もし理想の女性に生まれ変わったら… その5

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935名無しさん@ピンキー:04/09/03 23:09 ID:WECcJr1n
「兄さん…」
今、頼れるのは兄さんだけだ。
少し潤んだ目で、兄さんに追い縋るような視線を向けた。
兄さんは照れたように目を伏せた。
「兄さん…?」

そこに医者がやってきた。
白髪に白ヒゲの優しそうなお爺さんだ。
「こんにちは。気分はどうだい?」
「ボクはどうなってしまったんですか?」
「どこか痛いところは?」
「どこも痛くないです。そんな事より先生。ボクは…」
「君の名前は、古賀 千春でいいのかな?」
「そうです…」
「そうかい…君はどうやら…女性になってしまったようだね。」
「そうなんですか…?」
「医学的には有り得ない事でもないんだが、君の年齢でのケースは初めてだよ。」
936名無しさん@ピンキー:04/09/04 04:00 ID:PtVh+gs6
続き チン☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
937名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:27 ID:+4SDbdoN
「何か服用している薬は?」
「無いです。」
「服用しているサプリメントは?」
「無いです。」
「変な物を食べたりは?」
「無いです。」
「心当たりのある節は?」
「無いです…」

「そう…か…」
「先生!ボクはどうしたらいいんですか!?」
「はっきり言うが、治療方がない。解らないんだ。
だから、君にはこのまま女性として生活してもらう他はない。」
「そんな…」
「君の心は男のままの様だね。しかし、身体は女だ。
それは、精神衛生上よくないと考える。
良いカウンセラーを知っているから、紹介しよう。」
先生はあらかじめ用意しておいたようなメモをくれた。
メモには電話番号と住所が書いてある。
938名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:45 ID:+4SDbdoN
「千春さん。もしよければ、
検査をさせてはもらえないだろうか?」
「はぃ?」
「もちろんタダでとは言わないよ。それなりに謝礼は用意する。
君のような症例は珍しいんだ。ぜひ協力してもらいたい。」
ボクはこれからの事を考えた。きっとこれから色々入り用だと思う。
謝礼は受け取りたい。それに、女になった原因がわかるかもしれない。
そうすれば治療方が見つかるかも。

ここは、引き受けておこう。
「ハイ。わかりました。協力します。」
「おぉ。それは良かった。早速だがこちらについて来てくれ」
「あ、兄さんは先に帰ってていいよ。検査受けてくる。看病してくれてありがとね!」
「オレはお前の兄だ。当たり前の事をしただけさ。
オレ待ってるよ。お前の検査が終わるまで待ってる。」
「結構、時間かかるかもよ?」
「いいよ。オレはお前の兄だ。」
そう言ってニコッと笑った。
「ありがと。じゃ行ってくるね」
ボクも笑いながら、病室を出た。
939名無しさん@ピンキー:04/09/05 09:00 ID:+4SDbdoN
それから色んな部屋に連れ回されて、写真やらレントゲンやら
血液検査や脳波やら、それはもう体中を調べられた。
でも謝礼の為に頑張ってガマンした。

全ての検査が終わる頃には、夕方になっていた。

「ご苦労様。これで検査は全て終了だよ。」
「やっと終わった…」
「謝礼は受付でもらってくれ。」
「はい…」
「私はこれで失礼する。君の人生に幸があらんことを願うよ。」
「ども…」
ボクは受付に行って、事務の人に名前を伝えた。
するとその人は、茶色い封筒を渡してきた。
ボクは笑顔で頭を下げて、そして外に出た。
中身を確認してみる、10万円入ってた。
940名無しさん@ピンキー:04/09/05 13:00 ID:+4SDbdoN
兄さんが待ってるだろうから病室にもどろう。
病室までヨロヨロしながら戻った。
病室に戻ると、兄さんはベットの脇の椅子に座ったまま寝てた。
寝ずにボクの看病をしてくれていたのだろうか、すごく疲れてるみたい。
起こすのは気が引けるけど、このままにしておくのはかわいそうだ。

「兄さん。兄さん。」
兄さんの肩を優しく揺らした。
「ん…?んぅ…」
「検査全部終わったよ。家に帰ろう。」
「千春…千春!」
「わっ。な、何?」
「おぉ。千春。検査は終わったのか。」
ボクは思わず吹き出した。
「ぷっ。あはははっ。」
「どうした?なんだ?」
「何でもないよ。帰ろう。…クスクス。」
「…?う、うん…帰ろう。」
ボクは何か幸せな気分になれた。
941名無しさん@ピンキー:04/09/05 13:23 ID:+4SDbdoN
病院の電話ボックスでタクシーの電話番号を調べて呼んだ。
タクシーはすぐにきてボク達を家まで送った。
料金を支払うとき、兄さんが払おうとしたけど、引き止めてボクが払った。
「そのお金はどうしたんだ?」
「さっきの検査の謝礼。10万も貰っちゃった。」
「10万だと!?病院は金持ってるなー。」
「あはは。考えることが兄さんらしいなぁ。」
普通、何でこんなに貰えたのか驚くのに。

家に帰ると疲れがドッと出てきた。安心したからかな。
「兄さん…ボク寝る…今日は、ありがとう。」
「大丈夫か?俺がお前の身の回りの世話やるよ。」
「いいよ。自分でやる。」
「そんな事言ったって、またお前が倒れたらシャレになら」「いいの。」
「兄さんは会社があるんだからそっちに行ってなさい。」
「そうか…?」
「ボクなら大丈夫だから。」
「わかった。何かあったら、すぐに携帯に電話しろ。飛んでいくから。」
「わかった。フフフ。んじゃね。」
「あぁ。またな。」
942名無しさん@ピンキー:04/09/05 13:53 ID:+4SDbdoN
そして、そのまま寝室に向かって、ベッドに倒れ込んで、もう意識がなくなった。
それから起きたときはもう朝だった。

学校に行かなくては。寝ぼけたまま洗面所に向かった。
昨日、風呂に入らなかったから体が気持ち悪い。
まずシャツを脱ごうとした。

引っ掛かる…

「わっ!な!あ…そっか…そうだった…」
夢じゃなかった。とりあえずシャワーを浴びよう。
頭からシャワーを浴びる。徐々に目が覚めてきた。昨日あったことが
頭の中で整理され、繋がっていく。
「あぁー…夢じゃなかったぁー…」
シャワーを浴び終わり。タオルで髪を乱暴に拭き。
体を拭き。髪をドライヤーで乾かし。服を着た。
「さぁどうしよっかな…」
まず学校に電話しよう。誰に話そうかな。やっぱ担任辺りかな。よし。
ちょっと覚悟を決めて電話をした。
「プルルル…プルルル…はい、中央高校です。」
「あ、あの。中央高校の生徒の古賀と言います。
3−1の担任の佐藤先生いらっしゃいますか?」
「はい。佐藤ですね。少々お待ち下さい。」
しばしね、沈黙が訪れる。
943名無しさん@ピンキー:04/09/05 14:07 ID:+4SDbdoN
「はい。かわりました。」
「あ、佐藤先生ですか?古賀です。」
「あ。おぉ。古賀か。昨日は休んでどうした?」
「えと…その事でお話しがあるんですけど…」
「ん?どうした?」
「あの…誤解しないで聞いてもらいたいんですけど、
ボク…女になってしまいました。」
「女?」
「はい…そうです。」
「そうか…オレは引き止めはしないよ…お前は女みたいな顔だし。
食っていけると思う。お前がそれで良いなら、その道を進むが良いさ。」

どの道だ…

「あの…誤解されてるようなんですけど…オカマになるとかじゃなく…」
「言い訳はいい。オレはお前の担任だ。恥ずかしがることは無いさ。」
「いや…そうじゃなくてですね…現実に…」
「オレはお前を応援してるぞ。」
「…」
これは直に会いにいって証明する必要がありそうだ。
944名無しさん@ピンキー:04/09/05 14:25 ID:+4SDbdoN
「今からそっちに向かいます。ビックリしないで下さいね。」
「なに、オレはお前より長く生きてる人生の先輩だ。少々の事じゃ驚かんさ。」
「あの、学ランじゃ、ちょっと問題あるので、私服で着てもいいですか?」
「あぁいいぞ。じゃ着いたら職員室で待ってろ。」
「はい。では、失礼します。」
ガチャ…
めんどい事になった…

まず服だ。男物しかないんだけど…まぁいっか。
体のラインを隠す為に、普通のTシャツの上から大きめのTシャツを重ねて、
下も、大きめのズボンを掃いた。そして、キャップをかぶる。

鏡で見てみると、大きい男物の服を無理してきてるように見える。
それに、余計に可愛くなって目立つような気もする。
「うーん…。まぁ服はこんなんしかないし。しょうがないか…」
電車の定期と財布と携帯をポケットにつっこんで家を出る。
945名無しさん@ピンキー:04/09/06 16:44 ID:jt0yh0/S
駅まで私服で歩く。
人の目が凄い気になる。
男物の服を着ている女。
皆どんな風に見ているのだろう。

思わず挙動不審になりそうになり、
抑えながら歩く。精神的に疲労してきた。
「歩くのってこんなに疲れたっけ…」
駅にも近づいてきて、人が増えてくる。
下を向いてあまり目立たないように歩いていると、
一人の軽そうな男が小走りで近づいてきた。

「ねぇねぇ君。カワイイね。どっからきたの?」
「は?」
「これからヒマ?一緒に遊ばない?ゲーセン行こうよ。」
「いや、ボクは用事があるから。」
「ボク?カーワイイ。いつも自分の事そう呼んでるの?ねぇねぇ遊び行こうよ。」
これは、いわゆるナンパというやつだろうか。

「いや、ボク男だから。」
「…え?」
「ごめんね。」
「あはは。冗談いうねぇ!おもしろいっ!よし、じゃあ遊び行こう。」
どうやら勘違いしているようだ。
今までも何回かあったけど、今回はどうも信じてもらえそうもない。
そりゃそうだ。
「いや、ボク用事あるから…」
「そんな事言わないで。ねっ?お願い!
遊ぼう!俺の事、金づるだと思っていいからさ。」
「そんな趣味無いから…」
946名無しさん@ピンキー:04/09/06 23:29 ID:jt0yh0/S
「そんな事言わないで、俺死んじゃうよ?」
「勝手にすれば…」
「ひどいなぁー。」
「あんまりしつこいと大声だすよ?」
「あ、そう。わかった。」
そう言うと、男はすっぱりと諦めてさっさとどこかへ消えてしまった。

やっと駅に着いた。
皆が通学する時間帯から少し外れている為、比較的、人は少ない。
これなら知っている人と会わなくて済みそうだ。
「はぁー。なんか落ち着くー。」
時刻表を見ると、電車が来るまでちょっと時間があった。
ボクは定期を見せて改札口を通り、近くのベンチに腰掛けた。
「ヒマだなー。テトリスでもするか。」
携帯を開いて、テトリスを起動させる。
「結構これ難しいんだよなー…」
ボクは夢中でゲームをしていた。
しばらくしていると、誰かが隣にドカッと座ってきた。

「よ!千春ぅ…?」
「ん?」
「あ、ごめん人違い。」
「お、大悟じゃんか。」
「え?」
「オレオレ。千春。」
「は!?お前か!?え、どうした!それ!」
大悟は、大声で吠えながら胸を指差した。
「いやー…どう説明したらいいか。」
「なに!?女性ホルモン!?」
「いや何もしてないんだけどさ。んー…。突然変異?」
「はぁ!?」
947名無しさん@ピンキー:04/09/06 23:44 ID:jt0yh0/S
「いやな、朝起きたらな、こうなっててな。ボクもよくわかんないんだ。」
「なんだそれ…」
「そしてその後、倒れてな、気付いたら病院にいた。」
「倒れた?大丈夫だったんか?」
「今のとこはね。」

大悟はボクの顔をジーっと見て、疑いの眼差しをボクに向けた。
「まさか俺をからかってるんじゃないだろうな?」
「へ?」
「千春に実は妹がいたとか。」
「なんだよそれ。」
「喋りはお前そのものなんだけどな、なんていうか、顔の雰囲気が違う。」
「どう違う?」
「前からお前女と間違えられてただろ?」
「うん…まぁ…」
「今は、なんかもう女そのもの。色っぽい。」
「はぁ?お前っなに…」
凄く照れる。顔が赤くなるのがわかる。
「ていうか大悟。お前、学校遅刻なんじゃないか?」
照れ隠しに話題を急いで変えた。
「あぁそうそう。ちょっと寝坊してなー。」
「いつも寝坊してるよな。」
「ははは。気にすんな。」
「ちょっとは焦ろよ…」
948名無しさん@ピンキー:04/09/06 23:46 ID:jt0yh0/S
主人公の一人称が変わってばかりでスマソ。
949名無しさん@ピンキー:04/09/07 05:35 ID:ogmFAN1I
大丈夫、楽しく読ませて頂いてるよ。
頑張ってくれ。
950名無しさん@ピンキー:04/09/07 09:41 ID:alPNOEM/
ありがと。なんか元気出た。
まだまだ下手くそだけど頑張る。
951名無しさん@ピンキー:04/09/07 18:27 ID:K8s2SUvS
かなりツボ的展開なので、続き期待してまつ。 がんがって下さい。
952名無しさん@ピンキー:04/09/08 00:08 ID:AMxcSX2N
930からきれいに書き込みが続いていたので
(邪魔しちゃ悪い気がして)感想書くのを控えてました^^
自分も楽しく読ませてもらってます!
病院での白ひげジジィによる検査・・・
てっきりハァハァな展開かと興奮したんですが本当にただの検査なんだものw
やりますね。続きを楽しみにしています。
953名無しさん@ピンキー:04/09/08 08:11 ID:ikuI+R3d
それから間もなく電車はやってきた。
電車はガラガラで、もう貸し切りのよう。
出入口の近い所に、大悟と一緒に座った。
ゆっくりと電車は滑り出して、景色が流れていく。
なんか落ち着く…。大悟と一緒だからだろうか。妙な安心感がある。

「千春、人少なすぎじゃね?」
「そだね。なんか貸し切りみたい。」
「なんかいいねー。」
「なんだそりゃ。」
でも確かにいい気分だ。
「はぁーあ。眠い。」
「わっ。ちょっとお前」
大悟はボクの膝を枕に、頭を乗せてきた。
「あーいい気持ち。」
「男同士で気持ち悪いだろ。」
「でも今お前は女だろ。いいじゃん。」
「そういう問題じゃ…」
「嫌か?」
「嫌じゃ…ないけど…」
はた目にみたらカップルにしか見えないであろう。
「ならいいじゃん。寝させて。」
「もう…。」

なんか変な気分だ。大悟がカワイイ。
ボクは大悟の頭の上にポンと手を乗せた。
電車は次の駅に停車し、人が入ってきた。
恥ずかしい…。
大悟は、というとスヤスヤと眠っていた。
ムリヤリ起こす訳にもいかず。
俯いて照れながら、電車の到着を待った。
(早く着けー…。)
954名無しさん@ピンキー:04/09/08 16:20 ID:ikuI+R3d
電車が目的の駅に着く頃には、人が増えていた。
「…大悟。そろそろ着くよ…。起きて…」
頭をポンポンと叩く。起きない。
「大悟ー…。」
頭をクシャクシャと撫でる。まだ起きない。
「さすが…。なかなか起きないな…。だ・い・ご。」
今度は顔を引っ張ってやった。まだ起きない。
今度は、指を眼にそーっと近づけていく。
眼に当たるか当たらないかのとこで、プイと顔を動かした。

(起きてやがるな…)
今度は思い切って、脇をガッとくすぐりにかかった。
「わっ。ははははは!やめろ!おねがい!」
「やっぱり起きてたのか。」
「あんまり気持ち良いから。つい。」
「つい。じゃねーよ。起きないなーと思った。」
「ごめんごめん。」
そう言いながら、大悟はまた膝の上に頭を乗せてきた。
「コラ。」
再度、くすぐりの刑。
「わはっ!お、おねがいっ!さいごっ!」
「もう駅に着くんだけど。」
「じゃあ着くまで。」
「お前なー…。」
でもまぁ減るもんじゃないし別にいいか。

そして、電車はゆっくりと目的の駅へ滑り込む。
955名無しさん@ピンキー:04/09/08 17:00 ID:ikuI+R3d
この話しは、ヒマを見つけてマッタリ書きこんでます。
しかも携帯から。だから進行が遅いのは御了承下さいm(__)m
956名無しさん@ピンキー:04/09/08 18:17 ID:K7JqgBWn
了解。 続きを早く見たいけど、またーりと待つ事にしまつ。
書きたい時に、書きたいように書いて下さい。 応援してるよ。
957名無しさん@ピンキー:04/09/08 18:25 ID:rWXJqDI0
エロパロ的妄想らしく、ゴルゴ13に出演して通りすがりの女を
演じたいという漏れは、少数派・・・っていうか、異常者?
958名無しさん@ピンキー:04/09/08 19:39 ID:mZlpvHO+
一日好きにしてあげる券

を幼馴染に渡してえ
959名無しさん@ピンキー:04/09/08 23:19 ID:ikuI+R3d
癖のある車内アナウンスが流れる。
「大悟。着いた。」
「あぁー…。この膝ともお別れか…」
「ほらっ。立って。」
大悟は渋々といった様子で立ち上がって、大きく伸びをした。
改めて思ったけど、大悟はでかい。180cm以上はある。
それに比べてボクは160cm……
ごめんなさい。嘘つきました。158cmです。ちっこいです。
並んで立つと頭一つ以上差が開いて、
話しをするときは見上げないといけない。不便だ…

ドアがプシューと音をたてて開いた。
片手に定期を準備して改札口へと向かう。
改札口を抜けてしばらく歩くと、見慣れた景色が広がる。
大きな道路が前を通っていて、街路樹が並んでいる。
学校へは、そう遠くない。歩いて15分程度だ。
「大悟、行こう。」
「はいはーい。」
僕たちは並んで歩きだした。

はぁー…学校行きたくないなぁー
絶対、面倒な事になる…。まぁ避けては通れない道だし、仕方が無いか…

「ん?どうした?浮かない顔して。」
「あぁいや。なんでもないよ。」
960名無しさん@ピンキー:04/09/08 23:41 ID:ikuI+R3d
「あぁそっか。お前女になったんだっけ。
何か、あんまり違和感無いからさー…」
「おいコラ。ちょっとは気遣え。」
「じ、冗談、冗談。」
「ほんとかよ…」
こんな会話を交わしながら歩いていると、自販機の前で
たむろしてる不良少年らしき人物が3人ほど視界に入ってきた。

「あ、ダチだ。目を合わせるな。無視して行くぞ。」
大悟はニヤニヤ顔だ。そのダチはこっちに気付いた様子。
「おいおーい!大悟ー!朝っぱらから彼女といちゃついてんじゃねぇよ!」
「うるせー!ダチだダチ!こっち見んな!」
「ヒューヒュー!熱いねぇー!」
あっちは大爆笑している。
「千春、気にすんな。あいつらふざけてんだ。根は結構いいやつらなんだよ。」
「ふーん。」
何か知らないけど、悪い気はしない。これは変なのだろうか。

「じゃあなー!お前ら!」
「おぅ!またな!」
「彼女としっかりヤレよー。」
大悟は大きく手を振った。
「な?いいやつらだろ?あれ?何で顔赤くしてんの?」
「何でも、ないから。」
しっかりヤレよって…。ダメだ。ボクの頭はすこし暴走しているようだ。
961名無しさん@ピンキー:04/09/09 05:29 ID:wo9p3Mua
>>960
素晴らしいね〜
まったり続きよろ。

こういうの読むと、マグロ漁船に乗り込んでたっぷり一年間犯されまくりたい
なんて考えている自分が妙に汚らしく思えてくるorz
962名無しさん@ピンキー:04/09/09 17:42 ID:RtRYGC51
何度も通った通学路。見飽きた景色。
その中で、ボクだけが変わってしまって、
一人ぼっちで浮いているような気分だ。
学校に着いたらどうしようか。どうやってボクを証明しようか。
クラスメイトにはどんな顔をして行けばいいのだろう。
みんなどんな眼で見るだろうか。避けられたりして…
いつも通りに接してくれるかな。不安だ…

「千春。」
「…。」
「千春ー。」
「…。」
「ぅわっ!」
「ひぁっ!な、なんだよイキナリ。」
「俺の事無視してたから…」
わざとらしい泣きまねをしている。
「ごめーん。ちょっと考え事をしてたからさ。聞こえなかった。」
「傷ついたなぁ…オレ…」
「で、なに?」
「ん?あぁ。不安そうな顔してたから大丈夫かなーと思って。」
「大丈夫。なんとかなるよ。」
顔に笑顔を貼付けて、大悟を見た。
「困ったときはいつでも俺の胸に飛び込んでこいよ!
つーか今飛び込んでもいい!来い!」
大悟はボクの前に立ちはだかった。両手を広げて待っている。
「…。」
ボクは無言で大悟の脇を通り抜けた。
963名無しさん@ピンキー:04/09/09 18:08 ID:RtRYGC51
大悟は小走りで走ってきて、また同じ用にボクの前に立ちはだかった。
「さぁ遠慮せずに!」
「…。」
ボクはまた無言で大悟の右脇を通り過ぎようとしたけど、
ササッと進行方向に立ちはだかられてしまった。
だから左脇へ回って行こうとしたけど、またササッときてとおせんぼ。
右へ左へ右へ左へ、行こうとしたけど、その度にササッと回り込まれてしまう。
だからボクは目の前のスネをガッと蹴ってやった。
「あぅ…あ…」
大悟は声にならない悲鳴をあげて膝を抱え込んだ。

ボクは何事もなかったかのように歩き出した。
「あぁ…待って。冗談だったのに。」
眼が本気だったっつーの。下心見え見えだったし。
後ろから足音が近づいてくる。
「ひどいなぁー。千春は。俺の繊細な心はズタズタだよ。」
「あのねぇー…」
どこが繊細なんだか…

遠くに学校の門が見えてきた。もう学校に到着してしまう。
964名無しさん@ピンキー:04/09/09 18:14 ID:RtRYGC51
「千春…。何かあったらすぐ俺を呼べよな。飛んでいくから。」
大悟の顔を見ると、すごく真面目な顔をしていた。心配してくれているようだ。
「ありがと。大悟…」
やっぱ良いやつだな。
「その報酬はひざ枕な。」
前言撤回…。
「あぁ!ウソウソ!そんな顔しないで!」
「もぅ…。」
「でも半分本気だったりして…」
「…。」
「すいません。ウソです…」
「よろしい。」
そしてとうとう校門の前に着いてしまった。
965名無しさん@ピンキー:04/09/09 22:44 ID:RtRYGC51
大きく息を吸い込んで短くはく。よし。進もう。
「お前その顔かわいい。」
ガクッと肩の力が抜けた。
「いきなり何だよ。」
「照れる顔もかわいい。」
「うぅ…こっち見んな…恥ずい…
つーかお前そんなキャラだったか?」
大悟は愉しそう笑っている。からかわれてるのかな。

もぅほっといて先に進もう。
「あぁー…」
玄関が近づいてくる。
「うぅー…」
「どうした。ゾンビみたいな声を出して。」
「行きたくない。恐い。」
「恐い?お前が?俺より強いのに何を怖がる?」
「いや、そういう恐さじゃなくて…。人間関係とか色々…」
ちなみにボクは合気道の黒帯で、他にもちょこっと格闘技をかじっている。
小さい頃から、武闘家の父に色々と叩き込まれた。
まぁその話はおいといて。
「俺がついて行こうか?」
「あー…大丈夫。いいよ。授業があるでしょ。」
「そうか?」
「うんうん。んじゃね。」
「あぁ。がんばれよー。」大悟はスタスタと歩いていった。
よし。頑張るか。
966ナイスバディな美女:04/09/10 22:52:49 ID:6gNB5G92
いい女に生まれ変わったら
労務者のおっさん達にまわさせてやる。
967名無しさん@ピンキー:04/09/11 12:58:39 ID:ok9cydGY
ガンガレ〜千春ちゃん♪



ってか余談だけど、中学の時の先輩が
男なのに千春ちゃんって名前ですた。

もしかして性転換してたりして・・・・w
968名無しさん@ピンキー:04/09/11 21:52:27 ID:CcpxNpWH
意を決して、来客用の玄関へ乗り込む。
スリッパを履いて、先生が待っておけと言っていた職員室へと向かう。
職員室は2階にある。パタパタと階段に足音響かせながら上る。
そして、職員室の扉の前に着いた。
扉に手をかけ、開く。心なしか重い…。
隙間から顔をヒョコッと顔を出して、中を覗いてみた。
どうやら、授業中らしく、先生の姿は少ない。
担任の姿は、、、いた。なにやら机に向かって仕事をしている。
「失礼しまーす…。」
職員室に入って担任の方へ向かう。

「せんせー…。」
「ん?おぉ。ちは…る…か?」
「はい…そうです…」
「やっぱ違うなー。化粧してるのか?」
「いえ何もしてないです。」
「え…じゃあまさか…」
「はい。そうなんです。」
やっと女になったって分かってもらえたか。
「整形か!」
肩の力がガクッと抜けた。
「お前なぁ!親からもらった体にメスを」「ちがいます!」
「整形してません!」
「じゃあ…何をしたんだ。」
969名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:30:18 ID:CcpxNpWH
「何もしてないです。」
「何も?じゃその胸と顔はどうしたんだ。」
「えとですね…。朝起きたら女なってて…。」
「は!?何言ってんだ!からかってんのか!」
「違います。本当なんです。信じられない気持ちは分かります。
ボクもまだ状況がつかめてなくてですね。よく分からないんですよ。」
「そ…そうか…。お前はこんな冗談言うようなやつじゃないよな。怒鳴って悪かった。」
「よかった…信じてもらえて…」

「待てよ…。お前本当に千春か?」
まだ終わっていなかった。「はい。そうです。」
「うーん…そうだよなぁ…。お前に双子の妹がいるなんて聞いたことも無いしなぁ。」
「ボクは双子じゃありません…」
「やっぱり顔も喋り方も千春だ…。お前、本当に女になったのか?」
「はい。さっき言った通りです。」
「証拠を見せてくれ。」
「証拠…ですか?」
970名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:39:30 ID:CcpxNpWH
「あぁ。病院から、診断所か何かもらってないのか?」
なんだ。そっちのほうか。ビックリした…
「えーと。もらって…ないです。」
「気の利かない医者だな。診断書ぐらい書いてやればいいのに。」
「ボクはこれからどうすれば良いですか?この学校には来れるんですか?」
「それは分からない。校長が決めることだろう。」
「はぁ…。」
「後で一緒に校長の所に行こう。昼休みに行った方が良いだろうな。
校長も腹がいっぱいで機嫌が良いだろうし、ヒマだろうからな。」
「それまでボクはどうすれば良いですか?」
「そうだな。取りあえず今は、授業を受ける訳にもいかないし、
どこかで時間を潰してくれ。自由にしてればいい。」
「わかりました。」
なんだかんだで頼りになるな。やっぱり先生だ。
「では、迷惑かけます。失礼しました。」
「ん。いいよ。んじゃな。」
そしてボクは職員室を後にした。
971名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:54:35 ID:CcpxNpWH
みなさんの感想がとても励みになります。
みなさんのレスに一つ一つ返事を返したいところですが、
この話しのイメージや、私に抱かれたイメージが崩れないように、
あまり表にでてこないようにしている次第です。

話しを書いていると、だんだんと、
やる気が削がれてきます。不安になってくるのです。
そこに皆さんのレスがあるとやる気がでてきます。

もし、2、3日話しの続きが書かれていない日がこの先あったら、
早く書けー、などの一行レスでも書いてやってください。
たぶん書きます。たぶん…
972名無しさん@ピンキー:04/09/12 00:47:59 ID:edSQezVq
ガンガレ、俺は好きだぞ。
無理にレスを付けなくてもいいので、楽しんで続きを書いて下さい。
モチベーションの低下とともに実質打ち切りになる作品も多いだけに、
作者が楽しんで書けるって事は、かなり重要な事だと思う。

とにかく楽しみにしてるよ。
973名無しさん@ピンキー:04/09/12 04:40:08 ID:lNjSaNhH
>>971
ストーリー的に、最高に漏れ好みの作品なんで
スローペースで良いからガンがって書いて欲しい・・・。

までも、携帯からじゃ大変だと思うけどね。 
余裕があったら、パソコン買って自サイト作ってみては?
974名無しさん@ピンキー:04/09/12 10:51:13 ID:GFIripfs
ありがとうございます。
PC持ってるので、自サイトを
持つことも考えたいと思います。
がんばります。
975名無しさん@ピンキー:04/09/12 14:33:24 ID:BaIS9gyz
>974
応援するぞ。がんばれ!

ところでそろそろ次スレを建てようと思うんだがどうだろう?
976名無しさん@ピンキー:04/09/12 18:26:13 ID:lXhbvZ8B
良いと思うよ。ぜひお願いしたい。

>>974
自サイトできたら、絶対訪問するよ。
がんがってくれ。 
977名無しさん@ピンキー:04/09/12 19:30:21 ID:GFIripfs
さて、これからどこに行こうか。
早くしないと、休み時間になって、生徒と出くわしてしまう。
そうだ、屋上に行こう。そこなら誰もいない。
足音をあまりたてないように、けれど小走りで階段へ向かう。
この校舎は三階建て。屋上は四階に当たるところにある。
階段をサッサと上がって行くと、屋上への扉がある。
扉には大きく『立入禁止』の貼紙が貼ってある。
ノブを回すと、鍵はかかっていなかった。

ここなら、誰も来ないだろう。
ボクは安心してドアを開けた。
目の前に、見晴らしの良い景色が広がる。風もあって気持ち良い。
ボクは座る場所を探した。貯水タンクの近くに、
調度良さそうな日影があった。
あそこにしよう。近づいて見てみると、人が倒れている。
もっと近づいて見てみると、タオルを眼に被せて寝ているやつがいた。
「大悟…。」
また寝ている。ボクは呆れてしまった。
978名無しさん@ピンキー:04/09/12 19:54:38 ID:GFIripfs
周りを見渡しても、座るのに調度良さそうな場所はここ以外なさそうだ。
ボクは大悟を起こさないように、大悟の横に座った。
何もやることが無いので、テトリスでもする事にした。
携帯を開いてゲームを起動させる。
「ん…。この匂いは…。千春か!」
「ぅわっ。」
ガバッと大悟は起きた。
「よぉ。千春。また会ったな…ふわぁーあ…。」
「犬かお前は…」
「なんでここに居るんだ?」
「成り行きで。」
「そっか。てっきり俺を追い掛けて来たのかと。」
「冗談言うなよ。」
「ぐはっ。はっきりと否定された…」
大悟は面白い。気兼ね無く話せる。
「うあー。俺の繊細な心がー。」
あぐらをかいて座っていたボクの足に頭を乗っけてきた。
「あーいい匂い。」
「こら。また寝るのかよ。」
「人は何故眠るのか。そこに枕があるからさ。」
「ボクの脚は枕か…。」
「最高級の枕だよ。」
「ぷっあはは。お世辞のつもり?」
「そそ。これ以上の枕はないよ。」
「レンタル料30分で千円ね。」
「金とるのかよ!しょうがないなー…はい。千円。」
「本気で利用しようとするなよ!」
「いや、てっきり商売にし始めたのかと…」
979名無しさん@ピンキー:04/09/12 21:43:47 ID:OQJ/Bmxd
関連サイト多すぎて途中で投げ出した。
別に反省してない。

もし理想の女性に生まれ変わったら… その6
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1094990885/l50
980名無しさん@ピンキー:04/09/15 14:03:36 ID:SnS94o0f
こっちはもう落とすのかい?一応上げておくが。
981名無しさん@ピンキー:04/09/15 14:22:58 ID:vl98WpnJ
もう埋めてもいいんじゃないか
982名無しさん@ピンキー:04/09/16 01:01:07 ID:CekXkQh+
ほっておけば、いいんじゃない?
埋め立て行為は、あらしになるらしいし。
983名無しさん@ピンキー:04/09/16 02:55:39 ID:bFco4n0G
つーか980を超えたら、すぐに落ちるよ。

たぶん明日かあさってには終了。
984名無しさん@ピンキー
埋めておく