて特殊なシュミのヒトでない限り望みはゼロよッ!!!」
男「う……ううっっっ」
ハカナん「ねェ。あなた特技とかないの?」
男「あるよ。フフッ……目ん玉ひんむくなよっ」
男はパソコンのスイッチをONに。
とあるアプリケーションをたちあげ、
クランの画像にいろいろして
あっという間に裸巨乳ブランコに…
ハカナん「ていっ!」
バキッ
男「かふっ」
ハカナん「あー……んじゃ説明してくれる?つっこむのはその後にするから」
男「コレはツッコミではないんでスネ?要するにクランたんハァハァハァ」
ハカナん「ようしOKわかった!イイから黙れ!!
それにあの子、胸が大きくなる素質がないから大きくなってもペタンコよ」
男「大丈夫だよ。その辺はボクが毎日揉んでなんとかするから」
ハカナん「わたし帰る……」
男「ちょっとちょっとハカナんっ!ボクの愛は!?叶えてくれるんじゃなかったのか!!?」
ハカナん「だっ、だって……」
男「だってもくそもない!!
そもそもキサマの存在意義とゆーか仕事はなんだ!
人の願いを叶える事じゃなかったのか!?」
ハカナん「う……ううっ」
男「もっと自分の仕事にプライドをもてッ!!!」
ハカナん「……うう……っ。きいたわ………!
あんたみたいなのに言われる筋合いないよーな気もするけど実際全くその通りで!!」
エレ「プーに仕事の説教されてるよ」
男「わかって……もらえてようだネ!!わかったらオレを幸せにしてくれ」
ハカナん「わかったわ!!自信なんかこれっぽっちもないけれどやってみるわ!!
あなたのゆがんだ欲望のために!!!」
男「ハカナーーーーん!!!」
―――こうしてハカナんのオニのよオな特訓が始まった!!
―――男を根本から鍛えなおすために!
―――男の魅力を最大限に引き出すために
―――彼の愛を成就させんがために
―――そして2ヵ月の時が過ぎたッ!!!
特訓完了
ハカナん「……………………………………………………………………………あっれ〜〜?」
男「フウ………ハカナん!アリガトウ……。
この2ヵ月の特訓のオカゲでボクは男として皮が一枚ベロリとめくれ上がったようなキモチだよ……!」
ハカナん「え?ああ……………うん……」
男「『ズルリ』!!といってもイイくらいかもしれん!!」
ハカナん「いやベロリでもズルリでもイイけどさ
ど………どう?何か自分で変わったよーな気はする!?
その………そうだっ!特技。何か特技を」
男「フフ……おやすいご用さハニバニ」
男はパソコンのスイッチをONにしてクランの画像を(略)
ハカナん「コイツやっぱ変わってねえよう!!!」
男「フウ………ッ。罪作りな男だぜ………。
明日の朝刊でイキナリ総理に選ばれてなきゃイイが……」
ハカナん「イヤ。それはないから安心してイイと思うわ。
知ってる?ベロリとめくれたのが元に戻ったらホケンきかなくなるんだよ?」
男「なんのハナシだいハニバニ」
ハカナん「イヤ。だからダレよ。ハニバニって」
ではイクゼ……ッ!彼女のもとへ!!!
やっぱりイクンですか
ちびっこ公園。
ハカナん「………あの……」
男「しっ!いたッ!!」
ハカナん「やっぱやめて帰った方が………うおっいない!?」
スッ
クラン「?」
男「や……やあこんちわっっっ」
クラン「?
あっ……!確か2ヵ月ちょっと前の……」
男「そっそう!!あの時はありがとうっ!」
ハカナん(!顔を覚えられてる!!ひょっとしたらイイトコまでイクかも!!?)
男「きょっ今日はその………あの時のお礼がてら…うわっ」
ハカナん「しっーーっ!!他人には見えないって言ったでしょ!?
ナンかあったらフォローするからがんばって!!」
クラン「…ン…今何かあったの?」
男「あっ!!いやいやなんでも!!
あー……それでなんだっけイヤあの……っ」
ハカナん「おちついてっ!イキナリの話題は禁物よっ!
そう川の流れのよオにごく自然に!!」
男「かっ川の流れのよオに!!」
ハカナん「そう!!そして川の流れはいつしか大きな海に流れ出るのよっ!
なんかそんなカンジに!自分でいっててワケわかんないけど」
男「そ、そうだ!クラ……いや、キミは公園が大好きなんだね。
お兄ちゃんも公園遊具大好きなんだよ」
クラン「ヘンだぞっ!オマエの趣味っ!!」
ズガーン(効果音)
ハカナん(うわあ)
リョウガ「クランー。そんなところで何やってんだ」
クラン「あっ!お兄ちゃんだぁ(丸文字)」
ハカナん(!?)
リョウガ「ごめんな。迎えにくるのが遅れて。寂しくなかったかクラン?」
クラン「ううん。ぜっんぜん平気だよぉお兄ちゃん」
ハカナん(兄弟…………………には見えないわよね………)
男「………」
リョウガ「ん?ダレだあいつ?知ってる人?」
クラン「ううん知らない人」
リョウガ「そうだ。今日アイス買ったら
ヘルトラマン限定ヘルトリウム光線フィギュアが当たったんだ。
クランにやるよ」
クラン「うわあ!リョウガお兄ちゃん大好き(丸文字)」
リョウガ「さあ今日は帰って何して遊ぶクラン?」
クラン「ヘルトラマンごっこ。キャ!キャ!(丸文字)」
リョウガ「ハハハ。クランは正義のヘルトラマンが大好きなんだな」
クラン「でもね。でもねェ。いっちばん大好きなのはお兄ちゃんだヨぉ(丸文字)」
ヒュー。公園の中を一陣の風が過ぎ去っていった。
男「……………」
ハカナん「…………………………じゃ…じゃあ…私はこれで………」
パタパタパタ
ハカナん(あ〜〜〜なによ。あんなカレーの王子様がいたんなら元から無理じゃない!
まったく無駄骨だったわ…はやく帰ってお風呂入ろっ)
ぶつぶつと文句を言いながら空に帰っていくハカナンだったが。
ハカナん「キャア!」
突然羽が消えて地面に墜落した。
ドシャ!
ハカナん「いたたたた」
大衆「おお!なんかいきなり裸の女が落ちてきたぞ!」
大衆「うひょー」
ハカナん「え…………い…いやああああ。何よコレェ(丸文字)」
カスミん「はぁ………なんという低たらく。まったく情けないぞハカナん」
ハカナん「え!?…あ…あなたは……カスミん様!!」
カスミん「たかだが人間の願い一つ叶えられんとは………」
ハカナん「だだだだって。あいつがあんまりロリでオタでプーだから!」
カスミん「言い訳など聞かん。
いいか!どんな手をつかってもあの男の願いをかなえてやれ!
それが天使としてのケジメだ!
それができるまでは女界に帰って来ることなど許さんからな!」
エレ「おねーさまのために頑張ってこいよ」
ハカナん「そ…そんなぁ…」
カスミん「それよりいいのか?周りからは丸見えだぞ」
大衆「ハァハァ………」
ハカナん「いやああああああああああああ」
ハカナん「……ううっ。ぐすっ。こんなんじゃもうお嫁にいけないよぅ………」
カスミん「泣くなハカナん。
私もキューピットだからオニじゃない。
ルール違反ではあるが、あの男が望んでいる能力を一つだけあたえてやった。
それを活かせ」
ハカナん「え!?」
男「……ククク」
ハカナん「はっ!?」
男「フフフ」
ハカナん「な、なによ、あなた…!?な、何?その怪しいメガネは!?」
男「なにを言う。コイツは女神様から貰ったスケスケ夢カメラだぞ。その証拠に」
カシャ!
男「ほーら。ハカナんの裸シーソの写真だよ。」
ハカナん「い、いやあ!くだらない合成写真なんて作らないでよ!!」
男「ガハハハハッ!どうだスゲーだろ!このマシーンさえあれば天下を取れるぜ。
ほーら。大量生産だって簡単にできるぜ!」
バラバラバラ
ハカナん「!!!!!」
大衆「うひょー」
男「世界は俺様のモンだあーーーーっ!ハハハハハハア!!」
ハカナん「こ…こ、こ……こ…こ の バ カ ー ー ー ー ー ッ !」
バキッ
男「げぶぅ!」
ポカポカ「ふも」
終わり。
_,. -‐- -─ 、
r‐-<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
,! :. :.:.. `:.:、:.:. :.:.:.:.:.:.:. :、:゙、
/:.〉、:.ヽ:、:.:.l:.:、:.:.:ト、:.:. l:.:.i
|.:.l:.:ト、:.:.l:.l:.:ハ:.:ヽ:.:.:.:.\:.:!:.:| お粗末様でした
l:.:l_;;lィチ;};l/テドミ`'!ナ:.rヽl:/
`^ヾ!{!ij 上:i}ミ/:./:レィ″
/人 ′ ∠:./:./彳》‐-..、
'´ |:.:l゙ヽ` _,.イ:.:/>'‐- 、:.:.`丶、___,
!:.| ./ `´ 、`|:.j/ `ヽ、ー-<´
ヾ! | `レ,' ヽ:.:ヽ.:ヽ
| ヽ ! |く ヽ:.:.ヽ:',
| l | | ` \:.:':!