【わたし】リムルル萌えエロSS【頑張るよ!!】

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1名無しさん@ピンキー
ここはサムライスピリッツシリーズのリムルルの
萌えSSやエロSSを書き込むスレッドです。

リムルルキャラ紹介
ttp://www.samurai-zero.jp/chara/02.html
2名無しさん@ピンキー:03/11/14 07:20 ID:sidZU5Ts
2?
3名無しさん@ピンキー:03/11/14 07:25 ID:ESOmZ1BC
>>2
2ですね。
4黒子:03/11/14 07:30 ID:Sqc8fwfy
ウホッ いいスレ
3外道
5白子(しらこ):03/11/14 07:32 ID:ESOmZ1BC
では私もここからは名前有で。

>>黒子さん
景気付けに、今までのあなたの作品を一度あげてみてはいかがでしょう?
6黒子:03/11/14 07:59 ID:Sqc8fwfy
そうですね、今はちょっと無理なので、夜辺りにうpしようかと思います。
7名無しさん@ピンキー:03/11/14 11:15 ID:nmnGct/Q
即死回避いる?
8名無しさん@ピンキー:03/11/14 11:18 ID:w4fQX+Kz
ナコリムの方が良かったのでは?
9名無しさん@ピンキー:03/11/14 12:39 ID:Sqc8fwfy
それはあるね
10名無しさん@ピンキー:03/11/14 15:51 ID:EpOk2bRG
またリムルルスレかよ。

クソスレ立て杉
11白子(しらこ):03/11/14 16:36 ID:2zm57Ps3
>>6
お待ちしております。

>>8-9
確かに、リムに限定しないほうがよかったですね…すみません。
リムルルを含めた他のキャラのSSも大歓迎ってことにしましょうか。
12名無しさん@ピンキー:03/11/14 23:35 ID:g1R4RuvO
即死回避

13名無しさん@ピンキー:03/11/14 23:55 ID:Qju2v7PQ
一度即死させて、タイトルを変更して再出発した方が将来的に良いかも…
14名無しさん@ピンキー:03/11/15 00:00 ID:AxIgBtND
素直に↓ここに合流でいいのでは?
格闘ゲーム欲情スレッド第3部
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1066130688/
で、リムルルが増えてから独立でも遅くないと思うけど。
15黒子:03/11/15 00:01 ID:hsCdb1/Z
独立させるとアンチリム流入の恐れがありますからね。
本スレが戦場になってる。
16白子(しらこ):03/11/15 00:20 ID:G+Mi0UP5
う〜む…勢いで立ててしまったものの…どうしましょう。
皆さんすみません。
17名無しさん@ピンキー:03/11/15 00:46 ID:Zgs8d0C1
サムスピ萌えエロにすればよかったのに
18白子(しらこ):03/11/15 06:04 ID:G+Mi0UP5
>>17
そうでしたね…すみません。
では、新たに立て直しを図ってここは落としますか?

>>14
やはり総合スレに行くのが一番妥当な線でしょうか…。
でも、総合スレにアンチリムが流入するとやはりご迷惑でしょうし
どうしましょうかね…。
19名無しさん@ピンキー:03/11/15 09:32 ID:hTAuqmL/
まぁいいじゃん。建てたんだから、他のキャラもありにするにしろこのままやってけば…

と思うのは漏れだけですか。
20名無しさん@ピンキー:03/11/15 18:38 ID:g62hPB5Q
>19に賛成
21名無しさん@ピンキー:03/11/15 19:36 ID:pPDc9rEp
とりあえず、誰かがナコルルSSあたりを投下して、
問答無用にサムスピ全般スレにしてしまえば…
22名無しさん@ピンキー:03/11/15 23:44 ID:R7y+QA6/
とりあえず>>21
ナコSSいってみよう
23名無し:03/11/16 03:24 ID:yM4X5/B4
レラとチャムを忘れてもらっちゃ困るぜ
24白子(しらこ):03/11/16 16:27 ID:kKv3WT3r
いつも見ているだけだったけど…今日は…少し勇気を出してみようかな…
……リムルル……お昼寝している今がチャンス…!

「今日は実行に移すわ……添い寝を……」
小さく拳をにぎると、レラは気持ちよさそうにグースカピーと眠っているリムルルに目をやった。
「くぅん(レラ姉さんあまり無理はするなよ…)」
「…大丈夫よ…あんなに熟睡してるじゃない」
そういうと、レラはリムルルににじり寄って行った。
25白子(しらこ):03/11/16 16:28 ID:kKv3WT3r
…このスレのまま行ってみましょうか。
26黒子:03/11/16 22:44 ID:vhOhgeMN
家に巨大な氷の固まりが届いた。
これは…。

外に放っておいたら氷の有ったところに変な服を着た女の子がへたりこんでた。
仕方がないんで家に連れ込むとわけの解らない言葉でしゃべりながら刀を振り回しはじめたので、とりあえず漏れの部屋に押し込んで放置。
静かになってから部屋に入ると泣いていた、涙ながらにしきりに同じ事を言ってくる…こいつ、可愛いじゃねぇか。
少し汚れていたので服をひん剥いて風呂へ放り込む、死んだ妹を思い出すなぁ…
少しするとその娘は置いておいたタオルを頭からかぶって出てきた、とりあえず妹の服を着せる、少し大きい。
飯が一人分しかなかったので漏れは我慢してこの娘にあげると、少しも食べないうちに漏れにすすめる素振りを見せた、やさしい娘だ。
布団は一枚しかない、仕方がないから床に寝る、するとその娘は掛け布団を漏れに被せて横に入って来た、泣いている、いったいこの娘は誰なんだろう…?
27黒子:03/11/16 22:46 ID:vhOhgeMN
のんきな娘だ、泣きやんだと思ったら漏れをしっかり抱いて静かな寝息を立ててる、警戒心の欠片もない…
まんじりともせず朝を迎えた、漏れが朝飯の用意をしているとその娘も目を覚ました、まわりを見回してきょとんとしている。
大きなあくびのあとにため息をつくと、その娘はトテトテと可愛い足音を立てて風呂場へ駆けていった
どうやら風呂桶に溜まった水で顔を洗っているようだ、今度蛇口の使い方を教えよう。
飯ができたので並べる、日本食だし食えないものは無いだろう、その娘と向かい合わせに座った。
箸は使えるようだ、飯を食っているとその娘はしきりに自分を指差して「リムルル、リムルル」と言っている
漏れはその娘を指差して「リムルル?」と聞くと、にっこり笑ってうなずいた、どうやらこの娘の名前は『リムルル』というらしい。
それにしても参った、仕事がある、この娘を置いておくわけにはいかない、仕方がないので職場に連れていく事にした。
漏れの仕事は一応有名な自動車企業のディーラーで営業をやってる、ヒラだ。
リムルルには外回りに付いてきてもらう事にした、漏れは営業部長に今日回る得意先と、午後にある納車の打ち合せをしてさっさと営業所を出た。
得意先を回る間に今の言葉を少しづつ教えればいいだろう。

28名無しさん@ピンキー:03/11/16 22:54 ID:cfBipjBO
>26

なんかおもろいw
続きを期待
29名無しさん@ピンキー:03/11/18 01:10 ID:vBg1pBDV
hoshu
30名無しさん@ピンキー:03/11/18 17:10 ID:iz/efgyZ
続きマダー?
31黒子:03/11/18 22:35 ID:CxwZivi7
一緒に得意先へ急ぐ途中彼女は電気量販店の前に来ると一目散に店内に走っていってしまった。
参った、いったい何なんだこのこの娘は、足が異様に早い、すぐに振り切られてしまった。
幸いまだ時間はたくさんある、普段なら漫画喫茶に行って暇をつぶすのだが・・・。
漏れは普段の不摂生を恨みつつリムルルを探し回ること数分
彼女はテレビの売り場に突っ立っていた、そういえば、漏れはまだこの娘にテレビを見せていなかった
「ガルフォード・・・」
「え?」
「ガルフォード!」
彼女が指差すテレビの画面には、最近話題になっているイギリスのサッカー選手が写っていた。
こいつを知らないとは・・・まさかとは思うが、この娘はこの国の人間では無いのか?
異人種を見慣れない人間にとって、その人種の固体は皆同じ顔に見えるものである
たとえば我々のほとんどが黒人の顔に見分けが付かないように。
「サポ、オッカイ、ウトゥラ・・・ウチャロヌンヌン・・・」
彼女は顔を真っ赤にしてこう言った。もしや、この娘は・・・。
漏れはリムルルの手を引っ張って本屋へすっ飛んでいった。
語学のコーナーに行くと漏れはアイヌ語辞典を手に取った。

サポ=姉
オッカイ=男
ウトゥラ=一緒
ウチャロヌンヌン=口付け

すべては繋がった様だ…今日からアイヌ語辞典を枕に寝なきゃな。
32名無しさん@ピンキー:03/11/19 20:53 ID:OwVzWrtg
黒子さんが待ち遠しい
33黒子:03/11/19 21:15 ID:8b+YmAV7
商談中もリムルルについてあれこれ考えた。

そもそも何であの娘はこの時代にアイヌ言語を使うのか…
まさかとは思うが、あの娘はまだアイヌが独自社会を築いている時代の人間となのか?
俄かに信じがたいが、それならば氷漬けと言うのも解る。
昔読んだ小説に、そんなのがあった気がする
とりあえず漏れの中ではそう結論付けるより仕方なかった
これ以上色々考えたらますます混乱する。

やっと一つ目の得意先での御用聞きを終えた。
幸いリムルルは商談中、ずっと取引先のトイレで大人しくしていてくれたので助かった。
まぁトイレットペーパーをぐるぐるまいて遊んでいたがこれはご愛敬という物だろう。
得意先回りも午前中は一社のみなので、ボチボチ昼を食うことにした
リムルルを連れて近くのファーストフードの店に入る。
まさかアイヌ語辞典にハンバーガーの頼み方の例文など載っていよう筈がない
漏れは困ってリムルルを見ると、腕を組んで考え事をしていた。
可愛らしいので眺めていると、リムルルはひょいと天井近くのメニューを指差した…
34名無しさん@ピンキー:03/11/20 05:38 ID:7K5B/9iH
黒子たんハァハァ…
35黒子:03/11/20 13:00 ID:RFG7sII+
「ビッグマ〇クだね?」 と一緒にメニューを指差すと彼女は少し照れたように笑って頷いた。
高いけど可愛いから食わせてやるか…。

頼んだ品を持って席に着くと、リムルルはその大きささに目を白黒させながらも喜んでいるようだった。
漏れも早々とハンバーガーを頬張る、それを真似してリムルルもはむはむとパクつく、小さい口でよく頑張るものだ…。

その後、リムルルは車に驚いたりパソコン触れて遊んだりと、少しは現代の生活に慣れてもらえたようだ。
同時に漏れはリムルルが何かしでかさないか心配でハラハラしながら仕事をしたので普段の数倍疲れた。
夕飯は家で作ろう、スーパーで色々買い込むと家路に着いた。
疲れたのかリムルルは漏れの背中で寝ている、世話を焼かせるが憎めない娘だ…。
36名無しさん@ピンキー:03/11/20 22:48 ID:Ty0TT28x
トイレットペーパーに巻かれているリムたん萌え〜

その後
´∀`)「よいではないかよいではないか」
(*゚ワ゚)「キャッキャッ!」

とかやってるに違いない、(;´д`)イイナ
37名無しさん@ピンキー:03/11/21 13:59 ID:XmxrvypS
エロぬきの萌え一筋も良いものだ!ウム!
この方向も悪くないが、やはりエロが無いとイカンかなァ?
どっちにながれてもついてくよ〜♪
38名無しさん@ピンキー:03/11/21 14:06 ID:/oTYQQTy
>>37
そこであなたがエロ分岐ですよ!
39黒子:03/11/21 23:57 ID:Mz2jZfDl
コンコンと耳障りな音を立てて自宅の安アパートの階段を上がる。
205号室、漏れの部屋だ、鍵を開けて扉を開くとこれもまたギギギと耳障りな音を立てる。
このアパートには風呂とトイレはある、しかし漏れの部屋にはテレビ兼パソコンと粗末な卓袱台、台所に冷蔵庫があるぐらいだ。
「ひどい部屋だ」 そう自ら呟くと、漏れはリムルルを静かに畳に寝かせた。
ふと、部屋の隅に目をやると一昨日までの夜のお供が大挙して雪崩を起こしている
時代は違うかもしれないが、さすがに幼い女の子にこれを見せるのはまずいだろう
漏れはそれらの雑誌を新聞紙に包むとサッサと押し入れにたたき込んだ。
40名無しさん@ピンキー:03/11/22 10:22 ID:3mptsTcN
うをを!最近パソコン使ってないから知らなかったが…
まさかリムスレが立ってるとは…>>1さんに多謝!
漏れも立てようとは思ったが、リムのみで行くか
サムスピALLで行くか迷ってた内に結局立てなかった
愚か者でつ…。と言う訳でSSだけでも鋭意創作中…
需要があったら投下しまつ…ではスレ汚し失礼…

リムたん(*´Д`)ハァハァ…
41黒子:03/11/22 22:43 ID:QAz1Gg8w


携帯の修理に伴い保存してある香具師が戻ってくるまでちょっと待っててください
42黒子:03/11/23 17:53 ID:diS1DEUF
一段落ついたところでさっそく夕飯の制作に取り掛かる、アイヌであることがわかった以上昼のような洋食は当分食えないだろう。
買ってきた鮭をグリルに入れる、炊飯器は設定済みだ、あとは放っとけばいい。
その間にアイヌ語を少しは覚えなければ…、漏れが辞典をいろいろ捜し回っていると鮭のいい匂いがしてきた。
匂いに釣られて目を覚ましたのか、リムルルはネコのように伸びをしている。
平和だ、思えばこうやってまともな食事を作ったのは何ヵ月ぶりだろうか…。
「ネ、アオカ」
「ん?」
不意にリムルルが話し掛けてきた、とっさに日本語で反応するが、話せないのを思い出し後悔する
漏れはなるべく困った顔をして自分を指差して口の前で手を振る。
少しリムルルはすねたような顔をしたが、近くにあったコンテとスケッチブックを手に取ると絵を書き始めた。
その絵は棒人間のような人間が二人、一人の人間は長い紐をもって走っている
そしてその紐の先にはなんだかモジャモジャした物が付いている。
もう一人は槍のようなものを持ってその毛玉のようなものを追い掛けている
「アオカ」
そういうとリムルルは紐を持った人間の方を指差した。
「アオナイ」
今度は後ろの槍を持って追い掛けている人間を指差した。
どうやらこれはゲームで、漏れは紐を持って走り回らなくてはならないらしい。
43黒子:03/11/23 17:56 ID:diS1DEUF
乗り気でなさそうな顔をすると、リムルルは漏れに近寄ると腕を抱えてふるふると揺らした。
いつの時代も子供のおねだりは同じような物だ。
仕方なく漏れは大きくうなずくとリムルルは小さな声を上げて漏れの腕にギュッとしがみつてきた。
久々に鼻の下が伸びてしまった、いやはや全く…。
そろそろ鮭も焼けただろう、遊ぶのはご飯の後にしよう…
44名無しさん@ピンキー:03/11/24 19:34 ID:yf/mmL3w
がんがれ黒子タン
45名無しさん@ピンキー:03/11/25 01:26 ID:sXpyNI4e
黒子たん最高
46名無しさん@ピンキー:03/11/26 01:18 ID:gLKcFKZ9
保守
47名無しさん@ピンキー:03/11/26 17:59 ID:eQv71MiD
晩飯を卓袱台に並べ、ビールを開けようと思ったが、考えてみればこれから風呂に入らなければいけない。
リムルルは一人で入れるよな…と、横目で彼女を眺めつつ、飯を頬張った。
リムルルは鮭を普段から食べていたのか、手早く骨を抜いてパクついている、
漏れは、小骨に四苦八苦しながらどうにか食べている、最近魚を食ってなかったな‥
「ネ、ネ、イテキ〜(ねえねえ、そんな取り方じゃだめだよ)」
リムルルの手が不意に鮭の皿に伸びた、どうやら骨を抜いてくれるらしい。
手早くリムルルは鮭の骨取る、人間はもともとこういうことが出来る物なのだ、不摂生を反省しなければ…
48名無しさん@ピンキー:03/11/27 00:33 ID:WoXlQVoE
黒子タンはこの文章を携帯で書いてるのか?!
49SS保管人:03/11/27 00:34 ID:wMPt6aZl
職人様、
当方の保管庫に、このスレに投下されたSSを収蔵しても宜しいでしょうか?

2chエロパロ板SS保管庫
http://adult.csx.jp/~database/index.html
5037:03/11/27 01:46 ID:Y1xo4Md+
正直、エロ無しで進めてほしくなってきたよ。
エロ有りと、無しの二通りのてんかいとか・・・・・・駄目かな?大変過ぎるか。
「ついていく」の言葉に嘘はないよ。
51名無しさん@ピンキー:03/11/27 04:22 ID:QnZwjuJA
エロありは白子タンが一度だけアケで書いてたな。
個人的に続きが気になってたんだけどもう書かないのかな。
52名無しさん@ピンキー:03/11/27 11:15 ID:nunAGWYk
侍魂知らんのだが、この子何歳? 姉とは幾つ離れてるの?
5352:03/11/27 11:24 ID:nunAGWYk
自力解決。
54名無しさん@ピンキー:03/11/28 03:24 ID:zDuyEfKm
閑丸との初エチーがよかバイ
55名無しさん@ピンキー:03/11/28 06:37 ID:ebke+/Ea
>>54
ううっ、なんかエロ抜きに傾いてリクエストしづらい雰囲気だったんだよ…よく言ってくれた!
というわけでリム×閑丸俺もきぼんぬ
56名無しさん@ピンキー:03/11/28 11:02 ID:DIA/sSAI
炉輪姦
5737:03/11/28 12:07 ID:S2PwGS6z
ごめんなさい
58名無しさん@ピンキー:03/11/28 12:11 ID:rA01WWO6
>>57
なにが?
5937:03/11/28 12:19 ID:S2PwGS6z
エロ抜きムード私が作ったみたいな気がして・・・・
すいません
60名無しさん@ピンキー:03/11/28 13:54 ID:bjv6zYOJ
結構ここ見てる人っているんやね・・・
黒子タソ復活まで中継ぎが必要だNE
61名無しさん@ピンキー:03/11/28 15:22 ID:r+QI5976
俺はエロ路線を封じたいわけじゃないんだが
今のエロ無しリムをしばらく読みてぇ。
まぁ風呂は絡みでない健全エロなら大期待
62名無しさん@ピンキー:03/11/28 17:18 ID:ObMGH+h3
中継ぎたい!
継ぎたいんだが・・・




ナコかレラしかない、ネタ的に




ダメでつか?
63黒子:03/11/28 19:21 ID:CFACmwXC
実は携帯で書いてるでんすよ。
家には一応パソコン有るんですけどね、何せ毎日日本中を飛び回ってるから。

もうそろそろ携帯返って来るんでもうちょっと待っててくださいね…。
64名無しさん@ピンキー:03/11/28 22:15 ID:5oDkLmTa
リムが現代にやって来た話なら、
黒子タソに触発されてちょっと書いてるんでつが。
結構難しいでつね・・・
65名無しさん@ピンキー:03/11/29 03:07 ID:wg3od9Gy
>>64
完成したらうpキボン
66名無しさん@ピンキー:03/11/29 03:46 ID:osFZfdtj
侍スレハケーンヽ(´ー`)ノ
過去の作品でよければ…。エロパロ板の純愛スレに投下したリム×ナコレズエロ〜
ttp://adult.csx.jp/~database/sslibrary/samurai01.html
6764:03/11/29 11:14 ID:TXyGupFM
>65
なにぶん、SSとかやったことないもんで難航中です。
ご期待に沿えるかどうか分かりませんが、ある程度書き溜めたらうpしまつ。
>66
まさかこんな午前中から本気でハァハァすることになるとは・・・
素晴らしくエロかったです。ハァハァです。
68名無しさん@ピンキー:03/11/29 11:25 ID:aZ5TH/Sl
>>66
(*゚∀゚)=3ムッハー
69名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:09 ID:VolAeM4e
ムヒー
70黒子:03/11/30 09:46 ID:1LFgpudo
ムヒョオォオォオオオッ

ただ今水邪が憑依中(゚Д゚;)
今日の夜には復活できそうです、どうぞよろしく
7164:03/11/30 11:42 ID:mV033A0N
黒子タソキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
がんがれ、期待してるよ!
72黒子:03/11/30 23:02 ID:1LFgpudo
「エ、イェーイ!(どうぞ、やーい。)」
「えと、ヒオーイオイ…(えと、ありがとう)」
「イペピルカ?(少し食べていい?)」
「エ(いいよ)」

通じたようだ、リムルルは漏れの箸をかっぱらって鮭を口に運んだ。
リムルルから箸を返してもらってさっさと食おう
……間接キスだがまぁいいか、可愛いし(´∀`)

短くなってしまいますたが次回は風呂なんで勘弁してください…それでは
73名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:10 ID:czNOb5N9
風呂―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!??
74名無しさん@ピンキー:03/12/01 10:15 ID:DVMVPCe2
これ↓・・・リムたんとの絡みのシーンが省かれてる・・・誰か書いて!
ttp://www.tomato.sakura.ne.jp/~ddd/ddd/novel/t00454.htm
75名無しさん@ピンキー:03/12/01 16:13 ID:kE2+x3GQ
風呂は最後のフロンティア
76名無しさん@ピンキー:03/12/01 18:49 ID:y82QYoxt
↑オナ禁スレ住人?
77名無しさん@ピンキー:03/12/01 22:01 ID:avZQoDzs
エロパロ板は初めて来たんですけど、dat落ちしづらいんですか?
これだけマターリ進行でも大丈夫なんですね。
78名無しさん@ピンキー:03/12/01 22:26 ID:yI7Fkebg
>>77
スレ立て直後の即死判定さえクリアしてしまえば平気。
79名無しさん@ピンキー:03/12/02 02:13 ID:2hNF6EBB
人の多い板は一日何十本とスレが立つから、
スレ数満杯→古いスレから倉庫落ち、も速い。
エロパロ板ではそういうことは、何ヶ月かに一回ぐらいかな。
実は、板の数でいえば、こういうマターリ板のほうが
2ch(bbspink)では多かったりする。

bbspinkでも「えっちねた」とかは低年齢層ワショーイ、
スレ立てやレス付き回転率檄速だから、一度夜勤さんが勘違いして
bbspinkの基準をそれに合わせたことがある。
そしたらここみたいなマターリ専門エロ板が
何年も続いてる老舗スレが何百本とスレ落ちて大騒ぎになったw
そんなこともある。(後に復帰)
80名無しさん@ピンキー:03/12/02 02:32 ID:O9/dNp1m
>>79
あったねー、そんなことも。
漏れの記憶にある中では、一年数ヶ月前に起きた
大量スレ虐殺事件だね。
「24時間に一度でも書き込んでいれば大丈夫」だったのに
一度書き込んでから数時間もたたないうちにスレが死んでてなぁ…
8177:03/12/02 09:57 ID:rxcMUclp
はぁー、色々あるんでつね。勉強になりますた。
82名無しさん@ピンキー:03/12/02 13:40 ID:vTpCfomJ
いまって書き込みが全く無くても落ちないね。
11/19を最後に放置されてるスレが今でも健在だし。
83名無しさん@ピンキー:03/12/02 23:39 ID:qSlb9VnS
〜お詫び〜
アイヌ語翻訳は手間が掛かるので、今回より日本語にてお送りします。


…飯も食い終わったし、風呂に入るとするか。
湯がわいた頃合いを見計らってリムルルを風呂場につれていくと服を手早く脱ぎ始めた
警戒心は無いのだろうか、本当に不思議だ。
考えてみればこうやって小さな女の子と風呂に入るのは小学生以来だ。
死んだ妹の背中を流してあげたりしたっけ…。

漏れが考え事をしている隙にリムルルは手拭いを取ってさっと湯槽に飛び込んだ。
少々憚られたが漏れも前を隠して風呂場に入った

リムルルは無邪気に湯槽に浮かんだヘチマのスポンジと戯れていた。
「これなにー?」
「あぁ、それ?スポンジだよ」
「すぽんじ…?たべられる?」
「いや…」
無理と言い終わらない内にリムルルはぱくっとスポンジを口にくわえた。
「おいおい、汚いぞ…」
「…げ〜、まずいよこれ」
やれやれ、現代文化に慣れるのはまだ先みたいだ。
84SS保管人:03/12/03 01:19 ID:3zwmTkYf
白子様、黒子様、
NOの返事が無いということは、保管庫への収蔵はOKということで宜しかったでしょうか?
駄目なようであれば削除しますので。

2chエロパロ板SS保管庫
http://adult.csx.jp/~database/index.html
85黒子:03/12/03 07:44 ID:juNg3NHV
OKでつ、おおいにOK
86白子(しらこ):03/12/03 09:46 ID:DAnlcBTq
断る理由はないですよ〜。

というか、私はほとんど何も書いていないんですけどね…
87名無しさん@ピンキー:03/12/03 11:35 ID:+sx5Q8gR
うぅ・・アイヌ語やめちゃうんだ・・
言葉が通じない所が小動物っぽくて一番の萌えだったのに・・(ぉ
「*****!」「○○○?」とかでもいいから再検討キボンヌ・。
88黒子:03/12/03 12:45 ID:juNg3NHV
アイヌ語…
まいったなぁ…まぁ少しペース落ちますけどどうにか復活させてみます。
89名無しさん@ピンキー:03/12/03 18:40 ID:+sx5Q8gR
禿しくdクス、ご無理をいって申し訳無い。(;´Д`)人
90名無しさん@ピンキー:03/12/03 21:56 ID:c0FcFVYq
アイヌ語(・∀・)イイ!!
復活ありがとう。
9164:03/12/03 23:17 ID:Uc0Bd8Uo
(゚∀゚;)モロに日本語リムたんで書いてしもた・・・
92名無しさん@ピンキー:03/12/03 23:37 ID:npno4Ep/
>>91
それもまた個性だ。

っていうか、最初から日本語で書いてるならそれでいいんじゃない?
黒子さんの場合は、最初アイヌ語で書かれていて、そのたどたどしさが良い味を出してたから惜しんでるわけで。
93名無しさん@ピンキー:03/12/03 23:38 ID:WIu1RIEy
うむだから気にするな。楽しみにしてるぞ。
94名無しさん@ピンキー:03/12/03 23:41 ID:npno4Ep/
でも、現代女子高生風コギャル言葉を使うリムたんは嫌だw
9564:03/12/04 01:04 ID:E4ddB2FD
優しいお言葉、ありがd(つ∀と)
自分なりにがんがってみます。

>94
使ってないのでご安心を(w
96名無しさん@ピンキー:03/12/05 07:25 ID:E3z0YnGY
(;゚∀゚)=3ハァハァ
97黒子:03/12/05 08:20 ID:V1mJ/oeY
うう…うちにある辞典じゃ訳せない。

みなさん申し訳ない、セリフは
「×*♀※(´∀`)」
にします。

正直スマソ
98名無しさん@ピンキー:03/12/05 12:48 ID:E3z0YnGY
いえいえ・・・
それでも結構感じでてていいと思いますよ・・・( ´∀`)
99名無しさん@ピンキー:03/12/05 16:50 ID:uks1Ak8f
全然問題ナッシンでしょ!
100名無しさん@ピンキー:03/12/05 22:30 ID:oLzC1wA5
100げと?
101黒子:03/12/06 00:30 ID:3hVILaDy
漏れが体を洗い終えてボケーッとしているとリムルルは
「※※※※※※※※?」
と湯槽の端に寄ってくれた。
どうやら一緒に入るように誘っているようだ
「いいのかい?」
「※※※※」
仕方がない、一緒に入るか…いやはや、まいったまいった、ははは。
狭い湯槽に並んで入る、犯罪だよなぁ…でも、とても幸せだ。
「※※※※※※※※」
リムルルは肩を叩いてくれるようだ
「え?いいのかい?」
「※※※※!」
お言葉に甘えて叩いてもらう事にした。
軽い振動が疲れた体にこ心地よい、やさしい娘だ…
…まるでお爺さんと孫だ、そう言えばよく職場の仲間にもジジ臭いと言われるな、まいったまいった。
しばらくすると、リムルルは僕の名を尋ねてきた
「…あぁ、僕?」
「※※※※、※※※※※※※※(あなた以外にだれがいるのさ)!」
そう言うとリムルルは漏れに突っ込みを入れた、やんちゃめ…
「まぁ、お兄さんとでも呼んでよ」
「※〜、※※※※※※※※※※※※」
どうやらお兄ちゃんってガラでもないようだ。
二人で大笑いしながら風呂を出た。
脱衣室で体を拭いてやると、「※※※※※※※※(やめてよぅ)!」とほっぺをひっぱたかれてしまった。
…本当に幸せだ。
明日は早い、早く休もぅ‥。
102名無しさん@ピンキー:03/12/06 02:12 ID:lGt0jK2d
あぁ・・本当に幸せそうだ・・(;´Д`)
103名無しさん@ピンキー:03/12/06 02:41 ID:pykHoSsP
なんかリムルルの台詞がバグったファミコンのように見える
104名無しさん@ピンキー:03/12/06 04:16 ID:SFFvnWQm
萌え。
俺はてっきり、意味不明文字の最後に>>97のような顔文字が入る
カギカッコ内になるのかと……
105名無しさん@ピンキー:03/12/06 08:31 ID:v823kSuL
イイヨイイヨー(*´Д`)b
でも確かにバグったファミコンみたいかも。
106名無しさん@ピンキー:03/12/06 16:14 ID:Gxowo+8p
>黒子タソ
そういえば主人公は一人暮らしでしたっけ?
冒頭部分で「家に連れ込んだ」「部屋に押し込んだ」「妹の服を着せる」
などなんとなく実家暮らしの感じもするのですが
107名無しさん@ピンキー:03/12/06 18:30 ID:fcs/Onhx
>>106
妹さんは既に…
108名無しさん@ピンキー:03/12/06 23:36 ID:v823kSuL
服が家にあるってことは実家なのかな?って意味だと思うよ。
109名無しさん@ピンキー:03/12/07 00:17 ID:cjSaZluE
>>108
じょそ(ry
110黒子:03/12/07 01:04 ID:qBgPuNiQ
漏れの境遇にかなり似せてるからなぁ。

実は数年前まで妹と同居してたんですけどね。
作品中にもあるとおり鬼籍入りしてしまいました、事故でね。
111名無しさん@ピンキー:03/12/07 02:10 ID:/ZGa3EgE
>>110
とどのつまり主人公は一人暮らしでかつ妹の服はもっているということでFA?
112名無しさん@ピンキー:03/12/07 02:54 ID:gs0IXKOZ
(つД`)
113名無しさん@ピンキー:03/12/07 10:03 ID:k4IjQaux
クロコタン(つДと)ガンガレ・・・
114名無しさん@ピンキー:03/12/07 18:09 ID:3PHRHJBu
萌え話のしづらい雰囲気になりましたね
115名無しさん@ピンキー:03/12/08 22:47 ID:2UiyvEEd
ところでおまいら、リムたんは年頃なわけですが
1. 風呂はタオル巻きで恥ずかしそうに一緒に入るリムたん
2. 「一緒におフロはいろ!」ぐらいにまだ色々と芽生えてないリムたん
3. 部屋に落ちてた下着を拾うだけでもコンルが飛んでくるリムたん
のどれが好きでつか?
116名無しさん@ピンキー:03/12/08 23:02 ID:YZJxg1mK
>>115

(2)

それ以外は認めない!!

こともないが、やっぱコレが…
117名無しさん@ピンキー:03/12/09 05:48 ID:jCUjB8wH
>タオル巻き

そんな現代的なリムタンはなんとなくいやーん
118黒子:03/12/09 18:11 ID:x0bGQuR+
まいった、この後5レスで続きのリクキボンヌ
119名無しさん@ピンキー:03/12/09 18:33 ID:BUKNA6HX
現代の歯磨きを教えてあげる。
その後一緒に就寝(別々に寝ようとするが案の定リムたんにせがまれて一緒に寝ることに)

でひとまず第一幕終了みたいなのはどう?
一度今までのを纏める意味も込めて
120名無しさん@ピンキー:03/12/09 18:51 ID:yhMRUOEt
一緒に寝る。
夜中に声がするので起きてみると
「姉様・・・姉様・・・」とベソかいてるリム。思わず抱きしめる。

もしくは







お ね し ょ リ ム ル ル
121名無しさん@ピンキー:03/12/09 22:16 ID:R7hH5USE
ちくしょう・・・
何かリクしたいんだがうかばねえよ・・・
とりあえず120に一票(=゚ω゚)ノ
122名無しさん@ピンキー:03/12/09 22:34 ID:BUKNA6HX
背中にしがみついてるリムルルから何故か水の流れるような音が………
おねしょ(*゜∀゜*)
123名無しさん@ピンキー:03/12/10 00:40 ID:T8gUH0sG
おねしょはイイね!

現代のトイレの使い方なんてわからないだろうし、
恥ずかしくて聞けなかったとすれば十分考えられる!


まあ、ベソかきリムたんを抱っこして眠るのも大いに心引かれるけど
124名無しさん@ピンキー:03/12/10 00:58 ID:ZI9L0Uav
むしろウ○コ
125名無しさん@ピンキー:03/12/10 01:12 ID:wXSwLGnC
イヤーソ(;´Д`)
126名無しさん@ピンキー:03/12/10 05:47 ID:9sH2+emI
>>124
うぎぎ!考えるだけで勃ってきた!(;゚∀゚)=3
127名無しさん@ピンキー:03/12/10 08:07 ID:ZxACd7l5
うんこは勘弁してほしい香具師の数→(1)
128名無しさん@ピンキー:03/12/10 13:51 ID:COfkWCd2
(2)
129名無しさん@ピンキー:03/12/10 13:55 ID:cuCF9elH
130名無しさん@ピンキー:03/12/10 14:17 ID:evQW3th5
(4)
131名無しさん@ピンキー:03/12/10 15:28 ID:E2T0ceQZ
ぜひお願いしたい、性癖の持ち主だがココではヤメテほしい。
132名無しさん@ピンキー:03/12/10 16:56 ID:wXSwLGnC
133名無しさん@ピンキー:03/12/10 19:15 ID:aKxOy7SY
自称健常者の多いスレですね。
134名無しさん@ピンキー:03/12/10 21:15 ID:micQ6UD/
うんこ自体は書かずとも、例えばお尻の穴を弄ったときに
「ひゃぁんっ!そ、そこ…うんちするとこだよ…?」
というセリフは俺的にありだと思う。『そこ汚い…』とかいう表現には食傷ぎみなので。
想像するだけで勃つ。
135名無しさん@ピンキー:03/12/11 00:27 ID:YLUoTrRK
趣味は千差万別だからなぁ…こうやってあーだこーだ言い始めると
結局誰もSSをあげてくれなくなっちゃうんだよね。
職人さんが、事前にどういうシチュかを説明してくれれば
嫌いな人は読まずに飛ばせるから、できればおながいします。
136名無しさん@ピンキー:03/12/11 01:34 ID:07Cgbk3M
OIOI、マジな書き込みしないでくれよぉゥ!
おれたちは職人さんがあげてくれるならそれだけで嬉しいンだからよゥ。
おれは嫌いなシチュはほとんどないぜ
137黒子:03/12/11 19:29 ID:m2Ur9cNS
「漏れ」の台詞は辞典読みながらアイヌ語で喋ってると思ってください

ふらふらになってたけど押入れの奥から布団を出してきた
布団が二つあるのにこのこと一緒に寝るなんて犯罪だろう。

「さて、寝ようか。」
「$X#¥(ねぇねぇ)」
リムルルは漏れの腕をつかんで離さない。
「・・一緒に寝る?」
リムルルはにっこり笑うと首を縦に振った。

嬉しいけど不本意だけど犯罪だろうけど仕方が無い
なにせ本人の意思だ、まぁあくまで不本意だけどね。
「そうだ、歯を磨かなきゃ!」
「??」
漏れはリムルルを洗面所に連れて行った、歯ブラシは買い置きしてあるから困らない、リムルルに好きな色を選んでもらう。
「ん〜・・・&$%#$(どれにしよ・・)」
青と赤で悩んでたみたいだけど赤に落ち着いたみたいだ。
「じゃあね、まずはこのチューブをね・・・」
くわえた・・・・。
138黒子:03/12/11 19:31 ID:m2Ur9cNS
「こら!やめなさい、なにやってんの!吸っちゃだめだって!」
「ゲホ!!うぇ〜・・・ペッペッ、#$*%д#(から〜〜〜)!?」
リムルルは歯磨き粉を散々口の中に含んでしまったようで顔をしかめながら吐き出してる。
口の周りが歯磨き粉だらけだ。
「ほら、ティッシュどうぞ」
「〇#%%(ありがとう・・・うぅ・・苦いよぅ・・)」
「どういたしまして」
さて、コントやってると遅くなるし、さっさと歯を磨いて寝なきゃな。

歯を磨き終わった後、すぐ布団にもぐりこんだ。
「#$#〜〜〜!!!」
リムルルもよくわからない声をあげてすぐに布団に突っ込んできた。
「’&%’#$(おにいちゃ〜ん!!)」
漏れの背中にしっかりしがみつくリムルル。

ああ、神様、漏れは氏んでもいい・・・・。
139黒子:03/12/11 19:32 ID:m2Ur9cNS
次回はおねしょ
140名無しさん@ピンキー:03/12/11 19:57 ID:BkKLzt/g
>>139
ドゴグラァアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!
ハァハァハァ…ハァハァハァ……
141名無しさん@ピンキー:03/12/11 20:00 ID:BkKLzt/g
>青と赤で悩んでたみたいだけど赤に落ち着いたみたいだ。
やはり姉さまのことを思い出したのかなぁ、なんて思いすまた。
142名無しさん@ピンキー:03/12/11 23:21 ID:9geOkOr+
キキキキタ-(゚∀゚)
143名無しさん@ピンキー:03/12/12 04:04 ID:PFMKgaat
>>139
羨ましさで狂い死ぬかと思った。
144名無しさん@ピンキー:03/12/12 05:19 ID:8279MJFV
リムルル夜中に目がさめる

主人公を起こそうとするがまったく起きない

意を決して布団を出るが、ビビってすぐに主人公の下へ戻る

日が昇るまで待とう…そしたら厠へ行こう…と思うリムルル

五分後、寝てた。

そして翌朝…


みたいな流れキボソヌ!
145名無しさん@ピンキー:03/12/12 06:47 ID:szPtHMBF
IDがさっぱりしてるね。
146名無しさん@ピンキー:03/12/12 09:28 ID:i5hl23yj
ワシにとってのリムは
「しょんべんくさい愛すべき萌えっ娘」なので
次回いよいよワシの理想が結実する。
今から禁オナで待っている次第。
147名無しさん@ピンキー:03/12/12 16:20 ID:szPtHMBF
漢認定
148名無しさん@ピンキー:03/12/13 11:19 ID:SOfTyEPa
早く漏れの背中で寝てるリムたんから水の流れる音がしないかな
149黒子:03/12/13 20:33 ID:IKqOFaJ2
今回はリムルル視点、よってアイヌ語は(略

「・・・んん、よく寝た・・・まだ明るくないんだ。」
きょろきょろと周りを見回してみた、窓からは明け方の薄暗い空が見える。
「おなか減っちゃった、何か無いかな・・。」
布団から手を出すと、横にあったちゃぶ台の上を物色してみた。
「・・・なんにもないや、姉さまがいたら何か作ってくれるのになぁ・・・・・。」
この季節は本州でも朝は冷え込む、リムルルはふるふると震えるとまた布団に潜り込んだ。

「お兄ちゃんあったか〜い・・・・・・・・・」
二度寝を決め込もうと思ったリムルルの脳裏に衝撃が走る。

「・・・・・どうしよう・・・・おしっこしたくなっちゃったよぅ・・・・。」
リムルルは布団から頭だけちょこんと出すと、厠の方を覗いてみた。
「・・・まっくらだ・・・・・で、でも大丈夫だもんね、リムルル怖くないも〜ん・・・」
そろり、布団から抜け出すと、真っ暗闇がリムルルを包んだ。
「・・・・・あ〜ん、コンル〜〜!!」
不意にダダダ、と外で音がした。
「ひええええっ!」
どうやら郵便配達のバイクの音のようだったが、現代生活の短いリムルルは大急ぎで布団に逃げ帰った。
「・・・どうしよう・・・コンルもいないし・・・・お兄ちゃん、ねぇ、起きてよぉ」

「・・・んん〜〜!!弾幕薄いよ!何やってn・・・・・。」
「お兄ちゃん、ねぇってば!お兄ちゃん!お兄・・・・ちゃん!ねぇ・・・おにい・・・ちゃ・・・・ん・・・。」
150名無しさん@ピンキー:03/12/13 20:43 ID:ezQ4Bj3P
グルジョワァアアアァァア!!!!?
ああんハァハァ…バイトに行く前に素晴らしい精力剤になりますた!
ハァハァ…バイト帰りが楽しみだぁ…


ウワァーーン…書き込もうとしたらサーバの負荷がドンドンあがってやがんの…チクショウ…
151名無しさん@ピンキー:03/12/13 20:49 ID:fDkhnk/z
>>150
といいながらも書き込んでるやんw

それってやっぱ何回もリロードして書き込んだの?
何か、負荷回避の裏技ってあるの?
152黒子:03/12/13 20:49 ID:IKqOFaJ2
「・・・・?」
血が出てる、やられたか、こんな宇宙の端っこで氏ぬとは、やっぱりアOロにも・・・セOラさんさえ・・・・!!??

体が濡れている
この年になっておねしょか!?
リムルルに見られたら洒落にならない!早く隠さなくては!!

漏れは電気をつけた・・・・・何かおかしい。
背中が濡れているのだ、布団を見る、漏れの寝ていたところは乾いている。
リムルルの布団を引っぺがしてみる。
「!!あ!!」
「$&#&’>?{*‘>&!!!!!!!!」

リムルルだった、泣いてる。
漏れは胸をなでおろすと、リムルルの頭をくしゃくしゃと撫でた。
「いいんだよ、泣かないで」
「&#%$*+@・・・・うわ〜ん!!」
リムルルはそのまま漏れに抱きつく、ぎゅうっと抱きしめてやった。

・・・・さて、ご飯の前に風呂に入らないとな、会社には遅刻しそうだ。


                       〜続く〜



一応一区切りつきましたね、またネタを練らないと・・・・・。
153名無しさん@ピンキー:03/12/13 21:29 ID:sBXJD1hN
ガンダムネタわらた
154名無しさん@ピンキー:03/12/14 00:15 ID:pIWIBktq
(・∀・)イイ!!
155名無しさん@ピンキー:03/12/14 01:50 ID:JghegfK5
>>151
しばらく待って書き込みボタンを押す…の繰り返しだったのよ。

>>152
あぁんたまらなく可愛い…
抜けるというか、いとおしくて可愛らしい感じですね。
156146:03/12/14 05:20 ID:uZrrngCM
黒子氏グッジョブ

禁オナしていた甲斐があった…
お お ! 快 な り ! !
157名無しさん@ピンキー:03/12/14 18:25 ID:pIWIBktq
そろそろリムたんが来た理由について突っ込むってのはどうよ
15864:03/12/14 19:28 ID:Tf3+tPoM
皆様、お久しぶりです。黒子氏のお邪魔にならぬよう、影から覗いておりました。
いやー萌える(*´Д`)=3
萌える・・・( * ´ Д ` )=3=3

Σ(゚Д゚;)ハッ!

・・・さて、密かに書いているSSなんですが、
私の方でもやはり姉探し、ということにしています。
時間軸としては真サムの直後ということで、舞台は現代。
しかし現状では、広げた風呂敷を畳めない状態になってしまうため
うpするような仕上がりでないのでつ。
アイヌ民族の知識もわずかだったため、色々読んだりしながら
知識を集めている次第です。当方理系なんですが、大変勉強になりますね。
神々(カムイ)という概念、生活法や人生の考え方etc。

ところどころのシチュは黒子氏のものにあえて近づけています。
ただ、リムたんは日本語です。ごめんなさい。
とりあえず話の骨組みが完成して、なんとか終わりを迎えられそうな
雰囲気になったらうpしようと思います。

長文失礼しました。
159名無しさん@ピンキー:03/12/14 21:07 ID:za0IVSLt
>>158
お待ち申し上げております
160黒子(新キャラ登場):03/12/15 00:36 ID:KKauFZVA
まだ続きがまとまってないからスレ違いかも知んないけど色ネタ。

リムルルが転がり込んでくる前の話だ。

うら暖かい日曜日、漏れは誰もいない部屋でボーっとしていた。
携帯が鳴る、色宮さんからだ・・・・。

「はい」
「もしもし、O君?」
「そうですが、何か?」
「・・とっても恐縮なんだけど、今あいてるかしら?」
「はぁ、暇ですが」
「悪いんだけど新宿のO急の地上改札まで出てきてもらえないかしら?」
「解りました、12時までに逝きます」
色宮さん
色宮 雅 漏れの先輩だ。
車好きが講じてこの業界に入ってきた人だ。
背が高くてスタイルがいい、営業所内の紅一点で、みんなの憧れの的。
161黒子(新キャラ登場):03/12/15 00:37 ID:KKauFZVA
10分後、漏れは新宿のロータリー地下にいた。
O江戸線ができてから新宿が近くなった・・・・。

エスカレーターを上って地上改札口に出た、学生の頃は毎朝O急を使っていたな・・・。
今から考えれば、あの頃が一番良かった、年末ヒマでコミケにも絶対参加できたし。
漏れはシガリロを取り出して火をつけると、壁によっかかった。
日曜日だというのに相変わらず新宿は人がたくさんいる。
部活帰りだろうか、グチャグチャのブレザーにかかとを踏んだルックスのよくいるBボーイ
暑苦しいカップル、老夫婦、みんな幸せそうだ。
漏れはこの頃、独り者暦20年を突破してしょげ返っていたので、なんだか世の中見るものすべてが眩しかった。

時間は11時40分、いささか早すぎた。
パタパタと、小さな女の子がこちらに走り寄ってきた。
「おじちゃん、タバコ吸っちゃ駄目だよ、ここはキンエンなんだよ」
「・・・・・・お、おお、そうだったな、ごめんよ、いい子だね。」
「・・体に悪いよ」
その娘はそう言うと、どこかに走り去ってしまった。
「おじさんはないよ・・・。」
そう独りでつぶやいた
162黒子(新キャラ登場):03/12/15 00:37 ID:KKauFZVA
「O君?」
「ああ、どうも」
色宮先輩が現れた
「行きましょう」
「はい」
言葉少なに会話を済ませると漏れは先輩についていった
先輩と漏れは前にもこうして何回か会っている。
向こうから誘ってきたり、こっちから誘ったり。

地下道を数分歩いて、東口側に出る。
人通りの少ない路地、色宮先輩がいきなり漏れの前に突っ立つ。

「どうしたんですか?」
「・・・・・」
じーっと漏れを見つめる先輩
「?」
いきなり抱きしめられた
「冗談はやめてください」
「・・・・・・・」
「先輩・・・・。」
163黒子(新キャラ登場):03/12/15 00:38 ID:KKauFZVA
ちゅう、と音がした。
首筋が吸われる感触
「・・・・ごめん」
「・・・先輩」
「・・・・」
「気にしないでください」
その後はよくわからないけど、なぜか自分の部屋にいた。
横には先輩が横になっていた、どうやら二人でしこたま飲んだらしい、頭が痛かった。

まさかと思ったけど、それはなかった。
その後、先輩との関係は今も良好に続いている、特に何するでもなく、口付けからはまったく進行していない。
さて、リムルルのことをどう説明しようか・・・。
164黒子:03/12/15 00:40 ID:KKauFZVA
「先輩」を絡めれば結構面白くなりそうだったので勢いでうpしました。
次はリムルルの服でも買いに行くか、先輩同伴で
165名無しさん@ピンキー:03/12/15 01:11 ID:x1ehe+C/
色タンハァハァ
リムタンとぐずぐずにからめてやってくれぃ
166名無しさん@ピンキー:03/12/15 01:41 ID:0HfOEoMG
(・∀・)イイ!!
167名無しさん@ピンキー:03/12/15 09:21 ID:+Obh3pcQ
>>163
なんだかあなたが土曜の夜にでも体験してきたような内容ですね
168名無しさん@ピンキー:03/12/15 17:29 ID:0HfOEoMG
シッ
169名無しさん@ピンキー:03/12/15 17:34 ID:iJ50zXtU
ウラヤマシイ
170名無しさん@ピンキー:03/12/17 00:33 ID:DwpwKix3
保守
171名無しさん@ピンキー:03/12/17 22:12 ID:0Ww3IzSc
黒子タンはやく…
172名無しさん@ピンキー:03/12/17 23:23 ID:ytvVqxJX
保守の必要ないんじゃなかったっけ?といいつつ。
173名無しさん@ピンキー:03/12/18 00:28 ID:j2Emv161
どんなにマタリな板でも油断は禁物ですぜ
174名無しさん@ピンキー:03/12/18 13:45 ID:sChFsnnw
誰かバトルモノのSSも書いて欲しいなあ。

今の路線も好きなんだけど
175黒子:03/12/18 14:15 ID:IUieY96A
そろそろうpらないと廃れるな…
176名無しさん@ピンキー:03/12/18 21:29 ID:n0nd/lG4
「O君」とイニシャル名にするよりも、いっそ「黒子君」とした方が違和感が無くていい気がします。
リムと同棲イイナー(´Д` )
177名無しさん@ピンキー:03/12/18 21:31 ID:4p7ganF1
漏れにも・・漏れにももう少し妄想力と文才があれば・・(´Д⊂ モレモドウセイシタイ・・・
178名無しさん@ピンキー:03/12/18 22:46 ID:RPmb7es0
リムルル×閑丸を誰かキボンヌ
179名無しさん@ピンキー:03/12/19 03:53 ID:FxzD8ee/
それは週末、仕事帰りにコンビニに寄った途中での出来事だった。
薄暗い夜道をビニール袋を揺らしながらトボトボと歩いていると、ふと、左の植え込みの奥で人の気配がする。
いつもならば気にも留めないのだろうが、その時の俺は違ったらしい。好奇心に負け、植え込みを覗き込む・・・と、
信じられないものが見えた。
そこは、平時ならば児童公園になっているはずの場所だった。
しかし今はどうだろう。見たことも無い奇抜な衣装を着た小さな娘と、その娘に今にも襲い掛かりそうな二人の全身黒装束の男・・・そんな、まるで時代劇のような風景が俺の目の前で展開されている。
「・・・・・・・」
俺は思わず息を呑んだ。対峙している娘と、黒装束の男が持った長モノ―街灯の灯火を照り返すそれには、明らかに刃がついていたのだ。そこに流れているのは、どう見ても本物の「殺気」としか表現しようの無い空気だった。
「破ッ!」
先に動いたのは黒装束の方だった。抜き身の刀をそれぞれ真一文字に構え、目にも止まらぬ速さで左右から娘へと切り込んで行く。
あまりにも早いその突進は、素人の俺にはとてもかわせぬ様に見えた。
180名無しさん@ピンキー:03/12/19 03:54 ID:FxzD8ee/
が。
キン、と澄んだ音を立て、右の男の刀が娘の短刀にがっちりと受け止められた。さらにその交差点を中心として、娘の体が左に向きに大きく半回転する。バレリーナのダンスのような格好のままで投げ出された脚が一閃して、左から迫っていた男の側頭部にクリーンヒットした。
たっぷりと遠心力を含んだ蹴りは命中するなりごん、と鈍い音が響かせ、左の男を大きく吹き飛ばした。倒れたきり、動かなくなる。
当の娘は転がりながら着地。得物を相手に構えたまま立ち上がり、油断の無い目で残る敵を見据えた。
凄い。
持ち前のバネと的の小ささを生かしきったそれは、さながら完成された演舞のようで。
俺は目の前で行われているそれが命のやり取りである事も忘れ、その美しい少女にただ、見入っていた。知らずのうちに力が抜け、とさり、と右に抱えたコンビニ袋が手から滑り落ちる。
それがいけなかった。
それまで娘を見据えていた黒装束の視線が、ある一点を見る。
「あ・・・・・・?」
傍観者である―俺のほうへと。
仲間を昏倒させられた黒装束の苛立ちは、その視線を通して痛いほどこちらへ伝わっている。しかも、相手が相手だ。
娘への対応から、その後の行動は台詞つきで容易に予測できた。つまり、
「見たからには死んで貰う」
そんな陳腐なフレーズが、頭の中でぐるぐると回る。もうダメだ、と思った。
わずかな金属音を残して、黒装束が尖った刃物を振り出した。それはゆっくりと振りかぶられ、俺のほうへと・・・・・・。
181179:03/12/19 03:56 ID:FxzD8ee/
>>174
ちょっとバトルモノっぽい感じで直感の赴くままに書いてみた。
一時間ちょいで書いたから推敲もロクにしてないけど、いかがだろうか?

あー、でもエロにも萌えにもならなかったよ。ごめん。
182黒子:03/12/19 06:59 ID:7TlJG3mE
∧_∧
(´∀`)ь<グッジョブ
183名無しさん@ピンキー:03/12/19 20:54 ID:BkM6OEDq
かっこいい! 
184黒子:03/12/19 21:18 ID:mLJC4Rvb
金曜日の午後、仕事を済ませた漏れと先輩は足早に待ち合わせの場所へ急いだ
師走の街はだれもがあくせくと早足で歩き回っている
今日はリムルルの服を買いに行く予定だが、さすがに女の子のファッションは解りかねる・・・
で先輩に着いてきてもらったわけだ。

「リムー!」
「±∞*@%〜〜!(おにーちゃん)」
「あの子?」
「ええ、謎のアイヌの女の子です」
先輩は小さい女の子に弱い、一気に恵比寿顔になった
「…転がり込んできたって言うのは本当なの?」
トテトテとリムルルが走ってきた
「ええ、俄かに信じがたいでしょうけど、本当です」
「±£≠¥*!(いこ〜よ〜)」
「よしよし、わかったわかった」
「可愛いわね…」
きょとんとしてリムルルが先輩を見上げた
「−∞≦£*?(この人だれ〜?)」
「あぁ…何ていえばいいのかな」
「あだ名でいいわ、色よ、よろしくね」
「うん、色さんだよ、リム」
「よろしくぅ!」
リムルルは漏れの教えた現代語を使ってくれた。
185黒子:03/12/19 21:32 ID:mLJC4Rvb
さて、ファッションといっても十人十色だ
漏れはジーンズにはかなりうるさい方だがそれ以外にはさっぱり…
「+@¢¥〜!(これ、イイ!)」
恐ろしい、15万もする着物だぞ
「いい生地ね」
「こんなの買えませんよ」
先輩真剣に生地を見つめている、本当に買う気か・・・・
「やっぱりユニクロか無印かしら…」
「無印はともかく…ユニクロは・・・。」
「ねぇ・・・あとはGAPかな?」
「ディオールオム、イブサンローラン、バーバリーブルーレーベル、O2、Y’s・・・・」
先輩・・・・それは自分が欲しいだけでは?
「まぁ無難にGAPでも逝ってみませんか?」
「&#%$!!(はやくぅ!!)」
「そうね、GAPあたりが無難ね」

すたこらと新宿の南口をでて、ガードから降りるとすぐにGAPについた。
・・・そういえばリムルルはまだ服が自分で着れないんだ。
「どうしたの、黒子君」
「いえ、何でもありません」
先輩に着せてもらうか・・・。
186黒子:03/12/19 21:43 ID:mLJC4Rvb
さて、まずはTシャツだな
無難にクルーネックで逝こう

「この子、明るい色がよさそうね・・・水色」
「$&#’!(赤!)」
「先輩!外出の時だけでいいんですからそんなに取らなくてもいいです!」
「あら、これあたしのよ。」
手際がいい、さっさと自分のも選んでしまった。
「サイズ大きいんですね」
「・・・・胸」
「#&”(¥&$!!(色、胸おっきぃ!!)」
「・・・・」
さて、ご希望どうり赤い奴を試着しよう。
先輩・・・会計に行っちゃった。

仕方が無い、漏れが着せてやるか。
試しにリムルルだけ試着室に入れてみる
「#$’”〜」
鼻歌交じりに服を脱ぎ始めた、こら!カーテン閉めろ!
漏れがいなきゃ駄目みたいだ・・・・仕方ない。
187黒子:03/12/19 21:50 ID:mLJC4Rvb
上半身素っ裸のリム、それにTシャツを着せるだけ・・・・・
「#’&”¥!!!!(えっち!!)」
「うぐぐ、可愛い」
真っ白な肌、ほとんど無い胸。
「%"$%&”%・・・・(あんまり見ないでよぅ・・・・)」
「ごめんごめん」
「・・・・まだなの?」
「げ!」
先輩、試着するのはいいけど順番が逆・・しかもブラジャーだけで出てこないでくださいよ・・。


やれやれ、先は長そうだ・・・。



ということで本日これでお開き、次回は下着を買いに逝きます。
お楽しみに
188名無しさん@ピンキー:03/12/19 22:46 ID:OKJYwtVu
(・∀・)イイ!
でもリムはえっちという言葉を何処で知ったのだろう。
日本人による造語だからガルすら知らんはず(「へんたい」の頭文字だ)
189名無しさん@ピンキー:03/12/19 22:49 ID:SJROX6oN
>>181
GJです!

エロ or 萌え or 燃え の何れかがあればOKですよ!!
190179:03/12/20 04:24 ID:NFcbq/gU
>>182 >>183 >>189
サンクス。読んでくれてありがとう。
スレ違いな話だけど、少しでも楽しんでいただけたのなら幸いだよ。

しかし、やっぱこの手の話は難しいな。上のもそうだけど、黒子氏はやっぱ上手いなぁ、と思う。
俺も精進しなきゃいけないな。

さて、あのままではちょっと後味が悪いので後編も書いてみた。
お目汚しかもしれないが、よろしければ読んでやって下さいな。
191179:03/12/20 04:26 ID:NFcbq/gU
銀光が閃き、男の手から棒状の凶器―手裏剣だろう、多分―が投じられた。強力な殺気に圧され動くこともできない俺に、それはまっすぐに飛んでくる。
尖った先端がぐんぐんとこちらに迫る。走馬灯が見える気がした。
しかし、それが俺を捉えることは遂に無い。
男から間合いを離していた娘が、唐突に左手を俺のほうへかざし、こう叫んだのだ。
「コンル!」―と。
転瞬、呆然と立ち尽くす俺の前に、薄い氷の膜が忽然と現れた。どういう原理かそれは空中に静止し、驚くべきことに俺に襲い掛かった手裏剣を、文字通りに「跳ね返す」。凶器は先端を逆に向け、本来の主である黒装束へと牙を剥いた。
男の顔に驚愕が生じる。が、直後の行動に迷いは無かった。開いた左手の鉄甲を振りかぶり、飛来する手裏剣へとそれを思い切り叩きつける。
ギン!と鈍い金属音を響かせ、鉄の凶器がくるくると宙を舞った。先端を頭にして落下、地面へと突き刺さる。
その時だ。男の背後へゆらり、と踊りかかる小さな影がある。先ほど俺を救った、彼女だった。
飛び掛るそれは既に全身のバネを収縮し、次の一撃への準備を完全に整えている。必殺の間合い。
「・・・不覚!」
192179:03/12/20 04:27 ID:NFcbq/gU
男の言は誰に向けられた物であったのだろうか。それに思い至らぬうちに、娘の飛び蹴りは黒装束の延髄にめり込んでいた。
そのまま、まるでワイヤーアクションの様な挙動でもう一段。体を捻りながらの飛び後ろ回し蹴りが、後ずさった男の鳩尾に命中する。
超人じみた怒涛の攻撃は、二倍ほどもある体格差をものともせず、冗談のように男の体を吹き飛ばした。とさっ、と軽い音を立て娘が着地するのとほぼ同じタイミングで、黒装束の体が大地に叩きつけられる。小さくバウンドした後、ぴくりとも動かなくなった。
「・・・凄い」
思わず、言が口をついて出た。気づいたのか、娘が俺の方を見やる・・・こちらを真っ直ぐに覗き込んだ瞳は、驚くほど澄んだ色をしていた。
「あ・・・・・・・・・」
それを見た俺は、何故か二の句が告げなくなる。少女の瞳に写ったものが、現在の我々のそれとはあまりに違う輝きだったせいだろうか。
―そうだ、礼を言わなくては。
「あの、ありがとう・・・助けてくれて」
不可解な現象ではあったが、彼女が俺の命を助けてくれたのは確かだ。頭を大きく下げ、娘の瞳を覗き込む・・・しかし、
「?」
彼女は大きく首をかしげた。言葉が通じていないのだろうか。そういえば、先ほどの彼女の叫びは聞きなれない響きではあったが・・・はて、どうしたものだろう。
193179:03/12/20 04:29 ID:NFcbq/gU
「・・・?」
そんな俺の様子を見て、娘が両の拳を肩の辺りに上げ、もう一度首をかしげる。可愛げな仕草は、大丈夫?と俺に問うているようにも見えた。いや、おそらくそうなのだろう。
「ああ、うん。大丈夫だよ、ありがとう」
がっくんがっくんと首を大きく上下させ、彼女に頷きかける。笑いかけた。
「♪」
推測は当たった様だ。彼女は俺の挙動を見て、笑顔を浮かべた。嬉しげに頷く。
そしてそのまま、彼女は踵を返した。手を上げ、
「じゃあね」
とでも言うように俺に一瞥をくれる。ふと見返したその目に、何か寂しげなものが見て取れたのは、俺の目の錯覚だったのだろうか。
しかしそれを問う間もなく、小さな背をこちらに向け、少女はゆっくりと向こうへ歩き始めた。
多分、あの黒装束達に追われているのだろう。俺の胸に何か、言いようの無いものが去来する。だが、彼女を呼び止めたところで何が出来る?
おそらく、何も出来ない。そう、それは本来、俺にはどうする事もできない事のはずだったのだ。しかし、
「待って!」
気がつくと彼女を反射的に呼び止めていた。きょとんとした表情で、小さな影がこちらを振り返る。
俺は咄嗟に胸に開いた手を当て、
「俺は、179郎」
ハッキリとした声で、名を名乗った。さらにその手を彼女のほうに伸ばし、大きな声で問いかける。
「キミの、なまえは?」
問われた彼女は一瞬きょとんとしたものの、すぐに意図を察したのか(聡明な娘だ)俺と同じように胸に手を当て、笑顔で
「り・む・る・る」
と。
さらに大きな声でもう一度、
「リムルル!」
つられて、俺も笑顔になる。言葉に込めた想い、それが通じた事が嬉しかった。
満面の笑顔は、春に咲いた大きなタンポポのようで。

それは、初秋の出来事。
まだ暖かな、月夜の晩の事だった。
194179:03/12/20 04:32 ID:NFcbq/gU
以上、読了感謝。
では、名無しに戻ります。感想などいただけると嬉しいかも。
195名無しさん@ピンキー:03/12/20 05:42 ID:f5LtP0ah
>>194
ベネ(良し)!

……自作SSの強みとは言え、役得だな179郎よ。
少し羨ましい(*゚∀゚)=3
196名無しさん@ピンキー:03/12/20 08:45 ID:pSnXc6a/
(・∀・)ベネ!
197名無しさん@ピンキー:03/12/20 09:43 ID:6f9CrfBp
(・∀・)ピリカ!
198名無しさん@ピンキー:03/12/20 09:57 ID:svJqueZS
べね♪ リムはタンポポが良い感じ。
199名無しさん@ピンキー:03/12/20 16:43 ID:l7NQgx+j
179郎=いなくろう?
200名無しさん@ピンキー:03/12/20 22:01 ID:rn1WrQ+y
タンポポ・・・ナイナイのマゾの3兄弟を思い出す漏れって

GJ
201名無しさん@ピンキー:03/12/21 04:20 ID:ROK1H9lx
閑丸の零小説を書いた。
HPに乗せるから、そんときゃ見にこいや、178くん。
登場人物は閑丸、リムルル、腐れ外道、儚、旦那だ。
202名無しさん@ピンキー:03/12/22 00:46 ID:VZjCjb4X
マターリでも油断禁物保守
203名無しさん@ピンキー:03/12/22 16:32 ID:2ZaebSzm
マターリでも油断禁物保守
204名無しさん@ピンキー:03/12/22 22:50 ID:FALrTXon
何となく気が行ったので、リム×シズ、執筆途中。
若干、ヒョウヒョウ言ってる輩との絡みもあったりするが…
205名無しさん@ピンキー:03/12/22 23:13 ID:uLu9KiM3
楽しみに待っております。
某所でセク質三昧の上荒されてる彼が不憫で……
206名無しさん@ピンキー:03/12/23 00:09 ID:vlYqKQzy
俺はその某所の住人。セク質もしたが激励もした。
彼は運が悪く、要領も悪く、いろいろ間も悪かった。だが性格は決して悪くない。
せめてSSの中では幸せを祈ろう。
207名無しさん@ピンキー:03/12/23 01:35 ID:1Y1pqLG/
うぅ…先程リム×シズ執筆途中と書いた奴…
つまりは204ですが…何とか22日中に投下しようと
頑張ってはみた物の…結局投下出来る量にも満ちてない始末。
自分のドタマにほとほと腹が立つ…てな訳で、大変申し訳ない。
もう少し…もう少しお待ち下され、23の日捲りまでには投下
出来る様にしてみせま…。
208名無しさん@ピンキー:03/12/23 01:55 ID:YID7DFte
無理するなよ。ゆっくりまってるからさ。
209名無しさん@ピンキー:03/12/23 10:34 ID:nkBuqH4H
時間をかけて自分の納得いくものを投下すべし。
幸いにも、せかすヤシはここにはいないようだからね。
210名無しさん@ピンキー:03/12/23 15:19 ID:9Jl1bJHQ
早くしろゴルァ
211209:03/12/23 19:41 ID:freth5u5
(;゚∀゚)アレ?
212黒子(予告):03/12/23 22:40 ID:6tijk8X+
明日までにはうpします。
213名無しさん@ピンキー:03/12/23 22:44 ID:Tx7hbTTg
9年間ずっとリムルルのこと好きでした
214名無しさん@ピンキー:03/12/24 01:03 ID:EdEqB4bK
最近、なこりものにレラENDがあることを知ったからやってみたが、レラに激しく萌えた。
本当に戦闘バカなんですね、レラは。
あんなんじゃ結局、人生の荒波に揉まれたミカトの言いなりになるしかない。

ちなみにジャイアンみたいなリムルルも好きなんだが、評価どうなんだろうか。
215名無しさん@ピンキー:03/12/24 01:23 ID:pVYRSzbH
どうも、204たりえる者です。取り合えずは書けました…
しかし、稚拙なのは勿論、ダラダラ長い割にエロ無し
もう謝る他に道がナイ…、取り合えず、エチシーンまでの繋ぎ
として、我慢して見て下ちい…では、投下〜
216204:03/12/24 01:24 ID:pVYRSzbH
広々とした草原、刻は朝、天気は快晴。少女は元気に傍らに居る相棒に話しかけた。
少女の名はリムルル、青空の様な色をした衣装を纏い、やや短めの茶色の髪の毛を
上手く布で括っている。國の北端、アイヌのカムイコタンで生活をしていた少女だ。
そして傍らにいるのは、リムルルの生涯の友達であり守護者の、氷の精霊「コンル」
である。さて、その少女らが何故里に居ずに旅をしているのか、話は五日ほど前に
遡る。

「あはははっ、待って、コンルー!」
雪の照りかえしが眩しい晴れの日、リムルルは姉を横に、コンルとじゃれあっていた。
「ほらっ、捕まえた!」
ふよふよと逃げ回る相棒を捕まえたのは家の前、遊んでいたのは家の裏。
追い掛け回している内に、いつのまにか反対側まで来てしまっていた様だ。
「あ…表まででちゃったのかぁ…戻ろっか、コンル。」
と、引き返そうとくるりと方向を変えた時、不意に後ろから飛び込んできた声にまた振り返った。
声の主はリムルル、ナコルルの祖母であった。
「リムルルや、ちょっとおいで。」
ニコニコと笑顔で手招きされ、リムルルはなすがまま祖母の方へ駆け寄った。
「はーい!どうしたの?おばあちゃん。」
孫の元気の良い質問を受けると、祖母は檜皮色の紙包みを取り出し、手渡した。
217204:03/12/24 01:25 ID:pVYRSzbH
「これをナコルルとおあがりなさい。」
「…なぁに?これ…。」
急に手渡された紙包みをまじまじと見つめる、くるっと返したり、逆さに見たりする。
「おやおや、もう少し優しくしておあげ、二人の大好きなラタシケプが
だめになってしまうよ…」
依然として、興味津々に紙包みをみつめていたリムルルだったが、
祖母が放った一つの単語を聞いた途端、明るい顔が更に明るく弾けた。
「えっ!?ラタシケプ作ってくれたの!?やったぁ〜♪」
ラタシケプとはアイヌの伝統料理で、ナコルルがよく作ってくれる物だ。
ナコルルの作るそれも十分美味しいのだが、その作り方を教えたのは
祖母であって、その味は絶品の一言である。
「やったぁ〜♪おばあちゃん、有難う!」
何にせよ、リムルルにとって嬉しいおやつなのは間違い無いのである。
「はいはい、元気なリムルルや…」
祖母は歓喜する孫を笑顔で見送り、明るい日差しを布団に転寝を始めるのだった。

「ねぇさまぁ〜っ!おばあちゃんがラタシケプ作ってくれたよぉ〜!」
物凄い速さで家の裏に、姉の名を呼びながら走るリムルル。
「一緒に食べようよ〜、姉様!…あれ?」
裏に戻ったリムルルは、予想外の出来事にきょとんとした、先程まで当たり前
の様に居た姉、ナコルルの姿が見えないのだ。これには流石にリムルルも考える。
「あれぇ〜…?姉様?何処ぉ〜?」
厠や軒下などを探ってみるが、一向に見つかる気配が無い。暫く悩んだ末に
少女が出した結論は…
「分かったぁ、かくれんぼだ!姉様ってば、もう!」
こうだった。自分なりの便利な解釈で納得し、相棒にイキイキと話しかける。
「コンル、姉様遠くに隠れちゃったみたい、探しに行こっか!」
218204:03/12/24 01:26 ID:pVYRSzbH
という経緯で今に至る訳だが、今まで呑気にただ旅をしていたわけでは無い。路が違う故に、
幾度もの人とぶつかり合い、幾度もの死線を越えてきたのだ。精霊の声が聞こえ、剣術の心得がある事以外で、何ら普通の少女と変わり無いリムルルがここまで姉探しの旅を続けて
来られたのは、やはり姉に対する純粋な情と、彼女きっての明るさがあっての事だろう。
しかしながら、真実は残酷な物で、未だに姉に関する情報は無し、未だに相棒頼りで進んで
行くしかないのだ。
そして、今日もまた歩き詰めのみで日が傾こうとしている時、通りがかった竹林で妙
な二人組みが道を陣取り、通せん坊をしているのであった。一人は女、長い黒髪を
後ろで括り、朱色の着物を着込み、手には腰上までの長さの刀を抱えている。
もう一人は男、がっしりとした体躯に肩ほどまである藤色の波打った髪、手には木槌を携え、
いかにもな悪人面。その内、女性がリムルルの存在に気付き、声をかけてきた。
「…?まだ子供ではありませんか、申し訳ありませんがここからは日輪に続く道
早々にお引取り下さい。」
礼儀正しく、それでいて威厳の効いた声で女が言う、が、一方的な拒絶にリムルルが
納得できる訳も無く、ここぞと反論する。
「駄目っ、わたしは姉様を探さなきゃいけないんだからね!邪魔しないでよ!
それにわたし、子供じゃないっ、リムルルって名前があるんだからね!」
拒絶と、ついでにコンプレックスを突かれ、憤慨し反論するリムルル、しかし
聞こえないが如く平然と受けて返す女。
「あくまで通る、と…?ならば致し方有りませんね、返り血で服が汚れてしまうのは
好ましくありませんが…。」
219名無しさん@ピンキー:03/12/24 01:28 ID:pVYRSzbH
と、ここまで言った所で男が始めて口を開いた、それも大声で。
「ちょっと待ったぁ、夢路!いい加減俺様にやらせやがれ!」
どうやらこの男、先程までじっと座っていた所為で相当気が立っている様だ。
そして、夢路と呼ばれた女はその男の方に向き直り、話し始めた。
「三九六殿…、分かりました、この場は貴方にお任せいたします。私は一先ず
日輪に戻りますが、次にお会いした時は私と同じく、我旺様に仕える
同志と判断致しますよ。では、御免…。」
これだけ言うと、夢路はこの場を後にした。残るはリムルルと、三九六と呼ばれた
悪人面だけだ。暫くして先に口を開いたのは三九六だった。
「餓鬼ごときが舐めた真似しやがって…、まぁ仕方無ぇ、この世界で最強の
 萬 三九六様が相手してやるぜ、ガハハハハ!!」
男が纏う狂気に脅えながらも、腰の刀「ハハクル」に手をかけ、戦闘体制に入る。
「コンル…、うん、絶対、絶対やられないんだもんね…!」
リムルルの声に共感する様に、コンルも上下に揺れる。
そして、この言葉が三九六の闘争心を大いに掻き立てたのだ。
「やられないだぁ!?じゃぁ誰が死ぬんだ、え!?世界最強の俺様が!?
 そんな事有り得ねぇよ!死ぬのは手前だぁ、ガキィィッ!」
こう言うと、三九六は思い切り飛び上がり、地上のリムルルに向かって木槌を振り
降ろした、しかし、リムルルはそれを受けようとも避けようともする様子が無い。
「へっ、動けねぇかぁ!?なら…死ねぇぇぇ!!」
突如、リムルルがきっと空中の三九六を見据え、一声。
「コンル、行っけぇ!!」
こう叫ぶと、地面から、三九六に向かって、氷の塊が飛んで行った。その先には
三九六の恐怖と驚愕の表情があった。
「な、馬鹿な…!!グガァッ!!」
氷の塊が三九六の体を突き刺し、どしゃっと言う音を立て、三九六の体もろとも
地面に落ちた。三九六はそこでぴくりとも動かなくなった。
220204:03/12/24 01:29 ID:pVYRSzbH
「くっ……!」
暫くそれを見つめていたリムルルだったが、急に走り出した。コンルも
ただ事ではない相棒の様子に、慌てて付いていった。
雨が降り出していた、そしてリムルルは木の側で顔を伏せて泣いていた。
「うぇっ…!何で…、何でよぉ…、わたしは、わたしはただ…!」
これまで幾度か体験した死闘、偶発的な物だったとしても、彼女には
それが耐えられなかった、それに対する不安と恐怖が、一気に爆発
してしまったのだ。
「うぇっ…、ねぇさまに…、ひっく…、あいたいだけ…なのに…。」
一人で雨の中を、声を出して泣いた。泣き声は雨音にかき消されていた。
「うえぇっ…!ねぇさまぁ…ねぇさまぁっ……!。」
泣きじゃくる中、ふと、自分の体に当たる雨粒が無くなったことに気付く。
しかし雨はまだ降り続いている、自分にだけ当たらないのだ。
「つめたく……ない、何で……?」
驚き、ふと顔を上げてみると、海の様な綺麗な色をした番傘が、
リムルルを包んでいた。そしてその横に目をやると、番傘と
対照的に、これも綺麗な緋色の髪の毛、長いので後ろで纏めている。
背丈は自分と同じ位、幼さのある穏やかな顔立ちで、体に不釣合いな
大きな刀を背負った少年が立っていた。
「体…冷え切ると駄目ですから…。」
少年は不器用に笑いながら、ボーイソプラノで話掛けた。
突然の事で、何を考えて良いか分からないリムルル、しどろもどろで
やっと言葉を搾り出した。
「あ、き、きみ……だれ…?」
不意に尋ねられ、こちらもしどろもどろになる、面白い光景である。
「あ、ぼ、僕は…緋雨閑丸……閑丸と言います。」
ぺこりとお辞儀をしながら名乗るその姿は、リムルルには何故か面白かった。
「ぷっ…、ふふふっ…!あははははっ!」
大笑いした、先程の悲しさが何処かへ吹き飛んでしまった。
リムルルと緋雨閑丸、この二人はこうして出会いを果たしたのであった。
221204:03/12/24 01:34 ID:pVYRSzbH
トリアエヅ今日の分は投下終了…。
そしてお目汚しシツレイシマスタ…
近い内にエロまで持って行って投下しますので…
あぁっ、物を投げないで…
222名無しさん@ピンキー:03/12/24 07:20 ID:b28O/SJ3
キタ━(゚∀゚)━キタ━(゚∀゚)━キタ━(゚∀゚)━キタ━(゚∀゚)━キタ━(゚∀゚)━キタ━(゚∀゚)━!!
激しく期待しております
223黒子:03/12/24 23:38 ID:wM1ZpTk9
イイ!

こっちは延期します
年末輸送で立て込んでおりますので…
224名無しさん@ピンキー:03/12/25 18:14 ID:avGLjceD
無の境地sage
225名無しさん@ピンキー:03/12/26 01:57 ID:5ya7NQVD
日本の物流を支える同士の無事を祈ってsage
226黒子:03/12/27 00:11 ID:k9sqQHEi
有り難いsage
227名無しさん@ピンキー:03/12/27 17:23 ID:blulSG/w
あーよかった。
リム×三九六じゃなくて。
228黒子:03/12/28 15:57 ID:D9BJrtQa
あぁ、昨日の便(〇〇→羽田)名前がわれるので出発地は伏せます
は時季外れに搭乗率よかったなぁ
やっぱりコミケかな…羨ましい
229名無しさん@ピンキー:03/12/28 17:07 ID:ZfqZLcA9
>>228
わざわざパイロットの名前を探し出そうとするような暇人もいないと思うがw
ていうかあなたっていわゆる「機長」さん?
230黒子:03/12/28 22:49 ID:D9BJrtQa
副、まだ副ですよ。
231黒子:03/12/28 22:59 ID:D9BJrtQa
まぁいい加減スレ違いなのでsage
みんなスマソ
232名無しさん@ピンキー:03/12/29 00:50 ID:kWvwviym
うお、でも凄い。
リム好きは幅が広いなぁ。何か嬉しい。
233名無しさん@ピンキー:03/12/29 04:09 ID:iAs0hfpB
副機長かぁ〜〜なんかカコイイ!
ゲーセンに入り浸ったり、パソコンのモニタ見すぎて視力落とすなよw

今度北海道にフライトすることがあったらデジカメで風景写真でも撮影してつかあさい
234204:03/12/29 11:17 ID:h+oc+p58
えー、204です、ハイ、ぴんちでございます。
己のPCが只今原因不明の不具合でSTOP中…(゚Д゚)ウボァー
てな訳で、次の投下は少々遅れ気味に…
そ、その分溜め込んでおきますので、取り敢えずその物騒な得物は
引っ込めて下さいな…

てな訳で、このスレにおわす全ての方々へ…
お怪我に気をつけて、よいお年を…

235黒子:03/12/29 17:34 ID:iywIBFrl
204氏ガンガレ!


写真でつか…まぁ機長に怒られない程度に撮ってきましょう…(笑
236名無しさん@ピンキー:03/12/29 18:47 ID:iAs0hfpB
機長「逆噴射!」
副機長「機長、何するんですか!やめてください!」
237黒子:03/12/29 19:34 ID:iywIBFrl
羽田沖の片桐機長ですか
こいつ、乗客のこしてさっさと逃げたんですよ。
たしかその時コパイが背骨折れて尚乗客を救ったんですよね…
またスレ違いsage
238名無しさん@ピンキー:03/12/29 19:47 ID:iAs0hfpB
機長「カント・シキテ!」
副機長「レラ姉さまカッコイイ!」
239名無しさん@ピンキー:03/12/30 00:34 ID:INCdb7vf
うーむ。
240名無しさん@ピンキー:03/12/30 01:21 ID:88R9/Yjn
SSの投稿が無い
由々しき事態だ
241名無しさん@ピンキー:03/12/31 00:13 ID:QIDbe0wZ
ですなぁ
242名無しさん@ピンキー:03/12/31 02:52 ID:vYUH44mp
ただ投稿を待つより、試しに自分で書いてみようぜ。
243名無しさん@ピンキー:03/12/31 15:47 ID:OjP9XkyZ
すみませんねぇ、書けるのは多分新年になってからです。
お待たせして申し訳ないです
244名無しさん@ピンキー:04/01/01 21:17 ID:glvo2NfD
保守
245名無しさん@ピンキー:04/01/02 03:11 ID:Xy0qaN9D
保守
246名無しさん@ピンキー:04/01/02 12:25 ID:6KA6NS1U
ノンノ上げ
24764:04/01/02 23:00 ID:jiJHORsW
皆様、あけましておめでとうございます。このスレの64でございます。

まだ書きかけですが、少し書き溜めた分があるのでうpします。
どなたかの投稿があるまでの中継ぎになれば幸いです。
前置きが長く、読みづらい点も多々ありますがどうかご容赦ください。
24864:04/01/02 23:05 ID:jiJHORsW
一体、何がどうなってやがる?!
レポートを提出したはいいが、叩き返された学校帰り。
キャンパスを離れたときはまだ良かった。しかし。
最寄り駅に近づくにつれ天候は一変、にわかに掻き曇ったかと思ったらこの土砂降りだ。
駅は、この悪天候の下に出るのをためらう人々で溢れ返っている。
朝は天気も良く、降水確率0%などと天気予報がぬかしていたからだ。
しかし、いかに雨具を持っていたところでこの雨ではひとたまりも無いだろう。
それでも、帰る。帰って風呂に入ればいいじゃないか。
改札口から人を掻き分け、雨の中走り出した。
あまりにも強烈に叩きつける雨の中、バス停目指してひた走る。飛び乗る。
見るも無残な濡れねずみへと変身した俺を乗せたところで、
バスはタイミングよくのろのろと動き出した。だが幸運はそう長く続かない。
この悪天候に交通はマヒし、大変な渋滞が起きていたのだ。
鳴り響くクラクション。さながらアメリカのパニック映画のようだ。
車内は暖房が効いているとはいえ、寒いし服が気持ち悪い。
たまらず次の駅で降りる。全くバスに乗った意味が無い。
漆黒の空からは止め処なく雨が降りそそぎ、強風が吹き渡る。
それで済むなら良かった。
だが今日という日は、俺にありったけの試練を与えるつもりらしい。
ざぁざぁという音が、ばらばらという音に変わってくる。
顔に水滴が付くはずが、服にさらなる重さを加えるはずが、
今度は空から白いものが降り注ぐようになった。アラレだ。
あまりの異常気象に身の危険さえ感じつつ、残りの家路を急ぐ。
息が白くなってきた。外気もかなり冷たくなっているらしい。
もっとも、すでに冷え切った体にはもう関係のないことだ。
表通りから裏道へ。このアラレのせいか、誰一人とも、車一台ともすれ違わない。
氷の粒の勢いは、収まるどころか強くなってくる。寒いし痛い。
渋滞のせいでいつもの倍の距離を走っていることもあり、
疲れて足がもつれ・・・派手に転ぶ。
周りに人はいない。幸い怪我もしていない。
だが、体が動かない。動かさなかった、と言ったほうが正しいのだろうか。
びしゃびしゃの体は冷え切り、ずぶ濡れのまま仰向けになる。
24964:04/01/02 23:11 ID:jiJHORsW
自業自得とはいえ・・・これはあんまりだ。
何も見えない真っ暗な空をしばらく見つめていた。
空からは、止むことなく白い氷の粒が落ちてくる。こんなことしててもしかたない・・・
気づいた俺はやっと体を起こし、闇に浮かぶアパートを見つめた。
しゃにむに走っていただけあり、意外と近所まで来ていたようだった。
さて、もう一息じゃないか。もう一度力を振り絞り、その場に立ち上がる。
その時。ひときわ強い風が吹き荒れた。反射的に左腕で顔をかばう。
味わったことのない衝撃。体が宙に投げ出されそうだ・・・と思ったときにはふわりと体が浮いていた。
何メートルか吹き飛ばされ、ズンという地響きとともに尻餅をつく。
「ぐお・・・!」
尻から骨を伝って、じわじわじわと体中を駆け巡る衝撃に俺は悶絶した。
「・・・!・・・・・・!!」
声にならない叫びを上げながら、脚をばたばたして必死に痛みをこらえる。
歯を食いしばって上体を起こし前を向くと、そこには痛みも吹き飛ぶような別世界が広がっていた。
地響きの正体が鎮座していたのだ。眠る少女を抱き込んだ、美しい巨大な氷が。

立ち上がることさえ忘れ、口を開けたまま、ただ呆然と氷を見上げた。
美しく透き通った、青く冴える巨大な氷。その貫禄は神々しささえ感じさせる。
そしてその中で、茶色いフードを被った女の子が丸まって眠っていた。
一体、何がどうなってる?混乱したまま両手を着いて立ち上がる。
しかしアスファルトの感触は得られず、代わりに手を刺すような強烈な冷たさを感じた。
なんと足元が凍っているではないか。氷の塊を中心として、四方が氷の世界だ。
どうして俺は凍らなかったんだろう?幸運としか言いようがない。
とりあえず、もう少し近づいて見てみることにする。
転ばないよう、ゆっくりと氷に近づく。風は依然として強い。
「本当に氷でできてやがる!」
鋭い冷気を放ち、青白い輝きを放つそれは、まるで宝石のようだ。
その輝きは俺を誘っているようにも、威嚇しているようにも見えたが、ついに手で触れてしまった。
25064:04/01/02 23:15 ID:jiJHORsW
指を触れたその瞬間、大きな音を立てて氷にひびが入り、破片が飛び散った。
さらに強い風が吹き荒れる。キラキラと輝きながら破片が宙を舞い、俺の視界を遮る。
テレビで見たダイアモンドダストによく似ていた。とても美しい。
吹き荒れる風が向きを変え、追い風となった。
真っ白な視界が回復し、氷が再び見えてくる。
だがそこにあったのは、もとの氷ではない。花だ。そうとしか言い様のない形。
美しく大きく、それでいて繊細なガラス細工のような花の上に、
さっきの少女が眼を閉じたまま立って・・・いや1メートルほど浮いている。
氷の破片がキラキラと風になびき、フードを優しく取り払う。
あらわになったのは、幼い少女の顔だった。中学生ぐらいだろうか。
さっきまで冷たい氷の中にいたとは思えない、健康的なピンク色の頬。
少し癖のある、風を受けてキラキラと輝く柔らかそうな髪は、
ふわふわと揺れるブルーの大きなリボンでまとめられている。
冷たい風に乗って、その風とは対照的な暖かくて懐かしい、良い香りが彼女から漂ってきた。

どれくらいの時間が経ったのだろう。いつの間にか天気は回復していた。
そして雲の切れ目から顔を出した月の光に照らされたその姿に、俺は釘付けになった。
一体この娘は・・・?宇宙人?ってことはこれは氷の隕石か。
いや、アレだアレ、コールドスリープっての?救命ポッド。
違うか、幽霊?足があるぞ・・・んんん、精霊?氷の使者?とにかく綺麗だ・・・
考えがまとまらないまま、少しづつ空中から降りてくる彼女を眺めていた。
両足が氷の花の上に着く。それと同時に風が徐々に弱まる。
さらさらとなびいていた髪が落ち着き、強まった月の光が、
彼女をより一層強く照らした。そして。
ゆっくりと彼女は眼を開けた。重い扉を開くように、ゆっくりと。
半開きの虚ろな瞳に光が射す。小さな口から白い吐息が漏れると、
一歩、また一歩とおぼつかない足取りで、氷の花の上から地面へ降り立ち、
目の前の俺のほうへと歩いてきた。
25164:04/01/02 23:16 ID:jiJHORsW
俺はといえば、ただ、何も出来ずにそのさまを見ているだけだったが、
恐怖も、不気味さも感じることはなかった。
むしろここにいなくちゃいけない、と
まるで暗示でもかけられたかのようにその場に立っていた。
二人の距離が徐々に縮まったが、ふいに彼女は歩くのを止めた。
虚ろな、半開きなままの眼。俺の姿は見えていないのだろうか。
こちらの足元あたりに視線を落としたまま、一歩も動かなくなってしまった。

意を決し、話しかける。
「あの、も」
「ねえさ・・・まぁ・・・っ」
俺が話しかけるのと同時に彼女の眼から一筋の涙がこぼれ、
何かつぶやいたかと思うと、ふっと膝から力が抜け、
彼女は糸の切れた操り人形のように倒れこんだ。
慌ててわきの下から抱きかかえる。
「おい!君?!」
女の子は再び眼を閉じてしまった。息はしている。どうやら眠っているようだ。
頬を伝う涙の跡を拭いてやる。柔らかい、暖かい。けど、なんて悲しそうな顔だろう。
ここでこうしているわけにもいかない。氷は勝手に消えるだろうから、
とりあえずアパートに戻るとしよう。
彼女を再びしっかり抱きかかえると、俺は残りの家路を急いだ。
しかし、ねえさま・・・だったか?一体どんな事情があってこんな氷の中に?
25264:04/01/02 23:19 ID:jiJHORsW
まさか、これほど改行が難しいものだとは・・・。
字数制限と改行制限に引っかかりまくり、
元から読みづらい文章に拍車がかかってしまいました。
出直してきます。
253名無しさん@ピンキー:04/01/02 23:33 ID:j7M5jAul
>>252
1レスの改行は32まで。
1行の文字数は60ぐらいが限度だけど、見やすさを考えれば42〜43あたりという人が多い。
執筆の際のご参考までに。
<参考>
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071931832/238-240
25464:04/01/03 21:39 ID:1yEsULH1
「ただいまーっ、ととと」
誰もいない部屋にあいさつする。女の子を抱えたまま部屋に戻った。
とりあえず暖房をつけて風呂に湯を張る。寒い・・・冷え切った体がそう訴える。
俺は適当に着替えて体を拭くと、床に横たわる女の子に目をやる。
よく眠っているようだが、俺の服の水が彼女の服に移ってかなり濡れている。
・・・
・・・・・・まあしかたないよね。着替えさせよう。

茶色い毛皮のコートのようなものを脱がせ、腰帯をほどこうとしたが、
腰の後ろに何かついている。木彫りのケースに青い布が巻かれ、取っ手が・・・
明らかに刃物ではないか!慌てて机にしまう。護身にしては物騒だ。
気を取り直して腰帯をほどいてやる。
白地に青い刺繍が施された袴の上、というより作務衣のような衣服を脱がせ、
キュロットスカートも脱がせると、ワンピースのような下着姿になった。
腕と脚は露出たので、とりあえず体を拭いてやることにする。
華奢な体だ。全く無駄がない。だが決してひ弱というわけではなく、
運動をしているようで結構引き締まっている。
中学のとき、体育会系の女の子はこんなだったっけ・・・
思い出しつつ、軽い体を抱き上げて膝の上に乗せると、
お湯でぬらしたタオルで腕の方から体を拭き始める。
しっとりとした、みずみずしい吸い付くようなピンク色の肌だ。
首筋から、さっき風に乗ってきた懐かしい良い香りがする。
腕と脚を拭き終えて・・・さて。ワンピースを脱がせる。
あ、れ。

ぱんつはいてない
25564:04/01/03 21:40 ID:1yEsULH1
いやいやいやいや!動揺してどうするのだ。
背中、小さな胸、細い腰と、上から順にさっさと拭いていく。
字面ではおよそ女性らしい魅力とはかけ離れているかに思えるが、
性徴したてといった感じの胸は形も良く、乳首はツンと上を向いており、
腰から太ももにかけては、スポーツ選手のような力強い美しさに溢れている。
そして長くすらりと伸びたしなやかな脚。
少女らしい若々しさをたたえたとても魅力的な姿に、
俺はいつの間にか息を呑んでいた。

・・・・・・いかんいかん。どこの娘さんとも知らん女の子に。
体が冷めぬうちに、手早く俺のパジャマを着せてやった。
当たり前だが超ぶかぶかだ。袖を捲くってやり、布団をかぶせる。
女の子が部屋に来るってのも珍しいのに、
今、布団の中では正真正銘の女の子が寝息を立てている。
しかし一体この子は何者だろうか?氷、変わった服、ドス、ねえさま・・・
風呂に入って飯を食い、寝る時間になったが、何も考えは浮かばない。
ただ、あの服の紋様にはどっかで見覚えがあるような・・・?
まあ、明日になれば起きるだろう。そしたら聞いてみよう。
幸い日本語は話せるようだし。
もう一度寝顔を確認する。出会った時の様な悲しい表情はしていない。
とりあえず安心だ。コタツに入って、寝た。
25664:04/01/03 21:43 ID:1yEsULH1
>253
どうもありがとうございました。本当に参考になりました。

ここまで書いてリムルルのセリフは「ねえさま〜」だけなんで
これんぽっちも面白くないですよね・・・すんません。
257名無しさん@ピンキー:04/01/04 00:30 ID:LXlxdv9e
(・∀・)イイ!!ね
258黒子:04/01/04 00:47 ID:DlVZ3soM
ひでぶ!
64氏、やりますな。
(´д`;)ハァハァ

かくいう私は明日から長期休暇ですから…

や り ま す よ
259名無しさん@ピンキー:04/01/04 02:25 ID:LEjqCwGl
>ぱんつはいてない

…そのフレーズ、あんた……
26064:04/01/04 15:43 ID:wPQhIYno
>257
ありがとうございます。がんがります。

>黒子氏
>や り ま す よ
お勤めご苦労さまでした!やっちゃってください!

>259
・・・完全に悪ノリです。すんません。
261黒子:04/01/04 16:42 ID:BhEexv/o
間が開いたのであらすじ

金曜日になったので、リムルルの服を買いに逝くことになった漏れと先輩
いざ店に入ったはいいけど、リムルルは自分で服着られないし、先輩はブラジャーだけで出てくるし・・・
で、伊勢丹に問題の下着を買いに来たところで作者が年末輸送の無茶なシフトに組み込まれたのだった。

「#&%〜〜」
「うん、いいと思うよ、かわいいかわいい」
リムルルはひらひらしたピンク色の下着を漏れの顔の前に広げた。
「&$’”*」
「まだだめよ、帰ってからね」
「いや先輩、買ってすぐでも」
「・・・犯罪者になるなら社会を棄ててからにしなさい」
冗談ですよ。

それにしても女物の下着というのは不思議な物で見ているとなんだか微笑ましくなる性質を持っているようだ。
我々男性陣にとって女物の下着というのはエスカレータの下から覗き込むぐらいに貴重なものである。
だが男物の下着は違う、男ならだれも自分の下着を見て満面の笑みで微笑むことはできないだろう
考えてみていただきたい
あなたの目の前にいきなり加藤茶が現れて、顔の前にゴムのヨレたブリーフを広げられた挙句
「あんたも好きねぇ」などといわれた日にはどのようにしてその日一日を過ごせばいいか解らなくなるほど
落ち込むこと間違い無しだろう。
〜余談終わり〜
「女物下着三点、2500円になりまつ」
「・・・高いんだね」
「ヲホホホ・・・娘さん?可愛いわねぇ」

「・・・・」
「・・・・ふぅ」
「##”&$(はやくぅ)」

先輩はリムルルにハァハァしっぱなしだし、場が凍りついたのは言うまでもあるまい
262黒子:04/01/04 16:43 ID:BhEexv/o

さて、冗談をかましながらレジをすませた漏れたちは、O江戸線に乗ろうと思い出横丁の前をうろついていた
「課長から聞いた話なんですけどね、ここら辺一帯の飲み屋群ができた当時
そこら中にうろついてた野良猫とか野犬が一週間足らずで居なくなっちゃったそうですよ。」
「黒子君、あたしこれから食事なのよ」
「怒らないでくださいよ」
「*‘@」
「ああ、それがね、ここら辺の(中略)野犬(中略)・・・だよ。」
「@l+#$&」
「おいしいの?狼」
「&#%%$?:‘P‘」
「へぇ、お姉さんが言ってたんだ、狼ねぇ」
「・・・今日は夕ご飯抜こうかしら」
・・・ごめんなさい。

さて、漏れ達は先輩と別れて、O江戸線に乗り込んだ
漏れの駅、U駅は乗ったらすぐだ、疲れて寝てしまったリムルルと、大量の衣料品を抱えて電車を降りた・・・・。


さて、家に帰った主人公、リムルルに下着を着せるようせがまれます、どうする主人公!!

お楽しみに。


〜近況〜

皆さんコミケ行きましたか?
北行路線に乗ってたんですけど、見えましたよ,
東に並ぶ大量の人々、東京湾上空からも見えました、ガチで

ではでは。
263名無しさん@ピンキー:04/01/04 22:12 ID:q+l9tO/i
乙!
年末年始も乙ですた!黒子殿!
26464:04/01/04 22:40 ID:1dzUNfQb
真面目な下着考察に笑いますたw
265名無しさん@ピンキー:04/01/05 01:11 ID:ZmTNpqxN
馬鹿野郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
リムルルには真っ白い木綿のぱんつ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
266黒子:04/01/05 02:34 ID:QnrwgIHA
そんなご要望もあるかと思いまして、
「女物下着3点」
なのですよ、フハハハハ…
267名無しさん@ピンキー:04/01/05 03:04 ID:ZmTNpqxN
ウヒョーーーーーーーーーーー!!!!!!
マジデスカ最高です!!!
もうプルアップしちゃう!ストールしちゃう!ラダー折れちゃう!
急上昇して脳みそ酸欠になっちゃう!
268黒子:04/01/05 11:49 ID:QnrwgIHA
アイデント押す前に落ちますね
269名無しさん@ピンキー:04/01/05 22:10 ID:3anE4C4D
>>268
”落ちる”なんて言葉使っちゃダメ! (w
270204:04/01/06 20:36 ID:TUU8HXXf
皆様、新年明けましておめでとうございます。204です。
久々の閲覧だったのですが…甲斐ありですな、全くもって。
さて、SSですが…二回目までの区切りがやっと付きました…
これも偏に皆様のお陰かと。しかしながら諸々の都合で
投下まではもう少しお時間頂きたく…。

>>黒子氏 毎度毎度グッドな投稿、乙でございます。
     新年も頑張って参りましょう。

>>64氏  お初です。…でも無いのですかね?
     投下乙でございます、激しく期待してます。

と言う訳で、新年も頑張りたいと思います。…と言っても、
現代モノが書けるほど器用では無いので、トリアエヅこっち系一本で
努力します、では、また…
271黒子:04/01/07 18:48 ID:6tEXM1Mc
>>204
がんばってください、僕も忙しいけどがんばります
27264:04/01/07 21:16 ID:l+WcGEvt
朝。昨日の異常気象とは打って変わって、爽やかな日曜だ。
昨日の女の子は、布団の中で眠っている。あれから一晩。
時々様子を見ていたが、起きることなくすやすやと寝息をたてていた。
そろそろ起きてくれると助かるんだけど。まあいいか。
エプロンを締めて台所に立ち、朝飯を作る。
メシに味噌汁、目玉焼きに納豆。我ながら模範的な朝食だ。
さて、あとは飯が炊き上がるのを待つのみ、とその時。

「ん・・・んぅ」
布団の方からうめき声がした。ついに起きたか?早速声をかけようと布団の方を見る。
「やあ、起きたか・・・ぃ」
「とりゃぁぁぁーっ!」
威勢の良い掛け声とともに女の子が宙を舞い、次の瞬間、鋭いキックが飛んできた。
とっさに腕で顔面をかばう。ドカッ!かなりの衝撃だ。
女の子の一撃とは思えない。ぐらりと上体が不安定になる。
「おいっ、やめ」
「このぉーっ!」
ひらりと着地した女の子は、間髪なしで俺の懐へ間合いを詰めると、
そのまま両手で俺を思いっきり突き飛ばした。これまたすごい力だ。
いや、おそらく体の使い方を知っているのだろう。
勢いよく転ぶ俺。昨日からこんなんばっかだ。部屋の壁までザザザーッと滑ってしまう。
そして、あっという間に腹の上にまたがられた。
「ぐえっ」
「動かないで・・・あれ?あれぇー?」
片手で俺の首根っこを掴み、もう片方の手で刀を抜こうとしたのだろう。
腰の辺りを手探りしているが、肝心の得物がない。
「! ハハクルは?!」
「そんなこと教えてやるもんかっ!」
いかに馬乗りとは言え、軽い女の子だ。
両手を太ももの辺りにまわし、そのままぐいっと押し上げる。
不意をつかれた女の子は、逆に俺の上から転げ落ちた。
27364:04/01/07 21:22 ID:l+WcGEvt
このまま形勢を逆転しても良かったが、戦う理由はない。
「なぁ・・・落ち着け。俺は怪しいモンじゃないよ。昨日のこと、何も覚えてないのか」
「知らないっ!もうヤだよこんなところ!」
立ち上がって俺に向かってくるつもりだろう。ギラリと目が光る。
仕方なくあわてて女の子の両手を掴み、上から押さえ込む。
「じっ、ジタバタするな!一体何を言ってる?」
「やだやだっ!やだぁ!!だってここ『けーさつ』でしょ?」
なぜに警察?子供らしい突飛な発想とはいえ・・・
「おいおい、いくら狭いからってそりゃないだろ・・・ここは俺んちだ、おーれーんーち」
「・・・へ?」
女の子は、ぴたりともがくのを止める。
「あのなあ、昨日俺は、いきなり空から降ってきたお前を助けてやったんだぞ?」
「へ?じゃあもう閉じ込めたり・・・しない?」
「あぁ、しないしない。おい、離すぞ。もう暴れるなよ」
「うん」
掴んでいた両手を離すと、女の子はゆっくりと立ち上がった。
さっきとは打って変わってオドオドした感じで、困った表情を浮かべている。
その顔がはっとなり、
「あ、コンル!コンルは?」
「なんだよそれは」
「友達なの!大事な・・・」
「え、降ってきたのはお前一人だったけどなぁ」
そう答えた途端、今度はぺたんと床に座り込んだ。
「ほ、ホントに・・・あたし・・・一人ぼっちに・・・うっ・・・あぁ〜ん!」
顔を真っ赤にして、ぽろぽろ涙を流して泣き出す女の子。
「えぐっ、ねえさま!姉様ぁ・・・うっ・・・ひぅっ、会いたいよぉ・・・えぇぇ〜ん」
泣きじゃくる女の子を前に、俺はしばらく何も出来ずにいた。
ピピッ、ピピッ、ピピッ。飯が炊けたらしい。いいタイミングだ。
俺は女の子の前にしゃがみこんで、肩をゆする。
「泣くな、泣くなよっ、な?ほら立って。朝飯にしよう。話聞くから。」
「うっ・・・ぐずっ・・・ん」
手を貸すと、女の子は泣きながら素直に立った。塩辛い朝飯になりそうだ。
27464:04/01/07 21:25 ID:l+WcGEvt
お忙しそうな皆様に代わりまして、中継ぎをば・・・
いきなりバトルなんですけどね。
275名無しさん@ピンキー:04/01/07 22:45 ID:5j4Yijnl
(・∀・)イイ!!
(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!!
276名無しさん@ピンキー:04/01/09 02:29 ID:/lTWRYEx
いい!
27764:04/01/09 19:09 ID:bXZQ3Aa/
励みになります。これからもがんがります。
27864:04/01/10 19:18 ID:yGJNMGjR
「・・・てことはだ、ここが未来の世界だってことは分かってるんだな。
なんでまた、リムルルは過去からこの世界に来たんだい?」
味噌汁をすすりながら、コタツの正面で正座をしたままの女の子、
‐名前はリムルルというらしい‐に尋ねた。
「わたし、姉を探しているんです・・・行方が分からなくなっちゃって・・・」
「へぇ、姉探し、か。何?家出したまま帰らないとか?」
視線を落としたまま、リムルルは続ける。
「そんなんじゃない・・・姉様は、とても大きな災厄が起きるから、
止めなきゃみんなが危ないからって、遠くに出かけて行ったんです。
来る日も来る日も帰ってこなくて・・・それで、それである日、ママハハだけが・・・」
そこまで言うともっと伏し目がちになり、パジャマの裾をぎゅっと掴んだ。
「ママハハが、姉様のチチウシを・・・刀だけを持って・・・帰ってきて・・・
みんな、姉様は災厄を食い止めた偉大な巫女だ・・・って。
そんな、姉様は、ねえさまは絶対に・・・生きて・・・うっ・・・ぐすっ・・・」
リムルルの涙が頬を伝い、パジャマを濡らす。
「それでリムルルは、姉様を探してるってわけか」
黙ったまま、リムルルは何度も大きく頷いた。
闘い、災厄・・・。普通に生活してる以上、現代では縁のない話だ。

「ホントに、ホントにねえさまは生きてるんだよ・・・ぜったい」
「うん」
「ねえさまは・・・家族なんだ。たった一人の・・・。
私を置いて、一人で逝ってしまうなんて・・・そんなはず・・・ないよぉ」
とめどなく溢れる涙を拭おうともせず、リムルルは胸のうちを俺に話し続ける。
「リムルルにとって、とても大事な人なんだね」
「うわあぁぁー!」
堰を切ったように、リムルルはまた大きな声で泣きはじめた。
27964:04/01/10 19:19 ID:yGJNMGjR
こんな小さな女の子が家族を全て無くし、
その上見知らぬ世界をたった一人で旅をするとは、
陳腐な言い方だがどんなに辛いことだろう。

コタツから出てあわてて駆け寄り、なだめる。
「分かったよ・・・な。俺も一緒に探してやる」
「・・・ふえっ」
目と顔を真っ赤にしたリムルルが、ぼろぼろ涙をこぼしながら俺の顔を見つめる。
「見つかるまでここに居ていい。警察にも連絡しない」
「ほ・・・えぐっ、ほんと、ほんとに?」
「あぁ。だからもう泣くな。今日から家族だよ」
「かぞく?リムルルの・・・にいさま?」
「にぃ・・・」
ちょっと恥ずかしい。
が、こんなかわいそうな子を前に、そんなこと言ってられない。
「そ、そうだ、兄様だ」
「あっ、ありがとう・・・にいさまぁ!うぁーん!!」
言うなり、リムルルはまた泣きながら俺に抱きついてきた。
小さな頭をやさしく撫でてやる。可愛い妹だ。
「ほら、だから泣くな。飯がさめちまう」
「うん・・・泣かない、ひうっ、ごめんね、兄様」
「うんうんよしよし!」
ぐしゃぐしゃと頭をもう一度撫でまわすと、
「えへへ・・・」
リムルルは泣きはらした顔で、健気に笑って見せた。
胸がきゅーっとなるような、笑顔。
約束した以上、この悲しい笑顔を本当の笑顔に変えてやろう。
必ず姉を見つけてやろう。俺は心に誓った。
こうして、俺たち兄妹の生活は始まった。
280名無しさん@ピンキー:04/01/11 01:55 ID:73p4JA3v
うほっ…胸キュン
281名無しさん@ピンキー:04/01/12 00:36 ID:cTtHewr3
かわいいね
28264:04/01/12 01:09 ID:6HUuB34K
その後食事をしながら、いろいろな事をリムルルは話し始めた。
姉を探して山の中で途方に暮れていたところ、
山のカムイ(神様みたいなものだろうか)が姉の居場所を知っているというので、
言われるがままに不思議な力でこの世界へやって来たということ。
言葉が通じるのも、そのカムイとやらの計らいだろうか。粋なもんだ。
それから、現代へやってきた日に疲れて公園で眠っていると、
「帽子を被った黒っぽい服を着た大人(おそらく警察)」に連れられそうになったので、
刀を抜いて抵抗したら取り押さえられて、牢に入れられていたこと。
氷の精霊であるコンルの力を借りて牢を壊して抜け出し、
気づいたら俺の部屋にいた、ということなどなど。

「はあ、それで警察ねぇ。色々大変だったんだなぁ」
食事を終えた俺は、まだ食べ途中のリムルルを眺めながらつぶやく。
「うん、ほれであたひ、ふいふいはわへへひいはまのほろ」
「食べてからしゃべりなさい」
「ほめんね・・・もぐもぐ」
ばつが悪そうに笑いながら、リムルルは食事を続けた。
幸い食欲もあるみたいだし、健康状態はいいらしい。
ご飯をごくりと飲み込むと、リムルルは改めて口を開く。
「けど・・・にいさまはよくわたしのこと、助けてくれたね」
「そりゃそうだろー、氷が降ってきてしかも目の前でドーンと割れて、
ふらふらの女の子が出てきちゃったら仕方ないだろ?」
まあ、リムルルはかわいいから助けたのも半分だが。
28364:04/01/12 01:10 ID:6HUuB34K
「リムルルこそ、俺のこと信用しきって大丈夫なのか?」
「うん」
あまりにあっさりとした答えに拍子抜けする。
「な・・・なんで?」
「だって・・・コンルがにいさまを選んだんだもん、絶対だいじょうぶ!」
「俺を、選んだって?!なんでまた!」
「それはコンルに聞かなきゃ分からないけど・・・平気っ!」
空から落ちてきて人選びとは、ずいぶん野蛮な選び方だ。
「それにわたし、にいさまのこと好きだもん!」
屈託のない笑顔を俺に向ける。しかも好きなんて言われてしまった。
これはヤバイ。おまけに俺のことを信用しきっている。かわいいヤツだ。
しかしここでテレテレしているようでは、兄の威厳が台無しである。

「オホン!それじゃ、しばらくはこっちの世界で生活しなきゃな」
「うん・・・なんかわたしの暮らしてたところとは全然違うね」
リムルルがどこの誰かは知らないが、過去から来たのでは無理もない。
「よし、食べ終わったら色々教えるから」
「ありがと、にいさま。ぱく、もぐもぐ・・・」
にいさま、にいさま・・・か。悪くないね。
子供らしい、元気の良い食いっぷりのリムルルを眺めながら思う。
「ごちそうさまー!にいさま料理上手だねぇ!」
あっという間にご飯をかき込むと、
リムルルはにぱーっと満面の笑みを浮かべた。ほっぺにご飯粒がついている。
「リムルル、慌てすぎだぞ?」
ちょいちょいと柔らかいほっぺをつつき、取ってやる。
手をこちらに戻そうとした瞬間。リムルルはがっと俺の腕を掴むと
「ぱくっ・・・ちゅっ」
俺の指をくわえてご飯を奪った。
「食べ物は、大事にしなきゃねっ!」
もぐもぐと口を動かしながら、再びこちらに笑いかける。
・・・積極的というか無邪気というか。ドキドキしている自分がいた。
28464:04/01/12 01:17 ID:6HUuB34K
一応、キリの良いところまでというわけでガーッとうpしました。
が。エロ皆無なこのSSを、これ以上ここで繰り広げるのも
スレ内容にそぐわないような気もしますね・・・空気読めてないというか。
実際最近人通り少ないですし(´・ω・`)黒子さん・・・204さん・・・お待ちしてます
285名無しさん@ピンキー:04/01/12 02:15 ID:4TLLoxzE
>>284
この萌え上がる気持ちに何の問題があろうか?いやない!

是非とも続きをお願いします。
286名無しさん@ピンキー:04/01/13 00:19 ID:h9nlr2YT
鼻血出るかと思った。
287名無しさん@ピンキー:04/01/13 00:33 ID:GSbjpEsN
こんな妹いたら顔面を舐めまわす(*゚∀゚)=3
288名無しさん@ピンキー:04/01/13 01:02 ID:/j3v/u7F
お風呂もいっしょ!
寝るのもいっしょ!
いつもいっしょにムニムニ!
28964:04/01/13 19:26 ID:e0oBedgc
これからも鼻血が出そうなほど萌えて、いっしょにいるだけで
顔を舐め回したくなるようなリムルルを書くようがんがります(w
感想、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

現在取り込み中につき、次の投稿は週末になるかと思います。では、また。
290黒子:04/01/13 23:41 ID:f28/uLnz
ご飯をすませて、買ってきた下着を履いてみることにした…
「◇*&£〜」
「自分で履かなきゃだめだよ」
「∞#〜…」
「わかったよ、明日からはちゃんと履けよ。」
そう言うと漏れは袋からシンプルな白いパンツを取り出した
「さ、リムルル、キュロットぬいで。」
「#¢@」
「スケベじゃないよ、ほら、脱ぎなさい」

するりとリムルルはキュロットをぬいだ
引き締まった足、スレンダーな躰、きっと自然のなかで生きて行くと、ごく普通にこうなるのだろう
「¢…¢%*●÷…」
「ごめんね、じろじろ見て、さぁ足をあげて」
「あっ…」

片足をあげたと同時に、リムルルはバランスを崩してこっちに転んだ
倒れないように抱えてやる。

「£#*…おにぃちゃん」
「リムルル大丈夫かい?」
この娘、最近漏れのことをやっとお兄ちゃんと呼んでくれるようになった…
291黒子:04/01/13 23:44 ID:f28/uLnz
目と目が合う、とたんに二人とも何かおかしくなって笑った
「£¥¢@∞!」
新婚さんみたい、とリムルルが言う。
そういえば、漏れは今までこの娘をそう言う見方をした事がなかった
急に現代に来て、右も左もわからないだろう、この娘はこれからどうするんだろう
この年頃なら恋をしてもおかしくない…ちょっと可哀相になってきた。

漏れはリムルルの頭をくしゃくしゃ撫でると、パンツを履かせてやった
リムルルは大急ぎで鏡の前へぱたぱたと走っていった

本当に可愛い娘だ、一体漏れの理性がどこまで持つだろう…
292名無しさん@ピンキー:04/01/14 00:13 ID:wc5agd88
・・・萌え〜
29364:04/01/14 01:26 ID:ScEHZ8hq
ラブラブモードで黒子さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
あぁ、やさしく抱きとめて・・・見つめあうなんて・・・悶絶!
294名無しさん@ピンキー:04/01/14 02:39 ID:h3hCCBYV
な、…な…、な…!…… ナンジャコリャ━━━━(゚Д゚)━━━━!!!
……ふぅ、すみません、取り乱しました。 ……グッジョブです。
何せ久々の起動でして、お二方のを一気に拝見させて頂いた物で…
…ディスプレイの前でもんどりうってたのは内緒、内緒……

さて、SSの件ですが、何と申せば好いやら…、
大変遅れて申し訳ございません、としか言い様がございません。
大分と伸びて、皆様方には随分とご迷惑おかけ致しました。
ようやく仕事も落ち着いたので、本日の晩にはうp出来る気配を醸し出してます。
恐れ多くも楽しみにして頂いていた方々、どうぞお楽しみに…では、また…
295204:04/01/14 02:41 ID:h3hCCBYV
ぁー…慌て過ぎて名前が入ってない…
>>294>>204でございます。
296名無しさん@ピンキー:04/01/15 01:09 ID:MS4WvQzG
>>291
理性なんて飾りですよ。
エロイ人にはわかってますよ。
297204:04/01/15 01:55 ID:MlJr1hRG
翌日、昨晩とはうって変わり、優しい日差しが体を包み込む様な、
そんな心地良い真昼、二人は道中の茶屋で一休みしていた。
この茶屋、辺境に建っている事以外を除けば、茶もそれを受ける
菓子も上々な味なので、昼時にもそれなりに賑わう様だ。そんな中、
先程から訝しげにお品書きを覗き込んでいるリムルルが口を開いた。
「ねえ、閑丸?」
リムルルは既に彼の名前を躊躇無く呼んでいる、元々、歳もそれ程
離れていないし、昨日の事もありなおさら、彼女は閑丸に良い感情
を抱いていたので、スムーズな関係に収まっている。
先程からお品書きとにらめっこリムルルが面白いのか、閑丸は
微笑しながら返した。
「何ですか?リムルルさん。」
元々、今が今までは、同性、異性に関係無く人との関わりがあまり
なかった為、たとえ歳が近くであれ、こういった言葉遣いに
なってしまう、リムルルはあまりそれを好かない様だったので、
昨日までは「むー、またその呼び方するー。」などとふくれる事もし
ばしばだったが、何度も言っていると流石に諦めたのか、
普通の反応をする様になったのだ。馴染むのが早い、それは閑丸に
とって羨ましい事であった。そんなリムルルの質問と言うのが。
「あのさ、あのさ、これ何?」
とお品書きの文字を指しながら聞いてくる。彼も流石に少し驚いた、
何せ、突然何かと聞かれても、どう説明するかなど全く
頭に浮かんで来る筈がない。取り合えず、それを悟られない様に
必死にその場を取り繕ってみるが。
「え、えと…そうだな…これは…。」
ここから先が出てこなくなり、しきりにうんうん唸った後に
出てきた言葉が、
「えーと、美味しいものです、甘くて美味しいもの…。」
とかなりアバウトな説明だったが、当のリムルルは、
「甘い物なの?なら、わたし、それがいい!」
と言う答えだった。閑丸は、あんな説明で良かったものかと
疑問に思いつつも、通りかかった店番を呼びとめ、同じ物を注文する。
298204:04/01/15 01:56 ID:MlJr1hRG
「すみませーん、これを二つお願いします。」
「かしこまりました」と店番はきびきびと答え、奥へと戻り、
注文を告げる。やがて、注文の品が届いた。いい焼き具合いの団子に、
綺麗なコハク色をしたタレがかかった菓子、リムルルが先ほど
指していたそれとは、みたらし団子だったのである。二人とも、
予想以上の出来に絶句すること数秒、先に団子に手を伸ばしたのは
リムルルだった。その目は団子に対する興味で爛々としている。
「えへへー、いっただっきまぁーす♪……あむっ…
 …んぐ…、わぁー…っ!」
悲鳴にも似た歓声をあげながら団子を頬張るリムルル、その勢いや、
すぐに一串を平らげてしまう程だった。そして、一串食べ終えた後、
閑丸に向かって言った。
「ほらっ!閑丸も食べなよ、凄く美味しいからっ!」
その満面の笑みは、言葉よりはるか多くを語っている気がしたと
閑丸は思った。
「敵わないなぁ…」
自嘲気味な笑みを零しながら、誰に言うこともなくポツリと
そう呟く。そしてリムルルに目をやると、彼女は二本目を食べよう
としている所だった。そして目が合うと、再びリムルルはにこっと
笑った。氷の様に透き通ったその笑み、閑丸はそれに自然に
見惚れてしまっていた。

「はぁ〜っ、美味しいなぁ〜…。」
リムルルは、満足気な表情をしながら、夢中で団子を食べていた。
それこそ顔についているたれに気が付かないほどに。
299204:04/01/15 01:58 ID:MlJr1hRG
「こんなに美味しい物は初めて食べたなぁ…。」
リムルルは心底そう思っていた。里から出て初めて食べた菓子、
初めてゆっくりくつろげる時間、初めての出会い。全てが好い
風に作用して、美味しい団子を何倍にも美味しくさせる。
くつろげるのも、一緒に居る相手が閑丸だからである。会って
間もないが、リムルルは閑丸にどこか姉と似た部分があると
感じ取っていた。優しくて、歳の割に落ち着いているので、余計に
そう感じる様だ。だから今は寂しさなどは微塵も無い、そう思い、
自分の中に閑丸に対する、何かもやもやした感情が渦巻いている
ことにも気付いたが、正体が分からないし、好い感情の様なので
分かるまで下手に理解しようとはしなかった。そんな事を
考えながら閑丸を見ると、閑丸もこちらを見ていた、何かを
伝えたい様子で、自分の左頬を指でちょんちょん小突いているので、
リムルルも自分の左頬に手をやると、先刻食べた団子のたれが
ついていた、閑丸の行為の理由が分かり、顔を赤らめながら、まだ
頬についているたれをぬぐった。
「さて、と。そろそろ出ませんか?
 早い所寝場所も探さなきゃいけませんし。」
と、リムルルが食べ終わったのを確認して、閑丸が切り出した。
「あ、うん、そだねっ、ご馳走様っ!」
支払いを済ませて店を出ると、暁の空が広がり始めていた。
取り敢えず、野宿できる様な場所を探そうと言う事になったので、
それを探して二人は歩き始めた。少し歩いた所で、突然、
リムルルが、忘れてた、と閑丸の方を向いて話し始めた。
「あ…まだ紹介してなかったよね? おいで、コンル!」
300204:04/01/15 02:00 ID:MlJr1hRG
とリムルルが言うと、ふよふよと見知らぬ物体が閑丸の前に現れた。
目を白黒させる閑丸に、リムルルが説明する。
「この子はコンル、氷の精霊で、わたしの友達っ!」
紹介されると、コンルは嬉しそうに横に揺れた。
「コンル…、よろしくお願いします。」
またぺこりとお辞儀をする閑丸、それを見て、
リムルルもくすりと笑みを零した。
二人が寝場所になる森を見つけたのは、既に日が傾いた後だった。
手早く明日の支度を整え、焚き火を囲む二人、食事は、干し魚を
湯で煮て出汁を取り、それで米を煮立てる、簡単な雑炊の様な
物だった。簡単な味付けなので、すっと流し込めた。
食事を終え、床に就こうとしてる所で、閑丸がそれとなく
切り出した。
「…そういえば、リムルルさんは何故、旅をしているのですか?」
この質問に、リムルルは少し照れながら答える。
「え、わたし?わたしは姉様を探してるんだっ。」
探してると言う言葉が引っ掛かり、閑丸は聞き返した。
「探してるって…、お姉さん、どうかしたんですか…?」
「あ、うん…えぇと、前に二人してお庭で遊んでたんだけど、
 わたしが少し離れた間に、姉様、居なくなっちゃって…、
 かくれんぼかなー?とか思ったんだけど、なかなか見つか
 らないし…。」
そこまで言って、少し顔を落とすリムルル。閑丸は悪い事を聞いたと
思い、謝ろうとする。
「そうですか…、あの、変なこと聞いてごめんなさ……」
と、全部言い終える前に、突然、リムルルの元気の良い声で遮られた。
301204:04/01/15 02:01 ID:MlJr1hRG
「あっ!でも、わたしは 平気だよ!きっとすぐ見つかる、
 だから笑って探すんだっ!」
これも彼女流の気遣いなのだろう、そう悟り、閑丸も彼女に励ましの
言葉を返す。
「そうですか…、あの…、お姉さん、早く見つかると良いですねっ!」
それを聞き、笑顔に似合った元気でリムルルが答える。
「うん、頑張るからっ!」
ここまで言うと、今度は自分の番とばかりに、閑丸に問掛ける。
「ねぇ、閑丸は?何で旅してるの?」
急に立場が引っくり返って、閑丸は少し戸惑いながら答える。
「僕は…、その…、日輪に向かおうと旅をしてます。」
歯抜けな説明だったが、リムルルは聞き逃すまいと喰らい付いていく。
「ヒノワ?何で?閑丸も何か探してるの?」
説明不足だったと、自責しながら続ける閑丸。
「ええと、今お世話になっている御夫婦に少しで恩返しをと
 仕事を探しに。あ、今、日輪には大きな仕事があるらしくて…。」
一息置く閑丸。リムルルは目を丸くしながら聞いている。
「へぇー…、大変なんだぁ…。」
感心で、短い言葉でしか喋れないリムルル。そしてまた、
閑丸が話し始める。
「…僕、記憶が…見寄が無くてお世話になり始めてからの物しか
 無くて…、覚えているのは、自分の名前と…」
ここまで言って、閑丸ははっと口をつむった。
幸い、リムルルは気付いていない。それどころか、深入りしすぎて
しまったと思ったらしく、申し訳無さそうな顔で喋り始める。
「あ、あの…、ごめんね、わたし…」
今度はそれを閑丸が静かに微笑しながら遮る。
「あ、お互い様って事で、だから謝らないで下さいね。」
リムルルは暫くきょとんとしながら閑丸を見ていたが、また
笑顔に戻り、一言。
「あ…うんっ!」
302204:04/01/15 02:02 ID:MlJr1hRG
「じゃあ…そろそろ寝ましょうか。」
先程から、リムルルがうつらうつらし始めていたので、閑丸は
そう促した。彼女も、遠慮なくそれに甘んじる。
「あ、うんっ、お休み…」
リムルルはそう言うと、すぐ横になり、ちょっとすると、
そこから静かに寝息が立ち始めた。余程眠たかったのだろう。
しかし、促した本人である閑丸は眠ろうとはせず、何故か荷物を
まとめ始めた。
「…危なかった…、あれだけは…、知られちゃ駄目なんだ…。」
そう言いながら少し寂しげな顔をする。
「もう一人の僕の事が知れたら、一緒になんか…ううん、それだけ
 じゃない、一つ間違ったら僕は…。」
荷物をまとめ終えると、閑丸は、消えかけている焚き火を背にして
立ち上がる。側で眠っているリムルルは、すでに熟睡である。
「…僕は、リムルルさんまで斬ってしまうかも…知れない…。
 だから、だから…まだ…日が浅い内に…。一緒には…居られない。」
閑丸は、己の中に棲む鬼の様な自分の姿を知られたくないが為、
リムルルが万が一にもそれの犠牲にならない為、別れを選んだ。
そして、閑丸は歩き出した、と、歩き出した所で急に背中に何かが
ぶつかったので、振り返る、すると、そこには月光を受けてきらきら
輝く物が浮かんでいた。閑丸はそれの正体が分かり、屈みこみながら
話しかけた。
「ごめん、コンル…。僕は…一緒には居られないんだ。だから…
 リムルルさんを…護ってあげて下さい。」
コンルを一撫ですると立ち上がり、最後にリムルルの方を向いて、
頭を下げながら一言。
「…ごめんなさい、もう行きます…。」
303204:04/01/15 02:03 ID:MlJr1hRG
そして、一気に走り出す。後には眠っているリムルルと、心配そうに
揺れるコンルの姿、そして、すっかり火が消えて、炭だけになって
いる焚き火だけだった。

そして、夜が明けて。
「…ふぁ……うーんっ…!おはよう、コンル!」
リムルルは目を覚ました。相棒に挨拶をし、体を伸ばして周りを
見回すと、昨日と殆んど変わらない光景が広がっていた。しかし、
彼女は、一つだけ異なる点がある事に気付いた。そして、それを
口に出す。
「……あれ…?閑…丸…?」
在るべき姿がそこには無かった。赤髪の少年は、はじめから居ない
かの様に、そこには何一つ形跡が無かった。
「…変…だなぁ…?」
辺りを探ってみるが、まるで見つかる様子が無い。不意の事態を
不審に思い、リムルルはコンルに慌てながら話し掛ける。
「ねぇっ、コンル!閑丸が…閑丸がいないのっ!」
不審を訴え掛けるリムルルに対し、コンルは何も答えない。
彼女は相棒の様子が変なことに気付き、直感から推測した。
「コンル…まさか……何か、何か知ってるの…!?」
完全にコンルの動きが止まり、リムルルは絶対に何か知っていると
確信する。
「ねぇっ、お願い!閑丸は何処なの!?教えて、コンル!教えてっ!」
相棒の必死な様に観念し、コンルはリムルルに言う。
"もうここにはいない、としか言えない…"
頭の中に響く声、リムルルにしか聞こえない、コンルの声、
その声が曖昧な言葉でそう言った。
「……!? それ、どういう意味…?」
リムルルは問う、しかし、それに対し返事が帰ってくることは無い。
これ以上は無駄と判断したリムルルは、荷物を担ぐと、走り出す。
「じっとしてらんない!わたし、探しに行くから!」
304204:04/01/15 02:04 ID:MlJr1hRG
"あ…リムルルっ…!!"
放っておける筈がない、と言わんばかりにコンルも後を追う、
夜を明かした森は、山の麓にある森だったらしく、道は山道に
さし変わっていた。森は結構広く、山の周りをすっぽり覆いこんだ形に
なっていた。恐らく、なんらかの事故で迷えば見つけるのは相当な
骨になるだろう。しかし、今のリムルルにはそんな事を気にする余裕は
無かった。何故、閑丸は急に姿を消したのか、何故こんなに必死になる
自分がいるのか、全く分からなかった。閑丸に対するもやもやとした
感情が原因の大半である事は分かっている。しかし、正体は未だに
分からない、その事で余計に頭がこんがらがっている。
それこそ、周りの様子が目に入らないほどに。
"リムルル、危ないっ!!"
「えっ……!?きゃあっ!!」
コンルの声が聞こえ、彼女は我に帰るが、既に遅く。リムルルは
崖から落下せんとする所だった。コンルが氷の柱で助けようとするが、
とっさの事で、か細い物しか作れなかった。それでもしっかりそれを
掴んでいた彼女だったが。
「駄…目…!これじゃ…持たない…よ…っ!」
やはり、支えきれなかった。氷は パリン と乾いた音を立てて砕け、
少女の体は宙へと踊らされた。
"リ、リムルルーーーっ!!"
「コンルーーーっ!!」
互いを呼び合う二人だったが、距離はどんどん離れていき、がさっ
と葉の擦れる音がすると、少女の姿は、緑に消えていった。
305204:04/01/15 02:06 ID:MlJr1hRG

冷たい物が頬を打つ感触で、リムルルは目を覚ました。
「あ…れ…?わたし…。」
と、先程の情景がフラッシュバックする、落下する自分、助けようとし、
しかしすることが出来なかったコンル。
「そっか…、やっぱり落ちちゃったんだ、わたし…。」
木々がクッションになる、と言うのはよくある話だが、それでも
擦り傷程度で済んだのはやはり運が良かった。リムルルは
川縁に落下した様で、岩に当たって弾ける水の飛沫が、頬に
当たってくる。彼女は周りを見渡すが、やはりコンルの姿は無い。
自嘲的で、寂しげな顔をしながら、リムルルは言う。
「はは…、また…わたしが…ドジな所為で…
 わたし…、また独り…。」
最早泣く事も出来なかった。自分で自分を独りにしてしまった。
行き場の無い、憤りと情けなさ、どうする事も出来ない。
一度に色々な事が頭を通り過ぎ、錯乱寸前だった。そして、
リムルルは何を思ったか、川岸に座り込む。地面からひやりと
した感触が伝わってくる。座り終えると、半袴の紐を緩め、
そこにおもむろに手を入れる、手は彼女の秘部に向かって伸びていく。
彼女は、この自分への感情への対処に、本能的に自慰を選んでいた。
手が秘部へ到達すると、蕾の周りをゆっくりと指でなぞり始めた。
「……っ、あ…はぁ……。」
なぞる度に体を走る奇妙な痺れ、経験した事の無い感触。
しかし、したこと自体は始めてでも、見た事はあった。
姉だ。大分と前に、たまたま部屋を覗いた時、目にしたのが
姉のそれの最中の姿だった。顔を紅く染め、恍惚の表情で息を荒げ、
誰かの名前を呼びながら夢中で手を動かしていた。名前までは
聞こえなかったが、少なくとも、リムルルや自分の名前だけではない
事は確かだった。それを見ていると、自分まで
恥ずかしくなって来る。姉のはしたない姿を見た様な気がした。
306204:04/01/15 02:07 ID:MlJr1hRG
「…ぅあ……、あんっ…!」
段々と息が荒くなり、下肢に力が入らなくなっていく。
彼女の秘部がひくひくと動き、透明な液体が溢れ、
指を動かすことでくちゃくちゃと淫靡な水音が立つ。手は
休むことを知らない、しかし、頭では色々な感情が渦巻き、
ぶつかりあっている。
「…んっ!…こ、んな、はしたない事……ぅあっ!
 駄目……なのに…。」
はしたない、しかし、言葉とは裏腹に、体は確実に求めている、
その奇妙な感触を。体は快楽と認識しつつある。
「な…のに、…はぁんっ!て、てがぁ…とまらないよぉ…!」
頭の中で、理性と本能が、自制心という鍵をめぐり闘っている。
「な…に、これぇ…、ふぁっ…、こんな……の…。」
そして、手は同じ場所が飽き、一番敏感な、蕾に狙いを定める。
指が蕾をきゅっと摘むと、リムルルの体がびくんと跳ねる。
「ひあぁっ!…ぅあぁん!こ、んなの……初めてだよぉ…っ!」
やがて、意識が混濁して来る、理性が快楽の本能に呑まれようと
している。そして、とうとう口から本能が紡ぎ出される。
「ぁんっ!い、いい…よぉ…ふはぁっ!!」
喘ぎと共に出たいいと言う言葉、それは本能に呑まれたと言う
証だった。そして、鍵はそれによって粉々に破壊された。
「うぁ…、し、閑…丸……。」
何故彼の名前が出てくるのか、快楽に溺れている最中、何故
彼の名前が出るのか、彼女自身大いに驚いていた。
しかし、呼ばずにいられないその名前。
307204:04/01/15 02:08 ID:MlJr1hRG
「…っ、ひゃぅっ!いいのぉ…、閑丸っ…!」
蕾も飽きてしまった手が、最後に狙いを定めた所、それは
秘部の中、膣内であった。指は彼女の愛液を潤滑剤に、
一気に入っていった、とたんに、すさまじい快感が襲い来る
「ひゃぁぁっ!らめぇ…、入っちゃぁ…!!」
既に呂律は回らなくなり、目もはっきり像を写していない。
指はくちゅくちゅと膣内を容赦なくかきまわす。
「らめぇ…、閑丸っ…、わたし、…はぁっ!」
限界が近づくと共に、指の動きは、鼓動と共に速まる。
「っあぁん!ゆびがぁ……らめぇ…、とまらないよぉ…!」
そして、とうとう限界を超え、絶頂を迎えるリムルル。
「し、ず…まる…ぅ…、ぅあっ、ああぁぁぁぁぁっ!!!」
秘部が愛液を出しながら、入れていた指を締め付ける。
視界は白濁し、全身から力が抜け、果てる。
行為の余韻で上手く動けないリムルル、しかし、頭は冷えてくる。
すると、彼女の頬を一筋の涙が通り過ぎた、何故、
あれ程必死だったのか、何故、本能に呑まれるままでも閑丸の
名前を呼んだのか、それがやっと理解出来た。
「……っ…ぅっ、わたし…、わたし…!」
一筋が何筋にも変わる。ぽろぽろと涙を流しながら叫ぶリムルル。
と、空からも一筋、二筋、何筋もの水滴が降って来た、雨だ。
その雨はすぐに勢いを増し、少女の心を象った様な、大雨になった。
「…うっ…、わたし…閑丸の…事……。」
加減を知らないとばかりに、少女の体を打ち付ける雨。
少し前にも泣いた。そしてその日も、今と同じ様に大雨だった。
「好きに…、なってたんだ…。」
しかし、同じ様に、番傘を差し伸べる赤髪の少年は、
そこにはいなかった。
308204:04/01/15 02:17 ID:MlJr1hRG
…ふぅ、取り敢えず今回はここまで。ぇ?勿論、まだ続きますよ?
一応、リム×シズですからね、 しかしながら無駄に長くなって
しまいまして……謝罪。何て言うか…自分で書いておいて…
この文、リムルルが後ろ向きって言うか、切ないと言うか……
まぁ、自分の力の問題なので、我慢してくだちい…。
と言う訳で、表現、心理描写、文法etc…不審な部分が
ございましたら、サクっとご指摘の程を…。
次の投下も不定期気味ですが、何卒宜しくお願いしまつ。
では…また…
309名無しさん@ピンキー:04/01/15 07:46 ID:2LvjG96J
>>308
>しかしながら無駄に長くなって
>しまいまして……謝罪。何て言うか…自分で書いておいて…
>この文、リムルルが後ろ向きって言うか、切ないと言うか……

とんでもねえです!
OK!自分を信じてGOです!
続きに狂おしく期待!…ハァハァ
31064:04/01/15 11:33 ID:aG8DbwlN
あぁ・・・エロいっす。リムたんついに覚醒でつかw
悲観的とな文章とおっしゃいますが、全然そんなことないと思われ。です。
それよりも、まさかいきなりシズたんに置いてきぼり食らうとは!
これで続きが気にならないわけがあろうか?いや、ない。
311名無しさん@ピンキー:04/01/16 02:44 ID:qke/Nrfr
うほっ いいスレ
312名無しさん@ピンキー:04/01/17 02:46 ID:z8Ux3KrQ
いいねいいねいいね!最高!
313黒子:04/01/17 12:43 ID:vuYy960g
敷き布団をしいた漏れは掛布団を取ろうと押し入れをあけた、その時だった。

「¢%$&!」
リムルルの悲鳴が聞こえた
「どうした!リム!」
…目を押さえている、ははぁ、顔を洗おうとして石けんを目に入れたな…
一芝居打ってやるか…
「%$#〜」
目が〜、と充血した目でリムルルはこっちをみた
「目を見せてみな…大変だ、ムスカ症候群にかかったな!」
「£&¥!!」
「そう、重病だ、注射を打たなきゃな、痛いんだよ、ムスカ病のは」
「ちゅーしゃ?」

注射の恐怖を知らぬとはおめでたい
314黒子:04/01/17 12:46 ID:vuYy960g
「針を刺すんだ、太い奴を」
「…;…¢◆☆∞!!」
「アニメじゃないさ、ホントの話(棒読み)」
「…や、イヤ〜〜!」

あーん、とリムルルはへたりこんだ
可哀相になってきたな…ネタばらしとしよう

「ウソウソ、目ぇ洗えば治るって」
「…え?」
「ごめんごめん、おもしろいから、つい」
「∴¢*¥!」

本気で心配していたようだ、リムルルはお兄ちゃんのバカ!
と叫ぶと、布団に突っ込んでそのままふて寝を決め込んだ。

顔を洗いおわって所在のなくなった漏れはその隣の布団に横になる。

電気を消す
真っ暗だ
「¢%°¥」
不意にリムルルが話し掛けてきた。
「どうしたんだい?」

リムルルは無言で漏れの背中に抱きつく、そして一言だけ
一緒にねていい?
と聞いた

いいよ

それから漏れとリムルルはぐっすりと眠った
明日は休みだし…
315名無しさん@ピンキー:04/01/17 13:05 ID:SI+xVUZq
あぁん…なんかこう、もどかしい感じがいいです!
最近寒いから…二人でぬくぬく布団に入る図を思い浮かべただけで…んはぁー
316名無しさん@ピンキー:04/01/18 00:45 ID:Qf//ymlw
副機長殿にカムイのご加護を…
317名無しさん@ピンキー:04/01/19 00:17 ID:H6bvxDPS
うほっ
31864:04/01/19 21:21 ID:QjEhpHg7
「これは蛇口っていうんだ。リムルル、ここをひねってごらん」
「うん」
キュキュ、ジャアァァァー。勢いよく水が出る。
「すごいすごい!川まで行かなくてもいいんだ?」
「あっ、ああ・・・この時代じゃ川はあんまりきれいじゃなくてね」
「はぁ〜、すごいなぁ・・・こっちは、あっ、お湯だよぉ?」
俺の話はあまり聞いてなかったようだ。
こんな調子で、テレビやら冷蔵庫やらを教えてやる。もっと派手に驚いたりするかと
思ったら、リムルルは意外にすんなりと文明の利器を受け入れてゆく。
「どうだ?まあ、生活はこんなかんじだよ」
「すごいね、便利だなぁ。便利だけど・・・」
言いかけて、リムルルは窓の外を眺めた。
「・・・ちょっと寂しいな」
「寂しい?」
少し曇った表情で、リムルルは続ける。
「うん、なんだかこっち・・・木とか森とか少なくない?」
住宅街にあるアパートの窓からでは、雑木林一つ見えない。部屋の中には観葉植物も無い。
「ここはすこし郊外だけど・・・まぁ都会だからな」
「とかい?」
「あぁ、人が暮らしやすいように、自然は少なくなってるんだよ」
リムルルは少し首をかしげると不思議そうな顔を浮かべ、
「自然が少ないと、人は暮らしやすいの?」
「えっ、いやまあ・・・その、なんだ」
「たくさんの自然から恵みを受けて、向こうでは生きてたんだけどなぁ」
うーん、返す言葉もございません、とはこの事だ。
あらゆる物が流通し、どこであろうと欲しいものが手に入る世の中。
自給自足の生活を、好き好んで行う人間は一握りだろう。
「けどちょっと山の方に行けば、リムルルが生活していたのに近い形で
生活してる人たちもいるよ。そこなら・・・」
「ほんとに?姉様もいるかもしれない!」
「そうだな、そうかもな」
助かったと思うと同時に、あいまいな返事しかできない自分が何だか不甲斐ない。
31964:04/01/19 21:21 ID:QjEhpHg7
それはそうと、肝心なことを忘れていた。リムルルの服だ。
俺のぶかぶかパジャマを着たまま、トテトテと部屋中を回っている。
まさかあの格好で外に出すわけにはいかない。
かといってあの民族衣装じゃ、さらに怪しまれても仕方がない。
「リムルル、服なんだけど」
「え?あ、着替えはあるよ?」
リムルルはあの時、肩掛けのかばんを下げていた。
部屋の隅っこに置いてあるかばんを持ってくると、
ぽいぽいとリムルルは中身を広げた。
「これー」
「あぁ、あの服の色違いと・・・長ズボン、草履に・・・きゃはんだっけ?
う〜ん、けどリムルル、このカッコじゃ外歩けないよ・・・って、リム・・・ルル?」
リムルルはこっちに背を向け、かばんの底に入っていたものを胸に抱いていた。
赤い帯が巻かれた刀だ。リムルルの小刀に比べ少し大振りである。
「ねえさま・・・必ず見つけるから・・・待ってて」
リムルルはぎゅっと、刀を抱く両腕に力をこめた。
あれが姉の形見・・・いや、姉の刀「チチウシ」なのだろう。
リムルルはきりっとした表情を浮かべ、決意を新たにしているらしい。
一刻も早く姉探しを始めるためにも、服を買いにいかなくては。あと下着も。
32064:04/01/19 21:27 ID:QjEhpHg7
週末に間に合いませんでした(´・ω・`)ゴメンナサイ
マターリ進行していたら、なにやら爆萌え展開な黒子氏。くはー。
それと、劇中ではチチウシはハハクルより少し大きい程度の描写ですが、
どうやら実際は二倍近い大きさの違いがあるそうです。
真偽のほどはいいとして、ゲーム中ではそうは見えないのですが・・・。
321名無しさん@ピンキー:04/01/19 21:55 ID:WYQSmA69
>64氏
グッジョブ!
次回は透け透け紐パンを買いに逝くんですよね?
322名無しさん@ピンキー:04/01/19 22:26 ID:GcQxvaak
どっちも(・∀・)イイ!!

ムスカ病はワラタ
323名無しさん@ピンキー:04/01/19 23:25 ID:HAbVHC66
やはりこんな可愛い同居人いたら顔面を舐めまわす(*゚∀゚)=3
324204:04/01/20 00:18 ID:EspdWxFW
遅れましたが、ご評価有難うございました。次も頑張りたく思います。
そしてお二方、グッジョブです、私、鼻の栓が緩みっぱなしでございます。
はやはや、本日も悶えておりました。
目を開けると真隣にいるリムを想像………ブハァッ!!

ブカ着をするリムを想像………グハ(ry

そんなこんなです。さて、週末までには投下するべく、
頑張ってみますか…
325名無しさん@ピンキー:04/01/20 01:12 ID:vsf48gaE
>>321
「あれぇ褌はどこかな?」
326名無しさん@ピンキー:04/01/20 01:23 ID:vsf48gaE
参考になるかわかりませんがアイヌ文化のページです

http://city.hokkai.or.jp/~ayaedu/hazime/ainuc.html
327名無しさん@ピンキー:04/01/20 10:12 ID:rdWWKDIB
>323
・・・カオナメ氏?
ごめん、無視してくださってかまいません
328名無しさん@ピンキー:04/01/21 01:17 ID:Z8toYRkS
いいスレ…!
32964:04/01/21 20:35 ID:mQYP6Be+
ガサゴソとクローゼットを漁り、何枚かの服を選ぶ。
「よし!リムルル、お出かけだ。服買いに行くぞ。これに着替えな」
「うん・・・これ、やっぱりにいさまの服?」
後ろから覗き込んでいたリムルルが尋ねる。
「そだ。とりあえず着てみ、捲くってやるから」
俺が手渡したのは、半袖Tシャツとグレーのプリントつきスウェットパーカー。
下は、夏場に穿いていたカーキグリーンの膝丈カーゴパンツだ。
「あぁ、着替えは」
「よいしょ・・・んしょ」
着替えはあちらですよ、と言おうとした瞬間。
リムルルは手渡した服を足元に置くと、その場でいそいそと服を脱ぎ始めてしまった。
「え゛ぁ」
あまりの唐突さと、予想外の展開に驚いてつい変な声が出る。
小さな膨らみを隠そうともせず、俺の視線さえ気にも留めないといった感じで、
リムルルはその一糸まとわぬ姿を晒したまま、俺の服を広げて首をかしげた。
この子・・・異性とか意識してないの?
あ!それ以前に俺は今日からこの子の兄だぞ、兄!にいさま!ブラザー!
そんな風な目で、可愛い妹を舐め回して恥ずかしくないのかこのバカ!
いや、可愛いからこそ・・・?この発達し始めながら健康的な・・・うんぬん・・・

「にいさま?これどうやって着るの・・・ん?にいさま?おーい」
悶々としていた俺の顔を、リムルルが間近で覗き込む。
「わ!あ!ごめんなさい!!そんなつもりじゃ・・・兄になると約束しておいて俺はn」
「何言ってるの?にいさまぁ、早く着方教えて!寒い〜」
「え?あぁ、着方が分からないのか・・・なんだ。ほら、俺が着てる服みたいに着るんだよ」
危なかった・・・あやうく兄失格となるところだった。Tシャツをがぼっとリムルルに被せる。
「んもぼもぼ」
「そしたら上の穴から頭を出して。腕通すんだ、それだけだよ」
「ぷぁっ!にいさま、今の不意打ち〜」
すぽっと顔を出したリムルルが、ぷるぷると頭を振りながらブウたれる。
一番小さいTシャツだけに、丈は大丈夫のようだ。普段から姿勢のいいリムルルだが、
服の上からだと、やっとの思いで判別できる程度の胸が微笑ましい。
33064:04/01/21 20:49 ID:mQYP6Be+
ジッパーの付いたパーカーを着せてやる。リムルルが着ていた服のように
前が完全に開く分、着やすいようだ。当然ぶかぶかなので袖をまくってやる。
が、当の本人はジッパーを面白そうに上げたり下げたりして遊んでいる。
「すごーい!これ、便利だね!じー、じーって・・・ふふっ」
ジッパーの音に合わせて、一緒になって声を出している。お気に召したようで。
最後はカーゴパンツ。図らずも(?)順番が完璧に逆になってしまった。
お尻の方から丈を合わせてみる。ウエストはさすがにゆるゆるだろうが、
ベルトで思い切り締めてやれば穿けそうだ。案の定、長さはちょうど良い。
「これは穿き方分かるだろ?」
「うん・・・んしょ」
ノーパンのまま脚を上げ、、カーゴパンツにするりと通すリムルル。
どうしようもないぐらい丸見えで、目のやり場に困る展開がさっきから続きっぱなしだ・・・。
そんなこんなで、ベルトをぎゅっと締めて着替えは完了した。

全体的にちょっとだぶついているが、こんなご時世。背伸びした今どきの中学生が、
ルーズな格好していると思えばいい。意外と似合っている。
あくまでリムルル用の服を手に入れるまでの応急処置のはずだったが、悪くない。
「ちょっとぶかぶかだけど・・・いいね、これ!」
その場でくるりと回ってみせるリムルル。まんざらでもないようだ。
「うん、似合ってるぞ。あとはこれをかぶって」
適当なベースボールキャップをかぶせてやる。
「コッチの世界で身分を隠す人間は、これをかぶるんだぞ」
「そ、そうなんだ」
おちょくると、リムルルは真剣な表情で深く帽子をかぶった。面白い。
「冗談冗談!よーっし、行くぞ」
「えっ、なーんだ。うん、行くぞ!」
「おいおい、刀は置いてけ!ただの買い物だぞ?」
「えへへ・・・」
リムルルは笑いながら玄関の方にトタトタと走っていく。
ずるりと下がったズボンのすそを踏む。見事に転ぶリムルル。お尻が丸出しだ。
「いたーい!」
ベルトが緩んでしまったらしい。これは先が思いやられる・・・。
331名無しさん@ピンキー:04/01/22 03:49 ID:coKcydm1
ハアハア・・・ウッ
332名無しさん@ピンキー:04/01/22 23:31 ID:1lZkWRml
moe♥
333名無しさん@ピンキー:04/01/23 11:04 ID:OK/d7tTW
ハァハァハァハァハァハァ
334名無しさん@ピンキー:04/01/24 01:11 ID:gRTZaMxH
うほっ
33564:04/01/24 23:03 ID:ECQuFWbp
みなさんこんにちは。最近、少し執筆が停滞気味です・・・(´・ω・`)ゴメンネ
どうやってネタを膨らませるか、思案のしどころですね。
ちなみに服を買いに行くといっても、紐パンやらふんどしは買いません(w
336名無しさん@ピンキー:04/01/25 01:28 ID:vYSHXqaB
リムたんにオナニーさせてください!
337名無しさん@ピンキー:04/01/25 02:34 ID:ArL9/Gxf
買い物途中でおもらししたのを優しく慰めてあげてください!
338名無しさん@ピンキー:04/01/25 03:11 ID:oEeUnNpt
でも下着もいるでしょ!ね、ね!!
で、リムたんが透け透けや紐パンをカワイイとかいって
気に入っちゃうかもしれないでしょ!!
339名無しさん@ピンキー:04/01/25 12:26 ID:WW8MlkrM
やっぱ、真っ白なぱんちぃだろ?
340名無しさん@ピンキー:04/01/25 13:17 ID:1S3kT2Q8
水着でプール入ったら
うっかり水着のまま水中でおしっことかさせて!
341名無しさん@ピンキー:04/01/25 18:04 ID:oEeUnNpt
しょ、しょ、初潮を・・・
34264:04/01/25 23:20 ID:RCWnp0+/
駐輪場から、くたびれた自転車を引張り出す。
今まで見たことも無い不思議な形の道具を、
リムルルはひざに手を付いて前かがみになると、
興味津々といった感じで大きな眼で見つめている。
「にいさま?これ・・・」
「ん?これはなー、自転車っていう乗り物だぞ」
前の道路に出て自転車に乗り、キコキコと乗り回す。
「どうだ?」
リムルルは、ぴょんぴょんと跳ねながら俺を追い掛け回し、歓声を上げる。
「ぐるぐるぐるーって!すごい!わたしも乗りたい!」
「よーし、リムルルの席は・・・」
部屋から持ってきた小さめの座布団を、後ろの荷台に巻きつける。
「はい!ここに横向きに座ってごらん」
ぽんぽんと荷台を叩き弾力を確かめると、リムルルはぴょんと飛び乗った。

「で、俺につかまって・・・」
背中に、ジャケットをしっかりと掴む感触。
「じゃ、出発!」
2人乗りとはいえ、相手は小さな女の子だ。軽い軽い。
「うわわ・・・動いた!」
リムルルが、期待に満ちた声を上げる。
「そりゃそりゃっ!どうだ?」
さらにペダルを踏み込み、スピードを増す。
「うわー!速い!きもちいー!」
再びリムルルが歓声を上げたとたん、なぜかバランスが崩れた。
ぶんぶんと脚を振り回しているのだ。
「あぶ!危ないから!じっとしてろ!」
「えっ!?あ、ごめんねにいさま!」
やっぱり先が思いやられるなぁ・・・。
34364:04/01/25 23:21 ID:RCWnp0+/
休日ということもあり、午前中ながら冬の街は多くの人で賑わっている。
駅の方へと近づけばなおのことだ。
適当なところへ自転車を置くと、二人で歩き出した。
リムルルはといえば、あまりの人、人、ひとに少々ビビっているようで、
俺の手をつないだまま離さない。
「何か・・・あるの?」
「え?」
きょろきょろしながら、リムルルはぼそりと疑問を口にした。
「ううん、すごい人じゃない?お祭り?」
昔の人らしい発想だ。
「さっきも言ったけどここら辺は都会っていってさ、
たくさんの人が商売したり、遊びに来たりでいつもこんな感じだよ」
「へぇ〜、すごいなぁ。お城だらけだし」
3階建ての駅ビルをお城とは・・・この子に都庁を見せてやりたいもんだ。
「わたし知ってるよ?お城の中には『とのさま』がいて・・・」
おばあさんから聞いたと言う昔話を、リムルルは披露し始めた。
もう、現代の殿様っていったらバカ殿ぐらいだよ・・・。
その後も、自動ドアやら、頭の上から急に鳴り響く音楽やらに驚きつつ、
某衣料量販店へと向かった。えぇ、貧乏学生ですから。
34464:04/01/25 23:22 ID:RCWnp0+/
色とりどりの、見たこともないような服がずらりと並んでいる店内。
リムルルはぽかーんした表情であたりをを見回している。
「まあ、ここで服を買うんだけど・・・女性、いや子供衣料は・・・こっちだ」
呆気にとられたままのリムルルの手を引っ張って、
売り場を縫うように歩く。冬物も、だいぶ値段が下がってきているようだ。
だがあまり高いものを選ばせるわけにもいかず、
安価な長袖Tシャツなんかを買うことにした。
色を選ばせると、リムルルは
「えとえと・・・これ・・・?ん!こっち!!」
とピンク色とワインレッドのTシャツを選んだ。
女の子らしい色と、ずいぶんと渋い色の組み合わせである。
「あのね、こっちはわたしの。もう一つは・・・姉さまが見つかった時の!」
「なるほど。そういうわけか」
まあ、見つかるまでは両方着てもらうことにしよう。

だが、当然ながらTシャツだけではこの寒さでは厳しい。
アウターも買ってやらなきゃな、と考えていると、
「あっ!にいさま、これ!」
リムルルが指差す先には、俺が着せたようなパーカーの子供用がある。
少し厚手にできているし、これなら間違いないだろう。
「ちょっと着てごらん?」
その場でハンガーから外し、着せてみる。
「ぴったりー!」
「うーん、やっぱこっちの方がいいかもな・・・プリントも可愛いし」
グレーの生地には、ピンク色のうさぎと横文字のプリントが施されていた。
個人的にはぶかぶかも捨てがたいが、
やはり世間体を考えるとこっちの方がいいだろう。
「んじゃ、これでいいな?」
「うんっ!」
満面の笑みを浮かべるリムルル。よしよし、買ってやる買ってやる。
34564:04/01/25 23:23 ID:RCWnp0+/
パンツはどうしようかな・・・こればかりは好みだが。
カジュアルの店だけに、この季節はスカートは置いていない。
「リムルル、下に穿くのはどれがいい?」
「いろいろあり過ぎて・・・わっかんないよぉ!」
選択肢が多すぎるというのも問題だ。
「これはカーゴ・・・こっちはジーンズか。
 リムルル?どっちがいい・・・ってあれ?」
さっきまで横にいたはずのリムルルが、こつ然と姿を消した。

「・・・?! リムr」
探そうと、慌てて名前を呼ぼうとした瞬間。
「ばぁっ!」
「うわっ!?・・・っておい!」
急に、目の前に掛かったパンツの群れががさっと開いたかと思うと、
ぴょこんとリムルルの顔が飛び出したのだった。
「お・・・おぉ・・・びっくりしたじゃねーか!」
「だってにいさま、なかなか決めてくれないんだもん!」
ぷうと頬を膨らまして、怒ったようなそぶりをみせる。
3分も悩んでない気が・・・それにこれはリムルルの服だというのに。
「ん〜仕方ないな。わかったよ、試しに穿いてごらん」
うんうんとうなずいたリムルルに何枚かパンツを持たせ、
試着室へと向かった。
34664:04/01/25 23:24 ID:RCWnp0+/
「ご試着ですか?」
その場に居合わせた、若い女性店員が寄ってきた。
「あぁ、そうなんです・・・あの、こいつ、いっ・・・」
「?」
「いっ、妹が試着を」
リムルルの頭の上に、ぽんと手を乗せる。何を照れているんだ、俺は。
「あら、一緒にお買い物?良いおにいちゃんね!」
今度はリムルルに話しかける。
「うん!にいさまは料理が上手だよ!!」
意味が分からん!質問の答えになってないぞ!
「かわいい妹さんですね〜」
さすがは店員。ナイスフォローである。
しかしこのままでは、いずれボロが出そうだ。

「じゃ、ここの中で着替えるんだ。ここを外して・・・」
穿き方を教えてやり、とりあえずリムルルを試着室へ押し込む。
「着終わったら出て来いよ!」
「わかった!」
ドアの向こうから、元気な返事が飛んできた。
試着室の足元には小さな靴。これもまた変わったデザインだなぁ・・・。
「元気の良い、可愛らしい妹さんですね」
それとなく声をかけてくる店員。
「いや〜、元気というか天真爛漫というか」
「ウチにも高校生の妹いますけど、あんなに懐いてくれないですよ〜?」
普通はそうだろうな・・・そうこうしていると、
「にいさま〜、穿けたよ」
リムルルがこちらを呼ぶ声が聞こえ、ドアが開く。
最初に選んだのは、ジーンズの方だった。
34764:04/01/25 23:26 ID:RCWnp0+/
「ん、おぉ、いいんじゃねーの?」
女の子らしいカジュアルな細身のジーンズだ。ボーイッシュなのもいいが、
こういう格好をすると、あらためてリムルルは可愛い。
「ウエストも・・・あら、丈もぴったりですね。
裾上げは要らないんじゃないでしょうか?」
ジーンズのすそをいじりつつ、店員も頷く。
「リムルル、じゃあそれでいいか?」
「う〜ん・・・うん!」
鏡の前で、自分の姿を眺めながら少し考えると、
リムルルは笑いながら答えた。
「じゃあ、これください」
「こちらお買い上げで〜。ありがとうございます」
「リムルル、それ脱いで、さっきの穿いて」
「はーい」
「えーと・・・あとはこれも一緒に」
そう言うと俺は、店員に他の衣類も渡した。
さて、問題の下着だ。
「それで・・・あの、このぐらいの子だと、しっ、下着は・・・」
恥ずかしい気持ちをこらえて切り出したにもかかわらず、
何故か目の前にいる店員は、俺の話を聞いている様子ではなかった。
目を点にして、俺の後ろ、試着室を見ているのだ。
「? どうしました・・・ってうわー!」
振り返ったそこには、ドアを開けたままジーンズを脱ぐリムルルがいた。
当然ながら、下には何も穿いていない。
パタ・・・無言のまま、俺は両手でドアを閉じた。
「だからですねあっあの、このこ、したぎをもってませんでそれでですね」
目が点になったままの店員に向き直り、身振り手振りでごまかす。だが・・・
ガチャリ。再びドアの開く音。
「にいさま〜、これたたんだ方が」
「ドア閉めてズボン穿いてからにしなさい!」
バターン!
この店、しばらく来れないや・・・
34864:04/01/26 00:04 ID:3onak4A7
とりあえず、買い物編をオチの部分までガーッとうpです。
それから、たくさんのリクエストありがとうございました。
ストレートな欲望にあてられて、執筆意欲も急上昇です(w
349名無しさん@ピンキー:04/01/26 00:52 ID:yXpfgZBf
64氏乙!
天真爛漫というか流石に現代のことを知らないリムらしいというか…
萌えましたw


スレ違いなんですけど先日古本屋で
航空機事故のブラックボックスの交信記録やら事故写真を
掲載してる本を立ち読みしたんですが…
黒子さんが少々心配になったり…。
350黒子:04/01/26 00:58 ID:x6D3VLCQ
64氏、萌え死にそうです、エンジンが…ああ…



がんばらなきゃ…
351名無しさん@ピンキー:04/01/26 04:18 ID:XCf7MTzC
「満面の笑みを浮かべるリムルル。よしよし、買ってやる買ってやる。 」

↑恐ろしく心の叫びですな。GJ。
352名無しさん@ピンキー:04/01/26 23:51 ID:h9FFGb+4
いいスレだ…激しくいいスレだ!
353名無しさん@ピンキー:04/01/27 08:37 ID:v2MYTEqn
微笑ましく、なおかつロリ心をくすぐる。
354名無しさん@ピンキー ◆kd.2f.1cKc :04/01/27 14:30 ID:GtJfTlpd
ちょっと方向性の違うものを考えているが、
うまくまとまらん……
35564:04/01/27 20:43 ID:eySUUrZ6
感想ありがとうございます、64です。
狙ったところを感想としていただけるのは非常にうれしいです。
特に351氏・・・前回の投稿のすべては、
その一言に集約されていると言っても過言ではございませんw
では、たまには予告でも。次回は・・・買いそびれた下着を。

>黒子氏
こんにちは。エンジンの調子はいかがですかw
次の投稿、お待ちしております。ちなみに私の投稿ペースが上がったのは、
何を隠そう春休み期間だからです。ヒマなんですねw
副機長殿はお仕事も頑張ってください。カムイのご加護を!

>354氏
これまたどんなSSなんでしょう?楽しみです!頑張ってください。
356名無しさん@ピンキー:04/01/27 22:47 ID:NNSz1Jph
下着を着せたそばからおもらしってのがいい!
リムルルにしてみれば、する時に脱がすの知らなかったよ。ってな感じで…
357204:04/01/28 16:03 ID:YTYvx10L
同じ時、閑丸は日輪への道を急いでいた。雲の落ちる空は、いかにも
一雨来そうな様子を醸し出していた。
「…降り出す前に良い場所を見つけないといけない。」
傘の心配は無用だが、行動出来る範囲が著しく制限されるのは
苦しいから。そう考えながら走る閑丸は、浮かない顔をしていた。
浮かない顔をしている理由は分かっている、そして、原因も
分かっている。リムルルに黙って別れて来た事だ。思えば、閑丸は
初めてリムルルに会った時から彼女に見惚れる事がしばしばあった。
快活な性格も好いていた。しかし、だったら、何故別れたのか?
それは、自分に負け、彼女を傷付けるのが怖かったからだ。
苦渋の選択だったには違いない、割り切ったつもりだが、
何か納得がいかない様だった。故に今、閑丸は浮かない顔をして
いるのである。しかしながら、その選択が今、リムルルを
苦しませている事には、彼はまだ気付いていない。と、
急いでいた足をふと止め、上を見る閑丸。すると、鈍色の曇り空から、
水滴が降って来ている。
「あ…、降って来ちゃった…。」
雨はすぐに勢いを増し、視界も遮られる程になった。ざあざあ
という音が、静かだった周りを埋め尽くしていく。予想以上の
雨量に、これ以上進むのは芳しくないと判断したのか、
仕方なく、道端に腰掛け、荷物を下ろして傘を斜めに差す。
殺風景な道に、青い傘が鮮やかに開いている。と、下を向いて
目を閉じると、強烈な眠気が襲って来た、気付かない内に
無理をして疲れ果てていたのであろう。と、まどろむ顔をゆっくり
上げ、雨を見て一言。
「リムルル…さん…。」
と、置き去りにして来た少女の名前を呼び、また下を向き、
眠りについた。やっぱり気になる、これが好きって事なの
かも知れない。そこまで考えて、閑丸の意識は夢の中へと
消えて行った。後には雨音だけが響く道が続いていた。
358204:04/01/28 16:10 ID:YTYvx10L
「………ん………うぅん………。」
目を開けた時に最初に見えたのは、木々の間から見える、曇り空がかかる空だった。リムルルは小さな体をゆっくりと
起こすと寝惚け眼を手で擦る。頭も一緒に起こし、今日を
どう行動すべきか考えてる途中、昨日の事を思い出して、
溜め息をひとつ、苦悩を表すそれは、彼女にしてみれば滅多に
ない事であった。閑丸が急に姿を消してしまった事、考えなしに
突っ走った故に、相棒と離れ離れ、独りになってしまった事、
本能的にとはいえ、昨日してしまった行為…、それが溜め息の
大半の原因だった。が、今は考えてもどうにもならない。
「今は、コンルを探すのが先だよね。」
取り敢えず出発すべく、虚脱感で重い足を引っ張り、
立ち上がる。幸い、落下による怪我は大した事は無いらしく、
普通に動くにあたっては支障は出ない。とにかく、先ずは
一刻も早く相棒と再会しなければならない。しかし、この様な
森では自分が何処にいるのかを知らせるのが難しい、それどころか、
自分が迷ってしまうかも知れないので、気を抜くことが出来ない。
「ふぅ〜っ、結構歩いたなぁ…、ん?」
と、暫く歩いた所で、奇妙な物を見つけるリムルル、
何か大きな塊が道に転がっている。
「ん〜?これ、何だろう……?   ………えっ………!?」
覗き込み、正体を確認した所で、絶句するリムルル。
彼女が見つけた物は、少し前までは生きていたと思われる、
人間の亡骸だった。若い男で、ほぼ一撃、肩から腰にかけて、
大きな袈裟形の傷があり、血が着いている。
「と、とにかく…、落ち着かなくちゃ…。」
気をつけて死体を見ると、妙な点に気付いた。傷口に近い部分だけ、
何故か水に濡れている。恐る恐る触ってみるリムルルだが、
やはりそれは血ではなく水であった。日の光を受けて、怪しげに光っている。
「これ…、やっぱり水だよね…、でも何で……?ついてるの傷に近い所だけだし…。」
色々と頭を捻って考えてみるが、やっぱり原因なんて分からない。
「あー、もうっ!訳分かんないよぉ〜っ!とにかく、何とかしてあげなくちゃ!」
と、死人を弔ってあげる為に、道具を集めに駆け出すリムルルだった。
359204:04/01/28 16:16 ID:YTYvx10L
ふぅ…、皆様、お久しぶりです、204です。
色々と故あって久々の投下となる訳ですが…
「待たせておいて、たったこれだけかゴルァ!」
とか思っちゃった方もいらっしゃるかと思われます。
えぇ、全くもってその通り、誠に済みません…

え、次回は、変態ヒョウヒョウナルシー水邪様に暴れて頂きます。
シズとはそのもう少し後、もう暫くのお付き合いを…
では、次をお楽しみに!………ナンツッテ
360名無しさん@ピンキー:04/01/28 19:54 ID:9l0lGrfB
204さんキタ━( ´∀`)゚∀゚)*゚ー゚)-_-)・ω・) ゚Д゚)´ー`)━!!!


水邪さんでつか…いろいろと妄想してしまいますが、楽しみにしてます
361名無しさん@ピンキー:04/01/29 01:57 ID:qNhgA6Ed
204氏
無理をなさらない程度にがんばって閑リム書いてくだちい
36264:04/01/29 17:16 ID:Z1jPoO56
あれから下着を買うなんてことはできなかった。
フォローする間もなく店を飛び出してきたからだ。
「ったく・・・な?外で着替えるときは!ちゃんと隠れてするんだぞ!」
「はぁ〜い・・・ごめんなさい、にいさま・・・」
さすがにちょっとは反省しているらしい。
買い物袋を持ちながら、しゅんと下を向いている。
さて、今度こそ、買いそびれた下着を買いに行かなくてはならない。
肌着なんかは、大型スーパーの方が品揃えが良い。
再び自転車に飛び乗り、走らせること十数分。
「うわ〜・・・すっごい大きいね!」
スーパーとは言っても、国道沿いのショッピングモールだ。

正面入り口から入ると、エスカレーターにそって吹き抜けになっている。
「うわっ!うわぁ〜、人が勝手に上ってくよ!歩いてないよね?ね?!」
慌てた様子で俺の袖をぐいぐいと引っ張りながら、
エスカレーターを指差すリムルル。かと思えば、
「みっ、水が!こっから沸いてるの?!・・・きゃ、飛び出した!」
吹き抜けの真下にある広場の、小さな噴水に駆け寄ると、
ちっちゃな子供に混じって、興味深そうに眺めだした。
いくらリムルルがちんまいとは言え、さすがに浮いている。
しかも辺りかまわず、さっきからうわー、うわーの連発だ。
結構な大声なので、周りの人の視線が・・・視線が。
「さーいくぞいくぞ」
「えっ、あっ?ちょっ、にいさま!わたしもアレ乗りたいのに〜」
「帰りにな!帰り!」
再びエスカレーターを指差し、何とか食い下がろうとするリムルルを、
無理やり階段のほうへと引っ張っていく。恥ずかしいなぁ・・・。
36364:04/01/29 17:20 ID:Z1jPoO56
下着売り場を歩くなんて滅多に無いことだ。
ましてや女性ものの下着売り場を、まじまじと物色することになるとは。
これはもう、店員さんに聞いたほうが早いだろうな。
「あのすいません、この子ぐらいだと、下着は・・・」
「はい、えーと・・・こちらになりますね」
と、オバハン店員が案内した先には、何の変哲も無い、
女の子用のショーツが陳列されている。これでいいのである。
「リムルルの身長は・・・だいたい150ってとこか」
「ねえねえにいさま、今度は何買うの?」
「あぁ。あのな、この時代では服の下にもう一枚穿いたり
着たりする『下着』ってのを着けてるんだよ。ほら、ああいうの」

そういうと俺は、マネキンの方を指差した。まあそこにあったのは、
高級ブランドらしい、ピンク色の刺繍の入ったちょっと大人なヤツだが。
「ふえぇ〜・・・何かヘンなのぉ〜!あはは!!」
リムルルはマネキンに駆け寄ると、パンティーをまじまじと
見つめたり、下から見上げたり、引っ張ったりし始めた。かと思えば、
「この刺繍きれいだなぁ・・・こことか透けてるし」
パンティーのサイドの部分の刺繍をなぞりながら、ため息をついている。
「こらこら・・・売り物なんだから!それに、リムルルのはこーっち」
単なる白と、白地に青のストライプ、それからピンク色の水玉模様の
ショーツをリムルルに手渡す。ちなみにこれは俺のチョイスだ。
ちょっと趣味が入っているような気がしなくも無いが、
オーソドックスで可愛らしいのを選んだつもりだった。しかしリムルルは
「えーっ、つまんない!こっちのがいい!かっこいいもん!」
なんだか不満たらたらといった表情で、大人もののパンティーを指差した。
「ねぇ〜にいさま〜!ほら見てよ、この刺繍とかすっごいよ!」
「あのな・・・これは大人が穿くの!リムルルには早いの!!」
「ぶう・・・子供じゃないのに」
腰に手をあてて頬を膨らませる。わかりやすい「不満です」の表現。
しかし、再びその表情がころりと切り替わる。忙しい子だ。
36464:04/01/29 17:25 ID:Z1jPoO56
「あっ、そういえばにいさま、これなに?」
マネキンの胸の辺りを指差した。やはり気づいたか。
「これはなー、ブラジャーっての。これもリムルルにはいらないの」
「えーっ、なんで?」
またもや眉をひそめて、不満の声をあげる。
ちょっと考えれば分かりそうなモンだけど・・・。
「なんでって・・・。そうだ、ちょっとその人形と並んでごらん」
「?」
リムルルを、同じぐらいの背丈のマネキンの横に並ばせる。
「はい!背筋伸ばす!!」
「えっ?は、はい!!」
突然の命令に、慌てて応えるリムルル。
しゃきっと胸を突き出し、その場に気をつけの姿勢になった。

「う〜む・・・」
あごに手を当てて、わざと悩んだ振りを見せ、
視線を、マネキンとリムルルの間を行ったり来たりさせる。
「やはり、足らない・・・これだけ姿勢を良くしても・・・」
「な・・・なあに?何が足らないの?」
さすがに心配そうな表情になったところで、ぼそり。
「・・・胸が」
「むっ・・・むねぇ?!」
リムルルはすっとんきょうな声を上げた。
「やっぱりまだ早いな」
うんうんと、腕を組んで首を振る俺。
肩を震わせ、みるみるうちに顔を真っ赤にするリムルル。
「に・・・に・・・にいさまのぶあかぁ〜!」
そう叫ぶと、俺にむかってぐるぐると拳を振るってきた。
「ははは・・・ごめんごめん!な」
36564:04/01/29 17:27 ID:Z1jPoO56
「うぐっ・・・ばか・・・にいさまの・・・ばかぁ・・・ばかばかぁ・・・」
拳の回転が遅くなったかと思うと、俺の腹に突っ伏して来た。
「ばか・・・気にしてるのにぃ・・・すん・・・」
小さな手が、ぽこぽことドアを叩くように胸を打つ。
「いや、ホントにごめんってば」
「うぅ、姉さまは仕方ないけど・・・わたしの・・・友達と比べても・・・ぐすっ」
べそをかき始めるリムルル。ちょっといたずらが過ぎたか。
どうやらこの子は、子供っぽいことがコンプレックスらしい。
年頃だったら当然気にすることだ。傷つけてしまっただろうか?
リムルルの両肩に手を置き、しゃがんで真っ赤になった顔を見つめる。
俺と目が合った瞬間、ぷいっと横を向いてしまった。可愛いな・・・。
「悪い悪い!リムルルにも買ってやるから」
「いらないもん・・・どうせ小さいんだもん・・・」
いかん、完全にへそを曲げてしまっている。こういうときは・・・

「あれ?ホントに要らないのか?これ着けると、胸大きくなるんだぞぉ〜」
大げさにそう言った途端、顔をぐるりとこちらに向き直し、
「ほ・・・ホント?」
涙に揺れる大きな瞳が、期待に輝く。もう一押しだ。
「そ〜りゃもう!友達どころか、姉さんを追い抜いちゃうかもよ?」
「ぅ・・・ねえ・・・にいさま・・・」
今度は、なんだか恥ずかしそうに下を向いてもじもじし始めた。
「うん?」
「あのね・・・あの・・・」
リムルルは上目遣いで俺の目をじっと見つめ、消え入りそうな声を発した。
「ごめんね、やっぱり欲しいの・・・」
いつの間にかその顔は、照れ笑いで頬が赤くなっていたのだった。
「よっしゃ、買ってやる。だからもう泣くなよ?」
丸いほっぺを伝う涙を、撫でるようにふき取ってやると、
「えへへ・・・ごめんなさい」
眼をこすり、リムルルは照れくさそうにもう一度微笑んだ。
作戦成功!小さな手を引き、スポーツブラを買いに行くのであった。
36664:04/01/29 17:34 ID:Z1jPoO56
書いてて恥ずかしくなるような内容・・・。
ですが、同時に書いてて一番楽しい内容でもありました。

>204氏
シリアスな展開、シズの自戒の念、そして闘いへと動き出す歯車!
続きが来るまでわくわく期間です(・∀・)GJ!
367名無しさん@ピンキー:04/01/29 22:14 ID:QRlA/g2o
ハアッハアッハアッハアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
368黒子:04/01/30 01:14 ID:O/rfDGou
萌死にそうです!
隔壁吹っ飛びますフラップ角度不足ですアイシング剤切れですきりもみで落ちてゆきます


早く続き書かなきゃ…
369名無しさん@ピンキー:04/01/30 04:06 ID:XIToBDwg
そんなあなたにモズ落とし
370黒子:04/01/30 23:42 ID:boUxlcw2
外で鳥が鳴いていた
「=$#*>”#」
「おはようリムルル」

今日は土曜日、まだ六時半だ
リムルルは小さなあくびをすると布団に抱きついた
眠いとみんなこうなる。
漏れは布団から出ると、リムルルの頭をなでて洗面所に向かった。
少したって、リムルルも眠気眼をこすりながら歩いてきた
ぺたんと漏れにくっつくと、そのまま離れない。
何で漏れをここまで慕ってくれるのかわからないけど、とてもかわいい

「今日はどうしようか?」
「*#”$>!‘%&A>」
「どこも行くところは無いしね、寝ていようか?」
「%#+L*””)%’!!!」
若い子は元気だ、休みがもったいないらしい
「じゃあ散歩でも行こうか」
「##!!」
さっ、とリムルルは僕の前から姿を消すと、衣服を引きずり出してきた。
「はいはい、着せてあげよう・・・・一人で着れるようにならなきゃだめだよ、もう」
「$&$”*{‘」

思えば、このときちゃんと一人で着せていればよかったのだ

今日は思わせぶりなところで終了
明日は漏れとリムルルの記念日になるでしょう。
では、おやすみなさい
371名無しさん@ピンキー:04/01/31 03:36 ID:iLLFsbtS
フオォォォッ!
なんて所で終わってるのだっ!


ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・GJ!Σd(・∀・)
372名無しさん@ピンキー:04/01/31 07:26 ID:uXtoaP9h
次回でもまたワシの理想が結実するというのか。
リムがきっとすごいことに!うぎぎ!
今から禁オナで待っている次第。
373名無しさん@ピンキー:04/01/31 12:48 ID:TXxQ88u0
おもらし!
374名無しさん@ピンキー:04/01/31 21:47 ID:BAn1T9DX
久々の黒子氏キタ━─━─━(゚∀゚)━─━─━ッ!!!
GJです。

急に一人称が「僕」になってるけど…
そんなこと気にならないほど続きに期待してまつ
375黒子:04/02/01 04:13 ID:dS6zXRRM
鋭意製作中です
お楽しみに
376名無しさん@ピンキー:04/02/02 01:51 ID:YkUh1dg2
リムたんもプリキュア見たんだろうか
377名無しさん@ピンキー:04/02/02 04:20 ID:rH3x9SHE
「ザ・ラスト・サムライ」につっこみまくりのリムルル
378名無しさん@ピンキー:04/02/02 04:25 ID:7kIkfruS
>>377
しかし本土のことは知らなかったりして
379名無しさん@ピンキー:04/02/03 05:21 ID:IhdXxMe+
待ち遠しい
38064:04/02/03 19:16 ID:Y2wqfhBZ
ここは黒子氏の登場を待ち望むべし!
流れに余計な水を差さぬよう、現在投稿自粛中であります(`・ω・´)
381名無しさん@ピンキー:04/02/03 21:09 ID:DuiMrAKB
>>380
えーえーえーええーー
382名無しさん@ピンキー:04/02/03 22:40 ID:jBE/lRUA
>>380
正直本末転倒だと思う。
383黒子:04/02/03 23:13 ID:OhqcUGEv
どうぞ投稿してください
まだまだかかります故
38464:04/02/04 00:00 ID:/+rsBHFt
買い物を終えて、繁華街を抜ける。
ふと自転車の後ろに乗るリムルルを見ると、
なにやら苦しそうな表情を浮かべている。
「おいリムルル?どうした、大丈夫か?」
「うん・・・ちょっと疲れた・・・けど大丈夫だよ?」
そう返事するものの、明らかに辛そうだ。
疲れるのも無理はない。見知らぬ土地で生活することの辛さは
計り知れないものがある。ましてや、時代も風土も違うのだから。
「じゃ、ちょっと休んで帰ろう。いい場所があるからさ」
「ごめんね、にいさま」

いい場所、というのは川沿いの公園のことだ。
家を挟んで、繁華街とは逆の方向である。車通りも人通りも少ない上、
まとまった自然がありそうな場所といったらここだ。
公園目指して自転車を走らせると、風に乗って土のにおいが漂ってきた。
「ほら、着いたぞ」
「あぁ・・・」
自転車から降りると、リムルルは大きく深呼吸する。
「はぁ〜、生き返るみたい」
さっきと比べても、かなり顔色が良くなっているのが見て取れる。
「やっぱりこういう場所の方がいいよな。俺も落ちつくよ」
「木の香り・・・土の香り・・・よかった、
この時代にもちゃんとこういう場所があるんだね」
「まあ、うん。けどリムルルの住んでいたところは・・・」
「もっと自然がいっぱいだった!」
「やっぱりそうだよなあ」
当たり前のことを聞いてしまった。
芝生の上を歩きながら、公園の奥、林の方へと向かう。
リムルルは自分の住んでいた土地の話をし始めた。
38564:04/02/04 00:04 ID:/+rsBHFt
「わたしの住んでいたところはカムイコタンっていうの。
とっても穏やかな場所なんだよ」
「カムイコタン・・・聞いたことないなぁ」
「シサム・・・ううん、よそから来た人たちは、エゾチとかエゾって言ってた」
「エゾ・・・蝦夷!北海道!?」
そういえば、どこかで見たような模様の入った服。なるほど。
「そっか思い出した、リムルルはアイヌ民族なのか!!」
「へ?」
「いやだからさ、蝦夷にいたんだろ?アイヌじゃないか!」
熱弁を振るう俺を前に、リムルルはただぽかんとした表情のままだ。
「にいさまもアイヌだよ?」
「いや、俺は違うって!俺は本州の人間だからね」
「ありゃ〜・・・にいさま、アイヌって言葉の意味、知ってるの?」
だめだなぁ、といわんばかりに肩をすくめて、
リムルルは逆に質問してきた。

「え、アイヌって・・・リムルル達の民族の名前じゃないの?」
「違うよ!アイヌって、わたしのいた所の言葉で『人間』のこと!
だから、にいさまも!」
「へぇ〜、そうだったのか?!知らなかったぁ」
「・・・けど、やっぱりよそから来た人たちはわたし達のこと、
アイヌアイヌって言ってたなぁ・・・意味分かってないのにね!」
まさか、アイヌという言葉自体にちゃんと意味があったとは。
てっきり、単なる名詞だとばかり思っていた。
38664:04/02/04 00:05 ID:/+rsBHFt
「それじゃ、リムルルは俺たちのこと、何て呼んでたの?」
「えっと、ここはわたしの住んでた場所の近く?」
そういえば、リムルルは今自分がどこに居るのか知らなかったのだ。
「そうだなぁ、えーっと・・・」
木の枝でいびつな日本地図を描き、教えてやる。
「ここがリムルルのいたとこ。蝦夷か。今は北海道って呼んでる。
で、ここが俺たちのいるXXだよ。間に海があるんだ」
「じゃあ、にいさま達はシサムだね!」
「しさむ・・・どういう意味なんだい?」
「すぐそばの人、って意味だよ!隣の島でしょ?」
「へぇ〜、なるほどねぇ」
確か昔、アイヌは日本人に侵略を受けたんだっけ?
そんな俺たちのことを隣人と呼んでいたなんて・・・。
何はともあれ、リムルルは過去から来たとても近くの人間、
言うなれば、俺たちにとってのシサムだったというわけだ。
宇宙人でも何でもなかったという事実が、妙に嬉しい。
38764:04/02/04 00:07 ID:/+rsBHFt
「あのねリムルル、今の時代は俺たちが今いるここから、
その気になれば、リムルルがいた土地まですぐに行けるんだよ」
「えーっ!」
リムルルは心底驚いたといった表情で、眼を丸くしている。
「けど、時代が違うから昔のままだとは思えないけど」
「帰りたくない・・・」
「えっ?」
意外な返事につい声が出る。
リムルルはいつの間にか硬い表情になって下を向いていた。
「姉様を探し出すまで帰りたくないの!ううん、
見つかっても、もう帰らないかもしれない・・・」
最愛の姉を亡き者にしようとした村人に、怒りを覚えているのだろうか。
リムルルの両手は、硬く握りこぶしを作っている。
俺は、何も言えずにリムルルの前で立ち尽くすしかなかった。

「ご、ごめんねにいさま、そんな困った顔しないで、ね?」
急に真剣な話をし始めてしまったことに自分でも戸惑いを覚えたのだろう、
リムルルは俺の顔を心配そうに見つめている。
「あぁ、いや・・・別にいいんだよ、ここにいたかったら居ればいいさ」
「そ・・・そうだよね!?あっ、小鳥がいるよ!」
無理やり元気を装っているようにしか見えないリムルル。
あまり湿っぽい雰囲気を引きずるわけにもいかない。
「おっ、リムルル、あそこに大きな木が見えるだろ?競争だ!」
高台にある大木を指差し、ほらほらと急かしながら走り出す。
「よーっし、負けないよ?」
そう言うと、リムルルは元気に追いかけてきた。
38864:04/02/04 00:08 ID:/+rsBHFt
決して足に自信が無いわけじゃなかった。
しかし、リムルルはもっと速い。あっという間に前に躍り出ると、
息一つ切らすことなく、俺を後ろに見ながら笑っている。
「にいさまー!ほらほら、はやくはやくっ!!」
「やるじゃ・・・ねーのぉおおおぉお!」
大人気なくドタドタと本気で走って、やっとその笑顔に追いついた。
「あははっ!にいさま速い速い!」
「はーっ、ちょ、リムルル・・・足速すぎ」
「まだまだ、木まであんなにあるんだよ?にいさましっかり!」
リムルルはもう一度俺に笑いかける。
「ひぃー、そんなこと・・・いったっ・・・て?あれ?」
なぜだか体が軽くなる。

「ほら」
日の光を浴び、太陽よりもまぶしく笑う少女の、呼びかける声。
よどんだ血液が、さらさらと体中を流れていくのがわかる。
「まだまだ走れるでしょ?」
青い空の下、風と共に舞うように走る少女の、ささやく声。
見慣れた公園の風景が、知らない表情を見せる。
「わたしも本気出しちゃおっかな!」
雄大な大地の上、枯葉を蹴り力強く踏みしめる少女の、温かな声。
空気が、木々の様子がいつもと違う。息をし始めているのだ。

「あははは!にいさま!こっちこっち!」
少女のまわりの全てが、生きる喜びに満ち溢れている。夢ではない。
輝く冬の太陽の下、そこには清らかで美しい、大自然に愛された少女がいた。
その名は、リムルル。

俺は、かけがえの無いひとに出会ってしまったのかもしれない。
このままずっと居てくれてもいいな・・・。まだ半日しか一緒にいないのに。
大木の下で、飛び跳ねながらこっちに手を振っているリムルルを見て、
ただそう思った。
38964:04/02/04 00:09 ID:/+rsBHFt
「ただいまー」
「ただいまぁ!」
2つの声が、誰もいない部屋に消えていく。
日が暮れるのが早いから、少し早めに家路に着いた。
あの後、散歩している犬とじゃれ合ったり、
公園に落ちていた野球ボールで遊んだり、
久しぶりに休みらしい休みを過ごした。
靴を脱ぎ、部屋の暖房をつけて大の字で横になる。
「どぁー・・・」
リムルルも真似をして、
「だー・・・」
と俺の横でごろんとなった。
「楽しかったか?」
「うん!ありがとね、にいさま」
「いやいや・・・どういたしまして」
しばらくそのまま、時間が過ぎる。思ったより疲れたなあ。
自転車は二人乗りだし、リムルルは天真爛漫だし。

さて、まだ夕メシの準備するには早いな・・・と考えていると、
「ねえさま」
「ん?」
リムルルが口を開いた。天井を見つめたまま、神妙な表情で続ける。
「絶対にこっちの世界にいる」
「そうか。何か手がかりでも?」
「ううん・・・はっきりとはわからない。でも、感じた」
確信があるようだ。リムルルの顔が少しほころんだように見えた。
「早く見つかるといいな」
「うん!にいさま、それまでよろしくね!」
ごろりと横に転がって、俺の目をみつめるリムルル。
互いの息が触れ合いそうなほどの急接近に、
「あ・・・あぁ。うん、そうだな」
ついついまた、どぎまぎしてしまう。お茶を濁さねば。
39064:04/02/04 00:10 ID:/+rsBHFt
「そ、そうだリムルル、さっき買った服、着てごらん?」
「あーっ!そうだったね!!」
ぴょんとその場に立つと、リムルルはじーっとパーカーのファスナーを開いた。
年頃の女の子がこれでいいのか・・・?不安になってきた。
ちょっと問いただしたほうがいいのかもしれない。
「あのさ、一つ聞いていいか?」
「へ?」
パーカーを脱ぎながら相槌を打つ。手を休める様子は無い。
「俺、男じゃん?」
「そうだよねぇ、にいさまだもんねぇ」
Tシャツに手をかける。俺の視線など気にするべくも無いようだ。
「あの・・・着替え、別じゃなくていいの?」
「にいさまはにいさまだもん!家族でしょ?普通だよ・・・んしょ」
ぎこちなくTシャツを脱ぐと、殆ど平らな胸が顔を出した。
と同時に、当たり前でしょ?といった感じで俺の顔を見る。
「家族、そか・・・そうだよな・・・ははは。邪魔して悪かったな」
「変なにいさま!顔が引きつってる〜」
「ハハハ、ソンナコトナイヨ」
これからは、妹の着替えを公認で毎日・・・観察絵日記でも付けるか。
あぁ妹よ、こんな邪な兄さんを許しておくれ。

ベルトに手をかけたところでリムルルは、あっ、という表情に変わった。
「あ、にいさま、荷物どこに置いたっけ?」
気づくのが遅いが、それだけ嬉しいんだろう。
おしゃれが楽しみなのは、女の子なら当然のことだ。
ビニールの袋を手渡すと、逆さまにして中身をなだれのように取り出した。
「この袋、薄くて丈夫ですごいねぇ!」
空になった大きなビニール袋を、ガサガサと振りながら遊んでいる。
「風邪引くぞ、早く着てごらん?」
「はぁい」
391名無しさん@ピンキー:04/02/04 00:10 ID:k4toBm65
(゜∀゜)いやっほーい!来たあーーーー!
39264:04/02/04 00:11 ID:/+rsBHFt
服を拾いながら、その中のスポーツブラを手渡す。
白地に、ゴムは淡いブルーをしている。結構可愛いデザイン。
女の子の下着を触る機会なんてめったに無いので、妙な気分だ。
「あっ、まずはこれなの?」
期待に満ちたまなざしで、リムルルは両手で広げたブラを見つめている。
「うん、それが一番下に着るモンだからな。この両穴に腕を通すんだ」
不慣れな手つきでブラを着ける姿が、なんとも初々しい。
タイトな布地が、徐々にぴっちりと身体のラインを映し出していく。
が、そこは膨らみというものが殆ど見当たらないリムルルの胸。
本来なら、滑らかな丸い山が2つできるはずだというのに、
お腹から続いてきた平原に、2つの小さな丘が確認できるだけだ。
むしろ、ワイヤーの入っていないスポーツブラ特有の締め付けのせいで、
何も着けていないときよりも、さらに寂しい状況になっている。
「にいさま、これでいいの?」
わきの下や、肩のゴムをいじりながら、訊ねてきた。
「え、あ・・・うん、そっそれでいいんだよ」
「えへへ・・・これで大きくなるんだよね!」
丘の上にある二つの突起を、手のひらでさわさわと撫でながら、
リムルルの眼がキラリと光った。
まあ、ブラはちゃんと年頃から付けておくと、
形は良くなるらしいからな・・・俺は嘘ついてないはずだ。うむ。
・・・あれ?それはちゃんとした子供ブラの話か?

その上にタンクトップを着せる。
キャミソールよりは暖かいだろうということで、こちらにした。
ブラよりは幾分着やすいらしく、すぐに頭を出す。
「・・・」
「・・・」
沈黙。
「まあ別に、ねぇ?」
「・・・うん、着心地いいけど・・・普通だね」
下着ごときで「うわー」とか言われても困っただろうから安心だ。
39364:04/02/04 00:12 ID:/+rsBHFt
で、問題はショーツなんだが。
「リムルル、次これな、自分ではけるか?」
「小さくない?」
「引っ張ると伸びるんだよ、やって・・・」
「おー、おー!ホントだ!!おもしろーい」
びろーんびろーんと、おろし立てのショーツを引っ張って遊ぶリムルル。
「やりすぎだぞ、伸びちゃうからそんくらいにしとけって!」
「はぁい!とりあえずはいてみるね」
何のためらいも無くベルトを緩め、カーゴパンツをすとんと落とした。
しつこいようだがそれで良いのだろうか。
少し大きめのタンクトップで、大事な部分はギリギリ隠れている。
しかし、さっそくショーツを穿こうと脚を上げると、当然ながら・・・。
片足を上げたままリムルルはショーツを両手で持って、
上下を確認しているがイマイチ分かっていない。
「えーと?この一番大きい穴に・・・右足を・・・あわわっ」
けんけんをして堪えたリムルルだったが、バランスを崩して床にごろん。

「にいさまぁ〜、わかんないよぉ」
「リムルル、ちょっと座ってごらん」
ショーツを大事に持ったまま、リムルルはちょこんとその場に座った。
「まず!一番大きい穴の両端を持って、布の狭い方を前に」
「えとえと・・・こう?」
「そう。そしたら大きい穴に右足を入れて、右の小さい穴から出すんだよ」
座ったまま、リムルルは言われたとおり片足を突っ込んだ。
「よし。そしたらもう片方も同じように・・・」
両足をちゃんと穴に通し、ショーツはもものあたりまで上がっている。
「そしたら立って、上まであげて、おしまい」
「よいしょ!」
その場に立ち上がったリムルルは、
ぐっと、勢いよくショーツを腰まで上げた。よし。
たかが下着をはくことを教えるのがこんなに難しいとは。
39464:04/02/04 00:13 ID:/+rsBHFt
しかし当の本人は何だか変な表情を浮かべている。
「あったかいんだけど、落ち着かないよう〜」
「まあ今だけだから。すぐに慣れるよ」
「ホントかなぁ〜・・・」
俺もガキの頃、トランクスを穿き始めたとき、結構な違和感を覚えた。
だけど次の日にはもうなんとも無かったから、リムルルもきっと・・・
まだショーツを気にしているリムルルだったが、
最後にジーンズとシャツ、パーカーを着せて、現代っ子を完成させた。
リムルルがその場で、朝にもやったようにくるりと回って見せる。
グレーのパーカーがピンクのプリントで、
インナーのシャツもピンクだったのが幸いした。着合わせは悪くない。
「おーぉー、よく似合ってるよ」
「えへへへ・・・」
リムルルはにんまりと満足げに笑った。
その後、リムルルのショーツがよれてお尻に食い込んでいたのに気づくのは、
しばらく経ってからのことだった。
39564:04/02/04 00:17 ID:/+rsBHFt
不適切な書き込み、反省してます。
と言うのも今回の投稿、前半部分を読んで頂ければ分かるとおり、
内容的にこれんぽっちも萌え部分が無いので、
せっかくのムードが冷めてしまうのでは、と自粛していたのです。
だったら何も書き込まずに待っていればよかったものを・・・
黒子氏には余計なプレッシャーをかける結果となってしまいました。

反省を態度で示すべく、とりあえず多めに投稿させていただきます。
皆さん本当にごめんなさい。これからは自重します。
396名無しさん@ピンキー:04/02/04 00:46 ID:k4toBm65
スレは一人の物でなくてみんなの物だから
他の住人のことも考えるのは
至極当然の事とは思いますが
気にしすぎて何もアップ出来ない
ってのも考え物ではないですか?
スレの性質上お話がアップされないことには
話にならないわけですし
あんまり肩肘張らずに行きましょうよ!

以上読むだけ名無しの戯れ言でした…
スレ汚し失礼しました
_| ̄|〇
397名無しさん@ピンキー:04/02/04 00:52 ID:CRb2zrXS
左様、徹底的にマターリと。


そしてmoe♥
398名無しさん@ピンキー:04/02/04 01:09 ID:X8gI6/Tt
>64氏
ん?問題なく萌えさせてもらってますがなにか?
むしろこんな所で止められると生殺しなので、キッチリ萌え死させて下さい
399名無しさん@ピンキー:04/02/04 01:59 ID:0GgZyAi+
>>398
言ってる事は間抜けだが、なんかカッコいいなお前(笑
40064:04/02/04 09:31 ID:Bwq6Y75L
みんなありがとう(つ∀と)これからもがんがります
401名無しさん@ピンキー:04/02/04 19:41 ID:4/TGU2u2
萌えた(;´Д`)ハァハァ・・・
64氏gj
40264:04/02/05 13:43 ID:6XuSehu0
コタツに入って結構時間が経つ。もう夕方だ。
リムルルはといえば、紙と鉛筆を渡してやったら喜んで
絵やら模様やらを描いていたが、まだ疲れが残っていたのだろう。
鉛筆を握ってコタツに入ったまま、座布団の上で寝息を立てている。
リムルルの手元にあった紙を拾い上げて、しげしげと眺める。
アイヌ特有の、幾何学的なようで違う独特の模様だ。
俺、結構これ好きなんだよね。
それからこの絵は・・・髪の長い女の子?あんまり上手くないけど、
恐らくは姉だろう。その隣にいる茶色い髪の子はリムルルだな。
会いたい気持ちがひしひしと伝わってくる。
さて、レポートもひと段落したし、夕飯の用意をしなくては。
どんなものを食べていたのかと聞いたら、汁物やら鍋料理やららしいので、
暖かいうどんを作ることにした。コタツから出て、台所に向かう。
鶏肉、しいたけ、にんじん、ごぼう・・・いわゆる俺のお袋の味というやつだ。
鼻歌まじりで材料の下ごしらえをしていく。
だしを火にかけてしばらく。においがしたのか、
リムルルがまぶたを重くしながらこちらにふらふらとやってきた。

「にぃ〜たまぁ〜」
「あ、起きたのか」
「ん〜・・・ん〜」
心ここにあらず、といった感じであたりをきょろきょろとしている。
「ん〜〜」
リムルルはドアの方にふらふらと向かっていくと、
そのままガチャリと外へでてしまった。
「おいおいおいおい!」
車に轢かれでもしたら大変だ。鍋の火を止め、慌てて後を追う。
階段を下りて道路を挟んだアパート正面の、
雑草だらけの空き地へとリムルルは歩いていく。
俺は二階の廊下から見ていたが、
リムルルは空き地の隅の茂みへ着くと、ジーンズを下ろしその場にしゃが・・・
40364:04/02/05 13:43 ID:6XuSehu0
「待ったー!」
あっという間に階段を駆け下り、リムルルの元へ駆け寄る。
「待て・・・はぁ、待て・・・便所はそこじゃ・・・なぶぁ」
べちーん!スナップの効いた平手が飛んできた。視界がぐるりと天を仰ぐ。
「にいさま!おしっこするとこ覗くなんて最低だよ!」
腰に手を当てて、リムルルはぷんぷんと倒れた俺を見下ろしている。
「悪かった・・・が、聞いてくれ・・・おしっこは外でするな・・・」
「へ?」
リムルルはぽかんとした表情に変わって、俺に手を差し伸べた。
「いだだ・・・トイレ・・・もとい便所は家の中にあるんだよ、この時代は」
「えー?!ご、ごめんにいさま、ちょっとわたし寝ぼけてて・・・」
「いや・・・まあいいさ・・・教えて・・・なかったしあだだ」

脳みその
 芯まで届く
   リム平手    兄

二人して、トボトボと部屋に戻る。
家に着くと、リムルルがほっぺを撫でてくれた。はあ。
「・・・でな、便所はここだよ」
パタとドア開ける。見慣れた普通の洋式便所だ。
「えー、女の子の場合は、こう座っておしっこ。うんちも一緒」
実際に座って見せる。
「終わったらこの紙をこう巻いて、拭くの。で、流す。分かったか?」
「わかった」
「いや、だから!トイレの中でズボンは脱ぎなさい!」
「ごっ、ごめんなさい!」
バタン!
また怒られると思ったのか、慌ててリムルルはドアを閉めた。で、しばし。
40464:04/02/05 13:44 ID:6XuSehu0
「リムルル〜、ちゃんとできたか?」
「うーん」
「ちゃんと拭けよ」
「うん」
「ちゃんと流せよ」
「わかったってばぁ!にいさましつこい!」
怒られてしまった。
ジャアアアア・・・
「あの、流れるの面白いね!水がぐるぐるーって!」
「あぁ、すげえだろ」
俺が作ったんじゃないけどね・・・
「ところでにいさま?女の子の場合は座って、
って言ってたけどにいさまはどうしてるの?」
「・・・」
「ねえ、にいさまってば」
黙殺。

これでやっとメシの準備の続きができる。
リムルルには配膳をしてもらった。
朝は気にしなかったが、どうやら箸は使えるらしい。
今夜のメニューは、うどんとおひたしと、まあそれだけだ。
湯気の立ち上るどんぶりをお盆に載せ、コタツへと運ぶ。
リムルルの目がキラキラと輝いて、そわそわと肩を上下させている。
「ごはん!ごはん!!」
「はいはい、おまちどお」
「うわー!おいしそう!!」
「熱いからな、気をつけて喰えよ」
「はーい!」
40564:04/02/05 13:46 ID:6XuSehu0
そういえば、アイヌ語には「頂きます」ってあるんだろうか?
アメリカへ行ったとき、何も言わずに食事を始めるホストファミリーに
違和感を感じたものだった。
「そうだ、リムルルちょっと待って」
「あぇ?」
はやくもうどんを箸で挟み、ふぅふぅして今まさに口へ運ぼうとした
リムルルが、口をあんぐりしたままぴたりと止まる。
「いただきます、って・・・言ってた?その、飯を食う前のあいさつ」
リムルルの表情がはっとした顔になり、ぺろりと下を出して笑う。
「失敗失敗・・・ねえさまに怒られちゃうよ。フーンナ」
「ふーんなぁ?なんか面白いな・・・よし、フーンナ!」
「うん!あ、にいさまはイヤイライケレ」
「え、男と女で違うのか?」
「えとね・・・にいさまはこの家の主だから、ちゃんとカムイに感謝するの!」
なるほど。家族を代表する、みたいな意味かな?
「よーし。では、イヤイライケレ!」

リムルルは今度こそと、下げたうどんをもう一度ふぅふぅし、
つるん、と口に運んだ。
「んんん・・・おーいっしーぃ!」
某人気アイドルグ番組の料理コーナーを思い起こさせるほどの歓声。
この子の食事のときの幸せそうな顔といったら、もう・・・!
額に軽く汗をかいた、湯気の向こうの顔がほころびっぱなしだ。
料理を作る醍醐味ってのは、やっぱり誰かに食べてもうらうことだよなぁ。
「どうやったらこんなに上手に料理できるの?」
「ん?ひーみーつ。ずぞぉ〜」
「も〜!にいさまのけちぃ!」
そう言いながらも、リムルルはニコニコ顔でうどんをすすった。
食事は人に、幸せと活力をもたらす。それは今も昔も変わらないはずだ。
リムルルに、少しでも幸せに、少しでも元気になって欲しい。
そんな願いを込めたのが幸いしたのかもしれない。
406名無しさん@ピンキー:04/02/05 15:19 ID:eYrHXxNQ
リムの野外おしっこを拝んでみたかったかも知れない
407名無しさん@ピンキー:04/02/06 02:45 ID:ZZcyZZGU
下着はいてること忘れてそのままオシッコするリムたん…
408名無しさん@ピンキー:04/02/07 10:55 ID:FYBOcvlS
急に静かになりましたな。
409名無しさん@ピンキー:04/02/08 02:19 ID:3dqegA5e
そのようですな
410名無しさん@ピンキー:04/02/08 15:51 ID:75DOqjut
このスレの心はリムスレ原点である萌え心の集い

ss職人様もとい、おまいら萌え
411黒子:04/02/08 23:37 ID:bBPM8Pnv
ああ、皆様頑張ってるなぁ…


時間がない、時間が………おいこらあたまあげWuup!Wuup!PULL UP!
412名無しさん@ピンキー:04/02/09 00:10 ID:5ynkw7nJ
謹んでお待ち申し上げマス! (`Д´)ゞ ビシッ
413名無しさん@ピンキー:04/02/09 00:18 ID:p+SUEi4k
>>411
パイロットという職に就くあなた自身から
そんな不謹慎なネタを聴かされるとは思いもよらず。
41464:04/02/09 01:36 ID:YF9kDW0G
飯を食い終わり食器を下げ、一息つく。
リムルル・・・この子がうちに来て、これで一日。
何というのか、久しぶりに日曜らしい日曜を過ごしたような。
しかし、この子にはれっきとした目的がある。
「で、リムルル?これからの事だけど」
サッカーの中継をぼんやりと眺めていたリムルルが、
こっちに視線を向ける。当然ながら試合の内容はわかっていない。
「うん・・・姉様の事ね。わたし、明日にでも探しに」
やっぱりそうか。しかしあまりにも無謀じゃないだろうか。
「探すあてはあるのか?言ったとおり、ここら辺には
自然は一握りしかない。災いを封じ込めて自然を守っているのなら、
姉さんは自然の中にいると考えるのが普通じゃないか?」
「うーん・・・たぶん、そう。お昼に行った広場で、姉様を感じた」
「感じた、ってことは近所か?」
「わかんない・・・けどにいさまの言うとおりだ。多分どこかの山奥か、
森か・・・にいさまお願い!この近くでどこかそういう場所・・・」
「待て、リムルル」
少し厳しい口調で諭す俺に、リムルルはびくっとして口をつぐんだ。
「早まるんじゃない。確かに早く姉さんを見つけたい気持ちもわかるし、
自然の中で生活する方法も知っているんだろ。だけどな、お前一人じゃ・・・」
「・・・」
リムルルの表情が少し曇るが、黙って俺の話を聞いている。

「そもそも、ここまであてが無いとなると・・・
ホントに手がかりは無いのか?自然の中で姉さんを『感じる』以外に?」
「あるよ、コンルが教えてくれる。コンルもカムイだから。
コタンの近くで、山の中を探せって教えてくれたのもコンルだし。
わたしがこっちに着いたとき、コンル、結構近くだって言ってたの。けど・・・」
「あれ以来、姿を見せないってわけか・・・
だったら、まずコンルを探した方がいいんじゃないのか?」
「うん、そうする。えへへ・・・ちょっとわたし、慌てすぎたかな」
リムルルは照れ笑いを浮かべた。これで一安心だ。
41564:04/02/09 01:37 ID:YF9kDW0G
「えーと、それじゃ火のカムイにお願いしなきゃ・・・」
「火?」
「うん、コンルに連絡をしてもらうの。早く帰ってきてー、って」
「よし、火だな、火・・・」
ホントは囲炉裏の火に向かってお願いをするらしいのだが、
さすがにそれは無理な相談だ。
かといってコンロの火では感慨も有難みも何も無い。
非常用袋からロウソクを取り出すと、部屋の電気を消し、
火をつけてコタツの上に乗せる。まるで誕生会だ。
儀式には変わりないが、囲炉裏に比べたらあまりにも頼りない。
「これでいいか?こんな火でも、神様に願い、通じるか?」
申し訳なさそうにしている俺をよそに、
暗闇に赤々と浮かぶリムルルの顔がほころぶ。
「わあ、きれい…大丈夫だと思う。それじゃ始めるね」

瞳を閉じると、リムルルはアイヌ語でゆっくりと独特な歌を始めた。
なるほど、歌詞がお祈りになっているというわけだ。
息遣いにあわせ、ロウソクの火がゆらり、ゆらりと揺れる。
リムルルの口から紡ぎ出される言葉の一つ一つに、呼応するかのようだ。
儀式が進むと同時に、頼りなかったロウソクの火が大きく、強く輝き始めた。
時折、火花を散らしたり、宙に不思議な模様を描いているようにも見える。
俺の視線は、リムルルとロウソクの間を行ったり来たりしていた。
はたから見れば、こっけいな様子だったに違いない。
しかし、やはりこれも夢などではない。
ロウソクの光の加減だろうか、まるでこの部屋の空間がねじ曲げられ、
やさしい夕日の中に溶け込んだような錯覚さえ感じられた。
41664:04/02/09 01:38 ID:YF9kDW0G
・ ・ ・

ロウはどんどんと溶け、リムルルの祈りが終わるころ、ロウソクは姿を消した。
「・・・ふう。これでだいじょうぶかな」
ゆっくりと目を開けたリムルルは、ほっとため息をついた。
またもや俺の目の前で起きた不思議な現象に、
彼女自身は気づいていないようだ。
「うん、きっと大丈夫だろ。
こういうお祈りとかあんまり見たこと無いけど、
ちゃんと火がリムルルの言ったこと、聞いてたみたいだった」
「コンル・・・早く帰ってきて・・・」
もう一度目を閉じるリムルル。心からその帰りを願っているのだ。

大丈夫、俺がいるじゃないか

・・・などと陳腐なセリフを吐くような状況ではないし、
俺が一体この子に何をしてやれるだろう?
この子をしばらくの間養ってやること、それが俺のできること。
・・・なんかだらしないな。
41764:04/02/09 01:38 ID:YF9kDW0G
サッカーの中継が終わった。
「色の違う服を着た2つの仲間同士が、球を蹴って相手の陣地に入れるんだよ」
と説明してやったら簡単にわかったらしい。
どちらを応援するわけでもなかったが、随分と一生懸命見ていたようだ。
「にいさまー、こんどこれ・・・サカーだっけ?一緒にやろうよ!」
「妙に発音が良いな。フフン、いいだろう!俺に勝てるかな?」
「ふふっ!わたしのほうが足速いもんね〜だ!」
ぎく。確かに・・・。

さて、時間も時間だ。風呂も沸いたしお風呂にしよう。
「リムルルー、お風呂」
「?」
こっちこっちと手招きして、風呂に案内する。
ふたを開けると、ぼわりと白い湯気が立ち上った。
リムルルの目が食事のときと負けず劣らずらんらんと輝き、
歓喜の声を上げる。
「キャー!温泉?!わたし、これだーいすき!」
正しくは温泉じゃないんだけど・・・まあいいか。
「で、リムルルひとr」
「にいさま早く!一緒に入ろ!」
ひとりで入れますかー、と聞こうとした俺だったが、
完璧に出足をくじかれてしまった。
またしても、目の前でぽいぽいと衣服を脱ぎだすリムルル。
あっという間に素っ裸になってしまったリムルルを、呆然と眺めている俺。
「にいさま?どうしたの?早く早く」
リムルルが俺のズボンのウエストに手をかけて、
ぐいぐいと引っ張った所で正気に戻った。
41864:04/02/09 01:39 ID:YF9kDW0G
「どわっ、たっ!やめなさい!入る入る!自分で脱ぐ!先に入ってな!」
「うん!」
ガララ・・・ピシャ。
ふう・・・恐るべしリムルル。
まあシャワーとかの使い方も教えなきゃならんし、
今日だけ、今日だけ・・・と念じつつ、タオルを腰に巻く。
ガラリと戸を開けると、リムルルは湯加減を確かめるように
片手をお湯に突っ込んでぐるぐるとお湯をかき混ぜていた。
「リムルル、いすに座ってごらん。背中流してあげるから」
桶でお湯をすくうと、小さな背中にさらさらとかけてやる。
「うぁ〜、あったかーい!」
リムルルは、お腹の底から気持ちよさそうな声を出した。
肩、腕、首筋・・・お湯がキラキラと輝きながら、
細くしなやかな若い肢体を滑り落ちていく。
「疲れが・・・お湯にとけてくみたいだよぉ・・・ふぅ〜」
お湯の気持ちよさは、歳も時代も関係ないようだ。

何度か背中を流したところで、
リムルルがすっと立ち上がり俺から桶をひったくると、
「はーい、今度はにいさまの番でーす、座って座って!」
と、俺の後ろに回りこんで背中を押す。
「おいおい、あんまり押すなって。狭いんだから」
「いーのいーの!」
狭い風呂場だ。大人と子供でぎりぎりの洗い場。
リムルルの息遣いさえ、体中で感じ取れるようだ。
「いっくよー」
ざばー。
「はぁ〜」
「あははっ、にいさまってば、おじいさんみたい!」
「わしも歳をとったでのう・・・」
リムルルと俺の笑い声が、天井にこだまする。
41964:04/02/09 01:40 ID:YF9kDW0G
「おっきい背中・・・よいしょ」
ざばー。
温かいお湯が、疲れとともに背中を流れてゆく。
こうやって誰かに背中を流してもらうのも久しぶりだ。自然と礼も出る。
「ありがとうな、リムルル」
「にぃ〜さまっ!」
「んぉ?」
突然、リムルルが両腕を首に回し、俺の背中にその身体を預けてきたのだ。
「ぉ・・・」
あまりに唐突な出来事に、声が出ない。
おんぶのような体勢だ。少女の瑞々しい柔肌が背中へと密着し、
小さな2つの突起が、ツンと背中を優しくつつく。
「こうすると・・・ね、あったかいでしょ?姉さまにやってあげてたんだ・・・」
リムルルは静かに、俺の肩にあごを乗せてささやいた。
俺の全神経が背中と首筋に集まったようだ。
今や俺の精神を占めるているのは、少女の感触。それが全てである。

「あったかいね、にいさまも・・・。はぁ、姉さまよりおっきくて、たくましいや」
耳元で甘く潤んだ声が再び聞こえると、
リムルルはさらにぎゅっと体を寄せてきた。
僅かに漏れる少女の吐息が耳元を妖しく撫ぜ、
可憐な乳首が、2人の間でふにっと形を変えていくのが感じられる。
「ん・・・にいさま、気持ちいい?」
リムルルの声色は、うっとりとした雰囲気さえ醸し出し始めた。
そして、すり寄せる体は絹のような滑らかさで俺を包み込んでゆく・・・
いくら姉さんに抱き着いていたからって、俺にまでしなくても!
ドキドキと高鳴りを始める胸を悟られる前に、この状況をなんとかせねば。
「リムルル!湯冷めするから早く風呂に入りなさい!」
「あーっ、それ、姉さまもいってた!」
俺からぱっと腕を離すと、リムルルは一目散にお湯へ飛び込んだ。
背中に残る少女の感触を惜しみつつ、俺は前かがみで体を洗い始めた。
42064:04/02/09 01:41 ID:YF9kDW0G
「おぉ〜、どんどん乾いてくよ」
ヘアドライヤーで、リムルルの髪を乾かしてやる。
少し茶色がかった癖っ毛が、ふわふわと温風になびく。
「こんなもんだろな」
「あっという間に乾いちゃった!うわ〜、サラサラだし、いい匂い!」
初めてのシャンプーに、感動しきりといった感じだ。
やはり年頃の女の子だ。おしゃれが重要なのは言うまでもない。
まぁ、サラサラと言っても癖っ毛は直ってはいないのだが・・・。
俺もついでに髪を乾かし、ドライヤーをしまい居間に戻ろうとしたが、
リムルルがついて来ない。
鏡の前で、自分の髪やら顔やらをいつまでも眺めているのだ。
「にいさま、そっちから鉢巻持ってきて!」
「鉢巻って・・・あぁ、これね」
リムルルに鉢巻を手渡すと、手馴れた手つきで
あっという間に頭に巻きつけた。
来たときと同じような大きなリボンが広がる。
「へぇ・・・上手いもんだな。よく似合ってるよ?」
「う〜〜ん」
率直な感想を述べたにもかかわらず、
リムルルは鏡の前で渋い顔をしたままだ。
「ちょ〜っと・・・ここが・・・」
右の結び目をしきりに気にしたかと思うと、
「あれぇ、髪が・・・」
ほんのわずかに鉢巻からこぼれた前髪をしまい込む。
「よし!どう?にいさま」
自信満々の表情で、その場でくるりと回って見せた。
ほとんど変わってないんだけど・・・しかしここは当然、
「うん、かわいい、かわいいぞ」
少し大げさに首を縦に振ってやる。
正直な話、ぶかぶかパジャマにリボンていう取り合わせが妙に可愛い。
ちょっと照れたような笑顔を浮かべながらも、リムルルは満足げだ。
42164:04/02/09 01:41 ID:YF9kDW0G
「えへ・・・ふぇ・・・へっくち!」
ついでにくしゃみも可愛い。けど風邪なんぞ引かれたら目も当てられない。
「ほら〜、寝巻き姿でそんなところにいるからだぞ?早くこっちきなさい」
「はぁ〜い」
鉢巻を外し、コタツへと一目散に滑り込むリムルルだった。

・ ・ ・

コタツの中で、文字の少ない京都の写真集を見ているリムルルが、
こっくりこっくりと始めたのを見て、夜も遅くなってきたのに気づく。
と言ってもまだ9時半なのだが。
リムルルが慣れない生活を始めて1日。
適応能力が高いからといって、疲れないはずがない。
かく言う俺も、今日は走り回って疲れた。素直に寝ることにしよう。
部屋の隅に追いやっていた布団をコタツの隣に静かに敷き、
紅葉の写真の上に突っ伏している、リムルルの肩をつつく。
「リムルル?りーむるーるさん」
「・・・んにゃ」
あら、完璧に眠っている。そっと脚と背中に腕をまわし、お姫様だっこ。
俺の腕の中で静かな寝息を立てる、小さくて柔らかい温かな体。
かわいい寝顔に見とれつつ、布団の中へと静かにリムルルを降ろす。
残った俺はまあ、今日もコタツで寝ればいいだろう。
明かりをスタンドに切り替え、コタツに潜り込み小説を読む。
しかし視線は、赤い電球の光がうすぼんやりと照らす、
突然現れた不思議な隣人、リムルルの寝顔へと移った。
42264:04/02/09 01:42 ID:YF9kDW0G
すう、すうという寝息だけが部屋の中を浮かぶ。
これからどうなるんだろう。
ちゃんとこの子は目的を果たせるのだろうか。
そして俺は、何をしてやれるんだろうか・・・
そんなことを考えたり、考えなかったり。目を閉じてまどろんでいると
「さま・・・ぇさま」
小さな声が聞こえる。リムルルだ。寝言を言っているらしい。
「ねぇ・・・さま」
姉さま・・・やはり姉さんの夢を見ているのだろうか。
が、表情から言って幸せとはかけ離れた内容のようだ。
眉間にしわを寄せ、への字に結んだ口からは、時折うめきが漏れる。
シーツを握りしめる手は、少し震えているようにも見えた。
「んうぅ・・・ねぇ・・・ねえぇ・・・どこぉ?」
寝返りをうち、横になってこちらに顔を向けると同時に、
頬を一筋、光るものが伝った。たまらず小さな手をぎゅっと握る。
「・・・は・・・ねぇ・・・さまぁ・・・やっと・・・」
リムルルの顔から険が取れ、少し微笑んだような寝顔に戻り、
しばらくするとまた規則正しい寝息を立て始めた。
ピンク色の頬に残る涙の跡を優しく拭う。

いつかその願いが叶う日が、
本当の笑顔を見られる日が来るまで・・・せめて夢の中だけでも。




リムルル  第一章「妹が家に降ってきた」 おしまい
423名無しさん@ピンキー:04/02/09 02:59 ID:7lvC9TYR
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

(あまりの萌え度に理性と言語中枢を破壊されたようです)
424名無しさん@ピンキー :04/02/09 05:19 ID:A/lWa0O1
マジでイイです!!第二章も期待してます!
425名無しさん@ピンキー:04/02/09 06:10 ID:sTjeXftB
萌死
426204:04/02/09 10:29 ID:UAf6qpVe
・・・・・ドグゴラァァァァァァァァァァッ!!!!

ふう、済みません、取り乱しました。いやはや、
自然に萌えを誘うことの素晴らしさ難しさ、体感いたしやした。
さて…、最近激務に追い立てられ、投稿はおろか顔出しすら
出来なかった事を海より深く反省致しております……_| ̄|○
で、最近はやっと落ち着き&サムゼロSPバンザァイ!
によりまして(?)、物凄く気合入れて書いております。
次回の投稿にはクライマックスまで一挙公開予定、
こう御期待〜、です。





しかしまたSPのリムは………萌 (天覇断空烈斬
427名無しさん@ピンキー:04/02/10 01:39 ID:m8/63Z8h
>>426
楽しみにしております。初々しい感じでしょうか。
それまで一人でハァハァいたします。





ハァハァ
428名無しさん@ピンキー:04/02/11 01:12 ID:1GLqwWZZ
SPのリムは…なんか好きになれん
429名無しさん@ピンキー:04/02/11 05:50 ID:CNHSWMlT
ゲフッ…
あ、有難う御座います…ここまで萌えると…気分は右京!(臨死体験)
64殿、甘甘熱烈歓迎で御座るぞ。この路線で是非突き進んでくださいませ。
430名無しさん@ピンキー:04/02/11 23:16 ID:MlaT/XwD
ここって結局リム物以外ダメなのかな。

ナコの短い香具師書こうかと思ってるんだけど
431名無しさん@ピンキー:04/02/11 23:55 ID:z9rMzJCc
ナコもレラもオーケイ…多分。
漏れはレラもっとホスィ
432名無しさん@ピンキー:04/02/12 00:15 ID:tCiOgJS3
単にリムスレからの派生って事だけだから平気だよ。
433名無しさん@ピンキー:04/02/12 23:00 ID:/YOWUes3
>>430
ナコルル大好き

もう食べちゃいたいくらい
434名無しさん@ピンキー:04/02/13 01:06 ID:LXponERq
>>433は腐れ外道。
435名無しさん@ピンキー:04/02/13 17:02 ID:VREaDD9X
スレ主どうしたんだろうね
43664(番外編):04/02/14 00:18 ID:SX5heLk+
「へ、それじゃあ何?今日はお留守番してるのか?」
「うん、今日はおうちにいたいんだ!」
「そう・・・そんじゃま、火の元と泥棒には気をつけてね。すぐ戻る」
「はぁい!にいさま、行ってらっしゃい!!」
バタン・・・兄がドアを閉める音が部屋に響く。何か用事があるらしい。
いつもならリムルルも一緒に出かけるのだが、今日は特別であった。
くるりと踵を返し、ぴょんぴょんと跳ねながら部屋へと戻る。
「さー!準備、準備!ばれんたいーん!ね、コンル?」」
バレンタインデー。少女の胸は、その不思議な行事に躍っていた。
2月に入ってからというもの、連日のようにテレビではおいしい
チョコレートの話題。街に出れば、きれいなラッピングに包まれた
色とりどりのお菓子。好奇心に溢れるリムルルが、この行事の趣旨を
理解するのに、そう時間はかからなかった。
「うふふ・・・コンル?今日はね〜、一番好きな男の人に、女の子から
チョコレートを渡す日なんだよ?渡すの?もちろんにいさまっ!」
つま先まで届きそうなほど大きな兄のエプロンを結ぶと、
タンスの裏に手を伸ばし、ごそごそとまさぐった。
「えーっと・・・あった!いーち、にー、さん・・・よし!」
手の中で大事に数えるのは、3枚の板チョコであった。
「買ってもらったんだけど・・・食べないで取っておいたんだ!
なのににいさま、わたしのこと食いしん坊扱いして・・・むぅ!」
買ってきたばかりのチョコレートが突如として消えてしまったのでは、
そう言われるのも無理はない。
「えーと、あとは・・・これ!これの通りに作ればバッチリだよ!」
チョコレートと一緒に忍ばせておいた折りたたんだ紙を広げると、
そこにはリムルルにしか分からないであろう、チョコレートの作り方が
絵で示されていた。
「テレビでやってたの、ちゃんと描いておいたんだ!
さーコンル?がんばろっ!にいさま驚かさなくちゃ」
うきうきと台所へと向かうリムルルの後ろを、
不安そうに着いてゆくコンルだった。
43764(番外編):04/02/14 00:19 ID:SX5heLk+
「ふぃ〜、なんであんなに混んでるんだよ?」
やりきれない気持ちのまま、俺は家路を急いでいた。
昼過ぎに家をでて、2時間ぐらいが経つ。
「大丈夫かなぁ・・・あいつ」
リムルルの存在が俺の脚を急かす。何事も無ければいいが。
「けど、これ・・・きっと喜ぶだろうな」
白い箱を揺らしながら階段を駆け上り、チャイムを押す。
ぴんぽ〜ん・・・あれ? 
ぴんぽぴんぽんぴぽぴぽぴんぽ〜ん・・・
しつこく押したにもかかわらず、何の返事も返ってこない。
「リムルル!?」
嫌な胸騒ぎが俺の腕を突き動かす。慌てて鍵を取り出し、
ドアをばーんと開いた。
「おい!リムルぅ・・・うぐぉ?!」
部屋の中に充満する、甘くて酸っぱくて煙たい空気。
一体どういうことをすればこんな事になるのだろう?
「どうした〜、お〜い?」
靴を脱ぎながら呼ぶと、コンルがふわふわと俺の元に漂ってきた。
「ただいまコンル・・・どうしたの、この匂い?つかリムルルは?」
着いて来て、と、コンルは部屋の方に戻っていった。
「ん〜?あ、リムルル・・・」
ストーブも焚かずコタツにも入らず、開け放した窓の下で
リムルルは申し訳なさそうに縮こまっていた。
「どうしたんだ?」
「に・・・にいさまぁ〜」
力なく俺を呼ぶ顔はいたるところ茶色く汚れており、
どういうわけか俺のエプロンを着ている。
「まさか・・・うわー」
台所には、無残な戦いの跡が残されていた。
まな板の上にはぐしゃぐしゃになったチョコレートの破片が散らばり、
焦げ付いた手鍋の中には、真っ黒い未知の物体がこびり付いている。
43864(番外編):04/02/14 00:20 ID:SX5heLk+
「ふえぇぇ〜、ごめんなさ〜い!」
目を丸くして驚く俺の後ろで、リムルルが泣きついてきた。
「にいさまぁ、ごめんなさい・・・あのね、バレンタイン・・・でしょ?
チョコレート・・・作ろうと思って・・・だけど・・・」
そこまで言ったところで、俺はリムルルの肩をぽんぽんと叩いた。
「にいさま・・・」
「いいんだよ。とにかく無事でよかった」
「うぅ〜、ごめんなさい、ごめんなさい・・・にいさまに喜んでほしくって・・・」
「その気持ちだけで十分だ。それより、ほら」
俺は、白い箱を手渡した。
「へ・・・?」
涙目のリムルルが、ごそごそと箱を開ける。
「あっ・・・うわぁー!」
そこには、チョコレートケーキが二つ入っていた。
リムルルの顔が、ぱあっと明るくなる。
「にいさま、これ・・・これ!」
「あぁ・・・別にな、女の子から渡すっていう決まりがあるわけじゃないんだ。
これは、俺からリムルルにバレンタインのプレゼントだよ。うめぇぞ〜?」
「用事、って・・・」
「そう。リムルル家にいるっていうから、勝手に選んじゃったけど」
「ありがとうにいさまっ!大好きっ!!」
そう言うとリムルルは、俺にぴょんと抱きついてきた。落ちないように
抱き寄せると、チョコに染まる頬を、俺の顔にすりすりと寄せてくる。
「へへ〜・・・にいさま〜」
「大好き、か・・・ありがと。最高のプレゼントだ」
「にいさまも、わたしのこと好き?」
相変わらず、どきりとする事を突然に聞いてくる。
本人にはそんな気は無いのだろうが。
「え、あぁ、好きに決まってんだろ。こんなに可愛い妹なんだから」
「にいさま、これからもよろしくね!」
「おう、こちらこそ、だ」
満足そうな顔で笑うリムルルと一緒に、俺はケーキと幸せを噛みしめた。
43964(番外編):04/02/14 00:22 ID:SX5heLk+
番外編と称しまして、日頃のご愛好に感謝しつつ、
こういうのもアリかな〜と、ベタですが突貫で時事ネタをお送りしました。
普段のお話とは全く関係ない(コンルいるしw)ので悪しからず。

2章は、来週辺りからうpできそうです。
命である萌えエロ分は当然維持しつつ、バトル分多めになってます。
あの人も登場します。リムルルも目覚めます(色々と)。
まだまだ続きますが、楽しんでもらえるようがんがって書きますんで、
にいさま方、どうか今しばらくお付き合いください。
440名無しさん@ピンキー:04/02/14 02:33 ID:JuHCO2fa
あの人からの贈り物か・・・

64 GJ
441名無しさん@ピンキー:04/02/14 17:50 ID:n1yyJW78
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ 漏れならチョコにまみれたほっぺを舐めちゃう!
442名無しさん@ピンキー:04/02/15 21:55 ID:Np22o8Au
>あの人も登場

間違いない、ゲドたんですね?
443名無しさん@ピンキー:04/02/17 01:08 ID:TMgm8wDT
何だか活気が無いな〜と思ったら、
規制で専用ブラウザでしか見れなくなってしまったのですね。
444名無しさん@ピンキー:04/02/17 02:11 ID:fs1yus/u
神はまだか(;´Д`)

あげ
445名無しさん@ピンキー:04/02/18 01:47 ID:eWj3Mnk6
規制のせいもあるかと思われますが、
とりあえずここはSSを新たに誰かが書くか(自分含め)保守をしながら職人さんを応援するしか・・・・

職人さんがた、がんばってください!!
44664:04/02/19 01:10 ID:husVM/td
ども。何だか鯖の話でいろいろとあるみたいですね。
何にせよ今このスレに消えてもらっては困るので、ちょっとネタ振りを。
えー、しばらく後なんですが、リムルルと都心に出かける場面があるんです。
そこで質問。ズバリ、リムルルとどこにお出かけ(デート)したいですか?
ショッピングでも動物園でもア○バでも食事でもかまわんのですが、
せっかくのスレなんですから、たまには皆様のご意見賜りたく存じます。
別に期間とか設けてないんで、マターリと、欲望の赴くままに。
あ、感想とか「64はここをこう汁!」みたいなご指摘も大歓迎です。
どうかひとつご協力くださいませ。採用された方には・・・採用するだけです(w
447名無しさん@ピンキー:04/02/19 01:37 ID:LysqfBAJ
秋葉原でリムヲタに囲まれ……いやそれはダメだあ('A`)
448名無しさん@ピンキー:04/02/19 02:07 ID:QMB9yys5
月並みに動物園+食事を投げかけてみる
449名無しさん@ピンキー:04/02/19 02:09 ID:dFSM9wN8
動物園で、動物たちが檻に閉じ込められてるのを見てどう思うだろう。
450名無しさん@ピンキー:04/02/19 04:04 ID:BgPIGtto
なんでプールネタが出てないんだ?
レンタル水着コーナーで一緒に選んで係のおねえさんに冷やかされようよ。
451名無しさん@ピンキー:04/02/19 04:48 ID:LysqfBAJ
プールの中で水着のまま思わずおしっこしちゃうリムルル……(゚∞゚)

こ れ だ ! ! ! 
452名無しさん@ピンキー:04/02/19 08:14 ID:nsRSk74y
動物園は難しいぞ。
何故ならあの時代のアイヌの少女がどの動物を知っていて、どれを知らないのか。
完璧に描き分ける必要があるから。
象はまず知らんかな…
一度日本に持ってこられたとき江戸の町民が驚きまくったとか。
453名無しさん@ピンキー:04/02/19 13:59 ID:dFSM9wN8
>>452
猿も北海道と本州で違いがあったような
454名無しさん@ピンキー:04/02/20 00:17 ID:EE2pNwTQ
見たこと無い動物に驚いて
ちびっちゃうリムルル
455名無しさん@ピンキー:04/02/20 11:21 ID:AmOEkJXB
温水プールキボンヌ。。
ロリビキニ! ロリビキニ!
45664:04/02/20 22:45 ID:qYVOnYvz
リムルル  第ニ章

次の日。俺はリムルルを連れて少し郊外へと出かける事にした。
リムルルとしても少しでも自然の近く、
すなわち姉を感じられる場所へと行きたいようだ。
「火のカムイはまだ何も教えてくれなかったけど、
もしかしたらコンルがどこかにいるかもしれないしね!」
話によれば、夢の中でお告げがあることがあるらしい。
・・・そういうわけで、キコキコと自転車をこぐことしばし。
俺の住んでいるあたりはどちらかと言えば片田舎なので、
自転車に乗って川沿いを一時間も上れば、
雑木林やら田んぼの広がるかなりの田舎となる。
「どーだー、何かあるか?」
時々、後ろのリムルルに尋ねる。そのたびリムルルは
「う〜ん・・・」とか「あっ!・・・あー、ダメ。違う」
などと、芳しくない返事をするばかりであったが、ある時
「にいさま止まって!!」
ぽすぽすと背中を叩きながら声をかけてきた。
「ここ・・・ちょっと行ってみようよ、にいさま」
リムルルの指差す先には急な坂道がある。神社へと続く道への入り口だ。
「なるほど・・・神社か」
「じんじゃ?」
リムルルは首をかしげた。
「うん、神様を奉ってるんだよ。何の神様だったっけか」
夏祭りともなれば盛大に夜店が立ち並び、
年末年始はそこそこの参拝者を集める神社だというのに、
肝心のことは意外と知らない。かく言う俺も利用するわけだが。
「・・・寄ってみてもいい?」
「あぁ、もちろん」
自転車を止め、カゴの中から刀二本を入れたリュックをリムルルに渡すと、
二人並んでずんずんと坂道を登っていった。
45764:04/02/20 22:46 ID:qYVOnYvz
夏場は、木々の緑に日が遮られて昼でも暗いのだが、今は冬。
明るい日の光の中、落ち葉が揺れるだけだ。
それでも樹木はうっそうとしており、小さな神社だが敷地は広い。
「昨日の公園より、木の本数は多いだろう?」
木の本数で自然の豊かさを表せるとは思えないが、
一応の話題をということで、リムルルに話しかける。
「そうだね。結構古い木もあるみたいだし・・・すぅ・・・はぁ〜」
冷たい空気を胸いっぱい吸い込み、リムルルは深呼吸して見せた。
先程まで風一つ無かったが、木々がざわりと枝を揺らした・・・ような?
やはりこの子には自然の中が一番らしい。
坂道を登りきると、今度は石段の登場だ。
もの凄く長い石段というわけではないが、石灯籠が並ぶそのさまは
人がちっともいないのもあって意外と神秘的である。
「この上に、その神社があるよ」
そう言うと、俺は石段を一段一段上り始めた。
「まあ大した高さじゃないよ・・・って、あれ?」
リムルルが着いて来ていない。
石段を登らず、脇の林へと続く獣道を進んでしまったらしい。
確かにその方が木々は生い茂っているものの・・・
あわてて石段を駆け下り、後を追った。
夏場とは違い、雑草も生えていないから歩きやすいとはいえ、
リムルルの歩くのの速いことといったらない。
林のど真ん中で立ち止まったリムルルに、やっとの思いで追いつく。
「どうしたんだよ・・・うん?」
ドサリ。俺の問いかけに答える代わりに、リムルルはリュックを落とした。
目を見開き、肩を小さく震わせるリムルルの視線の先には、
艶やかな黒髪を風になびかせながら、穏やかな笑顔を浮かべる女性がいた。
45864:04/02/20 22:47 ID:qYVOnYvz
「・・・さま・・・ねぇさま・・・」
リムルルはふらふらと、おぼつかない足取りで歩を進める。
「・・・ねえさま・・・ねぇさまあああっ!!」
叫び声をあげると同時に、だっと駆け出した。
林の中を、女性めがけて走ってゆく。愛すべき、唯一本物の家族。
小さくなる背中を眺めながら、やれやれと俺もゆっくりその後を追う。
姉であろう黒髪の女性は、もう一度にこやかに笑うと、両手を広げた。
その胸に飛び込み、ぎゅうと姉を抱きしめるリムルル・・・のはずが。
「ねえさ・・・っきゃあ!」
女性の姿は、そのリムルルの目前で一陣の風に掻き消えた。
立ち止まることのできないリムルルは、落ち葉と枯れ草の中に
頭から突っ込んだ。両手を地面に突き、頭を上げると、何が起こったのか
わからないといった表情であたりを見回している。
ざっざっという俺の足音に気づき、視線を投げかけてきた。
「にいさま!・・・姉さま、どこ?」
「き、消えた・・・よな?」
「フン、コノ程度ノ幻モ見破レントハナ」
「!!!」
はるか空高くから、気味の悪い声が突如として響いた。
二人してはっと頭上を眺めるが、誰の姿も無い。しかし声は続ける。
「ツクヅク失望サセテクレル・・・貴様ガアノ娘ノ妹ダト?」
背筋が寒くなるような、声。
けげんそうな表情で、リムルルは天に向かい声をあげる。
「あ、あなた誰ですか?ねえさ・・・姉を知ってるんですか?どこ」
「黙レィ!」
男とも女ともつかない大声が響く。リムルルはびくっとして口をつぐんだ。
45964:04/02/20 22:48 ID:qYVOnYvz
「なこるるナラ知ッテオルゾ・・・シカシナゼ、妹ノオ前ガ?」
姉−ナコルルというらしい−の事を知っているという存在に、
こちらの世界で初めて出会ったのがよほど嬉しかったのか、
リムルルは先程の大声も忘れたかのように、嬉々として答えた。
「わたし、リムルルと言います!姉を探しに、この時代に来たんです!
姉は・・・やっぱり生きているんですね!」
「生キテオル・・・ソノ絶大ナル巫力ヲモッテ、
我ラコノ世ノ自然全テヲ、今ナオ守リ続ケテオル」
「よ・・・よかった・・・!姉に会わせてください!」
ストレートに、リムルルは自分の要求を口にした。
「ソレハカナワヌ望ミヨノ・・・」
「そっ・・・そんな!じゃあなんで、わたしをこの時代に呼んだのですか?」
あまりに夢も希望も無い返答に、リムルルは眉をひそめて反論する。
「イツ私ガ、貴様ヲコノ時代ニ呼ンダナドトイッタ?」
「ち、違ったのか!?」
そうだとばかり思っていた俺も、驚きについつい声が出る。
風がざわりと木の間を抜けていくと同時に、
厳しさを増した謎の声が再び降り注いだ。。
「りむるるトヤラ!イカニ貴様ノ巫力ガ僅カデアッタトシテモ、
我ラコノ世ノ自然ノ嘆キガ聞コエタデアロウ?感ジタデアロウ!
カツテ、大イナル災イノ脅威カラ我ラヲ救ッタ、偉大ナル貴様ノ姉ノ
巫力ヲ持ッテシテモ、破壊サレユク同胞ヲ守リキルコトハデキヌ!
ソノヨウナ一大事ノ最中、タカガ小娘一人ノタメニ、なこるるが
ソノ巫力ヲ一時デモ封ジテミヨ・・・コノ世ハ・・・地獄ヘト変貌スル」
それほどまでに自然の力が弱っていたとは・・・
だがリムルルは、必死に天に向かって懇願を続ける。
「お話はよくわかりました!姉が死力を尽くして
この世界と自然を守っているのもわかりました!
でも・・・話せなくても!会うだけでいいんです!お願いします!」
木々をざわめかせる風がふっと止んだ。
「・・・ソウカ、其レホドマデニ姉ヲ慕ウカ、会イタイカ・・・」
46064:04/02/20 22:49 ID:qYVOnYvz
次の瞬間、ゴウという強烈な風と共に怒号が降り注いだ。
「ナラバソノ身ヲモッテ!我ラノタメ、姉ノタメ贄トナレ!!」
一瞬のうちにさんさんと輝いていた太陽が見えなくなる。
雲が出たわけでも、太陽が沈んだわけでもない。空が文字通り暗転した。
そればかりか、あたりは薄気味悪い紫色の霧で囲まれているではないか。
昼間だと言うのに闇に沈む林の中、さらに叫び声が響く。
「イカニ未熟トハイエ、巫女ハ巫女!ソノ身体ト魂ヲモッテスレバ、
マダ暫ク、我ラモ生キナガラエルコトガ出来ヨウゾ!安心シテ逝ケ!!」
あまりにも傲慢で、狂気に満ちた台詞。本気で俺たちを殺すつもりだ。
「・・・狂ってる」
伏し目がちになったリムルルの口から、ぼそりと声が漏れる。
拳を握りしめ、今度はきっと空を睨む。
「私たちだって自然の一部だよ!忘れちゃったの?
そんな自分勝手おかしいよ!!」
「笑止ィ!昔話ハアノ世デシロ!家族ガ待ッテオルゾ!!!」
「話を聞いて!・・・まさか、自然の名を騙るウェンカムイ!?」
「戯ケエエェ!我ラニタテ突ク愚カ者ガァ!」
「うるさい!姉さまに会うまで・・・絶対に負けないんだから!!」
虫唾が走るような汚い台詞を連発する謎の声の主に対し、
リムルルは怒りをあらわにした。
髪が逆立ったかのように風になびき、眼光は今までに無く鋭い。
無言でリュックから自分の刀を取り出し、腰にぎゅっと装着する。
ジーンズとパーカーに小刀という出で立ちだ。
ピンクのリボンを揺らし、リムルルは俺のほうを振り向いた。
「にいさま、心配しないで・・・絶対に守るから。だからチチウシをお願い」
威厳の篭った物言いに、俺は黙って深くうなずいた。
46164:04/02/20 23:03 ID:qYVOnYvz
今日から新章、突入します。が。
今こうやって投稿して初めて気付いたんですが、長いです。2章。
書き溜めた分だけでも、冗談じゃなく今日の投稿の10倍(80k)はあります。
もう1章超えてます。俺は毎日一体何をしているんでしょうか。
萌えエロとバトル(シリアス?)を1:1で進めていくつもりではいるのですが、
さすがにまずいですよね、コレ。スレの趣旨と噛み合わないし。
それこそ私物化です。う〜ん・・・サイトでも作るか。
それとも、まとめてどこかにうpしていくか・・・

それはそうと、たくさんのレス感謝です。
思ったより人口あるんですね、ここw
462名無しさん@ピンキー:04/02/20 23:28 ID:E/yjP2I1
リアルタイムキタ━−━(゚∀゚)−━−━ッ!!!
個人的な感想ですが…
こういうのも悪くないんじゃないでしょうか?
少しはナコ絡みのシリアスな部分がないと
ただのロリSSになっちゃいますし。
463名無しさん@ピンキー:04/02/21 00:42 ID:K4yhU9Jk
>>461
私物化大いにけっこう!

ってのは冗談ですがエロとシリアスが1:1なら何ら問題ない比率かと思いますけど。
464名無しさん@ピンキー:04/02/21 00:52 ID:K4yhU9Jk
>>461
あと付け加えるなら、某スレで昨日めでたく1章が完結したSSは300kbオーバーでした。

何の問題もないヽ(゚∀゚)ノ
46564:04/02/21 22:14 ID:/nZmi1ye
>462氏
そうですね。なるべく皆様のリム像を崩すことなく、うまくオリジナルの
部分を織り込んでいけたら、と思います。

>463氏
しばらくは 萌えエロ:シリアス=1.0:1.5 ぐらいかもしれませんが・・・
エロテキスト書いてて楽しいのは当たり前なので、
いつかは比重が傾くことは想像に難くありませんw

>あと付け加えるなら、某スレで昨日めでたく1章が完結したSSは300kbオーバーでした。
( Д ) ゜ ゜
ま、まさかエロオンリーで300kbとかってオチはありませんよね?w
46664:04/02/23 00:32 ID:h7Touvsq
「死出ノ準備ハデキタナ!邪アアアァァァァァァ!!!」
耳障りな奇声と共に、またもや強風が吹き荒れる。
立ち止まり踏ん張らないと、俺でさえ体が中に投げ出されそうになる。
リムルルは、俺の懐へぼふっと押し戻されてしまった。
「! 何だこれ?!」
「にいさま!気をつけて!」
そう言いながら、リムルルはぎゅっと俺の服を掴む。
小さな身体を両腕でかばい、風の止むのを待つが一向に収まる気配は無い。
ほっそりと目を開き状況を確認すると、そこには目を疑うような
光景が広がっていた。強い風とともに舞い上がった木の葉や砂埃が、
ぐるぐると竜巻に変わり、徐々にいびつな両足と胴体を形作ってゆく。
頭を持つもの、持たないもの。腕が一本のもの。
全ての竜巻が消え風が弱まる頃には、ゾンビのようなグロテスクな外見を持つ
落ち葉や土くれでできた3体の異形に、俺たちは完璧に囲まれていた。
「ククッ。ワザワザコノ私ガ、直々ニ手ヲ下スホドノ事モアルマイ・・・」
不気味な嘲笑が、林全体に響き渡る。
「何だよこいつら?」
「わかんない・・・」
リムルルは首を横に振るだけだ。
俺たちの疑問に答えるかわりに、正面の異形が腕を振り上げ
逆手に持った小刀を振りかざす。動きはあくまでスローだが、危険だ。
リムルルは両足を開いて腰を落とすと、左手を前に突き出し
右手を腰のチチウシに回した。
「にいさま!後ろをお願い!」
「うっ後ろって!?」
後ろからは、鈍く光る爪を持った片腕の異形がじりじりと近づいてきていた。
こちらを見ていたわけでもないのに、どうしてリムルルは敵の接近に
気付いたのだろうか?だが、今は考えている暇などない。とっさに
チチウシの入ったリュックを背負い、足元に落ちていた木の棒を拾い上げた。
46764:04/02/23 00:33 ID:h7Touvsq
俺に剣術の心得があるはずも無い。やむなく正面で構えるが、このままでは・・・
「リムルル、やばい・・・って?」
振り替えるやいなや、美しい構えをとっていたリムルルはさらに腰を落とし、
「ひゅうっ」
地面を一蹴し5メートルほど先の異形との間を一瞬で詰めた。
それは「消えた」と言った方が正しかったのかもしれない。
かざした腕を振り下ろすどころか、相手の姿を感じ取る間もなく、
懐に潜り込んだリムルルに胴を切り裂かれた異形は、
音も無く土くれへと還った。
チチウシをしまい身をひるがえすと同時に、今度は薙刀のような
武器を持った異形が、どかどかとリムルルに向かって突進してくる。
仲間をやられたことに腹を立てたか、それとも本気を出したのか。
先ほどとは動きが変わり、幾分人間らしい。
だがリムルルは、チチウシをしまった姿勢のまま、動かなかった。
異形はここぞとばかりに左の肩口に狙いをつけ、
袈裟懸けに大振りの一撃を加えたが、
「そんなの・・・甘いよっ!」
リムルルは、膝をおとした姿勢を崩すことなく抜刀すると、
その軌道は薙刀の柄へと流れるように向かった。
カツーンという音の直後、槍は単なる木の棒に変わり、
大きく空振りした異形がリムルルにつんのめると、
虚空へと突き出されていたチチウシへ、そのまま吸い込まれるように
突き刺さり、これもまたもとの落ち葉へと還った。
あまりの瞬間芸に、俺は背後に忍び寄る危険の存在を忘れてしまっていた。
「にいさま!伏せて!!」
我に返って「しまった!」と思いながら、
慌ててその場に頭を抱えて伏せる。
ブン、という音。背中に嫌な風圧を感じる。異形の攻撃だ。
だがしかし、こいつも俺がまさか避けるとは思わなかったのだろう。
その場に伏せた俺につまづくと、頭から突っ込んで派手に転び、
そのまま形を失った。思った以上にもろい…。
46864:04/02/23 00:33 ID:h7Touvsq
「ホホウ、少シハ出来ルヨウダナ・・・」
天からの声が、またもあざ笑うかのように降り注ぐ。
「身体モ温マッタコトデアロウ。アノ世ヘノ餞別ダ、受ケ取レ」
その声に呼応するかのごとく漆黒の空が渦を巻き、一筋の雷が降り注いだ。
ドガッシャアァァァァン!地響きと轟音、そして目もくらむほどの
強烈な光と共に、俺たちの目前へ強烈な一撃を食らわせる。
「た・・・助かった?」
すんでのところで命を落としかねない状況だった。
「違うにいさま!まだだよ!」
へたんと尻餅を着いた俺を、リムルルがいなした。視線を戻すと、
稲妻によって落ち葉が火の手を上げ白い煙を吐いていたが、
煙が紫色へと変わった。何かの光を後ろから受けているのだ。
「極上ノ妖刀デ屠ッテヤルノダ・・・感謝シテホシイモノダナ。フン!」
風が巻き起こり、ぶわっと煙が晴れ、落雷の正体がその姿を見せる。
そこには、赤黒く錆付いているというのに、妖しい紫の光を発する
日本刀が、地面に突き刺さっていた。
「サァ!行ケィ、屠痢兜!!」
正体不明の声がまたも響くと、刀が勢いよく抜け、
自らその刀身を振り回し、巨大なつむじ風を発生させた。
そのつむじ風に巻き込まれていくのは、先程の3つの土くれである。
きりっとした表情で、妖刀の方に対し身構えるリムルル。
風の中、徐々に形をとりもどしていく土くれ。
だが、先程とは様子が全く違う。みるみるうちに大人の大きさを
超えたかと思うと、3メートルはあろうかという大男へとその姿を
変えたのだ。そしてその手には、空高くまで風を巻き起こし、
自らの力でその刃を振るう主を作り上げた妖刀が、しっかりと
握られている。
「こ・・・これはさすがにヤバいんじゃないの?」
身構えたままのリムルルに後ろから声をかける。
「下がってて」
「た、闘う気なのか?!」
46964:04/02/23 00:34 ID:h7Touvsq
だが、退路は既に絶たれているのだ。この暗闇の中、無事に
逃げられるとは到底思えない。俺たちにできることはただ一つ。
勝って生き残ることだった。
「フフン、特別ニ大キナ餞別ニナッテシマッタナ・・・逝ケ」
声が終わると同時に、異形はその刀を大きく振りかぶると、
ブンと一気に振り下ろした。
異形の目の前の空間が、歪んだように見えたかに思えたその直後。
「きゃっ?!」
「うおぉっ!」
爆発にも似た勢いで、異形の目前からズガガッと地割れが発生したのだ。
土煙と落ち葉を巻き上げ、かなりのスピードで俺たちの方へ向かって来る。
地割れの深さは大したことは無い。30センチも無いのではなかろうか。
しかしながらその勢いが凄まじい。間一髪でそれを避けたが、
地割れはそのまま、俺たちの後の林へと突っ込んでいった。
そして一本の木の根元に到達すると、ピラニアに食い付かれた水牛のごとく、
大木はあっという間になぎ倒され、哀れにもずたずたに切り裂かれてしまった。
根も、幹も、枝さえ判別できない、土煙の向こうで霞む大木だったもの。
地割れだと思っていたのは、強烈なかまいたちだったのだ。
あと一瞬でも遅かったら、ああなっていたのは
自分であったという事実が、嫌な汗となり背中を伝う。
引き裂かれた地面の向こう側には、細い腕で顔面をかばうリムルルがいた。
しゃがんだ構えで、次なる攻撃に備えているのだろうか。
相変わらず眼光は鋭い。
俺は一体どうしたらいい?と考えをめぐらせようとしたが、
そんな余裕を相手は与えてくれるはずも無かった。
一太刀目を外せば、もう一度その刀を振るうまで。そう言わんばかりに、
再び巨大な得物を頭上にかざし、振り下ろす異形。轟音を響かせながら、
またも発生するかまいたち。距離の開いた二人を同時に狙うことはできず、
地割れはリムルルの方へと疾走した。チータやライオンを思わせる
強烈な勢いで、獲物めがけて突進してゆく。
47064:04/02/23 00:35 ID:h7Touvsq
「!!!」
激しい土ぼこりの向こうへ、リムルルは消えてしまった。
先程よりも勢いが強くなったようにも思われる。
もうもうと立ち込める煙に目を凝らすが、影さえ見えない。
相当なスピードを持っていた一撃だ。まさか・・・?不安がよぎる。
「リムルル!・・・っ?!」
言いかけたところで俺は、はたと異形の方を振り返った。
当然ながら次は俺の番だ。じりっとこちらに向きを変え、
大男が再びゆっくりと得物を振りかざした瞬間。
リムルルを襲ったかまいたちによって、もうもうと地面から垂直に立ち上る
煙が一変し、異形の方へとなびくやいなや、何かが突然異形の目の前に飛び出した。
「りゃあぁーっ!」
気合の入った女の子の声。リムルルだった。
3メートルの高さをものともしない跳躍力で、
煙を引きながら異形のわき腹へと突進した。
右手に逆手で握られたチチウシが輝き、弧を描く。
迷いのない切っ先は、異形の右腕の根元を完全に捉えていた。
ザムッ!草木を鎌でなぎ払うような音。
ガスゥーンッ!!地面に妖刀が突き刺さる音。
そして、音も無くひらりと異形のうしろに着地するリムルル。
一瞬のスキ・・・まだ闘いは始まったばかりだというのに、
それを見逃すことなく敵を仕留めるとは、もの凄い闘いの才能である。
「・・・!」
声を発するための器官を持たない異形が、悲鳴をあげたような気がした。
膝からどさりと崩れ落ち、そのまま地面に突っ伏した異形は、
ばふっと煙を上げると、再び土へと還ってしまった。
だが依然として異形の得物は、次の主を待つかのように
地面に突き刺さったまま妖しい光を放ち続けている。
47164:04/02/23 00:36 ID:h7Touvsq
リムルルはチチウシをしまうと身をひるがえし、こちらに向き直った。
「やっぱり・・・刀が!にいさまっ!足元の石!それで叩き折っちゃって!」
もやの向こうのリムルルが叫ぶ。言うとおりで、足元に漬物石ぐらいの
ヤツが落ちていた。いつまた攻撃が始まるかわからない。
両手で石を持ち上げ、妖しく鈍く光る刀へと駆け寄り、
「そーりゃっ!」
そのままの勢いで、刀身の真ん中へと石を放り投げた。
「チィッ!コザカシイ真似ヲ!」
再び空から例の声が響き渡ると、刀は不気味な紫の光をぶわっと増幅させ、
あっという間に天高く上っていった。その後には、俺の放り投げた石が
ごろりとむなしく転がるだけである。
「フン・・・思ッタヨリヤルヨウダナ・・・シカシ」
「あなた・・・知ってるんでしょ?姉さまを返してっ!」
「・・・ムゥ?ムム・・・」
人差し指を空に向かって突き出し、怒り収まらずといった表情で
リムルルが叫んだ。こちらを見下しきった声が、急に止まる。
「ナニ・・・巫力ガ?コンナ馬鹿ナコトガ・・・」
「姉さまに何かしたら、何かしたら・・・」
「オォ・・・オオオオ!」
「絶 対 に 許 さ な い ん だ か ら ね っ !」
こぶしをぎゅっと握りしめ、思いきり叫んだその時。
「えっ、うわっ?!」
リムルルを中心に、ぱあっと太陽の光が戻った。
いや、正しくはリムルルから、まばゆいほどの光が溢れたのだ。
陽の光と見間違えるほどの、それほど温かい、気持ちの良い光。
その光に押し流されるかのように、墨を流したような空には
あっという間に冬晴れの青空が戻り、気味の悪かった黒い霧も、
瞬きの直後には掻き消えていた。それどころか、ズタズタに切り裂かれた
木々が光に包まれると、その形を取り戻してゆくではないか。
47264:04/02/23 00:37 ID:h7Touvsq
林の風景が来たときと変わりなくなると、リムルルの光は収まった。
ふわふわとなびく髪が落ち着く。
「はあっ・・・はあ・・・許さな・・・ぃ」
肩で息をしているようだ。そこまで言うと、怒りに震える体から力が
抜け、がっくりとひざを突くと、その場にへたり込んでしまった。
「だっ、大丈夫か!?」
慌てて駆け寄り膝の上に寝かせてやると、リムルルは目を閉じたまま
今度は眉を寄せて苦しそうに息をし始めた。
「ゆるっ・・・はぁ・・・さないぃ・・・ふぅ・・・あっ、はぁっ・・・!」
「やべ、すごい汗だ・・・おいっ!?リムルルしっかりしろって!リムルル!」
肩を揺するが返事が無い。俺の膝の上で、ぐったりとするだけだ。
「素晴ラシイ・・・ちからダ!」
空の色は戻ったというのに、忌々しい声が再び降り注ぐ。
「まだ居たのかてめぇっ!」
「・・・人間風情ガ、ナメタ口ヲ聞クデナイゾ?」
「うるせぇ!子供相手に何てことしやがる!こいつはもう闘えない・・・
まだやるってんなら相手してやらぁ!」
「ヌハハハハハ!威勢ノ良イ事ダナ!!ダガ、オ前ノヨウナ輩ニハ、
コレ程ノ用モナクテノ・・・用ガアルノハ・・・ソノ娘ダケダ」
「ぜってー渡さねぇ!こいつは大事な妹なんだ!」
「驚イタゾ・・・貴様モ見タデアロウ?ソ奴ノちから・・・ソレコソガ、
大自然ノ巫女ノ持ツちからナノダ・・・マサカ、タダ一度ノ闘イノ中デ、
ソレ程マデニソノちからを増幅サセルトハ・・・欲シイ!欲シイゾォォォォ!!」
気の狂った声が、林の中を駆け巡る。確かに、さっきの太陽にも
似た光・・・そして、ばらばらに砕け散った木々をも一瞬にして治癒して
しまう、リムルルが持つその力。しかし今はそんなことは問題ではない。
47364:04/02/23 00:38 ID:h7Touvsq
「馬鹿言え!あんたが誰か知らねーけどな、ぜってーに渡さねぇかんな!」
「我ノ話ハマダ終ワッテオラン・・・口ヲ挿ムナ」
「んぐむ!?」
息が詰まる。あろうことか、口が開かなくなってしまったのだ。
「〜! 〜〜〜!」
声を発するどころか、うめくことさえも出来ない。
「小娘ガ欲シイノハ確カダ。ダガ、マダマダソノ程度ノちからデハ足ラヌ・・・
男ヨ!小娘ニ伝エヨ!ソノちから、存分ニ振ルウ事ガデキル様ニナッタ時、
再ビアイマミエヨウゾ、ト!」
一方的で自分勝手な伝言を俺に残したっきり、もう再び空から
声がかかることはなく、俺にかかっていた呪いのようなものも
すぐに解けた。
「・・・っあ!ぷはぁ〜!」
空には、神社へ来たときと同じ冬の太陽が輝いていた。
だが、依然としてリムルルは俺の膝の上で息を荒げている。
「おい、リムルル・・・しっかりしてくれよ・・・なあ!」
「はーっ、はぁーっ・・・うぅっ・・・んぁ」
苦しそうに眉間にしわを寄せ、
真冬だというのに紅潮した顔を玉の汗が伝う。
「リムルル・・・」
「は、に・・・にい・・・たまぁ?」
程なくして、リムルル重いまぶたを、やっとの事で開いてくれた。
しかしその瞳はうつろで、どうやら視界もはっきりしないらしい。
「よかったぁ〜、大丈夫か?俺のこと、わかるんだな?」
もう一度肩を揺すり、小さな手をぎゅっと握りしめる。
「はぁっ・・・はぁ・・・」
荒かった息が、少しづつ普段の様子に近づいてくると、
何やらもう片方の手を、俺の顔の方に差し伸べてきた。
47464:04/02/23 00:39 ID:h7Touvsq
「うん?リムルル?何だ?」
「にぃ、さま・・・お怪我・・・ほっぺに・・・」
「えっ、ありゃあ〜」
今の今まで気づかなかったが、左の頬に少し大きな切り傷が出来ている。
木屑か小石か何かが頬を掠めたのだろうか。拭うと、血がべっとりと
俺の手の甲を染めた。
「ちゃんと・・・治さないと・・・ね」
そう言うと、リムルルは俺の傷口のあたりをすっと撫でた。
指先が軽く触れただけなのに、温かくて気持ちが良い。
「血で汚れちゃうぞ?やめとけって」
「痛く・・・ない?」
「おう、全然平気だ。さ、負ぶってやるよ・・・ほら」
「ん・・・」
依然ぐったりとしたままだが、意識があるうちにここを抜け出した
ほうが良い。羽のように軽いリムルルを背中へと回し、何とか
身体を支えてバランスを取ると、林の中をざくざくと抜けていった。
両腕を俺の首に回すリムルルが、耳元でささやく。
「にいさま・・・?」
「ん?」
「おけが・・・だいじょ・・・ぶ?」
片手を回してきて、頬を拭う。
「ああ、なんとも・・・あれ?」
垂れてきているはずの血が、一滴さえ手のひらに広がらない。
もう一度触れてみるが、痛みはおろか傷口さえ無くなっているのだ。
「・・・!リムルル、お前・・・さっき触ったとき?」
「すぅ・・・すぅ・・・」
リムルルは俺の質問に答える代わりに、昨晩と同じような
安らかな寝息を立てるだけだった。
47564:04/02/23 21:12 ID:gCUR6FTl
訂正
劇中にてリムルルがチチウシを振るっておりますが、
正しくは「ハハクル」です。何で気付かなかったんだろう・・・  OTL
476名無しさん@ピンキー:04/02/24 03:45 ID:rFSijOf7
      ○ゲンキダセ!
      ノ|)
 _| ̄|○ <し
477名無しさん@ピンキー:04/02/24 14:00 ID:K8+ia0XJ
>>475
いつも乙です。
アクション&シリアスシーンがあると普段のほのぼのが引き立ちますね。
引き続き期待です。
47864:04/02/24 23:38 ID:w34B0uTi
>476
             ヽoノ モウ タチナオッタヨ! トンクス!!
           へ//
             >
>477
ドラマ自体はリムルルに変な力があったり、他にも色々
独自の解釈をかなり含んではいますが・・・がんがります(・∀・)
47964:04/02/25 20:26 ID:dV+hHpjg
「おばーちゃん!はぁ、はあ・・・おばあちゃん・・・こっ、これ・・・チチウシ?」

「やだ・・・絶対に嘘だよ、違うよ・・・ね・・・っ、ねっ、ねえさまが・・・
そんなわけ・・・うっ・・・あぁぁ〜ん」

「わたしはコタンのため、自然のために闘う、けど・・・けどっ!!」

「何で決め付けるの?勝手なことばかり言わないで!」

 姉 さ ま は 絶 対 、 生 き て る ん だ か ら !


「・・・っは!」
ぱっと目を開き、夢から覚める。姉さまがいなくなってからの夢だ。
広がる視界には、穏やかな木漏れ日。かすかに聞こえるのは、枯葉の舞う音。
そして、頭の下の暖かな感触。
「は・・・あ・・・にいさま・・・」
わたしは、にいさまの膝を枕にして眠っていたのだ。けど肝心のにいさまは、
私の片方の手を軽く握ったまま、こくこくと居眠りしている。
「・・・ぐぅ」
どこの誰かも知らないわたしを助けてくれた、優しいひと。
困り果てているわたしのために、兄となってくれたひと・・・
眠っている顔を見たのはこれが初めてだ。
いつも優しい顔をしてるけど、寝ているときの顔は子供みたい。
思えば、よその男の人とこんなに親しくなったのは初めてだ。
48064:04/02/25 20:27 ID:dV+hHpjg
「にいさま・・・」
大きな手を、ぎゅっと握る。なんだか懐かしい・・・。ずっと昔のこと。
霧の向こうに霞む、あやふやな記憶。わたしが、今よりずっとずっと
小さかった頃。いろりのそばで、泣きべそをかく私の手をこうやって
握ってくれた、あの手。森の中で迷子になった私を、見つけ出して
抱きしめてくれた、あの手。もう、よく覚えてない。だけど、忘れられない。
目の辺りが熱くなり、風景がゆらゆらと揺れる。にいさまの顔が、
陽の光の中に溶け込んでゆく。
『やだ・・・わたし・・・』
ぎゅっと目を閉じると、思い出が頬を伝っていった。
それでも、じわじわとまた溢れてくるのがわかる。まぶたの内側に、
たっぷりと。閉じた目もう一度開く。今度は思い出がこぼれないよう、
静かに。徐々に広がる世界は、さっきよりもいびつな形をしていた。
木漏れ日が照らすその空間は、ゆりかごのようである。そして、
柔らかな光の向こうに、おぼろげに浮かぶ表情。
「・・・!」
茶色がかった黒い瞳に映るのは、太陽の中でわたしに笑いかける、
懐かしい顔。
「リムルル・・・」
発せられたのは、心の奥まで響くような、包み込む声。
「リムルル・・・」
たまらずその顔に手を差し伸べる。
「あ・・・はあぁ・・・」
温かな肌の感触。それは確かに、涙の向こうに存在していた。
「と・・・とうさま・・・」
48164:04/02/25 20:28 ID:dV+hHpjg
「・・・んがっ?おっ、やべ・・・」
いつの間にか、俺は居眠りをかましていたらしい。
あの後林から出た俺は、石段を登り、神社にあったベンチに
リムルルを寝かせると、起きるまで待つことにしたのだ。
まさか眠ったままのリムルルと、二人乗りするわけには行かない。
しかし・・・午前中の僅かな時間に、あまりにたくさんの出来事。
奇妙な怪物。謎の声。そして、リムルルのちから。
子供の頃は冒険の世界に憧れたものだったが、いざ現実のものと
なると、まだ夢でも見ていたんじゃないかという錯覚に陥る。
冬にしてはぽかぽかとする陽気の中、膝の上で眠るリムルルに
視線を落とすと、いつの間にか起きていたようだ。
ぼんやりと、俺の顔を眺めている。だがその目には涙を溜め、
頬にはきらりと光る筋。
「リムルル・・・」
俺が居眠りしている間に、また、悲しい夢でも見たのだろうか。
「リムルル・・・」
もう一度呼びかける。すると今度は、開き切らない目から
大粒の涙が溢れ、切ない笑みを浮かべながら、俺の顔に手を
差し伸べてくるではないか。
「あ・・・はあぁ・・・」
ため息にも似た、か細い感嘆の声を上げるリムルル。そして。
「と・・・」
「と?」
「とうさま・・・」
「ん?!」
「生きてたんだ・・・」
夢見心地なのだろうか?あろうことかリムルルは俺のことを、
亡くなったという親父さんと勘違いしているらしい。
懐かしそうに俺の頬を撫でながら、胸を締め付ける笑みを再び俺に向ける。
48264:04/02/25 20:29 ID:dV+hHpjg
「・・・」
「もっと早く、会いたかったのに・・・」
「リムルル・・・!」
「とうさま、あのね・・・また、一緒に暮らせるよね?」
泣きながら、ぽつり、ぽつりと叶わぬ願いを口にするリムルル。
まさか、記憶喪失とかじゃあるまいな!?さすがに心配になってきてしまった。
「おい!リムルル!!」
俺の顔を撫でていた手をしっかりと握り、少し大きな声で呼びかけた。
「へっ、あ・・・あれ?にいさま・・・」
リムルルは涙を散らし、もう一度俺の顔を確認する。
「よかった・・・大丈夫なんだな」
「あの・・・ん・・・?あれ・・・?」
俺の膝の上で、首を横に傾ける。だが、そちらには何も無い。
「夢でも見てたのか?」
「えっ、あのね、あの・・・」
ベンチに手をかけ、リムルルはゆっくりと身体を起こすと、
「そう、夢だったんだよ・・・ね」
真っ赤な目を軽くこすって、なんとなく微笑んだ。だがその表情には、
落胆の色しか見えない。我ながら無粋なことをしてしまった・・・。
「その、起こして悪かったな・・・お父さんの、夢だったのか?」
「! 何で?なんでにいさまが知ってるの?!」
心底驚いた顔で、俺の顔を覗き込む。やはり、夢をと現実の区別が
ついていなかったらしい。
「俺とお父さんのこと、勘違いしてたみたいだぞ?」
「えぇっ!じゃあ・・・さっきの・・・。ごっごめんねにいさま・・・本当に・・・」
言い終わると、リムルルは俺から自分の両手へと視線を落とした。
さっきの感触は何だったのか、と言わんばかりに。
48364:04/02/25 20:29 ID:dV+hHpjg
「別にいいんだよ!そんなこと。リムルルが元気ならさ」
「えっ、わたし?うん、もうだいじょぶ!にいさまは?」
リムルルは元気げんきと、力こぶを作るような仕草を見せた。
「俺は全然平気だよ。リムルルが治してくれたし」
「わたしが?何を?」
「いやほら、ほっぺに怪我してたじゃん、俺」
先程の怪我のあたりを自分で突いて見せたが、
「?? 知らないよ、そんなこと・・・つるつるだし」
全く話が噛み合わない。まさか?
「え、それじゃあどうやって林から抜け出したかも?」
かぶりを振るリムルル。
「自分がビカーッて光ったのも?」
「全然知らない・・・わたし、何かしたの?」
本当に覚えていないなんて・・・。
「ま、まあいいや。帰ってからにしよう。なんか混乱してきた」
「ビカーッて?そんなの・・・覚えてないよ。それに・・・
姉さまのことも結局全然分からなかった・・・コンルも・・・」
困惑した表情が曇り、しょんぼり下を向いて肩を落としてしまった。
だがこれ以上、落胆されても困りものだ。
「そ、そうだ、リムルル!昼ごはん食べに行こう」
「・・・そう言われてみれば・・・お腹すいたね!」
少し無理をしているようだが、空腹なのは本当のようだ。
「何が食べてみたい?」
「えーっとね・・・昨日のやつ!」
「またうどんかよ!?」
「だーっておいしいんだもん!」
そんな他愛の無い会話を交わしながら、俺たちは神社をあとにした。
48464:04/02/25 20:30 ID:dV+hHpjg
その夜。
「にいさま!早く〜」
「はいはいはい・・・っと」
カラララ・・・と扉を開け風呂場に入ると、裸のリムルルが桶にお湯を
入れて待っていた。白い湯気の向こうでにこにこと笑っている。
「はい!背中向けて!」
「準備いいなぁ」
ザアァ・・・昨日と同じように、背中を流してくれる。
「ほら、今度は俺の番だ」
小さな背中に戦いのねぎらいを込め、俺もゆっくりとお湯をかけてやる。
「どれ、今日はこいつで身体を洗ってやろう」
「え?うわ、これなぁに?ふわふわだぁ〜」
「ん?これはスポンジって言うんだ。こうやって石鹸を染み込ませて・・・」
いつもより多くボディーソープを染み込ませると、リムルルに手渡した。
「ほら、手で何度も揉んでごらん?」
「うん・・・わ!わぁぁ〜、すごい泡!」
ぼわぼわと泡立つスポンジを見て、興奮しきりといった感じだ。
「どれ・・・貸してごらん?こいつでな、こう身体をごしごし・・・」
リムルルの腕を取ると、スポンジを軽く当て、滑らす。
「いいにおい・・・それに気持ちいいね〜」
「だろ?」
「にいさま、腕だけじゃなくて他のとこも!」
ごしごしと腕を磨き上げる俺に、リムルルからの意外なリクエストだ。
「え、自分でやんないの?」
「やってやって!私がにいさまのこと洗うから!」
その上、あろうことかリムルルは洗いっこの提案をしてきた。
「よ、よし、わかった」
そう言うと俺は背中に回り、小さな身体を再び洗い始めた。
48564:04/02/25 20:32 ID:dV+hHpjg
首筋から肉の薄いお尻にかけてを念入りに磨く。
「これいいね〜、う〜ん・・・」
心底気に入ったらしく、甘ったるい声を出すリムルル。
後ろから腕を回し、脇の下からお腹にかけてを洗ってやると
「きゃ・・・やっ!あは、あははは!!」
くすぐったいらしい。リムルルはいすの上で身をよじり、
俺のスポンジ攻撃から逃れようとした。
「ほ〜れ、こちょこちょ」
調子に乗った俺は、四角いスポンジの角でさらに脇の下をなぞる。
「いひっ・・・にい・・・さまははは!やめっ、ちょ・・・いじわるぅ!
だから、うふっ、クスクス・・・」
右に左に、魚のようにばたばたと暴れる。
「んもー!いい加減にしてよ!」
頬を膨らませたリムルルに、腕をぎゅっと脇に挟まれてしまった。
「はは・・・ごめんな」
謝りながら、俺はリムルルの正面へと移動した。
腕や首筋、それからお腹は泡だらけなのに、意図的に避けてきた
胸だけがその姿を露にしている。まるで逆水着だ。まさかここで、
胸だけを洗わないわけにはいかない。もう一度良くスポンジを揉み、
泡をしっかりと出すと、左の胸の下から優しくスポンジを当てた。
僅かな膨らみが、徐々に白く染められあげてゆく。
「〜♪」
別になんということも無い感じで、リムルルは鼻歌を歌いながら
俺が身体を洗う様子を見ていた。
薄紅色に染まった可憐な乳輪を中心に、まだまだ固くて青い二つの果実に
くるくると泡を塗りたくる。そしてその果実の小さな頂、最も敏感な
部分にスポンジを当てようとしたとき、
「あ、にいさま?そこは優しくね」
まるで性的な事に疎いリムルルの口から、驚くべき台詞が出てきたのだった。
48664:04/02/25 20:34 ID:dV+hHpjg
「え、あ?はいはいはいそりゃそうですよ」
おかしな口調で要求に応じる俺。しかし急に何故?釈然としないまま、
そっとピンクの乳首に指でふわりと泡を載せる。
「あっ・・・」
リムルルが、少し甘い声を出したような気がした。クリームで飾った
いちごのデザートのような、食べてしまいたいほどに可愛いその
小さな乳首を、くりくりとスポンジの角で優しくこねる。
「あ・・・そ、そんくらいね?」
未熟な身体がぴくんと跳ね、リムルルは上ずった声を上げた。
「それでさ、どうしてここだけ優しくするんだい?」
俺は、半ばいじわるのつもりで聞いた。
「前にね?温泉から出て姉さまの事、拭いてあげた時にね?
お胸にちょっといたずらして、おっぱい出るとこつついたの。
そしたら何か怒られちゃって・・・ひゃ」
「そりゃ怒るだろ」
「それからね?わたしも自分のつついてみたら・・・あぅっ・・・そしたらっ、
ちょっと痛かった、からぁ・・・優しくね」
「何考えてんの!痛くなるほどつついちゃダメだろ!」
「うん、反省してるぅ・・・あっ、けどっ、にいさまが・・・やっ・・・
洗ってくれるとぉ、何かきっ、気持ちいい、かもぉ・・・ふあっ」
かなり弱くしか洗っていないにもかかわらず、いや、逆にそれが
おそらくは性経験のない少女の身体に功を奏したのか、リムルルは
顔を紅潮させ椅子の上で細い身体をよじらせ、その小さな胸に
加えれられる刺激の感想を率直に述べた。きもちいい、と。
「あっ、やん・・・に、にいさまぁ・・・もういいよぉ、十分、きれい・・・に」
「お、ごめん、ホントごめん」
「ううん・・・ありがと」
色っぽい反応に見とれていた俺の腕を、リムルルがぎゅっと握って
制止をかける。怒られるかと思ったが、俺の意に反してリムルルは
少し惚けの抜けない顔のまま礼を言うと、さっきの話を続けた。
48764:04/02/25 20:37 ID:dV+hHpjg
「けど・・・ねえさまのとわたしの、全然形違うんだよね」
「そりゃまだリムルルは若いから・・・昨日も言ったろ、これからまだまだ」
「ううん、胸の大きさじゃなくて。おっぱい出るとこ」
「え」
引きつっているであろう俺の顔を気にすることなく、
リムルルは思春期爆発の話題を俺に向けた。
「姉さまのはね?この・・・先っちょがこう、ツンて出てるの。
何ていうのかなー、お豆がついてるみたいに」
「・・・」
「友達の中にも、ねえさまみたいになってる子もいるんだよ?けどねー?」
言いながら、リムルルは泡で隠れた自分の胸の先端を指でなぞり、露出させる。
「ほらぁ。わたしのここ、さきっぽあんまり出てこないんだ」
確かにリムルルの乳首はまだあまり発達しておらず、膨らみ始めた幼い
胸特有のぷくりと膨らんだ乳輪の先端から、ほんの少し出っ張っている
程度である。しかし、まだ性徴が始まったばかりなのだ。そんなに急に
乳首が発達するわけもないだろう。
「ぃ、い・・・いやいや、大丈夫だって。そうなるから」
「そうだよね?大人になったら姉さまみたいになるよね?」
「ま、まあ、大体は」
ここで陥没している例を挙げたところで、どうにもならないだろう。
それよりもここは風呂。タオルで隠しているとはいえ、少女の独白に
俺のが反応していないわけが無い。これ以上の話題は避けないと、
本格的にテントを張ることになってしまう。好奇心旺盛なリムルルの
ことだ。気付かれて悪戯なんぞされたら、俺の理性が持たないだろう。
「ま、そういうことだ。心配ない!」
「ほんとぉ?」
「うんうんホント。ほら、立って。脚を洗うよ・・・ぉ」
誤魔化したつもりが、そこにはさらなる関門が待ち受けていた。
俺の目線の真正面に、立ち上がったリムルルのきれいな割れ目が
晒されているのである。
48864:04/02/25 20:38 ID:dV+hHpjg
「ぐぅ・・・む」
「どしたの?にいさま?」
「ナンデモナイヨ・・・3.141592・・・」
少女のものとはいえ、久しぶりに見る女性のそこは十分すぎる刺激だ。
円周率をでたらめに唱えながら、すらりとした脚をごしごしと洗う。
「にいさま!ちょっと強い!」
「たっ?あぁ、すまん」
ぽこぽこと上から軽くリムルルに小突かれて初めて、力む右手に
気がついた。
「も〜、どうしちゃったの?にいさま」
「ナンデモナイッテ・・・ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ・・・」
「?」
視線をそこに向けぬよう、俺はちゃっちゃと両脚を磨き上げた。
「はいおしまい!そこは自分で洗いなさい!」
「そこって?」
「おしっこ出るとこ!」
「うん」
リムルルは俺から泡をもらうと、胸同様に未熟な縦すじを
上下にまさぐる様になぞり洗った。その熱心で初々しい仕草が、
俺の下半身への血流をまた一段と促進する。
「も、もういいだろ。流すぞー」
シャワーをかけてやると、泡が瑞々しい肌から滑り落ち、石塊から
ヴィーナスの彫刻を彫り出すように、なめらかな身体が再び露になる。
「あー!なんかすごくさっぱりー!」
ぐぐっと、リムルルは背伸びをした。
「よーし、それじゃあ次はにいさまの番だよ!」
「えっ、いや今日はいい・・・テントが」
「だめだよ!わたしばっか洗ってもらったんじゃ不公平!」
「俺は大人だから・・・って、あっ!」
そこまで言ったところで、リムルルは俺からスポンジを奪い取った。
間髪居れず、ボディソープのポンプをガシガシガシと押し、
ちょっと出しすぎだろうというほどたっぷりの泡を発生させた。
48964:04/02/25 20:40 ID:dV+hHpjg
「はーい、背中からいきまーす」
仕方なく、椅子に座って背中を向ける。
ごし、ごしと丁寧に優しくこする感触が気持ちよい。
「どうですかー」
「ん〜、上手いな・・・やってもらって正解だったかも」
「へへへ・・・」
いつもの調子の照れ笑いが、背中から届く。
「みぎうで〜♪ ひだりうで〜♪」
今度は俺の前にひざまずいて、即興の歌を披露しながら、片腕づつ
まんべんなく洗い上げてくれる。夢のような光景だ。何せ、ただでさえ
可愛いリムルルがその可憐な姿を全て晒したまま、俺の前で膝を突き
微笑みながら身体を磨いてくれるのだから。そのリムルルの視線が、
俺の胸に止まる。
「当たり前だけど、にいさまの胸固いねー」
身体を洗う手を休め、胸板のあたりを指で突付いてきた。
「そりゃそうだ。膨らんでたら気持ち悪いだろ」
「男らしくてかっこいいよっ!」
そう言うと、今日は正面から俺に抱きついてきた。脇の下に腕を回し、
泡だらけの胸に顔をすり寄せてくる。
「おいおい・・・」
「うふふ〜、にいさま〜!大好き!」
屈託の無い笑顔。しかも、「大好き」というとびきりのおまけつきだ。
どきりとすると同時に、何ともいえない安堵を俺に与えてくれる。
「そか、ありがとな」
シャワーのしぶきを浴びてキラキラと輝く髪を撫でてやる。
「もっと、なでなでーって、して・・・」
俺の胸の中で、リムルルは小さな声でおねだりした。
「よしよし・・・なでなでなで・・・」
「うふふ・・・ありがと!」
しばらく撫でてやると、満足したらしい。少しうっとりとした
表情をすると、リムルルはぱっと俺から離れ、続きを始めた。
あぁ、幸せだぁ・・・
490名無しさん@ピンキー:04/02/25 22:53 ID:H73qEQyf
もももも萌え殺す気ディゥアウァ!!!!!?(゚∀゚)
491名無しさん@ピンキー:04/02/26 01:06 ID:Nz0aojP3
もう我慢できない
今から夜の街にムヒョスと繰り出して野良リムルル探してくる
捕獲してお持ち帰りしてお顔を舐めるヾ(。Д゚)ノ゙
492名無しさん@ピンキー:04/02/26 01:09 ID:7V8Tp3Ql
>>491
お、お供します!
493名無しさん@ピンキー:04/02/26 01:23 ID:Nz0aojP3
>>492
( ゚∀゚)人(゚∀゚ )
494名無しさん@ピンキー:04/02/26 01:30 ID:havBnIKV
こ、殺されるっ! 64氏もとい64様に萌え殺されるぅ

エロ部突入ですね(ニヤニヤ
この萌え度はヤバイ、読者全員逝ってしまうのでは?
理性を保ってるのは"にいさま"だけという…
495名無しさん@ピンキー:04/02/27 18:24 ID:you1IbJZ
>>491
すまんな。
喪前の街の野良リムルルはさっき漏れが確保した。野良閑丸と一緒にな。
今は漏れが作った味噌チャーハンを貪るように食っている最中だ。
余程腹が減っていたんだろう。

と言う訳で、これからリムルルと閑丸のほっぺたやら鼻の頭やらにくっついた
飯粒を舐め取ってくる。
アディオスヾ(。Д゚)ノ゙
496名無しさん@ピンキー:04/02/27 20:50 ID:Ql7OBivM
_| ̄|○
497名無しさん@ピンキー:04/02/27 21:08 ID:n18tgSmE
>>495
いいご趣味をなさってますね
49864:04/02/27 23:13 ID:SXfHNe/p
なんだか凄い流れだ(;・∀・) 楽しんで頂けたようで何よりです。
次回のうpまではしばらく間が開きそうでつ。
他の職人様方の続きが気になりますね・・・みなさんお元気でしょうか。
499名無しさん@ピンキー:04/03/01 00:15 ID:EuuU+6wO
。゚(゚´Д`゚)゜。
500名無しさん@ピンキー:04/03/01 00:52 ID:iYmoxP5w
500get
501名無しさん@ピンキー:04/03/01 22:52 ID:Hb3X4jZ2
>499
何を泣いているんだい?おじちゃんに話してごらん

>500
無事に半分到達だぁ。キリ番おめ
502名無しさん@ピンキー:04/03/01 23:40 ID:EuuU+6wO
>>501
。゚(゚´Д`゚)゜。 姉さまぁ…
503名無しさん@ピンキー:04/03/02 00:20 ID:TffSTiyd
>502
なんか矛盾しとるぞ
504名無しさん@ピンキー:04/03/04 00:24 ID:PWPQwbCZ
おねにーさまー
50564:04/03/04 23:21 ID:W40yC+lq
けたたましい騒音。ひっきりなしに降り注ぐアナウンス。
押し寄せる人波。電車を乗り継ぎ、ビルと人で溢れかえる都の中心へと
俺たち二人は降り立った。今日はレポートの再提出日だったのだ。
とはいっても、リムルルがいる以上、半分は観光目的なのだが。
「ここが、この国でも中心に近い場所だよ。どうだ?」
ホームから地下道へと降りると、右へ左へと流れる人の群れを前に、
リムルルの動きが止まってしまった。
「・・・し、信じらんない・・・何?ここに世界中の人が集まってるの?」
途方も無いスケールの違いに、リムルルはただ圧倒されていた。
「まあ、その言い方は間違ってないかもね。たくさんの人が、
いろいろな物を求めてここに来てるから・・・って、大丈夫か?」
さっきまでの呆け顔が、今度は青白くなっている。
「う・・・なんか・・・びっくりしすぎて・・・きっ、きもちわるぃ」
「まずいな。とりあえずこっち行こう、な」
電車の中でも相当な大きさの街だということは再三伝えてはいたが、
まだ現代に来て間もないリムルルには心臓に悪かったらしい。
人でごったがえす地下からリムルルの手を引いて一気に階段を
駆け上がり、比較的人通りの少ない出口へと脱出した。
「すまん、大丈夫か?リムルル」
「うん・・・だいじょぶ・・・もう平気」
膝に手を突き、リムルルはふーっとため息をついた。顔を上げ、
気を取り直して辺りを見回しているが、やはりその風景を
見つめる顔は呆気にとられたままだ。
「おっきな建物だらけだろ?」
「うん・・・山の代わりにお城があって、樹の代わりに柱があって・・・
川の代わりに、たくさんの道路・・・流れてるのは・・・人と乗り物」
故郷の風景と現代の様子を照らし合わせ、何だか寂しそうな表情を
リムルルは浮かべた。
50664:04/03/04 23:23 ID:W40yC+lq
「空気も人も、全然違うね。みんな大丈夫なのかなぁ」
「大丈夫っていうと?」
「あのね、何か・・・みんな生きてるんだけど、余裕がなくて焦ってるみたい」
「・・・」
確かに、目の前をせわしなく通り過ぎる人々の顔は、どれも忙しそうだ。
仕事で動き回る背広のおじさんも、遊びに来ている若者も、ここでは
何となく背中を押されているような、自分の意思とは関係なくせかせか
と動きまわされているような、そんな印象を受ける。
「うん、リムルルのいた時代とは違ってね・・・みんな忙しいんだよ。
楽しいことも増えた分、今度は遊ぶことにも忙しいんだ」
「そっか。それじゃみんな疲れちゃうだろうね。けど・・・」
「うん?」
「にいさまは違うね。のんびりしてるね?」
くるりと俺の方を振り返ったリムルルが、ぶらぶらゆっくりと
歩く俺の顔を覗き込む。
「そ!焦っても仕方ないんだよ〜。ゆっくり生きるのだ・・・って、
まるで俺が暇人みたいじゃん!」
「え?それじゃ忙しいの?」
「全然忙しくありません」
「あははっ!な〜んだ!」
タコのようにふにゃりと力を抜くような動作を見せると、
リムルルは愉快そうに笑って俺のまねをした。タコ二匹。

・・・場所は変わって、ここは大学の一室。

「だからなぁお前、こんなコトは図書室行けば調べられるだろぉ?」
ポンポンポンと、紙を突付く音が狭い部屋に響く。
「はい、はい・・・さいでやんす」
「それから何だこのグラフは・・・あぁ?凡例も分かりにくいし、第一、
近似線が結果にちゃんと重なってないだろ・・・初歩だぞ、初歩!」
「すんません、すんません・・・」
教授の叱咤が頭にずきずきと痛い。
50764:04/03/04 23:24 ID:W40yC+lq
「ったく・・・しっかりしろよ?今回は受け取ってやるけどなぁ?うん?」
「ありがとござます」
「来年は就職だろ・・・気ィ引き締めろ!」
「ごもっともです・・・それじゃ、ども失礼しますた」
バタン・・・
教授の部屋のドアを閉める。ラップタイム16分・・・。
「くわわわわー!終わった!!はぁ〜、はぁ〜・・・」
発狂しそうなほどの批判と質問の嵐が、ネチネチと延々15分以上。
これが叫ばずにいられるかというのだ。ふらふらと歩いていくと、
廊下の向こうにあるベンチでリムルルがお茶を飲みながら、
脚をぶらぶらさせて待っていた。
「にいさま、ご苦労様!」
ねぎらいの言葉と共に、お茶を勧めてくれる。
「うむ・・・ごきゅごきゅ・・・はぁ〜」
「何か一瞬でやつれちゃったね?」
そうりゃそうだろう。自分でも目の辺りがへこみ、ジャケットが
半分ずり落ちているのが分かるのだから。
「あぁ・・・けど、これでツライお勉強ともオサラバだ。昼飯を食べに行こう」
「お昼だ!やったー!!」
人影の無い廊下に、リムルルの声がこだました。キャンパスの近くにある、
ひなびた中華料理屋。安くて量が多くてそこそこに美味いという、
どこにでもあるような店に俺たちは向かった。
「はい、野菜炒めとチャーハン二人前、おまちどう」
「・・・!」
ぶっきら棒な店員が持ってきた、大きな白い皿の上に広がる未知の世界に、
リムルルの視線は釘付けとなった。
「よし、食べよう!」
「ぃ・・・いただきます!」
それからのリムルルは、怒涛のようであった。
「この『ひゃーはん』て・・・もぐもぐ・・・おいっひ・・・」
「だろだろ」
れんげを持つ手が止まる事も、もぐもぐと動く口が休まることも無い。
50864:04/03/04 23:24 ID:W40yC+lq
「野菜って、こんな食べ方あるんだぁ!」
「あー、昔は『炒める』ってなかったんだな、そういや」
初めての中華独特の油ものに、感動しきりのリムルルだ。
「ごくごくごく・・・っぷは!ごちそうさま!」
「はいよ。満足か?」
「ふぅ〜、おなかいっぱい!」
豪快にスープを飲み干すと、リムルルはお腹をさすりながら
心底満足そうな顔をしたのだった。さて、長い午後の始まり。
せっかく都心まで出てきたんだし、このまま帰るのはもったいない。
「なあ、リムルル?どっか行きたいところとか、あるか?」
暖簾をくぐり、外に出たところで俺は尋ねた。
「え〜っと・・・え〜〜っとぉ・・・」
「ちょっと質問が悪かったな。何がしたい?」
ほっぺをぽりぽりしながら、難しい顔をして悩むリムルルに付け足した。
「わたし、あれ・・・何だっけ、あの『しゃしんしゅー』って大好きなの!
色んな場所が見れるやつ。あれがもっと見たいな!」
リムルルは、俺が鉛筆を動かす時間はいつも京都の写真集を見ている。
大してページ数があるわけでもないのに、まるでお気に入りの絵本を
読む小さな子供のように、何度もなんどもページをめくっては戻しを
繰り返し、熱心に目を動かしているのだ。
「ん〜、向学心に燃える良い心がけ!」
「こうがくしん?」
「うん、ちゃんとお勉強する子にはいいことがあるよ、ってね。よし、行くか!」
「え、それじゃあ・・・」
「おう、しゃしんしゅーを見に行くんだよ」
「わーい!行こう行こう!!」
「ちょ、待て!急がなくても写真集は逃げないって!」
ぎゅっと袖を掴んで引っ張るリムルルに、俺はたじたじだった。
冬らしい冷たい空気を通して、高い空から降り注ぐ太陽が気持ちいい。
50964:04/03/04 23:25 ID:W40yC+lq
「さ、ここが俺が言ってた場所なんだ。図書館ていうんだよ」
下り列車に乗ってやってきたそこは、最近改築されたばかりの
二階建ての立派な図書館だった。
「このお城の中に、しゃしんしゅーがあるんだね!」
そびえたつ建物を前に、リムルルはうきうきと階段を駆け上がった。
中に入ると、広いカウンターと読書スペースが広がり、その向こう
には延々と本棚が並んでいる。
「うわー!すごーんむ?」
「しー!」
出入り口を抜けたところで、「うわー」を始めそうになった
リムルルの口を慌ててふさぐ。近くで本を読んでいた
おばさんの苦笑いに、すんませんと会釈で返事をした。
「リムルル、ここはみんなが勉強する場所なんだ。静かに、な?」
「え、そうだったんだ・・・そう言われてみれば、静かだねぇ」
「だろ?さ、それじゃ行こうか・・・って走ってもダメ!」
本棚の位置も分からないくせに、脱兎のごとく駆け出そうとする
リムルルの手をはしっと掴んだ。
「あ、とにかく静かにしなきゃいけないの?わかった・・・」
「ふぅ。それじゃ行こう」
手を握ったまま、俺たちは写真集の棚へと向かう。そこには、
日本のみならず世界の、そして風景にとどまらない、ありと
あらゆる種類の写真集がずらりずらりと待ち構えていた。
「しゃしんしゅー・・・いっぱい!どれがいいかな〜これかな〜♪」
目を丸くしながら、リムルルはとりあえず一冊の写真集を手に取った。
「よ〜し・・・これっ!うわぁ〜、ここ、どこぉ?」
「うん?あぁ、これは海外だね。エジプトだ」
「よその国かぁ〜。砂だらけ・・・あっ、このお人形きれい!
ぴかぴか光ってるよ?お化粧がちょっと気持ち悪いけど」
「え、ツタンカーメンか。それはね、お人形じゃないんだ。
死んじゃった王様の入っていたお墓・・・みたいなもんかな」
「ふわぁぁ〜、こんなきれいなのに?へぇー・・・じゃ次、これなあに?」
51064:04/03/04 23:26 ID:W40yC+lq
「そりゃ自由の女神。ほら、ここよく見てごらん」
「???」
「これ、人な」
「うそー!おっきなお人形!!動くの?あれ・・・何だっけ、
でかれんじゃーろぼみたいに」
「ロボチガウ、ロボチガウ」
無造作に次々と本を開いては、見たこともない世界の数々に
リムルルは眼を輝かせた。俺はといえば世界地図を持ってきて、
ここはどこだ、それはここだと、リムルルの知的欲求を満たしてやった。
「すごいね・・・わたし、知らないことだらけだよ?」
「そうだろうね。昔、この国には海の外に出ちゃいけない
決まりがあったんだ。リムルル達には関係のない決まりだったけど」
「わたしも、行けるかな?こことか」
雄大なナイアガラの滝を指差しながら、リムルルは俺の袖を引く。
「ん、おぉ〜?また随分ハデなところを選んだなぁ」
「すっごく、すっごくおっきいんでしょ?楽しそうだよ〜」
「おぉ、行ったことはないけどそりゃ凄いらしいぞ」
「ねぇねぇ、行ける?」
なかなか質問に答えない俺に、リムルルはもう一度尋ねた。
「・・・ちょっと・・・遠い。けど、お金貯めれば行けるよ」
「やった!」
「ほら、しー!」
「あっ・・・ごめんなさい」
喜びに、つい大きな声が出てしまったらしい。柔らかそうな頬を
赤くして、リムルルがぺろりと舌を出す。
「良かった・・・にいさま、姉さま見つかったら、一緒に行こうよ!」
「さ、三人分かぁ?まあいっか。いつか行こうな」
「うん」
満足そうに目を細めると、リムルルは再びページをぱらいぱらりと
めくり始めた。気がつくとだいぶ人影が減っている。閉館が近づいて
いるらしい。ずいぶんと長い間居座ったものだ。背伸びをしながら、
俺は集中力を切らすことなく眼を動かすリムルルに、後ろから声をかけた。
51164:04/03/04 23:27 ID:W40yC+lq
「んん・・・リムルル、そろそろ行こう。ここ、閉まっちゃう」
「そうなんだぁ。もっと見たいなぁ」
「ここはそんなに遠くないよ。また来れるし・・・」
「あしたも?」
「え?ホントにリムルルは勉強熱心だなぁ」
背中を向けたまま俺の声に受け答えをしていたリムルルが、
くるりとこちらに顔を向けた。ブルーのリボンがふわりと揺れる。
「だって・・・ちゃんとこの世界のこと知りたいから。これからも
ずっと、ここに居るんだもん」
「あ・・・」
もう帰る気はないのかい?俺はそう言いかけたが、リムルルの
真剣な表情にその言葉を飲み込んだ。俺だって、もうリムルル
が居ない生活なんて考えられない。
「にいさまと、ねえさまと、それからコンル!ずっと一緒
にいるんだもん・・・わたし・・・」
「そっか、そうだよな。うん」
少しうつむき加減のリムルルの肩に手を乗せ、俺は笑い顔を返した。
「いいぞ、ここに来たいなら。明日も来よう」
「やったぁ。ありがと!にいさま」
リムルルはぴょんと椅子から飛び上がると、俺の腰に腕を回し
軽く抱きついてきた。周りに人が居ないことをいいことに、
俺は小さな身体をぎゅうと引き寄せ、温かな感触を楽しんだ。
「いっしょ・・・いっしょだよ?」
「おう、一緒だ」
小声で囁きあい、顔を見合わせ二人でにっこりとすると、
閉館アナウンスの中、俺たちは本を片づけて図書館を後にした。
512名無しさん@ピンキー:04/03/05 00:21 ID:4DOdh1y6
kita-!!
513名無しさん@ピンキー:04/03/05 01:01 ID:lCPEp4zB
イイヨイイヨ〜!
514名無しさん@ピンキー:04/03/05 03:56 ID:nqmgjXgF
>タコのようにふにゃりと力を抜くような動作を見せると、
>リムルルは愉快そうに笑って俺のまねをした。タコ二匹。
なんか思わず想像して笑んでしまいますた。

それにしても、リムルルの一挙一動が本当に子供らしくて素晴らしいですね。
初めて見るものに対する言動が、リアルに子供っぽくて。スゴイです。

それから所々に散りばめられたエロ要素がまた…そそりますね!

>ロボチガウ
め、メソ………げふげふっ
515204:04/03/05 23:12 ID:DR9KbuTC
こんばんは、そしてお久しぶりです。204です。
前回の書き込みから大分と間が空いてしまい、誠に申し訳ございません…。これと言いますのも、実は不覚ながら事故を起こし、入院する羽目になってしまい、暫く身動きが取れずにいます。
ので、恐縮ながらもお待ち頂いている皆様には、もう少しお時間を頂きたくお願い申し上げます。
516名無しさん@ピンキー:04/03/05 23:17 ID:EID8Fggl
>>515
携帯から書き込みかな?
まあなんにせよ今は快復を第一に安静にしてなされ。
カムイのご加護を。
517204:04/03/06 00:14 ID:cK/JWhyQ
有難うございます。
>>516様にもカムイの御加護を。
…にしても、今まで携帯で書き込める事に気付かないとは…。_| ̄|○
51864:04/03/06 00:58 ID:vxVVzh04
>>204
まさかそんな事態に遭遇していたとは、思いもよりませんでした。
一日も早い回復をお祈りします。スレを死守しつつお待ちしてます。

>>512>>513両氏
一週間ぶりおまちどう。

>>514
細かな感想ともったいないお言葉、ありがとうございます!
リムルルの描写は、自分が子供っぽいこともあって楽しく書いてます。
劇中で64君はヒマだと言ってますが、就職活動なんぞで本体(?)は
忙殺の日々です。またちょっと間が空いてしまうかもしれませんが・・・
519名無しさん@ピンキー:04/03/07 07:51 ID:hJl0QFoM
閑丸マダー
520名無しさん@ピンキー:04/03/08 00:38 ID:UsgJ6Rnt
>>204さん
復帰を心待ちにしております。ごゆっくりとご養生を。
521名無しさん@ピンキー:04/03/10 01:00 ID:5KTPOstF
物書きのみなさん、色々大変みたいですけど
ゆっくり楽しみにしておりますです。
52264:04/03/10 22:56 ID:uLwvyKtW
「あははっ!にいさま、もっともっと!」
「ん〜、それ!よいしょ!」
「わーっ!速いよぉー!!」
夕暮れ時の帰り道。もう子供の姿も見えない公園で、俺たちは
ブランコ遊びに興じていた。最初は不安そうにぎゅっとチェーンを
握っていたリムルルだったが、今ではそんな表情をみじんも見せず、
はしゃぎながら脚を振っては勢いをつけている。俺もかなりの力で
押しているから、リムルルは宙に投げ出されそうだ。
「うわーっ!高い高い!ひゃー!!あははは!!」
「危ないぞ。そんくらいにしとけよ・・・っと!」
「すごい!すごいすごーい!!」
ブランコは確かに楽しい遊びではあるが、そこまでハマらなくても・・・
と思うほど、リムルルは心底この遊具が気に入ったらしい。
気がすむまでびゅんびゅんと往復運動を繰り返した後、やっとの
ことでリムルルはさも楽しそうな表情でブランコから降りてきた。
「ふぅー・・・これ、すっごく楽しいよ?」
「そうか、まあそうだろうな」
「ねえねえ、今度はにいさま乗ってごらんよ、押してあげるー」
「おいおい、俺はもう小さい頃十分に乗ったよ!いいっていいって」
「ほらほらぁ!ね、乗ってごらんよぉ」
「ほぉう、こんな所で乳繰り合いかい?余裕だねェ・・・
巫女さんとやらが聞いて呆れるじゃねぇか、あぁ?」
品の無いぶっきら棒な声が、じゃれあう俺たちの会話に割り込んできた
振り向いたそこには、見るからに妖しい粗末な黒い服を着た、
やけに血色の悪い、紫色の肌を持つ男がしゃがみ込んでいた。
「あなた・・・誰?」
何か尋常でないものを感じ取ったリムルルがブランコから離れ、
後ずさりする。すると男は、手を突いてその場にぶらりと立った。
「あぁ〜?ガキが・・・俺のこと覚えてねぇってかぁ・・・うん?」
根元でまとめてはいるが、地面に届きそうなほどにぼさぼさに
伸びた髪をなびかせ、かったるそうに俺たちのほうへと近づいてくる。
その顔はいたって面倒くさそうで、目は閉じられたままだ。
52364:04/03/10 22:56 ID:uLwvyKtW
「これで思い出すんじゃねぇか・・・あ?おい、ガキゃ」
男は、ゆらりと右手を掲げた。すると、部屋の照明を落とすかの
ようにオレンジ色の空が急に暗くなり、足元をじめっとした紫色の
霧が漂い始めた。あたりには、ひと一人見当たらなくなっている。
「う・・・」
「! こ、これ・・・!この前の!」
「何だか知らねぇけどなァ、あの野郎、殺りあうなら隠れて
やれっつーんだよ。まァこの空気の方が俺も肌に合う・・・。
どうだいお二人さん、死地へようこそ、ってかァ?ヘッヘッへ。
羅刹丸様が、あの世へご案内だぜぇ・・・」
辺りの風景こそ同じだが、どうやらここは隔離された別の空間らしい。
慌てふためく俺たちを見て、羅刹丸と名乗る男が口元を吊り上げる。
「へへ・・・思い出したかぁ?そうよ、4日だか9日だか前かぁ・・・?
そんときゃコイツが危うくぶっ壊されるとこだったらしいじゃねェか」
ぼうっと羅刹丸の手が紫色の霧に包まれたかと思うと、赤黒く変色した刀の
姿が浮かび上がった。ガチャリ。節くれだった指が、しっかりと柄を握る。
「やっぱりあの時の!?」
ニヤリと寒気がするような笑みを浮かべ、羅刹丸はついにその眼を開いた。
血の色。そうとしか形容できないどす黒い朱色に染まった眼が、
リムルルを釘付けにする。
「ハハ・・・殺してぇ・・・久しぶりにこっちに呼ばれて来てみたらよぉ、
男も女もみーんな腑抜けみてーで殺す価値もねぇと思ったら、テメーだ。
いい感じじゃねぇか・・・どんな声聞かせてくれるんだぁ・・・あ?」
リムルルをみつめる、羅刹丸の魔性の瞳がぎょろりと動き、
口元にあてがわれた刀を、舌でべろりと舐めた。
「う・・・最低・・・」
口を押さえ、リムルルはさらに一歩後ろへとその身を退く。
「たまんねぇ・・・こいつも血がたらねーってよォ、早く斬りてぇ
殺してぇってよぉ・・・哭いてんだよ・・・わかるよなぁ?ん?ガキぃ」
「そんなこと知らない!この前のウェンカムイの仲間ね?
絶対に負けないんだから」
52464:04/03/10 22:57 ID:uLwvyKtW
「くっくく・・・見えるぜェ・・・テメーの生きのいい心臓が、
体中に血ィ運んでるのがな・・・スゲェぜ・・・もっとよく見てェ・・・」
刀を肩に担ぎ、ふらりふらりとこちらににじり寄ってきた羅刹丸の足が
止まり、唇を震わせた。
「血ィ・・・しんぞ・・・っおォ・・・・・・コ、こぉおッこオォオオ」
震えは全身におよび、ガチャガチャガチャと忌まわしい音を
立てて鳴る妖刀を、羅刹丸はおもむろに自らの胸に押し当て、
「殺すゥ!!!!!!」
大声で叫ぶと、刀をざっくりとその胸の上に滑らせた。
ブシャアァァァァッ!
「ヒィ――――――――――――ッ!グアハハハァ!!」
一文字に切り裂かれた厚い胸板から、どす黒い血が派手にほとばしった。
ビシャリと音を立て、地面が空と同じ色の絵の具で染められてゆく。
「やだ・・・!ちょ、ちょっと!」
「うげぇ」
あまりの血しぶきに、俺たちは返り血を浴びない距離まであとずさった。
これから闘うべき相手が、突然自傷に走る意味がわからない。
リムルルは困惑した表情で、むしろ男を心配しているようにも見える。
俺にいたっては、こみ上げる激しい吐き気を抑えるので精一杯だ。
「グヒヒヒヒアヒアハハハハハ・・・!ヒィ・・・血ィィ!!」
恍惚の表情で、上体を反らせ天を仰いでいた羅刹丸の口から
満足げな声が聞こえると、何と傷口がずくずくと塞がっていった。
服と地面を汚した血が無ければ、さっきまでの惨状を物語るものは
何一つとして残っていない。
「うそ・・・!」
信じられない光景に、リムルルは驚きの声を漏らす。
「ハァ・・・ハァ・・・殺す・・・・・・ガキぃ・・・しんぞう・・・」
ぶらりと両腕を下ろした羅刹丸の眼がギラリと光り、
「心臓オォォ!!」
脳を揺さぶる雄叫びとともに、リムルルめがけて大振りの一撃を放った。
「ひゃあ・・・ッ!」
52564:04/03/10 23:01 ID:uLwvyKtW
刀を振るう男の身に起きた、普通ではない現象にあっけにとられていた
リムルルが、ギリギリのタイミングでその場に伏せた。
「んんん・・・じゅる・・・ヘェヘェヘェ!やっぱ美味ェ!」
汚い音を立てて、羅刹丸は妖刀の切っ先をしゃぶった。
見れば、リムルルの頬を真っ赤な血が伝っている。
「ぅ・・・油断したぁ」
低い姿勢からタッと地を蹴り、リムルルは間合いを広げ
リュックの中からハハクルを取り出した。
「おいおいおい・・・慌てなくていいんだぜェ?殺し甲斐の
ねェことしたって、仕方ねェからなぁ?あン?」
リムルルが急いで腰に刀を結わくその姿を見ると、羅刹丸は
トーントーンと、刀の峰で肩を叩きながら嘲笑している。
「く・・・にいさま、下がってて!」
俺は言われたとおり後ろに下がり、二人の間から十分に距離をとった。
「そうそう、雑魚は失せろっての」
そう言うと羅刹丸は、今度は俺に向かってしっしっと手を振った。
いちいち腹が立つことを言うやつだが、まさか刃向かうことも出来ない
「にいさまは関係ない!それよりらせつまる、だっけ?一つ教えて。
あなたを呼び寄せたのは・・・わたしの命を狙ってるのは誰?」
闘いの準備を終えたリムルルが問いかけた。
「そんな事聞かれて教えるわきゃねェだろが、ボケクソガキ」
耳の穴をほじりながら、面倒くさそうに羅刹丸は返事をした。
「さっきからガキガキってうるさいよ!」
「ようやく殺れんのか・・・ぶっ潰してやらァ!」
二人の声がぶつかり合い、ついに闘いは始まった。
「ったぁ!」
リムルルがじゃりっと地面を踏みしめ、ぱっと相手めがけて突進した。
「ヘェヘェ・・・そうだ、近づいて来い・・・うおりゃ!」
右腕一本で握った妖刀を、羅刹丸はブンと思い切り袈裟懸けに振り抜く。
52664:04/03/10 23:01 ID:uLwvyKtW
リムルルはそのリーチぎりぎりのところで急に向きを変え、
羅刹丸の正面からふっと右側に回りこむと、
「てりゃ!」
小さな身体を思い切り伸ばし、無防備になった男の右わき腹に
立ち蹴りを食らわせる。ぼくっ、と曇った音がした。
「ちィ」
だが羅刹丸は、クリーンヒットにもかかわらずたじろぐこともない。
振りぬいた右腕を、そのまま勢いよくリムルルの方へと振り戻した。
とっさにハハクルを抜いたリムルルであったが、
「くぅぅっ!?」
ギィィンという強烈な金属音と共に、空中へと弾き飛ばされた。
そのまま宙で受け身を取り、くるりと男に向き直るが、とんでもない力である。
「う・・・腕一本で・・・?」
攻撃を正面から受けてしまったこともあり、手が痺れる。
震える手でハハクルをしまい、素手で再び構えなおすと
ぐっとその場にしゃがみ込んだ。
「あぁ〜ン、どうしたァ・・・もうおわ」
「たっ!」
これ見よがしに羅刹丸はリムルルを挑発したが、その言葉が終わる前に
リムルル軽快な掛け声を発すると、強靭なばねを生かして跳びあがり
今度は頭上からの攻撃を試みた。
「そりゃぁ!」
俺がリムルルに食らったあのジャンプキックが、見事なまでに
羅刹丸の顔に突き刺さる。小さな少女に秘められた運動能力を、
男は完全に見くびっていたようだ。足がめり込みぐしゃりと
形を変えた顔に、驚きの表情が浮かぶ。
「うぐぇ・・・」
小さなうめきをあげ、ぼさぼさの頭がぐらりと揺れた。くるりと
弧を描いて地面に着地したリムルルは間髪入れず、チャンスと
ばかりに無防備となった羅刹丸の腹に、左右の掌底をどかどか放つ。
「ぐぉぐぉおう」
屈強な男であっても、脳が揺さぶられれば何もできない。
52764:04/03/10 23:04 ID:uLwvyKtW
防御も取れぬまま、羅刹丸はリムルルの連携を受けてしまった。
「それ!」
流れるような一連の攻撃の最後は、気合の入ったタックルだ。
「ぐお・・・おうぉ!」
棒立ち状態の羅刹丸は、リムルルの一撃をもろに腹へ受けると、
大砲の弾を腹に抱えこむように吹き飛び、ぐしゃりと頭から地面に落ちた。
「止めだ!」
再びリムルルが宙を舞い、両手で握ったハハクルを一気に男の胸へ
突き立てようとしたその時。
「ガキぃぃ!」
うつ伏せにぐたりと倒れていた羅刹丸が、怒声とともに仰向けになり、
振り向く勢いにまかせその得物で空を切り裂いたのだ。
絶対に攻め落とせるはずだった敵の、思いもよらぬ一撃。
追い撃ちを決める体制だったリムルルの防御が間に合うはずも無い。
さっきよりも勢いを増した羅刹丸の力任せの斬撃に、ハハクルは
おろか小さな身体も文字通り吹き飛ばされた。今度は受身さえ取れず、
リムルルは地面を転がり背中から樹木に激突した。
「うぅ・・・痛ぁ・・・」
背中を走る鈍痛に耐えられず、リムルルはその場に突っ伏すことしかできない。
見れば、ジーンズの左太ももに血がにじみ、裂けている。
ハハクルをなぎ払われた後、そのまま斬りつけられていたのだ。
大した深さではないが、自らの流した血と体中を襲う痛みが、
リムルルの心を蝕む。
『あんなに思いっきり殴って蹴ったのに・・・』
渾身の力を振り絞った攻撃が通じず。
『あいつ、片腕一本でしか戦ってないのに・・・』
長きに渡る修行で得た技術をたった一撃で打ち砕く、恐るべき男の腕力。
ふと視線を向けると、羅刹丸はすでに立ち上がっていた。
52864:04/03/10 23:05 ID:uLwvyKtW
「クソガキぃ・・・生きがいいじゃねぇか・・・小突き回しやがってよォ」
首をゴキゴキと鳴らし、何事もなかったのように服をはたいている。
そしてその足元には、主を失ったハハクルが転がっていた。
圧倒的な力の差を見せつける光景。だが、リムルルは必死で
戦意という名の火を消さぬよう、歯を食いしばった。
「ケッ・・・ハハハハ!何だオイ?もう終わりかよォ、えェ?巫女さんよォ」
聞こえよがしに、羅刹丸は大声でリムルルを罵った。その足は
一歩も間合いを詰めることはなかったが、その代わりに両手で
妖刀を握りしめ、半分背中を向けて下から刀を振りかぶると、
「そっちから来ねェんだな・・・ッりゃああァ!旋風ゥ破ァ!!」
大声と共に、地面を掃くように妖刀を薙いだ。強烈な剣圧に
穿たれた地面が、砂つぶてとなってリムルルを襲う。
「きゃあああぁぁっ!あっ、痛っ、いたぁ!!」
ばしばしと音を立てて、小石のムチがリムルルの全身を打ちのめした。
「いいぞ・・・もっと泣けェ・・・うりゃあ、うりゃあ!」
リムルルの悲鳴に歪んだ笑みを浮かべながら、男はさらに妖刀を振るった。
「いたぃ・・・うあぁ!・・・やっ・・・うぅ〜っ・・・!!」
顔には小さな切り傷が幾つもでき、服にもいたるところに破れが生じた。
それは、決して致命傷を与えるための攻撃ではない。リムルルの
命のともし火を消さずに、その悶え苦しむ姿を見る最高の方法なのだろう。
男はさも楽しそうに赤黒く淀んだ目を細め、よだれをたらしながら、
一方的な攻撃をねちねちと何度も加えると、やっと手を止めた。
「おうおう・・・いい眺めじゃねぇか。我ながら化粧と着付けの才能には
惚れ惚れするなァ。綺麗だぜェ・・・フッ・・・ヒィイアッハハハハ!!」
愉快そうに笑う男の視線の先には、ぼろ雑巾のようになった
リムルルが転がっていた。砂と傷だらけになった身体を丸め、
ぴくりとも動かない。顔は血に染まり、虚ろな瞳が宙を泳ぐ。
石と砂の拷問に、リムルルの戦意は既に地に落ちていた。
男が、縮こまる少女に歩み寄る。
52964:04/03/10 23:05 ID:uLwvyKtW
「おーぃてめェ、見てんだろ?こいつは結局こんなモンよ?
もう殺しちまっていいなァ、おい?!」
リムルルの頭をこつこつと足でもてあそびながら、男はおもむろに
空に向かって叫んだ。
「フム・・・」
林の中で聞いたあの忌々しい声が、暗い空から降りてくる。
「少々買イカブリガ過ギタヨウダ。ソノ程度ノ攻メデクタバッテイル
ヨウデハ、我ラノ贄トスルベクモナイ・・・ヨカロウ羅刹丸、殺セ」
「へ・・・へ・・・ヒィヒヒヒヒヒヒ・・・殺すぜェ!!!」
野に放たれた獣のごとく、羅刹丸はひときわ大きな雄叫びをあげると、
背中を丸めたリムルルを思い切り蹴飛ばした。悲鳴を上げることもなしに、
リムルルはただ地面を転がることしかできない。
「おーおー、もう声も出ねェってか。さて、どっから・・・」
羅刹丸は、カチャリとおぞましい刃をリムルルに突きつける。
「やめろぉぉぉーっ!」
たまらず俺は、横から男に体当たりした。すかさずハハクルの元に
駆け寄り、拾い上げてでたらめに構える。
「おぅ・・・あぁ〜?何だァ、俺の楽しみの邪魔すんのかァ?」
「馬鹿野郎・・・うらあぁぁっ!」
「雑魚は引っ込んでろっていってんだろォ!旋風ゥ裂斬!!」
怒りに溢れる男の叫びと共に、空を切り裂く刃がぶわりと砂を巻き上げ、
巨大な竜巻が俺に牙をむく。
「・・・うっ?!うわぁぁーっ!?」
男へと向かっていった俺は竜巻に呑まれると、勢い良く宙に投げ出され
まっ逆さまに地面へと叩きつけられた。辛うじてハハクルを
手放すことは無かったが、背中を強く打ち、呼吸も身動きも出来ない。
「ぐぅ・・・」
たったの一撃で、俺はその動きを完全に封じられた。
口をぱくぱくさせる俺の元へ、男がにじり寄る。
53064:04/03/10 23:06 ID:uLwvyKtW
「ケッ、ざまァねェ!」
「に・・・にぃさまぁ!ねぇ・・・にいさまは・・・関係ないよぉ・・・やめてぇ!」
俺の身に降りかかるであろう危険を察したリムルルが、満身創痍の身体を
引きずり懇願の声を上げる。だが、羅刹丸がその声に耳を傾けるはずも無い。
俺の頭を踏みつけ、どす黒い輝きを増した妖刀を振りかぶる。
「俺の邪魔する奴ァ誰だろうとなァ・・・」
「いやあぁ!やめてっ、やめてぇぇ!!」
男の冷たい声と、リムルルの痛切な叫びが交錯し、
「死ぬんだよォォォッ!」
「にいさまーーーーーーっ!!!」
地に飢えた刃が、俺の首を抉ろうとした時だった。
「うぬっ・・・ぐ・・・何ィ!?」
高々と上げた男の右腕が白い霧に包まれ、その動きが止まった。
そしてピキピキと音を立て、刀身から腕がガラスのような
透明な結晶で包まれてゆく。
「ぐ!つッ、冷てェー!!」
白いと思ったのは強烈な冷気。そして結晶の正体は氷であった。
あっという間に太い腕は凍りつき、男は右腕を上げたままたじろぐ。
「ち、畜生・・・そいつの仕業か・・・このクソガキがァー!」
怒り狂う男の視線の先、はいくつばるリムルルの頭上には、
くるくると輝きながら回る、美しい氷の結晶があった。
「こ・・・コンル・・・助けにきて・・・く・・・れたんだ・・・」
闘いの最中だというのに、リムルルの顔に安堵が浮かぶ。
手を差し伸べると、コンルはその上でやさしく揺れた。
「コンル、お願い・・・にいさまを守ってぇ・・・!」
消え入るようなリムルルの声が終わると、コンルは再びふわりと
傷だらけの友人の上に舞い戻った。
コンルは言葉を発することはないが、冴え渡る冷気を放つその姿は、
威厳や神々しささえ感じさせる。あれほど傍若無人な態度をとっていた
羅刹丸も、攻撃の手段を断たれ少し慌てているようにも見えたが、
この男がそんな自分を認めるわけがなかった。
53164:04/03/10 23:07 ID:uLwvyKtW
「こ、この氷ヤローがぁ!握りつぶしてやらァア!!」
まくし立て、しゃにむにコンルへと突進する羅刹丸。
「ヨモヤ、こんるかむいノオ出マシトハ・・・!待テイ、羅刹丸!」
男の姿に業を煮やしたか、天から制止の声がかかる。
だが、羅刹丸の耳には、何も届いてはいなかった。
「オルアァァァ!!」
片腕を封じられたまま不自由そうにどたどたと突進し、
空いた左手でコンルを掴もうとしたその時。
カシャアァァァン。透明な破壊音が冷気漂う闇の世界にこだまし、
男の右腕と妖刀が、キラキラと輝く破片へと変わった。
「う・・・ぐぅおぁあぁアァアァア!?う、腕、うでぇ!ヒギィィィ!!」
氷漬けの腕を粉砕された羅刹丸が、おぞましい悲鳴を上げのた打ち回る。
「ぐおぉ!がァァ!じ、じぐじょ〜、ぐぅゥ、腕がァァ!!」
「浅ハカナ・・・右腕ハオロカ、屠痢兜ヲモ失ウトハ!モウ良イ、戻レ」
完全に呆れ返った口調の天の声が羅刹丸を包み込み、
その姿を闇の中へと沈ませてゆく。
「ガキぃ・・・それから雑魚ォ!ゆるっ許さねェ!!その心臓ォ抉るっまでェ、
俺はッ・・・グゥ・・・俺はあァあ諦めんぞォォ・・・・・・」
あれだけ派手な傷を負いながら、羅刹丸はその身を滅ぼすべくも無かった。
怒りと憎悪を糧とする闇の者・・・その眼光は傷を負うことで
一段と強くなり、闇へと消える間際までその光を放ち続けていた。
騒々しい男がいなくなり、漆黒の世界に静寂が戻る。危うく命を
落としかけた俺は、永らえた安堵感と隣り合う死の恐怖でしばらく
動けなかった。
「さま・・・にぃ・・・っさま・・・」
しかし、俺を呼ぶ小さな声が心を呼び戻す。呼吸を整え、
まだ痛む全身を奮い起こすと、倒れたままのリムルルに
よろよろと駆け寄り、抱き抱えた。
「リムルル・・・・・・ひでぇ!」
「無事・・・だったんだね。よかった・・・」
浅いながら、全身いたるところを切り裂かれたリムルルが
傷だらけの顔で健気に笑いかけてくる。
53264:04/03/10 23:07 ID:uLwvyKtW
「ね・・・にいさま・・・コンルだよ、助けてくれたんだよ・・・」
振り返ると、その氷の塊がふわふわと俺の周りを回っていた。
「ありがとう。本当に、ありがとう」
俺が触ると、つるりとした氷の感触だけが指を伝わってきた。
「りむるる!益々面白イ!!」
平穏を砕く、忌々しい声。
「こんるかむいト意思を伝エ合イ、羅刹丸ノ右腕ヲモ奪ウトハ・・・見事!」
味方がやられたというのに、どういうわけか声はリムルルに賛辞を送る。
「一瞬タリトテ、オ前ヲ殺ソウトシタ非礼、ココデ詫ビテオコウ」
その上、この前の傲慢な態度とはかけ離れた穏やかな口調で、
耳を疑うような台詞さえ飛び出した。
「おい・・・いい加減にしろよ!お前一体誰なんだよ!!」
「りむるる、モット強クナレ・・・オ前の巫力、無限ノ可能性ガアル。
なこるるオモ、超エルカモシレヌ」
声の正体を暴こうとしたが、俺の言葉など耳に届かないらしい。
この前と同じく、一方的な会話が続く。
「ねえ、さま・・・くぅっ!」
姉の名に反応したリムルルが、俺の腕の中で身をよじり喘いだ。
「あわせ・・・てぇ、会わせて・・・!」
血がにじむ小さな手を、渦巻く空に伸ばすリムルルだったが、
その願いに応じる声が聞こえることは無かった。
ずたぼろの俺達を置いたまま、風景だけが戻ってゆく。
「ねえさまぁ・・・うっ・・・うぅ・・・」
リムルルの頬を悔し涙が伝い、嗚咽だけが空しく消えていった。
53364:04/03/10 23:09 ID:uLwvyKtW
「よっこら・・・せっと」
背負っていたリムルルを、布団に横たえる。
あれから、動けなくなったリムルルを背負い何とか帰ってきた。
俺のコートを着せていたが、脱がせると目を覆いたくなるほどの
ぼろぼろ姿だ。パーカーは擦り切れ穴が開き、切り裂かれた左ももには
ハンカチを巻いてはおいたが、それさえ赤い血で染まっている。
今のリムルルは、まるで容赦の無い拷問を受けた後のようであった。
「リムルル、服、脱がせるぞ」
「ん・・・ごめんね、ありがと・・・」
やさしく、ゆっくり服を脱がせた。コンルも心配そうに俺たちの周りを
回っている。下着だけを残し布団に横たえた姿は、さらに痛々しかった。
あざが数ヶ所、切り傷と擦り傷は数えるのも嫌なほどだ。全身を苦しめる
痛みのせいだろう、リムルルの傷だらけの顔はやつれ、そこにいつもの
ような明るさは無かった。
「お薬で消毒するぞ。ちょっと、しみるからな」
消毒液をしみこませた脱脂綿で、傷口を拭ってゆく。
「うん・・・っつ!」
「ごめんな、大丈夫か」
「へ、平気ぃ・・・うっ」
全身の傷を消毒し終わるまで、結構な時間がかかった。残り僅かと
なった消毒液が、リムルルの傷の多さを物語っている。
「終わったよ」
「ありがとね・・・」
ばんそうこうだらけになった顔で、リムルルは力なく笑った。
左脚には包帯だ。細い身体を満身創痍にした少女に
俺がしてやれることは、この程度のことだけだった。
「リムルル、パジャマ着よう」
抱き起こすと、リムルルは俺の胸に身を寄せてきた。
「どうした?」
「にいさま、ごめんね・・・」
「何もあやまる必要はないよ。もういい、寝るんだ。早く治さないと」
「へ・・・うん」
53464:04/03/10 23:11 ID:uLwvyKtW
俺はリムルルを半ば振りほどくようにして、無理矢理パジャマを
着せていった。だが、どういうわけかリムルルは細く開いた目を
俺の方にぼんやりと向けたままだ。
「ん・・・何だ?」
「にいさま、どうしたの・・・なんで、泣いてるの?」
「えっ、いや・・・」
か細いリムルルの言葉に、はっとなる。リムルルのパジャマに、
涙の跡がひとつ、ふたつ。部屋の風景が、ぼうっと形を変えて
揺らいでいる。
「いや、なんでもねぇよ。ほら、寝ろ。俺風呂に入ってくるわ」
慌てて涙を拭い、俺はリムルルに布団を被せるとその場を後にした。
無造作にドアを閉め、ぎゅっとシャワーの栓を捻る。
「く・・・畜生・・・ちくしょ・・・」
俺はがっくりと膝をついた。頭の上から、騒々しい音を立てて熱い
お湯が流れ落ちてくる。2度目の闘いは、あまりにも辛いものだった。
あれ程に強いリムルルが、化け物相手にあそこまでボロボロにされた。
そして俺は、男に触れることさえ出来ず、それどころか命まで落としかけた。
自らに突きつけられた刃。あの瞬間の男の顔。
「う・・・うぅ・・・」
震えが来る。肩を震わせ歯を鳴らし、シャワーの下でうめきを漏らす。
理不尽に与えられる、死。生きながらえたことで味わった、本当の恐怖。
だが、それよりも辛かったことがあった。
「なにも・・・何もしてやれてねーじゃん・・・俺」
ずっと一緒にいてやる。俺はそう約束した。
もう誰とも離れたくない。リムルルはそう言った。
「うおぉぉぉ・・・うっ、ぐすっ・・・くそ・・・」
シャワーの音に隠れ、俺は泣いた。馬鹿みたいに泣いた。
力の無い俺。死の恐怖。リムルルとの約束。
その全てがどばどばと溢れてくる。
「どうして・・・どうしてやれば・・・いい?」
無慈悲に降り注ぐシャワーの下で、俺はうなだれる事しかできなかった。
535名無しさん@ピンキー:04/03/10 23:42 ID:0dlsbkzO
。゚(゚´Д`゚)゜。 ほのぼの風景から一転…こんな辛いお話になるとは…でもGJ!面白いですよ!
536名無しさん@ピンキー:04/03/11 19:47 ID:TTV/EA/Z
GJ!!

兄さま・・・一撃でw
537名無しさん@ピンキー:04/03/13 00:24 ID:jDn5guqi
にいさまぁ…。゚(゚´Д`゚)゜。
538名無しさん@ピンキー:04/03/14 02:56 ID:yD1naCgD
うぇぇぇえん…。゚(゚´Д`゚)゜。
539名無しさん@ピンキー:04/03/15 22:21 ID:hulm+NVS
ちょっと気になってたんだけど、ここには現役のリム使いっているの?
それとも、純粋なリム萌えさんたちのユートピアなのか?w
投下もまだみたいだし、保守兼ねて点呼でもとりつつ教えてホスィ。
では僭越ながら、1兄(女性は1姉?)
540名無しさん@ピンキー:04/03/15 22:32 ID:hulm+NVS
って俺、自分のこと書いてねえし!
俺はまだゲーセン通ってます。ゼロスペが楽しみだ。
けど新Dカラーがちょっと変更されたそうで(´・ω・`)ショボーン。
白黒リムかなり良かったのに。

順序逆になってしまいましたが職人さん方これからも頑張ってください。
待ってますよー。
541名無しさん@ピンキー:04/03/15 23:58 ID:srEj7Vh3
>>539
ノシ
斬、零ともにリム使い。零は一応現役。
天草やポリサムシリーズは、あまりにも肌に合わなかった。

斬は羅刹1P、零はCボタンカラー。日焼け(;´Д`)ハァハァ
542名無しさん@ピンキー:04/03/16 00:08 ID:rcemdwzf
>>539
現役リム使いですぜ〜。それでいてリム萌え。
零は桃色一筋だったのに……Dカラーピンクカムバック。

閑丸君とレラ姉様がサブ。
543名無しさん@ピンキー:04/03/16 00:31 ID:jjsmgiPm
>>539
家庭用しかやったことのない4兄目です。
ああ、早く零のリム使いてぇ……
544名無しさん@ピンキー:04/03/16 15:28 ID:xzz5iToW
>>64
GJです!話が盛り上がってきましたね。
545名無しさん@ピンキー:04/03/16 21:16 ID:0ghMCbz9
5兄目挙手 ノシ
色はピンクかな…
開始直後にハク捨てて闘う派でつ。技の変化が面白いから


対戦で同キャラ避けるためのサブはタムタムで。
コマンド投げで相手のリムを掴んだあと、後ろでごそごそ&手には白い汁…
これで妄想するなという方が(´Д`*)ハァハァ
546名無しさん@ピンキー:04/03/17 19:41 ID:pMc4w0/5
ああ、ここはリムルルパラダイス・・・・・・!
547その1:04/03/17 19:46 ID:pMc4w0/5
おおお? アク禁解除されてる!
というわけで、パラダイスに紛れ込んだ衝撃のまま書きなぐった自分のリム萌え
を叩きつけてみます。
エロ抜きのショートエピですけどねーヽ(´ー`)ノ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あたたかな日差しの降り注ぐ中、閑丸はゆっくりと歩を進めていた。
「ほーら閑丸くん! こっちこっち!」
彼の前を進むリムルルは、対照的に跳ねるような歩調で楽しくて仕方ないといった様子だ。
実際、街道のあちこちを駆け回っては路傍に咲く花をみて歓声を上げ、雲の形をみてはそれ
が何に見えるかを考え、空を行く鳥を見てははしゃぎ、吹き渡る風の感触を両手を広げ全身
で感じ取ろうとし・・・・・本当に、旅が楽しくて仕方ないのだろう。
それは、それらの発見をするたびに彼の方を向き報告する彼女の満面の笑みを見れば、微
塵の疑いもない。
彼女の笑みを向けられるたびに、閑丸は慣れないながらも精一杯の笑顔を浮かべてリムル
ルに小さく手を振って応え・・・・・そして、そんな笑うことに慣れていない彼のぎこちない笑顔
をみて、リムルルはまた心底楽しそうに笑うのだ。
閑丸は、こんな他愛のないひと時に、心癒される自分を感じていた。
自分の中にいる、「鬼」の自分。
それは、長らく彼の心を鎖のように縛ってきた。
だからこそ彼は人との関わりを恐れるし、最低限の関わり方もかなりよそよそしいモノとなっ
ていた。
だが、彼の前で笑顔を振り撒く少女は、そんな頑なな自分の事情など知ったことではない、
といわんばかりに彼に屈託なく接してきた。
548その2:04/03/17 19:47 ID:pMc4w0/5
始めはそれに戸惑った閑丸だったが・・・・・・・そんなリムルルの存在を心地よく感じるように
なるまでには、時間はかからなかった。
彼女の明るい笑顔を見るたびに、彼は自分の中の暗く冷たい部分が氷解していくかのように
思える。
今では、ややもすれば記憶が欠落している自分よりも尚世間知らずな彼女の笑顔を守るた
めならばなんでもしたい、と思う自分を発見し・・・・そして、そんな自分に戸惑いつつも、その
爽やかな責任感を心地よく感じる自分もまた発見するのだ。
・・・・・・・・・妹がいるって、こんな感じなのかな?
記憶のない自分ではそれを確かめる術もないが、何となくそう思った。
「あ・・・・」
ふと、リムルルが今までと違った声をあげた。
みると、街道の傍らの岩壁を見上げている。
彼女の視線を追うと、岩壁の中ほどに、鮮やかな赤色をたたえる花が咲いているのが見え
た。
もう一度、リムルルに視線を戻す・・・・やはり、あの花に目を奪われているようだ。
あの花がほしいのかな・・・・?
そう思い、そしてとってきた後で彼女の浮かべる笑顔を想像した瞬間。
「僕が取ってくるよ」
そんな言葉が自然と零れてきた。

549その3:04/03/17 19:48 ID:pMc4w0/5
あれは、故郷で姉さまとよく花摘み遊びをした花。
彼女の故郷では珍しくもない花だったが・・・・・それゆえか、旅に出てから目にしたのは
これが初めてだった。
それだけに、見つけた時には驚いたし、それを取ってきてくれると言い出した閑丸の言
葉は、正直嬉しかった。だが・・・・・・・。
閑丸くん、大丈夫かな・・・・・・?
リムルルは、軽快に岩壁を登っていく閑丸の姿を見上げながら、リムルルは心配そうに
眉根を寄せた。
彼の体裁きは知っている。
彼女とそんなに変わらないような体格の閑丸が、大の大人を相手に一歩も引かない戦
い振りを繰り広げるのを、彼女は目の前で何度も見てきたのだ。
だが同時にリムルルは、そんな彼の危うさをも感じている。
ふとしたことで儚く散ってしまいそうな・・・・・そんな危うさを、彼女は閑丸から感じ取って
いた。
思えばリムルルが閑丸と行動をともにするようになったのも、そこがどうしても気になっ
たからだった。
自分の慕う姉にも通じる、何か人に言えぬ重い事情を抱えながら、しかしそれを他人に
悟らせまいと静かに佇むその姿が・・・・・。
だかららこそ、彼女は閑丸の側で笑うことにした。姉と接しながら、そうすることが相手
を救う術になると、本能的に感じ取っていたから。
弟がいるって、こんな感じなのかな?
散々に姉に甘えてきた妹の自分では確かめる術はないが、何となくそう思った。
550その4:04/03/17 19:50 ID:pMc4w0/5
「とったよー!」
そんな物思いにふける中、特に危なげもなく閑丸は花の下にたどり着き、その花を積むと
それをリムルルに誇示すように片手に持って大きく振って見せた。
リムルルはほっと安堵のため息をつくと、閑丸に対し手を振り返した。もちろん笑顔も忘れ
ず添えて。
「あ・・・・・・」
その閑丸の姿が、不意に大きく傾いた。

リムルルは、全身から血の気が引くのを感じた。
まるで時が間延びしたかのように、閑丸が宙に投げ出される様子がことさらにゆっくりと見
え、もう一方の片手に石が握られていて、それが外れてしまったためにバランスを崩した
のだろう、と冷静に観察する余裕すらもあった。
岩壁。高。落。怪我。自分が花を欲しがったから。閑丸くん。閑丸くん閑丸くん閑丸くん!
だがそれも途中までで、ついにはそれに耐え切れなくなり思わずその場にしゃがみこみ硬
く目をつぶった。一瞬とも永遠とも思える時間の中・・・・・だが、いつまでたっても、地面を
揺らす衝撃もなにも感じられなかった。
このまま時が止まってしまえばいいのに。そうすれば閑丸くんは落ちずにすむのに・・・!

551その5:04/03/17 19:54 ID:pMc4w0/5
ふっと、それまで差し込んでいた日が陰ったのを感じた。
思わず目を開き宙を見上げる。
そこに浮かび上がる、番傘を開いて宙を優雅に滑空する、少年のシルエット。
閑丸は、へたり込んだままその様子を呆然と眺めていたリムルルの目の前に
軽やかに着地すると手馴れた仕草で番傘をたたみ、彼女に片手を差し出した。
「はい、とってきたよ」
そして、満面の笑み。いま自分が危険な目に会ったなどとは欠片も感じさせな
い――実際、彼にとっては危機のうちにも入らなかったのだろうが――自分の
したことで相手はきっと喜んでくれると信じきっている、そんな透明な笑顔。
しばらく呆然とその笑顔を見つめるリムルル。
・・・・不意に、その笑顔に猛然と腹が立ってきた。
自分が、こんなにも心配したと言うのになんなんだその無邪気な笑顔は。
リムルルは突然立ち上がり、叫ぶように言葉を叩き付けた。
「バカ!」
突然の罵声に、閑丸は大きく目を見開き、思わず首を縮こめた。差し出した手
から、花が零れ落ちる。
その、まるで叱られた子犬のような表情にリムルルの心がちくりと痛んだが、
一度暴走した激情はその程度では止まらなかった。
「バカバカバカ、閑丸くんのバカ! なんだって落ちたりするのよ、閑丸くんの
バカ!」
本当に止まらない。閑丸は状況の変化についていけず、おろおろしている。
「バカバカバカバカ、閑丸くんのバカ! もひとつバカ! オマケにバカ! 
それからそれからそれから・・・・・・!」
違う。こんなことを言いたいのではなくて。
口でバカバカと連呼しつつ、リムルルは必死に「自分の本当に言いたいこと」
を探す。
だが、どんなに探しても、出てくる言葉は罵声ばかりだ。
ああ、閑丸くんが泣きそうだ・・・ごめん、せっかくとって来てくれたのに・・・・。
とってきてくれた? なにを? ・・・・・花。
552その6:04/03/17 19:56 ID:pMc4w0/5
不意にキーワードがひらめき、視線を落とす。
自分が怒鳴ったせいで落としてしまった花が、けれども何とか無事な姿でそこ
にあった。
それまで豪雨のように降り注いでいた罵声が唐突にやんだのをいぶかしがる
閑丸。その前でリムルルはしゃがみこみ、両手でそっと花を拾い上げた。
「それから・・・・・・・・・・」
俯いたままでリムルルは立ち上がり、両手でその花をそっとかき抱く。
「・・・・・・・・・・ありがとう、閑丸くん」
上目遣いでそっと閑丸の表情を覗き見る。
ぽかんとした表情だった。状況の変化についてこれていないのだろう。
だが、徐々にその表情が和らいでいき・・・・・・もう一度先ほどの、満面の笑み
を浮かべて見せた。
「・・・・・・・・・・!」
何故だかリムルルはその笑顔が見ていられなくなり、くるりと閑丸に背を向け
走り出した。
なんだか頬が熱い。胸もドキドキいっている。なんだろう?
少し走って、リムルルは立ち止まる。そして一回深呼吸。
よし。もう大丈夫。自分は「お姉ちゃん」なんだから、しっかりしなくっちゃ。
もう一度、くるりと閑丸を振り返る。
閑丸は戸惑った表情だ。やっぱり状況の変化についてこれていない。
そんな閑丸に、片手に持った花を振って見せつつ、いつもの笑顔を向けた。
「行こ、閑丸くん!」
553その7:04/03/17 20:06 ID:pMc4w0/5
はっきり言って閑丸は、さっぱりわけがわからなかった。
花がほしいと思ったから取ってきた、喜んでもらえると思ったら怒られた。
わけがわからなくて途方にくれていたら唐突にリムルルが静かになって、どう
したのかと思ったらいつのも彼女からは想像も出来ないか細い声でお礼を言われ。
まぁとにかく、喜んでくれたには違いないとおもってホッと一息ついたら、突然
顔を真っ赤にしたかと思えばすぐさま自分に背を向けて走り出し。
本当に、ことの推移がどうなってるかさっぱり理解できなかった。
と、駆け出したリムルルが立ち止まり・・・・・また不意に振り返ると、
「行こ、閑丸くん!」
そこに浮かぶのは、彼の知るいつものリムルルの笑顔。
それを見た閑丸は、小さく「ま、いいか」と呟く。
とにかく、目的のとおりに彼女の笑顔を見ることが出来た。途中経過が理解不能
なことなど、些細なことだろう。
第一、彼女のあの笑顔を見れば、細かいことをうじうじ考えるのが勿体無くなっ
てくる。
自分は「お兄ちゃん」なんだ。「妹」のワガママに振り回されるくらい、いつものことなんだ
・・・・・・多分、世間一般では。
閑丸は、また満面の笑顔を浮かべてリムルルに応え・・・・そして彼女に追いつくべく、小走り
に駆け出した。


(終幕)

554名無しさん@ピンキー:04/03/17 20:09 ID:pMc4w0/5
以上、自分の閑リム萌えを垂れ流してみました。

なお、このスレに限らず、自分の知ってる限りでそう書いてる人は見た事は
ないのですが・・・・・・
自分の萌えポイントとして、「 閑 丸 く ん ! 」の呼び名は外せません
でした、ええヽ(´ー`)ノ

お目汚し、失礼しました。
555名無しさん@ピンキー:04/03/17 20:50 ID:8EpybM43
うおーっし!キタぁ!アクセス規制脱出おめ&投稿乙!
いや〜おんなのこらしいリムルルのワケワカランに萌えますた。
面食らって( ゚Д゚)ポカーンな閑丸もよかったです。
う〜ん、やめられないとまらない。
リムスレと言う名のパラダイスに栄光あれ!
556204:04/03/18 00:25 ID:BHk7AzIE
日の都合にて、遅レス申し訳有りませんが…
>>64様 
無事、元に戻れそうで、有難うございます。
そして、いつものご苦労様ですっ!
悔しさをバネに大きくなる兄様に期待っ、
して、羅刹丸のハマりっぷりがまた…(w

>>520
有難うございます、お蔭様で、後の大事には至らず…

>>539
6兄目挙手 ノ 一応、メインは水色リムでございます。
で、他は閑丸を筆頭に10人程節操無く…
最近、近くのゲーセンが対戦台で無くなったらしく、
零SP稼動まではしばらくお休みかと…

>>547
衝撃のリム萌えSS、GJです!
春を前に、一段と癒された様な…、そんなこんな。
二人の各々に対する考え方の食い違いが
微笑ましい事で…(w

私事ではございますが、先日、無事、退院致しました。
先程にも書かせて頂きましたが、後遺症等の心配もなく、
気分もそこそこ上々に過ごします。
引っ張り伸ばし回し過ぎて煮詰まり焦げた様なSSは
週末に(おそらく土曜に)投下致します。
長文、大変失礼致しました、ではこれで…
557名無しさん@ピンキー:04/03/18 01:47 ID:doDJnPOi
>>546
GJ!!(・∀・)
読みながら情景を思い浮かべて
楽しく読めますた。
でも、文がおかしかったり改行が半端だったりしたのがちょっとだけ気に…。

>>556
退院オメデトウゴザイマス(・∀・)
快復できたようで何よりです。
SSもお待ちしております〜!
558名無しさん@ピンキー:04/03/18 01:50 ID:3rDU/FWN
>>554
おお、こんなところに同志が!
俺もアクセス規制だったんだよ。
それはそうとGJ!萌え!
559名無しさん@ピンキー:04/03/18 01:53 ID:3rDU/FWN
>204氏
退院されましたか!いや、よかったよかった。
今後くれぐれもお体の方、お気をつけて・・
期待しております!
560名無しさん@ピンキー:04/03/19 05:24 ID:idhHOCRO
まさしくグッジョブ!!
561名無しさん@ピンキー:04/03/19 23:10 ID:T2HwMmQr
>546
ごめん、漏れは「閑 丸 !」と呼び捨て派。
てか閑丸きゅんは受けがふさわしい。
562名無しさん@ピンキー:04/03/20 02:04 ID:yxsR9Ymo
>>547
感涙です
563名無しさん@ピンキー:04/03/20 19:08 ID:2JaLDode
「閑丸くん」素薔薇しく麗しい響きだ。
「閑丸」(呼び捨て)も捨て難い。
どちらかを選びどちらかを捨て去るなど出来る筈も無い。

強いて言うなら。
旅の道すがら、悪戯っぽい笑みを浮かべて閑丸の顔を覗き込みながら
「 お し ず ち ゃ ん 」
と呼ばせたい。
それに対して困惑した表情を浮かべながら
「リ、リムルル……僕は女の子じゃ無いんだから」と、只でさえ不安定な己の
男としてのプライドの屋台骨を死守せんとする閑丸の言葉すら皆まで言わせず
「だーめ!
お リ ム ち ゃ ん 
って呼んでくれなきゃ、や!」
と、子供特有の理不尽マインド全開で更なる不平等条約を付き付けんとするリムルルを
夢想する漏れの精神的疾患を誰か鎮めて下さい。
564名無しさん@ピンキー:04/03/20 19:15 ID:2JaLDode
おお、漏れのIDが日本航空。

空をひとっ飛びしてカムイコタンまで逝って来ます(゚∀゚)
565名無しさん@ピンキー:04/03/20 19:21 ID:Phuyk3Xw
「しずくん」
「しずちゃん」ドラえもんか?

>>564
そういえば黒子氏は元気なんだろうか
ちょっと気になりましてん
566名無しさん@ピンキー:04/03/20 21:24 ID:TxTEFoQ3
>>564
お茶くらいご馳走してやるよ。
567名無しさん@ピンキー:04/03/21 08:44 ID:OAkvCLNM
>>563
そんなリムルルがいたらおれはきっと変してしまう!
変しさ極まって阿修羅閃空にて懐に肉迫(スキなし)しかる後ギニーと抱きちめたい。
なに閑丸!?そのプクらましたほっぺは!?妬いてるのそそそんなことないよ僕はただいや違うね
このおませ君も全力抱擁することにした。
568名無しさん@ピンキー:04/03/22 10:57 ID:BpETsFsg
そして>>567は暴雨狂風斬でヌッ頃されるのであった
56964:04/03/23 20:43 ID:A/bLw3EO
「ここは・・・」
目を覚ました俺は、一面の銀世界の只中に独り立っていた。
空からはちらちらと粉雪が優しく舞い降り、どこを見ても、
首を回しても、辺りの様子は変わることが無い。しかし、
自然と不安を感じることはなかった。それどころか、
大いなる純白に抱かれたことに、妙な安心感さえ感じる。
「・・・」
別に何の考えがあるわけでもなく、舞い落ちる粉雪の中、
俺は何かに導かれるようにざく、ざくと歩を進めた。
「ちゃんとここまで来れたのですね」
変わらぬ白い風景の中、ふいに後ろからおっとりとした女性の声がした。
振り返ってみると、俺の足跡の上、さっきまで何も無かった部分に、
白い雪化粧を施された一本の背の高い樹が、ぽつんと立っていた。
「リムルルを助けていただいて、本当に感謝しています」
声とともに、樹の後ろからゆっくりと、樹肌に手を滑らせながら
声の主が姿を表した。それは、背中のあたりにまで伸びた艶やかな
銀髪を、やわらかになびかせる女性だった。見た目は俺と同い年か、
少し年上ぐらいだろうか。背は少し高く、白く透き通るような肌を、
これまた白い下地に水色の刺繍を施した、豪華なアイヌの晴着で包んでいる。
背の高さを強調する流れるような体のラインには、女性らしさを
演出する豊満な胸がたわわに実り、その胸元には、数珠状の
ネックレスがきらりと輝いている。だが何より驚くのはその美貌だ。
優しそうなお嬢さんといった雰囲気を漂わせる整った目鼻立ちに、
少し太い眉。そしてその眉の下で、重たげな二重のまぶたに
収められた青い瞳が、白い世界の中で自らの存在をさらに
強く示すかのように、深く輝きながら俺を見つめていた。
「あ、あなたは・・・?まさか」
白く積もった雪の上を俺の方へと向かってくる女性に、俺は声をかけた。
「初めまして、コンルです」
「やっぱり・・・!は、はじめまして」
57064:04/03/23 20:43 ID:A/bLw3EO
おろおろとする俺を前に、女性は深く礼をした。姿勢を戻すと、
ちょっと垂れ目気味の目を細くしてにこやかな笑みを浮かべ、
あらためて薄紅色の唇を開いた。しゃべり方はいたってスローだが、
独特の上品さがある。
「驚かせてしまってごめんなさい。ここは、あなたの夢の中」
「え、夢?しかし、コンル・・・さんも、本当は人の姿をしているのか」
「コンル、と呼んでいただいて結構です。こうやって私本来の姿で
あなたに会えるのは、人間の夢の中、ここだけなのです。そして、
私の姿をちゃんと捉えることが出来るこの時代の人間も・・・」
ここまで聞いて、リムルルの言っていたことを思い出す。
「俺が選ばれた、ってのは・・・つまりそういうことなんですか?
俺だけにあなたを捉えることが出来るから?しかしなんでまた・・・俺?
霊感とか全然ないし」
「あなたが特別な力を持っているとか、そういう理由ではないのですよ。
あの晩・・・あなたがリムルルと出会った晩です。私は一つの賭けに出ました。
というのも、リムルルを牢屋から助け出したことで、力が限界に
達していたのです。こちらの世界で姿を保つことが困難になる前に・・・
私が居ない間、リムルルを守ることが出来る人を見つけ出す必要がありました。
「そういうことだったんですか・・・」
「ふふ・・・大変な悪天候だったでしょう?その中を、雨具も使わずに
走り回っていたのはあなただけでした。ありのままを受け止められる
心を持っている証拠です」
「え、いや・・・別にあれは。傘無かったし、バスが面倒だっただk」
「そんなあなたを見つけ、私はあなたの目の前に落ちた。
普通なら逃げ出すでしょうね。けど、あなたは逃げなかった。
強い勇気を持っている証拠です」
「う〜ん、勇気っていうか・・・あれだけ綺麗なら逃げようもn」
「そして、臆することなく、あなたは私に触れたのです・・・この手で」
コンルは俺の手首を握り、すっと胸元近くまで導きよせると、
その豊かな胸に俺の手のひらを押し付けた。柔らかい弾力とともに、
俺の手がむにゅっと埋まってゆく。
57164:04/03/23 20:44 ID:A/bLw3EO
「えっ、あの、ちょ・・・柔らか・・・じゃなくてそn」
「あぁ・・・あのときと同じ。慈しみに溢れる、温かい心が
伝わってきます・・・私の目に、狂いはなかったのですね」
「き、聞いてます?俺の話」
瞳を閉じて、ほう、と色っぽく白い息を漏らすコンルに、ちょっと
恐縮しながらもすかさず俺は話しかけた。さっきから俺の言葉は
遮られっぱなしだし、言っていることもやっていることも
イマイチとんちんかんなコンルに、俺は何だか不安を覚えたのだ。
「あの・・・コンル?」
「・・・・・・」
「・・・え?」
「・・・・・・・・・はい、なんでしょう」
かなりの間があって、コンルはやっとまぶたを開くと、
首をかしげてにっこりと笑いかけてきた。
「・・・な、何でもないんです。それより、腕を・・・」
「あ、失礼しました」
目を細めたまま、何事も無いように俺の腕を放すコンル。
『こ、この人は、俗に言う天然なのか』
俺の周りにも色々変なヤツはいるが、ここまで抜けている感じの
人は初めてである。だが、その笑顔のあまりの罪の無さに、
俺は自分が選ばれたことなど、もうどうでも良くなっていた。
「・・・それで・・・何か?」
苦笑いを浮かべて下を向く俺の顔を、コンルは覗き込んでくる。
「はは・・・いえいえ、ホントに何でもないんですよ」
「あらぁ、分からないことがありましたら、何でも聞いてください?
ほら、これからあなたはどうするべきなのか、とか」
「! 何でそれを・・・って、あれ?」
にこやかな顔のままのコンルの口から発せられたどきりとする言葉に、
俺は慌てて顔を上げる。すると、一面の銀世界はいつの間にか
闇に沈む森の中へと姿を変えていた。
57264:04/03/23 20:44 ID:A/bLw3EO
「こっちだ、急げ」
「はあっ、はあっ・・・うん!」
その闇の向こうからささやき声がして、木々の間をすり抜けて
男があっという間に俺達の前に現れた。そしてそのすぐ後ろから、
男に離されるまいと懸命に後を追う、小さな子供がひょいと飛び出す。
月明かりに照らされる男の顔は、何とも凛々しいものだった。
闇の中、僅かな異変さえも見落とさんとばかりに鋭く見開かれた目。
背は高く、その腕は丸太のように太い。肩まで無造作に伸ばした髪と
顔の半分を覆うひげが、その雄雄しい姿にさらなる迫力をもたらしている。
後ろから着いてきた子供は、幼稚園生ぐらいだろうか。
声の調子からして、どうやら女の子らしい。しかし子供とは思えない
きりりとした表情で、男と同じように辺りに目を凝らしている。
だがおかしなことに、この二人は俺達に気付いてはいないらしい。
「こ、コンル・・・これはどういうこと?」
「これは、私の記憶です。リムルルに関する・・・」
そういわれて見ると、確かに女の子はリムルルだった。
くりくりとした眼と小さな口は、この頃からあまり変わって
いないような印象を受ける。だが、頭に巻いた鉢巻の結び目で
揺れるリボンは、子供らしく今よりもずっと大きくて可愛らしい。
そしてその傍らには、氷の姿のコンルがふわりふわりと揺れていた。
「こんな小さな頃から、一緒だったんだ・・・」
俺の問いかけに、自分と小さなリムルルを懐かしそうに
見つめるコンルが黙って頷いた。
「とうさま、あいつらずっと遠くだよ?追いつけないよね!」
そのリムルルが、小さな声で男にささやく。
「え、とうさま・・・って」
「えぇ。あれが、リムルルのお父様です。素敵な方でしょう?」
驚く俺に、コンルは平然とした口調で付け加えた。
57364:04/03/23 20:45 ID:A/bLw3EO
父親がしゃがみこみ、大きな手をリムルルの両肩に乗せる。
「リムルル、いいな?お前はカムイコタンへ行くんだ。
行き方はわかるだろう?」
「うん!」
「そしてこの夜盗の事を誰でもいい、伝えるんだ。助けに来てもらえ。
俺は先に戻って皆を叩き起こす。いいな?」
「うん、とうさま、気をつけてね!」
「コンル、リムルルを頼んだぞ」
コンルが、きらりと月の光を返した。
「さぁ、急げ!」
「はい!コンル、行くよ!!」
リムルルは立ち上がり、ぽんと父親にお尻を押されると、
抜けてきた方向とは別な向きへと駆け出した。
「急がなきゃ!急がなきゃ!!」
カムイコタンを目指し、リムルルは驚くほどの速さで駆けて行く。
朽木を飛び越え小川を飛び越え、道なき道を行くリムルルの瞳は、
まさしく使命に燃えていた。
「え、けど待てよ?リムルルの故郷はカムイコタンで、
親父さんが戻っていったのは・・・?」
「リムルルとお父様は、様々なコタンを転々としていました。
言わば放浪の生活を送っていたのです」
「ほうろう・・・」
「はい。お父様の話では、リムルルが生まれた頃に住んでいたコタンは、
疫病で全滅してしまったのだそうです。残念なことに、その時に奥様も・・・。
その後移住しようとした周辺のコタンも、すでに病魔に蝕まれた後だったそうですよ」
「その中で生き残ったのが、リムルルと親父さんてわけか」
コンルは、深々と頷いた。昔はよく疫病とかがあったらしいが・・・
「お父様は、持ち前の腕力と狩りの才能、そして人望があったのですね、
どんなコタンへ行っても、人々に温かく迎えられたようです」
「確かに・・・あの一瞬でも、すごい感じがしたよ」
57464:04/03/23 20:46 ID:A/bLw3EO
「そんな放浪生活をしばらく続けていたそうなのですが・・・成長した
リムルルのために、腰を落ち着けることにしたのだそうです」
「それが、カムイコタンのすぐ近くだった、と」
「はい。私がリムルルに出会ったのもこの場所です。森の中で迷子になって
泣いているリムルルを、コタンまで導いてあげたのが始まりでした。
片親のリムルルの、母親にでもなったような気持ちとでも言いましょうか・・・」
少し遠い目をしながら、コンルは淡々と話した。
もう何分も走り続けているが、息を切らす気配さえないリムルルが
急に向きを変え、ずぼっと草むらの中に入った。すると、
ふいにぱあっと景色が広がった。森を抜け、高台に出たのだ。
なだらかに続く長い崖の下には、月明かりに照らされた集落が見える。
「あ、見えたよ、コンル!お―――い!大変だよぉー!!」
あたりに響き渡る大声を張り上げると、かなりの落差があるにも
かかわらず、リムルルはためらいもなく崖へとジャンプした。
それに続くコンルがばきばきっと音を立て、一瞬で簡単なそりの
形へと早変わりし、リムルルの足元に滑り込む。
「よいしょ!いっけー!コンル!!」
シャアァァァッと気持ちの良い音を立て、リムルルを乗せたコンルは
あっという間に崖を下りきった。大声を聞きつけ、崖のふもとには
すでに大人達が集まっている。その目の前にリムルルは駆け寄った。
「どうした?ん、嬢ちゃんは確か・・・」
「リムルルだよ!そ、それより大変たいへん!『やとう』だよ!」
「何!」 「夜盗だと・・・」 「例の奴らか・・・?」
程なくして、ざわざわと騒ぐ人垣が割れ、ひときわたくましい男が現れた。
その後ろからは、杖を突く老人がゆったりと男の後に続く。
「夜盗が来たのだな?ついにこんなところまで・・・」
「うん、とうさまは先にコタンへ戻りました。あたし、
助けを呼べって言われて来たんです!はやくはやく!」
全てを知っているかのような大男に、リムルルはコタンに迫る危機を
慌てた表情で伝えた。
57564:04/03/23 20:47 ID:A/bLw3EO
「そうか。リムルルよく頑張ったな・・・首長?」
「うむ」
首長と呼ばれた老人が頷くのを確認すると、男は身をひるがえし
大声を張り上げた。
「川下のコタンに夜盗だ!男衆は全員、応援の準備!!急げ!!」
わっと人垣が散り散りになり、にわかにコタンが騒がしくなった。
だが、こんな真夜中だというのに統率が取れている。
あっという間に、思い思いの武装をした男たちが集まった。
その男たちが輪になり、何やら話し合う。
「うむ、よし・・・では手はず通りに。行くぞ」
ぞろぞろと、いくつかのグループに分かれた男たちが闇夜に
吸い込まれていった。その後姿を見送っていたリーダーと
おぼしき男が、長の老人に話しかける。
「では、俺も行って参ります。この子をお願い・・・」
「やだっ!あたしも行くよ!!」
「リムルル、戦いは危険だぞ?」
「とうさまが闘ってるんだもん!それに、コンルがいるもん!」
「だがなぁ、しかし・・・」
「連れていってやりなさい」
老人が男をいなした。頑として聞かなかったリムルルの顔が明るくなる。
「仕方の無い・・・よし、遅れるなよ!」
「うん!おじいちゃん、ありがとう!!」
ひらひらとリムルルは手を振ると、疾風のごとく駆けてゆく
男の後を追った。大きな河川沿いに音もなく行軍する一行
の背中が近づいてくる。どうやらこの行き方が最短のようだ。
「皆、無事だと良いが・・・!」
男の一人がつぶやく。
「とうさまがいるから!ぜったい、ぜったいに平気だよ!」
「お、おぉ、嬢ちゃんか。うむ、そうだな」
突然後ろから響いてきたリムルルの自信たっぷりな言葉に、
男が笑いながら相槌を打った。
57664:04/03/23 20:47 ID:A/bLw3EO
「なぁ、コンル?さっきあの人が『ついに来たか』みたいなことを
言ってたけど・・・」
俺は、リーダーを指差しながらコンルに尋ねた。
「はい。この頃、周辺のコタンが次々に襲われる事件があったのです。
どのコタンも皆殺しにされ、金品や食料を荒らされていました。
その侵攻の向きが、徐々にこちらへ向かっていたということで、
皆、警戒を強めていたのです。カムイコタンの周りで、こんなことは
今まで起きたことが無かったのですが・・・」
「よし、止まれ」
先頭を切っていたリーダー格の男が、制止をかける。
「この林を抜ければすぐそこだ。散開し、一気に包囲・・・んむ?!」
指差す林の向こうから、一筋の光が空に向けて輝く。そして。
「きゃ!」
「うおぉぉっ?!」
強烈な閃光がほとばしり、辺りが光に染まった。眼がつぶれるほどの光に、
全員が身をかがめ顔を覆った。程なくして辺りは何事も無かったかの
ような元の静寂に包まれたが、あまりの出来事に誰一人動き出すことが
出来ない。その中で、先陣を切ったのは他でもないリムルルだった。
それに、リーダーの男が続く。
「とうさまー!」
「動けるものはリムルルに続け!」
走り抜ける木々の向こうに、コタンが見えてくる。
「とうさまー!・・・え、な・・・なに、なにこれ・・・!」
57764:04/03/23 20:48 ID:A/bLw3EO
林を抜けた先。そこに、リムルルが愛するいつものコタンの姿は無かった。
点在する家々からは、見たことも無い不気味な白い火の手が上がり、
もうもうと煙を上げて炎上している。そしてその明かりに照らされ
暗闇に浮かび上がるのは、地に伏せ動かなくなった、焼け焦げた人々の姿。
「や、いやぁぁ・・・なんで、なんでぇ!とうさまー!!」
泣きながら父を呼ぶその声に返事をするのは、黒焦げになった木材の
ぱち、ぱちと爆ぜる音だけだ。
「この僅かな間に、こんな馬鹿なことが?!」
男が叫ぶ。そうだ。まだ山の中にいたリムルルが、カムイコタンを
経由してここまで来るのに30分とかかっていないはずだ。
にもかかわらず、火災に備え各家の距離は十分に設けられている
というのに、ここから見える全ての家に、火の手が回っているのである。
「しかも・・・なんだこの炎は・・・ん、リムルル?」
「とうさまぁ〜!!うぐっ、とうさまぁ!とうさまぁ!!」
「あっ、こら!リムルル!戻れ!!」
燃え盛る炎はリムルルの理性をも消し炭へと変えていた。
男の腕を振り払い、リムルルはコタンの中心へと走り出した。
ばらばらと飛んでくる火の粉を払い、無我夢中で父の姿を探す。
むごたらしい風景と臭いにむせながらも、その足が止まることはない。
「・・・! ・・・!!」
ふいに、汗が吹き出そうに熱い風に乗せて、誰かが叫ぶ声が聞こえた。
「はっ、と、とうさま?!」
誰のものかも分からない声を父のものと信じて疑わないリムルルは、
その声の方、まだ火の手が回っていない首長の家へと向きを変えると、
再び走り出した。家の横手から覗き見るリムルルの視界に
飛び込んできたのは、乾いた金属音を響かせ、火花を散らしながら
刃を交える二人の男の姿だった。
57864:04/03/23 20:48 ID:A/bLw3EO
「とうさま!」
つばぜり合う男の片方は、確かにリムルルの父親だった。
娘の声に気付いたか、死闘の最中だというのに一瞬こちらを振り返る。
「リムルル、リムルルか?!来るなー!来るんじゃない・・・ぞッ!」
父親は大声で怒鳴ると、夜盗に向かってぐっと刀を押し付け、
よろめいた所を横から切りかかったが、その攻撃は夜盗の胸元をかすめ、
だぶつく服をびっと切り裂いただけであった。しかしその軽い攻撃に
反して、男は地面にぐしゃっと潰れるように倒れこんでしまった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
間合いが開いたのを確認し、父親は肩で息をしながら
重そうに刀を構え直した。
「ウェンカムイなんぞに・・・魅せられおってぇ・・・」
ぜえぜえと息をしながら吐き捨てる言葉。当然ながら
その言葉の矛先は、倒れたままの夜盗と思しき男に向けられていた。
盗人のススだらけになった粗末な服が、ばたばたと風に揺れている。
別段おかしなところはない。だが、その獲物だけが不可思議な
形状をしていた。血塗れの刃。反りの無い直剣の類のようだが、
切っ先が無い。まるで、途中で折れているかのようだった。
視線を、二人の男の間を行ったり来たりさせていたリムルルだが、
父の闘いを前に長老の家の横で立ちすくんでいた。
その父が、再びリムルルに顔を向けて叫ぶ。
「まだいたのか!早く!早く逃げろ!!」
だが、その声に反応したのは倒れていた夜盗の方であった。
操り人形のように四肢をずるっと地面に引きずりながら立ち上がり、
いや、立たされているのか、その刀をリムルルの方へと思い切り
投げつけたのだ。ガスッという音とともに、刀が家の屋根に突き刺さる。
「リムルル!家から離れなさい!!」
父の声にリムルルが振り返ったときには、既に長老の家は轟々と
音を立て、屋根のほうからさっきと同じ白色の火の手が回っていた。
57964:04/03/23 20:49 ID:A/bLw3EO
「え・・・や・・・やぁ・・・うわ〜ん」
度重なる恐ろしい光景が、リムルルの幼い心を踏みにじる。
リムルルは力が抜けたようにへたんとその場に座り込むと、
天を仰いで泣き出してしまった。
「リムルル!逃げろ!!」
「うぅ〜、怖いよぉ、とうさまぁ〜」
もはや、父親の声さえ届かない。燃え盛る白い炎が、木造の家を
あっという間に包み込む。尋常ではない火の手の速さだ。
がらがらと屋根と壁が崩れ落ち、煙の向こうへとリムルルが霞んでゆく。
「リムルル――――――!」
娘がもう動けない状態にある。そう悟った父親は刀を放り出し、
その身さえ捨てんとばかりに煙の中へと飛び込んだ。がらがらと
柱が燃え落ち、家が倒れる間一髪のところで、リムルルを抱きかかえた
父親が煙の中から再び現れた。二人とも無事のようである。
「リムルル・・・大丈夫か」
「うぐっ、ひうっ、とうさまぁ〜〜っ」
「すまなかった、コンル。ありがとう」
コンルが二人の服に薄い霜を張っていたおかげで、燃え移ることは
なかったようだ。父親は娘をもう一度ぎゅっと抱きしめると、
地面に降ろし背中を押す。
「さぁ、先に行きなさい」
「うん・・・ごめんなさい・・・」
とぼとぼと、コタンのはずれの方へとリムルルは歩いていった。
「走れ!ほら、はやく・・・っ・・・!?」
だが、背中から急かす父の声が、急に止まる。
「とうさま?」
「リムッ・・・・・・ル・・・ぐはぁ」
リムルルが声の異変に振り向くと同時に、父親は口から鮮血を吐いた。
少女の背中に戦慄が走る。
「うぬ・・・ぐ・・・お・・・」
父親が両手で押さえる自らの胸元には、先ほど家を焼き尽くしたばかりの
刀が深々と突き抜け、血がだらだらとその刀身を伝い、地面に真紅の池が湧いてゆく。
58064:04/03/23 20:49 ID:A/bLw3EO
「リムゥ・・・ル・・・ル・・・!」
「いや、いや・・・とうさま・・・」
光を失ってゆく瞳に吸い寄せられるかのように、
リムルルは膝を落とした父親の元へ再び駆け戻った。
幼い少女にでも、体に大きな穴が開いてはどうなるかは分かっている。
父の罠にかかり矢で射抜かれた鹿が、息をしなくなるように。
モリで突かれた魚が、だらりとその身を動かさなくなるように。
そして、刃で体を引き裂かれた父が・・・
「死んじゃやだぁ!とうさま、とうさ・・・ま・・・うわぁ〜!」
太い腕にしがみ付き、わんわんと泣き声を立てる。
「ぐずっ、とうさま、とっ、とうさまぁ・・・やだ・・・やだよぉ・・・」
絶望という名の墨で、リムルルの心は黒く、黒く塗り潰されてゆく。
溢れかえる涙でびしゃびしゃになった瞳に映るのは、いつでも
そばに居た父親の顔だけであった。もちろん、父に傷を負わせた者の
存在にさえ気付くことは無い。ガチャリという、刀剣類独特の
金属音がリムルルの耳に届くまでは。
「うっ・・・うぅ・・・??」
音の方、父の真後ろにリムルルは目をやった。そこには、
確かにさっきまで倒れていたはずの夜盗が突っ立っていた。
ぼろぼろの服。やせ細った腕。血と傷にまみれた体。そして、
ぐらりぐらりと揺れるその土色の顔は、すでに死人のものであった。
髪はところどころ抜け落ち、頬はこけ、眼球は腐り落ちている。
動きそうにも無いその骨と皮だけの手が、父をえぐる刀を
震えながら強く握りしめ、徐々に引き抜いてゆく。
「あ・・・うぁ・・・や・・・やめ・・・」
生きている父の命が、死んでいる人間の手で奪われてゆく。
恐怖と混乱で放心するリムルルの目の前で刀がぐっと抜かれると同時に、
父親の傷口から血が噴き出し、支えを失った大きな体が、そのまま
ぐしゃりと血の海にに突っ伏した。真っ青なリムルルの顔に、
泥が跳ねたようにぱっと鮮血が飛び散る。
生暖かい感触。そして、力なくリムルルの腕からすり抜ける、父の体。
58164:04/03/23 20:50 ID:A/bLw3EO
「・・・・・・・・・」
もう、リムルルの見開かれた瞳には、何も映ってはいなかった。
傷口から炎を上げ、白く明るく燃え盛り始める父の体も。
斬りつけたもの全てを焼き尽くす、やせ細った屍が振り上げる刀も。
滅びゆくコタンの真ん中で、少女もまた、滅びを待つのみであった。
父の命を奪った、おぞましい血塗れの刃で。
「リムルル、何をしているのだ」
だがその時。聞き覚えのある声が、リムルルの下で響く。
「ウェンカムイに負けるような、弱い子に育てた覚えは無いぞ」
白く輝く大きな体が、そびえるようにリムルルと屍の間に立ちはだかり、
節くれだったたくましい手が、屍の枝のような腕をぼくりと折った。
おかしな方向へと折れ曲がった腕から、ガラァンと刀が転げ落ちる。
そう、倒れたはずの父が、再び立ち上がったのだ。
「俺の娘に手を出そうとした事、悔いるがいい」
深く低音の効いた声で吐き捨てると、父の手から燃え移った炎が、
屍の体を一瞬で灰へと変えた。
「と・・・うさ・・・ま・・・」
炎に包まれた後姿が振り向き、頼もしい笑顔がリムルルに向けられる。
だが、リムルルと目が合うと、父は悲しそうにすぐ再び背を向けた。
「リムルル、すまない」
その身を焼き尽くそうとした刀を拾い上げると、父は残念そうに言った。
「コタンは滅び・・・俺に守れたのは、お前だけだった・・・
すべては、この刀の仕業・・・すべては・・・」
「・・・・・・」
「だが、お前を守ることが出来て、俺は幸せだ」
「とうさまぁ〜・・・あたし・・・独りじゃ・・・独りはやだぁ!」
「コンルがいるだろう?それに、カムイコタンの人たちがいる」
「やだっ!やだやだ!!とうさまと一緒じゃなきゃ!!」
「わがままを言うな!」
「!!」
優しい父の声が、一変して怒声へと切り替わる。
たまらずリムルルは黙ってしまった。
58264:04/03/23 20:50 ID:A/bLw3EO
「とうさまは、最後の仕事をする。だから、ここでリムルルとは
お別れだ・・・そしてお前の仕事は、カムイモシリへと旅立った
コタンの人々を、ちゃんとした葬式で送ることだ。わかるな?」
「うぐっ・・・やだよ・・・やだよぉ〜」
そう言いながらも、もう手の届かない場所へと旅立ってゆく父を止める
すべを持たないリムルルは、その背中を眺めることしか出来なかった。
「いい子だ。きっと、母さんのような良い奥さんになるだろう」
「・・・・・・」
「リムルル、もう泣くなよ。さらばだ」
「! とっ、とうさま、とうさまっ!?」
背を向けたまま立ち去ろうとする父を、リムルルは慌てて
追いかけようとした。だが、ぐいっとその体が釘付けになる。
いつの間にかやって来ていたカムイコタンの男衆に、リムルルは
うしろから押さえつけられていたのだった。
「離して、離してよぉ!とうさまっ、待って、待ってぇ!!」
もがき、わめくリムルルの叫びも空しく、父は刀と共に光となった。
煌々と燃える姿が形を失い、やがてその身体全てが煙となって
空へと消えゆく頃、焼け跡と人々の亡骸が朝日に染まった。
「あぁ〜・・・うっ、うぅ・・・とうさま・・・とぉさまあぁぁぁぁ!!」
地面に突っ伏し、リムルルは悲鳴にも近い泣き声を上げると、
逃げるように森の中へと走っていった。
58364:04/03/23 20:51 ID:A/bLw3EO
あれほどの大惨事の後だというのに、森の中は残酷なほどに静かだ。
早朝の木漏れ日が新緑を柔らかく照らし、鳥のさえずりが聞こえ、
よどみの無い澄み切った空気が心地よかった。しかしその風景の中、
大木の下でリムルルはうなだれていた。泣きはらした眼は真っ赤で、
苦しそうに胸をつかえながら息をしている。血と煤で真っ黒に汚れた
顔に浮かぶのは、疲れと絶望だけだ。
「はぅ・・・ひぐ・・・うっ、うぅ・・・とうさま・・・とうさま・・・」
小さな口が、うわごとのように父を求めては震えている。
コンルが心配そうにその周りを回っているが、リムルルの
目に留まることは無い。膝を抱え込むと、リムルルはもう一度
静かに涙を流した。
「・・・・・・・・・」
父がいない。帰る家も無い。友達も、近所のおばさんも、誰も。何も。
「もう・・・だめだよ・・・なにもない・・・」
文字通り全てを失ったリムルルは、その心さえも失おうとしていた。
「ひとり・・・独りぼっち」
誰よりも大きく、素直に開け放たれていたリムルルの心の扉が、
ゆっくりと閉ざされてゆく。無表情な顔はそのまま凍りつき、
自分の周りに存在する全てと、自らの肉体が意味を失い始めた。
「ひと・・・り・・・ひとり・・・・・・ひとり・・・」
半開きの口で、リムルルはうわごとのようにその言葉を繰り返した。
そうしているうちに、目の前の新緑はすでに何のことは無い、
記号としての色へと変わった。さえずる鳥の声も、風が揺らす
木々の音も、今となっては耳に届いていない。
『もう、だいじょうぶ・・・かなしくない・・・くるしく・・・ない』
あれほどの悲しみや孤独から、リムルルは既に抜け出そうとしていた。
あらゆる苦痛からの解放。闇に沈んだ未来との決別。
それこそが、幼い少女が望むものの全てだった。
そして今、その願いは成就しつつある。魂という名の代償とともに。
58464:04/03/23 20:51 ID:A/bLw3EO
「違うわよ、リムルル」
だがその時であった。ふいに目の前の緑色が遮られ、
頭上から聞こえる優しい声に、塞いでいたリムルルが顔を上げる。
「ふぇ・・・」
「リムルルは独りなんかじゃないわ」
黒くしっとりと輝く髪を赤いリボンでまとめた少女が、再び
リムルルに言葉をかける。朝日に照らされる、声と違わぬ優しい笑顔。
『なんだろ・・・あったかい・・・』
絶望に黒く染まったはずのリムルルの心に僅かな光が差し込み、
あれほど頑なに心の扉に鎖を巻こうとしていた手が、ぴたりと止まった。
「ほら、元気を出して」
どういうわけなのだろうか。黒髪の少女のさりげない一言一言が、
リムルルの中にある「生」をぶるりと震わせる。目に光が戻り、
心臓がとくとくと高鳴り、弛緩していた身体に再び血液がめぐり始める。
「でもっ、でも・・・あたし、もうどこにも行けない・・・」
しかし、突然の優しさにリムルルは戸惑った。どんなに勇気付けられようと、
独りには変わりが無い。心が蘇り始めたばっかりに、再び突きつけられた
残酷な現実が重くのしかかると、リムルルはもう一度頭を垂れた。
「ひとりぼっち・・・なんだもん」
震える小さな身体を、黒髪の少女がそっと抱きしめる。
その抱擁が、リムルルの身体を陽だまりの中にいるような、
柔らかな幸せで癒してゆく。
「ううん、今日からリムルルは私の妹・・・」
「へ・・・?」
予想もしなかった一言に、リムルルは小さく驚いた。
「うん。今日から私が、リムルルの姉様。ずっと一緒よ」
「ねえ・・・さま・・・」
いつしかリムルルの震える両手は、黒髪の少女の背中をぎゅっと
抱きしめていた。
「あ・・・ぁ・・・ねえさまぁ・・・」
「リムルル・・・」
「ねえさま!ねえさま・・・!!」
58564:04/03/23 20:52 ID:A/bLw3EO
大きな眼から、ぼろぼろと歓喜の涙がこぼれ、震える唇がいつまでも
姉の存在を口にした。リムルルの身体へと怒涛のように流れ込む、
熱い、熱い優しさの塊。その激流が、ついにリムルルの心を開け放った。
悲しみ、苦しみ、別れ、絶望・・・避けて通ろうとしたあらゆる全てが、
再びリムルルの心に飛び込んできた。だが、黒髪の少女から与えられた
生への衝動が、それらさえも生きるための力へと変えてゆく。
「リムルル、辛かったでしょう・・・だけどほら、思い出して。
悲しい思い出はひとつだけ。あとは・・・たくさんの楽しい思い出」
「・・・とうさまの・・・おもいで・・・」
抱きしめ合う少女に促され、リムルルの脳裏に浮かぶ幸せな時間の数々。
「そうだ・・・よ・・・もう、もうっ会えないけど・・・楽しかった・・・」
「思い出した?だけど、いつまでも泣いていたら・・・」
別れ際に父が浮かべた、悲しそうな笑顔。そして、遺された唯一の願い。
『リムルル、もう泣くなよ・・・』
その言葉が、リムルルの胸を突き動かした。
「そだ・・・もう、泣かない・・・泣かないよ?」
「うん、泣いたら幸せも逃げてしまうわ」
「とうさまと・・・とうさまと、やっ、約束したんだもん!
ぐすっ・・・あっあたし、泣かない!決めた!泣かないよ!」
「リムルル、強い子ね・・・」
「そうだよ!と、とうさまもつよかった!ウェンカムイに勝った、
つよいつよい・・・とうさまの子なんだもん!だっだからあたしだって!!」
「そうよ。さ、リムルル。立てるわね」
「ぐす・・・うっ、うん」
かなり長い間、リムルルは黒髪の少女に抱きついたまま、その温もりに
身体を預けていた。しかし立ち上がることを促されると、リムルルは
すくっと立ち上がり、涙を拭いた。
「さあ、カムイコタンに行きましょう」
「ねえさま・・・ずっと・・・いっしょ?」
「うん、ずっと一緒・・・だから、もう泣かないで」
「ありがとう・・・ありがとぉ・・・ねえさま、あたし、もう泣かないよ」
立ち上がった二人はもう一度抱きしめ合うと、森の中を抜けていった。
58664:04/03/23 20:55 ID:A/bLw3EO
容疑者の供述
今後のストーリーの展開上、リムルルの過去を捏造してしまった。
アイヌの神話や昔話を意識してコンルを擬人化してみたり、サムゼロの
エンディングにつなげて少しでも違和感を無くそうと努力したが、
結果としてスレ住人の皆さんには迷惑をかけてしまった。反省している。
もうしばらくでいつもの展開になるので、あと少しだけご辛抱願いたい。

>204氏
退院おめでとうございます。次の投稿が楽しみで夜も眠れません(ぇ

>546氏
大変興味深く読ませていただきました。女の子の生態が良く出てますね。
勉強になります。押忍。
587名無しさん@ピンキー:04/03/23 22:33 ID:o7qCHbSt
(・∀・)イイ!
思わずぐっとこみ上げて来ちゃった。
だけど、ら抜き言葉がちょっと気になったかな。
588名無しさん@ピンキー:04/03/24 02:56 ID:CgNyRJnh
すげぇいいSSだ、GJ!
58964:04/03/25 22:36 ID:eUgYjIVR
白い雪が舞い、初めと同じような銀世界へと風景が変わってゆく。
弱い風に吹き流されるかのように、幻の世界は姿を消した。
「こんな・・・こんなの・・・なぁ?」
俺は、コンルの傍らでうなだれることしかできなかった。
「親父さんも、お袋さんもいなってのは聞いてた・・・けど、辛すぎる・・・
あんな別れ方・・・。目の前で親父さんが死んでよ、帰る場所も無いわ・・・
しかも何だよ!さっ、探してるのは義理の姉さんだってのか!?
子供に耐えられるワケねーだろ!なのに・・・なのによぉ・・・あいつ・・・」
足元へとこぼれた涙が雪を溶かす。
「リムルル・・・うぅ・・・。コンル」
「はい」
「俺は、間違ってた・・・兄に、兄になるなんて・・・気安く言っちまって。
その言葉が、如何にあいつにとって大事なことかも知らないで、
ただ、あいつが可愛いから、かわいそうだったから・・・!軽い言葉で
何度あいつを傷つけたか・・・わかんねえ。だけど、だけどな?聞いてくれ。
俺の・・・あいつへの、リムルルに対する家族としての愛情は、本物なんだ。
少なくとも、俺はそう思ってるんだ・・・大事な、大事な妹・・・なんだ」
「はい」
「あいつは・・・今、俺のこと慕ってくれてる。だから、俺は・・・それに
全力で応えてやりたいんだ。それで、あいつが少しでも幸せに、
それで元気になって、寂しさを忘れられるなら・・・俺は幸せだ。
あいつが、俺のことを兄だと言ってくれる間は。何もできない俺に、
愛想尽かすまでは・・・」
涙を拭い顔を上げ、俺はコンルに向き直った。黙って俺の話を聞いていた
コンルの顔は、俺の気持ちさえ、次の言葉さえ見透かしているかのように
清清しい笑顔で満ちていた。
「俺はリムルルのそばに、ずっと居てやるから。死んでも守ってやる。
もうあれ以上、寂しい思いなんかさせてたまるか」
「はい!よろしくお願いします」
俺の宣言を聞き、コンルは心底嬉しそうに返事をした。
59064:04/03/25 22:37 ID:eUgYjIVR
「だけど・・・俺には、力が無い。何か!何かないのか?あのほら、
すっげー武器とか。技とか」
「フフ・・・。お気持ちは分かりますけど、守ってあげる、というのは
何もあの子と一緒に闘うことだけではないでしょう」
子供のように息巻く俺が愉快だったのか、コンルは微笑みながら
柔らかな言葉でなだめた。
「う〜ん・・・それは、まぁそうだけど」
それでも力を求める俺を前に、コンルは少し困った顔をした。
「闘いに巻き込またら、これからは私が2人の命を守ります。
だからお願いです、命を粗末にするようなことだけは・・・」
「はっ、そ、そうか・・・」
コンルの言葉に、無念と苦痛に歪むリムルルの父の顔を思い出す。
もしも、俺が命を落とすようなことがあったら・・・
「あなたという存在が、リムルルにとってどれだけ大事なことか・・・」
「ごめんな、コンル・・・また、バカな事言っちまった。死んでも、なんて」
「いえ、いいんですよ。ただ・・・今、リムルルは傷ついています。
身体の傷はやがて癒えるでしょう。ですが、心は・・・決して独りでは
癒すことはできません。あの子に、笑顔を分けてあげてください。
それができるのは、いま、この世界であなただけなのです。
忘れないでください。あなただけが、リムルルを・・・」
白魚のような両手の指を胸の前で絡め、コンルは祈るように俺に囁く。
俺を見つめる、慈悲に満ちた曇りない青い瞳。それはまるで、現実世界で
見る彼女の姿と同じように美しく透き通った、優しさの結晶のようだ。
「笑顔・・・コンル、わかったよ。俺は、俺にできるやり方でリムルルを
守ってみせる」
「はい!思ったとおりです、やっぱりあなたは素敵なお方。
その笑顔・・・あの・・・かた・・・に・・・」
笑い顔のまま、コンルはふらっと姿勢を崩した。
59164:04/03/25 22:37 ID:eUgYjIVR
「あれぇ〜・・・」
「うわ!こ、コンル!?わぷっ・・・」
今時、時代劇でも聞かれないような声を上げて倒れこんだ
コンルを抱きとめたはいいが、体重を全て預けてきたので
俺もろとも地面に倒れこんでしまった。だが、雪の上だけにちっとも
痛くない。しかも、下からだけではなく上からも包み込む柔らかな
2つのクッションが、俺の身体にぴたりと吸いついてくる。
「ご・・・ごめんな・・・さい・・・。安心したら、めまいが・・・はぁ・・・」
目前に迫るコンルの白い顔が、さらに青白くなってしまっている。
切なげに漏れる力の無い喘ぎが、あまりにも色っぽい。
「すいません・・・お怪我・・・ないですか・・・ぅ・・・ううん」
コンルは立ち上がろうとするが、どうやら身体に力が入らないらしい。
俺の上で身をよじるたび、たっぷりとした豊乳が自在に形を変えながら
俺の胸板の上で艶やかに踊り、か細い吐息が耳元をくすぐった。
「いや・・・あの・・・ちょっ、気持ちい・・・いやいやいやいや」
「・・・?」
ぼんやりとした瞳で、コンルは慌てる俺を見つめている。
「お、俺は大丈夫です。ゆっくり立ち上がってください」
「お・・・お気遣い・・・ありがとうございます・・・ふぅ・・・」
両手を雪に埋めながら、コンルはよろよろと上体を起こした。
重力に従う乳房が素直に下を向き、俺の身体から徐々に離れてゆく。
「まだ、本調子ではなくて・・・やっぱり力の使いすぎは・・・危険です・・・ね」
「ほ、ホントに。危険ですよコレ」
収穫期を迎え、もぎ取られるのを待つ果実のようなその光景に、
俺は生まれて初めて「おっぱい鷲掴み」の衝動を覚えたのだった。
『この人は・・・マジ天然だ。要注意だ』
俺の足元で正座し、襟元を正しているコンルを見て、俺はそう思った。
59264:04/03/25 22:39 ID:eUgYjIVR
「・・・!・・・」
がばり。俺はコタツから身を起こした。
「・・・深夜2時・・・」
時間を確認すると、部屋の中を見回した。コタツ、みかん、布団、
リムルル、氷・・・氷?
「こ、コンル・・・やっぱ夢じゃなかったんだよな〜、あ、夢か」
頭の中がごっちゃになりながら、俺は頭上を漂う氷のカムイに
手を差し伸べた。冷気を発しながら、水晶のような冷たい水の結晶が
くるくると降りて来る。しかし、これがあの美しい女性の仮の姿かと
思うと、何とも言いがたい複雑な気持ちになってくる。
「コンル・・・これからよろしくな」
声を発さぬカムイは、俺の言葉にその身を揺らして答えた。
視線を移し、布団の中ですやすやと眠っているリムルルを眺める。
小さな唇から漏れる静かな寝息が、何とも愛らしい。
『リムルル、俺の可愛い妹・・・絶対に、絶対に・・・お前を独りになんかしない』
俺は、心の中でもう一度誓った。
「よっと・・・うぅ〜さむさむ!」
コタツから静かに立ち上がり、台所でお茶を入れる。
戻ってきて窓の外を眺めると、きれいな星空が広がっていた。
カーテンをまくり、少し窓を開け夜風に当たる。部屋の中が、
星と月の青い光に溶け込んでゆく。柔らかな光とともに流れ込む
きりっと冷えた空気が、湯飲みから立ち上る湯気を揺らした。
「守る・・・か・・・・・・」
お茶をすすると、温かな感触が乾いたのどを潤してゆく。
「はぁ・・・息、白っ・・・」
ため息混じりに漏れる白い吐息。こいつはいくつになっても面白い。
ほう、ほうと、深く息を吐いては、街頭の光を受けてもやもやと
光るのを眺めていた。そんなことをしながら、残ったお茶を飲み干し
窓を閉める。
59364:04/03/25 22:40 ID:eUgYjIVR
「・・・寝るか・・・ん?」
部屋のほうを振り返ると、いつの間に起きたのだろうか、布団の上に
座り込んだリムルルがいた。窓から差し込む青い光の中で、俺の顔を
見ながら涙を流している。ぼろぼろとこぼした涙を拭おうともしない。
「ひっく・・・えぅ、ぐすっ・・・」
「どうしたんだ・・・うん?まだ立てないだろ?傷が痛いのか?」
まるで迷子の子供に話しかけるように、しゃがんで視線の高さを
同じくして、やさしく話しかける。父親がやっていたように。
「ごめん・・・ね、にいさまっ、うぐ、ごめんね・・・」
苦しそうな涙声。月を浮かべた湖のような瞳がゆらゆらと揺れ、
そのたびに大粒の涙が床を濡らした。
「何を謝ってるんだい」
「きょ・・・きょう・・・にいさまをっ、にいさまを・・・まっ、まもれなかった」
「あぁ、そのことか・・・全然平気だよ。怪我もしてないんだから」
「ふぇ・・・だっ、だけどぉっ!」
「どうしたんだい?何でも言ってごらん」
何か言いたげなまま俺を見つめているリムルルに会話を促してやると、
涙目の少女は呼吸を整え、再び小さな口を開いた。
「あのねっ・・・こっ、このまえ・・・にいさまをねっ、とうさまとねっ・・・
ふぇ・・・ま、まちがえちゃったでしょ?」
「うん・・・」
起き抜けのリムルルは、なんだか普段よりずっと不安定だ。
怖い夢から覚めた子供のようにたどたどしい。整えたはずの呼吸も
既に元に戻ってしまっており、ひくひくと苦しそうに息をしている。
「にっ、にいさまが・・・やさしくてね?あったかくて・・・すん、それでね?
とうさまのことなんて・・・もう、おっおぼえてないのに・・・」
「うん」
「にいさま・・・てぇにぎってぇ」
「うん」
突然の要求に、言われるがまま手を握ってやる。温かな、小さな手。
「そ、それでね?とうさまはやさしくてね?こう、こうやって・・・
おててね?にぎってくれて・・・にいさまもにぎっ・・・てくれて・・・うぅ」
59464:04/03/25 22:41 ID:eUgYjIVR
自分でも何を言っているのかよく分かっていないのだろう。
半分寝ぼけているリムルルは時折言葉を詰まらせながら、
しかしその視線を俺から離すことなく言葉を続ける。
「にいさまは・・・とうさまじゃ・・・ないのに」
「そうだな」
「にいさまも・・・うっ、遠くに・・・いっちゃうんじゃないかって・・・
わたし、もう・・・ひとりぼっち、いやで・・・ひっく・・・」
唇がわなわなと震え、声が酷くうわずっている。
―あの子に、笑顔を分けてあげてください―
―それができるのは、この世界であなただけなのです―
コンルの言葉を思い出す。そう。姉が見つからない今、この子の家族は
俺たった一人であり、友達も、知人も、ましてや帰る場所さえ無い
この世界で、リムルルを守ってやれるのもまた俺だけなのだ。
「だいじょうぶ、大丈夫だ」
「きょ、きょうだって・・・ね?にいさま、あんな・・・うぐっ、やつに・・・
やられそうに・・・なって・・・わたし、わっ、わたし・・・うっ、うぅ・・・」
「ちゃんと生きてるよ。リムルルを独りになんかしない。絶対に」
「ねえさま・・・みつ、かっても・・・にいさま、いっしょにいる?」
「いるよ」
「うぅ・・・ほんと?ほんとに・・・くすん・・・いてね?」
「うん、心配ないよ」
真っ赤になった顔へ、俺は笑いかける。だが、その笑顔さえ
届かない程の深い悲しみの中に、リムルルはいた。
ひく、ひくと、苦しそうに呼吸をつまらせたままだ。
「ごめんね・・・ごめんね・・・わっわたし、にいさまも、ねえさまも、
とうさまも・・・だいすきでね?」
「うん」
「また、みんないっしょに・・・・・・なり・・・たく、って・・・」
一段と大きな涙が、瞬きとともに雫となってぽたりと落ちると、
「もうだれともはなれたくないのぉ・・・!うぅ・・・うぁ〜ん」
そう叫んで、リムルルはまた悲しみの雨を降らせた。
59564:04/03/25 22:42 ID:eUgYjIVR
これ程までに、追い詰められてしまっていたリムルル。
年端もいかない少女には、あまりにも大きすぎる重荷。
それを小さな背中にすべて背負い込み、闘い、祈り、探し・・・。
「リムルル・・・!」
俺はたまらず、ぎゅっとリムルルの細い身体を抱きしめた。
「にぃ・・・ひぐっ、にぃ・・・さま」
「大丈夫だ。俺たちは家族だろ・・・俺もリムルルのことが好きだ。
ずっと、ずっと一緒にいよう」
「ふえぇ〜・・・にいさま・・・にいさまぁ!」
「ほら、こんなに近くにいるだろ?離れないよ」
「うん・・・ぐすっ・・・うん・・・!」
リムルルも俺のことぎゅっとしてごらん?」
小さな手が俺の背中に回され、ぎゅっと俺の身体を引き寄せた。
「ほら、ちゃんとここにいる」
「にいさま・・・あっ・・・たかい」
「リムルルもあったかいな」
苦しくなるほど、リムルルは抱きしめてきた。
「だいすき・・・にいさま・・・ひぅ、だいすきだよぉ」
「俺もだよ・・・」
いつもより優しく、頭を撫でてやる。
「あ・・・わたし・・・にいさまも、にいさまのおてても、だいすき」
「そっか、いい子だ・・・」
「えへへ」
抱擁を終え、再び見たリムルルの顔は、今までで一番くしゃくしゃ
だった。しかし、そのくしゃくしゃの中に浮かぶ幸せの表情は、
それもまた、一番のものだった。
59664:04/03/25 22:42 ID:eUgYjIVR
「お茶、飲むな?」
「うん・・・ありがと・・・」
急須を傾け、温かなお茶を二人ですする。
「おいしいか?」
「あちち・・・うん、おいひ・・・ふぅ」
お茶の温かさに心まで溶かされたかのような惚け顔で、リムルルは答えた。
「ふぁ・・・はぁ〜あ」
「大あくびだな。眠いだろ、真夜中だもんな」
「ん・・・」
「ほら、布団に入って・・・お休み」
背中を押し布団へといざなう俺の手を、リムルルはぎゅっと握ってきた。
「一緒に寝よ?」
「あぁ」
今さらどこに断る理由があるだろう。手を引かれ、俺はリムルルと共に
布団へ潜り込んだ。
「二人だとあったかいね」
「そうだな・・・」
向き合ったまま、小声でささやき合う。
「ね、にいさま・・・もういっかい、頭撫でて」
「よしよし・・・おやすみ」
さらさらと髪をなぞり、泣きはらした顔も撫でてやると、
その手を、再びリムルルがそっと掴む。
「手、握ったまま寝ていい?」
「いいよ」
「おやすみ、にいさま」
「おやすみ・・・」
星と月が照らす部屋の中に、二人分の寝息が響くまで
そう時間はかからなかった。
59764:04/03/25 22:49 ID:eUgYjIVR
以上、湿っぽくなってしまいましたが・・・勝手に回想編でした。
ストックが無くなってしまったので、またしばらく書き溜めます。
皆さんいつもたくさんの感想ありがとう。励みになります。
ホントに温かくていいスレですよね。初めて書いたSSが
このスレで発表できて、本当に良かったと思ってます。
これからも続きますが、どうか今後もよろしくお願いします。
598名無しさん@ピンキー:04/03/26 00:58 ID:stcB8e04
ええ話や…(つД`)
涙腺ゆるみっぱなし…
こちらこそよろしくっ!
599名無しさん@ピンキー:04/03/26 20:16 ID:Y85qTiBL
なんでもいいが、ここしばらくはスレタイに誤りがあるような。
ホラ、萌えとSSの間のあたり。



十分にリム萌えパラダイスだがな!(*´Д`)ハァハァ
600名無しさん@ピンキー:04/03/27 03:33 ID:3wEV4vh2
コンルに萌えたというレスがないあたりが
ここの住人のちびっ子好きがガチであることの
何よりの証明だと思う
601名無しさん@ピンキー :04/03/27 03:44 ID:0eecbNBo
いや俺は、このコンル好きだけど・・・。
602名無しさん@ピンキー:04/03/27 04:04 ID:cJZBQpMD
漏れもこのコンルは好きですわい。
なんというか、リムルルの側にいてやって下さいね
と、そういう気持ちになる。

人の姿の時はちょっと甘えてみたい。
甘えながらちょっとえっちいことしてみたいw
603名無しさん@ピンキー:04/03/29 09:27 ID:nuLX+8FE
本当にここは落ち着くスレですね
604204:04/03/29 10:24 ID:6GQReT4U
「ん〜と、よし!とりあえずはこれ位でいいかな〜?」
暫くして、周りで枝を集めていたリムルルは、一旦戻ろうと
考え、死体のあった場所に引き返そうとしていた。
両手に木々を抱えて森を走るリムルル、と、急に何故か
その足が止まった。
「…………!?」
かすかに、ほんのかすかに葉のすれる音が聞こえた。
本来ならば聞き取る方が困難な音だったが、
自然で養われた感覚は、どんな些細な音でも逃さない。
キッと音のした方の茂みを睨み、音の止むタイミングを
見計らって、手に持った枝を勢い良く茂みに投げつけた。
「たぁーっ!」
カコン、といい音がしたと思ったら、茂みからよろよろと
何かの姿が現れた、そして、隙を与えまいと、間髪入れず
鞘から刀を抜き、斬り付けた。すると、ここで
予想だにしない事態が起こった。
"わ…!わわっ!?ちょ、と、止めて〜!"
と、急に頭の中で声が聞こえた、リムルルは驚いて、
とっさに刀の軌道をずらす、幸いにも、刀は曲者の
すぐ横で地面にめり込んでいた。そして、
今一度曲者を見ると、その正体に気付き、唖然とする。
「あ………、え……?えぇ………!?」
驚きでまともに喋れないリムルル、先程からの曲者の正体
は、森の中を、リムルルを探し続けて、泥まみれ
木の葉まみれになった相棒、コンルの少し情けない姿
だった。相棒との急な再会に喜び駆け寄るリムルル。
「コ、コンル〜!会いたかったよぉ〜!」
と、コンルを抱き上げて頬擦りするリムルル、しかし、先程
から散々な目に遭わされたと言わんばかりに、少女の頭に氷を一粒こつん、とぶつけた。
605204:04/03/29 10:25 ID:6GQReT4U
「い、痛いよぉっ!何するの〜!?」
不意打ちに講義するリムルルだが、それはこっちの台詞と
言わんばかりにコンルも猛反撃。
"何じゃないよっ!いきなり物投げたり、
 斬りつけようとしたくせに!"
全て理の通った言い分なので、リムルルとしては何も
言うことができない。何かを言おうと口を
ぱくぱくさせているリムルルに向かって、コンルが
これまでの事を説明して欲しいと言ったので、リムルルは
これまでの経緯と、これからのおおよそを、道を戻りながら話した。

「大体、こんな感じだよ。………あれ…?」
死体があった所まで戻ったリムルルは、大きな異変に
気付いた。その死体があった場所に残っていた物は、
それの物と思しき薬師の服と、その周りにまとわり
付く大量の泡だけだった。呆然とするリムルルの姿に
不審を覚え、コンルは声を掛けた。
"どうしたの?リムルル。これがさっき話してた事?"
その問いに、どことなく不安げに答えるリムルル。
「う…うん、そうなんだけど…、何か変だよ…。」
そう言って、まるで人間の仕業ではないと言いたげに
周りをきょろきょろと見回す。それにつられてコンル
も周りを警戒する。すると、コンルは急に違和感を
覚えた、人外の気配を察し、その方に向き直る。
"あ…………!!"
唐突に驚いた様な声を出し固まるコンル、
それを見てつられてリムルルも振り向いた。
「コンル………?」
と、目の前に急に飛び込んできた驚きに、
はっと息を飲むリムルル。
606204:04/03/29 10:28 ID:6GQReT4U
「え……!?いつ……から……!?」
振り向いた先には、水色で、地に着かんばかりの
長い髪の毛に、袴だけを身に着け上半身を青空の下に
さらす、男の姿があった。腕には、青白く光りながら
水を滴らせる奇妙な腕輪をつけている。
「ふむ…、これしきも気付かぬとは、愚かだな…小娘よ。」
静かに口を開き、厳格で威圧的な口調で、男は
口を開いた。すると、その声にびくりと肩を震わせる少女、
それを見て、男は尚も威厳を効かせた声で、付け加える様に言った。
「我が名は水邪…、神なる者だ…。」
そういうと、その男、水邪は不気味な笑みを浮かべた。

一方、閑丸はというと、いつもより少し遅起きで、
遅い出発となっていた。目の前には昨日と同じ街道。
昨晩の雨で、ところどころが日の光を浴びて、
鏡の様にきらきら輝いている。最近よく降るな、などと
他愛の無い事をえながら、足を前に進める閑丸、が、
事態は突然に起こった。急に何者かが背中を勢いよく突き飛ばしたのだ。
「うわぁっ!?」
為す術無く、閑丸は前のめりになって倒れてしまい、
それでも、ぶつかって来た物の正体を確認すべく、
後ろを振り向いていた。するとそこには、泥まみれの
物体が転がっていた。一見すると泥団子だが、
それにしては少し大きいし、形が整っている。
607204:04/03/29 10:28 ID:6GQReT4U
何かと思ってそれを両手で拾い上げてみると、
それは勢いよく跳ね上がり、宙に浮かび始めた。両手を
胸元まで上げたままの格好で止まる閑丸の頭めがけて、
泥団子もどきが再び突進を繰り返す。勢いで
着いている泥が飛び跳ねる。ふと、額に違和感があった。
泥の感触は勿論だが、またそれとは別の感覚、
まるで氷を当てる様な感触が伝わってくる。
そして、泥がはがれて本来の姿が現れ始めた時、
ようやく全てに合点がいった閑丸だったが、それにただ
驚く事しか出来なかった。
「き、きみは…コンル…なの…!?」
泥団子もどきの正体は、リムルルの相棒であり、
氷の精霊の、コンルであった。そして、コンルがいると
いうことは、本来ならばリムルルが近くにいる
という事だ。閑丸は、この場から離れたい気持ちで
一杯だった。どう顔を合わせれば好い?
どう説明すれば好い?どう謝れば好い?頭の中に
そんな問いをぐるぐると巡らせていると、突然、
コンルが袖を引っ張った。危うくまた転びそうになるが、
御構い無しに袖を引っ張り続けるコンル、その様は
「ついて来い」と言ってる様にも見える。そういえば、
先程からリムルルが現れる気配が一向に無い、
彼女の身を案じて、コンルに問いかけてみる。
「もしかして、リムルルさ…、リムルルに何かあったのかい…?」
するとコンルは、細かく縦に二回揺れ、
来た道を戻り始めた。閑丸は迷わずその後に従う。
本当に彼女が心配だから、先程まで巡っていた
問いなど気にならなかった。そして、コンルを
絶対に見失うまいと、全力で走っていった。
608204:04/03/29 10:29 ID:6GQReT4U
その少し前、リムルル達は水邪なる男と、沈黙の
睨み合いを続けていた、今にも飛び掛らんばかりに
警戒するリムルルと、余裕そのものの表情で
立ちすくむ水邪。リムルルの格好を観察している
様子も見て取れる。視線を元に戻すと、水邪が沈黙を破った。
「…ふむ、近頃は似た格好をよく見るな。確か、昨日見かけた輩も、
同じ様な格好の女であったか。尤も、昨日の女は動物を連れておったが…。」
その一言で、リムルルも、慌てた様子で口を開く。
「…動…物!?姉様に会ったの!?」
その様子を見て、面白そうに口の端に笑みを浮かべて、水邪が続けた。
「ほう…?小娘、あれは貴様の姉なのか…?」
ここに来て急な手掛かりに出会って、感情を
抑えようともせず、問い続けるリムルル。
「お願い、ずっと探してたの!どこに行ったのか…
 知ってるのなら、教えて下さい!」
そんな必死なリムルルに構わず、水邪はあっさりと答える。
「さて、知らぬな、私の気配に気付いて逃げられた様であった
 からな。それとも、貴様はまだ気付かぬと言うのか?」
リムルルは、水邪が何の事を言っているか分からず、
聞き返す事しか出来なかった。
「え……?何の事?」
"人間じゃ、無いんだよ"
隣で浮かんでいたコンルが、静かに、そして
かすかに震えの混じった声で答える。
"体は人間の物みたいだけど…、違う…"
頭の中に、唐突に、その答えを続ける。
609204:04/03/29 10:30 ID:6GQReT4U
「嘘…、人間じゃ、無い…?」
よく注意してみると、周りに渦巻く邪な
気に混じって、水邪からもかすかに妖気が感じられる。
「…漸く気付いたか、…しかし、このまま逃がすつもりなど、
 毛頭に無い。」
水邪は冷たく言い放ち、腕を前に突き出すと、
腕輪から先の手指の部分が、五本の水の
触手に化け、蛇の様にうねりながらリムルルに襲いかかった。
咄嗟の反射でなんとか避け、ハハクルの
鞘に手を回し、構える。ふと、元の場所に
目をやり、触手の通った後の草が、ざわざわと
不気味な音を立て、泡となって消えるのを見て、
先程の光景が目の奥に戻って来た。
「…!?これ、まさか……!」
気付いたか、という様な顔で水邪は返す。
「薬師の様だったが、しつこく楯突くのでな。」
一息おいた後、水邪はリムルルが思った通りの答えを口にした。
「そうだ、私が殺してやった。」
その言葉が、戦闘開始を示す合図となった。
リムルルの目つきが怒りの形に変わり、膝を
軽く曲げると、反動で跳躍する、そして、
不意をついて一瞬で水邪の懐に飛び込むと、
鞘から抜いたハハクルで横一文字に斬り付ける、
手応えは確かにあった。が、切られたはずだった
水邪の体が水の触手になって弾け、腕にまとわり
ついて来た。じっとりとした感触が服を通して、
腕に広がる。しかし、冷静に、返す刀でその水を
降り払い、後ろに注意しながら飛び退く。腕に
ついた水からは、普通の水とは違い、粘着性が感じられる。
610204:04/03/29 10:31 ID:6GQReT4U
「…ほう、只の小娘かと思ったら、存外出来るではないか…。」
水邪の嘲り言葉など気にもせず、袖に着いた
水を払い落として、きっと水邪の方を睨み据えながら言った。
「そうだよっ!姉様に一生懸命教わったんだから、負けるもんかっ!」
強気な台詞を放つリムルルだが、心の中には
焦りがあった。何せ、相手の方が何枚か上手
である。全力でかかってもどうなるか
分からない、故に、好機は水邪が油断している
今しかない。そんな事を考えながらも、体は
水邪との間合いをじりじりと詰めていく。幸い
こちらの手の内は完全には明かしていない、
先程の様な力押しの奇襲ではなく、確実に
詰める奇襲をしかけるにはもってこいである。
リムルルがちらりとコンルに向けて目をやると、
コンルもこちらを向き、縦に一揺れ。どうやら考えている事は同じらしい。
「行くよっ、コンル!」
と相棒に合図を送り、リムルルは
水邪めがけて全力疾走する、そして最初に、
刀を腰だめにして、突きを繰り出す。
が、鋭い金属音と共に、初撃はあっさりと
弾かれてしまう、しかし、リムルルは
すぐに次の攻撃動作に移っている。動揺や
迷いといった物は微塵も感じられない様子で、
正確に自分の考えを動きとして表していく。
「たあっ!」
反動をつけて、思い切り逆袈裟に斬り付ける。
が、これは飛んでかわされる。
611204:04/03/29 10:31 ID:6GQReT4U
「ふん、鈍い刃だな。」
こうも簡単に避けられてしまっているのに、
まだリムルルは冷静である。何故なら、
攻撃を避けて飛び上がっている水邪に、最後の一撃を用意しているからだ。
「コンルーっ!お願いっ!!」
そう叫ぶと、コンルは水邪の頭上から、
水邪の二倍はあるかという氷の塊を落下させた。巨大な氷塊が水邪に襲い掛かる。
「何…!?」
水邪の眉がかすかに動いた、この体位ならば
絶対に避ける事などできない、その回避
できない体位まで追い詰め、止めの一撃。
それが、出鱈目に刀を振るっていた様に
見えたリムルルが考え出した奇襲だった。
氷は水邪ごと地面に落下すると、地を
揺るがすかの様な音を立てて割れ、土埃を
巻き上げる。リムルルは、固唾を飲んで
それを見つめる。暫くたつと、土埃が
晴れてくると同時に、予想外の光景が目に
飛び込んだ。氷の下敷きになった筈だった
水邪が、こちらを向いて立っている。水邪の
周りには薄い水の膜が、水邪を包む様にして、そこにある。
「あ……そ…んな…!?」
あれだけ手を尽くしたのに、あちらはそれを
更に凌ぐ手を持っていた、円月。自分の周りに
水の防壁を巡らせ、全ての攻撃を無にする防御方法。
水邪の目は先程とは違い、不機嫌そうに眉が少し釣っている。
「これだけ、か。退屈させてくれるな…。」
一瞬の少女の動きが止まる、その隙を敵が見逃してくれる筈が無い。
612名無しさん@ピンキー:04/03/29 10:32 ID:2C+q88F8
ミョ
613204:04/03/29 10:32 ID:6GQReT4U
「行くぞ…、翔月…!」
水邪の腕輪から、水が刃の様に形を作ると、
水邪が両腕を広げ、凄い速度で回転しながら
リムルルに向けて突っ込んで行った。辛うじて受け止めるリムルルだが、受け止め方が浅い。
「…う……わ……っ!」
キィン、という金属音と一緒に、
ハハクルが中に舞う。そして、咄嗟に
前を向くが、そこに水邪の姿は無く、
まさか、と思い上を向いた時には、既に
遅かった。水邪はリムルルに向かって、
上空から突進を放っていた。
「甘いな…、そして、鈍い。」
水邪はリムルルの体を掴み、落下の勢いで振り投げる。
「きゃぁぁぁっ!!」
為す術もなく、体を宙に舞わせる
リムルル、少女は、水邪の思惑通りに、後方にあった木に体を打ち付け、止まる。
「うぁっ…!!い…た…っ…。」
激しい痛みが体中を駆け巡り、立つ
こともままならない。何かとてつもなく
大きな物に踏み潰された様な気分だ。
「姉様……ぁ…、閑丸…っ……」
そして、大切な人の名を必死で声にし、
意識は闇に飲まれていった。それに水邪は歩み寄り、気を失っている少女に言う。
「絶えられなんだか…、やはり見当違いか…?」
そう言い、水邪は手を水の触手に化かし、
木ごとリムルルを縛り上げる。
「さて。この小娘、どうしてやるかな…。」
その言葉だけが、森に静かに響いていた。
614204:04/03/29 10:33 ID:6GQReT4U
意識が戻り、体をゆっくり起こすと、そこには
いつもの風景が広がっていた。「いつもの」と
言っても、先程まで自分がいた風景とは全く違う。
木々生い茂る森ではなく、真っ白な雪野原が写り、
あの妖魔の姿はなければ、やられた時に負って
いるはずの痛みも無い。なのに周りは、何故か人
はおろか、生物の気配すら無い。変だと思い、
暫く歩くことにしたリムルル、ざくざくと雪野原を
裂く様にして進んでいく。空が晴れ渡っている分、
余計に生き物がいないのが不気味で仕方ない。
そうこう考えている内に、見慣れた我が家に
戻って来た。が、やはりそこにも人の影などない。
不安が心を覆い、リムルルは誰かの名を呼ばねば絶えられなかった。
「おばあちゃん?姉様?ねぇ、いないの!?」
必死に叫ぶが、その言葉は再び沈黙に飲み込まれていく。
それでも、まだ必死に名を叫ぶリムルル。
「おばぁちゃんっ!姉様っ!ねぇっ、返事してよぉ!」
すると、急にそこに現れたかの様に、目の前に人影が現れた。
「あ…………!」
その姿に唖然とするリムルル、綺麗に揃った
長い黒髪に、リムルルのと似た赤い装束に、
黒髪に映える赤の髪飾り。少し幼さの残る、
柔らかな表情の顔立ちが、優しそうな様相を
思わせる、それは、リムルルが、慕い続ける姉、
今まで探し続けていた姉、ナコルルの姿だった。
「……ね……、姉様ぁっ!!」
我を忘れ、一目散に目の前の姉に抱き寄る少女、
瞳には涙が光っている。妹の突然の行動に
唖然とするナコルル。
「リ、リムルル…、一体、どうしたの…?」
615204:04/03/29 10:34 ID:6GQReT4U
まるでそこに居るかが当たり前の様な物言い
にふと、ある考えが頭をよぎった。
「ううん、何でもない、夢、だった…の…!」
またしても腑に落ちないと言いたげな仕草の姉に、
リムルルが付け加える。
「悪い夢…、姉様が…、居なくなって…、閑丸も…」
そこまで言って、ふと考える。閑丸?あれも夢の話?
だとしたら…、もう二度と会えないのだろうか?
自分の中の架空の人でしか無かったのだろうか?
だとしたら、寂しい。それに、コンルは何処に行った
んだろう?さっきから居ない、などと考え事をし、
ポカンとしているリムルルに、ナコルルが
、いつのまにか、目付きの鋭くなり、冷たい目を
している姉のが、思いも寄らない言葉を呟いた。
「…悪い夢…、そうね、夢…。」
急な言葉に驚き、不意に意識が引き戻される。
普段からは想像も出来ない、澱んで、冷たい声。
何を言っているのか?、その言葉を敢えて
口に出さず、次の言葉を待った。豹変する様子に、
その恐怖に、握りしめた小さな拳は小刻みに
震えていた。ナコルルは、笑みの消えた顔で更に、冷たい声で言った。
「本当に夢だったら…、良かったのにね…。」
一番、言われたくなかった事を、信じたく
なかった事を、誰よりも、何よりも慕う姉の
口から言われた。何か大事な物を叩き壊された
様な、そんな感覚だった。それに駄目押しをする様に言葉を発する姉。
「私も、ここも、全て貴女の想像…、幻…。」
616204:04/03/29 10:35 ID:6GQReT4U
あたりの景色が急に禍々しいものになり、形を失っていく。
「あ……、やだ……、姉…様…」
あまりに凄惨な光景に吐き気がし、
よろよろと下がると、いつの間にやら
現れた木に背中を取られ、離れようと
足を動かそうとするが、足が動かない。
足を引っ張ったりばたつかせてみようとするが、やはり動く気配が無い。
「え…、な……?」
ふい、と足元に視線を落とすと、
生え出した根っこが足に絡み付いている。
足だけではない、いつの間にか、長々と
生え出した木の根が腕を、胴をも縛り上げる。
「や…、やだ、何よ、これ…っ!」
体の自由をあっという間に奪われたリムルルに、
助かるべく残された道は、姉に助けを求める事
だけだった。
「ね、姉様…、助けて…!」
必死で腕を突き出し、姉に助けを求めるが、
聞こえなかったかの様に身を翻すと、そのまま
ゆっくりと、消えていった。
「やだぁっ!姉様っ、行かないで、行かないでぇっ!」
やがて、根は体全体を包み込み、そこで、
夢から覚めた。
617204:04/03/29 10:36 ID:6GQReT4U
目が覚めて最初に見た物は、目の前の男から
伸びる触手に、んじがらめにされた自分の
姿だった。今まで敵と戦っていた事を思い出し、
水邪をきっと睨みつける。
「フン、やっと目が覚めたと思ったら…。」
「あんたの仕業じゃないのっ、離してよっ…!」
恐怖心を悟られまいと、強気に出てはみるが、
やっぱり怖い。声が震えているのが自分でも分かる。
「ククッ、威勢が良いのは結構だがな…、相棒とやらは
 とっくに逃げてしまったぞ?どうにも出来まい?」
コンルがどこかへ行ってしまったのには、
気付いていた。目を覚ましてから居ないのに
気付いた。第一にいたのなら、この状態の
自分を放っておくわけが無い。でも―
「…じゃあ、何で私に何もしてないの? これなら、
 殺そうと思えばいつでもできたし、それに…」

「五月蝿い、喋り過ぎだ。」
と、突然水邪が割り込み、リムルルの
口に薬瓶と思しきものをねじ込む。
突然の事に、つい中の液体を飲み込み、咽る。
「んっ…!?む…ぅ…!んぐ…、かはっ…!けほ、けほ…!」
鼻をついて離さない甘ったるい匂いと、
吐き気のする位に口の中に広がる甘い味。
リムルルは咽こみ、瞳を潤ませながら、水邪に問答する。
「けほっ!なに…のませたのよぉ…っ!けほ…っ!」
「ふ…、即効性だ、直ぐに分かる、さて、どれ程の物か…。」
水邪の言う通りに、リムルルの体には、
すぐに変化が現れ始めた。体が、
熱湯にでも放り込まれた様に、じわじわ
熱を帯び始め、それと同時に、何か甘い様な感覚と、疼きが体を満たしていく。
618204:04/03/29 10:50 ID:McqE9giZ
「な、なに…?ぼーっと…、する…、力も、入ら…ない…」
息も荒くなっていき、頬を桜色に染めながら、もう一度水邪に問う。
「はぁ…、はぁっ…、な、に、のませたのよっ…!」
水邪は楽しんでいるかの様な笑みを作ると、淡々と言い放つ。
「気付いていないのか、認めたくないのか…。
それは媚薬、だ。薬師の持ち物だった様だがな。」
媚薬?聞いた事の無い言葉だった。何か
如何わしい薬なのは確かなのではあろうが、
免疫のない少女にそれ以上の事は分からない。
「び…やく…?」
頭がぼぅっとしているせいで、単語単位の
質問を絞り出すのが限界だった。体の火照りと、
何かの疼きは体を走り回り、考える力を更に添いでいく。
「そうだ。貴様ら人間どもの言葉を借りると、飲ませた物を
 性的な興奮状態に誘う薬、だそうだが…、成る程。」
一人で納得する水邪と、何が何だか分からないリムルル。
そして、その言葉を全部納得した頃には、水邪が
抵抗できない自分ににじり寄って来るところだった。
「せいてき…?ちょ…、や、めて…、やめて…!」
「聞こえんな。」
リムルルの必死の抗議を一掃すると、
再度腕を触手に化かし、胸倉から
するりと服の中に入り込む。リムルルは
その様を見る事しか出来なかったが、それが素肌触れた瞬間。
「…ひゃぁっ!!」
思わず声を上げてしまった。異様な痺れが、体中を走り回ったのである。
619204:04/03/29 10:51 ID:McqE9giZ
「な、なに…今の…、前みたいな…」
それを見て、尚もにやついた顔の水邪がリムルルに、
「ふっ…、これしきで声をあげるとはな…。」
などと呟くが、当の本人は未だに状況が整理出来ていない。
「…?な、んのこと、よぉ…。」
片手を服の中に突っ込んだまま、話を続ける水邪。
「ふむ、分からぬ様だな、では、これならどうだ…?」
と、そう言い、服の中にある触手を動かし始めた。
胸の辺りを中心に、上半身の至る所をまさぐる
様子が、服越しに確認できる。
「ぅ…あ…、き、気持ち、悪いっ…、やめてよぉ…!」
やっぱり、さっきから確実に体が変だ。
不気味なほどひんやりする触手に
撫でまわされているのに、気持ち悪いはずなのに、
体が触られた部分からじんじんと火照り、意識がぼんやりする。
「は……ぅあ……んっ…!」
そしてとうとう、口が勝手に言葉を
紡ぎ始める、既に頭の中は、敵が眼前に
いるのに靄がかかったかの様になっている。
あの晩の時の様に。そうすると、
自分の体はやっぱり、あれを快感と認識し、
求めてしまっている。そう考えている最中、水邪が言葉を呟く。
「さて、…馴れ合いも終いだ。」
620204:04/03/29 10:51 ID:McqE9giZ
一瞬、その言葉が何を意味するか
が分からなかった。が、次の瞬間、
水邪が起こした行動で、いやという程に
その意味を思い知る事になる。
水邪は、少し間をおくと、服の中に
潜り込ませた触手を、一気に体中に這わせた。
「う…あぁぁ…!」
押し寄せる強烈な快楽が意識を
呑み込みそうになる。気を失って
しまいそうになるのをどうにか堪えるが、
次々に襲い来る触手の感触を、どこまで押さえ切れるか等時間の問題だった。
「い…、嫌ッ!や…め…、やめっ…!んぁっ!」
もはや、限界だった。澄んでいる
はずの瞳が、虚ろになり始めた。身に
襲い来る快楽に身を任せれば、きっと楽になれる。
「もう…、わたし…、駄目…だよ……。」
禁断の思考が頭の中で騒ぎ始めた時、
何かの音が確かに聞こえた、聞こえている。
草のすれる様な音、枝を払いながら
突き進んでくる物音と、軽く速い足音。
目の前の敵はまだそれに気付いていない。
水邪がそれに気付いたのは、まさにそれが
眼前まで迫った時だった。水邪の後ろに
聳え立つ木が、なぎ倒された瞬間の水邪の顔は、
驚きのそのものだった。拍子に、水邪の体が
元に戻り、がんじがらめだったリムルルの
体が解き放たれた。体が自由になり地面に
ぺたり、とへたりこむリムルル。触手に
這われた跡が水気となって服に残っている。
突き進んで来た物は、鋭く回転し、弧を描いて
持ち主の手へと帰っていく、綺麗な青を基調にした番傘。
621204:04/03/29 10:52 ID:McqE9giZ
「傘、だと…!?何者…だ…!」
そして、それとは対照的な、一房にまとめた、赤い髪の毛。
「しず…まる……!」
少女の顔に笑みが戻った。閑丸はそれに
にこりと微笑み返すと、水邪に向かって傘を突きつけ、鬼気迫る迫力で言う。
「リムルルさんを…、リムルルを…よくも…、許さない。」
そう言うと、片手で傘を構え、だらりと
足元にたらす。傘と刀を存分に扱う為の、閑丸独自の戦闘スタイル。
「何の関わりかは知らぬが、あまり調子に乗らぬ事だ…。」
虚を突かれた事で、少し不機嫌な水邪がそう言う。
しかし、閑丸はたじろぐ様子もなく、続ける。
「例えあなたの力が僕より上でも…、それでも関係無い。
 僕は…僕のたいせつな人の為に…負けない。」
リムルルはぽぉっとした表情で、閑丸の
横顔を見つていめる。この状況で不謹慎、
と思われるかも知れないが、嬉しかった。
先程、普通に呼んでもらった事も、確かに
嬉しかった。けど、目の前で堂々と
「たいせつな人」とか言われると、嬉しさの
反面、ものすごく照れくさい。
"シアワセだねぇ、リムルルは" とコンルが
言ったのが聞こえた気がした。頬を染め、
ぎゅっと両手を握り締めて、強く思った。閑丸は、絶対に勝ってくれる、そう信じている、と。
「調子に乗るな、と言った筈だ…!」
水邪が口調を強めて叫ぶ、水邪の肩ごしに
リムルルがびくりと震えたのが見えた。
が、閑丸の方はまたも同じもしない、そして
閑丸の方から死合い始めを口にした。
「いくよ…、いざ、尋常に…!」
「凡愚の分際で、神たる私に抗うか…!」
憤慨した水邪が、始めに一撃を繰り出した。
622204:04/03/29 10:53 ID:McqE9giZ
「己が分を知れぇっ!翔ォ月ッ!」
水の刃を自分の体ごと回転させて、
自ら突っ込む、リムルルの刃を弾き飛ばした
技、翔月。それを背の大太刀で受け止める。
その刀、大祓禍神閑丸。今まで閑丸の命の
繋ぎとなってきた刀である。その大太刀で
上手く衝撃を流すが、また次の攻撃が飛んでくる。
水邪の猛攻、そう呼ぶに相応しい攻撃だった。
水を巧みに操り、まるで、蛇がうねり、
噛み付く様に、受けるので精一杯の攻撃を繰り出してくる。
「く………っ!」
閑丸が何とか浅くなった所を弾き飛ばす、すると、
その反動で宙に舞った水邪が、更なる追撃を行う。
「小僧、拍子抜けだな!…シャアァッ!」
両手を閑丸に向けて振りかぶると、両手の腕輪、
屡堵羅の環が鈍く光り、鞠ほどの大きさの
青い球が2、3個程閑丸に向けて飛びかかる。
「…たぁっ!」
閑丸は傘を大きく開いてそれらを打ち落とし、
ふと視線を戻すと、先程と同じ場所に、息一つ
乱していない水邪が立っていた。
これはまずいな、あれだけ攻めて息一つ
乱していない。受けるのが精一杯だったのに。
やはり、自分で語る事はあり、相当のやり手
である。それでも何とか、勝機を見出さない訳
にはいかない。
「はぁ…はぁ…、何か、無いのか…!?」
623204:04/03/29 10:55 ID:McqE9giZ
そうしていると、どこからか急に声が聞こえる。
『簡単な話さ…。』自分の様で、違う様な
気もする声。その声は答えを知っていると
言う、しかし、空耳なのだろうか、何故か
目の前の男には聞こえていない。その時。
―ドクン――
「…がぅっ…く……!」
急な動悸が襲い来た、こらえ切れずに膝をついてその場に屈む。
「閑丸…!?」
「……?
「ぅ…く、……!」
水邪が怪訝そうな顔をし、リムルルが
心配そうな声をあげるが、その声すらも
届かない。やがて、また頭の中にあの声が聞こえた。
―ドクン――
『殺すんだ。』
その声ははっきりとそう言った。
「殺…す…?」
―ドクン――
「うっ……殺す………ぐ……!」
『そう、僕が手伝ってやる、僕達であいつを殺すんだ。』
その声が終わったと同時に、動悸が一段と激しさを増す。
―ドクン――
「う……ぐ…あぁぁぁ!!」
頭の割れる様な痛みで、閑丸の意識は闇へと飲まれた。
624204:04/03/29 10:56 ID:McqE9giZ


「………る……、……ずまる………、閑丸……!」
誰かが、自分を呼んでいる。
声が聞こえる。一体、誰の……?
「閑丸!ねぇっ、しっかりしてよぉ、閑丸!」
あぁ、リムルル、無事だったんだ…。
「ぅ……う……。」
ゆっくりと目を開けると、泣き腫らして目の周りを
赤くしたリムルルが、こちらを向いていた。
コンルも身を案じて、こちらへ乗り出している。
「閑丸…!よかったぁ……」
少しして、閑丸はようやく、自分が意識を失って
いた事に気付く。リムルルが必死にゆさぶった
証拠に、服に少し泥がついている。しかし、
自分が暫く気を失っていたとすると、二人が
二人無事なのは妙だし、何故かさっきの男も
見当らない。リムルルに聞いてきちんと
整理しておこうと、ゆっくりと立ち上がると、
また頭痛が起こる。
「あ…痛ぅ……。」
ズキズキとする痛みと共に、何かが頭の中に
見える。始めは砂嵐のかかった様に、
ハッキリしなかったが、砂嵐がだんだん晴れて
くるかの様に、頭の中に像が映し出される。
二人の人間が、死合っている様が見える。
一人の人間が、一人の人間に、一方的に
押されている様が見える、しかし、まだ
誰かというまでははっきり見えない。
625204:04/03/29 10:57 ID:McqE9giZ
やがて決着がつく、振りぬいた斬撃が、
さっきまで押されていた方の人間の体に、
刃がつき立てられる。そして、その体から
血が飛び散る。やられた方の人間が辛くもその
場から逃げ出し、倒した方の人間がこちらを向く。
その瞬間、砂嵐が完全に消えて、像がはっきりする。
「あ…馬鹿な、あれは…  あれは、僕…」
像が晴れて見えた人間は、確かに、水邪と
対峙していた閑丸そのものだった。が、
当の本人の意識は闇の中だった筈だ。解せない事態を、リムルルに説明して貰う事にした。
「リムルル……、僕、どうなったの…?」
いきなりの質問に、リムルルは「へ?」と驚きながら答える。
「えぇと、閑丸が思い切り叫んだ後、何か、
 とても凄く、怖くなって、あっという間に
 あいつを倒して…、でも、あいつは逃げちゃった
 けど…それで、…それで、その後すぐに倒れて……、
 わたし、どうしたらいいか分からなくて、一生懸命に……
 呼んだんだけど…ひっく…、う……返事してくれなくて…
 うぅ……、わたし、死んじゃったかと思って…、すごく、
 うぇ…、すごく心配して…、ひっく、でも…さっき目が
 さめて…、う……、本当に…目がさめて…よかった…
 よぉ…!」
途中から、涙声になり、しゃくりあげながら、
リムルルが説明を終えた。その目には、また
大粒の涙が光っていた。涙をこぼす相棒の周りを、
コンルも心配そうに回っている。
626204:04/03/29 10:58 ID:McqE9giZ
やっぱり…、あれは僕…。初めて見た…、あれが…
僕の中の僕…。鬼の様な自分…。
危機に瀕した事で、覚醒した、もう一人の自分。
しかし、未だにその正体はよく掴めてはいない…。
が、今はそれより…。
閑丸は目の前で、今まで自分を心配してくれて、
今は必死に涙を抑えてうつむく少女に言った。
「リムルル…、…ごめん、心配かけて……それと……。」
次に言おうとしている言葉が何か分からず、
不思議そうにちらを見つめるリムルル、
閑丸はその少女の肩の後ろに手を回し、強く、温かく、抱きしめた。
「…遅くなって、本当にごめん。」
リムルルは少し驚いた様な顔をするが、
すぐに顔は涙に染まり、頬に涙を伝わせながら、閑丸の胴に腕を回し、返す。
「…ぅ…、ふぇ…、許さないん…だからぁ…」
溢れる涙を隠そうともせず、少女は続ける。
「わたし、ひぅっ……すごく悲しくて…、
 寂しくて…。でも、ひっく…やっぱり、
 うぇ…来てくれて…嬉しかった…!わたし、
 やっぱり閑丸のこと、好き…だから…!」
自分が愛する人の前で、全ての気持ちに正直になる。
とても綺麗で、素晴らしい事だと思った。
だから、閑丸も、自分に正直になる事にする。
「僕も…、ずっと引っかかってた…。
 なんで考えるだけでこんなに苦しいんだろうって。
 でも、もう一度会ってはっきり分かった。
 僕もリムルルが…、好きなんだって。」
抱きしめる力を少し強める。すると、自分の胴にも
少し強い力が伝わってくる。
627204:04/03/29 10:58 ID:McqE9giZ
「もうずっと、一緒だよ?絶対に、いなくならないで…!」
二人は絶対の約束を交わし、顔を序々に近づけ、
「うん、ずっと、一緒にいるから。」
唇を重ね合わせ、自然と地に倒れ込んだ。
「ん……、リム…ルル…。」
一度唇を離し、少女の名を呼び、本能に従ったまま、
羽織を脱がせていく。
「え、えへへ…、ちょっと、恥ずかしいなぁ…」
頬を桜色に染め、恥じらいながらリムルルが言う。
やがて、絹の様な肌が露になる。
すると、また唇を重ね、舌を絡める。
そして、片手で、発展途中の胸に手を近づけ、
乳首に触れる。
「ん……ふ…ぅ…。」
リムルルが体を少し捻り、口の中で甘い声を漏らす。
成長途中で敏感なのに、媚薬の効果が相まって、
前の何倍もを感じてしまう。
それに気付いた閑丸は、乳輪をゆっくりなぞったり、
乳首を少し強く摘み上げたりする。
「は…ふぅ…、んぁっ…!」
やはり刺激に耐えられず、体を捻らせるリムルル。
今度は下に手を伸ばしていき、半袴に手を入れる。
「や…ぁ、まだ、そっちは…!」
リムルルは抵抗を試みるが、胸への愛撫と、
少し残っている薬の効果で、弱々しいものに
なってしまう。やがて、手が下着に到達すると、
そこはもう、少し湿り気を帯びていた。
試しに下着の上から秘所を刺激する。
628204:04/03/29 11:16 ID:jtadXa3x
刺激しながら、問うてみる。
「どう、気持ち良いかな…?」
「い、言ぇない…よぉっ!ひぁっ!う……あぁっ…!」
喘ぎながら、腰を動かすその淫らな仕草が、
閑丸を余計に興奮させる。今度は秘所を
直接、それと、口を使って胸を刺激する。
「え…ちょ…!両方、なんて…!」
「駄目なの?それとも、気持ち良いの?」
などと意地悪めいた質問をしてみる閑丸。
「い、そ、恥ずかしいよぉ…」
指を秘所に好き勝手に潜らせていたが、
ある所に当たった瞬間、リムルルの反応が変わる。
「ふあぁっ!き、気持ちいい…よぉ…!」
閑丸が触れた場所は、彼女の一番敏感な部分、秘所の
中にある蕾に触れたのだ。
「む、胸も…ここも…、気持ち…いい…!」
理性の鎖が外れ、ありのままの気持ちを口に
し始めるリムルル。これを好しと見て、閑丸も愛撫をいっそう強くする。
「綺麗、だよ、リムルル……!」
「ぁんっ!うぁあ!閑丸、凄い、よぉ…!」
やがて、限界を超えたリムルルは、絶頂を迎える事になる。
「んはぁっ!し、閑丸…、も、う……だ…め…!うあぁぁぁぁ!」
体がびくりと弓なりに跳ね、秘所がら大量の愛液が出る。
そして、しばらく余韻に浸った後、リムルルが唐突に言う。
629204:04/03/29 11:17 ID:jtadXa3x
「はぁっ…、はぁっ…、閑丸も、気持ちよくならなきゃ…」
突然の言い分に、少し戸惑う閑丸。
「え…、それってどういう…?」
そういうと、また、始めの様にうつむきながら喋る。
「わ、わたしに言わせないでよぉ…… 
 その…………れて…………。」
自分なりに真剣に聞き取ろうとしたが、最後の方
が小声すぎて、聞き取りづらい。
もう一度、繰り返してもらおうと質問する。
「…?ちょっと、よく聞こえなかったよ。」
「ぇ…!?その…、閑丸の………を、
 わたしに入れて……。」
小声だったが、大方の内容は聞き取れた。でも、それは…
自分で矛盾を生む事になる、自分で彼女を穢す事になる。
「でも…、でも、僕は…!」
思わず、少し叫んでしまう。
しかし、それを上回らんかの声で、リムルルも言う。
「わたしはっ、閑丸に…閑丸にいて欲しいの!
 もう、何処にも…行かないでっ…!」
初めて気付いた。頭を鈍器で殴られた様だった。
自分がよかれと思ってやった事で、リムルルは
こんなに傷ついてしまっている。姉と離れてしまった事で、
誰かと離れる事に敏感になっている事は
気付いている筈なのに、それでも、彼女の為と自分に
言い聞かせながら、自分の弱さから逃げていた。
「僕は……ばかだ……。」
閑丸は、リムルルを静かに地に抱き伏せる。
「閑丸……?」
リムルルが少し心配そうに尋ねると、閑丸は
静かに、そしてはっきりとこう言った。
630204:04/03/29 11:17 ID:jtadXa3x
「本当に……良いんだね…?」
その言葉に、リムルルはにっこりと笑顔で答えた。
「…うんっ!」
閑丸は順々に服を脱いでいく。やがて、服を全て
脱ぎ終えると、先程リムルルへの愛撫に興奮
した様で、いきり立つ男性のそれが見える。
初めて見るそれに、関心をしめす少女。
「ふえぇ…これが……」
まじまじと見られると、やっぱり少し恥ずかしい。
と言っても、先程自分がしてた事を考えると、
おあいこ、と言うかおつりが来てしまう。
とはいえ、やはりこの仕打ちは耐え難い物が
あるので、行為に移る事にする。リムルルを
仰向けにし、再び手を下に下ろして半袴を脱がせる。
すると、上半身と同じ、絹の様な綺麗な下肢が
露になる。秘所は既に先程の事で濡れている。
閑丸は一息、息を大きく吸うと、リムルルを
腰から抱える様な状態で、自分の物を挿入する。
「う……っ、く……は……!」
思いも寄らない事態が起こった。
挿入を始めた所で、リムルルが苦しそうな
声を上げ始めたのだ。
「り、リムルル……!?」
閑丸はまだ知らなかった。最初に入れる時に、
少女が表し様のない痛みを伴う事を。
心配そうに少女の名前を呼び、入れている
物を抜き出そうとするが。
「…や…めないで…!」
とそれを制止するリムルルの声。
「で、でも…!」
と驚きの混じった閑丸の声。
631204:04/03/29 11:18 ID:jtadXa3x
「わ、わたしは…大丈夫。大丈夫だから…
 い、一気に…お願い…」
苦しそうにそう言うリムルルの言葉を、
今は只聞き入れる事しか出来ない。
そして、少し入れたままになっている
状態から、奥まで一気に入れた。
「くぅ…っ、ぐ…ぁ…あぁぁ!」
全身に何とも言えない痛みが迸る。
さっきより苦しそうな少女を、心配そうに
見つめる閑丸。背中に強い力で爪が立つのを
肌で感じる。やはり男たる閑丸には分からないが、
相当痛い物なのだろう。などと考えながらも、
閑丸は同時にある感覚と戦っていた。
先程は驚いて感じている暇など無かったが、
二度目に入れた時は、危うく入れただけで
限界を迎えそうになった。今までに感じた事の
無い快感。四方八方から自分の物を締め付けられる。
「ぁ……っ。」
思わず声が漏れてしまった。自分も驚いていたが、
少し気持ちに余裕が出来たリムルルも、驚いて
聞いてくる。
「はぁ…、はぁ…、閑…丸?へ…いき…?」
息も絶え絶えに話す少女の姿を見て、
リムルルの方が平気で無い事が分かる。
が、それを口にはしないことにした。
痛みを何とか紛らわしてあげようと、
閑丸は胸を愛撫したり、舐めたりしてあげる。
「はぁ……、ん…くぁ……。」
痛みと快感の双方が、体を駆け巡る奇妙な感覚。
しかし、時間を置くにつれ、だんだん快感の
方が上に出てくる。
632204:04/03/29 11:19 ID:jtadXa3x
「ぅあ……はぁんっ…!」
再び艶のある声で喘ぎ始めるリムルルの様子に
少し安心しながら閑丸が聞く。
「リム…ルル…?大丈夫なの…?」
もう大丈夫だと思った。体からは
痛みの殆どが抜けていっているのが分かる。
「うん、もう大丈夫。痛くないよっ。」
少し涙の滲む目で、リムルルが答えた。
そして、閑丸は、唐突に自分の物を入れたまま、
腰をつき動かす。すると、淫靡な水音、
愛液がかき混ぜられる様な音と同時に、
物凄い量の快感が、リムルルに向かい雪崩れ込む。
「ふぁっ!…ちょ…急に…!…んぁっ…!
 ジンジン痺れて…、はぁん…!」
しかし、それは腰を動かしている閑丸も同じ。
「く……、リムルル…!凄い…!」
後を本能のままにまかせる二人の姿。
「ぅ…はぅ…!閑…丸、気持ち…いい…!」
「ぼ、僕も…、凄く気持ちいいよ…!」
そして、先に秘所が敏感になっているリムルルが
限界を迎えた。
「閑…丸…!わ、わたし…、またぁ…!うぁ、
 ああぁぁぁぁっ!!」
絶頂を迎えると同時に、大量に分泌される液と、
更に強く締め付ける秘所に、閑丸も一気に限界を
迎えてしまう。
「く…、僕も…、駄目…だ…!うぁぁっ!」
二人の目の前の視界が、真っ白になる。
633204:04/03/29 11:19 ID:jtadXa3x
そして急な脱力感に、動くこともままならずに
閑丸は図らずも自分の精液をリムルルに
移し込んでしまう。受け止め切れなかった分が
リムルルの秘所から少し逆流しているのが見える。
「…ねぇ、閑丸…?」
余韻に浸っている所、最初に口を開いたのはリムルル
だった。行為の後の少女は、普段の天真爛漫さより、
色気がよく見て取れる、と閑丸は思った。
「ん?何、リムルル?」
閑丸がそう言った後、しばらくためらった様子を
見せて、リムルルは答えた。
「え…と、これ…で…わたし達、ずっと、
 ずっと一緒だよね…?」
その質問に、閑丸は笑って答える。今までで
一番自然な笑顔だ、と自分なりに思った。
「うん、もう離れたりしない。…ずっと守るよ。」
少女は「えへへ」と恥ずかしそうに受けると。
何を思ったか小指を立てて閑丸に指し出す。
閑丸が首をかしげると、リムルルが元気に言う。
「ゆびきりっ!」
一瞬素の顔に戻る閑丸だが、またすぐに元に戻り、
リムルルの小指と、自分の小指を堅く結ぶ。
繋がった小指は、夜明けまで離れる事が無かった。
634204:04/03/29 11:20 ID:jtadXa3x
翌日、閑丸が少し速く起き、出発の拵えをしていると、
リムルルが目を覚ました。こちらも少し早い。
「あれぇ…?閑丸、早いねぇ〜、わたしの方が
 早く起きたと思ったのに〜…。」
ややのんびりした口調と、寝惚け眼でそう言う。
どうやら、まだ少し眠たい様だ。
「無理しなくて良いよ?まだ時間あるし。」
きびっと答える閑丸に対し、まだのんびり答える
リムルル。
「うぅ〜ん、でも、折角起きたし、起きてる〜。」
しかし、やはり眠たそうな少女の様子に、閑丸は
苦笑しながら答えた。
「なら、先に顔を洗っておいでよ、目も覚めるし。」
そう言うと、リムルルは「ふわぁ〜い」と返事をし、
近くの川へとふらふら歩いていった。
暫く歩くと、少し浅く、しかし綺麗な川が見えた。
冷たい水で顔を洗ってさっぱりすると、どこからか
ともなく、コンルがやってきた。
「あ、コンル、おはようっ♪」
"おはよう〜"
頭に聞こえる声が、少し眠たげである。
やはり精霊でも、眠くはなる様だ。
それを見て、何か良い事でも考え付いたのか、
少女が悪戯っ子その物の笑顔で言う。
「ねぇ、コンル?眠たいならこうすると好いよ?」
635204:04/03/29 11:21 ID:jtadXa3x
と言うと同時に、コンルに両手の水を
勢い良くぶつける。
"はわぁっ!?"
突然の事に、少しバランスを崩すが、すぐに
立て直して、憤慨する。
"リムルルっ!?"
「あはははっ!コンル、怒った〜!」
突進をしかけて来る相棒を、笑顔でひらりとかわす。
すると、ころっと物憂げな声が心に響く。
"ふぅ…、やっと、本当に元のリムルルだね"
「あ…、その…、ありがと。
 心配かけて、ごめんね…?」
閑丸がいなくなって、落ち込んでいる少女を、
一番心配し、励ましたのは、コンルであろう。
影ながら支えてくれる相棒に、侘び礼を言う。
が、それをコンルが予想外の行動に出る。
ばしゃ、と言う勢いの良い水音が起こる。
全身びしょ濡れで、川に座りこんだまま、
ぽかんと口を開けるリムルル。次第に、
状況が整理でき、一瞬で頭に血が上る。
「……コンルぅっ!?」
しかし、さっきまでいたはずの相棒は、
こつぜんと消えている。はっと
目をやると、一目散に元の場所に逃げる
コンルの姿。
「あ、こらぁー!待てぇ〜!」
それを一目散に追う少女の顔には、
自然と笑みが浮かんでいた。
636204:04/03/29 11:22 ID:jtadXa3x
二人は森を後にし、日輪への道を進む。
日輪はまだまだ遠い、二人の旅はまだ、
始まったばかりと言う事だ。
「閑丸ぅ〜、まだぁ〜?疲れちゃった…」
「もう少し、もう少しで休憩できるよ。」
「むー、早くお団子食べたぁ〜い…」
「さ、さっきからそればっかりだね…」
「でも、閑丸も楽しみでしょ?」
「う、うん…」
「じゃぁ、駆け足〜!」
「え!?ちょ、待ってよ、リムルル!」
漫才の様な会話をしながら駆けて行った
二人を見つめる、一人の女性。
黒と紫を基調にした装束に身を包み、
首には赤い首飾り。凛とした顔だちに、
きりっとした瞳、肩より少し長い髪に、
傍らには、立派な狼。
「…出てきてしまったのね…、
 …リムルル…。」
落ち着いた口調で、心配そうに話す主人の様に、
狼が喉を鳴らす。
「…大丈夫よ、あの子は強いわ。
 できれば…、巻き込みたくなかった、
 …それだけよ、行きましょ?シクルゥ…。」
そう言うと、一人の女性と、一匹の狼は、
風の様に姿を消した。
637204:04/03/29 11:32 ID:jtadXa3x

…ぷひー…、まずは謝罪から…。
何やかんやで、一つの話を投下し終えるまで、
かなりの時間をかけてしまいまして…(汗)
板住民の皆様に少なからず迷惑をお掛けしました。

と言う訳で、第一幕、めでたく(?)終了です。
自分で読み返してみて、少し気になる部分も
いくつか見つける事が出来ました。
これを次回に行かせる様に努力する所存で御座います。

それと、ご声援賜りました皆様、読んで頂いた皆様。
及ばずながら、お礼申し上げたいと思います。
まだまだ遅筆&稚筆な未熟者ですが、これからも
どうぞ応援頂けます様、お願い申し上げます。
…少し長くなってしまいましたが、これで反省と感想と
させて頂きます。では、この辺で〜…
638名無しさん@ピンキー:04/03/29 11:56 ID:xA95rgc6
き、ききききキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!

204さん遂にキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!

待ってる間楽しみでありながら、正直「リムが水邪に犯られたら吊っちゃうなー・・・」と考えると気が気で
なかったりもしますたw 
ふたを開けてみると・・・まあ、この位の悪戯なら可w 
というか閑丸カコイイ!なんつうか、ヒロインのピンチに颯爽と現れる王子様ってこんな素直に燃えられる
シチュだったんだなあと・・・
この調子でぜひ第二幕も!!二人のラブラブ道中期待しております(でも無理はなさらないで・・・)
639名無しさん@ピンキー:04/03/30 23:03 ID:EnGBJ3Oh
おぉ〜、大作投下乙。たった今読了しました。
そっかー水邪様は触手使いだったのかーw着眼点がいかしてますな。
640名無しさん@ピンキー:04/03/31 02:14 ID:eS6NpmUh
上質のSS、マターリとした空気…
アケ板から派生して良かったと素直に思う今日この頃。
641名無しさん@ピンキー:04/04/01 00:04 ID:BosH+OzC
兵 ど も が 夢(精) の 跡
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ハァハァ・・・

204殿GJ!! 
642名無しさん@ピンキー:04/04/01 02:40 ID:LtKUrNmJ
閑丸×リムルル好きにはたまりませんでした。
ありがとうございます。
643名無しさん@ピンキー:04/04/02 00:50 ID:fgIdLmtb
涙が出るほど嬉しいぞ。
閑丸×リムルル好きには昇天ものだ!
ぜひ斬紅郎や天草でもヨロシコ!
644名無しさん@ピンキー:04/04/02 19:12 ID:3MyNXYPT
>>643は、閑×リムだけでは飽き足らず、斬×リムや天×リムも見たいらしい(´_ゝ`)
645名無しさん@ピンキー:04/04/02 23:47 ID:4XDFWaAd
天草後輪ってどんなストーリーだったか覚えてないや・・・残苦労も微妙だけど
646名無しさん@ピンキー:04/04/03 02:30 ID:YhsPGRUM
本当にこっちはマッタリしてていいな…。
別ゲームのスレッドも最初アケ板で
その後エロパロにもできたのだが
アケ板は荒れ果ててエロパロがマターリの道を歩んでいる。
64764:04/04/04 00:35 ID:txUHvx7V
「・・・」
「ん?」
布団のほうから声がした。リムルルが起きたらしい。見れば、顔の半分を
布団に埋めたまま、とろんとした目で俺を見つめている。
「にぃ・・・」
「お、起きたか。良く寝てたなぁ。もうお昼だぞ」
すでに陽は高く上り、テレビではサングラスの男がわめく時間だ。
コタツから抜け出し、リムルルの枕元へと近寄りしゃがみこんだ。
「ん・・・おはよぉ・・・」
「おはよーさん。無理して起きなくてもいいんだぞ?寝てても」
「けど・・・もうお昼でしょ?布団じゃまだよ・・・」
「何言ってるんだよ。俺はコタツがあればそれでいいのだ」
「けど・・・よいっ、しょ・・・あつっ!」
横を向き起き上がろうとしたところで、リムルルが体中に残る痛みに
顔を歪めた。一つ一つは大したことないようだが、全身が痛むのだろう。
「! ほら、やっぱムリだよ。寝てろ」
布団の中に手を差し入れ、リムルルをもう一度あお向けに寝かせた。
ほかほかとしたリムルルの温もりが、布団から伝わってくる。
「うぅ・・・けどねっ、けどぉ・・・」
だが、リムルルは身体をもぞもぞと布団の中で動かしている。
「ん?どうしたんだよ?」
「あのねっ・・・あの、お、おしっこ・・・」
少し恥ずかしかったのか、リムルルは再び布団に顔を埋めて、起き上がり
たい理由を俺に伝えた。
「あ、そっか。ごめんごめん・・・じゃ、起きような」
「うん・・・」
掛け布団をまくると、リムルルの横たわる姿が晒された。乱れたパジャマの
ボタンはいくつか外れており、大きく開いた胸元、ずり下がったタンク
トップから片方の乳首が顔を出している。リムルルはなんだかだるそうに
上体を起き上がらせ、ぼさぼさの髪をかき上げた。何ともいえない寝起きの
女性の妖艶さを、年端も行かないリムルルが醸し出すとは思わなかった。
64864:04/04/04 00:36 ID:txUHvx7V
俺は半ば不意打ちを喰らったような気持ちでしばしその姿を楽しみ、ボタンを
直してぐっと脇から手を回すと、リムルルの身体をゆっくり持ち上げていった。
「どれ・・・ほら、つかまれ」
「うん、あっ、たた・・・!」
俺の身体に身を預け、リムルルは左脚の痛みをこらえてその場になんとか
立ち上がった。さっきまで布団に包まれていた体は、ほかほかした温かさと
柔らかさに溢れ、パジャマもなんとなくしっとりとしている。体温で暖め
られた少女の香りが寝汗のにおいと混じり合って、俺の顔のすぐ横にある
リムルルのうなじから漂ってくる。その甘い芳香を鼻腔いっぱいに吸い込むと、
頭がとろけそうになった。なんでリムルルはこんなに良い匂いがするのだろうか。
「・・・さま?にいさま?早く・・・おべんじょ・・・」
「え!あ、ごめんごめん。ほら、行こう」
変態じみた疑問を抱き、いつまでもリムルルを抱きとめたままの姿勢で
突っ立っている俺に、うまく動けないリムルルが恥ずかしそうに小声で
お願いしてきた。どうやら、においを嗅いでいたとは思われなかったらしい。
慌てて俺はリムルルに肩を貸し、トイレへと連れて行った。

・・・・・・

その後、俺は一日じゅうリムルルのそばにいてやった。普段活発なぶん、
俺のほうが振り回されがちだが、今日の動けないリムルルは何とも
しおらしい。いつもはあれほどに気を遣うリボンも巻かず、パジャマも
下着も替えないまま、布団の中で寝返りを打ってみたり、コンルと何か
話をしたりしている。陽が傾く頃、俺は鉛筆を滑らす手を止め、コタツ
から出てリムルルの枕元に座り込んだ。
「なんだか・・・元気ないな」
「え?そんなこと、ないよ・・・からだが痛いだけ」
身体を横たえたまま、宙を舞うコンルに指を滑らせるリムルルが、枕もとの
俺が投げ掛ける質問に力なく答える。
「コンル、何て言ってる?姉さんは見つかりそうなのか?」
その質問をした途端、リムルルの表情にさっと暗い影が落ちる。
64964:04/04/04 00:37 ID:txUHvx7V
「・・・ううん。コンル、私を助けたときに力を使いすぎちゃった、って。
だから、ちょっと今はわからないんだって・・・はぁ・・・」
やっぱり、元気がない理由はこれだった。毎日のようにリムルルは
ロウソクの火に向かってお祈りをしていたのだ。儀式に必要なお供え物
だという何かよく分からない物も、どっかから拾ってきた木の棒やらで
せっせと作っていたし、お神酒なんかも少しだがお供えしていた。
願いの一つは叶いコンルは帰ってきたが、疲労しきっており手がかりは
ゼロ。考えてみれば、リムルルはこっちの世界に来てからというもの、
姉の所在と安否に関する確かな情報を、まだ何も掴めてはいないのだ。
「にいさま・・・もし・・・ねえさまが見つからなかったら・・・」
天井を眺めたまま、いつもはあれだけ強気なリムルルが弱音を吐いた。
「おいおい、大丈夫だって。コンルが元気になったら、きっと見つかるって」
「わからない・・・何か変なやつに襲われるし・・・わたし、ぼろぼろだし」
「そんな・・・すぐ治るよ」
「何もできないのに、何が起きるのかもわからないのに、勝手にこっちに
来てばかみたいだよ・・・にいさまがいなかったら、ふふ・・・わたしどうして
たんだろうね?もう、生きてないかも」
「もういいから・・・」
「わたし、弱いんだ・・・昨日だってコンルがいなかったら・・・きっと死ん」
「バカなことばっか言うんじゃねーよ!!」
半ば自嘲気味に繰り返すリムルルを、俺は突然怒鳴りつけた。目を丸くし、
びっくりした表情でこちらを向いたリムルルが口をつぐむ。自分でも
「しまった」と思ったが、もう止まらない。
「確かに昨日は・・・やばかった。だけどな、こうやって生きてんだろ?
怪我したって、俺が看てやる。元気になるまで休んで、そしたら
もう一度やり直せばいいだけじゃねーか!なのに・・・お前、そんな・・・」
「にいさま・・・?」
「昨日の夜、言ったよな?もう離れたくないって。そう思ってるの、
・・・お前だけじゃないんだぞ?」
「・・・・・・?」
65064:04/04/04 00:37 ID:txUHvx7V
「だ、だからっ!お・・・俺、俺だって、もうリムルルが居なくなるなんて
考えられないんだから・・・だから、死ぬとか・・・死ぬとか言うなよ・・・」
「あ・・・ぁ・・・ごめ・・・んなさい」
「リムルルを守りたいんだ・・・ずっと・・・。俺の、大事な妹なんだから」
「うっ、ご・・・ごめんなさぁ〜い!!」
黙って俺の話を聞いていたリムルルが、急に泣き出した。
「うん・・・いいんだ。ごめん、ごめんてば。泣くなよ」
「ごめんなさい・・・わたし、もう、弱音吐かない!あきらめない!!
だから・・・嫌いにならないでぇ!ずっと一緒にいて!いてよ〜!!」
枕元に座った俺の膝の上に突っ伏し、リムルルはわんわんと声を上げる。
「誰もリムルルのこと、嫌いになったりしないって!それに言ったろ、
一緒にいたいのは俺も同じだよ・・・勘違いするな」
「うん・・・うん・・・ごめんなさい・・・」
「ほら、こっち向いて」
うつ伏せになったリムルルをその場に座らせて、指で涙を拭ってやる。
やっと赤みと腫れが引いたと思った目元が、再び赤くなってしまった。
「ごめんな、なんか泣かせてばかりだな・・・だめな兄ちゃんだ」
「だめじゃない!だめじゃないよ・・・」
「ありがとな、リムルル・・・それじゃ、もう一回約束しよう」
「へ・・・?やくそく?」
「うん。俺は、リムルルと一緒に、ずっといる」
「うん・・・わっ?」
そう言うと俺は、リムルルの頬にそっと口づけをした。
「にいさま・・・」
間近に迫った俺の顔に驚いたのか、リムルルは涙が残る目を白黒させた。
「ごめんな、びっくりしたか?」
「へ、ううん!なんだか・・・嬉しかった。これ、こっちのおまじない?」
「えーっと・・・何というか、まあ、大事な人にだけする・・・そうだなあ、
大好きのしるしっていうか・・・」
65164:04/04/04 00:38 ID:txUHvx7V
「そうなんだ!じゃあわたしも、わたしもしていい?」
「え、あ・・・」
「もうずっとにいさまと、大好きなにいさまと一緒!」
リムルルは俺が答えるよりも早く、可憐な唇を俺の頬に寄せた。ちゅっと、
一瞬の柔らかな感触だったが、この上ない幸せが俺の心を包んだ。
「えへへ・・・したよ!それでさ、これなんて言うの?」
「え・・・あぁ?あ、これね、これ・・・これは・・・」
「?」
予想外の恥ずかしい質問に、俺は答えに迷った。が、嘘はつけない。
「き、キス」
「きす」
「そう。キス」
「じゃ、もう一回キスしちゃう!今度はこっち!」
「うお・・・」
左右の頬に、2つの幸せ。これは・・・教えてよかったかもしれない!

・・・・・・

「けど、安心したよ。食欲はあるんだな」
「もぐもぐ・・・うん!ちょっと元気になってきた」
「ちょっとぉ?全部平らげてるじゃん、いつもの量だったのに」
「えー・・・だって!朝から何も食べてないんだもん」
夕食の時間。何が食べたいかとリムルルに尋ねたら、やっぱり
うどんだった。かまたまを作ってやると、あっという間にぺろり。
口の周りを黄色くして、満足そうにお腹をさすっている。起きた
ときとは打って変わって、だいぶ顔色もいい。声にも張りがある。
「ごちそうさま!ふぅ〜・・・おいしかったあ!」
何より、この食欲が全てを物語っている。本当に良かった。徐々に
元気を取り戻しつつあるリムルルの周りを、コンルも嬉しそうに
くるくると回っている。
65264:04/04/04 00:39 ID:txUHvx7V
「そういえば・・・コンルって何も食わないのか?」
そんなコンルの姿を見て、おれはふと浮かんだ疑問を口にした。
「コンルはね、氷食べるよ」
「ともぐぃ・・・あだっ」
突拍子も無いリムルルの答えに問題発言をしようとした俺の頭の上から、
ぼこっと小さな氷が落ちてきた。
「あ、言い忘れてたけど、コンルってどこでも氷作れるの」
「〜〜ッ・・・いや・・・悪かった。そだ、コンル、ちょっとこっち来て」
リムルルの傍らから俺を覗き込むようにしていたコンルを手招きし、
台所にある冷凍庫へと案内する。
「こことかどうよ?涼しくていいんじゃないか?氷もあるし」
冷気が満ちた冷凍庫の中の様子を少し確認すると、コンルはふわっと
中に入った。どうやらお気に召したようだ。
「じゃ、ちょっと閉めるからな」
パタンと扉を閉め、背中を向けたその時。
ガリガリガリッ!バリ!ガシガシガシ!
「!何だ?」
何かをばらばらに砕き壊すような音がしたので、慌ててもう一度扉を
開ける。すると、冷蔵庫の隅っこにコンルが佇んでおり、製氷皿の氷が
きれいさっぱり全部無くなっていた。
「ははは、なーんだ。コンルも食いしん坊なんだなぁ!なあリムルル?」
「うん。コンルってば、よくばりばりーって・・・っきゃ!?つめたーっ!
やだっ、ちょっとコンル?つめたいよぉ!にいさま助けてぇ!」
「ん〜、どうしたんだ?」
悲鳴を上げるリムルルを台所から覗くと、背中に手を回して身をよじっている。
「にい・・・さまっ!見てないで取って!背中に・・・こおりぃ!いやー!」
「え?あっ、うっわー」
パジャマをたくし上げると、タンクトップに氷がはっていた。
「脱げ!ほら!」
パジャマをすぽーんと頭のほうから抜き去り、タンクトップをばっと
脱がせる。
65364:04/04/04 00:39 ID:txUHvx7V
「んもー!コンルのいじわる!べぇーだ!」
見れば、コンルが冷凍庫から台所の入り口まで戻ってきていて、何だか
自慢げにこっちに向かってきらきらと輝いている。それを見たリムルルも、
負けじと上半身裸のままぺろっと舌を出した。けんかするほど仲がいい、
といったところか。
「けどコンル、ちょっと元気になったみたいだな。お前もな」
リムルルの頭を撫でながら、俺は騒々しさが戻った部屋・・・いや、
新たな家族が増え、賑やかさが増した部屋の中で、なぜか、俺は
やたらと幸せな気分になった。
「ほらコンル、冷凍庫がいいなら戻りな?氷もまた作るから」
俺の声を待っていたかのように、コンルはひゅっと冷凍庫に舞い戻った。
どうやらかなりお気に入りらしい。道産子、しかも氷のカムイなのだから、
当たり前と言えば当たり前だろうか?
「じゃ、ゆっくり休みなよ。また明日」
水をなみなみと張った製氷皿を戻し、気持ちよさそうに青い光を放つ
コンルをねぎらうと、俺は静かに扉を閉じた。踵を返し部屋に戻ると、
リムルルがコタツの中で腕を組んで頬を膨らましている。だが、
いかんせん上半身裸の結構バカっぽいその姿が微笑ましい。
「さて・・・ちょうど服も脱いだし、傷の様子を看よっか。下着も換えるぞ」
「む〜、コンルのおバカ!久しぶりなのにっ!」
「まあまあ、いいじゃん。ほら、ちょっとコタツから出て」
「・・・だーして」
「え?」
「にいさまが出して!わたし、けが人だもん。動けないもーん」
起きたときのしおらしさとは打って変わって、今度はわがままの
スイッチが入ってしまったのだろうか。リムルルはコタツに下半身を
入れたまま二の腕を上げ、俺に引きずり出すようにせがんできた。
65464:04/04/04 00:40 ID:txUHvx7V
「仕方ないな・・・」
「そう!けが人は大事にしてねっ!」
「・・・って、なーにを言ってんだ!このワガママ娘っ!お仕置きっ!!」
「わっ、きゃ、あはははは!にいさまっやめっ、あはっ!あははっ!」
俺はしぶしぶリムルルを引きずり出そうとしたところで、さわさわと
わきの下をくすぐった。不意を突かれたリムルルが、きゃっきゃと
転げ回り、悲鳴にも似た笑い声を狭い部屋に響かせる。
「ほらほら、あんまり調子に乗らないの!わかったか?」
「ひっ、あっ、わ、あはっ、わかったっ、ごめ、ごめんなさいひひひ!」
「はい。ちゃんと言えました。よいしょっと!」
「ひゃ!・・・はあ、はあ・・・はあ・・・」
俺は散々リムルルを弄ぶと、ぐっと両腕をリムルルの胸の前で交差させ
抱え込み、体に負担がかからないよう、優しくコタツから引きずり出すと、
俺の膝を枕にして畳の上で寝そべらせた。傷だらけのリムルルは、
肩で息をしながら、少し潤んだ瞳で俺を見つめている。
「はあ・・・・・・はぁ・・・」
「なんだ、そんなにくすぐったかったのか?」
「いじわるぅ・・・」
「あーのな。ワガママ言うのが悪いの!どれ・・・う〜ん」
くたっとしているリムルルの腕を取り、俺は傷の具合を確かめた。
「おー、やっぱ若いな。化膿もしてないし・・・かさぶたができてる」
「よかったぁ」
「どれ、次は背中。起こすぞ」
「ん・・・」
丸い肩に手を添え、俺はゆっくりとリムルルの体を起こした。
「ん〜、ここも大丈夫だな・・・」
若いとはいえ、これほどに傷の治りが早いものだろうか?特に、
軽いかすり傷などは赤みが残っているものの、それが創傷の痕で
あるということを忘れさせるほど、きれいに治っている。
65564:04/04/04 00:40 ID:txUHvx7V
「すげえぞリムルル。健康、けんこう」
「・・・けんこう?」
「おう、どんどん治ってる。どれっ・・・今度は下だな。パジャマ下げて」
「うん」
言われるがままにリムルルは腰に手をかけ、ズボンをすっと降ろした。
一番深い傷を負った部分・・・包帯に包まれた左の太ももが露になる。
「うん、そこまででいい。包帯解くぞ、痛かったら言えよ?」
「うん・・・だいじょぶ・・・平気だよ」
そう言いつつも、リムルルは少なからず不安そうだ。巻き取られてゆく
白く細い布を見つめながら、弱気な返事を俺に返した。程なくして
包帯は滑らかな肌を離れ、俺の手元に納まった。
「どれ・・・」
少し血がにじむパッドを捲ると、思っていたよりもずっときれいにくっついた
傷口が見える。化膿している様子もなく、傷が広がっているわけでもない。
「お、一応塞がっては・・・いる・・・な」
「ほんと?」
「うん。関節とかだったら傷開いちゃうんだろうけど、ここは大丈夫。
それに結構スパっと切られてるから、こういうのは治りが早いよ」
「そか・・・そうだよね」
リムルルの潤んだ瞳が細められ、安堵の表情が浮かんだ。昨日見たときは
もっと深い傷かと思っていたが、それほどではなかったのだろうか。
それとも、やはりリムルルの治癒能力が高いのだろうか・・・?少し疑問を
感じつつも、俺はリムルルに笑いかけ、細い脚からズボンを取り去った。
そして怪我の様子を一通りチェックし、まだ治りの悪い部分には薬を塗り、
新しい包帯と下着を準備した。
「どれ、ちょっと脚上げて・・・包帯巻こうな」
「こう?」
「うん」
清潔なパッドを当てた傷口に、そっと包帯を巻いてゆく。
65664:04/04/04 00:41 ID:txUHvx7V
「ねえ・・・にいさま」
「おう?」
「わたし、ほんとに・・・健康?」
俺がぐるぐると巻きつける姿をただ眺めていたリムルルが、
少し思いつめた顔で俺に尋ねた。心なしか頬が赤く染まっている。
「あーもーバッチリ!すごいぜ、リムルルは。健康満点!
俺なんか最近、指のささくれも治りづらいんだからー」
「けど・・・」
冗談を言って笑わせようとしたにもかかわらず、リムルルの表情は
さえない。不安にかられたような顔のまま、視線を落としてしまった。
その顔は上気したように少し赤く、息が荒くなっているような、そんな
印象を受ける。
「何だ、どうしたの」
「変なの、ちょっと・・・」
「やっぱここか。脚、痛いか?」
「ううん、違う・・・胸がね、苦しいの、時々・・・今も、ちょっと」
「苦しい!?いつから」
「最近・・・にいさまと・・・」
「うん、俺と」
「い、いっしょに・・・え?あ、大丈夫だよ?別に・・・心配しないで!」
露骨に不安そうな顔をしていたからだろうか、俺の顔を見た途端、
リムルルは大げさに、顔の前で両手をぴらぴらと振った。
「だけど苦しいなんて・・・ヤバイだろ?やっぱお医者に行くか」
「だっ、だいじょぶだよ!うん、もう平気だもん。ホントだよ?」
「そうか?けど・・・さっきホントに苦しそうだったぞ?」
「んもう!だいじょぶったら、だーいーじょーうーぶ!ほらぁ、
にいさま、手が止まってる!」
いつまでも食い下がる俺に、リムルルは大げさに元気をアピールし、
いつものようなおてんば振りを発揮し始めた。
65764:04/04/04 00:41 ID:txUHvx7V
「はは、ホントに大丈夫みたいだな」
「だから言ってるのにぃ!」
「悪かったよ。だけどな、心配してんだから言ってんだぞ?」
「う・・・うん、ありがと」
恥ずかしかったのか、リムルルは再び頬を赤らめ、ぷいとそっぽを向いた。
年頃の女の子らしい、コロコロ変わる複雑な反応が可愛らしい。
「よーし・・・これでいいだろ」
きゅっと結び目を作り、手当ても終わりを迎えたその時。
「にいさま!」
「な、なんよ」
リムルルが大声と共に急に身を乗り出し、俺の目前に顔を迫らせ、
目をぎゅっとつむると、俺に向かってこう叫んだのだった。
「わっ、わたし、ホントに感謝してるんだからね?ねぇ!」
「え?」
あまりにも分かりきった言葉に、俺は呆気に取られてしまった。目をあけた
リムルルは、不思議そうに見つめる俺の視線を感じるや否や、ぼっと火を
焚いたように顔を紅潮させた。
「ぅ・・・・・・ぁ」
「リムルル?」
「・・・や、やだ・・・わたし・・・な、何でもないっ!」
「リムr」
「何でもないってば!んもーっ!」
「え、えー!?」
一体何がしたかったのだろう。リムルルは顔を真っ赤にしたまま、
今度は俺に向かってぽかぽかと拳を振り回したかと思うと、頭から
コタツの中にずぼっと逃げ込んだ。だが、まさしくことわざ通り、
純白のショーツで包まれた張りのある小さお尻が、これんぽっちも
隠れていない。
「でーてこーい」
まんまるいお尻を指でぷにぷにとつつくと、リムルルは足をばたばたして
抵抗しながら、もぞもぞとコタツの中から出てきた。予想通りというべきか、
頬をリスの様に膨らませている。
65864:04/04/04 00:42 ID:txUHvx7V
「・・・むぅ」
「むう、じゃないの。そんなカッコで・・・風邪引くだろ」
そう、リムルルの体を隠すものは、今となっては薄い木綿のショーツと
包帯だけだった。だいぶ慣れたとはいえ、可愛い少女の裸はやはり
目の毒としか言いようがない。どうしたって、むくれるリムルルの顔と
控えめな膨らみの上でツンと存在を示す桜色の乳首の間で、視線が
行き来してしまう。
「健康なんだもーん、風邪なんて・・・ひっ・・・へくち!」
「ほーらみろ。どれ・・・怪我は避けて、さっさと体拭くか。おいで」
「ぐす・・・うん」
手招きすると、リムルルは猫のように四つんばいになって、あぐらを
かいている俺の方へと近づいてきた。小さな背中を胸元に抱き寄せると、
俺は用意しておいた濡れタオルで後ろからリムルルの華奢な体を拭き始めた。
「そういえば、リムルルが来た日もこうやって拭いたんだぞ」
「え・・・」
「雨だのアラレだのが凄くてさ、びしょ濡れだったんだ」
「そうだったん・・・だ」
思い出しながら、俺はあの日と同じように細い体の上にタオルを滑らせた。
リムルルは落ち着いたらしく、おとなしく俺の話を聞いている。
「あの時は、こんなにずっと一緒にいられるなんて思わなかったし」
「・・・」
「こんなワガママ娘とも思わなかったぜ?」
「もう!」
「冗談じょうだん。おぱんつ脱いで」
「はぁい」
リムルルは俺の膝から離れると、タオルを絞る俺の横で、もそもそと
ショーツを脱いだ。
「はい、にいさま。脱いだよ?」
「え?あ、あぁ・・・」
65964:04/04/04 00:43 ID:txUHvx7V
ちょうど体育座りの姿勢で、リムルルは脱ぎたてのショーツを俺に
手渡してきた。今の今まで肉の薄いお尻を隠していた柔らかな軽い
布地が、少女の体温をそのまま俺の手に伝わらせる。いつまでも
触っていたい。ついでにちょっと嗅いでみたい。だが、当の本人の
前でそんなことができるはずもない。心の中で無念の涙を流しつつ、
俺は気のないふりを装ってショーツを部屋の隅に放ると、リムルルに
替えのショーツを手渡した。今度はピンクの水玉模様だ。手渡された
ショーツのゴムを引っ張ったり戻したりしながら、リムルルはしばらく
俺がタオルを洗面器で洗うのを見ていたが、すぐに細い脚を通した。
真っ白いショーツは、それはそれで純粋ないやらしさというか、本能を
刺激するようなモノがあるような気がするが、水玉のような柄物は
リムルルのような女の子が穿くと、それぞれの魅力がさらに引き立つ。
「あのさあ、リムルル」
「なあに?」
「下着さ、さっきまでの白いのと今穿いたの、どっち好き?」
俺は、タンクトップから頭を出したリムルルに何となく尋ねた。
「えーっとねぇ・・・こっち!可愛いもん」
リムルルは少し考えると、笑顔を浮かべながらくるりと背中を向け、
お尻をぽんと叩いてそう答えた。
「あとねあとね、あの、しましま模様も可愛くて好きだよ?」
「そっか、そうだよなぁ。やっぱ柄物がいいよな」
「ねえ、にいさまもこの模様、可愛いと思うでしょ?ね、ね?」
リムルルは自慢の下着を俺にもっとよく見せようと、小さなお尻を
きゅっと俺に突き出した。伸縮性のある布地が、滑らかなシルエットを
さらに引き立てる。
「うん、そりゃ選んだのは俺だから。リムルルに似合いそうなのを、ね」
「さっすがにいさま!」
「おう、まかせろ。それじゃパジャマ着て」
「うん」
相変わらず大き目のパジャマ上下に、リムルルはするりと袖を通した。
66064:04/04/04 00:45 ID:txUHvx7V
「そでを・・・まくって・・・っと。よーっし、これでお着替えはおしまい」
「にいさま」
「ん?」
「ありがとう・・・わたし、早く良くなるね」
立ち上がって伸びをする俺の足元で、座り込んでいるリムルルが突然、
あらためて俺に感謝の言葉をかけてきた。
「おう、そうしてくれや。無理しないで休めよ」
「うん!あ、テレビ観ていい?」
「まだ早いしな。ほら、これ羽織って・・・ちゃんとコタツに入れ」
「はーい。にいさま、一緒に観よ?」
「どれどれ・・・何を観ようか」
ブランケットを羽織ったリムルルが、ピコピコとチャンネルを切り替える。
「えーっと、これ!」
「なになに、テレビ○×は・・・『今夜決定!行列のできる激ウマスイーツ
王座決定戦・渡る世間は菓子ばかり』?」
「うんそれ!うっわー!にいさま、これ見て見て!おっきなチョコ!」
「うぷ・・・胸焼けする・・・ってリムルル、よだれ」
「ありゃりゃ・・・じゅるっ、えへへ!」
リムルルとの幸せな時間が、再びゆっくりと動き始めた冬の夜だった。
そして、リムルルの何気ない笑顔が今までと少し変わった気がしたのも、
この夜だった。
66164:04/04/04 00:58 ID:txUHvx7V
こんばんは。

>204氏、連載一段落お疲れ様です。いやー、ストレートな
エロを書いてくれる人がいるからこそ、俺のような萌え中心の
輩がこのスレで生き残れるというものです。内容は言うに及ばず、
ちびっこい二人が頑張って戦って、頑張って致しているのを
想像するとハアハア・・・でした。これからもどうぞ無理をなさらずに。

前回の投稿で、コンルの感想を頂けたのが大変に嬉しかったです。
というのも、あの回想部分で最も懸念していたことだったもので。
アイヌの昔話によれば、夢に出てくるカムイの姿というのは、
現実世界での彼らの姿をモチーフとした装いをしているんだそうで。
火のカムイなら赤い装い、とか。すごくお話に活かしやすいですね。
662名無しさん@ピンキー:04/04/04 01:31 ID:LtgqkBdL
貴方は第一級萌殺罪でノーベル賞を受賞しました
(;゜д゜)ハァハァ(混乱中
663643:04/04/04 02:27 ID:exb31+EB
ち、ちがう!
違うっすよ!
664名無しさん@ピンキー:04/04/04 02:30 ID:AnI/NExG
うっひょーー、イカスぜ
665名無しさん@ピンキー:04/04/04 03:21 ID:3BVQvAOP
あああ、相変わらずリムルルの一挙一動が可愛らしすぎて
なんつーか、やましい心とは別の感情が……父性本能か?

よよよよ欲を言えばトイレシーンをもっと濃厚にっぃぃ…おしっこフェチなもので…(;´Д`)ハァハァ
666名無しさん@ピンキー:04/04/04 14:03 ID:33u6J+s6
氏、氏ぬ萌え尽きた
667名無しさん@ピンキー:04/04/04 15:44 ID:E1GR7PA+
ノーベル萌殺賞
668名無しさん@ピンキー:04/04/04 16:13 ID:07UJCZnA
ここは凄く神が多いインターネッツですね
669名無しさん@ピンキー:04/04/04 21:10 ID:1ryQWmCR
初めて来たエロパロ板で、まさかこのような神スレに出会えるとは思わなかった。
素晴らしい職人さんがいて、ノリの良い読者達がいて。
まあ結局何が言いたいのかと言うと、



リムタソハァハァ・・・
職人さんがんがれ!応援してるぞ
670名無しさん@ピンキー:04/04/04 22:40 ID:j8bLsXHg
殺す気だ……

ここの職人さんは俺を萌え殺す気だ!!⊂⌒~⊃。Д。)⊃ハァハァ
671名無しさん@ピンキー:04/04/04 22:59 ID:XCOxmOXa
激しく乙!
マンセー!

微エロもだけどこれからどうなるのか、ストーリーも気になる!
672名無しさん@ピンキー:04/04/05 02:38 ID:fr0wskJx
ここは読者の感想も笑えるな・・・
673名無しさん@ピンキー:04/04/05 11:06 ID:avBezsl8
リムルルにほのかに芽生え始めた恋心
小動物的愛らしさのコンル


萌え死ぬ
674名無しさん@ピンキー:04/04/05 11:22 ID:oq5dSq0g
ここのSSを読んだあとにゲーセンに行くと
コンルが可愛くて仕方が無くなる
675名無しさん@ピンキー:04/04/05 20:47 ID:fr0wskJx
にいさまの鈍感ー!、(`Д´)ノ
676名無しさん@ピンキー:04/04/05 23:18 ID:QmFjv3Bz
>>675
ごめんよごめんよ…(;´Д`)ハァハァ
677名無しさん@ピンキー:04/04/06 00:24 ID:BKGSqsas
>>675
ちょ、ちょっとだけお顔舐めさせて(;´Д`)
678名無しさん@ピンキー:04/04/07 00:47 ID:FkrFXa3r
(;´Д`)ハァハァ
679名無しさん@ピンキー:04/04/07 14:24 ID:0XvQbOHK
「ネ申」とはまさにここの職人の方々のためにあるような言葉だといっても過言ではないはずだ
正直なところ漏れにとっては死神ですよ・・・







萌死にそうです
680名無しさん@ピンキー:04/04/07 23:04 ID:RCUGlO+t
リムたんがラーメン食べた時の反応が見たい・・・




しこしこ〜
681名無しさん@ピンキー:04/04/08 03:54 ID:UWnNmPjS
ちょっとリムルルに会いたくなってきた
682名無しさん@ピンキー:04/04/10 00:08 ID:KrlyuRFp
僕も
68364:04/04/10 01:36 ID:e3luQEcz
「ふぃ〜、食った食った」
「今度のも、すっごい、すっごい美味しかったよ!」
リムルルは口の周りを拭いながら、にっこりと真っ白な歯を覗かせた。
この瞬間!最高だ。ちなみに、作ったのはただのチキンラーメンなのだが。
「ねえにいさま?どうやってあんな一瞬で作っちゃったの?」
トイレから出てコタツに入る頃には、部屋中に美味そうな香りが
漂っていたのが、衝撃的だったらしい。どんぶりをコタツへと
運んでいったときの、あっけに取られた表情が忘れられない。
「ふふふ・・・実はにいさまはすごい料理人でね」
「! やっぱり!すっごいなぁ〜、わたしにもこれ教えて!」
「これは秘伝なのだ・・・一子相伝の」
「いっしそうでん、ってなに?」
「えーとまぁ、とにかく難しくて、そう易々とは教えられんの!
まずは皿洗いから!」
「えーっ、つまんない!」
つまらない嘘を信じ込んで、リムルルはだだをこね始めてしまった。
今度教えてやらねば・・・。

・・・・・・

テレビの前で、半身をコタツに入れたまま眠りこける兄の姿を、
リムルルはコタツの反対側から覗いていた。
『ご飯を食べると眠くなるのは、大人の人も一緒なんだよね・・・』
ぐうぐうと寝息を立てる兄の姿を、まるで小さな子供の子守をしている
ような、そんな気分でリムルルは黙って見守っていた。
『ふふっ、やっぱり疲れてたんだ・・・』
怪我をしてからというもの、毎日まいにち傷の具合を看てくれる、優しい兄。
『きっと、わたしの治りが早いのは、にいさまのおかげなんだ』
リムルルは、もうすっかり良くなって、一目では分からなくなった腕の
傷痕をすーっと指でなぞりながら、看病してくれる兄の様子を思い出した。
68464:04/04/10 01:36 ID:e3luQEcz
消毒液がしみて少し目をつむっただけでも、心配して薬を塗る手を止める兄。
日に日に良くなる私の体を、まるで自分のことのように喜んでくれる兄。
不安に駆られて弱気になった私を、本当の優しさで導いてくれた、兄・・・。
『すごく、すごく嬉しいんだよ・・・?』
思い出すだけで、心がぽかぽかとなる。体に元気が戻ってくる。
『怪我しちゃってるのに、毎日が楽しいの・・・ワクワクしちゃって』
もう一度、親愛なる兄の姿を覗く。何かむにゃむにゃと言っているのか、
唇をもごもごと動かすと、またすぐに、んがっとおかしな寝息を立てた。
子供っぽいその仕草に、リムルルはふふっと静かに笑った。
『にいさま・・・ありがとう・・・』
その心からの感謝が、想いを超えて声となる。
「だいすき・・・だよ」
小さな声で独り言のように、そうリムルルがつぶやくと、

とくっ・・・とくん・・・

『あっ、まただ・・・』
リムルルは、不意に鼓動が早くなるのに気がついた。
『最近、考え事してると・・・これ・・・どうしたのかな』
原因のよく分からない胸騒ぎに、リムルルは溜め息にも似た深呼吸をした。
だが、やはりちっとも効果が無い。寝そべってみても、じっとしていても
抑えることのできない胸の高鳴り。
『けど・・・ちっとも嫌じゃない』
異変に気づいた当初こそ不安はあったものの、最近ではこの不思議な
感触が、かけがえの無い物のような気がしてきたのだった。
『きっと理由があるんだ・・・わたしの中で、何かが変わったんだ』
その「何か」とは、何なのだろうか。皆目見当つかないリムルルは
コンルに尋ねたこともあったが、よく分からないとはぐらかされて
しまった。兄に訊いてみたときは・・・やけに心配してくれるその姿を
見たら無性に恥ずかしくなって、途中なのに自分でごまかしてしまった。
68564:04/04/10 01:37 ID:e3luQEcz
『これは・・・わたしの問題なんだね、きっと・・・こっちに来て、探すものが
増えちゃった』
「何か」、そして「ナコルル」。2つになった探しもの。手がかりの無い
姉を探さなくてはならず、その上、正体さえ分からない物まで追い求めて
行かなくてはならないのだから、リムルルにとっては大変な重荷が増えた
はずだった。だが、彼女の心はどこまでも抜ける青空のように爽快だった。
むしろ、もう1つの探し物である胸騒ぎを与える「何か」そのものが、
リムルルの体と心をより一層強く、明日へと導いているような心地さえ
覚えていた。
「がんばるぞぉ〜!う〜〜んっ!!よしっ!」
「むぅ〜・・・んん・・・」
突き動かされるように気合を込めて背伸びをしたリムルルの口から漏れた
言葉が、兄の耳に届いたらしい。寝返りを打ち、小さなうめきをあげる。
『あちゃ・・・起こしちゃった?』
悪い事したなと思いつつ、はたと口を押さえると、リムルルはじっと
気配を殺した。
「むぐ・・・ぅ?・・・ん・・・ご〜っ・・・」
その甲斐あってか、兄はもそもそと肩の辺りまでコタツの布団の中に
潜り込ませると、再び寝息を立て始めた。
「ほ・・・」
リムルルは、安心しきったようにため息をつき、伸ばしていた脚を
引っ込めると、コタツの隅に移動した。小さなコタツの中で、大きな
兄がその身を全て埋めてしまえば、当然ながらリムルルの居場所は
制限されてしまうからだ。しかし隅っこであろうと、コタツの脚を
太股で挟み込むようにして座っていれば、ちゃんと暖は取れるものである。
『にいさま、ゆっくり休んで・・・ね?』
たくさんの優しさをもらっているリムルルの、心ばかりの恩返しだった。
68664:04/04/10 01:37 ID:e3luQEcz
「ふぅ。あ、そだ!」
リムルルはぽんと手を合わせると、コタツの上に置かれたカゴの中で
山盛りになっている、みかんの存在を思い出した。甘くておいしいその
果物は、いくつ食べても良いという事になっていた。現に昼食後、兄と
1つずつ食べたのだが、
『いくつ食べても美味しいんだよね〜、これ!』
冬の果物が持つ不思議な魔力にかかったかのように、リムルルはその
魅力的な明るい緋色の果実に手を伸ばした。
「よいっしょ・・・あれっ・・・よよよ!」
だが、届かない。リムルルが座っているコタツの脚とは真逆の場所に、
そのカゴは置かれてしまっていたのだ。横着して思いっきり腕をぴーんと
伸ばすものの、小さな手は空を握るばかりである。もぞもぞと身体を動かし、
もう一度手を伸ばしたその時。
「! んゃ?!」
股のあたりにおかしな感触がして、リムルルは小さな声を上げた。
「・・・?」
コタツの脚が、身体をずらした拍子にリムルルの股を軽く突いたのだ。
「あ・・・なんだ、びっくりした・・・」
背筋を走るような、股のあたりがじわりと暖かくなるような。
つい、みかんを手に取ることさえ忘れてしまう程の、未知の感覚。
「・・・・・・何だったんだろ」
しばらく考えて、暖気が漏れないよう少しだけ布団をまくると、
おそるおそる、もう一度陰部をコタツの脚に近づけた。そして、
くにゅっと、柔肉が形を変えた瞬間。
「っ・・・?」
再び、先程の感覚が陰部から広がった。その刺激が加わるたび頭が
ぽうっとなり、少し腰が引ける。だが、腰が引けても無意識のうちに
再び突き出して、その刺激の中に少女は自らを放り込んだ。まるで、
その刺激の正体を探るかのように。
68764:04/04/10 01:38 ID:e3luQEcz
「・・・ぁ・・・・・・んっ」
断続的に、ぐい、ぐいと、股ぐらをコタツの脚に押し付ける。そのたびに、
頭の中でオレンジ色のイメージがぽっ、ぽっと光を放つ。全身の血の巡りが
高まり、頭に血が上ったような、のぼせたような感じだ。
「あっ、あっ・・・あン!」
肩が、僅かな刺激に対してもぴくん、ぴくんと跳ねる。
「んっ、んっ!」
また、痛みを感じたときのように目をぎゅっと閉じ、その刺激に耐える
こともあった。だが、何度も腰を滑らし、その刺激がリムルルに何を
与えてくれるのかを少しずつ身体が学習していくにつれ、それが明らかに
拒絶するべきものではないのが分かる。そして、幾度かの前後動を終えたとき。
「あっ・・・これ・・・・・・うんっ」
リムルルはその行為が与えてくれるものを、しっかりと感じた。
「・・・き、気持ちいい・・・のぉ」
恐れる必要は無かった。そこには、甘美な快感だけがあるのだから。
リムルルはコタツの脚を両手で掴むと、意を決し未熟な秘部をしっかりと
コタツの脚に押し付けた。
「・・・うんっ!」
思惑通り、何となく腰を突き出したときとは違う、像のはっきりとした
快感が股間から溢れ、リムルルの頬をピンクに染める。
「ふぁ、あ!・・・んっ」
しかし、その刺激に自らの口から漏れる今まで聞いたようなことの
ない声に、リムルルは内心どきりとした。
『やっ、やだ!わたしっ・・・どうしちゃったの?』
その甘い声はテレビの音声にかき消され、決して自分以外に聞こえる
ことは無かったが、性的な知識に疎いリムルルにでさえ、その獣じみた
声色は直感的にある感情を呼び起こさせた。
『い、いやらしい・・・よぉ・・・』
ならば口を閉じて、そんな声が漏れないようにするなり、両手で覆うなり
すればよかった。だがそれほどまでに、淫らに変身してゆく自分を強く
感じていながら、少女にはそれができなかった。
68864:04/04/10 01:39 ID:e3luQEcz
「うぅん・・・やぁ・・・あっ、ふぅ・・・ん」
『すご・・・く、すっごく気持ちいい・・・何、なんなのぉ・・・?』
息を少し荒くしながら、リムルルは自分に問いかけた。しかし、その答えを
与えてくれるものはあるはずもない。意思とは関係なく動く腰は、ただ
快感を貪る方向へと流れゆく。単純な腰の往復動作には、いつしか強弱が
与えられていた。
「ふぁ・・・んん・・・・・・ひゃ!・・・あぁっ・・・ぁ」
腰に入れた力を緩め、刺激から少し距離を置き、その直後にぐいっ、と
再び陰部を強く押し付ける。
「ひっ!・・・ん・・・ふあぁん・・・うっ・・・うぅん!・・・はぁっ、あはっ!」
断続的に背筋を駆け上る刺激が、自慰行為によって得られる快感を
はっきりと浮き彫りにさせた。その動きはぎこちなかったが、
腰をくねらせるリムルルの頬はさらに紅潮し、そして水面近くを泳ぐ
鯉のように、顎を上げはくはくと息を荒げ始めていた。
「はっ・・・はっ・・・んあ・・・あふっ、うぅ・・・きもちっ・・・いい・・・これえぇ!」
小さな部屋に、リムルルの喘ぎが生まれては消えてゆく。この奇妙な
行為を始めてからどれだけの時間が経ったのか。あいも変わらず、
リムルルは細い腰をもぞもぞと振っていた。快感は蓄積され、身体が
慣れるにつれその味は深まってゆくようで、すでにリムルルの思考は、
甘い体験がもたらす興奮と快楽でとろとろに溶かされていた。
「ふぅ〜っ、あはぁ・・・くうぅん」
無垢な少女であるからこそ、その行為に歯止めを利かすものは無い。
子犬の甘える声のような、小さなあえぎと共に漏れる熱の篭った吐息。
その吐息が、狭い部屋を熱くしているような錯覚さえ感じる。そして、
押し付け擦り付ける秘部から、休むことなくこみ上げる快感と熱。
『すごい・・・すごいのぉ・・・熱くって、きもちくて・・・溶けちゃい・・・そぉ・・・』
中からも、そして外からも与えられる熱。それはリムルルの思考を奪い、
幼さの残る汚れを知らぬ少女を自慰行為へと駆り立てるには十分すぎた。
顔には玉の汗が輝き、ぎゅっ、ぎゅっと敏感なそこを押し付けるたびに
リボンがふわふわと揺れ、はらりとこぼれた前髪が、可愛いおでこにへばりつく。
68964:04/04/10 01:40 ID:e3luQEcz
「ふぅー、ふーっ・・・はぁー、あっ!はああん・・・!」
『気持ちいい・・・きもちっ・・・いぃ・・・のぉ!』
リムルルの頭の中で、その言葉だけが閃いては消えていた。
だが、宙を泳ぐ涙に潤む視線が、ふとこちらに背を向け眠る兄の
姿を捉えたその時。荒波に揉まれていた理性の欠片が頭をもたげた。
『にいさま・・・!そだ・・・やめな・・・きゃ。やめなきゃ!』
こんないやらしい姿を兄に見られたら、蔑まれてきっと愛想を尽かされて
しまうだろう。熱を帯びたリムルルの背筋に、快感の代わりに戦慄が走る。
『それだけは、それだけは・・・嫌っ!』
右も左も分からない世界。その中で、私の手を引いてくれる、たった一人の
家族。誰よりも大好きな、大事なひと。心から慕うそのひと・・・
『にいさまにっ・・・ばれた・・・ら・・・。わたしの・・・こんないやらしいとこっ、
にいさまが・・・見てた・・・らっ・・・!にいさまが・・・にいさまが・・・!』
「あっ・・・ふああ・・・んんんん〜っ!」
さっきと比べても明らかに大きな快感の波が、突如として少女を飲み込む。
それは皮肉にも、兄の笑う顔が脳裏に浮かんだ瞬間だった。背筋を
バチバチと音を立てるかのように快感が駆け上り、その衝撃は頭の中で
火花を散らすかのようである。あまりに強烈な快感に大きな声が出そうに
なるのを、唇をかみしめて必死に飲み込んだ。
『やだ・・・!こんなの・・・こんなのぉ!気づかれ・・・っ・・・ちゃうぅ!』
焦りだけが空回りする。少女にとっては、絶体絶命の危機のはずだった。
だが制止を求める理性の根幹にある兄の存在が、どういうわけか行為に
拍車をかけてしまう。
「やっ・・・んん・・・あ!はぁ、はぁ・・・ふあぁぁ・・・!」
広い背中を見るだけで腰の動きがせわしなくなり、脳裏に浮かぶ兄の顔が、
閉じた口を再びだらしなく開けさせた。心の中で、幾度も叫ぶ。
『にいさま・・・たすけて・・・にいさまぁ・・・やっ・・・止まらない・・・!
ねぇ、にいさまぁ!どうして?あぅ・・・にいさま・・・お願い・・・
たっ、たすけ・・・てぇ』
この快感の螺旋から、自分を出口へと導き出して欲しかった。しかし
その思いとは裏腹に、頭の中でほとばしる閃光は眩しさを増してゆく。
そう、助けを求めれば、助けを求めるほどに。
69064:04/04/10 01:41 ID:e3luQEcz
「うっ・・・うぅ・・・ひゃ!あぁ・・・いやあ・・・ぁ」
理性はすでに、荒れ狂う海の中に姿を消していた。そして。
「に・・・にぃ、さまぁ・・・」
理性以外の「何か」によって、リムルルの口が兄の存在を求めたその瞬間。
じわぁ・・・
「あ・・・っ」
絶え間なく快感を与え続けていたリムルルの秘部に、異質な感触が生まれた。
押し付ける股ぐらの奥で、何かが湧き出たような、そんな感じだ。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・?」
リムルルは息を荒げたままコタツからその身を引くと、ズボンの中へと
右手を滑り込ませ、ショーツの布地に触れた。
「・・・!!」
リムルルは思わず息を飲んだ。おろしたてのショーツに、生暖かいしみの
感触があったのだ。
『うそ、うそぉ!』
この歳になってお漏らしをするなんて、信じられない。あまりの快感に、
尿意さえ感じる暇も無かったのだろうか?
『そんなわけない・・・!』
よくよく考えてみれば、食事の前にトイレに行ったばかりだ。
現に、今はちっともトイレに行きたくない。
『そ、そうだよ・・・おかしいよね?』
冷静さを取り戻したリムルルはズボンを膝まで下ろすと、火でも焚いたか
のように熱くなっている股間をまじまじと見つめた。すると、確かに白い
ショーツには、普段は尿が出る部分を中心に、はしたないしみが広がって
いた。外気に触れ熱を失った液体が、ひんやりと再びその存在を彼女に示す。
「何なのよぉ・・・」
不安にかられたリムルルは、ショーツの中に指を差し入れた。
にゅるり・・・
「ひゃ!」
小さな肩がびくりと跳ねる。なぜなら、排泄を行うためのそこに、
尿とは全く違う粘り気を持った液体の感触があったからだ。
69164:04/04/10 01:42 ID:e3luQEcz
「え・・・えぇ・・・?!」
予想外の出来事に震える細い指が割れ目をなぞり、遠慮がちにその間へと
浅く指を埋める。
くちっ・・・ちゅく・・・
唾液のような、くちゃくちゃとした行儀の悪い水音。リムルルのそこは、
やはり生暖かい粘液で潤されていた。恐る恐るショーツから指を取り出し、
中指と人差し指を見つめ、震える2本の指を開くと、
「あ・・・あぁ・・・」
その指の間に橋を渡すかのように、透明な粘液がぬらりと糸を引いた。
繊細な飴細工のように光を受けて指を照らす、何よりも純粋な快感の証。
「や・・・やだぁ・・・何これぇ」
だが、その正体を知る由もないリムルルの顔から、さーっと血が引いてゆく。
『まさか・・・びょ、病気になっちゃったの?』
青ざめた表情でショーツを下ろし、火照りのとれない秘部を覗き込んだ。
その視線の先、なめらかな恥丘には、柔らかな栗色の産毛が僅かにだが
生え始めていた。黒々とした姉の陰毛を見るたびに焦りと憧れを感じて
いたが、自分にも訪れた体の小さな変化に初めて気が付いたときは、
姉に一歩近づいたような気がして、嬉しかったのを覚えている。そして
さらにその下にあるのは、ふっくらとした、柔らかな2つの無毛の土手。
普段は子供のそれのようにぴたりとその口を閉じ、未熟な花を見せまいと
しているが、今日は様子が違う。充血した秘肉が、僅かながら割れ目に
そって顔を出しているのだ。
「やだ・・・これ、気持ち悪いよぉ・・・」
その場に座り込みゆっくりとM字に両脚を開くと、べったりと付着して
いた愛液がくちゅりと糸を引きながら、陰裂が小さく開いてゆく。そして
細く美しい脚を開ききったとき、汚れを知らない紅色の花弁が広がった。
「や・・・やっぱり・・・なんか腫れちゃってる!」
不安にかられたリムルルは、それが如何にあられもなく扇情的な仕草
なのかも知らず、自らの指でつるりとした土手を左右に押し広げ、
さらにくぱあっと口を開かせた。
69264:04/04/10 01:42 ID:e3luQEcz
男を誘うようなその姿勢を維持し、首を曲げてリムルルがまじまじと
観察するそこでは、赤く充血し肥大した花びらが蜜を浴び、てらてらと
輝いていた。その肉ひだに触れると、柔らかい感触と共に生温かい
透き通った蜜が指を湿らせ、糸を引いた。
「あぁ・・・。こっ、ここ・・・特にひどいよ・・・」
そう言って見つめる先は、未熟な突起であった。小さな蕾がぷくりと
おできの様に膨れ上がり、包皮を盛り上げ、鼓動に合わせてヒクヒクと
疼いているようにさえ見えた。心配になって指で触れると、痛いような
むずがゆい様な、およそ快感とは程遠い刺激がリムルルを襲った。
「ひゃん・・・!」
すっかり獣欲から覚めてしまったリムルルは、先程まで押し付けていた
部分が特にその突起へと集中していたことも、そしてそこが、あれ程の
快感をもたらす部位であることに気づくはずもなかった。包皮の上からの
僅かな接触であっても、初めて直接触れるそこが発する刺激は決して
甘美なものではなく、ただただ少女の不安を煽る材料でしかない。
愛液を両手で拭うと、リムルルはふらふらと立ち上がってショーツを
穿いた。布地に染み込んでいた乾きづらい粘液が、再びひやりと陰唇を
いたずらに撫でる。
『あんな・・・動物のような声、出しちゃって・・・』
落胆する心に影を落とすのは、自分の発した喘ぎの声。
『ここがこんなになるまで、気付かなかったなんて・・・!』
未知なる陰欲に溺れ、自分を見失ってしまったという事実が、小さな肩に
さらに重くのしかかる。蒼白となった頬を、後悔の涙が伝った。
「と・・・トイレいこ」
兄を起こさぬよう、力なくぱたりと扉を閉じ、下穿きを下ろして便座に
座ると、リムルルは涙を拭いながらため息をついた。
「ちゃんと出るのかな・・・」
不安な気持ちを抑え、僅かな尿意をふりしぼる。
ちょろ・・・・・・しゅわあぁぁぁ・・・
いつもと何ら変わらない様子で割れ目を飛び出した尿は、小さな弧を描き、
便器の中に溜まっていた水を黄金色に染めながら、控えめなしぶきを上げ
消えていく。
69364:04/04/10 01:44 ID:e3luQEcz
「ほ・・・よ、よかった・・・おしっこでた」
子供のような台詞を小声で言うと、リムルルは安堵の表情を浮かべた。
やがて噴水が勢いを失うと、兄に言われたようにティッシュで残った
尿をごそごそとふき取った。そしてもう一度、恐る恐る股間を見つめる。
「あ・・・りゃ?」
リムルルは目を丸くした。なぜなら、すっかり興奮が冷めてしまったせいで、
陰部がいつもの状態に戻っていたからだった。膨れ上がっていた蕾はなりを潜め、
二枚の土手はぴたりと閉じられており、軽く脚を開いてもピンクの花弁が
陰裂からはみ出ることは無く、ほてりもいつの間にか止んでいた。
「なおった・・・なおった!」
トイレから飛び出しうーんと伸びをすると、急に眠気と倦怠感が襲ってきた。
初めての自慰行為は、予想以上に身体を疲れさせていたのだ。だが、
「もう角っこはいやだ・・・どうしよ」
恨めしそうに、視線でコタツの四隅を突付く。兄は未だにぐぅぐぅと
寝息を立てるばかりだ。
「にいさま・・・」
その安らかな寝顔と、篭り切った部屋の湿った空気が、さっきの出来事を
思い出させる。なぜ、兄の存在があれほどまでに自分を狂わせたのか。
理性を失い、腰を振り乱し、異常にさえ気付かないほどに。心の中にある
もやもやが、胸をきつく締め付けた。そして、どきどきと心臓が再び
高鳴り始める。いつもよりもずっと強く、切なく。
「わかんない・・・わかんないよ・・・」
今日はおかしい。自分の身体が、自分の身体ではなくなっているようだ。
「はぁ・・・」
深く大きなため息をつき、リムルルはコタツの中へ潜り込んだ。
もちろん、兄の横へ。
「にぃ・・・さま」
間近で兄の顔を眺めながら、リムルルはあっという間に眠りへと落ちた。
ぎゅっと大きな手を握りしめながら。


リムルル第2章 おしまい
69464:04/04/10 01:45 ID:e3luQEcz
今晩は。これにて2章は終了です。
前回はたくさんのレスどうも有難うございました。ノーベルって(;゚∀゚)・・・

やっとのことでソフトエロですが、かなり難しかったです。
直球よりかえって難しいのかもしれませんね。精進あるのみです。
さて、最近は週1ペースでのうpしかできませんが、どうぞご勘弁を。
何とか皆様に読んで頂けるものを書くには、このペースがギリギリです。
3章も頑張る所存です。先は長いですが、どうぞ生温くお付き合いください。
695名無しさん@ピンキー:04/04/10 03:04 ID:gF/ZvfuC
>64氏
ヾ(。Д゚)ノ゙w@おーpk@リムdbいd0pふ9萌fjぺ淫spq0p@――!!?


…本局に於いて64氏の処遇が決定しましたので通告いたします。

「善良なリム萌え衆の若い精気を『枯渇』させた罪は重大。酌量の余地は無いと判断。
 よって氏の身柄を直ちに拘束。当局の管理下において、リムエロSSの無期限執筆を命ずるのでもっとやって」 

以上。
696名無しさん@ピンキー:04/04/10 08:53 ID:xmEW/hk8
キタ━━━━━━( ´∀`)y=-(゚д゚)・'.'.━━━━━━━━━ン!!




ぁふぅ
697名無しさん@ピンキー:04/04/10 11:25 ID:t0nFYbp1
萌 え 死 ぬ 。
698名無しさん@ピンキー:04/04/10 20:43 ID:ffurYwlV
というかもう氏にますた。
699名無しさん@ピンキー:04/04/10 20:52 ID:c6RpbV8Q
前から聞きたかったんだが、君らはリムルルがどうなると嬉しいの?
リムルルの萌え行動を見てればいいのか。
誰かとセクースすりゃいいのか。
俺は閑リム派だからぶっちゃけ64氏のはあまり好きではない。
話はいいけど、ただ閑丸が出てこないのがいやだ。
話は面白いと思うぞ。
たたきでも荒らしでもないので、そこんとこ勘違いしないでほしい。
700名無しさん@ピンキー:04/04/10 21:56 ID:xmEW/hk8
誰か哀れな>699を救ってやれ
701名無しさん@ピンキー:04/04/10 22:27 ID:pjpEgabl
さて、
保管庫行って1章から読み直してくるか!
702名無しさん@ピンキー:04/04/10 22:30 ID:Si91q79S
萌え死んじゃったのであの世から書き込んでます
703名無しさん@ピンキー:04/04/11 01:02 ID:/eA5J3+S
閑リム派だが64さんには頑張っていただきたい。
それ以上のことは何も言うまい。
704名無しさん@ピンキー:04/04/11 01:29 ID:pbjpj2nC
>>699
俺はかわいけりゃそれでOK。
俺の場合は、閑丸は好きだけどリムとのエロ系の絡みは好きくない。
爽やかな物の方が好き。
むしろ、閑丸は閑丸でショタ系で責めて、シャルや覇王丸にいじられる方が好き。
ギャグとして、の話だが。
705名無しさん@ピンキー:04/04/11 01:49 ID:orE5QBff
まあまあ、文句言わずにマターリ汁。俺はどちらでもイケるから問題なしだが(;゚∀゚)=3

>64氏
でも、閑丸まで時空転移ってのは勘弁してくださいねw
あと、時間とか気にせずがんがってください
706名無しさん@ピンキー:04/04/11 10:36 ID:X/xXHCOY
諸君私はリムルルが好きだ
諸君私はリムルルが好きだ
諸君私はリムルルが大好きだ

カムイコタンで 江戸で 島原で 琉球で 清で
現代の本屋で 衣料量販店で 公園で 図書館で 繁華街で

時代を超えて現れるありとあらゆるリムルルが大好きだ

諸君 私はリムルルを 天使のようなリムルルを望んでいる
諸君 私に付き従うリムルル萌えスレの諸君
君達は一体何を望んでいる?
更なるリムルルを望むか?
情け容赦なく萌えるリムルルを望むか?
悠悠自適の限りを尽くし 時には別人のように凛々しく闘う
嵐のように激しく萌え死ねるリムルルを望むか?

「リムルル!!リムルル!!リムルル!!」

よろしい
ならばリムルルだ(;´Д`)ハァハァ
70764:04/04/11 16:15 ID:185uRqDO
名指しされてしまった以上はレスしないのもどうかな・・・と思ったので。

私はアケ板からここに来たクチなので、エロパロや二次創作に関する
知識はほとんどありませんでした。そういうわけで、リム閑というカプが
リムルルの二次創作においてかなりのウエイトを占めているということも
知りませんでした。ですから、>699氏の言われることは身に積まされる思い
ですし、実際、リム閑好きと言われる方々がこのスレに多数いらっしゃる
ようで、このカプの人気が高いということも再確認できました。

そういう意味では、2人のお話を書けない現在、それを待ち望む住人の
方々の期待に沿えないことは心苦しいことです。私も>204氏の作品など、
この2人のお話を読むにつれ、あぁ、これは面白いかもな、いつかは
挑戦してみたいな、と思ってはいるのですが。ごめんなさい。書き手であり
読み手である私も、他の職人さんの到来を待ち望むばかりです。
708名無しさん@ピンキー:04/04/11 17:16 ID:GjBpw/i/
人が多くなると軋轢が生じるのは仕方無いが…
人の好みは千差万別。
〇〇だから嫌だという意見は恐らくみんな持っている。
だけど思っても口に出さないよ、大人なら。
無意味に荒れるだけと分かるからな。

64氏。人の意見を取り入れて話に反映させるのはいいけど
それで話の前後が無理矢理みたいになるのだけは…。
いくら閑リムが多いからと無理に追従することは無いし、
同じものばかりだとつまらないよ。

なんていうか、楽しまなきゃもったいないとうか。
クライアントがいるようなビジネスじゃないし。

アクセス規制のため携帯から失礼しました。
709名無しさん@ピンキー:04/04/11 18:35 ID:orE5QBff
>708
確かに、にいさまの家の隣人も閑丸保護してたらビビる


えっ?そういうことじゃないって?
710名無しさん@ピンキー:04/04/11 22:50 ID:DutqTEBU
好きなように書いたらいいと思うよ。

俺もリム閑カプは考えたことないし。

その人の好みって感じでさ。

なんか無礼な言い方でごめん。
71164:04/04/11 23:12 ID:qUIB6T2v
>708,710氏
いや、大丈夫ですよ。ネタとかにご意見を取り入れることはあっても、
お話の根幹を覆すようなことは絶対にしませんから。余計な心配かけて
しまって申し訳ない。これからも良い意味でのマイペースで頑張ります。

頑張るついでに忘れていたのが2章のサブタイ・・・何かいい案、ありません?
1章はすんなり決まったんですが、何故か思いつかないんですよ、コレが!
712名無しさん@ピンキー:04/04/11 23:53 ID:hIE9GtdN
2章のキモは敵の出現と、芽生え始めた恋心、ですよね。
どちらかに絞って考えればよいかと。

などと言いながらも詩人でない私には何も思い付かないのだがw
713名無しさん@ピンキー:04/04/12 00:21 ID:NvoEzCCE
戦いへの序曲

…だめぽ。
714名無しさん@ピンキー:04/04/12 21:20 ID:v7IXPWuj
立ちはだかるものたち
715699:04/04/13 01:02 ID:1bmRh7t9
なんとなく書いたことにまじめに対応してくれてありがとう。
これからも頑張っていただきたい。
よろしこ。
716名無しさん@ピンキー:04/04/13 01:15 ID:J2J66q+g
>>715
それはいいがあなたの見解はもう無いのかい?
717名無しさん@ピンキー:04/04/13 01:22 ID:yFM6ouAu
たのむからこれ以上引っ掻き回さないでくれ
718名無しさん@ピンキー:04/04/13 01:40 ID:J2J66q+g
そうだな、これ以上はやめとこう
719名無しさん@ピンキー:04/04/13 05:36 ID:9+XoUUTw
2ちゃんじゃ、心無い煽り・荒らし、暴言なんてのは日常茶飯事でやんす。

時折ナイーブな職人様をみかけて同情をしますが、
そんなもんでございますから、あまりお気になさらずに。
720699:04/04/14 01:34 ID:SjeEl1eX
64氏の話で俺は十分。
もともと荒らしたくてやったんじゃないしね。
721名無しさん@ピンキー:04/04/14 09:58 ID:wFSO3Dk3
職人様にとって最適な環境を保つのが
われら名無しの義務であったりする
722名無しさん@ピンキー:04/04/14 13:18 ID:EwGRt+Z6
>>720
SSも書かない人間がいつまでも数字コテ付けないでください。

荒らしたくないならばね。
723名無しさん@ピンキー:04/04/15 00:37 ID:6NE9fE5N
>>722は池戸嘉昭
724名無しさん@ピンキー:04/04/15 00:42 ID:fNwugf+E
>>723みたいのがいるからスレが荒れる
725名無しさん@ピンキー:04/04/15 10:24 ID:D3UvFmpu
そろそろ真面目にやめてくれ
いちいち反応しないの
726名無しさん@ピンキー:04/04/15 22:48 ID:X6nrkerH
リムルルたん萌え〜。

職人様はぁはぁ(´д`;)
727名無しさん@ピンキー:04/04/15 23:04 ID:ELjD16KD
そろそろリムたんに料理に挑戦して欲しいのだが

獲物は捌いてただろうから包丁はつかえるよね。
ちょっと背が足りないので踏み台に乗って料理するリムたん萌〜
728名無しさん@ピンキー:04/04/15 23:16 ID:X6nrkerH
い…いくらなんでも、そこまでちっこくはないだろ?(汗

きっとカムイコタン独特の野性味溢れる料理だぜ。
で、水道とかレンジとかの使い方はわからないんだよ。
729名無しさん@ピンキー:04/04/15 23:21 ID:ELjD16KD
リムたんの初めてのお使い〜


そういえばリムルルって日本語読めるのか?
当時のアイヌって、本土の文化がどれ位進出してたんだろ
730名無しさん@ピンキー:04/04/16 00:19 ID:5ronbS+e
>>728
公式の設定身長(140センチ台後半だったか)がどうであろうと、リムはそのくらい低いの希望。
考えてもみなせぇ。当時の日本人の平均身長は150〜160センチ台だぞ?
さらにアイヌ人には『和人より低身長で、手足がやや長い』身体的特徴があったという。
ましてや子供となると……

やはり『見た目小学校中学年』の説は譲れない!(;゚∀゚)=3
どうだろうか64氏。
731名無しさん@ピンキー:04/04/16 00:48 ID:D3IU5nqh
「にいさま、朝ご飯捕まえてきたよ〜&hearts:」
とか言って鳩や雀をw
732名無しさん@ピンキー:04/04/16 00:52 ID:SoltMbWO
>>728
既にお風呂も入ってるんだから水道はわかるだろう。
733名無しさん@ピンキー:04/04/16 01:25 ID:7EaFrGQs
雀はバイキンだらけで(・A・)イクナイ!
734名無しさん@ピンキー:04/04/16 01:29 ID:0SEsE/ZL
見た目小学校中学年!!Σ(゚□゚)

ロ…ロリじゃないですか…。

自分は中学校1、2年(それでも実年齢より低いか…?)ぐらいのイメージだな…(;´Д`)ハァハァ

735名無しさん@ピンキー:04/04/16 03:20 ID:gJ5SzSSD
踏み台の上で、ピンクの可愛らしいエプロン(背伸びしてもまだ床にくっつくくらい長い)
で料理をするリムルル。(´∀`)

リムたんのおもらしを見てみたい今日この頃(=゚ω゚)=3
736名無しさん@ピンキー:04/04/16 03:44 ID:pIRImWs8
>>734
>ロリじゃないですか…

そ れ が 何 か ? (゚∀゚)
737名無しさん@ピンキー:04/04/16 06:56 ID:pIRImWs8
零リムは12歳だしなぁ(;´Д`)ハァハァ
ということはやっぱり見た目10後半〜11歳くらい(;´Д`)ハァハァ
738名無しさん@ピンキー:04/04/16 23:07 ID:0SEsE/ZL
そんなに若かったのかYO!

イイ!
(斬サム、天サムしか知らんかった)
73964:04/04/16 23:27 ID:Q5sK91r2
ども。何だか盛り上がってますね!
こうやって見ると、やはりリムルルに対して抱いているイメージというのは
千差万別ですね。だけど、それがまた楽しいですね。特にあのゲームの
性質上、零からそのずっと先までキャラが成長しているわけですから。
せん越ながら私のイメージを語らせていただきますと、リムルルがやって
来たのは真サムの直後の世界からだと言っておきながら、脳内イメージは
完全に零リムですw劇中にもあるように胸は膨らみ始め、下の毛も僅かに
生えたばかり、身長は大人用のエプロンがつま先に届くぐらいと、まさしく
性徴の初期段階といった感じでしょうかね。ここら辺は皆さんの好みの
問題ですよね・・・。まあぶっちゃけ、自分はロリ好きなんで。そういう
意味では、具体的に言えば小学校高学年〜中学生の女の子、というのが
一番しっくりきますね。

さて、本来なら3章の投稿をして、その後に雑談を・・・と思ったのですが
ごめんなさい。3章はストーリーの中核とも言える部分で、冒頭の書き方
次第でストーリーが右にも左にも行ってしまうので時間をかけているところ
なのです・・・。しかも、リアルの方がかなり忙しくて、現在てんやわんやの
毎日です。そういうわけで、もうしばらくマターリでお待ちください。
ホントにすんません。雑談に参加してるヒマあったら書けっての。
740名無しさん@ピンキー:04/04/16 23:50 ID:0SEsE/ZL
マターリしててイイ(゚∀゚)!

リアルの生活が基本っすよ。
体を壊すと何も出来なくなりますから。

応援してやす。
741名無しさん@ピンキー:04/04/18 02:45 ID:AZnQ836k
ま、ゆっくりと震えて待つ
742名無しさん@ピンキー:04/04/18 02:52 ID:Q9tRo9jk
こっちの板は本当にマターリでいいですね(´∀`)
がんがってください(・ω・)ノシ
743名無しさん@ピンキー:04/04/19 04:04 ID:4LyaA8G8
(´∀`)もうすぐSP稼動ですね!
744名無しさん@ピンキー:04/04/19 22:21 ID:PKNm4zEa
ですねぇ。楽しみですネェ!
745名無しさん@ピンキー:04/04/19 23:44 ID:7R7iEphC
396と天草が使えるんだっけ?
リム閑で特別エピが入らないかな・・・
746名無しさん@ピンキー:04/04/21 23:37 ID:oXbpN0LF
神スレ保守
747名無しさん@ピンキー:04/04/23 02:33 ID:qQLynJhv
リムタン(´∀`)
748名無しさん@ピンキー:04/04/25 02:44 ID:w0or+Huf
リ〜ムたんっ(´∀`)
749名無しさん@ピンキー:04/04/25 19:42 ID:y6WI9WpD
SP稼動〜。
リムも閑もまだ使ってないけどなんか、予想はしてたけど対戦特化で
ストーリーは0ないし軽めって感じだね。つーか久々キッついな絶命奥義…
75064:04/04/25 22:08 ID:Y+soSAAP
ナコルル・・・ナコルル。私。もう一人の私。肉体を削り、魂を燃やし、
今なお大自然の傷痕を癒し続ける、もう一人の私・・・。あの日、自らの
命をこの世の自然のために捧げることを誓ってから・・・何度花が咲き、
何度実を結び、そして何度朽ち果てたか分からない。その間、じっと
あなたは力を・・・大自然の巫女としての力を振り絞り、その日が来るのを
待っていた。朝も、夜も。この深い深い森の奥で。いつか訪れると
信じている、昔のような・・・人間と自然が、本当に支えあっていた平和な
あの頃が、再び訪れる日を。

それなのに、どう?いつになってもその日は訪れない。大自然に残された
爪あとが、軽いものではないということは分かっていた。それを癒すために、
長い年月がかかるということも分かっていた・・・だけど、おかしいわ。
あなたが発した巫力で、確実に大自然の・・・いいえ、世界の崩壊は
食い止められ、森も、人間も、草花も息を吹き返し始めたはずだった。
ねえ、ナコルル?そうでしょう?そして今も、こうしてあなたに
語りかける今さえも、ナコルル・・・あなたは力の限りを尽くしている。
最善を、いいえ、それ以上を出し切っている。その身を滅ぼす程に。

それほどにまで頑張っておきながら・・・何故かしら?大自然の悲鳴は止まない。
癒されずに、今なお苦しむ声が聞こえる。助けを呼んでいる。遠くから、
近くから・・・!それなのに、私には何一つ出来やしなかった。ナコルルが
死力を尽くしているというのに、草木の一本も護ってやることさえ!!
想いは募る。もがけばもがくほど。闘いたい・・・その想いだけが。だから
もうこれ以上、指をくわえて見ているだけなんて耐えられない・・・。

闘いたい・・・闘いたい!闘いたい!!

だけど、その願いは叶うはずも無い・・・。今の私は、歯の抜け落ちた犬同然。
なぜなら、アイヌの戦士としての証・・・大自然の厳しさで悪を討つ刃が、
チチウシが・・・無いのだから。チチウシ!それが、私を・・・優しさで自然を
癒すナコルルの反面である私を、厳しさで自然を護る私を突き動かす全て
だった。ああ、もう一度この手の中に握りしめることが出来るのなら!!
75164:04/04/25 22:09 ID:Y+soSAAP
「う〜む、しかし見れば見るほど・・・」
「あっ、にいさま?」
「きれいだ・・・」
「そ、そんなとこさわっちゃ!」
「大丈夫だって、そっとするから」
「うん・・・」
「しっかしすげぇなぁ、このハハクルってのは」
何をしていたのかといえば、リムルルが愛刀の手入れをしていたので
横からちょっかいを出していたのであった。
「これは誰にもらったんだい?まさか自分で作ったわけじゃ・・・」
つつつ、と峰の部分に指を滑らせながら尋ねる。
「まさかぁ!メノコマキリって言ってね、女の人が使う小刀の一種
なんだけど・・・鍛冶のすっごい上手なおじさんが、私専用に作って
くれたの。普通のとは切れ味も、丈夫さも、全然違うんだよ!」
自慢げに話しながら、リムルルは窓から差し込む陽の光にその刃をかざした。
「名工の逸品、というわけか・・・」
確かに、ハハクルは羅刹丸の攻撃を正面から幾度か受け止めていた。
普通なら叩き折られても不思議ではないほどの破壊力だったろう。
にもかかわらず刃こぼれ一つなく、その鏡のように磨き上げられた
刀身の、吸い込まれるような美しさは変わることがない。古くから、
この種の武器に心を奪われて・・・という話はよく聞くが、素人が見ても
こうなのだ。その魅力たるや、なかなかに恐ろしい。
「はい、おしまい!」
一通りの手入れが終わり、ハハクルは鞘の中へ戻った。その鞘にも
美しい模様が彫り込まれている。これもまたおそらく、名のある
職人の手によるものなのだろう。
今日は珍しく、普段は朱色の布に大事に包まれているもう一振りの刀、
チチウシが手入れのためにその姿を見せていた。ハハクルは小刀で
あるのに対し、チチウシはその2倍近い長さがある。床の上に鎮座する
チチウシの鞘を握りそっと拾い上げると、ずしりとした重みが伝わってきた。
75264:04/04/25 22:10 ID:Y+soSAAP
黒く染め上げられた鞘には、控えめな金の装飾が施されている。だが
その飾らない出で立ちが、逆に黙して語らぬ無言の威厳、不思議なほどの
神々しさを醸し出していた。
『・・・抜いても平気かな?』
カチャリ、とチチウシの柄に手をかけると、
「だっ、だめ!にいさま!」
音に反応したのだろうか、俺に背を向けて後始末をしていたリムルルが、
必死の形相で叫んだ。
「へ?」
だが遅かった。俺の手によってほんの僅かに、冷たい刀身が姿をあらわした
そのとき。

 抜 ク ナ

「うっ・・・」
「にいさまっ!?」
ガチャン、とチチウシが床に落ちると同時に、俺の体もまたもんどり
うって頭からその場に転げ倒れた。
「にいさま!にいさま〜」
「はーっ、はぁー、はぁー・・・???」
ずきずきと痛む頭を抱えながら、俺は息を荒げた。冷や汗で背筋が
ぞくぞくとする。寒気までしてきた。
「たっ・・・鷹に・・・睨まれた」
「やっぱり・・・だから言ったのにぃ」
あーあ、とでもため息をつきたそうな様子で、俺の顔を上から覗き込む
リムルルが言った。そう、あれは刀を抜いた瞬間。怒りに燃える鷹の
鋭い眼に睨まれたかと思うと、強烈な衝撃に襲われたのだった。実際に
目の前に鷹が現れたわけではないが、頭の中では鋭い猛禽の口ばしが、
無法者の身体全てを喰らい尽くさんとばかりに、俺に向けられていた。
75364:04/04/25 22:11 ID:Y+soSAAP
「こ・・・怖えぇ・・・何だよこの刀?」
「チチウシはね・・・カムイコタンに伝わる宝刀なの」
「ほ、宝刀?」
俺の横に座りながら、うん、とリムルルは首を振った。
「そう。ママハハっていう鷹が、この刀には宿ってるの。ママハハが
認めた持ち主以外が抜くと・・・ね?」
「ご、ごめんなさい・・・もうしません」
「うっかり出したままにしてた、私もいけなかったんだけど」
「いや、俺が悪かった。しかし・・・どんな人が持ち主に選ばれるんだ?」
「誰よりも強い力と心を持ってたりとか・・・戦士としてアイヌモシリの
平和とか、自然を守ることを誓った人とか・・・」
いつの間にかリムルルは浮かない顔をしていた。
「んで、今の持ち主はリムルルなんだろ?」
「ちっ、違うよ!姉さまのだよ」
「あ・・・ごめんな」
「にいさまは何も悪くないよ。ほ、ほんとは今は私のなんだもん・・・
だけど・・・姉さまは絶対に生きてるから、だから・・・」
「分かってる。だから、リムルルはその刀を抜かない。そういうことだろ?」
下を向いてしまったリムルルの肩を揺する。
「うん。だから早く見つけなきゃ・・・怪我治して」
「持ち物は、持ち主のところへ、だな」
「うん」
いつもの顔に戻ったリムルルは、チチウシを大事に拾い上げると
再びそれを真っ赤な布に巻き、丁寧に部屋の隅に戻した。

・・・そう、持ち主のもとへ・・・

「? にいさまー、何か言った?」
テレビの電源をつけた俺に、後ろからリムルルの声がかかる。
「あん?なーんも」
「・・・そう?」
ガタガタと窓が鳴る。風が出てきたようだ。
75464:04/04/25 22:12 ID:Y+soSAAP
「次に各地の注意報警報です。XX県北西部に強風警報が・・・」
「う〜ん、今日はすごいなぁ、風が」
「いつになったら止むのかなぁ、ね?」
もう寝る前だというのに、風は依然としてその勢いを弱まらせることは
なかった。時折、路上を空き缶か何かが転がる音がしたり、風切りの
音が建物に響くなど、そう滅多にない強風の夜となった。
「まあ、ウチが壊れることはないし、ちょっとうるさいけど寝るか」
「そうだね!にいさま、ほら!」
「ん・・・今日も一緒に寝るのか?」
「・・・だめ?」
ふとんをふわっと捲り、俺の分のスペースを作って待っているリムルルが、
何かをねだるときの上目遣いで俺の心をくすぐる。単なる添い寝だと
いうのに、妙な事をおねだりをされているような、そんな気分だ。
「だめじゃないよ。それじゃ寝ようか」
「やったぁ!」
電気を消し、俺がふとんに横になると、リムルルは掛け布団を戻した。
「やっぱり、二人で寝るのがいいねっ!」
「そうだな・・・あったかいし」
「わたし、もう脚だいぶいいみたいだよ?明日にはもう平気かも」
「うん?ホントかぁ?あんまりムリするなよ――」
ガタガタガタ・・・他愛ない会話を遮る突風が、窓を派手に揺らす。
「わっ!」
その途端、リムルルがびくっとして布団を頭からかぶってしまった。
「?どうしたんだよ、リムルル?」
「まっくらだと、ちょっと怖い・・・風の音が」
「ははは!大丈夫だって!!こんくらいじゃ、びくともしないよ?」
「けど・・・何か怖いんだもん・・・」
「苦しいだろ?出て――」
ビュウッ!ガタガタガタッ!!ガシャーン!
「いやー!ほら!ほらぁ!やっぱり!」
「う、嘘だろ!ガラスが!?」
75564:04/04/25 22:13 ID:Y+soSAAP
異常なほどの突風が吹いたかと思うと、あろうことか部屋の窓ガラスが
盛大な音を立てて割れたのだ。畳やコタツの上に、大小さまざまの破片が
キラキラとちらばっている。しかしどう目をこらしても、その中にゴミやら
石のようなものは見当たらない。まさか、本当に純粋な風の力だけでガラスが
破壊されたのだろうか?
「ありえねーって!リムルル、出てきちゃダメだぞ?危ないぞ?」
「うっ、うん・・・」
顔を出したリムルルに声をかけると、俺は布団から跳ね起き、飛び散った
破片を片づけ始めた。
「これ、他の階の人たちは大丈夫なのかな・・・」
ぱきっ、じゃり・・・窓に背を向け破片を拾う俺の後ろで、ガラスを踏み
しめる音がした。
「リムルル!だから出てくるな・・・って・・・?」
てっきり、俺はリムルルが出てきたのだとばかり思っていた。しかし、
そこにいたのはリムルルではない、3人目の見知らぬ人影だった。
背は低く、160センチぐらいだろうか。闇に沈む暗い色合いの上下と、
顔を半分覆っている黄土色のマフラーが強風になびく。そして、暗闇の
中で細く開かれた釣り目の中の瞳が、俺に向けられた。
「くそ・・・また刺客か?冗談じゃねえぞ!」
俺は自分を奮い立たせる意味でも、そして少しでも優位に立とうと
大声を張り上げた。だが、威嚇する俺にはこれんぽっちも用が無い
とでも言うように、人影の視線はすぐに俺からリムルルへと移った。
「誰・・・?」
不安の表情を浮かべながら、リムルルは布団から半身を出して尋ねた。
すると、その人影はぐっとマフラーを下ろした。紅色の唇が露になる。
「お、女の・・・ひと?」
リムルルの指摘どおり、人影の正体はなんと女性だった。気が強そうに
ぎっと目尻が上を向いた、かなりの美人だ。癖が強い量感のある黒髪の
上には、変わった帽子。よくよく見れば、上着の裾やその帽子にはどこかで
見たような模様が施されており、胸元には真紅の首飾りが輝いている。
75664:04/04/25 22:13 ID:Y+soSAAP
「え・・・そのモレウ、どっかで・・・あっ!」
冷たい表情を崩さない女の姿から、リムルルは何かを感じ取ったらしい。
だが女は、そんな反応に関心を持ったような素振りはこれんぽっちも
見せず、リムルルの方へつかつかと近づいた。
「こいつは渡さないぞ!」
俺はとっさにほうきを携え、リムルルの前に割って入った。すると、
冷凍庫のドアがバンと音を立てて開き、騒ぎを聞きつけたコンルが
俺のさらに前へとかっとんできた。
「にいさま?こ・・・コンルまで!」
「来るならこ・・・ぃ?」
だが、女は身体の向きをくるりと変え、俺とリムルルの横を通り過ぎ、
部屋の隅へと歩いていった。そして壁ぎわに安置されていたチチウシに
手を伸ばしたかと思うと、闇の中、朱色に燃える布をひゅっと思いっきり
引っ張った。反動でくるくると回りながら天井近くまで刀が宙を舞い、
布が足元にふわりと落ちると同時に、女の高々と上げた右手の中に
漆塗りの鞘がしっかりと握られる。
「あっ、そっちが狙いかよ!」
「だめ!それは・・・!」
俺はほうきを投げ捨て、慌てて女の背後から掴みかかろうとした。しかし、
捉えたはずの身体は俺の両腕からふっと姿を消してしまった。一呼吸あって、
後ろでぱきっとガラスを踏む音。どうやら一瞬の間にバック宙を決め、女は
俺の後ろへと回り込んでいたらしい。背後を取られた戦慄に、俺は慌てて
振り返って構えたが、女はチチウシを左手に握ったまま、自然体を崩しては
いなかった。
「お願い、お願いだから返してよっ!」
「チチウシ・・・。そう、こういうことだったのね」
懇願するリムルルの声に逆らうかのように、女は右手を柄に添えた。
と同時に、ついに女の口から言葉が発せられた。空間を振るわせる、
芯の通った声。
「長かったわ。これで・・・闘える」
そう言うと女は、俺たちの目の前で見せ付けるかのように、迷いなく
チチウシをすぱっと抜いた。止める間さえ無い。
75764:04/04/25 22:14 ID:Y+soSAAP
「だめ!」
恐らくは、その場にぶっ倒れることになる。あんなに思い切り抜いては、
下手をすれば命さえ危うい。そう思ったリムルルは思わず目をつぶり、
小さく叫んだ。だが女は直立したままの姿勢を僅かにも崩すことはなく、
闇夜に光るチチウシを手の中でくるりと逆手に持ち替えた。青白い残像が、
刀の起動にそって尾を引き、やがて消えた。
「え・・・あれ?うそっ、なんで?」
恐る恐る目を開けたリムルルが、驚きの表情に変わる。
「持ち物は、持ち主のもとへ・・・そうでしょ?これは私の物よ」
「そ、それじゃあ・・・ねえさま?やっぱりねえさまなの?ねえ!!」
チチウシを抜くことができるのは、カムイコタンの戦士だけ。
となると、当然ながら女はリムルルの姉、ということになる。
あまりのリムルルの慌てぶりに、女の口元がすこしだけ緩んだ。
「私は・・・・・・レラ。そう呼ばれていた・・・」
「レラ?ねえ、なんでチチウシを抜けるの?誰?ねえさまじゃないの?」
「リムルル、早く怪我を治しなさい。一刻を争うのよ」
「! わたしの名前まで!」
レラと名乗る女は、リムルルの問いかけには一切応えず、その代わりに
更なるセリフでリムルルを驚かせると、チチウシをすっと鞘にしまいこんだ。
「おい、あんた誰なんだよ!ちゃんと答えろ!」
俺からも、レラにリムルルと同じ質問をした。すると、少し緩んだ顔が
再びきっと元に戻り、顎を俺に向け口を開いた。明らかに見下している。
「弱い男ね・・・そういえばリムルル、あなた・・・今までどうしてたの?」
「よわ・・・」
「あの頃からどれだけの月日が経った事か・・・どうやって生きていたの」
「ううん、違うの!わたしね、親切なカムイの力を借りて、ねえさまを
探しに・・・えーっと・・・そうだ、昔のカムイコタンから来たの!
そのカムイは・・・誰かわかんない」
「そう、過去から・・・それで、この軟弱者は誰?」
「な、なん・・・じゃく」
「この人は、わたしのにいさま!こっちの世界で、わたしを助けてくれたの」
75864:04/04/25 22:15 ID:Y+soSAAP
いちいちカチンと来るセリフをレラは放つ。そして短いやり取りが終わると、
はあっと大きなため息をつき、さも残念そうに首を左右に振った。
「まあいいわ・・・その状態じゃ、到底私と一緒に行動はできない。リムルル、
早く良くなるのよ。すぐ迎えに来るわ。コンル、リムルルをお願いね」
レラは胸元から小さな袋を取り出し、迎えに来るという言葉と共にそれを
リムルルの膝元に放った。そしてくるりと窓のほうへと向き直り、窓枠に
手をかける。名指しされたコンルはといえば、勢いよく登場したにも
かかわらず、女がリムルルに危害を加えないということが分かってからと
いうもの、特に目だった動きをするわけでもなくリムルルの横で漂って
いただけだった。
「待ってよ!あなた誰なの?ねえさまを知ってるんでしょ?」
「あの子を、ナコルルを救うためにも・・・リムルル、あなたの力がいるわ」
「救う・・・?」
「こうしてはいられないの」
「あっ!ねえ!!」
呼び止めたにもかかわらず、レラは2階の窓から飛び降りた。俺が窓の外を
眺める頃には、何かに乗ったレラの人影は人通りの無い裏通りを疾走し、
あっという間に見えなくなってしまった。
「な・・・何だよあいつ・・・あ!しかもチチウシ奪われちゃったじゃん!
いいのかよリムルル?なあ?」
だが、姉の持ち物を奪われ憤慨しているはずのリムルルは、予想に反して
布団の上に座り込んだまま、さっきの包みの紐を解き、中を覗き込んでいる。
「これ・・・カムイコタンの薬草!」
つまみ上げたかさかさになった葉っぱをまじまじと眺め、リムルルは
興奮気味の声で言った。
「モレウもねえさまのとそっくりだったし、わたしの名前も知ってるし!」
「モレウ?」
「服の模様のこと!わたしのと一緒だったでしょ?」
リムルルは、指で宙にぐるぐると模様を描いた。
75964:04/04/25 22:15 ID:Y+soSAAP
「え、あーそーいえばそーだったかなー・・・って覚えてないって。つーか
あの模様・・・モレウか、そんなに重要なのか?」
「あのねっ、あのね?家によって、少しずつ模様が違うの!わたしも、
おばあちゃんとねえさまに習った」
「なるほど。家紋みたいなもんか・・・ってことは?!リムルルの親戚?」
「それがわからないの・・・わたし、ねえさま以外にお姉さんいないよ?」
「それじゃ、やっぱり姉さんじゃないか?チチウシ平気で抜いてたぞ?」
「わかんない・・・!そんなこといわれても!」
リムルルは、度重なる俺の質問に頭を抱えてしまった。
「けど・・・うん、わたしが知ってる限り、チチウシを使えるのはねえさまと、
わたし・・・だけだ。けどね、けど・・・」
「?」
「ねえさま、あんなにギラギラしてない・・・もっと優しい。あの人、まるで
戦うためだけに生きてるみたいな感じだった・・・だけど、やっぱりどこか
ねえさまに似てるの」
つぶやくように、リムルルはレラから受けた印象を述べた。
「そういえば、前に神社で見た幻、あれが姉さんの姿なのか?」
「うん」
「それじゃ見た目はだいぶ違うな・・・リムルルの言うとおり」
「けど、ねえさまに関係あるのは絶対だよ・・・モレウ、チチウシ、
わたしの名前・・・それに、よく分からないけど・・・どこか似てた」
「あ、だからチチウシはいいのか?落ち着いてる場合じゃないだろ!
宝刀なんだろ?」
「うん、大変なことは大変・・・」
「はぁ?」
一大事であるとは思えないようなリムルルの返事に、俺は呆れてしまった。
「大変なんだけど、全然心配じゃないの・・・確かにあれはあの人の、
レラの持ち物なんだって気がするんだ・・・どうしてだろね」
「・・・俺にはよくわからないけど?」
「それに、迎えに来る、って言ってた。もう一度絶対に会えるよ」
「まあ、今は追いかけられないしな」
「うん。その時までに脚を治して・・・次こそ色々聞きださなきゃ」
76064:04/04/25 22:17 ID:Y+soSAAP
決心に燃えるリムルルの瞳。怪我が治るにつれ、リムルルのやる気は
羅刹丸との一戦の前とは比べ物にならないほど強くなっているようだ。
挫折しそうになった自分を乗り越えたことで、きっと一回り成長したの
だろう。子供がいたためしは無いが、まるで父親にでもなった気分だ。
『リムルルの親父さん・・・娘さんは、ちゃんと成長してますよ』
そんな事を心の中で思っていると、リムルルが俺のズボンの裾を
引っ張り、さっきの袋をぐっと俺の手の中に握らせた。
「にいさま?この薬草・・・使いたいんだけど」
小さな袋の中にはぎっしりと、乾燥した薬草が詰められている。
「はは〜ん、さっきのヤツが持ってきたのか。効くの?」
「うん!すっごく効くの」
「ホントに?」
「うん。お湯がいるの。沸かしてくれる?」
「はいはい、りょーかいね・・・って、寒いなあ・・・」
割れた窓からは、相変わらずの強風がびうびうと吹き込み、コンロの
火をゆらゆらと揺らす。
「はぁ〜・・・大家さんに何て言おう・・・」
「あ、窓のことね?」
「うん、割れちゃったからなぁ・・・修理しないとなあ」
げんなりしながらガラスを拾う俺を見ていたリムルルは、しばらく考え事
をしている様子だったが、何かを思いついたらしく手をぽんと打った。
「そだ!コンル!!」
傍らで浮かんでいたコンルにリムルルは呼びかけ、窓枠を指差した。
コンルはひゅんと窓へと近づき、しゅううっと冷気を発する。すると、
あっという間に割れた窓に、透明なガラス・・・いや、氷の膜ができた。
「なるほど!氷のガラスか!」
近づいてノックしても、割れる様子も解ける様子も無い。。しかも、
ガラスよりもずっと透明度が高く、風が窓を揺らす音がしなければ
そこに窓があるとは気づかないような出来である。
76164:04/04/25 22:18 ID:Y+soSAAP
「どう?」
「コンルすごいなぁ!完璧。いい仕事のモンだよ〜、こりゃ」
手放しで大喜びする俺を見て、コンルは嬉しそうにしているが、感想を
尋ねたのは自分だというのに無視されっぱなしのリムルルは不満そうだ。
「むーっ、にいさまぁ!考えたのはわ・た・し!」
「あぁ、名案だよ。ちゃんとコンルの能力を分かってるんだな。さすがだ」
「うん。コンル、ありがと!」
頭を撫でて褒めると、リムルルはころっと笑顔に変わり、顔の横に
近づいて来たコンルとぴたりと頬を合わせ、すりすりとしている。
本当に仲が良い・・・というよりも、最高のコンビという方が正しそうだ。
「おっ、お湯が沸いたぞ」
「そしたらね、さっきの薬草を・・・」
俺は指示に従って薬草を煎じて湿布を作り、リムルルの傷口に当てた。
薬草独特の臭気が部屋に充満しているが、この匂いさえ傷に効くのだと
言う言葉を信じ、リムルルが眠るのをすぐ横で確認し、俺も目を閉じた。
だが、気がかりなことが1つだけあった。
―迎えに来るわ―
女・・・レラは確かにそう言った。リムルルを迎えに来る、と。


リムルル 第三章 はじまり
76264:04/04/25 22:26 ID:Y+soSAAP
ども。やっとのことで投下できました。
ですが・・・力及ばず、結局どうしても描写できない部分がありまして、
そこはまたの機会に。文章力の無さを痛感いたしました。精進せねば。

それはそうと、IEでも読めるようになったんですね。
けど、専ブラに慣れると・・・わざわざ戻る必要も感じられませんねぇw
763名無しさん@ピンキー:04/04/25 23:05 ID:w0or+Huf
レラ姉さま登場━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
この先の展開も楽しみですぜ!
自分も専用ブラウザです。こっちの方が慣れると断然みやすいですw
764名無しさん@ピンキー:04/04/26 01:32 ID:iBZHmyq1
レラ「んふふ〜、リムたん萌え萌え」
ヲタ男「同じく、ハァハァ」







レラ「…シルクゥ?」

東京の夜にヲタ男の悲鳴がこだましたとさ。
765名無しさん@ピンキー:04/04/26 01:42 ID:rnmhzGLw
シクルゥ、ね。
766名無しさん@ピンキー:04/04/26 01:44 ID:xMQYJloY
リムたんを連れてったら許さねぇ
767名無しさん@ピンキー:04/04/26 02:00 ID:Tp4ea+Fq
乙〜
新章突入で急展開しそうですね。


そういえば二章のサブタイはけっきょく未定?
768名無しさん@ピンキー:04/04/26 19:14 ID:xoxLjsrS
>766
あなたの様な弱い男に、リムルルは任せられないわ。
769766:04/04/26 23:18 ID:xMQYJloY
なんだとコラァーー( ゜Д゜)ーー!!
おりゃぁぁぁぁあ!!

(ザクッ)

グボァァァァアア!!(;゜Д゜)・.゚・。
770名無しさん@ピンキー:04/04/27 00:14 ID:nFjSIA8f
流れにワロタ
771名無しさん@ピンキー:04/04/27 00:29 ID:qI5x1q0Y
暴雨狂風斬!
772名無しさん@ピンキー:04/04/28 00:16 ID:eWcLU59W
にいさまは強くなるんかな?
773名無しさん@ピンキー:04/04/28 00:28 ID:rw+Qx3DQ
にいさま覚醒で絶命奥義を!
774名無しさん@ピンキー:04/04/28 05:24 ID:Rx6fDkvQ
それはそれとしてage14の夏の暑い日
77564:04/04/29 00:39 ID:KQT66Rxw
>767氏
2章サブタイは>714氏の「立ちはだかるものたち」が一番良い感じかと。
結局自分で考えてもいいのが浮かばないので、それに決めたいと思います。
サンクス>714氏。良いサブタイをありがとう。

さて、連休が始まりますね。ゼロスペやりに行かなくては。
776名無しさん@ピンキー:04/04/29 01:48 ID:3L/Q8Le1
はだか、はだか
777名無しさん@ピンキー:04/05/01 00:07 ID:D3so8WFh
ゼロスペこっちじゃ見ないよぅ(´・ω・`)
778名無しさん@ピンキー:04/05/01 19:54 ID:q8DJ0unb
っていうか リムたんは12歳・・・(;´Д`)
779名無しさん@ピンキー:04/05/01 22:26 ID:Yhye8QmX
っていうか 閑丸はそれより更に年下なんだよね・・・(;´Д`)
78064:04/05/04 01:04 ID:tI5/fJVQ
「にいさま、朝だよ!起きておきて!!」
「むぐ〜・・・」
心地良い朝の静寂を打ち破る、元気のいい声が頭上からこだまする。
「まぶしい?かーてん開けちゃったんだもん」
「ふぬ〜・・・」
朝は弱い。特に最近は、リムルルが怪我で普段よりもずっと良く寝ていた
ものだから、俺もつられて昼頃まで布団の中にいたのだ。
「あれー?にいさま、抵抗するのぉ?」
「くひ〜・・・」
俺を呼ぶ声が、少しストレスを帯びてきたように感じる・・・
「にーいーさーまーってばッ!それっ!」
「ぐえぇー?!」
仰向けに眠っていた俺の腹の上に、隕石が降り注いだ。食事中だったら
全てを口からぶちまけそうなその勢いに、目玉が飛び出そうになる。
「ほらほらっ、おっきろー!」
「重っ・・・ギブギブ・・・って、リムルル!」
「あははっ!やーっと起きた!」
まどろみから一気に現実へと引き戻された俺の視界に飛び込んできたのは、
俺の横で寝息を立てているはずのリムルルだった。満面の笑みを、窓から
降り注ぐ朝の日差しの中で輝かせながら、俺の顔を上から覗いている。
昨日の夜まで左足を引きずる形でしか動くことはできなかったというのに、
一体何故、飛んだり跳ねたりが急に出来るようになっているのだろう?
「おぉ・・・なんだ?何でそんな動けるんだ?」
「ふふふ・・・じゃじゃーん!ほらほらっ!」
俺の質問に、リムルルは待ってましたとばかりにパジャマの裾をたくし上げた。
なぜかズボンを穿いていないリムルルの、健康的な太股が露になる。
「んんん・・・ズボンは?」
「さっき脱いだの!それよりにいさま、よーく見て!よーっく!」
「あん・・・?青と白のしましまおぱんつだな・・・かぁいいな・・・」
「違うってばぁ!そこじゃなくて、脚、あーし!」
78164:04/05/04 01:05 ID:tI5/fJVQ
「えー・・・あ、あぁっ!怪我が?!」
「うん!すーっかり治っちゃいました!」
ズボンを穿いていない事にばかり気が向いてしまっていた俺は、リムルルの
指摘に驚愕した。何と、リムルルをあれ程苦しめていた左腿の刀傷が、
すっかり塞がっていたのだ。
「こんなバカな事が・・・あんの?」
「すごいでしょ、あの薬草!」
「いや・・・すごいも何も・・・どうなってんだ」
「ねっ、触ってみてよ」
目を白黒させている俺をよそに、リムルルはちょうど俺の体を跳び箱の
ようにまたいだままの状態で、ずりずりと腹の辺りから胸元の方へと
にじり寄ってきた。触れと言っているのはもちろん、俺の右肩のあたりに
ある左太股の傷跡のことを言っているのだろうが、目前に迫る縞々の
ショーツにばかり目が行ってしまう。全体的に少し華奢な印象を受ける
リムルルだが、女の子であることに変わりは無い。ふっくらとした恥丘の
滑らかな盛り上がりが何とも愛らしく、この薄い布の向こうには・・・
「ねえ、まだ?にいさまってばぁ」
やらしい妄想に浸りそうになった俺に、リムルルが業を煮やして言った。
声につられて顔を上げれば、しかめっつらでこっちを睨んでいる。
「はいはい。おぉ・・・マジだ」
言われたとおりに人差し指で傷痕をなぞったが、やはり完全に塞がっている。
かさぶたさえも残っておらず、すうっと横に伸びた肌色の筋が残るのみだ。
「痕は残っているといっても・・・完璧に治ってるわ・・・こりゃ」
「ふふふーっ!」
リムルルはさも満足そうに笑うと、俺の上からごろんと横に転がり落ち、
そのままの反動で一回転するとぱっと立ち上がった。機敏で元気のいい
動作も、怪我をする前と同じレベルにまで戻っている。その元気に乗せ、
リムルルは掛け布団をばっと剥ぎ取り、布団の上で寝転ぶ俺の腕を引っ張る。
「にいさま、ほらっ起きて!いつまでも寝てちゃダメ!」
「起きる!起きるから・・・よいしょっと」
ふらっと起き上がり、ぐっと伸びをすると、リムルルも両腕を万歳して
俺の横でぎゅーっと背伸びをした。
78264:04/05/04 01:06 ID:tI5/fJVQ
「さて・・・メシだな。その前にヒゲを剃ってだ」
「にいさま、わたしお風呂入りたい!」
あくびまじりで風呂場に向かおうとする俺のすぐ後ろで、リムルルの
口からおかしな提案が飛び出る。まさしく寝耳に水だ。
「風呂ォ?こんな朝から?」
「だーって!怪我してから一回も入ってないんだよ?汗臭いもん」
そう言うとリムルルは、ぶかぶかの襟元から脇にかけてくんくんと嗅いだ。
猫が顔を洗うような愛らしいその仕草に魅了された俺は、リムルルを後ろ
から抱きしめ、だらしなくしなびたパジャマの襟元に鼻を近づけた。
「んーどれどれ・・・くんくん」
「わ・・・ぁ」
急に俺の顔が近づいたからか、それとも唐突な俺の行動に驚いたのか、
リムルルは最初きょとんとしていたが、俺がわざと鼻息を荒くして
首筋の香りを堪能すると、リムルルはかあっと顔を赤く染め上げた。
「や・・・だぁ!臭いってばぁ」
「すんすん・・・全然臭くなんかないよ。リムルルのにおいだ」
俺を振りほどこうとしたリムルルが、やだやだと身をよじる。
「わたしの・・・におい・・・?」
「そう。甘くて・・・あったかいにおいだよ」
「あま・・・ちょ、もうダメ!やだったらぁ!!」
だが、具体的な感想を述べたところでリムルルは俺を突き飛ばすと、
洗面所に逃げ込み扉を閉じた。どうせこれから向かう先だというのに、
まるで追いかけてくださいと言っている様なものである。ちょっと
やりすぎたかなと思った俺は、謝りながら洗面所の戸を開いた。
「ごめんごめん!もうしないから」
「許さないもん!わたし、動けるようになってたからいいけど、
そうじゃなかったらにいさま、ずーっと嗅いでたでしょ!」
扉の向こうから、リムルルの少しとげとげしい曇った声がする。
78364:04/05/04 01:07 ID:tI5/fJVQ
「えー?!そんなことしないって!なぁ、ごめんってばよ」
「ホントに反省してる?」
「してる!してます!!」
「それじゃあ、お風呂・・・入っていい?」
「はい、お姫様」
「ふふふっ、よろしいっ!」
お姫様が嬉しかったのか、リムルルはぱーんと扉を開くと、ぴょんと
俺に抱きついてきた。
「わーい、にいさまのだっこ、久しぶり!」
「何だ?甘えん坊だなぁ」
「こらっ!姫に向かって甘えん坊とは何事じゃ」
どうやら、リムルルのお姫様ごっこはまだ続いていたらしい。抱きとめて
いた俺の腕からするっと抜けると、俺の鼻頭をびっと指差し、腰に手を
当て、どこで覚えたのだろうか、あからさまに偉そうな態度を取った。
「にいさまは今日一日、わたしの『じい』だからね!」
「じい・・・って」
「ほら、じい!風呂と朝げの用意を・・・」
「元気になったからって、調子に乗ると・・・分かってますね?お姫様ァ」
俺はリムルルの脇の目前に手を伸ばし、わきわきと指を動かした。
「わあっ!くすぐりはダメえっ!!許して!ね?」
リムルルは本当にくすぐりに弱いらしい。脇をぎゅっと締めるとその場に
しゃがみ込んで、苦笑いを浮かべている。
「ん、よろしい。ほら、立って。リムルルはお風呂掃除。俺は朝ごはんの
準備。それでいいな?」
「うん!分担だね!」
リムルルの手を取って立たせると、元気の良い返事が返ってきた。
やはりこうでなくては。
78464:04/05/04 01:09 ID:tI5/fJVQ
リムルルは、台所へと行ってしまった兄に続いてそのまま顔を洗うと、
風呂の栓を抜いた。家事の中でも比較的簡単な部類に入る風呂掃除は、
ここでの生活を始めてからのリムルルの仕事になっていた。
「おっふろ〜、おっふっろ〜」
鼻歌まじりで、ごんごんとお湯が流れ水位が減っていくのを見守る。
こうやって捨てた水は、川へと再び流れてゆくのだという。少し贅沢を
しているような気もするが、とにかく今はお風呂に入るのが先だ。
「なかなか抜けません〜・・・あれ?」
栓を抜いて風呂の残り湯が抜けるのを待っていたリムルルがふと視線を
廊下に移すと、洗い物のカゴの外に兄のランニングシャツが落ちている。
「んもう・・・脱ぎっぱなしだよ。だらしないんだからぁ!」
昨日からそのまま放置され、くしゃりと壁際に追いやられていた
ランニングを、リムルルはぶつくさ言いながらしゃがんで拾い上げた。
「洗うんなら、ちゃんとカゴにいれなきゃ!んもう」
リムルルはまたも独り言をつぶやくと、ぽいっとカゴの中にランニングを
入れようとした。が、その手がぴたりと止まる。
―リムルルのにおいだ―
ついさっきの兄の言葉が、ふいに頭をよぎったのだ。
『わたしのにおい、にいさま・・・嗅いでた』
―甘くて・・・あったかいにおいだよ―
『それでっ、にいさまがわたしのにおい・・・良いにおいだって・・・』
自分のにおい、しかも清潔とは言えない自分の身体の体臭を嗅がれたと
いうのに、決して嫌な気持ちはしなかった。兄の腕を振りほどいたのも、
良い匂いなどと言われて単に恥ずかしかったからに過ぎない。
『これ、にいさまが昨日ずっと着てた下着・・・』
放置されしなびた布地を、リムルルは目の高さまで両手で掲げた。
少しずつ高鳴り始める鼓動が、耳を熱く染めていくのが自分でも分かる。
「にいさまだけ、嗅ぐなんてずるいよ・・・ね?」
他の人の身体のにおいがどうこうなどと、考えたことは無かった。
あまつさえ、それを嗅いでみようなどということも。だが、今は違う。
気づいた頃には、リムルルは目を閉じ、そっと布地に顔を埋めていた。
78564:04/05/04 01:10 ID:tI5/fJVQ
いつもの洗剤の香りの向こうに、かすかに残った汗のにおいが鼻を通して
感じられる。
『これ、にいさまのにおい・・・だ。うん・・・あぁ・・・』
一晩置かれたシャツにどれ程のにおいが残っているのかといえば、たかが
知れている。だが、今のリムルルにはそんなことどうでも良かった。ただ、
大好きな兄の肌着を握りしめ、顔を埋め、そしてその残り香を楽しむという
背徳的とも取れる行為そのものが、リムルルを駆り立てていた。
『こんなことしちゃいけないのに・・・わたしだって、あんなに恥ずかしかった
のに・・・。けど、止まらないの・・・!にいさま、ねえさま、ごめんなさい・・・』
自分がされて嫌な事は、絶対に他の人にしてはいけません・・・そんな教えを、
幾度となくリムルルは祖父母や姉から聞かされていた。現にリムルルも
それは重々承知していたし、尊敬する姉のように、そして正しい人間に
なるためには当然のことと分かっていた。しかしその厳しい教えを、
いたずら半分とは言え破ってしまう後ろめたさが、他愛ない体験をより
刺激的なものへと変えているのである。
『にいさまのにおい・・・ふぁ・・・頭の中から・・・撫でられてるみたい』
くん、くんとまるで動物にでもなったかのように、リムルルは小さな鼻を
布に擦り付けては、ほんの僅かに感じられる残り香にうっとりとした。
まるで、小さくなった兄の身体に余すことなく頬擦りしているような、
自分のものにしてしまったような感覚。いつも抱きしめてくれるのに、
それとはまた違う不思議な幸福感がリムルルを包んだ。
『にいさまも・・・わたしのにおいで、こんな気持ちになったのかなぁ・・・』
大きな身体に抱かれ、鼻でうなじをなぞられたあのむずがゆい感触が、
首筋にくっきりと蘇る。兄の息遣い・・・少し荒くなった鼻息が、すぐ
耳の後ろで感じられたあの一瞬。その時の兄の考えを思い浮かべると、
今の自分と同じように、この不思議な幸せを感じていたのかと思うと・・・
『あんなに嫌がったりして、ふふ・・・ちょっとかわいそうだったかなぁ?』
リムルルの心の中におかしな同情心が芽生えたのもつかの間、奇妙な遊びに
没頭できるのもそこまでだった。風呂の残り湯があらかた抜けたらしく、
排水溝が水をすする、ずずずっという音がふいに耳に届いたのだ。
78664:04/05/04 01:11 ID:tI5/fJVQ
『あ・・・お風呂掃除、しなきゃ』
ぼんやりと自分に課せられた役割を思い出し、リムルルは目を開いた。
「ふぅ・・・」
小さくため息をつき、リムルルは立ち上がると、両手で握りしめて
いるランニングシャツに目をやり、ふと思った。
『わたし、にいさまの下着を嗅いじゃったんだ・・・くんくんって・・・』
改めて考えると、とてつもなくおかしな行為だ。
『あれ、何で・・・どうしてわたし、こんなこと・・・?』
思い出せない。冷静さを取り戻せば取り戻すほどに頭が混乱する。
だらりと下がった手から、するりと肌着が落ちた。
『やだ!わたし・・・何してんのよぉ?!』
好奇心からと言えども、あれほど大事にしてきた教えを破り、薄汚れた
布に顔を埋め鼻息を荒くするなどという、自分の犯した行動のあまりの
愚かしさに、リムルルは愕然とした。
『おかしいよ、絶対・・・最近のわたし、おかしいよ・・・』
熱と興奮に侵され、気づけば人の道に外れた行動を取っている自分。
そこには、幼い身とはいえ姉の跡を継いだ誇り高きアイヌの戦士として、
巫女として、そして憧れの姉を目指して生きてきた自分はいなかった。
『わたしが・・・わたしじゃ、無くなって・・・る』
崇高な目標を目指す自分に成り代わろうとする、もう一人の自分の存在に
リムルルは恐怖にも似た感情を覚えた。だが、認めざるを得ない。
自分を狂わせた「それ」は、紛れも無い自分自身の弱さなのだから。
「ばか・・・わたしのばか・・・ばか!」
リムルルはごつん、と自分で自分の頭にげん骨を降らせると、逃げるように
持ち場へと戻った。廊下には、結局カゴに入れられることの無かった
ランニングシャツだけが残されていた。
78764:04/05/04 01:12 ID:tI5/fJVQ
「リームルールさん・・・あれっ、俺脱ぎっぱだったっけか?」
食事の用意が終わった俺は、リムルルを呼ぼうと廊下に出た。しかし
そこにリムルルの姿は無く、俺の汚れ物が1枚、床に落ちているだけだった。
まだ風呂掃除をしているのだろうか?少し時間がかかり過ぎている。
いぶかしく感じた俺は洗面所のドアを開いた。すると、擦りガラスの
向こうの風呂場から、ザーッとシャワーの水音が聞こえてきた。そして、
洗い場のシルエット・・・リムルルがしゃがんでいるのが見える。洗面器でも
洗っているのだろうか?
「リムル・・・げ」
カララッとガラス戸を開くと、そこには俺の予想していたのとは全く違う
光景が広がっていた。服も脱がないまま全身ぐしょ濡れになったリムルルが、
目を閉じて洗い場に座り込んでいた。そして小さな頭の上に、何とシャワー
から冷水がざぶざぶ降り注いでいるではないか。
「ばっ・・・かやろう!何してる?!」
真冬の水道水がどれだけ冷たいことか。とにかく俺は、あわててシャワーの
栓を閉めた。冷え切ってしまったのだろう、薄いパジャマがぐっしょりと
張り付いたリムルルの細い身体は小刻みに震え、唇は青くなってしまって
いる。そして真っ白になった顔は、あの表情豊かなリムルルの顔とは
思えないほどの、凍りついた無表情が張り付いていた。一体どれだけの間、
こんな訳の分からないことをしていたのだろうか?
「リムルル、お前・・・!」
「・・・」
「何がどうした?うん?」
「あたま・・・冷やしてた」
「はぁ?」
「わた・・・し・・・どんどん・・・ダメに・・・」
小さな唇から、震えながらたどたどしく漏れる力の無い言葉。ぬれそぼった
髪からは、しとしとと水が滴り落ち白い顔を伝う。そしてまた、閉じられた
ままの目蓋の間からも、熱いものがこぼれ落ちていた。
78864:04/05/04 01:13 ID:tI5/fJVQ
「頭冷やすぅ?何かあったのか?」
「うっ・・・ひく・・・うぅ・・・」
きれいに磨かれた風呂場にお湯を張りながら、俺はリムルルに問いかけた。
途端に無表情だったリムルルの顔がくしゃっと崩れ、ぼろぼろと涙がこぼれた。
「わたし・・・っ・・・ねえさまに・・・ひくっ、こ・・・こんなんじゃ・・・会えない!」
「どうしてさ?」
「ダメなのぉ・・・わたし、ダメなのぉ・・・うぅ・・・うわーん!」
感極まったのか、リムルルは両手で顔を覆うとその場に泣き崩れた。
これはもう食事どころではないらしい。

・・・・・・

リムルルと共に湯船に浸かり、少し時間が過ぎた。リムルルの身体はだいぶ
温まったらしく、頬にも可愛らしいピンクが戻っている。だがその表情は
依然としてさえない。待望のお風呂に浸かることが出来たというのに、
仏頂面のまま、時折鼻をすすっている。蛇口から落ちる水滴の刻むリズムが、
狭い風呂場を支配する沈黙をさらに強く意識させるようで、居たたまれなく
なった俺は、なかなか口を開かないリムルルの代わりに切り出した。
「で?何がダメだって?」
「・・・」
「黙ってたら、わかんないぞ?」
「・・・・・・ねえさまは、立派だった」
長い沈黙の後、リムルルは目線を落としたまま、ぽつりと言った。
「わたしもいつかは、ねえさまの様になりたかった。強くて、優しくて・・・
憧れだったの」
「うん」
「だから・・・教えられたことは守ったし、修行も頑張ったのに・・・なのに・・・
どんどんダメになってる・・・うっ・・・うぅ・・・気づいたら、ねえさまからっ、
どんどん、どんどん離れて・・・た」
目に涙を一杯に溜め、たどたどしく話すリムルルの表情は、失意に満ちていた。
ついさっきまであれ程明るく元気になってぴょんぴょん飛び回っていたと
いうのに、一瞬でこの変わり様だ。余程の事があったに違いない。
78964:04/05/04 01:14 ID:tI5/fJVQ
「うん、それで・・・どうして頭を冷やす必要があったんだ?」
「約束を・・・破っちゃったの」
「大事なのか?」
うん、とリムルルはかぶりを振った。こぼれ落ちた涙が水面に輪を描く。
「話してごらん?聞いてあげるよ」
「ふぇ?」
「あ、いや。その、秘密にしたかったらいいんだ」
「・・・ごめんなさい」
「いや、いいんだって」
「違う・・・にいさま、ごめんなさい・・・」
「え、俺?」
意外な言葉に俺は驚いたが、俺へと向けられたリムルルのいつになく
真剣味に溢れた真っ赤な眼を見ると、そんな気持ちも消えてゆく。
「わたし・・・さっき・・・・・嗅いだの」
「嗅いだ?」
「うん・・・にいさまの・・・下着」
「はぁ?!」
「あのねっ、だって・・・にいさまがわたしのにおい嗅いだから、それで、
その・・・わたしも、嗅いでみたくなったのぉ・・・ごめんなさい」
「は、はぁ・・・どういたしまして」
『廊下に落ちてた下着のことだよな?それを嗅いだって?俺がリムルルの
においを嗅いだから?だからなんだっつーの?!』
意味不明のリムルルの告白に気が動転した俺は、同様に意味不明の返事を
してしまった。だが、そんな些細ないたずらがどうしてここまでリムルルを
追い詰めているのか、俺にはどうしても解せなかった。当の本人は、未だに
俺の正面でばつが悪そうな上目遣いでこっちを見ている。
「そ・・・それで?」
「にいさま、わたしの事・・・許してくれる?」
「あ、あぁ別に?何もそんな悪い事したわけじゃないんだから。それで?」
「・・・それで・・・って?」
「だからさ、俺の下着を嗅いだぐらいで・・・何でリムルルはダメなの?」
79064:04/05/04 01:15 ID:tI5/fJVQ
許しを得たことでリムルルの表情に少し光が戻ったが、俺のさらなる
質問に、再び寂しそうな顔になってしまった。
「わたし、あの時・・・本当に恥ずかしくって逃げたの。なのに、わたし・・・
にいさまだって、きっとわたしにくんくんってされたらイヤなのに・・・
自分がイヤだ!って思ったこと、他の人にしちゃダメなのにぃ・・・!」
「それが、大事な約束?」
「うん・・・ぐすっ・・・今まで、絶対に破ったこと無かったのに・・・わたしが
わたしじゃ・・・無くなってくみたいで・・・うぅ・・・このままじゃダメだって、
わかってるのに、わかってる・・・のに・・・ひぅっ、ぐす・・・っ・・・うぅ」
「リムルル・・・」
今まで、リムルルがどんな風に育ててこられたのかは知らない。だが、
こんな小さな出来事ひとつでここまでショックを受ける程、自分を律する
事を義務づけられていたのかと思うと不憫でならない。
「わかった、わかったから。ほら一度上がって。髪洗おう」
俺が浴槽から立ち上がると、リムルルも無言で続いた。濡れた髪。普段は
上手くまとめているから気づかなかったが、だいぶ伸びた気がする。水を
吸ってストレートになった髪が、リムルルの悲しみにくれる目を少しだけ
覆い隠していた。
「まあ、とにかく。リムルルがそういう教えを大事にしなきゃいけないのは
分かった」
俺はリムルルの髪を、後ろからわしわしと洗いながら話しかけた。
「だけどな?ちょっと気にしすぎだと思うぞ?誰だって失敗はあるから」
「そうかな・・・?」
「うん。これからは気をつければいいんだよ。それにリムルル、ここ最近
動き回れなかったから、きっと欲求不満だったんだろ?そういう時は、
自分でもワケわかんねぇ事しちゃうもんだって。ホント」
「だけど・・・」
「いつまでもうじうじしないの。失敗は失敗。それでいいじゃん、な?
この失敗のお陰で、リムルルは自分の目標をもっかい確認できたんだから」
「ありがとう・・・にいさま・・・やさしいね」
「どれ、流すぞ」
「うん」
79164:04/05/04 01:15 ID:tI5/fJVQ
リムルルの声に少し張りが戻った。それに合わせるように俺は泡を洗い
流し、手ぐしでコンディショナーを柔らかな髪になじませてゆく。
「どれ、脚も治ったことだ!メシ食ったら早速でかけよう!どこ行こうか」
「・・・」
「天気もいいし、年の瀬も迫ってきたし、街に出たら楽しいぞ?」
「・・・」
「それに・・・」
「にいさまっ」
コンディショナーを洗い流したところで、色々と遊びをもちかける俺の
方へとリムルルはくるりと向き直った。
「ありがとう・・・!うっ・・・うう・・・」
リムルルは、笑っていた。ありったけの涙をこぼしながら。しかし、
あっという間に抱きつかれてしまった以上、その顔を見ることが出来た
のも一瞬だった。ぎゅううっと、いつもより力強く回された腕に、
リムルルの悩みの深さと、それから解放された喜びの深さが感じ取れる。
「うっ・・・うぅ・・・」
「よし、よし・・・うん。いい子だよ。リムルルは」
「だっ、ダメじゃない?」
「バカ言うな」
こんなに綺麗で素直な女の子が、ダメなはずがない。俺もリムルルの
滑らかな背中に手を回し、いつものように抱きしめると、ゆっくりと
身体を離した。リムルルも俺の背中から手を離し、腕でごしごしと涙を
拭い、少し泣き疲れたような顔でにこっともう一度笑って見せる。
「わたし、頑張るから・・・これからも頑張って、ねえさまみたいに・・・」
「あぁ。だけどな、リムルルはリムルルだぞ?」
「わたしは・・・わたし?」
「そう。今のままでも十分かわいいし・・・立派だよ」
「え、や・・・やだぁ、そんな」
「だから、ゆっくり・・・頑張ろうな」
「う、うん!わたしは、わたし・・・!」
リムルルは少し照れくさそうに笑うと、はつらつとした返事をし、
嬉しそうに、何度もその言葉を繰り返していた。
79264:04/05/04 01:16 ID:tI5/fJVQ
連休も残すところわずか。皆様いかがお過ごしですか。
投稿が遅れ気味で申し訳ないです。さて、当初はリムルルが下着の
においを・・・というのを描写したいだけだったんですが、いつの間にか
思春期お悩み相談室になってしまいました(w
793名無しさん@ピンキー:04/05/04 02:01 ID:W7YfwVxi
>64氏
⊂⌒~⊃。Д。)⊃
このスレには人殺しがいる。
俺に滂沱の鼻血を噴き出させて失血させようと目論む輩が。
いや既にその他の体液までもが流絵8れおいfr「wr@2−d@」dw@「
794204:04/05/04 02:57 ID:SpFf7pxX
え〜ハイ、お久しぶりでございます。諸々の事情
にて、暫く姿を消しておりました…と言っても、
単に暇無しなだけだったのですが。(貧乏暇無し
とはよく言った物ですね)まずは、前回の投稿後、
レスを下さった板住民の皆様、不躾ではありますが、
ここで一挙にお礼申し上げます。現在、自分に
ハードルを立てて頑張ってますので、今後ともどうぞ
ご声援の程を…。はて、文頭でも触れました通り、
只今私、結構に暇無しでございます(あ、間を
見つけてはSS書いてますので、そちらはご心配
無く(w)ので、次の書き込みは誠に遺憾ながら…
また暫く後になりそうです、済みません。
でまた久々に覗いて見ると…64様…相変わらず
…結構な…ブハッ…お手前で…私、悶え転んで
箪笥を思い切り蹴り飛ばしてしまいましたよ…(w)

795名無しさん@ピンキー:04/05/05 23:21 ID:/czFk6lD
保守党
796名無しさん@ピンキー:04/05/05 23:21 ID:/czFk6lD
保守党
797名無しさん@ピンキー:04/05/05 23:25 ID:Vf1N1yfZ
久しぶりにスレを見たら64氏の続きが・・・
脳みそピンク色になるほど萌えました。
いやぁ、GJです。


こういう空気で言うのもあれかもしれませんが、黒子さんのSSの続きもかなり気になる・・・
798名無しさん@ピンキー:04/05/05 23:26 ID:Vf1N1yfZ
久しぶりにスレを見たら64氏の続きが・・・
脳みそピンク色になるほど萌えました。
いやぁ、GJです。


こういう空気で言うのもあれかもしれませんが、黒子さんのSSの続きもかなり気になる・・・
799名無しさん@ピンキー:04/05/05 23:31 ID:/czFk6lD
保守党
800名無しさん@ピンキー:04/05/05 23:41 ID:860fdpqM
>>795-798

ダブルメガストライクヘッズ炸裂!!
801名無しさん@ピンキー:04/05/06 12:57 ID:+iJEAeEB
黒子さんどうしたんだろね
見てたら書いてyp!!
80264:04/05/07 01:43 ID:zoWuCnEd
黒子氏・・・いつか必ず帰ってきてくれるはずです。その日までスレを守るのが
私の役目ですね。思えば、今の自分のSSがあるのも黒子氏の作品が
あっての事。本当にリスペクトしてます。

>793氏
もしや抜きどころ皆無の私のSSが原因で、それほどのダメージを受けて
しまったのですか?とりあえずここにエビ○スと各種輸血パック、置いておきますねw

>204氏
お久しぶりです。第2幕、楽しみにしてますよ。蹴り飛ばした足、ご自愛ください。
というのも、タンスと喧嘩して小指を折った知人がいるもので・・・w

>797氏
ありがとうございます。励みになります。
803名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:46 ID:SEpvfKVK
保守。
楽しく読ませていただいてますよ〜
804名無しさん@ピンキー:04/05/11 19:21 ID:1V+cYYq4
保守。

巷の同人誌を探ってみるとリムものはまあまあ有るものの
リム×閑は限りなく零に近く……おまいらそんなに百合や
双なり、リョジョークが好きかと小一時間問い詰めたい今日この頃。
805名無しさん@ピンキー:04/05/11 22:05 ID:Uz+ZRhn2
思いっきり個人的な意見を述べれば
百合は大好き。レラリムカップルとかもう(;´Д`)ハァハァ
ふたなりと陵辱は反吐が出るほど嫌いだね。
閑リムもいいね。むしろ閑丸君単体でも(;´Д`)ハァハァ
806名無しさん@ピンキー:04/05/11 23:14 ID:p4jPYkH4
レラ受けの奴ないかな…
807名無しさん@ピンキー:04/05/13 00:12 ID:ITQ/owQz
…スマン、俺陵辱好きだ
808名無しさん@ピンキー:04/05/13 11:39 ID:BCvqcpnH
ふたなり好きですが何か?
809名無しさん@ピンキー:04/05/14 13:27 ID:GvKG5WUQ
土陣の9割以上で女扱いを受けてないシャル姐さんは幸運なのか不幸なのか…
810名無しさん@ピンキー:04/05/16 23:21 ID:wCF+q/wT
不幸な幸運てとこ?
81164:04/05/18 00:21 ID:3YPZg9in
深夜。一台のトラックが、闇に沈む林道を疾走している。人里離れた
小さな山すそに広がる森の奥は街灯さえ無く、行く先を照らすのは、
ヘッドライトと雲の隙間に霞む朧月だけである。虫さえ鳴かない
真冬のしんと静まり返った林道に、エンジン音と重そうな積荷の音だけが
空しく響く。冷たく重い空気をけたたましい音を立てて切り裂き走り行く
トラックだったが、突如として林道を外れ、舗装されていない獣道へと
向きを変えた。車が通れるほどとはいえ、木々を利用して巧妙に隠された
その道の先。そこには、ぽっかりと切り開かれた小さな更地があった。
「・・・よし」
運転手がエンジンを切り、助手席に乗っていた男と共に降車する。同じ
薄汚れた作業服を着た2人はその場で別れ、一人は荷台のほうへ、そして
もう一人は広場の隅、無造作に何かの上に被されたビニールシートを剥がし
にかかった。暗い色の天幕が張られた荷台からは、男の指図でまた数名の
人影が闇夜に躍り出る。どれも男のようで、懐中電灯を照らすことも無く、
あたりに向かってしきりに目を凝らしている。
「始めるぞ」
運転手の男の低い声に始まり、男たちは積荷を降ろし始めた。大人が数人
がかりで抱えるように地面の上に運び出し、転がすことでしか動かすことの
出来ない程の重量がある円柱状のそれは、ドラム缶であった。次々と
トラックの荷台から降ろされては、もう一人の男が待つ方へと素早く移動
されていく。統率の取れた動き。その証拠に、ビニールシートの下に
隠されていたのも、幾本にも及ぶ赤茶けた同様のドラム缶であった。
ぎっしりと並べられたそれに、今日の分が揃えるように配置される。
薬品の不法投棄。いたる所で問題となっているそれを彼らは金で請負い、
巧妙な手口で続け、生業としているのだった。
「・・・これで全部だな」
ものの数分で、どうやら作業は終わったらしい。10数本に及ぶドラム缶が
一様に並べられると、男たちは車の横に佇む運転手の周りに集まっていた。
「あいつが終わり次第・・・撤収だ。乗れ」
顎をくいっと向ける闇の向こうでは、助手席の男がビニールシートを
ドラム缶に被せている。少し時間がかかると見たのか、運転手は煙草に
火をつけた。気だるそうに上を向き、月に向かってふうっと紫煙を吐く。
81264:04/05/18 00:22 ID:3YPZg9in
「・・・・・・」
黙ったまま再び煙草を口に咥え、時計に目をやったその時だった。
「・・・!・・・ァ!?」
50メートル程離れたドラム缶置き場から、小さな叫び声が聞こえ、消えた。
よくよく見れば、1人のはずの人影が2人になっており、すぐに片方は
倒れ動かなくなってしまったではないか。
「誰だ?!おい、お前ら出て来い」
既に荷台に乗り込んでいた男たちを呼び集め、どたどたと広場の隅へと
向かうと、助手席の男が赤黒い水たまりの上でうつ伏せになっていた。
「おい、どうし・・・うっ、ひいィ!?」
駆け寄った男の一人が肩を揺すったところで、その場にへたり込む。
「だ、旦那ぁ・・・!首が・・・こいつしん、死ん・・・っでる!」
「何ィ?」
ついさっきまで仲間だった男は、首から上が無かった。旦那と呼ばれた
運転手が覗き込み、さあっと血の気が引いた顔で慌てて叫ぶ。
「おっ、おい!逃げるぞ」
「逃がさないわ」
ふいに背後から聞こえた冷たい女の声に、死体に釘付けになっていた
男たちの肩が跳ねた。恐る恐る振り返ると、そこにいたのは闇に溶ける
地味な服を着た小柄な女と、そのすぐ横でしゃんと座り込む、グレーの
毛足が長い大きな犬・・・いや、狼である。そう。彼女らは、紛れも無い
レラとシクルゥであった。
「これは返すわね」
そう言いながらレラの左手から放られた生首が、どさりと人垣の前に
落ちる。その途端、それを中心に男たちがわっと後ずさりした。
「ぎゃあぁぁ!」
「うう・・・おメェ、何モンだ?!」
怯えながら問いただす男の声に、レラは頬に飛び散った鮮血をマフラーで
拭いながら答えた。
「・・・これから死ぬ人間に答えても、何にもならないわね」
81364:04/05/18 00:23 ID:3YPZg9in
「はわ・・・わわ」
伏せていた目が一転して睨みつけられた瞬間、男は凍りついたように尻餅を
ついてしまった。そんな中、首謀らしき運転手の男が、腰を低くし顔を
ニヤつかせながらレラに持ちかける。
「な・・・見逃してくれねぇか?頼むぜ・・・金なら好きなだけ払うから」
「・・・金?」
少し見下すような声色ではあったが、レラの様子が変わったのを脈ありと
感じたか、男は地面に跪き、ひれ伏して続ける。
「そ、そうだ。金だよ!もうしないからよぉ・・・頼む!ほら、お前らも」
男の目配せに、後ろの男たちも次々に頭を地面に擦り付けた。
「ふぅ・・・なるほど」
その様子をしばらく眺めていたレラが、ため息混じりに口を開く。
「いつの時代も救い様の無い輩というのは・・・変わらないものね」
「へ・・・」
そのあきれ返ったレラの口調に、媚びへつらう様にへらへらと笑っていた
男の声が止まり、みるみる怒りの形相へと変化する。
「んだと・・・?」
「たまたま通りかかったら、そんな物をこんな場所に置き去りにする
なんて・・・。大自然を汚し、痛めつけるあなたの命には何の価値も無いわ。
さっさと死になさい」
「黙って聞いてりゃこのアマぁ・・・おい、たかだか女一人と犬一匹だ。
ぶっ潰せ。こっちは一人やられてんだぞ、正当防衛だ!」
窮地に追い込まれ善悪の判断さえも付かなくなった男たちは、一斉に
立ち上がりレラとシクルゥを取り囲むと、わぁっと突進した。
「シクルゥ」
慌てる様子さえ無く相棒の名を呟くと、さっと伏せたシクルゥの上に
レラはひらりと跨った。
81464:04/05/18 00:23 ID:3YPZg9in
「おらぁぁ!」
四方八方から突進してくる男の中心で、レラは右手に握られたチチウシを
握りなおし、姿勢を低くした。そして鋭く静かな怒りに燃える瞳が、
正面から襲い掛かる2人の男の間に生じた僅かな隙間を捉え、
「メルシキテ」
再び呟いたその声に呼応するかの如く、レラを乗せたシクルゥが一瞬で
その空間に滑り込む。
「あれ・・・?」
「きっ、消えた!」
目で捉えきれないほどのスピード、まして暗闇の中である。男たちは
完全にレラの姿を見失ってしまったが、間をすり抜けられた二人の男は、
自分達の身体の横で、後ろに向かってびゅうっと風が巻き起こるのを感じた。
「こっちか」
とっさに2人が振り向くと、少し離れたそこには確かにこちらを向くレラと
シクルゥの姿があった。だが、男2人の体がおかしい。勢い良く振り向いた
胸から上だけがレラの方を向き、そこから下は前を向いた立ちんぼの
姿勢のままだ。
「――ぶがぁ」
「ぁ・・・か・・・はっ」
声にならないうめきを上げ、ごぼっと口から大量の血液を吐くと、2人の
男の上半身は振り向いた勢いで回りながらべしゃりと地に落ち、それに
折り重なるようにして下半身が膝から崩れ落ちた。
「うっ・・・ああああああ―――?!」
「だっ、旦那ぁあぁぁ!俺ァ降りるぜ!!」
次は自分達の番だ。目の前で繰り広げられた一瞬の惨劇に、残された
男たちは叫びを上げ散り散りに逃げようとしたが、その時既に、レラは
シクルゥと共にその頭上高くに舞い上がっていた。
「イメルシキテ!」
虚空に響き渡る叫びと共に、闇をぼうっと染める一陣の光がレラを包む。
81564:04/05/18 00:24 ID:3YPZg9in
「はあぁーっ!」
ぐわっと見開かれた目が、捉えた男たちの姿を見失うはずが無い。輝く
残像を残して月夜から降り注ぐ必殺の突進撃が、数人の男たちをいとも
簡単に光の渦に巻き込み、一刀両断に切り裂いた。
「うぎ・・・ひぃぃぃ!」
「車だ!は、早く!!」
紙一重のところでレラの一撃を免れた2人の男が、ばたばたと転げる
ように光の渦に背を向け、トラックの方へと逃げ惑う。
「・・・見え見えよ」
だが、ざざざっとスライディングするように光の中から現れたレラには、
全てがお見通しであった。シクルゥはそのまま勢いを殺すことなく後足を
滑らせ、忌むべき受刑者の方へと瞬時に回頭し、姿勢を立て直す。
「いい子ね・・・カントシキテ!」
そしてレラの号令が発せられると、驚異的な跳躍力で再び夜空高くへと
勢いよく跳ね上がり、次の瞬間には男たちの背後に迫っていた。
「たあっ!」
空中で頃合いを見計らったレラが、シクルゥの背中からばっと飛び降り、
片方の男の肩の上に飛び掛かる。逃げることしか頭に無かった男は、
レラの勢いに負け、地面に突っ伏した。
「ぐおっ!」
「逃げる必要なんて無いわ・・・」
倒れこむ男の背中の上で馬乗りになったレラは、首の横の地面に
チチウシをどすっと両手で突き刺し、
「そうでしょ?」
冷たく光る刃を、勢い良く男の首へと傾けた。無慈悲にも降り注いだ
断頭台の如き刃によって主を失った身体が、びくんとレラの下で跳ね、
そのまま二度と動くことは無かった。
「・・・」
黙ったまま立ち上がるレラの傍らには、口元を朱に染めたシクルゥが既に
戻ってきており、向こうにはもう一人の男の屍が無造作に転がっていた。
自らの手で重ねた屍の山を背に、レラはふわりと癖毛を風になびかせた。
しかし、これで終わりではなかった。
81664:04/05/18 00:25 ID:3YPZg9in
「逃げたわね。残るは・・・」
言いかけてトラックの方を振り返ると、パアンという炸裂音と共にレラの
頬をびうっと何かがかすめた。既に赤黒く乾いた男たちの返り血の上に、
鮮やかな一筋の血化粧が再び施される。
「こっ、殺す・・・!このっ、この化け物!!」
それは、首謀者の男が狩猟用ライフルから放った銃弾だった。どうやら、
トラックの中に搭載されていたらしい。がたつく手が銃身を握りしめ、
ボルトを再び引き込もうとするが、極度の恐怖にさらされた四肢が
言うことを聞かない。レラはシクルゥを待たせ、一歩、また一歩と
無表情のまま男に近づいた。
「く・・・来るな!来るな・・・あ――!ひぁ――!!」
慌てふためくその姿をあざ笑うかのように迫り来る、死。トラックの前で、
男はライフルをガチャガチャと手の中で躍らせていたが、ついに諦めた
のか、ライフルをレラめがけて投げつけた。だがその抵抗も空しく、宙に
放り出されたライフルはレラの足元にガチャンと落ちただけだった。
「ひ・・・ぃ・・・許して!許してくれ・・・!」
完全に腰が抜けているのか、立ち上がることさえ出来ないままわめく男を
よそに、レラは自らの命を脅かした鉛玉を吐いた筒に手を伸ばし拾い
上げると、男の正面にまで歩を進めた。
「自然を汚すだけに飽き足らず、動物たちまで・・・!あなた、この銃で
意味の無い殺りくまで行っていたのね」
「ひィ・・・!」
右手に刀。左手に猟銃。血だらけになったレラの姿と、声色ひとつ
変わらないその態度が男をさらに縮み上がらせたが、レラの怒りに
燃える瞳に釘付けにされ、目をそむける事も、閉じることさえも出来ない。
「救いようが無いわ」
終わりだ。男は、レラの言葉と再び強く握りしめられたチチウシを見て
そう思ったが、その意に反してレラはチチウシを自らの服で拭い、くるりと
手の中で一回転させたかと思うと、腰の後ろに結わかれた鞘に戻してしまった。
81764:04/05/18 00:26 ID:3YPZg9in
「・・・ひ?」
「あなたを斬るのはやめにしたわ」
「は・・・?そ・・・それじゃ・・・!」
「えぇ、あまりに汚らわしいから」
闇夜に小気味良い機械音ともう一発の銃声が轟き、それを最後に森は元の
静寂を取り戻した。

・・・・・・

レラはシクルゥに跨って山道を下り、木々の間を抜け、清流へと辿り着いた。
丸く磨かれた大小の石が転がる川辺と、心地良いせせらぎを生む岩場。
幸い天気も崩れそうに無く、身体を休めるには良さそうである。
「ありがとう、シクルゥ」
シクルゥから降りたレラは、相棒のたてがみに指を通し愛しそうに撫でると、
チチウシと共に奪ったまま持って来てしまった猟銃を川岸の大岩に立てかけ、
血で汚れきった上着を脱ぎ始めた。いつの間にか月を遮っていた雲は風に流れ、
降り注ぐ月光が、服の色とは対照的なレラの透き通るような白い柔肌を照らす。
その光の下、水を飲むシクルゥの横でレラは顔を洗い、次いで服を水で洗い
始めた。落ち切ることの無い幾重にも重なった染みが、レラがくぐり抜けた
死合の数々を物語る。そして今日、数百年振りにその歴史が塗り返される
こととなった。だが、そんな事に感慨を受けるレラではない。
『全ては大自然のため。アイヌの戦士としての闘いの結果よ』
闘い。それは、彼女に課せられた宿命であり、誇りであった。闘いを
拒絶するナコルルに代わり、戦士として大自然に仇をなす悪を討つ。
だが今回は今までとは違う。動くことさえままならなないナコルルの
身を護るため、闘うのだ。
『大自然のため、そして・・・私たちのために』
81864:04/05/18 00:27 ID:3YPZg9in
レラは手を休める事無く、ただ自分を突き動かす必然だけを思い返して
いたが、再び顔を上げた頃には、シクルゥは既に身を丸め眠りについていた。
それを見て少し表情を緩めたレラは、洗い終えた服を絞り大岩に延べて
形を整えると、畳んでおいたアイヌの刺繍が施されたローブ状の外套を、
岩陰に隠れるようにして小石が敷き詰められた川原に敷き、その上で
下穿きと靴、そして帽子を脱ぎ去った。今、レラの全身を包み隠すものは
何も無い。若々しく花開いた美しいその女体に青白い光を受けながら、
レラは静かにせせらぐ川辺でその身を清めることにした。ちゃぷりと沈めた
足の指先を刺すような、冷たい小川の水。水面を撫でる、穏やかながら
決して優しいとは言えない冬の冷気を運ぶ風。常人なら寒中水泳だの、
修行だのと大騒ぎする光景だろうが、レラにとってはまるで違った。
『生きている・・・!!』
気が遠くなるほどの長い眠りの日々。それを、悲痛なまでの心からの願いを
聞き入れたチチウシを手中に収めるで打ち破ったレラは、生の喜びと感動、
安らぎを、変わり果てた世界にあっても昔と同じように流れ続ける、冬の
川での行水に見出していた。透明な流れを横切り、レラは膝下まで迫る程の
深さにまで静かに歩むと、水面に手を差し伸べ水をすくい取り、手の中で
揺れるそれを、ぱしゃっと肩口を越えさせるように放った。
「ふ・・・っ!・・・あぁ・・・」
首筋、背骨、鎖骨・・・上半身を上から下へと伝い降りる水が、ぞくぞくっと
レラの体を撫ぜる。全身が総毛立ち、美しく朱色に燃える唇から、小さな
うめきと共に白い息が漏れた。背中に感じられる小さな流れが、無駄無く
締まった尻へと到達する頃には、レラは再び両手で水をすくい、今度は
胸元へと勢い良く飛沫を飛ばしていた。
「あく・・・・・・ッ!」
水と肌がぶつかり合うぴしゃっという音を遮るかのように、ざわざわと
耳の奥にまで鳴り響く力強い血の巡り。冷水によって心臓をぐっと押し
潰されるような感触に、息が詰まる。レラはぎゅうっと目を閉じたまま
天を仰ぎ、唇を噛み締めながらその衝撃に耐えた。
「・・・・・・ふう・・・。はぁ、ああ・・・」
程なくして体の内側に走る緊張が解けると、レラは呼吸を整えながら
両手をそれぞれ逆の肩に回し、震えながら自分自身を抱きしめた。
81964:04/05/18 00:27 ID:3YPZg9in
『冷たい・・・心臓が凍りつくようだわ』
そのような事を思いながらも、レラの表情には悦のようなものが見え隠れ
していた。眉はひそめられ、その下では、いつもなら強い意志を表すかの
ように冷たく輝く切れ長の目が、涙で潤み始めている。切り傷の残った少し
やせ気味の頬にもうっすらと紅が差し、半分開かれた艶やかな唇からは、
絶えず喘ぎにも似た吐息が漏れ出していた。そして粟立つ上半身の頂、形の
良い乳房の先端を飾る、濡れそぼったピンクの乳首が、月の光を返しながら
むくむくと勃起していくのが見ずとも感じ取れてしまう。
「もう一度・・・んぁっ・・・くっ・・・う!」
きゅうっと自らを結んでいた両腕を解くと、レラはまたも打ち水を自らの
胸元に撒き散らした。上質の絹で織られたかのように滑らかな上半身を、
何の抵抗も無くさらさらと水が伝い降りるたび、レラの口からは緊張と
安堵の吐息が繰り返し、双乳の先を彩るしこりも次第に硬さを増していった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
自分自身の体を伝い、指先や後れ毛から川へと滴り落ちる水滴が奏でる
かすかな音さえも拾えてしまうほどに、レラの感覚は研ぎ澄まされていた。
聴覚だけではない。髪の毛一本揺らすのがやっとの弱々しい寒風さえ、
全身ではっきりと感じ取れてしまう。幾年の月日を経てもう一度自然に
抱かれることが出来た喜びと、死線を潜り抜けた興奮が、レラの神経を
強烈に昂ぶらせているのだった。それほどにまで敏感になった全身が、
まさか快感だけを受け付けないはずが無い。
「ふぁ・・・あぁ〜!ち・・・乳首・・・が!」
自分でも驚くほどに凝り固まった乳首の先を、枝一本さえなびくかも
分からないほどの微々たる風が通り過ぎるたび、レラは胸いっぱいに
ほとばしる心地良い感触に悶えた。
「んっあ!・・・くぅ・・・ぁ!」
時折川上から迫る寒々しい吹き下ろしが、尖り切った乳頭に容赦なく
鞭を振るう。自然が作り出す予測不能な攻めから逃れるすべも無く、
レラに許されているのは、川の只中でしなやかな肢体をくねらせること
だけだ。しかも乳首だけではない。脇の下からうなじ、股ぐら・・・全身の
いたるところを舐めるように通り過ぎる見えざる手が、レラの身体を
余すことなく犯し続ける。
82064:04/05/18 00:28 ID:3YPZg9in
「はわ・・・ぁ・・・あ・・・!んんっ!いいわ、いいの・・・ふうッ!」
優しく、また時に激しい天然の前戯に、レラは既に虜となっていた。
足元を流れ続ける清流が足の指一本一本をしゃぶり尽くし、ぷるりと
弾むお尻が、時折岩場で砕け舞い上がる水飛沫でしたたかに叩かれるたび、
男の手によってぴしゃりと平手打ちされているような情景を思い浮かべた。
「あっ、うあっ!あぁっ、あっ、あはぁ!!こんな・・・!」
予想だにしなかった、愛する大自然から送られる狂おしいほどの愛撫と
絶え間ない折檻の連続に、思考がみるみるうちに混濁してゆく。顔だけを
染めていた薄紅色はもはや全身へと行き渡り、川のせせらぎに辛うじて
打ち消されるほどに大きい喘ぎ声を上げながら、指一本触れないままに
焚きつけられたレラの肉欲の炎は激しく大きさを増してゆく。
「んっ、んはっ、はぁっ、はあぁっ・・・ふあぁぁ!!」
自然に身を任せ、与えられるがままに悶え狂うレラだったが、しばらく
して、どうしても満たされない心地に駆られ始めた。そんなレラの視線は、
煌々と月に照らされた自分の乳首へと、自然に向けられてしまう。
『こ・・・こんなに・・・硬く・・・大きくなって・・・!』
どんな小さな快感さえも逃すまいと、かちかちに隆起した姿に驚いたのも
つかの間、この後訪れるであろう絶頂の瞬間を頭の中で想像するだけで、
めまいさえ覚える。
『これに・・・これに触れたら・・・!』
ごくたまに吹き下ろす風があるとは言え、基本的に穏やかな空気の流れ
の中でさえ、ひりひりと気持ちの良い痺れをもたらすその突起を前に
レラは躊躇したが、こう考えている間にも熱心な不可視の愛撫は止まらない。
大自然に誘われるかのように、快感を求めるレラのほっそりとした指先が
未知への扉を叩くのに、そう時間はかからなかった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
ない交ぜになった期待と不安が、両手を震わせ、息をさらに荒げる。
真っ白く湿った吐息は、視界の妨げになるのではないかと思うほどだ。
82164:04/05/18 00:28 ID:3YPZg9in
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!!」
そして興奮に押されるように、両手の指が桜色に萌える乳首を優しく
潰した瞬間。
「はぁ・・・ふああぁぁぁ――――んッ!」
まるでそこには、あらゆる快感が詰められていたかのようだった。
指で触れると同時に、待ち焦がれていたかの如く乳頭から駆け巡る、
熱い熱い快感の波。レラは首を仰け反らせ、たまらず喘いだ。
「くあぁっ、だめ、らめぇ・・・!感じ・・・すぎてッ・・・うぅ・・・ふぅっ!」
復活して間もない体を獰猛なまでに襲い来る刺激に、ろれつさえ回らない
まま、レラは息を詰まらせながら、心地良い弾力を返す乳を下から揉み
しだき、親指でさらに先端を転がした。
「ふぁ・・・くぅ!むっ、胸が・・・おっぱいがぁ・・・きもち・・・い・・・」
混沌とした意識の中、幼児語さえ突いて出る蕩けきったその顔には、
既に戦士の面影は無かった。ぼうっと視点の定まらない潤んだ瞳からは
歓喜と快感の涙が流れ、鼻息も荒くなってしまっている。だがそんな
状態であろうと、更に強い快楽を求める本能だけは失われることは無い。
「んふー・・・ん・・・ちゅる・・・るる・・・んはっ・・・」
レラは胸を揉む両手を止めると、だらしなく開かれた口に指を咥え、
唾液をまんべんなくまぶした。ぬらりと光るその指を今度は乳首に添え、
くるくると回し、潰し、弄ぶ。
「ひぃ・・・!!あぁ・・・あっ、ぬるぬるがぁ・・・んあ!」
寒空に晒されていた乳首へと突如として加えられた生温かな感触に、レラは
息も絶え絶えになりながら声を荒げた。そして恍惚とした表情のまま、再び
口へと指を運んでは、愛しげに音を立てて1本1本をじっくりとしゃぶり、
しとどに濡れた自らの手指で、鼓動に合わせひくつく乳首を中心に、胸全体を
ぬめりに染めていった。もはや、レラの弾む乳房を月の光に輝かせている
のは川の水ではなく、触ればくちゃくちゃと音を立てる唾液だけであった。
その余すところ無く汚された自らの乳房を、絶頂寸前のレラは朦朧としながら
満足げに眺め、指を這わせゆっくりとした手つきで再び鷲づかみにした。
82264:04/05/18 00:29 ID:3YPZg9in
「ふぅあ・・・あ・・・あ〜っ」
ねっとりと唾液を塗りたくった乳房から迫る、肉感に溢れる快感の渦。
レラは柔らかな肉に埋めた指を蠢かせるたびに肩をぴくっぴくっと躍らせ、
軽く絞り上げるようにしながら、淫らに絡みつく感触を深く味わい、一歩
一歩、着実に絶頂への道を歩んでいく。
「んっ、んんんっ・・・・・・っあ!くる・・・のっ、来る・・・はーっ、はぁ〜!」
もう何を口走っているのかも分からないまま、レラはもう少し、もう少しと
念じながらどこまでも自分の身体を焦らし、ギリギリにまで乳首が張り詰めた
ところで、ついに指を伸ばした。
「ふぁ・・・あっ・・・あっ・・・!」
そして、つん、つんと爪先で僅かに触れるだけで弾けそうなほどの感度に
唇をわななかせながら、優しく捻り上げる。
「んぐっ・・・あぁぁ―――んっ!」
待ち焦がれた絶頂へとその身を一気に押し上げる心地良い痺れが広がり、
レラはひときわ大きく叫びながら、添えた指はそのままに、さらに唾液
まみれの突起をちゅぶちゅぶと乱暴とも思えるほどにこねくり回した。
それはまるで、自らの手でとどめを刺さんとばかりの激しさである。
「うあっ、ひんっ・・・あっあっ!あン!!」
『胸でっ、乳首だけでっ・・・私は!もうっ・・・もう!!』
胸への愛撫だけで。みるみるうちに真っ白になる視界の中、レラは明るく
なった夜空に浮かんだ月を視界に納めながら、今や全身の神経が集まった
そこをきゅっと勢い良く摘み上げ、びくびくと派手に全身を痙攣させると、
今だかつて体験したことの無いかたちで数百年ぶりの絶頂を極めた。
「いっ、あっ・・・・・・くッ・・・あっ・・・ふあぁぁぁ―――!」
愛しい程の快楽に全身をまみれさせながら、レラはその名が示すように、
羽が生えたかと思うほどふわりと軽くなった身体を仰け反らせ、もう一度
小さくひくり、ひくりと震えると、水の中へと倒れこみそうになる身体を
辛うじてこらえ、千鳥足のまま近くの大岩に倒れこむように手を突いた。
82364:04/05/18 00:31 ID:3YPZg9in
「ふぁーっ、はあーっ、あーっ」
男の胸に抱かれるようにレラは全身をひんやりとした岩肌に寄せ、深い
絶頂の余韻を楽しみながら火照りきった胸を冷ましていたが、川の中で
淫らに変貌した少女の姿を惜しむように、岩場で砕けては舞い上がる
飛沫が、ここはどうしたのだ、と股間を撫で回した。
「んは・・・ふぅ・・・。ふふっ、慌てないで・・・」
貪欲に快楽を追い求めることに何の抵抗も持たないレラが、その存在を
忘れるわけは無い。まだ息も整わないままだったが、レラは小さく笑い
ながらその誘いに導かれ右手を伸ばし、引き締まった腹筋に指を這わせ、
ふんわりとした茂みを通り抜けると、その下で熱く息づく秘唇に今宵
初めて触れた。
「んくっ・・・ん・・・!」
太股を伝い、川へと滴り落ちそうなほどの粘液を吐き出しぐしょぐしょに
なった秘部の感触。レラは予想以上の光景に、ちゅるりと舌なめずりをした。


長い夜は、まだ始まったばかりである。
82464:04/05/18 00:34 ID:3YPZg9in
こんばんわ。ばんわ。
久しぶりのうpは、チチウシを奪って逃げたレラ姉様のSSとなりました。
肝心のリムルルを差し置いてしまって申し訳ない。しかも続きがあるような
終わり方になってしまいましたが・・・どうしましょう、これ。
もしリクがあれば続きを書くかもしれません。むしろエロ不得手な私を
見るに見かねて、誰か書いてくださっても一向に構いませんが。

次の投稿まではまた間が開きそうですが、ちゃんと書いてますんでご安心を。
そういえば週末はオンリーイベントがあるようですね。
825名無しさん@ピンキー:04/05/18 01:06 ID:P1OSaxWA
イイヨイイヨー(・∀・)
826名無しさん@ピンキー:04/05/19 21:22 ID:at1peDtR
このスレはログ容量が490KBになっています。
500KBになると書き込み不可能になります。早めに次スレを立ててください。
827閑話1:04/05/20 16:36 ID:p5uI1VQA
秋を見守る赤い陽は既に西の空に消えていた。青白い月が妖艶に照らす
森の中にまだ小さな子供の影が二つ。
「もう疲れたでしょう?今日はこの辺で休んだほうがいいですよ」
月よりも青い傘を携えた少年が口を開く。
「大丈夫だよ!もう少し歩けば宿場町なんでしょ?私、歩けるよ!うっ!」
少女が顔を歪めた。この地方では見慣れない民族衣装から伸びた右足に
巻いた白い当て布から赤い血がじわりと滲む。
それでも少女は流れる汗を拭い気丈に笑って見せる。
あまり人と接したことのない少年にも目の前の少女が
無理をしているのが手に取るように分かった。
「その足でこれ以上夜の森を歩くのは無理です。休みましょう。」
「…わかった」
木陰に腰を降ろすと同時に少女は深い溜め息をついた。
「傷の手当てをしないと」
少年は皮袋から真新しい布と軟膏を取り出しておもむろに少女に近づく。
少し怯えた少女の表情に目を背けながら少年は彼女の足に巻かれた布を
丁寧にゆっくりと剥ぎ取った。少女の白い腿にひと筋の赤い傷。
「痛むと思いますけど…少し我慢してくださいね」
軟膏を塗った少年の指が少女の腿をなぞる度、少女の顔が苦痛に歪む。
「うぅ…い、いたいよ…。もっと…もっと優しくしてよぉ!」
「もう少しですから我慢してください!」
少女の身体から零れる色の無い涙と流れる真紅の血。
「痛い!痛いよ…うぅ、うわあぁぁ!!はぁ…はぁ…」
「終わりましたよ、もう大丈夫です。」
「あ、ありがとぉ…ふぅ…」
少年が軟膏と残りの布を皮袋に仕舞うのが見えた。少女は痛みからか安堵からか
いつしか夜の闇に堕ちていた。
828閑話2:04/05/20 16:38 ID:p5uI1VQA
暁方の陽光は生きるもの誰にも平等に降り注ぐ。深い森の中で傷を負った少女や
傷を負わせた盗賊から彼女を助けた少年にも例外なく。
少女が目を覚ましたとき緋色の髪の少年は傍らに座って眠っていた。通り雨でも
降ったのだろうか、少年の赤髪は、いや髪だけでなく腕、衣服も
周りの草木や地面の土と同様にぐっしょりと濡れていた。
少女は当惑して自分の髪の毛を掻きあげた。乾いている。濡れた形跡すらない。
すぐに気づいた。見上げた空よりも青い傘が自分の小さな身体を
冷たい雨から優しく守ってくれていた事に。
少女は雨の雫を称えて眠る少年にそっと寄り添って濡れた緋の髪を撫でた。
少年がゆっくりとその瞼を開く。
「目が…覚めたんですね…」
震える唇で少年が呟いた。少女は何も言わず濡れた少年の身体にしがみついた。
「ちょ、ちょっと…一体どうしたんですか?」
「ねえ、まだ名前聞いてなかったよね。私はリムルル、あなたは?」
「あ、僕は緋雨閑丸です」
「そう、本当にありがとう閑丸…」
少女は眼を閉じて少年の震える唇をそっと塞いだ。小さく、無垢で柔らかな自分の唇で。
朝の暖かな木漏れ日はそっと寄り添う二人を優しく包み込んでいた。
829名無しさん@ピンキー:04/05/20 16:42 ID:9DDlUSqE
なぁおまいら、物は相談なんだが、
次スレはサムスピ総合にしないか?
もちろんリムルルは萌える、萌えるが
チャムやミナにも萌える人は少なくないはずだ!
俺はシャルも好きだが。
というかサムスピキャラは皆好きだが。

…脱線した。他のキャラを使った萌え話を書きたい職人様もいるかもしれんし、
どうかな?
830名無しさん@ピンキー:04/05/20 16:47 ID:9DDlUSqE
書いてる間に新たな職人様が!
GJ、GJです。萌えますた…。
831名無しさん@ピンキー:04/05/20 19:03 ID:9CC2ON19
GJ!ほのぼのしますた 現在エロを全面に出したリム物を妄想してまつ 投下は次スレでしょうかね?
832閑話作者:04/05/20 20:08 ID:gZamAlA8
読んでいただいてありがとうございます。初めて
書いたのですが難しいですね。燃えも萌えもエロもないし…。
改めて黒子さんや64さんや204さんはすごいなあと思いました。
読み返すと恥ずかしい…また間が空いたときにでもうpさせてください。
>>829
サムスピ総合はアリですね。もっとも俺の閑×リムの単独首位は
揺るがないんですけどw
833名無しさん@ピンキー:04/05/20 20:51 ID:6+L3IoQw
まあ、このスレができた当初からサムスピ総合にしておけば良かったって言ってたからね。
834名無しさん@ピンキー:04/05/20 22:33 ID:BA9DxyBN
>>833
おれの!リム聖域が!夷荻によって!異物によって!
侵食侵略されてしまう!やんぬるかな嗚呼鳴!  自刃
835名無しさん@ピンキー:04/05/20 23:37 ID:A/iBZKdN
まさに閑話!GJですよー
>>829
総合かあ…うーむ。
確かにリムルル萌えだけでこのスレが今後長く続くかっつうと?だけど…
…それでも今までいい感じでやってこれたんだよなあ……
個人的な見解だけど「侍魂ってのはもっと殺伐としてるべきなんだよ」と。
836名無しさん@ピンキー:04/05/21 00:22 ID:RbfRvG24
とはいえ、
「1作品1スレ」
「キャラ単独スレは控え目に」
ってのはルールだしなあ。
83764:04/05/21 01:48 ID:q4Yr8EPX
>閑話作者氏
簡潔・・・かつ情緒に溢れたSS、堪能致しました。何というのでしょうね、
情景が目に浮かぶというのは、まさにこういうことを言うのでしょうか。
特に、時の流れの描写が上手でぐいぐいと読まされてしまいました。
凡庸で無駄に長いものを書きがちの私には、目が覚めましたレベルに
見習う点ばかりで・・・。これからも一手二手と、ご教授願いたいものです。

次スレに関しては、リムメインではあるものの、常に他キャラのSSも
歓迎、という現在のスタンスが非常に平和であるとも思われますが。
これはかなり手前味噌な例ですが、レラSSとリムSSへの反応の違いが、
ここの住人諸氏の趣味嗜好を面白いほど如実に表しているとも・・・(w
838名無しさん@ピンキー:04/05/21 01:57 ID:K8WtVSmp
レラSSの感想がイイヨイイヨー(・∀・)だけなのにワラタw
趣味がハッキリしてますね皆さんw
839名無しさん@ピンキー:04/05/21 01:58 ID:H7tS8zqa
ローカルルールを守らないスレ立ては削除依頼の対象になりかねませんよ。
840名無しさん@ピンキー:04/05/21 08:57 ID:wzLnlgGO
ルールを守らず落とされるのは本末転倒ですな。ここはおとなしく総合に移行ですかな?
841名無しさん@ピンキー:04/05/21 11:35 ID:q0/oNP2P
スレタイを【侍魂】リムルル萌えエロSS【総合】にすりゃいーんじゃない?
842名無しさん@ピンキー:04/05/21 16:05 ID:6KBcsJCQ
>>841 それじゃ意味ないだろ。 あくまで建て前だけでもはっきりと総合に見せかけておかないと、これから荒らされる可能性も零とは言えないし。 アケ板の惨状を見る限り、不安要素は少ない方がいい。
843名無しさん@ピンキー:04/05/21 17:19 ID:q0/oNP2P
んじゃ【ナコレラ】サムスピ総合エロ萌えSS【閑リム】で行きましょう。
俺は別にリムだけじゃなくてもいいし。あんまり雑談してるヒマもないんじゃない?
844名無しさん@ピンキー:04/05/21 19:00 ID:udA6U47q
立てました。
サムスピ総合エロ萌えSS
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1085133526/l50
845名無しさん@ピンキー:04/05/21 19:31 ID:Bpmj9oiO
おれの!リム聖域に!夷荻が来る!
おれにリム分以外を投与しようと!まっすぐに!悪!
846名無しさん@ピンキー:04/05/21 21:08 ID:KAIoblJf
>64氏
ムッハァーーーーー(*゚∀゚)
レラ姉さまの自慰をとくと見届けさせていただきますた!
読みながら勃起しちまいますた(;´Д`)ハァハァ

いつかレラリムの絡みを……(*´Д`)

>827
閑リムもキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
いいですねこの二人の関係も。
この二人には激しいエロスよりも、むず痒い恋愛が似合いそうなw
847名無しさん@ピンキー:04/05/21 21:11 ID:F5ECDG6S
>845
気持ちわからないではないがおちけつ。
合わんと思ったらスルーすればいいだけの話。悦しんでる人の気分は害すまいや
848名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:35 ID:hKQdcfcp
849名無しさん@ピンキー:04/05/23 10:28 ID:qXhVetQp
埋めがてら俺の萌えランキングでも
1.リムたん
2.レラたん
3.閑丸たん
4.ミナたん
5.外道たん
850名無しさん@ピンキー:04/05/23 13:58 ID:8Tf8X9AM
もう、最高。職人様モツカレ
851名無しさん@ピンキー:04/05/23 16:24 ID:88LkdITX
>>849
ナコがいないところからしていかにナコ人気が落ちたかわかるな。
852名無しさん@ピンキー:04/05/23 17:51 ID:ijZlOhkZ
さてさて、新スレの方で黒子さんが復活してくれることを期待。
853名無しさん@ピンキー:04/05/23 23:43 ID:PKEeaZr7
閑丸×リム>>>>>>>>ガル×ナコ
多くの職人さんには失礼ながらこれ以外のカポーは身体が受け付けない古い人間で・・・
そのせいでなにかと苦労してますw
854名無しさん@ピンキー:04/05/24 01:22 ID:wfhvM/u7
>>851
いや、なんつーかナコはキレイすぎっつーか
人間的に完璧すぎて全く萌えないんですよ。
855名無しさん@ピンキー:04/05/24 07:01 ID:LmoMPt2M
サムスピでナコガル、リム閑以外の半ば公式のカップルっていたっけ?
856名無しさん@ピンキー:04/05/24 07:13 ID:KtWCvogO
閑リムは公式でもなんでもないけどな。
覇王丸と色、くらいじゃない?
そもそもサムスピはキャラ同士のつながりが
非常に薄い。固有メッセージくらい入れて欲しいもんだが。
857名無しさん@ピンキー:04/05/24 08:13 ID:jOFLTAnq
一応出会った相手は全員殺していってるというのが前提だからなあw>キャラつながり薄
858名無しさん@ピンキー:04/05/24 11:06 ID:fkJD3Z33
ニコチン(字忘れた)と、覇王丸・幻十郎は師弟関係で
幻十郎→ヌッコロス!→覇王丸 じゃなかったっけ?
859名無しさん@ピンキー:04/05/24 12:08 ID:2RT3ZZ0/
カップリング以外ならまだまだあるよ。
和狆と骸羅(師弟)
慶寅と半蔵、十兵衛(主従)
タムとチャム(血縁?)
炎邪と水邪→火月と蒼月(標的)→葉月(妹)
右京→夢路(同門)→我旺(主)
腐れ外道→儚(娘)→閑丸(養子)→斬紅郎(父)

雲飛、狂死郎、シャル、ミナ、アースクエイク、王虎、バサラ、ズィーガー
あたりが孤立キャラかと。シャル萌えが少ないのは組ませるキャラが
いないからかと。ミナには一応ちゃんぷるがいるしね。
860名無しさん@ピンキー:04/05/24 12:41 ID:LmoMPt2M
狂死郎で思い出したけど、真のエンディングでラスボスの女を引き取ったような気がする。
861名無しさん@ピンキー:04/05/24 13:51 ID:1VQ+a4W5
十兵衛とハンマ(漢字忘れた)って関係あるんだっけ?
同じ柳生だけどさ。
862名無しさん@ピンキー:04/05/24 14:45 ID:TCLHU191
ありそうだけど毛色は違いすぎるなあ。
確か修羅か羅刹の片方はロボットじゃなかったっけ?
863名無しさん@ピンキー:04/05/24 17:27 ID:4kWnZ/sr
そう、ハンマが自分で作ったヤツ。
んで、中には例のお姫さまが乗ってるらしい。
864名無しさん@ピンキー
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          l||;;/ `l|;l l|li、''  ー   ,|l"..:;ヘlヽト;;|:;ll|:;;|    \_____
           !V   lヾ、.|;:->- ..,.,.∠|1.::/`i  |;;|:ll|;;リ
               ヽ、;ト--v-―v''7/:::/ニゝNヽ|;|ル;/
             / 〉--v-‐‐v7/:::/'´ ,`ヽ|ソレ/
             / , , ヽ,、_,,...,. -'7‐-/  /  V'〈
          /::| //' |::::/::::::/  / , /    ヽヽ
           l::::::::::|//  ,レ':::::://__ / // _,..-‐''^Vヽ
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