ドラゴンクエスト官能小説Part7

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593偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:50 ID:Z0FcaIl8

さすがに女王の滞在する階だからか床の白レンガはぴかぴかに磨かれ光り輝き
その上に敷かれた赤い絨毯の道が階段から女王の座る玉座まで続いていて
常識的に考えられる”城”である事を主張している。
アリーナが捕まり、その仲間という事で勇者達は全員この玉座の間に集められていた。
突然の事態に戸惑う勇者達とは対照的に女王は冷静に原告の話を聞いている。
それにしても玉座に座っている美しい女王は
どう見ても二十代前半、下手すると十代という事もある。
一国の王としては考えられない若さである。
「……です」
まだ、うら若い女王は原告のシスターの話を聞き終わると
いささかも表情を変えずにアリーナに目をやった。
「こう申しておるがその方、罪を認めるか?」
「あたしは何もしてないわ!」
「嘘です!わたくしのロザリオを盗ったくせに!」
「何を抜かすか、小娘!アリーっんがっ!〜」
興奮してアリーナの正体をばらしてしまいそうなブライの口を勇者がおさえる。
大きく予定が狂ったが、いや狂ったからこそ
アリーナの素性はまだ隠しておくべきと勇者は判断していた。
「お静かに!!」
騒然とし始めた広間にひときわ大きな女王の声が響き渡り
再び広間には静かな緊迫感が満ちた。
シスターは恥ずかしそうに口を閉じ反論しようとしていた
アリーナやブライも我に帰ったのか静かに姿勢を正した。
「・・・しかし、彼女のロザリオが盗まれたのは事実。
 そなたでは無いとすれば誰がそのような事をしたと言うのですか?」
「きっとあの男よ!あたしに部屋に入れって言った奴!」
アリーナがこの場にいない真犯人に怒りを叩きつけた。
594偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:52 ID:Z0FcaIl8

しかし、女王はアリーナの言葉を聞いても心を動かされた様子は無く
表情を微塵も変えずにアリーナの顔をじっと見つめた。
それから、ゆっくりとアリーナの後ろに並んでいる彼女の仲間たちの方に顔を向けた。
値踏みするように仲間達の顔をゆっくりと見渡していた女王が
勇者の顔を見て動きを止めた。
見られている勇者もそれがどのような意味だったのかわからなかったが
淡々と裁いていた女王の変化は場を静まらせた。
女王が勇者を見ていた時間というのは実際はほんの少しの間だったが
女王がいままで無表情だった分その変化がわかりやすく目立っていた。
「よろしい。
 ならばあなた方がその真犯人を捕まえてきて下さい。
 その男とやらが真犯人だとするなら
 顔を見ているあなたが最も適しているでしょう。
 あなたへの疑いがはれたわけではありませんから
 誰かお仲間に残っていただきますが
 それでかまいませんか?」
「寛大なご処置感謝いたします。女王様」
ブライを抑える役をライアンに譲り勇者は頭を垂れて礼を述べた。
旅の間に宮廷での礼儀作法をブライから教わっていた為
なんとかみっともない姿は晒さないですんだようだ。
「ただし、犯人を見つけられなかった場合あなた達全員を犯罪者として処分します。
 ・・・では、下がってよろしい」
女王がそう声をかけると女王の近衛兵達が勇者達の傍にはしり寄ってきた。
彼女らに率いられるまま勇者達は一礼し、その場を退席した。
595偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:52 ID:Z0FcaIl8

「ここだ。誰が入ってもいいが常に一人は入ってもらわなければいけない。
 中に入る人間を交代する時は私に言ってくれればいい」
薄寒い地下に鉄の擦れる音が響かせ女性兵士が牢の扉を開けると
クリフトがアリーナを制して先に牢の中に入った。
顔を青くしていてもアリーナに関する事なら実に素早い。
見張りの兵士が離れたのを確認すると勇者達は鉄格子の前に円状に座り込んだ。
「クリフトごめん」
「当然ですじゃ。姫様が牢屋に入られるなど王家の恥ですからのう」
「やめてよ、もう!特別扱いしないで!今はっっ〜」
アリーナが自分の身分を大声で明かしそうになったので
マーニャが素早くアリーナの口を抑えた。
「「しーっ!」」
むがむがもがいていたアリーナも仲間全員から注意されると
ムッとしながらも静かになった。
「アリーナ、僕達もよくわからないんだが詳しく聞かせてくれないか?」
勇者に問われてアリーナは泥棒と間違われた経緯を話した。
もちろん、勇者とミネアの昨夜のような姿を想定していたとは言えなかったが
誰もアリーナの行動を非難もせず疑問を投げかける事も無かった。
アリーナもそれはそれでまるで自分が馬鹿な事しても当然のようで気に食わなかったが
今は何も言わない仲間達に感謝した。
「たしかにその男が怪しいな」
アリーナの話を聞き終えた勇者の言葉に皆一様にうなずく。
「ただのこそ泥が行き当たりばったりでやったのでしょうか?」
ようやく顔に血の気が戻って来たクリフトが皆を見渡した。
「うーん、どうですかね?
 確かに手段は一見幼稚に見えますが意外にそうでもありませんよ」
「どういう事?」
全員がトルネコの顔を見る。
596偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:54 ID:Z0FcaIl8

「まず、これは失敗してもかまわないように出来てるタイプの罠ですよね。
 もし、アリーナさんがその男の言葉を無視してもその男には何の被害もない。
 ただのまぬけが一人と通り過ぎただけです。
 つまり、罠にかけるつもりでいたなら、また新しい罠を用意できるという事です。
 誰かを罠にかける時は一回しかできない成功率が高い罠をかけるより
 何度も使える幼稚な罠の方が結局役に立つんです」
トルネコの推理を聞き、皆の表情がこわばる。
「その男というのが、僕達を狙ってきたと?」
「その可能性はあるでしょう。
 いや、まず間違いなく、そうだと思います」
「なぜです?」
「このやり方だと私達以外にはひっかけようがないですからね。
 この国の規模から言うとガーデンブルグ国民同士で
 顔を知らないなんて事はないでしょう。
 だからよそ者しかひっかけられません。
 ところがこの国はあの崖崩れのせいで長らく旅人がいなかった。
 今、この国でよそ者といったら私達だけ。
 いくらなんでも偶然じゃないでしょう。
 私達がこの国に来るのを知っていたか、待っていたか。
 どっちかと考えられませんか」
トルネコの推測に感心したように皆が頷く。
「だとしたら、やはり魔族でしょうか?」
赤みのさしてきた顔をまた青ざめさせてクリフトが問う。
「そう考えた方が良いじゃろうな。
 人間だとしても魔族に操られているか
 自らの欲望の為に魔族に荷担する者にきまっておる!」
ブライの怒りに満ちた声が地下に響く。
アリーナを疑われた怒りが蘇ってきたのだろう。
597偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:54 ID:Z0FcaIl8

「問題は誰を狙ってきたのかです。
 私を狙って来たのなら、そこらの下っ端でしょうが
 アリーナさんを狙ってきたのなら、手強い魔物が来たと見るべきでしょう。
 サントハイム城奪還の時に見られてますからね」
「でも、あの時あたし達の戦いを見てた奴から
 あたし達が強いって聞いた弱い奴らが正面から戦うのは不利と思って
 こんなせこい事してきたって事も考えられるじゃん」
「ふむ、確かにマーニャ殿の言われる事も最もですな。
 魔物も恐れをなしたのかも知れませんぞ」
格子の中からライアンが快活に笑う。
明るい笑い声で雰囲気を明るくしたかったのかも知れないが
その試みは地下牢の薄暗い空気に阻まれてしまった。
ライアンとは対照的に不安を隠せず暗い顔をしたミネアが口を開いた。
「でもおかしくありませんか?
 魔物が化けていた、もしくは人間を操っていたとしたら
 なぜ男性だったのでしょうか?
 この国でやるなら女性に化けたり女性を操るべきではないでしょうか?」
「・・・そういわれればそうだな」
「じゃあ、やっぱ魔物関係なし?」
気楽そうに言ったマーニャにミネアは首を横に振った。
「ううん、もしかしたらその男ってデスピサロという可能性はないかと思って・・」
ミネアの言葉に皆がギョッとする。
デスピサロの名がでただけで急激に空気が硬くなっていく。
彼等のうち誰一人姿を見た事は無いが、その名その存在は忘れた事がない。
598偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:55 ID:Z0FcaIl8

「いつもデスピサロは人間の男に化けて出てきてますよね。
 もしかして今回も・・と思ったんです。
 考えすぎでしょうか?」
「わざわざこんなしょぼい事しにあいつが出てくるわけ?」
「ううん。これはすごく重大な事よ。
 もしも、魔族が本格的に侵攻し始めた時に人間の希望である勇者さんを
 人間が処刑していたなんて事になったら人間同士で争いが起こるわ」
ミネアが語る言葉に皆の顔が強張る。
キングレオ、サントハイムと襲われたために警戒はしているものの
いまだに国家間で協力する事も無い。
いくら魔族が襲ってくると言っても
同じ人間の他の国に比べれば危険度は低いと言う認識なのだろう。
「でも、勇者が生きてるって知らないんじゃないの?」
「いや、この間のサントハイム城での戦いを監視していた奴がいた」
デスピサロが関与している、
その可能性があるというだけで皆の緊張感が張り詰めてくる。
恐れているのではない
むしろ倒したいという感情が気負いに変わってしまいそうな程だ。
「も、もしかしてガーデンブルグの女王もキングレオのように・・・?」
クリフトが怯えたような声を出す。
「ふむう、たしかに怪しい奴じゃった。
 まるで感情が無いかのような態度も操られているとすれば察しがつく」
そう考えると今のこの状況は敵の巣穴にいるようにも感じられてきて
冷たい地下牢が一層不気味さを増してくる。
「看守殿!すまんが中に入る人間を交代したい!」
突然ライアンが看守を大声で呼んだ。
すぐにやってきた背の高い女兵士が牢の扉を開けるとライアンはクリフトと交代した。
体の大きいライアンが入ると牢の中が狭くなったように見える。
ライアンが牢の中に入る事に誰も何も言わなかった。
牢の中の危険性を考えてライアンが自ら進み出たのだ、何も言う事は出来ない。
それに一人で戦わなければならないとしたらライアンが最も適しているのも確かなのだ。
599偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:56 ID:Z0FcaIl8

「すいません・・」
「気にしないでくだされ。万が一の事を考えたまでの事。
 捕まえてみれば只のこそ泥にすぎんでしょう」
「そうです!捕まえてみればただのこそ泥ですよ」
わざとらしく明るい声のトルネコに勇者が続く。
「結局、やる事はその男を探す事だ。
 捕まえてから素性を探ればいい」
「ふむ。勇者殿の言う通りじゃな」
「そうですね」
憶測で語ってもきりが無い、やるべき事をやるだけである。
「どっちにしても情報が必要だ。まずは聞き込みかな?」
「そうですね。この国に協力してくれる人がいればいいんですが・・」
「神父さんに聞いてみます。神に仕える者同士信じてもらえるはずです」
「シスターがアレなのに?」
「うっ・・」
「とりあえず動いて見ればこちらを見張っとるのがいるかどうかはわかるな」
「門番がその怪しい男が通った事を認めるか否かじゃな。
 知らん事はあるまい。知らんといえばこの国ごと敵じゃ」
「しかし、魔族っだったら姿変えたり消したりして入ってきたかも」
結局はその男が人間か魔族かという話に戻ってきてしまう。
「魔族が後ろにいるなら拠点が近くにあるかも知れないな。
 そうなると逆に場所はわかりやすいが・・・
 その男が魔族に利用されているだけだったとしたら
 既に消されている可能性もある」
そうなれば当然真犯人がいなくなり勇者達が犯人にされてしまう。 
言葉で雰囲気を明るくしても犯人を捕らえなければ何の意味もない。
空元気の効果も消えようとした時、ミネアが顔を上げた。
「あの・・誰か私をエンドールに連れて行ってください。
 犯人の居場所ならわかるかも知れません」
全員に視線を注がれて少し恥ずかしそうな様子でミネアが言葉を続けた。
600偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:57 ID:Z0FcaIl8

「特殊な占いの道具がいるんですが
 それを使えばその怪しい男の居場所が恐らくわかるはずです。
 何日か時間がかかるし、その男がデスピサロだったら通用しないんですけど・・・」
ミネアの声は最後の方は小さくなってしまったが、その提案は
碌な手がかりが無い状況に光明を射したようだ。
「わかった、それは僕が行く。
 その前にまず作戦をまとめよう」
勇者がそう宣言すると仲間たちが次々とどうすべきかを進言する。
勇者がそれを聞いて作戦を決定する。
いつのまにかそれが彼等の行動の指針を決めるやり方になっていた。
「魔族が後ろにいるなら近くに魔族の拠点があるかも知れない。
 トルネコとマーニャで街の人にその男の事を聞いてみてくれ。
 外から人が来たのは久しぶりだと言ってたからその男も相当目立ってたと思う。
 いざという時はその人達から
 その真犯人らしき男がいた事を証明してもらうしかないかもしれない。
 クリフトとブライはトルネコ達から離れて警戒してくれ。
 この国が魔族に操られているなら僕らを見張っている奴がいるかも知れない。
 アリーナはパトリシアの所に行ってやってくれ。
 もし、組織ぐるみの犯行なら僕らの脚を狙われる可能性がある。
 もし、襲われたら何が何でも倒そうとせずに逃げる事も大事だ」
指示を与えながら勇者は看守の目を盗みライアンにマグマの杖を渡した。
ライアンは瞬時に勇者の意図に気付き、音も無く杖を寝台に隠した。
もし、牢獄にいる時に魔族に襲われたら武器にもなるし
真犯人が見つからなかった場合は鉄格子を溶かして逃げる事も出来る。
最もガーデンブルグがまともな国だった場合はお尋ね者になるであろうが。
「みんな気をつけてくれ。
 こっちを分散させる作戦の可能性もあるから」
勇者が立ち上がり歩き出すと、ミネアはその後をトコトコとついていく。
二人の後ろ姿を皆が見送る中、アリーナだけは複雑な表情をしていた。
601偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:58 ID:Z0FcaIl8
二回目の投下終わりです。続きは明日投下します。
602名無しさん@ピンキー:04/05/10 05:20 ID:hWVkH8S1
き──────────た、きたきたー!!
勇ミネ(・∀・)イイ!!
らぶらぶであまあまなの期待してまつ。
603名無しさん@ピンキー:04/05/10 07:54 ID:O5PAna7n
レズもの書こうとしたが4は常に供給過多状態だのう
604名無しさん@ピンキー:04/05/10 21:16 ID:SV6++STQ
ネ申がたくさん居るスレはうらやましいでつね
605名無しさん@ピンキー:04/05/10 21:18 ID:byKDvtOy
おぉ、いっぱい来てる(・∀・)

>>566-577
主ビア待ってましタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
606名無しさん@ピンキー:04/05/10 23:34 ID:vVcNTmUi
>偽りの空言氏
おー、面白い。
実はこのスレ初めて来たんだが、保管サイトの過去ログあさって最初から読んでしまったよ。
男勇者のこう言うSSは意外と少ないんで楽しみにしてますー
607偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:48 ID:AHUiR2jK

さっきからずっと心臓の音が聞こえてくる。
勇者と別れてからずっとこの調子で落ち着こうとしても落ち着けない。
もうすぐ、勇者が今日の聞き込みの成果を皆から聞き終えるだろう。
それからの事を考えると不安と期待でミネアの胸は苦しくなった。
『一人でお風呂に入っちゃ駄目だよ。僕が迎えに来るまで待ってて』
別れ際に勇者の言った言葉がミネアの頭の中をぐるぐると回る。
言う事を聞かないで嫌われたくない、だけど臭い、汚いって思われたくもない。
お風呂場に続く扉に手をかけて離す、逡巡した後掴みなおし、また離す。
(一人ではいっちゃ駄目って、やっぱり一緒に入ろうって事よね・・)
一緒にお風呂に入る所を想像すると顔が火照ってくる。
さっきまでエンドールで一緒に買い物をしていたのにもうすでに会いたくてたまらない。
半日二人きりだったぐらいでは全然足りない。
こんな独占欲の強い女は嫌われるんじゃないかと思い不安になるがどうしようもない。
ミネアが風呂場の扉の前で悶々としながらうろうろしていると扉を叩く音がした。
ミネアは慌ててベットに飛び乗って行儀よく見えるように足を折りたたんだ。
「はい。どうぞ」
ミネアの返事の後、少しだけ扉が開くとそこから顔を出したのはアリーナだった。
勇者じゃなかった事に失望を覚え、ミネアはそんな自分を心の中で罰した。
「あの、いい・・・かな?」
「あ、はい、どうぞ」
アリーナは返事を聞いてから恐る恐るといった様子でミネアの横に腰掛けた。
いつものアリーナからは想像できないほど、しおらしい。
「あの・・き、今日はごめんなさい。私のせいで・・」
「そんな事気にしないで。
 悪いのはアリーナさんに罪をかぶせた泥棒の方ですから」
「でも、何の手がかりも見つからなかったし
 結局ミネアの占いに頼る事になっちゃったから・・」
「気にしないで下さい。
 こういう時の為に私はいるんだし、私の力が皆の役に立つのは嬉しいですから」
「ほんと?」
「ええ」
608偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:49 ID:AHUiR2jK

ミネアが微笑むとアリーナはほっとした。やはりミネアはいい人だった。
という事は教えられた通り、悪いのはあいつの方だ。。
こんな優しい人を苦しめている奴を放ってはおけない。
「あのね、ミネア」
「はい?」
「これからは困ってる事があったら何でも言ってちょうだい。
 同じ女の子としてミネアの力になるわ。
 一緒に勇者を懲らしめましょう」
予想だにしなかったアリーナの言葉にミネアは軽くパニックになった。
「こ、懲らしめる?」
「あたし、昨日見たの。ミネアと勇者が一緒にいるところ」
「み、見たって・・」
ミネアの頭の中を色々な言葉が渦巻いていた。
(見た!?見たって見たの!?何を見たの!?
 待って!!落ち着いて。昨日はキスぐらいしかしてないはず・・・
 あ!でも・・いや・・あれは・・・・)
「ミネア?」
空中を見つめたままミネアが固まってしまい戸惑い気味にアリーナが声を出した。
「昨日は、二人が何してるのか分からなかったの。
 見ちゃいけないものを見たんだって勘違いしてた。
 でも、わかったからには許さないわ!二人でやっつけよ!」
アリーナの言葉が耳に入ってくるが、全く意味がわからなかった。
見られていただけでも大変なのに、アリーナは勇者をやっつけるとか言っている。
「や、やっつけるって・・え、な、なんで?」
「なんでって・・・大丈夫、わかってるわ。
 あいつに口止めされてるんでしょ?なんて卑劣な奴なの!
 一時でも信頼してたあたしが馬鹿だった・・・!」
アリーナは一人でなにやら戦闘態勢に入っている。
「待ってください!何の事です!?」
「何って、勇者のことよ。
 昨日、見たんだから!勇者が嫌がるミネアを無理矢理抱きしめていたのを!」
609偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:50 ID:AHUiR2jK

「ねえさん!!」
ノックも無しに勢いよく開いた扉から入ってきたミネアが詰め寄ってきた。
「なあに?怖い顔して・・・」
マーニャはベットに寝転がったままとぼけている。
「とぼけないで!姉さんがアリーナさんに嘘ついたんでしょう!?」
後から入ってきたアリーナがミネアの後ろから顔をだした。
「あたしは嘘なんかついてないわよ。
 アリーナが昨日見た光景の意味がわからないって言うから教えただけよ」
悪びれた様子も無く澄ました顔の姉にミネアの怒りが増す。
「ねえさんが意味わからないはず無いでしょう!?
 誰が脅されてるですって!?誰が女を食い物にしてるんですって!?」
ミネアの声は抑えられているが、逆に抑えられた声が本気で怒っている事を伝えていた。
(これは・・・これ以上からかうとちょっとまずいかも・・・)
長年怒られて来た経験からマーニャはそう判断しベットから身を起こした。
「いやー、ごめんごめん。怒らせるつもりは無かったんだけど・・・」
謝ってもミネアは目を吊り上げたままだ。
「アリーナがさぁ、何にも知らないもんだからついからかってみたくなって。
 アリーナもごめんね。」
マーニャが謝るといまだに事情が掴めていないアリーナはきょとんとしている。
「ごめんって・・・?」
「さっき言ったの嘘。別に勇者はミネアを脅したり力づくでどうこうしたりしてない」
「えっ!?じゃあ昨日のは何だったの!?」
「うーん・・・アリーナってなんだかんだ言ってもやっぱりお姫様なんだねぇ」
「な、なによ!それは関係ないでしょ!」
アリーナはそう言うが関係ない訳ではない。
いや、普通の姫君なら嫁いでいく時の為にそういう事もたしなみとして教えられるのだが
アリーナの場合はいつも勉強をさぼっていた上に姫を溺愛する王やブライ達お城の人と
城下町の人達が「アリーナ様はまだ子供だ」と教えようとはしなかった。
そのせいでアリーナの知識は、男は力づくででも女の裸を見たがったり触りたがるモノ、
という辺りで止まってしまっているのだった。
610偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:50 ID:AHUiR2jK

「じゃあ昨日は何してたの?あたしも知りたい!」
詰め寄るアリーナにミネアはすでに怒りも失せ困惑していた。
考えてみれば嘘をついたマーニャも悪いがそもそも無用心だった自分も悪い。
「でも、お姫様はそういうの知らない方がいいから
 ブライさん達が教えなかったんだと思うんです。
 ですからブライさん達にも悪いですし・・」
そういわれるとアリーナとしてもますます引き下がるわけにはいかない。
「あたし、今は姫じゃなくてみんなの仲間だよ。あたしだけ知らないなんてずるい!」
困ってしまってミネアがマーニャを見るとマーニャは小さな笑みを浮かべてウィンクした。
「わかった、じゃあ教えてあげる。
 アリーナは愛し合う男と女が何をするのか知ってる?」
「・・・結婚」
「うん、そうね。じゃあ結婚式は見た事ある?」
「モニカ姫のならちょこっと見たけど・・・」
「地方によって異なるんだけど私達の地方では
 結婚式で結婚する男女が抱き合って口付けを交わすの」
理解できているのかアリーナは黙ってマーニャの次の言葉を待っている。
「でも、特殊な事情で結婚したいのに結婚式が挙げられない人もいるんだよね。
 そういう人達は結婚式ごっこをやって満足したりするの。
 昨日の勇者とミネアもそれなのよ。
 世界を救うため戦ってる勇者がのんびり結婚式とか挙げてられないでしょ?」
アリーナはいつまでも終わらないモニカ姫の結婚式を思い出しうなずいた。
確かにあんなに時間がかかるものを勇者がやっているわけにはいかないだろう。
「じゃあ、勇者とミネアは・・・・・け、結婚したの?」
なぜか胸がズキッと痛む、訊いてはみたが返事が怖い。
アリーナは自分が何か変な気がしたが何が変なのかわからなかった。
「ううん、まだ結婚式ごっこをやっただけよ。世界を救ったらするんじゃない?ね、ミネア」
「えっ・・そんな大それた事・・私が勇者さんと結婚するなんて・・・」
「あんたまだ、そんな事言ってるの!?
 世界を救った後、あいつが勇者って知れたら他の娘もいっぱい寄ってくるわよ
 盗られちゃってもいいわけ?」
611偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:51 ID:AHUiR2jK

「勇者さんが他の女の子を好きになったらしょうがないじゃない・・。
 私に束縛する権利なんか無いもの。
 先に知り合ったからって独占するのはずるいんじゃないかと思って・・」
マーニャは大げさにため息をつくとアリーナの方を向いた。
「ま、昨日のもきっとこういう事よ。
 勇者が好きだけど好きって言うべきじゃないと思い込んでるから
 結婚式ごっこしてるくせに、嫌とか、駄目とか言ってたのよ」
アリーナはすっかり納得の行った様子ではーっと大きく息を吐いた。
「ま、でもミネアに限らずそういう事ってあるわね。
 こうするべきと思ってる事と感情が違うこと。
 好きだけど怒る、好きだけど嫌いって言う、そんな事もあるのよ」
「うん・・・そうだね。わかるよ。
 あたしも前にお父様に嫌いって言った事あるもん」
アリーナの言葉で三人の心に父の姿が浮かび上がる。
マーニャは部屋の空気が湿っぽくなったのを感じ出来るだけ明るい口調で話を変えた。
「そういやさ、ここの女王って勇者に気があるんじゃない?」
「えっ!?」
「裁判の時、勇者の顔ジーっと見てたじゃん、気があるっぽくない?」
「そ、そんな事はないと思うわ」
「でもそう言われればそうかも。確かに勇者の事ずっと見てた」
「アリーナさんまで・・・気のせいです。
 男性が珍しかったんですよ、きっと。」
「女王も結構美人だったわね。本当に盗られちゃうんじゃない?」
「勇者様はそんな見た目だけで惑わされたりしないですから」
「ほら、なんだかんだ言ってやっぱり独占したいんでしょ。素直にそういっちゃいなよ」
「う・・・」
娘たちの他愛も無い会話はその後もしばらく続いた。
アリーナはマーニャの話を聞いてすっかり大人になった気がした。
ミネアとも打ち解ける事が出来た。
すごく嬉しいはずなのに嬉しさと同時になぜか胸が苦しい。
アリーナはその意味を理解するほどには、まだ大人になれていないのであった。
612偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:51 ID:AHUiR2jK

コンコン
静かに扉をノックして部屋に入ると待ちくたびれたのか勇者は既にベットで眠っていた。
申し訳ないとも思うが、もう少し待っててくれても良いのにとも思う。
占術の準備をするのを手伝ってくれると言ってくれたのだが眠ってしまっては仕方ない。
ベットの横のテーブルに置いてある道具を取りにソロソロと近づく。
規則正しい寝息を立てて眠っている勇者の寝顔を見つめると思わず顔が緩む。
昼間のリーダーとして仕切る時とも夜の恥ずかしい事ばかりさせたがる時とも違う。
どんどんたくましくなっているが、まだ寝顔はあどけない少年だ。
最近は完全に主導権を握られてしまっているが
一応は自分の方が年上だったのを思い出しお姉さんな気持ちにる。
前かがみになってお休みのキスをすると唇が触れた瞬間に抱きしめられた。
「ンんんっ!?」
驚いて体を離そうとするが目を閉じたままの勇者にがっちりと抱きしめられて動けない。
抱きしめる力の強さをは反対に、唇をまさぐる口は優しくてミネアの体は抵抗を止めた。
唇を触れ合わせたまま勇者はゴロンと回転しミネアを敷いた。
「遅かったね。どうしたの?」
息がかかるほど近い距離で話されると声に愛撫されているようで
ミネアの体は早くも疼きだしていた。
「ごめんなさい、アリーナさんと姉さんとお話してたらいつのまにか・・・」
これだけを言うのに随分とエネルギーを使う。
話す事よりも欲望を抑える行為に力を振り絞る。
触れたい、触れて欲しい唇が目の前にあるのにそのどちらも叶わず
口を話す事に使わなければならない事が苦しい。
「そうか・・・。それなら仕方無いかな、友情を深めるのはいい事だしね」
勇者は実は前からミネアが他の仲間達とあまり上手くいってないのではないかと
そしてそれは、自分がミネアを束縛しているからではないかと心配していたのだ。
「いいんですか・・?」
ミネアにまわしていた手を外し体を浮かせた勇者にミネアは思わず声を出した。
613偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:52 ID:AHUiR2jK

「ん?お仕置きして欲しかったのかな?」
いじわるな笑みを浮かべてもう一度勇者はミネアを組み敷いた。
「ぁ・・・・」
ミネアは甘い吐息を浴びて声を出せなくなってしまった。
もっとキスしていたい、触れていたい、ただその事を伝えたかったのだが
それが何故か物凄くいやらしい事に思えて顔が熱くなる。
「そんなにして欲しいならしてあげるよ」
沈黙を自分に都合のいい方に解釈してから勇者はキスでミネアの反論を封殺した。
そしてそのままミネアの体を引き起こす。
「でもまずは占術の準備が先だ。
 じゃあ、服を脱いで」
勇者はそう言うとミネアから離れテーブルの上の荷物を取り出し始めた。
ミネアは今のうちとばかりに素早く寝巻きを脱いだ。
いつも勇者は服を脱ぐ様子をじっくり見て来るので恥ずかしいのだ。
「おいで」
ベットに腰掛けた勇者に言われるまま下着姿になったミネアは
勇者の足に挟まれるように座った。
密着したお尻に固いものが当たり、ミネアは嬉しくなった。
「初めはこれを飲むんだったよね」
勇者はミネアの肩から顔を出し小さな濃い青色の瓶を一つ差し出した。
一応、購入した店のおばさんに手順をきいたのだがミネアに確認する。
「はい」
ミネアはその瓶を手にとると中身を一気に飲み干した。
液体のくせに妙に粉っぽくて口の中、喉と通った所がスース―する。
背中から伝わる温もりが一層暖かく感じる。
「まずいの?」
ミネアのお腹をなでながら、好奇心から聞いてみる。
「おいしいとは言えないです。
 でもこの系統の薬の中ではまだおいしい方・・んっ」
勇者はお腹をさすっていた手を胸に伸ばしミネアの下着を剥ぎ取ると
おっぱいをさするように揉み始める。
614偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:53 ID:AHUiR2jK

「あ、あの汚いですよ。言われた通りお風呂入ってませんから」
ミネアはさっきからそれを気にしていた。
勇者はお風呂に入ったらしく石鹸の匂いがする。
勇者に言われたからとはいえ自分は汗も流していない。
なんだかみじめなような、みっともないよう気になってくる。
「こら。何を言ってるんだ。
 ミネアの体は僕のなんだ。
 ひとの物を勝手に汚いとか言っちゃいけない、怒るよ」
無茶苦茶な事を勇者は少し本気で怒ったように言う。
だが、ミネアはこの無茶苦茶な発言がなんだかとても愛されているようで嬉しくなった。
好きだからこそ独占したくなる気持ちは誰よりもわかるから。
「ずっとっ・・ぁ・持っててくれますか?
 飽きたら他に恋人作られてもいいから・・ずっと持っててください」
胸をこねる手にミネアが手を重ねると勇者の動きが止まった。
「まだ、そんな事言ってるのか・・・。
 何回愛してるって言えば信用してもらえるのかな?」
勇者は胸を揉んでいた手を離すとミネアの腕ごと抱きしめ直した。
「・・・だって、私、普通に出来ないから野営の時とか勇者さんを満足させられないし
 そもそもお尻でしか出来ない女なんて嫌いになっちゃうんじゃないかと・・・」
「好きだよ」
耳から直接声を流し込まれミネアは麻痺したように動けなくなった。
「好きだ」
「愛してる」
「好きだ」
愛の言葉に彩られた優しい吐息がミネアの心を愛撫する。
「あ・・・」
ミネアはどうしていいのかわからず言葉を失ってしまった。
暖かい気持ちがあふれてきて涙に変わりそうになる。
「信用してくれる?」
触れた肌から伝わる温もりがミネアの体に染みていく。
その暖かさに自分がどれだけ甘えていたかを知らされた。
615偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:55 ID:AHUiR2jK

「じゃあ、私も勇者さんを誰にも渡しません。
 勇者さんが他の誰かを好きになっても諦めません。
 ずっとずっと好きです。
 だから浮気しても良いですよ。
 絶対に連れ戻しますから」
力強く宣言するとミネアは顔だけ振り返って勇者の唇を奪った。
「覚悟して下さいね」
にっこりと笑うミネアの唇を勇者が奪い返す。
愛し合う恋人たちは時に永遠の愛を口にする。
それが永遠にならない事が多いのも二人は知っている。
それでも、叶えられないかもしれない未来を約束したいのだ。
叶えられないかもしれないから。
「このまましたいけど、今日は先にミネアの体を綺麗にしないといけないんだ」
勇者はそう囁いて立ち上がるとミネアの体を持ち上げて布団に寝かせた。
あお向けになったミネアの下着に手をかけてずり降ろした。
「ミネア、お尻を綺麗にするから足を上げて」
「えっ!?」
「自分で足を抱えるんだ。
 よく見えないとやりにくいだろ?」
勇者に今まで散々いじわるされたし恥ずかしい事をさせられたが
これほどの行為は無かった。
最も隠したい場所を自分から晒すなど出来るはずが無い。
「ほら、早く。キレイにしたら突っ込んであげるから」
さっきまで愛の言葉を囁いていた口とは思えないほど下品な物言いに
ミネアの体から恥ずかしい蜜が溢れ出てくる。
ミネアは自分の体の正直さに呆れ恥ずかしいと思うが
これ以上、嘘はつけなかった。
616偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:56 ID:AHUiR2jK

ミネアはゆっくりと自分の膝の裏をつかみ持ち上げた。
見られている、あそこを、お尻を、期待に蜜をあふれさせているところを。
恥ずかしい場所を晒して悦ぶ自分を知られてしまう。
いやらしい体を見られる、いやらしい心を見透かされる。
「もっとあげて、よく見えない」
羞恥のあまり頭が真っ白になる。
言われるがまま、さらに足を持ち上げる。
「もっとだ」
膝が肩に当たり、お尻が浮くほど持ち上げる。
恥ずかしさだけではなく姿勢の苦しさで震えるミネアのお尻を
勇者の手の平がゆっくりと撫でさする。
「ミネア、とろとろだね」
勇者は露わになった秘所をたっぷりと目で犯し羞恥に震える姿を楽しむと
秘裂からあふれる蜜を指でぬぐいミネアのお尻の穴になすりつけた。
ギュッと目を閉じているミネアがビクンとするのを見てから
勇者は浣腸器を取り出し手馴れた手つきで素早く注入する。
「まだだよ」
感触で終わったと思ったミネアが足を降ろそうとすると勇者が叱責した。
仕方なくもう一度足を抱えたミネアの恥丘に勇者はクリームを塗りつける。
「毛も剃らないといけないからね」
そう言うと短刀を取り出してミネアの陰毛を剃り始めた。
「ぬるぬるで剃りにくいなあ」
ミネアの体がまたビクッとなる。
「ごめんなさい・・・」
刃物の冷たさ、指の優しさ、粘膜に当たる勇者の吐息、
愛液が溢れ出る泉に刺さる視線、全てがミネアを責め立てる。
怪我させないように慎重に慎重に剃ってくれている事がわかる。
エッチの為じゃなく占術のためにやってくれているのに
分かっているのに、勇者の指が動くたび、短刀が触れるたびに声が出そうになる。
姿勢の苦しさも忘れて快楽に浸っているとお腹がくるくると鳴り出した。
617偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:56 ID:AHUiR2jK

念入りに念入りに痛くなるほどにキレイにしてトイレから出ると
視線を感じてミネアは気恥ずかしさを隠すようにベットまで走っていった。
隣に座ろうとするとお尻をつかまれて胡座をかいた勇者の上に座らされる。
ゆっくりとお尻を勇者の腹にくっつけてからスライドして
入ってしまわないように座る、というより勇者にもたれかかると
ギンギンに硬直したモノを秘裂で抑え込んだような格好になる。
あてがわれたソレは熱くたくましく脈打ち
間を空けたせいで少し醒めた体をあっという間に熱くしていく。
「キレイになった?」
戦いを終えてきたミネアをいたわるようにお腹をさすりながら
勇者はもの凄く答えにくい質問をミネアのうなじに投げかけた。
「・・・はい」
触れ合う体の心地よさと触れているだけのもどかしさに
ジンジンと頭がしびれ恥ずかしい質問にも返事をしてしまう。
「毛が無くなった感想は?」
「えっ・・」
勇者は立てた両膝をまとめていたミネアの腕をはがすと
戸惑う指を掴み彼女のつるつるになった恥丘に持っていく。
無理に触らされたそこは本当に何も生えておらず
自分の体が勇者に変えられた事に卑猥な悦びを感じてしまう。
自分の細い指と勇者の太い指に撫でられて恥ずかしい汁が肉棒を汚す。
「後は何をしないといけないんだっけ?」
「後はぁ・・、キレイになったらお風呂はいって・・・聖水で清めるぅっ・・あっ」
恥丘を撫でさせられていた指を今度は秘裂の下から出ている肉棒に触らされる。
「先にやってもいいかな?お風呂が先の方がいい?」
ミネアを弄んでいたら余裕がなくなってきたのか勇者の息は荒い。
そして、ミネアも熱く主張する物体を女唇に擦り付けられて我慢の限界に来ていた。
「お風呂は・・・後で・・」
ミネアのか細い声を聞くとおもむろにミネアの尻を掴み浮かせると
きゅっと締まり期待に震えている可愛らしい菊座に自身をあてがった。
618偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:58 ID:AHUiR2jK

「座って」
「っ・・くぅ・・」
その声を合図にミネアは力を抜いて体をゆっくりと沈めていった。
硬直した肉棒が女の蜜で十分に濡れていたからといっても
入りにくいはずの穴だというのにスムーズに入っていく。
もはや、そこは彼等にとって性器以外の何物でもなかった。
「あぁ・・」
まだ全てを飲み込まないうちにミネアは軽い絶頂を迎えていた。
しばらく出来なかった事や散々じらされた事があるにしても
あまりにも悦ぶ自分の体がはしたない。
全てをめり込ませるとで勇者はつながったまま回すようにしてミネアの体を前に倒した。
乱れた長い髪が浅黒い背中を飾り、愛したい衝動と苛めたい感情を掻き立てられる。
正座して頭を下げる格好になったミネアのわき腹をつかみゆっくりと引き抜いていく。
ミネアの顔が上がりせつない悲鳴をあげた。
擦れる粘膜が名残惜しそうに締まり出て行く肉棒を引き止める。
逆に突き入れると今度は目いっぱい広がって悦びを表現する。
「くっ」
自分を喜ばせるための動きに勇者はおっぱいを揉む事で感謝を示した。
やわやわと軽く揉み乳頭をやさしくひっかくと乳房全体を強く握りこねる。
ミネアの吐く息が喘ぎ声だけになり満足すると今度は腰を激しく動かし始める。
一切、気など使わない。
ミネアの体で自慰をするように激しく突き入れる。
「ぅあっっ・・ぁんっ・・んっ・・んっっ」
しかし、それでもミネアの中は勇者を悦ばせようと蠢き
またミネア自身も悦んでしまっているのだった。
小さなお尻の肉をパシパシと下腹で打ち叩くと
その度に長い髪が浮いてミネアが息も絶え絶えに喘ぐ。
擦れ合う粘膜同士のいとなみが二人を歓喜の海へと連れて行く。
本日何度目かの絶頂を迎えたミネアの中がキュウッと締まり
勇者は堪らず彼女の尻の奥へ欲望を放出した。
619偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:58 ID:AHUiR2jK

中に収めたまま、息の荒いミネアの背中を撫でながら勇者は悩んだ。
すでにもう一回したくなっている。
しかし、こんな事ばっかりやっているわけにはいかない。
ミネアの体を浄化しなければならないのだ。
仕方無しにミネアの中から引き抜くとドロっと白い液体がこぼれだす。
勇者はスッと布巾を下からあてがうと新たな浣腸器を挿入した。
液を注入してしまうと布巾でふたをして、ミネアをひっくり返した。
あお向けにされたミネアは胸を荒く上下させ宙を見つめている。
勇者は呆然としているミネアの膝に手を乗せ秘所を凝視した。
元々薄かったが完全に無いというのはまた趣があり新鮮で卑猥な光景になっている。
感触を楽しもうと手を伸ばそうとしたら、ミネアが足を閉じた。
ミネアの顔を見ると潤んだ瞳がやめてと言っていた。
勇者はお尻から精液をたらしながら恥らうミネアの姿に
さらに劣情を駆り立てられ覆い被さった。
自らの重みで横に流れているおっぱいに顔を押し付け柔らかさを楽しむ。
「ミネアのおっぱいっていい匂いがするんだよね」
「やぁ・・だめえ」
ぽよぽよと弾ませたりふるふると揺らしたりしながらおっぱいを満喫する勇者の顔に
ミネアの手が伸び行為を妨害しようとする。
しかし、ミネアの力では勇者の行動を阻止できず
結局、勇者はおっぱいを枕にし乳首で耳を掻いたりとやりたい放題だ。
「やっ・・あっ・・」
その上、お尻の方に力を入れなければならない状態では
ミネアの力はさらに弱まり抵抗もままならない。
ミネアの変化に気付き勇者はようやく顔を上げてミネアを見下ろした。
「あ・・おトイレに行かせてください・・・」
今日は、一応エッチ目的で排泄させているわけではないので
簡単に「いいよ」と言うとミネアは顔を輝かせてトイレに向かっていった。
こんな事で喜ぶミネアが可愛くてたまらなくなり、勇者は悩んでしまう。
笑顔も見たいし困った顔も泣き顔もはにかむ顔も怒った顔も見たい。
勇者はミネアがトイレから帰ってくるまで、苛めるか可愛がるか本気で悩むのであった。
620偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:59 ID:AHUiR2jK
三回目の投下終わりです。続きは明日投下します。
621名無しさん@ピンキー:04/05/11 03:13 ID:FaWLiBpU
(*^−゚)b グッジョブ!!
勇ミネたまらんなぁ(*´Д`)
622名無しさん@ピンキー:04/05/12 01:18 ID:a4YbYn+N
寝るぽ。
起きたら偽りの空言の続きがうpされてますよーに。
623名無しさん@ピンキー:04/05/12 02:28 ID:0UeSD30b
続きが気になる展開だ(;´Д`)
真面目な文体のなかで「おっぱい」が浮いてるような・・・
624名無しさん@ピンキー:04/05/12 02:33 ID:fFndmZ3o
今DQ4をやってる者だが、気が付いたら称号が『うっふんピンク隊』になってたぜ!
そんな訳で空言氏の続きに期待。
625偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:15 ID:MbPwN7Dv

次の日、彼等が出発したのはもう城中の人間が昼食を済ませた頃であった。
占いの準備というのは体から不純物を除き清める事なのだが
あの後、やりすぎたせいで精液がミネアの中から全部出て行ってしまうのに
時間がかかってしまい、全ての準備が終わる頃には明け方近くになってしまったのだ。
本来、一月近くかけて行う体の浄化を無理に短縮した為
ミネアはふらふらになってしまったのだが、占術は成功し犯人の居場所は判明した。
勇者はこの準備というのを短縮する事にリスクが存在する事を教えられておらず
それを知った時はすでにミネアの準備が完了した時だった。
確かに一月もこの国に拘束されているわけにはいかないのでこうするしか無かった。
しかし、どんなに責任を感じていても勇者に出来るのは
歩く事すらつらそうなミネアを支える事だけであった。
何一つ手がかりも無い所から見ず知らずの人間の居場所を特定するというのは
それなりの準備をした上でもかなりの力を使ってしまうようで
ミネアは出発してからずっと馬車の中でぐったりと勇者にもたれかかったままである。
勿論、いちゃついたりする訳も無く勇者は介抱に努めていたが
二人の関係は皆なんとなく知っており冷やかされたりしていた。
占いで場所を特定できたという事でデスピサロ本人という可能性はほぼ無くなり
操られている可能性があるとしてもどうやら犯人の男は人間だとわかったため
全員、多少ではあるが問題解決への意気込みが弱まってしまっているようだ。
そんなこんなで何度かの戦闘と何度かの休憩を経て、空が赤く染まり始めた頃
占いで出た場所に占いで出た通りの洞窟を発見した。
「洞窟はじめじめしてるから嫌」
というマーニャにミネアを任せて勇者は馬車を出た。
パトリシアを守らなければならないので、洞窟に入るメンバーは約半分の四人。
勇者、アリーナ、クリフト、ブライに決まった。
トルネコはガーデンブルグ城に残っている。
もしもガーデンブルグが敵だった場合、人質にされる可能性もあるが
何故かライアンは「それは無い」と確信しており、その意見を尊重する事になった。
そのライアンは馬車を守るために残った。
アリーナは泥棒と疑われた事を根に持っているのか
随分と積極的で勇者達を置いていく勢いで洞窟に入っていった。
626偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:16 ID:MbPwN7Dv

「アリーナ、先行しすぎだ」
勇者の諌める声は後ろから聞こえてくる。
アリーナはイライラした様子で振り返った。
「みんなが遅いのよ。
 犯人が逃げちゃったらどうするの?」
追いついた勇者達に逆に怒ったような声を出す。
「姫様、ここは魔物の巣。
 一人で突っ込んでいけば勝っていても結局は負けですぞ」
「何?勝ってるのに負けって?」
「つまりですな・・」
「あー、もういい。わかったわよ」
ブライの長話が始まりそうになったのでアリーナは慌てて話を打ち切った。
仕方無さそうに三人に歩みを合わせる。
ブライも歳の割に、相当元気な方、いやもの凄く元気な方だが
足場も悪く若い上に体力自慢のアリーナが早足で歩けばついていくのは容易ではない。
アリーナも普段は何も言わなくてもブライに合わせて歩いているし
無理矢理に話を打ち切って不機嫌な態度をとったりしないのだが
今日はなぜか虫の居所が悪いらしく、ずっとこんな調子である。
「姫様、ホイミかけましょうか?」
何を思ったのかクリフトがピンピンしているアリーナにこんな事を言い出した。
「えっ?あたし全然怪我してないよ」
「いや、気分が良くなるかと思いまして」
クリフトとしては大真面目なようだ。
「・・・馬鹿じゃないの」
アリーナの声に温度が無い。
「そんな・・」
「確かにクリフトは馬鹿じゃわい」
「クリフト、MPの無駄使いはよしてくれよ」
洞窟の冷たさが身に染みるクリフトであった。
627偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:17 ID:MbPwN7Dv

それからしばらく後、勇者達は洞窟の最深部に来ていた。
犯人と思われる男はご丁寧にも扉まで付けて
ここが最深部であり、ここにいますと教えてくれていた。
この洞窟に住んでいる魔物はなかなか手強い上に数も多く
最深部にたどり着くまでに思った以上の時間と体力を消費してしまっていた。
しかし、犯人がどういう奴かという予想も飽きるほどしたし
引き返すべきと判断するほどは消耗していない。
準備を整えてから勢いよく扉を開けると部屋の中へと突撃した。
「うわあっ!?!?」
勇者達が中に入ると
部屋の中のベットで寝転んでいた男が頓狂な声を出して飛び上がった。
壁に張り付いて勇者達を見つめるその顔は幽霊でも見たかのような顔だ。
「こいつよ!あたしに声かけて来たの!」
アリーナが鼻息も荒く男に指差す。
「あたし一人でやるわ!手出ししないで!」
アリーナの悪い癖が出た。
相手がどんな敵でも一人で戦いたがるのだ。
「姫様!またそんな無茶な・・」
クリフトの心配そうな声が部屋中に響く。
「大丈夫だって!任せて!」
勇者はブライと一瞬だけ顔を見合わせてうなずいた。
「わかった。ただし、アリーナが負けそうになったら加勢するからな」
「そんな・・姫様に何かあったら・・・!」
クリフトの心配をよそにアリーナは大きくうなずくと男の方に向き直り突っ込んでいく。
「お嬢ちゃん一人かよ。舐められたもんだな」
逃げれそうに無いと判断したのか犯人も戦闘態勢に入っている。
犯人がさっきまで寝ていたベットを蹴り飛ばしアリーナの突進を止める。
しかし、アリーナも雄叫びを上げて飛んできたベットを蹴り返し、戦闘が始まった。
628偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:18 ID:MbPwN7Dv

一方、馬車で待機していた者達も激しい戦闘を繰り広げていた。
相手はたったの一匹。
はぐれメタルだ。
「そっちっ!」
「うわっ!」
はぐれメタルの体当たりがライアンの腹にヒットする。
「いっつも逃げるくせにこんな時ばっかり・・!」
呪文の効かない敵にマーニャが愚痴る。
何故かさっきからこのはぐれメタルは全く逃げようとせず戦いを挑んでくる。
只でさえ戦力が二人だけの上、ボーンナイトやアイスコンドル達と
立て続けに戦闘した後の見計らったかのようなはぐれメタルの奇襲である。
「#$」
はぐれメタルの口から熱線が発せられる。
「ぐぅっ!」
パトリシアをかばいライアンがもろに浴びてしまう。
パトリシアは訓練されていて逃げないから逆に危なくなる事もあるのだ。
「こんのぉ!」
マーニャが放った矢を軽々とかわし、はぐれメタルは憎憎しい笑みを浮かべている。
「ッ・・べホイミ・・・はぁ・・はぁ」
馬車から顔を出したミネアが振り絞るように呪文を唱え、ライアンを治療する。
「あんたは引っ込んでて!」
馬車から降りてこようとするミネアをマーニャの怒声が止める。
ミネアを守れなかったらここに残った意味が無い。
「このっ!」
飛び掛ってきたはぐれメタルを避けて矢を放つがまたも簡単に避けられる。
はぐれメタルの素早すぎる動きにいまだ一撃も与えることができないでいる。
逃げることも考えたがどう考えても敵の方が早い。
少し距離を置いてにやにやしているはぐれメタルと対峙していると
ドクァッドクァッと激しい馬のひずめの音が聞こえてくる。
629偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:19 ID:MbPwN7Dv

「ボーンナイトッ!?」
音の方を一瞬だけ見ると骨の騎士がライアンと切り結んでいた。
最悪のタイミングでの増援に一瞬どっちと戦うべきか迷ったマーニャの腹に
はぐれメタルが体当たりをする。
「ぐぅっ・・・」
マーニャがうめき声を上げてうずくまる。
はぐれメタルの動きは速すぎて見切る事が出来ない。
よろめきながらも素早く立ち上がったマーニャに馬のひずめの音が聞こえて来た。
(またっ・・!?)
突進してくる新たなボーンナイトが槍を大きく振りかぶる。
先に消してやる、と魔力を練り始めたマーニャの目の前に
もう一体を退治したライアンが走ってきた。
ライアンが剣でなぎ払うとボーンナイトの体が粉々になって宙に舞った。
すかさず主を失った凶悪な面の馬に火球を浴びせ倒す。
「ライアンっ」
「遅くなった!」
ライアンはマーニャの横に並び剣を抜きはぐれメタルと対峙する。
新たな戦士の登場に驚いたのかはぐれメタルも睨んだまま動かない。
ライアンは何かを閃いたらしく少し後ずさりながら口を開いた。
「マーニャ殿、呪文を!」
「えっ?効かないわよ、あいつ!」
「拙者の五歩先にイオを頼む!」
そう言うとライアンははぐれメタルに向かって走っていった。
マーニャは仕方なく、効かないと思いつつもライアンの言う通りの場所を爆ぜる。
ライアンを迎え撃とうと突っ込んできたはぐれメタルの体が爆風で宙に浮いた。
「ふん!」
ライアンの剣が一閃。
逃げ道を失ったはぐれメタルは二つになって地面に叩き落とされ消滅した。
630偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:20 ID:MbPwN7Dv

(こいつぅ・・!!)
地上の戦闘が終わった頃、アリーナのいらいらは頂点に達しようとしていた。
自分の方が二倍以上殴っている。
犯人の攻撃なんか大して効きはしない。
それにも関わらずアリーナは追い詰められていた。
理由は明白。
呪文だ。
さっきから犯人は防御力を上げる呪文を使い続けている。
そのせいで殴っても殴っても効いた様子はない。
犯人が地面を蹴り上げ砂埃をアリーナに浴びせ掛ける。
「このっ卑怯者!」
視界を悪くし空気を殴りながらアリーナが怒鳴った。
「何が卑怯なんだか?寝込みを襲ったお前らの方が卑怯だ」
そう言われればそんな気もする。
アリーナは昔から口喧嘩で勝った試しなど無いのだ。
「姫さま・・・」
クリフトは何度もこっそりホイミをかけようかと思ったが
その都度、勇者とブライに止められ心配する事しかできない。
「スカラぐらいは駄目でしょうか?」
クリフトの譲歩した提案にも二人は首を横に振る。
「とりゃァーー!」
舞い上がった砂埃の向こうで犯人が呪文を唱えようとしていた。
呪文が効いている間は殴っても効かない為、
呪文の途切れ目を狙うしか勝ち目は無い。
そう判断したアリーナは一気に間合いを詰めるべく飛び蹴りを放ったが
犯人の動きはフェイントだったらしく素早く避けられてしまった。
目標を失った蹴りは壁に当たり岩を削る。
無防備な状態になったアリーナの背中に犯人は強烈な蹴りを叩き込み
アリーナは地面に転がされてしまった。
631偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:20 ID:MbPwN7Dv

今まで、クリフトを止めていたブライが我慢の限界に来たのか遂に動き出した。
「バイキルト!」
加勢しても良いのだと判断したクリフトが待ちかねた様子で呪文に集中し始める。
「クリフト、ザキはよせ!あいつには聞きたい事がある」
「わ、分かってます!べホイミ」
「スカラ」「ルカニ」
三人が加勢すれば四対一、どんなに頑張っても多勢に無勢だ。
呪文の分の有利を消された男が地面に倒れこむのはあっという間の事だった。
「・・・ありがと・・」
一人で倒せなかった事がくやしいらしく
アリーナの顔は感謝しているようには到底見えなかった。
「アリーナ様、わかられましたか?」
座り込んでいるアリーナにブライが穏やかに語りかける。
「勇者殿やトルネコ殿、ライアン殿に相談したのです。
 アリーナ様は誰にでも一人で勝てるおつもりのようじゃ、と」
うなだれて地面を見ていたアリーナの顔が上がる。
「格闘大会ならばアリーナ様に勝てる者などそうはおらんじゃろうが
 わし等の戦いは勝った者が正しいという戦い。
 卑怯な真似などは言語道断じゃが、全力で戦わず負けましたという訳にはいかん」
「それで、加勢するなと言ったんですか?」
アリーナに回復呪文を唱えているクリフトにブライは頷いた。
「一人で戦う事の限界を知って欲しかったのじゃ。もっと強くなって欲しいからのう」
静かになった部屋にブライの声が染み渡る。
「なぜ私には相談してくれなかったのですか?」
「お主にアリーナ様の事で冷静な判断が出来るとは思っておらん」
不服そうなクリフトをブライは一言で片付けた。
その光景に笑っているアリーナの頬にはきらめく物があった。
いつも説教ばかりでやる事なす事反対してたブライが、
サントハイム家の体裁を気にしてばかりのブライが、強くなろうとする事を認めてくれていた。
それどころかアリーナがどうすればもっと強くなれるのかを考えてくれていたのだ。
胸の中に暖かいものが広がっていくのをアリーナは感じていた。
632偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:21 ID:MbPwN7Dv

「はぁぁ、俺はそのお嬢ちゃんのレベルアップのダシにされたってワケかい。
 ふっふふふ、参ったね」
大きなため息の後、愉快そうに笑いながら犯人の男がそう言った。
「起きてたのか」
「まあな」
気絶はしていなかったようだが完全に戦意を喪失したらしく
男は体を起こしただけで立ち上がろうとはしない。
「聞きたいことがあるんだが、お前は人間だな?」
「へっ、それ以外の何に見えるってんだ?
 大盗賊バコタ様は人間以外の何者でもねえよ」
おどけた調子でバコタと名乗る男は答えた。
「何でアリーナを罠にかけたんだ?」
男は一瞬考えてから
「別に、何となく、面白そうだったから、そんな理由さ」
と言った。
勇者達はその答えを聞いて体から力が抜けそうになった。
魔族だ、操られてるんだ、果てはデスピサロだとまで予想していたら
一番可能性が薄いと言っていた只のこそ泥だったのだ。
「なんで、ガーデンブルグに盗みに入ったんだ?
 もっと裕福な国は他にあるだろ。
 それにガーデンブルグでも十字架よりもっと良いもの無かったのか?」
まだ、納得がいかない勇者はさらにバコタを問い詰めた。
「・・・なんでってなぁ・・・」
今まで、薄ら笑いを浮かべていたバコタの顔から笑みが消えた。
「・・・ガーデンブルグって不思議な国だとおもわねえか?
 女だけの国って、どうしたって人口が増えねえだろ」
一見、関係無さそうな話だがバコタはふざけてごまかそうとする口調ではない。
それにその話は勇者達も思っていた事だった。
ガーデンブルグを目指し始めてから何度もその話をした。
女だけではどうしたって国民は増えない。
633偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:22 ID:MbPwN7Dv

「あの国の女はな、訪れた旅人を誘って孕むんだよ。
 つまり、父親不明の子供が大半ってわけだ」
子供の出来方を良く分かっていないアリーナ以外
驚いたがすぐに納得もいった。
外から来て住み着く女性がそう多いとは思えない。
何も言わない勇者達を見てバコタは話を続けた。
「で、生まれてくる子供は女とはかぎらねえよな」
……嫌な予感がした。
話の向かう方向に不吉なものを覚える。
しかし、話を止める気にはならなかった。
「男が生まれたらどうすると思う?」
バコタがにやりと笑う。
「運がいい奴は旅人に預けられる、売られるのも運がいい方。
 大体は捨てられるんだとさ、ぽいっと」
そういってからバコタはへっと笑う。
「本当か?それは・・」
「さあね、知らんよ」
バコタは聞き返した勇者を馬鹿にしたように答える。
「でも、俺を拾ったおっさんはそういってた。
 もしかしたら、あそこの女に振られて腹いせにそんな嘘言ったのかもしらん。
 だが、おっさんを信じればガーデンブルグってのはそんな国で
 俺はガーデンブルグの近くに捨てられてたらしい。
 んで、最近になってちょっと生まれた所ってのが見たくなったってわけだ」
勇者は声を発する事が出来なかった。
胸がざわつく。
ブライ達も黙っている。
あの国の奇妙さ・雰囲気はこの話に真実味を与えていた。
「いや、別に俺は不幸なわけじゃねえぞ。
 おっさんも善人じゃなかったが親代わりとしちゃ悪かなかった。
 十字架盗んだのは・・・何だろうな
 無邪気に神なんか信じてやがるのが気に食わなかったってとこか」
634偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:24 ID:MbPwN7Dv

バコタはそこまでで言葉を止めて立ち上がった。
「無関係なあんた達には悪い事をした。さ!連れてってくれや」
同情の視線を振り払うように明るい声を出してバコタは四人を見回した。
すると座り込んでいたアリーナがハッと何かに気付いたように立ち上がった。
「聞いてバコタさん、大人はね、良いことするつもりで嘘つくんだよ。
 思ってる事とやる事が違ったりするの。 
 だから、捨てたから嫌いとかじゃないと思う。
 好きだから捨てる、とかそういう事もあるよ、きっと」
アリーナが少し大人ぶってそう言うとバコタはぽかーんとした後、笑った。
きょとんとしているアリーナにバコタは笑いながら礼を言う。
「はっはっは。ありがとよ。
 好きだから捨てるって意味はわかんねえが嬢ちゃんが優しい事はわかったよ」
バコタは笑いながらではあるが、本心から礼を言った。
それが伝わったのかアリーナも笑われて釈然としない様子ではあったが
礼を言われた事でまんざらでもないようだ。
「待ってください」
笑っているバコタに正反対に真剣な表情のクリフトが声をかけた。
「あなたのお母さんを許してあげて下さい。
 もしかしたら本当にくだらない理由であなたを捨てた酷い人間なのかもしれません。
 それでも恨まないであげて下さい。
 子供を育てる事の出来なかった母親ほど悲しいものは無いと言います。
 ならば、育てる喜びを知る事も出来なかった人生はどれほど悲しいでしょう。
 もし、会う事が出来たなら恨む事なくその悲しさから救ってあげてください」
最後に、お願いします、と言って頭を下げたクリフトにバコタは驚き戸惑い……微笑んだ。
「・・・おりゃぁ初めっから恨んじゃいねえよ。
 けど、ま、・・・・・あんがとよ」
まったく変な奴らだよ、とバコタは愉快そうに言いリレミトを唱えるブライに大人しく掴まった。
光の渦が勇者達の体を包む。
「アリーナ、クリフト・・・ありがとな」
呟いた声と共に光の渦に飲み込まれ彼等は外の世界に帰っていったのだった。
635偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:25 ID:MbPwN7Dv

そして、その夜。勇者達がガーデンブルグに戻り女王と謁見すると
女王は裁判の時とはまるで違う人のように愛想良く出迎え非礼を詫びた。
女王は初めから勇者達の正体を知っていたらしい。
正確に言うと、初めは伝説の勇者一行ではなく
魔物を退治して回っているアリーナ姫一行だと思っていたらしいが。
「火山の爆発で崩れた崖をさらに崩して通ってきたというのが
 あなた達のようなパーティなんて、只者じゃない所の話ではございませんわ」
と言って女王は笑った。
力を試す真似をして申し訳なかったと
女王は天空の盾と最後の鍵を勇者達に譲ってくれた。
アリーナへの無礼に対する謝罪は要求していたブライもそれでしぶしぶ納得したようだ。
「女王、実は聞きたい事があるのですが・・・」
勇者はバコタから聞いた話をほとんどそのまま伝えた。
女王は自国の恥部を暴露されているような話を怒る事もなく聞き
バコタがもしも母親を探すつもりなら協力する事まで約束してくれた。
しかし、それ以上の事は何も話してはくれなかった。
ガーデンブルグも色々とあるのだろうし
いくらこちらの素性がはっきりしても全てを話すわけにもいかないだろう。
素性がはっきりしてしまったからという面もあるかもしれない。
ガーデンブルグは他国との関わりを避ける事で争いを回避しているというのだから。
勇者達もあまり深くは突っ込まずにここは引き下がった。
こういっては何だが一つの国の政治などに巻き込まれていられる立場でもない。
ただ、ガーデンブルグの女王の態度に勇者は好感を覚えていた。
勇者が伝説の勇者である事は天空の盾を装備出来た事からも明らかである。
普通ならば恩を売ったり媚びたりしようかというモノだ。
特に、勇者の仲間にサントハイム王家の者など他国の者がいるのだから
負けてられないという発想になってもおかしくは無い。
他国との関わりを避ける事で争いを避ける、その思想の徹底ぶりが潔かった。
では、また出発の際にと挨拶し早々に勇者達は退席した。
部屋でミネアが待っている、その事が勇者の足を速めていた。
636偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:26 ID:MbPwN7Dv

勇者は慎重にスプーンをミネアの口に運ぶとそっとスープを流し込んだ。
膝の上のミネアが嬉しそうに微笑む。
その笑顔を確認してからまたスープをミネアに飲ませる。
ミネアは実はもう体力もほとんど回復していて一人で食事ぐらい難なくできるのだが
優しく労わってくれる勇者に目いっぱい甘えていた。
自分も気持ち良かったとはいえ昨夜は散々苛められ弄ばれ
今日はふらふらになるまで頑張ったのだから甘えたってバチは当たらないと思うのだ。
苛められるのは気持ちいいけど甘やかされるのも嬉しい。
寄りかかったまま勇者のほほに頬擦りして抱きしめてくれている存在を確かめる。
「・・・キスして」
ミネアが目をとじたまま囁くと勇者が怪訝な顔をする。
「ミネア、もしかしてもう治ってる?」
ミネアは何も答えずうっとりとした表情に少しだけ笑顔を混ぜる。
「ま、いいや。甘えなさい」
大仰に保護者ぶって答えると食事の続きをさせる。
たまには甘えられるのも悪くない。
「後で、お風呂にもいれてあげるからねえ」
甘えるミネアをからかおうとして妙に気持ち悪い言い方になってしまい
逆に恥ずかしくなってしまった。
「あ、勇者さん照れてます?」
「そんな事はないよ全然」
そう言いながらも勇者の顔は少し赤い。
「可愛い・・・」
ミネアがつぶやくと照れ隠しか勇者は強引に彼女の唇を奪う。
唇が触れた瞬間、ミネアの頭の中が白く弾け一つの光景が浮かんだ。
「どうしたの?嫌だった?」
勇者の言葉に現実に戻される。
「ううん、もう一度してください・・・」
未来を当てるのは占いの中で最も困難な上、出来ても外れる事が多い。
それでもミネアは優しい口付けに身を任せ暴走した力に感謝するのであった。
637偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:27 ID:MbPwN7Dv

「私はアリーナさんと二人きりで話す事があります。下がってよろしい」
勇者達が退席する際、アリーナだけが引き止められこの場に残っていた。
勇者達がいなくなると女王はすぐに兵士達を下がらせ
自らアリーナのために女王の座の傍に椅子を運んできた。
「アリーナさん、私あなたと話してみたかったの」
二人きりになると女王は随分と砕けた口調で歳相応の表情を見せた。
(ああ・・・この人もあたしと同じ・・・)
女王の仮面を脱いだ目の前の少女に
お城に閉じ込められてた頃を思い出し親近感が湧いてくる。
と、いってもアリーナはどれだけかぶされようとしても王女の仮面を着ける事は無かったが。
「あたしと・・?」
「ええ、私とほとんど変わらない年頃の姫が魔物を退治して回っているなんて
 まるで物語みたいで、いつも凄いなあって思ってたんです」
「そ、そんなあたし全然凄くないよ。
 今日だって凄くない事を思い知らされたんだから」
そう言うアリーナの口調は凄くない事を別に恥ずかしいと思っていない。
ブライが、皆が自分を支えてくれていた事を知った嬉しさが勝っていた。
凄くないなら今から凄くなればいいのだ。
今の仲間達は、王族のくせに、女のくせに格闘などに興味を持つななんて言わない。
凄くなる事を応援してくれているのだ。
「何があったの?」
アリーナは女王に聞かれるままに今日の話をした。
女王はあまり上手とはいえないアリーナの話を食い入るように聞き、ため息をついた。
「素敵ねえ・・・私も冒険できたらいいんだけど・・・」
「けど?」
「女王なんだもん」
悲しそうな表情を浮かべる女王にアリーナは今までの自分を反省させられた。
自分のやりたい事を優先してきた自分と、皆のためにやりたくない女王でいる彼女。
どちらが凄いだろうか。
立場が同じだった者同士、認め合った二人は夜通し語り明かした。
638偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:28 ID:MbPwN7Dv

翌日、早速ガーデンブルグを離れる馬車の中でアリーナは自らの腕を見つめていた。
その腕には不思議な装飾の手甲がはめられている。
サントハイムとの交流が出来ないからこれは秘密にしてね、
と贈られた炎の爪だ。
女王と王女じゃない、ただの女の友情の証。
「どうしたんだ?元気ないぞ」
馬車の幌を開けて勇者が声をかけてくる。
そののん気な顔にアリーナの頭に昨夜の女王との会話が浮かんでくる。
彼女は勇者が格好いいと言った。
付き合っている人がいるのかとも訊いて来た。
その問いに「いる」と答えた時、アリーナの胸はズキッと痛んだ。
『だから、駄目だよ。好きになっちゃ・・・だめだよ』
女王に言ったはずの言葉に自分の気持ちを気付かされた。
勇者なんて嫌いだ。
大して歳変わらないくせにリーダーぶってて
すぐ皆に意見聞くくせに偉そうに指図して
あたしよりちょっと強くて優しくて・・・ミネアにはきっともっと優しくて。
勇者なんか嫌いだ。
嫌いにさせてくれないから
「大っ嫌い!!」
困惑する勇者とふて寝するアリーナを慰めるように
パトリシアの鳴き声がガーデンブルグの空に響き渡った。
639偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:31 ID:MbPwN7Dv
これで終わりです。
途中でレスをくれた人ありがとう。励みになりました。
読んでくれた人ありがとう。
待っててくれた人は申し訳ない。
次はなるべく早く書きたいと思います。
640名無しさん@ピンキー:04/05/12 08:05 ID:a/qVqfNF
どなたか次スレを!
641 ◆hMHMkhRwLk :04/05/12 09:08 ID:a/qVqfNF
639
面白かったです。読後感が今までと違って感じました。
正直貴方の文は4以外のを待ってたんですが、もう4だろうと何だろうと次回作に期待しています。
642Another Star  ◆hMHMkhRwLk
>>520-529続き
先々代の女統領に拾われて、ずっと仕事して来て30年になる。その30年と言う時間が、たった3時間、いや30分か、いいや3秒で。
(俺に裏切れと言うのか…)
バリーを初めて見てから一瞬の、瞬く様な時間の為に全て攫われてしまうのか。
この女との旅は(楽しいだろうなぁ)Hな事もして良いらしい。抱こう。抱こう。

──男はそのまま女の唇に咥えてもらい、彼女は吸いついてくれて、その口内で滑り続ける。
髪を掻き上げながら懸命に男を愛そうとするその唇に男は吸い付き、彼女の服を剥ぎ取り、その黒い体を全裸にさせて四つに這わせて後から思い切り…
「あぁっ」
ともう苦しそうな泣きそうな声で快感に悶え、男の腕を後ろ手に掴んで来ようとする可愛い艶めかしい彼女を──

妄想した。
男は頭が真っ白になってからは、彼女から少し離れ妄想が襲っていた。
「引き抜きか」
女勇者まさに一撃必殺の、首狩り族の勇ましさ。
「海賊団からあんたを奪おうって言うんじゃないの。あたしの旅が終るまで手伝って欲しい」
商人を欲しがってる町もある。旅に役立つ色々な道具を、この世界中駆け回って見付け出して欲しいと。
(楽しいだろうなぁ)商人の胸は熱く…痛む程になって来た。
世界を回る。しかも(この女と)
「戦闘に自信がないなら、危ない所へあなたを連れて行かない。お互い会いたい時に会いたい所で会いましょう」

──男は座って、その上にバリーも座って貰って、その座位のまま挿入を繰り返す。
しなやかな体を見せながら小さい声で悶える彼女も──妄想として現われる。

現実の彼女は背中だけは露わなものの、瑞々しい乳房は、剥がされた自分の服で押える様にして隠している。
男はその女の背に、自分の背を合わせた。
勇者は商人の動きを背で感じ、何が行われているか悟った。
地下室の床は薄い土で覆われていて、男は吐き出した物を床と足でもみ消した。
「行けねぇな」
男は旅を断る。
「行こうよ…手伝うだけで恋も適うかも。好きなんでしょ瑠璃が」