サガフロシリーズで萌えるスレ

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754586:05/02/25 01:14:50 ID:NxCjnt5/

いつもヒューズとの性行為は、休みなく何度も続く。終わる頃にはタリスは精も根もつき、ぐったりとベッドに伏すことしかできなくなっていた。
しばらくベッドに横たわったまま、タリスはぼんやりと天井を眺めた。こうして彼と寝るようになって、どれだけになるのだろう。
さほど昔のことではない筈なのに、もうずっと前のことのような、そんな気持ちがする。
そしてこれからもずっと、自分は彼に抱かれ続けるのだろうか。彼が自分に飽きるまで。それとも……。
「……ヒューズ?」
動けるようになった頃、隣に横たわるヒューズにそっと声をかけた。答えはない。どうやら眠ってしまったようだ。
彼を起こさないように静かに起き上がると、のろのろと浴室へと向かう。
全身が軋みをあげていた。行為の最中にきつく掴まれた部分が鈍い痛みを訴え、何度も貫かれた体の芯は半ば痺れて感覚を失っている。
浴室に入る。壁にとりつけられた鏡に映った自分は、憔悴したひどい顔をしていた。
身震いするとタリスはシャワーの栓を捻り、熱い湯の奔流に身を任せた。張り詰めていた神経が、少しずつほぐれていく。それと同時に、どっと虚しさが込み上げて来た。
ヒューズが自分に求めているのは体だけ。好きな時に抱いて性欲を解消させることのできる女。それが、今の自分だ。
何より耐え難いのは、自分が心の底では彼に抱かれることを望んでいるということだった。
どれだけ邪険にされ軽蔑され手荒く扱われても、自分の心は彼を求めている。体だけでもいい。一時の慰めでいい。彼と繋がっていたい。
755586:05/02/25 01:15:45 ID:NxCjnt5/
自分は最低の女だと、タリスは思った。彼に抱かれたいが為だけに、おとなしく彼の言うことを聞いている。そんな束の間の繋がりは、自らをすり減らして行くだけだというのに。
溜め息をつくと、タリスは俯いた。視線が自らの胸元に落ちる。ヒューズが自分の肌に残した幾つもの跡が、視界に入った。
鮮やかな赤い色をしているものもあれば、茶がかった色を薄く残しているだけのものもある。
そっとそれに触れてみる。最近では自分の体を見ても、何とも思えなくなってきた。ただの物か何かのようにしか思えない。
体だけではない。何を見ても心が動かなくなりつつある。特に何の感慨も覚えず、ぼんやりと時を過ごすことが増えた。
そういえば、前に笑ったのはいつだったろう。もはや遠い記憶の彼方だ。最近では泣くことすらも忘れつつある。
心の働きが次第に失われていくかのようだ。もしかしたら、自分はそのうちに壊れてしまうのかもしれない。
彼が自分に飽きるのが先か、自分がおかしくなってしまうのが先か――。
湯気のたちこめる中、タリスは湯に打たれながら物思いに沈んだ。

少しうとうとした後、ヒューズは目を覚ました。薄暗い部屋のベッドに寝ているのは、自分一人。彼女の姿は無い。
起き上がり、周囲を見回す。浴室の方から、水の音が聞こえてきた。どうやらシャワーを使っているようだ。
けだるい気分のまま、煙草を一本取って口に咥える。今日は一体何度彼女を抱いたのか、その回数すら定かではない。
「俺は、思春期のガキかよ……」
相手のことなど一切考えず、ただただ乱暴に責め立てて蹂躙するだけ。最低だと思いつつも、彼女に対してそうすることしかできない。
甘い声をあげて身を捩るタリスの姿を思い描く。自分が抱くことで、彼女が感じていることは間違いなかった。愛撫に肌はじっとりと汗ばみ、秘部は潤って自分を受け入れる。あれは演技ではない。
だが……どれだけ感じていても、彼女はいつもどこか虚ろで哀しげな瞳をしている。それが変わることはなかった。
756586:05/02/25 01:17:20 ID:NxCjnt5/
それがたまらなくて、その瞳をどうにかしてしまいたくて、余計に激しく責め立てずにはいられなくなってしまう。却って彼女の態度を硬化させていくだけに過ぎないのに。
悪循環だ、とヒューズは思った。この堂々巡りは変わらないだろう。自分が、身を引いて彼女を自由にしてやらない限り。
だがもう彼女を手放すことはできそうにない。タリスの存在は、あまりに深く心に根を下ろしてしまっている。今更ただの同僚に戻れはしない。
できることならずっとずっと触れ合っていたい。体だけでもいい。彼女を抱きたい。
苦い気持ちで煙草を吸っていると、浴室のドアが開く音がした。中からバスタオルを体に巻きつけ、髪を別のタオルで包んだ格好でタリスが出て来る。
「……起きたの?」
「ああ、さっきな」
タリスはベッドに近づくと、散らばった衣類を拾い集めて身に着け始めた。湯上がりの彼女からは良い匂いがする。白い肌がしっとりと湿り気を含み、仄かに色づいていた。
ついさっき完全に欲望を吐き出しきったのでなければ、また襲い掛かりたくなってしまっただろう。そう考え、ヒューズは自らの思考にうんざりした。これでは本当に、やりたい盛りの学生だ。
「それじゃ、私、帰るから」
……泊まっていけよ。喉元まで出掛かった言葉を、ヒューズは呑み込んだ。それはもう、口に出してはいけない言葉だ。
「気をつけて帰れよ」
頷いて、彼女は部屋を出て行った。吸いかけの煙草を押し潰して灰皿に捨てると、再びベッドの上に寝転がった。シーツに残る彼女の香りが鼻孔をつく。
「ドール……」
757586:05/02/25 01:18:31 ID:NxCjnt5/

このまま彼に抱かれ続けたら、自分は一体どうなってしまうのだろう。
昼間の職場。タリスは机に頬肘をついた状態で、とりとめもないことを考え続けていた。
いつかぼろぼろにすりへって、何も感じなくなってしまうのだろうか。そうなった時、彼は自分をどうするのだろう。
でもまだそちらの方が良い。いつか壊れた玩具か何かのように放り捨てられるよりは、その方が、まだ。
そこまで考えたところで、タリスは小さな溜め息をついた。今の考えは、幾らなんでも我が侭すぎるのではないか?
不意に、目の前に影が落ちる。はっとして顔をあげると、そこには金髪の妖魔の姿があった。
「サイレンス……? 私に何か用?」
サイレンスは静かに彼女の左手首を指差した。いつの間にか、袖のボタンが外れて手首が露出している。
白い肌に青黒い痣が浮かんでいた。昨日ヒューズに強く掴まれた部分。タリスは慌てて袖をつかんで引き上げ、手首を隠そうとした。
「こ、これは何でもないのよ。ちょっとぶつけただけ。気にしないで」
サイレンスはゆっくりとかぶりを振ると、タリスの左手首をそっと掴み、袖をめくりあげた。柔らかな皮膚にくっきりと刻まれた、五つの円い痣。
その痣の上にサイレンスが自分の手を重ねてみせる。大きさは違えど、それが人の指の跡であることは明白だった。
彼が静かな瞳をヒューズの机――本人は席を外している――に向けると、尋ねるような表情でタリスを振り返った。
「……知っているの? 私とヒューズのこと」
問い掛けにサイレンスが頷く。タリスは肩を落とした。一体いつ気づいたのだろう。
「不可抗力だったのよ。彼が悪いわけじゃないわ」
サイレンスが得心がいかないといった表情で首を捻っている。タリスは溜め息をつくと、両手を組んで額に押しつけた。
どう説明したものだろう。この自分でも良くわからない関係と感情を。
「彼のことが……好きなのよ。離れたくないの」
声が、震えた。声だけではない。全身が細かく震え出す。今まで一度たりとも、口にしたことのない自らの想い。
「ヒューズが好き。ずっと前から好きだったのよ。
どれだけ手荒くされても、傷ついてもいいの。苦しいけれど、それ以上に彼と一緒にいたい……」
758586:05/02/25 01:19:15 ID:NxCjnt5/
例えどれだけ辛く当たられても、性欲を解消させる為だけの相手としか見られていなくても。彼の心のどこかを占めていられるのなら、それで構わないと思っている自分がいる。
「それなのに、一緒にいられればいいって思っていた筈なのに、私はいつの間にか彼が苦しむことを望んでいるのよ。
もし私の身に何かあったら、その時は彼にも哀しんでほしいだなんて、考えてはいけないことなのに――。
私はどうすればいいの? どうしたらいいの? 幾ら考えてもわからないし、最近では考えるだけで気が変になりそうなの……」
サイレンスの手が、静かに両の肩に乗せられた。慰めるかのように、軽く叩かれる。優しく気遣う相手の手の感触に、多少心が落ち着く。
「……心配してくれているのね。……ありがとう」
妖魔の青年はその言葉に微笑んだ。男性の姿をしているが、人ではない彼からは男くささを感じない。そのせいだろうか、普段口にできないことを口にしてしまったのは。
「不思議ね、あなたが相手だと話しやすいわ」
ヒューズともこんなふうに話せれば、とタリスは思わずにいられなかった。

どれだけ抱いても、彼女は自分のものにはならない。
当り前だ、自分は彼女を脅迫し、無理矢理抱いているのだ。自分のものになど、なるわけがない。
どうにもできない苛立ちが募る。彼女と体を重ねれば重ねるほど、その苛立ちは激しさを増していくのだった。
タリスに対する強く激しい感情を持てあましながら、ヒューズはIRPO本部へと戻って来た。廊下を歩き、自分達の部署のドアに手をかける。
開けたところで、彼は凍りついた。部屋の中、タリスの机の近くにサイレンスが立っていた。彼女の肩に手を置いている。
椅子にかけたまま、彼女は安堵した表情でサイレンスを見上げていた。自分の前では決してみせない表情だ。特に、二人きりの時は。
心の中で、何かが壊れたような気がした。狂暴な気持ちが沸き起こって来る。
その気持ちをヒューズは無理矢理心の底に押し込んだ。最初に「誰とつきあおうが口出しはしない」と言ったのは自分だ。故に、自分に口を挟む権利などない。
神経がささくれ立つのを感じつつ、ヒューズは無言で席へと戻った。
759586:05/02/25 01:20:03 ID:NxCjnt5/

「なあ、ドール」
仕事が終わった。近寄ってそう声をかけると、彼女はびくっと体を強ばらせた。こちらとしては何気なくかけているつもりの声だが、彼女にはそう感じとれないらしい。
そういった些細な事実が、自分を苛立たせているのもまた事実だった。
「……今日も、なの? 珍しいわね」
抑揚のない声で彼女は尋ねてきた。連日で彼女を抱くことはあまりない。――自らが作り出した状況とはいえ、さすがに気がひけるのだ。
「悪いかよ」
言いながらヒューズはタリスを背中から抱きすくめた。胸のふくらみに手をまわし、首筋に顔を埋める。甘い女の香りがした。
「ちょっ……やめ……」
静止の声をあげ、タリスが身を捩る。きつくかきいだきながら、ブラウスのボタンを外して胸元をはだけさせた。
手にワイヤの入ったしっかりした作りのブラジャーが触れる。強引に引っ張ってカップの中に指を潜り込ませた。
柔らかく暖かな感触を楽しみながら指を進めていく。堅くなりつつある先端に指先が触れた。
腕の中で彼女の体がびくんと震え、抵抗する腕に力が籠もらなくなるのがわかった。
「だめ……」
吐き出されるタリスの息は熱を帯びつつある。それでも彼女は必死でかぶりを振り、ヒューズの縛めから逃れようとしてきた。
「お願い、ここでするのはやめて……」
「……俺はここでお前を抱きたいんだよ」
唇を首筋から耳元へと這わせていく。柔らかな耳たぶを咥えると、軽く甘噛みしてきつく吸った。タリスの喉から悲鳴のような声が洩れる。
「いや……あっ……誰か、来たら……」
「誰も来やしねえさ」
760586:05/02/25 01:21:58 ID:NxCjnt5/
……嘘だ。口にしながらヒューズは思った。わかっていて、自分は嘘をついている。
「誰が来るっていうんだ? 部長は出張中だし、コットンは非番、ラビットは定期メンテナンス中。……誰も、来やしねえさ」
来る可能性のある者が、一人だけいる。だからこそ、ここでこんなことをやっているのだ。
こめかみに唇をおしつけ、胸を揉みしだく。手の中で自在に形を変える柔らかなふくらみ。
自分のものだ……誰がなんと言おうと、今この瞬間だけは、彼女は自分だけのもの。
「はあっ……で、でも……サイレンス……まだ、帰ってな……」
彼の名を彼女が口にする。それだけで、胸に激情が込み上げて来る。ヒューズはタリスの体を、スチールの事務机の上に後ろ向きに押し倒した。彼女の上半身が冷たい金属の表面に密着している。
「うるせえよ。あいつどうせ喋らねえんだし、お前あいつとも寝てるんだろ? 見られたっていいじゃねえか。お前がどんだけ淫乱か、良く知ってもらえよ」
「……や、やあっ!」
抵抗する彼女を力で封じると、ブラウスをまくりあげて肌を露出させる。灰色の机の上の白い肌は、奇妙にそそられるコントラストだった。
ごくっと息を呑み込むと、タリスの滑らかな背中に触れる。背骨にそって指を滑らせていくと、彼女が身をよじり、熱っぽい声で喘いだ。
手がスパッツのラインに辿りついた。そのまま手をかけ、スパッツを引きずり下ろす。下着に包まれた肉づきの良い臀部と、張りのある太ももがあらわになった。
下着を透かして見える翳りを帯びた部分は、既に湿り気を帯びて貼り付いている。下着の脇から指を滑り込ませると、タリスの体が小刻みに震えた。
「だ、だめ……」
「もう声に力が無いぜ」
柔らかな肉の襞をかきわけ、最も感じる部分を探り当てる。その部分を集中的に攻めると、彼女は背をのけぞらせて甘い声をあげた。
761586:05/02/25 01:22:41 ID:NxCjnt5/
「あっ……ああっ……やっ……触ら、ないで……」
唇から吐き出される拒絶の言葉とは裏腹に、タリスの秘裂は蜜を滴らせて行く。指に触れるその部分が熱い。
「ああ……」
タリスが溜め息のような息を吐き出した時だった。不意にドアが開いて、サイレンスが入って来た。中の光景を見て、驚いたように足を止める。
「……驚いたか?」
乾いた声でヒューズは尋ねた。サイレンスが訝しむような視線をこちらに向けて来る。彼女を愛撫する手を止めぬまま、ヒューズは言葉を続けた。
「こいつはこういう女なんだよ。男に抱かれるのが好きで好きで仕方がねえんだ」
タリスが何か言いたげに身を捩る。ヒューズはぐっと彼女を押さえ込んだ。下着を引きずり下ろし、柔らかい部分に指を沈める。
「ああんっ……」
「見てみろよ。こいつのここ、もういつ突っ込まれても大丈夫なぐらい濡れてやがる。男なら誰でもいいのさ。俺でも、お前でも」
見せつけるかのように首筋に唇を寄せ、舌で滑らかな肌を愛撫した。沈めた指を円を描くかのように動かす。
タリスが切なげな呻き声をあげ、背を丸めようとした。感じている。間違いなく、彼女は自分の愛撫で感じている。
勝ち誇った気持ちで、ヒューズはサイレンスへと視線を向けた。狼狽なり苛立ちなり嫉妬なり、何らかの負の感情を期待して。
それこそが、最も自分が見たかったもの。それが見たくて、今日この場所でこんな振る舞いに及んだのだ。
「…………」
サイレンスは、静かにさっきと同じ場所に立っていた。腕を組み、心持ち整った眉を上げている。呆れと憐れみを含んだ瞳の色。それが向けられているのは、彼女ではなく、自分だった。
「なっ……なんだよその態度は! てめえ、俺がこいつとこうしていても、どうとも思わねえっていうのかよ? 気にしないっていうのか!?」
762586:05/02/25 01:23:28 ID:NxCjnt5/
妖魔の青年は答えない。瞳の憐れむような色が深くなるばかりだ。
激情に満たされていた心の中に、冷たい風が吹き込んだような気がした。一瞬で芯まで頭が冷える。
自分がしている行為を思い返す。彼に対して感じている激しい嫉妬。彼女が自分の愛撫にどんな風に反応するか、どんな甘い声をあげるのか、それを見せつけてやりたかった。
自分という男の存在が、どれだけ彼女を占めているか。故にこの場所、この時間で彼女を抱こうとしている。
冷えた頭の中に巡ったそれらの行動は、とてつもなく身勝手で、みじめで、無様としか言いようのないものであった。
タリスの体を愛撫する手が止まる。机の上に押しつけられていた彼女は、未だにとろんとした視線を宙に向けていた。周囲の状況が良く呑み込めていないようだ。
「……くそっ……」
呟くと、ヒューズはタリスから離れた。これ以上、彼の目の前で彼女を犯す気にはなれない。上着を肩に引っ掛け、カバンを手に部屋の出口へと向かう。
「帰るぜ」
「……ヒューズ……?」
背後から途方にくれたような彼女の声が聞こえて来た。視線だけをそちらに向ける。
「今日は……もう、しないの……?」
机から身を起こし、タリスがまだ少し靄のかかった瞳で、こちらを見ていた。衣服が直されていない為、はだけた部分から桜色に染まった肌があらわになっている。
「萎えちまったよ。俺は今日はもう帰る。お前、物足りねえってんのなら、そいつに慰めてもらえ」
それだけ言い捨てると、ヒューズは乱暴にドアを開けて部屋の外に出た。
これ以上、同じ空間にはいられなかった。自分が今まで彼女に何をしてきたか、それを何よりも思い知らされてしまうサイレンスの視線の前では。
763586:05/02/25 01:24:22 ID:NxCjnt5/

「あ……は……」
ヒューズの出て行った部屋。タリスは机に手をつき、自らを落ち着かせようと大きく息を吸った。
体の内部では、ヒューズによって目覚めさせられた欲望の炎が、不完全燃焼のままくすぶっている。
体の芯が熱く疼く。自分を燃え立たせてくれる相手を求めているのだ。
「落ちつかなきゃ……」
ぽん、と肩に手が乗せられた。その感触にはっとして見上げる。サイレンスが心配そうに、こちらを見下ろしていた。
「サイレンス……」
彼の手が肩に回され、引き寄せられそうになる。彼の意図を察したタリスは激しくかぶりを振ると、身を捩って彼の腕から逃れた。
「駄目……駄目よ……」
サイレンスの腕が止まった。少し離れた位置でもう一度深呼吸すると、タリスは彼を正面から見つめた。
「慰めてくれなくても大丈夫……何とか我慢するから」
タリスの言葉に、サイレンスは納得いきかねるという表情で首を横に振った。
「あなたが私のことを気遣ってくれているのはわかっているわ。でも……ヒューズをこのままにしておけないわ。私まだ、彼に自分の思っていることを言ったことがないの
……だから、決めたわ。今までずっと彼の反応が怖くて言えずにいたけれど、彼にきちんと自分の気持ちを伝えてみる」
故に、今ここで彼に慰めて貰うわけにはいかない。そんなことをしてしまったら、またヒューズと向き合えなくなってしまう。
「もしかしたら完全に拒絶されてしまうかもしれないけど……ううん、多分その可能性の方が高いと思うけれど、言うだけ言ってみる」
サイレンスが危ぶむ表情になる。タリスは彼の手を握った。
「あなたにたくさん心配をかけたことは、済まないと思っているわ。本当にごめんなさい。……それとありがとう。私のことを心配してくれて」
764586:05/02/25 01:26:35 ID:NxCjnt5/
今回はここまでです。
後半も頑張って書きますので。
765名無しさん@ピンキー:05/02/25 01:28:59 ID:PDupPHib
わわわリアルで読ませて頂いてました!
忙しいといいつつこのクォリティ…
すげーっす。続き楽しみにしてます!
お忙しいと思いますが、無理はしないでくださいね。
766名無しさん@ピンキー:05/02/25 13:53:19 ID:MMy/B6OY
サイレンスがめちゃめちゃ優しくて萌えた。白薔薇みたいだ。
あの頭を想像すると笑えるが。
767名無しさん@ピンキー:05/02/27 09:59:07 ID:FLOppQBs
すごいイイっすー!夜勤明けの疲れ切った身体にしみこむ名作。
ありがとう586さん!
768名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:42:30 ID:1FyC6YlH
>>738-742
次スレ立ってたよ。
【旅の】サガフロンティア総合【幕あけ】
http://www.alfheim.jp/~narikiri/narikiri/test/read.cgi/TheSun/109659469/
769名無しさん@ピンキー:05/03/03 10:48:49 ID:5qskKszJ
>768
エロパロに誘導はるなw
770名無しさん@ピンキー:05/03/07 23:36:32 ID:GidOkf3h
キャラサロンにサガフロ2のミーティアでハァハァするスレを立てました。
ハァハァするだけでもよろしいですので、彼女に萌える方は是非いらして下さい。
771名無しさん@ピンキー:05/03/13 19:36:37 ID:0tsLlE8K
続きをマターリ待ちつつ、保守。
サイレンス萌えー
772名無しさん@ピンキー:2005/03/23(水) 22:47:35 ID:s7ziezpz
保守だ保守!
保守しなきゃ!!
773名無しさん@ピンキー:2005/03/26(土) 00:45:44 ID:OQxSBnzG
$>\
774名無しさん@ピンキー:2005/03/30(水) 12:52:52 ID:eVdR65k0
hosyu!
586さんお忙しいのかな。
続きずっと待ってますですよ!
775名無しさん@ピンキー:2005/04/05(火) 00:15:33 ID:Xmyci6qI
保守しなきゃな
776586:2005/04/09(土) 03:14:15 ID:/N3RJCSX
586です。
続き遅くなってしまってすみません。
頑張って書いていますので、もうじき投下できると思います。

それでちょっと質問なのですが、
サイレンスとの本番って読みたい人います?
もし希望があれば、話を分岐させようかと思っているのですが……。
(あんまり幸せな結末にならないかもしれませんが)
777名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 14:31:44 ID:sFpi4bmA
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
待ってたよすごく待ってたよ586さん

サイレンスとの本番、ものすごく読みたい人ノシ
すごいキボンヌ まじでキボンヌ
待ってるYO
778名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 17:14:45 ID:A24iYY2X
>>776
ノシ
779名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 20:29:14 ID:JFf0XF5b
俺も見たいノシ
楽しみにしてまつ
780名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 02:52:19 ID:I9z4715K
ノシ
サイレンス期待
781586:2005/04/10(日) 03:30:35 ID:rECfOjuc
586です。
要望があるようなので話を分岐させます。
ちょっと時間がないので、分岐前までの1シーン(エロなし)のみ投下します。
ぶつ切れみたいになってしまってすみません。

「…………」
行きつけの酒場で、ヒューズはぼんやりと目の前のグラスを眺めていた。注文したものの触れられずにいるグラスの中で、氷が溶け始めている。
幾ら振り払おうとしても、頭に浮かぶのは彼女の姿だけだ。今にも泣きそうに瞳を潤ませて、じっとこちらを見つめている。
あの日から――彼女がブラッククロスに捕らわれ、Dr.クラインに犯されたあの日から、何かが壊れた。あの日から、全てが狂ってしまった。……いや。
あれだけなら、まだ良かったのだ。決定的に二人の関係を歪めたのは、自分の取った行動。
つまらない嫉妬にかられて彼女を犯した。しかもそれだけでは飽きたらずに、関係を強要しなぶるように犯し続けた。
「くそっ……俺は、最低だ……」
愛しくて愛しくてたまらないのに、彼女を傷つけるような行為しかできない。なのに彼女は何も言わず、黙ってそれに耐えている。
せめて彼女が自分を非難してくれれば、まだ違ったのに。身勝手な考えだと思いながらも、そう思わずにはいられない。
身を引くべきだ。不意に、その考えが頭に浮かんだ。彼女に対する気持ち全てを心の奥に封じ込め、ただの同僚に戻る。
何もかも全てなかったかのように。それこそが、彼女が最初に望んだことではなかったか?
暖かく柔らかな肌の感触が手に甦る。哀しげな色を瞳に浮かべ、細い声をあげる彼女の姿。駄目だ。自分は今でも彼女を抱きたくてたまらない。
ヒューズが堂々巡りをしていると、不意に隣にどさっという音を立てて誰かが座った。目線だけあげてそちらを見る。見知っている女の姿があった。
「久しぶり」
カウンターに肘をかけ、隙のない身のこなしで隣席の女は笑った。切り揃えられた前髪の下から、強い意志の光を秘めた瞳が覗いている。
782586:2005/04/10(日) 03:31:43 ID:rECfOjuc
「……なんだ、ライザか」
ルーファス絡みで知り合った、グラディウスのメンバーの一人。表向きはクーロンのレストランで働いている。
その店へ足を運ぶことも多く、彼女と言葉と交わしたことも幾度となくある。決して親しいわけではないが。
「随分とまた仏頂面してるわね。彼女にでもふられたの?」
カウンターの中のバーテンに酒を注文した後、ライザはそう尋ねかけてきた。何気なく口にされたのであろうその言葉が、ヒューズの胸に突き刺さる。
「……うるせ」
一言短くそう言い捨てて、ヒューズは目の前のグラスの酒を口に含んだ。正直、ライザの相手をする気にはなれない。きつい酒が、喉を灼くかのように感じられる。
人事不省になるまで酒を飲めば、少しはこの辛さを忘れられるのだろうか。
「……どうして男ってのは皆こうなのかしらね」
ライザがいまいましげに呟くと、自分の分の酒を一息に煽った。即座におかわりを注文すると、それも飲み干す。
「そっちこそどう見てもヤケ酒じゃねえかよ」
「飲まずにいられない気分なのよ。ルーファスの奴、こっちのことなんて全然わかってないんだから」
かたん、と音を立ててライザがカウンターの上にグラスを置く。その勢いの良さが、彼女の苛立ちを現していた。
「ふられたのはそっちじゃねえか」
「ふられてないわよ! とっくに私達、別れてるんだから。そうじゃなくて、仕事のことで少し揉めただけ」
ライザの言葉におそらく「少し」ではないのだろうなと思う。どちらにせよ、自分には関係のない話だが。
「うるせえ、俺にお前のあれこれなんて関係ねえだろ。どっかよそで飲めよ」
吐き捨てるようにそう言うと、ライザの瞳に面白がるような色が浮かんだ。
「珍しくかなり本気で悩んでるわね」
ついと顔を寄せ、こちらを覗き込んで来る。声を潜め、彼女は尋ねた。
783586:2005/04/10(日) 03:33:18 ID:rECfOjuc
「……それで結局、ふられたわけ?」
ライザの言葉にふと考えてこんでしまう。実際のところ、どうなるのだろうか。
「違う。あいつとは恋人同士とか、そんなんじゃねえ」
自分達の言葉を関係にするのなら、一体何になるのだろう? 愛情のない、体だけの関係。かといってセックスフレンドというわけでもない。
「それでもふられたことになるわよ」
「うるせえな! 別に俺はふられてねえよ!」
拳でどんとカウンターを叩く。弾みでカウンターに乗ったグラスが飛び上がった。
「少し落ち着きなさいよ、店の人が睨んでるわ。捜査官が警察を呼ばれちゃ、洒落にならないでしょう?」
ヒューズはささくれだった気分でライザを見た。彼女はあっけらかんとしている。おそらくは、先程から立て続けに空けているアルコールのせいだろう。
「そもそもお前が、俺の神経を逆撫でしてるんじゃねえかよ。大体何の用だ。俺を笑いに来たのか?」
そう言うわけじゃないけど、とライザは笑った。
「ちょっとした好奇心よ。あなたがそんな顔してるところ初めて見たから。
……ねえ、ところであなた、暇なの?」
ライザの問いに頷く。相手の意図は読めないが、わざわざ嘘をつく理由もない。
目の前の女はくすっと笑みを刻むと、カウンターの上に頬肘をついた。片方の手に酒の入ったグラスを持ち、誘うようにそれを揺らしてみせる。
「だったらこれ、しばらくつきあってくれない? 一人で飲むのって侘しいのよね」
「……お前がおごってくれるってんのならな」
やや呆れつつそう答える。その答えに対して、ライザは笑い出した。
「あははっ……ルーファスが言ってたこと本当みたいね。あなた減俸に次ぐ減俸で、いっつも苦労してるって」
「……うるせえよ」
ライザはヒューズの膝を軽く小突くと、バーテンに新たな酒を注文した。そのグラスを威勢良くヒューズの前に置く。
「いーじゃなーい。男が細かいことを気にするもんじゃないわ。そんな調子だと、いずれルーファスみたいになっちゃうわよ」
酔いが回り出したせいかやや間延びした口調で、ライザはそんなことを言った。ふっきれてないのはどっちだ、とヒューズは心の中で呟いた。
「さ〜ヒューズ、ぐーっといきなさいよ、ぐーっと」
784586:2005/04/10(日) 03:34:08 ID:rECfOjuc
ヒューズの肩に親しげに腕を回し、ライザは飲めと迫った。その彼女を煩わしく感じ、腕を払い除けようと体を捩る。
その時、店の入り口近くに立っていた人間の姿が視界に入った。
「……あ」
一体いつからいたのだろうか。アイスブルーの瞳を見開いて、タリスは凍りついたようにただこちらを見つめていた。ヒューズもまた何もできず、彼女を見つめかえすことしかできない。
どれだけ経過しただろうか。不意に彼女の瞳が少しばかり潤んだかと思うと、踵を返し走り去ってしまった。
タリスに向けて伸ばそうとした手は、途中で止まった。一体何を言えばいい? 散々身勝手な行為を彼女にしてきた分際で。
どうすることもできない苦い気持ちが胸に満ちる。隣のライザが、怪訝そうな表情で顔を覗き込んできた。
「さっき店を出て行った人、あなたと同じジャケットを着ていたけど……もしかしてあの人なの? あなたがふられたのって」
「ふられたわけじゃねえ」
ライザは物言いたげな表情で考え込んだ。しばしの沈黙の後、彼女はきっぱりとした口調でこう告げた。
「追いかけてあげなさいよ。今ならまだ間に合うわ」
「……何でそんなことを」
乾いた声で尋ねる。タリスは自分から逃げた。自分を拒絶したのだ。追いかけたところで仕方がない。
「あいつは俺のことなんて、なんとも思っちゃいねえさ」
力ずくで組み敷いたあげく、脅迫して意のままにしてきた相手に好意など抱けはしまい。好意を持つのは自分のような男ではなく、もっと別の、そう例えば――。
「本気でそう言っているの?」
鋭く抉るような声で、ライザは尋ねた。先程の酔いはどこへやら、瞳にきつい光が宿っている。
「ああ。あいつにとって俺は、ただの同僚……いや、それ以下だろうな」
そう答えた時だった。ヒューズはライザに強く胸倉を掴まれた。
「あなた、もしかしなくても馬鹿? なんで気づかないのよ。なんでわからないのよ。あんな胸が張り裂けそうな瞳で見られて、何も感じないっていうわけ!?」
大声で叫びながら、ライザは激しくヒューズを揺さぶった。彼女の放つ怒りに圧倒され、目を見開いたまま凍りつくことしかできない。
「お、落ち着け……」
ライザが手の力を緩めた。だが瞳には未だに険しい光が宿っている。
「あのな、あいつは俺から逃げたんだ。そもそも――」
785586:2005/04/10(日) 03:34:56 ID:rECfOjuc
「そ、れ、が、馬鹿だって言うのよ!」
その声とともに、ライザの肘鉄がヒューズの鳩尾に叩き込まれた。鈍い痛みと共に呼吸が苦しくなる。膝を追ったヒューズの襟首を再び掴み、ライザは強い調子でまくし立てた。
「ルーファスといいあなたといい、どうしてこう察しが悪いのよ。なんで逃げたと思っているの!? 追いかけてきてほしいからに決まってるでしょ。
女っていうのはね、愛されてる実感が欲しいのよ。追いかけて抱きしめて『離さない』って言ってあげなさいよ!」
それができたらどんなに楽だろう。こんな泥沼な関係にならなければ、できたのかもしれない。ヒューズは首を横に振った。だが今の自分にそんな資格はないのだ。
「俺には、できねえ」
「恥ずかしがってる場合!? ああもうっ!」
恥ずかしがっているわけじゃない、というヒューズの言葉は、発せられることはなかった。襟首を掴むライザの腕に力が籠もる。
次の瞬間、ヒューズの体は勢い良く宙を舞ったかと思うと、鈍い音を立てて壁に叩きつけられた。周囲からおお、という歓声にも似たどよめきがあがる。
ヒューズを投げ飛ばしたライザは軽く手をはたくと、再び襟首を掴んだ。そのまま引きずられ、出口から外へと放り出される。
「頭冷やしなさいこの無神経! 全く、男ってのはどうしてこうも鈍いのばかり揃ってるのよ。こうなったら今日はとことん飲んでやるわ」
路上に倒れたヒューズの耳に最後に届いたのは、ライザのそんな声と店のドアが閉まる音だった。
786586:2005/04/10(日) 03:40:05 ID:rECfOjuc
とりあえずここまでです。
この後、話を「ヒューズ編(本来考えていたもの)」と
「サイレンス編(サイレンスとの絡みがあるもの)」に分岐させます。

サイレンス編の方が短いので、先に投下できそうです。
というより、ヒューズ編が長すぎるだけなんですが。
八割方完成してますので、今度はそんなにお待たせしないと思います。では。
787名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 04:22:52 ID:v1UD3eyk
>>586さん乙!
繋ぎシーンとの事ですが、ライザが大好きな自分には
かっこいいライザが見れてとても幸せです!
投げまでキメてる…!(*´д`*)
本当に素晴らしいストーリーテラーでいらっしゃいますね、
次も期待して待たせていただきます。
788名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 05:12:54 ID:0MeiVGV0
>586さん
本当素晴らしいです
今回もじっくり読ませていただきました
次も期待しておりますよ

789名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 17:06:31 ID:hllunh09
586さんいつも乙です!
続き期待して正座して待ってます。
サイレンス編はあまり幸せにならないかも、ということですが、
サイレンス編はサイレンス編で、それなりの愛のあるものだとイイナ…
…幸せな顔が見たいっす。

勝手なこと言ってすみません。
もちろん名無しの戯言ですので、586さんの考えでおkです!
楽しみに待っておりますよ!
790名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 19:39:09 ID:+bVSj3pT
ヌサカーン×アセルスで診療プレイ。
実際にありそーだし。
791名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 19:40:25 ID:n7fVHW2c
792586:2005/04/14(木) 04:07:31 ID:pF0biSMH
どうも、586です。
とりあえずサイレンス編の方ができたので投下しますね。

ヒューズの行き着けの店で思いもしない光景を見た後、タリスは行くあてもなくふらふらと街を彷徨い歩いた。頭の中では、先程の光景がずっと巡っている。
声をかけることもできず、ただ見ていることしかできなかった。ヒューズと親しげにしていた見知らぬ女性。
どれくらい歩いただろうか。気がつくと、タリスは自宅の前に戻って来ていた。意図しないうちに、歩き慣れた道を歩いてしまったらしい。
「……あ」
タリスは思わず足を止めた。家の前に、黒い人影が立っている。
「……遅かったな。どこで油売ってたんだ」
ヒューズだった。塀にもたれて、こちらを見ている。タリスは歩みを進め、彼の前に立った。
「どうしてこんなところにいるの? さっきの人は?」
「それは今重要な問題じゃねえ。お前に話があんだよ」
瞳を逸らし気味に、淡々と語る。普段の彼らしくない喋り方に、タリスは嫌なものを感じた。
「今じゃないと駄目なの?」
「ああ」
頷いたものの、ヒューズは先を話そうとしなかった。話にくい話なのか、さっきからずっと視線をあわせようとしない。
「……ここにずっと立っていると寒いわ。中で話さない?」
口にしながら、誘っているような台詞だとタリスは思った。いや実際のところ、誘っているのかもしれない。
「いや、それは止すよ」
しばしの沈黙の後、ヒューズは意を決したようだった。
「なあ……こんな関係、もう終わりにしよう」
一瞬だが言われた意味がわからなかった。わかった後も頭の中が真っ白になり、言葉を出すことができない。タリスは無言でその場に立ち尽くしていた。
「俺が言うのもなんだが、やっぱり良いもんじゃねえ。お前の言うとおり、なかったことにすべきだったんだ。
今からでもいい、ただの同僚に戻ろう。俺はもうお前を脅したりはしねえし、体も抱かせろって言わねえ」
793結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:08:29 ID:pF0biSMH
一度口に出すと舌が回りやすくなったのか、ヒューズは先程よりも流暢に喋った。喋った後、尋ねるかのように彼の瞳がこちらを見る。
「……そう」
タリスは感情の完全に抜け落ちた声で、それだけを口にした。喉の奥がからからに乾き、後の言葉が続かない。尋ねたいことは、たくさんあるというのに。
それを了承と受け取ったのか、ヒューズは頷いた。
「今までずっと、悪かったな。本当はお前に何かしてやるべきなんだろうけど、これ以上お前の傷を広げたくねえから……」
その後の言葉は良く聞き取れなかった。自分でも何を言えばいいのか、よくわかっていないのだろう。
「……じゃあな」
ヒューズは背を向け、去って行った。一度も振り返ることは、しなかった。

自宅のリビングで、タリスはぼんやりと椅子にかけていた。視線は一応テーブルの上に向けられているが、そこにあるものは全く意識に入っていない。
先程のヒューズの言葉が、何度も耳の中で繰り返される。あまりにも唐突に切り出された関係の終焉。突然の話だったが、それが意味することは嫌というほど良くわかっていた。
店でヒューズの隣にいた女性のことを思い出す。彼女が理由なのだろうか。
物思いに耽っていると、呼び鈴が鳴った。立ち上がり、レンズで外を確認してドアを開ける。
「……入って」
勧められるままに、妖魔の青年は部屋の中に入った。リビングの椅子の一つにかけると、物問いたげな瞳でタリスをみつめる。
「突然呼び出してごめんなさい。何か飲む?」
ちらとキッチンの方に視線をやる。が、サイレンスはゆっくりとかぶりを振ると、身振りで彼女に向かいの椅子に座るよう促した。
タリスは一つ溜め息をつくと、その椅子に腰を下ろした。サイレンスの静かな瞳が、じっとこちらをみつめている。
794結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:09:13 ID:pF0biSMH
責めるような、瞳ではなかった。こんな夜更けに呼び出されたというのに、彼は全く怒っていない。
「……本当にすまないと思っているのよ。でもあなたくらいしか、事情を知っていて話を聞いて貰えそうな人がいなくって」
サイレンスがすっと手を伸ばすと、タリスの手首に優しく触れた。安堵させるかのように、静かに頷く。
「ヒューズにね、別れを切り出されたわ」
軽い驚きを憶えたのか、彼の片方の眉が跳ね上がった。タリスは自嘲気に頷いてみせる。
「もうこんな関係、終わりにしようってはっきり言われたの。私、何も言えなかった……」
胸の奥に乾いた感じがする。きっとひどく苦しいだろうと思っていたのに。
全くと言っていい程、何も感じない。砂か何かを噛んでいるような、そんな感じだ。胸の中を乾いた砂が流れて行く。
サイレンスが気遣うように手を伸ばし、テーブルの上の自分の手に静かに触れて来た。少し冷んやりとした手の感触。
「何か変な感じよ。全然哀しくないの。言うべきことがたくさんある筈なのに、何も出て来ない。自分自身が空っぽになってしまったみたいで」
俯くと、テーブルの木目が視界に入った。何とはなしに、その流れを追う。
「なんだかもう何もかも、どうでも良くなってきてしまったわ……」
目を閉じて眠ったら、二度と目が覚めなければ良いのに。何もかもわからない深い眠りの中ならば、このうつろさ虚しさを感じずにいられるだろう。
妖魔の青年がゆっくりとかぶりを振った。立ち上がると、静かに背後に回る。
「……サイレンス?」
振り向こうとしたその時、サイレンスは腕を回してタリスを抱きしめた。
「あ……」
労るような、優しく包み込むような抱擁だった。性的なものは殆ど感じられない。
795結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:09:48 ID:pF0biSMH
乾いた心の中が、ほんの少し潤うように感じられる。タリスは体の力を抜き、サイレンスに少しばかり身を預けた。
「ごめんなさい……」
良くないことであることはわかっている。彼はただの同僚に過ぎない。だがタリスは彼の優しさに甘えずにはいられなかった。
サイレンスの手が、タリスの頬を掠めたかと思うと、顔の前で静止した。指先に、光る小さな雫。
そうされるまで、タリスは自分が泣いていることに気づかなかった。サイレンスの手が子供をあやすかのように、タリスの背を撫でる。
「……そんなに優しくしないで」
俯いてタリスは呟いた。自分には優しくされる理由などないのだから。
「…………」
サイレンスがまたしてもかぶりを振る。抱きしめられたまま、タリスは尋ねた。
「どうして……私に優しくしてくれるの?」
語ることをしない妖魔は答えない。ただ抱きしめる腕に僅かだけ、力が籠もった。
ヒューズの抱きしめ方とは全く違う、とタリスはふと思った。彼の抱擁は骨が砕けてしまうのではと思える程、力強い激しいものだった。
その瞬間、彼の体の感触が甦った。筋肉のついた逞しい体躯。太い腕で自分を逃すまいとするかのように、強く強く抱きしめてくる。
思わずタリスは身を震わせた。瞳から熱い雫がとめどなくこぼれ落ちる。
「わ、私……」
ついさっきとは打って変わって、胸の奥が締めつけられるかのように苦しい。体を折り、床に頽れそうになる。そんなタリスの体をサイレンスの腕が支えた。
「ごめんなさい……」
顔を伏せてそう呟くことしかできなかった。放り出された辛さと、それをこうして今目の前にいる相手に支えて貰っている不甲斐なさ。その二つが心の中で渦巻いている。
サイレンスの手が伸び、タリスの顎に添えられた。顔を上げてそちらを見る。彼は気に止むなと言いたげに、首を横に振っていた。
「サイレンス……」
そろそろと、彼の胸に顔を埋める。今だけは、こうして甘える自分を許してほしい。
「ねえ……一つだけ、頼みがあるの」
先を促すかのように、目の前の青年は首を傾げた。タリスの声が震える。
796結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:10:31 ID:pF0biSMH
「私を……抱いて。できるんでしょう? 私が壊れるくらいに、激しく抱いて」
サイレンスがさすがに驚いた表情になった。首を横に振り、タリスを窘めるかのように額に指を当てる。
喉の奥から乾いた笑いが込み上げて来た。ぎゅっと目の前の妖魔にしがみつく。
「自分を大事にしろって、言いたいの? いいのよ。もう何もかもどうでもいいの。お願い、私を抱いて。滅茶苦茶にしてほしいの……ヒューズのこと、忘れられるぐらい……」
笑いたいのに、瞳からはまたしても涙が零れ落ちてくる。その涙が青年の胸を濡らした。
どれくらい、そうしていただろうか。不意にサイレンスが腕を回すと、タリスを抱き上げた。溜め息をつきたそうな表情で、それでも彼は頷いた。
「ありがとう……」
首を傾げて彼がこちらを見る。「どこへいけばいい?」と問いたいのだろう。
「あっちが……寝室よ……」

見慣れた部屋の見慣れたベッド。だが、今日は何かが違うように感じてしまう。いつも一人の部屋に、自分以外の存在がいるせいだろうか。
サイレンスは落ち着いた様子で、タリスをベッドの上に下ろした。そうして、自らも隣に座る。
「…………」
彼の手が伸びて来る。押し倒されるのかと思いきや、彼はタリスの手を掴んだ。
「……え?」
引き寄せられた手の甲に、サイレンスが唇を押し当てる。昔話の騎士の誓いのような、そんな口づけ。
「サイレンス……」
サイレンスの唇が手の甲の上を滑った。くるりと手が反転させられ、今度は手の平に口づけてくる。意図がわからず尋ねようとした時、不意に彼の舌が手の平の溝を舐め上げた。
「……あっ!」
その瞬間に快感が体を走り、タリスは小さく喘いだ。サイレンスの舌はゆっくりと、触れるか触れないかの微かな愛撫を同じ場所に繰り返している。
797結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:11:20 ID:pF0biSMH
サイレンスが唇を次第に指先へと移動させたかと思うと、手の指を口に含んだ。爪の周囲や指の溝、指と指の間を丹念に舌がなぶっていく。
「あ……あ……」
手を舐められているだけだというのに、信じられないくらい気持ちがいい。
今までにも、愛撫されているうちに全身が性感帯と化し、どこを触れられても感じてしまったことはあった。だが、最初から手だけでこんなに感じてしまったのは初めてだ。
「ん……あ……」
瞳を伏せ、熱い吐息を吐き出す。サイレンスがタリスの手を咥えたまま、指を彼女の腕に添って肩へと走らせる。軽く撫でられただけなのに、やはり震えるくらいに感じてしまう。
「はあっ……」
肩へと走った手が顎に触れた。軽く持ち上げられる。手を愛撫する舌の動きが止まった。
瞳を開くと、彼がじっとこちらを見ていた。その瞳が語っている。止めるのなら、今だと。
タリスはまたしてもかぶりを振った。
「続けて……構わないから……」
サイレンスは溜め息にも似た息を吐くと、腕を回してタリスを抱き寄せた。こめかみに唇を寄せ、短い髪の中に指を滑り込ませて何度も梳く。
「あ……」
彼の唇がこめかみから頬を掠め、手が背を優しく擦った。壊れ物を扱うかのような、優しく繊細な愛撫。こんな風に触って来る相手は、彼が初めてだ。
「無理しないで……もっと手荒くされても、私は構わないから」
むしろそうしてほしいとタリスは思った。壊れるくらいに滅茶苦茶にされたい。
サイレンスが首を横に振った。それはきけないと言わんばかりに。腕を背に回すと、優しく抱きしめてくる。彼の唇が額や頬や髪を滑る。彼の愛撫は風のように軽く、柔らかい。
「ん……」
少しずつ、体が反応し始めた。力が入らなくなっていく。タリスは息を吐くと、彼の体に自身の体を預けた。
男にしては繊細な指が、タリスの肌を優しく撫でさすっている。首筋や頬、腕や背を。労るかのように、慰めるかのように、その愛撫はどこまでも優しい。
「そんなに優しくしてくれなくてもいいのよ……」
798結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:11:55 ID:pF0biSMH
優しくされればされる程、辛くて切なくてたまらなくなる。彼の優しさにすがってしまっている自分。そんなことは、すべきではないのに。
胸の奥がしめつけられるように苦しい。瞳から熱いものが込み上げて来る。
サイレンスの手が、優しくおとがいを持ち上げた。潤んだ瞳でみつめる先で、彼はまた首を横に振っていた。気にしなくていい、その瞳が語っている。
「サイレンス……ごめんなさい……」
彼の顔が近づいてきた。瞳から零れる熱い雫を舐め取って行く。腕が背に回され、元気づけられるかのように軽く叩かれた。
「ねえ、どうして……」
言葉は途中で途切れた。彼の腕が、力の抜けたタリスの体をベッドの上に横たえさえる。そのままサイレンスはタリスの上に覆い被さって来た。
「あっ……」
器用な指がブラウスのボタンを次々と外して行く。あらわになった白い肌を、サイレンスの唇が優しく這う。
「んっ……あっ……」
心が浮かび、溶けてしまいそうな、そんな錯覚に襲われる。サイレンスが首筋に舌を這わせ、僅かに浮きでた鎖骨に口づける。
彼の手が胸のふくらみをかすめた。肝心な部分には触ろうとしないまま、その周辺だけに優しい愛撫が繰り返される。
タリスは熱い息を吐き、すぐ近くにある彼の顔を見上げた。端正な顔立ちの妖魔は、静かな瞳でこちらを見ている。そこにあるのは、こちらを気遣う、そんな色だけだ。
「サイレンス……私……」
彼の指が唇に押し当てられる。何も言うなと言わんばかりに。そのまま手が下の方へと滑りおり、ブラジャーのホックを外して乳房を解放した。
「あ……」
既に乳首は存在を誇示するかのように立ち上がっている。彼の指がふくらみの上を滑り、乳首そのものにはまたしても触らぬまま、乳輪だけを撫でさする。
「あ……あ……」
敏感になってきていた部分への愛撫に、タリスは声をあげた。じらされているような感覚がする。意識しないうちに体が跳ねた。
799結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:12:32 ID:pF0biSMH
「あ……や……」
しばらくの間、彼の指はそこだけを撫で続ける。気が変になりそうだと思った瞬間、彼が乳首を口に含んで軽く歯を当てた。
「……ああっ!」
それだけで頭の中に白い光がともり、体が激しく痙攣する。体の奥からじんわりと蜜が染み出して来るのがわかった。
「あ……はあ……」
サイレンスの舌が優しく乳首をなぶる。手が胸のふくらみを撫で回し、タリスの中の熱を煽り立てて行く。
「んんっ……」
胸を撫で回していた手は、次第に下の方へと下がりはじめていた。服の上から足を撫で回される。慈しむように、何度も何度も手が行きつもどりつする。
「……ああっ……」
手がスパッツと下着を引きずり下ろした。解放された肌は、部屋の空気を感じない程に既に熱く火照っている。
太ももに、彼の手が触れた。ゆっくりと、ゆっくりと上の方へと向かって撫で上げていく。タリスは身を捩り、声をあげた。
「んっ……あっ……」
サイレンスの指が、秘裂に到達した。濡れた部分をかきわけて、奥へと潜り込む。
「ああっ……」
タリスは腰を浮かせ、激しく喘いだ。だが彼の指はそこで止まってしまう。
「サイレンス……」
力の籠もらない声で、タリスは彼の名を呼んだ。淡い色の妖魔の瞳が、こちらを見る。それにはあやぶむような色が浮かんでいた。
タリスの胸に、どっと切なさと哀しみが満ちる。どこまで、彼は優しいのだろう。
「いいの……最後までして、お願い……」
それでいいのかと尋ねたそうな表情を、彼は浮かべた。潤んだ瞳で、それでもタリスは頷いた。
「ごめんなさい……でも、最後までしてほしいの……舌や指だけじゃなくて、きちんと……」
瞳にじわっと涙が溢れた。サイレンスが手を伸ばし、涙を拭ってくれる。
「本当にごめんなさい……こんなことを頼んだりして……」
サイレンスは静かに一つ頷くと、自らの衣服を緩めはじめた。妖魔である彼の肌は透き通るように白い。だが体は紛れも無く男性のそれであった。
800結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:13:10 ID:pF0biSMH
「……きて……」
それだけ言うのがやっとだった。サイレンスがタリスの体を横向きにすると、片方の足を抱え上げて開かせる。
絶え間なく蜜の溢れ出してくる部分に、男の分身があてがわれた。彼の瞳を見て、しっかりと頷く。サイレンスも頷き返してくれた。
「んん……ああっ……」
体の中に少しずつ彼が入って来る。奥へと入り込むと、彼はそのまま動きを止めた。
「あ……ああっ!」
一瞬怪訝に思ったが、次の瞬間タリスの全身を激しい快感が走り抜けた。快感は彼女の中を満たし、タリスはそのまま達してしまった。
今まで以上に力の抜けた体を、サイレンスの腕が支える。
「ああ……ああっ……」
サイレンスが動き始めた。擦りつけるようにしたかと思うと、次の瞬間突き上げられる。全身がとろけてしまいそうな、甘い悦楽。
一度達した体は、易々と二度目の絶頂へと導かれた。達する瞬間に彼と視線があう。抱いている最中だというのに、彼の慈しむような優しい瞳は変わらなかった。
「ごめんなさい……ごめん……なさい……」
詫びる言葉を口にするタリスの唇を、サイレンスの唇が塞いだ。手が髪を優しく撫でる。彼に対してすまなく思いながらも、その優しさに安堵したのも、また事実だった。
「本当に……ごめん……なさい……あああっ!」
頭の中が白い閃光で満たされる。その閃光に意識を灼きつくされながら、タリスはサイレンスの優しさを痛いくらいに感じていた。
801結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:13:54 ID:pF0biSMH

サイレンスはベッドの上の同僚を見た。ほぼ全裸に近い格好で、彼女は静かに眠っている。
「…………」
手を伸ばし、頬を伝う乾いた涙の跡に触れる。抱かれながら、彼女はずっと泣き続けていた。泣きながら、自分に対して詫び続けていた。
謝られるようなことをした憶えはない。ヒューズと彼女の関係がこじれてしまったのには、自分にも要因があるのだから。
考え込む。自分のしたことは、正しかったのだろうか。彼女を抱いてしまって良かったのだろうか。
深く傷ついていた彼女。放っておけば、今にも壊れてしまいそうだった。その上、彼女は壊れることを望んでいた。
ヒューズに別れを切り出され、彼女は自暴自棄になっていた。でなければ、あんなことを言い出したりはしないだろう。
だが、自分は彼女に壊れてほしくはなかった。彼女を抱いたのも、その気持ちを伝えたいが為。
その気持ちが伝わったのか……それは、今のところはわからない。もしかしたら、却って傷を中途半端に広げてしまったのかもしれない。それに……
抱かれる彼女がこぼした涙。それを思い出す度、なんともいえない気分が胸に満ちて来る。
サイレンスは一つ息を吐くと、静かにベッドを滑りおりた。毛布を手に取ると、それで彼女の体をしっかりとくるみこむ。
柔らかい髪を撫でると、眠る彼女の額にそっと唇を押し当てた。そうして、彼は部屋を出て行った。
802結末(サイレンス編):2005/04/14(木) 04:14:49 ID:pF0biSMH

「誰かと思えば、サイレンスか。こんな夜更けにどうした? 人間の間に混じって生きるのに疲れたのか? 話があるのなら聞いてやらんでもないぞ。
……人間の女に惚れた? 悪いことは言わん。止めておけ。
私もこんなところで医者をやっているくらいだから、人間のことを軽蔑したりはしていないがな。我々妖魔と人間では、生きる世界や時間が違いすぎる。
例えその女がお前を想っていてくれたとしても、いずれは一緒にいることが辛くなる。そのままの関係に留めておけ」

その翌日。職場に出勤したサイレンスが見たのは、自らの机の前に座っているタリスの姿だった。
「……サイレンス」
呼び止められ、彼女の近くへと赴く。彼女は彼を見上げ、静かに微笑んだ。
「昨日は、ありがとう」
その声にも笑顔にも、力強さはなかった。だが彼女の瞳は、まっすぐ自分をみつめていた。
その視線は何よりも語っていた。少しずつとはいえ、彼女は傷を癒し、前を向いて行こうとしているのだと。
「もう大丈夫だから。……本当にありがとう」
静かに告げられた言葉。彼女は壊れなかった。その言葉と事実だけで、彼には充分だった。
803586
サイレンス編はこれで終わりです。
これからヒューズ編を仕上げますが、
ヒューズ編はサイレンス編の2倍以上の長さになりそうで、
自分でもちょっと呆然としています。
それでは。